ナティクシス 有価証券報告書
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021 年6月 10 日
【事業年度】 自 2020 年1月1日 至 2020 年 12 月 31 日
【会社名】 ナティクシス
( Natixis )
【代表者の役職氏名】 アジア太平洋コーポレート・バンキングおよびインベストメント・
バンキング部門主席執行役員
ブルーノ・ル・サン
( Bruno Le Saint, Chief Executive Officer, Corporate &
Investment Banking, Asia Pacific )
【本店の所在の場所】 フランス、 75013 パリ市ピエール・マンデス-フランス通り 30 番地
( 30, avenue Pierre Mendès F rance, 75013 Paris, France )
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 黒 田 康 之
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 井 上 貴 美 子
同 山 橋 信 也
同 稲 村 将 吾
同 八 木 雄 史
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6775-1603
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
( 注 ) 1. 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ユーロ」、「 € 」または「 EUR 」は欧州経済通貨同盟に
参加している欧州連合(以下「 EU 」という。)の加盟国の統一通貨を、「米ドル」はアメリカ合衆国
の法定通貨を、「円」または「日本円」は日本国の法定通貨を指すものとする。本書において、別段
の記載がある場合を除き、便宜上記載されている日本円への換算は、1ユーロ= 129.72 円の為替レー
ト( 2021 年4月 23 日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行の対顧客電信直物売買相場仲値)により計算されて
いる。
2. 本書において、文脈上別段の記載または解釈がなされる場合を除き、「当行」および「ナティクシ
ス」は、ナティクシスを、「当行グループ」はナティクシスおよびその連結子会社を指す。
3. 本書において、文脈上別段の記載または解釈がなされる場合を除き、「 Groupe BPCE 」は、 Groupe
BPCE を指す。 Groupe BPCE は、 Banques Populaires および Caisses d'Epargne の2大ブランドを有する
フランスの銀行グループである。 Groupe BPCE は主に Banques Populaires の 14 の銀行、 15 の Caisses
d'Epargne 、ナティクシス、 Crédit Foncier 、 Banque Palatine および BPCE International で構成され
る。
4. 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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5. 将来予測に関する記述
本書に含まれる記載は、将来予測に関する記述を含んでいる。「信じている」、「意図している」、
「予想している」、「考えている」、「見積もっている」、「予測している」、「~の可能性があ
る」、「計画している」、「~であろう」、「企図している」、「期待している」、「目的としてい
る」、「将来」および「~に違いない」といった用語ならびにこれらに類似する表現は、将来予測に
関する記述であることを明確にすることを意図している。これらの将来予測に関する記述は、将来の
事象に関する本書の日付現在の当行の予想および仮定に基づくものである。
かかる将来予測に関する記述は、リスク、不確実性その他実際の結果と将来予測に関する記述におい
て明示または黙示される記述との相違を生じさせる要因による影響を受ける。
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第一部 【企業情報】
第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当行は株式会社( Soci é t é Anonyme (SA) )の形態をとるフランスの有限責任会社である。
フランスの有限責任会社として、当行はフランス商法( Code de commerce )第2編の第 L.225- 1条以下
に従う(下記「以下の記載は、当行を含む上場株式会社に適用されるフランス商法の主要な規定の概略で
ある。」を参照のこと。)。金融機関として、当行はフランス通貨金融法典( code mon étaire et
financier )の第 L.511- 1条以下および第 L.531- 1条以下に従う。
以下の記載は、当行を含む上場株式会社に適用されるフランス商法の主要な規定の概略である。
定款は株式会社の準拠する根本規則を定めた文書である。定款には特に株式会社の商号、存続期間、登
録事務所の所在地、企業目的、資本金の額および株式の譲渡性についての一切の制限を定めることを要す
る。
a) 資本金
2009 年4月1日以降( 2009 年1月 22 日付指令番号 2009-80 に従い)株式会社の法定最低資本金は 37,000
ユーロで、1株当たりの額面金額について法律上の制約はない。株式には、普通株式と優先株式のような
異なる種類を設けることができる。優先株式とは、議決権の有無にかかわらず、優先的配当または清算に
関する権利等、普通株式に対する優先的な権利を持つすべての株式をいう。フランス法上、議決権のない
優先株式( actions de pr é f é rence sans droit de vote )が株式会社の資本金全体に占める割合は、 50 %
(上場企業の場合は 25 %)を超えることができない。
b) 株式の様式、所有および譲渡
従来の意味における無記名式株式の概念、すなわち会社がその無記名式株式の株券を発行し、かかる株
券の所有者は株券を引き渡すことにより第三者に当該株式を譲渡することができ、またかかる株券を発行
会社に呈示することにより株券に表章された権利を会社に対して行使することができるという概念は、フ
ランスではもはや存在しない。記名式であれ、無記名式であれ、株式の所有権は、もはや株券によってで
はなく、記名式株式( titres en nominatif pur )の場合には、会社の株主名簿への登録によって、無記名
式株式( titres au porteur )または管理登録株式( titres en nominatif administr é )の場合には、実質
株主が承認仲介機関において保有する個々の口座への記帳によって表章される。所有権またはその譲渡
は、記名式株式の場合には会社により、管理登録株式または無記名式株式の場合には承認仲介機関により
発行される証明書によって証明される。
当行の定款には、株式譲渡を制限する条項はない。
c) 株式取得
上場会社は、株主による事前の授権を条件として、その資本金の 10 %を上限に自己株式を取得すること
ができる。フランス商法は次のような株式の会社間の相互保有を制限している。すなわち、もしある会社
が他の会社の株式を 10 %以上直接所有している場合、当該他の会社は前者の会社の株式を所有することが
できない。さらに、もしある会社が直接的にもしくはその子会社またはその支配する会社を通じて間接的
に自己株式を支配している場合、それらの株式については、当該会社の株主総会において議決権の行使が
認められない。
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d) 株主の責任は所有株式の額面金額を限度とする。
e) 資本金の変更
増資
フランス商法の規定に基づき、当行の資本金は、取締役会からの提案を受けた臨時株主総会における株
主の承認を得たうえでのみ増加させることができる。増資は、以下の方法により実施することができる。
・株式の追加発行
・発行済株式の額面金額の増加
有価証券の追加発行による増資は、以下の一つまたは複数の方法により実施することができる。
・現金を対価とする方法(換金可能な対価および当行に対する債権を含む。)
・現物出資資産を対価とする方法
・合併または会社分割による方法
・資本へのアクセスを可能にする譲渡可能証券に付与された権利の行使による方法
・利益、準備金もしくは資本剰余金の資本組入れによる方法
・様々な条件に従い、当行が負う債務を弁済するために行う方法
準備金、利益および/または資本剰余金の資本組入れによる増資を決定するには、定時株主総会に適用
される定足数および多数決要件に従い開催された臨時株主総会における承認が必要である。株式の額面金
額の増加により実施される増資は、準備金、利益または資本剰余金の資本組入れにより実施される場合を
除き、株主の全員一致による承認が必要である。その他のすべての増資は、通常の定足数および多数決要
件に従い開催された臨時株主総会における承認が必要である。
当該増資が株主により承認された場合、株主は、当該増資を実施する権限を取締役会に委託することが
できる。取締役会は、かかる権限をさらに最高経営責任者に委託することができる。
減資
フランス商法に基づき、当行の資本金を減少するには、臨時株主総会において議決権を行使する資格を
有する株主による承認が必要である。資本金は、発行済株式の額面金額の減少または発行済株式数の減少
のいずれかにより減少させることができる。発行済株式数は、株式の交換または株式の買戻しおよび消却
により減少させることができる。各種類の株式の株主は、影響を受ける各株主が別途合意しない限り、同
等に扱われなければならない。
当該減資が株主により承認された場合、株主は、当該減資を実施する権限を取締役会に委託することが
できる。
優先的新株引受権
フランス商法に基づき、当行が資本金に影響を及ぼす(発行時であるかその後であるかを問わない。)
株式または有価証券を発行する場合、現在の普通株式の株主は、比例計算による、かかる有価証券の優先
的引受権を有する。かかる優先的新株引受権により、当行は、現在の普通株式の株主を優先的に扱うこと
が求められる。かかる権利により、これを有する個人または団体は、当行の資本金を増加することのでき
る有価証券が発行される場合に、これを現金により引き受けることができる。優先的新株引受権は、特定
の募集に係る申込期間中に譲渡することができる。かかる権利は上場することも可能である。
特定の募集に係る優先的新株引受権は、臨時株主総会における議決権のある株式の3分の2の多数票を
有する株主の決議により、放棄することができる。取締役会およびその独立法定監査人は、フランス法に
より、優先的新株引受権を放棄する提案を明確に示した報告書を提出する必要がある。放棄を行う場合、
有価証券の発行は法律で定められた期間内に完了しなければならない。
普通株式の株主はまた、その選択により、特定の募集に関する自身の優先的新株引受権を放棄したい旨
当行に通知することができる。
普通株式の株主は、限定された期間において、普通株式の既存株主に対して、新規の有価証券を引き受
けるための譲渡不能な優先権を与えることを臨時株主総会で決定することができる。
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f) 株式払込請求および株式の失権
株式払込請求
フランス法上、株式会社( Soci é t é Anonyme (SA) )として組織された会社は、以下の条件に従い、引受
け時に全額の払込が行われない株式を発行することができる。
・当該会社の設立時に現金により引き受けられた株式は、その額面価額の少なくとも 50 %が払い込まれ
なければならない。
・増資により現金で支払われた株式は、その額面価額の少なくとも4分の1が払い込まれなければなら
ない。
いずれの場合にも、残高は、会社の登記または増資から5年以内に一括または分割で支払われなければ
ならない。
定款により明示的に認められていない場合、当該会社は、その授権機関により決定された分割払いの事
前支払を株主より受け入れることを要しない。
また、配当受領権は、株主がその引き受けた株式の支払金を当該会社の授権機関が定めた期間内に支払
わなかった場合にのみ停止される。
株式が額面金額を超えた価格で発行されるときは、かかるプレミアムは発行時に全額払い込まれること
を要する。
株式の失権
フランス法上、株主が取締役会の要求する方法および日時による分割払いを行わなかった場合、以下の
結果が生じる。
・取締役会が定めた当該分割払いの支払日以降、未払いの金額に対して、適用ある法定金利による利息
が付される。
・会社が損失を被った場合、当該株主は損害賠償の責任を負う可能性がある。
・当該株主に対して正式な通知が送付されてから 30 日が経過した後においても当該分割払い金が支払わ
れていない場合、当該分割払い金が支払われていない株式による、株主総会への出席権および議決権
の付与が停止される。かかる株式に付随する議決権は、株主総会における定足数および多数決に算入
されないものとする。
このような株式に付随する配当受領権および優先的新株引受権は、一時的に停止される。元本および利
息の全額支払の後、当該株主は、未受領の配当がある場合にはその支払を要求することができる。しかし
ながら、当該株主は、申込期間の終了後に当該優先的新株引受権を行使することはできない。
g) 株式保有の変更の通知
法定の株式保有基準を超えた場合の通知
株主または協調行動をとる株主の集団が、株式保有について、規制市場におけるいずれかの上場会社の
資本金または議決権(議決権の数が株式の数と異なる場合)の1 /20 (5%)、1 /10 ( 10 %)、3 /20
( 15 %)、1 / 5( 20 %)、1 / 4( 25 %)、3 /10 ( 30 %)、1 / 3( 33.33 %)、1 / 2( 50 %)、2 / 3
( 66.66 %)、 18/20 ( 90 %)または 19/20 ( 95 %)の水準を上回り、または下回る変更を行う場合には、会
社および金融市場庁( AMF )にその旨を通知しなければならない。かかる通知には、 ( ⅰ ) 発行される株式お
よびそれに付随する議決権を取得することができる有価証券(ワラント、転換社債および新株式もしくは
既存株式への転換または新株式もしくは既存株式との交換が可能な債券など)の数ならびに ( ⅱ ) 契約また
は金融証書に基づき報告者が取得する権利がある株式についての記載も含まれなければならない。
かかる通知を怠った場合、当該水準を超える株式については議決権を2年間行使することができない。
定款の規定により、 0.5 %から5%の間の株式保有についても別途通知義務を課すことができる。
法定外の株式保有基準を超えた場合の通知
また、上場会社の定款において、さらなる株式保有基準を超えた場合の通知が定められていることがあ
る。下記「(2)提出会社の定款等に規定する制度」の当行定款第5条を参照のこと。
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h) 経営および運営
フランス法上、株式会社の株主は2種類の経営制度を選択することができる。すなわち、最高経営責任
者を伴う取締役会の制度、または業務執行役員会と監督委員会の制度である。
( ⅰ ) 取締役会および最高経営責任者
取締役会( Conseil d'administration )は3名以上 18 名以内の取締役からなる。また、吸収合併また
は新設合併の場合、取締役の数を暫定的に最高 24 名まで増加することができる。取締役はフランス人も
しくは外国人または法人でもよいが、取締役として選任された法人の場合はその常任代表者として自然
人1名を指名しなければならない。
2009 年1月1日以降、定款に別段の定めがある場合を除き、取締役会構成員が会社株式を1株以上保
有しなければならないとする要件はない。
2011 年1月 27 日以降、法律により、上場会社の取締役会における女性の構成員の最低人数が定められ
ている。この法律に従い、取締役会には、 2014 年1月1日以降に開催される最初の定時株主総会までに
少なくとも 20 %、 2017 年1月1日以降に開催される最初の定時株主総会までに少なくとも 40 %の女性を
含めなければならない。
取締役会構成員は最長任期6年で株主により選任され、定款に別段の定めがない限り、(定款に定め
がある場合はその年齢制限の範囲内で)何度でも再任されることができる。取締役は、株主により事前
の通知、理由または補償なしに解任され得る。
取締役会は会社の活動の方向性を決定し、その実行を確保する。取締役会は、株主総会に明示的に与
えられた権限に従い、また会社の目的の範囲内で会社の適切な運営に関する一切の問題を取り扱い、会
社に関する事項を協議によって決定する。取締役会はその任務の遂行に必要なすべての文書および情報
を与えられる。
審議を有効とするためには、少なくとも半数の取締役が実際に審議の場に出席する必要がある。取締
役会の決議は、出席取締役または委任状により代理された取締役の多数決により決せられる。可否同数
の場合は、定款に別段の定めがない限り、取締役会会長( Pr é sident du Conseil d'Administration -
PCA )が決定権限を有する。
取締役会会長は取締役会の構成員の中から同構成員によって選任される。取締役会会長は取締役会の
業務を調整および監督し、株主総会にこれを報告する。取締役会会長は会社の企業組織が正常に機能し
ていることを確認し、特に他の取締役会構成員がそれぞれの任務を遂行できることを確保する。
取締役会は、会社の経営管理を組織化する方法を決定する。会社の経営管理は、取締役会会長が、ま
たは取締役会に選任された最高経営責任者( directeur g é n é ral )の肩書を有する者が、自らの責任で担
当することができる。
最高経営責任者は、すべての状況において会社を代表して行為をする幅広い権限を与えられている。
最高経営責任者は、会社の目的の範囲内で、かつ、法が明示的に株主総会または取締役会に与えた権限
に従って、その権限を行使する。
最高経営責任者は、第三者との関係で会社を代表する。会社は、第三者が 、 当該行為が会社の目的の
範囲外であることを知っていたこと、または定款の公表だけではかかる証明をするのに十分でないと思
われる場合は知っていたはずであることが証明されない限り、会社の目的の範囲外の最高経営責任者の
行為によっても拘束される。
2016 年 12 月9日以降、「サパン2」法により、 500 名超の従業員を雇用し、 100 百万ユーロを超える売
上高を有するフランス企業の最高経営責任者に対し、腐敗および斡旋収賄の防止のため、フランス国内
外の会社およびその子会社に適用されるコンプライアンス・プログラムの実施が義務付けられた。
取締役会は最高経営責任者の権限を制限することができるが、この制限は第三者に対しては効力を有
しない。
最高経営責任者は、取締役会により選任され、取締役会によりいつでも解任され得る。
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取締役会は、最高経営責任者の提案により、最高経営責任者代理( directeur g é n é ral d él égu é )の肩
書で最高経営責任者を補佐する責任を負う者を5名まで選任することができる。取締役会は、最高経営
責任者の提案により、いずれの最高経営責任者代理も解任することができる。
取締役会は、最高経営責任者の同意を得て、最高経営責任者代理に与えられる権限の範囲および期間
を決定する。ただし、最高経営責任者代理は、第三者との関係においては、最高経営責任者と同一の権
限を有するものとする。
( ⅱ ) 業務執行役員会および監督委員会
本制度の下で会社は監督委員会( Conseil de surveillance )の監督下にある業務執行役員会
( Directoire )により経営される。
監督委員会は3名以上 18 名以内の監事から構成され、監事にはフランス人もしくは外国人または法人
がなることができ、最長任期6年で株主により選任される。ただし、何度でも再任されることができ
る。監事は定時株主総会で理由を示されることなく解任され得る。法人が監事になっている場合は、そ
の法人は自然人1名をその常任代表者として定めなければならない。各監事は、定款に定めがある場合
に限り、会社の株式を一定数保有しなければならない。監督委員会に関係する規定の大部分は、取締役
会に適用されるものと同様であるが、監督委員会は業務執行役員会を単に監督するのに対して取締役会
は経営機能を有する点が異なる。
業務執行役員会は、2名以上5名以内(上場会社の場合は7名以内)の構成員からなり、その構成員
は自然人であることを要し、監督委員会により選任されるが、構成員は、定款に別段の定めのある場合
を除き、株主である必要はない。資本金が 150,000 ユーロ未満の株式会社の業務執行役員会は1名の構成
員を有するだけでよい。この場合、当該構成員は単独最高経営責任者( directeur g én éral unique )と
呼ばれる。業務執行役員会の構成員の任期は、定款に定めがなければ4年、定めがあるときは最低2年
で、かつ最長6年である。業務執行役員会の権限は広範で、会社の目的ならびに監督委員会および株主
総会に法律上留保された決定によってのみ制約を受ける。最高経営責任者に対する腐敗防止に関する規
則は、業務執行役員会に対しても同様に適用される。業務執行役員会の権限に加えられた制限は会社内
部では拘束力を有するが、第三者に対してその制限をもって対抗することはできない。業務執行役員会
によりなされる経営上の決定に関する規則は定款に定められる。業務執行役員会は合議制の経営機関で
ある。業務執行役員会の構成員1名は監督委員会により会社を代表すべきことを定められる。このよう
に選定された者は業務執行役員会会長の肩書を有する。
2012 年1月 27 日以降、取締役会の構成に適用される女性構成員に関する規則と同様の規則が監督委員
会に適用される。
業務執行役員会は、四半期ごとの営業報告書を監督委員会に提出することとなっている。業務執行役
員会の構成員は監事を兼ねることができない。業務執行役員会の構成員は、定時株主総会および定款で
定められている場合において監督委員会により解任され得る。業務執行役員会の構成員が正当な理由な
く解任された場合、当該構成員には損害賠償の請求を行う権利が認められている。
取締役の契約上の利益
フランス法に基づき、直接または間接的に利害関係のある者は、自身または自身と関係のある事業体
と当行との間で直接または間接的に締結される契約を認識した場合、直ちに取締役会に報告しなければ
ならない。かかる契約は、通常の業務において締結された通常の条件での取引を除き、関連当事者間取
引( conventions r é glement é es )と呼ばれ、取締役会による事前の同意および次の株主総会における事
後承認を得なければならない。取締役会による事前承認は正当な動機に基 づ いたものでなければなら
ず、とりわけ取引に係る経済的な条件を考慮しなければならない。承認された関連当事者間の取引は効
力を有する限り、各会計年度において取締役会により再審査される。直接または間接的に利害関係のあ
る者は、かかる取引の事前または事後の承認(場合による。)のために取締役会または年次株主総会に
提示された議題についての審議および投票に参加することができない。当該利害関係者は、フランスの
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裁判所の最終的な管理の下で、関連当事者間取引が通常の条件でかつ通常の業務において行われたか否
かを決定する責任を有する。
フランス法上、通常の業務において締結された通常の条件でない関連当事者間取引は、最終的に、か
かる取引に関する法定監査人または取締役会会長の特別報告書が提供された後の年次株主総会(または
これに関して開催されたその他の定時株主総会)に出席し、またはこれに代理出席した株主による投票
の過半数により承認されなければならない。利害関係者はかかる投票に参加することができず、その有
する株式は、当該投票に係る定足数および多数決の計算において算入されない。ただし、フランス法に
基づき、かかる関連当事者間取引は、取締役会の承認を得た場合には有効となる。かかる取締役会の事
前承認がない場合、次の株主総会において承認されない限り、当行にとって不利益ないかなる契約も無
効であると宣言することができる。利害関係者はまた、民事責任を負う。一度取締役会により正式に承
認されると、(不正行為として失効させられない限り)関連当事者間取引は有効で、次回の株主総会に
おいて承認されなかったとしても、第三者に対する効力を有し続ける。利害関係者および(必要な場合
には)その他の取締役は、この場合、かかる取引の結果当行が被った損失に対して責任を負う。上場会
社は、すべての関連当事者間取引についての情報を自社のウェブサイト上に掲載しなければならない。
フランス法上、取締役は、自身の取締役としての選任および職務の終了に関して株主総会に提示され
た議題について、議決権を行使することができ、また定足数に含めることができる。
フランス法に基づき、取締役は、通常の条件での通常の商慣習による取引を除き、当行によって提供
された融資、融資類似の取引、保証またはその他の信用供与から直接または間接的に個人的な利益を得
ることを禁止されている。
かかる規則は業務執行役員会および監督委員会にも準用され、関連当事者間取引は事前承認を得るた
めに監査役会に提示される。
法定監査人
株式会社は、法定の指定基準を超えている限りは1名以上、会社が持株会社であり、連結会計表示の
義務がある場合には2名以上の法定監査人を置かなければならない。法定監査人は、取締役会、監督委
員会または株主の提案を受けて株主総会において指名される。法定監査人は、特に会社勘定を監査する
法的任務を有する。法定監査人は、その任務を報告書に詳述し、かかる勘定が会社の状態に関する真実
かつ公正な見解を示しているかについての見解を述べ、これを証明する。
法定監査人に関する詳細については、下記「ⅰ ) 株式に付与された権利- ( ⅳ ) 法定監査人」を参照の
こと。
ⅰ ) 株式に付与された権利
( ⅰ ) 株主総会
株主は、総会を通じて会社に対する支配権を行使する。( 2010 年 12 月9日付指令番号 2010-1511 に従
い) 2011 年1月1日から、上場企業の株主は、配偶者またはその他の個人もしくは法人に対して委任状
を与えることができる。
総会には定時・臨時の2種類がある。
定時株主総会
定時株主総会は、少なくとも毎年1回、財務書類を承認するために事業年度末から6ヶ月以内(銀行
については5ヶ月以内)に開催されなければならない。その他の定時株主総会は、定款を変更する場合
を除き、あらゆる事項について必要とされる場合に開催することができる。以下の事項は定時株主総会
による決議を必要とする。
・取締役の選任、変更または解任
・取締役の報酬の原則および基準の承認
・最高経営責任者の報酬の承認
・独立法定監査人の選任
・年次決算の承認
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・配当の宣言または株式による配当支払の承認
・当行、その取締役、執行役員(すなわち、最高経営責任者および最高経営責任者代理)または大株
主を当事者とする一定の取引の承認
定時株主総会の第1回招集の場合の定足数は、資本の 20 %を有する株主が出席し、または代理出席す
ることにより充足される。第2回招集については定足数の要件はない。承認のためには、出席または代
理出席した株主による過半数の賛成投票(代理投票を含む。)を要する。
臨時株主総会
臨時株主総会のみが定款を変更する権限を有する。利益準備金、準備金または資本剰余金の資本組入
れは、臨時株主総会で承認されるが、その定足数および多数決要件は定時株主総会の場合と同じであ
る。その他のすべての決議については、定足数は少なくとも第1回招集で資本の 25 %または第2回招集
で 20 %を有する株主が出席し、または代理出席することにより充足される。承認のためには、出席また
は代理出席した株主の3分の2の多数の賛成投票(代理投票を含む。)を要する。定款により数種の株
式が定められている場合は、全株主に適法に通知された臨時株主総会の承認がなければこれら数種の株
式の権利内容に変更を加えることができない。さらに、関係する種類の株式の株主の特別総会により当
該決議が承認されなければならない。
( ⅱ ) 議決権
2014 年3月 29 日付法律第 2014-384 号が公布された後に採用された定款の条項に別段の定めがある場合
を除き、その株式が統制市場で取引が認められている企業においては、同一の株主が最低2年間保有す
るすべての全額払込済の記名式株式に対して2倍の議決権が付与されている。
( ⅲ ) 配当および準備金
配当および利益処分は株主により承認されなければならない。定款に別段の記載がある場合を除き配
当金の支払について制限はないが、配当は分配可能利益を上回ることはできない。さらに、各年、純利
益の最低5%は、発行済株式の資本金の 10 %に達するまで法定準備金に組み入れることを要する。定款
により第1順位配当を設けることができる。法定監査人が意見を述べた最終または中間貸借対照表によ
り、利益が減価償却、準備金および適用ある場合は繰越損失による調整後の中間配当の額以上であるこ
とが示される場合には、会社は中間配当を支払うこともできる。取締役会(または業務執行役員会)
は、中間配当の支払、その金額および支払日について決定する。
( ⅳ ) 法定監査人
会社の財務書類は、非常に広い調査権限を有する1名または複数名の法定監査人により監査され得
る。かかる法定監査人は定時株主総会において株主より選任され、任期は6事業年度とする。法定監査
人は当該会社と共通の利益を有してはならない。
( ⅴ ) 清算
会社の清算の場合は、全負債および清算費用支払後の残余金は、株主(議決権証券保有者を除く。)
の間で分配される。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下の記載は、フランス法の一定の条項における本書提出日現在までの当行の定款の規定の要約であ
る。かかる当行の要約された情報に関する記載は完全なものでなく、そのすべてにつき当行の定款を参照
することが必要である。定款は 2021 年 5 月 23 日に最終更新された。
当行の企業目的(定款第2条)
当行のフランスおよびその他の構成国における企業目的は、以下のとおりである。
・銀行法の意味するところのあらゆる銀行業務および関連業務の運営
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・フランス財政金融法に定義されているところのあらゆる投資サービスの提供
・特別な契約の一環として、フランス国家から経済金融分野において委任される特定の業務の遂行
・あらゆる仲買事業の実施
・上記活動に直接的または間接的に関連する企業、グループまたは団体への資本参加
・ならびにあらゆる民事取引および商事取引の完了
株式
(a) 資本金(定款第3条)
当行の資本金は 5,052,733,329.60 ユーロとし、1株当たり額面金額 1.60 ユーロの当行の普通株式
3,157,958,331 株からなり、そのすべてが全額払込済である。
(b) 株式の様式(定款第4条)
当行の株式は、株主の選択により、記名株式または識別可能な無記名株式のいずれかとする。
株式は株主名簿に登録し、法令で定める条件に従って譲渡を行う。
(c) 株式保有基準に達した場合の通知および株主の識別(定款第5条)
( ⅰ ) 株式保有基準に達した場合の通知
法定の株式保有基準を超えた場合の通知(「(1)提出会社の属する国・州等における会社制度- g) 株
式保有の変更の通知」を参照のこと。)に加えて、当行の定款は次のことを規定する。直接または間接
に、単独または共同で、株式に付与されたすべての議決権(議決権が剥奪された株式を含む。)の1%ま
たはその整数倍の議決権を有する個人または法人は、配達証明付き書留便で所有議決権数を会社に通知し
なければならない。当該通知は当該部分の株式を取得または譲渡した日から 15 日以内に実施しなければな
らない。
前項に規定する通知義務を遵守せず、少なくとも1%の議決権を有する株主から請求があり、当該請求
が総会の議事録に記録された場合、超過分の株式、つまり通知すべきであった部分の株式は、通知遵守日
から2年間は議決権が剥奪されるものとする。
( ⅱ ) 株主の識別
当行は現行の法令で規定される条件に従って、株主総会における議決権を付与されまたは将来付与され
る株式の所有者に関するあらゆる情報、とりわけ、その身元、国籍、住所、保有株式数およびこれらの株
式に課せられる可能性のある制限に関する情報を提供するよう、あらゆる組織または仲介機関に対して請
求することができる。
(d) 株式の不可分性(定款第6条)
株式は当行との関係で不可分とする。共同所有者は、当行に対してその中の1人または株主以外の1人
の受任者を自らの代理人としなければならない。
(e) 株式に付された権利および義務(定款第7条)
優先株が発行されていた場合に優先株に付与される権利を除き、各株式は、会社資産の所有権の範囲
で、発行済の株式数に比例する1個の持分を受ける権利を与える。
株主は当行の株式資本に対する自らの出資の範囲内においてのみ損失を負担するものとする。
株式に付着する義務と権利とは株券に付随する。株式の所有は、法律上当然に、当行の定款および株主
総会の決議に従うことを意味する。
経営
(a) 取締役会(定款第9条および第 11 条)
( ⅰ ) 取締役会の構成
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当行は、法律で定める合併の場合における例外規定に従い、3人以上 18 人以内で構成される取締役会に
より運営される。
取締役は定時株主総会によって選任される。ただし、死亡または辞職により、単数または複数の取締役
の職に欠員が出た場合は、次の株主総会で追認されることを条件として、それぞれの前任者の任期の残存
期間を任期として取締役会による補欠の選任を行うことができる。
現行の規則に従って、従業員株主の所有する資本金の割合が法律で規定される上限を超えたことが明ら
かになった場合、従業員貯蓄基金の理事会によって、このために指名された候補者の中から1人の取締役
が定時株主総会で選任される。このように選任された取締役は、取締役の員数制限の計算には考慮されな
い。このように選任された取締役は、取締役会の構成員であり、投票権を有する。かかる取締役は、当行
の他の取締役と同様の権利と義務を有するものとする。
70 歳を上回る取締役の人数が現職の取締役全体の3分の1を超えることがあってはならない。この割合
に達した場合、次回の定時株主総会終了後に最年長の取締役が辞任する。
各取締役は、その任期の間 140 株以上の当行の株式を保有していなければならない。
取締役の任期は4年とし、再任可能とする。取締役の任期は、取締役の任期が満了する年に開催され、
前事業年度に係る財務書類の承認が行われる定時株主総会の終結時に終了する。
( ⅱ ) 取締役会の会議
取締役会は、取締役会長による招集により、本社または召集通知(電子メールにより送付することがで
きる。)に示される他の場所において、当行の利益および法令の規定により必要が生じた場合に随時開催
される。取締役会長はまた、取締役の3分の1以上または最高経営責任者による要請がある場合、特定の
議題に基づいて取締役会を召集することができる。取締役会長は、かかる方法による要請に従うものとす
る。
決議は自らまたは委任状により出席した取締役の過半数をもって採択する。賛否同数の場合は、(取締
役会長を任命する場合を除き)取締役会長の票を決定票とする。取締役会は、取締役の過半数以上が出席
している場合または出席とみなされる場合にのみ、有効な決定を行う。
(b) 取締役会長および最高経営責任者(定款第 10 条、第 15 条および第 16 条)
( ⅰ ) 取締役会長
取締役会は、取締役会長(自然人に限る)を互選で選出する。取締役会長の任期は取締役の任期とし、
再任可能とする。
取締役会は、取締役会長の提案により、1人または複数名の副会長を互選で選出することができる。
取締役会長は取締役会の会議を招集しなければならない。取締役会長は、会議を計画および開催し、こ
れを株主総会に報告する。
取締役会長は、会社組織の円滑な機能、特に取締役による任務の遂行状況に対する責任を持つ。
( ⅱ ) 執行役員
A 最高経営責任者
取締役会は、最高経営責任者を互選または取締役以外の者から任命することができる。最高経営責任者
は、取締役会によっていつでも解任することができる。
最高経営責任者は、いかなる状況においても当行の名で行為する広範な権限が与えられる。最高経営責
任者は、当行の目的の範囲内で、法令により明示的に株主総会および取締役会に付与される権限ならびに
内規により定められた規定および制限に従って、これらの権限を行使する。
最高経営責任者は第三者に対して当行を代表する。
取締役会は、最高経営責任者の権限を制限することができる。ただし、かかる権限の制限は、第三者に
対抗することができない。
最高経営責任者は、代理する権限の有無にかかわらず、その権限の一部を自ら選択する執行役員に委任
することができる。
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B 最高経営責任者代理
最高経営責任者の提案に基づき、取締役会は、最高経営責任者代理の肩書きにおいて最高経営責任者を
補佐する責任を負う1人から5人の自然人を互選または取締役以外の者から選出し、任命することができ
る。
取締役会は、最高経営責任者代理に与える権限の範囲および期間を、最高経営責任者の同意をもって決
定する。最高経営責任者代理は、第三者に関して最高経営責任者と同様の権限を有する。
(c) 監査人(定款第 18 条)
定時株主総会は、1人または複数名の監査人を選任することができる。監査人の任期は4年とする。監
査人の任期は、その任期が満了する年に開催され、前事業年度に係る財務書類の承認が行われる定時株主
総会の終結時に終了する。
監査人は再任可能とし、株主総会は監査人を解任することができる。
監査人は、取締役と同一の情報を受け取り、すべての取締役会の会合に招集され、諮問的な立場で取締
役会に参加するものとする。
取締役会は、その直後に開催される株主総会で追認されることを条件として、監査人を仮に選任するこ
とができる。
監査人は報酬を受け取ることができ、その金額は取締役会が決定する。
株主総会
(a) 株主総会(定款第 20 条)
株主の決議は定時または臨時の株主総会で行う。
(b) 株主総会の通知(定款第 21 条)
株主総会は取締役会が招集を行う。取締役会が招集しない場合は、フランス商法第 L.225-103 条の条件に
従って招集が行われる。招集の方法は現行の規則で定める条件に従ってこれを行う。
(c) 参加許可および委任状(定款第 22 条)
株主総会は未払金のないすべての株主で構成される。株主総会への出席権を得るためには、フランス商
法第 R.225-85 条に従い、株主総会の2営業日前の午前零時(パリ時間)までに、記名式の株式であれば当
行の株主名簿または無記名式の株式であれば適切な仲介機関の株式名簿に登録されていなくてはならな
い。
記名式の株式の所有者については、株主総会の2日前までの株主名簿への登録をもって、株主総会への
参加が認められる。無記名式の株式の所有者については、適切な仲介機関が、無記名式の株主名簿を保有
し、株主総会の中核組織に対し直接的に顧客の株主としての資格を証明する。かかる仲介機関は、かかる
証明を、投票用紙または株主名義もしくは株主の代理を務める登録仲介機関名義の入場許可請求書に添付
される証明書を作成することにより行う。かかる証明書は、自ら株主総会に出席することを希望し、株主
総会の2営業日前の午前零時(パリ時間)までに入場許可証を受領していない株主についても送付され
る。
株主はいつでも適式に授権した代理人を株主総会へ出席させることができる。代理人は他の者に再委任
することはできない。
現行法令の規定に従って、株主は、郵送または委任状によって投票を行うことができる。取締役会の決
定に基づき、株主はテレビ会議により株主総会に出席し、その時点において適用される規則に従い、イン
ターネットを含むすべての電磁的方法および遠隔伝達を用いて投票を行うことができる。かかる決定は、
フランス法定公報 ( Bulletin des Annonces Légales Obligatoires ) に公表される会議通知に記載され
る。株主総会事務局が作成し、ウェブサイト上に提供する電磁的方法で定められた期限までに投票を行う
株主は、自らまたは委任状により出席した株主とみなされる。 適用される法令の規定に従って 取締役会が
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定める手続により、かかるユーザー名とパスワードを要求するサイトから電磁的用紙に直接記入し、署名
を行うことができる。
株主総会前にかかる電磁的方法により行われた委任状または投票は、これに対して発行される受領証と
併せて、取消不能な書面としてみなされ、いかなる場合にも法的拘束力を有するものとするが、株主総会
の2営業日前の午前零時(パリ時間)までに株式の売却が行われた場合には、当行はこれを受けて、その
日時までに行われた委任状または投票を無効かまたは変更する(場合による。)ことが明記されている。
(d) 議決権(定款第 25 条)
株主総会における各株主は保有する数または株式によって代表される数の議決権を有する。フランス商
法第 L. 22-10-46 条の下で2年間同じ株主名が株主名簿に表示されている全額払込済株式には、例外的に2
倍の議決権が付与される。
当事業年度の利益-配当(定款第 33 条)
法令の定めるところにより、あらゆる繰越損失を控除した各事業年度の最終利益のうち少なくとも5%
が法定準備金として留保されるものとする。かかる規定は、当該準備金が資本金の 10 分の1に達した場合
には適用されなくなるが、いかなる理由においても当該準備金がかかる最低要件を下回った場合は再びこ
の留保が再開される。
利益残高は、繰越利益とともに、取締役会の提案による次期繰越、準備金の積み増しもしくは一部また
は全額の分配のいずれかの方法により、法律により認められる範囲内で定時株主総会が自由に処分するこ
とが可能な分配可能利益を構成する。
定時株主総会は、また、繰越利益または株主総会が自由に処分できる準備金から留保した額を分配する
決定を行うこともできる。かかる場合、当該決定に、使用する準備金の勘定科目について明示しなければ
ならない。
定時株主総会決議により、分配配当金の全額または一部について、現金による配当または株式による配
当のいずれかを選択するオプションを株主に与えることができる。株式配当の場合は、適用法令の規定に
従って、当行の株式を分配することにより配当金の支払いを行う。
取締役会は、法律により認められる範囲内で、現金配当または株式配当のいずれかによる中間配当を実
施する決定を行うことができる。
年間配当金の支払は、事業年度末日から9ヶ月以内の取締役会の定める時期に実施する。
解散-清算(定款第 35 条)
当行の存続期間の満了または早期解散の場合は、株主総会は、取締役会の提案に基づき、現行の法律規
定を条件として、清算の方法を決定し、単数または複数の清算人を選任し、その権限を定める。
2 【外国為替管理制度】
( 1 ) 株式の所有
本書の日付現在、フランス通貨金融法典第 L.151- 1条に従い、フランスおよび外国との間の外国為替取
引は原則として自由である。しかしながら、フランスの政府機関は、フランス通貨金融法典第 L.151- 2条
に従い、特に国益の防衛を確保するため、また、経済大臣の報告を受けて制定された命令により、通知お
よび事前の許可を与え、またはフランスにおける対内投資の設立および清算を管理する(下記を参照のこ
と。)。
フランス通貨金融法典第 L.151- 3条に従い、 EU の非居住者が、フランス企業の支配的持分を取得する
際、事前の許可を得る必要はない。ただし、慎重を要する一部の業界および戦略分野については、この限
りではない。
当行に対する対内投資は、フランス通貨金融法典第 L.151- 3条の範囲に該当しないため、事前の許可を
得る必要はない。
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フランス通貨金融法典第 L.151- 2条以降に規定される承認制度の実行ならびに慎重を要する業界および
戦略分野への対内投資に係る申請の目的において、「投資」という用語は、フランス通貨金融法典第
R.151- 2条によれば、3つの種類の投資を指す。
(a) フランス法に準拠する事業体における支配的持分の買収
(b) フランス法に準拠する事業体に係る事業分野( branche d ’activit é )の直接買収または間接買収
(c) フランス法に準拠する事業体の資本金もしくは議決権の単独もしくは共有の直接保有または間接保
有を 25 %超に増加させること 。この基準は、規制市場において承認されたフランス企業への投資に
係る議決権の 10 %に一時的に引き下げられる( 2020 年7月 22 日付の政令第 2020-892 条)。
( ⅰ ) 欧州連合の加盟国の国籍もしくはフランスと「管理支援協定」を締結している欧州経済地域の加盟
国の国籍を有し、かかる国に居住する自然人または ( ⅱ ) 管理チェーンのすべての構成員が、これらの国の
うちの1つの法律に該当するか、もしくはかかる国の国籍を有し、かつ、居住する事業体には上記 (c) は適
用されないことに留意すべきである。
フランス通貨金融法典第 R.151- 1条に従い、不安定な産業および戦略部門に対する対内投資に適用され
る許可制度は、以下による(上記に定義されるような)投資を懸念している。
( ⅰ ) 外国籍を有する自然人
( ⅱ ) フランスに居住していないフランス国籍の自然人
( ⅲ ) 外国法に準拠する事業体
( ⅳ ) 上記 ( ⅰ ) 、 ( ⅱ ) もしくは ( ⅲ ) で述べられている1もしくは複数の人または事業体によって管理さ
れている、フランス法に準拠する事業体
フランス通貨金融法典第 L.151- 3条の意味における不安定な産業および戦略部門の一覧表は、フランス
通貨金融法典第 R.151- 3条に規定される。
フランス通貨金融法典第 R.151- 5条以下に記載される承認制度は、 30 営業日以内にフランスの経済大臣
により第一段階の審査が行われ、必要に応じて、 45 営業日以内に第二段階の審査が行われることを規定し
ている。
一時的な手続の簡略化がフランス政府により実施された( 2020 年7月 22 日付の政令第 2020-892 条)。か
かる簡略化された手続は、フランスの上場企業に対して、 10 %の基準を超えて投資したい投資家にのみ適
用される(上記 (c) に記載のとおり)。この特定の場合においては、潜在的投資家は、 ( ⅰ ) 経済大臣に対す
る事前の通知、および ( ⅱ ) かかる通知後6ヶ月間以内に予定されている取引の完了を条件として、通常の
承認制度の手続を免除される。
上記の一時的な措置は、当初、 2020 年 12 月 31 日まで適用される予定であった。しかし、 2020 年 12 月 28 日
付の政令第 2020-1729 条により、これらの措置の適用は 2021 年 12 月 31 日まで延長された。
( 2 ) 外国為替管理
現行のフランスの為替管理規則の下では、当行が非居住者に対して送金できる現金支払額に関する制限
はない。
現行の規則(フランス通貨金融法典第 L.152- 1条を含む。)に従い、自然人によるフランスから他の EU
域内の国へまたは他の EU 域内の国からフランスへの金銭の支払または有価証券の譲渡(フランス通貨金融
法典第 L.518- 1条に記載の公認金融機関または決済機関、組織もしくはサービスが取り扱ったものを除
く。)については、当該指令に定める条件に基づきフランス当局に対して届出を行わなければならない。
ただし、送金される金額が 10,000 ユーロより低い場合を除く。
2005 年 10 月 26 日付欧州規則第 1889/2005 号は、自然人による EU 域内の国から外国に対する送金または外国
から EU 域内の国に対する送金に関し、 10,000 ユーロを超える額の金銭の支払または有価証券の譲渡がなさ
れる場合にも、届出が必要であることを定めている。
3 【課税上の取扱い】
フランスの租税制度
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以下の記載は、 ( ⅰ ) フランスの税務上、フランスの非居住者であり、 ( ⅱ ) 恒久的施設または固定的拠点
