日本航空株式会社 有価証券報告書 第72期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年6月18日
【事業年度】 第72期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
【会社名】 日本航空株式会社
【英訳名】 Japan Airlines Co., Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長執行役員 赤坂 祐二
【本店の所在の場所】 東京都品川区東品川二丁目4番11号
【電話番号】 03(5460)3121 (代表)
【事務連絡者氏名】 財務部長 木藤 祐一郎
【最寄りの連絡場所】 東京都品川区東品川二丁目4番11号
【電話番号】 03(5460)3121 (代表)
【事務連絡者氏名】 財務部長 木藤 祐一郎
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
国際財務報告基準
回次
移行日 第71期 第72期
2019年
決算年月 2020年3月 2021年3月
4月1日
(百万円) - 1,385,914 481,225
売上収益
財務・法人所得税前利益
(百万円) - 88,807 △ 398,306
(△は損失)
親会社の所有者に帰属す
(百万円) - 48,057 △ 286,693
る当期利益(△は損失)
(百万円) - 34,298 △ 251,179
当期包括利益
親会社の所有者に帰属す
(百万円) 1,062,345 1,014,295 947,459
る持分
(百万円) 2,153,648 1,982,254 2,107,279
総資産額
1株当たり親会社所有者
(円) 3,044.91 3,009.71 2,168.06
帰属持分
基本的1株当たり当期利
(円) - 140.04 △ 764.99
益(△は損失)
希薄化後1株当たり当期
(円) - - -
利益
親会社所有者帰属持分比
(%) 49.3 51.2 45.0
率
親会社所有者帰属持分当
(%) - 4.6 △ 29.2
期利益率
(倍) - 14.2 -
株価収益率
営業活動によるキャッ
(百万円) - 80,857 △ 219,519
シュ・フロー
投資活動によるキャッ
(百万円) - △ 233,725 △ 91,012
シュ・フロー
財務活動によるキャッ
(百万円) - △ 38,810 388,624
シュ・フロー
現金及び現金同等物の期
(百万円) 522,064 329,149 408,335
末残高
34,003 35,653 36,060
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用人
( 999 ) ( 1,144 ) ( 815 )
員)
(注)1.売上収益には、消費税及び地方消費税(以下、「消費税等」という。)は含まれておりません。
2.希薄化後1株当たり当期利益は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.第72期の株価収益率については、 基本的1株当たり当期損失 であるため記載しておりません。
4.従業員数は、休職者および当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの
出向者を含みます。
5.臨時雇用者(人材会社からの派遣社員)については年間の平均人員数を( )外数で記載しております。
6.第72期より国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
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日本基準
収益認識に関する会計基準 収益認識に関する会計基準
回次
適用前 適用後
第68期 第69期 第70期 第71期 第72期
決算年月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月
(百万円) 1,288,967 1,383,257 1,487,261 1,387,201 482,778
営業収益
経常利益(△は損失) (百万円) 165,013 163,180 165,360 88,471 △ 406,854
親会社株主に帰属する当
(百万円) 164,174 135,406 150,807 43,600 △ 301,983
期純利益(△は損失)
(百万円) 210,021 155,809 158,449 1,712 △ 257,150
包括利益
(百万円) 1,003,393 1,094,127 1,200,135 1,036,530 963,076
純資産額
(百万円) 1,728,777 1,853,997 2,030,328 1,880,116 1,953,482
総資産額
(円) 2,749.71 3,019.52 3,340.15 2,971.97 2,126.48
1株当たり純資産額
1株当たり当期純利益金
(円) 456.56 383.23 432.10 127.08 △ 805.93
額(△は損失)
潜在株式調整後1株当た
(円) - - - - -
り当期純利益金額
(%) 56.2 57.2 57.4 53.3 47.6
自己資本比率
(%) 18.1 13.3 13.6 4.2 △ 31.3
自己資本利益率
(倍) 7.7 11.2 9.0 12.8 -
株価収益率
営業活動によるキャッ
(百万円) 253,153 281,542 296,717 60,030 △ 244,625
シュ・フロー
投資活動によるキャッ
(百万円) △ 168,077 △ 166,600 △ 186,392 △ 221,573 △ 46,744
シュ・フロー
財務活動によるキャッ
(百万円) △ 53,531 △ 55,883 △ 37,037 △ 30,135 369,462
シュ・フロー
現金及び現金同等物の期
(百万円) 124,261 182,870 522,064 329,149 408,335
末残高
32,047 33,038 34,003 35,653 36,060
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用人
( 917 ) ( 968 ) ( 999 ) ( 1,144 ) ( 815 )
員)
(注)1.第72期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に
関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)を適用しており、第71期に係
る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。 なお、株価
収益率については、当該会計基準等を遡って適用する前の指標等を用いて算出しております。
2.営業収益には、消費税及び地方消費税(以下、「消費税等」という。)は含まれておりません。
3. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.第72期の株価収益率については、1 株当たり当期純損失 であるため記載しておりません。
5. 従業員数は、休職者および当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの
出向者を含みます。
6.臨時雇用者(人材会社からの派遣社員)については年間の平均人員数を( )外数で記載しております。
7.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第70期の期首か
ら適用しており、第69期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を遡って適用した後の指標等と
なっております。
8.第71期より、連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲を変更し、第70期に係る主要な経営指標等に
ついては、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値を記載しております。
9. 第71期及び第72期の日本基準による諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づ
く監査を受けておりません。
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(2)提出会社の経営指標等
収益認識に関する会計基準 収益認識に関する会計基準
適用前 適用後
回次
第68期 第69期 第70期 第71期 第72期
決算年月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月
(百万円) 1,056,068 1,149,739 1,248,681 1,167,718 400,255
営業収益
経常利益(△は損失) (百万円) 123,920 126,883 134,978 64,366 △ 349,280
当期純利益(△は損失) (百万円) 143,235 116,428 139,439 40,989 △ 286,101
(百万円) 181,352 181,352 181,352 181,352 273,200
資本金
(千株) 353,715 353,715 349,028 337,143 437,143
発行済株式総数
(百万円) 928,254 993,011 1,082,302 943,102 882,077
純資産額
(百万円) 1,682,027 1,796,537 1,976,162 1,844,838 1,887,820
総資産額
(円) 2,625.30 2,827.28 3,102.11 2,798.46 2,018.45
1株当たり純資産額
94.00 110.00 110.00 55.00 -
1株当たり配当額
(円)
(内1株当たり中間配当
( - ) ( 52.50 ) ( 55.00 ) ( 55.00 ) ( - )
額)
1株当たり当期純利益金
(円) 398.25 329.45 399.46 119.45 △ 763.41
額(△は損失)
潜在株式調整後1株当た
(円) - - - - -
り当期純利益金額
(%) 55.2 55.3 54.8 51.1 46.7
自己資本比率
(%) 16.2 12.1 13.4 4.2 △ 31.4
自己資本利益率
(倍) 8.9 13.0 9.8 13.9 -
株価収益率
(%) 23.6 33.4 27.5 38.4 -
配当性向
11,494 12,127 12,750 13,541 13,787
従業員数
(名)
(外、平均臨時雇用人
( 49 ) ( 56 ) ( 49 ) ( 66 ) ( 53 )
員)
(%) 87.8 108.8 102.2 57.2 68.9
株主総利回り
(比較指標:日経平均株
(%) ( 112.8 ) ( 128.0 ) ( 126.5 ) ( 112.9 ) ( 174.1 )
価)
(円) 4,176 4,504 4,414 3,960 2,759
最高株価
(円) 2,929 3,225 3,739 1,851 1,556
最低株価
(注)1.第72期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識
に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)を適用しており、第71期
に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。 な
お、株価収益率および配当性向については、当該会計基準等を遡って適用する前の指標等を用いて算出して
おります。
2.営業収益には消費税等は含まれておりません。
3.潜 在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.第72期の株価収益率および配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
5.従業員数は、休職者および他社への出向者を除いております。
6. 臨時雇用者(人材会社からの派遣社員)については年間の平均人員数を( )外数で記載しております。
7.最高・最低株価は、東京証券取引所市場第一部におけるものです。
8. 株主総利回り及び比較指標(日経平均株価)の最近5年間の推移は次のとおりです。
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日本航空株式会社(E04272)
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2【沿革】
(1)提出会社の創立
1951年8月1日提出会社の前身である日本航空株式会社(旧会社)が資本金1億円をもって創立され、翌年10月
から自主運航による国内線定期航空輸送事業が開始されました。
1953年10月1日提出会社は日本航空株式会社法(昭和28年法律第154号)の定めるところにより、旧会社と政府
の折半出資による20億円の資本金をもって設立されました。
このようにして設立された提出会社は、旧会社の権利義務の一切を継承して、国内幹線の運営にあたるとともに
本邦唯一の国際線定期航空運送事業の免許会社として発足しました。
(2)創立後の変遷
年月 事業の変遷
1951年8月
日本航空株式会社(旧会社)が資本金1億円をもって設立。翌年10月から自主
運航による国内線定期航空輸送事業を開始。
1953年10月
日本航空株式会社法(昭和28年法律第154号)の定めるところにより、20億円の
資本金をもって日本航空株式会社が設立。
国内幹線の運営にあたるとともにわが国唯一の国際線定期航空運送事業の免許
会社となる。
1954年2月
東京~ホノルル~サンフランシスコ線開設により、本邦企業初の国際線定期輸
送を開始。
1960年8月
初のジェット旅客機であるダグラスDC-8型航空機が運航開始。
1961年6月
北周り欧州線開設。
1961年10月
証券取引所(東京、大阪、名古屋)市場第二部に上場。
1963年10月
日本航空整備株式会社を吸収合併。
1964年4月
日東航空株式会社、富士航空株式会社、北日本航空株式会社の合併により日本
国内航空株式会社設立。
1965年1月
ジャルパック販売開始。
1966年11月
ニューヨーク線開設。
1967年3月
世界一周路線(西回り)開設。
1970年2月
証券取引所(東京、大阪、名古屋)市場第一部に指定。
1970年7月
ボーイング747型航空機(ジャンボジェット)が運航開始。
1971年5月
日本国内航空株式会社と東亜航空株式会社の合併により東亜国内航空株式会社
設立。
1975年8月
日中国交正常化に伴い運休していた台湾路線を運航するために日本アジア航空
株式会社を設立、台湾線に再就航。
1983年
国際航空運送協会(IATA)統計で旅客・貨物輸送実績世界一に。
(1987年まで5年間世界一を維持)
1987年11月
完全民営化。
1988年4月
東亜国内航空株式会社が株式会社日本エアシステムに社名変更。
1993年1月
マイレージプログラム導入。
2002年9月
当社と株式会社日本エアシステムの株式移転により、株式会社日本航空システ
ムを設立したことに伴い、証券取引所(東京、大阪、名古屋)市場第一部から
上場廃止。
2002年10月
株式会社日本航空システムが証券取引所(東京、大阪、名古屋)市場第一部に
上場。
2004年4月
当社と株式会社日本エアシステムがそれぞれ株式会社日本航空インターナショ
ナル及び株式会社日本航空ジャパンに商号変更。あわせて当社が国際旅客事業
及び貨物事業を担い、株式会社日本航空ジャパンが国内旅客事業を担う体制に
事業再編。
2004年4月
簡易株式交換により、日本アジア航空株式会社を完全子会社化。
2004年6月
株式会社日本航空システムの商号を株式会社日本航空に変更。
2006年10月
当社と株式会社日本航空ジャパンが合併。
2007年4月
グローバルアライアンスである「ワンワールド」に加盟。
2008年4月
当社と日本アジア航空株式会社が合併。
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年月 事業の変遷
2010年1月 当社、株式会社日本航空、株式会社ジャルキャピタルの3社が会社更生手続申
立。
2010年2月 会社更生手続の申立に伴い、株式会社日本航空が証券取引所(東京、大阪、名
古屋)市場第一部から上場廃止。
2010年11月 更生計画認可決定。
2010年12月 株式会社日本航空を当社が吸収合併。同時に、国際線のグループ航空会社である
株式会社ジャルウェイズ他2社を合併。
2011年3月 会社更生手続の終結。
2011年4月 当社の商号を株式会社日本航空インターナショナルから日本航空株式会社に変
更。
2011年4月 アメリカン航空との共同事業開始。
2012年4月 ボーイング787型航空機が運航開始。
2012年9月 東京証券取引所市場第一部に株式を上場。
2012年10月 ブリティッシュ・エアウェイズとの共同事業開始。
2014年4月 フィンエアーとの共同事業開始。
2014年10月 当社と株式会社ジャルエクスプレスが合併。
2014年10月 株式取得により株式会社北海道エアシステムを子会社化。
2016年10月 イベリア航空 との共同事業開始。
2017年11月 旅客基幹システムを全面的に刷新。
2018年7月 国際線中長距離ローコストキャリア準備会社 株式会社ティー・ビー・エル
を設立。
(2019年3月 株式会社 ZIPAIR Tokyo に社名変更)
(2020年6月 貨物専用便が運航開始、2020年10月 旅客便が運航開始)
2019年9月
エアバスA350型航空機が運航開始。
2020年7月
マレーシア航空との共同事業開始。
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創立後の合併、社名変更等の経緯は次のとおりです。
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3【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社79社および関連会社51社により構成され、「航空運送事業」および「その他」を営
んでおり、その事業内容と各事業に係る位置づけおよび事業の種類別セグメントとの関連は、次のとおりです。
(1)航空運送事業 次のとおり、当社、子会社30社および関連会社4社、合計35社が行っておりま
す。
①航空運送事業 当社、子会社の日本トランスオーシャン航空株式会社、日本エアコミューター株
式会社、株式会社ジェイエア、株式会社 ZIPAIR Tokyo 、株式会社北
海道エアシステム、琉球エアーコミューター株式会社および関連会社が航空運送
事業を行っております。
②空港旅客サービス 航空旅客の搭乗手続きおよび案内業務に加えて、運航補助業務、搭載コントロー
ル業務を株式会社JALスカイ等の子会社が行っております。
③グランドハンドリング 手荷物および貨物の搭載、航空機の誘導、客室や機体外部のクリーニング等、空
港内地上サービス業務を株式会社JALグランドサービス等の子会社が行ってお
ります。
④整備 航空機、エンジンおよび航空部品の整備等を株式会社JALエンジニアリング等
の子会社が行っております。
⑤貨物 貨物・郵便の取扱い業務、上屋(貨物取扱施設)業務等を株式会社JALカーゴ
サービス等の子会社および関連会社が行っております。
⑥旅客販売 JALグループおよび提携航空会社の航空券販売等を株式会社ジャルセールス等
の子会社が行っております。
⑦空港周辺事業他 機内食調製等をジャルロイヤルケータリング株式会社等の子会社および関連会社
が行っております。
(2)その他 航空運送を利用した旅行の企画販売、手荷物宅配、システム開発・運用、旅行業
向け予約発券システムの提供、クレジットカード事業等を株式会社ジャルパッ
ク、株式会社JALインフォテック、株式会社アクセス国際ネットワーク、株式
会社ジャルカード等の子会社49社および関連会社47社、合計96社が行っておりま
す。
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以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。
(3)留意事項
当社グループは、航空法に基づく本邦航空運送事業者として、国土交通省より事業許可を受けて事業を運営し
ており、当該許可についての有効期限その他の期限は法令等で定められておらず、当該許可の取消は航空法第
119条、失効は航空法第120条にてそれぞれ定められております。当社グループは、当該許可の保持を図るべく適
正な社内体制を整えており、現時点において当該許可の取消又は失効の原因となる事象はありません。
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4【関係会社の状況】
セグメントの
議決権の所有割合
役員の
資本金 名称 資金援助 設備の
名称 住所 兼任 営業上の取引
(百万円) (主要な事業の内 (貸付金) 賃貸借
直接 間接 合計
(名)
容)
(%) (%) (%)
(連結子会社)
運送の共同引受
連帯運送
地上業務受託
日本トランスオーシャ 沖縄県 航空運送事業 一般管理業務受託
4,537 72.8 - 72.8 1 なし なし
ン航空株式会社 那覇市 (航空運送事業) 航空燃料販売
販売業務受委託
運航業務受託
整備業務受委託
運送の共同引受
地上業務受託
航空運送事業
日本エアコミューター 鹿児島県 一般管理業務受託 事務所
300 60.0 - 60.0 なし なし
株式会社 霧島市 (航空運送事業) 航空燃料販売 賃貸
販売業務受託
整備業務受託
運送の共同引受
地上業務受託
航空機
一般管理業務受託
大阪府 航空運送事業 賃貸
15,000
株式会社ジェイエア 200 100.0 - 100.0 なし 航空燃料販売
池田市 (航空運送事業) 百万円 事務所
販売業務受託
賃貸
運航業務受託
整備業務受託
コードシェア
一般管理業務受託 航空機
株式会社ZIPAI 千葉県 航空運送事業 整備業務受託 賃貸
9,000 100.0 - 100.0 なし なし
成田市 航空燃料販売 施設賃
R Tokyo (航空運送事業)
地上業務受託 貸
運航業務受託
運送の共同引受
地上業務受託
航空運送事業
株式会社北海道エアシ 札幌市
490 57.3 - 57.3 なし なし 一般管理業務受託 なし
ステム 東区 (航空運送事業)
航空燃料販売
販売業務受託
連帯運送
琉球エアーコミュー 沖縄県 航空運送事業
396 - 74.5 74.5 なし なし 地上業務受託 なし
ター株式会社 那覇市
(航空運送事業)
一般管理業務受託
航空運送事業 航空旅客取扱業務委託
東京都 事務所
株式会社JALスカイ (空港旅客サービ なし なし ステーションオペレー
100 100.0 - 100.0
大田区 賃貸
ス) ション業務委託
航空旅客取扱業務委託
航空運送事業
JALスカイエアポー 沖縄県 ステーションオペレー
33 (空港旅客サービ 66.7 33.3 100.0 なし なし なし
ト沖縄株式会社 那覇市 ション業務委託
ス)
地上業務委託
航空運送事業 航空旅客取扱業務委託
株式会社JALスカイ 大阪府
(空港旅客サービ
30 100.0 - 100.0 なし なし ステーションオペレー なし
大阪 豊中市
ス) ション業務委託
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セグメントの
議決権の所有割合
役員の
資本金 名称 資金援助 設備の
名称 住所 兼任 営業上の取引
(百万円) (主要な事業の内 (貸付金) 賃貸借
直接 間接 合計
(名)
容)
(%) (%) (%)
航空運送事業 航空旅客取扱業務委託
株式会社JALスカイ 福岡市
(空港旅客サービ なし なし ステーションオペレー なし
30 100.0 - 100.0
九州 博多区
ション業務委託
ス)
航空運送事業 航空旅客取扱業務委託
株式会社JALスカイ 北海道 事務所
30 (空港旅客サービ 100.0 - 100.0 なし なし ステーションオペレー
札幌 千歳市 賃貸
ション業務委託
ス)
航空旅客取扱業務委託
航空運送事業
株式会社JALスカイ 石川県
地上業務委託
10 (空港旅客サービ 100.0 - 100.0 なし なし なし
ステーションオペレー
金沢 小松市
ス)
ション業務委託
航空運送事業 航空旅客取扱業務委託
株式会社JALスカイ 宮城県
ステーションオペレー
(空港旅客サービ なし なし なし
10 100.0 - 100.0
仙台 名取市
ション業務委託
ス)
航空運送事業
株式会社JALグラン 東京都 事務所
(グランドハンド
100 99.8 0.2 100.0 なし なし 地上業務委託
ドサービス 大田区 賃貸
リング)
航空運送事業
株式会社JALグラン 大阪府
10 (グランドハンド - 100.0 100.0 なし なし なし なし
ドサービス大阪 豊中市
リング)
航空運送事業
株式会社JALグラン 福岡市
(グランドハンド なし なし なし なし
10 - 100.0 100.0
ドサービス九州 博多区
リング)
航空運送事業
株式会社JALグラン 北海道
10 (グランドハンド - 97.7 97.7 なし なし なし なし
ドサービス札幌 千歳市
リング)
航空機・エンジン・装備
株式会社JALエンジ 東京都 航空運送事業 事務所
なし 品の整備および整備管理
80 100.0 - 100.0 1
ニアリング 大田区 (整備) 賃貸
業務の委託
株式会社JALメンテ 東京都 航空運送事業 事務所
10 100.0 - 100.0 なし なし なし
ナンスサービス 大田区 賃貸
(整備)
航空運送事業
日航関西エアカーゴ・ 大阪府 施設賃
100 69.2 - 69.2 なし なし 地上業務委託
システム株式会社 泉南市 (貨物) 貸
株式会社JALカーゴ 千葉県 航空運送事業 施設賃
なし なし 地上業務委託
50 100.0 - 100.0
サービス 成田市 (貨物) 貸
株式会社JALカーゴ 千葉県 航空運送事業
なし なし 地上業務委託 なし
50 - 100.0 100.0
ハンドリング 成田市 (貨物)
株式会社JALカーゴ 福岡市 航空運送事業 事務所
なし なし 地上業務委託
20 40.0 40.0 80.0
サービス九州 博多区 (貨物) 賃貸
株式会社ジャルセール 東京都 航空運送事業 事務所
なし なし 航空券の販売業務委託
460 100.0 - 100.0
ス 品川区 (旅客販売) 賃貸
カウンター業務委託
東京都 航空運送事業 事務所
株式会社JALナビア なし なし 航空旅客予約・発券業務
50 100.0 - 100.0
品川区 賃貸
(旅客販売)
委託
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
セグメントの
議決権の所有割合
役員の
資本金 名称 資金援助 設備の
兼任
名称 住所 営業上の取引
(百万円) (主要な事業の内 (貸付金) 賃貸借
直接 間接 合計
(名)
容)
(%) (%) (%)
JALマイレージバンク
業務委託
株式会社JALマイ 東京都 航空運送事業 事務所
40 100.0 - 100.0 なし なし 法人販売精算業務委託
レージバンク 品川区 (旅客販売) 賃貸
マイルパートナー提携業
務委託
ジャルロイヤルケータ 千葉県 航空運送事業
2,700 51.0 - 51.0 なし なし 航空機内食の購入 なし
リング株式会社 成田市
(空港周辺事業)
株式会社JALエア 東京都 その他 車両・整備用器材等の整 事務所
100 66.6 3.4 70.0 なし なし
テック 大田区 (整備) 備委託 賃貸
株式会社ジャルパッ 東京都 その他 事務所
なし なし 航空座席の販売等
80 96.7 1.1 97.8
ク※4 品川区 (旅客販売) 賃貸
株式会社JALJTA 沖縄県 その他
なし なし 販売促進業務委託 なし
30 16.7 83.3 100.0
セールス 那覇市 (旅客販売)
株式会社JALエー 東京都 その他
なし なし 航空手荷物取扱業務委託 なし
100 51.0 - 51.0
ビーシー 中央区 (空港周辺事業)
株式会社JALイン 東京都 その他 システム開発・保守・運 事務所
なし なし
702 100.0 - 100.0
フォテック 港区 (その他) 用委託等 賃貸
JALデジタルエクス 東京都 その他
なし なし なし なし
475 51.0 - 51.0
ペリエンス株式会社 品川区 (その他)
JALペイメント・ 東京都 その他
なし なし マイルの販売 なし
390 16.5 68.5 84.9
ポート株式会社 品川区 (その他)
東京都 その他 事務所
株式会社ジャルカード なし なし JALカード等業務委託
360 50.6 - 50.6
品川区 (その他) 賃貸
株式会社JALファシ 東京都 その他 建設工事 事務所
なし なし
180 85.0 - 85.0
リティーズ 大田区 (その他) 施設維持管理業務委託 賃貸
株式会社アクセス国際 東京都 その他
なし なし 予約関連業務委託等 なし
100 100.0 - 100.0
ネットワーク 品川区 ( その他)
JAL Agripo 千葉県 その他
なし なし なし なし
100 49.0 - 49.0
rt株式会社 ※2 成田市 (その他)
東京都 その他
JAL宏遠株式会社 なし なし なし なし
100 51.0 - 51.0
大田区 (その他)
JALビジネスアビ 東京都 その他
なし なし 地上業務委託 なし
100 51.0 - 51.0
エーション株式会社 大田区 (その他)
機内搭載誌編集・機内エ
その他
株式会社JALブラン 東京都 事務所
100 100.0 - 100.0 なし なし ンタテイメント選定・
ドコミュニケーション 品川区 (その他) 賃貸
WEB関連等業務委託
JTAインフォコム株 沖縄県 その他
なし なし なし なし
50 - 100.0 100.0
式会社 那覇市
(その他)
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セグメントの
議決権の所有割合
役員の
資本金 名称 資金援助 設備の
兼任
名称 住所 営業上の取引
(百万円) (主要な事業の内 (貸付金) 賃貸借
直接 間接 合計
(名)
容)
(%) (%) (%)
JAL SBI フィン
東京都 その他
なし なし なし なし
45 51.0 - 51.0
品川区
(その他)
テック株式会社
株式会社JALサンラ 東京都 その他
なし なし 業務サービス委託 なし
20 100.0 - 100.0
イト 品川区
(その他)
東京都 その他
株式会社オーエフシー なし なし なし なし
10 50.0 4.0 54.0
港区
(その他)
東京都 その他
株式会社ジェイプロ なし なし 販促物等の配送 なし
10 - 100.0 100.0
大田区
(その他)
千香港ド
JUPITER その他
ホンコン ル 46.4 4.6 51.0 なし なし 航空貨物販売業務委託 なし
GLOBAL LIMITED
(貨物)
1,960
JALPAK INTERNATIONAL
アメリカ 千米ドル その他
- 100.0 100.0 なし なし なし なし
HAWAII, INC. ホノルル市 1,000 (旅客販売)
オランダ
JALPAK INTERNATIONAL
千ユーロ その他 事務所
アムステル - 100.0 100.0 なし なし なし
1,600 (旅客販売) 賃貸
(EUROPE) B.V.
ダム市
JALPAK INTERNATIONAL
フランス 千ユーロ その他 事務所
なし なし 航空券の販売
- 100.0 100.0
(FRANCE) S.A.S. パリ市 160 (旅客販売) 賃貸
千英ポン
EURO-CREATIVE
イギリス その他 事務所
ド - 100.0 100.0 なし なし 航空券の販売
TOURS (U.K.) LTD. ロンドン市 賃貸
(旅客販売)
100
千シンガ
JALPAK INTERNATIONAL
シンガポー ポールド その他
- 100.0 100.0 なし なし なし なし
ASIA PTE. LTD. ル ル (旅客販売)
146
千香港ド
JAL SATELLITE
その他
ホンコン ル - 100.0 100.0 なし なし 航空券の販売 なし
TRAVEL CO., LTD. (旅客販売)
750
インドネシ 千インド
PT. TAURINA
ネシアル その他
ア
- 49.0 49.0 なし なし 航空券の販売 なし
TRAVEL DJAYA ※2 ジャカルタ ピア (旅客販売)
市
500,000
JLC INSURANCE
英国自治領 千米ドル その他
100.0 - 100.0 1 なし なし なし
COMPANY LIMITED ガーンジー 2,000 (その他)
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日本航空株式会社(E04272)
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セグメントの
議決権の所有割合
役員の
資本金 名称 資金援助 設備の
名称 住所 兼任 営業上の取引
(百万円) (主要な事業の内 (貸付金) 賃貸借
直接 間接 合計
(名)
容)
(%) (%) (%)
(持分法適用関連会社)
コードシェア
航空運送事業
ジェットスター・ジャ 千葉県 1,990 地上業務受託 事務所
6,000 50.0 - 50.0 なし
パン株式会社 成田市 (航空運送事業) 百万円 運航整備受託 賃貸
航空燃料販売
名古屋エアケータリン 愛知県 航空運送事業
なし なし 航空機内食の購入 なし
100 30.0 - 30.0
グ株式会社 常滑市
(空港周辺事業)
福岡エアーカーゴター 福岡市 航空運送事業
なし なし 国際貨物取扱業務の委託 なし
50 40.0 - 40.0
ミナル株式会社 博多区
(貨物)
空港施設株式会社 東京都 その他 施設賃
なし なし 施設の賃借
6,826 21.1 - 21.1
大田区 借
※1 (空港周辺事業)
株式会社JALU 東京都 その他 物品等の購入および業務 事務所
なし なし
2,558 21.6 0.0 21.6
港区 サービス委託等 賃貸
X ※1 (その他)
株式会社ロイヤリティ
東京都 その他 マイルの販売およびポイ
マーケティング 2,381 15.0 - 15.0 なし なし なし
渋谷区 (その他) ントの購入
※3
株式会社エージー 東京都 その他 施設賃
2,038 33.4 - 33.4 なし なし 航空機用動力購入等
ピー※1 大田区 (空港周辺事業) 貸
アビコム・ジャパン株 東京都 その他 施設賃
1,310 36.8 - 36.8 なし なし 情報通信サービスの利用
式会社 港区 (その他) 貸
沖縄県 その他
沖縄給油施設株式会社 100 30.0 20.0 50.0 なし なし 燃料施設の利用 なし
那覇市 (空港周辺事業)
アメリカ 千米ドル その他
TRANS QUALITY, INC.
- 49.0 49.0 なし なし なし なし
ホノルル市 200 (旅客販売)
オランダ
AVIATION TRAINING
千米ドル その他
ホーフトド 50.0 - 50.0 なし なし なし なし
NORTHEAST ASIA B.V. 100 (その他)
ルプ
(注)※1 有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社は、空港施設株式会社、株式会社JALUX、
株式会社エージーピーです。
※2 持分は100分の50以下ですが、実質的に支配しているため子会社としております。
※3 持分は100分の20未満ですが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。
※4 株式会社ジャルパックについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占
める割合が100分の10を超えております。
主要な損益情報等
①売上高 55,559百万円
②経常利益 ▲2,415百万円
③当期純利益 ▲1,959百万円
④純資産額 20,381百万円
⑤総資産額 27,251百万円
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2021年3月31日現在
従業員数(名)
セグメントの名称
32,902 ( 511 )
航空運送事業
3,158 ( 304 )
その他
36,060 ( 815 )
合計
(注)1.従業員数は、休職者および当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの
出向者を含みます。
2. 人材会社からの派遣社員については年間の平均人員数を( )外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
2021年3月31日現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
13,787 ( 53 ) 39.2 14.5 6,784
常勤社員
2021年3月31日現在
従業員数(名)
セグメントの名称
13,787 ( 53 )
航空運送事業
13,787 ( 53 )
合計
(注)1. 従業員数は、海外現地雇用社員を含みますが、平均年齢、平均勤続年数は、海外現地雇用社員を母数に含んで
おりません。
2. 人材会社からの派遣社員については年間の平均人員数を( )外数で記載しております。
3.他社への出向者(3,051名)、休職者(1,039名)は含んでおりません。
4.平均年間給与は、各種手当等の基準外賃金および各種手当を含んでおります。また海外雇用社員の給与は含ん
でおり、他社への出向者の給与は除いて算出しております。
5. 平均年間給与は、国内雇用社員と海外雇用社員の平均であり、年間の人件費に含まれる現金給与相当額を当事
業年度中の平均在籍人数で除して算出しております。
(参考情報)
従業員数(名) 平均年間給与(千円)
4,883
地上社員 25,244
17,695
運航乗務員 2,876
3,769
客室乗務員 7,940
5,638
合計または平均 36,060
(注 ) グループ連結平均年間給与は、当社グループの連結人件費に含まれる現金給与相当額を当事業 年度中の平均在籍人
数で除して算出しております。
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日本航空株式会社(E04272)
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(3)労働組合の状況
2021年3月31日現在
組合員数
会社名 名称 構成 上部団体
(名)
9,096
JAL労働組合 地上社員・客室乗務員 航空連合
2,193
日本航空乗員組合 地上社員・運航乗務員 航空労組連絡会(航空連)
提出会社
日本航空キャビンクルーユニ
195
客室乗務員 航空労組連絡会(航空連)
オン
379
日本航空ユニオン 地上社員 航空労組連絡会(航空連)
連結子会社には、株式会社JALグランドサービスのJALグランドサービス労働組合等、日本トランスオーシャン航
空株式会社の日本トランスオーシャン航空労働組合等があります。
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日本航空株式会社(E04272)
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「JALグループ企業理念」を次のとおり定めています。
(JALグループ企業理念)
JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
一、お客さまに最高のサービスを提供します。
一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。
(2)目標とする経営指標
「20 2 1~2025年度 JALグループ中期経営計画」において、次の3項目を経営目標としております。
①安全・安心
安全:航空事故・重大インシデント0件
安心:航空利用に加え、日常・ライフステージでも世界トップレベルの顧客体験を実現(NPS +4.0pt)
②財務
EBITマージン:2023年度に10%以上を達成(以降向上)
ROIC :2023年度に9%を達成(以降維持・向上)
EPS :2023年度に260円 (コロナ禍以前の水準) 、2025年度に約290円レベル
③サステナビリティ
環境 :CO2削減(総排出量 909万トン未満)
使い捨てプラスチック削減(客室・ラウンジ:新規石油由来全廃、空港・貨物:環境配慮素材へ100%変
更)
地域社会:国内の旅客・貨物輸送量を 2019年度 対比+10%
人 :D&I推進(グループ内女性管理職比率 30%)
(3)経営環境ならびに対処すべき課題
JALグループは、足許のコロナ禍における厳しい状況を全社一丸となって耐え抜き、再び日本と世界の交流と、日
本国内における地域間ネットワークの維持・発展に貢献できるよう、また、今後のあるべき姿を示した「JAL Vision
2030」の実現に向けて、新たな中期経営計画を策定いたしました。新型コロナウイルス感染症は、航空を含む多くの
業界に甚大な影響を与え、社会・経済の前提を覆す未曽有の変化をもたらしました。一方で、SDGsをはじめ社会全体
で持続可能性(サステナビリティ)を追求し、真の豊かさ、幸福を実現しようとする機運が高まっています。大きく
時代が動き価値観が変わるなか、「安全・安心」と「サステナビリティ」を未来への成長のエンジンとして、「確か
な安全といつも心地よい安心を感じられる社会」と「誰もが豊かさと希望を感じられる未来」という「JAL Vision
2030」の実現に向け、全社員で目指す将来像を思い描き、一丸となって進んでまいります。本中期期間においては、
喫緊の課題である財務基盤の再構築を前提に、事業構造改革を進めるとともに、事業活動を通じて持続可能な社会の
実現に向けた取り組みを加速し、早期に利益水準を回復のうえ再び成長を実現します。そして、本中期経営計画を経
て「JAL Vision 2030」を実現し、多くの人々やさまざまな物が自由に行き交う、心はずむ社会・未来において世界
で一番選ばれ、愛されるエアライングループを目指してまいります。
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日本航空株式会社(E04272)
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2【事業等のリスク】
投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、定期航空運送事業および不定期航空運送事業を中心と
する当社グループの事業の内容に鑑み、当社グループにおいては次のようなリスクが存在しております。ただし、これら
は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在しま
す。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は2021年3月31日現在において判断した
ものです。
(1)世界的な疫病の蔓延拡大に関わるリスク
①短期的な業績に与える影響に関わるリスク
当社グループは、日本および世界各地に航空運送事業を展開しております。2020年初頭から全世界規模で感染が拡
大している新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大のように、未知の疫病の世界的な拡大が発生した場合には、
各国政府による入境制限や移動の制限・自粛要請といった人の移動に関する規制の発動や、企業や利用者の感染防止
を目的とした自発的な航空機利用の回避により、航空旅客需要は大幅に減少する可能性があります。当社グループが
営む航空運送事業は、航空機や人件費等の固定費比率が高いことから、短期的な需要の急減は、当社グループを含む
航空運送事業者の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
②中長期的な事業環境の変化に関わるリスク
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、一時的に人の移動が大きく制限を受けたことにより、ITを活
用し、移動を伴わず非対面での働き方が社会に広く浸透しております。こうした社会・行動様式の変化により、航空
機を使った業務渡航の需要に変化が生じることで、当社グループが営む航空運送事業の事業戦略に影響を及ぼす可能
性があります。
(2)自然災害や気候変動に関わるリスク
① 自然災害等に関わるリスク
当社グループの航空機の利用者の過半数は羽田空港および成田空港を発着する航空機を利用しており、当社グルー
プの事業における羽田・成田両空港の位置付けは極めて重要です。また、当社グループの運航管理・予約管理等、航
空機の運航に重要な情報システムセンター、ならびに全世界の航空機の運航管理やスケジュール統制等を実施する
「IOC(Integrated Operations Control)」は東京地区に設置しています。
そのため、東京地区を含む首都圏において、大規模な震災や火山の噴火、大型台風等による被害が発生した場合、
もしくは当該重要施設において火災やテロ攻撃等の災害が発生し、羽田・成田両空港の長期間閉鎖や、当社グループ
の情報システムやIOCの機能が長期間停止した場合、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性があります。
IOCの機能停止への対応策として、大阪国際空港内にオペレーションコントロールの一部機能を移管し24時間稼働
させておりますが、その機能は東京地区のIOCの機能の全てを代替できるものではありません。
②気候変動に関わるリスク
世界では、地球温暖化等に起因する気候変動が大きな課題となっており、地球温暖化に起因し、日本国内において
大規模な自然災害の発生頻度が多くなるような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ま
た、当社グループが属する航空業界は、気候変動の要因となる化石燃料を大量に消費する業界であることから、CO2
排出量の削減が社会的な要請であり、当社グループにおいても極めて重要な経営課題となっております。そのため、
当社グループでは、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指しております。その実現に向け、省燃費機材への更新促
進、代替航空燃料の調達、カーボンプライシングへの対応など、様々な取り組みを行う必要があり、当社の事業運営
に影響を及ぼす可能性があります。また、上記の目標が未達成となった場合には、当社グループの社会的な評価を低
下させ、当社グループの事業運営に影響を与える可能性があります。
(3)国際情勢や経済動向等の外部経営環境に関わるリスク
①外部経営環境に関わるリスク
当社グループは、日本および世界各地に航空運送事業を展開しており、航空需要は、世界の経済動向、テロ攻撃や
地域紛争、戦争等により大幅に減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ
の業務は、整備業者、空港職員、航空保安官、燃油取扱業者、手荷物取扱者、警備会社等の第三者の提供するサービ
スに一定程度依存しており、第三者が、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
②競争環境に関わるリスク
当社グループは、国内および海外において、路線、サービスおよび料金に関して激しい競争に直面しています。
国内線では、既存の航空会社との競争に加え、LCCを含む低コストキャリアや新幹線との競争、国際線では、海外
および日本の主要航空会社との競争が激化しており、それに加えて海外および日本の航空会社によって形成されるア
ライアンス、コードシェアおよびマイレージ提携が競争を激化させています。
上述のように、現在の当社グループの競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社グループの経営に影響を及
ぼす可能性があります。
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当社グループは、航空運送事業においては、a)共同事業、b)複数の航空会社によるアライアンスへの加盟、c)コー
ドシェア提携、d)マイレージ提携等、様々な形式で世界中の航空会社との提携を展開しております。また、マイル事
業等の非航空事業分野においても、他業種との広範な提携関係を構築することで顧客基盤の強化を図っております
が、 これらの提携パートナーの経営状況や、提携関係に大きな変化が生じた場合には、当社グループの提携戦略に影
響を及ぼす可能性があります。
(4)航空機導入に関わるリスク
当社グループは、航空運送事業において、燃費効率に優れた新型機への更新や機種統合による効率化を目指し、
ボーイング社、エアバス社、ATR社、三菱航空機株式会社に対して航空機を発注しておりますが、これらの航空機
メーカーやエンジン等の重要な部品のサプライヤーにおける技術上・財務上・その他の理由により納期が遅延した場
合、当社グループの機材計画は変更を余儀なくされ、当社グループの中長期的な事業に影響を及ぼす可能性がありま
す。
(5)市況変動に関わるリスク
①燃油価格の変動に関わるリスク
当社グループの業績は、燃油価格の変動により影響を受けます。当社グループは、燃油価格の上昇分を一部燃油特
別付加運賃として顧客に転嫁しておりますが、これは燃油価格の変動を直ちに反映することができず、また、顧客に
全てを転嫁することは困難です。また、当社グループは、燃油価格の変動リスクを軽減するため、原油のヘッジ取引
を行っておりますが、原油価格が短期間で急落した場合、ヘッジポジションの状況等によっては市況下落の効果を直
ちに業績に反映することができず、短期的な当社グループの業績の改善に寄与しない可能性があります。
②為替変動に関わるリスク
当社グループは、日本国外においても事業を展開しており、外貨建により、収益の一部を受領し費用の一部を支
払っています。特に当社グループにおける主要な費用である航空機燃料の価格の大半は米ドルに連動した金額となる
ことから、当社グループにおいては米ドルの為替変動による影響は収益よりも費用が大きくなっております。これら
為替変動による収支変動を軽減する目的で、収入で得た外貨は外貨建の支出に充当することを基本とし、加えてヘッ
ジ取引を行っております。また航空機価格の大半は米ドルに連動した金額となることから、資産計上額および減価償
却費が為替変動により増減するリスクがあります。これら為替変動によるリスクを軽減する目的で為替取得機会の分
散を図るべくヘッジ取引を行っております。
③資金・金融市場・財務に関わるリスク
当社グループは、航空機の購入等の多額の設備投資を必要としており、その資金需要に応じる為に金融機関や市場
からの資金調達を行う可能性があります。当社グループの資金調達能力や資金調達コストについては、資金・金融市
場の動向や当社グループの信用力の変動等により、資金調達の制約や資金調達コストの上昇を招く可能性がありま
す。
また、当社グループは繰延税金資産を計上しておりますが、当社グループの将来の課税所得の見込み額が低下した
場合、もしくは税制改正等により、過去に計上した繰延税金資産の取り崩しが発生し、当社グループの財務状況に一
時的に影響を及ぼす可能性があります。
(6)航空安全に関わるリスク
当社グループでは、航空機の運航の安全性の確保のため、日々様々な取り組みを実施しておりますが、ひとたび死
亡事故を発生させてしまった場合、当社グループの運航の安全性に対する顧客の信頼および社会的評価が失墜するだ
けでなく、死傷した旅客等への補償等に対応しなければならないことから、当社グループの業績に極めて深刻な影響
を与える可能性があります。さらに、当社グループや、当社グループが運航する型式の航空機、また当社のコード
シェア便において安全問題が発生した場合、当社グループの運航の安全性に対する顧客の信頼および社会的評価が低
下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、航空事故に伴う各種損害の軽減、ならびに被災
者への確実な賠償を行う目的で、現在業界水準と同程度の補償額・補償範囲の損害賠償保険に加入しております。
(7)法的規制・環境規制、訴訟に関わるリスク
当社グループの事業は、様々な側面において、国際的な規制ならびに政府および地方自治体レベルの法令および規
則に基づく規制に服しています。これらの規制の変化等により、当社グループの事業がさらに規制され、また、大幅
な費用の増加が必要となる可能性があります。
①法的規制に関わるリスク
当社グループは、航空法をはじめとする航空事業関連法令、二国間航空協定を含む条約その他の国際的取り極め、
独占禁止法その他諸外国の類似の法令、ならびに着陸料等の公租公課等の定めに基づき事業を行っておりますが、こ
れらに変更が生じた場合や、法令に基づき耐空性改善通報等が発出された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす
可能性があります。また、羽田空港等、当社グループの航空運送事業において重要な位置付けをもつ空港における発
着枠の割当て等が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②環境規制に関わるリスク
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近年、温暖化防止を始めとした地球環境に係わる企業の社会的責任が高まるなか、CO2排出量、騒音、有害物質等
に関する環境規制が強化されています。今後、 2021年度以降にお ける温室効果ガス排出量取引制度等、温室効果ガス
排 出への課金等費用負担を伴う環境規制のさらなる強化等が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能
性があります。
③訴訟に関わるリスク
当社グループは事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの事業または業
績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは訴訟の提起等を受けており、事態の進展によっては、追
加的な支出や引当金の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)IT(情報システム)、顧客情報の取り扱いに関わるリスク
当社グループは、業務の多くを情報システムに依存しています。コンピュータ・プログラムの不具合やコンピュー
タ・ウィルス等のサイバー攻撃によって情報システムに様々な障害が生じた場合には、重要なデータの喪失に加え
て、航空機の運航に支障が生じる等、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。また、情報システムを
支える電力、通信回線等のインフラや、メールコミュニケーション等の当社が利用するクラウドサービスに大規模な
障害が発生した場合、当社グループの業務に重大な支障をきたす可能性があります。
また、当社グループが保有する顧客の個人情報が取り扱い不備または不正アクセス等により漏洩した場合には、当
社グループの事業、システムまたはブランドに対する社会的評価が傷つけられ、顧客および市場の信頼が低下して、
当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材・労務に関わるリスク
当社グループの事業運営には、航空機の運航に関連して法律上要求される国家資格を始めとする各種の資格や技能
を有する人材の確保が必要ですが、当社グループの従業員がその業務に必要なこれらの資格や技能を取得するまでに
は相応の期間を要することから、当社グループが想定する人員体制を必要な時期に確保できない場合には、当社グ
ループの事業運営が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの従業員の多くは労働組合に所属しておりますが、当社グループの従業員による集団的なスト
ライキ等の労働争議が発生した場合には、当社グループの航空機の運航が影響を受ける可能性があります。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)は、新型コロナウイルス感染拡大により、当社グループ (当
社及び子会社) が属する航空業界は極めて厳しい状況に置かれました。当社グループでは、感染拡大の影響が長期化
する中、清潔性・非接触性の強化による「安全・安心」の確保に努めつつ、日本国内および日本と海外を結ぶ航空輸
送ネットワークの維持に努めてまいりました。収入の著しい減少に対して、抜本的なコスト削減策と投資抑制を遅滞
なく実施することで業績への影響を緩和することに努め、加えて、着陸料や航空機燃料税等の公租公課の支払い猶予
といった航空業界を対象とした支援策や、雇用調整助成金制度の特例措置拡充等、日本政府による公的なご支援も活
用しつつ、この未曽有の危機への対応に全力を尽くしました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する中で、当社グループは引き続きこうした努力を継続し、公共交通
機関としての社会的使命を果たし、お客さまに安心してご利用いただけるよう全力を尽くし、来るべき航空需要の回
復に備えてまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」とい
う。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、当社グループは、当連結会計年度から従来の日本基準に替えて国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)
を適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境を概括すると、新型コロナウイルス感染拡大により、世
界および日本経済は大きな打撃を受けました。下期に入り、感染拡大が収まりつつある一部の国・地域では経済回復
局面に入り、また、一部産業においては業況の著しい改善が見られました。しかしながら、航空旅客需要は、各国の
厳しい出入国制限や検疫体制強化、移動自粛の動きにより回復の目途は立っておらず、年度を通じて極めて厳しい状
況となりました。
また、燃油費、国際旅客収入ならびに国際貨物収入に影響を与える原油価格については、新型コロナウイルス感染
拡大による世界経済への影響が深刻化するに伴い急落しましたが、今後のワクチン普及等に伴う経済活動の正常化期
待により上昇基調に転じました。
以下、当連結会計年度における当社グループの経営状況につき概括します。
当社グループは、このような経営環境の中でも、グループ存立の大前提である「安全」を守り、お客さまと社員の
感染防止に努めつつ、国内外の航空ネットワークの維持に努めております。
安全に関する取り組みについて、2020年12月4日にJL904便(那覇空港発羽田空港行)にて左エンジンの損傷によ
り那覇空港へ引き返す事例が発生し、国土交通省より「重大インシデント」と認定されました。この事象を重く受け
止め、同型エンジンを装備する稼働中のボーイング777型航空機全機のエンジン18台の緊急一斉検査を実施し、あわ
せて視認できない細微な損傷がないかを確認する非破壊検査の頻度を高める等、再発防止に取り組んでまいりまし
た。加えて、エンジンカバーの脱落を防止するための設計変更についてボーイング社と連携を図るなど、落下物・部
品脱落防止に向けた対策も講じてまいりました。
安心に関する取り組みについて、お客さまと社員の感染防止、航空機利用による感染拡大防止を強化すべく、空港
での手続等における非接触・清潔性を高めた「JAL SMART AIRPORT」の導入を進めており、その取り組みの一環とし
てチェックイン時のタッチパネルの非接触化を開始しました。また、顔認証技術を活用した搭乗手続き「Face
Express」の実証実験へ参画するほか、マスクを着用したままの「顔認証技術を活用したおもてなしサービスの実証
実験」を鹿児島空港・霧島市内で実施しております。加えて、お客さまに安心して国内旅行や出張をしていただける
よう「JAL国内線 PCR検査サービス」や、海外渡航先で新型コロナウイルスに感染した際に補償やサポートを受けら
れる「コロナカバー」サービスの提供を始めました。こうした取り組みが評価され、SKYTRAX社の「Covid-19 Safety
Rating」およびAPEX社の「Health Safety Powered by SimpliFlying Audit」で最高評価を獲得しました。今後も安
心してご利用いただけるようさらに取り組みを推進してまいります。
「顧客満足」の向上に向けての取り組みについて、2020年4月に国内外のWEBサイトのデザインを一新すること
で、国内線・国際線を問わずよりスムーズな航空券の検索・予約を実現しました。
感染拡大の影響が長期化する中、需要の減少に対しては、機動的に供給調整を行うことで運航費用など変動費の抑
制に努めるとともに、委託業務の内製化やITに関わる経費の抑制、役員報酬の減額、社員の賞与減による人件費の削
減を含め、当初想定対比で約1,350億円の固定費の削減を実施し、業績への影響を緩和することに努めました。その
他にも、ソーシャルディスタンスに配慮したツアー、周遊チャーターの運航、ワーケーションに活用可能なツアーを
販売するなど需要喚起および収支改善に努めてまいりました。運航に直接携わる業務量が減少する中での人財活用も
積極的に推進し、社員教育の充実や、空港における検疫支援業務の受託、グループ外の企業や自治体等へ1日あたり
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約1,000人規模での出向・派遣を行い、新型コロナウイルス感染拡大収束後の再飛躍に備え、社員一人ひとりの能力
向上を図る取り組みを行っております。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化を受け、2021年度および2022年度入社新卒採用については、一
部の職種を除き、中止することとしました。
事業領域の拡大に向けては、当社グループの強みである人財と、先進的なテクノロジーを融合させることでイノ
ベーションを実現し、常に新しい商品・サービスやビジネスを創造すべく努めました。2020年11月には、地域事業本
部を新設し、地域活性化のお手伝いをする「アンバサダー制度」に加え、客室乗務員が乗務しつつ地域活性化の活動
へも参加する「ふるさと応援隊制度」を導入し、地域活性化の取り組みを深化させ、地域発の新規事業の創造への取
り組みを強化しました。さらに、マイルがたまる「JALふるさと納税」サイトを開設し、地域の持続的な発展により
一層貢献すべく努めております。また、「JALオンライントリップ」Webサイトを新設し、「JALデジタルフライト」
と現地オンライントリップを組み合わせた商品を販売するほか、旅行先で仕事をする「ワーケーション」という新た
な働き方を提案・サポートするなど、需要が低迷する中においてもニューノーマルに対応した新しい旅のカタチの提
案に努めております。また、今後ドローン等の無人航空機の活用場面増加が想定される中で、無人航空機のオペレー
ター人財育成に向けて、当社グループのパイロット訓練ノウハウに基づく座学プログラムの提供を開始したほか、ヒ
ト・モノ・コトの新たな移動・物資輸送サービス提供に向け、エアモビリティ分野での取り組みも進めております。
その他の分野においても、本邦航空会社初となる手荷物搬送用の自動運転トーイングトラクターを導入するなど、先
端技術を積極的に取り入れており、今後もお客さまにより快適にご利用いただけるよう努めてまいります。
SDGsの達成に向けては、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指し、CO2排出量の少ない省燃費機材であるエアバス
A350型航空機の導入を積極的に進め、2021年3月より大阪国際空港(伊丹)への乗り入れを開始しました。あわせ
て、経年機材であるP&W社製エンジンを装備した国内線仕様のボーイング777-200型機および777-300型機について
は、当初2022年3月末までに全機退役を予定しておりましたが、退役時期を1年前倒しし、2021年3月末をもって全
13機の退役を完了しました。なお、同型機材の退役後も、当社グループでは運輸安全委員会による調査や原因究明に
