第一三共株式会社 有価証券報告書 第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年6月21日
【事業年度】 第16期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
【会社名】 第一三共株式会社
【英訳名】 DAIICHI SANKYO COMPANY, LIMITED
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 眞鍋 淳
【本店の所在の場所】 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号
【電話番号】 03-6225-1111(代表)
【事務連絡者氏名】 財務経理部長 高村 健太郎
【最寄りの連絡場所】 東京都中央区日本橋本町三丁目5番1号
【電話番号】 03-6225-1111(代表)
【事務連絡者氏名】 財務経理部長 高村 健太郎
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第12期 第13期 第14期 第15期 第16期
決算年月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月
(百万円) 955,124 960,195 929,717 981,793 962,516
売上収益
(百万円) 87,788 81,021 85,831 141,164 74,124
税引前利益
(百万円) 53,466 60,282 93,409 129,074 75,958
親会社の所有者に帰属する当期利益
(百万円) 38,309 62,361 163,881 101,710 115,110
親会社の所有者に帰属する当期包括利益
(百万円) 1,175,897 1,132,982 1,249,642 1,305,809 1,272,053
親会社の所有者に帰属する持分
(百万円) 1,914,979 1,897,754 2,088,051 2,105,619 2,085,178
総資産額
(円) 591.00 583.11 642.93 671.64 663.85
1株当たり親会社所有者帰属持分
(円) 26.54 30.44 48.07 66.40 39.17
基本的1株当たり当期利益
(円) 26.48 30.37 47.96 66.27 39.11
希薄化後1株当たり当期利益
(%) 61.4 59.7 59.8 62.0 61.0
親会社所有者帰属持分比率
(%) 4.4 5.2 7.8 10.1 5.9
親会社所有者帰属持分当期利益率
(倍) 31.5 38.6 35.4 37.3 82.3
株価収益率
(百万円) 136,234 108,439 92,033 196,601 192,207
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円) △ 96,792 108,568 △ 142,520 81,673 △ 39,246
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円) △ 15,022 △ 101,766 △ 66,203 △ 91,637 △ 202,433
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円) 246,050 357,702 243,155 424,184 380,547
現金及び現金同等物の期末残高
(人) 14,670 14,446 14,887 15,348 16,033
従業員数
(注)1.当社グループは、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.消費税等の会計処理は主として税抜方式によっております。
3.当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。「 1株当たり親会
社所有者帰属持分 」、「基本的1株当たり当期利益」及び「希薄化後1株当たり当期利益」につきまして
は、第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第12期 第13期 第14期 第15期 第16期
決算年月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月
(百万円) 629,151 630,954 625,046 664,909 701,000
売上高
(百万円) 40,976 90,136 50,724 49,738 84,543
経常利益
(百万円) 10,479 83,729 134,069 111,374 81,002
当期純利益
(百万円) 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000
資本金
(千株) 709,011 709,011 709,011 709,011 2,127,034
発行済株式総数
(百万円) 888,519 880,001 957,680 1,005,497 947,766
純資産額
(百万円) 1,463,461 1,464,338 1,619,500 1,657,134 1,589,239
総資産額
(円) 445.52 451.88 491.79 516.35 494.07
1株当たり純資産額
70.00 70.00 70.00 70.00 27.00
1株当たり配当額
(円)
(うち1株当たり中間配当額) ( 35.00 ) ( 35.00 ) ( 35.00 ) ( 35.00 ) ( 13.50 )
(円) 5.20 42.28 68.99 57.30 41.77
1株当たり当期純利益金額
(円) 5.19 42.18 68.84 57.18 41.71
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額
(%) 60.6 60.0 59.0 60.6 59.6
自己資本比率
(%) 1.1 9.5 14.6 11.4 8.3
自己資本利益率
(倍) 160.6 27.8 24.6 43.2 77.2
株価収益率
(%) 448.5 55.2 33.8 40.7 64.6
配当性向
(人) 5,310 5,357 5,515 5,600 5,703
従業員数
(%) 103.0 146.5 212.2 308.3 401.1
株主総利回り
(比較指標:配当込みTOPIX) (%) ( 114.7 ) ( 132.9 ) ( 126.2 ) ( 114.2 ) ( 162.3 )
3,948
(円) 2,750 4,241 5,100 8,219
最高株価
(10,195)
2,622
(円) 2,191.5 2,284.5 3,277 4,941
最低株価
(6,634)
(注)1.売上高には、消費税等を含めておりません。
2.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第14期より
適用しており、第13期における主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等
となっております。
3.当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。「1株当たり純資
産額」、「 1株当たり当期純利益金額 」及び「 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額 」につきまして
は、第12期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
4.「1株当たり配当額」につきましては、第16期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して中間配当額
を13.5円、期末配当額を13.5円とし、年間配当額27円として記載しております。
5.「株主総利回り」の記載に当たっては、株式分割を考慮した株価及び 1株当たり配当額 を使用して算定して
おります。
6.「最高株価」及び「最低株価」は、東京証券取引所市場第一部におけるものであります。なお、第16期の株
価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、括弧内に株式分割前の最高株価及び最低
株価を記載しております。
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2【沿革】
2005年2月 三共株式会社及び第一製薬株式会社(以下「両社」という。)が、株式移転により完全親会社であ
る共同持株会社を設立し、両社がその完全子会社となる経営統合に基本合意
2005年5月 両社の取締役会で当社設立を決議し、経営統合契約を締結
2005年6月 両社の定時株主総会において当社設立を承認
2005年9月 当社設立
東京証券取引所第一部に株式を上場
2005年12月 第一三共ヘルスケア株式会社を設立
2006年3月 米国において三共ファルマInc.(存続会社)と第一ファーマ・ホールディングスInc.、第一ファー
マシューティカルCorp.及び第一メディカル・リサーチInc.が合併、第一三共Inc.に商号変更
2006年4月 ゼファーマ株式会社の全株式をアステラス製薬株式会社より取得
2006年7月 欧州において三共ファルマGmbH(含グループ各社)の商号を、第一三共ヨーロッパGmbH(グルー
プ)に変更
2007年4月 当社が三共株式会社及び第一製薬株式会社を吸収合併
2007年4月 第一三共ヘルスケア株式会社がゼファーマ株式会社を吸収合併
2008年11月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.の株式取得により同社グループを子会社化
2010年4月 第一三共エスファ株式会社を設立
2011年4月 北里第一三共ワクチン株式会社を設立
2011年4月 プレキシコンInc.の株式取得により同社を子会社化
2011年11月 第一三共(中国)投資有限公司を設立
2012年4月 ジャパンワクチン株式会社を設立
2014年11月 アンビット・バイオサイエンシズCorp.の株式取得により同社を子会社化
2015年3月 ランバクシー・ラボラトリーズLtd.がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に吸
収合併されたことにより、同社グループを連結の範囲から除外
2017年11月 北里第一三共ワクチン株式会社の全株式取得により同社を完全子会社化
2018年8月 第一三共バイオテック株式会社を設立
2019年1月 ルイトポルド・ファーマシューティカルズInc.の会社名をアメリカン・リージェントInc.に変更
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3【事業の内容】
当社グループは、当社と子会社47社、関連会社2社の計50社で構成され、医薬品等の製造販売を主な事業内容とし
ております。
当社グループの営んでいる主な事業内容と当社グループを構成している各関係会社の当該事業に係る位置付けは、
次のとおりであります。
なお、当社グループは、報告セグメントが単一であるため、セグメント情報の記載を省略しております。
国内(14社):
当社は医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。連結子会社の第一三共プロファーマ㈱及び第一三共
ケミカルファーマ㈱は医薬品の製造を行っております。連結子会社の第一三共エスファ㈱は医薬品の研究開発・
販売を、第一三共ヘルスケア㈱は一般用医薬品等の研究開発・販売を、第一三共バイオテック㈱はワクチンの研
究開発・製造をそれぞれ行っております。
第一三共プロファーマ㈱、第一三共ケミカルファーマ㈱、第一三共エスファ㈱、第一三共バイオテック㈱は当
社に製品を供給しております。当社は連結子会社の第一三共バイオテック㈱及び第一三共RDノバーレ㈱に研究
開発業務を委託しております。
連結子会社の第一三共ビジネスアソシエ㈱は当社及び国内グループ各社に人事や経理等の事務サービスを提供
しているほか不動産賃貸及び保険代理業務等多岐にわたる業務を行っております。
海外(36社):
米国において、持株会社である連結子会社の第一三共U.S.ホールディングスInc.のもと、連結子会社の第一
三共Inc.は医薬品の研究開発・販売を、プレキシコンInc.は研究開発をそれぞれ行っております。当社は第一三
共Inc.に製品の供給、研究開発業務の委託をしております。第一三共Inc.の子会社であるアメリカン・リージェ
ントInc.は医薬品の研究開発・製造・販売を行っております。
欧州において、連結子会社の第一三共ヨーロッパGmbH及びそのグループ会社17社は、欧州各国で医薬品の製
造・販売を行っております。当社は第一三共ヨーロッパGmbHに原料の供給、製造の委託、研究開発業務の委託を
しております。
その他の地域において、連結子会社の第一三共(中国)投資有限公司、第一三共製薬(北京)有限公司、第一
三共製薬(上海)有限公司及び第一三共ブラジルLtda.等は医薬品の研究開発・製造・販売を行っており、当社
はそれぞれの会社に中間体及び製品を供給しております。
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当社グループの状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。
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4【関係会社の状況】
資本金又 主要な事
議決権の
名称 住所 関係内容
所有割合
は出資金 業の内容
(連結子会社)
百万円 %
役員の兼任等
第一三共エスファ㈱ 東京都中央区 450 医薬品 100.0 当社が製品を購入
当社が事務室等を賃貸
役員の兼任等
第一三共ヘルスケア㈱ 東京都中央区 100 医薬品 100.0 当社が製品を供給
当社が事務室等を賃貸
役員の兼任等
当社が製品を購入
第一三共プロファーマ㈱ 東京都中央区 100 医薬品 100.0
当社が事務室及び工場土地を賃貸
当社が設備資金を貸与
役員の兼任等
第一三共ケミカルファー
当社が製品を購入
東京都中央区 50 医薬品 100.0
マ㈱
当社が事務室及び工場土地を賃貸
当社が設備資金を貸与
役員の兼任等
当社が製品を購入
第一三共バイオテック㈱ 埼玉県北本市 50 医薬品 100.0
当社が研究開発業務を委託
当社が事務室を賃貸
役員の兼任等
第一三共RDノバーレ㈱ 東京都江戸川区 50 医薬品 100.0 当社が研究開発業務を委託
当社が事務室を賃貸
役員の兼任等
第一三共ビジネスアソシ 当社が事務業務を委託
東京都中央区 50 その他 100.0
エ㈱ 当社が事務室及び賃貸用不動産を賃貸
当社が事務室を賃借
第一三共U.S.ホール アメリカ USD
医薬品 100.0 役員の兼任等
ディングスInc. ニュージャージー 3.0
役員の兼任等
アメリカ 千USD 100.0
第一三共Inc. 医薬品 当社が製品を供給
ニュージャージー 170 (100.0)
当社が販促及び研究開発業務を委託
アメリカ USD 100.0 役員の兼任等
プレキシコンInc. 医薬品
カリフォルニア 1.0 (100.0) 当社が研究開発業務を委託
アメリカン・リージェン アメリカ 千USD 100.0
医薬品
トInc. ニューヨーク 200 (100.0)
アンビット・バイオサイ アメリカ USD
医薬品 100.0 役員の兼任等
エンシズCorp. カリフォルニア 1.0
役員の兼任等
ドイツ 百万EUR 当社が製品を供給
第一三共ヨーロッパGmbH 医薬品 100.0
ミュンヘン 16 当社が製造を委託
当社が販促及び研究開発業務を委託
フランス
千EUR 100.0
第一三共フランスS.A.S. リュ・エル・マルメ 医薬品
12,482 (100.0)
ゾン
ドイツ 千EUR 100.0
第一三共ドイツGmbH 医薬品
ミュンヘン 51 (100.0)
イタリア 千EUR 100.0
第一三共イタリアS.p.A. 医薬品
ローマ 120 (100.0)
スペイン 千EUR 100.0
第一三共スペインS.A. 医薬品
マドリッド 120 (100.0)
イギリス 百万GBP 100.0
第一三共UK Ltd.
医薬品
バッキンガムシャー 5 (100.0)
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資本金又 主要な事
議決権の
名称 住所 関係内容
所有割合
は出資金 業の内容
%
役員の兼任等
第一三共(中国)投資有 中国 千USD
医薬品 100.0 当社が製品を供給
限公司 上海 146,800
当社が研究開発業務を委託
第一三共製薬(北京)有 中国 千USD 100.0 役員の兼任等
医薬品
限公司 北京 83,800 (100.0) 当社が製品を供給
第一三共製薬(上海)有 中国 千USD 100.0 役員の兼任等
医薬品
限公司 上海 53,000 (100.0) 当社が製品を供給
台湾第一三共股份有限公 台湾 百万TWD 役員の兼任等
医薬品 100.0
司 台北 345 当社が製品を供給
大韓民国 百万KRW 役員の兼任等
韓国第一三共㈱ 医薬品 100.0
ソウル 3,000 当社が製品を供給
ブラジル 百万BRL 役員の兼任等
第一三共ブラジルLtda. 医薬品 100.0
サンパウロ 39 当社が製品を供給
その他23社
(持分法適用関連会社)
百万円 %
㈱日立医薬情報ソリュー 役員の兼任等
東京都千代田区 250 その他 27.2
当社が事務業務を委託
ションズ
その他1社
(注)1.主要な事業の内容欄は、次の事業区分によっております。
医薬品 … 医療用医薬品、一般用医薬品
その他 … 不動産賃貸他
2.上記関係会社のうち、第一三共エスファ㈱、第一三共ケミカルファーマ㈱、第一三共ヨーロッパGmbH、第一
三共(中国)投資有限公司、第一三共製薬(北京)有限公司及び第一三共製薬(上海)有限公司は、特定子
会社に該当しております。
3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有を内数で示しております。
4.アメリカン・リージェントInc.および 第一三共ヨーロッパGmbH については、売上収益(連結会社相互間の内
部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
アメリカン・リージェントInc.
(1) 売上収益 121,716百万円
(2) 税引前利益 45,621百万円
(3) 当期利益 35,346百万円
(4) 資本合計 195,445百万円
(5) 資産合計 244,676百万円
第一三共ヨーロッパGmbH
(1) 売上収益 150,991百万円
(2) 税引前利益 8,013百万円
(3) 当期利益 5,724百万円
(4) 資本合計 71,366百万円
(5) 資産合計 143,941百万円
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5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2021年3月31日現在
従業員数(名)
セグメントの名称
16,033
医薬事業
16,033
合計
(注)従業員数は就業人員数であり、当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへ
の出向者を含めております。
(2) 提出会社の状況
2021年3月31日現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(円)
5,703 44.4 19.6 11,168,555
従業員数(名)
セグメントの名称
5,703
医薬事業
5,703
合計
(注)1.従業員数は就業人員数であり、当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含めておりま
す。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含めております。
(3) 労働組合の状況
当社グループには第一三共労働組合等が組織されており、2021年3月31日現在の労働組合の組合員数合計は
7,265名であります。
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループにおける経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判
断したものであります。
(1) 第一三共の価値創造プロセスとESG経営
当社グループでは、ESG経営を「ESGの要素を経営戦略に反映させることで、財務的価値と非財務的価値の双方を
高める、長期目線に立った経営」と定義し、実践しております。
社会からの多様な要請に応えるため、社内外の様々な経営資源を価値創造プロセスに投入し、サイエンス&テク
ノロジーを競争優位の最大の源泉として、各ステークホルダーや社会への価値を提供しております。この価値創造
プロセスを循環させることで、企業と社会の持続的成長を両立させることができると考えております。
中長期的な企業価値へ影響を及ぼす重要度と、様々なステークホルダーを含む社会からの期待の両面から、8つ
の重要課題をマテリアリティとして特定し、事業に関わるマテリアリティと事業基盤に関わるマテリアリティに整
理しております。
(2) 2030年ビジョン
ESG経営のもと、新たに「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケアカンパニー」とな
ることを2030年ビジョンとして掲げました。
パーパス(存在意義)である「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」の実現に向けて、当社グループに
期待される社会課題の解決(革新的医薬品の創出、SDGsへの取り組みなど)を目指し、われわれの強みであるサイ
エンス&テクノロジーに基づき、イノベーティブなソリューション提供に挑戦し続けます。
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(3) 第5期中期経営計画(2021年度-2025年度)
ESG経営を実践しつつ、2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を実現し、2030年ビ
ジョン達成に向けた成長ステージに移行することを目指した計画として、第5期中期経営計画を策定し、4つの戦
略の柱を設定いたしました。
① 4つの戦略の柱
(ⅰ) 3ADC最大化の実現
第5期中期経営計画においては、エンハーツ、Dato-DXd、HER3-DXdの3ADC(注1)の最大化の実現が最重
要課題となります。
エンハーツについては、アストラゼネカとの戦略的提携を通じた市場浸透と新適応の取得を加速して参り
ます。また、HER2を標的とする競合品に対する優位性を確立するとともに、乳がん治療におけるHER2低発現
コンセプトの定着を目指しております。
Dato-DXdについては、アストラゼネカとの戦略的提携を通じて、より早いタイミングでの承認取得とその
後の適応追加を目指しております。また、効果的な上市計画を策定・実行するとともに、TROP2を標的とする
競合品に対する優位性を確立して参ります。
HER3-DXdについては、自社開発による最速での上市を目指しております。また、効果的な上市計画を策
定・実行した上で、がん治療ターゲットとしてのHER3を確立して参ります。
以上の取り組みに加え、間質性肺疾患(ILD)のモニタリングとリスク分析を通じた適正使用を促進すると
ともに、製品ポテンシャルに合わせて効率的かつ段階的に要員と供給キャパシティを拡大して参ります。
(注)1.ADC:
Antibody Drug Conjugateの略、抗体薬物複合体。抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリン
カーを介して結合させた医薬品で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体医薬を介し
て薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつ、がん細胞への攻撃力を高め
た薬剤。
(ⅱ) 既存事業・製品の利益成長
持続的な成長に向けた投資を継続していくために、がん事業のみならず、既存事業・製品における利益成
長も重要な課題であります。
リクシアナについては、収益性の高い、安定した利益を生み出す製品として、早期に売上収益2,000億円を
達成し、ピーク時に売上収益2,200億円以上を目指しております。
タリージェ、Nilemdo等の新製品については、適応追加等を通じた、早期拡大を目指しております。リクシ
アナに加え、これら新製品の早期拡大により、がん以外の新薬事業においても持続的な成長を目指しており
ます。
各地域においては、新薬を軸とした収益構造へのトランスフォーメーションを強化することで、持続的な
利益成長を支える事業構造へと転換を図って参ります。
アメリカン・リージェントについては、インジェクタファー、ジェネリック注射剤を中心とした利益成長
を目指しております。第一三共ヘルスケアについては、国内店舗販売や通販事業を中心とした利益成長を目
指しております。
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(ⅲ) 更なる成長の柱の見極めと構築
持続的成長を図るため、3ADCに次ぐ成長ドライバーを見極めるとともに、マルチモダリティ研究戦略によ
りポストDXd-ADCモダリティを選定することも重要な課題であります。
3ADCに次ぐ成長ドライバーについて、DXd-ADCファミリー、第二世代・新コンセプトADC、改変型抗体、ENA
ファミリー(注2)等の領域から見極めて参ります。
Ⓡ
様々なモダリティ技術の中から、持続的成長のためのポストDXd-ADCモダリティを選定して参ります。LNP-
mRNAについては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以外でのワクチンにも活用して、ワクチン事業の
成長につなげて参ります。
(注)2 .ENA ファミリー:
Ⓡ
2'-O,4'-C-Ethylene-bridged Nucleic Acidsの略。第一三共の独自技術を用いた修飾核酸。
(ⅳ) ステークホルダーとの価値共創
長期視点でESG経営を進めていく上で、患者さん、株主、社会・環境、従業員といったステークホルダーと
の価値共創も重要な課題であります。
3ADCによる様々ながん種への展開や、希少疾患の比重が高まる中、医薬品開発のみならずバリューチェー
ン全体で、患者さんを中心としたマインド(Patient Centric Mindset)による取り組みを強化し、患者さん
への貢献を果たして参ります。
持続的な企業価値の向上を図るため、バランスのとれた成長投資と株主還元を実現して参ります。
脱炭素社会、サーキュラーエコノミー、自然共生社会といった、社会・環境課題に対し、研究開発から営
業に至るバリューチェーン全体で、環境負荷の低減に向けた様々な取り組みにチャレンジし、社会・環境へ
貢献して参ります。
平時における自社生産拠点からの季節性インフルエンザワクチン等の安定供給に加え、COVID-19及び将来
の新興・再興感染症ワクチンにも応用可能な技術の確立、将来のパンデミック時のワクチン供給体制の整備
を通じて、社会へ貢献して参ります。
グループ共通の核となる行動様式(Core Behavior)を定め、グループ全体で実践していくことで、独自の
企業文化「One DS Culture」の醸成を図り、グローバル組織と人材における強みを更に強化して参ります。
② 戦略の実行を支える基盤
4つの戦略の柱の実行を支える基盤を強化するため、DX推進によるデータ駆動型経営を実現するとともに、先
進デジタル技術による変革を進めて参ります。加えて、新たなグローバルマネジメント体制により迅速な意思決
定を実現して参ります。
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③ 株主還元方針
普通配当1株当たり27円の維持に加え、利益成長に応じて増配、あるいは機動的に自己株式取得を実施するこ
とで、株主還元のさらなる充実を図って参ります。
KPIとして、株主資本を基準とする株主資本配当率(DOE)を採用し、安定的な株主還元を行う方針とし、2025
年度のDOEは株主資本コストを上回る8%以上を目標に掲げ、株主価値の最大化を目指しております。
④ 計数目標
2025年度の計数目標として、売上収益1兆6,000億円(うち、がん領域において6,000億円以上)、研究開発費
控除前営業利益率(注3)40%以上、ROE16%以上、DOE8%以上を目指しております。
(注)3.研究開発費控除前営業利益率:固定資産売却、事業再編、減損、訴訟等に関連する特殊要因を除く。
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2【事業等のリスク】
第一三共グループでは、組織の目的・目標の達成を阻害する可能性を有し、かつ事前に想定し得る要因をリスクと
して特定し、企業活動に潜在するリスクへの適切な対応(保有、低減、回避、移転)を行うとともに、リスクが顕在
化した際の人・社会・企業への影響を最小限に留めるべく、リスクマネジメントを推進しております。具体的には、
企業活動に潜在するリスクへの適切な対応を定めるリスクマネジメント体制を構築するとともに、事業に影響を与え
かねない災害等が万が一起こった場合においても事業の継続を可能とするための事業継続計画(BCP)や、想定以上
のリスクが顕在化した際の損失を最小とするクライシスマネジメント体制を整えております。新型コロナウイルス感
染症(COVID-19)の感染拡大については、事業へ及ぼす影響について評価し、感染拡大防止、事業継続の2つの観点
から必要な対策を実施いたしました。現在は感染状況のモニタリングを継続しながら、感染再拡大の可能性を想定し
た追加施策を検討しております。
(1) リスクマネジメント
当社グループのリスクマネジメントの推進にあたっては、最高財務責任者(CFO)がリスクマネジメント推進責
任者として当社グループ全体のリスクマネジメントを統括し、事業計画策定・実行の年次サイクルに合わせたリス
クマネジメント体制を運営しております。
各ユニットにおいてはユニットの責任者が、組織の目的・目標の達成に向け、リスクの抽出、対応策の策定・実
行、組織内でのリスクマネジメントに関わる情報提供・教育・啓発等自律的にリスクマネジメントを推進しており
ます。
リスクマネジメント事務局では、各ユニットから抽出されたリスクについて、影響度と発生可能性の観点からリ
スクアセスメントを実施し、企業経営に重大な影響が想定されると評価したリスク項目を、毎年、経営会議および
取締役会において重大リスクとして特定いたします(下図「当社グループにおけるリスクレベル分類の概念図」参
照)。さらに特定した重大リスクごとに担当責任者が任命され、関係組織と連携の上、リスク対応策を実行してお
ります。その進捗状況は、年2回のリスクモニタリングを通じて確認され、必要に応じた是正・改善がなされま
す。重大リスク顕在化の予兆が確認された際は、速やかにリスクマネジメント推進責任者に情報が集約され、CEO
に報告される体制としております。
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(2) 事業継続計画(BCP)
当社グループは、事業継続へ影響を及ぼす4つの脅威(自然災害、設備事故、新型インフルエンザ・感染症、シ
ステム稼働停止)を対象に事業継続計画(BCP)を定め、有事の際の速やかな業務復旧、ならびに医療体制維持の
ための医薬品安定供給と品質確保を可能とする体制を整備しております。
① サプライチェーンにおけるBCP施策
当社グループでは、東日本大震災での経験を踏まえ、2012年にBCPを刷新し、以降も行政の防災計画改定や社会
的要請に基づき、優先して供給する品目や各製造拠点の防災計画を見直す等、脅威が顕在化した際に、より適切
に対応できるよう継続的な改善を図っております。
医薬品の安定供給のため、国内の各生産拠点においては、想定される最大地震の被害に基づく復旧期間の試算
により、機能および地域特性に合わせたBCPをそれぞれ作成しております。BCP施策としては、下表に記載の通
り、設備や物流・在庫、要員、情報といった必要な経営資源に対し、予防策の実施、多様性の確保、支援策の確
保、代替策の確保の4つの視点からそれぞれ対策を行っております。例えば、設備の対策では、建物・設備面の
補強を行うとともに、複数拠点の操業、予備電力の確保等を行っております。また、物流・在庫の対策では、優
先して供給する品目の予備在庫の確保や分散保管等、事前のリスク軽減策を組み合わせた検討・対応を行ってお
ります。
さらに、優先して供給する品目については、多くの患者さんに使用されている薬剤、緊急性のある薬剤、代替
品のない薬剤の観点から設定するとともに定期的に見直しを行い、脅威が顕在化した際、必要となる医薬品を継
続的かつ適切に供給できる体制を確保しております。
② 新型インフルエンザ行動計画
当社グループでは、新型インフルエンザウイルスの世界的な大流行(パンデミック)に備え、従業員およびそ
の家族の安全を確保し、医薬品の供給を継続することを目的とした「新型インフルエンザ行動計画」を2009年よ
り策定しております。また、当社は、新型インフルエンザ等対策特別措置法において指定公共機関に指定されて
おり、国や地方の行政機関が行う対策に協力する責務があります。医薬品の供給継続により、医療体制の維持に
貢献することで、社会的責任を果たして参ります。
この新型インフルエンザ行動計画では、発生・流行時にも継続が必要な業務を定めるとともに、各業務におけ
る発生段階に応じた行動計画を策定しております。今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生におい
ては、本計画に準じた弾力的な対応を図っており、そこから得られる知見をもとに、さらに実効性を高めた行動
計画へと見直しを行って参ります。
(3) クライシスマネジメント
当社グループのグローバルクライシスマネジメントポリシーでは、企業活動に潜在するリスクのうち、顕在化し
緊 急な対応が必要な事象、発生可能性が極めて高くなった事象を総称して「クライシス」と定義しており、その発
生による損失の最小化を図ることを目的に、クライシスマネジメントに関わる基本的事項を定めております。基本
方針として、「クライシス発生時は、第一三共グループの社員および関係者の生命や地域社会の安全を確保する、
生命関連企業の一員としての責任を全うすることを基本に、迅速かつ確実にクライシスマネジメントを展開し、
人・社会・企業への影響を最小限に止め、事業の継続や早期復旧を図るべく努力する」ことを定めております。
当社グループでは、クライシスの種類(災害・事故、事件<テロを含む>・不祥事・法令違反、情報管理に関す
る問題、製品に関する問題)やクライシスの影響度合いに応じて、機動的な対応を可能とする体制を構築しており
ます(下図「クライシス発生時の初期対応」参照)。報告基準や報告ルートを明確に定め、クライシスマネジメン
ト責任者(CEOまたはCEOが指名した者)、クライシス初期対応責任者(総務・調達部長)を設置し、グローバルに
影響が大きく、全社対応の必要性があるクライシスについては、リスクマネジメント推進責任者(CFO)とも当該
情報を共有し、迅速かつ的確な初期対応により、事態の拡大防止と早期収束に努めて参ります。また、クライシス
収束後は、事後分析により、再発の防止や対応の改善を図って参ります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しても、CEOをトップとした「COVID-19緊急対策本部」を早期に立
ち上げ、さまざまな部所と連携し、社員の安全はもとより医薬品の安定供給に支障のない対応を図っております。
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(4) 重大リスクとして認識している事項
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす
可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が
判断したものであり、既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果とは乖離する可
能性があります。
① 研究開発・他社とのアライアンス等に関するリスク
・リスク
新薬候補品の研究開発には、多額の費用と長い年月が必要ですが、その間に期待された有用性が確認できず研究開発
を中止する可能性があります。また、臨床試験で良好な結果が得られても承認審査基準の変更等により承認が得られな
くなる可能性があります。さらに、第三者との研究開発に係る提携に関して契約の条件変更・終了等が起こった場合、
経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、重点領域であるがん領域において、特にエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン T-DXd/DS-
8201)とダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)をフラグシップアセットと位置付け、開発の拡大・加速
化に取り組んでおり、それぞれ2019年3月、2020年7月にアストラゼネカ社と戦略的提携を開始いたしました。当該品
目について、研究開発・承認申請・上市の遅延、期待した有効性・安全性が得られない、あるいは販売計画からの進捗
遅延等が生じた場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社ではアストラゼネカ社との戦略的提携を統合的にガバナンスする仕組みとして両社共同でJoint Executive
Committeeを設置しており、その傘下で専門領域を担当する複数のSub Committeeと連携して、ビジョンと戦略の策定、
提携事業の損益管理、開発面及び営業面での投資判断、業績と主要マイルストーン管理、グローバルな上市準備等を推
進しております。また、当局との継続的なコミュニケーションを通じた薬事リスクの管理・低減にも努めております。
② 医薬品の副作用や品質問題に関するリスク
・リスク
医薬品は医薬品医療機器等法を含む国内外の法規制等の下で製造されておりますが、品質問題や、予期せぬ副作用発
現の問題が発生した場合は、当社グループの医薬品の売上が減少するとともに、製品回収や販売中止、健康被害に関す
る賠償責任等に係る多額の費用が発生する等、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社グループでは、国内外の安全管理情報(副作用情報等)を収集し、客観的に評価・検討・分析した結果を医療現
場へ情報提供することで医薬品の適正使用を推進しております。さらに、全従業員を対象とした安全管理情報について
の研修を毎年実施し、安全管理を徹底することで、患者さんの安全性リスクの最小化に努めております。
③ 海外における事業展開に関するリスク
・リスク
当社グループは、医薬品の開発、製造、販売等の分野で、海外においても積極的に事業を展開しており、このような
海外事業においては、当該地域における政治不安や経済情勢の悪化等の地政学的な要因、当該地域の法規制や行政指導
等に抵触するリスク、現地の労使関係等に関するリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、経営成
績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社グループでは、海外子会社に対してリスク管理に関連する窓口担当者を任命しており、定期的に情報収集・情報
交換を実施しております。また、各地で問題が発生した場合には、この窓口担当者をハブとする現地子会社との連携に
より、迅速な課題解決を行っております。
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④ 製造・仕入れに関するリスク
・リスク
地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等
の発生により、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、経
営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、製品の一部は当社グループの工場において独自の技術により製造しており、商品及び原材料の一部は、特定の
取引先にその供給を依存しております。このため、何らかの理由により製造活動や仕入れが遅延又は停止した場合、経
営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社グループの事業継続計画(BCP)は、事業継続へ影響を及ぼす4つの脅威(自然災害、設備事故、新型インフル
エンザ・感染症、システム稼働停止)を対象とし、有事の際の速やかな業務復旧、並びに医療体制維持のための医薬品
安定供給と品質確保を可能とする体制を整備しております。
当社は、東日本大震災での経験を踏まえ、2012年にBCPを刷新し、以降も行政の防災計画改定や社会的要請の変化に
対応して、優先供給品目に関わる業務・組織体制を見直す等、脅威が顕在化した際により適切に対応できるよう継続的
な改善を図っております。また、優先供給品目については、「多くの患者さんに使用されている薬剤」「緊急性のある
薬剤」「代替品のない薬剤」等について速やかな供給を実現するべく、定期的に見直しを行っております。
特に医薬品の安定供給においては、生産・物流拠点の分散や主要原材料の複数購買の実施といったバックアップ体制
を構築するとともに、自家発電装置の設置等、電力供給が停止した際の影響を最小限に抑える施策等にも取り組んでお
ります。また主要システムの二重化等、IT基盤の強化も行っております。
⑤ 環境、安全に関するリスク
・リスク
医薬品の研究、製造の過程等で使われる化学物質の中には、人の健康や生態系に悪影響を与える物質も含まれており
ます。当社グループでは化学物質を用いた実験、製造、保管管理等に万全を期しておりますが、万一、社内外の人への
暴露、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等、深刻な問題が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性
があります。また、気候変動に伴う気象災害や温暖化等により、医薬品のサプライチェーン寸断、製造コスト上昇等の
リスクが顕在化した場合、医薬品の安定供給、財政状態等に悪影響を与える可能性があります。
・対応
当社グループでは、人体への影響、土壌汚染、大気汚染、水質汚濁を防ぐため、化学物質の保管や取扱い方法を厳格
に定め、グループの各工場・研究所において法規制より厳しい自主管理基準値を設定し、モニタリングによる適正管理
を実施しております。また、関連法規制に基づく調査義務が発生した場合の的確な対応はもとより、事業所閉鎖・用途
の変更等において法的な調査義務がない場合でも、法令に準拠した方法で調査を実施しております。万が一、汚染が判