としてフランスで行われている事業または職業に関連して当行が発行する社債(以下「本社債」とい
う。) を保有しておらず、かつ ( ⅲ ) 当行の株式を同時に保有していない本社債の所持人に関連し得る、一
定の源泉徴収税の効果についての基礎的概要である。本概要は、現在有効でありかつフランスの税務当局
が適用するフランスの税法および規則に基づいており、いずれも今後変更または異なる解釈がなされるこ
とがある。本概要は、一般的な情報のみを目的としており、特定の保有者の特殊な状況に照らして関連し
得るフランスの税務上のすべての考慮事項に言及するものではない。自身の税務上の状況について疑義の
ある者は、専門の税務アドバイザーに相談すべきである。
フランス一般租税法典第 125A Ⅲ条に基づき、利息および本社債に関して当行に生じたその他の収益の支
払は、当該支払がフランス一般租税法典第 238-0 A 条の意義の範囲に含まれるフランス国外の非協力的国家
または非協力的地域(以下「非協力国」という。)においてなされる場合を除き、源泉課税の対象にはな
らない。当該本社債に基づく当該支払が非協力国においてなされた場合は、 75 %の源泉課税が適用される
(ただし、一定の例外(その一部は下記に記載する。)および適用ある二重課税条約のより有利な規定に
従う。)。非協力国の一覧は政府の行政命令により公開され、毎年更新される。
ただし、社債の発行の主たる目的および趣旨が非協力国における利息またはその他の収益の支払を許容
するものでないことを当行が証明することができる場合は、社債の特定の発行に関し、源泉課税は適用さ
れない(以下「源泉免除」という。)。
さらに、フランス一般租税法典第 238A 条に従い、利息およびその他の収益は、その者が優遇税制により
利益を得る管轄地域(非協力国を含むが、これらに限られない。)(以下「優遇税制管轄地域」とい
う。)において居住し、もしくは設立された者に対して支払われ、もしくは発生した場合、または当該優
遇税制管轄地域に所在する金融機関に開設された銀行口座に支払われた場合は、当行の課税所得から控除
することはできない(以下「控除不適用」という。)。一定の条件の下では、控除できない利息およびそ
の他の収益はフランス一般租税法典第 109 条以下に従って、みなし配当と位置付けられることがある。その
場合、かかる控除できない利息およびその他の収益は、適用ある二重課税条約のより有利な規定に従い、
28 %または 75 %の税率で、同法典第 119 の2条に規定する源泉課税の対象となることがある。
ただし、該当する利息または収益が真正な取引に関連するものであること、それらが異常なまたは過大
な金額でないこと、また、優遇税制管轄地域が非協力国である場合、社債の発行の主たる目的および趣旨
が当該非協力国における利息またはその他の収益の支払を許容するものでないことを当行が証明すること
ができる場合は、社債の特定の発行に関し、控除不適用またはかかる控除不適用の結果課される可能性の
ある第 119 の2条に規定する源泉課税のいずれも適用されない(以下本項において「控除不適用の免除」と
いう。)。
また、フランスの租税に関する行政指導指針( Bulletin Officiel des Finances Publiques-Imp ô ts
BOI-INT-DG-20-50- 11/02/2014 、 BOI-RPPM-RCM-30-10-20-40- 20/12/2019 )の規定に従って、以下のいずれ
かに該当する場合は、当行が社債の発行の主たる目的および趣旨を立証する証拠を提出しなくても、社債
の発行には控除不適用の免除および源泉免除が適用される。
( ⅰ ) 社債がフランス通貨金融法典第 L.411- 1条の意義の範囲内における公募により、または非協力国以
外の国家における同等の募集に従って募集される場合。ここでいう「同等の募集」とは、外国証券
市場当局による、または外国証券市場当局への募集書類の届出または提出を必要とする募集を意味
する。
( ⅱ ) 社債が規制市場またはフランスもしくは外国の多国間証券取引システムでの取引を承認されている
場合。ただし、当該市場またはシステムは非協力国に所在せず、また、当該市場の運営は市場運営
者もしくは投資サービス提供者またはその他類似の外国事業体により行われているものとする。さ
らに、当該市場運営者、投資サービス提供者または事業体は非協力国には所在しないものとする。
( ⅲ ) 社債が、発行時に、フランス通貨金融法典第 L.561- 2条の意義の範囲内にある振替決済制度もしく
は証券決済・引渡・支払制度の運営者の業務または1つもしくは複数の類似の外国の振替機関もし
くは運営者の業務に承認されている場合。ただし、当該振替機関または運営者は非協力国には所在
しないものとする。
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本社債は公募に相当する募集方法により募集されるため、本社債に関して当行によりまたは当行に代わ
り支払われる利息またはその他の収益は、フランス一般租税法典第 125A Ⅲ条に規定される源泉課税の対象
に ならない。
フランス一般租税法典第 244 条 C に基づき、本社債の売却益は、フランスの課税対象とはならない。
4 【法律意見】
当行の フランス における法律顧問であるクリスチャン・ル・イール氏より、以下の趣旨の法律意見書が
提出されている。
( ⅰ ) 当行は、フランスの法律に基づき、株式会社として有効に存在しており、有価証券報告書に記載され
ている事業を行い、財産を所有し、運用する完全な権限を有している。
( ⅱ ) 当行は、関東財務局長に有価証券報告書を提出する権限を有している。
( ⅲ ) 本有価証券報告書の「1 会社制度等の概要」、「2 外国為替管理制度」および「3 課税上の取
扱い-フランスの租税制度」に記載されているフランスの法律に関する記述は、当該記載が各箇所で
説明されるフランスの法令の特定の規定を要約した記載である限りにおいて、すべての重要な点にお
いて真実かつ正確である。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 最近の連結事業年度に係る主要な経営指標等の推移
2020 年、ナティクシスは、事業が大幅に回復したことにより、通年で純利益の増加を示した。かかる優れ
た結果は、事業モデルの敏捷性と、顧客へのサービスに対するチームの日々のコミットメントを表してい
る。ナティクシスは、その業績と堅実な財務状態を通じて、すべての利害関係者のために持続可能な価値を
創造する能力を発揮し、配当金の支払いも再開した。
ナティクシスの損益計算書
(1) (1)
( 単位:百万ユーロ ) 2018 年 2017 年 2016 年
2020 年 2019 年
純収益 7,306 8,485 9,616 9,467 8,718
営業総利益 1,478 2,369 2,793 2,835 2,480
税引前利益 579 2,745 2,661 2,651 2,287
報告された当期純利益(グループ持分) 101 1,897 1,577 1,669 1,374
報告された費用収益比率 79.8 % 72.1 % 71.0 % 70.1 % 71.6 %
(2)
77.3 % 71.3 % 70.9 % 68.9 % 71.4 %
基礎となる費用収益比率
報告された ROE -0.1 % 11.1 % 9.2 % 9.6 % 7.9 %
(2)
2.4 % 7.8 % 9.4 % 9.9 % 7.9 %
基礎となる ROE
報告された ROTE -0.1 % 14.3 % 11.8 % 11.9 % 9.9 %
(2)
3.0 % 10.0 % 12.0 % 12.3 % 9.9 %
基礎となる ROTE
事業分野
(4)
事業分野別の純収益 事業分野別の税引前利益
事業分野別の税引後 ROE
( 単位:百万ユーロ ) ( 単位:百万ユーロ )
( 単位:% )
(1) 2019 年および 2020 年の中間の残高は、 Coface の 29.5 %の持分の売却公表後、修正再表示された。
2019 年の中間の残高は、 BPCE S.A. に対する小売事業の売却により修正再表示された。
(2) 特別項目を除く。
(3) 資産運用およびウェルス・マネジメント。
(4) 経常外項目を含む報告された数値。経常外項目を除くと、 2019 年の ROE は 12.5 %、 2020 年の ROE は 6.2 %であった。
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ナティクシス(E15244)
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財政構造
普通株式等 Tier 1比率 RWA 資産合計
バーゼル3(段階的) バーゼル3(段階的) ( 単位:十億ユーロ )
( 単位:% ) ( 単位:十億ユーロ )
(1) ECB の勧告に従い、 2019 年の配当金はナティクシスの資本に再統合された。 2020 年3月 31 日付プレスリリースを参照
のこと。
(2) 修正再表示後。
(2) 最近の事業年度に係る主要な経営指標等の推移
「第6 経理の状況-1 財務書類- (2) 個別財務諸表-親会社財務諸表注記」の注記 39 を参照のこと。
2 【沿革】
・ 1818 年
一般市民の貯蓄を推進、収集および管理するため、最初の Caisses d'Epargne がパリで設立された。通帳貯
蓄預金口座が開設された。
・ 1878 年
最初の Banques Populaires の銀行が設立された。 Banques Populaires の銀行は、プロジェクトの資金調達
のためのプーリングファンドの目的として、起業家により、また起業家のために設立された。
・ 1919 年
第一次世界大戦により生じた破壊後、フランスの再建を支援するために、 Crédit National が設立された。
・ 1921 年
Caisse Centrale des Banques Populaires が設立された。
・ 1949 年
国際取引の資金調達を行うため、 Banque Française du Commerce Extérieur ( BFCE )が設立された。
・ 1999 年
Natexis Banques Populaires が、 Caisse Centrale des Banques Populaires の営業活動を Natexis S.A. に
対して出資することによって設立された。
Caisse Nationale des Caisses d'Epargne ( CNCE )が設立された。
・ 2004 年
Caisse Nationale des Caisses d'Epargne が 2001 年に設立された CDC IXIS を買収した。これにより、
Groupe Caisse d'Epargne は、総合サービス銀行となった。 IXIS CIB および IXIS AM が設立された。
・ 2006 年
ナティクシスが、 IXIS および Natexis Banques Populaires の合併により設立された。
・ 2009 年
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ナティクシス(E15244)
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フランス第2位の銀行グループである Groupe BPCE が、 CNCE および Banque Fédérale des Banques
Populaires の合併により設立された。
ナティクシスは、 Groupe BPCE のコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門、貯
蓄部門、ソリューション部門ならびに専門金融サービス部門を担うその位置付けを強固なものとするため
に、 2009 年 -2013 年のニュー・ディール戦略計画を打ち出した。
・ 2013 年
ナティクシスは、その顧客にのみ的を絞った、付加価値の高いソリューションを提供する銀行となるとい
う目標を軸とした 2014 年 -2017 年のニュー・フロンティア戦略計画を打ち出した。
・ 2014 年
ナティクシスは独自の保険部門を創設し、 Groupe BPCE が本格的なバンカシュアランスの会社となる道を開
いた。
・ 2017 年
ナティクシスは欧州の決済部門において主要なプレーヤーとなるという目的で、新たな決済事業分野を創
設した。
ナティクシスは、その共有の文化である「パープル・タッチ」を反映した新たなブランド領域および新た
なビジュアル・アイデンティティを公表した。
・ 2018 年
ナティクシスは、強化、デジタル化および差別化という3つの柱に基づく、 2018 年 -2020 年のニュー・ディ
メンション戦略計画を打ち出した。
Groupe BPCE は、 Banques Populaires および Caisses d'Epargne ネットワークを通じて顧客のニーズをより
満たすため、ナティクシスの専門金融サービス事業分野を BPCE S.A. へ譲渡することを決定した。
・ 2019 年
Groupe BPCE とナティクシスは、責任銀行原則に署名し、業務上戦略的に提携している国際連合の持続可能
な開発目標および気候変動に関するパリ協定に熱心に取り組んだ。
ナティクシスは、グリーン・ウェイティング・ファクターの実施により貸借対照表上の気候の影響に積極
的に対応する初めての銀行となった。
Groupe BPCE と Banque Postale Asset Management は、ナティクシスが主要な欧州保険マネージャーおよび
ユーロ・フィックスド・インカム・マネージャーとなることを許可するための協議を行った。
・ 2020 年
健康危機のさなか、ナティクシスは、すべての事業分野において顧客に対する支援を強化し、適当な商品
およびサービスならびにより多くの助言を提供した。
ナティクシスおよび La Banque Postale は、債券運用および保険関連の資産運用における欧州のリーダーと
なる Ostrum Asset Management を設立した。同社は、資産運用に係るオファリングおよび専門の投資サービス
を提供する。
ナティクシスは、シェールオイルおよびシェールガスからの撤退を発表し、石炭産業からの撤退を加速し
た。
3 【事業の内容】
ナティクシスの全容
当行は、カスタマイズされたファイナンス・ソリューションの設計者として、世界中で会社、銀行、機関
ならびに Banques Populaires および Caisses d'Epargne のネットワークの顧客がプロジェクトを実現すること
を支援し、これらに対しカスタマイズされたファイナンス・ソリューションを設計している。
当行は、当行の緊密さ、また戦略的対話の質および当行の専門知識の組合せのおかげで、当行の顧客と持
続可能な事業モデルを構築している。
4つの事業分野における強固な専門知識
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ナティクシスの事業
(a) 資産運用およびウェルス・マネジメント
Natixis Investment Managers は、世界的に最も大きい資産運用会社の1つであり、引続きナティクシスの
資産運用およびウェルス・マネジメント部門の主要な担い手である。
① 資産運用
Natixis Investment Managers は、運用資産において、世界第 17 位である( Cerulli Associates : Global
Markets 2020 レポートは、 2019 年 12 月 31 日現在の運用資産額に基づく。)。
国際的な マルチ・アフィリエイト資産運用事業として、 Natixis Investment Managers は、米国、欧州お
SM
よびアジアにおける 20 社超の専門的な投資運用会社を含んでいる。 Active Thinking の概念に基づき、
Natixis Investment Managers のブランドプラットフォームは、極めてアクティブかつ確信主導の投資スタ
イルおよび長期投資アプローチの管理への取組みを具体化している。
Natixis Investment Managers
Natixis Investment Managers のマルチ・アフィリエイト・ストラクチャーは、シェアードサービスの連
盟の支援を受け、特徴的で、アルファ・ジェネレーションかつ多種多様な投資戦略を従来型および専門的
株式、債券ならびに代替資産クラスにわたり提供している 20 社超の独立したアクティブな資産運用会社の
ポートフォリオを網羅している。 Natixis Investment Managers は、その国際的な販売プラットフォームを
通して各関係会社の発展を支援し、革新のための金融支援およびオペレーショナル・リスク管理の一貫性
を確保するための国際的な監督を提供する。 Natixis Investment Managers は 20 ヶ国超を網羅し、その主要
な支援機能は、ボストン、ロンドンおよびパリで活動している。
その国際的な販売プラットフォームは、2つの主要な顧客セグメント、すなわち、機関投資家(公募お
よび私募年金ファンド、保険会社および銀行、ソブリン・ファンドおよび中央銀行等)ならびに販売/リ
テール(投資プラットフォーム、ファイナンシャル・アドバイザー、ファンズ・オブ・ファンズ、プライ
ベート・バンキング)に対して業務を提供する。
2020 年は、例外的な不確実性と前例のない課題があり、収益および業績に重大な影響を及ぼした。しか
し、 Natixis Investment Managers は、かかる課題に抵抗力を示し、継続的に新たな資金流入を計上し、リ
ターンマージンを維持し続けた。 Natixis Investment Managers は、マルチ・アフィリエイト・モデルの有
効性と回復力を再度実証した。 Natixis Investment Managers は、強固かつ多様で、パフォーマンス、持続
可能な成長源および投資家の固有の需要を重視することで、状況に応じて変化する能力があることを証明
し、顧客にアドバイスおよびサービスを提供することができた。
債券、成長株、 ESG 、民間債務および代替的投資ソリューションを含む、投資のスタイル、戦略および地
理的範囲の勢いは良好であった。 Natixis Investment Managers は、いくつかの市場(特に米国およびアジ
ア)において多額の純流入を達成した。 H2O Asset Management では流出が計上されたものの、欧州事業は
市場の逆風にもかかわらず、再び成果を挙げることができた。
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・ 発表されていた Ostrum Asset Management と La Banque Postale Asset Management の債券業務および
保険管理業務の統合が完了した。これにより、債務重視の投資家や 430 十億ユーロ超の運用資産額を
有する大手機関顧客向けの債券管理を支援する欧州のリーダーとなった。また、かかる取引は、
Ostrum AM におけるエクイティの専門家を再配置することにより、 DNCA Finance および Thematics
Asset Management のチームを強化する機会にもなった。
・ Natixis Investment Managers ならびに H20 AM は、 2021 年末までに行う可能性のあるパートナーシッ
プの秩序ある解消について協議を開始したと発表した。 かかる進展は、引続き関連規制当局による
検討および承認を要する。
・ とりわけ、 Flexstone Partners の発展、 Vauban Infrastructure Partners の創設および MV Credit の
買収により、近年の民間債務オファリング拡大の大望は実を結びつつある。 Natixis Investment
Managers のかかるエクスポージャー・クラスにおける業務は、堅調な流入により、現在収益性の主
要な推進力の一つである。
・ 2019 年に少数株式を取得した後、現在、 WCM Investment Management は販売プラットフォームに完全
に統合されている。これは、米国の集中販売プラットフォームによる6十億米ドル超の未払額の回
収に加えて、韓国および中東における重要な契約の締結によっても明示されている。
・ Natixis Investment Managers は、その関係会社の能力強化および国際展開の促進の目標に対して支
援を継続的に行う。第4四半期には、ボストンを拠点とする Loomis Sayles が欧州のクレジットチー
ム( A 格付社債に特化している。)を採用し、同社のグローバル事業を強化した。 当年度末 における
当行の運用資産および利益は過去最高となった。
・ Natixis Investment Managers は、事業を展開しているほとんどの地域において堅調な売上を享受
し、引続き販売網を拡大させた。米国では、 Natixis IM がその主要な販売業者および新設した戦略
的販売パートナーシップを通じて、小売事業を強力に推進した。欧州では、困難な状況下にもかか
わらず、特に民間債務において、流入額の増加が計上された。最後に、 Natixis Investment
Managers は、アジア(特に中国)において著しい成長を達成し、当該地域を対象とした戦略の有効
性が実証された。
・ 当行は、顧客のより持続可能な投資モデルへの移行を継続していく。 2020 年、 Natixis Investment
Managers は責任投資に関する最初のレポートである Making a difference を公表した。かかるレポー
トには、 ESG および持続可能な投資に対するアプローチならびに社会が直面しているいくつかの重大
な課題に対しての責任ある投資家としての最新の見解が示されている。 ESG およびインパクト投資を
専門としている関係会社である Mirova は、 2020 年に運用資産が 58 %増加し、堅調な純流入額によ
り、事業を展開するすべての地域で力強い成長を遂げた。同時に、多くの関係会社が ESG 戦略の展開
に成功し続けた。現在、 Natixis Investment Managers の SRI に分類されたファンドへの投資資産の
割合は、当行ファンドの総資産の約 15 %を占めている。運用資産に占める持続可能な投資全般の割
合(ファンドおよび委託契約)は、 10 %超である。
・ Natixis Investment Managers にとって、革新は依然として優先事項であり、ファンド販売事業のデ
ジタル化に特化した FundsDLT ならびに年金および預金ソリューションを専門とする英国のテクノロ
ジープラットフォームである SmartPensions に投資している。また、 Natixis Investment Managers
は、ルナン・ボルヌ氏を最高情報責任者兼デジタルトランスフォーメーション長に任命した。
この世界的なパンデミックの間、 Natixis Investment Managers は、ウェビナーを通じて顧客向けに市場
動向を提供する Natixis Access Series を立ち上げた。記録的な量のコンテンツが配信され、多数の顧客向
けのイベントがデジタル化された( 180 超のグローバルイベントが仮想環境で実施され、 14,000 名超が参加
した。)。
Natixis Investment Managers は、米国およびフランスにおける成熟した主要事業に支えられ、資産運用
業界において主要なプレーヤーとしての地位を固めていき、欧州ならびにアジア太平洋、中東およびラテ
ンアメリカを含むその他の重要な地域においても、そのプレゼンスを向上していくことを目標としてい
る。現在の市場の主導者としての地位および差別化されたマルチ・アフィリエイト事業モデルを構築し、
Natixis Investment Managers は、投資のラインナップの多様化を継続するとともに、デジタル化およびテ
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クノロジーへの投資拡大ならびに特にアジアにおけるその世界での勢力および地位の拡大を行う。当行は
また、多種多様かつ包括的に ESG 管理およびインパクト投資への投資を継続し、両分野で明らかな一定の進
展 を遂げることに取り組む。
Natixis Investment Managers :米国、欧州およびアジアにおける 20 社超の専門的な投資運用会社
( 2020 年 12 月現在-運用資産額の単位:十億ユーロ)
・ Active Index Advisors ( 3.3 十億ユーロ):任意の指数ベースによる戦略
・ AEW / AEW Europe ( 57.4 十億ユーロ):不動産資産運用、不動産投資信託( SCPI )および不動産
ミューチュアルファンド( OPCI )
・ Alliance Entreprendre ( 0.4 十億ユーロ):プライベート・エクイティ
・ Alpha Simplex Group LLC ( 4.8 十億ユーロ):定量的投資管理
・ DNCA Finance ( 26.3 十億ユーロ):債券および株式
・ Dorval Asset Management ( 1.3 十億ユーロ):フレキシブル・マネジメント
・ Flexstone Partners( 注1 ) ( 3.8 十億ユーロ):プライベート・エクイティ
・ Gateway Investment Advisers, LLC ( 8.1 十億ユーロ):ヘッジ株式
・ H2O Asset Management ( 18.4 十億ユーロ):グローバルかつマクロなマルチ戦略および海外の債券
・ Harris Associates ( 84.8 十億ユーロ):米国および海外のバリュー株
・ Investors Mutual Limited ( 4.3 十億ユーロ):バリュー型オーストラリア株式
・ Loomis, Sayles & Co. ( 284.2 十億ユーロ):株式(グロース型、コア型、バリュー型)および債
券(コア型から高利回り型)
・ Mirova ( 19.6 十億ユーロ): SRI 株式および債券、インフラストラクチャー・プロジェクト・ファ
イナンス
・ Managed Portfolio Advisors Overlay( 注2 ) ( 16.4 十億ユーロ):オーバーレイ戦略
・ MV Credit ( 2.4 十億ユーロ):実物資産
・ Naxicap Partners ( 3.8 十億ユーロ):プライベート・エクイティ
・ NIM Dynamic Solutions ( 49.9 十億ユーロ)
・ NIM Private Debt ( 2.9 十億ユーロ)
・ OSSIAM ( 3.9 十億ユーロ):戦略的ベースによる ETFs (上場投資信託)
・ Ostrum Asset Management ( 436.3 十億ユーロ):債券および株式
・ Seeyond ( 8.8 十億ユーロ):仕組商品およびボラティリティ
・ Seventure Partners ( 0.7 十億ユーロ):プライベート・エクイティ
・ Thematics Asset Management ( 2.9 十億ユーロ):国際的テーマ型資産管理
・ Vauban lnfrastucture Partners ( 4.5 十億ユーロ)
・ Vaughan Nelson Investment Management ( 11.4 十億ユーロ):バリュー株およびバリュー・ボンド
・ Vega Investment Management ( 7.7 十億ユーロ):特注の投資ソリューション
・ WCM Investment Management ( 67.1 十億ユーロ)
( 注1 ) 2019 年1月に設立された。これは、 Natixis Investment Managers の既存のプライベート・エクイティ関係会
社である Euro-PE 、 Caspian Private Equity および Eagle Asia の3社を統合したものである。
( 注2 ) Natixis Advisors, LP. の部門。
② ウェルス・マネジメント
フランスおよびルクセンブルクに拠点を置く Natixis Wealth Management は、顧客向けに(事業主、上級
管理者/会社取締役およびその家族資産所有者)長期的なサポートのためのウェルス・マネジメントおよ
びファイナンス・ソリューションを提供している。
Groupe BPCE の顧客または直接獲得した顧客は、コーポレート・アドバイザリー、オリジネーション、バ
ニラ・ファイナンスおよびコンプレックス・ファイナンス、投資、資産設計および資産運用といった、プ
ロジェクトのあらゆる側面、またあらゆる段階を網羅する幅広い専門知識を享受することができる。近
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年、これらのサービスは特にプライベート・エクイティおよび生命保険において、ソリューションが多様
化しており、かかる多様化はオープンアーキテクチャを基本として運営されている専門の事業部門に起因
す る。すべての価値提案は、顧客が要求するカスタマイズのレベルに合わせて調整され、 BtC (企業対消費
者間取引)と BtB (企業間取引)の2つのチャネルを介して提供される。
Natixis Wealth Management は、子会社( VEGA Investment Managers (流動性資産クラス向けソリュー
ションの組成における優先パートナー)および Massena Partners )と連携して、カスタマイズ可能な商品
およびサービスの範囲を広げている。 VEGA Investment Managers のオープンアーキテクチャを基本とする
一括管理、委託管理およびファンド選択における中核的な専門性は、 Massena Partners のそれを補完し、
主にプライベート・エクイティにおいて、私有の家族経営団体やファミリーオフィスにアドバイスを提供
している。
2020 年、 Natixis Wealth Management は、当行グループへのサービス提供を拡大する一方で、「富裕層の
個人」セグメントに直接顧客フランチャイズを再配置するために、ニュー・ディメンション計画の下で戦
略的な意欲を展開し続けた。加えて、事業体間の相互機能性およびデジタル変革における進展は、健康危
機の中であっても、顧客や内部間との相互作用を容易にし、合理化することを可能にした。
また、本年は VEGA Investment Managers の管理プロセスの改善により、 ESG に対する取組み強化の転機
となった。同社は、インパクト評価の主導的立場である新興企業の Impak Finance と共同で、第2の SRI
ファンドである「 VEGA Transformation Responsible 」を立ち上げた。
2020 年末、 Natixis Wealth Management は、 30.7 十億ユーロの資産を運用した。
③ Natixis Interépargne
Groupe BPCE の従業員貯蓄 制度 および年金制度に関連する Natixis Interépargne は、あらゆる規模の会社
の従業員貯蓄 制度 および退職貯蓄 制度 に加えて、従業員持株の設立ならびに管理をすることで業績の原動
力とする手助けを行っている。
50 年超にわたり革新の先駆者である同社は、絶えず変化する環境および用途に適応可能な能力を備えて
いるため、企業貯蓄制度、証券口座形式または保険形式( Arial CNP Assurances との提携による)の企業
退職貯蓄制度などのあらゆる従業員貯蓄および補完的な年金ソリューションを全面的に提供することがで
きる。
同社は、従業員貯蓄の積極的運用の専門家である Natixis Investment Managers によって提供される財務
管理提案に依拠している。
2020 年、 Natixis Interépargne は、 75,000 超の法人顧客、約3百万人の貯金者 ( 注1 ) および従業員貯蓄
の 26.5 %の市場シェア ( 注2 ) を有し、従業員貯蓄制度および退職貯蓄制度の主要企業としての地位を固め
た。 Natixis Interépargne は、 SRI の 31.2 %の市場シェア ( 注3 ) を有し、社会的責任投資を通じての従業員
貯蓄における主要企業としての地位を固めた。
Natixis Interépargne は、そのレンジの品質および一貫性ならびに管理チームの継続的な努力により、
長期的な業績を挙げている。 2020 年には、 Natixis Investment Managers International と Mirova による、
「 Avenir 」および「 Impact SRI 」ファンドのレンジの運用の質が評価され、 Long-Term Salary Savings
Basket 部門で Corbeilles de l'Épargne Salariale 賞 ( 注4 ) の第1位に選出された。
また、 2020 年は、団体企業退職貯蓄制度に 6,000 を超える申込みがあり、企業に対する退職貯蓄商品の発
展によっても特徴付けられた。
( 注1 ) 2020 年 12 月 31 日発行の Association Française de Gestion
( 注2 ) 2020 年6月 30 日発行の Association Française de Gestion
( 注3 ) Finansol & CIES
( 注4 ) 月刊誌の Mieux Vivre Votre Argent が毎年授与しているかかる賞は、業界では広く認知されており、長期的に
最も優れたパフォーマンスを達成したファンドを持つ機関に贈られる。
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(b) コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
2020 年 12 月 31 日現在、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング( CIB )は、世界中
の 27 ヶ国 における 3,681 人の従業員 (常勤労働者) で構成される 。そのうち、 38.7 %はフランスで、 61.3 %は
海 外で雇用されている 。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングは、法人顧客、金融機関、機関投資家、
資金スポンサー、公的部門の事業体および Groupe BPCE ネットワークに対応する。本部門は、資本市場におけ
るインベストメント・バンキングならびに合併および買収ならびにファイナンスおよびトランザクション・
バンキングにおける幅広い専門知識を活用し、各顧客に助言し、その戦略を支援するための革新的かつ各顧
客固有のソリューションを開発する。その目的は、地域および世界における強固なプレゼンスを通して各顧
客との密接な仕事上の関係性を築くことで、長期にわたり各顧客との戦略的対話を発展させることである。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの専門知識の分野は以下のとおりであ
る。
・ 資本市場 :多角化商品、標準的な商品および特注商品ならびに債券市場、信用市場、外国為替市場、
コモディティ市場および株式市場におけるソリューションの幅広い提供。
・ ファイナンシング :ストラクチャード・ファイナンスのオリジネーション、アレンジおよびシンジ
ケーションだけでなく、販売に向けた組成( O2D )モデルの下でのすべてのバニラ・ファイナンスおよ
びストラクチャード・ファイナンスに関するポートフォリオ・マネジメント。
・ トレード・アンド・トレジャリー・ソリューションズ :現金管理、貿易金融、輸出金融および貿易商
品に係るソリューション。
・ インベストメント・バンキング :持株会社、財政構造および格付アドバイザリー・サービスに適用す
る買収および戦略的なファイナンス、第一次市場での債券および株式のファイナンス、金融工学。
・ 合併・買収 :売却および買収、資金調達、再編および資本保護の準備ならびに実行。
これらの専門知識の分野は、以下の3つの 国際プラットフォーム において、各地で適応されている。
・ 南北アメリカ大陸 :アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルーおよび
米国
・ アジア太平洋 :オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、シンガ
ポール、韓国、台湾およびタイ
・ EMEA (欧州、中東およびアフリカ):フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、サウジアラビア、スペ
イン、アラブ首長国連邦および英国
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングは、ナティクシスの顧客のカバレッジに
特化した事業横断的なチームを有している。同チームは、すべての分野のナティクシスの専門知識を利用し
て顧客のニーズを予測し、的を絞った助言を行うことで、顧客の発展の各段階において、長期的なサポート
を提供する。
顧客タイプ(銀行および海外の公共部門、保険会社、資金スポンサー、資産運用会社および法人顧客)ご
とに分類されているカバレッジ機能は、フランスにおける強固なプレゼンスを有し、また海外では 27 ヶ国に
わたるナティクシスのすべてのチームの支援を受けている。当該構造は、顧客への反応性、顧客との緊密か
つ個別的な仕事上の関係および顧客との長期にわたる詳細な戦略的対話を促進する。
2020 年、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングは、ニュー・ディメンション戦
略計画( 2018 年 -2020 年)の目標を引続き実施した。かかる計画は、革新的なソリューションを提案する銀行
として認知され、4つの戦略部門(エネルギー転換、航空機、インフラストラクチャー、不動産およびホス
ピタリティ/観光)においてベンチマーク銀行となることを目標としている。
ナティクシスはまた、ナティクシスのグリーン・ファイナンスの専門知識の発展を引続き促進した。
2019 年、ナティクシスのファイナンス・ソリューションの環境パフォーマンスに基づく資本分配の革新的
監督の手段となるとともに、顧客が各顧客独自の生態遷移を達成することを支援する手段となるグリーン・
ウェイティング・ファクター ( GWF ) の展開後、ナティクシスは 2020 年を通して自身のエネルギー目標の積極
的運用に取り組んだ。
グリーン・ アンド ・サステナブル・ハブ( GSH )は、引続き コーポレート・バンキングおよびインベストメ
ント・バンキングがグリーン・ファイナンスおよびサステナブル・ファイナンスの促進に取り組むことを推
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進し、 生態遷移および社会遷移の主要問題を乗り切る際の法人顧客、公共部門および投資家の重要なパート
ナーとしての立場を確かなものにしている 。
確固たる専門家としての位置付けの一環として、 GSH の専門センター(特に CIB リサーチに拠点を置いてい
る。)は、市場および規制上の進展を積極的に監視し、商品または方法の研究および革新の分野に注力する
責任を負っている。
2020 年、同チームは、 ESG 戦略を中心とした様々な相互作用(および研究)を通じて、これらのグリーン・
ファイナンスおよびサステナブル・ファイナンス分野における投資家の深い知識を広げた。
最後に、 GSH は、 コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのローン(グリーン・
ローンおよびサステナビリティ・リンク・ローンおよび投資ソリューションの開発の強化、グリーン・ボン
ド市場における強化ならびにいくつかの革新的金融商品および投資商品の開発などのグリーン・アクティビ
ティおよびサステナブル・アクティビティの戦略的発展の原動力となった。
最後に、ナティクシスのグリーン ・ ボンドおよびソーシャル・ボンドにおける活動は、 2020 年下半期にサ
ステナブル・ローン(グリーン・ローン・アンド・サステナビリティ・リンク・ローン(または「 SLL 」))
の承認が回復し、年初以降、非常に力強い成長を遂げた。
GSH は、様々な銀行の流通( Banques Populaires および Caisses d'Epargne )および保険(フランスの
Groupama )ネットワークならびに機関投資家向けに、グリーン ・ ボンドおよびソーシャル・ボンドを仕組商
品として提供することで、投資商品の分野で革新を続けた。
① グローバル・マーケッツ(資本市場)
ナティクシスは、法人顧客および機関顧客(民間部門および公共部門)ならびに Groupe BPCE ネットワー
クの顧客に対し、実績のあるリサーチに裏付けられる幅広い投資、ファイナンスおよびヘッジに係る商品
ならびにソリューションを提供している。グローバル・マーケッツの事業モデルは、以下の要素の上に構
築されている。
・ 主要な資産クラスにおける(一般的なフロー商品とは対照的な)革新的なソリューションの開発。
この各顧客固有のアプローチにより、ナティクシスはその顧客のニーズにより適切に応え、その競
合企業と自身を切り離すことが可能となる。
・ さらに、エレクトロニック・プラットフォームにより幅広いフロー商品を利用できることで、市場
におけるあらゆる顧客の要求を網羅する。
・ 顧客の地域のニーズに的を絞った投資方針の開発。銀行の課題は、第一にグローバル・マーケッツ
が真の競争上の優位性を享受できる商品に焦点を当てること、第二にこれらの活動において必要と
される規模の経済を達成し、フランチャイズの持続可能性を確保することである。
・ EMEA 、南北アメリカ大陸およびアジア太平洋地域におけるコーポレート・バンキングおよびインベ
ストメント・バンキングのプレゼンスを活用して、顧客および市場カバレッジに関してグローバ
ル・マーケッツの国際的なサービス範囲をさらに発展させる。
・ 債券市場および株式市場において同時に運営しているグローバル証券ファイナンシングチームに
よって示される複数の原資産の焦点。
その専門的な顧客に対して総合的に対応するため、ナティクシスのグローバル・マーケッツ部門は、そ
の債券および株式デリバティブの販売チームと金融工学チームを統合した。
かかる事業分野は、以下の4つの部門に分かれている。
・ 顧客とより商業上の関係を強化することを目的とした2つのソリューション部門。すなわち、販売
業者、ファミリーオフィス、ミューチュアルファンドおよび年金ファンドに資産横断的ソリュー
ションを単一で提供するクロス・アセット・ソリューションズならびに大規模な機関投資家、資産
運用会社および法人顧客のニーズに対応するマルチ・アセット・ソリューションズ。
・ すべての資産クラスにわたり顧客に革新的なヘッジ、投資ソリューションおよびファイナンス・ソ
リューションを提供する単独の金融工学部門。
・ フロー商品およびデジタル化の提供を調整する、マルチ・アセット・クライアントサービスおよび
エグゼキューション( MACSE )部門。
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資本市場では 、ナティクシスは顧客やパートナーの新規の需要に応じて提案およびノウハウを適応さ
せ、緊密な関係を維持することによって、例外的で前例のない健康危機の状況に適応することができた。
当行は、機関投資家や国際機関との関係を維持し、大企業との関係性を強化した。
債券では、チームは COVID-19 危機の間、産業投資家や機関投資家がリスクヘッジや投資方針を適応させ
るのを支援することに深く関与した。機関投資家は、とりわけ信用市場における新たな機会を得るために
営業チームに依拠した。
債券では、チームは COVID-19 危機の間、法人顧客の外国為替市場におけるヘッジの調整ならびにキャッ
シュ・フローの監視および管理に深く関与した。機関投資家は過剰流動性に直面し、債券市場に加えて専
用の仕組商品の提供を通じた新たな投資機会を得るために営業チームに依拠した。
株式デリバティブでは、ナティクシスは様々な銀行( BPCE )や保険流通ネットワークのためのエネル
ギー転換を確約する金融貯蓄商品のキャンペーンの運営を継続した。
当行は、2つの賞( The Banker 誌および Structured Retail Products 誌からそれぞれ1つずつ)を受賞
した。 (出典: (1) Investment Bank of the Year for Equity-linked Products 、 (2) Deal of the Year
2020 )
欧州では、 GSCS および Alternative Credit Syndications が、オランダの住宅ローンプラットフォームで
ある Merius Prime のために、 Apollo Management International からの 500 百万ユーロの追加融資契約を締
結した。
ナティクシスはまた、北欧年金基金を保有する米国の中間保管市場に連動する総額 100 百万米ドルのオー
ダーメイドの優先資金調達社債の投資を成功させ、これにより、当該資産クラスで戦略的 O2D パートナー
シップを構築するという当行の取組みの一環として、この種の取引を顧客と初めて行うことになった。か
かる取引は、当行の多くの CLO の構造的特徴をレバレッジするだけでなく、年金基金に対する需要にも適合
させることにより、 CLO の米国中間市場における当行の主導的地位をレバレッジしている。
米国において、ナティクシスのニューヨーク支店は現在、グローバル証券ファイナンシングのための証
券取引清算機関( FICC )スポンサード・レポ・プログラムのスポンサーである。
グローバル証券ファイナンシング
エクイティ・ファイナンス(株式デリバティブ)および証券ファイナンシング・グループ(債券)チー
ムの合併の産物であるグローバル証券ファイナンシングは、顧客に複数の原資産ソリューションおよび多
品種商品ソリューションを提供するため、顧客との対話を促進することを目的としている。
パリ、ニューヨーク、香港および東京に 65 名の従業員を有するグローバル証券ファイナンシングは、担
保付の資金調達および担保管理(レポ取引、有価証券の借入/貸付等)、レポ取引 のマーケット・メイク
および信用取引およびソブリン証券の借入/貸付および指数(株式)に係るマーケット・メイクにおいて
主要な専門知識を有しており、ソリューション部門を有している。
専門知識のプールにより、顧客の資金調達やエクスポージャーの需要に応えるための革新的なハイブ
リッド・ソリューションの開発が促進される。かかるチームは、銀行が市場での制限や規制上の制限(貸
借対照表、 LCR 、 RWA 等に関連するもの)の変更に適応するための手助けを行っており、主に株式および債
券(担保)の当行の資産についての見解を示すことでその管理をより効率的にかつ包括的に行うことがで
きる。
CVA / DVA デスク
グローバル・マーケッツは、一元化された XVA 管理デスク( CVA / DVA / FVA )を有している。その最も重
要な役割は、 XVA エクスポージャーを計測および管理し、これらのエクスポージャーにより発生した主要な
リスクをヘッジすることである。
リサーチ
グローバル・マーケッツ・リサーチ、現在の CIB リサーチ は、ナティクシスの販売戦略を補完している。
CIB リサーチは、顧客の投資決定の際の指針となる分析を発表し、すべて技術的分析に裏付けられた評価モ
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デル、リスク管理モデルおよび定量資産配分戦略モデル(株式デリバティブ、債券、信用、外国為替)等
のモデルを使用して顧客のニーズに応じたファイナンス・ソリューションの提供に貢献している。
3つの国際プラットフォームにおいて、そのチーフ・エコノミストのマクロ経済の専門知識で認められ
ている CIB リサーチはまた、インフラストラクチャー、不動産、エネルギーおよび天然資源ならびに保険等
の主要部門において広範囲のリサーチを行っている。 2019 年、 CIB リサーチは、各顧客に合わせたサービス
の提供を行い、顧客が公表を査定し、個別的な投資テーマを選択することを勧める新たなウェブサイトを
開始した。
専門知識の中核は、戦略的プロジェクトを通して顧客を導くため、マクロ経済フロー、評価モデルおよ
び新たな発表の分析を組み合わせることで、不動産において発展した。 CIB リサーチはまた、電気自動車、
ガスおよび 5G にいたる多種多様な投資テーマにおける専門知識を発展させた。