全面的に協力してまいります。さらに、国産バイオジェット燃料の実用化に向けた取り組み強化の一つとして、衣料
品の綿から製造した国産バイオジェット燃料を搭載したフライトを実施するなど、環境負担の低減に力を注いでまい
りました。また、健康経営やD&Iの推進にも積極的に取り組んだ結果、「健康経営優良法人2021(大規模法人部
門)」に認定されたほか、「2021 J-Winダイバーシティ・アワード」において、企業賞として「アドバンス部門 準
大賞」、個人賞として「経営者アワード」を同時受賞しました。
財務戦略においては、当社グループでは、これまで培ってきた強固な財務体質を活かした資金調達を実施し、当連
結会計年度において2,623億円の借入れを実施すると同時に、3,000億円の未使用のコミットメントラインを確保し、
充分な手元流動性の確保に努めました。
加えて、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けた財務体質をいち早く改善し、ポストコロナにおいて速や
かに成長戦略を遂行すべく、2020年11月に公募増資を実施し、1,829億円の資本増強を行いました。その結果、2021
年3月末時点においても、自己資本比率は45.0%、D/Eレシオは0.5倍と、航空業界においては世界最高レベルの強固
な財務基盤を維持できております。
新型コロナウイルス感染拡大が顕在化して1年が経ち今もなお先を見通すことが難しい状況が続いておりますが、
感染拡大の影響が長期化したとしても、当社グループは、それに十分耐え得る財務健全性を維持しております。手元
流動性については、2021年3月末時点で、未使用のコミットメントライン3,000億円を含む7,083億円となっており、
十分な水準の手元流動性を確保しております。今後も、コスト削減の徹底と投資の厳格な管理により毎月の資金支出
の抑制に努めるとともに、これまで培ってきた強固な財務体質に裏付けられた資金調達力を最大限活かし、手元流動
性の確保に万全を期してまいります。
新型コロナウイルス感染拡大収束による航空旅客需要の回復には、もう暫く時間を要するものと思われます。これ
まで当社グループは、いたずらに規模を追わず効率性を最重視し、リスク耐性を備えた経営体制の構築に向け全社一
丸となって努力してまいりました。厳しい状況が長く続く今こそ、その真価が問われる時と認識しております。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による航空需要の減少はあくまでも一時的なものであり、中長期的には日本を
発着する航空総需要は大きく成長していくという見通しに変わりはありません。新型コロナウイルス感染拡大は、航
空業界のみならず社会全体の在り方を大きく変える可能性があります。しかしながら、グローバルな人と人との交
流、物流ネットワークの重要性が低下することはないと確信しております。2021年度は、航空業界にとって、ポスト
コロナのニューノーマルに向けた第一歩を踏み出す年度となると期待されます。この夏には、東京2020オリンピッ
ク・パラリンピック競技大会が安全に開催され、日本および世界各国でワクチン接種が順調に進み、各国の渡航制限
が徐々に緩和に向かうことになり、人と人とが気軽に往来できる社会を取り戻すことができる時が再び到来すること
が期待されます。JALグループは、その時が来るまで、コスト管理の徹底と効率化を推進し、状況に適した旅客増収
施策の着実な実施と航空貨物事業の増収に最大限努力することで、この危機を耐え抜く所存です。2021年度に入って
も旅客需要の回復見通しについては不透明な状況が続きますが、日本政府にも航空業界支援策として、着陸料や航空
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機燃料税等の公租公課の支払い減免措置を講じていただいております。ご関係の皆さまのご愛顧とご支援を賜り、心
より感謝を申し上げます。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産については、前連結会計年度末に比べ1,250億円増加し、2兆1,072億円となり
まし た。負債については、前連結会計年度末に比べ1,931億円増加の1兆1,257億円となりました。資本について
は、前連結会計年度末に比べ680億円減少の9,815億円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上収益は4,812億円(前年同期比65.3%減少)、営業費用は8,850億円(前年同期比
32.4%減少)となり、財務・法人所得税前利益( △は損失)(当社は、当期利益から法人所得税費用、利息およ
びその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。以下「EBIT」とい
う。)は△ 3,983億円(前年同期は888億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益( △は損失) は △2,866 億円
(前年同期は480億円)となりました。
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セグメントの業績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>
当連結会計年度における航空運送事業セグメントの経営成績については、売上収益は4,318億円(前年同期比65.8%
減少)、投資・財務・法人所得税前利益(△は損失)(以下「セグメント利益(△は損失)」という。)は、△4,033
億円(前年同期は747億円)となりました。(売上収益及びセグメント利益(△は損失)はセグメント間連結消去前数
値です。)国際旅客収入(フルサービスキャリア)は279億円(前年同期比94.3%減少)、国内旅客収入は1,740億円
(前年 同期比67.2%減少)、貨物郵便収入は1,288億円(前年同期比40.6%増加)となりました。なお、LCC事業を営
む 株式会社ZIPAIR Tokyo(以下「ZIPAIR」という。) の国際旅客収入は51百万円でした。
部門別売上高は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度 対前年
構成比 構成比
科目 (自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 同期比
(%) (%)
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日) (%)
国際線
(フルサービスキャリア)
旅客収入 (百万円) 486,217 38.5 27,917 6.5 5.7
貨物収入 (百万円) 59,744 4.7 96,553 22.4 161.6
郵便収入 (百万円) 7,562 0.6 7,344 1.7 97.1
手荷物収入 (百万円) 842 0.1 333 0.1 39.6
小計 (百万円) 554,366 43.9 132,149 30.6 23.8
国内線
旅客収入 (百万円) 529,707 42.0 174,006 40.3 32.8
貨物収入 (百万円) 20,724 1.6 21,735 5.0 104.9
郵便収入 (百万円) 3,627 0.3 3,192 0.7 88.0
手荷物収入 (百万円) 320 0.0 219 0.1 68.5
小計 (百万円) 554,380 43.9 199,154 46.1 35.9
国際線・国内線合計 (百万円)
1,108,746 87.9 331,304 76.7 29.9
その他の収入
( ZIPAIR の国際旅客収入を含む)
153,136 12.1 100,517 23.3 65.6
(百万円)
合計 (百万円) 1,261,883 100.0 431,821 100.0 34.2
(注)金額については切捨処理、各比率については四捨五入処理しております。
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連結輸送実績(フルサービスキャリア)は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度 対前年同期比
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日 (利用率は
項目
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日) ポイント差)
国際線
有償旅客数 (人) 8,958,631 357,519 4.0%
45,551,312
有償旅客キロ (千人・キロ) 2,196,423 4.8%
有効座席キロ (千席・キロ) 53,910,292 11,918,047 22.1%
有償座席利用率 (%) 84.5 18.4 △66.1
有償貨物トン・キロ (千トン・キロ) 2,407,691 1,948,205 80.9%
郵便トン・キロ (千トン・キロ) 188,957 155,413 82.2%
国内線
有償旅客数 (人) 36,411,557 12,212,131 33.5%
27,496,784
有償旅客キロ (千人・キロ) 9,282,122 33.8%
有効座席キロ (千席・キロ) 36,199,539 19,452,985 53.7%
有償座席利用率 (%) 76.0 47.7 △28.2
有償貨物トン・キロ (千トン・キロ) 328,182 237,874 72.5%
郵便トン・キロ (千トン・キロ) 25,291 20,675 81.7%
合計
有償旅客数 (人) 45,370,188 12,569,650 27.7%
有償旅客キロ (千人・キロ) 73,048,097 11,478,546 15.7%
有効座席キロ (千席・キロ) 90,109,832 31,371,033 34.8%
有償座席利用率 (%) 81.1 36.6 △44.5
有償貨物トン・キロ (千トン・キロ) 2,735,873 2,186,079 79.9%
郵便トン・キロ (千トン・キロ) 214,248 176,088 82.2%
(注)1. 旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、各区間有効
座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2. 区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた算出基準の 大圏距離
方式で算出しております。
3.国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、
(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
ただし、前年同期は、
国際線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、
(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
5.当連結会計年度よりIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用により、特典航空券でご搭乗の
お客さまが、有償旅客に含まれます。当該変更により、有償旅客数、有償旅客キロ、ならびに
有償席利用率には、特典航空券でご搭乗のお客さまが含まれます。
前連結会計年度の数値についても、当該変更を反映しております。
6.国際線の各数値は、当連結会計年度より「他社運航便のうちコードシェアによる自社販売分」を除いて
算定しております。
前連結会計年度 の数値についても、当該変更を反映しております。
7.LCC事業であるZIPAIRによる輸送実績は上記輸送実績からは除いております。
なお、当連結会計年度の同社の国際線輸送実績は、有償旅客数2,289(人)、有償旅客キロ7,228
(千人キロ)、有効座席キロ336,255(千座席キロ)、有償座席利用率は2.1%でした。
<その他>
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株式会社ジャルパックと株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
対前年
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
項目 同期比
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
(%)
0.0 0.0%
海外旅行取扱人数(万人) 18.3
43.8%
国内旅行取扱人数(万人) 260.6 114.1
32.7%
売上収益 (億円)(連結消去前) 1,701 555
株式会社ジャルカード
対前年
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
項目 同期比
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
(%)
372.0 358.0 96.2%
カード会員数 (万人)
95.1%
売上収益 (億円)(連結消去前) 196 186
(注)当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認
識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)を適用しており、前連結会計
年度に係る売上収益については、当該会計基準を遡って適用した後の値となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度 末における現金及び現金同等物の残高は、前 連結会計年度末に 比べ791億円増加し、4,083億円とな
りました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前損失△4,040億円に減価償却費等の非資金項目、退職給付に係る負債及び営業活動に係る債権・債務の加減
算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△2,195億円(前年同期は808億円の
キャッシュ・インフロー)となりました 。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△910億円(前
年同期は△2,337億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入及び株式の発行による収入を主因として、財務活動によるキャッシュ・フロー(インフ
ロー)は3,886億円(前年同期は△388億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました 。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産、受注及び販売に該当する業種・業態がほとんどないため、「 ① 財政状態及び経営成績の状
況」 に含めて記載しております。
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(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、 当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務
諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示
に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に
基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見
積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財
務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです。
・収益認識
航空輸送に係る収益は、航空輸送役務の完了時に認識しております。
航空輸送に使用される予定のない航空券販売(失効見込の未使用航空券)は、航空券の条件や過去の傾向に基
づく金額および認識のタイミングを見積り、収益認識しております。
・航空機等の減価償却費
航空機、航空機エンジン部品および客室関連資産等の各構成要素の耐用年数決定にあたり、将来の経済的使用
可能予測期間を考慮して、減価償却費を算定しております。
なお、当連結会計年度より退役を予定している一部の航空機エンジン部品および客室関連資産について、将来
の経済的使用可能予測期間をより適切に反映するため、耐用年数を変更しております。
・固定資産の減損
当社グループは、期末日現在の対象資産について、減損が生じている可能性を示す事象があるかを検討し、減
損の兆候が存在する場合には減損損失の計上要否の検討を行っております。当期において新型コロナウイルス感染
拡大の影響により、減損の兆候があると判断し減損損失計上要否について検討を行いましたが、回収可能価額が固
定資産の帳簿価額を超えると判断されたため減損損失は計上しておりません。
なお、当連結会計年度の減損損失は、売却契約を締結した、または退役が決定した航空機について、資金生成
単位を変更し、 処分コスト控除後の公正価値 まで減額したものです。
・繰延税金資産の認識
当社グループは、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金のうち、将来課税所得に対して
利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で繰延税金資産を認識しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっての見積りに関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表
等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断 」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における 資産については、現預金や繰延税金資産 の増加などを主因として前 連結会計年度末
に比べ1,250 億円増加し、2兆1,072億円となりました 。
(負債合計)
当連結会計年度末における 負債については、有利子負債の増加、契約負債の減少などにより 、前 連結会計年度
末に比べ1,931億円増加 し、1兆1,257億円となりました 。
(資本合計)
当連結会計年度末における資本 については、 2020年11月に公募増資を実施し、資本増強を行ったものの、当期
損失の計上 を主因として、前 連結会計年度末に比べ680 億円減少の9,815億円となりました。
2)経営成績
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当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、収入面では、国際旅客収入は新型コロナウイルス感染拡大の
影響の長期化により、前年対比4,582億円の減収となりました。国内旅客収入は新型コロナウイルス感染拡大に
伴 う度重なる緊急事態宣言の発出により、前年対比3,557億円の減収となり、売上収益は4,812億円(前年同期比
65.3%減少)となりました。
費用面では、燃油費は減便による使用量の削減や燃油市況下落による燃油単価の減少等により1,466億円の減
少、整備費は減便によるエンジン整備の減少等により158億円減少しました。人件費は、役員報酬の減額や業績
に連動した賞与の減少などにより365億円減少しました。収入の著しい減少に対して、機動的に供給調整を行う
ことで運航費用など変動費の抑制に努め、抜本的なコスト削減策と投資抑制を遅滞なく実施した結果、営業費用
全体としては8,850億円(前年同期比32.4%減少)となりました。
以上の結果、EBITは△3,983億円(前年同期は888億円)となりました。 また、当連結会計年度の親会社の所有
者に帰属する当期利益(△は損失)は、繰延税金資産の計上に伴い法人所得税費用がマイナスとなった結果、△
2,866億円(前年同期は480億円)となりました。
セグメント別の分析は次のとおりです。
<航空運送事業>
(国際線 フルサービスキャリア)
国際旅客需要は、感染再拡大および変異株の感染が報告されて以降、日本を含む各国での入国制限や検疫体制が
さらに強化され、国境をまたぐ移動需要はほぼ消失しております。こうした中、当社グループでは、帰国者や海外
拠点への赴任者、アジア発北米行きの通過需要等の移動ニーズにお応えすべく、国際線ネットワークを維持してま
いりました。 当連結会計年度の有効座席キロは前年同期比77.9%減、旅客数は前年同期比96.0%減、有償旅客キロ
は前年同期比95.2%減、有償座席利用率は18.4%となりました。
( 国内線)
国内旅客需要については、2020年4月の緊急事態宣言の発出により、第1四半期には需要が大幅に落ち込みまし
たが、緊急事態宣言の解除およびGo To トラベル事業の開始により、第3四半期には一時的に観光需要が急回復し
ました。しかしながら、感染再拡大により2020年12月にGo To トラベル事業が中止され、2021年1月に再度緊急事
態宣言が発出されると、第4四半期には再び需要は低迷するなど、不安定な状況が続きました。その中にあって
も、離島路線など社会インフラとして必要不可欠な航空路線の運航を維持することで、国内航空ネットワークの確
保にも努めてまいりました。また、2021年2月に福島県沖を震源とした地震が発生した際には、東北地区の各空港
を発着する臨時便を運航し、遮断された地上交通機関の代替としての移動手段を提供しました。当連結会計年度の
有効座席キロは前年同期比46.3%減、旅客数は前年同期比66.5%減、有償旅客キロは前年同期比66.2%減、有償座
席利用率は47.7%となりました。
(貨物)
国際・国内貨物事業においては、航空旅客需要の急減に伴い各社が旅客便を大幅に減便した影響により、需給が
逼迫する状況となりました。当社グループでは、マスクや防護服をはじめとする医療品の輸送に協力するほか、旅
客機を活用した貨物専用便を計15,299便運航するなどの取り組みにより、日本国内および日本と海外を結ぶ物流
ネットワークの維持に努めました。また、2021年以降本格化することが想定される新型コロナウイルスワクチンの
国内外における円滑な輸送を実現すべく、必要な体制の構築にも取り組みました。こうした状況下において、 貨物
収入は前年同期比47.0%増となりました。
(LCC)
LCC事業においては、国際線中長距離LCCで あるZIPAIRは、2020 年6月から東京=ソウルおよびバンコク線を貨物
専用便として運航を開始し、10月からは旅客便としての運航を開始しまし た。また、軽食などの機内販売品をセル
フオーダーで注文できるシステムをLCCとして初めて導入し、コンタクトレスの機内サービスを実現しました。さ
らに12月からは東京=ホノルル線に就航しました。LCC事業を営むZIPAIRの 当連結会計年度の 有効座席キロは
336,255(千座席キロ)、旅客数は2,289(人)、有償旅客キロは7,228(千人キロ)となりました。
(今後の見通し)
新型コロナウイルス感染拡大は、日本のみならず世界各国においても収束の兆しが見えておらず、各国の出入国
および検疫規制の緩和の時期や進展は不透明な状況となっております。そのため、特に国際旅客需要については、
今後の需要動向を現時点で見通すことは極めて困難な状況であり、当社グループにおいては、現時点で今期の生産
計画および収入見通しを合理的に見積もることは困難なことから、2022年3月期の業績予想の開示は現時点では未
定とさせていただきます。今後、日本および世界における感染状況、ワクチン接種の進捗状況、治療薬の開発状
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況、それらを踏まえた各国の出入国規制の緩和状況等が明らかになり、航空旅客需要の回復度合いが一定程度見極
められた段階で、速やかに業績予想をお示しすることといたします。
なお、不透明な状況下における当社の状況についての参考情報として、EBITおよびEBITDA黒字化の目安となる旅
客需要の回復水準イメージを次のとおりお示しいたします。ただし、当該イメージは旅客需要回復動向が不透明な
中、一定の条件の下で試算した参考情報であり、需要水準が下記となった場合でも、旅客需要以外の前提の変動に
より各範囲に収まらない可能性があります。
厳しい状況が続いておりますが、不透明な需要動向に柔軟かつ迅速に対応し、あらゆる手段で収益改善に努めて
まいります。
3 ) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・
フローの状況」に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
2020年1月以降の新型コロナウイルスの感染拡大により、全世界で航空需要が急減し航空業界は未曽有の危機に
瀕しており、当社も甚大な影響を受けております。2020年度においては、以下の3点を重要な課題と位置づけ、存
立の大前提である安全運航を堅持し、公共交通機関としての使命と責任を果たしてまいりました。
・航空輸送ネットワークの維持と徹底したコスト削減・手元流動性の確保
・新型コロナウイルス収束後の反転攻勢に向けた準備
・企業価値の回復と持続可能な社会の実現
足許の状況にはいまだ不透明さが残るものの、ワクチンの接種をはじめとして新型コロナウイルスの収束に向け
た取り組みは社会全体で着実に進捗しております。このような中、2021年度以降は、「2021~2025年度 JALグルー
プ中期経営計画」に則り、環境変化に適応し持続的な成長・発展を実現するために、「事業戦略」「財務戦略」
「ESG戦略」を経営戦略の柱と位置づけ、全社員一丸となって進んでまいります。
事業戦略においては、マーケットの変化に対応した事業構造改革を進めるとともに、安全・安心を提供する取り
組みを進め、コロナ禍前の利益水準を早期に回復し、再び成長へ転じます。
財務戦略においては、リスク耐性強化と資本効率を両立し、経営資源を戦略的に配分することで、財務基盤の再
構築と今後の成長投資・株主還元を着実に進めてまいります。
ESG戦略においては、事業を通じてSDGsを達成するためのESG経営を推進し、2030年のSDGs、2050年のCO2排出量
実質ゼロの達成に向けた取り組みを加速させてまいります。
当社グループは、企業理念の実現に向けて、世界で一番選ばれ、愛されるエアライングループを目指してたゆま
ぬ努力を重ねてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1) 財務戦略の基本的な考え方
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当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分
することを財務戦略の基本方針としております。
強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を50%程度 (IFRS)に保 ち、「シングルAフラット」以
上の信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。なお、新型コロナウイル
ス感染拡大の長期化に備え、一時的に有利子負債が増える可能性がありますが、事態収束後には強固な財務体質の
再構築を目指します。
設備投資に関しては、燃費効率や快適性に優れた新しい航空機の導入や、顧客利便性を向上させるためのIT投資
等、企業価値の向上に資する成長のための投資を中心に着実に実施してまいります。 2020年度は手元流動性の確保
を優先すべく、設備投資を抑制しましたが、今後は財務基盤の再構築と投資効率を重視した成長投資の両立に努め
ます。
2) 経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大により甚大なる影響を受けた経験を踏まえ、適正な手元現預金の
水準について検証を実施した結果、イベントリスク発生時に大きな影響を受ける旅客収入規模に応じ、航空券払戻
リスクにも一定程度耐えうる水準を新たに設定いたしました。リスク体制の強化および資産効率の両立を図るべ
く、コミットメントラインの活用も含め、旅客収入の5.0~5.6か月分(毎月末)を安定的な経営に必要な手元現預
金水準として確保してまいります。
2023年度までは財務再構築期間と位置づけ、投資の厳選により債務返済と適正な手元現預金水準の実現に努め、
2024年度以降、株主還元を積極的に行い、持続的成長に向けた投資を実施することで、企業価値向上に資する経営
資源の配分に取り組みます。
3) 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、航空運送事業に関わる燃油費、運航施設利用費、整
備費、航空販売手数料、機材費(航空機に関わる償却費、賃借料、保険料など)、サービス費(機内・ラウンジ・
貨物などのサービスに関わる費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、航空機の安全、安定運航や非接触・清潔性の向上のために不可欠な設備や施
設への投資、企業価値向上に資する効率性・快適性に優れた新しい航空機への投資、安定的・効率的な航空機の運
航や、競争力強化に資する予約販売に関するIT投資などがあります。
4)資金調達
当社グループは、事業活動の維持および将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保する
ことに努めております。
設備投資は、内部資金および外部資金を有効に活用して実施してまいります。設備投資額は営業キャッシュ・フ
ローの範囲内とすることを原則としておりますが、十分な手元流動性の確保、資金調達手段の多様化、資本効率の
向上を企図し、主要な事業資産である航空機などの調達に当たっては、金融機関からの借入、社債の発行、航空機
リース等の有利子負債を一部活用しております。
なお、当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化に備え、これまで培ってきた強固な財務
体質を活かした資金調達を実施し、当連結会計年度において2,623億円の借入れを実施すると同時に、3,000億円の
未使用のコミットメントラインを確保し、充分な手元流動性の確保に努めました。
加えて、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けた財務体質をいち早く改善し、ポストコロナにおいて速
やかに成長戦略を遂行すべく、2020年11月に公募増資を実施し、1,829億円の資本増強を行いました。その結果、
2021年3月末時点においても、自己資本比率は45.0%、D/Eレシオは0.5倍と、航空業界においては世界最高レベル
の強固な財務基盤を維持できております。
新型コロナウイルス感染拡大が顕在化して1年が経ち今もなお先を見通すことが難しい状況が続いております
が、感染拡大の影響が長期化したとしても、当社グループは、それに十分耐え得る財務健全性を維持しておりま
す。手元流動性については、2021年3月末時点で、未使用のコミットメントライン3,000億円を含む7,083億円と
なっており、十分な水準の手元流動性を確保しております。今後も、コスト削減の徹底と投資の厳格な管理により
毎月の資金支出の抑制に努めるとともに、これまで培ってきた強固な財務体質に裏付けられた資金調達力を最大限
活かし、手元流動性の確保に万全を期してまいります。
当社は従前から、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、国内2社の格付機関
から格付を取得しております。本報告書提出時点において、日本格付研究所の格付は「シングルA(ネガティ
ブ)」、格付投資情報センターの格付は「シングルAマイナス(ネガティブ)」となっております。また、主要な
取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて強固な財務体質を有していることから、必要な運転資
金、投資資金の調達に関しては問題ないと認識しています。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
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「2021~2025年度JALグループ中期経営計画」において、以下を経営目標としており、経営目標の達成に向け取
り組んでまいります 。
(安全・安心)
安全とは命を守ることであり当社グループ存立の大前提であること、また、安全運航は社会的責務であるとの認
識のもと、航空事故ゼロ(※1)、重大インシデントゼロ(※2)を目標としています。
デジタル技術を駆使した最先端の安全対策と安全を大前提に考え行動する人財の育成を両輪として、安全のリー
ディングカンパニーとして取り組みを深め、安全・安心な社会の実現を目指します。
具体的には、最先端の安全対策として、飛行中の揺れによる負傷を未然に防ぐシステムの構築、航空機の故障予
測の拡充、保安機器の高度化やエアモビリティ分野での安全管理の確立を行います。人財育成としては、過去の事
故の教訓を引き継ぐ三現主義教育の拡充や、安全に集中できる環境を作るために心身の健康を含むさまざまな悩み
を社員が相談できるサポートプログラムの拡充などに取り組みます。
(※1)航空事故 :2020年度の航空事故はありませんでした。
(※2)重大インシデント:2020年12月4日、日本航空904便(那覇空港発 東京国際空港行)が、離陸上昇中に左
エンジンの不具合が発生したため、那覇空港に引き返しました。到着後の検査におい
て、左エンジンの一部ファンブレードやエンジンカウル(覆い)の損傷などが確認さ
れました。本事例は、「航空法施行規則第166条の4に掲げる事態」に該当するとし
て、国土交通省航空局により、重大インシデントと認定されました。
指標 2025年度までの目標 2020年度
航空事故(注1)
0件 0件
重大インシデント(注2)
0件 1件
(注1)航空機の運航によって発生した人の死傷(重傷以上)、航空機の墜落、衝突または火災、航行中の航空機
の損傷(大修理相当)等
(注2)航空事故には至らないものの、その恐れがあったと認められる事態。滑走路からの逸脱、非常脱出等
2021~2025年度JALグループ中期経営計画期間においては、航空利用に加え、日常・ライフステージでもあらゆ
るシーンで心地よい安心と世界トップレベルの顧客体験を実現するべく、デジタルの活用と様々な人・地域とのつ
ながりによって、パーソナライズされた価値を提案・提供してまいります。顧客満足評価指標については、NPS
(Net Promoter Score)を引き続き採用してまいります。
2020年度においては、国内線・国際線ともに新型コロナウイルスの 影響を強く受けました。一方、コロナ禍に
おいても的確できめ細やかなヒューマンサービスや、アジアで初めてSKYTRAX 「Covid-19 Safety Rating」 での最
高評価5star、APEX 「Health Safety Powered by SimpliFlying Audit」 での最高評価Diamondをダブルで受賞
(2021年3月)した感染症対策、安心の取り組みを中心に、顧客 評価は年度を通じて高く推移し、「2017~2020年
度JALグループ中期経営計画」にて2020年度までに達成するとしていた顧客満足目標を大きく上回る結果となりま
した。
2025年度までの目標 2020年度
指標
(2021年度期初対比) (2017年度期初対比)
NPS 国内線 +4.0ポイント +23.0ポイント
NPS 国際線 +4.0ポイント + 30.0ポイント
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(財務)
これまで築き上げた高い収益性と強固な財務安定性を兼ね備えつつ、成長に向けた積極的な投資および経営資源
の有効活用により常に成長し続けるために、「 EBITマージン(売上高利益率) 2023年度に10%以上を達成(以降向
上) 、 ROIC(投資利益率)2023年度に9%を達成(以降維持・向上) 、 EPS(1株当たり純利益) 2023年度 260円
(コロナ禍以前の水準)、2025年度 約290円レベル 」を目指します。
2020年度は未達成となっておりますが、 高い収益性と強固な財務安定性 を目指してまいります。
指標 2025年度までの目標
EBITマージン(売上高利益率) (注1) 2023年度に10%以上を達成(以降向上)
ROIC(投資利益率)(注2) 2023年度に9%を達成(以降維持・向上)
2023年度 260円(コロナ禍以前の水準)
EPS(1株当たり純利益)
2025年度 約290円レベル
(注1) EBITマージン=EBIT / 売上収益
(注2) 投資利益率(ROIC)=EBIT(税引後)/ 期首・期末固定資産平均
(サステナビリティ)
「環境」の目標について、「省燃費機材への更新」「運航の工夫」「持続可能な航空燃料(SAF)の活用」によ
りCO2排出量を削減するとともに、客室・ラウンジ、および空港・貨物において、お客さまに提供する使い捨てプ
ラスチックを削減することにより、豊かな地球を次世代に引き継ぐための環境保全に取り組んでまいります。
「地域社会」の目標について、地域に関する取り組みの事業化を図り、航空会社としての輸送力を活かして多く
の人々やさまざまな物の流動を創出し、地域活性化に取り組むことで、地域社会の発展に貢献してまいります。
「人」の目標について、女性社員の意思決定への参画をさらに促すほか、多様な人財の登用と活躍を推進し、誰
もがいきいきと輝ける社会の構築に貢献してまいります。
指標 2025年度までの目標
総排出量909万トン未満 (2019年度実績)
CO2削減
環境
お客さまに提供する使い捨て 客室・ラウンジ:新規石油由来全廃
プラスチック削減 空港・貨物 :環境配慮素材へ100%変更
地域社会 国内の旅客(注1)・貨物輸送量 2019年度対比 +10%
人 グループ内女性管理職比率 30%
(注1)観光需要喚起や新規流動の創造による旅客数の増分
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(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は次のと
おりです。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づ
く監査を受けておりません。
また、当要約連結財務諸表は、百万円未満切り捨てで記載しております。
①要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産の部
流動資産 506,062 564,913
固定資産
有形固定資産 997,807 913,776
無形固定資産 95,777 89,620
280,468 385,172
投資その他の資産
固定資産合計 1,374,053 1,388,569
資産合計 1,880,116 1,953,482
負債の部
流動負債 474,520 441,036
369,065 549,370
固定負債
負債合計 843,585 990,406
純資産の部
株主資本 1,068,345 950,057
その他の包括利益累計額 △66,965 △20,909
35,150 33,927
非支配株主持分
純資産合計 1,036,530 963,076
負債純資産合計 1,880,116 1,953,482
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②要約連結損益及びその他の包括利益計算書(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業収益 1,387,201 482,778
1,092,409 725,572
事業費
営業総利益(△は損失)
294,791 △242,794
販売費及び一般管理費 208,259 152,149
営業利益(△は損失)
86,532 △394,943
営業外収益
10,105 13,870
8,166 25,781
営業外費用
経常利益(△は損失)
88,471 △406,854
特別利益
3,220 965
9,278 17,275
特別損失
税金等調整前当期純利益(△は損失)
82,413 △423,165
法人税等合計 34,888 △119,999
当期純利益(△は損失)
47,525 △303,165
(内訳)
親会社株主に帰属する当期純利益(△は損失)
43,600 △301,983
非支配株主に帰属する当期純利益(△は損失)
3,924 △1,182
△45,812 46,015
その他の包括利益合計
包括利益 1,712 △257,150
(内訳)
親会社株主に係る包括利益 △2,076 △255,927
非支配株主に係る包括利益 3,789 △1,223
③要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益
株主資本 非支配株主持分 純資産合計
累計額
当期首残高 1,102,794 △21,287 33,238 1,114,745
当期変動額合計 △34,449 △45,677 1,912 △78,214
当期末残高 1,068,345 △66,965 35,150 1,036,530
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
その他の包括利益
株主資本 非支配株主持分 純資産合計
累計額
当期首残高 1,068,345 △66,965 35,150 1,036,530
当期変動額合計 △118,287 46,056 △1,223 △73,454
当期末残高 950,057 △20,909 33,927 963,076
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④要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー 60,030 △244,625
投資活動によるキャッシュ・フロー △221,573 △46,744
財務活動によるキャッシュ・フロー △30,135 369,462
△1,236 1,094
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
△192,914 79,186
現金及び現金同等物の期首残高 522,064 329,149
現金及び現金同等物の期末残高 329,149 408,335
⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(a)持分法の適用に関する事項
従来、持分法適用会社であった千歳空港給油施設株式会社、大阪空港交通株式会社および株式会社びゅうトラベル
サービスについては、保有株式譲渡に伴い、当連結会計年度より、持分法適用の範囲から除外しております。
(b)会計方針の変更に関する事項
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)お
よび「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)を当連結会計年度
から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込
まれる金額で収益を認識することといたしました。これにより、適用前においては顧客へ付与したマイレージの利用
による将来の費用負担額を「販売費及び一般管理費」として認識し、未利用のマイレージについて連結貸借対照表に
「営業未払金」として表示しておりましたが、マイレージプログラムを将来引き渡される物品またはサービスとして
個別に認識し、マイレージと交換される特典の履行義務に配分された取引価格を「契約負債」として収益から繰り延
べ、顧客のマイレージ利用に従い収益を認識しております。また、航空券発売時や有効期限到来時に認識していた一
部の収益について、航空券の条件や過去の傾向を考慮して見積もった適切なタイミングに収益を認識する方法に変更
しております。さらに、適用前は一時点で収益認識していた一部の取引について、役務提供の進捗に応じて一定期間
にわたり収益認識しております。当該会計方針の変更は、原則として遡及適用され、前連結会計年度については遡及
適用後の連結財務諸表となっております。
この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度における連結貸借対照表は、流動資産が19,932百万円減
少、投資その他の資産が40,686百万円増加、流動負債が116,059百万円増加し、利益剰余金が93,432百万円減少、非
支配持分が1,873百万円減少しております。前連結会計年度の連結損益計算書は、営業収益は24,029百万円減少し、
事業費が16,260百万円増加し、販売費及び一般管理費は26,190百万円減少し、営業利益、経常利益および税金等調整
前当期純利益がそれぞれ14,099百万円減少しております。
前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、連結株主資本等変動計算書の利益剰余金
の期首残高が83,626百万円減少しております。
(c)会計上の見積りの変更
退役を予定している一部の航空機、航空機エンジン部品および客室関連資産等について、将来の経済的使用可能予
測期間の見直しを行い、当連結会計年度において耐用年数を変更しております。この変更により、当連結会計年度の
営業損失、経常損失及び税金等調整前当期純損失がそれぞれ10,829百万円増加しております。
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(4)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこ
れらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 37.初度適用」に記載の
とおりです。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
①退職給付会計
当社グループでは、日本基準では退職給付制度の数理計算上の差異等について、発生時にその他の包括利益で認識
し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌年度から費用処理しておりましたが、
IFRSでは発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。また、日本基準においては、
退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と、年金資産に長期期待運用収益率を乗じて算定した期待運用収益
を使用しておりましたが、IFRSでは確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額に割引率を
乗じて算定した利息純額を使用し、財務費用として認識しております。これらの影響により、IFRSでは税引前損失が
7,951百万円減少しております。
②金融商品会計
日本基準においては有利子負債の調達取引コストを発生時に費用処理していましたが、IFRSでは調達取引コスト発
生時に有利子負債残高を減額し、当該有利子負債の返済期間にわたって財務費用として認識しております。また、資
本の調達取引コストについても日本基準においては発生時に費用処理していましたが、IFRSでは調達取引コスト発生
時に資本剰余金を減額しております。さらに、日本基準においては投資有価証券に係る売却等による損益を純損益に
計上していましたが、IFRSでは資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定
することが認められており、当該指定の資本性金融商品の売却等による損益を「その他の包括利益」として認識して
おります。これらの影響により、IFRSでは税引前損失が8,711百万円減少しております。
③資産除去債務
返却が決定した賃借航空機(オペレーティング・リース)の返却に伴う原状回復等の契約上の義務によるキャッ
シュアウトの見積りについて、日本基準では見積りが可能となった時点で費用計上する一方で、IFRSでは航空機、お
よび資産除去債務として認識し、返却時までにわたり減価償却費として費用計上しております。この影響により、
IFRSでは税引前損失が2,497百万円減少しております。
④表示組替
日本基準においては、発生した費用には、売上原価・販売費及び一般管理費・営業外費用・特別損失等に分類して
表示しておりましたが、IFRSでは費用性質法による表示に変更しております。
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4【経営上の重要な契約等】
重要な契約の内容
契約の名称
会社名 契約の内容 契約相手先 締結年月 契約期間 国名
または種類
航空機調達契約 ボーイング社製787型航空 ザ・ボーイング・カ 2005年
- 米国
(注) 機の発注に関する契約 ンパニー 5月
世界的な航空連合であるワ
ワンワールドマネジ
ンワールドへの加盟に際 2007年 解約しない
アライアンス メントカンパニー及 米国
し、基本的な規約事項を定 4月 限り継続
び加盟各社
めた契約
アメリカン航空 アメリカン航空との包括的 2010年 5年経過後
アメリカン航空 米国
との共同事業 な業務提携に関する契約 2月 は自動更新
航空機調達契約 エアバス社製A350型航空機 2013年
エアバス - 仏国
(注) の発注に関する契約 10月
日本航空
株式会社
航空機調達契約 三菱航空機社製MRJ90型航 2015年
三菱航空機株式会社 - 日本
(注) 空機の発注に関する契約 1月
ブリティッ
シュ・エアウェ ブリティッシュ・エアウェ ブリティッシュ・エ
英国
イズ、フィンラ イズ、フィンランド航空及 アウェイズ、フィン 2016年 当初5年間
フィンランド
ンド航空及びイ びイベリア航空との包括的 ランド航空及びイベ 10月 は解約不可
スペイン
ベリア航空との な業務提携に関する契約 リア航空
共同事業
マレーシア航空 マレーシア航空との包括的 2020年 5年経過後
マレーシア航空 マレーシア
との共同事業 な業務提携に関する契約 4月 は自動更新
(注)当該契約に基づく航空機の調達については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要
な設備の新設等」に記載しております。
5【研究開発活動】
「研究開発費等に係る会計基準」に合致する研究開発費を発生させる活動はありません。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資については、総額 88,308 百万円(無形資産含む。)です。
当社グループは、運航効率を改善するための新型航空機導入に関する設備投資や、多様化する顧客ニーズに対応す
るための競争力投資、利便性向上・効率化を目的としたシステム投資を含む無形資産に関する設備投資等を行ってお
ります。
当連結会計年度に実施した設備投資の主な内容は、航空機4機(エアバスA350-900型3機、ATR42-600型1機)の
新規購入および航空機購入のための前払金の支払いです。
また、次の主要な設備を売却しており、その内訳は次のとおりです。なお、売却したA350-900型3機は当連結会計
年度中に賃借航空機に変更しておりますが、連結財務諸表上は、IFRSに準拠して、売却および賃借として会計処理せ
ずに、引き続き航空機として認識しております。
会社名 設備の内容 売却時期
航空機 2020年4月
( エアバスA350-900型3機) 2020年4月
2020年4月
提出会社 2020年8月
(ボーイング777-200型2機)
2020年9月
2020年5月
(ボーイング767-300型3機) 2020年12月
2020年12月
航空機
日本エアコミューター株式会社 2021年2月
(SAAB340B型2機)
2021年3月
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2【主要な設備の状況】
(1)航空機
①提出会社 2021年3月31日
機種 機数(機) 座席数 帳簿価額(百万円)
エアバスA350型 4(4) 369席 121,332
ボーイング777型 37 236席~500席 49,923
ボーイング787型 46(3) 186席~291席 394,680
ボーイング767型 31 199席~261席 29,916
ボーイング737型 30(18) 144席~165席 73,421
エンブラエルERJ170/190型 32 76席~95席 55,716
その他の機材(予備原動機等) - - 49,566
合計 180(25) 774,556
(注)1.括弧内の数字はリース中のものを外数で示しております。
2. 当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用しており、使用権資産の帳簿価額を含めております。
3.航空機リース契約の概要は次のとおりです。
機種 機数(機) 契約相手先 リース期間(注)
賃借航空機 (リース)
エフティージュエルリーシング有限会社 他4社
エアバスA350型 4 2032年3月29日
エフシーグリーンリーシング有限会社 他4社
ボーイング787型 3 2031年1月28日
レッドクレインリーシング有限会社 他13社
ボーイング737型 18 2024年10月27日
(注)リース期間は当該機種の最終日を表示しております。
②国内子会社 2021年3月31日
帳簿価額
会社名 機種 機数(機) 座席数
(百万円)
ボーイング737-800型 13 39,236
日本トランスオーシャ 165席
その他の機材(予備原動機等)
ン航空株式会社 -
- 22
ATR42-600/72-600型 8(1) 48席~70席 7,400
日本エアコミューター
その他の機材(予備原動機等) - -
株式会社
1,500
株式会社ジェイエア その他の機材 - - 57
ボンバルディアDHC-8-400CC型 5 50席 0
琉球エアーコミュー
その他の機材(予備原動機等) -
ター株式会社
- 205
3,427
ATR42-600型 2 48席
株式会社北海道エアシ
SAAB340B型 3 36席 414
ステム
その他の機材(予備原動機等) - -
766
株式会社 ZIPAI
-
その他の機材 - -
R Tokyo
合計 31(1) 53,031
(注)1.括弧内の数字はリース中のものを外数で示しております。
2. 当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」を適用しており、使用権資産の帳簿価額を含めております。
3.航空機リース契約の概要は次のとおりです。
機種 機数(機) 契約相手先 リース期間(注)
賃借航空機 (リース)
ATR42-600型 1 但馬空港ターミナル株式会社 2033年7月19日
(注)リース期間は当該機種の最終日を表示しております。
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(2)事業所
①提出会社
2021年3月31日
帳簿価額(百万円)
事業所名 従業員数
機械装置及 土地 その他
設備の内容
(所在地) 建物及び (名)
び運搬具
(面積㎡) (注2) 合計
構築物
(注5) (注1) (注5)
本社等 737
15,678 7,618 6,420 30,455 10,822
(13,509)
[305,497]
本社他
事務所設備 332 1,984
(東京都品川区他)
羽田地区事業所
空港設備 -
10,303 8,776
(東京都大田区)
(-)
[102,592]
成田地区事業所
空港設備 -
2,722 62
(千葉県成田市)
(-)
[200,569]
その他 (注3) その他設備 2,319 737 0
(13,509)
[2,336]
国内事業所
支店・営業所 事務所設備及び
11,683 3,460 - 2,073 17,217 98
空港支店・空港所 空港設備
(-)
[128,424]
海外事業所
支店・営業所 事務所設備及び
9
854 125 299 1,288 2,867
空港支店・空港所 空港設備
(52)
[1,455]
(注)1.賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしております。
2.その他の資産には建設仮勘定を含んでおりません。
3.その他は主として厚生施設、社宅です。
4.金額に消費税等は含んでおりません。
5.「機械装置及び運搬具」等の事業所ごとの内訳については少額であるため記載を省略しております。
6. 帳簿価額は日本基準に基づく金額を記載しております。
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②国内子会社
2021年3月31日
帳簿価額(百万円)
事業所名 従業員数
会社名 設備の内容 機械装置 土地
(所在地) 建物及び その他 (名)
及び運搬 (面積㎡) 合計
構築物 (注2)
具
(注1)
-
日本トランスオーシャン航空株式会社 本社事業所等
空港設備
929 340 (-) 191 1,461 809
(沖縄県那覇市)
[19,731]
-
日本エアコミューター株式会社 本社事業所等
空港設備
716 1,129 (-) 269 2,114 394
(鹿児島県霧島市)
[11,360]
-
本社工場等
ジャルロイヤルケータリング株式会社
機内食設備 1,739 1,901 (-) 203 3,843 567
(千葉県成田市)
[26,347]
(注)1.賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしております。
2.その他の資産には建設仮勘定を含んでおりません。
3.金 額 に消費税 等は含んでおりません。
4. 帳簿価額は日本基準に基づく金額を記載しております。
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3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等
2021年3月31日
投資予定額
設備の内容 契約年月 受領予定時期
総額 既支払額
(百万円) (百万円)
2005年5月
2021年度 10機
1,064,784
航空機 122,748 ~
2022年度以降 49機
2015年1月
(注)1. 上記は当社の設備投資の計画です。当社は持続的な成長と資産効率向上の両立に向けて、常に設備投資の計
画を見直しており、今後の航空需要、当社の財務状況、航空機メーカーとの交渉状況等によって、具体的な
設備投資は上記と異なる可能性があります。
2.未支払の投資予定額942,036百万円は主に 自己資金および有利子負債等外部資金調達により充当予定です。
(2)重要な設備の除却等
2021年度中に、提出会社である日本航空株式会社は、ボーイング777型機19機、ボーイング767型機2機を売却する
予定です。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①株式の総数
種類 発行可能株式総数(株)
普通株式 700,000,000
第1種優先株式 12,500,000
第2種優先株式 12,500,000
第3種優先株式 12,500,000
第4種優先株式 12,500,000
計 750,000,000
(注)当社定款第6条に次のように規定しております。
「当会社の発行可能株式総数は、7億5000万株とし、各種類の株式の発行可能種類株式総数は、次のとおりとする。
普通株式 7億株
第1種優先株式 1250万株
第2種優先株式 1250万株
第3種優先株式 1250万株
第4種優先株式 1250万株」
②発行済株式
事業年度末現在発行数 提出日現在発行数
上場金融商品取引所
(株) (株)
種類 名又は登録認可金融 内容
(2021年3月31日) (2021年6月18日) 商品取引業協会名
完全議決権株式であり且つ、権利
東京証券取引所
内容に何ら限定のない当社の標準
437,143,500 437,143,500
普通株式
(市場第一部)
となる株式です。単元株式数は
100株です。
437,143,500 437,143,500 - -
計
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
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(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
発行済株式 発行済株式 資本準備金 資本準備金
資本金増減額 資本金残高
年月日 総数増減数 総数残高 増減額 残高
(百万円) (百万円)
(千株) (千株) (百万円) (百万円)
2017年3月22日
△8,988 353,715 - 181,352 - 174,493
(注1)
2018年5月23日
△4,687 349,028 - 181,352 - 174,493
(注2)
2019年11月8日
△5,818 343,210 - 181,352 - 174,493
(注3)
2020年3月13日
△6,067 337,143 - 181,352 - 174,493
(注4)
2020年11月25日
90,869 428,013 83,461 264,813 83,461 257,955
(注5)
2020年12月23日
9,130 437,143 8,386 273,200 8,386 266,341
(注6)
(注)1.2017年3月9日開催の取締役会決議に基づき、同年3月22日に自己株式8,988千株を消却し、発行済株式数が
8,988千株減少しています。
2.2018年4月27日開催の取締役会決議に基づき、同年5月23日に自己株式4,687千株を消却し、発行済株式数が
4,687千株減少しています。
3.2019年10月23日開催の取締役会決議に基づき、同年11月8日に自己株式5,818千株を消却し、発行済株式数が
5,818千株減少しています。
4.2019年10月31日開催の取締役会決議に基づき、2020年3月13日に自己株式6,067千株を消却し、発行済株式数
が6,067千株減少しています。
5.2020年11月6日開催の取締役会決議に基づき、2020年11月25日に公募による新株発行を行い、発行済株式数が
90,869千株増加しています。
6.2020年11月6日開催の取締役会決議に基づき、2020年12月23日に第三者割当による新株発行を行い、発行済株
式数が9,130千株増加しています。
(5)【所有者別状況】
2021年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満株
区分 外国法人等 式の状況
政府及び地 金融商品 その他の
金融機関 個人その他 計
(株)
方公共団体 取引業者 法人
個人以外 個人
株主数(人) 1 92 54 3,909 781 4,102 357,687 366,626 -
所有株式数
15 1,071,653 86,807 353,342 1,239,796 17,896 1,599,158 4,368,667 276,800
(単元)
所有株式数の
0.00 24.53 1.99 8.09 28.38 0.41 36.61 100 -
割合(%)
(注)自己保有株式136,217株は、「個人その他」の欄に1,362単元、「単元未満株式の状況」17株含まれております。
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(6)【大株主の状況】
2021年3月31日現在
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
総数に対する所有
氏名又は名称 住所
(株)
株式数の割合
(%)
日本マスタートラスト信託銀行
35,755,800 8.18
東京都港区浜松町2丁目11番3号
株式会社(信託口)
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海1丁目8-12 16,796,100 3.84
(信託口)
MSCO CUSTOMER
1585 Broadway New Yo
SECURITIES
rk, New York 10036, 9,178,003 2.10
(常任代理人 モルガン・スタ
U.S.A.
