中国農業銀行股イ分有限公司 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
---|---|
提出日 | |
提出者 | 中国農業銀行股イ分有限公司 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年6月25日
【事業年度】 自 2020年1月1日 至 2020年12月31日
【会社名】 中国農業銀行股 份 有限公司
(Agricultural Bank of China Limited)
【代表者の役職氏名】 韓 国強
取締役会秘書役
(Han Guoqiang, Secretary to the Board of Directors)
【本店の所在の場所】 中華人民共和国 100005 北京市東城区建国門内大街69号
(No. 69, Jianguomen Nei Avenue
Dongcheng District, Beijing 100005, PRC)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 柴 田 弘 典
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一 丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 (03)6775-1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 山 橋 信 也
弁護士 崔 加 奈
弁護士 古波藏 惇
弁護士 川 智 美
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目 1 番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 (03)6775-1675
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注) 1. 本書において記載されている「香港ドル」は、中華人民共和国の香港特別行政区の法定通貨であ
る香港ドルを意味する。 本 書において別途記載のない限り、本書において記載されている香港ド
ルから日本円への換算は、1香港ドル=14.14円の換算率(2021年5月31日の株式会社三菱UFJ銀行
により発表された対顧客電信売買相場の仲値)により行われている。
2. 本書において記載されている 「人民元」 は、中華人民共和国の法定通貨である 人民元 を意味す
る。 本 書において別途記載のない限り、本書において記載されている人民元から日本円への換算
は、100円=5.7939人民元(1人民元=約17.26円に相当(国家外貨管理局が公表した2021年5月31日
の中心値))の換算率により行われている。
3. 当行の事業年度は暦年である。
4. 表中における値とそれぞれの合計は、端数処理の結果として一致しない場合がある。
5. 本書中の将来の見通しに関する記述は、本書の日付現在における評価に基づいている。
6. 本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は以下の意味を有する。
1/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
1. 「ABC」、「中国農業銀 中国農業銀行股 份 有限公司または中国農業銀行股 份 有限公司およびその
行」、「銀行」、「当行グ 子会社を意味する。
ループ」および「当行」
2. 「定款」 2018 年9月25日に 中国銀行保険監督管理委員会が発行した 中国農業銀行
股 份 有限公司 の登録資本の変更に係る承認(銀保監復[2018]199号)に
従って改訂された 中国農業銀行股 份 有限公司 の定款を意味する。
3. 「A株式」 国内で上場され、人民元で引受および取引される普通株式を意味する。
4. 「CAS」、「中国GAAP」 2006 年2月15日に中華人民共和国財政部より公布された企業会計基準な
らびにその後公表されたその他の関連規則および規定を意味する。
5. 「CBIRC」 中国銀行保険監督管理委員会(China Banking and Insurance
Regulatory Commission)または文脈によりその前身である旧中国銀行
業監督管理委員会(China Banking Regulatory Commission)および/
もしくは中国保険業監督管理委員会(China Insurance Regulatory
Commission)を意味する。
6. 「県域」 中華人民共和国の行政区分制度において県または県水準の都市(県級
市)に指定された地域を意味し、市区を除く。
7. 「県域銀行業務」 当行は、中華人民共和国の県および県級市に所在する本支店機構を通じ
て県域の顧客に対して様々な金融サービスを提供している。「県域銀行
業務」または「三農銀行業務」は、いずれもかかる銀行業務を指すもの
とする。
8. 「県域銀行部門」 株式会社への再編の要求に従って設立された、三農および県域に提供さ
れる特別な金融サービスのための管理メカニズムを有する銀行内部の一
部門を意味する。当該部門は県域銀行業務のインセンティブおよび規制
メカニズムのほか、独立したガバナンスメカニズム、業務上の意思決
定、財務監査運用に焦点を当てている。
9. 「CSRC」 中国証券監督管理委員会(China Securities Regulatory Commission)
を意味する。
10. 「グローバルなシステム上 金融安定理事会が発表する、金融市場において重要と認められる国際的
重要な銀行」 な銀行を意味する。
11. 「H株式」 香港証券取引所に 上場され、香港ドルで引受および取引され、その額面
金額が人民元建てである株式を意味する。
12. 「香港証券取引所」 香港証券取引所を意味する。
13. 「香港上場規則」 香港証券取引所の上場規則を意味する。
14. 「匯金公司」 中央匯金投資有限責任公司( Central Huijin Investment Ltd. )を意味
する。
15. 「MOF」 中華人民共和国財政部(Ministry of Finance)を意味する。
16. 「PBOC」 中国人民銀行(People's Bank of China)を意味する。
17. 「三農」 農業、農村地区および農村住民を意味する。
18. 「SSF」 中華人民共和国の全国社会保障基金理事会(National Council for
Social Security Fund)を意味する。
2/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
中国法
中国の会社法
当行は、中国において株式有限会社として設立され、香港証券取引所において上場しているため、主に以下の4
つの中国の法令の適用を受ける。
・ 1993年12月29日の全国人民代表大会の常任委員会により制定され、1994年7月1日に施行され、1999年12月25
日、2004年8月28日、2005年10月27日、2013年12月28日および2018年10月26日に改正された中華人民共和国
の会社法(以下「中国会社法」または「会社法」という。)
・ 1994年8月4日に国務院が制定した株式有限会社による株式の国外募集および上場に関する特別規定(以下
「特別規定」という。)
・ 2019年10月17日に国務院が制定した国外上場した会社の株主総会開催の通知期限等の事項に係る規定の調整
適用に関する回答(国函〔2019〕97号)(以下「97号文」という。)
・ 1994年8月27日に元国務院証券委員会および元国家経済体制改革委員会によって合同で制定され、国外上場
を予定する株式有限会社として当行がその定款に組み込まなければならない国外上場を行う会社の定款に含
まれるべき必須条 項 (以下「必須条 項 」という。)
概要
「株式有限会社」は、中国会社法に基づき設立された法人であり、その登録資本は、額面金額の等しい株式に分
割される。その株主の会社に対する責任は当該株主が引き受ける株式の範囲内に限られ、会社はそのすべての財産
をもって自己の債務に対して責任を負う。
会社の登録資本は、 SAMR において登録されている会社の払込資本金の額に等しい。
会社の同一の種類の株式は、すべて同等の権利を有する。会社は、株主総会において会社の株主の承認を得て新
株式を発行することにより、会社の株式資本を増加することができる。同一の種類の株式の発行における条件およ
び払込金額は、同一でなければならない。会社は、株式を額面金額で発行するかまたはそれを上回る金額で発行す
ることができるが、額面金額を下回る金額でこれを発行することはできない。
中国法に従い、額面金額が人民元建てであり、かつ人民元で引き受けられる会社のA株式は、中国法人、自然
人、QFIIおよび海外の戦略的投資家によってのみ引き受けられるかまたは取引される。人民元建てであり、かつ人
民元以外の通貨で引き受けられる会社のH株式は、中国のQDIIならびに香港、マカオおよび台湾または中国以外の
国および地域の投資家(以下「外国投資家」という。)によってのみ引き受けられ、かつ取引される。
会社が外国投資家に対して発行する株式および国外で上場される株式は、記名式で額面金額が人民元建てであ
り、かつ外貨で引き受けられなければならない。香港、マカオおよび台湾を含む海外の投資家が購入し香港に上場
される株式は、「国外上場外国株」と称される。
会社は、記名式で発行された株式全部について株主名簿を作成しなければならない。株主の詳細、各株主が保有
する株式の数および株主が当該株式の保有者となった日等の情報は、株主名簿に記載されなければならない。
また、会社は、株主総会における株主の承認を得て、一定の手続に従い、登録資本を減少することができる。
会社の株式は、関連法令に従って譲渡することができるが、中国会社法、中華人民共和国証券法(以下「中国証
券法」または「証券法」という。)および特別規定の要求に合致している必要がある。
中国会社法は、個人株主の持株比率を制限していない。
3/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
設立
株式有限会社は、発起設立または募集設立の方法により設立される。発起設立とは、発起人が、会社の発行する
すべての株式を引き受けて会社を設立する方式をいう。募集設立とは、発起人が会社の発行する株式の一部を引き
受け、その他の部分を募集または特定の引受人に対する募集を行って会社を設立する方式をいう(中国会社法第77
条)。
株式有限会社は、2名以上200名以下の発起人により設立されなければならず、発起人の半数以上は、中国国内に
住所を有する者でなければならない(中国会社法第78条)。
株式
会社は、記名式株券または無記名式株券を発行することができる。ただし、発起人および法人に対して発行され
る株式は、記名式株券でなくてはならず、異なる名義または代表者の名義で記載されてはならない。株式の発行
は、公平および公正の原則によらなくてはならず、同一種類の株式はいずれも同等の権利を有する。同時に発行す
る同一種類の株券の1株当たりの発行条件および金額は均一でなければならず、いかなる団体または個人が引き受
ける株式も、1株当たりの払込価額は均一でなければならない。中国証券法に従って、証券取引所を通じた証券取
引により、投資者が上場会社の発行 済みの 議決権付株式の5%を自らまたは合意その他の取決めにより他人と共同
して保有する場合、当該事由の発生後3日以内に、国務院証券監督管理機構および証券取引所に対し、書面で報告
を行い、また、当該上場会社に通知し、かつ公告を行わなければならない。この期間中、当該上場会社の株式を売
買することはできない。ただし、国務院証券監督管理機構が定める場合を除く(中国証券法第63条)。
増資
中国会社法および中国証券法に基づき、会社が新株の公開発行により増資をする場合、株主総会において承認を
受け、かつ 国務院の認可を経て国務院証券監督管理機構が定めた条件 を充たさなければならない(中国
証券法第 12 条) 。
減資
会社は、最低登録資本要件を充たす範囲で、中国会社法が規定した以下の手続に従い、その登録資本を減少する
(中国会社法第37条、同法第177条、同法第179条) 。
(ⅰ) 会社は、貸借対照表および財産目録を作成しなければならない。
(ⅱ) 登録資本の減少は、株主総会において承認されなければならない。
(ⅲ) 会社は、減資の決議が行われた日から、10日以内に債権者に対して減資の事実を通知し、30日以内
に減資の新聞公告を行わなければならない。
(ⅳ) 会社の債権者は、法定期間内に、会社に対し、債務の弁済または当該債務について相当の担保の提
供を要求することができる。
(ⅴ) 会社は、関連 市場監督 管理 部門 に対して、登録資本の減少について、変更登記手続を申請しなけれ
ばならない。
自己株式の取得
会社は、次の場合を除いて、自己株式を取得することができない。
(ⅰ) 減資を行う場合
(ⅱ) 会社の株式を保有する他の会社と合併する場合
(ⅲ) 株式を従業員持株制度または株式奨励に用いる場合
(ⅳ) 株主が、株主総会で行った会社の合併または分割の決議に異議があり、会社に対してその株式の買
取りを要求した場合
(ⅴ) 株式を上場会社が発行する株券に転換可能な社債への転換に用いる場合
4/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅵ) 上場会社による会社の価値および株主の権益の保護に必要な場合
会社は、(ⅰ)、(ⅱ)の理由で自己株式を取得する場合、株主総会の決議を経なければならない。会社は、(ⅲ)、
(ⅴ)、(ⅵ)の理由で自己株式を取得する場合、会社の定款の規定または株主総会の授権に基づき、3分の2以上の取
締役が出席した取締役会会議の決議を行うことができる。
会社は、関連する規定に従い自己株式を取得した後、(ⅰ)の事由に該当する場合、取得の日から10日以内に消却
しなければならず、(ⅱ)、(ⅳ)の事由に該当する場合、6ヶ月以内に譲渡または消却しなければならず、(ⅲ)、
(ⅴ)、(ⅵ)の事由に該当する場合、会社が合計して保有する自己株式数が自社の発行済株式総額の10%を上回って
はならず、かつ3年以内に譲渡または消却しなければならない(中国会社法第142条)。
株式の譲渡
株主が保有する株式は、法律に基づき譲渡することができる(中国会社法第137条)。株主は、法律に基づき設
立された証券取引所において、または国務院が規定したその他の方法によって、株式の譲渡を行わなければならな
い(中国会社法第138条)。記名式株券は、裏書または法令に定められるその他の方式により譲渡することができ
る(中国会社法第139条 第1項 )。発起人株式は、会社の設立日から1年以内に譲渡することができず、また、会社
の株式公開発行の前に発行された株式は、証券取引所における上場取引の日から1年以内に譲渡することができな
い(中国会社法第141条第1項)。
株主
会社の株主は、会社の定款に記載された権利および義務を有する。会社の定款は、各株主を拘束する。
中国会社法および関連する法令に基づき、株主は、以下の権利を有する。
(ⅰ) 自らまたは代理人に委任して株主総会に出席し、その保有する株式数に応じて議決権を行使するこ
と。
(ⅱ) 中国会社法および会社の定款に従って、法律により設立された証券取引所において株式の譲渡を行
うこと。
(ⅲ) 会社の定款、株主 名簿、社債原簿、株主 総会議事録 、取締役会決議、監査役会決議 および財務会計
報告書を閲覧し、会社の業務について提案および質問を行うこと。
(ⅳ) 株主総会または取締役会において可決された決議案が、何らかの法律もしくは行政法規に違反する
か、または株主の合法的権益を侵害する場合、裁判所に申請を提出し、違法な権利侵害行為の停止
を求めること。
(ⅴ) 保有する株式数に応じて配当を受けること。
(ⅵ) 会社の終了または清算にあたり、その保有する株式数に応じて残余財産を受領すること。
(ⅶ) 法令および会社の定款が定めるその他の株主権。
株主総会
株主総会は、会社の機関であり、中国会社法に従って、その権限を行使する(中国会社法第98条、 同法第99条、
同法第37条第1項)。
株主総会は、以下の権限を行使する。
(ⅰ) 会社の経営方針および投資計画を決定すること。
(ⅱ) 従業員の代表以外の取締役を選任および解任し、また、当該取締役の報酬に関する事項を決定する
こと。
(ⅲ) 従業員の代表以外の監査役を選任および解任し、また、当該監査役の報酬に関する事項を決定する
こと。
(ⅳ) 取締役会の報告書を審議し承認すること。
(ⅴ) 監査役会の報告書を審議し承認すること。
5/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅵ) 会社の年度財務予算案および決算案を審議し承認すること。
(ⅶ) 会社の利益処分案および損失補填案を審議し承認すること。
(ⅷ) 会社の登録資本の増加および減少について承認すること。
(ⅸ) 会社の社債発行について承認すること。
(ⅹ) 会社の合併、分割、解散および清算ならびに会社形態の変更等の事項について承認すること。
( ⅺ ) 会社の定款を変更すること。
( ⅻ ) 会社の定款が定めるその他の権限。
定時株主総会は、毎年1回開催される。以下のいずれかの事由が発生した場合、2ヶ月以内に臨時株主総会を開催
しなければならない(中国会社法第100条)。
(ⅰ) 取締役の数が中国会社法の定める数を下回るか、または会社の定款に定められた数の3分の2を下
回った場合
(ⅱ) 補填されていない会社の損失額が、会社の払込済株式資本総額の3分の1に達した場合
(ⅲ) 単独または合計で会社の株式の10%以上を保有する株主の請求があった場合
(ⅳ) 取締役会が必要と判断した場合
(ⅴ) 監査役会がその開催を提案した場合
(ⅵ) 会社の定款が定めるその他の場合
株主総会は、取締役会により招集され、また、取締役会会長が議事進行を行う。取締役会会長が職務を履行する
ことができない、または履行しない場合、副会長が議事進行を行う。副会長が職務を履行することができない、ま
たは履行しない場合、半数以上の取締役により共同で1名の取締役を選任し、議事進行を行わせる(中国会社法第
101条 第1項 )。
株主総会の開催通知は、中国会社法に基づき、株主総会の20日前までに総会の日時、場所および決議事項を すべ
ての株主に対し通知しなければならず、臨時株主総会の場合は、株主総会の15日前までにすべての株主に対し通知
しなければならない。単独でまたは共同で会社の3%以上の株式を有する株主は 、株主総会の 10 日前までに臨時の
提案を提出し、かつ書面により取締役会に提出することができる。取締役会は、提案を受領してから 2 日以内にそ
の他の株主に通知をし、当該臨時の提案を株主総会に提出して審議しなければならず (中国会社法第102条)、ま
た、特別規定に従う場合は45日前までになされなければならず、総会の決議事項、日時および場所をすべての株主
に対し通知する。株主総会に出席予定の株主は、株主総会開催の20日前までに、会社に対して株主総会出席の書面
回答を送付しなければならない(特別規定第20条)。特別規定に基づき、会社の議決権の5%以上を有する株主
は、会社の定時株主総会において、会社に対し、新しい提案を書面で提出する権利を有し、当該提案が株主総会の
職責の範囲に属するときは、当該株主総会の議案に組み入れなければならない(特別規定第21条)。会社は、株主
総会の20日以上前に受領した書面による回答に基づき、当該総会への出席を予定する株主が有する議決権付株式の
数を計算するものとする。会社は、当該総会への出席を予定する株主が保有する議決権付株式の数が、会社の議決
権付株式総数の半数以上に達した場合に、これを開催することができる。かかる条件が充たされない場合、会社
は、当該総会の議案、日時および場所の公告という形で、5日以内に再度株主への通知を行う。会社は、かかる公
告がなされた後に、当該株主総会を開催することができる(特別規定第22条)。
97 号文によれば、中国国内にて 登録 し、かつ国外にて上場している株式有限会社が株主総会を開催する際におけ
る通知期限、株主提案権および開催手続に係る要求には中国会社法の関連規定を統一的に適用し、特別規定第20条
から第22条までは適用しない。
株主総会に出席した株主は、その保有する株式1株につき1議決権を有する。中小規模の投資家の利益に影響を及
ぼす重大な問題が株主総会で検討される場合、中小規模投資家による投票を単独で数えられ、単独集計の結果は、
適時に公表されるものとする。
株主総会の決議は、株主総会の出席株主(代理人が代理する株主を含む。)の議決権の過半数により可決され
る。ただし、会社の定款の変更、増資または減資に関する決議および会社の合併、分割、解散または会社形態の変
更に関する決議については、株主総会の出席株主(代理人が代理する株主を含む。)の有する議決権の3分の2以上
の賛成を要する(中国会社法第103条)。
6/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
必須条 項 に従って、株式資本の増加もしくは減少、いずれかの種類株式、コール・オプション、ワラントもしく
はその他類似の証券または社債の発行、会社の分割、合併、解散および清算、会社の定款の変更ならびに株主総会
の普通決議に基づいて、会社に対して重大な影響を与え、特別決議により承認されるべきと判断されたその他の事
項は、株主総会の出席株主の有する議決権の3分の2以上による可決を必要とする特別決議により承認されなければ
ならない。株主は、議決権の行使範囲を明記した書面による委任状により代理人に授権委任し、株主総会に出席さ
せることができる (必須条項第59条、同第71条) 。
中国会社法には、株主総会の定足数に関する規定は存在しない。
取締役および取締役会
会社は、 中国会社法により、 取締役会を設置しなければならず、その構成員は、5名から19名でなければならな
い。取締役の任期は、3年を超えてはならない。取締役は、再選により再任されることができる。民事行為能力を
有しないか、または民事行為能力が制限されている者は、会社の取締役を務めることはできない。取締役会は、1
名の取締役会会長を任命し、取締役会会長は、すべての取締役の過半数により選任される。
取締役会は、少なくとも毎年2回開催しなければならない。取締役会の開催通知は、当該取締役会の10日前まで
に、すべての取締役および監査役に対して送付されなければならない。臨時取締役会を開催する場合、取締役会
は、別途、通知方法および通知期間を定めることができる。
中国会社法に基づき、取締役会は、以下の権限を行使する(中国会社法第108条第4項、同法第46条)。
(ⅰ) 株主総会を招集し、株主総会に対して業務報告を行うこと。
(ⅱ) 株主総会の決議を実行すること。
(ⅲ) 会社の経営計画および投資計画を決定すること。
(ⅳ) 会社の年度財務予算案および決算案を作成すること。
(ⅴ) 会社の利益処分案および損失補填案を策定すること。
(ⅵ) 会社の登録資本の増加案および減少案ならびに社債発行案を策定すること。
(ⅶ) 会社の合併、分割、解散または会社形態の変更案を策定すること。
(ⅷ) 会社の内部管理システムの設置を決定すること。
(ⅸ) 会社の総経理の選任または解任 およびその報酬に関する事項 、総経理の指名に基づく会社の副総経
理および財務責任者の選任または解任およびこれらの報酬に関する事項を決定すること。
(ⅹ) 会社の基本運営管理制度を制定すること。
( ⅺ ) 会社の定款が定めるその他の権限。
取締役会の決議が法律、行政法規、会社の定款または株主総会決議に違反し、会社に著しい損害を与えた場合、
決議に参加した取締役は、会社に対して損害賠償責任を負う。ただし、決議の際に異議を表明し、かつこれを議事
録に記載したことが証明された場合、当該取締役は、責任の免除を受けることができる(中国会社法第112条第3
項)。
監査役および監査役会
会社は、 中国会社法により、 監査役会を設置しなければならず、その構成員は3名を下回ってはならない。監査
役の任期は3年で、再選により再任されることができる。監査役会は、株主代表および適切な割合の従業員代表か
らなり、そのうち、従業員代表の比率は全体の3分の1を下回ってはならない。取締役および高級管理職は、監査役
を兼任することができない。
監査役会は、以下の権限を行使する(中国会社法第118条第1項、同法第53条)。
(ⅰ) 会社の財務を監査すること。
(ⅱ) 取締役および高級管理職の職務の執行を監督し、法律、行政法規、会社の定款または株主総会の決
議に違反した取締役および高級管理職につき、解任を提案すること。
7/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅲ) 取締役または高級管理職の行為が会社の利益を害する場合に、取締役または高級管理職に対して、
そのような行為の是正を要求すること。
(ⅳ) 臨時株主総会の開催を提案し、また、取締役会が、中国会社法の定めによる株主総会の招集および
主宰の職責を果たさない場合に、株主総会を招集し、これを主宰すること。
(ⅴ) 株主総会に対して議案を提出すること。
(ⅵ) 中国会社法第151条の規定(株主代表訴訟の項を参照のこと。)に基づき、取締役および高級管理
職に対し、訴訟を提起すること。
(ⅶ) 会社の定款が定めるその他の権限。
監査役は、取締役会に出席することができる。
総経理および 高級管理職
会社の総経理は、取締役会により選任または解任され、取締役会に対して責任を負わなければならない。総経理
は、以下の権限を行使することができる(中国会社法第113条、同法第49条)。
(ⅰ) 会社の生産業務、経営業務および管理業務を監督し、取締役会決議の実施を手配すること。
(ⅱ) 会社の経営計画および投資計画の実施を手配すること。
(ⅲ) 会社の内部統制システムの構築計画を策定すること。
(ⅳ) 会社の基本運営管理制度を制定すること。
(ⅴ) 会社の具体的な規則を制定すること。
(ⅵ) 副総経理および財務責任者の選任および解任を提議し、その他の管理担当役員(取締役会により任
命または解任する旨定められている者を除く。)の任命または解任を決定すること。
(ⅶ) 取締役会に出席すること。
(ⅷ) 取締役会により付与されたその他の権限。
取締役、監査役、総経理および 高級管理職 の職責
取締役、監査役、総経理または 高級管理職 が職責を履行するにあたり法律、行政法規または会社の定款に違反
し、その結果、会社に損害が生じた場合、会社に対して賠償責任を負う (中国会社法第149条) 。
株主による直接の訴訟提起
取締役または高級管理職が法律、行政法規または会社の定款の規定に違反し、株主の利益に損害を与えた場合、
株主は、裁判所に訴訟を提起することができる(中国会社法第152条)。
株主代表訴訟
取締役または高級管理職が、会社の職務を執行するにあたり、法令または定款に違反し、会社に損害を与えた場
合、損害賠償責任を負わなければならず、連続して180日以上単独でまたは共同で会社の100分の1以上の株式を有
する株式有限会社の株主は、監査役会に対して、裁判所に訴訟を提起することを書面により請求することができ
る。監査役が、会社の職務を執行するにあたり、法律、行政法規または定款に違反し、会社に損害を与えた場合、
損害賠償責任を負わなければならず、上記の株主は、取締役会に対して、裁判所に訴訟を提起することを書面によ
り請求することができる。
監査役会または取締役会が、株主による上記の書面請求の後において、訴訟の提起を拒絶した場合、請求を受領
した日から30日以内に訴訟を提起しなかった場合、または、緊急事態であり、直ちに訴訟を提起しなければ、これ
により会社の利益に対し回復し難い損害を与えるおそれがある場合は、上記の株主は、会社の利益のため自己の名
義で、直接的に、裁判所に訴訟を提起することができる。
8/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第三者が会社の合法的権益を侵害し、会社に対して損害を与えた場合、上記の株主は、上記に従って裁判所に訴
訟を提起することができる(中国会社法第151条)。投資家保護機構は、会社の株式を保有する場合、会社の利益
のために自己の名義で裁判所に訴訟を提起することができ、持株比率および持株期間は上記の制限を受けない(中
国証券報第94条 第3項 )。
財務会計
会社は、法律、行政法規および 国務院財政主管部門 の規定に従って財務会計システムを構築しなければならな
い。また、各会計年度末において財務会計報告書を作成し、法令に従い会計事務所の監査を受けることを要する
(中国会社法第163条、同法第164条 第1項 )。
会社の財務報告書は、定時株主総会開催の20日前までに会社に備え置き、株主の閲覧に供されなければならな
い。株式を公開している会社は、その財務会計報告書を公告しなくてはならない(中国会社法第165条)。
各年の税引後利益の配当を行うにあたり、会社は、利益の10%を積み立て、法定準備金に組み入れなければなら
ない(ただし、当該準備金の累積額が会社の登録資本の50%以上に達している場合を除く。)(中国会社法第166
条第1項)。
会社の法定準備金が以前の年度の会社の損失を補填するに足りない場合、当年度の利益は、法定準備金 を積み立
て る前に、損失を補填するために使用しなければならない(中国会社法第166条第2項)。
会社の税引後利益の中から準備金を積み立てた後、株主総会の決議を経て、税引後利益の中から任意準備金を積
み立てることができる(中国会社法第166条第3項)。
会社による損失の補填および法定準備金の積立て後の余剰利益は、株主の持株比率に応じて分配することができ
る(中国会社法第166条第4項)。
会社の資本準備金には、会社の発行株式の額面超過金および国務院財政主管部門が資本準備金とみなすべきこと
を定めているその他の金額が含まれる(中国会社法第167条)。
会社の準備金は、会社の損失を補填するため、会社の事業運営を拡大するため、または資本への組入れのために
用いることができる。ただし、資本準備金は、損失の填補のために用いることができない。法定準備金を資本に組
み入れる場合、残存する当該準備金は、組入れによる増加前における登録資本の25%を下回ってはならない(中国
会社法第168条)。
会計事務所の選任および退任
特別規定により、会社は、国の関連規定に合致し、独立している会計事務所を任用し、会社の年度報告の監査な
らびにその他の財務書類の再確認を求めなければならない。
会計事務所の任用期間は、会社の定時株主総会の終了時から次回の定時株主総会の終了時までの期間である。
会社が会計事務所を解任し、または不再任とする場合、会社は、特別規定に基づき、会計事務所に対して事前に
通知しなければならず、また、会計事務所は、株主総会において、株主に対し意見を述べることができる。会社に
よる会計事務所の選任、解任または不再任は、株主総会が決定し、CSRCに届け出るものとする。
利益配当
特別規定は、H株式の保有者に対して支払われる配当金およびその他の金員は、人民元により計算して宣言し、
かつ外貨により支払う旨を定める。必須条 項 に基づき、株主に対する配当金およびその他の 支払うべき 金員の支払
いは、受取代理人を介して行われる。
解散および清算
中国会社法に基づき、以下のいずれかの事由が発生した場合、会社は解散しなければならない(中国会社法第
180条)。
(ⅰ) 会社の定款に定められた経営期間が満了し、または会社の定款において定められた解散事由が発生
した場合
9/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅱ) 株主総会が解散を決議した場合
(ⅲ) 合併または分割により解散する必要がある場合
(ⅳ) 法により営業許可証を剥奪され、閉鎖を命じられ、または取り消された場合
(ⅴ) 裁判所が中国会社法第182条の規定(少数株主による解散請求の規定)に基づき解散させた場合
会社の経営管理に重大な困難が生じ、会社の存続が株主の利益に重大な損害を与える場合であって、他の方法に
よりこれを解決することができないときは、会社の全株主の議決権の10%以上を有する株主は、裁判所に対し、会
社の解散を請求することができる(中国会社法第182条)。
株式の権利内容
A株式およびH株式は、会社の株式資本における普通株式である。A株式は中国(香港、マカオおよび台湾を除
く。)の法人もしくは自然人またはCSRCに認可されたQFIIの間でのみ引き受けられ、取引され、かつ、人民元にて
引き受けられ、取引される。H株式に関するすべての配当は人民元建てで宣言され、香港ドル建てで会社が支払
う。一方、A株式に関するすべての配当は人民元建てで会社が支払う。
上記に述べたとおり、株主への通知および財務報告書の送付、紛争解決、株主名簿の別分冊への株式の登録、株
式の譲渡方法ならびに配当受取の代理に関する委任等の面を除き、A株式とH株式はすべての点において同等の権
益を享受し、特に公表され、配当され、または支払われるすべての配当または割当てに関して同等の権益を有す
る。ただし、A株式の譲渡については、中国で随時発効する規定に従う。
株券の遺失
株主名簿に登録されているすべての株主、または株主名簿にその氏名もしくは名称を登録することを要求する者
は、株券を遺失した場合、会社に対し、当該株式につき新たな株券を発行するよう申請することができる。
A株式の株主が株券を紛失し、新たな株券の発行を申請する場合は、中国会社法第143条の規定に従って処理さ
れる。
国外上場外国株の株主が株券を紛失し、新たな株券の発行を申請する場合は、国外上場外国株の株主名簿の正本
が存在する場所の法律、証券取引所規則またはその他の関連規定によって処理される。
中国証券法
中国証券法は1999年7月1日に施行され、2004年8月28日、2005年10月27日、2013年6月29日、2014年8月31日およ
び2019年12月28日に改正された。中国証券法は中国の証券市場を包括的に規制するものであり、とりわけ証券の発
行および取引、上場企業による買収ならびに証券取引所、証券会社および国務院の証券監督管理機関の義務および
責任に関する条文を有している。中国証券法は、海外で直接または間接的に株式を発行または上場するためには、
国務院の関連規定に合致しなければならないと規定している。
CSRC は中国における証券の監督および規制機関であり、証券取引の監督および規制のみならず、証券に関する政
策の制定、証券に関する法および規則の起草、証券市場、市場仲介者および市場参加者の監督ならびに中国企業に
よる国内および海外における証券の公募の監督および規制に関して責任を負う。
現在、海外で発行される株式(H株式を含む。)の発行および上場は、主に国務院およびCSRCが公布した一連の
法律および規則により規制されている。会社の株式の海外における上場については、特別規則を遵守しなければな
らない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は、当行の定款の一部の規定を要約したものである。以下に含まれる情報は、要約の形を取っているため、
潜在的投資家にとって重要なすべての情報を含んでいない可能性がある。
当行は、中国において株式有限会社として設立された。定款は、当行の基幹文書の一部を構成する。
10/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行の定款は、2010年4月21日に改正され、2010年4月26日にCBRCにより認可されており、当行の上場時にその効
力が生じた。上場後、当行の定款は、2010年9月2日に改正され、2010年10月13日にCBRCにより認可された。当行の
定款は、2012年10月29日に再度改正され、2012年12月31日にCBRCにより認可された。当行の定款は、2014年6月23
日に再度改正され、2014年8月14日にCBRCにより認可された。当行の定款は、2017年6月28日に再度改正され、2017
年11月8日にCBRCにより認可された。当行の定款は、中国銀行保険監督管理委員会が発行した「中国農業銀行股 份
有限公司の登録資本の変更の認可」(銀保監覆[2018]199号)に従い2018年9月25日に変更された。
(a) 種類株式
種類株主とは、異なる種類の株式を保有する株主である。
種類株主は、法律、行政法規および定款によって定められた権利を有し、義務を負う。
その他の種類株主のほか、国内上場株式および国外上場株式を保有する株主は、それぞれ異なる種類株主とみな
される。
(b) 取締役
取締役会
当行は、定款に従い、7名以上17名以下の取締役(執行取締役、非執行取締役を含み、非執行取締役には独立取
締役が含まれる。)により構成される取締役会を設置している。取締役会の構成員の正確な人数は、株主総会によ
り決定される。定款に従い、独立取締役は3名以上でなければならず、その資格要件は、監督当局の要求に沿った
ものでなければならない。執行取締役の数は、取締役会の構成員の総数の3分の1以下とする。取締役会会長および
副会長は、取締役の中から選任され、すべての取締役の過半数により選任 または解任 されるものとする。
取締役会は、株主総会に対して責任を負う機関であり、以下の機能を果たし、権限を行使する。
・ 株主総会の招集および株主総会への業務報告
・ 株主総会決議の実行
・ 発展戦略(三農業務発展戦略およびグリーン・クレジット戦略等を含む。)の決定
・ 経営計画および投資計画の決定
・ 年度財務予算案および決算案の作成
・ 利益処分案および損失補填案の制定
・ 登録資本の増加案または減少案および財務再編の制定
・ 社債またはその他の有価証券の発行および上場計画等の資本補充計画の制定
・ 当行の合併、分割、解散または会社形態の変更に関する計画の制定
・ 自己普通株式取得案の制定
・ 基本管理制度および政策の制定、基本管理制度および政策の執行の監督
・ 当行の健全なリスク管理および内部統制基本管理制度の確立、当行の全面的なリスク管理報告およびリスク
資本分配案の審議承認、ならびにリスク管理の有効性の評価およびその改善
・ 定款、株主総会議事規則および取締役会議事規則の改正案ならびに会社管理制度の制定
・ 総裁によって提案された、総裁業務規則の審議および承認
・ 株主総会の授権に基づく、重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な対外投資、重要な資産の
購入、重要な資産の処分、重要な資産の減価償却ならびに重要な対外担保等の事項の審議承認
・ 総裁および取締役会秘書役の任命および解任
・ 総裁の指名に基づく副総裁およびその他の高級管理職(取締役会秘書役を除く。)の任命および解任
11/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 単独または共同で当行の議決権の10%以上の株式を保有する株主、取締役会会長、取締役の3分の1以上また
は独立取締役の半数以上(最低2名)の提案に基づく指名および報酬委員会の主席および委員の選任ならび
に指名および報酬委員会の指名に基づく取締役会のその他の専門委員会の主席(戦略 計画および持続可能発
展 委員会の主席は除く。)および委員の選任
・ 取締役の報酬事項の制定ならびに承認を得るための株主総会への提出
・ 高級管理職の報酬事項、成績審査事項および賞罰事項の決定
・ 内部の職能部門の設置、当行の第一級の国内支店および国外支店、直属支店ならびにその他の直轄機構、国
外機構の設置の決定または総裁に対するかかる決定の授権
・ コーポレート・ガバナンスの評価およびその改善
・ 株式インセンティブ・プランの策定
・ 情報開示事務の管理
・ 会計事務所の任用、解任および不再任に関する株主総会への提案
・ 関連取引の審議および承認または取締役会関連取引監視委員会に対するその承認の授権ならびに株主総会に
対する関連取引の状況および関連取引管理制度の実行状況に関する特定項目の報告
・ 取締役会の各専門委員会が提出した議題の審議および承認
・ すべての取締役がその任務遂行のために関連する十分な情報を適時に得ることを確保するための高級管理層
の業務報告の聴取、高級管理層の業務のチェック、高級管理層の管理職責の効果的な履行の監督かつ確保
・ 株主総会が授権する範囲内において、当行の発行済み優先株に関連する事項を決定する。関連する事項には
取得、転換、配当等の是非の決定を含むがこれらに限られない。
・ 法律、行政法規、部門規則および定款により定められ、または株主総会により授権されたその他の職務およ
び権限
取締役会会長
取締役会会長は、以下の職務を行い、権限を行使するものとする。
・ 株主総会の主宰および取締役会を代表しての株主総会への報告
・ 取締役会の招集および取締役会の主宰
・ 取締役会決議の実行の監督および調査
・ 当行の株券、社債券およびその他の有価証券への署名
・ 当行の法律上の代表者が署名すべきその他の書類への署名
・ 甚大な自然災害等の不可抗力事由が発生した緊急の状況下における、当行の業務に対して法律および当行の
利益に合致した特別な処理を行う権限、ならびに取締役会および株主総会に対するすみやかな事後報告
・ 法律、行政法規、部門規則および定款により与えられ、または取締役会により授権されたその他の職務およ
び権限
取締役会会長がその職務を行うことができないか、または行わない場合、副会長が会長を代理するものとし、副
会長がその職務を行うことができないか、または行わない場合、すべての取締役の半数以上によって選任された取
締役が副会長を代理するものとする。
( ⅰ) 株式の割当ておよび発行の権限
定款には、取締役、監査役および高級管理職に対して株式の割当ておよび発行の権限を与える規定は存在しな
い。
12/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行の登録資本の増加に係るすべての提案は、株主総会の特別決議による承認を受けるために提出されなければ
ならない。かかる増加はすべて、関連主管機構の認可を前提とする。
( ⅱ) 当行またはその子会社の資産処分権限
固定資産の処分にあたり、取締役会が処分を予定する固定資産の見積額と、かかる処分の提案の前4ヶ月間に処
分された固定資産の総額との合計額が、株主総会で審議された直近の貸借対照表に記載された固定資産の額の33%
を超えるときは、取締役会は、当該処分につき株主総会の承認を得るまでは、当該固定資産の処分または処分の承
認を行ってはならない。
固定資産の処分には、資産に対する一部の権利および持分の移転を含むが、固定資産を担保に提供することを含
まない。
当行が固定資産の処分のために行った取引の有効性は、上記の規定の影響を受けない。
( ⅲ) 職務の喪失に関する補償または給付
当行は、株主総会の事前の承認を前提として、取締役および監査役との間で、報酬事項に関する書面による契約
に署名するものとする。報酬事項には、以下が含まれる。
・ 当行の取締役、監査役または高級管理職としての地位に対する報酬
・ 当行の銀行子会社の取締役、監査役または高級管理職としての地位に対する報酬
・ 当行およびその子会社の経営を支えるその他の職務に対する報酬
・ 取締役または監査役の地位の喪失または退職にあたっての報酬
取締役および監査役は、上記の契約に基づく場合を除き、当行に対していかなる訴訟も提起してはならず、上記
の事項に関して自らが受領すべき利益を主張してはならない。
( ⅳ) 取締役、監査役および高級管理職に対する貸出
当行は、直接的または間接的に、当行およびその親会社の取締役、監査役および高級管理職に対して貸出または
貸出の担保を提供してはならず、かかる者の関係者に対してもこれらを提供してはならない。
以下の場合、上記の禁止は適用されない。
・ 当行が、その子会社に対して貸出または貸出の担保を提供する場合
・ 当行が、株主総会で承認された雇用契約に従い、当行の取締役、監査役および高級管理職に対して、かかる
者による当行のための支払いまたはかかる者の職務の遂行により生じた費用の支払いを可能にするために、
貸出、貸出の担保またはその他の資金を提供する場合
・ 通常の取引条件により取締役、監査役および高級管理職ならびにかかる関係者に対する貸出または貸出の担
保を提供する場合
( ⅴ) 株式の購入に対する財務的援助
当行またはその子会社は、当行の株式の購入者または潜在的購入者に対して、その時期および方法を問わず、当
行の株式の購入または潜在的購入行為についていかなる財務的援助も提供してはならない。上記の当行の株式の購
入者には、当行の株式の購入により直接的または間接的に債務を負う者が含まれる。
当行またはその子会社は、上記の債務者が当行の株式の購入または購入の意図により負担する債務を軽減または
免除することを目的として、その時期および方法を問わず、いかなる財務的援助も提供してはならない。
以下の行為は、禁止されていない。
・ 当行が自らの利益のために誠実に行い、かつその主たる目的が当行の株式の購入でない場合、またはそれが
当行の全体的な計画の付随的な一部である場合の財務的援助
13/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 配当の形による当行の財産の合法的な分配
・ 株式の形による配当の分配
・ 定款に従った登録資本の減少、株式の取得および株式構造の構成等
・ 経営範囲内であり、かつ通常の業務の過程における、当行による貸出の提供(ただし、これにより当行の純
資産が減少しないこと、またはこれにより純資産が減少する場合には、当行の配当可能利益から財務的援助
が拠出されることを要する。)
・ 従業員持株制度に対する当行からの資金の提供(ただし、これにより当行の純資産が減少しないこと、また
はこれにより純資産が減少する場合には、当行の配当可能利益から財務的援助が拠出されることを要す
る。)
上述の財務的援助は、以下の方法を含むが、これらに限定されない。
・ 贈与
・ 担保(債務者の債務の履行を担保するための、保証人による債務の負担または財産の提供を含む。)、補償
(当行の過失に起因する補償を除く。)および免責または権利の放棄
・ 貸出の提供または当行がその他の当事者に先立って債務を履行することとなる契約の締結、当該貸出および
契約の当事者の変更ならびに当該貸出および契約に係る権利の譲渡
・ 当行が履行不能であるか、もしくは純資産を有しない状況におけるその他一切の形態の当行による財務的援
助、または純資産を著しく減少させるような財務的援助
上記の義務は、契約への署名もしくは合意の締結に起因する義務者の義務、またはその他すべての方法でその財
務状況に変更を生じさせる義務者の義務(上記の契約もしくは合意が実行可能であるか否か、または当該義務を義
務者が単独で負うか他者と共同で負うかを問わない。)を含むものとする。
( ⅵ) 当行またはその子会社との契約上の利害関係の開示
当行の取締役、監査役および高級管理職が、直接的または間接的に、当行が署名し、または計画している契約、
取引または合意(当行と、その取締役、監査役および高級管理職との間の雇用契約を除く。)に関係する場合、そ
れらの者は、当該事項が一般に取締役会の承認を要するか否かを問わず、当該関係の内容および程度を取締役会に
報告しなければならない。
当該事項が、利害関係を有する取締役、監査役および高級管理職により取締役会に開示され、かつ、それらの者
を定足数に含めず、決議に参加させない取締役会において承認されない限り、当行は、相手方が当該取締役、監査
役および高級管理職の義務違反につき善意であった場合を除き、当該契約、取引または合意を取り消す権利を有す
る。
当行の取締役、監査役および高級管理職は、その関係者が特定の契約、取引または合意につき利害関係を有する
場合にも、利害関係人として扱われる。
( ⅶ) 報酬
取締役の報酬は、株主総会の事前の承認を受けることを要する。
( ⅷ) 辞任、任命および解任
取締役の指名および選任
当行の取締役には、執行取締役、非執行取締役を含み、非執行取締役には独立取締役が含まれる。
取締役の候補者は、取締役会または単独もしくは共同で当行の議決権付株式総数の3%以上を保有する株主によ
り指名され、株主総会により選任される。
取締役会、監査役会および単独または共同で当行の議決権付株式総数の1%以上を保有する株主は、独立取締役
の候補者を指名することができ、かかる独立取締役は、株主総会により選任される。独立取締役の任期は、当行の
他の取締役の任期と同一とし、かつ、任期は累計で6年を超えてはならない。独立取締役は、2行を超える商業銀行
に同時に勤務してはならない。独立取締役就任のための資格要件は、国務院銀行業監督管理機構に提出され、その
審査を受けなければならない。
14/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
監査役の指名および選任
当行の監査役には、株主代表監査役、社外監査役および従業員代表監査役が含まれる。当行の従業員代表監査
役、社外監査役の比率は、いずれも3分の1を下回ってはならない。
株主代表監査役の候補者は、監査役会または単独もしくは共同で当行の議決権付株式の3%以上を保有する株主
により指名され、当行の株主総会により選任される。
従業員代表監査役は、監査役会および労働組合により指名され、従業員により従業員代表大会等の民主的な手続
により選任、交代および解任される。
当行の独立監査役は、監査役会または単独もしくは共同で当行の総議決権の1%以上の株式を保有する株主によ
り指名され、株主総会により選任される。
取締役の解任および辞任
株主総会は、任期満了前においては、正当な理由なくしていかなる取締役も解任してはならない。ただし、関連
する法律および行政法規に違反しない場合においては、株主総会は、普通決議によって取締役をその任期中に解任
することができる(ただし、取締役による契約に基づく賠償の請求を妨げない。)。
取締役は、その任期満了前に辞任することができる。取締役が辞任しようとする場合、当該取締役は、取締役会
に書面による辞任届を提出する。取締役会は、その旨を2日以内に開示しなければならない。
取締役の任期満了時において新任の取締役を適時に選任することができないか、または取締役の辞任によって取
締役の数が定款が定める最低人数を下回ることとなる場合、当該取締役は、新たな取締役が補充選出または改選に
より選任され、就任するまでは、法律、行政法規および定款に従い、引続き自らの職務を行わなければならない。
取締役の辞任届は、補充選出された新しい取締役が、その辞任によって生じた欠員を補充してから発効できるもの
としなければならない。
上記の場合を除き、取締役の辞任は、その旨が取締役会に通知された時にその効力を生じる。独立取締役の辞任
は、定款に従う。
定款には、定年による取締役の退任の有無に関する規定は存在しない。
監査役の解任および辞任
いかなる監査役も、その任期満了前においては正当な理由なく解任されない。
監査役は、その任期満了前に辞任を申し出ることができる。辞任しようとする監査役は、監査役会に書面による
辞任届を提出する。取締役の辞任に関する規定は、監査役に対しても参照して適用される。
( ⅸ) 借入権限
定款は、以下の規定を除き、借入権限の行使方法について明確に定めておらず、かかる借入権限の変更方法につ
いても明確に定めていない。
・ 取締役会に対して、当行による社債またはその他の有価証券の発行 および上場 案を策定する権限を与える規
定
・ 社債およびその他の有価証券の発行 および上場 には、株主総会の特別決議による承認を要する旨を定める規
定
( ⅹ) 取締役会の議事手続
取締役会の決議は、すべての取締役の投票数の過半数の賛成により承認および可決される。ただし、以下の事項
は、すべての取締役の投票数の3分の2以上の賛成により可決され、またこの場合、書面による決議を行ってはなら
ない。
・ 年度財務予算案および決算案
・ リスク資本分配案、利益処分案および損失補填案
・ 登録資本の増加案または減少案、財務再建案
・ 社債券またはその他の有価証券の発行および上場案等の資本補充案
15/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 合併、分割、解散、清算および会社形態の変更案
・ 自己普通株式取得案
・ 定款の変更案
・ 株主総会の授権の範囲内における、重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な対外投資、重要
な資産の購入、重要な資産の処分、重要な資産の減価償却ならびに重要な対外担保等に関する事項の審議承
認
・ 総裁、副総裁、取締役会秘書およびその他の高級管理職の選任または解任、高級管理職の報酬事項、人事考
課事項および賞罰事項の決定
・ 取締役会の各専門委員会の主席(戦略計画 および持続可能発展 委員会の主席を除く。)および委員の選任
・ 会計事務所の任用、解任または不再任に関する株主総会への提案
・ 株主総会が授権する範囲内における、当行の発行済み優先株に関連する事項の決定。関連する事項には取
得、転換、配当等の是非の決定を含むがこれらに限られない。
・ 法律、行政法規、部門規則および定款の規定により、または全取締役の過半数が当行に対して重大な影響を
与えると認めた、3分の2以上の取締役の賛成による可決を必要とするその他の事項
(c) 基幹文書の変更
当行は、法律、行政法規および定款の規定に従い、その定款を変更することができる。当行は、以下のいずれか
の事由が発生した場合、定款を変更する。
・ 定款のいずれかの規定が、その時々における改正後の中国会社法ならびにその他の関連する法律および行政
法規に抵触することとなった場合
・ 当行の状況の変化により、定款に定める条項と合致しなくなった場合
・ 定款変更の決議が株主総会で可決された場合
関連主管機構の承認を要する定款変更はすべて、承認のために関連主管機構に申請するものとする。
登記を要する定款変更については、当行は、関連する法律に従いかかる変更を登記する。
(d) 既存の株式または種類株式の権利の変更
当行による特定の種類株主の権利の変更または廃止は、当該変更または廃止が株主総会の特別決議および影響を
受ける当該種類株主が定款に従って招集した種類株主総会の決議によって承認された後にのみ、これを行うことが
できる。
以下の場合、種類株主の権利の変更または廃止とみなされる。
・ 当該種類株式の数が増加もしくは減少した場合、または当該種類株式と同等かもしくはそれより多くの議決
権、配当受領権もしくはその他の特別な権利を有する種類株式の数が増加もしくは減少した場合
・ 当該種類株式の全部もしくは一部が他の種類株式に変更された場合、他の種類株式の全部もしくは一部が当
該種類株式に転換された場合、またはかかる変更の権利が与えられた場合
・ 当該種類株式に付された、未払配当金または累積配当金に対する権利が廃止または縮小された場合
・ 当該種類株式に付された、当行の清算の過程における配当優先権または財産分配優先権が縮小または廃止さ
れた場合
・ 当該種類株式に付された、株式転換権、オプション、議決権、譲渡権、株式発行における先買権または当行
の有価証券の取得権が追加、廃止または縮小された場合
・ 当該種類株式に付された、特定の通貨で当行からの支払いを受領する権利が廃止または縮小された場合
16/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当該種類株式と同等かまたはそれより多くの議決権、配当受領権またはその他の特別な権利を有する新たな
種類株式が創設された場合
・ 当該種類株式の譲渡または所有を制限し、または制限の強化がなされた場合
・ 当該種類株式または他の種類株式の引受権、またはそれらへの転換権が発行された場合
・ 他の種類株式の権利および特別な権利が拡大された場合
・ その過程において、異なる種類株主に異なる程度の責任を負わせることとなる当行の再編が行われた場合
・ 当行の定款で規定された規定が変更または廃止された場合
利害関係を有する株主は、種類株主総会において議決権を行使することができない。利害関係を有する株主と
は、以下の意味を有する。
・ 当行が、定款に従い、すべての株主に対して等しく持株数に応じた取得の申込みを行った場合、または証券
取引所の公開取引により取得を行った場合、「利害関係を有する株主」とは、定款に定義する支配株主をい
う。
・ 当行が、定款に従い、証券取引所外の相対取引により取得を行った場合、「利害関係を有する株主」とは、
当該取引に関係する株主をいう。
・ 当行の再編計画においては、「利害関係を有する株主」とは、同一の種類株式のその他の株主よりも軽い責
任を負う株主、または同一の種類株式のその他の株主とは異なる利害関係を有する株主をいう。
種類株主総会の決議は、当該種類株主総会の出席株主が保有する議決権付株式の3分の2以上の賛成によってのみ
可決される。
以下の場合、種類株主の議決権に関する特別手続は適用されない。
・ 当行が、株主総会の特別決議による承認後、12ヶ月ごとに個別または同時に国内上場株式および国外上場株
式を発行する場合であって、発行される国内上場株式および国外上場株式が、発行済みの同種の株式の20%
を超えない場合
・ 当行の設立過程における国内上場株式および国外上場株式の発行計画が、国務院証券監督管理機構の認可日
から15ヶ月以内に完了する場合
・ 当行の発起人の保有株式が、国務院、国務院証券監督管理機構または国務院の授権された証券審査認可機構
の認可を得て、国外上場株式に転換される場合
(e) 資本の額の変更
登録資本の増加
当行は、事業および事業の発展のために必要がある場合、関連する法律および行政法規の規定に従い、株主総会
の決議および関連主管機構の認可を条件として、以下の方法でその登録資本を増加させることができる。
・ 不特定の投資家に対する新株式の募集
・ 特定の投資家に対する新株式の募集
・ 既存の株主(優先株主は含まない。)に対する新株式の割当て
・ 資本準備金の組入れによる株式資本の増加
・ 関連主管機構または法律および行政法規により認められるその他の方法
新株式の発行による当行の増資は、定款に従って承認された後、関連する法律および行政法規の定める手続に
従って行う。
17/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
登録資本の減少
当行は、定款の規定に従い、その登録資本を減少させることができる。
当行は、登録資本を減少させる場合、貸借対照表および財産目録を作成しなければならない。
当行は、登録資本の減少に係る決議の可決後10日以内に、債権者に対してその旨を通知し、30日以内に、当該決
議の公告を新聞に3回以上掲載するものとする。債権者は、書面による通知の受領から30日以内に、または書面に
よる通知を受領しなかった場合は最初の公告が行われた日から90日以内に、当行に対して、その債務の全額の支払
いを求めるか、または返済のための相当の担保の提供を求めることができる。
当行の減資後の登録資本の額は、法定の最低限度額を下回ってはならない。
(f) 過半数の賛成を要する特別決議
株主総会の決議は、(ⅰ)普通決議および(ⅱ)特別決議の2種類に分類される。
株主総会の普通決議は、当該総会の議決権を有する出席株主(その代理人を含む。)が有する議決権付株式の過
半数の賛成により可決される。
株主総会の特別決議は、当該総会の議決権を有する出席株主(その代理人を含む。)が有する議決権付株式の3
分の2以上の賛成により可決される。
以下の事項は、株主総会の特別決議によって可決されるものとする。
・ 当行の登録資本の増加または減少
・ 社債またはその他の有価証券の発行および上場
・ 当行の合併、分割、解散、清算および会社形態の変更等
・ 自己普通株式の取得
・ 定款の変更
・ 株式インセンティブ・プランの承認
・ 当行の1年以内における重要な資産の購入または売却あるいは金額が当行の資産総額の30%を超える担保提
供に関する事項の審議および承認
・ 重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な投資、重要な資産の減価償却および前項の規定を除
く重要な資産の購入、重要な資産の処分ならびに重要な対外担保等に関する事項の審議および承認、または
取締役会に対するそれらの承認の授権
・ 利益配当政策の変更
・ 当行の発行済みの優先株に関連する事項を決定すること、または決定に関する権限を取締役会へ授権するこ
と。関連する事項には取得、転換、配当等の是非に関する決定も含まれるが、これらに限られない。
・ 株主総会の普通決議において、当行にとって重大な影響を及ぼし、特別決議による可決を要すると判断され
たその他の事項
・ 法律、行政法規、部門規則または定款により、特別決議による可決を要すると定められたその他の事項
上記の特別決議による承認を要する事項を除き、株主総会による可決が必要なその他の事項は普通決議によって
承認される。
(g) 議決権
株主(その代理人を含む。)は、株主総会での投票にあたり、1普通株式につき1票の議決権を有し、優先株式は
本定款の第76条の規定に基づき行使される。自らが保有する議決権付株式の数に応じてその議決権を行使する。
当行が保有する株式については、議決権はなく、当該株式は、株主総会の出席株主が代表する議決権付株式に含
まれない。
18/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
関連する株主総会の手続および行政事項の議案につき、議長が挙手方式により決議を行うことができる場合を除
き、 株主 総会は記名方式の投票により決議を行う。
書面投票の場合、2票以上の議決権を有する株主(その代理人を含む。)は、そのすべてを賛成票もしくは反対
票または棄権として統一して行使することを要しない。
(h) 定時株主総会
株主総会には、定時株主総会および臨時株主総会の2種類がある。株主総会は、通常、取締役会によって招集さ
れる。
定時株主総会は、年に1回、各会計年度終了後6ヶ月以内に開催しなければならない。特別な理由により株主総会
を延期しなければならない場合、適時にかつ理由を示して、国務院銀行業監督管理機構にその旨を報告する。
臨時株主総会は、以下のいずれかの事由が発生した日から2ヶ月以内に招集される。
・ 取締役の数が、法定の定数、定款が定める最低人数、または株主総会が決定した取締役会の人数の3分の2を
下回った場合
・ 当行の未填補の損失が、当行の払込済株式資本総額の3分の1に達した場合
・ 単独または共同で当行の議決権付株式の10%以上を保有する株主が、株主総会の招集を書面により要求した
場合。この場合、前述の持株数は、株主が書面により要求を提出した日の持株数を基準とする。
・ 取締役会が必要と判断した場合
・ 監査役会がその開催を提案した場合
・ 法律、行政法規、部門規則および定款に定めるその他の場合
(i) 会計および監査
当行は、法律、行政法規および国務院財務主管部門が策定した中国の会計基準の規定に従って、その財務会計シ
ステムを構築する。
取締役会は、各定時株主総会において、関連する法律、行政法規および部門規則の定めに従い当行が作成した財
務 会計報告書 を、株主に提出する。
当行は、中国の会計基準および関連する法律や規則だけでなく、国際会計基準または国外上場地の会計基準に
従ってその財務 会計 書類を作成するものとする。2種類の会計基準に従って作成された財務書類に重要な相違があ
る場合、かかる相違を財務 会計 書類の注記に明記する。当行は、関連する会計年度の税引後利益の配分にあたり、
上記の2種類の財務書類のうち少ない方の税引後利益を採用する。
当行は、その財務報告書を各会計年度に2回、すなわち、会計年度の最初の6ヶ月間の終了後60日以内に中間財務
報告書を、会計年度の終了後120日以内に年度財務報告書を、それぞれ公表する。当行の株式上場地の証券監督管
理機構のその他の規則は、これに優先する。
(j) 株主総会招集通知およびそれに関する手続
当行が株主総会を招集する場合、取締役会は、総会の45日前までに書面で通知しなければならない。株主総会へ
の出席を予定する株主は、当該総会の招集日から20日以上前に、当行に対して書面による出席の回答を送付しなけ
ればならない。
当行は、株主総会の20日以上前に受領した書面による回答に基づいて、議決権付株式の数を計算するものとす
る。当行は、当該総会への出席を予定する株主の保有する議決権付株式の数が、当行の議決権付株式総数の半数以
上に達しない場合、当該総会の議案、場所および日時の公告という形で、5日以内に再度株主への通知を行うもの
とする。当行は、かかる公告がなされた後に、当該株主総会を招集することができる。株主総会招集通知は、以下
の条件を充たさなければならない。
・ 書面によること。
・ 総会の場所、時間および総会の期限を明記していること。
・ 総会で審議される議題および議案の説明が記載されていること。
19/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 出席する権利および議決権を有する株主が、株主総会に出席する権利、必要に応じて1名以上の代理人(当
行の株主であることを要しない。)に総会への出席および議決を委任する権利を有している旨を、明確に記
載していること。
・ 株主が議案について合理的な判断をするのに必要な資料および説明を提供していること。かかる資料および
説明には、主として、提案された取引に関する具体的な条件および契約(もしあれば)ならびに当行が合
併、株式の取得、株式構造の再編またはその他の形による組織再編を提案するときは、その理由および状況
に関する 真摯 な説明を含むが、これらに限定されない。
・ 取締役、監査役およびその他の高級管理職が議案について重大な利害関係を有する場合は、当該利害の性質
および範囲を明らかにしていること。さらに、株主である取締役、監査役およびその他の高級管理職に対し
て議案が及ぼす影響が、同一の種類株式のその他の株主に対して及ぼす影響と異なる場合は、当該相違につ
いて説明していること。
・ 総会での可決が提案されているすべての特別決議案の全文を記載していること。
・ 総会のための委任状の到達期限および送付先を定めていること。
・ 株主総会への出席を認められる株主の基準日を定めていること。
・ 総会に関する常設の連絡担当者の氏名および電話番号を記載していること。
・ 株主総会が、インターネットまたはその他の方法による場合は、インターネットまたはその他の方法による
投票の時間および手続を明確に記載していること。
(k) 株式譲渡
法律、行政法規、部門規則および当行の株式上場地の証券監督管理機構の規則に別段の定めがない限り、当行の
株式は、いかなる留置権も付されずに法律に従いこれを譲渡することができる。当行の株式を譲渡する場合、譲渡
人は、当行が委託した株式登記機構に登記手続を委託しなければならない。
香港証券取引所に上場された全額払込済みの国外上場株式は、定款に従って自由にこれを譲渡することができ
る。
ただし、取締役会は、定款に定める条件が充たされている場合を除き、理由を示すことなく譲渡文書の承認を拒
否することができる。
香港証券取引所に上場された国外上場株式を譲渡するすべての場合において、一般的な様式もしくは通常の様式
または取締役会が容認する様式の書面による譲渡文書を用いるものとする。書面による譲渡文書には、署名または
有効な社印を押印することができる(譲渡人または譲受人が会社である場合)。株主が、SFOが定義する公認の決
済機関またはその代理人である場合、書面による譲渡文書には、機械の印刷による記名を付すことができる。
当 行は、自己株式を、質権の目的物として受け入れてはならない。
(l) 当行の自己株式取得権限
当行は、以下の場合、法律、行政法規、部門規則および定款の規定に従い、その発行済みの普通株式を取得する
ことができる。
・ 当行の登録資本を減少させるために株式を消却する場合
・ 当行の株式を保有する他社と合併する場合
・ 当行の従業員に対して、ストック・オプションを付与する場合
・ 株主総会で可決された当行の合併および分割に関する決議に反対する株主から、当行の株式の買取りを求め
られた場合
・ 法律、行政法規および部門規則ならびに当行の株式上場地の証券の監督管理機構により認められるその他の
場合
1 番目から3番目の事情で株式を取得する場合、当行は、 事前に 株主総会の承認を得なければならない。1番目の
事情で株式を取得する場合、当行は、取得の日から10日以内に当該株式を消却しなければならない。2番目および4
番目の事情で株式を取得する場合、当行は、6ヶ月以内に当該株式を譲渡または消却しなければならない。
20/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行が3番目の事情で取得する株式は、当行の発行済株式総数の5%を超えないものとする。取得の資金は、当行
の税引後利益の中から支払うものとする。取得された株式は、1年以内に従業員に譲渡されるものとする。
当行は、関連主管機構の認可を得た後、以下のいずれかの方法によってその株式を取得することができる。
・ 証券取引所での公開取引による取得
・ すべての当該種類株主に対する同様の比率による取得の申込み
・ 証券取引所外の相対取引による取得
・ 法律、行政法規、部門規則または関連主管機構により認められるその他の方法
(m) 当行子会社の株式保有権限
定款には、当行の子会社による当行株式の保有を制限する規定は存在しない。
(n) 配当および配分のその他の方法
当行の事業年度における税引後利益は、以下の優先順位に従って配分される。
( ⅰ) 前年度の損失の補填
( ⅱ) そのうち10%の法定準備金への積立て
( ⅲ) 一般準備金の積立て
( ⅳ) 優先株式の配当金の支払い
( ⅴ) 任意準備金の積立て
( ⅵ) 普通株式の配当金の支払い
当行の法定準備金の累積額がその登録資本の50%に達したか、または50%を超えた場合、それ以上の積立ては要
求されない。株主総会は、法定準備金の積立て、一般準備金の積立てを行い、優先株式の配当金を支払った後に、
任意準備金を積み立てるか否かを決定する。当行は、損失の補填および法定準備金の積立ておよび一般準備金の積
立ての前においては、あらゆる株主に対していかなる利益の配分も行ってはならない。
当行は、現金、株券または現金と株券を互いに合わせる方式により配当を行うことができる。
当行は、国外上場株式の株主に代わって支払いを受領する代理人を任命する。代理人は、関係株主に代わって、
国外上場株式に対する配当および当行によるその他の支払いを受領する。
当行が任命する代理人は、法律または上場地の証券取引所の関連規定の条件を充たす者でなければならない。
当行が香港 証券取引所 の国外上場株式の株主のために任命する代理人は、香港の受託者条例に基づいて登録され
た信託会社とする。
特殊な状況を除き、当年度において利益を上げかつ累計未分配利益の値がプラスである場合、当行は、現金方式
により配当金を配当する。
当行が毎年現金方式により普通株主へ分配する利益は、当該会計年度のグループ親会社の普通株主に帰属する純
利益の10%を下回らない。戦争、自然災害などの不可抗力が生じた場合、または会社外部の経営環境が変化し、か
つ会社の生産経営に重大な影響を及ぼした場合、または会社自身の経営状況に比較的大きな変化が生じた場合は、
会社は利益処分政策を調整することができる。利益処分政策を調整する場合、取締役会は本議題につき説明し、調
整理由を詳細に説明し、かつ独立取締役の審議を経てから株主総会に提出し、承認を得なければならない。
特殊な状況とは、国家の法律法規により規定されている利益配当が禁止される状況を指し、一般準備金、資本充
足レベルが監督管理要求に達していない状態を含むが、これに限られない。
21/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取締役会が、当行の株価と資本金規模が不釣合いであると認める場合、または取締役会が必要であると認める場
合、取締役会は、上述の現金による配当金分配の基礎を満たした上で、株券による配当金分配案を提出し株主総会
にて審議承認してから実施することができる。
当行は、前会計年度において利益を上げたが当行の取締役会が前会計年度終了後も現金利益配当案を提出してい
ないという場合は、定期報告において未配当の原因、当行に留保されている配当に用いていない資金の用途を詳細
に説明しなければならず、独立取締役はこれに対し、独立した意見を述べなければならない。
(o) 代理人
株主総会への出席および株主総会での議決権の行使を認められるすべての株主は、自らを代理して出席し、議決
権を行使する1名以上の者(株主であることを要しない。)を、その代理人として任命する権利を有する。
株主は、書面により代理人への委任をなすものとし、委任状には、株主または株主が書面により授権した代理人
が署名するものとする。株主が法人である場合、委任状には、当該法人の印鑑を押印するか、またはその法律上の
代表者もしくは取締役もしくは書面により授権された代理人が署名する。
株主が株主総会への出席を代理人に委任するために発行する委任状は、以下の内容を含む。
・ 代理人の氏名
・ 代理人により代理される株式数および株式の種類
・ 議決権の有無
・ 株主総会の各議案についての指示(各決議についての株主の賛成、反対または投票の棄権の意思を示すも
の)
・ 委任状の発行日およびその有効期間
・ 株主または書面により授権した代理人の署名または押印。なお、株主が法人である場合、委任状には、当該
法人の印鑑を押印するか、またはその法律上の代表者もしくは取締役もしくは書面により授権された代理人
が署名する。
・ 委任状には、株主の 具体的な 指示がない場合、その代理人が自らの意思により議決権を行使できるか否かを
明記しなければならない。委任状に明記されておらず、株主が具体的な指示をしていない事項については、
その代理人が自らの意思により議決権を行使できるとみなされ、株主はその議決権の行使に対して相応の責
任を負う。
株主が投票前に死亡するか、行為能力を失うか、もしくは委任状もしくは署名済みの授権書類を取り消すか、ま
たは関連する株式が投票前に譲渡された場合、委任状の条項に従ってなされた投票は、当行が当該総会の開始前に
かかる旨の書面による通知を受領しない限り、有効とする。
(p) 株式に関する請求および株式の失権
当行は、何人からの請求もなされなかった配当については、中国の関連する法律、行政法規および部門規則の遵
守を条件として、支払いを拒絶する権利を行使することができるが、かかる権利の行使は、適用される期間の満了
後に限られる。
配当通知書が2回連続して換金されなかった場合、または1回目に当該配当通知書が配達できず返送されてきた場
合、当行は、国外上場株式の保有者への配当通知書の郵送を終了させる権利を有する。
当行は、以下の条件が充たされた場合、所在が確認できない国外上場株式の株主が保有する株式を取締役会が適
当と判断した方法によって売却する権利を有する。
・ 当行が、当該株式に対して12年以内に3回以上配当を行い、かつ、当該期間中に何人からも当該配当の請求
がなされないこと。
・ 当行が、12年の期間終了後に、当行の株式上場地の1紙以上の新聞に、株式売却の意図を記載した公告を掲
載し、かつ、当行の株式上場地の証券監督管理機構への通知を行うこと。
22/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(q) 株主名簿の閲覧
当行の株主は、株主名簿の全部を無料で閲覧し、合理的な費用でそれを複写する権利を有する。
(r) 株主総会および種類株主総会の定足数
当行は、株主総会の20日以上前に受領した書面による回答に基づいて、当該総会への出席を予定する株主が有す
る議決権付株式の数を計算するものとする。総会は、当該総会への出席を予定する株主が保有する議決権付株式の
数が、当行の議決権付株式総数の半数以上に達した場合に、これを開催することができる。かかる条件が充たされ
ない場合、当行は、当該総会の議案、場所および日時の公告という形で、5日以内に再度株主への通知を行う。当
行は、かかる公告がなされた後に、当該株主総会を開催することができる。
当行は、総会への出席を予定する株主が代表する議決権付株式の数が、当該総会における同種の議決権付株式総
数の2分の1以上に達した場合に、種類株主総会を開催することができる。かかる条件が充たされない場合、当行
は、5日以内に、当該総会の議案、日時および場所を公告によって再度株主に通知し、その後に種類株主総会を開
催することができる。
(s) 不正行為または抑圧に関する少数株主の権利
当行の支配株主は、当行およびその他の株主に対して忠実義務を負う。支配株主は、投資家としての自らの権利
の行使にあたり、法律、行政法規、部門規則および定款を厳守しなければならず、また、不正な利益を得るために
自らの地位を濫用してはならず、当行またはその他の株主の法律上の権利および利益を損なってはならない。
支配株主は、それが法律、行政法規、または当行の株式上場地の証券監督管理機構の関連する規則に基づく義務
である場合を除き、株主としての権利の行使にあたり、以下の事由に関して、議決権の行使により株主の全部また
は一部の利益を損なうような決定をしてはならない。
・ 当行の最大の利益のために誠実に行為する取締役および監査役の責任を免除すること。
・ 取締役および監査役が、自己または第三者の利益のために、あらゆる形で当行の財産(当行にとって有利な
機会を含むが、これに限定されない。)を剥奪するのを承認すること。
・ 取締役および監査役が、自己または第三者の利益のために、他の株主の個々の権利および利益(配当受領権
および議決権を含むがこれらに限定されない。)を剥奪するのを承認すること(ただし、定款に従って承認
のために株主総会に提出された当行の組織再編を除く。)。
当行の支配株主は、当行の意思決定ならびに法律に従って行われる経営活動および営業活動を直接的または間接
的に妨げてはならず、当行およびその他の株主の権利および利益を損なってはならない。
「支配株主」とは、以下の条件のいずれかを充たす者をいう。
・ 単独または共同で、取締役の2分の1以上を選任する権利を有していること。
・ 単独または共同で、当行の議決権の30%以上を行使 でき るか、 もしく は行使を支配 できるか、または当行の
議決権の30%以上を支配することができ ること。
・ 単独または共同で、当行の発行済みの議決権付き株式の30%以上を保有していること。
・ 単独または共同で、その他の方法により当行を事実上支配していること。
上記の「共同」とは、2名または2名以上の者が合意(口頭または書面を問わない。)、提携、関連者関係等の適
法な手段を通じて当行の株式に対する支配率を拡大し、またはその当行に対する支配的地位を強化し、当行の議決
権行使の際において同一の意思表示(議案の共同提出、取締役の共同指名、投票意向が明記されていない議決権の
委託行使等を含む。但し、投票代行権の公開募集を除く。)を行う行為をいう。
(t) 清算手続
当行は、以下の場合に、法律に従って解散する。
・ 株主総会においてその旨の決議があった場合
23/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行の合併または分割の結果として必要な場合
・ 当行の営業許可証が停止されるか、または終了もしくは無効を命じられた場合
・ 当行の業務および経営に重大な困難があり、当行の存続が株主利益を著しく損なうおそれがあり、かつ他
の方法による問題の解決が不可能である場合
当行の解散は、認可のために国務院銀行業監督管理機構に報告する。
取締役会は、当行の清算(当行の破産宣告の結果としての清算を除く。)を決定する場合、当行の状況を包括的
に調査した結果、当行が清算開始後12ヶ月以内にすべての債務を弁済することができると判断した旨を、かかる目
的のために招集される株主総会の招集通知に記載する。
当行の取締役会の権限および機能は、株主総会おける清算の決議と同時に終了する。
清算委員会は、株主総会の指示に従い、同委員会の収支、当行の事業および清算の進捗状況を年に1回以上株主
総会に報告し、清算終了時に株主総会に対して最終報告を行う。
清算委員会は、その成立後10日以内に、債権者に対して成立を通知し、60日以内に、成立の公告を新聞に3回以
上掲載する。
債権者は、通知を受領した日から30日以内に、または通知を受領しなかった場合は最初の公告が行われた日から
45日以内に、清算委員会に対して自らの債権を届け出る。
債権者は、自らの債権の届出にあたり、当該債権に関連する事項を説明し、かつ、その証拠資料を提出しなけれ
ばならない。清算委員会は、債権を記録する。
清算委員会は、債権届出期間中においては、債権者に対していかなる債務の弁済もしてはならない。
(u) 当行の株主にとって重要なその他の規定
株主総会の機能および権限
株主総会は、以下の機能を果たし、権限を行使することを認められた機関である。
・ 経営計画および投資計画の決定
・ 取締役の選任、交替および解任ならびに取締役の報酬の決定
・ 独立監査役および株主代表監査役の選任、交替および解任ならびに監査役の報酬の決定
・ 取締役会の報告の審議および承認
・ 監査役会の報告の審議および承認
・ 年度財務予算案および決算案の審議および承認
・ 利益処分案および損失補填案の審議および承認
・ 登録資本の増加または減少に関する決議
・ 社債券およびその他の有価証券の発行ならびに上場に関する決議
・ 当行の合併、分割、解散、清算または会社形態の変更に関する決議
・ 当行の普通株式の取得に関する決議
・ 定款ならびに株主総会議事規則、取締役会議事規則および監査役会議事規則の変更の承認
・ 会計事務所の任用、解任または不再任の決定
・ 当行の1年以内における重要な資産の購入または売却あるいは金額が当行の資産総額の30%を超える担保提
供に関する事項の審議および承認
・ 重要な法人機構の設立、重要な買収および合併、重要な対外投資、重要な資産の減価償却および前項の規定
を除く重要な資産の購入ならびに重要な対外担保の提供等の事項の審議および承認、または取締役会に対す
るそれらの授権
・ 募集資金の使途の変更の審議および承認
24/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 株式インセンティブ・プランの審議および承認
・ 単独または共同で議決権の3%以上を保有する株主の提案の審議および承認
・ 法律、行政法規、部門規則、当行の株券上場地の証券監督管理機構および定款において、株主総会での審議
および承認が必要と定められた関連取引の審議および承認
・ 当行の発行済みの優先株に関連する事項を決定すること、またはこれらの決定に関し取締役会へ授権するこ
と。関連する事項には取得、転換、配当等の是非に関する決定も含まれるが、これらに限られない。
・ 法律、行政法規、部門規則、当行の株券上場地の証券監督管理機構および定款において、株主総会での審議
および承認が必要と定められたその他の事項の審議および承認
株主に対する貸出
株主に与えた当行の与信の条件は、その他の顧客に対する同種類の与信の条件より有利であってはならない。
同一の議決権を有する株主の当行での借入残高は、当行の純資産額の10%を超えてはならない。
当行の株主、特に主要株主は、信用供与の期限が過ぎている間は、議決権を行使できず、その保有する株式数
は、株主総会に出席している議決権付き株式総数に算入されない。かかる株主が指名した取締役は、取締役会会議
において議決権を行使してはならない。当行は、当該株主が受け取るべき配当を当行からの借入の返済に優先的に
充当する権利があり、当行の清算時には、当該株主に分配する財産を、当行からの借入の返済に優先的に充当しな
ければならない。
取締役の株式資格
取締役は、自然人であるものとし、また、当行の株式を保有することを要しない。
取締役会委員会
取締役会の下には、戦略計画 および持続可能発展 委員会、三農金融 および 普恵金融発展委員会、監査およびコン
プライアンス委員会、指名および報酬委員会、リスク管理 および消費者権利保護 委員会、関連取引監視委員会、米
(1)
国地域機関リスク管理委員会が設置される 。 取締役会は、必要に応じて随時、その他の委員会を設置し、既存
の委員会を調整することができる。取締役会各委員会は、取締役会に対して説明責任を負い、取締役会の授権に基
づき、取締役会に専門的意見を提供し、専門的意見を要する事項に関して決定を下す。
各委員会は、3名以上の取締役により構成される。非執行独立取締役は、監査およびコンプライアンス委員会、
指名および報酬委員会ならびに関連取引監視委員会の過半数を占め、かつ当該委員会の主席を務める。
(1) 2020年12月25日、当行の取締役会は「取締役会専門委員会設置の調整」に関する議案を審議・可決し、関連取引監視委員
会(従前はリスク管理/消費者権利保護委員会の下に設置されていた委員会)を単独で設置した。一部の専門委員会の名
称について、「「三農」金融/普恵金融発展委員会」を「「三農」金融および普恵金融発展委員会」に改称し、「監査お
よびコンプライアンス委員会(審 計 及合規管理委員会 )」を「監査およびコンプライアンス委員会(審 計 与 合規管理委員
会 )」に改称し、「リスク管理/消費者権利保護委員会」を「リスク管理および消費者権利保護委員会」に改称し、「戦
略計画委員会」を「戦略計画および持続可能発展委員会」に改称し、「当行の持続可能な発展戦略および目標の策定なら
びに持続可能な発展に関連するリスクおよび戦略実施状況の定期的な評価」の職務を追加した。詳細については、当行の
上海証券取引所および香港証券取引所のウェブサイトに公表されている公告を参照のこと。
戦略計画委員会
戦略計画 および持続可能発展 委員会は、以下の職務を行う。
・ 発展 戦略 のための全体的計画および個別計画の制定ならびにそれらに関する取締役会への提案
25/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 国内および国外の金融情勢および市場の変化に照らした、当行の発展 戦略 計画および その 実行に影響を及ぼ
す 可能性のある要因および当行の全体的な発展状況 の評価ならびに取締役会に対する発展 戦略 計画の調整お
よび提案
・ 経営計画、投資計画および財務計画の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案。当行の経営計画およ
び投資計画の実行状況の監督、調査
・ 高級管理層が提示する年度財務予算案および決算案の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 法人の設立ならびに合併および買収に関する計画の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 重要な対外投資、重要な資産の購入、重要な資産の処分、重要な資産の減価償却および重要な対外担保等に
関する事項の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 戦略的資本運用ならびに資産および負債管理の目標の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 本店内部の職能部門、第一級の国内支店および国外支店、本店の直属支店およびその他の機構ならびに国外
における機構の設立および調整の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 財務報告、リスク管理および内部統制等が当行のコーポレート・ガバナンスの基準に合致するよう保証する
ため、当行のコーポレート・ガバナンスが健全に行われているかどうかの審査および評価
・ 当行の持続可能な発展戦略および目標の策定ならびに持続可能な発展に関連するリスクおよび戦略実施状況
の定期的な評価
・ 法律、行政法規および部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに
取締役会により授権された機能
三農金融 および 普恵金融発展委員会
三農金融 および 普恵金融発展委員会は、以下の職務を行う。
・ 当行の全体的な戦略発展計画に沿った、三農業務の戦略発展計画の審議およびそれに関する取締役会への提
案
・ 三農に関する国の方針ならびに三農の経済および金融市場の動向に沿った、当行の三農業務の開発に影響を
及ぼす重要な要因の評価ならびに取締役会に対する三農業務の戦略発展計画の修正の速やかな提案
・ 三農業務に関する当行の方針および基本管理制度の審議ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 当行のリスク管理戦略計画に沿った、当行の三農業務のリスク戦略計画の審議、三農業務に関するリスク管
理および内部統制状況の評価ならびにそれらに関する取締役会への提案
・ 当行の三農業務の戦略計画、方針および基本管理制度の実行の監視、三農に関するサービスの効果の評価な
らびにそれらに関する取締役会への提案
・ 当行の経営計画に沿った、三農業務計画の審議およびそれに関する取締役会への提案
・ 普恵金融事業の発展計画の策定、当行の普恵金融政策、基本的管理制度、年間事業計画ならびにリスク戦略
計画の審議
・ 当行の普恵金融に関する各戦略、政策、制度の確実な実施の監督、評価を行った後の取締役会への意見の提
出
・ 三農業務および普恵 金融 の関連事項ならびに取締役会が授権したその他の事項の審議
監査およびコンプライアンス委員会
監査およびコンプライアンス委員会は、以下の職務を行う。
26/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行の内部統制管理制度の審議、当行の内部統制の効果的な実施および内部統制の自己評価の監督ならびに
当行の中核的事業活動および主要な事業ならびにそれらの法令遵守状況の検討および評価
・ 当行の重要な財務会計方針およびその実行の審査ならびに当行の財務運営の監督
・ 当行の監査基本管理制度、規則、中長期的監査企画および年度業務計画の審 議 ならびにそれらに関する取締
役会への提案。当行の監査基本管理制度、規則、企画および計画ならびにその実施の監督
・ 当行の内部監査制度設置計画の審議およびそれに関する取締役会への提案
・ 内部監査の独立性を確保するための、内部監査部門の年度予算の審議 および承認 、または取締役会の授権に
基づくその審査 および承認
・ 内部監査業務の監督および評価、当行の内部監査制度およびその実施の監督
・ 会計事務所の任用または解任の提案および承認のための取締役会への報告、会計事務所が考案した年度監査
計画、監査範囲および重要な監査規則の監督および評価、監査を経た当行の財務会計報告書に関する情報の
真実性、完全性および正確性につき判断する報告の作成および承認のための取締役会へのそれらの提出
・ 当行の内部監査部門と会計事務所との間の意思疎通の促進
・ 当行の事件予防業務の全体方針の審議、高級管理層の関連責務および権能を明確化
・ 当行の事件予防業務の審査・監督、関連作業報告書の審議、事件予防の実行の効果の査定・評価、事件予防
管理体制の構築の促進
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに取締
役会により授権された機能
指名および報酬委員会
指名および報酬委員会は、以下の職務を行う。
・ 取締役、取締役会の各専門委員会の主席および委員ならびに高級管理職の選任の基準および手続の制定なら
びに承認のための、取締役会への手続案および基準案の提出
・ 取締役、総裁、取締役会秘書役、総裁が指名した副総裁およびその他の高級管理職候補者の就任資格および
条件の暫定的な審査および取締役会への提案
・ 取締役の候補者、総裁、取締役会秘書役の人選に関する取締役会への提案
・ 他の 専門 委員会の主席および委員(戦略計画 および持続可能発展 委員会の主席を除く。)の候補者の指名
・ 高級管理職および主要な予備人材の開発計画の制定
・ 取締役および高級管理層の報酬計画の立案、承認のための取締役会への提出、取締役および高級管理職の業
績審査に基づく、報酬の支払計画に関する提案の提出ならびに承認のための取締役会へのそれらの提出
・ 高級管理層が提示した、人事および報酬に関する方針および基本管理制度の審議ならびに決定のための取締
役会への提出およびそれらの実行の監督
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに取締
役会により授権された機能
リスク管理 および消費者権利保護 委員会
リスク管理 および消費者権利保護 委員会は、以下の職務を行う。
・ 当行の総体発展戦略企画に基づく、当行のリスク管理戦略企画、リスク選好および主要リスク管理政策の審
議、その実施状況および効果に対する監督および評価ならびに取締役会への提案
27/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 全面的なリスク管理報告およびリスク資本分配案の審議および取締役会への決定の提案
・ 信用、市場および業務に関する高級管理職のリスク管理の監督ならびに当行のリスク管理に関する完璧な意
見の提出
・ 当行のリスク管理システムの継続的な監督、当行のリスク管理部門の設置、作業手順およびその効果の評価
ならびに改善提案の提出
・ 当行の総体発展戦略計画に従った、当行の消費者権利保護の戦略、政策および目標の審議、取締役会への提
案、当行の消費者権利保護業務の監督および評価、定期的な当行の消費者権利保護業務の実施に関する報告
の聴取
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能ならびに取締
役会により授権された機能
関連取引監視委員会
関連取引監視委員会は、以下の職務を行う。
・ 関連取引基本制度の審議およびその実施の監督ならびに取締役会に対する提案の提出
・ 当行の関連者の特定、取締役会および監査役会への報告ならびに関係者への通知
・ 取締役会または株主総会の承認を得るべき関連取引の暫定的な審議および承認のための取締役会または取締
役会を通じた株主総会への提案
・ 取締役会の授権に基づく、関連取引および関連取引に関連するその他の事項の審査および承認、関連取引に
関する届出の管理および取締役会への関連取引の管理状況の説明
・ 法律、行政法規、部門規則および当行の株券上場地の証券監督管理機構により要求される機能、または取締
役会により授権された機能
米国地域機関リスク管理委員会
・ 米国における事業のリスク管理政策を審議し、実施の監督を行うこと。米国における機関の内部検査および
外部検査に発見した問題及び整頓・改革の状況に関する報告書を審議すること。取締役会が授権したその
他の責務を履行すること。リスク管理委員会は、米国地域機関リスク管理委員会の職務を兼ねる。
監査役会
当行は、監査機関であり、株主総会に対して責任を負う監査役会を設置した。監査役会は、以下の機能および権
限を有する。
・ 取締役会および高級管理層の業績の監督、取締役および高級管理層の義務履行の監督およびこれに関する調
査ならびに取締役および高級管理層に対する当行の利益を損なう行為の是正の要求
・ 法律、行政法規および定款または株主総会決議に違反した取締役および高級管理層に対する解任および訴訟
の提起の提案
・ 必要に応じた取締役および高級管理層の離任監査の実行
・ 監査役の報酬および手当の分配計画の策定、審議のための株主総会への提出
・ 財務活動、経営決定、リスク管理および内部統制の監督ならびに内部監査部門の業務に関する助言
・ 取締役会が株主総会に提出予定の財務会計報告書、業務報告書および利益処分案の審議ならびに問題が発見
された場合の当該報告書を審議する会計士および会計監査人の当行の名による任命
・ 三農業務の発展戦略計画、方針および基本管理制度の実行の監督
・ 株主総会への提案の提出
・ 株主代表監査役、社外監査役および独立 取締 役の指名
・ 監査役会議事規則の修正案の制定
28/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 外部監査業務の独立性および効率性のみならず、外部監査法人の任命、解任および再任についてのコンプラ
イアンスならびに雇用および報酬の条件の公平性の監督
・ 法律、行政法規、部門規則および定款により要求されるその他の機能、または株主総会により授権されたそ
の他の機能
優先株主に関する特別規定
当行が以下に掲げる状況にある場合、優先株主は議決権を有する。
・ 定款における優先株式に関連する内容の修正を行う場合
・ 一回または累計で当行の登録資本の10%を超える減額を行う場合
・ 当行の合併、分割、解散または会社形態の変更を行う場合
・ 優先株式の発行を行う場合
・ 法律、行政法規および定款において規定するその他の場合
以上に掲げる状況の1つが起きた場合、優先株主は株主総会に出席する権利を有し、当行はインターネットによ
る投票を提供しなければならない。当行による株主総会の開催は優先株主に通知しなければならず、かつ定款で定
められた普通株主に対する通知に関する手続に従わなければならない。
当行が優先株式に係る配当を累計3会計年度または連続する2会計年度にわたって支払わない場合、優先株主は、
当該年度の利益分配計画に従って優先株式に配当を行わないことを決議した株主総会の翌日以降、株主総会に出席
し、普通株主と同様に議決権を行使する権利を有するものとし、議決権は、当該年度の優先株式に係る配当が当行
によりすべて支払われる日までの間、復活するものとする。
2【外国為替管理制度】
中国の法定通貨である人民元は、現在、外貨管理の対象となっており、外貨に自由に交換することができない。
中国人民銀行の管轄下にあるSAFEは、中国人民銀行により外貨に関連する一切の事項の管理を授権されている。
人民元は、需給に基づき、かつ通貨バスケットを参照して為替レートを決定する管理変動相場制をとっている。
中国人民銀行は、各営業日の市場の営業終了後に銀行間外国為替市場における米ドル等の外貨に対する人民元の終
値を発表し、翌営業日の当該外貨についての人民元の為替中心レートを決定する。その後、取引はかかる当該外貨
についての人民元の為替中心レート価格前後の一定限度内の範囲内で行うことができる。
2008 年に改正された中華人民共和国外貨管理規則に従い、中国国内機関の経常項目の外貨収入は、国の関連規定
に基づき留保するか、または外貨決済、外貨販売業務を提供する金融機関に売却することができる。中国外貨管理
規則に基づき、すべての国際的支払いおよび移転は経常勘定項目および資本勘定項目に分類される。
経常性を有する国際的支払いおよび移転は、国による規制を受けない。経常勘定項目に関する取引で外貨が必要
な中国企業は、有効な証憑および当該取引の証明により、その外貨口座または指定外貨銀行から支払いを行うこと
ができる。
直接投資および資本拠出等の資本勘定項目に関する外貨の交換は、依然として規制対象であり、当該取引におけ
る外貨の購入について、SAFEおよび/または関連する下部機構への事前の報告または事前の承認を得なければなら
ない。
当行のH株式保有者に対する配当は、人民元建てで決定されるが、香港ドルで支払われなければならない。
当該規則に従い、外貨により株主に配当を支払わなければならない中国企業(当行を含む。)は、利益配当に関
する株主総会の決議および取締役会の決議に基づき、その外貨からの支払い、または指定外貨銀行における交換お
よび配当の支払いを行うことができる。
29/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
3【課税上の取扱い】
(1)中国における課税
配当金に関する課税
中国個人所得税法およびその改正に従い、中国企業が支払う配当金について、個人に対しては一般的に一律20%
の個人所得税が課される。非居住者である個人について、国務院税務当局による特別免除または関連する租税条約
に基づく減税がなされない場合は、その中国企業から支払われた配当金には一般的に20%の個人所得税が課され
る。「国家税務総局の国税発[1993]045号文書廃止後の関連する個人所得税の徴収管理の問題に関する通知」
(国税函[2011]348号)の規定に基づき、国内の非外商投資企業が香港で株式を発行する場合、その企業の国外
居住者である個人株主は、住民身分証に記載されている所属国が中国との間で締結している租税条約および中国本
土と香港(マカオ)間の租税手続に関する協定に基づき、関連する優遇税制を享受することができる。香港で株式
を発行する中国国内の非外商投資企業が配当を行う場合、関連する税法および税収協定に特別の規定がある場合を
除き、一般的に10%の税率に基づき個人所得税を源泉徴収する。
中国法人所得税法、同実施規定および2008年11月6日に国家税務総局により公布された「非居住者である外国企
業のH株式の株主に対し中国居住者である企業から支払われる配当に係る法人所得税の源泉徴収の問題に関する通
知」(国税函[2008]897号)の規定により、H株式を含む海外株式を有する非居住者である外国企業株主が取得
した、中国居住者である企業が2008年度以降に支払った配当金に対して、中国居住者である企業は非居住者である
企業の所得税を源泉徴収する義務を負い、非居住者である企業へのH株式の配当金について、その支払い額または
期日到来後に支払うべき金額から、10%の税率に基づき法人所得税を源泉徴収しなければならない。
中国との間に二重課税の防止に関する租税条約または協定を締結している国に居住している投資家は、かかる租
税条約または協定の条項に基づき、源泉徴収税を軽減される権利を有する。上記通達に基づき、非居住者である企
業株主は、配当を受領した際、中国税務当局に税収協定(手続)上の待遇を享受したい旨の申請を提出し、自身が税
収協定(手続)により規定する受益者に実際に該当することを証明する資料を提出する。税務当局による真実性の
審査の後、源泉徴収された税額と当該条約に基づき支払うべき金額との差額を返金する。
キャピタル・ゲインに対する課税
中国個人所得税法および同実施規定は、個人が株式の売却により実現した利益を、税率20%の所得税の対象と定
めており、かつMOFにかかる税金の徴収の仕組みに関する詳細な課税規則を作成し、実施する権限を付与してお
り、国務院により承認されている。しかしながら、中国の財政部門はこれまでにこれらについての具体的な実施措
置を公布しておらず、株式の売却により得られた利益に対して所得税を徴収していない。もっとも、具体的な徴収
規則が施行された場合、中国個人所得税法およびその改正に従い、国外の個人投資者のキャピタルゲイン相当額に
対して税率20%の所得税を徴収する。但し、関連する租税条約の規定に基づき減免される場合を除く。関連税務当
局は、これまで個人株主が譲渡したH株の上場会社の株式に対して所得税を徴収していない。
2018 年12月29日 に 施行されている中国法人所得税法および2019年4月23日より施行されている同実施規定によれ
ば、非居住者である企業が中国国内において機関や事務所を設置していない場合、または機関や事務所を設置して
いても、その取得した所得がかかる機関や事務所と実際上の関連性を持たない場合には、中国国内において発生し
た利益については、 適用ある租税条約により減税されない限り 、税率10%の法人所得税の対象となる。
30/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
配当およびキャピタル・ゲインに対する中国による課税に租税条約が及ぼす影響
所得に関する二重課税の回避および脱税の防止のための中国と日本国との間の条約(以下「日中租税条約」とい
う。)は1984年6月26日に効力を生じている。日中租税条約第10条に基づき、中国政府は、中国の会社が日本の適
格なH株式保有者に対して支払う配当金につき、当該配当の総額に対して10%を上限とする税率により所得税を課
すことができる。この規定は 当該会社の 配当 支払前の利益 に 課 される会社 の利益 税に影響を及ぼすものではない。
日中租税条約に従い、「日本の適格なH株式保有者」とは、(1)日中租税条約の適用上、日本国の居住者に該当す
る者で、(2)中国国内に、H株式が帰属し、またはそこを通じて実質所有者が事業を行っている、もしくは行って
きた恒久的施設または固定的施設を有しておらず、(3)H株式に関連して得られる所得または利益につき日中租税
条約の恩典を享受する上でその他の点につき不適格ではない、日本の保有者をいう。
中国税制に関するその他の事項
中国印紙税
1988 年10月1日に施行され2011年1月8日に改正された「中国印紙税暫定規定」 および 1988 年10月1日に施行された
「同施行細則」 に基づき、中国の公開企業の株式譲渡に課される中国の印紙税は、中国人以外の投資家が中国国外
でH株式または米国預託株式を取得および譲渡する場合には適用されない。本条例 および 同施行細則は、当該証憑
が作成された場所が中国国内または国外にかかわらず、中国の印紙税が 、中国国内で法的効力を有し、中国法の保
護を受ける証憑にのみ課される旨を定めている。
遺産税
中国法の下では、中国国籍を有しないH株式保有者に対して、いかなる遺産税の納税義務も生じない。
(2)香港における課税
配当金に関する課税
現在の香港税務局の扱いによれば、当行が支払う配当は、当該配当が香港における貿易、専門的サービスまたは
ビジネスにより生じたものである場合を除き、香港において源泉徴収またはその他の方法により課税されない。
所得税
香港において、H株式の譲渡によるキャピタル・ゲインに対しては課税されない。しかし、香港において貿易も
しくは専門的サービスまたはビジネスに従事する者が、H株式を譲渡したことによって得た売却利益を有し、かか
る利益が香港において従事した貿易もしくは専門的サービスまたはビジネスから得られた課税所得である場合に
は、香港の所得税が課される。法人に対して課される所得税の税率は16.5%、個人に対して課される標準税率は
15.0%であるが、2018年4月1日以降に開始する課税年度においては、2百万香港ドルまでの課税対象所得には、半
分の税率であるそれぞれ8.25%および7.5%が適用される。香港証券取引所におけるH株式の売却による譲渡所得
は、香港税務局により、香港において生じたか、または香港から得られたものとみなされる。香港で証券取引業務
に従事する者が行ったH株式の売却により得た譲渡益については、所得税を納付しなければならない。
印紙税
香港で登録されているH株式の売買における買主および売主は、取引ごとに香港で印紙税を納付しなければなら
ない。印紙税は、買主および売主双方の各自が、譲渡したH株式の対価あるいは市場価額(いずれか高い方を基準
とする)の0.1%の従価税率をもって徴収される。すなわち、H株式の譲渡については合計0.2%の税率による印紙
税が課される。さらに、H株式の譲渡証書については、すべて5香港ドルの固定税率による印紙税を支払う必要が
ある。
売買の一方当事者が香港の非居住者であって、必要な印紙税を支払わない場合、支払われない印紙税は譲渡証書
(もしあれば)に基づいて評価され、譲受人が当該印紙税の支払義務を負う。
31/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
遺産税
香港においては、遺産税は存在しない。
(3)日本における課税
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法およびその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれら法
令上の制限を受けるものの、日本の個人または日本法人の所得(および個人に関しては相続財産)が上記の中国ま
たは香港の税制に関する記載における中国または香港の租税の対象となる場合、かかる中国または香港の租税は、
当該個人または法人が日本において支払うこととなる租税の計算上税額控除の対象となる場合がある。なお、「第
8-2-(5)本邦における配当等に関する課税上の取扱い」も参照のこと。
4【法律意見】
(1)中国法に関する法律意見書
当行の中国における法律顧問である金杜律師事務所より、大要以下の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛てに提
出されている。
(ⅰ) 当行は、中国法に基づく株式有限会社として有効に存続している。
(ⅱ) 有価証券報告書に含まれる中国の法令に関するすべての記述は、すべての重要な点において真実かつ正確
である。
(2)香港法に関する法律意見書
当行の香港における法律顧問である方達律師事務所より、大要以下の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛てに提
出されている。
(ⅰ) 有価証券報告書に含まれる香港の法令に関するすべての記述は、すべての重要な点において真実かつ正確
である。
32/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(別段の記載がない限り、本書に記載されている財務資料および財務指標は、IFRSに従い、また人民元建てで作
成されている。)
33/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
主要な財務データ
(単位:別段の記載がない限り、百万人民元)
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在 12月31日現在
当該報告期間末日現在
資産合計 19,569,072 21,052,309 22,608,452 24,877,491 27,205,047
(百万円) (337,762,183) (363,362,853) (390,221,882) (429,385,495) (469,559,111)
顧客への貸出金合計 9,718,650 10,719,538 11,940,322 13,360,342 15,170,442
(百万円) (167,743,899) (185,019,226) (206,089,958) (230,599,503) (261,841,829)
法人向け貸出金 5,368,250 6,147,584 6,514,383 7,095,770 8,134,487
(百万円) (92,655,995) (106,107,300) (112,438,251) (122,472,990) (140,401,246)
割引手形 569,948 187,502 343,961 421,390 389,475
(百万円) (9,837,302) (3,236,285) (5,936,767) (7,273,191) (6,722,339)
個人向け貸出金 3,339,890 3,999,200 4,664,852 5,391,677 6,198,743
(百万円) (57,646,501) (69,026,192) (80,515,346) (93,060,345) (106,990,304)
海外およびその他 440,562 385,252 389,410 419,913 413,416
(百万円) (7,604,100) (6,649,450) (6,721,217) (7,247,698) (7,135,560)
貸出金に係る減損損失引当金 400,275 404,300 479,143 540,578 618,009
(百万円) (6,908,747) (6,978,218) (8,270,008) (9,330,376) (10,666,835)
顧客への貸出金(純額) 9,318,375 10,315,238 11,461,179 12,819,764 14,552,433
(百万円) (160,835,153) (178,041,008) (197,819,950) (221,269,127) (251,174,994)
金融投資 5,333,535 6,152,743 6,885,075 7,422,930 7,822,659
(百万円) (92,056,814) (106,196,344) (118,836,395) (128,119,772) (135,019,094)
現金および中央銀行預け金 2,811,653 2,896,619 2,805,107 2,699,895 2,437,275
(百万円) (48,529,131) (49,995,644) (48,416,147) (46,600,188) (42,067,367)
銀行およびその他の金融機関への
預け金および貸出金 1,203,614 635,514 661,741 758,925 981,133
(百万円) (20,774,378) (10,968,972) (11,421,650) (13,099,046) (16,934,356)
売戻し条件付契約に基づき保有す
る金融資産 323,051 540,386 371,001 708,551 816,206
(百万円) (5,575,860) (9,327,062) (6,403,477) (12,229,590) (14,087,716)
負債合計 18,247,481 19,622,912 20,933,665 22,923,630 24,994,301
(百万円) (314,951,522) (338,691,461) (361,315,058) (395,661,854) (431,401,635)
顧客預金 15,321,667 16,545,889 17,602,056 18,849,155 20,372,901
(百万円) (264,451,972) (285,582,044) (303,811,487) (325,336,415) (351,636,271)
法人預金 5,836,373 6,612,673 6,807,956 7,196,002 7,618,591
(百万円) (100,735,798) (114,134,736) (117,505,321) (124,202,995) (131,496,881)
個人預金 8,914,120 9,405,347 10,076,833 10,904,731 11,926,040
(百万円) (153,857,711) (162,336,289) (173,926,138) (188,215,657) (205,843,450)
海外およびその他 571,174 527,869 514,244 517,440 562,741
(百万円) (9,858,463) (9,111,019) (8,875,851) (8,931,014) (9,712,910)
銀行およびその他の金融機関から
の預り金および預入金 1,458,065 1,254,791 1,449,863 1,829,272 1,785,176
(百万円) (25,166,202) (21,657,693) (25,024,635) (31,573,235) (30,812,138)
買戻し条件付契約に基づいて売却
した金融資産 205,832 319,789 157,101 53,197 109,195
(百万円) (3,552,660) (5,519,558) (2,711,563) (918,180) (1,884,706)
発行済債券 388,215 475,017 780,673 1,108,212 1,371,845
(百万円) (6,700,591) (8,198,793) (13,474,416) (19,127,739) (23,678,045)
当行の持分所有者に帰属する持分 1,318,193 1,426,415 1,670,294 1,948,355 2,204,789
(百万円) (22,752,011) (24,619,923) (28,829,274) (33,628,607) (38,054,658)
(1)
正味自己資本
1,546,500 1,731,946 2,073,343 2,498,311 2,817,924
(百万円) (26,692,590) (29,893,388) (35,785,900) (43,120,848) (48,637,368)
普通株式Tier1(CET1)資本
(1)
(純額)
1,231,030 1,339,953 1,583,927 1,740,584 1,875,372
(百万円) (21,247,578) (23,127,589) (27,338,580) (30,042,480) (32,368,921)
34/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1)
その他Tier1資本(純額) 79,904 79,906 79,906 199,894
319,884
(百万円) (1,379,143) (1,379,178) (1,379,178) (3,450,170) (5,521,198)
(1)
Tier2資本(純額) 235,566 312,087 409,510 557,833
622,668
(百万円) (4,065,869) (5,386,622) (7,068,143) (9,628,198) (10,747,250)
(1)
リスク加重資産 11,856,530 12,605,577 13,712,894 15,485,352
16,989,668
(百万円) (204,643,708) (217,572,259) (236,684,550) (267,277,176) (293,241,670)
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
各事業年度における経営成績
営業利益 510,128 542,898 602,557 629,350 659,332
(百万円) (8,804,809) (9,370,419) (10,400,134) (10,862,581) (11,380,070)
受取利息純額 404,938 449,905 488,159 500,870 545,079
(百万円) (6,989,230) (7,765,360) (8,425,624) (8,645,016) (9,408,064)
受取報酬および手数料純額 84,101 64,928 67,742 72,927 74,545
(百万円) (1,451,583) (1,120,657) (1,169,227) (1,258,720) (1,286,647)
営業費用 197,049 205,268 213,963 224,096 229,897
(百万円) (3,401,066) (3,542,926) (3,693,001) (3,867,897) (3,968,022)
信用減損損失 N/A N/A 136,647 138,605 164,699
(百万円) (N/A) (N/A) (2,358,527) (2,392,322) (2,842,705)
資産に係る減損損失 86,446 98,166 N/A N/A N/A
(百万円) (1,492,058) (1,694,345) (N/A) (N/A) (N/A)
税引前当期純利益合計 226,624 239,478 251,674 266,576 265,050
(百万円) (3,911,530) (4,133,390) (4,343,893) (4,601,102) (4,574,763)
純利益 184,060 193,133 202,631 212,924 216,400
(百万円) (3,176,876) (3,333,476) (3,497,411) (3,675,068) (3,735,064)
当行の持分所有者に帰属する純利益 183,941 192,962 202,783 212,098 215,925
(百万円) (3,174,822) (3,330,524) (3,500,035) (3,660,811) (3,726,866)
営業活動による正味キャッシュ・
フロー 715,973 633,417 105,927 358,396 (60,936)
(百万円) (12,357,694) (10,932,777) (1,828,300) (6,185,915) ((1,051,755))
35/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
財務指標
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
収益性 (%)
(2)
平均総資産利益率
0.99 0.95 0.93 0.90 0.83
(3)
加重平均純資産利益率
15.14 14.57 13.66 12.43 11.35
(4)
正味利息収益率
2.29 2.32 2.38 2.23 2.20
(5)
正味利息スプレッド
2.14 2.20 2.25 2.09 2.04
(1) 、(6)
リスク加重資産利益率
1.55 1.53 1.48 1.38 1.27
営業収益に対する受取報酬および
手数料純額率 16.49 11.96 11.24 11.59 11.31
(7)
経費率
34.59 32.96 31.27 30.49 29.23
1 株当たりデータ (人民元)
(3)
基本的1株当たり利益
0.55 0.58 0.59 0.59 0.59
(円) (9.49) (10.01) (10.18) (10.18) (10.18)
(3)
希薄化後1株当たり利益
0.55 0.58 0.59 0.59 0.59
(円) (9.49) (10.01) (10.18) (10.18) (10.18)
営業活動による1株当たり正味キャッ
シュ・フロー 2.20 1.95 0.30 1.02 (0.17)
(円) (37.97) (33.66) (5.18) (17.61) ((2.93))
2020 年
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
12 月31日 12 月31日 12 月31日 12 月31日 12月31日
現在 現在 現在 現在 現在
資産の質 (%)
(8)
不良債権比率
2.37 1.81 1.59 1.40 1.57
(9)
不良債権に対する引当率
173.40 208.37 252.18 288.75 260.64
(10)
貸出金に対する引当率
4.12 3.77 4.02 4.06 4.08
自己資本 (%)
(1)
普通株式Tier1(CET1)自己資本比率
10.38 10.63 11.55 11.24 11.04
(1)
Tier1 自己資本比率
11.06 11.26 12.13 12.53 12.92
(1)
自己資本比率
13.04 13.74 15.12 16.13 16.59
(1)
資産合計に対するリスク加重資産の比率
60.59 59.88 60.65 62.25 62.45
資産合計に対する資本合計の比率 6.75 6.79 7.41 7.85 8.13
1 株当たりデータ (人民元)
(11)
普通株式1株当たり純資産
3.81 4.15 4.54 5.00 5.39
(円) (65.76) (71.63) (78.36) (86.30) (93.03)
(1) 数値は「商業銀行資本管理弁法(試行)」およびその他の関連規制に従って計算される。
(2) 純利益を当該事業年度の期首および期末における平均資産合計残高で除して算出される。
(3) CSRCが発行した「証券を公開発行する企業の情報開示の編集および提出に関する規則 第9号-純資産利益率および1株当
たり利益の計算ならびに開示」(2010年改正)および国際会計基準第33号「1株当たり利益」に従って計算される。
(4) 受取利息純額を利付資産の平均残高で除して計算される。
(5) 利付資産の平均収益率と有利子負債の平均費用率との差として計算される。
(6) 純利益を当該事業年度の期末におけるリスク加重資産で除して算出される。リスク加重資産はCBIRCが定めた関連規制に
従って計算される。
(7) CASに従い営業管理費用を営業収益で除して計算され、CASに従い作成された当行の財務報告書に記載の対応する数値と一
致している。
(8) 不良債権残高( 未払利息を除く。 )を顧客への貸出金合計の残高( 未払利息を除く。 )で除して計算される。
(9) 貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )を不良債権残高( 未払利息を除く。 )で除して計算される。 この
うち、貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )は、その他の包括利益に計上された 手形およびフォーフェ
イティング に係る減損損失引当金を含まない。
(10) 貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )を顧客への貸出金合計の残高( 未払利息を除く。 )で除して計算
される。 このうち、貸出金に係る減損損失引当金残高( 未払利息を除く。 )は、その他の包括利益に計上された 手形およ
びフォーフェイティング に係る減損損失引当金を含まない。
36/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(11) 報告期間末日現在の当行の普通株主に帰属する持分(その他資本性金融商品を除く。)を報告期間末日現在の普通株式総
数で除して計算される。
(12) 関連する規制上の要件に従い、クレジットカードの分割払い手数料収益および関連費用は、受取(支払)報酬および手数
料から受取利息に振り替えられた。これに伴い、比較期間中の情報は修正されており、関連する業績指標も訂正されてい
る。
その他の財務指標
2020 年
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
規制上の 12 月31日 12 月31日 12 月31日 12 月31日 12月31日
基準 現在 現在 現在 現在 現在
(1)
流動性比率 (%)
人民元 25 以上 46.74 50.95 55.17 57.74 59.15
外貨 25 以上 82.24 106.74 101.77 112.07 122.98
最大単一顧客に対する
(2)
貸出金比率 (%)
10 以下 6.98 7.26 5.53 4.68 4.07
上位10位の顧客に対す
(3)
る貸出金比率 (%)
16.58 18.27 15.25 13.83 12.58
(4)
貸出異動率 (%)
正常先 3.00 2.13 1.72 1.54 3.19
要注意先 24.86 18.70 16.93 15.90 30.55
破綻懸念先 89.23 71.48 61.48 47.10 83.79
実質破綻先 9.55 6.94 8.91 8.82 20.46
(1) CBIRCが定めた関連規制に従って流動資産を流動負債で除して計算される。
(2) 最大単一顧客に対する貸出金合計(未払利息を除く。)を正味自己資本で除して計算される。
(3) 上位10位の顧客に対する貸出金合計(未払利息を除く。)を正味自己資本で除して計算される。
(4) CBIRCが定めた関連規制に従って国内のデータのみを反映して計算される。
四半期ごとのデータ
(単位:別段の記載がない限り、百万人民元)
2020 年 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
営業利益 186,915 152,859 159,437 160,121
(百万円) (3,226,153) (2,638,346) (2,751,883) (2,763,688)
当行の持分所有者に帰属す
る純利益 64,187 44,647 56,501 50,590
(百万円) (1,107,868) (770,607) (975,207) (873,183)
営業活動による/(に使用
された)正味キャッシュ・
フロー 262,567 (586,513) 34,141 228,869
(百万円) (4,531,906) ((10,123,214)) (589,274) (3,950,279)
37/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2【沿革】
当行の前身は1951年に設立された農業協同銀行であった。1979年2月の再設立以降、当行は国有の特殊銀行から
完全国有の商業銀行へ、続いて国の管理下にある商業銀行へと発展を遂げた。2009年1月、当行は株式有限会社へ
と再編された。2010年7月、当行は上海証券取引所および 香港証券取引所 の両方に上場した。
当行は、中国における主要な総合金融サービスプロバイダーの1つとして、特色ある経営、効率的かつ便利な
サービス、多様な働きおよび確かな価値創造能力を携えた一流の国際的商業銀行グループを構築できるよう努めて
いる。当行は、総合的な事業ポートフォリオ、広範囲の販売ネットワークおよび先進的なIT基盤を活用して幅広い
顧客層に対する多様なポートフォリオの法人向け銀行商品および銀行サービスならびに個人向け銀行商品および銀
行サービスを提供し、資産管理および資産運用業務を行っている。当行の事業範囲はまた、投資銀行業、ファン
ド・マネジメント、ファイナンス・リース業および生命保険業を含む。2020年度末現在において、当行は
27,205,047百万人民元の総資産、15,170,442百万人民元の顧客への貸出金および20,372,901百万人民元の顧客預金
を有している。当行の自己資本比率は16.59%であった。当行は、2020年度に216,400百万人民元の純利益を達成し
た。
2020 年度末現在において、当行は本店、本店事業部門、本店が管理する3つの特別機関、4つの研修所、第一級支
店37店舗、第二級支店396店舗、第一級準支店3,372店舗、 基層業務を行う 本支店機構19,073店舗およびその他の拠
点51店舗を含め、22,938ヶ所の国内本支店機構を有している。当行の国外本支店機構は、13ヶ所の海外支店および
3ヶ所の駐在員事務所である。当行は、11の国内子会社および5つの国外子会社を含む16の主要子会社を有してい
る。
金融安定理事会は、当行を2014年から7年連続でグローバルなシステム上重要な銀行の一覧に記載した。当行は
2020年度において、グローバル・フォーチュン500社において第35位にランクされ、「ザ・バンカー」誌の「世界
の銀行上位1,000行」においてTier1資本ベースで第3位にランクされた。アニュアル・レポートの公表日現在、当
行の長期/短期信用格付はスタンダード・アンド・プアーズにより「A/A-1(アウトルック:安定的)」を、当行
の長期/短期銀行預金格付はムーディーズにより「A1/P-1(アウトルック:安定的)」を、当行の長期/短期デ
フォルト格付はフィッチ・レーティングスにより「A/F1+(アウトルック:安定的)」をそれぞれ付与されてい
た。
3【事業の内容】
当行およびその子会社(以下「当行グループ」と総称する。)の主要な事業には、人民元および外貨建預金、貸
出、精算および決済サービス、資産保管サービス、資金運用、ファイナンス・リースサービス、保険サービスおよ
び関連当局により認可されたその他のサービスならびに各地域の規制当局により認可された国外の事業所による関
連サービスが含まれる。
「 第3 - 3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 」および「 第6 - 1 財務書類 -
連結財務書類に対する注記-Ⅳ -39」を参照のこと。
4【関係会社の状況】
(1)親会社
2020 年12月31日現在、匯金公司およびMOFはそれぞれ、当行の株式資本の40.03%および35.29%を保有してい
る。「第5-1-(5)大株主の状況」を参照のこと。
38/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2)子会社および関連会社
子会社に対する投資
以下の表は、2020年12月31日現在の当行グループの主要な子会社を示すものである。
授権資本 /
名称 設立地 払込済資本 持分比率 主たる事業活動
香港、
CA ファイナンス・カンパニー・リミテッド 中華人民共和国 588,790,000 香港ドル 100.00 % 投資事業
ABC インターナショナル・ 香港、
ホールディングス・リミテッド 中華人民共和国 4,113,392,450 香港ドル 100.00 % 投資事業
上海、
農銀金融租賃有限公司 中華人民共和国 9,500,000,000 人民元 100.00 % 金融リース業
中国農業銀行(UK)リミテッド ロンドン、英国 100,000,002 米ドル 100.00 % 銀行業
上海、
農銀匯理基金管理有限公司 中華人民共和国 1,750,000,001 人民元 51.67 % 資産管理業
内モンゴル
自治区、中華人
克什克騰農銀村鎮銀行有限責任公司 民共和国 19,600,000 人民元 51.02 % 銀行業
湖北省、
(1)
湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任公司
中華人民共和国 31,000,000 人民元 50.00 % 銀行業
安徽省、
績渓農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 29,400,000 人民元 51.02 % 銀行業
陝西省、
安塞農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 40,000,000 人民元 51.00 % 銀行業
浙江省、
浙江永康農銀村鎮銀行有限責任公司 中華人民共和国 210,000,000 人民元 51.00 % 銀行業
福建省、
(2)
厦門同安農銀村鎮銀行有限責任公司
中華人民共和国 150,000,000 人民元 51.00 % 銀行業
北京市、
(3)
農銀人寿保険股 份 有限公司
中華人民共和国 2,949,916,475 人民元 51.00 % 生命保険業
ルクセンブル
中国農業銀行(ルクセンブルグ)
グ、ルクセンブ
リミテッド ルグ 20,000,000 ユーロ 100.00 % 銀行業
モスクワ、
中国農業銀行(モスクワ)リミテッド ロシア 7,556,038,271 ルーブル 100.00 % 銀行業
負債資本比率ス
ワップおよびそれ
に関連する
北京市、
農銀金融資産投資有限公司 中華人民共和国 10,000,000,000 人民元 100.00 % サービス
北京市、
中国農業銀行資産管理有限責任公司 中華人民共和国 12,000,000,000 人民元 100.00 % 資産管理業
39/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1) 湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任公司の取締役3人のうち2人は当行により任命された。当行は、湖北漢川農銀村鎮銀行有限
責任公司に対する実質的な支配権を有するため、同社を連結の範囲に含めている。
(2) 2020年5月24日、厦門同安農銀村鎮銀行有限責任公司は、利益剰余金により払込済資本を50百万人民元増加させたが、 当