明した場合には、行政に報告するとともに近隣の方々に対しても、適切に情報を開示し、汚染状況に応じた適切な対応
(拡散防止、浄化対策等)を行います。既に浄化対策等を終了した事業所では、継続的にモニタリングを行い、分析結
果を行政、近隣の方々に報告しております。
気候変動対策としては、持続可能な開発目標(SDGs)の「目標13:気候変動対応」を重要な経営課題の1つとして認
識し、気候変動が及ぼす事業活動における「リスクと機会」に関する情報開示を企業へ促すことを目的に策定された気
候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:「TCFD」)の提
言に賛同を表明し、シナリオ分析を含む情報開示を実施しました。引き続き、ステークホルダーの要請に応え、TCFDの
提言に沿った自主的な気候関連財務情報開示及び気候変動対策に積極的に取り組んで参ります。
また、パリ協定にも賛同し「Science Based Targets initiative」からwell below 2℃ として承認を受けた温室効
果ガス削減目標を設定し取り組んでおり、気候変動を含む環境パフォーマンスデータについては、投資判断にも影響す
る重要指標と捉え、データの信頼性を高めるために第三者保証を取得しております。
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⑥ 知的財産権に関するリスク
・リスク
当社グループの事業活動が他者の特許権その他の知的財産権に抵触するとして第三者から指摘を受けた場合には、事
業の断念や係争の可能性があります。一方、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する場合には、その保護のため
訴訟提起等をすることがあります。それらの動向は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼすことがあります。特に先進
諸国でのジェネリック医薬品拡大を背景に、訴訟提起等を含め、当社グループの知的財産権に関するリスクが一層増大
する可能性があります。
・対応
当社グループでは、知的財産の創造と保護によってその価値の最大化とリスクの最小化を図っております。また、知
的財産係争が発生したときには、社内外の関係者と協力し、事業への影響を最小限にとどめるよう対応しております。
当社は、過去に実施したSeagen Inc.とのADCの共同研究に関して、当社ADCに関する特定の知的財産権の帰属につい
て同社から異議の通知を受けたことから、2019年11月にデラウェア州連邦地方裁判所に同社を被告として確認訴訟を提
起いたしました。一方でSeagen Inc.は、2019年11月に当該異議に関して仲裁を申立て、その後、仲裁の手続きが進行
しております。
2020年10月、Seagen Inc.は、エンハーツを含む当社ADCがSeagen Inc.の保有する米国特許を侵害するとして特許侵
害訴訟をテキサス州東部連邦地方裁判所に提起しました。これに対し、2020年11月、当社等は、Seagen Inc.の当該米
国特許を侵害していないことを判決で明らかにすることを求めデラウェア州連邦地方裁判所に特許非侵害の確認訴訟を
提起いたしました。また、2020年12月、第一三共Inc.等は当該米国特許の無効を米国特許商標庁に申し立てるPGR
(Post Grant Review)手続きを行っております。
⑦ 訴訟に関するリスク
・リスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題及び公正取引に関する問題等に関し、
訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社グループでは、法令、契約、紛争防止・紛争解決等の観点からリーガルリスクの最小化とビジネス機会の最大化
に努めております。また、コンプライアンス違反の未然防止策制定、違反があった場合の厳正な対応を通じて、健全な
企業文化の醸成を推進しております。
⑧ 法規制、医療費抑制策等の行政動向に関するリスク
・リスク
国内医療用医薬品は、薬事行政の下、種々の規制を受けております。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健
康保険に関する行政施策の動向によっては、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外に
おいても同様に、医薬品として各種の規制を受けており、行政施策の動向による悪影響を受ける可能性があります。
・対応
当社では、薬価制度改革並びに流通改善ガイドラインを踏まえた仕切価格・割戻改定を実施しております。また、適
切な販売契約を設定・実行し、新薬創出加算品、重点品を中心に売上を拡大するよう努めております。なお、薬価の毎
年改定を含めた薬価制度改革の他、海外を含めた行政動向を継続的に注視しており、即時に対応策を検討する体制とし
ております。
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⑨ 法令違反等に関するリスク
・リスク
当社グループは、グループ企業行動憲章及びグループ個人行動規範のもとに、コンプライアンス行動基準等を制定し
ているほか、企業倫理委員会や従業員ホットラインの設置等、コンプライアンス体制を構築し、販売情報提供活動ガイ
ドライン等、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底等しておりますが、役員及び従業員の個人的な不正行為
等を含め重大な法令違反が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社グループでは、事業活動のモニタリングを適切に実施し、不適切な活動を早期に発見し、対応を実施するよう努
めております。また、必要に応じて教育・啓発等の再発防止の対応を講じる体制としております。
⑩ 金融市況及び為替変動に関するリスク
・リスク
株式市況の低迷等により保有する株式等の売却損や評価損が生じ、金利動向により退職給付債務の増加等が生じる可
能性があります。また、為替相場の変動により、不利な影響を受ける可能性があります。当社グループはグローバルに
事業を展開し、生産・販売・輸出入を行っておりますので、為替相場の変動は経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす
可能性があります。
・対応
当社では政策保有株式の削減、年金基金資産配分の期中見直しの実行及び為替ヘッジ取引により、損失額を減少させ
るよう努めております。
また、退職給付に関するリスクの整理と運用状況のモニタリング及び雇用関連法制動向の把握や、不動産市場のモニ
タリングを実施する等により、リスク低減に向けた方針を早期から準備対応しております。
⑪ ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
・リスク
当社グループは、業務上、各種ITシステムを利用しており、また、個人情報を含む多くの機密情報を保有しておりま
す。ネットワークウイルスの感染、サイバー攻撃他によるコンピュータシステムの休止等、及び機密情報の漏洩事象が
発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社グループでは、情報分野におけるグローバルな専門機能の統括責任者としてデータ活用・デジタルテクノロジー
活用の統括と推進、情報戦略の策定と実行を担うCIO (Chief Information Officer)、機密情報管理、情報セキュリ
ティ対策の推進を担うCISO (Chief Information Security Officer)を任命し、新たなデジタル技術、法規制やガイド
ラインを取り込んだ情報管理に関するポリシー・ルールの整備を進めております。
情報管理に関する規程等を整備して従業員へ情報管理の重要性を周知徹底するとともに、ITシステムへのサイバー攻
撃等への対策強化として、防御機能、侵害の検知機能と対処機能等のセキュリティシステムの整備を実施していること
に加え、クラウド系サービス利用への対応や情報セキュリティ基盤の強化、運用の改善を図っております。
個人情報に関しては、定期的な管理台帳更新状況の把握・委託先の安全管理措置評価等により、保有個人データ、特
定個人情報等の適正な管理状況をモニタリングするとともに、監査部門による監査結果に基づく適切な指導及び従業員
研修による周知・徹底を図っております。
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⑫ 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
・リスク
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を見積った上で回収可能性を
判断し、繰延税金資産を計上しております。しかし、実際の課税所得が減少した場合や税制改正等により、回収可能性
の見直しを行った結果、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合には、繰延税金資産が減額さ
れ、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・対応
当社では、将来の課税所得の見積りに関して、経営環境の変化等を踏まえ適宜見直しを行っており、回収可能性につ
いては合理的に判断しております。
⑬ 人材に関するリスク
・リスク
当社グループの事業活動を推進し事業目標を達成する上では、高い業務遂行能力を持った人材や各職務に必要な高度
な専門性を持った人材、またデジタルトランスフォーメーションを牽引するデジタル人材等を採用・確保する必要があ
りますが、採用市場の競争激化などにより十分に確保できない場合には、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能
性があります。
・対応
当社グループでは、事業目標を達成する上で確保が必要となる人材要件を明確に定義し、計画的な採用活動の強化を
図るとともに、多様なアプローチを活用して人材確保につなげるように努めております。また、社内教育プログラムの
実施を通じて、必要な人材の確保・育成を図っております。
⑭ 新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク
・リスク
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自社工場及び国内・海外の製造委託先での従業員の罹患等による要員不足や原
材料の納入遅延、並びに製造機能や物流・卸機能の停滞が生じ、結果として生命関連産業の責務である製品安定供給に
影響を及ぼす可能性があります。
また、世界各国の医療現場が混乱する中で、当社・臨床試験委託先においても影響が生じ、現在進行している臨床試
験の遅延やプロトコル逸脱例の発生により、結果的に当社の製品価値が毀損される恐れがあります。
・対応
当社グループでは、2020年1月30日に対策本部を立ち上げ、中国子会社の状況確認やビジネスにおける影響等の検討
を開始いたしました。その後、CEOを本部長とする緊急対策本部を設置し、継続的な状況把握と対策検討を通じて経営
レベルでの議論と意思決定を行いました。具体的には、従業員の安全配慮の面から在宅勤務(テレワーク)を中心とし
た勤務体制への移行、出張、対面での会議、研修、イベント等は原則、中止・延期にするなど感染拡大防止策を講じる
とともに、生命関連事業に取り組む製薬企業としての責務を果たすべく、ワクチン及び治療薬の研究開発への貢献のほ
か、医薬品の在庫確保、被験者の安全を最優先した臨床試験の継続等、現在もグローバルで事業継続に向けた対策を継
続しております。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月21日)現在において当社グループが判断し
たものであります。
当社グループは、積極的なグローバル事業の展開による企業価値の向上に資するために、基準とすべき会計及び財
務報告のあり方を検討した結果、資本市場における財務情報の国際的な比較、グループ内での会計処理の統一、グ
ローバル市場における資金調達手段の多様化等を目的として、2014年3月期よりIFRSを適用しております。
当社グループの連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金
額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断し
ておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)
連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載しております。
(1) 業績等の概要
当社グループの当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の連結業績は、次のとおりであり
ます。
<連結業績>
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
△193
9,818 9,625
売 上 収 益
△2.0%
△49
3,432 3,383
売 上 原 価
△1.4%
308
3,023 3,331
販売費及び一般管理費
10.2%
299
1,975 2,274
研 究 開 発 費
15.1%
△750
1,388 638
営 業 利 益
△54.0%
△670
1,412 741
税 引 前 利 益
△47.5%
親会社の所有者に帰属する
△531
1,291 760
△41.2%
当 期 利 益
134
1,016 1,150
当 期 包 括 利 益 合 計 額
13.2%
<主要通貨の日本円への換算レート(期中平均レート)>
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
108.75 106.06
米ドル/円
120.83 123.70
ユーロ/円
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売上 収益
売上収益は、前連結会計年度比193億円(2.0%)減収の9,625億円 となりました。グローバル主力品エンハーツ
(一般名:トラスツズマブ デルクステカン T-DXd/DS-8201)、リクシアナ等の伸長に加え、アストラゼネカとの
ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)のグローバル開発及び商業化に係る契約時一時金の収益計上
(39億円)等があったものの、国内における薬価改定やワクチン販売提携の終了、メマリー、イナビルやインジェ
クタファーの減収等により、減収となりました。売上収益に係る為替の減収影響は53億円となりました。
営業利益
営業利益は、 前連結会計年度比750 億円(54.0 %)減益 の638億円 となりました。売上原価は、売上収益が減少し
たものの、前期は高槻工場の譲渡に伴う子会社売却益(188億円)等が含まれていたため、前期並みの3,383億円と
なりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響による販売促進費の減
少があったものの、エンハーツに係る費用増(販促費及びプロフィット・シェア)及びワクチン事業損失補償金
(150億円)に加え、前期は日本橋ビルの売却に伴う有形固定資産売却益(106億円)が含まれていたため、308億
円(10.2%)増加の3,331億円となりました。研究開発費は、エンハーツやDato-DXdに係るアストラゼネカとのコ
ストシェアによる費用減があったものの、3つの主力ADC(3ADC)への研究開発投資や、がんプロジェクトの開発
体制強化に伴う費用増等により、299億円(15.1%)増加の2,274億円となりました。営業利益に係る為替の影響は
軽微となりました。
税引前利益/親会社の所有者に帰属する当期利益/当期包括利益合計額
税引前利益は、 前連結会計年度比670 億円(47.5%)減益の741億円となりました。為替差損益の改善等により、
金融収支が81億円改善し、営業利益に比べて減益額が小幅となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、 前連結会計年度比531 億円(41.2%)減益の760億円となりました。将来
の課税所得見込額の増加に伴い繰延税金資産が増加し、法人税等がマイナスとなったことから、税引前利益に比べ
て減益額が小幅となりました。
当期包括利益合計額は、 前連結会計年度比134 億円(13.2%)増益の1,150億円となりました。金融資産評価差額
金及び海外子会社の純資産に係る為替換算差額が改善したことから、前連結会計年度に比べ増益となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による当連結会計年度の業績への影響は、アメリカン・リー
ジェントInc.や国内医薬事業及びヘルスケア事業等において売上収益の減収影響を受けたものの、販売促進費等経
費の減少と相殺されることから、軽微であったと判断しております。
<グローバル主力品売上収益>
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
一般名
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
(主な製品名)
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
トラスツズマブ デルクステカン
295
(エンハーツ)
140 435
抗悪性腫瘍剤
211.4 %
(抗HER2抗体薬物複合体)
エドキサバン
119
(リクシアナ) 1,540 1,659
7.7%
抗凝固剤
△90
オルメサルタン
1,008 918
高血圧症治療剤
△8.9%
△8
プラスグレル
181 173
抗血小板剤
△4.5%
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エンハーツは、北米における売上伸長や日本における上市等により、前連結会計年度比295億円増収の435億円と
なりました。エドキサバンは、欧州等で売上が伸長し、前連結会計年度比119億円増収の1,659億円となりました。
当社は、第5期中期経営計画でエンハーツを始めとした「3ADC最大化の実現」及び「既存事業・製品の利益成長」
を戦略目標として定めております。第5期中期経営計画の内容につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方
針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
地域別の売上状況は次のとおりであります。
① 日本
日本の売上収益は、 前連結会計年度比457億円(7.6 %)減収の5,563億円となりました。
[国内医薬事業]
国内医薬事業では、タリージェ等が伸長したものの、薬価改定や独占販売期間の満了に伴うジェネリック参入
によるメマリーの減収、ワクチン販売提携の終了、季節性インフルエンザの流行が低調であることによるイナビ
ルの減収等により、売上収益は444億円(8.3%)減収の4,891億円となりました。なお、この売上収益には、ワク
チン事業及び第一三共エスファ株式会社が取り扱うジェネリック事業の売上収益が含まれております。
2020年5月にエンハーツを「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合
に限る)」の適応症で新発売いたしました。
2020年12月に抗てんかん剤ビムパットについて、販売提携先であるユーシービージャパン株式会社が「てんか
ん患者の強直間代発作に対する併用療法」の効能・効果を追加する一部変更承認を取得いたしました。
2021年1月に片頭痛発作の発症抑制薬エムガルティについて、販売提携先である日本イーライリリー株式会社
が「片頭痛発作の発症抑制」の効能・効果で、製造販売承認を取得いたしました。
2021年2月に当社が製造販売を行っている長期収載品11製品について、製造販売承認をアルフレッサ ファーマ
株式会社へ承継(譲渡)することを決定いたしました。
[ ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、前連結会計年度比
13億円(1.8%)減収の672億円となりました。
<日本の主な売上構成>
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
△444
国内医薬事業(注)1 5,335 4,891
△8.3%
△13
685 672
ヘルスケア事業
△1.8%
(注)1.ジェネリック事業、ワクチン事業を含む。
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<国内医薬主力品売上収益>
(単位:億円)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
△19
ネキシウム
798 778
抗潰瘍剤
△2.4%
△56
リクシアナ
830 774
抗凝固剤
△6.8%
プラリア
37
309 346
骨粗鬆症治療剤・関節リウマチに伴う
11.9%
骨びらんの進行抑制剤
△321
メマリー
505 184
アルツハイマー型認知症治療剤
△63.5%
△5
テネリア
247 242
2型糖尿病治療剤
△1.9%
△41
ロキソニン
283 242
消炎鎮痛剤
△14.5%
14
ランマーク
179 193
がん骨転移による骨病変治療剤
8.1%
△156
イナビル
193 36
抗インフルエンザウイルス剤
△81.2%
126
タリージェ
80 206
疼痛治療剤
157.6%
26
カナリア
128 154
2型糖尿病治療剤
20.3%
34
ビムパット
112 145
抗てんかん剤
30.3%
1
エフィエント
140 141
抗血小板剤
0.6%
△15
レザルタス
146 131
高血圧症治療剤
△10.1%
△24
オルメテック
117 92
高血圧症治療剤
△20.8%
エンハーツ
44
抗悪性腫瘍剤 - 44
-
(抗HER2抗体薬物複合体)
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② 北米
北米の売上収益は、 前連結会計年度比62億円(3.8%)増収の1,691 億円、現地通貨ベースでは、95百万米ドル
(6.4%)増収の1,594百万米ドルとなりました。なお、この売上収益には、第一三共Inc.とアメリカン・リー
ジェントInc.の売上収益が含まれております。
第一三共Inc.では、エンハーツの寄与により、増収となりました。
アメリカン・リージェントInc.では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響を受け、インジェク
タファー等が減収となりました。
<第一三共Inc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
エンハーツ
213
30 243
抗悪性腫瘍剤
715.8%
(抗HER2抗体薬物複合体)
△10
オルメサルタン(注)2
91 81
高血圧症治療剤
△10.9%
ウェルコール
△37
84 47
高コレステロール血症治療剤
△43.8%
・2型糖尿病治療剤
(注)2. ベニカー/ベニカーHCT、エイゾール、トライベンゾール及びオルメサルタンのオーソライズド・ジェネ
リック
<アメリカン・リージェントInc.主力品売上収益>
(単位:百万米ドル)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
△61
インジェクタ ファー
477 416
鉄欠乏性貧血治療剤
△12.7%
△13
ヴェノファー
285 272
鉄欠乏性貧血治療剤
△4.7%
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③ 欧州
欧州の売上収益は、前連結会計年度比161億円(16.9%)増収の1,117億円、現地通貨ベースでは114百万ユーロ
(14.4%)増収の903百万ユーロとなりました。リクシアナが順調に伸長し、加えて第一三共フランスS.A.S.の長
期収載品の譲渡益を計上したことにより、増収となりました。
2020年11月に高コレステロール血症治療剤NILEMDO(ベムペド酸の単剤)及びNUSTENDI(ベムペド酸とエゼチミ
ブの配合剤)を新発売いたしました。
2021年2月にエンハーツを「2つ以上の抗HER2療法を受けた手術不能または転移性のHER2陽性乳がん」の適応
症で新発売いたしました。
<第一三共ヨーロッパGmbH主力品売上収益>
(単位:百万ユーロ)
前連結会計年度 当連結会計年度
製品名 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
111
リクシアナ
509 620
21.7%
抗凝固剤
△29
オルメサルタン(注)3
203 174
△14.4%
高血圧症治療剤
△8
エフィエント
21 13
△38.0%
抗血小板剤
(注)3.オルメテック/オルメテックプラス 、セビカー及びセビカーHCT
④ アジア・中南米
アジア・中南米の売上収益は、前連結会計年度比13億円(1.4%)増収の997億円となりました。なお、この売
上収益には、海外ラインセンシーへの売上収益等が含まれております。
地域別売上収益構成比は次のとおりであります。
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(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
医薬事業 403,788 85.9
合計 403,788 85.9
(注)1.金額は正味販売価格によっております。
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
3.生産実績が前年同期比で大きく減少しておりますが、主には、2019年10月1日に第一三共プロファーマ㈱の
高槻工場を太陽ホールディングス㈱に譲渡したことによるものであります。
② 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を策定し、これにより生産を行っております。受注生産は
一部の連結子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 金額(百万円) 前年同期比(%)
医薬事業 962,516 98.0
合計 962,516 98.0
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
相手先
金額(百万円) 割合(%) 金額(百万円) 割合(%)
アルフレッサ ホールディングス
196,146 20.0 185,556 19.3
株式会社及びそのグループ会社
2.上記金額には消費税等を含めておりません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、ESG経営のもと、新たに「サステナブルな社会の発展に貢献する先進的グローバルヘルスケア
カンパニー」となることを2030年ビジョンとして掲げました。2025年ビジョンである「がんに強みを持つ先進的
グローバル創薬企業」を実現し、2030年ビジョン達成に向けた持続的な成長ステージへの移行を可能とするべ
く、第5期中期経営計画(2021~2025年度)を策定いたしました。2025年度経営目標として、売上収益1兆6,000
億円(がん領域で6,000億円以上)、研究開発費控除前営業利益(注)率40%、ROE16%以上を目指します。ま
た、期間中のキャッシュ・アロケーションについては、成長投資と株主還元の双方をバランス良く実施すること
を基本方針としております。
成長投資については、3つのADC開発を優先する形で5年間総額1兆5,000億円規模の研究開発投資、また、ADC
の供給体制強化を中心とした同じく5,000億円規模の設備投資を新たな資金調達は行わずに自己資金にて実施する
計画としております。
株主還元については、普通配当1株当たり27円の維持に加え、利益成長に応じて増配、あるいは機動的に自己
株式取得を実施することで、株主還元のさらなる充実を図っていきます。KPIとして、株主資本を基準とする株主
資本配当率(DOE)を採用し、安定的な株主還元を行う方針とし、2025年度のDOEは株主資本コストを上回る8%
以上を目標に掲げ、株主価値の最大化を目指します。
(注)固定資産売却、事業再編、減損、訴訟等に関連する特殊要因を除く
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② 資金調達の方法及び状況
当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基
本的な考えとしており、手元資金及び外部資金を有効に活用しております。当社グループは、戦略的投資もしく
は資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、手元流動性残高(現預金及び短期投資債券等)
から有利子負債を控除した、ネット・キャッシュを重視しております。
手元資金としては、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、十分な現金及び現金同等物を保有
しております。適正な現金及び現金同等物の保有額は、月商の3ヶ月程度を考えており、これを超える部分につ
いては企業価値向上に資する事業戦略投資に対する資金として確保しております。これらは金融情勢などを勘案
しつつ、安全性並びに流動性の極めて高い短期金融商品で運用しております。
外部からの資金調達の手段としては、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境を
考慮した上で当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っております。直接金融としては、国内
社債発行登録枠として3,000億円及びコマーシャル・ペーパー発行枠として1,500億円を有しております。2016年
には超低金利の環境を活かし、国内ヘルスケアセクターでは初となる償還年限が20年、30年の超長期無担保社債
を発行し、1,000億円の長期低コスト資金を確保いたしました。また、間接金融としては、当社は取引先金融機関
と良好な取引関係を維持しており、複数の銀行から最長10年の資金調達をしております。これらの長期借入で
は、年限を分散させることで借り換えリスクの低減を図っております。また、複数の銀行との間で当座貸越契約
及び200億円のコミットメントラインを設定し、緊急時の流動性担保の手段も確保しております。
なお、円滑な外部資金調達を行なうため、当社は株式会社格付け投資情報センター(R&I)と、ムーディーズ・
ジャパン株式会社(Moody’s)の2社から格付けを取得しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりであります。
長期 短期
格付投資情報センター(R&I)
AA/安定的 a-1+
ムーディーズ・ジャパン(Moody's)
A2/安定的
-
なお、連結子会社は、原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、親会社もしくは現地法人などの資
金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスやグループ・ファイナンスの活用により、資金調達の
集約と資金効率化、流動性の確保を図っております。
③ 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
(ⅰ)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末から204億円減少し、2兆852億円となりました。
棚卸資産が275億円、その他の金融資産(非流動資産)が420億円それぞれ増加いたしました。一方で、エン
ハーツの契約時一時金の入金等により営業債権及びその他の債権が773億円減少し、また現金及び現金同等物が
436億円減少いたしました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末から138億円増加し、8,131億円となりました。
社債の償還及びシンジケートローンの返済等により社債及び借入金(流動負債及び非流動負債)が404億円減少
した一方で、営業債務及びその他の債務が266億円、Dato-DXdの戦略的提携の契約時一時金の入金等によりその他
の非流動負債が331億円それぞれ増加いたしました。
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末から342億円減少し、1兆2,721億円となりました。
当期利益の計上があった一方で、配当金の支払による減少及び自己株式の取得(2,947万株、1,000億円:取得
総数6,000万株または取得総額1,000億円を上限)等により減少いたしました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は61.0%となり、前連結会計年度末より1.0%減少いたしました。
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当社グループでは、資産適正化によってノンコア資産の圧縮を図り、総資産回転率を向上させるとともに、企
業価値の向上に繋がるフリー・キャッシュの創出に努めております。不動産を含む保有する資産については、事
業活動上の重要性と代替可能性だけでなく、ライフサイクルコストや事業継続計画を考慮し、ノンコア資産の売
却を適切なタイミングで実施しております。
(ⅱ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、436億円減少の3,805億円となりました。各キャッシュ・フ
ローの状況とそれらの 要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,922億円の収入(前連結会計年度は1,966億円の収入)となりまし
た。
税引前利益741億円、減価償却費及び償却費574億円等の非資金項目の他、エンハーツの戦略的提携の契約時一
時金や承認マイルストーン、Dato-DXdの戦略的提携の契約時一時金の収入等がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、392億円の支出(前連結会計年度は817億円の収入)となりました。
定期預金の払戻等による収入があった一方で、設備投資や無形資産の取得による支出等がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得、配当金の支払及び借入金の返済や社債の償還等によ
り、2,024億円の支出(前連結会計年度は916億円の支出)となりました。
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(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2025年度における計数目標として、売上収益1兆6,000億円(うち、がん領域において6,000億
円以上)、研究開発費控除前営業利益率(注)40%以上、ROE16%以上、株主資本配当率(DOE)8%以上を目指し
ております。
当連結会計年度においては、売上収益9,625億円、研究開発費控除前営業利益率(注)31.8%、ROE5.9%、
DOE4.0%となりました。なお、目標達成に向けた主な取り組み課題と実績については、「第2 事業の状況 1
経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(注)固定資産売却、事業再編、減損、訴訟等に関連する特殊要因を除く
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり行った重要な
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務
諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しておりま
す。
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4【経営上の重要な契約等】
(1)日本における長期収載品11製品の承継(譲渡)
当社は、2021年2月26日開催の取締役会において、当社が日本において製造販売を行っている長期収載品11製品に
ついて、国内の製造販売承認をアルフレッサ ホールディングス㈱の子会社であるアルフレッサ ファーマ㈱(以下
「AFP社」という。)に承継する決議を行い、同日、AFP社と会社分割(吸収分割)契約を含む承継に関する契約を締
結いたしました。
当該契約に基づき、当社の長期収載品11製品の棚卸資産及び国内製造販売に係る権利義務を2021年12月以降AFP社
に承継し、27億円(棚卸資産を除く)の金銭の交付を受ける予定です。
長期収載品11製品のうち、6製品の資産及び製造販売に係る権利義務については、2021年12月1日を効力発生日と
して、会社分割によりAFP社に承継し、それ以外の製品については、2021年12月2日以降順次、個別承継して参りま
す。
なお、承継する長期収載品11製品の2021年3月期の売上収益は38億円であります。
(2) 技術導入
契約会社名 相手先 国名 技術内容 対価 契約期間
契約一時金
第一三共㈱ 抗RANKL抗体「デノス 自 2007年7月
マイルストーン
Amgen Inc.
アメリカ
(当社) マブ」に関する技術 至 2027年6月
一定料率の実施料
自 2016年7月
第一三共㈱
Amgen Inc.
アメリカ バイオ後続品に関する技術 マイルストーン 至 製品ごとに商業化の終了
(当社)
日
契約一時金
虚血性心不全の細胞治療薬
第一三共㈱ 自 2016年4月
マイルストーン
Cell Therapy Ltd.
イギリス 「ハートセル」に関する技
(当社) 至 商業化の終了日
一定料率の実施料
術
契約一時金
悪性リンパ腫の細胞治療薬
第一三共㈱ 自 2017年1月
マイルストーン
Kite Pharma, Inc.
アメリカ 「イエスカルタ」に関する
至 開発又は販売の中止日
(当社)
一定料率の実施料
技術
第一三共㈱ 鼻腔噴霧インフルエンザ弱 契約一時金 自 2015年9月
MedImmune, LLC
アメリカ
(当社) 毒生ワクチンに関する技術 マイルストーン 至 上市後10年
契約一時金 自 2020年3月
Ultragenyx
第一三共㈱ AAVベクターを用いた遺伝子
アメリカ マイルストーン 至 実施料支払期間満了日ま
(当社) Pharmaceutical Inc. 治療薬製造技術
一定料率の実施料 で
アメリカン・リー
貧血治療剤「ヴェノ
Vifor (International)
自 1997年12月
ジェントInc. スイス ファー」及び「インジェク 製品購入価格
至 2030年12月
Inc.
タファー」に関する技術
(連結子会社)
(3) 技術導出
契約会社名 相手先 国名 技術内容 対価 契約期間
契約一時金
虚血性疾患治療剤「エフィ 自 2001年6月
第一三共㈱
マイルストーン
Eli Lilly and Company
アメリカ エント(プラスグレル)」 至 Lilly製品の市場供給終
(当社)
に関する技術 了日
一定料率の実施料
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(4) 販売契約等(導入)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
同社のプロトンポンプ阻害剤「ネキ
第一三共㈱ スウェー 自 2010年10月
AstraZeneca AB
シウム」の日本国内における独占販
デン 至 2021年9月
(当社)
売及び共同販促
同社のアルツハイマー型認知症治療
第一三共㈱ 自 1997年12月
Merz Pharmaceuticals GmbH
ドイツ 剤「メマリー」の日本国内における
(当社) 至 2021年6月
独占販売
同社のてんかん治療薬「ビムパッ
第一三共㈱ 自 2014年11月
UCB Biopharma Sprl
ベルギー ト」の日本国内における独占販売及
至 上市後10年
(当社)
び共同販促
第一三共㈱ 同社の排尿障害治療剤「ユリーフ」 自 2004年6月
キッセイ薬品工業㈱ 日本
(当社) の日本国内における共同販売 至 販売中止日
同社の血糖降下剤「テネリア」の日 自 2012年3月
第一三共㈱
日本 本国内における独占販売及び共同販 至 上市後10年
田辺三菱製薬㈱
(当社)
促 (以後1年ごとの自動更新)
自 2012年3月
第一三共㈱ 同社の血糖降下剤「カナグル」の日
田辺三菱製薬㈱ 日本 至 上市後10年
(当社) 本国内における共同販促
(以後1年ごとの自動更新)
同社の2型糖尿病治療用配合剤「カ 自 2017年3月
第一三共㈱
日本 ナリア」の日本国内における独占販 至 上市後10年
田辺三菱製薬㈱
(当社)
売及び共同販促 (以後1年ごとの自動更新)
同社の片頭痛発作の発症抑制薬「エ
日本イーライリリー㈱、
第一三共㈱ 日本 自 2020年10月
ムガルティ」の日本国内における独
Eli Lilly and Company
(当社) アメリカ 至 2031年3月
占販売及び共同販促
自 2019年1月
第一三共ヨーロッパ
高コレステロール血症治療剤「ベム 至 対象特許の満了日又は上市
Esperion Therapeutics, Inc.
GmbH アメリカ
ペド酸」の欧州における独占販売 後12年のうちいずれか遅く
(連結子会社)
到来する日
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(5) 販売契約等(導出)
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
自 2019年3月
第一三共㈱ 抗がん剤「エンハーツ」の全世界で
AstraZeneca UK Limited
イギリス 至 国ごとに販売を中止するま
(当社) の共同開発及び販売提携
で
自 2020年7月
第一三共㈱ 抗がん剤「Dato-DXd」の全世界での
AstraZeneca UK Limited
イギリス 至 国ごとに販売を中止するま
(当社) 共同開発及び販売提携
で
自 2016年6月
至 対象特許の満了日、データ
第一三共㈱ 抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバ
Servier Canada inc.
カナダ 保護期間の満了日又は2031
(当社) ン)」のカナダにおける独占販売
年6月のうちいずれか遅く
到来する日
アメリカン・リー
Fresenius USA Manufacturing,
貧血治療剤「ヴェノファー」の米国 自 2008年11月
ジェントInc. アメリカ
内における販売 至 2023年12月
Inc.
(連結子会社)
第一三共ヨーロッパ
血圧降下剤「オルメテック(オルメ
Menarini International
ルクセン 自 2001年6月
GmbH サルタン)」の欧州における共同販
ブルク 至 2023年12月
Operations Luxembourg S.A.
