BNG銀行N.V. 有価証券報告書
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和3年6月30日
【事業年度】 自 令和2年1月1日 至 令和2年12月31日
【発行者の名称】 BNG銀行N.V.(旧オランダ自治体金融公庫)
(BNG Bank N.V.)
【代表者の役職氏名】 最高財務責任者
Olivier Labe
最高リスク責任者
Cindy van Atteveldt
【事務連絡者氏名】 弁護士 黒 丸 博 善
【住所】 東京都港区六本木六丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー23階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03)6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がない限り、「ユーロ」または「EUR」と表示される金額は、欧州連合条約により改正された欧州
共同体を設立する条約に従い単一通貨を採択した欧州連合加盟国の法定通貨を意味する。2021年6月23日現在、東京
の主要銀行により公表されたユーロに対する日本円の為替相場の中値は1ユーロにつき132.11円であった。
(2) 以下、BNG銀行N.V.を「BNG銀行」または「発行者」という。
(3) BNG銀行の事業年度およびオランダ王国の予算会計年度は暦年である。
(4) 本書中の表で、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
該当事項なし
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第2 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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第3 【発行者の概況】
1 【発行者が国である場合】
該当事項なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の目的および根拠ならびに沿革
沿 革
20世紀に入り、オランダの地方自治体が責任をもつ業務範囲が急速に拡大した。教育ならびにガス、水道
および電気の供給は、徐々に地方自治体の責任となった。その上、公営住宅およびそれに伴うインフラスト
ラクチャーの拡充が急速に進み、これが地方政府の最も重要な職務分野の一つとなった。これらの活動を維
持、改良および拡充するために資本が必要となった。いくつかの地方自治体、特に大規模な自治体は債券を
発行してこの資本を調達することができたが、地方自治体の大多数は、資本需要が限られていたので、資本
市場にとって魅力のある存在にはほど遠かった。また、当時は、私募債の市場もまだ揺籃期にあり、何ら解
決策を提示できなかった。年金基金、貯蓄銀行および保険会社などの機関投資家は保守的な方針に固執し、
地方自治体の基金への投資は行われなかった。実際には、地方自治体の多くはそのため地方金融機関に頼ら
なければならず、それに伴う限界があった。このような背景の下に、1912年にオランダ地方自治体連合
(Vereniging van Nederlandse Gemeenten)が設立された。この連合が最初に着手したことの一つが、オラ
ンダの地方自治体がその株式を共同保有する有限責任の公開会社形態の自分自身の銀行を設立することで
あった。それにより地方自治体からの資金需要はまとめられ、その銀行は資本市場にとって魅力ある存在と
なることができ、個々の地方自治体の資本市場における地位はその直接の結果として改善されると考えられ
た。1914年にオランダ自治体金融公庫(N.V. Bank Nederlandse Gemeenten)は、自治体信用銀行(NV
Gemeentelijke Credietbank)の名で設立された。
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連合自身が銀行を持つということは魅力的ではあったが、BNG銀行が設立された時にBNG銀行の株式に応募
した地方自治体はごく少数であり、その結果株式資本は小さかった。しかし、より重要なのは、予想された
交渉能力の向上が達成されなかったことである。基本原理は確かに正しいものであったが、健全な銀行にな
るためには基礎が過小であった。オランダ地方自治体連合、大蔵大臣およびオランダ中央銀行との間で交渉
が続けられ、その結果、BNG銀行の大規模な再編成が行われ、BNG銀行の株式資本がかなり増加した。多くの
地方自治体と共に、オランダ政府が1921年に株主となり、50%を出資し主要な株主の役割を担った。BNG銀
行は、より幅広い基礎とオランダ自治体銀行(nv Bank voor Nederlandsche Gemeenten)の新名称の下に、
事業を継続した。資金の投入に加え、1925年にオランダ政府は、中央政府と地方自治体との間の資金の流れ
を処理する仕事(「政府決済システム」として知られる。)をBNG銀行に割り当てた。これにより、リスク
および金融商品の変換者としてのBNG銀行の役割に支払機能が加わった。株主となった地方自治体の数が急
激に増えたため、資金需要が集中し、かなりのものとなった。BNG銀行に出資していない地方自治体もま
た、BNG銀行のサービスを利用し始めた。BNG銀行が支払サービスを提供するようになったため、顧客もBNG
銀行にある支払口座をますます利用するようになった。これによってBNG銀行の短期信用業務の基礎が築か
れた。
次の発展として、地方政府の関係領域へとBNG銀行の事業が分化した。第二次世界大戦前後の数年間、特
に戦後の数年間、この戦略の正しさが明らかになり、貸借対照表総額、利益および株主持分が非常に順調な
割合で伸びた。BNG銀行は、1940年代および1950年代は、特に、地方政府に信用供与を行う専門機関として
の認識が高まった。地方自治体およびその公共住宅公社は、公営住宅の建設のためかなりの額の資金を必要
とし、BNG銀行がこれらの資金を提供するよう要求されるだろうということは明らかだったため、BNG銀行は
一律の条件でオランダの機関投資家と契約を締結し同時に、いわゆる「国民住宅金融債」を債券市場で発行
した。それから1960年代には、資本需要が非常に高まったので、もはやそれを満たすことができなくなった
り、長期信用の供与が不足した。地方自治体が資本市場でお互いに条件を競い、金利を引き上げる事態を避
けるために、オランダ政府は、資本市場で地方自治体および州のために行為する唯一の金融業者としてBNG
銀行を指名した。地方自治体およびその他の地方官庁が資本市場で自主的に行動することができない「中央
金融」というこの例外的な状態は、1975年半ばに終了した。
中央金融の終焉によって、BNG銀行が提供する業務の再考の時期の幕が開けた。顧客および投資家の利害
が、このアプローチの出発点になった。BNG銀行の販売組織が勘定に基づいて再構築された。顧客の要求お
よび能力に合わせた商品の開発が奨励された。1980年代初頭、BNG銀行が提供する商品の幅はますます調整
されるようになった。支払取引に対する短期および長期信用の供与と顧客が自己の余剰流動資産を投資する
好機の創出を結びつけることによって、総合サービスのパッケージというまったく新しい商品ができあがっ
た。資本市場を中心に事業を行う機関としてのBNG銀行の地位は、規制緩和および金融革新といった市況の
急激な変化への対応能力の面で障害としてますます感じられるようになった。その上、規制が総合パッケー
ジの広範なマーケティングの障害になった。
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1989年1月1日、BNG銀行の地位は資本市場を中心に業務を行う機関から金融機関に変わった。これによ
り、BNG銀行はサービスを最大限に利用し拡充するのに必要な融通性および規制上の資格を得た。
それまで株主となっていない多くの新しい地方自治体および州からの要求に応じて、BNG銀行は1990年に
資本を増額した。この株式発行後、政府は50%株式所有を維持し、オランダの地方自治体および州の90%以
上がBNG銀行に出資した。
1992年1月1日の定款変更によって、BNG銀行は、当局が異なる関与の仕方をしている公共部門に奉仕す
る可能性を維持し、さらに、国際資本市場における資金調達の利用の範囲が拡大した。最後に、改正によっ
て、欧州統合の過程に相応して、(欧州連合内の)外国公共団体に対して銀行業務を行う可能性が開かれ
た。1992年、BNG銀行は、BNG銀行の商品開発の重要性およびポートフォリオ管理(資産・負債管理)に一層
重点を置いて組織変更を行った。1992年初めから、BNG銀行の最高組織は、3名の構成員から成る執行取締
役会に変わった。定款変更の結果、BNG銀行はまず1992年に国際資本市場で2回債券を発行した。1993年お
よび1994年には、外貨建債券を34回発行した。
ヨーロッパで起こった変化に鑑みて、BNG銀行は、フランス地方金融公庫に1%の持分を有していたが、
1994年度末および1995年初めまでにこれを3%に増加させた。1996年に、フランス地方金融公庫とベルギー
地方金融公庫が合併し、デクシア・グループとなった。BNG銀行は、1998年度末現在、デクシア・ベルギー
持株会社に約1%の持分およびデクシア・フランス持株会社に約3%の持分を有していた。1999年12月のデ
クシア・ベルギー持株会社とデクシア・フランス持株会社の合併により、BNG銀行はデクシアに約2.5%の持
分を有していた。2003年4月、BNG銀行はデクシアに有していた持分を売却した。
2001年11月20日、株式資本を変更しかつその通貨をユーロ建とする等のため定款が変更された。BNG銀行
は2001年に、その歴史上初めて、国際資本市場において100億ユーロを超える債券を発行した。
2004年9月1日、BNG銀行の定款改正が効力を生じた。これにより同定款は、(下記「(3) 組織-② 監督
取締役会」に記載された)監督取締役会のプロフィール、および2004年に効力を生じたオランダ法に基づく
有限会社の監督取締役選任の手続きに関する民法典第2編の改正に適合するものとなった。
2005年5月18日、株主総会はBNG銀行の定款の修正案を承認した。かかる修正により、定款は法定の二重
構造の定め(Structuurregime)の変更に適合するものとなった。特に、かかる修正により、監督取締役会
構成員の任命手続きが変更され、二重構造の定めに沿って監督取締役会の構成が変更された。2005年6月21
日、かかる修正は効力を生じた。
2005年、BNG銀行は初めて国際財務報告基準(IFRS)に従い報告を行った。BNG銀行は、2007年の新たな金
融監督法および新たなバーゼル合意(バーゼルⅡ)に基づき変更された規制を取入れる必要がある。現在継
続中の法令遵守は、高額な管理費用をもたらす。2006年、バーゼルⅡに対する準備作業が無事に完了した。
2007年、BNG銀行はかかる新たな基準に従い初めて報告を行った。
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2015年、BNG銀行はその戦略の再調整を行った。これは大きな変化にはつながらなかった。BNG銀行は公共
セクター専門の金融機関である。BNG銀行は、市民の献身的なパートナーであり、市民のための社会サービ
ス費用を持続可能な形で低く抑えるのに寄与している。持続可能性は戦略上重要な部分になっており、貸借
対照表の貸方・借方の両面で、またBNG銀行の業務において、その形式および実質を与えられている。
オランダのコーポレート・ガバナンス・コード(以下「本コード」という。)の改正が2016年12月8日か
ら発効し、その運用方法および規制の意味するところは、BNG銀行にとって2017年度の重要な話題であっ
た。本コードは正式にはBNG銀行に適用されないものの、BNG銀行は、その運用方法、規制などを可能な限り
本コードと合わせることによって、本コードの規定に従っている。本コードの改正をきっかけとして、BNG
銀行が本コードの規定をどの程度まで満たしているかを2017年度に検討することとなった。本コードの遵守
は「遵守するかまたは説明せよ」の原則に基づいており、そこが可能な限り本コードの規定を適用するとい
うBNG銀行の出発点である。
2018年8月27日、BNG銀行は定款を更新し、その際に、定款における名称を「オランダ自治体金融公庫」
から「BNG銀行N.V.」へ変更した。「BNG銀行」は2013年以来商号として使用されている。
目 的
1.BNG銀行は、公共体のために銀行業を営むことを目的とする。
2.上記1.の目的に関し、BNG銀行は、就中、金銭の受入れおよび貸付け、その他の方法による信用の
供与、保証の供与、支払いの流れの手配、為替取引の実行、証券の発行および取引の相談および仲介、なら
びに第三者のための証券およびその他の資産の保管および管理を行い、上記のいずれかに関連するまたは寄
与することを目的とする他の企業および/または法人の設立および持分保有を行うものとする。BNG銀行
は、その目的に直接または間接に資する一切の行為をなす権限を有するものとする。
3.上記1.の公共体という語は、以下のものを指す。
ア 民法典第2編第1条第1項および第2項に規定されるオランダ国内の地方自治体およびその他の公法上
の法人。
イ 欧州共同体、およびその他欧州共同体設立条約に従い同共同体の権能の一部の授権をうけた法人格を有
する団体。
ウ 欧州共同体加盟国、およびその他当該加盟国の法律に従い同加盟国の行政権能の一部の授権をうけた法
人格を有する団体。
エ 私法上の法人で、
- その業務執行取締役の半数以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により直接または間接
に選任されるもの、および/または
- その株式資本の半数以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により直接または間接に提供
されるもの、および/または
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- その営業予算の収入面の半額以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体に
より採択された計画、条例または法律に基づき、直接または間接に提供または担保されるもの、およ
び/または
- その営業予算がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体により採択された計
画、条例または法律に基づき、直接または間接に採択または承認されるもの、および/または
- そのBNG銀行に対する債務がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体により採
択された計画、条例または法律に従って、直接または間接に保証されるか、または将来保証されるも
の。かかる目的上、債務には、事前融資またはその他の融資から生じる無保証債務で、債務の更改によ
り、将来、当該団体により採択された計画、条例または法律に従って当該団体により保証される債務と
なるものが含まれる。および/または
- ア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により採択された計画、条例または法律に従って、政府
の職務の一部を実行するもの。
② 法的地位および特別権限
BNG銀行は、オランダ民法(設立時には関係規定が商法にあった。)に基づき株式会社として設立され
た。BNG銀行の存続期間は無期限である。その定款によれば、オランダ王国、州、地方自治体、治水公社お
よびその他の公共団体のみがBNG銀行の株主となることができる。BNG銀行の株式資本の50%はオランダ王国
政府が所有している。BNG銀行は、地方、地域および職能団体ならびに公共事業、公営住宅、公衆衛生、福
祉、文化、教育および保養に関する政府の関連団体または関係組織のための専門銀行である。
1925年政令第125号に従って、政府から地方自治体への支払いおよび地方自治体から政府への支払いは、
オランダ王国財務大臣によりそのようなものとして確認された範囲まで、債権・債務を相互に相殺すること
によって行われる。その目的のため、財務大臣が定める規則に従って、政府と各地方自治体との間または
BNG銀行と各地方自治体との間で口座が開設されるものとし、その場合BNG銀行と政府との間でもまた、口座
が開設されるものとする。BNG銀行は、当該政令に基づき財務大臣によりその法令でそのような役割をもつ
銀行として指定されており、中央政府と地方政府との間の支払処理の仲介機能を果たす、オランダで唯一の
銀行である。
2005年1月1日付で、BNG銀行は法人税の支払義務を負うこととなった。期首貸借対照表における金融商
品の初回の財務評価に関する税務当局との協議は、2006年に終了した。これにより、2005年にBNG銀行が適
用した会計方法またはかかる方法による結果が調整されることはなかった。2005年、この過程により税の有
利な取扱いが生じた(一部は一時的なものである。)。
③ 日本との関係
BNG銀行の設立に際して、日本との関係はない。
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(2) 【資本構成】
① 資本構成
2020年12月31日現在のBNG銀行の資本構成は以下のとおりである。
2020年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
授権株式資本:2億5,000万ユーロ
資本金(発行済全額払込済) 139
資本準備金 6
利益剰余金 3,712
再評価剰余金 86
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 11
自己信用調整 5
ヘッジコスト準備金 184
当期純利益 221
ハイブリッド資本 733
負債証券 108,615
受託資金 5,599
35
劣後債務
119,346
資本合計
② 持分保有者(株主)
2020年12月31日現在、発行済株式の半分はオランダ王国政府が所有し、残りの半分はオランダの12州のう
ち11州、全地方自治体の95%超および1の治水公社が所有していた。
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(3) 【組織】
① 執行取締役会
BNG銀行の経営は、監督取締役会の監督の下、会長1名を含む2名以上の者で構成する執行取締役会に授
権するものとする。執行取締役会会長およびその他の構成員は、監督取締役会により選任および解任される
ものとし、監督取締役会は、いつでも、個別にまたは全員を停職させることができる。停職の場合は、その
時期および条件もまた定めるものとする。執行取締役会は、執行取締役会会長が議長を務めるものとする。
執行取締役会構成員は、監督取締役会との協議の後、合議により、その職務につき定めるものとする。
執行取締役会は、BNG銀行を代表する権限を有するものとする。かかる代表権限は、共同で行為する執行
取締役会構成員2名、または委任状の保有者と共同で執行取締役会構成員1名にも、付与されるものとす
る。執行取締役会は、監督取締役会の承認を得た上、その責任に基づき、かつ必要と考える範囲を正当に遵
守し、BNG銀行の代表権をBNG銀行の執行取締役会構成員および従業員に付与することができ、またその者が
有すべき役職を定めるものとする。
とりわけ下記に関する執行取締役会の決議にはあらかじめ監督取締役会の承認を必要とする。
ア BNG銀行の株式および債券またはBNG銀行を無限責任社員とする合資会社または合名会社の社債の発行お
よび取得。
イ 証券取引所の公式相場への上記ア記載証券の上場または上場廃止の申請。
ウ 監督取締役会が定める金額を超える場合における、署名による債務の承認に基づく満期20年超の借入お
よびその借入の条件。
エ BNG銀行または従属会社を一方当事者とし他の会社または法人を他方当事者とする、または合資会社も
しくは合名会社の無限責任社員としての、継続的提携の締結またはその解消。ただし、その提携または解
消がBNG銀行にきわめて重要な場合に限る。
オ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、発行済資本および準備金の4分の1以上に相当する他の会
社の持分のBNG銀行または従属会社による取得およびその持分の著しい増加または減少。
カ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、BNG銀行の発行済資本および準備金の4分の1以上に相当す
る金額を要する投資。
キ 定款修正決議。
ク BNG銀行の解散決議。
ケ 清算および支払停止の申立。
コ 同時または短期間内における、BNG銀行または従属会社の相当数の従業員の解雇。
サ BNG銀行または従属会社の相当数の従業員の労働条件の重要な変更。
シ 発行済資本減少決議。
ス BNG銀行を代表しての、またはBNG銀行の費用による不動産およびその他の登記が必要とされる財産の取
得、担保設定および譲渡。
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さらに、BNG銀行の同一性もしくは性質またはその業務における重要な変更に関する執行取締役会の決議
には、株主総会の承認が必要とされる。それは、最小限の事項として下記のものが含まれる。
ア 事業またはほぼすべての事業の第三者への譲渡。
イ BNG銀行または子会社と、他の法人または会社との間の、または合資会社または合名会社の完全に責任
を負う社員としての、長期的協力の締結または解消。ただし、その提携または解消がBNG銀行にきわめて
重要な場合に限る。
ウ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、またはBNG銀行が連結貸借対照表を作成している場合は最新
の年次財務書類が含まれている連結貸借対照表を基準として、発行済資本および準備金の3分の1以上の
価値に相当する会社資本持分のBNG銀行または子会社による取得または処分、およびかかる会社投資の著
しい増加または減少。
エ 上記ウに示されている金額以上の投資または投資の回収。
2020年度末の執行取締役会の構成員は以下のとおりであった。
ギータ・サルデン、最高経営責任者(CEO)、会長
オリビエ・ラーベ、最高財務責任者(CFO)
ジョン・レイチャード、最高リスク責任者(CRO)
2021年2月15日、シンディ・ファン・アッテフェルトが、ジョン・レイチャードの後任として、BNG銀行
の最高リスク責任者(CRO)に任命された。同氏は銀行部門において約25年の経験を有している。
2021年3月1日、ヤーコ・ファン・ハウトスヴァールトが、最高執行責任者(COO)への就任を予定し
て、BNG銀行での勤務を開始した。同氏は、銀行部門の内外において長年にわたる幅広いIT業務の経験を有
している。
2021年6月1日、トーマス・エテルマンが、最高商務責任者(CCO)への就任を予定して、BNG銀行での勤
務を開始した。同氏は、地方自治体、住宅協会、教育機関およびヘルスケア機関を含む顧客にサービスを提
供してきた。同氏は、銀行部門において豊富な経験を有している。
監督官庁である欧州中央銀行は、ヤーコ・ファン・ハウトスヴァールトおよびトーマス・エテルマンの評
価に肯定的な判断を下した。BNG銀行は、両氏の任命に関して必要な手続を進めている。
経営委員会
経営委員会には、執行取締役会構成員に加え、9名の上級経営陣がいる。執行取締役会構成員は決定を行
う正式な権限を有し、残りの構成員は勧告的意見を述べることができる。経営委員会は、BNG銀行の戦略お
よび戦略的目標の枠組み内で組織方針を定義および採用すること、ソルベンシー規制との関連で資本配分に
よって課される制約内で商業方針を定義および採用ならびに監視すること、業務およびプロジェクトの一般
的な過程を管理することに重点を置いている。
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② 監督取締役会
BNG銀行の定款の他の規定に従ってかつ他の規定を損なうことなく、監督取締役会は執行取締役会の方針
およびBNG銀行における通常の業務ならびにBNG銀行が関係する事業を監督すべき責任を負う。監督取締役会
は、執行取締役会に対し助言を与えることにより、これに協力するものとする。監督取締役会構成員は、そ
の任務を遂行するに当たっては、BNG銀行の利益およびBNG銀行が関係する事業に従うものとする。
2018年度に、監督取締役会は、監督取締役会の規模を9名から7名に段階的に減らすことを決定した。監
督取締役会は、7名の構成員が適切に機能する取締役会を確保するのに十分であると考えている。
2019年5月15日に改正された現行定款では、監督取締役会は、5名以上の構成員により構成されるものと
すること、監督取締役会はその構成員の数を決定するものとすることが定められている。
監督取締役会は、その責務を果たすのに必要な資質を確実に保持することを目的として、プロフィールを
規定した。2018年4月18日に、監督取締役会は、一般に監督取締役会構成員に必要な資質に関するバンキン
グ・コードおよびオランダのコーポレート・ガバナンス・コードの規定に対応するため、このプロフィール
を改定した。現在、監督取締役会のプロフィールは以下のとおりである。
監督取締役会は、経歴および年齢の点から構成の多様性を目指している。
監督取締役会の構成員3名以上は、以下に関する十分な知識および経験を有している。
ア 財務および監査:財務情報および外部報告、会計方針、内部リスク管理および統制体制ならびに内部お
よび外部監査。
イ リスク管理およびコンプライアンス:リスク管理およびコンプライアンスの機能、様々なリスクおよび
相互に関連するリスク領域の管理ならびに会社がそのリスク管理およびコンプライアンスの機能を設定し
た方法。
監督取締役会の構成員2名以上は、以下に関する十分な知識および経験を有している。
- 人事および組織:報酬方針、文化、可動性、業績管理、異動管理、労使関係ならびに会社がその人事方
針および組織を整理した方法。
監督取締役会の各構成員は、以下の2つの分野のいずれかにおける経験を有している。
- 金融サービス、特に銀行業務の経験。
- 政府:中央政府、州、地方自治体などの(半)政府組織および/または住宅、ケアおよび/または教育
分野の部門における経験。
監督取締役会は、構成員の30%以上が女性および構成員の30%以上が男性であるよう構成されている。
監督取締役会は、監督取締役会全体としての誠実性および各構成員の誠実性を監視している。監督取締役
会では、各構成員がその監督任務を十分実行できることを保証し、その委員会(報酬委員会、人事委員会、
監査委員会およびリスク委員会)に適切な人材が配置されているかを監視する。
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監督取締役会は、互選により、会長1名を選任し、また、互選またはその他の方法により、秘書役1名を
選任するものとする。監督取締役会の各構成員は、いつでも、BNG銀行の事務所に立入り、BNG銀行の帳簿、
記録および資金を検査する権利を有するものとする。執行取締役会の構成員は、自己の知る範囲で、監督取
締役会の構成員が請求する一切の情報を提供する義務があるものとする。執行取締役会の構成員は、出席を
求められたときは、監督取締役会に出席するものとし、その場合、自己の知る範囲で、BNG銀行の事項に関
し要求された一切の情報を提供する義務を負うものとする。
2020年度末の監督取締役会の構成員は以下のとおりであった。
マリアンネ・シント、会長
ヤン・ファン・ルッテ、副会長
フーブ・アレンセ
ケース・バウヴィング
ヨハン・コナイン
マルリース・ファン・エルスト
ヤンティーネ・クリエンス
2021年4月22日に開催された株主総会の終了時に、ヤンティーネ・クリエンスが監督取締役会の構成員を
退任し、マリアンネ・シントが監督取締役会の構成員および会長を退任した。フーブ・アレンセが、2021年
度の株主総会の終了時に監督取締役会の会長に就任した。
監督取締役会の活動
監督取締役会は、執行取締役会の方針、執行取締役会がBNG銀行において戦略および業務の一般的な過程
を実施する方法を監視する。
監督取締役会は、内部リスク管理および統制体制の有効性ならびに財務報告の誠実性および質にも重点を
置いている。監督取締役会は、討議する議題に応じて、議論相手、監督または雇用主としての役割を果た
す。
会議および討議事項
監督取締役会は、2020年度に定例会議を7回開催した。また、特定の事項に関する臨時会議も多数開催さ
れた。COVID-19のパンデミックにより、監督取締役会はビデオ会議に切り替えられた。
監督取締役会の定例会議には、執行取締役会構成員および要請された場合は外部監査人も出席する。毎回
監督取締役会の会議の前に、監督取締役会構成員のみが出席する非公開セッションが開催される。監督取締
役会の会議では、監督取締役会の定例会議の1週間前に開催される委員会の会議について書面および口頭に
よる報告が行われる。監督取締役会に関連する委員会の会議文書も、監督取締役会の会議の議題に記載され
る。監督取締役会の承認が必要とされる場合は、関係する委員会が監督取締役会に助言を与える。
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監督取締役会の委員会の活動
監督取締役会の4つの委員会は、執行取締役会の活動を監視する上で監督取締役会を支え、監督取締役会
による意思決定に備え、様々な議題について助言を与える。
各委員会は独自の規則を有している。原則として、委員会は、監督取締役会の定例会議の1週間前に開催
される。
監査委員会
監査委員会は、執行取締役会のために、財務報告、内部統制体制、内部監査および外部監査人に関する意
思決定に備える。監査委員会の会議には、監査委員会の委員に加え、執行取締役会構成員、内部監査部
(IAD)長、財政・統制部長および外部監査人も出席する。また、監督取締役会会長およびリスク委員会委
員長も常に会議に出席する。監査委員会は、毎回監査委員会の定例会議の前に、外部監査人およびIAD長と
非公開セッションを開催する。監査委員会委員長はIAD長と定期的に協議する。
監査委員会は、2020年度に4回開催された。
リスク委員会
リスク委員会は、リスク方針およびリスク管理、コンプライアンスならびに報酬方針のリスク分析などリ
スクに関連する事項について執行取締役会の活動を監視する上で監督取締役会を支え、これらの事項に関す
る監督取締役会の意思決定に備える。リスク委員会の会議には、リスク委員会の委員の他に、要請された場
合は執行取締役会構成員、内部監査部(IAD)長、リスク管理部長およびコンプライアンス責任者が出席す
る。リスク委員会委員長はリスク管理部長と年2回、またコンプライアンス責任者と年1回協議する。
リスク委員会は、2020年度に5回開催された。
人事委員会
人事委員会の職務には、監督取締役会および執行取締役会構成員の採用および選定、監督取締役会構成員
の選任または再任のための準備作業、監督取締役会および執行取締役会の全体としての業績の定期的な評価
ならびに監督取締役会および執行取締役会の個々の構成員の業績の評価が含まれる。この点で、人事委員会
は、監督取締役会による意思決定に備え、ひいては雇用主としての役割で監督取締役会を支える。人事委員
会の会議には、人事委員会の委員の他に、執行取締役会構成員および人事部長も出席する。
人事委員会は、2020年度に4回開催された。
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報酬委員会
報酬委員会は、BNG銀行の報酬関連のリスクおよびリスク管理に影響を与える決定を含む、監督取締役
会、執行取締役会および上級経営陣の報酬に関する監督取締役会による決定の準備に責任を有する。人事委
員会の活動と同様、この責任は主に監督取締役会の雇用主としての役割に関係する。報酬委員会の会議に
は、報酬委員会の委員の他に、執行取締役会構成員も出席する。
報酬委員会は、2020年度に1回開催された。
③ 株主総会
上記のとおり、BNG銀行の定款では、オランダ王国、州、地方自治体、治水公社およびその他の公共団体
に限りBNG銀行の株主となることができる。
株主総会は、ハーグ、アムステルダム、ロッテルダムまたはユトレヒトにおいて開催するものとし、執行
取締役会または監督取締役会もしくはその代表者が株主および議決権ある用益権者に宛てた回状により、14
日以上前(通知日および総会開催日の両日を含む。)に通知を発して、これを招集する。上記のほか、株主
総会は、監督取締役会、執行取締役会、監督取締役会の構成員3名以上、執行取締役会の構成員1名または
株主10名以上が必要であると判断し、かつ、執行取締役会および監督取締役会が議案を付して書面で請求し
たときは、随時、開催されるものとする。かかる請求に応じて、1か月以内に総会が開催されない場合、請
求者自ら総会を招集することができるものとする。かかる総会においては、議決権の絶対多数により、総会
自ら議長および秘書役を選任するものとする。年次計算書類、年次報告書および民法典第2編第392条第1
項により付加すべき情報ならびにその他の議事を審議すべき年次株主総会は、毎年、7月1日前までに開催
する。
監督取締役会および執行取締役会の構成員は、すべての株主総会に出席し、かつ、総会において意見を述
べ、勧告的意見を述べる権利を有するものとする。
各株式は1議決権を有する。株主総会における議題は、すべて議決権の絶対多数により定めることができ
る。ただし、定款においてこれより多い数が定められている場合はこの限りでない。
④ 従業員
BNG銀行およびその子会社の従業員は12名(6%)増加し333名(330 FTE)となった。2020年度に7名の
余剰人員がBNG銀行を退職した。BNG銀行は324名の従業員を雇用し、子会社であるBNG Gebiedsontwikkeling
B.V.は9名の従業員を雇用している。子会社であるBNG Hypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V.に
は従業員がいない。BNG銀行の従業員のうち47名(14%)が有期契約を結んでいる。男性13名(4%)およ
び女性38名(11%)がパートタイムで働いている。従業員の平均年齢は46.6歳で、前年度と比べほとんど変
わらなかった。従業員の平均勤続年数は12.7年に減少した(2019年度は13.8年)。BNG銀行では、46名
(45.2 FTE)の外部従業員が正式な職員の立場にあるが、81名の外部従業員がかかる立場にない。
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⑤ 機 構
BNG銀行は、オランダのハーグ Koninginnegracht 2に登記上の事務所を有しており、支店はない。2020年
12月31日現在、子会社は2社あり、関連会社はない。
以下の組織機構図は、組織の構成を表し、経営委員会構成員を示している。また、執行取締役会に対しそ
の任務について助言および支援を行う執行取締役会の委員会もある。これらの委員会の任務および構成員に
関する記述は、ウェブサイトに掲載されている。
2021年3月1日に、新たな上級経営体制、すなわち5名の取締役会構成員から成る執行委員会が導入され
た。執行委員会は、執行取締役会および経営委員会に代わるものである。最新の戦略に盛り込まれている
「重点」および「顧客とのパートナーシップ」という重要な目標を実施するために、顧客に関連する商務活
動を経営レベルで指揮する最高商務責任者が任命される予定である。業務活動、データ管理およびガバナン
スを含む、十分な専門知識を有し、ITを経営レベルで指揮することが重要であるため、最高執行責任者が任
命される予定である。3つのディフェンスラインモデルを完全に実施するために、ポートフォリオが経営レ
ベルで再配分された。執行委員会は、ギータ・サルデン(最高経営責任者)、オリビエ・ラーベ(最高財務
責任者)、シンディ・ファン・アッテフェルト(最高リスク責任者)、最高執行責任者および最高商務責任
者で構成される。新たな組織機構図は以下のとおりである。
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⑥ 抑制的な報酬方針
BNG銀行は、その独自性および戦略に沿って、抑制的な報酬方針を目指している。監督取締役会は報酬方
針を監視する。執行取締役会および従業員の報酬方針の一般原則は、監督取締役会により承認されている。
毎年、報酬方針の実施について監督取締役会に報告され、監督取締役会はその方針が抑制的な報酬方針とい
う原則に合致しているかを評価する。株主総会は、執行取締役会構成員の報酬方針および監督取締役会の報
酬方針を承認する。
2020年度に、最高収入を得た執行取締役会構成員の給与は、BNG銀行の従業員の給与の中央値の4.3倍
(2019年度は4.8倍。なお、2019年度の年次報告書では4.0倍と誤記されていた。)であった。2019年度と比
べ、平均給与(賃金総額)は3.5%増加した。従業員および執行取締役会構成員は変動報酬を受け取ってい
ない。
報酬方針および報酬報告書は、ウェブサイトに掲載されている。執行取締役会および監督取締役会の2020
年度の報酬は、下記「(5) 経理の状況」で報告されている。
⑦ コンプライアンス
BNG銀行は、その目的と野心を達成するために、法律、規則および内部規範を遵守し、その利害関係者の
正当な利益を促進し、ひいては、その組織、顧客、従業員および市場の誠実性を保護しなければならない。
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法 令
BNG銀行は、多数の法令に直面しており、それらは複雑な性質のものが多い。したがって、不適切なコン
プライアンスのリスクは高く、厳格な統制が必要である。コンプライアンス管理フレームワーク(CMF)
は、今後の法令の影響およびこれらが必要とする準備の特定に使用されるため、コンプライアンスの統制お
よび実証性が改善される。CMFは、方針、作業手順、役割および責任で構成されており、新規または改正さ
れた法令の適時な発見、BNG銀行への影響の分析および実施を確実にするものである。BNG銀行は、適用ある
法令が遵守されているかを確認し、それによって、不適切なコンプライアンスによる財務上の損失または風
評被害のリスクが低減され、管理可能となる。
倫理的な商慣習
倫理的な商慣習は、BNG銀行の重要な基盤である。執行取締役会構成員および従業員の側における行動の
倫理基準ならびに公正な商品およびサービスの提供は、この点で重要な要素である。BNG銀行は、道徳的に
責任ある方法で、一般に認められた社会的および倫理的な規範に基づき、責任および適用ある規則を遵守し
つつ、十分な注意を払って行動する。情報システムのセキュリティおよびBNG銀行に委託されたデータにつ
いては、厳重なセキュリティ要件に従っている。BNG銀行は、その誠実性を守り、関連する法令を確実に遵
守するために、内部方針の規則および行動に関する規則を適用している。とりわけ、これらの規則には、従
業員の個人的な投資取引の監視、利益相反の回避および透明性のある管理ならびに機密情報の保護が規定さ
れている。規制、コンプライアンス手続ならびに不正防止および腐敗防止の対策に対する意識の維持および
向上にも、注意が払われている。新しい従業員は、BNG銀行の行動規範であるBNG企業規程を受領する。内部
の従業員だけでなく、そうするように義務付けられている外部の従業員も、オランダの銀行家の宣誓を行
う。
BNG銀行のサービスにおいては、顧客の利益のために注意を払い行動する義務が優先される。BNG銀行は、
顧客のニーズを満たし、顧客が容易にリスクを評価できるような、透明性の高い商品の提供を目指してい
る。BNG銀行は、顧客に明確かつ簡潔な情報を提供し、特定の商品に伴うリスクを警告するよう努めてい
る。苦情処理手続の詳細はウェブサイトで入手可能である。BNG銀行はまた、新規顧客の受入れ、既存顧客
の監視ならびに金融および経済犯罪への関与の防止のための手続も策定した。「腐敗防止および利益相反に
関する方針」が内部で発表され、全従業員が入手可能である。BNG企業規程、個人投資取引の管理規制、取
引関係からの贈り物およびサプライヤーとの個人取引に関する規則ならびに追加役職を有する従業員向けの
規則など、その方針で言及されている様々な規則はBNG銀行のウェブサイトに掲載されているため、すべて
の利害関係者が入手可能である。腐敗への関与を防ぐ必要性は、顧客デューデリジェンス(CDD)方針でも
取り上げられている。BNG銀行およびその子会社の体系的誠実性リスク分析(SIRA)は、2020年度に最新の
更新が行われた。BNG銀行は現在、SIRAプロセスを更新し、強化している。
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2020年度に、コンプライアンスおよび誠実性に関連する重大なインシデントは発生しなかった。BNG銀行
は、金融監督、腐敗、人権、環境、競争、製造物責任もしくはプライバシーの分野における法令の不遵守に
関連するいかなる法的手続または制裁にも、BNG銀行が直接的もしくは間接的に当事者となっている反競争
的な措置を理由とする法的手続または制裁にも巻き込まれなかった。
サプライチェーン管理
BNG銀行は、国際金融および資本市場とオランダの公共部門の間で仲介者の役割を果たしている。2020年
度に、BNG銀行が業務を行っているチェーンにおいて、特筆すべき変化はなかった。BNG銀行は、国際金融お
よび資本市場において様々な通貨により短期および長期の資金を調達している。BNG銀行が発行した債券は
証券取引所で取引可能であり、したがって、BNG銀行はそれらの所有権に影響を与えるものではない。BNG銀
行は、(主に中央銀行からの)預金の受入れおよび金融機関との取引の実行により、その短期の資金需要の
一部を賄っている。これらの取引先は、オランダの金融監督法、オランダのマネーロンダリング防止に関す
る法律(マネーロンダリングおよびテロリスト金融(防止)法)および「人権に関する国際的な責任ある企
業行動に関するオランダの銀行部門協定」により課される倫理的な商慣習の要件に基づき、CDD方針の対象
となる。BNG銀行の顧客は、オランダの公共部門ならびに住宅、ヘルスケア、教育、エネルギー、環境、モ
ビリティおよびネットワークの部門で業務を行っている。提供する貸付の大部分(90%超)は、政府機関に
対して発行されるか、または政府機関によって保証される。CDD方針は、金融および経済犯罪の防止および
対抗のために、顧客を適切に把握し、監視することを目的としている。BNG銀行は、この方針によって、汚
染された資金が銀行制度に流入するのを防ぐ重要なゲートキーパー機能を果たしている。
BNG銀行の顧客のための支払取引の実行および内部のオフィス・オートメーションは、BNG銀行の主要な協
働パートナーであるCentric FSSに外部委託されている。BNG銀行の顧客は、オランダの公共部門ならびに住
宅、ヘルスケア、教育、エネルギー、環境、モビリティおよびネットワークの部門で業務を行っている。
BNG銀行は、顧客が適用ある法令を遵守することを期待している。顧客がその活動を行うために協働するビ
ジネスパートナーにも、同じことが当てはまる。
BNG銀行がチェーン内で人権を尊重する方法は、その人権方針に規定されている。この方針では、人権侵
害の様々な兆候が除外基準として特定されている。このように、BNG銀行は、その顧客による人権侵害にBNG
銀行が関与する事態を防ごうとしている。さらに、BNG銀行はサービスを提供していない多数の部門を指定
しており、それらの部門はサステナビリティ方針に規定されている。2020年度から、プロジェクト・ファイ
ナンスの監視および説明責任の根拠として、赤道原則が適用されている。
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⑧ リスク管理
リスク管理は、事業活動に伴う潜在的なリスクを特定し、統制することを目的としている。BNG銀行のリ
スク管理は、安全なリスク・プロファイルの維持に重点を置いており、それが高い外部信用格付に反映され
ている。
リスクを許容し、統制するプロセスは、どの銀行にとっても日常活動に内在するものである。BNG銀行
は、その活動を行うために、特定の水準の信用、市場、流動性、オペレーショナルおよび戦略的リスクを許
容しなければならない。BNG銀行のリスク管理は、安全なリスク・プロファイルの維持に重点を置いてい
る。その厳格な資本方針、定款に規定される業務および取引先に関する制限、ならびにBNG銀行がトレー
ディング勘定を有していないという事実により、BNG銀行のリスク選好の範囲、程度および領域が決定され
る。
リスク管理フレームワーク
内部ガバナンス・フレームワーク(IGF)は、BNG銀行内のすべての意思決定の基盤を提供する。IGFに
は、「3つのディフェンスライン」モデルおよびこのモデルにおいてリスク管理が占める位置が記載されて
いる。IGFの一要素がリスク管理フレームワーク(RMF)であり、リスク・ガバナンス、リスク選好フレーム
ワークおよび特定のリスクなど、一般的および特定のリスクに関連する対象に関する包括的な方針が含まれ
ている。RMFは、BNG銀行特有の企業プロファイルに合わせて策定されている。リスク管理活動は、重大なリ
スクが発生する可能性のある組織のすべての部分に組み込まれている。進行中のリスク管理プロセスは、
様々な種類のリスクの特定、評価、測定、監視、報告および調整で構成されている。
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リスク・ガバナンス
BNG銀行の二段のガバナンス構造は、監督取締役会および執行取締役会で構成される。監査取締役会は、
BNG銀行のリスク選好ステートメント(RAS)を承認し、実際のリスク・プロファイルが承認済のリスク選好
の範囲内に収まっているかを確認する。執行取締役会は、RASの策定に責任を負い、BNG銀行の営業活動を
様々なリスクに対するリスク選好のパラメータ内で確実に実行させている。これは、資産・負債委員会、信
用委員会、資本委員会、金融取引先委員会および投資委員会など、多数のリスク志向の執行取締役会の委員
会を通じて行われる。これらの委員会の任務および構成員の説明は、ウェブサイトに掲載されている。
以下の部門は、BNG銀行のリスク方針を実施する上で執行取締役会を支えている。
- リスク管理:リスク管理部は、リスクを定性化、定量化および監視し、これらの活動について報告す
る。リスクは、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナル・リスクおよび戦略的リスク
で構成される。同部は、リスク方針文書およびRMFを管理する。機能の目的、地位および責任は、リスク
管理憲章に規定されている。リスク管理部は、リスク志向の執行取締役会の委員会に代表として参加し、
また監督取締役会のリスク委員会の会議にも参加している。
- 信用リスク評価:信用リスク評価部は、顧客および金融取引先への信用提案に関連するリスクについ
て、独立した評価および助言を提供する。同部は、信用リスクに関する方針の策定に関与している。運用
貸付過程の一環として、同部は多数のリスク志向の執行取締役会の委員会に代表として参加している。
2020年度に、BNG銀行は、信用リスク評価部から「財務再編・回収」を切り離し、この任務を別の部署に
割り当てると決定した。これには、不良債権の貸付金および信用リスクの大幅な増加が認められる貸付金
の監督、管理および処理が含まれる。この部署は最高財務責任者の下に入る予定である。信用リスク評価
部は、変わらず最高リスク責任者の下に置かれる。2020年度には、信用リスク評価フレームワーク
(CRAF)が実施され、当行の顧客リスク評価手続の質が向上した。
- コンプライアンス:コンプライアンス部は、行動および誠実性に関連する問題に取り組む。コンプライ
アンス機能の義務、地位および権限は、コンプライアンス憲章に規定されている。コンプライアンス責任
者は執行取締役会に直属し、また監督取締役会にも直属している。
- セキュリティ:セキュリティ部は、業務過程の信頼性および継続性を保護し、セキュリティ・リスクを
統制するために、執行取締役会への支援およびライン管理を提供する。セキュリティ部は、情報セキュリ
ティの観点を含むセキュリティの観点からプロジェクトに関与している。企業情報セキュリティ責任者
(CISO)は、その独立した第2のライン機能を保護するため、プロセシング本部の下に置かれ、最高リス
ク責任者および執行取締役会に直属している。2020年度に、COVID-19危機管理チームの一員として、CISO
はリモートワークから発生する可能性のあるセキュリティ・リスク(サイバーリスク)および追加のリス
ク低減措置について、週1回の頻度で最高リスク責任者に助言した。2021年度に、セキュリティ部は最高
リスク責任者の直下に置かれる予定である。
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- 内部監査部(IAD):IADは、BNG銀行のリスク管理体制の構造および性能を評価し、適用ある法律の遵
守を評価するために、定期的に業務監査を行っている。IADの義務、地位および権限は、内部監査憲章に
規定されている。IADは、BNG銀行内で独立した存在として機能し、執行取締役会に直属している。IADは
監督取締役会にも直属している。2020年1月1日から、同部は、「3つのディフェンスライン」モデルに
従って、第3のラインに関する業務監査の実施に重点を置く予定である。
リスク選好フレームワーク
RMFの一要素がリスク選好フレームワーク(RAF)である。このフレームワークは、BNG銀行のリスク選好
を確立、伝達および監視するための方針、過程、統制および体制を扱っている。さらに、RAFには、リスク
選好ステートメント(RAS)、リスク限度ならびにRAFの実施および監視の監督者の役割および責任の概要が
含まれている。
RASは、外部および内部の進展に基づき毎年更新される。リスク選好は、様々な種類のリスクについて、
限度、目標および比率に落とし込まれる。これらは、BNG銀行がそのリスク選好の限度内に収まっているか
を四半期毎に判断する監視プログラムの対象となる。結果は、執行取締役会および監督取締役会に報告され
る。報告は、毎日の限度監視に使用される数値から得られる集約情報を提供する。その結果、執行取締役会
および監督取締役会に伝えられる情報は、業務過程で使用される情報と一致している。
2020年度に、BNG銀行は引き続きリスク選好の範囲内で業務を行った。内部限度に違反した事例もあった
が、関係するリスク・ポジションはすぐに限度内の水準に戻るか、十分な検討の後に限度構成が修正され
た。超過によって、財務損失または資本不足は生じなかった。BNG銀行は、その資本については、法的な監
督要件および内部資本目標を満たした。オペレーショナル・リスクについては、BNG銀行は、オペレーショ
ナル・インシデントの内部規範内にとどまった。2021年度向けのRASの更新において、重要な変更はなかっ
た。2020年度に、BNG銀行は、一部は自己資本充実度評価(ICAAP)プロセスの目的のために、重大なリスク
の評価を行い、従来よりも広範なシナリオ分析を実施した。シナリオは、関連するリスク委員会で議論さ
れ、承認される。重大なリスクの評価から、2021年度に重視する点として、信用リスクに照らして気候およ
び環境リスクを一層考慮すべきであることが明らかになった。これは、BNG銀行の新しい戦略的野心に沿う
ものである。
コンプライアンス管理フレームワーク
BNG銀行にとって、堅実かつ信頼できる評判は極めて重要である。適用ある法令は、数が増え、複雑な性
質のものが多くなっている。さらに、実証可能なコンプライアンスの要件がますます重要になっている。こ
のため、BNG銀行は、将来および現在のコンプライアンス・リスクを効果的かつ効率的に管理できるような
フレームワークを開発した。このコンプライアンス管理フレームワーク(CMF)は、2020年度初頭から運用
されており、IGFにおける重要な手段である。CMFは、リスクのカテゴリーおよび定義、リスク選好ならびに
リスク管理サイクルを含むRMFの主要原則に沿うものである。BNG銀行およびその子会社に適用ある法令は、
以下の4つの主要なカテゴリーに分類される。
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- 健全性:金融の安定を守るためのBNG銀行の堅実性に関する法令
- 金融市場:金融市場のプロセス、市場関係者間の関係および顧客へのサービスに重点を置いた法令
- その他:健全性または金融市場のカテゴリーに含まれない法令
- 誠実性:組織、従業員、顧客および/または市場の誠実性に重点を置いた上記のカテゴリーの法令
これらの4つのカテゴリーにおける規制の動向を注意深く監視し、これらの動向が戦略、商業活動および
資産・負債管理などの分野に与える影響を分析することによって、コンプライアンス・リスクの統制が守ら
れている。さらに、CMFは、法令の的確な実施を支援する。
リスク・カルチャー
BNG銀行は、組織内の適切なリスク・カルチャーの重要性を確信し、それを内部統制およびリスク管理体
制に組み込むよう努めている。これは、「3つのディフェンスライン」モデルのリスク管理サイクルへの適
用などの措置によって達成される。リスク選好は、リスク認識を向上させ、望ましいリスク行動を推進する
上で重要な手段である。また、RMFおよび関連文書は、組織全体の適切なリスク管理の知識、協力および実
行に貢献する。
⑨ コーポレート・ガバナンス・ステートメント
内部リスク管理および統制体制は、BNG銀行における重要な留意点である。リスク・ガバナンス・フレー
ムワークは、BNG銀行内のすべてのリスク管理活動の基礎を形成し、内部統制およびリスク管理体制の背後
の原則を明確にする。リスク選好ステートメントには、BNG銀行がその目的を達成するために許容すること
を望むリスクが記載されている。BNG銀行の活動に伴う様々なリスクは、BNG銀行の年次報告書で毎年議論さ
れる。執行取締役会に対する「内部統制ステートメント」で、執行取締役会に直属の業務執行取締役および
部長は、BNG銀行のリスク選好に関連するリスク管理に重点を置いている。また、BNG銀行のリスク選好を満
たす責任を果たす方法も年間計画に規定される。全体的なフレームワークは、BNG銀行の資本管理方針と密
接に結びついており、規制当局と定期的に検討および議論されている。
内部監査部(IAD)による監査は、内部リスク管理および統制体制の構造および機能を独立して決定する
ことに重点を置いている。外部監査人は、財務書類を監査し、また財務書類の効率的かつ効果的な監査に関
連する限り、財務報告に関する内部統制を評価する。IADおよび外部監査人の調査結果は、執行取締役会に
対してマネジメント・レターで、監査取締役会に対して監査報告書で、それぞれ報告される。IAD長および
外部監査人は、監査委員会の会議および財務書類が議論される監督取締役会の会議に出席する。
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年次報告書では、BNG銀行の内部リスク管理および統制体制の運用における欠点について十分な洞察が行
われる。上記の体制によって、財務報告に重大な誤りが含まれていないという合理的な程度の確実性が提供
される。これらの体制は、当然ながら、BNG銀行の目的の達成ならびにすべての誤り、不正の事例および法
令違反の防止について、絶対的な確実性を提供することはできない。詳細な説明は、下記「(5) 経理の状
況」の「リスク」の項目に記載されている。連結財務書類は、継続企業の原則に基づいて作成される。報告
書の作成後12か月間に、継続性の予想に関連する重大なリスクおよび不確実性は確認されていない。
⑩ 政府およびオランダ中央銀行(De Nederlandsche Bank)の規制
オランダ王国政府は、BNG銀行の日々の業務に干渉しない。しかし、株式の50%を有しているため、年次
株主総会で大きな影響力のある議決権を有する。法律またはBNG銀行の定款により、定款の変更を含む多く
の非常に重要な決定は株主総会の承認を必要とする。
BNG銀行は、会計監査、予算編成その他に関して他と異なる取扱いがされることはない。会計監査等に関
してBNG銀行は他の民間会社と同じ法規に従っている。BNG銀行はさらにオランダ中央銀行の定める規則に従
うが、かかる規則は他の(商業)銀行に対するものと同じである。
BNG銀行に適用ある国の銀行その他の主要な規制
以下は、BNG銀行に適用あるオランダ中央銀行を含む国の法律・規則である。
オランダ民法、特に第2編法人の規定が、株式会社(naamloze vennootschap)としてのBNG銀行に適用さ
れる。
2007年1月1日付で、(特に)オランダの1992年信用システム監督法(Wet toezicht kredietwezen
1992)に代わるものとして、新たな金融監督法(Wet Financieel Toezicht)(Wft)が発効し、Wftにいう
金融機関(credit institution)としてのBNG銀行に適用される。Wftは特に、オランダにおいて設立された
企業はオランダ中央銀行からの承認なくして金融機関の事業を行ってはならないと規定している。BNG銀行
は、この承認を取得している。
2014年度に、BNG銀行が欧州中央銀行(ECB)の直接の監督下に置かれる128の銀行の一つとなることが明
らかになった。ECBによる監督は、2014年11月4日から実施された。BNG銀行は欧州の規制当局が実施したバ
ランスシートの質およびストレス・テストに十分に合格した。基礎シナリオでは、資産査定およびストレ
ス・テストの結果は双方とも、最低必要な8%の2.5倍を超えた額の資本ポジションとなった。最悪シナリ
オでは、リスク加重のソルベンシー比率は17.3%で、最低必要な5.5%の3倍以上である。
BNG銀行は、その行う銀行業務を制限されているオランダで数少ない金融機関の一つである。その制限は
定款に定められている。しかし、オランダで他の銀行が行えない、BNG銀行が専属的に取扱いうる銀行業務
があり、それは、1925年政令(第125号)に基づく、国と地方自治体間の支払いである。
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(4) 【業務の概況】
① インパクトへの道のり
2020年度に、BNG銀行はその目的と中核活動を熟考した。この結果、「インパクトへの道のり」という、
BNG銀行が、明確な目的および戦略的な優先順位をもって、今後追求すべき方向性が示された。
目的:社会的インパクトの追求
BNG銀行の活動は、社会的インパクトを与えることを中心に展開している。これは、BNG銀行が顧客と議論
する際の重要なテーマで、選択を行う根拠となる。BNG銀行は、公共部門に重点を置きながら、顧客との
パートナーシップを構築している。その目的は、顧客がBNG銀行を社会的課題の解決のための自然なパート
ナーとみなすこと、それにBNG銀行が成功すること、BNG銀行が社会的インパクトを明らかにすることであ
る。
基本的価値観:持続可能性、信頼性、そして専門性
BNG銀行の基本的価値観は、持続可能性、信頼性、そして専門性である。
- 持続可能性は、BNG銀行の行動が、現在および長期的の両方で、影響を与えるよう重点を置いているこ
とを示している。BNG銀行は、社会で起きていることを認識し、解決策および顧客との関係に重点を置い
ている。
- 信頼性は、行動およびコミュニケーションにおける透明性に現れる。BNG銀行は、何ができるかを誠実
かつ明確にし、約束を守っている。
- 専門性は、専門家の視点から、BNG銀行がどのように働き、どのように発展し、どのように自分や他者
に関与するかを定義する。BNG銀行は、効果的に働き、発展を続けている。BNG銀行は、他者に敬意を払
い、注意深く耳を傾け、失敗に対処し、失敗から学んでいる。
公共部門への重点
近年、BNG銀行は幅広い顧客に様々な商品およびサービスを提供しており、その結果、BNG銀行の活動が細
分化されていた。「インパクトへの道のり」では、以下を明確化し、重点の再定義を行っている。
- BNG銀行の目的:最大限の社会的インパクト
- BNG銀行のサービス対象:公共部門の、公共部門のためのサービス
- BNG銀行のあり方:持続可能で、信頼性が高く、専門的
BNG銀行は、その原点であるオランダの公共部門へのサービス提供を選択している。公共部門には以下が
含まれる。
- 中央政府、州、地方自治体および治水公社
- 住宅協会ならびにヘルスケアおよび教育機関など、公共の任務を果たす組織
- 株式資本の半分以上を政府から供給されている組織および/または政府によって完全に保証されている
活動
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戦略の再定義
2020年度に、BNG銀行はその目的と中核活動を熟考した。この結果、「インパクトへの道のり」
という、BNG銀行が今後追求すべき方向性が示された。これに関連して、執行取締役会は、監督取
締役会と協議の上、BNG銀行の戦略的枠組みを決定した。その後、再定義された戦略が部署毎の計
画に移された。この目的に向かって、従業員の各チームは戦略的枠組みに精通し、自分の部署に
とっての戦略的枠組みの意味および部署毎の計画、自分の仕事への影響を検討できるようになっ
た。2020年11月末に、再定義された戦略が顧客、株主およびその他の利害関係者と共有された。
「インパクトへの道のり」の詳細は、ウェブサイトに掲載されている。
顧客とのパートナーシップの構築
BNG銀行は、顧客とのパートナーシップの構築を選択した。BNG銀行は、その顧客にとって単なる貸付金の
提供者以上の存在になりたいと願っている。BNG銀行は、公共部門における強力なポジションのため、それ
以上の存在になることが可能であり、そうなりたいと願っている。BNG銀行は、専門知識と真摯な取組みで
知られる自然なパートナー、社会的課題の解決のため積極的に貢献するパートナーになりたいと願ってい
る。
BNG銀行は、適切な商品を、適切な手段を通じて、適切なタイミングで顧客に提供することによって、顧
客の役に立ちたいと願っている。このため、BNG銀行は、顧客と積極的に関わり、顧客の現在および将来の
ニーズを議論した上で、サービスを適応させることが可能である。
明らかな社会的インパクト
今後数年間、BNG銀行は、顧客とのパートナーシップおよび必要とされる最適な内部組織を一層重視し、
構築することによって、顧客との関係の強化に集中する。このような意識的な選択によって、BNG銀行はそ
の野望を達成することができる。BNG銀行は、明らかな社会的インパクトを与え、顧客およびその他の利害
関係者から社会的課題を解決するための自然なパートナーとみなされる公的な銀行である。
社会的インパクトの向上に積極的に取り組むために、BNG銀行はこのインパクトを測定し、報告する。BNG
銀行は、持続可能な開発目標(SDGs)に基づき、顧客と共に変化をもたらすことができる分野として4つの
SDGsを選定した。このインパクトの測定方法は、2021年度の年次報告書に記載される予定である。
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すべての人に健康と福祉を 住み続けられるまちづくりを
- BNG銀行は、すべての人への手頃なヘルス - BNG銀行は、社会住宅協会のパートナーと
ケア提供に貢献している。 して、より良く住みやすい地域社会に貢献し
- BNG銀行は、病院およびその他のヘルスケア ている。
施設の持続可能性を高める - BNG銀行は、地方自治体
パートナーである。 のパートナーとして、より
良く手頃な社会給付に貢献
している。
質の高い教育をみんなに エネルギーをみんなに
- BNG銀行は、手頃で質の そしてクリーンに
高い学校の建設に貢献して - BNG銀行は、エネルギー
いる。 ミックスにおける再生可能
- BNG銀行は、学校およびその他の教育施設 エネルギーの比率拡大に貢献している。