行グループが有する持分および議決権の割合は51%を維持した 。
(3) 2012年12月31日、当行は嘉禾人寿保険股 份 有限公司 の発行済株式の51%を 取得して農銀人寿保険股 份 有限公司(以下「農
銀人寿保険」という。)と改名した。当行グループは、この取得の結果、1,381百万人民元ののれんを認識した。 2016 年
12月31日に終了した事業年度中、当行グループおよびその他の投資家は、 農銀人寿保険に 917 百万人民元の登録資本およ
び2,844百万人民元の資本準備金を含む 合計3,761百万人民元の増加資本を出資した。資本注入の後、当行グループが農銀
人寿保険に対して有する持分および議決権の割合は51%を維持した。
当行は、毎年のれんの減損評価を行う。当行は、減損評価にあたり、資産の帳簿価額(償却費控除後ののれんならびに合
併および買収価格を含む。)と回収可能価額とを比較する。帳簿価額の回収可能価額に対する超過額が、当期の利益また
は損失として認識される。
資産の回収可能価額は、 農銀人寿保険の経営陣が承認した 調整後純資産、有効な業務の価値、1年以内の新業務の価値、
新業務の乗数および その他のデータに基づいている。数理計算上の評価方法が採用されており、予測キャッシュ・フロー
に適用されるリスク割引率、投資収益率、評価割引率およびその他の前提は、各々それらに伴う具体的なリスクを反映し
ている。
2019 年12月31日 および 2020 年12月31日現在、のれんの減損を生じさせるような客観的根拠は認められず、減損損失は認識
されなかった。
2019 年12月31日および2020年12月31日に終了した事業年度中、当行グループがその子会社に対して有する持分ま
たは議決権の割合に変更はなかった。
当行グループは、「第6-1 財務書類 -連結財務書類に対する注記-Ⅳ -41」で開示されている通り、組成さ
れた企業を連結している。
「第6-1 財務書類 -連結財務書類に対する注記-Ⅳ -19」を参照のこと。
40/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
関連会社に対する投資
授権資本 /
名称 設立地 払込済資本 持分比率 主たる事業活動
サイノ・コンゴリーズ・バンク・アフリカ ブラザビル、 53,342,800,000 コンゴ共
(1)
コンゴ共和国 和国フラン 50.00 % 銀行業
株式投資、投資管
理および投資アド
広東省、 バイザリーサービ
(2)
深 圳 遠致富海六号投資企業(有限合夥)
中華人民共和国 1,110,854,000 人民元 9.00 % ス
非証券投資事業お
よびそれに関連す
北京国発航空発動機産業投資基金中心
北京、 るアドバイザリー
(3)
(有限合夥)
中華人民共和国 6,343,200,000 人民元 15.61 % サービス
非証券投資事業お
よびそれに関連す
吉林省紅旗智網新能源汽車基金投資管理中
吉林省、 るアドバイザリー
(3)
心(有限合夥)
中華人民共和国 3,885,500,000 人民元 25.30 % サービス
新源(北京)債転股專項股權投資中心(有
北京、
(3)
限合夥)
中華人民共和国 6,000,000,000 人民元 15.67 % 株式投資
(1) 2015年5月28日、中部アフリカCFAフラン建て(以下「XAF」という。)の授権資本で当行および他の投資家によって設立
されたサイノ・コンゴリーズ・バンク・アフリカ(La Banque Sino-Congolaise pour l'Afrique。以下「BSCA.銀行」と
いう。)が、必要な銀行免許を現地の規制当局より付与された。当行はBSCA.銀行に対し、50%の株式持分および議決権
を保有しており、BSCA.銀行の財務および営業に関する決定に参加する権利を有しているが、かかる決定を支配または共
同支配する権利は有していない。
(2) 2020年12月23日、当行の完全子会社である農銀金融資産投資有限公司は、2015年に設立された深 圳 遠致富海六号投資企業
(有限合夥)に出資した。当行グループは、これらの企業の財務および営業に関する決定に参加する権利を有している
が、かかる決定を支配または共同支配する権限は有していない。
(3) 当行の完全子会社である農銀金融資産投資有限公司およびその他の投資家は、上記の企業に出資した。当行グループは、
これらの企業の財務および営業に関する決定に参加する権利を有しているが、かかる決定を支配または共同支配する権限
は有していない。
「第6-1 財務書類 -連結財務書類に対する注記-Ⅳ -20」を参照のこと。
41/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
5【従業員の状況】
2020年度末現在、当行の現職従業員数は、合計459,000人(これに加えて、派遣社員数は7,184人)であった。こ
のうち、732人は当行の海外支店、子会社銀行および駐在員事務所の従業員であり、8,669人は統合的に営業してい
る子会社および地方銀行の従業員である。2020年度において、当行の国内支店の従業員離職率は1.07%であった。
従業員の地域別分布
2020 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
本店 11,777 2.6
長江デルタ 63,525 13.8
珠江デルタ 50,590 11.0
環渤海 65,572 14.3
中国中部 94,187 20.5
中国東北部 44,311 9.7
中国西部 119,637 26.1
海外支店、子会社および駐在員事務所 732 0.2
統合的に営業している子会社および地方銀行 8,669 1.9
合計 459,000 100.0
従業員の学歴別内訳
2020 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
博士号 549 0.1
修士号 31,547 6.9
学士号 242,595 52.9
準学士号および専門学校 149,551 32.6
高卒 34,758 7.6
合計 459,000 100.0
従業員の部門別分布
2020 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
管理部門 120,227 26.2
リスク管理部門 16,418 3.6
財務部門 20,306 4.4
運営部門 16,900 3.7
販売部門/マーケティング部門 136,897 29.8
トレーディング部門 413 0.1
情報技術部門 8,056 1.8
窓口部門/カウンター係 82,974 18.1
技術部門 26,747 5.8
その他 30,062 6.5
合計 459,000 100.0
42/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
従業員の年齢別分布
2020 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
30 歳以下 87,274 19.0
31 歳以上40歳以下 96,947 21.1
41 歳以上50歳以下 140,716 30.7
51 歳以上 134,063 29.2
合計 459,000 100.0
従業員の性別内訳
2020 年12月31日現在
従業員数 割合(%)
男性 250,849 54.7
女性 208,151 45.3
合計 459,000 100.0
43/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
下記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」も併せて参照のこと
(1)経営方針および経営戦略等
デジタル変革
2020 年度、当行は、デジタルABC創造のためのデジタル変革の促進という戦略を積極的に実施した。「インター
ネットを基盤とし、データに基づき、インテリジェントかつオープン」という原則に従い、当行は、パンデミック
との闘いならびに生産および労働の再開を支援するためにデジタル手段を最大限に利用し、「6分野の安定性」
(すなわち雇用、金融セクター、対外貿易、国内外の投資および市場の期待)ならびに「6分野の安全性」(すな
わち雇用、基本的な生活ニーズ、市場事業体の営業、食料およびエネルギーの安全性、安定した産業網およびサプ
ライチェーン、ならびに主要レベルの政府機関の正常な機能)に関する要件を誠実に実施した。それらにより、当
行は、実体経済への貢献で顕著な成果を上げ、顧客体験および満足度を効果的に向上させることができた。
第一に、オンライン与信の変革が加速され、顧客にとってオンライン金融がより便利なものとなった。当行は、
パンデミックとの闘いにより生じる資金調達の需要に応えるため、医護Eローン、恵農Eローン(郷医ローン)、復
工ローンおよび継捷Eローン等の革新的なオンライン金融商品を導入した。2020年度末現在、ABC Eローンの残高
は、前年度末と比較して122.2%増加した1.31兆人民元に達した。
第二に、オンライン営業能力が継続的に強化されたため、顧客の密着度が大幅に向上した。2020年度末現在、当
行のモバイルバンキングサービスの月間アクティブユーザー数は100百万人を超えており、前年度末と比較して
38.8%増加した。当行は、すべてのオンラインおよびオフラインのチャネルの統合ならびに全過程におけるサービ
スの統合ならびに個人向けビジネスおよび基礎レベル本支店機構の変革を促進し、リモートバンキングのためのク
ラウドサービスセンターの構築を加速し、オープンバンキングの構築を積極的に推進したが、これによりタイプⅡ
およびタイプⅢの電子口座開設数が前年度末と比較して16.8%増加し、オムニチャネルでの顧客獲得力が効果的に
向上した。
第三に、シーンベース金融サービス能力が着実に強化され、顧客との接点がさらに広がった。2020年度末現在、
当行の貧困削減モールは、貧困削減を行う中央および地方の388の企業と契約したが、これは前年度末と比較して
266%増加しており、166の新規協力企業を含む。333の貧困削減が行われる特区が開設され、国家的な貧困削減が
行われる県の99.4%が商品を提供している。当行は、スマート病院、スマート政府関連業務およびスマート教育に
関連するシーンの拡大を加速させ、スマート政府関連業務に向けた当行初のアプリである「i襄陽」をリリースし
た。当行は、当年度に80.5千のシーンを追加し、67.53百万の顧客を取り込んだ。
第四に、当行の的を絞ったデジタルマーケティングは、目覚ましい成果を上げ、様々な個人向けの独特なイン
ターフェイスのサービス体験が向上した。個人向けマーケティングのミドルエンド・プラットフォームの構築が積
極的に進められ、正確な顧客像、需要分析および製品マーケティング等の機能が徐々に向上した。デジタル顧客関
係管理システムが広く採用されたため、当年度の累計販売額は4.53兆人民元に達し、前年度の約4.5倍となった。
当行は、4,738の「デジタル・ヒューマン」(顧客セグメンテーションモデル)を構築し、1.76十億の顧客にサー
ビスを提供し、5.9兆人民元の商品販売額を達成した。法人向けマーケティングのミドルエンド・プラットフォー
ムのためのポートレートセンター、商品センターおよびマーケティングセンターの第1段階の構築が完了し、法人
向けビジネスおよび個人向けビジネスの相乗効果により個人顧客数は200百万人を超えた。
第五に、当行のデジタルリスクの管理および統制システムは、当行の運用上の安全性を効果的に確保するため引
き続き改善された。知的不正防止プラットフォームの開始は成功し、これにより、当行は1日平均0.25十億の取引
数を有するABC Eローンの主要な取引分野および商品シリーズを監視することができる。不正リスクの統合的統制
のモデルはますます充実した。オンラインおよびオフラインの与信上限管理ならびに一元リスク管理の統合的統制
が事前に実現された。一元化されたリスクオペレーションセンターが設立された。
第六に、データおよび技術の基盤が継続的に強化されたため、当行のフィンテックのサービス能力は着実に向上
した。ビッグデータ・プラットフォームおよび外部データの統一アクセスサービス・プラットフォームの構築は着
実に促進された。当行のデータアナリストチームの質は効果的に向上し、当行のデータガバナンスシステム、デー
タ標準およびデータセキュリティシステムはさらに改善された。分散された中核システムおよびデジタルクラウ
ド・プラットフォームは着実に最適化された。農銀金科子公司が設立された。
44/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行は、2021年度において、デジタル中国の構築に関する中国共産党第19回中央委員会の第5回全体会議におけ
る決定および取決めを完全に実施し、通常のパンデミックの予防および統制の下でデジタル金融サービスを推進す
る。顧客第一および価値創造志向という理念、緊急時の使用の優先ならびに協調推進を遵守しながら、当行は、三
農および包括的金融分野において顧客に最高の経験を提供するスマートバンクおよび一流のデジタルエコ銀行にな
ることを目指すために、チャネル構築の推進、ビッグデータ活用の深化、事業基盤の強化および技術支援の拡大を
行う。
(2)事業環境および対処すべき課題
環境および見通し
2020 年において、COVID-19の甚大な影響および複雑かつ困難な国内外の環境に直面しながらも、中国経済は、回
復力を維持し、予想を上回る成長を遂げた。中国のGDPは2020年に2.3%成長し、プラス成長を達成した世界で唯一
の主要経済であった。パンデミック後の期間において、中国経済の供給サイドは需要サイドよりも早く回復し、需
要サイドの投資および輸出コンポーネントは消費コンポーネントよりも早く回復し、年間固定資産投資額および輸
出額はそれぞれ2.9%および4.0%増加した一方、年間を通じて消費財の小売総額は3.9%減少した。パンデミック
のなか出現したテレコミューティング、オンライン教育、インテリジェント施工、無人配達等の新しいビジネスモ
デルは、経済回復に強力なサポートをもたらし、デジタル経済、知的製造および生活・健康産業を含む新しい産業
は、より多くの成長の柱を形成した。消費者物価の上昇圧力は弱まり、消費者物価指数は前年度と比較して2.5%
上昇した。2020年下半期には工業製品の価格が大幅に回復したが、年間生産者物価指数は前年度と比較して1.8%
下落した。ブロードマネー(M2)の成長率は10.1%上昇し、実体経済への融資総額(フロー)は34.9兆人民元とな
り、前年度と比較して9.2兆人民元の増加を示した。
2020 年、中国政府は、パフォーマンスを安定させながら進展を追求するという一般原則を着実に実行し、科学的
かつ正確にマクロ経済政策を実施し、合理的な範囲で経済を維持するよう努めた。慎重な金融政策はより柔軟かつ
適度なものであり、中国人民銀行は3度預金準備率を引下げ、金融支援政策を階層的かつ段階的に実施し、完全な
要素を備えたマクロ・プルーデンス政策の枠組みを引き続き構築した。積極的な財政政策はより正確かつ効果的で
あった。減税および手数料引き下げ等の措置ならびに直接的な財政資金は、企業を困難から救い出すのに有効で
あった。金融改革についてはさらなる進展が見られたが、これには粤港澳大湾区の発展を支援するための26の改革
および開放措置、最優遇貸出金利(LPR)の形成メカニズムの改革の実施、健全な監督に組み込まれた金融刷新、
GEM市場のための試験的な登録制度の改革が含まれる。証券会社、ファンド運用会社および将来の企業における外
国株主の制限の撤廃、ならびに適格外国機関投資家の投資割当制限を撤廃し、新たな金融サービスおよび金融情報
の移転・処理に関するルールを導入するための東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名する等、金融部門の高
度な対外開放が段階的に拡大された。
世界経済は2021年にパンデミックの衝撃から回復すると予想されるが、同年は中国の第14次5カ年計画の始まり
でもある。中国経済は、急速な成長および質の高い発展を達成し、国内循環を主軸に新たな開発パラダイムを徐々
に構築し、国内外の循環が相互に強化されていくことが期待される。国内需要の潜在力は継続的に実現されるもの
と予想される。設備更新および在庫補充の需要に牽引され、製造業投資は高い成長率が続くことが予想され、産業
サプライチェーンは独立した制御性で強化され、新たなインフラはより多くの分野において飛躍的進歩をもたらす
ことが予想される。パンデミックが効果的に抑制され、景気回復によって所得増加が牽引されたことにより、家計
消費の潜在力は継続的に実現されるものと予想され、国内需要の継続的な拡大は、力強い国内市場を構築するため
の重要な支えとなる。世界で最も完成された産業チェーンを持つことの恩恵を受け、海外需要は、高水準の繁栄を
維持することが予想される。経済構造は引き続き最適化が進められ、デジタル経済に代表される新たな駆動力の主
導的な役割はさらに強調され、カーボンピークアウトおよびカーボンニュートラルを実現するためにグリーンかつ
低炭素の開発が大幅に加速される。生きた豚の生産能力が通常年の水準に戻るにつれて、価格水準はやや高く維持
される可能性が高い。
45/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2021 年、中国のマクロ・コントロール政策は、経済回復に必要な支援を維持しつつ、継続性、安定性および持続
可能性を維持し、政策のタイミング、範囲および有効性を正確に把握することが期待される。積極的な財政政策は
質および効率性の向上に重点が置かれることが予想され、科学技術革新の推進、経済改革の加速、所得分配の調
整、および地方自治体の隠れた債務リスクの軽減により重点が置かれる。慎重な金融政策は、より柔軟、正確、合
理的および適切であることが期待される。中国人民銀行は、流動性の適度な豊かさを維持し、通貨供給量を安定さ
せるため、様々な金融政策手段を用いる。これは的確な支援で構造的金融政策手段の役割を強化し、クロスサイク
ルの設計および調整を改善する。また、これは金利および為替相場の自由化の改革を深化させ、グリーン・ファイ
ナンスのための政策枠組みおよびインセンティブの仕組みを改善する。金融市場および金融機関の改革は引き続き
深化し、マルチチャネル債券のデフォルト解消メカニズムはさらに改善される。マクロ・プルーデンスな経営政策
の方向性が転換されるにつれて、中国のクロスボーダー資金は双方向平衡に流れる傾向にある。人民元為替相場の
双方向の変動はより顕著になり、人民元の為替相場は適切かつ均衡のとれた水準で概ね安定し続けることが予想さ
れる。
2021 年の経済および政策環境の変化は、銀行業界にさらなる開発機会と課題をもたらすことが予想される。一方
で、中国経済の質の高い発展、新たな開発パラダイムの構築、中・高経済成長率の維持は、銀行の資産および負債
の合理的な成長ならびに信用構造の最適化のための発展機会をより多くもたらす。北京-天津-河北地域、長江デ
ルタ地域、粤港澳大湾区および成都-重慶地域における主要国家戦略の開始は、銀行業界の発展の範囲を拡大す
る。技術刷新、新たなインフラ、生計改善およびグリーン・ファイナンス等の主要セクターは、銀行業界が顧客基
盤を拡大し、その信用構造を最適化する機会をもたらす。他方で、パンデミックの過程および外部環境の変化には
依然として多くの不確実性が存在しており、銀行業界の健全な運営に大きな課題をもたらしている。パンデミック
の再発、ワクチン普及の進展ならびに政策の波及および主要先進経済における調整によって、2021年に経済はある
程度の不確実性に直面することが予想される。主要経済ならびに物価、金利および為替相場等の財務変数の変化は
加速しており、これは銀行業界の健全な経営を脅かす。また、金融改革および開放の進展に伴い、銀行間競争およ
び業界間競争は激化し、銀行業界の利差益収入および収益性に引き続き圧力がかかる。
2021 年には、当行は、課題に向き合って機会を捉え、新たな開発段階に基づき、新たな開発コンセプトを実行
し、新たな開発パラダイムの構築に貢献し、金融サービスの適応性、競争力および普遍性を継続的に改善してい
く。第一に、地方の活性化に注力し、中国農業銀行を県域の銀行業務の主要銀行として構築することに全力で取り
組む。当行は、食料安全保障、地方産業開発、地方建設活動および地方の財産権改革等の主要分野に焦点を当て、
地方活性化に資する最先端を構築する。第二に、当行は新たな開発パラダイムの構築に重点を置き、実体経済に資
する大手銀行を目指す。当行は主要な国家戦略およびプロジェクトに積極的に貢献し、新興地域を支援するための
革新、グリーン・ファイナンスのサービスの強化、包括的金融サービスの正確性および対象範囲の拡大、ならびに
消費の向上および国民の生活に関連する金融サービスの強化を行う。第三に、当行は、いくつかの主要なプロジェ
クトを構築することによりデジタル変革を推進する。顧客ニーズを踏まえた閉ループ型のオンライン操作の確立を
優先し、円滑なIT運用およびサイバーセキュリティーを確保し、多様なビジネスに対する強固な技術基盤を構築す
る。第四に、業務の効率化を図るため、当行は、業績評価、マーケティングおよび顧客維持、地域レイアウト、資
本規制ならびに当行とその子会社の間および国内外の金融機関の間のシナジー等のメカニズムを引き続き向上させ
る。第五に、当行は、開発の純利益を堅固に維持し、リスク管理および違反防止に粘り強く取り組む。信用リスク
の予防および管理に関する予見およびイニシアチブの強化のための努力が払われ、市場リスクに対し複数の措置が
講じられ、主要分野における違反の防止が強調され、コンプライアンス関連リスクの管理が継続的に強化される。
パンデミックの予防および統制
2020 年において、当行は、パンデミックの予防および統制に関する国家の決定および計画を断固として実行しな
がら、パンデミックの予防および統制、金融サービスならびに事業運営を推進し、業務および生産の再開を支援し
た。当行のすべての業務は安定した着実な発展を実現した。
第一に、当行は、パンデミックの予防および統制に関するメカニズムを確立した。当行は、パンデミックが発生
してすぐに「戦時体制」に入り、業界で初めてパンデミックの予防および統制の指導チームを立ち上げた。当行
は、パンデミックの予防および統制ならびに緊急時対応計画に関するガイドラインを適時に策定および改善し、戦
略をダイナミックに調整し、またパンデミックの予防および統制の的を絞った対策を採用した。当行は、複数の疾
病に関して、人および関連備品を含め、当行の従業員、オフィスおよび事業所に関連する予防および統制管理対策
を推進した。
46/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第二に、当行は、従業員および顧客の安全および健康を最優先に考えた。当行は、パンデミックに関する情報な
らびに関連する予防および保護に関する知識の宣伝を増やし、当行の従業員の健康状態を監視し、復職者に対する
厳しい健康管理を実施し、また新型コロナウイルス感染症に対する予防接種を秩序立てて行った。当行は、オフィ
スおよび事業所でのパンデミック予防のため、衛生的な清掃、換気および消毒を行い、設備および機器ならびに店
舗での入出金の消毒管理を強化した。顧客および従業員は、当行のオフィスおよび事業所に入る前に、登録、体温
測定、また、健康コードの提示をする必要があった。2020年には、23千の本支店機構でクラスター感染は0を記録
した。
第三に、当行は、パンデミックに対応して、パンデミック削減のための特別与信方針、業務および生産の再開を
支援する31の施策、小規模および零細業者を支援する16の施策、春の農業および準備ならびに安定した生産および
供給に資金援助する12の施策、養豚業の発展を支援する19の施策および外国貿易の安定化を支援する方針等の政策
ポートフォリオを適時に導入した。当行は、元本の償還をせずにローンの更新が可能な復工ローンおよび續捷E
ローンの商品ポートフォリオを創出した。当行は、PBOCが提供する特定の再貸出を十分に活用した。年間で1,080
社の企業に総額33.64十億人民元の譲許的貸出が行われた。農産物の安定的な生産および供給を守る主要企業向け
融資は、前年度末と比較して38.6%増加し、養豚関連貸出は、1.36倍となった。
第四に、当行は、個人の顧客が自宅を離れずにデジタルツールを使って様々なオンライン金融サービスに接続で
きるようにすることで、人道的に行動した。パンデミックの間、湖北省の軍人、医療従事者および顧客に独占的
ウェルス・マネジメント商品が提供された。パンデミックにより一時的に収入源を失った顧客については、当行
は、個人の信用に影響を与えることなく、返済の取り決めを柔軟に調整した。
第五に、当行は、社会的責任を負う。当行およびスタッフは、パンデミック削減のため湖北省に0.18十億人民元
を寄付し、パンデミックの予防および統制の最前線で働く465千人の人材に専用の保険を寄付した。当行は、累計
80千人超の顧客および109千件の満期貸出金の元本および利息の返済を延期し、総額は131.6十億人民元となった。
また当行は、病院、慈善業者ならびに小規模および零細業者に対する5.6十億人民元の手数料を減額および免除し
た。
2【事業等のリスク】
リスク管理
(a) 包括的リスク管理システム
包括的リスク管理とは、銀行全体における意思決定、実施および監督において効率的なリスク管理を確保するた
めに、リスク選好、方針および規則、組織、ツール、モデル、データ・システムおよびリスク文化を含む要素の統
合を通じて、包括的カバレッジ、プロセス全体の管理および全面的関与の原則に従い、事業運営に係るあらゆる種
類のリスクを適時に識別、測定、監視、統制および報告することをいう。
2020 年度の複雑かつ困難なリスク状況のもと、効果的なリスク管理を確実にするために、当行は、包括的リスク
管理システムを引き続き改善し、当行のリスク管理の基盤を強化した。当行は、クリーンアップ計画の達成を補強
するため、主要地域における信用リスク管理を強化し、当行の資産の質を統制した。当行の信用構造のさらなる最
適化とともに、市場に特化した制限管理がなされた。オンライン信用事業のリスク管理は、当行モデルでのフル・
ライフサイクル管理メカニズムの構築を積極的に推進することにより強化された。当行は事業リスクを包括的に評
価し、事業から発生した当行の市場リスクが全体的に安定的になるよう、市場リスク管理システムを改善し、市場
リスク・エクスポージャー制限の監視を強化した。オペレーション・リスクおよびケース違反のリスクの予防およ
び統制はさらに強化され、情報テクノロジーに関するリスク管理は強化され、当行の事業継続の管理は引き続き順
調に実施された。金融商品のイノベーション管理を改善するために、当行は商品のイノベーションに関する実施方
針の要件に基づき、商品のイノベーション・リスクに関する評価および調査の手順を標準化した。リスクデータ市
場およびリスク管理情報システムの構築は継続され、規制当局の要件を満たすために効率的なリスクデータおよび
リスク報告の集約が促進された。バーゼルⅢを着実に実施するために、信用リスク、市場リスク、オペレーショナ
ル・リスクについて新たな測定方法のプログラムを推進し、内部自己資本評価プロセス(以下「ICAAP」とい
う。)によるリスク評価の取り組みを強化した。
47/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
リスク管理規則体系
2020 年度において、当行は引き続きそのリスク管理規則体系を改善した。当行は、リスク評価に係る管理方法を
策定し、銀行全体のリスク評価に関する作業メカニズムについて具体化した。当行は、海外支店および子会社のた
めのリスク管理手段を修正し、海外支店および子会社のリスク管理に関する、取締役会、監査役会、上級経営陣お
よび本社の関連部門の責任を明確にし、関連会社のリスク管理を強化するために、子会社のリスク管理手段を修正
した。信用リスク管理については、法人顧客に対する基本的な信用管理システムおよび信用事業の運用規則が修正
され、当行の信用規則システムを改善するために、オンライン信用事業に係る融資後の管理手段が策定された。市
場リスクついては、優先取引および投資運用のためのリスク管理手段は修正および実施された。オペレーショナ
ル・リスク管理については、オペレーショナル・リスク管理方針が修正され、オペレーショナル・リスクの格付お
よび分類基準が策定された。当行は、当行の日常的なリスク管理の指針とするため、顧客評価、資産のリスク分
類、産業用与信上限、資本取引ならびに市場リスク、銀行間および販売店流通事業ならびに情報テクノロジーに関
する年次リスク管理方針に取り組んだ。
リスクの分析報告
2020 年度において、国内外の経済および金融環境の変化に照らして、当行は、様々なリスクのプロファイルを包
括的に分析した。当行は、主要な分野、業界、顧客および事業に関するリスク分析報告を強化し、リスク傾向に関
する将来予測的な分析を強化した。リスク報告管理手段は、規制要件を満たすために修正され、リスク報告の作業
メカニズムは当行のリスク報告能力を向上させるために詳細化された。
(b) 信用リスク
信用リスクとは、相手方による、契約上の債務を履行する義務の不履行から生じる経済的な損失のリスクをい
う。当行の信用リスクは、主に貸出金ポートフォリオ、投資ポートフォリオ、保証およびその他の様々なオンバラ
ンスおよびオフバランスの信用リスク・エクスポージャーから生じる。
信用リスク管理
2020 年度において、当行は、国のマクロ管理政策を導入し、信用リスク管理システムを改善させ、主要な分野に
おけるリスク予防策および産業別の与信エクスポージャーの限度額管理を強化し、不良債権の回収および処分の手
段を多様化させることで、資産の質の安定を維持した。
信用リスク管理体制
当行の信用リスク管理の構造は、主に取締役会および取締役会直轄のリスク管理および消費者利益保護委員会、
幹部役員および幹部役員直轄のリスク管理および内部統制委員会、与信承認委員会、資産処分委員会、また、信用
管理部、与信承認部、リスク管理部ならびに様々なフロント・オフィスからなり、集中化および統一化された管理
と多段階承認とを特徴とする信用リスク管理体制を確立している。
法人向け銀行業務におけるリスク管理
当行は、与信方針システムを改良した。当行は、年次信用方針および県域銀行業務/包括的財政信用方針のよう
な包括的な方針を策定した。当行は、都市地下総合パイプライン回廊、金属採掘および加工、太陽電池ならびにポ
リシリコン等の産業に対する信用方針を策定または修正した。当行は地域別に差別化された信用政策を展開した。
当行は、運転資金融資、固定資産融資およびプロジェクトファイナンス等の事業に対する管理策を見直した。当行
は、「新規インフラ」、製造、「ユニコーン」、革新的な企業およびサプライチェーンの開発等の、経済発展の新
たな原動力ならびにサービスの変革および更新を支援する方針を策定した。
48/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行は、主要分野における信用リスク管理を強化した。伝統的な産業、特に生産能力過剰の産業におけるリスク
管理を強化し、鉄鋼、石炭、セメント、電解アルミ、板ガラス、造船等の生産能力過剰の産業や、自動車のような
その他の注目度の高い産業では、顧客区分管理を強化し、リスクが安定的かつ制御可能であることを保証した。電
力業界における国の政策調整に従って、当行は、火力発電部門、風力発電部門、太陽光発電部門の警告間隔を見直
し、政策リスクを未然に防いだ。当行は、不動産業向け融資の集中に関する規制上の要件を厳格に実施し、同じ業
界におけるリスクの予防と管理を強化した。
当行は、オンライン信用事業のリスク管理および統制システムを引き続き改善した。当行は、オンライン信用シ
ステムを強化し、不正防止および信用リスク監視プラットフォームの構築を促進し、インターネット金融に対応し
た集中型リスク管理システムを設立した。
当行は、融資後の管理を強化し、不良資産の回収および処分を強化した。当行は、パンデミックにより影響を受
けた主要な産業、地域および顧客を監視および分析し、リスクを防止および解決するために、多額の融資額を有し
ており、リスク耐性の低い顧客のための「顧客に合わせた」リスク処理スキームを定型化した。当行は、大きな与
信額を有する集団顧客の監視を集中化し、海外支店および当行の子会社のリスクの監視を強化した。当行は、不良
債権の処理を強化した。大口債権の回収、易解体性資産の清算および法的措置による不良債権の回収を含む3つの
大きなアクションを実行し、より多くの回収、より多くの償却、より多くの再構築およびバッチにおける的を絞っ
た譲渡という処理戦略を継続した。
個人向け銀行業務におけるリスク管理
当行は、銀行全体での分類評価および個人向け貸出金運用センターの地方集中化を推進し、組織構造および個人
向け銀行業務の業務プロセスを最適化し、個人向け貸出業務センターの建設を継続的に改善した。個人顧客への与
信事業の融資後の管理、顧客管理者の資産品質管理、および延滞回収管理の運営規則等の管理手段を改定した。当
行は、リテール・クレジット事業のリスク管理システムを改善した。当行は、パンデミックに起因する信用リスク
および評価リスクを管理および抑制するために、支払期間の延長や信用調査に対する顧客からの異議申し立ての管
理等の対策を講じた。当行は、デジタル変革を推進し、個人向け貸出金に関する顧客向けオンライン対話型早期警
告プラットフォームおよび個人向け貸出金の知的リスク制御システムを通じて、ローン利用管理、不正防止、顧客
リスク管理および対話型リスク早期警告処理を強化し、個人向け貸出金のリスク管理の高度化を実現した。当行
は、集中的な回収方法を充実させ、委託回収を標準化し、オンライン不良債権の司法訴訟を強化することにより、
延滞債権の回収管理を常に強化している。当行はまた、個人向け不良債権の償却を加速し、オンラインローンの償
却処理を進めたが、その結果、個人向け不良債権の償却が前年度に比べて大幅に増加した。
クレジットカード業務におけるリスク管理
慎重なリスク選好に基づき、当行は、与信ポートフォリオ管理を強化し、当行の与信構造を最適化し、知的リス
ク管理システムの構築を深め、クレジットカード資産の精緻な管理を継続的に改善した。融資前の段階で、当行
は、地域、顧客、チャネルおよび商品の観点から差別化されたリスク管理を行い、共通債務リスクの防止・管理お
よび情報の信頼性の管理を強化した。融資実行段階では、厳密な与信および資本効率を組み合わせた与信管理メカ
ニズムを推進し、カード発行と割賦事業の発展のバランスを考慮した科学的かつ合理的な与信資源の配分を行っ
た。融資後の段階では、当行は、回収戦略を継続的に最適化し、知的回収手法を包括的に推進し、不良資産を率先
して処理し、クレジットカードの不良資産の証券化を秩序立てて推進し、融資後の資産の運用効率を向上させた。
パンデミックの影響に対応するため、当行は、クレジット・アクセス・ポリシーを調整し、アクセス基準を引き
上げ、中・高リスク地域においてキャリアが安定していない顧客のリスク・エクスポージャーを制御した。当行
は、パンデミックの影響を受けた顧客のリスクを追跡し、差別化された限度額戦略を実施した。当行は、また、延
滞債権の管理を行い、小規模なクレジットカード口座については、差別化された償却方針を実施した。パンデミッ
ク期間中、当行のクレジットカードの資産の質は安定しており、同業者に先駆けてパンデミック前の水準まで回復
した。
49/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
トレジャリー業務におけるリスク管理
当行は、プロセス全体のリスク管理メカニズムの改善によりトレジャリー業務におけるリスク管理の手段を改善
させるとともに、投資前、投資を行っている最中、投資後における当行の信用債の管理を改善した。当行は、当行
の既存のトレジャリー業務に関連する与信顧客および相手先のリスク特性を常に監視し、特別な注意が必要な既存
の与信顧客のリストを適時に更新し、リスクに対応するための手段を大幅に調整した。当行は、金融市場業務に関
連する取引価格を監視し、市場リスク・エクスポージャーの限度を管理するための一元化された管理プラット
フォームを引き続き構築した。当行は、マネー(防止に関する法令遵守要件を厳格に実施し、金融消費者の利益保
護および顧客のクレーム対応のためのメカニズムを改善した。当行は、製品のオンライン化およびリスク管理のレ
ベルを引き上げ、グローバルなプラットフォームプロジェクトの第二段階の構築を進めた。当行は、トレジャリー
業務に関する当行グループによる統合的なリスク監視および報告のシステムを改善し、トレジャリー業務に関する
子会社および海外支店の月次のリスク報告・共有メカニズムを確立した。
貸出金のリスク分類
当行は、CBIRCにより公表された 貸出金信用リスク分類に関するガイドライン に従い、貸出金のリスク分類管理
方針を策定し、これを改定した。当行は、返済期日における貸出金の回収可能性を総合的に評価し、融資先の返済
能力、返済記録、貸出金に関する返済の意思、貸出金計画の収益性および二次的返済原資 の信頼性を含む要因を考
慮し、貸出金の分類を行った。
当行は、貸出金に関して2つの区分管理制度(5段階の区分制度および12段階の区分制度)を採用した。法人向け
貸出金については、主に12段階区分制度で管理されていた。顧客のデフォルトリスクおよび債務取引リスクの総合
的評価は、貸出金のリスクレベルを客観的に反映した。毎年度の始めに年間区分方針を策定した際に、主要な法人
顧客に対する貸出金の分類基準および管理に関する特定の要件を定めるために、より詳細な評価が行われ、リスク
識別の予見可能性および感度が向上した。個人向け貸出金は、5段階区分制度で管理されていた。これは、主に元
本または利息の支払いの延滞期間および担保の種類に基づいて、リスクを自動的に分類し、より客観的なリスク評
価を可能にした。個人事業のための多額の個人向け貸出金は、リスク感度を高めるために、四半期ごとに手入力で
区分された。さらに、分類は貸出金の性質を客観的に反映させるために、信用管理により取得したリスク情報に基
づき適時に調整された。
貸出金の担保別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
抵当権付貸出 5,898,736 44.3 6,978,616 46.1
質権設定貸出 2,131,098 16.0 2,292,233 15.1
保証付貸出 1,856,415 13.9 1,689,444 11.2
無担保貸出 3,442,501 25.8 4,175,828 27.6
小計 13,328,750 100.0 15,136,121 100.0
未収利息 31,592 — 34,321 —
合計 13,360,342 — 15,170,442 —
50/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
延滞貸出金の延滞期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
貸出金総額 貸出金総額
に対する に対する
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
90 日以下延滞 71,118 0.5 78,228 0.5
91 日以上360日以下延滞 49,650 0.4 60,793 0.4
361 日以上3年以下延滞 47,787 0.4 43,749 0.3
3 年超延滞 14,438 0.1 12,663 0.1
合計 182,993 1.4 195,433 1.3
貸出金の集中
(単位:百万人民元、%を除く。)
貸出金総額
単一融資先 に対する割合
上位10位 業種 残高 ( %)
顧客A 運輸、物流および郵便業 114,824 0.76
顧客B 運輸、物流および郵便業 38,433 0.25
顧客C 運輸、物流および郵便業 33,628 0.22
顧客D 運輸、物流および郵便業 28,433 0.19
顧客E 運輸、物流および郵便業 27,801 0.18
顧客F 運輸、物流および郵便業 27,214 0.18
顧客G 運輸、物流および郵便業 23,479 0.16
顧客H 電力、熱力、ガスおよび水道の生産供給 21,717 0.14
顧客I 運輸、物流および郵便業 19,585 0.13
顧客J 運輸、物流および郵便業 19,326 0.13
合計 354,440 2.34
2020 年12月31日現在、当行の最大の単一融資先に対する貸出は、当行の正味自己資本の4.07%を占め、また、当
行の融資先上位10位に対する貸出は、当行の正味自己資本の12.58%を占め、当行は規制上の要件を満たした。
(c) 多額のリスク・エクスポージャー
当行は、2020年度において、CBIRCが発行した 商業銀行の多額のリスク・エクスポージャーに関する管理手段 の
要件および規制上の要件に従って、多額のリスク・エクスポージャーに関する測定、監視およびシステムの最適化
を秩序だった基準で実行し、多額のリスク・エクスポージャーを測定および管理する当行の能力を継続的に改善す
るため、規制上の報告書および管理文書を添えて規制当局に定期的に規制上の報告を行った。
51/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
貸出金の5段階区分別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
正常先 12,843,139 96.36 14,594,673 96.42
要注意先 298,401 2.24 304,335 2.01
不良債権 187,210 1.40 237,113 1.57
破綻懸念先 66,462 0.50 62,873 0.42
実質破綻先 103,763 0.78 152,627 1.01
破綻先 16,985 0.12 21,613 0.14
小計 13,328,750 100.00 15,136,121 100.00
未収利息 31,592 — 34,321 —
合計 13,360,342 — 15,170,442 —
2020 年12月31日現在、当行の不良債権残高は前年度末比で49,903百万人民元増加し、237,113百万人民元となっ
た。不良債権比率は、前年度末比で0.17パーセント・ポイント増加し、1.57%となった。要注意先貸出残高は前年
度末比で5,934百万人民元増加し、304,335百万人民元となった。要注意先貸出は、貸出金総額の2.01%を占めた
が、これは前年度末比で0.23パーセント・ポイントの低下であった。2020年度において、当行は新型コロナウイル
ス感染症や景気後退による悪影響に誠実に対処し、パンデミック救済策を実施し、パンデミックの影響をより強く
受けた業界、地域および顧客に細心の注意を払い、既存のリスクポジションを評価し、不良債権を厳格に特定し、
目標とする制御アプローチを策定した。当行は、余剰生産能力のある産業向けの当行の設備の管理を継続的に改善
し、大規模なグループ顧客に対する集中的な監視を行い、リスクを予防および軽減するための将来予測的な措置を
講じ、不良債権の新規発生を厳重に防止した。当行は、融資構造の調整を強化し、融資後の管理措置をさらに進
め、融資の質の管理基盤を強化した。当行は、オンライン与信事業のためのリスク管理戦略を策定し、さらにオン
ライン・モードに適応するための的を絞ったリスク管理手順および方針を定めた。当行は、より多くの回収、より
多くの償却およびより多くのリストラクチャリングならびに的を絞った一括譲渡を明確に示した処理戦略を実施
し、不良債権の処理を積極的に進め、大口案件の処理を強化し、クリーンアップ計画の成果を確固たるものにし
た。
不良債権の商品種類別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
不良債権 不良債権
割合 比率 割合 比率
項目 残高 (%) (%) 残高 (%) (%)
法人向け貸出金 148,695 79.4 2.10 192,551 81.2 2.37
短期法人向け貸出金 81,488 43.5 3.70 93,614 39.5 3.79
中長期法人向け貸出金 67,207 35.9 1.37 98,937 41.7 1.75
割引手形 21 — — — — —
個人向け貸出金 31,699 16.9 0.59 38,300 16.2 0.62
住宅ローン 12,386 6.6 0.30 17,655 7.5 0.38
クレジットカード残高 7,465 4.0 1.57 8,430 3.6 1.55
個人消費向けローン 1,746 0.9 1.04 3,647 1.5 2.04
個人事業向けローン 4,281 2.3 1.62 3,231 1.4 0.85
農村世帯向け貸出金 5,785 3.1 1.80 5,308 2.2 1.22
その他 36 — 4.92 29 — 4.26
海外およびその他 6,795 3.7 1.62 6,262 2.6 1.51
合計 187,210 100.0 1.40 237,113 100.0 1.57
52/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
法人向け不良債権の業種別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
不良債権 不良債権
割合 比率 割合 比率
項目 残高 (%) (%) 残高 (%) (%)
製造業 60,529 40.7 5.06 67,523 35.1 5.08
電力、熱力、ガスおよび水道の生産供給 5,725 3.8 0.67 9,641 5.0 1.04
不動産業 10,038 6.8 1.45 14,209 7.4 1.81
運輸、物流および郵便業 12,630 8.5 0.77 22,000 11.4 1.18
卸売および小売 30,541 20.5 9.83 34,978 18.2 8.55
治水、環境マネジメントおよび公共事業管理 659 0.4 0.13 1,916 1.0 0.31
建設業 2,543 1.7 1.13 2,807 1.5 1.31
鉱業 4,697 3.2 2.34 6,225 3.2 3.25
リースおよび商業サービス 15,150 10.2 1.46 26,040 13.5 2.07
金融業 87 0.1 0.05 55 — 0.02
情報伝送、ソフトウェアおよびITサービス 84 0.1 0.30 679 0.3 1.75
その他 6,012 4.0 2.92 6,478 3.4 2.34
合計 148,695 100.0 2.10 192,551 100.0 2.37
不良債権の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
不良債権 不良債権
割合 比率 割合 比率
項目 残高 (%) (%) 残高 (%) (%)
本店 6 — — 1,369 0.6 0.39
長江デルタ 29,228 15.6 0.98 30,533 12.9 0.88
珠江デルタ 16,805 9.0 0.79 18,451 7.8 0.75
環渤海 46,883 25.1 2.34 65,405 27.6 2.95
中国中部 35,969 19.2 1.81 46,009 19.4 2.00
中国東北部 8,987 4.8 1.79 9,294 3.9 1.68
中国西部 42,537 22.7 1.43 59,790 25.2 1.78
海外およびその他 6,795 3.6 1.62 6,262 2.6 1.51
合計 187,210 100.0 1.40 237,113 100.0 1.57
53/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
減損損失引当金の増減
( 単位:百万人民元)
2020 年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
12 ヶ月の
項目 予想信用損失 全期間の予想信用損失
2020 年1月1日現在 364,045 57,720 131,350 553,115
(1)
振替 :
ステージ1からステージ2 (11,676) 11,676 — —
ステージ2からステージ3 — (31,112) 31,112 —
ステージ2からステージ1 4,310 (4,310) — —
ステージ3からステージ2 — 3,398 (3,398) —
組成または購入された金融資産 153,540 — — 153,540
再測定 (4,195) 35,145 81,888 112,838
償還および振替出 (95,061) (11,815) (32,036) (138,912)
償却 — — (49,375) (49,375)
2020 年12月31日現在 410,963 60,702 159,541 631,206
(1) 3 つのステージの減損モデルの詳細については、「第 6-1 財務書類 - 連結財務書類に対する注記 -Ⅳ-17 」を参照のこ
と 。
(2) 本表には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される、貸出金に係る減損損失引当金が含まれる 。
(d) 市場リスク
市場リスクとは、市場価格の悪化により生じる銀行におけるオンバランス事業およびオフバランス事業の損失リ
スクをいう。市場リスクは、金利リスク、為替リスク、株価リスクおよび商品価格リスクからなるが、これらに限
定されるものではない。当行は、主に金利リスク、為替リスクおよび商品価格リスク等の市場リスクにさらされて
いる。当行の市場リスク管理の組織構造は、取締役会および取締役会直轄のリスク管理および消費者利益保護委員
会、幹部役員および幹部役員直轄のリスク管理および内部統制委員会、リスク管理部、資産・負債管理部および市
場リスクを負うその他の事業部門(機関)からなる。
2020 年度において、当行は、銀行全体の市場リスク管理要件および取引投資事業のアクセス基準を明確にするた
めに市場リスク年次管理方針を策定した。当行は市場リスク管理システム の 資本測定 機能 および限度計算機能を
引き続き改善し、内部モデル・アプローチによる包括的検証を 引 き 続き 実施し、市場リスク管理のモデルおよび
システムを引き続き最適化した。当行は、新製品の発売前にリスク 制御 対策を万全にするため、新製品アクセス
レビューに注力した。当行の市場リスク・エクスポージャー・リミットは、指令性リミットおよび指導性リミット
に分類される。当行は、市場リスク管理の効率性および市場リスクの規制上の自己資本管理の正確性を高めるため
に、オンバランスおよびオフバランスの資産および負債を、取引勘定または銀行勘定のいずれかに分類した。取引
勘定には、取引勘定の他の項目のリスクに対して取引またはヘッジのために保有される金融商品および商品ポジ
ションが含まれる。その他のポジションは、銀行勘定に分類される。
取引勘定に関する市場リスク管理
当行は、バリュー・アット・リスク(VaR)、エクスポージャー・リミット管理、感応度分析、デュレーション
分析、エクスポージャー分析およびストレステスト等の様々な手法を用いて取引勘定の市場リスクを管理した。
当行は、本社および当行の国内外の支店の取引勘定のVaRを測定するために、1日の保有期間および250日の過去
データに基づき、信頼区間が99%のヒストリカルシミュレーション法を導入した。
54/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取引勘定のVaR分析
( 単位:百万人民元)
2019 年 2020 年
当該報告期間 当該報告期間
項目 末日現在 平均 最高 最低 末日現在 平均 最高 最低
金利リスク 75 89 116 57 59 88 164 52
(1)
為替リスク 28
90 120 287 56 165 213 28
商品リスク 9 15 25 5 62 75 120 9
VaR 全体 115 146 291 92 87 232 362 87
(1) 商業銀行資本管理弁法(試行)に従い、金に関連するVaRは 為替リスクに反映された。
2020 年度において、金利の変動の幅は拡大したが、債券ポートフォリオの平均残高はわずかに減少したため、金
利リスクのVaRは基本的に前年度と比較して変動はなかった。外国為替エクスポージャーはわずかに増加し、金の
ポートフォリオの平均残高は増加し、国内外の金の価格の変動は前年度を上回り、その結果、為替のVaRが前年度
と比較して増加した。銀のポートフォリオの片務エクスポージャーが増加し、銀の価格のボラティリティが前年度
と比較して上昇した結果、商品リスクのVaRは前年度を上回るものとなった。
銀行勘定に関する市場リスク管理
当行は、エクスポージャー・リミット管理、ストレステスト、シナリオ分析およびギャップ分析等の技術的な手
法の包括的活用により銀行勘定の市場リスクを管理した。
金利リスク管理
金利リスクとは、金利レベルまたは期間構造の不利な変動の結果として生じる銀行勘定における利益または経済
的価値が損なわれるリスクをいう。当行の銀行勘定の金利リスクは、主に銀行勘定における金利感応度のある資産
および負債の満期日または金利更改期間の不一致、ならびに資産および負債の基準となる指標金利の変動における
一貫性の欠如により生じる。
55/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年度において、当行は、マクロ経済および金利の動向を注視し、積極的なカウンターシクリカル・オペレー
ションを実施し、内部および外部の金利に対する価格設定戦略を柔軟に調整し、商品ポートフォリオならびに資産
および負債の期間構造を最適化し、金利の低下やパンデミックの影響に対処し、全体的に安定した収益を維持して
いる。中国人民銀行のLPR改革に基づく要件に従い、貸付金利のベンチマークの変換が完了した。当行は、海外の
金融機関および子会社の管理を強化し、金利リスク限度システムを最適化し、連結リスクデータの管理を改善し
た。当該報告期間において、当行の銀行帳簿の金利リスクは全体的に制御可能であり、すべてのリスク指標は規制
要件および管理目標の範囲内で制御されていた。
金利リスク分析
2020 年12月31日現在、当行の満期が1年以内の金利に対して感応度のある累積ネガティブ・ギャップは、前年度
末から絶対的には 1,368 百万 人民元減少し、 1,120,784 百万 人民元となった。
金利リスクギャップ
(単位:百万人民元)
1ヶ月超 3ヶ月超 1年以内 1年超
1ヶ月以内 3ヶ月以内 12ヶ月以内 小計 5年以内 5年超 無利子
2019 年12月31日 (3,981,518) 341,810 2,517,556 (1,122,152) 814,042 1,986,997 73,547
2020 年12月31日 (6,360,968) 818,643 4,421,541 (1,120,784) 194,579 2,914,986 (35,419)
( 注 ) 詳細については、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44.3」を参照のこと。
金利感応度分析
(単位:百万人民元)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
その他の その他の
受取利息 受取利息
包括利益 包括利益
純額 の変動 純額 の変動
ベーシスポイントの変動 の変動 の変動
100 ベーシスポイント増加 (25,867) (42,579) (37,556) (67,941)
100 ベーシスポイント減少 25,867 42,579 37,556 67,941
上記の金利感応度分析は、様々な金利条件下における翌12ヶ月間の受取利息純額およびその他の包括利益の変動
を表したものである。かかる分析は、イールド・カーブが平行移動することを前提としており、金利リスクの軽減
のために経営陣が講じるリスク管理措置については考慮されていない。
2020 年12月31日現在の当行の資産および負債の構成に基づくと、金利が急速に100ベーシスポイント増加(また
は減少)した場合には、当行の受取利息純額およびその他の包括利益は、それぞれ37,556百万人民元および67,941
百万人民元減少(または増加)する。
為替リスク管理
為替リスクとは、銀行の資産および負債における通貨の不一致から生じるリスクをいう。為替リスクは主とし
て、ヘッジすることのできるトレーディング為替リスクならびに資産および負債に起因する為替リスク(以下「非
トレーディング為替リスク」という。)からなり、後者については、運用により回避することが困難である。
2020 年度において、当行は、為替リスク・エクスポージャーの監視および感応度の分析を定期的に実行し、引き
続き外国為替リスクの測定および当行の管理情報システムを改善した。外国為替を適切に対応させることで、当行
は、非トレーディング為替リスク・エクスポージャーを基本的に安定に維持すると同時に、トレーディング為替リ
スク・エクスポージャーを柔軟に調整した。その結果、当行の為替リスク・エクスポージャーは許容可能な範囲内
で管理された。
56/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
為替リスク分析
当行の為替リスクは、主に米ドルの対人民元の為替レートから生じるエクスポージャー・リスクである。
2020 年度において、人民元の対米ドル中間レートは累積で 4,513 ベーシスポイント( 6.92 %)上昇した。2020年
度末現在、当行のオンバランスおよびオフバランスの外国為替エクスポージャーは、前年度末から絶対的には
5,330 百万米ドル増加し、 8,872 百万米ドルのプラスとなった。
外国為替エクスポージャー
(単位:百万人民元(百万米ドル))
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
米ドル 米ドル
人民元 相当額 人民元 相当額
オンバランスの金融資産/負債の外国為替エクス
ポージャー(純額) 50,482 7,236 35,270 5,405
オフバランスの金融資産/負債の外国為替エクス
ポージャー(純額) (25,767) (3,694) 22,625 3,467
( 注 ) 詳細については、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44.3」を参照のこと。
為替感応度分析
(単位:百万人民元)
税引前利益に対する影響
外貨の対人民元
為替レートの
通貨 上昇/下落 2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
米ドル + 5 % 1,346 1,450
-5 % (1,346) (1,450)
香港ドル + 5 % (832) 771
-5 % 832 (771)
当行の人民元建て以外の外貨建資産および負債は主に米ドル建てか香港ドル建てであった。当該報告期間末現在
のオンバランスおよびオフバランスの為替エクスポージャーに基づくと、当行の米ドルの対人民元レートが5%上
昇(または下落)する度に、税引前利益は1,450百万人民元増加(または減少)する。
(e) 流動性リスク
流動性リスクとは、期限の到来した額を決済し、その他の支払債務を履行し、通常の業務におけるその他の資金
需要を満たす際に、商業銀行によって十分な資金を適切な費用で適時に取得することができないリスクを意味す
る。流動性リスクに影響を与える主な要因は、市場流動性のマイナスな影響、顧客の預金引出し、顧客の貸出取
消、資産および負債間の構造不均衡、債務者の不履行、資本実現の困難性ならびに資金調達能力の低下等を含む。
流動性リスク管理
流動性リスク管理の統治体制
当行の流動性リスク管理の統治体制は、意思決定システム、実行システムおよび監督システムによって構成さ
れ、うち意思決定システムは、取締役会、取締役会直轄のリスク管理および消費者利益保護委員会および幹部役員
よって構成される。実行システムは、流動性管理部門、資産負債事業管理部門および情報技術部門等によって構成
され、監督システムは、監査役会、監査室、内部統制・コンプライアンス監督部および法務部によって構成され
る。前述のシステムは、責任分担に基づき、それぞれの意思決定、実行および監督機能を行使する。
57/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
流動性リスク管理の戦略および方針
当行は、慎重な流動性管理戦略を支持した。規制要件、外部のマクロ経済的環境および当行の事業開発に従い、
当行はその流動性リスク管理方針を策定した。当行は、流動性の安全性が保証されている限り、流動性、安全性お
よび収益性の間の均衡を効果的に保った。
流動性リスク管理の目的
当行の流動性リスク管理の目的は、科学的かつ洗練された流動性リスク管理システムを構築することにより、流
動性リスクの識別、測定、監視および報告を効率的に行うこと、通常の事業環境または業務のストレス下で、資
産、負債およびオフバランス事業の流動性ニーズならびに支払義務を速やかに実行すること、ならびに当行グルー
プの流動性リスク全体を効果的に予防する一方で、当行の流動性の資本効率および安全性の両方のバランスを効果
的に保つことであった。
流動性リスク管理の方法
当行は、経済および金融状況、金融政策および市場流動性に細心の注意を払い、銀行全体における流動性の状況
を引き続き監視した。当行は、満期の不一致に関連するリスクを軽減するため、当行の資産および負債の管理を強
化した。当行は、資金調達チャネルが市場で円滑に運用されるようにするため、預金元を確保し、金融商品の利用
を促進した。当行は、監視体制、早期警告および全体的な流動性ポジションの割り当てを強化することにより、流
動性管理メカニズムを改善した。適度な準備資金レベルにより、当行は多様な支払需要を満たした。さらに当行
は、電子管理を向上させるため、流動性管理に係るシステムの機能を改善した。
ストレステストの状況
当行は、流動性に影響を与え得る様々なリスク要因を十分考慮したうえで、市場の状態および運営実態に基づ
き、流動性リスクに係るストレスシナリオを策定した。当行は、四半期ごとにストレステストを実施した。テスト
結果によると、当行は、規定のストレスシナリオ下において、規制機関により要求される最短残存期間テストにす
べて合格した。
流動性リスクに影響を及ぼす主要な要因
2020 年度 において、当行が直面する内部および外部の流動性の状況は、複雑かつ変化の多いものであった。パン
デミックの影響により、世界経済の成長は鈍化し続け、主要経済国はすべて市場金利の変動の大きい緩和的な金融
政策を適用した。当行は、流動性リスク管理において、流動性の変動の増加、満期の不一致の管理による圧力の増
大および資産と負債の構造最適化、ならびに流動性、有価証券および収益性の均衡の困難さの増大等、多くの困難
に直面した。
流動性リスク分析
報告期間中、当行は満期資金により発生したキャッシュ・フローを適切に管理し、当行の全体的な流動性は十分
であり、安全が保障され、制御されていた。2020年度末、当行は規制要件を満たし、人民元および外貨の流動性比
率はそれぞれ59.15%および122.98%であった。2020年度第4四半期における流動性カバレッジ比率の平均は、前四
半期と比較して6.7パーセント・ポイント上昇し、116.3%であった。2020年度末現在、利用可能な安定資金純額
18,996.1十億人民元を分子、必要とされる安定資金の合計15,134.8十億人民元を分母とし、純安定資金比率は
125.5%であった。
58/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
流動性ギャップ分析
以下の表は、表示日現在のネット・ポジションを示したものである。
(単位:百万人民元)
1ヶ月超 1年超
3ヶ月超
延滞 要求払 1ヶ月以内 3ヶ月以内 12 ヶ月以内 5年以内 5年超 期日未定 合計
2019 年12月31日 26,042 (11,689,668) 567,445 (690,128) 36,494 3,066,681 8,144,318 2,291,250 1,752,434
2020 年12月31日 26,848 (12,801,017) 579,070 (627,463) 215,455 2,442,985 9,706,251 2,411,233 1,953,362
( 注 ) 詳細については、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44.2」を参照のこと。
流動性カバレッジ比率の情報
当行は、中国銀行保険監督 管理委員会 の関連規則に従って、流動性カバレッジ比率および安定資金純額につい
て、以下の情報を開示した。
流動性カバレッジ 比率 に係る規制上の要件
CBIRC が発行した 「商業銀行流動性リスク管理弁法」に従い、商業銀行の流動性カ バレッジ比率は、100%以上で
なければならない。さらに、商業銀行流動性カバレッジ比率情報開示弁法に従い、商業銀行は、財務報告書が公表
されるのと同じ頻度で流動性カバレッジ比率情報を開示し、2017年以降、各四半期の日次データに基づいた流動性
カバレッジ比率の単純算術平均およびかかる平均の計算に用いられる日次データの数字を開示することが義務付け
られている。
流動性カバレッジ比率
当行は、「商業銀行流動性リスク管理弁法」および適用ある算定要件に従って流動性カバレッジ比率を計算し
た。当行の日次流動性カバレッジ比率の平均は、 2020 年度第4 四半期において、前四半期比で 6.7 パーセント・ポイ
ント増加して、 116.3 %であり、 92 の流動性カバレッジ比率の数値が、かかる平均を計算するのに用いられた。当
行の高品質の流動資産 は主として現金、ストレス状況下で引き落とし可能な中央銀行の利益準備金ならびに商業銀
行流動性リスク管理法において定義されるレベル1およびレベル2資産に該当する債券を含む。
2020 年度第4 四半期において、測定された日次流動性カバレッジ比率の平均および個別項目の平均は、以下のと
おりであった。
59/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元、%を除く。)
番号 非加重価値合計 加重価値合計
高品質の流動資産
1 高品質の流動資産(HQLA)合計 5,497,305
キャッシュ・アウトフロー
2 個人預金および中小企業顧客預金 12,953,345 1,204,271
3 安定預金 1,821,228 91,059
4 非安定預金 11,132,117 1,113,212
5 無担保市場融資 7,847,013 3,169,115
6 業務関連預金(全相手方)および協調銀行における預金 2,654,612 649,113
7 非業務関連預金(全相手方) 5,142,224 2,469,825
8 無担保債務 50,177 50,177
9 担保付市場融資 3,715
10 その他の要件 3,214,116 1,068,596
デリバティブ商品取引および
11 891,419 891,419
その他の担保要件に関連する流出額
12 担保付債務関連商品への融資に係る損失に関連する流出額 59 59
13 与信枠および流動性枠 2,322,638 177,118
14 その他の契約に基づく融資義務 149,142 149,142
15 その他の偶発的融資義務 1,418,813 61,944
16 キャッシュ・アウトフロー合計 5,656,783
キャッシュ・インフロー
17 担保付貸出(逆レポおよび有価証券借入等) 318,281 318,281
18 完全正常債権からの流入額 1,134,744 561,846
19 その他のキャッシュ・インフロー 965,965 965,965
20 キャッシュ・インフロー合計 2,418,990 1,846,092
調整価値合計
21 HQLA 合計 4,426,515
22 キャッシュ・アウトフロー純額合計 3,810,691
23 流動性カバレッジ比率(%) 116.3 %
安定調達比率の情報
当 行は、中国銀行保険監督管理委員会の関連規則に従い、 安定調達比率につき以下の情報を開示した。
安定調達比率に関する規制上の要求
CBIRC が発表した 商業銀行の流動性リスク管理に関する規則 に従い、商業銀行の 安定調達 比率は100%以上である
ことを要する。さらに、 商業銀行の安定調達比率情報の開示に関する規則 に従い、商業銀行は、財務報告書または
公式ウェブサイトにおいて少なくとも半期毎に直近2四半期の安定調達比率の情報を開示しなければならない。
安定調達比率
当行は、 商業銀行の流動性リスク管理に関する規則 および適用ある統計上の要請に従い 安定調達 比率を計算し
た。当行の2020年度第3四半期の安定調達比率は、前四半期と比較して1.4パーセント・ポイント低下した123.3%
であり、利用可能な安定調達の加重価値は18,830.6十億人民元、必要な安定調達の加重価値は15,273.7十億人民元
であった。2020年度第4四半期の安定調達比率は、前四半期と比較して2.2パーセント・ポイント増加した125.5%
であり、利用可能な安定調達の加重価値は18,996.1十億人民元、必要な安定調達の加重価値は15,134.8十億人民元
であった。
以下の表は、2020年度第3四半期および2020年度第4四半期の安定調達比率および関連するすべての独立項目を示
すものである 。
60/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年度第3四半期の安定調達比率
(単位:百万人民元、%を除く。)
残存満期別の非加重価値
番号 加重価値合計
満期なし 6 ヶ月未満 6 -12ヶ月 1 年超
利用可能な安定調達(ASF)項目
1 資本 2,121,262 — — 299,910 2,421,173
2 規制資本 2,121,262 — — 269,910 2,391,173
3 その他の資本性商品 — — — 30,000 30,000
個人預金および中小企業顧
4
客預金 6,687,384 6,164,882 134 116 11,663,216
5 安定預金 1,918,807 — — — 1,822,867
6 非安定預金 4,768,577 6,164,882 134 116 9,840,349
7 市場融資 5,255,256 4,065,901 448,835 474,489 4,516,227
8 業務関連預金 2,523,354 — — — 1,261,677
9 その他の市場融資 2,731,902 4,065,901 448,835 474,489 3,254,550
10 対応相互資産を伴う負債 — — — — —
11 その他の負債 6 1,751,727 174,032 186,101 229,967
12 NSFR デリバティブ負債 43,150 —
上記の分類に含まれない
13 すべてのその他の負債お
よび資本 6 1,751,727 174,032 142,951 229,967
14 ASF 合計 18,830,583
必要な安定調達(RSF)項目
NSFR高品質流動資産
15
(HQLA)合計 873,215
運用目的によるその他の金
16
融機関への預け金 1,582 315,587 191,171 — 254,170
17 正常債権および有価証券 3,712 3,132,082 2,357,885 10,299,218 1,168,235
レベル1 HQLAにより担保
18
された金融機関への正常
債権 — — — 152,922 152,922
非レベル1 HQLAにより担
保された金融機関への正
19
常債権および金融機関へ
の無担保正常債権 1,470 964,659 228,477 49,048 308,206
個人および中小企業顧客
への正常債権、非金融法
20 人顧客への貸出金ならび
に外国政府、中央銀行お
よびPSEへの貸出金 62 2,013,341 1,988,387 5,409,280 6,571,874
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
21
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの 4 90,183 29,310 162,310 159,654
22 正常住宅ローン — 98,505 99,002 4,344,507 3,791,571
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
23
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの — 3 3 87 64
債務不履行が発生してお
らずHQLA適格でない有価
24
証券(取引所で取引され
る株式を含む。 ) 2,180 55,577 42,019 343,461 343,662
25 対応相互負債を伴う資産 — — — — —
26 その他の資産 163,217 716,371 821,350 1,150,848 2,776,455
現物取引コモディティ
27
(金を含む。 ) — —
61/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
デリバティブ契約の当初
証拠金として支払われた
28
資産およびCCPの不履行
資金のための拠出金 7,368 6,263
29 NSFR デリバティブ資産 40,180 —
支払われた変動証拠金控
除前のNSFRデリバティブ
30
(1)
負債 11,170 11,170
上記の分類に含まれない
31
すべてのその他の資産 163,217 716,371 821,350 1,103,300 2,759,022
32 オフバランス項目 4,192,875 201,654
33 RSF 合計 15,273,729
34 安定調達比率(%) 123.3 %
(1)網掛でないセルには、デリバティブ負債の金額(すなわち支払われた変動証拠金控除前のNSFRデリバティブ負債の割合)
が記載されている。満期による区別の必要はない。非網掛項目30は、非網掛項目26「その他の資産」の合計に含まれてい
ない。
62/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年度第4四半期の安定調達比率
(単位:百万人民元、%を除く。)
残存満期別の非加重価値
番号 加重価値合計
満期なし 6 ヶ月未満 6 - 12 ヶ月 1 年超
利用可能な安定調達(ASF)項目
1 資本 2,172,962 — — 299,918 2,472,880
2 規制資本 2,172,962 — — 269,918 2,442,880
3 その他の資本性商品 — — — 30,000 30,000
個人預金および中小企業顧
4
客預金 6,748,529 6,081,041 152 124 11,644,491
5 安定預金 1,952,326 — — — 1,854,710
6 非安定預金 4,796,203 6,081,041 152 124 9,789,781
7 市場融資 5,298,707 3,939,668 683,285 482,479 4,657,972
8 業務関連預金 2,607,640 — — — 1,303,820
9 その他の市場融資 2,691,067 3,939,668 683,285 482,479 3,354,152
10 対応相互資産を伴う負債 — — — — —
11 その他の負債 71 1,534,426 148,720 205,710 220,754
12 NSFR デリバティブ負債 59,317 —
上記の分類に含まれない
13 すべてのその他の負債お
よび資本 71 1,534,426 148,720 146,393 220,754
14 ASF 合計 18,996,097
必要な安定調達(RSF)項目
NSFR高品質流動資産
15
(HQLA)合計 960,172
運用目的によるその他の金
16
融機関への預け金 3,450 162,861 257,460 — 211,885
17 正常債権および有価証券 7,806 3,470,783 2,219,483 10,455,524 11,320,925
レベル1 HQLAにより担保
18
された金融機関への正常
債権 — 2,282 240 121,757 122,219
非レベル1 HQLAにより担
保された金融機関への正
19
常債権および金融機関へ
の無担保正常債権 5,708 1,189,843 210,613 46,405 331,044
個人および中小企業顧客
への正常債権、非金融法
20 人顧客への貸出金ならび
に外国政府、中央銀行お
よびPSEへの貸出金 100 2,127,909 1,863,244 5,532,025 6,674,903
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
21
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの 11 73,106 56,527 149,903 157,170
22 正常住宅ローン — 100,105 101,104 4,455,731 3,887,964
うち:信用リスクに関
するバーゼルⅡ標準手
23
法に基づきリスク加重
が35%以下であるもの — 2 2 84 62
債務不履行が発生してお
らずHQLA適格でない有価
24
証券(取引所で取引され
る株式を含む。) 1,998 50,644 44,282 299,606 304,795
25 対応相互負債を伴う資産 — — — — —
26 その他の資産 174,626 597,859 732,189 1,000,096 2,476,544
現物取引コモディティ
27
(金を含む。 ) — —
63/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
デリバティブ契約の当初
証拠金として支払われた
28
資産および CCP の不履行
資金のための拠出金 7,368 6,263
29 NSFR デリバティブ資産 40,621 —
支払われた変動証拠金控
除前の NSFR デリバティブ
30
(1)
負債 13,510 13,510
上記の分類に含まれない
31
すべてのその他の資産 174,626 597,859 732,189 952,107 2,456,771
32 オフバランス項目 3,462,037 165,298
33 RSF 合計 15,134,823
34 安定調達比率(%) 125.5%
(1)網掛でないセルには、デリバティブ負債の金額(すなわち支払われた変動証拠金控除前のNSFRデリバティブ負債の割合)
が記載されている。満期による区別の必要はない。非網掛項目30は、非網掛項目26「その他の資産」の合計に含まれてい
ない。
64/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(f) オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクとは、人的な要因または情報技術システム関連の要因による内部手続の不備もしくは
不履行、または外部的事象(法的リスクを含むが、戦略リスクまたは評価リスクは含まない。)から生じる損失の
リスクを意味する。
2020 年度、当行は、オペレーショナル・リスク管理に関する基本規則を修正し、オペレーショナル・リスクの評
価および分類基準を公表した。当行は、オンライン与信およびアウトソーシング等の主要な分野を当行の自己評価
に含め、オペレーショナル・リスクの自己評価の対象範囲を拡大した。当行はオペレーショナル・リスクを四半期
ベースで分析し、主要なオペレーショナル・リスク事由の監視および分析を実施した。当行は、オペレーショナ
ル・リスク管理のための当行の情報システムを最適化し、オペレーショナル・リスク報告の効率性および当行の自
動データ集計能力を改善した。当行は、オペレーショナル・リスク管理を実施するよう子会社に指導し、オペレー
ショナル・リスク管理に関する評価および査定を強化した。
法的リスク管理
法的リスクとは、法的負債、権利の喪失、評判の悪化を含む悪影響を被る銀行のリスクのことをいい、これは法
律違反、管理上の規則および規制または事業運営の契約の条件および権利の行使または外部の法的要素の正式な規
制および行使における法的不履行に起因する。法的リスクは、他の種類のリスクに関連するリスクと同じく、法的
要素を直接的要因とするリスクを含む。
2020 年度、当行は、法に基づいた管理方法を引き続き促進した。法的リスク管理方法は、当行の法的リスク管理
システムを改善するために策定された。当行は、法的支援を受けている金融および民間企業を含め、デジタル改革
の提供、主要な信用リスクの軽減、金利の自由化の改革および「三農」に関連する事業に焦点を当てた。顧客のプ
ライバシー・ポリシーは、当行の顧客情報保護を強化するために改定された。当行は、国内における訴訟、リスク
事象および知的財産についての論争に適切に対処し、海外における訴訟に関連したリスクに慎重に対処した。当行
の子会社については、法的リスク管理に関するガイダンスを充実させ、海外の重要な法律および規制に従い、国境
を越えたデータの合法性評価を実施して国内外での統合的な法的リスク管理システムを確立した。
当行は、すべての従業員の法律に関する意識を高めるため、憲法、民法およびその他の重要な法律および規制に
ついての放送および学習を組織した。当行は、適時に当行のシステム、契約、商品に適応調整を行うことにより、
民法に従い活動を行った。パンデミックの防止および管理のための法律の規則に関する周知が行われ、 COVID-19の
防止および管理のための法的ガイドライン を含む、50を超える文書がこれに従い、当行の従業員が法に従ってパン
デミックを防止および管理する能力を向上させた。
(g) 評価リスク
評価リスクとは、当行の経営、管理もしくはその他の行為または外部的事象に起因した、利害関係者からのマイ
ナス評価により生じるリスクをいう。
2020 年度、当行は、当行の評価リスクの防止および管理メカニズムをさらに改善し、当行の全体的な共同管理能
力を改善するために、事前調査および早期警告、事象報告および検証、ならびに事後修正および評価のメカニズム
を調整および最適化した。当行は、世論に関連する問題の監視および処理を強化し、重要な時点におけるパンデ
ミックおよび金融サービスに関するオンライン上の世論を特に踏まえて、建設的な支援およびガイダンスを率先し
て実行し、積極的に国民の懸念に対応し、即座に関連する問題を確認および修正した。
(h) カントリーリスク
カントリーリスクとは、特定の国または地域の経済、政治および社会において発生した変化ならびに事象に起因
するものであり、該当する国もしくは地域の融資先もしくは債務者の当行に対する債務に関する支払い不能もしく
は支払い拒否、またはその他の理由により該当する国または地域において当行に事業損失をもたらすか、または当
行にその他の損失をもたらすものをいう。
65/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行は、カントリーリスク格付け、リミット制御、エクスポージャーの監視、資産価値の減損引当金およびスト
レステスト等の方法および手段を通じて、カントリーリスクを管理した。2020年度、外部の状況の変化に応じて、
当行は、適時にカントリーリスクを評価し、カントリーリスクの評価およびリミットの調整を行った。当行の資産
の質に対するカントリーリスクの影響を十分に考慮して、当行は、資産価値の減損に対する十分な引当金を設定し
た。
(i) 連結リスク
2020 年度、 当行は、当行グループのリスク統合管理を引き続き改善し、親会社および子会社のリスク管理の統合
を推進した。当行は子会社に対し、リスク選好度文書およびリスク管理方針を見直し、リスク選好度の数値目標を
改善するよう指導した。当行は、パンデミック下において金融サービスを提供し、パンデミックに関連したリスク
を防止および管理するよう子会社を配備した。子会社のデータは、当行のリスクのデータマートに組み込まれてお
り、当行の基本的な事業およびリスク状況の一元的な表示を実現する。当行は、子会社のシステムに関連したリス
ク管理を策定および見直したと同時に、子会社のリスク監視、リスク管理評価およびリスク査定を引き続き実施し
た。
「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-44」を参照のこと。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
下記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(2) 生産、受注および販売の状況
下記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
1.経営陣による考察および分析
(1) 財務書類分析
(a) 損益計算書分析
2020 年度において、当行は、コストを削減し効率性を高める能力を発展させるため、活発に収入源を拡大し、精
巧にコストをコントロールし、業務の効率性および価値を創出する能力を引き出した。当行の営業収益は659,332
百万人民元を記録し、前年度と比較して4.8%増加した。経費率は29.23%であったが、これは1.26パーセント・ポ
イントの低下であった。当年度の純利益は216,400百万人民元であったが、これは3,476百万人民元(1.6%)の増加
であった。
66/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
重要な損益計算書項目の推移
(単位:百万人民元、%を除く。)
増加/
項目 2019 年 2020 年 (減少) 成長率(%)
受取利息純額 500,870 545,079 44,209 8.8
受取報酬および手数料純額 72,927 74,545 1,618 2.2
その他の非金利収入 55,553 39,708 (15,845) -28.5
営業収益 629,350 659,332 29,982 4.8
控除:営業費用 224,096 229,897 5,801 2.6
信用減損損失 138,605 164,699 26,094 18.8
その他資産に係る減損損失 118 204 86 72.9
営業利益 266,531 264,532 (1,999) -0.8
関連会社および合弁事業の収益 45 518 473 1,051.1
税引前純利益 266,576 265,050 (1,526) -0.6
控除:法人所得税費用 53,652 48,650 (5,002) -9.3
純利益 212,924 216,400 3,476 1.6
当行の持分所有者に帰属する純利益 212,098 215,925 3,827 1.8
非支配持分に帰属する純利益 826 475 (351) -42.5
受取利息純額
受取利息純額は、当行の営業収益の最大の構成要素であり、2020年度の営業収益の82.67%を占めた。2020年度
において、当行の受取利息純額は545,079百万人民元であり、前年度と比較して44,209百万人民元増加した。その
うち、残高および金利の変動により、受取利息純額はそれぞれ54,389百万人民元の増加および10,180百万人民元の
減少となった。当行の正味金利差益および正味利息スプレッドはそれぞれ2.20%および2.04%であり、前年度と比
較して3ベーシスポイントおよび5ベーシスポイント下落したが、これは主として(1)LPRの引き下げおよび金利を引
き下げる国家政策の実施により、顧客への貸出金の平均利回りが減少したこと、(2)市場金利が引き下げられたこ
とにより、投資利回りおよび金融事業利回りが減少したことによる。
67/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の表は、利付資産および有利子負債の平均残高、受取利息/支払利息および平均収益率/平均費用率を示し
たものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年
平均収益率/ 平均収益率/
受取利息/ 平均費用率 受取利息/ 平均費用率
項目 平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%)
資産
顧客への貸出金 12,859,092 579,464 4.51 14,419,902 631,753 4.38
(1)
債務証券投資
6,373,176 232,571 3.65 6,812,831 238,995 3.51
非改革関連債務証券 5,988,985 220,739 3.69 6,428,590 227,963 3.55
(2)
改革関連債務証券
384,191 11,832 3.08 384,241 11,032 2.87
中央銀行預け金 2,286,277 35,024 1.53 2,234,121 34,271 1.53
銀行およびその他の金
(3)
融機関に対する債権
941,437 26,081 2.77 1,363,938 25,913 1.90
利付資産合計 22,459,982 873,140 3.89 24,830,792 930,932 3.75
(4)
減損損失引当金
(534,803) (619, 089 )
(4)
無利子資産
1,163,630 1,651,501
合計資産 23,088,809 25,863,204
負債
顧客預金 17,615,216 279,737 1.59 18,611,986 284,552 1.53
銀行およびその他の金
(5)
融機関に対する債務
1,734,711 44,994 2.59 2,039,180 45,131 2.21
(6)
その他有利子負債
1,386,484 47,539 3.43 1,876,373 56,170 2.99
有利子負債合計 20,736,411 372,270 1.80 22,527,539 385,853 1.71
(4)
無利子負債
1,095,540 1,152,232
負債合計 21,831,951 23,679,771
受取利息純額 500,870 545,079
正味利息スプレッド 2.09 2.04
正味金利差益 2.23 2.20
(1) 債務証券投資は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される債務証券投資および償却減価で測定する債務証券投資
を含む 。
(2) 改革関連債務証券はMOFに対する債権および特別国債を含む。
(3) 銀行およびその他の金融機関に対する債権は、主に銀行およびその他の金融機関への預け金および銀行およびその他の金
融機関への貸出金ならびに売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産を含む。
(4) 無利子資産、無利子負債および減損損失引当金の平均残高は、当該期間の期首および期末におけるそれぞれの平均残高で
ある。
(5) 銀行およびその他の金融機関に対する債務は、主に銀行およびその他の金融機関からの預り金および銀行およびその他の
金融機関からの預入金ならびに買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産を含む。
(6) その他有利子負債は、主に発行済債務証券および中央銀行からの借入金を含む。
68/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の表は、残高および金利の変動による受取利息純額の変動を示したものである。
(単位:百万人民元)
増加/(減少)要因
純増/(減)
残高 金利
資産
顧客への貸出金 68,381 (16,092) 52,289
債務証券投資 15,423 (8,999) 6,424
中央銀行預け金 ( 800 ) 47 (753)
銀行およびその他の金融機関に対する債権 8,027 (8,195) (168)
受取利息の増減 91,031 (33, 239 ) 57,792
負債
顧客預金 15,239 (10,424) 4,815
銀行およびその他の金融機関に対する債務 6,738 (6,601) 137
その他の有利子負債 14,665 (6,034) 8,631
支払利息の増減 36,642 (23,059) 13,583
受取利息純額の増減 54,389 (10,180) 44,209
(注)残高および金利の双方による変動は、残高の変動に配分されている 。
受取利息
2020 年度において、当行の受取利息は930,932百万人民元であり、前年度と比較して57,792百万人民元増加し
た。かかる増加は主に、利付資産の平均残高が2,370,810百万人民元増加したことに起因する。
顧客への貸出金からの受取利息
顧客への貸出金からの受取利息は、52,289百万人民元(9.0%)増加して631,753百万人民元となった。かかる増
加は主に、顧客への貸出金の規模が拡大したことに起因する。
法人向け貸出金からの受取利息は、19,545百万人民元(6.2%)増加して332,975百万人民元となった。かかる増
加は主に、法人向け貸出金の規模が拡大したことに起因する。
個人向け貸出金からの受取利息は、38,521百万人民元(16.0%)増加して279,369百万人民元となった。かかる
増加は主に、個人向け貸出金の規模が拡大したことおよび平均収益率が6ベーシスポイント増加したことに起因す
る。
割引手形からの受取利息は、2,604百万人民元(22.1%)減少して9,201百万人民元となった。かかる減少は主
に、割引手形の平均収益率が59ベーシスポイント減少したことおよび割引手形の規模が縮小したことに起因する。
海外およびその他に対する貸出金からの受取利息は、3,173百万人民元(23.7%)減少して10,208百万人民元と
なった。かかる減少は主に、海外およびその他に対する貸出金の平均収益率が81ベーシスポイント減少したことに
起因する。
69/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の表は、平均残高、受取利息および顧客への貸出金の平均収益率を事業別に示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年
平均収益率 平均収益率
項目 平均残高 受取利息 (%) 平均残高 受取利息 (%)
法人向け貸出金 6,990,291 313,430 4.48 7,806,885 332,975 4.27
短期法人向け
貸出金 2,245,236 96,055 4.28 2,472,008 95,512 3.86
中長期法人向け
貸出金 4,745,055 217,375 4.58 5,334,877 237,463 4.45
割引手形 380,995 11,805 3.10 366,195 9,201 2.51
個人向け貸出金 5,054,758 240,848 4.76 5,799,734 279,369 4.82
海外およびその他 433,048 13,381 3.09 447,088 10,208 2.28
顧客への貸出金総額 12,859,092 579,464 4.51 14,419,902 631,753 4.38
債務 証券 投資からの受取利息
債務証券投資からの受取利息は、受取利息のうち2番目に大きな構成要素であった。2020年度における債務証券
投資からの受取利息は、前年度と比較して6,424百万人民元増加して238,995百万人民元となった。かかる増加は主
に、債務証券投資の規模が拡大したことに起因する。
中央銀行預け金からの受取利息
中央銀行預け金からの受取利息は、前年度と比較して753百万人民元減少して34,271百万人民元となった。かか
る減少は、主に法定預金準備金率の調整に起因する。
銀行およびその他の金融機関に対する債権からの受取利息
銀行およびその他の金融機関に対する債権からの受取利息は、前年度と比較して168百万人民元減少して25,913
百万人民元となった。かかる減少は、主に貨幣市場金利の引き下げによる銀行およびその他の金融機関に対する債
権の平均収益率が87ベーシスポイント下落したことに起因する。
支払利息
支払利息は、前年度と比較して13,583百万人民元増加して385,853百万人民元となった。かかる増加は、主に平
均残高が1,791,128百万人民元増加したことに起因する。
顧客預金に係る支払利息
顧客預金に係る支払利息は、前年度と比較して4,815百万人民元増加して284,552百万人民元となった。かかる増
加は、主に顧客預金の規模が拡大したことに起因する。
70/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
預金に関する商品種類別平均費用率の分析
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年
平均費用率 平均費用率
項目 平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%)
法人預金
定期 2,370,806 63,971 2.70 2,414,982 60,775 2.52
要求払 4,724,887 38,121 0.81 4,969,048 43,014 0.87
小計 7,095,693 102,092 1.44 7,384,030 103,789 1.41
個人預金
定期 4,985,641 133,277 2.67 5,642,490 156,281 2.77
要求払 5,533,882 44,368 0.80 5,585,466 24,482 0.44
小計 10,519,523 177,645 1.69 11,227,956 180,763 1.61
顧客預金合計 17,615,216 279,737 1.59 18,611,986 284,552 1.53
銀行およびその他の金融機関に対する債務に係る支払利息
銀行およびその他の金融機関に対する債務に係る支払利息は、137百万人民元増加して45,131百万人民元となっ
た。かかる増加は主として、銀行およびその他の金融機関の預金の平均残高が増加したことに起因する。
その他の有利子負債に係る支払利息
その他の有利子負債に係る支払利息は、前年度と比較して8,631百万人民元増加して56,170百万人民元となっ
た。これは主として、銀行間譲渡性預金の発行およびPBOCの貸出制度の実施に起因する。
受取報酬 および 手数料純額
2020 年度において、当行の受取報酬および手数料純額は、前年度と比較して1,618百万人民元(2.2%)増加して
74,545百万人民元となった。具体的には、コンサルタントおよびアドバイザリー報酬からの収益は主にシンジケー
ト・ローン事業および債券引受業務の増加により10.5%増加し、代理人手数料からの収益は主にウェルス・マネジ
メント事業およびファンドの代理販売事業の増加により6.3%増加し、保管およびその他の信託サービスの報酬か
らの収益は主にファンドの保管およびウェルス・マネジメントの保管等の保管サービスからの収益の増加により
13.7%増加した。
71/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
受取報酬および手数料純額の構成
(単位:百万人民元、%を除く。)
増加/
項目 2019 年 2020 年 (減少) 成長率(%)
決済および清算手数料 11,443 11,129 (314) -2.7
コンサルタントおよびアドバイ
ザリー報酬 10,109 11,174 1,065 10.5
代理人手数料 19,801 21,043 1,242 6.3
銀行カード手数料 15,486 14,702 (784) -5.1
電子バンキングサービス手数料 25,209 26,169 960 3.8
信用コミットメント手数料 1,895 1,875 (20) -1.1
保管およびその他の信託サービ
スの報酬 3,899 4,435 536 13.7
その他 474 639 165 34.8
受取報酬および手数料 88,316 91,166 2,850 3.2
控除:支払報酬および手数料 15,389 16,621 1,232 8.0
受取報酬および手数料純額 72,927 74,545 1,618 2.2
その他の非金利収入
2020 年度 において、その他の非金利収入は39,708百万人民元に達し、前年度と比較して15,845百万人民元減少し
た。具体的には、トレーディング業務利得純額は2,662百万人民元減少した。これは主にトレーディング目的保有
の債務証券に係る利得純額が減少したことによる。金融投資に係る損失純額は13,105百万人民元増加したが、これ
は主に純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融負債の純損失の増加による。
その他の非金利収入の主な内訳
(単位:百万人民元)
項目 2019 年 2020 年
トレーディング業務利得純額 19,067 16,405
金融投資に係る利得/(損失)純額 5,793 (7,312)
償却減価で測定する金融資産の認識の中止に係る利
得純額 ‐ 1
その他の営業収益 30,693 30,614
合計 55,553 39,708
営業費用
2020 年度において、当行の営業費用は前年度と比較して5,801百万人民元増加し、229,897百万人民元となり、経
費率は前年度と比較して1.26%減少し29.23%になった。
営業費用の内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
増加/
項目
2019 年 2020 年 (減少) 成長率(%)
人件費 124,267 123,345 (922) (0.7)
一般営業管理費 48,246 49,452 1,206 2.5
保険金および保険金の支払い 23,349 27,873 4,524 19.4
減価償却費および償却費 18,711 19,551 840 4.5
税および付加税 5,688 5,813 125 2.2
その他 3,835 3,863 28 0.7
合計 224,096 229,897 5,801 2.6
72/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
信用減損損失
2020 年度 において、当行の信用減損損失は、164,699百万人民元となった。そのうち、貸出金に係る減損損失
は、前年度と比較して7,155百万人民元増加し、138,988百万人民元となった。これは主として、当行がマクロ環境
の不確実性を十分に考慮したうえで堅実なアプローチをとり、貸出金に係る減損損失引当金を許可したことに起因
する。
所得税費用
2020 年度 において、当行の所得税費用は前年度と比較して5,002百万人民元(9.3%)減少して、48,650百万人民
元であった。実効税率は法定税率を下回る18.36%であった。これは主として、当行が保有する長期中国国債およ
び地方債に係る受取利息が、関連する税法により法人所得税を免除されたことに起因する。
セグメント報告
当行は、セグメント報告に基づき、当行の業績評価および資源分配に関する決定を行った。セグメント情報は、
内部管理および内部報告の基準と同一の方法で公表された。現在、当行は事業ライン、地理的セグメントおよび県
域銀行業務の側面に基づいて事業活動を行っている。
以下の表は、表示された期間中の当行の事業別営業収益を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
法人向け銀行業務 271,113 43.1 260,853 39.6
個人向け銀行業務 240,579 38.2 277,603 42.1
資金運用業務 79,102 12.6 77,179 11.7
その他の業務 38,556 6.1 43,697 6.6
営業収益合計 629,350 100.0 659,332 100.0
以下の表は、表示された期間中の当行の地域別営業収益を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
本店 53,412 8.5 37,034 5.6
長江デルタ 117,085 18.6 128,436 19.5
珠江デルタ 90,032 14.3 97,061 14.7
環渤海 86,083 13.7 90,921 13.8
中国中部 90,460 14.4 98,993 15.0
中国西部 129,343 20.6 139,762 21.2
中国東北部 21,319 3.4 22,928 3.5
海外およびその他 41,616 6.5 44,197 6.7
営業収益合計 629,350 100.0 659,332 100.0
(注) 地域セグメント の定義については、 「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-39」 を参照のこと。
以下の表は、表示された期間中の当行の県域銀行業務および都市部銀行業務による営業収益を示したものであ
る。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
県域銀行業務 236,739 37.6 261,794 39.7
都市部銀行業務 392,611 62.4 397,538 60.3
営業収益合計 629,350 100.0 659,332 100.0
73/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(b) 貸借対照表分析
資産
2020 年12月31日現在、当行の資産合計は、前年度末から2,327,556百万人民元(9.4%)増加して、27,205,047百
万人民元に達した。具体的には、顧客への貸出金(純額)は1,732,669百万人民元(13.5%)増加した。金融投資
は、399,729百万人民元(5.4%)増加した。現金および中央銀行預け金は、262,620百万人民元(9.7%)減少し
た。銀行およびその他の金融機関への預け金および貸出金は、222,208百万人民元(29.3%)増加した。これは主
として、銀行およびその他の金融機関への共同預け金が増加したことに起因する。売戻し条件付契約に基づき保有
する金融資産は、107,655百万人民元(15.2%)増加した。これは主として、売戻し条件付契約に基づき保有する
債権の増加に起因する。
主要な資産項目
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
顧客 への 貸出金 総額 13,360,342 - 15,170,442 —
控除:貸出金に対する減損損失引当
金 540,578 - 618,009 —
顧客への貸出金(純額) 12,819,764 51.5 14,552,433 53.5
金融投資 7,422,930 29.8 7,822,659 28.8
現金および中央銀行預け金 2,699,895 10.9 2,437,275 9.0
銀行およびその他の金融機関への預
け金および貸出金 758,925 3.1 981,133 3.6
売戻し条件付契約に基づき保有する
金融資産 708,551 2.8 816,206 3.0
その他 467,426 1.9 595,341 2.1
資産合計 24,877,491 100.0 27,205,047 100.0
顧客への貸出金
2020 年12月31日現在、当行の顧客への貸出金総額は15,170,442百万人民元に達し、前年度末から1,810,100百万
人民元(13.5%)増加した。
顧客への貸出金の事業内容別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
国内支店による貸出金 12,908,837 96.8 14,722,705 97.3
法人向け貸出金 7,095,770 53.2 8,134,487 53.7
割引手形 421,390 3.2 389,475 2.6
個人向け貸出金 5,391,677 40.4 6,198,743 41.0
海外およびその他 419,913 3.2 413,416 2.7
小計 13,328,750 100.0 15,136,121 100.0
未収利息 31,592 - 34,321 –
合計 13,360,342 - 15,170,442 –
法人向け貸出金の期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
短期法人向け貸出金 2,203,081 31.0 2,471,235 30.4
中長期法人向け貸出 金 4,892,689 69.0 5,663,252 69.6
合計 7,095,770 100.0 8,134,487 100.0
74/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
法人向け貸出金の産業別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
製造業 1,196,978 16.9 1,329,190 16.3
電力、熱力、ガスおよび水道 852,697 12.0 924,078 11.4
(1)
不動産業 786,673 9.7
693,376 9.8
運輸、物流および郵便業 1,642,017 23.1 1,860,488 22.9
卸売および小売 310,828 4.4 408,879 5.0
治水、環境マネジメントおよび公共
事業管理 511,348 7.2 611,925 7.5
建設業 225,010 3.2 213,961 2.6
鉱業 201,044 2.8 191,659 2.3
リース業および商業サービス業 1,037,898 14.6 1,259,179 15.5
融資業 191,141 2.7 232,833 2.9
情報伝送、ソフトウェアおよびIT
サービス 27,612 0.4 38,716 0.5
(2)
その他 276,906 3.4
205,821 2.9
合計 7,095,770 100.0 8,134,487 100.0
(1) 上記の表中の貸出金の分類は、借入人の従事する産業を基準としている。不動産業に対する貸出金には、不動産業に主に
従事する企業の不動産開発に対する貸出金、運用資産に対する抵当貸出および不動産業界における企業に対するその他の
非不動産貸出金が含まれる。2020年度末現在、法人顧客に対する不動産業に係る貸出金残高は、378,533百万人民元であ
り、前年度末から31,605百万人民元増加した。
(2) その他には主として、農業、林業、畜産、漁業、公衆衛生事業および社会福祉事業が含まれる。
2020 年12月31日現在、当行の法人向け貸出を受ける上位5大主要産業には(1)運輸、物流および郵便業、(2)製造
業、(3)リース業および商業サービス業、(4)電力、熱力、ガスおよび水道の生産供給業ならびに(5)不動産業が含
まれていた。かかる上位5大主要産業に対する貸出総額の残高は当行の法人向け貸出金総額の75.8%であったが、
これは前年度末と比較して0.6パーセント・ポイントの減少であった。
個人向け貸出金の商品種類別内訳
2020 年12月31日現在、個人向け貸出金は前年度末と比較して807,066百万人民元(15.0%)増加した。住宅ロー
ンは、12.0%増加した。これは主に当行が顧客に対し投資目的以外での居住用不動産の購入を支援したことによ
る。個人事業ローンは、43.6%増加した。これは主に包括的貸出金が増加したことによる。クレジットカード残高
は、14.4%増加した。これは主にクレジットカードの導入事業の持続的かつな急速な増加に起因する。農村世帯向
け貸出金は、35.2%増加した。これは主として、 恵 農Eロ ーン が急増したことによる。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
住宅ローン 4,162,431 77.2 4,662,119 75.2
個人消費者ローン 168,036 3.1 178,559 2.9
個人事業ローン 264,305 4.9 379,554 6.1
クレジットカード残高 474,205 8.8 542,563 8.8
農村世帯向け貸出金 321,968 6.0 435,267 7.0
その他 732 - 681 –
合計 5,391,677 100.0 6,198,743 100.0
75/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
顧客への貸出金の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
本店 319,025 2.4 350,729 2.3
長江デルタ 2,996,889 22.4 3,480,092 23.0
珠江デルタ 2,136,152 16.0 2,470,677 16.3
環渤海 2,000,981 15.0 2,214,679 14.6
中国中部 1,982,054 14.9 2,300,770 15.2
中国東北部 503,266 3.8 551,938 3.7
中国西部 2,970,470 22.3 3,353,820 22.2
海外およびその他 419,913 3.2 413,416 2.7
小計 13,328,750 100.0 15,136,121 100.0
未収利息 31,592 - 34,321 -
合計 13,360,342 - 15,170,442 -
金融投資
2020 年12月31日現在、当行の金融投資は、7,822,659百万人民元に達し、前年度末と比較して399,729百万人民元
(5.4%)増加した。具体的には、非改革関連債務証券投資は、前年度末と比較して476,663百万人民元増加した
が、これは主に国債への投資が増加したことによる。
投資の金融商品種類別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
非改革関連債務証券 6,597,379 90.3 7,074,042 91.9
改革関連債務証券 384,243 5.3 384,239 5.0
資本性金融商品 100,619 1.4 106,276 1.4
(1)
その他 132,155 1.7
227,369 3.0
小計 7,309,610 100.0 7,696,712 100.0
未収利息 113,320 - 125,947 –
合計 7,422,930 - 7,822,659 –
(1) 主に、当行によるウェルス・マネジメント商品の発行から得られた手取金の投資により生じた財産を含む。
非改革関連債務証券投資の発行者別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
国債 3,531,300 53.5 4,253,736 60.2
政策銀行により発行された債券 1,388,164 21.0 1,427,871 20.2
その他の銀行および金融機関により
発行された債券 1,100,892 16.7 873,119 12.3
公共機関により発行された債券 216,576 3.3 220,866 3.1
社債 360,447 5.5 298,450 4.2
合計 6,597,379 100.0 7,074,042 100.0
76/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
非改革関連債務証券投資の残存期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
残存期間
残高 割合(%) 残高 割合(%)
延滞 - - – –
3 ヶ月未満 434,169 6.6 298,062 4.2
3 ヶ月以上12ヶ月未満 1,066,476 16.2 937,124 13.2
1 年以上 5 年以内 3,134,611 47.5 3,156,436 44.7
5 年超 1,962,123 29.7 2,682,420 37.9
合計 6,597,379 100.0 7,074,042 100.0
非改革関連債務証券投資の通貨別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
人民元 6,267,575 95.0 6,756,711 95.5
米ドル 272,831 4.1 264,207 3.7
その他の外貨 56,973 0.9 53,124 0.8
合計 6,597,379 100.0 7,074,042 100.0
金融投資の事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フローの特性別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
純損益を通じて公正価値で測定され
る金融資産 801,361 10.9 583,069 7.6
償却原価で測定される負債性投資 4,851,607 66.4 5,574,008 72.4
その他の包括利益を通じて公正価値
で測定されるその他負債およびその
他資本性金融商品投資 1,656,642 22.7 1,539,635 20.0
小計 7,309,610 100.0 7,696,712 100.0
未収利息 113,320 - 125,947 –
合計 7,422,930 - 7,822,659 –
金融債券投資
金融債券とは、政策銀行、商業銀行およびその他の金融機関により発行され、あらかじめ決められた予定に従っ
て元金および利息が償還される債務証券をいう。2020年12月31日現在、当行が保有する金融債券の残高は
2,300,990百万人民元であり、これには、中華人民共和国の政策銀行により発行された1,427,871百万人民元の債券
ならびに商業銀行およびその他の金融機関により発行された873,119百万人民元の債券が含まれる。
77/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の表は、2020年12月31日現在の当行が保有する額面価格上位10位の金融債券を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
(1)
引当金
社債 公正価値 年間利率 満期日
2 017 年政策銀行債券 32,631 3.85 % 2027 年1月6日 -
2017 年政策銀行債券 28,334 4.39 % 2027 年9月8日 -
2 019 年政策銀行債券 27,492 3.28 % 2024 年2月11日 -
2017 年政策銀行債券 26,304 3.83 % 2024 年1月6日 -
2017 年政策銀行債券 23,621 4.11 % 2027 年3月20日 -
2019 年政策銀行債券 21,679 3.86 % 2029 年5月20日 -
2019 年政策銀行債券 21,450 3.74 % 2029 年7月12日 -
2020 年政策銀行債券 21,065 3.23 % 2030 年3月23日 -
2017 年政策銀行債券 19,307 4.13 % 2022 年4月21日 -
2019 年政策銀行債券 18,877 3.75 % 2029 年1月25日 -
(1) 上記の表中の引当金とは、ステージⅡおよびステージⅢの減損損失引当金を指すものであり、ステージⅠの減損損失引当
金は含まれない。
負債
2020 年12月31日現在、当行の負債総額は、前年度末から2,070,671百万人民元(9.0%)増加して24,994,301百万
人民元となった。具体的には、顧客預金は1,523,746百万人民元(8.1%)増加した。銀行およびその他の金融機関
からの預り金および預入金は44,096百万人民元(2.4%)減少した。買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資
産は55,998百万人民元(105.3%)増加したが、これは主に買戻し条件付契約に基づいて売却した債券が増加した
ことによる。発行済債務証券は、263,633百万人民元(23.8%)増加したが、これは主に銀行間譲渡性預金の発行
の増加による。
主要な負債項目
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
顧客預金 18,849,155 82.2 20,372,901 81.5
銀行およびその他の金融機関からの
預り金および預入金 1,829,272 8.0 1,785,176 7.1
買戻し条件付契約に基づいて売却し
た金融資産 53,197 0.2 109,195 0.4
発行済債務証券 1,108,212 4.8 1,371,845 5.5
その他の負債 1,083,794 4.8 1,355,184 5.5
負債合計 22,923,630 100.0 24,994,301 100.0
顧客預金
2020 年12月31日現在、当行の顧客預金残高は前年度末と比較して1,523,746百万人民元(8.1%)増加して、
20,372,901百万人民元となった。顧客別では、個人預金の割合は0.7パーセント・ポイント増加して59.3%となっ
た。期間別においては、要求払預金の割合が2.1パーセント・ポイント減少して55.2%となった。
78/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
顧客預金の事業内容別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
国内預金 18,522,430 99.5 20,002,156 99.5
法人預金 7,196,002 38.7 7,618,591 37.9
定期 2,231,297 12.0 2,390,431 11.9
要求払 4,964,705 26.7 5,228,160 26.0
個人預金 10,904,731 58.6 11,926,040 59.3
定期 5,216,113 28.0 6,054,657 30.1
要求払 5,688,618 30.6 5,871,383 29.2
(1)
その他の預金 421,697 457,525
2.2 2.3
海外およびその他 95,743 0.5 105,216 0.5
小計 18,618,173 100.0 20,107,372 100.0
未収利息 230,982 - 265,529 –
合計 18,849,155 - 20,372,901 –
(1) 預り証拠金、支払送金および仕向送金を含む。
顧客預金の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
本店 366,670 2.0 146,231 0.7
長江デルタ 4,237,795 22.7 4,802,096 23.9
珠江デルタ 2,590,965 13.9 2,818,551 14.0
環渤海 3,193,377 17.2 3,493,789 17.4
中国中部 3,122,629 16.8 3,394,921 16.9
中国東北部 893,920 4.8 1,004,778 5.0
中国西部 4,117,074 22.1 4,341,790 21.6
海外およびその他 95,743 0.5 105,216 0.5
小計 18,618,173 100.0 20,107,372 100.0
未収利息 230,982 - 265,529 –
合計 18,849,155 - 20,372,901 –
顧客預金の残存期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
要求払 11,248,552 60.4 11,908,631 59.2
3ヶ月未満 1,955,120 10.5 1,755,619 8.7
3 ヶ月以上12ヶ月未満 2,596,781 13.9 2,875,558 14.3
1 年以上 5 年以内 2,805,116 15.1 3,555,435 17.7
5 年超 12,604 0.1 12,129 0.1
小計 18,618,173 100.0 20,107,372 100.0
未収利息 230,982 - 265,529 –
合計 18,849,155 - 20,372,901 –
株主資本
2020 年12月31日現在、当行の株主資本は、前年度末と比較して256,885百万人民元(13.1%)増加して、
2,210,746百万人民元となった。普通株式1株当たりの純資産は前年度末と比較して0.39人民元増加して、5.39人民
元となった。
79/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の表は、表示日現在の株主資本の内訳を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
普通株式 349,983 17.9 349,983 15.8
その他の資本性金融商品 199,886 10.2 319,875 14.5
資本準備金 173,556 8.9 173,556 7.9
投資再評価準備金 29,684 1.5 25,987 1.2
利益準備金 174,910 9.0 196,071 8.8
一般準備金 277,016 14.2 311,449 14.1
利益剰余金 741,101 37.9 828,240 37.4
為替換算準備金 2,219 0.1 (372) –
非支配持分 5,506 0.3 5,957 0.3
合計 1,953,861 100.0 2,210,746 100.0
オフバランス項目
オフバランス項目は、主に金融デリバティブ商品、偶発債務およびコミットメントを含む。当行は、取引、資産
および負債管理ならびに顧客を代理した事業のために、為替、金利および貴金属に関連したデリバティブ取引を開
始した。当行のかかる偶発債務およびコミットメントには信用コミットメント、設備投資コミットメント、オペ
レーティング・リース債務およびファイナンス・リース債務、債券の引受けおよび償還義務、住宅および担保資
産、訴訟手続ならびにその他の偶発事象が含まれる。信用コミットメントは、オフバランス項目の主要な構成要素
であり、貸出コミットメント、銀行引受手形、保証および保証状、信用状ならびにクレジットカード・コミットメ
ントからなる 。
信用コミットメントの内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目
残高 割合(%) 残高 割合(%)
1,617,278 51.0
貸出コミットメント 1,056,796 43.8
429,841 13.6
銀行 引受手形 339,829 14.1
264,646 8.4
保証および保証状 216,229 9.0
162,356 5.1
信用状 151,040 6.3
695,183 21.9
クレジットカード・コミットメント 646,134 26.8
3,169,304 100.0
合計 2,410,028 100.0
(c) その他の財務情報
会計方針の変更
当該報告期間において、会計方針に重要な変更はなかった。
IFRS に従って作成された連結財務書類およびCASに従って作成された連結財務書類の相違
純利益または株主資本に関して、それぞれ当行によりIFRSに従って作成された連結財務書類およびCASに従って
作成された連結財務書類に相違はなかった。
(d) 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積および当該見積に用いた仮定について、「第6-1 財
務書類-連結財務書類に対する注記」を参照のこと。
80/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2) 事業の概況
(a) 法人向け銀行業務
報告期間中、当行は、法人向け銀行業務の良質な発展を促進するため、主要な国家戦略および実体経済の重要分
野を積極的に支援し、パンデミックの予防および抑制のための金融サービスを提供する努力を惜しまず、デジタル
変革の推進を通じて新たな成長の原動力を涵養し、新しい総合的なサービスモデルを確立し、包括的な金融サービ
ス機能および顧客満足度を向上させた。2020年度末現在、国内法人預金の残高は7,618,591百万人民元であった
が、これは前年度末と比較して422,589百万人民元の増加であった。国内における法人向け貸出金および割引手形
の残高は8,523,962百万人民元であったが、これは前年度末と比較して1,006,802百万人民元の増加であった。当行
の主なマーケティング・プロジェクトのプールには16,012件のプロジェクトが含まれていたが、これは前年度末と
比較して2,166件の増加であり、融資額は682.6十億人民元であった。2020年度末現在、当行の法人向け銀行業務の
(1)
顧客数 は7.9929百万となり、そのうち327.9千の顧客が借入残高を有し、これは前年度末と比較して114.9千
の増加であった。
・ 当行は、一帯一路構想、北京-天津-河北地域の協調開発、長江経済ベルトの開発、粤港澳大湾区の建設、
長江デルタ一体化計画の発展ならびに黄河流域の環境保護および良質な発展等の主要な国家戦略を支援する
サービスを提供した。当行は、雄安新区、深 圳 先行示範区、上海自由貿易試験区および粤港澳大湾区向けに
特化したサービス計画を策定することで、差別化された支援方針を導入し、当年度の貸出金は197.6十億人
民元増加した。
・ 当行は、実体経済の重要分野を支援するサービスを提供し、最新の産業構造の構築を支援した。借入残高を
有する顧客数および製造業における貸出残高(融資の利用に基づく。)は、前年度末と比較してそれぞれ
79.1千および157,534百万人民元増加した。当行は、ニュー・エコノミーの鍵となる顧客ユニコーンおよび
科学技術のスタートアップ企業といった主要な顧客向けの金融サービスを強化することで、ニュー・エコノ
ミーおよび新たな成長の原動力を下支えした。戦略的な新興産業および成長中の最新のサービス産業向けの
当行の貸出金は、前年度末と比較してそれぞれ110,853百万人民元および93,831百万人民元の増加となっ
た。
・ 当行は、民間企業の発展を支援した。支援策の導入、信用力の向上および金融サービスモデルの刷新によ
り、当行は、民間企業がパンデミックを予防および抑制し、業務および生産を再開することを支援した。
2020年度末現在、借入残高を有する民間企業の数は305.7千に達し、前年度末と比較して110.6千の増加で
あった。また、貸出金残高は2,031,413百万人民元となり、前年度末と比較して404,861百万人民元の増加で
あった。
・ 当行は、デジタル変革を促進した。マーケティング活動およびサービスレベルを効果的に精緻化するため
に、当行は、法人顧客についてデジタル分類によるマーケティングを実施した。当行は、全過程におけるあ
らゆる場面を通じて、すべての顧客グループに対する当行の金融サービスを向上させるために、さらなる法
人向けの金融シーンを拡大した。2020年度末現在、当行は、74.9千の法人事業向けインターネットシーンを
有していたが、これは前年度末と比較して48.6千の純増加であり、77百万超の法人顧客および個人顧客の需
要に応えるものであった。当行の法人向けインターネットバンキングおよび法人向けモバイルバンキングの
アクティブ顧客は、それぞれ945.6千および875.5千増加した。
(1) 法人向け銀行業務の顧客の基準は、報告期間中に法人向け銀行業務の顧客が当行で預金または決済をしていること(5
年を超える休眠口座を除く。)に変更された。
取引銀行業務
当行は、口座および支払決済に基づく取引銀行業務システムを引き続き改善した。当行は、「スマートペイメン
トプラス」プラットフォームの構築に尽力し、法人顧客および法人口座の創出を推進し、主要な取扱商品の拡充を
加速させることで、当行の取引銀行業務の良質な発展を促進した。
・ 当行は、法人向け口座開設サービスを強化することで顧客の経験を向上させ、インターネットにおける顧客
獲得能力を涵養した。2020年度末現在、当行の法人向け人民元建決済口座数は8.3596百万であった。
81/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行は、資金監管、工薪宝およびE-保証等のオンライン金融商品を革新的に開発した。オンラインでの資金
監督に関しては政府の、安定的な雇用に関しては地方からの出稼ぎ労働者の、事業および生産の再開に関し
ては企業の需要を充足するために、スマートペイメントおよび融資の一元化が進められた。2020年度末現
在、当行のアクティブな取引銀行顧客数は3.6917百万であったが、これは前年度末と比較して15.9%の増加
であった。
機関向け銀行業務
顧客本位の哲学に忠実に、当行は、スマート顧客の構築を推進し、総合的なサービス機能を向上させた。2020年
度末現在、当行の機関顧客数は502.9千、口座数は680.8千であったが、これは前年度末と比較してそれぞれ12.6%
および10.6%の増加であった。
・ 政府に提供する金融サービスに関し、当行は、政府業務について31の省レベルのサービスプラットフォーム
および172の県レベルのサービスプラットフォームと連携した。当行は、湖北省襄陽市政府と協力し、i襄陽
アプリを立ち上げた。
・ 財政および社会保障に関し、当行は、16の省を網羅した国家財政予算管理の一元化に寄与する特別プロジェ
クトを立ち上げた。32の省を網羅し、10百万人を超える利用者がいる当行のモバイルバンキングを通じて、
当行は、医療保険の電子証明書を発行した初の銀行となった。
・ 人々の生活に関わる金融サービスに関し、当行は、スマートキャンパスについては30千超の学校、スマート
ホスピタルについては1千超の病院と協力した。
・ 金融機関へのサービスに関し、2020年度末現在、第三者預託サービスの契約顧客数は48.8215百万であった
が、これは前年度末と比較して5.3524百万の増加であった。
投資銀行業務
「6分野の安定(六穏)」および「6領域における維持(六保)」を保証する国家的要件を主体的に満たしつつ、
当行は、投資銀行業務を通じて直接金融を促進し、パンデミックの予防および抑制を支援し、実体経済の発展に貢
献した。2020年度には、当行の投資銀行業務において9,923百万人民元の収益を達成したが、これは前年度と比較
して15.6%の増加であった。
・ 当行は、国家的戦略に積極的に寄与した。当行とその子会社との間の相乗効果に基づく産業ファンドのモデ
ルを革新的に発展させ、ストックオプション手配事業を試験的に運用した。当行は、科学企業および革新分