売
(連結子会社)
自 2016年2月
第一三共ノーザン
抗凝固剤「リクシアナ(エドキサバ
至 2026年2月又は対象特許の
Organon Trade LLC
ヨーロッパGmbH アメリカ ン)」の欧州一部地域における独占
満了日のうちいずれか遅く
(連結子会社) 販売
到来する日
(6) 業務委託契約
契約会社名 相手方の名称 国名 契約の内容 契約期間
第一三共㈱ 自 2020年4月
㈱日立製作所 日本 IT業務の同社への委託
至 2022年3月
(当社)
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5【研究開発活動】
当社グループは、3ADC(トラスツズマブ デルクステカン:T-DXd/DS-8201、ダトポタマブ デルクステカン:Dato-
DXd/DS-1062、パトリツマブ デルクステカン:HER3-DXd/U3-1402)の製品価値最大化を目指してリソースを集中投入
するとともに、持続的成長の実現に向けてSOC(注1)を変革する製品群(Alpha)の創薬を目指す「3 and Alpha」
戦略のもと、研究開発に取り組んでおります。
パートナリングの積極的な活用や、新規モダリティ(注2)の技術研究等を通じた創薬力の強化に取り組むととも
に、グローバル臨床開発の加速化にも注力しております。中長期的には、がんに加え、当社のサイエンス&テクノロ
ジーの優位性を活かして様々な疾患に対する治療薬創製を目指しております。
(注)1.SOC:Standard of Careの略。現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法。
2.新規モダリティ:ADC、核酸医薬、治療用ウイルス、細胞治療等の新規治療手段。
当連結会計年度の研究開発費は、 2,274 億円(前連結会計年度比15.1%増)となり、売上収益に対する研究開発費
の比率は、23.6%となりました。
(1) 3ADC
当連結会計年度末 における、3ADCの臨床開発の状況は次のとおりであります。
① トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd/DS-8201:抗HER2 ADC、日米製品名:エンハーツ)
日米において、製品名エンハーツとして販売しております。製品価値の最大化を図るため、がん領域のグローバ
ル事業において豊富な経験を持つアストラゼネカと本剤を共同で開発しております。
(ⅰ) 乳がん
(a) DESTINY-Breast01試験(フェーズ2、単独投与、3次治療)
・抗HER2 ADC T-DM1の治療を受けたHER2陽性乳がんの患者を対象としたグローバル試験の結果に基づき、米国
においては「転移性の乳がんに対する治療として2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能または
転移性乳がん」を適応として、また国内においては「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳がん
(標準的な治療が困難な場合に限る)」を適応として承認を取得し、販売開始しております。
・2020年12月、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)において、本試験の最新データを発表いたし
ました。
・2021年1月、欧州連合(EU)において、2021年2月には英国において「2つ以上の抗HER2療法を受けた手術
不能または転移性のHER2陽性乳がん」を適応として承認を取得いたしました。なお、欧州医薬品庁(EMA)
より迅速審査(注3)の指定を受けておりました。
(注)3.迅速審査:
EMAにおいて、公衆衛生及び治療上の革新性の観点から多大な貢献が期待される薬剤に対して指定
されるもので、審査期間の短縮が見込まれる。
(b) DESTINY-Breast02試験(フェーズ3、単独投与、3次治療)
・抗HER2 ADC T-DM1等の前治療を受けたHER2陽性乳がん患者を対象とした、本剤の有効性と安全性を医師選択
治療と比較検討するグローバル試験を実施しております。
(c) DESTINY-Breast03試験(フェーズ3、単独投与、2次治療)
・抗HER2抗体トラスツズマブ等の前治療を受けたHER2陽性乳がん患者を対象とした、本剤の有効性と安全性を
T-DM1と比較検討するグローバル試験を実施しております。
(d) DESTINY-Breast04試験(フェーズ3、単独投与、3次治療以降)
・HER2低発現乳がん患者を対象とした、本剤の有効性と安全性を医師選択治療と比較検討するグローバル試験
を実施しております。
(e) DESTINY-Breast05試験(フェーズ3、単独投与、術前療法後)
・2020年11月、術前療法後に浸潤性残存病変を有する再発リスクの高いHER2陽性乳がん患者を対象とした、本
剤の有効性と安全性をT-DM1と比較検討するグローバル試験を開始いたしました。
(f) DESTINY-Breast06試験(フェーズ3、単独投与、化学療法未治療)
・2020年7月、内分泌療法を受けた化学療法未治療のHER2低発現乳がん患者を対象とした、本剤の有効性と安
全性を医師選択治療と比較検討するグローバル試験を開始いたしました。
(g) DESTINY-Breast07試験(フェーズ1b/2、併用、2次治療/1次治療)
・2021年1月、HER2陽性乳がん患者を対象とした、各種抗がん剤との併用による有効性と安全性を評価するグ
ローバル試験を開始いたしました。
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(h) DESTINY-Breast08試験(フェーズ1b、併用、化学療法未治療)
・2021年1月、HER2低発現乳がん患者を対象とした、各種抗がん剤との併用を評価するグローバル試験を開始
いたしました。
(i) BEGONIA試験(フェーズ1b/2、併用、1次治療)
・トリプルネガティブ乳がん患者を対象とした、免疫チェックポイント阻害剤デュルバルマブ(以下「イミ
フィンジ」という。)との併用を評価する試験を米国、欧州及びアジアで実施しております。
(ⅱ) 胃がん
(a) DESTINY-Gastric01試験(フェーズ2、単独投与、3次治療)
・トラスツズマブを含む2つ以上の前治療を受けたHER2陽性胃腺がん患者又は胃食道接合部腺がん患者を対象
とした日本及び韓国での試験の結果に基づき、2020年4月に国内において承認申請を行い、2020年9月に
「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌」を適応として承認を取得いたし
ました。なお、厚生労働省より先駆け審査指定(注4)を受けておりました。
・2020年5月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)において主解析結果を発表いたしました。
・2021年1月、米国において「トラスツズマブを含む前治療を受けたHER2陽性の局所進行または転移性の胃腺
がんまたは胃食道接合部腺がん」を適応として承認を取得いたしました。なお、米国食品医薬品局(以下
「FDA」という。)より画期的治療薬(Breakthrough Therapy)指定(注5)、希少疾病用医薬品(Orphan
Drug)指定(注6)、優先審査指定(注7)を受けておりました。
(注)4.先駆け審査指定:
世界に先駆けて日本での革新的医薬品等の早期実用化を促すため、臨床試験や承認手続を優先し
て受けられる制度。
5.画期的治療薬 (Breakthrough Therapy) 指定:
重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤の開発と審査を
促進し、患者により早く新薬を届けるために定められた米国における制度。
6.希少疾病用医薬品 (Orphan Drug) 指定:
米国における患者数20万人未満の希少疾病に対する治療、診断、予防を目的とした医薬品を対象
として指定され、税制優遇、助成金等の優遇措置を受けることが出来る制度。
7.優先審査指定:
米国において、治療上重要な進歩をもたらす薬剤や、現在適切な治療法がない疾患への治療法を
提供する薬剤に対して指定され、通常審査期間(10ヵ月目標)に比べ審査期間の短縮(6ヵ月目
標)が見込まれる。
(b) DESTINY-Gastric02試験(フェーズ2、単独投与、2次治療)
・HER2陽性胃がん患者を対象とした試験を欧米で実施しております。
(c) DESTINY-Gastric03試験(フェーズ1b/2、併用、2次治療/1次治療)
・2020年6月、HER2陽性胃がん又は胃食道接合部腺がん患者を対象とした、複数他剤との併用を評価する試験
を米国、欧州及びアジアで開始いたしました。
(ⅲ) 非小細胞肺がん
(a) DESTINY-Lung01試験(フェーズ2、単独投与、2次治療)
・HER2陽性及びHER2変異の非小細胞肺がん患者を対象とした試験を日本、米国及び欧州で実施しております。
・2020年5月、FDAよりHER2変異を有する転移性非小細胞肺がん治療を対象として画期的治療薬
(Breakthrough Therapy)指定を受けました。
・2020年5月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、本試験のデータを発表いたしました。
・2021年1月、世界肺癌学会(WCLC)において、本試験の最新データを発表いたしました。
(b) DESTINY-Lung02試験(フェーズ2、単独投与、2次治療)
・2021年3月、HER2変異の非小細胞肺がん患者を対象とした、本剤6.4mg/kg及び5.4mg/kgの有効性と安全性を
評価する試験を開始いたしました。
(c) HUDSON試験(フェーズ2、併用、2次治療)
・抗PD-1/PD-L1を含む治療で病勢進行した非小細胞肺がん患者を対象とした、イミフィンジとの併用を評価す
る試験を米国、欧州及びアジアで実施しております。
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(ⅳ) 大腸がん
(a) DESTINY-CRC01試験(フェーズ2、単独投与、3次治療)
・HER2陽性大腸がん患者を対象とした試験を日本、米国及び欧州で実施しております。
・2020年5月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)において主解析結果を発表いたしました。
(b) DESTINY-CRC02試験(フェーズ2、単独投与、3次治療)
・2021年3月、HER2陽性大腸がん患者を対象とした、本剤6.4mg/kg及び5.4mg/kgの有効性と安全性を評価する
グローバル試験を開始いたしました。
(ⅴ) その他
(a) ニボルマブとの併用試験(フェーズ1、併用、3次治療以降)
・HER2陽性乳がん、膀胱がん患者を対象とした、免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブとの併用を評価する
試験を欧米でBristol-Myers Squibb Co.と実施しております。
・2020年12月、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)において、本試験の最新データを発表いた
しました。
(b) ペムブロリズマブとの併用試験(フェーズ1、併用、3次治療以降)
・HER2陽性乳がん、非小細胞肺がん患者を対象とした、免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブ(以下
「キイトルーダ」という。)との併用を評価する試験を欧米でMerck & Co., Inc.と実施しております。
(c) DESTINY-PanTumor01試験(フェーズ2、単独投与、2次治療以降)
・2021年1月、HER2変異の大腸がん、尿路上皮がん、胃がん、肝胆道がん、子宮内膜がん、メラノーマ、卵巣
がん、子宮頸がん、唾液腺がん、すい臓がん、乳がん等のがん患者を対象としたグローバル試験を開始いた
しました。
(d) DESTINY-PanTumor02試験(フェーズ2、単独投与、標準治療不応)
・2020年8月、HER2発現の膀胱がん、胆道がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、すい臓がん、その他
稀ながん患者を対象とした試験を米国及びアジアで開始いたしました。
② ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062:抗TROP2 ADC)
2020年7月、アストラゼネカと本剤に関する戦略的提携契約を締結いたしました。製品価値の最大化を図るた
め、がん領域のグローバル事業において豊富な経験を持つアストラゼネカと本剤を共同で開発しております。
(ⅰ) 非小細胞肺がん
(a) TROPION-PanTumor01試験(フェーズ1、単独投与)
・標準治療不応の非小細胞肺がん患者を対象とした本剤単独投与のグローバルフェーズ1試験を実施しており
ます。
・2020年5月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、本試験のデータを発表いたしました。
・2020年6月、本試験に標準治療不応のトリプルネガティブ乳がんの患者群を追加いたしました。
・2021年1月、世界肺癌学会(WCLC)において、本試験の最新データを発表いたしました。
(b) TROPION-Lung01試験(フェーズ3、単独投与、2次治療以降)
・2020年12月、Actionable遺伝子変異(注8)の無い切除不能な非小細胞肺がん患者を対象とした、本剤の有
効性と安全性をドセタキセルと比較検討するグローバル試験を開始いたしました。
(注)8.Actionable遺伝子変異:EGFR変異等の治療ターゲットとなりうる遺伝子変異。
(c) TROPION-Lung02試験(フェーズ1、併用)
・2020年10月、Actionable遺伝子変異の無い非小細胞肺がん患者を対象とした、キイトルーダとの併用を評価
するフェーズ1試験を開始いたしました。
(d) TROPION-Lung04試験(フェーズ1、併用)
・2021年3月、Actionable遺伝子変異の無い非小細胞肺がん患者を対象とした、イミフィンジとの併用を評価
するフェーズ1試験を開始いたしました。
(e) TROPION-Lung05試験(フェーズ2、単独投与)
・2020年12月、Actionable遺伝子変異を有する切除不能な非小細胞肺がん患者を対象としたグローバル試験を
開始いたしました。
③ パトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402:抗HER3 ADC)
(ⅰ) 乳がん
標準治療不応のHER3陽性がん患者を対象とした本剤単独投与のフェーズ1/2試験を日本及び米国で実施し
ております。
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(ⅱ) 非小細胞肺がん
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を投与中に病勢進行したEGFR変異を有する非小細胞肺がん患者を対象とした本
剤単独投与のフェーズ1試験をグローバルで実施しております。
2020年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において本試験の中間データを発表いたしました。
(a) HERTHENA-Lung01試験(フェーズ2、単独投与、3次治療以降)
・2021年2月、EGFR変異を有する非小細胞肺がん患者を対象としたグローバル試験を開始いたしました。
(ⅲ) 大腸がん
2020年9月、HER3発現大腸がん患者(3次治療)を対象とした本剤単独投与のフェーズ2試験を日本、米国
及び欧州で開始いたしました。
④ 研究提携ほか
Gustave Roussy(注9)との研究提携契約の締結
2020年7月、Dato-DXd、HER3-DXdに関してGustave Roussyが実施する臨床研究、トランスレーショナルリサー
チ、他剤との併用療法検討等の包括的な研究プログラムのための支援に関する契約を締結いたしました。
(注)9.Gustave Roussy Cancer Campus(GRCC):仏パリ南部ヴィルジェイフにあるがん研究所。
(2) Alpha
当連結会計年度における、3ADC以外のプロジェクトの研究開発の進捗は次のとおりであります。
① がん領域
(ⅰ) DS-6157(抗GPR20 ADC)
2020年5月、再発又は進行性の消化管間質腫瘍(GIST)患者を対象とした本剤単独投与のフェーズ1試験を
日本及び米国で開始いたしました。
(ⅱ) DS-1055(抗GARP抗体)
2020年10月、切除不能な固形がん患者を対象とした本剤単独投与のフェーズ1試験を日本及び米国で開始い
たしました。
(ⅲ) テセルパツレブ(DS-1647:G47Δ)
2020年12月、悪性神経膠腫に係る再生医療等製品製造販売承認申請を国内で行いました。本剤は、厚生労働
省より先駆け審査指定、希少疾病用再生医療等製品指定(注10)を受けております。
(注)10.希少疾病用再生医療等製品指定:
対象患者数が国内において5万人未満、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するも
のとして、厚生労働大臣が指定する制度。税制措置、再審査期間の延長等の支援措置が与えられ
る。
(ⅳ) アキシカブタゲン シロルユーセル(Axi-Cel™:抗CD19 CAR-T細胞、製品名:イエスカルタ)
2021年1月、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫の治療を目的とした再生医療等製品として国内製造販
売承認を取得いたしました。
(ⅴ) DS-6000(抗CDH6 ADC)
2021年2月、切除不能な腎細胞がんと卵巣がん患者を対象とした本剤単独投与のフェーズ1試験を米国で開
始いたしました。
② がん以外の領域
(ⅰ) ウルトラジェニクス社からの遺伝子治療薬製造技術の導入
2020年4月、ウルトラジェニクス社と同社が保有するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治
療薬製造技術を非独占的に利用する契約を締結いたしました。
(ⅱ) 三菱UFJキャピタル、名古屋工業大学とのオープンイノベーション研究の開始
2020年4月、三菱UFJキャピタル株式会社、国立大学法人名古屋工業大学と視覚再生のための遺伝子治療
薬に関するオープンイノベーション研究を開始いたしました。
(ⅲ) プラスグレル(ADP受容体阻害剤)
2020年7月、血栓性脳梗塞患者を対象とした国内フェーズ3試験(PRASTRO-III)において、主要評価項目を
達成いたしました。
2020年12月、本試験結果などに基づき国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
(ⅳ) エドキサバン(FXa阻害剤)
2020年8月、非弁膜症性心房細動を有する出血リスクの高い高齢者を対象とした国内フェーズ3試験
(ELDERCARE-AF試験)において、主要評価項目を達成いたしました。
2020年9月、本試験結果に基づき国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
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(ⅴ) ミロガバリン(α δリガンド)
2020年12月、脊髄損傷後神経痛患者を対象としたアジア(日本、韓国、台湾)でのフェーズ3試験におい
て、主要評価項目を達成いたしました。
(ⅵ) レナジルセン ナトリウム(DS-5141:ENA オリゴヌクレオチド)
Ⓡ
2021年1月、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者を対象とした国内でのフェーズ1/2試験の結果を取得
し、更なる解析を進めております。
(3) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み
当社は、社会的に急務となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下「COVID-19」という。)に対
する予防・治療法の確立に向けて積極的に取り組んでおります。当社の持つ研究財産、技術及び知識を最大限に活
用し、外部機関とも連携して、以下の研究開発を推進しております。
① DS-5670:遺伝子(mRNA)ワクチン
COVID-19の予防を目指し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)が支援する「新型
コロナウイルス(2019-nCoV(注11))の制圧に向けての基盤研究」(注12)に参画し、当社が見出した新規核酸
送達技術(注13)を用いた「新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するmRNAワクチン開発」を分担しておりま
す。
2020年8月、厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業(注14)(第1次公募)」の事業者に採択されま
した。
2020年8月、AMEDが実施する創薬支援推進事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発
(企業主導型)(注15)(第2次公募)」にも採択されました。
2021年3月、健康成人及び健康高齢者を対象とした日本でのフェーズ1/2試験を開始いたしました。
(注)11. 2019-nCoV :SARS-CoV-2の暫定名称で同義語。
12. 新型コロナウイルス(2019-nCoV)の制圧に向けての基盤研究 :
流行が世界各国へ拡大しているCOVID-19に関して、政府全体の緊急的な取組みの一部として、AMEDが
支援することを決定したワクチン開発課題の一つ。
13. 新規核酸送達技術 :
脂質ナノ粒子構造を形成し、医薬品有効成分の安定化並びに免疫細胞内への核酸デリバリーを実現す
ることで、従来のワクチン技術と比較して、より至適な免疫応答を誘導することを確認いたしまし
た。
14. ワクチン生産体制等緊急整備事業 :
COVID-19をはじめとした予期せぬ感染症の流行阻止・重症化予防に必要なワクチンを可能な限り迅速
に製造し、日本国民のために確保するため、ワクチンを含むバイオ医薬品の実生産(大規模生産)体
制を早期構築することを目的とした事業。
15. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型) :
企業においてすでに研究開発が進められているCOVID-19に対するワクチンの開発を重点的に支援し、
安全かつ有効なワクチンを早期に実用化することを目的とした事業。
② DS-2319:ナファモスタット吸入製剤
2020年6月、COVID-19の治療を目指し、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所及び日医工株式
会社と共同でナファモスタット吸入製剤の研究開発を実施するための基本合意書を締結いたしました。
抗インフルエンザウイルス薬 イナビルの開発で得た技術を活用して、ナファモスタットの吸入製剤化の研究開
発を推進しております。
2021年3月、健康成人を対象とした日本でのフェーズ1試験を開始いたしました。
③アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの国内供給
2020年6月、アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発中の新型コロナウイルスワクチンの国内における
安定供給に向け、アストラゼネカと協議を進めることに合意いたしました。
2021年2月、アストラゼネカと本ワクチンの国内における製剤化(バイアル充填、包装等を含む)を受託するた
めの製造委受託契約を締結し、2021年3月、国内での製剤化を開始いたしました。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当社グループでは、生産設備の増強・合理化及び研究開発の強化・効率化等を目的とした設備投資を継続的に実施
しております。
当連結会計年度は、第一三共プロファーマ㈱及び第一三共ケミカルファーマ㈱の製造設備、 アメリカン・リージェ
ントInc.における製造設備 等を中心に全体で 40,138 百万円の設備投資を行いました。
2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は次のとおりであります。
(1) 提出会社
2021年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 従業員数
セグメントの名称 設備の内容
土地
建物及び 機械装置
(所在地) (名)
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積㎡)
本社 1,861
医薬事業 管理設備 4,438 - 2,117 8,417 1,267
(東京都中央区) (1,909)
品川研究開発センター
695
医薬事業 研究設備 25,498 81 2,918 29,193 1,192
(東京都品川区) (67,872)
葛西研究開発センター 45
医薬事業 研究設備
14,204 5 898 15,154 109
(東京都江戸川区)
(56,045)
館林バイオ医薬センター 2,187
医薬事業 研究設備 3,041 35 1,164 6,429 121
(群馬県邑楽郡千代田町) (73,197)
製薬技術本部平塚拠点 126
医薬事業 研究設備 4,728 515 1,275 6,645 320
(神奈川県平塚市) (23,423)
(注)1.上記金額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース取引により認識した使用権資産であり、建設仮勘
定は含めておりません。
(2) 国内子会社
2021年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 セグメント 従業員数
会社名 設備の内容
建物及び 機械装置 土地
(所在地) の名称 (名)
その他 合計
構築物 及び運搬具
(面積㎡)
第一三共プロ 平塚工場 1,177
医薬事業 製造設備 16,560 6,938 374 25,051 593
ファーマ㈱ (神奈川県平塚市) (217,645)
第一三共ケミカル 小名浜工場 4,304
医薬事業 製造設備 4,173 2,221 848 11,547 187
(福島県いわき市)
ファーマ㈱ (320,145)
小田原工場 1,162
〃 医薬事業 製造設備 9,320 4,502 657 15,642 277
(神奈川県小田原市) (133,064)
館林工場
852
〃 (群馬県邑楽郡千代田 医薬事業 製造設備 3,675 2,538 391 7,457 213
(28,512)
町)
管理設備
本社
第一三共バイオ
医薬事業 製造設備 6,000 5,682 - 665 12,348 358
テック ㈱
(埼玉県北本市)
研究設備
(注)1.上記金額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース取引により認識した使用権資産であり、建設仮勘
定は含めておりません。
3.第一三共プロファーマ㈱及び第一三共ケミカルファーマ㈱の各工場は、提出会社からの賃借資産を含めて
おります。
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(3) 在外子会社
2021年3月31日現在
帳簿価額(百万円)
事業所名 セグメント 従業員数
会社名 設備の内容
(所在地) の名称 (名)
建物及び 機械装置 土地
その他 合計
構築物 及び運搬具 (面積㎡)
パッフェンホーフェン
第一三共ヨーロッ 1,716
工場
医薬事業 製造設備 2,274 2,749 1,958 8,699 501
パGmbH (86,485)
(ドイツ バイエルン)
ニューオルバニー工場
アメリカン・リー 471
医薬事業 製造設備 2,917 5,148 46 8,582 405
(アメリカ オハイオ)
ジェントInc. (138,000)
(注)1.上記金額には消費税等を含めておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具、器具及び備品、リース取引により認識した使用権資産であり、建設仮勘
定は含めておりません。
3.第一三共ヨーロッパGmbHのパッフェンホーフェン工場は、第一三共リアルエステートGmbHからの賃借資産を
含めております。
3【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
投資予定金額 着手及び完了予定年月
事業所名 セグメント 完成後の
資金調達
会社名 設備の内容
総額 既支払額
(所在地) の名称 方法 増加能力
着手 完了
(百万円) (百万円)
ニューオルバニー工場
アメリカン・リー
医薬事業 製造設備 12,671 11,419 自己資金 2017年3月 2022年12月 拡充
(アメリカ オハイオ)
ジェントInc.
ヒリヤード工場
〃 医薬事業 製造設備 4,699 4,643 自己資金 2016年4月 2022年7月 拡充
(アメリカ オハイオ)
シャーリー工場
(アメリカ ニューヨー
〃 医薬事業 製造設備 5,483 1,981 自己資金 2016年4月 2023年12月 拡充
ク)
パッフェンホーフェン
工場
第一三共ヨーロッパ
医薬事業 製造設備 6,319 451 自己資金 2019年9月 2023年3月 新設
(ドイツ バイエル
GmbH
ン)
第一三共ケミカル 小名浜工場
医薬事業 製造設備 23,280 5,411 自己資金 2020年1月 2021年9月 新設
ファーマ㈱ (福島県いわき市)
第一三共プロファー 平塚工場
医薬事業 製造設備 28,900 2,616 自己資金 2020年9月 2022年8月 新設
マ㈱ (神奈川県平塚市)
(注)上記金額には消費税等を含めておりません。
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 8,400,000,000
計 8,400,000,000
(注)2020年4月27日開催の取締役会決議に基づき、2020年10月1日付で株式分割に伴う定款の一部変更が行われ、発
行可能株式総数は、5,600,000,000株増加し、8,400,000,000株となっております。
②【発行済株式】
上場金融商品取引所名
事業年度末現在発行数(株) 提出日現在発行数(株)
種類 又は登録認可金融商品 内容
(2021年3月31日) (2021年6月21日)
取引業協会名
東京証券取引所
単元株式数は100
2,127,034,029 1,947,034,029
普通株式
(市場第一部)
株であります。
2,127,034,029 1,947,034,029 - -
計
(注)1.2020年4月27日開催の取締役会決議に基づき、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とす
る株式分割を行い、2021年3月31日時点での発行済株式総数は1,418,022,686株増加し、2,127,034,029株と
なっております。
2. 2020年10月30日開催の取締役会決議に基づき、2021年4月15日付で自己株式180,000,000株を消却したこと
により、提出日(2021年6月21日)時点での 発行済株式総数は1,947,034,029株となっております。
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
第1回新株予約権 第2回新株予約権
(2008年2月15日発行) (2008年11月17日発行)
決議年月日 2008年1月31日 2008年10月31日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 20名 執行役員 20名
30
新株予約権の数(個) (注)1 50
新株予約権の目的となる株式の種類、内 普通株式 普通株式
容及び数(株) (注)1、2 9,000 15,000
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2008年2月16日 自 2008年11月18日
新株予約権の行使期間
至 2038年2月15日 至 2038年11月17日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 844 発行価格 448
場合の株式の発行価格及び資本組入額
資本組入額 422 資本組入額 224
(円) (注)2
新株予約権の行使の条件 (注)3
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)4
関する事項
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第3回新株予約権 第4回新株予約権
(2009年8月17日発行) (2010年8月19日発行)
決議年月日 2009年7月31日 2010年7月30日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 18名 執行役員 18名
353 [151] 739 [640]
新株予約権の数(個) (注)1
普通株式 普通株式
新株予約権の目的となる株式の種類、内
105,900 [45,300] 221,700 [192,000]
容及び数(株) (注)1、2
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2009年8月18日 自 2010年8月20日
新株予約権の行使期間
至 2039年8月17日 至 2040年8月19日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 447 発行価格 400
場合の株式の発行価格及び資本組入額
200
資本組入額 224 資本組入額
(円) (注)2
新株予約権の行使の条件 (注)3
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)4
関する事項
第5回新株予約権 第6回新株予約権
(2011年7月12日発行) (2012年7月9日発行)
決議年月日 2011年6月27日 2012年6月22日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 18名 執行役員 19名
870 [828] 1,266 [1,159]
新株予約権の数(個) (注)1
普通株式 普通株式
新株予約権の目的となる株式の種類、内
261,000 [248,400] 379,800 [347,700]
容及び数(株) (注)1、2
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2011年7月13日 自 2012年7月10日
新株予約権の行使期間
至 2041年7月12日 至 2042年7月9日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 372 発行価格 296
場合の株式の発行価格及び資本組入額
186 148
資本組入額 資本組入額
(円) (注)2
新株予約権の行使の条件 (注)3
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)4
関する事項
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第7回新株予約権 第8回新株予約権
(2013年7月8日発行) (2014年7月8日発行)
決議年月日 2013年6月21日 2014年6月23日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 17名 執行役員 16名
1,021 [961] 1,008 [965]
新株予約権の数(個) (注)1
普通株式 普通株式
新株予約権の目的となる株式の種類、内
306,300 [288,300] 302,400 [289,500]
容及び数(株) (注)1、2
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2013年7月9日 自 2014年7月9日
新株予約権の行使期間
至 2043年7月8日 至 2044年7月8日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 401 発行価格 455
場合の株式の発行価格及び資本組入額
201 228
資本組入額 資本組入額
(円) (注)2
新株予約権の行使の条件 (注)3
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)4
関する事項
第9回新株予約権 第10回新株予約権
(2015年7月7日発行) (2016年7月5日発行)
決議年月日 2015年6月22日 2016年6月20日
取締役(社外取締役を除く) 6名 取締役(社外取締役を除く) 6名
付与対象者の区分及び人数(名)
執行役員 16名 執行役員 19名
897 [841] 1,294 [1,236]
新株予約権の数(個) (注)1
普通株式 普通株式
新株予約権の目的となる株式の種類、内
269,100 [252,300] 388,200 [370,800]
容及び数(株) (注)1、2
新株予約権の行使時の払込金額(円) 1 1
自 2015年7月8日 自 2016年7月6日
新株予約権の行使期間
至 2045年7月7日 至 2046年7月5日
新株予約権の行使により株式を発行する
発行価格 620 発行価格 654
場合の株式の発行価格及び資本組入額
310 327
資本組入額 資本組入額
(円) (注)2
新株予約権の行使の条件 (注)3
新株予約権の譲渡に関する事項 取締役会の承認を要する。
組織再編行為に伴う新株予約権の交付に
(注)4
関する事項
(注)1.当事業年度の末日(2021年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前
月末現在(2021年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]
内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
2.当社は、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。これに
より、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」及び「新株予約権の行使により株式を発行する
場合の株式の発行価格および資本組入額」が調整されております。
3.新株予約権の行使の条件は次のとおりであります。
(1) 新株予約権者は、新株予約権の割当て時に就任していた当社の取締役又は執行役員を退任した日(新株予
約権者が取締役及び執行役員を兼務している者である場合は、以後、執行役員の地位を有し続けるか否か
にかかわらず、取締役を退任した日とし、新株予約権者が新株予約権の割当て時に執行役員である場合に
おいて、その者が執行役員の退任と同時に、取締役に就任した場合は、執行役員を退任した日ではなく、
取締役を退任した日とする。)の翌日から10年以内に終了する事業年度のうち最終事業年度末日までに限
り、新株予約権を行使できる。
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(2) 新株予約権者は、新株予約権を質入れその他一切の処分をすることができない。
(3) 新株予約権者が死亡した場合、新株予約権者の相続人は、当社及び新株予約権者との間で締結される新株
予約権割当契約に定めるところに従い、相続原因事由発生日現在において未行使の新株予約権を承継し、
これを行使することができる。
(4) 新株予約権者は、新株予約権を行使する場合、1個の新株予約権の一部の行使ができないものとする。
(5) その他の条件は、取締役会決議に基づき、当社と新株予約権者との間で締結する新株予約権割当契約の定
めるところによる。
4.組織再編行為に伴う新株予約権の交付に関する事項は次のとおりであります。
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転
(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合においては、組織再編行為の効力発生の直前の
時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、会社法第236
条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件
に基づきそれぞれ交付することができるものとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対
象会社は新たに新株予約権を交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を
交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画
において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する数と同一の数とする。
(2) 新株予約権の目的である株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上調整した再編後の
行使価額に前記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得
られる金額とする。
(5) 新株予約権の行使期間
新株予約権の行使期間は、前記「新株予約権の行使期間」に定める期間の開始日と組織再編行為の効力発
生日のいずれか遅い日から、前記「新株予約権の行使期間」に定める期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合の資本組入額(新株予約権の行使により株式を発行する場合
における増加する資本金及び資本準備金に関する事項)
① 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1
項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたと
きは、その端数を切り上げるものとする。
② 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、前記①記載の資本金
等増加限度額から前記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要する。
(8) 新株予約権の行使の条件並びに取得事由及び条件
新株予約権の行使の条件並びに取得事由及び条件は前記1.及び以下の定めに準じて、組織再編行為の際
に当社の取締役会で定める。
① 新株予約権者が前記1.の定めに基づき、権利を行使することができなくなった場合には、当社は、取締
役会が別途定めた日において、当該新株予約権者の有する当該新株予約権を無償で取得することができ
るものとする。
② 当社が吸収合併消滅会社となる吸収合併契約が当社の株主総会(株主総会決議が不要な場合は当社の取
締役会とする。)において承認されたとき、当社が株式交換完全子会社又は株式移転完全子会社となる
株式交換契約承認の議案又は株式移転計画承認の議案が株主総会(株主総会決議が不要な場合は当社の
取締役会とする。)で承認されたときは、当社は、取締役会が別途定めた日において、新株予約権者の
有する新株予約権を無償で取得することができるものとする。
③ 新株予約権者が書面により新株予約権の全部又は一部を放棄する旨を申し出たときは、当社は、取締役
会が別途定めた日において、当該新株予約権者の有する当該新株予約権を無償で取得することができる
ものとする。
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②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(株) (株) (百万円) (百万円)
2020年10月1日
1,418,022,686 2,127,034,029 - 50,000 - 179,858
(注)1
(注)1.2020年4月27日開催の取締役会決議に基づき、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とす
る株式分割を行ったことによる増加であります。
2.2020年10月30日開催の取締役会で決議した自己株式の消却により、2021年4月15日付で発行済株式総数が
180,000,000株減少し、1,947,034,029株となっております。
(5)【所有者別状況】
2021年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満株
式の状況
区分 外国法人等
政府及び地 金融商品取 その他の法
金融機関 個人その他 計 (株)
方公共団体 引業者 人
個人以外 個人
株主数
1 105 66 595 881 91 74,996 76,735 -
(名)
所有株式数
10 8,941,177 218,630 558,183 7,362,734 748 4,180,850 21,262,332 800,829
(単元)
所有株式数
の割合
0.00 42.05 1.03 2.63 34.63 0.00 19.66 100.00 -
(%)
(注)1.自己株式210,874,680 株は、「個人その他」欄に2,108,746単元及び「単元未満株式の状況」欄に80株含めて
記載しております。
なお、自己株式210,874,680株は株主名簿記載上の株式数であり、2021年3月31日現在の実質的な所有株式
数は210,868,203株であります。
2.上記「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が63単元含まれております。
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(6)【大株主の状況】
2021年3月31日現在
発行済株式
(自己株式を
所有株式数 除く。)の総
氏名又は名称 住所
(千株) 数に対する所
有株式数の割
合(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
218,758 11.42
東京都港区浜松町二丁目11番3号
(信託口)
JP MORGAN CHASE BANK 385632 25 BANK STREET, CANARY WHARF, LONDON,
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済 E14 5JP, UNITED KINGDOM 182,590 9.53
営業部) (東京都港区港南二丁目15番1号)
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 151,386 7.90
東京都中央区晴海一丁目8番12号
日本生命保険相互会社
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
(常任代理人 日本マスタートラスト信
107,328 5.60
(東京都港区浜松町二丁目11番3号)
託銀行株式会社)
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
ONE LINCOLN STREET, BOSTON MA USA 02111
(常任代理人 香港上海銀行東京支店 カ 68,490 3.57
(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)
ストディ業務部)
みずほ信託銀行株式会社 退職給付信
託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会 43,208 2.25
東京都中央区晴海一丁目8番12号
社日本カストディ銀行
株式会社日本カストディ銀行(信託口
40,937 2.14
東京都中央区晴海一丁目8番12号
7)
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY
P.O. BOX 351 BOSTON MASSACHUSETTS 02101
505001
U.S.A. 36,402 1.90
(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済
(東京都港区港南二丁目15番1号)
営業部)
株式会社静岡銀行
静岡県静岡市葵区呉服町一丁目10番地
(常任代理人 日本マスタートラスト信
34,172 1.78
(東京都港区浜松町二丁目11番3号)
託銀行株式会社)
GOVERNMENT OF NORWAY
BANKPLASSEN 2, 0107 OSLO 1 OSLO 0107 NO
(常任代理人 シティバンク、エヌ・エ 28,069 1.46
(東京都新宿区新宿六丁目27番30号)
イ東京支店)
911,345 47.56
計
(注)1.当社は、自己株式210,868千株を所有しておりますが、上記の「大株主の状況」には含めておりません 。
2.以下のとおり大量保有報告書が公衆の縦覧に供されておりますが、2021年3月31日現在における実質所有株
式数の確認ができませんので、上記の「大株主の状況」には含めておりません。
発行済株式総
所有株式数 数に対する所
公衆の縦覧に
氏名又は名称 住所
(千株) 有株式数の割
供された日
合(%)
三井住友トラスト・アセットマ 東京都港区芝公園一丁目1番
109,616 5.15
2020年12月22日
ネジメント株式会社 1号
47/173
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2021年3月31日現在
株式数(株) 議決権の数(個)
区分 内容
- - -
無議決権株式
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
完全議決権株式(自己株式等) 210,868,200 - -
普通株式
完全議決権株式(その他) 1,915,365,000 19,153,586 -
普通株式
1単元(100株)未満
800,829 -
単元未満株式 普通株式
の株式
2,127,034,029 - -
発行済株式総数
- 19,153,586 -
総株主の議決権
(注)1.「完全議決権株式(その他)」欄の株式数及び議決権の数には、証券保管振替機構名義の株式6,300株及び
この株式に係る議決権63個が含まれております。なお、同欄の株式数には、株主名簿上は当社名義となって
いるが実質的に所有していない株式6,400株が含まれておりますが、この株式に係る議決権64個は同欄の議
決権の数には含まれておりません。
2.「単元未満株式」欄の株式数には、当社所有の自己株式3株及び証券保管振替機構名義の株式48株が含まれ
ております。なお、同欄の株式数には、株主名簿上は当社名義となっているが実質的に所有していない株式
77株が含まれております。
3.2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。これにより、発
行済株式総数は、1,418,022,686株増加し、2,127,034,029株となっております。
②【自己株式等】
2021年3月31日現在
発行済株式総
自己名義所有 他人名義所有 所有株式数の 数に対する所
所有者の氏名又は名称 所有者の住所
株式数(株) 株式数(株) 合計(株) 有株式数の割
合(%)
東京都中央区日本橋本町
210,868,200 - 210,868,200 9.91
第一三共株式会社
三丁目5番1号
- 210,868,200 - 210,868,200 9.91
計
(注)1. このほか、株主名簿上は当社名義となっているが実質的に所有していない株式が6,477株(議決権の数64
個)あります。
2.2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。
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(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、2021年5月13日開催の取締役会において、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員(以下総
称して「対象取締役等」という。)を対象とする新たなインセンティブ・プランとして、グローバルでも主流なパ
フォーマンス・シェア(業績連動株式報酬)の性質を持つ信託型株式報酬制度(以下「本制度」という。)の導入
を決議いたしました。本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)
と称される仕組みを採用いたします。BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)及び譲
渡制限付株式報酬(Restricted Stock)と同様に、役位や経営計画等の目標達成度等に応じて、当社株式及び当社
株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。 )を対象取締役等に交付又は給付(以下「交付
等」という。)する制度です。
本制度の導入は、2021年6月21日開催の第16回定時株主総会(以下「本株主総会」という。)にて承認を得てお
ります。
① 制度の概要
本制度は、当社の掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(以下「対象期間」という。)において、対象
取締役等の役位及び中期経営計画の業績目標達成度等に応じて、役員報酬として当社株式等について交付等を
行う株式報酬制度です(当初の対象期間は、第5期中期経営計画(2021~2025年度)の5事業年度)。本信託
の継続が行われた場合には、中期経営計画に対応する対象期間といたします。
なお、対象取締役等が当社株式等の交付等を受ける時期は、原則として対象取締役等の退任後といたしま
す。
a 当社は本株主総会において、本制度の導入に関する役員報酬の承認決議を得ます。
b 当社は本制度の導入に関して、取締役会において役員報酬に係る株式交付規程を制定します。
c 当社は a の本株主総会決議で承認を受けた範囲内で金銭を拠出し、受益者要件を満たす対象取締役等を受
益者とするBIP信託(本信託)を設定します。
d 本信託は、信託管理人の指図に従い、c で信託された金銭を原資として当社株式を株式市場から取得しま
す。本信託が取得する株式数は、a における本株主総会の承認決議の範囲内とします。
e 本信託内の当社株式に対する配当は、他の当社株式と同様に行われます。
f 本信託内の当社株式については、信託期間を通じ、議決権を行使しないものとします。
g 受益者要件を満たす対象取締役等は、対象期間において、株式交付規程に従い、毎年一定のポイントの付
与を受けた上で、対象期間の累積値に業績連動係数を乗じて算出したポイントに基づき、本信託から当社
株式等の交付等を受けます。
h 信託期間中における目標の未達成等により、信託期間の満了時に残余株式がある場合、取締役会決議によ
り信託契約の変更及び本信託への追加信託を行うことにより、本制度又はこれと同種の株式報酬制度とし
て、本信託を継続利用することができます。なお、本信託を継続せず終了する場合は、株主への還元策と
して、本信託は当社に当該残余株式を無償譲渡し、当社はこれを取締役会決議により消却する予定です。
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i 信託期間の満了時に生じた本信託内の当社株式に係る配当金の残余は、本信託を継続利用する場合には株
式取得資金として活用されますが、信託期間満了により本信託を終了する場合には、信託費用準備金を超
過 する部分については、当社及び対象取締役等と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
② 信託契約の内容
・信託の種類 特定単独運用の金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
・信託の目的 対象取締役等に対するインセンティブの付与
・委託者 当社
・受託者 三菱UFJ信託銀行株式会社
(共同受託者 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)
・受益者 制度対象者のうち受益者要件を充足する者
・信託管理人 当社と利害関係のない第三者(公認会計士)
・信託契約日 2021年8月2日(予定)
・信託の期間 2021年8月2日(予定)~2026年8月末日(予定)
・制度開始日 2021年8月2日(予定)
・議決権行使 議決権は行使しないものとします。
・取得株式の種類 当社普通株式
・信託金の金額 30億円(予定)(信託報酬・信託費用を含む)
・株式の取得方法 株式市場より取得
・株式の取得時期 2021年8月5日~2021年8月30日(予定)
・帰属権利者 当社
・残余財産 帰属権利者である当社が受領できる残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した
信託費用準備金の範囲内とします。
③ 対象取締役等に割り当てる予定の株式の総数
936,100株
対象取締役等に割り当てる予定の株式の総数は、本制度の導入を決議した時点での株価水準及び現在の対象
取締役等の構成を参考に、中期経営計画の業績目標達成度等が最大で推移した場合に対象取締役等に交付が必
要となる水準にて設定しております。
④ 本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
対象取締役等のうち受益者要件を充足する者
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第3号及び第7号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
区分 株式数(株) 価額の総額(百万円)
取締役会(2020年10月30日)での決議状況
60,000,000 100,000
(取得期間 2020年11月2日~2021年3月
23日)
当事業年度前における取得自己株式 - -
当事業年度における取得自己株式 29,471,300 99,999
残存決議株式の総数及び価額の総額 30,528,700 0
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 50.9 0.0
当期間における取得自己株式 - -
提出日現在の未行使割合(%) 50.9 0.0
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。取締役会決
議による自己株式取得は当該株式分割後に実施しているため、株式分割後の株式数を記載しております。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(百万円)
当事業年度における取得自己株式 17,706 54
当期間における取得自己株式 1,091 3
(注)1.「当期間における取得自己株式」には、2021年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式
の買取りによる株式数は含めておりません。
2.2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行ったことにより、当事業年度に
おける取得自己株式数は、当該株式分割による調整後の株式数を記載しております。
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(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(百万円) (百万円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - 180,000,000 223,009
合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る
- - - -
移転を行った取得自己株式
その他
902 2 10 0
(単元未満株式の買増請求)
その他
1,359,000 573 200,100 88
(新株予約権の権利行使)
その他
91,677 269 - -
(譲渡制限付株式の付与)
保有自己株式数 210,868,203 - 30,669,184 -
(注)1.当期間における処理及び保有自己株式数には、2021年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未
満株式の買取り、買増請求及び新株予約権の権利行使による株式数は含めておりません。
2.2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行ったことにより、当事業年度の
処理自己株式数は、当該株式分割による調整後の株式数を記載しております。
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3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を経営上重要な施策の一つとして位置付けております。具体的には、成長のため
の投資、社債の償還準備、株主還元等を総合的に勘案した上で、配当を安定的に維持することを基本方針としており
ます。内部留保については、持続的な企業価値の向上を図るため、成長戦略の展開に不可欠な投資として研究開発、
事業開発、設備投資及び運転資金に充当する考えであります。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に定める中間配当をする
ことができる。」旨を定款に定めており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針として
おります。 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であり
ます。
これらを勘案し、当期におきましては、中間配当として1株当たり40円50銭(株式分割前ベース)、期末配当とし
て1株当たり13円50銭(株式分割後ベース)の配当といたしました。当期の年間配当金は、株式分割前ベースで前期
に比べ11円増配の1株当たり81円となっております。
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割 いたしました。
当事業年度に係る剰余金の配当は次のとおりであります。
配当金の総額 1株当たり配当額
決議年月日
(百万円) (円)
2020年10月30日
26,264 40.5
取締役会決議
2021年6月21日
25,868 13.5
定時株主総会決議
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4【コーポレートガバナンスの状況等】
(1)【コーポレートガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、経営環境の変化に対してより迅速かつ機動的に対応できる経営体制を構築するとともに、法令の遵守
と経営の透明性を確保し、経営と執行に対する監督機能の強化を図り、株主の皆様をはじめとするステークホル
ダーの信頼に応えることのできるコーポレートガバナンス体制の構築を重視しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(ⅰ) コーポレートガバナンス体制の概要及び当該体制を採用する理由等
取締役の経営責任の明確化と経営と執行に対する監督機能の強化を目的として、取締役の任期を1年と定
め、取締役9名中4名を社外取締役とする体制としております。なお、2020年6月より社外取締役が取締役
会議長に就任しております。
経営の透明性確保を目的として、取締役会の諮問機関である指名委員会及び報酬委員会を任意の組織とし
て設置し、取締役及び執行役員の候補者選定、CEO後継者計画及び役員報酬制度等について両委員会において
審議しております。
両委員会は、社外取締役4名で構成され、社外監査役1名がオブザーバーとして参加しております。
経営の適法性及び健全性を監査する目的で、監査役制度を採用し、社外監査役3名を含む監査役5名によ
り構成される監査役会を設置しております。
執行役員制度を採用することにより、適正かつ迅速な経営の意思決定と業務執行に資する体制としており
ます。
業務の有効性及び効率性確保、財務報告の信頼性確保、事業活動に関わる法令等の遵守、資産の保全を目
的として、執行機能を担う各組織によるセルフモニタリング(一次統制)、コーポレート組織による各組織
への方針展開とモニタリング(二次統制)、監査部によるモニタリングを含む内部監査(三次統制)による
内部統制システムを構築しております。
経営環境の変化に対してより迅速かつ機動的に対応できる経営体制を構築するとともに、法令の遵守と経
営の透明性を確保し、経営と執行に対する監督機能の強化を図る上で、この体制が最適であると考え、当該
体制を採用しております。
会社の機関の内容は、次のとおりであります。
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設置する機関の名称、目的、権限及び構成員の氏名は次のとおりであります。
機関の名称 目的 権限 構成員の氏名 役職名
福井 次矢(長) 社外取締役
取締役会の委嘱により、取締 株主総会に提出する取締
宇治 則孝 社外取締役
役及び執行役員の選定等につ 役及び監査役の選任及び
指名委員会 いて必要な審議を行い、もっ 解任に関する議案の内容 釡 和明 社外取締役
て経営の透明性及び監督機能 等の審議、取締役会への
野原 佐和子 社外取締役
の向上に資すること 答申
社外監査役
樋口 建史(オブザーバー)
釡 和明(長) 社外取締役
取締役会の委嘱により、取締
取締役及び執行役員の報
宇治 則孝 社外取締役
役及び執行役員の報酬の方針
酬等の方針、個人別の報
報酬委員会 等について必要な審議を行 福井 次矢 社外取締役
酬等の審議、取締役会へ
い、もって経営の透明性及び
野原 佐和子 社外取締役
の答申
監督機能の向上に資すること
今津 幸子 (オブザーバー) 社外監査役
常勤監査役
渡邊 亮一(長)
監査に関する重要な事項につ 監査報告の作成、監査の