ンレーMUFG証券株式会社)
7,638,400 1.74
京セラ株式会社 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海1丁目8-12 7,073,400 1.61
(信託口5)
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海1丁目8-12 6,608,200 1.51
(信託口9)
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海1丁目8-12 6,271,100 1.43
(信託口6)
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海1丁目8-12 5,639,000 1.29
(信託口1)
東京都千代田区丸の内1丁目9-1 5,000,000 1.14
株式会社大和証券グループ本社
株式会社日本カストディ銀行
東京都中央区晴海1丁目8-12 4,485,800 1.02
(信託口2)
- 104,445,803 23.90
計
(注)1.上記株主の所有株式数には、信託業務または株式保管業務に係る株式数が含まれている場合があります。
2. 発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点第3位以下を切捨処理しており
ます。
3.三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 およびその共同保有者から、2020年12月22日付で提出され
た大量保有報告書により、2020年12月15日現在で次のとおり株式を保有している旨の報告を受けております
が、当社として2021年3月31日現在における実質所有株式の確認ができませんので、上記大株主の状況には含
めておりません。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏 名 又 は 名 称
(株) (%)
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 14,826,900 3.46
日興アセットマネジメント株式会社 6,987,300 1.63
合 計 21,814,200 5.10
4.野村證券株式会社およびその共同保有者から、2021年3月4日付で提出された変更報告書により、2021年2月
26日現在で次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として2021年3月31日現在にお
ける実質所有株式の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏 名 又 は 名 称
(株) (%)
野村證券株式会社 1,023,167 0.23
ノムラインターナショナルピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)
470,074 0.11
野村アセットマネジメント株式会社 18,396,200 4.21
合 計 19,889,441 4.55
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5.ブラックロック・ジャパン株式会社およびその共同保有者から、2020年5月21日付で提出された変更報告書に
より、2020年5月15日現在で次のとおり株式を保有している旨の報告を受けておりますが、当社として2021年
3月31日現在における実質所有株式の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
保有株券等の数 株券等保有割合
氏 名 又 は 名 称
(株) (%)
1.13
ブラックロック・ジャパン株式会社 3,795,200
ブラックロック・アセット・マネジメント・アイルランド・リミテッド
744,911 0.22
(BlackRock Asset Management Ireland Limited)
ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ(BlackRock Fund Advisors)
3,741,300 1.11
ブラックロック・インスティテューショナル・トラスト・カンパニー、エヌ.エイ
2,384,807 0.71
(BlackRock Institutional Trust Company,N.A)
ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)リミテッド
734,562 0.22
(BlackRock Investment Management(UK)Limited)
合 計 11,400,780 3.38
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(7)【議決権の状況】
①発行済株式
2021年3月31日現在
株式数(株) 議決権の数(個)
区分 内容
- - -
無議決権株式
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
(自己保有株式)
136,200
普通株式
完全議決権株式(自己株式等) - -
(相互保有株式)
30,600
普通株式
完全議決権株式であり且つ、権
利内容に何ら限定のない当社の
完全議決権株式(その他) 436,699,900 4,366,999
普通株式
標準となる株式であり、単元株
式数は100株です。
276,800 - -
単元未満株式 普通株式
437,143,500 - -
発行済株式総数
- 4,366,999 -
総株主の議決権
(注)「単元未満株式」の「株式数(株)」欄には、自己保有株式17株が含まれております。
②自己株式等
2021年3月31日現在
発行済株
式総数に
自己名義所 他人名義所 所有株式数
対する所
有株式数 有株式数 の合計
所有者の氏名又は名称 所有者の住所
有株式数
(株) (株) (株)
の割合
(%)
(自己保有株式)
136,217 - 136,217 0.03
東京都品川区東品川2丁目4番11号
日本航空株式会社
(相互保有株式)
東京都大田区羽田空港1丁目7-1 30,000 - 30,000 0.01
株式会社エージーピー
(相互保有株式)
600 - 600 0.00
岩手県花巻市東宮野目第2地割53番地
岩手県空港ターミナル
ビル株式会社
- 166,817 - 166,817 0.04
計
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(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社役員に対する業績連動型株式報酬制度について
当社は、2017年6月22日開催の定時株主総会にて「取締役の金銭による報酬等の額改定および業績連動型株式
報酬制度導入の件」が原案どおり承認可決されたことを受けて、2017年7月1日より、取締役(社外取締役を
除く)を対象に、当社の中長期的な企業価値の持続的向上および株主との利害の共有をより一層促進することを
目的として業績連動型株式報酬制度を導入いたしました。
①制度の概要
業績連動型株式報酬制度(以下、本株式報酬制度)は、毎期、対象取締役に対して、終了した直近の連続す
る3事業年度(以下連続した3事業年度を「業績評価期間」といいます。なお、1事業年度が終了する毎に次
の事業年度を初年度として連続する3事業年度を対象とする業績評価期間が開始され、2019年度以降の任意
の一時期には3つの業績評価期間が併存することになります。)における当社の業績等の結果に応じて、当該
業績評価期間内の各対象取締役の職務執行の対価として、業績評価期間終了の翌事業年度に(ただし、下記
④bの場合には、取締役退任後相当期間内に)金銭報酬債権を付与し、当社が各対象取締役から当該金銭報酬
債権の全部を現物出資財産として給付を受けることにより、当社普通株式を交付する(ただし、下記④bの場
合には、当社普通株式の交付に代えて金銭を支給する)ものです。普通株式の交付は、当社による株式の発行
または自己株式の処分のいずれかの方法によります。
本株式報酬制度による金銭報酬債権の付与は、2017年度を初年度とし終了年度を2019年度とする業績評
価期間より、毎期行うこととします。
なお、対象取締役に対しては、本株式報酬制度により交付を受けた当社普通株式について、一定の売却制限
が課されます。
本株式報酬制度は、対象取締役に対して当社の業績等の目標に対する達成度合い等および当社株式の株価の
変動に見合う価値相当分の当社普通株式(またはこれに代わる金銭)を交付することにより、当社の中長期的
な企業価値の持続的向上および株主との利害の共有をより一層促進することを目的とするものです。
②本株式報酬制度に係る金銭報酬債権の報酬額の算定方法および上限
各対象取締役に支給する金銭報酬債権の報酬の額は、下記④bに定める場合を除き、下記③に定める個人別
交付株式数に1株あたりの払込金額を乗じた金額とします。
[各対象取締役に支給する金銭報酬債権の報酬額=個人別交付株式数×1株あたりの払込金額]
1株あたりの払込金額は、当社普通株式の交付を決議する取締役会の開催日の前営業日における東京証券取
引所における当社普通株式の終値等払込期日における当社普通株式の公正な価格とし、以下の払込金額上限値
を上限とします。
(払込金額上限値)
払込に充てられる金銭報酬債権が対価となる職務執行の対象期間である業績評価期間の満了時点から起算し
て前後各3か月間(計6か月間)の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の最高値
金銭報酬債権の報酬の各業績評価期間あたりの総額(下記④bに定める場合の金銭報酬債権の報酬の額を含
む。)は、下記③に定める1業績評価期間あたりの「上限交付株式数」に、1株あたり上記の払込金額上限値
を乗じた額を上限とします。
[金銭報酬債権の報酬の総額の上限=上限交付株式数×払込金額上限値]
③対象取締役に交付する当社普通株式の数の算定方法および上限
各対象取締役に交付する当社普通株式の数(以下「個人別交付株式数」といいます。)の算定方法は次のと
おりとし、その総数の上限(以下「上限交付株式数」といいます。)は、1業績評価期間あたり、100,000株
(注)といたします。
(注) 2017年3月末日現在の発行済み株式総数353,715,800株の約0.03%
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(個人別交付株式数の算定方法)
個人別交付株式数は、基準交付株式数に、業績評価期間における当社の業績等の目標に対する達成度合い等
に基づく業績評価係数を乗じることにより算定されます。
[個人別交付株式数=基準交付株式数×業績評価係数]
なお、当該算定方法によって算定された個人別交付株式数の総数が、上限交付株式数を超えるおそれがある
場合には、上限交付株式数を超えない範囲で、各対象取締役に対して交付する株式数を案分比例等の合理的な
方法により減少させます。
基準交付株式数は、取締役の役位ごとに定められる基準額を業績評価期間の開始日前1か月間の東京証券取
引所における当社普通株式の普通取引の終値の平均値(1円未満の端数は切り上げ)で除した数といたしま
す。また、業績評価係数は、業績評価期間における中期経営計画で重視する経営指標等の業績の目標に対する
達成度合い等の結果に基づき算定されます。
④対象取締役に対する当社普通株式の交付要件等
a.業績評価期間中の在任を要件として、当社普通株式を交付いたします。
業績評価期間中に新たに対象取締役に就任した場合または対象取締役が任期満了により退任した場合に
おいては、各業績評価期間に対する在任期間に応じて当社普通株式を交付いたします。
b.業績評価期間中に対象取締役が死亡または疾病・障害などやむを得ない事由として当社が認める事由に
よる辞任により退任した場合は、退任後相当期間内に、退任前に終了した事業年度までの業績評価等に
基づきかつ在任期間に応じて算定される個人別交付株式数に付与を決議する取締役会の開催日における
当社普通株式の1株あたりの公正な価格を乗じた金額の金銭報酬債権を付与し、当該普通株式の交付に
代えて、当該金銭報酬債権の額の金銭を支給することといたします。
なお、本株式報酬制度における在任期間は、2017 年6月22日開催の定時株主総会後の2017 年7月1日か
ら起算することとし、本株式報酬制度導入前から対象取締役に就任している取締役についても、2017 年6月
22日開催の定時株主総会終結の時 をもって新たに対象取締役に就任したものとして本株式報酬制度における在
任期間を計算いたします。
⑤株式分割・併合における取扱い
業績評価期間中に、株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む。以下同じ。)・併合が発生する場合
には、分割・併合の比率に応じて対象取締役に対する「個人別交付株式数」「上限交付株式数」を調整いたし
ます。
(ご参考)
当社は、2017年6月22日開催の定時株主総会で「取締役の金銭による報酬等の額改定および業績連動型株式報
酬制度導入の件」が原案どおり承認可決されたことを受けて、当社の取締役を兼務しない執行役員に対しても、
同様の業績連動型株式報酬制度を導入いたしました。なお、対象取締役および執行役員を合わせた1業績評価期
間あたりの上限交付株式数は、290,000株(注)といたします。
(注) 2017年3月末日現在の発行済株式総数353,715,800株の約0.08%
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号に該当する普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 60 150,300
当期間における取得自己株式 - -
(注)当期間における取得自己株式には、2021年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り
による株式は含まれておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(百万円) (百万円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る
- - - -
移転を行った取得自己株式
その他 - - - -
保有自己株式数 136,217 - 136,217 -
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3【配当政策】
当社は、株主の皆さまへの還元を経営の最重要事項のひとつとしてとらえており、将来における企業成長と経営環
境の変化に対応するための投資や強固な財務体質構築に資する内部留保を確保しつつ、継続的・安定的な配当に加
え、自己株式の取得を柔軟に行うことで、株主の皆さまへの還元を積極的に行うことを基本方針としております。
配当金額については、配当性向を概ね35%程度を目安としつつ、継続性・安定性および予測可能性を重視して決定
してまいります。加えて、自己株式の取得については、当社の財務状況等を見据え、積極的かつ柔軟に実施を検討い
たします。これにより、当社はステークホルダーの皆さまへの期間利益および経営資源の適切な配分を実施すること
で、配当金総額と自己株式取得額の合計額を踏まえた総還元性向について、概ね35%から50%程度の範囲となるよう
努めてまいります。
また、資本効率の向上にも継続的に取り組み、配当金総額と自己株式取得額の合計額を株主に帰属する資本で除し
た「株主資本総還元率」の水準にも留意し、同指標については概ね3%以上となるよう努めてまいります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大については、短期的には当社グループの業績に大きな影響を及ぼすものの、
一時的な要因であり、当社の収益構造に構造的な変化をもたらすものではないため、上述の株主還元に関する基本的
な考え方を変更する予定はございません。
しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化により当社の属する航空業界は甚大な影響を受けてお
り、当連結会計年度のEBITは△3,983億円と大幅な損失を計上することとなりました。また、2022年3月期の状況も
見通せない状況が続いております。
このような状況を踏まえると、今は手元流動性の確保と財務健全性を維持することを優先することが適切であると
判断 し、当期の期末配当については無配とさせていただきました。株主の皆さまには大変申し訳なく思っております
が、当社グループが現在置かれている状況に鑑み、ご理解を賜りたく存じま す。また、現時点においては、航空旅客
需要の回復時期が不透明であり、2022年3月期の業績を見通すことが極めて困難であるため、2022年3月期の配当予
想については未定とさせていただきます。配当予想についても、状況が見通せるようになった段階でお示しすること
といたします。
新型コロナウイルス感染拡大が収束を迎え、日本および世界の航空需要が回復し、当社グループの業績が回復基調
に戻った段階で、その時および将来の財務状況やキャッシュ・フローの状況等を踏まえて、再び継続的かつ安定的な
株主還元の実現に努めてまいります。
なお、当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる。」旨を定款
に定めております。
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
JALグループは、輸送分野における安全のリーディングカンパニーとして存立基盤である安全運航を堅持しつ
つ、お客さまに最高のサービスを提供するとともに、公正な競争を通じて良い商品を提供し適正な利益を得るとい
う経済的責任を果たすことにとどまらず、広く社会の一員としてその責務を果たし貢献する企業グループであるこ
とを念頭に事業を展開します。
このことをふまえ、JALグループは、企業理念「全社員の物心両面の幸福を追求し、一、お客さまに最高のサー
ビスを提供します。一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。」のもと、「JALフィロソフィ」を定
め、適切な経営判断を迅速に行うと同時に、高い経営の透明性と強い経営監視機能を発揮するコーポレート・ガバ
ナンス体制を確立し、企業価値の向上に努め、説明責任を果たします。
取締役会は、会社法、関連法令および定款に次ぐ重要なものとして「コーポレート・ガバナンスの基本方針」を
定め、コーポレート・ガバナンスを確立し、少なくとも年1回見直しを行います。
② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
意思決定の迅速化を図る観点から、当社は執行役員制度を採用しており、取締役9名(うち女性1名)、取締役
兼務者を除く執行役員27名(うち女性4名)の体制となっております。
〔業務執行責任者に対する監督・牽制の強化〕
≪取締役会≫
1.取締役会
取締役会は、企業価値向上のため、取締役候補および監査役候補の選任、執行役員の選任、報酬の決定、ならび
に重要な意思決定を通じて、高い経営の透明性と強い経営監視機能を確保します。
また、取締役会は、経営監視機能と業務執行機能を明確化し、執行役員を兼務しない取締役から取締役会議長を
選任するとともに、3名以上の適切な人数の独立性の高い社外取締役候補を選任します。社外取締役は適切な助言
機能を発揮します。
取締役会は、効率的な意思決定を行うため、取締役会にて決議した「決裁および職務権限に関する規程」に基づ
き、職務権限基準表に定める事項に関する意思決定を社長に委ねています。また、取締役会および社長による適切
かつ機動的な意思決定に資することを目的として経営会議を設置しています。
なお、取締役会議長については、取締役会会長が務めております。
2020年度は20回開催いたしました。
2. 取締役会の実効性確保
取締役会は、取締役会議長と社外取締役で構成する「コーポレート・ガバナンス委員会」を設置し、毎年、各取
締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会の実効性を評価し、運営等について適切に見直しを行い、その結果
の概要を開示します。
3.取締役
取締役に対しては、法的留意事項等を説明し、「忠実義務」「善管注意義務」を含む取締役の義務について周知
徹底を図るとともに、社内取締役に対しては、社外研修や外部団体への継続的参加等の機会を提供します。取締役
の任期は1年として、各事業年度に対する経営責任の明確化を図ります。また、取締役(社外取締役を除く)の報
酬については、持続的な成長に向けた健全なインセンティブとなる報酬制度を導入しています。
社外取締役は、その多様性確保に留意し、さまざまな分野に関する豊富な経験と高い見識や専門知識を有する者
から選任するとともに、当社の定める社外役員の「独立性基準」(後述)に基づき、実質的な独立性を確保し得な
い者は社外取締役として選任いたしません。また、社外取締役のうち1名を筆頭独立社外取締役として選任し、監
査役ならびに社内各部門との連携強化を図ります。
社外取締役については、当社に対する理解を深めるため、現場の視察に加え、御巣鷹山慰霊登山、安全啓発セン
ターの見学等の安全に関する教育を行います。また、必要に応じて、付議議案の事前説明を実施するとともに、そ
の他の要望事項について説明する機会を設けます。
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≪監査役および監査役会≫
1.監査役
監査役は、取締役会その他重要な会議に出席するほか、重要な決裁書類等の閲覧により、会社経営および事業運
営上の重要事項ならびに業務執行状況を監査します。また、監査役室スタッフとともに、各事業所、子会社に毎年
監査を行い、その結果を代表取締役に報告します。さらに内部監査部門や会計監査人との情報交換にも努めるほ
か、子会社の監査役との会議を定期的に開催し、グループ全体での監査の充実強化を図ります。
当社は、監査役に対しては、会社情報を提供するとともに、社内監査役に対しては、社外研修や外部団体への継
続的参加等の機会を提供します。
社外監査役は、さまざまな分野に関する豊富な知識、経験を有する者から選任するとともに、当社の定める社外
役員の「独立性基準」(後述)に基づき、実質的な独立性を確保し得ない者は社外監査役として選任いたしませ
ん。社外監査役は、他の監査役とともに内部監査部門、会計監査人と連携し、より中立的、客観的な視点から監査
を実施することにより、経営の健全性を確保します。
社外監査役については、当社に対する理解を深めるため、現場の視察に加え、御巣鷹山慰霊登山、安全啓発セン
ターの見学等の安全に関する教育を行います。また、必要に応じて、付議議案の事前説明を実施するとともに、そ
の他の要望事項について説明する機会を設けます。
2.監査役会
監査役会は、取締役の職務の執行の監査、会計監査人の選解任や監査報酬に係る権限の行使などの役割・責務を
果たすに当たって、株主に対する受託者責任をふまえ、独立した客観的な立場において適切な判断を行います。
なお、監査役会議長については、 鈴鹿 靖史 常勤監査役が務めております。(※1)
2020年度は、14回開催いたしました。
〔経営の透明性の確保と情報開示〕
1. コーポレート・ガバナンス委員会
コーポレート・ガバナンス委員会は、JALグループ「コーポレート・ガバナンスの基本方針」について、少なく
とも年1回取り組み状況を確認し、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであるかどうか
分析・評価し、取締役会に必要な答申・報告を行います。コーポレート・ガバナンス委員会は取締役会議長と社外
取締役で構成し、委員長は筆頭独立社外取締役とします。当委員会の構成員は次のとおりです。(※1)
委員長:小林 栄三(筆頭独立社外取締役)
委 員:植木 義晴、伊藤 雅俊、八丁地 園子 (※2)
2020年度は、2回開催いたしました。
2.指名委員会
取締役候補および監査役候補の選任に関する議案を株主総会に提出する場合、指名委員会は、取締役会から諮問
を受け、当該候補の人格、知見、能力、経験、実績等を総合的に判断し、取締役会に答申します。また、指名委員
会は、社長等に求められる資質を、「安全運航がJALグループの存立基盤であることを肝に銘じ、JALフィロソフィ
を自ら先頭に立ち実践することで、全社員とともに企業理念の実現に向け着実な成果を上げられるもの」と定める
とともに、社長等の候補人財については、実践的かつ多様な経験をさせることを通じて、早期に経営に必要な素養
を身に着けることができるようにします。
さらに、経営陣幹部に、法令違反、ハラスメント、取締役会軽視等、その資質を問うべき状況があると認められ
た場合は、取締役会等における取締役による申し立てに基づき、直ちに当事者を除く指名委員会メンバー等が調査
を行います。指名委員会等は、その結果を取締役会に答申し、取締役会にてその後の処遇を決議します。指名委員
会は社長と取締役会の決議で選定された4名以内の取締役で構成し、過半数は社外取締役とします。委員長は社外
取締役より選定します。当委員会の構成員は次のとおりです。(※1)
委員長:小林 栄三(社外取締役)
委 員:赤坂 祐二、清水 新一郎、伊藤 雅俊、八丁地 園子 (※2)
2020年度は、6回開催いたしました。
3.報酬委員会
報酬委員会は、取締役、執行役員および監査役の報酬に関して、取締役会からの諮問事項について協議し、その
結果を取締役会に答申します。報酬委員会は社長と取締役会の決議で選定された4名以内の取締役で構成し、過半
数は社外取締役とします。委員長は社外取締役より選定します。これらにより報酬決定プロセスの透明性と公正性
を担保します。当委員会の構成員は次のとおりです。(※1)
委員長:小林 栄三(筆頭独立社外取締役)
委 員:赤坂 祐二、清水 新一郎、伊藤 雅俊、八丁地 園子 (※2)
2020年度は7回開催いたしました。
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4.人事委員会
執行役員の選任および解任を行う場合、取締役会は、人事委員会に諮問し、その答申をふまえ、決議します。人
事委員会は社長と取締役会の決議で選定された4名以内の取締役で構成し、過半数は社外取締役とします。委員長
は社長とします。当委員会の構成員は次のとおりです。(※1)
委員長:赤坂 祐二(代表取締役社長執行役員)
委 員:清水 新一郎、小林 栄三、伊藤 雅俊、八丁地 園子 (※2)
2020年度は、4回開催いたしました。
5.役員懲戒委員会
取締役および執行役員の懲戒を行う場合、役員懲戒委員会で決定します。役員懲戒委員会は社長と取締役会の決
議で選定された4名以内の取締役で構成し、過半数は社外取締役とします。委員長は社外取締役より選定します。
なお、株主総会への取締役解任議案の提出等については取締役会の決議を要するものとします。当委員会の構成員
は次のとおりです。(※1)
委員長: 八丁地 園子(社外取締役)
委 員: 赤坂 祐二、清水 新一郎、 伊藤 雅俊、小林 栄三(筆頭独立社外取締役) (※2)
2020年度は、開催しておりません。
なお、上記委員会のほか、独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図るべく、独立役員のみを構成
員とする意見交換の場を必要に応じて開催します。
(※1)監査役会議長、各委員長の氏名及び役職、各委員の氏名については、2021年6月17日の株主総会開催前
の時点を記載しております。
(※2)小林 栄三、伊藤 雅俊、八丁地 園子は社外取締役です。
6.情報開示
ステークホルダーが容易にJALグループの企業姿勢を閲覧できるよう、「コーポレート・ガバナンスの基本方
針」をはじめとして、企業理念、経営戦略、経営計画等のさまざまな情報を当社ウェブサイトに掲載します。ま
た、財務情報やCSR活動を統合して報告する「JAL REPORT」を毎年発行します。
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ガバナンスに関するその他の機関は次のとおりで当社内に設置しております。
・経営会議
取締役会および社長による適切かつ機動的な意思決定に資することを目的とした機関とし、取締役会決議案件お
よび社長決裁案件のうち経営会議による確認が必要なものの審議を行います。
・ グループ安全対策会議
JALグループ全体の航空安全を確保し、安全管理を推進することを目的とし、JALグループの理念・方針に基づ
き、安全管理に関する重要な方針の決定、安全管理体制の実態把握および体制の定期的な見直し、日常運航上安全
に係る対応の決定などを行います。
・グループ リスクマネジメント会議
リスクを総括的に管理し、JALグループ経営の安定化を図ることを目的とし、リスクマネジメントの基本方針の
策定・定期的なリスク評価・対応策の策定および事業継続マネジメントなどを行います。
・JALフィロソフィ会議
JALフィロソフィの浸透を推進することを目的とし、取り組みの基本方針策定、諸施策の立案・実施、およびそ
の進捗管理を行います。
・グループ業績報告会
JALグループの各社・各部門の「業績」を共有するとともに、業績向上のために検討することを目的としていま
す。
・グループ運営会議
JALグループの重要経営案件に関する進捗確認・対応策の策定のための討議、および重要な情報の報告を行いま
す。
〔JALフィロソフィ教育〕
社長は、「JALフィロソフィ」をJALグループに浸透させるため、自らを含め、JALグループの役員および社員を
対象としたJALフィロソフィ教育を適宜実施します。
〔株主との建設的な対話に関する方針〕
当社は、株主総会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主の視点に立って、招集通知等での正確
な情報を十分な検討期間を確保して提供するとともに、株主総会における分かり易い情報提供を行い、株主が適切
な権利行使ができる環境を整えます。
また、当社は、代表取締役、財務・経理担当役員等が積極的に対話に臨み、経営戦略・事業戦略・財務情報等に
ついて、公平性・正確性・継続性を重視し、次の方針の下、双方向の良好なコミュニケーションを図るIR(インベ
スター・リレーションズ)活動を展開します。
1.財務・経理担当役員、総務担当役員を株主との対話を統括する経営陣として指定しています。
2.当社は、財務部において、情報の収集および管理、開示を統括する責任者およびそれらを実施する担当者を配
置し、関連部署と連携しながら、適時かつ公正・適正に情報開示を行っています。
3.当社は、四半期決算および経営計画公表時には決算および経営計画説明会を開催するとともに、「JAL
REPORT」、「株主の皆さまへ」の発行および施設見学会の開催等により、投資機会の促進と情報開示の充実に努
めています。
4.経営に株主意見を反映するため、株主との対話の結果については、適宜経営陣へのフィードバックを行い、経
営陣は株主からの要望や意見、問題意識を共有しています。
5.当社では決算情報の漏えいを防ぎ、公平性を確保するために、当社の業況や決算に係る問合わせへの回答やコ
メントを一切行わないサイレントピリオドを設定するとともに公表しています。また、社内で、情報の統括管理
およびインサイダー情報の管理に努めています。
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③内部統制システムの整備および運用状況(2021年3月31日現在)
〔 内部統制システムの整備状況(基本方針) 〕
JALグループは、お客さまに最高のサービスを提供し、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献するために、
「コーポレート・ガバナンスの基本方針」を定め、その実効性の向上を目指し、以下に述べる体制や事項に関して
制度や組織を整え、会社法および会社法施行規則に基づく業務の適正性を確保します。また、内部統制システムの
整備・運用状況を評価検証し、是正が必要な場合は改善措置を講じることとします。
1.取締役、使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制を整備します。
a.企業の行動指針である「JALフィロソフィ」を制定し、取締役・使用人にその実践を促します。
b.取締役会が「内部統制システムの基本方針」を決定し、総務部が内部統制システムの整備を推進します。
c.リスク管理部がコンプライアンスに係る業務を統括し、関連規程の整備および運用状況をモニタリングしま
す。
d.取締役・使用人の職務執行が法令等に適合することを確保するための監査体制を整えます。
2. 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制を整備します。
取締役の職務の執行に係る情報は、法令および社内規程に従い、適切に保存・管理します。
3. 損失の危険の管理に関する規程その他の体制を整備します。
JALグループ全体のリスクを管理するために、「グループ安全対策会議」「リスクマネジメント会議」「財務リ
スク委員会」等を設置し、適切にリスクを管理し、損失の危険の発生を未然に防止します。また、「JALグループ
内部統制要綱」等を制定し、総務部が業務の適正性を継続的にモニタリングします。
4. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備します。
a.定例取締役会を月1回開催するとともに、必要に応じて臨時開催し、JALグループの経営方針・計画等に係る
重要な意思決定を行います。また、「経営会議」「グループ業績報告会」等の会議体を設置し、取締役の職務
の執行の効率性を確保します。
b.社内規程により、職務権限、職制権限、業務分掌等を定め、効率的な職務執行を確保するための分権をしま
す。
5.JALグループにおける業務の適正を確保するための体制を整備します。
a.「JALグループ会社管理規程」を制定し、JALグループ各社が「JALフィロソフィ」に基づいて公正かつ効率的
に経営を行う体制を確保します。また、「JALグループ内部統制要綱」を制定し、総務部が業務の適正性を継
続的にモニタリングします。
b.JALグループ各社の取締役等の職務の執行に係る事項の会社への報告に関する体制を整備します。
c.JALグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制を整備します。
d.JALグループ各社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備します。
e.JALグループ各社の取締役等および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体
制を整備します。
6. 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人
の取締役からの独立性に関する事項、監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項を整備しま
す。
7.監査役への報告等に関する体制を整備します。
a.取締役および使用人が監査役に報告するための体制を整備します。
b.JALグループ各社の取締役、監査役、使用人またはこれらの者から報告を受けた者が監査役に報告をするため
の体制を整備します。
c.報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制を整備
します。
8. 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用
または債務の処理に係る方針に関する事項を整備します。
9. その他監査役会または監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備します 。
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〔 内部統制システムの運用状況 〕
1.取締役、使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制を整備します。
a.「JALフィロソフィ」およびJALグループ行動規範「社会への約束」を定め、教育等を通じてその浸透・実践を
促進しています。
b.「内部統制システムの基本方針」および「JALグループ内部統制要綱」を定め、会社法および金融商品取引法
の内部統制の整備・運用および評価を適切に行っています。
c.内部通報窓口(社内・社外)を設置し、法令違反等の発生防止に努めるとともに、定期的に社内周知を実施し
ています。
d.新規取引先候補の属性確認を実施しているほか、3年ごとに定期審査として属性情報に変更がないかレビュー
を行っています。 2020年度においては、社外窓口の24時間化を開始しました。
e.取締役に対し、法的留意事項等を説明し、「忠実義務」「善管注意義務」を含む取締役の義務、権限および責
任について周知徹底を図っています。また使用人等に対し、職務執行に必要な知識習得のための教育を実施
し、周知徹底を図っています。
f.監査部は、年度計画に基づき、「JALグループ内部統制要綱」に定められた内部管理体制の整備および運用状
況を確認しています。各監査ごとに、経営者へ監査結果を報告し、監査役には定期的に、監査の進捗状況、監
査結果を報告しています。
g.整備監査部は、各種法令、社内規程に従った整備業務が実施されていることを確認しています。
h. 安全監査部は、グループ安全対策会議に出席し、当会議提出資料等の確認を通じて、経営の安全に係る討議、
関与、指示等を確認しています。また、各生産本部および安全推進本部、各空港に対する内部監査を実施して
います。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制を整備します。
a.取締役会そのほかの重要な会議の意思決定に係る情報(文書・議事録)および重要な決裁に係る情報(稟議
書)は、法令および取締役会規程・各種会議体規程・決裁及び職務権限に関する規程に従って作成し、法令お
よび文書保管・保存規程に基づき保存・管理しています。
b.電子稟議システムを安全に管理し、適切な運用に努めています。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制を整備します。
a. 「JAL グループ内部統制要綱」および「リスクマネジメントマニュアル」に基づき、多様に変化するリスクに
対処できるよう、リスクの定義・評価手法・対応体制等を適切に見直しつつ、JAL グループ全体の法令遵守状
況を含むリスクの洗い出しを、定期的に実施し、グループが抱える潜在・顕在のリスクを抽出して評価を行い
ます。なお、事業改善命令に関する社内検証委員会で認識した諸課題に関する取り組みの進捗をグループリス
クマネジメント会議に報告しています。
また、グループ全体の航空安全の確保のため、グループ安全対策会議において、安全管理に係る重要な方針の
策定を行い、実態把握に努め、必要に応じてその組織、体制、各種施策等の見直しを行っています。
2020年度においては、優先リスクに対して、コントロールセルフアセスメント(所定の方法による自己評価・
対応計画書の作成)およびリスクコンサルティングを行い、課題と対策を見出し脆弱性を改善するとともに、
その内容をグループリスクマネジメント会議・取締役会に報告することを通じて、経営によるリスクに関する
監督を強化しています。
b.不測の事態に備え、安否確認システムを活用したJALグループ全体を対象とした通報訓練を定期的に実施する
など、常日頃より社員一人一人の危機管理意識の醸成と社員に関する早期の状況把握に努めています。
c. 本社中枢機能が集約されている都心における直下型地震を想定し、大阪にオペレーションコントロールセン
ター分室を設置するとともに、外部専門家の知見も活用しつつ、より実効性のある事業継続計画の拡充および
訓練に取り組んでいます。
d.航空事故・事件の発生時に迅速かつ的確な危機管理対応を実施できるよう、体制を強化し、事故ご被災者・ご
遺族との窓口となる世話役や事故対策本部の要員を継続して養成しています。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備します。
a.適切な経営判断を迅速に行うため、社長直下の経営会議体として、「経営会議」「グループ業績報告会」等を
設置しています。
b.職制規程により、会社の職制について基本事項を明確化し、会議体規程、決裁及び職務権限に関する規程、業
務分掌規程に基づき、効率的に職務が執行できるようにしています。
c.取締役会の実効性評価等を通じて、職務権限と会議体の運営方法を毎年レビューするとともに、持続的な成長
に向けて、戦略的な討議を実現する環境を整備しています。
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5.JALグループにおける業務の適正を確保するための体制を整備します。
a.「JALグループ会社管理規程」および「JALグループ内部統制要綱」を制定し、総務部が主体となり業務の適正
性をモニタリングしています。
b. グループ会社の経営に携わる取締役等が自らの責任・役割を再認識し、効率的かつ公正な経営を行うための支
援を行っています。2020年度においては、グループガバナンスの強化の視点から、内部統制を強化するための
体制整備を行っています。
c.日常的に、JALグループ各社の総務部門と連携・情報共有し、コンプライアンスおよびリスクマネジメント指
導を行っているほか、発生した事案の処理・再発防止策策定を通じて各社各部門のコンプライアンス・リスク
マネジメント体制強化に資する指導を重ねています。
d. 拡大業績報告会等を通じ、JALグループ中期経営計画や年度運営方針の重点項目を確認し、目標達成に向けた
取り組みが確実に実行されていることをモニタリングし、指導・支援を行っています。
e.「JALフィロソフィ」およびJALグループ行動規範「社会への約束」を定め、教育等を通じてその浸透・実践を
促進しています。
f.監査部は適切に監査しています。
g.整備監査部は各種法令、社内規程に従った整備業務が実施されていることを確認しています。
h. 安全監査部は、グループ安全対策会議に出席し、当会議提出資料等の確認を通じて、経営の安全に係る討議、
関与、指示等を確認しています。また、各生産本部および安全推進本部、各空港に対する内部監査を実施して
います。
6.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人
の取締役からの独立性に関する事項、監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項を整備しま
す。
監査役監査の実効性を高め、かつ監査業務を円滑に遂行するため、取締役から独立した組織を設け、使用人(監
査役スタッフ)を配置しています。また、監査役スタッフは監査役の業務指示・命令を受け、その人事は監査役の
同意のもとに行っています。
7.監査役への報告等に関する体制を整備します。
a.監査役は取締役会ほか重要会議に出席し、役員決裁以上の稟議を閲覧するほか、社長インタビュー・関連部の
ヒアリング・社内各部署の往査等を通じ会社業務の執行状況を監査しています。
b.監査役は子会社監査役と定期的に意見・情報交換を行うほか、子会社の往査を実施しています。
c. 監査役は、監査役への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保す
るための体制の整備状況を確認しています。
8.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用
または債務の処理に係る方針に関する事項を整備します。
監査役監査に必要な費用は適切に支払っています。
9.その他監査役会または監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制を整備します。
監査役は監査部および監査法人と定期的に意見・情報交換を実施し監査の実効性を高めています。
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④責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(以下、「D&O保険」といいます。)契約を保
険会社との間で締結し、取締役及び監査役が業務に起因して損害賠償を負った場合における損害(ただし、保険契
約上で定められた免責事由に該当するものを除きます。)等をD&O保険により填補することとしております。D&O保
険の保険料は当社が全額負担しております。
⑤取締役の定数
当社の取締役は3名以上15名以内とする旨定款で定めております。
⑥取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主
が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。なお、取締役の選任決議は、累積投票によ
らない旨定款に定めております。
⑦株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主
の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めておりま
す。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行なうことを目
的とするものです 。
⑧中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当
を行うことができる旨定款を定めております。これは、株主の皆様への利益配分の機会を充実させるためです 。
⑨自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項および第459条第1項第1号の規定により、取締役会の決議をもって、自己の株式
を取得することができる旨定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を
可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものです 。
⑩取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって取締役および監査役(取締役および監査
役であった者を含む)の損害賠償責任を法令に定める限度において取締役会の決議によって免除することができ
る旨定款に定めております。これは、取締役および監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮し
て、期待される役割を果たし得る環境を整備することを目的とするものです 。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 13 名 女性 1 名 (役員のうち女性の比率 7.1 %)
所有
株式数
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
(百株)
1975年6月 当社入社
1994年4月 当社DC10運航乗員部機長
2004年4月 当社運航企画室企画部副部長
(兼)運航企画室業務部副部長
2005年4月 当社運航本部副本部長
(兼)運航企画室企画部長
2007年4月 当社運航乗員訓練企画部長
取締役
2008年6月 株式会社ジェイエア代表取締役
(注3)
植木 義晴 1952年9月16日 生 314
会長
副社長(出向)
2010年2月 当社執行役員 運航本部長
2010年12月 当社専務執行役員 路線統括本部長
2012年2月 当社代表取締役社長執行役員
路線統括本部長
2013年4月 当社代表取締役社長執行役員
2018年4月 当社代表取締役会長
2020年4月
当社取締役会長(現任)
1987年4月 当社入社
2009年4月 当社安全推進本部部長(兼)ご被災者
相談部長
代表取締役
2014年4月 当社執行役員 整備本部長
(注3)
社長 赤坂 祐二 1962年1月3日 生 株式会社JALエンジニアリング代表取
73
締役社長
執行役員
2016年4月 当社常務執行役員 整備本部長
2018年4月 当社社長執行役員
2018年6月 当社代表取締役社長執行役員(現任)
1985年4月 当社入社
2009年10月 当社客室企画部長
2013年4月 当社執行役員 人財本部長
代表取締役
2015年4月 当社常務執行役員 人財本部長
副社長
2016年4月 当社常務執行役員 秘書室長
(注3)
清水 新一郎 1962年12月13日 生 27
執行役員
2018年6月 当社取締役常務執行役員 秘書室長
2019年4月 当社取締役専務執行役員 秘書室長
2020年4月 当社代表取締役副社長執行役員(現
任)
1983年4月 当社入社
2005年9月 当社米州支社総務部長
2007年4月 当社経営企画室部長
2010年2月 当社執行役員 経営企画本部副本部
長
2012年2月 当社常務執行役員 路線統括本部
代表取締役
国内路線事業本部長
(注3)
専務執行役員 菊山 英樹 1960年3月19日 生 14
2013年4月 当社専務執行役員 路線統括本部長
財務・経理本部長
2016年6月 当社取締役専務執行役員 路線統括
本部長
2019年4月 当社取締役専務執行役員 財務・経
理本部長
2020年4月 当社代表取締役専務執行役員 財務
・経理本部長(現任)
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所有
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(百株)
1983年4月 当社入社
2007年4月 当社労務部長
2009年4月 当社パリ支店長
2010年2月 当社執行役員 広報担当、企画業務担
当、事務統括担当、法務コンプライア
ンス担当
2010年12月 当社成田空港支店長
取締役
2012年6月 当社執行役員 株式会社ジャルエクス
(注3)
専務執行役員 豊島 滝三 1959年8月17日 生 31
プレス代表取締役社長
路線事業本部長
2014年10月 当社執行役員 路線統括本部長付
2015年4月 当社常務執行役員 経営管理本部長
2019年4月 当社専務執行役員 路線統括本部長
2019年6月 当社取締役専務執行役員 路線統括本
部長
2021年4月 当社取締役専務執行役員 路線事業本
部長(現任)
1982年9月 当社入社
1997年4月 当社747-400運航乗員部機長
1998年7月 当社情報システム室企画部運航・客
室・整備グループ調査役機長(兼)運
航業務部付
2007年3月 安全推進本部安全調査・研究グループ
取締役
調査役機長
(注3)
2011年4月 当社運航安全推進部長
常務執行役員 堤 正行 1960年12月19日 生
5
2019年4月 当社執行役員 運航本部長
安全推進本部長、ご被災者相談室長
2020年4月 当社執行役員 安全推進本部長、ご被
災者相談室長
2021年4月 当社常務執行役員 安全推進本部長、
ご被災者相談室長
2021年6月 当社取締役常務執行役員 安全推進本
部長、ご被災者相談室長(現任)
1972年4月 伊藤忠商事株式会社入社
2000年6月 同社執行役員
2002年4月 同社常務執行役員
2003年6月 同社代表取締役 常務取締役
2004年4月 同社代表取締役 専務取締役
2004年6月 同社代表取締役社長
2010年4月 同社代表取締役会長
2010年7月 朝日生命保険相互会社社外監査役
(注3)
社外取締役 小林 栄三 1949年1月7日 生 62
2011年6月 伊藤忠商事株式会社取締役会長
2013年6月
オムロン株式会社社外取締役(現任)
2015年6月
当社社外取締役(現任)
2016年6月 伊藤忠商事株式会社会長
株式会社日本取引所グループ
社外取締役(現任)
2018年4月 伊藤忠商事株式会社特別理事
2020年4月 同社名誉理事(現任)
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役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(百株)
1972年4月 株式会社日本興業銀行入行(現:株式
会社みずほ銀行)
1993年11月 同行英国証券子会社
IBJ International Plc.