の持続可能性を高めるパートナーである。 - BNG銀行は、エネルギーの節約およびエネ
ルギーの効率化に貢献している。
② 特別な年におけるサービスの継続性
COVID-19のパンデミックは、世界的な景気後退を引き起こし、世界中で深刻な経済的および社会的影響を
与えた。BNG銀行のサービスの継続性は、2020年度を通して変わらず確保されていた。
COVID-19のパンデミックによる広範囲にわたる経済的および社会的影響
コロナウイルスは、2019年12月に中国の武漢市で初めて発生し、急速に世界各地に広がった。感染者数お
よび犠牲者数を最小限に抑え、ヘルスケア部門への負担を軽減するために、2020年3月にほとんどの西側諸
国の政府はロックダウンの実施を決定し、それによって経済および社会活動がほぼ停止した。特に、ホスピ
タリティ、運輸、観光、パーソナルケアおよび文化の部門がこの影響を受けた。規制の効果が証明されたた
め、2020年5月から多くの国で規制が徐々に緩和されることになった。しかし、秋にまた感染者数が増加し
たことから、各国政府は再び制限を強化した。11月には、予想よりも早く、製薬会社のファイザー/ビオン
テックおよびモデルナが適切なワクチンを開発したと発表した。多数の西側諸国は、2020年12月に国民への
ワクチン接種を開始した。各国政府が2021年中にCOVID-19のパンデミックを制圧することが予想されてい
る。
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COVID-19のパンデミックは、BNG銀行の顧客に深刻な経済的および社会的影響を与えている。BNG銀行の顧
客部門のうち、パンデミックの影響を抑え、政府が講じた対策を実施する際に重要な役割を果たすのは、特
にヘルスケア機関および地方自治体である。パンデミックは、それらに大きな財務的影響を与えている(下
記「③ 顧客部門への貸付金の増加」も参照のこと)。BNG銀行は、この困難な時期に顧客を支援し、サービ
スの継続性を確保するよう努めている。したがって、BNG銀行は、銀行による共同の取組みに参加し、希望
する顧客に250万ユーロまでの貸付金の返済猶予を認め、財務的な余裕を生み出した。
2020年3月、COVID-19のパンデミックにより金融市場の状況が急変し、数週間にわたって市場がほぼ全面
的に閉鎖された。その後、市場は徐々に再開されたが、当初は信用および流動性スプレッドが大幅に拡大し
た。COVID-19のパンデミックの開始以来、BNG銀行は常に資本市場への十分なアクセスを有しており、顧客
への資金提供のため自由に使える十分な流動性を備えていた(下記「④ 金融および資本市場における強固
なポジション」も参照のこと)。
オランダ経済の大幅な縮小
COVID-19のパンデミックの経済的および社会的影響を抑えるために、世界各国の政府は、企業、自営業者
および団体に対する大規模な支援プログラムを開始した。EUは、「次世代EU」として知られる7,500億ユー
ロの共同支援プログラムを設定した。このプログラムの中核が、復興・強靭化ファシリティである。この
ファシリティは、パンデミックによる経済的影響を緩和するために、貸付金および補助金の形で各国に財政
支援を行う。
オランダにおける2020年度の経済活動は、COVID-19のパンデミックの結果、急激に低下した。政府が実業
界を支援するための大規模な対策を導入していなければ、さらに低下していたはずである。給与の継続的な
支払い、税金の免除および間接費の補償などが数例で、それらを規定する制度のおかげで、企業および団体
は存続することができ、多くの雇用が守られた。その結果、失業率はわずかな上昇にとどまった。また、パ
ンデミックは地方自治体の財政状態を圧迫した。地方自治体を助けるため、政府は支援パッケージを用意
し、地方自治体基金の多数の削減案を延期した。政府および健康保険会社により設定されたヘルスケア部門
向けのセーフティネットがあるため、ヘルスケア部門の財務成績の悪化は限定的であった。2020年度中、
BNG銀行はこの困難な時期に顧客を支援し、サービスの継続性を確保するよう努めた。顧客は、2021年度
も、COVID-19のパンデミックによる影響を受けるであろう。BNG銀行は、引き続き顧客を支援するために全
力を尽くすつもりである。BNG銀行の資金調達方針に基づき、可能な限り低金利で必要とされる期間と金額
を扱うために、金融および資本市場への恒常的なアクセスを確保することに引き続き重点が置かれる。
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2020年度のオランダ経済は、その開放的な性質のため、国際貿易の減少からも悪影響を受けた。輸出およ
び輸入の両方が大幅に減少した。国内総生産(GDP)は、2019年度に1.9%増加した後、この1年で約4.0%
減少した。しかし、経済の縮小幅は、他の多くの欧州諸国ほどは大きくなかった。これは、オランダ政府の
財政状態が比較的良好であったことが一因である。その結果、政府は、パンデミックの経済的影響を抑える
ための予算に、かなりの余裕があった。さらに、オランダではデジタル化が他のほとんどの国々よりも進ん
でおり、多くの従業員が自宅で仕事をすることができた。オンライン販売が増加したため、企業は取引高の
水準を維持することができた。インフレ率は、2019年度の2.6%から2020年度は約1.0%に低下した。
COVID-19のパンデミックは、政府の財政を好転させた。政府の支援プログラムの結果、公式見通しによる
財政赤字は2020年度に484億ユーロ(GDPの6.1%)に達した。2019年度に、政府は138億ユーロ(GDPの
1.7%)の黒字を計上していた。総公共支出は12.7%増加し、企業への移転が最も伸びた。また、行政およ
びヘルスケアへの支出も前年度より増加した。大幅な増加にもかかわらず、2020年度の政府債務は、欧州連
合との関係で合意された60%の基準値を下回ったままであった。2020年度末の政府総債務は4,500億ユーロ
(GDPの約57%)に達した。2019年度の政府債務はGDPの約49%であった。
COVID-19からの復興における持続可能性を支持するオランダ企業
BNG銀行は、「COVID-19からの復興における持続可能性を支持するオランダ企業」宣言に署名し
た約250社のうちの一つであった。この宣言において、企業は、持続可能性がCOVID-19からの復興
計画の基盤になるべきと主張している。この宣言は、オランダの多国籍企業8社で構成されるオラ
ンダの持続可能な成長連合(DSGC)の主導で策定された。DSGCは、経済的な利益と社会的な発展を
結びつけること、またSDGsに貢献することによって、持続可能な成長の達成を目指している。
ブレグジットに関する合意
英国と欧州連合は、2020年12月24日に、長期にわたる交渉の末、2021年1月1日の英国のEU離脱の条件に
ついて合意に達した。合意に基づき、外国貿易に輸入関税および割当は導入されない。しかし、英国と欧州
の企業は、国境検問、輸出申告および証明書などの貿易障壁に直面することになる。また、人の自由な移動
も終了する。2021年度以降、英国のサービス部門の企業は、EU加盟国での事業の継続を希望する場合、各加
盟国またはEU全体の規則に従わなければならない。英国は、環境、雇用法および国庫補助などの事項に関す
る多数の欧州指令を遵守しなければならない。英国がそうしない場合、EUは結局、英国製品に輸入関税を課
す選択権を有している。これは、不当競争を防止し、域内市場を保護するためで、EUによるブレグジットの
主要条件が満たされることになる。この貿易協定に関する紛争は、仲裁で解決される。
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英国の2016年の欧州連合離脱の是非を問う国民投票の結果を受けて、BNG銀行は詳細な影響分析を行っ
た。BNG銀行は、英国で重要なクロスボーダー業務を提供していない。しかし、英国の金融取引先との取引
高は相当なものである。このため、BNG銀行は、ヘッジ活動および清算活動の両方に軽減措置を講じて、業
務の継続性を守っている。
金利の低下
COVID-19のパンデミックにより、中央銀行は金融政策の緩和を求められた。ECBは、「パンデミック緊急
購入プログラム」(PEPP)を通じた有価証券の購入を拡大することを決定した。さらに、貸付の促進を目的
として、銀行に対して非常に有利な金利で新しい融資プログラムを開始した。国際的な金融政策の緩和によ
り、ほとんどの西側諸国で長期金利が低下した。米国では、10年物国債の金利が1パーセンテージ・ポイン
ト低下し0.9%となった。ドイツでは、比較金利がマイナス0.2%からマイナス0.6%に低下した。オランダ
の10年物国債の金利はマイナス0.1%からマイナス0.5%に低下した。このように、低金利はBNG銀行の財務
成績に重大な影響を与えた(下記「⑥ 財務成績」も参照のこと)。以下のグラフは、10年物国債の金利を
示している。
③ 顧客部門への貸付金の増加
COVID-19のパンデミックの影響を抑え、政府が講じた対策を実施する際に重要な役割を果たすのは、特に
ヘルスケア機関および地方自治体である。BNG銀行は、この時期に顧客を支援し、サービスの継続性を確保
するよう努めた。
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圧迫される地方自治体
地方自治体の動向
COVID-19のパンデミックは、地方自治体の機能に大きな影響を与えた。2020年度は、特に地方自治体に
とって波乱の年であった。パンデミックは、地方自治体の財政状態および行政組織を圧迫した。業務面で
は、青少年ケア法および社会支援法の実施ならびに環境計画法の導入によって、すでに多くなっていた仕事
量が、赤字の非営利団体および自営業者に(一時的な)支援を提供する必要性が生じたため、さらに増加し
た。また、社会扶助および債務支援に関する規則の実施に伴う追加の作業によって、仕事量はさらに増加し
た。財政面では、地方自治体は、賃貸料、賦課金および租税からの歳入が減少したのに対し、執行機関、支
援機関、ヘルスケア機関、公共交通機関ならびに文化およびスポーツ団体への歳出が増加した。これによ
り、政府業務の地方分権化および地方自治体基金の削減により2015年度から逼迫していた財政状態が一層悪
化した。地方自治体は、公共交通機関からの歳入の減少に直面し、地域経済および文化部門を支援するため
の対策を講じなければならなかった。
地方自治体がその財政状態の悪化について明らかな信号を出したため、中央政府が対応した。合わせて13
億ユーロにのぼる支援パッケージが用意され、地方自治体基金の多数の削減案が延期された。さらに、2020
年度および2021年度の地方自治体基金からの支払いは、2020年度の春季予算覚書で指定された水準で確定し
た。これによって、地方自治体は現在、予測可能な将来のために十分な流動性を有している。にもかかわら
ず、地方自治体は、構造的な対策が追加されなければ、2015年社会支援法に基づく支出および青少年ケアに
対する支出を同水準に維持するために、望ましい公共投資への支出をさらに削減せざるを得なくなると予想
している。
気候変動協定の実施およびエネルギー転換について、地方自治体は、自らが果たすことのできる役割およ
びそのための財政的な範囲を決定しているところである。投資機会の減少により、地方レベルで持続可能性
を促進しようとする野心が妨げられている。明るい動きとして、地方の再生可能エネルギー協同組合の設立
が挙げられる。これは、再生可能エネルギーのプロジェクトを開始するための共同イニシアチブを展開する
住民の集まりで、地方自治体の協力または支援を受けて設立される。
BNG銀行は地方自治体のパートナー
BNG銀行は、地方自治体との議論において、地方自治体がその財政上の課題に対処するために、BNG銀行が
提供できる支援を考慮している。その際、BNG銀行は現在および将来の投資のための可能な資金調達構造な
どの事項について助言を行っている。取り上げられるのは資金調達面だけではない。BNG銀行は、現在の低
金利を考え、プロジェクトを任せる形態の選択時にますます重要になっている専門家報酬などの追加的な組
織費用にも注目している。これは、BNG銀行が再定義された戦略の中で優先事項の一つとして挙げている、
顧客とのパートナーシップの構築という目的に沿ったものである。
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顧客とのオンラインでの連絡も、短期間で順応し、今は順調に進んでいる。COVID-19のパンデミックの最
初の数か月間、BNG銀行は、関連する動向およびBNG銀行の活動を取り上げたニューズレターを地方自治体に
毎週発行した。さらに、BNG銀行は、様々な地方自治体のグループと、対面での会議ではなく、ウェビナー
を開催した。BNG銀行は、一般政府資源管理者連盟(FAMO)と共同で、エネコ(オランダの多数の地方自治
体が所有していたエネルギー会社)の株式の売却による収入をどのように支出するかに関する会議を開催し
た。
社会的利益
公的機関が公表する入札で落札に成功した場合、例えば、労働市場へのアクセスが制限されている人を雇
用するなど、社会的投資収益率(SROI)への貢献が法的に義務付けられている。BNG銀行は、社会的プロ
ジェクトに貢献することや、社会的取組みに関する需要と供給を結び付ける場を利用することによって、
SROIを実現している。
ヘルスケア部門に対するCOVID-19のパンデミックによる大きな影響
ヘルスケア部門の動向
ヘルスケア部門では、すでにかなりの人手が不足し仕事量が多くなっていたところ、パンデミックでさら
に悪化した。予想以上に、取引高が減少し、費用が増加した。政府および健康保険会社が設定したヘルスケ
ア部門のセーフティネットのおかげで、2020年度におけるヘルスケア部門の財務成績の減少幅は限定的で
あった。
政府は近年、政府業務の地方分権化の方針を推進しており、一定の条件の下で、地方自治体は中央政府か
ら多くの業務を引き継いでいる。その目的は、ヘルスケアおよびサポートの組織を地域社会に近づけること
で、サービスをよりカスタマイズし、費用を削減することであった。しかし、地方自治体は、青少年ケアお
よび社会的支援の分野で、その業務を適切に遂行するための資金が構造的に不足している。高齢化および人
口動態の変化のため、ヘルスケアおよびその手頃感はさらに圧迫されている。このような変化により、同部
門は、予防の範囲を広げ、地域的な連携を強め、公的な管理を強化することで、ヘルスケアを異なる形で編
成せざるを得なくなっている。遠隔監視およびオンライン診療など、ヘルスケアのデジタル化は、COVID-19
のパンデミックによって一層促進された。
BNG銀行はヘルスケア部門のパートナー
BNG銀行によるヘルスケア部門への貸付は、2020年度も変わらず行われた。BNG銀行は、オランダ銀行協会
の会員として、中央政府、健康保険会社およびその他の利害関係者と共に、パンデミックによる顧客への財
務的影響を最小限に抑え、ヘルスケアの継続性を可能な限り確保することを目的として、ヘルスケア部門向
けのセーフティネットを設計した。2021年度にヘルスケア機関の財務状態および信用需要がどうなるかは、
COVID-19のパンデミックの今後の進展およびセーフティネットがどのように継続されるかに左右される。ま
た、ヘルスケアの調達手続および次期政権の政策も、これに影響するであろう。
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2018年度に、BNG銀行は他のいくつかの銀行と共に、「健康的な未来のための持続可能なヘルスケア」と
題するグリーンディールに共同署名した。二酸化炭素排出量を削減し、循環経済を促進することによって、
オランダのヘルスケアをより持続可能なものにする目的で、ヘルスケア部門の関係者と取決めが交わされ
た。さらに、健康的な生活を送るよう住民、専門家および訪問者に働きかけるヘルスケア環境の創造、地表
水および地下水の残留薬剤の削減についても合意に達した。
住宅協会による投資の増加
住宅協会の動向
住宅協会は、長期にわたり投資を減らしていたが、2019年度から投資を増やしている。COVID-19のパンデ
ミックは、住宅協会の信用需要に目立った影響を与えていない。いずれにしても、住宅協会部門による実際
の投資は、その投資意欲を下回ったままである。2020年度に、内務・王国政務省、オランダ社会住宅協会
(Aedes)およびオランダ地方自治体連合(VNG)は、共同で15万戸の公共部門賃貸住宅の建築を加速し、建
築数を2年以内に少なくとも年間2万5,000戸に引き上げることに合意した。これによって、現在の新築数
が年間約1万5,000戸と大幅に増えることになる。また、住宅協会に中規模賃貸住宅および手頃な持ち家住
宅を建築するよう促すことも合意された。しかし、建築数の増加は(適切な)建築用地の入手可能性に左右
される。宅地は乏しく、他の関係者が住宅協会よりも豊かなことも多い。適切な建築用地の不足だけでな
く、実施能力の不足、窒素問題および高額の建築費用が新築の妨げになっているが、社会住宅のニーズは引
き続き高い。
既存住宅をより持続可能にすることは、住宅協会にとっても重要なテーマである。住宅協会は、2021年度
までにその住宅戸数を平均でラベルBにし、2050年度までにすべての住宅をカーボンニュートラルにするこ
とに合意している。これらの長期的な気候目標を達成するために、持続可能な投資水準を上げる必要があ
る。住宅協会税の引下げおよびその他の税金の還付を一因として、住宅協会は今もなお、短期的には、新た
な建築のためおよび既存住宅をより持続可能にするために投資を行う十分な財務的な余裕がある。しかし、
住宅協会部門の財務力では、今後も、十分手頃な住宅を建築し、持続可能性の向上を助けていくことはでき
ない。これらの社会的課題をいずれ達成するために、協会はより財務的な余裕を必要とする。これは、とり
わけ住宅協会税の引下げによって達成可能である。建築用地の入手可能性および実施能力など、前述の障害
も解決する必要がある。
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BNG銀行は住宅協会のパートナー
中規模賃貸住宅
中規模賃貸住宅は、社会住宅の家賃上限の1か月当たり737ユーロから約1,000ユーロまでを家賃とする中
間所得世帯向けの住宅である。これらの世帯は、社会住宅の入居資格より収入が多いものの、自分自身の不
動産を購入する余裕がないか、または柔軟性を理由として公開市場での賃貸を選択している。中規模賃貸住
宅は、住宅市場の動きを促し、より多様な地域と複合体を生み出し、住みやすい場所にする効果がある。こ
の選択肢を検討する住宅協会が増えつつある。現在、商業団体の間では中規模賃貸住宅に対する関心が低い
ため、住宅協会にとってこのセグメントにおける好機が増えている。2020年度初頭、BNG銀行は、中規模賃
貸住宅および社会住宅保証基金(WSW)により保証されない資金申請に関する会議を開催した。新築か住宅
ポートフォリオの購入かにかかわらず、住宅協会の中規模賃貸セグメントでの活動範囲は今まで限られてい
たが、BNG銀行は住宅協会の投資水準に合わせて貸付を拡大し、ひいては社会問題解決のパートナーとして
積極的に貢献していくことを目指している。
地区羅針盤
2020年度に、BNG銀行は、多数の地方自治体、住宅協会および非営利団体である
Stroomversnellingと共同で、地区の持続可能性を高めるため、地区羅針盤(Wijkkompas)の取組
みを開始した。地区羅針盤は、オンラインツールの提供によって、地区レベルで、地区におけるエ
ネルギー転換の利害関係者(関連する地方自治体、住宅協会、住民および企業)を支援し、地区の
実施計画の策定および伝達の方法に関する発想および事例を示している。地区羅針盤によって、す
べての関係者が他者の経験から学ぶことが可能となる。このようにして、地区羅針盤は、知識、専
門知識および費用を共有する集団的なアプローチの基準点を提供すると同時に、全員がある程度の
自主性を保つことができる。これに関連して、BNG銀行は、金融ツールを準備すること、投資の際
に考慮すべき側面および前提条件に関する情報を提供することに主な重点を置いている。
保証制度
保証制度は、社会賃貸住宅部門にとって非常に重要である。保証制度によって、有利な条件で貸付を行う
ことができる。このように、この制度のおかげで、社会住宅を利用および購買する可能性が高まる。社会住
宅保証基金(WSW)は、住宅組合への貸付の保証人の役割を果たしており、住宅組合が自らその義務を果た
せなくなった場合に、貸付に伴う支払義務を引き継ぐこととなる。2019年度に着手された戦略的プログラム
を通して、WSWは保証制度をさらに強固なものにしたいと考えている。BNG銀行は、「偶発債務となる貸付」
の提供など、可能な限り同プログラムに貢献している。かかる貸付により、住宅協会は、WSWに対する資本
コミットメントを果たすための資金を常に確保することができる。これは、WSWのリスク資本が特定の値を
下回った場合、WSWがこれらの資金を回収する権利を有しているためである。
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共にオランダの強化を継続
BNG銀行を含む30以上の関係者は、COVID-19のパンデミックによる潜在的な悪影響を防ぎ、建築
数および雇用の継続性を守るよう努め、それに伴う責任を負うことを共同宣言で表明した。関係者
は共に、気候変動協定に沿って、高い住宅需要を満たし、既存住宅の持続可能性の向上を加速させ
ようと努力している。関係者は、投資、許認可および入札の過程の承認または促進に関する取決め
を交わした。このようにして、建設プロジェクトの遅延または中断を防ぎたいと考えている。ま
た、あらゆるリスクの共有についても合意されている。
教育部門の持続可能性に関する大きな課題
COVID-19のパンデミックは、教育機関に大きな影響を与えた。しかし、学校が資金を調達する方法のた
め、財務的影響は比較的限定されていた。すなわち、収入はほとんど落ち込まなかった。
教育部門は、気候変動協定との関連で、その不動産の持続可能性を高めるという大きな課題に直面してい
る。持続可能性の向上に向けた取組みには違いがある。初等および中等教育では、地方自治体の指導に従っ
て、校舎のエネルギー性能および機能の向上を目指し、包括的な施設計画に取り組んでいる。中等職業教育
(MBO)、高等職業専門教育(HBO)および研究大学では、2050年度までにカーボンニュートラルなポート
フォリオを目指して、投資および改築の自然なタイミングで投資を行っている。
BNG銀行は教育部門のパートナー
BNG銀行は、教育施設の持続可能性を向上させるパートナーの役割を果たしており、教育機関のための手
頃で質の高い施設に貢献している。このような教育部門へのサービスにより、BNG銀行はSDGsの4「質の高
い教育をみんなに」に貢献している。2020年度に、BNG銀行による教育部門への貸付は予想を下回った。初
等および中等教育では、投資および持続可能性の向上のための資金調達は、通常、地方自治体を通じて行わ
れる。中等職業教育および高等職業専門教育ならびに大学で使用される不動産は、BNG銀行から直接資金が
提供されている。
BNG銀行は、教育委員会の間でBNG銀行の認知度を高め、不動産をより持続可能なものとするためにBNG銀
行が提供できる支援について理解してもらうことを目的として、教育デーを開催しているが、2020年度は
COVID-19のパンデミックにより行われなかった。
エネルギー、環境、モビリティおよびネットワークに関するプロジェクト・ファイナンス
戦略が強化され、4つのSDGsが選定された(上記「① インパクトへの道のり」を参照のこと)ため、BNG
銀行の活動する部門が見直された。この中で、BNG銀行は、エネルギー、環境、モビリティおよびネット
ワークの部門におけるプロジェクトへの資金提供を選択した。これらの部門は、持続可能性の向上およびエ
ネルギー転換など、大きな課題に直面している。BNG銀行は、これらの課題に対する資金調達の可能性およ
び達成度を議論するために、これらの部門と協議を行っている。この貸付と併せて、小規模なプロジェクト
の実現を目的としたBNGサステナビリティ基金が設立された。
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2020年度に、BNG銀行は、地方自治体および住宅協会が所有する不動産の持続可能性の向上に関する年次
会議に貢献した。
BNGサステナビリティ基金
2018年度から、BNGサステナビリティ基金は、地方自治体または州の持続可能性に関する目標に
役立つ事業プロジェクトに資金を提供してきた。同基金は、5万ユーロから250万ユーロの範囲で
貸付を行い、ヘルスケア、住宅および教育の分野ならびに再生可能エネルギーの発電および省エネ
対策などの領域で、持続可能性に関する取組みを促進している。BNG銀行は、同基金を通じて、持
続可能なプロジェクトのための簡便な資金調達の需要を満たすことができる。スポーツ協会は、持
続可能な照明の設置から新しい競技場の建設まで幅広い投資について、同基金にスポーツローンを
申し込むことができる。2020年度初頭にこの融資形態を開始してから、同基金は45件超のスポーツ
ローンを発行した。BNGサステナビリティ基金および同基金が資金を提供したプロジェクトの詳細
については、同基金のウェブサイトに掲載されている。
④ 金融および資本市場における強固なポジション
BNG銀行は、高い外部格付(ムーディーズ:Aaa、フィッチ・レーティングス:AAA、S&Pグローバル:
AAA)のおかげで、有利な金利で様々な通貨により短期および長期の資金を調達することができる。
BNG銀行にとって、国際金融および資本市場において様々な通貨により短期および長期の資本を調達する
こと(資金調達)は、顧客に資金を提供するための重要な活動である。BNG銀行の資金調達は、国際金融お
よび資本市場における債券の公募を通じた割合が圧倒的に高い。私募を通じて調達された割合はわずかであ
る。この詳細については、BNG銀行のウェブサイトに掲載されている。
2020年度の動向
2020年度に、BNG銀行は、債券の発行によって154億ユーロの長期資金を調達した。2020年度のスワップ・
レートを上回る平均信用スプレッドは、COVID-19のパンデミックが発生したことおよび調達した資金の平均
満期が比較的長かったことから、例年よりも高くなった。BNG銀行の信用スプレッドは、長期資金の調達が
実質的に不可能だった3月第1週に最大となった。その後、信用スプレッドは、再び徐々に縮小した。2020
年度末には、このスプレッドは年初の数か月間と同じ水準になった。BNG銀行の優れた信用力のおかげで、
年間を通じて有利な金利で長期資金を調達することができた。BNG銀行は、好条件を受けて、ECBの貸出条件
付長期資金供給オペ第三弾への参加も決定した。このTLTRO第三弾の目的は、住宅協会およびヘルスケア機
関を含む特定の対象グループに流動性を提供し、実体経済を刺激することである。
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サステナブル・ボンド
BNG銀行は、公募債の特別な区分として、サステナブル・ボンドを募集している。これらの債券は、国際
資本市場協会(ICMA)が管理する国際的なサステナビリティ・ボンド・ガイドラインに沿って発行され、そ
の区分でサステナビリティのスコアが最も高い地方自治体および住宅協会に資金を提供するために使用され
ている。2020年度に、BNG銀行は、5年満期の「オランダの地方自治体向けサステナビリティ・ボンド」を
10億米ドルおよび12年満期の「社会住宅協会向けサステナビリティ・ボンド」を10億ユーロ発行した。
BNG銀行は、持続可能な資本市場を促進するために、2020年度に世界最大の年金基金である日本の年金積
立金管理運用独立行政法人(GPIF)との協働を開始した。BNG銀行が発行するサステナブル・ボンドは、持
続可能な社会に貢献する機会をGPIFの資産運用会社に提供し、この協働によってBNG銀行はその社会的イン
パクトを強めることができる。
⑤ 貸付ポートフォリオの二酸化炭素排出量の減少
BNG銀行およびオランダの金融部門のほぼすべてが署名した気候変動に関するコミットメントは、二酸化
炭素排出量の削減に役立つ。
「金融部門のコミットメント」の要素の一つは、貸付および投資が気候変動に与える影響を測定可能にす
ることである。このために、BNG銀行は、金融機関の炭素会計パートナーシップであるPCAFに参加した。
PCAFの方法論によれば、顧客の直接的および間接的な排出量は、一連の包括的な評価規則に基づき、BNG銀
行に帰属する。PCAFの方法論は、大多数のオランダの銀行および多数の外国銀行で用いられている。2019年
度の年次報告書において、BNG銀行は2018年度の貸付に伴う二酸化炭素排出量を初めて報告した。BNG銀行
は、遅くとも2022年度までにその貸付ポートフォリオの二酸化炭素排出量を削減するための行動計画を示す
予定である。
顧客部門の二酸化炭素排出量は、2020年度の年次報告書(英文)で報告されている。2019年度に、貸付
ポートフォリオの二酸化炭素排出量は122キロトン減少した一方、測定に含まれる貸付額は増加した。百万
ユーロ当たりの排出量は8%近く減少した。この減少の一因は、社会住宅をより持続可能にする取組みであ
る。公共部門では、財貨・サービスの調達を対象とするスコープ3の排出量が主に減少した。この具体的な
原因を特定することはできない。使用された方法論および情報源については、2020年度の年次報告書(英
文)の「報告原則」の項目を参照のこと。2018年度および2019年度の様々な顧客部門のすべての二酸化炭素
排出量は、同項目に含まれる表に示されている。貸付ポートフォリオの二酸化炭素排出量に関する詳細な報
告は、ウェブサイトに掲載されている。
2020年度の年次報告書(英文)の付属書に、BNG銀行の貸付が顧客の二酸化炭素排出量の削減にどのよう
に貢献したかを示す具体的な事例が含まれている。
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⑥ 財務成績
損益および利益
BNG銀行は、2020年度に記録した2億2,100万ユーロの純利益に満足している。株主資本利益率は5.2%
で、目標の3.7%を上回っている。2019年度の純利益に比べ36%増加したが、これは、主にBNG銀行の予想信
用損失への追加が少なかったためである。特定の顧客の信用力が低下したことが、2019年度に歴史的に高額
となった経常外の引当金の主因であった。
BNG銀行の利息損益は4億7,700万ユーロで、2019年度の利息損益(4億3,500万ユーロ)および年度初頭
の予想の両方を上回った。この増加の主な理由は、TLTRO第三弾の資金供給への参加においてECBが設定した
有利な条件である。BNG銀行は、その自己資金の全額を再び長期貸付ポートフォリオに投資すると決定し、
その結果、株主資本利益率が向上した。また、長期貸付ポートフォリオの増加は、利息損益の増加にも貢献
した。顧客ポートフォリオの再編および長期貸付金の早期返済のおかげで、売却損益による利息損益への寄
与は予想外に大きく2,100万ユーロであった。手数料損益は、請求されたクロージングフィーの減少によ
り、2019年度と比べ500万ユーロ減少し2,500万ユーロとなった。これは、ソルベンシー要件の対象となる取
引高の減少と一致している。
金融取引損益純額は1,700万ユーロのマイナスであった。2019年度と比べ5,300万ユーロ減少したのは、
COVID-19のパンデミックが主因である。これは、とりわけ、利付有価証券および貸付金の信用および流動性
リスクに対するスプレッドの上昇につながった。結局、貸借対照表項目の純損益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産における金融商品の信用要素の再評価に対する影響は、合計で2,700万ユーロのマイナスと
なった。その他の未実現の市場価値調整は、主に長期金利の低下により、全体で2,900万ユーロのマイナス
であった。2020年度の実現損益は3,900万ユーロのプラスとなり、これは、特にBNG銀行の流動性ポートフォ
リオからの利付有価証券の売却に起因している。
BNG銀行の連結営業費用は、2019年度に比べ1,700万ユーロ増加し9,800万ユーロとなった。人件費が上昇
したが、これは、従業員が増加したこと、比較的多くの欠員を外部職員の一時的な雇用で補充すると決定し
たこと、人件費引当金を積み増したことを理由とする。IT費用が増加した原因は、自宅の作業空間を容易に
するための支出およびCOVID-19のパンデミックに対応するための新システムへの投資などである。また、信
用リスク統制管理の改善のための外部職員の雇用、デジタルに関連する野心および戦略の調整によって、コ
ンサルタント料が増加した。BNG銀行の2020年度の欧州破綻処理基金への拠出額(800万ユーロ)および法定
銀行税の支払額(3,400万ユーロ)は、予想通りに設定された。
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2020年度は、COVID-19のパンデミックの発生により経済見通しが悪化したため、BNG銀行の信用損失引当
金は1,500万ユーロ増加し2億2,000万ユーロとなった。貸借対照表総額である約1,600億ユーロと比較する
と、予想信用損失の総額は、BNG銀行のエクスポージャーの高い信用力を反映して、低いままである。2020
年度の実効税率は、表面法人所得税率が25%のところ、33%を超えた。高い税負担の原因は、特に、当年度
から効力を生じた最低資本規制であった。すべての支払利息が税務上損金算入可能とはならないため、これ
により、2020年度に2,000万ユーロの追加の税費用が発生した。また、銀行税も税務上損金算入できない。
貸借対照表総額は、2019年度末と比べ、主に長期金利の低下により、107億ユーロ増加し1,604億ユーロと
なった。「貸付金および前渡金」の項目は、長期貸付ポートフォリオの増加(18億ユーロ)および短期貸付
金の残高の減少(12億ユーロ減)により、全体で6億ユーロ増加した。
BNG銀行の自己資本は、2020年度の純利益、およびCOVID-19のパンデミックによる不確実性に伴い2020年
度に配当金を分配しないとするECBの指針のため、2020年度は51億ユーロに増加した。BNG銀行のリスク加重
ソルベンシー比率は高い水準を維持した。BNG銀行の2020年度末の普通株式等Tier1比率およびTier1比率
はそれぞれ33%および39%であった。貸借対照表総額が増加したため、BNG銀行のレバレッジ比率は、2019
年度末と比べ0.1パーセンテージ・ポイント低下し3.5%となった。ECBが現在の市場状況を例外的と指定し
たため、各銀行はレバレッジ比率の計算時にECB残高の全部または一部を除外するオプションの使用が認め
られている。ECBの決定は2021年6月27日まで適用される。その後、レバレッジ比率に関するCRR2の要件が
適用される予定で、ECBは同措置の延長を決定することができる。BNG銀行は、このオプションを利用してい
る。このオプションがなくても、BNG銀行のレバレッジ比率は3.4%となり、下限の3.0%を上回っていたは
ずである。
貸付および資金調達
2020年度の新規長期貸付額は117億ユーロと、予想を大幅に上回った。特に、地方自治体からの信用需要
が予想より高かった。他方で、様々な地方自治体がエネコの株式を売却したため、2020年下半期の短期貸付
残高の平均水準が構造的に低下した。
新規長期貸付額が比較的大きかったため、長期貸付ポートフォリオは、2019年度末と比べ18億ユーロ増の
860億ユーロとなった。地方自治体、住宅協会およびヘルスケア機関に対する、ソルベンシー要件の対象と
ならない長期貸付に占める割合は69%に達した。その結果、目標の55%は十分達成された。貸借対照表の長
期貸付金の90%以上がプロモーショナル・ローンとして適格でなければならないという目標も達成され、
2020年度末のスコアは93%であった。
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2020年度に、BNG銀行は、債券の発行によって、154億ユーロの長期資金を調達した。2020年下半期に、
BNG銀行は、米ドルおよびユーロで合計10億にのぼる2種類のSRI(社会的責任投資)ボンドを新たに発行し
た。2020年度のスワップ・レートを上回る平均信用スプレッドは、COVID-19のパンデミックが発生したこと
および調達した資金の平均満期が比較的長かったことから、例年よりも高くなった。BNG銀行の信用スプ
レッドは、長期資金の調達が実際に不可能だった3月第1週に最大となった。その後、信用スプレッドは、
再び徐々に縮小した。2020年度末には、このスプレッドは年初の数か月間と同じ水準になった。BNG銀行の
優れた信用力のおかげで、年間を通じて有利な金利で長期資金を調達することができた。BNG銀行は、好条
件を受けて、ECBのTLTRO第三弾への参加も決定した。その目的は、住宅協会およびヘルスケア機関を含む特
定の対象グループに流動性を提供し、実体経済を刺激することである。
⑦ 日本との関係
1996年に、BNG銀行は日本の国内公募資本市場における届出を完了し、日本国(当時)大蔵省はBNG銀行の
地位を政府関係機関発行者と認めた。1998年には、初めて日本において発行登録に基づく売出しを行った。
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(5) 【経理の状況】
BNG銀行の財務書類は、欧州連合により採用された国際財務報告基準およびオランダ民法典第2編第9章に
従い作成されている。
BNG銀行の事業年度は、暦年と同一とする。毎年事業年度終了後4か月以内に、この期間が、特別の事情に
より、株主総会により最長6か月延長される場合を除き、執行取締役会は年次計算書類を作成し、監督取締役
会の同意を得て、BNG銀行の株主総会に提出しその承認を受けるものとする。執行取締役会は、年次報告書お
よび法律上の規定に従い付加することを要する情報を年次計算書類と同時に提出するものとする。年次計算書
類は、通常、執行取締役会の構成員全員および監督取締役会の構成員全員がこれに署名するものとする。
BNG銀行は、BNG銀行の任命した登録会計士に対し、執行取締役会が作成した年次計算書類が法律に準拠しか
つこれに則った規則に合致しているか否か、同登録会計士が判断する限り、年次報告書が法律に準拠しかつこ
れに則った規則に従って作成されたもので年次計算書類と整合しうるか否かおよび法律が要求する追加情報が
これに付加されているか否かを検証させるものとする。BNG銀行の株主総会は、登録会計士に対する指示をす
る資格があるものとする。株主総会が登録会計士に指示しない場合、監督取締役会がその資格を有するものと
する。監督取締役会がこれに指示しない場合、執行取締役会がその資格を有するものとする。登録会計士は、
監督取締役会および執行取締役会に対し、その結果を通知し、また、これを監査報告書に組入れるものとす
る。
2020年12月31日現在および2020年12月31日終了事業年度の監査済財務書類が対象とする期間中、プライス
ウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイがBNG銀行の登録会計士であった。プライス
ウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイは、BNG銀行の原文の2020年度財務書類を監査し
た。その日本語訳が本「(5) 経理の状況」に含まれている。本有価証券報告書に含まれる2020年度財務書類の
日本語訳は、プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイによる監査を受けていな
い。
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Independent auditor’s report
To: the general meeting and the supervisory board of BNG Bank N.V.
Report on the financial statements 2020
Our opinion
In our opinion, the financial statements of BNG Bank N.V. (‘the Company’) give a true and fair view of the financial position
of the Company and the Group (the Company together with its subsidiaries) as at 31 December 2020, and of its result and its
cash flows for the year then ended in accordance with International Financial Reporting Standards as adopted by the European
Union (EU-IFRS) and with Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
What we have audited
We have audited the accompanying financial statements 2020 of BNG Bank N.V., The Hague. The financial statements
include the consolidated financial statements of the Group and the company financial statements.
The financial statements comprise:
・ the consolidated and company balance sheet as at 31 December 2020;
・ the following statements for 2020: the consolidated and company income statement, the consolidated and company
statements of comprehensive income, changes in equity and cash flows; and
・ the notes, comprising the significant accounting policies and other explanatory information.
The financial reporting framework applied in the preparation of the financial statements is EU-IFRS and the relevant
provisions of Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
The basis for our opinion
We conducted our audit in accordance with Dutch law, including the Dutch Standards on Auditing. We have further described
our responsibilities under those standards in the section ‘Our responsibilities for the audit of the financial statements’ of our
report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion
Independence
We are independent of BNG Bank N.V. in accordance with the European Union Regulation on specific requirements regarding
statutory audit of public-interest entities, the ‘Wet toezicht accountantsorganisaties’ (Wta, Audit firms supervision act), the ‘
Verordening inzake de onafhankelijkheid van accountants bij assuranceopdrachten’ (ViO, Code of Ethics for Professional
Accountants, a regulation with respect to independence) and other relevant independence regulations in the Netherlands.
Furthermore, we have complied with the ‘Verordening gedrags- en beroepsregels accountants’ (VGBA, Dutch Code of
Ethics).
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Our audit approach
Overview and context
BNG Bank N.V. is a credit institution licensed in the Netherlands. Its main activity is providing financing to the Dutch public
sector and the semi-public domain. The Group is comprised of several components and therefore we considered our group
audit scope and approach as set out in the section ‘The scope of our group audit’. We paid specific attention to the areas of
focus driven by the operations of the Group, as set out below.
As part of designing our audit, we determined materiality and assessed the risks of material misstatement in the financial
statements. In particular, we considered where the executive board made important judgements, for example, in respect of
significant accounting estimates that involved making assumptions and considering future events that are inherently uncertain.
In paragraph ‘Accounting estimates and judgements’ of the financial statements, the Group describes the areas of judgement in
applying accounting policies and the key sources of estimation uncertainty. Given the significant estimation uncertainty and
the related higher inherent risks of material misstatement in the impairment of loans and receivables and the valuation of
financial instruments, we considered these matters as key audit matters as set out in the section ‘Key audit matters’ of this
report. In addition, given the technical and complex requirements for the application of portfolio hedge accounting and
potential material impact on the result and equity of incorrect application of these requirements could have a material impact,
we have also considered this to be a key audit matter in our audit.
Given the importance of IT for the Company, we have, to the extent relevant to our audit, paid specific attention to the IT
general controls, which comprise the policies and procedures to ensure reliable automated processing of information used for
financial reporting purposes, including management of cybersecurity risks. The Company has outsourced a larger part of its IT
activities to Centric FSS. The outsourcing has implications for our audit as set out in the section ‘The scope of our group audit’
of this report. We ensured that the audit team included the appropriate skills and competences which are needed for the audit of
a banking institution. We therefore included specialists in the areas of IT, tax and valuation of financial instruments in our
team.
The outline of our audit approach was as follows:
Materiality
・ Overall materiality: €16.6 million (2019: €11.4 million).
Audit scope
・ We conducted audit work on the Company and its subsidiaries BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and
Hypotheekfonds voor Overheidspersoneel. In our assessment of the IT landscape, we made use of
the ISAE 3402 type 2 report of Centric FSS.
Key audit matters
・ Impairment of loans and receivables.
・ Application of hedge accounting.
・ Valuation of financial instruments.
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Materiality
The scope of our audit is influenced by the application of materiality, which is further explained in the section ‘Our
responsibilities for the audit of the financial statements’.
Based on our professional judgement we determined certain quantitative thresholds for materiality, including the overall
materiality for the financial statements as a whole as set out in the table below. These, together with qualitative considerations,
helped us to determine the nature, timing and extent of our audit procedures on the individual financial statement line items and
disclosures and to evaluate the effect of identified misstatements, both individually and in aggregate, on the financial
statements as a whole and on our opinion.
Overall group materiality €16.6 million (2019: €11.4 million).
Basis for determining We used our professional judgement to determine overall materiality. As a basis for our
materiality
judgement we used 5% of profit before tax.
Rationale for benchmark We used profit before tax as the primary benchmark, a generally accepted auditing practice,
applied
based on our analysis of the common information needs of users of the financial statements.
On this basis, we believe that profit before tax is an important metric for the financial
performance of the Group.
We also take misstatements and/or possible misstatements into account that, in our judgement, are material for qualitative
reasons.
We agreed with the supervisory board that we would report to them misstatements identified during our audit above €0.8
million (2019: €0.6 million) as well as misstatements below that amount that, in our view, warranted reporting for qualitative
reasons.
The scope of our group audit
BNG Bank N.V. is the parent company of a group with BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and Hypotheekfonds voor
Overheidspersoneel B.V. as its 100% subsidiaries. The financial information of these subsidiaries is included in the
consolidated financial statements of BNG Bank N.V. All consolidated positions and transactions in the financial statements
were in scope of our audit.
We tailored the scope of our audit to ensure that we performed sufficient work to be able to give an opinion on the financial
statements as a whole, taking into account the management structure of the Group, the nature of operations of its components,
the accounting processes and controls, and the markets in which the Group operates.
The Company has outsourced the largest part of its IT activities and payment services to Centric FSS. In our assessment of the
IT landscape, we made use of the ISAE 3402 Type 2 report of Centric FSS. In this context, we have been involved in planning
the ISAE 3402 work by the service provider auditor of Centric FSS, discussed progress and interim findings of the audit and,
finally, evaluated the ISAE 3402 assurance report once it was finalised. Based on these procedures performed, we conclude
that in the context of our audit of the financial statements of BNG Bank N.V., we could rely on the ISAE 3402 Type 2
assurance report of Centric FSS.
By performing the procedures above at components, combined with additional procedures at group level, we have been able to
obtain sufficient and appropriate audit evidence on the Group’s financial information, as a whole, to provide a basis for our
opinion on the group financial statements.
Our focus on the risk of fraud and non-compliance with laws and regulations
Fraud
The objectives of our audit, in respect to fraud are:
・ to identify and assess the risks of material misstatement of the financial statements due to fraud;
・ to obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the assessed risks of material misstatement due to fraud, through
designing and implementing appropriate audit responses; and
・ to respond appropriately to fraud or suspected fraud identified during the audit.
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As in all of our audits, in assessing the risks of material misstatement in the financial statements, we also addressed the risk of
management override of internal controls, including evaluating whether there was evidence of bias by the executive board that
may represent a risk of material misstatement due to fraud. We evaluated the design and the implementation and, where
considered appropriate, tested the operating effectiveness of internal controls that mitigate fraud risks, performed data analysis
of high-risk journal entries and evaluated key estimates and judgements for bias by the Company, and finally we incorporated
elements of unpredictability in our audit. We refer to our key audit matters on our approach related to key areas with higher
risk due to accounting estimates where management makes significant judgements.
The primary responsibility for the prevention and detection of fraud lies with the executive board with the oversight of the
supervisory board.
Laws and regulations
There is an industry risk that emerging compliance or litigation areas have either not been identified or addressed by
management for financial statement purposes. This includes the consideration whether there is a need for the recognition of a
provision or a contingent liability disclosure on the future outcome of legal or regulatory processes.