佐藤 賢治 常勤監査役
いて報告を受け、協議を行 方針、業務及び財産の状
い、又は決議をすること(た
監査役会 況の調査の方法その他の 樋口 建史 社外監査役
だし、各監査役の権限の行使 監査役の職務の執行に関
今津 幸子 社外監査役
する事項の決定等
を妨げることはできない)
渡辺 雅子 社外監査役
総務本部長
古田 弘信(長)
総務本部 人事部長
徳本 明宏
総務本部 法務部長
塚口 直人
日本事業ユニット 営業本部長
櫻井 昭雄
日本事業ユニット
金島 良徳
マーケティング本部長
日本事業ユニット
齋藤 宏暢
メディカルアフェアーズ本部長
日本事業ユニット
丹澤 亨
コンプライアンスに係る
ワクチン企画部長
国内外の法令及び企業倫理を
企業倫理 グローバルポリシーの審
長尾 公則 ASCAカンパニープレジデント
遵守し、企業の社会的責任を
委員会 議、年度目標の承認、実
果たす経営を推進すること 高崎 渉 研究開発本部長
施報告の確認等
籔田 雅之 バイオロジクス本部長
柏瀬 裕人 製薬技術本部長
福手 準一 サプライチェーン本部長
荒井 美由紀 信頼性保証本部長
和田 憲刀 安全管理本部長
森脇 純夫 社外弁護士
渡邊 亮一(オブザーバー) 常勤監査役
佐藤 賢治(オブザーバー) 常勤監査役
横山 輝道 (オブザーバー) 監査部長
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機関の名称 目的 権限 構成員の氏名 役職名
古田 弘信(長) 総務本部長
経営企画・管理本部長 CFO
奥澤 宏幸
松本 高史 人事管掌
総務本部 総務・調達部長
加納 幹明
総務本部
加藤 政弘
サステナビリティ推進部長
第一三共グループの企業活動
木村 悟 日本事業ユニット長
全般における環境の保全と健
長尾 公則 ASCAカンパニープレジデント
康・安全の確保を重要な経営
高崎 渉 研究開発本部長
課題と位置づけ、リスクを最
籔田 雅之 バイオロジクス本部長
小化し持続可能な社会に貢献
EHS経営 EHSに関する方針、計画の
柏瀬 裕人 製薬技術本部長
することを目的として、環境
委員会 審議、実施報告の確認等
福手 準一 サプライチェーン本部長
(Environment)、健康
第一三共ヘルスケア㈱
(Health)、安全(Safety)
吉田 勝彦
代表取締役社長
を継続的に改善するマネジメ
第一三共プロファーマ㈱
ントシステムの一体的な運
伊澤 広純
代表取締役社長
営、推進をすること
第一三共ケミカルファーマ㈱
藤野 健彦
代表取締役社長
第一三共バイオテック㈱
白澤 邦内
代表取締役社長
渡邊 亮一(オブザーバー) 常勤監査役
常勤監査役
佐藤 賢治(オブザーバー)
(ⅱ ) 会社の機関の内容
取締役会は原則月1回開催し、会社の重要な業務執行を決議し、取締役の職務執行を監督しております。
構成員の氏名は「(2)役員の状況 ① 役員一覧」に記載しております。
また、経営会議を毎月議案に応じて複数回開催し、業務執行に関する審議を行い、経営判断の迅速性と適
正性の向上に努めております。
監査役は、取締役の職務執行状況に関し、厳正な監査を実施しております。監査役会は原則月1回開催
し、監査の方針及び計画、監査役の職務執行に関する事項等を決定しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
(ⅰ) 内部統制システムの整備の状況
当社グループは、役員及び従業員が業務を遂行するにあたり、社会的規範、法令及び当社の行動規範・社
内諸規程を遵守すること、並びにこれを担保する内部統制体制を構築することが、継続的な企業価値創造に
おける重要課題と位置付け、内部統制体制構築の基本方針を次のとおり定めております。
(a) 当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.役員及び従業員の行動規範として第一三共グループ企業行動憲章、第一三共グループ個人行動規範等
を定めるとともに、社外専門家を含む会議体を設置し、コンプライアンス体制を整備する。
ロ.経営に対する監督機能の強化・充実のため、社外取締役を置く。
ハ.監査役は、取締役の職務執行、意思決定の過程及び内容並びに内部統制体制の整備及び運用状況を監
査する。
(b) 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
イ.情報セキュリティ体制を整備し、法令及び社内諸規程に基づき、取締役会議事録その他取締役の職務
執行に係る情報を適切に保存・管理する。
(c) 当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.社内諸規程を定め、リスクマネジメント体制を整備する。
ロ.監査部は、上記体制の運営状況を監査する。
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(d) 当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ.CEOが戦略的な意思決定を行うことを目的として、社外取締役を除く取締役及びCEOの指名する主要な
地域・法人・機能の責任者をもって経営会議を構成し、重要事項を審議する。また意思決定手段の一
つとして決裁制度を設ける。
ロ.意思決定と職務執行の迅速性を考慮し、執行役員制度を導入する。
(e) 当社の使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.役員及び従業員の行動規範として第一三共グループ企業行動憲章、第一三共グループ個人行動規範等
を定めるとともに、社外専門家を含む会議体を設置し、コンプライアンス体制を整備する。
ロ.「第一三共グループグローバルマネジメント規程」に従いCEOの命を受けた主要な地域・法人・機能の
責任者及び「組織管理規程」に従い社長の命を受けた部所長等が主管業務を掌理し、所属員の監督、
管理及び指導を行う。
ハ.人事管理及びリスクマネジメント等の体制整備に係るそれぞれの専門機能が、各部所への方針伝達と
管理、指導を行う。
ニ.監査部は、法令、定款及び社内諸規程の遵守状況について、内部監査を実施する。
(f) 当社及び当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ.当社は、「第一三共グループグローバルマネジメント規程」及び「内部統制システムの整備規程」を
定め、第一三共グループの経営管理体制を明確にするとともに、グループ会社に対し、経営方針等を
伝達し、また、グループ会社の取締役等から経営・業績等に関する報告を受ける体制を整備する。
ロ.当社は、「グループ会社管理規程」を定め、グループ会社の責任と権限を明確化する。
ハ.当社は、「第一三共グループリスクマネジメント推進規程」を定め、第一三共グループのリスクマネ
ジメント体制を整備する。
ニ.当社は、第一三共グループ個人行動規範等を定め、グループ会社に展開するとともに、第一三共グ
ループのコンプライアンス推進体制を整備し、グループ会社に周知徹底する。
ホ.当社は、「財務報告に係る内部統制規程」を定め、適切に運用することにより、第一三共グループの
財務報告の信頼性を確保する。
ヘ.当社は、「内部監査規程」を定め、グループ会社に対し、内部監査を実施する。
(g) 当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制
イ.当社の監査役の職務を補助する専任スタッフを置く。
(h) 前記(g)の使用人の当社の取締役からの独立性及び当社の監査役からの指示の実効性の確保に関する事項
イ.当社の監査役の専任スタッフは、取締役から独立し、監査役の指揮命令の下に職務を遂行する。
ロ.当社の監査役の専任スタッフの人事異動、人事評価等については、予め監査役会の同意を必要とす
る。
(i) 当社及び当社子会社の取締役及び使用人が当社の監査役に報告をするための体制その他の当社の監査役
への報告に関する体制
イ.当社は、当社の取締役が、当社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、
当該事実を監査役に報告する体制を整備する。
ロ.当社の監査役は、当社の役員及び従業員並びにグループ会社の役員及び従業員等から業務執行状況等
の報告を受けるものとする。
ハ.当社の監査役は、経営会議その他の重要な会議に出席する。
ニ.決裁の手続や内容を検証するため、決裁書の通知先に監査役を常設する。
(j) その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
イ.当社の監査役は、代表取締役と定期的に会合をもち、経営方針の確認や監査上の重要課題等について
の意見交換を行う。
ロ.当社の監査役は、グループ会社の監査役等と相互に情報を交換し、緊密な連携を保つ。
ハ.当社の監査役は、外部監査人及び監査部と連携し、意見交換等を行う。
ニ.当社は、前記(i).ロ.に基づき報告を行った者及び第一三共グループ個人行動規範等に基づき報告を
行った者に対し、当該報告をしたことを理由に不利な取扱いを行わない。
ホ.当社は、監査役の職務の執行について生じる費用を負担する。
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(k) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び体制
イ.当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体に対して毅然とした姿勢で臨
み、反社会的勢力及び団体による経営活動への関与や被害を防止するために、第一三共グループ企業
行動憲章等において、反社会的勢力及び団体とは関係遮断を徹底することを基本方針に定めるととも
に、組織的体制を整備し、警察当局等と連携した情報収集や役員・従業員に対する啓発活動等によ
り、関係の排除に取り組む。
(ⅱ) リスク管理体制の整備の状況
(a) リスク管理体制の整備
イ.当社グループでは、リスクを「組織の目的・目標の達成を阻害する要因」と定義し、企業活動に潜在
するリスクへの適切な対応を行うとともに、リスクの顕在化によってもたらされる影響を合理的に管
理し、人・社会・企業の損失を最低限に留めるべく、リスクマネジメントを推進しております。
ロ.推進にあたっては、最高財務責任者(CFO)がリスクマネジメント推進責任者として当社グループ全体
のリスクマネジメントを統括し、リスクマネジメントの啓発推進、リスクマネジメント体制の運営を
行っております。企業経営に重大な影響を及ぼすリスクについては、取締役会及び経営会議等を通じ
て、リスクの特定及び定期的な把握・評価を行い、部門責任者がリスクマネジメント推進責任者と連
携して対策を講じることで、リスク顕在化の未然防止に努めております。
ハ. リスクマネジメントの一環として、種々のクライシス発生時の影響・損害を最小限に抑えるための対
応を「クライシスマネジメント」として定義しております。クライシスマネジメント責任者およびク
ライシスマネジメント初期対応責任者の設置、クライシスのレベルに応じたクライシスマネジメント
体制、報告ルート・方法等を予め定めることで、クライシス発生時の迅速かつ的確な初動対応がとれ
る体制を整えております。
ニ. 特定のクライシス(自然災害、設備事故、新型インフルエンザ等感染症、システム障害)事象の発生
に備え、想定したシナリオに基づき、事業資産の損害を最小限にとどめ、事業の継続あるいは早期に
復旧することを目的として、平時に行うべき活動や、有事における具体的な対応手順を「事業継続基
本計画(BCP)」として定めております。
(b) コンプライアンスの重視
イ.当社グループ役員及び従業員のグローバルな行動規範として第一三共グループ企業行動憲章および第
一三共グループ個人行動規範を定めております。コンプライアンス推進状況については、毎年、代表
取締役及び企業倫理委員会(社外弁護士を含む。以下同じ)に報告されており、課題がある場合に
は、解決に向けた対策の実施について提言する体制を構築しております。
ロ. 当社グループでは、外部委託会社に、当社グループ役員及び従業員並びに取引先等も利用可能なグ
ローバル・ホットラインを設けております。重大なコンプライアンス違反については、企業倫理委員
会等に報告されております。
ハ. 当社では、厚生労働省から公表された「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」に
対応するため、法務部を当該活動の監督部門と定め、コンプライアンス・オフィサーを委員長とする
販売情報提供活動監督委員会(社外弁護士を含む)を設置しております。
ニ. 「グローバルマネジメント規程」「組織管理規程」等に従い、CEOの命を受けた主要な地域・法人・機
能の責任者及び部所長が所属員の監督、管理及び指導を行っており、その状況については経営会議・
業績会議等を通じて適宜経営陣に報告されております。
(ⅲ) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、経営会議、業績会議等を通じて、定期的にグループ会社へ方針を伝達し、グループ会社から経
営・業績等に関する報告を得ております。なお、国内グループ会社は、2015年5月施行の改正会社法及び当
社の内部統制体制構築の基本方針の改正を踏まえ、各社の取締役会において基本方針の改正を決議しており
ます。
グローバルなコンプライアンス体制の実効性を確保するため、企業倫理委員会の諮問機関として海外子会
社のコンプライアンス・オフィサー等をメンバーとする「グローバル・コンプライアンス諮問委員会」を設
置しております。また、国内外の各グループ会社においても、当社と同様のホットラインを設けておりま
す。なお、コンプライアンスの推進状況は、適宜、代表取締役及び企業倫理委員会に報告されております。
(ⅳ) 責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役の宇治則孝氏、福井次矢氏、釡和明氏及び野原佐和子氏、並びに、社外監査役の樋口
建史氏、今津幸子氏及び渡辺雅子氏との間で、それぞれ、会社法第423条第1項の賠償責任について、法令に
定める要件に該当する場合には定款に基づき賠償責任を限定する契約(責任限定契約)を締結しておりま
す。当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令に定める最低責任限度額です。
( ⅴ ) 役員等を被保険者として締結している役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者等から損害賠償を請求された
場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金・争訟費用等の損害を当該保険契約により填補す
ることとしております。ただし、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は
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填補されないなど、一定の免責事由を設けることにより、役員等の職務執行の適正性が損なわれないように
措置を講じています。
当該役員等賠償責任保険契約の被保険者は、当社及び国内グループ会社の取締役・監査役及び執行役員、
ならびに海外グループ会社(米国除く) (注) の主要な業務執行者及び管理職従業員です。保険料は当社及
び国内外のグループ会社が全額負担しております。
(注)米国のグループ会社については、当該役員等賠償責任保険契約と同様の契約を別途締結しております。
( ⅵ ) 取締役の定数及び選任要件
当社の取締役の定数は14名以内とする旨定款に定めております。また、当社の取締役の選任決議は、議決
権を行使することができる株主の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、
その際には累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
(ⅶ) 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨を定款に定めており
ます。
(a) 自己株式の取得(機動的な対応を可能とするため)
(b) 中間配当をすることができる旨(株主への安定的な配当を行うため)
(ⅷ) 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決
議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その
議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 11 名 女性 3 名(役員のうち女性の比率 21.4 %)
所有
株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(千株)
1978年4月 三共㈱入社
2005年7月 同社安全性研究所長
2007年4月 当社安全性研究所長
2009年4月 当社執行役員研究開発本部プロジェクト推進部長
2011年4月 当社執行役員グループ人事担当兼グループCSR担当
2012年4月 当社執行役員戦略本部経営戦略部長
2014年4月 当社常務執行役員日本カンパニープレジデント
代表取締役
兼事業推進本部長
社長
眞鍋 淳 1954年8月5日 生 (注)4 124
2014年6月 当社取締役常務執行役員日本カンパニープレジデン
CEO
ト兼事業推進本部長
社長執行役員
2015年4月 当社取締役専務執行役員国内外営業管掌
2016年4月 当社取締役副社長執行役員総務・人事本部長
兼メディカルアフェアーズ本部長
2016年6月 当社代表取締役副社長執行役員総務・人事本部長
兼メディカルアフェアーズ本部長
2017年4月 当社代表取締役社長兼COO社長執行役員
2019年6月
当社代表取締役社長兼CEO社長執行役員(現任)
1981年4月 第一製薬㈱入社
2009年4月 当社日本カンパニー医薬営業本部京都支店長
2014年4月 当社執行役員日本カンパニー医薬営業本部長
兼マーケティング部長
代表取締役
2015年4月 当社常務執行役員医薬営業本部長
木村 悟 1957年9月27日 生
(注)4 65
2016年4月 当社専務執行役員医薬営業本部長
専務執行役員
2019年6月 当社取締役専務執行役員医薬営業本部長
2021年4月 当社取締役専務執行役員日本事業ユニット長
2021年6月 当社代表取締役専務執行役員日本事業ユニット長
(現任)
1987年4月 三共㈱入社
2010年4月 当社研究開発本部研究開発企画部長
2012年4月 当社研究開発本部研究担当部長
2013年4月 当社研究開発本部研究統括部長
取締役
大槻 昌彦 1959年10月13日 生 2014年4月 当社執行役員研究開発本部研究統括部長
(注)4 49
専務執行役員
2018年4月 当社執行役員事業開発部長
2019年4月 当社常務執行役員事業開発部長
2020年4月 当社専務執行役員DX推進本部長
2020年6月
当社取締役専務執行役員DX推進本部長(現任)
1988年4月 第一製薬㈱入社
U3 Pharma GmbH CEO
2010年4月
2015年4月 当社戦略本部経営戦略部長
当社戦略本部経営戦略部長
2016年4月
兼オンコロジー事業グループ長
取締役
平島 昭司 1961年3月6日 生 (注)4 58
2017年4月 当社執行役員経営戦略本部経営推進部長
専務執行役員
2019年4月 当社常務執行役員製品戦略本部長
2020年4月 当社専務執行役員製品戦略本部長
2020年6月 当社取締役専務執行役員製品戦略本部長
当社取締役専務執行役員経営戦略本部長(現任)
2021年4月
1986年4月 三共㈱入社
2017年4月 当社ASCAカンパニー事業企画部長
取締役
2018年4月 当社執行役員ASCAカンパニープレジデント
常務執行役員 奥澤 宏幸 1962年10月31日 生 (注)4 30
2021年4月 当社常務執行役員経営企画・管理本部長 CFO
CFO
当社取締役常務執行役員経営企画・管理本部長
2021年6月
CFO(現任)
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所有
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(千株)
1973年4月 日本電信電話公社入社
1999年6月 ㈱エヌ・ティ・ティ・データ取締役新世代情報サー
ビス事業本部長
2000年9月 同社取締役経営企画部長
2001年6月 同社取締役産業システム事業本部長
2002年4月 同社取締役法人ビジネス事業本部長
2003年6月 同社常務取締役法人システム事業本部長
兼法人ビジネス事業本部長
社外取締役
2005年6月 同社代表取締役常務執行役員
宇治 則孝 1949年3月27日 生 (注)4 13
2007年6月 日本電信電話㈱代表取締役副社長
(取締役会議長)
2012年6月 同社顧問
2014年6月
当社社外取締役(現任)
(重要な兼職の状況)
横河電機㈱社外取締役
公益社団法人企業情報化協会名誉会長
一般社団法人日本テレワーク協会名誉会長
国際大学グローバル・コミュニケーション・セン
ター客員教授
1992年1月 佐賀医科大学附属病院総合診療部教授
1994年3月 京都大学医学部附属病院総合診療部教授
1999年4月 同大学大学院医学研究科内科臨床疫学教授
2000年4月 同大学大学院医学研究科内科臨床疫学教授
兼社会健康医学系専攻健康情報学教授兼専攻長
2001年2月 同大学大学院医学研究科内科臨床疫学教授
兼社会健康医学系専攻健康情報学教授兼専攻長
兼EBM共同研究センター長
社外取締役
2004年9月 聖路加国際病院内科(一般内科)医長・副院長
福井 次矢 1951年6月24日 生 (注)4 28
2005年4月 聖路加国際病院院長
(指名委員会委員長)
2012年4月
学校法人聖路加看護学園(現 聖路加国際大学)
理事長
2015年6月 当社社外取締役(現任)
2016年4月 聖路加国際大学学長
(重要な兼職の状況)
NPO法人卒後臨床研修評価機構理事
一般社団法人日本病院会常任理事
特定非営利活動法人日本医学図書館協会会長
1971年7月 石川島播磨重工業㈱(現㈱IHI)入社
1987年6月 米国IHI INC.副社長
2002年7月 石川島播磨重工業㈱(現㈱IHI)理事財務部次長・
資金グループ担当部長
2004年6月 同社執行役員財務部長
2005年4月 同社常務執行役員財務部長
2005年6月 同社取締役常務執行役員財務部長
2007年4月 同社代表取締役社長兼最高経営執行責任者
社外取締役
釡 和明 1948年12月26日 生 (注)4 2
2012年4月 同社代表取締役会長
(報酬委員会委員長)
2016年4月 同社取締役
2016年6月 同社相談役
2019年6月
当社社外取締役(現任)
2020年4月
㈱IHI特別顧問(現任)
(重要な兼職の状況)
㈱IHI特別顧問
住友生命保険相互会社社外取締役
㈱東京証券取引所社外監査役
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所有
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(千株)
1980年4月 ㈱三菱油化(現三菱ケミカル㈱)入社
1988年12月 ㈱生活科学研究所入社
1995年7月 ㈱情報通信総合研究所入社
1998年7月 同社ECビジネス開発室長
2001年12月 ㈱イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長
(現任)
2006年6月 日本電気㈱社外取締役
2009年10月 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
2012年6月 ㈱損害保険ジャパン社外監査役
2013年6月 NKSJホールディングス㈱(現SOMPOホールディング
ス㈱)社外取締役(現任)
社外取締役 野原 佐和子 1958年1月16日 生 (注)4 1
2014年6月 日本写真印刷㈱(現NISSHA㈱)社外取締役
2014年6月 ㈱ゆうちょ銀行社外取締役
2018年6月 東京ガス㈱社外監査役(現任)
2019年6月 当社社外取締役(現任)
2020年4月 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
(現任)
(重要な兼職の状況)
㈱イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
SOMPOホールディングス㈱社外取締役
東京ガス㈱社外監査役
1981年4月 三共㈱入社
2003年6月 同社経理部長
2004年4月 同社経営管理部長
2007年4月 当社経理部長
2009年4月 当社財務経理部長
常勤監査役
渡邊 亮一 1958年9月28日 生 2012年4月 当社総務・人事本部総務・調達部長 (注)5 37
(監査役会議長)
2014年4月 当社管理本部財務経理部長
2015年4月 当社監査部長
2016年4月 当社執行役員監査部長
2019年4月 当社執行役員監査部担当
2019年6月
当社常勤監査役(現任)
1988年4月 第一製薬㈱入社
2016年4月 当社研究開発本部研究開発総務部長
常勤監査役 佐藤 賢治 1963年2月28日 生
(注)5 23
2019年4月 当社研究開発本部研究開発総務部参事
2019年6月 当社常勤監査役(現任)
1978年4月 警察庁入庁
2007年8月 警察庁官房政策評価審議官兼官房審議官
2008年8月 警視庁警務部長
2009年3月 警視庁副総監・警務部長事務取扱
2010年1月 警察庁生活安全局長
2011年8月 警視総監
社外監査役 樋口 建史 1953年4月11日 生 (注)6 1
2014年4月 駐ミャンマー日本国特命全権大使
2018年6月
当社社外監査役(現任)
(重要な兼職の状況)
三浦工業㈱社外取締役
内閣府外局 カジノ管理委員会委員
1996年4月 アンダーソン・毛利法律事務所(現 アンダーソ
ン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)入所
2005年1月
同事務所パートナー就任(現任)
2007年4月 慶應義塾大学法科大学院准教授
2014年3月
公益財団法人石橋財団理事(現任)
社外監査役 今津 幸子 1968年7月28日 生 (注)6 -
2018年6月
当社社外監査役(現任)
(重要な兼職の状況)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事
業パートナー弁護士
公益財団法人石橋財団理事
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役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(千株)
1984年4月 株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)入行
1990年10月 監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマ
ツ)入所
社外監査役 渡辺 雅子 1962年1月29日 生 (注)7 -
1994年8月 公認会計士登録
2007年7月 同監査法人パートナー
2020年8月
渡辺雅子公認会計士事務所代表(現任)
2021年6月
当社社外監査役(現任)
431
計
(注)1.取締役 宇治則孝、福井次矢、釡和明及び野原佐和子は、社外取締役であります。
2.監査役 樋口建史、 今津幸子及び渡辺雅子は、社外監 査役であります。
3.監査役 今津幸子の戸籍上の氏名は、島戸幸子であります。
4.2021年6月21日開催の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
5.2019年6月17日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
6.2018年6月18日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
7.2021年6月21日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関
する定時株主総会の終結の時まで。
8.経営の執行体制は次のとおりであります。
役位 氏名 役職
代表取締役社長兼CEO
眞鍋 淳 CEO
社長執行役員
代表取締役
木村 悟 日本事業ユニット長
専務執行役員
取締役
大槻 昌彦 DX推進本部長
専務執行役員
取締役
平島 昭司 経営戦略本部長
専務執行役員
取締役
奥澤 宏幸
経営企画・管理本部長 CFO
常務執行役員 CFO
高村 健太郎
常務執行役員 経営企画・管理本部財務経理部長
常務執行役員 福手 準一 サプライチェーン本部長
常務執行役員 古田 弘信 総務本部長
常務執行役員 籔田 雅之 バイオロジクス本部長
常務執行役員 高崎 渉 研究開発本部長
執行役員 平野 秀之 日本事業ユニット事業管理部長
Head of US Corporate Division, Daiichi Sankyo, Inc.
執行役員 小川 晃司
執行役員 熊倉 誠一郎 研究開発本部トランスレーショナルメディシン統括部長
Executive Vice President, R&D Affairs, Daiichi Sankyo, Inc.
執行役員 福岡 隆
執行役員 齋藤 宏暢 日本事業ユニットメディカルアフェアーズ本部長
執行役員 羽柴 知二 渉外管掌
執行役員 荒井 美由紀 信頼性保証本部長
執行役員 高橋 亘 研究開発本部研究統括部長
執行役員 柏瀬 裕人 製薬技術本部長
執行役員 塚口 直人 総務本部法務部長
執行役員 櫻井 昭雄 日本事業ユニット営業本部長
執行役員 我妻 利紀 研究開発本部研究統括部オンコロジー第一研究所長
執行役員 金島 良徳 日本事業ユニットマーケティング本部長
執行役員 長尾 公則 ASCAカンパニープレジデント
執行役員 村上 伸夫 経営戦略本部経営戦略部長
執行役員 松本 高史 人事管掌
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② 社外役員の状況
(ⅰ) 員数
当社の社外取締役は4名、社外監査役は3名であります。
(ⅱ) 当社との関係
社外取締役及び社外監査役は、当社との特別な利害関係はありません。
(ⅲ) 機能及び役割並びに選任状況に関する考え方
取締役9名中4名の社外取締役は、企業経営、財務・会計、サイエンス&テクノロジー、グローバルビジ
ネス、サステナビリティ・ESG等の分野における専門知識・経験・識見を活かして、取締役会、指名委員会及
び報酬委員会において客観性、中立性、公正性に基づいた発言をする等、経営の監督機能を発揮しておりま
す。
監査役5名中3名の社外監査役は、法務・リスクマネジメント、財務・会計、コンプライアンス等に通じ
た職務経験に基づき当社経営の監査を行っております。
当社は、取締役候補者の選定にあたっては、多様な視点に基づく決定機能の強化と、執行に対する監督機
能の強化を目的として、必ず社外取締役に該当する人材を含めることとし、社外役員(社外取締役及び社外
監査役)は、当社からの独立性を確保していることを要件としております。
「社外役員としての独立性判断基準」については、2014年3月31日の取締役会及び監査役会において、次
のとおり決議しております。
「社外役員としての独立性判断基準」
1.次に掲げる属性のいずれにも該当しない場合、当該取締役及び監査役は、当社からの独立性を有し、一般
株主と利益相反が生じるおそれがないものと判断する。
(1) 以下に該当する本人又はその近親者(2親等内の親族を意味するものとする。以下同じ。)
① 当社及び当社の親会社、兄弟会社、子会社の現在及び過去における業務執行者(社外取締役を除く取締
役、執行役及び執行役員等その他の使用人をいう。ただし、近親者との関係においては重要な者に限る
ものとする。以下同じ。)
② コンサルタント、法律専門家、会計専門家又は医療関係者等として、当該個人が過去3事業年度のうち
いずれかの1事業年度において、当社から1,000万円を超える報酬(当社役員としての報酬を除く。)
を受けている者
(2) 以下に該当する法人その他の団体に現在及び過去10年間において業務執行者として在籍している本人又
はその近親者
① 取引関係
(ⅰ) 当社グループからの、又は、当社グループに対する製品や役務の提供の対価としての取引金額が、
過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度において、いずれかの会社の連結売上高の2%を超え
る取引先
(ⅱ) コンサルティング・ファーム、法律事務所、監査法人、税理士法人、学校法人等であって、過去3
事業年度のうちいずれかの1事業年度において、その総収入額に占める当社グループからの支払報
酬等の割合が10%を超える取引先
(ⅲ) 直前事業年度末における当社グループの借入額が、当社連結総資産の10%を超える借入先
② 主要株主
独立性を判断する時点において、当社の主要株主である会社その他の法人、又は当社が主要株主となっ
ている会社(主要株主とは、発行済株式総数の10%以上を保有している株主をいう。)
③ 寄付先
当社からの寄付金が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度において、1,000万円を超え、か
つ、当該法人その他の団体の総収入額の2%を超える寄付先
④ 会計監査人
現在及び過去3事業年度において当社グループの会計監査人である監査法人
⑤ 相互就任関係
当社の業務執行者が、現任の社外取締役又は社外監査役をつとめている上場会社
2.前項のいずれかに該当する場合であっても、取締役会又は監査役会において総合的な検討を行い、独立性
を確保していると判断する場合には、社外役員の要件に問題がないと判断することがある。
なお、当社は社外取締役4名及び社外監査役3名を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定
し、同取引所に届け出ております。
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③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
統制部門との関係
社外取締役は、必要に応じて取締役会を通じて内部統制部門の状況を把握し、中立・専門的観点から発言
できる体制を整えております。
社外監査役は、取締役会での情報に加え、監査役会を通じて職務執行状況・経営会議・重要な決裁案件そ
の他内部統制部門に関する情報等の提供を受け、内部監査部門より内部監査結果及び計画の報告を受けてお
ります。また、代表取締役と監査役間の定期的会合(年2回)に出席する等、取締役の職務執行を的確に監
査する体制を整えております。さらに、会計監査人より監査計画、監査及び四半期レビュー結果、内部統制
監査(J-SOX)結果等について説明・報告を受け、意見交換を行い、適宜連携を図る体制を構築しておりま
す。
(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
(ⅰ) 監査役監査の組織、人員及び手続きについて
(a) 当社は監査役会設置会社であり、監査役会は公認会計士1名を含む監査役5名(常勤監査役2名、社外監
査役3名)で構成されております。
(b) 各監査役の経験及び能力
氏名 経験及び能力
常勤監査役
財務経理、経営管理、総務・調達、内部監査等に携わり、当社の業務活動全般に精通し
渡邊 亮一
ており、幅広い視野と高い知見を有しております。
常勤監査役
研究開発、人事、経営管理等に携わり、当社の業務活動全般に精通しており、幅広い視
佐藤 賢治
野と高い知見を有しております。
社外監査役
行政機関等での経験に基づく専門知識と識見を有しております。
樋口 建史
社外監査役
弁護士としての豊富な経験に基づく専門知識と識見を有しております。
今津 幸子
社外監査役
公認会計士としての豊富な経験に基づく専門知識と識見を有しております。
渡辺 雅子
(c) 監査役の監査機能強化をさらに図るため、業務執行から独立した専任の使用人4名が監査役の業務を補助
しております。
(ⅱ) 当事業年度における 監査役及び監査役会の活動状況
(a) 監査役会の開催頻度、個々の監査役の出席状況
イ. 当社は、監査役会を原則月1回開催しており、監査役会の構成や出席状況については、次のとおりであ
ります。
氏名 出席回数/開催回数
渡邊 亮一
13/13回
佐藤 賢治
13/13回
泉本 小夜子
13/13回
樋口 建史
13/13回
今津 幸子
13/13回
ロ. 監査役会とは別に、監査役間の意見交換会を取締役会終了後に実施しております。
ハ. 例月の監査役会の平均所要時間は120分程度、付議議案件数は年間15件であります。
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(b) 監査役会の主な共有、検討事項
・監査方針、監査計画及び業務分担について
・監査役会監査報告について
・会計監査人の評価について
・監査役会の実効性評価について
・内部監査計画及び結果について
・国内グループ会社監査役による監査の状況
・常勤監査役の職務執行状況(月次)
(c) 監査役の活動状況
・代表取締役との会合:年2回の頻度で実施(常勤監査役、社外監査役)
・取締役との会合:年1回の頻度で実施(常勤監査役、社外監査役)
・重要会議への出席:取締役会・経営会議への出席(常勤監査役、社外監査役)、企業倫理委員会・EHS経
営委員会等への出席(常勤監査役)
・国内グループ会社の重要会議への出席等:主要な国内グループ会社の非常勤監査役として当該会社の取締
役会、経営会議等への出席(常勤監査役)
・重要な書類の閲覧:決裁書、重要な会議の資料及び議事録等の閲覧(常勤監査役)
・監査役監査:本部長・部長・支店長・研究所長、国内外グループ会社の社長、海外グループ会社の内部監
査部門長等(常勤監査役、社外監査役)
・取締役会における助言・要望(常勤監査役、社外監査役)
・任意の諮問委員会の委員就任:指名委員会及び報酬委員会のオブザーバー(社外監査役)
・社外取締役との連携:意見交換会の実施(社外監査役)
・国内グループ監査役連絡会:年2回の頻度で実施(常勤監査役)
・内部監査部門との連携:内部監査計画や結果の報告・意見交換の実施、内部監査開始前の監査ポイントの
確認、月例連絡会にて情報共有・意見交換の実施(常勤監査役)、内部監査部門が監査役・会計監査人会
合に同席(常勤監査役、社外監査役)
・会計監査人との連携:会計監査人より監査計画、監査及び四半期レビュー結果、内部統制監査(J-SOX)
結果等について説明・報告を受けるとともに、近時のトピックをテーマに、月1回程度、情報共有・意見
交換の実施(常勤監査役、社外監査役)、監査上の主要な検討事項(KAM)に関する協議(常勤監査役、
社外監査役)
② 内部監査の状況
内部監査につきましては、社長直轄の監査部(23名)を設置し、グループにおける内部統制システムの整備及
び運用状況を監査しております。監査結果につきましては、社長、監査役及び関係部門に報告し、必要に応じて
二次統制部門である内部統制部所と連携を図り、監査結果を取り纏め適宜取締役会及び監査役会に報告しており
ます。
③ 会計監査の状況
(ⅰ) 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
(ⅱ) 継続監査期間
16年間
(ⅲ) 業務を執行した公認会計士
小倉 加奈子
山邉 道明
江森 祐浩
(ⅳ) 監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者は、公認会計士5名、会計士試験合格者等18名であります。
(ⅴ) 監査法人の選定方針と理由
当社「会計監査人評価基準」は、会計監査人候補者については、法令等遵守体制、監査品質管理体制、監査
実績、当社からの独立性、医薬品産業に関する知識と経験、グローバルな監査体制、監査報酬等の評価項目に
ついて、それぞれの妥当性を評価して選定し、会計監査人の再任・不再任を審議するにあたっては、これらの
ほか、監査役への報告や経営者とのコミュニケーションの状況、監査の実施状況等の評価項目について、それ
ぞれの妥当性を評価することを定めております。
本年度においても、上記評価項目等について妥当性を総合的に評価した結果、当社の会計監査人として適任で
あると判断しております。
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(ⅵ) 監査役会による監査法人の評価
監査役会は、当社「会計監査人評価基準」に従い、会計監査人を総合的に評価しております。この評価にお
いては、上記(v)に記載する各評価項目について必要な検証を実施し、会計監査人の評価を行っております。
④ 監査報酬の内容等
(ⅰ) 監査公認会計士等に対する報酬の内容
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬 酬 報酬 酬
210 5 210 4
提出会社
52 - 54 -
連結子会社
262 5 264 4
計
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、英文決算短信等に係る助言
業務等についての対価であります。
(ⅱ) 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するKPMGメンバーファームに対する報酬((ⅰ)を除く)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬 酬 報酬 酬
- 18 - 156
提出会社
314 57 298 86
連結子会社
314 76 298 243
計
当社及び連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワークに属するKPMGメンバーファームに対して報酬を支払って
いる非監査業務の内容といたしましては、基幹システムコンサルタント業務、並びに税金コンサルタント業務等の対価で
あります。
(ⅲ) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
(ⅳ) 監査報酬の決定方針
往査場所、往査内容、監査日数及び報酬単価等を勘案し、監査役会の同意を受けて決定しております。
(ⅴ) 監査役会が会計監査人の報酬に同意した理由
監査役会は、会計監査人の前事業年度の監査計画と実績の比較、監査時間及び報酬額の推移等を確認し、当
事業年度の監査予定時間及び報酬額の妥当性を総合的に判断した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第
399条第1項の同意を行っております。
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(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(ⅰ) 取締役の報酬等の決定に関する方針と手続
(a) 報酬方針
当社の取締役の報酬等は、以下の考え方に基づき制度設計しております。
・優秀な人材を確保・維持できる報酬水準を備えた報酬制度
・中長期に亘る持続的な成長へ向けた動機付けとなり、企業価値・株主価値の向上に資する報酬制度
・ステークホルダーへの説明責任を果たすことができる、透明性のある公正で合理的な報酬制度
(b) 報酬水準
当社の取締役の報酬等の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界の上位水準を志
向して設定しております。具体的には、東京証券取引所に上場する会社のうち時価総額上位100社以内の企
業群を主な比較対象とし、国内大手製薬企業の水準についても参照いたします。
(c) 報酬構成
イ.社内取締役
固定報酬である基本報酬、並びに、変動報酬である短期インセンティブ報酬としての年次業績連動賞
与、長期インセンティブ報酬としての譲渡制限付株式報酬及び中計業績連動株式報酬の4つの報酬構成
とすることにより、短期及び中長期の視点による経営への取り組みを促し、その成果に対して適切に報
いることができる報酬構成としております。なお、退職慰労金制度は採用しておりません。
ロ.社外取締役
経営の監督機能を担い、業務執行を担う立場にはない社外取締役の報酬構成については、固定報酬で
ある基本報酬のみとしております。インセンティブ報酬及び退職慰労金制度は採用しておりません。
(d) 報酬構成割合
代表取締役社長兼CEOの報酬等の構成割合は、業績目標を100%達成した場合に、基本報酬40%、年次業
績連動賞与30%、譲渡制限付株式報酬15%、中計業績連動株式報酬15%となるように設計しております。
他の社内取締役の報酬構成割合は、代表取締役社長兼CEOの報酬構成割合に準じて、職責や報酬水準を考
慮し決定いたします。
社外取締役の報酬等は、基本報酬のみとしております。
(e) 基本報酬
取締役の基本報酬は、在任中、毎月一定期日に支給するものとし、個人別の報酬額は、報酬方針・報酬
水準に沿って決定されております。
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(f) 年次業績連動賞与(短期インセンティブ報酬)
短期インセンティブ報酬となる年次業績連動賞与の支給額は、当該事業年度の親会社の所有者に帰属す
る当期利益、売上収益、コア営業利益率(注1)の期初に公表する業績予想値の達成度、また、期初に設
定した各役員の目標・課題の達成度に応じて決定いたします。
短期インセンティブ報酬として、当該年度の予算の達成に向けた取り組みを強く動機付けることを企図
するものとして、年度目標達成度は、企業活動の最終的な成果である「親会社の所有者に帰属する当期利
益」、事業規模を表す「売上収益」及び事業活動の効率性を示す「コア営業利益率」を指標として採用
し、期初に公表する業績予想値の達成度に連動させて決定しております。また、財務指標だけでなく、非
財務指標を取り込むよう期初に設定した各役員の目標・課題の達成度に応じた業績評価も考慮して決定い
たします。
支給額の算定式、並びに、年次業績連動賞与の評価割合及び仕組みは以下のとおりといたします。
(注)1.コア営業利益率:
経常的な収益性を示す指標として、営業利益から一過性の損益を除外した指標。
イ.年次業績連動賞与の算定式
賞与支給額=役位別の基準額×年度目標達成度(親会社の所有者に帰属する当期利益+売上収益+コア
営業利益率)×業績評価
ロ.年度目標達成度(評価割合及び仕組み)
年度目標達成指標 評価割合 評価係数変動幅 目標(以下を目安に設定)
上限:目標×120%
親会社の所有者に
80% 0~200% 目標:期初公表予想値
帰属する当期利益
下限:目標×80%
上限:目標×105%
売上収益 10% 0~200% 目標:期初公表予想値
下限:目標×95%
上限:目標×115%
コア営業利益率 10% 0~200% 目標:期初公表予想値
下限:目標×85%
合計 100% 0~200%
ハ.業績評価
期初に設定した各役員の目標・課題の達成度に応じて、係数に変換して計算いたします。
・会長及び社長の業績評価は、指名・報酬合同委員会に諮問の上、決定される評価を適用いたします。
・その他の取締役については、業績会議において審議の上で社長により決定される評価を適用いたしま
す。
なお、取締役の評価結果は、報酬委員会へ報告いたします。
指標 係数 評価方法
研究開発進捗等全社課題 指名・報酬合同委員会に諮問の
会長・社長 50~150%
後継者育成等 上、決定
その他の取締役 部門(個人)目標 80~120% 業績評価(社長)
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(g) 譲渡制限付株式報酬(長期インセンティブ報酬)
長期インセンティブ報酬となる譲渡制限付株式報酬は、取締役が当社株式を継続して保有することによ
り、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との価値共有を可能な
限り、より長期に亘り実現させることを目的とし、原則として毎年、取締役の退任直後時点までの譲渡制
限が付された当社株式を交付するものといたします。発行又は処分される当社の普通株式総数に関しては
年24万株以内(ただし、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併
合が行われた場合その他当該総数の調整が必要な事由が生じた場合には、分割比率・併合比率等に応じ
て、当該総数を必要に応じて合理的な範囲で調整いたします。)といたします。
譲渡制限付株式報酬の支給に際しては、当社の取締役会決議に基づき取締役に対して金銭報酬債権が支
給され、取締役は支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式の交付を
受けるものといたします。
当社の普通株式の交付に際しては、当社と取締役との間で譲渡制限付株式割当契約を締結し、取締役は
当該割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、当該割当契約において定める一定期間中
は、自由に譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないものといたします。
なお、当該割当契約においては、①譲渡制限期間中に当社の取締役を退任又は退職した場合には、その
退任又は退職につき、任期満了、死亡その他取締役会が正当な理由がある場合として認める場合を除き、
当社は、譲渡制限付株式の全部を無償取得すること、②役務提供期間中に任期満了、死亡その他取締役会
が正当と認める理由により取締役を退任又は退職した場合には、当社は、譲渡制限を解除する株式数や解
除時期を必要に応じて合理的に調整し、譲渡制限が解除されないことが確定した譲渡制限付株式を無償取
得することなどを定めるものといたします。
交付される譲渡制限付株式報酬の数は、役位ごとの譲渡制限付株式報酬の額を、取締役会における割当
決議前日の当社の普通株式の市場株価終値で除した株数といたします。
(h) 中計業績連動株式報酬(長期インセンティブ報酬)
長期インセンティブ報酬となる中計業績連動株式報酬は、中長期的な株主価値向上を重視した経営を推
進するため、中期経営計画の業績達成に連動した報酬として、社内取締役及び執行役員(以下「対象取締
役等」という。)に対してパフォーマンス・シェア(業績連動株式報酬)の性質を持つ信託型株式報酬制
度といたします。
中期経営計画の対象となる事業年度(以下「対象期間」といい、当初の対象期間は第5期中期経営計画
(2021~2025年度)といたします。)を対象とした信託期間を設定いたします。
対象取締役等に交付等が行われる当社株式等の数は、毎年一定の時期に、役位に基づいて付与されるポ
イントの対象期間の累積値に業績連動係数を乗じて算出した株式交付ポイントに基づき決定されます。業
績連動係数は、対象期間の最終事業年度の会社業績指標(当初の対象期間においては、2021年度に公表し
た当社の中期経営計画に掲げている売上収益、研究開発費控除前コア営業利益率、ROE、研究開発進捗、
ESG指標、相対TSRを採用する予定です。)の目標値に対する達成度等に応じて、0~200%の範囲で決定
し、1ポイントにつき当社の普通株式1株を交付いたします。なお、信託期間中に当社の普通株式の株式
分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併合が行われた場合その他ポイント数の調整が必
要な事由が生じた場合には、分割比率・併合比率等に応じて、当該ポイント数を必要に応じて合理的な範
囲で調整いたします。対象期間中に対象取締役等に対して交付等を行う当社の普通株式等の総数は、1事
業年度あたりの上限数である50万株に対象期間の事業年度数を乗じた数(当初対象期間については、5事
業年度を対象とするため250万株)を上限といたします。なお、対象取締役等が当社株式等の交付等を受け
る時期は、原則として退任後で、交付される株式の50%は、源泉所得税等の納税資金に充当することを目
的として、金銭に換価して支給されます。株式及び金銭の給付は三菱UFJ信託銀行株式会社のBIP信
託を通じて行います。
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目標達成指標 評価割合 評価係数変動幅 目標(以下を目安に設定)
上限:目標×110%
売上収益 20% 0~200% 目標:中計公表予想値
下限:目標×90%
上限:目標×120%
研究開発費控除前
20% 0~200% 目標:中計公表予想値
コア営業利益率
下限:目標×80%
上限:目標×140%
ROE 20% 0~200% 目標:中計公表予想値
下限:目標×60%
研究開発業績(3ADCの新規適応上市数、
研究開発進捗 15% 0~200%
初期・後期のパイプライン価値)
Dow Jones Sustainability Indices、
FTSE Russell、
ESG指標 10% 0~200%
Access to Medicineに基づく評価
上限:配当込みTOPIXとの比較結果×150%
相対TSR(注2) 15% 0~200% 目標:配当込みTOPIXとの比較結果×100%
下限:配当込みTOPIXとの比較結果×50%
合計 100% 0~200%
(注)2.TSR:Total Shareholder Returns(株主総利回り)の略
(i) クローバック条項
会計上の重大な誤り、または不正が明らかになった場合、あるいは巨額な損失を計上した場合、報酬委
員会への諮問を経て、取締役会の決議により、年次業績連動賞与及び中計業績連動株式報酬について、受
け取った報酬の一部または全額の返還を請求できるクローバック条項を設けるものといたします。
本条項は、2021年度の年次業績連動賞与及び中計業績連動株式報酬より適用対象となり、以後、全ての
期間において適用されるものといたします。
(j) 報酬ガバナンス・決定手続
取締役及び執行役員の報酬等の妥当性と決定プロセスの透明性を担保するため、取締役会の諮問機関と
して報酬委員会を設置しております。なお、報酬委員会は、社外取締役のみで構成され、オブザーバーと
して社外監査役1名が参加し、委員長は委員の互選により選定されます。
報酬委員会は、報酬制度、報酬構成、役位ごとの報酬水準の検証と見直し、年次業績連動賞与及び中計
業績連動株式報酬の目標設定・結果確認並びに譲渡制限付株式の割当等について、十分に審議いたしま
す。
当社の取締役の個人別の報酬の額等は、まず報酬委員会において審議された後、当該審議結果を踏ま
え、報酬の種類ごとに株主総会で決議された報酬総額内で取締役会決議により決定されております。
(ⅱ) 監査役の報酬等の決定に関する方針と手続
監査役の報酬等は、経営の監督機能を担い、業務執行を担う立場にはないという役割に鑑みて、固定報酬
である基本報酬のみとしております。
基本報酬の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、産業界の上位水準を志向して設定して
おります。具体的には、東京証券取引所に上場する会社のうち時価総額上位100社以内の企業群を主な比較対
象とし、国内大手製薬企業の水準についても参照いたします。
監査役の個人別の報酬の額等は、株主総会で決議された報酬総額内で、監査役会において協議し、監査役
全員同意の上、決定しております。
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② 当事業年度における取締役会と報酬委員会の活動
報酬委員会は、取締役会の委嘱により、取締役及び執行役員の報酬の方針等について必要な審議を行い、もっ
て経営の透明性及び監督機能の向上に資することを目的に設置しております。
2020年度は、4月、5月、9月、10月、11月、12月、1月、2月及び3月の計9回開催し、取締役・執行役員
賞与の支給額及び算定基準、譲渡制限付株式の割当、役員報酬水準の検証、役員報酬制度の改定等について審議
いたしました。
これらの報酬委員会における審議を踏まえ、取締役会で決議いたしました。
2020年度における役員報酬に係る報酬委員会及び取締役会で審議した主な内容は、以下のとおりです。(当該
内容には、2021年4月~2021年5月の期間において開催された報酬委員会及び取締役会において審議した内容も
含まれております。)
・2019年度 取締役に対する賞与支給
・2019年度 譲渡制限付株式に係る金銭報酬債権支給
・2020年度 取締役の個人別報酬額
・取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針
・役員報酬制度改定
・中計業績連動株式報酬制度導入
・2020年度 取締役及び執行役員に対する賞与支給
当社の報酬ガバナンスは、報酬委員会において、報酬制度、報酬構成、役位ごとの報酬水準の検証と見直し、
業績連動賞与の目標設定・結果確認及び譲渡制限付株式の割当等について十分に審議され、また、当事業年度に
おける取締役の個人別の報酬等の内容についても、まず報酬委員会において審議された後、取締役会により決定
されているものであるため、その内容は取締役の個人別報酬等の内容についての決定に関する方針に沿うもので
あると判断しております。
③ 株主総会における報酬等の決議内容
取締役の報酬枠については、2021年6月21日開催の第16回定時株主総会決議に基づき、以下のとおり承認いた
だいております。
・基本報酬総額を1事業年度6億3千万円以内(うち、社外取締役に対する基本報酬総額を1事業年度1億4
千万円以内)(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない。)といたします。
・上記の基本報酬総額とは別枠で、取締役(社外取締役を除く。)に支給する年次業績連動賞与の支給額総額
を1事業年度8億5千万円以内といたします。
・上記の基本報酬総額及び年次業績連動賞与総額とは別枠で、取締役(社外取締役を除く。)に支給する譲渡
制限付株式報酬の支給額総額を1事業年度1億6千万円以内とし、取締役(社外取締役を除く。)が発行又
は処分を受ける当社の普通株式の総数は年24万株以内(ただし、本議案が承認可決された日以降、当社の普
通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併合が行われた場合、その他本割当株
式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、分割比率・併合比率等に応じて、当該総数を必要に応じて
合理的な範囲で調整する。)といたします。
・上記の基本報酬総額、年次業績連動賞与総額及び譲渡制限付株式報酬総額とは別枠で、取締役(社外取締役
を除く。)及び執行役員に支給する中計業績連動株式報酬の支給額総額を1事業年度8億円(なお、2021年
度から開始する当初の対象期間については5事業年度を対象として40億円)以内とし、交付等を行う当社の
普通株式等の総数は、1事業年度あたりの上限数である50万株に対象期間の事業年度数を乗じた数(なお、
2021年度から開始する当初の対象期間については5事業年度を対象として250万株)を上限といたします。
基本報酬のみとなる監査役の報酬枠については、2021年6月21日開催の第16回定時株主総会決議に基づき、以
下のとおり承認いただいております。
・基本報酬総額を1事業年度1億8千万円以内といたします。
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④ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員報酬等の種類別の総額(百万円)
対象となる
報酬等の総額
(非金銭報酬)
役員の員数
役員区分
(百万円)
基本報酬 業績連動賞与
譲渡制限付株式
(名)
報酬
取締役(社外取締役を除く) 479 286 98 96 7
監査役(社外監査役を除く) 75 75 - - 2
68 68 - - 4
社外取締役
45 45 - - 3
社外監査役
(注)1.取締役(社外取締役を除く)の報酬等の額及び員数には、2020年6月15日開催の第15回定時株主総会
終結の時をもって任期満了により退任した取締役2名の分が含まれております。
2.取締役の「基本報酬」総額(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない。)は1事業年度4億5千
万円以内、「基本報酬」のみとなる監査役の報酬総額は1事業年度1億2千万円以内とすることを、
2005年6月29日開催の(旧)三共㈱の第151回定時株主総会及び(旧)第一製薬㈱の第127回定時株主
総会における株式移転による完全親会社設立の件において、承認されたものです(なお、当該承認に
係る株式移転による当社の設立時の取締役の員数は10名、監査役は4名となります。)。
3.「業績連動賞与」は、上記の「基本報酬」とは別に支払いいたします。なお、「業績連動賞与」の額
の算定の基礎として選定した業績指標は、「売上収益」、「売上収益営業利益率」及び「親会社の所
有者に帰属する当期利益」を採用し、これらの指標に連動させて決定しております。事業規模を表す
「売上収益」及び事業活動の効率性を示す「売上収益営業利益率」については当該年度の予算に対す
る達成度を評価基準とする一方、企業活動の最終的な成果である「親会社の所有者に帰属する当期利
益」については中期経営計画に定めた当該年度目標値に対する達成度を評価基準としております。こ
のように、短期及び中長期の目標達成度を組み合わせて評価することにより、当該年度目標のみなら
ず、中期経営計画の達成に向けた取り組みを強く動機付けることを企図するものとしております。当
事業年度における「業績連動賞与」に係る指標の目標及び実績は、次のとおりであります。
<業績連動賞与の内訳(2020年度)>
賞与
評価
評価指標 評価基準 ウェイト 目標 実績
係数
支給率
当事業年度予算に
10% 100.0%
売上収益 9,700億円 9,625億円
対する達成度
8.2% 6.6%
売上収益営業利益率
当事業年度予算に
10% 60.9%
対する達成度
(営業利益) (800億円) (638億円)
114.9%
親会社の所有者に 中期経営計画における
80% 123.5%
615億円 760億円
帰属する当期利益 目標値に対する達成度
※売上収益と売上収益営業利益率の評価係数は、目標に対する実績に対して一定の算式を用いて算出
しております。
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4.「譲渡制限付株式報酬」は、譲渡制限付株式報酬として当事業年度に費用計上した額です。この譲渡
制限付株式報酬は、当社の取締役(社外取締役を除く。)を対象とし、上記の報酬総額に係る決議と
は別に、2017年6月19日開催の第12回定時株主総会において1事業年度1億4千万円を上限額とし、
また、発行又は処分される当社の普通株式総数に関しては年7万株以内(※)(ただし、当社の普通
株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含む。)又は株式併合が行われた場合その他当該総
数の調整が必要な事由が生じた場合には、分割比率・併合比率等に応じて、当該総数を必要に応じて
合理的な範囲で調整する。)として承認されたものです。(なお、当該定時株主総会終結時における
当社の取締役の員数は10名(うち社外取締役4名)となります。)。
※ 2020年4月27日開催の取締役会決議に基づき、2020年10月1日を効力発生日として、当社の普通株
式1株を3株に分割する株式分割が行われたことに伴い、その後、発行又は処分される当社の普通
株式総数に関しては年21万株以内に調整されております。
当事業年度において非金銭報酬等として取締役(社外取締役を除く。)に対して支給された譲渡制
限付株式報酬の内容は、次のとおりであります。
・対象取締役及び交付株式数:当社の取締役(社外取締役を除く。)5名 10,413株
・交 付 日:2020年7月14日
・交付方法:自己株式処分(対象取締役に対して支給された譲渡制限付株式取得のための出資財産と
する金銭報酬債権の現物出資)
・譲渡制限付株式の支給条件:譲渡制限付株式割当契約の締結(主な内容は以下のとおり)
(a) 譲渡制限期間
2020年7月14日から当社の取締役又は取締役を兼務しない執行役員のいずれの地位をも退任又は
退職する時点の直後の時点までの期間
(b) 譲渡制限の解除条件
対象取締役が2020年7月14日からその後最初に到来する定時株主総会終結時点の直前時までの期
間中、継続して、当社の取締役又は取締役を兼務しない執行役員のいずれかの地位にあること。
ただし、上記期間中に、対象取締役が、当社の取締役及び取締役を兼務しない執行役員のいずれ
の地位からも任期満了もしくは定年その他の正当な理由により退任又は退職した場合には、当該
退任又は退職日までの期間に応じて合理的に調整した株数について、当該退任又は退職の直後の
時点をもって、譲渡制限を解除する。
(c) 当社による無償取得
当社は、譲渡制限期間満了時点又は譲渡制限解除時点において、譲渡制限が解除されない割当株
式について、当然に無償で取得する。
⑤ 役員ごとの連結報酬等の総額等
役員報酬等の種類別の総額(百万円)
連結報酬等の総額
(非金銭報酬)
氏名 役員区分 会社区分
(百万円)
基本報酬 業績連動賞与
譲渡制限付
株式報酬
170
眞鍋 淳 取締役 提出会社 99 38 33
(注)連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
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(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする銘柄を純投資目的
と区分し、それ以外を目的とする銘柄を純投資目的以外の目的として区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(ⅰ) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証
の内容
当社は、事業上の長期的な関係の維持・強化に繋がり、当社の企業価値の向上に資すると判断する場合を除
き、原則として上場株式を保有いたしません。保有する上場株式については、取締役会で定期的に、一定の経
営指標、資本コスト等を踏まえて収益性、採算性を個別銘柄毎に検証するとともに、事業戦略、事業上の関係
を総合的に勘案して、保有の合理性を適宜見直すこととしており、実際の売却は市場への影響等を総合的に考
慮のうえ、順次実施しております。その結果、2020年度においては6銘柄(一部売却を含む)を約25億円で売
却いたしました。
(ⅱ) 銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
28 3,080
非上場株式
22 58,301
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
当社は、㈱レナサイエンスが保有するCOVID-19