ビッグ・データおよび機械学習の利用の増加により、不確実性、センチメントおよびリスクといった革
新的指数の定義および公表を行うことが可能になった。
CIB リサーチはまた、その グリーン・ アンド ・サステナブル・ハブとのジョイントベンチャーを通じて ナ
ティクシスのエネルギー転換目標に寄与した。この協力を通じて、 CIB リサーチは、水のテーマについて広
範囲のリサーチを行い、 グリーン・ウェイティング・ファクターの作成を支援した 。
定量的分析 は、当行が提供するものに関する資本市場への適応に寄与している。定量的分析は、当行の
金融改革プロセスを支援し、今日の急速に変化する市場における競争力の維持を確保している。同チーム
は、価格設定、リスク管理モデルならびに定量的資産配分戦略の開発を支援している。
② ファイナンシング
実物資産(航空機部門、インフラストラクチャー部門、不動産およびホスピタリティ部門に加え、現在
はエネルギーおよび鉱物・金属事業における資産のストラクチャード・ファイナンス事業を含む。)の事
業分野は、リスク費用が抑制された水準を維持したことを反映して回復力が非常に高いことを示した。
旅客機部門は、 COVID-19 のエピデミックにより特に影響を受けた。国内線および観光目的の航空便に牽
引されたものの、出張および海外渡航については依然として低迷しており、回復は緩やかなものにとど
まった。この困難な期間において、ナティクシスは、流動性ファシリティ、ポートフォリオ融資および輸
出信用機関により保証される取引の提供により、顧客である航空会社およびリース会社両方への支援を継
続した。
新設のインフラストラクチャーおよびエネルギー部門は、遠隔通信インフラストラクチャー部門および
再生可能エネルギー部門により、この経済的な危機を比較的上手く凌いだ。例えば、ナティクシスはチリ
において数多くの太陽光発電所( Sonnedix 、 CVE 、 Langa 、 Reden 、 Grenergy 、 Arroyo )に関するアレンジを
行い、当該部門におけるナティクシスの支配的地位を確認した。その他のハイライトには、アラブ首長国
連邦における世界で最大規模の集光型太陽光発電( CSP )プロジェクト( DEWA V )へのファイナンス、最大
規模の浮体式洋上風力発電所(キンカーディン)への単独のグリーン・ローン・コーディネーターとして
のファイナンス( 380 百万ポンド)および欧州における最大規模の次世代型データセンターである Vantage
Data Center への単独のマンデート・リード・アレンジャーとしてのファイナンス( 320 百万ポンド)が含
まれる。アジアにおいて、ナティクシスは Next Data Center へのファイナンスにおいてマンデート・リー
ド・アレンジャーを務め、特にオーストラリアにおける当行グループの成長に貢献した。ナティクシスは
また、台湾における 589MW の発電容量を有する洋上風力発電所の CFXD 取引について再生可能エネルギーのフ
ランチャイズの展開を継続した。
ナティクシスは、 IJGlobal より「 2019-2020 Latin America MLA of the year on Project Finance &
Infrastructure 」および「 2019-2020 MENA MLA of the year on Project Finance & Infrastructure 」を
受賞した。
不動産およびホスピタリティ/観光部門は、営業を行っているすべての地理的地域の顧客に対する支援
ならびにグリーン・ファイナンスおよびサステナブル・ファイナンスの展開を継続した。
ナティクシスは、ラ・デファンス付近に所在する Engie の今後の本社となる Ecocampus の取得に係る 397 百
万ユーロの Swiss Life AG に対する抵当権付グリーン・ローンを共同でアレンジした。ナティクシスはま
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た、ショッピング・センターに関して欧州のリーダーである Klépierre に対して 1,385 百万ユーロのシンジ
ケート・コーポレート・クレジット・ファシリティ ( Klépierre グループの自身のポートフォリオのカーボ
ン・ ニュートラルを 2030 年までに達成するという目標の支援に向けた、持続可能な開発基準を含むもの)
を共同でアレンジした。
販売およびポートフォリオ・マネジメント
販売およびポートフォリオ・マネジメント( DPM )は、企業向けの最適なファイナンス・ソリューション
および投資家向けの魅力的な投資機会の開発を行っている。当行は、 175 名の専門家で構成される当行の3
つの国際プラットフォーム(南北アメリカ大陸、 EMEA およびアジア太平洋)全体にわたって素晴らしい
ポートフォリオ管理および販売を誇っている。ナティクシスは貸出金勘定のシンジケーションおよび積極
的な管理に責任を負っており、したがって、ナティクシスが導入した資金調達の信用度および収益性を積
極的に管理している。
ナティクシスは 2020 年に戦略的 O2D モデルをさらに強化し、信用リスク管理を最適化することを目的とし
た手続きおよび取組みを展開した。当行の O2D 戦略を構成する主要なものとして、 Singular のデジタル・
ファイナンス・プラットフォームは、積極的なポートフォリオ管理活動にまで拡大した。かかるプラット
フォームの主要な目的は O2D チェーン全体にわたる連携と可視性を高め、最終的に顧客により良いサービス
を提供することにある。
トレード・アンド・トレジャリー・ソリューションズ
トレード・アンド・トレジャリー・ソリューションズは、 2020 年において、運転資金ニーズおよび特に
国際的な企業向けの販売の発展に対するより包括的な支援を提供することによって、当グループの顧客に
より良いサービスを提供することを目的とした輸出信用と商品取引事業を近づけることで変革を遂げた。
2020 年のハイライトの中でも、 TTS は、 Trafigura とのアルミニウムに対するグリーン・レポ等の革新的な
商品により、エネルギー転換中の顧客支援を強化した。 TTS はまた、例えば国際的な決済のトレーサビリ
ティといった、デジタル変革をさらに強調するための手段となっている。
③ インベストメント・バンキング
インベストメント・バンキングの事業分野では、顧客の資金調達ニーズに見合った最高の組み合わせの
ソリューションを提供する中で、顧客との戦略的な対話を強化することを目的としている。そのため、こ
の事業分野には、買収および戦略ファイナンス、債券および株式の発行市場でのファイナンス、持株会社
に適用される金融工学(インベストメント・バンキング担当部長およびグローバル・マーケッツ担当部長
の両方に直属するチームである、戦略的持分取引チーム)が含まれる。また、当該分野には、財政構造お
よび格付アドバイザリー・サービスが含まれる。
戦略および買収ファイナンス
ナティクシスは、戦略および買収ファイナンスにおける世界的なプレーヤーであり、かかる分野で EMEA
地域(パリ、ロンドン、ミラノおよびマドリッド)、アジア太平洋(香港およびシドニー)および南北ア
メリカ大陸(ニューヨーク)におけるオフィスにおいて 25 年超の経験を有する。ナティクシスは、法人顧
客、投資ファンド、ファミリーオフィスおよび機関顧客に対し、それらの多様な戦略的要求に合わせた、
買収、株主再編成、投資、債務による資金調達および IPO 後の資金調達を含むあらゆるファイナンス・ソ
リューション(債券、ローン、私募)を提供している。 2019 年に、ナティクシスは、フランスにおいて第
1位 (出典: Dealogic ) 、 EMEA 地域においては第6位 (出典: Refinitiv ) のスポンサード・ローンのブッ
クランナーとなった。
ナティクシスは、 M&A アドバイザリー・サービス、株式資本市場取引および債券におけるあらゆる専門知
識を利用して顧客ごとのソリューションを手配している。ナティクシスは、シンジケーションおよび流通
市場の専門チームにより、ストラクチャリングおよび私募案件での能力も認められている。
2020 年の例外的な市場状況において、戦略および買収ファイナンスチームは、様々な地域および部門に
おいて、多様なプロファイルを持つ多数の取引を完了させた。
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第一に、コーポレート・カバレッジ・チームを支援するため、 ASF はナティクシスの顧客を代理して貸借
対照表を強化するための多数の金融取引(クレジット・ファシリティ、フランスにおける GBL )(すなわ
ち、 ナティクシスが引受会社を務めた自動車の製造会社である PSA group の3十億ユーロのリボルビング・
クレジット・ファシリティ( RCF )、 MLA ブックランナーおよびドキュメンテーション・エージェントを務
めた Vivescia agricultural cooperative の1十億ユーロの資金調達および GBL 、 Air France airlines の4
十億ユーロの GBL ( MLA ブックランナー、ファシリティ・エージェントおよびドキュメンテーション・エー
ジェントを務めた。)をアレンジした。さらに、概言すると様々な形態(シンジケートローン、私募、ま
たは債券発行)の多数の資金調達取引を組成した。ナティクシスは、ジョイント・グローバル・コーディ
ネーターおよびディール・マネージャーとして、ウクライナの鉄鋼および鉱業を扱うグループである
Metinvest による、 333 百万米ドルのユーロ債の発行および既存債券の買戻しをアレンジした。
買収ファイナンスの観点では、コーポレート・バイヤーにより多くの取引が実行された。 Banijay によ
る、世界最大の独立系テレビ番組制作会社となるための Endemol Shine group の買収の一環として、ナティ
クシスは、グローバル・コーディネーターとして 2.4 十億ユーロの資金調達を設定し、すべての銀行および
すべての債券トランシェについてアクティブ・ジョイント・ブックランナーを務め、ユーロ建て担保付優
先債ファシリティの B&D (入札および交付)を行い、格付アドバイザーおよびヘッジ銀行を務めた。 PJ
Solomon は、ファイナンシャル・アドバイザーを務めた。ナティクシスは、 MLA ブックランナーおよび引受
会社として、スペインの石油インフラを扱うグループである Compañía Logística de Hidrocarburos
( CLH )の、英国のグループである Inter Terminals の買収のための 200 百万ポンドの資金調達をアレンジし
た。電気通信部門において、ナティクシスは、ポーランドの携帯電話会社である Play Communication の買
収のための 2.3 十億ユーロの資金調達および 1.65 十億ユーロの補強において、 Iliad の引受会社および MLA
ブックランナーを務めた。アジアでは、ナティクシスは、インドネシアの上場食品グループである PT
Indofood による Pinehill Ltd の買収のための資金調達において 1.75 十億ドルのシンジケートローンのアレ
ンジャーおよびブックランナーを務めた。
2020 年、投資ファンド向けのレバレッジド・バイアウトの件数は、当年度末に回復したものの、減少し
た。いくつかの成功事例(フランスにおいて、ナティクシスが(単独のサステナビリティ・コーディネー
ターおよびファシリティ・エージェントとして)、生物学的安全性および食品安全性の分野において大手
である Kersia の買収に関連して、 IK Partners のためにフランスの貸付で初めての持続可能性と連動した
LBO ( 520 百万ユーロ)のアレンジおよび調整を行ったこと。北米において、ナティクシスがカナダの農村
地域における大手インターネット・アクセス・プロバイダーである Xplornet Communications の Stonepeak
Infrastructure Partners のファンドの買収において、ジョイント・リード・アレンジャーおよびジョイン
ト・ブックランナーを務めたこと。最後に、ナティクシスがジョイント・ブックランナーとして、既存の
負債の資金調達ならびに、特にニューヨーク市における発電および電力供給を行う Astoria Energy Ⅰの株
主に対する異例の配当に係る資金調達を行ったこと。)は注目に値する。
債券のオリジネーション
主に、欧州、南北アメリカ大陸およびアジアの市場で業務展開を行う中、ナティクシスは、あらゆる種
類の発行体(法人顧客、金融機関、ソブリン/国際機関/代理機関)に対しサービスを提供し、ユーロお
よび外国通貨(英ポンド、ドル、円)の社債市場、ならびにとりわけグリーン・ボンド、投資適格債、カ
バード・ボンド、ハイイールド債、ハイブリッド債および私募のセグメントで資金調達できるようサポー
トした。
2020 年には、法人顧客向けの金融仲介機関を伴わない第一次活動が特に活発であった。ナティクシス
は、フランスの企業の公募債の発行に関して推奨された機関となり、また「フランスにおける非希薄化型
ハイブリッド部門」( LT ハイブリッドおよび優先債 FR の第1位 (出典: dealogic ) )のリーグ・テーブル
において首位に立った。
ナティクシスは、その他の取引の中でも、 VEOLIA の永久二重トランシェに係る取引のグローバル・コー
ディネーターおよびストラクチャラーを務めた。ナティクシスは、 TOTAL 、 EDF 、 Orange および ABERTIS の永
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久債発行(「ハイブリッド」形態での初の取引)に、アクティブ・ジョイント・ブックランナーとして加
わった。
外国為替取引に関して、ナティクシスの DCM コーポレート部門は、とりわけ 900 百万米ドルの NRG Energy
Inc. の担保付優先債に係る取引の ESG ストラクチャラーを務め、また Tiffani & Co. の買収および当該企業
の一般的ニーズへの事前融資のための複数通貨建て(ユーロ/英ポンド)の取引において、グローバル・
コーディネーターとして LVMH を援助した。
2020 年において、ナティクシスは合計 12 件の取引(保険部門における 10 件を含む。)を伴って、金融機
関向けの劣後債部門におけるさらなる発展を遂げた。かかる発展は、グローバル・コーディネーターの役
割での Phoenix との取引(米ドル建て RT 1)、 Helvetia との取引( Tier 2未満)、 Generali との取引(既存
債券の買戻しとの組み合わせによるグリーン T 2)および Ageas との取引( T 2)ならびに Bankinter との取
引( AT 1)または La Banque Postale との取引( Tier 2の委任契約)によるもので、特に欧州において顕著
であった。
ナティクシスはまた、様々なグリーン・ボンドおよびソーシャル・ボンドの取引(合計 12 件の委任契約
を締結した。)に身を置くことにより、持続可能なファイナンス戦略を継続した。注目すべき出来事とし
ては、スペインの銀行である BBVA および Caixa Bank の健康危機による影響を受けた事業を支援することを
目的とする債券(以下「 COVID 債」という。)の発行への参加が含まれる。グリーン取引においては、ナ
ティクシスは、 Crédit Mutuel ( BFCM )の初の起債に加えて、ベルギーの銀行である KBC 、スウェーデンの
銀行である SBAB 、ドイツの銀行である Commerzbank 、スペインの銀行である Bankinter 、日本の銀行である
みずほ銀行および最終的には Bank of China による起債にも大きく関与した。
ナティクシスはまた、ベルギー国による債券発行(5十億ユーロ)、モロッコ王国による債券発行(2
トランシェによる1十億ユーロおよび3トランシェによる3十億米ドル)およびオマーン国による債券発
行(2トランシェによる2十億米ドル)を含む、投資適格市場および新興ソブリン市場における多くの主
要取引に携わった。さらに、ナティクシスはメキシコの ESG 枠組み( 750 百万ユーロの初めての ESG 債)にお
いて、ストラクチャラーを務めた。
前例のない健康問題を背景として、ナティクシスは、 CADES の初のソーシャル・ボンド(5十億ユーロ
(ナティクシスがフレームワーク・ストラクチャーを務めた。))、 AFD の初のサステナブル・ボンド(2
十億ユーロ(ナティクシスがフレームワーク・ストラクチャーを務めた。))および Unedic の初のソー
シャル・ボンド(4十億ユーロ(ナティクシスがフレームワーク・ストラクチャーを務めた。))を含
め、フランスの機関による起債のほとんどでストラクチャラーおよびブックランナーを務めた。
本年において、ナティクシスは、世界銀行との特権的関係(3つの委任契約による合計 7.5 十億ユーロの
起債)を維持した。ナティクシスはまた、カナダの新規顧客である Omers とその国際的フランチャイズを強
化し(1十億ユーロの初の起債)、また欧州投資銀行(5十億ユーロのベンチマーク債)および ESM ( 1.5
十億ユーロ)を含む、欧州の国際機関における力強いプレゼンスを維持した。
株式資本市場
株式資本市場( ECM )では、ナティクシスは、顧客の資本構造に影響する、すべての取引に関する個別の
アドバイザリー・サービス( IPO 、増資、転換社債または他社株転換社債の発行)を提供している。ナティ
クシスはまた、公開買付けの実施に関するアドバイスを提供している。ナティクシスには、顧客に対して
仲介サービス(株式投資に係る買収または売却、株式の買戻しならびに流動性契約)を提供する、法人向
けブローカー事業も含まれている。
2020 年は、様々な側面において前例のない年であった。第1四半期に史上最大の安値を付けて以降、市
場は強く反発し、いくつかの株式指数は、特に米国において再び記録的な水準に達した。
株式発行市場では、あらゆる予想を覆して、 2020 年の欧州の出来高は 2019 年と比較して 75 %増加した
が、これは特に株式の増強またはその他の資本再構成のニーズにより牽引されたものである。その一方
で、フランスの市場では全く異なる傾向( 2019 年並みの発行高)が顕著であり、多くのフランス企業がこ
の危機による資金調達のために市場ではなく政府保証債を利用した。
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それにもかかわらず、ナティクシスは増資市場で活発に活動し、 2016 年以降フランスで最大の増資とな
る M&A 取引の資金調達である Alstom の2十億ユーロの取引においてパートナー・ブックランナーを務め、ま
た Technicolor の 330 百万ユーロの増資においては、グローバル・コーディネーターおよびジョイント・
ブッ クランナーを務めた。
このような極めて不安定な市況の中で、ナティクシスは、 2020 年において Accor 、 Safran 、 ST
Microelectronics の発行および Worldline の2件を含む5件の大規模な取引を管理するという、転換社債市
場における強力な専門性から利益をあげた。
法人向けブローカー事業において、ナティクシスは持続的な活動を記録した。すなわち、ナティクシス
は、 2020 年にパリで行われた6件の大規模な株式買戻しの委任契約に関与し、 SBF120 および CAC40 の発行を
行う顧客( Vivendi 、 Cap Gemini 、 ArcelorMittal 、 Sanofi 、 Compagnie de Sain-Gobain 、 Accor 、 ST
Microelectronics 、 Klépierre を含む。)に係る合計 21 件の取引を行った。さらに、当該チームはまた、
April Group の投資ファンドである CVC 、 Latecoere Group の米国ファンドである Searchlight および
Easyvista の投資ファンドである Eurazeo PME による公開買付けにおいて支払呈示機関、保証会社および
ビッダーを務めた。ナティクシスと ODDO-BHF は、 Carbios および Transgene と流動性契約を締結した。
株式連動ファイナンス
株式設計の組成に特化した戦略的持分取引チームは、直接的または間接的に株式と連動するあらゆる種
類の金融商品を用いることにより、ナティクシスの顧客の持株比率(株式投資、自己株式、投資額等)に
関する付加価値のあるソリューションを構築および実行する。
SET は、厳格な介入規制および取引のすべての側面を管理する専門のチームにより裏付けられる完全な機
密性だけでなく、一流の顧客重視および応答性、イノベーション、構築および実行における専門性および
卓越性が必要な活動である、株式設計および顧客ごとのデリバティブの使用の窓口である。
2020 年には、 SET が EMEA 地域およびアジアにおける戦略的持分部門において、主要な法人顧客の資金調達
および保護に係るソリューションで主要なプレーヤーであることが証明された。
上場有価証券および上場株式デリバティブの金融工学に関する包括的な範囲のストラクチャード・ソ
リューションにより、顧客のために3つの主要な分野におけるソリューションを提供することができる。
・ 持分投資(経済的エクスポージャー、ポジションの構築、上場株式の M&A 、戦略的投資、増資、希薄化
リスク、他社株転換社債、株式設計)
・ 株主(基準株主、投資ビークル、ファミリーオフィスおよび持株会社)
・ 自己株式(自己株式、従業員持株制度、ストック・オプション、仕組株式の買戻し、指数ファイナン
ス、転換社債)
この業績が示すように、法人向けブローカー部門と SET の共同事業によって、ナティクシスは、フランス
の市場における買戻額および取引件数の点で第1位のプレーヤーであることを維持している。
財政構造および格付アドバイザリー・サービス
当該アドバイザリー事業活動は、財政構造ならびにナティクシスの法人顧客および金融機関顧客につい
ての信用格付の分析からなる。同事業分野は、顧客に対して最も適切な株式および債務ベースの資金調達
ソリューションを規定することを目指している。資本市場の国際化および金融機関離れを受けて、顧客の
格付に対する信頼が増加し、当該事業分野の戦略的重要性が増加している。格付アドバイザリーに関する
専門知識は、顧客の格付に関する主要な出来事の影響を分析し、最適化するために用いられており、また
かかる専門知識により初めて格付を取得する顧客の支援を行うこともできる。
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④ 合併および買収
ナティクシスの合併および買収( M&A )チームは、大規模および中規模の商業および事業法人、機関投資
家ならびに投資ファンドに対し、売却および合併、資金調達、組織再編ならびに資本の保護に関する準備
および実施を支援する。
COVID 危機を背景として、ナティクシスおよび M&A 関係会社のネットワークは、本年において数多くの大
規模取引を実行した。
フランスでは、 Natixis Partners は、 Sagard に対し Ipackchem を SK Capital へ売却するよう助言した。英
国では、 Fenchurch Advisory が Hastings Group plc に対し、 Sampo および RMI のコンソーシアムによる公開
買付けについて助言した。米国では、 PJ Solomon が Mood Media に対して、最初にチャプター 11 に基づく経
営再建、その後 Vector Capital への売却について助言した。
フランスにおいて、ナティクシスおよび Natixis Partners は、中型株の取引件数において共に第1位
(出典: L'Agefi Hebdo ) となった。英国において、 Fenchurch Advisory は、 FIG 部門における取引件数に
おいて第1位となった (出典: Mergermarket ) 。
(c) 保険
保険部門
保険部門は、個人および専門家向けの幅広い保険ソリューションの開発および管理を行う様々な保険子会
社を所有する、持株会社の Natixis Assurances により構成されている。当該部門は、以下の2つの主要な事
業分野および Groupe BPCE 全体に共通する1つの業務として組織化されている。
・ 生命保険、投資および退職貯蓄ならびに非常に広範囲の個人保護保障(死亡給付金、休業および扶養
保険)および債務返済補償ソリューションのポートフォリオの開発に焦点を当てた、個人保険事業。
・ 自動車およびマルチリスク住宅保険、個人傷害保険、法的保護保険、健康保険および損害・災害保険
のポートフォリオを開発する、損害保険事業。
・ 法人向けソリューションは、自己の保険子会社が対応を行っていない Groupe BPCE の保険の内容、例え
ば、当行グループの保険プログラムの対応を行っている。
ナティクシスの保険部門には、 2019 年末現在の 1,880 人と比較して 2020 年末現在は 1,904 人の常勤労働者従
業員がいた。保険事業の直販による総収益は、 2020 年に 10.8 十億ユーロとなった。
保険部門は、以下の複数の法人により構成されている(投資ビークルを除く。)。
当行グループ会社 法律上の形態 所在地 議決権の割合 所有割合
Natixis Assurances
株式会社 フランス 100 % 100 %
BPCE Vie
株式会社 フランス 100 % 100 %
BPCE Prévoyance
株式会社 フランス 100 % 100 %
BPCE Assurances
株式会社 フランス 100 % 100 %
Natixis Life
株式会社 ルクセンブルク 100 % 100 %
BPCE APS
略式株式会社 フランス 53 % 53 %
BPCE Relation Assurances
経済的利益集団 フランス 100 % 100 %
BPCE IARD
株式会社 フランス 50 % 50 %
ADIR 株式会社 レバノン 34 % 34 %
Ecureuil Vie Développement
略式株式会社 フランス 51 % 51 %
当行グループの5大事業体は以下のとおりである。
・ BPCE Vie 。混合生命保険会社であり、約定内容が保険契約者の寿命に関連したあらゆる種類の保険契
約および協約を提供している。同社は、個人保険事業の労働力のほとんどを占めており、業務に必要
とする資源を保険部門の他の事業体に対して提供している。
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・ BPCE Assurances 。損害保険会社であり、あらゆる種類の損害・災害保険商品(専門家向けの自動車保
険、マルチリスク住宅保険、個人傷害保障、医療保険、法的保護保険ならびに事業保護保険および個
人保護保険)を提供している。
・ Natixis Life 。ルクセンブルクを拠点とする生命保険会社であり、富裕層顧客向けの生命保険および
投資ソリューションを提供している。
・ BPCE Prévoyance 。損害保険会社であり、その業務には事故、病気および様々な形態の財務損失に対す
る保険保障が含まれる。
・ BPCE IARD 。損害保険会社であり、あらゆる種類の損害・災害保険商品(専門家向けの自動車保険、マ
ルチリスク住宅保険ならびに法的保障およびマルチリスク保障)を提供している。
位置に関して言えば、保険部門の業務の大半は、フランスにおいて設立された会社を通じてフランスで行
われている。個人保険事業分野は、ウェルス・マネジメントの顧客を対象とする生命保険商品に特化した、
ルクセンブルクを拠点とする事業体も所有している。かかる事業体は、 BPCE ネットワークおよび欧州連合加
盟国諸国における当行グループ以外の事業体の顧客を有する。また、個人保険事業分野は、現地の民間銀行
と提携している子会社の持分を通じて、レバノンにおいて事業体を所有している。
保険部門は、 Groupe BPCE が主にその2つの主要なバンキング・ネットワークである Banques Populaires お
よび Caisses d'Epargne の貯蓄銀行の顧客に対応する、本格的なバンカシュアランスのプレーヤーになるとい
う戦略的な意欲に沿って、 2014 年に創設された。かかる戦略的な活動により、以下の主要な構造に関する取
引が実施された。
・ 2014 年3月、 Natixis Assurances は、 Caisses d'Epargne ネットワークの顧客のために設立された損害
保険会社である BPCE Assurances の 60 %を取得し、 2017 年には以前は MACIF および MAIF によって所有さ
れていた残りの 40 %の資本持分を買収した。かかる取引により、 Natixis Assurances が BPCE
Assurances の唯一の株主となった。 Covéa とのパートナーシップ契約の再交渉により、 BPCE
Assurances は、 Caisses d'Epargne の銀行の個人顧客に加えて Banques Populaires の銀行の個人顧客と
の新たな損害保険業務を取り扱っている。
・ Groupe BPCE および CNP Assurances 間の既存の提携の条件に関する再交渉は、 2015 年第1四半期に終了
した。これにより、個人保険事業分野により取り扱われる退職貯蓄および個人保護保険に関する生命
保険契約の販売は、 2016 年1月1日に有効となり、 Caisses d'Epargne ネットワークにまで拡大され
た。
ナティクシスの保険部門は、その様々な運営事業体を通じて、事業の主要な貢献者である Banques
Populaires および Caisses d'Epargne の銀行とともに、広範囲に及ぶ生命保険契約および損害保険契約を現在
提供している。
保険部門の業務環境
2017 年末に開始された本部門の戦略計画である 2018 年 -2020 年のニュー・ディメンション計画は、差別化さ
れた顧客体験および最高レベルの業績を達成することにより、 Natixis Assurances のフランス国内における
先駆的な発行体としての地位を強固にすることを目標としていた。かかる新計画は現在、 Banques
Populaires の銀行および Caisses d'Epargne の銀行にさらに貢献できるよう、 Natixis Assurances が運営する
単一的な管理プラットフォームを設定し、損害・災害保険のすべてのバリュー・チェーンを構築するもので
ある( Innove#2020 計画)。
ここ数年間において、保険部門は、前例のない市場環境の中で事業を行ってきた。マクロ経済的および財
政上の変化により、金融政策が導入され、退職貯蓄に関する生命保険契約およびそれより程度は低いものの
損害保険事業にも大きな影響が及んだ。特に、生命保険のプレーヤーにとって収益の主要な源泉となった歴
史的な低金利により、商品戦略および投資戦略において以下の大幅な変更がもたらされた。
・ 持続可能な事業の競争力と支払能力の保護との間のバランスを中期的に確保するため、生命保険商品
は、様々な利害関係者間の成果の分配の改善を目的としていた。同様に、個人保険事業分野は、市場
金利の急激な低下に対し、保険契約に取り入れている再評価を引き下げることにより対処した。これ
により、個人保険事業分野は、 2020 年末現在に2年超の再評価された残高を示す利益分配準備金の大
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部分を蓄積することができた。この準備金は、今後8年間にわたり「保険契約」の再評価を補填する
ための重要な備えとして使用することができる。
・ ユニットリンク商品における流入額および投資された資産の割合を増加させることを目的とした、最
終顧客およびビジネス・プロバイダーのネットワークを対象とした様々な商業的取組み。
・ 従来型の固定金利資産からの利益が着実に減少しているため、資産管理方針において以下の複数の変
更がもたらされた。
・ 民間債務への債券投資の多様化。
・ エクイティ・バケットの経常的な配当金が生じる株式への漸進的な再分配。
・ プライベート・エクイティおよび実物資産に係る非上場株式投資のバケットの設定。
加えて、保険事業は健全性規制監督を通じて監視されており、かかるプロセスには以下の重要な変更がみ
られた。
・ 2016 年以降、ソルベンシー2指令により、組織構造、業務手順および展開された業務に対して要求さ
れるソルベンシーの最低要件の評価システムが変更された。歴史的に低金利な現在の状況において、
かかる変更は大きな課題となっている。保険部門は、その統治手続およびリスク管理手続を変更する
ことで、この課題に対する準備を行った。
・ 同様に、保険部門についての規制( PRIIPS 、 IDD 、 GDPR 、債務返済補償保険分野における終了の簡便
化)が導入され、いずれの規制も商品および業務手順の変更につながる可能性がある。
・ さらに、 IFRS 第9号および IFRS 第 17 号の発効により、保険部門はその財務的および技術的な監督を適
応させることを要求される。 Natixis Assurances は、 2023 年1月1日と予測される当該基準の適用に
向けた準備作業を続けている。
最後に、デジタル技術の急速な発展ならびに販売および顧客インタラクションの新たな手法の開発におけ
るデジタル技術の適用は、保険部門が綿密に監視している好機の源となっている。これに基づき、保険部門
は、以下を目指す方針を追求してきた。
・ 管理手続のデジタル化。かかる事業は、残高に係る管理コストの点で最も効率的なプレーヤーの一員
として自らを位置付けるため、付加価値の低い手続のデジタル化および自動化を継続していく予定で
ある。生命保険および医療保険事業においては、 2018 年に、類似の Banques Populaires および Caisses
d'Epargne 向けの組織、ツールおよび顧客関係プロセスを有するマルチサイト、マルチブランドの顧客
関係モデルが展開された。不動産管理のためのプラットフォームも創設された。
・ 新たなデジタル・ツールおよび顧客行動を取り入れるための申込手続の適応。損害保険の申込の大部
分が既に実行済みであり、インターネット経由で電子署名により正式に承認された。これらの取組み
における急速な展開を未然に防ぐための対策がとられた。
・ 作業場にインストールされたアプリケーションを使用する支店内取引ならびに多数の商品および管理
業務を対象に徐々に本格展開されたセルフケア・オプションを通じた顧客主導型取引への移行によ
る、経営管理業務の縮小の継続。
・ 業務効率およびサービス品質の改善を目的とする情報システムの適合の継続。 BPCE Assurances の保険
金請求管理の転換およびデジタル化プロセス( Purple#Care 計画)により、 2020 年6月末において、新
たな保険金請求管理の IT システムの展開が完了した。最後に、事業分野の成長を早め、処理のデジタ
ル化および自動化により収益性および業績を向上させ、リスク統制を改善することを目的とした
Natixis Life の IT システムの近代化の計画が、 2018 年に実行に移され、 2020 年に展開された。
・ 事業活動における変更への対処または適切な社内の技術もしくは専門知識が即時に利用可能でない特
定の業務の処理を行うための、付加価値の低い業務の外部委託。
・ Groupe BPCE ネットワーク全体を対象とした、損害保険に関する単一の事業モデルの導入。 Banques
Populaires および Caisses d'Epargne の銀行の損害保険に関する経営管理業務および事務管理業務の
プールを目的とした #Popt'Timiz 計画が成功裏に完了した。 BPCE Assurances が Banques Populaires お
よび Caisses d'Epargne のリテール顧客の唯一の損害保険プラットフォームとなる #Innove2020 計画な
らびに Caisses d'Epargne および Banques Populaires の両方のネットワークの専門家向けの専用プラッ
トフォームである BPCE IARD は 2020 年に成功裏に展開され、 Banques Populaires の銀行のニューオート
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およびマルチリスク住宅保険の提供ならびに Caisses d'Epargne の銀行の新たなマルチリスク住宅保険
の提供にとって前向きな商品開発の勢いをもたらした。現在、すべての Banques Populaires および
Caisses d'Epargne の銀行が、プログラム(新たに設計された体験、新商品の提供、新情報システム)
に基づいて実施された業務による恩恵を受けている。
よって、かかる2つの事業分野に関する Natixis Assurances の戦略は、価格競争力と基礎的な技術パラ
メーター保持との間の適切なバランスを維持することにより、持続可能な水準の事業活動を展開することで
ある。
個人保険
直販による収益は、 17 %減少して、 9.2 十億ユーロとなった。健康危機によって、最初のロックダウン時に
代理店が休業となったことが、特にスペインにおいて、本年上半期における事業の大幅な減少につながった
が、事業は6月に 2019 年に近い水準まで回復した。運用資産は、6%増加して 72.7 十億ユーロとなった。個
人保護保険および債務返済補償保険の事業による収益は、 2020 年には6%増加し、 1,053 百万ユーロとなっ
た。
損害保険
損害保険による収益は、継続して増加し、損害・災害保険の保険料収入は総額 1,654 百万ユーロとなり、
5%増加した。成長は、自動車保険(5%増)およびマルチリスク住宅保険(7%増)に牽引された。契約
のポートフォリオは、両方のネットワークにおける好調な販売業績を背景に、 2020 年末までに5%増加し、
6.4 百万件の保険となった。
(d) 決済
Natixis Payments は、 Groupe BPCE の支援を受けた決済サービス事業者である。同社は、すべての経済主体
に対してあらゆる種類の決済ソリューションおよび関連するサービスを提供する。
決済処理ソリューションに関する Natixis Payments Solutions 、 Natixis Intertitres 、 Dalenys 、
PayPlug 、 Comitéo 、 Titres Cadeaux 、 Le Pot Commun 、 S-money および Joinly を含む多数の事業体を通じて、
Natixis Payments はすべてのバリュー・チェーンにおいて事業を行っており、これには発行、取得、オンラ
イン決済、イーウォレット、プリペイドカードおよびその他が含まれる。このため、 Natixis Payments は、
国内および海外の決済手段の包括的な管理を提供している。
同社は、厳選したパートナーとともにあらゆる種類の革新的なソリューションを開発するべく、その確固
たる技術的知識、フィンテックおよび専門家チームを活用している。
2020 年に再編された3つの新たな事業ユニットを中心に構築された当該部門の組織構造には、当該部門が
提案するすべてのソリューションが以下のとおり反映されている。
・ 主に Banques Populaires および Caisses d'Epargne のネットワークを代理して、電子バンキングおよび
キャッシュ・フロー処理事業を担当する決済の事業分野( Natixis Payments Solutions )。
・ オムニチャネルの e コマース・ソリューション( Dalenys / PayPlug )および発行、決済手段の管理
( Smoney )ならびに非営利団体向けオンライン寄付( Joinly )の販売を行うデジタル決済の事業分野
( Dalenys 、 Payplug 、 Smoney 、 Joinly )。 Dalenys および Payplug の e コマースの提供は、それぞれ大規
模送金業者および中小規模事業者を対象としている。 Smoney は Visa と提携し、 Xpollen のプラット
フォームを通じて、決済手段の発行および管理を保証している。
・ 従業員に対する幅広いサービス(レストラン・バウチャー、ギフトカード、チケット、オンラインの
懸賞)を提供し、そのデジタルサービスの資金を供給する福利厚生の事業分野( NIT 、 Comitéo 、
Vouchers Gifts 、 Lakooz )。
Natixis Payments は、欧州におけるリテール、大企業、中小企業、政府、フィンテック、非営利団体、金
融機関および個別の市場での目的に応じたユーザー指向のソリューションをもって、すべての市場セグメン
トを対象としている。
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2020 年において、 Natixis Payments は、すべての分野(発行、買収、決済処理、不正防止)におけるサー
ビスで同水準のサービスを保証することに特に重点を置き、健康危機の間も顧客への支援を継続した。さら
に、同社は、特に非接触型決済に対する 50 ユーロという新たな制限、ミール・バウチャーの上限の増額およ
び リテール部門向けの e コマース・ソリューションの導入時の顧客の経済活動を支援するためのソリューショ
ンを迅速に実施するために総力を結集した。
この部門はまた、引続き採用に弾みがあり、その専門性の幅を広げ、極めて重要な新技術をその開発
(データ、 IT の構築、グロースハッキング、価格設定)に活かすべく、 150 名の従業員を新たに雇用した。
(e) 金融投資
Coface
取引リスクの防止および法人顧客向け保証における世界的な専門家
75 年間の経験および密な地理的ネットワークにより、 Coface は、信用保険、リスク管理および世界経済に
おけるベンチマーク企業となった。 Coface の専門家は、信用保険業界における最も機動的なパートナーとな
ることを目指し、世界経済の中心で活動している。また、 50,000 の顧客を彼らの顧客による金銭上の債務不
履行リスクから守ることで、成功する活発で成長志向の企業を築く手助けをしている。 Coface のサービスお
よびソリューションは企業を守り、彼らが国内および輸出市場の双方における商品の販売力強化に必要な信
用関連の意思決定を行う手助けをしている。
Coface による新たな 2023 年戦略計画「ビルド・トゥ・リード」の立上げ
パリで開催された 2020 年2月 25 日の「インベスター・デー」において、 Coface は 2023 年の新たな戦略計画
である「ビルド・トゥ・リード」を発表した。この計画は、「フィット・トゥ・ウィン」で始まった変革を
さらに拡大し、深めることを目的としている。
株式保有の変動
2020 年2月 25 日、ナティクシスは Coface の株式資本の 29.5 %を Arch Capital Group Ltd に売却することを
発表し、当該取引の最終的な完了以降は Coface の取締役会に加わらないというナティクシスの意向を表明し
た。ナティクシスはまた、かかる Arch との契約において、当該日付で取締役会のメンバーは 10 人で構成さ
れ、うち4名が Arch による指名を受けた者となり、6名が独立取締役(現在の5名の独立取締役を含む。)
となる旨が規定されていることを明らかにした。
信用保険の利用可能性を保証するため、 Coface は多くの国と協力している。
2020 年において、多くの政府は、多くの企業にとって資金調達の主要な資金源である企業間信用を維持す
る上で、信用保険が担う重要な役割を迅速に認識した。リスクに対して必ずしも保険がかけられるとは限ら
ない場合においては、信用保険の利用可能性を保証するために多くの国が補償メカニズムを設定している
が、その形態および範囲は様々である。このため、 Coface は、 2020 年 12 月 31 日現在、エクスポージャーの
64 %を占める国々と 13 の契約を締結した。
格付機関は、 Coface の優れたパフォーマンスを認識している。
格付機関は、様々な経済部門に関して危機により起こりうる帰結を迅速に分析した。保険部門、特に信用
保険においての最初の反応は、信用格付けの引下げの予測であった。 2020 年 12 月 31 日現在の Coface の格付け
は、 Moody's が A2 (ネガティブな見通し)、 Fitch が AA- (ネガティブな見通し)および AM Best が A (エクセレ
ント)(安定的な見通し)であった。
GIEK Kredittforsikring AS (ノルウェー)の取得
7月1日、 Coface は、 2001 年に設立され、ノルウェーの輸出信用機関である GIEK によって以前は引き受け
られていた短期輸出信用保険事業を統合した企業である GIEK Kredittforsikring AS の取得が完了したことを
発表した。当該事業は現在、 Coface GK のブランドの下で運営されている。
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取締役への任命
Coface S.A. の取締役会は、9月9日に会合を開き、ナティクシスの最高経営責任者であるニコラ・ナミア
氏が取締役会会長に選任された。同氏は、ナティクシスを退社した後、 Coface S.A. の取締役を退任したフラ
ンソワ・リアイ氏の後任となった。
2021 年2月 10 日、ナティクシスと Arch Capital Group Ltd. は、ナティクシスが有する 29.5 %の Coface の持
分の Arch Financial Holdings Europe IV Limited への売却が完了したことを発表した。 Arch がナティクシス
分の4席を占めるため、今後ナティクシスが Coface の取締役会に加わることはない。ナティクシスは金融投
資として、残りの Coface の 12.7 %の持分を保有する。
2020 年の業績
連結収益は 2019 年と比較して 0.6 %減少し、 1,450.9 百万ユーロとなった(恒常的な連結範囲と為替レート
の場合。)。純合算比率は 79.8 %となり、 2019 年( 77.7 %)と比較して 2.1 ポイント増加した。これは 2019 年
と比較して、損害率が 2.7 ポイント増加して 47.7 %となったことおよび費用比率が 0.6 ポイント減少して
32.1 %となったことによるものである。当年度末、親会社の所有者に帰属する純利益は、( 2019 年の 146.7 百
万ユーロと比較して) 43 %減少して 82.9 百万ユーロとなり、株主資本利益率は 4.8 %となった。 2020 年 12 月 31
日現在の推定ソルベンシー比率は、 204.7 % ( 注1 ) (政府計画の影響を除くと 191 %)となり、目標とする
155 %から 175 %のゾーンを上回った。 Coface は株主に対して、合計 100 %の配当率となる、1株当たり 0.55
ユーロの配当 ( 注2 ) を提示する予定である。
( 注1 ) こ の推定ソルベンシー比率は、 Coface のソルベンシー2の規制の解釈および部分的内部モデルの使用に基づく試
算である。最終的な計算の結果が、かかる試算とは異なる可能性がある。当該推定ソルベンシー比率は、未監査
である。
( 注2 ) かかる配当の提示は、 2021 年5月 12 日の株主総会による承認を条件とする。
見通し
2021 年の始まりは、健康面での不確実性の更新により特徴付られた。世界的なワクチン・キャンペーンが
始まると、新型の(しばしばより感染力の強い)ウイルスが出現した。これにより拡大を抑制するためのよ
り厳格な措置が必要となり、経済回復はさらに遅れている。現段階では、これらのウイルスがまだワクチン
に対する感応性を持っているとみられている。パンデミックの影響が少ない地域(特にアジア)において
は、成長が続いている。このため、現在の危機で多数の大きな傾向(経済のデジタル化の拡大、ゾンビ企業
の急増および日本の状況と類似した経済環境)が加速し、各国間および各経済部門間において大きな不均衡
が生じている。
この不確実性を背景として、信用保険における卓越性、隣接する事業の展開および機敏性に基づく Coface
の戦略は、特に適切なものである。さらに、 Coface はサプライヤーの信用を可能な限り維持することを目的
として専用の信用保険制度を設定している国との協力を継続している。 Coface は、 2020 年に開始された計画
の延長が適切であると判断したため、これに署名した。
4 【関係会社の状況】
(1) 親会社
2021 年3月 31 日現在
親会社が保有する
親会社の名称 設立地 および 営業地 資本金 主要事業
当行の議決権比率
(%)
BPCE S.A.