The objectives of our audit, in respect to non-compliance with laws and regulations are:
・ to identify and assess the risk of material misstatement of the financial statements due to non-compliance with laws and
regulations; and
・ to obtain reasonable assurance that the financial statements, taken as a whole, are free from material misstatement,
whether due to fraud or error when considering the applicable legal and regulatory framework.
In line with Standard 250 in our audit approach we made a distinction between those laws and regulations which:
・ have a direct effect on the determination of material amounts and disclosures in the financial statements. For this
category, we have obtained audit evidence regarding compliance with the provision of those laws and regulations; and
・ does not have a direct effect on the determination of material amounts and disclosures in the financial statement, but
where compliance may be fundamental to the operating aspects of the business, to the Company’s ability to continue its
business or to avoid material penalties. For this category, we performed specific audit procedures to identify non-
compliance with those laws and regulations that may have a material effect on the financial statements.
We identified that the risk of non-compliance with laws and regulates relates mainly to the laws and regulations which have an
indirect impact on the financial statements, such as the Anti-Money Laundering and Anti-Terrorist Financing Act (Wwft)
(including regulations on Anti-Money Laundering (AML) Client Due Diligence (CDD)), Markets in Financial Instruments
Directive II (MiFID II), transaction reporting and General Data Protection Regulation (GDPR).
The primary responsibility for the prevention and detection non-compliance with laws and regulations lies with the executive
board with the oversight of the supervisory board.
Impact of Covid-19 on our 2020 audit approach
Following the Covid-19 outbreak, auditors are facing challenges in performing their audits. In response to that, we have
considered the impact of the pandemic on our audit approach and in the execution of our audit. Inquiries and meetings with
management were done via video conferencing. We obtained viewer rights to those applications most relevant to our audit to
enable us to ensure records used as audit evidence were complete, accurate and authentic. The following highlights elements in
our audit impacted by the effects of the COVID -19 pandemic:
・ the impact on the Company’s control environment relevant to our audit, due to remote working. Most of the Company’s
day-to-day accounting and operational processes relevant to our audit, were already performed electronically and had the
ability to be performed remotely, therefore, the transition to a remote working environment did not cause significant
change or disruption on the Company’s control environment. The impact of COVID-19 is observable in the number of
findings from internal audit, number of operational incidents and delays in projects. We assessed that the impact of the
Covid-19 pandemic, including working in a remote environment, on the effective operation of controls relevant to our
audit was limited;
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・ the impact on the Bank’s capital and liquidity position. We have evaluated the Bank’s assessment supporting the Bank’s
ability to continue as a going concern;
・ the impact on the Company’s fraud risks exposure and operational incidents. Our procedures are explained in the section ‘
Our focus on the risk of fraud and non-compliance with laws and regulations; and
・ the Company’s valuation of assets certain assets classes such as loans and receivables, financial assets and financials
liabilities were impacted by the economic implications of the COVID-19 pandemic. Uncertainty of the current
environment and the continual changing nature of the unprecedented impact of the Covid-19 pandemic, has added further
complexity and challenges when auditing accounting estimates, in particular with respect to estimating expected credit
losses on loans and receivables. Our procedures include assessment of these accounting matters and the relevant
disclosures in the financial statements in accordance with the financial reporting framework applied by the Company. We
refer to the section on key audit matters for procedures performed on impairment allowances on loans and receivables.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgement, were of most significance in the audit of the financial
statements. We have communicated the key audit matters to the supervisory board. The key audit matters are not a
comprehensive reflection of all matters identified by our audit and that we discussed. In this section, we described the key audit
matters and included a summary of the audit procedures we performed on those matters.
We addressed the key audit matters in the context of our audit of the financial statements as a whole, and in forming our
opinion thereon. We do not provide separate opinions on these matters or on specific elements of the financial statements. Any
comment or observation we made on the results of our procedures should be read in this context. Compared to prior year, we
did not include any new key audit matters as we did not come across any new significant transactions or developments that
were considered a key audit matter.
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Key audit matter Our audit work and observations
Impairment of loans and receivables Evaluating accounting policy choices:
Refer to the accounting principle ‘Impairment of We evaluated how management applied IFRS 9 to
financial assets’, note 31 ‘Net Impairment losses on determine whether it has been set up in accordance
financial assets’ and note 37 ‘Impairment of financial with the requirements included in the standard.
assets and off-balance sheet commitments’ in the We challenged management on their judgement in key
consolidated financial statements accounting policy choices in the areas of what is
The lending to clients classified as loans and advances considered to be a SICR, application of the low credit
measured at amortised cost amounts to €89 billion as risk exemption and default definitions. We considered
at 31 December 2020. Most of the loan portfolio the policy choices in the application of IFRS 9 to be
relates to loans that are guaranteed by a (central) reasonable.
government body or by the WSW or Wfz guarantee
Assessing individual exposures: For a sample of loans
funds. The credit risk inherent in this category is
including loans for which management concluded that
limited as explained in the risk section in the financial
no SICR occurred, and loans where an SICR is
statements. Therefore, the expected credit loss on these
observed we assessed management’s assessment of the
loans is considered low. However, the Company also
level of credit risk, for example by determining that
has an unguaranteed loan portfolio amounting to €9
there are no significant arrears in payments, take
billion that has a higher risk of impairments. The
notice of the latest internal annual creditworthiness
impairment provision for loans and advances as per 31
assessment and evaluation of latest financial
December 2020 is €210 million and the net
information of counterparties. Based on our initial
impairment charge for loans and advances recognised
findings, we extended our sample with loans on the
in 2020 in the income statement amounts to €16
million. higher end of stage 1 ratings and stage 2 ratings, where
deviations in the credit risk assessment have more
Areas of estimation uncertainty and management
significant impact on the recorded impairments of
judgment: In determining the expected credit losses for
loans, paying specific attention to the latest internal
loans and advances, management has to apply
annual creditworthiness assessment and analysis of
judgment in a number of areas. Amongst others this
public available adverse news, if any. Our procedures
applies to the choices and judgement made in the
did not return any different outcomes with respect to
impairment methodology such as determining what is
the staging compared to management.
considered a significant increase in credit risk (SICR),
what forward-looking macro-economic information is For credit-impaired loans, we evaluated the feasibility
relevant to measure expected credit losses for loans of the forecasted cash flows for each scenario and
and receivables and managements estimates of assessed management’s analysis of the probability
probabilities of default and loss-given default. In 2020, allocation of each individual scenario for each credit-
this included high degree of estimation uncertainty due impaired loan. In evaluating the forecasted cash flows
to the economic impact of Covid-19 in developing we evaluated the values that management attributed to
macro-economic scenarios and the associated expected cash flows and available collateral to assess
weightings given to the range of potential economic that this represents a best estimate.
outcomes.
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Key audit matter Our audit work and observations
Models and assumptions: To calculate expected credit Evaluating internal credit rating models:
losses for stage 1 and 2, the executive board estimated With respect to the internal credit rating models used
the probability of default (PD) and the loss- given we evaluated the model governance procedures, credit
default (LGD) and the exposure at default (EAD). The modelling monitoring performed by risk management,
Company’s loan portfolio has a low default character reasonableness of the methodology and overlays for
and as a result, there is limited internal historical data macro-economic scenarios applied in determining the
to support and back-test the applied PDs and LGDs. credit ratings.
Management used its internally developed credit rating Management engaged with external experts to validate
models to estimate the PD for exposures for which no their internal credit rating models.
external rating is available. Given the low default As part of our audit procedures, amongst others,
character of the Company’s loan portfolio, the rating we evaluated the competence, capability and
models were considered expert models and required a objectivity of these external experts. Furthermore, we
high degree of judgement to stratify clients in rating obtained the reports issued by these external experts
classes. that summarise the procedures performed, the
evidence obtained, and conclusions reached. We
Also, with respect to the LGD used in the calculation
discussed and evaluated these reports with the
of expected credit losses, the executive board has
Company’s internal model owners and external
applied significant judgement. The Company applies a
experts. We also assessed the external expert’s
basic flat LGD percentage based on the limited
conclusions to conclude that the internal credit rating
available historic default information.
models are fit for purpose and that their
recommendations have no material impact on the
For credit-impaired loans, the impairment allowance is
expected credit loss calculation. We did not identify
based on the weighted average of the net present value
any indicators of possible management bias in
of expected future cash flows (including forward
determining internal credit ratings and corresponding
looking information and the valuation of underlying
PD’s.
collateral) in three different scenarios.
With respect to the forward-looking macro-economic
Given the complexity and judgement required to
information, we challenged on how the inputs for the
calculate the impairments of loans and advances and
various models were determined and to the extent
the impact it might have on results, this area is subject
possible compared this to external market data. In the
to a higher risk of material misstatement. Therefore,
current Covid-19 environment applying macro-
we have identified the impairment of loans and
economic information was a challenge, for which the
advances as a key audit matter in our audit.
Company developed updated models. These model
changes were validated by a third-party expert and
subsequently assessed by us. Secondly, the Company
reassessed and changed the weightings given to
different macro-economic scenarios to make it more
conservative in the current uncertain environment.
We evaluated the changes and considerations made by
management. Furthermore, we reviewed the notes to
the financial statements on sufficiently clear
disclosures on the applied changes.
With respect to the LGD used in the calculation of
expected credit losses, we challenged management’s
evaluation of the limited available historic information
and the assumptions applied therein.
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Key audit matter Our audit work and observations
Application of hedge accounting Internal controls:
Refer to the accounting policy ‘Hedge accounting’ and Our audit work included, amongst others,
the disclosure note ‘hedging of risks with derivatives’ understanding, evaluating and testing the design and
in the consolidated financial statements operating effectiveness of controls relating to the
The Company enters into derivatives to hedge its documentation and review of the portfolio hedge
interest rate risk and variability in cash flows. By relationship, including testing the hedge
applying hedge accounting, the results of the hedged ineffectiveness by management. Based on this work,
item and the hedging instrument are recognised we concluded that, to the extent relevant to our audit,
simultaneously in the income statement to neutralise we could rely on these controls for the purpose of our
the impact on the result, to the extent the hedging audit.
relationship is effective.
Evaluation models and valuation methodology:
The Company applies micro fair value hedge We tested the models used by BNG Bank N.V. for
accounting to hedge interest rate risks and micro cash calculating hedge effectiveness for portfolio hedging.
flow hedge accounting to hedge the risk resulting from Furthermore, as part of our audit procedures, we also
variability in cash flows as a result of cross-currency tested management’s effectiveness calculations and no
fluctuations. For interest rate risk, the Company exceptions were noted.
applies micro fair value hedging as well as portfolio
Evaluating compliance with EU-IFRS:
fair value hedge accounting. We consider portfolio
With respect to the documentation supporting the
hedge accounting to be more complex in nature as
portfolio hedge accounting relationship, we verified
compared to micro hedge accounting and have,
that hedge documentation complied with the
therefore, determined portfolio hedge accounting to be
requirements of EU-IFRS. We found no exceptions in
a key focus area in our 2020 audit.
our test.
Use of models : The Company has developed specific
models for calculating hedge effectiveness for
portfolio hedge accounting. The determination of the
effectiveness is technically complex. As per
management’s assessment, portfolio hedge accounting
for BNG Bank N.V. has been highly effective in
recent years.
Requirements to apply hedge accounting: To apply
portfolio fair value hedge accounting, the Company
must meet the EU-IFRS requirements for portfolio
hedge accounting as included in IAS 39.
These include amongst others:
・ documentation of hedging relationships in formal
hedge documentation; and
・ validating that the hedge accounting relationship
meets all of the hedge effectiveness requirements
of IAS 39.
Given the technical and complex requirements for the
application of portfolio hedge accounting and that
incorrect application of these requirements could have
a material impact on the result and equity, we have
considered this to be a key audit matter in our audit.
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Key audit matter Our audit work and observations
Testing observable inputs: For both level 2 and level 3
Valuation of financial instruments
financial instruments, we compared the observable
Refer to the accounting policy ‘fair value of financial
inputs such as forward curves, discounting curves and
instruments’ and the disclosure note ‘fair value of
volatility cubes to independent sources and external
financial instruments’ in the consolidated financial
statements
market available data and we assessed whether these
inputs are in line with market and industry practise.
The Company has financial instruments on its balance
sheet that are measured at fair value through the For the own funding curve used to determine the own
income statement. The portfolio consists of €1,150 credit adjustment for financial liabilities measured at
million of financial assets classified as level 2 and
fair value, we evaluated the reasonableness of the
€195 million as level 3. curve construction by comparing the input to market
information available over the full term of the curve.
Financial liabilities measured at fair value through the
Our procedures demonstrated that management’s
income statement classified as level 2, are in total €
inputs fall within our range of reasonable outcomes.
539 million as per 31 December 2020. The derivative
portfolio with a fair value of €8,540 million recorded Challenging unobservable inputs: For level 3
as assets and €26,965 million recorded as liabilities instruments, we challenged management on
contains for >99% level 2 and <1% level 3 assumptions and methodology applied, the impact of
instruments.
COVID-19 on assumptions and inputs, and validated
the internal process performed to determine these
Level 2 financial instruments : For financial
inputs. As part of this, we also evaluated to what
instruments classified as level 2, management
extent we identified any indicators of possible
estimates the fair value by using discounted cash flow
management bias in estimating fair value. For the
models, option pricing models, modelling of double
financial assets classified as level 3, we challenged
default effects and other valuation techniques.
how the unobservable inputs (such as monoline
Judgement is required in determining the valuation
guarantees, and credit and liquidity spreads) were
model and policy. For level 2 instruments,
estimated and were determined based upon the internal
management uses observable inputs to determine
policies. Based upon our procedures, we consider the
forward curves, discounting curves, volatility cubes,
unobservable inputs and judgements made in
inflation curve and spread curves.
determining the fair value of level 3 instruments to be
For derivatives for which the Company has no strong
reasonable and in line with market practices.
credit support annex in place, a Credit Valuation
Adjustment (CVA) is estimated in the calculation of
Independent revaluation: For level 2 instruments, we
the fair value.
performed an independent valuation of a sample of
positions, taking into consideration different categories
Given the complexity in certain valuation models and
of financial instruments divided in, amongst others,
inputs, the size and diversity of the portfolio, and the
maturity, currency classes, curves and various
impact that the portfolio has on the results, this area is
valuation models applied. We performed these
subject to higher risk of material misstatement due to
procedures to determine if management’s valuation
error. Therefore, we consider the fair value
outcomes fell within a reasonable range of possible
measurement of level 2 financial instruments a key
outcomes and to validate the design and operating
audit matter.
effectiveness of the evaluated models and curves.
Level 3 financial instruments: For level 3 financial
instruments, management needs to estimate
unobservable inputs that are significant to the
measurement in the valuation models to determine fair
value. The main unobservable inputs relate to recovery
rates and correlation factors for bonds with a monoline
guarantee and credit and liquidity spreads. Given the
level of management estimation involved in
determining these unobservable inputs, the long
duration of some of those instruments and therefore
the impact that these assumptions have on result, this
area is subject to higher risk of material misstatement
due to error. Therefore, we consider this a key audit
matter.
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Report on the other information included in the annual report
In addition to the financial statements and our auditor’s report thereon, the annual report contains other information that
consists of:
・ foreword;
・ selected financial data;
・ driven by social impact;
・ internal business operations;
・ results and outlook;
・ governance
・ corporate governance statement;
・ report of the supervisory board;
・ supplementary information;
・ appendix; and
・ the other information pursuant to Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
Based on the procedures performed as set out below, we conclude that the other information:
・ is consistent with the financial statements and does not contain material misstatements; and
・ contains the information that is required by Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
We have read the other information. Based on our knowledge and understanding obtained in our audit of the financial
statements or otherwise, we have considered whether the other information contains material misstatements.
By performing our procedures, we comply with the requirements of Part 9 of Book 2 of the Dutch
Civil Code and the Dutch Standard 720. The scope of such procedures was substantially less than the scope of those performed
in our audit of the financial statements.
The executive board is responsible for the preparation of the other information, including the directors’ report and the other
information in accordance with Part 9 of Book 2 of the Dutch
Civil Code.
Report on other legal and regulatory requirements
Our appointment
We were appointed on 23 April 2015 as auditor of BNG Bank N.V. by the general meeting, following a recommendation by
the supervisory board on 28 November 2014.
Our appointment has been renewed annually by shareholders representing a total period of uninterrupted engagement
appointment of 5 years.
No prohibited non-audit services
To the best of our knowledge and belief, we have not provided prohibited non-audit services as referred to in Article 5(1) of
the European Regulation on specific requirements regarding statutory audit of public-interest entities.
Services rendered
The services, in addition to the audit, that we have provided to the Company and its controlled entities, for the period to which
our statutory audit relates, are disclosed in note 32 to the company financial statements.
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Responsibilities for the financial statements and the audit
Responsibilities of the executive board and the supervisory board for the financial statements
The executive board is responsible for:
・ the preparation and fair presentation of the financial statements in accordance with EU-IFRS and with Part 9 of Book 2 of
the Dutch Civil Code; and for
・ such internal control as the executive board determines is necessary to enable the preparation of the financial statements
that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
As part of the preparation of the financial statements, the executive board is responsible for assessing the Company’s ability to
continue as a going concern. Based on the financial reporting frameworks mentioned, the executive board should prepare the
financial statements using the going-concern basis of accounting unless the executive board either intends to liquidate the
Company or to cease operations, or has no realistic alternative but to do so. The executive board should disclose events and
circumstances that may cast significant doubt on the Company’s ability to continue as a going concern in the financial
statements.
The supervisory board is responsible for overseeing the Company’s financial reporting process.
Our responsibilities for the audit of the financial statements
Our responsibility is to plan and perform an audit engagement in a manner that allows us to obtain sufficient and appropriate
audit evidence to provide a basis for our opinion. Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the financial
statements as a whole are free from material misstatement, whether due to fraud or error and to issue an auditor’s report that
includes our opinion. Reasonable assurance is a high but not absolute level of assurance, which makes it possible that we may
not detect all material misstatements. Misstatements may arise due to fraud or error. They are considered to be material if,
individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users taken on the
basis of the financial statements.
Materiality affects the nature, timing and extent of our audit procedures and the evaluation of the effect of identified
misstatements on our opinion.
A more detailed description of our responsibilities is set out in the appendix to our report.
Amsterdam, 12 March 2021
PricewaterhouseCoopers Accountants N.V.
J.M. de Jonge RA
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Appendix to our auditor’s report on the financial statements 2020 of BNG Bank N.V.
In addition to what is included in our auditor’s report, we have further set out in this appendix our responsibilities for the audit
of the financial statements and explained what an audit involves.
The auditor’s responsibilities for the audit of the financial statements
We have exercised professional judgement and have maintained professional scepticism throughout the audit in accordance
with Dutch Standards on Auditing, ethical requirements and independence requirements. Our audit consisted, among other
things of the following:
・ Identifying and assessing the risks of material misstatement of the financial statements, whether due to fraud or error,
designing and performing audit procedures responsive to those risks, and obtaining audit evidence that is sufficient and
appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the intentional override of internal control.
・ Obtaining an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are appropriate
in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Company’s internal
control.
・ Evaluating the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and related
disclosures made by the executive board.
・ Concluding on the appropriateness of the executive board’s use of the going concern basis of accounting, and based on the
audit evidence obtained, concluding whether a material uncertainty exists related to events and/or conditions that may cast
significant doubt on the Company’s ability to continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty
exists, we are required to draw attention in our auditor’s report to the related disclosures in the financial statements or, if
such disclosures are inadequate, to modify our opinion.
Our conclusions are based on the audit evidence obtained up to the date of our auditor’s report and are made in the context
of our opinion on the financial statements as a whole. However, future events or conditions may cause the Company to
cease to continue as a going concern.
・ Evaluating the overall presentation, structure and content of the financial statements, including the disclosures, and
evaluating whether the financial statements represent the underlying transactions and events in a manner that achieves fair
presentation.
Considering our ultimate responsibility for the opinion on the consolidated financial statements, we are responsible for the
direction, supervision and performance of the group audit. In this context, we have determined the nature and extent of the
audit procedures for components of the Group to ensure that we performed enough work to be able to give an opinion on the
financial statements as a whole. Determining factors are the geographic structure of the Group, the significance and/or risk
profile of group entities or activities, the accounting processes and controls, and the industry in which the Group operates. On
this basis, we selected group entities for which an audit or review of financial information or specific balances was considered
necessary.
We communicate with the supervisory board regarding, among other matters, the planned scope and timing of the audit and
significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit. In this
respect, we also issue an additional report to the audit committee in accordance with Article 11 of the EU Regulation on
specific requirements regarding statutory audit of public-interest entities. The information included in this additional report is
consistent with our audit opinion in this auditor’s report.
We provide the supervisory board with a statement that we have complied with relevant ethical requirements regarding
independence, and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to bear on our
independence, and where applicable, related actions taken to eliminate threats or safeguards applied.
From the matters communicated with the supervisory board, we determine those matters that were of most significance in the
audit of the financial statements of the current period and are therefore the key audit matters. We describe these matters in our
auditor’s report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when, in extremely rare circumstances,
not communicating the matter is in the public interest.
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( 日本語訳)
独立監査人の監査報告書
BNG 銀行の株主総会および監督取締役会 御中
2020 年度財務書類に対する監査報告書
当監査法人の意見
当監査法人は、BNG銀行の財務書類が、欧州連合が採用している国際財務報告基準(以下「EU-IFRS」という。)
およびオランダ民法典第2編第9章に準拠して、BNG銀行およびグループ(BNG銀行およびその子会社)の2020年12
月31日現在の財政状態および同日をもって終了する事業年度の経営成績ならびにキャッシュフローを真実かつ公正
に表示するものと認める。
監査範囲
当監査法人は、ハーグ所在のBNG銀行の添付の2020年度財務書類の監査を行った。本財務書類には、グループの
連結財務書類および個別財務書類が含まれる。
財務書類は以下から構成されている。
- 2020年12月31日現在の連結および個別貸借対照表
- 2020年度の以下の財務書類:連結および個別損益計算書、連結および個別包括利益計算書、連結および個別
株主資本変動計算書ならびに連結および個別キャッシュフロー計算書
- 重要な会計方針およびその他の説明的な情報からなる注記
本財務書類の作成において適用されている財務報告の枠組みは、EU-IFRSおよびオランダ民法典第2編第9章の
関連条項である。
当監査法人の意見の基礎
当監査法人は、オランダ監査基準を含むオランダの法律に準拠して監査を実施した。これらの基準に基づく当監
査法人の責任については、当監査報告書の「財務書類監査に関する当監査法人の責任」の区分に詳述している。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
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独立性
当監査法人は、社会的影響度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る欧州連合規則、「監査法人監督
法(Wet toezicht accountantsorganisaties)」(Wta)、「専門会計士倫理規則(Verordening inzake de
onafhankelijkheid van accountants bij assuranceopdrachten)」(ViO、独立性に関する規則)、およびオラン
ダにおける関連するその他の独立性の規定に従い、BNG銀行から独立している。さらに、当監査法人は、「ドイツ
倫理規則(Verordening gedrags- en beroepsregels accountants)」(VGBA)に準拠している。
当監査法人の監査アプローチ
概観と背景
BNG 銀行は、オランダにおいて銀行業免許を有する金融機関である。BNG銀行は、主にオランダ公的機関および第
三セクターに対する融資業務を行っている。グループは複数の構成単位からなるため、当監査法人はグループ監査
の範囲およびアプローチについて「グループ監査の範囲」の区分に記載のとおりとした。当監査法人は、以下に記
載のとおり、グループの営業活動に起因する重点領域に特に注意を払った。
監査計画の一環として、当監査法人は、重要性の決定および財務書類における重要な虚偽表示のリスクの評価を
行った。当監査法人は特に、仮定の決定や本質的に不確実な将来事象の検討を伴う重要な会計上の見積りに関する
ものなど、執行取締役会が重要な判断を行った領域について検討した。財務書類の「会計上の見積りおよび判断」
の段落において、グループは、会計方針の適用において判断を伴う領域および見積りの不確実性の主な発生原因に
ついて説明している。貸付金および債権の減損ならびに金融商品の評価においては、見積りの不確実性が重要であ
り、重要な虚偽表示の比較的高いリスクが内在することから、当監査法人はこれらの事項を監査上の主要な検討事
項と判断しており、当監査報告書の「監査上の主要な検討事項」の区分に記載した。さらに、ポートフォリオ・
ヘッジ会計の適用においては、要件が技術的かつ複雑であること、またこれらの要件を誤って適用すると損益や資
本に重要な影響を及ぼす可能性があることから、当監査法人は、この事項についても監査上の主要な検討事項と判
断した。
BNG 銀行におけるITの重要性に鑑み、当監査法人の監査に関連する範囲において、IT全般統制に特に着目した。
IT全般統制は、サイバーセキュリティ・リスクの管理を含め、財務報告を目的とした信頼性のある情報自動処理を
確実に実施するための方針および手続からなる。BNG銀行は、IT業務の大部分をCentric FSSに外注している。当監
査報告書の「グループ監査の範囲」の区分に記載のとおり、当該外注は当監査法人の監査に影響を及ぼしている。
当監査法人は、金融機関監査に必要とされる適切なスキルと能力が備わるように監査チームを編成した。そのた
め、IT、税務および金融商品の評価の分野の専門家をチームに含めている。
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当監査法人の監査アプローチの概要は、以下のとおりである。
重要性
‐ 全体的な 重要性の基準値:16.6百万ユーロ(2019年度:11.4百万ユーロ)
監査範囲
‐ 当監査法人は、BNG銀行ならびにその子会社であるBNG Gebiedsontwikkeling B.V.およびHypotheekfonds
voor Overheidspersoneelについて監査を実施した。当監査法人は、IT環境の評価において、Centric FSSの
ISAE 3402 タイプ2保証報告書を利用した。
監査上の主要な検討事項
‐ 貸付金および債権の減損
‐ ヘッジ会計の適用
‐ 金融商品の評価
重要性
当監査法人の監査範囲は重要性の適用に影響されるが、これについては「財務書類監査に関する当監査法人の責
任」の区分に詳述されている。
監査人の職業的専門家としての判断によって、当監査法人は、財務書類全体における重要性の基準値など、重要
性に関して特定の定量的な基準値を下表のとおり決定した。これらは定性的な検討と合わせて、個々の財務書類項
目および開示内容に対する監査手続の内容、実施時期および範囲を決定する際、ならびに識別された虚偽表示が、
個別にも集計しても、全体としての財務書類ならびに当監査法人の意見に及ぼす影響を評価する際に役立った。
グループの全体的な重要性の基準 16.6 百万ユーロ(2019年度:11.4百万ユーロ)
値
重要性の算定根拠 当監査法人は監査人の職業的専門家としての判断によって全体的
な重要性の基準値を決定した。判断の根拠として、当監査法人は
税引前利益の5%を適用した。
適用されたベンチマークの根拠 当監査法人は、財務書類利用者が共通して着目している情報であ
るという監査法人の分析に基づき、一般に公正妥当と認められた
監査実務として、税引前利益を主たるベンチマークとして使用し
た。これに基づいて、当監査法人は、税引前利益がグループの業
績の重要な指標であると判断している。
当監査法人はまた、意見形成において、定性的な理由から重要であると当監査法人が判断する虚偽表示および/
または潜在的虚偽表示も考慮に入れている。