肺炎及びその他肺傷害等の呼吸器疾患治療薬
の、全世界を対象とした開発及び商業化の独占
1 40
非上場株式
的実施許諾(ライセンス)に関する優先交渉権
を獲得するオプション契約を締結しており、今
後の事業上の関係を維持強化するため
- - -
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
15 1,314
非上場株式
6 2,513
非上場株式以外の株式
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(ⅲ) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
Ultragenyx
1,243,913 1,243,913
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
Pharmaceutical
無
ため保有しております。
15,681 6,014
Inc.
9,343,000 9,343,000
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
㈱静岡銀行 有
ため保有しております。
8,128 6,138
3,202,144 3,202,144
アルフレッサ ホー
同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ルディングス㈱ ため保有しております。
6,830 6,449
2,184,007 2,184,007
㈱メディパルホール 同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ディングス ため保有しております。
4,638 4,407
952,598 952,598
同社株式は、販売取引関係の維持強化の
㈱スズケン 有
ため保有しております。
4,119 3,748
710,600 710,600
㈱三井住友フィナン 同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
シャルグループ ため保有しております。
2,847 1,863
3,339,000 4,054,500
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
東レ㈱
有
ため保有しております。
2,379 1,901
913,000 913,000
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
キッセイ薬品工業㈱
有
ため保有しております。
2,236 2,539
1,091,394 1,091,394
東邦ホールディング
同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ス㈱
ため保有しております。
2,215 2,474
1,304,000 1,304,000
クオールホールディ
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
ングス㈱
ため保有しております。
2,029 1,727
MS&ADインシュ
583,563 583,563
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
アランスグループ
有
ため保有しております。
1,895 1,765
ホールディングス㈱
1,141,036 11,410,360
㈱みずほフィナン 同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
シャルグループ ため保有しております。
1,824 1,410
191,500 229,800
東京海上ホールディ
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ングス㈱
ため保有しております。
1,008 1,137
114,000 114,000
㈱アインホールディ 同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
ングス ため保有しております。
813 723
6,886,500 6,886,500
Zenotech
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
Laboratories Ltd. ため保有しております。
363 146
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当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
438,500 438,500
㈱ほくやく・竹山 同社株式は、販売取引関係の維持強化の
有
ホールディングス ため保有しております。
331 311
470,000 470,000
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
㈱伊予銀行 有
ため保有しております。
312 257
419,600 525,300
㈱三菱UFJフィナ 同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ンシャル・グループ ため保有しております。
248 211
145,469 145,469
Silence
同社株式は、事業上の関係の維持強化の
無
Therapeutics PLC ため保有しております。
121 91
59,100 59,100
第一生命ホールディ
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ングス㈱
ため保有しております。
112 76
22,485 22,485
三井住友トラスト・
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
有
ホールディングス㈱
ため保有しております。
86 70
30,100 45,100
同社株式は、財務取引関係の維持強化の
㈱青森銀行 有
ため保有しております。
76 117
- 1,504,000
同社株式は、当事業年度中に全て売却し
㈱オカムラ 有
ております。
- 1,300
- 100,000
同社株式は、当事業年度中に全て売却し
㈱クレハ 無
ております。
- 440
(注)1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2.定量的な保有効果については、取引先との営業秘密等との判断により記載いたしませんが、一定の経営指
標、資本コスト等を踏まえて収益性、採算性を個別銘柄毎に検証するとともに、事業戦略、事業上の関係を
総合的に勘案して、保有の合理性を検証しております。
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みなし保有株式
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
期末時価 期末時価
(百万円) (百万円)
3,908,000 3,908,000
アルフレッサ ホー
退職給付信託運用のうち、議決権の行使
有
ルディングス㈱ を指示する権限のあるもの。
8,335 7,870
3,274,000 3,274,000
㈱メディパルホール
同上 有
ディングス
6,953 6,606
1,637,000 1,637,000
東邦ホールディング
同上 有
ス㈱
3,323 3,711
㈱バイタルケーエス
2,214,000 2,214,000
ケー・ホールディン 同上 有
1,746 2,428
グス
(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.定量的な保有効果については、取引先との営業秘密等との判断により記載いたしませんが、一定の経営指
標、資本コスト等を踏まえて収益性、採算性を個別銘柄毎に検証するとともに、事業戦略、事業上の関係を
総合的に勘案して、保有の合理性を検証しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。
以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作
成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当事業年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関
する規則等の一部を改正する内閣府令」(令和2年6月12日内閣府令第46号)附則第3条第1項ただし書きによ
り、改正後の財務諸表等規則に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しておりま
す。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日
まで)の連結財務諸表及び事業年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あ
ずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適
正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作
成することができる体制の整備を行っております。その内容は次のとおりであります。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するた
め、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構及び監査法人等が主催するセミナー等に参加する等を行って
おります。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方
針を作成し、それに基づいて会計処理を行っております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産
流動資産
8,30 424,184 380,547
現金及び現金同等物
9 309,363 232,036
営業債権及びその他の債権
10 466,528 444,368
その他の金融資産
11 173,362 200,860
棚卸資産
10,546 10,607
その他の流動資産
1,383,984 1,268,420
小計
12 134 -
売却目的で保有する資産
1,384,119 1,268,420
流動資産合計
非流動資産
6,13 247,053 265,281
有形固定資産
6,14 76,760 77,706
のれん
6,14 172,499 172,822
無形資産
15 383 1,440
持分法で会計処理されている投資
10 97,974 139,991
その他の金融資産
16 114,748 128,525
繰延税金資産
12,079 30,990
その他の非流動資産
721,499 816,757
非流動資産合計
2,105,619 2,085,178
資産合計
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
負債及び資本
流動負債
17,21 270,867 297,499
営業債務及びその他の債務
18,30 40,389 20,391
社債及び借入金
18 9,490 9,359
その他の金融負債
9,937 6,096
未払法人所得税
19 5,367 6,051
引当金
15,019 14,173
その他の流動負債
351,071 353,571
流動負債合計
非流動負債
18,30 183,811 163,441
社債及び借入金
18 37,118 36,983
その他の金融負債
20 5,263 3,929
退職給付に係る負債
19 10,597 8,741
引当金
16 15,641 17,516
繰延税金負債
195,840 228,941
21
その他の非流動負債
448,273 459,553
非流動負債合計
799,344 813,125
負債合計
資本
親会社の所有者に帰属する持分
22 50,000 50,000
資本金
22 94,633 94,494
資本剰余金
22 △ 162,519 △ 261,252
自己株式
22 82,094 111,479
その他の資本の構成要素
1,241,600 1,277,332
利益剰余金
1,305,809 1,272,053
親会社の所有者に帰属する持分合計
非支配持分
464 -
非支配持分
1,306,274 1,272,053
資本合計
2,105,619 2,085,178
負債及び資本合計
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②【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
注記
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
6,24 981,793 962,516
売上収益
343,206 338,289
25,26
売上原価
638,586 624,227
売上総利益
26
302,320 333,079
販売費及び一般管理費
197,465 227,353
26
研究開発費
138,800 63,795
営業利益
27
金融収益 9,849 12,916
27 7,813 2,755
金融費用
327 168
15
持分法による投資損益
141,164 74,124
税引前利益
16 12,196 △ 1,705
法人所得税費用
128,967 75,830
当期利益
当期利益の帰属
129,074 75,958
親会社の所有者
△ 107 △ 127
非支配持分
128,967 75,830
当期利益
28
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 66.40 39.17
希薄化後1株当たり当期利益(円) 66.27 39.11
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③【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
注記
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
128,967 75,830
当期利益
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で
16 △ 7,682 12,499
測定する金融資産
16 △ 4,272 7,847
確定給付制度に係る再測定額
その後に純損益に振り替えられる
可能性のある項目
△ 15,409 18,805
16,32
在外営業活動体の換算差額
△ 27,364 39,151
税引後その他の包括利益
101,602 114,982
当期包括利益
当期包括利益の帰属
101,710 115,110
親会社の所有者
△ 107 △ 127
非支配持分
101,602 114,982
当期包括利益
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④【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の
注記
在外営業活 包括利益を通
資本金 資本剰余金 自己株式
新株予約権 動体の換算 じて公正価値
差額 で測定する
金融資産
50,000 94,633 △ 162,964 1,805 66,628 46,732
2019年4月1日 残高
- - - - - -
会計方針の変更
修正再表示後の残高 50,000 94,633 △ 162,964 1,805 66,628 46,732
- - - - - -
当期利益
- - - - △ 15,409 △ 7,682
その他の包括利益
当期包括利益 - - - - △ 15,409 △ 7,682
- - △ 85 - - -
自己株式の取得
- - 530 △ 194 - -
自己株式の処分
23 - - - - - -
配当金
子会社の支配獲得に伴
- - - - - -
う変動
子会社の支配喪失に伴
- - - - - -
う変動
その他の資本の構成要
- - - - - △ 9,785
素から利益剰余金への
振替
- - 445 △ 194 - △ 9,785
所有者との取引額等合計
50,000 94,633 △ 162,519 1,611 51,218 29,264
2020年3月31日 残高
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
親会社の所有
注記 非支配持分 資本合計
その他の資本
利益剰余金 者に帰属する
確定給付制度
の構成要素
持分合計
に係る再測定
合計
- 115,166 1,152,806 1,249,642 62 1,249,705
2019年4月1日 残高
- - △ 375 △ 375 - △ 375
会計方針の変更
修正再表示後の残高 - 115,166 1,152,431 1,249,267 62 1,249,329
- - 129,074 129,074 △ 107 128,967
当期利益
△ 4,272 △ 27,364 - △ 27,364 - △ 27,364
その他の包括利益
当期包括利益 △ 4,272 △ 27,364 129,074 101,710 △ 107 101,602
- - - △ 85 - △ 85
自己株式の取得
- △ 194 △ 64 271 - 271
自己株式の処分
23 - - △ 45,354 △ 45,354 - △ 45,354
配当金
子会社の支配獲得に伴
- - - - 576 576
う変動
子会社の支配喪失に伴
- - - - △ 67 △ 67
う変動
その他の資本の構成要
4,272 △ 5,512 5,512 - - -
素から利益剰余金への
振替
4,272 △ 5,707 △ 39,905 △ 45,167 509 △ 44,658
所有者との取引額等合計
- 82,094 1,241,600 1,305,809 464 1,306,274
2020年3月31日 残高
84/173
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有価証券報告書
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
その他の
注記
在外営業活 包括利益を通
資本金 資本剰余金 自己株式
新株予約権 動体の換算 じて公正価値
差額 で測定する
金融資産
50,000 94,633 △ 162,519 1,611 51,218 29,264
2020年4月1日 残高
- - - - - -
当期利益
- - - - 18,805 12,499
その他の包括利益
当期包括利益 - - - - 18,805 12,499
- △ 138 △ 100,054 - - -
自己株式の取得
- - 1,320 △ 572 - -
自己株式の処分
23 - - - - - -
配当金
子会社の支配喪失に伴
- - - - - -
う変動
その他の資本の構成要
- - - - - △ 1,347
素から利益剰余金への
振替
- △ 138 △ 98,733 △ 572 - △ 1,347
所有者との取引額等合計
50,000 94,494 △ 261,252 1,038 70,024 40,416
2021年3月31日 残高
(単位:百万円)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の資本の構成要素
親会社の所有
注記 非支配持分 資本合計
その他の資本
利益剰余金 者に帰属する
確定給付制度
の構成要素
持分合計
に係る再測定
合計
- 82,094 1,241,600 1,305,809 464 1,306,274
2020年4月1日 残高
- - 75,958 75,958 △ 127 75,830
当期利益
7,847 39,151 - 39,151 - 39,151
その他の包括利益
7,847 39,151 75,958 115,110 △ 127 114,982
当期包括利益
- - - △ 100,192 - △ 100,192
自己株式の取得
- △ 572 △ 474 273 - 273
自己株式の処分
23 - - △ 48,946 △ 48,946 - △ 48,946
配当金
子会社の支配喪失に伴
- - - - △ 336 △ 336
う変動
その他の資本の構成要
△ 7,847 △ 9,194 9,194 - - -
素から利益剰余金への
振替
△ 7,847 △ 9,767 △ 40,226 △ 148,866 △ 336 △ 149,203
所有者との取引額等合計
- 111,479 1,277,332 1,272,053 - 1,272,053
2021年3月31日 残高
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⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
注記
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
141,164 74,124
税引前利益
52,611 57,382
減価償却費及び償却費
7,548 607
減損損失
△ 9,849 △ 12,916
金融収益
7,813 2,755
金融費用
持分法による投資損益(△は益) △ 327 △ 168
固定資産除売却損益(△は益) △ 9,309 829
営業債権及びその他の債権の増減額(△は増加) 110,165 83,093
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 7,392 △ 21,222
営業債務及びその他の債務の増減額(△は減少) △ 44,726 23,882
△ 29,650 7,315
その他
218,047 215,683
小計
利息及び配当金の受取額 7,261 2,889
△ 2,526 △ 1,839
利息の支払額
△ 26,181 △ 24,525
法人所得税の支払額
196,601 192,207
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 881,884 △ 568,192
定期預金の預入による支出
908,646 746,544
定期預金の払戻による収入
△ 152,836 △ 352,431
投資の取得による支出
208,547 203,043
投資の売却及び償還による収入
△ 31,936 △ 31,245
有形固定資産の取得による支出
157 33
有形固定資産の売却による収入
△ 20,629 △ 32,848
無形資産の取得による支出
463 △ 4,401
子会社の取得による支出
33 37,128 -
子会社の売却による収入
△ 533 △ 24
貸付けによる支出
520 725
貸付金の回収による収入
14,028 △ 449
その他
81,673 △ 39,246
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
3,981 -
社債の発行及び借入れによる収入
33 △ 40,387 △ 40,389
社債の償還及び借入金の返済による支出
△ 85 △ 100,192
自己株式の取得による支出
0 2
自己株式の売却による収入
△ 45,356 △ 48,946
配当金の支払額
△ 9,790 △ 12,906
33
その他
△ 91,637 △ 202,433
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) 186,636 △ 49,471
8 243,155 424,184
現金及び現金同等物の期首残高
△ 5,608 5,834
現金及び現金同等物に係る換算差額
424,184 380,547
8
現金及び現金同等物の期末残高
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
第一三共株式会社は、日本に所在する企業であります。登記されている本店及び主要な事業所の住所は、
ホームページ(https://www.daiichisankyo.co.jp)で開示しております。
当社グループは、当社と子会社47社、関連会社2社の計50社で構成され、医薬品等の製造販売を主な事業と
しております。
当社グループの2021年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2021年6月21日に代表取締役社長眞鍋淳
によって承認されております。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の
要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を
基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示してい
るすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しております。
(4) 会計方針の変更
当社グループの連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、前連結会計年度の連結財務諸表におい
て適用した会計方針と同一であります。
3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び子会社の財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含めておりま
す。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、投資先に対するパワーを
有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリター
ンの額に影響を与える能力を有する場合をいいます。子会社の連結は、当社グループに支配が移行した日
より開始し、支配が喪失する日をもって終了しております。親会社の子会社に対する持分の変動は、子会
社の支配の獲得後に生じ、子会社に対する支配の喪失とならない場合は資本取引としております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、
連結財務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有し、かつ当社グループの子会社ではない企業をいいま
す。 重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針決定に参加するパワーであるが、当該方針に対する
支配又は共同支配ではないものをいいます。 関連会社は、当社グループが重要な影響力を有し始めた日よ
り重要な影響力を喪失する日まで持分法によって会計処理しております。
重要な影響力を喪失した後、残存持分がある場合、公正価値にて測定し、持分法を中止した日現在の投
資の帳簿価額との差額を純損益にて認識しております。
関連会社に対する投資には、取得したのれんを含めております。
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(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、移転された対価、被取得企業のすべての
非支配持分の金額、及び段階的に達成される企業結合の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企
業の資本持分の取得日公正価値の総計として測定しております。移転された対価は、取得日公正価値で測定
しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対
する現在の所有権金融商品の比例的な取り分として測定しております。
取得対価が、被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債の公正価値に対する当社グループの持分を
超過する額は、企業結合日においてのれんとして認識しております。反対に、被取得企業の識別可能な資
産、負債及び偶発負債の公正価値が取得対価を上回る場合には、結果として生じた利得は、取得日において
純損益にて認識しております。取得費用は、発生した期間において費用として純損益にて認識しておりま
す。
(3) 外貨換算
外貨建取引は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は期
末日の為替レートにより機能通貨に換算し、当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益にて認識し
ております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生
じる換算差額については、その他の包括利益にて認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は期末日の為替
レート、収益及び費用は平均為替レートにより表示通貨に換算しております。なお、超インフレ経済下の在
外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レー
トにより表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、IFRS移行日以降その他の包括利益にて認識
しております。在外営業活動体の持分全体の処分もしくは支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分
を行った場合は、その他の包括利益の累積額を処分損益の一部として純損益に振り替えております。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融資産は、当該金融資産の契約条項の当事者となった場合に当初認識しております。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に、当該金
融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含ん
でいない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
金融資産は、当初認識時に、(a) 償却原価で測定する金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する金融資産、又は、(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しておりま
す。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております 。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデ
ルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フ
ローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する負債性金融商品は、次の条件が満たされる場合には、その他の包括利益を通
じて測定する金融資産に分類しております。
・ 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で
保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フ
ローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買
目的で保有する資本性金融商品を除き、一部の資本性金融商品について、公正価値の事後の変動
をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
金融資産は、償却原価で測定される場合又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される場
合を除いて、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
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(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値の変動額をその他の
包括利益にて認識し、減損利得又は減損損失及び為替差損益は純損益にて認識しております。認識
を中止した場合は、過去にその他の包括利益に認識した利得又は損失の累計額を、資本から純損益
に組替調整額として振り替えております。
公正価値で測定する資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指
定したものは、公正価値の変動額はその他の包括利益にて認識しております。認識を中止した場
合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り
替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、公正価値の変動額は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当該金
融資産の所有に係るリスクと経済価値をほとんどすべて移転する取引において、金融資産のキャッ
シュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、認識を中止しております。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産に係る減損については、期末日ごとに信用リスクが当初認識以降に著しく
増大したかどうかを評価し、当該金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒
引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方、金融資産に係る信用リスクが当
初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等
しい金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、常に貸倒引
当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
契約上の支払期日より30日超の経過があった場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったも
のとしております。信用リスクが著しく増大しているか否かの評価を行う際は、期日経過情報のほか、合
理的で裏付け可能な情報を考慮しております。なお、金融資産に係る信用リスクが期末日時点で低いと判
断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと判断してお
ります。
金融資産の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力
を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と受取が見込まれる金額との差額の現在価値に基づ
いて測定しております。減損が認識された償却原価で測定する金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて
減額し、減損損失を純損益にて認識しております。減損損失が減少する場合は、減損損失の減少額を貸倒
引当金を通じて純損益にて戻し入れております。将来の回収を現実的に見込めず、かつすべての担保が当
社グループに移転されたときに、直接減額しております。
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③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融
負債に分類しております。すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定す
る金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法によ
る償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益にて認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、公正価値の変動は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効になった場合に認識を中止しており
ます。
④ 金融資産・負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純
額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺しており
ます。
⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするため利用しております。これらに用
いられるデリバティブは主に、為替予約及び金利スワップ等であります。ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ
関係並びにヘッジ実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。
当該文書にて、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の
要求を満たしているかどうかを判定する方法を特定しております。
ヘッジ関係の開始時及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価し
ております。継続的な評価は、期末日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった
時のいずれか早い方に行なっております。
デリバティブは当初認識時に公正価値で測定し、関連する取引コストは発生時に純損益にて認識してお
ります。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定しております。
ヘッジ会計の要件を満たすヘッジは次のように会計処理しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動は純損益にて認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッ
ジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益にて認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純
損益にて認識しております。その他の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象であ
る取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融
負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益にて認識している金額は、非金融資産
又は非金融負債の帳簿価額の修正として処理を行っております。予定取引又は確定約定の発生がもはや
見込めない場合は、その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積額を純損益に振り替えてお
ります。ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合にのみ、将来に向かってヘッジ会計を中止して
おります。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使となった場合を含んでおります。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動
について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されてお
ります。
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(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。取得原価には、原
材料、直接労務及びその他の直接費用並びに関連する製造間接費を含めており、原価の算定にあたっては、
加重平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見
積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を
満たす借入コストを含めております。
土地以外の有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却しております。主要な
有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・建物及び構築物 : 15~50年
・機械装置及び運搬具 : 4~8年
なお、減価償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しており、企業結合のシナ
ジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
② 無形資産
無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は企
業結合日の公正価値で測定しております。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は資産として認識す
るための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、製
造販売承認の取得までに発生する内部発生の開発費は、期間の長さや開発に関連する不確実性の要素を伴
い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
内部利用を目的としたソフトウェアの取得及び開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合
には無形資産に計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要
な無形資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・ 営業権 : 9~18年
なお、償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
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(9) リース
① 借手としてのリース
借手としてのリースは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識しております。
使用権資産は、取得原価で当初測定しております。当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資
産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却して
おります。使用権資産の耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定しております。また、使用
権資産は、該当ある場合には減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整され
ます。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現
在価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの
追加借入利子率を用いております。リース料は、各期間における金利費用がリース負債残高に対して一
定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。指数または
レートの変動により将来のリース料が変動した場合、または購入、延長、あるいは解約オプションを行
使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用
権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産
及びリース負債を認識しないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース
料をリース期間にわたり定額法で費用として認識しております。
② 貸 手としてのリース
貸手としてのリースは、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティン
グ・リースに分類しております。
それぞれのリースを分類するに当たり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほと
んどすべてを借手に移転する場合はファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合にはオペレーティン
グ・リースに分類しております。
当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理しております。サ
ブリースの分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定しております。
ヘッドリースが上記の免除規定を適用して会計処理する短期リースである場合、サブリースはオペレー
ティング・リースとして分類しております。
(10) 非金融資産の減損
非金融資産のうち、キャッシュ・フローを生みだす個別の資産又は資金生成単位に含まれる資産につい
ては、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。
減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施し、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額
を測定しております。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産
は償却を行わず、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
回収可能価額は、公正価値から処分費用を控除した金額と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将
来キャッシュ・フロー評価によって測定される使用価値のどちらか高い金額を用いております。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識
し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
の れんに係る減損損失は、戻入れを行っておりません。のれん以外の固定資産に係る減損損失は、減損
損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額
を見積もっており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行って
おります。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の
帳簿価額を超えない範囲内で純損益にて認識しております。
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(11) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却
目的保有に分類しております。売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であ
り、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を
確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類し
た後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償
却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループ
のひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識し
ております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度の退職給付に係る債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予
測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した
期末日の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
過去勤務費用は、発生した期間の純損益にて認識しております。
数理計算上の差異は、発生した期間においてその他の包括利益にて認識し、直ちに利益剰余金に振り
替えております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識
しております。
② その他
短期従業員給付は、割引計算をせず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識して
おります。有給休暇費用は、それらを支払う法的義務又は推定的義務を有し、信頼性のある見積りが可能
な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積れる金額を負債として認識しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的義務又は推定的義務を有し、当該義務を決済するために
経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積り
ができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、当該引当金は義務の決済に必要となると見込まれる支出額
の現在価値で測定しております。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税
引前割引率を用いて計算しております。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用と
して認識しております。
(14) 自己株式
自己株式は資本から控除しており、自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識してお
りません。帳簿価額と処分時の対価との差額は資本として認識しております。
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(15) 株式報酬
持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用して
おります。
ストック・オプションは、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を
資本の増加として認識しております。ストック・オプションの公正価値は、付与日において、ブラック・
ショールズモデルを用いて測定しております。
譲渡制限付株式は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の
増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日において、付与した資本性金融
商品の公正価値を参照して測定しております。
また、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用しております。
現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当
該負債の公正価値の変動を純損益として認識しております。
(16) 収益
顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
① 製商品の販売
製商品の販売による収益は、次の指標を考慮に入れ、履行義務が充足された時点で認識しておりま
す。
・資産に対する支払を受ける現在の権利を有している。
・顧客が資産に対する法的所有権を有している。
・資産の物理的占有を移転した。
・顧客が資産を検収した。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、割引、値引、割戻及び返品などを控除した金額
で測定しております。
② 技術料収入
ライセンス契約に基づく収益は、関連する履行義務の内容に応じて、一時点又は一定の期間にわたり
認識しております。
顧客との契約からの対価のうち、変動対価部分については、不確実性が解消される際に重要な収益の戻
入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得
られた場合に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期
間にわたって、規則的に純損益にて認識しております。
また、資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、当該資産の見積耐用年数にわたって規則的
に純損益にて認識しております。
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(18) 法人所得税
法人所得税費用は、当期法人所得税と繰延法人所得税の合計として表示しております。
当期法人所得税は、期末日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対
する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しております。これらは、企業結合に関連する
もの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しておりま
す。
繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現
する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。繰延税金資産及び負
債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて
算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対し
て、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しております。
税務当局が税務処理を認める可能性について、不確実性が存在する場合には、課税所得、税務基準額、
税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び税率を決定する際に、当該不確実性を反映しております。
なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない取引における当初認識か
ら生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらにのれんの当初認識に
おいて生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社・関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しておりま
す。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しな
い可能性が高い場合には認識しておりません。また、子会社・関連会社に対する投資に係る将来減算一時
差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲での
み繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有
し、かつ繰延税金が同一の納税企業体及び同一の税務当局に関係する場合に相殺しております。
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表の作成において、経営者は、収益、費用、資産及び負債の報告金額並びに偶発
債務の開示に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことを要求されております。しかし、これらの見積り
及び仮定に関する不確実性により、将来の期間において資産又は負債の帳簿価額に重要な修正が求められる結
果となる可能性があります。
経営者の見積り及び判断を行った項目で重要なものは次のとおりであります。
・非金融資産の減損(注記 13.有形固定資産、注記 14.のれん及び無形資産)
・繰延税金資産の回収可能性 (注記 16.法人所得税)
・引当金(注記 19.引当金)
・確定給付債務の測定(注記 20.従業員給付)
・収益認識(注記 24.売上収益)
・偶発負債(注記 36.偶発負債)
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う影響は、収束時期の見通しが依然困難な状況に
あるものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重
要な会計上の判断、見積り及び仮定の変更は見込んでおりません。
5.未適用の新基準
基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、当社グループ適用年度が2022年3月期である基準書及び解釈指
針を適用することによる連結財務諸表への影響は重要ではないと判断しております。また、当社グループ適用
年度が2023年3月期以降である基準書及び適用指針を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中であ
り、現時点で見積ることはできません。
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6.事業セグメント
(1)報告セグメントに関する情報
当社グループは、「医薬事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(2)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスごとの売上収益は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 増減
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
金額 構成比(%) 金額 構成比(%) 金額 増減比(%)
911,262 92.8 892,923 92.8 △18,338 △2.0
医療用医薬品
68,403 7.0 67,425 7.0 △977 △1.4
ヘルスケア
2,127 0.2 2,167 0.2 39 1.8
その他
981,793 100.0 962,516 100.0 △19,276 △2.0
合計
(3) 地域別に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別の内訳は次のとおりであります。
① 売上収益
(単位:百万円)
日本 北米 欧州 その他 連結
前連結会計年度
607,712 183,081 95,728 95,271 981,793
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
560,725 191,651 114,047 96,091 962,516
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
(注)地理的近接度により区分しております。
② 非流動資産
(単位:百万円)
日本 北米 欧州 その他 連結
前連結会計年度
282,865 167,016 39,146 7,284 496,313
(2020年3月31日)
当連結会計年度
278,542 172,357 56,775 8,134 515,810
(2021年3月31日)
(注)主として資産の所在地に基づいて測定しており、有形固定資産、のれん及び無形資産から構成されております。
(4)主要な顧客に関する情報
連結損益計算書の 売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
顧客の名称
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
アルフレッサ ホールディングス株式
196,146 185,556
会社及びそのグループ会社
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7.企業結合
(1) 重要な企業結合
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
前連結会計年度における重要な企業結合はありません。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度における重要な企業結合はありません。
(2) 条件付対価
企業結合による条件付対価は、アンビット・バイオサイエンシズCorp.の急性骨髄性白血病治療薬(一般
名:キザルチニブ、開発コード:AC220)の上市時マイルストーンであり、貨幣の時間価値を考慮して計算し
ております。当社が条件付対価契約に基づき要求され得るすべての将来の支払額は、10,551百万円(割引
前)であります。
期末残高に関する為替変動リスクのエクスポージャーは28,460千米ドルであり、期末日において日本円が
米ドルに対し1%円高になった場合の税引前利益への影響は、31百万円であります。
条件付対価の公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。条件付対価に係る公正価値変動額は
「金融収益」に計上しております。なお、公正価値のヒエラルキーについては「30.金融商品」に記載して
おります。
レベル3に分類した条件付対価の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
期首残高 7,661 7,750
企業結合による増加 - -
期中公正価値変動額 239 △4,653
期中決済額 - -
為替換算差額 △150 53
期末残高 7,750 3,151
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8.現金及び現金同等物
「現金及び現金同等物」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
280,409 294,803
現金及び預金
短期投資 143,775 85,743
合計 424,184 380,547
(注)「現金及び現金同等物」は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.営業債権及びその他の債権
連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
受取手形及び売掛金 283,068 201,673
未収入金 14,060 15,536
その他 12,763 15,468
貸倒引当金 △529 △642
合計 309,363 232,036
(注)「受取手形及び売掛金」並びに「未収入金」は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
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10.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
連結財政状態計算書の「その他の金融資産」の内訳は次のとおりであります。
① 流動資産
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
償却原価で測定する金融資産:
預金 217,058 152,857
貸付金 412 356
債券 95,835 249,198
その他 119 123
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
デリバティブ資産 10 -
その他 153,091 41,833
合計 466,528 444,368
(注)「純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」の「その他」は、為替予約と一体となった外貨建預金でありま
す。
② 非流動資産
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
償却原価で測定する金融資産:
貸付金 737 417
債券 1,014 2,778
その他 15,378 36,635
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
債券 547 556
その他 9,694 15,001
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
株式 70,558 84,195
その他 43 406
合計 97,974 139,991
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(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
公正価値
銘柄
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
Ultragenyx Pharmaceutical Inc.