取締役副社長
1997年6月 同行市場リスク管理室副室長
参事役
2002年3月 興銀リース株式会社(現:みずほリ
ース株式会社)執行役員
2004年4月 共立リスクマネジメント株式会社
シニアコンサルタント
2006年1月 株式会社ユキ・マネジメント・アンド
・リサーチ取締役
2008年4月 エートス・ジャパン・エルエルシー
(注3)
社外取締役 八丁地 園子 1950年1月15日 生
46
非常勤内部監査人
2009年4月 藤田観光株式会社執行役員
2010年3月 同社取締役兼執行役員
2011年3月 同社常務取締役兼常務執行役員
2013年3月 同社常務執行役員
2015年3月 同社顧問
2016年6月 日新製鋼株式会社(現:日本製鉄株式
会社)社外取締役
2017年4月 津田塾大学学長特命補佐
2018年6月
当社社外取締役(現任)
2019年6月
株式会社ダイセル社外取締役(現任)
マルハニチロ株式会社社外取締役(現
任)
1978年4月 ヤマハ発動機株式会社入社
2007年3月 同社執行役員
2009年3月 同社上席執行役員
2010年3月 同社代表取締役社長
2018年1月 同社代表取締役会長
2019年3月 AGC株式会社社外取締役(現任)
(注3)
社外取締役 柳 弘之 1954年11月20日 生
-
キリンホールディングス株式会社社外
取締役(現任)
2021年3月
ヤマハ発動機株式会社取締役会長(現
任)
2021年6月
当社社外取締役(現任)
1980年4月 当社入社
2006年10月 当社経理部長
2010年2月 当社執行役員 資金担当、IR担当、経
理担当、内部統制推進副担当
2010年12月 当社執行役員 財務・経理本部長
2012年2月 当社常務執行役員 財務・経理本部長
(注4)
常勤監査役 斉藤 典和 1956年11月23日 生 60
2014年4月 当社専務執行役員 財務・経理本部長
2014年6月 当社取締役専務執行役員 財務・経理
本部長
2019年4月 当社取締役
2019年6月
当社常勤監査役(現任)
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役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(百株)
1986年4月 当社入社
2009年10月 当社米州技術品質保証部長
2010年12月 株式会社JALエンジニアリング技
術部長(出向)
2014年4月
当社整備本部副本部長 株式会社JAL
エンジニアリング常務取締役
2018年4月 当社執行役員 整備本部長 株式会社
JALエンジニアリング代表取締役社長
(注5)
常勤監査役 北田 裕一 1960年6月22日 生
5
2020年4月 当社常務執行役員 整備本部長 株式
会社JALエンジニアリング代表取締役
社長
2020年6月 当社取締役常務執行役員 整備本部長
株式会社JALエンジニアリング代表取
締役社長
2021年4月 当社取締役
2021年6月
当社常勤監査役(現任)
1973年4月 弁護士登録
1981年4月 加毛法律事務所設立(現:銀座総合
法律事務所)(現任)
1987年4月 第一東京弁護士会副会長
1992年4月 日本弁護士連合会常務理事
1997年6月 日本弁護士連合会財務委員会委員長
(注6)
社外監査役 加毛 修 1947年3月25日 生 60
2006年9月
アゼアス株式会社社外監査役(現任)
2007年4月 日本弁護士連合会副会長
第一東京弁護士会会長
2010年10月 政府調達苦情検討委員会委員長
(内閣府)
2016年6月
当社社外監査役(現任)
1979年4月 監査法人サンワ・東京丸の内事務
所(現:有限責任監査法人トーマツ)
入所
1992年7月 デロイト・トウシュ・トーマツ
香港会計事務所
1996年8月 監査法人トーマツ トータルサー
ビス部
1998年6月 監査法人トーマツ代表社員
2000年6月 トーマツベンチャーサポート株式
会社代表取締役社長
2003年1月 トーマツターンアラウンドサポー
(注8)
ト株式会社(現:デロイトトーマツ
社外監査役 久保 伸介 1956年3月4日 生 33
FAS)取締役
2010年3月 更生会社株式会社日本航空
コンプライアンス調査委員会
委員(注7)
2017年10月 久保伸介公認会計士事務所所長(現
任)
2018年1月 事業活性化アドバイザリー株式会
社代表取締役
2018年5月 共栄会計事務所代表パートナー公
認会計士(現任)
2018年6月 当社社外監査役(現任)
2020年6月
川崎汽船株式会社社外監査役(現任)
64/187
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有価証券報告書
所有
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 株式数
(百株)
1974年4月 三井物産株式会社入社
2006年2月 同社財務統括部長
2008年4月 同社執行役員 経理部長
2011年6月
同社代表取締役 常務執行役員CFO
2013年2月
金融庁企業会計審議会委員(現任)
2013年7月 IFRS財団評議員
(注6)
社外監査役 岡田 譲治 1951年10月10日 生 10
2014年4月 三井物産株式会社代表取締役 副社長
執行役員CFO
2015年6月 同社常勤監査役
2017年11月 公益社団法人日本監査役協会会長
2020年6月
当社社外監査役(現任)
2020年10月 日本取引所自主規制法人外部理事(現
任)
計 740
(注1)取締役小林栄三、八丁地園子、柳弘之は社外取締役です。
(注2)監査役加毛修、久保伸介、岡田譲治は社外監査役です。
(注3)202 1年6月17日 開催の定時株主総会の終結の時から1年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで。
(注4)2019年6月18日開催の定時株主総会の終結の時から4年内に終了する事業年度のうち最終のも のに関する定時株主総会終結の時まで。
(注5)2021年6月17日開催の定時株主総会の終結の時から4年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで。
(注6)2020年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から4年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで。
(注7)コンプライアンス調査委員会の活動期間は2010年3月2日より2010年8月31日まで。
(注8)2018年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から4年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで。
(注9)提出会社は意思決定の迅速化、戦略決定責任と執行責任の明確化を図るべく、執行役員制度を導入しております。取締役を兼務しない
執行役員は次のとおりです。
役名 職名 氏名
常務執行役員 旅客営業本部長、㈱ジャルセールス社長 西尾 忠男
常務執行役員 総務本部長、サステナビリティ推進委員会委員長 植田 英嗣
常務執行役員 デジタルイノベーション本部長 西畑 智博
常務執行役員 秘書部、政策業務部、総合政策センター担当 柏 頼之
常務執行役員 経営企画本部長、経営管理本部長 斎藤 祐二
執行役員 IT企画本部長 岡 敏樹
執行役員 旅客営業本部 副本部長 東日本地区支配人 中野 星子
執行役員 オペレーション本部長 阿部 孝博
執行役員 地域事業本部 副本部長 支援推進担当 安部 映里
執行役員 東京空港支店長、㈱JALスカイ社長 屋敷 和子
執行役員 貨物郵便本部長 岩越 宏雄
執行役員 空港本部長 前田 淳
執行役員 中国地区総代表 佐藤 靖之
執行役員 地域事業本部長 本田 俊介
執行役員 ㈱ジェイエア社長 宍倉 幸雄
執行役員 人財本部長 小枝 直仁
執行役員 整備本部長、㈱JALエンジニアリング社長 田村 亮
執行役員 日本トランスオーシャン航空㈱社長、沖縄地区担当 青木 紀将
執行役員 日本エアコミューター㈱社長 越智 健一郎
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役名 職名 氏名
執行役員 客室本部長 鳥取 三津子
執行役員 西日本地区支配人 武井 真剛
執行役員 運航本部長 立花 宗和
執行役員 路線事業本部 副本部長 国際提携担当 レゲット ロス
執行役員 マイレージ・ライフスタイル事業本部長 大森 康史
カスタマー・エクスペリエンス本部長、東京2020
執行役員 鈴木 啓介
オリンピック・パラリンピック推進委員会副委員長
執行役員 人財本部 副本部長 人事教育担当 大堀 哲
執行役員 調達本部長 中川 由起夫
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は3名、社外監査役は3名です。
提出会社と各社外取締役および社外監査役との間において、特筆すべき人的関係、資本的関係及び取引関係その
他の利害関係はありません。
社外取締役は、その多様性確保に留意し、さまざまな分野に関する豊富な経験と高い見識や専門知識を有する者
から選任するとともに、当社の定める社外役員の「独立性基準」(後述)に基づき、実質的な独立性を確保し得な
い者は社外取締役として選任いたしません。また、社外取締役のうち1名を筆頭独立社外取締役として選任し 、監
査役ならびに社内各部門との連携強化を図ります。
社外取締役については、当社に対する理解を深めるため、現場の視察に加え、御巣鷹山慰霊登山、安全啓発セン
ターの見学等の安全に関する教育を行います。また、必要に応じて、付議議案の事前説明を実施するとともに、そ
の他の要望案件について説明する機会を設けます。
社外監査役は、さまざまな分野に関する豊富な知識、経験を有する者から選任するとともに、当社の定める社外
役員の「独立性基準」(後述)に基づき、実質的な独立性を確保し得ない者は社外監査役として選任いたしませ
ん。社外監査役は、他の監査役とともに内部監査部門、会計監査人と連携し、より中立的、客観的な視点から監査
を実施することにより、経営の健全性を確保します。
社外監査役については、当社に対する理解を深めるため、現場の視察に加え、御巣鷹山慰霊登山、安全啓発セン
ターの見学等の安全に関する教育を行います。また、必要に応じて、付議議案の事前説明を実施するとともに、そ
の他の要望案件について説明する機会を設けます。
[社外役員の「独立性基準」]
当社の社外役員については、高い経営の透明性と強い経営監視機能を発揮するコーポレート・ガバナンス体制を
高いレベルで確立し、企業価値の向上を図るため、その独立性を判断する基準(原則として、以下のいずれにも該
当しない者を独立性を有する者と判断する。)を以下のとおり定めております。
1.現在または過去10年間において、当社および当社の連結子会社の業務執行者(注)であった者。
2.過去3年間において下記a~fのいずれかに該当していた者。
a.当社との一事業年度の取引額が、当社または当該取引先のいずれかの連結売上高の1%を超える取引先また
はその業務執行者。
b.当社への出資比率が5%以上の大株主またはその業務執行者。
c.当社の主要な借入先またはその業務執行者。
d.当社より年間1,000万円を超える寄付を受けた者または受けた団体に所属する者。
e.当社より役員報酬以外に年間1,000万円を超える報酬を受けた者またはその連結売上高の1%を超える報酬を
受けた団体に所属する者。
f.当社の業務執行者が他の会社の社外役員に就任している場合における当該他の会社の業務執行者。
3.上記1および2に掲げる者の配偶者または二親等以内の親族。
(注)業務執行者とは業務執行取締役、執行役員をいう。
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③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
統制部門との関係
社外監査役は、他の監査役とと もに内部統制部門ならびに会計監査人と、必要に応じて適宜情報及び意見交換を
実施し、監査の充実を図っております。社外取締役は、社外監査役とともに、必要に 応じて適宜監督監査に係る情
報共有を図っております。
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(3)【監査の状況】
①監査役監査の状況
a)監査役監査の組織、人員および手続
監査役監査は、常勤監査役2名および社外監査役3名の合計5名により実施しています。監査役は、取締役会に
加え、グループ安全対策会議、経営会議、グループリスクマネジメント会議をはじめとする各種重要な会議に出
席するほか、代表取締役および社外取締役との意見交換や重要な決裁書類等の閲覧により、会社経営および事業
運営上の重要事項ならびに業務執行状況を監査します。また、監査役室スタッフ6名とともに、各事業所、子会
社に毎年監査を行い、その結果を代表取締役に報告するとともに執行部門へのフィードバックも行います。さら
に内部監査部門や会計監査人との緊密な連携に努めるほか、主要子会社常勤監査役との会議を定期的に開催し、
グループ全体での監査の充実強化を図っています。
また、内部通報については、主管部門から定期的な報告を受けるとともに、公益通報をした者を保護する体制
の整備について確認しています。
監査役の職務を遂行する組織である監査役室に専任スタッフを配置し、監査役の職務遂行のサポートを行って
います。当該監査役スタッフの人事等は監査役の同意を得るものとし、取締役からの独立性を高め、監査役の指
示の実効性を確保しています。また、監査役の職務の執行に伴い発生する費用については、監査役の請求に基づ
き適切に支払っており、監査活動の実効性は担保されています。
なお、常勤監査役斉藤典和は、当社入社以来長年にわたり財務・経理部門を中心に従事するとともに、2010年
から9年間財務・経理本部長を務め、また、監査役久保伸介は、公認会計士の資格を有しており、さらに、監査
役岡田譲治は、総合商社に入社以来一貫して財務・経理部門に従事し、総合商社の代表取締役副社長執行役員
CFOを務める等、それぞれ財務および経理に関する相当程度の知見を有しています。
b)監査役および監査役会の活動状況
当期においては、監査役会を14回開催し、鈴鹿、斉藤、加毛、久保監査役は全ての回に出席し、新任の岡田監
査役は選任後開催の監査役会10回の全ての回に出席しました。監査役会では、監査方針、監査計画と評価、監査
に関する重要事項について検討・決議等を行っています。
監査方針・監査計画に基づき、各事業所および子会社への監査(102ヶ所)を実施し、また、監査を通じて認
識した課題等を社長や担当執行役員に報告するとともに、内部監査部門陪席のもと、報告会(2回)を開催して
執行部門全体への共有を図り、重要な監査事項についての実施状況をモニタリングすることとしています。さら
に、内部統制システムへの影響が懸念される事象の発生に対しては、機動的に、計画外での監査を実施してまい
りました。
当期は、新型コロナウイルス感染拡大による甚大な影響下において、各事業所や子会社の社員のモチベーショ
ンが着実に維持され、今後の事業構造改革に向けた準備が適切に行われていることを確認しました。
また、鈴鹿、斉藤、加毛、久保監査役は当期に開催された取締役会20回全てに出席し、新任の岡田監査役は選
任後開催の取締役会16回の全ての回に出席し、能動的・積極的な役割認識のもと、意見を述べてまいりました。
加えて、代表取締役との意見交換(4回)、社外取締役との意見交換(5回)、主要子会社社長へのインタ
ビュー(13社)、主要子会社常勤監査役とのヒアリング(14回)および意見交換会(2回)、安全推進本部との
グループ安全目標に関するヒアリング(1回)、総務本部との内部統制システムの整備・運用状況に関するヒア
リング(2回)等を通じ、当社および子会社の業務執行状況を把握しています。
さらに、会計監査人との意見交換(10回)および内部監査部門との定例会議(4回)を実施し、監査品質およ
び監査効率の向上に努めています。
また、会計監査人の監査計画・重点監査項目・監査状況等の報告および監査報告書へのKAM(監査上の主要な
検討事項)記載に関する課題の共有を受け、情報交換を図りました。
c)新型コロナウイルス感染症の影響
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内の一部および海外拠点は、インターネット等を経由した
手段も活用しながら、計画どおり実施いたしました。
②内部監査の状況
当社グループの内部監査は、「JALグループ内部監査規程」等に基づき、企業グループ全体における重大なリス
クの発生を未然に防止し、損失の低減、組織目的達成の実効性向上等を通じ、経営に資することを目的として行っ
ております。この目的を達成するために、企業グループにおける内部管理体制の実効性をより高めるための提言を
行うことを基本方針としております 。
当社の内部監査は社長直轄の独立組織である監査部が担当しており、監査部長を内部監査責任者、監査部所属員
を内部監査担当者として、監査部長以下11名の体制で実施しております。内部監査を通じて把握した内部統制に係
る重要な事象に関しては、監査法人へも情報を提供し、必要に応じ指導、助言を得る等、相互連携にも努めており
ます。
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なお、航空運送事業に係る法令の定めに則って行っている安全監査および整備監査については、安全推進本部お
よび整備本部管轄下にある整備監査部がそれぞれ担当しております 。
③会計監査の状況
会計監査については、有限責任あずさ監査法人に依頼しており、同監査法人が会社法監査及び金融商品取引法
に基づく監査を実施しております。定期的な監査のほか、各種法令や規則の制定・改廃等、会計上の課題につい
ては適宜確認を行い、会計処理の適正化に努めております 。
a )継続監査期間
11年間
b)監査人の氏名等
監査人氏名 監査に従事する補助者
公認会計士氏名 公認会計士 14人
大塚 敏弘 その他 14人
井上 智由
有吉 真哉
c)監査法人の選定方針と理由
監査の実効性を確保する観点から、独立性・職業倫理・監査品質・監査役や経営者との連携等を選定方針とし
て掲げており、これを満たすと判断し、有限責任あずさ監査法人を再任いたしました。また、会社法第340条第
1項に定める会計監査人の解任のほか、当社の監査業務に重大な支障をきたす事態、その他会計監査人が継続し
てその職責を全うするうえでの重大な疑義を抱く事象等が発生した場合には、監査役会が会計監査人の解任また
は不再任に関する議案の内容を決定し、取締役会が当該議案を株主総会に提出することにしています。
d) 監査役および監査役会による監査法人の評価
監査役会において、毎年、上記に掲げた方針に照らし評価を実施しています。
④監査報酬の内容等
a)監査公認会計士等に対する報酬の内容
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬 (百万円) 酬 (百万円) 報酬 (百万円) 酬 (百万円)
138 26 133 73
提出会社
33 0 35 -
連結子会社
171 26 169 73
計
当社 は、監査公認会計士等に対して 監査証明業務に基づく報酬として、公認会計士法第2条第1項の業務に係る
報酬を支払っております。 また、 当社および一部の子会社は公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査
業務)である国際保証業務基準に基づく 保証業務等にかかわる報酬 を支払っております。
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b)監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に対する報酬の内容(aを除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬 (百万円) 酬 (百万円) 報酬 (百万円) 酬 (百万円)
- 56 - 19
提出会社
2 40 1 19
連結子会社
2 96 1 39
計
当社および一部の子会社は、監査公認会計士等と同一のネットワークに対して公認会計士法第2条第1項の業
務以外の業務(非監査業務)として税務申告等にかかわる報酬を支払っております。
c)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
d)監査報酬の決定方針
監査公認会計士等への監査報酬及び非監査業務報酬については、事前に職務権限規程に基づき社内決裁を得て
決定しております 。
なお、当社監査役会は、取締役、社内関係部署および会計監査人からの必要な資料の入手や報告をもとに、前
事業年度の監査計画と実績の比較、監査時間および報酬額の推移を確認したうえで、当事業年度の監査予定時間
および報酬額の妥当性等を検討し、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行います。
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(4)【役員の報酬等】
①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項内容
当社における取締役の報酬額(総額)は「年額7億円以内(うち、①固定の基本報酬総額を3億5,000万円以内、
②業績連動型賞与を3億5,000万円以内)」(2017年6月22日第68期定時株主総会決議)となっております。
なお、 社外取締役については、その役割を勘案し、業績連動型賞与は支給しないものとし、①固定の基本報酬の
範囲で、社外取締役の総額として、年間5,000万円を上限として報酬を支給いたします。各取締役の固定の基本報
酬および業績連動型賞与の支給額については、社外取締役が委員長を務め、かつ構成員の過半数を占める報酬委員
会の審議・答申を経たうえで、取締役会にて決定いたします。
また、上記報酬額のほか、当社の社外取締役を除く取締役に対する業績連動型株式報酬の内容は、「第4 提出
会社の状況 1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載のとおり(2017年6月22日第68
期定時株主総会決議)となっております。
当社における監査役の報酬(総額)は「年額1億円以内」(2012年7月10日臨時株主総会決議)となっておりま
す。
なお、当社は、2017年6月22日定時株主総会で「取締役の金銭による報酬等の額改定および業績連動型株式報酬
制度導入の件」が原案どおり承認可決されたことを受けて、2017年7月1日より、取締役(社外取締役を除く)お
よび執行役員の報酬の決定に関する方針を次のとおり改定いたしました。
※2017年6月22日の第68期定時株主総会決議対象となった役員数は、取締役10名(そのうち、年間5,000万円を上
限とする社外取締役の報酬枠については社外取締役3名)であり、2021年3月期において当該決議の対象となる
役員数は、取締役11名(そのうち、年間5,000万円を上限とする社外取締役の報酬枠については社外取締役3
名)です。また、2012年7月10日の臨時株主総会決議対象となった役員数は、監査役5名であり、2021年3月期
において当該決議の対象となる役員数は、監査役6名です。
基本方針
a.当社および当社グループの持続的かつ堅実な成長と中長期的な企業価値の向上を目的として、企業理念および
経営戦略に合致した職務の遂行を促し、また具体的な経営目標の達成を強く動機付けるものとします。
b.年度の業績と連動する業績連動型賞与と、株主との利害の共有をより一層促進することを目的として中長期的
な業績による企業価値と連動させる業績連動型株式報酬の割合を適切に設定し、健全な企業家精神の発揮に資
するものとします。
c.当社の業績をふまえ、当社の経営陣に相応しい処遇とします。
報酬水準および報酬構成比率
a.当社の経営環境をふまえ、また、客観的な報酬市場データを参考に、適切な報酬水準に設定します。
b.当社の事業の内容や業績連動型報酬の実効性等を考慮して、①「固定の基本報酬の額※」、②「目標に対する
達成度合いによって支給される業績連動型賞与の額」、③「目標に対する達成度合いによって交付される業績
連動型株式報酬の額」の割合を次のように設定します。
仮に目標に対する達成度合いが100%である場合の目安①:②:③=50%:30%:20%
なお、上記割合はあくまで目安であり、当社株式の株価の変動等に応じて上記割合は変動いたします。
※執行役員が取締役を兼務する場合の手当の額および代表権を有する場合の手当の額を除いた額とします。
業績連動型報酬の仕組み
a.業績連動型賞与として毎期支給する金銭の額は、業績目標どおりに達成した場合に支給する額を100とすると、
その達成度に応じて概ね0~200程度で変動するものとします。業績評価指標は、「親会社株主に帰属する当期
純利益」「安全運航に関する指標」「各 役員の個別評価指標」等とし、経営環境や各役員の役割の変化等に応
じて適宜見直しを検討することとします。IFRSの導入にあたり、業績評価指標については対応検討中です。
なお、2020年度の実績に基づき支払う業績連動型賞与については、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響
を受ける未曽有の厳しい経営環境を受け、当社報酬委員会で協議した結果、支給することは不適当であるとの
答申を得ました。同委員会の答申をふまえ、2020年10月30日開催の当社取締役会において、一律不支給とする
ことを決議しました。
b.業績連動型株式報酬として毎期交付する株式の数は、業績目標どおりに達成した場合に交付する数を100とする
と、その達成度に応じて概ね0~220程度で変動するものとします。業績評価期間は3年間とし、毎期、連続す
る3事業年度の業績を評価します。業績評価指標は、中期経営計画で重視する「連結営業利益率」「連結
ROIC」「顧客満足度」等とし、中期経営計画期間毎に見直しを検討することとします。 IFRSの導入にあたり、
業績評価指標については対応検討中です。
なお、対象取締役および執行役員に対しては、本株式報酬制度により交付を受けた普通株式について、株主
との利害の共有をより一層促進することを目的として、役位ごとの保有目標株式数などを設定し一定の売却制
限を課すこととします。
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・2017年度を始期とする業績連動型株式報酬については、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響による未曽有
の厳しい経営環境を受け、当社報酬委員会で協議した結果、支給することは不適当であるとの答申を得まし
た。同委員会の答申をふまえ、2020年6月26日開催の当社取締役会において、2017年度から2019年度までを業績
評 価期間とする業績連動型株式報酬について、一律不支給とすることを決議しました。
・2018年度を始期とする業績連動型株式報酬については、新型コロナウィルス感染症の拡大の影響による未曽有
の厳しい経営環境を受け、当社報酬委員会で協議した結果、支給することは不適当であるとの答申を得まし
た。同委員会の答申をふまえ、2020年10月30日開催の当社取締役会において、2018年度から2020年度までを業
績評価期間とする業績連動型株式報酬について、一律不支給とすることを決議しました。
当該制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度
の内容」に、当該制度に基づく報酬の算定方法については、下記「③業績連動報酬の算定方法」に、それぞれ、
記載しております。
報酬決定の手続きその他
取締役および執行役員の報酬に関する事項は、当社が任意に設置する報酬委員会における審議・答申を経て、
取締役会で決定することとします。報酬委員会の構成員の過半数は社外取締役とし、委員長は社外取締役から選
定します。
なお、現在の報酬委員会の構成員は次のとおりです。(2021年5月31日時点)
委員長:小林 栄三(社外取締役)
委 員:伊藤 雅俊(社外取締役)
八丁地 園子(社外取締役)
赤坂 祐二(代表取締役社長執行役員)
清水 新一郎(代表取締役副社長執行役員)
本委員会は当事業年度については7回開催しております。
取締役・監査役・執行役員の「固定の基本報酬」および、取締役・執行役員については「業績連動型賞与」、
「業績連動型株式報酬」等について議論の上、取締役会に答申を行っております。
また、当該業績連動型報酬に係る指標は次のとおりです。
1)業績連動型賞与
・親会社株主に帰属する当期純利益
・安全運航に関する指標
・各役員の個別評価指標
2)業績連動型株式報酬
・連結営業利益率
・連結ROIC
・顧客満足度
2017年度以降、各年度をそれぞれ始期とする「業績連動型株式報酬」として交付した「基準交付株式数」は、
業績評価期間を3年間とし、最終的な交付株式数については、3年後の「連結営業利益率」「連結ROIC」「顧客
満足度」を用いて確定いたします。航空会社としての安全運航の観点や顧客サービスの向上、当社グループの持
続的かつ堅実な成長と中長期的な企業価値の向上といった観点を踏まえ、これらの指標を設定しております。
これらの指標の最新事業年度における実績は「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」および、
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営
者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
個人別の報酬等の内容が方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
個人別の報酬等については、社外取締役が委員長を務め、かつ構成員の過半数を占める報酬委員会において、
上記の取締役の報酬等の決定に関する方針をふまえて議論が行われ、その審議・答申を十分に尊重して、2020年
2月20日開催の当社取締役会にて決定しているため、当期の個人別の報酬等の内容は、当社が定める上記方針に
沿うものであると判断しております。
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②役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)
対象となる
報酬等の総額
固定報酬 業績連動報酬
役員の員数
役員区分
(百万円)
非金銭報酬 (人)
基本報酬 賞与
債権等
取締役
258 258 - - 8
(社外取締役を除く)
監査役
49 49 - - 2
(社外監査役を除く)
64 64 - - 7
社外役員
※「賞与」は「業績連動型賞与」、「非金銭報酬債権等」は「業績連動型株式報酬」となります。
③業績連動報酬の算定方法
取締役に対する業績連動型賞与の算定方法
a. 業績連動型賞与の算定方法
業績連動型賞与の算定方法は、次のとおりです。
イ 会長および社長に対する業績連動型賞与の算定方法
業績連動型賞与の額
=標準支給額×親会社株主に帰属する当期純利益評価
×安全運航に関する指標評価(90%、100%または110%)
ロ 会長および社長以外の取締役に対する業績連動型賞与の算定方法
業績連動型賞与の額
=標準支給額×(親会社株主に帰属する当期純利益評価×70%+各役員の個別評価×30%)
×安全運航に関する指標評価(90%、100%または110%)
b. 個別の算定項目の説明
イ 標準支給額
役位毎の標準支給額は、以下の通りです。
(単位:千円)
会長 副会長 社長執行役員 副社長 専務執行役員 常務執行役員
執行役員
24,660 21,252 28,752 21,252 16,788 14,220
ロ 親会社株主に帰属する当期純利益評価
親会社株主に帰属する当期純利益評価は、対象とする事業年度における親会社株主に帰属する当期純利益
の目標値に対する実績値の割合に応じて、以下に基づき計算されます。
実績値の割合が50%未満の場合:
親会社株主に帰属する当期純利益評価は、0%とします。
実績値の割合が50%以上、100%未満の場合:
親会社株主に帰属する当期純利益評価は、親会社株主に帰属する当期純利益の目標値に対する実績値の
割合とします。
実績値の割合が100%以上の場合:
親会社株主に帰属する当期純利益評価
=2×(親会社株主に帰属する当期純利益の目標値に対する実績値の割合)-100%
但し、計算の結果、親会社株主に帰属する当期純利益評価が200%を超える場合は、200%とします。
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ハ 各役員の個別評価
個別評価は、各事業年度について、当該事業年度の期初に社長と各取締役との面談により設定される目標
に対する達成度合いに応じて0%、50%、75%、100%、125%または150%の六段階で決定されます。
ニ 安全運航に関する指標評価
安全性の目標に対する達成度合いに応じて90%、100%または110%の三段階で決定されます。
取締役に対する業績連動型株式報酬の算定方法
a. 業績連動型株式報酬制度の仕組み
イ 対象者
対象者は、当社の取締役(社外取締役を除き、以下「対象取締役」といいます。)および当社の取締役を
兼務しない執行役員(対象取締役と併せて、以下「対象取締役等」といいます。)とします。
ロ 交付または支給する財産
当社普通株式(以下「当社株式」といいます。)とします。ただし、当社株式の交付前に対象取締役等が
死亡または疾病・障害などやむを得ない事由として当社が認める事由による辞任により退任した場合は、下
記のとおり当社株式に代わり金銭を支給します。
ハ 交付する当社株式の数および支給する金銭の額の算定式
交付する当社株式の数は下記b.のとおり算定します。ただし、当社株式の交付前に対象取締役等が死亡ま
たは疾病・障害などやむを得ない事由として当社が認める事由による辞任により退任した場合、支給する金
銭の額は下記e.のとおり算定します。
ニ 業績評価期間
毎期を初年度とする連続する3事業年度を業績評価期間とします。なお、1事業年度が終了するごとに次
の事業年度を初年度として連続する3事業年度を対象とする業績評価期間が開始され、2019年度以降の任意
の一時期には3つの業績評価期間が併存することとなります。
ホ 当社株式の交付時期および金銭の支給時期
当社株式の交付は、業績評価期間終了の翌事業年度に行います。ただし、当社株式の交付前に対象取締役
等が死亡または疾病・障害などやむを得ない事由として当社が認める事由による辞任により退任した場合
は、所定の時期までに、金銭を支給します。
ヘ 当社株式の交付方法および金銭の支給方法
対象取締役等に対する当社株式の交付は、業績評価期間中の在任を要件として、各業績評価期間内の各対
象取締役等の職務執行の対価として、当該業績評価期間終了の翌事業年度に金銭報酬債権を付与し、当社が
各対象取締役から当該金銭報酬債権の全部を現物出資財産として給付を受けることにより、当社株式を交付
するものです。当社株式の交付は、当社による株式の発行または自己株式の処分のいずれかの方法によりま
す。ただし、業績評価期間中に対象取締役等が死亡または疾病・障害などやむを得ない事由として当社が認
める事由による辞任により退任した場合には、対象取締役等退任後相当期間内に、当社株式の交付に代えて
金銭を支給します。
各対象取締役等に支給する金銭報酬債権の報酬の額は、業績評価期間中に対象取締役等が死亡または疾
病・障害などやむを得ない事由として当社が認める事由による辞任により退任した場合を除き、下記b.に定
める個人別交付株式数に1株あたりの払込金額を乗じた金額とします。1株あたりの払込金額は、当社株式
の交付を決議する取締役会の開催日の前営業日における東京証券取引所における当社株式の終値等払込期日
における当社株式の公正な価格とし、以下の払込金額上限値を上限とします。
(払込金額上限値)
払込に充てられる金銭報酬債権が対価となる職務執行の対象期間である業績評価期間の満了時点から起算
して前後各3か月間(計6か月間)の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の最高値。
b. 交付する当社株式の数の算定方法
以下の方法に基づき、各対象取締役等に交付する当社株式の数(以下「個人別交付株式数」といいます。)
を決定します。
株式による個人別交付株式数(1株未満を切捨て)
個人別交付株式数
=基準交付株式数×(連結営業利益率評価×80%+連結ROIC評価×20%)
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×顧客満足度評価(90%、100%または110%)
ただし、対象取締役等に交付される当社株式の総数は、1業績評価期間あたり290,000株(うち、対象取締
役分は100,000株)を上限とします。なお、当該算定方法によって算定された個人別交付株式数の総数が、上
限交付株式数を超えるおそれがある場合には、上限交付株式数を超えない範囲で、各対象取締役等に対して交
付する株式数を案分比例等の合理的な方法により減少させます。
c. 個別の算定項目の説明
イ 基準交付株式数
基準交付株式数は、(イ)役位に従い定める役位別標準額(業績評価期間の当初の事業年度の役位別標準
額)を、(ロ)業績評価期間の開始日前1か月間の東京証券取引所における当社株式の普通取引の終値の平
均値(1円未満の端数は切り上げ)で除した株式数とします。
役位別標準額は以下の通りです。
(単位:千円)
会長 副会長 社長 副社長 専務 常務
執行役員 執行役員 執行役員 執行役員
16,440 14,168 19,168 14,168 11,192 9,480
ロ 連結営業利益率評価
連結営業利益率評価は、業績評価期間を構成する3事業年度の連結営業利益率の初年度の目標値に対する
当該3事業年度の連結営業利益率の平均値の実績値の割合をもとに、以下に基づき計算します。但し、計算
の結果、連結営業利益率評価が200%を超える場合は200%とし、連結営業利益率評価が0%未満となる場合
は0%とします。
連結営業利益率評価
=(5/2)×(業績評価期間を構成する3事業年度の連結営業利益率の初年度の目標値に対する当該3
事業年度の連結営業利益率の平均値の実績値の割合)-150%
ハ 連結ROIC評価
連結ROIC評価は、業績評価期間を構成する3事業年度の連結ROICの初年度の目標値に対する当該3事業年
度の連結ROICの平均値の実績値の割合をもとに、以下に基づき計算します。但し、計算の結果、連結ROIC評
価が200%を超える場合は200%とし、連結ROIC評価が0%未満となる場合は0%とします。
連結ROIC評価
=(5/2)×(業績評価期間を構成する3事業年度の連結ROICの初年度の目標値に対する当該3事業年
度の連結ROICの平均値の実績値の割合)-150%
なお、連結ROICは、以下により算定される値とします。
連結ROIC
=営業利益(税引後)/{(期首固定資産額+期末固定資産額+期首未経過リース料+期末未経過リース
料)/2}
ニ 顧客満足度評価
国内線および国際線の顧客満足度の目標に対する達成度合いに応じて90%、100%または110%の三段階で
決定されます。
d. 対象取締役等に異動等が発生した場合の取扱い等について
業績評価期間中に新たに対象取締役等に就任した場合または対象取締役等が任期満了により退任した場合に
おいては、上記b.に従い算定される個人別株式数に、各業績評価期間の月数に占める在任期間に相当する月数
(月の途中で就任または退任があった場合は、当該月を含みます。)の割合を乗じて得た数(1株未満を切捨
て)の当社株式を交付いたします。
このほか、業績評価期間中に対象取締役等が死亡または疾病・障害などやむを得ない事由として当社が認め
る事由による辞任により退任した場合は、退任後相当期間内に、①上記b.に従い算定される個人別株式数に、
各業績評価期間の月数に占める在任期間に相当する月数(月の途中で就任または退任があった場合は、当該月
を含みます。)の割合を乗じて得た数(1株未満を切捨て)に、②個人別交付株式数に付与を決議する取締役
会の開催の前営業日における当社株式の1株あたりの公正な価格を乗じた金額の金銭報酬債権を付与し、当該
当社株式の交付に代えて、当該金銭報酬債権の額の金銭を支給することといたします。
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e. その他の調整
業績評価期間中に、株式分割(当社株式の株式無償割当てを含む。以下同じ。)・併合が発生する場合に
は、分割・併合の比率に応じて対象取締役に対する「個人別交付株式数」および「上限交付株式数」を調整い
たします。また、上記a.からe.までにかかわらず、予測不可能な状況が発生した場合、報酬委員会の審議・答
申を経て、取締役会の決議に基づき、支給額を調整または不支給とすることができます。
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(5)【株式の保有状況】
当社が航空運送事業を経営するに当たっては、営業、調達、サービスの提供等の分野での広範な提携・協業関係
の構築および地域社会との良好な関係の維持が不可欠であり、また、グローバル規模での競争に勝ち抜き、成長し
ていくためにもさまざまな分野におけるパートナーとの関係強化を図ることが必要だと考えています。こうした目
的を達成するため、当社は他社の株式を取得・保有する場合がありますが、その場合には、ステークホルダーとの
信頼関係の維持を前提に、当社の企業価値向上につながる企業の株式を厳選し、保有対象とすることを基本として
います。
上場企業の株式の保有については、上述の目的に適った銘柄を必要最小限保有することを基本方針とします。
企業価値向上への貢献度については常時検証します。具体的には、受取配当金および株式保有に起因する取引利
益について目標資本コストと比較し、定量的検討を行うとともに、定性的な要素も勘案いたします。
加えて、時価評価額にも留意し、企業価値向上の観点から保有する意義が乏しいと判断される銘柄については、
市場への影響やその他事業面等で考慮すべき事項にも配慮しつつ売却を検討してまいります。
当社が保有する上場企業の株式の縮減に関する方針については、2021年2月18日の取締役会にて確認しました。
(a)投資株式のうち保有目的が純投資目的以外の目的であるものの銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
76 13,349
非上場株式
12 50,176
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
4 2,146
非上場株式 新規事業・既存事業強化に伴う出資等
- - -
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
3 669
非上場株式
- -
非上場株式以外の株式
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(b)保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の保有区分、銘柄、株式数、貸借対照表計上額及び保有 目的
特定投資株式
保有効果については目標資本コストと比較し、定量的検討および定性的な要素も総合的に勘案して保有効果を検証
し、2021年2月18日の取締役会にて確認致しました。なお、一部銘柄については、新型コロナウイルス感染拡大の影
響を大きく受けている状況下において、株式保有効果を十分に検証、判断することが困難なため、新型コロナウイ
ルス感染拡大の影響が収束後にあらためて、企業価値向上の観点から保有する意義を検証してまいります。
当事業年度 前事業年度
株式数(株) 株式数(株)
保有目的、定量的な保有効果 当社の株式の
銘柄
及び株式数が増加した理由 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
4,398,240 4,398,240
日本空港ビルデング
主に空港関連における取引・協業関係の
有
(株)
構築・維持・強化のため。
23,926 18,362
3,449,200 3,499,200
主にマイレージ関連における取引・協業
イオン(株)
無
関係の構築・維持・強化のため。
11,378 8,274
550,700 550,700
主に国内旅客関連における取引・協業関
東日本旅客鉄道(株)
有
係の構築・維持・強化のため。
4,316 4,502
376,000 376,000
(株)オリエンタルラ 主に国内旅客関連における取引・協業関
有
ンド 係の構築・維持・強化のため。
6,251 5,196
1,002,000 1,002,000
主にマイレージ関連における取引・協業
東急(株)
有
関係の構築・維持・強化のため。
1,476 1,703
104,200 104,200
主に航空貨物関連における取引・協業関
日本通運(株)
有
係の構築・維持・強化のため。
858 551
175,400 175,400
主に国内旅客関連における取引・協業関
東武鉄道(株)
有
係の構築・維持・強化のため。
521 661
404,200 404,200
(株)三越伊勢丹ホ- 主にマイレージ関連における取引・協業
有
ルディングス 関係の構築・維持・強化のため。
314 254
1,034,600 1,034,600
主に燃油調達関連における取引・協業関
富士石油(株)
無
係の構築・維持・強化のため。
237 195
86,800 86,800
主に国内旅客関連における取引・協業関
京王電鉄(株)
有
係の構築・維持・強化のため。
645 554
71,000 71,000
主に航空貨物関連における取引・協業関
三菱倉庫(株)
有
係の構築・維持・強化のため。
240 154
5,200 5,200
主に国際旅客・航空貨物における取引・
(株)日新 有
協業関係の構築・維持・強化のため。
7 8
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第
93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財
務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当事業年度(2020年4月1日から2021年3月31日)は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する
規則等の一部を改正する内閣府令」(2020年6月12日内閣府令第46号)附則第3条第1項ただし書きにより、改正
後の財務諸表等規則に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しており
ます。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日
まで)の連結財務諸表及び事業年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あ
ずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を
適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作
成することができる体制の整備を行っております。その内容は次のとおりです。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公
益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構及び監査法人等が主催するセミナー等に参加する等を行っておりま
す。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方
針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
資産
流動資産
7,32 522,064 329,149 408,335
現金及び現金同等物
8,32 144,053 94,071 76,760
営業債権及びその他の債権
9,32 5,067 1,305 14,133
その他の金融資産
10 23,682 28,409 23,680
棚卸資産
46,442 55,500 44,906
その他の流動資産
流動資産合計 741,309 508,435 567,816
非流動資産
11,18
有形固定資産
17,35 795,439 894,835 827,587
航空機
138,569 102,519 129,882
航空機建設仮勘定
77,495 86,462 87,942
その他の有形固定資産
有形固定資産合計 1,011,504 1,083,817 1,045,413
12 92,255 95,777 89,662
無形資産
14 31,697 31,105 24,232
持分法で会計処理されている投資
9,17,32 119,515 120,218 128,055
その他の金融資産
15 143,422 122,323 225,886
繰延税金資産
20 1,178 938 3,176
退職給付に係る資産
12,765 19,638 23,036
その他の非流動資産
1,412,338 1,473,819 1,539,462
非流動資産合計
2,153,648 1,982,254 2,107,279
資産合計
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移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
負債及び資本
負債
流動負債
32 137,684 125,208 97,185
営業債務及びその他の債務
16,17,32 38,408 38,618 69,621
有利子負債
16,32 39,108 51,065 42,490
その他の金融負債
19,192 2,824 3,890
未払法人所得税
24 294,663 251,809 215,239
契約負債
21 - 1,220 3,750
引当金
49,916 30,903 44,714
その他の流動負債
流動負債合計 578,972 501,651 476,893
非流動負債
16,17,32 185,920 238,811 445,525
有利子負債
16,32 8,771 13,913 23,479
その他の金融負債
15 163 222 108
繰延税金負債
21 14,594 14,645 15,667
引当金
20 256,305 151,330 153,169
退職給付に係る負債
13,243 12,062 10,899
その他の非流動負債
478,999 430,985 648,850
非流動負債合計
1,057,972 932,637 1,125,744
負債合計
資本
181,352 181,352 273,200
資本金
182,437 182,437 273,557
資本剰余金
666,030 645,408 352,965
利益剰余金
△ 408 △ 408 △ 408
自己株式
その他の包括利益累計額
その他の包括利益を通じて公正価値で
31,097 28,793 35,468
測定する金融資産
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部
1,837 △ 23,146 12,877
分
- △ 141 △ 201
在外営業活動体の外貨換算差額
32,934 5,506 48,144
その他の包括利益累計額合計
1,062,345 1,014,295 947,459
親会社の所有者に帰属する持分合計
33,330 35,321 34,075
非支配持分
1,095,675 1,049,617 981,535
資本合計
2,153,648 1,982,254 2,107,279
負債及び資本合計
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②【連結損益及びその他の包括利益計算書】
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
注記
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
6,24
売上収益
486,217 27,969
国際線旅客収入
529,707 174,006
国内線旅客収入
369,989 279,249
その他の売上収益
1,385,914 481,225
売上収益合計
25 9,069 13,397
その他の収入
26
営業費用
△ 291,317 △ 254,809
人件費
△ 243,420 △ 96,788
航空燃油費
11,12,
△ 164,383 △ 190,585
減価償却費、償却費及び減損損失
13,18
△ 609,759 △ 342,854
その他の営業費用
△ 1,308,881 △ 885,037
営業費用合計
営業利益(△は損失)
86,103 △ 390,414
1,396 △ 7,582
持分法による投資損益(△は損失) 14
投資・財務・法人所得税前利益(△は損失) 6
87,500 △ 397,997
27
投資から生じる収益・費用
2,399 2,694
投資収益
△ 1,091 △ 3,003
投資費用
財務・法人所得税前利益(△は損失)
88,807 △ 398,306
28
財務収益・費用
1,102 1,799
財務収益
△ 1,760 △ 7,570
財務費用
税引前利益(△は損失) 6 88,149 △ 404,078
15 △ 36,137 116,202
法人所得税費用
当期利益(△は損失)
52,012 △ 287,875
当期利益(△は損失)の帰属
48,057 △ 286,693
親会社の所有者
3,955 △ 1,182
非支配持分
29
その他の包括利益
純損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測
△ 2,702 3,284
定する金融資産
9,875 △ 2,394
確定給付制度の再測定
持分法適用会社におけるその他の包括利
△ 171 87
益に対する持分
純損益に振り替えられることのない項目
7,001 977
合計
純損益に振り替えられる可能性のある項目
△ 23,250 34,411
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
△ 162 △ 138
在外営業活動体の外貨換算差額
持分法適用会社におけるその他の包括利
△ 1,302 1,445
益に対する持分
純損益に振り替えられる可能性のある項
△ 24,714 35,718
目合計
△ 17,713 36,695
税引後その他の包括利益
34,298 △ 251,179
当期包括利益
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前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
注記
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
当期包括利益の帰属
30,430 △ 249,956
親会社の所有者
3,868 △ 1,223
非支配持分
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(△は損失)
30 140.04 △ 764.99
(円)
希薄化後1株当たり当期利益(円) 30 - -
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③【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の包括利益累計額
注記
その他の包括利
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 キャッシュ・フ
益を通じて公正
ロー・ヘッジの
価値で測定する
有効部分
金融資産
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2019年4月1日時点の残高
181,352 182,437 666,030 △ 408 31,097 1,837
当期利益(△は損失) - - 48,057 - - -
- - - - △ 2,813 △ 24,560
その他の包括利益
当期包括利益合計
- - 48,057 - △ 2,813 △ 24,560
配当金
23 - - △ 38,058 - - -
ヘッジ対象の非金融資産への振替 - - - - - △ 422
自己株式の取得 22 - - - △ 39,999 - -
自己株式の消却 22 - - △ 39,999 39,999 - -
子会社の支配獲得に伴う変動 - - - - - -
支配継続子会社に対する持分変動 - - - - - -
持分法適用会社に対する持分変動
- △ 0 - - - -
に伴う増減
- - 9,378 - 509 -
利益剰余金への振替
所有者との取引等合計 - △ 0 △ 68,679 - 509 △ 422
181,352 182,437 645,408 △ 408 28,793 △ 23,146
2020年3月31日時点の残高
親会社の所有者に帰属する持分
その他の包括利益累計額
非支配持分 合計
注記
合計
在外営業活動体 確定給付制度の
合計
の外貨換算差額 再測定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2019年4月1日時点の残高
- - 32,934 1,062,345 33,330 1,095,675
当期利益(△は損失) - - - 48,057 3,955 52,012
△ 141 9,888 △ 17,627 △ 17,627 △ 86 △ 17,713
その他の包括利益
当期包括利益合計
△ 141 9,888 △ 17,627 30,430 3,868 34,298
配当金
23 - - - △ 38,058 △ 2,376 △ 40,435
ヘッジ対象の非金融資産への振替 - - △ 422 △ 422 - △ 422
自己株式の取得 22 - - - △ 39,999 - △ 39,999
自己株式の消却 22 - - - - - -
子会社の支配獲得に伴う変動 - - - - 98 98
支配継続子会社に対する持分変動 - - - - 401 401
持分法適用会社に対する持分変動
- - - △ 0 0 -
に伴う増減
- △ 9,888 △ 9,378 - - -
利益剰余金への振替
所有者との取引等合計 - △ 9,888 △ 9,801 △ 78,480 △ 1,876 △ 80,357
△ 141 - 5,506 1,014,295 35,321 1,049,617
2020年3月31日時点の残高
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
親会社の所有者に帰属する持分
その他の包括利益累計額
注記
その他の包括利
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 キャッシュ・フ
益を通じて公正
ロー・ヘッジの
価値で測定する
有効部分
金融資産
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2020年4月1日時点の残高 181,352 182,437 645,408 △ 408 28,793 △ 23,146
当期利益(△は損失) - - △ 286,693 - - -
- - - - 3,275 35,871
その他の包括利益
当期包括利益合計
- - △ 286,693 - 3,275 35,871
新株の発行 22 91,848 91,120 - - - -
ヘッジ対象の非金融資産への振替 - - - - - 152
自己株式の取得 - - - △ 0 - -
連結子会社株式の取得による持分
- △ 0 - - - -
変動に伴う増減
- - △ 5,749 - 3,399 -
利益剰余金への振替
所有者との取引等合計 91,848 91,120 △ 5,749 △ 0 3,399 152
273,200 273,557 352,965 △ 408 35,468 12,877
2021年3月31日時点の残高
親会社の所有者に帰属する持分
その他の包括利益累計額
非支配持分 合計
注記
合計
在外営業活動体 確定給付制度の
合計
の外貨換算差額 再測定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2020年4月1日時点の残高 △ 141 - 5,506 1,014,295 35,321 1,049,617
当期利益(△は損失) - - - △ 286,693 △ 1,182 △ 287,875
その他の包括利益 △ 60 △ 2,349 36,736 36,736 △ 40 36,695
当期包括利益合計
△ 60 △ 2,349 36,736 △ 249,956 △ 1,223 △ 251,179
新株の発行 22 - - - 182,968 - 182,968
ヘッジ対象の非金融資産への振替 - - 152 152 - 152
自己株式の取得
- - - △ 0 - △ 0
連結子会社株式の取得による持分
- - - △ 0 △ 22 △ 23
変動に伴う増減
- 2,349 5,749 - - -
利益剰余金への振替
所有者との取引等合計
- 2,349 5,901 183,121 △ 22 183,098
△ 201 - 48,144 947,459 34,075 981,535
2021年3月31日時点の残高
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
注記
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前利益(△は損失) 88,149 △ 404,078
11,12,
164,383 190,585
減価償却費、償却費及び減損損失
13,18
2,691 2,150
固定資産除売却損益
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) △ 91,001 △ 1,677
△ 3,018 △ 2,313
受取利息及び受取配当金
1,332 2,927
支払利息
為替差損益(△は益) 785 △ 956
持分法による投資損益(△は益) △ 1,396 7,582
営業債権及びその他の債権の増減額(△は
64,529 2,597
増加)
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 4,695 4,809
営業債務及びその他の債務の増減額(△は
△ 15,282 △ 27,036
減少)
契約負債の増減額(△は減少) △ 43,043 △ 36,705
△ 44,394 32,550
その他
小計 119,039 △ 229,565
法人所得税の支払額又は還付額(△は支
△ 38,181 10,045
払)
営業活動によるキャッシュ・フロー 80,857 △ 219,519
投資活動によるキャッシュ・フロー
11,12 △ 239,611 △ 89,686
固定資産の取得による支出
11,12 4,251 1,442
固定資産の売却による収入
32 △ 5,647 △ 8,118
その他の金融資産の取得による支出
32 1,671 2,254
その他の金融資産の売却、償還による収入
△ 233 △ 2,026
貸付けによる支出
837 746
貸付金の回収による収入
1,033 378
利息の受取額
2,446 1,928
配当金の受取額
1,526 2,069
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 233,725 △ 91,012
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額(△は減少) 31 22 △ 54
31 40,088 256,886
長期借入れによる収入
31 △ 13,367 △ 20,539
長期借入金の返済による支出
31 39,750 -
社債の発行による収入
22 - 182,657
株式の発行による収入
△ 831 △ 1,412
利息の支払額
23 △ 38,146 △ 31
配当金の支払額
△ 2,384 -
非支配株主への配当金の支払額
31 △ 24,625 △ 24,501
リース負債の返済による支出
△ 39,316 △ 4,379
31
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 38,810 388,624
△ 1,236 1,094
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
△ 192,914 79,186
522,064 329,149
現金及び現金同等物の期首残高
329,149 408,335
現金及び現金同等物の期末残高
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【連結財務諸表注記】
1.報告企業
日本航空株 式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社です。その登記されている本社の住
所は、 東京都品川区東品川二丁目4番11号です 。当社の連結財務諸表は、2021年3月31日を期末日とし、当社
及びその子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに当社の関連会社及び共同支配企業に対する持分に
より構成されております。当社グループの最上位の親会社は当社であります。
当 社グループの事業内容は、主に航空運送事業です。各事業の内容については注記「24.売上収益」に記載
しております。
2.作成の基礎
(1)IFRSに準拠している旨及び初度適用に関する事項
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵
省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定
により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
本連結財務諸表の発行は、2021年6月15日に代表取締役社長執行役員 赤坂祐二によって承認されており
ます。
当社グループは、2021年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを初めて適用しており、IFRSへの移行
日は2019年4月1日です。
この連結財務諸表は、当社がIFRSに従って作成する最初の連結財務諸表であり、IFRS第1号「国際財務報
告基準の初度適用」(以下「IFRS第1号」という。)を適用しております。IFRSへの移行日及び比較年度に
おいて、IFRSへの移行が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響
は、注記「37.初度適用」に記載しております。
早期適用していないIFRS及びIFRS第1号の規定により認められた免除規定を除き、当社グループの会計方
針は2021年3月31日において有効なIFRSに準拠しております。
なお、適用した免除規定については、注記「37.初度適用」に記載しております。
(2)測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定されている特定の金融商品等を除き、取得原価を基礎と
して作成しております。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切り
捨てて表示しております。
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは 、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与に
より生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーによ
り当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断
しております。
子会社の財務諸表は、原則として当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の
対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子
会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グ
ループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支
配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識され
ております。
支配を 喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
② 関連会社
関連会社 とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているもの
の、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上を保有
する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定しております。
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関連会社については、原則として当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響
力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。関連会社に対する投資には、取得に際して
認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該
関連会 社の財務諸表に調整を加えております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有
し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意
を必要とする企業をいいます。
当社グループが有する共同支配企業については、持分法によって会計処理しております。
(2)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループの各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機
能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を
通じて測定される金融資産、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の
包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については為替レートが
著しく変動している場合を除き、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動
体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その後在外営業活動体が処
分された期間に純損益として認識しております。
(3) 金融商品
a 金融資産
(a) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融
資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しておりま
す。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しておりま
す。
非デリバティブ金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公
正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。ただし、重要な金融要素を含まない営業債権は
取引価格で測定しております。
① 負債性金融商品である金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基
づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フ
ローが特定の日に生じる。
また、以下の要件をともに満たす場合には、 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資
産に分類し、それ以外の場合は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・ 契約上のキャッシュ・フローを回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づい
て、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フ
ローが特定の日に生じる。
なお、報告期間を通じて、負債性金融商品のうちその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
融資産は保有しておりません。
② 資本 性金融商品である金融資産
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純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、
当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に認識するという指定をした資本性金融資産
については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
当該指定は、個々の資本性金融資産ごとに実施しています。また、取消不能なものとして継続的に
適用しております。
なお、報告期間を通じて、資本性金融商品のうち純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は保
有しておりません。
(b)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
① 償却原価により測定する金融資産
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しておりま
す。
② 公正価値により測定する金融資産
公正価値により測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものに
ついては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。なお、当該金融資産から
の配当金については、投資収益の一部として当期の純損益として認識しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するとした資本性金融商品の認識を中止した場合又は公
正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益に累積された金額を利益剰余金に振り替えてお
ります。
(c)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は金融資
産を譲渡し、かつ、当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場
合において、金融資産の認識を中止しております。
(d)金融資産の減損
償却原価により測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しておりま
す。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加している
かどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予
想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加
している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。ただ
し、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加
の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
予想信用損失は、契 約に従って企業に支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、企業
が受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生
じた場合は、貸 倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
b 金融負債
(a)当初認識及び測定
当社グループ は、売買目的保有として分類されたもの、又はデリバティブである場合、純損益を通じ
て公正価値で測定する金融負債に分類しております。その他の金融負債は、償却原価で測定する金融負
債に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融負債に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しておりま
す。
すべ ての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定 す る金融負債については、
直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
( b )事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
① 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後公正価値で測定し、その変動
については当期の純損益として認識しております。
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② 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しておりま
す。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部とし
て当期の純損益と して認識しております。
(c) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又
は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
c 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は
資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、 連結 財政状態計算書 上で相殺し、純額で
表示しております。
d デリバティブ及びヘッジ会計
外貨建債務については、将来の為替レート変動リスクを回避する目的で、通貨オプション取引及び為替
予約取引等を利用しております。また、航空燃料の価格変動リスクを抑制し、コストを安定させることを
目的として、コモディティ・デリバティブ取引 を利用しております。 これらのデリバティブは、契約が締
結された時点の公正価値で当初認識され、関連する取引費用は発生時に費用として認識しております。当
初認識後は、公正価値で再測定しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施する
に当たってのリスク管理目的及び戦略について、文書化をしております。当該文書は、具体的なヘッジ手
段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因する
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の公
正価値変動の有効性の評価方法などを含んでおります。 具体的には、以下の項目をすべて満たす場合に、
ヘッジが有効と判断しております。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること
・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が、企業が実際にヘッジしているヘッジ対象の量と企業がヘッジ対象の当該
量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること
ヘッジ比率については、ヘッジ対象の価格変動に対応するヘッジ手段の価格変動の度合い等の経済的関
係及びリスク管理戦略に照らして適切に設定しております。
当社グループは、ヘッジ関係が将来に向けて有効であるかどうかを継続的に評価しております。有効性
の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定していますが、予定取引を
ヘッジ対象としているため、ヘッジ手段の価値変動がヘッジ対象の価値変動を上回る場合があります。そ
の場合には、ヘッジの非有効部分が生じます。
ヘッジ関係について有効性が認められなくなったものの、リスク管理目的に変更がない場合は、ヘッジ
関係が再び有効となるようヘッジ比率を再調整しております。また、ヘッジ関係についてリスク管理目的
が変更された場合は、ヘッジ会計の適用を中止しています。
当社グループは、ヘッジ会計の手法として キャッシュ・フロー・ヘッジのみを採用しており ます。
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分は、その他の包括利益として認識し、非有効部分は直ち
に純損益として認識しております。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与え
る時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるもの
である場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳
簿価額の修正として処理しております。
予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識してい
た累積損益を純損益に振り替えております。ヘッジされた予定取引の発生可能性が非常に高いわけではな
くなったものの、引き続き発生が 見込まれる場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識さ
れていた金額は、当該将来キャッシュ・フローが発生するまで引き続き資本に計上しております。
(4)現金及び現金同等物
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現金及び現金同等物は、手許現金、預入期間1年以内の定期預金を含む随時引き出し可能な預金、及び容
易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期
限 の到来する短期投資から構成されております。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から販売に要するコストの見積額を控除した額
です。原価は、主として移動平均法に基づいて算定しており、購入原価並びに棚卸資産の現在の保管場所及
び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。
(6)有形固定資産
① 認識及び測定
当社グループは、有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から 減価償却累計額お
よび減損損失累計額を控除した金額で測定しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費
用、資産の解体・撤去および設置していた場所の原状回復費用に関する当初見積費用を含めることとして
おります。
② 減価償却及び耐用年数
減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の見積耐用年数にわたって、主として定額法により算定して
おります。土地および建設仮勘定は減価償却しておりません。
主要な有形固定資産項目ごとの見積耐用年数は次のとおりです。
航空機 8 -20年
その他 2-65年
なお、減価償却方法、見積耐用年数および残存価額は毎期見直しを行い、変更があった場合は会計上の
見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(7)無形資産
当社グループは、無形資産の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失
累計額を控除した金額で測定しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。
無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたっ
て定額法で償却しております。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりです。
ソフトウェア 5年
なお、 償却方法、見積耐用年数および残存価額 は毎期見直しを行い、変更があった場合は会計上の見積り
の変更として将来に向かって適用しております。
(8) リース
当社グループでは、 特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約
又は契約の一部については、リースである又はリースを含んだものであると判断し、リースの開始日におい
て使用権資産及びリース負債を認識しております。ただし、短期リースおよび原資産の価値が少額である
リースについては、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識し
ております。
リース負債は、個々の契約に基づくリース開始日現在で支払われていないリース料総額の現在価値で計上
し、リース期間にわたってリース料の支払いに応じてリース負債の元本返済と実効金利法に基づく利息の支
払いを認識しております。リースの計算利子率または計算利子率を容易に算定できない場合には、通常、当
社グループは割引率として追加借入利子率を用いています。
使用権資産は、リース負債の計上額に既に支払い済みの対価やリース終了に際して発生が見込まれる原状
回復費用の見積額等の調整を加えた取得原価で計上し、リース期間にわたって定額法により減価償却を行っ
ております。
(9)非金融資産の減損
棚卸資産および繰 延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、毎期末日において減損の兆候の有無
を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。耐用年
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数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可
能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい
方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値お
よび当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いております。減損テストに
おいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフ
ローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆
候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に純損益として認識してお
ります。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、資金生成単位内の資産の帳簿価額を比例的に減額し
ております。
過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しておりま
す。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れております。減損損失は、
減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費および償却 額を控除した後の帳簿価額を上
限として回収可能価額まで戻入れております。
(10)従業員給付
(a)退職後給付
従業員の退職後給付制度として、確定給付制度および確定拠出制度を採用しております。
① 確定給付制度
確定給付型退職後給付制度に関する確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値か
ら制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度債務の現在価値および関連する当期
勤務費用ならびに過去勤務費用を独立した年金数理人が予測単位積増方式により毎期算定しておりま
す。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した
期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度から生じるすべての給付負債(資産)の純額の再測定額は、発生した期においてその他
の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。
過去勤務費用は、純損益として即時に認識しております。
② 確定拠出制度
確定 拠出型の 退職給付に係る費用は、従業員が勤務サービスを提供した期間に費用として認識してお
ります。
(b) 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連する勤務サービスが提供された時点で費用として
計上しております。
(11)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債
務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積り
ができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨
幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いておりま
す。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
① 資産除去債務
資産除去債務には、当社グループが使用する賃借事務所・建物・航空機等に対する原状回復義務に備え、
過去の原状回復実績および見積書等に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費
用は、事務所等に施した内部造作の耐用年数や賃借期間を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われ
ると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
② 独禁法関連引当金
独禁法関連引当金は、価格カルテルに係る制裁金や賠償金等の支払いに備え、課徴金支払命令の金額等を
基に見積り、認識・測定しております。各国独禁当局の判断や訴訟の結果により、支払額が見積額と異なる
場合があります。将来において経済的便益の流出が予想される時期は、連結会計年度末日より1年を経過し
た後と見込んでおりますが、将来の各国独禁当局の判断や訴訟の動向等により影響を受けます。
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(12)収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等及びIFRS第16号「リース」に基
づくリース収入を除く顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しておりま
す。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
具体的な収益認識の基準は注記「24.売上収益」に記載しております。
(13)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付 帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得ら
れたときに公正価値で認識しております。
政府補助金が収益・費用に関連 する場合は、補助金で補償することが意図されている関連コストを費用と
して認識する期間にわたって、規則的に純損益にて認識しております。資産に関する補助金は、当該補助金
の金額を資産の取得原価から控除しております。
(1 4 )法人所得税費用
法人所得税費用は、当期税金および繰延税金から構成され、企業結合から生じた項目、その他の包括利益
で認識される項目、および資本に直接認識される項目に関連する項目を除き、純損益として認識しておりま
す。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額
の算定に使用する税率及び税法は、当社グループが事業活動を行い、課税対象とする純損益を稼得する国に
おいて、期末日までに制定又は実質的に制定されたものです。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との間の一時差異に基づい
て算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金のう
ち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産の帳簿価額
は、繰延税金資産の便益を実現させるのに十分な課税所得を稼得する可能性が高くなった範囲で認識してお
ります。繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異については、繰延税金資産または負債を計上しておりません。
・企業結合以外の取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引におけ
る資産または負債の当初認識
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関して
は、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象と
なる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関して
は、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しな
い可能性が高い場合
繰延税金資産および負債は、期末日までに制定または実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産
が実現される、または負債が決済される年度の税率を見積り、算定しております。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、か
つ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
(15) 借入コスト
意図した使用又は販売 が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産に関して、その資産の取得、建設
又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。
その他の借入コ ストは、それが発生した期間の費用として純損益で認識しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
連結財務諸表の作成に当たり、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を
及ぼす仮定に基づく見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、過去の実績及び報告期間
の末日において合理的であると考えられる様々な要因を勘案した、経営者の最善の見積り及び判断に基づいて
おりますが、将来における実際の結果は、これらと異なる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを
見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
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なお、固定資産の減損や繰延税金資産の認識等のもととなる将来業績の見積りは、当社グループの中期経営
計画を基礎としており、新型コロナウイルス感染拡大による航空需要への影響の度合い、需要回復までの期
間、 回復後の需要予測ならびに燃油価格、為替に関する市況変動の予測を主要な仮定として織り込んでおりま
す。また、新型コロナウイルス感染拡大による影響については、今後、日本および世界各国でワクチン接種が
進み、日本国内外での人の移動が徐々に回復することが見込まれておりますが、当社グループにおいては、国
際航空運送協会(IATA)が作成している需要回復シナリオなどを参考にして、今後一定期間かけて航空需要が
回復し、2023年度には新型コロナウイルス感染拡大以前の利益水準まで回復する仮定のもと、会計上の見積り
を行っております。
新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確定要素が多く、今後の当社グループの財政状態、経営成績に
影響を及ぼす可能性があります。
(1)見積り
経営者が行っ た連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです 。
①収益認識(注記「3.重要な会計方針 (12)収益」、 注記「24.売上収益」 )
航空運送に係る収益は、対価の受領時等において契約負債として認識し、航空輸送役務の完了時に収益
計上しております。
航空輸送に使用される予定のない航空券販売(失効見込みの未使用航空券)は、航空券の条件や過去の
傾向を考慮して適切な認識のタイミングを見積り、収益認識しております。
ま た、当社グループは会員顧客向けのマイレージプログラム「JALマイレージバンク」を運営してお
り、旅客輸送サービス等の利用に応じて付与するマイレージは、将来当社グループおよび提携他社による
サービスを受けるために利用することができます。
付与したマイレージの内、将来顧客が行使することが見込まれる分を履行義務として認識し、顧客がマ
イレージの利用に際して選択するサービスの構成割合を考慮して独立販売価格を見積り、取引価格はこれ
らの履行義務に対して独立販売価格の比率に基づいて配分しております。 マイレージプログラムの履行義
務に配分された取引価格は契約負債として認識し、マイレージの利用に従い収益計上しております。
当連結会計年度末における契約負債の金額は215,239百万円です。
②航空機等の減価償却費 (注記「 3.重要な会計方針 (6)有形固定資産 」)
航空機、航空機エンジン部品および客室関連資産等の各構成要素の耐用年数決定にあたり、将来の経済
的使用可能予測期間を考慮して、減価償却費を算定しております。
当連結会計年度末における航空機の金額は827,587百万円です。
(会計上の見積りの変更)
当社は、退役を予定している一部の航空機、航空機エンジン部品及び客室関連資産等について、将来の
経済的使用可能予測期間の見直しを行い、当連結会計年度において耐用年数を変更しております。この変
更により、当連結会計年度の営業損失、投資・財務・法人所得税前損失、財務・法人所得税前損失、税引
前損失はそれぞれ10,829百万円増加しております。なお、セグメントに与える影響については「6.セグ
メント情報」に記載しております。
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③固定資産の減損 (注記「 3.重要な会計方針 (9)非金融資産の減損 」、注記「13.非金融資産の減
損」)
期末日現在の対象資産(帳簿価額:有形固定資産1,045,413百万円、無形資産89,662百万円)につい
て、減損が生じている可能性を示す事象があるかを検討し、減損の兆候が存在する場合には、当該資産に
ついて減損損失の計上要否の検討を行っております。
当連結会計年度においては、対象資産の大部分を占める航空運送事業セグメントに含まれる航空運送事
業について新型コロナウイルス感染拡大の影響により営業損失が計上され、今後も影響が続くと見込まれ
ることから、減損の兆候があると判断し、減損損失の計上の要否について検討を行いました。
当該航空運送事業の見積将来キャッシュ・フローについて、貨幣の時間的価値および当該資産に固有の
リスクを反映させた税引前割引率を用いて現在価値に割り引いた使用価値を回収可能価額として算定し検
討したところ、回収可能価額が固定資産の帳簿価額を超えると判断されたため、減損損失は計上しており
ません。
なお、当連結会計年度の減損損失は、売却契約を締結した、または退役が決定した航空機について、資
金生成単位を変更し、処分コスト控除後の公正価値まで減額したものです。
④繰延税金資産の認識 (注記「 3.重要な会計方針 (14)法人所得税費用 」、注記「15.法人所得税」)
当社グループは、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金を利用できる課税所得が
生じる可能性が高い範囲内で繰延税金資産を認識しております。
当連結会計年度末における繰延税金資産および負債の金額は、それぞれ225,886百万円および108百万円
です。
(2)判断
①連結の範囲(注記「3.重要な会計方針 (1)連結の基礎」)
当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有
し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グ
ループは当該企業を支配していると判断しております。
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、重要な影響があるもの
はありません。
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6.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社グループの報告 セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であ
り、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている
ものであります。
当社グループは、主として国際線及び国内線の定期及び不定期航空運送事業を行っております。
したがって、当社グループは、 「航空運送事業」を報告セグメントとしております。
(2)報告セグメントに関する情報
当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は次のとおりです。
なお、セグメント間の売上収益は、市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
報告セグメント
その他 調整額
連結(注)3
計
(注)1 (注)2
航空運送事業
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
売上収益
1,166,462 219,451 1,385,914 - 1,385,914
外部収益
95,420 26,488 121,908 △ 121,908 -
セグメント間収益
合計 1,261,883 245,940 1,507,823 △ 121,908 1,385,914
投資・財務・法人所得税前利益(△
74,774 12,803 87,578 △ 78 87,500
は損失)
投資収益
- - - - 2,399
- - - - △ 1,091
投資費用
- - - - 1,102
財務収益
- - - - △ 1,760
財務費用
- - - - 88,149
税引前利益(△は損失)
その他の項目
△ 160,826 △ 3,578 △ 164,405 21 △ 164,383
減価償却費、償却費及び減損損失
持分法による投資損益(△は損失) △ 255 1,658 1,402 △ 5 1,396
(注)1 その他には、旅行企画販売事業等を含んでおります。
2 セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去です。
3 セグメント利益は、連結損益及びその他の包括利益計算書の投資・財務・法人所得税前利益(△は損失)と
調整を行っております。
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
報告セグメント
その他 調整額
連結(注)3
計
(注)1 (注)2
航空運送事業
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
売上収益
395,584 85,641 481,225 - 481,225
外部収益
36,237 21,988 58,225 △ 58,225 -
セグメント間収益
431,821 107,629 539,451 △ 58,225 481,225
合計
投資・財務・法人所得税前利益(△
△ 403,374 5,405 △ 397,968 △ 28 △ 397,997
は損失)
投資収益
- - - - 2,694
- - - - △ 3,003
投資費用
- - - - 1,799
財務収益
- - - - △ 7,570
財務費用
- - - - △ 404,078
税引前利益(△は損失)
その他の項目
△ 188,226 △ 2,382 △ 190,609 24 △ 190,585
減価償却費、償却費及び減損損失
持分法による投資損益(△は損失) △ 7,771 185 △ 7,586 3 △ 7,582
(注)1 その他には、旅行企画販売事業等を含んでおります。
2 セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去です。
3 セグメント利益は、連結損益及びその他の包括利益計算書の投資・財務・法人所得税前利益(△は損失)と
調整を行っております。
4 「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおり、退役を予定している一部の航空機、航空機エンジ
ン部品及び客室関連資産等について、将来の経済的使用可能予測期間の見直しを行い、当連結会計年度にお
いて耐用年数を変更しております。この変更により、当連結会計年度の投資・財務・法人所得税前損失が航
空運送事業で10,829百万円増加しております。
(3)製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
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(4)地域に関する情報
外部顧客からの売上収益
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
日本 アジア・オセアニア 米州 欧州 計
826,573 239,384
228,974 90,982 1,385,914
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
日本 アジア・オセアニア 米州 欧州 計
348,262 55,939
50,798 26,226 481,225
(注)1.国又は地域の区分の方法及び区分に属する主な国又は地域
①国又は地域の区分方法
地理的近接度により区分しております。
②各区分に属する国又は地域
アジア・オセアニア:中国、韓国、台湾、インド、インドネシア、オーストラリア、グアム
シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア
米州:アメリカ合衆国(除くグアム)、カナダ
欧州:イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、ロシア
非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の金額の大部分を占めるた
め、記載を省略しております。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、特定の顧客への売上収益であって、 連結損益及びその他の包括利益計算書
の売上収益の10%以上を占めるものがないため、記載を省略しております。
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7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
現金及び預金
462,064 329,149 408,335
( 預入期間1年以内の定期預金を含む )
60,000 -
-
短期投資
522,064 329,149 408,335
合計
現金及び預金、短期投資はいずれも償却原価で測定する金融資産に分類しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。1年以内に回収が見込まれない額に重要性はありませ
ん。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
受取手形及び営業未収入金 129,981 68,250 62,625
14,072 25,821 14,135
その他
144,053 94,071 76,760
合計
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定 す る金融資産に分類しております。
9.その他の金融資産
(1)その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産 (注)1
76,450
株式等 78,643 83,913
償却原価で測定する金融資産
28,321
保証金 25,646 21,651
6,096
貸付金 7,732 6,341
4,267
債券 3,330 7,040
666
その他 225 501
純損益を通じて公正価値で測定する金融資
産
デリバティブ資産 (注)2
5,459 1,032 17,233
4,687
投資事業有限責任組合への出資 2,516 5,506
- -
1,027
その他
121,524
124,582 142,188
合計
1,305
流動資産 5,067 14,133
120,218
119,515 128,055
非流動資産
121,524
124,582 142,188
合計
(注)1 純投資目的以外の目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指 定
しております。
(注)2 デリバティブ資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。しかし、当社は有
効性の高いヘッジを行っているため、デリバティブ資産の公正価値変動のほとんどすべてを、キャッシュ・
フロー・ヘッジの有効部分として、その他の包括利益に認識しております。
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(2 ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の内訳は 次のとおりです 。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
市場性あり 44,036 40,584 50,340
34,607 35,866 33,572
市場性なし
76,450
78,643 83,913
合計
上述のうち、主な市場性のある 銘柄の公正価値は 次のとおりです 。市場性のある銘柄は、取引・協業関係
の構築・維持・強化を目的として保有しております。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
日本空港ビルデング(株) 20,561
18,362 23,926
イオン(株) 7,990
8,274 11,378
4,726 5,196 6,251
(株)オリエンタルランド
東日本旅客鉄道(株) 5,881 4,502 4,316
市場性のない銘柄は、主に空港ビルの管理及び運営事業を営む取引先等への出資であり、 取引・協業関係
の構築・維持・強化を目的として保有しております。
(3 ) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識の中止
当社グルー プは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的として、その他の包括利益を通じて公正価値
で測定する金融資産の一部を売却することにより、認識を中止しております。
各連 結会計年度における売却時の公正価値及びその他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失
は 次のとおりです 。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
公正価値 累積利得又は損失 公正価値 累積利得又は損失
百万円 百万円 百万円 百万円
1,298 301 689 285
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、認識を中止した又は公正価値が著しく下落し
た場合、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失を利益剰余金に振替えております。利益
剰余金に振替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税引後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度
において、それぞれ△509 百万円及び△3,399百万円です。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品から認識された受取配当金の内訳は
次のとおりです 。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期中に認識の中止を
期末日現在で保有 当期中に認識の中止を 期末日現在で保有
している投資 行った投資 している投資
行った投資
百万円 百万円 百万円 百万円
9 1,571 30 1,320
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10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
21,923 26,489 22,020
貯蔵品
1,758 1,919 1,660
その他
23,682 28,409 23,680
合計
費用として認識 された棚卸資産の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ261,870
百万円及び105,849百万円です。
また、費用として 認識された棚卸資産の評価減の金額は、 前連結会計年度及び 当連結会計年度において、 そ
れぞれ 1, 203 百万円 及び2,058 百万円です。
11.有形固定資産
(1)増減表
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに減価償却累計額および減損損失累計額は次のとおりで
す。
帳簿価額
航空機 その他の
航空機 土地 建物 その他 合計
建設仮勘定 建設仮勘定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
733,961 138,569 861 29,584 3,206 18,263 924,447
2019年4月1日
取得 (注)1
17,637 168,209 - 2,571 15,140 4,500 208,060
減価償却費 △103,179 - - △3,280 - △5,083 △111,543
減損損失 △523 - △2 △77 - △33 △636
振替 204,188 △204,188 - 4,394 △10,315 5,921 -
処分 △8,526 - △5 △886 - △191 △9,609
在外営業活動体の外貨換
- - - △1 - △1 △3
算差額
64 △71 - 358 △499 △6 △154
その他
2020年3月31日 843,623 102,519 853 32,663 7,531 23,369 1,010,559
取得 (注)1
2,539 86,315 - 1,037 5,904 1,390 97,186
減価償却費 △116,888 - - △3,355 - △5,348 △125,592
減損損失 △7,835 △249 - - - - △8,085
振替 58,702 △58,702 - 2,738 △7,714 4,976 -
処分 △2,035 - - △206 - △284 △2,526
在外営業活動体の外貨換
- - - 0 - 4 5
算差額
△0 - - 234 △1,620 12 △1,374
その他
778,104 129,882 853 33,112 4,099 24,120 970,173
2021年3月31日
(注)1 前連結会計年度および当連結会計年度において圧縮記帳をした、国及び地方公共団体から受領した離島運航
用 機材更新実施に係る政府補助金等は、それぞれ2,448百万円及び516百万円であり、取得の金額から控除し
て表示しております。
なお、この政府補助金に付随する未履行の条件もしくはその他の偶発事象はありません。
(注)2 当連結会計年度において、有形固定資産の取得に起因する借入コストを当該資産の取得原価の一部として資
産化しております。当連結会計年度に資産計上した借入コストは、268百万円です。なお、その際に適用し
た資産化率は0.18%です。
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取得原価
航空機 その他の
航空機 土地 建物 その他 合計
建設仮勘定 建設仮勘定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
1,175,562 138,569 861 56,856 3,206 45,606 1,420,663
2019年4月1日
1,366,402 102,519 853 62,583 7,531 53,868 1,593,757
2020年3月31日
1,398,662 129,882 853 65,247 4,099 57,491 1,656,237
2021年3月31日
減価償却累計額及び減損損失累計額
航空機 その他の
航空機 土地 建物 その他 合計
建設仮勘定 建設仮勘定
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
2019年4月1日 △ 441,600 - - △ 27,272 - △ 27,343 △ 496,216
2020年3月31日 △ 522,778 - - △ 29,920 - △ 30,498 △ 583,197
2021年3月31日 △ 620,557 - - △ 32,135 - △ 33,370 △ 686,064
12.無形資産
(1)増減表
無形資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに償却累計額および減損損失累計額は次のとおりです。
帳簿価額
ソフトウェア その他 合計
百万円 百万円 百万円
92,076 179 92,255
2019年4月1日
増加(注)
31,048 22 31,070
償却費 △25,441 △26 △25,468
減損損失 △1,190 △5 △1,196
処分 △139 △0 △139
在外営業活動体の外貨換算差額 △1 0 △1
△708 △33 △742
その他
2020年3月31日 95,642 134 95,777
増加(注)
23,071 65 23,136
償却費 △28,114 △26 △28,140
減損損失 △11 - △11
処分 △540 - △540
在外営業活動体の外貨換算差額 1 △2 △0
△517 △40 △557
その他
89,531 130 89,662
2021年3月31日
取得原価
ソフトウェア その他 合計
百万円 百万円 百万円
216,733 227 216,960
2019年4月1日
238,366 193 238,559
2020年3月31日
256,269 193 256,463
2021年3月31日
償却累計額及び減損損失累計額
ソフトウェア その他 合計
百万円 百万円 百万円
2019年4月1日 △ 124,657 △ 48 △ 124,705
2020年3月31日 △ 142,723 △ 58 △ 142,782
△ 166,738 △ 63 △ 166,801
2021年3月31日
(注)ソフトウェアの増加額は、主として内部開発によるものです。
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13.非金融資産の減損
(1)減損損失
当社グループは、減 損損失の算定にあたって概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとし
て識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っております。 また、売却および除却
予定資産または遊休資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っています。
減損損失は、 連結損益及びその他の包括利益計算書 の「減価償却費、償却費及び減損損失」に計上してお
ります。
前連結会計年度に認識した有形固定資産に係る減損損失は、主に航空機について、売却契約を締結した、
または退役が決定することにより当該資産の用途とグルーピングの単位を変更し、代替投資が予定されてお
らず、売却想定価額が帳簿価額を下回ることが見込まれること等により、当該資産の帳簿価額を売却契約等
に基づいた処分コスト控除後の公正価値により測定し算定した回収可能価額 201百万円まで減額しておりま
す。当該公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類されております。
また、 無形資産に係る減損損失は、株式会社アクセス国際ネットワークのソフトウェアについて、同社の
営業終了の意思決定を行ったことにより、当該資産の用途とグルーピングの単位を変更し、回収可能価額で
ある使用価値がゼロ円であるため、当該資産の帳簿価額を全額減額しております。
前連結会計年度に認識した減損損失の内訳は次のとおりです。
百万円
セグメント 用途 資産の種類 金額
売却および除却予定資産 航空機 523
航空運送事業
または遊休資産 その他 16
売却および除却予定資産 無形資産 1,196
その他
または遊休資産 その他 221
合計 1,959
当連結会計年度に認識した有形固定資産に係る減損損失は、主に事業構造改革の一環で早期退役を実施す
る航空機について、売却契約を締結した、または退役が決定することにより当該資産の用途とグルーピング
の単位を変更し、代替投資が予定されておらず、売却想定価額が帳簿価額を下回ることが見込まれること等
により、当該資産の帳簿価額を売却契約等に基づいた処分コスト控除後の公正価値により測定し算定した回
収可能価額 1,735百万円まで減額しております。当該公正価値ヒエラルキーはレベル3に分類されておりま
す。
当 連結会計年度に認識した減損損失の内訳は次のとおりです。
百万円
セグメント 用途 資産の種類 金額
売却および除却予定資産 航空機 7,835
航空運送事業
または遊休資産 航空機建設仮勘定 249
売却および除却予定資産 無形資産 11
その他
または遊休資産
合計 8,096
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14.持分法で会計処理されている投資
(1)関連会社に対する投資
個々には重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
帳簿価額合計
28,756 27,695 21,558
個々には重要性のない関連会社の当期包括利益の持分取込額は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
当期利益に対する持分取込額
900 △7,327
その他の包括利益に対する持分取込額 △1,479 1,545
△579 △5,781
当期包括利益に対する持分取込額
(2)共同支配企業に対する投資
個々には重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
帳簿価額合計
2,940 3,410 2,674
個々には重要性のない共同支配企業の当期包括利益の持分取込額は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
当期利益に対する持分取込額
496 △255
その他の包括利益に対する持分取込額
5 △12
501 △268
当期包括利益に対する持分取込額
当社グループにとって個々に重要性のある関連会社および共同支配企業はありません。
(3)関連会社の損失に対する持分の認識を停止している未認識の持分
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期の関連会社の損失に対する未認識の持分 - 4,161
関連会社の損失に対する未認識の持分の累計額 - 4,161
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15.法人所得税
(1)繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は次のとおりです。
前連結会計年度( 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 )
その他の包
2019年 純損益を通 資本に直接 2020年
括利益にお その他
4月1日 じて認識 認識 3月31日
いて認識
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
繰延税金資産
45,896
退職給付に係る負債 78,082 △30,940 △1,244
契約負債 48,619 4,156 52,775
減価償却損金算入限度超過額 4,827 △316 4,510
未実現利益 3,397 231 3,628
機材関連繰延負債 2,943 △193 2,750
減損損失 2,274 1 2,276
資産除去債務 1,510 29 1,539
未払賞与 7,735 △6,925 810
キャッシュ・フロー・ヘッジ
916
8,402 9,319
の有効部分
繰越欠損金 6,793 3,498 10,291
5,328 △843 △4 4,479
その他
162,428 △31,303 7,157 - △4 138,278
合計
繰延税金負債
その他の包括利益を通じて公
13,206 △1,121 217 12,302
正価値で測定する金融資産
キャッシュ・フロー・ヘッジ
1,722 △1,521 △180 20
の有効部分
退職給付に係る資産 385 △2,932 2,851 304
629
資産除去債務 62 692
3,225 △367 2,858
その他
19,169 △3,236 208 217 △180 16,177
合計
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
その他の包
2020年 純損益を通 資本に直接 2021年
括利益にお その他
3月31日 じて認識 認識 3月31日
いて認識
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
繰延税金資産
46,576
退職給付に係る負債 45,896 △173 853
契約負債 52,775 △15,868 36,907
3,831
減価償却損金算入限度超過額 4,510 △679
未実現利益 3,628 △67 3,561
機材関連繰延負債 2,750 △70 2,679
2,291
減損損失 2,276 15
1,536
資産除去債務 1,539 △2
358
未払賞与 810 △452
キャッシュ・フロー・ヘッジ
144
9,319 △9,109 △65
の有効部分
148,464
繰越欠損金 10,291 138,173
4,579
4,479 △154 310 △56
その他
138,278 120,719 △8,256 310 △121 250,931
合計
繰延税金負債
その他の包括利益を通じて公
12,302 3,094 △90 15,305
正価値で測定する金融資産
キャッシュ・フロー・ヘッジ
20 5,584 5,604
の有効部分
退職給付に係る資産 304 1,047 △264 1,086
資産除去債務 692 101 794
2,858 △496 2,361
その他
16,177 651 8,414 △90 - 25,153
合計
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の一部又は全
部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価におい
ては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮してお
ります。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間にお
ける将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと考えております。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
税務上の繰越欠損金 567 1,744 3,273
4,593 6,736 13,865
将来減算一時差異
5,161 8,480 17,138
合計
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
1年目 363 - -
2年目 - - -
3年目 - - -
4年目 - - -
204 1,744 3,273
5年目以降
567 1,744 3,273
合計
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繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、移行日、前連