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当監査法人は、監査中に識別した0.8百万ユーロ(2019年度:0.6百万ユーロ)を超える虚偽表示のほか、当監査
法人として定性的な理由から報告が必要と考えたそれより少額の虚偽表示についても、監督取締役会に報告するこ
とを同委員会と合意した。
グループ監査の範囲
BNG 銀行は、BNG Gebiedsontwikkeling B.V.およびHypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V.を100%子会
社にもつグループの親会社である。当該子会社の財務情報は、BNG銀行の連結財務書類に含まれている。財務書類
における連結残高および取引はすべて、当監査法人の監査範囲である。
当監査法人は、財務書類全体に対する意見を表明するのに十分な作業を実施できるよう、グループの経営組織構
造、構成単位の事業活動の内容、会計上の手続および統制、ならびにグループが事業活動を行っている市場を考慮
して監査対象範囲を決定した。
BNG 銀行は、IT業務および支払サービスの大部分をCentric FSSに外注している。当監査法人は、IT環境の評価に
おいて、Centric FSSのISAE 3402 タイプ2保証報告書を利用した。ここでは、Centric FSSの監査人によるISAE
3402の作業の計画に関与し、監査の進捗および期中の検出事項について協議し、最後にISAE 3402保証報告書の最
終版を評価した。当監査法人は、これらの実施手続に基づき、BNG銀行の財務書類監査においてCentric FSSのISAE
3402 タイプ2保証報告書に依拠できると判断した。
当監査法人は、構成単位レベルで上記手続を実施するとともに、グループレベルで追加手続を実施することによ
り、全体としてグループの財務書類に対する当監査法人の意見の基礎を提供するために十分かつ適切な監査証拠を
入手することができた。
不正および法令違反のリスクに対する監査重点項目
不正
不正に関する当監査法人の監査目的は、以下のとおりである。
- 不正による財務書類の重要な虚偽表示のリスクを識別し評価すること。
- 評価された不正による重要な虚偽表示リスクに関して、適切な監査手続を立案し実施することで十分かつ適
切な監査証拠を入手すること。
- 監査中に識別された不正または不正の兆候について適切に対応すること。
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当監査法人は財務書類における重要な虚偽表示リスクを評価するにあたり、当監査法人のすべての監査と同様
に、執行取締役会による偏向の証拠が存在するかどうか(不正による重要な虚偽表示リスクを示す場合がある。)
の評価を含め、経営者が内部統制を無効化するリスクにも対処した。当監査法人は、不正リスクを軽減する内部統
制の整備および運用を評価し、適切と考えられる場合には、運用の有効性をテストするとともに、BNG銀行の偏向
に対してリスクの高い仕訳のデータ分析および主要な見積りや判断の評価を行い、最後に予測不能性の要素を当監
査に取り入れた。また経営者の重要な判断を伴う会計上の見積りというリスクのより高い主要な領域に対する当監
査法人のアプローチについて監査上の主要な検討事項において記載している。
不正の防止と発見に関する主たる責任は、監査役会の監視下にある執行取締役会にある。
法規制
財務書類作成の目的上、新たに発生したコンプライアンスまたは訴訟領域を経営者が識別または対処していない
という業界特有のリスクが存在する。これには、法的または規制プロセスの将来の結果について、引当金の認識ま
たは偶発債務の開示が必要かどうかの検討が含まれる。
法規制違反に関する当監査法人の監査目的は、以下のとおりである。
- 法規制違反による財務書類の重要な虚偽表示リスクを識別し評価すること。
- 適用される法規制の枠組みの検討において、全体としての財務書類に不正または誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかに関する合理的な保証を得ること。
当監査法人の監査アプローチでは、オランダ監査基準第250号に従い、これらの法規制について以下の通り区分
した。
- 財務書類において重要性のある金額および開示の決定に直接的影響のあるもの。この区分において、当監査
法人はこれらの法規制条項 の 遵守に関する監査証拠を入手した。
- 財務書類において重要性のある金額および開示の決定に直接的影響はないが、事業の運営的側面において、
BNG 銀行の継続企業として存続する能力において、 または多額の罰金を回避する上で、遵守が必要不可欠であ
る場合。このような場合において、当監査法人は、財務書類に重要な影響を及ぼす可能性のある法規制違反
を識別するための特定の監査手続を実施した。
当監査法人は、法規制違反リスクが主に、マネーロンダリング防止およびテロ資金供与対策(Wwft)(マネーロ
ンダリング防止(AML)やカスタマー・デュー・ディリジェンス(CDD)の規則を含む)、第2次金融商品市場指令
(MiFID II)、取引報告ならびに一般データ保護規制(GDPR)など、財務書類に間接的影響のある 法 規則に関する
ものであると識別した。
法規則違反の防止と発見に関する主たる責任は、監査役会の監視下にある執行取締役会にある。
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COVID-19 が2020年度の監査アプローチに及ぼす影響
COVID-19 の感染拡大後、当監査法人は監査を実施する上で数々の課題に直面している。これを受けて当監査法人
は、今回のパンデミックが監査アプローチや監査の実施に及ぼす影響について検討した。経営者への質問や会議
は、ビデオ会議により実施した。また当監査法人は、監査証拠として使用する記録の網羅性、正確性および信頼性
を確保するため、監査に最も関連のあるアプリケーションを閲覧する権限を得た。COVID-19のパンデミックの影響
を受けた監査上の項目は、以下のとおりである。
- リモート勤務による、監査に関連のあるBNG銀行の統制環境への影響。監査に関連のあるBNG銀行の日次の会
計処理および業務処理の大半はすでに電子化されており、リモート環境下での遂行が可能であった。した
がって、リモート勤務環境への移行により、BNG銀行の統制環境に重要な変更または混乱は生じていない。
COVID-19の影響としては、内部監査による複数の検出事項、複数の業務上のインシデントおよびプロジェク
トの遅延が認識されている。当監査法人は、リモート環境下での業務を含め、COVID-19のパンデミックによ
る、監査に関連のある内部統制の有効な運用への影響は限定的であると評価した。
- BNG銀行の資本および流動性の状況への影響。当監査法人は、BNG銀行の継続企業として存続する能力を裏付
けるBNG銀行による評価について検討した。
- BNG銀行の不正リスク・エクスポージャーおよび業務上のインシデントへの影響。当監査法人の手続について
は、当監査報告書の「不正および法令違反のリスクに対する監査重点項目」の区分に記載している。
- BNG銀行の資産評価。貸付金および債権、金融資産ならびに金融負債などの一部の資産クラスは、COVID-19パ
ンデミックにより経済的影響を受けた。現在の環境下における不確実性と、COVID-19のパンデミックによる
前例のない影響が継続的に変化する性質のものであることから、特に貸付金および債権の予想信用損失の見
積りにおいて、会計上の見積りの監査を実施する際の複雑性や難しさが増大している。当監査法人の手続に
は、これらの会計上の事項およびBNG銀行が適用した財務報告フレームワークに準拠した財務書類上の関連開
示の評価が含まれる。貸付金および債権に係る減損引当金について実施した手続については、「監査上の主
要な検討事項」の区分を参照のこと。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項は、当監査法人による職業的専門家としての判断において、財務書類監査で最も重要な
事項である。当監査法人は、監督取締役会に対して、監査上の主要な検討事項を伝達した。監査上の主要な検討事
項は、監査上識別し討議したすべての事項を包括的に反映するものではない。この区分において、当監査法人は、
監査上の主要な検討事項について詳述し、これらの事項について実施した監査手続の要約を含めた。
当監査法人は、財務書類全体に対する監査の観点から、また当監査法人の監査意見を形成するうえで、監査上の
主要な検討事項に対応した。当監査法人は、これらの事項または財務書類の特定の要素に対して個別の意見を表明
しない。当監査法人が実施した手続の結果に対するコメントまたは指摘事項はすべて、この点を踏まえて読まれる
べきである。前年度と比較して、監査上の主要な検討事項と考えられる重要な取引や進展は見られなかったため、
当監査法人は新たな監査上の主要な検討事項を含めていない。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
貸付金および債権の減損
連結財務書類における会計原則「金融資産の減 会計方針の選択の評価: IFRS 第9号の要件に準拠して会計
損」、注記31「金融資産の減損損失純額」および注 方針が策定されているかどうかを判断するため、経営者が
記37「金融資産およびオフバランスシート契約の減 どのようにこの基準を適用しているかについて評価した。
損」を参照のこと。 当監査法人は、何がSICRとみなされるか、信用リスクが低
い場合の免除規定の適用およびデフォルトの定義の領域に
2020 年12月31日現在において、貸付金および前渡金 おける主要な会計方針の選択に係る経営者の判断について
に分類され、償却原価で測定される顧客への貸付 批判的に検証した。当監査法人は、IFRS第9号を適用する
は、89十億ユーロであった。貸付金ポートフォリオ にあたり選択された会計方針は妥当であると考える。
のほとんどは、(中央)政府機関もしくはWSWまた
はWfz保証ファンドが保証する貸付金に関するもの
個別エクスポージャーの評価: SICR が発生していないと経
である。この分類の固有の信用リスクは、財務書類
営者が結論付けた貸付金およびSICRが認識された貸付金を
のリスクの区分に記載されるように、限定的であ
含む貸付金サンプルについては、たとえば重要な返済遅延
る。したがって、これらの貸付金の予想信用損失は
がないという決定、最新の内部年次信用調査の通知の入手
低いと考えられる。しかしながら、BNG銀行は、減
および取引相手の最新の財務情報の評価などにより、経営
損リスクが比較的高い、9十億ユーロの無保証の貸
者による信用リスク水準の評価を評価した。また、当監査
付金ポートフォリオを保有している。2020年12月31
法人の当初の検出事項に基づき、内部の最新年次信用力評
日現在の貸付金および前渡金の減損引当金は210百
価および公開されている不利なニュースがある場合はその
万ユーロであり、損益計算書に認識された2020年度
分析に特に注意を払い、貸付金の減損計上に信用リスク評
の貸付金および前渡金に対する減損費用純額は、16
価の乖離がより大きな影響を与えるステージ1およびス
百万ユーロである。
テージ2の上位にある貸付金までサンプルを拡大した。当
監査法人の手続により、ステージの決定に関して経営者と
見積りの不確実性および経営者の判断における領
異なる結果は生じなかった。
域: 貸付金および前渡金の予想信用損失の計算の決
定において、経営者は多数の領域で判断を適用する
信用減損している貸付金について、当監査法人は、各シナ
必要がある。これは特に、何が信用リスクの著しい
リオの予測キャッシュフローの実行可能性を評価し、信用
増大(以下「SICR」という。)とみなされるかや、
減損している貸付金ごとの個別シナリオの確率配分に関す
貸付金および債権の予想信用損失を測定するために
る経営者の分析を評価した。予測キャッシュフローの評価
どのような将来予測的なマクロ経済情報が関連する
にあたり、当監査法人は、これが最善の見積りであるか評
かの決定、ならびに経営者によるデフォルト確率お
価するため、経営者が期待キャッシュフローおよび入手可
よびデフォルト時損失の見積りなど、減損測定のた
能な担保に割り当てた金額を評価した。
めに行使された選択および判断に当てはまる。2020
年度においては、COVID-19の経済的影響により、マ
内部信用格付モデルの評価: 使用された内部信用格付モデ
クロ経済シナリオの設定やそれに伴う潜在的な経済
ルについて、当監査法人は、モデル・ガバナンスの手続、
的結果の振れ幅に対する加重の設定において、見積
リスク管理による信用モデルのモニタリング、信用格付の
りの不確実性が増大している。
決定に適用されたマクロ経済シナリオの手法およびオー
バーレイの妥当性を評価した。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
モデルおよび仮定 : ステージ1および2の予想信用 経営者は外部の専門家を利用して、内部の信用格付モデル
の検証を行った。監査手続の一環として、当監査法人は特
損失を計算するために、執行取締役会は、デフォル
に、これらの外部専門家の適性、能力および客観性を評価
ト確率(以下「PD」という。)およびデフォルト時
した。さらに、当監査法人は、これらの外部専門家が発行
損失(以下「LGD」という。)ならびにデフォルト
した、実施手続、入手した証拠および結論について要約さ
時エクスポージャー(以下「EAD」という。)を見
れた報告書を入手した。当監査法人はこれらの報告書につ
積もった。BNG銀行の貸付金ポートフォリオはデ
いて、BNG銀行の内部のモデル所有者および外部専門家と協
フォルト特性が低く、結果として、適用されるPDお
議し、評価した。当監査法人はまた、外部専門家の結論を
よびLGDの裏付けとしてバックテストを行うための
評価し、内部の信用格付モデルが目的に合致しており、そ
内部過去データは限られる。
の提言は予想信用損失の計算に重要な影響を与えるもので
はないと結論付けた。内部信用格付およびこれに対応する
経営者は、外部格付が利用できないエクスポー
PDの決定において、経営者による潜在的な偏向の兆候は識
ジャーのPDの見積りに、内部で開発した信用格付モ
別されなかった。
デルを使用した。BNG銀行の貸付金ポートフォリオ
のデフォルト特性が低いことを考慮すると、当該格
将来予測的なマクロ経済情報について、当監査法人は、さ
付モデルは専門家向けのモデルとみなされ、格付ク
まざまなモデルのインプットがどのように決定されたかを
ラスごとに顧客を階層化するための高度な判断が必
批判的に検証し、可能な限り外部の市場データと比較する
要とされる。
手続を行った。現在のCOVID-19環境下ではマクロ経済情報
の適用が課題であり、BNG銀行はそのためのモデルを更新し
また、予想信用損失の計算に使用されるLGDに関し
た。このモデル変更は、第三者である専門家が検証し、そ
て、執行取締役会は重要な判断を適用している。
の後当監査法人も評価した。次にBNG銀行は、現在の不確実
BNG銀行は、入手できる限定的な過去デフォルト情
な環境下でより保守的に対応すべく、異なるマクロ経済シ
報に基づき算定した、簡便的かつフラットなLGDを
ナリオに対する加重を見直し、変更した。当監査法人は、
適用している。
経営者が行った変更および検討事項について評価した。さ
らに、適用された変更について十分かつ明確な開示が行わ
信用減損している貸付金について、減損引当金は3
れているか確認するため、財務書類の注記をレビューし
つの異なるシナリオにおける期待キャッシュフロー
た。
の現在価値純額(将来予測的な情報および基礎とな
る担保の評価を含む。)の加重平均に基づく。
予想信用損失の計算に使用されるLGDに関して、当監査法人
は、入手できる限定的な過去情報および当該情報に適用さ
貸付金および前渡金の減損の計算における複雑性お
れる仮定に対する経営者の評価について批判的に検証し
よび必要とされる判断、ならびにこれが損益に及ぼ
た。
す可能性がある影響を考慮すると、この領域は重要
な虚偽表示のリスクが相対的に高い。したがって、
当監査法人は、貸付金および前渡金の減損を監査上
の主要な検討事項とした。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
ヘッジ会計の適用
連結財務書類における会計方針「ヘッジ会計」およ 内部統制 : 当監査法人の監査には、特にポートフォリオ・
び開示注記「デリバティブを用いたリスクのヘッ
ヘッジ会計の文書化およびレビュー(経営者によるヘッジ
ジ」を参照のこと。
の非有効性のテストを含む。)に関する内部統制の理解、
整備および運用の有効性についての評価およびテストが含
BNG 銀行は、金利リスクおよびキャッシュフローの
まれる。当監査法人は、実施した監査手続の結果、監査に
変動性をヘッジするために、デリバティブを利用し
関連する範囲において、監査の目的上、これらの統制に依
ている。ヘッジ会計の適用により、ヘッジ対象およ
拠できると判断した。
びヘッジ手段の損益は、損益に対する影響をなくす
ため、ヘッジ関係が有効な範囲において、損益計算
評価モデルおよび評価手法 : 当監査法人は、BNG銀行がポー
書上同時に認識される。
トフォリオ・ヘッジに関するヘッジの有効性の算定に使用
したモデルをテストした。さらに、当監査法人の監査手続
BNG 銀行は、金利リスクのヘッジに関してミクロ公
の一環として、経営者による有効性テストの検証について
正価値ヘッジ会計を、またクロスカレンシーの変動
も実施し、その結果、例外事項は検出されなかった。
によるキャッシュフローの変動性から生じるリスク
をヘッジするためにミクロキャッシュフロー・ヘッ
EU-IFRS への準拠の評価 : ポートフォリオ・ヘッジ会計の裏
ジ会計を適用している。また金利リスクについて
付文書について、EU-IFRSの要件を記載したヘッジ文書を確
は、BNG銀行は、ミクロ公正価値ヘッジならびに
認した。当監査法人のテストにおいて、例外事項は検出さ
ポートフォリオ公正価値ヘッジを適用している。当
れなかった。
監査法人は、ポートフォリオ・ヘッジ会計がミクロ
ヘッジ会計より複雑な性質を有していることから、
ポートフォリオ・ヘッジ会計を2020年度監査におけ
る主要な事項であると判断した。
モデルの使用 : BNG 銀行はポートフォリオ・ヘッジ
会計のヘッジの有効性を算定する特別なモデルを開
発した。有効性の決定は技術的な複雑性を有する。
経営者の評価によれば、BNG銀行のポートフォリ
オ・ヘッジ会計は近年において非常に有効である。
ヘッジ会計の適用要件 : ポートフォリオ公正価値
ヘッジ会計の適用において、BNG銀行はIAS第39号に
含まれるポートフォリオ・ヘッジ会計に対するEU-
IFRSの要件を満たさなければならない。これには特
に以下の項目が含まれる。
‐ 正式なヘッジ文書におけるヘッジ関係の文書化
‐ 会計上のヘッジ会計がIAS第39号のヘッジの有効
性に関するすべての要件を満たしていることを
検証する
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
ポートフォリオ・ヘッジ会計の適用には技術的かつ
複雑な要件が伴うことから、これらの要件の適用を
誤ると損益および資本に重要な影響が生じる可能性
があることに鑑み、当監査法人はこれを監査上の主
要な検討事項とした。
金融商品の評価
連結財務書類における会計方針「金融商品の公正価 観察可能インプットのテスト : レベル2およびレベル3の
値」および開示注記「金融商品の公正価値」を参照
両方の金融商品について、当監査法人は、フォワード・
のこと。
カーブ、割引カーブおよびボラティリティ・キューブなど
の観察可能インプットを独立した情報源および外部の入手
BNG 銀行は貸借対照表において、純損益を通じて公
可能な市場データと比較し、これらのインプットが市場お
正価値で測定される金融商品を計上している。ポー
よび業界の慣行と整合しているか評価した。
トフォリオは、レベル2に分類される1,150百万
ユーロおよびレベル3に分類される195百万ユーロ
公正価値で測定される金融負債に関する自己信用調整を決
の金融資産から構成されている。
定するために用いる自己資金調達カーブについて、当監査
法人は、カーブの全期間にわたってインプットを入手可能
レベル2に分類される純損益を通じて公正価値で測
な市場の情報と比較することにより、カーブの構造の妥当
定される金融負債は、2020年12月31日現在、合計
性について評価した。当監査法人の手続により、経営者の
539百万ユーロである。デリバティブ・ポートフォ
インプットが合理的な結果の範囲に収まることが明示され
リオの公正価値は、資産として計上される8,540百
た。
万ユーロおよび負債として計上される26,965百万
ユーロであり、その99%超がレベル2、1%未満が
観察可能インプットに関する批判的検証 : レベル3の金融
レベル3の金融商品である。
商品について、当監査法人は、仮定および適用された手法
ならびにCOVID-19が仮定およびインプットに与える影響に
レベル2の金融商品 : レベル2に分類される金融商
ついて批判的に検証し、これらのインプットを決定するた
品について、経営者は、割引キャッシュフロー・モ
めに実施された内部の手続を検証した。この一環として、
デル、オプション価格モデル、ダブル・デフォルト
当監査法人は、公正価値の見積りにおける経営者による潜
効果モデリングおよびその他の評価技法を適用して
在的な偏向の兆候をどの程度識別したかの評価も実施し
公正価値を見積もっている。評価モデルおよび方針
た。レベル3に分類される金融資産について、当監査法人
の決定には、判断を要する。レベル2の金融商品に
は、観察不能インプット(モノライン保証ならびにクレ
ついて、経営者は、観察可能なインプットを用いて
ジットおよび流動性スプレッドなど)の見積方法および内
フォワード・カーブ、割引カーブ、ボラティリ
部の方針に基づく決定方法について批判的に検証した。当
ティ・キューブ、インフレ・カーブおよびスプレッ
監査法人の手続に基づき、当監査法人は、レベル3の金融
ド・カーブを決定している。BNG銀行が強固な信用
商品の公正価値の決定における観察不能インプットおよび
裏付となる付属文書を作成していないデリバティブ
判断は妥当であり、市場慣行に沿っていると結論付けた。
については、公正価値の算定において信用評価調整
(以下「CVA」という。)が見積もられる。
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監査上の主要な検討事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
特定の評価モデルおよびインプットにおける複雑 独立した再評価 : レベル2の金融商品について、当監査法
性、ポートフォリオの規模および分散性、ならびに
人は、特に満期、通貨クラス、カーブおよび適用された
当該ポートフォリオが損益に及ぼす影響を考慮する
様々な評価モデルに分類された金融商品の異なる区分につ
と、この領域は、誤謬による重要な虚偽表示のリス
いて考慮の上、ポジションのサンプルの独立した評価を実
クが比較的高い。したがって、当監査法人はレベル
施した。当監査法人は、経営者の評価結果が合理的に起こ
2の金融資産の公正価値測定を監査上の主要な検討
りうる結果の範囲内にあるかを判断するため、また、評価
事項と判断している。
対象のモデルおよびカーブの整備と運用の有効性について
検証するために上記の監査手続を実施した。
レベル3の金融商品 : レベル3の金融商品につい
て、経営者は、公正価値を決定するために、評価モ
デルにおける測定上で経営者が重要と考える観察不
能インプットを見積もらなければならない。主な観
察不能インプットは、モノライン保証ならびに信用
および流動性スプレッドを伴う債券の回収率および
相関係数に関連している。これらの観察不能イン
プットの決定に関与する経営者の見積りの水準や、
これらの金融商品の一部の期間が長期であるために
仮定が損益に及ぼす影響を考慮すると、この領域
は、誤謬による重要な虚偽表示のリスクが比較的高
い。したがって、当監査法人はこれを監査上の主要
な検討事項と判断している。
年次報告書に含まれているその他の情報に関する報告
本年次報告書には、財務書類および財務書類に対する当監査法人の監査報告書に加え、以下からなるその他の情
報も含まれている。
‐ 序文
‐ 財務データ抜粋
‐ 社会的影響を受けるもの
‐ 内部事業オペレーション
‐ 結果および見通し
‐ ガバナンス
‐ コーポレートガバナンス報告書
‐ 監督取締役会報告書
‐ 補足情報
‐ 付属書類
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‐ オランダ 民法典第2編第9章に準拠したその他の情報
以下に記載のとおり実施された手続に基づき、当監査法人はその他の情報について以下のとおりであると判断し
た。
‐ 財務書類と整合しており、重要な虚偽表示が含まれていない。
‐ オランダ民法典第2編第9章により要求されている情報を含んでいる。
当監査法人はその他の情報を通読した。当監査法人は、財務書類監査またはその他の方法により得た知識および
理解に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示が含まれているかどうかについての検討を行った。
当監査法人の手続を実施することにより、当監査法人はオランダ民法典第2編第9章およびオランダの監査基準
720の要件に準拠している。この手続の範囲は、財務書類監査で実施した監査手続の範囲よりも相当程度に限定さ
れたものである。
執行取締役会は、取締役報告書およびオランダ民法典第2編第9章により要求されるその他の情報を含む、その
他の情報を作成する責任を有する。
その他の法令および規制上の規定に関する報告
当監査法人の任命
2014 年11月28日に開催された監督取締役会の提案を受けて、当監査法人は、2015年4月23日に定時株主総会によ
りBNG銀行の監査人に任命された。
当監査法人の任命は、株主総会において年に1度更新されており、連続して監査人を務めている合計期間は5年
である。
提供禁止非監査業務を提供していないこと
当監査法人が知る限りにおいて、当監査法人は社会的影響度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る
欧州規則第5条(1)に記載される提供禁止非監査業務を提供していない。
実施業務
当監査法人が、法定監査に関連する期間おいて、監査業務の他にBNG銀行およびその被支配事業体に提供した業
務は財務書類注記32に開示されている。
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財務書類および監査に関する責任
財務書類に関する執行取締役会および監督取締役会の責任
執行取締役会の責任は、以下のとおりである。
‐ EU-IFRS およびオランダ民法典第2編第9章に従い、財務書類を作成し公正に表示すること
‐ 不正または誤謬による重要な虚偽表示のない財務書類の作成に執行取締役会が必要と考える内部統制
財務書類の作成の一環として、執行取締役会はBNG銀行の継続企業として存続する能力を評価することに責任を
負う。執行取締役会は、BNG銀行の清算または営業を停止する意図がある場合、もしくはそうする以外に現実的な
代替案がない場合を除いて、上記の財務報告の枠組みに基づき、継続企業を前提として財務書類を作成すべきであ
る。執行取締役会は、財務書類において、BNG銀行の継続企業として存続する能力について重要な疑義を生じさせ
るような事象または状況を開示しなければならない。
監督取締役会は、BNG銀行の財務報告プロセスを監視する責任を負う。
財務書類監査に関する当監査法人の責任
当監査法人の責任は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができるように、監査業務
を計画し実施することである。当監査法人は、全体としての財務書類に不正または誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得ること、また当監査法人の監査意見が記載された監査報告書を発行すること
を目的としている。合理的な保証は、高い水準の保証ではあるが、絶対的な水準の保証ではないため、すべての重
要な虚偽表示を検出できるとは限らない可能性がある。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性がある。
虚偽表示は、個別にまたは合計して、当該財務書類の利用者の経済的意思決定に影響を及ぼすと合理的に見込まれ
る場合に、重要性があるとみなされる。
重要性は、監査手続の内容、実施時期および範囲、ならびに識別された虚偽表示が当監査法人の意見に与える影
響の評価に影響する。
当監査法人の責任に関する詳しい説明は、当監査報告書の付属書類に記載されている。
アムステルダム市、2021年3月12日
プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイ
J.M. デ・ヨン RA
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BNG 銀行の2020年度財務書類に対する監査報告書の付属書類
監査報告書に含めた内容に加え、当監査法人はこの付属書類においてさらに、財務書類監査に関する当監査法人
の責任について詳しく記載するとともに監査の内容について説明する。
財務書類の監査に関する当監査法人の責任
当監査法人は、オランダの監査基準、倫理要件および独立性の要件に従い、監査を通じて職業的専門家としての
判断を行使し、職業的専門家としての懐疑心を保持した。当監査法人の監査は特に以下の事項から構成された。
‐ 不正または誤謬による財務書類の重要な虚偽表示のリスクを特定し評価すること、それらのリスクに対応する
ための監査手続を立案し実施すること、および意見表明のための合理的な基礎を提供するために十分かつ適切
な監査証拠を入手すること。不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示
を発見できないリスクよりも高くなる。
‐ 状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解すること。ただし、これは
BNG銀行の内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
‐ 使用された会計方針の適切性、ならびに執行取締役会によって行われた会計上の見積りおよび関連する開示の
妥当性を評価すること。
‐ 執行取締役会が継続企業ベースを使用したことの適切性について、および入手した監査証拠に基づいて、BNG
銀行の継続企業として存続する能力に重要な疑義を生じさせる可能性のある事象および/または状況に関連し
て、重要な不確実性が存在するか否かについて結論を下すこと。当監査法人は、重要な不確実性が存在すると
いう結論を下した場合、監査報告書において、財務書類の関連する開示に注意を向けさせること、または当該
開示が不適切である場合は当監査法人の意見を修正することが要求される。当監査法人の結論は、その監査報
告書の日付までに入手した監査証拠に基づいており、財務書類全体に対する当監査法人の意見に照らして出さ
れたものである。しかしながら、将来の事象または状況が原因で、BNG銀行が継続企業として存続しなくなる
可能性がある。
‐ 開示を含め、財務書類の全体としての表示、構成および内容を評価すること。また財務書類が、基礎となる取
引や会計事象を適切に表示しているかどうかを評価すること。
当監査法人は連結財務書類に対する監査意見に最終責任を負うことから、グループ監査の指示、監督および実施
について責任を有する。この点に関して、当監査法人は、財務書類全体に対する監査意見を提供するための十分な
作業が実施されるように、グループ内の構成単位に対する監査手続の内容および範囲を決定した。決定要因は、グ
ループの地理的構造、グループ内の企業または活動の重要性および/またはリスクプロファイル、会計処理および
統制、ならびにグループが事業を行っている業界である。この基準に基づいて、当監査法人は、財務情報または特
定の残高について監査またはレビューが必要であると考えられるグループ内の企業を選定した。
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有価証券報告書
当監査法人は、監督取締役会に対し、特に、計画した監査の範囲とその実施時期、および監査の過程で特定され
た内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項を伝達する。この点において、当監査法人は、社会的影響
度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る欧州規則第11条に準拠して、監査委員会に追加の報告書を発
行した。この追加報告書に含まれる情報は、当監査報告書における当監査法人の監査意見と整合している。
当監査法人は、監督取締役会に対し、当監査法人の独立性についての倫理要件を遵守している旨を書面で伝達
し、また当監査法人の独立性に影響を与えると合理的に考えられうるすべての関係およびその他の事項、ならびに
該当する場合には 阻害要因を除外するために講じた関連措置または適用したセーフガード も伝えている。
監督取締役会との協議事項から、当監査法人は、当期の財務書類監査において最も重要性のある事項、すなわち
監査上の主要な検討事項を決定する。当監査法人は、かかる事項を監査報告書に記載するが、法令もしくは規制に
より当該事項の公開が禁止される場合、あるいはきわめて稀な状況ではあるが、当該事項を伝達しないことが公益
に適う場合はこの限りではない。
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有価証券報告書
連結貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
注記
資産
現金および中央銀行残高
1 2,312 1,272
銀行預入金
2、34 120 66
差入現金担保
3、34 20,361 14,643
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
4 1,452 1,764
デリバティブ
5 8,540 10,004
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
6、34 9,738 9,222
償却原価で測定される利付有価証券
7、34 7,880 7,764
償却原価で測定される貸付金および前渡金
8、34 88,942 88,279
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する
9 20,816 16,462
価値調整
関連会社および共同支配企業
10 31 35
有形固定資産
11 17 18
未収還付税金
20 1 30
その他の資産
149 130
12、34
資産合計
160,359 149,689
負債
銀行借入金
13 12,221 1,933
受入現金担保
14 858 1,137
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
15 656 674
デリバティブ
16 26,965 22,651
負債証券
17 108,615 112,661
受託資金
18 5,599 5,575
劣後債務
19 35 33
未払税金
20 - -
繰延税金負債
20 98 78
その他の負債
215 60
21
負債合計
155,262 144,802
株主資本
資本金
139 139
資本準備金
6 6
利益剰余金
3,712 3,567
再評価剰余金
86 84
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
11 13
自己信用調整
5 8
ヘッジコスト準備金
184 174
当期純利益
221 163
株主に帰属する持分
22
4,364 4,154
ハイブリッド資本
733 733
22
株主資本合計
22 5,097 4,887
負債および株主資本合計
160,359 149,689
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連結損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2020年度 2019年度
注記
-実効金利法を用いて計算した受取利息
4,514 4,889
362 634
-その他の受取利息
受取利息合計
4,876 5,523
-実効金利法を用いて計算した支払利息 4,313 4,994
86 94
-その他の支払利息
支払利息合計
4,399 5,088
477 435
利息損益 23
-受取手数料 29 32
4 2
-支払手数料
手数料損益 24 25 30
金融取引損益 25 (17) 37
関連会社および共同支配企業による損益 26 3 3
1 1
その他の収益 27
収益合計 489 506
人件費 28 49 41
その他の一般管理費 29 46 37
減価償却費 30 3 3
0 0
その他の営業費用
営業費用合計 98 81
金融資産の減損損失純額 31 16 153
関連会社および共同支配企業の減損損失純額 32 1 7
破綻処理基金への拠出 33 8 8
34 30
銀行税 33
その他の費用合計 59 198
332 227
税引前当期利益
法人所得税費用 20 111 64
221 163
当期純利益
-うちハイブリッド資本所有者に帰属
19 21
202 142
-うち株主に帰属
参照番号は連結財務書類に対する注記を示している。連結財務書類に対する注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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連結包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
2020年度 2019年度
当期純利益
221 163
株主資本で直接認識される組替調整される損益
キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 (2) 3
- -
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(2) 3
ヘッジコスト準備金の変動:
-未実現価額の変動 20 (50)
(10) 2
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
10 (48)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される金融資産に係る再評価剰余金の変動:
-未実現価額の変動 32 (23)
(30) (18)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
2 (41)
組替調整される損益合計 10 (86)
株主資本で直接認識される組替調整されない
損益:
-FVTPLで測定するものとして指定された
(3) (1)
金融負債の信用リスクの変動に起因する
公正価値の変動
(3) (1)
組替調整されない損益合計
株主資本で直接認識される損益 7 (87)
合計 228 76
-うちハイブリッド資本所有者に帰属 19 21
209 55
-うち株主に帰属
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連結キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2020年度 2019年度
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益
332 227
調整:
-減価償却費
3 3
-減損
17 160
-純損益を通じて測定される未実現損益
54 (20)
営業資産および負債の変動:
-銀行預入金および借入金(要求払以外)の変動
10,463 (532)
-差入現金担保および受入現金担保の変動
(5,864) (1,854)
-レポ取引およびリバースレポ取引の変動
- -
-貸付金および前渡金の変動
(628) (3,432)
-受託資金の変動
172 (272)
-デリバティブの変動
(1,416) 626
-支払法人税
(71) (86)
-営業活動によるその他の変動
(210) (232)
営業活動によるキャッシュフロー純額
2,852 (5,412)
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
(146) (3)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(5,016) (1,776)
-償却原価で測定される利付有価証券
(1,862) (1,824)
-関連会社および共同支配企業に対する投資
- (1)
-有形固定資産 (2) (3)
処分および償還:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
496 45
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
4,553 2,267
-償却原価で測定される利付有価証券
1,821 1,516
-関連会社および共同支配企業に対する投資
2 3
投資活動によるキャッシュフロー純額
(154) 224
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2020年度 2019年度
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
- 12
-負債証券
219,779 401,879
支払額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
(8) (143)
-負債証券
(221,405) (396,691)
-劣後債務
- -
-ハイブリッド資本に係る利息支払い
(25) (25)
-株主に対する配当金
- (159)
財務活動によるキャッシュフロー純額
(1,659) 4,873
1,039 (315)
現金および現金同等物の純変動
1月1日現在の現金および現金同等物 1,276 1,591
2,315 1,276
12月31日現在の現金および現金同等物
12月31日現在の現金および現金同等物:
-現金および中央銀行残高
2,312 1,272
-銀行預入金項目における現金同等物
4 4
-銀行借入金項目における現金同等物
(1) -
2,315 1,276
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額
5,877 5,884
支払利息額
(5,550) (5,634)
327 250
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連結株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
キャッ
株主
シュフ
自己
に帰属
ロー・ ヘッジ ハイブ
資本 信用 利益 未処分 する
再評価 ヘッジ コスト リッド
資本金 準備金 剰余金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 資本 合計
2019年1月1日
139 6 125 10 9 222 3,747 - 4,258 733 4,991
現在の残高
包括利益合計
(41) 3 (1) (48) 163 76 76
BNG銀行株主に
(159) (159) (159)
対する配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する (21) (21) (21)
利息支払い
2019年12月31日
139 6 84 13 8 174 3,567 163 4,154 733 4,887
現在の残高
前年度利益処分額
163 (163) 0 0
2020年1月1日
139 6 84 13 8 174 3,730 - 4,154 733 4,887
現在の残高
包括利益合計
2 (2) (3) 10 0 221 228 228
BNG銀行株主に
0 0
対する配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する (18) (18) (18)
利息支払い
前年度利益処分額
0
2020年12月31日
139 6 86 11 5 184 3,712 221 4,364 733 5,097
現在の残高
BNG銀行は、連結株主資本のうち少数株主持分により第三者に帰属する損益を認識していない。ハイブリッド資本を除く株主
資本全体は、株主に帰属している。
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連結財務書類の会計原則
会社概要
本連結財務書類は、2021年3月12日に執行取締役会により公開を目的として作成および発行され、2021年4月22日の株主総
会での採択を目的として提出される。BNG銀行は、オランダの法律に基づく法定二段構造企業である。BNG銀行の資本金の半分
をオランダ王国政府が所有し、残りの半分を州、地方自治体および地域治水委員会が所有している。BNG銀行は、オランダ、
ハーグKoninginnegracht 2に登録事務所を置き(商工会議所番号27008387で登録)、支店はない。
適用法令
連結財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)により発行され欧州連合(EU)全域で採用されているIFRSおよびオランダ民
法典第2編第9章に準拠して作成される。
損益の評価および決定に適用される重要な会計原則
連結財務書類は継続企業の前提に基づき作成される。貸借対照表項目のほとんどは償却原価で評価される。貸借対照表項目
「純損益を通じて公正価値(FVPL)で測定される金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値(FVOCI)で測定される金
融資産」、「デリバティブ」および「純損益を通じて公正価値(FVPL)で測定される金融負債」は公正価値で認識される。貸
借対照表項目「関連会社および共同支配企業」は持分法に準拠し認識される。貸借対照表項目「有形固定資産」は、減価償却
累計額控除後の原価で認識される。収益は、BNG銀行に経済価値が発生する見込みがあり、かつ信頼性を持って収益を決定でき
る場合に認識される。費用は、可能な場合、サービスが提供された期間またはこれらの費用を相殺する関連した収益に割り当
てられる。詳細については、個々の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。
ユーロはBNG銀行が使用する機能通貨であり報告通貨である。別段の記載がない限り、連結財務書類において、金額はすべて
百万ユーロで表記される。
連結の会計原則
毎年BNG銀行は親会社として、当行とその子会社の連結財務書類を作成する。連結財務書類の作成に使用される親会社とその
子会社の財務書類は、同一の報告日時点で作成され、同一の原則に基づく。収益、費用、配当金等のグループ会社内取引およ
び残高のすべては、連結財務書類で完全に消去されている。連結財務書類は、BNG銀行が支配するすべての子会社を対象とす
る。健全性規則(CRR/CRD Ⅳ)の対象となる連結ベースは、国際財務報告基準(IFRS)に基づく連結ベースと同一である。本
書の「その他の情報」項目には、BNG銀行の連結子会社の一覧が記載されている。支配は、BNG銀行が投資者となっていること
により変動リターンに対するエクスポージャーを有し、当該投資に関係した活動に対するパワーを行使することで当該リター
ンに影響を及ぼすことができる場合に存在する。グループ会社は、支配を獲得した日から、支配が消滅する時までの期間、完
全に連結対象となる。BNG銀行が受益権もしくは持分を保有する投資ファンドの支配を有するか否かを決定する際には、参加者
としてBNG銀行が保有する財務上の利害関係が考慮される。
財務書類に対するCOVID-19の影響
COVID-19のパンデミックの世界的発生により、2020年度は過去のどの年度とも異なるものとなった。この発生は業務面およ
び財務面の両方であらゆる人々に影響を及ぼしたが、BNG銀行は、2020年度においては、その業績への影響は限定的であると考
えている。BNG銀行の業務に対するCOVID-19のパンデミックの影響については、執行取締役会の報告書を参照のこと。財務成績
ならびに使用される重要な見積りおよび手法に対する影響の詳細は、関連する注記に記載されている。
比較数値の表示の変更
2020年3月末に、その時点で計上漏れの兆候を認めたことを受けて、BNG銀行は信用状の詳細な見直しを実施した。過年度に
開示されたデータは網羅的ではないとの結論に達し、その結果、現在では2012年度(506百万米ドル)および2015年度(1,238
百万米ドル)に締結された4件の取引に関する追加金額1,553百万ユーロがBNG銀行のオフバランスシートのエクスポージャー
に追加されている。当年度および過年度のCET1比率およびTier1比率は影響を受けず、また当年度および過年度の貸借対照表
または損益計算書のいずれの項目も影響を受けないため、この計上漏れによる過年度および当年度(期中)の財務書類に対す
る影響は限定的との結論に達した。
以下の表において、「偶発債務」の比較数値は変更されている。
・ 金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
・ 支払猶予されたエクスポージャー
・ オフバランス
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非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
BNG銀行は、非連結のストラクチャード・エンティティへの関与を、それら法人の性質、目的、規模および活動を十分考慮
し、個別に評価している。参加持分を通じた投資ファンドへの投資、または(「特別目的事業体」により発行された)証券化
ポジションおよびカバード・ボンド・プログラムへの投資は、BNG銀行の非連結のストラクチャード・エンティティである。こ
れらの法人への関与により、BNG銀行は、当該法人の業績に一部基づいた変動リターンにさらされている。これらの法人は、支
配が議決権または類似の権利ではなく、契約上の取決めによって決定されるよう組成されている。ストラクチャード・エン
ティティは、特定目的のために、かつ明確化された活動のために法人化された事業体である。BNG銀行は、これらの非連結のス
トラクチャード・エンティティに対する支配を有しておらず、スポンサーとなっていない。
会計上の見積りおよび判断
本連結財務書類において、最も重要な会計上の見積りおよび判断は、金融商品の公正価値の測定および金融資産の減損に関
連する。最も重要な方法と見積りは、活発な市場のない金融商品の公正価値測定に関連する(詳細は「金融商品の公正価値」
の項目を参照のこと。)。BNG銀行は、これらの金融商品の公正価値を測定するために一般的に認められた評価モデルを使用し
ている。レベル2の金融商品について、BNG銀行はフォワード・カーブ、割引カーブ、ボラティリティ・キューブ、インフレ・
カーブおよびスプレッド・カーブを決定するために観察可能なインプットを使用している。レベル3の金融商品について、主
な観察不能インプットは、モノライン保険会社の保証ならびに信用および流動性スプレッドを伴った債券の回収率および相関
係数に関連する。
これらの評価モデルの結果は、割引率や将来予想キャッシュフローを含む、様々な仮定に基づいている。仮定の相違が生じ
た場合、財務報告上の評価額に影響を及ぼす可能性がある。
金融資産の減損を決定するための見積りおよび判断については、BNG銀行は将来予測的な情報、デフォルト確率(PD)、デ
フォルト時損失率(LGD)、デフォルト時エクスポージャー(EAD)および信用リスクの著しい増大(SICR)を決定するために
内部見積技法を使用している。また、不良債権については、BNG銀行は5種類の確率加重シナリオについて予想将来キャッシュ
フロー(原担保の評価額を含む)の正味現在価値を評価している。詳細については、「金融資産の減損」を参照のこと。
使用される方法と仮定の詳細については、個別の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。BNG銀行は適用する見積りと
仮定を定期的に評価している。変更がある場合は、当該見積りが変更された年度に報告される。
貸借対照表上のネッティング
金融資産および金融負債は、受取債権および支払債務の相殺および同時決済が通常の状況下ならびにデフォルト、支払不能
および清算時において法的に実行可能であり、そのようなネット金額もしくは両項目を同時に決済する明確な意図があること
が確実である場合にのみ貸借対照表上でネッティングされる。貸借対照表項目「銀行預入金」にはレポ取引のネッティングさ
れた額が含まれている。これらの項目は、強制力のあるマスター契約が存在する場合にのみ、ネッティングされる。デリバ
ティブおよび税金については、該当する貸借対照表項目の特定の追加ネッティング規定を参照のこと。
外貨
外貨建ての取引は、当初認識時に、取引日現在適用される為替レートで機能通貨に換算される。外貨建ての貨幣性資産およ
び負債は、貸借対照表日に決算日レートで機能通貨に換算される。キャッシュフロー・ヘッジ会計の適用を指定された外貨建
ての取引(有効部分)を除き、為替差損益は貸借対照表日に損益計算書項目「金融取引損益」として認識される。これらの為
替換算差額は、キャッシュフロー・ヘッジ準備金で認識される。
セグメント別情報
BNG銀行は、リソース配分と業績測定を決定する際に、貸付業務と地域開発業務を区別している。BNG銀行は、貸付業務の管
理と設定において、異なるセグメントまたは事業ユニットを区別していない。BNG銀行の地域開発業務はその貸付業務と比較し
て重要ではない。したがって、本年次報告書にセグメント情報は含まれていない。
EUにより採用され2020年1月1日以降に発効した、適用されている会計基準
2020年度の財務書類において、BNG銀行はIASBにより発行され欧州連合により採用された以下に記載の強制適用のIFRSの基
準、改訂および解釈指針を2020年1月1日付で適用した。
・ 金利指標改革に関するIFRS第9号、IAS第39号およびIFRSの改訂:本改訂は2019年9月26日にIASBにより発行され、2020
年1月15日にEUにより承認された。2019年度の財務書類に記載されているように、BNG銀行はこれらの改訂を早期適用し
た。IFRS第9号/IAS第39号の改訂の適用は、置き換え前のフェーズにおける救済措置の適用によって、ヘッジ関係の中
止とかかる中止がもたらす財務上の影響が回避されるため、当期の利益または株主資本に影響を与えなかった。これにつ
いては、「ヘッジ会計」の項目に詳細に記載されている。
・ IFRS第3号「企業結合」ならびにIAS第1号「財務諸表の表示」およびIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び
誤謬」の改訂。これは、「事業」および「重要性」の定義に関する理解を改善している。この改善によるBNG銀行への影
響はない。
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EUによって承認された、2021年1月1日以降に発効する会計基準
BNG銀行は、EUにより承認されていないIASB発行の新規または改訂基準および解釈指針を適用しない。BNG銀行は、EUにより
承認された、2021年1月1日以降の事業年度に強制適用される改訂基準および解釈指針の早期適用を行わないことも決定し
た。以下の新規または改訂後の基準、解釈指針および改善を適用していた場合、評価、損益の算定および当行の開示に関し
て、2020年度の財務書類に限定的な調整が必要となった可能性がある。
・ 金利指標改革-フェーズ2に関するIFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号およびIFRS第19号の改訂:IBORを
無リスク金利に置き換える際に発生する会計上の問題に対処するために2020年8月にIASBによって発行された改訂。IBOR
改革による財務書類への影響は限定的と見込まれている。BNG銀行はIBOR改革フェーズ2を2021年1月1日付で適用する
予定である。
・ IFRS第4号「保険契約」の改訂:2020年6月25日にIASBによって発行され、2020年12月15日にEUによって承認された改
訂。BNG銀行は顧客との間で保険契約を締結していないため、財務書類への影響は見込まれていない。
・ IFRS第16号「リース」の改訂-COVID-19に関連した賃料減免:2020年5月28日にIASBによって発行され、2020年10月9日
にEUによって承認された改訂。BNG銀行は顧客との間でリース契約を締結していないため、影響はない。
EUにより採用されていない未適用の会計基準
BNG銀行は、EUにより採用されていないIASB発行の新規または改訂基準および解釈指針を適用しない。BNG銀行は、EUが採用
した2021年1月1日以降の事業年度に強制適用される改訂基準および解釈指針の早期適用を行わないことも決定した。
金利指標改革(「IBOR改革」)
IBOR改革の一環として、2020年7月27日以降、中央清算が行われる新しい商品について、新たなフォールバック条項が適用
されている。既存の契約については、当行はそれぞれの取引先と契約を新たな € STR条項に修正するための協議を開始した。
BNG銀行のデリバティブについては、国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)のフォールバック条項が2019年度末に利用可
能になり、BNG銀行は取引先金融機関とこの文言をデリバティブのISDA契約に組み入れるための協議を開始した。2020年度に、
複数の取引先との間で合意に達し、評価差額に係る補償が行われた。BNG銀行は、これを2020年度に完了させることを目指して
いる。
米ドルLIBORの発行済債券については、BNG銀行は2020年度に債券保有者との対話を開始し、米ドルLIBORからSOFRへの移行の
ためのフォールバック条項の修正を提案した。修正案は既に策定されており、今後数年で完了すると見込まれている。
変動金利の顧客の前渡金および預金に関して、BNG銀行は顧客を公平に扱うことを重視し、既存の契約の修正または差替えを
行い健全なフォールバック条項を盛り込むことやIBORを関連する代替指標金利に置き換えることによって従来のIBOR契約に対
する顧客のエクスポージャーを削減する等、移行のいくつかの局面を検討する。コミュニケーション計画が策定されており、
2020年度に、顧客に直接対応する従業員が、顧客に適切に対応するための研修を受けた。
BNG銀行は、市場および新たな指標金利への移行に対処している業界の様々なワーキンググループからのアウトプットを注視
している。これには、各「IBOR」からEONIA、さらにユーロ短期金利( € STR)、英ポンド翌日物平均金利(SONIA)、担保付翌
日物調達金利(SOFR)ならびに無担保コール・オーバーナイト物金利(TONA)へのそれぞれの移行に関する「IBOR」規制当局
による発表が含まれる。
2020年7月以降、BNG銀行のすべてのデリバティブの評価はEONIAから € STRに変更された。この変更による影響はない。
BNG銀行はリスク管理、トレジャリー、法務、経理をはじめその他の部門からも代表者が参加するIBOR移行チームを設置して
いる。このチームは、執行取締役会への定期的な報告を行う。このチームの目的は、IBORエクスポージャーが事業のどこに存
在するかを理解すること、および当行の代替指標金利への円滑な移行に備えることである。
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重要な会計方針の要約
金融商品の分類および測定
BNG銀行は、金融資産を以下の測定カテゴリーに分類している。
・ (その他の包括利益または純損益のいずれかを通じて)公正価値で測定される金融資産。
・ 償却原価で測定される金融資産。この分類は、金融資産を管理するためのBNG銀行のビジネスモデルおよび金融資産の
キャッシュフローの契約条件に基づく。
BNG銀行は、負債を純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定している、またはデリバティブ負債のように純損益
を通じて公正価値で負債を測定することが義務付けられている場合を除き、金融負債を償却原価で測定されるものに分類して
いる。
償却原価で測定される金融資産
金融商品は、以下の場合に償却原価で測定される。
・ その契約条件が特定の日に元本と元本残高の金利の支払いのみであるキャッシュフローを生じる場合(SPPIテスト)。
・ 契約上のキャッシュフローの回収によって目的が達成されるビジネスモデルにおいて保有されている場合。
これらの金融商品は、公正価値に、直接帰属する取引コストを加えた額で当初認識され、その後は償却原価で測定される。
信用の減損の測定は、後出の金融資産の減損の項目で記述される3つのステージの予想信用損失モデルに基づく。償却原価で
測定される金融資産は、貸借対照表項目の「現金および中央銀行残高」、「銀行預入金」、「差入現金担保」、「償却原価で
測定される利付有価証券」ならびに「償却原価で測定される貸付金および前渡金」に含まれている。これらの金融資産からの
受取利息は、「実効金利法を用いて計算した受取利息」に含まれている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品への投資は、以下の場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される。
・ その契約条件が特定の日に元本と元本残高の金利の支払いのみであるキャッシュフローを生じる場合(SPPIテスト)。
・ 契約上のキャッシュフローの回収および金融資産の売却の両方によって目的が達成されるビジネスモデルにおいて保有さ
れている場合。
これらの負債性金融商品は、公正価値に、直接帰属する取引コストを加えた額で当初認識され、その後は公正価値で測定さ
れる。公正価値の変動から発生する利益および損失は、減損損益、受取利息および為替差損益の認識を除き、株主資本の個別
の構成要素であるその他の包括利益に含まれる。これらの金融資産からの受取利息は、「実効金利法を用いて計算した受取利
息」に含まれている。減損損失または減損戻入、および為替差損益も、損益計算書で認識される。当初取得からその他の包括
利益で認識されていた累積利益または損失は、処分時に株主資本から損益計算書に再分類される。信用の減損の測定は、償却
原価で測定される金融資産に適用されるのと同様に、3つのステージの予想信用損失モデルに基づく。予想信用損失モデル
は、後出の金融資産の減損の項目で記述されている。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産または負債
純損益を通じて公正価値で測定される項目は以下で構成される。
・ 契約条件が(強制的な)元本と金利の支払いのみでない負債性金融商品
・ 当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定するものとして明確に指定された項目
・ デリバティブ
・ 資本性金融商品
純損益を通じて公正価値で測定される保有金融商品は、公正価値で当初認識され、取引コストは発生時に損益計算書で認識
される。その後それらは公正価値で測定され、損益は発生時に損益計算書の金融取引に係る損益に認識される。これらの金融
資産および負債(ヘッジ会計を適用するデリバティブを除く)からの受取利息または支払利息は、「その他の受取利息」また
は「その他の支払利息」に含まれる。ヘッジ会計を適用するデリバティブからの受取利息または支払利息は、「実効金利法を
用いて計算した受取利息」または「実効金利法を用いて計算した支払利息」に含まれる。デリバティブは、日次または限定さ
れた担保交換のないデリバティブ取引に係る取引先信用リスク(信用評価調整)および自己の信用リスク(債務評価調整)に
起因する市場価値変動を含む公正価値で測定される。
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純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融商品
金融商品は、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定することができる。金融資産は、純損益を
通じて公正価値で測定するものとして指定することにより、金融資産または負債を他の基準で測定することから発生する測定
または認識における不整合を解消または大幅に低減する(すなわち、会計上のミスマッチを解消する)場合にのみ、純損益を
通じて公正価値で測定するものとして指定することができる。
金融負債は、会計上のミスマッチを解消または大幅に低減する場合、または以下の場合に、純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定することができる。
・ 主契約に1つ以上の組込デリバティブが含まれる場合
・ 金融資産グループおよび金融負債グループの両方が運用されており、文書化されたリスク管理または投資戦略に従って、
その運用成績を公正価値に基づいて評価する場合
金融負債が純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されている場合、BNG銀行の信用度の変動に起因する公正価値
の変動は、観察可能な市場金利を超過する信用スプレッドの変動を算定することによって計算され、株主資本のその他の包括
利益において個別に認識される。
資本性金融商品
BNG銀行は、資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定できる会計基準に基づくオプションを選択していな
い。したがって、資本性金融商品への投資は、純損益を通じて公正価値で測定されている。
金融商品の認識中止
以下の場合、金融資産は認識が中止される。
・ 資産のキャッシュフローを受け取る契約上の権利が失効した場合、または
・ BNG銀行が、資産のキャッシュフローを受け取る権利を保持しているが、別段の取決めに伴い、当該キャッシュフローの
全額を重要な遅滞なく第三者に対して支払う契約上の義務を引き受けている場合、または
・ 資産のキャッシュフローを受け取る契約上の権利およびこの資産の実質的にすべてのリスクと経済価値が移転した、すな
わち、当該資産に対する支配が移転した場合。
償却は、認識中止事象としてみなされ、BNG銀行に金融資産の契約上のキャッシュフローを(一部)回収する合理的な見込み
がない場合に認識される。償却の場合、BNG銀行は当該金融資産の帳簿価額総額を直接減額する。
金融資産の条件が変更された場合、BNG銀行は条件変更後の資産のキャッシュフローが大幅に変動しているかどうか評価す
る。キャッシュフローに大幅な変動があった場合、条件変更前の金融資産のキャッシュフローに対する契約上の権利は失効し
たものとみなされる。この場合、条件変更前の金融資産は認識が中止され、新たな金融資産が公正価値で認識される。
BNG銀行は、金融負債の条件が変更され、条件変更後の金融負債のキャッシュフローに大幅に変動があった場合に、当該金融
負債の認識を中止する。この場合、変更後の条件に基づく新たな金融負債が公正価値で認識される。消滅した金融負債と条件
変更後の新たな金融負債の間の帳簿価額の差異は、純損益に認識される。契約において特定された債務が免責、取消しまたは
失効した場合は、金融負債も認識が中止される。
金融商品の部分的な認識中止の場合、BNG銀行は先入先出(FIFO)原則を適用する。当該資産または負債の決済額と帳簿価額
との差額は、損益計算書に直ちに全額認識される。既存の金融資産または金融負債が契約により、実質的に同一の条件で同一
の契約相手との間で別の契約に交換された場合は、新規の資産または負債は、既存の資産または負債が継続したものとして扱
われる。この場合には、損益は認識されない。
標準的な買戻し契約ならびに有価証券の貸付および借入取引の下でBNG銀行が差し入れた担保(保証)は、BNG銀行があらか
じめ決められた買戻し価格に基づきすべてのリスクおよび経済価値を保持していることから認識中止の基準は満たさないた
め、認識は中止されない。
金融資産の譲渡
BNG銀行は、譲渡された金融資産(の構成要素)に付随するすべてまたは大部分のリスクおよび経済価値を保持している場
合、譲渡された金融資産を貸借対照表で認識する。例えば、BNG銀行は、買戻し条件付取引に関連して、すべてのまたはほぼす
べてのリスクおよび経済価値を保持しながら金融資産を譲渡することがある。
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金融資産の減損
BNG銀行は、個別ベースで、エクスポージャーの信用リスクが著しく増大しているかどうかを評価している。純損益を通じて
公正価値で測定される以外の金融資産の次のカテゴリーについて、予想信用損失(ECL)が算出されている。
・ 償却原価で測定される負債性金融商品
・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
・ ローン・コミットメント
・ 金融保証契約
金融資産は、当初認識時からの信用リスクの変化に基づき、次の3つのステージ間を移動する。金融資産の条件変更の結
果、既存の金融資産の認識が中止され、その後、条件変更後の資産が認識された場合、当該条件変更日が当初認識日とみなさ
れる。
ステージ1:12か月間のECL
BNG銀行は、当初認識以降信用リスクの著しい増大(SICR)がないエクスポージャーについて、当初認識から12か月以内に発
生する可能性があるデフォルト事象を反映したECL引当金を認識する。加えて、BNG銀行は信用リスクが低い場合の例外
(LCRE)を利用している。これにより、信用リスクの低いエクスポージャーはSICRがある場合でも、当該増加があっても信用
リスク全体が依然として低いことを条件に、ステージ2に移動することが回避される。いずれの場合においても、30日超の期
日経過が、ステージ2への移動に関してバックストップ指標としての役割を果たしている。12か月間のECL引当金は、すべての
個別エクスポージャーについて、デフォルト時エクスポージャー(EAD)、デフォルト確率(PD)およびデフォルト時損失率
(LGD)の関数として計算され、将来予測的な情報を織り込んでいる。
ステージ2:全期間のECL-正常債権エクスポージャー
BNG銀行は、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があったが、信用減損とはみなされないエクスポージャーについて、金
融資産の残りの全期間に発生する可能性があるデフォルト事象を反映したECL引当金を認識する。これには主に、投資適格とは
みなされない信用格付のエクスポージャー、および当初認識以降、信用格付が少なくとも1ノッチ低下したエクスポージャー
が含まれる。
加えて、支払いの期日経過が30日超から90日のエクスポージャーならびに支払猶予措置の対象となったエクスポージャーが
含まれる。この他に考慮される定性的要因は、借り手が営業活動を行っている事業、財務および/もしくは経済の状況におけ
る著しく不利な変動、または借り手の経営成績において予想される著しく不利な変動である。ステージ2の全期間のECLは、す
べての個別エクスポージャーについて、デフォルト時エクスポージャー(EAD)、デフォルト確率(PD)およびデフォルト時損
失率(LGD)の関数として計算され、将来予測的な情報を織り込んでいる。
ステージ3:全期間のECL-不良債権エクスポージャー
BNG銀行は、個別エクスポージャーのレベルで、エクスポージャーがデフォルトの定義に完全に一致する不良債権であるかど
うかを評価する。この評価は、当該資産の見積将来キャッシュフローに不利な影響を及ぼす1以上の事象が発生しているかど
うかに基づく。これには、支払いの期日経過が90日を超えるエクスポージャーが含まれるが、これには限定されない。相手先
が債務不履行であるとBNG銀行が判断した場合、すべての関連する金融資産はステージ3とみなされる。不良債権となったエク
スポージャーについて、BNG銀行は、保有エクスポージャーに適用される担保または保証を含む、すべての関連する情報を考慮
に入れて算定された全期間のECLを認識している。金融商品は、デフォルトの判定基準のいずれをも満たさなくなった場合に、
デフォルト状態ではなくなった(すなわち回復した)とみなされる。これは、各金融商品について個別に評価される。
減損のステージの決定
各報告日現在で、BNG銀行は、報告日現在と当初認識日からの予想残存期間にわたってデフォルトの発生するリスクを比較す
ることによって、当初認識以降のエクスポージャーに信用リスクの著しい増大があるかどうかを評価する。BNG銀行はこの目的
のために、過大なコストや労力もかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮する。これには、定量的および定性的
情報ならびに将来予測的な分析が含まれる。BNG銀行はまた、信用リスクの著しい増大があっても信用リスク全体が低い場合に
は、エクスポージャーがステージ2に移動することを回避するために、信用リスクが低い場合の例外(LCRE)も利用してい
る。資産の質が悪化するにつれて、エクスポージャーは常により高いデフォルト確率に移動する。
資産の質が、当初認識以降のSICRの疑いがなくなるところまで改善した場合、ECL引当金は全期間のECLから12か月間のECLに
戻される。こうした金融資産に対する引当金は、12か月間のECLに基づく。資産が回収不能になった場合、当該資産は償却さ