野の企業に対する総合的かつ包括的な金融サービスを提供し、石油およびガス産業向けのシステム改革、雄
安新区におけるインフラストラクチャー整備ならびに深 圳 地下鉄等の主要なプロジェクトを支援した。当行
がパンデミックの予防および抑制ならびに事業および生産の再開を支援したことで、パンデミック予防・抑
制債ならびに借入による資金調達計画を通じて30十億人民元超が調達された。
・ 当行は、市場参加者のための円滑な資金調達経路を維持した。非金融企業のために引き受けた521.8十億人
民元の負債性金融商品により、当行は顧客の直接金融に対する需要を支えた。シンジケート・ローンにより
顧客およびプロジェクトの大口資金調達需要に応えたことにより、シンジケート・ローンの残高は1.5兆人
民元を超え、当行は市場における主導的な地位を維持した。M&Aおよびリストラクチャリングに関する助言
ならびに産業構造の改善に関する財務アドバイザーとして、M&A貸付金残高は業界内首位であった。
・ 当行は、事業の革新を引き続き推進した。当行は、初の資産担保コマーシャル・ペーパー(ABCP)、調達さ
れた資金によって対価が支払われる初のM&A債および初の国有企業の永久パンダ債等を引き受け、市場にお
ける模範的かつ主導的な役割を果たした。当行は、優良中小企業に対して債券による資金調達手段を開く、
初の高利回り債券を登録した。
・ 当行の市場に対する影響力は引き続き増大した。当行は、「証券時報」誌の全方位型銀行の投資銀行業務に
対する2020年度天 璣 賞、「銀行家」誌の上位10行投資銀行革新賞、中央国債登記結算有限責任公司の優秀
ABSオリジネーター賞および「中国銀行業」誌の最優秀業績シンジケート・ローン賞を含む、合計24の栄誉
賞を受賞した。
82/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(b) 個人向け銀行業務
2020 年度 において、顧客に選ばれる高機能な個人向け銀行となることを目指し、当行は、個人向け銀行業務につ
いてデジタルで高度かつオンラインのサービス機能を強化し、戦略的な礎としての当行の個人向け銀行業務の位置
づけをさらに向上させたが、これは「金融+テクノロジー+データ」により牽引されたものであった。2020年度末
現在、当行の個人顧客数は合計で0.86十億人であった。
・ 当行の高度なサービス機能を向上させた。「個人事業のスマートブレイン」を足掛かりに、当行はデジタ
ル・エンパワメントを実践した。当行は、デジタルマーケティングサービスの機能を強化し、顧客管理者向
けのモバイルマーケティングツールを開発することで、デジタル顧客関係管理システムを通じて実現される
当年度の総売上高は4.53兆人民元となった。終日すべてのチャネルにおいて自動で稼働するスマートサービ
スシステムであるデジタル・ヒューマンの構築により、当行は、当年度において直接マーケティングを通じ
て1.76十億人の顧客にサービスを提供した。
・ 当行は、パンデミックの予防および抑制を積極的に支援した。当行は、デジタル・オペレーティング・ツー
ルを改良し、満期、保険保証および生活費に関する新しいウェルス・マネジメント商品の購入を含むオンラ
インサービスを当行の0.21十億人の顧客に提供するための「心温まる取組み(暖心行動)」を実施した。当
行は、事業および生産の再開を支援するために、25千人超の登録済み求職者とともに「暖就業」プラット
フォーム」を立ち上げた。
・ 当行は、シーンベース金融の構築を強化した。どこからでもアクセス可能な当行の金融サービスを実現する
ために、当行は、高頻度トラフィックフローを備えたプラットフォームとの連携を強化し、電子口座の開
設、支払および決済、消費ローンならびに給与サービスを多様な生活シーンに組み込んだ。法人顧客向けの
専用金融店舗を通じて、当行は企業の従業員に対し、1百万を超える店舗を営業し、一括かつ一人一人に合
わせたワンストップの金融サービスを一つのまとまりとして提供した。当行は、モバイルバンキングにおい
てワンタッチにより電子社会保障カードを発行した最初の銀行であり、電子社会保障カードの発行枚数は10
百万枚を超えた。
・ 当行は、商品開発および手続の最適化を推進し、「医療Eローン」、「教育Eローン」およびABCクイック送
金ならびに故宮博物院と協力して製作した「五牛図」等の貴金属製品を導入した。当行は、基幹店舗におい
て物理的なカードを使用しない個人向け銀行業務を継続し、カードをスワイプする代わりにモバイルバンキ
ングでコードをスキャンする新しい認証モデルを立ち上げた。当行の顧客サービスの利便性および顧客の経
験は、加盟店の遠隔登録および融資の遠隔契約を実現したことにより、飛躍的に向上した。
個人向け貸出金
・ 不動産業界向けの国家的な統制方針を厳密に実行することにより、当行は、居住者の非投資目的住宅に対す
る合理的な需要を支え、中古住宅ローン事業を積極的に拡大し、個人向け住宅ローン事業で着実な成長を遂
げた。2020年度末現在、当行の個人向け住宅ローンの残高は4,662,119百万人民元であり、前年度末と比較
して499,688百万人民元の増加であった。
・ 当行は6大幸福産業および自動車、装飾およびオンライン消費を含むその他の部門に注力し、オンライン
シーンの展開を加速し、グループ顧客の優秀な従業員に対する一括マーケティングを実施した。当行は個人
消費向けローン市場における主導的な地位を維持し、オンライン消費ローンの残高は100十億人民元を超え
た。
・ 当行は、金融サービスを強化した。当行は、「住宅抵当Eローン」を革新的に推進し、手数料および金利の
引き下げを実施し、個々の産業および商業に従事する個々の世帯ならびに小規模企業および零細企業による
事業および生産の再開を支援するための包括ローンの提供を増額した。2020年度末現在、個人事業向けロー
ンの残高は379,554百万人民元となり、前年度末と比較して115,249百万人民元の増加であった。
83/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
個人預金
・ 当行は、顧客管理を強化し、商品革新およびシステム構築を推進し、デジタルツールの適用を促進し、ター
ゲット・アプローチによる個人預金のマーケティングを実施した。当行の個人預金は、堅調に増加を続け
た。
・ 2020年度末現在、国内個人預金の残高は11,926,040百万人民元に達し、前年度末と比較して1,021,309百万
人民元の増加であった。
銀行カード事業
・ 当行は、中国銀聯等の第三者と協力し、当行のデビットカードの取引積極性を向上させるために、スーパー
マーケット、コンビニエンスストアおよび食料マーケット等の少額かつ高頻度の支払場面の構築を加速させ
た。当行は、地方からの出稼ぎ労働者に対してより良質かつ便利な金融サービスを提供するために、建設業
従事者の手数料の減免が付帯したデビットカード(築福カード)を導入した。2020年度末現在、当行は累計
で1,098百万枚のデビットカードを発行しており、当年度の取引額は25.48兆人民元であった。
・ 当行は、地方活性化をテーマにしたクレジットカードおよび医療従事者向けの特別な権利が付帯した独占的
な馨医クレジットカードを導入した。「エクスプレス」ブランドの人民元クレジットカードが初めて発行さ
れ、当行のスターメンバーズシステムが導入された。当行は、「汽車節」、「家装飾」、「楽享周六」およ
び「濃情相伴」等の販売促進活動を企画した。当行の楽分易は接触ゼロのサービスを達成し、クレジット
カードの年間割賦取引額は引き続き増加した。2020年度末現在、当行は累計で0.13十億枚のクレジットカー
ドを発行しており、当年度の取引額は2.1兆人民元であった。
プライベート・バンキング事業
・ 当行は、中国における初の独占的なプライベート・バンキング・ブランドである壱私行を導入し、新しいブ
ランド戦略、ビジュアルイメージおよびマイクロフィルムを公表した。当行は、資産配分に関する顧客の多
様な需要を充たすために、「六盈」というプライベート・バンキング事業向けの独占的な投資商品シリーズ
を開発した。家族信託サービスを積極的に拡充することにより、当行の事業規模は急成長を続けた。当行の
プライベート・バンキングの顧客の経験を引き続き促進するために、モバイルバンキングにおけるプライ
ベート・バンキング・ゾーンが導入された。
・ 2020年度末現在、当行のプライベート・バンキング事業の顧客数は141千人、管理資産残高は1,696十億人民
元であり、前年度末と比較してそれぞれ18千人および292十億人民元の増加であった。
(c) 資金運用業務
当行の資金運用業務には、短期金融市場活動および投資ポートフォリオ管理が含まれている。当行は、実体経済
および経済変革への貢献を堅持し、パンデミックの予防および抑制ならびに事業および生産の再開を全面的に支援
した。当行は、投資戦略を柔軟に調整し、銀行全体での流動性の確保に基づく流動性管理を強化した。当行の資産
に対する投資収益は、競合会社の中で比較的高水準を維持した。
短期金融市場活動
・ 当行は、公開市場操作に積極的に参画し、小規模ないし中規模の金融機関に対してより高い流動性を提供し
た。
・ 当行は、金融政策の調査および市場の流動性の予測を強化し、借入および貸付、買戻し、譲渡性預金証書な
らびに流動性の変動を円滑にするための預金等、多種多様な金融商品を包括的に利用し、当行の流動性の安
全性の確保に基づく資金利用の効率を改善するため、満期資金を合理的に割り当てた。
・ 2020年度において、当行の人民元建資金調達取引金額は64,069,418百万人民元であったが、その内訳は貸出
が62,310,120百万人民元、借入が1,759,298百万人民元であった。
84/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
投資ポートフォリオ管理
2020 年12月31日現在、当行の金融投資額は7,822,659百万人民元となり、前年度末と比較して399,729百万人民元
(5.4%)の増加であった。
取引勘定業務
・ 当行は、銀行間市場における債券値付業務および債券取引業務の双方において、競合会社の中で主導的な地
位を維持した。
・ 2020年度において、国内債券市場は著しく変動し、当行は、市場の動向を受けて取引勘定におけるポート
フォリオのポジションをダイナミックに調整し、リスクをヘッジするためにデリバティブを用いた。主体的
に実体経済に貢献するため、当行は信用債券の取引積極性を増強した。
銀行勘定業務
・ 当行は、国内および国外における金融政策の調査および利率の動向の予測を強化した。債券供給のプロファ
イルおよびポートフォリオの満期を考慮し、当行は、ポートフォリオの構成を最適化し、投資機会を捉え
た。ポートフォリオの利回りは、競合会社の中で首位であった。
・ 当行は、パンデミックの予防および抑制を支援するために、COVID-19抑制のための特別国債および政策銀行
の特別な対パンデミック債に投資し、科学技術の革新、産業の変容および主要な国家的プロジェクトの構築
を支援するため、科学技術、遠隔通信、運輸、エネルギーおよび電力等の分野に積極的に投資した。
(d) 資産管理
ウェルス・マネジメント
2020 年度 において、当行は金融機関の資産管理業務に関する指導意見に基づく一連の規制要件を実施し、純資産
の変革を加速するべく、既存のウェルス・マネジメント事業のスキームを策定した。2020年12月末現在、当行グ
ループのウェルス・マネジメント商品の残高は2,027,727百万人民元に達し、そのうち1,077,913百万人民元が当行
から、949,814百万人民元が農銀理財有限責任公司からであった。
当行のウェルス・マネジメント商品
2020 年度 末現在、当行のウェルス・マネジメント商品の残高は1,077,913百万人民元となった。収益別では、元
本保証ウェルス・マネジメント商品の残高は72,313百万人民元となり、全体の6.7%を占め、前年度末と比較して
230,523百万人民元の減少であった。非元本保証ウェルス・マネジメント商品の残高は1,005,600百万人民元とな
り、全体の93.3%を占め、711,597百万人民元の減少であった。調達方法別では、公募ウェルス・マネジメント商
品の残高は1,062,954百万人民元となり、全体の98.6%を占め、938,386百万人民元の減少であった。私募ウェル
ス・マネジメント商品の残高は14,959百万人民元となり、全体の1.4%を占め、3,733百万人民元の減少であった。
以下の表は、報告期間中における当行のウェルス・マネジメント商品の発行、満期、償還および存続の状況を示
したものである。
(単位:百万人民元、トランシェを除く。)
償還
2019 年12月31日 発行 満期 2020 年12月31日
項目
トランシェ 金額 トランシェ 金額 トランシェ 金額 金額 トランシェ 金額
元本保証ウェル
ス・マネジメン 54 302,836 36 1,155,477 88 77,514 1,308,486 2 72,313
ト商品
非元本保証ウェ
ルス・マネジメ 861 1,717,197 852 18,188,935 1,281 896,168 17,359,005 403 1,005,600
ント商品
合計 915 2,020,033 888 19,344,412 1,369 973,682 18,667,491 405 1,077,913
( 注 ) 管理者が当行から農銀理財有限責任公司に変更になった29トランシェの非元本保証ウェルス・マネジメント商品は2020年
度において645,359百万人民元となり、満期額は満期日におけるウェルス・マネジメント商品の残高を参照している。
85/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の表は、表示された日付時点における当行が資産を管理する直接および間接の投資資産の残高を示したもの
である。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2020 年 12月31日
項目
金額 割合(%)
現金、預金および銀行間預金証書 303,468 23.0
銀行への貸出金および売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産 155,951 11.8
債務証券 562,781 42.6
非標準信用資産 231,760 17.6
その他の資産 65,791 5.0
合計 1,319,751 100.0
農銀理財有限責任公司のウェルス・マネジメント商品
2020 年度 末現在、農銀理財有限責任公司のウェルス・マネジメント商品の残高は949,814百万人民元であった。
これらのウェルス・マネジメント商品はすべて自己資本商品であり、そのうち公募ウェルス・マネジメント商品は
97.2%、私募ウェルス・マネジメント商品は2.8%であった。
保管サービス
・ 国民年金保障制度の構築が大きく進展した。当行は、基礎年金保険基金の管財資格に係る入札に勝利を収め
たことにより、年金分野において完全認可の保管銀行となった。当行は、2020年度に2つの省で企業年金管
財資格に係る入札に勝利を収め、31の省、地域および市においてかかるすべての入札に勝利を収めた。
・ 2020年度末現在、当行の保管資産は10,105,008百万人民元で、前年度末と比較して2.2%の増加であった。
そのうち保管する年金は686,292百万人民元となり、前年度末と比較して6.4%の増加であった。保管サービ
スによる収入は4,435百万人民元で、前年度と比較して13.7%の増加であった。
年金
当行は、市場の拡大を推進し、26の省、自治区および中央政府の直轄市における受託銀行として、職業年金ス
キームの入札において累積的に勝利を収めた。当行は、管理メカニズムを改善し、資産配分を最適化し、リスク管
理および抑制を強化することで、委託管理下での着実な資産価値の上昇および事業規模の持続的な成長を達成し
た。
(1)
2020 年度末現在、委託管理下での当行の年金基金 は117,523百万人民元となり、前年度末と比較して51,737
百万人民元(78.6%)の増加であった。
(1) 委託管理下での職業年金、企業年金およびその他の年金資産を含む。
貴金属
・ 2020年度に、当行は、自己勘定および顧客の代理として4,790トンの金および85,461トンの銀を取引し、自
己勘定取引量の順位において業界内で主導的な地位を維持した。
・ 当行は、顧客サービスおよびリスク予防の能力を向上させるべく、金融消費者利益保護の要件を実施し、顧
客適格性管理および関連するリスク・リマインダーを強化した。
・ 当行は、貴金属のリースおよび貸出にかかる事業を着実に発展させ、貴金属企業の業務および生産の再開を
支援した。
顧客を代理したトレジャリー取引
・ 為替レートが両方向に変動する環境下で、当行は、積極的に為替レートヘッジ商品およびサービスを顧客に
提供した。当行は、為替および為替リスク管理に関する効果的かつ便利なサービスを顧客に提供するため
に、当行の法人向けインターネットバンキングおよびモバイルバンキングにおける外国為替販売および決済
の機能を最適化した。2020年度において、顧客を代理して行った外国為替販売および決済ならびに外国為替
取引の取引額は393十億米ドルであった。
86/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 店頭債(債市宝)事業は堅調な発展を遂げ、事業規模において業界内で第一位となった。当行は、国外機関
投資家が中国の債券市場に投資するためのサービスを積極的に提供し、2020年度における債券通の取引額は
500十億人民元を超え、市場において首位となった。
・ 当行は、中国外貨取引センターによる「2020年度の解放貢献賞」、債券通有限公司による「2020年度の債券
通を通じた優秀マーケットメイカー」および中央国債登記結算有限責任公司による「2020年度の店頭事業革
新貢献賞」を含む、複数の賞を受賞した。
代理保険事業
・ 当行は、定期保険料保険事業のマーケティングを強化した。当年度の代理店定期保険料は25.847十億人民元
となり、前年度と比較して13.0%の増加であり、当行の代理保険事業の構造を飛躍的に最適化する結果と
なった。
・ 当行は、オンライン営業を引き続き強化し、当年度の当行の代理保険事業による手数料収入は、6,447百万
人民元に達した。
ファンド商品の代理販売
・ ブティック戦略を実施するために、当行は、一流のファンド会社との協力関係を強化し、一流のファンドマ
ネジャーが管理するファンドの販売を増やし、クローズドエンド型ファンド、創業板ファンド、年金FOFお
よび債券投資+ファンド等の多様なファンド商品を革新的に発行した。2020年度において当行が販売した
ファンドの数は1,917となり、販売量は321.083十億人民元であったが、そのうち非貨幣性ファンドの販売量
は128.4%増加した。
・ 当行は、資産配分に関して、より専門的かつ差別化された提案を顧客に提示するために、ウェルス・マネジ
メントの高度な顧客サービスシステムを立ち上げ、モバイルバンキングにおけるウェルス・マネジメントの
包括的なサービスシステムを構築した。
中華人民共和国国債の代理販売
・ 2020年度において、当行は代理店として4トランシェの証明書式貯蓄用中華人民共和国国債(9,023百万人民
元)および4トランシェの電子式貯蓄用中華人民共和国国債(13,966百万人民元)を含む、8トランシェの貯
蓄用中華人民共和国国債を販売し、その実際の販売額は22,989百万人民元であった。
(e) インターネット金融
報告期間中、当行は、デジタル革新の戦略に焦点を当てながら、プラットフォーム構築、オンライン・マーケ
ティングおよび運用上の安全性を推進した。
スマートモバイルバンキング
当行は、「ユーザージャーニーの刷新、プラットフォームの経験の向上およびデータインテリジェンスの深化」
を目指して新バージョンのモバイルバンキングを開始し、モバイルバンキングを当行のオンライン経営の主要分野
とした。
・ 顧客獲得手段が拡大された。顧客獲得の分断点はすべて解消され、50の銀行により発行されたデビットカー
ドおよびクレジットカードが紐づけられた。即時ログインが可能となり、当行は、顧客がWeChatを通じて当
行のモバイルバンキングに簡便にログインできるよう、三者間の権利マトリクスを接続した。
・ 顧客および口座の管理が強化された。当行は、マイアカウントおよび資産プロファイルの表示を改善し、送
金予約機能を導入し、月次請求を最適化し、デビットカードのロック解除およびポジション確認を可能に
し、手数料無料の引出上限額を0.5百万人民元とした。
・ 個々に応じた顧客サービスが深化した。当行は、サービス一覧、割引および情報の効率的な提案のために顧
客グループを細分化し、プライベート・バンキングおよび恵農特化サービスを開始し、チベット語およびウ
イグル語のサービスを提供した。
87/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 専門的ウェルス・マネジメント・サービスが提供された。当行は、1人民元から取引を開始できる唯一の商
品である新たなウェルス・マネジメント商品を展開した。当行は、預金、ファンドおよび保険商品の各々の
関連性を再構築し、取引処理および商品分類を最適化した。当行はまた、金融サービスを充実させ、ABCス
マート融資を改善し、オンライン与信申請および与信調査承認を開始した。
オンライン法人向けサービスプラットフォーム
ワンストップかつ財産管理型のサービスを提供することを目的として、当行は、法人向け金融サービスの発展基
盤を継続的に強化した。
・ 当行の法人向け金融サービスプラットフォームのバージョン4.0が導入された。法人向けインターネットバ
ンキングと商業用Eペイメントの統合後、一連のログイン・インターフェース、サインアップ手続、認証手
段、基本情報の保管および安全性証明の統合が達成された。
・ 当行のプラットフォームのサービス能力が向上した。当行の法人顧客は、法人向けインターネットバンキン
グの専用バージョンを利用することができる。サプライ・チェーンの上流および下流のサービスへの接続を
統合することにより、E財産管理はより多くの法人顧客により専門的な金融サービスを提供することができ
る。当行は、先進的な統合出納機により、サプライ・チェーンの様々な段階の商業者向けの資金の決済およ
び配分を促進した。
オープンバンキングプラットフォーム
当行は、金融場面における相互関係の統合を促進し、当行の顧客獲得能力を向上させ顧客の有効性を高めるた
め、オープンバンキングプラットフォームからの商品の構築およびエクスポートを加速させた。
・ 金融商品のエクスポート能力が向上した。プラットフォームからエクスポートされる金融商品の種類は、個
人、企業、機関およびその他の顧客グループの金融需要により合致するよう増加した。これは、API、H5お
よびSDKの形式によるエクスポートならびにAPP、WeChat公式アカウントおよびミニプログラムとのマルチ
チャネルアクセスをサポートしており、これにより当行の提携企業が自動モードで当行のシステムに接続す
ることができ、商品のエクスポートの効率が高まった。
・ 金融場面の応用が拡大した。当行は、ユーザー認証、オンライン口座開設、支払決済、融資申請、情報照会
およびその他のサービス手続を最適化し、場面に応じた申請手続の柔軟性を高めた。
・ プラットフォームの支援能力が向上した。当行は、プラットフォームのサービスウェブサイト、インター
フェース・ゲートウェイおよび管理センターを最適化したが、これは顧客の経験を向上させるためにユー
ザーの視点に立って実現された。当行は、ゲートウェイ制限を正確に管理し、内部および外部の申請管理を
向上させることにより、オープンサービスのオンライン営業を改善した。
オンライン信用
当行は、個人向け銀行業務、小規模および零細企業ならびに三農の事業ライン、ならびにサプライ・チェーン融
資を焦点とする与信事業のためのオンラインチャネルの構築を調整した。
・ ABC Eローンのブランドが促進された。当行は、パンデミックの間、顧客がオンラインでローンを管理でき
るよう、WeChat等の第三者のオンラインチャネルを通じて、ABC Eローンの下で個人向けEローン、小規模お
よび零細企業向けEローン、恵農Eローンならびに産業Eローンを含む4つのサブブランドを促進した。
・ オンライン総合与信サービスが向上した。法人向け銀行業務のためのオンライン与信チャネルが構築され
た。知的マーケティングエンジンであるEローンスマートチョイスが導入され、これにより顧客と適切な商
品を自動的に対応させることが可能となった。
・ 当行において与信商品のための初のSDK(ソフトウェア開発キット)が展開され、これは湖北省の政府事業
のためのプラットフォームであるシチズンズEホームに適用されたが、これにより新興企業によるEローンの
エクスポートの申請が促進された。
・ 2020年度末現在、当行のABC Eローンの残高は1.31兆人民元に達したが、これは前年度末と比較して122.2%
の増加であった。
88/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
シーンベース金融
・ スマートシティー構築のためのソリューションが発展したが、これはスマート政府事業および産業への応用
を焦点としている。当行は、スマート政府事業に関して、政府事業について31の省レベル政府および172の
州レベル政府と連携した。バンキングサービスはオープンバンキングを通じて政府プラットフォームに成功
裏に組み込まれ、政府事業はモバイルバンキングを通じてバンキングプラットフォームに成功裏に組み込ま
れた。当行は、湖北省襄陽市政府と協働して「i襄陽」アプリケーションを開発したが、これは業界初のス
マート政府事業のためのモバイルアプリケーションであり、国民に利便性を、企業および農村住民に便益を
もたらし、行政を合理化した。当行は、産業への応用について、スマート・キャンパス、スマートパーティ
形成、スマート食堂、スマート病院およびスマート旅行のための一連の産業ソリューションの開発を継続し
た。2020年度における支払センターの年間取引額は173.7十億人民元に達したが、これは前年度と比較して
74%の増加であり、取引件数は0.29十億件であったが、これは前年度と比較して81%の増加であった。
・ 当行の貧困削減モールが促進された。貧困削減モールは、当行を貧困削減の中心団体および貧困村と結びつ
けた。当行は、消費を通じた貧困削減のためのプラットフォームを構築し、貧困撲滅と顧客マーケティング
の統合を実現した。当行は、モールのサービスの改善および向上を継続し、バウチャーおよび小豆買取プロ
グラム等の換金可能な報酬の種類を拡大し、顧客の経験を包括的に改善した。当行は、貧困村の商業者数お
よび商品数を増やす努力を払い、貧困削減モールの企業数および販売商品数はそれぞれ2,764および21.1千
に達したが、これは国家的貧困削減が行われる832の主要な県の99.4%に及んでおり、消費を通じた貧困削
減を効果的に前進させた。
(f) 持続可能な金融
包括的金融
当行は、実体経済に貢献するという使命の下、デジタル変革を通じた包括的金融の質の高い発展を促進し、パン
デミックの防止および生産再開のために小規模および零細企業を支援し、顧客全体のために金融サービスを継続的
に改善した。2020年度末現在、小規模および零細企業向けの当行の包括的貸出金残高は961.520十億人民元に達し
たが、これは前年度末と比較して369.213十億人民元(62.3%)の増加であり、当行の貸出金増加率を48.8パーセ
ント・ポイント上回った。貸付残高を有する顧客の数は1.5708百万であったが、これは前年度末と比較して461.6
千の増加であった。2020年度の累計貸出の平均利回りは4.18%であった。小規模および零細企業に対する包括的貸
出金のうち不良債権残高は9.058十億人民元であり、不良債権比率は0.94%であった。預金準備金比率の引き下げ
のためのPBOCの要求に従った当行の包括的貸出金の増加は、当行の人民元建新規貸出金の10%超を占めたが、これ
はPBOCが定める預金準備金比率の引き下げの第2級要件を満たしていた。
・ 当行は、独自の機能を備えた「三農+小規模および零細企業」に支えられる包括的金融サービスシステムを
深化させた。1,000の本店レベルおよび900の支店レベルの専門機関が設立されたが、これらは包括的金融事
業の発展における重要な支えとなった。当行は、特有の基礎レベル本支店機構において「包括的金融サービ
ス圏」を設定し、小規模および零細企業向けサービスの範囲を引き続き拡大した。
・ 当行は、包括的金融事業のデジタル商品システムを改善した。当行のデジタル商品システムであるABC E
ローンが設定された。農銀恵農Eローン、農銀小規模および零細企業向けEローン、農銀個人向けEローンお
よび農銀産業Eローンの4つの商品シリーズの市場競争力は引き続き向上し、農家、小規模および零細企業、
産業および商業に従事する個別世帯ならびに小規模および零細企業の事業主に対して簡便なオンライン与信
を提供した。
・ 当行は、包括的金融事業のためのデジタル・マーケティング管理システムを改善した。当行の顧客に迅速な
オンラインサービスを提供するため、小規模および零細企業向けのサービスプラットフォームが構築され
た。とりわけ多重チャネルサービスにより顧客を満足させるため、法人向けモバイルバンキング、ポータル
ウェブサイトおよびWeChatバンキングに包括的金融AIアシスタントが組み込まれた。当行は、サービスの有
効性を高めるため、小規模および零細企業向けのオンライン利用者登録システムを構築し、電子事業認可に
関するサービスを導入し、国内通貨と外国通貨の統合的口座開設システムを導入し、本支店機構の業務手続
を最適化した。
89/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行は、包括的金融事業のデジタルリスク管理システムを改善した。5つのリスク管理サブシステム(口座
開設に関するオンラインリスク特定、顧客行動に関するリスク特定、貸出金ポートフォリオのリスク管理、
支払後の管理に関するリスク警告指標および貸出金の回収)から構成される、フィンテックを用いたリスク
予防および管理システムが導入された。かかるシステムは、すべての営業過程に及んでおり、顧客のリスク
を正確に特定することができる。
・ 当行は、包括的金融事業に関する当行の方針および規則を強化した。小規模および零細企業向けの差別化さ
れた与信方針システムが構築され、小規模および零細企業への貸出金の元金の返済を猶予する方針が導入さ
れた。当行は、オンライン事業に関する当行の規則を改善し、オフライン事業の過程を最適化し、オンライ
ンとオフラインの調整方法を改善した。
グリーン・ファイナンス
当行は、グリーンという概念を当行の価値の中心に組み込んでいる。当行は、中国農業銀行グリーン・ファイナ
ンス発展計画(2017年-2020年)および中国農業銀行グリーン銀行構築計画に従い、グリーンかつ低炭素な開発に
努め、省エネルギーで環境に優しいグリーン銀行の構築に取り組んだ。
グリーン・クレジット
当行は、グリーン・クレジットを、当行が社会的責任を果たし、実体経済に貢献し、信用構造を調整するための
中核に据えた。報告期間中、当行は、グリーン・クレジット政策方針を強化し、グリーン・クレジット事業への支
援を拡大し、環境リスクおよび社会的リスクの管理を促進することにより、当行のグリーン・クレジット事業の急
(1)
速な発展を維持した。2020年度末現在、当行のグリーン・クレジット事業における貸出金残高 は、1,514.9十
億人民元であった。
・ 当行は、政策方針を強化した。当行は、年間与信政策方針において、グリーン・クレジットの発展目標、当
年度の主要課題および経営上の要請を明確にした。省エネルギー、環境保護、無公害生産、クリーンエネル
ギー、生態系、インフラのグリーン化およびグリーンサービス等のグリーン産業への信用基金の投資を誘導
するため、グリーン・クレジット指標の5つの分野(効率、利益、環境保護、資源消費および社会的管理)
が当行の産業別の与信方針に組み込まれた。
・ 当行は、企業のグリーン発展を支援した。グリーン基準に適合する顧客への与信支援を拡大するため、グ
リーンパーク、グリーン製造実地企業、全国的に認知されたグリーン商品を製造するグリーン工場および企
業の1,000社を超えるリストならびにグリーン農業商品の取引市場および景勝休暇村の700を超える顧客のリ
ストの双方が作成された。
・ 環境および社会的リスク管理が強化された。当行は、顧客の環境リスクおよび社会的リスクの状況に応じて
差別化された顧客管理を実施した。デューディリジェンス、審査、承認、与信管理および融資後の管理を含
む与信事業の全手続に環境リスクおよび社会的リスクに関する要件が適用された。当行は、利用される与信
全体を厳密に管理するため、アクセス制限、リスク・スクリーニング、潜在的リスクのある顧客の退出等の
複数の方法により、設備過剰および高汚染の産業への与信管理を引き続き強化した。さらに、契約の約定に
よる環境リスクおよび社会的リスクを予防するため、比較的高い環境リスクおよび社会的リスクを抱える顧
客は、責任についてのコミットメントレターへの署名を要求された。
・ 当行は、管理の基本を強化した。当行は、銀行全体でグリーン信用事業に関する研修を実施し、研修対象を
継続的に拡大した。当行は、グリーン信用のデータ品質管理を強化し、与信システムの統計的機能を最適化
した。
(1)2020年度末現在、グリーン・クレジット事業の貸出金残高は、CBIRCの2020年のグリーン・ファイナンスに関する統計基
準に従い計算された。
グリーン投資銀行業務
当行は、投資銀行業務のすべての種類の商品およびサービスにグリーンという概念を根付かせ、「グリーン投資
銀行業務の大手銀行」への発展に傾注した。
・ 2020年度、当行は、グリーン・シンジケート・ローン、グリーンM&Aローン、グリーン債券、グリーン資産
担保証券およびその他の手段を通じて企業が120十億人民元近くを調達する手助けをし、当該資金は環境ガ
バナンス、クリーンエネルギーおよびグリーン輸送等の分野に投資された。
90/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行は、グリーン産業の変革および向上を促進するため、国家グリーン開発基金に8十億人民元の投資を
行った。
・ 当行は、アジアマネー誌から「最優秀グリーンボンド銀行賞」を、中央国債登記結算有限責任公司から「中
国人民元建グリーンボンド指数サンプル債優秀引受人賞」を、caishiv.comから「グリーンABS市場認知商品
賞」を受賞した。
グリーン投資およびグリーン金融
(1)
・ 2020年度末現在、当行の勘定で投資されたグリーン債券は65.4十億人民元 に達したが、これは主として
下水処理、エネルギーおよび輸送インフラ等に関連するグリーン債券に投資された。
・ 当行は、湖州国家グリーン金融改革試験地域の設置およびグリーン分野における14の企業(国家能源集団海
控新能源有限公司および東方航空 産業 投資有限公司を含む。 )による合併および買収を積極的に支援した。
・ 農銀人寿保険股 份 有限公司は、保険資金の長期的優位性を利用して、経済構造のグリーン変革およびエコ文
明の発展を支援した。2020年度において、同社は主としてインフラ、クリーン輸送およびクリーンエネル
ギー等の分野に関連するグリーンプロジェクトに投資を行い、投資総額は1.21十億人民元であった。
・ 農銀金融祖賃有限公司は、グリーンリーシングという事業概念を遵守しながら、グリーンリーシングの特色
を徐々に創出し、業界で主導的な地位を占めた。同社は、グリーンリーシング事業を循環的に支援するた
め、クリーンエネルギー、グリーン輸送および生態系環境保護等の主要分野における事業分布を強化し、グ
リーン金融債を発行した。2020年度において、投資に占めるグリーンリーシングの割合は83.66%に達し、
グリーンリーシング資産の割合は58.69%を占めた。
・ 農銀理財有限責任公司は、国家的なエコ文明構築の戦略的配置に注力し、ESGの実績が高い企業、クリーン
エネルギー、省エネルギー、環境保護および生態系保護等のグリーン産業および環境保護産業、ならびに貧
困削減および農村活性化、小規模および零細企業、一帯一路イニシアチブ、民間企業の救済策ならびに質の
高い開発等の分野に手取金を投資することを優先しながら、ESGを主題としたウェルス・マネジメント商品
を発行した。2020年度において、農銀理財有限責任公司は、(ESGを主題とする)ABC安心および(ESGを主
題とする)ABC同心の下で11のウェルス・マネジメント商品を発行し、合計10.545十億人民元を調達した。
(1)(CBIRCに従い)自己勘定による非金融機関のグリーン債券への投資残高および自己勘定による金融機関のグリーン債券
への投資残高を含む。
グリーン金融債による手取金の使途
・ 2015年10月13日、当行は、ロンドン証券取引所において1十億米ドルに相当するグリーン金融債を発行し
た。2020年12月31日現在、すべての債券が満期を迎えている。手取金純額は、その全額がグリーン産業計画
貸出に投資され、余剰資金は存在しなかった。投資されたグリーン産業計画には、クリーン輸送および再生
可能エネルギーの2つの分野が含まれる。具体的には、1つ目の分野においては手取金は地下鉄の建設計画に
投資され、2つ目の分野において手取金は風力、太陽光およびバイオマスの発電計画に投資された。かかる
手取金純額の再生可能エネルギー計画への投資による環境上の推定利益は、化石エネルギーの代替が年間
464.77千トン、二酸化炭素排出量の削減が年間1,115.449千トンであった。
・ 2019年6月3日、農銀金融祖賃有限公司は、国家銀行間債券市場において期間3年のグリーン金融債3十億人民
元を公開発行した。調達された資金は、その全額が都市鉄道輸送、鉄道および新エネルギーバスを含むク
リーン輸送計画に投資された。都市鉄道輸送は、自動車排ガス等の大気汚染を効果的に緩和することができ
る。集中的かつ大規模という鉄道の性質は、エネルギー消費および大気汚染物質の排出の抑制に役立ち、環
境に著しい恩恵をもたらす。新エネルギーバスは、炭素および汚染物質の削減に効果的である。
91/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(g) クロスボーダー金融サービス
当行は、一帯一路イニシアチブ、人民元の国際化ならびに試験的自由貿易区および海南自由貿易港の設置を積極
的に支援した。当行は、外国貿易および外国投資の変革および向上を強力に支援し、新経済および新事業形態の発
展に貢献した。当行のクロスボーダー金融事業は着実な成長を遂げた。2020年度末現在、当行の海外支店および海
外子会社の資産合計は144.46十億米ドルに達したが、これは前年度末と比較して2.6%の増加であった。当年度に
おける当行の海外支店および子会社の純利益は0.41十億米ドルであった。
・ 当行は、国境を越えた金融サービス網を構築した。当行は、17の国および地域において21の海外機関(13の
海外支店、3つの海外駐在員事務所、3つの海外子会社銀行および2つの海外主要子会社を含む。)および1
つの合弁事業銀行を設立し、主要な国際および国内金融センターならびに国(地域)を対象として相互を緊
密に連携させる国境を越えた金融サービス網を初めて編成した。
・ 当行は、国境を越えた統合的な金融サービスシステムを最適化した。当行は、クロスボーダー事業の商品革
新およびデジタル変革を加速した。クロスボーダー事業、すなわち農銀クロスボーダーE送金、農銀クロス
ボーダーE認証、農銀クロスボーダーE金融のための3つのオンラインブランドが設定され、当行の顧客サー
ビス能力はさらに向上した。
・ 当行は、一帯一路イニシアチブおよび企業の走出去の要請を支援した。当行は、走出去の顧客および主要な
プロジェクトのためのマーケティングおよびサービスを積極的に推進するため、中国出口信用保険公司との
協力関係を強化した。2020年度において、走出去関連事業の金額は57.94十億米ドルであり、とりわけ一帯
一路イニシアチブ関連事業の金額は3.59十億米ドルであった。
・ 国際決済および貿易金融事業は発展を維持した。2020年度において、国内支店による国際決済の額は1.11兆
(1)
米ドル に達した。国際貿易金融(国内信用状金融を含む。)の額は150.2十億米ドルに達した。
・ クロスボーダー人民元事業は急速な発展を遂げ、2020年度における総額は1.73兆人民元であったが、これは
25.5%の増加であった。ドバイ支店は、人民元決済銀行としての役割を積極的に果たしながら、オフショア
人民元市場の開拓を支援した。2020年度においてドバイ支店が扱った人民元決済業務の総額は58.488十億人
民元であり、これは10.3%の増加であった。
・ 当行は、貿易金融誌、 www.sinotf.com および www.tfsino.com の協賛による第10回中国経済取引企業における
最も信頼ある金融サービス提供者選考活動において、最優秀取引金融銀行賞を受賞した。
(1)当行は、国内支店が行った国際決済における送金事業に関する統計基準を調整した。
(h) 販売チャネル
オフラインチャネル
報告期間中、当行は、当行の基礎レベル本支店機構のマーケティング能力、リスク管理および統制、価値創造な
らびに市場競争力を包括的に高めるため、基礎レベル本支店機構のより少ない労働力による知的な機構への変革を
続け、オンライン事業およびオフライン事業の統合開発を促進した。
・ 当行は、個人向け銀行業務および基礎レベル本支店機構の変革を調整した。当行の22千の基礎レベル本支店
機構は、すべて知的変革を完了し、窓口従業員は引き続きマーケティングサービスの職位に転換された。
・ 当行は、5Gスマートバンキングについて基礎レベル本支店機構の構築を促進した。当行は、28の省の支店
に、県域における15の本支店機構を含む69の試験的な5Gスマートバンキングについて基礎レベル本支店機構
を設置した。当行は、デジタル技術およびITシステムにより、顧客にスマートな経験を提供することが可能
になり、知的マーケティングおよび管理を実現するための情報の管理および分析における基礎レベル本支店
機構の能力が向上した。
92/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
オンラインチャネル
・ モバイルバンキング:2020年度末現在、個人向けモバイルバンキングの顧客数は合計0.36十億に達したが、
これは前年度末と比較して50百万の増加であり、取引高は75.96兆人民元であったが、これは前年度と比較
して22.8%の増加であった。法人向けモバイルバンキングの顧客数は合計2.96百万に達したが、これは前年
度末と比較して60.8%の増加であり、当年度の取引額は1.60兆人民元であったが、これは前年度と比較して
28.6%の増加であった。
・ インターネットバンキング:2020年度末現在、個人向けインターネットバンキングの登録顧客数は356百万
に達したが、これは前年度末と比較して44百万の増加であり、年間取引高は29.8兆人民元に達した。当行の
法人向け金融サービスプラットフォームの顧客数は8.31百万に達したが、これは前年度末と比較して1.09百
万の増加であり、当年度の取引高は212.2兆人民元であったが、これは前年度と比較して17.3%の増加で
あった。
・ セルフサービスバンキング:当行は、基礎レベル本支店機構の設備の基本的サービス力を引き続き向上させ
た。基礎レベル本支店機構の設備から得られたデータを管理および利用するために、基礎レベル本支店機構
の設備管理のためのクラウドプラットフォームが構築された。当行は、パンデミックの予防および制御の必
要性のため、基礎レベル本支店機構の設備に関する新方式の遠隔オンライン監視およびコードスキャンによ
る非接触現地検査管理を促進した。2020年度末現在、当行は、75.7千台の現金関連セルフサービスオンライ
ン設備および24.3千台のセルフサービス端末を有しており、1日の平均取引件数は13.1813百万件であった。
遠隔チャネル
当行は、統合的営業力および顧客サービス力を継続的に改善するため、遠隔銀行業務のためのクラウドサービス
センターの構築を加速させた。2020年度において、当行の完全媒介顧客サービス(音声、オンラインおよび映像を
含む。)は203百万の顧客に提供されたが、そのうち86.98百万件の電話が顧客サービススタッフにより対応され、
顧客満足率は99.63%に達した。
・ 当行のデジタル変革は、目覚ましい実績を遂げた。95599の知的音声案内が当行全体に導入され、WeChat銀
行業務において顧客サービスホールが開始され、Zhihu.comにおいてMaizijunのIDを利用して金融サービス
情報が公開された。当行は、オンラインサービスの場面を継続的に発展させることにより、より広範囲の顧
客に対応した。2020年度において、当行のスマートロボットは51.66百万の顧客にサービスを提供したが、
これは前年度と比較して113.46%の増加であった。従業員が取り扱う当行のオンラインサービスは5.37百万
の顧客に提供されたが、これは前年度と比較して39.38%の増加であった。当行の新たな媒介顧客サービス
は、58.98百万の顧客に提供された。
・ 当行は、統合的サービスを提供するため、当行のチャネルの相乗効果を改善した。スマートロボットが改良
され、モバイルバンキングへのオンライン顧客サービスの接続が徐々に拡大した。当行は、法人顧客の業務
上の所在地の調査、法人向けモバイルバンキングのライセンス有効化、自動車分割ローンの調査等において
遠隔対面サービスを開始した。
(i) フィンテック
報告期間中、当行は、三農および実体経済への貢献を高め、金融リスクを予防および緩和し、当行のデジタル変
革戦略を強化するため、フィンテックに関連する最先端技術の追跡、研究および導入を行った。当行は、短期情報
技術発展計画(2020年-2021年)を策定したが、かかる計画においては、フィンテックを推進力として知的かつ
ユーザー志向で資源と能力が統合されたABCを構築することを目指し、情報技術における当行の「iABC」戦略を促
進するため、「7つの技術、5つの柱、6つのミドルエンドプラットフォームおよび2つの保証」が提唱された。当行
は、フィンテック革新の理念を共有し業界における当行の技術の影響力を拡大するため、中国農業銀行のフィン
テック革新に関する年次報告書(2020年)を公表した。市場志向のフィンテック革新構造を探求するため、農銀金
融科技有限責任公司が設立された。2020年度において、ITへの投資総額は18.3十億人民元であった。
フィンテック革新
当行は、ビッグデータサービスシステム、クラウドコンピューティング技術力、基本的人工知能能力、分散型
アーキテクチャの研究開発および利用、ブロックチェーン技術革新、情報セキュリティ技術ならびにネットワーク
技術革新の7つの技術を焦点とするより強力なフィンテックインフラを構築した。
93/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ ビッグデータ技術の利用に関し、年間で10,200のデータシートが当行のビッグデータプラットフォームに組
み込まれ、当行が保有する有効データの総量は2020年度末に10PBを超えた。当行のデータ分析およびマイニ
ングプラットフォーム(AIに基づくプラットフォーム)はワンストップのデータモデリングサービスを提供
し、当行のデータ知的サービスプラットフォーム(BIに基づくプラットフォーム)はデータ知的検索、取引
指針およびその他の機能を提供する。当行は、利用者のデータを分析することにより、顧客の経験をさらに
向上させ、モバイルバンキングの自動登録達成率が大幅に上昇した。
・ クラウドコンピューティングの利用に関し、当行のクラウドインフラプラットフォーム(IaaS)が予備的に
開発され、ブランチ・クラウドが試験的に導入された。当行のIaaSは、当行のハードウェアおよびソフト
ウェアの基本的な運用に効果的にクラウドサービスを提供し、数分でリソースを提供することができる。当
行のクラウド応用プラットフォーム(PaaS)は、応用システムの多様な需要に対応できるよう、事業取引、
内部管理およびデータ処理の3種類のシステムを対象とするよう拡大された。報告期間中において、当行の
PaaSは、武夷山記念硬貨の予約および発行を効果的に支援し、ピーク時の取引件数は1秒あたり647千件に達
したが、これは業界の顧客サービスシステムにおける最高記録であった。
・ AI技術の利用に関し、当行は、認識を向上させるために声紋認証、自然言語処理およびその他の技術を用
い、当行のAIプラットフォームの思考能力を高めるためにナレッジグラフおよび自動機械学習を探求した。
当行のモバイルバンキングを知的なものにするため、当行は、報告期間中にモバイルバンキングのバージョ
ン5.0および5.1をリリースした。かかるバージョンにおいて、当行は、顧客の経験を向上させるためにオン
ラインの顧客獲得チャネルをさらに開設し、公共料金の支払、全面的な資金管理、専門的ウェルス・マネジ
メントおよび貧困削減モールを含む機能を揃え、当行の知的交流能力を高めるために特徴的かつ有利なサー
ビスの場面を創造し、セキュリティ機能を強化した。
・ 分散型アーキテクチャの利用に関し、当行は、中核システムの分散型アーキテクチャへの変革を加速し、分
散型中核技術の主制御、運転および電子バンキングの顧客情報に関連する主要な基幹アプリケーションの
オープンプラットフォームへの移行を完了した。中核システムのピーク取引日には、分散型中核システムが
取引量の61%を占めた。
・ ブロックチェーン技術の利用に関し、当行は、処理時間を短縮するため、年金事業のブロックチェーンに基
づく処理を最適化した。当行は、各種のブロックチェーン応用システムに統合的なインフラ支援を提供する
ため、BaaS(サービスとしてのブロックチェーン)プラットフォームの開発を進め、開発計画を策定した。
・ 情報セキュリティ技術の利用に関し、当行は、サイバーセキュリティおよび情報セキュリティの技術保護シ
ステムならびに保護能力の向上に努めた。当行は、新世代の企業レベルのネットワーク情報セキュリティオ
ペレーションセンター(SOC)の構築を推進したが、これにより脆弱性ソリューションのオンライン管理と
安全装置による集中監視の包括的プロセスが実現した。セキュリティアラームの自動監視率はほぼ100%で
あり、自動処理率は87%に達した。
・ ネットワーク技術の利用に関し、当行は、利用者の経験を向上させ当行のリスク予防および管理能力を向上
させるため、IPv6のインターネットアプリケーションを再構築した。当行は、知的トラフィックスケジュー
リングに基づく運用および保守管理の可視化および簡素化を実現するため、IPv6セグメントルーティング技
術の利用により、中核バックボーンネットワークを最適化した。
当行の事業継続性の確保
・ 報告期間中、当行の業務からの取引件数は急速に増加した。当行の中核システムが処理する1日あたりの平
均取引件数は前年度と比較して19.6%増加して836百万件となり、新たなピーク時の取引件数は1日当たり
1,085百万件という記録的な高水準であった。当行の中核システムの主要営業時間中の使用率は99.99%に達
した。
・ 統合的な運用および保守プラットフォームの構築が段階的に進んだ。統一ポータルには100を超えるデータ
指標が存在していた。当行のコンフィギュレーションセンターは、基本的情報の100%を取り込み、当行の
主要システムのパフォーマンス指標の100%を監視および収集することができた。
94/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
サイバーセキュリティ保護の強化
・ 当行は、情報セキュリティに関するリスク対応能力を強化した。当行は、安全な運用を確保するため、年中
無休24時間の標準的監視および作業スケジュールを確立した。年間で、ソフトウェアまたはハードウェアの
基本的な脆弱性の76%が解消された。
・ 当行は、情報セキュリティベースラインのライブラリを構築し、72種類の管理対象に関して1,166のセキュ
リティベースラインを特定することにより、管理の標準化の水準を包括的に向上させた。
(j) 人材管理および機構管理
人材管理
人材および機構の革新
報告期間中、当行は、人材効率を継続的に改善するため、市場志向型のアプローチを維持し、デジタル変革の要
請に応えながら、人材革新を深化させた。
・ 当行は、支払後のリスク管理を集中的に行う組織構造を構築した。当行は、リスク管理の統合的、集中的お
よび自動的管理を強化するため、当行グループ全体のオンライン与信事業の支払後管理に特化したリスク管
理センターを本店に設置した。当行は、モデルのミドルエンドプラットフォームの構築を加速するため、リ
スク測定センターを設立した。
・ 当行は、デジタル変革のための機構を拡充した。当行は、電子人民元の革新および推進のため、技術部門の
人員の水準を引き続き充実させ、部門横断的かつレベル横断的なチームを構成した。当行は、顧客サービス
センターを遠隔バンキングセンターに名称変更した。
・ 当行は、業務運営および人材の効率を改善するため、支店および準支店の構造を変更し、ミドルオフィスお
よびバックオフィスの機能を集約および統合した。
人材開発および育成
報告期間中、当行は、有能で専門的な従業員の人材プールを確立することを目指し、多才な金融人材の育成およ
び開発に注力しながら、従業員全体の質を向上させることにより、人材力によって当行を強化する戦略を積極的に
実施した。
・ 当行は、当行全体における都市部と農村部の相乗効果を利用して、若手人材計画を実施した。当行は、すべ
ての水準の支店において合理的な年齢分布および専門分野の多様性を有する指導チームを組成するため、傑
出した若手指導者を育成および選抜した。当行は、実践的な演習を特に重視しながら、東西の省の交流を継
続的に実施し、対をなす貧困削減のために改革の先端地域で働く傑出した若手人材を選抜した。さらに当行
は、貧困削減の最前線の人材を選抜および育成した。
・ 当行は、2019年-2022年人材育成計画を進めた。当行は、商品管理者、顧客管理者、データ分析者および技
術計画管理者の4つの人材チームの構築を積極的に進めた。従業員の心を掴んで維持するため、1,100人超の
専門家を上級専門者レベルおよびそれより上のレベルの職位につけることにより、管理者および専門職の二
重チャネルの昇進メカニズムをさらに改良した。当行は、専門役職制度の改革を推進し、年間で3,830人の
追加の人員が専門職および技術職についた。
・ 当行は、雇用の安定および確保という国の要請を実施するため、年間を通じて18千超の人員を採用した。当
行は、基礎レベル本支店機構における人材配置をさらに最適化するため、個人向け銀行業務および基礎レベ
ル本支店機構の変革を実行し、職位を減少させ、基礎レベル本支店機構の基幹業務人員をマーケティング
サービスの職位に転換させた。
・ 当行は、オンラインおよびオフラインの手段により階層別および等級別の研修を実施し、合計896千人がこ
れに参加した。本店レベルの認定内部指導者1,604人および支店レベルの認定内部指導者3,270人が初めて選
抜および採用された。当行は、当行全体で163千人の従業員に対して職位資格審査を実施した。
95/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
従業員への配慮
当行は、従業員の満足感、幸福感および安心感を向上させるため、基礎レベル機構の従業員への配慮として5つ
(1)
の活動 を進めた。当行の健康保険制度は、基本医療保険、付加医療保険、主要医療支援、重大疾病保険により
構成されており、当行の健康診断方針は、女性従業員および50歳超の従業員を対象としている。2020年度におい
て、当行は、困難に陥った28千人の従業員を支援した。当行は、情報、参画、表現および監督に関する当行従業員
の権利を効果的に保護するため、従業員代表会議の役割を活用することにより、従業員の重大な利益に関連する制
度および方策を従業員代表に検討させる構造を作った。
(1)従業員の健康、従業員の成長、家族の形成、従業員の負担軽減、従業員への配慮のための活動。
報酬管理
報告期間中、当行は、関連する規制上の要件、法令および当行のコーポレート・ガバナンスの要件を厳密に遵守
しながら報酬方針を策定および調整した。当行の全般的な報酬水準は、関連する国家規制に従い、当行の効率等の
要因に応じて決定され、年間報酬総額は取締役会において検討および承認された。当行は、規制上の要件および
コーポレート・ガバナンスの要件を厳密に遵守しながら年間報酬計画を策定し、これに従い当行の下にあるすべて
のレベルの機関の報酬総額および従業員の報酬を管理および分配した。
・ 当行の下にあるすべてのレベルの機関に割り当てられる報酬の総額は、報酬総額の管理制度に従い、当該機
関の営業効率、業績評価の結果および主要なタスクの完成状態に基づいて決定された。業績評価指標には、
効率性指標、リスク指標ならびに長期的業績およびリスク特性を包括的に反映するその他の持続可能な発展
指標が含まれる。
・ 当行の従業員報酬方針は、すべての契約社員に適用された。従業員の報酬は、主として基本給、職能給およ
び業績給により構成されるが、これらは職位の高低および従業員業績評価の結果等と関連している。当行
は、リスク特性に重大な変更のあった従業員の業績給の後払、撤回および減額のシステムを構築した。当行
は、法律および規律に違反するか、または大規模なリスク損失の責任を負う者については、重大度に応じて
対応する期間中の業績給および後払報酬の支払を減額、撤回および中止する。当行は、現在の実績と長期的
リスクへの責任の双方を反映する報酬分配メカニズムを最適化し、従業員の現在および長期的な責任および
貢献と当行の発展およびリスク低減を関連させた。
・ 当行は、資源分配を最適化し、内部分配構造を改善するため、効率性および公平性の双方を考慮しながら報
酬分配メカニズムの変革を引き続き深化させ、的を絞ったインセンティブを促進し、コンプライアンス管理
を向上させた。当行の報酬分配は、戦略の実施、主要分野における変革、主要事業の発展および利益を上げ
る組織へのインセンティブを強化し、価値創造および質の高い発展を促進した。同時に、当行は、基礎レベ
ル本支店機構の最前線従業員を優先し、貧困削減に貢献した。当行は、当行全体の人材育成を効果的に促進
するため、主要職位、主要人材および専門人材への優先的インセンティブを通じて、長期的インセンティブ
および制約を引き続き改善した。
(3) 県域銀行業務
(a) 管理組織および管理構造
当行は、県域の顧客に対して、中国の県および県レベルの市(すなわち県域)における当行のすべての本支店機
構を通じて包括的な金融サービスを提供している。当行は、かかる業務を県域銀行業務または三農銀行業務と称し
ている。当該報告期間において、県域における事業の促進を目的とする三農に関する当行の戦略的位置付けに積極
的に従い、当行は、着実な三農のサービスおよび金融的な貧困削減の促進、県域銀行部門の構造および方針制度の
改善の継続ならびに三農商品の革新およびチャネルの発展に係る実務上の強化を行い、当行のサービス対応力およ
び市場競争力は着実に向上した。
96/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
管理組織
(1) 当行は、貧困撲滅の成果と農村活性化の取組みを効果的に結びつけるために中央政府が策定した戦略および計画を徹底
的に実施するため、県域政策および銀行業務革新部門と同じオフィスを共有する農村活性化銀行業務部門を設置するこ
とを決定した。県域法人向け銀行業務部門は、貧困削減および開発銀行部門としての機能を停止し、既存の職務を遂行
するために一定の機能を強化した。
管理構造
報告期間中、貧困撲滅および農村の活性化戦略を成し遂げるための国家の決定および取決めを真剣に実施し、当
行はその財政的支援を大幅に増加させた。県域銀行業務部門の構造は、良好な運営下にあり、かつ県域銀行業務の
力強いサポートを伴うものであった。また、県域銀行業務の発展は、好調な傾向を伴って引き続き安定していた。
・ 当行は、差別化された方針を改善した。当行は、2020年度の三農および県域銀行業務を支援するための政策
の導入、県域銀行業務部門向けの業績評価制度の策定、県域銀行業務部門に対する与信規模、経済資本およ
び固定資産を配分するための優先的な方針の採用ならびに県域銀行業務向けのマーケティング活動の財務的
リソースの専門化を行った。
97/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行は、県域における人材改革を深めた。当行は、県域において若手従業員向けの研修を強化するため、若
手人材開発プログラムV3.0を実施した。当行は、目標とする貧困削減に向けたペアリング支援を行うため
に、発展地域から98の支部を選出する雙百計画を積極的に実施した。当行は、現地の状況に応じて県域の従
業員の補充を増加させ、県域における当行のサービス対応力をさらに改善させるため、県域における従業員
採用の優先的な方針を継続した。
・ 当行は、県域における与信方針を最適化した。当行は、三農の与信方針に関する2020年度のガイドラインを
策定し、生産の安定化ならびに農産物および養豚の供給確保等の支援策を導入した。パンデミックの回避お
よび抑制に係る金融ニーズに焦点を当て、当行は県域の病院に対する貸出の管理方法を見直し、中国の医薬
品産業の質の高い発展の支援策を開始した。当行は、与信承認に係る優先決済メカニズムを構築し、極貧県
および国家的な貧困削減が行われる832の主要な県から申告される与信業務は、すべてかかる優先決済の対
象範囲に含まれた。
・ 当行は、県域におけるデジタル変革を加速させた。当行は積極的にオンラインの信用事業を展開し、農村世
帯の登録手続きおよび恵農Eローンの展開を迅速化した。当行は県域におけるモバイルバンキングの活用を
積極的に促進し、モバイルバンキングの実証村の建設活動を継続した。当行は、県域における金融シーンの
構築および拡大を継続し、県域において各シーンに応じた金融サービスを提供するためのサービス対応能力
を引き続き改善した。
(b) 県域の法人向け銀行業務
積極的に国家の農村活性化戦略を実施することおよび食糧安全保障に関連する主要な地域に焦点を当てること、
生産の安定化および農産物の供給の確保、農村の産業発展、デジタル・ビレッジの建設、農村の消費の改善ならび
に農村の集団的所有権制度の改革により、当行は、県域の法人向け銀行業務を新たな水準まで発展させるために、
引き続き商品の革新およびデジタル変革を強化した。2020年度末現在、県域における法人顧客に対する貸出(割引
手形を除く。)は、前年度末比で429.2十億人民元増加して2,915.6十億人民元となった。
・ 当行は、農村活性化に関連する主要な地域に対する貸出を引き続き増加させた。2020年度末現在、食糧安全
保障に関連する法人向け貸出残高は、前年度末比で27.2十億人民元増加して117.3十億人民元となった。養
豚に関連する貸出残高は、32.0十億人民元増加して55.5十億人民元となった。県域における製造業に対する
貸出残高は、57.8十億人民元増加して641.3十億人民元となった。県域における都市化に関する貸出残高は
129.4十億人民元増加して862.3十億人民元となった。
・ 当行は、県域の法人向け銀行業務のデジタル変革の促進を加速させた。2020年度末現在、県域における法人
顧客に対するオンラインローンの残高は、前年度末比で77.9十億人民元増加して112.9十億人民元となっ
た。恵農電子商取引プラットフォームは、前年度末比で0.2637百万店の増加を示す1.6289百万の加盟店を有
していた。当行は、農産業チェーン、専門家向け市場、スマート景勝地、スマート病院およびスマート学校
等の1,766の特色ある金融シーンを追加した。
・ 当行は、三農の特色ある商品の革新を継続した。当行は、農村活性化のための用地への貸出、農村活性化の
ための産業への貸出、県域の教育機関への貸出およびその他の商品を導入し、水質保全産業、県域の病院、
土地の土壌改良および季節性のある購入への貸出の管理方法を調整した。弱点とする分野の強化に関連す
る、養豚、県域の製造業、150の主要な水質保全プロジェクトおよび県域の都市化等の主要な分野に焦点を
当て、当行は一連の差別化した支援策を導入した。
(c) 県域の個人向け銀行業務
当行は、県域の住民の金融ニーズに寄り添い、引き続き商品、チャネルおよびモデルの革新を強化した。当行の
県域の個人向け銀行業務のサービス対応能力は着実に改善した。2020年度末現在、 県域の個人顧客に対する貸出残
高は前年度末比で338.9十億人民元増加して2,265.7十億人民元となった。
・ 当行は恵農Eローンへの投資を増加させた。当行は、フィンテックを十分に活用することにより、農村世帯
の情報登録の進展を加速させ、恵農Eローンの運用の一括化、集約化およびオンライン化を促進した。2020
年度末現在、恵農Eローンの残高は、353.4十億人民元となった。信用枠を有する農村世帯数は、前年度末比
で1.00百万世帯超増加し、2.76百万世帯となった。
98/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行は、チャネルシステムの構築を促進した。当行は、基礎レベル本支店機構、セルフサービス店舗、恵農
通のサービス拠点、インターネット金融サービスおよびモバイルサービスから構成されるサービスチャネル
システムを積極的に構築した。2020年度末現在、当行は、県域における12,545ヶ所の基礎レベル本支店機
構、5,150ヶ所のセルフサービス拠点、0.26百万ヶ所の恵農通サービス拠点および165百万のモバイルバンキ
ング登録顧客を有していた。
・ 当行は、農家、大規模専業事業者ならびに帰郷する革新的かつ起業家的な人材等の新型の農業事業体の金融
ニーズに応えた。2020年度末現在、大規模専業事業者および農家に対して広げられた貸出額の残高は165.5
十億人民元、また貸出顧客数は1.05百万となり、前年度末比でそれぞれ45.7十億人民元および0.33百万の増
加となった。
(d) 金融的な貧困削減
2020 年度の計画
・ 当行は貧困撲滅に関する国家の決定および取決めの徹底的な実施を引き続き行った。四個不摘の要請に従
い、当行は、金融的な貧困削減の質および効率の改善に尽力するために、貧困削減政策の安定的な維持、金
融的な貧困削減の商品、サービス、管理およびシステムならびにメカニズムの革新の加速を効果的に行っ
た。
・ 2020年度において、当行は国家的な貧困削減が行われる832の主要な県において100十億人民元を超える新規
の貸出を提供するという目標を達成するために尽力し、貧困の削減対象および極貧地域における貸出に関す
る規制要件を満たし、貧しい地域のサービスネットワークのさらなる拡大および金融的な貧困削減のための
商品システムのさらなる拡充を行った。
・ 当行は、効果的に当行の企業の社会的責任を果たすために、当行の農村活性化に向けたサービスと完全な貧
困撲滅に向けたサービスを連携させた。
手法および成果
・ 当行は、貧しい地区に対して広げられた貸出を増加させた。2020年度末現在、国家的な貧困削減が行われる
832の主要な県における貸出の残高は、前年度末比で191.73十億人民元(17.6%)増加し、1,283.17十億人
民元となった。極貧地区における貸出残高は、86.5十億人民元(21.5%)増加し、489.13十億人民元となっ
た。その中でも、3つの区および3つの州の極貧地区における貸出残高は、21.58十億人民元(19.1%)増加
し、134.35十億人民元となった。目標とする貧困削減のための貸出残高は、89.39十億人民元(22.7%)増
加し、483.58十億人民元となった。
・ 優先的方針および優先的資源が付与された。貧しい地区の貸出および経済資本へのニーズは、完全に保証さ
れた。貧しい地区において、目標とする貧困削減のための貸出に対して優先的な金利が導入され、貸出の与
信承認のための緑色通道が開設された。当行は、金融的な貧困削減についての評価システムを改良し、また
金融的な貧困削減指標の加重を増加させた。当行は、貧困削減の主要な県、極貧地区および特に懸念されて
いる地区における人材の採用に関する学歴要件を適度に緩和した。さらに、当行は登録された貧しい家庭の
大学生に対する特別採用プログラムを引き続き実施した。
・ 金融的な貧困削減のための商品革新を行った。第一級支店に対して、当該支店に独立した革新を行うことを
奨励するため、目標とする貧困削減のための革新的な貸出商品ならびに農業、林業、畜産および漁業の商品
の開発を行う権限が委任された。当行は、支店の商品革新の能力を向上させることを目的として、三農の商
品管理者向けのネットワーク研修コースを設けた。当行は、貧困地区での普及および適用に適した49の金融
商品を選定し、貧困地区の機関に対し、商品の適用マニュアルおよび宣伝用の短い動画を通じてこれらを模
倣および促進することを指導した。2020年度において、貧しい地区の三農商品の革新拠点数の合計は37ヶ所
に増加した。
99/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行は、貧しい地区における当行のサービスネットワークを改善した。当行は基礎レベル本支店機構、セル
フサービス店舗、恵農通のサービス拠点、オンラインチャネルおよび移動式サービスから構成される当行の
総合的なサービスチャネルネットワークを強化した。当行は、ますます多様化した貧しい地区に住む人々の
金融ニーズに応えるために、当行のスーパーカウンターにおける指紋認証の開始、当行のセルフサービス店
舗における少数民族の言語および文字での表示および音声案内の実現、当行の電子設備におけるカード発行
およびローン申込み機能の改善ならびに当行のモバイルバンキングおよびインターネットバンキングの普及
および適用の加速を行った。2020年度において、当行は86ヶ所の基礎レベル本支店機構ならびに国家的な貧
困削減が行われる832の主要な県および3つの区および3つの州における極貧地区における48ヶ所のセルフ
サービス店舗を開設し、これにより6百万超の顧客に直接サービスを提供した。当行は、基本的な金融サー
ビスがない600超の村および町の100千人を超える人々に対してモバイル金融サービスを提供するために、合
計1,333個の恵農通の電子機器および43台の移動式の金融サービス車両を配備した。
・ 東部地域の支店と西部地域の支店との間で貧困削減に向けた連携が実施された。東部地域の12ヶ所の支店と
3つの区および3つの州の12の貧困にあえぐ地域が連携し、これにより23件の投資計画および1十億人民元超
の投資額がもたらされた。東部地域の100ヶ所の準支店は、貧困にあえぐ地域の県の100ヶ所の準支店と、目
標とする貧困削減に向けた相互支援関係を構築した。準支店は、貧困削減のための金融サービスの調整のた
めに東部地域と西部地域の間で人材を交換している。
・ 当行は、消費を通じて貧困削減を進めた。当行の全レベルの機関および従業員は、305百万人民元の貧しい
地区の農産物を購入した。当行は、当行のオンラインおよびオフラインのサービスチャネルを強化した。当
行は、当行の貧困削減モールを継続的に改善および促進することにより、商品の販売を支援するためにさら
に尽力した。2020年度末現在、388の中央政府または地方政府の貧困削減ユニットが当行の貧困削減モール
と契約を締結し、商品はすべて中央政府のユニットにより支援される貧困削減プログラム下にある592の指
定された県から出品されたものであった。当行は、特別な農産物展示会を開催し、当行の顧客および貧困に
あえぐ地域の企業・農家間における供給と販売の関係構築のための調整を行った。年度を通じて、当行は
1.67十億人民元の貧しい地区の農産物の販売を支援した。
・ 当行は、教育を通じて貧困削減を実施した。当行は学生支援活動である金穗圓夢を引き続き実施し、当行お
よび当行の従業員は、3つの区および3つの州の極貧地区、貧困削減プログラム下にある指定された県ならび
にペアリング支援プログラム下にある52の貧困にあえぐ村の貧しい家庭出身と登録された2,438名の新入生
に対する寄付を共に行った。当行はまた、中国青少年発展基金会が立ち上げた貧困削減を支援する10万+希
望計画のプログラムにも貢献した。
・ 当行は指定された貧困削減のためにより一層打ち込んだ。2020年度末現在、貧困削減の対象に指定された4
つの県に対する貸出残高は、前年度末比で1.56十億人民元(15.1%)増加し、11.93十億人民元となった。
2020年度において、当行は0.13十億人民元の直接支援融資への投資および26.585百万人民元の無償の資金援
助を行い、これらのすべてが貧困状態または貧困に近い状態にある人々を支援するために使用された。当行
は、投資の合計金額が3.9十億人民元の5つの投資契約を締結し、前年度に当行が実施した計画に対して290
百万人民元の追加的な投資を行った。
2021 年度の計画
・ 当行は、貧困削減に向けた取組みの成果の集約および拡大と農村活性化を効果的に結びつけるため、国家の
決定および指示を徹底的に実施し、当行の金融サービスの質および効率の改善に向けて努力する。
・ 当行は、金融的な貧困削減のための当行の方針全体の安定を維持するために、当行の貧困削減に向けた投資
を減らさないこと、当行の貧困削減チームが安定的に維持されることおよび当行の貧困削減に向けた方針が
軽視されないことを断言する。
・ 貧困から脱した832の県に対する新規の貸出を100十億人民元以上とすること、拡充された貸出が規制要件を
満たすこと、ならびに発展途上地域のサービスネットワークの拡大および金融的な貧困削減に向けた商品シ
ステムの拡充を行う。
100/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(e) 財政状態
県域銀行業務の資産および負債の主要な項目
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
項目 残高 割合(%) 残高 割合(%)
顧客への貸出金総額 4,552,809 - 5,305,305 -
減損損失引当金 (226,412) - (247,205) -
顧客への貸出金純額 4,326,397 49.7 5,058,100 52.5
(1)
銀行内取引残高
3,622,774 41.6 3,739,471 38.8
その他の資産 750,439 8.7 840,801 8.7
資産合計 8,699,610 100.0 9,638,372 100.0
顧客預金 7,960,558 98.5 8,754,484 97.9
その他の負債 124,762 1.5 187,969 2.1
負債合計 8,085,320 100.0 8,942,453 100.0
(1) 銀行内取引残高とは、行内の資金移動を通じて 県域 銀行業務から当行の他の事業セグメントに提供された資金を表す。
県域銀行業務の主要な収益項目
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2020 年 増減 成長率(%)
外部受取利息 205,982 230,691 24,709 12.0
控除:外部支払利息 116,959 121,062 4,103 3.5
(1)
銀行内取引残高からの受取利息 122,135 7,010 6.1
115,125
受取利息純額 204,148 231,764 27,616 13.5
受取報酬および手数料純額 27,867 29,303 1,436 5.2
その他の非金利収入 4,724 727 (3,997) -84.6
営業収益 236,739 261,794 25,055 10.6
控除:営業費用 90,654 91,401 747 0.8
信用減損損失 48,228 52,276 4,048 8.4
その他の資産に係る減損損失 86 27 (59) -68.6
税引前当期純利益合計 97,771 118,090 20,319 20.8
(1) 銀行内取引残高からの受取利息とは、市場金利に基づいて定められる行内の資金移動の価格において県域銀行業務部門が
当行の他の事業セグメントに提供した資金によって得られる受取利息を表す。
県域銀行業務の主要業績指標
(単位:%)
項目 2019 年 2020 年
貸出の平均収益率 4.74 4.63
貯蓄の平均費用率 1.51 1.46
営業収益に対する受取報酬および手数料純額率 11.77 11.19
経費率 37.37 34.09
2019 年 12月31日 2020 年 12月31日
項目 現在 現在
預貸率 57.19 60.60
不良債権比率 1.58 1.52
不良債権に対する引当率 315.18 307.31
貸出金比率に対する引当率 4.99 4.67
101/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(4) 資本管理
当該報告期間において、当行は、商業銀行資本管理弁法(試行)の要件に従い、2019年度から2021年度までの当
行の資本計画を実施し、事業資本の規制および指針機能を満たし、内部および外部の資本補充能力を強化し、資本
管理の長期的構造を改良し、十分な自己資本性を維持し、実体経済に対する貢献力を強化し続けた。
グローバルなシステム上重要な銀行の1つとして、当行は、金融安定理事会(以下「FSB」という。)の要件ならび
にその他の国外および国内の規制上の要件に従い、危機における過剰なリスクを削減し、金融安定性の基盤を強化
するため、復旧・廃棄計画の再テスト体制を確立し、継続的にリスク警告および危機管理能力を向上させた。 当行
は、ICAAPの確立を引き続き促進し、2020年度につき内部自己資本評価を完了した。また、2020年度におけるICAAP
につき、資本およびリスク管理の基礎を強化するため、特定監査を実施し、継続的に作業体制を改良した。当行
は、リスク耐性を高めるため、総損失吸収力(以下「TLAC」という。)の調査および分析ならびに事前計画を強化
した。
当行は、CBIRCの要請に従い自己資本比率を測定するため、並行実施期間において、資本管理の先進的手法を実
施し、先進的な資本測定手法およびその他の手法を採用した。
資金調達管理
当該報告期間において、当行は、資本補充システムを改良した。当行は、外部資金源の積極的な拡大および留保
利益により資本を補充した。資本構成はさらに最適化され、資本力は継続的に強化された。
2020年5月、当行は、中国の銀行間債券市場において40十億人民元のTier2自己資本債を発行した。手取金は、発
行関連費用を控除した後、その全額がTier2資本の補充に充てられた。
2020 年5月および8月、当行は、中国の銀行間債券市場において、それぞれ85十億人民元および35十億人民元の元
本削減永久資本債を発行した。手取金は、発行関連費用を控除した後、その全額がその他Tier1資本の補充に充て
られた。
かかる発行の詳細については、上海証券取引所(www.sse.com.cn)および香港証券取引所(www.hkexnews.hk)
のウェブサイトに公表された関連する発表を参照のこと。
経済資本管理
当行は、集中的な資本開発を達成するため、資本総額を制限し、資産構造を最適化し、リスク加重資産の増加を
抑制した。当行は、高度な経営を継続的に改善していくため、戦略的目標の伝達、ならびに貧困との闘い、パンデ
ミックの予防および抑制、包括的金融分野および県域銀行業務等の主要分野における経済資本配分の増加に注力し
た。当行が資本管理体制を改良し、資本管理政策を迅速かつ効果的に伝達したことにより、経済資本の監視の効率
性が向上した。
自己資本比率
当行の自己資本比率およびリスク軽減後の信用リスク・エクスポージャーの詳細については、上海証券取引所お
よび香港証券取引所のウェブサイトに当行が公表している 2020年度自己資本比率に関する報告 を参照のこと。
102/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(5) レバレッジ比率の情報
2020 年12月31日現在、CBIRCが公布した「商業銀行のレバレッジ比率の管理に関する規則(改訂後)」に従い計
算された当行のレバレッジ比率は、規制上の要件を上回る7.42%であった。
(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 2020 年3月31日 2020 年6月30日 2020 年9月30日 2020 年12月31日
Tier1 資本(純額) 2,013,406 2,073,819 2,143,136 2,195,256
調整後のオンバランス
およびオフバランス資産 28,863,234 28,933,349 29,601,836 29,572,540
レバレッジ比率 6.98 % 7.17 % 7.24 % 7.42 %
(単位:百万人民元)
番号 項目 残高
1 連結資産合計 27,205,047
2 連結調整 (95,745)
3 顧客資産の調整 -
4 デリバティブの調整 38,017
5 証券金融取引の調整 1,036
6 オフバランス項目の調整 2,433,205
7 その他の調整 (9,020)
8 調整後のオンバランスおよびオフバランス資産 29,572,540
(単位:百万人民元、%を除く。)
番号 項目 残高
オンバランス資産(デリバティブおよび証券金融取引を除
1
く) 26,231,159
2 控除:Tier1資本からの控除額 (9,020)
調整後のオンバランス資産(デリバティブおよび証券金融取
3
引を除く) 26,222,139
4 全デリバティブの再構築コスト(適正マージン控除後) 54,841
5 全デリバティブの潜在的リスク・エクスポージャー 45,791
6 貸借対照表から除外された担保のグロスアップ -
7 控除:適正マージンを提供した結果生じた受取資産 (869)
控除:顧客に対するクリアランス・サービス提供時にセン
8 トラル・カウンターパーティーとの取引の結果生じ
たデリバティブ資産 -
9 償却された信用デリバティブの想定元本 191
10 控除:償却された信用デリバティブ資産の控除額 -
11 デリバティブ資産 99,954
12 会計目的上の証券金融取引資産 816,206
13 控除:証券金融取引資産の控除額 -
14 証券金融取引に係る相手方信用リスク・エクスポージャー 1,036
15 代理人取引の結果生じる証券金融取引資産 -
16 証券金融取引資産 817,242
17 オフバランス項目 5,799,734
18 控除:クレジット相当額の換算調整 (3,366,529)
19 調整後のオフバランス項目 2,433,205
20 Tier1 資本(純額) 2,195,256
21 調整後のオンバランスおよびオフバランス資産 29,572,540
22 レバレッジ比率 7.42 %
103/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(6) 商業銀行のグローバルなシステム上の重要性を評価するための指標
以下の情報は、CBIRCにより公表された商業銀行のグローバルなシステム上の重要性を評価するための指標の開
示に関するガイドラインおよびバーゼル銀行監督委員会が公表したG-SIB評価の演習のための指示における関連要
件に従って開示されている。
(単位:百万人民元)
2020 年度における
分類 項目 残高/金額
規模 1. オンバランスおよびオフバランスの調整済総
資産 29,572,540
2. 金融システム内の資産
相互連関性 1,934,439
3. 金融システム内の負債
1,901,919
4. 発行済証券
2,762,370
5. 支払実績(期首から当該報告期間末まで)
代替可能性 352,600,045
6. 預り資産
10,105,008
7. 引受取引(期首から当該報告期間末まで)
2,251,465
8. OTC デリバティブ想定元本
複雑性 2,926,152
9. トレーディング目的保有証券および売却可能
証券 421,685
10. レベル3資産 91,002
グローバル(法域を越える活動) 11. 法域を越える債権 601,820
12. 法域を越える債務 704,425
104/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
コミットメント
コミットメントの コミットメントの コミットメントの 現在までの遂行の
コミットメント コミットメントの詳細
対象 日付 満期日 状況
匯金公司 競業禁止 (1) 匯金公司が当行の株式を保有し続け、中 2010 年7月15日 長期間にわたり コミットメント
有効 継続中
コミットメント 国または株式が上場される国における法律お
よび上場規則に従って当行の支配株主または
事実上の支配者である限り、中国または海外
において競合する商業銀行業務には参加しな 正当に履行
い。匯金公司が競合する商業銀行業務または
中国または海外の競合する商業銀行業務へと
発展させる活動に参加すれば、匯金公司はす
ぐに競合する商業銀行業務への参加、管理を
すぐにやめる。
(2) 匯金公司が商業銀行業務の活動を直接行
うことに関して政府から承認、許可、権利を
得るた場合または商業銀行業務の活動をする
機会を得た場合であっても、匯金公司はこれ
らの承認、許可、権利を放棄し、商業銀行業
務の活動をしない。
(3) 上記の(1)(2)に関わらず、匯金公司は金
融および銀行産業に投資するために中華人民
共和国政府により設立された国有の投資機関
であり、その他の企業に投資することによっ
てあらゆる形態で(完全所有会社、共同事
業、契約上の共同事業またはかかる会社の株
式または利益を直接的または間接的に所有す
ることによる場合を含むが、これに限られな
い。)中国または海外において競合する商業
銀行業務活動を実施しまたはかかる活動に参
加し得る。
(4) 匯金公司は、金融および銀行産業に投資
するために中華人民共和国政府により設立さ
れた国有の投資機関として、商業銀行に対す
る投資を同等に行い、また、商業銀行業務活
動または匯金公司が獲得するまたは獲得する
であろう事業活動の機会を実行するための政
府からの承認、許可、権利を得ることはせ
ず、また、当行の株主であるという地位やそ
の地位により取得できた情報を当行の利益に
反するか、または他の商業銀行の利益に資す
るように利用することはせず、そのような事
態が生じることを避けるものとする。匯金公
司は、当行が商業銀行の中で唯一の投資先で
あるかのように、当行の最大の利益に資する
ようその株主の権利を行使し、当行の利益を
最大化するために株主としての商業的判断を
下すが、かかる判断はその他の商業銀行に対
する匯金公司による投資の影響を受けないも
のとする。
( 注 ) 社会保障基金充実のための国有資本の一部の移転に係る実施計画の印刷および配布に関する国務院の通知(国発
〔2017〕49号)に従い、SSFは、株式の口座入金日から3年以上のロックアップ期間につき監視の義務を負う。2020年12
月31日現在、SSFは上記のコミットメントを厳密に遵守しており、コミットメント違反は存在しなかった。
重要な関連取引
当該報告期間において、当行はいかなる重要な関連取引も締結していない。
支配株主およびその他の関連当事者による資金の不正流用
支配株主またはその他の関連当事者のいずれも当行の資金を不正流用していない。プライスウォーターハウス
クーパース中天リミテッドは、 2020年度における支配株主および中国農業銀行のその他の関連当事者による資金の
不正流用特別報告書 を発行した。
105/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行ならびに取締役、監査役、幹部役員および支配株主の処罰状況
当該報告期間において前任の取締役、監査役および幹部役員に対して証券規制当局より処罰が課されたことはな
かったほか、直近の3年間において、在職中の取締役、監査役および幹部役員に対して、証券規制当局より処罰を
課されたことはなかった。
当該報告期間において、当行または取締役、監査役、幹部役員および支配株主に関して、司法当局または懲戒当
局による強制的手段の対象となる所轄官庁による捜査、訴追による司法当局への送致または刑事責任の追及、市場
による捜査、行政懲罰、禁止、もしくは環境保護、安全な労働および税を含むその他の行政機関で課せられる重大
な行政処分の対象となるCSRCによる資格剥奪、もしくは証券取引所による公的な非難はなかった。
「2 事業等のリスク」も併せて参照のこと。
4【経営上の重要な契約等】
重要な資産取得、処分および合併
当該報告期間において、当行は、重要な資産取得、処分または合併を行っていない。
重要な契約の詳細および実績
重要な保管業務、契約およびリース
当該報告期間において、当行は、その他の法人の資産に関して、開示対象となる重要な保管業務、契約または
リースの締結を行っておらず、その他の法人もまた、当行の資産に関して、開示対象となる保管業務、契約または
リースの締結を行っていない。
重要な担保
担保提供は、当行の通常的な業務の過程であるオフバランス取引の1つである。当該報告期間において、当行は
PBOCおよびCBRICの承認を得た事業範囲内の金融担保業務を除き、開示が要求される重要な担保事項は存在しな
かった。
重要な集中調達
当該報告期間において、当行の経費および費用に重大な影響を及ぼすような集中調達は存在しなかった。
5【研究開発活動】
上記「3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
106/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
下記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-21」を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
上記「1 設備投資等の概要」を参照のこと。
3【設備の新設、除却等の計画】
上記「第3- 3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 」を参照のこと。
107/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2020年12月31日現在)
発 行 済 株 式 総 数(株) 未 発 行 株 式 数(株)
授 権 株 数(株) 種 類
- 普通株式 349,983,033,873 -
- 優先 株式 800,000,000 -
(注)中華人民共和国の会社法においては「授権株式」と同様の仕組みはない。
②【発行済株式】
(2020年12月31日現在)
記名・無記名の別及び
上場金融商品取引所名又は登録
発 行 数(株)
種 類 内 容
認可金融商品取引業協会名
額面・無額面の別
記名式額面株式 普通株式
319,244,210,777 上海証券取引所 注
(券面額 1.00 人民元) A 株式
記名式額面株式 普通株式
30,738,823,096 香港証券取引所 注
(券面額 1.00 人民元) H 株式
計 - 349,983,033,873 - -
(注)A株式およびH株式は共に普通株式であり、その株主は、配当を受ける権利、株主総会に出席する権利および定款に
記載されるその他の権利を有している。これら2種類の株式の主な違いは、A株式が上海証券取引所に上場されてお
り、H株式が香港証券取引所に上場されていることである。
(2020年12月31日現在)
記名・無記名の別及び
上場金融商品取引所名又は登録
発 行 数(株)
種 類 内 容
認可金融商品取引業協会名
額面・無額面の別
記名式額面株式
優先 株式 800,000,000 - 注
(券面額 100 人民元)
計 - 800,000,000 - -
(注)その他Tier1資本商品の適格基準に関するCBIRCの規則に準拠して中華人民共和国で発行される優先株式である。各優
先株式の額面金額は100人民元であり、額面金額で発行された。優先株式の配当率は、5年ごとに調整される。優先株
式の配当は、各配当期間に合意された固定配当率で毎年支払われる。当初配当期間の配当率は、ブックビルディング
方式により、年率5.50%または6.00%に決定された。第2配当期間の配当率は、年率4.84%または5.32%に決定され
た。優先株式が残存する限り、当行が優先株式に係る配当を累計3事業年度または連続する2事業年度にわたって支払
わない場合、優先株式の保有者は、当該年度の利益分配計画において合意したところに従い、優先株式に係る配当を
行わない旨を決議した株主総会の翌日以降、株主総会に出席し、普通株主と同様に議決権を行使する権利を有するも
のとする。優先株式により復活する議決権の数は、以下の算式により算出される(整数未満切り捨て)。
Q=V/P
「V」とは、議決権が復活する優先株式の額面総額を意味する。「P」とは、発行計画に関する取締役会決議日に先立
つ20取引日間における当行のA株式(普通株式)の平均取引価格(すなわち、1株当たり2.43人民元)を意味する。議
決権は、当該年度の優先株式に係る配当がすべて支払われる日までの間、復活するものとする。下記「優先株式の詳
細」を参照のこと。
108/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
普通株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘 要
増減数 残高 数 増減額 残 高
株式有限会社
2009 年1月15日 260,000,000,000 260,000,000,000 260,000,000,000 260,000,000,000
として設立
2010 年4月21日 10,000,000,000 270,000,000,000 10,000,000,000 270,000,000,000 新株式の発行
2010 年7月15日 22,235,294,000 292,235,294,000 22,235,294,000 292,235,294,000 新株式の発行
2010 年7月16日 25,411,765,000 317,647,059,000 25,411,765,000 317,647,059,000 新株式の発行
2010 年8月5日 3,811,764,000 321,458,823,000 3,811,764,000 321,458,823,000 新株式の発行
2010 年8月13日 3,335,294,000 324,794,117,000 3,335,294,000 324,794,117,000 新株式の発行
2018 年7月2日 25,188,916,873 349,983,033,873 25,188,916,873 349,983,033,873 新株式の発行
2020 年12月31日 - 349,983,033,873 - 349,983,033,873 -
109/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
優先株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘 要
増減数 残高 数 増減額 残 高
2014 年10月31日から
400,000,000 400,000,000 40,000,000,000 40,000,000,000 新株式の発行
2014 年11月13日まで
2015 年3月6日から
400,000,000 800,000,000 40,000,000,000 80,000,000,000 新株式の発行
2015 年3月18日まで
2020 年12月31日 - 800,000,000 - 80,000,000,000 -
(注)優先株式の発行による手取金は、適用ある法令および規制当局の承認に従い、当行のその他Tier1資本を補充するため
に使用された。
(4)【所有者別状況】
当行の株主は、H株式の保有者22,168名およびA株式の保有者441,542名の合計463,710名であった。2021年2月
28日(当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日)現在、当行の株主総数は、H株式の保有者21,999名お
よびA株式の保有者417,706名の合計439,705名であった。当行は株主の種類による株式のさらなる分類は行ってい
ない。
110/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(5)【大株主の状況】
(2020年12月31日現在)
所有株式数 発行済株式総数に対する
氏名又は名称 住 所
(株) 所有株式数の割合
中華人民共和国北京市東
匯金公司 城区朝陽門北大街1新保利 140,087,446,351 40.03 %
大厦
中華人民共和国北京市西
MOF 123,515,185,240 35.29 %
城区三里河南三巷 3 号
香港中央結算代理人有限公司 ‐ 30,557,749,002 8.73 %
中華人民共和国北京市西
城区豊匯園11号 豊匯時代
SSF 23,520,968,297 6.72 %
大廈南翼2
中国人寿保険股 份 有限公司 –
伝統‐普通保険産品‐005L- ‐ 2,721,874,500 0.78 %
CT001 Hu
中国人寿保険股 份 有限公司 -
配当分配 - 個人配当 - 005L
‐ 2,553,591,884 0.73 %
- FH002 Hu
中 国 煙草総公司 ‐ 2,518,891,687 0.72 %
中華人民共和国北京市西
中国證券金融股 份 有限公司 城区 丰 盛胡同28号太平洋 1,842,751,186 0.53 %
保険 大 厦
香港中央結算有限公司 ‐ 1,413,691,613 0.40 %
上海海煙投資管理有限公 司 ‐ 1,259,445,843 0.36 %
(注)1.上記の表中における「住所」については、主要な株主の住所が分かる限り記載している。
2.H株式保有者の持株数は、当行のH株式の株主名簿に基づき表示されている。香港中央結算代理人有限公司保有の
株式の合計数は、2020年12月31日現在機関投資家および個人投資家に代わり名義人として保有しているH株式の合
計をいう。
3. 香港中央結算有限公司保有の株式の数は、香港および海外の投資家に代わり名義人として同社が保有するA株式
(香港・上海ストックコネクトのノースバウンド株式)の数をいう。
4.上記の株主のうち、中国人寿保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限
公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huはともに中国人寿保険股 份 有限公司の管理下にある。中国煙草総
公司は、 上海海煙投資管理有限公 司の事実上の支配者である。上記を除き当行は、上記株主間の関係、またそれら
が共同保有者であるか否かについて認識していない。中国人寿保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品‐005L-
CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huが保有する株式の数は、合
計で5,275,466,384であり、当行の株式資本の合計の1.51%を占めた。中 国 煙草総公司および 上海海煙投資管理有限
公 司が保有する株式の数は合計で3,778,337,530株であり、当行の株式資本の合計の1.08%を占めた。
5.MOF、人力資源・社会保障省、国務院国資委員会、国家税務総局およびCSRCにより共同で公布された「社会保障基金
の財源補充のための国有資本の一部移転の完全実施に関する通知」(Cai Zi[2019]第49号)に従い、MOFはSSFの国
有資本移転勘定に13,723,909,471株を一括して移転した。「社会保障基金の財源補充のための国有資本の一部移転
実施計画の発行および分配に関する国務院通知」(Guo Fa[2017]第49号)に従い、SSFは、株式が口座に移転された
日から3年以上のロックアップ期間を遵守する義務を負う。
111/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
株式保有の組織構造
普通 株式の詳細
株式資本の変更についての詳細
(単位:株)
2019 年12月31日現在 当該報告期間における増加/減少(+/-) 2020 年12月31日現在
(4) (4)
割合 割合
株式数 (%) 新株式発行数 その他 小計 株式数 (%)
Ⅰ.保有されている譲渡
25,188,916,873 7.20 - - - 25,188,916,873 7.20
(2)
制限株式
(3)
1. 国有
19,959,672,543 5.70 - - - 19,959,672,543 5.70
(3)
2. 国有 法人
5,037,783,373 1.44 - - - 5,037,783,373 1.44
3. その他の国内株式
191,460,957 0.05 - - - 191,460,957 0.05
(3)
Ⅱ.保有されている非譲
渡制限株式 324,794,117,000 92.80 - - - 324,794,117,000 92.80
1. 人民元建て普通
株式 294,055,293,904 84.02 - - - 294,055,293,904 84.02
2. 海外で上場された
(3)
外国投資株式
30,738,823,096 8.78 - - - 30,738,823,096 8.78
Ⅲ.株式総数 349,983,033,873 100.00 - - - 349,983,033,873 100.00
(1) 上記の表の情報は、中国証券登記結算有限責任公司の上海支店および香港中央證券登記有限公司の株式登録に基づいてい
る。
(2) 「保有されている譲渡制限株式」とは、法律、規制、規則またはコミットメントに従って、譲渡に関する規制を受ける株
主が保有する株式をいう。
(3) 上記の表中の「国有」とは、MOFおよび匯金公司が保有する株式をいう。「国有法人」とは、中国煙草総公司、上海海煙
投資管理有限公司、中維資本控股股 份 有限公司および中国煙草総公司江蘇省公司が保有する株式をいう。「その他の国内
株式」とは、新華人寿保険股 份 有限公司が保有する株式をいう。「海外で上場された外国投資株式」とは、CSRCの「会社
の公募による情報開示の内容および形式に関する基準第5号-株式保有の変動に関する報告書の内容および形式」(2007年
改正)に定義されたH株式をいう。
(4) 上記の表の「割合」の欄に記載される数値は、小数第3位で四捨五入されているため、丸め誤差が生じる可能性がある。
保有されている譲渡制限株式の取引日
(単位:株)
譲渡制限終了による 保有されている 保有されている
日付 新規取引株式数 譲渡制限株式 非譲渡制限株式 詳細
(株) 残高(株) 残高(株)
中国煙草総公司、上海海煙投資
管理有限公司、中維資本控股股
2021 年7月2日 5,229,244,330 19,959,672,543 330,023,361,330 份 有限公司、中国煙草総公司江
蘇省公司および新華人寿保険股
份 有限公司
202 3 年 7 月 2 日 19,959,672,543 - 349,983,033,873 匯金公司、MOF
112/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
譲渡に関する規制を受ける株主の株式保有および譲渡制限の条件
(単位:株)
保有されている
譲渡に関する 新規取引株式数
No. 譲渡制限株式数 取引日 譲渡制限
規制を受ける株主 (株)
(株)
1 匯金公司 10,082,342,569 2023 年7月2日 - 株式取得日から5年間
2 MOF 9,877,329,974 2023 年7月2日 - 株式取得日から5年間
3 中国煙草総公司 2,518,891,687 2021 年7月2日 - 私募完了日から36ヶ月間
4 上海海煙投資管理有限公司 1,259,445,843 2021 年7月2日 - 私募完了日から36ヶ月間
5 中維資本控股股 份 有限公司 755,667,506 2021 年7月2日 - 私募完了日から36ヶ月間
6 中国煙草総公司江蘇省公司 503,778,337 2021 年7月2日 - 私募完了日から36ヶ月間
7 新華人寿保険股 份 有限公司 191,460,957 2021 年7月2日 - 私募完了日から36ヶ月間
当行の株主上位10社の株式保有の詳細
株主の総数 (2020年12月31日現在) 463,710名 (A株式およびH株式の名簿上の株主数に基づいてい
る。)、これにはH株式の保有者22,168名とA株式の保有者441,542名が含まれる。
株主の総数 (2021年2月28日現在) 439,705名 (A株式およびH株式の名簿上の株主数に基づいている。)、
これにはH株式の保有者21,999名とA株式の保有者417,706名が含まれる。
113/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
株主上位10社の株式保有の詳細 (下記の情報は2020年12月31日現在の名簿上の株主に基づいている。)
(単位:株)
担保対象株
式
当該報告期間
または
譲渡制限の
持株比率
株式の における増加
株主の名称 株主の形態 保有株式総数 対象となる
ロックアッ
種類 /減少数
(%)
保有株式数
プ
(+/-)
対象株式の
数
匯金公司 国有 A株式 - 40.03 140,087,446,351 10,082,342,569 なし
MOF 国有 A株式 - 35.29 123,515,185,240 9,877,329,974 なし
香港中央結算代理人
外国法人 H株式 -3,332,144 8.73 30,557,749,002 - 不明
有限公司
SSF 国有 A株式 - 6.72 23,520,968,297 - なし
中国人寿保険股 份 有
限公司 – 伝統‐普通
その他 A株式 +167,599,401 0.78 2,721,874,500 - なし
保険産品‐005L-
CT001 Hu
中国人寿保険股 份 有
限公司 - 配当分配
その他 A株式 +14,279,857 0.73 2,553,591,884 - なし
- 個人配当 - 005L
- FH002 Hu
中国煙草総公司 国有法人 A株式 - 0.72 2,518,891,687 2,518,891,687 なし
中国 證券金融 股 份 有
国有法人 A株式 - 0.53 1,842,751,186 - なし
限公司
香港中央結算有限公
外国法人 A株式 +17,848,058 0.40 1,413,691,613 - なし
司
上海海煙投資管理有
国有法人 A株式 - 0.36 1,259,445,843 1,259,445,843 なし
限公司
(1)H株式の保有者の株式保有については、H株主名簿に記載のある当行の株主名簿に記載されている株式数に基づいてい
る。香港中央結算代理人有限公司保有の株式の総数は、2020年12月31日現在機関投資家および個人投資家に代わり名義人
として保有しているH株式の合計のことをいう。
(2)香港中央結算有限公司保有の株式の数は、香港および海外の投資家に代わり名義人として同社が保有するA株式(香港・
上海ストックコネクトのノースバウンド株式)の数をいう。
(3)上記の株主のうち、中国人寿保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司
- 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huはともに中国人寿保険股 份 有限公司の管理下にある。中国煙草総公司は、 上
海海煙投資管理有限公司の事実上の支配者である。上記を除き当行は、上記株主間の関係、またそれらが共同保有者であ
るか否かについて認識していない。中国人寿保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Huおよび中国人寿保
険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huが保有する株式の数は、合計で5,275,466,384であり、当行
の株式資本の合計の1.51%を占めた。中国煙草総公司および上海海煙投資管理有限公司が保有する株式の数は合計で
3,778,337,530株であり、当行の株式資本の合計の1.08%を占めた。
(4)MOF、人力資源・社会保障省、国務院国資委員会、国家税務総局およびCSRCにより共同で公布された「社会保障基金の財
源補充のための国有資本の一部移転の完全実施に関する通知」(Cai Zi[2019]第49号)に従い、MOFはSSFの国有資本移転
勘定に13,723,909,471株を一括して移転した。「社会保障基金の財源補充のための国有資本の一部移転実施計画の発行お
よび分配に関する国務院通知」(Guo Fa[2017]第49号)に従い、SSFは、株式が口座に入金された日から3年以上のロック
アップ期間を遵守する義務を負う。
114/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
譲渡制限 の規制を受けない株主上位10社の株式保有の詳細
(単位:株)
譲渡制限の規制を受けない
株主の名称 株式の種類
保有株式数(株)
匯金公司 130,005,103,782 A株式
MOF 113,637,855,266 A株式
香港中央結算代理人有限公司 30,557,749,002 H株式
SSF 23,520,968,297 A株式
中国人寿保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品
2,721,874,500 A株式
‐ 005L-CT001 Hu
中国人寿保険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配
2,553,591,884 A株式
当 - 005L - FH002 Hu
中国證券金融股 份 有限公司 1,842,751,186 A株式
香港中央結算有限公司 1,413,691,613 A株式
中央匯金資産管理有限責任公司 1,255,434,700 A株式
中国雙維投資有限公司 746,268,000 A株式
(1)上記の情報は2020年12月31日現在の名簿上の株主に基づいている。
(2)香港中央結算代理人有限公司保有の株式の総数は、2020年12月31日現在機関投資家および個人投資家に代わり名義人とし
て保有しているH株式の合計のことをいう。
(3)中央匯金資産管理有限責任公司は、匯金公司の完全子会社である。中国人寿保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品‐
005L-CT001 Huおよび中国人寿保険股 份 有限公司 - 配当分配 - 個人配当 - 005L - FH002 Huはともに中国人寿保険股 份
有限公司 の管理下にある。中国雙維投資有限公司は、中国煙草総公司の完全子会社である。上記を除き、当行は、上記株
主間ならびに上記株主および株主上位10社間の関係、またそれらが共同保有者であるか否かについて認識していない。
(4)香港中央結算有限公司保有の株式の数は、香港および海外の投資家に代わり名義人として同社が保有するA株式(香港・
上海ストックコネクトのノースバウンド株式)の数をいう。
大株主の詳細
当該報告期間において、当行の大株主および支配株主に変更はなく、事実上の支配者は存在しなかった。
2020年12月31日現在、MOF、匯金公司およびSSFを除いて当行の5%以上の株式持分を保有する法人株主は存在し
ない。
115/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
MOF
1949年10月に設立されたMOFは、国務院の下位に属する部の1つで、マクロ経済統制ならびに国家の財政政策およ
び税金政策の規制を担う権限を有する。
2020年12月31日現在、MOFは当行株式123,515,185,240株を保有しており、これは当行の総株式資本の35.29%で
あった。
匯金公司
匯金公司は、中華人民共和国の会社法に従い、中国政府により出資された登録資本金828,209百万人民元の完全
国有会社として2003年12月16日に設立された。匯金公司の登録住所は、北京市東城区朝陽門北大街1号新保利大廈
である。匯金公司の統一社会信用コードは911000007109329615であり、法定代表者は彭純氏である。匯金公司は、
国務院の認可を受けて、国有金融資産の価値を維持しかつ高める目的で、主要な国有金融機関に対して株式投資を
行う。匯金公司は、その資本拠出の範囲内で、中国政府に代わり、主要な国有金融機関に対して出資者としての権
利を行使しかつ義務を履行することができる。匯金公司は、その他の商業活動に従事しておらず、また匯金公司が
統制する主要な国有金融企業の通常業務に干渉することもない。
匯金公司は、被投資会社の財務書類の監査完了までに2020年度の監査済みの財務報告書を提出できなかったた
め、以下の財務情報は、2019年度の監査済みのものである。2019年12月31日現在、匯金公司の資産合計は、
5,291,816,056.2千人民元、負債合計は577,744,529.9千人民元、自己資本額は合計4,714,071,526.3千人民元で
あった。2019年度の純利益は、532,636,980.6千人民元であった。2019年度の営業活動、投資活動および財務活動
によるキャッシュ・フロー純額は、52,256,808.3千人民元であった。
2020年12月31日現在、匯金公司は当行株式140,087,446,351株を保有しており、これは当行の総株式資本の
40.03%であった。
報告期間中、匯金公司は朱海林氏、廖路明氏および周濟氏を当行の非執行取締役候補に指名した。
匯金公司は競業禁止条項を公布した。
2020年12月31日現在、匯金公司の被投資会社の直接株式保有は、以下のとおりである。
匯金公司による
No. 機関の名称 株式保有
1 国家開発銀行股 份 有限公司 34.68 %
★☆
2 中国工商銀行股 份 有限公司 34.71 %
★☆
3 中国農業銀行股 份 有限公司 40.03 %
★☆
4 中国銀行股 份 有限公司 64.02 %
★☆
5 中国建設銀行股 份 有限公司 57.11 %
6 中国光大集團股 份 公司 63.16 %
7 53.95 %
恒豐銀行股 份 有限公 司
8 中国出口信用保険公司 73.63 %
☆
9 中国再保険(集団)股 份 有限公司 71.56 %
★☆
10 新華人寿保険股 份 有限公司 31.34 %
11 中国建銀投資有限責任公司 100.00 %
12 中国銀河金融控股有限責任公司 69.07 %
★☆
13 20.05 %
申萬宏源集団股 份 有限公司
★☆
14 中国国際金融股 份 有限公司 40.11 %
★☆
15 30.76 %
中信建投 証券 股 份 有限公司
16 中国銀河資産管理有限責任公司 13.3 %
17 国泰君安投資管理股 份 有限公司 14.54 %
(1) ★は A株式を上場している会社、 ☆は H株式を上場している会社をいう 。
(2) 上記の被投資会社の他に中央匯金資産管理有限責任公司は匯金公司の完全子会社である。中央匯金資産管理有限責任公司
は、2015年11月に北京で設立および法人化された、登録資本金5十億人民元の会社である。かかる会社は資産管理業務を
行っている。
116/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
SSF
SSFは、MOFの管理下にある公的機関であり、2000年8月に設立された。その登録住所は、北京市西城區豐匯園11
號樓豐匯時代大廈南座であり、法定代表者は劉偉氏である。国務院の承認を得て、SSFは、MOFおよび人力資源・社
会保障省の要件に従い、国家社会保障基金、個人口座への中央補助基金、企業従業員のための養老保険基本基金の
一部、基本養老保険基金および移転された国有資産の一部の運用を委託されている。
2020年12月31日現在、SSFは当行のA株式23,520,968,297株を保有しており、これは当行の総株式資本の6.72%
であった。SSFによって当行に提供された情報によると、SSFは当行の H 株式805,709,096株も保有していた。
117/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1)
大株主およびその他の者が保有する持分およびショート・ポジション
(単位:株)
発行済
発行済
持分および
ショート・ 株式 総数
種類株式
名称 立場 所有形態
ポジション
に対する割合
に対する割合
(株)
(%)
(%)
140,087,446,351 ロング・
実質株主 43.88 40.03
(A株式) ポジション
匯金公司
1,255,434,700 ロング・
支配事業体持分 0.39 0.36
(A株式) ポジション
133,312,244,066
ロング・
(2)
実質株主/名義人
MOF 41.76 38.09
(3)
(A株式)
ポジション
ロング・
23,520,968,297
SSF 実質株主 7.37 6.72
(A株式)
ポジション
ロング・
267,883,000
実質株主 0.87 0.08
(H株式)
ポジション
中国人寿保険(集団)
公司
3,143,120,000
ロング・
支配事業体持分 10.23 0.90
(4)
ポジション
(H株式)
3,023,217,000
ロング・
中国人寿保険股 份 有限
実質株主 9.84 0.86
(4)
公司
ポジション
(H株式)
2,528,604,097 ロング・
8.23 0.72
ザ・バンク・オブ・
(H株式) ポジション
ニューヨーク・メロ 支配事業体持分
2,475,577,852
ン・コーポレーション
貸出目的株式 8.05 0.71
(H株式)
1,833,602,445
ロング・
5.97 0.52
(5)
ポジション
(H株式)
ブラックロック・イン
支配事業体持分
ク
6,454,000 ショート・
0.02 0.00
(H株式) ポジション
1,545,179,000
ロング・
中国太平保険控股有限
支配事業体持分 5.03 0.44
(6)
公司
ポジション
(H株式)
1,545,179,000
ロング・
中国太平保険集団 有
支配事業体持分 5.03 0.44
(6)
ポジション
限責任公司
(H株式)
1,545,179,000
ロング・
太平人寿保険有限公司 実質株主 5.03 0.44
(6)
ポジション
(H株式)
ロング・
1,543,690,000
投資管理者 5.02 0.44
(H株式)
ポジション
太平資産 管理有限公 司
1,489,000
ロング・
支配事業体持分 0.00 0.00
(7)
ポジション
(H株式)
118/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1) 2020 年12月31日現在、当行は、当行の株式または潜在株式の持分またはショート・ポジションを保有していることに関す
る報告書を上記の者から受領している。この持分またはショート・ポジションは香港証券先物条例第336条に基づき記録
が義務付けられている株主名簿に記載されている。
(2) このうち、A株式9,797,058,826株はSSFが保有しているが、かかる株式の議決権は、2010年4月21日付株式引受契約およ
び2010年5月5日にMOFにより公布された中国農業銀行の国有株式譲渡案の認可に従い、MOFに譲渡された。
(3) 2020 年12月31日現在の当行の株主名簿によると、MOFは、当行のA株式123,515,185,240株を所有し、当行の発行済A株式
に占める割合は38.69%、発行済株式総数に占める割合は35.29%である。
(4) 中国人寿保険股 份 有限公司、中国人寿保険 ( 海外 ) 股 份 有限公司 および中国人寿財産 保険股 份 有限公司 は、当行のH株式
3,023,217,000株、71,270,000株および48,633,000株をそれぞれ所有している。これらの会社は中国人寿保険(集団)公
司の支配事業体であるため、中国人寿保険(集団)公司は、これらの会社が直接的に保有するH株式合計3,143,120,000
株に対して持分を有するものとみなされている。
(5) ブラックロック・インクは、ブラックロック・インクの完全子会社であるブラックロック・インベストメント・マネジメ
ント・エルエルシーおよびブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インクが直接的または間接的に保有するH
株式合計1,836,607,204株に対して持分を有するものとみなされている。
(6) 中国太平保険集団有限責任公司およびその非完全子会社である中国太平保険控股有限公司は、中国太平保険集団有限責任
公司および中国太平保険控股有限公司の支配事業体である太平人寿保険有限公司が直接的に保有するH株式合計
1,545,179,000株に対して持分を有するものとみなされている。
(7) 太平資産管理有限公司は、太平資産管理有限公司の支配事業体である太平基金管理有限公司が直接的に保有するH株式合
計1,489,000株に対して持分を有するものとみなされ、かかる株式の数は発行済種類株式の約0.0048%である。
配当の分配方針および現金配当方針の実施
当行は、投資家に適切な投資収益率を提供すること、利益分配方針の継続性および一貫性を維持すること、株主
の利益と当行の持続可能な発展を図ることに重点を置いて利益分配を行っている。当行は、現金もしくは株式また
はその両方により配当の分配を行うことができる。当行の利益分配は現金配当を優先している。また、条件を満た
したときは、中間利益分配を行うこともある。
当行の現金配当方針の策定および実施は、当行の定款および株主総会の決議に従って行われる。関連する意思決
定の手続および仕組みは完備され、分配基準および割合は明確に記載されている。独立非業務執行取締役は、その
職務を真摯に遂行し、適切な努力を行い、意見を表明した。少数株主は、その意見および要求を十分に表明する機
会を有しており、その正当な利益は十分に保護されている。
優先株式の詳細
優先株式の発行および上市
承認済
調達された
発行済 みで上
譲渡 手取金
コード 略称 発行日 発行価格 利率 優先 上市日 市され 手取金の使途
期限日 (単位:
株式数 た優先
人民元)
株式数
1 株当た
2014 年 400 2014 年 400 その他Tier1資本
360001 農行優1 り100 5.32 % なし 40 十億
10 月 31日 百万株 11 月 28日 百万株 の補充
人民元
1 株当た
2015 年 400 2015 年 400 その他Tier1資本
360009 農行優2 り100 4.84 % なし 40 十億
3 月 6日 百万株 3 月 27日 百万株 の補充
人民元
(1) 上記優先株式の発行の条件および詳細については、上海証券取引所、香港証券取引所および当行のウェブサイトに当行に
よって発表された公表文を参照のこと。
(2) 第2配当期間における「農行優1」の利率は、2019年11月5日以降、5.32%である。第2配当期間における「農行優2」の利
率は、2020年3月11日以降、4.84%である。
119/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
優先株式「農行優1」(360001)の株主上位10名の株式保有の詳細
(1)
当該報告期間末現在、当行の優先株式「農行優1」の株主は合計29名 であった。
2021年2月28日(当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日)現在、当行の優先株式「農行優1」の株主
は合計31名であった。
(1) 優先株式の株主数は、優先株式を保有する適格投資家の数に基づいて算出された。適格投資家の数を算出するにあたり、
管理する複数の商品を通じて優先株式を購入する資産管理機関については、1社として計算される。
(単位:株)
担保対象優先
当該報告期間
株式または
(4)
における増 持株比率
株主の形態 株式の
(1)
株主の名称
保有優先株式数 ロックアップ
(2)
(3)
加/減少数
種類
(%)
対象優先株式
(+/-)
の数
国内優先
交銀施羅徳資産管理
その他 +7,000,000 67,000,000 16.75 % なし
有限公司
株式
国内優先
招商基金管理有限公
その他 - 49,000,000 12.25 % なし
司
株式
国内優先
北京天地方中資産管
その他 - 35,000,000 8.75 % なし
理有限公司
株式
国内優先
中国人民人寿保険股
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
份 有限公司
株式
国内優先
中國平安人寿保険股
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
份 有限公司
株式
和諧健康保険股 份 有 国内優先
その他 - 30,000,000 7.50 % なし
限公司 株式
国内優先
寧波銀行股 份 有限公
その他 - 15,000,000 3.75 % なし
司
株式
国内優先
招商證券資産 管理有
その他 +13,600,000 13,600,000 3.40 % なし
限公 司
株式
国内優先
中海信託股 份 有限公
その他 -7,449,160 12,550,840 3.14 % なし
司
株式
国内優先
北銀豐業資産 管理有
その他 - 12,000,000 3.00 % なし
限公 司
株式
(1) 招商基金管理有限公司および招商證券資産 管理有限公 司は協調行動をとっている。上記を除き、当行は、 上記優先株式 の
株主間における関係の有無および上記優先株式の株主と普通株式の株主上位10社間における関係の有無について何ら認識
しておらず、これらの者が協調行動をとっている者であるか否かも認識していない。
(2) 「会社の公募による情報開示の内容および形式に関する基準第2号-年次報告書の内容および形式」(2017年改正) によ
れば、「優先株式の株主の詳細には、国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を示さなければならない」。
国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を除いて、その他の優先株式の株主の形態は「その他」として分類
している。
(3) 「当該報告期間における増加/減少数(+/-)」とは、流通市場における取引による株式保有の変動を指す。
(4) 「持株比率」は、優先株式の株主が保有する「農行優1」が「農行優1」の総数(400百万株)に占める割合を指す。
(5) 当行の優先株式「農行優1」は、非譲渡制限株式であり、非譲渡制限株式である優先株式「農行優1」の上位10名の株主
は、優先株式の上位10名の株主と同じである。
120/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
優先株式「農行優2」(360009)の株主上位10名の株式保有の詳細
当該報告期間末現在、当行の優先株式「農行優2」の株主は合計34名であった。
2021年2月28日(当行のA株式年次報告書が公表される月の前月末日)現在、当行の優先株式「農行優2」の株主
は合計33名であった。
(単位:株)
担保対象優先
当該報告期間
株式または
(4)
における増 持株比率
株主の形態 株式の
(1)
株主の名称
保有優先株式数 ロックアップ
(2)
(3)
加/減少数
種類
(%)
対象優先株式
(+/-)
の数
国内優先
中国人寿保険股 份 有
その他 - 50,000,000 12.50 % なし
限公司
株式
国内優先
中国煙草総公司 その他 - 50,000,000 12.50 % なし
株式
国内優先
永贏基金管理有限公
その他 - 25,000,000 6.25 % なし
司
株式
国内優先
浙商銀行股 份 有限公
その他 +25,000,000 25,000,000 6.25 % なし
司
株式
国内優先
中国移動通信集団 有
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
限 公司 株式
国内優先
交銀施羅徳資産管理
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
有限公司
株式
国内優先
中国銀行股 份 有限公
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
司 上海市分行
株式
国内優先
中国煙草総公司江蘇
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
省公司
株式
国内優先
中国煙草総公司雲南
その他 - 20,000,000 5.00 % なし
省公司
株式
国内優先
上海煙草集団有限責
その他 - 15,700,000 3.93 % なし
任公司
株式
(1) 中国雙維投資有限公司、中国煙草総公司江蘇省公司、中国煙草総公司雲南省公司および上海煙草集団有限責任公司は、中
国煙草総公司の完全子会社である。中国煙草総公司は、上海海煙投資管理有限公司の事実上の支配者である。「中国人寿
保険股 份 有限公司 – 伝統‐普通保険産品‐005L-CT001 Hu」および「中国人寿保険股 份 有限公司 -配当-個人配当-005L-
FH002 Hu」は、どちらも中国人寿保険股 份 有限公司 が運営している。上記を除き、当行は、上記優先株式の株主間におけ
る関係の有無および上記優先株式の株主と普通株式の株主上位10社間における関係の有無について何ら認識しておらず、
これらの者が協調行動をとっているか否かも認識していない。
(2) 公募についての会社の情報開示の内容および形式-年次報告書の内容および形式(2017年改正)に関する基準第2号 に規
定されているように、「優先株式の株主の詳細には、国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を示さなけれ
ばならない」。国および海外保有者を代理して株式を保有する事業体を除いて、その他の優先株式の株主の形態は「その
他」として分類している。
(3) 「当該報告期間における増加/減少数(+/-)」とは、流通市場における取引による株式保有の変動を指す。
(4) 「持株比率」は、優先株式の株主が保有する「農行優2」が「農行優2」の総数(400百万株)に占める割合を指す。
(5) 当行の優先株式「農行優2」は、非譲渡制限株式であり、非譲渡制限株式である優先株式「農行優2」の上位10名の株主
は、優先株式の上位10名の株主と同じである。
121/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
優先株式の配当分配
当行の優先株式の配当は、現金で年1回支払われる。当行が優先株式の株主への配当の一部またはすべてを取り
消す旨決議した場合、当期中の支払われなかったかかる配当は、次の配当期間に累積されないものとする。当行の
優先株式の株主は、合意された配当率で配当を受領後、普通株式の株主に帰属する残余利益の分配に参加しないも
のとする。
1 株当たりの
株式の名称 発行日 登録日 分配方法 利率 配当(税引 配当総額(税引前)
前)
2020 年 2020 年
農行優2(360009) 現金配当 5.50 % 5.50 人民元 2,200 百万人民元
3 月 11日 3 月 10日
2020 年 2020 年
農行優1(360001) 現金配当 5.32 % 5.32 人民元 2,128 百万人民元
11 月 5日 11 月 4日
2021 年 2021 年
農行優2(360009) 現金配当 4.84 % 4.84 人民元 1,936 百万人民元
3 月 11日 3 月 10日
上記配当の詳細については、上海証券取引所のウェブサイトおよび当行のウェブサイトに発表された当行の公表
文を参照のこと。
優先株式の取得または転換
報告期間中、当行により発行された優先株式の取得または転換は行われなかった。
優先株式の議決権の復活
報告期間中、当行により発行された優先株式の議決権の復活はなかった。
会計方針
MOFが発行した 企業会計基準第22号「金融商品の認識および測定」、企業会計基準第37号「金融商品の表示なら
びに金融負債および資本性商品の差異に関する引当金ならびに関連する会計処理」 と併せて、国際会計基準審議会
が発行した IFRS第9号「金融商品」およびIAS第32号「金融商品:表示」 に従い、当行は、優先株式「農行優1」お
よび「農行優2」が、資本性金融商品の定義を満たしていると考えている。
証券の発行および上場に関する詳細
証券の発行
報告期間中の当行のその他の証券の発行の詳細に関しては、「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記
-Ⅳ-30」を参照のこと。
従業員による株式の保有
当行において、従業員による株式の保有は行われていない。
122/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2【配当政策】
利益および配当の分配
2020年12月31日に終了した事業年度における当行の利益は、「第3-3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」に記載されている。
2019年度年次総会による承認を得て、当行は、2020年7月9日の営業終了時の当行の株主名簿上のA株式およびH
株式の株主に対して、10株当たり1.819人民元(税引前)、合計63,662百万人民元(税引前)の現金配当を分配し
た。
取締役会は、2020年度につき普通株式349,983,033,873株の10株当たり1.851人民元(税引前)、合計約64,782百
万人民元(税引前)の現金配当の分配を提案した。分配案は、2020年度年次総会における株主の承認のために提出
される。承認を得た後、かかる配当は、2021年6月16日において当行の株主名簿に氏名が記載されているA株式お
よびH株式の保有者に支払われる。H株式の譲渡届出は、2021年6月11日から2021年6月16日(両日を含む。)まで
締め切られる。提案された現金配当の分配の資格を得るために、H株式の株主は、譲渡文書および当該株券を、当