6,014 15,681
㈱静岡銀行 6,138 8,128
アルフレッサ ホールディングス㈱
6,455 6,836
マルホ㈱
6,555 6,395
㈱ココカラファイン 3,394 5,148
その他 42,043 42,411
(注)株式は主に取引又は事業上の関係の維持強化を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産に指定しております。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識の中止
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的に、前連結会計年度及び当連結会計年度にお
いて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の一部を売却等により処分し、認識を中止し
ております。
処分時の公正価値及び累積利得又は損失は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
公正価値 累積利得又は損失 公正価値 累積利得又は損失
株式 22,335 14,453 3,936 1,493
その他 - 29 1 △8
(注)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、認識を中止した場合、その他の包括利益にて認識し
ていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。
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11.棚卸資産
連結財政状態計算書の「棚卸資産」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
122,526 145,182
商品及び製品
22,130 19,086
仕掛品
28,706 36,591
原材料
173,362 200,860
合計
(注)1.連結損益計算書の「売上原価」に含まれている、費用として認識された棚卸資産の金額は、前連結会計年度
308,982百万円、当連結会計年度297,510百万円であります。
2.連結損益計算書の「売上原価」に含まれている、期中に認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年
度8,022百万円、当連結会計年度8,014百万円であります。
12.売却目的で保有する資産
連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
売却目的で保有する資産
無形資産 134 -
合計 134 -
(注)前連結会計年度に売却目的保有に分類した資産は、第2四半期連結会計期間において売却手続きが完了してお
ります。
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13.有形固定資産
(1) 調整表及び内訳
連結財政状態計算書の「有形固定資産」に関する、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の調整
表及び内訳は次のとおりであります。
① 取得原価
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
343,833 239,524 95,442 27,781 706,582
2019年4月1日 残高
1,374 77 - 43,057
IFRS第16号適用による調整 41,605
240,899 95,519 27,781 749,639
2019年4月1日 残高(調整後) 385,439
22,222 14,608 6,758 26,631 70,221
個別取得
△6,632 △10,986 △3,730 △13 △21,364
売却又は処分
△18,148 △31,374 △2,513 △638 △52,675
売却目的保有への振替
△1,680 △1,581 △618 △148 △4,029
為替換算差額
△413 △298 18 △32,488 △33,182
その他の増減
380,786 211,265 95,433 21,123 708,609
2020年3月31日 残高
16,233 6,704 7,644 37,697 68,279
個別取得
- - 5 - 5
企業結合による取得
△2,743 △4,189 △4,554 - △11,487
売却又は処分
2,797 1,833 1,106 522 6,260
為替換算差額
△545 △146 △133 - △825
連結除外に伴う減少
△1,884 △175 △213 △18,605 △20,878
その他の増減
394,643 215,291 99,289 40,738 749,963
2021年3月31日 残高
② 減価償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
208,452 189,129 79,914 -
2019年4月1日 残高 477,496
14,275 50 32 -
IFRS第16号適用による調整 14,358
222,728 189,179 79,947 -
2019年4月1日 残高(調整後) 491,855
-
減価償却費 13,966 11,855 6,080 31,902
-
減損損失 54 1,165 57 1,277
-
売却又は処分 △6,412 △10,576 △3,644 △20,633
-
売却目的保有への振替 △12,130 △26,102 △2,181 △40,415
△791 -
為替換算差額 △857 △448 △2,097
-
その他の増減 △164 △129 △37 △332
217,249 164,534 79,772 - 461,556
2020年3月31日 残高
-
減価償却費 14,169 10,637 6,341 31,148
-
減損損失 24 53 25 102
- - -
企業結合による取得 5 5
-
売却又は処分 △2,582 △4,051 △4,520 △11,154
1,178 -
為替換算差額 1,212 829 3,220
△27 -
連結除外に伴う減少 △8 △73 △109
-
その他の増減 52 △103 △37 △87
230,064 172,273 82,343 - 484,681
2021年3月31日 残高
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③ 帳簿価額
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
建設仮勘定 合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
2019年4月1日 残高(調整後) 162,710 51,719 15,572 27,781 257,784
163,536 46,731 15,661 21,123 247,053
2020年3月31日 残高
164,578 43,017 16,946 40,738 265,281
2021年3月31日 残高
(注)有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発
費」に含めております。
(2) 有形固定資産の減損
潜在的な減損の兆候が見られた一定の有形固定資産については、減損テストを実施しております。
減損テストの結果、前連結会計年度1,277百万円、当連結会計年度102百万円の減損損失を認識し、連結損
益計算書の「売上原価」 、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に 計上しております。
14.のれん及び無形資産
(1) 調整表及び内訳
連結財政状態計算書の「のれん」及び「無形資産」に関する、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額
の調整表及び内訳は次のとおりであります。
① 取得原価
(単位:百万円)
無形資産
のれん
研究開発 営業権、商標権等 ソフトウェア 合計
2019年4月1日 残高 77,851 82,761 288,109 25,060 395,931
IFRS第16号適用による調整 - - △948 - △948
2019年4月1日 残高(調整後) 77,851 82,761 287,161 25,060 394,983
個別取得 - 1,172 29,085 4,226 34,484
企業結合による取得 - - 468 - 468
売却又は処分 - - △8,953 △2,503 △11,456
売却目的保有への振替 - - △38,624 - △38,624
為替換算差額 △1,090 △1,748 △4,435 △461 △6,645
その他の増減 - △29,405 29,450 △2,165 △2,120
76,760 52,779 294,152 24,156 371,088
2020年3月31日 残高
個別取得 - 737 17,468 1,267 19,473
企業結合による取得 - 7,129 - - 7,129
売却又は処分 - △21 △18,111 △332 △18,465
売却目的保有への振替 - - △1,528 - △1,528
為替換算差額 945 997 4,790 472 6,259
その他の増減 - △18,771 18,588 △674 △857
77,706 42,851 315,359 24,889 383,099
2021年3月31日 残高
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② 償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
無形資産
のれん
研究開発 営業権、商標権等 ソフトウェア 合計
2019年4月1日 残高 - - 205,313 21,145 226,458
IFRS第16号適用による調整 - - △468 - △468
2019年4月1日 残高(調整後) - - 204,844 21,145 225,989
償却費 - - 19,250 1,313 20,564
減損損失 - - 6,271 - 6,271
売却又は処分 - - △8,953 △2,497 △11,451
売却目的保有への振替 - - △38,483 - △38,483
為替換算差額 - - △3,914 △400 △4,315
その他の増減 - - 14 - 14
179,029 19,560 198,589
2020年3月31日 残高 - -
償却費 - - 24,791 1,322 26,113
減損損失 - 21 482 - 504
売却又は処分 - △21 △16,275 △328 △16,625
売却目的保有への振替 - - △1,528 - △1,528
為替換算差額 - - 2,829 419 3,248
その他の増減 - - △21 △4 △25
189,307 20,970 210,277
2021年3月31日 残高 - -
③ 帳簿価額
(単位:百万円)
無形資産
のれん
研究開発 営業権、商標権等 ソフトウェア 合計
2019年4月1日 残高(調整後) 77,851 82,761 82,316 3,915 168,993
76,760 52,779 115,123 4,596 172,499
2020年3月31日 残高
77,706 42,851 126,052 3,919 172,822
2021年3月31日 残高
(注)無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含め
ております。
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(2) 主要なのれん及び無形資産
当社グループでは 、 主要なのれんを医療用医薬品事業、ヘルスケア事業の2つの資金生成単位グループに
配分しております。各資金生成単位グループに配分したのれんの帳簿価額は、医療用医薬品事業が前連結会
計年度56,906百万円、当連結会計年度57,784百万円、及びヘルスケア事業が前連結会計年度16,000百万円、
当連結会計年度16,000百万円であります。
主な無形資産の帳簿価額は、営業権では、第一三共ヨーロッパGmbHのベムペド酸に関するものが当連結会
計年度32,071百万円であります。前連結会計年度は仕掛研究開発として15,821百万円でありました。定額法
により償却しており、残存償却期間は11年であります。また、プレキシコンInc.のTURALIOに関するものが
前連結会計年度25,522百万円、当連結会計年度23,942百万円であります。定額法により償却しており、残存
償却期間は12年であります。
特許権では、第一三共㈱のUltragenyx Pharmaceutical Inc.からの遺伝子治療薬製造技術の導入に関する
ものが前連結会計年度15,205百万円、当連結会計年度10,611百万円であります。定額法により償却してお
り、残存償却期間は2年であります。
仕掛研究開発では、アンビット・バイオサイエンシズCorp.のキザルチニブに関するものが前連結会計年
度26,585百万円、当連結会計年度27,046百万円であります。
(3) 費用認識した研究開発支出
研究費及び資産計上基準を満たさない開発費は、発生時に費用として認識しております。費用認識した研
究開発支出は前連結会計年度197,465百万円、当連結会計年度227,353百万円であります。
(4) のれんの減損
のれんは、毎年及び減損の兆候が存在する場合に減損テストを実施しております。 のれんに対する減損テ
ストは次のとおり行っております。
① 医療用 医薬品事業
回収可能価額は、経営陣によって承認された2025年度までの中期計画を基礎として使用価値にて測定し
ており、2025年度以降はターミナルバリューを基に見積もっております。
税引前の割引率を用いて測定された使用価値は帳簿価額を上回っているため、当連結会計年度において
減損損失は認識しておりません。なお、税引前の割引率は前連結会計年度6.6%、当連結会計年度5.9%で
あります。また、使用価値は帳簿価額を十分に上回っており、割引率等が合理的な範囲内で変動した場合
でも使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
② ヘルスケア 事業
回収可能価額は、経営陣によって承認された2025年度までの中期計画を基礎として使用価値にて測定し
ており、2025年度以降はターミナルバリューを基に見積もっております。
税引前の割引率を用いて測定された使用価値は帳簿価額を上回っているため、当連結会計年度において
減損損失は認識しておりません。なお、税引前の割引率は前連結会計年度7.7%、当連結会計年度6.7%で
あります。また、使用価値は帳簿価額を十分に上回っており、割引率等が合理的な範囲内で変動した場合
でも使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
(5) 無形資産の減損
潜在的な減損の兆候が認められた一定の無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、毎年及び減損の兆
候が存在する場合に減損テストを実施しております。
回収可能価額は、公正価値から処分費用を控除した金額と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将来
キャッシュ・フロー評価によって測定される使用価値のどちらか高い金額を用いております。無形資産の帳
簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額
まで減額しております。
使用価値の測定においては、新製品の製造販売が承認される可能性及び製品の販売計画等の見積りを加味
しております。これらの見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌連結会計年度の連結財
務諸表において無形資産の金額に重要な修正を行う可能性があります。
減損テストの結果、前連結会計年度6,271百万円、当連結会計年度504百万円の減損損失を認識し、連結損
益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に計上しております。
前 連結会計年度及び当連結会計年度の減損損失は主として海外子会社における営業権であり、競合品の市
場参入等により収益性が低下したことから、 減損損失を計上しております。
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15.持分法で会計処理されている投資
持分法で会計処理されている関連会社に対する投資の帳簿価額は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
持分法で会計処理されている投資の帳簿価額 383 1,440
持分法で会計処理されている関連会社に関する財務情報は、次のとおりであります。
なお、これらの金額は、グループの持分比率勘案後のものであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期利益 327 168
その他の包括利益 - -
当期包括利益 327 168
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16.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
2019年4月1日 純損益を通じて その他の包括利益 2020年3月31日
その他
残高 認識 を通じて認識 残高
繰延税金資産
前払委託研究費・共同開発費等 14,181 4,124 - - 18,306
減価償却費及び償却費
4,196 △1,050 - - 3,146
棚卸資産未実現利益・評価損等 16,887 △552 - - 16,335
繰越欠損金 35,424 11,705 - - 47,130
未払費用 19,144 1,686 - - 20,830
未払金
12,125 △12,125 - - -
退職給付に係る負債 6,283 △4,661 2,104 - 3,726
有価証券等評価損 1,544 △149 - - 1,395
減損損失
7,506 422 - - 7,929
リース負債 - 556 - 11,334 11,891
その他 21,535 959 - △1,467 21,028
合計 138,832 917 2,104 9,866 151,720
繰延税金負債
無形資産 17,341 △1,674 - - 15,667
その他の包括利益を通じて公正価値で
21,404 - △7,677 - 13,726
測定する金融資産
固定資産圧縮積立金 6,781 △534 - - 6,247
未収入金 11,959 △11,959 - - -
使用権資産 - 1,093 - 7,999 9,092
その他 3,700 2,420 - 1,759 7,880
合計 61,188 △10,655 △7,677 9,758 52,613
純額 77,643 11,572 9,782 108 99,106
(注)1.純損益を通じて認識した額の合計と繰延法人所得税合計との差額及びその他の包括利益を通じて認識した額
の合計とその他の包括利益を通じて認識した法人所得税合計との差額は、為替の変動によるものでありま
す。
2.税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の認識は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額の
見積りを加味しております。これらの見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌連結会計
年度の連結財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な修正を行う可能性があります。
3.当社及び一部の国内子会社は、前連結会計年度中に連結納税制度の承認申請を行い、当連結会計年度から連
結納税制度が適用されることとなったため、前連結会計年度より連結納税制度の適用を前提とした会計処理
を行っております。
この結果、前連結会計年度において、「繰延税金資産」が13,050百万円増加し、「法人所得税費用」が同額
減少しております。
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
2020年4月1日 純損益を通じて その他の包括利益 2021年3月31日
その他
残高 認識 を通じて認識 残高
繰延税金資産
前払委託研究費・共同開発費等 18,306 1,860 - - 20,167
減価償却費及び償却費 3,146 591 - - 3,737
棚卸資産未実現利益・評価損等
16,335 15,265 - - 31,600
繰越欠損金 47,130 6,099 - - 53,230
未払費用 20,830 1,806 - - 22,637
退職給付に係る負債 3,726 - - △3,726 -
有価証券等評価損
1,395 180 - - 1,575
減損損失 7,929 △1,985 - - 5,944
リース負債 11,891 △1,497 - - 10,394
その他 21,028 3,191 - - 24,219
合計 151,720 25,513 - △3,726 173,507
繰延税金負債
無形資産 15,667 △724 - 2,369 17,311
その他の包括利益を通じて公正価値で
13,726 - 5,175 - 18,902
測定する金融資産
退職給付に係る資産 - 2,049 3,726 △3,726 2,048
固定資産圧縮積立金
6,247 △228 - - 6,018
使用権資産 9,092 △1,217 - - 7,875
その他 7,880 2,459 - - 10,339
合計 52,613 2,338 8,901 △1,357 62,496
純額
99,106 23,175 △8,901 △2,369 111,010
(注)1.純損益を通じて認識した額の合計と繰延法人所得税合計との差額及びその他の包括利益を通じて認識した額
の合計とその他の包括利益を通じて認識した法人所得税合計との差額は、為替の変動によるものでありま
す。
2.税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の認識は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額の
見積りを加味しております。これらの見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌連結会計
年度の連結財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な修正を行う可能性があります。
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(2) 未認識の繰延税金資産
連結財政状態計算書において繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金(繰
越期限別の内訳)及び繰越税額控除(繰越期限別の内訳)は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
将来減算一時差異 54,332 58,075
繰越欠損金
-
1年以内 3,782
1年超5年以内 58,408 5,668
5年超 33,437 33,304
合計 95,629 38,972
繰越税額控除
- -
1年以内
323 232
1年超5年以内
5年超 2,479 2,444
合計 2,802 2,677
(3) 未認識の繰延税金負債
繰延税金負債として認識していない子会社等に対する持分に係る一時差異の総額は、前連結会計年度末
84,466百万円、当連結会計年度末111,341百万円であります。当社グループが一時差異を解消する時期をコ
ントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない場合には、当該一時差異に関連する繰延税
金負債は認識しておりません。
(4) 純損益を通じて認識する法人所得税
純損益を通じて認識した法人所得税の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
24,440 21,122
当期法人所得税
繰延法人所得税
7,737 △5,696
一時差異の発生及び解消
105 △179
税率の変更又は新税の賦課
△20,087 △16,952
繰延税金資産の修正及び取崩
△12,243 △22,828
合計
12,196 △1,705
法人所得税費用合計
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(5) その他の包括利益の各内訳項目に関連する法人所得税
その他の包括利益を通じて認識した法人所得税の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
税効果前 税効果 税効果後 税効果前 税効果 税効果後
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
△10,945 3,263 △7,682 18,175 △5,675 12,499
金融資産
確定給付制度に係る再測定額 △6,370 2,097 △4,272 11,656 △3,809 7,847
- -
在外営業活動体の換算差額 △15,409 △15,409 18,805 18,805
合計 △32,725 5,361 △27,364 48,637 △9,485 39,151
(6) 実効税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は次のとおりでありま
す。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
法定実効税率 30.5% 30.5%
交際費等永久に損金に算入されない項目 1.0% 1.8%
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 △0.2% △0.7%
未認識の繰延税金資産の変動 △14.2% △21.9%
海外税率差異 △3.2% △1.2%
試験研究費等の税額控除 △3.6% △8.4%
税率変更による期末繰延税金資産の修正 △0.1% △0.3%
その他 △1.6% △2.1%
実際負担税率 8.6% △2.3%
(注)1.当社は、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した適用
税率は前連結会計年度30.5%、当連結会計年度30.5%となっております。また、繰延税金資産及び繰延税金
負債の計算に使用する法定実効税率は、前連結会計年度30.5%、当連結会計年度30.5%となっております。
ただし、在外営業活動体についてはその所在地における法人税等が課されます。
2.未認識の繰延税金資産の変動は、主として、日本における将来の課税所得の見積額の増減に伴う、税務上の
繰越欠損金に係る繰延税金資産の変動によるものであります。
3.試験研究費等の税額控除は、主に日本及び米国で発生しております。
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17.営業債務及びその他の債務
連結財政状態計算書の「営業債務及びその他の債務」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
支払手形及び買掛金 70,149 68,691
未払金 91,440 108,934
その他 109,277 119,873
合計 270,867 297,499
(注)「支払手形及び買掛金」並びに「未払金」は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
18.社債及び借入金、及びその他の金融負債
(1) 社債及び借入金の内訳
連結財政状態計算書の「社債及び借入金」の内訳は次のとおりであります。
① 流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
償却原価で測定する金融負債:
無担保社債 20,000 -
無担保銀行借入金 20,000 20,000
その他の借入金 389 391
合計 40,389 20,391
② 非流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
償却原価で測定する金融負債:
無担保社債 119,606 119,628
無担保銀行借入金 61,000 41,000
その他の借入金 3,204 2,812
合計 183,811 163,441
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(2) その他の金融負債の内訳
連結財政状態計算書の「その他の金融負債」の内訳は次のとおりであります。
① 流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
純損益を通じて公正価値を測定する金融負債:
デリバティブ負債 - 72
リース負債 9,490 9,287
合計 9,490 9,359
② 非流動負債
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
償却原価で測定する金融負債 3,227 3,210
純損益を通じて公正価値を測定する金融負債:
デリバティブ負債 1,248 718
リース負債 32,641 33,054
合計 37,118 36,983
(3) 社債の契約条件
社債の契約条件は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
会社名 銘柄 発行年月日 利率 償還期限
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
第一三共株式会社 第3回無担保社債 2013年9月18日 2020年9月18日
20,000 - 0.55%
第一三共株式会社 第4回無担保社債 2013年9月18日 2023年9月15日
20,000 20,000 0.85%
第一三共株式会社 第5回無担保社債 2016年7月25日 2036年7月25日
75,000 75,000 0.81%
第一三共株式会社 第6回無担保社債 2016年7月25日 2046年7月25日
25,000 25,000 1.20%
合計 - - 140,000 120,000 - -
(4) 借入金の契約条件
借入金の契約条件は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分 平均利率 返済期限
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
一年以内返済予定長期借入金 20,000 20,000 0.00% -
長期借入金 61,000 41,000 0.02% 2022年~2023年
その他の借入金 3,594 3,204 - -
合計 84,594 64,204 - -
(注)平均利率は、当連結会計年度末の残高と利率を用いて算出しております。
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19.引当金
(1) 調整表及び内訳
連結財政状態計算書の「引当金」に関する、期首及び期末の帳簿価額の調整表及び内訳は次のとおりであ
ります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
事業再編損失 環境対策 その他の
合計
引当金 引当金 引当金
10,869 91 1,861 12,822
2019年3月31日 残高
△3,040 - - △3,040
IFRS第16号適用による調整
7,828 91 1,861 9,782
2019年4月1日 残高
411 8,198 1,541 10,151
期中増加額
期中減少額(目的使用) △1,851 △91 △1,037 △2,980
期中減少額(戻入れ) △604 △0 △94 △698
3 - 2 6
割引計算の期間利息費用
△200 - △117 △317
為替換算差額
- - 21 21
その他の増減
5,588 8,198 2,178 15,965
2020年3月31日 残高
3,809 198 1,359 5,367
流動負債
1,779 8,000 818 10,597
非流動負債
5,588 8,198 2,178 15,965
合計
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
事業再編損失 環境対策 その他の
合計
引当金 引当金 引当金
5,588 8,198 2,178 15,965
2020年4月1日 残高
4 - 1,104 1,108
期中増加額
期中減少額(目的使用) △605 △198 △1,261 △2,064
期中減少額(戻入れ) △48 △427 △57 △532
3 - 5 9
割引計算の期間利息費用
223 - 81 305
為替換算差額
0 - 2 2
その他の増減
5,166 7,573 2,053 14,793
2021年3月31日 残高
3,576 1,015 1,459 6,051
流動負債
1,590 6,558 593 8,741
非流動負債
5,166 7,573 2,053 14,793
合計
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(2) 引当金の概要及び経済的便益の流出が予測される時期等
引当金の計算は、決算日における将来の経済的便益の流出金額に関する最善の見積りに基づいて行ってお
ります。見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌連結会計年度の連結財務諸表において
引当金の金額に重要な修正を行う可能性があります。
当社グループが計上している引当金の概要及び経済的便益の流出が予測される時期は次のとおりでありま
す。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要な資産除去債務はありません。
① 事業再編損失引当金
日本、北米及び欧州における人員削減等の事業再編に伴う損失に備えるため、当該損失の見込額を計上
しております。事業再編損失引当金は、詳細な公式計画を有し、かつ計画の実施や公表を通じて、影響を
受ける関係者に当該事業再編が確実に実施されると予期させた時点で認識しております。
支払時期は、将来の事業再編の進捗等により影響を受けます。
② 環境対策引当金
当社は前連結会計年度において、野洲川工場跡地に設置している汚染土壌の保管施設の撤去工事等の関
連コストについて、支出の見込み額8,198百万円を環境対策引当金として計上しておりましたが、当連結会
計年度において、最新の見積り額7,573百万円に洗い替えております。
また、保管施設の撤去工事等の関連コストの支払スケジュールに応じて、環境対策引当金を流動負債に
1,015百万円、非流動負債に6,558百万円、それぞれ表示しております。
なお、保管施設の撤去工事の概要については、「36.偶発負債」に記載しております。
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20.従業員給付
当社及び国内連結子会社は、主にグループ連合型による確定給付企業年金制度と確定拠出年金制度を採用
しております。
確定給付企業年金制度については、退職までに獲得した累積ポイントの80%に基づく金額を、退職時に、
加入期間が一定以上となる従業員は年金又は一時金の選択により、満たさない従業員は一時金で受給します。
上記年金制度は、当社グループから独立した企業年金基金が運営しており、当社グループは給付の財源とし
て、加入者ごとに付与される各月のポイントに基づき算定される掛金を当該基金に拠出し、当該基金はこれを
年金資産として安定的運用に努めております。 さらに、将来の年金財政リスクに備えて予め拠出するリスク対
応掛金を導入しております。また 、当社は確定給付企業年金制度の債務に対して、当社保有有価証券を信託資
産として拠出し、退職給付信託の設定を行っております。
確定拠出年金制度については、従業員の退職までに獲得した累積ポイントの20%に基づく金額について、
各人に付与される各月ポイント換算額を当社グループから従業員各人の専用口座へ掛金拠出を行い、それ以上
の拠出を行う法的又は推定的債務を有しておりません。
なお、上記の年金制度以外に、当社グループは割増退職金等を一時金として支払う場合があります。
一部の在外営業活動体は、確定給付型又は確定拠出型の年金制度を設けております。
(1) 確定給付債務の現在価値の調整表
確定給付債務の現在価値の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
2019年4月1日 確定給付債務の現在価値 148,562 17,132 165,694
440 6,091
当期勤務費用 5,650
267
利息費用 884 1,151
給付支払額 △5,364 △714 △6,079
従業員による拠出 - 187 187
再測定-数理計算上の差異(人口統計上の仮定) △325 13 △311
再測定-数理計算上の差異(財務上の仮定) △2,144 △457 △2,601
過去勤務費用 - 1 1
縮小・清算 △1,153 2 △1,150
為替換算差額 - △704 △704
その他の増減 - 122 122
2020年3月31日 確定給付債務の現在価値 146,109 16,292 162,402
443 5,991
当期勤務費用 5,548
279
利息費用 1,021 1,300
給付支払額 △6,012 △720 △6,732
従業員による拠出 - 265 265
再測定-数理計算上の差異(人口統計上の仮定) 809 △125 684
再測定-数理計算上の差異(財務上の仮定) 0 1,190 1,190
過去勤務費用 - △41 △41
1,445 1,445
為替換算差額 -
- 28 28
その他の増減
147,477 19,057 166,535
2021年3月31日 確定給付債務の現在価値
(注)従業員給付に係る費用については、「26.主な費用の性質に関する情報」に記載しております。
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(2) 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
2019年4月1日 制度資産の公正価値 143,266 14,315 157,581
利息収益 856 229 1,086
給付支払額 △4,904 △479 △5,384
事業主による拠出 22,093 395 22,489
従業員による拠出 - 187 187
再測定-制度資産に係る収益 △8,925 10 △8,914
縮小・清算 △916 - △916
△608 △608
為替換算差額 -
その他の増減 - 117 117
2020年3月31日 制度資産の公正価値 151,469 14,168 165,637
利息収益 1,060 246 1,306
給付支払額 △5,597 △428 △6,025
事業主による拠出 13,667 546 14,213
従業員による拠出 - 265 265
再測定-制度資産に係る収益 12,943 610 13,553
為替換算差額 - 1,275 1,275
その他の増減 - 34 34
2021年3月31日 制度資産の公正価値 173,542 16,718 190,261
(注)当社グループは2021年4月1日から2022年3月31日までの1年間において、確定給付年金制度に対して9,678百
万円の拠出を予定しております。
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(3) 制度資産の種類別の公正価値
制度資産の主な種類別における、制度資産の公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度
活発な市場での市場価格があるもの 活発な市場での市場価格がないもの
前連結会計年度 当連結会計年度 前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
47,485 57,883 - -
株式
46,331 57,674 - -
債券
- - 5,853 11,233
不動産
- - 19,211 19,461
生保一般勘定
17,519 10,725 15,067 16,563
その他
111,336 126,283 40,132 47,259
合計
(単位:百万円)
海外の制度
活発な市場での市場価格があるもの 活発な市場での市場価格がないもの
前連結会計年度 当連結会計年度 前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
- -
株式 1,330 1,912
- -
債券 567 632
その他 2,360 2,956 9,910 11,217
合計 4,258 5,501 9,910 11,217
(4) 資産上限額の影響
資産上限額の影響の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
- 384 384
2019年4月1日 資産上限額の影響
再測定値-資産上限額に伴う確定給付資産の純額
- 367 367
の限度の影響額
- △18 △18
為替換算差額
- 733 733
2020年3月31日 資産上限額の影響
再測定値-資産上限額に伴う確定給付資産の純額
- 21 21
の限度の影響額
- 63 63
為替換算差額
- 818 818
2021年3月31日 資産上限額の影響
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(5) 退職給付に係る負債の内訳
連結財政状態計算書の「退職給付に係る負債」の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
確定給付債務の現在価値 146,109 16,292 162,402
制度資産の公正価値 △151,469 △14,168 △165,637
積立不足 △5,359 2,124 △3,235
資産上限額の影響 - 733 733
退職給付に係る資産 7,547 40 7,587
その他 168 8 177
退職給付に係る負債 2,356 2,907 5,263
当連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
日本の制度 海外の制度 合計
確定給付債務の現在価値 147,477 19,057 166,535
制度資産の公正価値 △173,542 △16,718 △190,261
積立不足 △26,064 2,338 △23,726
資産上限額の影響 - 818 818
退職給付に係る資産 26,472 168 26,640
その他 185 10 196
退職給付に係る負債 593 3,336 3,929
(6) 確定給付債務及び制度資産等の算定に使用される主要な想定事項
① 重要な数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
割引率
日本の制度 0.7% 0.7%
海外の制度 0.5%~12.0% 0.2%~13.5%
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② 感応度分析
数理計算上の仮定が1%変化することによって確定給付債務に与える影響は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
割引率
1%増加した場合の確定給付債務への影響 △21,614 △21,696
1%減少した場合の確定給付債務への影響 26,363 26,234
③ 感応度分析をするのに使用される方法や仮定及び当該方法の限界
割引率が異なる複数の計算結果をもとに、平均割引期間の概念を用いた近似式を使用する方法(対数補
間方式)により、割引率が1%増加した場合と1%減少した場合の確定給付債務額をそれぞれ算出し、期
末日の確定給付債務額との差額を影響額として算出しております。
④ 制度資産の投資戦略・運用方針
当社グループにおける制度資産の運用は、年金給付及び一時金給付の支払を将来にわたり確実に行うた
めに十分な資産を確保するべく、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる総合収益を中長期的に確保
し、良質な年金資産を構築することを目的として行っております。
主な運用の目標として、ALM分析の結果を踏まえ、将来にわたって健全な年金財政を維持するに足る
だけの収益率を確保することとしております。個別の資産については、運用科目ごとに市場における収益
率を上回る成果を上げるよう努めることとしております。また、資産全体については、少なくとも運用科
目ごとの市場における収益率を資産構成比に応じて組み合わせた収益率を上回ることを運用の目標として
おります。
運用の目標を達成するため、各運用対象資産の期待運用収益率の予測、標準偏差(リスク)及び相関関
係を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである政策的資産構成割合(以下「政策アセッ
トミックス」という。)を定め、これを維持するよう努めることとしております。この政策アセットミッ
クスは、ALM分析等の結果を踏まえ、更には基金の成熟度等を勘案した上で、中長期的観点から策定し
ております。この政策アセットミックスは原則として3年ごとに見直しを行うこととしておりますが、基
金を取り巻く環境に著しい変化があった場合等、必要に応じて見直しを行うこととしております。
⑤ 将来の拠出に影響する積立ての取決め及び積立ての方針
国内の確定給付型企業年金制度において、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年
ごとに掛金の額の再計算を行うこととしております。また、企業年金基金の毎事業年度の決算において積
立金の額が責任準備金の額から許容繰越不足金を控除した額を下回る場合、掛金の額を再計算することと
しております。
企業年金基金に加入する各社の事業主は、企業年金基金の各事業年度の決算において積立金の額が最低
積立基準額を下回る場合には、必要な額を掛金として拠出することとしております。また、事業年度中に
おいて積立金の額が零となることが見込まれる場合にあっては、事業主は、当該事業年度中における給付
に関する事業に要する費用に充てるため必要な額を掛金として拠出することとしております。
また、 将来の年金財政リスクに備えてリスク対応掛金の拠出を行っております。
⑥ 確定給付債務の満期分析に関する情報
確定給付債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度14.9年、当連結会計年度14.4年でありま
す。
(7) 確定拠出年金制度
確定拠出年金への要拠出額等に係る費用は、前連結会計年度15,029百万円、当連結会計年度15,880百万円
であります。
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21.政府補助金
(1) 資産に関する政府補助金
連結財政状態計算書の「営業債務及びその他の債務」及び「その他の非流動負債」に含まれている、繰延
収益として認識した資産に関する政府補助金の金額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
営業債務及びその他の債務 1,972 2,031
その他の非流動負債 7,790 6,091
(注)政府補助金は主として有形固定資産の購入のために受領したものであり、このうち主なものは新型インフルエン
ザワクチンの開発・生産体制整備に関するものであります。また、上記の政府補助金に付随する未履行の条件又
はその他の偶発事象はありません。
(2) 収益に関する政府補助金
主に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発・生産体制整備に関して受領したも
のであります。この補助金は、利用した時点でその関連コストと同額を純損益にて認識しており、当連結会
計年度において1,165百万円を「研究開発費」から控除しております。また、上記の政府補助金に付随する
未履行の条件又はその他の偶発事象はありません。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
授権株式数及び全額払込済の発行済株式は次のとおりであります。
① 授権株式数
(単位:千株)
普通株式数
2019年4月1日 2,800,000
2020年3月31日 2,800,000
2021年3月31日 8,400,000
(注)2020年4月27日開催の取締役会決議に基づき、2020年10月1日付で株式分割に伴う定款の一部変更が行われ、発
行可能株式総数は、5,600,000千株増加し、8,400,000千株となっております。
② 全額払込済の発行済株式
発行済株式数 資本金 資本剰余金
(千株) (百万円) (百万円)
2019年4月1日 709,011 50,000 94,633
期中増減 - - -
2020年3月31日 709,011 50,000 94,633
期中増減 1,418,022 - △138
2021年3月31日 2,127,034 50,000 94,494
(注)1.当社の株式は無額面であり、権利内容に何ら限定のない普通株式であります。
2.2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。これにより、発
行済株式総数は、1,418,022千株増加し、2,127,034千株となっております。
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(2) 自己株式
自己株式の株式数及び金額は次のとおりであります。
株式数 金額
(千株) (百万円)
2019年4月1日 61,124 162,964
2020年3月31日 60,943 162,519
2021年3月31日 210,868 261,252
(注)1.自己株式はすべて当社が保有しております。
2.2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。
3.当社はストック・オプション制度を採用しており、その行使に伴う株式の交付は、自己株式によっておりま
す。なお、契約条件及び金額等は、「29.株式報酬」に記載しております。
4.当社は譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、その株式の付与は、自己株式によっております。
(3) その他の資本の構成要素の内容及び目的
① 新株予約権
当社はストック・オプション制度を採用しており、会社法に基づき発行した新株予約権であります。
② 在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額であります。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動部分であります。
④ 確定給付制度に係る再測定
確定給付制度に係る再測定による変動部分であります。
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23.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2019年6月17日
普通株式 22,676 35.0 2019年3月31日 2019年6月18日
定時株主総会
2019年10月31日
普通株式 22,678 35.0 2019年9月30日 2019年12月2日
取締役会
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2020年6月15日
普通株式 22,682 35.0 2020年3月31日 2020年6月16日
定時株主総会
2020年10月30日
普通株式 26,264 40.5 2020年9月30日 2020年12月1日
取締役会
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。「1株当たり配当額」
につきましては、当該株式分割前の金額を記載しております。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2020年6月15日
普通株式 22,682 35.0 2020年3月31日 2020年6月16日
定時株主総会
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議 株式の種類 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2021年6月21日
普通株式 25,868 13.5 2021年3月31日 2021年6月22日
定時株主総会
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。2020年6月15日定時株
主総会に基づく「1株当たり配当額」につきましては、当該株式分割前の金額を、2021年6月21日定時株主総会
に基づく「1株当たり配当額」につきましては、当該株式分割後の金額を記載しております。
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24.売上収益
(1) 財又はサービスの内容
当社グループは、医薬品等の製造販売を主な事業内容としており、顧客に移転を約束した財又はサービス
の内容は次のとおりであります。
① 製商品の販売
当社グループが顧客に移転を約束した財又はサービスの内容は、医療用医薬品及びヘルスケア品の販売
であります。このような販売については、顧客へ製商品を引き渡し、検収が完了した時点で、製商品への
支配が顧客に移転し、履行義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております。対価につい
ては、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融要素は含んで
おりません。
契約条件によっては、当社グループは割引、値引、割戻、返品等に応じる義務を負っております。この
場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価からこれらの見積りを控除した金額で算定して