れ、関連する引当金と相殺される。こうした資産はすべての必要な手続きが完了し、損失の額が決定された後に償却される。
既に償却された金額をその後に回収した場合は、損益計算書上の費用が減額される。
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ECLの分類
ECLの分類は、商品の種類に応じて、以下のとおりである。
・ 報告日現在で正常債権である金融資産:金融資産の予想期間にわたる現金の不足額全額を実効金利で割り引いた現在価値
として測定される。現金の不足額は、BNG銀行が契約に従って受け取るべきキャッシュフローと、BNG銀行が受け取ると見
込んでいるキャッシュフローとの差額である。
・ 報告日現在で不良債権である金融資産:帳簿価額総額と、見積将来キャッシュフローを実効金利で割り引いた現在価値と
の差額として測定される。
・ 未使用のローン・コミットメント:コミットメントを実行した場合にBNG銀行が受け取るべき契約上のキャッシュフロー
と、BNG銀行が受け取ると見込んでいるキャッシュフローとの差額の現在価値として測定される。
・ 金融保証契約 :保有者に弁済するための支払見込額からBNG銀行が回収すると見込んでいる金額を差し引いた額として測
定される。
ECLは、金融資産の減損損失純額を使用して、損益計算書で認識される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負
債性金融商品の場合、ECLの測定は償却原価で測定される金融資産に適用される3つのステージのアプローチに基づく。BNG銀
行は、減損損失を損益計算書上で認識し、対応する金額をその他の包括利益に認識するが、貸借対照表における資産の帳簿価
額は減額しない。
COVID-19のパンデミックの影響
COVID-19のパンデミックは、当行の顧客に大きな財務的および社会的影響を及ぼしている。にもかかわらず、このパンデ
ミックによって当行の顧客にさらなる重大な支払いの問題が生じることはなかった。本書の作成時点において、COVID-19のパ
ンデミックの発生後の経済見通しの悪化は、モデルに基づく「ポイント・イン・タイム」のデフォルト確率(PD)の上昇をも
たらした。この悪化を減損数値の中で正確に示すために、減損モデルの調整が必要であった。パンデミックにより、当該モデ
ルはマクロ経済変数の景気循環的性格およびこれらの変数に固有のショックを組み込むことが困難であることが明らかになっ
た。非現実的な結果を避けるために、BNG銀行は、関連データが将来予測の領域から外れることによるショックを防ぐ、指数加
重移動平均(EWMA)と呼ばれる追加の要素を導入した。当行は半年ごとにEWMAの必要性を評価し、必要に応じてその水準を調
整する予定である。
ヘッジ会計
BNG銀行の金利リスクおよび通貨リスクを管理するために使用されるデリバティブ商品は、約定日に公正価値で、貸借対照表
の資産サイドまたは負債サイドのいずれかにデリバティブとして認識される。BNG銀行は、IFRS第9号で定められている条件を
満たした場合に、同基準に従ってミクロ・ヘッジ会計を適用している。当該ヘッジ会計は、明確に文書化されたヘッジ対象と
ヘッジ手段との間の関係に基づく。ヘッジ手段と、ヘッジ対象の価値またはヘッジ対象によって生み出されるキャッシュフ
ローの変動の間に、高い(負の)相関がある場合、ヘッジは有効とみなされる。ヘッジ関係は、ヘッジ取引が締結された時点
で文書化される。ヘッジ関係はその後、ヘッジ会計の要件を満たしているかどうかを評価するために、継続的にテストされ
る。
原則として、BNG銀行は、デリバティブをヘッジ手段としてのみ使用している。それらは貸借対照表において強制的に公正価
値で測定される。ヘッジ関係の相手先はヘッジ対象であり、通常は償却原価で認識される。ヘッジ関係が有効な場合、BNG銀行
は、ヘッジ手段とヘッジ対象との間の測定および損益認識の差額を、原則としてヘッジ会計により相殺している。BNG銀行は公
正価値とキャッシュフロー・ヘッジ会計の両方を適用している。
公正価値ヘッジ会計
BNG銀行は、ミクロ・ヘッジ会計およびポートフォリオ・ヘッジ会計という2種類の公正価値ヘッジ会計を適用している。
ミクロ・ヘッジ会計
デリバティブがヘッジ関係においてヘッジ手段として指定された場合、当該デリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象
リスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動とともに、損益計算書上で直ちに認識される。デリバティブは、デリバティブ
と主契約の両方を含んだハイブリッド金融商品の構成要素である場合がある。このような組込デリバティブ商品は、対応する
スワップ契約を用いて公正価値の変動をヘッジしている仕組金融取引の一部である。こうした場合、ヘッジ対象取引とヘッジ
手段であるデリバティブの両方が、公正価値で認識され、公正価値の変動が包括利益計算書上で、またはヘッジ対象取引
(ヘッジ対象項目)の価値の調整として認識される。現在、BNG銀行の公正価値ヘッジは主に、固定金利取引から変動金利取引
へのスワップに関連している。貸借対照表項目の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」、「償却原価
で測定される金融資産」、「受託資金」および「負債証券」がこれに関係している。
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ヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の基準を満たさなくなった場合、またはBNG銀行
が自発的にヘッジ関係の中止を決定した場合、ヘッジ関係はその時点から将来に向けて中止される。ヘッジ関係がヘッジの有
効性基準を満たさない場合、BNG銀行はヘッジの有効性基準を満たしていることが証明される最終日から、ヘッジ会計を中止す
る。ヘッジ会計の関係が終了した場合、累積された公正価値ヘッジ調整額は、実効金利を再計算することによって金融商品の
残存期間にわたって償却される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、未償却の公正価値調整は直ちに損益計算書上で認識さ
れる。
ポートフォリオ・ヘッジ会計
ポートフォリオ・ヘッジ会計は、ユーロ建て取引の集合体について、デリバティブのポートフォリオを使用して金利リスク
をヘッジするものである。BNG銀行は、ポートフォリオ・ヘッジ会計を大部分の長期固定金利貸付金(「貸付金および前渡金」
項目)および限られた数の固定金利有価証券に適用している。個々のヘッジ対象とヘッジ手段との間に直接的な関係は存在し
ないが、金利変動から生じる関連資産の価値変動を当該デリバティブが相殺することがポートフォリオ・レベルで示されてい
る。資産とヘッジ手段であるデリバティブとの間に直接的な関係が存在しないため、ヘッジ対象の金利リスクの価値調整は、
貸借対照表項目「ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整」として認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ会計
キャッシュフロー・ヘッジ関係においてデリバティブがヘッジ手段として指定された場合、デリバティブの公正価値の変動
の有効部分は、直接的にその他の包括損益で認識され、株主資本のキャッシュフロー・ヘッジ準備金に表示される。デリバ
ティブの公正価値の変動の非有効部分は、直ちに純損益に認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備金で認識された金額
は、ヘッジ対象のキャッシュフローが純損益に影響を与えるのと同一期間に、再分類調整として純損益に再分類される。BNG銀
行は、キャッシュフロー・ヘッジ会計を変動金利の外貨建ての取引および固定金利の外貨建て取引の信用スプレッドに適用し
ている。貸借対照表項目の「受託資金」および「負債証券」がこれに関係している。ヘッジ会計関係が終了した場合、累積さ
れた公正価値ヘッジ調整額は金融商品の残存期間にわたって償却される。ヘッジ対象の認識が中止された場合、未償却の公正
価値調整は直ちに損益計算書で認識される。
外貨ベーシス・スプレッド
IFRS第9号の適用を受けて、ヘッジ手段の先渡構成要素は、ヘッジ関係の一部ではなくなった。クロスカレンシー金利ス
ワップの外貨ベーシス・スプレッドは、先渡契約の先渡要素と同じ方法で会計処理される。ヘッジ対象に関連するこのデリバ
ティブの外貨ベーシス・スプレッドの変動は、株主資本のヘッジコスト準備金で認識される。ヘッジコスト準備金の累積額
は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ時期に純損益に再分類される。
ヘッジ会計の中止
ヘッジ会計の要件を満たさなくなった、またはヘッジ対象もしくはヘッジ手段が売却された、もしくは満期が到来した時点
でヘッジ関係は終了となる。ヘッジ対象に係る前期の貸借対照表価額と償却原価との差異は、それが貸借対照表上に保持され
る限り、ヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。全部または一部のヘッジ対象が売却または購入された場合は、売却損益
の算定時に公正価値変動の累計額のうちの関連する部分が純損益上で加味される。
IBOR改革
BNG銀行は、既存の指標金利がほぼ無リスクの代替金利に置き換わる前の不確実性が生じる期間において、ヘッジ会計の継続
を可能にする一時的な救済措置を適用している。企図している取引が発生する確率が高いかどうかを判断するために、救済措
置では、IBOR改革によってヘッジ対象のキャッシュフローの基礎となるIBORが変更されないことを前提とする必要がある。
BNG銀行は金利指標改革から生じる不確実性が解消されるまで、IFRS第9号/IAS第39号の改訂の適用を継続する予定であ
る。当行は、BNG銀行の契約が新たな参照金利に修正されるまで、この不確実性は解消されないと想定している。時間軸は主に
取引先との交渉に左右され、その結果、当行の契約にフォールバック条項が盛り込まれる。
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以下に、金利指標改革によるIFRS第9号/IAS第39号の改訂の適用対象となるヘッジ手段およびヘッジ対象の詳細をヘッジの
種類別に示す。記載されているヘッジ対象の条件は、対応するヘッジ手段の条件に一致する。
1年超
ヘッジの種類 金融商品の種類 1年以下 5年以下 5年超 ヘッジ対象
公正価値ヘッジ 変動 ユーロ 支払、 金利リスク、為替リスク
およびオプション・リス
固定 ユーロ 受取 2,920 21,383 29,149
クをヘッジするための重
固定 米ドル 受取 7,237 11,820 2,504
要な条件が一致する発行
固定 英ポンド 受取 82 2,423 2,923
済固定金利債券
固定 豪ドル 受取 1,870 2,539 285
固定 スイスフラン 受取 273 1,301 370
固定 その他 受取 166 847 490
変動 ユーロ 支払、 固定金利貸付金および負
債証券の(ユーロLIBOR部
固定 ユーロ 受取 1,756 7,742 9,908
分の)ポートフォリオ公
変動 ユーロ 受取、
正価値ヘッジ関係
固定 ユーロ 支払 4,773 17,104 65,765
変動 ユーロ 受取、 428 3,489 4,966 金利リスクをヘッジする
固定 ユーロ 支払 ための重要な条件が一致
する、流動性ポートフォ
リオで保有されている固
定金利負債証券
変動 ユーロ 受取、 572 金利リスク、為替リスク
固定 英ポンド 支払 およびオプション・リス
クをヘッジするための重
要な条件が一致する発行
済英ポンド建インフレ連
動金利債券
指数連動支払 1 3 84 金利リスクをヘッジする
固定英ポンド ための重要な条件が一致
する発行済英ポンド建イ
ンフレ連動金利債券
キャッシュフロー・ 変動 ユーロ 支払、 123 1,366 415 為替リスクおよびオプ
ヘッジ 変動 米ドル 受取 ション・リスクをヘッジ
するための重要な条件が
一致する発行済米ドル建
変動金利債券
変動 ユーロ 受取、 21 為替リスクおよびオプ
変動 米ドル 支払 ション・リスクをヘッジ
するための重要な条件が
一致する米ドル建変動金
利貸付金
固定 ユーロ 支払、 92 為替リスクおよびオプ
固定 南アフリカ 受取 ション・リスクをヘッジ
するための重要な条件が
ランド
一致する発行済南アフリ
カランド建固定金利債券
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金融資産および金融負債の認識および会計処理
金融資産および金融負債は、約定日ベースで認識される。つまり、金融商品の契約条項から生じる利益を受け、またはそれ
による債務の責任が生じると同時に認識される。これらには従来の金融商品(貸付金、利付有価証券および負債証券)および
デリバティブの双方が含まれる。金融資産および金融負債は、当初、取引価格、つまり公正価値に金融資産ないし金融負債の
取得または金融負債の発行に直接帰属する取引費用を加えた金額で認識される。ただし、公正価値により認識される取引は除
かれる。後者の貸借対照表項目に含まれた取引は取引費用を加味することなく公正価値で評価される。
公正価値で認識される取引の価値が当初認識の取引価格と異なる場合には、以下のとおり損益が計上される。
・ 公正価値レベル1またはレベル2の取引については、差異は損益計算書項目「金融取引損益」に直接認識される。
・ 公正価値レベル3の取引については、差異は貸借対照表の一時項目に含められ、取引期間にわたり償却される。
当初認識後、金融資産および金融負債は、取引の区分に応じて、償却原価または公正価値のいずれかで評価される。償却原
価は、額面金額に加え、経過利子、決済済み取引費用および/または実効金利法に従い取引の金利期間に割り振られる割増差
額または割引差額から構成される。
デリバティブ金融商品の認識および会計処理
デリバティブ金融商品は、その価値が1つ以上の基礎となる価格、指数またはその他の変数から導き出され、通常、スワッ
プ、先渡金利契約、先物およびオプションといった金融商品で構成される。当初認識時から、原則としてデリバティブは公正
価値で認識され、トレーディング目的保有に分類される。デリバティブの帳簿価額は、契約の全期間にわたって再測定され、
公正価値の変動はすべて損益計算書の「金融取引損益」項目で認識される。デリバティブは、「中央清算機関」で実行される
デリバティブ取引を除き、純額で正の公正価値の場合は資産に含まれ、純額で負の公正価値の場合は負債に含まれる。これら
のデリバティブについては、BNG銀行と「中央清算機関」との仲介者としての役割を果たす取引先金融機関との間ですべてのデ
リバティブの公正価値についてネッティングが行われる。デリバティブ取引が中央清算機関で実行され、セトル・トゥ・マー
ケット(STM)デリバティブ契約の一部でもある場合、当該デリバティブのポジションは、差入れた/受入れた担保ともネッ
ティングされる。
区分処理された金融負債の組込デリバティブ
以下のすべての条件が満たされる場合、金融負債の組込デリバティブは、別個のものとして分類および評価される。
・ 組込デリバティブの経済的特徴およびリスクと、金融商品のそれらとの間に緊密な関係がない。
・ 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品ではない。
・ 同一の条件の独立したデリバティブ商品であったとすればデリバティブの定義を満たしている。
これらの条件を満たすデリバティブは貸借対照表項目の「デリバティブ」に公正価値で認識される。予想キャッシュフロー
に重要な影響を与える契約条件の変更がある場合に限って、契約は再評価される。
区分処理されない金融負債の組込デリバティブ
区分処理の条件を満たさないデリバティブは、その金融商品が認識される貸借対照表項目に含まれる。早期償還に関連する
オプションが通常これに該当する。これらのデリバティブの測定はその金融商品の測定に従う。これが償却原価の場合は、当
該オプションは原則としてゼロと測定される。この他の場合は、当該オプションは公正価値で測定される。
金融商品の公正価値
公正価値とは、測定日時点で当該時点の市場状況のもと、会社の意思または能力にかかわらず、市場参加者間での秩序ある
取引により金融資産が売却されたと仮定した場合に受け取るであろう価格(取引費用調整前)、または金融負債が移転された
と仮定した場合に支払うであろう価格(取引費用調整前)である。評価が市場当事者の観点から行われる必要があるというこ
とが出発点であるため、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮される可能性がある。公正価値は、活発な市場における
相場価格、またはそれが利用できない場合は、モデル評価手法を用いて算定される。評価手法は、上場していない資産および
負債ならびに店頭デリバティブの公正価値決定の際に広く使われている。これは一般的に認められた手法や方法、例えば、オ
プション価格モデル、割引キャッシュフロー、先物価格決定ならびに信用および流動性スプレッドに関係する。契約条件が考
慮されるほか、割引の市場ベースのイールド曲線、相関、ボラティリティ、クロスカレンシー・スワップのベーシス・スプ
レッド、信用スプレッド、評価調整ならびに市場当事者が価格決定するために使用するその他の要因、見積りおよび仮定と
いった利用可能で客観的な市場データが利用される。公正価値「レベル3」の評価は市場データで観察できない仮定に一部基
づいている。公正価値測定の決定方法の詳細な記載については、連結財務書類の「金融商品の公正価値」の項目を参照のこ
と。
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ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
本貸借対照表項目は、ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計から生じる価値調整を含む。これは、ポートフォリオ・レベルで
金融資産の金利リスクをヘッジすることで生じる市場価値変動の有効部分を指す。認識された価値調整はヘッジ対象の金融資
産の償還期間にわたり損益計算書で償却される。
銀行借入金、受入現金担保、負債証券、受託資金および劣後債務
借入金(買戻し条件付取引を含む。)および負債証券は、当該負債が純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、貸
借対照表に償却原価で計上される。ミクロ公正価値ヘッジ会計を適用する「負債証券」および「受託資金」の取引について
は、償却原価は、金利リスクから生じる公正価値変動の有効部分に応じて調整される。買い戻された債務はいずれも貸借対照
表から除外され、帳簿価額と取引額との差異は損益計算書において認識される。
TLTRO資金供給オペ第三弾に従って、2020年度のTLTRO取引の利息損益の算定には、予想優遇金利を含めた非市場金利が使用
されている。優遇金利の条件が満たされない場合、これは利息損益の戻入れおよび貸借対照表上の償却原価価額の減額として
反映されることになる。BNG銀行がこの優遇金利の条件を満たすことができると予想されているため、償却原価価額および実効
金利は、優遇金利を含むECB預金金利に基づいて計算されている。
関連会社および共同支配企業
関連会社および共同支配企業は持分法により認識される。関連会社とは、BNG銀行がその事業および財務方針に重要な影響力
を持つが、主な支配はしていない会社を指す。通常、BNG銀行が株式または議決権の20%から50%を保有している場合に重要な
影響力を持つと考えられる。共同支配企業は、BNG銀行および契約上の取決めに対して共同支配を有するその他当事者が純資産
に対して契約上の権利を有する共同契約である。これらの契約上の取決めは別個の法人として組成されている。取決めの共同
支配は、契約上合意されており、取決めに基づく関連活動が支配を共有する当事者全員の同意を必要とする場合のみ存在す
る。BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記述については、本書の「その他の情報」の項目を参照のこと。
有形固定資産
BNG銀行が所有するすべての不動産および設備は、減価償却累計額控除後の原価で認識されている。不動産は、土地、建物お
よび専用設備に関連する。設備は、事務機器、在庫、家具、ハードウェア、ソフトウェアおよび芸術品に関連する。減価償却
期間は資産の見積耐用年数に基づき決定される。(連結財務書類に対する注記11を参照のこと。)見積耐用年数と残余価額は
毎年見直される。減価償却費は定額法で計算され、損益計算書に計上される。土地は減価償却されない。
非金融資産の減損
BNG銀行の非金融資産(有形固定資産、関連会社および共同支配企業に対する投資)の帳簿価額は、繰延税金資産を除き、減
損の客観的な兆候があった際に評価される。減損を決定するために、実現可能価額から見積りがなされ、個別の資産は将来
キャッシュフローが区別されうる最小レベル(キャッシュフロー生成単位)のグループに分けられる。BNG銀行はいかなるのれ
んも認識していない。資産またはキャッシュフロー生成単位の実現可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち
いずれか高い方である。
使用価値を決定する際に、予想将来キャッシュフローの現在価値は、貨幣の時間価値に対する現在の市場評価、および当該
資産に関連する特定リスクの双方を反映した税引前割引率を用いて計算される。キャッシュフロー生成単位に関して認識され
る減損は、まず当該単位に割り当てられたのれんの帳簿価額と相殺し、その後に当該単位(または単位のグループ)のその他
資産の帳簿価額と比例配分で相殺する。減損の対象となる非金融資産は、各貸借対照表日において再評価される。非金融資産
の減損は、非金融資産に含まれるのれんを除き、認識されていた減損の兆候による負の影響が緩和されたと信頼性をもって認
められる場合、純損益(「減損」項目)を通じて戻し入れられる。減損は、資産の帳簿価額が、減損が認識されていなかった
場合決定されていたと考えられる、減価償却費または償却費を差し引いた帳簿価額を超えない範囲でのみ戻し入れられる。
従業員年金
BNG銀行は、その複数事業主年金制度を確定拠出年金制度として分類している。この制度に基づいて、加入者はほとんどすべ
ての数理上および投資上のリスクを負う一方、制度の加入事業主は基金に不足が生じてもいかなる追加の拠出を行う債務も負
わない。債務は年金基金が決定した拠出金の支払いから成る。年金基金は、規制当局が特定した変数および要件を考慮しつ
つ、独自のデータセットに含まれる情報に基づいて毎年拠出額を決定する。拠出金の支払債務は、前年度に加入者となった時
点からではなく、当該年度に年金基金加入者になった時点で発生する。雇用者の年金拠出負担分および追加額は拠出と関連す
る年度の損益に計上される。
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その他の従業員給付
その他の従業員給付は確定給付年金制度として分類され、別途引当金が設けられる。これらのその他の従業員給付は、BNG銀
行の在職従業員および離職した従業員双方のためのモーゲージ・ローンの金利割引の将来の費用を含む。引当金の水準は、予
測単位積増方式(PUCM)を用いた計算に基づき決定される。モーゲージ・ローンの金利割引に関連する引当金は、貸借対照表
項目の「その他の負債」に計上される。従業員給付に関する費用は、損益計算書で人件費として認識される。数理上の損益は
すべて株主資本で直接認識し、その後の期間に損益計算書に組替調整することができない。本項目は、長期有給休暇制度引当
金も含む。本制度では、勤続年数7年以上の従業員は、7年に1度、月給を一部受取りながら、2か月連続の休暇を取得する
ことができる。長期有給休暇制度は、確定給付制度とみなされ、その費用は損益計算書で人件費として認識される。
税金
表面税額は、法定表面税率および適用課税法規に基づき計算される。損益計算書の実効税額を決定する際に、過年度に関係
する税率調整、参加持分免除および損金不算入費用も適用される。納税グループの一部であるグループ会社は、この適用表面
税率を使用する。
繰延税金資産および繰延税金負債は共に額面で計上される。すべての繰延税金資産および負債は、納税グループの親会社の
財務書類で計上される。繰延税金資産および負債は、資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の課税基準との一時的差異
として認識される。BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、再評価剰余金、自己信用調整およびキャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金について繰延税金資産および負債を認識している。これらの繰延税金資産および負債は、実現が見込まれ
る期間に適用が見込まれる税率に基づいて測定される。税率変更の結果による繰延税金資産および負債の差異は損益計算書で
認識される。繰延税金資産は、これらの一時的差異を近い将来解消する課税対象収益が利用できると見込まれる場合にのみ認
識される。当期および繰延税金資産および負債は、それぞれ、同一の税務当局に関連し、税の種類が同一であり、これらの資
産および負債のネッティングが法律で認められている場合、ネッティングされる。
株主資本
貸借対照表は利益処分前に作成される。したがって、事業年度の純損益合計は株主資本で表示される。その他の包括利益を
通じて公正価値で測定される金融資産の再評価剰余金およびキャッシュフロー・ヘッジ準備金は、繰延税金負債を認識するこ
とで調整される。
ハイブリッド資本
ハイブリッド資本は、元本残高に対する年1回の非累積型の利息を裁量的に支払う永久ローンに関係し、CET1比率が
5.125%を下回った場合に一時的に切下げられる。切下げがあった場合、この金額は「利益剰余金」に振り替えられることにな
る。「利益剰余金」からの切下げは、トリガー比率が5.125%超に回復した時点で一定の条件下で戻入れ(切上げ)ができる。
BNG銀行は、利息の支払いを裁量ベースで、「その他の剰余金」を財源とする利息支払いの形で分配する権利を有している。利
息支払いは、その時点での元本金額に基づいて決定される。分配された利息支払いは当初、2018年における法改正により2019
年から法人所得税上の損金不算入とされていた。2020年5月15日、オランダ最高裁判所はオランダの法人所得税の目的上、AT
1資本は負債とみなされるべきと裁定し、その結果、2019年以降も引き続き支払額の損金算入が可能となった。BNG銀行は、発
行したハイブリッド資本を償還する一方的な契約上のオプションを有している。2015年度に発行したトランシェ(額面金額424
百万ユーロ)は2021年5月から、その後毎年5月に額面で買い戻すことができる。2016年度に発行したトランシェ(額面金額
309百万ユーロ)は2022年5月から毎年買い戻すことができる。
再評価剰余金
株主資本には、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」の未実現公正価値変動(税引後)を認識する
再評価剰余金が含まれる。金融商品が売却される場合、累積的な再評価は「金融取引損益」において認識される。ヘッジ会計
を適用する取引の公正価値変動の有効部分は、取引にヘッジ会計を適用する期間にわたり、損益計算書上に貸方計上または借
方計上される。
自己信用調整
「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」は、「自己の信用リスク」のスプレッドを含む関連する資金調達カーブ
で認識されている。BNG銀行は、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債の信用リスクの変動に起因
する公正価値変動に関連する金額を、株主資本における「自己信用調整」(繰延税金資産および負債の純額)として認識して
いる。
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ヘッジコスト準備金
IFRS第9号に基づき、ヘッジ手段の外貨ベーシス・スプレッドは、ヘッジ関係の一部ではなくなった。ヘッジコスト準備金
には、ヘッジ会計を適用するクロスカレンシー(金利)スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上される。ヘッジコ
スト準備金の累積額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ時期に純損益に再分類される。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
さらに、株主資本は、為替レートおよび信用スプレッド部分の変動に起因するキャッシュフロー・ヘッジ会計におけるデリ
バティブの公正価値の未実現変動(税引後)の有効部分が認識されたキャッシュフロー・ヘッジ準備金も含む。キャッシュフ
ロー・ヘッジ会計におけるヘッジされたリスクの非有効部分は「金融取引損益」として認識される。
受取利息および支払利息
貸借対照表に含まれるすべての利付商品の受取利息および支払利息は、償却原価に基づき計算される。償却原価の決定には
実効金利法が使用される。償却原価で測定される取引が売却された場合において、帳簿価額と純売却価額との差異は、「利息
損益」として認識される。
受取手数料および支払手数料
本項目では、支払および受取手数料は、サービスが提供された期間に認識される。
金融取引損益
本項目は、以下における未実現市場価値差額から構成される。
・ 為替レートの変動に起因するすべての金融商品における差額
・ 日次または限定された担保交換のないデリバティブに係る取引先信用リスク(信用評価調整)および自己の信用リスク
(負債評価調整)に起因する市場価値変動を含む公正価値で測定されるデリバティブにおける差額
・ 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品における差額
・ 公正価値ヘッジ会計を適用する金融資産におけるヘッジ対象の金利リスクの有効部分
・ ヘッジ会計ポートフォリオを適用する貸付金および前渡金に対する価値変動の償却
・ キャッシュフロー・ヘッジ会計に係るヘッジ対象リスクの非有効部分
本項目は、公正価値で測定する金融商品に係る売却および買取りによる損益も含む。これらの実現損益は、株主資本に累積
された価値変動の取崩しを含む、純売却価額と帳簿価額の差異から構成される。公正価値で測定される参加持分(資本性金融
商品)からの利益も当該項目で認識される。最後に、公正価値で測定されるレベル1およびレベル2の金融商品について、当
初認識時の公正価値と取引価格の差額も本項目に含まれる。
関連会社および共同支配企業による損益
本項目は、持分法に従って評価された関連会社および共同支配企業からの損益を含む。配当金は受領時点で損益計算書に認
識される。
その他の収益
その他の収益は、BNG銀行の主たる業務に関連しない損益を含む。
減価償却費
「有形固定資産」の項目を参照のこと。
破綻処理基金への拠出
欧州破綻処理制度は、EUの銀行再建・破綻処理指令(BRRD)に基づいている。支払額の全額が、支払月に損益計算書に計上
される。欧州破綻処理基金への年間拠出は、損益計算書の「破綻処理基金への拠出」項目で認識される。
銀行税
銀行税法に従って、銀行は、毎年10月に銀行税を支払う必要がある。支払額の全額が、支払月に損益計算書に計上される。
年額が損益計算書に「銀行税」の項目で認識される。
連結包括利益計算書
連結包括利益計算書は、報告期間の純損益総額および株主資本の直接の変動(必要な場合、税引前)を表示する。財務書類
では、税引後金額は、株主資本から損益計算書に将来組替えられる項目および組替られない項目のグループで表示される。
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連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフロー計算書は、間接法によって作成されている。キャッシュフローは、営業活動、投資活動および財務活
動によるキャッシュフローとして分類される。現金および現金同等物には、手元現金、銀行および中央銀行の利用可能残高、
ならびに翌日物インターバンク・ローンが含まれる。こうした資金は取得日からの満期到来期間が3か月未満で、容易に換金
可能であり、価値変動のリスクが僅少なものである。貸付金および前渡金、受託資金、デリバティブならびに銀行預入金およ
び銀行借入金の変動は、営業活動によるキャッシュフローに含まれる。投資活動は、関連会社、共同支配企業および有形固定
資産の購入ならびに売却、さらに投資ポートフォリオにおける購入、売却および償還で構成される。劣後債務およびボンド・
ローンの借入と返済ならびに配当金の支払いは財務活動として表示される。
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連結財務書類に対する注記
(単位:百万ユーロ)
注記34には、満期までの残存契約期間別の貸借対照表価額の内訳(要求
払および要求払でないもの)が含まれている。
注記31および37は、2020年度における減損対象の金融資産の減損のス
テージ別内訳の概要および予想信用損失引当金の変動の詳細を表示してい
る。
1 現金および中央銀行残高
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
手許現金
0 0
2,312 1,272
中央銀行当座預金残高(要求払)
合計 2,312 1,272
2 銀行預入金
「銀行預入金」の項目は、償却原価で測定される銀行に対するすべ
ての債権を含む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
5
短期貸付金および当座預金残高
4
115
長期貸付 62
0
-
レポ取引
120
合計 66
ネッティング条件下のレポ取引の詳細な概要については、「信用リ
スク」の項目を参照のこと。
3 差入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者に差し入れられてお
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
2020年6月、金利指標改革の一環として、清算機関でEONIAから €
STRへ、より低い利率への変更が行われた。現金担保に対する利益の低
下を補償するために現金の支払を受けた。この金額は差入現金担保の
一部として計上され、2020年12月31日現在マイナス23百万ユーロであ
る。この金額は、基礎となるデリバティブの平均残存期間に相当する
50年間にわたって償却される。
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4 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は以下を含む。
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産。これ
は、SPPIテストを満たさなかった金融資産に関連している。
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
産。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
強制的にFVTPLで測定
貸付金および前渡金 89 136
FVTPLで測定されるものとして指定
貸付金および前渡金 538 555
825 1,073
利付有価証券
合計 1,452 1,764
2020年度末の貸付金および前渡金ならびに利付有価証券の償還合計
額は939百万ユーロ(2019年度:1,122百万ユーロ)である。注記25
は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
5 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバ
ティブの正の公正価値を含む。また、2020年度末のように、セトル・
トゥ・マーケットのデリバティブに関連した債権の公正価値も含まれ
ている。
注記25は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表してい
る。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
196 324
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 3,713 2,822
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 4,601 6,848
30 10
STMデリバティブ契約に関連する債権
合計 8,540 10,004
すべてのデリバティブは経済的ヘッジの一部であり、当行は投機目
的によるデリバティブのポジションを有していない。
6 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有され、BNG銀行が公正価値オプションを使用していない購入
利付有価証券を含む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
政府 6,312 6,363
国際機関 1,417 492
信用機関 2,009 2,287
その他の金融機関 0 26
0 54
非金融機関
合計 9,738 9,222
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認識中止を伴わない譲渡
2020年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産222百万
ユーロ(2019年度:なし)を譲渡している。
7 償却原価で測定される利付有価証券
これには、「回収のために保有」するビジネスモデルにおいて保有
され、BNG銀行が公正価値オプションを適用していない購入利付有価証
券が含まれる。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
政府 1,491 1,696
信用機関 - -
その他の金融機関 5,216 5,056
1,179 1,018
非金融機関
信用損失引当金 (6) (6)
合計 7,880 7,764
2020年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、償却原価で測定される利付有価証券139百万ユーロ(2019年度:な
し)を譲渡している。
8 償却原価で測定される貸付金および前渡金
貸付金および前渡金の項目には、SPPIテストを満たす顧客に対する
短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。
すべてのポジションは、「回収のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有される。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高 3,485 5,023
長期貸付 85,667 83,449
89,152 88,472
貸付金および前渡金合計
信用損失引当金 (210) (193)
合計 88,942 88,279
9 ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
これは、ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡
金のヘッジ対象金利リスクの有効部分の価値調整を指す。
2020年度 2019年度
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する
価値調整 の変動
期首残高 16,462 11,566
未実現部分の期中変動 6,094 6,204
期中償却 (1,581) (1,258)
(159) (50)
売却による期中実現
期末残高 20,816 16,462
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10 関連会社および共同支配企業
2020年12月31日 2019年12月31日 2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在 現在 現在
参加持分割合 貸借対照表価額
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30% 0 0
Data B Mailservice BV、レーク 3 3
45% 45%
小計 3 3
共同支配企業
BNG Gebiedsontwikkeling BV、
28 32
重要性の低い各種参加
合計 31 35
BNG Gebiedsontwikkeling B.V.は、完全所有子会社であり、連結財務
書類の一部である。上記の共同支配企業は、BNG Gebiedsontwikkeling
B.V.によって所有されている。
関連会社および共同支配企業の要約財務情報については、連結財務書
類の「関連当事者」の項目を参照のこと。
11 有形固定資産
2020年度 2019年度 2020年度 2019年度 2020年度 2019年度 2020年度 2019年度
不動産 設備 使用権資産 合計
取得原価
期首残高 49 49 24 22 2 - 75 71
- - - - - 2 - 2
IFRS第16号の影響
調整後期首残高
49 49 24 22 2 2 75 73
- - 2 2 0 - 2 2
投資
12月31日現在の価値
49 49 26 24 2 2 77 75
減価償却費
1月1日現在の
38 37 19 17 0 - 57 54
減価償却累計額
0 1 3 2 0 - 3 3
期中の減価償却費
12月31日現在の
38 38 22 19 0 0 60 57
減価償却累計額
合計 11 11 4 5 2 2 17 18
見積耐用年数
33 1/3年
建物
専用設備 15年
機械および在庫 5年
使用権資産 5年
ハードウェアおよびソフトウェア 3年
負債の担保として差し入れられている有形固定資産はない。
12 その他の資産
その他の資産は主に、顧客への貸付に対する未収金額で構成され
る。
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13 銀行借入金
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
当座預金残高
1 0
中央銀行供給資金(TLTRO) 10,950 -
預金 715 1,377
555 556
民間借入
合計 12,221 1,933
10,950百万ユーロはECBの貸出条件付長期資金供給オペ(TLTRO)第
三弾に関連している。これは、それぞれ8十億ユーロおよび3十億
ユーロの2つの取引で構成される。これらの変動利付債は、3年満期
で、1年後毎の早期償還オプションが付されている。
14 受入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者から受け入れたもの
であり、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
15 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
本項目は、純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で
測定するものとして指定された負債証券を含む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
公募負債証券 387 408
269 266
私募負債証券
合計 656 674
2020年度末の負債証券の償還合計額は490百万ユーロ(2019年
度:514百万ユーロ)である。2020年度末の金融負債の帳簿価額と償
還額の間の差異は166百万ユーロ(2019年度:160百万ユーロ)であ
る。「自己の信用リスク」のマークアップを含む関連する資金調達
カーブについて、金融負債は純損益を通じて公正価値で測定されて
いる。価値変動の合計(税引前)は6百万ユーロのプラス(2019年
度:10百万ユーロのプラス)であった。自己の信用リスクによる公
正価値の変動は、その他の包括利益を通じて認識されている。これ
らの変動は、「自己の信用リスク」のマークアップを含む関連する
資金調達カーブを使用した評価額と、このマークアップを含まない
関連する資金調達カーブを使用した評価額を比較することによって
算定される。注記25は、純損益を通じて認識される価値の変動を表
している。
16 デリバティブ
本貸借対照表項目には、セトル・トゥ・マーケットではない、デ
リバティブの負の公正価値、およびセトル・トゥ・マーケット・デ
リバティブに関連した債務の公正価値が含まれている。注記25は、
純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
1,131 1,004
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 23,525 20,249
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,179 1,393
130 5
STMデリバティブ契約に関連する債務
合計 26,965 22,651
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17 負債証券
本項目は、固定または変動金利の債券およびその他の発行済負債証
券を含む。発行に際しては、売却済債券は関連する債券から控除され
る。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
ボンド・ローン
92,655 94,374
コマーシャル・ペーパー 7,611 9,333
8,349 8,954
私募負債証券
合計 108,615 112,661
18 受託資金
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
当座預金残高
2,779 2,420
短期預金 281 25
2,539 3,130
長期預金
合計 5,599 5,575
19 劣後債務
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
劣後債務 35 33
合計 35 33
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20 税金
BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、再評価剰余金、
自己信用調整、ハイブリッド資本に係る利息支払いおよびキャッシュ
フロー・ヘッジ準備金について繰延税金負債を認識しており、これら
はすべて株主資本において直接変動する。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
未収還付税金
1 30
未払税金 - -
(98) (78)
繰延税金負債
合計 (97) (48)
BNG銀行およびオランダ税務当局は、IFRS第9号に従って、2018
年 度 か ら 2020 年 度 ま で の 期 間 の 相 対 契 約
(「vaststellingsovereenkomst」)を2018年度に締結した。2021年
度から2023年度までの期間の新しい契約は、2021年中頃に締結され
ると見込まれている。この相対契約は、BNG銀行の納税グループ全体
に適用される。この契約により、「その他の包括利益を通じて公正
価値で測定される金融資産」に分類される取引を除く全金融商品
は、会計上も税務上もIFRSの評価原則により計上される。税務上、
このカテゴリーにおけるすべての取引は、原価または市場価値のい
ずれか低い方で評価される。貸借対照表上で未実現利益が発生した
場合、税務上の損益は会計上の損益と異なる。
一時的な差異はなく、実効税率と表面税率の調整は以下のとおり
である。
2020年度 2019年度
表面税率および実効税率
332 227
税引前当期利益
表面税率で課された税金
(83) (57)
過年度税金調整 0 0
参加持分免除 1 0
ハイブリッド資本に係る損金算入の支払利息 0 1
(29) (7)
損金不算入費用(銀行税および過小資本)
実効税金 (111) (63)
表面税率
25.0% 25.0%
33.4% 27.6%
実効税率
2021年度に、下限税率は16.5%から15%に引き下げられ、上限税率
は25%で据え置かれる予定である。繰延税金は、資産が実現するまた
は負債が決済される期間に適用が見込まれる税率で測定される。
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2020年度
純損益を
株主資本を
期首残高 期末残高
通じた変動
通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(24) (5) - (29)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
(53) (12) - (65)
自己信用調整
(2) 1 - (1)
ハイブリッド資本
0 (4) - (4)
従業員給付引当金
1 - - 1
合計 (78) (20) - (98)
2019年度
純損益を
株主資本を
期首残高 期末残高
通じた変動
通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(32) 8 - (24)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (62) 9 - (53)
自己信用調整 (2) 0 - (2)
ハイブリッド資本 (4) 4 - 0
1 - 0 1
従業員給付引当金
合計 (99) 21 0 (78)
21 その他の負債
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
従業員給付引当金
2 2
213 58
その他の負債
合計 215 60
従業員給付引当金は、在職中および退職済の従業員の両方に付与さ
れるモーゲージ・ローンの金利割引に関する引当金1百万ユーロ
(2019年度:1百万ユーロ)および長期有給休暇引当金1百万ユーロ
(2019年度:1百万ユーロ)の2つの部分で構成される。引当金はい
ずれも長期的なものである。
モーゲージ・ローンの金利割引に関する確定給付および長期有給休
暇引当金に関係する負債純額の現在価値の変動は以下のとおりであ
る。
2020年度 2019年度
従業員給付引当金
1月1日現在の負債純額 2 2
0 0
引当金の変動
12月31日現在の負債純額 2 2
その他の負債は、主にデリバティブおよび翌期に決済されるその他
の金融取引に関連する債務で構成される。
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22 グループ株主資本
連結後、BNG銀行は少数株主持分を有していないため、ハイブリッド
資本を除く、連結株主資本全体が株主に帰属する。株主資本に含まれ
る項目は、個別財務書類に対する注記22で説明されている。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
資本金
139 139
資本準備金 6 6
再評価剰余金 86 84
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 11 13
自己信用調整 5 8
ヘッジコスト 184 174
利益剰余金 3,712 3,567
221 163
未処分利益
株主に帰属する持分
4,364 4,154
733 733
ハイブリッド資本
合計 5,097 4,887
2020年度 2019年度
発行済払込済株式数
55,690,720株 55,690,720株
1株当たり提案配当金(単位:ユーロ)
1.81 1.27
提案配当金
-定款所定の基本配当金 7 7
94 64
-基本配当金を上回る提案配当金
合計 101 71
2020年度の提案配当金は、2020年度にハイブリッド資本についてす
でに支払済みの25百万ユーロ(税引前)の利息支払いを加味してい
る。当該支払は「利益剰余金」に計上された。
2019年度については、71百万ユーロの配当金が2020年上半期に開催
された株主総会に提案された。株主総会に先立ち、ECBは欧州の銀行に
対して、配当金の支払を差し控えるか、少なくとも2020年10月31日ま
で延期するよう勧告した。株主総会において、当行は、ECBの勧告に従
う旨を発表した。2020年の夏に、ECBは勧告内容を変更し、配当金の支
払は少なくとも2020年12月31日まで差し控えるようにとした。また最
近、ECBはCET1比率の0.2%低下に相当する金額を2021年3月に支払う
ことについて同意した。BNG銀行の場合、これは24百万ユーロとなる。
ECBの勧告に従い、配当金の追加分配は2021年10月以前には行われな
い。当行は配当金の追加分配を行う意向であるが、今後のECBのあらゆ
る勧告を考慮に入れる必要がある。
資本金
授権資本は、各額面金額2.50ユーロの株式1億株から構成され、そ
のうち55,690,720株が発行済かつ全額払込済である。流通している株
式数には当該年度において変動はなかった。BNG銀行およびその子会社
は当行株式を保有していない。株式には優先権はなく、制限を受ける
こともない。株式発行を受ける権利を得るために行使されうるオプ
ションはない。
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資本準備金
2020年度および2019年度において、変動はなかった。
再評価剰余金
2020年度末現在、再評価剰余金は、未実現価額の変動749百万ユーロ
を含む。ただし、ヘッジ会計を適用する利付有価証券の金利リスクの
ヘッジされた部分の価値は除かれ、これは「その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定される金融資産」項目の一部である。再評価剰余金
は税額調整されている。当該資産が売却される場合、株主資本で認識
される関連累積損益は損益計算書に振り替えられる。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
為替レートの変動に伴う、キャッシュフロー・ヘッジ関係に含まれ
るデリバティブの未実現の価値変動の有効部分は、キャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金で認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備金
は税額調整される。
自己信用調整
自己信用調整は、税引後で5百万ユーロ(2019年度:8百万ユー
ロ)であった。当該調整は純損益を通じて公正価値で測定される金融
負債の信用リスクの変動に関連する。
ヘッジコスト準備金
ヘッジコスト準備金には、ヘッジ会計を適用するクロスカレン
シー・スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上され、当該
準備金はヘッジ期間にわたって償却される。累積変動額は、ヘッジ手
段の満期までにはゼロまで減少する。
利益剰余金
定款所定の分配可能利益の処分につき決定した後、株主総会におい
て利益剰余金に充当される残りの利益の部分を定める。2020年度に、
当行株主に対する配当金の支払71百万ユーロ(2019年度:159百万ユー
ロ)が予定されていた。しかし、COVID-19の発生により、ECBはその支
払を2021年度まで延期するよう強く勧告した。2020年度に、25百万
ユーロ(2019年度:25百万ユーロ)(税引前)がハイブリッド資本所
有者に分配され、「利益剰余金」に計上された。「利益剰余金」には
ハイブリッド資本に係る資本準備金の合計0.1百万ユーロ(2019年度:
0.1百万ユーロ)が含まれている。
未処分利益
貸借対照表は利益処分前に作成される。本項目は、法人税控除後の
損益合計を示す。
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ハイブリッド資本
BNG銀行のハイブリッド資本は733百万ユーロである。本商品は、CRR
要件およびEBA指針に沿って組成されており、その他Tier1資本として
認められている。ハイブリッド資本は、元本残高に対する年1回の非
累積型の利息を裁量的に支払う永久ローンに関係し、CET1比率が
5.125%を下回った場合に一時的に切下げられる。切下げがあった場
合、この金額は「利益剰余金」に振り替えられることになる。「利益
剰余金」からの切下げは、トリガー比率が5.125%超に回復した時点で
一定の条件下で戻入れ(切上げ)ができる。BNG銀行は、利息の支払い
を裁量ベースで、「その他の剰余金」を財源とする利息支払いの形で
分配する権利を有している。利息支払いは、その時点での元本金額に
基づいて決定される。分配された利息支払いは当初、2018年における
法改正により2019年から法人所得税上の損金不算入とされていた。
2020年5月15日、オランダ最高裁判所はオランダの法人所得税の目的
上、AT1資本は負債とみなされるべきと裁定し、その結果、2019年以
降も引き続き支払額の損金算入が可能となった。BNG銀行は、発行した
ハイブリッド資本を償還する一方的な契約上のオプションを有してい
る。2015年度に発行したトランシェ(額面金額424百万ユーロ)は2021
年5月から、その後毎年5月に額面で買い戻すことができる。2016年
度に発行したトランシェ(額面金額309百万ユーロ)は2022年5月から
毎年買い戻すことができる。
23 利息損益
「実効金利法を用いて計算した受取利息」は、金融負債に係るマイ
ナスの支払利息を含め、金融商品およびヘッジ会計を適用するデリバ
ティブから生じるすべてのプラスの利息損益を含む。また、その他の
信用関連受取収益も本項目に含まれる。減損対象の資産に係る受取利
息は、予定される金利キャッシュフローが受領される限り、当初の実
効金利で認識される。
「実効金利法を用いて計算した支払利息」は、金融資産に係るマイ
ナスの受取利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用する
デリバティブから生じるすべてのマイナスの利息損益を含む。借入費
用およびその他の利息関連費用も認識される。
その他の受取利息および支払利息は、主にヘッジ会計を適用しない
デリバティブの利息損益、ならびに公正価値で測定される金融資産お
よび金融負債の利息損益で構成される。
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2020年度 2019年度
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 2,054 2,149
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 113 143
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,276 2,561
71 36
-金融負債に係るマイナスの支払利息
4,514 4,889
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 34 42
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 3 3
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 325 589
0
-その他
362 634
受取利息合計 4,876 5,523
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 1,893 2,416
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,291 2,429
129 149
-金融資産に係るマイナスの支払利息
4,313 4,994
その他の支払利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 30 31
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 48 58
8 5
-その他
86 94
支払利息合計 4,399 5,088
477 435
利息損益合計
2020年度の受取利息には、「償却原価で測定される金融資産」(注
記7および8)および「その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産」(注記6)に関連する金融資産に係る受取利息2百万
ユーロ(2019年度:2百万ユーロ)が含まれており、これらは減損の
対象である。
TLTRO第三弾の預金に係る受取利息は50百万ユーロで、満期日に受
領する。2020年度のTLTRO取引の利息損益の算定には、予想優遇金利
を含めた非市場金利が使用されている。優遇金利の条件が満たされな
い場合、これは利息損益の戻入れとして反映されることになる。
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24 手数料損益
受取手数料
本項目は、第三者に提供したサービスによる収入を含む。
2020年度 2019年度
貸付および信用供与による収入
19 23
10 9
決済サービスによる収入
合計 29 32
支払手数料
本項目は、貸付金、信用供与および決済サービスに関連して第三者
の行ったサービスに関連する合計4百万ユーロ(2019年度:2百万
ユーロ)の費用から成る。
25 金融取引損益
本項目は、実現および未実現の市場価値調整に分類した金融取引に
係る損益を含む。
2020年度 2019年度
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に起因する純損益を通
じて公正価値で測定する以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 (24) 29
(4) 0
-ストラクチャード・ローン
(28) 29
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 (9) (28)
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 2 38
(3) (2)
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計
(10) 8
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動(CVA/DVA)
(3) (10)
売却および買取りによる実現損益 39 21
(15) (11)
その他の市場価値変動
合計 (17) 37
2020年度も、金融取引損益は、実現損益からプラスの影響を受け
た。実現損益39百万ユーロ(2019年度:21百万ユーロ)は、主に当行
の流動性ポートフォリオからのオンバランスの売却益による。実現損
益にはまた、2月に成功裏に完了した、2007年度に購入した主要なイ
ンフレ連動債の「純粋な売却および買戻し」ならびに関連するデリバ
ティブの再構築による損益も含まれている。これらの取引の目的は、
損益計算書のボラティリティを低減させ、2020年2月から、この債券
が償却原価で評価され、関連するデリバティブと共に確実にヘッジ会
計に組み込まれるようにすることであった。これらの取引の完了によ
り、3百万ユーロの利益が実現した。
未実現損益は56百万ユーロの損失(2019年度:16百万ユーロの利
益)となった。主にCOVID-19のパンデミックにより、「純損益を通じ
て公正価値で測定される金融資産」に計上された大部分の利付有価証
券の信用リスクスプレッドおよび流動性リスクスプレッドが拡大した
ことから、24百万ユーロの損失(2019年度:29百万ユーロの利益)が
発生した。未実現損益はまた、ヘッジ会計に係る損益、顧客とのデリ
バティブの取引先信用リスクの変動およびその他の市場価値の変動に
よるマイナスの影響も受けた。「その他の市場価値の変動」は、ヘッ
ジ会計を適用しないデリバティブの米ドル/ユーロおよびユーロ/英
ポンドのクロスカレンシー・ベーシス・スプレッド変動の影響も含
む。
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26 関連会社および共同支配企業による損益
2020年度 2019年度
関連会社
1 1
2 2
共同支配企業
合計 3 3
BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記載については、連結財
務書類の「関連当事者」の項目を参照のこと。
27 その他の収益
その他の収益は、主にBNG Gebiedsontwikkelingが提供するコンサ
ルティング業務による収益から成る。
28 人件費
2020年度 2019年度
給与
29 28
年金費用 5 5
社会保障費 3 3
従業員給付引当金への繰入 0 0
12 5
その他の人件費
合計 49 41
2020年度に、個々の従業員の変動報酬はなかった。2019年度に、
個々の従業員の変動報酬は、その固定給の20%が上限とされた。
人件費の増加は、主として付帯条件によるその他の費用、研修およ
び人件費引当金への繰入を原因とする。
執行取締役会の報酬については、「関連当事者」の項目を参照のこ
と。
29 その他の一般管理費
これらの費用は、特に、外部委託費、有形固定資産の維持費、コン
サルタント料、研修費およびIT費を含む。2020年度のその他の一般管
理費合計は46百万ユーロ(2019年度:37百万ユーロ)であった。
独立監査人に支払われた報酬も「その他の一般管理費」に含まれ
る。オランダ民法典第2編第9章第382a条に準拠して、監査ならびに
監査関連および非監査関連業務に関して独立監査人へ支払われた報酬
の内訳は、個別財務書類の注記32に示されている。
30 減価償却費
本項目の内訳は、「有形固定資産」に関する注記(注記11)に含ま
れる。合計で、2020年度の減価償却費は3百万ユーロ(2019年度:3
百万ユーロ)であった。
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31 金融資産の減損損失純額
2020年度に損益計算書に計上された減損損失は、16百万ユーロの損
失(2019年度:153百万ユーロの損失)であった。減損損失の増加
は、主として経済見通しの悪化に伴うデフォルト確率の上昇による。
そのため、ステージ2に記載される項目が増加した。全体では、ス
テージ2における減損金額は、1件の債務者がステージ3に振り替え
られたことにより減少した。この振替は、持株会社の黙示的な保証を
考慮に入れずに個別評価を実施した結果である。この債務者について
の引当金合計は、2019年度(ステージ2)の16百万ユーロから2020年
度(ステージ3)は21百万ユーロに増加した。
2019年度と比較して減損が減少したのは、主に2019年度に信用リス
クの変動に伴う多額の減損が計上されていたことによる。この減損は
主に、地方自治体にサービスを提供している債務者の信用度の低下の
結果であった。
2020年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 8 3 0 11
-認識中止による引当金の減少 (6) (3) (3) (12)
2 (5) 20 17
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
4 (5) 17 16
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローに
- - 0 0
よる減損の戻入れ
- - - -
-償却による減損
- - 0 0
金融資産の減損損益純額 4 (5) 17 16
2019年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 3 3 0 6
-認識中止による引当金の減少 (2) (4) 0 (6)
1 4 148 153
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
2 3 148 153
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローに
- - - -
よる減損の戻入れ
- - - -
-償却による減損
- - - -
金融資産の減損損益純額 2 3 148 153
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予想信用損失引当金の変動
2020年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じた引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加
8 3 0 11
-認識中止による引当金の減少
(6) (3) (3) (12)
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
2 (5) 20 17
4 (5) 17 16
純損益を通じない引当金の変動:
-償却による引当金の減少
- - - -
- - - -
引当金の変動合計 4 (5) 17 16
2019年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じた引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加
3 3 0 6
-認識中止による引当金の減少
(2) (4) 0 (6)
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
1 4 148 153
2 3 148 153
純損益を通じない引当金の変動:
-償却による引当金の減少
(5) (5)
0 0 (5) (5)
引当金の変動合計 2 3 143 148
注記37は、減損対象の金融資産の減損のステージ別内訳の概要を表
示している。
32 関連会社および共同支配企業の減損損失純額
2020年度 2019年度
関連会社および共同支配企業の減損
1 10
0 (3)
関連会社および共同支配企業の減損の戻入れ
合計 1 7
BNG Gebiedsontwikkelingの参加持分に係る減損は1百万ユーロ
(2019年度:10百万ユーロ)であり、参加持分に係る減損の戻入れは
僅少であった(2019年度:3百万ユーロ)。原則として、参加持分
は、継続企業の前提に基づき評価されている。
33 破綻処理基金への拠出および銀行税
銀行再建・破綻処理指令による欧州破綻処理制度が2015年1月1日
付で発効した。破綻処理基金の費用は、法人税上、損金算入可能であ
る。2020年度に支払うべき8百万ユーロ(2019年度:8百万ユーロ)
は、2020年6月に支払われ、損益計算書に計上された。
銀行税に関する費用は、法人税上は損金算入できない。この結果、
実効税率による税額は、表面税率による税額を上回った。BNG銀行
は、毎年10月に銀行税の支払期限を迎え、2020年度の金額は34百万
ユーロ(2019年度:30百万ユーロ)であった。銀行税の計算は、個別
財務書類の注記31に記載されている。
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34 金融商品の満期までの残存契約期間別の貸借対照表価額の内訳
2020年12月31日現在
3か月超 1年超
要求払 3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
2,312 2,312
銀行預入金 4 2 9 45 60 120
差入現金担保 20,361 20,361
純損益を通じて公正価値で
66 52 344 990 1,452
測定される金融資産
デリバティブ 255 232 1,918 6,135 8,540
その他の包括利益を通じて
165 185 4,435 4,953 9,738
公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 227 637 3,914 3,102 7,880
貸付金および前渡金 951 4,195 8,623 29,677 45,496 88,942
ポートフォリオ・ヘッジ会計を
11 91 1,608 19,106 20,816
適用する貸付金に対する価値調整
未収還付税金 1 1
149 149
その他の資産
資産合計 3,267 25,431 9,830 41,941 79,842 160,311
銀行借入金 1 656 83 11,100 381 12,221
受入現金担保 858 858
純損益を通じて公正価値で
44 72 210 330 656
測定される金融負債
デリバティブ 550 571 2,359 23,485 26,965
負債証券 12,336 10,013 49,727 36,539 108,615
受託資金 2,779 439 1,119 576 686 5,599
劣後債務 1 19 15 35
未払税金 0
繰延税金負債 5 20 73 98
188 23 3 1 215
その他の負債
負債合計 2,780 15,072 11,886 64,014 61,510 155,262
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2019年12月31日現在
3か月超 1年超