行のH株式の株式登録機関である、香港灣仔皇后大道東183号合和中心17樓1712 – 1716室に所在する香港中央證券登
記有限公司に、2021年6月10日16時30分(同時刻を含む。)までに預託しなければならない。A株式の配当は、
2021年6月17日に支払われる予定であり、H株式の配当は、2021年7月8日までに支払われる予定である。かかる日
程に変更があった場合、別途開示が行われる。
以下の表は、過去3年間における当行の現金配当支払額を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2017 年 2018 年 2019 年
現金配当(税引前) 57,911 60,862 63,662
(1)
現金配当支払率 (%)
30.0 30.0 30.0
(1) 現金配当(税引前)を当行の株主に帰属する当該報告期間の純利益で除したものを表す。
国税 発 [1993]第045号の廃止後の個人所得税の徴収および管理問題に関する国家税務総局の通達(国税函
[2011]第348号) に基づき、香港における国内の非外国投資企業の発行済株式を保有する株主である中華人民共
和国国外に居住している個人は、中国本土および居住者が居住している国との租税条約ならびに中国本土および香
港(マカオ)の課税方式に基づいた優遇税率を享受する。香港で株式を発行している国内の非外国投資企業が株主
に配当を分配する際は、個人の株主は、関連する税法および租税条約で義務付けられる場合を除き、原則として
10%の源泉徴収税率を課される。
国家税務総局の定める 非居住者である外国企業のH株式の保有者に対し中国居住者である企業から支払われる配
当に係る法人所得税の源泉徴収の問題に関する通達(国税函[2008]第897号) に基づき、当行は、H株式の株主
のうち非居住者である企業に対する配当の支払いについては、H株式において支払われるべき配当から10%の税率
による法人所得税の源泉徴収を行わなければならない。
当行が支払う配当に関し、香港において税金は、香港税務局の慣行により、課税されない。
株主は、当行のH株式の保有および処分により生じる中華人民共和国、香港における税金に関する関連事項およ
びその他の税金に関する関連事項に関し、アドバイザーに相談することが望まれる。
123/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスの組織構造
当該報告期間において、当行は、取締役会、監査役会および幹部役員の間のコミュニケーションおよび交流を強
化することに重点を置いた。当行は、取締役、監査役および幹部役員を対象とした第1回セミナーを開催し、幹部
役員が当行の業務および経営状況を紹介するとともに、業務および経営について取締役および監査役からの意見お
よび助言を聴取した。報告期間中、当行は、取締役および監査役の2020年度合同研修を開催した。本店および子会
社の取締役および監査役が研修および交流に参加した。取締役および監査役らは、職務遂行上の主要な問題につい
て詳細に議論し、コミュニケーションの効率性およびシナジー効果を高めた。
株主総会
当行の力を支配するものとして、当行の株主総会はすべての株主で形成される。当行の株主総会は、とりわけ、
以下に責任を負う。
・ 当行の事業方針および投資計画の決定
・ 取締役の選任、交替および解任ならびに当該取締役の報酬に関する事項の決定
・ 外部監査役および株主代表監査役の選任、交替および解任ならびに当該監査役の報酬に関する事項の決定
・ 取締役会の事業報告書および監査役会の業務報告書の審議および承認
・ 当行の年次財務予算案および決算案ならびに利益処分および損失補填案の審議および承認
124/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 当行の登録資本の増減、社債およびその他流通有価証券の発行および上場、合併、分割、解散、清算、会社
形態の変更ならびに普通株式の自己株式取得に関する決議の採択
・ 定款の修正ならびに株主総会議事規則、取締役会議事規則および監査役会議事規則等の検討および採択
取締役会
取締役会の詳細
当行の政策決定機関として、取締役会は株主総会に対して説明責任があり、その業務を報告するものとする。取
締役会は、とりわけ、以下に責任を負う。
・ 株主総会の開催および株主総会ヘの報告
・ 株主総会決議の履行
・ 当行の発展戦略、事業計画および投資提案の決定
・ 当行の年次財務予算案および決算案、利益処分案および損失補填案、登録資本の増減および財務再建に関す
る提案、資本補充計画(とりわけ、社債およびその他流通有価証券の発行計画および上場計画を含む。)の
策定
・ 合併、分割、解散または会社形態の変更に関する提案の策定
・ 普通株式の自己株式取得案の策定
・ 当行の基本管理システムおよび方針の実施の確立および監督
・ リスク管理および内部統制のための基本管理システムの確立および改善
・ 全体的なリスク管理の報告書およびリスクに基づいた資本配分の計画の考察および承認ならびに当行のリス
ク管理の実効性の評価
・ 当行の定款、株主総会議事規則および取締役会議事規則の修正案の策定ならびにそれに関連するコーポレー
ト・ガバナンスのシステムの確立
・ 総裁および取締役会秘書役の任命または解任
・ 総裁により指名された副総裁およびその他の各幹部役員(取締役会の秘書役を除く。)の任命または解任
・ 当行のコーポレート・ガバナンスの評価および改善
・ 当行の情報開示に関連する事項の管理
取締役会の構成
当該報告期間末現在、当行の取締役会は、3名の執行取締役(周慕冰氏、張青松氏および張旭光氏)、5名の非執
行取締役(朱海林氏、廖路明氏、李奇雲氏、李蔚氏および呉江濤氏)ならびに5名の独立非執行取締役(肖星氏、
王欣新氏、 黄 振中氏、梁高美懿氏および劉守英氏)からなる13名の取締役により構成されている。
取締役の任期
各取締役は株主総会により選任される。取締役の任期は、CBIRC又は株主総会が当該取締役を承認した日から3年
とする。取締役は、前任期満了時において再選により連続して再任されることができ、再任期間は株主総会による
再任の承認を受けた日付から起算する。独立非執行取締役の任期は累計で6年間を超えないものとする。
125/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行の取締役会会長および総裁
香港上場規則別紙14の コーポレート・ガバナンス規範 条項第A.2.1条および定款に従って、当行の取締役会会長
および総裁は独立している。取締役会会長は、当行の主要株主の法定代表者または責任者によって兼任されないも
のとする。会長および総裁の職責は明確に区別されており、相互に関連せず独立している。
当該報告期間末現在、周慕冰氏は、取締役会会長および当行の法定代表者を務め、当行の発展戦略等の重要事項
の決定について取締役会を先導する責任を負う。
張青松氏は、当行の総裁を務め、当行の業務の管理を担当する。総裁は、取締役会によって任命され、取締役会
に対して責任を負い、定款および取締役会の承認に従って職務を遂行する。
当行の取締役の研修
研修方法:取締役および監査委員の職務遂行研修、研修会議および研修教材の検討等
研修内容:ESG、カーボンニュートラル、国際マネーロンダリング、コーポレート・ガバナンス、金融的な貧困
削減、先進的な製造業向け金融サービスの深化およびその他特別な話題
当行の取締役会秘書役および会社秘書役の研修
研修方法:オンライン研修および現地試験
研修期間:7日間(15時間以上)
研修内容:上海証券取引所が実施する取締役会秘書役の資格研修
取締役会の多様性
法学の職歴が 財務および監査
女性取締役 ある取締役 の職歴がある 55 歳以下の
独立非執行取締役
取締役 の数 の割合 の割合 の割合 取締役の割合 取締役の割合
13 38.46 % 21.60 % 23.08 % 61.54 % 38.46 %
(注)女性取締役の割合は、2020年度に取締役が実際に務めた加重平均月数に基づいて計算されている。
当行は、取締役会の構成の多様性を維持する当行の意見を規定する、取締役会の構成の多様性に関する方針およ
びかかる多様性を達成する過程で継続的にとるべき方法を策定した。当行は、取締役会の構成の多様性の有益性を
認め、理解しており、それが、当行の戦略的目標を達成し、当行の競争力を維持し、持続可能な発展を達成するた
めの重要な要素であると考えた。当行は、取締役会の構成を決定するに際し、才能、技能、業界経験、文化的背
景、学歴、性別、年齢、民族およびその他の要素を含む様々な側面から取締役会の構成の多様性を検討した。取締
役のすべての任命は、取締役会の総合的な運営に要する才能、技能および経験を考慮した後に決定される。
当行の取締役会は、会計、法律および経済学分野の専門家で構成され、性別、年齢、勤続期間等の様々な面で多
様化を実現した。かかる多様性は、取締役会の意思決定能力および戦略マネジメントを効果的に向上させた。
独立非執行取締役の独立性
当該報告期間末日現在、独立非執行取締役の資格、人数および構成比率は適用ある規制上の要件すべてを遵守し
ていた。独立非執行取締役は、当行または当行の子会社の事業または経済的利害に関与しておらず、また当行のい
かなる管理的な地位にも就いていなかった。当行は、すべての独立非執行取締役より年次の独立性確認書を受領し
ており、これらの独立非執行取締役の独立性を確認している。
126/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
独立非執行取締役の職務履行
当該報告期間において、独立非執行取締役は15営業日以上勤務した。監査およびコンプライアンス委員会、リス
ク管理/消費者利益保護委員会および関連取引監視委員会の委員長を務めた取締役は、25営業日以上勤務した。
当該報告期間において、独立非業務執行取締役より取締役会または特別委員会の決議に異議は付されなかった。
詳細は、上海証券取引所のウェブサイトに掲載された 独立非執行取締役の年次業務報告書 にて開示している。
報告期間中に独立非執行取締役が特に留意した事項
独立非執行取締役は、関連当事者取引の管理、幹部役員の指名、情報開示、内部統制、取締役会およびその特別
委員会の運営等の重要な課題に注力した。独立非執行取締役は関連事項について、法令に基づいて明確な判断を行
い、意見を表明し、独立して客観的に勧告を行った。
独立非執行取締役および外部監査役間のコミュニケーション
独立非執行取締役は、監査結果、年次監査計画、マネジメントレター等について、外部監査役から多数の報告を
受けた。2019年度年次報告書の作成にあたり、独立非執行取締役は、監査で特定された問題点について、個別に外
部監査役と連絡を取った。
内部統制における独立非執行取締役の役割
独立非執行取締役は、2020年度内部統制評価事業計画、2019年度内部統制評価報告書、2019年度違反予防・取締
事例報告書等の提案を検討し、2019年度財務諸表および内部統制監査事業報告書、2019年度会計監査報告書、2019
年度コンプライアンス・リスク管理報告書、2019年度マネーロンダリング防止事業概要および2020年度事業手配、
2019年度関連当事者取引管理報告書および2020年度第1四半期から第3四半期までの関連当事者取引管理および是正
報告書等を聴取した。
当行の保証事業に関する独立非執行取締役による個別の声明および独自の見解
CSRCにより発行された 上場企業および関連会社間の資金移動ならびに上場企業の保証事業の規制における問題に
関する通知 に規定される要件および上海証券取引所の関連する要件に基づき、中国農業銀行の独立非執行取締役と
して、当行は正当、公正かつ客観性の原則に基づき、当行の保証事業を検討し、以下の通りここに個別の声明およ
び見解を公表した。
当行の見解では、当行の保証事業は、主に中国人民銀行およびCBIRCの承認を受けた保証状の発行であり、これ
は当行の日常業務の範囲内の通常の事業の1つである。2020年12月31日、当行の保証事業の残高は、(当行グルー
プによる保証状の発行および保証を含めて)264,646百万人民元に達した。
当行は、保証事業のリスク管理を重視しており、被保証人の信用基準ならびに保証事業の業務手順および承認手
続に関し厳格な規制を策定している。当行は、保証事業のリスクを効果的に統制していると認識している。
中国農業銀行股 份 有限公司、独立非執行取締役
肖星氏、王欣新氏 、黄 振中氏、梁高美懿氏および劉守英氏
127/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取締役会議
項目 詳細
定例会議開催回数 4
臨時会議開催回数 9
会議開催合計回数 13
提案の審議または報告の聴取に関する事項 取締役会は、定期報告書、利益配分、取締役の候
補者の指名および幹部役員の構成員の選任等77の
提案を審議した。
取締役会は、戦略計画の実施の評価、2020年度の
内部自己資本評価および消費者利益保護等の19の
報告を聴取した。
取締役会による株主総会決議の実施
当該報告期間において、取締役会は、株主総会決議および株主総会による取締役会への委任を厳格に実施し、ま
た、株主総会で審議・承認された議案(固定資産投資予算および日付の記載のない出資社債の発行計画を含む。)
を厳粛に実施した。
財務書類に関する取締役の責任
取締役は、当行グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに関する正確かつ公正な見通しを示す
各会計期間の財務報告書を用意する責任を認めた。
当該報告期間において、当行は関連する法律および規制ならびに当行の株式の上場先の上場規則の要件に従って
おり、2019年度の年次報告書ならびに2020年度の第1四半期報告書、半期報告書および第3四半期報告書を開示し
た。
リスク管理および内部統制
取締役会は、健全かつ効果的なリスク管理および内部統制の手法を確立し、内部統制の構築、リスク管理システ
ムおよびリスク水準を監督および評価(かかるシステムの有効性の審査を含む。)する責任を負う。かかるシステ
ムは、重大な虚偽記載または損失に対して完全ではないが合理的な保証を提供し、事業目標を達成するために失敗
のリスクを除外するのではなく対処するために、構築されている。当該報告期間において、取締役会は、それらの
手法に基づき設立された監査およびコンプライアンス委員会、リスク管理および消費者利益保護委員会、米国地域
における機関のリスク管理委員会ならびに関連取引監視委員会を通じて、当行のリスク管理および内部統制の手法
の妥当性および有効性を審査した。取締役会の関連する特別委員会からの報告の検討および審査に基づき、取締役
会は、当行のリスク管理および内部統制が適切かつ効果的であると考えた。
128/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取締役会の下にある特別委員会の詳細
報告期末の当行取締役会の下にある特別委員会および構成員の状況
県域銀行業務 米国地域にお
戦略計画およ 監査およびコ リスク管理お
および包括的 指名および報 関連取引監視 ける機関のリ
び持続可能な ンプライアン よび消費者利
財政発展委員 酬委員会 委員会 スク管理委員
発展委員会 ス委員会 益保護委員会
会 会
執行取締役
周慕冰 C
張青松 M C M
張旭光 M M M
非執行取締役
朱海林 M M
廖路明 M M M M
李奇雲 M M M
李蔚 M M M
呉江濤 M M M M
独立非執行取締役
肖星 M M M C
王欣新 C M M M
黃 振中 M C M C
梁高美懿・マーガ M M C M
レット
劉守英 M M M
非執行取締役の割合 14.29 % 33.33 % 57.14 % 60 % 42.86 % 100 % 42.86 %
(1) Cは関連委員会の委員長、Mは関連委員会の委員を示す。
(2) 2020年1月14日、張青松氏は、戦略計画および持続可能な発展委員会のメンバー、県域銀行業務および包括的金融発展委
員会の委員長およびメンバーならびに指名および報酬委員会のメンバーに就任した。
(3) 2020年6月18日、徐建東氏は、戦略計画および持続可能な発展委員会ならびに指名および報酬委員会の一員を退任した。
(4) 2020年6月29日、陳剣波氏は、戦略計画および持続可能な発展委員会、県域銀行業務、包括的金融発展委員会、リスク管
理および消費者利益保護委員会および米国地域における機関のリスク管理委員会の一員を退任した。
(5) 2020年7月3日、当行の取締役会は、特別委員会の張旭光氏、朱海林氏、李奇雲氏、 黃 振中氏および梁高美懿・マーガレッ
ト氏の職位を適宜調整するための取締役会の特別委員会の委員長および委員の調整についての提案を確認し承認した。詳
細については、上海証券取引所のウェブサイトおよび香港証券取引所のウェブサイト上で当行により公表されたアナウン
スを参照のこと。
(6) 2020年11月30日、張克秋氏は、戦略計画および持続可能な発展委員会委員、リスク管理および消費者利益保護委員会およ
び米国地域における機構のリスク管理委員会を退任した。
(7) 2020年12月25日、当行の取締役会は、取締役会の特別委員会の構成の調整についての提案を確認し承認し、従来のリスク
管理および消費者利益保護委員会の直下にあった関連取引監視委員会を別途設置した。当行の取締役会は、一部の特別委
員会の名称を標準化し、戦略計画委員会を戦略計画および持続可能な発展委員会と改称し、当行の持続可能な発展戦略お
よび目標を策定し、持続可能な発展および持続可能な発展戦略の実施に伴うリスクを定期的に評価する職務を追加した。
詳細については、当行が上海証券取引所のウェブサイトおよび香港証券取引所のウェブサイト上で当行により公表された
アナウンスを参照のこと。
129/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(8) 2021年1月7日、周慕冰氏は、戦略計画および持続可能な発展委員会の委員長および一員を退任した。
(9) 2021年2月9日、谷 澍 氏は、戦略計画および持続可能な発展委員会の委員長およびメンバーに就任した。
(10) 2021年3月30日、当行の取締役会は、特別委員会の朱海林氏および周濟氏の職位を調整するための取締役会の特別委員会
の委員長および委員の調整についての提案を確認し承認した。詳細については、当行が上海証券取引所のウェブサイトお
よび香港証券取引所のウェブサイト上で当行により公表されたアナウンスを参照のこと。
取締役会の特別委員会の業績
特別委員会 職務 会議の回数 提案の確認または報告の聴
取
戦略計画および持続可能な 当行の全体的な戦略発展計 8 2020 年 度の事業計画、2020
発展委員会 画および具体的な戦略発展 年度の固定資産投資予算お
計画、法人設立のための主 よび日付の記載のない出資
要な投資計画および財務計 社債の発行に関する18の提
画、当行の発展に不可欠な 案を審議し、出資社債の発
その他の重要事項を審査す 行および不良債権の会計処
ることならびに取締役会へ 理を含む側面についての関
の提案を行う。当行の持続 連する助言および提言を
可能な発展戦略および目標 行った。
を策定し、持続可能な発展
および持続可能な発展戦略
の実施に伴うリスクを定期
的に評価する。
県域銀行業務および包括的 県域銀行業務および包括的 3 2020 年 度の包括的財政事業
財政発展委員会 財政の発展に関する、戦略 の特別評価計画に関する提
発展計画、方針および基本 案を審議し、また、2020年
的管理規則、リスク管理戦 度の県域銀行業務部門の財
略計画ならびにその他の主 務目標の予測、三農へ提供
要事項を審査することだけ するサービスおよび県域で
でなく、県域銀行業務およ の事業の業務状態および
び包括的財政の戦略発展計 フォローアップの事業計画
画、方針および基本的管理 ならびに包括的財政事業の
規則の実施も監視し、取締 業務状態およびフォロー
役会への提言を行う。 アップの事業計画に関する
3の報告を聴取した。
130/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
特別委員会 職務 会議の回数 提案の確認または報告の聴
取
(1)
指名および報酬委員会 取締役、取締役会の特別委 3 取締役候補者の指名、執行
員会の委員長およびその構 副総裁および取締役会秘書
成員ならびに幹部役員の選 役の任命ならびに取締役会
任の基準および手続を策定 の特別委員会の委員長およ
し、取締役および幹部役員 びその構成員の調整につい
の報酬方針の策定およびそ ての承認を含む11の提案を
の検討のための取締役会へ 審議し、2019年度の取締役
の提出を行う。 会、幹部役会および幹部役
員の業績評価の結果につい
ての監査委員会の方向を受
けた。
監査およびコンプライアン 当行の内部監査、内部統制 6 2020 年 度監査プロジェク
ス委員会 および管理方針、重要な税 ト、2019年度年次報告書お
務および会計方針、監査一 よびその要約、2019年度内
般管理システムおよび規 部統制評価報告書ならびに
則、中長期監査計画および 年次監査人の任命を含む13
年次業務計画の審査ならび の提案を審議し、プライス
に取締役会への提言を行 ウォーターハウスクーパー
う。違反事件の防止につい スによる2019年度財務書類
ての当行の一般方針を審査 および内部統制監査業務報
および承認ならびに違反事 告書、2019年度マネーロン
件の当行の防止を効果的に ダリング防止業務要約およ
審査および監視する。 び2020年度業務手配、2019
年度コンプライアンス・リ
スク管理報告書および2019
年度監査報告書を含む15の
報告書を聴取した。
当行の外部監査人とのコ
ミュニケーションおよび監
督を向上し、監査業務の監
督、監査結果に関する外部
監査人の報告書、年次監査
計画およびマネジメントレ
ター等を聴取した。2019年
度年次報告書作成時には、
監査およびコンプライアン
ス委員会の委員が、外部監
査人との間で、監査で指摘
された問題点について個別
にコミュニケーションおよ
び議論を行った。
当行は、監査およびコンプ
ライアンス委員会の年次業
務を別途開示しており、そ
の詳細は上海証券取引所の
ウェブサイトで発表され
た。
131/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
特別委員会 職務 会議の回数 提案の確認または報告の聴
取
リスク管理および消費者利 当行のリスク管理の戦略計 7 包括的なリスク管理報告
益保護委員会 画、リスク選好、重要なリ 書、情報技術リスク管理管
スク管理方針、リスク管理 理手法(改正)、与信管理
報告書およびリスク加重資 基本的システム(改正)、
産の配分計画の審査、当行 法的リスク管理手法ならび
の消費者保護の戦略、方針 に2021年度におけるカント
および目的の審査、リスク リーリスクの制限および戦
管理システムの継続的監 略に関連する11の提案を審
視、リスク管理および消費 査し、2019年度における流
者の利益保護の監督および 動性リスクの管理、IRBシ
評価ならびに取締役会への ステムの運営および資本管
提案を行う。 理における進展したアプ
ローチの検証ならびに2019
年度における顧客の利益保
護のための試みに関連する
9つの報告の聴取が行わ
れ、また、信用リスク、市
場リスクおよび事業リスク
等を含むリスク統制につい
て、関連する助言および提
言を行った。
関連取引監視委員会 当行の関連当事者の特定、 2 関連当事者のリストに関連
関連取引のための当行の全 する2の提案を審査し、定
体的なシステムの審査、関 期的に当行の関連取引管理
連取引の審査および申請な に関する報告の聴取を行っ
らびに取締役会への提案を た。当行の関連当事者の情
行う。 報の審査およびその承認を
行い、当行の関連当事者お
よび取引の管理の強化につ
いて関連する助言および提
言を行った。
米国地域における機関のリ 米国地域における事業に関 4 基本的リスク管理方針、マ
スク管理委員会 するリスク管理方針を審査 ネーロンダリング防止コン
および承認ならびにその実 プライアンス方針に関連す
施を監督することであり、 る6の提案を審査し、
また、米国地域における機 ニューヨーク支店の改正お
関の内部および外部査察に よびリスクならびにコンプ
おいて認識される問題およ ライアンス業務を含む7つ
び関連する改正についての の報告を聴取した。定期的
報告ならびに取締役会によ に米国地域における事業に
り許可されたその他の問題 関連するリスクを審査し、
を審査する。米国地域にお 関連する助言および提言を
ける機関のリスク管理委員 行った。
会の責任は、すべてリスク
管理および消費者利益保護
委員会に引き継がれる。
132/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1) 定款は、取締役を指名する手続および方法を規定し、独立非執行取締役を任命する上で特定の要件を設定している。詳細
については、定款の第138条および第148条を参照のこと。定款は、上海証券取引所、香港証券取引所および当行のウェブ
サイトで公表されている。報告期間中、当行は、定款を厳重に遵守して当行の取締役を選出した。取締役の候補者を指名
する際、取締役会の指名および報告委員会は主に、資格要件、法律・行政法規および定款の遵守記録、職務執行の能力、
当行の業務および管理に関する理解ならびに監査役会による業務監査および取締役会の構成の多様性を受け入れる意欲を
重要視している。取締役会の構成の多様性についての当行の方針の詳細については、「取締役会の多様性」を参照のこ
と。指名および報酬委員会の開催時の出席者の定足数は、2/3以上であり、かかる委員会における決議はすべて委員全員
の過半数の賛成票で可決される。
監査役会
当行の監査機関として、監査役会は株主総会に対して説明責任があり、報告するものとする。監査役会は、とり
わけ、以下に責任を負う。
・ 取締役会および幹部役員の業績の監督、取締役および各幹部役員の職務履行の監督およびそれに応じた調査
ならびに取締役および各幹部役員に対する当行の利益を損なう行為の是正要求
・ 取締役および各幹部役員が法令、行政規則、定款または株主総会決議に違反した場合の解雇の提案または訴
訟の提起
・ 退任する取締役および各幹部役員に対する監査の必要に応じた実施
・ 監査役の報酬および手当ての分配計画の策定ならびに承認のためのかかる計画の株主総会への提出
・ 財務活動、経営決定、リスク管理および内部統制の監督ならびに内部監査業務に関しての助言
・ 取締役会により株主総会に対して提出される財務会計報告書、事業報告書および利益処分案の検討およびそ
れに問題があると認められた場合には、公認会計士および監査役をして当行名義で当該報告の再調査をさせ
ること
・ 県域銀行業務の発展に向けた戦略計画、方針および基本管理体制の実施の監督
・ 株主総会に対する提案の提出
・ 株主代表監査役、外部監査役および独立取締役の指名
・ 監査役会議事規則の修正案の策定
・ 外部監査機関の任命、免職および再任命のコンプライアンス、契約の条件および報酬の公正さならびに外部
監査業務の独立性および有効性の監督
・ 適用法令、行政規則、部門規則および定款、または株主総会の承認により要求されるその他の職務の遂行
133/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
監査役会の構成
当該報告期間末現在、当行の監査役会は、2名の株主を代表する監査役(王敬東氏および范建強氏)、3名の従業
員代表監査役(夏太立氏、邵利洪氏および武剛氏)および3名の外部監査役(李旺氏、張杰氏および劉紅霞氏)の
8名の監査役で構成されている。
監査役会議
項目 詳細
定時監査役会 4
臨時監査役会 6
会議総数 10
2019年度年次報告書およびその要約を含む23の提
案を審議し、2019年度の規制上の通知に関する問
提案の審議および承認または報告の聴取
題の是正に関する報告を含む19の報告を聴取し
た。
(注)監査役会事務局は、監査役会の通常業務を行う事務局である。同事務局は、監査役会およびその特別委員会の会議の
手配、当該会議のための書類および議事録の作成ならびに監査役会の要請による日常的な監督および監視業務の実施
につき責任を負う。
職務執行監督委員会は、主として以下の責任を負う。
・ 取締役会、幹部役員およびそれらの構成員の職務執行を監督するための実施計画を策定し、かかる計画を監
査役会に提出して承認を得た上で実行すること。
・ 取締役会、幹部役員およびそれらの構成員の職務執行に関する審査報告書を監査役会に提出し、監査役会に
それらについての助言をすること。
・ 取締役および各幹部役員の辞任に関する監査報告書を策定し、必要であれば、監査役会に提案をすること。
・ 株主代表監査役、外部監査役、独立非執行取締役および各特別委員会の委員の候補者を監査役会に提案する
こと。
・ 評価計画を策定し監査役の業績評価を行い、それらについて監査役会に提言すること。
・ 監査役の報酬および手当て全体の計画について提案し、承認のために計画を監査役会へ提出すること。
・ 取締役会、幹部役員またはそれらの構成員のいずれかにより報告または提示された関連事項、文書または情
報を検討し、対処すること。
・ 法律、行政法規、部門規則により必要とされ、監査役会が承認するその他の任務を行うこと。
当該報告期間末現在、職務執行監督委員会は、王敬東氏、范建強氏、夏太立氏、武剛氏、李旺氏および張杰氏の
6名によって構成されており、王敬東氏が委員長を務めた。
財政および内部統制監督委員会は、主として以下の責任を負う。
・ 財政および内部統制監督委員会の業務および実施計画を、監査役会による承認を得て、策定および実施する
こと。
・ 当行の県域銀行業務の方針および基本管理システムの発展のための戦略計画の実施を監督し、それらに関し
有効性を評価し、監査役会に提言すること。
・ 当行の財務報告書、業務報告書および取締役会が策定した利益処分案を監督かつ検討し、それらに関し監査
役会に提言すること。
・ 当行の財務活動、経営決定、リスク管理および内部統制の監視のための監査役会の計画を、監査役会による
承認を得て、策定および実行すること。
・ 必要に応じて当行の監査を行う外部監査会社の雇用を監査役会に提言すること。
・ 当行の内部監査部門の業務を指導すること。
134/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 取締役会、幹部役員およびその構成員のいずれかにより報告または提示された関連事項もしくは文書または
情報を検討し、対処すること。
・ 外部監査会社の任命、解任および再任命のコンプライアンス、契約の条件および報酬の公正さならびに外部
監査の独立性および有効性を監督し、監査役会に提案をすること。
・ 法律、行政法規、部門規則により必要とされ、監査役会が承認するその他の任務を行うこと。
当該報告期間末現在、財政および内部統制監督委員会は、王敬東氏、范建強氏、夏太立氏、邵利洪氏、張杰氏お
よび劉紅霞氏の6名により構成されており、劉紅霞氏が委員長を務めた。
外部監査役の業務
当該報告期間において、外部監査役は、定款に厳重に従ってその監督職務を執行した。外部監査役らは、関連す
る提案を検討および業務報告書について聴取し、また監督調査を行った。外部監査役らは、監査役会およびその
特別委員会の会議に出席し、専門的かつ厳正で独立した助言および意見を提供した。外部監査役は、コーポレー
ト・ガバナンスの向上および当行の経営管理の改善において積極的な役割を果たした。
幹部役員
当行の執行機関として、幹部役員は取締役会に対し説明責任を負うものとし、監査役会の監督下に置かれるもの
とする。幹部役員は、とりわけ、以下に責任を負う。
・ 当行の運営および管理の責任を負い、取締役会決議の実施を手配すること。
・ 当行の基本的管理システムおよび方針の策定ならびに当行の特別規則および規制(内部監査規則および規制
を除く。)の確立。
・ 当行の事業計画および投資計画の策定ならびに取締役会の承認後に当該計画を実施するための手配をするこ
と。
・ 当行の年次財務予算および決算案、リスク資本分配計画、利益処分計画、損失補填計画、登録資本の増減計
画、社債またはその他の有価証券の発行計画および上場計画ならびに自己株式取得計画の策定および取締役
会への提案。
関連当事者取引およびグループ内取引
関連当事者取引およびグループ内取引の管理システム
当行は、 中国農業銀行有限公司関連当事者取引管理一般規則 や 中国農業銀行関連当事者取引管理施行規則 等の関
連当事者取引管理システムに加えて、 中国農業銀行グループ内取引管理措置 や 中国農業銀行グループ内取引管理
業務規程(暫定) 等のグループ内取引管理システムを策定し、関連当事者取引とグループ内取引の管理を標準化
している。
関連当事者取引およびグループ内取引の審査および承認を担当する手続および主体
当行の株主総会および取締役会は、当行の関連当事者取引を監督および管理するものとする。取締役会の下に設
置された関連当事者取引管理委員会の責務は、当行の関連当事者取引を管理すること、関連当事者取引全般に係
る管理システムの審査および承認ならびに取締役会への提言を行うこと、当行の関連当事者を特定すること、そ
の職務および権限の範囲内で当行の関連当事者取引の届出を審査、承認または維持することである。
当行の関連当事者間取引およびグループ内取引は、当行の事業認可に基づいて承認され、重要な関連当事者取引
は、取締役会の承認を受けなければならない。限度額を超える一般的なグループ内取引および重要なグループ内
取引については、それぞれ総裁および取締役会の承認を得ることとする。
当行と、当行の直近の監査済純資産の絶対額の5%以上を占める、一度の取引額が30百万ユーロ以上の関連当事
者との関連当事者取引および関連当事者に提供された非商業銀行保証を伴う関連当事者との関連当事者取引は、
取締役会による審査および承認後、株主総会の承認を得るため、株主総会に提出されるものとする。
135/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
関連当事者取引の詳細
2020年度に、当行は、CBIRCの規制要件、中国の証券法および上海と香港の上場規則を厳密に遵守して、関連当
事者取引の規制および管理を実施した。報告期間中、当行の関連当事者取引は、通常の取引条件で、法令に従っ
て行われた。当行の金利の価格設定は公正な事業原則に従っており、当行または少数株主の持分の減損は確認さ
れなかった。
2020年度に、当行は、当行の関連当事者(香港上場規則に定義されている。)との間で、通常の業務の過程にお
いて様々な関連当事者取引を行った。当該取引は、香港上場規則のルール14A.73に定める適用除外条件を満たし
ており、したがって、株主の承認、年次審査および開示に関するすべての要件の遵守が完全に免除されている。
リスク・ガバナンス
リスク選好
リスク選好とは、当行の戦略目標を達成するために取締役会において決定される当行にとって許容可能かつ寛容
であるリスクの水準およびタイプをいい、当行の主要な利害関係者、外部の事業環境および当行の実際の状況の
予測および制約に依拠する。
当行は、慎重なリスク選好を採用しており、法律および規制に厳密に従って運営を行い、資本、リスクおよび収
益間のバランスの維持ならびに安全性、収益性および流動性の一貫性を有することを強く要求する。当行は、適
切なリスクをとることで、適度なリターンを確保するとともに、当行の戦略目標や事業計画の実現を確実なもの
とするため、十分なリスク引当金および自己資本、ならびに規制上の格付けおよび外部格付けにおける良い格付
けを維持することを目指す。2020年度に、当行は、内外情勢の変化を踏まえてリスク選好の評価を見直すことを
通じて、リスク選好声明および定量的指標体系をさらに最適化および改善した。
リスク管理構造
取締役会は、リスク管理に関して最終的な責任を負う。取締役会直轄のリスク管理/消費者利益保護委員会、監
査およびコンプライアンス委員会ならびに米国地域における機関のリスク管理委員会は、関連のあるリスク管理
機能を果たし、主要なリスク管理関連問題を検討し、当行のリスク管理システムの制定およびリスク状況を監督
および評価する。
幹部役員は当行のリスク管理のオーガナイザー兼執行役である。幹部役員の下において、当行は異なる機能を持
つ、様々なリスク管理委員会を有し、それにはリスク管理および内部統制委員会、与信承認委員会、資産・負債
管理委員会および資産処分委員会が含まれる。これらのうち、リスク管理および内部統制委員会は、主に当行全
体におけるリスク管理およびコンプライアンス管理の整理および調整ならびに重大なリスク管理およびコンプラ
イアンス管理に関する問題の検討および承認について責任を負う。
監査役会は、リスク管理の監督に責任を負う。監査役会は、取締役会および幹部役員のリスク管理における
デュー・ディリジェンスについて監督および検査し、修正するように促す。これは、監査役会の作業報告書に関
連する監督および検査の情報を含み、定期的に株主総会に報告している。
「包括補償」の原則に基づき、当行は、「マトリックス」リスク管理組織的システムならびにリスクを負う部
門、リスク管理部門および内部監査部門で構成されるリスク管理における「防衛の3つのライン」を設定した。
2020年度において当行は、親会社および子会社の統合リスク管理をさらに促進し、信用リスク、市場リスクおよ
びオペレーション・リスクの管理の枠組みの最適化を行った。
136/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
最高リスク責任者の責務
当行の最高リスク責任者は、包括的なリスク管理システムの構築およびバーゼル合意の実施を指揮し、当行のリ
スク管理に係る組織体制の構築を調整し、リスク管理戦略およびリスク選好の実施を監督し、主要なリスク管理
方針および規則を見直し、リスク管理に係る情報システムおよびデータ品質管理メカニズムの構築および改善を
促進し、当行のリスク管理全般の取締役会およびその特別委員会への報告を指揮する。
137/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
内部統制
内部統制環境
主体および部門
当行の取締役会は、健全な内部統制の確立、その有効な運用、有効性の評価および内部統制評価報告書の開示に
ついて責任を負う。取締役会の下に設置された監査およびコンプライアンス委員会、リスク管理/消費者利益保
護委員会、米国地域における機関のリスク管理委員会および関連取引監視委員会は、それぞれ内部統制管理に関
する職務を遂行する責任を負う。幹部役員は、内部統制の日常的な運用について責任を負う。監査役会は、取締
役会および幹部役員による内部統制の整備および実施を監督する。縦割り管理の下、当行は内部統制に関する監
査監督を行うための内部監査室および地域内部監査室を設置し、それらは取締役会および監査およびコンプライ
アンス委員会に対して報告を行う責任を負う。本店および各支店には、内部統制部門およびコンプライアンス統
括部門を設置し、当行の内部統制の整備・推進・調整を行っている。
内部統制管理の目的
当行の内部統制の目的は、適法かつ適正な運営および管理を合理的に確保すること、財務報告および関連情報を
真実かつ完全なものとすること、効果的なリスク管理および資産セキュリティを確保すること、業務の効率性お
よび有効性を向上させること、ならびに当行の事業目標および開発戦略の達成を促進することである。
内部統制評価
取締役会は、 中国農業銀行2020年度内部統制評価報告書 について審査および承認した。その詳細については、上
海証券取引所のウェブサイトで公表されている。
プライスウォーターハウスクーパース中天リミテッドは、2020年12月31日現在の当行グループの財務報告に係る
内部統制の有効性を監査した結果に基づいて、非適格の 内部統制監査報告書 を発行しており、その詳細について
は、上海証券取引所のウェブサイトで公表されている。
138/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
内部統制活動
内部統制の実施
当行の内部統制環境は最適化された。当行は、 取締役、監査役および幹部役員のためのコンプライアンス文化マ
ニュアル を発行するとともに、 従業員行動規範 についての教育・啓発活動を実施することで、従業員がその責務
を適切に果たし、コンプライアンスを積極的に実践し、価値を創造するよう指導している。当行はコンプライア
ンス管理体制の整備、コンプライアンス管理の基本的な要件の明確化、コンプライアンスおよび健全な業務運営
の確保を図るため、 コンプライアンス基本管理体制 を見直した。また、当行は 規程管理基本標準 を改定し、規程
管理のプロセス全体の仕組みを最適化するとともに、内部統制における規程の役割を明確化した。
当行のリスク管理は強化された。重大な違反事案、重大な規制処分、重大な資産損失、重大なシステム障害、重
大な流動性異常等、5つの重要リスクの未然防止・管理を目的として、当行は潜在的な重要リスクの調査・管理を
実施した。当行は、リスク監視モデルや違反事例の未然防止・監視・早期警戒等のツールやプラットフォームを
活用し、早期警戒・監視を強化するとともに、リスク警告を迅速に発信した。また当行は、違反による損失を減
らすために、規制処分の影響を受けやすい主要な分野について、タイムリーな分析と是正を行った。
139/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
管理行動は効率的に行われた。取締役会の権限の範囲内で、総裁から権限が適切に委任されるか、すべてのレベ
ルに再委任された。すべてのレベルにおいて、権限を持つ担当者は、委任された権限の範囲内で厳密に業務の審
査および承認を行った。当行は、コンプライアンス審査のプロセスを改善し、原因からコンプライアンス・リス
クを管理するために、 コンプライアンス審査管理措置 を発行した。当行は、主要な職務に従事する従業員の管理
を強化し、オペレーショナル・リスクを未然に防止するため、 強制休暇管理措置 および 職務従事者の離職に関す
る管理措置 を発行した。当行は、関連当事者取引のリスクを厳正に管理するため、関連当事者リストの管理を強
化するとともに、関連当事者取引の日常的な監視を強化した。グループ内取引リスクに対する隔壁を強化するた
め、グループ内取引限度管理を強化した。海外機関の長期的なコンプライアンス管理体制の構築を引き続き推進
し、評価指標の最適化による海外機関・子会社の評価ソリューションを策定し、各種機関のコンプライアンスを
適正に監視し、特別評価を実施した。当行は、子会社のコンプライアンス担当役員の職務遂行能力の向上を図る
ため、海外機関のコンプライアンス担当役員のための会議を開催し、内部統制およびコンプライアンス管理につ
いての特別訓練を実施した。情報システム、関連する管理規則およびプロセスを効果的に組み合わせることによ
り、財務報告の真実性、信頼性、完全性および適時性を合理的に確保するため、システムの自動管理を強化して
いる。
円滑な情報とコミュニケーションの共有が維持された。当行は、システム構築、プロセス標準ならびにツールお
よび技術の面で新時代の発展に適応する、集約的で共有された知的内部統制システムを構築した。当行は、内部
統制、コンプライアンスおよびオペレーショナル・リスク管理のための情報システムの最適化・高度化を行い、
内部統制の見方を統一した。システム間のドッキングを強化し、事案報告プロセスを最適化することで、異なる
システム間の切断やデータや情報の孤立の問題を解決した。
当行の内部監督および評価が改善された。当行は、検査・監督の方法を前進させた。当行は、違反事例のリスク
調査、従業員の賭博関与の特別調査、違法な保証・手数料管理の調査を含む検査プロジェクトを実施し、違法な
資金調達リスクの防止・軽減への参加することで、率先して問題点を洗い出し、タイムリーにリスクに対処する
ことで、事業の着実な発展を実現した。内部統制評価をより先見性のあるものにするために、予想評価指標シス
テムの構築を検討した。当行は、勤勉に職務を遂行し、規定に従って説明責任を果たせば責任は免除されるとい
う原則に則り、違反事例、不良債権および内外の検査で指摘された問題について、責任者に適切に対応した。
内部監督
監査役会の役割
監査役会は、当行の財務活動を監督し、預金価格、資産・負債、連結財務諸表等の管理を行った。監査役会は、
財務および経営成績に関するモニタリングおよび分析報告、ならびに外部監査人による監査について定期的に聴
取し、当行の定期報告書、最終財務報告書案および利益配分計画について検討し、独立した意見を表明した。監
査役会は、内部統制の監督を行い、内外の検査で発見された違反事例や問題点のリスク防止・管理に関する報告
とその是正について定期的に聴取し、内部統制、マネーロンダリング防止、海外機関のコンプライアンス管理お
よび外国為替のコンプライアンス管理の構築を追求した。
マネーロンダリング防止および制裁コンプライアンス
顧客デュー・ディリジェンスは、質および効率性の点で改善された。当行は、個人および法人顧客のデータに関
するガバナンスの実施、顧客デュー・ディリジェンスの規則および管理の改善、顧客デュー・ディリジェンス制
度の立ち上げおよび顧客デュー・ディリジェンス・ツールの開発を行い、顧客識別およびマネーロンダリングの
リスク管理を強化した。
当行は、顧客、商品および機関に関するマネーロンダリング・リスクの評価を促進し、すべての従業員がマネー
ロンダリング防止および制裁コンプライアンスに関する職務を遂行する能力を継続的に向上させるため、高頻度
かつ高品質のコンプライアンス研修を実施した。
当行のマネーロンダリング防止リスクを監視、分析および管理する能力を向上させた。中国の金融安全保障と社
会の安定を守る上で重要な役割を果たすため、当行はマネーロンダリング防止に関連するシステムの改善、疑わ
しい取引の監視モデルの最適化ならびにリスクの手がかりの収集、分析、調査および管理の強化を行った。
140/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行の制裁コンプライアンス管理の水準を強化した。当行は、制裁情報を分析し迅速に対応する能力を強化し、
関連政策を改善し、制裁リスクを特定する能力を強化し、制裁コンプライアンスの要件の実施を確実にするため
に、制裁コンプライアンスの知的管理のための企業レベルのプラットフォームの構築を促進した。
汚職行為および贈賄防止
当行は、3年間の「鋭利な矢計画」を違反事案防止のための行動プログラムとして採用し、 中国農業銀行違反事
案防止管理措置 、 中国農業銀行犯罪関連事案管理措置 、 違反事案の防止・管理の一層の強化に関する決定 および
その他の制度や措置を実施することで、防止および管理システムを改善し、当行の違反事案を防止および管理す
る能力を強化した。
当行の従業員の汚職および贈賄に対するモラルが高まった。当行は、従業員の違反行為の調査だけでなく、主要
な役職に就く従業員の監督・管理を強化するために、特徴的な「3本の線と1つの格子」様式を適用した。当行
は、通報された違反の手掛かりや早期警戒情報を検証する仕組みを改善し、従業員に法令・規則・規律に反する
内部通報を誠実に行うことを促し、通報者の権利利益を守るために厳秘を徹底することを要請した。当行は、社
員の汚職・贈収賄事件のリスクを未然に防止するため、すべての従業員に対し絶えず法令遵守の意識高めるた
め、違反事例の実演を通じた啓発活動を継続ることで、すべての従業員に対し法令遵守への意識を高めた。
内部監査
内部監査の構造
当行の監査部門は、取締役会や監査およびコンプライアンス委員会に対して説明責任を有し、監査報告を行う。
当該監査部門は、監査役会および幹部役員の管轄下に置かれており、監査結果をこれらに対して報告するものとす
る。監査部門は、本店の監査室および10の地方支部により構成される。監査室は、当行全体の監査業務の組成、管
理および報告について責任を負う。監査室の下部組織である地方支部は、それぞれの支店の監査・監督および修正
の監督を行い、取締役会によって承認された年次監査計画を実施し、監査室の取り決めに従って監査室に対して説
明責任を有し、その監督下に置かれる。さらに、監査部門は、かかる10の地方支部にあるものを除いて第一級支店
に設置された一方で、海外の運営機関および統合管理の子会社には独立内部監査機能が設置された。
141/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
内部監査の運営
当該報告期間において、取締役会の戦略的決定および外部の規制要件に従い、リスク志向の原則に基づいて、当
行は、実体経済への貢献、違反事案の内部統制および防止、与信事業、財務管理ならびに仲介業に焦点を当てたリ
スク管理監査を行った。当行は、対象を絞った貧困緩和、パンデミック予防・制御のための特別再融資、不良債権
の返済免除、マネーロンダリング防止に関するコンプライアンスおよび制裁に関するコンプライアンス、顧客利益
の保護、グループ・レベルでの連結管理、クレジットカードおよびETC事業ならびに情報技術管理を含む様々な側
面で、特別監査を行った。当行は、国外機関に対する監査を確実に促し、幹部役員の責任に対する監査を標準化し
た。また、内部および外部監査中に確認された問題の訂正に関して監督を行った。当行は、引き続き監査のデジタ
ル変革を推し進め、オフサイト監視活動を強化し、監査技能訓練を強化した。その結果、当行は、戦略的判断の実
行、当行の管理の基礎の改善および当行全体の事業における安定した成長を効果的に促進させた。
利害関係者とのコミュニケーション
株主とのコミュニケーション
情報開示
取締役会議長は、情報開示事務の管理について、主責任を負う。取締役会秘書役は、情報開示業務の企画および
調整を担当する。当行は、上場企業に対する規制要件を遵守し、基本制度、管理上の措置および業務上の指示を網
羅する情報開示体制を構築している。当行は、情報開示義務を誠実かつ真摯に履行し、法令に基づく情報開示業務
を遂行するとともに、情報開示における新たな発想を絶えず引き出し、真実、正確、完全、適時および公正な情報
開示を行う。
当該報告期間において、当行には重大な会計上の誤謬の訂正はなく、重大な情報の脱漏もなく、また公表された
業績予想に必要な訂正もない。
法定情報開示。2020年度において、当行は上海証券取引所と香港証券取引所で計348件の開示を行い、上海証券
取引所の情報開示に対する評価は「A」であった。
自主的な情報開示。当行は、市場や投資家の懸念に効果的に対応し、情報開示の透明性を向上させるため、ESG
情報の開示および開発戦略に関する施策や成果の開示を強化した。
内部情報の管理。当行は、継続的に内部情報の管理を強化し、インサイダーのコンプライアンスに対する意識を
向上させた。さらに、当行は、内部取引に関する年次自主審査会を開催し、インサイダーについて登録および申請
を行った。
投資家との関係
決算発表記者会見。当行は、2019年度決算および2020年度中間決算の2回の決算発表記者会見を開催した。
投資家・アナリスト会議。当行は、市場の主要な投資・研究機関を対象とした投資家・アナリスト向けの会議
を、現地会議やテレビ会議等さまざまな形で100回近く開催した。会議では、市場で話題になったテーマが深く議
論された。
オンライン質疑応答。上海証券取引所の電子的プラットフォームに関する投資家からのお問い合わせに定期的に
お答えし、2020年の北京上場企業のインターネット投資家が集う「集団受入日」というイベントに積極的に参加し
た。
資本市場サミット。当行は、およそ20の資本市場サミットに参加した。
その他投資家とのコミュニケーション。投資家からのお問い合わせにお応えするために、引き続き投資家ホット
ラインへの電話の受付やIRメールの受信を行った。
連絡先詳細。投資家によるお問い合わせまたは株主による前述についての助言、質問もしくは提案は、下記の連
絡先で受け付けている。
142/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
中国農業銀行股 份 有限公司取締役会事務局 投資家関係管理チーム
住所:中華人民共和国 北京市東城区建国門内大街69号
電話番号:86-10-85109619
ファックス番号:86-10-85126571
電子メール: ir@abchina.com
コーポレート・ガバナンスについてのその他の情報
コーポレート・ガバナンス準則
当行は、当該報告期間において、香港上場規則別紙14に規定された コーポレート・ガバナンス準則 のすべての原
則および準則規定に完全に準拠しており、ほぼすべての推奨されるベスト・プラクティスを実施していた。
取締役会は、積極的にそのコーポレート・ガバナンス職務を果たし、コーポレート・ガバナンスの関連あるシス
テムを引き続き改善し、当行のコーポレート・ガバナンスを評価し改善し続けた。取締役会の管轄下にある委員会
は、コーポレート・ガバナンスの適用ある要件に従って厳密にその職務を果たした。
コーポレート・ガバナンス評価
2020年度において、当行は、当行のコーポレート・ガバナンス体制およびその構造に関して、当事者のリーダー
シップ、株主のガバナンス、取締役会のガバナンス、監査役会および幹部役員のガバナンス、リスクに関する内部
統制、関連当事者取引のガバナンス、市場の制約ならびにその他の利害関係者のガバナンスといった8つの側面を
有する162の指標による包括的かつ詳細な自己評価調査を実施した。また、当行はCBIRCから規制評価を受けた。
当該報告期間における定款の大幅な変更
当該報告期間において、定款の大幅な変更はなかった。
取締役および監査役による証券取引
当行は、香港上場規則別紙10の「 上場会社の取締役による証券取引の規範準則 」の規定に従った取締役および監
査役による証券取引の行為規範を導入した。当行の取締役および監査役は、2020年12月31日に終了した事業年度に
おいて、かかる行為規範を確実に遵守した。
143/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
監査役会の報告
監査役会の業務
2020年度、監査役会は、当行のコーポレート・ガバナンス、企業改革および企業開発における正当な役割を果た
すため、職務執行の監督、金融上の監督、内部統制およびリスク監督等に焦点を当てた包括的事業の監督を行うこ
とを追求し、方法や手法を刷新し、監督の有効性を向上させ、法に従い独立して監督を行った。
監査役会は、中国共産党中央委員会および国務院の様々な決定および配属を決然と実行し、監督および研究活動
を実施した。監査役会は、パンデミックとの闘いおよび貧困との最後の闘いへの勝利、ならびにすべての側面にお
いて適度に繁栄した社会の構築に焦点を当てたが、これは、新たな状況および役割に適応するため、実体経済への
サービスの提供、金融リスクの防止および統制、ならびに金融改革の推進という3つの主要な役割に厳密に従うも
のであった。監査役会は、当行のCOVID-19パンデミックへの対応に細心の注意を払い、実体経済の回復および発展
を支援する金融サービスを提供し、主要な国および地域の開発戦略を扱い、三農および貧困との闘いのための金融
サービスを提供し、金融リスクを防止および軽減しながら、監督および調査を行った。監査役会は、関連業務の実
施を推進するため、監督調査を実施し、監督に対する勧告を行った。
監査役会は、職務執行に関するインタビューおよび評価を行い、取締役会および幹部役員のコンプライアンスお
よび能率的な職務の遂行を推進した。監視および分析、会議への出席、監督調査および職務執行の評価等を通じ
て、監査役会は、取締役会および幹部役員の職務執行を監督するため、職務執行の監督および評価の方法につい
て、引き続き改革および標準化を行った。特に、監査役会は、幹部役員およびその構成員の職務執行について十分
に理解するため、当行の特定の支店長、非執行取締役および本店の関連部門に対して、職務執行に関するインタ
ビューを行った。これに基づき、監査役会は、取締役会、監査役会および幹部役員ならびに個々の構成員に対して
職務執行の監督および評価を行った。
監査役会は、金融および業務活動を監督し、当行の安定した業務および質の高い発展を促進した。取締役会は、
金融および業務状況の監視および分析に関する報告ならびに外部監査会社の監査の報告を定期的に受け、当行の預
金事業開発、信用構造、信用リスクの防止および管理、ならびに手数料の引下げおよび利権政策の実施に細心の注
意を払っている。預金および貸出金の価格決定に関する規制機関のガイドラインおよび要件に従い、監査役会は、
預金の価格決定の管理に対する強化促進に関する勧告 の策定に基づき、当行の革新的な預金商品の価格決定につい
ての研究および調査を行った。監査役会の構成員は、適時に当行の財務および業務状況について理解するために幹
部役員の会議に出席し、幹部役員から包括的財務、連結財務書類の管理および報酬管理等に関する特別報告を受け
るために会議を開いた。監査役会は、監督および評価報告の策定に基づき、県域銀行事業の発展のための当行の戦
略的計画、方針および基本管理システムの実施を監督した。
監査役会は、改善を促進するため、内部統制に対する監督を行った。監査役会は、違反事例に係るリスクの防止
および管理、ならびに内部および外部の調査および是正において特定された問題の監視および分析に関する報告を
定期的に受けた。監査役会は、内部統制の構築、マネーロンダリング防止、海外の機関のコンプライアンス管理お
よび外国為替のコンプライアンス管理に関連する当行の業務に引き続き細心の注意を払った。監査役会は、内部統
制に関する年次監督および評価の報告を受け、内部統制に関する年次評価の報告を監視および承認した。この間、
監査役会は、内部統制の評価、内部統制の査定および格付けの方法の改善ならびに内部統制の欠陥および関連する
是正の特定に焦点を当てた。監査役会は、電子印鑑の管理に関するテーマの調査を実施し、関連する是正勧告を提
示した。
監査役会は、自身の構造を引き続き強化し、監督効率を改善した。監査役会は、取締役会および幹部役員とのコ
ミュニケーションの強化、パンデミックの期間における業務の流れの柔軟な調整、ならびに時間に対して遅れを取
らずに職務および責務を果たせるよう積極的にイニシアチブを追求することにより、監督メカニズムを改善した。
監査役会はその監督システムを改善し、監督業務のメカニズム保証を強化するために 中国農業銀行の監査役会の業
務規則 を修正した。監査役会は、監査役の情報要件の分類および定期的な業務情報の報告のためのメカニズムの構
築により、監査役が職務を遂行できるよう支援を強化し、監査役が職務を遂行するにあたり、包括的かつ適時な情
報支援を提供した。監査役会は、自身の強みを強化するため、株主代表監査役を指名した。監査役会は、監査役会
の構成員に対する指導を強化し、日々の監督および監視において正しく仕事を行うよう促し、監査役会に対する勧
告および意見の実施を追求し、監督の革新的な方法および手法を調査し、業務のイニシアチブおよび洞察力を向上
させ、サービスのレベルを改善させた。
144/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
在職の取締役、監査役および幹部役員に対して監査役会が行う職務執行の年次評価
取締役会、監査役会および幹部役員ならびにその構成員の職務執行の評価を行うため、監査役会は、2020年度に
標準化された秩序ある方法で、当行の定款に従い、職務執行の評価のための制度を策定した。非執行取締役、本店
の関連部門および第一級支店とのインタビューを通じて、監査役会は、当行のコーポレート・ガバナンス、改革お
よび展開ならびに運営および管理に関する意見および提案に耳を傾けた。日々の会議の出席、職務執行の情報収
集、取締役および監査役のそれぞれの自己評価および相互評価、幹部役員の自己評価およびアンケート調査によ
り、監査役会は、各職務に厳密に基づき、包括的および客観的に取締役会、監査役会および幹部役員ならびにその
構成員の職務執行を整理、分析および評価し、対応する職務執行の評価報告を作成し、職務執行のレベルを評価し
た。
監査役会の独立した意見
業務コンプライアンス
当該報告期間において、当行は、適用ある法律および規則に従って業務コンプライアンスを厳格に遵守し、引き
続き内部統制システムを最適化した。取締役および幹部役員は、任務を真摯に遂行した。監査役会は、取締役およ
び幹部役員の任務の遂行において法律、規則および定款に違反する可能性または当行の利益の毀損を招く可能性の
ある行為を発見していない。
年次報告書
年次報告書の作成および審査の手順は、法律、行政法規および規制上の要件を遵守していた。かかる報告書は、
当行グループの連結の財務状態および経営成績について真正かつ正確で完全な見解を示している。
情報開示
当該報告期間において、当行は、情報開示に関連する方針および手法を誠実に実施し、情報開示の職務を遂行
し、虚偽の報告、誤解を招く表示または重大な脱漏なしに、真正かつ正確で完全な方法で情報を開示した。
県域銀行事業
当該報告期間において、当行の県域銀行部門は、外部の規制上の要件に従い事業を行った。
資産の取得および処分
当該報告期間において、監査役会は、インサイダー取引または株主の利益の毀損もしくは当行による資産の取得
もしくは処分の過程における当行の資産の損失を招く可能性のある行為を発見していない。
関連当事者取引
当該報告期間において、監査役会は、関係当事者取引において、当行の利益の毀損を招く可能性のある行為を発
見していない。
内部統制
監査役会は、 中国農業銀行2020年度内部統制評価報告書 の結果について異議を付さなかった。
145/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取締役、監査役および幹部役員の職務執行評価
在職の取締役、監査役および幹部役員は、年次職務執行評価において「満足」との評価を受けた。
上記を除き、監査役会は、当該報告期間において、その他の監督下にある事項について異議を付さなかった。
監査役会の命令により
王敬東
監査役会会長
2021年3月30日
株主の権利
臨時総会の開催
当行は、規制要件および関連するコーポレート・ガバナンスの規則に厳重に従い、株主の権利を保護している。
単独または共同で、当行の全議決権付株式の10%超の議決権付株式を保有する株主(以下「請求権を有する株主」
という。)は、取締役会に臨時総会開催を請求および書面にて取締役会に提案を提出することができる。取締役会
が臨時総会開催を拒否した場合または提議を受領後10日以内の回答を怠った場合、請求権を有する株主は、監査役
会に臨時総会開催を請求および書面にて監査役会に提案することができる。監査役会が規定の期間内にかかる臨時
総会の通知を怠った場合、臨時総会を開催しその議長となることができなかったものとみなされ、当行の全議決権
付株式の10%以上を単独または共同で継続して90日以上保有する株主は、臨時総会を開催しその議長となる権利を
有する。
照会
株主は、定款に従い、取締役会へ照会し、該当する情報を取得する権利を有する。株主は、当行の営業時間内に
おいて、株主総会議事録の複製を無料で閲覧できる。株主が関連ある株主総会議事録の写しの取得を当行に請求す
る場合、当行は適切な手数料の受領後7日以内にかかる写しを送付するものとする。関連ある情報の閲覧または取
得を請求する株主は、その保有する株式のクラスおよび株式数を証する書面を当行に提出するものとし、当行はそ
の株主の身元を確認次第、かかる情報を提供するものとする。取締役会事務局は、その日常業務に関し取締役会を
補助する責任を負う。株主による問い合わせは、取締役会事務局で受け付けている。
株主総会への提案
単独または共同で、当行の全議決権付株式の3%超を保有する株主(以下「提案する権利を有する株主」とい
う。)は、提案を提出することができる。かかる提案する権利を有する株主は、株主総会開催日の10日前までに書
面にて提案を取締役会に提出することができる。取締役会事務局は、株主総会を設定し、かかる会議の文書を準備
しかつ議事録を作成する責任を負っている。
優先株式の保有者に関する特別な規制
優先株式の保有者は、当行に以下のいずれかの状況が発生した場合、議決権を行使する権利を有する。(1)優先
株式に関する定款上の規定に変更があった場合、(2)総額で当行の登録資本の10%超となる減資もしくは一連の減
資、(3)当行の合併、分割、解散もしくは会社形態の変更、(4)当行による優先株式の発行または(5)法律、行政法
規および当行の定款によって定められたその他の状況。
上記のいずれかの状況が発生した後、優先株式の保有者は株主総会に出席する権利を有し、当行はオンライン投
票を提供する。かかる総会の通知は、優先株式の保有者に送付され、定款に記載される普通株主を対象とした通知
手続に基づくものとする。
当行が優先株式に係る配当の支払いを合計で3会計年度または連続で2会計年度にわたって怠った場合には、優先
株式の保有者は、当該会計年度の利益処分案で合意された優先株式に係る配当の分配を行わないと株主総会で決議
された日の翌日から株主総会に出席し、普通株式の保有者と共に投票する権利が与えられる。議決権は、当該会計
年度の当該優先株式に係るすべての配当が分配されるまで復権される。
146/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
少数株主の利益の保護
1 株1議決権の実施
当行は株主間の1株1議決権を厳格に実施した。当行の株式は、公平および公正の原則に基づき発行されるものと
し、同じクラスの各株式は同一の権利を有する。同時に発行される同じクラスの株式については、各株式は、同一
の条件で同一の価格で発行されるものとする。株式を引き受けるすべての事業体もしくは個人は、各株式について
同一の価格を支払うものとする。株主は、保有する株式のクラスおよび数量に従い権利を享受し、義務を負う。同
じクラスの株式を保有する株主は、(1)彼らが保有する株式の数に基づき、配当およびその他の利益の分配を受
ける権利、(2)株主総会に出席またはその代理人を選任する権利および保有株式数に基づき議決権を行使する権
利等を含む同一の権利を有する。
コミュニケーションチャネル
当行の株主総会は、現地での会合の形で開催される。少数株主は、当行の株主総会に出席するかまたは出席する
代理人を選任し、現地またはオンラインでの投票により自らの保有株式数に応じた議決権を行使する権利を有す
る。
少数株主は、関連する法令および定款の要件に従い、当行の株式資本の状況、株主総会議事録、公表済の財務会
計報告書、中間報告書および年次報告書を含む当行の関連情報を取得する権利を有する。
独立非執行取締役の役割
定款第151条は、重大な関連当事者取引、利益処分案および利益処分方針の変更、取締役の指名または任免、幹
部役員の任命および解任、取締役および幹部役員の報酬ならびに外部監査人の任命等の少数株主の利益の保護に関
する事項につき、独立非執行取締役が客観的、公正かつ独立した意見を述べなければならない旨規定している。
2020年度において、当行の独立非執行取締役は、2019年度の利益処分案、2020年度の監査人の任命、2021年度の
監査人の任命、張旭光氏の執行取締役候補者としての指名、 黃 振中氏の独立非執行取締役候補者としての指名、廖
路明氏の非執行取締役候補者としての指名、朱海林氏の非執行取締役候補者としての指名、周済氏の非執行取締役
候補者としての指名、徐瀚氏の執行副総裁としての指名、2019年度の取締役の報酬、2019年度の幹部役員の報酬、
韓国強氏の取締役会秘書役および会社秘書役としての指名等の議案につき客観的、公正かつ独立した意見を述べ
た。当行の独立非執行取締役は、議案の内容および審議手続が関連する法令および当行の定款の要件を遵守してお
り、当行およびすべての株主の利益(とりわけ少数株主の利益)を損なうような状況は存在しないと考えている。
選任および免職、定足数ならびに取締役の資格の必要条件に関しては、「第1-1-(1)提出会社の属する
国・州等における会社制度」を参照のこと。
147/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2)【役員の状況】
① 当行の取締役、監査役および幹部役員
男性取締役・役員:23名、女性取締役・役員:4名(役員のうち女性の比率:15%)
(a) 当行取締役
(本書日付現在)
役名 氏 名 所有
および職名 (年齢) 略 歴 株式 数
取締役会会長、 谷 澍 (GU Shu)(53 谷 澍 氏は、上海財経大学の経済学の博士号を取得してお 0
執行取締役 り、上級会計士である。同氏は、2021年1月から当行の執
歳)
行取締役を、2021年2月から当行の取締役会会長および執
行取締役を務めている。同氏はこれまでに、経理決済部
の副部長、企画財務部の副部長、財務会計部の部長、取
締役会秘書兼経営戦略投資家広報部の部長および中国工
商銀行の山東支店の支店長を務めた。同氏は、2013年10
月に中国工商銀行の執行副総裁に、2016年10月に中国工
商銀行の総裁に任命された。同氏は、2016年12月に中国
工商銀行の取締役会副会長、執行取締役および総裁を務
めた。
取締役会副会 張青松(Zhang 張青松氏は、中国人民銀行大学院にて経済学を専攻し、 0
長、執行取締 修士号を取得しており、研究員補である。同氏は、2019
Qingsong)(55歳)
役、総裁 年11月に当行の総裁に任命され、2020年1月から取締役会
副会長、執行取締役および総裁を務めている。同氏は中
国銀行において、資産負債管理部の副部長、財務部の副
部長、グローバル市場部の主任、グローバル市場課の主
任、グローバル市場課の課長、香港トレーディング・セ
ンター(香港支店)の所長、シンガポール支店の部長お
よび本店清算部の部長を含む複数の役職を歴任した。同
氏は、2016年11月に中国銀行の執行副総裁、2018年8月に
は中国銀行の執行取締役兼副総裁に任命された。同氏は
2018年12月、中国輸出入銀行の副会長および総裁に任命
された。同氏は、中国農村金融研究所の会長を兼任して
いる。
執行取締役、執 張旭光(ZHANG 張旭光氏は、北京大学で法学の修士号を取得し、また米 0
行副総裁 国のミネソタ州立大学で法学の修士号を取得しており、
Xuguang)(56歳)
シニア・エコノミストである。同氏は、2019年12月に当
行の執行副総裁に任命され、また2020年10月から執行取
締役および執行副総裁を務めている。同氏は以前、中国
航空技術輸出入総公司に勤務した。また、同氏はこれま
でに、中国国家開発銀行において、天津市支店の副支店
長、業務執行室の副室長、および広西チワン族自治区支
店の支店長を務めた。同氏はまた、国開金融有限責任公
司の総裁および中国国家開発銀行の投資総責任者を務め
た。同氏は、2013年12月に中国国家開発銀行の執行副総
裁に任命された。
非執行取締役 朱海林(ZHU Hailin) 朱海林氏は、財政科学研究所で経済学の博士号を取得し 0
ている。同氏は、国務院により政府特別手当を受けてい
(55歳)
る専門家であり、会計士(非業務会計士)であり、博士
号候補生の指導教員である。同氏は現在、中央匯金投資
有限責任公司に勤務しており、2020年6月から当行の非執
行取締役を務めている。1992年8月より、同氏はMOFの会
計部において副部長および部長、MOFの公認会計士評価認
証センターにおいて副主任(副局長級)を歴任した。同
氏は、2017年7月に中国建設銀行の非執行取締役を務め
た。
148/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
非執行取締役 廖路明(Liao 廖路明氏は、MOFの公共財政科学研究所で財政学の博士号 0
を取得している。同氏は現在、中央匯金投資有限責任公
Luming)(57歳)
司に勤務している。同氏は、2017年8月から当行の非執行
取締役を務めている。同氏は、1985年8月からMOFでの勤
務を開始し、その後MOFの総務室において研究課の主任、
情報課の副主任および主任、および広報課の主任を歴任
した。同氏は、2003年1月にMOFの総務室の副主任に、
2012年1月にはMOFの党委員会の局長級幹部に任命され、
また2012年2月にはMOFの党委員会の常務副書記(局長
級)に任命された。
非執行取締役 李奇雲(Li Qiyun) 李奇雲氏は、中国人民大学情報学部で数量経済学の修士 0
号を取得しており、上級エンジニアである。同氏は現
(57歳)
在、中央匯金投資有限責任公司に勤務している。同氏
は、2018年6月から当行の非執行取締役を務めている。同
氏はこれまでに、MOFの計算センターにおいてエンジニア
補佐およびエンジニアを、またMOFの情報ネットワーク・
センターにおいて副主任、上級エンジニア、副チーフ・
エンジニア(主任レベル)および 副部長(副局長級)を
務めた。
非執行取締役 李蔚(Li Wei) 李蔚氏は、浙江済経大学の卒業で、財政学士号を取得し 0
ており、上級会計士である。同氏は現在、中央 匯 金投資
(54歳)
有限責任公司に勤務しており、また2019年5月から当行の
非執行取締役を務めている。同氏は、 これまでに寧波市
財税局予算課の副主任科員、主任科員および副課長、な
らびに財政部寧波支局の業務1課の副主任、主任、副局長
および副監査役を務めた。
非執行取締役 呉 江濤(Wu 呉 江濤氏は、MOFの財政科学研究所で博士号を取得してお 0
り、上級会計士である。同氏は現在、中央匯金投資有限
Jiangtao)(49歳)
責任公司に勤務している。同氏は、2019年7月から当行の
非執行取締役を務めている。同氏はこれまでに重慶天健
会計士事務所股 份 有限公司 においてプロジェクト担当責
任者、部門の副部長、部門の部長、およびパートナー、
ならびに華夏銀行股 份 有限公司 において本店監査部門の
副部長および北京支店の副総裁を務めた。2016年9月よ
り、同氏は華夏銀行股 份 有限公司 の本店の監査部門の部
長を務めている。
非執行取締役 周済(ZHOU Ji)(48 周済氏は、中国人民大学の国民経済管理学部で国民経済 0
企画管理学の修士号を取得しており、エコノミストであ
歳)
る。同氏は現在、中央匯金投資有限責任公司に勤務して
いる。同氏は2021年3月から、当行の非執行取締役を務め
ている。同氏はかつて、国家外貨管理局(「SAFE」)に
おいて、国際収支部の副部長および国際収支局の分析予
測部の副部長、SAFEの国際収支局の国際収支統計部の部
長ならびにSAFEの国際収支局の副局長および資本収支管
理局の副局長を務めた。
149/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
独立非執行取締 肖星(Xiao Xing) 肖星氏は、会計学の 博士号を取得 している。同氏は現 0
役 在、清華大学の経済管理学院の会計学部部長および教授
(50歳)
であり、清華大学のグローバル・プライベート・エクイ
ティ研究院の副院長である。同氏は、2015年3月から当行
の独立非執行取締役を務めている。同氏は、研究のため
に、上席客員研究員としてハーバード大学、マサチュー
セッツ工科大学およびウィスコンシン大学を訪問した。
同氏は、2011年にフルブライト奨学生に選ばれた。同氏
はこれまでに、国家開発銀行の専門委員会の委員、世界
銀行の独立諮問専門家、北京華宇軟件股 份 有限公司 の独
立取締役および歌 尔 声学股 份 有限公司の独立取締役 等を
務めた。同氏は、全国会計専業修士教育指導委員会の委
員、教育部の会計専業修士教育指導委員会の委員、なら
びに芒果エクセレント・メディア股 份 有限公司 、華熙バ
イオテック股 份 有限公司 および愛心生命保険股 份 有限公
司 の独立取締役を兼務している。
独立非執行取締 王欣新(Wang 王欣新氏は、法学の学士号を取得しており、現在中国人 0
役 民大学において法科大学院経済法学科の 教育・研究室の
Xinxin)(68歳)
教員ならびに教授および博士候補生の指導教員を務めて
いる。同氏は、2016年5月から当行の独立非執行取締役を
務めている。同氏はかつて、全国人民代表大会財政経済
委員会において企業破産法の起草委員会の委員を務め
た。同氏はまた、中国人民大学破産法研究所の主任、北
京破産法学会の会長、山東省法学会企業破産および再編
研究会の名誉会長、広東省法学会破産法研究会の名誉会
長、山西省法学会破産および再編研究会の名誉会長、湖
南省法学会企業破産および再編研究会の名誉会長、上海
市法学会破産法研究会の顧問、河南省法学会破産法研究
会の顧問、中国法学会経済法研究会の常務理事ならびに
北京市法学会の常務理事を兼任している。同氏は、最高
人民法院破産法司法解釈の起草委員会の顧問および最高
人民法院司法案例研究院の主席研究員の一員である。同
氏は、2015年より連合国国際貿易法委員会第五分科会
(破産法) の中国代表団の専門顧問を務めている。 同氏
はまた、紫光股 份 有限公司 、海南京粮控股股 份 有限公司
および天奈科技股 份 有限公司 の独立取締役をそれぞれ務
めている。
独立非執行取締 黃 振中(Huang 黃 振中氏は、法学の博士号を取得している。同氏は現 0
役 在、北京師範大学法学院の教授および博士候補生の指導
Zhenzhong)(56歳)
教員、ならびに中国企業家犯罪予防研究センターの副主
任である。同氏は、2017年9月から当行の独立非執行取締
役を務めている。同氏はかつて、中国石化集団の資産経
営管理部において企業改革課の次長兼シニア・エコノミ
スト、北京師範大学法学院の副院長および法律顧問室の
主任、西藏自治区検察院の副検察長および検察委員会の
委員、ならびに慈文伝媒股 份 有限公司 、雲南景谷林業股
份 有限公司 および北京利德曼生化股 份 有限公司 の独立取
締役を務めた。同氏は現在、中国法学会のエネルギー法
研究委員会の常務理事、中国国際経済貿易仲裁委員会の
仲裁員、中国国際商工会議所の調停センターの調停員、
天津仲裁委員会の仲裁員、海南仲裁委員会の仲裁員、北
京市京師律師事務所の終身名誉主任、英国仲裁人協会の
会員、ならびに中石化石油機械股 份 有限公司 および中節
能太陽能股 份 有限公司 の独立取締役を兼務している。
150/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
独立非執行取締 梁高美懿・マーガレッ 梁高美懿・マーガレット氏は、香港大学の経済学、会計 0
役 ト(Leung Ko May 学および経営学の学士号を取得している。同氏は、香港
特別行政区により銀紫荊星章および太平紳士を授与され
Yee, Margaret)(68
た。同氏は、2019年7月から当行の独立非執行取締役を務
歳)
めている。同氏はこれまでに、創興銀行有限公司の副会
長および最高経営責任者、恒生銀行有限公司の取締役会
副会長兼最高経営責任者、HSBCグループの本部長兼工商
事業部のグローバル共同責任者、HSBCの取締役、および
ウェルズ・ファーゴHSBCトレード・バンクの取締役、な
らびに中国建設銀行、香港証券取引決済所、利豊有限公
司およびQBEインシュアランス・グループ・リミテッド
(オーストラリア証券取引所上場)の独立非執行取締役
等を務めた。同氏は現在、第一太平有限公司および新鴻
基地産発展 有限公司 の独立非執行取締役、ならびに中国
人民政治協商会議全国委員会の委員を務めている。
独立非執行取締 劉守英 (Liu 劉守英氏は、中国人民大学経済学大学院の二級教授およ 0
役 び博士候補生の指導教員、中国全国供給販売合作社の取
Shouying)(56歳)
締役、中国農業技術経済学会の副会長、中国土地学会の
常務理事、および中国都市農村開発 国際交流協会の副会
長を 務めている。同氏は、2019年7月から当行の独立非執
行取締役を務めている。同氏はこれまでに、国務院の開
発研究センターの学術委員会の副事務局長、農村経済研
究部の副部長、国務院の開発研究センターの都市農村
コーディネーション 基礎領域主任、中国経済時報の社長
および編集長を 務めた。
151/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(b) 当行監査役
(本書日付現在)
役名 氏 名 所有
および職名 (年齢) 略 歴 株式 数
監査役会会長、 王敬東(Wang 王敬東氏は、華中農業大学の農学学士を取得しており、 0
株主代表監査役 上級エンジニアである。同氏は、2018年11月から当行の
Jingdong)(58歳)
監査役会会長および株主代表監査役を務めている。同氏
は、 農牧漁業部に勤務し、続いて、国家経済委員会およ
び国家農業投資公司で勤務した。同氏は、国家開発銀行
において、黒竜江省支店の副支店長、本店人事部の副部
長、本店事業評価三局の局長、北京支店の支店長および
本店人事部の部長等を歴任した。同氏は、2013年12月よ
り中国工商銀行股 份 有限公司 の執行副総裁、2016年12月
より中国工商銀行股 份 有限公司 の執行取締役兼執行副総
裁を務めている。
株主代表監査役 范建強(FAN 范建強氏は、香港工科大学で修士号を取得しており、上 0
級監査人およびシニア・エコノミストである。同氏は、
Jianqiang)(56歳)
2020年11月から当行の株主代表監査役を務めている。同
氏はこれまでに、成都の監査局の特別委員会の財務監査
課の第二局および人事教育局の局長を務めた。同氏は、
2009年7月から成都地方支部の準備チームの副責任者、監
査室の成都地方支部の副支部長および当行の監査室の武
漢地方支部の副支部長を歴任した。同氏は、2013年10月
から当行の監査室の副室長(副局長級)を務めた。同氏
は、2014年4月から当行の監査室の副室長を務めた。同氏
は、2018年3月に当行の監査室の西安地方支部の室長を務
めた。
従業員代表監査 夏太立(Xia Taili) 夏太立氏は湖北財経学院で哲学の学位を取得しており、 0
役 上級政治家である。同氏は2018年8月から、当行の従業員
(58歳)
代表監査役を務めている。同氏はこれまでに、中央紀律
検査委員会の第二紀律検査課の第二局および総務局の局
長、中央紀律検査委員会の第二紀律検査課の副局級紀律
検査委員および監察員、ならびに中央紀律検査委員会の
第七紀律検査課の副局級紀律検査委員および監察員を務
めた。同氏はこれまでに様々な役職を歴任し、2013年2月
には当行の調査業務指導グループ局の主任、2014年4月に
は当行の紀律委員会の副書記および監査部部長、2014年
12月には当行の従業員代表監査役、紀律委員会の副書記
および監査部部長、2015年3月には当行の従業員代表監査
役、紀律委員会の副書記および監査部部長、2015年9月に
は当行の従業員代表監査役、紀律委員会の副書記、監査
部部長および調査業務指導グループ局の主任、2018年1月
には当行の紀律委員会の副書記、監査部部長および調査
業務指導グループ局の主任、ならびに2019年4月には当行
の従業員代表監査役ならびに中央紀律検査委員会および
国家監察委員会の当行における紀律検査・監査チームの
副責任者に任命された。
従業員代表監査 邵利洪(Shao 邵利洪氏は、湖南財経学院で 経済学の修士号を取得して 0
役 おり、 シニア・エコノミストである。同氏は 2018 年 8月か
Lihong)(48歳)
ら 当行の従業員代表監査役を務めている。 同氏はこれま
でに、当行において、事務局の副局長級秘書官、不動産
与信部の不動産開発課、不動産開発2課および総合業務課
の副課長、不動産与信部の個人住宅事業課の課長、個人
業務部の住宅与信課の課長、住宅金融および個人与信部
の住宅与信課の課長、住宅金融および個人与信部の副部
長、 個人向け銀行業務部の副部長を含む様々な役職を歴
任した。同氏は、 2018 年4月に労働組合業務部/総務部の
部長を務めた。
152/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
従業員代表監査 武剛(Wu Gang)(55 武剛氏は、天津大学にて経営工学を専攻し、修士号を取 0
役 得しており、シニア・エコノミストである。同氏は2019
歳)
年10月から当行の従業員代表監査役を務めている。同氏
はこれまでに、業務四課の課長、当行の法人向け銀行業
務部の部長補佐および副部長、大口顧客部/營業部の部
長兼北京支店の党委員会委員および副支店長を務め、
2014年6月には河南支店の党委員会書記および支店長に任
命された。 同氏は 2018 年5月から本店の監査室の室長 を務
めている。
外部監査役 李旺(Li Wang) 李旺 氏は、法学の博士号を取得している。同氏は、2015 0
年6月から当行の外部監査役を務めている。同氏は、1997
(57歳)
年11月から清華大学法学部において勤務しており、現在
は大学の教授および博士候補生の指導教員である。同氏
はかつて、京都大学法学部の授業助手ならびに日本の阪
本法律事務所、日本の弁護士法人大江橋法律事務所およ
び北京の京融法律事務所の弁護士を務めた。同氏は、北
京の天馳君泰法律事務所の弁護士および首創置業股 份 有
限公司 の独立取締役を兼任している。
外部監査役 張傑(Zhang Jie) 張傑氏は、経済学の博士号を取得している。同氏は、 0
2018年11月から当行の外部監査役を務めている。同氏
(56歳)
は、教育部の「長江奨学生プログラム」の特別教授、国
家「万人英才プログラム」の優秀教員であり、国務院に
より政府特別手当を受けている専門家である。同氏はこ
れまでに、陝西財経学院の金融財政学院院長、西安交通
大学の経済・金融学院副院長および中国人民大学の財政
金融学院副院長等の役職を務めた。同氏は現在、中国人
民大学の財政金融学院の第二級の教授、博士候補生の指
導教員および国際貨幣研究所(IMI)所長、中国金融学
会、中国国際金融学会、中国都市金融学会および中国農
村金融学会の常務理事等を務めている。
外部監査役 劉紅霞(Liu 劉紅霞氏は、管理学の博士号を取得している。同氏は、 0
2018年11月から当行の外部監査役を務めている。1999年
Hongxia)(57歳)
から現在まで、中央財経大学会計学院の教授、博士候補
生の指導教員および博士課程修了者の協力指導官を務め
てきた。同氏は以前に、北京財貿学院の助教、山東財政
学院の講師、北京中州会計士事務所の監査人、中央財政
管理幹部学院の副教授を務めた。同氏はこれまでに、招
商銀行、方大錦化化工科技股 份 有限公司 、北京金自天正
智能控制股 份 有限公司 、上海新黄浦置業股 份 有限公司 、
南国置業股 份 有限公 司 、山東恒邦精錬股 份 有限公司 およ
びの河北興台農村商業銀行股 份 有限公司 等の独立取締役
を務めた。同氏は現在、信達地産 股 份 有限公司 、 中国長
江航運集団南京油運股 份 有限公司 、九陽股 份 有限公司 、
大連天心娯楽 股 份 有限公司 等の独立取締役を務めてい
る。
153/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(c) 当行幹部役員
(本書日付現在)
役名 氏 名 所有
および職名 (年齢) 略 歴 株式 数
取締役会副会 張青松(Zhang 張青松氏の詳細な経歴については、上記「(a) 当行取締 0
長、執行取締
Qingsong)(55歳) 役」を参照のこと。
役、総裁
執行取締役、執 張旭光(ZHANG 張旭光氏の詳細な経歴については、上記「(a) 当行取締 0
行副総裁
Xuguang)(56歳) 役」を参照のこと。
執行副総裁 林立(LIN Li)(52 林立氏は、西南財経大学で経済学の博士号を取得してお 0
り、シニア・エコノミストである。同氏は、2021年3月か
歳)
ら当行の執行副総裁を務めている。同氏はこれまでに国
家原材料投資公司および国家開発銀行に勤務した。同氏
はこれまでに、中国光大集団公司の総務室の副室長およ
び室長、取締役および取締役会秘書役(中国光大集団公
司の改革発展指導グループ室の室長、中国光大集団股 份
公司 (香港)の執行取締役局の局長、光大永明保険公司
の取締役および中国光大投資管理公司の監督委員会会長
を兼任)ならびに中国光大銀行の執行副総裁および上級
執行副総裁(中国銀聯の取締役を兼任)を務めた。同氏
は、2014年1月に中国農業開発銀行の副総裁に任命され、
2018年2月に中国農業開発銀行の執行取締役および副総裁
を務めた。
執行副総裁 崔勇(Cui Yong)(51 崔勇氏は、西安公路学院で工学の学士号を取得してお 0
り、シニア・エコノミストである。同氏は、2019年5月か
歳)
ら当行の執行副総裁を務めている。同氏はこれまでに交
通部および国家発展改革委員会に勤務した。また同氏
は、中国工商銀行において、業務1部の副部長、青島支店
の副支店長、厦門支店の支店長、北京支店の副支店長お
よび本店の法人向け銀行業務部の部長を含む様々な役職
を務めた。同氏はこれまでに、中国銀行協会シンジケー
ト委員会の事務総長および中国銀行間市場公益商協会の
専門家を兼任した。同氏は現在、中国決済清算協会の副
会長を兼任する。
執行副総裁 徐瀚(XU Han)(55 徐瀚氏は、上海工業大学で工学の修士号を取得してお 0
り、上級エンジニアおよび国務院の国務院手当により政
歳)
府特別手当を受けている専門家である。2020年10月よ
り、同氏は当行の執行副総裁を務めている。同氏はこれ
までに、交通銀行において、香港支店のIT部門の副部
長、コンピュータ部門の副部長、パシフィック・クレ
ジット・カード・センターの副CEO(国内事業のCEO)お
よびCEO、個人金融部門(消費者権利保護部門)の部長お
よびネットワーク・チャネル部門の部長、個人金融部門
(消費者権利保護部門)の部長およびインターネット・
センター(オンライン・センター)の最高経営責任者な
らびに最高業務責任者(小売民間事業分野)および個人
金融部門(消費者権利保護部門)の部長を含む様々な役
職を歴任した。
最高リスク責任 李志成(Li 李志成氏は、陝西財経学院の経済学の修士号を取得して 0
者 いる。同氏は、2017年2月から当行の 最高リスク責任者を
Zhicheng)(58歳)
務めている。同氏は、かつて当行の武漢管理幹部学院の
院長補佐、本店のリサーチ室の副主任および河北省支店
の副支店長を含む当行の複数の役職を務めていた。同氏
は、2005年6月から当行のリサーチ室の主任、吉林省支店
の支店長および江蘇省支店の支店長を歴任した。同氏
は、2014年7月から当行の最高投資責任者を務め、香港支
店の総経理の役職を兼任した。
154/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取締役会秘書役 韓国強(HAN 韓国強氏は、蘭州大学で経営管理学の修士号を取得して 0
おり、シニア・エコノミストである。同氏は2020年11月
Guoqiang)(54歳)
から、当行の取締役会秘書役を務めている。同氏はこれ
までに、当行の甘粛省支店の研修所の副所長および所長
ならびに当行の甘粛省支店の支店長補佐および副支店長
を務めた。2014年5月より、同氏は当行の甘粛省支店の支
店長を務めた。同氏は、2016年8月から当行の重慶市支店
の支店長を務めた。
155/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
② 当行の取締役、監査役および幹部役員への報酬
取締役、監査役および幹部役員の報酬
2015年1月1日以降、当行の取締役会会長、総裁、監査役会会長および執行副総裁の報酬は、関連する国の規制に
沿われなければならず、当行は、これに従い報酬を支払っている。2020年度における取締役、監査役および幹部役
員の最終的な報酬は今後確定する予定であり、当行が今後行う発表により開示される。
2020 年度中の当行の取締役、監査役および幹部役員に支払われた報酬
2020 年度の支払報酬(税引前)(単位:1万人民元)
株主または
合計
当行による社会保 その他の関連
(4)=(1)+
支払報酬 険、企業年金およ 取締役給与/監 当事者による
氏名 役名および職名 任期 (1) び住宅手当(2) 査役給与(3) (2)+(3) 報酬の有無
谷 澍 取締役会会長、執 2021 年1月~
行取締役 2024年1月 - - - - 無
張青松 取締役会副会長、 2020 年1月~
執行取締役、総裁 2023年1月 61.94 14.95 - 76.89 無
張旭光 執行取締役、執行 2020 年10月~
副総裁 2023年10月 55.74 14.57 - 70.31 無
朱海林 非執行取締役 2020 年6月~
2023年6月 - - - - 有
廖路明 非執行取締役 2017 年8月~
2023年6月 - - - - 有
李奇雲 非執行取締役 2018 年6月~
2021年6月 - - - - 有
李蔚 非執行取締役 2019 年5月~
2022年5月 - - - - 有
呉 江濤 非執行取締役 2019 年7月~
2022年7月 - - - - 有
周濟 非執行取締役 2021 年3月~
2024年3月 - - - - 有
肖星 独立非執行取締役 2015 年3月~
2021年5月 - - 41.00 41.00 有
王欣新 独立非執行取締役 2016 年5月~
2022年5月 - - 38.00 38.00 有
黃 振中 独立非執行取締役 2017 年9月~
2023年6月 - - 38.00 38.00 有
梁高美懿 独立非執行取締役 2019 年7月~
2022年7月 - - 36.99 36.99 有
劉守英 独立非執行取締役 2019 年7月~
2022年7月 - - 36.00 36.00 無
王敬東 監査役会会長、株 2018 年11月~
主代表監査役 2021年11月 61.94 14.95 - 76.89 無
范建強 株主代表監査役 2020 年11月~
2023年11月 - - - - 無
夏太立 従業員代表監査役 2018 年8月~
2021年8月 - - 5.00 5.00 無
邵利洪 従業員代表監査役 2018 年8月~
2021年8月 - - 5.00 5.00 無
武剛 従業員代表監査役 2019 年10月~
2022年10月 - - 5.00 5.00 無
李旺 外部監査役 2015 年6月~
2021年11月 - - 28.00 28.00 有
張傑 外部監査役 2018 年11月~
2021年11月 - - 31.00 31.00 無
劉紅霞 外部監査役 2018 年11月~
2021年11月 - - 30.00 30.00 有
崔勇 執行副総裁 2019 年5月~
55.74 14.57 - 70.31 無
執行副総裁
徐瀚 2020 年10月~ 32.52 9.23 - 41.75 無
李志成 最高リスク責任者 2017 年2月~ 97.41 20.76 - 118.17 無
韓國強 取締役会秘書役 2020 年11月~ 8.11 1.76 - 9.87 無
156/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
注:(1) 当行の 取締役、監査役および 幹部役員である従業員は、当行から報酬を受ける権利がある。包括報酬には、当行から
支払われる給与、賞与ならびに各種社会保障および住宅手当が含まれる。当行の独立非執行取締役は、取締役給与を
受ける権利がある。当行の外部監査役は、監査役給与を受ける権利がある。当行の取締役会会長、執行取締役および
幹部役員は、当行の子会社からいかなる報酬も受領していない。当行の従業員代表監査役について、上記の表に記載
されている金額は、監査役としての業務の給与のみを含む。
(2) 当行の非 執行取締役である朱海林氏、廖路明氏、李奇雲氏、李蔚氏、呉江濤氏および周濟氏は、当行からの 報酬 を受
けなかった。
(3) 元取締役会会長および執行取締役である周慕冰氏は、2020年度にお ける当行での在任期間中に、768.9千人民元の報
酬を受領した。
(4) 当行の 元執行取締役および執行副総裁である張克秋氏は、 2020 年 度における当行での在任期間中に、642.6千人民元
の報酬を受領した。
(5) 元非執行取締役である徐建東氏 および陳剣波 氏は、2020年度において、 当行からの取締役給与を受けなかった 。
(6) 范建強 氏は、 2020 年度において、当行の株主代表監査役として、当行からの報酬を受けなかった 。
(7) 元株主代表監査役である王醒春氏は、 2020 年度において、当行の株主代表監査役として、当行からの報酬を受けな
かった 。
(8) 元 取締役会秘書役である周万阜 氏は、 2020年 度 における当行での在任期間中に、291.5千人民元の報酬を受領した。
(9) 2020年 度 において、当行の取締役、監査役および幹部役員(元取締役、元監査役および元幹部役員を含む。)に対し
支払われた報酬(税引前)の合計は、9,987.9千人民元であった。
(10) 2021 年 6月11日に退任した元執行副総裁である湛東升氏は、2020年度における当行での在任期間中に、703.1千人民元
の報酬を受領した。
株式インセンティブ・プランの実施
報告期間中、当行は、役員向けストック・アプリケーション・ライト・プランおよび従業員持株制度等の株式イ
ンセンティブ・プランを実施しなかった。
下記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-7」を参照のこと。
157/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(3)【監査の状況】
(a) 監査役会、内部監査および監査人
① 監査役会および内部監査
上記「第5-3 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」の「監査役会の
報告」および「内部監査」の項を参照のこと。
② 監査人
当行の2019年度の年次株主総会の可決によって、当行は、プライスウォーターハウスクーパースを当行の2020年
度の会計事務所として起用した。プライスウォーターハウスクーパースは、2013年度から2020年度の8年間連続で
当行に監査サービスを提供している。
CASおよびIFRSに従って作成された当行グループの2020年度の連結財務書類は、プライスウォーターハウスクー
(1) (2)
パース中天リミテッド およびプライスウォーターハウスクーパース (以下「プライスウォーターハウス
クーパース」と総称する。)がそれぞれ中国監査基準および国際監査基準に準拠して監査を行ったものであり、双
方につき無限定の監査意見が発行されている。さらに、外部監査人が監査手続を開始し、当行グループの連結財務
諸表に係る内部統制の有効性に関する監査意見書が発行された。
外部監査人は、国際監査基準および中国公認会計士監査基準の「ガバナンス担当者とのコミュニケーション」の
要件に従い、独立性に関する職業倫理規範を遵守して、取締役会の監査およびコンプライアンス委員会に報告を
行った。当行の外部監査人は、監査サービスおよび非監査サービスの提供にあたり、自らの形式的および実質的な
独立性を確保するため、職業会計士国際倫理規範(国際独立性基準を含む。)、中国公認会計士職業倫理規範、関
連する規制上の要件、およびプライスウォーターハウスクーパース独自の厳格な独立性方針に従った。
(1)プライスウォーターハウスクーパース中天リミテッドは、香港財務情報局条例に基づく認定公益法人監査人である。
(2)プライスウォーターハウスクーパースは、香港財務情報局条例に基づく登録公益法人監査人である。
(b) 監査報酬の内容
① 監査報酬
2020年度において、プライスウォーターハウスクーパースに対して当行より支払われた当行グループの財務書類
に係る監査報酬の総額は122.30百万人民元であり、これには、内部監査サービスの報酬9.78百万人民元が含まれ
る。2020年度において、プライスウォーターハウスクーパースおよびそのネットワークメンバーファームに対して
当行より支払われた当行の子会社および海外支店の財務書類に係る監査サービスの報酬の総額は、14.12百万人民
元であった。2020年度において、プライスウォーターハウスクーパースおよびそのネットワークメンバーファーム
に対して当行より支払われた、債券発行および税務アドバイザリーサービスを含む非監査プロフェッショナルサー
ビスの報酬の総額は、9.34百万人民元であった。
② その他の重要な報酬
該当なし
③ 非監査業務の内容
法令遵守アドバイザリーサービスを含む非監査プロフェッショナルサービス
④ 監査報酬の方針
該当なし
158/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(4) 【役員の報酬等】
該当なし
(5) 【株式の保有状況】
該当なし
159/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第6【経理の状況】
a. 本書記載の当行および子会社の邦文の財務書類(以下「邦文の財務書類」という。)は、当行の2020年12月31
日に終了した事業年度に係る原文(英文)の年次報告書に含まれる、香港上場規則が財務報告書の作成のための
会計基準として認める香港財務報告基準または国際財務報告基準のうち、国際財務報告基準に準拠して作成され
た本書記載の原文(英文)の監査済財務書類(以下「原文の監査済財務書類」という。)の翻訳に、下記の円換
算額を併記したものである。原文の監査済財務書類を含む上記年次報告書は、香港において開示されている。当
行の財務書類の日本における開示については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38
年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第131条第1項の規定が適用されている。
邦文の財務書類には、財務諸表等規則に基づき、原文の監査済財務書類中の人民元表示の金額のうち主要なも
のについて円換算額が併記されている。日本円への換算には、1人民元=17.26円(中国外貨取引センターが公表
した2021年5月31日の仲値である100円=5.7939人民元に相当)の為替レートが使用されている。金額は百万円単
位で四捨五入して表示されており、合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
なお、財務諸表等規則に基づき、国際財務報告基準と日本における会計処理の原則および手続ならびに表示方
法の主要な相違については、第6の「4 国際財務報告基準と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相
違」に記載されている。
円換算額および第6の「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 国際財務報告基準と日本における会計
原則及び会計慣行の主要な相違」までの事項は原文の監査済財務書類には記載されておらず、当該事項における
原文の監査済財務書類への参照事項を除き、下記bの監査証明に相当すると認められる証明の対象になっていな
い。
b. 原文の監査済財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定
されている外国監査法人等をいう。)であるプライスウォーターハウスクーパース 香港(香港における公認会
計士事務所)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の2第1項第1号に規定されている監査証
明に相当すると認められる証明を受けている。その監査報告書の原文および訳文は、本書に掲載されている。
160/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
1【財務書類】
連結損益計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
1 930,932 873,140
受取利息
(385,853) (372,270)
1
支払利息
545,079 500,870
1
受取利息純額
2 91,166 88,316
受取報酬及び手数料
(16,621) (15,389)
2
支払報酬及び手数料
74,545 72,927
2
受取報酬及び手数料純額
3 16,405 19,067
トレーディング業務利得純額
4 (7,312) 5,793
金融投資(損失)/利得純額
1 -
償却原価で測定される金融資産の認識中止による利得純額
30,614 30,693
5
その他の営業収益
659,332 629,350
営業収益
6 (229,897) (224,096)
営業費用
8 (164,699) (138,605)
信用減損損失
(204) (118)
その他の資産に係る減損損失
264,532 266,531
営業利益
518 45
20
関連会社及び共同支配企業への持分に係る損益
265,050 266,576
税引前当期純利益
(48,650) (53,652)
9
法人所得税費用
216,400 212,924
当期純利益
以下に帰属 :
215,925 212,098
当行の持分所有者
475 826
非支配持分
216,400 212,924
当行の普通株主に帰属する 1 株当たり利益
(1 株当たり単位:人民元 )
0.59 0. 59
11
- 基本的及び希薄化後
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
161/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
216,400 212,924
当期純利益
その他の包括利益:
その後に損益に振り替えられる可能性のある項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
(8,855) 9,239
価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る信用
3,754 5,637
損失引当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
1,440 (4,206)
価値の変動及び信用損失引当金の所得税への影響
(2,591) 746
為替換算差額
(6,252) 11,416
小計
その後に損益に振り替えられない項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
(114) 383
その他の持分投資の公正価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
29 (98)
その他の持分投資の公正価値の変動の法人所得税への影響
(85) 285
小計
(6,337) 11,701
その他の包括利益、税効果調整後
210,063 224,625
当期包括利益合計
以下に帰属する当期包括利益合計 :
209,637 223,536
当行の持分所有者
426 1,089
非支配持分
210,063 224,625
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
162/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結損益計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万円 )
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
16,067,886 15,070,396
1
受取利息
(6,659,822) (6,425,380)
1
支払利息
9,408,064 8,645,016
1
受取利息純額
1,573,525 1,524,334
2
受取報酬及び手数料
(286,878) (265,613)
2
支払報酬及び手数料
1,286,647 1,258,721
2
受取報酬及び手数料純額
283,150 329,096
3
トレーディング業務利得純額
(126,205) 99,987
金融投資 (損失 )/ 利得純額 4
17 -
償却原価で測定される金融資産の認識中止による利得純額
528,397 529,761
5
その他の営業収益
11,380,070 10,862,581
営業収益
(3,968,022) (3,867,897)
6
営業費用
(2,842,705) (2,392,322)
8
信用減損損失
(3,521) (2,037)
その他の資産に係る減損損失
4,565,822 4,600,325
営業利益
8,941 777
20
関連会社及び共同支配企業への持分に係る損益
4,574,763 4,601,102
税引前当期純利益
(839,699) (926,034)
9
法人所得税費用
3,735,064 3,675,068
当期純利益
以下に帰属 :
3,726,866 3,660,811
当行の持分所有者
8,198 14,257
非支配持分
3,735,064 3,675,068
当行の普通株主に帰属する 1 株当たり利益
(1 株当たり単位: 円 )
10.18 10.18
11
- 基本的及び希薄化後
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
163/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万円 )
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
3,735,064 3,675,068
当期純利益
その他の包括利益:
その後に損益に振り替えられる可能性のある項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
(152,837) 159,465
価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る信用
64,794 97,295
損失引当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る公正
24,854 (72,596)
価値の変動及び信用損失引当金の所得税への影響
(44,721) 12,876
為替換算差額
(107,910) 197,040
小計
その後に損益に振り替えられない項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
(1,968) 6,611
その他の持分投資の公正価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定された
501 (1,691)
その他の持分投資の公正価値の変動の法人所得税への影響
(1,467) 4,920
小計
(109,377) 201,960
その他の包括利益、税効果調整後
3,625,687 3,877,028
当期包括利益合計
以下に帰属する当期包括利益合計 :
3,618,335 3,858,231
当行の持分所有者
7,352 18,797
非支配持分
3,625,687 3,877,028
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
164/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結財政状態計算書
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
資産
12 2,437,275 2,699,895
現金及び中央銀行預け金
13 434,185 235,742
銀行及びその他の金融機関への預け金
87,357 30,063
貴金属
14 546,948 523,183
銀行及びその他の金融機関への貸出金
15 61,937 24,944
デリバティブ金融資産
16 816,206 708,551
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
17 14,552,433 12,819,764
顧客への貸出金及び立替金
18
金融投資
583,069 801,361
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
5,684,220 4,946,741
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融
1,555,370 1,674,828
商品及びその他資本性金融商品
20 8,865 6,672
関連会社及び共同支配企業に対する投資
21 151,154 152,484
有形固定資産
1,381 1,381
のれん
22 133,355 120,952
繰延税金資産
151,292 130,930
23
その他の資産
27,205,047 24,877,491
資産合計
負債
24 737,161 608,536
中央銀行からの借入金
25 1,394,516 1,503,909
銀行及びその他の金融機関からの預り金
26 390,660 325,363
銀行及びその他の金融機関からの借入金
27 27,817 30,234
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
15 65,282 29,548
デリバティブ金融負債
28 109,195 53,197
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産
29 20,372,901 18,849,155
顧客からの預り金
30 1,371,845 1,108,212
発行債務証券
22 334 520
繰延税金負債
524,590 414,956
31
その他の負債
24,994,301 22,923,630
負債合計
165/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
資本
32 349,983 349,983
普通株式
33 319,875 199,886
その他資本性金融商品
79,899 79,899
優先株式
239,976 119,987
永久債
34 173,556 173,556
資本準備金
35 25,987 29,684
投資再評価準備金
36 196,071 174,910
利益準備金
37 311,449 277,016
一般準備金
828,240 741,101
利益剰余金
(372) 2,219
為替換算準備金
2,204,789 1,948,355
当行の持分所有者に帰属する持分
5,957 5,506
非支配持分
2,210,746 1,953,861
資本合計
27,205,047 24,877,491
資本及び負債合計
166/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結財政状態計算書
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万円 )
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
資産
12 42,067,367 46,600,188
現金及び中央銀行預け金
13 7,494,033 4,068,906
銀行及びその他の金融機関への預け金
1,507,782 518,887
貴金属
14 9,440,322 9,030,139
銀行及びその他の金融機関への貸出金
15 1,069,033 430,533
デリバティブ金融資産
16 14,087,716 12,229,590
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
17 251,174,994 221,269,127
顧客への貸出金及び立替金
18 - -
金融投資
10,063,771 13,831,491
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
98,109,637 85,380,750
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融
26,845,686 28,907,531
商品及びその他資本性金融商品
20 153,009 115,159
関連会社及び共同支配企業に対する投資
21 2,608,918 2,631,874
有形固定資産
23,836 23,836
のれん
22 2,301,707 2,087,632
繰延税金資産
2,611,300 2,259,852
23
その他の資産
469,559,111 429,385,495
資産合計
負債
24 12,723,399 10,503,331
中央銀行からの借入金
25 24,069,346 25,957,469
銀行及びその他の金融機関からの預り金
26 6,742,792 5,615,765
銀行及びその他の金融機関からの借入金
27 480,121 521,839
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
15 1,126,767 509,998
デリバティブ金融負債
28 1,884,706 918,180
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産
29 351,636,271 325,336,415
顧客からの預り金
30 23,678,045 19,127,740
発行債務証券
22 5,765 8,976
繰延税金負債
9,054,423 7,162,141
31
その他の負債
431,401,635 395,661,854
負債合計
167/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万円 )
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
資本
32 6,040,707 6,040,707
普通株式
33 5,521,043 3,450,032
その他資本性金融商品
1,379,057 1,379,056
優先株式
4,141,986 2,070,976
永久債
34 2,995,577 2,995,577
資本準備金
35 448,536 512,346
投資再評価準備金
36 3,384,185 3,018,947
利益準備金
37 5,375,610 4,781,296
一般準備金
14,295,422 12,791,403
利益剰余金
(6,422) 38,299
為替換算準備金
38,054,658 33,628,607
当行の持分所有者に帰属する持分
102,818 95,034
非支配持分
38,157,476 33,723,641
資本合計
469,559,111 429,385,495
資本及び負債合計
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
2021 年 3 月 30 日に取締役会の承認を得て公表が認められた。
谷澍 張青松
董事長 副董事長
次へ
168/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結持分変動計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
当行の持分所有者に帰属する持分合計
その他 投資再評
注記 資本性金融 価 為替換算 非支配持
Ⅳ
普通株式 商品 資本準備金 準備金 利益準備金 一般準備金 利益剰余金 準備金 小計 分 合計
349,983 199,886 173,556 29,684 174,910 277,016 741,101 2,219 1,948,355 5,506 1,953,861
2019 年 12 月 31 日現在
215,925 215,925 475 216,400
当期純利益 -
- - - - - -
(3,697) (2,591) (6,288) (49) (6,337)
その他の包括利益 - - - - - -
(3,697) 215,925 (2,591) 209,637 426 210,063
当期包括利益合計 - - - - -
その他の資本性金融
119,989 119,989 119,989
商品保有者による資
33
本注入
- - - - - - - -
子会社の未処分利益
25 25
から資本金への
組み入れ
- - - - - - - - -
21,161 (21,161)
36
利益準備金繰入額
-
- - - - - - - -
34,433 (34,433)
37
一般準備金繰入額
- - - - - - - - -
(63,662) (63,662) (63,662)
普通株主に対する配
10
当支払額
- - - - - - - -
(9,530) (9,530) (9,530)
優先株主に対する配
10
当支払額
- - - - - - - -
349,983 319,875 173,556 25,987 196,071 311,449 828,240 (372) 2,204,789 5,957 2,210,746
2020 年 12 月 31 日現在
349,983 79,899 173,556 18,992 154,257 239,190 652,944 1,473 1,670,294 4,493 1,674,787
2018 年 12 月 31 日現在
212,098 212,098 826 212,924
当期純利益
- - - - - - -
10,692 746 11,438 263 11,701
その他の包括利益
- - - - - -
10,692 212,098 746 223,536 1,089 224,625
当期包括利益合計
- - - - -
33 119,987 119,987 (76) 119,911
所有者による増資
- - - - - - -
36 20,653 (20,653)
利益準備金繰入額
- - - - - - - - -
37 37,826 (37,826)
一般準備金繰入額
- - - - - - - - -
普通株主に対する配
10 (60,862) (60,862) (60,862)
当支払額
- - - - - - - -
優先株主に対する配
10 (4,600) (4,600) (4,600)
当支払額
- - - - - - - -
349,983 199,886 173,556 29,684 174,910 277,016 741,101 2,219 1,948,355 5,506 1,953,861
2019 年 12 月 31 日現在
169/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結持分変動計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万円 )
当行の持分所有者に帰属する持分合計
その他 投資再評
注記 資本性金融商 価 為替換算
Ⅳ
普通株式 品 資本準備金 準備金 利益準備金 一般準備金 利益剰余金 準備金 小計 非支配持分 合計
2019 年 12 月 31 日
6,040,707 3,450,032 2,995,577 512,346 3,018,947 4,781,296 12,791,403 38,299 33,628,607 95,034 33,723,641
現在
3,726,866 3,726,866 8,198 3,735,064
当期純利益
- - - - - - -
その他の包括利
(63,810) (44,721) (108,531) (846) (109,377)
益
- - - - - -
当期包括利益合
(63,810) 3,726,866 (44,721) 3,618,335 7,352 3,625,687
計 - - - - -
その他の資本性
金融商品保有
者による資本
33 2,071,011 2,071,011 2,071,011
注入
- - - - - - - -
子会社の未処分
利益から資本
金への
432 432
組み入れ
- - - - - - - - -
利益準備金繰入
36 365,238 (365,238)
額
- - - - - - - - -
一般準備金繰入
37 594,314 (594,314)
額
- - - - - - - - -
普通株主に対す
10 (1,098,806) (1,098,806) (1,098,806)
る配当支払額
- - - - - - - -
優先株主に対す
10 (164,489) (164,489) (164,489)
る配当支払額
- - - - - - - -
- - - - - - - - - - -
2020 年 12 月 31 日
6,040,707 5,521,043 2,995,577 448,536 3,384,185 5,375,610 14,295,422 (6,422) 38,054,658 102,818 38,157,476
現在
2018 年 12 月 31 日
6,040,707 1,379,056 2,995,577 327,802 2,662,476 4,128,419 11,269,814 25,423 28,829,274 77,550 28,906,824
現在
3,660,811 3,660,811 14,257 3,675,068
当期純利益
- - - - - - -
その他の包括利
184,544 12,876 197,420 4,540 201,960
益
- - - - - -
当期包括利益合
184,544 3,660,811 12,876 3,858,231 18,797 3,877,028
計 - - - - -
所有者による増
33 2,070,976.00 2,070,976.00 (1,313.00) 2,069,663.00
資
- - - - - - -
利益準備金繰入
36 356,471 (356,471)
額
- - - - - - - - -
一般準備金繰入
37 652,877 (652,877)
額
- - - - - - - - -
普通株主に対す
10 (1,050,478) (1,050,478) (1,050,478)
る配当支払額
- - - - - - - -
優先株主に対す
10 (79,396) (79,396) (79,396)
る配当支払額
- - - - - - - -
2019 年 12 月 31 日
6,040,707 3,450,032 2,995,577 512,346 3,018,947 4,781,296 12,791,403 38,299 33,628,607 95,034 33,723,641
現在
次へ
170/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
営業活動によるキャッシュ・フロー
265,050 266,576
税引前当期純利益
調整 :
2,147 1,934
無形固定資産及びその他の資産の償却費
17,404 16,777
有形固定資産及び使用権資産の減価償却費
164,699 138,605
信用減損損失
204 118
その他の資産に係る減損損失
(238,995) (232,571)
投資有価証券に係る受取利息
35,746 31,375
発行債務証券に係る支払利息
(2,968) (9,641)
公正価値の変動に係る損益
(750) (494)
投資有価証券に係る利得純額
(518) (45)
関連会社及び共同支配企業の持分に 係る 損益
(1,003) (1,217)
有形固定資産及びその他の資産の売却に係る利得純額
26,972 (8,135)
為替収益純額
267,988 203,282
営業資産及び営業負債の増減純額 :
中央銀行預け金並びに銀行及びその他の金融機関への預け金の
(増加 )/ 減少純額 (330,552) 173,726
銀行及びその他の金融機関への貸出金の減少 /( 増加 )純額 29,377 (42,279)
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産の (増加 )/ 減少純額 (49,415) 15,474
(1,832,315) (1,442,873)
顧客への貸出金の増加純額
128,514 49,587
中央銀行からの借入金の増加純額
銀行及びその他の金融機関からの借入金の増加 /( 減少 )純額 65,941 (98)
1,375,364 1,854,777
顧客からの預り金と銀行及びその他金融機関からの預り金の増加純額
その他の営業資産の減少 /( 増加 ) 94,748 (148,837)
253,209 (250,688)
その他の営業負債の増加 /( 減少 )
2,859 412,071
営業活動によるキャッシュ
(63,795) (53,675)
法人所得税支払額
(60,936) 358,396
営業活動による正味キャッシュ (アウトフロー )/ インフロー
171/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 20 19 年
注記Ⅳ
投資活動によるキャッシュ・フロー
1,987,387 1,731,574
投資有価証券の売却 /償還による収入
228,563 223,034
投資有価証券に係る利息受取額
8,350 1,178
有形固定資産及びその他の資産の処分による収入
(2,669,040) (2,169,824)
投資有価証券の購入による支出
(1,676) (2,657)
関連会社及び共同支配企業への投資による支出
(22,844) (14,110)
有形固定資産及びその他の資産の購入による支出
(469,260) (230,805)
投資活動による正味キャッシュ
財務活動によるキャッシュ・フロー
120,000 120,000
その他資本性金融商品の発行による収入
(11) (13)
その他資本性金融商品の発行による支払額
1,731,396 1,465,652
債務証券の発行による収入
(1,468,391) (1,141,046)
発行債務証券の償還
(35,050) (28,441)
発行債務証券に係る利息支払額
(6) (63)
債務証券の発行費用の支払額
(4,968) (4,687)
リース負債の元本及び利息の償還
25
非支配持分による資本拠出 -
(63,662) (60,862)
普通株主に対する配当支払額
(9,530) (4,600)
その他の資本性金融商品の保有者に対する配当支払額
269,803 345,940
財務活動による正味キャッシュ
(260,393) 473,531
現金及び現金同等物の(減少) /増加純額
1,454,581 978,441
現金及び現金同等物の 1 月 1 日現在残高
(19,035) 2,609
現金及び現金同等物に係る為替レートの変動の影響
1,175,153 1,454,581
現金及び現金同等物の 12 月 31 日現在残高 38
営業活動による正味キャッシュ・フローには以下が含まれている:
655,726 582,522
利息受取額
(315,177) (318,125)
利息支払額
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
172/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(特に明記しない限り、単位は 百万円 )
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
営業活動によるキャッシュ・フロー
4,574,763 4,601,102
税引前当期純利益
調整 :
37,057 33,380
無形固定資産及びその他の資産の償却費
300,393 289,571
有形固定資産及び使用権資産の減価償却費
2,842,705 2,392,322
信用減損損失
3,521 2,036
その他の資産に係る減損損失
(4,125,054) (4,014,175)
投資有価証券に係る受取利息
616,976 541,533
発行債務証券に係る支払利息
(51,228) (166,404)
公正価値の変動に係る損益
(12,944) (8,526)
投資有価証券に係る利得純額
(8,941) (777)
関連会社及び共同支配企業の持分に 係る 損益
(17,312) (21,005)
有形固定資産及びその他の資産の売却に係る利得純額
465,537 (140,410)
為替収益純額
4,625,473 3,508,647
営業資産及び営業負債の増減純額 :
中央銀行預け金並びに銀行及びその他の金融機関への預け金の
(増加 )/ 減少純額 (5,705,328) 2,998,511
507,047 (729,736)
銀行及びその他の金融機関への貸出金の減少 /( 増加 )純額
(852,903) 267,081
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産の (増加 )/ 減少純額
(31,625,757) (24,903,988)
顧客への貸出金の増加純額
2,218,152 855,872
中央銀行からの借入金の増加純額
1,138,142 (1,691)
銀行及びその他の金融機関からの借入金の増加 /( 減少 )純額
23,738,783 32,013,451
顧客からの預り金と銀行及びその他金融機関からの預り金の増加純額
1,635,350 (2,568,927)
その他の営業資産の減少 /( 増加 )
4,370,387 (4,326,875)
その他の営業負債の増加 /( 減少 )
49,346 7,112,345
営業活動によるキャッシュ
(1,101,101) (926,430)
法人所得税支払額
(1,051,755) 6,185,915
営業活動による正味キャッシュ (アウトフロー )/ インフロー
173/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
投資活動によるキャッシュ・フロー
34,302,299 29,886,967
投資有価証券の売却 /償還による収入
3,944,997 3,849,567
投資有価証券に係る利息受取額
144,121 20,332
有形固定資産及びその他の資産の処分による収入
(46,067,630) (37,451,162)
投資有価証券の購入による支出
(28,928) (45,859)
関連会社及び共同支配企業への投資による支出
(394,287) (243,539)
有形固定資産及びその他の資産の購入による支出
(8,099,428) (3,983,694)
投資活動による正味キャッシュ
財務活動によるキャッシュ・フロー
2,071,200 2,071,200.00