結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ 161,822百万円、 171,054百万円及び142,980百万円で
す。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一
時 差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2)法人所得税費用
前連結会計年度および当連結会計年度における、法人所得税費用の内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
当期税金費用 8,070 3,865
28,066 △120,067
繰延税金費用
36,137 △116,202
合計
繰延税金費用は、以下を除き、主に一時差異等の発生と解消に係るものです。
報告期間において発生した税務上の繰越欠損金に対して繰延税金資産を認識したことにより、前連結会計
年度の繰延税金費用が10,291百万円、当連結会計年度の繰延税金費用が138,173百万円それぞれ減少してお
ります。
従前は未認識であった税務上の欠損金又は過去の期間の一時差異から生じた便益のうち、繰延税金費用の
減額のために使用した額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ622百万円、920百万円
であり、繰延税金費用に含めております。
繰延税金費用には、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入(繰延税金資産の回収可能性
の評価)により生じた費用の額が含まれております。 これに伴い繰延税金費用は、前連結会計年度において
988百万円増加しています。
当社および国内の連結子会社の法定実効税率は、前連結会計年度において、29.9%、当連結会計年度にお
いて、30.2%の税率が適用されています。
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
% %
法定実効税率 29.9 30.2
持分法による投資損益 △0.5 △0.6
未認識の繰延税金資産の増減
10.9 △1.3
(繰越欠損金の期限切れの金額を含む。)
0.7 0.5
その他
41.0 28.8
税効果会計適用後の平均実際負担税率
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16.有利子負債及びその他の金融負債
(1)有利子負債の内訳
有利子負債の内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度 平均利率
返済期限
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日) (注) 1
%
百万円 百万円 百万円
流動
-
短期借入金 65 87 33 0.0
1年内返済予定の
14,521 0.3 -
13,248 28,917
長期借入金
1年内償還予定の
- 9,991 0.2 -
-
社債 (注) 2
1年内返済予定の
23,813 -
24,903 30,578 0.6
リース 負債
-
割賦未払金 190 195 100 2.0
非流動
2023年1月25日~
97,461 320,711 0.3
長期借入金 71,568
2035年11月30日
2023年3月17日~
社債 (注)2 89,509
49,716 79,598 0.4
2040年3月19日
2022年4月4日~
リース 負債 64,324 51,727 45,203 0.5
2033年7月19日
312 113 12 1.8
長期割賦未払金 2026年9月26日
224,329 277,430 515,147
- -
合計
- -
流動負債
38,408 38,618 69,621
185,920 238,811 445,525 - -
非流動負債
224,329 277,430 515,147
- -
合計
借入金、社債及び割賦未払金は償却原価で測定される金融負債に分類しております。
(注) 1 平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注) 2 社債の発行条件の要約は 次のとおりです 。
発行 移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
会社名 銘柄 利率 担保 償還期限
年月日 (2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円 %
2026年
日本航空(株) 第1回無担保社債 2016年12月20日 無
9,950 9,956 9,9 63 0.470
12月18日
2021年
9,991
第2回無担保社債 2016年12月20日 無
日本航空(株)
9,967 9,979 0.170
12月20日
(9,991)
2028年
日本航空(株) 第3回無担保社債 2018年9月21日 無
9,934 9,941 9,948 0.399
9月21日
2038年
第4回無担保社債 2018年9月21日 無
日本航空(株)
9,922 9,926 9,930 0.960
9月21日
2024年
日本航空(株) 第5回無担保社債 2019年3月20日 無
9,940 9,952 9,964 0.220
3月19日
2024年
日本航空(株) 第6回無担保社債 2019年12月16日 無
9,945 9,957 0.130
-
12月16日
2029年
第7回無担保社債 2019年12月16日 無
日本航空(株)
9,935 9,941 0.280
-
12月14日
2023年
日本航空(株) 第8回無担保社債 2020年3月19日 無
9,950 9,966 0.200
-
3月17日
2040年
日本航空(株) 第9回無担保社債 2020年3月19日 9,921 9,925 無
0.700
-
3月19日
89,589
49,716 89,509
合計
(9,991)
(注) ( )内書きは、1年以内の償還予定額であります。
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(2)その他の金融負債の内訳
その他の金融負債の内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
償却原価で測定する金融負債
- -
長期固定資産支払手形 34,957
44,788 35,365
預り金 30,516
その他 31 22 15
純損益を通じて公正価値で測定する金融負
債
3,060
デリバティブ負債(注)1 29,591 480
47,879 64,979
65,970
合計
39,108 51,065
流動負債 42,490
8,771 13,913
23,479
非流動負債
47,879 64,979
65,970
合計
(注)1 デリバティブ負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。しかし、当社は 有
効性の高いヘッジを行っているため、デリバティブ負債の公正価値変動のほとんどすべてを、キャッシュ・
フロー・ヘッジの有効部分として、その他の包括利益に認識しております。
17.担保資産
担保資産及び担保付き債務
担保に供されている資産は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
156,002
航空機 152,492 447,243
13,176
10,245 14,208
その他
162,738 169,178 461,452
合計
担保付き債務は次の とおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
13,395
1年内返済予定の長期借入金 13,160 24,719
82,128
73,460 266,859
長期借入金
95,524
86,620 291,578
合計
担保提 供資産は、金融機関との取引における一般的な取極めにより、返済期限の到来した債務の元本及び
利息の返済がなされず債務不履行となった場合等に、当該担保を処分し、債務返済額に充当又は相殺する権
利を、金融機関が有することを約定されております。
なお、担保提供資産は、以下の3社が金融機関との間で締結した、同社設立の目的となる事業に係るシン
ジケート・ローン契約に基づく同社の債務を担保するために根質権を設定した資産を含んでおります。
・関連会社である東京国際空港ターミナル株式会社
・熊本国際空港株式会社
・北海道エアポート株 式会社
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18.リース
当社グループでは、主に資金の効率的な運用、資産管理に係る事務負担の軽減や資産の入替に係る柔軟性の
確保等を目的として、航空機、不動産、各種設備等の賃貸借契約を締結しております。これらの契約のうち、
特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについては、リースであ
る又はリースを含んだものであると判断し、リースの開始日において使用権資産およびリース負債を認識して
おります。ただし、短期リースおよび原資産の価値が少額であるリースについては、当該リースに関連した
リース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
上記契約のうち、一部賃貸借契約には、借手がリース期間を延長する又は解約するオプション並びに借手が
契約対象資産を購入するオプションが付されています。
リースを延長する又は解約するオプション並びに契約対象資産を購入するオプションは、契約対象資産の収
益性、近隣マーケットの環境変化およびオプションの行使条件等を総合的に勘案し、行使する必要があると判
断した場合にはこれを行使することとしておりますが、リース開始日において、行使されることが合理的に確
実であるとはいえない場合には、その延長又は解約対象期間はリース期間に含めておらず、当該期間における
リース料並びに購入オプション価格はリース負債の測定に含めておりません。
リースを延長する又は解約するオプション並びに契約対象資産を購入するオプションは、いずれも、重大な
事象又は状況の変化の発生時に見直すこととしており、当連結会計年度においては見直しをしておりません。
なお、当社グループにおいては、変動リースおよび原資産の価値が少額であるリース、残価保証を含む契
約、又は契約しているにもかかわらず未だ開始していないリースに重要性はありません。
移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末における使用権資産の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
原資産の種類
合計
航空機 建物 その他
2019年4月1日 61,478 16,821 8,758 87,057
2020年3月31日 51,211 13,022 9,022 73,257
2021年3月31日 49,482 17,379 8,377 75,240
(注) 航空機の使用権資産は、連結財政状態計算書の「航空機」に含まれております。また、建物およびその他の使
用権資産は、連結財政状態計算書の「その他の有形固定資産」に含まれております。
前連結会計年度および 当連結会計年度における使用権資産の増加額、リースに関連する費用およびキャッ
シュ・アウト・フローは次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
使用権資産の減価償却費
11,230
航空機を原資産とするもの 13,747
10,382
建物を原資産とするもの 11,003
3,799
その他を原資産とするもの 4,003
使用権資産の減価償却費合計 25,412 28,755
252
リース負債に係る支払利息 274
7,255
短期リースに係る費用 5,566
リースに係るキャッシュ・アウト・フロー 34,347 32,358
13,121
使用権資産の増加額 30,715
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移行日、前連結会計年度末および 当連結会計年度末におけるリース負債の満期分析は、次のとおりです。
なお、契約上のキャッシュ・フローは、利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しておりま
す。
契約上の
1 年 超
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 5年超
5年以内
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
移行日(2019年4月1日) 89,227 90,200 46,936 18,068
25,194
前連結会計年度(2020年3月31日) 75,541 76,488 24,081 37,760 14,646
当連結会計年度(2021年3月31日) 75,781 76,737 31,024 29,163 16,548
19.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。1年を超えて決済される見込みの額に重要性はありま
せん。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
営業未払金 128,514 111,681 85,618
9,169 13,526 11,566
その他
137,684 125,208 97,185
合計
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定 す る金融負債に分類しております。
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20.従業員給付
当社および主要な連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型および非積立型の確定給付制度並
びに確定拠出制度を採用しており、ほぼすべての従業員が対象となっております。また、従業員の退職等に際
して、IFRSに準拠した数理計算による確定給付制度債務の対象とされない割増退職金を支払う場合がありま
す。なお、これらの年金制度は、一般的な投資リスク、利率リスク、寿命リスク等に晒されていますが、重要
なリスクではないと判断しております。
積立型の確定給付制度は、当社グループと法的に分離された年金基金により運用されております。年金基金
の理事会および年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められて
おり、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。
当連結会計年度末において、当社及び連結子会社全体で退職一時金制度については38社が有しております。
また、企業年金基金はJAL企業年金基金等3基金等を有しております。なお、一部の海外子会社でも確定給付
型の制度を有しております。
当社を母体企業とするJAL企業年金基金では、キャッシュバランス類似制度等を選択制にて導入しておりま
す。また、一部の国内連結子会社等より構成されるJALグループ企業年金基金では、キャッシュバランスプラ
ンを導入しております。
(1)確定給付制度
① 確定給付制度債務および制度資産の調整表
確定給付制度債務および制度資産と 連結財政状態計算書 に計上された確定給付負債および資産の純額と
の関係は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
積立型の確定給付制度債務の現在価値 415,773 398,326 393,741
△261,405 △345,577 △344,426
制度資産の公正価値
小計
154,367 52,749 49,315
100,759 97,643 100,677
非積立型の確定給付制度債務の現在価値
255,127 150,392 149,992
確定給付負債及び資産の純額
連結財政状態計算書 上の金額
退職給付に係る負債 256,305 151,330 153,169
△1,178 △938 △3,176
退職給付に係る資産
連結財政状態計算書 に計上された確定給付
255,127 150,392 149,992
負債及び資産の純額
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② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
確定給付制度債務の現在価値の期首残高 516,533 495,969
当期勤務費用 15,378 15,127
利息費用 1,615 2,411
再測定
財務上の仮定の変化により生じた数理計算上の差
△9,553 4,411
異
実績の修正により生じた数理計算上の差異 △2,078 5,337
給付支払額 △25,675 △28,856
△250 17
その他
495,969 494,418
確定給付制度債務の現在価値の期末残高
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度におい
てそれぞれ7.5年、7.4年及び6.7年です。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
345,577
制度資産の公正価値の期首残高 261,405
利息収益 1,430 2,157
再測定
制度資産に係る収益(利息収益を除く)
2,340 6,237
事業主からの拠出金 99,684 11,802
従業員からの拠出金 702 701
給付支払額 △19,846 △21,766
△140 △283
その他
345,577 344,426
制度資産の公正価値の期末残高
当社グループは、翌連結会計年度(2022年3月期)に7,015百万円の掛金を拠出する予定です。
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④ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
活発な市 活発な市 活発な市 活発な市 活発な市 活発な市
場価格の 場価格の 合計 場価格の 場価格の 合計 場価格の 場価格の 合計
ある資産 ない資産 ある資産 ない資産 ある資産 ない資産
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
現金及び現金同等物 2,013 - 2,013 10,811 - 10,811 8,803 - 8,803
資本性金融商品
国内株式
1,803 - 1,803 2,266 - 2,266 3,850 - 3,850
外国株式 3,686 - 3,686 6,350 - 6,350 9,258 - 9,258
負債性金融商品
国内債券
6,599 - 6,599 11,794 - 11,794 10,309 - 10,309
外国債券 3,459 - 3,459 33,321 - 33,321 34,495 - 34,495
生保一般勘定 - 237,012 237,012 - 275,386 275,386 - 270,877 270,877
- 6,829 6,829 - 5,646 5,646 - 6,830 6,830
その他
17,563 243,842 261,405 64,544 281,032 345,577 66,717 277,708 344,426
合計
当社グループの制度資産の運用方針は、規定に従い、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行
うために、中長期的 に安定的な収益を確保することを目的としております。具体的には、定期的に定めら
れた許容リスクの範囲内で目標収益率および投資資産別の資産構成割合を設定し、その割合を維持するこ
とにより運用を行います。 資産構成の見直し時には、確定給付制度債務の変動との連動性が高くなるよ
う、構成割合、採用する制度資産の検討を行っております。
また、確定給付企業年金法に基づき、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年毎に
掛金の再計算を行うなど定期的に拠出額の見直しを行っております。
⑤ 主な数理計算上の仮定
数理計算に用いた主な仮定は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
% % %
割引率(加重平均値)
主として0.3 主として0.5 主として0.4
⑥ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.1%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は次のと
おりです。この分析は、他のすべての変数が一定であると仮定していますが、実際には他の仮定の変化が
感応度分析に影響する可能性があります。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
割引率が0.1%上昇した場合 △6,002 △5,461 △5,535
割引率が0.1%低下した場合 6,084 5,533 5,609
(2)確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度1,839百万円、当連結会計年度1,971
百万円です。
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21.引当金
引当金の内訳及び増減は次のとおりです。
資産除去債務 独禁法関連引当金 合計
百万円 百万円 百万円
2020年4月1日 10,049 5,816 15,865
期中増加額 4,905 223 5,128
割引計算の期間利息費用 65 65
-
期中減少額(目的使用)
1,494 - 1,494
期中減少額(戻入) 147
- 147
13,379 6,039 19,418
2021年3月31日
引当金の 連結財政状態計算書 における内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
流動負債 - 1,220 3,750
14,594 14,645 15,667
非流動負債
14,594 15,865 19,418
合計
各引当金の説明については、「3.重要な会計方 針 (11)引当金」に記載しております。
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22.資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数および発行済株式総数
授権株式数および発行済株式総数の増減は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
千株 千株
授権株式数
700,000 700,000
普通株式
第1種優先株式 12,500 12,500
第2種優先株式 12,500 12,500
第3種優先株式 12,500 12,500
12,500 12,500
第4種優先株式
750,000 750,000
合計
発行済株式総数 (注)1
期首残高 349,028 337,143
△11,885
期中増減 (注)2 100,000
337,143 437,143
期末残高
(注)1 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込
済みとなっております。
(注)2 前連結会計年度における発行済株式数の減少は、自己株式の消却によるものです。
当連結会計年度における発行済株式数の増加は、公募増資および第三者割当増資によるものです。
(2)自己株式 および関連会社保有の当社株式
当社保有の自己株式および関連会社保有の当社株式は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
株数(千株) 株数(千株) 株数(千株)
当社保有の自己株式 136 136 136
関連会社保有の当社株式 294 294 294
(3)資本に含まれている剰余金 の内容および目的
(a) 資本剰余金
① 資本準備金
日本における会社法(以下「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分
の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社
法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
② その他資本剰余金
支配の喪失を伴わない子会社に対する所有持分の変動といった一定の資本取引等によって生じる剰余
金です。
(b)利益剰余金
利益剰余金は、当連結会計年度および過年度に純損益として認識されたもの並びに その他の包括利益累
計額 から振り替えられたものから構成されております。
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(4 )当期に資本からの控除として会計処理した取引コストの金額
当期に資本からの控除として会計処理した取引コストの金額は727百万円です。
(5 ) その他の包括利益累計額の内容および目的
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
② キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッ
シュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部
分です。
③ 在外営業活動体の外貨換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
④ 確定給付制度の再測定
確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)お
よび資産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額です。
また、数理計算上の差異とは、確定給付制度債務に係る実績による修正(期首における数理計算上の仮
定と実際の結果との差異)および数理計算上の仮定の変更による影響額です。
これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の包括利益累計額から利益剰余金に直
ちに振替えております。
23.配当金
(1) 配当金の支払額
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
配当金の総額 1株当たり配当額
決議日 基準日 効力発生日
(百万円) (円)
2019年6月18日
19,189 55.00 2019年3月31日 2019年6月19日
定時株主総会
2019年10月31日
18,869 55.00 2019年9月30日 2019年12月3日
取締役会
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
該当事項はありません。
(2) 配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
該当事項はありません。
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24.売上収益
(1)売上収益の分解
売上収益とセグメント収益の関連
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
セグメント
航空運送事業 その他 計 内部取引調整 合計
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
国際線
旅客収入 486,217 - 486,217 - -
貨物郵便収入 67,306 - 67,306 - -
手荷物収入 842 - 842 - -
小計 554,366 - 554,366 - -
国内線
旅客収入 529,707 - 529,707 - -
貨物郵便収入 24,352 - 24,352 - -
手荷物収入 320 - 320 - -
小計 554,380 - 554,380 - -
国際線・国内線合計 1,108,746 - 1,108,746 - -
旅行収入 - 178,712 178,712 - -
153,136 67,227 220,364 - -
その他
合計 1,261,883 245,940 1,507,823 △121,908 1,385,914
顧客との契約から認識した
1,382,248
収益
その他の源泉から認識した
3,666
収益
(注) セグメントの金額はセグメント間連結消去前の金額であります。
その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
セグメント
航空運送事業 その他 計 内部取引調整 合計
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
国際線
旅客収入 27,969 - 27,969 - -
貨物郵便収入 103,898 - 103,898 - -
手荷物収入 333 - 333 - -
小計 132,201 - 132,201 - -
国内線
旅客収入 174,006 - 174,006 - -
貨物郵便収入 24,928 - 24,928 - -
手荷物収入 219 - 219 - -
小計 199,154 - 199,154 - -
国際線・国内線合計 331,356 - 331,356 - -
-
旅行収入 - 56,981 56,981 - -
100,465 50,648 151,113 - -
その他
合計 431,821 107,629 539,451 △58,225 481,225
顧客との契約から認識した
477,759
収益
その他の源泉から認識した
3,466
収益
(注) セグメントの各金額はセグメント間連結消去前の金額であります。
その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
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当社グループは、国際線および国内線に関する旅客・貨物・郵便および手荷物の輸送業務を中心とした
「航空運送事業」および「その他」を営んでおります。
これらの事業から生じる収益は主としては顧客との契約に従い計上しており、約束した対価の金額に重要
な金融要素は含まれておりません。また、顧客との契約からの対価の中に、取引価格に含まれていないもの
はありません。
なお、当社グループは会員顧客向けのマイレージプログラム「JALマイレージバンク」を運営しており、
旅客運送サービス等の利用に応じて付与するマイレージは、将来当社グループおよび提携他社によるサービ
スを受けるために利用することができます。付与したマイレージ分を履行義務として認識し、契約負債に計
上しております。取引価格は、サービスの利用割合や失効見込み分を考慮した上で、独立販売価格の比率に
基づいて各履行義務に配分しております。マイレージプログラムの履行義務に配分された取引価格は連結 財
政状態計算書 の「契約負債」として繰延べ、マイレージの利用に従い収益を認識しております。
航空運送事業
航空運送事業セグメントにおいては、国際線および国内線の航空機による「旅客」、「貨物郵便」、「手
荷物」の輸送に関連するサービス等を提供しており、主な収益を下記の履行義務の充足時に認識しておりま
す。
旅客収入
主に航空機による旅客輸送サービスから得られる収入であり、当社グループは運送約款等に基づき、顧
客に対して国際線および国内線の航空輸送サービスの提供を行う義務を負っております。当該履行義務は
旅客の航空輸送役務の完了をもって充足されます。販売に当たっては、売上値引きの実施や販売実績に応
じた割戻の支払いを行うことがあるため、取引の対価には変動が生じる可能性があります。また取引の対
価は、通常、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しております。
貨物郵便収入
主に航空貨物および航空郵便の輸送業務により得られる収入であり、当社グループは国際線および国内
線に係る貨物および郵便の輸送サービスを行う義務を負っております。当該履行義務は貨物および郵便の
航空輸送役務の完了をもって充足されます。なお、売上収益に含まれる変動対価の額に重要性はありませ
ん。また取引の対価は、通常、貨物および郵便の航空輸送役務の完了後に受領しております。
手荷物収入
主に航空機による旅客輸送に付随して行う手荷物輸送サービスから得られる収入であり、当社グループ
は顧客に対して国際線および国内線手荷物の航空輸送サービスの提供を行う義務を負っております。当該
履行義務は手荷物の航空輸送役務の完了をもって充足されます。なお、売上収益に含まれる変動対価の額
に重要性はありません。また取引の対価は、通常、手荷物輸送当日において受領しております。
その他
主に、特典航空券を除くマイレージの特典サービスや航空運送に係る業務受託サービスから得られる収
入であり、当該履行義務はサービスの完了をもって充足されます。
その他
その他の事業においては、航空輸送を利用した旅行の自社による企画販売や、クレジットカード事業等を
行っております。これらの収益は主に、サービスの提供に伴い一定期間にわたって認識しております。ま
た、取引の対価は主に、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しております。
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(2)契約残高
顧客との契約から生じた債権および契約負債の内訳は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
顧客との契約から生じた債権 129,981 68,250 62,625
契約負債 294,663 251,809 215,239
契約負債は主に、役務提供時に収益を認識する航空運送契約および旅行契約について、顧客からの前受対
価に関連するもの、および、当社グループ航空券やクレジットカードの利用のほか、提携他社サービス等の
利用に伴って顧客に付与するマイレージの未行使分に関連するものです。
前連結会計年度および当連結会計年度における 契約負債残高の減少は、主に当社グループ航空券の残高が
減少したことによります。2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大したことに伴い、当社
グループ航空券の払い戻しが増加し、販売が減少しました。前連結会計年度末の契約負債残高のうち40,509
百万円について、当社の履行義務は充足せず、当社グループ航空券の払い戻しにより残高が減少しておりま
す。また、契約負債の失効見込みの見積りの変更により、契約負債残高は当連結会計年度において6,126百
万円減少しております。
報告期間に認識した収益のうち期首現在の契約負債残高に含まれていたものは次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
報告期間に認識した収益のうち
204,720 83,386
期首現在の契約負債残高に含まれていたもの
過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
251,809 215,239
未充足の履行義務に配分した取引価格の総額
将来役務提供が見込まれる顧客からの前受対価に関連するものや、将来顧客が行使することが見込まれる
マイレージに係る残存履行義務に配分した取引価格等について、顧客へのサービス提供の進捗に応じて、今
後主に3年以内の期間にわたり収益を認識します。
(4)契約コスト
当社グループにおいては、顧客との契約獲得のための増分コストおよび履行のためのコストから認識した
資産はありません。なお、当社グループはIFRS第15号第94項の実務上の便法を適用し、認識するはずの資産
の償却期間が1年以内である場合には、契約獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
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25.その他の収入
その他の収入の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
補助金収入 5,047 11,721
1,722
固定資産処分益 656
2,300
1,019
その他
9,069
13,397
合計
(注)補助金収入は主として、雇用調整助成金が含まれております。
26.営業費用
営業 費用の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
291,317 254,809
人件費
243,420 96,788
航空燃油費
減価償却費、償却費及び減損損失(注)1 164,383 190,585
84,833 38,490
運航施設利用費
77,979 22,113
旅行原価
74,046 58,197
整備費
44,461 11,015
貨客サービス費
17,028 3,776
航空販売手数料
311,411 209,262
その他(注)2
1,308,881 885,037
合計
(注)1 減損損失の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ1,959百万円および8,096百万円で
す。
(注)2 固定資産の処分損が、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ5,073百万円 および3,048百万円
含まれております。
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27.投資損益
投資収益の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
受取利息
償却原価で測定する金融資産
貸付金・債券等 489 578
受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融
資産
株式 1,580 1,351
764
328
その他
2,399 2,694
合計
投資費用の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
その他の金融資産評価損
償却原価で測定する金融資産
-
債券 2,999
貸倒引当金繰入額
償却原価で測定する金融資産
-
貸付金 990
3
101
その他
1,091 3,003
合計
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28.財務損益
財務収益の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
受取利息
償却原価で測定する金融資産
559 77
現金及び現金同等物
389 306
その他
154 1,414
為替差益
1,102 1,799
合計
財務費用の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
支払利息
252 274
リース負債
償却原価で測定する金融負債
1,080 2,652
借入金・社債等
179 4,324
支払手数料等
247 318
その他
1,760 7,570
合計
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29.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目別の当期発生額及び純損益への組替調整額、並びに税効果の影響は次のとおりで
す。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
純損益に振替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産
当期発生額 △ 3,833 6,354
1,130 △3,069
税効果額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
△2,702 3,284
金融資産
確定給付制度の再測定
当期発生額 13,971 △3,511
△4,096 1,117
税効果額
確定給付制度の再測定
9,875 △2,394
持分法適用会社におけるその他の包括利益
に対する持分
△171 87
当期発生額
持分法適用会社におけるその他の包括利益
△171 87
に対する持分
純損益に振替えられることのない項目合計 7,001 977
純損益に振り替えられる可能性のある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
当期発生額 △33,316 32,289
141 16,815
組替調整額
税効果調整前
△33,174 49,105
9,924 △14,693
税効果額
キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分
△23,250 34,411
在外営業活動体の外貨換算差額
当期発生額 △162 △138
- -
組替調整額
税効果調整前
△162 △138
- -
税効果額
在外営業活動体の外貨換算差額
△162 △138
持分法適用会社におけるその他の包括利益
に対する持分
△1,302 1,445
当期発生額
持分法適用会社におけるその他の包括利益
△1,302 1,445
に対する持分
純損益に振り替えられる可能性のある項目合計 △24,714 35,718
その他の包括利益合計 △17,713 36,695
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30.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は次のとおりです。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
親会社の所有者に帰属する当期利益(△は損失)
48,057 △286,693
(百万円)
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(△は損
- -
失)(百万円)
基本的 1株当たり当期利益の計算に使用する
48,057 △286,693
当期利益(△は損失)(百万円)
期中平均普通株式数 (千株)
343,167 374,766
基本的1株当たり当期利益(△は損失)(円) 140.04 △764.99
(注)希薄化後1株当たり利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
31.キャッシュ・フロー情報
(1)財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
キャッシュ・フローを伴わない変動
キャッシュ
2019年 2020年
・フロー を
4月1日 3月31日
企業結合
伴う変動
外貨換算差額 新規リース その他
による変動
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
短期借入金 65 22 - - - - 87
長期借入金 84,816 26,721 - - - 444 111,982
社債 49,716 39,750 - - - 42 89,509
リース 負債 89,227 △24,625 - △307 13,121 △1,875 75,541
503 △190 - - - △3 309
割賦未払金
224,329 41,679 - △307 13,121 △1,391 277,430
合計
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
キャッシュ・フローを伴わない変動
キャッシュ
2020年 2021年
・フロー を
4月1日 3月31日
企業結合
伴う変動
外貨換算差額 新規リース その他
による変動
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
短期借入金 87 △54 - - - - 33
長期借入金 111,982 236,346 - - - 1,300 349,629
社債 89,509 - - - - 79 89,589
リース 負債 75,541 △24,501 - △28 24,148 621 75,781
309 △193 - - - △2 113
割賦未払金
277,430 211,596 - △28 24,148 1,998 515,147
合計
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32.金融商品
(1)資本管理
当社グループ は、持続的な成長を通じて、企業価値を最大化することを目指して資本管理をしておりま
す。
当社が資本管理において用いる主な指標は、自己資本比率、投資利益率(ROIC)、親会社所有者帰属持分
当期利益率(ROE)および基本的1株当たり当期利益(EPS)です。当連結会計年度より、新たにEPSを資本
管理に用いる指標として追加しております。当社グループの自己資本 比率、 ROIC、ROEおよびEPS は次のとお
りです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
自己資本比率(%)
49.3 51.2 45.0
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
ROIC(%)
4.7 △20.6
ROE(%)
4.6 △29.2
EPS(円)
140.04 △764.99
これらの指標につ いては、経営者に定期的に報告され、モニタリングしております。
ROICの計算式は次のとおりです。なお、当社は、当期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務
収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。また、ROICの計算式における
「固定資産」は、棚卸資産と非流動資産の合計額から、繰延税金資産および退職給付に係る資産の金額を差
し引いたものです。
・ROIC=EBIT(税引後)/期首・期末固定資産平均
(2)財務上のリスク管理
当社グループは、経営活 動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リス
ク・金利リスク・燃油価格の変動リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、一定の
方針に基づきリスク管理 を行っております。また、当社グループは、デリバティブ取引を為替リスク又は燃
油価格の変動リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
なお、当社グループは市場性のある有価証券を保有しておりますが、取引・協業関係の構築・維持・強化
を目的としており、市場価格の変動リスクについては重要性が乏しいため、記載を省略しております。
(3)信用リスク管理
信用リスクは、保有 する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財
務上の損失を発生させるリスクです。
当社グループは、与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先
の信用状況を定期的に把握する体制としております。信用リスクが著しく増加しているか否かの判定は、支
払期日からの経過情報、事業状況又は財務状況の不利な変化等を考慮しております。信用減損金融資産に
は、債務不履行または債務者の重大な財政的困難等の状況の金融資産が含まれております。
また、デリバティブ取引については、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、信用リスクに及
ぼす影響は限定的です。
なお、当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用
リスクを有しておりません。
連結財務諸表に表示されている金融資産の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに係るエク
スポージャーの最大値です。
当社グループの債権の区分ごとの信用リスクのエクスポージャー(貸倒引当金控除前)は次のとおりで
す。
・区分1:区分2および区分3以外の債権
・区分2:支払遅延の期間が相当程度長期化している取引先等に対する債権
・区分3:支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因
するものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された債権
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移行日(2019年4月1日)
営業債権及びその他の債権 その他の金融資産
全期間の予想信用損失と同額を
信用減損金融資産
貸倒引当金として計上するもの
百万円 百万円
144,215 -
区分1
499 -
区分2
- 276
区分3
144,715 276
合計
前連結会計年度(2020年3月31日)
営業債権及びその他の債権 その他の金融資産
全期間の予想信用損失と同額を
信用減損金融資産
貸倒引当金として計上するもの
百万円 百万円
93,957 -
区分1
1,063 -
区分2
- 1,248
区分3
95,021 1,248
合計
当連結会計年度(2021年3月31日)
営業債権及びその他の債権 その他の金融資産
全期間の予想信用損失と同額を
信用減損金融資産
貸倒引当金として計上するもの
百万円 百万円
76,631 -
区分1
984 -
区分2
3,976 1,355
区分3
81,592 1,355
合計
128/187
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債務保証については、以下の保証債務残高の合計が当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャー
となります。保証債務の内訳は次のとおりです。
(銀行借入金に対する保証)
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
ジェットスター・ジャパン株式会社 - - 9,000
従業員ローン 81 60 44
なお、ジェットスター・ジャパン株式会社に対する保証債務残高のうち4,500百万円については、他社から
再保証を受けております。
(リース 負債 に対する保証)
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
ジェットスター・ジャパン株式会社 3,680 3,315 2,948
このほか、提出会 社が出資している福岡エアポートホールディングス株式会社(譲渡人)が、国土交通省航
空局(譲受人)と締結した株式譲渡予約契約に関し、当該契約上の義務または表明もしくは保証に違反した場
合の損害について、譲受人に対し 、次の金額を上限として保証しております。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
福岡エアポートホールディングス株式会社 7,867 7,867 7,867
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、信用補完として受け入れた保証金は、次のとおり保
有しております。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
8,079
長期預り金 7,932 8,264
当社グループでは、取引先の信用力や債権の回収状況に基づき、貸倒引当金を算定しております。
重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクが類似する債権ごとにグルーピングし、
全期間の予想信用損失と同額を貸倒引当金として計上しており、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経
済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しております。
信用リスクが著しく増加していると判定されていないその他の債権については、原則として12カ月の予想
信用損失と同額を貸倒引当金として計上しており、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予
測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しております。
ただし、信用リスクが著しく増大していると判定された資産及び信用減損金融資産については、全期間の
予想信用損失と同額を貸倒引当金として計上しており、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測を加
味した上で個別に算定した回収可能価額と、帳簿価額との間の差額をもって算定しております。
債権については、その全部又は一部について回収ができず、または回収が極めて困難であると判断された
場合には債務不履行とみなしております。
また、支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因する
ものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生してい
るものと判定し ております。
将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額
を減額しております。
当社グループが計上する貸倒引当金の増減は次のとおりです。
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営業債権及びその他の債権 その他の金融資産
全期間の予想信用損失と同額を
信用減損金融資産
貸倒引当金として計上するもの
百万円 百万円
661 275
2019年4月1日
333 1,026
増加
△44 △54
減少
950 1,248
2020年3月31日
3,993 108
増加
△111 △1
減少
4,831 1,354
2021年3月31日
当期中の営業債権及びその他の債権の著しい増減が、貸倒引当金の増減の変動に与える影響は軽微です。
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(4)流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にそ
の支払を実行できなくなるリスクです。
当社グループは、適切な返済資金を準備するとともに、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニ
タリングすることで流動性リスクを管理しております。また、当社は緊急時の流動性確保を目的として取引
先金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
主な非デリバティブ金融負債の期日別残高は次のとおりです。 流動負債のうち、支払期日が1年以内であ
り、かつ帳簿残高と契約上のキャッシュ・フローが一致しているものは次表に含めておりません。
なお、契約上のキャッシュ・フローは、利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しており
ます。
移行日(2019年4月1日)
契約上の
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 1 年 超5年以内 5年超
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
49,716 52,745 221 20,834 31,689
社債
84,816 87,649 13,470 39,815 34,362
長期借入金
503 517 199 310 8
長期割賦未払金
8,079 8,079 - - 8,079
長期預り金
前連結会計年度(2020年3月31日)
契約上の
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 1 年 超5年以内 5年超
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
89,509 94,297 352 41,262 52,682
社債
111,982 115,243 14,812 56,724 43,706
長期借入金
309 315 200 110 4
長期割賦未払金
7,932 7,932 - - 7,932
長期預り金
当連結会計年度(2021年3月31日)
契約上の
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 1 年 超5年以内 5年超
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
89,589 93,944 10,344 31,199 52,401
社債
349,629 361,025 30,148 201,742 129,135
長期借入金
113 115 102 11 1
長期割賦未払金
34,957 34,957 19,845 15,112 -
長期固定資産支払手形
8,264 8,264 - - 8,264
長期預り金
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デリバティブ金融負債の期日別残高は次のとおりです。
移行日(2019年4月1日)
契約上の
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 1 年 超5年以内 5年超
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
3,060 3,060 2,399 660 -
デリバティブ金融負債
前連結会計年度(2020年3月31日)
契約上の
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 1 年 超5年以内 5年超
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
29,591 29,591 23,633 5,958 -
デリバティブ金融負債
当連結会計年度(2021年3月31日)
契約上の
帳簿価額 キャッシュ 1年以内 1 年 超5年以内 5年超
・フロー
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
480 480 392 87 -
デリバティブ金融負債
報告日現在におけるコミットメントラインの総額及び借入未実行残高は次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
50, 000 50, 000 300,000
コミットメントライン総額
- - -
借入実行残高
50, 000 50, 000 300,000
差引額
(5)為替リスク管理
当社グループは、日本国外においても事業を展開しており 、主に米ドルの為替変動が業績に大きく影響い
たします。
当社グループは、為替変動リスクを軽減するために、収入で得た外貨は外貨建の支出に充当することを基
本とし、加えて大半が米ドルに連動した価格となる航空機燃料・航空機の取得にあたってはヘッジ取引を
行って おります。 その結果、為替リスクに対するエクスポージャーは極小化されていると認識しておりま
す。
(6)金利リスク管理
当社グループは、航空機の購入等の多額の設備投資を必要としており、その資金需要に応じる為に金融機
関や市場から資金調達を行う可能性があります。当社グループの資金調達コストについては、金利の変動が
影響するものの、重要性が乏しいため、金利変動リスクに係る感応度分析の開示は省略しております。
当社グループは、金利相場の状況について、モニタリングを行っております。
(7)燃油価格の変動リスク管理
当社グループは、燃油価格の変動 から生じる燃油費の支払額の変動リスクに晒されております。
当社グループは、燃油価格の変動リスクを軽減するため、コモディティ・デリバティブ取引を行って お
り、また、燃油価格の上昇分を一部燃油特別付加運賃として顧客に転嫁しております。その結果、燃油価格
の変動リスクに対するエクスポージャーは極小化されていると認識しております。
(8) ヘッジ活動
当社は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジ対象取引のキャッシュ・フローの変動が
ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ
対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるい
はヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価
を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しております。
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また、当社は、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率
を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しております。
なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定してお
ります。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているヘッジ手段の詳細は次のとおりです。
移行日(2019年4月1日)
帳簿価額
連結財政状態計算書
契約額 うち1年超 平均レート
上の表示科目
資産 負債
百万円 百万円 百万円 百万円
為替リスク
107.7円/米ドル
為替予約取引 61,129 3,286 788 229 その他の金融資産/負債
130.0円/ユーロ 等
買建通貨オプショ
80,140 19,634
ン取引 82.8円~120.6円/米
40
269 その他の金融資産/負債
売建通貨オプショ ドル
69,040 15,702
ン取引
燃油価格変動リスク
コモディティス
81,055 21,049 4,402 2,777 その他の金融資産/負債 63.8米ドル/バレル
ワップ取引
前連結会計年度(2020年3月31日)
帳簿価額
連結財政状態計算書
契約額 うち1年超 平均レート
上の表示科目
資産 負債
百万円 百万円 百万円 百万円
為替リスク
105.9円/米ドル
為替予約取引 47,474 5,703 732 - その他の金融資産
120.4円/ユーロ 等
買建通貨オプショ
80,779 22,400
ン取引 82.8円~116.4円/米
319 69 その他の金融資産/負債
売建通貨オプショ ドル
69,125 18,332
ン取引
燃油価格変動リスク
コモディティス
81,563 23,705 - 29,503 その他の金融負債 58.1米ドル/バレル
ワップ取引
当連結会計年度(2021年3月31日)
帳簿価額
連結財政状態計算書
契約額 うち1年超 平均レート
上の表示科目
資産 負債
百万円 百万円 百万円 百万円
為替リスク
105.3円/米ドル
為替予約取引 58,030 2,545 2,866 - その他の金融資産
買建通貨オプショ
68,359 21,138
ン取引 82.8円~116.4円/米
1,673 - その他の金融資産
売建通貨オプショ ドル
60,956 18,826
ン取引
燃油価格変動リスク
コモディティス
72,352 23,813 12,586 480 その他の金融資産/負債 50.9米ドル/バレル
ワップ取引
為替リスクに対応するヘッジ取引においては、ヘッジ対象項目全体をヘッジしており、一部のリスク要素
をヘッジする取引はありません。
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燃油価格変動リスクに対応するヘッジ取引においては、有効性の高いヘッジを行うため、燃油価格のう
ち、精製マージン等を除いた原油価格部分をリスク要素として取り出し、ヘッジ指定しております。当社グ
ループの燃油取引価格は、製品または原油指標に連動して決定されており、燃油価格の変動は、為替影響を
除 くと、ほとんど全てが原油価格の変動によるものです。
キャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は最長で、為替予約が約15ヶ月、通貨オプション及びコ
モディティスワップが約3年です。
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎とし
て用いたヘッジ手段の公正価値の変動の記載は省略しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているヘッジ対象の詳細は次のとおりです。
継続中のヘッジに係る キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
為替リスク 438 572 3,242
燃油価格変動リスク 1,399 △23,718 9,635
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎と
して用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しております。