フランス・パリ 2,227,221,174 ユーロ 銀行業 70.528
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*
(a) Groupe BPCE の子会社
* フランスで2番目に大きな銀行グループ。出典:市場シェアは顧客貯蓄において 22 %、顧客貸出金において 21.5 %
( Banque de France 2020 年第3四半期(すべての非金融機関顧客))
(1) Fédération Nationale des Banques Populaires
(2) Fédération Nationale des Caisses d'Epargne
(3) ローカル・セービング・カンパニー経由。
(4) Banque Palatine 、 Oney Bank のファイナンス・ソリューションおよび専門部門内にグループ化された子会社。
(5) 流通株式: 29 %。
(b) BPCE との金融 相互支援メカニズム
ナティクシスを含め、すべての Groupe BPCE の中央機関に属する機関は、保証および相互支援メカニズムに
より恩恵を受けている。これは、フランス通貨金融法典第 L.511-31 条および L.512-107- 6条に従い、すべて
の関連機関の流動性および自己資本を保証し、当行グループ内で金融支援を組織することを目的としてい
る。かかる金融支援は、法的相互支援メカニズムを課している法的条項に基づいている。かかるメカニズム
により、中央機関は、必要に応じてすべての貢献する関係会社の全能力および規制上の自己資本を動員する
ことで、困難にある関係会社および/または当行グループのすべての関係会社の流動性またはソルベンシー
を回復するよう義務付けられている。かかる法的相互支援メカニズムを十分に実施した結果、1つまたは複
数の関係会社が裁判所命令による清算を行うことはできず、すべての関係会社の場合でない限り、 EU 指令第
2014/59 号の意義の範囲内において破綻処理方策により影響を受けることもない。
したがって、裁判所による清算手続は、フランス通貨金融法典第 L.613-29 条に基づき、中央機関およびそ
のすべての関係会社を統合した方法で実施される。これにより、ナティクシスが困難に直面した場合、 ( ⅰ )
BPCE は、第一に株主として自己資金を動員し、 ( ⅱ ) これが十分でない場合、 BPCE は、 Banques Populaires お
よび Caisses d'Epargne の2つのネットワークが均等に拠出し、年間出資(基金に対する要求がある場合に
は、これに充当する金額に従い)を通じて増加する見込みである、 2020 年 12 月 31 日現在で合計資産 351.4 百万
ユーロの BPCE が創設した相互保証基金を用い、 ( ⅲ )BPCE の自己資金およびかかる相互保証基金が不十分であ
る場合には、 BPCE は、合計 900 百万ユーロの Banques Populaires および Caisses d'Epargne の2つのネット
ワークのそれぞれの保証基金、ならびに BPCE の定期口座の帳簿における 10 年間の固定定期預金(無期限で更
新可能)の形で Banques Populaires 銀行および Caisses d'Epargne により預金された、 2020 年 12 月 31 日現在で
176 百万ユーロの Banques Populaires および Caisses d'Epargne の相互保証基金を用いることができる。
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最終的には、 ( ⅳ )BPCE の自己資本およびこれらの3つの保証基金の利用が不十分である場合には、すべて
の Banques Populaires の銀行および Caisses d'Epargne に対して追加の金額を要求する。
すべての関係会社に関する裁判所命令による清算の場合、すべての関係会社の外部債権者は、所定の関係
事業体との関係にかかわらず同一の方法で、当該債権者の順位および階層順により管理される。したがっ
て、 AT 1資本およびその他同等の証券保有者は、 T 2資本およびその他同等の証券保有者よりも影響を受け、
T 2資本およびその他同等の証券保有者は、対外非上位優先証券保有者よりも影響を受け、対外非上位優先証
券保有者は、対外上位優先証券保有者よりも影響を受ける。破綻処理の場合、同等の順位の債権および債務
には、同一の評価減および/または転換率が所定の関係事業体との関係にかかわらず上記に定めた階層順で
適用される。
ナティクシスのように、裁判所命令による清算および破綻処理方策の対象とされず、当行グループの相互
支援メカニズムにも貢献していない事業体だけが、他の破綻した関係会社のベイルインへの寄与から除外さ
れる。
上記の保証基金が、 BPCE の執行役会または金融危機に取り組む当局のイニシアチブで始められた Groupe
BPCE の内部保証メカニズムで構成されており、必要とみなされる場合には、その適用を要求することができ
るという点は留意すべきである。
破綻処理手続は、 Groupe BPCE に対して、 ( ⅰ ) 当行グループのデフォルトが判明または予測できる場合、
( ⅱ ) 他の方法により、合理的な時間枠内でかかるデフォルトを回避できると合理的に見込めない場合、なら
びに ( ⅲ ) 破綻処理方策が破綻処理目標である (a) 重要な機能の継続性の保証、 (b) 財政の安定性に対する重大
な悪影響の回避、 (c) 特別な公的財政支援の利用を最小化することによる政府資源の保護、および (d) 顧客、
特に預金者の資金および資産の保護を達成するために必要となる場合に開始される。機関は、その承認の条
件に従っておらず、満期となる債務もしくはその他のコミットメントを支払うことができていない場合、ま
たは特別な公的財政支援を要求する(限られた例外の対象となる)もしくは負債の価値が資産の価値を超え
た場合にデフォルトに陥ったとみなされる。
ベイルインの権限に加えて、破綻処理当局は、経営不振の機関との関連で他の破綻処理方策を実施するた
めの幅広い権限を与えられており、特定の状況下では、かかる機関のグループとの関連、特に、第三者もし
くはブリッジ機関に対するすべてまたは一部のかかる機関の事業売却、資産の分離、負債としてのかかる機
関もしくは負債性金融商品の後継または代理、負債性金融商品の契約条件の変更(満期日および/または未
払利息額の変更および/または一時的な支払い停止を含む。)、金融商品の取引または上場の承認中止、お
よび執行役員の解任または一時的な管理者(特別管理者)の任命ならびに資本またはエクイティの発行に関
するものも含まれる。
(2) 子会社および関連会社
2021 年3月 31 日現在、当行は、持分法により完全連結子会社 262 社および関係会社7社を計上している。
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 17 を参照のこと。
5 【従業員の状況】
従業員数
ナティクシス・グローバル ( 注1 ) の契約社員数
部門別内訳
ナティクシス・グローバル
(a)
2020 年 2019 年
2018 年
コーポレート・バンキングおよびインベストメン
ト・バンキング 3,617 3,676 3,625
資産運用およびウェルス・マネジメント 5,155 4,914 4,730
保険 2,058 2,033 1,882
専門金融サービス - - 2,652
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決済 1,143 1,061 1,021
支援部門およびその他 4,933 4,593 4,581
合計(金融投資を除く。) 16,906 16,277 18,491
(c)
772 5,203 5,136
金融投資
ナティクシス・グローバル合計 17,678 21,480 23,627
地域別内訳(%)(金融投資を除く。)
(a)
2020 年 2019 年
2018 年
(b)
フランス 66.6 % 67.8 % 72.7 %
EMEA 11.9 % 10.5 % 8.3 %
北米および南米 16.4 % 16.7 % 14.7 %
アジア太平洋 5.1 % 5.0 % 4.3 %
*
ナティクシス・グローバルにおける 17,678 件の契約は、常勤労働者 16,943 名(経営データ)に該当する。
16,943 名の常勤労働者の部門別の内訳は、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングが 3,572
名、資産運用およびウェルス・マネジメントが 5,020 名、保険が 1,898 名、決済が 1,088 名、支援部門およびその他が 4,615
名、金融投資( Natixis Algérie )が 750 名となる。
経営データを利用すると、 16,943 名の常勤労働者の事業分野別の全体的な内訳は、コーポレート・バンキングおよびイ
ンベストメント・バンキングが 2,597 名、資産運用およびウェルス・マネジメントが 5,020 名、保険が 1,898 名、決済が
1,088 名、支援部門およびその他が 5,590 名、金融投資が 750 名( Natixis Algérie )となる。
(a) 2018 年および 2019 年にかけて事業分野間の異動および再編のために修正再表示されていない数値。
(b) フランスの海外県および海外領土を含む。
(c) Natixis Algérie 。
( 注1 ) ナティクシス・グローバルとは、金融投資( Coface 、 Fimipar 、 Natixis Algérie )を含む世界各地のナティクシ
**
スおよびその子会社 の会計上の連結範囲全体を意味する。
*
常勤労働者数は、契約社員数と比較した活動率および子会社の連結比率を考慮している。なお、 90 暦日を超える業
務上の傷病/労働災害、数ヶ月の休暇(妊娠、長期有給休暇等)、退職および早期退職における労働時間勘定残高に
該当する長期欠勤中の従業員は除く。
**
ナティクシスが直接または間接的に少なくとも 50 %の持分を保有している会社。
従業員数-契約社員(経営範囲)
経営範囲 は、ナティクスシスの人事方針を適用する世界各地のナティクシスおよびその子会社すべて ( 注
2 ) を対象とする。
部門別内訳
経営範囲
(a)
2020 年 2019 年
2018 年
(b) (b) (b)
国際 国際 国際
フランス フランス フランス
コーポレート・バンキングおよびインベストメ
ント・バンキング 1,341 1,948 1,415 1,968 1,366 2,014
資産運用およびウェルス・マネジメント 2,279 605 2,178 608 2,145 242
保険 1,995 63 1,974 59 1,833 49
専門金融サービス - - - - 2,563 28
決済 690 - 682 - 653 -
支援部門およびその他 4,202 731 4,160 433 4,283 298
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10,507 3,347 10,409 3,068 12,843 2,631
合計 13,854 13,477 15,474
地域別内訳(%)
(a)
2020 年 2019 年
2018 年
(b)
フランス 75.8 % 77.2 % 83.0 %
EMEA 12.9 % 11.2 % 7.8 %
北米および南米 5.8 % 6.0 % 4.8 %
アジア太平洋 5.5 % 5.6 % 4.4 %
(a) 2018 年および 2019 年にかけて事業分野間の異動および再編のために修正再表示されていない数値。
(b) フランス国外の部門および地域を含む。
( 注2 ) 経営範囲とは、決済部門のフィンテック事業を除いた人事情報システム内で個人データが公開されている世界各
**
地のナティクシスおよびその子会社すべて を意味する。
*
契約社員数と比較し、常勤労働者数の活動率および子会社の連結比率は考慮されている。なお、 90 暦日を超える業
務上疾病/労働災害、数ヶ月の休暇(妊娠、長期有給休暇等)、退職および早期退職における労働時間勘定残高に該
当する長期欠勤中の従業員を除く。
**
ナティクシスが直接または間接的に少なくとも 50 %の持分を保有している会社。
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従業員数内訳(契約数別)
フランス EMEA 北米および南米 アジア太平洋 国際合計
2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年
契約従業員数 10,507 10,409 12,843 1,782 1,509 1,201 801 806 749 764 753 681 13,854 13,477 15,474
うち正社員契約
(%) 97.5 97.6 97.4 98.0 97.7 97.3 100.0 100.0 100.0 97.9 98.7 98.1 97.7 97.8 97.6
男性(%) 50.2 50.3 47.9 65.9 67.4 67.4 65.5 65.9 66.4 54.3 53.9 55.2 53.4 53.4 50.7
女性(%) 49.8 49.7 52.1 34.1 32.6 32.6 34.5 34.1 33.6 45.7 46.1 44.8 46.6 46.6 49.3
採用/退職
フランス EMEA 北米および南米 アジア太平洋 国際合計
2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年
新規採用数 933 1,290 1,469 454 366 363 62 102 134 100 123 154 1,549 1,881 2,120
正社員契約(%) 60.1 68.8 62.0 92.3 89.3 92.3 100 100 100 88.0 95.9 94.2 73.0 76.2 71.9
総退職数 933 1,205 1,348 179 195 179 69 114 101 87 109 94 1,268 1,623 1,722
うち辞職 217 313 345 110 121 97 42 66 63 63 85 70 432 585 575
うち解雇 82 78 83 24 15 23 12 9 13 7 8 5 125 110 124
経営範囲外の事業への異動を含む。有期雇用契約から正社員契約への転向は、新規採用数(正社員契約)および退職数
(有期雇用契約)双方に含まれる。
労働移動率(正社員契約)
フランス EMEA 北米および南米 アジア太平洋 国際合計
2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年 2020 年 2019 年 2018 年
(a)
労働移動率(%)
6.3 8.8 7.0 17.3 18.7 20.9 7.8 13.5 16.1 10.6 15.2 18.1 8.0 10.4 9.0
(b)
新規採用率(%)
6.8 10.0 7.5 25.5 24.7 29.2 7.4 12.8 18.3 11.3 16.1 22.3 9.3 12.0 10.4
(c)
退職率(%)
5.9 7.5 6.5 9.2 12.7 12.7 8.2 14.3 14.0 10.0 14.2 13.8 6.6 8.8 7.6
(a) 平均:(新規採用率 + 退職率)/2
(b) 当年度中の新規採用数/年間平均従業員数
(c) 当年度中の退職数/年間平均従業員数
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第3 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 経営方針、経営戦略および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
戦略計画
2018 年 -2020 年ニュー・ディメンション
2020 年末に完了したニュー・ディメンション計画の一環として実施されたイニシアチブにより、 ナティク
シスは発展し続け、敏捷性を強化することができた。
4つの事業分野における顧客に対する価値創造
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上記「第2 企業の概況 -3 事業の内容」ならびに下記「3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析- (3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」も参
照のこと。
(2) 経営環境
ナティクシスの将来の展望
2020 年に COVID-19 危機が発生して1年後、 2021 年の展望はより明確になり、リスクが減少する可能性が期
待されている。しかしながら、世界では、地域ごとに危機への対応の仕方が異なることから、成長に著しい
格差があるという課題が依然として残っている。ワクチン展開の成功への期待により、今後2年間の成長の
可能性が高まり、経済循環の見通しも改善した。低水準ではあるものの金利が僅かに上昇すれば、 2020 年末
から持ち直してきた株式の先行きはより明るいものとなるであろう。
成長傾向は、中国、米国およびユーロ圏の間で異なる。中国においては、金融リスクがあっても 2021 年は
輸入代替戦略を背景に持続的に成長し、引続き堅調な状況が続くであろう。 2021 年の GDP の水準は 2019 年を上
回ると予想されている。米国の状況は、健康危機の非常に激しい回復を考えると、より複雑になる。予想さ
れる成長は低く、第1四半期にはマイナスになる可能性もあり、下院において 2021 年2月に既に承認された
刺激策が実施されることとなった。 GDP は 2021 年末に 2019 年の水準には戻らないと予想されている。ユーロ圏
において、健康危機は 2021 年の初めにまだ非常に存在している。しかしながら、ユーロ圏では、様々な刺激
策により、 2021 年中には 2019 年の GDP の水準に到達することはないものの、 2022 年第1四半期末までに取り戻
すことが可能になるはずである。
各国の財政政策がマクロ経済の推進力の中心となり、金融政策がこの動きを支える。これはすべての満期
に対して低金利を維持するために役立っている。成長が限定的で財政政策が長期にわたって緩和的である欧
米を中心に、公的債務の水準が焦点となる。このような背景から、 2021 年初めにはインフレのリスクに対す
る疑念が生じ、米国では長期金利が上昇した。
この間、 10 年物債券および 10 年物 UST の利回りは、 2021 年末にそれぞれ 30 ベーシスポイントすなわちプラス
1.70 %に向けて徐々に上昇し、これはカーブの急勾配と関連している。よりリスクの低い環境では、末梢ス
プレッドも引続き引き締める必要がある。最後に、株式市場は成長の回復および利益予測の改善から恩恵を
受けている。
ナティクシスの事業については、 2021 年中に実施される可能性のある新たな中期計画の発表に先立って、
2020 年第3四半期に多くの戦略的展開が発表された。
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資産運用では、 Ostrum AM および LBP AM の経営統合が完了し、 Natixis IM が保有する H2O AM の株式 50.01 %
を資産運用会社の経営陣に売却する売買契約が締結された。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングについては、最も複雑な商品の廃止およ
びエクスポージャー制限の緩和を目的とした株式デリバティブ事業分野の再編が 2020 年第4四半期末に実施
された。この再編により、株式事業の年間収益は約 300 百万ユーロになる見込みである。また、コーポレー
ト・バンキングおよびインベストメント・バンキングについても、 2020 年中に貿易金融事業の見直しが行わ
れ、 2022 年までの完全撤退を目指して、シェールガスおよび石油に関連するエクスポージャーの削減が継続
するはずである。
ナティクシスはまた、事業分野の開発のために必要な機動力を確保するため、約 270 百万ユーロ( 2023 年ま
で拡大)の例外項目に分類される投資額を対象に、 2024 年までに約 350 百万ユーロの経費節減( 2021 年に最大
120 百万ユーロ、 2022 年に最大 250 百万ユーロ、 2023 年に最大 310 百万ユーロ、 2024 年に最大 350 百万ユーロを
達成)をすることを目標とした運用効率化計画を発表した。
ソルベンシーについては、 H2O AM の株式資本の 50.01 %および Coface の株式資本の 29.5 %( 2021 年2月 10 日
に確定)の売却により、 2021 年に予想される規制上の影響の残り( TRIM 銀行、 SA-CCR )(軽減後、約 20 ベー
シスポイントであると予測される。)を吸収することが可能になるはずである。
2021 年2月9日、 Groupe BPCE は、 Groupe BPCE が保有していないナティクシスの株式の約 29.3 %( 2020 年
12 月 31 日現在の発行済全額払込済株式に基づく。)を、1株当たり4ユーロの価格(配当込み)で公開買付
けを行う意向を発表した点は留意すべきである。 BPCE は、当該公開買付け後に少数株主が当行の株式および
議決権の 10 %超を保有しない場合には、 BPCE が保有していないすべての株式についてスクイーズアウトの手
続を実施する意向を発表した。この公開買付け案は、ナティクシスの事業分野の発展および機能的なチャネ
ルの簡略化のための意欲的な産業プロジェクトの一環であり、 Groupe BPCE はこれを検討予定である。 2021 年
2月 10 日、 BPCE S.A. は、フランス金融市場庁( Autorité des Marchés Financiers )に情報文書(特に当該
取引の計画日程を含む。)を提出した。これは以下のウェブアドレスにて閲覧可能である。
https://groupebpce.com/en/content/download/24062/file/Communiqu%C3%A9%20norm%C3%A9%20du%20d%C3%
A9p%C3%B4t%20du%20projet%20de%20note%20d%27information%20-%20ENG.pdf
下記「2 事業等のリスク」ならびに「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析 - (3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」も参照のこと。
(3) 対処すべき課題
下記「2 事業等のリスク」ならびに「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析 - (3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
2 【事業等のリスク】
本項に含まれる将来予測に関する記述は、本書の提出日現在の予測である。
規制比率
11.6 % 15.6 %
段階的な CET 1比率 資本比率合計
3.9 % 105 %
レバレッジ比率 LCR
金融構造
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リスク加重資産
リスク分類別資本要件 事業分野別資本要件
(1) リスク要因
ナティクシスがさらされているリスクの主な種類は、以下のとおりである。現在、これらは重要なリスク
として認識されており、ナティクシスの見積りによると、ナティクシスの業務の実行力に悪影響を及ぼす可
能性がある。また、通常、これらのリスクは、ナティクシスのソルベンシー比率または純利益に与える可能
性がある影響の観点から測定されている。以下に記載されているリスク要因は、 COVID-19 による健康危機の
影響を反映して更新されている。ナティクシスがそのすべての事業分野にわたりさらされているリスクは、
特に、マクロ経済上およびナティクシスの業務環境の規制上の変更または戦略の実行および事業の実施に関
するいくつかのリスク要因から発生する可能性がある。
「目論見書3」として周知されている、 2017 年6月 14 日付規則( EU )第 2017 / 1129 号第 16 条の 2019 年7月
21 日付で効力が発生したリスク要因に関する規制に従って、ナティクシスの事業特有のリスクは、以下の6
つの主要なカテゴリーとして示される。
・ 信用リスクおよび取引相手方リスク
・ 金融リスク
・ 非金融リスク
・ 戦略および事業リスク
・ 保険事業に関するリスク
・ ナティクシスの有価証券の保有に関するリスク
以下のリスク要因の記載は、ナティクシスの構造に基づいて評価される。 2021 年2月9日、 Groupe BPCE
は、 Groupe BPCE が保有していないナティクシスの株式の約 29.3 %( 2020 年 12 月 31 日現在の発行済全額払込済
株式に基づく。)を、1株当たり4ユーロの価格(配当込み)で公開買付けを行う意向を発表した。 BPCE
は、当該公開買付け後に少数株主が当行の株式および議決権の 10 %超を保有しない場合には、 BPCE が保有し
ていないすべての株式についてスクイーズアウトの手続を実施する意向を発表した。この公開買付け案は、
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ナティクシスの事業分野の発展および機能的なチャネルの簡略化のための意欲的な産業プロジェクトの一環
であり、 Groupe BPCE はこれを検討予定である。 2021 年2月 10 日、 BPCE S.A. は、フランス金融市場庁
( Autorité des Marchés Financiers )に情報文書(特に当該取引の計画日程を含む。)を提出した。これは
以下のウェブアドレスにて閲覧可能である。
https://groupebpce.com/en/content/download/24062/file/Communiqu%C3%A9%20norm%C3%A9%20du%20d%C3%A9
p%C3%B4t%20du %20projet%20de%20note%20d%27information%20-%20ENG.pdf
信用リスクおよび取引相手方リスク
信用リスクおよび取引相手方リスクの集中により、ナティクシスのエクスポージャーが高まる可能性があ
る。
ナティクシスは、そのコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング( CIB )部門が主に
行う融資、ストラクチャリング、取引および決済活動を通じて、信用リスクおよび取引相手方リスクにさら
されている。
信用リスクおよび取引相手方リスクは、ナティクシスが認識する主要なリスクの1つであり、 2020 年 12 月
31 日現在の RWA 合計の 73 %を示した。
したがって、 2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの信用リスクおよび取引相手方リスクのエクスポー
ジャー( CVA を除くデフォルト時エクスポージャー)は合計で 277.7 十億ユーロとなり、主に企業( 38 %)、
銀行および類似項目( 30 %)ならびにソブリン( 21 %)に分かれていた。信用リスクおよび取引相手方リス
クのエクスポージャーのうち 47 %はフランスに集中し、フランス以外の欧州( EU 域内および域外)は 21 %、
北米は 17 %、アジアは8%を占めていた。
1つまたは複数の取引相手方が契約上の義務を履行できない場合、ナティクシスは、当該取引相手方への
エクスポージャーの集中度合いにより、様々な程度の財務損失を被る可能性がある。さらに、単一のグルー
プもしくは単一の事業部門に属する取引相手方の格付が著しく悪化した場合、または国の経済状況が悪化し
た場合にナティクシスの信用リスクのエクスポージャーが高まる可能性がある。
また、ナティクシスの融資、ストラクチャリング、取引および決済活動を実行できるかどうかは、特に、
その他の金融機関および市場参加者の安定性ならびに財務の健全性などの要因に左右される。これは、金融
機関が、主にそれらの取引、決済、取引相手方および融資業務により、相互に密接に関連しているためであ
る。金融業界市場の一参加者の不履行がその他の金融機関に影響を与え、かかる市場においてその他の参加
者による不履行の連鎖を招くことで、ナティクシスの財務損失が発生する可能性がある。
ナティクシスの減損または予想信用損失引当金の大幅な増加は、ナティクシスの業績および財政状態に悪影
響を与える可能性がある。
ナティクシスは、その活動の一環として、また必要に応じて、不良債権の引当金を認識し、損益計算書上
の「貸倒引当金繰入額」に記録された貸付金および債権のポートフォリオに関する実際の損失または潜在的
損失を反映している。 2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの貸倒引当金繰入額は、 COVID-19 による健康危機
の影響を直接受け、マイナス 851.3 百万ユーロ(うちマイナス 166.8 百万ユーロはステージ1およびステージ
2に対する引当金)となった。これは、政府による大規模な支援策にもかかわらず、経済見通しの中長期的
な悪化が想定されることを反映している。
COVID-19 のパンデミックに関連して、ナティクシスは、そのポートフォリオにおいて、次の6つの部門が
特に脆弱であると考えている。すなわち、石油/ガス(総エクスポージャーの 4.7 %)、空輸および航空/防
衛(総エクスポージャーの3%)、自動車(総エクスポージャーの 1.4 %)、ホテル/ケータリングおよび観
光/レジャー(総エクスポージャーの 0.4 %)、特化型販売(総エクスポージャーの1%)ならびに通信/メ
ディア(総エクスポージャーの 0.8 %)である。
2018 年1月1日以降、ナティクシスは IFRS 第9号「金融商品」を適用しており、これにより、金融商品の
当初認識時点で引当金を計上することが義務付けられた。この新たな引当金のモデルは、所定の利益、貸出
コミットメントおよび保証コミットメント(損益を通じて公正価値で認識されるものを除く。)ならびに
リース債権に振り替えられる回収可能なその他の包括利益を通じて、償却原価または公正価値で認識される
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残高に適用される (「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表 -連結財務諸表注記」の注記5
を参照のこと。) 。
2020 年 12 月 31 日に、ナティクシスは、健康危機に関して基準設定機関および監督当局によって公表された
勧告を考慮に入れるための調整を行った上で、 「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表 -連
結財務諸表注記」の注記 5.3 に記載されているとおり、予想信用損失について減損または引当金の計上方法を
適用した。
健康危機は経済に大きな影響を及ぼし、多くの事業部門にわたって重大な悪影響が波及した。例外的な状
況と不確実性により、ナティクシスは ESMA 、 EBA 、 ECB および IASB により公表された様々なプレスリリースに
依拠して、 COVID-19 の危機下における予想信用損失を決定した。これを踏まえて、ナティクシスはそのマク
ロ経済予測(見通し)を改め、これに COVID-19 の特別な状況および経済支援策が考慮されるよう適応させ
た。ナティクシスは 2023 年の予測で IFRS 第9号に基づく引当金のパラメーターを計算するために、以下の3
つのメイン・シナリオを用いた。基本となるケース・シナリオは、経済学者により決定されたシナリオに基
づき更新され、ナティクシスのガバナンス組織により 2020 年9月に承認された。悲観シナリオは、基本とな
るケース・シナリオの枠組に定義されるマクロ経済の変数の一層の悪化に対応するものである。楽観シナリ
オは、基本となるケース・シナリオの枠組に定義されるマクロ経済の変数の一層の好ましい改善に対応する
ものである。 2020 年の COVID-19 の危機に関連する歴史的な経済ショックの後に、基本となるケース・シナリ
オは、 2021 年からの力強い GDP の回復とその後数年の経済活動の段階的な一層の通常化を予測している。経済
活動はその後、 2023 年には危機前( 2019 年)の水準に戻ることが予想される。
さらに、 2021 年 -2024 年戦略計画を作成する一環として、新しい基本シナリオが展開された。この新しい基
本シナリオは 12 月に当局に承認され、 2020 年 11 月のコンセンサス予想に大部分が一致している。移行マト
リックスを決定するためのモデルに用いられる金融変数の予測に関しては、新しい基本シナリオと 2020 年 11
月のコンセンサスは一致していた。
様々な予測が近似していることを考慮して、 IFRS 第9号に基づく正常債権に対する引当金は、 2020 年9月
に承認され加重が調整(当該調整は 2020 年 12 月に承認)されたシナリオを基礎として決定された。
使用されるシナリオの加重は、制限措置実施後のいくつかの経済変数の悪化だけでなく、昨年 11 月のワク
チン関連の発表の金融市場へのプラスの影響も反映している。適用される加重は現在、悲観シナリオで
5%、中庸シナリオで 85 %、楽観シナリオで 10 %である。
デフォルト確率( PD )は、6ヶ月から 12 ヶ月の期間における各部門の格付評価に基づき部門ごとに調整さ
れる。部門の将来予測加重平均 PD は、移行マトリックスによって決定され、部門の予想格付に相当する PD と
合致するよう比較および調整が行われる。方法論的な観点からは、 2020 年 12 月 31 日に実施された部門別のデ
フォルト確率の調整が、リスクの増加をモニタリングするための基準として、部門格付の変更に代わるもの
となった(下記を参照のこと。)。
かかる枠組の下、当初認識時以降に信用リスクが大幅に増加していない正常債権(ステージ1)は、 12 ヶ
月間の予想損失で引当金計上される。当初認識時以降に信用リスクが大幅に増加したが、不良債権には分類
されない不採算債権(ステージ2)は、存続期間予想損失に基づいて引当金計上される。不良債権(ステー
ジ3)は、減損の客観的証拠がある債権である。ナティクシスは、個々の予想されるキャッシュ・フローの
回復分析に基づき、これらのキャッシュ・フローが取引相手方の活動によるものか、または担保の潜在的な
執行によるものかを問わず、不良債権の引当金を決定する。かかる個々の分析に従って減損されない不良債
権は、引当金ではない債権に対する過去の偶発損失に基づいた標準比率で引当金計上される。
2020 年 12 月 31 日現在、顧客の不良債権は 3,596 百万ユーロとなり、主に、 26.1 %はフランス、 22.2 %はフラ
ンス以外の欧州、 18.0 %は北米、 9.4 %はアジア、 13.3 %は中央およびラテンアメリカで構成されていた。ナ
ティクシスの顧客への総貸付残高に占める不良債権比率は 5.52 %であり、不良債権のカバレッジ比率は
32.6 %であった。
ステージ1からステージ2までの間の債権の信用リスクの増加は、当初認識以降の取引相手方の格付変更
(大企業、銀行およびソブリン債の貸出金勘定)、当初認識以降1年以内の債務不履行の可能性の変化(個
人顧客、専門顧客、中小企業、公共部門およびソーシャル・ハウジングの貸出金勘定)、警戒リストへの記
載、その耐久力、取引相手方の国の格付および期日が 30 日間を経過した1つまたは複数の契約の存在を基準
に測定される。
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ナティクシス(E15244)
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健康危機(持続時間、規模、再発)を取り巻く不確実性により、経済ならびにナティクシスの取引相手方
の国および事業部門への危機の影響を予測することが困難になっている。その結果、損失および引当金が大
幅 に増加し、ナティクシスの貸倒引当金繰入額、業績および財政状態に重大な悪影響が及ぶ可能性がある。
債権などの資産の流動性が低下した、または流動性がない場合、ナティクシスがかかる資産を分配するまた
は積み立てることがさらに困難となり、その結果ナティクシスの業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能
性がある。
ナティクシスは、「販売に向けた組成」モデルに従い、シンジケーションや証券化の後の段階での分配を
目的として、特定の資産を創出または獲得する。ナティクシスの創出活動は、大企業向け融資および専門金
融に大きく集中している。分配は主に銀行および銀行以外の金融機関に関連する。
特にかかる資産において、シンジケーション市場もしくは証券化市場での流動性が低下した場合、または
ナティクシスが販売できないもしくはかかる資産の位置付けが低下した場合、予想された期間よりも長期に
わたって、ナティクシスは、かかる資産に関連した信用リスクおよび市場リスクをさらに抱える可能性があ
る。流通市場におけるかかる資産の流動性の欠如により、ナティクシスは、オリジネーション活動を縮小し
なければならない可能性があり、その結果、ナティクシスの収益および顧客との関係に影響を及ぼし、ナ
ティクシスの業績および財政状態に悪影響を与える可能性がある。さらに、市場状況を考慮して、ナティク
シスは、その業績に悪影響を与えそうな資産について評価調整額を計上しなければならない可能性がある。
金融リスク
金融市場の悪化により、ナティクシスの資本市場事業において著しい損失が発生する可能性がある。
資本市場事業の一部として、また顧客のニーズに応えるため、ナティクシスは金融市場、すなわち債券、
外国為替、コモディティおよび株式市場で積極的に活動している。
近年では、時に非常に不安定な環境で金融市場が激しく変動しており、これが再び発生して資本市場事業
において著しい損失が生じる可能性がある。
市場の高いボラティリティにより計上される損失は、ナティクシスが取引するいくつかの市場製品および
ヘッジ商品に影響を与える可能性がある。金融市場のボラティリティは、傾向の予測および効果的なポート
フォリオ・マネジメント戦略の実行を困難にして、価格が低下した場合の ネット・ロング・ポジションから
の損失のリスク、反対に価格が上昇した場合のネット・ショート・ポジションからの損失のリスクを増加さ
せる。ナティクシスは主に、株価の変動にさらされている。
例えば、 COVID-19 による健康危機は、株式リスク要因に敏感な商品を扱うナティクシスの事業分野に悪影
響を及ぼした。かかる悪影響には、以下のものが含まれる。
・ 株価のボラティリティの急激な上昇により、株価指数オプションの評価に悪影響が及んだ。
・ 引当金の急激な減少により、配当支払いの急激な減少または中止が大企業の定時株主総会において発
表され、エクイティ商品にマイナスの影響が及んだ。
2020 年 12 月 31 日現在のコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの事業分野の市場
活動に関連するリスク( CVA を含む。)は、ナティクシスの RWA 合計の 12 %を占めていることに留意された
い。
デリバティブのポートフォリオの公正価値には、ナティクシスの純利益および株主資本に影響を与える可能
性がある追加評価調整が含まれる。
ナティクシスのデリバティブの公正価値は、以下を含む特定の追加調整を考慮することにより決定され
る。
・ 関連する取引相手方の債務不払いリスクに相当する信用リスクをデリバティブ商品の価値に計上する
ことによる取引相手方の特性(信用評価調整‐ CVA )
・ 当行の取引相手方が負担するリスク(すなわち、債務不履行があった場合またはナティクシス自身の
信用度が悪化した場合に、ナティクシスがその取引相手方に負わせる潜在的損失)をデリバティブ商
品の受動的価値に計上することによるナティクシス自身の信用リスク(債務評価調整‐ DVA )
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ナティクシス(E15244)
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・ 将来のキャッシュ・フローの資金調達費用に関連する無担保または一部担保付費用の価値に計上する
ことによる資金調達リスク(資金調達評価調整‐ FVA )
これらの損益計算書に計上された追加調整は、ナティクシスの銀行業務純収益および株主資本に直接的な
影響を与える。したがって、 COVID-19 による健康危機は、ナティクシスの取引相手方の信用スプレッドの大
幅な拡大および市場における資金調達費用の水準に関して、特に不利な影響を及ぼした。参考までに、 2020
年 12 月 31 日現在、損益に計上されたヘッジ会計関連の無効なヘッジ部分は、マイナス 19.3 百万ユーロであ
り、 2019 年 12 月 31 日現在ではマイナス 18 百万ユーロであった。
金融危機が生じるまたはナティクシスもしくは Groupe BPCE の格付が引き下げられる場合、ナティクシスによ
る特定の資金調達の形式の利用が悪影響を受ける可能性がある。
2011 年以降、ナティクシスの資金調達の構造は、ナティクシスおよび BPCE 間のジョイント・リファイナン
シングプールに依存している。ナティクシスは、 BPCE S.A. による公共部門および民間部門の中長期のバニラ
債券(優先株式および劣後債務)の発行を通じて、 Groupe BPCE から業務の資金調達の一部を確保している。
ナティクシスは引続き、構造化された民間のリファイナンス業務に関して、 Groupe BPCE の中長期的な発行体
である。
COVID-19 による健康危機により、市場でのターム・ローン取引が一時的に停止され、その結果、法人顧客
によるクレジット・ラインの引出しが増加し、預金額も増加した。中央銀行の措置(特に ECB および連邦準備
制度理事会の措置)を受けて、ターム・ローン市場は、ドル、ユーロを皮切りに徐々に再開し、6月には通
常の水準に回復した。 COVID-19 危機の間、 Groupe BPCE の事業体であることを考慮して、ナティクシスの流動
性ポジションは、上級経営陣によって厳重に監視されていた。ナティクシスの流動性カバレッジ比率( LCR )
は、 100 %超を維持している。
政府による措置に加えて、中央銀行による巨額の資金介入(特に、 ECB の LTRO (長期リファイナンス・オ
ペ)および連邦準備制度理事会の PEPP (パンデミック緊急買入プログラム)を含む。)の結果、様々な市場
参加者(ファンド、企業、銀行)が投資先を探す余剰資金を保有することとなった。顧客もまた、これらの
余剰資金を考慮すると資金調達要件が軽減された。 2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの様々な流動性リス
ク監視指標(とりわけ、 LCR 、ギャップおよび流動性ストレス)は、内部制限に関して過剰なポジションを示
していた。
COVID-19 の健康危機の影響および経済危機を取り巻く不確実性への対応として、格付機関である Fitch およ
び Standard &Poor's は、銀行および特に Groupe BPCE を含む複数の発行者の格付見通しを、「安定的」から
「ネガティブ」に引き下げた。この格下げとは対照に、 Groupe BPCE の財務健全性およびその多様化したバン
キング・モデルの強みが4つの金融格付機関により認められ、長期上位優先債について、 Moody's から「 A1 、
見通しは安定的」、 Standard &Poor's から「 A+ 、見通しはネガティブ」、 Fitch から「 A+ 、見通しはネガティ
ブ」および R&I ( 格付投資情報センター)から「 A+ 、見通しは安定的」 の格付が与えられた。
Groupe BPCE の信用格付が主要格付機関により引き下げられた場合、 Groupe BPCE の流動性(ひいてはナ
ティクシスの流動性)およびそれに伴う資金調達費用が悪影響を受ける可能性があり、また金融市場契約に
関しても追加の債務が生じる可能性がある。
発行体の信用度変更によるナティクシスの持株の公正価値の変動は、ナティクシスの株主資本およびソルベ
ンシーに悪影響を与える可能性がある。
規制面では、このリスクは、その他の包括利益( OCI )の調整により公正価値で測定される銀行勘定の分類
のナティクシスの持分と関係している。ナティクシスは、主に流動性資産バッファーの一部としてナティク
シスが保有する負債性金融商品を通じて、かかるリスクにさらされている。かかるリスクは、債務証券の発
行体の信用度変更によって発生する金融資産価値の減少として現れる( CSRBB ‐銀行勘定の信用スプレッド・
リスク)。
COVID-19 による健康危機の間に、発行体の信用度を反映する信用スプレッドは大きく変化した。信用スプ
レッドは、発行体の信用度に対する認識の悪化を示して3月初頭に急速に拡大した後、5月末以降、危機前
の水準にまでは至らなかったものの、徐々に縮小した。流動性資産バッファーの一部として保有されている
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資産の質を考慮すると、株式の公正価値の変動はほとんど抑制されており、この種のリスクについてナティ
クシスが自ら設定したリスク選好は遵守されている。危機(とりわけ COVID-19 の危機)の再発は、信用スプ
レッ ドをさらに悪化させる可能性がある。
2020 年 12 月 31 日現在、流動性準備金の一部として保有された有価証券の信用リスクは、大幅に増加してい
ない。
非金融リスク
ナティクシスは、適用される法律および規制を遵守しない場合、ナティクシスの財政状態、事業および評判
に重大な悪影響を及ぼすであろう多額の罰金およびその他の行政処分もしくは刑事罰を課される可能性があ
る。
不遵守リスクは、法的リスク、行政上または刑事上の制裁としてだけでなく、財務損失または風評被害と
しても定義される。これは、国内外の法的および規制条項、行動規範ならびに銀行および保険事業特有の
グッドプラクティスの基準を準拠しないことに起因する。
銀行部門および保険部門は、特に、金融市場および投資サービス・プロバイダーと顧客または投資家間の
関係性を規制することを目的としたフランス国内外における部門規制の対象である。これらの規制は、当行
の業務上の過程に重大な影響を及ぼす。さらに、銀行および保険部門はまた、管轄のフランスおよび超国家
機関による専門的な監督対象である。
不遵守リスクは、例えば、銀行の商品およびサービスを展開および販売する不適切な手段の使用ならびに
利害対立の可能性、機密情報もしくは内部情報の開示における不十分な管理または特に金融セキュリティ
(マネーロンダリング防止およびテロリストへの資金提供の防止、禁輸措置の遵守、不正防止および汚職防
止)に関する新たな顧客または仕入先のデューディリジェンス手続の不遵守を含む。
ナティクシスのコンプライアンス部門は、コンプライアンス・リスク防止および軽減を監視する (「 (2)
リスク管理- (h) 不遵守リスク」を参照のこと。) 。ナティクシスは、それでもなお、ナティクシスの財政
状態、事業および評判に重大な悪影響を及ぼす可能性がある規制当局または監督当局により課せられる罰金
またはその他の主要な処罰ならびに民事または刑事訴訟のリスクに引続きさらされている。
事業の過程で、ナティクシスは、従業員または第三者の非倫理的もしくは法および規制に違反する活動およ
び行動にさらされており、これによりナティクシスの評判が損なわれ、制裁措置が課されるおそれがある。
全従業員に適用されるナティクシスの行動規範は、ナティクシスで施行される行動の一般原則をまとめて
おり、全従業員に向けて、責務および責任の遂行にあたって求められる行動に関するガイドラインを設けて
いる。
ナティクシスまたはナティクシスが 50 %以上を保有する事業体の労働者は、常勤か、または臨時で雇用さ
れているかを問わず、かかる行動規範を遵守しなければならない。かかる要件は、適用される内部規則なら
びに国内外の法および規制に遵守する責務に加わるものである。
また、ナティクシスは、その仕入先および請負業者に対して、行動規範の基本原理に従うよう求めてい
る。
かかる行動規範を日々実行するため、ナティクシスは、自身の専門委員会(グローバル文化および行動委
員会)との行動枠組および研修プログラムを設けた。 行動規範および行動枠組の詳細については、「第5
提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要- (1)
行動」を参照のこと。
行動規範を適用し、行動枠組を構築したにもかかわらず、ナティクシスは従業員、仕入先および請負業者
が汚職もしくは不正行為に関する法および規定を遵守しない、または金融セキュリティの市場統合要件を満
たさない非倫理的または顧客にとって好ましくない活動または行動を取る可能性にさらされている。
かかる活動または行動がナティクシスに悪影響を与え、ナティクシスの評判、株主価値を傷つけ、ナティ
クシスとその従業員または株主が刑事制裁、行政処分または民事制裁を課される可能性があり、これにより
ナティクシスの財政状態および事業が悪影響を受ける可能性がある。
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オペレーション上の失敗、すなわちナティクシスの第三者パートナーの情報システムの中断もしくは故障、
またはナティクシスの情報システム違反により、損失および風評被害が発生する可能性がある。
ナティクシスは、数種類のオペレーショナル・リスクにさらされている。これらのリスクには、過程およ
び手続上の欠点、(外部および内部の)不正行為、システムの故障または利用不能、さらにサイバー犯罪な
らびに健康リスクに関する業務上の障害が含まれる。
他の多くの銀行と同様に、ナティクシスは、その業務に大量のより複雑化した取引を処理することが要求
されるため、 通信および情報システムに大きく依存している。ナティクシスは、データ伝送の品質を最優先
事項としているが、かかる通信および情報システムの運転停止、中断または不具合は、顧客関係管理、総勘
定元帳、預金および貸付取引処理ならびに/またはリスク管理に使用するシステムの不具合または中断を引
き起こす可能性がある。相互接続性が増大する限り、ナティクシスは、決済機関、外国為替市場、クリアリ
ングハウス、保管機関またはその他の金融仲介機関もしくは外部のサービス提供者の破綻または運営上の失
敗のリスクにさらされる。その他のコントロール機能と同様に、オペレーショナル・リスクの機能は、外注
業務について EBA の規制に一致した当行グループのコンプライアンス・プログラムの一環として、サプライ
ヤー由来のリスクの評価に貢献している。
ナティクシスはまた、サイバー犯罪リスクにもさらされている。サイバー犯罪は、会社、従業員、パート
ナー、顧客および取引相手方に重大な損失を被らせることを目的とし、データ(個人情報、銀行情報、保険
情報、技術情報または戦略情報)、プロセスおよびユーザーを操作しようとするデジタルでの様々な不当お