その他資本性金融商品の発行による収入
(189) (224.00)
その他資本性金融商品の発行による支払額
29,883,895 25,297,153
債務証券の発行による収入
(25,344,429) (19,694,454)
発行債務証券の償還
(604,963) (490,892)
発行債務証券に係る利息支払額
(104) (1,087)
債務証券の発行費用の支払額
(85,748) (80,898)
リース負債の元本及び利息の償還
432
非支配持分による資本拠出 -
(1,098,806.00) (1,050,478)
普通株主に対する配当支払額
(164,488) (79,396)
その他の資本性金融商品の保有者に対する配当支払額
4,656,800 5,970,924
財務活動による正味キャッシュ
(4,494,383) 8,173,145
現金及び現金同等物の(減少) /増加純額
25,106,068 16,887,892
現金及び現金同等物の 1 月 1 日現在残高
(328,544) 45,031
現金及び現金同等物に係る為替レートの変動の影響
20,283,141 25,106,068
現金及び現金同等物の 12 月 31 日現在残高 38
営業活動による正味キャッシュ・フローには以下が含まれている:
11,317,831 10,054,330
利息受取額
(5,439,955) (5,490,838)
利息支払額
添付の注記は連結財務諸表の一部である。
前へ 次へ
174/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結財務諸表に対する注記
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(金額は、別途記載がある場合を除き、百万人民元を表す。 )
Ⅰ . 一般情報
中国農業銀行股份有限公司 (以下「当行」という。 )は、中国人民銀行により設置を承認され、 1979 年 2 月 23 日に中華人民
共和国 (以下「中国」という。 )において設立された完全国営商業銀行である、旧中国農業銀行 (以下「旧銀行」という。 )の後継
銀行である。 2009 年 1 月 15 日、当行は、旧銀行の財政再建終了後に創設された。当行の創設は、 PBOC により承認された。当
行は、 2010 年 7 月 15 日及び 2010 年 7 月 16 日にそれぞれ上海証券取引所及び香港証券取引所に上場した。
当行は、中国銀行保険監督管理委員会 (以下「 CBIRC 」という。 )発行の金融業の認可第 B0002H111000001 号、及び北京
工商行政管理局発行の営業許可証第 911100001000054748 号に基づき営業活動を行っている。当行の登録住所は、中華
人民共和国北京市東城区建国門内大街 69 号である。
当行及びその子会社 (以下、総称して「当行グループ」という。 )の主たる業務は、人民元預金及び外貨預金、貸出、清算・
決済業務、資産保管業務、資金運用、ファイナンス・リース業務、保険業務及び関連規制当局が承認したその他の業務、並
びに各地域の規制当局が承認した国外の事業所による関連業務が含まれる。
中国本土で営業活動を行っている当行の本店及び国内支店並びに当行の子会社は、「国内業務」と称されている。中国
本土外で登録され、営業活動を行っている支店及び子会社は、「国外業務」と称されている。
Ⅱ . 重要な会計方針の概要
1 .作成の基礎
準拠している旨の記述
本 連結財務諸表は、国際会計基準審議会 (以下「 IASB 」という。 )が公表した国際財務報告基準 (以下「 IFRSs 」という。 )に
準拠して作成されている。また、当事業年度及び比較対象期間の本連結財務諸表には、香港証券取引所の有価証券上場
規則及び香港会社条例 (第 622 章 )が要求する開示が含まれている。
作成の基礎
本連結財務諸表は、以下の会計方針において説明されている通り、公正価値で測定される一部の金融商品を除き、取得
原価基準で作成されている。取得原価は、通常、資産を交換する際の対価 (又は、支払うことが予想される金額 ) の公正価値
に基づいている。
IFRSs に準拠した財務諸表の作成には、一定の重要な会計上の見積りの使用が必要となる。また、当行グループの会計
方針を適用する過程では経営者の判断も求められる。より高度な判断もしくは複雑性を伴う領域、又は仮定及び見積りが連
結財務諸表上重要となる領域については、注記Ⅲに開示されている。
前へ 次へ
175/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
1.1. 当行グループに関連するかつ当行グループが適用した2020年発効の会計基準及び改訂
当行グループは、2020年12月31日に終了する事業年度より以下の国際財務報告基準(以下「IFRSs」という。)の
改訂を適用している。
(1) IAS 第1号及びIAS第8号の改訂 「重要性がある」の定義
(2) IFRS 第3号の改訂 「事業」の定義
(3) IFRS 第9号、IAS第39号及びIFRS第7号
金利指標改革
の改訂
(4) IFRS 第16号の改訂 COVID-19 関連のレント・コンセッション
(1) IAS 第1号及びIAS第8号の改訂:「重要性がある」の定義
IASB はIAS第1号とIAS第8号の改訂を公表し、そのうちの「重要性」の定義に対して改訂を行った。改定後の定義
は、「情報は、それを省略、誤表示又は覆い隠したときに、特定の報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸
表の主要な利用者が当該財務諸表に基づいて行う意思決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には重要性
がある」とされている。
本改訂により、「情報の覆い隠し」による影響は情報の省略又は誤表示による影響と類似し、かつ報告企業は財務
諸表全体に関して重要性があるかどうかを評価すべきであると明確にされた。
さらに、本改訂により、「一般目的財務諸表の主要な利用者」とは、必要とする情報を一般目的財務諸表に依拠しな
ければならないという財務諸表のサービス対象を指しており、それには「必要とする情報を一般目的財務諸表に依拠
しなければならない現在及び潜在的な投資者、融資者及び他の債権者」が含まれることが明らかにされた。上述した
改訂の適用による当行グループの連結財務諸表への重大な影響はない。
(2) IFRS 第3号の改訂:「事業」の定義
IASB はIFRS第3号の改訂を公表し、「事業」の定義に対して改訂を行った。本改訂により、事業を構成するために
は、事業の購入には「インプット」及び「実質的なプロセス」が含まれる必要があり、いずれもアウトプットの創出に著しく
寄与する能力をともに有することを明らかにされた。当該改訂は、アウトプットの定義を狭めており、顧客への商品又は
サービスの提供、投資収益若しくはその他の収入に焦点を当て、コストダウンという形式でのリターン及びその他の経
済的利益が含まれないことを明確にした。上述した改訂の適用による当行グループの連結財務諸表への重大な影響
はない。
176/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(3) IFRS 第9号、IAS第39号及びIFRS第7号の改訂:金利指標改革
IASB は、IFRS第9号、IAS39号およびIFRS第7号の改訂を公表し、金利指標改革に関連した救済措置を提供した。
当該改訂は銀行間取引金利改革の影響を直接的に受ける全てのヘッジ関係に適用される。救済措置はヘッジ会計
に関するものであり、一般的に銀行間取引金利改革がヘッジ会計の終了の効果をもたらすべきではないというもので
ある。ただし、ヘッジの非有効部分はすべて、損益計算書に継続的に記録されるべきである。上述した改訂の適用に
よる当行グループの連結財務諸表への重大な影響はない。
(4) IFRS 第16号の改訂: COVID-19関連のレント・コンセッション
IASB は2020年5月28日にIFRS第16号「リース」の改訂‐COVID-19関連のレント・コンセッションに係る実務上の簡便
法を公表し、リースの条件変更に該当するかどうかの評価を行わず、リースの条件変更には該当しないものとみなして
会計処理するという選択肢を借手に与えた。多くの場合、当該改訂を採用する主体は、リース料が減免される事象や
条件が発生した期間において、リース料の減額を変動リース料として会計処理する。当該改訂は2020年6月1日以降
開始する年度から適用され、かつ早期適用も認められる。上述した改訂の適用による当行グループの連結財務諸表
への重大な影響はない。
177/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
1.2. 2020 年度において未発効、かつ当行グループが発効日前に適用していない基準及び修正
当行グループは、公表済みであるが未発効の、以下の新規及び改訂後の基準を適用していない。
以下の日以降に
開始する事業年度から適用
(1) 2021 年1月1日
IFRS 第 9 号、 IAS 第 39 号、 金利指標 (銀行間取引金利 )改革
IFRS 第 7 号、 IFRS 第 4 号 及び
IFRS 第 16 号 (フェーズ 2 の改
訂 )
(2) IAS 第 1号の改訂 負債の流動又は非流動への分類 2022 年1月1日(2023年1月1日に
延期される可能性がある)
(3) IFRS 第 3号の改訂 「概念フレームワーク」への参照の改訂 2022 年1月1日
(4) IAS 第 37号の改訂 契約履行のコスト 2022 年1月1日
(5) IAS 第 16号の改訂 意図した使用の前の収入 2022 年1月1日
(6) IFRS 第 1号、IFRS第9号、 IFRS 年次改善2018-2020年サイクル 2022 年1月1日
IFRS第16号及びIAS第41
号の改訂
(7) IFRS 第17号 保険契約 2023 年1月1日
(8) IFRS 第 10号及びIAS第28 投資者とその関連会社または共同支配企業との間 当該改訂は当初2016年1月1日以
号の改訂 の資産の売却または拠出 降に開始する年度から発効するこ
とが意図されていた。発効日を無
期限に延期している。
(1) IFRS 第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号(フェーズ2の改訂):金利指標(銀行間取引金利)
改革
国際会計基準審議会(IASB)は IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の改訂を公表
し、金利指標改革に関連して生じる財務報告上の論点を明確にした。 銀行間取引金利を基準金利とした契約が普
遍的に存在しているため、今回の改訂は、全業種の会社に影響を与える可能性がある。本改訂は、2021年1月1日以
降開始する事業年度から適用され、かつ早期適用が認められる。
フェーズ2の改訂は、IBOR改革の直接的な結果として、IAS第39号及びIFRS第9号における特定のヘッジ会計の要
求事項の適用について、救済措置が追加的に提供されている。主な内容には、1.償却原価で測定される金融商品に
対し、実務上のアプローチとして、企業がIFRS 9B5.4.5を参考にし、IBOR改革による直接的な影響を実効金利(EIR)
を更新することでキャッシュ・フローの変更を反映させ、当期に関連利益または損失を認識する必要はない。2.契約に
よらないリスク要素の変更またはヘッジ関係の中止時に、契約によらないリスクのフェーズ1の救済措置の適用を繰り上
げ中止する。 3.特定のヘッジ会計の要求事項に適用される追加的な救済措置、4.IBOR改革に関する財務諸表に
おける追加的な開示(IFRS7) が含まれる。
当行グループは、これらの改訂の適用による当行グループの連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでい
る。
(2) IAS 第1号の改訂:負債の流動または非流動への分類
IASB は、企業が報告期末に存在する権利に応じて負債を流動負債または非流動負債に分類すべきことを明らかに
するために、IAS第1号に対する狭い範囲の改訂を公表した。本改訂の要求事項:
・ 企業が期末に負債の決済を少なくとも12ヶ月延期する実質的な権利を有する場合、負債は非流動負債として
分類されるべきである。貸出金が無条件であることはほとんどないため(例えば、貸出金に返済契約が付けられ
ることがある)、本改訂では「無条件の権利」を言及しない。
178/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
・ 評価を実施する際に、企業は、上述の権利を行使するか否かということではなく、上記権利が存在するか否か
を判断すべきである。従って、経営者の予想は負債の分類に影響を与えない。
・ 企業が報告日にすべての関連条件を満たしている場合にのみ、企業は負債の決済を延期する権利を有するこ
とになる。企業が報告日以前にある条件に違反し、かつ報告日後にはじめて債務免除を取得した場合、負債
は流動負債として分類されるべきである。企業が報告日後に返済契約に違反した場合、負債は非流動負債と
して分類されるべきである。
・ 「決済」とは、現金又はその他の経済的資源、または企業自身の資本性金融商品を用いて負債を消滅させるこ
とを指す。ただし、資本に転換可能な転換可能金融商品には一つの例外があり、その例外は、転換オプション
が資本性金融商品として分類されかつ複合金融商品の個別組成部分とされる商品にのみ適用される。
本改訂により、負債の流動または非流動への分類に関するガイダンスが修正された。本改訂は、負債の分類、特
に、負債の分類を決定した際に経営者の意図を考慮した企業や、資本に転換可能な一部の負債に影響を与える可
能性がある。企業は今回の改訂を参考に、債務の現行分類を見直し、変更の要否を判断しなければならない。IASB
は2020年5月にパブリックコメントを公布し、発効日を2023年1月1日に延期することを提案した。当行グループは、本改
訂の採用が当行グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
(3) IFRS 第3号の改訂:「概念フレームワーク」への参照の改訂
IASB はIFRS第3号(改訂)「概念フレームワーク」への参照を公表した。当該改訂において、「IFRS第3号‐事業結合」
が更新され、更新後の基準は「財務報告に関する概念フレームワーク(2018)」を引用し、事業結合における資産と負
債の構成を明らかにした。なお、審議会はIFRS第3号における負債(引当金)と偶発負債に対し、除外規定を定め、取
得企業が取得日にIAS第37号に定義された偶発資産を計上してはならない旨が明確化された。
(4) IAS 第37号の改訂:契約履行のコスト
IASB はIAS第37 号(改訂)-契約履行のコストを公表し、当該改訂は「契約履行のコスト」の定義を明確化した。契約
履行に直接関連するコストは、契約を履行するための増分コスト及び契約の履行に直接関連して配分されるその他の
コストを含んでいる。企業が不利な契約の引当金を計上する前に、当該契約に専用の資産において発生した減損を
認識することではなく、当該契約の履行に用いる資産において発生した減損を認識しなければならない。これまでは
一部の企業の契約履行のコストに増分コストしか含まれていなかったため、企業がより多くの不利な契約に対する引当
金を計上する見込んでいる。
(5) IAS 第16号の改訂:意図した使用の前の収入
IASB はIAS第16号(改訂)-意図した使用の前の収入を公表した。当該改訂は、有形固定資産が資産を経営者が意
図した方法で稼働可能にするために必要な場所及び状態に置く前に、生産された物品の販売による収入を有形固定
資産項目の取得原価から控除することを禁止する。当該改訂では、「試運転」の意味を明確化している。すなわち、資
産が正常に機能するかどうかを評価する際、企業は当該資産の財務業績ではなく、技術的及び物理的な成果を評価
すると明確に定めている。従って、経営者が意図した経営成績に達する前に、資産が利用可能となった際には減価償
却費を計上しなければならない。当該改訂は、企業の通常の事業活動の過程で生産されない項目の売却に関して
は、売却収入と関連するコストを個別しに開示し、かつ売却収入と関連するコストを含む純損益及びその他の包括利
益計算書上の表示科目を特定することを要求している。当行グループは、本改訂の適用が当行グループの連結財務
諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
179/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(6) IFRS 年次改善2018-2020年サイクル(IFRS第1号、IFRS第9号、IFRS第16号及びIAS第41号の改訂)
IASB はIFRS第1号、IFRS第9号、IFRS第16号及びIAS第41号の改訂‐IFRS年次改善2018-2020年サイクルを公表し
た。当該改訂には、金融負債の認識の中止についての「10%テスト」に含まれる手数料、「IFRS第16号‐リース」に付属
する設例、初度適用企業としての子会社、公正価値測定における税金が含まれる。当行グループは、本改訂の適用
が当行グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼすことはないと見込んでいる。
(7) IFRS 第17号:保険契約
IFRS 第17号は、IFRS第4号「保険契約」に置き換わるものとして2017年5月に公表された。同基準は各報告期間に見
積りが再測定される現在測定モデルの利用を求めている。契約の測定には、確率加重された割引キャッシュ・フロー、
明示的なリスク調整に加え、カバー期間にわたって収益として認識される、契約に係る未稼得利益である契約上の
サービス・マージン(以下、「CSM」という。)という構成要素が用いられる。
本基準は、割引率の変動による影響の認識に関して、損益計算書による認識又はその他の包括利益による直接認
識の選択適用を認めている。この選択は、保険会社がIFRS第9号のもとで金融資産をどのように会計処理したかを反
映してなされる。
損害保険会社に典型的な短期の契約に関しては、残存カバーに係る負債に対し簡便法(保険料配分アプローチ)
の任意適用が認められている。
IFRS 第17号には、変動手数料アプローチと呼ばれる一般モデルを修正したモデルがある。この方法は、生命保険
会社が発行しかつ保険契約者が基礎となる項目からのリターンを共有する一部の契約に適用している。変動手数料
アプローチを採用した場合には、基礎となる項目の公正価値変動のうち、事業体の持分は契約上のサービス・マージ
ンに含められる。したがって、このモデルを使用した場合、一般モデルを使用した場合よりも保険会社の業績のボラ
ティリティは低くなる可能性が高い。
この新たな基準は、保険契約又は裁量権のある有配当性を有する投資契約を発行するすべての事業体の財務書
類と重要業績指標に影響を及ぼすと考えられる。
国際会計基準審議会(IASB)は2020年6月25日に、IFRS第17号の「保険契約」の改訂及びIFRS第4号の改訂を公表
し、条件を満たす保険会社が引き続きIFRS第9号及び第17号を同時に適用することができるようにした。これらの改訂
は、導入コストを削減し、かつ企業が投資家やその他の関係者にIFRS第17号の適用による経営成績をより簡単に説
明できるようになり、基準の円滑な実施を図っている。IFRS第17号は2023年1月1日以後に開始する事業年度から適用
され(早期適用も可能)、かつこれらの改訂は同時に適用される。
IFRS 第17号の改訂は、保険契約を発行する保険業以外の企業を含め、IFRSが適用される全世界の保険契約を発
行するすべての会社に影響を与える。IFRS第17号の改訂には、1.発効日、2.保険契約に係る契約獲得キャッシュ・
フローの予想される回収、3.投資関連サービスに帰属する契約上のサービス・マージン、4.保有する再保険契約‐基
礎となる保険契約に係る損失の回収、が含まれる。
当行グループは、IFRS第17号の適用が当行グループの経営成績及び財政状態に及ぼす影響の評価をまだ終えて
いない。
(8) IFRS 第10号の改訂及びIAS第28号の改訂:投資者とその関連会社または共同支配企業との間の資産の売却また
は拠出
これらの改訂は、投資者とその関連会社又は共同支配企業との間での資産の売却及び拠出について、IFRS第10
号「連結財務諸表」及びIAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」の不整合の問題に対処している。
180/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
取引が事業を構成する場合、利得又は損失の全額が認識される。取引が事業を構成しない資産を含む場合、当該
資産が子会社の資産であっても、利得又は損失の一部が認識される。
当行グループは、これらの改訂の適用による当行グループの連結財務諸表への重要な影響はないと見込んでい
る。
2 .連結
連結の基礎
連結財務諸表には、当行並びに当行グループが支配する子会社及び 組成された事業体 の財務諸表が含まれてい
る。当行グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当
該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当行グループは当該企業を支配し
ている。
当期に取得した子会社の収益及び費用は取得日から、当期に処分した子会社の収益及び費用は支配を喪失した
日まで、それぞれ連結損益計算書に含まれている。
当行グループの会計方針が一貫して反映されるよう、必要に応じて子会社の財務諸表に修正が行われている。
グループにおける全ての内部取引、取引残高及び取引による未実現利得は相殺される。また、取引が譲渡資産の
減損の兆候を示さない限り、未実現損失も除去される。
連結子会社に対する非支配持分は、支配当事者の持分とは区別して表示されている。
非支配持分の帳簿価額は、当初認識時の非支配持分の金額に、その後の資本の変動に対する非支配持分の金
額を加えた額である。さらに、子会社の包括利益の合計額は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、それぞ
れの保有割合に基づいて当行の持分所有者及び非支配持分に帰属させている。
当行の財政状態計算書において、子会社に対する投資は、減損損失(該当がある場合)控除後の取得原価で計上
されている。
企業結合
事業の取得は、取得法により会計処理される。企業結合で移転された対価は公正価値で測定され、当該公正価値
は、当行グループが移転した資産、当行グループに発生した又は引き受けた負債及び当行グループが発行したすべ
ての資本持分の取得日公正価値の合計額として計算される。取得関連費は、発生時に連結損益計算書に認識され
る。
取得日において、取得した識別可能な資産、引き受けた負債及び偶発負債は、非支配持分であるかに関わらず公
正価値で認識される。ただし、例外として繰延税金資産又は負債及び従業員給付契約に係る資産又は負債は、それ
ぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識及び測定される。
のれんは、(ⅰ)移転された対価、被取得企業のすべての非支配持分の公正価値、及び当行グループが以前に保
有していた被取得企業の資本持分の公正価値(該当がある場合)と、(ⅱ)取得した識別可能な資産並びに発生した又
は引き受けた負債及び偶発負債の正味の公正価値を超過する差額として測定される。
非支配持分のうち、被取得企業に対する所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有
者に与えているものは、公正価値、又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な
取り分のいずれかで会計処理される。測定基準の選択は、取引ごとに行われる。
181/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
のれん
のれんは、取得の原価が、取得した子会社及び関連会社の識別可能純資産に対する当行グループの取り分の取
得日現在の公正価値を超過する額である。子会社の取得に係るのれんは、連結財政状態計算書上区分表示される。
関連会社の取得に係るのれんは、関連会社に対する投資に含まれる。
減損テストの目的上、のれんは、当行グループの資金生成単位(以下「CGU」という。)又はCGUグループのうち企業
結合のシナジーから便益を得ることが期待されるものに配分される。
CGU とは、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローとはおおむね独立したキャッシュ・インフローを
生成する最小の識別可能な資産グループである。
のれんが配分されているCGUについては、毎年又は当該単位が減損している可能性を示す兆候がある場合はより
頻繁に、減損テストが行われる。CGUの回収可能価額(売却コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金
額)が帳簿価額を下回る場合、当該差額は減損損失であり、最初に、当該CGUに配分されたのれんの帳簿価額を減
額するように配分され、次に、当該CGU内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分によって、当該CGU内のその他
の資産に対して配分される。のれんの減損損失は、すべて連結損益計算書に直接認識される。のれんについて認識
された減損損失は、以後の期間において戻し入れない。
関連会社及び共同支配企業に対する投資
関連会社とは、当行グループが重要な影響力を有している企業をいい、子会社でも共同支配企業の持分でもな
い。共同支配企業は当行グループが単独主体から達成され、その他の企業とともに共同支配でき、且つ法律形式、
契約項目及びその他の事実及び状況に基づいてその純資産に対して権利をもつ合弁アレンジメントである。重要な
影響力とは、被投資会社の財務及び経営方針の決定に参画するためのパワーであるが、それらの方針に対する支配
又は共同支配ではない。共同支配とは、関連合意事項に従ってある取り決めに対して支配権を共有することを指し、
当該取り決めに関連する活動については、当行グループおよび支配権を共有する他の関与者が合意してはじめて決
定することができる。
関連会社及び共同支配企業の取得後の損益は持分法により連結財務諸表に含められている。持分法では、関連
会社及び共同支配企業に対する投資は、当初取得原価で認識され、その後の当該関連会社における損益及びその
他の包括利益に対する当行グループの持分を認識し調整がなされる。関連会社及び共同支配企業の損失に対する
当行グループの持分が当該関連会社に対する当行グループの持分(実質的に当該関連会社に対する当行グループ
の正味投資の一部を構成する長期の持分を含む)を超過した場合、当行グループは、それ以上の損失についての当
行グループの持分を認識しない。追加的な損失は、当行グループに生じた法的もしくは推定的債務が生じている範
囲、又は当行グループが関連会社及び共同支配企業の代理で支払う金額の範囲でのみ認識される。
各期末において、当行グループは当行グループの関連会社及び共同支配企業への投資の減損の可能性を示す
状況の有無について検討する。投資(のれんを含む。)の帳簿価額全体について、回収可能価額(使用価値と売却コス
ト控除後の公正価値のいずれか高い金額)を帳簿価額と比較することにより、単一の資産としてIAS第36号「資産の減
損」に従って減損テストを行う。認識された減損損失はすべて投資の帳簿価額の一部として認識される。当該減損損
失の戻入れは、投資の回収可能価額がその後に増加した範囲で認識される。
当行グループの企業が当行グループの関連会社及び共同支配企業と取引する場合、関連会社との当該取引から
生じた利得及び損失は、関連会社及び共同支配企業に対する持分が当行グループに関連しない範囲でのみ当行グ
ループの連結財務諸表に認識される。取引が譲渡資産の減損の兆候を示さない限り、未実現損失も除去される。
182/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
3 .受取利息及び支払利息
金融商品 に係る受取利息及び支払利息は、実効金利法を用いて、 当期損益に計上する 。
当行グループは、実効金利法を用いて償却原価で測定される金融資産と金融負債の受取利息と支払利息を計算
し、それぞれを「受取利息」と「支払利息」という科目で表示する。関連する会計方針については、注記Ⅱ8.4 金融商品
の事後測定を参照のこと。
4 .受取報酬及び手数料
手数料及び受取報酬に対し、当行グループが契約の履行義務を果たした際に、すなわち、顧客がサービスに関す
る支配権を取得した時点又は期間内に、収入として認識する。
ある時点において果たした契約の履行義務については、当行グループは顧客にサービスに関する支配権を移行し
た時点に収入を認識し、これらの収入には主に保険代行、業者集金手数料、精算決済代行、債券の引受収入等が含
まれる。ある期間において果たした契約の履行義務場合については、当行グループは契約履行の進捗度合いに応じ
て収入を認識し、これらの収入には主に顧問料とコンサルティング・フィー、委託手数料等が含まれる。
5 .外貨建取引
国内業務の機能通貨は、人民元である。当行グループ及び当行の表示通貨は、人民元である。
当行グループの個々の企業の財務諸表の作成において、企業の機能通貨以外の通貨(外貨)建ての取引は、それ
ぞれの機能通貨(すなわち、企業が営業活動を行っている主たる経済環境の通貨)により取引日の実勢為替レートで
計上される。報告期間の末日に、外貨建ての貨幣性項目は、同日の実勢レートで換算替えされる。公正価値で計上さ
れる非貨幣性項目で外貨建てのものは、公正価値が算定された日の実勢レートで換算替えされる。外貨建ての取得
原価で測定される非貨幣性項目は、換算替えされない。
貨幣性項目の決済及び貨幣性項目の換算替えにより生じた為替差額は、発生した期に連結損益計算書に認識さ
れる。ただし、以下の場合を除く。
(i) 国外業務に対する当行の純投資の一部を構成する貨幣性項目から生じる為替差額。
(ii) 売却可能として分類された外貨建貨幣性資産の公正価値の変動は、当該貨幣性資産の償却原価の変動から生じ
る為替差額と、その他の帳簿価額の変動に区別される。償却原価の変動に関連する為替差額は連結損益計算書
に認識され、その他の帳簿価額の変動はその他の包括利益に認識される。
公正価値で計上される非貨幣性項目の換算替えにより生じた為替差額は、当該期間の連結損益計算書に計上さ
れる。ただし、その利得又は損失がその他の包括利益に直接認識される非貨幣性項目の換算替えにより生じた為替
差額は、直接その他の包括利益に認識される。
連結財務諸表の表示上、当行グループの国外業務の資産及び負債は、報告期間の末日現在の実勢為替レートで
当行グループの表示通貨に換算され、収益及び費用は、取引日の為替レート又は取引日の為替レートに近似する
レートで換算される。為替差額が生じた場合は、その他の包括利益に認識され、適宜為替換算準備金及び非支配持
分の科目で資本に累積される。国外業務に関連する為替換算準備金累計額は、国外業務の全部又は一部が処分さ
れた時点で、資本から連結損益計算書に振り替えられる。
183/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
6 .税金
税金費用は、当期に納付すべき税金と繰延税金の合計額である。
当期税金
当期に納付すべき税金の額は、当期の課税所得に基づいている。課税所得は、連結損益計算書に報告された純
利益とは異なる。これは、課税所得には他の年度に加算又は減算される収益又は費用の項目及び永久に加算又は
減算されない項目が含まれないためである。当行グループの当期税金に対する負債は、報告期間の末日までに施行
されているか又は実質的に施行されている税率を用いて計算される。
繰延税金
繰延税金は、連結財務諸表上の資産及び負債の帳簿価額と課税所得の計算に使用される対応する税務基準額と
の間の一時差異について認識される。繰延税金負債は、通常、すべての将来加算一時差異について認識される。繰
延税金資産は、通常、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で、すべての将来減算
一時差異について認識される。のれんに関連する一時差異又は課税所得にも会計上の純利益にも影響を与えない
取引におけるその他の資産及び負債の当初認識(企業結合におけるものを除く。)に関連する一時差異については、
繰延税金資産及び繰延税金負債は認識されない。
繰延税金負債は、子会社及び関連会社に対する投資に関連する将来加算一時差異について認識される。ただし、
当行グループが当該一時差異の解消をコントロールすることが可能であり、かつ予測可能な将来に一時差異が解消し
ない可能性が高い場合を除く。当該投資及び持分に関連する将来減算一時差異から生じた繰延税金資産は、当該
一時差異の便益を活用できる課税所得が十分に稼得される可能性が高く、かつ当該一時差異が予測しうる将来に解
消することが見込まれる範囲でのみ認識される。
繰延税金資産の帳簿価額は、各報告期間の末日現在で再検討され、当該一時差異が予測しうる将来に解消する
ことが見込まれない、もしくは当該資産の全部又は一部が使用できる課税所得が十分に稼得される可能性が高くなく
なった範囲内で減額される。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、報告期間の末日までに施行されているか実質的に施行された税率(及び税
法)に基づいて、負債が決済されるか又は資産が実現する期間に適用されることが見込まれる税率で測定される。
繰延税金負債及び繰延税金資産の測定には、報告期間の末日現在で、当行グループが当該資産及び負債の帳
簿価額の回収又は決済を行おうとしている方法から生じる税務上の影響が反映されている。当期税金及び繰延税金
は、連結損益計算書に認識される。ただし、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目に関連している場合、
当期税金及び繰延税金もその他の包括利益又は資本に直接認識される。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産を当期税金負債と相殺する法的強制力のある権利を有し、か
つ当該資産及び負債が同一の税務当局によって課される法人所得税に関連していて、当行グループが当期税金資
産及び負債を純額で決済する意思がある場合に相殺される。
増値税(以下、「VAT」という。)
当行グループの受取利息、受取報酬及び手数料、金融商品に係るトレーディング業務利得並びに保険料収入は、
連結財務諸表において、関連する増値税を控除した後の純額にて表示されている。
「金融、不動産開発、教育補助サービス等の増値税政策の明確化に関する通達」(財税[2016]140号)、「資産管理
商品に係る増値税政策に関する問題についての補足通達」(財税[2017]2号)及び「資産管理商品に対する増値税の
徴収に関する通達」(財税[2017]56号)に従い、当行グループは2018年1月1日以降に引き受けた課税対象の資産運
用業務に関し、3%の税率でVATを納付する。
184/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
7 .従業員給付
従業員給付とは、従業員が提供した勤務と交換に、又は雇用契約の終了と交換に企業が与えるあらゆる形態の対
価及び当行グループが負担したその他の関連費用をいう。当該給付には、短期従業員給付、退職後給付及び早期
退職給付が含まれる。
短期従業員給付
当行グループは、従業員が役務を提供した報告期間に、当該役務に対して支払うべき短期従業員給付の額を負債
として認識し、当期損益または関連する資産の取得原価に計上する。短期従業員給付としては、 給与、賞与、手当及
び補助金、従業員福利厚生、医療保険、雇用傷害保険、出産保険、住宅補助並びに労働組合費及び従業員研修費
がある。
退職後給付
当行グループの退職後給付は、主に、政府が強制加入を求める社会保障制度に関する基礎年金及び失業保険、
並びに当行が設立した年金基金に係る支払である。これらの退職後給付はすべて確定拠出制度である。これらの制
度に基づき、当行グループは、別個の基金に一定の掛金を支払っており、基金が当期及び過去の期間の従業員の勤
務に関連するすべての従業員給付を支払うための十分な資産を保有していないとしても、追加拠出を行う法的債務も
推定的債務も負わない。
当行グループは、支払い義務の生じた報告期間に、 基礎年金及び失業保険の掛 金を、当期損益または関連する
資産の取得原価に計上する。
当行の本店及び中国国内の支店(以下「国内機関」という。)の従業員は、当行が設立した年金基金(以下「当年金
基金」という。)に加入している。当行は、従業員の給与を基準とした年金掛金を支払い、支払い義務の生じた時に当
期損益または関連する資産の取得原価に計上する。当年金基金に同基金から支払われる従業員に対する退職金を
支払う十分な資産がないとしても、当行は追加的な債務を負わない。
早期退職給付
早期退職給付は経営者に承認され、通常の退職日より前に任意による退職を受け入れた従業員に支払われてい
る。関連する給付金の支払いは早期退職日から通常の退職日まで行われる。
早期退職給付につき、IAS第19号の退職給付に照らして会計処理を行う。関連認識基準を満たす際に、従業員の
役務提供の停止日から正常な定年退職日まで支払う予定の早期退職給付を負債として認識し、当期損益に計上す
る。前提条件の変更及び負債の時価評価の調整に起因する差異は、発生時に当期損益に計上する。
8 .金融商品
8.1 金融商品の当初認識、分類と測定
関連金融資産や金融負債は当行グループが金融商品の契約上の当事者になった時点に認識される。
通常の方法により取引される金融資産については、取引日に認識する。取引日とは、当行グループが金融資産の
購入又は売却を確約した日付のことをいう。
当初認識時には、当行グループは金融資産又は金融負債を公正価値で測定し、損益を通じて公正価値で測定さ
れるものではない金融資産又は金融負債に対しては、その金融資産又は金融負債の取得又は発行に直接付随して
発生する取引費用を追加又は控除して調整すべきである。損益を通じて公正価値で測定される金融資産又は金融負
債の場合には、その取引費用を費用として損益に計上する。
185/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1) 金融資産
金融資産を管理するビジネスモデルと金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性を基に、金融資産を以下の3
つに分類している。
(i) 償却原価で測定される金融資産
(ii) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(iii) 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
ビジネスモデルは、当行グループが金融資産を管理してキャッシュ・フローを生成する方法を反映している。すなわ
ち、当行グループは、資産の契約上のキャッシュ・フローの取得のみを目標にしているか、それとも契約上のキャッ
シュ・フローの取得のみならず金融資産の売却も目標にしているか。上述の二種類のいずれにも該当しない場合(たと
えばトレーディング目的で保有する金融資産)、当該金融資産のビジネスモデルは「その他」となり、損益を通じて公正
価値で測定される金融資産に分類される。当行グループが金融資産のビジネスモデルを確認する際に、次の要素が
考慮される:これまで当該資産のキャッシュ・フローをどのように取得したか、当該資産の業績をどのように評価しどのよ
うに経営幹部へ報告するか、リスクをどのように評価し管理するか、及び営業管理者の報酬をどのように取得するか。
ビジネスモデルが契約上のキャッシュ・フローの取得のためである場合、又は契約上のキャッシュ・フローの取得と金
融資産の売却という二重目的を含む場合、当行グループは金融商品のキャッシュ・フローが元本と利息の支払いのみ
であるかどうかを評価する。この評価を行う際、当行グループは、契約上のキャッシュ・フローが基本的貸付要件と一致
するかどうか、すなわち金利に貨幣の時間価値、信用リスク、その他の基本的貸付リスク及び基本的貸借相応の利益
率の対価を含むかどうかを考慮する。契約条項が基本的貸付要件と一致しないリスク又は変動エクスポージャーを引
き起こす場合、関連金融資産は損益を通じて公正価値で測定される。
組込デリバティブを含む金融資産に対して、契約上のキャッシュ・フローが元本と利息の支払いのみであるかどうか
を確認する際には、それを一つの全体として分析する。
当行グループは、負債性金融商品と資本性金融商品の分類に関して次のように要求している。
負債性金融商品
負債性金融商品とは、貸付金、政府債券、社債等発行者の立場から分析して金融負債の定義に合致する商品のこ
とをいう。負債性金融商品の分類と測定は、当該資産を管理する当行グループのビジネスモデルと資産のキャッシュ・
フローの特性に依拠する。
これらの要因により、当行グループは、その負債性金融商品を次の3つの測定カテゴリーに分類している。
(i) 償却原価で測定されるもの:当該金融資産の管理が契約上のキャッシュ・フローを取得することを目標とし、かつ
当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローが元本と利息に対する支払いのみであり、同時に当該資産が損益を
通じて公正価値で測定されるものとして指定されていない場合、当該資産は償却原価で測定されることになる。
(ii) その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるもの:当該金融資産を管理するビジネスモデルは契約上の
キャッシュ・フローの取得もその金融資産の売却も目標とし、かつ当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローは
元本と利息に対する支払いのみであり、同時に当該金融資産は損益を通じて公正価値で測定されるものとして
指定されていない場合、当該資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定されることになる。
(iii) 損益を通じて公正価値で測定されるもの:償却原価で測定される資産又はその他の包括利益を通じて公正価値
で測定される資産の要件を満たせない資産は、損益を通じて公正価値で測定されることになる。
186/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当初認識時に、会計上のミスマッチを解消又は著しく減らすことができる場合、金融資産を損益を通じて公正価値
で測定される金融資産として指定することができる。当該指定がいったん行われたら、取り消すことができない。
資本性金融商品
資本性金融商品とは、発行者の立場から資本の定義に合致する商品、すなわち、普通株式のような、支払いの契
約義務を含まないかつ発行者の純資産と余剰利益を享受する商品をいう。
当行グループの資本性金融商品投資は、損益を通じて公正価値で測定される。ただし、経営陣がその他の包括利
益を通じて公正価値で測定される対象として取消不能な選択を行った場合を除く。
(2) 金融負債
金融負債は、当初認識時に償却原価で測定される金融負債と損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分
類される。損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、デリバティブ商品、 トレーディング目的で保有する金融負
債 及び当初認識時に損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定した金融負債に適用される。
当初認識時に、より正確な会計情報を提供するために、当行グループは、金融負債を、損益を通じて公正価値で
測定されるものとして指定することができる。ただし、当該指定は以下のいずれかの条件を満たす必要がある。
(i) 当該指定により、会計上のミスマッチを解消するか、著しく削減することができること。
(ii) リスクマネジメント又は投資戦略の正式な書面において、当該金融負債グループ又は金融資産と金融負債のグ
ループに対して公正価値をベースに管理、評価し、かつ経営幹部に報告することが明記されたこと。
(iii) キャッシュ・フローに顕著な変更を与える 一種又は複数の組込デリバティブ金融商品を含む金融負債であるこ
と。
金融資産の移転が認識中止の要件を満たさないことによって形成された金融負債につき、当該移転が認識中止の条
件を満たさなくなった時点で、当行グループは、その移転にかかる対価に基づいて金融負債を認識し、かつ後続期間
における当該負債に起因する全ての費用を認識する。
8.2 金融資産の再分類
当行グループは、金融資産を管理するビジネスモデルを変更する際、その影響を受けるすべての金融資産に対し
て再分類を行い、再分類日から将来に向かって再分類を適用しなければならない。過去に認識された利益・損失(減
損損失や利益を含む)や利息の修正再表示を行ってはならない。再分類日とは、金融資産の再分類を引き起こしたビ
ジネスモデル変更後の最初の報告期間の初日を指す。
8.3 公正価値の確定方法
公正価値は、現行の市場条件の下で、市場参加者が主要な市場(又は最も有利な市場)に発生した秩序ある取引
において、測定日現在、資産の売却時に受け取るであろう、又は負債の移転時に支払うであろう価格である。当該価
格は、直接観測可能なものであるかその他の評価手法によって取得されたものであるかによって変わるものではない。
活発な市場で取引される金融商品、金融資産及び金融負債の公正価値は、市場相場をベースに確定される。これ
には、主要な取引所に相場のある上場株式証券及び負債性金融商品が含まれる。
金融商品に活発な市場がある場合には、当行グループは活発な市場の価格を用いてその公正価値を確定する。
活発な市場の価格とは、定期的に取引所、業界団体、価格査定サービスプロバイダーから入手しやすい価格を指し、
かつ秩序ある取引に実際に発生した市場取引価格を代表するものである。上述した条件を満たせない場合には、市
場が活発ではないとみなされる。市場が活発ではない場合には、主に顕著な売買の価格差の存在、売買の価格差の
顕著な拡大又は直近の取引が存在しないことが含まれる。
187/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
金融商品に活発な市場がない場合には、当行グループは 価格評価手法を利用してその公正価値を確定する。価
格評価手法には、直近に使用された取引価格を参考にする方法、割引キャッシュ・フロー分析法、オプションプライシ
ングモデル及びその他の市場参加者によく利用される評価手法が含まれる。また、これらの価格評価手法には観測可
能なインプット及び/又は観測不能なインプットが含まれる。
8.4 金融商品の事後測定
金融商品の事後測定はその分類に基づき実施される。
(1) 償却原価で測定される金融資産と金融負債
償却原価で測定される金融資産及び金融負債につき、その金融資産又は金融負債の償却原価は、当該金融資産
又は金融負債の当初認識金額をもとに次の調整を経て算定される。(i)返済された元本を控除する;(ii)実効金利法を
用いてその当初認識時に算定された金額と期間満了日の金額との差額を償却する累積償却額を加算又は減算する;
(iii)減損損失引当金の累計額を控除する(金融資産のみに適用)。
当行グループは、実効金利法で当該資産の受取利息と支払利息を計算し、それぞれ「受取利息」と「支払利息」とし
て計上している。
実効金利とは、金融資産や金融負債の予想残存期間を通じての見積将来キャッシュ・フローを、当該金融資産の
帳簿残高(すなわち、減損損失引当金を控除する前の償却原価)又はその金融負債の償却原価まで割り引くために
用いられる金利をいう。算定する際には、予想信用損失を考慮しないが、取引費用、プレミアムやディスカウント、又は
授受される実効金利の一部を構成する費用を含む。購入又は組成した信用減損金融資産につき、当行グループは、
当該金融資産の(帳簿残高ではなく)償却原価に基づいて信用調整を経た実効金利を算定し、かつ将来キャッシュ・
フローを見積もる際に、予想信用損失の影響を考慮に入れる。
当行グループは、以下の場合を除き、金融資産の帳簿残高に実効金利を乗じて利息収入を算定し、「利息収入」と
計上する。
(i) 購入又は組成した信用減損金融資産については、当初認識時から、その金融資産の償却原価と信用調整を経
た実効金利をもってその利息収入を算定する。
(ii) 購入又は組成された時に信用減損が発生していなかったが、残存期間に信用減損が発生した金融資産につい
ては、当該金融資産の償却原価(すなわち、帳簿残高から予想信用損失の引当金を控除した後の正味額)と実
効金利をもってその利息収入を算定する。当該金融商品が残存期間に信用リスクの改善により信用減損が消滅
し、かつ、この改善が客観的に上述の規定を適用した後に発生するある事象に関連すると判断できる場合、当該
金融資産の帳簿残高に実効金利を乗じてその利息収入を算定することになる。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品
当該金融資産の償却原価に関する減損損失又は利益、実効金利法で算定された利息と為替差損益は当期損益
に計上する。それに、帳簿価額の変動はすべてその他の包括利益に計上する。当該金融資産の認識中止時に、これ
までその他の包括利益に計上された累計利益や損失は、その他の包括利益から当期損益に振り替えされる。当行グ
ループは、実効金利法で当該資産の利息収入を計算し、「利息収入」と計上している 。
資本性金融商品
当行グループは非トレーディング資本性金融商品の投資を公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益に計
上するものとして指定する。指定された後に、公正価値の変動はその他の包括利益で認識され、その後に損益(処分
時を含む)に組み替えてはならない。配当収入は、当行グループの受け取る権利が確定された時点に認識され、損益
に計上される 。
188/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(3) 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品
事後に損益を通じて公正価値で測定され、かつヘッジ手段として指定されていない債務投資による利益又は損失
について、これら資産の期間の損失又は利益を損益に計上し、損益計算書に「トレーディング業務利益純額」として表
示する。ただし、当該収益又は損失は公正価値で測定される対象と指定された非トレーディング負債性金融商品によ
り生じたものである場合、「損益を通じて公正価値で測定されると指定された金融商品の(損失)/利益純額」として個別
に表示される 。
資本性金融商品
損益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品の投資による利益と損失は、連結損益計算書における「トレー
ディング業務利益純額」に計上する。
(4) 損益を通じて公正価値で測定される金融負債
当該金融負債は公正価値で測定され、それによって発生した利益又は損失が損益に計上される。損益を通じて公
正価値で測定される対象として指定された金融負債の場合、その金融負債による利益又は損失は、以下の規定に
従って処理される。
(i) 当行グループ自身の信用リスク変動により発生した当該金融負債の公正価値の変動金額は、その他の包括利益
に計上されるものとする。
(ii) 当該金融負債に係るその他の公正価値の変動は、損益に計上されるものとする。上述(i)のように、当該金融負債
の自己信用リスクの変動の影響を処理することにより、損益における会計上のミスマッチを引き起こし得る場合又
は拡大し得る場合、当行グループはその金融負債の全ての利益又は損失(自己信用リスクの変動の影響額を含
む。)を損益に計上する。
損益を通じて公正価値で測定される対象として指定された金融負債の認識中止時に、それまでその他の包括利益
に計上された累計利益又は損失は、その他の包括利益から振替えられ、利益剰余金に計上される。
8.5 金融商品の減損
償却原価及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産、並びに一部のローン・コミットメ
ント及び金融保証契約につき、当行グループは、フォワードルッキングな情報に基づき、予想信用損失に対して評価
を行う。
予想信用損失とは、債務不履行の発生リスクを加重した金融商品の信用損失の加重平均値を指す。信用損失と
は、当行グループが本来の実効金利で割引いた、契約に基づいて取得すべき全ての契約上のキャッシュ・フローと取
得可能と予想される全てのキャッシュ・フローとの差額を指すものであり、すなわち、全てのキャッシュ不足の現在価値
(そのうち、当行グループが購入又は組成した信用減損金融資産については、信用調整後の実効金利で現在価値に
割り引かれる。)である。
当行グループでは、信用損失の測定には次のような要素が反映されている。
(i) 一連の可能性ある結果を評価した偏りのない発生確率で加重平均した金額
(ii) 貨幣の時間価値
(iii) 貸借対照表日に過度なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な、過去の事項、現在の状況
及び将来の経済状況の予測
189/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
予想信用損失の評価に取り込まれた金融商品について、当行グループは関連金融商品の信用リスクが当初認識
時以降著しく増加しているか否かを評価し、「3つのステージ」減損モデルを用いて、それぞれ損失引当の評価、予想
信用損失の認識を行う。
- ステージ1:当初認識時以降に信用リスクが著しく増加していない金融商品につき、その損失のステージをス
テージ1に分類する。
- ステージ2:当初認識時以降に信用リスクが著しく増加しているが、信用減損が発生した金融商品とは見なされ
ない場合、その損失のステージをステージ2に分類する。信用リスクが著しく増加しているという判断基準については、
注記Ⅳ、44.1に開示されている。
- ステージ3:信用減損が発生した金融商品につき、その損失のステージをステージ3に分類する。信用減損が発
生した資産の定義については、注記Ⅳ、44.1に開示されている。
ステージ1の金融商品については、当該金融商品の将来12ヶ月以内に生じる可能性のある信用減損の金額に応じ
て減損損失引当金を測定し、ステージ2とステージ3の金融商品については、当該金融商品の残存期間全期間の信用
減損に相当する金額をもってその減損損失引当金を測定することになる。予想信用損失の測定に使用されるパラメー
ター、仮定、見積りについては、注記Ⅳ、44.1に開示されている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品の投資について、当行グループは、その他の
包括利益にその減損損失引当金を認識し、減損の損失又は利益を損益に計上し、かつ当該金融資産が貸借対照表
に表示された帳簿価額を減額しない。
前年度の会計期間において、既に金融商品の残存期間全期間の予想信用損失に相当する金額で減損損失引当
金を測定したが、当期の貸借対照表日に、当該金融商品が当初認識以降に信用リスクが著しく増加しているものに該
当しなくなった場合には、当行グループは、当期貸借対照表日の将来12ヶ月以内に生じ得る予想信用損失に相当す
る金額をもって当該金融商品の減損損失引当金を測定し、これによる減損損失引当金の戻入れ額を減損利益として
損益に計上する。ただし、購入又は組成された既に信用減損が発生した金融資産を除く。購入又は組成された既に
信用減損が発生した金融資産については、当行グループは、当期の貸借対照表日に当初認識時以降の残存期間全
期間の予想信用損失の累計変動額を減損損失引当金として認識する。
8.6 貸付契約の条件変更
当行グループが顧客との貸付契約を見直しや変更することにより、契約上のキャッシュ・フローは変化することがあ
る。このような状況が発生した場合、当行グループは、修正された契約条項に対し実質的な変化の有無を評価する。
修正後の契約条項に実質的な変化があった場合、当行グループは、原金融資産の認識を中止し、新しい金融資
産を公正価値で認識し、新しい資産に対して新たな実効金利を再測定する。この場合、修正後の金融資産に対して
減損の要求事項を適用した場合、信用リスクが著しく増加したかどうかを認識する場合を含め、当行グループは、上記
契約の条件変更日を当初認識時点とする。上述した新たに認識された金融資産に対しても、特に債務者が当初合意
した支払い義務を履行できない場合に、当行グループは、当初認識時に信用減損が発生したかどうかを評価する。帳
簿価額の変更は認識中止による利益や損失として損益に計上される。
条件変更後の契約条件に実質的な変化が発生していない場合、契約の修正は金融資産の認識中止を引き起こす
ことがない。当行グループは、条件変更後の契約上のキャッシュ・フローをもとに金融資産の帳簿残高を再計算し、条
件変更による利益や損失を損益に計上する。新しい額面残高を算出する際に、当初実効金利(又は購入又は組成さ
れた既に信用減損が発生した金融資産の信用調整後の実効金利)を用いて、条件変更後のキャッシュ・フローを現在
価値に割り引く。
190/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
8.7 認識の中止
当行グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産が譲渡
され、当該資産の所有に伴うリスク及び経済価値のほとんどすべてを他の企業に移転した場合にのみ、金融資産の認
識を中止する。当行グループが、所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでも、ほとんどすべて
を保持しているわけでもなく、譲渡資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与の範囲において資産の認
識を継続し、関連する負債を認識する。当行グループが譲渡した金融資産の所有に伴うリスク及び経済価値の実質
的にすべてを保持する場合、当行グループは当該金融資産の認識を継続し、さらに受領した金額については担保付
の借入として認識する。
金融資産の全体について認識を中止する際、資産の帳簿価額と、受領した対価とその他の包括利益に認識され資
本に累積されていた利得又は損失の累積額との合計額(該当がある場合)の差額は、当期損益に認識される。
金融負債は、関連する債務が免責、取消、又は失効となった時に認識が中止される。認識が中止された金融負債
の帳簿価額と支払ったか又は支払予定の対価との差額は、連結損益計算書に認識される。
8.8 資本性金融商品
資本性金融商品とは、当行グループが資産からすべての負債を差し引いた後残存資本を有すると証明できる契約
である。
以下の条件を満たした場合に、かつその場合にのみ、発行された金融商品は資本性金融商品として分類される。
(1)当該金融商品には、他の当事者への現金またはその他の金融資産の引渡し、または潜在的に不利な状況下
で他の当事者との金融資産や金融負債の交換に関する契約上の義務が含まれていない。
(2)将来自社の資本性金融商品で当該金融商品を決済する必要があるまたは決済することができる場合、当該金
融商品がデリバティブではない場合に、自社の変動可能な資本性金融商品を交付して決済する契約上の義務
は含まれていない;当該金融商品がデリバティブである場合には、一定数量の自社の資本性金融商品は、一
定額の現金またはその他の金融資産との交換を通じてのみ決済が可能である。
当行グループが発行する資本性金融商品は、実際に受け取った対価から資本性取引に直接帰すべき取引費用を
差し引いた後の残高により認識される。
8.9 デリバティブ金融商品及びヘッジ会計
デリバティブ金融商品に対しては契約の締結日に公正価値で当初測定を行い、かつ公正価値で事後測定を行う。
デリバティブ金融商品の公正価値は当期損益に計上される。
一部のデリバティブ商品、例えば転換社債型新株予約権付社債は、混合契約に組み込まれることがある。主契約
が金融資産である混合契約の場合には、当行グループはその全体に対して分類と測定を行う。主契約が非金融資産
である混合契約の場合には、以下の条件を充足する際に、組込デリバティブを独立したデリバティブ商品として分離し
たうえで処理を行う。
(i) 組込デリバティブは主契約の経済的特徴とリスクとは密接に関連していないこと。
(ii) 組込デリバティブと同一条件の独立したデリバティブがデリバティブ商品の定義を満たすこと。かつ、
(iii) 当該複合金融商品は損益を通じて公正価値で測定されていないこと。
当行グループは、分離した組込デリバティブに対して損益を通じて公正価値で測定されること、又は複合金融商品
を損益を通じて公正価値で測定されることのいずれかを選択することができる。
191/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行グループは、ヘッジの開始時に、ヘッジ対象項目とヘッジ手段の関係、並びにヘッジ取引を行うためのリスク管
理目標及び戦略に関する文書を作成する。当行グループは、ヘッジ開始日だけではなくそれ以降の期間において
も、ヘッジ関係が有効であるかどうか、すなわち、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動がヘッジ対象リ
スクに起因するヘッジ対象項目の公正価値又はキャッシュ・フローの変動と相殺する程度を継続的に評価する。
(a ) 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとは、認識された資産若しくは負債あるいは認識されていない確定約定、又は上述した項目の構成
部分の公正価値の変動エクスポージャーに対して行われるヘッジのことをいう。当該公正価値の変動は特定のリスク
に起因し、かつ損益に影響を与えることになる。
公正価値ヘッジとして指定され、かつ適格とされるヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジされたリスクに起因する
ヘッジ対象項目の公正価値の変動とともに、損益計算書に計上される。損益の純額は、損益計算書上非有効部分と
して計上される。
ヘッジがヘッジ会計の適格要件をもはや満たさなくなった場合には、償却原価で測定されるヘッジ対象の帳簿価額
に対する修正は、ヘッジ会計を中止した日から満期までの期間にわたり実効金利法により償却し損益計算書に反映さ
せる。ヘッジ対象の認識が中止される場合、帳簿価格に対するまだ償却されていない修正は、当期の損益計算書に
直接計上される。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、キャッシュ・フローの変動リスクエクスポージャーに対して行われるヘッジのことをい
う。当該キャッシュ・フローの変動は、認識されている資産若しくは負債(例えば、変動利付債の将来の利息支払の全
部又は一部など)、発生可能性が非常に高い予定取引、又は上述した項目の構成部分に関連する特定リスクに起因
し、かつ最終的に損益計算書に影響を与えるもののヘッジをいう。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、適格であるヘッジ手段の公正価値の変動の有効部分は、「その他の包括
利益」で認識される。非有効部分に関連する損益は、損益計算書に認識される。
株主資本に計上された累計利益又は損失は、ヘッジ対象の将来キャッシュ・フローが損益に影響を与えたその期に
振替され、かつ当期損益計算書に計上されるべきである
ヘッジ手段が満期、売却、またはヘッジ会計の適格要件を満たさなくなった場合には、株主資本に計上された累計
利益又は損失はヘッジ対象が損益に認識されるまでに保留される。ヘッジ対象の将来キャッシュ・フローが今後も発生
しないと予測した場合には(認識されたヘッジ資産が売却される)、その他の包括利益に認識された累計利益又は損
失は、直ちに当期損益に組み替えられる。
8.10 金融資産と金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、以下の条件を共に満たす場合に相殺され、連結財政状態計算書において純額表示さ
れる。(ⅰ)当行グループが、認識している金額を相殺する法的権利を有し、かつ現時点で当該法的権利に強制力が
ある、(ⅱ)当行グループは、純額で決済するか又は金融資産の実現と金融負債の決済を同時に行う意図を有してい
る。この法的に強制可能な権利は、将来の事象を条件としてはならず、当行グループ又は相手先の通常の事業の過
程及び債務不履行、倒産又は破産の発生時において、強制可能である必要がある。
192/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
8.11 買戻し条件付契約及び売戻し条件付契約
買戻し条件付契約(買戻日及び買戻価格が固定)に関連して、担保として譲渡した金融資産は、認識の中止が行わ
れない。買戻し条件付契約により譲渡した金融資産は引き続き認識され、かつ損益を通じて公正価値で測定される金
融資産、償却原価で測定される負債性金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商
品またはその他の資本性金融商品に適宜計上される。対応する負債は、買戻し条件付契約に基づいて売却した金融
資産に計上される。認識の中止が行われていない項目は、注記Ⅳ42「偶発負債及びコミットメント-担保」に開示され
ている。
売戻し条件付契約に基づいて保有する金融資産の支払対価は、売戻し条件付契約に基づいて保有する金融資産
として計上されるが、これらに関連する受入担保は連結財務諸表に認識されない(注記Ⅳ、42「偶発負債及びコミットメ
ント-担保」)。
購入価格と売却価格との差額は、実効金利法を使用して、契約期間にわたり支払利息又は受取利息として連結損
益計算書に認識される。
9 .保険契約
保険契約の分類
保険契約とは、保険事故又は保険事象に関連した重要な保険リスクを当行グループが引き受ける契約である。当行
グループは、主に、死亡事故を長期に補償する生命保険契約を発行している。当行グループは、生命保険以外の保
険契約も発行しているが、これは短期の損害保険及び健康保険に係るリスクを対象としている。当行グループは、必
要に応じて再保険契約を締結し、再保険者に保険リスクを移転している。重要な保険リスクに関するテストは、保険契
約の開始時に行われている。
保険契約には、保険要素と預り金要素の両方が含まれているものがある。当行グループは、保険要素と預り金要素
を分離して測定できる場合には、これらの要素をアンバンドルしている。アンバンドルした保険要素については保険契
約として会計処理し、アンバンドルした預り金要素については投資契約負債(金融負債)として会計処理している。
保険収益の認識
当行グループは、保険契約が発行されかつ当行グループが関連する保険責任を負い、保険契約に関連する経済
利益が十分な程度の確実性を有しかつ信頼性をもって測定できる場合に限り、当該項目を収益として認識する。
保険契約準備金
保険契約準備金は、当行グループが保険契約に基づく義務の履行に際して要求されるであろう支払額に関する合
理的な見積額(保険契約に基づく予想将来キャッシュ・アウトフローとインフローとの差額)に基づき測定されている。予
想将来キャッシュ・フロー(純額)の合理的な見積額は、報告期間の末日現在入手可能な情報に基づき算定されてい
る。当行グループは、長期生命保険契約に係る準備金の計算に時間価値の影響を考慮している。
当行グループは、報告日現在入手可能な情報を基に負債の十分性テストを行っている。不足がある場合には、保
険契約準備金を追加計上している。
193/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
10 .貴金属
貴金属の内訳は、金、銀及びその他の貴金属である。
当行グループのトレーディング業務に関連しない貴金属は、取得原価で当初測定され、その後取得原価と正味実
現可能価額とのいずれか低い金額で測定される。当行グループのトレーディング業務に関連する貴金属は、公正価
値で当初認識され、再測定から生じた公正価値の変動は発生した期の連結損益計算書に直接認識される。
11 .有形固定資産
事業の用に供する目的又は管理目的で保有する建物を含む有形固定資産(建設仮勘定を除く)は、取得原価から
取得後の減価償却累計額及び(ある場合は)減損損失累計額を控除した金額で連結財政状態計算書に計上される。
土地使用権に帰属する取得原価が、当初から信頼性をもって測定できず、建物の取得原価と区分できない場合に
は、建物の取得原価に含めて、有形固定資産に計上される。
有形固定資産(建設仮勘定を除く)に関する取得後支出は、経済的利益の恩恵を当行グループが受ける可能性が
高く、当該取得度支出が測定可能であり、取り替えられた部分の帳簿価額の認識が中止される場合に有形固定資産
(建設仮勘定を除く)の取得原価に含める。その他の取得後支出は発生した期の連結損益計算書に認識する。
減価償却費は、有形固定資産項目(建設仮勘定を除く)の経済的価値の費消を認識するために、見積 残存価額 を
控除した上で、 見積耐用年数 にわたり定額法を用いて、連結損益計算書の営業費用の一項目として認識される。 見
積耐用年数 、残存価額及び減価償却率は、各報告期間の末日において見直される。
有形固定資産の種類ごとの耐用年数、見積残存価額率及び年間減価償却率は、以下の通りである。
種類 見積残存耐用年数 見積残存価額率 年間減価償却率
建物 5-50 年 3% 1.94%-19.40%
電子機器、器具及び備品 3-11 年 3% 8.82%-32.33%
車両運搬具 5-8 年 3% 12.13%-19.40%
事業の用に供する 目的又は管理目的で建設中の資産は、建設仮勘定として減損損失控除後の取得原価で計上され
る。建設仮勘定は、建物が完成し、その意図した使用が可能となった時に、適切な有形固定資産の区分に振り替えら
れる。これらの資産の減価償却は、他の有形固定資産と同じ基準に基づき、当該資産の意図した使用が可能となった
時に開始される。
有形固定資産項目は、処分時、又は将来の経済的便益が継続的使用から生じると何ら見込まれなくなった時に、認
識が中止される。有形固定資産項目の処分又は除却により生じる利得又は損失は、売却による収入額と当該資産の
帳簿価額との差額として計算され、連結損益計算書のその他の営業収益又は営業費用に認識される。有形固定資産
の減損に関する会計方針は、注記Ⅱ、 18 「有形固定資産及びのれん以外の無形固定資産の減損」に記載されてい
る。
12 .土地使用権
土地使用権は、その他の資産に分類され、認可された使用可能期間にわたり 定額法で償 却される。
194/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
13 .担保権実行資産
当行グループが譲受した金融資産に該当する担保権実行資産は、公正価値で当初認識される。当社グループが
譲渡した金融資産のうち負債性資産は公正価値で測定される。譲渡した金融資産以外の負債性資産は、放棄された
債権の公正価値と当該資産に直接帰属する税金等のその他のコストで当初認識される。
債務者が復数の資産で当行グループの債務を返済し、またはポートフォリオで債務再編を行う場合、当行グループ
はまず注記Ⅱ、8「金融資産」の規定に基づき、譲受した金融資産と再編債権を認識、測定する。次に、譲受した金融
資産以外の各資産の公正価値の割合により、放棄された公正価値から譲受した金融資産及び債務再編の認識金額
を控除した後の残額を配分し、かつこれをもとに、上述の規定により各資産の取得原価を認識する。
放棄された公正価値と帳簿価格との差額は、当期損益に計上される。
14 .投資不動産
投資不動産とは、 賃貸収益もしくは資本増価又はその両方を目的として保有する不動産をいう。
投資不動産は、当初は取得原価で測定される。投資不動産に関してその後発生した支出は、当該資産に帰属する
経済的便益が当行グループにもたらされる可能性が高く、かつその後の支出が信頼性をもって測定できる場合に、当
該投資不動産の取得原価に含められる。その他のその後の支出は、発生した期の 連結損益計算書 に認識される。
投資不動産は、原価モデルを使用して測定されている。減価償却費及び償却費は、有形固定資産及び土地使用
権と同じ方法で認識されている。
投資不動産の減損に関する会計方針は、注記Ⅱ、18 「有 形固定資産及びのれん以外の無形固定資産の減損」に
記載されている。
その後減損損失が戻し入れられる場合、当該投資不動産の帳簿価額は、その回収可能価額の修正後の見積額ま
で増額されるが、その金額は、増額された帳簿価額が 減損が認識されていなかったとした場合の帳簿価額を超過しな
い範囲である。 減損損失の戻入れは連結損益計算書に認識される。
投資不動産が売却、譲渡、使用停止されるか、又は損傷した時点で、当行グループは、処分による収入から帳簿価
額及び関連費用を控除した額を連結損益計算書に認識している。
15 .リース
リースとは、貸手が対価を得るために一定期間において資産の使用権を借手に譲渡する契約を指す。
当行グループが借手として
当行グループは、リース期間の開始日に使用権資産を認識し、未払リース料の現在価値にてリース負債を認識す
る。リースの支払額には、固定の支払額と、コールオプションの行使やリースオプションの終了が合理的に判断された
場合に支払う必要のある金額が含まれる。売上高の一定の割合に応じて確定される変動可能なリース料は、リースの
支払額には含まれず、実際発生時に当期損益に計上される。
195/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行グループの使用権資産は主に建物のレンタルである。使用権資産は、原価に基づいて初期測定を行い、当該
原価は、リース負債の初期測定額、リース期間の開始日またはその前に支払ったリースの支払額、初期直接費用等を
含んでおり、すでに受け取ったリースインセンティブを差し引いた後のものである。当行グループは、リース期間満了時
にリース資産の所有権を取得できると合理的に判断できる場合、リース資産の残存耐用年数内に減価償却を行う。
リース期間満了時にリース資産の所有権を取得できるかどうかが合理的に判断できない場合、リース期間とリース資産
の残存耐用年数の短いほうの期間内に減価償却を行う。回収可能額が使用権資産の帳簿価額を下回る場合、当行
グループは帳簿価額を回収可能額に減額する。
リース期間が12か月以内である短期リースおよび単一のリース資産が新品時の価格が低い少額資産リースの場合、
当行グループは、使用権資産とリース負債を認識しないことを選択し、関連するレンタル費用を、リース期間内の各期
間にわたり、定額法に基づいて当期損益に計上する。
当行グループが貸手として
当行グループは、ファイナンス・リースの貸手である場合、リース期間の開始日に、ファイナンス・リースに対してファ
イナンス・リースの未収金を確認し、かつファイナンス・リースの資産の確認を終了する。当行グループは、ファイナン
ス・リースの未収金を貸出金及び立替金として貸借対照表に表示する。
当行グループは、オペレーティング・リースの貸手である場合、オペレーティング・リース料を、リース期間の各期間
において定額法にて当期損益として認識する。オペレーティング・リースに関連する初期直接費用は、発生時に資産
計上し、リース期間全体にわたりリース収益と同じ認識基準に基づき分割して当期損益に計上する。
16 .現金及び現金同等物
現金及び 現金 同等物とは、短期の流動性の高い資産のうち、容易に一定の金額に換金可能であり、かつ、価値の
変動について僅少なリスクしか負わないものをいう。現金及び 現金 同等物には、現金、及び当初の満期が3ヶ月以内
の中央銀行預け金、銀行及びその他の金融機関への預け金、銀行及びその他の金融機関への貸出金、並びに売戻
し条件付契約に基づき保有する金融資産が含まれている。
17 .無形固定資産
個別に取得した無形固定資産で耐用年数を確定できるものは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を
控除した金額で計上される。耐用年数を確定できる無形固定資産は、通常5年から20年の見積耐用年数にわたり定額
法で償却される。
耐用年数が確定できない無形固定資産は、償却を行わず、年1回の減損判定を行う。
無形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、正味処分収入と当該資産の帳簿価額との差額として測
定され、連結損益計算書に認識される。
196/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
18 .有形固定資産 及びのれん以外の無形固定資産の減損
各報告期間の末日現在において、当行グループは、有形固定資産及び無形固定資産に減損損失が生じている兆
候の有無を判断するために、これらの資産の帳簿価額を見直している。このような兆候が存在する場合、減損損失の
程度を決定するために当該資産の回収可能価額が見積られる。回収可能価額は、 売却コスト控除後の公正価値と使
用価値のいずれか高い金額である。
資産の回収可能価額が帳簿価額を下回ると見積られる場合、当該資産の帳簿価額はその回収可能価額まで減額
される。減損損失は連結損益計算書に認識される。
その後減損損失が戻入れられる場合、当該資産の帳簿価額は、その回収可能価額の修正後の見積額まで増額さ
れるが、帳簿価額の増額は、減損が認識されていなかったとした場合の帳簿価額を超過しない範囲である。減損損失
の戻入れは連結損益計算書に認識される。
19 .分配配当金
当行の普通株主に対する分配配当金は、当該配当金が当行の年次株主総会において承認された期に、当行グ
ループ及び当行の財務諸表に負債として認識される。
年次株主総会での承認により、取締役会は、優先株式に係る配当宣言及び配当を単独で行う裁量権を有してい
る。優先株式に係る配当金は、当該配当金が当行の取締役会において承認された期に、当行グループ及び当行の
財務諸表に負債として認識される。
20 .引当金
引当金は、当行グループが過去の事象の結果として現在の債務を有しており、当行グループが当該債務の決済を
求められる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識される。
引当金は、各報告期間の末日における現在の債務を決済するのに必要な対価の最善の見積りで測定され、その際
に当該債務を取り巻くリスク及び不確実性が考慮される。現在の債務を決済するためのキャッシュ・フローの見積りを
用いて引当金が測定される場合、その帳簿価額は当該キャッシュ・フローの現在価値となる。
21 .信託業務
当行グループは、証券投資ファンド、社会保障基金、保険会社、信託会社、適格外国機関投資家、年金基金及び
その他の機関並びに個人との間の保管契約に従って顧客資産を保護するために、保管 銀行 又は受託 銀行 として、そ
の他の受託者の資格で業務を遂行している。当行グループは、当該保管契約の下で提供する役務と引き換えに報酬
を受け取るが、保管資産に関連する経済的リスク及び経済価値に対していかなる利害も有していない。このため、保
管資産は、当行グループの連結財政状態計算書には認識されていない。
当行グループは、顧客に対して受託貸付契約を行っている。当行グループは、受託貸付契約の条件に基づき、受
託貸付金を提供する貸手である顧客の指示に従って、仲介者として借手に対して貸付を行う。当行グループは、受託
貸付金の取決め及び回収に責任を負い、提供する役務に対して手数料を受け取っている。当行グループは、受託貸
付金に係る経済的リスク及び経済価値並びに対応する受託資金の調達を引き受けていないため、これらは当行グ
ループの資産及び負債として認識されていない。
197/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
22 .金融保証契約とローン・コミットメント
金融保証契約は、発行者に、契約保持者に対する返済保証の提供を求めており、すなわち、満期時に被保証人に
契約条項の支払義務の不履行があった場合、発行者がその代わりに契約保持者の損失を補償する。
金融保証契約は、保証提供日に公正価値で当初認識が行われる。当初認識時以降、負債の金額は、当初認識金
額から収益認識基準に基づき認識された保証料の償却原価を控除した金額と当行グループの保証責任の履行に要
される引当金見積のいずれか高いほうの金額をもって、帳簿に表示される。これらの見積りは、類似する取引経験、過
去の損失履歴、及び経営陣の判断に基づいて行われるものである。当該契約に関連した負債の増加は、当年度の連
結損益計算書に計上される。
当行グループが提供したローン・コミットメントは、予想信用損失をもとに減損損失を評価する。当行グループは、い
かなる市場金利よりも低い価格で融資を行うことを承諾していない。また、現金又はその他の金融商品の発行をもって
ローン・コミットメントの決済を行うこともしない。
当行グループはローン・コミットメントと金融保証契約の減損損失引当金を、負債の見積額に算入する。しかし、ある
商品が同時に貸付金と未使用の承諾を含めており、かつ当行グループが貸付金部分と未使用の承諾部分に係る予
想信用損失を区分できない場合、両方の減損損失引当金は併せて貸付金の減損損失引当金に計上される。ただし、
両方の減損損失引当金合計が貸付金の帳簿残高を上回った場合、その減損損失引当金を負債の見積額に算入す
る。
23 .偶発負債
偶発負債とは、過去の事象から発生し得る債務のうち、企業が完全には統制できない将来の1つ又は複数の不確
実な事象の発生又は不発生によってのみ、その存在が確認される債務である。また、過去の事象から発生した現在の
債務であるが、債務決済のために経済的資源の流出が必要となる可能性が高くない、又は債務の金額が信頼性を
もって測定できないことを理由に、認識されていないものもこれに該当する。
偶発負債は、経済的便益を有する資源の流出可能性が高い場合を除き認識されないが、開示は行われる。当行グ
ループの偶発負債は、注記Ⅳ、42「偶発負債及びコミットメント」に開示されている。
ただし、前述した債務が注記Ⅱ、20「引当金」に記載している認識基準を満たした場合に、当行グループは、その債
務を引当金として認識する。
198/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Ⅲ. 会計方針適用時の重要な会計上の見積り及び判断
経営者は、注記Ⅱに記載されている当行グループの会計方針の適用の際に、資産及び負債の帳簿価額に影響を
及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求される。見積り及び関連する仮定は、過去の実績及び関連する他の要
素(将来の事象に関する合理的予想を含む。)に基づいている。
当行グループは、前述した見積り及び関連する仮定を継続的に見直す。会計上の見積りの修正は、当該修正が行
われた期間及び将来の期間に適切に認識される。
以下の項目は、経営者が当行グループの会計方針を適用する過程で行った重要な判断及び主要な見積りを有す
るものであり、翌12ヶ月以内に資産及び負債の帳簿価額に対する重大な修正の原因となる重要なリスクを伴うものであ
る。
1 .予想信用損失の測定
償却原価とその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品投資と、一部のローン・コミットメント
と金融保証契約に対して、その予想信用損失の測定に複雑なモデルと大量の仮説を使用した。これらのモデルと仮
定は、将来のマクロ経済状況と顧客の信用行為(例えば、顧客によるデフォルトの可能性とそれ相応の損失)に関わ
る。注記Ⅳ、44.1信用リスクにおいて、予想信用損失の測定に用いられたパラメーター、仮定と見積りを具体的に説明
した。
2 .金融資産の分類
当行グループが金融資産の分類を確定する際に行う重要な判断には、ビジネスモデル及び契約のキャッシュ・フ
ロー特性の分析等が含まれる。
当行グループは、金融資産のポートフォリオレベルで金融資産を管理するビジネスモデルを確定する。その際に考
慮する要素として、金融資産の業績評価の方法及び管理層への報告方法、金融資産の業績を影響するリスク及びそ
の管理方法、並びに関連業務管理者の報酬稼得方法等が含まれる。
当行グループは、金融資産の契約のキャッシュ・フローが基本的貸付契約のものと一致するかどうかを評価する際
に、以下の重要な判断を行う。元本は繰上返済等の原因により金融資産の存続期間内に時間の分布又は金額の変
動が生じる可能性があるか、利息には、貨幣の時間価値、信用リスク及びその他基本的貸付リスク、コストと利益の対
価のみが含まれるか、例えば、繰上返済の金額には、未返済の元本及び未返済元本の金額をベースとした利息、並
びに契約の早期中止のために支払われる合理的な補償のみが反映されているか等である。
3 .金融商品の公正価値
当行グループは、活発な市場の取引相場がない金融商品の公正価値の見積りに、評価技法を使用している。これ
らの評価技法には、同一又は類似の金融商品の直近の取引価格、割引キャッシュ・フロー分析及び一般的に認めら
れている価格決定モデルを利用することが含まれる。評価技法による公正価値の見積りには、利用可能な限り、金利
のイールドカーブ、為替レート及びインプライド・オプション・ボラティリティ等の実際に市場で観察可能なインプット及
びデータが使用される。市場で観察可能なインプットが入手できない場合、公正価値は、市場で観察可能なデータと
可能な限り近似するように修正した仮定を使用して見積られる。しかしながら、信用リスク(当行グループ及び取引相手
先)、流動性、ボラティリティ及び相関等の分野においては、経営者は見積りを行うことが要求されている。これらの要素
に関する仮定の変更は、金融商品の見積公正価値に影響を及ぼすこともありうる。
中国政府の債務(大規模政策による資金調達取引に関連)の公正価値は、関連商品の所定の条件を用いて、中国政
府が関与又は指示した類似の取引において中国政府が決定した条件を参照の上、算定される。これについては、比
較可能な規模及び内容の独立第三者間の取引を反映した相当するその他市場価格やイールドは存在しない。
199/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
4 .税金
通常の当行グループの事業のなかで、最終的な税金への影響が不確実な取引や活動が生じる場合がある。当行
グループは、現行の税法や税務当局の過去の実務を考慮の上、税法の適用における不確実な項目に対する見積り
や判断を行っている。これらの項目に係る最終的な税額が経営者の当初の見積額と異なる場合、その差額は、最終
的な税額の決定がおこなわれた期の法人所得税及び繰延税金に影響が生じることになる。
5. 組成された事業体の合併
当行グループは 組成された事業体 における資産管理者又は投資者としての役割を果たす場合、当該 組成された
事業体 を支配しているかどうか、及び連結対象とするかどうかにつき重大な判断を行う必要がある。当行グループは取
引スキームにおける契約の権利と義務及び 組成された事業体 に対する権限を評価し、 組成された事業体 の変動リ
ターンを分析・測定した。評価分析の対象には、資産管理者として稼得した手数料及び資産管理費、剰余利益、並び
に 組成された事業体 に対して流動性支持又はその他の支持の提供有無を含むがこれらに限らない。それに、当行グ
ループは、 組成された事業体 の意思決定権の範囲、資産管理サービスの提供により稼得した報酬の水準、 組成され
た事業体 のその他の権益を所有することにより負担した変動リターンに対するリスク及びその他の関与者の所有してい
る実質的権利に対する評価と分析を含み、当行グループが 組成された事業体 の取引において主要な責任者と代理
人のどちらの役割を果たしたかを判断した。
6 . 金融 資産 の譲渡による認識中止
当行グループは、通常の事業の中で、通常の取引条件による取引と譲渡、資産証券化、買戻契約、証券貸付など
さまざまな手段で金融資産を譲渡している。譲渡により該当する金融資産の全部又は一部の認識を中止できるか否か
を判断するにあたって、重要な判断を行っている。
当行グループが、金融資産を組成された事業体に譲渡する仕組取引を締結した場合、当行グループとこれらの組
成された事業体との間の関係の実態が、これらの組成された事業体を支配していることを示唆しているかどうかを評価
し、かかる組成された事業体を連結する必要があるかどうかを判定する。連結要否の判断によって、認識中止の判断
を連結レベルで行うべきか、若しくは金融資産の譲渡側である単体レベルで行うべきかを決定する。
当行グループは、かかる譲渡に関する契約上の権利及び義務を分析し、以下の判定基準に基づいて、認識中止
の要件を満たすか否かを評価する。
・ 金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡したか否か、又は当該譲渡が外部の独立している第三
者にこれらのキャッシュ・フローを「パススルー」するものとなっているか否かを評価する。
・ 当行 グループ は、金融資産の所有に係るリスクと経済価値がどの程度の範囲まで譲渡されたかを評価する。譲渡
前と譲渡後のキャッシュ・フロー、リスク及び経済価値の譲渡の範囲に関する当行グループの評価に影響を与え
る他の要因を評価するにあたって、重要な会計上の見積り及び判断を行っている。
・ 当行グループは、金融資産の所有に係る実質的にすべてのリスク及び経済価値を譲渡も保持もしていない場
合、かかる金融資産に対する支配を放棄しているか否か、譲渡された金融資産に対する継続的関与を有してい
るか否かを評価する。金融資産に対する支配を放棄しているか否かを評価するにあたって、当行グループは、譲
受人が資産の処分を行う実務上の能力を有しているか否か、即ち、追加的な制約を課すことなく、譲受人が自ら
当該資産全体を無関係の第三者に譲渡する能力を有しているか否かを評価する。金融資産に対する支配を放
棄している場合には、金融資産の認識を中止し、金融資産の譲渡によって生じている又は保持している契約上
の権利・義務に対して、資産及び負債を認識する。金融資産に対する支配を保持している場合には、継続的関
与の程度に応じて関連する金融資産の認識を継続する。
200/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Ⅳ. 連結財務諸表に対する注記
1 . 受取利息純額
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
受取利息
顧客への貸出金及び立替金 631,753 579,464
内:法人向け貸出金及び立替金 342,697 326,409
個人向け貸出金及び立替金 279,855 241,250
割引手形 9,201 11,805
金融投資
償却原価で測定される負債性金融商品投資 187,067 172,710
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
その他負債性金融商品 51,928 59,861
中央銀行預け金 34,271 35,024
銀行及びその他の金融機関への預け金 8,824 13,585
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産 9,984 8,947
7,105 3,549
銀行及びその他の金融機関への貸出金
930,932 873,140
小計
支払利息
顧客からの預り金 (284,552) (279,737)
銀行及びその他の金融機関からの預り金 (37,588) (33,728)
発行債務証券 (35,746) (31,375)
中央銀行からの借入金 (20,424) (16,164)
銀行及びその他の金融機関からの借入金 (6,114) (9,441)
(1,429) (1,825)
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産額
(385,853) (372,270)
小計
545,079 500,870
受取利息純額
201/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2 . 受取報酬及び手数料純額
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
受取報酬及び手数料
電子バンキング・サービス 26,169 25,209
代理サービス 21,043 19,801
銀行カード (i) 14,702 15,486
コンサルタント及びアドバイザリーサービス 11,174 10,109
決済及び清算サービス 11,129 11,443
保管及びその他の信託 4,435 3,899
信用コミットメント 1,875 1,895
639 474
その他
91,166 88,316
小計
支払報酬及び手数料
銀行カード (i) (10,760) (8,847)
電子バンキング・サービス (3,182) (3,992)
決済及び清算サービス (1,483) (1,770)
(1,196) (780)
その他
(16,621) (15,389)
小計
74,545 72,927
受取報酬及び手数料純額
(i) 当行グループは中華人民共和国財政部、国務院国有資産監督管理委員会、中国銀行保険監督管理委員会及び中国証券
監督管理委員会が発表した「企業会計準則の厳格な実施、2020年次報告の効果的な強化に関する通知」に基づき、クレジッ
トカードの割賦業務収入及び支出を、受取利息勘定に組み替え、かつ昨年同期の比較数字を調整した。
3 . トレーディング業務利益純額
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
トレーディング目的保有の債務証券に係る利得 純額 4,178 11,095
貴金属に係る 利得純額 (1) 4,784 4,304
外国為替デリバティブに係る 利得 /( 損失)純額 3,211 (571)
金利デリバティブに係る損失純額 (3,103) (1,421)
7,335 5,660
その他
16,405 19,067
合計
(i) 貴金属に係る利得純額は、貴金属及び貴金属関連のデリバティブ商品に係る利得純額から構成されている。
202/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
4 . 金融投資 (損失 )/ 利益純額
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された負債性金融商品(損
失)/利益純額 (92) 201
損益を通じて公正価値で測定されるその他の負債性金融商品による利得純額 4,120 5,073
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融負債の純損失(i) (11,271) -
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他の負債性金融商品による
利得純額 750 471
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された元本保証の資産運用商
品に係る(損失)/利益純額 (748) 36
(71) 12
その他
(7,312) 5,793
合計
(i) 純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融負債の純損失は、純損益を通じて公正価値で測定される仕
組預金が満期を迎えたことによる損失を含んでいる。
5 . その他の営業収益
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
受取保険料 26,151 22,938
為替差(損)/益 (95) 2,804
政府補助金 784 824
有形固定資産の処分に係る利得 1,172 1,017
賃貸収益 950 863
1,652 2,247
その他
30,6 14 30,693
合計
203/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
6 . 営業費用
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
人件費 (1) 123,345 124,267
一般営業管理費 (2) 49,452 48,246
保険給付金及び保険金支払額 27,873 23,349
減価償却費及び償却費 19,551 18,711
税金及び付加税 (3) 5,813 5,688
3,863 3,835
その他
229,897 224,096
合計
(1) 人件費
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
短期従業員給付
給与、賞与、手当及び補助金 80,854 79,255
住宅補助 8,933 8,524
社会保険料 4,713 5,450
内訳:医療保険 4,398 4,902
出産保険 205 407
雇用傷害保険 110 141
労働組合費及び教育研修費 3,613 3,534
10,595 10,044
その他
小計 108,708 106,807
確定拠出給付 14,632 17,399
5 61
早期退職給付
123,345 124,267
合計
(2)2020年度の一般営業管理費には、146百万人民元の監査人に対する報酬が含まれている。そのうち、財務諸表の
監査報酬は137百万人民元、非監査業務報酬は9百万人民元(2019年度:157百万人民元、そのうち、財務諸表の
監査報酬は136百万人民元、非監査業務報酬は21百万人民元)。
(3)2016年5月1日より、当行グループの貸付サービスや、直接費用徴収金融サービス、保険サービス、金融商品譲渡
サービスによる収入は増殖税の課税範囲に組み入れるようになっている。税率は6%である。
「財政部、国家税務総局による金融業における営業税から増殖税への徴収変更試行の更なる推進に関する政策
の通達」(財税[2016]46号)に従い、当行の「三農金融事業部」パイロットプログラムの対象である各省、自治区、直
轄市、計画単列市の支店の下での県域レベルの支店、並びに新疆生産建設兵団の支店の下で県域レベルの支
店に対し、簡易手法を採用し、農家に対する貸出金や農村企業及びその他の農村機関への貸付金の利子所得
の3%で増殖税を課税する。
都市建設維持税は、当行グループの国内業務に係る増値税の1%、5%若しくは7%として算定されている。
当行グループの国内機構の教育付加税は3%であり、地方教育付加税は2%として適用されている。
204/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
7 . 取締役、監査役の報酬及び持分
(1) 取締役、監査役及び幹部役員の報酬の内訳は以下の通りである。
2020 年 12月31日終了事業年度
(単位:千人民元)
退職給付 その他
基本給与、 制度への 現物給付
項目 報酬 及び手当 掛金 (xiii) 合計
執行取締役
周慕氷 (i) - 619 77 73 769
張青松 (ii) - 619 77 73 769
張旭光 (iii) - 557 74 72 703
独立非執行取締役
肖星 410 - - - 410
王欣新 380 - - - 380
黄振中 380 - - - 380
梁高美懿 370 - - - 370
劉守英 360 - - - 360
非執行取締役
廖路明 - - - - -
李奇雲 - - - - -
李蔚 - - - - -
吳 江濤 - - - - -
朱海林 (iv) - - - - -
監査役
王敬東 - 619 77 73 769
夏太立 50 - - - 50
邵利洪 50 - - - 50
武剛 50 - - - 50
李旺 280 - - - 280
張傑 310 - - - 310
劉紅霞 300 - - - 300
范建強 (v) - - - - -
幹部役員
湛東升 - 557 74 72 703
崔勇 - 557 74 72 703
徐瀚 (vi) - 325 50 42 417
李志成 - 974 135 73 1,182
韓國強 (vii) - 81 11 7 99
退任執行取締役
張克秋 (viii) - 511 66 66 643
退任非執行取締役
陳剣波
(ix) - - - - -
徐建東 (x) - - - - -
205/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
退任 監事
王醒春 (xi) - - - - -
退任幹部役員
周萬阜 - 244 32 15 291
(xii)
2,940 5,663 747 638 9,988
合計
(i) 周慕氷は、 2021 年 1月 7日から当行の董事長、執行取締役を退任した。
(ii) 張青松は、 2020 年 1月 14 日から当行グループの副董事長、執行取締役に選任された。
(iii) 張旭光は、 2020 年 10 月 12 日付で当行の執行取締役に選任された。
(iv) 朱海林は、 2020 年 6月 29 日付で当行の非執行取締役に選任された。
(v) 范建強は、 2020 年 11 月 27 日付で当行の株主代表の監査役に選任された。
(vi) 徐瀚は、 2020 年 10 月 12 日付で当行の副銀行長に選任された。
(vii) 韓國強は、 2020 年 11 月 3日付で当行の取締役会秘書に選任された。
(viii) 張克秋は、 2020 年 11 月 30 日付で当行の執行取締役、副銀行長を退任した。
(ix) 陳剣波は、 2020 年 6月 29 日付で当行の非執行取締役を退任した。
(x) 徐建東は、 2020 年 6月 18 日付で当行の非執行取締役を退任した。
(xi ) 王醒春は、 2020 年 6月 29 日付で当行の株主代表の監査役を退任された。
(xii ) 周萬阜は、 2020 年 3月 24 日付で当行の取締役会秘書、会社秘書を退任した。
(xiii ) その他の福利厚生には、当行が政府の関連規定に従って給与及び手当の一定の比率をもってかつ定められた上限を超えない範囲内
で計上しかつ労働局や社会保障関連機構に納付した医療保険、住宅積立金及びその他社会保険料等が含まれている。
連結財務諸表の公表日現在、2020年12月31日終了事業年度における上記の取締役、監査役及び幹部役員への
報酬パッケージの総額は中国の関連機関の規制により未だ確定していない。最終的な報酬額は、確定時に別の報告
書にて開示される予定である。
206/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度(修正)
(単位:千人民元)
退職給付 その他
基本給与、 制度への 現物給付
項目 報酬 及び手当 掛金 (xviii) 合計
執行取締役
周慕氷 - 821 93 80 994
張克秋 (i) - 738 85 92 915
独立非執行取締役
肖星 390 - - - 390
王欣新 367 - - - 367
黄振中 367 - - - 367
梁高美懿 (ii) 145 - - - 145
劉守英 (iii) 146 - - - 146
非執行取締役
徐建東 - - - - -
陳剣波 - - - - -
廖路明 - - - - -
李奇雲 - - - - -
李蔚 (iv) - - - - -
吳 江濤 (v) - - - - -
監査役
王敬東 - 821 93 80 994
王醒春 - - - - -
夏太立 50 - - - 50
邵利洪 50 - - - 50
武剛 (vi) 12 - - - 12
李旺 280 - - - 280
張傑 310 - - - 310
劉紅霞 300 - - - 300
幹部役員
張青松 (vii) - 205 21 24 250
張旭光 (viii) - 62 7 7 76
湛東升 (ix) - 677 75 123 875
崔勇 (x) - 554 65 62 681
李志成 - 1,946 147 79 2,172
周萬阜 (xi) - 1,946 142 77 2,165
退任執行取締役
王緯 (xii) - 677 86 74 837
蔡東 (xiii) - 431 52 49 532
退任独立非執行取締役
胡孝輝 (xiv) - - - - -
溫鐵軍 (xv) 271 - - - 271
袁天凡 (xv) 252 - - - 252
207/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
退任 監事
劉成旭 (xvi) 41 - - - 41
退任幹部役員
龔超 - 61 9 11 81
(xvii)
2,981 8,939 875 758 13,553
合計
(i) 張克秋は、 2019 年 4月 1日付で当行の執行取締役に選任された。
(ii) 梁高美懿は、 2019 年 7月 30 日付で当行の独立非執行取締役に選任された。
(iii) 劉守英は、 2019 年 7月 29 日付で当行の独立非執行取締役に選任された。
(iv) 李蔚は、 2019 年 5月 21 日付で当行の非執行取締役に選任された。
(v) 吳 江濤は、 2019 年 7月 29 日付で当行の非執行取締役に選任された。
(vi) 武剛は、 2019 年 10 月 9日付で当行の従業員代表の監査役に選任された。
(vii) 張青松は、 2019 年 10 月 25 日付で当行の銀行長に選任され、 2020 年 1月 14 日から当行グループの副董事長、執行取締役に選任された。
(viii) 張旭光は、 2019 年 12 月 23 日付で当行の副銀行長に選任された。
(ix) 湛東升は、 2019 年 4月 29 日付で当行の副銀行長に選任された。
(x) 崔勇は、 2019 年 5月 10 日付で当行の副銀行に選任された。
(xi ) 周萬阜は、 2020 年 3月 24 日付で当行の取締役会秘書、会社秘書に退任した。
(xii ) 王緯は、 2019 年 11 月 28 日付で当行の執行取締役、副銀行長に退任した。
(xiii ) 蔡東は、 2019 年 5月 10 日付で当行の副銀行に選任され、 2019 年 6月 28 日付で当行の執行取締役に選任され、 2019 年 10 月 14 日付で当
行の執行取締役、副銀行長に退任した。
(xiv) 胡孝輝は、 2019 年 1月 9日付で当行の非執行取締役に退任した。
(xv) 溫鐵軍と袁天凡は、 2019 年 8月 30 日付で当行の非執行取締役に退任した。
(xvi) 劉成旭は、 2019 年 10 月 9日付で当行の従業員代表の監査役に退任した。
(xvii) 龔超は、 2019 年 1月 2日付で当行の紀委書記に退任した。
(xviii) その他の福利厚生には、当行が政府の関連規定に従って給与及び手当の一定の比率をもってかつ定められた上限を超えない範囲内
で計上しかつ労働局や社会保障関連機構に納付した医療保険、住宅積立金及びその他社会保険料等が含まれている。
(2) 当行グループの高額報酬者上位5名
(ⅰ) 高額報酬者上位5名はいずれも、上記で報酬が開示されている取締役又は監査役或は高層管理者ではない。
2020年及び2019年12月31日終了事業年度における当行グループの高額報酬者上位5名の報酬総額は、以下
の通りである。
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
基本給与及び手当 15 13
変動賞与 12 14
1 1
退職給付制度への掛金及びその他
28 28
合計
208/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅱ) 高額報酬者上位5名の報酬額別人数の内訳は、以下の通りである。
12 月31日終了事業年度
2020 年 2019 年
人民幣4,500,001元至5,000,000元 3 2
人民幣5,000,001元至5,500,000元 - 1
人民幣5,500,001元至6,000,000元 - -
人民幣6,000,001元至6,500,000元 1 1
人民幣6,500,001元至7,000,000元 - -
人民幣7,000,001元至7,500,000元 - -
1 1
人民幣7,500,001元至8,000,000元
当行グループは、2020年12月31日及び2019年12月31日終了事業年度において、高額報酬者上位5名に当行グ
ループへの就任奨励金又は離任補償金としての報酬を支払っていない。2020年12月31日及び2019年12月31日終了
事業年度において、報酬を放棄した高額報酬者上位5名はいなかった。
(3) 新香港会社条例(第622章)に準拠した取締役及び監査役のその他の報酬及び持分
当行グループは、2020年12月31日及び2019年12月31日終了事業年度において、取締役及び監査役に当行グ
ループへの就任奨励金又は離任補償金としての報酬を支払っていない。当行が設立した年金基金及び基礎年金(注
記Ⅱ、7「従業員給付」)を除いて、取締役もしくは監査役へのその他の退職給付の支払、又は取締役もしくは監査役
が勤務可能となるための第三者への報酬の支払はない。また、2020年12月31日及び2019年12月31日終了事業年度
において、報酬を放棄した取締役又は監査役はおらず、当行グループの事業に関連する重要な取引、取決め又は契
約において、直接又は間接に重要な持分を有する取締役又は監査役はいなかった。
当行グループは、通常の事業の一環で、取締役、監査役又は取締役もしくは監査役が支配する会社及び関係があ
る事業体と独立当事者間の取引として与信取引を行っている。2020年12月31日及び2019年12月31日終了事業年
度、2020年12月31日及び2019年12月31日現在それぞれにおいて、取締役、監査役又は取締役もしくは監査役が支
配する会社及び関係がある事業体に対する貸出金及び立替金残高は重要ではない。当行グループは取締役、監査
役又は取締役もしくは監査役が支配する会社及び関係がある事業体の借入金、準借入又は与信取引にいかなる保
証又は担保も提供していない。
8 . 信用減損損失
(単位:百万人民元) 12 月31日終了事業年度
2020 年 2019 年
顧客への貸出金及び立替金 138,988 131,833
金融投資
償却原価で測定される負債性金融商品投資 6,796 301
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品 5,070 985
担保とコミットメントにかかる引当金 10,575 3,990
銀行及びその他の金融機関への貸出金 1,419 30
銀行及びその他の金融機関への預け金 864 514
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産 936 409
51 543
その他
164,699 138,605
合計
209/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
9 . 法人所得税費用
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
当期法人所得税
-中国の法人所得税 58,220 62,674
-香港の収益税 664 824
(26) 215
-その他の管轄地域
小計 58,858 63,713
(10,208) (10,061)
繰延税金(注記Ⅳ22を参照)
48,650 53,652
合計
中国の法人所得税は、両事業年度ともに課税所得の見積額の25%で計算されており、これには関連する中国の法
人所得税法規に従い算定した国外業務に対する中国の附帯税が含まれている。法人所得税の税引前控除項目は、
中国の税務規則により規定されている。その他の管轄地域(香港を含む。)で発生する税金は、関連する管轄地域の現
行の税率で計算されている。
2020 年及び2019年12月31日終了事業年度における 税金費用と連結損益計算書の利益との調整は、以下の通りで
ある。
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
265,050 266,576
税引前当期純利益
適用される中国の法定税率(25%)で計算された税金 66,263 66,644
税務上益金不算入となる収益に係る税効果 (1) (36,294) (31,575)
税務上損金不算入となる原価、費用、損失等に係る税効果 20,061 18,684
永久債の支払利息控除の影響 (1,300) -
(80) (101)
その他の管轄地域における異なる税率の影響
48,650 53,652
法人所得税費用
(1)税務上益金不算入となる収益には、主に中国の国債及び地方自治体債の受取利息が含まれている。
210/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
10 . 配当金
12 月31日終了事業年度
(単位:百万人民元)
2020 年 2019 年
普通株式に係る配当金(宣言かつ支払済)
2019 年度現金配当 (1) 63,662 -
- 60,862
2018 年度現金配当 (2)
63,662 60,862
4,328 4,600
優先株に係る配当金(宣言かつ支払済) (3)
5,202 -
永久債利息に係る配当金(宣言かつ支払済) (4)
(1) 2019 年度の最終配当の分配
2020 年6月29日に開催された年次株主総会において、中国企業に適用される会計及び財務規定(以下「中国
GAAP」と言う)に従い算定された2019年度の純利益(法定利益準備金及び一般準備金の繰入所要額控除後)に
つき、2019年度では1普通株当たり0.1819人民元、総額63,662百万人民元の現金配当が承認された。
2020 年度には、上記の配当金が当行グループの連結財政状態計算書に計上されており、現金配当金が当行の
株主に分配された。
(2) 2018 年度の最終配当の分配
2019 年5月30日に開催された年次株主総会において、中国企業に適用される会計規則及び金融規制(以下「中
国GAAP」と言う)に従い算定された2018年度の純利益(法定利益準備金及び一般準備金の繰入所要額控除後)
につき、2018年度では1普通株当たり0.1739人民元、総額60,862百万人民元の現金配当が承認された。
上記配当の分配は、2019年12月31日終了事業年度に実施ずみであり、当年度の連結財務諸表に反映してい
る。
(3) 2020 年度優先株式に対する配当金の分配
2020 年1月10日の取締役会において、優先株式第二トランシェに係る年間配当率5.5%、総額2,200百万人民元の
現金配当が承認され、配当金は2020年3月11日に支払われた。
2020 年7月3日の取締役会において、優先株式第一トランシェに係る年間配当率5.32%、総額2,128百万人民元の
現金配当が承認され、配当金は2020年11月5日に支払われた。
2019 年度優先株式に対する配当金の分配
2019 年1月11日の取締役会において、優先株式第ニトランシェ(農行優2)に係る年間配当率5.5%、総額2,200百
万人民元の現金配当が承認され、配当金は2019年3月11日に支払われた。
2019 年8月30日の取締役会において、優先株式第一トランシェ(農行優1)に係る年間配当率6%、総額2,400百万
人民元の現金配当が承認され、配当金は2019年11月5日に支払われた。
211/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(4) 2020 年度の永久債の利息の配当
財政状態計算書に表示されている永久債は、当行が発行した無固定期限の資本性証券である。2020年8月17日
に、当行は2019年無固定期限の資本性証券(第一トランシェ)の利息を配当すると宣言した。当利息計算対象期
間における金利4.39%により算出された配当額は合計3,732百万人民元で、配当日は2020年8月20日である。
2020 年9月2日に、当行は2019年無固定期限の資本性証券(第二トランシェ)の利息を配当すると宣言した。当金
利計算対象期間における金利4.2%により算出された配当額は合計1,470百万人民元で、配当日は2020年9月7日
である。
(5) 2020 年12月31日終了事業年度に関して、1普通株当たり0.1851人民元、総額64,782百万人民元の最終配当が取
締役により提案され、年次株主総会における普通株主の承認事項となっている。
11. 1株当たり利益
基本的及び希薄化後1株当たり利益の計算は、以下の通りである。
12 月31日終了事業年度
2020 年 2019 年
利益:
当行の持分所有者に帰属する当期純利益(単位:百万人民元) 215,925 212,098
(9,530) (4,600)
控除:当行の優先株主に帰属する当期純利益(単位:百万人民元)
206,395 207,498
当行の普通株主に帰属する当期純利益(単位:百万人民元)
株式数:
加重平均発行済普通株式数 (単位:百万株 ) 349,983 349,983
基本的及び希薄化後1株当たり利益 (単位:人民元) 0.59 0.59
2015 年度と2014年度において、当行はそれぞれ2回の非累積型優先株式を発行した。具体的項目は「注記IV.33
その他の資本性金融商品」に開示されている。
2020 年度と2019年度において、当行はそれぞれ4回の非累計型の無固定期限の資本性証券を発行した。具体的
項目は「注記IV.33 その他の資本性金融商品」に開示されている。
2020 年度の基本的1株当たり利益の計算にあたって、4,328百万人民元の2020年度に宣言した優先株式の配当額
と5,202百万人民元の無固定期限の資本性証券の利息は、当行の普通株主に帰属する損益から控除されている
(2019年12月31日:宣言した優先株式の配当額は合計4,600百万人民元)。
転換可能優先株式は、条件付発行可能普通株式に該当するものとみなされる。転換のトリガー事象は、2020年及
び2019年12月31日終了事業年度において発生しておらず、それゆえ転換可能優先株式が1株当たり利益に影響を
与える希薄化効果はない。
前へ 次へ
212/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
12 .現金及び中央銀行預け金
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
76,281 92,928
現金
(1) 2,126,330 2,018,692
中央銀行への法定準備預金
(2) 40,494 393,607
中央銀行への超過準備預金
193,142 193,631
(3)
中央銀行へのその他の預け金
2,436,247 2,698,858
小計
1,028 1,037
未収利息
2,437,275 2,699,895
合計
(1)中央銀行に預かる預金準備金は、法定準備預金と超過準備預金を含んでいる。
当行グループは、 PBOC 及び国外の規制当局に法定準備預金を預け入れている。これには、人民元準備預金及び外貨準備預金が含まれている。法定
準備預金を当行グループの日々の営業活動のために使用することはできない。「中国人民銀行が金融機関の預金準備金率を引き下げる通達」(銀発
[2020]1 号)の要求に従い、中国人民銀行が金融機関の人民元預金準備金率を 1% 引き下げることを決めており、そのうち、 2020 年 1月 6日に 0.5 %を下げ、
2020 年 1月 6日に 0.5 %を下げることとする。
2020 年 12 月 31 日から適用された 2020 年 3月 25 日に 発効した『中国人民銀行弁公庁による 2020 年 中国農業銀行県レベル三農(農業、農村、農民)金融事
業部の考察結果に対する通達』(銀弁発 [2020]39 号)及び 2020 年 5月 6日付で発効された「中国人民銀行弁公庁が 2020 年 中国農業銀行湖北省県級三農
金融事業部に対する審査結果に関する通知」(銀弁発 [2020]58 号の規定を満たす当行の国内業務では、 PBOC への人民元建法定準備預金は、適格人
民元建預け金の 9.0% )(2019 年 12 月 31 日現在: 9.5%) に基づき、残りの当行の国内業務の人民元建法定準備預金は、適格人民元建預け金の 11.0%(2019
年 12 月 31 日現在: 11.50%) に基づいている。国外人民元業務参加銀行の適格人民元預金法定準備率 11.0 %( 2019 年 12 月 31 日現在: 11.5 %)に基づいて
いる。法定外貨準備預金は、顧客からの適格外貨預金の 5%(2019 年 12 月 31 日現在: 5%) に基づいている。当行の国外業務の法定準備預金は、それぞれ
現地の規制要件に基づいて算定されている。 PBOC に預けている外貨準備預金には利息は生じない。
(2)超過準備預金は、法定準備預金に加え、主として決済のために PBOC で保管されている預金である。
(3)中央銀行へのその他の預け金は、主に当行グループの日常業務には使用できない PBOC への財政預金及び為替リスクに対応するための外貨準備預金
であり、財政預金には利息は生じず、また、外貨準備預金の利率は現在 0% である。 2020 年 10 月 10 日に 公表された「中国人民銀行の外国為替取引業務
の外国為替リスク準備金率を 0まで引き下げることに関する決定についての通達」に基づき、 2020 年 10 月 12 日より、外国為替取引業務の外国為替リスク準
備金率を 20% から 0まで引き下げた。
13 .銀行及びその他の金融機関への預け金
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
預入先:
391,366 185,905
国内の銀行
13,511 14,292
その他の国内の金融機関
27,826 34,493
国外の銀行
432,703 234,690
帳簿価額
3,387 2,118
未収利息
(1,905) (1,066)
減損損失引当金
434,185 235,742
銀行及びその他の金融機関への預け金 (純額 )
2020 年 12 月 31 日現在、担保として差し入れている銀行及びその他の金融機関への預け金の帳簿価額相当額は、
14,098 百万人民元( 2019 年 12 月 31 日: 14,670 百万人民元)であった。これらの預け金は、主に取引所に保証金として
差し入れたものである。
213/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
14 .銀行及びその他の金融機関への貸付
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
貸出先:
148,136 162,772
国内の銀行
219,887 252,498
その他の国内の金融機関
179,927 106,047
国外の銀行及びその他の金融機関
547,950 521,317
帳簿価額
1,750 3,289
未収利息
(2,752) (1,423)
減損損失引当金
546,948 523,183
銀行及びその他の金融機関への貸付 (純額 )
15 .デリバティブ金融資産・負債
当行グループは、トレーディング、資産・負債管理及び顧客主導型取引に関連して、主に外国為替レート、金利及
び貴金属デリバティブ契約を締結している。
当行グループが締結しているデリバティブの契約 /想定元本の額及び公正価値は、以下の表に記載されている。デリ
バティブの契約 /想定元本の額は、連結財政状態計算書に計上された商品の公正価値と比較する際の基礎を提供す
るが、関連する将来キャッシュ・フローの額又は商品の現在の公正価値を必ずしも示すものではなく、したがって信用
リスク又は市場リスクに対する当行グループのエクスポージャーを示すものでもない。デリバティブ金融商品の公正価
値は、その条件に関連する市場金利、為替レート、又は貴金属の価格の変動により、有利(資産)又は不利(負債)と
なる。デリバティブ金融資産・負債の公正価値の合計は、大幅に変動する場合がある。
当行グループの一部の金融資産及び金融負債は、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象と
なっている。当行グループと取引相手先との契約では、双方が純額ベースでの決済を選択している場合には、通常、
関連する金融資産と金融負債の純額決済が可能である。そのような選択をしていない場合には、金融資産と金融負
債は総額ベースで決済されることになる。ただし、当該マスターネッティング契約又は類似の契約の各当事者が当該
金額のすべてを純額ベースで決済することが可能となるのは、一方の当事者が債務不履行を起こした場合である。当
行グループは、これらの金融資産及び金融負債について相殺することを選択していない。 2020 年 12 月 31 日及び 2019
年 12 月 31 日現在、当行グループは、デリバティブを除き、マスターネッティング契約又は類似の契約の対象となってい
るその他の金融商品を保有していない。
214/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
公正価値
契約 /
想定元本 資産 負債
為替デリバティブ
2,411,639 54,466 (57,312)
為替予約及び通貨スワップ、クロスカレンシー・スワップ
70,259 3,721 (444)
通貨オプション
58,187 (57,756)
小計
金利関連のデリバティブ
352,044 1,009 (4,357)
金利スワップ
155,555 2,741 (3,169)
貴金属関連契約及びその他
61,937 (65,282)
デリバティブ金融資産・負債合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
公正価値
契約 /
想定元本 資産 負債
為替デリバティブ
2,751,623 23,588 (19,835)
為替予約及び通貨スワップ、クロスカレンシー・スワップ
108,691 540 (547)
通貨オプション
24,128 (20,382)
小計
金利関連のデリバティブ
225,976 340 (1,676)
金利スワップ
95,328 476 (7,490)
貴金属関連契約及びその他
24,944 (29,548)
デリバティブ金融資産・負債合計
デリバティブ取引の相手方に係る信用リスクを加重した金額は、デリバティブ取引に関連した相手先の信
用リスクを表しており、CBRC発行の「商業銀行資本管理規則(試行)」(2013年1月1日発効)及び「デリバティ
ブ取引の相手方に係る信用リスク資産測定規則」(2019年1月1日発効)に従って計算され、とりわけ、顧客
の信用度及び契約の種類ごとの満期特性によって変動する。
2020 年12月31日現在及び2019年12月31日現在のデリバティブ取引の相手先に係る信用リスクを加重した金
額は、内部格付手法に基づき測定している。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
74,562 79,547
取引相手先の信用リスク加重額
11,905 10,939
信用評価調整リスク加重資産
86,467 90,486
合計
上述したデリバティブに含まれる当行グループが指定した公正価値ヘッジは以下の通りである。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
公正価値
契約 /
想定元本 資産 負債
63,256 18 (2,860)
金利スワップ
215/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
契約 / 公正価値
想定元本 資産 負債
76,388 24 (1,195)
金利スワップ
当行グループは金利スワップを利用し、金利による公正価値の変動に対してヘッジ取引を行う。ヘッジ対象は、顧
客への貸付金及び立替金、その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品の投資を含ん
でいる。
公正価値ヘッジから生じる純(損失)/利益は次の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
純(損失)/利益
(1,996) (1,881)
ヘッジ手段
1,915 1,568
ヘッジ対象
2020 年12月31日及び2019年12月31日において、公正価値ヘッジに認識された非有効部分から生じた損益額
は重要ではない。
上述したヘッジ手段の想定元本の期日情報は次の通りである。
(単位:百万人民元 )
公正価値ヘッジ
1 ヶ月超 3 ヶ月超 1 年 超
1 ヶ月以内 3 ヶ月以内 1 年 以内 5 年以内 5 年 超
合計
757 1,747 9,914 39,239 11,599 63,256
2020 年 12 月 31 日現在
358 2,834 7,480 50,927 14,789 76,388
2019 年 12 月 31 日現在
当行グループの公正価値ヘッジ方針におけるヘッジ対象に関する具体的な情報は次の通りである。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ヘッジ対象の公正価
ヘッジ対象帳簿価格 値調整の累積額
資産 負債 資産 負債 貸借対照表科目
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定されるその他負債性
63,801
債券 - - - 金融商品の投資
4,595 167
貸付金 - -
顧客に対する貸付金等
68,396 167
- -
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ヘッジ対象の公正価
ヘッジ対象帳簿価格 値調整の累積額
資産 負債 資産 負債 貸借対照表科目
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定されるその他負債性
債券 73,117
- - - 金融商品の投資
5,552 (51)
- - 顧客に対する貸付金等
貸付金
78,669 (51)
- -
合計
216/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2) キャッシュ・フローヘッジ
当行グループは金利スワップを利用し、金利変動リストによるキャッシュ・フローの変動に対し、ヘッジ取引を行う。
ヘッジ対象は発行された債務証券である。ヘッジ手段及びヘッジ対象の残存期間はすべて 1 年 以内である。
2020 年 度、当行グループのキャッシュ・フローヘッジから生じた純利益 24 百万人民元はその他包括利益に計上され
ている( 2019 年 度:純損失 23 百万人民元)。キャッシュ・フローヘッジに認識された非有効部分から生じた損益は重要
ではない。
16 .売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
担保の種類別内訳:
761,081 681,891
債務証券
56,801 27,958
手形
817,882 709,849
合計
866 308
未収利息
(2,542) (1,606)
減損損失引当金
816,206 708,551
売戻し条件付金融資産純額
売戻し条件付契約に基づく金融資産に関連して受領した担保については、注記Ⅳ、 42 「偶発負債及びコミットメント―
担保」に開示している。
217/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
17 .顧客への貸出金 及び立替金
17.1 測定方法に基づく分析
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
(1) 13,974,384 12,279,377
償却原価で測定される貸出金及び立替金
(2) 577,997 540,387
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金
52
(3)
-
当期損益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金
14,552,433 12,819,764
合計
(1)
償却原価で測定される 貸出金及び立替金
法人向け貸出金及び立替金
8,339,235 7,381,532
貸出金及び立替金
6,218,837 5,406,831
個人向け貸出金及び立替金
14,558,072 12,788,363
合計
34,321 31,592
未収利息
(618,009) (540,578)
減損損失引当金
13,974,384 12,279,377
償却原価で測定される顧客への貸出金及び立替金帳簿価格
(2)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される 貸出金及び立替金
法人向け貸出金及び立替金
188,522 118,997
貸出金及び立替金
389,475 421,390
割引手形
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される顧客への貸出金及び立替
577,997 540,387
金帳簿価格
(3)
当期損益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金
52
-
法人向け貸出金及び立替金
218/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
17.2 損失引当金の評価方法に基づく分析
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3(i)