なお、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、ヘッジ会計の適用による 連結損益及びその他の包括利益計
算書 への影響は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
その他の包括利益に キャッシュ・フロー・ 非金融 振替により
認識された ヘッジ剰余金から 資産への 純損益における影響を
ヘッジ手段の価値の変動 純損益に振り替えた金額 振替 受けた表示科目
百万円 百万円 百万円
為替リスク
為替予約取引 743 △206 △422 旅行原価
通貨オプション取引 42 △42 - 航空燃油費
燃油価格変動リスク
コモディティ
△24,149 362 - 航空燃油費
スワップ取引
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当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
その他の包括利益に キャッシュ・フロー・ 非金融 振替により
認識された ヘッジ剰余金から純損益 資産への 純損益における影響を
ヘッジ手段の価値の変動 に振り替えた金額 振替 受けた表示科目
百万円 百万円 百万円
為替リスク
為替予約取引 1,344 92 152 旅行原価
通貨オプション取引 998 - - 航空燃油費
燃油価格変動リスク
コモディティスワッ
20,213 11,682 - 航空燃油費
プ取引
ヘッジの中止等による組替調整額はありません。
また、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(9) 金融資産と金融負債の相殺
デリバティブ資産及びデリバティブ負債は、マスターネッティング契約又は類似の契約の対象であり、倒
産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなる等の特定の状況が発生した場合にのみ相殺の強制力
が生じるものです。
同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約
または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相
殺していない金融商品の内訳は、 次のとおりです。
移行日(2019年4月1日)
その他の金融資産 その他の金融負債
デリバティブ デリバティブ
百万円 百万円
5,459
連結財政状態計算書に表示した金融資産及び負債の純額 3,060
△2,884
△ 2,884
連結財政状態計算書で相殺対象としなかった関連する金額
純額によるエクスポージャー 2,575
176
前連結会計年度(2020年3月31日)
その他の金融資産 その他の金融負債
デリバティブ デリバティブ
百万円 百万円
1,032
連結財政状態計算書に表示した金融資産及び負債の純額 29,591
△791
△791
連結財政状態計算書で相殺対象としなかった関連する金額
純額によるエクスポージャー 240
28,799
当連結会計年度(2021年3月31日)
その他の金融資産 その他の金融負債
デリバティブ デリバティブ
百万円 百万円
17,233
連結財政状態計算書に表示した金融資産及び負債の純額 480
△480 △480
連結財政状態計算書で相殺対象としなかった関連する金額
純額によるエクスポージャー 16,753
-
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(10)金融商品の公正価値
公正価値を測定するために用いる評価技法へのインプットは、市場における観察可能性に応じて以下のい
ずれかに分類されます。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)
レベル2:レベル1以外の、直接又は間接的に観察可能な価格で構成されたインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は次のとおりです。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、流動の有利子負債)
短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっておりま
す。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
活発な市場のある資本性金融商品 の公正価値については、期末日の市場価格によって算定しておりま
す。 活発な市場のない資本性金融商品等 の公正価値については、類似会社の市場価格に基づく評価技法等
により算定しております。投資事業有限責任組合への出資については、組合財産に対する持分相当額によ
り算定しております。
デリバティブの公正価値については、取引先金融機関から提示された為替相場等の観察可能なインプッ
トに基づき算定しております。
(非流動の有利子負債)
将来キャッシュ・フローを、新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値
により算定しております。
② 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される金融商品の帳簿価額と公正価値は次のとおりです。
なお、公正価値で測定する金融商品及び帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品について
は、次表に含めておりません。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
償却原価で測定する金融負債
非流動
社債 49,716 50,568 89,509 87,075 79,598 75,231
長期借入金 71,568 73,524 97,461 99,452 320,711 326,923
長期割賦未払金 312 312 113 113 12 12
合計
121,596 124,404 187,084 186,641 400,322 402,167
(注) 社債の公正価値はレベル2に、他の非流動の有利子負債の公正価値はレベル3にそれぞれ分類しております。
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③ 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは次のとおりです。
移行日(2019年4月1日)
レベル1 レベル2 レベル3
合計
百万円 百万円 百万円 百万円
資産:
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する金融資産
株式等 44,036 - 34,607 78,643
純損益を通じて公正価値で測定する
金融資産
投資事業有限責任組合への出資 - - 2,516 2,516
ヘッジに指定されたデリバティブ
- 5,459 - 5,459
資産
ヘッジに指定されないデリバティ
- - - -
ブ資産
- - 1,027 1,027
その他
44,036
5,459 38,151 87,648
合計
負債:
純損益を通じて公正価値で測定す
る金融負債
ヘッジに指定されたデリバティ
- 3,047 - 3,047
ブ負債
ヘッジに指定されないデリバ
- 12 - 12
ティブ負債
- 3,060 - 3,060
合計
前連結会計年度(2020年3月31日)
レベル1 レベル2 レベル3
合計
百万円 百万円 百万円 百万円
資産:
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する金融資産
株式等 40,584 - 35,866 76,450
純損益を通じて公正価値で測定する
金融資産
投資事業有限責任組合への出資 - - 4,687 4,687
ヘッジに指定されたデリバティブ
- 1,013 - 1,013
資産
ヘッジに指定されないデリバティ
- 18 - 18
ブ資産
40,554 82,171
40,584 1,032
合計
負債:
純損益を通じて公正価値で測定す
る金融負債
ヘッジに指定されたデリバティ
- 29,573 - 29,573
ブ負債
ヘッジに指定されないデリバ
- 18 - 18
ティブ負債
- 29,591 - 29,591
合計
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当連結会計年度(2021年3月31日)
レベル1 レベル2 レベル3
合計
百万円 百万円 百万円 百万円
資産:
その他の包括利益を通じて公正価
値で測定する金融資産
50,340 - 33,572 83,913
株式等
純損益を通じて公正価値で測定する
金融資産
投資事業有限責任組合への出資 - - 5,506 5,506
ヘッジに指定されたデリバティブ
- 17,125 - 17,125
資産
ヘッジに指定されないデリバティ
- 107 - 107
ブ資産
39,078 106,653
50,340 17,233
合計
負債:
純損益を通じて公正価値で測定す
る金融負債
ヘッジに指定されたデリバティ
- 480 - 480
ブ負債
ヘッジに指定されないデリバ
- - - -
ティブ負債
- 480 - 480
合計
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識し
ております。各年度において、公正価値レベル1とレベル2の間の重要な振替は行われておりません。
④ 評価プロセス
レベル3に分類される金融商品は活発な市場のない資本性金融商品等であり、適切な権限者に承認され
た公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続に従い、評価者が各銘柄の評価方法を決定し、公
正価値を算定しております。その結果は適切な権限者がレビュー及び承認しております。
⑤ レベル3に分類された金融商品の評価技法及びインプット
レベル3に分類した 活発な市場のない資本性金融商品等 について、合理的に入手可能なインプットによ
り、類似企業比較法等を用いて算定しております。移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度におい
て、株価純資産倍率は0.9倍~1.3倍です。なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味し
ております。株価純資産倍率が上昇した場合は、公正価値は増加いたします。
⑥ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
レベル3に分類された金融商品の期首から期末までの変動は次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
期首残高 38,151 40,554
利得及び損失
純損益(注)1 100 627
その他の包括利益(注)2 △377
△3,678
4,380
購入等による増加 2,346
△1,700
売却等による減少 △771
40,554
期末残高 39,078
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前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
報告期間末に保有している資産について純損益に
100 627
計上された当期の未実現損益の変動(注)1
(注)1 連結損益及びその他の包括利益計算書 の「投資収益」及び「投資費用」に含まれております。
2 連結損益及びその他の包括利益計算書 の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含ま
れております。
33.重要な子会社
当社グループの重要な子会社の状況は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載の通りです。当社グ
ループには 重要な非支配持分がある子会社はありません。
34.関連当事者
(1)関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
重要な取引はありません。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
重要な取引はありません。
(2)主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は次のとおりです。 なお、主要な経営幹部とは、当社の取締役
(社外取締役を含む)としております 。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
百万円 百万円
短期従業員給付 462 372
-
49
株式に基づく報酬
513 372
合計
主要な経営幹部に対する報酬の基本方針等(株式に基づく報酬を含む)は、「第4 提出会社の状況
4.コーポレートガバナンスの状況等(4)役員の報酬」に記載しております。
35.コミットメント
期末日以降の支出に関するコミットメントは次のとおりです。
移行日 前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年4月1日) (2020年3月31日) (2021年3月31日)
百万円 百万円 百万円
1,034,322
航空機 1,302,556 952,147
その他の有形固定資産 - - 2,000
- - 2,180
無形資産
1,302,556 1,034,322 956,327
合計
36.後発事象
該当事項はありません。
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
37.初度適用
当社グループは、当連結会計年度からIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。日本基準に準拠し
て作成された直近の連結財務諸表は2020年3月31日に終了する連結会計年度に関するものであり、IFRSへの移
行日は2019年4月1日です。
(1) IFRS第1号の免除規定
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社(以下「初度適用企業」という。)に対して、原則として、IFRSで要
求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、IFRS第1号では、IFRSで要求される基準の
一部について強制的に免除規定を適用しなければならないものと任意に免除規定を適用するものを定めており
ます。これらの規定の適用に基づく影響は、IFRS移行日において利益剰余金、または その他の包括利益累計額
で調整しております。当社グループが日本基準からIFRSへ移行するにあたり、採用した主な免除規定は次のと
おりです。
・企業結合
初度適用企業は、IFRS移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3
号」という。)を遡及適用しないことを選択することが認められております。当社グループは、当該免除規
定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を遡及適用しないことを選択しておりま
す。
・みなし原価
IFRS第1号では、特定事象を契機とする公正価値測定を測定日現在におけるIFRSのためのみなし原価とし
て使用することが認められています。当社グループは、一部の有形固定資産について、当該公正価値をIFRS
上のみなし原価として使用しております。
・ 在外営業活動体の外貨換算差額
IFRS第1号では、IFRS移行日現在の 在外営業活動体の外貨換算差額 の累計額をゼロとみなすことを選択す
ることが認められております。当社グループは、 在外営業活動体の外貨換算差額 の累計額を移行日現在でゼ
ロとみなすことを選択しております。
・リース
IFRS第1号では、初度適用企業は、契約にリースが含まれているか否かの評価をIFRS移行日時点で判断す
ることが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況
に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断しております。
IFRS第1号では、リース負債及び使用権資産をIFRS移行日現在で測定することが認められています。当社
グループは、当該免除規定を適用し、リース負債及び使用権資産をIFRS移行日現在で測定しております 。
IFRS第1号では、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」という。)に従って遡及適用する際に、実
務上の便法を適用することが認められております。リースが含まれていると判断した取引について、IFRS第
16号に従って遡及適用する際に、以下の実務上の便法を適用しております。
特性が合理的に類似したリースのポートフォリオに単一の割引率を適用しております。
IFRS移行日から12か月以内にリース期間が終了するリースについて、使用権資産を認識する要求事項 を適
用しておりません。
原資産が少額資産のリースの免除規定の適用要件を満たす リースについては 、 免除規定を 適用しておりま
す。
IFRS移行日の 連結 財政状態計算書 に計上しているリース負債については、残リース料を移行日現在の借手
の追加借入利率で割り引いた現在価値としております。
・収益
IFRS第1号では、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という。)のC5項
の経過措置を適用することができます。 当社グループは、IFRS第15号C5項(d)の実務上の便法を用いて
IFRS第15号を遡及的に適用し、最初のIFRS報告期間(当連結会計年度)の期首より前の表示するすべての報
告期間について、残存履行義務に配分した対価の金額及び当社が当該金額をいつ収益として認識すると見込
んでいるかの説明を開示しておりません。
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・以前に認識した金融商品の指定
IFRS第1号では、移行日時点に存在する事実及び状況に基づき資本性金融資産の公正価値の変動をその他
の包括利益を通じて測定する金融資産として指定することが認められております。
当社グループは、IFRS第9号における分類について、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき判断を
行っており、資本性金融資産についてその他の包括利益を通じて測定する金融資産として指定しておりま
す。
(2)IFRS第1号の強制的な例外規定
IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「ヘッジ会計」、「非支配持
分」及び「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しております。当社はこれらの項
目について移行日より将来に向かって適用しております。
(3) 調整表
IFRSの初度適用にお いて開示が求められる調整表は次のとおりです。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の
差異」には利益剰余金及び包括利益に影響 を及ぼす項目を含めて表示しております。
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2019年4月1日(IFRS移行日)現在の資本に対する調整
認識及び
IFRS
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 測定の差 注記 IFRS表示科目
異
百万円 百万円 百万円 百万円
資産の部 資産
流動資産 流動資産
60,000 - (A)
現金及び預金 462,064 522,064 現金及び現金同等物
受取手形及び営業未収入 営業債権及びその他の債
△22,052 (B),(a)
153,112 12,994 144,053
金 権
60,000 -
有価証券 △60,000 -
- (C)
- 5,067 5,067 その他の金融資産
△26 23,682
貯蔵品 21,929 1,779 (D) 棚卸資産
1,849
その他 65,095 △20,502 46,442 その他の流動資産
- -
△661 661
貸倒引当金
流動資産合計 △20,229 流動資産合計
761,539 - 741,309
固定資産 非流動資産
有形固定資産 有形固定資産
- -
建物及び構築物 31,385 △31,385
- -
機械装置及び運搬具 11,800 △11,800
- (b)
航空機 733,961 61,478 795,439 航空機
- -
土地 861 △861
-
建設仮勘定 141,776 △3,206 138,569 (E) 航空機建設仮勘定
20,810
9,431 47,253 77,495 (b)
その他 その他 の有形固定資産
有形固定資産合計 - 有形固定資産合計
929,216 82,288 1,011,504
- -
無形固定資産 92,255 92,255 無形資産
持分法で会計処理されて
126 31,697 (F)
- 31,570
いる投資
15,799 119,515 (C),(c)
投資有価証券 101,289 2,425 その他の金融資産
- -
長期貸付金 7,240 △7,240
(d)
繰延税金資産 96,625 - 46,797 143,422 繰延税金資産
- △1,308 (e)
退職給付に係る資産 2,486 1,178 退職給付に係る資産
△154
その他 39,950 △27,031 12,765 その他の非流動資産
- -
△275 275
貸倒引当金
固定資産合計 1,268,788 - 143,550 1,412,338 非流動資産合計
-
2,030,328 123,320 2,153,648
資産合計 資産合計
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認識及び
IFRS
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 測定の差 注記 IFRS表示科目
異
百万円 百万円 百万円 百万円
負債及び資本
負債の部 負債
流動負債 流動負債
営業債務及びその他の債
△57,136 (G),(a)
営業未払金 185,650 9,169 137,684
務
(H),(b),
22,403
短期借入金 65 15,939 38,408 有利子負債
(f)
1年内返済予定の長期借
- -
13,287 △13,287
入金
- -
リース債務 2,461 △2,461
- -
割賦未払金 190 △190
- 39,108 - (I)
39,108 その他の金融負債
- (J)
未払法人税等 21,738 △2,546 19,192 未払法人所得税
8,820 156,734 (I),(a)
前受金 129,108 294,663 契約負債
2,571
101,896 △54,552 49,916
その他 その他の流動負債
流動負債合計 - 124,573 流動負債合計
454,399 578,972
固定負債 非流動負債
(H),(b),
50,000
社債 76,341 59,579 185,920 有利子負債
(f)
- -
長期借入金 73,524 △73,524
- -
リース債務 2,504 △2,504
- -
長期割賦未払金 312 △312
- - (I)
8,771 8,771 その他の金融負債
- △6 (d)
繰延税金負債 169 163 繰延税金負債
- (K)
独禁法関連引当金 5,936 8,657 14,594 引当金
- 43,632 (e)
退職給付に係る負債 212,672 256,305 退職給付に係る負債
- -
資産除去債務 8,657 △8,657
-
22,015 △8,771 13,243
その他 その他の非流動負債
-
固定負債合計 375,793 103,206 478,999 非流動負債合計
負債合計 - 227,779 負債合計
830,192 1,057,972
純資産の部 資本
- -
資本金 181,352 181,352 資本金
- △612
資本剰余金 183,050 182,437 資本剰余金
- (g)
利益剰余金 822,554 △156,524 666,030 利益剰余金
- 126
自己株式 △535 △408 自己株式
その他の包括利益累計額 その他の包括利益累計額
その他の包括利益を通
その他有価証券評価差
- 10,725 (c)
20,371 31,097 じて公正価値で測定す
額金
る金融資産
キャッシュ・フロー・
- -
繰延ヘッジ損益 1,837 1,837
ヘッジの有効部分
在外営業活動体の外貨
- △99 - (h)
為替換算調整勘定 99
換算差額
退職給付に係る調整累
- 43,596 -
△43,596 (i)
確定給付制度の再測定
計額
その他の包括利益累計額 その他の包括利益累計額
- 54,222
△21,287 32,934
合計 合計
親会社の所有者に帰属す
1,165,133 - △102,787
1,062,345
る持分合計
- △1,671
35,001 33,330 (a)
非支配株主持分 非支配持分
- △104,459
純資産合計 1,200,135 1,095,675 資本合計
- 123,320
2,030,328 2,153,648
負債純資産合計 負債及び資本合計
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移行日(2019年4月1日)現在の 資本に対する調整に関する注記
a 表示組替
(A)現金及び現金同等物
日本基準において区分掲記している「有価証券」に含めていた取得日から3ヶ月以内に償還期限が到
来する有価証券については、IFRSでは「現金及び現金同等物」として表示しております。
(B)営業債権及びその他の債権
日本基準において区分掲記している「受取手形及び営業未収入金」、流動資産の「貸倒引当金」及び
流動資産の「その他」に含まれる立替金等を、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」として表示して
おります。
(C)その他の金融資産
日本基準において流動資産の「その他」に含まれるデリバティブ資産及び貸付金を、IFRSでは流動資
産の「その他の金融資産」として表示しております。また、日本基準において区分掲記している「投資
有価証券」のうち「持分法で会計処理されている投資」に該当しないもの、「長期貸付金」、「貸倒引
当金」及び固定資産の「その他」に含まれる保証金等を、IFRSでは非流動資産の「その他の金融資産」
として表示しております。
(D)棚卸資産
日本基準において流動資産の「その他」に含まれる商品を、IFRSでは「棚卸資産」として表示してお
ります。
(E)航空機建設仮勘定
日本基準において「建設仮勘定」に含まれる航空機以外に係る建設仮勘定を、IFRSでは「その他の有
形固定資産」に含めて表示し、航空機に係る建設仮勘定を「 航空機建設仮勘定 」として表示しておりま
す。
(F)持分法で会計処理されている投資
日本基準において「投資有価証券」に含まれる「持分法で会計処理されている投資」を、IFRSでは区
分掲記しております。
(G)営業債務及びその他の債務
日本基準において区分掲記している「営業未払金」、流動負債の「その他」に含まれる未払金を、
IFRSでは「営業債務及びその他の債務」として表示しております。
(H)有利子負債
日本基準において区分掲記している「短期借入金」、「1年内返済予定の長期借入金」、流動負債の
「リース債務」及び「割賦未払金」を、IFRSでは流動負債の「有利子負債」として表示しております。
また、日本基準において区分掲記している「社債」、「長期借入金」、固定負債の「リース債務」及び
「長期割賦未払金」を、IFRSでは非流動負債の「有利子負債」として表示しております。
(I)その他の金融負債、契約負債
日本基準において「前受金」並びに流動負債及び固定負債の「その他」に含まれる預り金及びデリバ
ティブ負債等を、IFRSでは「契約負債」またはそれぞれ流動負債及び非流動負債の「その他の金融負
債」として表示しております。
(J) 未払法人所得税
日本基準において「未払法人税等」に含めていた未払事業税(外形標準事業税の資本割及び付加価値
割)を、IFRSでは「その他の流動負債」に含めて表示しております。
(K)引当金
日本基準において区分掲記している「資産除去債務」及び「独禁法関連引当金」を、IFRSでは非流動
負債の「引当金」として表示しております。
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b 認識及び測定の差異
(a)IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
日本基準においては、顧客へ付与したマイレージの利用による将来の費用負担額を「営業未払金」に
計上していました。IFRSでは、マイレージプログラムを将来引き渡される物品またはサービスとして個
別に認識し、マイレージと交換される特典の履行義務に配分された取引価格を収益から繰延べ、顧客が
マイレージを利用するまで、「契約負債」として認識しています。
また、日本基準においては、一時点で収益認識していた取引の一部について、IFRSでは役務提供の進
捗に応じて一定期間にわたり収益認識しており、「契約負債」を調整しております。
なお、日本基準においては、営業債務と総額表示していた一部の営業債権について、IFRSでは純額表
示しております。
(b)IFRS第16号「リース」
日本基準において賃貸借処理をしていた航空機及び各種設備等の賃貸借契約のうち、特定された資産
の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについて、IFRSではリースである
又はリースを含んだものであると判断し、使用権資産及びリース負債を認識しております。
(c)金融商品の測定
活発な市場のない資本性金融商品等について、日本基準においては時価を把握することが極めて困難
と認められる金融商品として取得原価で認識していましたが、IFRSでは適切な評価技法により公正価値
を算定しております。
(d)税効果
繰延税金の変動はIFRSへの移行に必要な調整にかかる繰延税金への影響額を表しております。なお、
日本基準では、未実現利益の消去に伴う税効果について売却会社の実効税率を用いて計算しております
が、IFRSでは購入会社の実効税率を用いて計算しております。
(e)退職給付に係る資産・負債
確定給付制度を採用している当社及び国内連結子会社において、日本基準とIFRSの間で死亡率や割引
率の数理計算上の仮定の相違等が存在するため、IFRSでは退職給付に係る負債が増加(退職給付に係る
資産が減少)しております。
(f)有利子負債
当初認識後に償却原価で測定する有利子負債の発行に直接起因する取引コストについて、日本基準に
おいては発生時に費用処理していましたが、IFRSでは有利子負債の当初測定額から減算しております。
(g)利益剰余金に対する調整
移行日
(2019年4月1日)
百万円
契約負債等に関する調整 △83,626
退職給付会計に関する調整 △74,863
1,965
その他
△156,524
合計
(h) 在外子会社に係る累積換算差額の振替
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、移行日における累積換算差額を
全て利益剰余金に振替えております。
(i)退職後給付制度の再測定
日本基準においては、数理計算上の差異について、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平
均残存勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌年度から費用処理しておりましたが、
IFRSでは発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。
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2020年3月31日(直近の日本基準の連結財務諸表作成日)現在の資本に対する調整
認識及び
IFRS
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 測定の差 注記 IFRS表示科目
異
百万円 百万円 百万円 百万円
資産の部 資産
流動資産 流動資産
-
現金及び預金 329,149 - 329,149 現金及び現金同等物
受取手形及び営業未収入 営業債権及びその他の債
△19,303 (A),(a)
88,871 24,503 94,071
金 権
- (B)
- 1,305 1,305 その他の金融資産
△36 28,409 (C)
貯蔵品 26,491 1,953 棚卸資産
1,779
その他 82,432 △28,711 55,500 その他の流動資産
- -
△950 950
貸倒引当金
流動資産合計 △17,560 流動資産合計
525,995 - 508,435
固定資産 非流動資産
有形固定資産 有形固定資産
- -
建物及び構築物 33,364 △33,364
- -
機械装置及び運搬具 14,177 △14,177
66,898 (b)
航空機 827,937 - 894,835 航空機
- -
土地 853 △853
-
建設仮勘定 110,050 △7,531 102,519 (D) 航空機建設仮勘定
19,111
11,425 55,926 86,462 (b)
その他 その他 の有形固定資産
86,009
有形固定資産合計 有形固定資産合計
997,807 - 1,083,817
- -
無形固定資産 95,777 95,777 無形資産
持分法で会計処理されて
126 (E)
- 30,979 31,105
いる投資
16,693 (B),(c)
投資有価証券 100,117 3,407 120,218 その他の金融資産
長期貸付金 6,691 △6,691 - -
(d)
繰延税金資産 84,632 - 37,691 122,323 繰延税金資産
- -
退職給付に係る資産 938 938 退職給付に係る資産
△68
その他 48,651 △28,943 19,638 その他の非流動資産
- -
△1,248 1,248
貸倒引当金
固定資産合計 1,333,367 - 140,452 1,473,819 非流動資産合計
-
1,859,362 122,891 1,982,254
資産合計 資産合計
146/187
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
認識及び
IFRS
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 測定の差 注記 IFRS表示科目
異
百万円 百万円 百万円 百万円
負債及び資本
負債の部 負債
流動負債 流動負債
営業債務及びその他の債
(F),(a)
営業未払金 166,327 13,526 △54,645 125,208
務
(G) ,(b),
短期借入金 87 14,819 23,711 38,618 有利子負債
(e)
1年内返済予定の長期借
- -
13,556 △13,556
入金
- -
リース債務 1,067 △1,067
- -
割賦未払金 195 △195
- - (H)
51,065 51,065 その他の金融負債
-
未払法人税等 4,083 △1,258 2,824 (I) 未払法人所得税
9,694 169,691
前受金 72,423 251,809 (H), (a) 契約負債
- 964 (f)
資産除去債務 255 1,220 引当金
100,463 △73,028 3,469 30,903
その他 その他の流動負債
流動負債合計 流動負債合計
358,460 - 143,190 501,651
固定負債 非流動負債
(G),(b),
社債 90,000 86,872 61,939 238,811 有利子負債
(e)
- -
長期借入金 84,770 △84,770
- -
リース債務 1,988 △1,988
- -
長期割賦未払金 113 △113
- - (H)
13,913 13,913 その他の金融負債
(d)
繰延税金負債 241 - △19 222 繰延税金負債
- (J)
独禁法関連引当金 5,816 8,829 14,645 引当金
-
退職給付に係る負債 151,330 - 151,330 退職給付に係る負債
- -
資産除去債務 8,829 △8,829
-
25,975 △13,913 12,062
その他 その他の非流動負債
固定負債合計 369,065 - 61,920 430,985 非流動負債合計
負債合計 - 負債合計
727,525 205,111 932,637
純資産の部 資本
- -
資本金 181,352 181,352 資本金
- △612
資本剰余金 183,049 182,437 資本剰余金
-
利益剰余金 797,911 △152,503 645,408 (g) 利益剰余金
- 126
自己株式 △534 △408 自己株式
その他の包括利益累計額 その他の包括利益累計額
その他の包括利益を通
その他有価証券評価差額
-
17,676 11,116 28,793 (c) じて公正価値で測定す
金
る金融資産
キャッシュ・フロー・
- -
繰延ヘッジ損益 △23,146 △23,146
ヘッジの有効部分
在外営業活動体の外貨
- △112
為替換算調整勘定 △28 △141 (h)
換算差額
退職給付に係る調整累計
- -
△61,467 61,467
(i) 確定給付制度の再測定
額
その他の包括利益累計額 その他の包括利益累計
-
△66,965 72,471 5,506
合計 額合計
親会社の所有者に帰属す
1,094,812 - △80,517
1,014,295
る持分合計
- △1,702
37,023 35,321
非支配株主持分 (a) 非支配持分
1,131,836 -
純資産合計 △82,219 1,049,617 資本合計
-
1,859,362 122,891 1,982,254
負債純資産合計 負債及び資本合計
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日本航空株式会社(E04272)
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前連結会計年度末(2020年3月31日)現在の 資本に対する調整に関する注記
a 表示組替
(A)営業債権及びその他の債権
日本基準において区分掲記している「受取手形及び営業未収入金」、流動資産の「貸倒引当金」及び
流動資産の「その他」に含まれる未収入金等を、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」として表示し
ております。
(B)その他の金融資産
日本基準において流動資産の「その他」に含まれるデリバティブ資産及び貸付金を、IFRSでは流動資
産の「その他の金融資産」として表示しております。また、日本基準において区分掲記している「投資
有価証券」のうち「持分法で会計処理されている投資」に該当しないもの、「長期貸付金」、「貸倒引
当金」及び固定資産の「その他」に含まれる保証金等を、IFRSでは非流動資産の「その他の金融資産」
として表示しております。
(C)棚卸資産
日本基準において流動資産の「その他」に含まれる商品を、IFRSでは「棚卸資産」として表示してお
ります。
(D)航空機建設仮勘定
日本基準において「建設仮勘定」に含まれる航空機以外に係る建設仮勘定を、IFRSでは「その他の有
形固定資産」に含めて表示し、航空機に係る建設仮勘定を「航空機建設仮勘定」として表示しておりま
す。
(E)持分法で会計処理されている投資
日本基準において「投資有価証券」に含まれる「持分法で会計処理されている投資」を、IFRSでは区
分掲記しております。
(F)営業債務及びその他の債務
日本基準において区分掲記している「営業未払金」、流動負債の「その他」に含まれる未払金を、
IFRSでは「営業債務及びその他の債務」として表示しております。
(G)有利子負債
日本基準において区分掲記している「短期借入金」、「1年内返済予定の長期借入金」、流動負債の
「リース債務」及び「割賦未払金」を、IFRSでは流動負債の「有利子負債」として表示しております。
また、日本基準において区分掲記している「社債」、「長期借入金」、固定負債の「リース債務」及び
「長期割賦未払金」を、IFRSでは非流動負債の「有利子負債」として表示しております。
(H)その他の金融負債、契約負債
日本基準において「前受金」並びに流動負債及び固定負債の「その他」に含まれる預り金及びデリバ
ティブ負債等を、IFRSでは「契約負債」またはそれぞれ流動負債及び非流動負債の「その他の金融負
債」として表示しております。
(I) 未払法人所得税
日本基準において「未払法人税等」に含めていた未払事業税(外形標準事業税の資本割及び付加価値
割)を、IFRSでは「その他の流動負債」に含めて表示しております。
(J)引当金
日本基準において区分掲記している固定負債の「資産除去債務」及び「独禁法関連引当金」を、IFRS
では非流動負債の「引当金」として表示しております。
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b 認識及び測定の差異
(a)IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
日本基準においては、顧客へ付与したマイレージの利用による将来の費用負担額を「営業未払金」に
計上していました。IFRSでは、マイレージプログラムを将来引き渡される物品またはサービスとして個
別に認識し、マイレージと交換される特典の履行義務に配分された取引価格を収益から繰延べ、顧客が
マイレージを利用するまで、「契約負債」として認識しています。
また、日本基準においては、一時点で収益認識していた取引の一部について、IFRSでは役務提供の進
捗に応じて一定期間にわたり収益認識しており、「契約負債」を調整しております。
なお、日本基準においては、営業債務と総額表示していた一部の営業債権について、IFRSでは純額表
示しております。
(b)IFRS第16号「リース」
日本基準において賃貸借処理をしていた航空機及び各種設備等の賃貸借契約のうち、特定された資産
の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについては、IFRSではリースであ
る又はリースを含んだものであると判断し、使用権資産及びリース負債を認識しております。
また、日本基準において売却処理をしていた航空機のセール・アンド・リースバック取引のうち、
IFRS第15号の要求事項を満たさず、資産の譲渡を売却として会計処理しないものについては、IFRSでは
航空機を引き続き認識し、売却収入と同額の借入金を認識しております。
(c)金融商品の測定
活発な市場のない資本性金融商品等について、日本基準においては時価を把握することが極めて困難
と認められる金融商品として取得原価で認識していましたが、IFRSでは適切な評価技法により公正価値
を算定しております。
(d)税効果
繰延税金の変動はIFRSへの移行に必要な調整にかかる繰延税金への影響額を表しております。なお、
日本基準では、未実現利益の消去に伴う税効果について売却会社の実効税率を用いて計算しております
が、IFRSでは購入会社の実効税率を用いて計算しております。
(e)有利子負債
当初認識後に償却原価で測定する有利子負債の発行に直接起因する取引コストについて、日本基準に
おいては発生時に費用処理していましたが、IFRSでは有利子負債の当初測定額から減算しております。
(f)引当金
返却が決定した賃借航空機(オペレーティング・リース)の返却に伴う原状回復等の契約上の義務に
よるキャッシュアウトの見積りについて、日本基準においては資産除去債務会計の対象外とする一方
で、IFRSでは資産除去債務として認識しております。
(g)利益剰余金に対する調整
前連結会計年度
(2020年3月31日)
百万円
契約負債等に関する調整 △93,432
退職給付会計に関する調整 △61,467
2,396
その他
△152,503
合計
(h) 在外子会社に係る累積換算差額の振替
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、移行日における累積換算差額を
全て利益剰余金に振替えております。
(i)退職後給付制度の再測定
日本基準では数理計算上の差異等について、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存
勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌年度から費用処理しておりましたが、IFRSでは
発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えております。
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前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)(直近の日本基準の連結財務諸表作成年
度)に係る損益及びその他の包括利益に対する調整
認識及び測
IFRS
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 注記 IFRS表示科目
定の差異
百万円 百万円 百万円 百万円
△1,411,230
営業収益 1,411,230 - - 売上収益
- 476,230 9,987 486,217 国際線旅客収入
- 514,619 15,088 529,707 国内線旅客収入
- 416,628 △46,639 369,989
その他の売上収益
(a)
売上収益合計
- 1,407,478 △21,563 1,385,914
(b)
- 11,517 △2,448 9,069 その他の収入
事業費 △1,076,148 1,076,148 - -
販売費及び一般管理費 △234,449 234,449 - - 営業費用
(c)
- △297,610 6,293 △291,317 人件費
- △243,420 - △243,420 航空燃油費
減価償却費、償却費
(d)
- △139,997 △24,385 △164,383
及び減損損失
(a),(b),
- △643,591 33,831 △609,759
その他の営業費用
(d)
- △1,324,620 15,739 △1,308,881 営業費用合計
営業利益
- 94,376 △8,272 86,103
持分法による投資損
- 1,381 15 1,396
益
投資・財務・法人所得
- 95,757 △8,257 87,500
税前利益
(e)
- 3,227 △828 2,399 投資収益
- △2,608 1,517 △1,091 (e)
投資費用
財務・法人所得税前利
- 96,376 △7,568 88,807
益
(f)
- 708 394 1,102 財務収益
(g)
- △617 △1,143 △1,760 財務費用
営業外収益 10,105 △10,105 - -
営業外費用 △8,166 8,166 - -
特別利益 3,220 △3,220 - -
△9,278 9,278 - -
特別損失
税金等調整前当期純利
税引前当期利益
96,513 △46 △8,317 88,149
益
△39,072 46 2,888 △36,137
法人税等 法人所得税費用
当期純利益 当期利益
57,441 - △5,428 52,012
(内訳)
当期利益の帰属
親会社株主に帰属す
53,407 - △5,350 48,057 親会社の所有者
る当期純利益
非支配株主に帰属す
4,034 - △78 3,955 非支配持分
る当期純利益
その他の包括利益
その他有価証券評価
△2,545 2,545 - -
差額金
△23,672
繰延ヘッジ損益 23,672 - -
為替換算調整勘定 △151 151 - -
退職給付に係る調整
△17,976 17,976 - -
額
持分法適用会社に対
△1,466 1,466 - -
する持分相当額
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認識及び測
IFRS
日本基準表示科目 日本基準 表示組替 注記 IFRS表示科目
定の差異
百万円 百万円 百万円 百万円
その他の包括利益
純損益に振り替えられ
ることのない項目
その他の包括利益を
(e)
- △2,545 △157 △2,702 通じて公正価値で測
定する金融資産
確定給付制度の再測
(c)
- △17,976 27,852 9,875
定
持分法適用会社にお
- △165 △6 △171
けるその他の包括利
益に対する持分
純損益に振り替えられ
- △20,687 27,688 7,001
ることのない項目合計
純損益に振り替えられ
る可能性のある項目
キャッシュ・フ
- △23,672 422 △23,250 ロー・ヘッジの有効
部分
在外営業活動体の外
- △151 △11 △162
貨換算差額
持分法適用会社にお
- △1,300 △1 △1,302
けるその他の包括利
益に対する持分
純損益に振り替えられ
- △25,124 410 △24,714 る可能性のある項目合
計
税引後その他の包括利
その他の包括利益合計 △45,812 - 28,098 △17,713
益
包括利益 当期包括利益
11,628 - 22,670 34,298
(内訳)
包括利益の帰属
親会社株主に帰属す
7,729 - 22,700 30,430 親会社の所有者
る包括利益
非支配株主に帰属す
3,898 - △30 3,868
非支配持分
る包括利益
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前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の 損益及びその他の包括利益に対する調整に
関する注記
a 表示組替
日本基準では発生した費用に関して費用機能法に基づき、売上原価・販売費及び一般管理費・営業外費
用等に分類して表示しておりましたが、IFRSでは費用性質法による表示に変更しております。
b 認識及び測定の差異
(a) 売上収益及び営業費用に係る調整
日本基準においては、顧客へ付与したマイレージの利用による将来の費用負担額を「販売費及び一般
管理費」として計上しておりました。IFRSではマイレージプログラムを将来引き渡される物品または
サービスとして個別に認識し、マイレージと交換される特典の履行義務に配分された取引価格を収益か
ら繰延べ、顧客のマイレージ利用に従い収益を認識しております。
また、日本基準では一時点で収益認識していた取引の一部について、IFRSでは役務提供の進捗に応じ
て一定期間にわたり収益認識しております。
(b)その他の収入 に係る調整
日本基準においては、 資産に関する政府補助金について、補助金収入及び固定資産圧縮損をそれぞれ
特別利益及び特別損失にて総額で認識しておりましたが、IFRSでは純額で認識しております。
(c) 人件費に係る調整
当社グループは、日本基準では退職後給付制度の数理計算上の差異等について、発生時にその他の包
括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌年度から費
用処理しておりましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えて
おります。
(d) 減価償却費、償却費及び減損損失に係る調整
日本基準において賃貸借処理をしていた航空機及び各種設備等の賃貸借契約のうち、特定された資産
の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについては、IFRSではリースであ
る又はリースを含んだものであると 判断し、使用権資産を計上の上、減価償却費として認識しておりま
す。
(e)投資収益及び投資費用に係る調整
日本基準においては投資有価証券に係る売却等による損益を純損益に計上していましたが、IFRSでは
資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定することが認めら
れており、当該指定の資本性金融商品の売却等による損益を「その他の包括利益」として認識しており
ます。
(f) 財務収益に係る調整
日本基準において資産・負債計上していなかったリース取引について、IFRSでは資産・負債を計上の
上、リース負債に係る為替差益を財務収益として認識しております。
(g)財務費用に係る調整
日本基準においては、退職給付債務に割引率を乗じて算定した利息費用と、年金資産に長期期待運用
収益率を乗じて算定した期待運用収益を使用しておりましたが、IFRSでは確定給付制度債務の現在価値
から制度資産の公正価値を控除した金額に割引率を乗じて算定した利息純額を使用し、財務費用として
認識しております。
日本基準においては、重要な影響の有無の判断によって見直す必要がなかった確定給付制度債務の計
算に使用する割引率について、IFRSでは期末日の割引率に見直しを行い、財務費用を調整しておりま
す。
また、日本基準において資産・負債計上していなかったリース取引について、IFRSでは資産・負債を
計上の上、リース負債 に係る 利息を財務費用として認識しております。
さらに、日本基準においては、有利子負債の調達取引コストを費用処理していましたが、IFRSでは調
達取引コスト発生時に有利子負債残高を減額し、当該有利子負債の返済期間にわたって財務費用として
認識しております。
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日本航空株式会社(E04272)
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前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)のキャッシュ・フローに対する調整
IFRS
表示科目 日本基準 表示組替 注記
百万円 百万円 百万円
(連結キャッシュ・フロー計算書)
営業活動によるキャッシュ・フロー(△は減少) 60,030 20,827 80,857 (a),(c)
(b),(c)
投資活動によるキャッシュ・フロー(△は減少) △221,573 △12,152 △233,725
(a),(b),(c)
財務活動によるキャッシュ・フロー(△は減少) △30,135 △8,674 △38,810
キャッシュ・フローに対する調整に関する注記
a 表示組替
(a)オペレーティング・リース に係る組替
日本基準においてはオペレーティング・リースについて賃貸借処理を行っていたため、そのリース
料支払額は営業活動によるキャッシュ・フローに区分しておりましたが、IFRSにおいてはその一部が
使用権資産とともに認識したリース負債の返済に該当するため、財務活動によるキャッシュ・フロー
に区分しております。
(b)セール・アンド・リースバック取引の売却収入に 係る組替
日本基準において売却処理をしていた航空機のセール・アンド・リースバック取引のうち、IFRS
第15号の要求事項を満たさず、資産の譲渡を売却として会計処理しないものについて、日本基準では
売却収入を投資活動によるキャッシュ・フローに区分しておりましたが、IFRSでは航空機を引き続き
認識し、売却収入と同額の借入金を認識していることから、売却収入を財務活動によるキャッシュ・
フローに区分しております。
(c)受取利息・配当金及び支払利息に 係る組替
日本基準では利息の受取額、受取配当金の受取額、利息の支払額について営業活動によるキャッ
シュ・フローに区分しておりましたが、IFRSではより実態に即した区分計上の観点から利息の受取
額、受取配当金の受取額については投資活動によるキャッシュ・フローに、利息の支払額については
財務活動によるキャッシュ・フローに区分しております。
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(2)【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上収益 (百万円) 76,391 194,791 356,548 481,225
税引前四半期(当期)利益(△
△134,333 △228,252 △299,539 △404,078
は損失) (百万円)
親会社の所有者に帰属する四半
期(当期)利益(△は損失) △93,707 △161,226 △212,722 △286,693
(百万円)
基本的1株当たり四半期(当
△278.06 △478.41 △597.38 △764.99
期)利益(△は損失) (円)
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
基本的1株当たり四半期(当
△278.06 △200.35 △133.85 △169.27
期)利益(△は損失) (円)
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
資産の部
流動資産
311,095 385,936
現金及び預金
※2 78,847 ※2 78,159
営業未収入金
25,240 20,371
貯蔵品
19,092 9,181
前払費用
※2 62,012 ※2 59,539
その他
△ 413 △ 8,031
貸倒引当金
495,875 545,157
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
28,617 28,905
建物
267 263
構築物
6,310 8,627
機械及び装置
※1 773,086 ※1 667,258
航空機
3,422 2,628
車両運搬具
9,608 8,808
工具、器具及び備品
747 747
土地
109,541 132,577
建設仮勘定
931,602 849,817
有形固定資産合計
無形固定資産
96,088 89,305
ソフトウエア
0 0
その他
96,089 89,305
無形固定資産合計
投資その他の資産
※1 54,885 ※1 68,189
投資有価証券
※1 86,454 ※1 72,313
関係会社株式
※1 3,330 ※1 5,185
関係会社社債
3,553 3,605
その他の関係会社有価証券
※1 ,※2 6,517 ※1 ,※2 21,334
長期貸付金
14,296 16,568
長期前払費用
34,376 30,582
前払年金費用
88,485 174,520
繰延税金資産
※2 30,518 ※2 27,449
その他
△ 1,145 △ 16,208
貸倒引当金
321,271 403,540
投資その他の資産合計
1,348,963 1,342,663
固定資産合計
1,844,838 1,887,820
資産合計
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
負債の部
流動負債
※2 126,232 ※2 99,218
営業未払金
※2 164,890 ※2 131,268
短期借入金
- 10,000
1年内償還予定の社債
※1 12,271 ※1 23,658
1年内返済予定の長期借入金
※2 19,230 ※2 14,066
未払金
※2 768 ※2 517
リース債務
193 98
割賦未払金
874 1,121
未払法人税等
※2 12,420 ※2 19,022
未払費用
232,789 203,408
契約負債
※2 10,787 ※2 16,162
預り金
20,629 5,290
航空運送預り金
27,886 25,404
その他
628,974 549,236
流動負債合計
固定負債
90,000 80,000
社債
※1 75,173 ※1 260,964
長期借入金
※2 570 ※2 297
リース債務
98 -
長期割賦未払金
70,297 69,090
退職給付引当金
5,816 6,039
独禁法関連引当金
※2 30,807 ※2 40,116
その他
272,762 456,507
固定負債合計
901,736 1,005,743
負債合計
純資産の部
株主資本
181,352 273,200
資本金
資本剰余金
174,493 266,341
資本準備金
174,493 266,341
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
592,126 306,025
繰越利益剰余金
592,126 306,025
利益剰余金合計
△ 408 △ 408
自己株式
947,564 845,158
株主資本合計
評価・換算差額等
17,345 24,269
その他有価証券評価差額金
△ 21,807 12,648
繰延ヘッジ損益
△ 4,462 36,918
評価・換算差額等合計
943,102 882,077
純資産合計
1,844,838 1,887,820
負債純資産合計
156/187
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
※1 1,167,718 ※1 400,255
営業収益
※1 969,351 ※1 629,406
事業費
営業総利益(△は損失) 198,366 △ 229,150
※1 ,※2 153,286 ※1 ,※2 113,238
販売費及び一般管理費
営業利益(△は損失) 45,079 △ 342,389
営業外収益
※1 21,923 ※1 2,416
受取利息及び受取配当金
- 2,456
為替差益
※1 4,641 ※1 5,564
その他
26,565 10,437
営業外収益合計
営業外費用
※1 650 ※1 1,451
支払利息
1,243 -
為替差損
※1 5,384 ※1 15,877
その他
7,278 17,328
営業外費用合計
経常利益(△は損失) 64,366 △ 349,280
特別利益
※1 86 ※1 563
関係会社株式売却益
588 311
投資有価証券売却益
※1 125 ※1 2
その他
799 877
特別利益合計
特別損失
※4 16,000
990
貸倒引当金繰入額
150 13,122
関係会社株式評価損
※3 8,680
-
事業構造改革費用
※1 4,100 ※1 5,431
その他
5,240 43,234
特別損失合計
税引前当期純利益(△は損失) 59,925 △ 391,637
法人税、住民税及び事業税 △ 2,540 △ 1,690
21,476 △ 103,845
法人税等調整額
18,936 △ 105,536
法人税等合計
当期純利益(△は損失) 40,989 △ 286,101
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他
資本金 自己株式 株主資本合計
利益剰余金
資本剰余金 利益剰余金
資本準備金
合計 合計
繰越
利益剰余金
当期首残高 181,352 174,493 174,493 705,009 705,009 △ 408 1,060,446
会計方針の変更による累積的影響額 △ 75,814 △ 75,814 △ 75,814
会計方針の変更を反映した当期首残
181,352 174,493 174,493 629,194 629,194 △ 408 984,632
高
当期変動額
剰余金の配当 △ 38,058 △ 38,058 △ 38,058
当期純利益(△は損失) 40,989 40,989 40,989
自己株式の取得 △ 39,999 △ 39,999
自己株式の消却 △ 39,999 △ 39,999 39,999 -
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計
- - - △ 37,067 △ 37,067 - △ 37,067
当期末残高 181,352 174,493 174,493 592,126 592,126 △ 408 947,564
評価・換算差額等
純資産合計
その他有価証券
繰延ヘッジ損益 評価・換算差額等合計
評価差額金
当期首残高 19,883 1,972 21,855 1,082,302
会計方針の変更による累積的影響額 △ 75,814
会計方針の変更を反映した当期首残
19,883 1,972 21,855 1,006,487
高
当期変動額
剰余金の配当
△ 38,058
当期純利益(△は損失) 40,989
自己株式の取得 △ 39,999
自己株式の消却 -
株主資本以外の項目の当期変動額
△ 2,537 △ 23,779 △ 26,317 △ 26,317
(純額)
当期変動額合計 △ 2,537 △ 23,779 △ 26,317 △ 63,385
当期末残高 17,345 △ 21,807 △ 4,462 943,102
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当事業年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他
資本金 自己株式 株主資本合計
利益剰余金
資本剰余金 利益剰余金
資本準備金
合計 合計
繰越
利益剰余金
当期首残高 181,352 174,493 174,493 592,126 592,126 △ 408 947,564
当期変動額
新株の発行
91,848 91,848 91,848 183,696
当期純利益(△は損失) △ 286,101 △ 286,101 △ 286,101
自己株式の取得 △ 0 △ 0
株主資本以外の項目の当期変動額
(純額)
当期変動額合計 91,848 91,848 91,848 △ 286,101 △ 286,101 △ 0 △ 102,405
当期末残高 273,200 266,341 266,341 306,025 306,025 △ 408 845,158