要求払 3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
1,272 1,272
銀行預入金 5 10 10 30 11 66
差入現金担保 14,643 14,643
純損益を通じて公正価値で
34 52 286 1,392 1,764
測定される金融資産
デリバティブ 903 1,497 4,028 3,576 10,004
その他の包括利益を通じて
173 337 4,842 3,870 9,222
公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 143 565 3,181 3,875 7,764
貸付金および前渡金 1,331 6,046 8,545 32,206 40,151 88,279
ポートフォリオ・ヘッジ会計を
10 99 1,760 14,593 16,462
適用する貸付金に対する価値調整
未収還付税金 30 30
129 1 130
その他の資産
資産合計 2,608 22,091 11,136 46,333 67,468 149,636
銀行借入金 1,334 69 100 430 1,933
受入現金担保 1,137 1,137
純損益を通じて公正価値で
15 4 211 444 674
測定される金融負債
デリバティブ 296 953 6,020 15,382 22,651
負債証券 14,036 13,172 49,008 36,445 112,661
受託資金 2,433 295 281 1,678 888 5,575
劣後債務 1 18 14 33
未払税金 -
繰延税金負債 4 16 58 78
53 2 3 2 60
その他の負債
負債合計 2,433 17,167 14,485 57,054 53,663 144,802
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35 分類別の金融商品の内訳
2020年12月31日現在
その他の
包括利益を
純損益を通じて 通じて
償却原価 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
2,312 - - 2,312
銀行預入金 120 - - 120
差入現金担保 20,361 - - 20,361
純損益を通じて公正価値で測定される
- 1,452 - 1,452
金融資産
デリバティブ - 8,540 - 8,540
その他の包括利益を通じて公正価値で
- - 9,738 9,738
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,880 - - 7,880
貸付金および前渡金 88,942 - - 88,942
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
20,816 - - 20,816
貸付金に対する価値調整
資産合計 140,431 9,992 9,738 160,161
銀行借入金 12,221 - - 12,221
受入現金担保 858 - - 858
純損益を通じて公正価値で測定される
- 656 - 656
金融負債
デリバティブ - 26,965 - 26,965
負債証券 108,615 - - 108,615
受託資金 5,599 - - 5,599
35 - - 35
劣後債務
負債合計 127,328 27,621 - 154,949
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2019年12月31日現在
その他の
包括利益を
純損益を通じて 通じて
償却原価 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
1,272 - - 1,272
銀行預入金 66 - - 66
差入現金担保 14,643 - - 14,643
純損益を通じて公正価値で測定される
- 1,764 - 1,764
金融資産
デリバティブ - 10,004 - 10,004
その他の包括利益を通じて公正価値で
- - 9,222 9,222
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,764 - - 7,764
貸付金および前渡金 88,279 - - 88,279
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
16,462 - - 16,462
貸付金に対する価値調整
資産合計 128,486 11,768 9,222 149,476
銀行借入金 1,933 - - 1,933
受入現金担保 1,137 - - 1,137
純損益を通じて公正価値で測定される
- 674 - 674
金融負債
デリバティブ - 22,651 - 22,651
負債証券 112,661 - - 112,661
受託資金 5,575 - - 5,575
33 - - 33
劣後債務
負債合計 121,339 23,325 - 144,664
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36 財務活動から生じるキャッシュフローに対する負債の変動の調整
2020年度
純損益を
通じて 公正
価値で測定
ハイブリッド
される金融負債 負債証券 劣後債務 資本 合計
2020年1月1日現在の残高
674 112,661 33 733 114,101
財務活動によるキャッシュフロー
-財務活動からの調達額 0 219,779 0 0 219,779
-財務活動に係る返済額 (8) (221,405) 0 0 (221,413)
-利息およびその他のキャッシュフロー (15) (1,856) 0 0 (1,871)
0 0 0 (25) (25)
-ハイブリッド資本に係る利息支払い
(23) (3,482) - (25) (3,530)
非現金変動
未実現損益:
-為替変動 (42) (3,796) 0 0 (3,838)
-公正価値変動 17 1,525 0 0 1,542
30 1,707 2 0 1,739
実現損益
5 (564) 2 - (557)
「その他の剰余金」から分配された
25 25
利息支払い
2020年12月31日現在の残高 656 108,615 35 733 110,039
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2019年度
純損益を
通じて 公正
価値で測定
ハイブリッド
される金融負債 負債証券 劣後債務 資本 合計
2019年1月1日現在の残高
762 103,722 32 733 105,249
財務活動によるキャッシュフロー
-財務活動からの調達額 12 401,879 4 401,895
-財務活動に係る返済額 (140) (396,661) (4) (396,805)
-利息およびその他のキャッシュフロー (18) (1,909) (1) (1,928)
(25) (25)
-ハイブリッド資本に係る利息支払い
(146) 3,309 (1) (25) 3,137
非現金変動
未実現損益:
-為替変動 21 1,509 - 1,530
-公正価値変動 12 1,858 - 1,870
25 2,263 2 2,290
実現損益
58 5,630 2 0 5,690
「その他の剰余金」から分配された
25 25
利息支払い
2019年12月31日現在の残高 674 112,661 33 733 114,101
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37 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート
契約の3つの減損のステージ別内訳を示している。
ステージ1 当初認識以降、信用リスクの著しい増大(SICR)がない
正常債権エクスポージャー
ステージ2 当初認識以降、信用リスクの著しい増大がある正常債権
エクスポージャー
ステージ3 不良債権エクスポージャー
2020年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および中央銀行残高 2,312 2,312 - - - - -
銀行預入金 120 120 0 - 0 0 -
差入現金担保 20,361 20,361 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
9,738 9,677 61 - 0 (1) -
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,880 7,714 172 - (1) (5) -
利付有価証券
88,942 87,140 1,617 396 (9) (25) (175)
貸付金および前渡金
合計 129,353 127,324 1,850 396 (10) (31) (175)
2019年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および中央銀行残高 1,272 1,272 - - - - -
銀行預入金 66 66 0 - 0 0 -
差入現金担保 14,643 14,643 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
9,222 9,166 56 - 0 (1) -
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,764 7,665 105 - (1) (5) -
利付有価証券
88,279 86,742 1,440 290 (5) (31) (157)
貸付金および前渡金
合計 121,246 119,554 1,601 290 (6) (37) (157)
注1 FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれており、(正味)帳簿価額には含まれて
いない。
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2020年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 1,516 1 - 0 0 -
取消可能信用供与契約 3,607 67 1 0 0 -
5,630 64 - (2) (2) -
取消不能信用供与契約
合計 10,753 132 1 (2) (2) -
2019年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 1,612 1 - 0 0 -
取消可能信用供与契約 3,630 126 8 0 0 (3)
7,014 113 24 (1) (1) -
取消不能信用供与契約
合計 12,256 240 32 (1) (1) (3)
予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る予想信用損失引当金およびオフバラン
スシート契約に係る予想信用損失引当金の変動を示している。
2020年度
認識中止、
組成および 返済および
信用リスクの
取得による 処分による 変動による 償却による
期首残高 増加 減少 変動(純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
1 0 0 0 - 1
測定される金融資産
償却原価で測定される
6 0 0 (1) - 5
利付有価証券
193 8 (6) 15 - 210
貸付金および前渡金
200 8 (6) 14 - 216
引当金(負債性)
5 2 (5) 2 - 4
オフバランスシート契約
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2019年度
認識中止、
組成および 返済および
信用リスクの
取得による 処分による 変動による 償却による
期首残高 増加 減少 変動(純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - 0
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
1 0 0 0 - 1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7 0 (2) 1 6
利付有価証券
47 5 (3) 149 (5) 193
貸付金および前渡金
55 5 (5) 150 (5) 200
引当金(負債性)
2 1 (1) 3 5
オフバランスシート契約
契約上のキャッシュフローの変更
全期間の予想信用損失に相当する金額で測定された損失引当金が設定され
ている(すなわちステージ2または3)金融資産で、2020年度中に契約上の
キャッシュフローが変更されたものはない。全期間の予想信用損失に相当す
る金額で測定された損失引当金が設定され(ステージ2または3)、過年度
に条件変更が行われた金融資産のうち、2020年度中にステージ1に戻された
ものはない。
主要なインプットおよび仮定
金融資産の予想信用損失は、信用リスクの大幅な増加が発生したかどうか
によって12か月または全期間に基づいて測定される。予想信用損失合計は、
デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)およびデフォルト時エ
クスポージャー(EAD)の結果を割り引いたものである。
デフォルト確率
PDは、ECLおよびSICRの決定における主要な構成要素として使用される。
BNG銀行は、外部格付が入手できないエクスポージャーについて、主に専門
家の判断に基づくPDモデルを開発した。IFRS第9号の遵守およびいわゆる
「ポイント・イン・タイム」のPDを確保するため、BNG銀行は将来に関する
情報(FLI)を含んだオーバーレイ・モデルを開発した。ステージの決定に
おいては、将来に関する情報を調整済みの信用格付が使用されている。BNG
銀行は、財務書類内の他の関連する見積りに対するインプットと整合するよ
うな、経済予測に基づく5つの内部開発シナリオを適用している。提案され
たマクロ経済予測は、外部のマクロ経済予測と比較され、シナリオの外部検
証性を確保している。シナリオは、資産・負債委員会(ALCO)で承認されて
いる。これによって、BNG銀行はPDが合理的かつ裏付可能であることを確保
している。
デフォルト時損失率
信用ポートフォリオのデフォルト率が低く、過去の内部のLGDデータが不
足しているため、BNG銀行はLGDモデルを確立することができない。したがっ
て、BNG銀行はエクスポージャー全体に対して、4つの異なるLGD率を伴う基
本的な一律LGDアプローチを適用している。
・(オランダ)中央政府または地方政府が交付または保証するエクス
ポージャーについて0%
・EU内の中央政府または地方政府が発行する政府債について10%
・中央政府や地方政府の保証がないエクスポージャーおよび優先無担保
債エクスポージャーについて35%
・劣後ローンについて75%
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デフォルト時エクスポージャー
貸付金および利付有価証券(証券化を除く)に係るEADは、債務者が12か
月間または全期間にわたって義務を負う契約上の返済額に基づく。任意返済
または早期償還は、過去の実績から頻度が高くないため、考慮に入れていな
い。証券化に関する将来の契約上の返済額は、外部情報源から得られる見積
定率期限前返済率に基づく。コミットメント(オフバランスシート)ファシ
リティの場合、最大エクスポージャーは、12か月間または全期間(減損のス
テージによる)において予想される融資枠の使用を反映するよう調整され
る。
信用リスクの著しい増大
BNG銀行は、認識以降の信用リスクの著しい変動を評価するためのイン
プット・パラメータとして、将来に関する情報について調整されたポイン
ト・イン・タイムPDを適用している。さらにBNG銀行は、信用リスクの著し
い増大を判定するための補完基準として、支払猶予措置ならびに30日超の期
日経過を使用している。一方、BNG銀行は認識以降の信用リスクの著しい変
動のモニタリングについて、低信用リスクである場合の除外を適用してい
る。この場合、信用リスクの著しい増大が生じているかを判定せずに、12か
月間のECLを使用して減損が測定される。BNG銀行は、投資適格の格付を有す
る金融資産については「低信用リスク」であるとみなす。債券については、
BNG銀行はBBB-以上を投資適格とみなしている。貸付金に関しては、内部相
手先信用格付を使用して投資適格であるかを決定している。内部相手先信用
格付は、多数の市場セクター固有の内部格付モデルから導き出され、これら
のモデルは外部的に検証されている。
BNG銀行は、ステージ3の減損金額を決定する際に、専門家を利用して判
断を行っている。このアプローチは、財務再編・回収部門により金融商品レ
ベルごとに実行される。
将来に関するマクロ経済情報
主要なマクロ経済変数を識別するために、過去のデータの分析が実施さ
れ、これらの変数はBNG銀行のアナリストによって四半期毎に提供される。
専門家による判断が適用される。2020年度においては、証券化以外に係るデ
フォルト確率の決定に適用されるマクロ経済要素は、名目GDP、失業率およ
び雇用率である。当行は、モデルの結果の予測可能性を高めるために、賃金
率から雇用率に変更した。証券化について適用されるマクロ経済要素は、住
宅価格指数、長期金利および債務である。
COVID-19のパンデミックは、当行の顧客に大きな財務的および社会的影響
を及ぼしている。しかし、このパンデミックによって当行の顧客にさらなる
重大な支払いの問題が生じることはなかった。COVID-19のパンデミックの発
生後の経済見通しの悪化は、モデルに基づく「ポイント・イン・タイム」の
デフォルト確率(PD)の上昇をもたらした。この悪化を減損数値の中で正確
に示すために、減損モデルの調整が必要であった。パンデミックにより、当
該モデルはマクロ経済変数の景気循環的性格およびこれらの変数に固有の
ショックを組み込むことが困難であることが明らかになった。非現実的な結
果を避けるために、BNG銀行は、関連データが将来予測の領域から外れるこ
とによるショックを防ぐ、指数加重移動平均(EWMA)と呼ばれる追加の要素
を導入した。2020年度について、証券化以外のモデルに適用されたEWMAは
50%であった。証券化モデルに適用されたEWMAは0%で、これはEWMAの影響
がないことを意味する。当行は半年ごとにEWMAの必要性を評価し、必要に応
じてその水準を調整する予定である。
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証券化以外
2020年12月31日 2019年12月31日
マクロ経済変数
現在の期間 現在の期間
オランダの国内総生産(GDP)
3年 3年
オランダの失業率 3年 3年
賃金上昇率 - 3年
雇用率 3年 -
2020年12月31日 2019年12月31日
シナリオ
現在の加重 現在の加重
基本シナリオ
65% 70%
上昇シナリオ 5% 10%
下降シナリオ 30% 20%
証券化
2020年12月31日 2019年12月31日
マクロ経済変数
現在の期間 現在の期間
ユーロ圏(17か国)の住宅価格指数
3年 3年
ユーロ圏(19か国)の長期金利 3年 3年
1
3年 3年
ユーロ圏の債務(家計およびNPISH への貸付)
2020年12月31日 2019年12月31日
シナリオ
現在の加重 現在の加重
基本シナリオ
65% 65%
上昇シナリオ 5% 10%
下降シナリオ 30% 25%
注1 対家計民間非営利団体
不良債権エクスポージャー
BNG銀行は、エクスポージャーを不良債権として指定するため、以下の基
準を適用している。
・BNG銀行が、債務者によるBNG銀行に対する信用債務の弁済可能性が低
いとみなしている。
・債務者によるBNG銀行に対する重要な債務の支払いが90日以上遅延し
ている。
BNG銀行は、「弁済可能性が低い」について以下の指標を採用している。
・債務者の収入源が、支払債務を履行するには不十分とみなされる。
・将来キャッシュフローに対する疑義の兆候が見られる。
・債務者の負債比率が著しく上昇した。
・1件以上の約款違反が発生した。
・BNG銀行が保証の実行を求めたまたは担保権を実行した。
・その他の債権者に対する著しい支払遅延(登録簿に記録された)。
・債務者の市場セクターに経済的危機があり、同セクター内の債務者が
信用弱者とみなされている。
・財務的困難により、債務者は市場セクターにおいて活発に活動してい
るとはみなされなくなった。
・BNG銀行以外の債権者が当該債務者の破産を申し立てた。
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信用損失引当金の感応度分析
2020年12月31日現在における信用損失引当金の金額の(再)計算におい
て、インプットの変動に対する信用損失引当金の感応度を測定するため、5
つの異なるシナリオが使用されている。
シナリオA
シナリオAでは、減損の対象となるすべての個別エクスポージャーの信用
格付が1ノッチ引き下げられる(例えば、AAAからAA+)。これらの(引き下
げられた)信用格付およびそれに伴うPDがステージ分類評価および信用損失
引当金の計算に適用される。その結果、一部のエクスポージャーがステージ
1からステージ2に振り替えられる。EADおよびLGDについては、ベース水準
からの変更はない。
シナリオB
シナリオBでは、通常はLGDが0%のエクスポージャーのLGDを10%とす
る。通常はLGDが10%、35%または75%のエクスポージャーのLGDは変更され
ない。EAD、信用格付およびPDについても、ベース水準からの変更はない。
シナリオC
シナリオCでは、信用損失引当金の計算がポイント・イン・タイムPDでは
なく、「スルー・ザ・サイクル」PDを使用して実施される。すなわち、将来
に関するマクロ経済情報を組み込まないPDが計算に使用される。EAD、信用
格付、ステージレベルおよびLGDについては、ベース水準からの変更はな
い。
シナリオD
シナリオDでは、信用損失引当金の計算がEWMA70%に基づいて行われる。
PDはベース水準から変更される。
シナリオE
シナリオEでは、デフォルト確率はEWMA0%に基づいて計算される。この
シナリオの結果、証券化以外についてのみ、PDおよびステージレベルが変更
される。
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以下の表は、5つの異なるシナリオにおける信用損失引当金合計の感応度
(単位:百万ユーロ)を示している。
2020年12月31日現在
シナリオB
シナリオC
シナリオA (LGDを
(スルー・
実際の
(1ノッチ 0%から ザ・サイク シナリオD シナリオE
計上額 引き下げ) 10%に) ルPD) (EWMA70%) (EWMA0%)
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 0 0
OCIを通じて公正価値で
1 1 1 1 1 1
測定される金融資産
償却原価で測定される
5 8 6 4 6 6
利付有価証券
210 233 243 206 209 220
貸付金および前渡金
216 242 250 211 216 227
引当金(負債性)
4 6 5 4 4 5
オフバランスシート契約
2019年12月31日現在
シナリオA シナリオB
シナリオC
実際の (1ノッチ (LGDを 0%
(スルー・ザ・
計上額 引き下げ) から10%に) サイクルPD)
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - 0 -
銀行預入金 0 0 0 0
OCIを通じて公正価値で測定される金融資産 1 1 1 1
償却原価で測定される利付有価証券 6 6 7 4
193 214 216 204
貸付金および前渡金
200 221 224 209
引当金(負債性)
5 8 6 8
オフバランスシート契約
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デリバティブによるリスクヘッジ
BNG銀行は、為替リスクを低減し、金利リスクを望ましい水準に保つ目的で、経済的ヘッジを適用している。この目的で、
BNG銀行は、日次で厳密に遵守し監視を行う限度額管理システムおよび手続きを導入した。為替および金利のリスクは、デリ
バティブでヘッジされている。貸借対照表と損益計算書におけるデリバティブとヘッジ対象の処理は、実際の経済上のヘッ
ジとできる限り一致するように行われる。会計上、BNG銀行は、IFRSに基づき、当該ヘッジ関係を、ミクロおよびポートフォ
リオの公正価値ヘッジ、ならびにキャッシュフロー・ヘッジを適用することで処理する。連結財務書類の会計原則の項目に
は、この種類のヘッジ会計が適用可能となる前に満たすべき条件について記載されている。
ミクロ公正価値ヘッジ会計(MH)は、該当する場合に、金利リスクおよび為替リスクを相殺するための経済的ヘッジ関係
に関わる個々の取引に適用される。この種類のヘッジは、ほとんどすべての発行済負債証券に適用される。為替リスクおよ
び金利リスクは、(クロスカレンシー)金利スワップを使用してヘッジされる。発行は、発行の固定利息額がネットでユー
ロ建ての変動利息額に換算されるようにデリバティブで完全に相殺される。発行とそれに付随するデリバティブは共に、こ
れも完全に相殺されるオプションのような仕組みを包含させることができる。公正価値ヘッジに係るヘッジされたMH取引の
再評価効果は、ヘッジされた項目と同じ貸借対照表項目に計上される。
BNG銀行は、為替レート変動による将来のキャッシュフローにおける変動の可能性からBNG銀行の収益を保護するために、
外貨建ての変動利付の長期資金調達取引の事実上すべてに(ミクロ)キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用している。
BNG銀行はまた、固定金利の外貨建て取引の信用スプレッドの為替リスクをヘッジするため、キャッシュフロー・ヘッジ会
計を適用している。外貨建ての調達資金の自発的な早期償還または銀行事業からの即時完全撤退を除き、これらの再評価が
実現損益につながる状況はない。
クロスカレンシー・ベーシス・スワップのスプレッドは、クロスカレンシー・(金利)スワップの価値の重要な要素であ
る。このベーシス・スプレッドの変動は、ヘッジ関係の一部に含まれない。ミクロ・ヘッジが適用される場合、このベーシ
ス・スプレッドの変動は、株主資本の部の「ヘッジコスト準備金」として別個に処理される。
ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計(PH)では、ユーロ建て取引のグループの金利リスクがデリバティブのグループを利
用してヘッジされる。ヘッジ関係は、総体レベルで構成され管理されるため、個々の取引との関係が排除される。BNG銀行に
おいて、ミクロ・ヘッジのようなポートフォリオ・ヘッジは有効性が高い。発生した非有効部分はすべて損益計算書に認識
される。
PHの有効部分は貸借対照表項目「ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整」に計上される。
BNG銀行は、経済的ヘッジの目的でデリバティブを使用しているが、IFRSに認められるとおり、これらをすべての場合に
ヘッジ会計に含めることは可能ではない。ヘッジ会計に含まれない実質上すべてのデリバティブは、同じく純損益を通じて
公正価値で認識される金融商品で経済的にヘッジされる。結果として、全体では金利リスクおよび為替リスクによる損益の
変動性は限定される。
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以下の表は、2020年12月31日現在のすべてのデリバティブの満期プロファイルを想定元本に基づいて示している。
2020年12月31日現在
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 6,529 24,845 75,673 107,047
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 3,349 24,875 34,199 62,423
クロスカレンシー・スワップ 9,747 20,520 7,827 38,094
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 690 784 1,034 2,508
クロスカレンシー・スワップ 88 169 644 901
FXスワップ 7,985 - - 7,985
1,154 573 876 2,603
その他のデリバティブ
合計 29,542 71,766 120,253 221,561
2019年12月31日現在
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 4,305 23,813 69,303 97,421
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 5,947 20,832 30,825 57,604
クロスカレンシー・スワップ 10,377 25,785 8,808 44,970
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 1,561 680 693 2,934
クロスカレンシー・スワップ 2,014 210 786 3,010
FXスワップ 8,878 - - 8,878
1,160 395 682 2,237
その他のデリバティブ
合計 34,242 71,715 111,097 217,054
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以下の表は、デリバティブの想定元本合計を公正価値と比較して示している。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
想定元本 公正価値 想定元本 公正価値
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 21,017 3,250 24,609 2,636
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 25,298 2,538 38,916 2,912
クロスカレンシー・スワップ 20,169 2,285 33,340 3,961
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 1,092 40 2,016 39
クロスカレンシー・スワップ 524 158 542 180
FXスワップ 102 1 5,633 89
340 268 102 16
その他のデリバティブ
資産として計上されたデリバティブ合計 68,542 8,540 105,158 9,833
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 86,030 25,937 72,812 20,660
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 37,125 (1,542) 18,688 161
クロスカレンシー・スワップ 17,925 2,003 11,630 937
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 1,416 362 918 360
クロスカレンシー・スワップ 377 235 2,468 427
FXスワップ 7,883 339 3,245 26
2,263 (369) 2,135 190
その他のデリバティブ
負債として計上されたデリバティブ合計 153,019 26,965 111,896 22,761
デリバティブに対する信用リスクに関し、BNG銀行は相手側より担保を受ける。2020年12月31日現在、この担保の金額は
858百万ユーロ(2019年度:1,137百万ユーロ)であり、すべてが現金担保であった。
デリバティブに関し、BNG銀行は、2020年度に22,728百万ユーロ(2019年度:15,828百万ユーロ)の担保を提供した。その
うち、21,193百万ユーロ(2019年度:14,933百万ユーロ)が現金であり、1,535百万ユーロ(2019年度:895百万ユーロ)が
利付有価証券であった。
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公正価値ヘッジ会計
以下の表は、非有効性の認識の基礎として使用された、報告期間における公正価値ヘッジ会計によるヘッジ対象およびヘッ
ジ手段の公正価値の変動を示している。
2020年12月31日現在
ヘッジ対象に
係るまたは
OCIを通じた
ヘッジ対象に ヘッジ手段に
公正価値の 帰属する 帰属する ヘッジの
ヘッジ対象の
帳簿価額総額 累積調整額 利益/損失 利益/損失 非有効性
公正価値ヘッジ
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に
8,780 473 58 (56) 2
計上されている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に
1,406 230 96 (83) 13
計上されている固定利付債券
10,186 703 154 (139) 15
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が負債として計上)
銀行借入金に計上されている
(554) (54) (19) 19 0
固定金利貸付金
負債証券に計上されている
(93,258) (5,649) 529 (542) (13)
固定利付債券
受託資金に計上されている
(1,155) (16) 91 (91) 0
固定金利貸付金
(94,967) (5,719) 601 (614) (13)
(84,781) (5,016) 755 (753) 2
ミクロ公正価値ヘッジ合計
ポートフォリオ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に
891 164 20 (35) (15)
計上されている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に
1,516 100 22 (22) 0
計上されている固定利付債券
貸付金および前渡金に計上されている
78,878 20,716 4,490 (4,484) 6
固定金利貸付金
81,285 20,980 4,532 (4,541) (9)
ポートフォリオ公正価値ヘッジ合計
(3,496) 15,964 5,287 (5,294) (7)
公正価値ヘッジ合計
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2019年12月31日現在
ヘッジ対象に
係るまたは
OCIを通じた
ヘッジ対象に ヘッジ手段に
公正価値の 帰属する 帰属する ヘッジの
ヘッジ対象の
帳簿価額総額 累積調整額 利益/損失 利益/損失 非有効性
公正価値ヘッジ
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に
8,061 568 110 (94) 16
計上されている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に
1,119 82 63 (65) (2)
計上されている固定利付債券
9,180 650 173 (159) 14
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が負債として計上)
銀行借入金に計上されている
(1,952) (64) (31) 32 1
固定金利貸付金
負債証券に計上されている
(91,136) (4,127) (2,877) 2,905 28
固定利付債券
受託資金に計上されている
(1,534) (13) (53) 48 (5)
固定金利貸付金
(94,622) (4,204) (2,961) 2,985 24
(85,442) (3,554) (2,788) 2,826 38
ミクロ公正価値ヘッジ合計
ポートフォリオ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に
1,095 172 23 (52) (29)
計上されている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に
1,721 69 21 (21) 0
計上されている固定利付債券
貸付金および前渡金に計上されている
76,116 16,393 4,926 (4,925) 1
固定金利貸付金
78,932 16,634 4,970 (4,998) (28)
ポートフォリオ公正価値ヘッジ合計
(6,510) 13,080 2,182 (2,172) 10
公正価値ヘッジ合計
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キャッシュフロー・ヘッジ会計
以下の表は、非有効性の認識の基礎として使用された、報告期間におけるヘッジ手段の想定元本および公正価値の変動、な
らびにミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用するヘッジ対象の帳簿価額総額を示している。
2020年12月31日現在
ヘッジ対象の ヘッジ手段の
帳簿価額総額 公正価値の 変動
実効金利法を
純損益で 用いて
OCIで 認識された 計算された
ヘッジ手段の 認識された ヘッジの 利息損益への
想定元本 資産 負債 有効部分 非有効性 再分類
キャッシュフロー・ヘッジ
ミクロ・キャッシュフロー・
ヘッジ
2,017 21 (1,996) 17 (3) 13
クロスカレンシー・スワップ
キャッシュフロー・ヘッジ合計 2,017 21 (1,996) 17 (3) 13
2019年12月31日現在
ヘッジ対象の ヘッジ手段の
帳簿価額総額 公正価値の 変動
実効金利法を
純損益で 用いて
OCIで 認識された 計算された
ヘッジ手段の 認識された ヘッジの 利息損益への
想定元本 資産 負債 有効部分 非有効性 再分類
キャッシュフロー・ヘッジ
ミクロ・キャッシュフロー・
ヘッジ
4,056 35 (3,899) 14 (3) 14
クロスカレンシー・スワップ
キャッシュフロー・ヘッジ合計 4,056 35 (3,899) 14 (3) 14
為替レート
以下の表は、2020年12月31日現在ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計が適用される最終のクロスカレンシー・スワップ
の主要通貨の加重平均FXレートを示している。
2020年12月31日現在
FXレート
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
米ドルからユーロ 0.82979 0.87726 0.83164 0.85573
英ポンドからユーロ 1.23873 1.12878 1.33513 1.21779
豪ドルからユーロ 0.70078 0.68672 0.64726 0.66535
0.77425 0.72366 0.69974 0.72621
スイスフランからユーロ
2019年12月31日現在
FXレート
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
米ドルからユーロ 0.86236 0.85544 0.80130 0.85159
英ポンドからユーロ - 1.19947 1.41143 1.27521
豪ドルからユーロ 0.73000 0.72159 0.65528 0.67352
0.67701 0.80648 0.66192 0.70652
スイスフランからユーロ
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金融商品の公正価値
公正価値とは、現在の市場状況の下、測定日時点で、意思または能力にかかわらず、市場参加者間での秩序ある取引により
資産が売却される場合に受け取るであろう移転価格(取引費用調整前)または負債が移転される場合に支払うであろう価格で
ある。評価が市場参加者の観点から行われることを想定しており、これにより、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮
される。3つのレベルの公正価値の間で区別がなされ、インプットの性質およびその全体の評価にとっての重要性がヒエラル
キーの正しい分類にとって決定的である。
公正価値ヒエラルキー
・レベル1:活発な市場における、当該商品の、または入手できない場合同一商品の(未調整の)相場価格に基づく評
価。金融商品は、相場価格が定期的に入手可能である、ならびにこれらの価格が現在のおよび定期的に発生する独立当
事者間の市場取引を反映している場合、活発な市場での相場価格があるとみなされる。金融資産および負債の相場価格
は、中間市場価格に基づいている。
・レベル2:レベル1で使用された相場価格を除く、直接的または間接的に観察可能な市場データを用いた評価技法に基
づく評価。このカテゴリーは、類似した商品の活発な市場での相場価格、同一もしくは類似した商品の活発とはみなさ
れない市場での相場価格、またはすべて市場データから直接的もしくは間接的に観察可能な重要なインプットによるそ
の他の評価技法を用いて評価される商品を含む。
・レベル3:市場で公表されない観察不能なインプットを大幅に用いた評価技法に基づく評価。このカテゴリーは、観察
可能な市場データに基づかないインプットを用いた評価技法による商品を含み、そのため、観察不能な市場データが商
品の価値に重要な影響を与える。このカテゴリーはまた、類似した商品の相場価格に従って評価された商品も含み、こ
れにより重要で公には観察不能な変更または前提が、商品間の差異を示すために必要となる。
可能な場合、BNG銀行は相場価格(レベル1)を使用する。相場価格は、ビッド価格(金融資産の場合)およびアスク価格
(金融負債の場合)に基づいている。中間市場価格の使用は、金融資産および金融負債の市場リスクが相殺される場合、認
められている。BNG銀行は、評価目的で報告日の中間市場価格を使用する。
多くの場合、BNG銀行は理論的な評価(レベル2)に依拠している。かかる場合は、一般的に金融業界で使用される評価モ
デルおよび評価技法に基づき公正価値が決定される。これらの大部分は正味現在価値計算に基づくモデルおよびオプション価
格モデルである。上記のモデルのための変数は、市場価格、フォワード価格設定、割引の市場条件に沿ったイールド曲線、相
関、ボラティリティ、クロスカレンシー・スワップのベーシス・スプレッド、取引先の信用力ならびに市場当事者が価格決定
に使用するその他要因、見積り、仮定等の直接的または間接的に客観的に観察可能なインプットに基づく。BNG銀行は、いわ
ゆるスプレッド曲線を、理論的な評価が必要な信用および流動性リスクを伴う金融商品の公正価値を決定するために使用す
る。これらのスプレッド曲線は、関連する金利曲線ならびに信用および流動性リスクのスプレッドに基づき作成される。信用
リスクスプレッドはまた、受け取った担保、保証および満期を考慮に入れ、債務者の信用度によって左右される。流動性リス
クスプレッドは、商品の市場性の度合いに左右される。個々の顧客および金融商品のリスク・プロファイルは、少なくとも四
半期毎に1回評価される。必要な場合、信用リスクのスプレッドは調整される。
ごく限られた場合に、BNG銀行の金融商品の評価は、かなりの程度まで、市場で公表されない観察不能なインプットおよび
経営陣の見積り(レベル3)に基づいている。
デリバティブ取引の公正価値決定の際に、信用評価調整(CVA)および債務評価調整(DVA)が、BNG銀行が日次の担保交換
に関する契約を締結していないすべての顧客および金融取引先とのデリバティブ取引すべてに適用される。CVAおよびDVAは
また、BNG銀行が日次の担保交換に関する契約を締結したが、担保額の算定において重要な閾値が適用される顧客または取引
先とのデリバティブ取引すべてに適用される。
BNG銀行は自己の信用リスクの決定において、関連するスワップ・カーブに対するスプレッド、すなわち「自己信用調整
(OCA)」を適用している。OCAは、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に含まれる商品のみに関連する。
金融商品がフォワード契約の性格を持つ限り、フォワード・イールド曲線およびフォワード為替相場などの公表されている
フォワード価格が使用される。複雑な商品の場合、金融商品の構成要素は、上記の評価技法およびモデルに基づき個別に評価
される。金融商品全体の公正価値は構成要素の公正価値の合計として決定される。BNG銀行は、継続する公正価値のみを適用
する。これらは、各報告期間末の財務ポジション処理のために継続的に測定される公正価値である。
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2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
貸借対照表 貸借対照表
公正価値 公正価値
価額 価額
現金および中央銀行残高
2,312 2,312 1,272 1,272
銀行預入金 120 129 66 66
差入現金担保 20,361 20,361 14,643 14,643
純損益を通じて公正価値で測定される
1,452 1,452 1,764 1,764
金融資産
デリバティブ 8,540 8,540 10,004 10,004
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,738 9,738 9,222 9,222
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,880 8,012 7,764 7,897
88,942 110,373 88,279 106,012
貸付金および前渡金
金融資産合計 139,345 160,917 133,014 150,880
銀行借入金 12,221 12,147 1,933 1,928
受入現金担保 858 858 1,137 1,137
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 656 656 674 674
デリバティブ 26,965 26,965 22,651 22,651
負債証券 108,615 109,356 112,661 113,466
受託資金 5,599 5,775 5,575 5,759
35 45 33 45
劣後債務
金融負債合計 154,949 155,802 144,664 145,660
取引を行う際、公正価値ヒエラルキーは、分類を決定付けるインプットの性質およびその評価全体への重要性を踏まえ
た、評価に関連する特徴に基づいて決定されている。分類する際には、取引全体として公正価値に重要性のあるインプット
のレベルのうち最も低いものに基づいて行われる。重要性は、全体の評価の結果に対する観察不能なインプットの影響を、
これらの観察不能なインプットに関する代替的な仮定の可能性の範囲を考慮に入れて決定することにより評価される。四半
期毎に、各取引の分類は評価され、必要な場合、調整がなされる。
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以下の表は、公正価値で認識される取引の公正価値ヒエラルキーの概要を示している。
2020年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される
107 1,150 195 1,452
金融資産
デリバティブ - 8,540 - 8,540
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,595 143 - 9,738
測定される金融資産
金融資産合計 9,702 9,833 195 19,730
純損益を通じて公正価値で測定される
117 539 - 656
金融負債
258 26,707 - 26,965
デリバティブ
金融負債合計 375 27,246 - 27,621
2019年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される
102 1,221 441 1,764
金融資産
デリバティブ - 9,999 5 10,004
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,141 81 - 9,222
測定される金融資産
金融資産合計 9,243 11,301 446 20,990
純損益を通じて公正価値で測定される
113 561 - 674
金融負債
- 22,647 4 22,651
デリバティブ
金融負債合計 113 23,208 4 23,325
レベル3項目の公正価値の重要な変動
2020年度
デリバティブ デリバティブ
純損益を通じた価値
(資産として計上) (負債として計上)
期首残高 441 5 4
純損益を通じた損益:
-利息損益 (4) 4 3
-未実現金融取引損益 8 - -
(3) (4) (4)
-実現金融取引損益
1 0 (1)
-再評価剰余金を通じた
未実現価額調整
-投資/処分 (239)
(8) (5) (3)
-キャッシュフロー
期末残高 195 0 0
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2019年度
デリバティブ デリバティブ
純損益を通じた価値
(資産として計上) (負債として計上)
期首残高 370 8 8
純損益を通じた損益:
-利息損益 9 7 7
-未実現金融取引損益 71 (6) (7)
- - -
-実現金融取引損益
80 1 0
-再評価剰余金を通じた
- - -
未実現価額調整
-投資 - - -
(9) (4) (4)
-キャッシュフロー
期末残高 441 5 4
レベル3項目は主に、市場でほとんど取引されない仕組利付有価証券に関係する。したがって、類似の証券について入手で
きる観察可能な市場データは現在の公正価値を完全に反映するものではない。これらの取引の公正価値は公表された市場デー
タに基づいて決定され、重要な、市場で公表されない観察不能なインプットを用いて調整される。
2007年度に購入した主要なインフレ連動債の「純粋な売却および買戻し」が2020年2月に成功裏に完了したため、この債券
は現在償却原価で評価されている。これにより、2020年度に公正価値で測定されるレベル3のエクスポージャーが減少した。
市場で公表されない観察不能なインプット
物価連動型でモノライン保険会社の保証付のレベル3の金融資産の公正価値の決定のため、以下の市場で公表されない観察
不能なインプットが使用される。
・関連する債務者(40%)および関連するモノライン保険会社(30%)の回収率
・債務者とモノライン保険会社間の相関係数(20%)
これらのインプットは市場で公表されない観察不能なデータに基づく経営陣による見積りであり、2019年度と比べ変動して
いない。
重要なインプット要因の変動に対する公正価値で測定されるレベル3の資産および負債の公正価値の感応度
感応度分析では、金利、インフレ、流動性および信用スプレッドに対する感応度が、個別および相関数値の双方で示されて
いる。以下の表は、これらの重要なインプット要因が個別に絶対的平行変動した場合のレベル3資産の感応度を示す。これら
のインプット要因の間には直接の依存関係はないものの、これらの3つのインプット要因が同時変動した場合の商品の全体的
な感応度も示している。
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関連するインプット要因の変動による貸借対照表価額への影響
2020年 2019年 2020年 2019年 2020年 2019年 2020年 2019年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
現在 現在 現在 現在 現在 現在 現在 現在
純損益を通じて
デリバティブ デリバティブ
(資産として (負債として
公正価値で測定 合計
計上) 計上)
される金融資産
貸借対照表価額
195 441 - 5 - (4) 195 442
金利
+10ベーシス・ポイント (2) (10) - (1) - 0 (2) (11)
-10ベーシス・ポイント 2 10 - 1 - 0 2 11
+100ベーシス・ポイント (19) (84) - (25) - 3 (19) (106)
23 115 - 8 - (1) 23 122
-100ベーシス・ポイント
インフレ率
+10ベーシス・ポイント 2 10 - - - - 2 10
-10ベーシス・ポイント (2) (9) - - - - (2) (9)
+100ベーシス・ポイント 21 110 - - - - 21 110
(18) (82) - - - - (18) (82)
-100ベーシス・ポイント
信用および流動性リスクスプレッド
+10ベーシス・ポイント (2) (10) - 0 - 0 (2) (10)
-10ベーシス・ポイント 2 10 - 0 - 0 2 10
+100ベーシス・ポイント (20) (85) - 20 - 5 (20) (60)
24 116 - (1) - (7) 24 108
-100ベーシス・ポイント
重要なインプット要因の合計
+10ベーシス・ポイント (2) (10) - (1) - 1 (2) (10)
-10ベーシス・ポイント 3 10 - 1 - (1) 3 10
+100ベーシス・ポイント (21) (87) - (6) - 5 (21) (88)
26 121 - 7 - (7) 26 121
-100ベーシス・ポイント
BNG銀行は、ほとんどすべての金利リスクをスワップを用いてヘッジしている。このため、結局、金利曲線単独の変動によ
り生じる利付有価証券の公正価値調整は、BNG銀行の損益および株主資本に限定された影響しか与えない。資産および関連ス
ワップの満期までに、これらの市場価値の変動は、すべての当事者が支払義務を果たすことを条件に、ゼロに近づくと見込
まれる。一方で、信用リスクまたは流動性リスクのスプレッドの変動により生じた金利変動は、金融商品が公正価値で測定
される場合、損益および株主資本に直接影響を与える。
レベル3資産の主要な部分(185百万ユーロ(2019年度:431百万ユーロ))は、いわゆるインフレ連動債であり、その為
替リスク、金利リスクおよびインフレリスクはスワップを用いてヘッジされている。これらの取引のデフォルト・リスクは
いわゆるモノライン保険会社が発行した保証を通じて購入時に保証される。かかる保証の価値をゼロに設定したとすると、
これは、金融取引損益に対して2020年度末現在マイナスの未実現効果39百万ユーロ(2019年度末:マイナス46百万ユーロ)
となっていた。
デリバティブ(負債として計上)は、フランス国債金利と連動したレベル3の区分処理されたオプションである。このオプ
ションは、デリバティブ(資産として計上)に認識されているオプションを含む、レベル3のスワップでヘッジされる。同ス
ワップは、ユーロ・スワップレート、フランス国債金利および取引先リスクに影響を受けやすい。これらのデリバティブは
2020年度に満期となった。
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償却原価で測定される取引の公正価値ヒエラルキー
以下の表は、上記のヒエラルキーの分類に基づいて、貸借対照表上、償却原価で測定される取引の公正価値決定方法の概要
を示す。
2020年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
2,312 - - 2,312
銀行預入金 4 119 6 129
差入現金担保 - 20,361 - 20,361
償却原価で測定される利付有価証券 293 7,244 475 8,012
951 100,980 8,442 110,373
貸付金および前渡金
金融資産合計 3,560 128,704 8,923 141,187
銀行借入金 1 12,146 - 12,147
受入現金担保 - 858 - 858
負債証券 88,092 21,264 - 109,356
受託資金 2,800 2,049 926 5,775
- 45 - 45
劣後債務
金融負債合計 90,893 36,362 926 128,181
2019年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
1,272 - - 1,272
銀行預入金 4 55 7 66
差入現金担保 - 14,643 - 14,643
償却原価で測定される利付有価証券 203 7,404 290 7,897
1,079 96,625 8,308 106,012
貸付金および前渡金
金融資産合計 2,558 118,727 8,605 129,890
銀行借入金 - 1,928 - 1,928
受入現金担保 - 1,137 - 1,137
負債証券 89,385 22,922 1,159 113,466
受託資金 2,433 - 3,326 5,759
- 45 45
劣後債務
金融負債合計 91,818 25,987 4,530 122,335
レベル3の償却原価による金融資産は、主にBNG銀行の法定市場当事者に対するソルベンシー要件が課される貸付金および
前渡金に関連する。政府保証に基づく法定取引先に対する「貸付金および前渡金」は、オランダ政府発行の債券との強い相関
により、レベル2に含まれている。レベル1に含まれる償却原価による金融負債は主に、BNG銀行が発行した売買可能なベン
チマーク債券(「負債証券」項目)で構成される。受託資金はレベル1および3に分類される(「負債証券」および「受託資
金」項目)。
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リスク項目
組織的リスク管理アプローチ
リスクを受け入れ、またリスクを管理するプロセスは、いずれの銀行の日常業務にも内在している。銀行は、その業務を
行うために、一定の量の信用、市場、流動性およびオペレーショナル・リスクを受け入れなければならない。本項目では、
BNG銀行のリスク・プロファイルの主要な特性の概要を提供し、財務書類に直接影響するリスク管理実務のみを取り上げてい
る。
BNG銀行は非常に複雑な環境で業務を行っており、国内外の規則および規制の適用を受けている。BNG銀行はすべての関連す
る規則および規制を確実に遵守するために多大な労力を費やしているが、実行過程で発生しやすい人的ミスを完全に防ぐこと
はできない。残念ながら、この結果、時として規制上の影響を受ける可能性がある。
信用リスク
信用リスク
信用リスクは、借り手または取引先が合意した条件に従った債務の履行を怠る潜在的リスクから発生する、利益または資本
の損失リスクと定義される。信用リスクには、取引先リスク、決済リスクおよび集中リスクが含まれる。
信用リスク・エクスポージャーの合計
信用リスクの総エクスポージャー価額合計は、デリバティブ、デリバティブ取引または担保付金融取引のいずれかに係る差
入現金担保、および「銀行預入金」項目のうちセトル・トゥ・マーケット(STM)デリバティブ契約に関連する債権の貸借対
照表価額調整後の資産の貸借対照表合計額で構成される。オフバランスシート契約の総エクスポージャー価額に加えて、取引
先信用リスク・エクスポージャー価額(デリバティブと担保付金融取引に分けられる)が含まれる。以下の表は、総信用リス
ク・エクスポージャー価額合計に関する洞察を提供している。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
貸借対照表価額合計
(160,359) 149,689
-/- デリバティブ
(8,540) (10,004)
-/- 差入現金担保 (20,361) (14,643)
オンバランスシートのエクスポージャー合計 (189,260) 125,042
10,887 10,975
オフバランスシートのエクスポージャー合計
デリバティブのエクスポージャー価額 4,477 3,664
3 49
担保付金融取引のエクスポージャー価額
取引先信用リスク・エクスポージャー合計 4,480 3,713
(173,893) 139,730
総エクスポージャー合計
2020年12月31日現在、貸借対照表項目「貸付金および前渡金」において、公共部門、WSW住宅保証基金およびWfZヘルスケ
ア保証基金に提供された、もしくはこれらによって保証された貸付金の貸借対照表価額は、合計80.3十億ユーロ(2019年
度:80.3十億ユーロ)であった。偶発債務および取消不能信用供与契約は、「オフバランスシート契約」の項目で説明され
ている。「処分に制約がある金融資産および負債」の項目は、自由に処分できない金融資産の部分も示している。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負債の市場価値の計算は、信用リスクおよび流動性リスクのス
プレッドを含む。信用リスクおよび流動性リスクの変動による価値の変動は、かかるスプレッドの変動に起因する。個別の
顧客および金融商品のリスク・プロファイルについては、定期的に評価を行っている。必要な場合、評価を目的として信用
リスクのスプレッドは調整される。
信用リスクおよび流動性リスクのスプレッド調整に起因する、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の市場価値
における累積変動は、合計マイナス120百万ユーロ(2019年度:マイナス88百万ユーロ)であり、2020年度は28百万ユーロ減
少(2019年度:29百万ユーロ増加)であった。信用リスクおよび流動性リスクのスプレッド調整に起因する、純損益を通じて
公正価値で測定される金融負債の市場価値における累積変動は、合計プラス6百万ユーロ(2019年度:プラス10百万ユーロ)
であり、2020年度は4百万ユーロ減少(2019年度:1百万ユーロ減少)であった。純損益を通じて公正価値で測定される金融
負債は、勘定における「自己の信用リスク」に対するマークアップなど、関連する資金調達カーブについて認識されている。
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取引先リスク
BNG銀行は、公共部門事業体(貸付金および前渡金)、金融取引先(デリバティブ)、BNG銀行が投資している利付有価証
券(IBS)の発行体に関連する取引先リスクにさらされている。BNG銀行は、以下の信用リスク軽減手段を適用している。
・ 保証は、中央当局もしくは地方自治体により、または保証基金であるWSW(公共住宅)およびWfZ(ヘルスケア)により提
供される。ソルベンシー要件の対象となる貸付金は、全額の保証または保証証書のうち一部に基づいて供与されることが
多いため、結局のところ貸付金は、BNG銀行にとって一部または全額がリスク加重ゼロのままである(「法定市場当事
者」の項目を参照のこと。)。
・ 抵当やモーゲージなどのその他の形式の保証は、信用リスクによる潜在的損失を最小化するため用いられる。しかしなが
ら、潜在的リスク減少効果は規制上の資本要件の計算には反映されていない。
・ 金融取引先との日次の担保交換に関する相対ネッティングおよび担保契約。「金融取引先」の項目も参照のこと。
法定市場当事者
BNG銀行の定款により、貸付の相手先は何らかの形で政府関与先となる当事者に限定されている。その結果、信用ポート
フォリオの大部分が、リスク加重ゼロの貸付金および前渡金(オランダ政府に対して提供、またはオランダ政府によって保
証される貸付金および前渡金)から構成される。
貸付は、当初および定期的な信用評価の対象である。これには、BNG銀行の内部格付モデルに一部基づいた、当該顧客の信
用力の詳細な評価が含まれる。加えて、BNG銀行は、オペレーショナル・リスク要素を含む定形外の取引について、内部評価
プロセスを備えている。また、BNG銀行は詳細な定性的商品説明を使用し、これにより顧客に対する様々な種類の商品の適切
性を明示的にしている。
信用リスクモデル
BNG銀行の顧客の大半は、ムーディーズ、フィッチまたはS&Pのような外部格付機関による格付を有していない。BNG銀行
は、顧客の信用度を評価するために、内部開発した格付モデルを適用している。これらのモデルはセクターごとの専用モデ
ルであり、BNG銀行のモデル・ガバナンス方針に従って定期的に見直しおよび検証を受ける。これらのモデルは第1の柱に基
づく資本の計算には適用されておらず、資本の計算には標準的手法が用いられている。
内部格付の意味は以下のとおりである。
内部格付 説明
0 リスク加重ゼロの貸付。
1~11 信用リスクは受け入れ可能とみなされる。定期的な見直しが毎年行われる。
12~13 監視リスト:信用リスクが高まっている。少なくとも年2回見直しが行われる。
14~17 財務再編・回収部門:信用リスクが高まっている。少なくとも年3回、これらの債務者に係る報告
書が執行取締役会に提出される。
18~19 財務再編・回収部門:信用リスクが高まっている、および/または債務者が返済義務を繰り返し果
たしていない、および/または継続性の見込みがない。少なくとも年3回、これらの債務者に係る
報告書が執行取締役会に提出される。
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支払猶予されたエクスポージャー
支払猶予は、債務者の不安定な財務ポジションの結果、債務者が債務を果たすことができるよう債務者のために信用条件
が変更された信用契約に関連する。
2020年12月31日現在
うち支払猶予
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 2,312 - - 0.0%
銀行預入金 120 - - 0.0%
差入現金担保 20,361 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される
1,452 - - 0.0%
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,738 - - 0.0%
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,880 - - 0.0%
88,942 392 351 0.4%
貸付金および前渡金
130,805 392 351 0.3%
オフバランスシート契約
偶発債務 1,517 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 3,676 8 8 0.2%
5,694 5 5 0.1%
取消不能信用供与契約
10,887 13 13 0.1%
2019年12月31日現在
うち支払猶予
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 1,272 - - 0.0%
銀行預入金 66 - - 0.0%
差入現金担保 14,643 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される
1,764 - - 0.0%
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,222 - - 0.0%
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,764 - - 0.0%
88,279 346 320 0.4%
貸付金および前渡金
123,010 346 320 0.3%
オフバランスシート契約
偶発債務 1,613 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 3,764 5 5 0.1%
7,151 10 10 0.1%
取消不能信用供与契約
12,528 15 15 0.1%
債務者の不利な財務ポジションの結果として契約条項が変更された金融資産は、2020年12月31日現在、405百万ユーロ
(2019年度末:361百万ユーロ)であった。支払猶予されたエクスポージャーは、ポートフォリオ合計の0.3%(2019年度末:
0.3%)を占め、16件の債務者(2019年度末:9件の債務者)に関係する。支払猶予は、減損のステージ決定評価における防
護指標として用いられ、その結果、すべての支払猶予エクスポージャーは減損のステージ2に分類されている。
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不良債権エクスポージャー
BNG銀行の不良債権エクスポージャーの定義の開示については、注記37(金融資産の減損およびオフバランスシート契約)
を参照のこと。不良債権に分類されるエクスポージャーは、以下のすべての条件を満たす場合、再び正常債権とみなされる。
・ 債務者が再び、すべての契約条件を満たしている(債務不履行は生じていない)。
・ 既存もしくは変更後の支払条件に従って、債務者の状況が、債務者が債務を返済することができるまで改善している
(「支払可能性がある」)。
・ 債務者に90日を超える支払の遅延がない。
以下の表は、どの部分が不良債権として分類されているかを示す、金融資産(デリバティブを除く)およびオフバランス
シート契約におけるエクスポージャー合計の洞察を提供している。
2020年12月31日現在
うち不良債権
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 2,312 - - 0.0%
銀行預入金 120 - - 0.0%
差入現金担保 20,361 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される
1,452 - - 0.0%
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,738 - - 0.0%
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,880 - - 0.0%
88,942 396 220 0.4%
貸付金および前渡金
130,805 396 220 0.3%
オフバランスシート契約
偶発債務 1,517 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 3,676 1 1 0.0%
5,694 - - 0.0%
取消不能信用供与契約
10,887 1 1 0.0%
2019年12月31日現在
うち不良債権
エクスポージャー
合計に占める割合
合計
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 1,272 - - 0.0%
銀行預入金 66 - - 0.0%
差入現金担保 14,643 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される
1,764 - - 0.0%
金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,222 - - 0.0%
測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,764 - - 0.0%
88,279 290 134 0.3%
貸付金および前渡金
123,010 290 134 0.2%
オフバランスシート契約
偶発債務 1,613 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 3,764 8 8 0.2%
7,151 23 21 0.3%
取消不能信用供与契約
12,528 31 29 0.3%
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2020年12月31日現在、不良債権エクスポージャーは合計で396百万ユーロ(2019年度末:321百万ユーロ)であった。2020
年度におけるこのエクスポージャーの増加は、持株会社の黙示的な保証を考慮に入れずに個別評価を実施した結果、1件の
債務者がステージ2からステージ3に振り替えられたことが主因である。不良債権エクスポージャー合計がBNG銀行のポート
フォリオ全体のエクスポージャー合計額に占める割合は、依然として低い。2020年度末現在、不良債権エクスポージャー
は、ポートフォリオ合計の0.3%(2019年度末:0.2%)を占め、12件の債務者(2019年度末:10件の債務者)に関係する。
BNG銀行は不良債権エクスポージャーに関連して合計38百万ユーロ(2019年度:36百万ユーロ)の政府保証を受けている。
以下の表は、不良債権エクスポージャーの推移を示している。
2020年度 2019年度
1月1日現在の不良債権エクスポージャー合計 321 57
既存の不良債権エクスポージャーの増加
0 0
正常債権から不良債権エクスポージャーへの移動 125 301
不良債権から正常債権エクスポージャーへの移動 - (22)
(49) (15)
不良債権エクスポージャーの返済および決済
12月31日現在の不良債権エクスポージャー合計 397 321
正常債権の支払遅延エクスポージャーの満期分析
次の表は、IFRS第9号に基づく減損ステージ3に含まれない支払遅延エクスポージャーで構成されている。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
31日未満 12 2
31日以上60日以下 0 -
61日以上90日以下 - -
- -
90日超
期末残高 12 2
モラトリアム
COVID-19のパンデミックに伴い、オランダ国内の銀行は、支払期限を延期することで協力して顧客支援を行った。BNG銀行
は、エクスポージャーが2.5百万ユーロ未満の事業融資商品を有する顧客に対してモラトリアムを共同発動した。以下の表
は、このモラトリアムに関連する2020年12月31日現在のエクスポージャーの概要を示している。支払延期が認められたエクス