おり、顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りに
あたっては、契約条件や過去の実績などに基づき計算しております。
② 技術料収入
当社グループは、第三者に製品の研究開発、製造や販売、技術の使用等を許諾する契約を締結すること
により、契約一時金、マイルストーン収入、ランニング・ロイヤリティー等の対価を得ております。
契約一時金は、履行義務が一時点で充足される場合には、ライセンスを付与した時点で収益を認識して
おり、マイルストーン収入は、事後に収益の重大な戻入が生じる可能性を考慮し、規制当局への承認申請
等の当事者間で合意したマイルストーンが達成された時点で収益を認識しております。履行義務が一時点
で充足されないものについては、当該対価を契約負債として計上し、個々の契約に関連する研究開発協力
等の履行義務の充足に従い一定期間にわたって収益として認識しております。ランニング・ロイヤリ
ティーは、契約相手先の売上等を算定基礎として測定し、その発生時点を考慮して収益を認識しておりま
す。
対価については、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融
要素は含んでおりません。
(2) 収益の分解
当社グループの売上収益の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
地域
日本 北米 欧州 その他 合計
医療用医薬品 535,513 158,759 94,741 92,520 881,534
製商品の販売 ヘルスケア 67,606 - - 431 68,037
計 603,119 158,759 94,741 92,951 949,571
技術料収入 673 20,281 673 1,427 23,055
その他 3,919 4,040 313 892 9,166
合計 607,712 183,081 95,728 95,271 981,793
(注)売上収益は、主として顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益の額に重要性は
ありません。
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
地域
日本 北米 欧州 その他 合計
医療用医薬品 487,855 166,107 107,458 93,527 854,948
製商品の販売 ヘルスケア 66,465 - - 560 67,025
計 554,320 166,107 107,458 94,087 921,974
技術料収入 160 23,384 1,725 981 26,252
その他 6,244 2,159 4,864 1,022 14,290
合計 560,725 191,651 114,047 96,091 962,516
(注)売上収益は、主として顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益の額に重要性は
ありません。
(3) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
2019年4月1日
(2020年3月31日 ) (2021年3月31日 )
顧客との契約から生じた債権 360,376 282,539 201,032
契約負債 160,422 160,353 198,430
(注 )1. 顧客との契約から生じた債権は、連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」に、 契約負債は、
「営業債務及びその他の債務」及び「その他の非流動負債」に含めております。
2. 契約負債の主な内容は、技術料収入のうち履行義務を充足する前に顧客から対価を得た部分であります。
当該契約負債は、対応する履行義務の充足に伴い、収益へと振り替えております。
3.契約負債の期首残高 のうち認識した収益の額は、前連結会計年度14,022百万円、当連結会計年度14,783百
万円であります。
4.過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額は、前連結会計年度10,910百
万円、当連結会計年度7,152百万円であり、主なものは、 マイルストーン収入及びランニング・ロイヤリ
ティー であります。
(4) 残存履行義務に配分する取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額は主に技術料収入に関するものであり、収益の認識が見込まれる
期間は以下のとおりであります。
なお、当初の予想期間が1年以内の契約であるものについては、実務上の便法を適用し、記載を省略して
おります。
また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
1年以内 13,017 20,939
1年超5年以内 48,110 74,386
5年超 99,105 102,804
合計 160,234 198,130
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25.売上原価
2019年10月1日に第一三共プロファーマ㈱が所有する高槻工場の資産等を会社分割により、太陽ファルマ
テック㈱に承継しております。また同日、当社が所有する高槻工場の土地及び構築物を会社分割により、太陽
ファルマテック㈱に承継し、同日、太陽ファルマテック㈱の全株式を当社から太陽ホールディングス㈱に譲渡
しております。
これにより、前連結会計年度において、子会社売却益18,811百万円を計上し、売上原価から控除しておりま
す。
26.主な費用の性質に関する情報
主な費用の性質に関する情報は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
86,337 93,322
広告宣伝費及び販売促進費
179,429 181,959
給料及び賞与
17,051 20,764
福利厚生費
21,956 22,459
退職給付費用
4,485 4,862
その他従業員給付費用
8,215 7,803
賃借料
52,611 57,382
減価償却費及び償却費
固定資産売却益(△) △ 10,744 △ 130
子会社売却益(△) △ 18,815 -
1,435 960
固定資産処分損
7,548 607
減損損失
△ 198 △ 53
事業再編損
- 15,000
損失補償金
(注)当社は、サノフィ株式会社との間で締結していた4種混合ワクチン『スクエアキッズ皮下注シリンジ』に関する
販売提携契約、及び5種混合ワクチンに関する共同開発契約について、2021年3月31日をもって終結いたしまし
た。両契約の終了によってサノフィ株式会社に生じた損失の補償金に関し、当連結会計年度において、同社に支
払う15,000百万円を販売費及び一般管理費に計上しております。
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27.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益の内訳
「金融収益」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
受取利息
償却原価で測定する金融資産:
1,716 715
預金
34 18
貸付金
2,788 682
債券
319 △ 162
その他
350 30
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
1,385 1,307
期末時点において保有している金融資産からの受取配当金
306 77
期中において認識を中止した金融資産からの受取配当金
457 42
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
売却益
0 -
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値の評価益及び実現益
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債:
680 448
デリバティブ
1,721 4,129
その他
為替差益(純額) - 904
89 4,722
その他
9,849 12,916
合計
(注) 当連結会計年度における金融収益の「その他」は、主としてアンビット・バイオサイエンシズCorp.の条件付対
価の公正価 値の変動額であります。
(2) 金融費用の内訳
「金融費用」の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
支払利息
償却原価で測定する金融負債:
97 91
借入金
1,350 1,127
社債
0 13
その他
887 570
リース負債
△ 31 38
その他
公正価値の評価損及び実現損
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債:
470 358
デリバティブ
1,936 370
その他
為替差損(純額) 2,645 -
455 185
その他
7,813 2,755
合計
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28.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
① 親会社の普通株主に帰属する利益
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 129,074 75,958
親会社の普通株主に帰属しない利益(百万円) - -
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) 129,074 75,958
② 期中平均普通株式数
期中平均普通株式数(千株) 1,943,839 1,939,343
③ 基本的1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 66.40 39.17
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。前連結会計年度の期首
に当該株式分割が行われたと仮定して基本的1株当たり当期利益を算定しております。
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
① 希薄化後の普通株主に帰属する利益
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) 129,074 75,958
当期利益調整額(百万円) - -
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する当期利益(百万円) 129,074 75,958
② 希薄化後の期中平均普通株式数
期中平均普通株式数(千株) 1,943,839 1,939,343
新株予約権による普通株式増加数(千株) 3,967 2,631
希薄化後の期中平均普通株式数(千株) 1,947,807 1,941,975
③ 希薄化後1株当たり当期利益
希薄化後1株当たり当期利益(円) 66.27 39.11
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。前連結会計年度の期首
に当該株式分割が行われたと仮定して希薄化後1株当たり当期利益を算定しております。
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29.株式報酬
当社は、ストック・オプション制度及 び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。また、 一部の連結子
会社は、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用しております。
(1) 譲渡制限付株式報酬制度の内容及び期中に付与した株式数と公正価値
譲渡制限付株式報酬制度の内容及び期中に付与した株式数と公正価値は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
付与日 2019年7月16日 2020年7月14日
91,677
付与数(株) 135,630
1,996 2,944
公正価値(円)
(注)1. 付与対象者は、社外取締役を除く当社取締役及び当社執行役員(以下「対象取締役等」という。)でありま
す。
2. 譲渡制限期間は、当社の取締役又は取締役を兼務しない執行役員いずれの地位をも退任又は退職する時点の
直後の時点までの期間であり、対象取締役等が、役務提供期間中、継続して、当社の取締役 又は取締役を兼
務しない執行役員のいずれかの地位 にあったことを条件として、譲渡制限期間が満了した時点をもって譲渡
制限が解除される仕組みであります。
3.当社は、対象取締役等との間で譲渡制限付株式割当契約を締結するものとし、その内容としては、対象取締
役等は、一定期間、譲渡制限付株式割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権
の設定その他の処分をしてはならないこと、及び、一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償
取得すること等が含まれております。
4 . 当社は、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。これに
より、付与数及び公正価値は株式分割後の数値に換算して記載しております。
(2) ストック・オプション制度の内容及び当連結会計年度末未行使残高
ストック・オプション制度の内容及び当連結会計年度末未行使残高は次のとおりであります。
ストック・オプション数
付与日 行使期間
付与数(株) 未行使数(株)
2008年2月16日から
305,700
第1回新株予約権 9,000 2008年2月15日
2038年2月15日まで
2008年11月18日から
15,000
第2回新株予約権 516,600 2008年11月17日
2038年11月17日まで
2009年8月18日から
105,900
第3回新株予約権 692,400 2009年8月17日
2039年8月17日まで
2010年8月20日から
221,700
第4回新株予約権 711,300 2010年8月19日
2040年8月19日まで
2011年7月13日から
261,000
第5回新株予約権 698,400 2011年7月12日
2041年7月12日まで
2012年7月10日から
379,800
第6回新株予約権 886,200 2012年7月9日
2042年7月9日まで
2013年7月9日から
306,300
第7回新株予約権 578,400 2013年7月8日
2043年7月8日まで
2014年7月9日から
302,400
第8回新株予約権 435,000 2014年7月8日
2044年7月8日まで
2015年7月8日から
269,100
第9回新株予約権 356,100 2015年7月7日
2045年7月7日まで
2016年7月6日から
388,200
第10回新株予約権 405,600 2016年7月5日
2046年7月5日まで
2,258,400
合計 5,585,700 - -
(注)1.当社のストック・オプション制度は、持分決済型であります。
2. 付与対象者は、社外取締役を除く当社取締役及び当社執行役員であります。
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3.新株予約権者は、新株予約権の割当て時に就任していた当社の取締役又は執行役員を退任した日(新株予約
権者が取締役及び執行役員を兼務している者である場合は、以後、執行役員の地位を有し続けるか否かにか
か わらず、取締役を退任した日とし、新株予約権者が新株予約権の割当て時に執行役員である場合におい
て、その者が執行役員の退任と同時に、取締役に就任した場合は、執行役員を退任した日ではなく、取締役
を退任した日とする。)の翌日から10年以内に終了する事業年度のうち最終事業年度末日までに限り、新株
予約権の行使が可能であります。
4.権利確定条件は付されておりません。
5.ストック・オプション数については、株式数に換算して記載しております。
6. 当社は、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。これに
より、付与数及び未行使数は株式分割後の数値に換算して記載しております。
(3) ストック・オプション数の変動状況及び行使価格
ストック・オプション数の変動状況及び行使価格は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
ストック・ ストック・
加重平均行使価格 加重平均行使価格
オプション数 オプション数
(円) (円)
(株) (株)
4,078,200
期首未行使残高 1 3,617,400 1
付与 - - - -
行使 △460,800 1 △1,359,000 1
失効 - - - -
期末未行使残高 3,617,400 1 2,258,400 1
期末行使可能残高 3,617,400 1 2,258,400 1
行使価格範囲 1円 1円
加重平均残存契約年数 22.61年 22.24年
(注)1.ストック・オプション数については、株式数に換算して記載しております。
2.期中に権利が行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、前連結会計年度2,409
円、当連結会計年度2,848円であります。
3. 当社は、2020年10月1日を効力発生日として普通株式1株を3株とする株式分割を行っております。前連結
会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、株式数、加重平均行使価格、及び加重平均株価を算定
しております 。
(4) 期中に付与したストック・オプションの公正価値の測定方法
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与したストック・オプションはありません。
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(5) 株式報酬費用
株式報酬費用の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
持分決済型 270 273
現金決済型 12,435 11,764
合計 12,706 12,037
(注)1.持分決済型株式報酬取引は、当社 が 採用している 譲渡制限付株式報酬制度であります。
2.現金決済型株式報酬取引は、一部の連結子会社が特定の従業員に付与している株式増価受益権(SAR:Stock
Appreciation Right)及び譲渡制限付株式ユニット(RSU:Restricted Stock Unit)であります。
株式増価受益権は、 付与日の株価と権利行使日の株価との差額を現金にて支払うものであり、付与日から3
年経過後に権利が確定し、以後7年間にわたり権利行使が可能であります。
譲渡制限付株式ユニットは、付与日から3年経過後に権利が確定し、権利確定時の株価に配当金相当額を加
算した額を現金で支払うものであります。
3.現金決済型株式報酬取引から生じた負債の帳簿価額は、前連結会計年度 16,884 百万円、当連結会計年度
16,759百万円であります。
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30.金融商品
(1) リスク管理に関する事項
当社グループは、営業及び財務活動に伴い、信用リスク、為替変動リスク、金利変動リスク、市場価格の
変動リスク及び流動性リスクに晒されております。デリバティブは、これらのリスクを回避するために利用
しており、投機的な取引は行わない方針であります。デリバティブ取引の実行及び管理は、各社の経理部門
等が行っております。取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引管理規程を制定し、当該規程で定めら
れた基本方針に従って執行・管理を行い、取締役会に報告しております。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当社は、債権保全基準
に従い、営業債権について、営業管理部所が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ご
とに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握に努め、信用リスク
の軽減を図っております。連結子会社についても、当社の債権保全基準に準じて、同様の管理を行ってお
ります。
資金運用は、預入先や債券の発行体の信用リスクに晒されております。資金運用管理方針に従い、格付
の高い相手先のみを対象とし、相手先ごとに割り当てられた与信限度内で行い、リスクの集中を最小限に
とどめております。
デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されております。カウンターパーティー
の信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループは、営業債権等の全部又は一部について回収ができない、又は回収が極めて困難であると
判断される以下のような事象等が発生した場合は債務不履行とみなし、信用減損している金融資産として
個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。個別に重要でない金融資産については、リスクの特徴
が類似するものごとにグルーピングを行い、全体として減損の評価を行っております。
・取引先の深刻な財政困難
・債権の回収不能や、再三の督促に対しての回収遅延
・取引先が破産やその他財政再建が必要な状態に陥る可能性の増加
(ⅰ) 貸倒引当金の増減分析
貸倒引当金の増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
全期間の予想信用損失に等しい金額で
12ヶ月の予想信用
計上されるもの
損失に等しい金額 合計
で計上されるもの
営業債権 信用減損金融資産
0 412 0 413
2019年4月1日 残高
- 256 - 256
期中増加額
期中減少額(目的使用) - △49 - △49
期中減少額(戻入れ) △0 △32 - △32
その他(為替換算差額等) △0 △57 - △57
0 529 0 530
2020年3月31日 残高
0 320 0 320
期中増加額
期中減少額(目的使用) - △27 - △27
期中減少額(戻入れ) - △184 - △184
その他(為替換算差額等) 0 4 - 4
0 641 1 643
2021年3月31日 残高
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(ⅱ) 信用リスク・エクスポージャー
営業債権の期日別分析は次のとおりであります。営業債権以外の金融資産については、重要な期日経
過はなく、重要な信用リスク・エクスポージャーを有するものはありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
期日経過前 280,399 197,752
期日経過30日以内 1,994 2,550
期日経過30日超60日以内 138 473
期日経過60日超90日以内 99 83
期日経過90日超 436 812
合計 283,068 201,673
当社グループは、卸売企業に対する債権の担保として、有価証券等を保有しております。当該担保が
貸倒引当金に与える重要な影響はありません。
② 為替変動リスク
グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建ての営業債権債務等は、為替変動リスクに
晒されております。
(ⅰ) 為替変動リスクのエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は次のとおりであります。なお、デリバティブ取引によ
り為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
米ドル(千米ドル) △75,386 △205,560
61,322 130,732
ユーロ(千ユーロ)
(ⅱ) 為替感応度分析
当社グループが各期末日に保有する金融商品において、日本円が米ドル及びユーロに対し1%円高に
なった場合の税引前利益への影響は次のとおりであります。本分析は、その他すべての変数が一定であ
ることを前提としております。なお、米ドル及びユーロ以外のその他すべての通貨の為替変動に対する
エクスポージャーには重要性はありません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
米ドル 82 227
ユーロ △73 △169
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③ 金利変動リスク
変動金利の借入金は金利変動リスクに晒されております。当社グループは、金利変動リスクに対して、
金利スワップ取引を利用してヘッジしております。
(ⅰ) 金利変動リスクのエクスポージャー
金利変動リスクのエクスポージャーは次のとおりであります。なお、デリバティブ取引により金利変
動リスクがヘッジされている金額は除いております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
変動金利の借入金 20,000 -
(ⅱ) 金利感応度分析
当社グループが各期末日に保有する変動金利の金融商品において、期末日における金利が1%上昇し
た場合の税引前利益への影響は次のとおりであります。本分析は、その他すべての変数が一定であるこ
とを前提としております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
税引前利益への影響 △200 -
④ 市場価格の変動リスク
当社グループは、債券や取引先企業等の株式を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されておりま
す。当社グループは、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況を把握し、また、株式につい
ては保有状況を継続的に見直すことにより管理しております。
また、連結子会社において、当社株式を対象とした現金決済型の株式報酬を設定しており、株価変動リ
スクに晒されております。
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⑤ 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが、期限の到来した金融負債の返済義務を履行できなくなるリスクであ
ります。当社グループは、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで管理して
おります。また、金融機関とコミットメント・ライン契約を締結して随時利用可能な融資枠を確保し、流
動性リスクに備えております。
主な金融負債の期日別残高は次のとおりであります。
前連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
無担保社債 139,606 158,620 21,131 1,076 1,076 20,992 907 113,436
無担保銀行借入金 81,000 81,028 20,008 20,008 20,008 21,004 - -
その他の借入金 3,594 3,710 412 412 412 412 412 1,649
リース負債 42,131 48,653 10,090 7,462 4,274 2,891 2,613 21,322
デリバティブ負債 1,248 1,287 498 426 269 93 - -
合計 267,581 293,301 52,140 29,385 26,040 45,393 3,933 136,407
当連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
契約上の
1年超 2年超 3年超 4年超
帳簿価額 キャッシュ・ 1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
フロー
無担保社債 119,628 137,489 1,076 1,076 20,992 907 907 112,528
無担保銀行借入金 61,000 61,020 20,008 20,008 21,004 - - -
その他の借入金 3,204 3,298 412 412 412 412 412 1,236
リース負債 42,342 46,086 8,396 5,911 3,679 2,994 2,829 22,275
デリバティブ負債 790 758 408 258 90 - - -
合計 226,965 248,652 30,302 27,667 46,178 4,314 4,149 136,040
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(2) 公正価値に関する事項
① 公正価値と帳簿価額の比較
公正価値と帳簿価額の比較は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
金融負債
社債 139,606 141,984 119,628 121,347
借入金 84,594 84,649 64,204 64,265
② 公正価値の測定方法
公正価値の測定方法は次のとおりであります。
(ⅰ) その他の金融資産及びその他の金融負債
活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場価格に基づいております。活
発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を用いて測定しております。デリバ
ティブの公正価値は、契約先の金融機関等から提示された価格等に基づき測定しております。
(ⅱ) 社債
社債の公正価値は、市場価格に基づいており、レベル1に分類しております。
(ⅲ) 借入金
借入金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映しており、公正価値は帳簿価額と
近似しております。また、固定金利によるものは、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に
想定される利率で割り引いて測定する方法によっており、レベル3に分類しております。
上記以外の金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
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(3) 公正価値のヒエラルキー
① 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり分類しております。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接的に観察可能な価格により測定された
公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値
金融商品のレベル間の振替は、四半期連結会計期間末において認識しております。
前連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
デリバティブ資産 - 10 - 10
債券 - 547 - 547
その他 9,208 153,577 - 162,786
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
株式 54,253 - 16,304 70,558
その他 - - 43 43
合計 63,462 154,135 16,348 233,945
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債:
デリバティブ負債 - 1,248 - 1,248
条件付対価 - - 7,750 7,750
合計 - 1,248 7,750 8,999
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2. 「 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」のレベル2に分類した「その他」には、為替予約と一体と
なった外貨建預金が153,091百万円含まれております。レベル2に分類した金融商品の公正価値について
は、取引先金融機関から 提示された価格に基づき算定しております。
3. レベル3 に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測
定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、
レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて△0.2倍~22.0倍のEBITDA倍率等を
用いております。なお、EBITDA倍率等が 上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の流動負
債」及び「その他の非流動負債」に含まれております。
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当連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
レベル1 レベル2 レベル3 合計
金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産:
債券 - 556 - 556
その他 14,514 42,319 - 56,834
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産:
株式 69,634 - 14,561 84,195
その他 - - 406 406
合計 84,149 42,876 14,967 141,993
金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債:
デリバティブ負債 - 790 - 790
条件付対価 - - 3,151 3,151
合計 - 790 3,151 3,941
(注)1.レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
2. 「 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産」のレベル2に分類した「その他」には、為替予約と一体と
なった外貨建預金が41,833百万円含まれております。レベル2に分類した金融商品の公正価値については、
取引先金融機関から 提示された価格に基づき算定しております。
3. レベル3 に分類した非上場株式は、類似企業比較法及び純資産に基づく評価モデル等により、公正価値を測
定しております。この評価モデルにおいて、EBITDA倍率等の観察可能でないインプットを用いているため、
レベル3に分類しております。公正価値の測定には、類似企業に応じて△0.9倍~20.2倍のEBITDA倍率等を
用いております。なお、EBITDA倍率等が 上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
4.「 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債」の条件付対価は、連結財政状態計算書の「その他の非流動
負債」に含まれております。
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② レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表
レベル3に分類した金融商品の期首残高から期末残高への調整表は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
期首残高 16,952
利得又は損失 △413
購入 125
売却・決済 △315
期末残高 16,348
(注)上表には、企業結合による条件付対価を含めておりません。条件付対価については「7.企業結合」に記載して
おりま す。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産
期首残高 16,348
利得又は損失 △306
購入 440
売却・決済 △1,319
その他 △194
期末残高 14,967
(注)上表には、企業結合による条件付対価を含めておりません。条件付対価については「7.企業結合」に記載して
おりま す。
(4) デリバティブ及びヘッジ会計
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、将来予想される外貨建ての営業取引等に係るキャッシュ・フローの変動をヘッジする
ため為替予約取引を利用しており、ヘッジ会計の要件を満たしている場合は、キャッシュ・フロー・ヘッ
ジに指定しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブ取引の公正価値の変動
のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益にて認識しております。その他
の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純
損益に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、純損益に振り替えた額はあり
ません。
② ヘッジ手段に指定されていないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合を含め、経済的に合理的で
ある場合には、デリバティブ取引を利用しております。
当社グループが利用しているヘッジ手段に指定されていないデリバティブ取引は、為替変動リスクに対
するヘッジを目的とした為替予約取引及び借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジを目的とし
た金利スワップ取引であります。なお、投機目的によるデリバティブは保有しておりません。
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③ デリバティブの公正価値
デリバティブの公正価値は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
デリバティブ負債
金利関連 1,248 790
(5) 金融資産と金融負債の相殺
同一取引先相手に対して認識した金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融資産 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
資産の総額
済の金融負債の総額 金融資産の純額
ノーショナル
現金及び現金同等物 54,948 49,160 5,787
プーリング
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融負債 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
負債の総額
済の金融資産の総額 金融負債の純額
ノーショナル
社債及び借入金 49,160 49,160 -
プーリング
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融資産 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
資産の総額
済の金融負債の総額 金融資産の純額
ノーショナル
現金及び現金同等物 16,619 16,059 560
プーリング
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結財政状態計算書
認識済の金融
金融負債 取引の種類 上で相殺される認識 上に表示されている
負債の総額
済の金融資産の総額 金融負債の純額
ノーショナル
社債及び借入金 16,059 16,059 -
プーリング
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(6) 資本管理
当社グループは、株主還元の充実を目指すとともに持続的な成長を実現するため、機動的な投資に備えた
手元流動性及び資金調達余力の確保が必要であると認識しております。
そのため、中長期的な手元流動性の推移及び財務の健全性を表す格付並びに適正な資本構成を適宜モニタ
リングしております。
また、当社グループは、2030年ビジョンの達成に向けて、2025年度のROEを16%以上、DOEを8%以上とす
ることを目標の1つとしております。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
手元流動性残高(注)1
891,184 827,214
借入金及び社債残高 224,201 183,832
ネット・キャッシュ(差引)
666,983 643,381
総還元性向(注)2
35.1% 200.3%
(注)1. 手元流動性残高には、現金及び現金同等物に加えて、取得日から償還日までの期間が3ヶ月超の債券等を含
めております。
2.総還元性向:(配当金の総額+自己株式の取得総額)/親会社の所有者に帰属する当期利益
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
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31.リース取引
(1) 借手
当社グループでは、主に不動産及び機械等の賃貸借契約を締結しており、これらの契約のうち、特定され
た資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについては、リースであるまた
はリースを含んだものであると判断し、リース開始日において使用権資産及びリース負債を認識しておりま
す。ただし、短期リース及び原資産が少額であるリースについては当該リースに関連したリース料を、リー
ス期間にわたり定額法で費用として認識しております。
上記の契約のうち、主に不動産には、資産の入替に係る柔軟性の確保、資産管理に係る事務負担の軽減や
効率性の向上等を目的として借手がリースを延長するオプションが付されております。
リースを延長するオプションは、対象資産の事業遂行上の必要性、代替資産の取得の難易度や運用に係る
コスト等を総合的に勘案し、行使する必要があると判断した場合に行使することとしております。リース開
始日において、その行使が合理的に確実であると判断した延長オプションについては、その対象期間をリー
ス期間に含め、当該期間に係るリース料はリース負債の測定に含めております。なお、延長オプションを行
使して延長可能な期間及び当該延長可能期間におけるリース料は通常、当初の契約期間及びリース料と同一
または近似しております。
なお、不動産については、契約期間内であっても一定の期間前に貸主に対して解約の通知を行うことによ
り、違約金を支払うことなく解約が可能な契約となっております。
当社グループでは、連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」に含めて表示しており
ます。使用権資産の増減及び内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
土地、建物 機械装置 工具、器具
合計
及び構築物 及び運搬具 及び備品
- 1,213 25 1,239
2019年4月1日 残高
27,329 1,324 44 28,698
IFRS第16号適用による調整
27,329 2,538 70 29,938
2019年4月1日 残高(調整後)
6,963 2,039 104 9,107
個別取得
△5,267 △1,360 △68 △6,696
減価償却費
△73 △337 - △410
売却又は処分
△489 △119 △1 △610
その他の増減
28,462 2,760 105 31,328
2020年3月31日 残高
8,150 1,425 - 9,575
個別取得
△5,803 △1,497 △50 △7,352
減価償却費
△60 △120 - △180
売却又は処分
△1,005 113 - △891
その他の増減
29,743 2,681 54 32,479
2021年3月31日 残高
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リースに関連する費用、キャッシュ・アウト・フロー及び使用権資産の増加額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
使用権資産の減価償却費
土地、建物及び構築物を原資産とするもの 5,267 5,803
機械装置及び運搬具を原資産とするもの 1,360 1,497
工具、器具及び備品を原資産とするもの 68 50
合計 6,696 7,352
リース負債に係る支払利息 887 570
短期リースに係る費用 1,289 1,017
原資産が少額であるリースに係る費用 3,878 3,837
リースに係るキャッシュ・アウト・フロー 15,092 17,993
使用権資産の増加額 9,107 9,575
リース負債の満期分析は、「30 . 金融商品」に記載のとおりであります。
当社は、前連結会計年度において、当社が保有していた第一三共日本橋ビルの譲渡及びリースバック取引
を実行いたしました。 当社グループの資産圧縮及び保有資産の最適化が取引の理由であります。当該取引か
ら生じた利得は10,644百万円であります。
(2) 貸手
当社グループは、従業員へ社宅を賃貸しております。当該取引はサブリースであり、サブリースのリース
期間がヘッドリースのリース期間と同一であるため、ファイナンス・リースへ分類しております。
32.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
純損益に振り替えられる可能性のあるその他の包括利益
在外営業活動体の換算差額
当期発生額 △15,409 18,316
組替調整額 - 489
小計 △15,409 18,805
税効果調整前合計 △15,409 18,805
税効果額 - -
合計 △15,409 18,805
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33.キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は次のとおりであります。
(単位:百万円)
借入金 社債 リース負債 合計
81,000 179,585 1,338 261,924
2019年4月1日 残高
- - 40,874 40,874
IFRS第16号適用による調整
2019年4月1日 残高(調整後) 81,000 179,585 42,212 302,798
3,594 △40,000 △9,733 △46,139
財務キャッシュ・フローによる変動
非資金変動
- - 9,827 9,827
新規取得
- - △176 △176
為替換算差額
- 21 - 21
その他
84,594 139,606 42,131 266,332
2020年3月31日 残高
△20,389 △20,000 △12,907 △53,296
財務キャッシュ・フローによる変動
非資金変動
- - 13,936 13,936
新規取得
- - 1,068 1,068
為替換算差額
- 21 △1,886 △1,865
その他
64,204 119,628 42,342 226,175
2021年3月31日 残高
(2) 子会社の売却による収入
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
株式の売却により子会社でなくなった会社に関する支配喪失時の資産及び負債の主な内訳並びに受取対価
と売却による収支の関係は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
金額
支配喪失時の資産の内訳
流動資産 7,453
非流動資産 12,748
支配喪失時の負債の内訳
流動負債 1,316
(単位:百万円)
金額
現金による受取対価 37,426
支配喪失時の資産のうち現金及び現金同等物 △297
子会社の売却による収入 37,128
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
該当事項はありません。
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34.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引は、通常の事業取引と同様の条件で行っております。なお、重要な関連当事者との取
引はありません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
基本報酬及び賞与 695 572
譲渡制限付株式報酬 108 96
合計 803 667
35.コミットメント
期末日以降の資産の購入に係るコミットメントに関する契約総額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
有形固定資産 69,422 57,675
無形資産 159,568 139,901
合計 228,991 197,576
(注) 無形資産に関するコミットメントは、主として技術導入に関する権利の購入によるものであり、医薬品の研究
開発の目標達成に伴うマイルストーンが達成された場合に生じる支払額を表示しております。上記の金額は、
すべてのマイルストーンが達成された場合に生じる最大の支払額を表示しているため、実際の支払額とは大幅
に異なる可能性があります。
36.偶発負債
(1) 債務保証
当社は、従業員の金融機関からの借入金に対して、次のとおり債務保証を行っております。従業員が借入
金を返済できない場合、当社は返済不能額を負担する必要があります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
391 291
従業員(住宅資金等)
(2) 訴訟
Seagen Inc.(旧Seattle Genetics, Inc.)とのADC技術に関する訴訟等
当社は、過去に実施したSeagen Inc.とのADCの共同研究に関して、当社ADCに関する特定の知的財産権の
帰属について同社から異議の通知を受けたことから、2019年11月にデラウェア州連邦地方裁判所に同社を被
告として確認訴訟を提起いたしました。一方でSeagen Inc.は、2019年11月に当該異議に関して仲裁を申立
て、その後、仲裁の手続きが進行しております。
本件に関して当社にSeagen Inc.に対する義務があるとは認識しておりませんが、上記の仲裁の結果等に
よっては、当社に支払が生じる可能性があり、現時点で金額を合理的に見積ることはできません。
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(3) その他
① 野洲川工場跡地の環境対策に係る偶発負債
当社は 野洲川工場跡地について、当該工場閉鎖後、2006年から2008年に敷地内の汚染土壌の洗浄処理や
掘削・除去等の土壌汚染対策工事を実施し、工事終了後、敷地周辺に観測井戸を設け地下水のモニタリン
グを継続して参りました。
(ⅰ) 保管施設の撤去工事について
当該敷地内には、1993年に設置した農薬等の汚染土壌を保管する施設が2ヶ所 (グラウンド下保管施
設、新工場下保管施設) あり、現在も施設管理及び地下水のモニタリングを実施しております。これま
で地下水のモニタリングにおいて問題は起きておりませんが、設置から27年が経過しており、安心・安
全に係る認識が世界的に大きく変化していることなどから、想定外の事象発生のリスクを考え、環境経
営を重視する当社として、事業リスク及び資産管理等の課題を解消すべく、前連結会計年度に保管施設
の撤去工事を行う決定をいたしました。
これら2つの保管施設については、2020年2月より土壌汚染対策法に準拠した調査を実施しており、
2021年3月に調査が完了しました。なお、当該調査の完了に伴い、グラウンド下の保管施設は2021年4
月以降に撤去工事を開始する予定であります。一方、新工場下の保管施設は野洲川河川敷の堤防部分に
隣接しているため、野洲川河川敷での対策に併せて工事計画を立案のうえ対策工事を実施する予定であ
ります。
(ⅱ) 野洲川工場跡地及び野洲川河川敷での対策について
モニタリング調査において、一部の観測井戸でエンドリンが農薬環境管理指針値(以下「指針値」と
いう。)を超過する値が継続して検出されていることが判明したため、2018年3月から2019年9月まで
の期間、当該敷地内及び隣地の野洲川河川敷の堤防部分について土壌・地下水の調査を実施いたしまし
た。その調査の結果、指針値を超過したエンドリンの分布範囲が特定されたため、引き続き、土壌汚染
対策法に準拠した調査を実施しております。今後の対策については、その調査結果を踏まえ行政等と協
議しながら、適切に進めていくことを決定し、その旨を行政等に伝達いたしました。
野洲川工場跡地の環境対策のうち、 (ⅰ) 保管施設の撤去工事については、前連結会計年度において環境
対策引当金を計上しております が、当連結会計年度において、最新の見積り額に洗い替えております 。な
お、その金額については、「19.引当金」に記載しております。
また、 (ⅱ) 野洲川工場跡地及び野洲川河川敷での対策については、現在、土壌汚染対策法に準拠した調
査を引き続き実施中であり、その結果をもって行政等と協議のうえ工事計画を立案する予定であります。
具体的には、対策すべき工事範囲が当社の所有地と行政の所有地に跨っているため、当社の判断だけでは
工事を実施することができません。さらに、現在、土壌汚染対策法に準拠した調査を実施中であり、工事
計画が確定していないため、見積りが出来ない状況にあります。そのため、当連結会計年度において、そ
の費用の信頼性のある見積りを行うことが可能な状況に至っていないことから、引当金を計上しておりま
せん。
② サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に対する補償
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.