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
立替金残高 (顧客への貸付にかかる未収
利息を除く ) 13,995,576 325,383 237,113 14,558,072
(397,768) (60,700) (159,541) (618,009)
損失引当金
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
立替金帳簿価額 (顧客への貸付にかかる
13,597,808 264,683 77,572 13,940,063
未収利息を除く )
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
577,972 25 577,997
-
される顧客への貸出金及び立替金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される顧客への貸出金及び立替金損失
(13,195) (2) (13,197)
-
引当金
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3(i)
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
立替金残高 (顧客への貸付にかかる未収
利息を除く ) 12,280,857 320,316 187,190 12,788,363
(351,550) (57,693) (131,335) (540,578)
損失引当金
償却原価で測定される顧客への貸出金及び
立替金帳簿価額 (顧客への貸付にかかる
11,929,307 262,623 55,855 12,247,785
未収利息を除く )
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
540,068 299 20 540,387
される顧客への貸出金及び立替金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される顧客への貸出金及び立替金損失
(12,495) (27) (15) (12,537)
引当金
予想信用損失のステージ 1とステージ 2の企業向け貸出金及び立替金並びに個人向け貸出金及び立替金についてはリスクパラメーターモデル法で予想
信用損失を計上し、ステージ 3の企業向け貸出金及び立替金については割引キャッシュ・フロー・モデル法で予想信用損失を計上する。詳細は注記Ⅳ、 44.1
信用リスクの開示を参照する。
(i)2020 年 12 月 31 日に、当行グループは、信用減損が発生した貸出金及び立替金(ステージ 3)の抵当物でカバーされたエクスポージャーは 43,840 百万人民
元( 2019 年 12 月 31 日に識別された信用減損が発生した貸出金及び立替金の抵当物でカバーされたエクスポージャーは 30,745 百万人民元)である。
219/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
17.3 損失引当金の変動状況に基づく分析
当行グループに確認された損失引当金は、主に以下の多種な要素の影響を受けている。
▪ 金融資産の信用リスクの顕著な増加(又は減少)若しくは信用減損の発生に起因する金融資産のステージ 1 、ス
テージ 2 とステージ 3 の間の振替、及びそれに応じて発生した損失引当金の測定ベースの 12 ヶ月と全期間の予想信
用損失の振替
▪ 今期に新たに増加した金融資産のために計上された損失引当金
▪ 再測定、それには今期内のモデル・仮定の変動、モデルやパラメーターの更新、デフォルト率とデフォルト損失率
の変動等予想信用損失の測定に対する影響、金融資産の各ステージの振替後の予想信用損失の測定の変動、及
び予想信用損失の測定が現価で行われるためその割引効果が時間とともに予想信用損失に引き起こす変動、外
貨資産が改めて外貨換算されることにより予想信用損失に与える影響、並びにその他の変動が含まれる。
▪ 今期に返済、譲渡、償却された金融資産に応じた損失引当金の振替
次の表は、上述した要素の変動により損失引当金の変動に与えた影響を示している。
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
企業向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 (i) 予想信用損失( ii )
249,600 53,391 110,480 413,471
2020 年 1 月 1 日現在
振替:
(9,141) 9,141
ステージ 1 からステージ 2 へ -
-
(24,807) 24,807
ステージ 2 からステージ 3 へ -
-
3,555 (3,555)
ステージ 2 からステージ 1 へ -
-
2,875 (2,875)
ステージ 3 からステージ 2 へ -
-
98,077 98,077
組成又は購入金融資産増加額 - -
(4,839) 23,299 63,387 81,847
再測定
(54,703) (6,645) (23,566) (84,914)
返済及び振替
(36,599) (36,599)
償却 - -
282,549 53,699 135,634 471,882
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
個人向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 (iii) 予想信用損失( iv )
2020 年 1 月 1 日現在 114,445 4,329 20,870 139,644
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (2,535) 2,535 - -
ステージ 2 からステージ 3 へ (6,305) 6,305
- -
ステージ 2 からステージ 1 へ 755 (755) - -
ステージ 3 からステージ 2 へ 523 (523)
- -
55,463 55,463
組成又は購入金融資産増加額 - -
644 11,846 18,501 30,991
再測定
(40,358) (5,170) (8,470) (53,998)
返済及び振替
(12,776) (12,776)
償却 - -
128,414 7,003 23,907 159,324
2020 年 12 月 31 日現在
220/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
企業向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の 全期間の
予想信用損失( vi )
予想信用損失(ⅴ)
191,146 63,973 128,611 383,730
2019 年 1 月 1 日現在
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (6,261) 6,261 -
-
ステージ 2 からステージ 3 へ (19,356) 19,356 -
-
ステージ 2 からステージ 1 へ 5,948 (5,948) -
-
ステージ 3 からステージ 2 へ 3,390 (3,390) -
-
72,673 72,673
組成又は購入金融資産増加額 - -
25,292 16,147 40,776 82,215
再測定
(39,198) (11,076) (35,664) (85,938)
返済及び振替
(39,209) (39,209)
償却 - -
249,600 53,391 110,480 413,471
2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
個人向け貸出金及び立替金 合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 (vii) 予想信用損失( viii )
2019 年 1 月 1 日現在 78,018 4,491 20,373 102,882
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (1,530) 1,530 - -
ステージ 2 からステージ 3 へ (5,190) 5,190
- -
ステージ 2 からステージ 1 へ 973 (973) - -
ステージ 3 からステージ 2 へ 482 (482)
- -
50,904 50,904
組成又は購入金融資産増加額 - -
12,311 5,129 13,406 30,846
再測定
(26,231) (1,140) (5,428) (32,799)
返済及び振替
(12,189) (12,189)
償却 - -
114,445 4,329 20,870 139,644
2019 年 12 月 31 日現在
221/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(i) 2020 年 度に、当行グループのステージ 1の企業向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、損失引当金の変動は、主に当期中のステージ 1の
企業向け貸出金及び立替金の帳簿残高の前年度末に比べて約 13 %の純増加によるものである。
(ii) 2020 年 度に、当行グループのステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は主に計上比率の小幅増加によるものであり、 2020 年 12
月 31 日時点において、ステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の元本が 2019 年 12 月 31 日時点に比べて大きな変化はなかった。
2020 年度に、当行グループのステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に各ステージの間の振替により、当行グ
ループのステージ 3企業向け貸出金及び立替金が 2019 年 12 月 31 日時点に比べて約 28% 純増加し、一方、関連貸出金及び立替金の元本がス
テージ 2からステージ 3に移行したことにより計上比率が増加し、その損失引当金への影響は 2020 年 度関連貸出金及び立替金の元本の返
済、振替及び償却によって相殺されたことによるものである。
(iii) 2020 年 度に、当行グループのステージ 1の個人向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、損失引当金の変動は、主に当期中のステージ 1
の個人向け貸出金及び立替金の帳簿残高の前年度末に比べて約 15 %の純増加によるものである。
(iv) 2020 年度に、当行グループのステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に各ステージの間の振替により、当行グ
ループのステージ 2企業向け貸出金及び立替金が 2019 年 12 月 31 日時点に比べて約 24% 純増加し、一方、関連貸出金及び立替金の元本がス
テージ 1からステージ 2に移行したことにより計上比率が増加し、その損失引当金への影響は 2020 年 度関連貸出金及び立替金の元本の返
済、振替及び償却によって相殺されたことによるものである 。
2020 年度に、当行グループのステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に各ステージの間の振替により、当行グ
ループのステージ 3企業向け貸出金及び立替金が 2019 年 12 月 31 日時点に比べて約 21% 純増加し、一方、関連貸出金及び立替金の元本がス
テージ 2からステージ 3に移行したことにより計上比率が増加し、その損失引当金への影響は 2020 年 度関連貸出金及び立替金の元本の返
済、振替及び償却によって相殺されたことによるものである。
(v) 2019 年 度に、当行グループのステージ 1の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に当期中のステージ 1の企業向け貸出金及び立替
金の帳簿残高の前年度末に比べて約 11 %の純増加と計上比率の増加によるものである。
(vi) 2019 年 度に、当行グループのステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、損失引当金の変動は、主に 2019 年 12 月 31 日時点
において、ステージ 2の企業向け貸出金及び立替金の元本が 2019 年 1月 1日時点に比べて約 13 %減少したことによるものである。
2019 年度に、当行グループのステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動した要因は、主に関連貸出金及び立替金の元本が
ステージ 2からステージ 3に移行したことにより計上比率が増加したことであり、損失引当金への影響は 2019 年 度の関連する貸出金及び立
替金の元本の返済、振替及び償却によって相殺され、 2019 年 12 月 31 日時点においてステージ 3の企業向け貸出金及び立替金の帳簿残高は
2019 年 1月 1日時点に比べて大きな変化はなかった。
(vii) 2019 年 度に、当行グループのステージ 1の個人向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に当期中のステージ 1の個人向け貸出金及び立替
金の帳簿残高の 2019 年 1月 1日時点に 比べて約 16 %の純増加 、 一方で計上比率の増加によるものである。
(viii) 2019 年 度に、当行グループのステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の計上比率は安定しており、 2019 年 12 月 31 日時点においてその帳簿残高は
2019 年 1月 1日時点に比べて大きな変化はなかった。 各ステージの間の振替により、当行グループのステージ 2個人向け貸出金及び立替金が増加す
ることとなり、主な要因は、関連する貸出金及び立替金の元本がステージ 1から 振替られたためである。ステージ 1からステージ 2へ振替られてきた元本
の純額はステージ 1の元本の約 1%であり、その損失引当金への影響は、 2019 年 度における一部のステージ 2の貸出金及び立替金がステージ 3に振替
えられたこと及びステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の元本の返済により一部相殺されたことである。そのうち、 2019 年 度にステージ 2の貸出金及
び立替金からステージ 3への振替額は、期首残高の約 70 %を占めており、ステージ 2の個人向け貸出金及び立替金の元本の返済額は、期首残高の
約 20 %を占めている。
2019 年 度に、当行グループのステージ 3の個人向け貸出金及び立替金の損失引当金の変動は、主に関連貸出金及び立替金の元本がステージ 2から
ステージ 3に移行したことにより計上比率が増加したためであり、その損失引当金への影響は 2019 年 度関連貸出金及び立替金の元本の返済、振替及
び償却によって相殺され、 2019 年 12 月 31 日時点におけるステージ 3の個人向け貸出金及び立替金の帳簿残高は 2019 年 1月 1日時点と比較して重要な
変動がない。
222/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
18 . 金融投資
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
(単位:百万人民元 )
18.1 583,069 801,361
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
18.2 5,684,220 4,946,741
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品投資
1,555,370 1,674,828
18.3
及びその他資本性金融商品投資
7,822,659 7,422,930
合計
18.1 損益を通じて公正価値で測定される金融資産
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
(単位:百万人民元 )
(1) 223,960 240,281
トレーディング目的保有金融資産
(2) 260,240 216,052
損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産
98,869 345,028
(3)
損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産
583,069 801,361
合計
内訳:
4,613 3,695
香港で上場
(i) 390,444 481,884
香港以外で上場
188,012 315,782
非上場
583,069 801,361
合計
(i) 中国国内の銀行間債券市場で売買される債務証券は、「香港以外で上場」に含まれている。
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
(1)
トレーディング目的保有金融資産
2020 年 2019 年
債券—発行体による分類
7,904 10,371
政府債
49,764 45,231
公共機関及び準政府債
79,243 102,650
金融機関債
45,614 43,207
社債
182,525 201,459
債券小計
21,959 29,132
貴金属関連契約
4,944 2,354
持分
14,532 7,336
ファンド
223,960 240,281
合計
223/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
(2) 損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産 (ii)
2020 年 2019 年
債券—発行体による分類
25,372 19,434
公共機関及び準政府債
106,820 72,334
金融機関債
1,816 5,724
社債
134,008 97,492
債券小計
97,401 95,183
持分
28,831 23,377
ファンド 及びその他
260,240 216,052
合計
(ii) 損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産 とは、償却原価で測定される又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定されるものとし
て分類される要件を満たしておらず、また、そのビジネスモデルもトレーディング目的ではないために、損益を通じて公正価値で測定される対象として分
類された金融資産を指す。それには、当行グループと当行が保持する債券、持分、ファンド及び信託プラン、資産管理商品等が含まれている。
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
(3) 損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産 (iii)
2020 年 2019 年
債券—発行体による分類
9,440 17,137
政府債
18,071 19,790
公共機関及び準政府債
32,456 147,389
金融機関債
3,899 27,334
社債
63,866 211,650
債券小計
28,207
他銀行への預け金 -
27,935 104,184
他銀行への貸付
7,068 987
その他
98,869 345,028
合計
(iii) 損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産は、主に当行が発行した元本保証の資産運用商品により投資された金融資産を含
む。
224/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
18.2 償却原価で測定される負債性金融商品
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
債券
3,545,856 2,755,256
政府債
1,311,556 1,278,027
公共機関及び準政府債
204,310 302,220
金融機関債
129,738 124,558
社債
5,191,460 4,460,061
小計
(i) 290,891 290,891
財政部に対する債権
(ii) 93,348 93,352
特別国債
14,413 16,791
(iii)
その他
5,590,112 4,861,095
合計
110,212 95,134
未収利息
(16,104) (9,488)
損失引当金
5,684,220 4,946,741
償却原価で測定される負債性金融商品投資帳簿価格
内訳:
19,630 17,851
香港で上場
(iv) 5,304,920 4,567,976
香港以外で上場
359,670 360,914
非上場
5,684,220 4,946,741
合計
(1) 当行グループは 2020 年 1 月 に中国財政部(以下は MOF という。)から通知を受け取り、 2020 年 1 月 1 日以降、未払金の利息計算
は前年度の 5 年国債収入の水準に照らし、毎年算定を行うことが明確にされた。
(2) 特別国債とは、自己資本比率を改善するため、 1998 年 に MOF が旧銀行に対して元本総額 93,300 百万人民元で発行した譲渡不
能債券である。当該国債は 2028 年 に満期となる予定であり、 2008 年 12 月 1 日から固定年利 2.25% の利息が生じている。
(3) 債権として分類されるその他の償却原価で測定される負債性金融商品投資は、基本的には、当行グループが保有する非連結
の組成された事業体に関連している。 (注記Ⅳ 41(2) を参照 )。
(4) 中国国内の銀行間債券市場で売買される債務証券は、「香港以外で上場」に含まれている。
(1) 予想信用損失の評価方法に基づく分析
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
5,697,187 2,064 1,073 5,700,324
償却原価で測定される債券投資残高
(14,850) (190) (1,064) (16,104)
損失引当金
5,682,337 1,874 9 5,684,220
償却原価で測定される債券投資帳簿価額
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
4,953,832 1,196 1,201 4,956,229
償却原価で測定される債券投資残高
(8,409) (32) (1,047) (9,488)
損失引当金
4,945,423 1,164 154 4,946,741
償却原価で測定される債券投資帳簿価額
予想信用損失のステージ 2とステージ 3における償却原価で測定される債券投資は主に当行グループが投資した社債及びその他の債券投資を含む。
225/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2) 損失引当金の変動状況に基づく分析 (i)
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2020 年 1 月 1 日現在 8,409 32 1,047 9,488
振替 :
(33) 33
ステージ 1 からステージ 2 へ - -
4,321 4,321
組成又は購入金融資産増加額 - -
3,295 126 144 3,565
再測定
(1,142) (1) (1,143)
返済又は振出 -
(127)
(127)
償却
-
-
14,850 190 1,064 16,104
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
6,691
2019 年 1 月 1 日現在 236 2,260 9,187
振替 :
ステージ 1 からステージ 2 へ (29) 29 - -
ステージ 1 からステージ 3 へ (382) 382 -
-
1,832 1,832
組成又は購入金融資産増加額 - -
1,534 3 4 1,541
再測定
(1,237) (236) (1,599) (3,072)
返済又は振出
8,409 32 1,047 9,488
2019 年 12 月 31 日現在
(i) 2020 年 12 月 31 日に 、当行グループの償却原価で測定される債券投資の損失引当金の増加は、主に今年度の債券投資の増加及び既存債券投資の再
測定によるものである。当行グループの償却原価で測定される債券投資の損失引当金の減少は、主に債券の満期または譲渡によるものである。
18.3 その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他の負債性金融商品及びその他資本性金融商品
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
負債性金融商品の
その他の包括利益に計
償却原価 /資本性金
上された公正価値の変 計上された減損
融商品の原価 公正価値 動額の累計 額の累計
1,537,987 1,551,439 13,452 (10,074)
負債性金融商品(1)
2,784 3,931 1,147
適用なし
資本性金融商品(2)
1,540,771 1,555,370 14,599 (10,074)
合計
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
負債性金融商品の
その他の包括利益に計
償却原価 /資本性金
上された公正価値の変 計上された減損
融商品の原価 公正価値 動額の累計 額の累計
1,650,974 1,671,746 20,772 (6,897)
負債性金融商品(1)
2,050 3,082 1,032
適用なし
資本性金融商品(2)
1,653,024 1,674,828 21,804 (6,897)
合計
226/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(1) 負債性金融商品
(a) 測定方法に基づく分析
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
債券—発行体による分類
702,202 744,035
政府債
242,345 247,527
公共機関及び準政府債
453,176 478,172
金融機関債
119,079 165,270
社債
1,516,802 1,635,004
小計
(i) 18,902 18,556
その他
1,535,704 1,653,560
負債性金融商品小計
15,735 18,186
未収利息
1,551,439 1,671,746
合計
内訳:
102,413 107,477
香港で上場
1,399,150 1,499,316
香港以外で上場
49,876 64,953
非上場
1,551,439 1,671,746
合計
(i) その他には主に当行グループの投資した信託プラン及び債券投資プラン並びに当行グループが保有する非連結の組成された事業体に属するものであ
るが含まれている。(注記 41 (2))
(b) 予想信用損失の評価方法に基づく分析
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の帳
1,545,343 6,030 66 1,551,439
簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の損
(9,536) (432) (106) (10,074)
失引当金
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の帳
1,671,525 221 1,671,746
-
簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定されるその他の負債性金融商品の損
(6,874) (23) (6,897)
-
失引当金
予想信用損失のステージ 2とステージ 3におけるその他の包括利益を通じて公正価値で測定される債券投資は主に当行グループが投資した金融機関債と社
債である。
227/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(c) 予想信用損失の評価方法に基づく分析 (ii)
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2020 年 1 月 1 日現在 6,874 23 6,897
-
振替:
ステージ 1 からステージ 2 へ (211) 211 - -
4,055 4,055
組成又は購入金融資産増加額 - -
1,029 221 90 1,340
再測定
(2,211) (7) (2,218)
返済及び振出 -
9,536 432 106 10,074
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2019 年 1 月 1 日現在 5,720 552 55 6,327
振替:
ステージ 2 からステージ 1 へ 26 (26) - -
2,129 2,129
組成又は購入金融資産増加額 - -
186 23 209
再測定 -
(1,187) (526) (55) (1,768)
返済及び振出
6,874 23 6,897
2019 年 12 月 31 日現在
-
(ii) 2020 年 12 月 31 日に、当行グループと当行のその他の包括利益を通じて公正価値で測定される債券投資に係る損失引当金の増加は、主に今年度の債
券投資の増加及び既存債券投資の再測定によるものである。当行グループと当行のその他の包括利益を通じて公正価値で測定される債券投資に係る
損失引当金の減少は、主に既存債券投資の返済と振出によるものである。
(2) 資本性金融商品
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
3,811 2,878
非銀行金融機構
120 204
事業体
3,931 3,082
合計
228/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
19 .子会社に対する投資及び組成された事業体
(1 )子会社に対する投資
2020 年 12 月 31 日現在、当行グループの主要子会社は以下の通りである。
授権資本
持分比率 議決権比率
/払込済資本 (%) (%)
会社名 設立日 設立地 主たる事業活動
588,790,000 100.00 100.00
農銀財務有限公司 1988 年 11 月 1日 香港、中国 投資持株会社
香港ドル
4,113,392,449 100.00 100.00
ABC インターナショナル・ホール 2009 年 11 月 11 日 香港、中国 投資持株会社
香港ドル
ディングス・リミテッド
9,500,000,000 100.00 100.00
農銀金融租賃有限公司 2010 年 9月 29 日 上海、中国 ファイナンス・リース
人民元 業
100,000,000 100.00 100.00
中国農業銀行 (UK) リミテッド 2011 年 11 月 29 日 ロンドン、英国 銀行業
米ドル
1,750,000,001 51.67 51.67
農銀匯理ファンド管理有限公司 2008 年 3月 18 日 上海、中国 ファンド運用業
人民元
19,600,000 51.02 51.02
克什克騰農銀村鎮銀行有限責任 2008 年 8月 12 日 内モンゴル自治 銀行業
公司 区、中国 人民元
(i) 31,000,000 50.00 66.67
湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任 2008 年 8月 12 日 湖北省、中国 銀行業
公司 人民元
29,400,000 51.02 51.02
績溪農銀村鎮銀行有限責任公司 2010 年 5月 25 日 安徽省、中国 銀行業
人民元
40,000,000 51.00 51.00
安塞農銀村鎮銀行有限責任公司 2010 年 3月 30 日 陝西省、中国 銀行業
人民元
210,000,000 51.00 51.00
浙江永康農銀村鎮銀行有限責任 2012 年 4月 20 日 浙江省、中国 銀行業
公司 人民元
(ii) 150,000,000 51.00 51.00
厦門同安 農銀村鎮銀行有限責任 2012 年 5月 24 日 福建省、中国 銀行業
公司 人民元
(iii) 2,949,916,475 51.00 51.00
農銀人寿保険股份有限公司 2005 年 12 月 19 日 北京、中国 生命保険業
人民元
20,000,000 100.00 100.00
中国農業銀行 (ルクセンブルグ )リ 2014 年 11 月 26 日 ルクセンブルグ、 銀行業
ルクセンブルグ ユーロ
ミテッド
7,556,038,271 100.00 100.00
中国農業銀行 (モスクワ )リミテッド 2014 年 12 月 23 日 モスクワ、ロシア 銀行業
ロシア・ルーブル
10,000,000,000 100.00 100.00
農銀金融資産投資リミテッド 2017 年 8月 1日 北京、中国 債券 /株式スワップ
人民元
及び関連の支援業
務
12,000,000,000 100.00 100.00
農銀理財有限責任公司 2019 年 7月 25 日 北京、中国 理財
人民元
229/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年、 2019 年 に、 当行グループの子会社に対する持分比率及び議決権比率に変更はなかった。
(i) 湖北漢川農銀村鎮銀行有限責任公司の取締役 3名のうち 2名は、当行が任命した。当行は、当該企業に対して実質的な支配を有していると判断し、当該
企業を当行の連結の範囲に含めている。
(ii) 2020 年 5月 24 日、アモイ同安農銀村鎮銀行有限責任公司の利益剰余金によるは資本組入れは 5,000 万人民元で、当行の当該子会社に対する持分比率
及び表決権の比率は相変わらず 51.00 %である。
(iii) 当行は 2012 年 12 月 31 日に嘉禾人寿保険股份有限公司の 51 %の持分を買収してその支配株主となり、その社名を農銀人寿保険股份有限公司(以下、
「農銀人寿」と称する)に変更した。当該取引により、当行グループの 2012 年 12 月 31 日におけるのれんは 1,381 百万人民元となった。 2016 年 度に、当行グ
ループ及びその他の株主は農銀人寿に 3,761 百万人民元の増資を行い、農銀人寿の払込資本金は 917 百万人民元の増加となり、資本積立は 2,844 百
万人民元の増加となった。増資の後に、当行の当該子会社に対する持分比率及び表決権の比率は相変わらず 51 %である。
当行は毎年のれんに対して減損テストを行う。のれんの減損テストを行う際に、当行は関連資産(のれん及び償却後の買収業務価値)の帳簿価額とその
回収可能金額に対して比較を行い、回収可能金額が帳簿価額より低くなった場合には、その差額を当期損益に計上する。
関連資産の回収可能金額は農銀人寿の管理層に許可された調整純資産、有効な業務価値、年間新業務価値、新業務乗数当のデータに基づき、精算
価値評価法を用いて評価されるものであり、用いられたリスク割引率、投資収益率、価値評価の割引率とその他のキャッシュフローを予測するのに用いら
れた仮定は全てそれに関連する特定リスクを反映したものである。
2020 年 12 月 31 日と 2019 年 12 月 31 日において、当行が確認したのれんに明らかな減損事象がなかったため、減損を計上していない。
(2 )組成された事業体
連結している組成された事業体は注記Ⅳ、 41 「組成された事業体」において開示されている。
20 .関連会社及び共同支配企業に対する投資
(1 )関連会社に対する投資
授権資本
持分比率 議決権比率
/払込済資本 (%) (%)
会社名 設立日 設立地 主たる事業活動
(i) 53,342,800,000 50.00 50.00
中国・コンゴアフリカ銀行 2015 年 コンゴ共和国 銀行
ブラザヴィル セーファーフラン
(ii) 9.00 20.00
深 圳 遠致富海6号投資企業(有限 2015 年 中国 ∙ 広東 1,110,854,000 人民 株式投資、 投資管
パートナーシップ) 理及びコンサル
元
ティング
(iii) 15.61 20.00
北京国発航空発動機産業投資基 2018 年 中国・北京 6,343,200,000 人民 非証券業務の投資
金中心(有限パートナーシップ) 管理、コンサルティ
元
ング
(iii) 25.30 20.00
吉林省紅旗智網新能源自動車基 2019 年 中国・吉林 3,885,500,000 人民 非証券業務の投資
金投資管理中心(有限パート 管理、コンサルティ
元
ナーシップ) ング
(iii) 15.67 14.29
新源(北京)債務株式化専門持分 2020 年 中国・北京 6,000,000,000 人民 株式投資
投資センター(有限パートナー
元
シップ)
(ⅰ) 2015 年 5月 28 日に、当行がその他の投資者とともに出資して設立した中国・コンゴアフリカ銀行は現地の監督管理機構の許可を得て銀行営業ライセン
スを取得した。当行は、中国・コンゴアフリカ銀行の 50 %の株主持分及び表決権を有する。当行は、アフリカのための中国・コンゴ銀行の財務と経営政
策の意思決定に参加する権限を持っているが、その政策決定について管理又は関与することができない。
(ⅱ)深圳遠致富海 6号投資企業 (有限パートナーシップ )は 2015 年 に設立され、当行の完全子会社である農銀金融資産投資有限公司が 2020 年 12 月 23 日付
で株式投資を行い、当行グループは深圳遠致富海の財務及び事業の方針の意思決定に関与する権力があるが、これらの方針の意思決定を支配しま
たはその他のものと共同支配することができない。
(iii ) 当行の完全子会社の農銀金融投資有限公司とその他の投資者により出資して設立した企業であり、当行グループは上記の企業の財務と経営政策の
意思決定に参加する権限をもっているが、その政策決定について管理または関与することができない。
230/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(2 )共同支配企業に対する投資
授権資本
持分比率 議決権比率
/払込済資本 (%) (%)
会社名 設立日 設立地 主たる事業活動
69.00 28.57
江蘇ジェ泉農銀国企混改転型 2018 年 中国 ∙ 江蘇 1,000 百万人民元 持分投資、債券転
昇級基金 (有限パートナーシップ ) 換株式及び関連支
援業務
74.00 33.33
農銀高投 (湖北 )債転股投資 2018 年 中国 ∙ 湖北 500 百万人民元 非証券類持分投資
活動及び関連コン
基金パートナーシップ企業 (有限
サルティングサービ
パートナーシップ )
ス
41.71 40.00
穗達 (嘉興 )投資パートナーシップ 2018 年 中国 ∙ 浙江 1,200 百万人民元
企業 (有限パートナーシップ )
事業投資
66.67 50.00
農銀新絲路 (嘉興 )投資パート 2018 年 中国 ∙ 浙江 1,500 百万人民元
ナーシップ企業 (有限パートナー
事業投資及び持分
シップ )
投資
50.00 40.00
深圳市招平穗達投資中心 2018 年 中国 ∙ 広東 400 百万人民元
事業投資及び投資
(有限パートナーシップ )
コンサルティング
50.00 50.00
浙江新興動力パートナーシップ企 2018 年 中国 ∙ 浙江 2,000 百万人民元
事業投資及び持分
業 (有限パートナーシップ )
投資
30.16 28.57
成都川能 鋰 能股権投資基金パー 2018 年 中国 ∙ 四川 2,520 百万人民元 非公開取引の持分
トナーシップ企業 (有限パートナー 投資及び関連コン
サルティングサービ
シップ )
ス
50.00 50.00
内モンゴル蒙興助力發展基金投 2018 年 中国 ∙ 内 モ 2,000 百万人民元 株式投資、投資管
資センター (有限パートナーシッ ンゴル 理及 び 投資諮詢
サービス
プ )
50.00 50.00
義烏市新興動力株式投資基金 2019 年 中国 ∙ 浙江 2,000 百万人民元 株式投資、転換社
パートナーシップ企業(有限 債及び関連するサ
パートナーシップ) ポート業務
66.67 50.00
上海國化油氣 株式 投資基金 2019 年 中国 ∙ 上海 1,800 百万人民元 株式投資、転換社
有限公司 債及び関連するサ
ポート業務
70.00 50.00
農毅資環 (嘉興 )株式 投資 パート 2019 年 中国 ∙ 浙江 400 百万人民元 投資及投資管理
ナーシップ 企業 (有限パートナー
シップ )
20.00 20.00
建信金投インフラ株式投資基金 2019 年 中国 ∙ 天津 3,500 百万人民元 株式投資及投資管
(天津 )パートナーシップ企業 (有限 理
パートナーシップ )
50.00 50.00
陜西農盈金ホールディングス持分 2019 年 中国 ∙ 陝 1,000 百万人民元 株式投資
投資基金パートナーシップ企業 西
(有限パートナーシップ)
49.97 33.33
深圳中集農銀樹仁投資パート 2019 年 中国 ∙ 広 1,601 百万人民元 ベンチャーキャピ
ナーシップ企業(有限パートナー 東 タル
シップ)
80.00 50.00
上海電投穂禾持分投資基金パー 2020 年 中国 ∙ 上 5,000 百万人民元 事業投資 、 株式投
トナーシップ企業 (有限パートナー 海 資びコンサルティン
グ
シップ )
当行の完全子会社である農銀金融資産投資有限公司はその他の投資者との共同出資で上述した有限パートナー
シップ企業を設立した。協議に基づき、上述した有限パートナーシップ企業のパートナー会議又は投資意思決定委
員会の討議事項はパートナー全員又は投資意思決定委員会の全員一致の許可を得てはじめて可決され、当行グ
ループはその他の投資者と共同で財務と経営政策の制定を支配する。
231/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
21 .有形固定資産
電子機器、
(単位:百万人民元 )
建物 器具備品 車両運搬具 建設仮勘定 合計
取得原価
2020 年 1 月 1 日現在 193,465 67,116 13,364 4,321 278,266
4,918 7,060 1,519 5,484 18,981
増加
933 1,289 223 (2,445)
振替 -
(13,522) (9,347) (385) (11) (23,265)
処分
185,794 66,118 14,721 7,349 273,982
2020 年 12 月 31 日現在
減価償却累計額
2020 年 1 月 1 日現在 (73,609) (48,465) (3,393) (125,467)
-
(6,762) (6,015) (634) (13,411)
当期減価償却費 -
7,895 8,198 309 16,402
-
処分による減少
(72,476) (46,282) (3,718) (122,476)
2020 年 12 月 31 日現在
-
減損損失引当金
2020 年 1 月 1 日現在 (265) (16) (34) (315)
-
(49) (49)
減損損失 - - -
3 7 2 12
-
処分による減少
(262) (9) (47) (34) (352)
2020 年 12 月 31 日現在
帳簿価額
113,056 19,827 10,956 7,315 151,154
2020 年 12 月 31 日現在
119,591 18,635 9,971 4,287 152,484
2020 年 1 月 1 日現在
電子機器、
(単位:百万人民元 )
建物 器具備品 車両運搬具 建設仮勘定 合計
取得原価
2019 年 1 月 1 日現在 186,443 65,804 11,097 7,986 271,330
3,825 6,712 2,828 2,060 15,425
増加
5,097 226 1 (5,324)
振替 -
(1,900) (5,626) (562) (401) (8,489)
処分
193,465 67,116 13,364 4,321 278,266
2019 年 12 月 31 日現在
減価償却累計額
2019 年 1 月 1 日現在 (67,584) (47,735) (3,258) (118,577)
-
(6,613) (5,919) (545) (13,077)
当期減価償却費 -
588 5,189 410 6,187
-
処分による減少
(73,609) (48,465) (3,393) (125,467)
2019 年 12 月 31 日現在
-
減損損失引当金
2019 年 1 月 1 日現在 (271) (21) (1) (8) (301)
(26) (26)
減損損失 - - -
6 5 1 12
-
処分による減少
(265) (16) (34) (315)
2019 年 12 月 31 日現在
-
帳簿価額
119,591 18,635 9,971 4,287 152,484
2019 年 12 月 31 日現在
118,588 18,048 7,838 7,978 152,452
2019 年 1 月 1 日現在
関連法規に従い、当行の株式有限会社化後、従来旧銀行により所有されていた資産の法的所有権は、当行に移転
される予定である。 2020 年 12 月 31 日現在、一部の土地使用権に係る移転登記の手続は完了していない。経営者は、
当該登記手続が未了であることが、当該土地使用権の法的継承者としての当行の権利に与える影響はないと考えて
いる。
232/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
22 .繰延税金資産
当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ繰延税金所得税が同一の税務当
局に関連するものである場合には、繰延税金資産及び繰延税負債は連結財政状態計算書の表示上、相殺されてい
る。 繰延税金の残高の内訳は以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
133,355 120,952
繰延税金資産
(334) (520)
繰延税金負債
133,021 120,432
純額
( 1 )以下は、認識された主な繰延税金資産及び繰延税金負債の増減である。
金融商品
減損損失 未払 早期 の公正価
(単位:百万人民元 )
引当金 人件費 退職給付 引当金 値の変動 その他 合計
2019 年 12 月 31 日現在 114,140 9,175 533 7,640 (11,302) 246 120,432
連結損益計算書の貸方 /( 借方 )計上額 7,804 1,251 (145) 2,885 (1,797) 210 10,208
2,381 2,381
- - - - -
その他の包括利益への貸方計上額
121,944 10,426 388 10,525 (10,718) 456 133,021
2020 年 12 月 31 日現在
金融商品
減損損失 未払 早期 の公正価
(単位:百万人民元 )
引当金 人件費 退職給付 引当金 値の変動 その他 合計
2018 年 12 月 31 日現在 103,435 8,865 720 6,471 (6,579) 242 113,154
連結損益計算書の貸方 /( 借方 )計上額 10,705 310 (187) 1,169 (1,940) 4 10,061
(2,783) (2,783)
- - - - -
その他の包括利益への貸方計上額
114,140 9,175 533 7,640 (11,302) 246 120,432
2019 年 12 月 31 日現在
233/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 2 )繰延税金資産 /( 負債)及び関連する一時差異の相殺前の金額の内訳は、以下の通りである。
(単位:百万人民元 )
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
将来減算 / 繰延税金資産 / 将来減算 / 繰延税金資産 /
(加算 )一時差異 (負債 ) (加算 )一時差異 (負債 )
繰延税金資産
487,775 121,944 456,559 114,140
減損損失引当金
58,107 14,527 23,426 5,856
金融商品の公正価値の変動
41,705 10,426 36,700 9,175
未払人件費
42,100 10,525 30,558 7,640
引当金
1,551 388 2,133 533
早期退職給付
1,827 456 1,019 255
その他
633,065 158,266 550,395 137,599
小計
繰延税金負債
(100,981) (25,245) (68,635) (17,158)
金融商品の公正価値の変動
(35) (9)
- -
その他
(100,981) (25,245) (68,670) (17,167)
小計
532,084 133,021 481,725 120,432
純額
234/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
23 .その他の資産
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
(1) 97,619 77,028
未収入金及び仮払金土地使用権
(2) 19,340 19,889
土地使用権
(3) 10,196 10,805
使用権資産
4,154 3,229
無形固定資産
3,070 3,183
未収利息
2,529 2,730
投資不動産
2,233 1,792
長期繰延費用
1,192 1,173
未収増値税
716 594
担保権実行資産
655 564
未収保険料及び再保険資産
9,588 9,943
その他
151,292 130,930
合計
(1) 未収金及び仮払金には、主に未収入決済と清算、財政部に対する債権及びその他未収入金等が含まれる。
「IFRS 第 15 号―顧客との契約から生じる収益」に適用して発生した未収入金につき、当行グループは全期間の予想信用損失に相当する金額でその
損失引当金を計上し、予想信用損失を測定する際に簡便法を用いる。 2020 年 12 月 31 日に、当該部分の未収入金の原価は 584 百万人民元 (2019 年 12
月 31 日: 1,554 百万人民元 ),全期間の予想信用損失に相当する金額で計算された損失引当金は 412 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日: 859 百万人民元 )
である。
それ以外の未収入金に関しては、その予想信用損失に対し、当行グループは比較的に簡単なモデルを用いる。すなわち、過去の信用損失の経験を
参考に、現在の状況及び将来状況の予測を総合的に考慮したうえで、未収入金の期限オーバー日数と固定引当率の対照表を作成し、これをベース
にその損失引当金を測定する。 2020 年 12 月 31 日に、当該部分の未収入金の原価は 99,869 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日: 78,994 百万人民元 )、損失
引当金は合計で 2,422 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日: 2,661 百万人民元 )。
(2) 関連法規に従い、当行の株式有限会社化後、従来旧銀行により所有されていた土地使用権は、当行に移転される予定である。 2020 年 12 月 31 日現在、
土地使用権に係る移転登記のすべての手続は完了していない。経営者は、当該移転登記手続が未了であるが、当該土地使用権の法的継承者とし
ての当行の権利に与える影響はないと考えている。
(3) 2020 年 12 月 31 日に、当行グループが認識された使用権資産は部屋、建物を含んでおり、主に運営用である。 2020 年 12 月 31 日までの 12 ヵ月の間に計上
された減価償却費は 3,993 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日までの 12 ヵ月の間: 3,700 百万人民元 )であり、減価償却累計額は 7,361 百万人民元 (2019 年
12 月 31 日時点: 3,700 百万人民元)である。
24 .中央銀行からの借入金
2020 年 12 月 31 日現在、中央銀行からの借入金には、主に PBOC の中期貸出制度による 6,744 百万人民元が含まれ
ている( 2019 年 12 月 31 日現在: 5,965 百万人民元)。
25 .銀行及びその他の金融機関からの預り金
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
預り金:
114,693 100,894
国内の銀行
1,229,313 1,339,628
その他の国内の金融機関
2,006 3,242
国外の銀行
42,691 55,438
その他の国外の金融機関
1,388,703 1,499,202
小計
5,813 4,707
未収利息
1,394,516 1,503,909
合計
235/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
26 .銀行及びその他の金融機関からの借入金
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
借入先:
222,377 148,603
国内の銀行及びその他の金融機関
167,291 175,124
国外の銀行及びその他の金融機関
389,668 323,727
小計
992 1,636
未収利息
390,660 325,363
合計
27 . 損益を通じて公正価値で測定される金融負債
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
トレーディング目的保有金融負債
13,725 14,147
-貴金属関連契約
13,725 14,147
小計
損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融負債
(1) 9,540 6,681
元本保証の資産運用商品
3,505
国外債券 -
4,452 5,901
支配している組成された事業体に対する負債
100
-
その他
14,092 16,087
小計
27,817 30,234
合計
(1) 当行グループは、当行グループによる元本保証の資産運用商品を、損益を通じて公正価値で測定される金融負債に指定している。対応する投資は、
損益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定している。
2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日終了事業年度において、損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定した当行グループの金融負債の公正
価値に、当行グループの自己の信用リスクの変動に起因する重要な変動はなかった。
28 . 買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産額
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
担保の種類別内訳:
107,844 50,895
債務証券投資
1,325 1,970
手形
109,169 52,865
小計
26 332
未収利息
109,195 53,197
合計
買戻し条件付契約に基づいて差し入れた担保は、注記Ⅳ 42 「偶発負債及びコミットメント-担保」に開示されている。
236/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
29 .顧客からの預り金
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
(単位:百万人民元 )
要求払預金
5,236,566 4,973,481
法人顧客
5,872,736 5,689,617
個人顧客
定期預金
2,477,710 2,306,667
法人顧客
6,062,167 5,223,243
個人顧客
(1) 299,962 250,847
担保預金
158,231 174,318
その他
20,107,372 18,618,173
小計
265,529 230,982
未収利息
20,372,901 18,849,155
合計
( 1 )関連業務別の担保預金の内訳
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
(単位:百万人民元 )
73,606 68,694
保証及び保証状
100,822 75,808
貿易金融
48,718 49,904
銀行引受手形
39,309 17,571
信用状
37,507 38,870
その他
299,962 250,847
合計
(2) 2020 年 12 月 31 日時点、当行グループは従来「注記Ⅳ、 27 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」の下
に表示された本保証の資産運用商品を「顧客からの預り金」に調整し、関連する比較数値を再表示した。元本保
証の資産運用商品は純損益を通じて公正価値で測定されるため、その測定方式に変更は生じていない。 2020 年
12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日現在、当行グループが発行した元本保証の資産運用商品及び純損益を通じて
公正価値で測定されるものとして指定された仕組預金の公正価値と契約期日に商品保有者に対する支払額との
間の差異は重要ではない。 2020 年 12 月 31 日現在、償却原価で測定する顧客からの預り金の金額は 20,031,232
百万人民元( 2019 年 12 月 31 日: 18,396,387 百万人民元)で、純損益を通じて公正価値で測定される顧客からの預
り金の金額は 341,669 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日: 452,768 百万人民元 ) である。
30 .発行債務証券
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
(単位:百万人民元 )
(1) 430,703 348,686
発行済債券
(2) 252,569 268,599
発行譲渡性預金
679,261 482,345
(3)
その他発行済債務証券
1,362,533 1,099,630
小計
9,312 8,582
未収利息
1,371,845 1,108,212
合計
2020 年 12 月 31 日 および 2019 年 12 月 31 日 の時点で、当行グループが発行したこれらの債券に関する元金、利息また
は償還の支払いのデフォルト等債務不履行はなかった 。
237/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 1 )当行グループが発行した債券の帳簿価額は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
5 年 満期固定利付グリーンボンド (i) 3,488
-
50,000 50,000
15 年 満期固定利付劣後債 (ii)
50,000 50,000
15 年 満期固定利付劣後債 (iii)
40,000 40,000
10 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (iv)
40,000 40,000
10 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (v)
50,000 50,000
10 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (vi)
40,000 40,000
10 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (vii)
40,000
10 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (viii) -
10,000 10,000
15 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (ix)
20,000 20,000
15 年 満期固定利付 Tier2 自己資本債 (x)
(xi) 42,643 31,163
ミディアム・ターム・ノート
(xii)
3 年 満期固定利付金融機関債 20,000 -
(xiii)
3 年 満期固定利付グリーンボンド 2,720 3,000
(xiv)
3 年 満期固定利付金融機関債 1,650 -
(xv)
3 年 満期固定利付金融機関債 3,870 2,890
(xvi)
3 年 満期固定利付金融機関債 4,000 -
(xvii)
3 年 満期固定利付金融機関債 2,410 3,000
(xviii)
5 年 満期固定利付金融機関債 2,000 1,880
(xix)
5 年 満期固定利付金融機関債 6,000 -
(xx)
5 年 満期固定利付金融機関債 500 -
3,500 3,500
(xxi)
10 年 満期固定利付資本補填債
1,500
(xxii)
10 年 満期固定利付資本補填債 -
430,793 348,921
額面金額合計
(90) (235)
控除: 未償却の社債発行費及び割引額
430,703 348,686
帳簿価額
関連規制当局の承認に基づき、当行が発行した債券は以下の通りである。
(ⅰ)2015年10月ロンドンで発行した期間5年の米ドル建グリーンボンドは、2020年10月20日で満期となった。
(ⅱ)2011年6月発行の劣後債は、固定表面金利5.3%、年1回利払の期間15年の債券である。当行は、当該債券の一
部または全額を2021年6月6日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しな
い場合、債券の表面金利は、2021年6月7日以降も引き続き年利5.3%となる。
(ⅲ)2012年12月発行の劣後債は、固定表面金利4.99%、年1回利払の期間15年の債券である。当行は、当該債券の
一部または全額を2022年12月19日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使
しない場合、債券の表面金利は、2022年12月20日以降も引き続き年利4.99%となる。
(ⅳ)2017年10月発行のTier2自己資本債は、固定表面金利4.45%、年1回利払の期間10年の債券である。当行は、募
集書類に規定した償還条件を充足した場合には、規制当局の承認の上、当該債券の一部又は全額を2022年10
月16日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2022年10月17日以降も引き続き年利4.45%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本
削減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
(ⅴ)2018年4月に発行されたTier2自己資本債は、固定表面金利4.45%、年1回利払の期間10年の債券である。当行
は、募集書類に規定した償還条件を充足した場合には、CBIRCの承認の上、当該債券の一部又は全部を2023年
4月26日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2023年4月27日以降も引き続き年利4.45%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本削
減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
(ⅵ)2019年3月に発行されたTier2自己資本債は、固定表面金利4.28%、年1回利払の期間10年の債券である。当行
は、募集書類に規定した償還条件を充足した場合には、CBIRCの承認の上、当該債券の一部又は全部を2024年
3月18日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2024年3月19日以降も引き続き年利4.28%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本削
減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
238/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( v ii )2019年4月に発行されたTier2自己資本債は、固定表面金利4.30%、年1回利払の期間10年の債券である。当行
は、募集書類に規定した償還条件を充足した場合には、CBIRCの承認の上、当該債券の一部又は全部を2024年
4月10日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2024年4月11日以降も引き続き年利4.30%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本削
減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
(viii) 2020 年4月に発行されたTier2自己資本債は、固定表面金利3.10%、年1回利払の期間10年の債券である。当行
は、募集書類に規定した償還条件を充足した場合には、CBIRCの承認の上、当該債券の一部又は全部を2025年
5月5日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2025年5月6日以降も引き続き年利3.10%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本削
減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
(ix)2019年3月に発行されたTier2自己資本債は、固定表面金利4.53%、年1回利払の期間15年の債券である。当行
は、募集書類に規定した償還条件を充足した場合には、CBIRCの承認の上、当該債券の一部又は全部を2029年
3月18日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2029年3月19日以降も引き続き年利4.53%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本削
減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
(x)2019年4月に発行されたTier2自己資本債は、固定表面金利4.63%、年1回利払の期間15年の債券である。当行
は、募集書類に規定した償還条件を充足した場合には、CBIRCの承認の上、当該債券の一部又は全部を2029年
4月10日に額面金額で償還するオプションを有している。当行が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金
利は、2029年4月11日以降も引き続き年利4.63%となる。当該Tier2自己資本債にはTier2商品の特徴である元本削
減条項があり、CBIRCの規定に基づくTier2商品の要件を満たしている。
(xi)ミディアム・ターム・ノート(以下「中期債」という。)は、当行グループの国外業務が発行したものであり、償却原価で
測定している。発行した中期債の詳細は以下の通りであった。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
表面金利 (%)
満期日の範囲 残高
2022 年 10 月 1.00 4,208
香港建固定利付中期債
2021 年 6月 から 2025 年 10 月 1.00-3.88 18,871
米ドル建固定利付中期債
2021 年 9月 から 2023 年 11 月 3ヶ月米ドル LIBOR+0.68 ~ 0.85 19,564
米ドル建変動利付中期債
42,643
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
表面金利 (%)
満期日の範囲 残高
2020 年 8月 2.18-2.52 470
香港建固定利付中期債
2020 年 9月 から 2021 年 9月 2.50-3.88 9,069
米ドル建固定利付中期債
2020 年 2月 から 2023 年 11 月 3ヶ月米ドル LIBOR+0.68 ~ 0.85 21,624
米ドル建変動利付中期債
31,163
合計
(xii) 2020 年4月に発行した固定利付人民元建グリーンボンドは、固定表面金利1.99%、年1回利払の期間3年の債券
である。
(xiii) 農銀金融租賃有限公司が2019年6月に発行した固定利付人民元建グリーンボンドは、固定表面金利3.68%、年1
回利払の期間3年の債券である。
(xiv) 農銀金融租賃有限公司が2020年 11 月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利3.90%、年1回利払の期間3
年の債券である。
(xv) 農銀金融資産有限公司が2019年9月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利3.30%、年1回利払の期間3
年の債券である。
(xvi) 農銀金融資産有限公司が2020年3月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利2.68%、年1回利払の期間3
年の債券である。
(xvii) ABC インターナショナル・ホールディングス・リミテッドが2018年8月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利
4.70%、年1回利払の期間3年の債券である。
(xviii) 農銀金融資産有限公司が2019年9月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利3.40%、年1回利払の期間5
年の債券である。
(xix) 農銀金融資産有限公司が2020年3月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利2.75%、年1回利払の期間5
年の債券である。
(xx) 農銀国際投資(蘇州)有限公司が2020年6月に発行した固定利付金融機関債は、表面金利3.80%、年1回利払の
期間5年の債券である。
239/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(xxi) 農銀人寿保険股份有限公司(以下は「農銀人寿」という)が2018年3月発行の資本補充債は、固定表面金利
5.55%、年1回利払の期間10年の債券である。農銀人寿は、当該債券の全額を2023年3月4日に額面金額で償還す
るオプションを有している。農銀人寿が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金利は、2023年3月5日以
降、年利6.55%となる。
(xxii) 農銀人寿保険股份有限公司(以下は「農銀人寿」という)が2020年3月発行の資本補充債は、固定表面金利
3.60%、年1回利払の期間10年の債券である。農銀人寿は、当該債券の全額を2025年3月25日に額面金額で償還
するオプションを有している。農銀人寿が当該オプションを行使しない場合、債券の表面金利は、2025年3月26日
以降、年利4.60%となる。
( 2 ) 2020 年 12 月 31 日現在の譲渡性預金は、当行グループの国外事業が発行したものであり、償却原価で測定してい
る。当該譲渡性預金の期間の範囲は 1 ヶ月から 7 年 で、金利の範囲は -0.02% から 3.66% である。( 2019 年 12 月 31 日
時点では、期限未到来の発行済みの譲渡性預金の元期間の範囲は 1 ヶ月から 7 年 で、金利の範囲は -0. 23% から
3.66% であった。)
( 3 ) 当行グループ及び当行はその他の発行済みの債務証券がコマーシャル・ペーパー及び譲渡性預金である。
(ⅰ)コマーシャルペーパーは当行グループの国外事業が発行したものであり、償却原価で測定している。2020年12
月31日現在、期限未到来の発行済みのコマーシャルペーパーの元期間の範囲は3ヶ月から1年で、年金利の範囲
は0.00%から2.14%である。(2019年12月31日時点では、元期間の範囲は3ヶ月から1年で、年金利の範囲は-0.22%
から2.85%であった。)
(ⅱ)譲渡性預金は当行の本店が発行したものである。2020年12月31日現在、期限未到来の譲渡性預金の元期間は
1ヵ月から1年で、年金利の範囲は1.58%から3.35%である。(2019年12月31日時点では、元期間は1ヵ月から1年で、
年金利の範囲は2.7%から3.24%であった。)
31 .その他の負債
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
168,852 105,682
清算及び決済
89,651 73,588
保険負債
(1) 56,811 50,471
未払人件費
54,340 59,286
未払法人所得税
(2) 42,100 30,558
引当金
10,235 8,541
未払増値税及びその他の税金
9,824 10,280
リース債務
5,168 4,579
休眠口座
MOF に対する未払金 711 561
86,898 71,410
その他
524,590 414,956
合計
( 1 )未払人件費
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
(ⅰ ) 47,380 43,130
短期従業員給付
(ⅱ ) 7,880 5,208
確定拠出給付
1,551 2,133
(ⅲ )
早期退職給付
56,811 50,471
合計
240/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅰ)短期従業員給付
2020 年
(単位:百万人民元 )
1 月 1 日現在 12 月 31 日現在
未払額 支払額
(a) 31,289 81,087 (77,366) 35,010
給料、賞与、手当及び補助金
(a) 184 8,933 (9,009) 108
住宅補助
(a) 332 4,713 (4,660) 385
以下を含む社会保険料
311 4,398 (4,342) 367
-医療保険
13 205 (209) 9
-出産保険
8 110 (109) 9
-雇用傷害保険
7,049 3,613 (2,623) 8,039
労働組合費及び教育研修費
4,276 10,612 (11,050) 3,838
その他
43,130 108,958 (104,708) 47,380
合計
2019 年
(単位:百万人民元 )
1 月 1 日現在 12 月 31 日現在
未払額 支払額
(a) 29,499 79,255 (77,465) 31,289
給料、賞与、手当及び補助金
(a) 186 8,524 (8,526) 184
住宅補助
(a) 255 5,450 (5,373) 332
以下を含む社会保険料
235 4,902 (4,826) 311
-医療保険
13 407 (407) 13
-出産保険
7 141 (140) 8
-雇用傷害保険
6,206 3,534 (2,691) 7,049
労働組合費及び教育研修費
3,552 10,044 (9,320) 4,276
その他
39,698 106,807 (103,375) 43,130
合計
(a)給与、賞与、手当及び補助金、住宅補助並びに社会保険料は、関連法規及び当行グループの方針に基づき、適時に支給及び支払がなされている。
(ⅱ)確定拠出給付
2020 年
(単位:百万人民元 )
1 月 1 日現在 12 月 31 日現在
未払額 支払額
452 8,110 (7,943) 619
基礎年金
34 249 (243) 40
失業保険
4,722 6,367 (3,868) 7,221
年金基金
5,208 14,726 (12,054) 7,880
合計
2019 年
(単位:百万人民元 )
1 月 1 日現在 12 月 31 日現在
未払額 支払額
518 10,825 (10,891) 452
基礎年金
31 349 (346) 34
失業保険
2,155 6,225 (3,658) 4,722
年金基金
2,704 17,399 (14,895) 5,208
合計
確定拠出給付は、関連法規及び当行グループの方針に基づき、適時に支給及び支払がなされている。
241/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(ⅲ)早期退職給付
2020 年
(単位:百万人民元 )
1 月 1 日現在 12 月 31 日現在
未払額 支払額
2,133 5 (587) 1,551
早期退職給付
2019 年
(単位:百万人民元 )
1 月 1 日現在 12 月 31 日現在
未払額 支払額
2,883 61 (811) 2,133
早期退職給付
数理計算上の評価に用いられた主な仮定は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
2.90% 2.80%
割引率
8.00% 8.00%
医療費の年平均上昇率
8.00% 8.00%
補助金の年上昇率
通常退職年齢
60 60
-男性
55 55
-女性
将来の死亡率に関する仮定は、中国人寿保険生命表(中国の公表実績統計データ)に基づいている。
実績値との乖離又は仮定の変更により生じた差異は、連結損益計算書上の費用の認識額に影響を与える可能性が
ある。
( 2 )見積負債
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
(i) 35,756 25,213
貸出コミットメント及び金融保証契約
5,560 4,490
案件及び訴訟見積損失
784 855
その他
42,100 30,558
合計
(ⅰ)予想信用損失モデルで測定された貸出コミットメントと金融保証契約の見積負債の変動状況についての分析
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2020 年 1 月 1 日現在 22,836 2,032 345 25,213
振替 :
ステージ 1 からステージ 2 へ (682) 682 -
-
ステージ 2 からステージ 3 へ (348) 348 -
-
ステージ 2 からステージ 1 へ 3 (3) - -
今年度増加額 (a) 18,613 - - 18,613
720 6 401 1,127
再測定
(8,134) (708) (355) (9,197)
今年度減少額 (a)
33,356 1,661 739 35,756
2020 年 12 月 31 日現在
242/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 ステージ 3
ステージ 1
合計
12 ヶ月間の
全期間の
予想信用損失 予想信用損失
2019 年 1 月 1 日現在 17,797 2,006 720 20,523
振替 :
ステージ 1 からステージ 2 へ (1,072) 1,072 -
-
ステージ 2 からステージ 3 へ (319) 319 -
-
ステージ 2 からステージ 1 へ 13 (13) - -
今年度増加額 (a) 14,751 - - 14,751
(116) (76) 26 (166)
再測定
(8,537) (638) (720) (9,895)
今年度減少額 (a)
22,836 2,032 345 25,213
2019 年 12 月 31 日現在
(a)今年度の増加額は 2020 年 及び 2019 年 に新たに締結された貸出コミットメントと金融保証契約であり、今年度減少額は 2020 年 及び 2019 年 に貸出コミットメ
ントと金融保証契約に発生した引き落とし、立替又は満期である。今年度の貸出コミットメントと金融保証契約の見積負債の変動は主に貸出コミットメントと
金融保証契約の残高の純増加によるものである。
32 .普通株式
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
株式数
(百万株 )
額面金額
A 株 1 株当たり額面 1 人民元 319,244 319,244
30,739 30,739
H 株 1 株当たり額面 1 人民元
349,983 349,983
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
株式数
(百万株 )
額面金額
A 株 1 株当たり額面 1 人民元 319,244 319,244
30,739 30,739
H 株 1 株当たり額面 1 人民元
349,983 349,983
合計
(1) A 株は、中国本土で上場している普通株式である。当該株式は人民元で売出及び取引されている。 H 株は、香港
で上場している普通株式である。当該株式は香港ドルで新規に売り出され、現在も取引されているが、当該株式
の額面価額は人民元建である。
(2) 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日 、当行の 2018 年 6 月 に非公開で発行した普通株式の 25,189 百万株を除き、
ほかの A 株及び H 株はロックアップ制限の対象となっていない。
243/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
33 . その他資本性金融商品
発行価格 発行済株式数 発行額面価額
(単位:人民元 ) (単位:百万 ) (単位:百万 )
発行済金融商品 配当率 満期日 転換
発行後 5 年 間は年
優先株式 利 6% 、その後は
当事業年度
100 400 40,000
なし
第一トランシェ (1)
内はなし
以下に記載の通り
5 年 毎に改定
発行後 5 年 間は年
優先株式 利 5.5% 、その後は
当事業年度
100 400 40,000
なし
第二トランシェ (1)
内はなし
以下に記載の通り
5 年 毎に改定
2019 年 非
固定期間
発行後 5 年 間は年
資本性債
100 850 85,000
利 4.39% 、 その後
なし 適用なし
券 -第一ト
は 5 年 毎に改定
ランシェ
(2)
2019 年 非
固定期間
発行後 5 年 間は年
資本性債
100 350 35,000
利 4.20% 、 その後
なし 適用なし
券 -第二ト
は 5 年 毎に改定
ランシェ
(2)
永久債
2020 年 非
固定期間
発行後 5 年 間は年
資本性債
100 850 85,000
利 3.48% 、 その後
なし 適用なし
券 -第一ト
は 5 年 毎に改定
ランシェ
(2)
2020 年 非
固定期間
発行後 5 年 間は年
資本性債
100 350 35,000
利 4.50% 、 その後
なし 適用なし
券 -第二ト
は 5 年 毎に改定
ランシェ
(2)
(1) 当行は、普通株主及び関連規制当局の承認に基づき、優先株式 800 百万株を 1 株当たり 100 人民元で発行す
る認可を得ている。
2014 年 11 月 に優先株式第一トランシェ 400 百万株を 額面で発行した。 2020 年 12 月 31 日現在の帳簿価額 (直接
発行費控除後 )は、 39,944 百万人民元 である。優先株式第一トランシェの年間配当率は、発行後 5 年 間は 6% と
し、支払は年 1 回払いである 。 その後は 5 年 毎に中国の 5 年 物長期国債の利回りに固定プレミアム 2.29% を加え
た率を基準とする。 2019 年 11 月 1 日に優先株式第一トランシェの第一の年間配当率調整期間 5 年 間が満了し
た。 2019 年 11 月 5 日から第二の年間配当率調整期間の基準金利は 3.03% であり、固定プレミアム 2.29% を加え
て表面配当率が 5.32% であり、支払は年 1 回払いである 。
244/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2015 年 3 月 に優先株式第二トランシェ 400 百万株を 額面で発行した。 2020 年 12 月 31 日現在の帳簿価額 (直接発
行費控除後 )は、 39,955 百万人民元 である。優先株式第二トランシェの年間配当率は、発行後 5 年 間は 5.5% と
し、支払は年 1 回払いである 。その後は 5 年 毎に中国の 5 年 物長期国債の利回りに固定プレミアム 2.24% を加え
た率を基準とする。 2020 年 3 月 6 日に優先株式第二トランシェの第一の年間配当率調整期間 5 年 間が満了した。
2020 年 3 月 11 日から第二の年間配当率調整期間の基準金利は 2.60% であり、固定プレミアム 2.24% を加えて表
面配当率が 4.84% であり、支払は年 1 回払いである 。
発行後、優先株式の帳簿価額は変動していない。
年次一般株主総会の承認により、取締役会は、優先株式の配当宣言及び支払を一任されている。当行は、優
先株主に配当宣言を行う前に、当該期間に係る普通株主に対する配当を行うことはできない。優先株式に対す
る配当は当行の任意であり、非累積型である。優先株主は、上記の配当以外には剰余金の配当を受ける権利
を有していない。
当行は、募集書類に規定した特定の条件を充足し規制当局の承認を得た場合には優先株式を償還できるが、
優先株主は、当行に対して優先株式の償還を求める権利を有していない。
清算時の当行の残余財産に対する優先株主の権利は普通株主に優先するが、預金者、一般債権者、 Tier2 商
品保有者又は同等の権利を有するその他すべての劣後債保有者の権利には劣後する。
「 CBRC による商業銀行の資本金融商品の創新に関する指導意見」(銀監発 [2012]56 号第二条第(三)項 )に定
められたトリガーイベントが発生した際に、監督管理機構の許可を経て、優先株は約束された価格をもって全部
又は部分的に A 株普通株に転換される。当行が発行した「農行優 1 」と「農行優 2 」の当初株式の転換価格は、 1
株あたり人民元 2.43 元である。 2018 年 6 月 に、当行は特定投資者に対して 25,189 百万株の非上場普通株式( A
株)を発行した。優先株の発行文書に約定された株式の転換価格の調整方法と計算式により、特別配当株、株
式配当、資本積立金の株式転換、株式の追加発行等が発生した場合、転換価格は優先株の株主と普通株の
株主との相対的利益バランスを維持するように調整される。今回の当行非上場普通株式の発行が完了した後、
当行が発行した「農行優 1 」と「農行優 2 」の強制株式転換価格は 1 株あたり人民元 2.43 元から 2.46 元に調整され
た。
これらの優先株式は、資本性金融商品に分類され、連結財政状態計算書の資本の部に表示されており、
CBIRC の規定に基づくその他 Tier1 商品の要件を満たしている。
2020 年 12 月 31 日に、当行が発行した優先株式は直接発行費用を差し引いた後の残高は 79,899 百万人民元 で
ある (2019 年 12 月 31 日 : 79,899 百万人民元 ) 。
(2) 財政状態計算書に表示されている永久債は、当行が発行した無期限の資本性証券である。 2019 年 、株主総会
の授権及び監督当局の承認を経て、当行は 120,000 百万人民元 を超えない無固定期限の資本性証券を発行
することができる。
2019 年 8 月 16 日 に、当行は、全国の銀行間債券市場において総額 85,000 百万人民元 の無固定期限の資本性
証券(第 1 期)を発行し、当該発行は 2019 年 8 月 20 日 に完了した。当該証券の単位額面金額は 100 人民元であ
る。当該証券には利率の大幅上昇や他の償還インセンティブが含まれておらず、段階的に調整される額面利率
を採用しており、基準利率と固定利差の 2 つの部分を含み、 5 年 ごとを 1 つの額面利率の調整期間として、前 5 年
の額面利率は 4.39% である。
2019 年 9 月 3 日 に、当行は、全国の銀行間債券市場において総額 35,000 百万人民元 の無固定期限の資本性
証券(第 2 期)を発行し、当該発行は 2019 年 9 月 5 日 に完了した。当該証券の単位額面金額は 100 人民元であ
る。当該証券には利率の大幅上昇や他の償還インセンティブが含まれておらず、段階的に調整される額面利
率を採用しており、基準利率と固定利差の 2 つの部分を含み、 5 年 ごとを 1 つの額面利率の調整期間として、前 5
年 の額面利率は 4.20% である。
245/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年 度、株主総会の授権及び監督当局の承認を経て、当行は、 120,000 百万人民元 を超えない無固定期限
の資本性証券を発行することができる。
2020 年 5 月 8 日 に、当行は、全国の銀行間債券市場において総額 85,000 百万人民元 の無固定期限の資本性
証券(第 1 期)を発行し、当該発行は 2020 年 5 月 12 日 に完了した。当該証券の単位額面金額は 100 人民元であ
る。当該証券には利率の大幅上昇や他の償還インセンティブが含まれておらず、段階的に調整される額面利
率を採用しており、基準利率と固定利差の 2 つの部分を含み、 5 年 ごとを 1 つの額面利率の調整期間として、前 5
年 の額面利率は 3.48% である。
2020 年 8 月 20 日 に、当行は、全国の銀行間債券市場において総額 35,000 百万人民元 の無固定期限の資本性
証券(第 2 期)を発行し、当該発行は 2020 年 8 月 24 日 に完了した。当該証券の単位額面金額は 100 人民元であ
る。当該証券には利率の大幅上昇や他の償還インセンティブが含まれておらず、段階的に調整される額面利
率を採用しており、基準利率と固定利差の 2 つの部分を含み、 5 年 ごとを 1 つの額面利率の調整期間として、前 5
年 の額面利率は 4.50% である。
当該証券の存続期間は当行の継続事業期間と一致している。発行日から 5 年 後、償還の前提条件を満たし、か
つ CBIRC の承認を得た上で、当行は、毎年の利息支払日に当該債務証券の全部または一部を償還する権利
を有する。減損のトリガー条件を満たした場合、当行は、 CBIRC に報告して同意を得た上で、証券所有者の同
意を得る必要がなく、その時点ですでに発行されかつ存続している上記証券につき額面の総金額に基づいて
全部または一部を減額する権利を有する。当該証券の返済優先順位は、預金者、一般債権者と当該証券の順
位より高い劣後債務の後に、株主が保有するすべての種類の株式の前に位置付けられており、当該証券はそ
の他の返済優先順位が同じである Tier1 資本金融商品と同じ順位で返済される。
上記証券は非累積型の利息支払方法を採用しており、当行は当該証券の配当の一部または全部を取消す権
利を有しており、当該取消しはデフォルトの事象を構成しない。銀行は、取消しされた証券の利息を自由に使
用し、その他の満期債務証券の返済に充当することができる。ただし、当行は、当該証券の保有者に対して全
額配当を再開すると決定するまで、普通株式株主に対して利益配分を行わない。
当行の上記証券の発行により調達された資金について、発行費用控除後の金額で、当行の他の Tier1 資本に
充当される。 2020 年 12 月 31 日に、当行が発行した無固定期限の資本性証券は直接発行費用を差し引いた後
の残高は、 239,976 百万人民元 である (2019 年 12 月 31 日 : 119,987 百万人民元 )。
34 .資本準備金
資本準備金は、 2010 年 に当行が発行した普通株式及び 2018 年 に特定投資者に対して発行した非上場普通株式に
関連した株式払込剰余金を表している。 株式払込剰余金は、主に引受手数料及び専門家報酬からなる直接的な株
式発行費用を控除後、資本準備金に計上された。
246/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
35 .投資再評価準備金
2020 年
(単位:百万人民元 )
税効果
総額 税効果 考慮後
2019 年 12 月 31 日現在 39,875 (10,191) 29,684
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品の投
資による公正価値の変動額:
(4,238) 1,188 (3,050)
-その他の包括利益に認識された 金額
(750) 188 (562)
-当期純利益に振り替えられた額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品の投
資による公正価値の変動額:
(114) 29 (85)
-その他の包括利益に認識された 金額
34,773 (8,786) 25,987
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年
(単位:百万人民元 )
税効果
総額 税効果 考慮後
2018 年 12 月 31 日現在 24,996 (6,004) 18,992
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品の投
資による公正価値の変動額:
14,921 (4,196) 10,725
-その他の包括利益に認識された 金額
(425) 107 (318)
-当期純利益に振り替えられた額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品の投
資による公正価値の変動額:
383 (98) 285
-その他の包括利益に認識された 金額
39,875 (10,191) 29,684
2019 年 12 月 31 日現在
36 .利益準備金
中国の法令に従い、当行は、中国 GAAP に基づいて算定された純利益の 10% を分配不能な法定利益準備金に振
り替えることが義務付けられている。この法定利益準備金の残高が株式資本の 50% に到達した時点で、当該準備金へ
の繰入を終了することができる。 2021 年 3 月 30 日 開催の取締役会の決議により、当行は 2020 年 度において、中国企業
会計基準に従って純利益の 10% である 21,040 百万人民元( 2019 年 : 20,623 百万人民元)の 法定利益準備金への繰入
が承認された。さらに、現地の規制に従い、子会社や海外支店には利益準備金に繰入を行うものもある。
一般持分所有者の承認により、法定利益準備金は、欠損填補又は当行の普通株式資本への組入に使用することが
できる。普通株式資本への組入に使用する法定利益準備金の金額は、資本組入後の法定利益準備金の
残高が普通株式資本の 25 % を下回らない範囲に制限されている。
247/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
37 . 一般準備金
MOF 発行の「金融機関の減損引当金に関する要求事項」(財金 [2012] 第 20 号)( 2012 年 7 月 1 日 発効)(以下「要求
事項」という。)に従い、当行は、減損引当金に加えて、未認識の潜在的な減損リスクに備えるため、利益の繰入を 通じ
て一般 持分所有者資本に一般準備金を積み立てている。この一般準備金は、要求事項が定める通り、リスク資産の合
計額の 1.5% を下回ってはならない。一般準備金には、現地の規制に従い当行の国外支店(以下「国外機関」という。)
が繰り入れた法定準備金が含まれている。
中国の関連規制に従い、当行の国内子会社は、純利益の一定額を一般準備金に繰り入れることが義務付けられて
いる。
2020 年 12 月 31 日 終了事業年度において、当行グループは、中国及び国外の管轄地域の規則に従い、 34,433 百万
人民元( 2019 年 : 37,826 百万人民元)を一般準備金に振り替えた。そのうち、 2019 年 12 月 31 日 終了事業年度に所属す
る 34,211 百万人民元( 2019 年 : 37,626 百万人民元)は、 2020 年 6 月 22 日 に開催された株主総会で承認されている。
2021 年 3 月 30 日 開催の取締役会の決議により、 39,217 百万人民元 の一般準備金への充当が承認された。当該充当
は、年次株主総会で承認後に、当行グループの 2021 年 の連結財務書類において計上される予定である。
38 .現金及び現金同等物
連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物には、当初の満期が 3 ヶ月以内の以下の残高が含まれてい
る。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
76,281 92,928
現金
51,802 401,632
中央銀行預け金
76,904 105,571
銀行及びその他の金融機関への預け金
207,568 150,495
銀行及びその他の金融機関への貸付
762,598 703,955
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
1,175,153 1,454,581
合計
248/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
39 . 事業セグメント
事業セグメントは、取締役会及び関連経営委員会(最高経営意思決定者にて構成される。)がセグメントに資源を配
分し、業績を評価するために定期的に検討する、当行グループの構成単位に係る内部報告を基礎として識別される。
当行グループの最高経営意思決定者は 3 つの異なる財務情報についてレビューを行っている。 3 つの異なる財務情報
とは、( i)所在地域別、(ⅱ)事業活動別、及び(ⅲ)県域及び都市部別銀行業務に基づく財務情報である。
セグメント資産及び負債、並びにセグメント収益、費用及び損益は、当行グループの会計方針に基づき測定される。
当連結財務諸表の作成に使用した会計方針と、事業セグメント情報の作成に使用した会計方針との間に相違はな
い。
セグメント間取引は、一般的な取引条件に基づいて行われている。内部手数料及び振替価格は、市場レートを参照
して決定され、各セグメントの業績に反映されている。
セグメント収益、損益、資産及び負債には、セグメントに直接帰属する項目だけでなく、合理的な基準で 配分 可能な
項目も含まれる。
地域別事業セグメント
地域別事業セグメントの内訳は、以下の通りである。
本店
長江デルタ:上海市、江蘇省、 浙江省、寧波市
珠江デルタ:広東省、深圳市、福建省、厦門市
環渤海:北京市、天津市、河北省、山東省、青島市
中国中部:山西省、湖北省、河南省、湖南省、江西省、海南省、安徽省
中国西部:重慶市、四川省、貴州省、雲南省、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新彊ウイグル自治区(新
彊生産建設兵団を含む。)、チベット自治区、内モンゴル自治区、広西チワン族自治区
中国東北部:遼寧省、黒竜江省、吉林省、大連市
国外及びその他:在外子会社及び国外支店
前へ 次へ
249/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
地域別事業セグメント
(単位:百万人民元 )
2020 年 12 月 31 日終了事
国外及び
本店 長江デルタ 珠江デルタ 環渤海 中国中部 中国西部 中国東北部 その他 消去 連結合計
業年度
295,937 146,586 104,665 90,675 100,397 146,982 22,471 23,219 930,932
外部受取利息 -
(62,901) (81,914) (40,592) (61,183) (50,040) (57,814) (17,574) (13,835) (385,853)
外部支払利息 -
(236,844) 56,373 26,000 56,045 43,094 40,319 16,672 (1,659)
セグメント間 (支払利息 )/ -
-
受取利息
(3,808) 121,045 90,073 85,537 93,451 129,487 21,569 7,725 545,079
-
受取利息純額
32,182 14,579 11,403 9,492 8,660 12,101 2,148 601 91,166
受取報酬及び手数料 -
(4,023) (2,620) (2,476) (1,975) (2,281) (2,529) (549) (168) (16,621)
-
支払報酬及び手数料
28,159 11,959 8,927 7,517 6,379 9,572 1,599 433
受取報酬及び手数料純
-
74,545
額
10,463 359 (151) (156) (110) 897 (76) 5,179
トレーディング業務利益 /
-
(損失 )純額 16,405
4,058 (5,648) (2,280) (2,462) (1,034) (1,550) (7,312)
金融投資利益 /(損失) -
(223) 1,827
純額
償却原価で測定される
金融資産の認識中止
による利益純額 1 1
- - - - - - - -
(1,839) 721 492 485 307 1,356 59 29,033 30,614
-
その他の業務収入
37,034 128,436 97,061 90,921 98,993 139,762 22,928 44,197 659,332
営業収益 -
(15,628) (33,097) (24,797) (28,845) (33,345) (47,362) (13,395) (33,428) (229,897)
営業費用 -
(15,181) (26,704) (17,796) (26,626) (31,237) (37,932) (6,398) (2,825) (164,699)
信用減損損失 -
(1) 1 12 3 (130) (38) (51) (204)
その他の資産に係る減 - -
損損失
6,224 68,636 54,468 35,462 34,414 54,338 3,097 7,893 264,532
営業利益 -
518
関連会社及び共同支配 -
企業への持分に係る損
4 514
- - - - - -
益
6,228 68,636 54,468 35,462 34,414 54,338 3,097 8,407 265,050
-
税引前当期純利益
(48,650)
法人所得税費用
216,400
当期純利益
1,570 3,170 2,572 3,360 3,075 4,150 1,202 452 19,551
営業費用に含まれる減
-
価償却費及び償却費
2,438 2,942 2,937 2,537 3,673 4,607 1,658 1,930 22,722
-
資本的支出
2020 年 12 月 31 日現在
5,956,432 5,698,994 3,443,268 4,676,597 3,917,314 5,231,854 1,175,767 1,207,010 (4,235,544) 27,071,692
セグメント資産
うち:関連会社及び共
同支配企業に対する投
210 8,655 8,865
- - - - - - -
資
133,355
配分不能資産
27,205,047
資産合計
12,523 31,128 18,944 28,896 27,810 42,014 11,127 27,410 199,852
内:非流動資産 (1)
-
(3,726,048) (5,748,167) (3,442,287) (4,710,246) (3,940,522) (5,264,694) (1,186,993) (1,156,214) 4,235,544 (24,939,627)
セグメント負債
(54,674)
配分不能負債
(24,994,301)
負債合計
ローン・コミットメント及び
32,779 970,556 558,971 496,243 422,731 523,658 77,342 87,024 3,169,304
-
金融保証契約
(1) 非流動資産には物件、設備、投資不動産、使用権資産、土地使用権、無形資産並びにその他長期資産が含まれている。
250/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
2019 年 12 月 31 日終了
国外及び
本店 長江デルタ 珠江デルタ 環渤海 中国中部 中国西部 中国東北部 その他 消去 連結合計
事業年度
288,232 131,213 93,283 85,043 89,614 133,281 21,701 30,773 873,140
外部受取利息 -
(55,547) (78,563) (38,991) (56,914) (48,692) (55,322) (16,407) (21,834) (372,270)
外部支払利息 -
セグメント間 (支払利息 )/
(220,171) 50,152 25,699 50,389 41,859 39,850 14,201 (1,979)
- -
受取利息
12,514 102,802 79,991 78,518 82,781 117,809 19,495 6,960 500,870
-
受取利息純額
27,767 14,687 11,335 9,855 9,128 12,559 2,302 683 88,316
受取報酬及び手数料 -
(3,477) (2,644) (2,297) (2,045) (1,940) (2,352) (471) (163) (15,389)
-
支払報酬及び手数料
受取報酬及び手数料
24,290 12,043 9,038 7,810 7,188 10,207 1,831 520 72,927
-
純額
トレーディング業務利
益 /( 損失 )純額 10,446 87 27 44 (15) 10 (147) 8,615 19,067
-
金融投資利益 /(損失)
6,137 40 13 (932) (54) (23) 612 5,793
純額 - -
25 2,113 963 643 560 1,340 140 24,909 30,693
-
その他の業務収入
53,412 117,085 90,032 86,083 90,460 129,343 21,319 41,616 629,350
営業収益 -
(15,107) (32,858) (24,373) (29,007) (32,881) (47,267) (13,679) (28,924) (224,096)
営業費用 -
(2,442) (29,378) (23,434) (28,367) (17,636) (28,116) (6,650) (2,582) (138,605)
信用減損損失 -
その他の資産に係る減
(69) 14 76 11 1 (107) (78) 34 (118)
-
損損失
35,794 54,863 42,301 28,720 39,944 53,853 912 10,144 266,531
営業利益 -
関連会社及び共同支
配企業への持分に係る
10 35 45
- - - - - - -
損益
35,804 54,863 42,301 28,720 39,944 53,853 912 10,179 266,576
-
税引前当期純利益
(53,652)
法人所得税費用
212,924
当期純利益
営業費用に含まれる減
価償却費及び償却
1,324 3,078 2,542 3,037 3,029 4,075 1,185 441 18,711
費 -
1,867 1,763 1,375 1,684 2,397 4,091 884 2,786 16,847
-
資本的支出
2019 年 12 月 31 日現在
6,353,747 5,027,205 3,080,472 4,298,291 3,562,994 4,854,865 1,041,973 1,187,050 (4,650,058) 24,756,539
セグメント資産
うち:関連会社及び
共同支配企業に対する
207 6,465 6,672
- - - - - - -
投資
120,952
配分不能資産
24,877,491
資産合計
11,592 32,067 19,404 29,526 28,042 42,169 11,477 24,704 198,981
内:非流動資産 (2)
-
(4,411,873) (5,050,147) (3,089,422) (4,326,587) (3,570,710) (4,873,329) (1,052,150) (1,139,664) 4,650,058 (22,863,824)
セグメント負債
(59,806)
配分不能負債
(22,923,630)
負債合計
ローン・コミットメント及
40,267 641,332 400,516 441,065 340,859 396,394 72,520 77,075 2,410,028
-
び金融保証契約
(2)非流動資産には物件、設備、投資不動産、使用権資産、土地使用権、無形資産並びにその他長期資産が含まれている。
前へ 次へ
251/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
事業別セグメント
事業別セグメントの内訳以下の通りである。
法人向け銀行業務
法人向け銀行業務セグメントは、法人、政府機関及び金融機関に対して、金融商品及びサービスを提供している。
商品及びサービスの範囲には、法人向け貸出金、貿易金融、預金商品、企業向け資産運用サービス及びその他の種
類の法人向け仲介サービスが含まれる。
個人向け銀行業務
個人向け銀行業務セグメントは、個人の顧客に対して、金融商品及びサービスを提供している。商品及びサービス
の範囲には、個人向け融資、預金商品、カード事業、個人向け資産運用サービス及びその他の種類の個人向け仲介
サービスが含まれる。
資金運用業務
当行グループの資金運用業務は、自己の勘定においてまたは顧客に代わり、短期金融市場取引、買戻し条件付取
引、負債性金融商品投資、貴金属取引及びデリバティブ取引を行っている。
その他の業務
その他の業務は、上記セグメントのいずれにも帰属しない当行グループの業務、及び合理的な基準で配分できない
本店の特定の資産、負債、収益または費用からなる。
252/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
その他の
法人向け 個人向け 資金運用
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
銀行業務 銀行業務 業務 業務 連結合計
354,333 279,727 290,119 6,753 930,932
外部受取利息
(120,316) (194,091) (68,422) (3,024) (385,853)
外部支払利息
セグメント間 (支払利息 )/
(12,647) 168,042 (155,395)
- -
受取利息
221,370 253,678 66,302 3,729 545,079
受取利息純額
55,436 33,274 496 1,960 91,166
受取報酬及び手数料
(10,044) (6,490) (5) (82) (16,621)
支払報酬及び手数料
45,392 26,784 491 1,878 74,545
受取報酬及び手数料純額
8,920 7,485 16,405
- -
トレーディング業務利得純額
(7,284) (4,180) 1,440 2,712 (7,312)
金融投資(損失) /利得純額
償却原価で測定される金融資産の
1 1
- - -
認識中止による利得純額
1,375 1,321 25 27,893 30,614
その他の営業収益
260,853 277,603 77,179 43,697 659,332
営業収益
(71,055) (101,669) (24,700) (32,473) (229,897)
営業費用
(112,122) (37,359) (13,706) (1,512) (164,699)
信用減損損失
(156) 4 (52) (204)
-
その他の資産に係る減損損失
77,520 138,579 38,773 9,660 264,532
営業利益
関連会社及び共同支配企業の持分
518 518
- - -
に係る 損益
77,520 138,579 38,773 10,178 265,050
税引前当期純利益
(48,650)
法人所得税費用
216,400
当期純利益
営業費用に含まれる減価償却費
4,397 11,209 3,544 401 19,551
及び償却費
4,076 12,708 4,491 1,447 22,722
資本的支出
2020 年 12 月 31 日現在
8,618,358 6,372,074 11,586,282 494,978 27,071,692
セグメント資産
うち:関連会社 及び共同支配企業 に
8,865 8,865
- - -
対する投資
133,355
配分不能資産
27,205,047
資産合計
(8,590,691) (12,926,172) (3,129,836) (292,928) (24,939,627)
セグメント負債
(54,674)
配分不能負債
(24,994,301)
負債合計
ローン・コミットメント及び金融保証
2,146,637 1,022,667 3,169,304
- -
契約
253/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
その他の
法人向け 個人向け 資金運用
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
銀行業務 銀行業務 業務 業務 連結合計
340,663 241,427 285,030 6,020 873,140
外部受取利息
(113,527) (187,247) (68,698) (2,798) (372,270)
外部支払利息
セグメント間 (支払利息 )/
(3,271) 159,577 (156,306)
- -
受取利息
223,865 213,757 60,026 3,222 500,870
受取利息純額
52,997 33,415 152 1,752 88,316
受取報酬及び手数料
(7,638) (7,695) (2) (54) (15,389)
支払報酬及び手数料
45,359 25,720 150 1,698 72,927
受取報酬及び手数料純額
11,570 7,497 19,067
- -
トレーディング業務利得純額
424 (445) 4,438 1,376 5,793
金融投資利得 /(損失)純額
1,465 1,547 2,918 24,763 30,693
その他の営業収益
271,113 240,579 79,102 38,556 629,350
営業収益
(74,423) (97,310) (24,792) (27,571) (224,096)
営業費用
(86,174) (49,699) (1,407) (1,325) (138,605)
信用減損損失
(131) 53 (4) (36) (118)
その他の資産に係る減損損失
110,385 93,623 52,899 9,624 266,531
営業利益
関連会社及び共同支配企業の持分
45 45
- - -
に係る損益
110,385 93,623 52,899 9,669 266,576
税引前当期純利益
(53,652)
法人所得税費用
212,924
当期純利益
営業費用に含まれる減価償却費
4,340 10,641 3,361 369 18,711
及び償却費
2,884 8,389 2,937 2,637 16,847
資本的支出
2019 年 12 月 31 日現在
7,710,290 5,826,866 10,771,924 447,459 24,756,539
セグメント資産
うち:関連会社 及び共同支配企業 に
6,672 6,672
- - -
対する投資
120,952
配分不能資産
24,877,491
資産合計
(8,021,219) (11,885,863) (2,707,432) (249,310) (22,863,824)
セグメント負債
(59,806)
配分不能負債
(22,923,630)
負債合計
ローン・コミットメント及び金融保証
1,565,535 844,493 2,410,028
- -
契約
254/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
県域及び都市部別セグメント
県域及び都市部での銀行業務からなる当行グループの事業セグメントは、以下の通りである。
県域銀行業務
当行グループの県域銀行業務は、中国全土にわたる県または県水準の都市に位置する営業支店を通じて、特定の
県域の顧客に幅広い金融商品及びサービスを提供している。商品及びサービスは、主として貸出、預金、銀行カー
ド、及びその他の種類の仲介サービスからなる。
都市部銀行業務
当行の都市部銀行業務は、県域銀行業務以外のすべての銀行業務、国外の支店及び子会社からなる。
255/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
県域 都市部
2020 年 12 月 31 日終了事業年度
銀行業務 銀行業務 消去 連結合計
230,691 700,241 930,932
外部受取利息 -
(121,062) (264,791) (385,853)
外部支払利息 -
122,135 (122,135)
セグメント間受取利息 /( 支払利息 )
- -
231,764 313,315 545,079
-
受取利息純額
35,742 55,424 91,166
受取報酬及び手数料 -
(6,439) (10,182) (16,621)
-
支払報酬及び手数料
29,303 45,242 74,545
-
受取報酬及び手数料純額
221 16,184 16,405
トレーディング業務利得純額 -
(4,001) (3,311) (7,312)
金融投資損失純額 -
償却原価で測定される金融資産の認識中止
1 1
による利得純額 - -
4,507 26,107 30,614
-
その他の営業収益
261,794 397,538 659,332
営業収益 -
(91,401) (138,496) (229,897)
営業費用 -
(52,276) (112,423) (164,699)
信用減損損失 -
(27) (177) (204)
-
その他の資産に係る減損損失
118,090 146,442 264,532
営業利益 -
518 518
- -
関連会社及び共同支配企業の持分に係る損益
118,090 146,960 265,050
-
税引前当期純利益
(48,650)
法人所得税費用
216,400
当期純利益
7,567 11,984 19,551
営業費用に含まれる減価償却費及び償却費 -
6,990 15,732 22,722
-
資本的支出
2020 年 12 月 31 日現在
9,638,372 17,570,020 (136,700) 27,071,692
セグメント資産
8,865 8,865
- -
うち:関連会社及び共同支配企業に対する投資
133,355
配分不能資産
27,205,047
資産合計
(8,942,453) (16,133,874) 136,700 (24,939,627)
セグメント負債
(54,674)
配分不能負債
(24,994,301)
負債合計
970,680 2,198,624 3,169,304
-
ローン・コミットメント及び金融保証契約
256/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(単位:百万人民元 )
県域 都市部
2019 年 12 月 31 日終了事業年度
銀行業務 銀行業務 消去 連結合計
205,982 667,158 873,140
外部受取利息 -
(116,959) (255,311) (372,270)
外部支払利息 -
115,125 (115,125)
セグメント間受取利息 /( 支払利息 )
- -
204,148 296,722 500,870
-
受取利息純額
34,022 54,294 88,316
受取報酬及び手数料 -
(6,155) (9,234) (15,389)
-
支払報酬及び手数料
27,867 45,060 72,927
-
受取報酬及び手数料純額
632 18,435 19,067
トレーディング業務利得純額 -
(5) 5,798 5,793
金融投資(損失)/利得純額
-
4,097 26,596 30,693
-
その他の営業収益
236,739 392,611 629,350
営業収益 -
(90,654) (133,442) (224,096)
営業費用 -
(48,228) (90,377) (138,605)
信用減損損失 -
(86) (32) (118)
-
その他の資産に係る減損損失
97,771 168,760 266,531
営業利益 -
45 45
- -
関連会社及び共同支配企業の持分に係る損益
97,771 168,805 266,576
-
税引前当期純利益
(53,652)
法人所得税費用
212,924
当期純利益
7,533 11,178 18,711
営業費用に含まれる減価償却費及び償却費 -
4,790 12,057 16,847
-
資本的支出
2019 年 12 月 31 日現在
8,699,610 16,171,807 (114,878) 24,756,539
セグメント資産
6,672 6,672
- -
内:関連会社及び共同支配企業に対する投資
120,952
配分不能資産
24,877,491
資産合計
(8,085,320) (14,893,382) 114,878 (22,863,824)
セグメント負債
(59,806)
配分不能負債
(22,923,630)
負債合計
729,244 1,680,784 2,410,028
-
ローン・コミットメント及び金融保証契約
257/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
4 0 .関連当事者取引
( 1 )当行グループと MOF との取引
2020 年 12 月 31 日現在、 MOF は当行の普通株式資本の 35.29% ( 2019 年 12 月 31 日現在: 35.29% )を直接所有してい
る。
MOF は中国国務院直属の中国政府の省庁であり、主に国家の歳入・歳出管理、課税政策の策定・実行に対する責
任を負っている。
当行グループは、 一般的な取引条件 に基づく通常の事業の過程において、 MOF に対して以下の残高及び取引を
有している。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
資産
754,668 9.65% 643,568 8.67%
国債及び特別国債
MOF に対する債権 316,656 4.05% 307,723 4.15%
1,004 0.77%
その他の未収入金 - -
負債
MOF に対する未払金 711 0.14% 520 0.13%
MOF からの預り金 8,385 0.04% 7,772 0.04%
その他の負債-証憑式国債の償還 (MOF の代行 ) 4 4
- -
41 0.01%
その他の負債- MOF に対する債務
- -
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
30,376 3.26% 30,195 3.46%
受取利息
(100) 0.03% (253) 0.07%
支払利息
1,294 1.42% 1,552 1.76%
受取報酬及び手数料
95 0.58% 162 0.85%
投資損益
期中における MOF との取引に係る金利の範囲は、以下の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
% %
0.00-9.00
0.13 - 9.00
債券投資及びMOFに対する債権
0.00-2.81
0.00 - 3.41
MOF からの預り金
当行グループの国債の引受に係る償還義務については、注記Ⅳ 4 2 「偶発負債及びコミットメント」に開示されてい
る。
258/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 2 )当行グループと 匯金公司 との取引
中央匯金投資有限責任公司 (以下「匯金公司」という。)は、中国投資有限責任公司の完全子会社であり、中国北京
市に設立された。 匯金公司 は、国務院の認可を受けて国有の金融機関に対する特定の持分投資を保有するために
設立された会社であり、その他の営業活動は行っていない。 匯金公司 は、中国政府に代わり、当行に関する法的権利
を行使し、義務を負う。
2020 年 12 月 31 日現在、 匯金公司 は、当行の普通株式資本の 40.03% ( 2019 年 12 月 31 日現在: 40.03% )を直接所有し
ていた。
匯金公司との取引
当行グループと 匯金公司 は、通常的な取引条件の下で、市場価格に基づき、日常的な取引を行っている。 匯金公
司 に対する残高は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
資産
3,951 0.03% 22,024 0.17%
顧客への貸出金及び立替金
67,509 0.86% 68,455 0.92%
金融投資
負債
5,447 0.03% 1,862 0.01%
顧客からの預り金
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
2,844 0.31% 2,314 0.27%
受取利息
(148) 0.04% (270) 0.07%
支払利息
29 0.18% 65 0.34%
金融投資利得純額
当期における 匯金公司との取引に係る 金利の範囲は、以下の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
% %
3.55-3.92 3.92-4.35
顧客への貸出金及び立替金
2.15-5.15 2.84-5.15
金融投資
1.73-2.25 1.38-2.25
顧客からの預り金
259/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
匯金公司傘下の企業との取引
匯金公司は中国政府の指示に基づき、一定の他の銀行及び金融機関の株式持分を保有している。当行グループ
は、一般的な取引条件 に基づく通常の事業の過程において、 当該銀行及び金融機関と 取引を行っている。これに伴
う当該銀行及び金融機関に対する残高は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
資産
89,726 20.67% 63,637 26.99%
銀行及びその他の金融機関への預け金
100,125 18.31% 61,520 11.76%
銀行及びその他の金融機関への貸出金
17,137 27.67% 4,360 17.48%
デリバティブ金融資産
27,349 3.35% 94,067 13.28%
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
64,047 0.44% 53,117 0.41%
顧客への貸出金及び立替金
731,695 9.35% 768,800 10.36%
金融投資
負債
92,890 6.66% 157,640 10.48%
銀行及びその他の金融機関からの預り金
147,049 37.64% 94,756 29.12%
銀行及びその他の金融機関からの借入金
11,259 17.25% 5,518 18.67%
デリバティブ金融負債
48,444 44.36% 1,309 2.46%
買戻し条件付契約に基づき売却した金融資産
3,921 0.02% 1,438 0.01%
顧客からの預り金
資本
2,000 0.63% 2,000 1.00%
その他 資本性 金融商品
オフバランス項目:
3,000 0.15% 5,002 0.29%
当行が発行した元本非保証の資産運用商品
(3) 全国社会保障基金理事会
2019 年 9 月 25 日、財政部は、保有していた当行の 3.92% の普通株式を一括で全国社会保障基金理事会に譲渡
した。 2020 年 12 月 30 日と 2019 年 12 月 31 日までに、社会保障基金理事会が保有する当行の株式は当行の総資本
金の 6.95% を占めている。当行グループと社会保険基金理事会は、通常的な取引条件の下で、市場価格に基
づき、日常的な取引を行っている。社会保険基金理事会に対する残高は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
資産
33,966 4.16% 25,854 3.65%
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
負債
51,827 0.25% 55,815 0.30%
顧客からの預り金
260/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
158 0.02% 177 0.02%
受取利息
(2,026) 0.53% (1,810) 0.49%
支払利息
当期における 全国社会保障基金理事会 との取引に係る金利の範囲は、以下の通りである 。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
% %
0.63-3.35 0.87-5.05
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
0.30-5.20
0.30-5.20
顧客からの預り金
( 4 )当行グループと その他の政府関連企業との取引
上記以外では、当行グループの銀行取引の大部分は、政府当局、政府機関、政府関連及びその他の国有企業との
ものである。これらの取引は、通常の取引条件に従い行われ、主に信用及び保証関連サービス、預金関連サービス、
為替関連サービス、デリバティブ取引、代行サービス、政府機関発行債の引受・販売業務の提供、政府機関が発行し
た投資有価証券の購入、売却、及び償還が含まれる。
経営者は、これらの取引は、通常の事業の過程で行われる活動であり、当行グループの取引は、当行グループ及び
これらの企業が政府関連企業であることにより、著しいまたは過度な影響を受けていないと考えている。また、当行グ
ループは、商品及びサービスに対する価格決定方針を設定しており、当該価格決定方針は、顧客が政府当局、政府
機関、政府関連及びその他の国有企業であるか否かであるかに左右されない。
261/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 5 )当行とその子会社との取引
当行と持株子会社は、通常的な取引条件の下で、市場価格に基づき、日常的な取引を行っている。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
割合 (%) 割合 (%)
取引残高 取引残高
資産
87,643 16.02% 88,805 16.97%
銀行及びその他の金融機関への貸出金
1,786 0.22%
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産 - -
6,230 0.08% 2,709 0.04%
金融投資
24 0.02% 21 0.02%
その他の資産
負債
18,657 1.34% 10,895 0.72%
銀行及びその他の金融機関からの預り金
1,624 0.01% 950 0.01%
銀行及びその他の金融機関からの借入金
18,657 0.14% 10,895 0.25%
その他の負債
オフバランスシート項目:
8,482 3.21% 12,557 5.81%
発行した保証状及び保証
331 0.02%
- -
当行が発行した元本非保証の資産運用商品
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
取引残高 割合(%) 取引残高 割合(%)
0.09%
0.17%
1,568 792
受取利息
0.65%
-
金融投資利得純額 107
-
1.71%
1.98%
1,807 1,506
受取報酬及び手数料
0.03%
-
9 1
その他の営業収益
0.07%
0.10%
(373) (253)
支払利息
5.47% 1.74%
手数料及びコミッション支出
(909) (268)
(197) 0.09% (143) 0.06%
営業支出
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
% %
0.04-4.10 0.53-3.60
銀行及びその他の金融機関への貸出金
1.44-2.96 1.00-4.70
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