よび/または不正行為を犯すことを指す。あらゆる会社(特に銀行部門)の財務および評判に重大な影響を
与える可能性のある複雑かつ発展的な脅威に、会社のデータ資産はさらされている。サイバー攻撃を行う犯
罪組織の巧妙化が進み、規制当局および監督機構は情報通信技術( ICT )リスク管理の重要性を強調し始めて
いる。サイバー犯罪のリスク防止はナティクシスにとって最優先事項であるため、ナティクシスは、その情
報システム部門( IS )と IT システム・セキュリティ部門( ITSS )間の連携を通じて、かかる当局が策定した
ガイドラインの実施に対して最大限の努力を払う。これにより、 IT システム・セキュリティに関するリスク
の解析が進み、全従業員の IS セキュリティ問題に関する認識を向上させる広範囲にわたるキャンペーンが実
施される。 2020 年、サイバー犯罪関連の事件は、ナティクシスの財政状態もしくは評判に重大な悪影響を与
えなかった。しかし、サイバー攻撃は絶えず進化し益々高度になっているため、上記の方策は、将来ナティ
クシス、その従業員、パートナーおよび顧客を完全に保護するためには十分でないおそれがある。かかる攻
撃の発生は、ナティクシスの顧客サービスを妨害する可能性があり、機密情報の書換えもしくは暴露または
事業中断および、さらに広く見れば、ナティクシスの事業、財政状態および評判に悪影響を与える可能性が
ある。例として、ナティクシスは、 2020 年1月に Citrix 社の特定の製品に重大な影響を与えたセキュリティ
侵害、 2020 年3月のランサムウェア攻撃によるフランスの金融ソフトウェア会社 Finastra のいくつかのサー
ビスの利用不能、および 2020 年 12 月の言語サービス企業 Ubiqus に対するサイバー攻撃により、限定的な影響
を受けた。
オペレーション上の困難は、テロ攻撃、自然災害または重大な健康危機などの不測の事態または壊滅的な
事象の結果としても発生する可能性がある。 2020 年、ナティクシスは、 COVID-19 のパンデミックにもかかわ
らず、その回復力を示し、継続的な危機局面に対処することができた。限定的な追加資金の確約およびこの
例外的な状況に対応するための資金が要求されるささいな事態が発生したが、業務の継続管理に責任を負う
すべての担当者が、その専門知識と対応の速さのおかげもあって、すべての事業分野およびサポート機能の
継続的な稼働のために協調して貢献した。ナティクシスの技術およびロジスティクス分野の回復力により、
従業員保護、情報システムの維持および現場の安全性の確保のために不可欠な最小限のチームを現場に残す
ことで、遠隔勤務システムの支援が可能となった。
ナティクシスは、自身の 通信および情報システムもしくは第三者のシステムの中断、障害または情報シス
テムの侵害が起こらないという保証をすることができない上に、起こった場合には当行に何ら影響を与えず
に速やかに解決される保証もすることはできない。1つまたは複数の上記事象の発生により、ナティクシス
のビジネス機会の損失ならびにその他の追加的費用および損失または風評被害をもたらすおそれがある。
ナティクシスの風評被害は、ナティクシスの競争力に影響を及ぼし、財政状態に悪影響を与える可能性があ
る。
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ナティクシスの評判は、事業を行う上で極めて重要である。現在のナティクシスの評判のおかげで、ナ
ティクシスは、顧客、従業員、仕入先、パートナーおよび投資家との信頼関係を維持することができる。
本項に記載された1つまたは複数のリスクが発生した場合、発生した回数にかかわらず、透明性の欠如ま
たはコミュニケーション・エラーによりナティクシスの評判が損なわれる可能性がある。今日、経済領域に
わたって、ソーシャル・メディアの利用が拡大することで、レピュテーション・リスクがより高まってい
る。内在する悪影響以上に、ナティクシスの風評被害が事業の損失につながり、ナティクシスの株価が下が
る可能性があり、ナティクシスの財政状態を圧迫するおそれがある。
この一例として、ナティクシスの資産運用子会社である H2O AM が特定のファンドに影響を及ぼす非流動性
リスクにさらされ、ナティクシスの株価急落につながったことが挙げられる。
戦略および事業リスク
COVID-19 のパンデミックが継続した場合、ナティクシスの事業活動、業務および財務業績が悪影響を受ける
可能性がある。
2019 年 12 月に中国でウイルス性肺炎が流行し、 2020 年1月9日に世界保健機関( WHO )が新型コロナウイル
ス( COVID-19 (新型コロナウイルス感染症)と称されるこの新たな感染症の原因であるウイルス)の発見を
正式に発表した。このウイルスは、その後世界中の多くの国々に広がり、 2020 年3月に WHO によりパンデミッ
クと認定された。パンデミックの影響ならびに多くの国々の政府および中央銀行による様々な措置(国境閉
鎖、移動制限、ロックダウンなど)の影響は、世界経済および金融市場に潜在的な悪影響を及ぼしており、
今後も引続き潜在的な悪影響を及ぼすであろうが、パンデミックの持続期間、ワクチンの配備および実施さ
れている経済・金融政策による影響については、依然として不確実性が存在する。 COVID-19 のパンデミック
により、経済活動がほぼ停止したため、顧客、サプライヤーおよび従業員に大きな混乱(生産上の問題、サ
プライチェーンの寸断、投資の低迷、需給ショックなど)が生じた。世界経済および金融市場への最終的な
影響は、パンデミックの度合いおよび当局が経済を刺激しウイルスの拡散を抑えるために行う決定の効果に
より、大きく左右される。例えば、最近いくつかの政府機関により発表された新しいロックダウンの措置
は、社会生活だけでなく、労働環境および生産条件ならびに一般的な経済情勢に対しても影響を及ぼす恐れ
がある。 COVID-19 のパンデミックは、ナティクシスの事業、財政状態、経営成績、見通し、資本および財務
格付(見通しまたは格付の変更の可能性を含む。)に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
2020 年にわたって、 COVID-19 の危機(主に市場関連)は、ナティクシスの銀行業務純利益、リスク費用お
よび CET 1比率に対して影響を及ぼした。危機により、ナティクシスのコーポレート・バンキングおよびイン
ベストメント・バンキングの銀行業務純利益には、約マイナス 283 百万ユーロの影響が見積もられた。これ
は、企業が 2019 年の配当支払いの中止を発表したことに伴い配当が減額され、その結果、配当先物カーブが
大きく変動したためであった。
その他の項目もまた、年内の回復が始まる前である、 2020 年第1四半期中の(かついくつかの項目におい
ては 2020 年第2四半期中にも)ナティクシスの事業分野の銀行業務純利益にマイナスの影響を与えた。これ
らには、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの信用スプレッドの拡大に関連す
る CVA / DVA の影響( 2020 年第1四半期はマイナス 55 百万ユーロおよび年間では 16 百万ユーロ増)、事業別で
はない範囲の FVA の影響(金融商品に関する 資金調達費用の増加 )( 2020 年第1四半期はマイナス 71 百万ユー
ロおよび年間では 10 百万ユーロ増)、ならびに 資産運用およびウェルス・マネジメントのシード・マネー・
ポートフォリオ(上場および非上場)の評価額の下落 の影響( 2020 年上半期はマイナス 48 百万ユーロおよび
年間では 30 百万ユーロ増)が含まれる。
危機によるナティクシスの損益計算書へのもう1つの影響は、主として IFRS 第9号に基づく引当金ならび
にエネルギーおよび天然資源部門(より具体的には、石油およびガス)に集中している個別引当金の増加に
よる、貸倒引当金繰入額の増加であった。 2020 年の最初の9ヶ月間において計上された 851 百万ユーロの貸倒
引当金繰入額のうち、約 610 百万ユーロは、 COVID-19 の進展による状況に起因するものといえる。 IFRS 第9号
に従い、 COVID-19 の特別な状況および経済支援策を考慮し、ステージ1およびステージ2の資産(正常債
権)に対する引当金の基準が改訂された。ナティクシスの内部モデルは、 COVID-19 の特別な状況および経済
支援策を考慮して適用されたパラメーターに基づいている。ナティクシスの基本シナリオは、経済学者によ
り決定されたシナリオに基づき更新され、ナティクシスのガバナンス組織により 2020 年9月に承認された。
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この基本シナリオは、 2021 年からの力強い GDP の回復とその後数年の経済活動の段階的な一層の通常化を示し
ている。経済活動はその後、 2023 年には危機前( 2019 年)の水準に戻ることが予想される。中央シナリオ
は、 楽観シナリオと悲観シナリオで補完された。個別引当金については、原油価格を巡る緊張状態に加え、
特にアジアにおける COVID-19 に伴う景気低迷による需要ショックもあり、個別の貸倒引当金繰入額および多
数の不正行為が間接的に増加した。
最後に、ソルベンシーについては、危機の影響によりナティクシスの CET 1比率は約 45 ベーシスポイント低
下し、これは、特にコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングにおいて RWA が約 4.0 十
億ユーロ増加したためであった。当該 RWA の増加は、新たなクレジット・ラインの引出し(経営データ(総
額)では 1.7 十億ユーロ)、政府保証債の承認(経営データ(総額)では 0.4 十億ユーロ)および特に規制上
の VaR の計算方法に関係する市場効果( 1.9 十億ユーロ)によるものであった。
その他の項目もまた、年内の回復が始まる前である、 2020 年第1四半期中のナティクシスのソルベンシー
比率にマイナスの影響を及ぼした。これらには、 CET 1資本の減少( OCI 準備金の減少および健全性評価控除
の増加によるものであり、これらの2つの項目については、 2020 年第1四半期に 507 百万ユーロ減、年間では
275 百万ユーロ増)ならびに RWA CVA の増加( 2020 年第1四半期に 0.5 十億ユーロ増、 2020 年第2四半期および
第3四半期には回復し、その後 2020 年第4四半期に再び増加 )が含まれる。
ナティクシスの財務業績は市場予測を下回る可能性がある。ナティクシスの有価証券の市場価格は、悪影響
を受ける可能性がある。
2020 年 12 月 31 日に「ニュー・ディメンション」計画が完了し、ナティクシスの事業分野の新しい中期戦略
計画の発表は 2021 年中にのみ行われる予定であるため、当面の間、 2021 年およびそれ以降の業績目標はナ
ティクシスにより市場に伝えられていない。しかしながら、 2021 年2月9日に、 2020 年第4四半期の業績が
発表されると、ナティクシスはリスク費用について感応度テストを実施した。それによると、 2021 年にフラ
ンスの GDP が約6%減少すること、またナティクシスの専門分野については、原油価格1バレル当たり 45 ドル
および実物資産価格の大幅な割引(例えば、航空機については約 45 %、不動産については約 20 から 25 %)と
いう厳しい仮定が示された。このシナリオにおいて、 2021 事業年度の貸倒引当金繰入額は、 70 から 90 ベーシ
スポイントの間、すなわちサイクル全体の貸倒引当金繰入額に関する指針をまだ上回る水準となる可能性が
ある。次の中期目標の発表までに、ナティクシスの株式の市場価格は、特に前述のリスク費用の感応度に関
して、市場予測(コンセンサス)を下回る財務業績により悪影響を受ける可能性がある。
モデルの使用に基づいたナティクシスのリスク管理システムは機能しなくなるおそれがあり、ナティクシス
は未確認または予期せぬリスクにさらされていることで、大きな損失につながる可能性がある。
モデルを使用することが多いリスク管理技術は、特定の種類のリスクに対して不十分であることが明らか
になる可能性がある。ナティクシスがリスク管理に使用する特定の格付または VaR の測定モデル(「 (2) リス
ク管理- (e) 市場リスク-③ 市場リスクの評価方法」に定義される。)は、観測された過去の市場行動に基
づいている。その後、ナティクシスは、そのリスク・エクスポージャーを数量化するため、主にこれらの観
測について統計的な分析を実行する (リスク管理システムの詳細については、「 (2) リスク管理- (e) 市場
リスク-④ 定量的市場リスクの測定データ」を参照のこと。) 。使用される測定基準およびツールは、主に
ナティクシスが自身の統計モデルにおいて予測しないもしくは正確に評価しないもしくは考慮しない可能性
があるという要因、または予期していなかった前例のない市場動向を要因として、将来のリスク・エクス
ポージャーに関する不正確な結論を与える可能性がある。このため、ナティクシスのリスク管理能力が低下
する可能性がある。これによりナティクシスが被る損失は、過去の平均値を用いて予想されるものよりも著
しく大きくなる可能性がある。さらに、ナティクシスの数量的モデルは、すべてのリスクを考慮するもので
はない。例えば、 VaR 測定モデルの一部は、良好な金利環境の前提に基づいて設計されている。 2016 年初頭、
金利デリバティブの金利環境が不利であったため、ストレスのかかった VaR は5百万ユーロ多く見積もられ
た。
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ナティクシス(E15244)
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ナティクシスは、買収またはジョイントベンチャーに関しては、方針を見極め、実行しかつ統合する上で困
難に直面する可能性がある。
ナティクシスは対外的な拡大またはパートナーシップの機会を検討する可能性がある。ナティクシスは買
収する企業または参加予定のジョイントベンチャーの綿密な分析を行う意思があるが、一般的にはこれらを
徹底的に評価することは不可能である。結果として、ナティクシスは当初は予想していなかったコミットメ
ントを負担しなければならない可能性がある。同様に、買収した企業またはジョイントベンチャーの予想業
績が期待外れであることが判明する可能性、予想したシナジーの全部もしくは一部が達成されない可能性、
または取引の費用が予想以上にかさむ可能性がある。ナティクシスはまた、新しい事業体を統合するにあ
たって困難に直面する可能性もある。発表した対外的な拡大への活動の失敗または新しい事業体もしくは
ジョイントベンチャーを統合するにあたっての失敗は、ナティクシスの収益に重大な影響を及ぼす可能性が
ある。特に、これらの対外的な拡大に向けた取引の期間中の、のれんの計上は、収益の悪化が継続している
ときの(定期考査の間の)財務書類上の評価減または売却時の損失の計上につながる可能性がある。 2020 年
12 月末現在、ナティクシスののれんは、 3.2 十億ユーロであり、ナティクシスの様々な部門にわたって分配さ
れているが、主に資産運用およびウェルス・マネジメント部門に集中していた。最近は、のれんの大きな減
損または売却に伴う損失は、 Coface ( 2016 年および 2020 年) および H2O ( 2020 年)に関連していた。ジョイン
トベンチャーの場合は、ナティクシスの管理が及ばないシステム、統制および人材に依存している限り、ナ
ティクシスは追加のリスクおよび不確実性にさらされ、またこのために、責任を負い、損失を被りまたは評
判が悪化する可能性がある。さらに、ジョイントベンチャーにおけるナティクシスとパートナー間の対立ま
たは意見の不一致は、ジョイントベンチャーが追及する利益にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
気候変動に関するリスクを防ぐことにより、環境および気候への悪影響となる部門で行うナティクシスの活
動業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
ナティクシスは、今世紀末までに地球温暖化を2度未満に収める、パリ協定に従うことを約束した。ナ
ティクシスは、低炭素社会に向けたエネルギー転換を支援する多数のイニシアチブを発表し、これには気候
に対して重大な悪影響となる部門への資金調達を減らすためのイニシアチブが含まれている。
これにより、ナティクシスは、主要な業務にオイルサンドの探査、生産、輸送および貯蔵を含む企業への
融資を止めることを約束した。また、ナティクシスは、北極地方の石油探査および生産計画に対する融資な
らびに 2020 年5月からはシェールオイルおよびシェールガスの生産に係る計画およびこれらに関する業務を
行う企業に対する融資を止めることも約束した。最後に 2015 年、ナティクシスは、石炭の探査、生産、輸送
および貯蔵に対する融資を止めることを約束したが、これには、これらの業務が事業の 50 %に相当する企業
への融資が含まれている。 2019 年には、かかる割合が 25 %に引き下げられた。かかる方針は、欧州および
OECD 加盟国の施設においては 2030 年、その他の国々の施設においては 2040 年までに、石炭火力発電から完全
に撤退するためのタイムテーブルにより補完される。
2019 年、ナティクシスは、カラースケールを使用して気候リスクに対する貸付記入帳のエクスポージャー
を評価するツールであるグリーン・ウェイティング・ファクターを導入した。かかる目的は、信用リスクが
同じであれば、業務上気候への影響が少ない顧客および計画を優遇する融資事業を奨励することである。
気候および環境にプラスの影響となる取引を優先するナティクシスの融資活動の事業内容の変更は、環境
に対して重大な影響を示す部門の機会損失のため、ナティクシスの業績に悪影響を及ぼす可能性がある。そ
のポートフォリオに対してかかる調整を先送りすることにより、信用度に悪影響を及ぼす可能性がある。し
かし、貸付記入帳の気候に対して重大な影響がある借手を維持することは、より厳しい規制が課された場
合、信用度に悪影響を及ぼす可能性がある。
最後に、 ECB は 2020 年秋に環境リスクについて言及するベスト・プラクティスガイドを公表した。当行は、
このガイドは、 EBA の地球温暖化に対する闘いに関する規制による強化を伴うと予測している。この環境保護
への意識の高まりが、気候に対して重大な影響がある活動を(直接的にナティクシスの顧客に対する操業制
約を通じて、または炭素の割当価格の値上げを通じて)罰する可能性がある。長期間にわたってエネルギー
の転換がなされる限りは、これらの規制の強化は、例えば炭化水素、原材料および輸送部門への融資および
投資活動など、いくつかのナティクシスの活動に悪影響を与える可能性がある。
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ナティクシスが適任の従業員を引き付け、保持できるかは、事業の成功において極めて重要であり、そのい
かなる失敗も業績を著しく悪化させるおそれがある。
ナティクシスは、世界中で 16,900 名超の従業員(金融投資を除く。)を雇用しており、その所在地は、
66.6 %がフランス、 11.9 %が EMEA 地域、 16.4 %が南北アメリカ大陸および 5.1 %がアジア太平洋である。ナ
ティクシスの活動業績は、これらの人々に密接に結びついている。実際にナティクシスの事業モデルは、適
任の従業員の雇用を要する専門的な分野に基づいている。さらに、 2008 年の金融危機を背景とする規制の強
化により、ひっ迫した求人市場(希少性かつモバイルプロファイル)を利用する必要のある専門分野におい
て、ナティクシスの事業の規制に対する強化および規制への対応を行う必要が生じている。ナティクシスの
成功は、経営陣、リーダーまたはスタッフとなる主要な人々を維持する能力ならびに継続して適任の専門家
および人材を強く惹きつける能力に部分的に依拠している。高い労働移動率または人材の流出は、ナティク
シスの重要分野におけるスキルおよびノウハウに影響を与えるおそれがあり、ナティクシスの事業の見通し
が縮小して財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
厳しい経済または市場状況および低金利が長引く経済環境は、ナティクシスの収益性および財政状態を圧迫
する可能性がある。
ナティクシスは、資産運用およびウェルス・マネジメント、コーポレート・バンキングおよびインベスト
メント・バンキング、保険ならびに決済事業を行う Groupe BPCE の子会社である。
これらの事業は、金融市場の変化ならびにより一般的にはフランス、欧州およびその他の世界の国々の経
済状況における変化に敏感である。
ナティクシスの主要な市場における厳しい経済状況は、特に以下の悪影響を受ける可能性がある。
・ ナティクシスの顧客の事業および運営に対する影響による、貸付金および売掛金ならびに不採算債権
のための引当金の増加におけるデフォルトの金利上昇。これらの引当金または計上された引当金を超
える実現損失の著しい増加により、ナティクシスの業績および財政状態は悪影響を受ける可能性があ
る。
・ 債券、株主資本またはコモディティ市場での価格の下落は、これらの市場における事業量を低下させ
る可能性がある。
・ 実際のまたは予想された不利な経済状況に応じて採用されたマクロ経済方針は、意図しない悪影響を
有する可能性があり、金利および外国為替レートなどの市場パラメーターに悪影響を及ぼすことがあ
る。これにより、最も市場リスクにさらされているナティクシスの業績にも影響を及ぼす可能性があ
る。
・ 把握された良好な経済状況は、一般的にまたは特定の事業部門において、基礎となる原資産のなす実
際の価値と相互関係のない資産価格バブルを引き起こす可能性がある。これは同様に状況が不利に傾
いた際の反落の悪影響を悪化させ、ナティクシスの事業に損失を与える可能性がある。
・ 著しい経済的混乱( 2008 年の世界的金融危機または 2011 年の欧州のソブリン債務危機など)は、特
に、その混乱が、ナティクシスへの融資および一定の分野の資産を予想された市場評価価格での売却
を困難にさせるまたはその資産を販売不能にさせる市場流動性の欠如によるものである場合、ナティ
クシスのすべての業務に対して厳しい悪影響を与える可能性がある。
・ 様々な資産クラスの市場価格の下落により、特にマネジメント・フィーが課される資産の減少によ
り、 Natixis Investment Managers の会社の業績に悪影響を与える可能性がある。
・ 保険関係会社がその保険商品のある程度の支出額を十分にカバーする投資利回りを得ることができな
い可能性があるため、ナティクシスの保険事業の収益性は、低金利により悪影響を受ける可能性もあ
る。さらに、市場金利が将来上昇した場合、大幅に低い金利ローンおよび固定利付証券を盛り込んだ
ポートフォリオは価値が下落すると予想される。また、 Natixis Asset Management の関係会社により
マネーマーケットおよびその他の固定収益商品に課せられる手数料について、低金利により悪影響を
受ける可能性がある。これにより、ナティクシスの収益性および財政状態が悪影響を受ける可能性が
ある。参考までに、 2020 年 12 月 31 日現在、マイナス 200 ベーシスポイントの推移(規制フロア・アプ
ローチを用いた場合)およびプラス 200 ベーシスポイントの推移に対するナティクシスの連結範囲内の
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主要な事業体の経済価値の感応度は、 EBA 基準に従って計算され、それぞれプラス 27 百万ユーロおよび
マイナス 152 百万ユーロを示した 。
さらに、ナティクシスが取引する主要な市場は、不確実性、すなわちブレグジット後の英国と欧州連合と
の将来の関係、グローバルな貿易、地政学的状況その他のあらゆる種類の不確実性により影響を受けるおそ
れがある。 COVID-19 のパンデミックによる世界経済への影響が、これを完璧に示している。ナティクシスへ
の影響については、リスク要因の 「 COVID-19 のパンデミックが継続した場合、ナティクシスの事業活動、業
務および財務業績が悪影響を受ける可能性がある。」 に記載されている。
世界的金融危機に関する法的処置および規制措置は、ナティクシスならびにナティクシスが活動する財政お
よび経済環境に重大な影響を及ぼす可能性がある。
法律および規制文書は、危機の教訓を考慮し、または単純に経済および金融環境の変化に適応して、常に
進化している。
このため、 2008 年の金融危機後、同様の世界的な危機の再発を回避するための文書が公布または提案され
た。同様に、 COVID-19 に関連する経済危機は、既に 2020 年に規制および監督当局による短期的な措置を取ら
せているが、中長期的な取組みも否定できない。さらに、新たな種類のリスク(例えば、技術革新に関連す
るもの)の認識が、新しい規制要件につながる可能性がある。
これらの変化のすべてが、ナティクシスおよびその他の金融機関が活動する環境を大幅に変化させ、また
将来においても変化させる可能性がある。ナティクシスは、これらの法的処置および規制変更に関するリス
クにさらされている。
かかる方策のうち、適用された、または適用される可能性があるものは以下のとおりである。
・ 特定の種類の金融商品もしくは活動の禁止または制限。これにより、ナティクシスの収入源の多様性
が部分的に制限される。例えば、特定の状況下における借入有価証券からの配当に源泉徴収税が導入
されることにより、いくつかのナティクシスの現在の商品の魅力が薄れる可能性がある。
・ 内部統制の要件の強化。これにより、リスクの監視およびコンプライアンスの目的のために人事およ
び人材への多大な投資が必要となる可能性がある。
・ 資本要件の枠組の修正および内部計算モデルへの投資の必要性。例えば、欧州において設定された
バーゼル3規制に関する変更(特に改訂されたバーゼル3)により、特定の業務のリスク加重資産の
計算モデルの見直しにつながる可能性がある。
・ 融資条件に関する要件の強化および貸出金の監視のみならず、困難な状況下にある顧客の取引管理に
影響を及ぼすこと。
・ 特に持続可能な開発および低炭素経済への移行に関連して、環境、社会およびガバナンスのリスクを
特定、測定かつ管理するための新たな規範的規定の導入(例えば金融商品規制の改正、情報開示要件
の強化)。
・ 個人データ保護およびサイバー犯罪に関する要件の強化。これにより、銀行の情報システムへの追加
投資のため、費用の増加につながる可能性がある。
・ 暗号資産の出現、中央銀行のデジタル通貨に関する議論、人工知能の利用およびロボット化に関連す
る、または決済サービスおよびフィンテックの技術開発に起因するデジタル化および技術革新につい
ての規制の変更、創設または強化。
・ 仲介機能を排除した銀行モデルへの転換および 決済サービス指令( PSD 2 ) といった欧州の「オープン
な銀行」を目指した主導権競争の激化。
・ 銀行に対して、欧州の銀行システムの安定性を保証するため、ならびに公共財政および実体経済に対
する銀行破産の影響を限定的にするための多大な財政貢献の要求。
この法的および規制環境の変化の中で、これらの新たな措置がナティクシスに対してどのような影響を及
ぼすか予想することは不可能である。ナティクシスは、プログラムを更新または開発してこれらの新たな法
的処置および規制措置に対処するため、またはそれに対応もしくはそれに備えて、情報システムを更新およ
び開発するための膨大な費用を被り、かつ今後も被る可能性がある。かかる努力にもかかわらず、ナティク
シスはまた、すべての適用ある法律および規制を完全に遵守することができない可能性があり、ナティクシ
スは罰金または行政処分を受ける可能性がある。さらに、新たな法的処置および規制措置は、ナティクシス
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に対して、事業を適応させるよう要求する可能性があり、ナティクシスの業績および財政状態に対し影響を
及ぼす可能性がある。最後に、新しい規制の下では、ナティクシスがその資本要件または全体的な資金調達
費 用の増加を余儀なくされる可能性がある。
保険事業に関するリスク
2020 年現在、保険の事業分野の純収益は 901 百万ユーロとなり、ナティクシスの純収益の 12 %となった。保
険の純収益(6百万ユーロの事業横断的な純収益を除く。)は、 565 百万ユーロの個人保険と 330 百万ユーロ
の損害保険に分けられる。
市場状況の悪化、特に金利の過度の上昇または下落の動向は、ナティクシスの個人保険事業およびその利益
に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
個人保険事業において、ナティクシスの保険関係会社がさらされている主なリスクは、市場リスクであ
る。市場リスクへのエクスポージャーは、その大半がユーロ建ての貯蓄型商品のファンドの範囲に関する資
本保証によるものである。
金利リスクは、かかる市場リスクの1つであり、ナティクシスの一般的なファンドは、主に債券で構成さ
れているため、金利リスクがナティクシスにとって構造上重要である。金利リスクの変動により、以下の可
能性がある。
・ 金利が高い場合、(新規投資がより魅力的になることにより、)ユーロ建ての募集の競争力が低下
し、既発債の未実現損失を伴う不利な期間での償還の波を引き起こす。
・ 金利が低い場合、長期において、一般的なファンドのリターンが資本保証を満たせないほど低下す
る。
一般的なファンドの配分により、スプレッドの拡大および株式市場の下落もまた、ナティクシスの個人保
険事業の業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
保険業者による見込み保険金請求費用とナティクシスが保険契約者に実際に支払う給付金との不一致は、ナ
ティクシスの個人保険事業における損害保険および個人保護保険ならびに業績および財政状態に重大な悪影
響を与える可能性がある。
ナティクシスの保険関係会社がその事業においてさらされている主なリスクは、引受リスクである。この
リスクは、第一に、実際に受けた請求とこれらの請求に対して補償金として実際に支払う給付金との不一致
に起因しており、第二に、ナティクシスの保険商品の価格を設定するために、および補償の可能性のための
技術的準備金を設けるために、関係会社が使用する想定に起因している。
ナティクシスは、自身の経験ならびに保険商品の価格決定および関連する責任準備金の設定に使用される
情報を含む業界データを使用して、将来の保険給付の見積りを発展させる。しかし、実際の経験がこれらの
予測と一致する保証はなく、世界的流行病または自然災害などの予想外のリスクが予測された保険契約者に
対する支払いよりも高くなる可能性がある。
ナティクシスにより保険契約者へ支払われる実際の利益が、将来の保険契約準備金に使用される基礎とな
る仮定より高い限り、または事象もしくは流行によってナティクシスが基礎となる仮定を変更する場合、ナ
ティクシスは、ナティクシスの個人保険事業における損害保険および個人保護保険、ならびに業績および財
政状態に悪影響を与える可能性がある、予想を上回る負債にさらされるおそれがある。
COVID-19 のパンデミックの間、ナティクシスの保険事業は危機により重大な影響を受けたが、特に事業の
継続および対顧客営業の維持を目的として適切な措置を講じることにより適応した。
パンデミックにより売上は減少した。 2020 年の収益は 15 %減少し 11 十億ユーロであった。最初のロックダ
ウンによる銀行支店の閉鎖が、上半期の事業活動、特に貯蓄関連の活動の重石となった。
2020 年の業績もまた、健康危機による経済的な影響、特に株式市場の下落により特徴付けられるもので
あった。株式市場の下落部分については、市場の下落により最も影響を受けた個人保険のユーロ建て貯蓄に
設定されたヘッジにより、その影響が大幅に軽減された。
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この危機の間、 Natixis Assurances は、 Natixis Assurances がさらされているリスクおよび特に市場リス
クおよび信用リスクを監視している。この目的のため、 Natixis Assurances は、シェア・ヘッジ戦略により
利益を得る投資の監視を増加させた。
引受リスクについては、以下の影響が残っている。
・ 損害保険:ロックダウン期間中にリスクが減少したため、自動車分野に係る保険金請求費用は減少し
た。反対に、事業中断保険においては悪影響が見込まれるが、これは再保険によりカバーされる。
・ 個人保険:個人保護保険において、死亡リスクに係る保険金請求(カバーされる主要なリスク)がわ
ずかに減少したが、一方で専門家に対する休業補償の目立った増加が見られた。
経常外項目を除き、保険事業の営業総利益は、依然として非常に弾力的であり、プラスの成長を示してい
た。
さらに、経済環境および金融環境の悪化(特に株式市場の下落および著しい低金利水準)もまた、 Natixis
Assurances のソルベンシーに影響を及ぼし、将来の利ざやに悪影響を及ぼした。しかしながら、ソルベン
シー資本要件( SCR )のカバレッジは 2020 年 12 月 31 日現在維持されていた。特に経済的補償、再保険、事業の
多様化または投資の管理の観点から、過去数年間にわたって講じた様々な措置は、 Natixis Assurances のソ
ルベンシーの弾力性に寄与した。
それらにかかわらず、成長の速度を維持し、支援的な市場環境を利用するため、 Natixis Assurances は、
ナティクシスを引受人として 2020 年 10 月に劣後債 350 百万ユーロ( Tier 2資本適格)を発行した。
ナティクシスの有価証券の保有に関するリスク
ナティクシスが破綻処理手続を行う場合、ナティクシスの証券保有者および他のナティクシスの債権者は、
損失を被る可能性がある。
信用機関および投資会社の再生・破綻処理の枠組を制定する欧州規制ならびにかかる規則をフランス法に
組み込んだ条文(「 BRRD 規制」)は、主に「ベイルイン」権限を破綻処理当局に対して付与する単一破綻処
理制度を設けることを目的としている。これらの権限の目的は、財務システムに関係するシステミック・リ
スクに対応することであり、より具体的には、危機が発生した場合に国の財務介入を防ぐことである。 BRRD
の対象である金融機関(または金融機関が所属するグループ)が破綻もしくは破綻しかけた場合、これらの
権限により、破綻処理当局は、金融機関の株式に対する適格有価証券およびコミットメントの機能を失わせ
る、取り消すまたは変換することができる。「ベイルイン」制度を利用する選択肢以外に、 BRRD により、破
綻処理当局はより広い権限が与えられ、(1)営業の承認条件を遵守し、十分な水準の市場の信頼を伴って
承認された営業を追求することを目的として、事業体に対して資本再構成を強制すること(必要に応じて、
事業体の法的組織構造を変更すること)、(2)債権もしくは負債性金融商品の価値を減らすことまたは、
承継機関への移転、資本化の目的、事業の売却もしくは資産管理ビークルを用いるために、これらを株式に
転換することができる。
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの CET 1資本は 12.1 十億ユーロ、 Tier 1資本合計は 14.2 十億ユーロ、
Tier 2規制上の自己資本は 2.1 十億ユーロとなった。ナティクシスは、 2020 年 11 月 30 日に 300 百万ドルの非上
位優先証券を発行した。
Groupe BPCE の構成員として、ナティクシスは、ナティクシスおよび Groupe BPCE が破綻した場合、破綻処
理手続の対象となる可能性がある。関連する破綻処理当局は、とりわけ協同連帯制度の申請がある場合に
は、破綻処理手続を BPCE の水準である Groupe BPCE の「シングル・ポイント・オブ・エントリー」で管理して
いる。ナティクシスまたは Groupe BPCE の財政状態が悪化したまたは悪化していると認識された場合、 BRRD で
規定されたかかる権限の存在がナティクシスの有価証券の市場価格をより急速に下落させる可能性がある。
破綻処理手続が Groupe BPCE の水準で実施された場合、 BRRD で規定された正当な権限ある当局の執行により
以下の可能性が考えられる。
・ ナティクシスの資本証券の全部または一部の評価減による、これらの証券の価値のすべてまたは一部
の損失
・ ナティクシスの株式に対する適格有価証券の全部または一部の転換による、ナティクシスの株式の不
必要な保有およびこれらの株式を転売した場合の潜在的な財務損失
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・ 金銭的条件および償還条件を変更できる金融商品の契約上の条件を変更すること。かかる変更が利率
の低下または満期の延長につながり、上記金融商品の価値に悪影響を与える可能性がある。
また、破綻処理手続の実施により、かかる証券に対するナティクシスの支払能力、またはより一般的に
は、第三者に対して債務を履行するナティクシスの信用が著しく影響を受ける可能性がある。
破綻処理手続に関連するこれらの項目に加えて、ナティクシスの株式の流動性は、 Groupe BPCE による公開
買付けの提案後、スクイーズアウトの手続が実施できないことにより影響を受ける可能性がある。備忘とし
て、 2021 年2月9日、 Groupe BPCE は、 Groupe BPCE が保有していないナティクシスの株式の約 29.3 %( 2020
年 12 月 31 日現在の発行済全額払込済株式に基づく。)を、1株当たり4ユーロの価格(配当込み)で公開買
付けを行う意向を発表した。 BPCE は、当該公開買付け後に少数株主が当行の株式および議決権の 10 %超を保
有しない場合には、 BPCE が保有していないすべての株式についてスクイーズアウトの手続を実施する意向を
発表した。
(2) リスク管理
(a) ナティクシスの内部統制システムの組織
ナティクシスの内部統制システムは、法的要件および規制要件に従い、様々な業務に内在するリスクの計
測、監督および管理を行う機関によって実施されるすべての手順を網羅する。かかる内部統制システムは、
銀行部門、支払サービス部門および投資サービス部門の企業の内部統制に関する 2014 年 11 月3日付フランス
省令に定められる規定に準拠している。
かかる内部統制システムは、出資企業グループにより行使される統制枠組の範囲において、リスクに対す
る統合されたアプローチを保証することを目的とし、 BPCE が規定した原則に基づき構築される。
その目的は、当行の社内業務の有効性と質、社内および社外に配布される会計および財務情報の信頼性、
業務の安全性ならびに法律、規則および社内規定の遵守を確実にすることである。
① 内部統制システムの概要
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスの内部統制システムは、以下の事項で構成されている。
・ 内部手続ならびに法的要件および規制要件に従い、業務スタッフ自身が担当する手続に関して行う
第一段階の永久統制 。
・ 業務スタッフから独立した、4つの部門によって行われる 第二段階の永久統制 。
・ 会社秘書役に直属する コンプライアンス部門 は、とりわけコンプライアンス・リスクの管理、第
二段階の統制の実施および第一段階の永久統制システムの組織に関して責任を有する。
・ コンプライアンス部門に階層的に直属する 情報システム・セキュリティおよび事業継続性部門
( ISS-BC )は、テクノロジー・リスクの統制を請け負う。テクノロジー・リスクは、情報システ
ム・セキュリティ、事業継続性、 IT ガバナンスおよび戦略、 IT 生産活動または情報システムの変
更に関する過程に関係することがある。
・ 最高リスク管理責任者が代表を務める リスク部門 は、上級経営陣に直属し、事業活動に内在する
リスク、とりわけ信用および取引相手方リスク、市場および流動性リスク、オペレーショナル・
リスクならびにモデル・リスクについて測定、監督および管理する責任を有する。
・ 会計および比率部門内にあり、機能的にはコンプライアンス部門に直属する 永久財務統制チーム
は、会計および規制に関する情報の質および正確性の検証を行う。
・ 一般的調査部門が行う 定期的統制 。一般的調査部門は最高経営責任者に直属し、事業がさらされる
リスクを評価する定期的監査を行い、内部統制システム全体の有効性を確保する。
会社秘書役は、 永久統制に責任を有し 、それらの一貫性および有効性を確保する。
ナティクシスは、当行全体における内部統制機構の一貫性を保つために統制に携わる機能を 世界的規模
で 体系化している。子会社または事業分野における第二段階の永久的および定期的統制に携わる機能は、
子会社の場合は職務ごとに、事業分野の場合は階層ごとに、該当するナティクシスの中央統制部門に直属
する。
かかる構造の目的は、以下の原則を遵守していることを確実にすることである。
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・ とりわけ会計担当チームにおける、取引の実施に責任を有する部署と取引の承認に責任を有する部
署との間での職務の厳密な分担
・ 取引を請け負い、認証する責任を有する業務および職務に関する部署とそれらを統制する部署との
間での厳密な独立性
統制機能調整委員会 は、システム全体の調整を行う。
経営幹部 は、取締役会の監督の下、ナティクシスの内部統制システム全体の実施について責任を負う。
取締役会 は、すべての重大なリスク、またそれに加えて決定されたリスク管理方針および変更につい
て、定期的に報告を受けている。
■ ナティクシスの内部統制システムの組織
② 統制機能調整委員会
統制機能調整委員会( CFCC )は、ナティクシスの最高経営責任者またはその代理である会社秘書役が議
長を務める。当該委員会は、最高リスク管理責任者、コンプライアンス部門長、一般的調査部門長、 ISS-
BC マネージャー、永久財務統制部門の部門長、 BPCE の事務局の代表および、必要に応じ、業務部門または
職務部門の一定のマネージャーをまとめている。 CFCC は以下のとおり全体の内部統制システムを調整す
る。
・ 組織および統制業務計画に関するあらゆる問題を取り扱う。
・ 連結範囲での緊急のまたは反復的なリスク分野を洗い出し、重大な異常を発見した場合は執行機関
に報告する(例えば、主な是正措置の未処理分を監視する。)。
・ 内部または外部の統制機能の担当者または規制当局により現在行われている統制業務の最新情報を
執行機関に提供し、それらの結果を業務の事業分野に確実に検討させる。
2020 年には、4回の CFCC の会合が開かれた。
内部監査および外部監査の結果によって補完される、かかるシステムの下実施される統制の結果は、取
締役会の派生機関である監査委員会およびリスク委員会を経由して取締役会に報告される。
③ 第一段階の永久統制
第一段階の永久統制は、内部手続ならびに法的要件および規制要件に従い、業務スタッフまたは職務ス
タッフが自身で行う取引に関して実施される。取引は、業務スタッフ自身による統制に従うことがあり
(レベル 1.1 )、また、指揮系統またはかかる取引を認証する責任を有する職務部門により、別個の統制
(レベル 1.2 )に従うこともある。
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第一段階の統制は、業績を強固なものとし、リスク範囲を特定し、報告書を作成するために使用される
専用ツールを通じて集中的に管理される。コンプライアンス部門は、業務部門または支援部門がその統制
を 定め、更新することを支援する。
④ 第二段階の永久統制
第二段階の永久統制は、業務部門のスタッフおよび支援部門のスタッフから独立した4つの部門が行
う。
コンプライアンス部門 は、特に、顧客保護、職業行為および倫理、市場における不正行為ならびに金融
セキュリティといった分野における不遵守リスクに関連する永久統制を行う責任がある。不遵守リスクに
加えて、当該部門は、特定のオペレーショナル・リスク対する第二段階の永久統制を行う。さらに、コン
プライアンス部門は、推奨される是正措置の業務の事業分野による実施および支援部門を監視する (不遵
守リスクに関する詳細については、「 (h) 不遵守リスク」を参照のこと。) 。
情報システム・セキュリティおよび事業継続システム部門 ( SSI-BC )の主な活動は、テクノロジー・リ
スクに関する規制枠組の規定および監督に関連する。そのため、当該部門は、方針および規則を規定し、
第二段階の統制を行い、関連するリスクの評価および管理を監督する。第二段階の統制計画は、 Groupe
BPCE 全体に適用され、ナティクシス固有のセクションにより補完されるセクションで構成されている。こ
れは、リスクに基づくアプローチによるものである。これらの統制は、貢献者(情報システム部門、許可
を行う論理セキュリティ担当者、事業継続計画の現地マネージャー)により報告される第一段階の統制に
基づき実行される (テクノロジー・リスクに関する詳細については、「 (h) 不遵守リスク」を参照のこ
と。) 。
リスク部門 は、信用および取引相手方リスク、市場および流動性リスク、総合的な金利リスク、オペ
レーショナル・リスクならびにモデル・リスクに関して統制を行う。保険業務および資産運用業務に関連
した個別リスクは、これらの統制に含まれ、その活動範囲はナティクシスの連結の範囲内のすべての事業
体を対象とする (詳細については、本「 (2) リスク管理」を参照のこと。) 。
会計および比率部門内の 永久財務統制チーム は、機能的にはコンプライアンス部門に直属する。当該
チームは、財務部門により作成された会計、税務申告および重要な報告を含む、規制当局が要求するすべ
ての報告を網羅する統制システムの実施を通して、会計および財務情報の信頼性を確かなものにするべく
支援している。
⑤ 定期的な統制
2014 年 11 月3日付フランス省令により規定された第三段階の統制、すなわち定期的な統制は、一般的調
査部門により行われる。
この点において、一般的調査部門はすべての運営事業体および支援部門から独立している。当該部門は
業務上の役割を持たないことから、利益相反の立場に立つことも一切ない。当該部門は、ナティクシスの
最高経営責任者に直属する。ナティクシスの一般的調査部門長は、ナティクシスの監査およびリスク委員
会の客員常任委員である。当該一般的調査部門長は、リスク委員会の議長と一対一で会う機会がある。ナ
ティクシスの監査憲章に基づき、一般的調査部門は、当該部門と対応する BPCE の部門と、職務上密接な関
係を有する。かかる方針に基づき、一般的調査部門はナティクシスの全体的な監査機能を調整し、 Groupe
BPCE の内部監査機能の一部となっている。
一般的調査部門は、そのすべての活動およびプロジェクトについて、リスク委員会に報告し、リスク委
員会は、かかる報告を受け、取締役会へ概括報告書を提出する。
当該部門は、ナティクシスの全範囲(親会社、子会社および支店)にわたり監査を行い、実施された多
様な事業活動により生じるあらゆる種類のリスクを網羅する。当該部門は、すべての情報(機密か機密で
ないかを問わず)を完全かつ無制限に入手できる。その調査領域は、ナティクシスの業務活動のすべて、
ナティクシスの支援部門(事業体において永久統制任務を担当する職務部門を含む。)および外部委託活
動を含む。すべての事業分野に関して、かかる監査は、監査過程における既存の統制のポイントの適切性
の評価、また、関連する活動より生じるリスクの評価につながる。当該部門は、業務部門および永久的統
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制チームにより行われる分野における反復的な業務を活用する。監査は、監査されるリスクを統制および
管理し、これらをより包括的にするためのメカニズムを強化する、優先順位をつけた助言へとつながる。
BPCE の業務執行役員会会長および一般的調査部門、ナティクシスのリスク委員会の議長および上級経営
陣ならびに監査された部署に対して、報告書が提出される。
一般的調査部門は、助言の実施を監視し、リスク委員会の議長を経由してナティクシスの上級経営委員
会、リスク委員会および取締役会に対して監査結果を提示する。この目的に向けて、当該部門は、デュー
ディリジェンスを行い、再監査を実施する。
ナティクシスの一般的調査部門の仕事は、 BPCE の一般的調査部門と連携して作成および遂行され、その
後上級経営委員会の様々な委員の助言を受けた年次の監査計画に基づいている。また、監査およびリスク
委員会の議長の助言も受ける。当該年次計画は、干渉の頻度を定めまたリスクおよび関連する規制要件に
資源を適合させる4ヶ年計画の一部である。
監査計画は、統括部門から要求があった場合または状況により必要な場合(例えば時事問題、環境の悪
化または新たなリスクの出現)、年度の途中で変更される可能性がある。一般的調査部門は、通常の監査
業務に加え、年度中に発生し監査計画に当初含まれていなかった問題に対処するため、特別監査を実施す
ることができる。
ナティクシスの年次のまたは複数年にわたる監査計画は、ナティクシスの最高経営責任者の承認を受け
る。年次の監査計画は、ナティクシスのリスク委員会および BPCE により検討され、ナティクシスの取締役
会に承認される。
2020 年、一般的調査部門は、市場活動およびモデルの使用に関するリスクの管理ならびに健康危機に関
連する状況の悪化によって引き起こされた信用リスクの管理に注ぎ込む資源を強化しながら、ナティクシ
スの活動によって生じるすべての種類のリスクについての職務を果たした。さらに、監査の質の管理およ
び勧告の実施を強化し、データ分析技術の利用を促進するために、一般的調査部門の全職員を多くのプロ
ジェクトおよび専門的な現場に動員した。業務方法および職務についてのプログラムは、健康危機により
強いられたロックダウンの制限に対応するように適応されている。
最後に、ナティクシスの一般的調査部門は、複数のプロジェクトおよび職務において、当該部門と対応
する BPCE の部門と連携して取り組んだ。かかる2つの部門は、 2020 年中に6回の会合を開いた。これらの
会合は、監査計画および実践に関する問題ならびにリスク評価および職務評価(一般的調査調整共同委員
会)に関連した問題に対処するための場を提供した。
(b) リスク・ガバナンスおよび管理システム
① リスク管理システム
ナティクシスのリスク管理は、独立した統制機能に基づいており、それぞれその監督の対象範囲内に含
まれるリスクに対応している。
リスク管理機能は、リスク部門により実施され、すべての範囲および関連する地理的地域を網羅する独
立したグローバルなマトリクスとして構成されている。
2020 年において、リスク管理機能は、ナティクシスの変革およびナティクシスが目標とする業務モデル
についてより良い支援を行うために、微調整された。現在は、以下の4つの主要な分野で編成されてい
る。
・ 6つの機能横断型の部門(信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスク、構造的な貸借対