評価・換算差額等
純資産合計
その他有価証券
繰延ヘッジ損益 評価・換算差額等合計
評価差額金
当期首残高 17,345 △ 21,807 △ 4,462 943,102
当期変動額
新株の発行
183,696
当期純利益(△は損失) △ 286,101
自己株式の取得 △ 0
株主資本以外の項目の当期変動額
6,924 34,456 41,380 41,380
(純額)
当期変動額合計 6,924 34,456 41,380 △ 61,025
当期末残高 24,269 12,648 36,918 882,077
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券の評価基準及び評価方法
満期保有目的債券 償却原価法
子会社株式及び関連会社株式 移動平均法による原価法
その他有価証券 時価のあるもの 決算日の市場価格等による時価法
評価差額は全部純資産直入法
売却原価は移動平均法
時価のないもの 移動平均法による原価法又は償却原価法
その他の関係会社有価証券 移動平均法による原価法
投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金
融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるも
の)については、組合契約に規定される決算報告日に応じ
て入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額
で取り込む方法
(2)たな卸資産の評価基準及び評価方法
移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算
定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く) 定額法
(2) 無形固定資産(リース資産を除く) 定額法
(3) リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1)退職給付引当金
当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
数理計算上の差異は、発生した翌事業年度より11年~14年で定額法により費用処理しております。
過去勤務費用は、発生時に費用処理しております。
(2)貸倒引当金
一般債権は貸倒実績率法、貸倒懸念債権等は回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりま
す。
(3)独禁法関連引当金
価格カルテルに係る制裁金や賠償金等の支払いに備えるため、将来発生しうる損失の見積額を計上して
おります。
4.収益の計上基準
当社は、国際線および国内線の航空機による旅客、貨物郵便、および手荷物の輸送サービスを主な事業
としております。通常、航空輸送役務が完了した時点に当社の履行義務が充足され、収益を認識してお
ります。
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5.その他財務諸表作成のための重要な事項
(1)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
(2)連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用
提出会社は、「所得税法等の一部を改正する法律」(2020年法律第8号)において創設されたグループ
通算制度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目につい
ては、「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」(実務対
応報告第39号 2020年3月31日)第3項の取扱いにより、「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企
業会計基準適用指針第28号 2018年2月16日)第44項の定めを適用せず、繰延税金資産及び繰延税金負債
の額について、改正前の税法の規定に基づいております。
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(重要な会計上の見積り)
財務諸表の作成に当たり、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼ
す仮定に基づく見積りを行っております。これらの見積りは、過去の実績及び事業年度の末日において合理的
であると考えられる様々な要因を勘案した、経営者の最善の見積り及び判断に基づいておりますが、将来にお
ける実際の結果は、これらと異なる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを
見直した事業年度及びそれ以降の将来の事業年度において認識されます。
なお、固定資産の減損や繰延税金資産の認識等のもととなる将来業績の見積りは、当社グループの中期経営
計画を基礎としており、新型コロナウイルス感染拡大による航空需要への影響の度合い、需要回復までの期
間、回復後の需要予測ならびに燃油価格、為替に関する市況変動の予測を主要な仮定として織り込んでおりま
す。また、新型コロナウイルス感染拡大による影響については、今後、日本および世界各国でワクチン接種が
進み、日本国内外での人の移動が徐々に回復することが見込まれておりますが、当社グループにおいては、国
際航空運送協会(IATA)が作成している需要回復シナリオなどを参考にして、今後一定期間かけて航空需要が
回復し、2023年度には新型コロナウイルス感染拡大以前の利益水準まで回復する仮定のもと、会計上の見積り
を行っております。
新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確定要素が多く、今後の当社の財政状態、経営成績に影響を及
ぼす可能性があります。
経営者が行った財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは次のとおりです。
(1)収益認識
航空運送に係る収益は、対価の受領時等において契約負債として認識し、航空輸送役務の完了時に収益
計上しております。
航空輸送に使用される予定のない航空券販売(失効見込みの未使用航空券)は、航空券の条件や過去の
傾向を考慮して適切な認識のタイミングを見積り、収益認識しております。
また、当社グループは会員顧客向けのマイレージプログラム「JALマイレージバンク」を運営してお
り、旅客輸送サービス等の利用に応じて付与するマイレージは、将来当社グループおよび提携他社による
サービスを受けるために利用することができます。
付与したマイレージの内、将来顧客が行使することが見込まれる分を履行義務として認識し、顧客がマ
イレージの利用に際して選択するサービスの構成割合を考慮して独立販売価格を見積り、取引価格はこれ
らの履行義務に対して独立販売価格の比率に基づいて配分しております。マイレージプログラムの履行義
務に配分された取引価格は契約負債として認識し、マイレージの利用に従い収益計上しております。
当事業年度末における契約負債の金額は203,408百万円です。
(2)航空機等の減価償却費
航空機、航空機エンジン部品及び客室関連資産等の各構成要素の各構成要素の耐用年数決定にあたり、
将来の経済的使用可能予測期間を考慮して、減価償却費を算定しております。
当事業年度末における航空機の金額は667,258百万円です。
(3)固定資産の減損
期末日現在の対象資産(帳簿価額:有形固定資産849,817百万円、無形固定資産89,305百万円)につい
て、減損の兆候が生じている可能性を示す事象があるかを検討し、減損の兆候が存在する場合には、当該
資産について減損損失の計上要否の検討を行っております。
当事業年度においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により経営環境が著しく悪化したことか
ら、減損の兆候があると判断し、減損損失の計上の要否について検討を行いました。検討の結果、見積回
収可能価額が固定資産の帳簿価額を超えると判断されたため、減損損失は計上しておりません。
なお、当事業年度の減損損失は、売却契約を締結した、または退役が決定した航空機について、資産の
グルーピングの単位を変更し、見積回収可能価額まで減額したものです。
(4)繰延税金資産の認識
当社は、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金が将来の税金負担額を軽減することができる範囲
内で繰延税金資産を認識しております。
当事業年度末における繰延税金資産の金額は174,520百万円です。
(未適用の会計基準等)
・「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日 企業会計基準委員会)
・「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日 企業会計基
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準委員会)
・「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2019年7月4日 企業会計基準委員会)
・「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日 企業会計基準委員会)
・「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日 企業会計
基準委員会)
(1)概要
国際会計基準審議会(IASB)及び米国財務会計基準審議会(FASB)が、公正価値測定についてほぼ同じ内
容の詳細なガイダンス(国際財務報告基準(IFRS)においてはIFRS第13号「公正価値測定」、米国会計基準
においてはAccounting Standards CodificationのTopic820「公正価値測定」)を定めている状況を踏ま
え、企業会計基準委員会において、主に金融商品の時価に関するガイダンス及び開示に関して、日本基準を
国際的な会計基準との整合性を図る取り組み が行われ、「時価の算定に関する会計基準」等が公表されたも
のです。
企業会計基準委員会の時価の算定に関する会計基準の開発にあたっての基本的な方針として、統一的な算
定方法を用いることにより、国内外の企業間における財務諸表の比較可能性を向上させる観点から、IFRS第
13号の定めを基本的にすべて取り入れることとされ、また、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮
し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で、個別項目に対するその他の取り扱いを定めるこ
ととされております。
(2)適用予定日
2022年3月期の期首から適用します。
(3)当該会計基準等の適用による影響
「時価の算定に関する会計基準」等の適用による財務諸表に与える影響額については、現時点で未定であり
ます。
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(会計方針の変更)
(収益認識に関する会計基準等の適用)
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)および「収益認識に関する会計基
準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2020年3月31日)を当事業年度から適用し、約束した財又は
サービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認
識することといたしました。これにより、適用前においては顧客へ付与したマイレージの利用による将来の費
用負担額を「販売費及び一般管理費」として認識し、未利用のマイレージについて貸借対照表に「営業未払
金」として表示しておりましたが、マイレージプログラムを将来引き渡される物品またはサービスとして個別
に認識し、マイレージと交換される特典の履行義務に配分された取引価格を「契約負債」として収益から繰り
延べ、顧客のマイレージ利用に従い収益を認識しております。また、航空券発売時や有効期限到来時に認識し
ていた一部の収益について、航空券の条件や過去の傾向を考慮して見積もった適切なタイミングに収益を認識
する方法に変更しております。当該会計方針の変更は、原則として遡及適用され、前事業年度については遡及
適用後の財務諸表となっております。
この結果、遡及適用を行う前と比べて、前事業年度における貸借対照表は、流動資産が19,854百万円減少
し、投資その他の資産が35,906百万円増加し、流動負債が100,073百万円増加し、利益剰余金が84,021百万円
減少しております。前事業年度の損益計算書は、営業収益は18,750百万円減少し、事業費が24,228百万円増加
し、販売費及び一般管理費は31,234百万円減少し、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益がそれぞれ
11,745百万円減少しております。前事業年度の1株当たり純資産額が249円32銭減少し、1株当たり当期純利
益は23円92銭減少しております。
前事業年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、株主資本等変動計算書の繰越利益剰余
金の期首残高が75,814百万円減少しております。
また、前事業年度までの「前受金」を当事業年度より「契約負債」として表示することとし、前事業年度ま
で「預り金」に含めて表示していた一部の負債についても、当事業年度より「契約負債」に含めて表示してお
ります。なお、前事業年度まで「営業未払金」と総額表示していた一部の「営業未収入金」について、純額表
示する方法に変更しております。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において「特別損失」の「その他」に含めていた「関係会社株式評価損」は、特別損失の総額の
100分の10を超えたため、当事業年度より区分掲記することとしました。 また、 区分掲記していた「特別損
失」の「固定資産処分損」および「投資有価証券評価損」は、特別損失の総額の100分の10以下となったた
め、当事業年度より「その他」に含めて表示することとしました。これらの表示方法の変更を反映させるた
め、前事業年度の財務諸表の組換えを行っております。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「特別損失」の「その他」に表示していた150百万円は、
「関係会社株式評価損」150百万円として、「特別損失」の「固定資産処分損」に表示していた2,090百万円、
「投資有価証券評価損」に表示していた1,151百万円は、「その他」3,242百万円として組替えております。
(「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の適用)
「会計上の見積りの開示に関する会計基準」(企業会計基準31号 2020年3月31日)を当事業年度末に係る
財務諸表から適用し、財務諸表に重要な会計上の見積りに関する注記を記載しております。
ただし、当該注記においては、当該会計基準第11項ただし書きに定める経過的な取扱いに従って、前事業年
度に係る内容については記載しておりません。
(会計上の見積りの変更)
当社は、 退役を予定している一部の航空機、航空機エンジン部品及び客室関連資産等について、将来の経済
的使用可能予測期間の見直しを行い、当事業年度において耐用年数を変更しております。この変更により、当
事業年度の営業損失、経常損失、税引前当期純損失はそれぞれ10,575百万円増加しております。
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(貸借対照表関係)
※1 担保資産及び担保付き債務
担保に供されている資産は次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
航空機 144,255百万円 436,334百万円
関係会社株式 3,585 0
関係会社社債 3,330 5,185
長期貸付金 3,330 3,330
投資有価証券
2,930 5,693
計 157,431 450,543
担保付き債務は次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
1年内返済予定の長期借入金 12,271百万円 23,658百万円
長期借入金 75,173 260,964
計 87,444 284,622
担保提 供資産は、金融機関との取引における一般的な取極めにより、返済期限の到来した債務の元本及
び利息の返済がなされず債務不履行となった場合等に、当該担保を処分し、債務返済額に充当又は相殺す
る権利を、金融機関が有することを約定されております。
なお、担保提供資産は、以下の3社が金融機関との間で締結した、各社設立の目的となる事業に係るシ
ンジケート・ローン契約に基づく各社の債務を担保するために根質権を設定した資産を含んでおります。
・関連会社である東京国際空港ターミナル株式会社
・熊本国際空港株式会社
・北海道エアポート株式会社
※2 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分掲記されたものを除く。)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
短期金銭債権 43,901百万円 36,745百万円
短期金銭債務 213,253 169,248
長期金銭債権 9,443 24,121
長期金銭債務 91 75
3 偶発債務
保証債務の内訳は、次のとおりです。
(銀行借入金等に対する保証)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
- 9,000百万円
ジェットスター・ジャパン株式会社
1,520百万円 2,025百万円
株式会社北海道エアシステム
その他 12百万円 8百万円
なお、ジェットスター・ジャパン株式会社に対する保証債務残高のうち4,500百万円については、他社か
ら再保証を受けております。
(リース債務に対する保証)
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
3,315百万円 2,948百万円
ジェットスター・ジャパン株式会社
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このほか、当社が出資している福岡エアポートホールディングス株式会社(譲渡人)が、 国土交通省航
空局 (譲受人)と締結した株式譲渡予約契約に関し、当該契約上の義務または表明もしくは保証に違反し
た場合の損害について、譲受人に対し、次の金額を上限として保証しております。
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
7,867百万円 7,867百万円
福岡エアポートホールディングス株式会社
4 当社は、 緊急時の流動性確保を目的として取 引金融機関とコミットメントライン契約を締結しておりま
す。これらの契約に基づく借入未実行残高等は次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
コミットメントライン契約の総額 50,000百万円 300,000百万円
借入実行残高 - -
300,000
差引額 50,000
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(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものが次のとおり含まれております。
前事業年度 当事業年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
営業収益 64,983百万円 50,496百万円
営業費用 304,155 199,003
営業取引以外の取引高 42,652 16,078
※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度77%、当事業年度66%、一般管理費に属する費用の
おおよその割合は前事業年度23%、当事業年度34%です。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
前事業年度 当事業年度
(自 2019年4月1日 (自 2020年4月1日
至 2020年3月31日) 至 2021年3月31日)
販売手数料 18,484 百万円 3,959 百万円
11,836 4,455
販売促進費
27,308 23,909
人件費
38,030 25,792
社外役務費
22,219 24,591
減価償却費
13,396 12,200
賃借料
22,011 18,330
その他
153,286 113,238
計
※3 事業 構造改革費用
事業構造改革費用の主な内訳は、事業構造改革の一環で実施した航空機の早期退役に係る減損損失7,458百
万円などが含まれています。
※4 特別損失に属する貸倒引当金繰入額16,000百万円は、関係会社との取引に対して計上しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
区分 貸借対照表計上額 時価 差額
関連会社株式 8,762 10,003 1,240
当事業年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
区分 貸借対照表計上額 時価 差額
関連会社株式 8,762 13,181 4,419
(注) 時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
区分
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
(1)子会社株式 61,154 58,630
(2)関連会社株式 16,537 4,920
合計 77,691 63,550
これらについては、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、上表「子会社
株式及び関連会社株式」には含めておりません。
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
繰延税金資産
貸倒引当金 466百万円 7,309百万円
営業未払金否認 447 346
契約負債 52,608 37,008
退職給付引当金 21,047 20,830
繰延ヘッジ損失 9,616 144
関係会社株式 5,880 9,830
減価償却損金算入限度超過額 4,417 3,750
機材関連繰延負債 2,750 2,679
資産除去債務 2,487 2,521
減損損失 2,221 2,237
独禁法関連引当金 1,741 1,820
未払賞与 542 219
繰越欠損金 10,274 127,951
2,769 4,977
その他
繰延税金資産小計
117,270 221,630
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額
△9,391 △21,182
評価性引当額小計 △9,391 △21,182
繰延税金資産合計
107,879 200,447
繰延税金負債
前払年金費用 10,292 9,220
その他有価証券評価差額金 7,490 10,505
繰延ヘッジ利益 297 5,604
1,313 596
その他
繰延税金負債合計 19,393 25,927
繰延税金資産(負債)純額合計 88,485 174,520
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異原因
前事業年度 当事業年度
(2020年3月31日) (2021年3月31日)
税引前当期純損失のため、
法定実効税率
29.9%
記載を省略しております。
(調整)
受取配当等の永久に益金に算入されない項目 △9.7
評価性引当額増減
11.9
(繰越欠損金の期限切れの金額を含む。)
△0.6
その他
税効果会計適用後の法人税等負担率 31.6
(企業結合等関係)
該当事項はありません。
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(収益認識関係)
(収益を理解するための基礎となる情報)
連結財務諸表注記「24.売上収益」に同様の情報を記載しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却累計
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
額
建物 28,617 3,225 170 2,767 28,905 23,452
構築物 267 27 1 29 263 126
機械及び装置 6,310 3,230 10 903 8,627 4,963
64,809※4
航空機 773,086 68,085※1 109,105 667,258 602,208
(7,835)
有形
車両運搬具 3,422 583 43 1,333 2,628 4,263
固定
資産
工具、器具及び備品 9,608 2,255 204 2,851 8,808 16,396
土地
747 ― ― ― 747 ―
66,001
建設仮勘定 109,541 89,037※2 ― 132,577 ―
(249)
131,240
計 931,602 166,446 116,991 849,817 651,410
(8,085)
ソフトウエア
96,088 22,886※3 976 28,693 89,305
無形
固定 その他 0 ― ― 0 0
資産
計 96,089 22,886 976 28,694 89,305
(注)1.「当期減少額」欄の括弧内の数字(内数)は減損損失の計上額です。
2.主な増加
※1 航空機購入 48,912百万円
予備原動機・部品購入 7,870百万円
※2 航空機導入時支払金 29,087百万円
航空機購入前払金 41,638百万円
※3 旅客系システム投資 8,9 34 百万円
販売系システム投資 3,987百万円
本社IT環境投資 4,746百万円
運航システム投資 1,520百万円
3.主な減少
※4 航空機売却 323 百万円
リース化 46,572百万円
777早期退役に伴う減損 7,209百万円
部品売却・廃棄に伴う減損 6 26百万円
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【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 1,558 22,682 1 24,239
独禁法関連引当金 5,816 223 - 6,039
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで
定時株主総会 毎年4月1日から3ヶ月以内
基準日 3月31日
剰余金の配当の基準日 3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
取次場所
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行株式会社
取次所 -
買取手数料 無料
電子公告により行う。ただし、事故その他やむを得ない事由により電子公告による
公告掲載方法 ことができないときは、東京都において発行する日本経済新聞に掲載することによ
り行う。
航空法第120条の2に関連して当社定款には次の規定がある。
第12条 当会社は、次の各号のいずれかに掲げる者からその氏名及び住所を株主名簿に
記載又は記録することの請求を受けた場合において、その請求に応ずることに
より次の各号に掲げる者の有する議決権の総数が当会社の議決権の3分の1以
上を占めることとなるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載又は記録す
ることを拒むものとする。
(1)日本の国籍を有しない人
(2)外国又は外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの
外国人等の株主名簿への
(3)外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
記載・記録の制限
2. 当会社は、社債、株式等の振替に関する法律第151条第1項又は第8項に基づ
く振替機関からの通知に係る株主のうち前項各号のいずれかに掲げる者の有す
る株式のすべてについて株主名簿に記載又は記録することとした場合に前項各
号に掲げる者の有する議決権の総数が当会社の議決権の3分の1以上を占める
こととなるときは、前項各号に掲げる者の有する議決権の総数が当会社の議決
権の3分の1以上を占めることとならないように当該株式の一部に限って株主
名簿に記載又は記録する方法として国土交通省令で定める方法に従い、株主名
簿に記載又は記録する。
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毎年3月31日、並びに9月30日現在の株主に対し、次の基準により、当社グループの
国内定期航空路線の株主割引券(片道1区間を50%割引)を配布する。
(1)発行基準
所有株式数 3月31日現在の株主 9月30日現在の株主
100株 ~ 199株
1枚 -
200株 ~ 299株
1枚 1枚
300株 ~ 399株
2枚 1枚
400株 ~ 499株
2枚 2枚
500株 ~ 599株
3枚 2枚
600株 ~ 699株
3枚 3枚
700株 ~ 799株
4枚 3枚
800株 ~ 899株
4枚 4枚
900株 ~ 999株
5枚 4枚
1,000株 ~ 1,099株
5枚 5枚
5枚+1,000株超過分
1,100株 ~ 99,999株
同左
500株ごとに1枚
203枚+100,000株超過分
100,000株 ~
同左
株主に対する特典
1,000株ごとに1枚
上記に加え、3年(7基準日)連続で株主名簿に同一株主番号で記録されている株主
に対しては、次の基準により、追加で株主割引券を配布する。
300株 ~ 999株・・・・・・各7基準日目に1枚
1,000株 ~ 9,999株・・・・・・各7基準日目に2枚
10,000株 ~ ・・・・・・各7基準日目に3枚
(2)対象となるJALグループ国内路線・割引率
当社、日本トランスオーシャン航空㈱、日本エアコミューター㈱、琉球エアーコ
ミューター㈱各社の国内全定期航空路線について、大人普通運賃(小児の場合は小児
運賃)1名分の片道1区間が、株主割引券1枚で50%割引で利用が可能。但し、
ファーストクラス、クラスJ各料金には適用できない。
(3)株主割引券有効期限
3月31日基準日発行分:6月1日~翌5月31日、9月30日基準日発行分:12月1
日~翌11月30日
(4)その他
・販売座席数には限りがあり、また、便によっては設定がない場合がある。
・予約日を含め3日以内に航空券を購入しない場合は、予約が取り消しとなる。
(注)当社定款の定めにより、株主は、その有する単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利を行使
することができません。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3)株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4)株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第71期)(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)2020年6月22日関東財務局長に提出。
(2)内部統制報告書及びその添付書類
2020年6月22日関東財務局長に提出。
(3)四半期報告書及び確認書
(第72期第1四半期)(自 2020年4月1日 至 2020年6月30日)2020年8月4日関東財務局長に提出。
(第72期第2四半期)(自 2020年7月1日 至 2020年9月30日)2020年11月2日関東財務局長に提出。
(第72期第3四半期)(自 2020年10月1日 至 2020年12月31日)2021年2月2日関東財務局長に提出。
(4)臨時報告書
2020年6月22日関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会に
おける議決権行使の結果)に基づく臨時報告書です。
2020年11月6日関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号 ( 海外市場におけ
る普通株式の募集 ) に 基づく臨時報告書です。
(5)訂正臨時報告書
2020年11月18日関東財務局長に提出。
2020年11月6日提出の臨時報告書( 海外市場における普通株式の募集 )に係る訂正報告書です。
2020年11月26日関東財務局長に提出。
2020年11月6日提出の臨時報告書( 海外市場における普通株式の募集 )に係る訂正報告書です。
(6)有価証券届出 書(一般募集及び第三者割当による増資) 及びその添付書類
2020年11月6日関東財務局長に提出。
(7)有価証券届出書の訂正届出書
2020年11月18日関東財務局長に提出。
2020年11月6日提出の有価証券届出書に係る訂正報告書です。
2020年11月26日関東財務局長に提出。
2020年11月6日提出の有価証券届出書に係る訂正報告書です。
(8)訂正発行登録書
2020年6月22日関東財務局長に提出。
2020年11月6日関東財務局長に提出。
2020年11月18日関東財務局長に提出。
2020年11月26日関東財務局長に提出。
(9)発行登録追補書類(普通社債)及び添付資料
2021年6月4日関東財務局長に提出。
(10)発行登録取下届出書
2021年6月15日関東財務局長に提出。
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日本航空株式会社(E04272)
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2021年6月18日
日本航空株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 大塚 敏弘 印
業 務 執 行 社 員
指定有限責任社員
公認会計士 井上 智由 印
業 務 執 行 社 員
指定有限責任社員
公認会計士 有吉 真哉 印
業 務 執 行 社 員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる日本航空株式会社の2020年4月1日から2021年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状
態計算書、連結損益及びその他の包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表
注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定さ
れた指定国際会計基準に準拠して、日本航空株式会社及び連結子会社の2021年3月31日現在の財政状態並びに同日をもっ
て終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているもの
と認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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日本航空株式会社(E04272)
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収益認識の前提となるITシステムの信頼性及びマイレージに関する重要な見積りの合理性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
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日本航空株式会社(E04272)
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連結財務諸表注記(24.売上収益) に記載のとおり、日 当監査法人は、収益認識の前提となるITシステムの信
本航空株式会社の当連結会計年度の航空運送事業セグメ 頼性及びマイレージに関する重要な見積りの合理性を検
ントにおいて売上収益431,821百万円が計上されている。 討するため、主に以下の監査手続を実施した。
同セグメントの売上収益のうち201,976百万円は旅客収入
(1)内部統制の評価
(国際線旅客収入27,969百万円及び国内線旅客収入
収益認識の前提となるITシステム及びマイレージに関
174,006百万円)であり、連結売上収益の42%を占めてい
する見積りに関連する内部統制の整備及び運用状況の有
る。
効性を評価した。評価に当たっては、特に以下に焦点を
また、連結財政状態計算書において、顧客からの前受
当てた。
対価の受領時に認識された契約負債及びマイレージの付
● 関連するITシステムのアクセス管理やプログラムの
与時に繰延処理された契約負債215,239百万円が計上され
変更管理その他の全般統制
ている。
● 異なるシステム間のインターフェースや乗り継ぎ区
日本航空株式会社及び連結子会社では、旅客収入は、
間ごとの航空券価格の配分計算におけるデータの受
対価の受領時等において契約負債として認識し、航空輸
渡しや処理の正確性を確保するための統制
送役務の完了時に収益計上している。
● マイレージが将来失効する割合や会員顧客がマイ
また、日本航空株式会社は、会員顧客向けのマイレー
レージの利用に際して選択するサービスの構成割合
ジプログラムを運営しており、旅客輸送サービス等の利
が適切に算定されることを担保するための統制
用に応じてマイレージを付与している。会員顧客は、付
与されたマイレージを日本航空株式会社のグループ及び
(2)収益認識の正確性及び適時性の検討
提携他社によるサービスに利用することができる。日本
上記の内部統制の評価結果を踏まえて、収益認識の正
航空株式会社では、付与したマイレージに対し履行義務
確性及び適時性を検討するため、主に以下の手続を実施
を認識し、契約負債として繰延べている。その後、マイ
した。
レージの利用に伴い収益計上している。なお、航空輸送
役務とマイレージに対する履行義務に航空券の取引価格
● 当期の需要変動に基づく航空券価格の推移を加味し
を配分する際には、それぞれの独立販売価格の比率に基
た推定単価に基づく旅客収入の推定値を算出し、連
づいて配分計算される。
結損益及びその他の包括利益計算書計上額と比較
し、その乖離の理由が合理的であるかどうかを検証
① 収益認識の前提となるITシステムの信頼性
した。
旅客収入の収益認識プロセスにおいて利用する航空券
● 当連結会計年度の期首及び期末日付けで計上されて
に関する情報は、複数の提携会社から入手する情報を含
いる旅客収入の認識の基礎となる航空券データにつ
む大量の取引データを対象として、異なるシステム間の
いて、運航実績情報と照合した。
インターフェースや乗り継ぎ区間ごとの航空券価格の配
分計算等に関する複雑なシステム処理を通じて生成され
● 契約負債を算定する際の基礎となるマイレージ残高
ている。
データ等を独自に出力・集計し、経営者による出
力・集計結果と照合することで、正確性を検証し
マイレージに関する情報についても、マイレージを利
た。
用できるサービスの種類はグループ内サービスである特
典航空券やツアー等に加え、提携会社のポイントや電子
● 経営者の採用したマイレージが将来失効する割合や
マネーへの交換など多岐にわたり、複雑なITシステムに
会員顧客がマイレージの利用に際して選択するサー
依拠して生成されている。
ビスの構成割合について、過去の実績の推移及びそ
の変動要因を検討し、経営者の仮定の合理性を評価
このように、旅客収入の収益認識プロセス全体を通じ
した。
て業務処理システムの自動化統制に高度に依存してお
特に新型コロナウイルス感染症の拡大が航空旅客
り、大量データを基礎とした複雑な処理が行われてい
需要及びマイレージ利用状況に与える影響を分析
る。このため、航空券やマイレージに関するデータがIT
し、マイレージの失効割合及び利用されるサービス
システムにおいて正確かつ網羅的に処理されない場合に
の構成割合の将来予測に適切に反映されているかど
は、適切な会計期間において正確に収益計上が行われな
うかを検討した。
い可能性がある。
② マイレージに関する重要な見積りの合理性
航空輸送役務とマイレージに対する履行義務に航空券
の取引価格を配分する際には、マイレージの独立販売価
格を見積もる必要があり、マイレージが将来失効する割
合や会員顧客がマイレージの利用に際して選択するサー
ビスの構成割合を考慮して算定している。また、当該見
積りにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大が航
空旅客需要及びマイレージ利用状況に与える影響を加味
している。マイレージが将来失効する割合や会員顧客が
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日本航空株式会社(E04272)
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マイレージの利用に際して選択するサービスの構成割合
に関しては経営者による重要な判断を伴う仮定が含まれ
ており、見積りの不確実性が高い。
以上から、当監査法人は、収益認識の前提となるITシ
ステムの信頼性及びマイレージに関する重要な見積りの
合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において
特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の一つに
該当すると判断した。
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日本航空株式会社の繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
日本航空株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計 当監査法人は、日本航空株式会社の繰延税金資産の回
算書において、繰延税金資産225,886百万円が計上されて 収可能性に関する判断の妥当性を評価するため、主に以
おり、 連結財務諸表注記(15.法人所得税) に記載のとお 下の監査手続を実施した。
り、当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額
(1)内部統制の評価
は250,931百万円である。このうち、日本航空株式会社に
中期経営計画の策定を含む、将来課税所得の予測プロ
おいて計上された繰延税金資産(繰延税金負債との相殺
セスに関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を
前)の金額は200,447百万円であり、連結総資産の9.5%
評価した。評価に当たっては、中期経営計画の策定の前
に相当する。なお、当該繰延税金資産には、税務上の繰
提となる航空旅客需要及び市況変動の予測に関する統制
越欠損金に係る繰延税金資産127,951百万円が含まれてい
に、特に焦点を当てた。
る。
(2)将来課税所得の発生見込額の合理性の評価
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税
額控除及び税務上の繰越欠損金のうち、将来課税所得に
繰延税金資産の回収可能性の判断において重要となる
対して利用できる可能性が高い範囲内で認識される。
将来課税所得の発生見込額について、その基礎となる中
期経営計画の内容との整合性を確かめた。その上で、当
日本航空株式会社が営む航空運送事業では、疫病の世
該計画の策定に当たって採用された主要な仮定の合理性
界的な拡大が発生した場合、各国政府による入境制限や
を評価するため、その根拠について経営者及び関連部署
移動の制限・自粛要請といった人の移動に関する規制の
の担当者に対して質問したほか、主に以下の手続を実施
発動のほか、企業や利用者の感染防止を目的とした自発
した。
的な航空機利用の回避によって航空旅客需要が大幅に減
少する。日本航空株式会社においては、新型コロナウイ
● 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空旅客需
ルス感染症の拡大の影響により、当連結会計年度におい
要への影響、需要回復までの期間及び回復後の需要
て重要な税務上の欠損金が生じているが、経営者は将来
予測について、国際航空運送協会(IATA)による市
において課税所得が安定的に発生するとの予測に基づい
場予測レポート及び同業他社が公表している同種の
て、上記の繰延税金資産200,447百万円の回収可能性は認
需要予測の内容との整合性を確かめた。
められると判断している。
● 燃油価格及び外国為替相場に関する市況変動につい
繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる将来課
て、外部の調査機関が公表している予測レポート及
税所得の発生見込額は、経営者が作成した中期経営計画
び金融機関が公表している相場見通しの内容との整
を基礎として見積もられるが、当該計画には以下の仮定
合性を確かめた。
が使用されている。
また、上記の主要な仮定の合理性についての評価結
● 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空旅客需
果、並びに過去の計画の達成状況及び当該計画と実績と
要への影響、需要回復までの期間及び回復後の需要
の差異の原因についての検討結果を踏まえて、中期経営
予測
計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来の課税所
得の発生見込額を独自に見積もった。その上で、当該見
● 燃油価格及び外国為替相場に関する市況変動の予測
積額を経営者が見積もった将来課税所得の発生見込額と
これらの仮定には、今後一定期間かけて航空旅客需要
比較するとともに、繰延税金資産の回収可能額に与える
が回復し、2023年度には新型コロナウイルス感染症の拡
影響について検討した。
大以前の利益水準まで回復するとの経営者による重要な
判断が含まれていることから、見積りの不確実性が高
い。
以上から、当監査法人は、日本航空株式会社の繰延税
金資産の回収可能性に関する判断の妥当性が、当連結会
計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、
「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断し
た。
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有価証券報告書
航空運送事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
日本航空株式会社の当連結会計年度の連結財政状態計 当監査法人は、航空運送事業の固定資産の減損損失の
算書において、有形固定資産1,045,413百万円及び無形資 認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に
産89,662百万円が計上されている。 連結財務諸表注記 以下の監査手続を実施した。
(4.重要な会計上の見積り及び判断) に記載のとおり、
(1)内部統制の評価
このうち航空運送事業セグメントに含まれる航空運送事
航空運送事業の固定資産の減損損失の認識の要否に関
業に関するものが対象資産の大部分を占めている。
する判断の妥当性に関連する内部統制の整備及び運用状
当連結会計年度において、航空運送事業は、新型コロ
況の有効性を評価した。評価に当たっては、中期経営計
ナウイルス感染症の拡大の影響により営業損失が計上さ
画の策定の前提となる航空旅客需要及び市況変動の予測
れ、今後も影響が続くと見込まれることから、減損の兆
に関する統制に、特に焦点を当てた。
候を認識し、減損テストを実施している。その実施に当
(2)使用価値の見積りの合理性の評価
たり、航空運送事業における回収可能価額については、
見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当
固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断におい
該資産に固有のリスクを反映させた税引前割引率を用い
て重要となる将来キャッシュ・フローの見積りについ
て現在価値に割り引いて算定した使用価値により測定し
て、その基礎となる中期経営計画の内容との整合性を確
ている。
かめた。その上で、当該計画の策定に当たって採用され
た主要な仮定の合理性を評価するため、その根拠につい
減損テストに用いられる将来キャッシュ・フローの見
て経営者及び関連部署の担当者に対して質問したほか、
積りは、経営者が作成した中期経営計画を基礎として見
主に以下の手続を実施した。
積もられるが、当該計画には以下の仮定が使用されてい
る。
● 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空旅客需
要への影響、需要回復までの期間及び回復後の需要
● 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空旅客需
予測について、国際航空運送協会(IATA)による市
要への影響、需要回復までの期間及び回復後の需要
場予測レポート及び同業他社が公表している同種の
予測
需要予測の内容との整合性を確かめた。
● 燃油価格に関する市況変動の予測
● 燃油価格に関する市況変動について、外部の調査機
これらの仮定には、今後一定期間かけて航空旅客需要
関が公表している予測レポート及び金融機関が公表
が回復し、2023年度には新型コロナウイルス感染症の拡
している相場見通しの内容との整合性を確かめた。
大以前の利益水準まで回復するとの経営者による重要な
また、経営者が使用した割引率について、当監査法人
判断が含まれていることから、見積りの不確実性が高
が属するネットワークファームの評価の専門家を利用し
い。
て、以下について検討した。
また、使用価値の測定に用いる割引率の見積りにおい
● 割引率の計算手法について対象とする評価項目及び
て、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価
会計基準の要求事項等を踏まえ、その適切性を検討
に関する高度な専門知識を必要とする。
した。
以上から、当監査法人は、航空運送事業の固定資産の
● インプットデータと外部機関が公表している市場
減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性が、当連結
データとを照合し、インプットデータの合理性を検
会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、
討した。
「監査上の主要な検討事項」の一つに該当すると判断し
さらに、上記の主要な仮定の合理性についての検討結
た。
果、並びに過去の計画の達成状況及び当該計画と実績と
の差異の原因についての検討結果を踏まえて、中期経営
計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来キャッ
シュ・フローの発生見込額を独自に見積もった。その上
で、当該見積額を経営者が見積もった将来キャッシュ・
フローの発生見込額と比較するとともに、使用価値の金
額に与える影響について検討した。
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有価証券報告書
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、指定国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は
誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及
び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、指定国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責
任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立
案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の
実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関
連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論
付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に
注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対し
て除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づい
ているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、指定国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた
連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうか
を評価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手
する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に
対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガード を
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断
した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁
止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上
回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
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有価証券報告書
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、日本航空株式会社の2021年3
月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、日本航空株式会社が2021年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部
統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告
に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。
内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用さ
れる。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統
制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、
内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負
う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識
別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項につ
いて報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
(注)1.上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出
会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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有価証券報告書
独立監査人の監査報告書
2021年6月18日
日本航空株式会社
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 大塚 敏弘 印
業 務 執 行 社 員
指定有限責任社員
公認会計士 井上 智由 印
業 務 執 行 社 員
指定有限責任社員
公認会計士 有吉 真哉 印
業 務 執 行 社 員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる日本航空株式会社の2020年4月1日から2021年3月31日までの第72期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、
損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、日本航空
株式会社の2021年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適
正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
収益認識の前提となるITシステムの信頼性及びマイレージに関する重要な見積りの合理性
財務諸表の監査報告書で記載すべき監査上の主要な検討事項「収益認識の前提となるITシステムの信頼性及びマイ
レージに関する重要な見積りの合理性」は、連結財務諸表の監査報告書に記載されている監査上の主要な検討事項
「収益認識の前提となるITシステムの信頼性及びマイレージに関する重要な見積りの合理性」と実質的に同一の内容
である。このため、財務諸表の監査報告書では、これに関する記載を省略する。
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
日本航空株式会社の当事業年度の貸借対照表におい 連結財務諸表の監査報告書において、「日本航空株式
て、繰延税金資産174,520百万円が計上されている。 財務 会社の繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当
諸表注記(税効果会計関係) に記載のとおり、当該繰延 性」が監査上の主要な検討事項に該当すると判断し、監
税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は200,447百万 査上の対応について記載している。
円であり、総資産の10.6%に相当する。なお、当該繰延
当該記載内容は、財務諸表監査における監査上の対応
税金資産には、税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産
と実質的に同一の内容であることから、監査上の対応に
127,951百万円が含まれている。
関する具体的な記載を省略する。
繰延税金資産は、将来減算一時差異及び税務上の繰越
欠損金が将来の税金負担額を軽減することができると認
められる範囲内で認識される。
日本航空株式会社が営む航空運送事業では、疫病の世
界的な拡大が発生した場合、各国政府による入境制限や
移動の制限・自粛要請といった人の移動に関する規制の
発動のほか、企業や利用者の感染防止を目的とした自発
的な航空機利用の回避によって航空旅客需要が大幅に減
少する。日本航空株式会社においては、新型コロナウイ
ルス感染症の拡大の影響により、当事業年度において重
要な税務上の欠損金が生じているが、経営者は将来にお
いて課税所得が安定的に発生するとの予測に基づいて、
上記の繰延税金資産200,447百万円の回収可能性は認めら
れると判断している。
繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる将来課
税所得の発生見込額は、経営者が作成した中期経営計画
を基礎として見積もられるが、当該計画には以下の仮定
が使用されている。
● 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空旅客需
要への影響、需要回復までの期間及び回復後の需要
予測
● 燃油価格及び外国為替相場に関する市況変動の予測
これらの仮定には、今後一定期間かけて航空旅客需要
が回復し、2023年度には新型コロナウイルス感染症の拡
大以前の利益水準まで回復するとの経営者による重要な
判断が含まれていることから、見積りの不確実性が高
い。
以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性
に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査に
おいて特に重要であり、「監査上の主要な検討事項」の
一つに該当すると判断した。
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日本航空株式会社(E04272)
有価証券報告書
固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
日本航空株式会社の当事業年度の貸借対照表におい 連結財務諸表の監査報告書において、「航空運送事業
て、有形固定資産849,817百万円及び無形固定資産89,305 の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当
百万円が計上されている。 性」が監査上の主要な検討事項に該当すると判断し、監
査上の対応について記載している。
当事業年度において、日本航空株式会社が営む航空運
送事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によ 当該記載内容は、財務諸表監査における監査上の対応と
り経営環境が著しく悪化したことから、減損の兆候を認 実質的に同一の内容であることから、監査上の対応に関す
識し、減損損失の計上の要否について検討している。 る具体的な記載を省略する。
減損損失の計上要否の検討に用いられる将来キャッ
シュ・フローの見積りは、経営者が作成した中期経営計
画を基礎として見積もられるが、当該計画には以下の仮
定が使用されている。
● 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要へ
の影響、需要回復までの期間及び回復後の需要予測
● 燃油価格に関する市況変動の予測
これらの仮定には、今後一定期間かけて航空旅客需要
が回復し、2023年度には新型コロナウイルス感染症の拡
大以前の利益水準まで回復するとの経営者による重要な
判断が含まれていることから、見積りの不確実性が高
い。
以上から、当監査法人は、固定資産の減損損失の認識
の要否に関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表
監査において特に重要であり、「監査上の主要な検討事
項」の一つに該当すると判断した。
財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立
案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施
に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関
連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継
続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
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日本航空株式会社(E04272)
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起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事 象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうか
とともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を
適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の
重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並
びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを
講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない 。
以 上
(注)1.上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出
会社)が別途保管しております。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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