2.50-4.70 3.30-4.70
金融投資
4.60-4.60
顧客への貸出金及び立替金 適用なし
0.00-4.13 0.01-3.10
銀行及びその他の金融機関からの預り金
0.30-3.15 0.30-3.85
顧客からの預り金
262/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 6 )当行グループと その関連会社及び共同支配企業との取引
当行グループとその関連会社及び共同支配企業は、通常的な取引条件の下で、市場価格に基づき、日常的な取
引を行っている。関連会社及び共同支配企業に対する残高は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
同種の取引 同種の取引
に占める に占める
取引残高 割合(%) 取引残高 割合(%)
1
- - -
受取利息
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
% %
2.00-2.44
-
銀行及びその他の金融機関への貸出金
( 7 )経営幹部との取引
経営幹部とは、当行グループの活動を計画、指示及び管理する権限及び責任を有する者である。当行グループの
経営幹部、その近親者、及び当行グループの経営幹部またはその近親者に支配され、共同で管理され、または重大
な影響を受ける事業体は、当行グループの関連当事者とみなされる。当行グループは、通常の業務の過程におい
て、経営幹部及び関連当事者と銀行取引を行っている。 2020 年 12 月 31 日現在、 当行グループの経営幹部及びその
近親者に係る貸出金の残高は 7 百万人民元である。( 2019 年 12 月 31 日現在 : 9,536 百万人民元)
当期における取締役及びその他の経営幹部の報酬は、以下の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
9.99 13.55
給料、賞与及び福利厚生費
中国の関連当局の規制に従い、 2020 年 12 月 31 日終了事業年度の経営幹部の最終的な報酬額は確定していない。
当行グループの経営者は、最終的な報酬額と上記で開示されている額との差額が当行グループの結財務諸表に重
要な影響を及ぼすことはないと考えている。最終的な報酬額は、確定時に別の報告書にて開示される予定である。
2019 年 12 月 31 日終了事業年度における経営幹部の報酬額は、当行グループの 2019 年 度連結財務諸表が発行され
た時点では決定されておらず、 2019 年 度の連結損益計算書で認識された取締役及びその他の経営幹部の報酬は
9.97 百万人民元であった。 2020 年 9 月 28 日に、当行により最終的な報酬額が 13.55 百万人民元である追加の発表がな
された。これに従い、 2019 年 度の比較数値は修正されている。
263/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(8) 関連当事者個人との取引
2020 年 、当行グループは証券監督管理委員会による「上場企業情報開示管理弁法」に定義されている関連当事者
個人に対し、貸出金及びクレジットカードサービスを提供した。 2020 年 12 月 31 日現在、 取引残高は 1 ,286.73 万人民元
である( 2019 年 12 月 31 日: 748.54 万人民元)。
2020 年 12 月 31 日時点、当行が CBIRC 「商業銀行と内部者及び株主との関連取引管理弁法」で定められた関連当事
者個人及び関連当事者個人が直接、間接、共同支配また重要な影響を与えることができる法人または他の組織との
与信類取引の残高は 3,064 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日: 13,071 百万人民元 )で、非与信類の取引残高はな い ( 2019
年 12 月 31 日: 1,410 百万人民元)。
( 9 )当行グループと年金基金との取引
当行グループは、当行が設立した年金基金に対して、当年金基金への確定拠出に関する義務とは別に、以下の残
高及び取引を有している。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
取引残高 同種の取引 取引残高 同種の取引
に占める に占める
割合(%) 割合(%)
4,326 0.02% 3,196 0.02%
年金基金からの預り金
12 月 31 日終了事業年度
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
取引残高 同種の取引 取引残高 同種の取引
に占める に占める
割合(%) 割合(%)
(185) 0.05% (157) 0.04%
支払利息
当期における年金基金との取引に係る金利の範囲は以下の通りである。
12 月 31 日終了事業年度
2020 年 2019 年
% %
0.00 - 5.00 0.00 - 5.00
年金基金からの預り金
264/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 10 )主な関連当事者取引の比率
子会社との関連当事者取引は、連結財務諸表の作成プロセスにおいて相殺されている。従って、関連当事者取引
の比率を計算する際に、関連当事者取引には、子会社との関連当事者取引は含まれていない。
(1) 取引残高
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
小計に占める 小計に占める
関連当事者 関連当事者
割合 (%) 割合 (%)
取引 取引
89,726 20.67 63,637 26.99
銀行及びその他の金融機関への預け金
100,125 18.31 61,520 11.76
銀行及びその他の金融機関への貸出金
17,137 27.67 4,360 17.48
デリバティブ金融資産
61,315 7.51 119,921 16.92
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
67,998 0.47 75,141 0.59
顧客への貸出金及び立替金
1,870,528 23.91 1,788,546 24.09
金融投資
1,004 0.77
その他資産 - -
92,890 6.66 157,640 10.48
銀行及びその他の金融機関からの預り金
147,049 37.64 94,756 29.12
銀行及びその他の金融機関からの借入金
11,259 17.25 5,518 18.67
デリバティブ金融負債
48,444 44.36 1,309 2.46
買戻し条件付契約に基づき売却した金融資産
69,580 0.34 66,887 0.35
顧客からの預り金
715 0.14 565 0.14
その他負債
2,000 0.63 2,000 1.00
その他資本性金融商品
3,000 0.15 5,002 0.29
当行が発行した元本非保証の資産運用商品
(2) 取引残高
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
小計に占める 小計に占める
関連当事者 関連当事者
割合 (%) 割合 (%)
取引 取引
33,379 3.59 32,686 3.74
利息收入
(2,274) 0.59 (2,333) 0.63
利息支出
124 0.76 227 1.19
投資損益
1,294 1.42 1,552 1.76
手数料及びコミッション収益
265/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
4 1 . 組成された事業体
(1) 連結の組成された事業体
当行グループが組成及び管理を行う元本保証の資産運用商品
当行グループが組成及び管理を行う元本保証の資産運用商品は、実際の運用成績にかかわらず、当行グループ
が投資者の元本を保証しているものである。これらの商品に対して行われた投資及び関連する投資家に対する負債
は、損益を通じて公正価値で測定される。
その他連結の組成された事業体
当行グループの連結対象のその他の組成された事業体は、当行グループが発行、管理及び /または投資を行った
資産管理プラン、ファンド商品及び証券化商品から構成されている。当行グループは、これらの組成された事業体に
対するパワーを有し、組成された事業体への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有
し、かつ、組成された事業体に対するパワーを通じた当該リターンに対する影響力を有しているため、当行グループは
これらの組成された事業体を支配している。
2020 年 12 月 31 日現在、 連結している組成された事業体の資産規模が 241,504 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31 日現在 :
464 ,477 百万人民元 )であった。
(2) 非連結の組成された事業体
当行グループが組成及び管理する非連結の 組成された事業体
当行グループが組成及び管理する非連結の組成された事業体は、主として、投資元本及び利息の支払に関して、
当行グループの保証の対象となっていない非保証資産運用商品(以下、「 WMPs 」という。)から構成されている。
WMPs は、主として様々な固定利付資産(金融市場商品、債券及び貸出金関連資産が最も典型的)に投資を行って
いる。これらの WMPs の管理会社として、当行グループは、 WMPs の投資者に代わり、各 WMPs に係る投資計画の記
載に従い、調達資金を資産に投資し、報酬及び手数料収入を受領している。
2020 年 12 月 31 日現在 、これらの WMPs への投資資産残高は 2,170,621 百万人民元( 2019 年 12 月 31 日現在:
1,960,701 百万人民元 )であり、これに対する当行グループが組成した WMPs の残高は 1,949,722 百万人民元 ( 2019
年 :1,727,350 百万人民元)であった。 2020 年 12 月 31 日終了事業年度における当行グループの WMPs に係る利得は、
報酬及び手数料純額 6,243 百万人民元 ( 2019 年 : 4,971 百万人民元 )及び受取利息純額 632 百万人民元 ( 2019 年 : 574
百万人民元 )であった。これらは、当行グループが行った WMPs ビークルへの貸出及びレポ取引に関連するものを含
む。
当行グループは、これらの WMPs との間で、市場金利による貸出及びレポ取引を行っている。当該取引に係る 2020
年 度の平均残高及び 2019 年 12 月 31 日現在 残高は、それぞれ 23,423 百万人民元 (加重平均未決済期間 6.25 日)( 2019
年 :15,810 百万人民元、 5.29 日)及び 143,545 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31 日現在 : 116,900 百万人民元)である。当行グ
ループはこれらの取引を行う義務はない。 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日現在のこれらの取引の残高は、銀行
及びその他の金融機関への貸出金及び売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産として表示されており、当行グ
ループの WMPs に対する当行グループの最大エクスポージャーを表している。
2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日終了事業年度において、当行グループのリスクの水準を高めるような、当行
グループ、 WMPs 、または第三者との契約による流動化に関する取決め、保証またはその他のコミットメントはなかっ
た。当行グループは、 WMPs に生じた損失を負担することは要求されていない。 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 終了事
業年度において、当行グループの関与する WMPs から生じた損失はなく、 WMPs の資金調達活動の困難性はなかっ
た。
266/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
そのほか、当行グループが発行し、管理したその他の連結対象とされていない組成された事業体はファンド及び資
産管理プランである。 2020 年 12 月 31 日にこれら商品の資産規模は 440,726 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日: 478,339 百
万人民元 )である。 2020 年 度において、当行グループがこれら商品から稼得した利益には、主に手数料及びコミッショ
ンの純収入額計 830 百万人民元 (2019 年 : 797 百万人民元 )である。
当行グループが保有する非連結の組成された事業体
当行グループは、投資収益を目的として、他の企業が出資及び管理するその他の非連結の組成された事業体に投
資しており、これによるトレーディング利得または損失及び受取利息を計上している。これらの非連結の組成された事
業体は主に、資産運用投資、ファンド商品 、信託プラン 及び資産担保証券から構成されている。 2020 年 12 月 31 日現
在、 これらのその他の非連結の組成された事業体に対する当行グループの帳簿価額及び最大エクスポージャーは、
92,193 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31 日現在 : 73,521 百万人民元) であり、当行グループの連結財務諸表の「損益を通じ
て公正価値で測定される金融資産」、「償却原価で測定される負債性投資」、及び「その他の包括利益を通じて公正
価値で測定されるその他負債性投資」に 表示されている。 上記非連結の組成された事業体の全体規模に関する情
報は、公開情報から容易に入手可能ではない。
4 2 . 偶発負債及びコミットメント
訴訟及びその他
当行及びその子会社は、通常の事業の過程から生じた特定の訴訟に、被告として関与している。 2020 年 12 月 31 日
現在、 裁判所の判決または社内外の顧問弁護士の助言に基づき、 5,560 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31 日現在 : 4,490 百
万人民元) の引当金を設定しており、注記Ⅳ 31 「その他の負債」に記載されている。当行グループの経営者は、当該
訴訟の最終結果が当行グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすことはないと考えている。
2016 年 9 月 28 日、当行及びニューヨーク支店はニューヨーク連邦準備銀行から改善命令を受けた。 2016 年 11 月 4 日、
当行及びニューヨーク支店は、ニューヨーク州金融サービス局から同意命令を受け、ニューヨーク州金融サービス局に
罰金を支払った。 2016 年 12 月 31 日現在、 上記で述べた罰金の支払いはすでに 2016 年 12 月 31 日終了事業年度の連
結財務諸表に反映されている。
当行及びニューヨーク支店はこれらの 2 つの命令に係る他の要求に適切に対応している。報告日現在、米国規制当
局によるさらなる規制措置が行われるか否かは、この 2 つの命令に係る他の要求に対する当行及びニューヨーク支店
の対応の結果に依存するため、これらを見積もることは現実的でないと考えている。当行グループは、 2020 年 12 月 31
日現在、 この問題に対して引当金を計上していない。
資本コミットメント
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
2,507 2,606
契約済だが払込未了
上記以外、 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日現在、 当行グループの投資先に対する株式投資コミットメントは
ない。
267/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
貸出コミットメント及び金融保証契約
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
貸出コミットメント
-当初満期 1 年 未満 207,288 149,602
1,409,990 907,194
-当初満期 1 年 以上
1,617,278 1,056,796
小計
429,841 339,829
銀行引受手形
695,183 646,134
クレジット・カード・コミットメント
264,646 216,229
保証及び保証状
162,356 151,040
信用状
3,169,304 2,410,028
合計
貸出コミットメント及び金融保証契約は、顧客に付与される通常の与信枠を表している。通常の与信枠は、貸出金の
形で、または信用状、保証及び保証状の発行、もしくは銀行引受手形を通じて設定される場合がある。
信用コミットメントに関する信用リスクを加重した金額
信用コミットメントに関して信用リスクを加重した金額は、信用コミットメントに関連した相手先の信用リスクを表してお
り、 CBIRC 発行の「商業銀行資本管理規則(試行)」 (2013 年 1 月 1 日発効 )に従い計算され、とりわけ、取引相手先の信
用度及び契約の種類ごとの満期特性によって変動する。 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日現在、 信用コミットメン
トに関して信用リスクを加重した金額は、内部格付手法に基づき測定している。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
1,240,078 1,063,652
信用コミットメントの信用リスク加重額
担保
担保提供資産
各報告期間の末日現在、買戻し条件付契約に基づき担保として差し入れた資産の帳簿価額は、以下の通りである。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
114,573 55,738
債務証券投資
1,327 1,978
手形
115,900 57,716
合計
注記Ⅳ 28 「買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産額」に記載の通り、 2020 年 12 月 31 日現在 、 当行グルー
プが買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産の帳簿価額は 109,195 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日現在:
53,197 百万人民元 )であった。買戻し条件付契約は、その発効日から 12 ヶ月以内に期限が到来する。
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産額には、当該契約に基づき担保として差し入れた債務証券に係る
権利が相手先に移転する取引が含まれている。これらの取引は、注記Ⅳ 43 「譲渡した金融資産」に開示されている。
さらに、規制上の要件またはデリバティブ取引の担保及び中央銀行からの借入等に際し、当行グループが銀行及び
その他の金融機関へ差し入れた債券及び預け金の合計は、 2020 年 12 月 31 日現在、 1,026,931 百万人民元 ( 2019 年 12
月 31 日現在 : 863,190 百万人民元) であった。
268/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
担保受入
当行グループは、有価証券貸借取引や売戻し条件付契約に基づく資産の購入に関連して、債務証券及び手形を
担保として受け入れている(注記Ⅳ 16 「売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産」参照)。 2020 年 12 月 31 日及び
2019 年 12 月 31 日現在 、当行グループは、転売または再担保に供することができる担保を保有していない。
国債の償還コミットメント
当行グループは MOF から委託され、一部の長期国債を引き受けている。長期国債の投資家は、満期前のいつの時
点においても額面金額で債券の償還を求める権利を有しており、当行グループは当該償還請求に応じる義務を有し
ている。償還価格は、関連する早期償還の契約条件に従い、長期国債の額面金額に未払利息を加えた額をもって計
算されている。
2020 年 12 月 31 日現在、 当行グループが満期前償還の義務を有している長期国債の額面金額は、 67,622 百万人民
元 ( 2019 年 12 月 31 日現在 : 75,795 百万人民元) であった。これらの債券の当初の満期は、 3 年 から 5 年 と様々である。当
行グループの経営者は、当該債券の満期前償還の額に重要性はないと見込んでいる。
MOF は、長期国債の早期償還のための資金提供を償還の都度は行わないが、満期到来時には元本及び利息の決
済を行う。
証券の引受コミットメント
2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日現在、 当行グループは未履行の証券の引受コミットメントを有していない。
43 .譲渡した金融資産
当行グループは、通常の事業の過程において、認識した金融資産を第三者または組成されたビークルに譲渡する
取引を締結している。こうした譲渡の結果、当該金融資産の全部または一部について認識の中止を行う場合がある。
また、当行グループは、譲渡した資産に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持しているため当該資産が認識
の中止の要件を満たさない場合には、当該譲渡資産の認識を継続している。
証券化取引
当行グループは、証券化取引を行っており、投資家に資産担保証券の発行を行う組成された事業体に対して、貸出
金を譲渡している。注記Ⅱ 8.7 「認識の中止」と注記Ⅲ 6 「金融資産の譲渡による認識中止」に詳述されている判断要件
に基づき、当行グループは、当該譲渡資産のリスクと経済価値を留保している範囲及び当該資産に対する支配が消
滅したかどうかを評価し、当該譲渡資産の認識を中止するか否かを決定した。
2020 年 12 月 31 日現在、 期限未到来の資産担保証券には、譲渡した減損損失考慮前の貸出金が累計で 69,291 百万
人民元 (2019 年 12 月 31 日現在 : 67,016 百万人民元 )が含まれている。このうち、 14,130 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31
日 :11,855 百万人民元) は不良債権に係るものであり、当行グループは、認識中止の要件を完全に満たすと判断した。
残りの 55,161 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31 日 :55,161 百万人民元) は正常債権であり、当行グループがこれらの資産に
継続的に関与していると判断したものである。 2020 年 12 月 31 日現在、 顧客への貸出金及び立替金に分類し、認識を
継続している資産の帳簿価額は 6,564 百万人民元 (2019 年 12 月 31 日現在 : 6,923 百万人民元 )である。 当行グループ
は、継続的関与により生じた同額のその他の資産及びその他の負債を認識している。
269/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
不良債権の譲渡
2020 年 12 月 31 日終了事業年度において、当行グループが第三者への処分または資産担保証券の発行を通じて、
譲渡した不良資産の総額は、 27,837 百万人民元 ( 2019 年 :32,414 百万人民元)であった。 当行グループは注記Ⅱ 8.7 と
注記Ⅲ 6 に詳述している判断要件に基づき評価を行い、譲渡した不良資産を完全に認識中止できると判断した。
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産
当行グループは買戻し条件付契約に関連した、担保として譲渡した金融資産の認識を中止しなかった。 2020 年 12
月 31 日現在、 注記Ⅳ 42 「偶発負債及びコミットメント-担保」に開示されている差入担保のうち、 4,050 百万人民元
(2019 年 12 月 31 日現在: 2,955 百万人民元 )は、相手先に法的権利が移転した債務証券を表している。
有価証券貸借取引
有価証券貸借契約に基づき取引先に貸し付けられた債券は、当行グループによる債務不履行が発生していない場
合、取引先はこの債券を売却または再担保に用いることができるが、契約の期日までに当行グループへの債券の返
還が義務付けられている。当行グループは、当該譲渡資産のリスクと経済価値を留保していると判断したため、当該譲
渡資産の認識を中止していない。 2020 年 12 月 31 日現在、 有価証券貸借取引を通じて取引先に貸し付けた債券の帳
簿価額は 17,150 百万人民元 ( 2019 年 12 月 31 日現在 :12,368 百万人民元) であった。
44 .財務リスク管理
概観
当行グループの主なリスク管理の目的は、リスクを許容範囲内で維持し、規制当局、顧客及びその他の関係者の要
求を満たし、同時に、リスクの許容範囲内で投資家に対する利益を最大化することにある。
当行グループは、リスク管理方針を策定しており、これにより特に、リスクの識別、分析、監視及び報告のためのリス
ク上限及びリスク管理体制の確立に対処している。これらのリスク管理活動に用いる適時適切な情報は、当行グルー
プが保持している情報システムから提供され、この分野における当行グループの情報ニーズに対処している。当行グ
ループは、市場、商品及び新たな最良の実務の変化に対応するよう、そのリスク管理方針及びシステムを定期的に見
直している。
当行グループがさらされるリスクのうち最も重要な種類は、信用リスク、市場リスク及び流動性リスクである。市場リスク
には、為替リスク、金利リスク及びその他の価格リスクが含まれる。
リスク管理の枠組み
取締役会は、当行グループのリスク選好度全般を設定し、そのリスク管理の目的及び戦略の見直しを行い承認する
ことに責任を負う。
この枠組みにおいて、当行グループの上級経営者は、リスクのあらゆる側面の管理(リスク管理戦略、イニシアティブ
及び与信方針の実施並びにリスク管理に関連する内部の規則、方法及び手続の承認を含む。)に対する全般的な管
理責任を負っている。当行グループのリスク管理部は、当行グループがさらされている重要なリスクを管理する手続を
実施している。
270/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
44.1 信用リスク
信用リスク管理
信用リスクは、顧客または取引相手先の期限到来時の債務不履行から生じ得る潜在的な損失を表している。信用リ
スクは、承認を得ていないまたは不適切な貸出、コミットメントまたは投資を生じさせる業務上の怠慢からも発生すること
がある。当行グループの主要な信用リスクは、貸出金、債権、資金業務及び信用リスク・エクスポージャーに関連する
オフバランス項目から発生する。
当行グループの信用リスク管理システム及び管理構造は、取締役会及び取締役会直属のリスク管理委員会、幹部
役員及び幹部役員直属のリスク管理委員会、与信承認委員会、資産処分委員会、さらにリスク管理部、信用管理部、
与信承認部及び関連フロントオフィスから構成されている。当行グループの信用リスク管理機能は、集中管理と複数の
承認限度額の設定を基に運用されている。
当行グループは、信用評価及び申請書の提出、与信引受額の見直し、貸出の実行、貸出実行後の監視並びに不
良債権の管理を含む、標準化された与信管理手続を実施している。当行グループは、与信管理手続の厳格な遵守、
顧客調査の強化、信用格付け、貸出承認及び貸出実行後の監視手段、担保による貸出金のリスク軽減効果の向上、
不良債権の処理の加速化並びに与信管理システムの継続的な性能向上により、信用リスク管理を強化している。
当行グループが必要なプロセスをすべて実行した後にも、金融資産の全部または一部の回収を合理的に予期でき
ないと考えられた場合には、これを償却することになる。資金の回収を合理的に予期できないと表明する事象には、強
制執 行が既に終了したこと、及び当行グループの回収方法は担保品の没収と処分であるが、担保品の価値がすべて
の元本と利息をカバーできないことが含まれる。
当行グループは、強制執行中の金融資産を直接償却する可能性がある。 2020 年 度において、当行グループが償
却した資産に関連する未決済の契約金額は、 49,375 百万人民元 である (2019 年 度: 51,398 百万人民元 )。当行グルー
プは、法的に権利を有する債権を全額で回収するように努めているが、全額の回収を合理的に見込めないため、償却
を行った。
2020 年 度において当行グループは、継続的に全面信用リスク管理体制の建設をより完備にし、信用リスク管理の有
効性を強化する。主要分野における信用リスク管理と資産質量の管理を強化し、 疫病予防・抑制及び不良貸付の回
収・処分を統括管理し、不良貸付の処分を強化し、資産の質・数量の安定化を維持する 。
信用関連資産並びに銀行及びその他の金融機関への預け金及び貸出金に係る信用リスクのエクスポージャーとは
別に、資金運営業務から生じる信用リスクは、当行グループが許容できる信用の質を有する取引相手先を慎重に選択
し、信用リスクとリターンのバランス、入手可能な場合には、内部及び外部両方の信用格付情報の参照、及び管理者
の職位に応じた適切な限度額の設定、並びに信用システムにおける当該限度額の適時の見直し及び調整により資金
運営業務から生じる信用リスクが管理される。さらに、当行グループは貸出コミットメント及び金融保証サービスを顧客
に提供しており、このサービスにより、顧客が契約条件に基づく履行を怠った際に、当行グループが顧客の代わりに支
払を要求されることがある。貸出コミットメント及び金融保証から生じるリスクは、貸出金に関連するリスクに類似してい
る。したがって、当該取引は、同じリスク管理方針及び手続の対象となっている。
予想信用損失の測定
当行グループは、「予想信用損失モデル」を用いて償却原価で測定される金融資産とその他の包括利益を通じて
公正価値で測定される負債性金融商品、金融資産、及び貸出コミットメント並びに金融保証契約の減損損失引当金を
計上する。
当行グループが金融資産の予想信用損失の減損テストを行う方法には、リスクパラメーターモデル法とディスカウン
ト・キャッシュ・フロー法が適用される。個人顧客への与信資産及びステージ 1 とステージ 2 に分類される法人顧客への
与信資産は、リスクパラメーターモデル法を適用し、ステージ 3 に分類される法人顧客への与信資産は、ディスカウン
ト・キャッシュ・フロー法を適用する。
271/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行グループは、フォワードルッキングな情報に基づき、予想信用損失に対して評価を行い、予想信用損失の測定
には複雑なモデルと仮説が用いられた。これらのモデルと仮説は、将来のマクロ経済状況と顧客の信用状況(例え
ば、顧客によるデフォルトの可能性とそれ相応の損失)に関わる。当行グループは、会計基準の要求に従って予想信
用リスクの測定に以下を含む判断、仮説、見積りを使用した。
-類似信用リスク組合せの区分
-予想信用損失の測定のパラメーター
-信用リスクの顕著な増加に関する判断基準とデフォルトの定義
-信用減損が生じた資産の定義
-フォーワード・ルッキングな測定
-ステージ 3 における法人顧客の信用類資産の将来キャッシュ・フローの予測
類似信用リスク組合せの区分
組合せ方式で予想信用損失引当金を計上する際に、当行グループは、類似したリスク特性のエクスポージャーに
対して分類を行った。まず債務者の性質から法人顧客と個人顧客に区分する。法人顧客の再区分を行う際に、当行
グループは、債務者の類型、行種類別、借金の使用途、担保品の類型等の情報を考慮した。個人顧客の再区分を行
う際には、当行グループは、その信用リスクの区分の信頼性を確保するために、借金の使用途、担保品の類型等の情
報を考慮した。
予想信用損失の測定のパラメーター
信用リスクが著しく増加したか、信用減損が発生したかによって、当行グループは、それぞれの資産に対し 12 ヶ月ま
たは全期間の予想信用損失に係る減損損失引当金を測定する。予想信用損失の測定に重要なパラメーターには、
デフォルト率( PD )、デフォルト時損失率( LGD )、デフォルト時エクスポージャー( EAD )が含まれる。当行グループは、
現在のリスク管理に使用されている内部格付システムをもとに、 IFRS 第 9 号 の要求に従い、過去の統計データ(例えば
取引相手格付、担保方式及び質押物の類別、返済方式等)に対する定量分析及びフォワードルッキングな情報を考
慮に入れ、 PD モデル、 LGD モデル及び EAD モデルを構築する。
関連する定義は以下の通りである。
-デフォルト率とは、債務者に向こう 12 ヶ月または全期間においてデフォルトが発生する可能性を指す。
-デフォルト時エクスポージャーとは、向こう 12 ヶ月または全期間において、デフォルトが発生した際に、当行グルー
プが償還されるべき金額を指す。
-デフォルト時損失率とは、当行グループがデフォルト時エクスポージャーに損失が発生した場合の程度に対する
見込みを指す。取引相手の類型、賠償請求方法と優先順位、及び担保品またはその他の信用サポートの入手可
能性の違いにより、デフォルト時損失率も異なる。デフォルト時損失率は、デフォルトが発生した際のリスクエクス
ポージャーの損失比率である。
信用リスクの顕著な増加に関する判断基準とデフォルトの定義
当行グループは、各貸借対照表日に、関連金融商品の信用リスクが当初認識時以降に著しく増加しているか否か
を評価する。当行グループは、金融資産の損失段階を区分する際に、その信用リスクが著しく変化しているかどうかを
反映する各種の合理的かつ裏付けられる情報(フォワードルッキングな情報を含む)を十分に考慮する。考慮される要
素として、監督管理と経営環境、内部と外部信用格付け、債務返済能力、経営能力、貸付契約条項、返済行為等が
挙げられる。当行グループは、個別の金融商品または類似した信用リスク特性を有する金融商品ポートフォリオをもと
に、金融商品の貸借対照表日でのデフォルト発生リスクと当初認識時でのデフォルト発生リスクを比較することにより、
金融商品の全期間におけるデフォルト発生リスクの変化状況を確認する。デフォルトとは、債務者が契約の約定に
従って返済を行わない行為、 またはその他の債務契約に違反しかつ正常な債務返済に重要な影響を与える行為を指
す。
272/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行グループは、定量、定性基準を設定し、金融商品の信用リスクが当初認識時以降に顕著な増加があったかどう
かを判断する。判断基準は主に、債務者のデフォルト率の変動、信用リスクの分類の変化及びその他信用リスクの顕
著な増加を表明できる状況である。具体的には、次のことが含まれる。信用類資産は当初認識時以降にそのリスク分
類が正常から要注意に変更された。デフォルト率は一定の幅を超えて上昇し、かつ当初認識時のデフォルト率により
異なる区別基準を制定し、例えば、当初認識時のデフォルト率が非確定に低い(例えば、 3 %以下)が、デフォルト率の
レベルが少なくとも 6 つ格下げになった場合には、信用リスクに顕著な増加があるとみなす。信用リスクに顕著な増加の
有無を判定する際に用いられる信用レベルは上へまたは下へ一つのレベルを調整する場合、 2020 年 12 月 31 日の予
想信用損失引当金に対する影響は 5 %を上回らない。金融商品の信用リスクが当初認識時以降に顕著な増加があっ
たかどうかを判断する際に、当行グループは、会計基準の要求に従って期限オーバー 30 日間を信用リスクの顕著な増
加の上限指標とする。
報告日に金融商品は信用リスクが比較的に低いものと確定された場合、当行グループは、当該金融商品の信用リ
スクに当初認識時以降に顕著な増加がなかったものとみなす。当行グループは、内部格付け及びグローバル公認の
低信用リスクの定義(例えば外部「投資等級」格付け)に一体した金融商品に対し、比較的に低い信用リスクであること
を確定する。
信用減損が発生した資産の定義
IFRS 第 9 号の下で信用減損が発生するか否かを識別する際に、当行グループが採用した判定基準は、関連金融
商品に対する内部の信用リスク管理目的の基準と整合するとともに、定量的・定性的指標を考慮している。当行グルー
プは、債務者に信用減損が発生するか否かを評価する際に、主に次のような要因を考慮する。
-
発行者又は債務者の重大な財政的困難
- 契約違反(債務不履行又は期日経過事象など)
- 借手に対する融資者が、借手の財政上の困難に関連した経済上又は契約上の理由により、そうでなければ当該
融資者が考慮しないであろう譲歩を借手に与えたこと
- 借手が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
- 当該金融資産についての活発な市場が財政上の困難により消滅したこと
- 金融資産を発生した信用損失を反映するディープ・ディスカウントで購入又は組成したこと
債務者は、当行グループのいかなる元金や立替金、利息または投資の社債に対して 90 日間を超えて期日経過
-
していること。
金融資産の信用減損は、複数の事象の共同作用により発生する可能性があり、必ずしも単独で識別可能な 事象に
より発生するものではない。
フォワードルッキングな情報
信用リスクが著しく増加しているという評価及び予想信用損失の計算は、いずれもフォワードルッキングな情報に関
連する。当行グループは、過去データに対する分析を通じて、各業務タイプの信用リスクと予想信用損失に影響を及
ぼすような重要な経済指標、例えば、国内総生産( GDP )、消費者物価指数( CPI )、産業付加価値などを識別する。
これらの経済指標が PD と LGD に及ぼす影響は、業務のタイプによって異なる。当行グループは、内外部の資料、専
門家の予測及び統計分析によって、これらの経済指標と PD 及び LGD との関係を確認する。当行グループは、少なくと
も年に一度、外部の経済発展、業界、地域のリスクの変化などに応じて、これらの経済指標について評価予測を行
い、将来の最良な見積りを提供し、定期的に評価結果を検証する。
2020 年度において、当行グループの各シナリオにおける 2021 年の国内総生産の成長率に関する予測は次のとおり
である。基準シナリオでは 8.80 %、楽観的シナリオでは 11.12 %、悲観的シナリオでは 6.48 % 。
当行グループは、統計分析及び専門家の判断結果を取り入れ、多種のシナリオにおける経済予測とその加重を確
定する。基準シナリオの加重はその他のシナリオの加重の合計を上回っている。当行グループは、加重した 12 ヶ月の
予想信用損失(ステージ 1 )または加重した全期間の予想信用損失(ステージ 2 とステージ 3 )をもって関連する減損損
失引当金を測定する。上述の加重した信用損失は、各シナリオのもとでの予想信用損失に該当シナリオの加重を乗じ
て算出される。
当行グループが、フォーワードルッキングな測定に用いられる経済指標に対して感応度分析を行った結果として、
楽観的、悲観的シナリオの加重変動を 10% としかつ経済指標の予測値が関連して変動する場合、予想信用損失の変
動は現在の予想信用損失の 5% を超えない。
273/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年 度において、当行グループは、予想信用損失測定モデルに用いられたフォワードルッキングな情報を評価す
る際に、新型コロナウイルス感染症によるマクロ経済と銀行業に及ぼす影響及び政府の支援政策による影響を十分に
考慮した。
ステージ 3 における顧客の信用類資産の将来キャッシュ・フローの予測
当行グループは、ステージ 3 における顧客の信用類資産に対して割引キャッシュフローモデル法(「 DCF 」法)を用い
て予想信用損失を測定する。 DCF テスト法では将来キャッシュ流入に対する定期的な予測に基づき、損失引当金を見
積もることになる。当行グループは、テスト時に当該資産関連の異なるシナリオにおける各期間の将来キャッシュ流入
を予想し、確率加重を使って将来キャッシュ・フローの加重平均値を取得し、かつ一定の割引率でディスカウントした
後に合計額を求め、資産の将来キャッシュ・フローの現価を取得する。
保有する担保またはその他の信用補完考慮前の、信用リスクに対する最大エクスポージャー
信用リスクに対する最大エクスポージャーは、各報告期間末日現在の当行グループに対する信用リスクのエクス
ポージャーを表している。ただし、保有する担保またはその他の信用補完は考慮されていない。各報告期間末日現在
の信用リスクに対するエクスポージャーは、主に信用業務及び資金業務、さらにオフバランス項目(貸出コミットメント、
クレジット・カード・コミットメント、銀行引受手形、保証及び保証状並びに信用状等)からも生じる。これは、オフバランス
項目から生じる信用リスクは、貸出金に関連した信用リスクと類似しているためである。
以下は、信用リスクに対する最大エクスポージャーの要約である。
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
2,360,994 2,606,967
中央銀行預け金
434,185 235,742
銀行及びその他の金融機関への預け金
546,948 523,183
銀行及びその他の金融機関への貸出金
61,937 24,944
デリバティブ金融資産
816,206 708,551
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
(i) 14,552,433 12,819,764
顧客への貸出金及び立替金
金融投資
469,308 693,758
損益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
(ii) 5,684,220 4,946,741
償却原価で測定される負債性金融商品
(iii) 1,551,439 1,671,746
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品
101,562 80,858
その他の金融資産
26,579,232 24,312,254
小計
3,133,548 2,384,815
(iv)
ローン・コミットメント及び金融保証契約
29,712,780 26,697,069
合計
274/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(i) 信用リスクの等級によって開示される顧客への貸出金及び立替金及びの最大信用リスクエクスポージャー
当行グループは、資産の品質状況に基づいて資産のリスク特性に対して信用リスク等級を区分し、予想信用損失の
測定対象とされる金融資産の信用リスクを「低」(リスク状況が良好である)、「中」(リスクの程度が増加した)、「高」(リス
クの程度が厳重である)と区分し、当該信用リスクの等級を当行の社内信用リスクの管理目的に使用される。「低」とは、
資産の品質が良好であり、資産に契約に従って債務の返済を履行しない行為、またはその他債務契約に違反しかつ
正常な債務返済に重大な影響を与える行為の存在を疑う十分な理由がないことを指し、「中」とは、正常な債務返済に
比較に明らかな不利な影響を与える要素があるが、正常な債務返済に重要な影響を与える行為がないことを指し、
「高」とは、契約に従って債務の返済の履行しない行為、またはその他債務契約に違反しかつ正常な債務返済に重大
な影響を与える行為が発生したことを指す。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
企業向け貸出金及び立替金
信用リスクの等級
8,439,076 21,073 8,460,149
低
258,288 258,288
中 -
198,795 198,795
-
高
8,439,076 478,156 8,917,232
帳簿残高
(269,354) (189,331) (458,685)
損失引当金
8,169,722 288,825 8,458,547
帳簿価額
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
個人向け貸出金及び立替金
信用リスクの等級
6,134,472 6,134,472
低 -
46,047 46,047
中 -
38,318 38,318
高 -
6,134,472 84,365 6,218,837
帳簿残高
(128,414) (30,910) (159,324)
損失引当金
6,006,058 53,455 6,059,513
帳簿価額
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
企業向け貸出金及び立替金
信用リスクの等級
7,483,007 22,214 7,505,221
低
261,208 261,208
中 -
155,490 155,490
-
高
7,483,007 438,912 7,921,919
帳簿残高
(237,105) (163,829) (400,934)
損失引当金
7,245,902 275,083 7,520,985
帳簿価額
275/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
個人向け貸出金及び立替金
信用リスクの等級
5,337,918 5,337,918
低 -
37,193 37,193
中 -
31,720 31,720
高 -
5,337,918 68,913 5,406,831
帳簿残高
(114,445) (25,199) (139,644)
損失引当金
5,223,473 43,714 5,267,187
帳簿価額
上述した貸出金及び立替金の最大信用リスクエクスポージャーに関する情報には、貸出金及び立替金の未収利息
及び損益を通じて公正価値で測定される貸出金及び立替金が含まれていない。
(ii) 信用リスクの等級によって開示される償却原価で測定される債権投資の最大信用リスクエクスポージャー
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
信用リスクの等級
5,697,187 5,697,187
低 -
2,064 2,064
中 -
1,073 1,073
高 -
5,697,187 3,137 5,700,324
帳簿残高
(14,850) (1,254) (16,104)
損失引当金
5,682,337 1,883 5,684,220
帳簿価額
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
信用リスクの等級
4,953,832 4,953,832
低 -
1,196 1,196
中 -
1,201 1,201
高 -
4,953,832 2,397 4,956,229
帳簿残高
(8,409) (1,079) (9,488)
損失引当金
4,945,423 1,318 4,946,741
帳簿価額
276/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(iii) 信用リスクのレベルによって開示されるその他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性投資の最
大信用リスクエクスポージャー
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
信用リスクの等級
1,545,343 1,545,343
低 -
6,030 6,030
中 -
66 66
高 -
1,545,343 6,096 1,551,439
帳簿価額
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
ステージ 2 と
ステージ 1
ステージ 3
12 ヶ月間の予想信
全期間の予想信用
用損失 損失 合計
信用リスクの等級
1,671,525 1,671,525
低 -
中 - - -
221 221
高 -
1,671,525 221 1,671,746
帳簿価額
(iv) 貸出コミットメントと金融保証契約の最大信用リスクエクスポージャーは見積負債を計上した後の残高であり、その
信用リスクエクスポージャーは主にステージ 1 に分布しており、信用リスクの等級は「低」である。
(v) 2020 年 12 月 31 日 現在及び 2019 年 12 月 31 日 に、 当行グループの銀行及びその他の金融機関への貸出金、引き出
し資金、売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産の信用リスクの等級は「中」または「高」であり、ステージ区
分は「ステージ 2 」または「ステージ 3 」であり、その金額は重要ではなく、かつデフォルト事項が発生していない。
(vi) 当行グループは、信用リスクのエクスポージャーを許容水準まで軽減するために特定の方針及び信用補完実務
を実施している。最も典型的な実務は、保証金、担保及び保証の取得である。許容される担保の金額及び種類
は、借手や相手先の信用リスク評価により決定される。当行グループは、特定の担保の種類についての許容基
準及び評価パラメーターに関する指針を定めている。
取得した担保の主な種類は以下の通りである。
・ 個人顧客向けの住宅ローンは、一般に居住用不動産に対する抵当権で担保されている。
・ その他の個人向け貸出並びに法人向け貸出金は、主に借手の不動産またはその他の資産に対する請求権
で担保されている。
・ 売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産取引は、主に債券及び手形により担保されている。
当行グループは、担保の市場価値を定期的に監視し、必要な場合には関連協議に従って追加担保を要求す
る。
277/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
顧客への貸出金及び立替金 (i)
下記の表は、顧客への貸出金及び立替金についてのリスクの集中を地域別及び産業別に表示している。
( 1 )顧客への貸出金及び立替金の内訳の地域別分析
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
小計に占める 小計に占める
割合 (%) 割合 (%)
金額 金額
法人向け貸出金及び立替金
350,679 3.9 318,970 4.0
本店
1,996,025 22.4 1,710,643 21.6
長江デルタ
1,139,535 12.8 960,384 12.1
珠江デルタ
1,302,504 14.6 1,198,828 15.2
環渤海
1,302,925 14.6 1,125,021 14.2
中国中部
2,088,255 23.4 1,886,512 23.8
中国西部
344,039 3.9 316,802 4.0
中国東北部
393,322 4.4 404,759 5.1
国外及びその他
8,917,284 100.0 7,921,919 100.0
小計
個人向け貸出金及び立替金
50 55
本店 - -
1,484,067 23.9 1,286,246 23.8
長江デルタ
1,331,142 21.4 1,175,768 21.7
珠江デルタ
912,175 14.7 802,153 14.8
環渤海
997,845 16.0 857,033 16.0
中国中部
1,265,565 20.4 1,083,958 20.0
中国西部
207,899 3.3 186,464 3.4
中国東北部
20,094 0.3 15,154 0.3
国外及びその他
6,218,837 100.0 5,406,831 100.0
小計
15,136,121 13,328,750
顧客への貸出金及び立替金総額
(i) 次の顧客への貸出金及び立替金及びの情報開示には顧客への貸出金及び立替金及びの未収利息が含まれて
いない。
278/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 2 )顧客への貸出金及び立替金の内訳の産業別分析
12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
小計に占める 小計に占める
割合 (%) 割合 (%)
金額 金額
法人向け貸出金及び立替金
1,915,191 21.5 1,689,787 21.3
運輸、物流及び郵便業
1,450,816 16.3 1,291,327 16.3
製造業
1,261,700 14.1 1,047,843 13.2
リース業及び商業
976,377 11.0 900,036 11.4
電力、火力、ガス及び水道業
798,017 8.9 704,973 8.9
不動産業
621,772 7.0 517,448 6.5
水、環境及び公益事業
469,831 5.3 386,064 4.9
小売及び卸売業
556,342 6.2 623,570 7.9
金融業
222,858 2.5 233,961 2.9
建設業
206,502 2.3 212,201 2.7
鉱業
437,878 4.9 314,709 4.0
その他
8,917,284 100.0 7,921,919 100.0
小計
個人向け貸出金及び立替金
4,662,632 75.0 4,163,293 77.0
住宅ローン
380,305 6.1 264,980 4.9
個人事業ローン
196,859 3.2 181,234 3.3
個人消費ローン
542,563 8.7 474,205 8.8
クレジット・カード
436,478 7.0 323,119 6.0
その他
6,218,837 100.0 5,406,831 100.0
小計
15,136,121 13,328,750
顧客への貸出金及び立替金総額
( 3 )顧客への貸出金及び立替金の内訳の契約上の満期別及び担保の種類別分析
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
1 年 以上
1 年 未満 5 年 以内 5 年 超
合計
1,537,763 958,928 1,679,137 4,175,828
無担保貸出金
619,901 428,989 640,554 1,689,444
支払保証付貸出金
1,062,045 521,244 5,395,327 6,978,616
担保付貸出金
623,848 101,553 1,566,832 2,292,233
質権付貸出金
3,843,557 2,010,714 9,281,850 15,136,121
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
1 年 以上
1 年 未満 5 年 以内 5 年 超
合計
1,273,415 765,757 1,403,329 3,442,501
無担保貸出金
692,480 430,558 733,377 1,856,415
支払保証付貸出金
861,640 418,293 4,618,803 5,898,736
担保付貸出金
657,142 102,480 1,371,476 2,131,098
質権付貸出金
3,484,677 1,717,088 8,126,985 13,328,750
合計
279/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
( 4 )延滞した貸出金
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
31 日超 91 日超 361 日超
30 日以内 90 日以内 360 日以内 3 年 以内 3 年 超
合計
5,678 4,645 12,114 2,675 3,526 28,638
無担保貸出金
10,136 2,890 11,336 9,287 2,020 35,669
支払保証付貸出金
32,138 20,145 33,540 26,513 6,636 118,972
担保付貸出金
2,042 554 3,803 5,274 481 12,154
質権付貸出金
49,994 28,234 60,793 43,749 12,663 195,433
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
31 日超 91 日超 361 日超
30 日以内 90 日以内 360 日以内 3 年 以内 3 年 超
合計
5,326 3,416 7,957 4,206 1,287 22,192
無担保貸出金
13,441 3,554 13,259 10,899 3,090 44,243
支払保証付貸出金
28,893 14,514 25,747 25,865 8,396 103,415
担保付貸出金
1,733 241 2,687 6,817 1,665 13,143
質権付貸出金
49,393 21,725 49,650 47,787 14,438 182,993
合計
貸出金の元本または利息のいずれかが各期間の期日を 1 日 でも経過した時点で、当該貸出金の全額が延滞した貸
出金に分類される。
( 5 )顧客への貸出金及び立替金の信用の質
2020 年 12 月 31 日現在 及び 2019 年 12 月 31 日 に、顧客への貸出金及び立替金の信用品質に関してステージ区分で
開示された情報は、注記Ⅳ 17 で開示している。
( 6 )契約上のキャッシュ・フローの変更
当行グループが取引先と契約を変更または再交渉することは、金融資産の認識の中止に該当しないが、契約の
キャッシュ・フローの変更に該当する。該当する契約の変更には、貸付期間の延長、返済スケジュールの変更、および
利息支払い方法の変更が含まれる。契約の変更が実質的な変更に該当せず、既存資産の認識の中止に該当しない
場合、当行グループは、報告日に変更された資産のデフォルトリスクを評価する際に、原契約条件に基づく当初認識
時のデフォルトリスクと比較し、当該金融資産の帳簿残高を再計算し、関連損益を当期損益に計上する。当該金融資
産の額面残高を再計算し、再交渉又は変更した契約によるキャッシュ・フローを、金融資産の元の実効金利で割引か
れた現在価値に基づいて算出する。
当行グループは、契約上のキャッシュ・フローの変更後の資産の後続状況をモニタリングし、当行グループの判断
により、契約変更後の資産信用リスクは大幅に改善され、関連資産は第三段階または第二段階から第一段階に移行
され、また、損失引当金の計算基礎は存続期間全体の予想信用損失から 12 ヶ月間予想信用損失に変更された。
最大限の貸出金の回収を達成するために、当行グループは、財務状況が悪化し、期限までに返済できない債務者
と契約条件見直しを行うことがある。該当する契約の変更には、貸付期間の延長、支払免除期間および返済猶予期間
の提供が含まれる。債務者が引き続き返済する可能性が高いという管理層の判断の指標に基づき、当行グループは
貸出金の具体的な条件見直ポリシーと業務マニュアルを作成し、かつ当該ポリシーに対して継続的に見直しを行う。
貸出金の見直は中長期ローン管理において最も一般的である。条件見直しを行った貸出金は、少なくとも 6 ヶ月の観
察期間を経て、対応するステージの分類基準を達成しているかレビューが行われる。債務者の財務状況を考慮し、債
務者との協議または裁判所の判決に従って譲歩を行った。 2020 年 12 月 30 日 に、当行グループの条件見直しを行った
貸出金及び立替金の残高は人民元 7 1,466 百万人民元( 2019 年 12 月 31 日 : 57,266 百万人民元 )である。
280/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年 度において、当行グループは一部の貸出金に対して条件見直しを行い、公正価値 1,649 百万人民元 の普通
株式を認識した( 2019 年 度: 2,123 百万人民元)。 これらの貸出金の条件変更に伴う損失に重要性はない。
( 7 )信用補完契約に基づいて担保権が実行された資産
これらの資産は債務抵当資産として注記Ⅳ 18.1 ( 2 ) 「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」及び注記Ⅳ 23
「その他の資産」で開示している。
負債性金融商品
負債性金融商品の信用の質
( 1 ) 償却原価で測定される負債性金融商品投資とその他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他の負債性
金融商品の予想信用損失の減損ステージに関する分析は、それぞれ注記Ⅳ 18.2 及び 18.3 に開示さ れる。
( 2 ) 負債性金融商品の信用格付別分析
当行グループは、信用格付で保有する債務証券ポートフォリオに係る信用リスクを管理している。報告期間末日現
在における格付別の償却原価で測定される負債性金融商品とその他の包括利益を通じて公正価値で測定されるそ
の他負債性金融商品の帳簿価額は、以下の通りである。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
低 中 高 合計
信用格付
以下を発行体とする債務証券:
4,288,607 4,288,607
- 政府 - -
1,590,893 1,590,893
- 公共機関及び準政府機関 - -
658,182 2,580 660,762
- 金融機関
-
(ii) 247,717 4,796 66 252,579
- 社債
94,125 94,125
特別国債 - -
MOF に対する債権 316,656 - - 316,656
31,500 528 9 32,037
その他
7,227,680 7,904 75 7,235,659
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
低 中 高 合計
信用格付
以下を発行体とする債務証券:
3,540,555 3,540,555
- 政府 - -
1,562,706 1,562,706
- 公共機関及び準政府機関 - -
784,479 784,479
- 金融機関 - -
(ii) 294,375 221 294,596
- 社債 -
94,127 94,127
特別国債 - -
MOF に対する債権 307,723 - - 307,723
32,983 1,164 154 34,301
その他
6,616,948 1,164 375 6,618,487
合計
(ⅰ) 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日の信用等級評価の情報は当行グループと当行の内部等級評価に基づいて開示されており、 2020 年 12 月 31 日及
び 2019 年 12 月 31 日の信用等級開示シートには、損益を通じて公正価値で測定される金融資産が含まれていない。
(ii)2020 年 12 月 31 日において、上記の社債に含まれている合計 341 百万人民元( 2019 年 12 月 31 日現在: 15,834 百万人民元)の当行グループの超短期コマー
シャル・ペーパーは、この信用リスク分析では発行体の格付けに基づいている。
前へ 次へ
281/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
44.2 流動性リスク
流動性リスクとは、期限到来時の負債の決済に資金が調達できないリスクである。これは、資産及び負債のキャッシュ・フ
ローまたは満期の不一致により生じることがある。
当行グループの資産・負債管理部は、以下を通じて流動性リスクを管理している。
・ 資産・負債構造の最適化
・ 預金基盤の安定性の維持
・ 将来キャッシュ・フローの予測の実施及び適切な流動資産ポジションの評価
・ 当行グループ内の内部資金移動の効率的な仕組みの維持
・ 定期的なストレステストの実施
金融資産及び負債の契約上の残存期間の分析
下記の表は、各報告期間の末日現在の金融資産及び負債の帳簿価額を基に契約上の残存期間ごとに満期分析を行っ
た要約である。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月 超
1ヶ月 超 1年 超
1ヶ月 12 ヶ月
3ヶ月 以内 5年 以内 5年 超
延滞 要求払 以内 以内 無期限 合計
116,773 11,869 4,322 12,653 2,291,658 2,437,275
現金及び中央銀行預け金
- - -
銀行及びその他の金融機関への
86,976 17,494 57,867 258,811 13,037 434,185
預け金 - - -
銀行及びその他の金融機関への
17 209,386 155,901 151,016 29,328 1,300 546,948
貸出金 - -
9,931 14,614 34,987 2,375 30 61,937
デリバティブ金融資産 - - -
売戻し条件付契約に基づき保有
3,689 755,438 33,315 23,764 816,206
する金融資産 - - - -
20,062 543,994 812,515 3,009,584 2,858,842 7,307,436 14,552,433
顧客への貸出金及び立替金 - -
損益を通じて公正価値で測定され
5 11,416 40,928 61,053 138,374 107,775 100,896 122,622 583,069
る金融資産
5 48,499 100,327 471,210 2,721,956 2,342,223 5,684,220
償却原価で測定される金融投資 - -
その他の包括利益を通じて公正価
39,377 44,870 352,924 723,392 390,876 3,931 1,555,370
値で測定される金融投資 - -
3,070 91,657 1,220 798 1,821 125 87 2,784 101,562
その他の金融資産
26,848 306,822 1,678,136 1,285,582 4,455,144 6,456,830 10,142,848 2,420,995 26,773,205
金融資産合計
(30) (57,653) (44,542) (634,135) (801) (737,161)
中央銀行からの借入金 - - -
銀行及びその他の金融機関からの
(930,759) (81,439) (126,179) (38,640) (217,499) (1,394,516)
預り金 - - -
銀行及びその他の金融機関からの
(187,137) (104,911) (88,924) (2,391) (7,297) (390,660)
借入金 - - -
損益を通じて公正価値で測定され
(13,725) (9,540) (100) (230) (4,222) (27,817)
る金融負債 - - -
(8,719) (11,101) (39,995) (4,411) (1,056) (65,282)
デリバティブ金融負債 - - -
買戻し条件付契約に基づいて
(84,786) (6,920) (16,977) (512) (109,195)
売却した金融資産 - - - -
(11,921,912) (554,505) (1,256,439) (2,955,410) (3,672,501) (12,134) (20,372,901)
顧客からの預り金 - -
(113,725) (360,635) (456,191) (88,196) (353,098) (1,371,845)
発行債務証券 - - -
(241,413) (1,562) (2,318) (9,317) (27,304) (63,012) (5,540) (350,466)
-
その他の金融負債
(13,107,839) (1,099,066) (1,913,045) (4,239,689) (4,013,845) (436,597) (9,762) (24,819,843)
-
金融負債合計
26,848 (12,801,017) 579,070 (627,463) 215,455 2,442,985 9,706,251 2,411,233 1,953,362
ネット・ポジション
282/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月 超
1ヶ月 超 1年 超
1ヶ月 12 ヶ月
3ヶ月 以内 5年 以内 5年 超
延滞 要求払 以内 以内 無期限 合計
486,535 9,125 6,831 14,476 2,182,928 2,699,895
現金及び中央銀行預け金
- - -
銀行及びその他の金融機関への
90,556 33,022 20,772 90,234 1,158 235,742
預け金 - - -
銀行及びその他の金融機関への
14 207,602 155,974 135,902 22,298 1,393 523,183
貸出金 - -
2,703 4,508 17,107 572 54 24,944
デリバティブ金融資産 - - -
売戻し条件付契約に基づき保有
3,872 681,579 22,323 777 708,551
する金融資産 - - - -
18,973 558,669 623,929 2,673,237 2,572,187 6,372,769 12,819,764
顧客への貸出金及び立替金 - -
損益を通じて公正価値で測定され
10,066 39,013 148,812 264,557 104,287 123,340 111,286 801,361
る金融資産 -
57,686 118,976 473,032 2,623,065 1,673,982 4,946,741
償却原価で測定される金融投資 - - -
その他の包括利益を通じて公正価
57,974 93,069 409,965 805,881 304,857 3,082 1,674,828
値で測定される金融投資 - -
3,183 70,044 1,371 1,449 2,028 221 2,561 80,858
1
その他の金融資産
26,042 657,201 1,648,744 1,196,643 4,081,315 6,129,669 8,476,396 2,299,857 24,515,867
金融資産合計
(30) (14,626) (36) (593,394) (450) (608,536)
中央銀行からの借入金 - - -
銀行及びその他の金融機関からの
(904,887) (82,729) (228,049) (194,638) (93,346) (260) (1,503,909)
預り金 - -
銀行及びその他の金融機関からの
(129,237) (112,198) (72,581) (4,058) (7,289) (325,363)
借入金 - - -
損益を通じて公正価値で測定され
(14,147) (6,681) (3,505) (5,901) (30,234)
る金融負債 - - - -
(6,161) (8,296) (12,793) (1,799) (499) (29,548)
デリバティブ金融負債 - - -
買戻し条件付契約に基づいて
(22,800) (18,671) (11,726) (53,197)
売却した金融資産 - - - - -
(11,268,019) (675,622) (1,336,503) (2,658,324) (2,898,060) (12,627) (18,849,155)
顧客からの預り金 - -
(66,682) (181,008) (493,388) (56,452) (310,682) (1,108,212)
発行債務証券 - - -
(159,786) (76,761) (2,010) (4,472) (8,823) (721) (2,706) (255,279)
-
その他の金融負債
(12,346,869) (1,081,299) (1,886,771) (4,044,821) (3,062,988) (332,078) (8,607) (22,763,433)
-
金融負債合計
26,042 (11,689,668) 567,445 (690,128) 36,494 3,066,681 8,144,318 2,291,250 1,752,434
ネット・ポジション
契約上の割引前キャッシュ・フローの分析
当行グループの負債及び未実行の信用コミットメントに関連した債務の履行に使用可能な資産には、主に現金及び中央
銀行預け金、銀行及びその他の金融機関への預け金、銀行及びその他の金融機関への貸出金、損益を通じて公正価値で
測定されるものとして指定された金融資産並びに売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産が含まれる。通常の事業の
過程においては、顧客の要求払または定期預金の大部分は維持されることが見込まれる。また、期日が到来した負債の弁済
のために、必要に応じて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融投資を売却することもできる。
283/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
下記の表は、デリバティブ以外の金融資産及び金融負債の割引前キャッシュ・フローを、各報告期間末日現在の契約上
の残存期間ごとに表示している。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月 超
1ヶ月 超 1年 超
1ヶ月 12 ヶ月
3ヶ月 以内 5年 以内 5年 超
延滞 要求払 以内 以内 無期限 合計
デリバティブ以外の金融資産
116,773 11,869 4,322 12,653 2,291,658 2,437,275
現金及び中央銀行預け金
- - -
銀行及びその他の金融機関への
86,976 17,515 58,080 263,326 14,419 440,316
預け金 - - -
銀行及びその他の金融機関への
17 211,242 158,751 154,809 30,258 1,308 556,385
貸出金 - -
売戻し条件付契約に基づき保有す
3,689 758,771 33,440 23,928 819,828
る金融資産 - - - -
82,234 615,894 949,240 3,596,570 4,669,491 11,070,548 20,983,977
顧客への貸出金及び立替金 - -
損益を通じて公正価値で測定され
5 11,416 41,369 62,296 147,124 134,878 124,902 126,481 648,471
る金融資産
償却原価で測定される負債性金融
443 63,769 128,789 595,532 3,187,505 2,887,451 6,863,489
商品 - -
その他の包括利益を通じて公正価
41,424 49,589 384,091 798,307 442,817 2,784 1,719,012
値で測定される金融資産 - -
91,657 1,220 798 1,821 125 87 2,784 98,492
-
その他の金融資産
デリバティブ以外の
86,388 306,822 1,763,073 1,445,305 5,179,854 8,834,983 14,527,113 2,423,707 34,567,245
金融資産合計
デリバティブ以外の金融負債
(30) (57,653) (44,848) (647,586) (790) (750,907)
中央銀行からの借入金 - - -
銀行及びその他の金融機関からの
(930,759) (81,706) (126,901) (42,211) (235,630) (1,417,207)
預り金 - - -
銀行及びその他の金融機関からの
(187,271) (105,240) (89,826) (3,444) (7,850) (393,631)
借入金 - - -
損益を通じて公正価値で測定され
(13,725) (9,543) (100) (230) (4,222) (27,820)
る金融負債 - - -
買戻し条件付契約に基づいて
(87,891) (6,929) (17,032) (516) (112,368)
売却した金融資産 - - - -
(11,922,145) (555,122) (1,261,386) (2,998,626) (3,939,672) (14,692) (20,691,643)
顧客からの預り金 - -
(113,895) (364,892) (478,222) (163,736) (398,939) (1,519,684)
発行債務証券 - - -
(241,177) (1,562) (2,321) (9,368) (27,800) (63,212) (5,540) (350,980)
-
その他の金融負債
デリバティブ以外の
(13,107,836) (1,094,643) (1,912,517) (4,282,971) (4,371,818) (484,693) (9,762) (25,264,240)
-
金融負債合計
86,388 (12,801,014) 668,430 (467,212) 896,883 4,463,165 14,042,420 2,413,945 9,303,005
ネット・ポジション
284/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月 超
1ヶ月 超 1年 超
1ヶ月 12 ヶ月
3ヶ月 以内 5年 以内 5年 超
延滞 要求払 以内 以内 無期限 合計
デリバティブ以外の金融資産
486,535 9,125 6,831 14,476 2,182,928 2,699,895
現金及び中央銀行預け金
- - -
銀行及びその他の金融機関への
90,556 33,047 20,884 91,763 1,158 237,408
預け金 - - -
銀行及びその他の金融機関への
14 208,566 157,415 136,766 22,413 1,451 526,625
貸出金 - -
売戻し条件付契約に基づき保有す
3,872 683,342 22,448 789 710,451
る金融資産 - - - -
88,886 631,291 747,818 3,213,978 4,254,361 9,636,082 18,572,416
顧客への貸出金及び立替金 - -
損益を通じて公正価値で測定され
10,066 39,068 150,739 273,575 127,220 140,773 116,474 857,915
る金融資産 -
償却原価で測定される負債性金融
71,325 142,840 586,483 3,014,522 1,977,753 5,792,923
商品 - - -
その他の包括利益を通じて公正価
60,246 98,418 443,923 881,095 339,239 2,050 1,824,971
値で測定される金融資産 - -
70,044 1,371 1,449 2,028 221 2,561 77,675
- 1
その他の金融資産
デリバティブ以外の
92,772 657,201 1,737,381 1,348,842 4,763,781 8,300,990 12,095,299 2,304,013 31,300,279
金融資産合計
デリバティブ以外の金融負債
(30) (14,655) (54) (606,271) (450) (621,460)
中央銀行からの借入金 - - -
銀行及びその他の金融機関からの
(904,885) (82,724) (229,529) (199,427) (97,725) (260) (1,514,550)
預り金 - -
銀行及びその他の金融機関からの
(129,391) (112,804) (72,530) (5,506) (8,194) (328,425)
借入金 - - -
損益を通じて公正価値で測定され
(14,147) (6,691) (3,540) (5,901) (30,279)
る金融負債 - - - -
買戻し条件付契約に基づいて
(22,813) (18,722) (11,878) (53,413)
売却した金融資産 - - - - -
(11,268,210) (677,446) (1,341,855) (2,694,078) (3,107,445) (15,256) (19,104,290)
顧客からの預り金 - -
(67,271) (186,093) (516,177) (115,060) (365,107) (1,249,708)
発行債務証券 - - -
(159,672) (76,762) (2,014) (4,530) (9,363) (944) (2,706) (255,991)
-
その他の金融負債
デリバティブ以外の
(12,346,944) (1,077,753) (1,891,071) (4,108,431) (3,335,549) (389,761) (8,607) (23,158,116)
-
金融負債合計
92,772 (11,689,743) 659,628 (542,229) 655,350 4,965,441 11,705,538 2,295,406 8,142,163
ネット・ポジション
デリバティブのキャッシュ・フロー
純額で決済されるデリバティブ
下記の表は、当行グ ループのデリバティブのネット・ポジションの契約上の割引前キャッシュ・フローを、契約上の残存期間
別に表示している。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月超
1ヶ月以上 1年 超
12 ヶ月
1ヶ月未満 3ヶ月以内 5年 以内 5年 超
以内 合計
(18) (120) (39) (2,203) (1,018) (3,398)
純額で決済されるデリバティブ
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月超
1ヶ月以上 1年超
12 ヶ月
1ヶ月未満 3ヶ月以内 5年以内 5年超
以内 合計
(5) 9 (852) (427) (1,275)
-
純額で決済されるデリバティブ
285/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
総額で決済されるデリバティブ
下記の表は、当行グループのデリバティブのグロス・ポジション の契約上の割引前キャッシュ・フロー を、契約上の残存期間
に基づいて表示している。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月超
1ヶ月超 1年 超
12 ヶ月
1ヶ月以内 3ヶ月以内 5年 以内 5年 超
以内 合計
総額で決済されるデリバティブ
529,178 530,154 1,540,225 51,085 2,650,642
—キャッシュ・インフロー -
(527,974) (526,854) (1,545,117) (50,938) (2,650,883)
-
—キャッシュ・アウトフロー
1,204 3,300 (4,892) 147 (241)
-
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
3ヶ月超
1ヶ月超 1年 超
12 ヶ月
1ヶ月以内 3ヶ月以内 5年 以内 5年 超
以内 合計
総額で決済されるデリバティブ
509,415 449,528 1,849,384 53,790 40 2,862,157
—キャッシュ・インフロー
(512,826) (453,343) (1,845,114) (54,222) (54) (2,865,559)
—キャッシュ・アウトフロー
(3,411) (3,815) 4,270 (432) (14) (3,402)
合計
オフバランス項目
当行グループのオフバランス項目は主に貸出コミットメント、銀行引受手形、クレジットカード・コミットメント、保証及び保証
状、信用状等である。下記は契約の残存期間に基づいて開示されたオフバランス項目であり、金融担保契約は最初の契約
期限日に名義金額で開示される。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
1 年 超
1 年 以内 5 年 以内 5 年 超
合計
277,152 387,315 952,811 1,617,278
貸出コミットメント
429,841 429,841
銀行引受手形 - -
695,183 695,183
クレジット・カード・コミットメント - -
135,533 118,620 10,493 264,646
保証及び保証状
157,942 4,414 162,356
-
信用状
1,695,651 510,349 963,304 3,169,304
合計
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
1 年 超
1 年 以内 5 年 以内 5 年 超
合計
187,064 265,518 604,214 1,056,796
貸出コミットメント
339,829 339,829
銀行引受手形 - -
646,134 646,134
クレジット・カード・コミットメント - -
104,848 102,713 8,668 216,229
保証及び保証状
148,334 2,706 151,040
-
信用状
1,426,209 370,937 612,882 2,410,028
合計
286/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
44.3 市場 リスク
市場リスクは、市場金利及び為替レート、並びにコモディティ価格及び株価の変動から生じる潜在的損失を表している。市
場リスクは、当行グループの自己勘定ポジション及び顧客向け取引(オンバランス・オフバランス取引双方)に関連して生じ
る。
当行グループは、主に、貸出業務、債券業務及び資金調達業務を通じて金利リスクにさらされている。金利リスクは、当行
グループの業務の多くに内在しているが、この状況は大手銀行では一般的である。当該リスクは、基本的に利付資産と有利
子負債の満期日及び金利更改日が一致していないことから生じる。
為替リスクは、外貨建貨幣性資産及び負債の換算に影響を及ぼす為替レートの変動に関連した潜在的損失である。損失
リスクは、為替レートの変動から生じる。
また当行グループは、主に金及びその他の貴金属に関連するコモディティ・リスクにもさらされている。損失リスクはコモディ
ティ価格の変動から生じる。当行グループは金価格に関連するリスクを為替リスクと併せて管理している。
当行グループは、トレーディング及び投資ポートフォリオに含まれる関連エクスポージャーに関して、株価及び金以外のコ
モディティ価格の変動に関連した市場リスクの水準に重要性はないと判断している。
トレーディング勘定と銀行勘定の区分
当行グループは、すべての金融商品及びコモディティ(オンバランス・オフバランス取引双方)を、トレーディング勘定また
は銀行勘定のいずれかに区分し、市場リスク管理の効率性、及び市場リスクに関連して要求される規制上の自己資本水準
の算定の正確性を高めている。トレーディング勘定は、トレーディング目的保有金融商品及びコモディティ・ポジション(すべ
てのデリバティブ商品を含む。)から構成されている。その他の金融商品は、銀行勘定に含まれている。
トレーディング勘定の市場リスク管理
当行グループは、トレーディング勘定の市場リスクを、バリュー・アット・リスク(以下「 VaR 」という。)、設定限度額のモニタリン
グ及び管理、感応度分析、デュレーション分析、エクスポージャー分析並びにストレステスト等の手法を用いて管理している。
当行グループは、市場リスクを管理するための方針を定めている。当該方針は、毎年または状況に応じて見直される。ま
た、当該方針における当行グループの市場リスク管理上の重点は、国内及び国際金融市場の動向、並びに承認限度額の
範囲内におけるトレーディング勘定の構成及び経営者のトレーディング戦略に置かれている。また当行グループは、金融商
品に関してさらに具体的な方針を定めており、特定の発行体及び取引相手先に対するエクスポージャー、並びに個々のポ
ジション及びトレーディング戦略の内容を綿密にモニタリングしている。当行グループの限度額及びリスク・モニタリング・シス
テムの基盤は、 VaR をベースとしている。 VaR は、トレーディング勘定に含まれる金融商品の全種類のモニタリングに継続的
に用いられている。
当行は、ヒストリカル・シュミレーション法を採用し、信頼水準 99% 、保有期間 1 日及び過去の 250 日間のデータに基づき、本
店、国内支店及び国外支店におけるトレーディング勘定の VaR を計算している。当行は、国内市場と国外市場の相違に基
づき、実際の市場リスク水準を反映させるべく、モデル及びリスク要因に応じた適切なパラメーターを選択している。当行は、
市場リスク測定の正確性及び信頼性を、当該測定に係るデータ分析、並列モデリング及びバックテストにより検証している。
287/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
トレーディング勘定の VaR 分析
当行
(単位:百万人民元 )
2020 年
期末現在 平均値 最大値 最小値
59 88 164 52
金利リスク
為替リスク (1) 28 165 213 28
62 75 120 9
コモディティ・リスク
87 232 362 87
全体の VaR
(単位:百万人民元 )
2019 年
期末現在 平均値 最大値 最小値
75 89 116 57
金利リスク
90 120 287 56
為替リスク (1)
9 15 25 5
コモディティ・リスク
115 146 291 92
全体の VaR
当行は、当行のトレーディング勘定の VaR の計算を行っている(関連規制に基づく顧客との人民元外貨決済契約を除く。)。当行は、ト
レーディング勘定のストレステストを四半期毎に行っている。このテストの対象となる特定の取引には、債券、金利デリバティブ、為替デリバ
ティブ及び貴金属等の主要なエクスポージャーを有する取引が含まれている。ストレステストでは様々なシナリオを用いて、損益に対する
潜在的影響を評価している。
( 1 )金価格に関連する VaR は、為替リスクの内訳として認識されている。
銀行勘定に関する市場リスク管理
当行グループは、エクスポージャー限度額の管理、ストレステスト、シナリオ分析及びギャップ分析等の手法をグループ全
体で継続的に適用することにより、銀行勘定に関連する市場リスクを管理している。
金利リスク管理
金利リスクとは、金利水準、期間構造などのマイナス変動要因によって銀行勘定の経済価値と全体的な収益が損失を被る
リスクを指す。銀行勘定における金利リスクは、金利感応金融資産と金利感応金融負債の満期日または金利更改日が一致
してないことや、殆どの国内金利感応金融資産・負債のベースとなっている基準金利が一貫性なく変動することに関係してい
る。
中央銀行の LPR 改革以降、当行は監督管理要求に基づいて関連政策を遂行し、業務システムの改造を推し進め、標準融
資契約を見直し、内外の金利設定メカニズムを整備し、支店の従業員への研修を強化し、 LPR の活用を全面的に推進し、全
システム全プロセスの貸出金利設定に LPR を活用する金利設定方式を実現している。中央銀行の LPR 改革後、貸出基準金
利と市場金利の関係性はより緊密になり、変動頻度及び変動幅が上昇したため、当行は外部金利環境へのモニタリングと予
測を強化し、速やかに内外の金利設定戦略を調整し、資産負債管理における商品構成と期間構造を最適化し、金利オプ
ション商品を積極的に活用した自発的なリスク管理調整を実施し、金利変動による経済価値及び全体収益への悪影響を低
減させている。報告期間中において、当行の金利リスク水準は全体的に安定し、各指標は全て監督管理要求及び管理目標
の範囲内に抑えている。
為替リスク管理
為替リスクは、外貨建貨幣性資産・負債の不一致や、為替レートの変動による潜在的損失に関係しており、主に営業活動
から生じる。
288/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
当行グループは、為替リスク・エクスポージャーのモニタリング及び感応度分析を実施し、外貨建資産・負債の不一致を管
理することで、許容限度額内で為替リスク・エクスポージャーを効果的に管理するよう努めている。
市場リスク・エクスポージャー限度額の管理
市場リスク・エクスポージャーの限度額については、原商品または原取引の特性を基に、直接限度額または間接限度額の
いずれかに分類している。この分類には、エクスポージャー限度額のモニタリング、ストップ・ロス限度額、 VaR 限度額及びスト
レステスト限度額がある。
当行グループは、市場リスク・エクスポージャーに係る限度額管理の継続的な強化に取り組んでいる。当行グループは、リ
スク選好度を反映したエクスポージャー限度額を設定し、市場リスク・エクスポージャー限度額に係る当該分類を継続的に見
直している。さらに、市場リスク・エクスポージャー限度額の運用プロセス強化の状況について、定期的にモニタリング、報告、
見直しを行い、その改善を図っている。
為替リスク
当行グループは主に人民元で業務を行い、一部の取引については、米ドル、香港ドル、及びより少ない程度でその他の
通貨で行っている。
各報告期間末日現在におけるすべての金融資産及び金融負債を通貨別に分析した内訳は、以下の通りである。
289/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
香港ドル その他の通貨
米ドル
(人民元 (人民元 (人民元
相当額 ) 相当額 ) 相当額 )
人民元 合計
2,365,609 54,151 1,296 16,219 2,437,275
現金及び中央銀行預け金
銀行及びその他の金融機関への
363,597 50,938 2,393 17,257 434,185
預け金
銀行及びその他の金融機関への
293,880 185,248 38,894 28,926 546,948
貸出金
56,666 1,084 45 4,142 61,937
デリバティブ金融資産
売戻し条件付契約に基づき保有する
816,206 816,206
金融資産 - - -
14,076,068 351,117 52,231 73,017 14,552,433
顧客への貸出金及び立替金
損益を通じて公正価値で測定される金
552,067 11,165 6,856 12,981 583,069
融資産
5,617,868 58,301 4,271 3,780 5,684,220
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定されるその他負債性金融商品及
1,309,570 206,292 2,518 36,990 1,555,370
びその他持分投資
84,200 10,622 3,415 3,325 101,562
その他の金融資産
25,535,731 928,918 111,919 196,637 26,773,205
金融資産合計
(735,900) (1,261) (737,161)
中央銀行からの借入金 - -
銀行及びその他の金融機関からの
(1,336,474) (26,379) (20,775) (10,888) (1,394,516)
預り金
銀行及びその他の金融機関からの
(136,469) (200,492) (32,327) (21,372) (390,660)
借入金
損益を通じて公正価値で測定される金
(27,817) (27,817)
融負債 - - -
(4,367) (60,268) (257) (390) (65,282)
デリバティブ金融負債
買戻し条件付契約に基づいて売却
(83,009) (18,995) (7,191) (109,195)
した金融資産 -
(19,873,361) (430,007) (33,570) (35,963) (20,372,901)
顧客からの預り金
(1,065,150) (216,330) (26,198) (64,167) (1,371,845)
発行債務証券
(310,910) (32,108) (2,399) (5,049) (350,466)
その他の金融負債
(23,573,457) (984,579) (115,526) (146,281) (24,819,843)
金融負債合計
1,962,274 (55,661) (3,607) 50,356 1,953,362
オンバランスのネット・ポジション
138,397 34,139 19, 124 (30,638) 161,022
デリバティブの正味想定元本
2,893,041 236,335 7,914 32,014 3,169,304
信用コミットメント及び金融保証契約
290/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
香港ドル その他の通貨
米ドル
(人民元 (人民元 (人民元
相当額 ) 相当額 ) 相当額 )
人民元 合計
2,634,765 53,709 1,041 10,380 2,699,895
現金及び中央銀行預け金
銀行及びその他の金融機関への
168,817 44,574 4,605 17,746 235,742
預け金
銀行及びその他の金融機関への
292,023 163,495 43,886 23,779 523,183
貸出金
10,628 13,473 194 649 24,944
デリバティブ金融資産
売戻し条件付契約に基づき保有する
708,551 708,551
金融資産 - - -
12,348,860 348,051 51,769 71,084 12,819,764
顧客への貸出金及び立替金
損益を通じて公正価値で測定される金
777,121 10,887 10,441 2,912 801,361
融資産
4,870,459 61,071 7,982 7,229 4,946,741
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定されるその他負債性金融商品及
1,426,703 211,441 3,439 33,245 1,674,828
びその他持分投資
70,179 7,601 1,336 1,742 80,858
その他の金融資産
23,308,106 914,302 124,693 168,766 24,515,867
金融資産合計
(608,086) (450) (608,536)
中央銀行からの借入金 - -
銀行及びその他の金融機関からの
(1,429,626) (35,573) (16,058) (22,652) (1,503,909)
預り金
銀行及びその他の金融機関からの
(48,504) (205,326) (52,490) (19,043) (325,363)
借入金
損益を通じて公正価値で測定される金
(26,729) (3,505) (30,234)
融負債 - -
(17,558) (11,054) (159) (777) (29,548)
デリバティブ金融負債
買戻し条件付契約に基づいて売却
(14,315) (31,638) (7,244) (53,197)
した金融資産 -
(18,432,646) (357,021) (36,907) (22,581) (18,849,155)
顧客からの預り金
(797,166) (244,866) (25,539) (40,641) (1,108,212)
発行債務証券
(242,709) (8,318) (1,360) (2,892) (255,279)
その他の金融負債
(21,617,339) (897,301) (132,513) (116,280) (22,763,433)
金融負債合計
1,690,767 17,001 (7,820) 52,486 1,752,434
オンバランスのネット・ポジション
126,517 22,665 (6,186) (42,246) 100,750
デリバティブの正味想定元本
2,141,071 230,196 5,450 33,311 2,410,028
信用コミットメント及び金融保証契約
下記の表は、連結財政状態計算書上の外貨建貨幣性資産・負債及び通貨デリバティブのネット・ポジションについて、人
民元の直物及び先物為替レートが人民元以外のすべての通貨に対して 5% 上昇または下落した場合に生じる、税引前純利
益及びその他の包括利益に対する潜在的影響額を示している。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
その他の その他の
税引前純利益 包括利益 税引前純利益 包括利益
(938) (298)
5% 上昇 (2,433) (462)
938 298
2,433 462
5% 下落
291/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
税引前純利益及びその他の包括利益に対する影響額は、各報告期間末日における当行グループの為替感応エクスポー
ジャー及び通貨デリバティブのネット・ポジションは変動しないという仮定に基づいて計算されている。当行グループは、将来
の為替相場の動向に関する経営者の予測に基づき、為替エクスポージャーの積極的な管理及びデリバティブの適切な使用
を通じて為替リスクを軽減している。この分析では、他の通貨が変動することにより生じる相関的な影響や、為替リスクを軽減
するために経営者が取り得る追加的措置は考慮していない。したがって、上記の感応度分析は、為替レートの変動から生じ
る実際の結果と異なる可能性がある。
金利リスク
当行グループの金利リスクは、利付資産と有利子負債との間の契約上の満期日または金利更改日の不一致により生じる。
当行グループの利付資産及び有利子負債は、主に人民元建てである。 PBOC は、人民元貸出基準金利を設定し、それによ
り、金融機関は商業的要因及び市場要因を含む信用リスクを基に貸出金利を設定する。 2015 年 12 月 24 日をもって、 PBOC は
商業銀行に対する預金金利の上限規制を撤廃した。 2019 年 8 月 16 日より、 PBOC は「貸出基準金利」に代わって最優遇貸出
金利( LPR )を新規融資業務の金利設定基準とし、金融機関が商業原則に基づいて自主的に貸出金利水準を確定すること
を許可した。
当行グループは、金利リスクを以下によって管理している。
・ 情勢予測を強化し、 LPR 金利、預金基準金利、市場金利に影響を及ぼす可能性のあるマクロ経済の要素を分析する
・ 戦略の伝達を徹底し、利付資産と有利子負債の利率の再設定期間構造を最適化する
・ 限度額管理を実施し、金利変動の銀行勘定経済価値と全体収益への影響を限度額の範囲内に抑える。
下記の表は、報告期間の末日現在における当行グループの金融資産及び金融負債を契約上の満期日と評価日のいず
れか早い方で要約したものである。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
1ヶ月 超 3ヶ月 超 1年 超
1ヶ月 以内 3ヶ月 以内 12 ヶ月 以内 5年 以内 5年 超
無利息 合計
2,158,126 3,294 12,653 263,202 2,437,275
現金及び中央銀行預け金
- -
99,175 57,083 256,632 13,037 8,258 434,185
銀行及びその他の金融機関への預け金 -
210,779 156,519 149,070 28,830 1,750 546,948
銀行及びその他の金融機関への貸出金 -
61,937 61,937
デリバティブ金融資産 - - - - -
755,068 33,616 22,967 4,555 816,206
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産 - -
4,117,253 2,171,094 7,121,297 619,431 489,037 34,321 14,552,433
顧客への貸出金及び立替金
40,569 68,013 142,140 100,054 93,128 139,165 583,069
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
63,386 119,236 463,453 2,617,463 2,310,470 110,212 5,684,220
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
その他負債性金融商品及びその他資本性金融
78,608 83,737 343,781 648,946 380,632 19,666 1,555,370
商品
101,562 101,562
- - - - -
その他の金融資産
7,522,964 2,692,592 8,511,993 4,027,761 3,273,267 744,628 26,773,205
金融資産合計
(55,900) (43,676) (629,737) (803) (7,045) (737,161)
中央銀行からの借入金 -
(1,009,086) (123,822) (33,266) (213,122) (15,220) (1,394,516)
銀行及びその他の金融機関からの預り金 -
(187,801) (109,893) (90,775) (1,199) (992) (390,660)
銀行及びその他の金融機関からの借入金 -
(9,532) (100) (230) (17,955) (27,817)
損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - -
(65,282) (65,282)
デリバティブ金融負債 - - - - -
(84,777) (6,914) (16,966) (512) (26) (109,195)
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産 -
(12,399,566) (1,216,463) (2,875,560) (3,555,434) (12,129) (313,749) (20,372,901)
顧客からの預り金
(137,270) (373,181) (444,048) (63,081) (344,953) (9,312) (1,371,845)
発行債務証券
(350,466) (350,466)
- - - - -
その他の金融負債
(13,883,932) (1,873,949) (4,090,452) (3,833,182) (358,281) (780,047) (24,819,843)
金融負債合計
(6,360,968) 818,643 4,421,541 194,579 2,914,986 (35,419) 1,953,362
金利ギャップ
292/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
1ヶ月超 3ヶ月超 1年 超
1ヶ月以内 3ヶ月以内 12 ヶ月以内 5年 以内 5年 超
無利息 合計
2,403,893 5,799 14,476 275,727 2,699,895
現金及び中央銀行預け金
- -
112,905 20,406 88,805 13,626 235,742
銀行及びその他の金融機関への預け金 - -
209,697 154,261 134,853 21,083 3,289 523,183
銀行及びその他の金融機関への貸出金 -
24,944 24,944
デリバティブ金融資産 - - - - -
681,875 22,294 774 3,608 708,551
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産 - -
5,502,472 1,574,291 5,114,958 343,985 252,466 31,592 12,819,764
顧客への貸出金及び立替金
42,784 152,133 255,866 113,428 105,131 132,019 801,361
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
75,653 140,993 452,172 2,532,585 1,650,204 95,134 4,946,741
償却原価で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
その他負債性金融商品及びその他資本性金融
87,962 142,570 400,393 723,583 299,052 21,268 1,674,828
商品
80,858 80,858
- - - - -
その他の金融資産
9,117,241 2,212,747 6,462,297 3,734,664 2,306,853 682,065 24,515,867
金融資産合計
(14,200) (33) (586,915) (455) (6,933) (608,536)
中央銀行からの借入金 -
(987,313) (226,516) (193,695) (91,472) (260) (4,653) (1,503,909)
銀行及びその他の金融機関からの預り金
(128,699) (114,216) (73,762) (3,361) (3,689) (1,636) (325,363)
銀行及びその他の金融機関からの借入金
(6,684) (3,505) (20,045) (30,234)
損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - - -
(29,548) (29,548)
デリバティブ金融負債 - - - - -
(22,680) (18,554) (11,631) (332) (53,197)
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産 - -
(11,854,959) (1,298,677) (2,596,724) (2,804,783) (12,502) (281,510) (18,849,155)
顧客からの預り金
(84,224) (212,941) (478,509) (20,551) (303,405) (8,582) (1,108,212)
発行債務証券
(255,279) (255,279)
- - - - -
その他の金融負債
(13,098,759) (1,870,937) (3,944,741) (2,920,622) (319,856) (608,518) (22,763,433)
金融負債合計
(3,981,518) 341,810 2,517,556 814,042 1,986,997 73,547 1,752,434
金利ギャップ
下記の表は、各報告期間末日現在の当行グループの利付資産及び有利子負債のポジションに基づき、関連する金利
カーブが上方または下方に 100 ベーシス・ポイント平行移動した場合の、報告日から翌 12 ヶ月間の当行グループの受取利息
純額及びその他の包括利益に対する税引前の潜在的影響額を表している。この分析では、あらゆる満期の金利が同じ幅で
移動すると仮定しており、イールド・カーブが平行移動しないことによる潜在的な影響は反映していない。
受取利息純額に対する感応度分析は、報告期間末日現在で保有する金融資産及び金融負債の構成が変化しないという
仮定の下での、金利の合理的に起こり得る変動に基づいており、顧客の行動の変化、ベーシス・リスクまたは債務証券に係る
期限前償還オプションについては考慮していない。
その他の総合利益に対する感応度分析は、一定の利率変動時に各貸借対照表報告日に保有されるその他の包括利益
を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品及びその他資本性金融商品と売却可能金融資産に対して改めて評
価を行った後の公正価値の変動に与える影響を表すものである。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
その他の その他の
受取利息純額 包括利益 受取利息純額 包括利益
(25,867) (42,579)
+100 ベーシス・ポイント (37,556) (67,941)
25,867 42,579
37,556 67,941
-100 ベーシス・ポイント
これらの仮定には、当行グループの金利リスクの変動を軽減するために、当行グループの資本・金利リスクの管理方針に
基づき実施される可能性のある対策は反映されていない。したがって、上記の分析は実際の状況とは異なる可能性がある。
また、上記の金利感応度に関する記載は、あくまでも便宜的に説明するためのものであり、報告期間末日現在のデリバ
ティブ・ポジションを除く状況に対してイールド・カーブが異なる動きを示した場合に、それが当行グループの受取利息純額と
その他の包括利益に対して及ぼすであろう影響を表したものである。
293/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
44.4 カントリーリスク
カントリーリスクとは、ある国または地域の経済、政治、社会変化及び事件により、当該国または地域の借受人または債務
者に当行の債務を償還する能力がなくなる、または償還を拒否する、もしくは当行が当該国または地域の商業拠点にて損失
を被る、または当行がその他損失を被るリスクを指す。
当行グループは CBIRC の監督管理要求に基づいて、カントリーリスクの格付け、限度額の査定、エクスポージャー統計、ス
トレステストなどのツールでカントリーリスク管理業務を実施していく。同時に、カントリーリスクの資産の質への影響を十分に
考慮し、カントリーリスクにより起こりうる資産損失を正確に認識し、合理的に評価し、慎重に予測し、カントリーリスク損失引当
金を計上する。
44.5 保険リスク
当行グループは、主として中国本土で保険業を営んでいる。保険リスクとは、保険事故という予測不能な事象に起因する
財務的影響をいう。当該リスクは、有効な販売管理、引受管理、再保険管理及び保険金支払管理を通じて、当行グループに
より積極的に管理されている。有効な販売管理により、誤った販売を行うリスクを抑止できるとともに、引受の際に用いる情報
の正確性も高まる。引受管理により、逆選択リスクを低減させることができ、さらにリスクの程度に応じて保険契約に異なる価
格設定を行うことができる。再保険により、当行グループの保険金支払能力が高まるとともに、保険対象リスクを軽減すること
ができる。有効な保険金の支払管理は、保険金の支払が所定の基準に従い確実に行われるよう設計されている。
長期生命保険契約に係る将来の給付の支払及び保険料の受取に関する見積りの不確実性は、平均的な死亡率の長期
的な変動を予測することは不可能であることに起因している。当行グループは、リスク評価を強化し、合理的な見積りを行うた
めに、死亡率及び保険解約率について経験分析を行っている。
前へ 次へ
294/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
45 .資本管理
当行グループの資本管理の目的は、以下の通りである。
・ 十分な資本基盤を維持し、当行グループの事業の発展を支えること。
・ 当行グループの財政 の 安定及び収益性の高い成長を支えること。
・ リスクに基づく効率的なアプローチにより資本を配分し、リスク調整後の株主への利益を最大化すること。
・ 当行グループが、株主に対する十分な利益及びその他の利害関係者に対する便益を継続して提供することができるよ
う、当行グループの営業認可の長期的持続性を確保すること。
2012 年度に CBIRC により公表された「商業銀行資本管理弁法 (試行 )」では、特に最低資本金、資本保全バッファー、シス
テム上重要な銀行に対する追加的資本増強、景気循環連動性を抑制する (カウンターシクリカル )バッファー及び第 2 の柱に
係る要求事項が挙げられており、具体的には以下の通りである。
・ 普通株式 Tier1 自己資本比率、 Tier1 自己資本比率及び自己資本比率に係る最低規制要件は、それぞれ 5% 、 6% 及び
8% とされている。
・ 資本保全バッファーとして、普通株式 Tier1 自己資本比率に 2.5% の上乗せが求められている。
・ システム上重要な銀行に対する追加的資本賦課として、普通株式 Tier1 自己資本比率に 1% の上乗せが求められてい
る。
・ 規制当局が特定の状況下で景気循環連動性を抑制するバッファーを要求する場合や、規制当局が特定の銀行に対し
て第 2 の柱に係る要求事項を追加する場合には、所定の期限までに完了しなければならない。
2014 年 4 月、 CBIRC は、当行グループが資本管理の先進的手法を使用することを正式に承認した。当該承認により、個人
向け及び個人向け以外の双方のリスク・エクスポージャーに係る信用リスク加重資産の測定に内部格付手法を、またオペ
レーショナル・リスク加重資産及び信用リスク加重資産の測定に標準的手法をそれぞれ採用する。 CBIRC は当行グループに
対し試行期間を定める予定であるが、当該期間は少なくとも 3 年は継続する見込みである。当該試行期間中、当行グループ
は、先進的手法及び非先進的手法に従い自己資本比率を計算し、「商業銀行資本管理弁法 (試行 )」が規定する最低自己
資本要件を遵守する必要がある。
2017 年 1月に、 CBIRC は、当行グループが適格リスク・エクスポージャーに係るマーケット・リスク加重資産の測定に内部モ
デル手法を採用することを正式に承認した。
資本の十分性及び規制資本の使用については、バーゼル委員会が策定したガイドライン及び CBIRC が公表したその他の
関連規則に従って、当行グループの経営者が綿密にモニタリングを行っている。資本水準及び資本の使用に関する必要な
情報は、四半期ごとに CBIRC に提出している。
2020 年 12 月 31 日現在、 CBIRC により発行された「商業銀行資本管理弁法 (試行 )」に準拠し、当行グループの自己資本比
率は以下の通りである。
2020 年 2019 年
12 月 31 日現在 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
11.24%
普通株式 Tier1 自己資本比率 (1) 11.04%
12.53%
Tier1 自己資本比率 (1) 12.92%
16.59% 16.13%
(1)
自己資本比率
1,748,467
普通株式 Tier1 自己資本 (2) 1,884,392
(7,883)
普通株式 Tier1 自己資本 からの控除項目 (3) (9,020)
普通株式 Tier1 自己資本 の純額 1,875,372 1,740,584
319,884 199,894
追加的 Tier1 自己資本 (4)
2,195,256 1,940,478
Tier1 自己資本 の純額
Tier2 自己資本 (5) 622,668 557,833
2,817,924 2,498,311
自己資本の純額
16,989,668 15,485,352
(6)
リスク加重資産
295/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
以下の通り、「商業銀行資本管理弁法 (試行 )」に準拠している。
(1 )当行グループの自己資本規制比率の計算に関連した連結の範囲には、当該規則が定める国内機関、国外機関及び系列金融子会社
が含まれている。
普通株式 Tier1 自己資本比率は、普通株式 Tier1 自己資本の純額をリスク加重資産で除して算定されている。 Tier1 自己資本比率は、
Tier1 自己資本の純額をリスク加重資産で除して算定されている。 自己資本比率は、自己資本の純額をリスク加重資産で除して算定さ
れている。
(2 )当行グループの普通株式 Tier1 自己資本 には、普通株式資本、資本準備金 (規制対象 )、投資の再評価準備金、利益準備金、一般準
備金、利益剰余金、非支配持分 (当該規則に基づき普通株式 Tier1 自己資本 として認められる範囲まで )及び為替換算準備金が含まれ
ている。
(3 )当行グループの普通株式 Tier1 自己資本からの控除項目には、その他の無形資産 (土地使用権を除く。 )、及び当行グループが支配を
有しているが自己資本規制比率の算定にあたり当該規制上の連結の範囲から除外されている金融機関に対して行った普通株式 Tier1
自己資本への投資が含まれている。
(4 )当行グループの追加的 Tier1 自己資本 には、発行済優先株式及び非支配持分 (当該規則に基づき追加的 Tier1 自己資本の定義上認
められる範囲まで )が含まれている。
(5 )当行グループの Tier2 自己資本 には、 Tier2 自己資本商品及び関連する評価差額 (当該規則で認められている範囲まで )、貸倒引当金
の引当超過額、及び非支配持分 (当該規則に基づき Tier2 自己資本 の定義上認められる範囲まで )が含まれている。
(6 )リスク加重資産には、信用リスク加重資産、市場リスク加重資産、及びオペレーショナル・リスク加重資産が含まれている。
46 .金融商品の公正価値
当連結財政状態計算書上の当行グループの資産及び負債の大半は、金融資産及び金融負債である。金融資産及び金
融負債以外の資産及び負債の公正価値測定が、当行グループ全体の財政状態及び事業に与える重要な影響はない。
当行グループは、 2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日終了事業年度において、経常的ではない公正価値測定の対象
となる金融資産及び金融負債を有していない。
46.1 評価技法、インプット及びプロセス
当行グループの金融資産及び金融負債の公正価値は、以下の通り算定される。
・ 活発な市場で取引されている場合、標準的な条件の金融資産及び金融負債の公正価値は、市場相場の買呼値及び
売呼値を参照してそれぞれ算定される。
・ 活発でない市場における金融資産や金融負債について、当行グループは、評価技法を用いて公正価値を測定する。
評価技法には、同一または類似の金融商品の最近の取引からの価格、割引キャッシュフロー法、一般に認められた価
格決定モデルなどが含まれる。
当行グ ループは、金融資産及び金融負債に関して、独立した評価プロセスを設定している。当行財務会計部は当行及び
中国国内の各分枝機構の金融資産及び金融負債に対して、評価モデルを構築し、かつ定期的に独立の立場から評価を行
う。リスク管理部はその評価モデルの検証を担当し、業務管理部はその評価結果の算定を担当する。中国国外にある支店
や子会社は、所在国(地域)の監督管理規定及び部門の設置状況に基づき、フロントオフィスから独立した立場にある部門ま
たは担当者を指定して評価作業を行う。
296/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
金融商品の公正価値に関する内部統制システム、審査・許可・評価制度の設定及び改善は、すべて取締役会が担当す
るものとされる。
2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日終了事業年度に公正価値測定の算定に用いた評価技法またはインプットにつき、
重要な変更はなかった。
46.2 公正価値ヒエラルキー
当行グループは、金融資産及び金融負債の公正価値測定に用いる評価技法へのインプットの観察可能性に基づき、金
融資産及び金融負債を以下の 3 つのレベルに分類している。
レベル 1 :公正価値測定は、同一の資産または負債についての活発な市場における相場価格(無調整)から算出される。
レベル 2 :レベル 1 の相場価格以外の、直接的に(すなわち、価格として)または間接的に(すなわち、価格から算出して)観測
可能な、資産または負債に関するインプットパラメーターを利用して算出された公正価値。及び、
レベル 3 :関連する資産または負債の観察可能でないインプット
46.3 連結財政状態計算書上、公正価値で測定されていない金融資産及び金融負債
下記の表は、連結財政状態計算書上、公正価値で測定されていない金融資産及び金融負債の帳簿価額並びに公正価
値を要約したものである。帳簿価額が公正価値に近似している金融資産及び金融負債 (中央銀行預け金、銀行及びその他
の金融機関への預け金、銀行及びその他の金融機関への貸出金、売戻し条件付契約に基づいて保有する金融資産、顧客
への貸出金及び立替金、 MOF に対する債権、特別国債、中央銀行からの借入金、銀行及びその他の金融機関からの預り
金及び借入金、顧客からの預り金、買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産並びに発行譲渡性預金、銀行間市場
で発行した譲渡性預金及び発行コマーシャル・ペーパー等 )は、下記の表には含まれていない。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
レベル 2 レベル 3
レベル 1
帳簿価額
公正価値
金融資産
償却原価で測定する負債性金融商品投資
5,273,439 5,333,755 27,772 5,151,535 154,448
( MOF に対する債権、特別国債を除く)
金融負債
439,621 441,775 28,749 413,026
-
発行済債券
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
レベル 1 レベル 2 レベル 3
帳簿価額 公正価値
金融資産
償却原価で測定する負債性金融商品投資
4,544,892 4,627,432 33,506 4,403,618 190,308
( MOF に対する債権、特別国債を除く)
金融負債
356,902 365,299 23,643 341,656
-
発行済債券
297/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
46.4 連結財政状態計算書上、公正価値で測定されている金融資産及び金融負債
下記の表は、連結財政状態計算書上、公正価値で測定されている金融資産及び金融負債の公正価値を要約したもので
ある。
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
レベル 1 レベル 2 レベル 3
合計
デリバティブ金融資産
58,187 58,187
-為替デリバティブ - -
1,009 1,009
-金利デリバティブ - -
2,741 2,741
- -
-貴金属関連契約及びその他
61,937 61,937
- -
小計
顧客への貸出金及び立替金
577,997 577,997
-手形ディスカウント及びフォーフェイティング - -
52 52
-信用状買取 - -
578,049 578,049
- -
小計
金融投資
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
トレーディング目的保有金融資産
1,257 181,268 182,525
-債務証券投資 -
21,959 21,959
-貴金属関連契約 - -
3,912 1,032 4,944
-持分 -
14,323 209 14,532
-ファンド -
損益を通じて公正価値で測定されるその他の
金融資産
132,530 1,478 134,008
-債務証券投資 -
1,842 23,561 71,998 97,401
-持分
2,998 6,936 18,897 28,831
-ファンド及びその他
損益を通じて公正価値で測定されるものとして
指定された金融資産
8,750 55,116 63,866
-債務証券投資 -
24,493 3,442 27,935
-銀行及びその他の金融機関への貸出金 -
7,068 7,068
- -
-その他
33,082 447,104 102,883 583,069
小計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他
負債性金融商品及びその他資本性金融商品
負債性金融商品
114,780 1,417,718 1,532,498
-債務証券投資 -
531 18,410 18,941
-その他 -
1,222 2,709 3,931
-
資本性金融商品
116,002 1,418,249 21,119 1,555,370
小計
149,084 2,505,339 124,002 2,778,425
資産合計
298/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
レベル 1 レベル 2 レベル 3
合計
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
トレーディング目的保有金融負債
(13,725) (13,725)
-貴金属関連契約に関連する金融負債 - -
損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された
金融負債
(9,540) (9,540)
-元本保証の資産運用商品 - -
- 支配されたストラクチャード・エンティティの負債
(4, 222 ) (230 ) (4,452)
-
(100) (100)
- -
-その他
(4, 222 ) (13,825) (9,770) (27,817)
小計
デリバティブ金融負債
(57,756) (57,756)
-為替デリバティブ - -
(4,357) (4,357)
-金利デリバティブ - -
(3,169) (3,169)
- -
-貴金属関連契約
(65,282) (65,282)
- -
小計
顧客からの預り金
(268,551) (73, 118 ) (341,669)
-
公正価値で測定されるもの
(4, 222 ) (347,658) (82,888) (434,768)
負債合計
299/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
レベル 1 レベル 2 レベル 3
合計
デリバティブ金融資産
24,128 24,128
-為替デリバティブ - -
340 340
- -
-金利デリバティブ
476 476
- -
-貴金属関連契約及びその他
24,944 24,944
- -
小計
顧客への貸出金及び立替金
540,387 540,387
-手形ディスカウント及びフォーフェイティング - -
540,387 540,387
- -
小計
金融投資
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
トレーディング目的保有金融資産
2,190 199,269 201,459
-債務証券投資 -
29,132 29,132
-貴金属関連契約 - -
2,354 2,354
-持分 - -
7,100 236 7,336
-ファンド -
損益を通じて公正価値で測定されるその他の
金融資産
93,298 4,194 97,492
-債務証券投資 -
2,108 22,194 70,881 95,183
-持分
2,227 5,351 15,799 23,377
- ファンド及び その他
損益を通じて公正価値で測定されるものとして
指定された金融資産
12,419 199,231 211,650
-債務証券投資 -
28,207 28,207
-銀行及びその他の金融機関への預け金 - -
99,174 5,010 104,184
-銀行及びその他の金融機関への貸出金 -
987 987
- -
-その他
28,398 676,092 96,871 801,361
小計
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他
負債性金融商品及びその他資本性金融商品
負債性金融商品
200,203 1,452,949 1,653,152
-債務証券投資 -
18,594 18,594
-その他 - -
1,107 1,975 3,082
-
資本性金融商品
201,310 1,452,949 20,569 1,674,828
小計
229,708 2,694,372 117,440 3,041,520
資産合計
300/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
レベル 1 レベル 2 レベル 3
合計
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
トレーディング目的保有金融負債
(14,147) (14,147)
-貴金属関連契約に関する金融負債 - -
損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された
金融負債
(6,681) (6,681)
-元本保証の資産運用商品 - -
(3,505) (3,505)
-国外債券 - -
(5, 901 ) (5,901)
- -
- 支配されたストラクチャード・エンティティの負債
(5, 901 ) (17,652) (6,681) (30,234)
小計
デリバティブ金融負債
(20,382) (20,382)
-為替デリバティブ - -
(1,676) (1,676)
-金利デリバティブ - -
(7,490) (7,490)
- -
-貴金属関連契約
(29,548) (29,548)
- -
小計
顧客からの預り金
(146, 474 ) (306, 294 ) (452,768)
-
公正価値で測定されるもの
(5, 901 ) (193,674) (312,975) (512,550)
負債合計
公正価値ヒエラルキーのレベル 2 に分類した金融商品の大半は、負債性投資、銀行及びその他の金融機構への預け金、
為替予約、通貨スワップ、金利スワップ、通貨オプション、 貴金属関連契約及び公正価値で測定する仕組預金である。人