照表上のリスク、全社的リスク管理ならびにモデル・リスクおよびリスク・ガバナンス)がそれぞ
れの固有のリスクに対応し、全社的リスク管理部門はリスク・モデルの発展ならびにリスクおよび
規制プロジェクト管理業務を専門とし、構造的な貸借対照表上のリスク業務を目的として構造的な
貸借対照表上のリスク( SBSR )部門が新たに設置されたことにより、 2020 年以降市場リスク部門と
して知られる MARPL (市場活動リスク、損益および流動性)部門により当初行われていた多くの業務
が含まれることとなった。
・ プラットフォームの地理的地域において業務を行っている3つの地域部門(南北アメリカ大陸、ア
ジア太平洋および EMEA (欧州、中東およびアフリカ))。
・ 資産運用およびウェルス・マネジメント、保険ならびに決済を専門とする3つの部門。
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・ 専門の IT 部門。
リスク管理機能は、リスク選好の枠組を指示し、 Groupe BPCE のリスク方針に一致するリスク方針を承認
のため上級経営陣に推奨し、以下の分野における原則および規則に関する上級経営陣への提案を行う。
・ リスクの引受けに関する決定手順
・ 権限付与の枠組
・ リスク測定
・ リスク監督
同機能はまた、リスク・モデル管理枠組の拡大の一環として独立してモデルの認証を行う。
ナティクシスのグローバルリスク委員会という最もレベルの高い委員会は、委員会の構造において必須
の役割を果たし、四半期ごとに一度集う。
さらに、同機能は、分析および成果をナティクシスの経営幹部、ナティクシスの監督機関および Groupe
BPCE へ提出し、その作業につき定期的に報告する。専門の部門は、様々なリスク(信用リスク、市場リス
ク、流動性リスク、オペレーショナル・リスク、モデル・リスク等)を示すスコアカードの使用により、
連結リスクの概観を作成する。これらの責任を果たすために、リスク部門は、ナティクシスの中核事業の
活動のために適合され、そのモデリングおよびリスクの種類ごとの定量化方法を適用する IT システムを利
用する。
ナティクシスの構造的な貸借対照表上のリスクの管理および監視は、資産負債管理委員会(すなわち、
「 ALM 委員会」)の権限の下で行われる。 ALM 委員会の監視対象には、総合的な金利リスク、流動性リス
ク、構造的な外国為替リスクおよびレバレッジリスクが含まれる。
コンプライアンス機能は、 Natixis S.A. ならびにそのフランス国内外の支店および子会社の不遵守リス
ク管理システムを監視する。また、同機能は、不正リスクの防止、情報システムのセキュリティおよび事
業継続性を管理している。
その業務規則は、上級経営委員会により承認された憲章により統制されている。
助言、意識の向上およびトレーニングといったコンプライアンス機能である予防措置は、ナティクシス
のコンプライアンス・リスク管理を向上させるための主要な推進力である。
② 組織
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
リスク管理ガバナンスは、銀行の全レベルを含む構造化された組織である。
・ 取締役会およびその特別委員会(リスク委員会、監査委員会等)
・ 銀行内の経営幹部および特別リスク委員会
・ 事業から独立した中央部門
・ 事業分野(資産運用およびウェルス・マネジメント、コーポレート・バンキングおよびインベスト
メント・バンキング、保険ならびに決済)
③ リスク文化
ナティクシスは、その組織のあらゆるレベルにおいて、強固なリスク文化により特徴付けられている。
そのリスク文化は、リスク憲章に規定されているように、リスク機能の指針の中心となる。リスク憲章
の優先事項は以下の2つである。
・ 銀行の主要なリスク(信用、市場、オペレーショナルおよびモデル)のすべてをカバーするリスク
政策、基準および手続の概要を展開させ、銀行の戦略的ビジョンおよびリスク選好の概要を示すこ
とにより、銀行内の ベストプラクティスを調和させること 。
・ 銀行のリスク文化に関する 3つの柱に基づく戦略を展開すること 。
・ 部門のデジタル・コミュニケーションの強化(「リスク・イン・マインド」の電子雑誌、 Yammer
におけるリスク機能のプレゼンスを強化すること等)ならびに過去の事案からの学びおよび学ん
だ教訓の共有を目的とする「レッスンズ・ラーンド」の講習会の実施により意識の向上および周
知を追求する第一の柱
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・ 義務化された e- ラーニングモジュールに加えて、特定の主題(特に、規制の変更、新たな従業員
向けの新人研修ならびに事業分野および統制機能についての洞察力を与える「ディスカバリー」
プ ログラム)に関する全従業員への研修を促進するための研修に注力する柱
・ 「リスク文化」の採用基準への組込み、横断的事業/リスク経路の導入および「リスク文化」の
従業員評価基準への組込みといった「キャリアパス」の柱
リスク文化を根付かせることを目的としたイニシアチブは年間を通じて実施される。 2020 年は広報紙
「リスク・ミーティング・ポイント」の初版ならびにリスクのイントラネット・ツールの見直しによる、
より相互作用的な環境を通じたリスク関連の情報へのアクセスの増加および促進を目的としたシェアポイ
ントへの転換を特徴とする。
2017 年 12 月にナティクシスが導入した新たな行動規範は、すべての従業員に適用される行動規則を定義
し、さらなる関与および説明責任を促すため、リスク文化を根付かせるにあたり、別の効果的な手段と
なっている。
4つの指針は、ナティクシスの DNA の構成要素として機能し、各職務および機能に適応されている。指針
は、以下のテーマに分類される。
・ 顧客中心であること。
・ 倫理的に行動すること。
・ 社会に対して責任を持って行動すること。
・ ナティクシスおよび Groupe BPCE の資産や評判を保護すること。
各事業体にパフォーマンス指標およびダッシュボードが定められた後、 e- ラーニングモジュールはすべ
ての従業員に義務化され、実施された。
その後、各事業体向けに開催された行動委員会会議で、分析が提示された。かかる会議には、事業分野
部門、人事部門、コンプライアンス部門およびリスク部門の4つの委員会が結集した。
最後に、ナティクシスの報酬方針は、適切なリスク管理を確保すると同時に、当行の従業員の長期的な
コミットメントを奨励するように構成されている。
④ リスク選好
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスのリスク選好は、その事業モデルおよび戦略の範囲内で当行が負うことをいとわないリス
クの性質および度合いとして定義される。
リスク選好は、ナティクシスの戦略計画、予算手続および事業活動と一致し、リスク選好に関する
Groupe BPCE の全般的な枠組に含まれるが、これは、以下の2つの項目に基づく。
1 . リスク選好報告書( RAS ):質的および量的観点において、当行が取る準備のできているリスクをそ
の事業モデルに基づき設定する。
2 . リスク選好枠組( RAF ):組織の主要な手続と RAS を実行に移すための統制の実施との接点を規定す
る。
リスク選好は、上級経営陣が1年ごとに見直し、リスク委員会と協議の上、取締役会により承認され
る。
リスク選好報告書
ナティクシスのリスク選好の原則は、その事業モデルの遂行にあたり、当行が取る準備のできているあ
らゆる種類のリスクの選定および管理に由来している。かかる原則は、ナティクシスの包括的な戦略ガイ
ドラインとそのリスク管理能力との一貫性を確保している。
ナティクシスが展開する事業モデルは、自身の特化している分野(コーポレート・ファイナンス、資本
市場活動、資産運用およびウェルス・マネジメント、保険ならびに決済)に基づいており、自身の顧客お
よび Groupe BPCE の顧客のニーズに応えている。
当行は、希少な資源(資本、流動性、貸借対照表)の消費とのバランスがとれた持続的かつ一貫性のあ
る収益性を追い求めている。当行は、習得していない業務には従事しない。
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リスク/収益比率が高い業務は、厳正なる選考および監視の対象となっている。特に市場リスク管理
は、非常に選択的な投資アプローチを有し、極端なリスクへの限られた許容誤差および徹底した監視の対
象 にもなっている。
ナティクシスは、本質的にコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング、資産運用
およびウェルス・マネジメント、保険ならびに決済の事業活動に固有のリスクを負う。
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングにより生じる 信用リスク は、事業
および子会社に採用される個別のリスク政策、取引相手方、国別(先進国および新興国)、部門別
に定義される集中制限に基づき、ストレス・テストおよび部門審査を含むポートフォリオに対する
広範囲の監視を通じて管理される。かかるシステムは、様々な信用委員会によって実施される独立
した分析(事業分野/リスク機能)を通じて、発行預託金の選択的管理を確保する。
・ 当行の市場活動は、自身の顧客のニーズを満たすことを目的とし、あらゆる形の自己勘定売買を除
く当行の 市場リスクから生じる 。これによる市場リスクは、リスク政策ならびに個別の質的および
量的指標の主要部分に従って管理される(例えば、授権商品のリスト、 VaR の測定、ストレス・テス
ト、感応度)。
・ レバレッジリスクおよび流動性リスク は、財務管理部門によって監視され、専門のガバナンス機関
(2ヶ月に1度の ALM 委員会)内の上級経営陣による個別の監督を受ける。これら2つのリスクによ
り、専用の枠組および事業分野で必要なレバレッジの管理目的を用いた希少な資源の管理のための
個別の目的の設定が必要となる。さらに、流動性リスクは、関連会社の「最終的な貸し手」であ
り、公共の「バニラ」資金調達取引の MLT 問題に責任を持つ BPCE と共同で監視されている。構造的な
貸借対照表上のリスク内で、ナティクシスは、信用スプレッド・リスクにさらされている。
・ 当行の ソルベンシーの軌道 は、上級経営陣により設定され、資本および規制資本要件の目標レベル
を設定する会計および比率部門によって監視される。かかる軌道は、当行の範囲および活動の変
化、特に規制資本要件に関する方法論の変更ならびに債券発行または株式の発行を考慮している。
・ オペレーショナル・リスク は、その性質上、当行のすべての事業分野および機能に存在している。
かかるリスクは、事業分野および地理的地域全体に展開されるシステムを通じて、毎年リスクを
マッピングし、損失および事象についてのフィードバックをするために、他の管理機能とあわせ
て、共有データ収集ツールを用いて管理される。これにより、是正および予防措置制度を適切に実
施することが可能となる。ルールとして、ナティクシスは、オペレーショナル・リスクに対して特
別な選好は持たずに、厳密に管理している。
・ ナティクシスは、銀行業務および金融規制に関する 不遵守リスク にさらされており、行動規範の実
施および金融セキュリティ、倫理および顧客保護の領域において、フランス国内外で業務を管理す
る法律、規則、基準を徹底的に遵守することで管理することを義務付けられている。
・ ナティクシスの最も重要な資産は、自身の 評判 および顧客との関係である。そのため、顧客の利益
が最優先され、当行は、(事業活動、事業体または地理的地域に関係なく)最高レベルの倫理基準
で営業することに専念し、最善の取引の遂行や安全の基準に従っている。金融リスク、法的リスク
またはオペレーショナル・リスクなどのその他の「直接的」リスクの存在から生じるリスクは、事
前/事後アプローチを兼ね備える指標をよく用いている。
・ モデル・リスク は、指令第 2013/36/EU 号( CRD 4)の意味における内部モデルおよび連邦準備制度理
事会の指令第 SR11-7 号に基づくモデルの定義の意味における当行によるすべてのその他モデル(金
融商品の評価に使用されたモデルを含む。)のどちらにも関係している。モデル・リスクは、主
に、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの市場業務に関係しており、
特定のガバナンスおよび臨時の指標を使用した監視の対象である。
・ ナティクシスは、保険業務( Natixis Assurances )、資産運用業務( Natixis Investment
Managers )および決済業務に関連するリスクを特定の範囲のもとにまとめている。 保険業務 に関し
て当行が負う主なリスクは、引受リスク、特に損害リスクおよび保険会社の投資から生じる市場リ
スク(金利リスク、株式リスク、スプレッド・リスク、不動産リスクおよび為替リスク)である。
リスク選好枠組
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当行にとって重要であると特定および判断された各リスクは、指標および耐性閾値を使用して監視され
る。
・ 各事業分野に割り当てられるリスク・エクスポージャーを設定する閾値
・ 上限を超えた場合、ソルベンシー、流動性、業績および評判の点でナティクシスの事業継続性およ
び/または安定性にリスクを与える可能性がある最大リスクについての上限
リスク選好枠組において定義される許容閾値(閾値および限界)を超過した場合、経営幹部に続き監督
機関への通知およびエスカレーションの手続きの対象となる。かかる業務枠組は、リスクのタイプ(信用
および取引相手方リスク、市場リスク、流動性リスクおよびレバレッジリスクを含む構造的貸借対照表上
のリスク、オペレーショナル・リスク、ソルベンシー・リスク等)に応じて適用され、ナティクシスの既
存の測定および報告システムに依拠している。
同枠組は、定期的に見直され、強化され、また上級経営委員会および取締役会のリスク委員会に提示さ
れる。
リスク選好枠組は、特に下記に関する、ナティクシスの主要な手続の一部を形成する。
・ リスク特定:ナティクシスが直面しているまたは直面する可能性のあるリスクの概要を示すため、
事業分野およびリスクの種類別に、毎年リスクが示される。当該アプローチにより、重要なリスク
を特定することができ、その指標はリスク選好枠組内に含まれている。
・ 予算過程および全体的なストレス・テスト
システム上重要な金融機関に関する規則に従って、 Groupe BPCE は再建防止計画( PPR )を作成した。
⑤ リスク類型論
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスは、特に規制要件の結果により変更する可能性のある業務に伴う一連のリスクにさらされ
ている。
信用リスクおよび取引相手方リスク
信用リスクは、債務者が契約上の義務を履行できないことによる財務上の損失のリスクである。デフォ
ルトの可能性およびその場合予想される回収率の程度の評価が、信用の質の測定における主要な要因であ
る。信用リスクは、かかる状況がデフォルト率の上昇を生じる可能性がある限り、経済的不確実性の期間
に増加する。
取引相手方リスクは、市場取引において取引相手方がデフォルトした際にさらされるリスクである。取
引相手方リスクは、市場パラメーターの動きにより変化する。
ナティクシスは、その顧客と共に実行している取引(例えば、融資業務、店頭デリバティブ(スワッ
プ、オプション等)および再購入契約)によりこれらのリスクにさらされている。
証券化リスク
証券化とは、特定目的事業体(通常、特定目的事業体( SPE )または「コンデュイット」)に一連のエク
スポージャーに固有の信用リスクが置かれる取引であり、その後、通常は投資家に販売する目的で、各ト
ランシェに分けられる。 SPE は、ある場合には投資家により直接引き受けられるか、短期満期債券(財務省
債券またはコマーシャルペーパー)を発行することにより株式の購入をリファイナンスするマルチセ
ラー・コンデュイットによって引き受けられる株式を発行する。
格付機関は、投資家に対して販売される株式の信用度を評価する。
一般的に、証券化には下記の特徴がある。
・ 結果としてナティクシスにより組成された取引のリスクを物質的に移転させる。
・ 取引の過程で行われる決済は、裏付けとなるエクスポージャーの業績によって決まる。
・ 取引により定義される各トランシェの劣後は、リスク移転期間における損失の配分を決定する。
市場リスク
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市場リスクとは、市場パラメーターの動きの悪化により発生する価値損失のリスクである。これらのパ
ラメーターは、とりわけ証券(債券、株式)および原料の価格、金利、デリバティブ金融商品の価格なら
びに外国為替相場を含む。
資産流動性は、市場リスクの重要な構成要素である。流動性が不十分かまたは全くない場合(例えば、
取引数の減少または特定の資産の需給の著しい不均衡によるもの。)、金融商品またはその他の譲渡可能
資産は、見積価格で取引できない可能性がある。
流動性の欠如は、資本市場へのアクセスの減少、不測の現金もしくは資本の必要性、または法的規則に
つながる可能性がある。
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、不十分もしくは失敗した内部プロセス(従業員によるものか情報シス
テムによるものかを問わない。)または財務、規制、法律もしくは評判による影響といった外部的事象に
関連する損失のリスクである。
Groupe BPCE の保険部門は、保険をかけられるオペレーショナル・リスクの分析および適切な保険を適用
することに責任を負っている。ナティクシスおよびその子会社は、詐欺、横領および窃盗により生じる可
能性のある重大な結果、営業損失またはナティクシスもしくはその子会社もしくはナティクシスが責任を
負う従業員の民事責任の影響に対する Groupe BPCE と共通の保険方針を享受する。
不遵守リスク
不遵守リスクとは、フランス法令では、国内のもしくは直接適用できる欧州の細則もしくは規則または
経営幹部による指示であるかを問わず、監督機関の政策により発布された銀行業務および金融活動に特有
の規定の不遵守により生じる著しい財務上の損失または評判の毀損を伴う法的処分、行政処分または懲戒
処分のリスクをいう。このリスクは、定義上はオペレーショナル・リスクの下位カテゴリーである。
サイバー・リスク
サイバー・リスクは、会社、従業員、パートナーおよび顧客に重大な損失を被らせることを目的とし、
デジタルにデータ(個人情報、銀行/保険情報、技術情報または戦略情報)、プロセスおよびユーザーを
操作する不当および/または不正な行為に起因するリスクである。 銀行情報システムの変化、それに付随
する新技術および関連サービスの外部委託の増加により、より高度化および自動化した攻撃を実行する新
たな機会がサイバー犯罪者に提供されている。
ナティクシスの事業を行う能力は、その情報システムの入手可能性、データの一貫性および機密性の保
証ならびに各取引のトレーサビリティにより決定される。
レピュテーション・リスク
レピュテーション・リスクとは、その信頼があらゆる点において通常の事業の遂行に不可欠である顧
客、取引相手方、供給者、従業員、株主、監督者またはその他の第三者からの当行に対する信頼を損なう
リスクをいう。
レピュテーション・リスクは、本質的に当行が被るその他のリスクに付随するリスクである。
法的リスク
法的リスクとは、フランス法令の下、当行の業務に起因する可能性のある不正確性、不作為または不備
から生じる第三者との訴訟のリスクとして定義される。
モデル・リスク
モデル・リスクとは、評価モデル、規制上の資本モデルもしくはその他のモデルの定義、実行または使
用の際に生じるエラーを起因とする、直接的な経済損失またはイメージに関わる問題、訴訟もしくは風評
被害の結果として生じる経済損失のリスクである。
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総合的な金利リスク
総合的な金利リスクは、現在使用されている金利と資産の金利との相違による金利の不利な変動に起因
する銀行業務ポートフォリオに対する損失リスクとして定義される。
大半のコーポレート銀行兼投資銀行と同様に、ナティクシスは構造的な金利ポジションが生じる資産お
よび負債をほとんど有していない。ナティクシスの総合的な金利リスクは、契約上の取引に関連する。最
も重要なポジションは、イールド・カーブのショートエンドに対するエクスポージャーに関するもので、
主に IBOR の金利決定日の時間差に連動する。したがって、銀行レベルでは二次的リスクとして分類され
る。
流動性リスク
流動性リスクとは、資産と負債の満期における超過分によって、ナティクシスが債権者に対する責務を
果たすことができなくなるリスクである。例えば、多額の顧客預金の引出し、信用危機または市場全体の
流動性危機が生じる場合に、かかるリスクが発生する。コーポレート銀行兼投資銀行として、かかるリス
クは、主に契約上の満期を有する取引間のポジションの不一致によって生じる。これは、リテール・バン
クに比べてナティクシスには安定的かつ恒久的な顧客資源が限られていることや、一部には業務の資金調
達を市場で行っているからである。
スプレッド・リスクとは、固定マージン長期資産を受けて流動性危機が発生した場合、または利用可能
資産額と比較して高い利率の長期ファンドに再投資せざるを得ない場合に、資金調達費用が増加するリス
クである。
構造的な為替リスク
構造的な為替リスクとは、純投資の通貨(同一の通貨購入によってリファイナンスされる。)と株式の
通貨の不一致に起因して、連結会計に使用される通貨に対する為替相場の不利な変動によって生じる譲渡
可能株式の損失リスクとして定義される。
ナティクシスの構造的な為替リスクの大部分は、米ドルで資金調達が行われた海外の支店および子会社
の連結に起因する同通貨の構造的ポジションに関連するものである。
その他のリスク
保険事業に関するリスク とは、請求予想と実際の請求との間の不一致による利益に関するリスクであ
る。該当する保険商品によって、かかるリスクはマクロ経済的な変化、顧客行動の変化、公的医療保険の
変化、世界的流行病、事故および自然災害(例えば地震、産業災害またはテロ行為もしくは戦争)に従い
変化する。
戦略リスク とは、選択した戦略に伴うリスクまたはナティクシスが戦略を実行できなかったことから生
じるリスクである。
気候リスク は、気候指数(気温、雨量、風、雪等)の変動に対して増加する事業の脆弱性を表す。当該
リスクは、本質的なもの(異常気象現象の増加)であるか、または環境の遷移(新たな炭素規制)に関連
するものである可能性がある。
環境および社会的リスク は、ナティクシスが投資する顧客および企業の業務から生じる。
⑥ ストレス・テスト
ナティクシスは、リスクを動的に監視し、管理する包括的なストレス・テストメカニズムを開発した。
そのセットは、リスクおよび財務管理システムの不可欠な部分を担っており、ナティクシスの資本要件
および規制要件の計画プロセスに貢献する。
ナティクシスのストレス・テストメカニズムは、下記で構成されている。
・ 総合的な内部および外部のテスト
・ 定期的な規制上のテスト
・ 特定の対象範囲ごとのテスト
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包括的な内部ストレス・テスト
包括的な内部ストレス・テストの目的は、基本的な経済シナリオの影響ならびに当行の損益計算書、リ
スク加重資産および株式に係るストレス下の経済シナリオの影響を評価することである。
経済リサーチ・チームにより提案される同シナリオは、 Groupe BPCE の経営管理委員会により議論および
承認され、ナティクシスの上級経営委員会に提示される。
同シナリオは、レベルまたは3年の期間における経済変数および財務変数( GDP 、インフレ率、雇用率お
よび失業率、金利および為替レート、主要な株式市場の指数レベルおよびコモディティの価格等)に対す
る衝撃に変換される。これらの変数は、損益計算書、リスク加重資産および株式のあらゆる総計に対して
ストレスを適用するため、ナティクシスにより使用される予測モデルの要素として組み込まれる。
基本的なシナリオの軌道は、市場コンセンサス、先渡取引および先物取引から導かれる。
2020 年に実施された国際的な内部ストレス・テストの一環として、シナリオは、 COVID-19 危機に関する
2021 年から 2023 年の間における影響に関する仮定を用いて設計されている。
1つ目の不利なシナリオは、「 L 」型の経済回復を特徴とする。健康危機は 2021 年も続き、その後の数年
間は限定的な回復となる。 2023 年に徐々に通常の状態に戻っていくまで、特に 2021 年と 2022 年におけるデ
フレ圧力により大きな改善は見られない。
2つ目の不利なシナリオは、 2020 年に経験した健康危機を受けて、加盟国が契約した負債に関連して
2012 年および 2013 年に観察されたような、 2021 年および 2022 年のユーロ圏における緊張を想定している。
2021 年において、他の主要地域とは異なり、ユーロ圏では経済の改善が見られない。フランスを含むユー
ロ圏南部の国々は、失業率の急上昇および GDP のさらなる減少に苦しんでいる。ユーロ安およびブレント価
格の下落を受けて、ユーロ圏ではインフレ率が上昇している。
リバース・ストレス・テストに使用される反対のシナリオは、 CET 1比率の所定の目標を達成するため、
ナティクシスの様々な要素において観察される感応度から構成される。かかるシナリオの結果は、1つ目
の不利なシナリオの格下げ版であり、株式および信用スプレッドにより深刻な影響を与えるものとなって
いる。
これらの予測は、財務変数および経済変数に見られる感度および傾向または内部の歴史的データに基づ
く内部モデルに基づいている。
これらのストレス・テストの結果は、上級経営委員会に承認され、取締役会のリスク委員会に提示され
た。それらは、ナティクシスのソルベンシーの軌道の計算プロセスの一環として分析された。かかる影響
は、グループ持分の純利益、純収益および普通株式等 Tier 1において測定される。
これらのテストはナティクシスが脆弱性または弱点を示す分野を評価することに役立ち、適応策または
改善策の確立に貢献する。
さらに、コロナウイルスの流行に関連した経済の回復の不確実性から、 2020 年第2四半期には、損益計
算書の追加の評価ならびに 2020 年および 2021 年のソルベンシー軌道が3つの経済シナリオに基づいて作成
された。
すなわち、最新の IMF の予測に基づく中心的なシナリオ、 GDP のより急激な下落を伴う2つ目の格下げさ
れた中心的なシナリオおよび不利なシナリオであり、回復の兆しを見せない不利なシナリオとは異なり、
中心的なシナリオは、 2021 年における回復の予想をしている。
これらの軌道は、経営管理委員会によって検証され、 ECB に提示された。
規制上のストレス・テスト
規制上のストレス・テストは、 ECB 、 EBA およびその他の監督機関の特別要件に従っている。直近の規制
上のテストは、 ECB 向けに EBA により作成された方法を使用して 2018 年に行われた。ナティクシスは、
Groupe BPCE の範囲において実施されたテストに貢献した。
COVID-19 による健康危機の影響を軽減するため、 2020 年に予定されていたストレス・テストは EBA によっ
て 2021 年に延期され、欧州の銀行部門は業務の継続性を優先することができた。
特定のストレス・テスト
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ナティクシスのリスク部門により実施された特定のストレス・テストの詳細は、本書の各セクションに
おいて記載されている(とりわけ、信用ストレス・テストについては、「 (c) 信用リスクおよび取引相手
方リスク -⑨ 手続を監視する枠組」を、また市場ストレス・テストについては、「 (e) 市場リスク-③
市 場リスクの評価方法」を参照のこと。)。
(c) 信用リスクおよび取引相手方リスク
① 組織
リスク管理の枠組は、当行のすべての事業および支援業務の活発な関与を伴い、リスク部門により監視
される。すべての内部基準、方針および手続は、 BPCE の枠組と一致しており、内部統制、規制上の変更お
よび当行のリスク選好の結果を考慮するために定期的に見直される。
信用リスク管理および統制は、職務の分担に従って実施される。したがって、リスク部門は、その他の
部門と共に、以下を行う様々な部門を通じて信用リスクの監視に責任を負う。
・ 信用リスク方針および内部信用リスク管理手続を定義する。
・ 信用リスクの上限およびエクスポージャー閾値を設定する。
・ クレジットの承認および上限の承認のプロセスに従った信用リスクおよび取引相手方リスクの再分
析の後、取引の承認を発行する。
・ 内部格付の方法およびモデルを定義する。
・ 第二段階の永久統制を実施する。
・ エクスポージャーを監視し、 ナティクシスの 上級経営陣に報告する。
リスク部門の主要な職務は、各事業と連携しつつ、当行が取るリスクに関する関連性および有用性のあ
るすべての情報に基づき、意見を述べることである。
信用決定は、事業分野およびリスク部門の特定の担当者の両方に付与された制限付きの権限内で行わ
れ、最高経営責任者または彼がそのために権限を与える者が、自ら承認する。かかる権限の付与は、取引
相手方の種類および内部信用格付ならびに取引契約の性質および期間により異なる。さらに、かかる権限
は、取引が、各部門および事業のリスク政策により設定された基準を満たす場合にのみ行使され得る。
ナティクシスは、 BPCE と協力し、共同保有する資産クラスが適用対象となる格付方法を定義した。
② 目標および方針
ナティクシスのリスク方針は、当行のリスク選好、信用リスク管理および運営の枠組全体の構成要素と
して定義されている。当該方針は、リスク部門および当行の様々な事業分野による協議の産物であり、リ
スク負担の枠組を確立しながら、リスク選好およびナティクシスの事業分野または部門による戦略的見通
しを適用することを目的としている。
現在約 20 あるナティクシスのリスク方針は定期的に改訂され、コーポレート・バンキングおよびインベ
ストメント・バンキングの様々な事業(コーポレート、 LBO 、エアクラフト・ファイナンス、不動産ファイ
ナンス、プロジェクト・ファイナンス、商品ファイナンス、銀行、保険等)および子会社におけるこれら
の事業を網羅している。
当該リスク方針により策定される枠組は、ベストプラクティスに基づく推奨ならびに(定性的または定
量的に)厳格な監視基準、意思決定過程および通常の上限の承認のシステムに影響を 与える逸脱との間で
区別をつける。
定量的な枠組は通常以下に基づいている。
・ 事業分野または部門による取組みの上限
・ 取引相手方の種類、商品の種類、あるいは地理的地域による取組みのサブリミット
当該枠組は特定の部門または特定の種類のリスクに対し、当行の取組みが集中していないかの監視に役
立っている。
一方、定性的な枠組は以下の基準に基づいて構築されている。
・ 事業部門:優先部門、禁止部門
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・ ターゲット:様々な基準(規模、格付、事業が展開されている国等)に基づいてターゲットとする
べきまたは除外すべき顧客
・ 構造:最長持続時間、財務比率、契約条項、担保契約等
・ 商品
リスク方針の適切な適用を確実に行うため、ローン承認個別審査において、必要に応じて調査が行われ
る。全体の調査も四半期ごとに実施され(上限および逸脱数との整合性の確認)、グローバルリスク委員
会に提出される。
③ 融資の許可および信用リスクの管理についての一般原則
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスの信用リスクの測定および管理手続は、以下のものに基づく。
・ 上限承認のシステムおよび意思決定の委員会により構築された、標準化されたリスク負担プロセス
・ ローン承認審査プロセスにおいて、リスク部門が実施した独立した分析
・ 取引相手方リスクの標準化され、適合された評価を提供する格付手段および手法(これにより1年
以内のデフォルト率およびデフォルト時損失率を評価することが可能となる。)
・ ローン残額および信用限度の検討を行う情報システム
④ 取引相手方リスク管理
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
取引相手方リスク管理の原則は以下に基づいている。
・ 取引相手方リスクに対するエクスポージャー測定
・ 取引相手方リスクの上限および配分手続
・ 取引相手方リスクに関する価値調整(信用評価調整)
・ 取引相手方リスクの軽減
・ 誤方向リスクの組込み
取引相手方リスクに対するエクスポージャー測定
ナティクシスは、その取引相手方リスクを測定および管理するために内部モデルを用いる。かかるモデ
ルは、主要なリスク要因に対するモンテカルロ型シミュレーションに基づいて、相殺および担保基準を考
慮しつつ各取引相手方およびエクスポージャーの存続期間全体の状況を測定する 。
このようにして、かかるモデルは、 EPE (正の期待エクスポージャー)特性および PFE (将来の潜在的エ
クスポージャー)特性を決定する。後者は、ナティクシスが取引相手方リスク・エクスポージャーの評価
に用いる主要な指標である。
取引相手方リスクに係る資本要件を算定する目的で、欧州中央銀行は部分的に Natixis S.A. が内部の
EEPE (正の実効期待エクスポージャー)モデルをエクスポージャーの算出に使用することを承認した。そ
の他の事業体および Natixis S.A. が EEPE モデルを使用することが認められていない業務の範囲に関して
は、エクスポージャーは値洗い方式を用いて算定される。
取引相手方リスクに関する上限枠組
上限は、取引相手方リスク特性に応じて、意思決定プロセスに関連性および有用性のあるすべての情報
の分析後に定義される。
上限は、ナティクシスの信用承認プロセスに沿ったもので、委任当局または信用委員会のいずれかによ
り検証および承認される。
上限は、監督メカニズムの遵守を確実にするために、専用の統合システムを用いて毎日監視される。
信用評価調整
ナティクシスは、デリバティブ商品の評価に、信用評価調整( CVA )を含む。
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これらの調整は、取引相手方の債務不履行リスクごとの期待損失を含み、ナティクシスは、取引の市場
価値のすべてを回復することはできないという事実を説明することを目的とする。
ナティクシスは、 2014 年1月1日から CVA の資本要件を算出している。
誤方向リスク
誤方向リスクとは、ナティクシスの取引相手方に対するエクスポージャーが、取引相手方のデフォルト
率と深く関連しているリスクをいう。
このリスクは、規制の観点から以下の2つのコンセプトにより表される。
・ 特定の誤方向リスク。すなわち、取引相手方と締結した取引の質により、信用の質とエクスポー
ジャーの量との間に直接的な関連性が存在する場合に発生するリスクをいう。
・ 一般的な誤方向リスク。すなわち、取引相手方の信用の質と一般的な市場要素との間に相関関係が
存在する場合に発生するリスクをいう。
特定の誤方向リスクは、個別の自己の資金要件(信用金融機関および投資会社の健全性要件に関する
2013 年6月 26 日付欧州規則第 291.5 条)および個別の上限の事前承認の対象となる。
一般的な誤方向リスクは、新興国に設定された制限を通じて網羅される。
⑤ 格付システム
内部格付システム
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
内部格付システムは、ナティクシスの信用リスクの評価、監視および管理メカニズムの不可欠な部分で
ある。これは、信用リスクの評価に使用されるすべての手法、プロセス、方法および管理をカバーしてい
る。これは、基礎的インプット(格付に対応するデフォルト率( PD )およびパーセントで表わされるデ
フォルト時損失率( LGD )を含む。)を考慮している。
規制上の要件に従って、銀行帳簿および関連エクスポージャーの中のすべての取引相手方は、以下の場
合に、内部格付を有さなければならない。
・ 貸付があるかまたは信用限度が割り当てられている場合
・ ローンを保証する場合
・ 貸付担保として使用される証券を発行する場合
この内部格付メカニズムは、以下のものに基づく。
・ 様々なバーゼル資産クラスに特有で、ナティクシスのリスク特性に一致する内部格付手法。各取引
相手方の種類に対して独自の格付手続および方法論が存在する。
・ 当該プロセスの開始から承認および完成プロセスの記録まで、格付プロセスの継続的段階の管理に
使用される IT システム
・ 取引の開始からデフォルトしている取引相手方および関連ローンにおいて発生した損失の事後分析
まで、リスク管理システムの中心に内部格付を置く手続および管理
・ 格付手法、 LGD の計算方法および潜在的リスク・インプットの定期的審査
カントリーリスクに関して、同システムは、ソブリン格付およびソブリンでない取引相手方に付与され
る可能性がある格付を制限する国に対する格付に基づく。これらの格付は、毎年(必要な場合はより頻繁
に)審査される。
2010 年9月 30 日以降、ナティクシスは、フランスの金融健全性監督・破綻処理機構( Autorité de
Contrôle Prudentiel et de Résolution ( ACPR ))が承認し、会社、ソブリン、銀行、専門金融機関のエ
クスポージャー分類を格付けするために先進的内部格付手法( A-IRB )を使用する、各資産クラスに特有の
内部格付方法を使用している。
格付は、2つのアプローチ(統計的アプローチおよび専門家評価に基づくアプローチ)により定められ
ている。
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専門家評価に基づく内部格付および外部格付(会社、銀行、専門金融機関)の対応標示
内部格付 対応する S&P / Fitch の格付 対応する Moody's の格付 1年以内のデフォルト率
AAA AAA Aaa 0.03 %
AA+ AA+ Aa1 0.03 %
AA AA Aa2 0.03 %
AA- AA- Aa3 0.03 %
A+ A+ A1 0.03 %
A A A2 0.04 %
A- A- A3 0.09 %
BBB+ BBB+ Baa1 0.17 %
BBB BBB Baa2 0.31 %
BBB- BBB- Baa3 0.52 %
BB+ BB+ Ba1 0.84 %
BB BB Ba2 1.29 %
BB- BB- Ba3 1.90 %
B+ B+ B1 2.73 %
B B B2 3.82 %
B- B- B3 5.23 %
CCC+ CCC+ Caa1 7.01 %
CCC CCC Caa2 9.24 %
CCC- CCC- Caa3 11.98 %
CC CC Ca 15.32 %
C C C 19.36 %
取引相手方の種類により格付の尺度は異なり、主要な会社、銀行および専門金融機関の場合は 21 階級に
分類される。内部格付もまた、信用取引申請書の承認に必要な権限のレベルを図るために使われる基準の
1つである。
外部格付システム
標準方式を用いて評価される発行済債券については、ナティクシスは、 Fitch Ratings 、 Standard &
Poor's 、 Moody's および DBRS (ドミニオン・ボンド格付サービス)といった機関の外部格付システムを用い
る。
外部格付機関の英数字から成る信用格付段階およびリスク加重係数は、 ACPR が公表する注記( CRD 4に基
づく健全性比率算出方法(資本要件指令4))に従って調整される。
銀行ポートフォリオのエクスポージャーがそのまま適用できる外部信用格付を有しない場合には、当行
の顧客標準により、個別におよび分析の後で、発行体(または、該当する場合には、保証人)の内部また
はエクスポージャー格付に部分的に基づく格付の適用が許可される。
⑥ 内部モデルの検証
モデルの検証
規制要件に従って、ナティクシスは、信用リスクおよび取引相手方リスクを評価する内部モデル検証方
針および手続を定めた。この独立したモデルの検証方針は、より広範なリスク・モデル管理の枠組の一部
である。
最高リスク管理責任者の直属であるモデル・リスクおよびリスク・ガバナンスの一部であるモデル・リ
スク管理( MRM )が、モデルの寿命に適応する管理と基準について責任を負う。モデルの寿命における様々
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なステージは(デザイン、 IT の発展、検証および使用)、明確に提示され、各参加者の役割および責任が
特定および詳述される。
内部取引相手方リスク・モデルおよび内部格付モデルは、 Groupe BPCE のリスク部門の検証チームによ
り、または Groupe BPCE のグループ MRM 委員会の承認の下、ナティクシスのリスク・モデル検証チームによ
り検証される。ナティクシスのリスク・モデル検証チームは、以下の6段階の検証プロセスを用いる。
・ モデルに適用されたデータおよびパラメーター:データの質および代表性の分析、統制の完全性、
エラー報告、データの包括性等
・ 手法:モデルの基礎となる理論の分析、推計値、測定方法、リスク指標、集合規則、モデルのベン
チマークの分析、精度および収束値の分析
・ 使用試験および頑健性試験:検証チームは、内部モデルが適格なスタッフに用いられること、使用
手続は記録され、かつ更新されることを確実にし、独立した事後コントロールおよびストレス・テ
ストを行う。
・ IT の発展:カウンター・インプリメンテーション、コード分析、検証
・ 規制の遵守:ギャップ分析
・ 文書化:受領した手法に関する文書の質および包括性の分析
モデルのデザイン、改良および継続的な管理はモデル所有者に代わってモデルデザイナーにより実施さ
れる。あらゆる新規のモデルおよび既存のモデルに対するいかなる修正または改善に関しては、独立した
事業体であるモデル・リスク管理で協議される。格付モデルの設計(より一般的には、信用リスクまたは
取引相手方リスクの算出)を担当する当該チームは、1年ごとに、バックテストおよび使用試験の分析を
網羅するモデルの定期的審査を行っている。
第3防衛ラインは、一般的調査部門であるが、内部モデルの審査およびリスク・モデル管理枠組を遵守
しているか、またモデル・リスク管理がその方針および手続を正しく適用しているかについて毎年審査し
ている。
権限が付与された場合、ナティクシスで実施されたモデル検証手続の結果は、リスク・モデル監督委員
会に承認のために提示され、次にモデル・リスク管理委員会に承認のために提出 される。モデル・リスク
管理委員会による承認後、 Groupe BPCE のリスク、コンプライアンスおよび恒久統制部門のスタンダード・
アンド・メソッド委員会に送付され、最終的な確認および規制当局への提出がなされる場合がある。
モデル・リスク管理委員会は、ナティクシスのすべての活動のためのリスク・モデルを監督すること、
一方で検証報告書および関連する改善計画を承認し、他方で連結リスク・モデル指標を監視することを職
務とする。リスク・モデル監督委員会の議長は、モデル・リスク部門長およびリスク・ガバナンス部門長
が務める。モデル・リスク管理委員会の議長は、ナティクシスの最高経営責任者が、直接または特定の権
限の委任を受けて間接的に務める。
格付手法のパフォーマンスの監視およびバックテスト
バックテストおよびベンチマーキングは、モデルの評価プロセスにおいて不可欠である。バックテスト
および業績監視プログラムは、格付モデル、 LGD 見積りおよびデフォルト率の高さの質および信頼性を確保
するために、少なくとも年に一度使用される。これらには、指標の範囲、例えば格付機関による格付と比
較した厳格性および移行に関する差異、観察されたデフォルトならびにデフォルト前の損失および格付の
変更、ならびに歴史的データの量的分析に基づき、定性的分析により補完された LGD モデルのパフォーマン
ス測定に基づく詳細な分析が含まれる。
格付手法のパフォーマンスの監視および PD のバックテスト
専門家評価手法による格付の一貫性ならびに規制要件に従った長期的頑健性を保証するため、格付手法
は定期的に調べられ、外部のベンチマーキングを受ける。監視方法は、各モデルの種類に適合したバック
テストを経て決定される。
ナティクシスでは、専門の格付手法が用いられる、コーポレート(ストラクチャード・ファイナンスを
含む。)、インターバンクおよびソブリンの各ポートフォリオのデフォルト率が最も低い(低デフォル
ト・ポートフォリオ )。これらのポートフォリオに対しては、その特異性(具体的には、デフォルト率の
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低さおよび内部データに基づいて PD 基準を作成しかつ維持することの難しさ。)を考慮してバックテスト
が行われる。
バックテストの手続には、当該データ(バンキング・モデルまたは、とりわけ、主要な会社の格付階級
のバックテストを行う場合は、しばしば外部のデータ)が利用される。かかる手続は、デフォルト率およ
び内部変化に基づく絶対的パフォーマンスの分析ならびに外部格付との比較に基づく相対的パフォーマン
スの分析の2つの段階により構成される。また、必要に応じて、パフォーマンスの規定および指標に基づ
いた警告が発令される。
これらの調査は、様々な格付モデルのバックテストにより、規模ごとに年に1回実施され、かかる結
果は少なくとも四半期ごとに開催される信用リスク・モデル委員会( CRMMC )に提示される。その後かか
る結果は、当行の内部承認チーム(モデル・リスク管理)に提出され、当行の経営陣に通知するために
様々な委員会に提示される。
CRMMC 委員会は、以下を行う。
・ パフォーマンスおよび安定性の測定の結果を発表する場としての役割を果たす。
・ 警戒閾値を越えた指標の分析。
・ 逸脱または異常を正す為の手段の決定。当該手段は、格付手法、方法論、パフォーマンス分析また
は警戒閾値の変更等様々な形を取る。
内部格付と格付機関の間に見られる格付の厳格性が検討されている。ナティクシスは、格付機関
( Standard and Poor's 、 Moody's および Fitch )により格付されている取引相手方についてのすべての内部
格付を分析している。当該分析により、リスク評価の整合性を判断することができる。
内部格付の変化を通して、1年間を通してのポートフォリオの信用度の変化も分析される。内部リス
ク・ランキング(ジニ係数、平均格付、前年の格付、デフォルトした取引相手方の格付)を明らかにする
ために追加の指標も計算され、統計データとして定性的分析の補完をする。
発展的手法による内部 LGD 、 CCF および ELBE の監視およびバックテスト
時間の経過を経ての推定信頼度を検証するため、格付モデルおよび関連 PD と同様に、融資範囲が異なる
LGD 、 ELBE (期待損失最良見積)ならびに CCF (クレジット・コンバージョン・ファクター)のレベルは
(内部データに基づいて)、バックテストを少なくとも年に1回は行う。
リスク部門のチームは、以下の目的のために LGD 、 CCF および ELBE のバックテストを行う。
・ 当該モデルが正確に検査されていることを実証するため
・ 当該モデルの識別能力を評価するため
・ 時間経過における当該モデルの安定性を評価するため
専門金融および担保(金融またはそれ以外)の範囲のモデルのインプットは、可能な限り正確に実際の
状況を反映するよう、定期的に更新されている。市場インプットおよびコレクション・インプットも共に
更新される。
当該モデルにより算出された損失および見積りは、可能な限り長期間の過去のデータと比較される。
バックテストの指標は、当該モデルの検証およびそのパフォーマンスの測定の両方のために使用されて
いる。使用されている指標は主に2種類である。
・ 母集団の安定性指標:これらの分析は、モデルを構築した際の母集団と現在観測している母集団が
依然として同様であることを確認するものである。当該モデルは、セグメンテーション変数または
LGD の結果によってあまりにも大きく分布の違いが表れる場合、疑問視される可能性がある。当該指
標はすべてベンチマーク指標(通常はモデルが構築された際に計算された指標もしくは外部のデー
タまたは機関により発行された指標)と比較される。これらの分析は、専門家評価に基づくモデル
と統計的モデルそれぞれに適用される。
・ モデル・パフォーマンス指標:セグメンテーションを実証し、予想および実際の数値との間の違い
を全体として数値化するために、当該モデルのパフォーマンスを測定する。これはモデリング時に
計算された統計指標と比較される統計指標を用いることにより達成される。
デフォルト時損失率モデル(内部 LGD )は、以下に基づいて算出される。
・ 銀行およびソブリンの内在史および外在史ならびに外部ベンチマーク
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・ コーポレート資産クラスの統計的データ
・ 金融資産に対する申立がある場合には、確率的モデルの使用
バックテストの結果、必要に応じて、リスク・インプットの再修正が必要となる可能性がある。
バックテストが完了した後は、以下の項目を示すバックテストのレポートが作成される。
・ バックテストにおいて使用された指標の結果すべて
・ 追加の分析
・ 当行グループの基準従う結果に関する全体的な意見
当該レポートは、まず、意見を求めるために内部検証チーム(モデル・リスク管理)に提出され、続い
て当行の経営陣へ通知するために様々な委員会に提示される。
エクスポージャー・クラス別 LGD および PD のバックテスト
2020 年のバックテストの数値
観察された
観察された LGD LGD モデル デフォルト率 推定される PD
ソブリン 40.20 % 65.20 % 0.37 % 2.23 %
銀行 29.33 % 58.37 % 0.18 % 0.49 %
企業 29.64 % 32.77 % 0.55 % 0.66 %
この表は、システムのパフォーマンスの一般的な要約を示しているが、当行グループ内で実施している
年次のバックテストとは異なる。かかる年次のバックテストは、ポートフォリオ別に総合的に実施される
ものではなく、モデルごとに実施されている。しかしながら、この表は長期間にわたる内部インプットご
との推定と実結果との比較、およびエクスポージャー・クラスごとの重要で代表的な割合の推定値と実結
果との比較を可能にする。実結果は、モデリングに使用されたデータ・ウェアハウスから得ている。この
結果は、デフォルト率および PD に関してはすべての稼動している顧客、そして LGD のデフォルトに関しては
すべての顧客に基づいている。これらの結果は、最新の規制の変更(デフォルト確率( PD )予想およびデ
フォルト時損失率( LGD )予想についての指針)も考慮に入れている。
取引相手方リスク・モデルの監視およびバックテスト
バックテストおよび検証は内部モデル手法によるアプローチの重要な項目である。一般的な規制要件に