ポージャーは支払猶予とは表示されず、すべて正常債権である。オランダにおいて、公的保証制度または立法上のモラトリア
ムは適用されていない。このモラトリアムの終了日はまだ到来していない。
2020年12月31日現在
帳簿価額総額
モラトリアムの終了までの残存期間
3か月超 6か月超 9か月超
債務者数 3か月以下 6か月以下 9か月以下 12か月以下 1年超
モラトリアムが提供された
31 20
貸付金および前渡金
モラトリアムの対象である
(認められた) 11 7 0 0 0 0 7
貸付金および前渡金
-うち家計 5 0 0 0 0 5
-うち住宅用不動産担保付 - - - - - -
-うち非金融機関 0 - 0 - - 0
-うち中小企業 - - - - - -
-うち商業用不動産担保付 - - - - - -
モラトリアムの対象である貸付金および前渡金は減損しておらず、信用リスクを要因とした公正価値のマイナス変動はな
い。
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2020年12月31日現在
帳簿価額総額
正常債権
うち当初認識以降
うち支払猶予措置を受けた SICRがあるが正常債権の商品
エクスポージャー (ステージ2)
モラトリアムの対象である
7 7
- 6
貸付金および前渡金
うち家計 5 5 - 4
うち住宅用不動産担保付 - - - -
うち非金融機関 0 0 - -
うち中小企業 - - - -
うち商業用不動産担保付 - - - -
減損
金融資産の減損は注記31で説明されている。
外部格付
BNG銀行は、特にS&P、ムーディーズ、フィッチおよびDBRSなどの格付機関によって付与された外部格付を使用している。
資本要件を決定する際、BNG銀行はこれらの4機関による格付を、入手可能な場合は使用する。格付は、取引先または特に購
入証券のいずれかに関連する。
金融取引先
これらの顧客に対する貸付金と関係する市場リスクは、主に金融取引先とのデリバティブ取引を通じて低減されている。
BNG銀行は外部機関により格付されている金融取引先とのみ取引を行う。金融取引先は、定期的に信用力を評価される。必要
に応じて、このような取引先に対するエクスポージャー限度額は、これに従って再調整される。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
時価 アドオン 合計 時価 アドオン 合計
貸借対照表の資産項目のデリバティブの
与信相当額
金利契約 2,815 689 3,504 1,986 755 2,741
147 826 973 23 879 902
通貨契約
合計 2,962 1,515 4,477 2,009 1,634 3,643
2020年度末、デリバティブ・ポートフォリオのリスク加重与信相当額は、合計1,202百万ユーロ(2019年度:1,146百万
ユーロ)であった。
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信用リスクを減らすため、BNG銀行が積極的にデリバティブ取引または(リバース)レポ取引を締結する金融取引先とは
ネッティング契約が締結されている。さらに、担保契約が締結されている。これらにより、市場価額の動向を担保によって日
次で緩和できるようにしている。契約は、市場状況の変化、市場慣行および規制の変更に応じて必要があれば更新される。以
下の表は、貸借対照表上のネッティング前の総額のポジション、および担保契約を考慮に入れた場合のポジションを示してい
る。
2020年12月31日現在
デリバティブ デリバティブ
(資産として計上) (負債として計上) 純額
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
12,367 (30,792) (18,425)
および負債の総価額
ネッティングされる金融資産および負債の
(3,827) 3,827 0
総価額
金融資産および負債の貸借対照表価額
8,540 (26,965) (18,425)
(ネッティング後)
ネッティング目的でIAS第32号(同一相手先との
(6,459) 6,459 0
デリバティブ のネッティング)に適合しない
金融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー
2,081 (20,506) (18,425)
ネッティング目的でIAS第32号に適合しない
(858) 20,383 19,525
金融担保の価額
正味エクスポージャー
1,223 (123) 1,100
2019年12月31日現在
デリバティブ デリバティブ
(資産として計上) (負債として計上) 純額
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
12,184 (24,831) (12,647)
および負債の総価額
ネッティングされる金融資産および負債の
(2,180) 2,180 0
総価額
金融資産および負債の貸借対照表価額
10,004 (22,651) (12,647)
(ネッティング後)
ネッティング目的でIAS第32号(同一相手先との
(7,802) 7,802 0
デリバティブ のネッティング)に適合しない
金融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー
2,202 (14,849) (12,647)
ネッティング目的でIAS第32号に適合しない
(1,137) 14,632 13,495
金融担保の価額
正味エクスポージャー
1,065 (217) 848
2020年度末、デリバティブ取引に係る差入担保額は、21.2十億ユーロ(2019年度:14.9十億ユーロ)であった。BNG銀行の
格付が3ノッチ引き下げられても、当該金額は増加しない(2019年度:34百万ユーロ増加)。BNG銀行の流動性ポジションの
強さは、担保債務を満たし、担保債務の変動を吸収するのに十分である。
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2020年12月31日現在
リバースレポ取引 レポ取引
(資産) (負債)
強制力のあるマスター・ネッティング契約の対象となる
リバースレポ契約およびレポ契約のネッティング
貸借対照表上のネッティング前の貸借対照表価額総額 370 (370)
リバースレポ契約およびレポ契約の貸借対照表上の
(370) 370
ネッティング
金融資産および負債の貸借対照表価額純額 0 0
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利付有価証券(IBS)投資
BNG銀行のIBSポートフォリオは、主に流動性管理目的で保有されている。ポートフォリオは、質の高い債券で構成され、
その大部分はECBが担保として受け入れる。BNG銀行のIBSポートフォリオ全体は流動性ポートフォリオと資産および負債管理
(ALM)ポートフォリオに分けられる。流動性ポートフォリオは、譲渡性の高い有価証券のみで構成され、様々なLCRレベルに
従って細分化されている。ALMポートフォリオは有価証券の種類によって細分化されている。毎月、投資委員会にポートフォ
リオの動向が報告され、評価される。外部格付に加え、一部は内部格付等の要因を用いて、BNG銀行はその動向を個別に監視
している。これらのポートフォリオ内のすべての資産は、年2回減損分析を受ける。資産担保証券(RMBSを含む)は、デュー
デリジェンスのレビュー・プロセスの対象となる。
各格付カテゴリーについて以下に表示された金額は、残存貸付元本額で、百万ユーロ単位である。貸借対照表価額合計は
最右列に示されている。
2020年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額 合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 5,784 1,223 170 46 7,223 8,057
レベルⅠB-カバード・ボンド 1,305 1,305 1,360
レベルⅡA-政府/国際機関 56 56 108
レベルⅡB-法人 25 25 25
642 642 647
レベルⅡB-RMBS
7,731 1,279 195 0 46 9,251 10,197
ALMポートフォリオ
当初証拠金 405 1,008 50 1,463 1,650
RMBS 213 253 92 4 20 582 582
ABS 53 87 25 52 217 213
RMBS-NHG 3,297 77 139 3,513 3,516
272 365 513 253 72 1,475 2,285
その他
4,187 1,756 881 282 144 7,250 8,246
合計 11,918 3,035 1,076 282 190 16,501 18,443
2019年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額 合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関
5,351 2,204 220 135 46 7,956 9,125
レベルⅠB-カバード・ボンド
1,370 1,370 1,428
レベルⅡA-政府/国際機関
59 59 102
レベルⅡB-法人
25 25 25
レベルⅡB-RMBS
1,061 1,061 1,068
7,782 2,263 245 135 46 10,471 11,748
ALMポートフォリオ
RMBS
20 295 127 23 465 463
ABS
58 117 28 55 258 254
RMBS-NHG
3,008 89 159 3,256 3,260
その他
473 380 442 260 75 1,630 2,333
3,501 822 845 288 153 5,609 6,310
合計 11,283 3,085 1,090 423 199 16,080 18,058
主に高格付の政府債券への投資によって、流動性ポートフォリオは増加し、質が改善している。ALMポートフォリオも、高
格付のNHG証券の購入により増加した。
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認識中止を伴わない金融資産の譲渡
2020年度末および2019年度末現在、BNG銀行には、認識中止を伴わないレポ取引において譲渡された利付有価証券はない。
2020年度末、BNG銀行は、継続して関与する譲渡され認識中止されたポートフォリオに金融資産を有していない。BNG銀行が基
礎的キャッシュフローへの信用リスクおよび権利を保持している場合、金融資産は貸借対照表から消去されていない。
集中リスク
集中リスクに関して、BNG銀行では以下のとおり区別している。
・ 国内と国外のリスクを区別したカントリー・リスク
・ セクター・リスク
・ 顧客と金融取引先を区別した個別当事者に対するリスク
セクターおよび個別の取引先に対する集中リスクを管理するため、セクター固有の方針、年間の内部目標および個別の取
引先に対する最大エクスポージャー金額が適用されている。残高合計のうち相当な割合が、公共部門の不動産に間接的に関
連する。しかしながら、これらのリスクは通常、貸付に係る政府保証ならびにWSWおよびWfZ保証基金を通じて軽減される。
これらの保証は、公共体および保証基金に関する集中リスクにつながる。保証基金は、バックストップ構造を通じて中央政
府によって保証されているため、最終的にはオランダ政府に対するエクスポージャーを生み出す。このリスクの集中度は高
いが、BNG銀行のビジネスモデルに固有のものである。
BNG銀行は、貸付業務および資金調達業務から生じる市場リスクをヘッジするための金融取引先との取引の結果として、
流動性ポートフォリオの結果として、また限られた範囲だが、国外の公共部門における貸付および投資との関連で、国外の
カントリー・リスクにさらされている。
貸付金ポートフォリオの大部分はすでにオランダに関連しているため、BNG銀行は、流動性ポートフォリオ向けに外国有
価証券に投資している。外国への貸付も、ほとんどの場合、直接的または間接的に関係政府により保証される。
すべての外国エクスポージャーは、各国ごとに定められた限度内に収まっている。これらの限度は主に、問題になってい
る国の認識されている信用度に左右される。さらに、貸借対照表上の合計金額の15%という一般的な限度が、デリバティブを
除く外国エクスポージャー、担保および短期貸付金、ならびに銀行への当座預金残高に適用されている。一部のユーロ圏内諸
国の信用力が悪化したため、BNG銀行はこれらの国のポジションを徐々に減らしている。これは主に、エクスポージャーの期
日到来により実現したことである。
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長期外国エクスポージャー
以下の表は、長期外国エクスポージャーの概要を示す。デリバティブ取引および短期取引(特に銀行との特定の現金担保
によるものを含む)は含まれていない。表示された金額は、貸付元本額で、百万ユーロ単位である。
2020年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額 合計
国際機関
1,240 149 1,389 1,417
国際開発金融機関 125 125 144
オーストリア 501 501 539
ベルギー 273 78 131 482 663
デンマーク 40 40 40
フィンランド 548 548 567
フランス 605 801 92 5 1,503 1,811
ドイツ 1,668 30 17 1,715 1,978
イタリア 13 17 54 84 81
ルクセンブルク 215 215 218
ポルトガル 48 50 100 198 199
スペイン 61 240 272 4 66 643 745
英国 409 364 283 249 50 1,355 2,154
20 20 22
米国
合計 4,383 2,919 807 439 270 8,818 10,578
2019年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額 合計
国際機関
269 204 473 493
国際開発金融機関 405 405 434
オーストリア 471 471 521
ベルギー 281 136 417 595
デンマーク 90 90 91
フィンランド 486 486 543
フランス 496 806 100 5 1,407 1,678
ドイツ 1,453 30 54 1,537 1,815
イタリア 19 18 135 60 232 234
ポルトガル 54 50 100 204 209
スペイン 65 276 319 69 729 830
スイス 90 90 102
英国 609 380 301 261 54 1,605 2,291
22 22 23
米国
合計 3,409 2,953 936 587 283 8,168 9,859
投資不適格項目(すなわち、BBB-以下の格付の項目)は主に、いわゆるGIIPS諸国のエクスポージャーで構成される。これ
は主に、カバード・ボンドおよび住宅ローン担保証券(RMBS)取引を含む利付有価証券に関係する。英国の投資不適格のエク
スポージャーは、インフラ、教育、エネルギーおよびヘルスケアの分野での少数の民間プロジェクト・ファイナンスのスキー
ムに関係する。2020年12月の外国投資不適格エクスポージャーの公正価値合計は、287百万ユーロ(2019年度末:291百万ユー
ロ)であった。
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内部/外部格付別エクスポージャー
以下の表は、内部および外部格付別のすべてのエクスポージャーの概要を示している。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
オンバランス・エクスポージャー オンバランス・エクスポージャー
ソルベンシー・フリーの
(帳簿価額総額) (帳簿価額総額)
貸付金および前渡金
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
79,388 24 - 79,412 77,997 - - 77,997
-中リスク 33 438 - 471 592 264 - 856
-高リスク 9 120 - 129 194 82 - 276
-不良債権 - - 158 158 - - 36 36
2 310 - 312 108 544 - 652
-未格付
合計 79,432 892 158 80,482 78,891 890 36 79,817
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
オンバランス・エクスポージャー オンバランス・エクスポージャー
資本要件の対象となる
(帳簿価額総額) (帳簿価額総額)
貸付金および前渡金
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
7,388 103 - 7,491 7,581 14 - 7,595
-中リスク 86 387 - 473 245 79 - 324
-高リスク 5 170 - 175 5 434 - 439
-不良債権 - - 361 361 - - 254 254
167 4 - 171 20 23 - 43
-未格付
合計 7,646 664 361 8,671 7,851 550 254 8,655
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
オンバランス・エクスポージャー オンバランス・エクスポージャー
(帳簿価額総額) (帳簿価額総額)
利付有価証券
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
17,391 100 - 17,491 16,750 28 - 16,778
-中リスク - 133 - 133 81 133 - 214
-高リスク - - - - - - - -
-不良債権 - - - - - - - -
- - - - - - - -
-未格付
合計 17,391 233 - 17,624 16,831 161 - 16,992
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
想定元本 想定元本
オフバランスシートの
エクスポージャー
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
合計 合計
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
-低リスク
10,721 8 - 10,729 10,436 - - 10,436
-中リスク 15 100 - 115 220 31 - 251
-高リスク 8 34 - 42 13 9 - 22
-不良債権 - - 1 1 - - 25 25
- - - - 48 199 - 247
-未格付
合計 10,744 142 1 10,887 10,717 239 25 10,981
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格付の種類
リスク・クラス
内部格付 外部格付
-低リスク
1~11 AAAからBBB
-中リスク 12~13 BB
-高リスク 14~17 B以下
18~19
-不良債権
個別の法定市場当事者
リスク加重がゼロでない当事者に対するエクスポージャーについては、CRRに基づく大規模エクスポージャー規制を遵守し
なければならない。BNG銀行は、個別エクスポージャーの最大規模に関して、これよりも著しく保守的なアプローチをとって
いる。この制限は、公共部門においてセクターがどの程度固定されているかを考慮に入れている。当事者の個別の格付を基準
として、更なる制限が設けられている。
個別の金融取引先
金融取引先との取引は、主に市場リスクを抑えるために行われている金利スワップおよび通貨スワップで構成されてい
る。BNG銀行は、取引を行う意向のある金融取引先に対する要件として、当該取引先との事業の性質を考慮に入れて、最低格
付を設定している。これによって、利用可能な当事者数を制限している。したがって、承認されている当事者との取引件数は
多い。日々の担保交換は、デリバティブに関する信用リスクを低減するのに役立っている。市場は変動しやすいため、取引先
の破産は市場リスクを引き起こす一方で、デリバティブは他の当事者と再度取り決められる必要がある。金融取引先委員会
が、金融取引先とのポジションを制限および監視している。BNG銀行は、デリバティブの一部について、清算会員を通じて清
算機関経由で中央清算を行っている。この結果、個別の金融取引先に対する集中リスクから清算会員および清算機関に対する
集中リスクへの移行が不可避的に生じている。
ブレグジットによりBNG銀行は、すべての清算済デリバティブを、英国に本拠を置く清算会員からEUに本拠を置く清算会員
に移管した。ロンドン・クリアリング・ハウス(LCH)はブレグジットに伴う規制変更が一時的に免除されている。このた
め、清算済デリバティブは当面LCHに残すことができ、LCHにおけるスワップ清算が引き続き可能である。ただし、いずれも関
与する清算会員がEU企業であることを条件としている。にもかかわらずBNG銀行は、EUに本拠を置く清算機関ユーレックスで
の取引を開始した。これにより、中央清算に関する継続性および柔軟性は達成されている。英国に本拠を置く個別の金融取引
先との相対限度額は取り消され、EUに本拠を置く個別の金融取引先との限度額に置き換えられた。これらの英国に本拠を置く
個別の金融取引先との相対スワップについては、清算義務が発生するため、まだ移管されていない。EUに本拠を置く個別の金
融取引先への移管は、欧州規制当局がこの清算義務を一時中止するのを待って、2021年度後半に実施予定である。
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市場リスク
定義
市場リスクは、機関の資本および利益に対する既存のまたは将来的な脅威と定義され、市場価格変動の結果として生じ
る。市場リスクには、金利リスク、為替リスク、ボラティリティリスク、スプレッドリスクおよび指数リスクが含まれる。
金利リスク
BNG銀行の最も重要な金利リスクは、金利スワップ・カーブに対する「アウトライト・リスク」であり、これはスプレッド
の影響を除外して算定される。これは、信用スプレッド、CVA/DVAおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプレッドなどのス
プレッドの変動は、金利リスク・ポジションおよびヘッジに影響を及ぼさないことを意味する。BNG銀行の通常ローン・ポー
トフォリオには、重要な早期償還オプションは存在せず、またBNG銀行は個人からの貯蓄を勧誘していない。結果的に、金利
リスクモデルにおいて顧客行動をモデル化する必要はない。
2020年度に金利リスクに関する限度額の違反はなかった。BNG銀行の意見では、BNG銀行の金利リスク管理は適切であり、
規制基準を遵守しており、BNG銀行のリスク選好およびリスク方針で定義されている限度額を遵守している。以下の表は、1
年および2年の期間でプラス100ベーシス・ポイントの瞬時の金利ショックが生じた場合の2020年度末現在のアーニング・
アット・リスクの概要を示している。ただし、マイナス影響が最大またはプラス影響が最小となるのは、通常はマイナス100
ベーシス・ポイントの瞬時の金利ショックを伴うシナリオにおいてであり、2019年度についてはこのシナリオによる結果が表
示されている。この変更の主な理由は、TLTROへの参加である。これは、最短区分で大幅な負債の価格再設定を行うものであ
り、下降シナリオで著しいプラス影響をもたらす。
2020年度 2019年度
アーニング・アット・リスク
(単位:百万ユーロ)
期間
1年 21 30
35 26
2年
為替リスク
BNG銀行は資金の大部分を外貨建てで保有しているため、潜在的に大きな為替変動にさらされている。BNG銀行は、すべて
の為替リスクを全額ヘッジすべきであると方針に明記しており、この方針を実行している。ただしリスクヘッジの費用対効果
が合わない場合は、為替ポジションが発生する可能性がある。このような少額ポジションの為替リスクは日次で監視され、限
度額の適用を受ける。2020年度および2019年度において、限度額違反は生じていない。
ボラティリティリスク
金利リスク・エクスポージャーを管理する上で、BNG銀行は金利のアクティブ・ポジションを支えるボラティリティリス
クを引き受けることは非常に限定された範囲にのみ許容している。この範囲は、リスク管理部門により、日次で制限、監視
されている。2020年度に、金利のアクティブ・ポジションを支える追加的なボラティリティリスクは引き受けていない。
その他の活動に関して、BNG銀行の方針では、新規金融商品のボラティリティリスクは、ヘッジが可能でコスト効率が高
い場合には、1対1でヘッジされるべきであることを規定している。結果としてのボラティリティリスクは比較的小さくな
り、リスク管理による監視対象となる。
スプレッドリスク
BNG銀行の株主資本の経済的価値は、資産および負債のポートフォリオの総額について決定される。資産および負債は双
方とも、市場ベースのスワップレートに信用リスクスプレッドを加えて作成された金利曲線を基に評価される。金利スワッ
プの場合、CVAリスク(取引先リスク)およびDVAリスク(BNG銀行自身のデフォルト・リスク)が含まれる。BNG銀行はスプ
レッドリスクをヘッジしていない。こうしたスプレッドの変動の影響は日次で測定および監視される。損益に影響を与える
公正価値商品については、スプレッドのデルタに対して警告レベルが設定されている。
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指数リスク
BNG銀行は、物価連動金融商品をポートフォリオに組み込んでいる。BNG銀行は、インフレリスクの変動にエクスポー
ジャーのある金融商品は、全額ヘッジすることを方針としている。BNG銀行は、この方針を実行し、インフレーションのデル
タを日次で監視している。
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流動性および資金調達リスク
流動性リスクとは、BNG銀行が許容できない費用または損失を被ることなく任意の時期に支払義務を履行できない可能性に
よる、当該機関の自己資本および利益に対する既存または将来の脅威と定義される。公共部門は主に想定投資期間が長期の機
関により構成される。つまり、資産の償還期間は長期であり、中には25年を超えるものもある。BNG銀行はこうした満期に対
して多額の資金を集めることができないため、限定的な資金調達上のミスマッチは許容されている。ストレス時においても許
容可能なコストで借換えを行うために、BNG銀行は十分な流動性バッファーを保有している。
流動性リスク
BNG銀行は、資本市場において安定した存在であることを望んでおり、これは困難な時期でも信用需要に引き続き応えるこ
とを望んでいることによる。BNG銀行はまた、いつでも確実に義務を履行できる健全な流動性方針を追求している。これに関
連して、短期金融市場および資本市場への継続的なアクセスが重要となり、かつ投資家向けに魅力的で多様かつ十分な額の発
行プログラムを継続して維持することが重要である。さらに、ストレス時においても流動性にアクセスするためには、バッ
ファーが必要となる。かかるバッファーは、流動性目的を明示して保有する資産(いわゆる流動性ポートフォリオ)によって
1つ備え付けられている。このポートフォリオの規模および構成の管理は、最低100%のLCRを保持するというCRRの要件を遵
守する流動性測定基準の1つである。またBNG銀行は、ECBに十分な額の担保を保有しており、これにより即時に短期資金調達
が可能になっている。BNG銀行のほとんどの資産はECBへの担保として機能しうるため、この担保は、ストレスが長期化する場
合には積み増される可能性がある。双方のバッファーの規模は流動性ストレス・テストの中でテストされ、月次ベースで監視
されている。さらに、資金調達計画および対応する計画上の流動性ギャップは、LCR比率およびNSFR比率について不利なスト
レス・シナリオの中でテストされる。BNG銀行は、2019年度における流動性管理は適切であり、BNG銀行の流動性ポジションの
強度は十分であり、規制基準およびALCOが設定した限度を満たしているとみなしている。2020年度末におけるLCR比率は133%
(2019年度:158%)であり、NSFR比率は122%(2019年度:126%)であった。
資金調達リスク
BNG銀行は、短期と長期の資金調達を区別する。資金調達の大部分は、国際資本市場を通じたものである。BNG銀行は、あ
らゆる場合において競争的な水準で資金を入手できるよう多数のプログラムを維持している。BNG銀行は、こうした努力を支
えることができるよう主体的な投資家との関係を追求している。BNG銀行は、望ましい資金調達構成がより詳細に記載されて
いる資金調達計画を有している。資金調達計画の一部として、「BNGカーブ」を市場で維持するために、ベンチマーク規模の
年間発行額が定められている。これらの大規模な発行により、BNG銀行は機関投資家の間で注目を集めており、市場ストレス
時においても投資家を確保することができる。この資金調達構成の実現はALCOによって監視および評価されている。
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残存契約期間に基づく金融資産および負債の満期分析
下表の表示価額は、金融資産および負債のすべての割引前将来キャッシュフローを示す。これらの金額は割引前であるた
め、貸借対照表上の金額とは異なる。発行済みの保証および取消不能の契約債務に関する満期分析は「オフバランスシート契
約」の項目を参照のこと。
2020年12月31日現在
3か月超 1年超
3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
2,312 2,312
銀行預入金 9 7 47 68 131
差入現金担保 20,391 20,391
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 22 39 244 1,208 1,513
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
232 279 3,979 4,998 9,488
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 434 576 4,417 2,919 8,346
貸付金および前渡金 6,956 8,960 32,145 58,933 106,994
未収還付税金 1 1
150 150
その他の資産
金融資産合計(デリバティブを除く) 30,506 9,862 40,832 68,126 149,326
銀行借入金 (657) (84) (10,857) (420) (12,018)
受入現金担保 (858) (858)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (27) (67) (195) (390) (679)
負債証券 (14,352) (9,101) (48,912) (42,180) (114,545)
受託資金 (3,078) (1,196) (695) (804) (5,773)
劣後債務 (1) (22) (22) (45)
(188) (20) (208)
その他の負債
金融負債合計(デリバティブを除く) (19,161) (10,468) (60,681) (43,816) (134,126)
総デリバティブ残高
資産未収額 4,168 1,681 14,298 14,260 34,407
(3,333) (653) (10,284) (5,683) (19,953)
資産未払額
資産として計上されたデリバティブ 835 1,028 4,014 8,577 14,454
負債未収額 8,501 5,098 10,094 4,126 27,819
(9,424) (6,799) (17,290) (19,786) (53,299)
負債未払額
負債として計上されたデリバティブ (923) (1,701) (7,196) (15,660) (25,480)
11,257 (1,279) (23,031) 17,227 4,174
総計
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2019年12月31日現在
3か月超 1年超
3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
1,272 - - - 1,272
銀行預入金 15 10 32 12 69
差入現金担保 14,649 - - - 14,649
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 22 46 279 1,806 2,153
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
163 421 4,774 3,825 9,183
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 325 475 3,444 4,154 8,398
貸付金および前渡金 8,340 8,638 34,316 56,565 107,859
未収還付税金 30 - - 30
130 - - - 130
その他の資産
金融資産合計(デリバティブを除く) 24,916 9,620 42,845 66,362 143,743
銀行借入金 (1,337) (68) (96) (443) (1,944)
受入現金担保 (1,138) (1,138)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (14) (6) (217) (503) (740)
負債証券 (17,172) (13,493) (47,114) (44,700) (122,479)
受託資金 (2,764) (267) (1,816) (1,023) (5,870)
劣後債務 (1) (22) (22) (45)
(53) (53)
その他の負債
金融負債合計(デリバティブを除く) (22,479) (13,834) (49,265) (46,691) (132,269)
総デリバティブ残高
資産未収額 8,516 8,534 20,483 19,873 57,406
(7,402) (6,479) (15,170) (11,513) (40,564)
資産未払額
資産として計上されたデリバティブ 1,114 2,055 5,313 8,360 16,842
負債未収額 6,609 1,132 8,826 6,422 22,989
(7,430) (2,751) (15,482) (20,105) (45,768)
負債未払額
負債として計上されたデリバティブ (821) (1,619) (6,656) (13,683) (22,779)
2,730 (3,778) (7,763) 14,348 5,537
総計
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処分に制約がある金融資産および制約がない金融資産
処分に制約がある金融資産は、短期的な流動性需要を満たすために自由に処分することはできない。以下の表は、処分に
制約がある(自由に使用できない)資産と処分に制約がない(自由に使用できる)資産に分類した、金融資産の貸借対照表価
額を示す。
2020年12月31日現在
処分に制約あり 処分に制約なし 合計
現金および中央銀行残高
2,312 2,312
銀行預入金 120 120
差入現金担保 20,361 20,361
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 1,452 1,452
デリバティブ 8,540 8,540
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
1,776 7,962 9,738
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 726 7,154 7,880
貸付金および前渡金 15,375 73,567 88,942
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に
20,816 20,816
対する価値調整
198 198
非金融資産
合計 38,238 122,121 160,359
34,554 136,417 170,971
2020年度平均(合計)
2019年12月31日現在
処分に制約あり 処分に制約なし 合計
現金および中央銀行残高
- 1,272 1,272
銀行預入金 - 66 66
差入現金担保 14,643 14,643
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 - 1,764 1,764
デリバティブ - 10,004 10,004
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
3,520 5,702 9,222
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 689 7,075 7,764
貸付金および前渡金 428 87,874 88,302
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に
- 16,462 16,462
対する価値調整
- 207 207
非金融資産
合計 19,280 130,426 149,706
22,562 140,260 162,822
2019年度平均(合計)
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自己資本およびソルベンシー
定義
規制資本は資本要件規則および資本要件指令Ⅳにおける資本要件に関係する。規制目的上、資本要件は、3つの主要なリ
スクのタイプ(信用、オペレーショナルおよび市場リスク)に対するリスク加重資産(RWA)総額に係る第1の柱の要件に基
づく。この要件は、いわゆる統合バッファー要件(CBR)および第2の柱要件(P2R)によって補完される。CBRは資本維持
バッファー、システミック・リスク・バッファー、カウンターシクリカル・バッファーおよびシステム関連性バッファーで構
成される。P2Rは、監督者が実施する監督上の検証・評価プロセス(SREP)から生じる機関固有の要件である。P2Rは、過小見
積りされたリスクまたは第1の柱で扱われなかったリスクを対象としている。BNG銀行はRWAの計算には「標準的手法」を採用
している。
規制上求められる資本に加えて、BNG銀行では第2の柱の目的で経済的資本(EC)の計算を行っている。経済的資本はBNG
銀行のリスク分類におけるすべてのリスクをカバーしているため、資本は予期せぬ損失をカバーする軽減手段と見なされてい
る。経済的資本は、内部リスクの測定基準および管理に用いられている。経済的資本は、極端な市場環境または出来事の結果
から生じる可能性がある大規模な予測しない損失に対して充分な水準の保護を達成する戦略を追求するために、BNG銀行が適
切とみなす資本額である。
ガバナンス
執行取締役会は、資本に関しての方針の決定の責任を負う。これは自己資本ステートメントおよび経営計画において策定
される。執行取締役会は資本配分の責任も負う。意思決定は、資本委員会が行う。この委員会は、すべての関連する利害関係
者、すなわち、執行取締役会、公共ファイナンス部門、トレジャリー部門、資本管理部門、リスク管理部門および財務・管理
部門の代表者により構成される。
動向
2020年12月現在、完全実施されたCRR/CRD Ⅳの普通株式等Tier1(CET1)比率、Tier1比率および総自己資本比率は、
それぞれ33%、39%および39%であった。すべての資本比率は規制上の最低要件を大幅に上回るものである。
2021年度にBNG銀行が求められているCET1比率は10.25%で、内訳は、SREP要件6.75%(第1の柱要件4.5%および第2の
柱要件2.25%)、その他のシステム上重要な金融機関バッファー(OSII)1.00%および資本保全バッファー(CCB)2.5%で
ある。BNG銀行はこれらの要件を十分満たしている。BNG銀行の全体の資本要件水準は13.75%である。
2011年度に、BNG銀行はバーゼルⅢにより導入された追加的資本要件を満たすため配当分配方針を25%に引き下げた。2019
年度に、BNG銀行はその配当分配方針を50%に引き上げた。2020年度において、BNG銀行の当該方針に変更はなかった。
資本管理
資本管理戦略の主な目的は、内部および外部の自己資本要件が常に満たされており、十分な資本がBNG銀行の戦略を支え
るために利用可能であるよう確実にすることである。
資本管理戦略は、BNG銀行のリスク選好およびその事業計画の上に成り立っている。その上、外部の利害関係者(例え
ば、規制当局、投資家、格付機関、株主)の期待および要件、市場と比較したBNG銀行の資本、市場の動向および資本管理行
動の実現性が考慮される。資本化政策は、いわゆる内部自己資本充実度評価プロセス(ICAAP)に含まれている。本政策の要
所は自己資本管理計画であり、これはその自己資本が保証するリスクに基づいて自己資本の水準および構成を決定する。
ICAAPにおいては、規制資本および経済的資本が考慮される。ICAAPの一環として、資本が適切かつ強固なものであるかにつ
いて判断するため数多くのストレス・シナリオが実行される。資本の水準の次に、ICAAPは関連するリスクの種類ごとの配分
を決定する。
継続的に、自己資本は目標資本比率に対して測定および監視されている。これらの目標水準はBNG銀行のリスク選好および
戦略から算出され、ICAAPにより数量化されたものである。配分はICAAPから算出される。このプロセスによりBNG銀行は確実
にそのリスク選好に沿った形で事業を行っている。
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資本構成
BNG銀行の資本は、資本要件規則および資本要件指令Ⅳ(CRD Ⅳ)に定められた資本要件を大幅に上回っている。資本構
成は主に普通株式から成っている。その他の部分はその他Tier1資本商品から成っている。
以下の2つの表は、規制資本の構成を示す。以下の表は、自己資本を示している。
2020年12月31日現在
資本 IFRS株主資本
払込済資本
139 139
資本準備金 6 6
前年度留保利益 3,712 3,712
未処分利益 221
その他の包括利益累計額
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 11 11
-ヘッジコスト 184 184
-自己信用調整 5 5
86 86
-再評価剰余金
規制上の調整前の普通株式等Tier1(CET1)資本 4,143 4,364
健全性フィルターによるCET1資本の調整
-分配可能配当金(前年度) (71)
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (11)
-デリバティブ負債に関連するBNG銀行の自己の信用リスクから生じる
0
累積損益
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の自己の信用リスク (5)
-健全性評価要件による価値調整 (5)
-無形資産 -
-OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金 (1)
-
リスク加重1250%の代替として適格な証券化ポジションの資本控除
CET1資本 4,050
733 733
その他Tier1資本
Tier1資本 4,783
4,783 5,097
株主資本合計
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2019年12月31日現在
資本 IFRS株主資本
払込済資本
139 139
資本準備金
6 6
前年度留保利益
3,567 3,567
未処分利益
163
その他の包括利益累計額
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金
13 13
-ヘッジコスト
174 174
-自己信用調整
8 8
-再評価剰余金
84 84
規制上の調整前の普通株式等Tier1(CET1)資本
3,991 4,154
健全性フィルターによるCET1資本の調整
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金
(13)
-デリバティブ負債に関連するBNG銀行の自己の信用リスクから生じる
(1)
累積損益
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の自己の信用リスク
(8)
-健全性評価要件による価値調整
(5)
-無形資産
(4)
-OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金
(1)
リスク加重1250%の代替として適格な証券化ポジションの資本控除
0
CET1資本
3,959
その他Tier1資本
733 733
Tier1資本
4,692
株主資本合計
4,692 4,887
健全性フィルター
BNG銀行は、以下の健全性フィルターをCET1資本に適用している。
・キャッシュフロー・ヘッジ準備金は消去されている。
・デリバティブ取引における自己の信用リスクから生じる利益(DVA)は、消去されている。
・純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として分類される債務に関連する「自己の信用リスク」から生じる利益
は、消去されている。
・健全性評価に関する規制のため、公正価値で計上される資産および負債の貸借対照表評価に関連して調整が計算されて
いる。
・ソフトウェアの開発投資が実施されており、3年間にわたって償却されている。「繰延税金」調整後、これらの無形資
産の合計が控除されている。
・OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金。
控除可能項目
2018年度に、BNG銀行は、CET1資本を、1,250%のソルベンシー加重に適格な証券化ポジション分だけ減少させることを選
択した。2020年度において、ソルベンシー比率が1,250%の証券化ポジションはなかった。
CRD Ⅳ/CRR移行段階における調整
2020年度および2019年度において、OCIを通じて公正価値で測定される金融資産に関連する再評価剰余金部分は、全額が
CET1資本に含まれている。
その他Tier1資本
説明については、連結財務書類項目に対する注記の注記22を参照のこと。
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関連当事者
関連当事者との取引
関連当事者との取引は、独立当事者間の取引と同等の条件で行われた。
BNG銀行に対する支配、共同支配または重要な影響力を有する法人
オランダ政府は、BNG銀行の発行済株式および議決権の50%を所有している。残り50%の株式は多数の株主に分けられてい
るため、事実上オランダ政府がBNG銀行を支配している。ハイブリッド資本の保有者は、BNG銀行に対する(共同)支配または
重要な影響力を有していないため、関連当事者の定義に該当しない。BNG銀行は、購入した公開市場で売買可能な政府証券の
形でオランダ政府に対する直接的なエクスポージャーを保有している。またBNG銀行は、政府からの直接的な保証、またはオ
ランダ政府がバックネットとなるWSW(公共住宅)およびWFZ(ヘルスケア)の保証基金からの保証のある、貸付金および前渡
金の大規模なポートフォリオを有している。
子会社
これは、BNG銀行の子会社で連結対象であるHypotheekfonds voor OverheidspersoneelおよびBNG Gebiedsontwikkelingに
関連する。BNG銀行は、これらの当事者との間に会社間取引があり、これらは民間の貸付金および前渡金、当座勘定で保有す
る貸方残高、オフバランスシート契約で構成される。これらの会社間取引はすべて、連結財務書類の数値および注記から消去
されている。
関連会社、共同支配企業および共同事業
これは、関連会社、ならびにBNG Gebiedsontwikkelingが契約を締結した共同支配企業および共同事業に関連する。これら
の当事者のリストは、財務書類の別の注記に記載されている。これらの相手先との取引は、貸付金および前渡金、当座勘定で
保有する貸方残高、オフバランスシート契約(信用供与枠の未使用部分)で構成される。
BNG銀行の執行取締役会メンバー
BNG銀行は、BNG銀行の執行取締役会または監督取締役会のメンバーに、貸付金、前渡金または保証のいずれも供与してい
ない。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
オランダ政府
購入政府証券の形での直接的なエクスポージャー 1,325 1,696
政府からの直接的な保証付の貸付金 717 648
45,327 43,830
政府からの間接的な保証付の貸付金(WSW/WFZ)
子会社
子会社への貸付金 95 108
子会社が保有する貸方残高 25 13
- 7
子会社に対するオフバランスシート契約
関連会社、共同支配企業および共同事業
関連会社、共同支配企業および共同事業への貸付金 66 99
関連会社、共同支配企業および共同事業が保有する貸方残高 8 9
関連会社、共同支配企業および共同事業に対する
56 31
オフバランスシート契約
BNG銀行の主要な意思決定機関
経営の最も重要な決定および行為は、執行取締役会により行われる。遂行される政策は、監督取締役会による評価と監督
が行われる。
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報酬
2020年度以降、BNG銀行の報酬方針は、固定報酬部分のみで構成されている。2020年度に「特定スタッフ」、すなわちBNG
銀行の方針およびリスクに直接影響を及ぼす個人に与えられた報酬合計額は5.5百万ユーロ(2019年度:5百万ユーロ)で
あった。2020年度には特定スタッフは33名(2019年度:31名)であった。
2020年度より前に与えられていた変動報酬部分は条件付であった。再評価の後、執行取締役会のメンバーについては、関
連する目標の達成がBNG銀行の長期継続性を危機にさらすことがない限り、この部分は3年後に支払われる。特定スタッフが
月次給与もしくは10,000ユーロまたはその両方を上回る金額の変動報酬を受ける場合、変動報酬の40%は3年間にわたって
繰り延べられる。この繰り延べられた金額の3分の1が年次で支払われる。2020年度に1百万ユーロを上回る総報酬を受け
取った従業員はいなかった(2019年度:ゼロ)。
特定スタッフの報酬は、執行取締役会メンバー、執行取締役会メンバー直属の上級経営陣およびその他の特定スタッフと
いう3つのグループに区分できる。
2020年度 2019年度
(単位:千ユーロ)
固定報酬 変動報酬 合計 固定報酬 変動報酬 合計
執行取締役会メンバー
1,043 - 1,043 1,018 - 1,018
上級経営陣 2,563 - 2,563 2,255 81 2,336
1,903 - 1,903 1,613 89 1,702
その他の特定スタッフ
合計 5,509 - 5,509 4,886 170 5,056
さらにBNG銀行は、事業主年金拠出を毎月支払っている。2015年1月1日以降、100,000ユーロを超える給与について、現
行のオランダ公務員年金基金(ABP)制度下では年金が発生しない。すなわち、年金発生には上限がある。2020年度のこの収
入上限の金額は110,111ユーロであった。税務上のこの上限および年金発生分減少の結果として、BNG銀行は、2015年1月1日
付でBNG銀行に雇用されていた関係従業員に対し、年金発生分減少の補償を行うことを決定した。
執行取締役会の報酬
執行取締役会の報酬は、報酬方針に規定される方針に基づいているが、主要点は監督取締役会報告書に記載されている。
網羅的な報酬方針は、bngbank.nl上で公表されている。2002年度以降、固定報酬部分は、銀行業界のための一般的な団体労働
協約に規定される率の分だけ変更されている。経営陣および従業員は、BNG銀行の株式またはオプションを保有しておらず、
またBNG銀行の子会社を通じていかなる追加報酬も受領していない。今後は、過年度の執行取締役会メンバーの繰延変動報酬
のみの支払いが可能となる。
執行取締役会メンバーに与えられた報酬
2020年度 2019年度 2020年度 2019年度 2020年度 2019年度
100千ユーロ超の
固定報酬 年金拠出
年金補償
G.J. Salden
316 309 - - 27 25
O.J. Labe
341 333 29 29 28 26
386 377 35 35 30 27
J.C. Reichardt
合計 1,043 1,019 64 64 85 78
繰延変動報酬
2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
J.C. Reichardt
- - - 33
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執行取締役会元メンバーの繰延変動報酬
2020年度 2019年度 2018年度 2017年度
C. van Eykelenburgの相続人
- - - 41
報告期間中に与えられた報酬は、損益計算書で全額費用として認識されている報酬である。2020年度の損益計算書は、報
酬および年金費用1百万ユーロ(2019年度:1百万ユーロ)を含む。短期報酬合計は、固定報酬および100,000ユーロを超え
る給与に係る年金発生分の補償から成る。
2020年度に、執行取締役会会長は5,100ユーロ(2019年度:5,100ユーロ)の事業経費手当を受領した。2020年度の執行取
締役会のその他のメンバーに対する当該手当は3,900ユーロ(2019年度:3,900ユーロ)である。
監督取締役会の報酬
2017年1月1日より、監督取締役会の報酬は、銀行業界の団体労働協約に基づく増加と同じ割合で増加することができ
る。監督取締役会の報酬合計は2020年度に2%増加(2019年度:4%減少)した。報酬方針としては、BNG銀行の業績とは関
係なく、市場に整合的な報酬を目指している。これには、BNG銀行の性質、監督取締役会メンバーに求められる資質、自らの
任務を果たすために必要なアベイラビリティ、ならびに必要な時間、職責および法的責任の側面も反映される。監督取締役
会メンバーは、BNG銀行の株式またはオプションを保有しておらず、またBNG銀行の子会社を通じていかなる追加報酬も受領
していない。
当年度中に任命され、または退任した監督取締役会メンバーは、比例按分ベースで報酬を受領した。監査委員会およびリ
スク委員会、選定・任命委員会、報酬委員会ならびに市場戦略委員会のメンバーは、その職務について追加手当を受領し
た。さらに、監督取締役会会長は、基本報酬に加えて追加の手当を受領した。これらの手当は、「監督取締役会メンバーの
報酬」の表に示されている。監督取締役会メンバーは、1,000ユーロ(2019年度:1,000ユーロ)の経費手当を受領した。
1以上の委員会に所属するメンバーは、1委員会当たり各々500ユーロ(監査委員会およびリスク委員会)ならびに250
ユーロ(報酬委員会および人事委員会)の追加経費手当を受領した。
以下に示す額は千ユーロ単位である。これらの数値は追加支払いおよび経費手当を含み、VATを除く。
2020年度 2019年度
M. Sint、会長
49 48
J.C.M. van Rutte、副会長
34 33
C.J. Beuving
38 37
H. Arendse(2019年4月18日から)
41 30
J.B.S. Conijn
34 33
M.E.R. van Elst
34 33
J. Kriens
31 30
J.J. Nooitgedagt(2019年4月18日まで)
- 13
T.J.F.M. Bovens(2019年4月18日まで)
- 9
合計 261 266
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オフバランスシート契約
偶発債務
本項目は、BNG銀行が第三者に保証した取引から生じる一切の契約債務を
含む。この保証は限られた範囲内で、公共体の副保証によりカバーされる。
これは主として、BNG銀行が公益事業部門において顧客のために発行した残
存契約期間が5年超の信用状である。BNG銀行は、借主債務不履行の場合に
支払う必要のある原貸付元本額で(偶発)債務を計上している。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
偶発債務 1,517 1,613
取消可能信用供与契約
本項目は、取消可能当座勘定信用供与契約に帰属するすべての契約を含
む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
取消可能信用供与契約 3,676 3,764
取消不能信用供与契約
本項目は、貸付金および前渡金を供与することになりうる一切の取消不能
の契約債務を含み、以下のとおり区分される。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
与信枠の未使用部分に関する基本契約
3,405 5,230
2,289 1,921
将来実行予定の契約済み貸付金および前渡金
合計 5,694 7,151
かかる契約済みの貸付金および前渡金は、契約に従い以下のとおり区分さ
れる。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
3か月以下
494 687
3か月超12か月以下 370 583
1年超5年以下 1,403 651
22 0
5年超
合計 2,289 1,921
かかる貸付金および前渡金のほぼすべてが満期5年超の契約期間を有す
る。平均金利は0.71%(2019年度:1.2%)である。BNG銀行は、これらの債
務を未計上の原貸付元本額で表示している。
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処分に制約がある金融資産および負債
金融資産および負債の一部は、これらの資産が短期金融市場取引および融
資取引を保証するために用いられ、担保として差し入れられているため、処
分に制約がある。以下の表は、額面価額および担保価額を示す。
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
額面価額 担保価額 額面価額 担保価額
担保の種類
1
38,628 28,612 13,709 9,104
中央銀行に供与された担保
デリバティブ取引で提供された証券 2,090 2,601 3,336 4,209
デリバティブ取引に関連して
20,270 20,262 14,649 14,643
預けられた現金
担保として差し入れたもの 60,988 51,475 31,694 27,956
デリバティブ取引で受け入れた証券 - - - -
デリバティブ取引に関連して
858 858 1,138 1,137
受領した現金
担保として受け入れたもの 858 858 1,138 1,137
60,130 50,617 30,556 26,819
合計
注1 中央銀行に担保として差し入れられた貸付金の価額合計のうち、一部のみが実際に担保として使用されている。
2020年度末現在、顧客の回収ファイルの保証に基づく使用担保の価額は、11,345百万ユーロ(2019年度末:324百万ユー
ロ)であった。
取締役会メンバーの負債
BNG銀行の執行取締役会メンバーおよび監督取締役会メンバーは、故意の
行為または重過失の場合を除き、BNG銀行より個人的負債に関し補償され
る。また、BNG銀行の執行取締役会メンバーおよび監督取締役会メンバーな
らびにBNG銀行の1つ以上の関連会社の執行取締役会メンバーまたは監督取
締役会メンバーとしてBNG銀行のために行為する従業員に対し、BNG銀行は取
締役負債保険に加入している。
貸借対照表日以降の後発事象
貸借対照表日以降、財務書類の数値または開示に調整が必要な報告すべき
事象はない。
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利益処分案
(単位:百万ユーロ)
2020年度 2019年度
当期純利益 221 163
(19) (21)
ハイブリッド資本に係る利息支払い
株主に帰属する当期利益 202 142
BNG銀行株主に帰属する利益の処分は以下のとおりである:
BNG銀行定款第23条(3)所定の「利益剰余金」積立額 14 14
7 7
BNG銀行定款第23条(3)所定の配当金
21 21
BNG銀行定款第23条(4)所定の「利益剰余金」積立額 87 78
94 64
BNG銀行定款第23条(4)所定の配当金
181 142
利益処分は、2020年度の当期純利益合計に基づく。提案された利息支払い
に関して税務上の影響はない。配当金は、2020年5月にハイブリッド資本に
ついてすでに支払済みでありその他の剰余金に計上されている25百万ユーロ
(税引後19百万ユーロ)を考慮に入れている。
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関連会社および共同支配企業
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30%
地方自治による、非営利のイニシアティブで、地方自治体および/また
はその他公共事業体所有の登記不動産に関する情報を広く一般に提供する
ことを目的とする。
Data B Mailservice Holding BV、レーク
45% 45%
印刷およびメール・サービスから支払関連、直販およびメッセージン
グ・サービスなど、特に、公共部門機関へのサービスを提供している。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
BNG Gebiedsontwikkeling BVにより設立された共同支配企業
自らの費用およびリスクで公共体との合弁開発および土地分譲を行う。
共同支配企業に携わる当事者は同等の議決権を有し、どの当事者も支配権
はない。
Ontwikkelingsbedrijf Bedrijvenpark Pannenweg Beheer BV、ネーデル
50% 50%
ウェールト
工業団地用地の開発および分譲
CV Ontwikkelingsmaatschappij Zenkeldamshoek、ゴール
80% 80%
Zenkeldamshoek Beheer BV、ゴール
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
De Bulders Woningbouw CV
50% 50%
De Bulders Woningbouw BV
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij Westergo CV、ハルリンゲン
0% 50%
Ontwikkelingsmaatschappij Westergo BV、ハルリンゲン
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij 'Het Nieuwe Westland' CV、ハーグ
50% 50%
Ontwikkelingsmaatschappij 'Het Nieuwe Westland' BV、ハーグ
50% 50%
住宅建設用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij ROM-S CV (Schelluinen)、ハーグ
50% 50%
ROM-S Beheer BV (Schelluinen)、ハーグ
50% 50%
工業団地用地および駐車施設用地の開発および分譲
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2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
Project Suijssenwaerde CV、ハーグ
80% 80%
Project Suijssenwaerde Beheer BV、ハーグ
50% 50%
住宅建設用地および娯楽施設用地の開発および分譲
CV Bedrijvenpark Oostflakkee、ハーグ
80% 80%
Bedrijvenpark Oostflakkee Beheer BV、ハーグ
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
SGN Bestaand Rijsenhout CV、ハーグ
50% 50%
SGN Nieuw Rijsenhout CV、ハーグ
50% 50%
SGN Advies CV、ハーグ
43% 43%
SGN Bestaand Rijsenhout Beheer BV、ハーグ
50% 50%
SGN Nieuw Rijsenhout Beheer BV、ハーグ
50% 50%
SGN Advies BV Beheer、ハーグ
50% 50%
Stallingsbedrijf Glastuinbouw Nederland Groep BV、ハーグ
50% 50%
温室園芸用地の開発および分譲
Ontwikkelmaatschappij Meerburg CV、ズーターワウデ
50% 50%
Ontwikkelmaatschappij Meerburg Beheer BV、ズーターワウデ
50% 50%
住宅建設用地、スポーツ競技用地およびオフィスビル用地の開発および
分譲
Ontwikkelcombinatie De Bongerd CV、アムステルダム
14% 14%
Ontwikkelcombinatie De Bongerd BV、アムステルダム
14% 14%
住宅建設および駐車施設用の不動産開発
Regionaal bedrijvenpark Laarakker CV、クアイク
50% 50%
Regionaal bedrijvenpark Laarakker BV、クアイク
50% 50%
工業団地用地の開発および分譲
Wonen Werken Waterman BV、レイスベルゲン
50% 50%
Wonen Werken Waterman CV、レイスベルゲン
50% 50%
住宅建設用地および工業団地用地の開発および分譲
De Jonge Voorn BV、ガイスフェルト(ザーンダム)
80% 80%
De Jonge Voorn CV、ガイスフェルト(ザーンダム)
80% 80%
住宅建設用地の開発および分譲
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要約財務情報
2020年度 2019年度
関連会社
3 3
投資の貸借対照表価額(注記8)
以下の持分の価額:
資産合計 4 4
負債合計 1 1
収益 4 4
継続事業からの損益 1 1
株主資本 3 2
2 2
包括利益
2020年度 2019年度
BNG Gebiedsontwikkeling BVにより設立された共同支配企業
28 32
投資の貸借対照表価額(注記8)
以下の持分の価額:
資産合計 58 88
負債合計 29 46
収益 29 28
継続事業からの損益 (1) (4)
株主資本 28 32
28 32
包括利益
BNG Gebiedsontwikkeling(BNG銀行の完全所有子会社)は、地方自治体と連携で自己の勘定によって土地への投資およびそ
の開発を行っている。この連携は、リミテッド・パートナーシップを利用した共同支配企業の形式をとる。BNG銀行が負うリ
スクは、参加持分に投資された資本合計額であり、さらなる将来の支払債務および留保利益で増大する。2020年度末、このリ
スクは、28百万ユーロ(2019年度:32百万ユーロ)であり、このうち将来の支払債務に関連するものはなかった(2019年度:
0百万ユーロ)。
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非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
2020年度 2019年度
証券化
範囲
21,623 24,630
エンティティへの関与(貸借対照表価額/規模(%))
21% 19%
持分/投資の貸借対照表価額:
償却原価で測定される利付有価証券(注記8)
4,635 4,667
貸借対照表価額合計
4,635 4,667
最大エクスポージャー
4,653 4,667
貸借対照表価額の最大エクスポージャーに対する比率
1 1
種類別の収益金額:
ファンドのリターン
該当なし 該当なし
管理報酬
該当なし 該当なし
受取利息
2 5
売却損益
0 (1)
収益合計
2 4
ストラクチャード・エンティティを通じた非連結の証券化およびカバード・ボンド・プログラムへの関与
BNG銀行は、非連結ストラクチャード・エンティティを通じた追加保証でカバーされた証券化利付有価証券に対する投資を
有している。モーゲージ・ポートフォリオが証券化およびカバード・ボンドの担保となる。BNG銀行を含む投資家が投資した
ファンドは、原資産であるモーゲージの資金調達源となる。ストラクチャード・エンティティは、投資管理および関連した資
金移動以外の活動を行わない独立の事業体である。利付有価証券の投資家としてのその持分以外に、BNG銀行は、これらのスト
ラクチャード・エンティティへの融資もしくはいかなる他の方法での支援も行っておらず、近い将来その意図もない。BNG銀行
は、いかなる資産もこれらのストラクチャード・エンティティに譲渡していない。
ハーグ、2021年3月12日
執行取締役会
G.J. Salden、会長
C.A.M. van Atteveldt-Machielsen
O.J. Labe
監督取締役会
M. Sint、会長
J.C.M. van Rutte、副会長
H. Arendse
C.J. Beuving
J.B.S. Conijn
M.E.R. van Elst
J. Kriens
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個別貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
注記
資産
現金および中央銀行残高 1 2,312 1,272
銀行預入金 2 120 66
差入現金担保 3 20,361 14,643
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 4 1,452 1,764
デリバティブ 5 8,540 10,004
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 6 9,738 9,222
償却原価で測定される利付有価証券 7 7,880 7,764
貸付金および前渡金 8 88,921 88,249
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値
9 20,816 16,462
調整
関連会社および共同支配企業 10 54 55
有形固定資産 11 17 18
未収還付税金 17 1 29
149 130
その他の資産 12
資産合計 160,361 149,678
負債
銀行借入金 13 12,221 1,933
受入現金担保 14 858 1,137
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 15 656 674
デリバティブ 16 26,965 22,651
負債証券 18 108,615 112,661
受託資金 19 5,603 5,566
劣後債務 20 35 33
未払税金 17 - -
繰延税金負債 17 98 78
213 58
その他の負債 21
負債合計 155,264 144,791
株主資本
資本金 139 139
資本準備金 6 6
法定準備金
-再評価剰余金 86 84
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 11 13
-公正価値変動準備金 186 129
利益剰余金 3,526 3,438
自己信用調整 5 8
ヘッジコスト準備金 184 174
221 163
当期純利益
株主に帰属する持分 22
4,364 4,154
733 733
ハイブリッド資本 22
株主資本合計 22 5,097 4,887
負債および株主資本合計 160,361 149,678
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個別損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2020年度 2019年度
注記
-実効金利法を用いて計算した受取利息
4,513 4,887
362 633
-その他の受取利息
受取利息合計
4,875 5,520
-実効金利法を用いて計算した支払利息 4,313 4,992
85 94
-その他の支払利息
支払利息合計
4,398 5,086
477 434
利息損益 23
-受取手数料 29 32
4 2
-支払手数料
手数料損益 24 25 30
金融取引損益 25 (17) 37
参加持分による損益 26 1 (2)
0 (1)
その他の収益
収益合計 486 498
人件費 27 47 39
その他の一般管理費 28 46 37
減価償却費 29 3 3
0 -
その他の営業費用
営業費用合計 96 79
金融資産の減損損失純額 30 16 153
関連会社および共同支配企業の減損損失純額 - -
破綻処理基金への拠出 31 8 8