を吸収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受
領することについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約
を締結し、2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づ
き、ランバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政
府に支払う罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカ
ル・インダストリーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義
務の履行を求められる可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダ
ストリーズLtd.株式を2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
上記の補償義務の発生に伴い、当社に損害が生じる可能性がありますが、現時点で金額を合理的に見積
ることはできません。
当社グループは、期末日現在のすべての利用可能な証拠を考慮して、決済による経済的便益の流出可能性及
び財務上の影響額を見積もっております。上記に開示した事項を除いて、将来の事業に重要な影響を与えるも
のはありません。
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37.主要な子会社及び関連会社
当社グループの主要な子会社及び関連会社は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度末の議決権所有割合について、前連結会計年度末からの著しい変動はありません。
(連結子会社)
議決権の所有割合
名称 住所 主要な事業の内容
(%)
第一三共エスファ㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共ヘルスケア㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共プロファーマ㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共ケミカルファーマ㈱ 東京都中央区 医薬品 100.0
第一三共バイオテック㈱ 埼玉県北本市 医薬品 100.0
第一三共RDノバーレ㈱ 東京都江戸川区 医薬品 100.0
第一三共ビジネスアソシエ㈱ 東京都中央区 その他 100.0
第一三共U.S.ホールディングス アメリカ
医薬品 100.0
Inc. ニュージャージー
アメリカ
第一三共Inc. 医薬品 100.0
ニュージャージー
アメリカ
プレキシコンInc. 医薬品 100.0
カリフォルニア
アメリカ
アメリカン・リージェントInc. 医薬品 100.0
ニューヨーク
アンビット・バイオサイエンシズ アメリカ
医薬品 100.0
Corp. カリフォルニア
ドイツ
第一三共ヨーロッパGmbH 医薬品 100.0
ミュンヘン
フランス
第一三共フランスS.A.S. 医薬品 100.0
リュ・エル・マルメゾン
ドイツ
第一三共ドイツGmbH 医薬品 100.0
ミュンヘン
イタリア
第一三共イタリアS.p.A. 医薬品 100.0
ローマ
スペイン
第一三共スペインS.A. 医薬品 100.0
マドリッド
イギリス
第一三共UK Ltd.
医薬品 100.0
バッキンガムシャー
中国
第一三共(中国)投資有限公司 医薬品 100.0
上海
中国
第一三共製薬(北京)有限公司 医薬品 100.0
北京
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議決権の所有割合
名称 住所 主要な事業の内容
(%)
中国
第一三共製薬(上海)有限公司 医薬品 100.0
上海
台湾
台湾第一三共股份有限公司 医薬品 100.0
台北
大韓民国
韓国第一三共㈱ 医薬品 100.0
ソウル
ブラジル
第一三共ブラジルLtda. 医薬品 100.0
サンパウロ
(持分法適用関連会社)
議決権の所有割合
名称 住所 主要な事業の内容
(%)
㈱日立医薬情報ソリューションズ 東京都千代田区 その他 27.2
38.後発事象
該当事項はありません。
(2)【その他】
① 当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上収益(百万円) 236,947 480,168 738,791 962,516
税引前四半期利益又は税引前
41,378 66,986 99,568 74,124
利益(百万円)
親会社の所有者に帰属する四
31,857 51,667 75,806 75,958
半期(当期)利益(百万円)
基本的1株当たり四半期(当
16.38 26.57 38.99 39.17
期)利益(円)
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり四半期利益
16.38 10.18 12.43 0.08
(円)
(注)当社は、2020年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を3株に分割いたしました。「 基本的1株当たり四
半期(当期)利益 」及び「 基本的1株当たり四半期利益 」につきましては、第1四半期の期首に当該株式分割が
行われたと仮定して算定しております。
② 訴訟
当社グループに関する重要な訴訟については、連結財務諸表注記「36.偶発負債」に記載の事項及び次のとお
りであります。
(Seagen Inc.保有の米国特許に関する訴訟等)
2020年10月、Seagen Inc.は、エンハーツを含む当社ADCがSeagen Inc.の保有する米国特許を侵害するとして
特許侵害訴訟をテキサス州東部連邦地方裁判所に提起しました。これに対し、2020年11月、当社等は、Seagen
Inc.の当該米国特許を侵害していないことを判決で明らかにすることを求めデラウェア州連邦地方裁判所に特許
非侵害の確認訴訟を提起いたしました。また、2020年12月、第一三共Inc.等は当該米国特許の無効を米国特許商
標庁に申し立てるPGR(Post Grant Review)手続きを行っております。
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産の部
流動資産
531,371 370,915
現金及び預金
238 223
受取手形
238,138 173,209
売掛金
109,997 189,983
有価証券
64,896 76,318
商品及び製品
26,207 41,020
原材料
2,709 2,830
前払費用
4,482 2,025
短期貸付金
16,279 25,617
未収入金
4,844 7,589
その他
△ 2,138 △ 2,175
貸倒引当金
997,027 887,558
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
57,143 55,488
建物
1,903 1,798
構築物
695 717
機械及び装置
0 0
車両運搬具
6,607 7,643
工具、器具及び備品
14,816 14,816
土地
209 862
建設仮勘定
81,375 81,326
有形固定資産合計
無形固定資産
405 343
特許権
2,734 2,238
ソフトウエア
24,106 18,018
その他
27,246 20,599
無形固定資産合計
投資その他の資産
49,619 61,788
投資有価証券
264,797 269,777
関係会社株式
105,201 106,040
関係会社出資金
15,888 15,863
長期貸付金
19,459 25,536
前払年金費用
84,609 89,388
繰延税金資産
12,069 31,489
その他
△ 162 △ 131
貸倒引当金
551,485 599,753
投資その他の資産合計
660,107 701,680
固定資産合計
1,657,134 1,589,239
資産合計
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
負債の部
流動負債
38,465 38,125
買掛金
20,000 -
短期社債
69,160 36,059
短期借入金
70,493 81,803
未払金
41,428 40,490
未払費用
2,809 1,016
未払法人税等
6,601 2,975
未払消費税等
50,101 65,718
預り金
11,084 18,225
契約負債
198 1,015
環境対策引当金
4,373 7,194
その他
314,717 292,625
流動負債合計
固定負債
120,000 120,000
社債
61,000 41,000
長期借入金
352 325
長期未払金
144,687 175,101
契約負債
110 -
事業再編引当金
8,000 6,558
環境対策引当金
2,770 5,863
その他
336,920 348,848
固定負債合計
651,637 641,473
負債合計
純資産の部
株主資本
50,000 50,000
資本金
資本剰余金
179,858 179,858
資本準備金
476,237 475,762
その他資本剰余金
656,095 655,620
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
5,568 5,267
固定資産圧縮積立金
437,696 470,052
繰越利益剰余金
443,265 475,320
利益剰余金合計
△ 162,519 △ 261,252
自己株式
986,841 919,688
株主資本合計
評価・換算差額等
17,044 27,039
その他有価証券評価差額金
17,044 27,039
評価・換算差額等合計
1,611 1,038
新株予約権
1,005,497 947,766
純資産合計
1,657,134 1,589,239
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
664,909 701,000
売上高
280,538 268,034
売上原価
384,371 432,965
売上総利益
販売費及び一般管理費
50,789 58,650
販売促進費
581 359
広告宣伝費
43,926 41,063
給料及び手当
2,913 3,666
退職給付費用
6,642 6,582
福利厚生費
1,442 1,418
減価償却費
9,303 9,112
賃借料
4,946 2,488
旅費及び交通費
19,357 24,397
業務委託費
211,186 226,613
研究開発費
17,194 18,959
その他
368,283 393,312
販売費及び一般管理費合計
16,087 39,652
営業利益
営業外収益
624 191
受取利息
12 32
有価証券利息
35,159 42,772
受取配当金
4,067 3,965
受取賃貸料
- 1,565
為替差益
954 518
その他
40,817 49,047
営業外収益合計
営業外費用
793 602
支払利息
1,350 1,127
社債利息
2,693 -
為替差損
1,769 1,940
賃貸収入原価
44 32
休止固定資産減価償却費
514 453
その他
7,166 4,156
営業外費用合計
49,738 84,543
経常利益
特別利益
15,865 2
固定資産売却益
14,526 1,409
投資有価証券売却益
※2 32,408
-
関係会社株式売却益
57 475
その他
62,857 1,887
特別利益合計
特別損失
847 602
固定資産処分損
※3 15,000
-
損失補償金
※4 8,198
-
環境対策引当金繰入額
481 345
その他
9,527 15,947
特別損失合計
103,068 70,484
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 7,076 △ 1,351
△ 15,382 △ 9,166
法人税等調整額
△ 8,305 △ 10,517
法人税等合計
111,374 81,002
当期純利益
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【製造原価明細書】
前事業年度 当事業年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
構成比 構成比
注記
区分 金額(百万円) 金額(百万円)
(%) (%)
番号
14,428 47.1 21,194 46.7
Ⅰ.原材料費
16,190 52.9 24,216 53.3
Ⅱ.経費
(16,190) (24,216)
(うち外注加工費) (52.9) (53.3)
30,619 100.0 45,410 100.0
当期総製造費用
30,619 45,410
合計
6,958 14,010
※1
他勘定振替高
23,660 31,399
当期製品製造原価
※1 原材料への振替及びその他の振替高であります。
(原価計算の方法)
原価計算の方法は、組別総合原価計算(標準原価計算)であります。
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本合
資本金 自己株式
資本準備 その他資 資本剰余 利益剰余 計
固定資産
金 本剰余金 金合計 繰越利益 金合計
圧縮積立
剰余金
金
当期首残高 50,000 179,858 476,301 656,159 6,662 370,582 377,244 △ 162,964 920,440
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩
△ 1,094 1,094 - -
剰余金の配当 △ 45,354 △ 45,354 △ 45,354
当期純利益 111,374 111,374 111,374
自己株式の取得 △ 85 △ 85
自己株式の処分
△ 64 △ 64 530 466
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計 - - △ 64 △ 64 △ 1,094 67,114 66,020 445 66,401
当期末残高
50,000 179,858 476,237 656,095 5,568 437,696 443,265 △ 162,519 986,841
(単位:百万円)
評価・換算差額等
その他有価 新株予約権 純資産合計
評価・換算
証券評価差
差額等合計
額金
当期首残高 35,434 35,434 1,805 957,680
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩
-
剰余金の配当 △ 45,354
当期純利益 111,374
自己株式の取得 △ 85
自己株式の処分
466
株主資本以外の項目の当期変動額
△ 18,390 △ 18,390 △ 194 △ 18,584
(純額)
当期変動額合計 △ 18,390 △ 18,390 △ 194 47,816
当期末残高
17,044 17,044 1,611 1,005,497
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当事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本合
資本金 自己株式
資本準備 その他資 資本剰余 利益剰余 計
固定資産
金 本剰余金 金合計 繰越利益 金合計
圧縮積立
剰余金
金
当期首残高
50,000 179,858 476,237 656,095 5,568 437,696 443,265 △ 162,519 986,841
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩 △ 300 300 - -
剰余金の配当 △ 48,946 △ 48,946 △ 48,946
当期純利益
81,002 81,002 81,002
自己株式の取得 △ 100,054 △ 100,054
自己株式の処分 △ 474 △ 474 1,320 845
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計 - - △ 474 △ 474 △ 300 32,355 32,055 △ 98,733 △ 67,153
当期末残高 50,000 179,858 475,762 655,620 5,267 470,052 475,320 △ 261,252 919,688
(単位:百万円)
評価・換算差額等
その他有価 新株予約権 純資産合計
評価・換算
証券評価差
差額等合計
額金
当期首残高
17,044 17,044 1,611 1,005,497
当期変動額
固定資産圧縮積立金の取崩 -
剰余金の配当
△ 48,946
当期純利益 81,002
自己株式の取得 △ 100,054
自己株式の処分 845
株主資本以外の項目の当期変動額
9,994 9,994 △ 572 9,422
(純額)
当期変動額合計 9,994 9,994 △ 572 △ 57,731
当期末残高 27,039 27,039 1,038 947,766
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
① 満期保有目的の債券
…償却原価法(定額法)
② 子会社株式及び関連会社株式
…移動平均法による原価法
③ その他有価証券
時価のあるもの
…決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動
平均法により算定)
時価のないもの
…主として移動平均法による原価法
(2) たな卸資産
通常の販売目的で使用するたな卸資産
…総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法によっております。
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
・建物 : 15~50年
・機械及び装置 : 4~17年
・工具、器具及び備品 : 2~15年
(2) 無形固定資産
定額法によっております。
なお、将来の費用削減効果が確実な自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5
年)に基づいております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特
定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上
しております。 なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させ
る方法については、給付算定式基準によっております。
過去勤務費用は、発生時から1年(12ヶ月)で費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)
による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
(3) 事業再編引当金
事業の再編に伴い発生する損失等に備えるため、その発生見込額を計上しております 。
(4) 環境対策引当金
土壌浄化対策に係る損失に備えるため、土地の一部における浄化対策費用等の見積額を計上しておりま
す 。
4.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算時の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しておりま
す。
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5.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっております。
なお、振当処理の要件を満たしている為替予約については、振当処理によっております。
また、金利スワップの特例処理の要件を満たしている金利スワップについては、特例処理によっておりま
す。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段…為替予約、金利スワップ
ヘッジ対象…外貨建金銭債権債務、借入金
(3) ヘッジ方針
輸出入取引等に係る為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジし、投機目的によるデリバティブ取引は
行わない方針であります。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
為替予約及び特例処理によっている金利スワップは取引の重要な条件が同一であり、ヘッジ効果が極めて
高いことから、有効性の評価を省略しております。
6.収益及び費用の計上基準
当社は、医薬品等の製造販売を主な事業内容としており、顧客との契約に基づく主な履行義務の内容及び収
益を認識する通常の時点は次のとおりであります。
(1) 製商品の販売
当社が顧客に移転を約束した財又はサービスの内容は、医療用医薬品の販売であります。このような販
売については、顧客へ製商品を引き渡し、検収が完了した時点で、製商品への支配が顧客に移転し、履行
義務が充足されることから、当該時点で収益を認識しております 。
対価については、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融
要素は含んでおりません。
契約条件によっては、当社は割引、値引、割戻、返品等に応じる義務を負っております。この場合の取
引価格は、顧客との契約において約束された対価からこれらの見積りを控除した金額で算定しており、顧
客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として計上しております。当該返金負債の見積りにあたって
は、契約条件や過去の実績などに基づき計算しております。
(2) 技術料収入
当社は、第三者に製品の研究開発、製造や販売、技術の使用等を許諾する契約を締結することにより、
契約一時金、マイルストーン収入、ランニング・ロイヤリティー等の対価を得ております。
契約一時金は、履行義務が一時点で充足される場合には、ライセンスを付与した時点で収益を認識して
おり、マイルストーン収入は、事後に収益の重大な戻入が生じる可能性を考慮し、規制当局への承認申請
等の当事者間で合意したマイルストーンが達成された時点で収益を認識しております。履行義務が一時点
で充足されないものについては、当該対価を契約負債として計上し、契約に関連する履行義務の充足に従
い一定期間にわたって収益として認識しております。ランニング・ロイヤリティーは、契約相手先の売上
等を算定基礎として測定し、その発生時点を考慮して収益を認識しております。
対価については、履行義務の充足時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けております。なお、重大な金融
要素は含んでおりません。
7.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 消費税等の会計処理
消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜方式によっております。
(2) 連結納税制度の適用
当社は、当事業年度より連結納税制度を適用しております。
なお、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)において創設されたグループ通算制
度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目については、
「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」(実務対応報告第
39号 2020年3月31日)第3項の取扱いにより、「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準
適用指針第28号 2018年2月16日)第44項の定めを適用せず、改正前の税法の規定に基づいております。
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(重要な会計上の見積り)
1. 繰延税金資産の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
当事業年度
89,388
繰延税金資産
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
繰延税金資産は、決算日において国会で成立している税法に規定されている税率に基づいて、回収が行わ
れると見込まれる期の税率で算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損
金等に対して、回収が見込まれない税金の額を控除して計上しております。
当社の繰延税金資産には税務上の繰越欠損金に係るものが含まれており、当該税務上の繰越欠損金の一部
については繰延税金資産を計上しておりません。税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上は、将来の
事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額の見積りを加味しております。これらの見積りに使用した仮
定と異なる結果が生じることにより、翌事業年度の財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な修正を行
う可能性があります。
2.引当金及び偶発債務
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
当事業年度
7,573
環境対策引当金
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
引当金は、将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高
く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合に計上しております。また、債務の保証、係争事件
に係る賠償義務その他現実に発生していない債務で、将来において事業の負担となる可能性のあるものにつ
いては、偶発債務として開示しております。
引当金の計算及び偶発債務の判断は、期末日における将来の経済的便益の流出時期及び流出金額に関する
最善の見積りに基づいて行っております。見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌事業
年度の財務諸表において引当金の金額に重要な修正を行う可能性があります。
(表示方法の変更)
( 「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の適用 )
「会計上の見積りの開示に関する会計基準」(企業会計基準第31号 2020年3月31日)を当事業年度より適
用し、財務諸表に重要な会計上の見積りに関する注記を記載しております。
なお、当該注記においては、当該会計基準第11項ただし書きに定める経過的な取扱いに従って、前事業年度
に係る内容を記載しておりません。
(追加情報)
(環境対策引当金)
当社は前事業年度において、野洲川工場跡地に設置している汚染土壌の保管施設の撤去工事等の関連コスト
について、支出の見込み額8,198百万円を環境対策引当金として計上しておりましたが、当事業年度におい
て、最新の見積り額7,573百万円に洗い替えております。
また、保管施設の撤去工事等の関連コストの支払スケジュールに応じて、環境対策引当金を流動負債に
1,015百万円、固定負債に6,558百万円、それぞれ表示しております。
なお、保管施設の撤去工事等の概要については、 「貸借対照表関係 2.偶発債務 (3) その他 ① 野洲
川工場跡地の環境対策に係る偶発債務」 に記載しております。
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(貸借対照表関係)
1.関係会社に対する金銭債権、債務
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
短期金銭債権 40,610百万円 61,315 百万円
16,171
長期金銭債権 16,196
132,369
短期金銭債務 112,491
2.偶発債務
(1) 債務保証
関係会社の事業所等賃貸契約に対する保証並びに関係会社及び従業員の金融機関からの借入金に伴う支払債務
に対して債務保証を行っております 。
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
第一三共Inc. 7百万円 7百万円
5,342
プレキシコンInc. -
291
従業員(住宅資金等) 391
計 399 5,640
(2) 訴訟
Seagen Inc.(旧Seattle Genetics, Inc.)とのADC技術に関する訴訟等
当社は、過去に実施したSeagen Inc.とのADCの共同研究に関して、当社ADCに関する特定の知的財産権の帰属
について同社から異議の通知を受けたことから、2019年11月にデラウェア州連邦地方裁判所に同社を被告とし
て確認訴訟を提起いたしました。一方でSeagen Inc.は、2019年11月に当該異議に関して仲裁を申立て、その
後、仲裁の手続きが進行しております。
本件に関して当社にSeagen Inc.に対する義務があるとは認識しておりませんが、上記の仲裁の結果等によっ
ては、当社に支払が生じる可能性があり、現時点で金額を合理的に見積ることはできません。
(3) その他
① 野洲川工場跡地の環境対策に係る偶発債務
当社は野洲川工場跡地について、当該工場閉鎖後、2006年から2008年にかけて敷地内の汚染土壌の洗浄処理
や掘削・除去等の土壌汚染対策工事を実施し、工事終了後、敷地周辺に観測井戸を設け地下水のモニタリング
を継続して参りました。
(ⅰ) 保管 施設の撤去工事について
当該敷地内には、1993年に設置した農薬等の汚染土壌を保管する施設が2ヶ所(グラウンド下保管施
設、新工場下保管施設)あり、現在も施設管理及び地下水のモニタリングを実施しております。これまで
地下水のモニタリングにおいて問題は起きておりませんが、設置から27年が経過しており、安心・安全に
係る認識が世界的に大きく変化していることなどから、想定外の事象発生のリスクを考え、環境経営を重
視する当社として、事業リスク及び資産管理等の課題を解消すべく、前事業年度に保管施設の撤去工事を
行う決定をいたしました。
これら2つの保管施設については、2020年2月より土壌汚染対策法に準拠した調査を実施しており、
2021年3月に調査が完了しました。なお、当該調査の完了に伴い、グラウンド下の保管施設は2021年4月
以降に撤去工事を開始する予定であります。一方、新工場下の保管施設は野洲川河川敷の堤防部分に隣接
しているため、野洲川河川敷での対策に併せて工事計画を立案のうえ対策工事を実施する予定でありま
す。
(ⅱ) 野洲川工 場跡地及び野洲川河川敷での対策について
モニタリング調査において、一部の観測井戸でエンドリンが農薬環境管理指針値(以下「指針値」とい
う。)を超過する値が継続して検出されていることが判明したため、2018年3月から2019年9月までの期
間、当該敷地内及び隣地の野洲川河川敷の堤防部分について土壌・地下水の調査を実施いたしました。そ
の調査の結果、指針値を超過したエンドリンの分布範囲が特定されたため、引き続き、土壌汚染対策法に
準拠した調査を実施しております。今後の対策については、その調査結果を踏まえ行政等と協議しなが
ら、適切に進めていくことを決定し、その旨を行政等に伝達いたしました。
野洲川工場跡地の環境対策のうち 、 (ⅰ) 保管施設の撤去工事については、前事業年度において環境対策引
当金を計上しておりますが、当事業年度において、最新の見積り額に洗い替えております。なお、その金額に
ついては、 「追加情報 環境対策引当金」 に記載しております。
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また、 (ⅱ) 野洲川工場跡地及び野洲川河川敷での対策については、現在、土壌汚染対策法に準拠した調査
を引き続き実施中であり、その結果をもって行政 等と協議のうえ工事計画を立案する予定であります。具体的
に は、対策すべき工事範囲が当社の所有地と行政の所有地に跨っているため、当社の判断だけでは工事を実施
することができません。さらに、現在、土壌汚染対策法に準拠した調査を実施中であり、工事計画が確定して
いないため、見積りができない状況にあります。そのため、当事業年度において、その費用の信頼性のある見
積りを行うことが可能な状況に至っていないことから、引当金を計上しておりません。
② サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.に対する補償
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.がランバクシー・ラボラトリーズLtd.を吸
収合併し、その対価として当社がサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.の株式を受領するこ
とについて、2014年4月にサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間で契約を締結し、
2015年3月24日(クロージング日)に完了いたしました。
当社は、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.との間の本合併に関する契約に基づき、ラ
ンバクシー・ラボラトリーズLtd.のクロージング日前の品質問題等に関し、米国連邦政府又は州政府に支払う
罰金及び損害等が、クロージング日から7年経過するまでの間にサン・ファーマシューティカル・インダスト
リーズLtd.等に生じた場合、その63.5%について325百万米ドルを上限として補償する義務の履行を求められ
る可能性があります。なお、当社は取得したサン・ファーマシューティカル・インダストリーズLtd.株式を
2015年4月にすべて売却しておりますが、上記契約は継続しております。
上記の補償義務の発生に伴い、当社に損害が生じる可能性がありますが、現時点で金額を合理的に見積るこ
とはできません。
3.貸出コミットメント契約
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引金融機関5行と貸出コミットメントライン契約を締結しており
ます。
事業年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
コミットメントラインの総額 20,000百万円 20,000百万円
借入実行残高 - -
差引額 20,000 20,000
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(損益計算書関係)
1.関係会社との取引高
前事業年度 当事業年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業取引による取引高
売上高 102,953百万円 175,211百万円
仕入高 135,309 145,337
販売費及び一般管理費 156,510 184,564
営業取引以外の取引高 35,374 43,950
※2.関係会社株式売却益
前事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
主に太陽ファルマテック株式会社の株式売却に係るものであります。
※3.損失補償金
当事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
サノフィ株式会社との4種混合ワクチンに関する販売提携契約及び5種混合ワクチンに関する共同開発契約の
終結に伴い生じる同社の損失に対する補償金額であります。
※4. 環境対策引当金繰入額
前事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
野洲川工場跡地に設置している汚染土壌の保管施設撤去工事等の見込額に係るものであります 。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2020年3月31日現在)
子会社株式及び関連会社株式で時価のあるものはありません。
当事業年度(2021年3月31日現在)
子会社株式及び関連会社株式で時価のあるものはありません。
(注)時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
区分
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
子会社株式 264,552 268,757
関連会社株式 245 1,020
合計 264,797 269,777
これらについては、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められるものであります。
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
繰延税金資産
税務上の繰越欠損金 66,022百万円 55,951百万円
前払委託研究費・共同開発費等 18,264 20,103
減価償却費 14,117 12,944
たな卸資産評価損等 6,467 8,989
前払費用等 3,213 6,329
未払賞与 4,704 3,594
有価証券等評価損 1,923 2,331
貸倒引当金 701 703
未払事業税等 793 273
8,574 8,400
その他
繰延税金資産小計
124,783 119,622
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △17,881 △1,537
△3,713 △4,053
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額
評価性引当額小計 △21,594 △5,591
繰延税金資産合計
103,188 114,031
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金 △7,483 △11,871
前払年金費用 △5,937 △7,791
固定資産圧縮積立金 △4,905 △4,705
△252 △273
その他
△24,642
繰延税金負債合計 △18,578
繰延税金資産(負債)の純額 84,609 89,388
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった
主要な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
法定実効税率 30.5% 30.5%
(調整)
0.5 0.4
交際費等永久に損金に算入されない項目
△12.2 △17.7
受取配当金等永久に益金に算入されない項目
△23.0 △22.7
評価性引当額増減
△3.1 △5.5
試験研究費の法人税額特別控除
△0.8 0.2
その他
税効果会計適用後の法人税等の負担率 △8.1 △14.9
(収益認識関係)
連結財務諸表注記の「24.売上収益」にて記載しているため、記載を省略しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
累計額
建物 57,143 2,239 134 3,759 55,488 94,215
11
構築物 1,903 84 177 1,798 4,767
機械及び装置 695 230 0 207 717 8,086
有
形
車両運搬具 0 - 0 - 0 17
固
工具、器具及び
定
6,607 3,811 7 2,767 7,643 42,658
備品
資
産
-
土地 14,816 - - 14,816 -
建設仮勘定 209 7,185 6,532 - 862 -
6,686
計 81,375 13,550 6,912 81,326 149,746
特許権 405 - - 62 343 -
無
形
ソフトウエア 2,734 183 - 680 2,238 -
固
定
その他 24,106 115 183 6,019 18,018 -
資
産
計 27,246 299 183 6,762 20,599 -
【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 2,300 37 30 2,307
事業再編引当金 110 - 110 -
環境対策引当金 8,198 - 625 7,573
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(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
当社に関する重要な訴訟については、注記事項(貸借対照表関係)「2.偶発債務」に記載の事項及び次のと
おりであります。
(Seagen Inc.保有の米国特許に関する訴訟等)
2020年10月、Seagen Inc.は、エンハーツを含む当社ADCがSeagen Inc.の保有する米国特許を侵害するとして
特許侵害訴訟をテキサス州東部連邦地方裁判所に提起しました。これに対し、2020年11月、当社等は、Seagen
Inc.の当該米国特許を侵害していないことを判決で明らかにすることを求めデラウェア州連邦地方裁判所に特許
非侵害の確認訴訟を提起いたしました。また、2020年12月、第一三共Inc.等は当該米国特許の無効を米国特許商
標庁に申し立てるPGR(Post Grant Review)手続きを行っております。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
剰余金の配当の基準日 9月30日、3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り・買増し
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
取扱場所
三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所 ―
買取・買増手数料 無料
当会社の公告方法は、電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない
事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済
公告掲載方法
新聞に掲載して行う。
公告掲載URL https://www.daiichisankyo.co.jp/
株主に対する特典 該当事項なし
(注)1.当会社の株主はその有する単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨
を、定款に定めております。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
2.「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」
(平成16年法律第88条)の施行に伴い、単元未満株式の買取り・買増しを含む株式の取扱いは、原則とし
て、証券会社等の口座管理機関を経由して行うこととなっております。ただし、特別口座に記録されてい
る株式については、特別口座管理機関である三菱UFJ信託銀行株式会社が直接取り扱います。
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
2020年6月15日
事業年度(第15期 自2019年4月1日 至2020年3月31日) 関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2020年6月15日
関東財務局長に提出
(3) 有価証券報告書の訂正報告書及び確認書
2020年6月26日
事業年度(第15期 自2019年4月1日 至2020年3月31日) 関東財務局長に提出
(4) 四半期報告書及び確認書
(第16期第1四半期 自2020年4月1日 至2020年6月30日) 2020年8月6日
(第16期第2四半期 自2020年7月1日 至2020年9月30日) 2020年11月6日
(第16期第3四半期 自2020年10月1日 至2020年12月31日) 2021年2月5日
関東財務局長に提出
(5) 有価証券届出書の訂正届出書
2020年6月26日
関東財務局長に提出
2020年6月15日に提出した有価証券届出書に係る訂正届出書であります。
(6) 訂正発行登録書
2020年6月16日
2020年7月7日
関東財務局長に提出
(7) 自己株券買付状況報告書
報告期間(自2020年10月1日 至2020年10月31日) 2020年11月16日
報告期間(自2020年11月1日 至2020年11月30日) 2020年12月8日
報告期間(自2020年12月1日 至2020年12月31日) 2021年1月6日
報告期間(自2021年1月1日 至2021年1月31日) 2021年2月4日
報告期間(自2021年2月1日 至2021年2月28日) 2021年3月3日
報告期間(自2021年3月1日 至2021年3月31日) 2021年4月5日
関東財務局長に提出
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2021年6月21日
第一三共株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
小倉 加奈子 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
山邉 道明 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
江森 祐浩 印
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる第一三共株式会社の2020年4月1日から2021年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状
態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸
表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定さ
れた国際会計基準に準拠して、第一三共株式会社及び連結子会社の2021年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終
了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認
める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
強調事項
連結財務諸表注記36.偶発負債 (2) 訴訟に記載されているとおり、会社は過去に実施したSeagen Inc.とのADCの共同
研究に関して、会社のADCに関する特定の知的財産権の帰属について同社から異議の通知を受けたことから、同社を被告
として確認訴訟を提起した。一方でSeagen Inc.は、当該異議に関して仲裁を申立て、その後、仲裁の手続きが進行して
いる。本件に関して会社はSeagen Inc.に対する義務があるとは認識していないが、当該仲裁の結果等によっては、会社
に支払いが生じる可能性がある。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
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有価証券報告書
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
第一三共株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算 当監査法人は、第一三共株式会社の繰延税金資産の回収
書において、繰延税金資産128,525百万円が計上されてい 可能性に関する判断の妥当性を検討するため、主に以下の
る。 連結財務諸表注記16.法人所得税 に記載されていると 監査手続を実施した。
おり、当該繰延税金資産の繰延税金負債と相殺前の金額は
(1) 内部統制の評価
173,507百万円であり、これには税務上の繰越欠損金に対
事業計画に関する仮定の設定を含む、繰延税金資産の回
応する繰延税金資産53,230百万円が含まれている。一方、
収可能性の判断に関する内部統制の整備・運用状況を評価
連結財政状態計算書において繰延税金資産を認識していな
した。
い税務上の繰越欠損金が38,972百万円ある。これらのうち
主なものは、多額の繰越欠損金を有する第一三共株式会社
また、当該評価の結果を勘案し、実証手続の種類、実施
分の金額である。
の時期及び範囲を決定した。
また、連結財務諸表注記16.法人所得税に記載されてい
(2) 事業計画の合理性の評価
るとおり、第一三共株式会社は連結納税制度を適用してい
連結納税会社の見積課税所得の基礎となる第一三共株式
る。
会社の事業計画の合理性を評価するため、主に以下の手続
連結財務諸表注記3.重要な会計方針 (18) 法人所得税
を実施した。
に記載されているとおり、繰延税金資産は、将来減算一時
● 主要な新製品の製造販売が承認される確率について、
差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、こ
臨床試験のフェーズを基礎とした会社の判断について
れらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認
担当者に質問を行うとともに、必要に応じて外部公表
識されている。
論文や外部データ等との整合性を検討することによ
第一三共株式会社の繰延税金資産の回収可能性は、連結
り、その合理性を評価した。
納税制度を適用している第一三共株式会社及び一部の国内
● 製品の販売計画について、以下の手続を実施すること
連結子会社(以下「連結納税会社」という。)の将来の課
により、その合理性を評価した。
税所得や一時差異のスケジューリング結果等に基づいて判
・担当者に計画の前提を質問した。
断される。我が国において税務上の繰越欠損金の繰越期間
は有限であるため、繰越期間中の課税所得の見積りは特に
・主要な既存製品について、過去の製品の売上高推移
繰延税金資産の回収可能性の判断に大きな影響を与える。
や特許権の有効期限等を検討した。
連結納税会社の将来の課税所得は、主に第一三共株式会社
・主要な新製品について、基礎となる対象患者数、薬
の事業計画を基礎として見積もられ、当該事業計画は主要
価、平均投与期間、製品シェアの推移予測等に関し
な新製品の製造販売が承認される可能性や新製品を含む製
て、過去の製品の販売実績や公表されている人口統
品の販売計画に大きな影響を受けるが、これらに関する不
計、外部専門機関による調査結果等との整合性を検
確実性は高く、経営者の見積りや判断に大きく依存する。
討した。
以上から、当監査法人は、第一三共株式会社の繰延税金
資産の回収可能性に関する判断が、当連結会計年度の連結
財務諸表監査において特に重要であり、「監査上の主要な
検討事項」の一つに該当すると判断した。
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有価証券報告書
キザルチニブに係る仕掛研究開発の評価の妥当性
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
第一三共株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計算 当監査法人は、キザルチニブに係る仕掛研究開発の評価
書において、無形資産172,822百万円が計上されている。 の妥当性を検討するため、主に以下の監査手続を実施し
連結財務諸表注記14.のれん及び無形資産 に記載されてい た。
るとおり、このうち42,851百万円は仕掛研究開発(未だ使
(1) 内部統制の評価
用可能でない無形資産)であり、仕掛研究開発のうち帳簿
新製品の販売計画に関する仮定の設定を含む、無形資産
価額が最も大きいものが、FLT3阻害剤キザルチニブに関す
の評価に関する内部統制の整備・運用状況を評価した。
るもの(27,046百万円)である。
また、当該評価の結果を勘案し、実証手続の種類、実施
連結財務諸表注記3.重要な会計方針 (10) 非金融資産
の時期及び範囲を決定した。
の減損 に記載されているとおり、仕掛研究開発については
毎年及び減損の兆候が認められた場合に減損テストが実施 (2) 使用価値の合理性の評価
され、回収可能価額が対象資産の帳簿価額を下回る場合に
使用価値の算定において用いられた将来キャッシュ・フ
は減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額が回収可能価額
ローの見積りにあたって考慮される主要な仮定の合理性を
まで減額される。
評価するため、主に以下の手続を実施した。
年次の減損テストにおける回収可能価額として、第一三
● 新製品の製造販売が承認される確率について、臨床試
共株式会社は使用価値を用いている。
験のフェーズを基礎とした会社の判断に関して担当者
使用価値の算定に当たって見積もられる将来キャッ
に質問を行うとともに、外部公表論文や外部データ等
シュ・フローは、新製品の製造販売が承認される可能性
との整合性を検討することにより、その合理性を評価
や、その販売計画に大きな影響を受けるが、これらに関す
した。
る不確実性は高く、経営者の見積りや判断に大きく依存す
● 新製品の販売計画の基礎となる対象患者数、薬価、平
る。
均投与期間、製品シェアの推移予測等について、担当
また、使用価値の算定に用いる割引率の見積りにおい
者に質問を行うとともに、過去の製品の販売実績や公
て、計算手法及びインプットデータの選択にあたり、評価
表されている人口統計、外部専門機関による調査結果
に関する高度な専門知識を必要とする。
等との整合性を検討することにより、その合理性を評
価した。
以上から、当監査法人は、キザルチニブに係る仕掛研究
開発の評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査におい
また、割引率について、当監査法人が属するネットワー
て特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに
クファームにおける評価の専門家を利用して割引率の算定
該当すると判断した。
方法の適切性を評価するとともに、インプットデータを外
部機関が公表しているデータと照合し、その合理性を評価
した。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬
による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運
用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任が
ある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
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有価証券報告書
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立
案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の
実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関
連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結
財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評
価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手
する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に
対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断
した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁
止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上
回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、第一三共株式会社の2021年3
月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、第一三共株式会社が2021年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部
統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告
に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用さ
れる。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統
制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、
内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負
う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識
別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項につ
いて報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が連結財務諸表に添付す
る形で別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
2021年6月21日
第一三共株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士
小倉 加奈子 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
山邉 道明 印
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
江森 祐浩 印
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる第一三共株式会社の2020年4月1日から2021年3月31日までの第16期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、
損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、第一三共
株式会社の2021年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適
正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
強調事項
注記事項(貸借対照表関係)2.偶発債務 (2) 訴訟に記載されているとおり、会社は過去に実施したSeagen Inc.との
ADCの共同研究に関して、会社のADCに関する特定の知的財産権の帰属について同社から異議の通知を受けたことから、同
社を被告として確認訴訟を提起した。一方でSeagen Inc.は、当該異議に関して仲裁を申立て、その後、仲裁の手続きが
進行している。本件に関して会社はSeagen Inc.に対する義務があるとは認識していないが、当該仲裁の結果等によって
は、会社に支払いが生じる可能性がある。
当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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有価証券報告書
繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
第一三共株式会社の当事業年度の貸借対照表において、 連結財務諸表の監査報告書において、繰延税金資産の回
繰延税金資産89,388百万円が計上されている。 注記事項 収可能性に関する判断が監査上の主要な検討事項に該当す
(税効果会計関係) に記載されているとおり、当該繰延税 ると判断し、監査上の対応について記載している。
金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は114,031百万円
当該記載内容は、個別財務諸表監査における監査上の対
であり、これには税務上の欠損金に係る繰延税金資産(総
応と実質的に同一の内容であることから、監査上の対応に
額55,951百万円、評価性引当額1,537百万円)が含まれて
関する具体的な記載を省略する。
いる。
また、 注記事項(重要な会計方針)7.その他財務諸表
作成のための基本となる重要な事項 (2) 連結納税制度の
適用 に記載されているとおり、第一三共株式会社は連結納
税制度を適用している。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損
金及び繰越税額控除のうち将来にわたり税金負担額を軽減
することが認められる範囲内で認識されている。
繰延税金資産の回収可能性は、連結納税制度を適用して
いる第一三共株式会社及び一部の国内連結子会社(以下
「連結納税会社」という。)の将来の課税所得や一時差異
のスケジューリング結果等に基づいて判断される。我が国
において税務上の繰越欠損金の繰越期間は有限であるた
め、繰越期間中の課税所得の見積りは特に繰延税金資産の
回収可能性の判断に大きな影響を与える。連結納税会社の
将来の課税所得は、主に第一三共株式会社の事業計画を基
礎として見積もられ、当該事業計画は主要な新製品の製造
販売が承認される可能性や新製品を含む製品の販売計画に
大きな影響を受けるが、これらに関する不確実性は高く、
経営者の見積りや判断に大きく依存する。
以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に
関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査におい
て特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」に該当す
ると判断した。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
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第一三共株式会社(E00984)
有価証券報告書
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立
案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施
に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関
連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継
続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうか
とともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を
適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
(注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社が財務諸表に添付する形
で別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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