従い、包括的なバックテストプログラムを用いて、内部モデルの信頼性を定期的に監視しなければならな
い。内部のリスク管理および規制義務の遵守の双方の観点から開発および使用されているモデルから得ら
れる結果の質および関連性を確保するために、かかるプロセスは不可欠である。
取引相手方リスクに関するバックテストプログラムは、エクスポージャー・モデルが構築される重要な
仮定(市場リスク要因における確率的なプロセス、相関および価格モデル)を検証し、特定のモデルの構
成要素における特筆すべき相違点を識別するように設計されている。
これらの枠組は、以下の2つのバックテストに基づいている。
・ 市場リスク要因に係るバックテスト。すなわち、特殊なリスク要因の力学を説明するために用いら
れる確率的プロセスの予測能力を評価すること。
・ ポートフォリオに係るバックテスト。すなわち、ナティクシスのエクスポージャーを代表するポー
トフォリオについての完全なエクスポージャー・モデル(確率的プロセス、相関および価格)を評
価すること。
市場リスク要因について、確率的プロセスに基づくリスク要因予測を検証するため、バックテストでは
過去の傾向を用いる。バックテストは、選択した検証期間の過去の市場の集合データを用いるか、または
より長い対象期間の結果を含めることおよび/もしくはより広範囲の市場状況を網羅することにより事後
に実施することができる。また、これは遡及的に実施することもでき、この特定のアプローチは、遡及的
バックテストと呼ばれる。かかる遡及的バックテストの目的は、これよりも前の期間にモデルが実施され
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ていたとしても当該モデルは正確に機能したといえることから、これを将来使用することが適切であると
いうことを示すことにある。
エクスポージャーの観点では、予測した将来の時価評価( MtM )での価値を検証するため、バックテスト
の統計的ポートフォリオの過去の MtM での価値をバックテストに適用する。リスク要因の観点では、サブグ
ループの商品に対して遡及的バックテストが導入された場合であっても、エクスポージャーは、過去の価
格を集計することにより事後にバックテストが行われる。事後アプローチは、営業部門のシステム内にお
ける専用のバックテスト用のポートフォリオに直接取引を重複させることを伴う。そのため、経年プロセ
スは実際のポートフォリオのものと類似する。遡及的バックテストは、主要な商品の分類における遡及的
バックテスト用の MtM に対して特定の手段を用いる。
結果は、ヒストリカル・アプローチおよび遡及的アプローチについて取引水準および集計水準(商品の
種類およびヒストリカル・アプローチについてのみ取引相手方を含む。)に織り込まれる。営業部門の
ポートフォリオにおいて統計的バックテストの検討ために重複される取引は、ポートフォリオの代表性を
確保する方法で選択され、また年間ベースでは割り引かれる。現在および将来の価格は、参考となる CCR
(取引相手方信用リスク)モデル・エンジン、営業部門のシステムの現在の価格に伴い四半期ごとに再調
整される現在の価格から取得される。
⑦ ナティクシスが用いる主要な内部モデル
主要な内部モデル: PD 、 LGD 、 CCF およびボラティリティ・ディスカウント( EU CRE )
インプット
・モデル ポートフォリオ モデル数 詳細/方法
PD ソブリン 1 マクロ経済基準ならびに法的および政治的リスクの評価を用いた専
門家の分析に基づく格付モデル。
銀行 3 量的基準(会計バランスシート)および質的基準(アンケート調
査)に基づく専門家の分析に基づく格付モデル。取引相手方の種類
別および地理的地域別にそれぞれ1モデル。
企業 12 専門家の分析に基づく企業の事業部門および中小企業の統計的モデ
(中小企業を含む。) ル(点数)別の格付モデル。
専門ファイナンス 6 専門家の分析に基づく金融資産の種類別の格付モデル。
個人中小企業 10 事業部門別統計的モデル。
LGD ソブリン 1 内部および外部の債務不履行に基づく質的モデル。
すべての債務不履行が LGD モデルに含まれる限りにおいて、衰退期の
LGD の評価が含まれる。
銀行 1 取引相手方の種類別の内部および外部の債務不履行に基づく質的モ
デル。このモデルで評価される LGD は、衰退期に発生する債務不履行
を含む。
企業 2 金融資産の種類別統計的モデル(意思決定の樹状図または回収可能
(中小企業を含む。 ) 資産の評価)。 LGD モデルに含まれる安全バッファーは、衰退期に
(主にブートストラップ手法を通じて)対処するのに役立つ。
専門ファイナンス 4 再販売資産の評価に用いられるモデル。資産処分の仮定は、不利な
シナリオに基づく。
CCF 企業ファイナンス(中小 1 商品の種類および取引相手方の種類別の内部債務不履行およびセグ
企業を含む。)、金融機 メンテーションに基づき測定されるモデル。
関およびソブリン
ボラティリ 金融およびその他の担保 4 内部データおよび専門知識を根拠とする仮定を基にした過去の市場
ティによる 価格に基づく確率的モデル。
修正
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取引相手方リスクに使用される主要なモデル
EEPE (正の実効期待エクスポージャー)の計算には、モンテカルロ型アプローチを用いた多くのシナリ
オにおける将来の日付時点のリスク要因の変動可能性のシミュレーションが必要となる。そのため、各取
引の時価評価での価値は各シミュレーションの期間および各シナリオにおいて再測定される。相殺を行う
ため、エクスポージャーは、価格の相殺および担保のエクスポージャーの相殺を許容する法的枠組(マス
ター契約およびクレジット・サポート・アネックス)を考慮し、価格を集計することで計算される。特定
の取引相手方に対するエクスポージャーの金額は、すべての相殺金額について計算されたエクスポー
ジャーの合計額と一致する。
当該モデルは、主に以下の要素を適用している。
・ 様々な軌道について商品を再評価するための価格モデル
・ クローズアウト・ネッティングの枠組のモデリング
・ 評価段階において分布および要求された要素に係る分布モデル
資産クラス別モデル
金利/通貨分布モデル
基準金利/通貨分布モデル
株式分布モデル
商品先物分布モデル
信用分布モデル
インフレ分布モデル
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⑧ 信用リスクおよび取引相手方リスクの軽減法
信用リスクの軽減
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
信用リスクの軽減は、取引相手方が、一部または完全な債務不履行に陥った場合に、当行が被る信用リ
スクを軽減するための手法である。
ナティクシスは、多くの信用リスク削減法(相殺契約、個人保証、資産保証またはヘッジ目的の信用デ
フォルト・スワップ( CDS )の使用を含む。)を有している。
リスク軽減法には、以下の2つの種類の保証が含まれる。
・ 非金融または個人担保:
借手が債務不履行に陥った場合に、1人または複数の保証人が債権者への支払いを担保する。これ
には、個人保証、オンデマンドの保証およびクレジット・デリバティブが含まれる。
・ 金融または不動産担保もしくは担保付ローン:
債権者は、借手または保証人に属する1つまたは複数の資産に対する不動産担保権を付与される。
担保の形式には、現預金、証券、(金等の)コモディティ、不動産資産、住宅ローン担保証券、生
命保険証券が含まれる。
担保の適格性は、以下のプロセスに従って規制される。
・ 法務部門による担保に関連する書類および担保の執行可能性の審査
・ リスク部門による検証
規制上の要件に従い、当行は保証の評価を行い、これらの評価を定期的に見直し、必要に応じて調整を
行う。
担保は、ボラティリティおよび種類を調整される。担保の回収は、保守的な評価および債務減免に基づ
き四半期ごとまたは毎年見積もられ、景気減速の際には、かかる担保権を現実に実行することを考慮す
る。
その性質に応じて、担保保証は個別の適格性基準を満たさなければならない。
・ 非金融保証:個人保証の適格性は、保証人の質によって左右され、複数の条件を満たさなければな
らない。
・ 保証人に対する直接的な請求の表明および個別エクスポージャーへの言及
・ 取消不能および無条件
・ 取引相手方が債務不履行となった場合には、当行は、遅延している支払いを受けるために、取
引を管理する法的文書に基づき、許される時間の枠組内で保証人に対して法的措置を講じるこ
とができる。
・ 保証とは、保証人の負債を負わせた法的文書により課せられた債務である。
・ 保証人が、当該借手により行われるべき支払いのすべての種類を網羅する。
・ 金融保証:適格性は、関連する法的枠組、保証の性質(金融担保、不動産担保または相殺契約)、
借手および流動性により決定する。適格性は、少なくとも年に一度評価され、以下の条件をすべて
満たさなければならない。
・ すべての法的文書は、すべての関係者に対して拘束力を有し、すべての関連管轄において法的
に有効である。
・ 当行は、債務不履行、支払不能または破産の場合に、担保を現金化するまたは担保の所有権を
取得する権利を有する。
・ 取引相手方の信用の質と担保の評価との間に重大なプラスの関連性は存在しない。
・ 資産は流動的でなければならず、その評価は、現金化が確実に行われるよう、長期的に十分に
安定していなければならない。
監視に関して、担保契約および相殺契約につき、以下が行われる。
・ 融資申込が承認されまたは審査された場合、提供された商品または保証ならびにリスクの質におけ
る関連する改善の適格性を確定するための分析
・ 標準契約または法務部門が承認した契約に基づく検証、処理および文書作成
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・ リスク管理および管理システムにおける登録および監視手続の対象となる。
同様に、保証人の提供機関(署名による保証、 CDS または個人信用保証による。)は、債務者に対するの
と同様に、検証され、格付けされ、監視される。
ナティクシスは、取引相手方、部門および地理的地域別のリスク集中を減少させるために、契約を減じ
る措置を講じる可能性がある。集中リスクは、ストレス・テストの方法(マクロ経済のシナリオによる格
付の変更)に基づき、分析により完成される。ナティクシスは、リスクの市場への移転により、いくつか
の資産に付随する信用リスク・エクスポージャーの全部または一部を軽減するために、クレジット・デ
フォルト・スワップを購入し、総合的証券化取引を行う可能性がある。 CDS により保護されたローンは、依
然としてナティクシスの貸借対照表に計上されているが、一般的に OECD 銀行であるクレジット・デフォル
ト・スワップの売り手に付随する取引相手方リスクを負担する。ノンバンクである第三者との取引は、現
金で全額担保される。これらの取引は、デリバティブ取引に適用される意思決定および監視手続に従う。
取引相手方リスクの軽減
ナティクシスは、以下の3つの措置を用いて取引相手方リスクに対するエクスポージャーを軽減する。
・ 二者間相殺契約の使用。かかる契約に基づき、取引相手方が債務不履行となった場合、当該取引相
手方と共に実行した取引のプラスの評価とマイナスの評価の差額のみがリスクと判断される。
・ 当該取引相手方と共に実行した取引のポートフォリオの毎日の評価に応じて変動する担保スワップ
の使用を統制するこれらの契約の付帯条項
・ 取引相手方リスクの大部分を負担することにより、そのメンバーの代理を務めるクリアリングハウ
スの使用。これを実行するために、クリアリングハウスは、イニシャル・マージンおよびヴァリ
エーション・マージンを用いる。
ナティクシスは、クリアリングハウスが被るリスクを管理するための枠組を設定した。二者間で管理さ
れる事業については、取引相手方と取り決めた相殺契約および担保計画の一部である取引相手方リスクの
軽減についての最低要件を監視するシステムが導入された。
⑨ 手続を監視する枠組
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
評価システムおよび監視システム
ナティクシスの取引契約は、専用の統合システムを用いて毎日評価および監視される。ある IT システム
は、ナティクシスの信用リスクに対するエクスポージャーのすべておよびその子会社全体の信用リスクに
対するエクスポージャーを占める範囲にわたり限度枠および信用エクスポージャーの包括的な統合を可能
にする。
リスク部門は、ナティクシスのリスク(傾向分析、指標、ストレス・テストの結果等)の分析に関する
報告を上級経営陣および当行の事業分野担当部長に提出する。
信用リスク監督は、以下に基づいている。
・ 事業分野の責任
・ リスク部門の信用リスク部門が行う様々な第二段階の統制活動(格付および限度枠の確認等)
この監督は、特に「クレジット・アラート」システムを通じて、融資申込の厳格な審査、取引相手方の
定期的な監視およびそれらの潜在的な悪化の予測に基づいている。このシステムは、関連するアナリスト
(営業部門およびリスク部門)に送られる日々の情報に基づいており、以下を対象としている。
・ 財務データ(事業による株式またはキャッシュ・フローの不利な変動等)
・ 市場データ(株価、外部格付、 CDS 等)
・ 当行の展開に関連する事象(警戒リストの設定等)
これは、さらに多くの指標を組み込むことによって、状況が悪化する前に対処することを可能にしてい
る(ファイルの確認、警戒リストまたは債務不履行への切替等)。
制限違反については、専門の月例委員会が特定の指標(数、想定、デュレーション、関連事業等)を用
いて、制限違反を分析し、著しい違反を調査し、訂正を監視する。
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債務不履行に関する新しい欧州ガイドラインの導入以降、ナティクシスは BPCE に未払いの請求書、当座
貸越、破産手続および一時返済猶予の状況を毎日送付し、他の当行グループの機関から報告されたデータ
と 集計後、すべての第三者に適用される状況(健全、慎重または債務不履行)を受領する。
リスクのレベルに悪化の見られるエクスポージャーは、それらが生じた時に、確認され、取引相手方警
戒リスト、特定の規定および緊急手順の両方に従って、直ちにリスク部門および関連事業に報告される。
それらは次に、エクスポージャーの程度によって、警戒リストに載せるか、リスク部門または管轄権を
有する信用委員会により決定される。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのリスクは、必要な場合に困難または
債務不履行の案件に介入するリストラクチャリングおよび特別問題部門( DRAS )により監視される。訴訟
部門は、訴訟における貸付金の回収を取り扱う。
不良債権および貸倒懸念債権の監視ならびに引当メカニズム
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
個別の引当金
ナティクシスの警戒リストおよび引当委員会は、四半期に一度開催され、当 行のすべての事業を対象と
する。同委員会は、事業分野、リストラクチャリングおよび特別問題部門ならびにリスク部門が同委員会
に個別に提出した引当額に基づき、その監視下にある、引当金または既存の引当金の調整を生じさせる可
能性のあるすべての不良債権を審査し、必要な引当額を決定する。
この委員会は、リスク部門により 組織され、最高経営責任者が議長を務め、最高リスク管理責任者、事
業分野ならびに財務、会計および健全性比率部門を担当する上級経営委員会のメンバーならびに関連する
支援部門の部長を招集する。
これは、 リスク部門および当行の各事業分野が共同で指示する予備的委員会の構造を利用する。
予想信用損失引当金
個別の引当金に加え、ナティクシスは、当初認識時の予想信用損失( ECL )引当金を計上している。
これらの金融商品は、当初認識時以降に観察される信用リスクの増加度合いに応じて3つの区分に分類
される。各区分における貸出金残高に係る減損損失は以下のとおり計上される。
信用リスクが当初認識以降に著しく増大する正常債権は、ステージ2( S2 )に分類される。信用リスク
に係る減損または引当金は、当該金融商品の満期時予想信用損失( Lifetime ECL )に基づいて決定され
る。
S2 に分類された信用リスクの増大の測定は、定量的基準および定性的基準の組み合わせを基にしてい
る。定量的基準は当初認識時以降の格付の変化に基づいている。追加の定性的な基準は、ステージ3以外
の警戒リストに含まれ、財政難(一時返済猶予)または 30 日超延滞が原因で調整された契約をステージ2
に区分するために使用される。部門の格付やカントリーリスクのレベルに基づく追加の基準も使用され
る。
部門の格付およびカントリー格付の手続は、財務部門、リスク部門ならびにコーポレート・バンキング
およびインベストメント・バンキングの代表者で構成される地域部門委員会を中心とする。 IFRS 第9号の
実施を目的として設立された当該委員会の主な目的は、四半期ごとに部門の格付ならびにカントリーおよ
びソブリンの評価を認証することである。これらの格付はその後、 ECL の算出の根拠として役立つ。特に部
門の格付は、半期経済環境報告書の結果に基づく。
ストレス・テスト
信用ストレス・テスト・システムは、 A-IRB 、 F-IRB および標準方式に従ってナティクシスの範囲を対象
としている。かかるシステムは、妥当な危機的状況および深刻度の高い状況を複製するシナリオの選択に
基づいており、市場慣習に沿って、過去の出来事、市場動向および環境を考慮に入れることで単なる過去
のシナリオまたは理論的シナリオが排除されるようになっている。
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当該システムは、定期的に導入および見直されるシナリオを有する実質的なリスク管理手段である。リ
スク部門は、特に市場ストレスの要件を念頭に置きながら、ストレス・シナリオについて使用されている
手法の改善および定義の範囲を追加するよう定期的に努めている。
2020 年には新たなシナリオが見直され、グローバルリスク委員会および上級経営委員会に提示された。
これらの内部の信用ストレス・テスト・シナリオは、 経済調査アナリスト、カントリーリスク・アナリス
トおよび Groupe BPCE と協力して作成されたマクロ経済の前提に基づいており、 2021 年から 2023 年を対象期
間とする3つのシナリオで構成される。
・ 1つの基本シナリオは最も起こりうるマクロ経済および金融背景に基づいている。この参照シナリ
オは、経済背景の展開が不透明であることから、今年は「強化」版によって補足される。かかる基
本シナリオは、引当金に関する当行の方針に対応している。
・ 2つの「不利な」信用シナリオは、 ( ⅰ ) 欧州ソブリン債務危機の想定および ( ⅱ )COVID-19 のパンデ
ミックに関連した2回目のロックダウンによって引き起こされる危機の想定に対応している。
⑩ 定量的情報
バーゼルのエクスポージャーの分類別のエクスポージャーおよび EAD ( NX03 )
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
エクスポージャー EAD
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 うち、 2020 年 うち、
エクスポージャーの分類 12 月 31 日 オフバランスシート 12 月 31 日 オフバランスシート 2020 年平均
企業 129,866 76,850 106,623 53,784 109,582
中小企業および SF 以外 106,881 65,802 86,763 45,760 89,183
専門的ファイナンス( SF ) 21,135 10,543 18,242 7,650 18,698
中小企業 1,850 504 1,618 374 1,700
機関 89,814 39,766 83,749 33,702 87,500
政府および中央銀行 61,119 12,346 60,470 11,703 50,030
政府および中央銀行 58,734 10,718 58,203 10,187 47,848
地域政府または地方自治体 498 286 492 286 523
公共部門事業体 1,887 1,342 1,775 1,229 1,658
リテール 1,015 108 515 23 590
中小企業以外 898 80 426 16 358
中小企業 117 27 89 6 232
証券化 14,035 10,000 13,790 10,000 12,165
その他の資産 6,330 6,330 6,317
株式 5,757 181 5,757 181 5,566
集合的な投資事業
不動産抵当付エクスポージャー 282 5 279 3 238
短期格付を有する機関および
173 84 166 80 195
法人に対するエクスポージャー
デフォルト時エクスポージャー 169 18 45 9 57
合計( 2020 年 12 月 31 日現在) 308,560 139,358 277,724 109,485 272,240
合計( 2019 年 12 月 31 日現在) 301,584 134,267 264,806 98,460 268,223
地理的地域および資産の分類別の EAD ( NX05 )
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
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( 単位:百万ユーロ )
*
エクスポージャーの分類 フランス 欧州 北米 その他 合計
企業 33,630 32,790 17,439 22,763 106,623
中小企業および SF 以外 29,072 25,811 14,265 17,615 86,763
専門的ファイナンス( SF ) 3,586 6,730 3,092 4,834 18,242
中小企業 972 249 83 314 1,618
機関 59,086 12,271 7,812 4,580 83,749
政府および中央銀行 22,059 9,675 13,484 15,252 60,470
政府および中央銀行 20,755 7,808 13,369 15,218 57,151
国際組織 1,052 1,052
国際開発金融機関
地域政府または地方自治体 455 38 492
公共部門事業体 849 777 115 34 1,775
証券化 5,804 681 6,856 449 13,790
その他の資産 5,093 956 232 49 6,330
株式 4,205 600 829 122 5,757
リテール 437 16 61 515
中小企業以外 408 15 3 426
中小企業 30 2 58 89
不動産抵当付エクスポージャー 274 3 2 279
短期格付を有する機関および
17 34 11 103 166
法人に対するエクスポージャー
デフォルト時エクスポージャー 34 12 45
集合的な投資事業
合計( 2020 年 12 月 31 日現在) 130,639 57,028 46,664 43,393 27,724
合計( 2019 年 12 月 31 日現在) 121,530 52,056 47,004 44,215 264,806
* 欧州=欧州連合+欧州連合加盟国以外
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■ EAD の地理的地域別内訳( NX06 )
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
*
2020 年 12 月 31 日現在 ( )
2019 年 12 月 31 日現在
*
( ) 2020 年 12 月 31 日現在もなお、英国は欧州連合として考慮されている。
■ 内部格付別( S&P に相当)の EAD ( NX12 )
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
以下の表は、リスクにさらされているエクスポージャーの内訳を、 IRB を用いて計算した資産クラスに対
する内部格付( S&P に相当)別に示している。ただし、以下を控除後とする。
・ 株式に対するエクスポージャー(単純加重手法により計算)
・ 共同出資ベースのエクスポージャー(取得したポートフォリオ)および同種のリスクのクラスに分
類された第三者
・ 証券化ポジション
( 単位:内訳% )
内部格付 2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
適格
投資適格 AAA 0.1 % 0.5 %
AA+ 6.9 % 7.2 %
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AA 9.2 % 7.0 %
AA- 16.2 % 13.6 %
A+ 5.6 % 6.4 %
A 11.9 % 12.5 %
A- 10.1 % 9.4 %
BBB+ 6.3 % 6.9 %
BBB 7.4 % 8.6 %
BBB- 7.7 % 8.9 %
投資適格 81.3 % 81.0 %
非投資適格 BB+ 4.6 % 5.1 %
BB 4.6 % 4.6 %
BB- 2.9 % 3.4 %
B+ 2.0 % 2.4 %
B 1.0 % 0.9 %
B- 0.5 % 0.2 %
CCC+ 0.1 %
CCC
CCC-
CC
C
非投資適格 15.7 % 16.7 %
格付なし 格付なし 0.6 % 0.5 %
債務不履行 D 2.3 % 1.8 %
合 計 100.0 % 100.0 %
(d) 証券化取引
① 一般方針
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスは、様々な役割に基づいて証券化取引に関与している。
・ 投資家として、自己の顧客のための金融取引、デリバティブ取引および規模は小さいものの一定の
ABS (特に、資産担保コマーシャル・ペーパー)に係る自己のマーケット・メイク活動を通じて携
わった。ナティクシスは、主に堅実な水準の担保およびスプレッドを有する優先資産に投資を行っ
ている。同様に、原資産についても部門および地理に基づく多用型戦略を適用している。
・ スポンサーとして、すなわち、 ABS プログラムの設定および管理を行うため、自己の顧客のための取
引において携わった。
・ オリジネーターとして、自己のリファイナンス活動の一環としてまたは(債券ポートフォリオの信
用リスクの一部を投資家に移転することを目的とした)総合的証券化を通じて携わった。
かかる活動はナティクシスの一般的な「販売に向けた組成」戦略に基づき実行されている。
すべての証券化取引において、ナティクシスの意思決定プロセスが遵守されている。3つの基準が採用
されており、それらは、金額、満期および信用の質(格付(もしあれば外部格付)を含む。)である。
承認を条件とするすべての仕組配置に関して、具体的な請求ならびに配置、担保、売主/オリジネー
ターおよび提案されているトランシェ分けの説明を、関連する保証の分析と共に提出しなければならな
い。
その後リスク部門により再分析が行われ、必要がある場合は、ポートフォリオのデフォルトリスクの定
量分析が行われる。取引は、融資申込みに係るすべてのパラメーター(貸出金に係る予想利益率、資金消
失および現行のリスク方針の遵守を含む。)に基づき検討され、決定が行われる。
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バニラ・ファイナンス取引のように、証券化の仕組みおよび取引は、最低年1回再検討され、さらに警
戒リストに記載のある取引については、最低四半期に1回再検討される。
ナティクシスは、2つのメカニズムを通じて、証券化ポジションに関するリスクを管理する。
・ 第1のものには、ナティクシスの証券化ポジションおよび関連する潜在的リスクに影響を及ぼすす
べての格付の降格(該当する場合)の日々の確認、また必要な場合には、適切な方策の決定が含ま
れる。
・ 第2のものは、定量的(ポートフォリオの格下げに対する耐性、信用の質、もしあれば格付、評
価)および定性的基準(分析)による証券化ポジションの分析に基づくものである。
トレーディング勘定で認識された活動について、ナティクシスは、顧客との売買取引から生じる証券化
ポジション(流通市場)を保有する可能性がある。かかる活動は、ボルカー・マニュアルならびに発生す
るリスクの種類および保有手続を特定するリミット・マンデートにより管理される。
ナティクシスは、証券化ポジションについて IAA (バーゼル内部評価手法)は用いていない。
② 外部格付システム
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスは、証券化取引において、特に Moody's 、 DBRS 、 Fitch IBCA および Standard & Poor's の4
つの外部信用格付機関に依頼している。
③ 証券化ビークル
ナティクシスは、 Versailles 、 Bleachers および Magenta の3つのビークルを通じた ABCP 証券化取引にお
いてスポンサーとしての役割を担う。これらのビークルのうち、 Versailles および Bleachers の2つのみが
ナティクシスの規制連結範囲において連結されている。両ビークルの取得債権の選択および管理ならびに
発行プログラムの管理において、ナティクシスは重要な役割を果たす。したがって、ナティクシスは、コ
ンデュイットの関連業務に対する権限および利益還元に対する影響を与えられる。対照的に、ナティクシ
スが Magenta の関連業務に対する権限を有する管理機関の一部ではないことを考慮すると、かかるコンデュ
イットは、ナティクシスの規制連結範囲において連結されていない。
(e) 市場リスク
① 目標および方針
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
リスク部門は、市場リスク部門を通じて、質的分析および将来の見通しについての分析の双方に基づく
市場取引に関するすべてのリスク方針の正式な規定を非常に重視している。かかるアプローチは、主にグ
ローバルリスク予算の戦略的な検討、事業目的および市場の傾向に基づいており、リスクに最も敏感な分
野について早期に警告する先行システムに依存する。
これらの市場リスク方針は、リスク監視および管理に関する一連の方法論的原理を重視し、ビジネスへ
の資産区分および管理戦略によるマトリックスアプローチを提供する。
② 市場リスク管理の組織
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
市場リスク統制は、グローバルリスク委員会に監視される限定的な承認制度に基づいており、最高経営
責任者またはその代理が議長を務める市場リスク委員会が重要な役割を果たす。
リスク部門は、
・ リスク測定方法および公正価額調整方法の規定を行い、それらを検証のため市場リスク委員会に提
出する。
・ 年次限度評価(リスク選考を含む。)および特別変更要請( VaR 、ストレス・テスト、業務インジ
ケーターおよび損失警告)の調査を行う。
・ 事業またはナティクシスの上級経営陣に関わるリスク領域に対して注意を喚起する。
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・ リスクの毎日の分析および評価、毎日の報告ならびに営業担当および経営陣への超過の報告を行う
責任を負う。
・ 営業担当の管理ツールにより使用される価格モデル(相場付手段)およびリスク測定方法の承認お
よび管理を行う。
・ 主に規制上の自己資本要件の計算に使用される機関内部モデルに関するモデルおよび方針の規定お
よび検証を行う。
・ 市場リスクを有するすべての事業体(子会社および支店)に対する共通の基準および手続の変更を
導入し管理を行う。
③ 市場リスクの評価方法
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスの市場リスク管理は、当行の各事業体により生じたリスクを測定するリスク測定モデルに
基づいている。
市場リスクを測定するために様々な手法が用いられ、これらの手法により、ポートフォリオのポジショ
ンに生じたリスクを異なるショックに応じて特定することができる。
・ 局所的には、感応度装置により、内在するリスク要因のわずかな変動による潜在的な損失を特定す
ることが可能である。
・ ストレスがかかっていない日次的ショックの場合は、過去年において最も重大なショックが適用さ
れた現ポートフォリオのポジションについて潜在的な損失を見積もるために VaR が用いられる。
・ ストレスのかかった日次的ショックの場合は、ストレスのかかった VaR により、直近の過去年におい
て最も重大なショックが適用された現ポートフォリオのポジションについて潜在的な損失を見積も
ることが可能である。
・ 3日から 10 日にわたる連続したより大きな規模のショックについては、(特定のおよびグローバル
な)ストレス・テストにより、例外的で即時性がある潜在的損失を見積もることが可能である。
これらのリスク測定は、グローバルな監視システムにより管理されており、特定の制限システムに基づ
くナティクシスのリスク選好に対応している。
バリューアットリスク( VaR )
ナティクシスの内部 VaR モデルは、 2009 年1月に金融健全性監督・破綻処理機構( ACPR -フランス健全性
監督機構)に承認された。ナティクシスは、承認された範囲内で市場リスクに係る資本要件を計算し、市
場リスクの管理および監視のためにも VaR を使用している。本モデルは、様々なリスク要因に関してポート
フォリオの潜在的な非線形の特性を考慮に入れた、モンテカルロ型の方式に基づくコンピューター・シ
ミュレーションにより計算されている。
ナティクシスのすべてのトレーディングポートフォリオに関して、 VaR は、毎日計算および監視されてい
る。ポートフォリオの評価に用いられた市場データ(株価、指数、金利、為替レート、商品価格およびそ
れらに関連する変動)は、可能な場合は毎日、また統計データ(標準偏差および相関)は、毎週更新され
る。
すべてのトレーディングポートフォリオは、有効な市場リスク方針に従い、適正なリスク監視・監督シ
ステムの対象となっている。 VaR の限度は総合的な水準で、事業ごとに設定される。
これらの手段は、 VaR について理解させ、あらかじめ定められた信頼水準( 99 %)および時間(1日)に
基づき、各事業における潜在的損失を識別するのに役立つ。
この目的を達成するために、ポートフォリオの価値に影響を及ぼす市場パラメーターの動向を追跡する
統計的モデルが構築された。計算方法は、標準偏差が 12 ヶ月間および3ヶ月間で定期的に計算される(そ
れぞれのリスク要因ごとの)最大標準偏差として計算される計量経済学モデルに基づいている。この方法
により、市場が突然不安定になった場合に VaR がより敏感に反応するようになる。
VaR の計算のためのポートフォリオ保有期間は、リスク監視は1日、資産計算は 10 日と設定されている。
10 日の保有期間は、1日 VaR に 10 の平方根をかけることで推定される。
最も複雑な商品について、 VaR は感応度を通じた限定的な変化によって測定される。
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VaR の水準は、ナティクシスにおける様々なレベル(デスクや事業分野)で設定された制限によって管理
されており、営業の観点からみた当行のリスク選好の低下に資している。
ポートフォリオの検証モデルは、商品により異なり、(特に、金融派生商品では)全体の再評価または
線型および非線型効果両方に市場が入力する一次または二次感度に基づく。
リスク要因の予想される変動をシミュレーションするためにナティクシスにより用いられた収益は、ほ
ぼすべてのリスク要因の絶対収率である。この規定における例外は、為替レート、指数、貴金属価格およ
び指数ならびに商品指数および商品先物である。
さらに、 VaR の信頼性は、日々の取引結果の変動と比較することにより、定期的に測定される(このプロ
セスはバックテストとしても知られている。)。これにより、 VaR が事前に予測した潜在的損失と実際の損
失との事後比較が可能となる。
ストレスのかかったバリューアットリスク( SVaR )
規制基準(バーゼル 2.5 )の変更により、ナティクシスは日ごとのストレスのかかった VaR ( SVaR )モデ
ルを実施した。かかるモデルは、代表的な危機シナリオのもとで銀行の現在の VaR モデルがそのポートフォ
リオに関連して生むであろう賦課を定義する固定された計量経済学モデルに基づき、連続する 12 ヶ月間に
わたり計算される。かかる計算方法は、 99 %の信頼水準で1日のホライズンのヒストリカル・シミュレー
ションに基づく。一方で、1年間で変動する 260 の日内変動シナリオを用いる VaR と異なり、ストレスのか
かった VaR は、関連する金融不安期に対応する過去1年間の時間枠を用いる。
VaR と同様に、ストレスのかかった VaR は、最も複雑な商品に対するリスク要因別の感応度を通じた限定
的な変化によって算出される。
現在ナティクシスが用いているストレスのかかった期間は、ストレスのかかった VaR を算出するのに最適
な時期である 2008 年4月1日から 2009 年3月 31 日を含む。
VaR の場合と同様に、ナティクシスが用いる 10 日の保有期間は、1日のストレスのかかった VaR に 10 の平
方根をかけることで推定される。
VaR および SVaR のパフォーマンス監視および検査
ナティクシスの内部モデルは VaR およびストレスのかかった VaR の計算に基づいている。
計算の前提、特に 99 %の信頼区間が保証されていることを確認するため、損益上での過去データによる
検証試験が1日単位で実施される。
かかる検証には、 99 %の VaR 水準と実質的および仮説的日次損益水準との比較が含まれる。
測定は、ナティクシスの連結会計およびすべての主要な活動にわたり実施されている。
マイナスの実質的損益水準または仮説的損益水準が同日の VaR 計算を上回った場合、分析の上内部で定
義された基準に基づいて説明を行う。
その後、ナティクシスが承認した連結の範囲内で生じたかかる例外を通知するため規制当局への連絡が
なされる。
1年間で相当数の例外が発生した場合、ナティクシスの資本の計測の際の VaR および SVaR 計算に適用さ
れる乗算係数に年間ベースで付加が与えられる。
追加的リスクに係る自己資本賦課( IRC )
IRC は、格付の移行リスクおよび認可済製品に係る発行者の、1年以内の特定金利に係る債務不履行の付
保に要する資本費である。モンテカルロ内部シミュレーション・モデルにより計算され、 IRC は、1年間に
おいて最も悪い数値の 0.1 %を除外した後の最大のリスクに対応する 99.9 %のバリューアットリスクであ
る。
格付および債務不履行の移行は、発行者の相関モデルおよび移行マトリックスを1年の資産ホライズン
を使用しシミュレーションする。格付は、多様な状況に合わせ再測定される。したがって、それぞれの状
況により、格下げや格上げまたは債務不履行に陥る可能性もある。
IRC 計算モデルに使用される流動性ホライズンは、格付の売却または投資先の好ましくない市場への分散
に要する時間を表し、その期間はすべての役職および発行者において1年である。
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遷移マトリックスのカリブレーションは、 Standard & Poor's の過去の遷移データに基づく。コーポレー
トおよびソブリン両者の履歴データは、 20 年を超える。 Standard & Poor's に格付けされていない発行者の
調 整は、内部で行われる。
相関前提は、各発行者の IRC ホライズン(1年)における信用度の格付に基づく。シミュレーションプロ
セスは、部門内の相関インプットに基づく。
ナティクシスが用いる内部 IRC 計算モデルは、 2012 年に金融健全性監督・破綻処理機構により承認され
た。
規制上の要件に従い、ナティクシスは、内部モデル検証方針および手続を構築した。本モデル検証段階
は、 IRC 使用に際しての必須要件である。
ストレス・テストおよび業務インジケーター
VaR 、 SVaR および IRC 手法に加え、ストレス・テストは、ナティクシスのポートフォリオおよび業務イン
ジケーターの価値に厳しい市場環境が及ぼす影響をシミュレーションするために用いられる。
1 . 厳しい市場環境におけるポートフォリオの潜在的損失を測定するためのストレス・テスト。ナティク
シスのメカニズムは、全般的ストレス・テストおよび事業ごとの専用ストレス・テストの2種類のス
トレス・テストに基づいている。
全般的ストレス・テストは、継続的な検証の対象である。総合的なストレス・テストは日々実施さ
れ、次の2種類に分類することができる。
- 過去のストレス・テスト は、計上済の損益の変動について事後的なシミュレーションを行うために、
過去の危機的時期に観測された市場パラメーターにおける一連の変動を複製することからなる。スト
レス・テストは予測する力は有していないが、既知のシナリオに対するポートフォリオのエクスポー
ジャーについての測定を行うことを可能にする。 1987 年の株式市場の暴落以来、 2008 年のリーマン・
ブラザーズ崩壊を含む時期から 2011 年のソブリン危機まで、最も重要な出来事を網羅する8つの仮説
的ストレス・テストが存在する。
- 仮説的ストレス・テスト は、最初のショックの特性に従って、他の市場と比較した場合のある市場の
予想される反応について妥当と思われる仮定に基づき行われる、すべての活動に係る市場パラメー
ターの変動のシミュレーションに使用される。ストレスは、リスク部門、営業部門および経済調査の
共同の取組みを通じて決定される。7つの一連のシナリオが規定された。
1.イールド・カーブのフラット化および信用スプレッドの増加と相まった株式市場の指標の暴
落。
2.インフレ環境における力強い欧州金利の上昇。
3.信用スプレッドおよび金利の上昇ならびに株式市場のわずかな下落に伴う金融機関の破綻。
4.地政学的事象による供給への障害のシナリオに基づく商品危機。
5.世界的な経済停滞期(借換費用の上昇、株式市場の暴落およびドルに対する貨幣価値の下落)
に、新興国から突然資本の払戻しの結果を反映する新興市場危機。
6.金融市場危機に基づく有名企業の破綻。
7.欧州銀行連盟スプレッドの急な拡大、流動性スプレッドの拡大および「末梢」イールドの増加
によって主に特徴付けられる流動性危機。
個別ストレス・テストもまた、すべてのポートフォリオについて管理ツールにおいて日々計算され、
限度が定められている。個別のストレス・テストは、同じ過酷度水準に基づき設定され、ポートフォ
リオごとに主な損失が生じる分野を特定することを目的としている。
さらに、集中・拡散の関連性に加え最もリスクの高い範囲および市場環境を特定するため、逆ストレ
ス・テストが使用されるのに対し、「特別」なストレス・テストは、市場で大規模な変動を引き起こ
す可能性のある時事問題を明らかにするために使用される。逆ストレス・テストは、損失の閾値の超
過につながるリスク要因の極めて厳しい仮定から導き出される妥当と思われるシナリオを使用するこ
とで、ナティクシスがリスク監視および操作のツールを実行し、この損失を引き起こす可能性のある
状況を特定し、必要に応じて適切な行動計画に適応することを可能にする。「特別」なストレス・テ
ストは、経済調査に基づく全体的なストレス・テストのシナリオに変換される市場動向予測を使用し
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ている。それらは主要な時事問題に対する銀行の回復力を測定し、適宜ヘッジ戦略の適用を可能にし
ている。
すべてのストレス・テストのメカニズムは、リスク部門により定義され、リスク部門は、原則、方法
および調整の規定ならびにシナリオの選択に責任を負う。ストレス・テスト委員会は、ストレス・テ
ストの運用実施に責任を負い、毎月会合する。同委員会は、実施される作業および作業量を承認し、
年間の IT 予算を決定する。
2 . ポートフォリオおよび事業分野ごとに集計される損失警告は、所定の月数にわたり、または年初から
の累積で損失が一定の上限に達した場合、経営陣およびリスク部門に警告する。かかる上限は、各
ポートフォリオの特性、過去の業績および予算目標に応じて市場リスク委員会により設定される。
3 . 最後に、監督体制は、全般的な経営指標および/または事業を含み、より直接的に観測可能な基準
(原商品の変動に対する感度、変動性、相関関係、名目等)に焦点を当てる。これらの質的および量
的な指標の制限は、 VaR およびストレス・テストの限界に従っている。
独立した評価管理
ナティクシスの多様な市場製品の評価は、専用の手続による独立した管理システムを形成する。
IFRS 第9号に従い、金融商品は公正価値で認識される。
公正価値の決定は、金融商品の価格および評価モデルに関する独立機能による決定および検証に基づく
ことの立証を目指す管理手続に従う。
独立した価格検証
独立した価格検証は、部門の方針に沿って銀行取引の評価手続に要する市場投入を管理する、市場リス
ク部門の IPV ( Independent Price Verification )チームによって行われる。市場投入の検証は、経済効果
および財務諸表で確認される評価調整の要因となることもある。
IPV 管理は、特に以下に基づく。
・ 様々な委員会による、監督機構(監督委員会、市場投入委員会、評価委員会、 IPV 委員会)。
・ 検証およびエスカレーションシステムを説明する、方針および一連の手続。
・ 週次および月次の一連の報告書。
・ 専用ツール。
モデルの検証
規制要件に従って、ナティクシスは、市場リスクおよび評価モデルを評価する内部モデルの検証方針お
よび手続を定めた。この独立したモデルの検証方針は、より広範なリスク・モデル管理の枠組の一部であ
る。
モデル・リスク管理は、最高リスク管理責任者に報告を行うリスク・ガバナンス部門の一部として、モ
デルの寿命に適応する管理と基準を担当している。モデルの寿命における様々なステージは(デザイン、
IT の開発、検証および使用)、明確に提示され、各参加者の役割および責任が特定および詳述される。
内部の市場リスク・モデルは、 Groupe BPCE の MRM 委員会の承認の下、ナティクシスのリスク部門のリス
ク・モデル承認チームによって検証される。評価モデルは、 Groupe BPCE の MRM 委員会の承認の下、評価モ
デル承認チームによって検証される。ナティクシスは、六重の検証プロセスを使用している。
・ モデルにより適用されたデータおよびパラメーター:データの質および代表性の分析、統制の完全
性、エラー報告、データの包括性等。
・ 方法:モデルの前提となる理論の分析、推定値の分析、測定方法、リスク指標、集計ルール、モデ
ルのベンチマーキング、正確性および収束性の分析。
・ 利用性および頑健性テスト:検証チームは、内部モデルが適格なスタッフによって使用されている
こと、使用手続は記録され、かつ更新されることを徹底し、独立した事後管理およびストレス・テ
ストを実施する。
・ IT の開発:対抗策の導入、コード分析、テスト。
・ 規制への準拠:ギャップ分析。
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・ 文書化:受領した方法論的文書の質および包括性の分析。
具体的には、以下の側面が評価モデルに関して検証される。
・ モデルの論理的および数学的検証、仮定の分析ならびにモデル・ドキュメンテーションにおける正
当化。
・ アルゴリズムの検証およびベンチマーキング。
・ ストレス・シナリオにおけるモデルの安定性および数値法の収束。
・ 黙示されたリスク要因および目盛りの評価、インプットの検証ならびにモデルの上流識別。
・ モデル・リスクの査定および関連する準備方法の検証。
モデルのデザイン、改良および継続的な管理は、モデル所有者に代わってモデルデザイナーにより実施
される。モデル・リスク管理は独立した事業体であり、すべての新しいモデルおよび既存のモデルに対す
るあらゆる修正または改善について協議する。内部モデルまたは評価モデルの設計を担当するチームは、
主にバックテストおよび使用試験を通じてモデルの性能を1年ごとに監視する。
第3の防衛ラインは、一般的調査部門であり、内部モデルの審査およびリスク・モデル管理の枠組を遵
守しているか、またモデル・リスク管理がその方針および手続を正しく適用しているかについて毎年審査
している。
ナティクシスで実施されたモデル検証手続の結果は、モデル監督委員会に承認のために提示され、次に
モデル・リスク管理委員会に承認のために提出される。内部モデルの場合は、モデル・リスク管理委員会
による承認の後、 Groupe BPCE のリスク、コンプライアンスおよび恒久統制部門のスタンダード・アンド・
メソッド委員会に送付され、最終的な確認および規制当局への提出がなされる場合がある。
当該モデル・リスク管理委員会は、一方では評価報告書および関連する是正計画を承認し、他方では連
結リスク・モデル指標を監視することによって、ナティクシスの全業務に対するリスク・モデルを監督す
る任務を負っている。モデル監督委員会の議長は、モデル・リスクおよびリスク・ガバナンス部門長が務
める。モデル・リスク管理委員会の議長は、特定の権限委任を通じて、ナティクシスの最高経営責任者が
直接または間接的に務める。
ナティクシスの調整方針
リスク部門は、資本市場活動の運営結果の調整方針を定義し、遂行する職務を負う。
当該方針には二重の目的がある。
・ 保守原則を適用し、報告された結果の信頼性を保証すること。
・ 容易にヘッジ出来ないまたはヘッジ不可能な有害事象からナティクシスを保護すること。
したがって、調整方針は、公正価値で評価された金融商品への市場リスクの調整算出指針を定義する。
市場リスクの調整は、以下に分類される。
・ 反転するポジションおよび流動性ポジションの費用調整。
・ インプットの不確実性を考慮した調整。
・ モデルの不確実性を考慮した調整。
適用された衝撃および使用された方法は、進行形でアップデートされる。
調整金額は月々アップデートされる。市場およびモデルに関連した不確実性を考慮した調整算出方法の
変更は、モデル・リスク管理チームによる独立した検証のために提出される。
④ 定量的市場リスクの測定データ
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスの VaR の変動
ナティクシスのトレーディング勘定についての VaR の水準は、平均して 11.4 百万ユーロであった。 2020 年
2月6日に 4.5 百万ユーロの最低水準まで下落し、 2020 年6月4日には最大 22.2 百万ユーロに達し、 2020 年
12 月 31 日現在では 9.3 百万ユーロとなった。
以下の図は、 2019 年 12 月 31 日から 2020 年 12 月 31 日までの期間の、全体的な VaR のトレーディング推移を示
している。
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■ ナティクシスの全体的な VaR -トレーディングポートフォリオ(信頼水準 99 %の1日 VaR )