34 30
銀行税 31
その他の費用合計 58 191
税引前当期利益 332 228
法人所得税費用 111 65
当期純利益 221 163
-うちハイブリッド資本所有者に帰属
19 21
202 142
-うち株主に帰属
参照番号は個別財務書類に対する注記を示している。個別財務書類に対する注記は、個別財務書類の不可欠な一部である。
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個別包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
2020年度 2019年度
当期純利益
221 163
株主資本で直接認識される組替調整される損益
キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 (2) 3
0 -
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(2) 3
ヘッジコスト準備金の変動
-未実現価額の変動 20 (50)
(10) 2
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
10 (48)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産に係る再評価剰余金の変動
-未実現価額の変動 32 (23)
(30) (18)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
2 (41)
組替調整される損益合計 10 (86)
株主資本で直接認識される組替調整されない
損益:
-FVTPLで測定するものとして指定された金融
負債の信用リスクの変動に起因する公正価値 (3) (1)
の変動
-数理上の損益の変動
(3) (1)
組替調整されない損益合計
株主資本で直接認識される損益 7 (87)
合計 228 76
-うちハイブリッド資本所有者に帰属 19 21
209 55
-うち株主に帰属
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
個別キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2020年度 2019年度
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益 332 228
調整:
-減価償却費 3 3
-減損 16 153
-純損益を通じて測定される未実現損益 56 (15)
営業資産および負債の変動:
-銀行預入金および借入金(要求払以外)の変動 10,463 (532)
-差入現金担保および受入現金担保の変動 (5,864) (1,854)
-レポ取引およびリバースレポ取引の変動 - -
-貸付金および前渡金の変動 (637) (3,434)
-受託資金の変動 184 (267)
-デリバティブの変動 (1,416) 626
-支払法人税 (71) (86)
(212) (232)
-営業活動によるその他の変動
営業活動によるキャッシュフロー純額 2,854 (5,410)
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 (146) (3)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 (5,016) (1,776)
-償却原価で測定される利付有価証券 (1,862) (1,824)
-関連会社および共同支配企業に対する投資 - -
-有形固定資産 (2) (3)
処分および償還:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 496 45
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 4,553 2,267
1,821 1,516
-償却原価で測定される利付有価証券
投資活動によるキャッシュフロー純額 (156) 222
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2020年度 2019年度
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - 12
-負債証券 219,779 401,879
支払額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (8) (143)
-負債証券 (221,405) (396,691)
-劣後債務 - -
-ハイブリッド資本に係る利息支払い (25) (25)
- (159)
-株主に対する配当金
財務活動によるキャッシュフロー純額 (1,659) 4,873
現金および現金同等物の純変動 1,039 (315)
1月1日現在の現金および現金同等物 1,276 1,591
12月31日現在の現金および現金同等物 2,315 1,276
12月31日現在の現金および現金同等物:
-現金および中央銀行残高 2,312 1,272
-銀行預入金項目における現金同等物 4 4
(1) 0
-銀行借入金項目における現金同等物
2,315 1,276
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額 5,875 5,881
(5,549) (5,633)
支払利息額
326 248
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個別株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
キャッ
公正
株主に
シュフ
価値 自己 帰属
ロー・ ヘッジ ハイブ
資本 再評価 変動 信用 利益 未処分 する
ヘッジ コスト リッド
資本金 準備金 剰余金 準備金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 資本 合計
2019年1月1日
139 6 125 10 83 9 222 3,664 0 4,258 733 4,991
現在の残高
包括利益合計 (41) 3 (1) (48) 163 76 76
公正価値変動
46 (46) 0 0
準備金 への振替
BNG銀行株主に
(159) (159) (159)
対する配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する (21) (21) (21)
利息支払い
2019年12月31日
139 6 84 13 129 8 174 3,438 163 4,154 733 4,887
現在の残高
前年度利益処分額 163 (163) 0 0
2020年1月1日
139 6 84 13 129 8 174 3,601 - 4,154 733 4,887
現在の残高
包括利益合計 2 (2) (3) 10 221 228 228
公正価値変動
57 (57) 0 0
準備金 への振替
BNG銀行株主に
0 0
対する配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する (18) (18) (18)
利息支払い
2020年12月31日
139 6 86 11 186 5 184 3,526 221 4,364 733 5,097
現在の残高
BNG銀行は、個別株主資本のうち少数株主持分により第三者に帰属する損益を認識していない。ハイブリッド資本を除く株主
資本全体は、株主に帰属している。
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個別財務書類の会計原則
個別財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)により発行され欧州連合(EU)全域で採用されている国際財務報告基準
(IFRS)およびオランダ民法典第2編第9章に準拠して作成される。個別財務書類は、別途の記載のない限り、ユーロ(単
位:百万ユーロ)で作成される。ユーロは、BNG銀行の機能通貨および報告通貨として使用される。財務会計原則に関しては、
以下に記載の会計原則を除き、連結財務書類の会計原則に対する注記を参照している。
参加持分
貸借対照表項目の参加持分は、持分法で計上される。
公正価値変動法定準備金
オランダ民法典第2編第390条第1項に準拠して、自己資本保護の目的で、通常の市場での取引価格が存在しない貸借対照表
の資産として計上される金融商品の公正価値増加に関して、自由に分配可能な剰余金(その他の剰余金)または自由に分配可
能な利益(未処分利益)の負担によって、法定準備金を維持することが要求される。
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個別財務書類に対する注記
(単位:百万ユーロ)
注記30および33は、2020年度における減損対象の金融資産の減損のス
テージ別内訳の概要および予想信用損失引当金の変動の詳細を表示してい
る。
連結財務書類に対する注記34には、満期までの残存契約期間別の貸借対
照表価額の内訳(要求払および要求払でないもの)が含まれている。
関連当事者に関する開示については、連結財務書類を参照のこと。
1 現金および中央銀行残高
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
手許現金
0 0
2,312 1,272
中央銀行当座預金残高(要求払)
合計 2,312 1,272
2 銀行預入金
「銀行預入金」の項目は、償却原価で測定される銀行に対するすべ
ての債権を含む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高
5 4
115 62
長期貸付
合計 120 66
3 差入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者に差し入れられてお
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
4 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は以下を含む。
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産。これは、
SPPIテストを満たさなかった金融資産に関連している。
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
産。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
強制的にFVTPLで測定
貸付金および前渡金
89 136
FVTPLで測定されるものとして指定
貸付金および前渡金
538 555
利付有価証券
825 1,073
合計 1,452 1,764
2020年度末の貸付金および前渡金ならびに利付有価証券の償還合計
額は939百万ユーロ(2019年度:1,122百万ユーロ)である。注記25
は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
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5 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバ
ティブの正の公正価値を含む。注記25は、純損益を通じて認識される公
正価値の変動を表している。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
196 324
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 3,713 2,822
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 4,601 6,848
30 10
STMデリバティブ契約に関連する債権
合計 8,540 10,004
6 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有され、BNG銀行が公正価値オプションを使用していない購入
利付有価証券を含む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
政府
6,312 6,363
国際機関 1,417 492
信用機関 2,009 2,287
その他の金融機関 - 26
- 54
非金融機関
合計 9,738 9,222
認識中止を伴わない譲渡
2020年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産222百万
ユーロ(2019年度:なし)を譲渡している。
7 償却原価で測定される利付有価証券
これには、「回収のために保有」するビジネスモデルにおいて保有
され、BNG銀行が公正価値オプションを適用していない購入利付有価証
券が含まれる。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
政府
1,491 1,696
信用機関 - -
その他の金融機関 5,216 5,056
1,179 1,018
非金融機関
信用損失引当金 (6) (6)
合計 7,880 7,764
2020年度末現在、BNG銀行は、レポ取引において、認識中止を伴わず
に、償却原価で測定される利付有価証券139百万ユーロ(2019年度:な
し)を譲渡している。
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8 貸付金および前渡金
貸付金および前渡金の項目には、SPPIテストを満たす顧客に対する
短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。す
べてのポジションは、「回収のために保有」するビジネスモデルにおい
て保有される。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
3,504 5,047
短期貸付金および当座預金残高
85,626 83,393
長期貸付
89,130 88,440
(209) (191)
信用損失引当金
88,921 88,249
合計
9 ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
これは、ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡
金のヘッジ対象金利リスクの有効部分の価値調整を指す。
2020年度 2019年度
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整の変動
期首残高
16,462 11,566
未実現部分の期中変動
6,094 6,204
期中償却
(1,581) (1,258)
売却による期中実現
(159) (50)
期末残高 20,816 16,462
10 参加持分
2020年12月31日 2019年12月31日 2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在 現在 現在
参加持分割合 貸借対照表価額
子会社
BNG Gebiedsontwikkeling BV、ハーグ
100% 100% 45 46
Hypotheekfonds voor
6 6
100% 100%
Overheidspersoneel BV、ハーグ
小計 51 52
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30% 0 0
Data B Mailservice BV、レーク 3 3
45% 45%
小計 3 3
合計 54 55
BNG銀行の子会社および関連会社の記載については、それぞれ本書の
「その他の情報」の項目および連結財務書類の「関連会社および共同支配
企業」の項目を参照のこと。関連会社の要約財務情報については、「要約
財務情報」の項目を参照のこと。
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11 有形固定資産
2020年度 2019年度 2020年度 2019年度 2020年度 2019年度 2020年度 2019年度
不動産 設備 使用権資産 合計
取得原価
期首残高
49 49 24 22 2 - 75 71
IFRS第16号の影響
- - - - - 2 - 2
調整後期首残高
49 49 24 22 2 2 75 73
投資 - 0 2 2 0 0 2 2
- 0 - 0 0 0 0 0
処分
12月31日現在の価値
49 49 26 24 2 2 77 75
減価償却費
1月1日現在の減価償
38 37 19 17 0 - 57 54
却累計額
0 1 3 2 0 0 3 3
期中の減価償却費
12月31日現在の減価償
38 38 22 19 0 0 60 57
却累計額
合計 11 11 4 5 2 2 17 18
見積耐用年数
33 1/3年
建物
専用設備 15年
機械および在庫 5年
使用権資産 5年
ハードウェアおよびソフトウェア 3年
負債の担保として差し入れられている有形固定資産はない。
12 その他の資産
その他の資産は主に、顧客への貸付に対する未収金額で構成される。
13 銀行借入金
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
当座預金残高
1 0
中央銀行供給資金(TLTRO) 10,950 -
預金 715 1,377
555 556
民間借入
合計 12,221 1,933
14 受入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者から受け入れたものであ
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
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15 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
本項目は、純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で測定
するものとして指定された負債証券を含む。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
公募負債証券
387 408
269 266
私募負債証券
合計 656 674
2020年度末の負債証券の償還合計額は、490百万ユーロ(2019年度:514
百万ユーロ)である。2020年度末の金融負債の帳簿価額と償還額の間の差
異は166百万ユーロ(2019年度:160百万ユーロ)である。「自己の信用リ
スク」のマークアップを含む関連する資金調達カーブについて、金融負債
は純損益を通じて公正価値で測定されている。価値変動の合計(税引前)
は6百万ユーロのマイナス(2019年度:10百万ユーロのプラス)であっ
た。自己の信用リスクによる公正価値の変動は、その他の包括利益を通じ
て認識されている。これらの変動は、「自己の信用リスク」のマークアッ
プを含む関連する資金調達カーブを使用した評価額と、このマークアップ
を含まない関連する資金調達カーブを使用した評価額を比較することに
よって算定される。注記25は、純損益を通じて認識される価値の変動を表
している。
16 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバティブ
の負の公正価値を含む。注記25は、純損益を通じて認識される公正価値の
変動を表している。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
1,131 1,004
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 23,525 20,249
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,179 1,393
130 5
STMデリバティブ契約に関連する債務
合計 26,965 22,651
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17 税金
BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、再評価剰余金、
自己信用調整、ハイブリッド資本に係る利息支払いおよびキャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金について繰延税金負債を認識しており、これらはす
べて株主資本において直接変動する。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
未収還付税金
1 29
未払税金 0 -
(98) (78)
繰延税金負債
合計 (97) (49)
BNG銀行およびオランダ税務当局は、IFRS第9号に従って、2018年度
か ら 2020 年 度 ま で の 期 間 の 相 対 契 約
(「vaststellingsovereenkomst」)を2018年度に締結した。2021年度
から2023年度までの期間の新しい契約は、2021年中頃に締結されると見
込まれている。この相対契約は、BNG銀行の納税グループ全体に適用さ
れる。この契約により、「純損益を通じて公正価値で測定される金融資
産」に分類される取引を除く全金融商品は、会計上も税務上もIFRSの評
価原則により計上される。税務上、このカテゴリーにおけるすべての取
引は、原価または市場価値のいずれか低い方で評価される。貸借対照表
上で未実現損失が発生した場合、税務上の損益は会計上の損益と異な
る。再評価剰余金が増加すると、原価の水準を超えない範囲で当該増加
額が税務上の年間利益に追加される。
実効税率と表面税率の調整は以下のとおりである。
2020年度 2019年度
表面税率および実効税率
332 227
税引前当期利益
表面税率で課された税金
(83) (57)
過年度税金調整 0 0
参加持分免除 1 0
ハイブリッド資本に係る損金算入の支払利息 0 1
(29) (7)
損金不算入費用(銀行税および過小資本)
実効税金 (111) (63)
表面税率
25.0% 25.0%
33.4% 27.6%
実効税率
2021年度に表面税率の変更が見込まれることから、繰延税金は、資
産が実現するまたは負債が決済される期間に適用が見込まれる税率で
測定される。
2020年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(24) (5) - (29)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (53) (12) - (65)
自己信用調整 (2) 1 - (1)
ハイブリッド資本 0 (4) - (4)
1 - - 1
従業員給付引当金
合計 (78) (20) - (98)
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2019年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で
(32) 8 - (24)
測定される金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (62) 9 - (53)
自己信用調整 (2) 0 - (2)
ハイブリッド資本 (4) 4 - 0
1 - 0 1
従業員給付引当金
合計 (99) 21 0 (78)
18 負債証券
本項目は、固定または変動金利の債券およびその他の発行済負債証券
を含む。発行に際しては、売却済債券は関連する債券から控除される。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
ボンド・ローン
92,655 94,374
コマーシャル・ペーパー 7,611 9,333
8,349 8,954
私募負債証券
合計 108,615 112,661
19 受託資金
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
当座預金残高
2,804 2,433
短期預金 281 25
2,518 3,108
長期預金
合計 5,603 5,566
20 劣後債務
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
劣後債務 35 33
合計 35 33
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21 その他の負債
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
従業員給付引当金
2 2
211 56
その他の負債
合計 213 58
従業員給付引当金は、在職中および退職済の従業員の両方に付与さ
れるモーゲージ・ローンの金利割引に関する引当金1百万ユーロ
(2019年度:1百万ユーロ)および長期有給休暇引当金1百万ユーロ
(2019年度:1百万ユーロ)の2つの部分で構成される。引当金はい
ずれも長期的なものである。
モーゲージ・ローンの金利割引に関する確定給付および長期有給休
暇引当金に関係する負債純額の現在価値の変動は以下のとおりであ
る。
2020年度 2019年度
従業員給付引当金
1月1日現在の負債純額 2 2
0 0
引当金の変動
12月31日現在の負債純額 2 2
その他の負債は、主にデリバティブおよび顧客への貸付に関連する
債務で構成される。
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22 株主資本
連結後、BNG銀行は少数株主持分を有していないため、ハイブリッド
資本を除く、連結株主資本全体が株主に帰属する。以下に、株主資本
の各項目に関する説明を記載する。
2020年12月31日 2019年12月31日
現在 現在
資本金
139 139
資本準備金 6 6
再評価剰余金 86 84
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 11 13
自己信用調整 5 8
ヘッジコスト 184 174
公正価値変動準備金 186 129
利益剰余金 3,526 3,438
221 163
未処分利益
株主に帰属する持分
4,364 4,154
733 733
ハイブリッド資本
合計 5,097 4,887
2020年度 2019年度
発行済払込済株式数
55,690,720株 55,690,720株
1.81 1.27
1株当たり提案配当金(単位:ユーロ)
提案配当金
-定款所定の基本配当金 7 7
94 64
-基本配当金を上回る提案配当金
合計 101 71
2020年度の提案配当金は、2020年度にハイブリッド資本についてす
でに支払済みの25百万ユーロ(税引前)の利息支払いを加味してい
る。当該支払は「利益剰余金」に計上された。
2019年度については、71百万ユーロの配当金が2020年上半期に開催
された株主総会に提案された。株主総会に先立ち、ECBは欧州の銀行に
対して、配当金の支払を差し控えるか、少なくとも2020年10月31日ま
で延期するよう勧告した。株主総会において、当行は、ECBの勧告に従
う旨を発表した。2020年の夏に、ECBは勧告内容を変更し、配当金の支
払は少なくとも2020年12月31日まで差し控えるようにとした。また最
近、ECBはCET1比率の0.2%低下に相当する金額を2021年3月に支払う
ことについて同意した。BNG銀行の場合、これは24百万ユーロとなる。
ECBの勧告に従い、配当金の追加分配は2021年10月以前には行われな
い。当行は配当金の追加分配を行う意向であるが、今後のECBのあらゆ
る勧告を考慮に入れる必要がある。
資本金
授権資本は、各額面金額2.50ユーロの株式1億株から構成され、そ
のうち55,690,720株が発行済かつ全額払込済である。流通している株
式数には当該年度において変動はなかった。BNG銀行およびその子会社
は当行株式を保有していない。
株式には優先権はなく、制限を受けることもない。株式発行を受け
る権利を得るために行使されうるオプションはない。
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資本準備金
2020年度および2019年度において、変動はなかった。
再評価剰余金
2020年度末現在、再評価剰余金は、未実現価額の変動749百万ユーロ
(2019年度:161百万ユーロ)を含む。ただし、ヘッジ会計を適用する
利付有価証券の金利リスクのヘッジされた部分の価値は除かれ、これ
は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」で認
識される。再評価剰余金は税額調整されている。当該資産が売却され
る場合、株主資本で認識される関連累積損益は損益計算書に振り替え
られる。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
為替レートの変動に伴う、キャッシュフロー・ヘッジ関係に含まれ
るデリバティブの未実現の価値変動の有効部分は、キャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金で認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備金
は税額調整される。
自己信用調整
自己信用調整は、税引後で5百万ユーロ(2019年度:8百万ユー
ロ)であった。当該調整は純損益を通じて公正価値で測定される金融
負債の信用リスクの変動に関連する。
ヘッジコスト準備金
ヘッジコスト準備金には、ヘッジ会計を適用するクロスカレン
シー・スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上され、当該
準備金はヘッジ期間にわたって償却される。累積変動額は、ヘッジ手
段の満期までにはゼロまで減少する。
利益剰余金
定款所定の分配可能利益の処分につき決定した後、株主総会におい
て利益剰余金に充当される残りの利益の部分を定める。2020年度に、
配当金の支払71百万ユーロ(2019年度:159百万ユーロ)が予定されて
いた。COVID-19の発生により、ECBによる強い勧告を受けて、その支払
は2021年度まで延期される。2020年度に、25百万ユーロ(2019年度:
25百万ユーロ)(税引前)がハイブリッド資本所有者に分配され、
「利益剰余金」に計上された。「利益剰余金」にはハイブリッド資本
に係る資本準備金の合計0.1百万ユーロ(2019年度:0.1百万ユーロ)
が含まれている。
未処分利益
貸借対照表は利益処分前に作成される。本項目は、法人税控除後の
損益合計を示す。
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ハイブリッド資本
BNG銀行のハイブリッド資本は733百万ユーロである。本商品は、CRR
要件およびEBA指針に沿って組成されており、その他Tier1資本として
認められている。ハイブリッド資本は、元本残高に対する年1回の非
累積型の利息を裁量的に支払う永久ローンに関係し、CET1比率が
5.125%を下回った場合に一時的に切下げられる。切下げがあった場
合、この金額は「利益剰余金」に振り替えられることになる。「利益
剰余金」からの切下げは、トリガー比率が5.125%超に回復した時点で
一定の条件下で戻入れ(切上げ)ができる。
BNG銀行は、利息の支払いを裁量ベースで、「その他の剰余金」を源
泉とする利息支払いの形で分配する権利を有している。利息支払い
は、その時点での元本金額に基づいて決定される。分配された利息支
払いは当初、2018年における法改正により2019年から法人所得税上の
損金不算入とされていた。2020年5月15日、オランダ最高裁判所はオ
ランダの法人所得税の目的上、AT1資本は負債とみなされるべきと裁
定し、その結果、2019年以降も引き続き支払額の損金算入が可能と
なった。BNG銀行は、発行したハイブリッド資本を償還する一方的な契
約上のオプションを有している。2015年度に発行したトランシェ(額
面金額424百万ユーロ)は2021年5月から、その後毎年5月に額面で買
い戻すことができる。2016年度に発行したトランシェ(額面金額309百
万ユーロ)は2022年5月から毎年買い戻すことができる。
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23 利息損益
「実効金利法を用いて計算した受取利息」は、金融負債に係るマイ
ナスの支払利息を含め、従来の金融商品およびヘッジ会計を適用する
デリバティブから生じるすべてのプラスの利息損益を含む。また、そ
の他の信用関連受取収益も本項目に含まれる。減損対象の資産に係る
受取利息は、予定される金利キャッシュフローが受領される限り、当
初の実効金利で認識される。
「実効金利法を用いて計算した支払利息」は、金融資産に係るマイ
ナスの受取利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用する
デリバティブから生じるすべてのマイナスの利息損益を含む。借入費
用およびその他の利息関連費用も認識される。
その他の受取利息および支払利息は、主にヘッジ会計を適用しない
デリバティブの利息損益、ならびに公正価値で測定される金融資産お
よび金融負債の利息損益で構成される。
2020年度 2019年度
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 2,053 2,147
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 113 143
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,276 2,561
71 36
-金融負債に係るマイナスの支払利息
4,513 4,887
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 34 42
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 3 3
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 325 588
- -
-その他
362 633
受取利息合計 4,875 5,520
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 1,893 2,414
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,291 2,429
129 149
-金融資産に係るマイナスの支払利息
4,313 4,992
その他の支払利息
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 30 31
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 48 58
7 5
-その他
85 94
支払利息合計 4,398 5,086
477 434
利息損益合計
2020年度の受取利息には、「償却原価で測定される金融資産」(注
記7および8)および「その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産」(注記6)に関連する金融資産に係る受取利息2百万
ユーロ(2019年度:2百万ユーロ)が含まれており、これらは減損の
対象である。
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24 手数料損益
受取手数料
本項目は、第三者に提供したサービスによる収入を含む。
2020年度 2019年度
貸付および信用供与による収入
19 23
10 9
決済サービスによる収入
合計 29 32
支払手数料
本項目は、貸付金、信用供与および決済サービスに関連して第三者
の行ったサービスに関連する合計4百万ユーロ(2019年度:2百万
ユーロ)の費用から成る。
25 金融取引損益
本項目は、実現および未実現の市場価値調整に分類した金融取引に
係る損益を含む。
2020年度 2019年度
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に起因する純損益を通
じて公正価値で測定する以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 (24) 29
(4) 0
-ストラクチャード・ローン
(28) 29
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 (18) (28)
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 11 38
(3) (2)
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計
(10) 8
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動(CVA/DVA)
(3) (10)
売却および買取りによる実現損益 39 21
(15) (11)
その他の市場価値変動
合計 (17) 37
2020年度も、金融取引損益は、実現損益からプラスの影響を受け
た。実現損益39百万ユーロ(2019年度:21百万ユーロ)は、主に当行
の流動性ポートフォリオからのオンバランスの売却益による。実現損
益にはまた、2月に完了した、2007年度に購入した主要なインフレ連
動債の「純粋な売却および買戻し」ならびに関連するデリバティブの
再構築による損益も含まれている。これらの取引の目的は、損益計算
書のボラティリティを低減させ、2020年2月より、この債券が償却原
価で評価され、関連するデリバティブと共に確実にヘッジ会計に組み
込まれるようにすることであった。これらの取引の完了により、3百
万ユーロの利益が実現した。
未実現損益は56百万ユーロの損失(2019年度:16百万ユーロの利
益)となった。主にCOVID-19のパンデミックにより、「純損益を通じ
て公正価値で測定される金融資産」に計上された大部分の利付有価証
券の信用リスクスプレッドおよび流動性リスクスプレッドが拡大した
ことから、24百万ユーロの損失(2019年度:29百万ユーロの利益)が
発生した。未実現損益はまた、ヘッジ会計に係る損益、顧客とのデリ
バティブの取引先信用リスクの変動およびその他の市場価値の変動に
よるマイナスの影響も受けた。「その他の市場価値の変動」は、ヘッ
ジ会計を適用しないデリバティブの米ドル/ユーロおよびユーロ/英
ポンドのクロスカレンシー・ベーシス・スプレッド変動の影響も含
む。
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26 参加持分による損益
2020年度 2019年度
関連会社
1 1
0 (3)
子会社
合計 1 (2)
BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記載については、連結財務
書類の「関連会社および共同支配企業」の項目を参照のこと。
27 人件費
2020年度 2019年度
給与
28 27
年金費用 5 4
社会保障費 3 3
従業員給付引当金の繰入額 0 -
11 5
その他の人件費
合計 47 39
2020年度に、個々の従業員の変動報酬はなかった。2019年度に、
個々の従業員の変動報酬は、その固定給の20%が上限とされた。
人件費の増加は、主として付帯条件によるその他の費用、研修およ
び人件費引当金への繰入を原因とする。
28 その他の一般管理費
これらの費用は、特に、外部委託費、有形固定資産の維持費、コン
サルタント料、研修費およびIT費を含む。2020年度のその他の一般管
理費合計は46百万ユーロ(2019年度:37百万ユーロ)であった。
29 減価償却費
本項目の内訳は、「有形固定資産」に関する注記(注記11)に含ま
れる。合計で、2020年度の減価償却費は3百万ユーロ(2019年度:3
百万ユーロ)であった。
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30 減損
2020年度に損益計算書に計上された減損は、16百万ユーロの損失
(2019年度:153百万ユーロの損失)であった。
2020年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 8 3 0 11
-認識中止による引当金の減少 (6) (3) (3) (12)
2 (5) 20 17
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
4 (5) 17 16
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローによる
- - 0 0
減損の戻入れ
- - - -
-償却による減損
- - 0 0
金融資産の減損損益純額 4 (5) 17 16
2019年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 3 3 0 6
-認識中止による引当金の減少 (2) (4) 0 (6)
1 4 148 153
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
2 3 148 153
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローによる
0
減損の戻入れ
0 0
-償却による減損
- - 0 0
金融資産の減損損益純額 2 3 148 153
予想信用損失引当金の変動
2020年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じた引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 8 3 0 11
-認識中止による引当金の減少 (6) (3) (3) (12)
2 (5) 20 17
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
4 (5) 17 16
純損益を通じない引当金の変動:
- - - -
-償却による引当金の減少
- - - -
引当金の変動合計 4 (5) 17 16
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2019年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じた引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 3 3 0 6
-認識中止による引当金の減少 (2) (4) 0 (6)
1 4 148 153
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
2 3 148 153
純損益を通じない引当金の変動:
(5) (5)
-償却による引当金の減少
0 0 (5) (5)
引当金の変動合計 2 3 143 148
注記33は、2020年度における減損対象の金融資産の減
損のステージ別内訳の概要および予想信用損失引当金の
変動の詳細を表示している。
損失引当金の変動は、「貸付金および前渡金」項目
(注記8)に含まれている。
31 破綻処理基金への拠出および銀行税
銀行再建・破綻処理指令による欧州破綻処理制度が2015年1月1日
付で発効した。破綻処理基金の費用は、法人税上、損金算入可能であ
る。2020年度に支払うべき8百万ユーロ(2019年度:8百万ユーロ)
は、2020年6月に支払われ、損益計算書に計上された。
銀行税に関する費用は、法人税上は損金算入できない。この結果、
実効税金は、通常税率による税額を上回った。BNG銀行は、毎年10月に
銀行税の支払期限を迎え、2020年度の金額は34百万ユーロ(2019年
度:30百万ユーロ)であった。
2020年度 2019年度
銀行税は以下のとおり計算された。
2019年度基準 2018年度基準
貸借対照表価額合計 149,689 137,509
控除:Tier1資本 4,692 4,614
49 51
控除:預金保証制度対象の預金
課税基準 144,948 132,844
20,900 20,900
控除:実効免除額
課税基準 124,048 111,944
満期1年未満の債務の合計額 34,087 28,792
貸借対照表による全債務の合計額 144,802 132,518
短期債務に係る銀行税 13 11
21 19
長期債務に係る銀行税
計算/支払額合計 34 30
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32 独立監査人の報酬
以下の監査報酬が損益計算書において報告された。
2020年度 2019年度
財務書類の監査
362 329
その他の監査業務 433 459
税務業務 - -
10 10
その他の非監査業務
合計 805 798
上記の報酬は、監査法人監督法(「Wet toezicht
accountantsorganisaties - Wta」)第1条第1項に規定されている、
会計事務所および独立外部監査人がBNG銀行およびその連結グループ事
業体に対して適用する手続きに関係する。BNG銀行の場合、外国を拠点
とする会計事務所を利用していないため、これはオランダを拠点とす
る会計事務所(その税務業務およびアドバイザリーグループを含むPwC
オランダ会計事務所(「PwC NL」))にのみ適用される。監査報酬
は、作業が当該事業年度中に行われたか否かにかかわらず、2020年度
の財務書類監査に関係する。
独立監査人が財務書類監査の他に提供した業務の要約
BNG銀行の独立監査人であるPwC NLは、BNG銀行の法定監査に係る期
間において、法定財務書類監査の他に、BNG銀行およびその被支配企業
に対して以下の業務を提供した。
法律または規制上の要件により求められるその他の監査業務
-被支配企業の法定監査
-中間財務書類のレビュー
-オランダ中央銀行に対する規制上の申告書の監査
-オランダ中央銀行に対する信用債権の保証業務
その他の監査業務
-持続可能性報告書の保証業務
-債券発行目論見書の年次更新および債券発行プログラムに基づく発
行に関するコンフォートレター
-TLTRO報告書の保証業務
-預金保証制度要件の保証業務
その他の非監査業務
-単一破綻処理委員会向けの財務情報に対する合意された手続き
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33 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート
契約の3つの減損のステージ別内訳を示している。
ステージ1 当初認識以降、信用リスクの著しい増大(SICR)がない
正常債権エクスポージャー
ステージ2 当初認識以降、信用リスクの著しい増大がある正常債権
エクスポージャー
ステージ3 不良債権エクスポージャー
2020年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
現金および中央銀行残高
2,312 2,312 - - - - -
銀行預入金 120 120 0 - 0 0 -
差入現金担保 20,361 20,361 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
9,738 9,677 61 - 0 (1) -
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,880 7,714 172 - (1) (5) -
利付有価証券
88,921 87,118 1,617 394 (9) (25) (173)
貸付金および前渡金
合計 129,332 127,302 1,850 394 (10) (31) (173)
2019年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
現金および中央銀行残高
1,272 1,272 - - - - -
銀行預入金 66 66 - - 0 0 -
差入現金担保 14,643 14,643 - - - - -
OCIを通じて公正価値で
9,222 9,166 56 - 0 (1) -
1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7,764 7,665 105 - (1) (5) -
利付有価証券
88,249 86,712 1,440 288 (5) (31) (155)
貸付金および前渡金
合計 121,216 119,524 1,601 288 (6) (37) (155)
注1 FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれており、(正味)帳簿価額には含まれて
いない。
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2020年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 1,516 1 - 0 0 -
取消可能信用供与契約 6,176 67 1 0 0 -
5,630 64 - (2) (2) -
取消不能信用供与契約
合計 13,322 132 1 (2) (2) -
2019年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 1,612 1 - 0 0 -
取消可能信用供与契約 3,637 126 8 0 0 0
7,014 113 24 (1) (1) (3)
取消不能信用供与契約
合計 12,263 240 32 (1) (1) (3)
予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る予想信用損失引当金およびオフバラン
スシート契約に係る予想信用損失引当金の変動を示している。
2020年度
認識中止、
組成および 返済および
信用リスクの
取得による 処分による 変動による 償却による
期首残高 増加 減少 変動 (純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
1 0 0 0 - 1
測定される金融資産
償却原価で測定される
6 0 0 (1) - 5
利付有価証券
191 8 (6) 15 - 208
貸付金および前渡金
198 8 (6) 14 - 214
引当金(負債性)
5 2 (5) 2 - 4
オフバランスシート契約
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2019年度
認識中止、
組成および 返済および 信用リスクの
取得による 処分による 変動 による 償却による
期首残高 増加 減少 変動 (純額) 引当金の減少 期末残高
引当金(評価性)
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で
1 0 0 0 - 1
測定される金融資産
償却原価で測定される
7 0 (2) 1 - 6
利付有価証券
46 5 (3) 148 (5) 191
貸付金および前渡金
54 5 (5) 149 (5) 198
引当金(負債性)
2 1 (1) 3 - 5
オフバランスシート契約
その他の注記
その他の項目の詳細については、連結財務書類の注記を参照のこ
と。
ハーグ、2021年3月12日
執行取締役会
G.J. Salden、会長
C.A.M. van Atteveldt-Machielsen
O.J. Labe
監督取締役会
M. Sint、会長
J.C.M. van Rutte、副会長
H. Arendse
C.J. Beuving
J.B.S. Conijn
M.E.R. van Elst
J. Kriens
前へ
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(6) 【その他】
当事業年度末以降、本有価証券報告書の数値または開示に調整が必要な報告すべき重要な事象はない。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
〔1〕概 要
(1) 位置、面積、地形および人口
オランダは、オランダ王国に属する国で、公的な国家統計局である中央統計局( Centraal Bureau voor
de Statistiek) によると、面積は4万1,543平方キロメートルで、そのうち3万3,671平方キロメートルは
陸地である。陸地の66%は農業に利用されており、19%には建物が建ち(交通区域を含む。)、15%は森林
を形成している。2020年12月現在の推定人口は約1,740万人で、そのうち約59%は都市部に居住している。
最大の都市は、アムステルダム(首都)、ロッテルダム、ハーグ(政府所在地)およびユトレヒトである。
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(2) 政治および外交
国家機構
オランダは、地方分権化された連合国家で、12の州と355の地方自治体から成立っている。州は、フロー
ニンゲン、フリースラント、ドレンテ、オーフェルエイセル、ヘルデルラント、ユトレヒト、フレーフォラ
ント、ノールト・ホラント、ザイト・ホラント、ゼーラント、ノールト・ブラーバントおよびリンブルフで
ある。三段階の統治レベル(国家、州および地方自治体)間の役割分担は補完性の原理に基づいており、職
務は可能な限り下位レベルに分権されている。この点において最も重要なのは地方自治体であり、地域の問
題のほとんどを考慮し、また国家政府や議会の法律を執行する。オランダは立憲世襲君主制で、また議会制
民主主義をとっている。
行政府
国家元首:ウィレム=アレクサンダー国王(2013年4月30日即位)
政府の長:首相
選挙制度:君主制は世襲である。首相は、第二院の選挙に続き、通常多数党党首または多数派連合の指導者
が国王により任命される。
注:国王、王位継承者および顧問官により構成され、内閣に対し立法および施政方針について助言を行う枢密院も存在
する。
立法府
議会( Staten Generaal )は、第一院である上院および第二院である下院の両院から成立っている。上院
の構成員は75名で、4年毎に州議会( Provinciale Staten )により選出される。上院の選挙は、州議会議員
の選挙後3か月以内に行われる。下院の構成員は150名で、任期を4年(内閣が不信任決議を受けた場合は
それ未満)として選出される。下院の選挙は通常、州議会の選挙の日から2年後に行われる。
内閣と下院は法律を制定する権限を有する。下院は法律の改正権限も有する。上院は法律を承認または否
決する権限のみを有する。
1917年以降、普通選挙制度をとっており、議員および有権者は18歳以上のオランダ国民でなくてはならな
い。
下院の総選挙で最多議席を獲得した政党の党首は、通常、国家元首により、組閣を要請される。内閣の任
期は下院の任期に合わせて4年間である。
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下院の直近の総選挙は2021年3月15日から17日まで行われた。下院に議席を有する政党は以下のとおりで
ある。
自由民主国民党( Volkspartij voor Vrijheid en Democratie )(VVD)34議席
民主66( Democraten 66 )(D66)24議席
自由党( Partij Voor de Vrijheid )(PVV)17議席
キリスト教民主アピール( Christen-Democratisch Appèl )(CDA)15議席
社会党( Socialistische Partij )(SP)9議席
労働党( Partij van de Arbeid )(PvdA)9議席
緑の党( GroenLinks) (GL)8議席
民主主義フォーラム( Forum voor Democratie )(FvD)8議席
動物党( Partij voor de Dieren )(PvdD)6議席
キリスト教連合( ChristenUnie )(CU)5議席
その他15議席
VVDが第一党となったが、単独過半数には届かなかった。マーク・ルッテ首相(VVD)は、第四次内閣の発
足を目指して他党と連立協議を続けている。
外交関係
オランダは27の欧州連合(EU)加盟国の一つである。オランダ政府も調印しているマーストリヒト条約
(1991年)において、加盟国は経済通貨同盟(EMU)を形成することに合意している。EMUは1999年1月1日
に発足した。その日以降、参加諸国の為替相場は取消不能の形で固定され、金融政策は、単一の金融機関で
ある欧州中央銀行制度により実施される。2002年2月末をもって、各国通貨はすべて新しい欧州通貨「ユー
ロ」に切換えられた。オランダはまた、北大西洋条約機構(NATO)および国際連合(UN)の加盟国でもあ
る。
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〔2〕経 済
(1) 経済動向の概要
オランダ経済は、外国貿易に大きく依存した、繁栄した開放的な経済である。オランダはEUにおいて2番
目に大きな輸出国である。オランダ経済は安定的な労使関係、穏やかな失業率およびインフレ率、相当程度
の経常収支黒字ならびにヨーロッパにおける交通の 要衝 としての重要な役割を有することで知られる。主な
産業活動は食品加工、化学、石油精製および電気機器である。高度に機械化された農業部門の雇用は全労働
人口の3%以下であるが、同部門は食品加工産業および輸出に大きな黒字をもたらしている。オランダは
2002年1月1日に、他のEUパートナー11か国とともにユーロ通貨の流通を開始した。オランダは、ヨーロッ
パにおける外国直接投資の主要誘致先の一つであり、米国に対する四大投資国のうちの一つである。
2020 年に、オランダ経済は3.7%縮小した。景気後退の主因は、民間消費(6.4%減)および財貨・サービ
ス輸出(4.3%減)であった。政府部門の赤字はGDPの4.3%であった。2019年の財政黒字はGDPの1.8%であっ
た。総公的債務の対GDP比は、2019年の48.7%から2020年は54.4%に上昇した。欧州委員会の最新の予測によ
ると、財政の見通しはマイナスのままである。2021年に、財政赤字はGDPの5.9%に増加するであろう。総公
的債務の対GDP比は、2021年には58.6%に上昇すると予想される。
(2) 最近5年間の経済の動向
(a) 国内総生産(GDP)
(10億ユーロ)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
民間消費支出 294.6 300.9 307.4 311.5 291.9
政府消費支出 168.2 169.7 172.7 175.4 176.5
総固定資本形成 142.1 148.1 153.4 160.5 154.8
在庫品変動 2.9 3.3 3.7 2.6 3.2
財貨・サービス輸出 566.7 603.6 626.7 646.8 619.0
財貨・サービス輸入(-) 496.3 527.0 551.9 569.8 545.2
国内総生産 678.0 697.7 714.2 726.2 699.0
前年比変動率(%) +2.2 +2.9 +2.4 +1.7 -3.7
国内総生産(名目) 708.3 738.1 774.0 810.2 798.7
前年比変動率(%) +2.7 +4.2 +4.9 +4.7 -1.4
資料出所:マクロボンド(マクロ経済データ、時系列の金融・財務データおよび資産配分に関するシステムおよび
データを提供する企業)
注:数値は新しいESA(欧州国民経済計算体系)2010に従って修正されている。金額はすべて実質値(不変価格)
で、季節調整前である。ただし、季節調整前の名目値である国内総生産(名目)を除く。
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(b) 総付加価値(付加価値税を除く。)
(10億ユーロ、名目値)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
農業・漁業 12.5 13.7 12.8 13.3 12.7
鉱業・採石業 7.9 7.4 7.2 5.5 3.2
製造業 76.9 81.6 85.6 88.5 87.5
建設業 28.2 30.0 32.5 35.8 38.5
卸売業・小売業 86.8 90.7 95.2 99.7 102.6
運輸業・倉庫業 31.0 32.3 33.0 33.7 29.9
金融業・不動産業 91.4 94.4 97.2 99.1 101.4
その他営利サービス業 149.6 157.1 167.7 177.6 167.7
非営利サービス業 150.6 154.7 161.5 169.1 168.1
合 計 634.8 661.6 692.8 722.2 711.8
資料出所:マクロボンド
工業生産
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
指数(生産高、2015年=100) 101.4 102.5 103.2 102.4 98.6
前年比変動率 (%) +1.4 +1.1 +0.7 -0.8 -3.7
資料出所:マクロボンド
注:季節調整前の数値を使用。
(c) 主要物価指数
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
消費者物価指数(2015年=100) 100.3 101.7 103.4 106.2 107.5
前年比変動率(%) +0.3 +1.4 +1.7 +2.6 +1.3
生産者物価指数(2015年=100) 97.7 102.2 105.0 106.2 102.2
前年比変動率(%) -2.3 +4.6 +2.8 +1.1 -3.7
資料出所:マクロボンド
(d) 労働市場
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
労働力(百万人) 7.935 7.967 8.071 8.188 8.253
失業率(対労働力比率(%)) 7.3 5.9 4.8 4.3 4.8
資料出所:マクロボンド
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(e) 社会保障制度
支払給付
(10億ユーロ、名目値)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
医 療 64.6 66.3 69.6 未公表 未公表
公的年金 37.4 37.8 38.5 39.8 未公表
失業および生活保護 11.9 11.3 10.4 9.8 未公表
障 害* 4.5 4.3 4.1 3.9 未公表
その他給付 30.5 32.0 33.8 未公表 未公表
合 計 148.9 151.7 156.4 163.2 未公表
公的給付の対国内総生産(名目)
21.0 20.6 20.2 20.1 未公表
比率(%)
資料出所:中央統計局(CBS)
注:民間年金給付を除く。
* 疾病給付は今後公表されない。その他の一部データも未公表である。
社会保障給付対象者
(千人)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
公的年金 3,100 3,120 3,138 3,127 3,206
失業/生活保護 752 714 646 586 607
障 害 671 673 678 687 689
疾 病 361 375 406 422 455
合 計 4,884 4,882 4,868 4,845 4,957
資料出所:中央企画局(CPB)
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〔3〕貿易および国際収支
(1) 貿易および国際収支の概要
2020年に、財貨の輸出は6.3%減少した一方、財貨の輸入は7.7%減少した。財貨の輸出全体に占めるEU加
盟国の割合は、2019年の69.8%から2020年は63.3%に低下した。財貨の輸入全体のうち、2020年は49.1%が
これらの国からであった。2019年の輸入全体に占めるEUの割合は52.8%であった。
(2) 最近5年間の貿易の動向
(a) 輸出先地域別内訳
(10億ユーロ、名目値)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
ヨーロッパ 329.2 359.5 377.7 387.7 365.6
うち:EU 306.6 333.6 352.4 359.6 305.5
アフリカ 11.8 12.8 16.1 16.7 15.0
アメリカ 31.3 33.3 38.1 43.4 37.8
うち:米国 17.7 19.8 23.1 26.6 24.3
アジア 48.1 58.5 55.5 56.8 55.5
うち:日本 3.3 3.7 4.4 4.5 4.8
オセアニア 2.8 3.3 3.8 4.0 3.9
未 詳 0.0 0.0 6.6 6.6 5.2
合 計 423.2 467.4 497.9 515.3 483.0
資料出所:マクロボンド
輸入元地域別内訳
(10億ユーロ、名目値)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
ヨーロッパ 230.2 255.9 276.3 281.2 255.5
うち:EU 200.4 221.8 235.9 242.6 208.6
アフリカ 8.8 10.0 11.1 12.2 10.9
アメリカ 44.3 45.0 48.8 54.0 51.4
うち:米国 30.3 30.9 33.8 37.3 34.3
アジア 84.0 95.9 99.5 106.8 102.2
うち:日本 7.0 7.7 7.8 8.1 7.4
オセアニア 1.6 2.0 2.2 2.3 2.3
未 詳 0.3 0.1 3.3 3.5 2.2
合 計 368.9 408.9 441.3 459.9 424.6
資料出所:マクロボンド
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(b) 輸出品目別内訳(SITCコード)
(10億ユーロ、名目値)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
食料品 58.8 62.5 63.4 66.7 66.4
飲料・煙草 6.0 6.1 5.8 5.9 5.8
原材料 19.6 21.4 22.4 22.7 22.8
エネルギー製品 51.0 61.3 68.9 67.7 44.4
石 油 3.8 4.3 3.7 3.7 4.1
化学工業品 73.6 81.3 86.7 87.5 88.9
工業製品 38.1 41.5 42.4 41.9 39.3
機械・輸送車両 120.9 132.6 143.9 152.9 147.5
その他の製品 51.5 56.6 60.7 66.2 63.9
合 計 423.2 467.4 497.9 515.3 483.0
資料出所:マクロボンド
輸入品目別内訳(SITCコード)
(10億ユーロ、名目値)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
食料品 38.4 40.9 42.1 43.7 43.8
飲料・煙草 3.9 4.0 4.0 4.2 4.2
原材料 13.1 14.8 15.8 16.1 16.2
エネルギー製品 54.7 66.8 79.6 75.4 48.3
石 油 4.2 5.1 4.6 4.6 5.7
化学工業品 48.3 52.3 54.5 58.6 59.4
工業製品 37.2 40.5 43.7 43.7 41.9
機械・輸送車両 117.2 128.5 138.1 150.0 143.8
その他の製品 52.1 56.0 59.0 63.6 61.4
合 計 368.9 408.9 441.3 459.9 424.6
資料出所:マクロボンド
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(c) 国際収支
(現金主義、10億ユーロ)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
貿易収支 65.7 71.9 71.6 68.2 69.6
サービスの収支 6.6 7.4 10.0 16.3 15.2
その他の項目の収支 -15.2 0.5 2.3 -3.9 -22.5
経常収支 57.1 79.9 83.9 80.6 62.3
金融収支* 55.8 76.3 87.0 83.1 62.8
公式外貨準備高の変動 -3.1 -1.7 0.5 0.8 -0.1
(「-」は増加を示す。)
* 資本移転を含む。
資料出所:マクロボンド
(d) 公式外貨準備高
(現金主義、年度末、10億ユーロ)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
外貨・外国証券 5.7 4.0 4.2 4.0 4.7
国際通貨基金(IMF)外貨準備持高 1.5 1.3 1.7 2.0 2.4
特別引出権(SDR) 5.7 5.3 5.7 6.1 5.8
金 21.7 21.3 22.0 26.7 30.1
金融デリバティブ -0.1 0.2 -0.1 -0.1 0.1
合 計 34.4 32.1 33.6 38.7 43.8
資料出所:マクロボンド
外国為替相場
(1ユーロ当たりの外国通貨、平均相場)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
米ドル 1.11 1.13 1.18 1.12 1.14
英ポンド 0.819 0.876 0.885 0.876 0.889
日本円 120.3 126.7 130.4 122.1 121.8
資料出所:マクロボンド
(3) 外国為替管理制度の概要
オランダの金融市場は完全に自由化されている。現在効力を有する外国為替相場規制は存在しない。
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〔4〕財 政
公共部門は3大部門、すなわち国家、社会保障基金およびその他の公共体(地方自治体、州およびその他)
から構成される。
国家はその活動資金を主に租税および社会保障拠出金により調達している。国家予算の大半は、他の公共体
に向けられている。他の公共体の予算の一部は地方税により調達されている。他の公共体は資本市場において
借入れも行っているが、これはもっぱら投資支出の資金調達である。これら公共体の経常収支は、均衡が保た
れていなければならない。社会保障基金はほとんどすべてが社会保障拠出金により賄われている。
(a) 国家歳入源泉別内訳
(10億ユーロ)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
所得税 94.8 101.2 103.2 106.1 108.8
従業員保険料 58.9 61.3 65.3 69.8 71.0
法人税 20.8 21.2 23.0 25.4 21.7
生産税・輸入税 84.7 87.3 93.9 100.9 100.2
その他の租税 12.8 13.5 14.9 16.5 15.7
合 計 272.0 285.5 300.3 318.8 317.4
資料出所:中央企画局
(b) 国家歳出摘用別内訳
(10億ユーロ)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
行政・治安 75.1 77.5 81.3 84.3 91.0
国 防 7.1 7.4 7.7 9.7 10.4
インフラストラクチャー 9.9 9.6 9.3 9.7 10.4
教 育 36.8 37.6 38.7 40.5 40.7
保 健 67.3 68.6 72.8 77.0 81.5
社会保障 85.7 86.4 87.5 90.7 96.6
企業への移転 10.6 10.3 11.6 11.3 38.3
国際協力 11.3 11.8 13.9 14.6 15.2
利息・その他 7.8 7.4 8.5 5.7 4.0
歳出総額合計 311.7 316.7 331.3 343.5 388.2
税外歳入 39.7 40.6 41.8 38.9 36.7
歳出純額 272.0 276.1 289.5 304.7 351.4
資料出所:中央企画局
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(c) 国家長期負債
2021年4月30日現在、国家の長期負債総額は3,262億9,000万ユーロで、そのうち3,261億500万ユーロが
ユーロ建てであった。ユーロ建てのオランダ国債の平均残存期間は8.5年で、平均金利は1.6%であった。
ユーロ建ての国家長期負債
(百万ユーロ)
平均期間 合 計 オランダ国債 民間融資
0年以上1年未満 31,908 31,874 33
1年以上3年未満 62,369 62,308 61
3年以上5年未満 33,240 33,240 0
5年以上7年未満 63,138 63,136 2
7年以上10年未満 40,881 40,881 0
10年以上15年未満 21,514 21,498 16
15年以上 73,056 73,056 0
合 計 326,105 325,992 113
資料出所:財務省
(d) 2021 年4月末における主要数値
残高額(ユーロ)
現 金 1,147,411,706
オランダ国債残高 325,992,308,940
オランダ財務省証券残高 35,320,000,000
ユーロ・コマーシャル・ペーパー残高 0
民間融資残高* 297,346,310
合計残高 362,757,066,965
* 外貨による民間融資のユーロ換算額を含む。
資料出所:財務省
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