民元建負債性投資の公正価値は、中央国債登記結算有限責任公司が公表している評価額を基に算定している。外貨建負
債性投資の公正価値は、ブルームバーグが公表している評価結果を基に算定している。銀行及びその他の金融機構への
預け金、為替予約、通貨スワップ、金利スワップ、通貨オプションの公正価値及び公正価値で測定する仕組預金は、 割引
キャッシュ・フロー分析またはブラック・ショールズ価格算定モデルを適用して計算している。当行グループのトレーディング目
的の貴金属関連契約の公正価値は、関連する観察可能な市場係数を参照して算定している。重要なインプットはすべて市
場で観察可能である。
公正価値ヒエラルキーのレベル 3 に分類した資産の内容は、主に当行グループが組成 した元本保証資産運用商品の原資
産 であり、銀行及びその他の金融機関への貸出金、その他の金融機関への預け金、及び信用資産を含んでいる。原資産と
なっている貸出金などの相手先は、主に中国本土の商業銀行と非銀行金融機構である。また信用資産は、中国本土の法人
向け貸出金である。レベル 3 の金融負債は主に上記の金融商品の投資家に対する負債である。当該資産及び負債などの公
正価値の見積りに必要なインプットは必ずしもすべてが観察可能ではないため、当行グループはこれらの投資商品を公正価
値ヒエラルキーのレベル 3 に分類している。これらの資産及び負債に関連した重要な観察不能なインプットは、信用リスク、流
動性及び割引率に関するパラメーターである。経営者は、観察された減損の兆候、利回り曲線、外部の信用格付及び比較
可能な信用スプレッドのの重要な変動の仮定条件に基づき、これら金融資産と負債の公正価値の会計見積を行うが、公正
条件の下で取引されたこれら金融資産と負債の実際の価値は経営者の会計見積と異なる可能性がある。
2020 年 12 月 31 日及び 2019 年 12 月 31 日終了事業年度では、公正価値ヒエラルキーのレベル間において重要な振替はな
かった。
連結財政状態計算書上、公正価値で表示されているレベル 3 に分類した金融資産及び金融負債に関する調整表は、以
下の通りである。
301/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2020 年
(単位:百万人民元 )
その他の包括利益
を通じて公正価値
損益を通じて公正 で測定されるその 損益を通じて公正
価値で 他負債性金融商品 価値で 顧客からの預り金
測定される 及びその他資本性 測定される 公正価値で測定さ
金融資産 金融商品 金融負債 れるもの
2020 年 1 月 1 日現在 96,871 20,569 (6,681) (306,294)
62,943 6,875 (230)
購入 -
(185,640) (1,155,477)
発行 - -
決済 /売却 (57,086) (6,406) 183,361 1,395,128
以下に認識した利得 /( 損失 )合計
155 108 (580) (6,475)
-損益
(27)
- - -
-その他の包括利益
102,883 21,119 (9,770) (73,118)
2020 年 12 月 31 日現在
当期末現在保有している資産 /負債に関して損
益に計上した当期未実現損失 /( 利得 )の増
899 (100)
- -
減
2019 年
(単位:百万人民元 )
その他の包括 顧客からの預
利益を通じて り金
公正価値で測 公正価値で測
定されるその 定されるもの
損益を通じて 他負債性金融 損益を通じて
公正価値で 商品及びその 公正価値で
測定される デリバティブ 他資本性金融 測定される デリバティブ
金融資産 金融資産 商品 金融負債 金融負債
65,029 33 15,568 (9,949) (33) (255,766)
2019 年 1 月 1 日現在
116,620 8,183
購入 - - - -
(103,160) (1,453,314)
発行 - - - -
(87,063) (33) (3,503) 106,543 33 1,410,824
決済 /売却
以下に認識した利得 /( 損失 )合計
2,285 (115) (8,038)
-損益 - - -
321
- - - - -
-その他の包括利益
96,871 20,569 (6,681) (306,294)
2019 年 12 月 31 日現在
- -
当期末現在保有している資産 /負債
に関して損益に計上した当期未
1,004 89 (4)
- - -
実現損失 /( 利得 )の増減
公正価値ヒエラルキーのレベル 3 に関して当期の損益に含まれる利得または損失合計は、半期連結損益計算書の損益
を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融商品に係る(損失) /利得純額で(注記Ⅳ、 4 )表示されている。
302/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
4 7 .後発事象
4 7 .1 利益処分
( 1 ) 2021 年 1 月 27 日の取締役会において、優先株式第二トランシェ「(農行優 2 ) 」に係る年間配当率 4.84% 、 総額 1,936 百万人
民元の現金配当が承認され、配当金は 2021 年 3 月 11 日に支払われた。
( 2 ) 2021 年 3 月 30 日の取締役会において提案された当行の 2020 年 12 月 31 日終了事業年度の利益処分案は、以下の通りで
ある。
(ⅰ) 21,040 百万人民元の法定利益準備金への繰入 (注記Ⅳ 36)
(ⅱ) 39,217 百万人民元の一般準備金への繰入 (注記Ⅳ 37)
(ⅲ) 2020 年 12 月 31 日現在の発行済株式数に基づく 2019 年 12 月 31 日終了事業年度の 1 株当たり 0.1851 人民元、総額
64,782 百万人民元の現金配当 (注記Ⅳ 10)
2020 年 12 月 31 日現在、 当該法定利益準備金は既に利益剰余金として当行グループの株主持分変動計算書において認
識済みである。(ⅱ)と(ⅲ)については、近日開催予定の当行グループの年次株主総会における普通株主の承認後に当行
グループの連結財務諸表において認識される。
48. 比較数字
当年度の財務諸表の開示方式と一致するように、個別の比較データをすでに再表示している。
303/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
48 .財政状態計算書
(単位:百万人民元 )
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
資産
2,436,779 2,699,397
現金及び中央銀行預け金
413,567 210,400
銀行及びその他の金融機関への預け金
87,357 30,063
貴金属
634,055 611,187
銀行及びその他の金融機関への貸出金
61,937 24,944
デリバティブ金融資産
812,797 701,304
売戻し条件付契約に基づき保有する金融資産
14,489,992 12,765,561
顧客への貸出金及び立替金
金融投資
396,298 608,494
損益を通じて公正価値で測定される金融資産
5,651,053 4,915,498
償却原価で測定される負債性金融商品投資
その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融
1,439,296 1,579,790
商品及びその他資本性金融商品
子会社に対する投資 19 41,544 41,543
210 208
関連会社及び共同支配企業に対する投資
119,862 131,462
支配している組成された事業体に対する投資
139,588 141,692
有形固定資産
132,489 120,072
繰延税金資産
143,978 124,823
その他の資産
27,000,802 24,706,438
資産合計
負債
737,048 608,488
中央銀行からの借入金
1,413,174 1,514,804
銀行及びその他の金融機関からの預り金
344,907 284,187
銀行及びその他の金融機関からの借入金
23,365 24,333
損益を通じて公正価値で測定される金融負債
65,254 29,496
デリバティブ金融負債
104,440 49,360
買戻し条件付契約に基づいて売却した金融資産
20,371,534 18,847,324
顧客からの預り金
1,326,408 1,081,040
発行債務証券
427,892 332,021
その他の負債
24,814,022 22,771,053
負債合計
304/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
12 月 31 日現在
2020 年 2019 年
注記Ⅳ
資本
3 2 349,983 349,983
普通株式
3 3 319,875 199,886
その他資本性金融商品
79,899
優先株式 79,899
119,987
永久債 239,976
3 4 173,357 173,357
資本準備金
3 5 25,784 29,549
投資再評価準備金
3 6 195,591 174,551
利益準備金
3 7 309,642 275,790
一般準備金
812,626 730,309
利益剰余金
(78) 1,960
為替換算準備金
2,186,780 1,935,385
資本合計
27,000,802 24,706,438
資本及び負債合計
2021 年 3 月 30 日に取締役会の承認を得て公表が認められた。
谷澍 張青松
董事長 副 董事長
前へ 次へ
305/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
49 . 持分変動計算書 (当行 )
(単位:百万人民元 )
投資再評
その他資本 価 為替換算
注記
普通株式 性金融商品 資本準備金 準備金 利益準備金 一般準備金 利益剰余金 準備金 合計
Ⅳ
349,983 199,886 173,357 29,549 174,551 275,790 730,309 1,960 1,935,385
2019 年 12 月 31 日現在
210,401 210,401
当期純利益 — — — — — — —
(3,765) (2,038) (5,803)
— — — — — —
その他の包括利益
(3,765) 210,401 (2,038) 204,598
— — — — —
当期包括利益合計
33 119,989 119,989
所有者による増資 — — — — — — —
36 21,040 (21,040)
利益準備金繰入額 — — — — — — —
37 33,852 (33,852)
一般準備金繰入額 — — — — — — —
(63,662) (63, 662)
普通株主に対する配 — — — — — — —
10
当支払額
その他の資本性金融
商品の保有者に対
(9,530) (9,530)
10
— — — — — — —
する配当支払額
349,983 319,875 173,357 25,784 195,591 309,642 812,626 (78) 2,186,780
2020 年 12 月 31 日現在
(単位:百万人民元 )
投資再評
その他資本 価 為替換算
注記
普通株式 性金融商品 資本準備金 準備金 利益準備金 一般準備金 利益剰余金 準備金 合計
Ⅳ
349,983 79,899 173,357 18,890 153,928 238,215 647,737 1,370 1,663,379
2018 年 12 月 31 日現在
206,232 206,232
当期純利益 — — — — — — —
10,659 590 11,249
— — — — — —
その他の包括利益
10,659 206,232 590 217,481
— — — — —
当期包括利益合計
33 119,987 119,987
所有者による増資 — — — — — — —
36 20,623 (20,623)
利益準備金繰入額 — — — — — — —
37 37,575 (37,575)
一般準備金繰入額 — — — — — — —
(60,862) (60,862)
普通株主に対する配 — — — — — — —
10
当支払額
(4,600) (4,600)
優先株主に対する配 — — — — — — —
10
当支払額
349,983 199,886 173,357 29,549 174,551 275,790 730,309 1,960 1,935,385
2019 年 12 月 31 日現在
前へ 次へ
306/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
307/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
308/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
309/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
310/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
311/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
312/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
313/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
314/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
315/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
316/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
317/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
318/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
319/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
320/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
321/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
322/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
323/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
324/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
325/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
326/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
327/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
328/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
329/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
330/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
331/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
332/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
333/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
334/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
335/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
336/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
337/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
338/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
339/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
340/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
341/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
342/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
343/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
344/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
345/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
346/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
347/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
348/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
349/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
350/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
351/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
352/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
353/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
354/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
355/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
356/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
357/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
358/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
359/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
360/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
361/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
362/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
363/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
364/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
365/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
366/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
367/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
368/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
369/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
370/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
371/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
372/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
373/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
374/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
375/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
376/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
377/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
378/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
379/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
380/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
381/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
382/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
383/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
384/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
385/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
386/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
387/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
388/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
389/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
390/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
391/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
392/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
393/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
394/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
395/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
396/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
397/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
398/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
399/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
400/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
401/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
402/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
403/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
404/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
405/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
406/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
407/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
408/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
409/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
410/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
411/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
412/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
413/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
414/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
415/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
416/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
417/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
418/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
419/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
420/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
421/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
422/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
423/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
424/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
425/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
426/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
427/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
428/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
429/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
430/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
431/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
432/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
433/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
434/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
435/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
436/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
437/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
438/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
439/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
440/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
441/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
442/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
443/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
444/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
445/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
446/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
447/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
448/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
449/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
450/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
451/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
452/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
453/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
454/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
455/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
456/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
457/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
458/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
459/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
460/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
461/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
462/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
463/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
464/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
465/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
466/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
467/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
前へ
468/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2【主な資産・負債及び収支の内容】
上記「第3-3(3)財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
3【その他】
(1)後発事象
上記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-47」を参照のこと。
(2)訴訟
重要な訴訟および仲裁
当該報告期間において、当行の運営に重大な影響を及ぼす訴訟および仲裁はなかった。
2020年12月31日現在、当行が被告、被申立人または第三者である係争中の訴訟または仲裁による請求金額は、約
6.028十億人民元である。当行の経営陣は、かかる訴訟および仲裁により予想される損失に備え、引当金繰入額の
全額が確保されていると考えており、当該事象が当行の財政状態および経営成績に重大な悪影響を及ぼすことはな
い。
上記「第6-1 財務書類-連結財務書類に対する注記-Ⅳ-42」を参照のこと。
(3)その他
中國農業銀行股份有限公司
(中華人民共和国において登録し設立された有限公司 )
補足財務情報(未監査) 2020 年 12 月 31 日終了事業年度
(金額は、別途記載がある場合を除き、百万人民元を表す。 )
香港証券取引所の有価証券上場規則及び銀行業(開示)規則に従い、当 行 グループは以下の補足情報を開示する。
1. 流動性カバレッジ比率
以下に終了した 3 ヶ月間
2020 年 2020 年 2020 年 2020 年
3 月 31 日 6 月 30 日 9 月 30 日 12 月 31 日
145.2% 141.7% 109.6% 116.3%
平均流動性カバレッジ比率
以下に終了した 3 ヶ月間
2019 年 2019 年 2019 年 2019 年
3 月 31 日 6 月 30 日 9 月 30 日 12 月 31 日
140.6%
123.2% 120.1% 125.6%
平均流動性カバレッジ比率
流動性カバレッジ比率は、 CBIRC によって発行された市中銀行の流動性リスク管理 (暫定 )の規則及び適用される計算要
件に従い算出され、中国 GAAP に基づき算定されたデータが基礎となっている。
469/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2. 通貨の集中
百万人民元に相当する金額
米ドル 香港ドル その他 合計
2020 年 12 月 31 日 現在
945,515 115,422 198,148 1,259,085
直物資産
(924,311) (115,269) (145,891) (1,185,471)
直物負債
1,172,479 43,880 68,332 1,284,691
先物 (買建 )
(1,115,324) (24,756) (96,172) (1,236,252)
先物 (売建 )
(23,016) (2,798) (25,814)
-
オプションのネット・ポジション
55,343 19,277 21,619 96,239
ロングのネット・ポジション
6,212 6,125 3,103 15,440
構造的ネット・ポジション
百万人民元に相当する金額
米ドル 香港ドル その他 合計
2019 年 12 月 31 日 現在
926,373 127,888 169,753 1,224,014
直物資産
(886,247) (132,354) (115,503) (1,134,104)
直物負債
1,387,102 51,531 65,594 1,504,227
先物 (買建 )
(1,278,984) (57,717) (104,180) (1,440,881)
先物 (売建 )
(85,453) (3,660) (89,113)
-
オプションのネット・ポジション
62,791 (10,652) 12,004 (64,143)
ロングのネット・ポジション
6,262 9,136 3,088 18,486
構造的ネット・ポジション
3. 国際債権
国際債権は、すべての通貨のクロス・ボーダー債権及び外国通貨の国内債権の合計である。当行グループは、主に中国
本土で事業活動を行っており、中国本土以外の第三者に対する債権の全てをクロス・ボーダー債権としている。
国際債権には、中央銀行預け金、銀行及びその他の金融機関への預け金、銀行及びその他の金融機関への貸出金、損
益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品投資、顧客への貸出金及び立替金、売戻し条件付契約に基づき保有す
る金融資産、 その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるその他負債性金融商品及びその他持分投資並びに 償却原
価で測定される負債性金融商品投資が含まれている。
国際債権は、国または地域ごとに開示されている。国または地域は、国際債権総額(リスク移転考慮後)の 10% 若しくは以
上を構成する場合に報告される。当該債権が取引相手先の国とは異なる国の当事者に保証されている場合、または当該債
権が本店を別の国に有する銀行の国外の支店に対するものである場合に限り、リスク移転が行われる。
銀行以外の
(単位:百万人民元 )
銀行 公共機関 私的機関 合計
2020 年 12 月 31 日 現在
113,364 32,576 238,427 384,367
アジア太平洋
28,559 10,627 161,943 201,129
- このうち香港に帰属する金額
33,806 26,701 63,320 123,827
欧州
321,131 98,147 296,938 716,216
南北アメリカ
591 101 692
-
アフリカ
468,892 157,424 598,786 1,225,102
合計
470/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
銀行以外の
(単位:百万人民元 )
銀行 公共機関 私的機関 合計
2019 年 12 月 31 日 現在
134,007 26,555 234,135 394,697
アジア太平洋
39,719 3,106 152,165 194,990
- このうち香港に帰属する金額
30,071 11,538 70,161 111,770
欧州
340,094 78,862 241,315 660,271
南北アメリカ
654 116 770
-
アフリカ
504,826 116,955 545,727 1,167,508
合計
4. 延滞資産及び条件緩和資産
( 1 )延滞している顧客への貸出金及び立替金総額
12 月 31 日 現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
延滞
78,228 71,118
3 ヶ月未満
27,106 16,799
3 ヶ月~ 6 ヶ月
33,687 32,851
6 ヶ月~ 12 ヶ月
56,412 62,225
12 ヶ月 超
195,433 182,993
合計
顧客への貸出金及び立替金総額に対する延滞貸出金の割合
0.52% 0.53%
3 ヶ月未満
0.18% 0.12%
3 ヶ月~ 6 ヶ月
0.22% 0.25%
6 ヶ月~ 12 ヶ月
0.37% 0.47%
12 ヶ月 超
1.29% 1.37%
合計
( 2 )延滞し条件緩和を行った顧客への貸出金及び立替金
12 月 31 日 現在
(単位:百万人民元 )
2020 年 2019 年
71,466 57,266
条件緩和を行った顧客への貸出金及び立替金合計
内訳:延滞期間が 3 ヶ月 以内の条件緩和を行った顧客への貸出金及び立替
10,478 11,166
金
顧客への貸出金及び立替金総額に対する、延滞期間が 3 ヶ月 以内の条件
0.07% 0.08%
緩和を行った顧客への貸出金及び立替金の割合
( 3 )延滞している銀行及びその他の金融機関への貸出金総額
当行グループの 2020 年 12 月 31 日 及び 2019 年 12 月 31 日 現在の延滞している銀行及びその他の金融機関への貸出金総額
に、重要性はなかった。
471/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
4 【国際財務報告基準と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
本書記載の財務書類は、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成されている。IFRSは、日本
において一般に公正妥当と認められる会計原則とはいくつかの点で相違しており、その主な相違は以下に要約され
ている。
(1) 連結会社間の会計方針の統一
IFRS では、IFRS第10号「連結財務諸表」に基づき、親会社は、同様の状況における類似の取引及びその他の事象
に関し、統一された会計方針を用いて、連結財務諸表を作成しなければならない。
日本の会計原則では、原則として、同一環境下で行われた同一の性質の取引及び事象については、会計方針の統
一が要求されている。ただし、のれんの償却や退職給付の未認識損益の償却などのいくつかの会計方針を除き、
IFRS又は米国会計基準に基づいて作成された在外子会社の財務諸表を用いることが認められている。
(2) 連結の範囲及び持分法の適用範囲
IFRS では、IFRS第10号「連結財務諸表」に基づき、支配を有する会社(子会社)に対しては連結、IAS第28号
「関連会社及び共同支配企業に対する投資」に基づき、投資先に対して共同支配又は重要な影響力を有する企業
は、関連会社又は共同支配企業に対する投資を持分法で会計処理しなければならない。IFRS第10号では、投資者
が、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該リターンに
影響を及ぼすパワーを投資先に対して行使することができる場合には、投資先を支配していると判定される。IAS
第28号では、重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針決定に参加するパワーであるが、 当該方針に対する
支配又は共同支配ではないもの と定めている。
またIFRSでは、特別目的事業体(以下「SPE」という。IFRS第10号では「組成された企業」と定義される。)に
ついても、上記IFRS第10号の支配の概念に照らし、投資者がSPEを支配していると判定される場合には、連結の範
囲に含めることになる。
日本 の会計原則 では、「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、 連結範囲は支配に基づき判断される。 ま
た、非連結子会社及び重要な影響力を与えることができる会社(関連会社)については、持分法の適用範囲に含め
る。
472/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(3) 非支配持分
IFRS では、IFRS第3号「企業結合」に基づき、取得企業は、企業結合ごとに被取得企業に対する非支配持分のう
ち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものを、以下の
いずれかにより測定しなければならない。
(a )取得日における 非支配持分の公正価値
(b )取得日における 被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する現在の所有権金融商品の比例的な取り分
非支配持分の他のすべての内訳項目は、他の測定基礎がIFRSで要求されている場合を除き、取得日の公正価値で
測定しなければならない。
また、子会社に対する親会社の所有持分の変動(非支配持分との取引)で支配の喪失とならない場合には資本取
引として会計処理される。
日本の会計原則では、 「企業結合に関する会計基準」に基づき、 非支配持分は企業結合時の子会社の純資産の時
価に対する持分割合により評価される。
(4) 企業結合
IFRS 第3号「企業結合」に基づき、ほとんどの企業結合は取得法を適用して会計処理される。企業結合で取得
したのれんは償却されず、国際会計基準(以下「IAS」という)第36号「資産の減損」に従って、毎年減損につい
てテストし、事象や状況の変化が減損の兆候を示している場合は追加で減損テストを実施する。IFRS第3号(改
訂)に従い、通常、取得に関連する費用は費用計上される。ただし、持分証券の発行に係る費用は資本から差し引
かれ、金融負債(債務)の発行に係る費用は実効金利に反映されて償却される。
日本の会計原則では 、「企業結合に関する会計基準」に基づき、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外
の企業結合についてはパーチェス法が適用され、のれんは20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却
されなければならない。ただし、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業年度の費用と
して処理することができる。またのれんは、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用を受ける資産であり、これ
に基づき、減損会計が適用されている。
473/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(5) 金融商品の分類及び測定
(金融資産)
IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」に基づき、 金融資産の管理に関する企業の事業モデル及び、金融資産の契約
条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じるという特性
(以下「SPPI要件」という。)に基づき、原則として下記(a)~(c)のいずれかの事後測定が行われる金融資産
に分類される。
(a)償却原価測定
契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で
保有し、かつSPPI要件を満たす金融資産
(b)その他の包括利益(以下「OCI」という。)を通じて公正価値測定(以下「FVOCI」という。)
契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とする事業モデルの中で保有し、かつSPPI要件
を満たす金融資産
(c)純損益を通じて公正価値で測定(以下「FVPL」という。)
上記以外の金融資産
上記の原則的分類に対し、下記の二つの例外が認められている:
・公正価値オプション
会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減することとなる場合には、当初認識時に金融資産をFVPL 測定
するという取り消しできない指定が可能である。
・OCIオプション
資本性金融商品に対する投資について、当初認識時に公正価値の事後の変動をOCI に表示するという取
り消しできない選択を行うことが可能。ただし、投資の売却時において、累積されたOCI を当期の損益に
計上すること(以下「リサイクリング」という。)は認められない。
(金融負債)
IFRS 第9号「金融商品」に基づき、 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債、一定の金融保証契約、公正価値
オプションの指定を行った金融負債等の例外を除き、償却原価により事後測定する金融負債に分類される。
日本の会計原則では 、トレーディング目的の金融資産が公正価値で測定され、公正価値の変動を損益計算書で認
識している。 IFRS 第9号 で認められているような金融商品を公正価値評価する取消不能オプションは認められてい
ない。
売却可能有価証券(日本基準では「その他有価証券」という)は公正価値で測定し、公正価値の変動額は以下の
いずれかの方法で処理する。
(a) 公正価値の変動額を純資産に計上し、売却、減損あるいは回収時に損益計算書へリサイクルされる。
474/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(b) 銘柄ごとに、公正価値が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上するこ
とができる。
市場価格のない株式は原価で評価する。
金融負債はデリバティブ取引により生じる正味の債務を除いて、公正価値での測定は認められていない。
(6) 金融資産の認識の中止
IFRS では、 IFRS 第9号 「金融商品」に基づき、企業が金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべて
を移転した場合、当該金融資産の認識を中止する。企業が譲渡資産に対する支配を保持していない場合には、当該
譲渡資産につき認識を中止する。
日本の会計原則では 、「金融商品に関する会計基準」に基づき、金融資産の契約上の権利を行使したとき、権利
を喪失したときまたは権利に対する支配が他に移転したときのいずれかの場合に当該金融資産の認識を中止する。
金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは、(a) 譲渡された金融資産に対する譲渡人の契約上の権
利が譲渡人及びその債権者から法的に保全され、(b) 譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接または間
接に通常の方法で享受でき、(c) 譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期前に買戻すまたは償還する権利
及び義務を実質的に有していないことの要件をすべて充足した場合とされる。
(7) 資産の減損
(a) 固定資産の減損
IFRS では、 IAS第36号「資産の減損」に基づき、資産又は資金生成単位に減損の兆候が認められ、その資産又は
資金生成単位の回収可能価額(処分コスト控除後の公正価値と使用価値(資産又は資金生成単位から生じると見込
まれる見積将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い金額)が帳簿価額を下回ると見積られる場合に、
その差額を減損損失として認識する。減損損失計上後、一定の条件が満たされた場合、のれんに対して認識された
減損を除き、減損損失の戻入が要求される。尚、耐用年数を確定できない無形資産やのれんについては、減損の兆
候の有無にかかわらず、毎年減損テストを実施しなければならない。
日本の会計原則では、 「 固定資産の減損 に関する会計基準 」に基づき、 減損の兆候が認められ、かつ割引前の見
積将来キャッシュ ・ フロー( 20 年以内の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると見積られる場合において、
回収可能価額と帳簿価額の差額につき減損損失を計上する。減損損失の戻入は認められない。
475/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(b) 金融資産の減損
IFRS では、 IFRS第9号「金融商品」に基づき、償却原価測定及びFVOCI測定の金融資産、リース債権、IFRS 第15
号「顧客との契約から生じる収益」の範囲に含まれる取引から生じた契約資産、ローン・コミットメント、金融保
証契約に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識する。各報告日において、金融商品に係る信用リスクが
当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失の金額
で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引
当金を12か月の予想信用損失の金額で測定する。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを判定するにあたっては、予想信用損
失の金額の変動ではなく、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生リスクの変動を用いて行う。
予想信用損失を測定する際に考慮すべき最長の期間は、企業が信用リスクに晒される最長の契約期間(延長オプ
ションの行使による期間を含む。)を使う。
金融商品の予想信用損失は、下記を反映する方法で見積もる。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けず
に利用可能な合理的で裏付け可能な情報
日本 の会計原則 では、 「 金融商品に関する会計基準 」に基づき、 回収不能と経営陣によって判断された金額に対
して一般貸倒引当金または個別貸倒引当金が計上される。一般貸倒引当金は、個別に回収不能と認められない貸付
金に対して、過去の貸倒実績等に基づいて計上される。個別貸倒引当金は、個別に回収不能と認められた貸付金に
適用され、各債務者の支払能力調査に基づいて計上される。貸倒引当金は資産の控除項目として計上される。
また有価証券については、有価証券の市場価値が著しく下落している場合に、回復する見込みがあると認められ
た場合を除いて減損処理を行う。一般的に、市場価格が 50 %以上下落していれば、合理的な反証がないかぎり減損
処理が行われ、 50 %未満で 30 %超の下落であれば、著しい下落と判断され、時価の下落が一時的なものかどうか等
により減損の要否が判断される。
476/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(8) ヘッジ会計
IFRS では、 IAS第39号「金融商品:認識及び測定」において、ヘッジに関する方針の文書化等のヘッジ会計の要
件を満たした場合に、以下の3つのヘッジ関係に基づいて会計処理される。
(a )公正価値ヘッジ:認識されている資産若しくは負債又は認識されていない確定約定(又はこれらの一部)の
公正価値の変動に対するエクスポージャーのうち、特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響し得るもの
のヘッジ。
ヘッジ対象の特定のリスクに起因する公正価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は、ともに純損益に認
識される。
(b )キャッシュ・フロー・ヘッジ:キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーのうち、認識さ
れている資産又は負債に関連する特定のリスク又は可能性の非常に高い予定取引に起因し、かつ純損益に影
響しうるものに対するヘッジ。
ヘッジ手段の利得又は損失の有効部分はその他の包括利益に直接認識され、非有効部分は純損益に認識され
る。
(c )在外営業活動体に対する純投資のヘッジ:在外営業活動体に対する純投資のヘッジ。
有効なヘッジと判断されるヘッジ手段から生じる為替換算差額は、その他の包括利益に直接認識され、非有
効部分については純損益に認識される。
日本 の会計原則 では 、原則として、ヘッジ手段の時価の変動は、対応するヘッジ対象項目に係る損益が認識され
るまで、資産または負債として繰り延べる(「繰延ヘッジ」)。これは公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッ
ジの両方に適用される。「その他有価証券」のヘッジについては繰延ヘッジと時価ヘッジが認められており、後者
では時価の変動を損益計算書で認識する。資産購入に関する予定取引のヘッジについては「ベーシス・アジャスト
メント」が使われるが、利付金融資産の取得の場合には区分処理することが認められる。一定の条件を満たした金
利スワップに関して特例処理が認められており、ヘッジ関係が完全に有効であると仮定することができる。在外営
業活動体に対する純投資に起因した外貨に対するエクスポージャーのヘッジは、ヘッジ手段の損益のうち有効な
ヘッジと判断される部分は資本の部において直接認識され、非有効部分は損益計算書に直接認識されている。
477/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(9) 金融保証契約
IFRS では、 IFRS第9号「金融商品」に基づき、金融保証契約については、当初は公正価値で計上し、当初認識後
はIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に基づき決定される金額と、当初認識額からIFRS第15号「顧客と
の契約から生じる収益」に基づき認識された償却累計額を控除した金額とのいずれか高い方の金額で測定すること
が要求されている。
日本 の会計原則 では 、金融資産又は金融負債の消滅の認識の結果生じる債務保証を除いて、保証を当初より公正
価値で貸借対照表に計上することは求められておらず、債務保証額について、支払承諾を貸借対照表に計上する金
融機関を除き、財務諸表に注記として計上する。保証に起因して、将来の損失が発生する可能性が高く、かつその
金額を合理的に見積ることができる場合には、引当金を計上する。
(10) リース
IFRS では、 借手はリースをファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に区分せず、単一の借手
会計処理モデルを適用する。すなわち、借手は、リース開始日において使用権資産及びリース債務を貸借対照表に
認識し、以降、使用権資産は減価償却され、リース債務に係る支払利息は実効金利法を用いて損益計算書に認識さ
れる。また、使用権資産については、IFRS第36号「資産の減損」を適用して、使用権資産が減損しているかどうか
を判定する。なお、短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産及びリース債務を認識しな
いことを選択できる。
日本の会計基準においては、借手はリースをファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に区分
する。借手のファイナンス・リース取引は、通常の売買取引に係る方法に準じて、リース物件とこれに係る債務を
リース資産及びリース債務として貸借対照表に計上する。ただし、リース契約1件当たりのリース料総額が300万円
以下のリース取引や、リース期間が1年以内のリース取引などは、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理
を行うことができる。また、オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会
計処理を行う。
478/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第7【外国為替相場の推移】
1【最近5年間の事業年度別為替相場の推移】
(1人民元当たり、単位:円)
決算年月 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
最高 18.52 17.32 17.48 16.75 16.06
最低 15.06 15.75 16.01 14.86 13.66
平均 16.33 16.60 16.70 15.79 15.46
期末 16.78 17.28 16.16 15.60 15.81
出所:国家外貨管理局が公表している人民元/100円の為替相場に基づいている。
2【最近6月間の月別最高・最低為替相場】
(1人民元当たり、単位:円)
2020 年 2021 年 2021 年 2021 年 2021 年 2021 年
月別
12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月
最高 15.95 16.12 16.44 16.79 16.89 17.26
最低 15.78 15.78 16.21 16.45 16.61 16.83
平均 15.87 16.01 16.31 16.69 16.72 16.97
出所:国家外貨管理局が公表している人民元/100円の為替相場に基づいている。
3【最近日の為替相場】
1人民元=17.26円(2021年5月31日)
出所:国家外貨管理局が公表している人民元/100円の為替相場に基づいている。
479/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
以下は、H株式に関する株式事務、権利行使の方法および関連事項の概要である。
1.本邦における株式事務等の概要
(1)株式の名義書換取扱場所および名義書換代理人
日本においては、H株式の名義書換取扱場所または名義書換代理人は存在しない。
H株式の取得者(以下「実質株主」という。)は、その取得窓口となった金融商品取引業者(以下「窓口金融商
品取引業者」という。)との間に外国証券取引口座約款(以下「約款」という。)を締結する必要があり、当該約
款により、実質株主の名義で外国証券取引口座(以下「取引口座」という。)が開設される。売買取引の実行、売
買代金の決済、証券の保管およびH株式に関するその他の取引に関する事項はすべてこの取引口座を通じて処理さ
れる。この場合、取引の実行、売買代金の決済および外国証券取引に関するその他の支払いについての各事項はす
べて当該契約の各条項に従い処理される。
(2)株主に対する特典
なし
(3)株式の譲渡制限
H株式に譲渡制限はない。
(4)その他株式事務に関する事項
(a) 株券の保管
取引口座を通じて保有されるH株式は、窓口金融商品取引業者を代理する香港における保管機関(以下「現地保
管機関」という。)またはその名義人の名義で登録され、現地保管機関により保管される。
(b) 配当等基準日
当行から配当等を受け取る権利を有する実質株主は、当行の取締役会が配当支払い等のために定めた基準日現在
においてH株式を実質的に所有する者である。
(c) 事業年度の終了
毎年12月31日
(d) 公告
日本においてはH株式に関する公告は行われない。
(e) 実質株主に対する株式事務に関する手数料
実質株主は、窓口金融商品取引業者の定めるところにより、約款に規定された手続および関連行為のための費用
として、取引口座を維持するための管理費を支払う。さらに、実質株主は、約款に規定されたその他の費用を支払
う可能性もある。
480/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
2.本邦における実質株主の権利行使方法
(1)実質株主の議決権の行使に関する手続
議決権の行使は、実質株主が窓口金融商品取引業者を通じて行う指示に基づき、現地保管機関またはその名義人
が行う。他方、実質株主が指示をしない場合、現地保管機関またはその名義人は実質株主のために保有されている
H株式について議決権を行使しない。
(2)配当請求等に関する手続
(a) 現金配当の交付手続
約款に従い、現金配当は、窓口金融商品取引業者が現地保管機関またはその名義人から一括受領し、取引口座を
通じて実質株主に交付する。
(b) 株式配当等の交付手続
株式分割により割り当てられたH株式は、現地保管機関またはその名義人の名義で登録され、窓口金融商品取引
業者はかかるH株式を取扱口座を通じて処理する。ただし、実質株主から別段の要請がない限り、売買数が香港に
おける売買単位未満の端数のH株式については、窓口金融商品取引業者を代理する現地保管機関により香港で売却
され、その純手取金は、窓口金融商品取引業者が現地保管機関またはその名義人から一括受領し、取引口座を通じ
て実質株主に支払う。
株式配当により割り当てられたH株式は、実質株主から別段の要請がない限り、窓口金融商品取引業者を代理す
る現地保管機関により香港で売却され、その純手取金は、窓口金融商品取引業者が現地保管機関またはその名義人
から一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払う。
(3)株式の譲渡に関する手続
実質株主は、その持株の保管替えまたは売却注文をなすことができる。実質株主と窓口金融商品取引業者との間
の決済は円貨または窓口金融商品取引業者が応じうる範囲内の外貨による。窓口金融商品取引業者は、国内店頭取
引についてのH株式の決済を口座の振替によって行い、H株式の取引の結果として現地保管機関のH株式数残高に
増減が生じた場合には、H株式の名義書換の手続に従って香港の登録機関において当該H株式の譲渡手続がとられ
る。
(4)新株引受権
実質株主が保有するH株式について新株引受権が与えられる場合には、新株引受権は、通常、窓口金融商品取引
業者を代理する現地保管機関により香港で売却され、その純手取金は、窓口金融商品取引業者が現地保管機関また
はその名義人から一括受領し、取引口座を通じて実質株主に支払う。
(5)本邦における配当等に関する課税上の取扱い
本邦における課税上の取扱いの概要は以下の通りである。
(a) 配当
当行から株主に支払われる配当は、日本の税法上、配当収入として取り扱われる。日本の居住者たる個人または
日本の法人に対して支払われる当行の配当金については、当該配当金額(中国における当該配当の支払いの際に中
国またはその地方政府の源泉徴収税が徴収される場合、当該控除後の金額)につき、当該配当の支払いを受けるべ
き期間に応じ、以下の表に記載された源泉徴収税率に相当する金額の日本の所得税および住民税が源泉徴収され
る。
481/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
配当課税の源泉徴収税率
配当を受けるべき期間 日本の法人 日本の居住者たる個人
2014 年1月1日~2037年12月31日 所得税15.315 % 所得税15.315%、住民税5%
2038 年1月1日~ 所得税15% 所得税15%、住民税5%
(注記)
2013年1月1日から2037年12月31日までの期間、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するた
めに必要な財源の確保に関する特別措置法」により、上記に従って算出された各所得税額に対して2.1%
の税率による「復興特別所得税」が上乗せされて課されるため、税率は上記のとおりとなる。
日本の居住者たる個人は、当行から株主に支払われる配当については、源泉徴収がなされた場合には確定申告を
する必要はない。当行から株主に支払われる配当については、日本の居住者たる個人は、申告分離課税を選択する
ことが可能である。申告分離課税を選択した場合の確定申告の際の税率は、2014年1月1日から2037年12月31日まで
に当行から当該個人株主に支払われる配当については20.315%(所得税15.315%、住民税5%)、2038年1月1日以
降に当行から当該個人株主に支払われる配当については20%(所得税15%、住民税5%)であるが、かかる配当所
得の計算においては、2009年分以後における上場株式等の株式売買損を控除することができる。
なお、配当控除(個人の場合)および受取配当益金不算入(法人の場合)の適用はない。中国において課税され
た税額は、配当につき確定申告した場合には日本の税法の規定に従い外国税額控除の対象となりうる。
(b) 売買損益
1) 居住者である個人株主の株式の売買によって生じた株式売買益は、原則として所得税の対象となり、株
式売買損は、他の株式売買益から控除することができる。また、2009年分以後における上場株式等の株
式売買損については、当行株式およびその他の上場株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択した
ものに限る。)から控除することができる。納税者は課税対象年の有価証券譲渡益全体(純額)の20%
(2013年1月1日から2037年12月31日までは20.315%)の納税を行うことになる。以上にかかわらず、
2016年1月1日以降は、申告により、2016年分以降の上場株式や一定の公社債の配当金所得、利子所得、
譲渡損益等と損益通算が可能である。
2) 当行株式の内国法人株主については、株式の売買損益は、課税所得の計算上益金に算入される。
(c) 相続税
日本の税法上日本の居住者である実質株主が、中国で発行された株式を相続または遺贈によって取得した場合、
原則として、日本の相続税法によって相続税が課されるが、一定の要件を充たしているときには、外国税額控除が
認められることがある。
(6)実質株主に対する諸通知
当行が登録株主に対して行う通知および通信は、現地保管機関またはその名義人に対してなされる。現地保管機
関はこれを窓口金融商品取引業者に送付する義務があり、窓口金融商品取引業者はこれをさらに各実質株主に送付
する義務がある。実費は実質株主に請求される。ただし、実質株主がその送付を希望しない場合または当該通知も
しくは通信の性格上重要性が乏しい場合には、送付することなく窓口金融商品取引業者の店頭に備え付け、実質株
主の閲覧に供される。
中国および香港における課税上の取扱いに関しては、「第1-3 課税上の取扱い」を参照のこと。
482/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当行の発行する有価証券は金融商品取引法第24条第1項第1号および第2号に該当しないため、該当事項はない。
2【その他の参考情報】
書 類 提出日
有価証券 報告 書 2020 年6月26日
半期報告書 2020 年9月29日
臨時報告書(本報告書は、金融商品取引法第24
条の5第4項および企業内容等の開示に関する内
2021 年2月22日
閣府令第19条第2項第9号に基づき提出され
た。)
臨時報告書(本報告書は、金融商品取引法第24
条の5第4項および企業内容等の開示に関する内
2021 年5月28日
閣府令 第 19 条第2項第9号の4に基づき提出され
た。)
483/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当なし
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当なし
第3【指数等の情報】
該当なし
484/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
(訳文)
独立監査人の監査報告書
中国農業銀行股 份 有限公司 (中華人民共和国において設立された有限責任会社)
株主各位
意見
監査対象
188 頁から349頁(訳者注:原文のページ番号である。)に記載されている中国農業銀行股 份 有限公司(以下、
「中国農業銀行」という。)及びその子会社(以下、総称して「中国農業銀行グループ」という。)の連結財務 諸
表 には、以下のものが含まれる。
● 2020年12月31日現在の連結財政状態計算書
● 同日に終了した事業年度の連結損益計算書
● 同日に終了した事業年度の連結包括利益計算書
● 同日に終了した事業年度の連結持分変動計算書
● 同日に終了した事業年度の連結キャッシュ・フロー計算書
● 重要な会計方針の概要を含む連結財務 諸表 に対する注記
監査意見
我々の意見では、当連結財務 諸表 が、中国農業銀行グループの2020年12月31日現在の財政状態及び同日に終了し
た事業年度の連結経営成績ならびに連結キャッシュ・フローに関して、国際財務報告基準(以下、「IFRSs」とい
う。)に準拠して真実かつ公正な概観を示しており、香港会社条例の開示規定に準拠して適正に作成されている。
監査意見の基礎
我々は、国際監査基準(以下、「ISAs」という。)に準拠して監査を実施した。これらの基準に基づく我々の責
任は、本報告書「連結財務諸表監査に対する監査人の責任」のセクションに詳述されている。
我々は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
独立性
我々は国際会計士倫理基準審議会(IESBA)が公表した「職業会計士のための国際倫理規程(国際独立性基準を
含む。)」(以下、「IESBA倫理規定」という。)に準拠して、中国農業銀行グループから独立しており、かつ、
IESBA倫理規定で定められるその他の倫理責任を果たした。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、我々の職業的専門家としての判断によって、当事業年度の連結財務諸表監査にお
いて最も重要であると判断された事項のことをいう。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査
の実施過程及び監査意見の形成において検討した事項であり、我々は監査意見とは別にこれらの事項に対して個別
の意見は表明しない。
識別した監査上の主要な検討事項は以下の通りである。
● 顧客への貸出金に係る予想信用損失の測定
● 組成された事業体の連結
485/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
監査上の主要な検討事項 監査上の対応
顧客への貸出金に係る予想信用損失の測定
連結財務諸表に対する注記Ⅱ8.5、注記Ⅲ1、注記Ⅳ 我々は、顧客に対する貸出金の予想信用損失の測定に
8、注記Ⅳ17及び注記Ⅳ44.1を参照のこと。 関する経営陣の内部統制および評価プロセスを理解し、
見積りの不確実性の程度およびその他の内在するリスク
2020 年12月31日現在、連結財政状態計算書における顧 要因のレベルを考慮して、重要な虚偽表示の固有リスク
客への貸出金の残高は14,552.43十億人民元であり、そ を評価した。
のうち13,974.38十億人民元は償却原価で測定され、
578.00十億人民元はその他の包括利益を通じて公正価値 我々は、顧客への貸出金に係る予想信用損失の測定に
で測定されている。償却原価で測定される顧客への貸出 関する内部統制の整備状況及び運用状況を評価し、テス
金に対する減損損失引当金618.01十億人民元、その他の トを行った。これには、主に以下が含まれる。
包括利益を通じて公正価値で測定される顧客への貸出金
に対する減損損失引当金13.20十億人民元が連結貸借対 (1) ECL モデルに関する内部統制。これにはモデリング
照表に認識されている。2020年12月31日に終了した事業
手法の選択、承認および適用、ならびに日々の継続
年度の連結損益計算書における顧客への貸出金に係る信
的なモニタリングとモデルの最適化を含む
用減損損失は138.99十億人民元である。
(2) 重要な経営者の判断と仮定に関するレビューと承
認。これには、ポートフォリオのセグメンテーショ
顧客への貸出金の減損損失引当金は、貸借対照表日現
ン、モデルの選択、関連する指標の見積り、信用リ
在の、国際財務報告基準第9号「金融商品」の予想信用
スクの著しい増加の決定、デフォルトおよび信用減
損失(「ECL」という)モデルにおける、予想信用損失
損資産の特定、フォワードルッキングな測定を含む
に関する経営者の最善の見積りである。
(3) モデルで使用するデータの正確性および網羅性に関
中国農業銀行グループは、顧客への貸出金の信用リス
する内部統制
クが、当初認識時から著しく増大しているかどうかを評
価し、ECLを測定するため3ステージの減損アプローチを
(4) ステージ III の法人向け貸出金に係る将来キャッ
適用した。ステージⅠおよびステージⅡの法人向けの貸
シュ・フローの見積りと現在価値の計算に関連する
出金、すべての個人向け貸出金に対して、経営者はリス
内部統制
ク指標モデリングアプローチ(デフォルト確率、デフォ
(5) ECL の測定に関連する情報システムに係る内部統制
ルト時損失率、デフォルト時エクスポージャー等を含
む)を用いてECLを評価した。ステージⅢの法人向け貸
(6) 顧客への貸出金に係る予想信用損失の測定結果の評
出金については、貸出金の将来キャッシュ・フローを見
価と承認
積もり、ECLを評価した。
我々が実施した実証手続には、主に以下のものが含ま
れる。
我々は、資産のリスク特性に応じて、事業のセグメン
テーションを評価した。ECL測定に用いたモデリング手
法について、業界慣行と比較しその妥当性を評価した。
また、ECL計算エンジンが経営者のモデリング手法を反
映しているかどうかを検証するため、サンプルベースで
ECL計算エンジンを検証した。
我々は、ECLモデルに入力されたデータの正確性を検
証し、以下の手続により関連する指標の合理性を評価し
た。(i)サンプルベースで、満期日などの契約情報、債
務者の過去および報告日現在の財務・非財務情報などの
裏付け情報を調査し、デフォルト確率や社内の信用格付
けを生成するために使用した基礎データとの整合性を確
認し、デフォルト確率の合理性を評価すること、(ⅱ)
デフォルト時損失率の合理性を過去データおよび業界慣
行とのベンチマーキングにより評価すること、(ⅲ)借入
契約を検証し、デフォルト時エクスポージャーと割引率
の合理性を評価すること。さらに、デフォルト確率およ
びデフォルト時損失率についてバックテストを行い、
バックテストの結果がモデルに与える影響を評価した。
486/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
監査上の主要な検討事項 監査上の対応
顧客への貸出金に係る予想信用損失の測定 (続き)
顧客への貸出金に係るECLの測定には重要な経営者の 我々は、経営者の認識した信用リスクの著しい増大、
判断および仮定が含まれている。これには、主に以下が デフォルトおよび信用減損貸出金が適切であるかを評価
含まれる。 するため、抽出したサンプルについて、債務者の財務・
非財務情報、関連する外部証拠およびその他の要因を検
(1) 信用リスク特性、適切なモデルの選択および関連す 討した。
る重要な仮定の決定に基づいたポートフォリオのセ
フォワードルッキングな測定に関して、我々は、経営
グメンテーション
者が行った、経済指標の選択、経済シナリオおよびそれ
(2) 著しい信用リスクの増大、デフォルトあるいは信用
らの加重に関する分析をレビューした。我々は、当該
減損が存在するかどうかの決定
フォワードルッキングおよび複数シナリオモデルに用い
られた指標とインプットの妥当性を評価した。我々は、
(3) フォワードルッキングな情報と複数の経済シナリオ
経済指標、経済シナリオおよびそれらの荷重に関して、
による影響を見積もるためのインプットと仮定
感応度分析を実施した。
(4) ステージ III に分類された法人向けの貸出金の将来
ステージⅢの法人向け貸出金に関して、 我々は、サン
キャッシュ・フローの見積り
プルを抽出し、債務者と保証人の財務情報、最新の担保
中国農業銀行グループはECLの測定に係る内部統制を
評価額及び入手可能な他の情報に基づく 将来キャッ
構築した。
シュ・フロー に加え、減損損失引当金の算定の裏付けと
なる割引率について検証を行った。
顧客への貸出金に対する損失引当金は金額的に重要で
あり、また高程度の見積りの不確実性を有している。 中
実施した手続の結果、顧客への貸出金に係るECLの測
国農業銀行 グループは、複雑なモデルを採用、多数のパ
定に固有の不確実性を前提とし、経営者が用いたモデ
ラメータやデータを入力、経営陣の重要な判断や仮定を
ル、関連する指標及びデータ、重要な判断および仮定、
適用していることから、ECLの測定に関連する固有リス
ならびにその測定結果は許容可能であると判断した。
クは重要であると考えられる。このような理由から、
我々は当該事項を監査上の主要な検討事項であると考え
ている。
487/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
監査上の主要な検討事項 監査上の対応
組成された事業体の連結
連結財務諸表に対する注記Ⅱ2、注記Ⅲ5及び注記Ⅳ41 我々は、組成された事業体に係る中国農業銀行グルー
を参照のこと。 プの内部統制の整備状況及び運用状況を 評価し、テスト
を行った。これらの内部統制には、 取引スキームの承
組成された事業体には、主に中国農業銀行グループ が 認、契約条項、 変動リターンの計算、連結要否の結果の
発行、管理または投資を行う 資産運用商品(以下、 検証と承認 が含まれる。
「WMPs」という。)、証券化商品、ファンド商品、投資
信託及び資産運用投資が含まれている。 2020 年12月31日 我々は、組成された事業体のサンプルを抽出し、取引
現在、連結財政状態計算書に計上されている、連結され スキームを考慮した上での、中国農業銀行グループの契
た組成された事業体の資産総額と、中国農業銀行グルー 約上の権利と義務を評価し、組成された事業体に対する
プが出資している非連結の組成された事業体の帳簿価額 パワー を評価した。 我々は、組成された事業体からの変
はそれぞれ241.50十億人民元、92.19十億人民元であ 動リターンについて、独自に分析とテストを行った。こ
る。なお、2020年12月31日現在、非連結で連結財政状態 の変動リターンは、例えば、資産運用者として稼得した
計算書に計上されていない、中国農業銀行グループが出 手数料収入や資産運用報酬、留保利益、かかる組成され
資し、管理している非元本保証型のWMPs、 ファンド商品 た事業体に供与した流動性補完またはその他の補完の実
および資産運用投資 の資産総額はそれぞれ2,170.62十億 施などを含むがこれに限らない。
人民元、440.73十億人民元である。
なお、中国農業銀行グループが本人であるか代理人で
組成された事業体に対するパワー、組成された事業体 あるかを判断するにあたって、我々は、サンプルとして
への関与により生じる変動リターンに対するエクスポー 抽出した組成された事業体に対する中国農業銀行グルー
ジャー及び、その組成された事業体から得られるリター プの意思決定権限の範囲、資産運用業務の実施によって
ンに影響を及ぼすパワーを用いる能力についての評価を 中国農業銀行グループが得られる報酬、組成された事業
もとに、中国農業銀行グループの特定の組成された事業 体におけるその他の持分から生じるリターンの変動性に
体に対する支配の有無を経営者は判断している。 対する中国農業銀行グループのエクスポージャー、組成
された事業体に対し他の当事者が保持する権利などの分
我々は、中国農業銀行グループが 組成された事業体に 析を行った。
対する支配を有しているか否かの評価にあたって経営者
が行う重要な判断に加え、かかる組成された事業体の金 実施した手続の結果、これらの組成された事業体の連
額的重要性が大きいことを考慮した結果 、当該事項を監 結に関する経営者の判断は合理的であると判断した。
査上の主要な検討事項であると考えている。
その他の情報
中国農業銀行の取締役には、その他の情報に関する責任がある。その他の情報は年次報告書に記載されている情
報を構成しているが、連結財務諸表もそれに係る我々の監査報告書も含んでいない。
連結財務諸表に関する我々の意見は、その他の情報を対象としておらず、それに関して いかなる形でも保証の結
論はしない。
連結財務諸表に関する我々の監査に関連して、我々の責任はその他の情報を通読し、それによりその他の情報が
連結財務諸表または我々が監査を通じて入手した知識等と著しく不整合である、または著しく虚偽表示されている
ように見えるかどうかを検討することである。
我々が実施した作業に基づいて、このその他の情報に重要な虚偽表示があると結論づけた場合には、我々にはそ
の事実を報告することが求められている。この点に関し、我々は報告するものはない。
488/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
連結財務諸表に対する取締役及び統治責任者の責任
中国農業銀行 の取締役には、IFRSs及び香港会社条例の開示要件に準拠して、真実かつ公正な概観を示す連結財
務 諸表 を作成、不正または誤謬による重要な虚偽記載のない連結財務 諸表 を作成するために取締役が必要と判断す
る内部統制を整備する責任がある。
連結財務諸表を作成するにあたって、取締役には、中国農業銀行グループの継続企業として存続する能力を評価
し、継続企業の前提に関する事項を必要に応じて開示し、取締役が中国農業銀行グループの清算もしくは営業を停
止する意図がある場合、またはそれ以外に現実的な選択肢がない場合を除いて、継続企業を前提とした会計ベース
を使用する責任がある。
統治責任者の責任は、中国農業銀行グループの経営者による財務報告プロセスの監視を行うことにある。
連結財務諸表監査に対する監査人の責任
我々の目的は、連結財務 諸表 に、全体として不正または誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理
的な保証を得た上で、我々の意見を含めた監査報告書を作成することである。我々の報告書の内容は、中国農業銀
行の株主のために作成したものであり、他の者に対する責任を負うことはなく、また、義務を負うこともない。合
理的な保証とは、相当に高い程度の心証であるが、ISAsに準拠して実施された監査が、存在する重要な虚偽表示を
常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性があり、個別にまた
は集計すると、これらの連結財務 諸表 の利用者の経済的意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重
要性があると判断される。
ISAs に準拠した監査の一環として、我々は監査を通じて職業的専門家としての判断を行使し、職業的専門家とし
ての懐疑心を保持した。また我々は、以下の事項を実施する。
● 不正または誤謬のいずれによるかを問わず、連結財務諸表の重要な虚偽表示リスクを識別し評価するこ
と、それらのリスクに対応するための監査手続を立案し実施すること、及び意見表明の基礎を提供するた
めに十分かつ適切な監査証拠を入手すること。不正による重要な虚偽表示リスクを発見できないリスク
は、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも高くなる。これは、不正には、共謀、偽造、
意図的な脱漏、虚偽の言明、または内部統制の無効化が伴う可能性があることによる。
● 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解すること。ただし、これ
は、中国農業銀行グループの内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
● 使用された会計方針の適切性ならびに取締役によって行われた会計上の見積り及び関連する開示の妥当性
を評価すること。
● 取締役が継続企業の会計ベースを使用したことの適切性について、入手した監査証拠に基づいて、中国農
業銀行グループの継続企業として存続する能力に重大な疑義を生じさせる可能性がある事象や状況に関連
して、重大な不確実性が存在するか否かについて結論を下すこと。我々は、重大な不確実性が存在すると
いう結論を下した場合、監査人の監査報告書において、連結財務諸表の関連開示に注意を向けさせるこ
と、または当該開示が不十分である場合は、無限定適正意見ではない意見を表明することが求められてい
る。我々の結論は、我々の監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の
事象または状況が原因で、中国農業銀行グループが継続企業としての存続を中止することもあり得る。
● 開示を含め、連結財務諸表の全体的な表示、構成及び内容を評価し、連結財務諸表が基礎となる取引や会
計事象を適正に表示しているかどうかを評価すること。
● 連結財務諸表に関する意見を表明するために、中国農業銀行グループ内の事業体または事業活動に関する
財務情報について、十分かつ適切な監査証拠を入手すること。我々には、グループ監査の指示、監督及び
実施について責任がある。我々は、我々の監査意見に単独で責任を負う。
489/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
我々は、統治責任者に対し、特に 監査の過程で識別した内部統制の重要な不備を含め、計画した監査の範囲とそ
の実施時期、及び監査上の主要な発見事項を伝達する。
我々は、統治責任者に独立性についての職業倫理に関する規定を遵守している旨を書面で伝達するほか、我々の
独立性に影響を与えると合理的に考えられるすべての関係及びその他の事項、また該当する場合には関連するセー
フガードについても報告する。
我々は、統治責任者と協議した事項の中から、当事業年度の財務諸表監査で最も重要な事項を監査上の主要な検
討事項と決定する。我々は、これらの事項を我々の監査報告書に記載する。ただし、法令によって当該事項を開示
することが禁止されている場合や、極めて稀な状態において、監査報告書においてコミュニケーションを行うこと
による負の影響が当該コミュニケーションにより得られる公共の利益を上回ると合理的に予想されるため、監査人
が当該事項についてのコミュニケーションを行うべきでないと判断した場合は記載しない。
本独立監査人の監査報告書による監査に対する責任を有する監査責任者は梁國威である。
プライスウォーターハウスクーパー ス
公認会計士
香港
202 1 年 3 月 30 日
次へ
490/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Independent Auditor’s Report
To the Shareholders of Agricultural Bank of China Limited
(Incorporated in the People’s Republic of China with limited liability)
Opinion
What we have audited
The consolidated financial statements of Agricultural Bank of China Limited (the “Bank”) and its subsidiaries (the “Group”)
set out on pages 188 to 349 , which comprise:
● the consolidated statement of financial position as at 31 December 2020;
● the consolidated income statement for the year then ended;
● the consolidated statement of comprehensive income for the year then ended;
● the consolidated statement of changes in equity for the year then ended;
● the consolidated statement of cash flows for the year then ended; and
● the notes to the consolidated financial statements, which include a summary of significant accounting policies.
Our opinion
In our opinion, the consolidated financial statements give a true and fair view of the consolidated financial position of the
Group as at 31 December 2020, and of its consolidated financial performance and its consolidated cash flows for the year then
ended in accordance with International Financial Reporting Standards (“IFRSs”) and have been properly prepared in
compliance with the disclosure requirements of the Hong Kong Companies Ordinance.
Basis for Opinion
We conducted our audit in accordance with International Standards on Auditing (“ISAs”). Our responsibilities under those
standards are further described in the Auditor’s Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements section
of our report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion .
Independence
We are independent of the Group in accordance with the International Code of Ethics for Professional Accountants (including
International Independence Standards) issued by the International Ethics Standards Board for Accountants (“IESBA Code”),
and we have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with the IESBA Code.
Key Audit Matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most significance in our audit of the
consolidated financial statements of the current period. These matters were addressed in the context of our audit of the
consolidated financial statements as a whole, and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate opinion on
these matters.
491/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Key audit matters identified in our audit are summarized as follows:
● Measurement of expected credit losses for loans and advances to customers
● Consolidation of structured entities
Key Audit Matter How our audit addressed the
Key Audit Matter
Measurement of expected credit losses for loans and advances
to customers
We obtained an understanding of the management’s internal
Refer to Note II 8.5, Note III 1, Note IV 8, Note IV 17 and
control and assessment process of the measurement of
Note IV 44.1 to the consolidated financial statements.
expected credit losses for loans and advances to customers,
and assessed the inherent risk of material misstatement by
As at 31 December 2020, the carrying amount of Group’s
considering the degree of estimation uncertainty and level of
loans and advances to customers was RMB14,552.43 billion,
other inherent risk factors.
of which RMB13,974.38 billion were measured at amortized
cost and RMB578.00 billion were measured at fair value
We evaluated and tested the design and operating
through other comprehensive income. A loss allowance of
effectiveness of the internal controls relating to the
RMB618.01 billion was recognized for loans and advances to
measurement of expected credit losses for loans and advances
customers measured at amortized cost and a loss allowance of
to customers, primarily including:
RMB13.20 billion was recognized for loans and advances to
customers measured at fair value through other
(1) Internal controls over ECL models, including the
comprehensive income in the Group’s consolidated statement
selection, approval and application of modelling
of financial position. The credit impairment losses on loans
methodology; and ongoing monitoring and optimization
and advances to customers recognized in the Group’s
of the models;
consolidated income statement for the year ended 31
December 2020 amounted to RMB138.99 billion.
(2) Review and approval of significant management
judgements and assumptions, including portfolio
The loss allowances for loans and advances to customers
segmentation, model selections, relevant parameters
represent the management’s best estimates at the balance
estimation, determination of significant increase in
sheet date of expected credit losses under International
credit risk, identification of default and credit-impaired
Financial Reporting Standard 9: Financial Instruments
assets and forward-looking measurement;
expected credit losses (“ECL”) models.
(3) Internal controls over the accuracy and completeness of
data used by the models;
(4) Internal controls relating to estimated future cash flows
and calculations of present values of such cash flows
for corporate loans and advances in stage III;
(5) Internal controls over the information systems for ECL
measurement;
(6) Evaluation and approval of the measurement result of
expected credit losses for loans and advances to
customers.
492/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Key Audit Matter How our audit addressed the
Key Audit Matter
Measurement of expected credit losses for loans and advances
to customers (Continued)
The substantive procedures we preformed, primarily
The Group assessed whether the credit risk of loans and
including:
advances to customers had increased significantly since their
initial recognition, and applied a three-stage impairment
According to the risk characteristics of assets, we evaluated
approach to calculate their ECL. For corporate loans and
the segmentation of business operations. We assessed the
advances classified into stages I and II and for all personal
appropriateness of the modelling methodologies adopted for
loans, management assessed ECL using the risk parameter
ECL measurement by comparing with the industry practice.
modelling approach that incorporated key parameters
We examined the ECL calculation engines on a sample basis,
(including probability of default, loss given default, exposure
to validate whether or not the ECL calculation engines re fl ect
at default, etc.). For corporate loans and advances in stage III,
the management’s modelling methodologies.
management assessed ECL by estimating the future cash
flows from the loans.
We examined the accuracy of data inputs for the ECL models,
and evaluated the reasonableness of relevant parameters,
covering (i) examination of supporting information on a
sample basis, including contractual information, such as
maturity dates, and other financial and non-financial
information, such as the borrower’s historical and reporting
date information, which have been agreed with the underlying
data used to generate probability of default and internal credit
ratings, and assessment of the reasonableness of probability of
default; (ii) assessment of the reasonableness of the loss given
default using historical data and benchmarking against
industry
practices; and (iii) examination of borrowing contracts and
assessment of the reasonableness of exposure at default and
discount rates. In addition, we performed back-testing on
probability of default, loss given default, and assessed the
impact of back-testing results on the models.
493/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Key Audit Matter How our audit addressed the
Key Audit Matter
Measurement of expected credit losses for loans and advances
to customers (Continued)
We performed substantive testing over a sample of loans and
The measurement of ECL for loans and advances to
advances to customers, and considered financial and non-
customers involves significant management judgments and
financial information, relevant external evidence and other
assumptions, primarily including:
factors of the borrowers, to assess the appropriateness of
management’s identification of significant increase in credit
(1) Segmentation of portfolio based on credit risk
risk, defaults and credit-impaired loans.
characteristics, selection of appropriate models and
determination of relevant key parameters;
For forward-looking measurement, we reviewed management
’s analysis of their selection of economic indicators, economic
(2) Determination of whether or not there was a significant
scenarios and weightings assigned. We assessed the
increase in credit risk, default or credit-impaired;
reasonableness of the parameters and inputs used
(3) Inputs and assumptions used to estimate the impact of in the forward looking and multiple economic scenarios
forward looking information and multiple economic models. We performed sensitivity analysis of the economic
scenarios;
indicators, economic scenarios and weightings assigned.
(4) Estimation of future cash flows for corporate loans and
For corporate loans and advances in stage III, we examined,
advances in stage III.
on a sample basis, forecasted future cash flows prepared by
the Group based on financial information of borrowers and
The Group established internal controls for the measurement
guarantors, latest collateral valuations and other available
of ECL.
information together with discount rates in supporting the
computation of loss allowance.
The loss allowances for loans and advances to customers
involved significant amounts, and were subject to high degree
Based on our procedures performed, in the context of the
of estimation uncertainty. The inherent risk in relation to ECL
inherent uncertainties associated with measurement of ECL
measurement was considered significant as the Group adopted
for loans and advances to customers, the models, relevant
complex models, employed numerous parameters and data
parameters and data, significant judgement and assumptions
inputs, and applied significant management judgments and
adopted by management and the measurement results were
assumptions. In view of these reasons, we identified this as a
considered acceptable.
key audit matter.
494/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Key Audit Matter How our audit addressed the
Key Audit Matter
Consolidation of Structured Entities
We evaluated and tested the design and operating
Refer to Note II 2, Note III 5 and Note IV 41 to the
effectiveness of the Group’s relevant controls over
consolidated financial statements.
consolidation assessment of structured entities, including
Structured entities primarily included Wealth Management approval of transaction structure, review and approval of
Products (“WMPs”), securitization products, funds, trust contractual terms, variable return computations, and
investment plans and asset management plans issued, consolidation assessment results.
managed and/or invested by the Group. As at 31 December
We selected samples of structured entities and assessed the
2020, total assets of the consolidated structured entities and
Group’s contractual rights and obligations in light of the
the carrying amount of unconsolidated structured entities
transaction structures, and evaluated the Group’s power over
invested by the Group included in the consolidated statement
the structured entities. We performed independent analysis
of financial position amounted to RMB241.50 billion and
and tests on the variable returns from the structured entities,
RMB92.19 billion, respectively. In addition, as at 31
including but not limited to commission income and asset
December 2020, total assets of non-principal guaranteed
management fees earned by the Group as the asset manager,
WMPs, funds and asset management plans sponsored and
the retention of residual income, and, if any, the liquidity and
managed by the Group which were not consolidated and not
other support provided to the structured entities.
included in the consolidated statement of financial position
amounted to RMB2,170.62 billion and RMB440.73 billion,
We also assessed whether the Group acted as a principal or an
respectively.
agent, through analysis of the scope of the Group’s decision-
Management had determined whether the Group had control making authority over the sampled structured entities, the
of certain structured entities based on their assessment of the remuneration to which the Group was entitled for asset
Group’s power over, its exposure to variable returns from its management services, the Group’s exposure to variability of
involvement with, and its ability to use its power to affect the returns from its other interests in the structured entities, and
amount of its returns from these structured entities the rights held by other parties in the structured entities.
The significant judgement exercised by management in Based on the procedures performed, we found management’s
assessing whether the Group had control of structured entities consolidation judgment of these structured entities acceptable.
and the amount of such structured entities resulted in this
matter being identified as a key audit matter.
495/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
Other Information
The directors of the Bank are responsible for the other information. The other information comprises all of the information
included in the annual report other than the consolidated financial statements and our auditor’s report thereon.
Our opinion on the consolidated financial statements does not cover the other information and we do not express any form of
assurance conclusion thereon.
In connection with our audit of the consolidated financial statements, our responsibility is to read the other information and, in
doing so, consider whether the other information is materially inconsistent with the consolidated financial statements or our
knowledge obtained in the audit or otherwise appears to be materially misstated.
If, based on the work we have performed, we conclude that there is a material misstatement of this other information, we are
required to report that fact. We have nothing to report in this regard.
Responsibilities of Directors and Those Charged with Governance for the Consolidated Financial
Statements
The directors of the Bank are responsible for the preparation of the consolidated financial statements that give a true and fair
view in accordance with IFRSs and the disclosure requirements of the Hong Kong Companies Ordinance, and for such internal
control as the directors determine is necessary to enable the preparation of consolidated financial statements that are free from
material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the directors are responsible for assessing the Group’s ability to continue as
a going concern, disclosing, as applicable, matters related to going concern and using the going concern basis of accounting
unless the directors either intend to liquidate the Group or to cease operations, or have no realistic alternative but to do so.
Those charged with governance are responsible for overseeing the Group’s financial reporting process.
Auditor’s Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as a whole are free from
material misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditor’s report that includes our opinion. We report our
opinion solely to you, as a body, and for no other purpose. We do not assume responsibility towards or accept liability to any
other person for the contents of this report. Reasonable assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an
audit conducted in accordance with ISAs will always detect a material misstatement when it exists. Misstatements can arise
from fraud or error and are considered material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to
influence the economic decisions of users taken on the basis of these consolidated financial statements.
As part of an audit in accordance with ISAs, we exercise professional judgment and maintain professional skepticism
throughout the audit. We also:
● Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements, whether due to fraud or
error, design and perform audit procedures responsive to those risks, and obtain audit evidence that is sufficient and
appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the override of internal control.
496/497
EDINET提出書類
中国農業銀行股イ分有限公司(E24593)
有価証券報告書
● Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are appropriate
in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Group’s internal
control.
● Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and related
disclosures made by the directors.
● Conclude on the appropriateness of the directors’ use of the going concern basis of accounting and, based on the audit
evidence obtained, whether a material uncertainty exists related to events or conditions that may cast significant doubt
on the Group’s ability to continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are required
to draw attention in our auditor’s report to the related disclosures in the consolidated financial statements or, if such
disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit evidence obtained up to the
date of our auditor’s report. However, future events or conditions may cause the Group to cease to continue as a going
concern.
● Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including the
disclosures, and whether the consolidated financial statements represent the underlying transactions and events in a
manner that achieves fair presentation.
● Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business activities
within the Group to express an opinion on the consolidated financial statements. We are responsible for the direction,
supervision and performance of the group audit. We remain solely responsible for our audit opinion.
We communicate with those charged with governance regarding, among other matters, the planned scope and timing of the
audit and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit.
We also provide those charged with governance with a statement that we have complied with relevant ethical requirements
regarding independence, and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to
bear on our independence, and where applicable, related safeguards.
From the matters communicated with those charged with governance, we determine those matters that were of most
significance in the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the key audit matters.
We describe these matters in our auditor’s report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when,
in extremely rare circumstances, we determine that a matter should not be communicated in our report because the adverse
consequences of doing so would reasonably be expected to outweigh the public interest benefits of such communication.
The engagement partner on the audit resulting in this independent auditor’s report is Leung Kwok Wai, Jimmy.
PricewaterhouseCoopers
Certified Public Accountants
Hong Kong, 30 March 2021
497/497