■ ポートフォリオ別のトレーディング VaR 合計の内訳
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
以下の表は、主要 VaR 数値(信頼水準 99 %の1日 VaR )を示している。
( 単位:百万ユーロ )
ナティクシスのトレーディング勘定 2020 年 12 月 31 日現在の VaR
ナティクシス 9.3
内訳
グローバル・マーケッツ 8.9
株式市場 6.7
コモディティ 1.1
債券 5.0
グローバル証券ファイナンシング 7.9
その他ランオフ事業 2.1
2020 年 12 月 31 日現在、事業別 VaR は前年度を上回っている(前年度の8百万ユーロに対し 9.3 百万ユー
ロ)。この増加は主に、 COVID-19 の健康危機が、 VaR の算出に用いられるショックの増加につながったこと
に関連している。
■ リスク要因別および相殺効果別の VaR の内訳
リスク要因別の VaR の内訳は、主要なリスクの毎月の寄与および VaR に関する相殺効果の実態を示してい
る。
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3月から6月における連結 VaR の増加は、大半が株式で構成される範囲の VaR の増加により部分的に説明さ
れるが、これは COVID-19 危機を背景とする市場のボラティリティの急上昇に起因する。
下半期における VaR の減少は、エクスポージャーおよびショックの振幅が双方とも減少した結果によるも
のである。
■ 規制上の範囲に関するナティクシスのバックテスト
以下のグラフは、規制上の範囲に関するバックテスト(仮説的および実質的損益の影響を考慮した VaR
(信頼水準 99 %の1日 VaR )により事前に計算された潜在的損失の事後の比較)の結果を示したものであ
り、 VaR 指標の堅実性の証明に利用される。
2020 年には、ナティクシスの規制上の水準において、4つの実質的バックテストの例外および4つの仮
説的バックテストの事象が確認された。
4つの実質的バックテストおよび仮説的バックテストの例外は、 2020 年上半期の3月 12 日、 17 日、 23 日
および 30 日に記録された。これら4つの例外は、 COVID-19 のパンデミックという困難な状況に対して講じ
られる措置の不確実性の結果として生じた市場のボラティリティの急上昇により説明される。これらの例
外は、 2020 年4月 16 日付の発表にて ECB により承認された権限に従い、乗数に係る措置の計算には織り込ま
れない。
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■ ナティクシスの規制上のストレスのかかった VaR
ナティクシスの規制上のストレスのかかった VaR は、平均して 25.4 百万ユーロであり、 2020 年2月3日に
14.5 百万ユーロの最低水準まで下落し、 2020 年5月 22 日には最大 38.9 百万ユーロに達し、 2020 年 12 月 31 日
現在では 22.2 百万ユーロとなった。
規制上の VaR (信頼水準 99 %の1日 VaR )およびストレスのかかった VaR (信頼水準 99 %の1日 SVaR )の変動
■ IRC 指標
この指標は、規制上の範囲を対象としている。ナティクシスの IRC は、平均して 13.6 百万ユーロであり、
2020 年3月 18 日に9百万ユーロの最低水準まで下落し、 2020 年9月 25 日には最大 26.5 百万ユーロに達し、
2020 年 12 月 31 日現在では 18.8 百万ユーロであった。
ナティクシスの範囲に関するストレス・テストの結果
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
全体的なストレス・テスト水準は、 2020 年 12 月 31 日現在、 17.5 百万ユーロの平均水準に達した(これに
対し 2019 年 12 月 31 日現在ではプラス 16 百万ユーロ)。
2011 年のソブリン債務危機を再現する過去のストレス・テストにおいては損失が最大となった( 2020 年
12 月 31 日現在、マイナス 82 百万ユーロ)。
■ 2020 年 12 月 31 日現在の全体的なストレス・テスト
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(f) オペレーショナル・リスク
① 目標および方針
リスク選好の策定の一環として、および 2014 年 11 月3日付フランス省令第 98 条に基づき、ナティクシス
は、オペレーショナル・リスクに関連する損失を制限することおよびリスク軽減のための活動を定期的に
見直すことを目的として、オペレーショナル・リスクの許容度の方針を策定した。かかる方針は、設置さ
れたガバナンス、定量的かつ定性的な管理の枠組ならびにこれまでに行われた監視を提示している。
かかる方針は、オペレーショナル・リスク管理基準を定めており、以下が含まれる。
・ 定量的指標、すなわちリスク費用を測定する1つの過去の指標、規制当局に報告すべき重大な突発
事象の発生を特定する1つの個別指標(第 98 条)、内部不正行為の警告を発生させる1つの特定の
個別指標および是正措置の進捗を測定する1つのオペレーショナル・リスク管理指標。
・ システムの規定への遵守に関する1つの定性的指標。
・ サイバー・リスクを含む、情報およびコミュニケーション技術( ICT )リスクを監視する特定の指
標。
このオペレーショナル・リスク管理のシステムは、フランス国内外のすべての当行の事業分野および支
援業務に関するオペレーショナル・リスクのレベルを特定し、測定し、監視しかつ統制する。
② 組織
オペレーショナル・リスクの責任を負う部門は、業務上の手続、従業員および内部システムに起因する
不履行または外部事象により生じるリスクの監視ならびに管理を保証する。
ナティクシスのオペレーショナル・リスク委員会によって検証されたオペレーショナル・リスクの方針
および手続に記載されている当該業務の責務は、以下を含む。
・ オペレーショナル・リスク責任者のネットワークを介したすべての事業分野および支援業務に係る
事故の記録
・ 拡大プロセスを使用する深刻な事象の分析
・ 事業分野により実施されたリスクの自己評価および監査に基づく量的質的いずれもの潜在的なリス
クの解析
・ その他統制機能との連携
・ 主要なリスク指標および予測可能な環境変数の設定
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メカニズムは、オペレーショナル・リスク政策の決定、ナティクシスのオペレーショナル・リスク・エ
クスポージャーの監視ならびにリスクヘッジおよび軽減に関する最終的な意思決定を担う特別組織である
ナティクシスのオペレーショナル・リスク委員会により管理されている。当委員会は、執行役会の運営機
能 の延長であり、責任を有する分野内の問題に係る意思決定権を有している。当委員会は、四半期ごとに
会合を開き、財務部門、コンプライアンス部門、 ITSS-BC ( IT システム・セキュリティおよび事業継続性)
部門および一般的調査部門が出席する。当委員会は、最高経営責任者である最高リスク管理責任者(その
代理人)が議長を務め、オペレーショナル・リスク部門長を補佐役とする。オペレーショナル・リスク部
門の常任委員は、部門長を除き、オペレーショナル・リスク担当部長ならびにデータ、方法およびプロ
ジェクトの責任者である。
事業分野のオペレーショナル・リスク委員会および支援業務は、ナティクシスのオペレーショナル・リ
スク委員会から派生しており、各範囲のオペレーショナル・リスク・エクスポージャーを管理している。
これらの委員会は、その業務のガバナンス・マトリックス(地域および事業分野)に応じて組織されてい
る。これらの委員会は、委員会補佐役としてのオペレーショナル・リスク部門長により促進される。各委
員会は、範囲内(事業分野、または事業体により支援業務)の部門長またはマネージャーが議長を務め、
オペレーショナル・マネージャー、支援業務代表者および専任コンプライアンス・マネージャーの参加を
伴う。
部門の構造は、以下の組織を反映する。
・ オペレーショナル・リスク・マネージャーの責任下にある部門。
・ アメリカ、 EMEA およびアジア太平洋プラットフォームのオペレーショナル・リスク・マネージャー
の責任の下での海外支店。かかる海外支店は、現地の最高リスク管理責任者に階層的に報告し、ま
たオペレーショナル・リスク部門長に機能的に報告する。
・ オペレーショナル・リスク・マネージャーが付託された権限内の活動に加え、ナティクシスがさら
されている総合的なリスクおよび組織的なオペレーショナル・リスク(敷地もしくは情報システム
へのアクセスの喪失または確保可能な従業員の喪失)をカバーするオペレーショナル・リスク・マ
ネージャーの責任の下での支援・統制部門。
かかる部門は、ナティクシスのオペレーショナル・リスク管理に専念する約 70 名の常勤労働者を有す
る。その指定された範囲内(子会社、事業分野または支援業務)で、当該従業員は、オペレーショナル・
リスク文化の浸透、突発事象の記録および分析、リスクの解析、是正措置の提案および追跡調査、報告書
の作成ならびに管理部門への情報の上申を行う責任を有する。分析は、支援業務または統制部門が属す
る、または営業担当、経営管理担当もしくは事務管理担当に関係なく、そのプロセスがチームに影響を及
ぼす、当行全体に実行される。
この枠組は、フランス国内外の当 行の事業体、事業分野および支援業務に展開される単一の情報システ
ムを使用して管理される。この内部ツールはフランス語および英語で利用可能であり、オペレーショナ
ル・リスク監督システムのすべての要素(突発事象、定量化された潜在的リスクの解析、リスク管理シス
テム、主要なリスク指標、是正措置、委員会等)を備えている。オペレーショナル・リスク・マネー
ジャーが入力または承認した情報の正確性は、その他の部門(会計、コンプライアンス、法務、 IT システ
ム・セキュリティ、データの品質、保険等)からの情報と照合することにより保証される。
オペレーショナル・リスクの資本要件は、すべてのナティクシスの業務部門に関して標準化された手法
を使用して計算されている。経済資本を管理する目的で、ナティクシスは、事業分野の事業体別、地理的
領域別および一定の高リスクの状況におけるオペレーショナル・リスクへのエクスポージャーのレベルの
総合的な概算を得るために内部の手法を使用している。かかる手法は、リスク解析に基づくバリュー・
アット・リスク( VaR )の計算に依存し、バックテストのために特定された突発事象および既知の外部損失
を考慮に入れている。
③ オペレーショナル・リスクの監視
リスク解析
リスク解析は、オペレーショナル・リスクの監視の中心的役割を果たしている。
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オペレーショナル・リスクを担当する部門は毎年、その他の統制機能と協力して、各事業分野、事業体
および支援業務とともにオペレーショナル・リスクの解析を行っている。かかる実施には、リスクの特定
および記述的な分析を行い、リスクの状況を定量化(平均頻度、損失の平均値および最大値)し、また現
行のリスク管理メカニズムを考慮に入れることが含まれる。かかる解析は、プロセス分析に基づき、銀行
の活動のすべてについて実施されている。その一貫性は、これまでのバックテスト、つまり突発事象およ
び関連のある外部データを用いることによって実証されている。
リスク解析プロセスは、ナティクシスがさらされている業務分野およびその最大のリスクについて、そ
れらを是正措置および指標を通して管理できるようにするために特定する役割を果たす。
「グローバルリスクおよびシステミック・リスク」(大規模自然災害、パンデミックおよび攻撃等、
めったに起こることのない極端にリスクが高い状況。)の解析は、特に頻度の確証のために、金融業界に
おける突発事象に関する外部のデータを利用する。また、未実現純収益項目の仮定、リスク管理メカニズ
ムの有効性ならびに非常事態計画および事業継続計画も考慮に入れる。
リスク解析に加え、 600 を超える KRI (主要なリスク指標)およびそれに付随する限度枠が存在し、それ
らは定期的に監視されている。 KRI は、オペレーショナル・リスク特性のいかなる変化も動的に検出し、損
失を発生させる事由の7つのバーゼルの分類を網羅する。この指標は、ナティクシス(総合的な指標)、
事業分野またはオペレーショナル・リスク・マネージャーとともに、指標を解析の過程で関連する早期警
告指標と定義する支援業務のいずれかに適用される。これらの指標は、オペレーショナル・リスク委員会
による承認のために提出される。系統的な警告の対象である閾値を超えた場合には、直ちに実行される
か、またはオペレーショナル・リスク委員会の承認を要求する措置を誘発する可能性がある。
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損失および突発事象の特定
突発事象の記録および分析
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに資産運用事業分野に対する
5,000 ユーロならびに決済、保険およびウェルス・マネジメントに対する 1,500 ユーロの任意報告閾値を始
めとして、突発事象は、発生した順番に記録されている。「深刻な突発事象」の単一の定義が、 Groupe
BPCE 基準(総額 300,000 ユーロ)に従って使用される。すべての深刻な突発事象(規定の閾値を超えるか、
または事業分野およびオペレーショナル・リスク部門長が深刻であるとみなす突発事象)は、事業分野の
経営陣およびナティクシスの最高リスク管理責任者に直ちに報告される。
すべての関連する当事者に対する調査に続き、事業分野のオペレーショナル・リスク・マネージャー
は、事象の事実に基づく記述、一次的原因の分析、影響の詳細および提案された是正措置を含む標準化さ
れた詳細な報告に従う。当行のすべてのレベルにおいて、事業分野のオペレーショナル・リスク委員会
は、その深刻な突発事象を検討する。かかる委員会は、是正措置の実施を決定し、関連する期限および提
出書類を提示し、進捗を監視する。事業体および事業分野は、かかる措置を自身の閾値に適用することを
決定することができるが、その閾値は、ナティクシスの閾値より低く、その活動およびリスクのレベルに
沿うものである。
多くのオペレーショナル・リスクの突発事象は、頻繁に発生しており、突発事象ごとの影響は少ない。
報告された突発事象の全体的傾向
2020 年には、当年度において発生した 3,258 件近くの突発事象(個々の突発事象としては 5,520 件相当)
がナティクシスの事業分野による記録ツールに加えられた。報告閾値の適用は 2016 年以降になされた報告
数の減少に役立ってきた。
事業別および日付別の報告された突発事象の内訳
報告された突発事象の純額別、日付別およびバーゼルの分類別の内訳
リスク軽減への措置
ナティクシスは、すべての業務分野および支援業務において、当行のオペレーショナル・リスクへのエ
クスポージャーを低減させるための是正措置を監視する措置を講じた。 2020 年に開始された、 431 の是正措
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置のうち 70 %は、担当の事業分野によって実行され、事業分野および中央オペレーショナル・リスク委員
会により監視される。オペレーショナル・リスクを軽減および解消することを特徴とするこれらの措置
は、 被ったリスクに依拠して3つの優先度により順位付けされる。一次是正措置の施行の遅延に対するナ
ティクシスのオペレーショナル・リスク委員会による迅速な査定のために警報システムが設置された。
④ リスク特性
2020 年のリスク分析は、ナティクシスのすべての事業分野ならびに支援業務および統制機能において行
われた。一般的調査部門の結果および永久統制の結果の一貫性の検証は、各範囲における最も重大なリス
クを浮き彫りにし、リスク管理メカニズムを向上させるため施行された是正措置の優先順位を設定する手
助けをした。コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびに資産運用および
ウェルス・マネジメントの事業分野は、フランス国内外における部門の活動および運営の特性が広範囲に
及ぶことから、大部分のリスクが検討中であることを示している。
ナティクシスのリスク特性は、高い潜在的効果という観点から2つの主要なリスク区分を特徴としてい
る。すなわち、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの下に集中した事業分野
のリスク区分および当行全体がさらされている事業横断的リスク区分(サイバー、規制、または法的な技
術を含む)である。場合に応じたリスク管理メカニズムは、手続および管理の安全防護対策、従業員の意
識の向上、事業継続計画、 IT システム・セキュリティおよび保険方針を含むこれらのリスクを網羅するた
めに導入されてきた。
⑤ オペレーショナル・リスクに係る保険
ナティクシスの保険部門に直属する Groupe BPCE の企業保険部門は、下記の責任を負っている。
・ 保険に適するオペレーショナル・リスクの分析
・ 適切な補償保険の加入(直接保険および/または譲渡)
ナティクシスおよびその子会社は、下記の主要な保険プログラムによる保証を受けている。
・ 保険に適するオペレーショナル・リスクを網羅
・ Groupe BPCE とプールされている
(A) 1保険年度当たり最大合計 215.5 百万ユーロが支払われる、統合された「国際銀行 (貴重品および
不正行為に対する損害) 」および「専門家民事責任」方針のうち、
(a) 「不正行為および専門家民事責任」に有効な保険と統合し、下記 (b) 、 (c) および/または (d)
で保証された保証額に従属する、1年当たり 72.5 百万ユーロ
(b) 唯一「国際銀行」リスクのために用意された、請求1件および1年当たり 48 百万ユーロ
(c) 唯一「専門家民事責任」リスクのために用意された、請求1件および1年当たり 25 百万ユー
ロ
(d) 上記 (b) および/または (c) で保証された保証額の使用後またはそれに加え「国際銀行/専門
家民事責任」に有効な保険と統合された、請求1件および1年当たり 70 百万ユーロ
本取決めにおいて、請求1件につき支払われる最高額は、「専門家民事責任」の対象範囲で 118.5
百万ユーロ、「不正行為」の対象範囲で 119 百万ユーロであり、適用控除免責金額を上回る。
(B) 請求1件および1年当たり最大合計 10 百万ユーロ支払われる「規制仲介民事責任」 (金融仲介、保
険仲介、不動産取引および管理の3分野)
(C) 請求1件当たり 100 百万ユーロの対象となる「営業民事責任」ならびに請求1件および1保険年度
当たり最大 35 百万ユーロまで対象範囲が拡張される「子会社所有者の民事責任」および「配達後受
理の民事責任」
(D) 請求1件および1保険年度当たり最大 200 百万ユーロの対象となる「取締役民事責任」
(E) 請求1件当たり最大 400 百万ユーロの事業支店およびその内部にあるもの( IT 機器を含む。)への
「物的損害」およびそれに連続する「銀行業務における損失」
(F) 請求1件および1保険年度当たり最大 140 百万ユーロの「サイバー・リスクに対するデジタル資産
の保護」およびそれに連続する「銀行業務における損失」
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かかる補償は、米国にある常設機関には方針が及ばない、主に「専門家民事責任」を指す、除外の対象
となる一次リスクまたはアンブレラ・リスクに対して全世界的に適用が拡張される (補償はナティクシス
の米国における業務によって当該地域において取得される。) 。
上記のすべての保険契約は、評判が良く信用力のある保険会社と締結された。上記のすべての保険契約
は、ナティクシスの保有能力に従い、免責金額を控除して(許容可能な保有レベルで)購入されている。
(g) 貸借対照表上の管理
① ガバナンスおよび組織構成
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスの構造的な貸借対照表上のリスクは、財務部門、リスク監督部門ならびに CIB 部門を担当す
る上級経営委員会の委員、ジョイント・リファイナンシングプール部門長、ナティクシスの財務管理部門
長、 SBSR (構造的な貸借対照表上のリスク)部門長ならびに BPCE の財務管理部門およびリスク部門業務代
表者から構成され、最高経営責任者が議長を務める ALM 委員会の権限の下、管理および監視されている。同
委員会は隔月で開催され、主に以下の責務を負う。
・ ナティクシスの ALM の規定および監視。
・ BPCE が策定する ALM 基準枠組に従った、構造的な貸借対照表上のリスク(構造、権限の委任、資金収
支管理等)に関する主要方針の承認。
・ 中央機関である当行グループの戦略 ALM 委員会による調査に先立って、構造的なリスクの管理および
監視における指標計算の基礎となる、 ALM の承諾および前提の事前確認。
・ ALM 指標についての内部の限度枠、 BPCE によって規定された当行グループ全体の限度枠の認証。
・ BPCE の ALM 委員会に連動する資金調達に関する全体方針の認証。
・ 2015 年以降の過度のレバレッジリスクの管理を含む構造的な貸借対照表上のリスクの管理。
・ 主要な貸借対照表の集計およびそれらの作成の管理。
ALM 委員会は、ナティクシスの規制貸借対照表を監視する。
その義務を遂行するため、また ALM 管理および制御の主な原則に適用するため、 ALM 委員会は、以下の部
門に対して一定の運営上の職務を委任している。
・ 第1防衛ラインとしての財務管理部門:
・ ALM 部門は、 ALM の原則、基準、慣習および制限を更新する責任を有している。 ALM 部門は、リス
ク部門の監督の下で、承認のため ALM 委員会にそれらを提出し、規制上の流動性比率およびレバ
レッジ比率に関するものも含め、 ALM の有する制限全体の範囲内で、構造的な貸借対照表リスク
の管理を保証する。
・ 財務部(ジョイント・リファイナンシングプール)は、財務管理部門の権限下となり、事業分
野の資金調達要件を補填し、適用ある制限に従って流動性を運営管理し、 ALM 委員会が採択した
ナティクシスの中期借換え方針を実行し、また経営上、規制上の流動性比率の遵守を管理する
責任を有している。
・ リスク部門は、 ALM の構造的リスク監視システム、資金繰りおよび ALM 指標(臨時 SBSR 部門)の第二
段階の統制ならびにモデルに用いられる ALM 手法の承認を独立的に評価する責任を負う。専門部門
( MARPL )は、市場リスク委員会の会議を開催し、リスク規制の対象となる銀行業務の範囲における
業務上の制限を見直す責任も負う。また、リスク部門は、取締役会により承認されるリスク選好シ
ステムに基づき定められた制限に関して提案も行う。
② 流動性リスクおよび資金調達リスクの管理
目標および方針
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
ナティクシスは、フランス財政金融法に定義されるところの Caisses d'Epargne 銀行および Banques
Populaires 銀行( BPCE )の中央機関に属している。フランス通貨金融法典第 L.511-31 条は、中央機関とな
るのは信用金融機関であり、したがって、中央機関としてネットワークのまとまりを監視し、関係機関お
よび関連会社の適切な運営を保証しなければならないと規定している。このため、中央機関は、とりわけ
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かかるすべての機関および会社だけでなくネットワーク全体の流動性と自己資本を保証するために必要な
あらゆる措置を行う。
最終手段の貸手としての銀行の流動性を確保し、保証するために Groupe BPCE が監督当局に与えたコミッ
トメントを鑑み、ナティクシスは引続き BPCE の管轄下に置かれている。
この監督は、戦略 ALM 委員会の権限の下、ナティクシスを含むすべての関連会社により適用され、共有さ
れ、調整されるガバナンスシステムならびに全体的な流動性リスク管理および監視システムを通じて行わ
れている。当行グループのレジリエンス機能により、特に当行グループの資金調達構造を定めている。
ナティクシスの流動性リスク管理に関する方針は、当行グループの方針において不可欠である。かかる
方針は、ガバナンスおよび ALM 規制に関して、当行グループのリスク制約に即して、明確かつ共通の標準化
された枠組におけるナティクシスの事業の最適化を目指す。
ナティクシスの資金調達構造は、ナティクシスと BPCE に共通のジョイント・リファイナンシングプール
に依存している。当行グループの ALM 委員会の権限の下、かかるプラットフォームは、特に市場の資金調達
の使用を制限し、資金調達費用を削減する目的で、事前に定められた規則に従い、当行グループの資金調
達を確保するため、また当行グループ内の流動性の担保および配分の管理を最適化するために 2011 年に実
施された。
包括的な流動性リスクの管理方針の目的は、以下のとおりである。
・ ナティクシスの資金調達ニーズと満期転換が当行グループの短期および中期のリファイナンス可能
額と合致していることを確認する一方で、ナティクシスがローンコミットメントを満たしているこ
とを保証すること。
・ 利益目標の達成を促進させるために設定されたリスク制約の範囲内で、資金調達費用を最適化する
こと。
・ BPCE との密接な協力関係において規定され、ナティクシスの最終的な流動性の必要量に見合う当行
グループの能力に課される内部の限度枠を遵守すること。
・ 国内および海外の規制を遵守すること。
・ Groupe BPCE により調達された資金源の(地理的地域、商品および取引相手ごとの)多様化を支援す
ること。特に、非金融資産の流入を促進すること。
監視システム
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
流動性リスクは、以下のとおり統制、管理および監視が行われる。
・ 各事業分野の資金調達ニーズの管理:当行の資金調達のニーズを管理するために、予算手続の一環
として各事業分野に流動性予算が分配され、 ALM 委員会によって承認される。消費額は、 CIB の事業
分野に関しては毎週、その他の事業分野に関しては毎月監視される。
・ Groupe BPCE の最終的な市場勢力に対する当行の寄与の管理:これは流動性割当システムを当行グ
ループの戦略的意欲および業務上の監督に適合させることを目標としている。
・ 短期的な満期転換の管理:これは、流動性ギャップを利用して測定される。この指標は、すべての
親会社(一部の子会社を含む。)の取引に関して、1日間隔の 365 日間を期間として日次的に作成さ
れる。 ALM 委員会が承認する4つの永久的な制限によって規制されており毎日監視される。
・ 中期的な満期転換の管理:これは、満期に達していない資産と満期に達していない負債との比率の
ような満期のトランシェにより定められるカバレッジ比率を使用して行われる。これらの比率は、
長期的な現金資産、中期的な活動を行う信用子会社、およびナティクシスに関して連結ベースで計
算されており、 ALM 委員会が承認し、毎月監視される最低カバレッジ比率により制限される。
・ Groupe BPCE の短期、中期および長期転換における当行の寄与の管理:これは、ナティクシスの連結
流動性ギャップをベースに測定される。これらの指標は毎月作成される。
・ 流動性ストレス・シナリオのシミュレーション:これらのシナリオは、流動性危機の発生時におい
て義務を果たし、業務を継続するための当行グループの能力を測定することを目的とする。ナティ
クシスは、様々な危機的シナリオ(システミック、個別、複合等)および異なる深刻度レベル(中
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度、重度、極度等)に基づき、1ヶ月、2ヶ月および3ヶ月の期間にわたって当行グループのスト
レス結果に対する貢献を定期的にシミュレーションし、これに関して BPCE は仮定を設定する。
・ 資金調達構造:資金調達構造は、すべての集中リスク (下記「資金調達の原理および構造」を参照
のこと。) の軽減に向けて、取引相手方の種類別、市場セグメント別および地理的地域別に、資金
の十分な多様化が確実に行われるために監視される。
・ ジョイント・リファイナンシングプールにより行われる市場の深さの調査:かかる流動性調査は、
当行の発行に関して取引相手方により設定された限度枠を調査することを目的とする。
流動性ストレス下における非常事態資金調達計画
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
当該非常事態資金調達計画(「流動性ストレス下における CFP 」)は、当行グループの資金調達を得る能
力を変化させる流動性危機の発生時において、すべての資源が協調的に、かつ最適化された方法で利用さ
れ、当行グループがその現在および将来の財政義務を果たし、それによって事業継続性を維持できること
を保証することを目的とする。
当行グループの流動性管理組織が、依然として中央機関の権限下にあることを考慮すると、 当行グルー
プの CFP は比類のないものであり、すべての関連会社を網羅して戦略 ALM 委員会に報告する。特に、以下に
記述するとおりである。
・ 特に危機的状況の発生に対する先進的な定量的かつ定性的な指標の例を基本とした当行グループの
監視システム(早期警告指標)は、 CFP の活性化または不活性化に関する意思決定および拡大プロセ
スを促進するために、閾値の仕組みによって補われた。
・ 活性化された場合に実行される組織およびガバナンス
・ 流動性ストレス状況に対処するために講じられる措置の説明
資金調達の原理および構造
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
資金調達戦略
ナティクシスの資金調達構造は、ナティクシスと BPCE に共有されるジョイント・リファイナンシング
プールに依拠する。当行グループの ALM 委員会の監視下に置かれ、このプラットフォームは、市場でのファ
イナンス費用の使用を制限しおよび資金調達費用を削減することを目的として事前に定められた規則に従
い、当行グループの資金調達を確保し、当行グループ内での流動性の管理と割当を最適化するために実施
された。
分散化戦略は当行グループ全体で実施される。戦略は、顧客向け事業分野における、いわゆる「市場」
流動性の需要を制限すると同時に、株式市場における調達量を制限し、地理的な区域、通貨、商品および
取引相手方による当行グループの資金源の拡大を目標としている。ナティクシスに関する限りでは、この
戦略の実施には、欧州、アジアおよび米国における社債を通じた預金受入れだけでなく私募による仕組債
発行も明確に含まれる。
以下のグラフは、情報提供を目的として各年末現在の管理データに基づき立証されている。
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2020 年の資金調達構造
主な取引相手方別
通貨別
満期別
プラットフォーム別
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2020 年の中長期総資金調達計画
2019 年の中長期総資金調達計画
年間の中期資金調達計画の下で、 11.5 十億ユーロ(買戻しおよびコールの差引後は 7.4 十億ユーロ。)に
対し、ナティクシスは 2020 年において 12.3 十億ユーロを調達した( PPS の買戻しおよびコールの差引後は
8.7 十億ユーロ。)。ナティクシスは GBL を融資するために BPCE によって資金提供された TLTRO 財源から利益
を得た。
定期預金は一部(1年分を超えて)につきキャッシュ・フローによって戻ってきたため、追加財源とな
る3十億ユーロを創出することができ、昨年と比較して財源が増加したことへの説明となっている。
銀行の資金調達への論評
短期資金調達
2020 年は、短期資金調達市場において非常に混乱した年であった。金融市場に影響を与えた COVID-19 の
パンデミックだけでなく、最も迅速かつ的確な反応を示す政府当局および金融当局による厳しい反応を特
徴とした。
3月初め頃から、多くの企業は、パンデミックによって引き起こされた不可避の収益の損失に対処する
ための流動性バッファーを構築するために、資産運用会社の出資金の引出しをこぞって行った。これらの
引出しの動きが金融市場の流動性に影響を与え、銀行融資の買手不足が原因となって市場は早々に閉じて
しまった。こ の状況により当行グループにおける貨幣的負債の残高の大幅な減少が起こったが、企業の銀
行口座の預金額が増加したことによってほぼ相殺され、結果としてバッファーを構築することになった。
しかし、中央銀行の行動が金融市場における早期の信用と流動性の回復につながったことから、この動
きは一時的なものであった。企業はまた、政府保証債スキームから利益を得られたが、これにより、危機
的状況の中でもキャッシュ・フローを維持できること、また、いくつかの企業は、資産運用会社を経由し
て金融市場に再投資するための準備金の金額を減らせることを再確認した。
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かかる信頼の回復と、投資家の金融資産に対する現在の強い意欲の証明として、銀行間金利( Euribor )
は 2020 年4月から着実に軽減されており、ヨーロッパ中央銀行の預金ファシリティ金利を下回るか、極め
て近い状態である( 0.50 %減)。
2020 年全体にわたって、ユーロで発行された短期債務プログラムは、約 10 十億( 9.861 )に減少したが、
これは中央銀行が市場にもたらした流動性により当行グループ内の借換要件の緩和、および特に米国内で
の BPCE プログラムに対する株式の再割当への要望の双方を反映しており、また程度の差はあれど、ユーロ
に対してのドルの為替相場の落ち込みも反映している。
ナティクシスによる短期債券発行プログラムの発行額
コマーシャル・
( 単位:百万ユーロまたはユーロ換算額 ) 譲渡性預金証書 ペーパー
*
プログラムの上限 45,000 24,224
2020 年 12 月 31 日現在発行済 19,693 10,389
*
譲渡性預金証書については、 NEU CP プログラムの上限のみ( NEU: 新規欧州中期証券)。
長期資金調達
2020 年は、 COVID-19 危機を特徴とし、世界全体での経済活動が劇的に減速した年であった。
COVID-19 のパンデミックの経済的な影響を食い止め、市場の円滑な運営を支えるには中央銀行による介
入が必要であった。
ECB が第1四半期に発表した解決策( PEPP の実施‐預金金利は変わらないが、 TLTRO 3にとってより好ま
しい状況になる。)は規模を拡大し、適用期限も年内に延長された。結果として、 PEPP に対する予算は、
当初は 750 十億ユーロと公表されていたが、 1,850 十億ユーロに増加した。また、政策は(当初は 2021 年6
月までであったのに対して)、 2022 年3月まで延長された。
連邦準備制度理事会としては、フェデラル・ファンド・レートを理事会内で2度引き下げ(マイナス 50
ベーシスポイントおよびマイナス 100 ベーシスポイント)(0%~ 0.25 %)、ほとんど無制限の量的緩和政
策(財務省証券と MBS の購入という方式)やその他の政策( 中長期にわたって実施する PMCCF と SMCCF )を発
表した。
中央銀行の動きによって、イールドとスプレッドの顕著な減少を伴い利率が減少し、すべての資産の評
価にとって好ましい動きとなった。
信用市場において、 ECB は、資産買入プログラムの一環として非金融企業債務( CSPP )のユーロでの購入
を続けていたため、発行市場の支えとなっていた。このセグメントにおいて、 2020 年に発行された金額
は、( 2019 年の 449 十億ユーロに対して)約 484 十億ユーロである。投資適格( IG )ファンドは 2020 年にお
ける純流入額を記録し、 IG ユーロファンドは 10 十億ユーロ、米ドルの IG ファンドは 139 十億米ドルであっ
た。流通市場では、ユーロ建ての上位優先信用スプレッドは本年初め頃と同程度まで戻った。 iTraxx
Europe Senior Financials インデックスは、 2020 年3月に 164 ベーシスポイントでピークを迎えた後、 59
ベーシスポイントで終了した。すなわち、 2020 年度は7ベーシスポイント上昇したのみであった。
政府によって実行された回復計画も、経済活動を支えるのに役立った。
このような市場背景に反して、ナティクシスはその中長期借換プログラムに基づき、 2020 年に資金調達
において 11.7 十億ユーロ(うち、 520 百万ユーロの当行保有債券)を調達した。公募債発行セグメントにお
ける唯一の長期債発行体として、 BPCE はナティクシスに対しユーロ換算額で合計 2.74 十億ユーロの融資を
提供した。
ナティクシスによる中長期債券発行プログラムによる発行額および発行済額
( 単位:百万ユーロまたはユーロ換算額 ) NEU MTN US MTN
EMTN 債券発行
2020 年 12 月 31 日現在発行 3,980 0 13 4,999
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2020 年 12 月 31 日現在発行済 13,023 432 108 12,967
③ 構造的な為替リスク
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
目標および方針
多くの通貨(米ドルを含む。)に対してのリスク・エクスポージャーを考慮すると、ナティクシスの CET
1比率は為替相場の変動に対して感応的である。ナティクシスの構造的為替リスクを管理するための一般
的な方針は、為替レートの変動に対して CET 1比率(同一通貨の RWA との関係する通貨における CET 1)を免
除することである。この目的に向けて、対象通貨における RWA の消費に比例して、外国において持続可能で
戦略的な純投資の資金調達を行うために為替を購入する際に「構造的な」為替ポジションを設定してい
る。
監視システム
CET 1比率の為替変動に対する感応度は、 ALM 委員会によって定期的に評価される。
構造的な為替ポジション
構造的変動
市場オープン時のポジション 市場クローズ時のポジション
通貨 ( 変動係数:百万ユーロ ) ( 2020 年1月1日時点) ( 2020 年 12 月 31 日時点)
米ドル 4,166 3,846
アルジェリア・ディナール 181 154
豪ドル 127 103
英ポンド 247 103
カナダドル 123 89
人民元 41 40
香港ドル 70 30
ロシア・ルーブル 46 24
シンガポール・ドル 99 14
レバノン・ポンド 14 14
その他 140 23
④ 総合的な金利リスク
一般的な方針
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
総合的な金利リスクを管理するためのナティクシスの方針は、銀行帳簿において長期にわたる構造的な
指向性金利ポジションを保有することを目的としているのではない。
例外を除いて、固定金利金融資産および負債は金利スワップを通じて銀行間出し手レートに戻され、大
部分は継続的な金利リスクの管理対象となるトレジャリー・ポートフォリオにおいて保有される。ヘッジ
システムの会計上の取扱いは、国際会計基準に従う。
総合的な金利リスク管理システム
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
2019 年、金利リスクの評価システムおよび監視システムが、欧州銀行監督機構( EBA )の 2018 年7月の新
たなガイドライン「 EBA-GL-2018-02 」に織り込まれた。 Groupe BPCE 内での IRRBB の枠組の実施に合致して
おり、ナティクシスのプルーデンシャル・バンキングの範囲に適合するという測定および制限を含む。
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ナティクシス(E15244)
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ナティクシスの銀行ポートフォリオの金利リスクは、 ALM 委員会の権限下で管理および監視され、最高経
営責任者が議長を務め、財務担当の上級経営委員会のメンバー、リスク監督部門のメンバー、コーポレー
ト・ バンキングおよびインベストメント・バンキング部門のメンバー、ならびにジョイント・リファイナ
ンシングプール部門長、ナティクシスの財務管理部門長およびこれに相当する BPCE の部門長が出席する。
指標には、次のようなものがある。
・ 静的な金利ギャップ測定
・ 経済価値測定の感応度:この指標は、イールド・カーブの歪みが異なるシナリオ( EBA の定義したも
のも含む。)の下、かかる価値の変化を測定する。
・ 純受取利息測定の変動:純受取利息の感応度を測定すること。
これらの指標について、限度枠はナティクシスの ALM 委員会により承認される。重要性は低いが、これら
は Groupe BPCE システムの一部であり、ナティクシスのリスク選好枠組の内部制度にも含まれている。
測定基準は財務管理によって計算され、第二段階の統制と SBSR (構造的な貸借対照表上のリスク)のリ
スク部門によって運用されている規制の監視をともなう。かかる測定基準は、 ALM 委員会に報告され、リス
クダッシュボードに記録される。
このシステムを補完するものとして、オペレーショナル金利リスクの測定(金利感応度およびストレ
ス・テスト)があり、市場リスク部門により毎日管理され、管理責任のある信用子会社に関しては毎月管
理される。
定量的開示
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
下記金利ギャップは、次の金利が設定されるまで、すべての固定金利資産および負債ポジションならび
に可調および可変レートポジションを考慮に入れる。すなわち、同一の金利レート指数を使用し、異なる
満期にわたり、負債エクスポージャー額と資産エクスポージャー額を比較する。金利ギャップの指標は、
四半期を基準として計算される。
2020 年 12 月 31 日現在の満期別金利ギャップ
( 単位:百万ユーロ )
満期 1年 3年 5年 7年
金利ギャップ(固定金利) (1,656) (551) (429) (206)
以下の表は、報告日における利率の変動についての規制当局による様々なシナリオによる、経済価値
(Δ EVE )およびナティクシスの連結銀行勘定の利差益( MNI )の感応度である。
経済価値および純受取利息の感応度( IRRBB -テーブルB)
△ EVE △ NII
期間
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日 2020 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日
上昇の平行移動 (152) 12 27 124
下落の平行移動 27 (12) (1) (79)
スティープ化 (63) (125)
フラット化 (13) 74
短期金利の上昇 (59) 73
短期金利の下降 (2) (103)
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最大
期間 2020 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日
Tier 1資本 14,194 13,311
ストレス・テストは、 2018 年7月の EBA ガイドラインに準拠し、先進的な規制フロア・アプローチおよび
複数通貨集約法を用いて測定される。 NII に関連し以下に示された感応度は、初年度の情報である。
その特性を考慮すると、総合的な金利リスクはナティクシスにとってはわずかなリスクであり、取り立
てて言及する必要はない。
ストレス・シナリオは、欧州銀行監督機構により設定され(イールド・カーブの 200 ベーシスポイントの
上昇または下降の平行移動、スティープ化、フラット化、進歩的なフロアに伴う短期金利の上昇または下
降)、 2020 年 12 月 31 日現在、イールド・カーブが 200 ベーシスポイント上昇するシナリオに基づくと、
( EBA の通貨相殺規則を用いた)銀行勘定の経済価値は、マイナス 152 百万ユーロの変動をもたらす。
2020 年の多様なストレス・シナリオの下での金利変動に対するナティクシスの NII の感応度は、比較的安
定していた。イールド・カーブに 200 ベーシスポイントの上昇の平行移動が生じた場合、感応度はプラスで
あり、 CET 1の 1.5 %未満を示した。
⑤ 契約上の満期別金融負債の内訳
( IFRS 第7号に従い、法定監査人により認定されたデータ)
契約上の満期別金融負債の内訳
2020 年 12 月 31 日
1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年
要求 1ヶ月 から から から から から
( 単位:十億ユー
ロ ) 合計 払い 未満 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年 5年 5年超 無期限
中央銀行 0.0 0.0
売買目的で保有さ
れたその他の金融
負債 - トレーディン 131.8 4.3 81.0 8.9 2.4 4.0 2.0 4.3 4.2 20.6
グ・デリバティブ
を除く
うち買戻契約 95.3 4.3 80.6 7.9 1.3 0.9 0.2 0.0 0.1 0.0
担保付負債 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
無担保負債 0.3 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
損益勘定を通じて
公正価値で
27.9 0.0 1.1 6.0 2.5 3.6 4.4 8.7 1.6 0.0
評価されたその他
の金融負債
うち買戻契約 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
担保付負債 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
無担保負債 23.9 0.0 1.0 2.5 2.4 3.6 4.4 8.7 1.4 0.0
トレーディング・
49.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 49.9
デリバティブ
ヘッジ目的デリバ
0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.5
ティブ
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銀行に対する債務 84.7 12.8 3.7 17.5 10.1 14.1 7.9 17.4 1.1 0.1
うち買戻契約 9.1 0.0 4.5 1.2 1.4 1.0 0.9 0.0 0.0 0.0
顧客預金 30.2 20.7 2.9 2.2 0.8 0.9 0.2 0.2 1.1 1.3
うち買戻契約 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
債務証券 35.7 0.0 6.6 11.8 6.6 8.0 0.7 0.6 1.4 0.0
うちカバード・
1.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.1 0.3 0.5 0.3 0.0
ボンド
金利リスクをヘッ
ジするポートフォ
0.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.2
リオに対する再評
価調整額
劣後債務 4.1 0.0 0.0 0.0 0.9 0.6 1.1 1.0 0.2 0.3
合計 365.1 37.8 95.3 46.3 23.2 31.2 16.3 32.2 9.7 73.0
上記の表に記載された情報には保険業務は含まれていない。
2019 年 12 月 31 日
1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年
要求 1ヶ月 から から から から から
( 単位:十億ユー
ロ ) 合計 払い 未満 3ヶ月 6ヶ月 1年 2年 5年 5年超 無期限
中央銀行 0 0
売買目的で保有さ
れたその他の金融
負債 - トレーディ 129.9 8.1 72 11.5 3.7 4.9 2.4 4 4.8 18.6
ング・デリバティ
ブを除く
うち買戻契約 96.1 8.1 71.9 11.2 2.5 1.3 0.6 0.4 0.1
担保付負債 - - - - - - - - -
無担保負債 - - - - - - - - -
損益勘定を通じて
公正価値で
30.7 - 1.5 6.7 2.1 4 4.1 8.8 3.4
評価されたその他
の金融負債
うち買戻契約 - - - - - - - - -
担保付負債 1 - - 0.9 0.1 0 0 0 0
無担保負債 25.6 - 1.4 2.2 2 4 4.1 8.8 3
トレーディング・
59.7 59.7
デリバティブ
ヘッジ目的デリバ
0.7 0.7
ティブ
銀行に対する債務 72.9 8.8 10.1 15 5.6 7.6 8.7 16.1 1 0.1
うち買戻契約 6.9 0.6 0.8 4.2 0.6 0.8 - - -
顧客預金 30.4 17 3.2 4.2 1.2 1.9 0.1 0.3 1 1.4
うち買戻契約 0.1 0 0.1 - - - - - -
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債務証券 47.7 - 5.2 14.3 12.9 11.7 0.5 2 1.2
うちカバード・
1.3 - 0 0 0 0 0.2 0.8 0.3
ボンド
金利リスクをヘッ
ジするポートフォ
0.2 0.2
リオに対する再評
価調整額
劣後債務 4.2 - 0 0 0 0 1.4 2 0.7 0
合計 376.3 33.9 92 51.7 25.5 30.1 17.3 33.1 12.1 80.7
上記の表に記載された情報には保険業務は含まれていない。
(h) 不遵守リスク
不遵守リスクの定義については、 「 (b) リスク・ガバナンスおよび管理システム-⑤ リスク類型論」を参
照のこと。
① コンプライアンス部門の組織
コンプライアンス部門は、第一段階の永久統制システムの調整を通じた不遵守リスクの管理および第二
段階の統制の実施に責任を負っている。これには、テクノロジー・リスク、事業継続性( ISS-BC )および
個人データの保護の監視も含まれている。その行為の範疇には、機能別組織のおかげで、ナティクシスな
らびにそのフランス国内外の子会社および支店が含まれている。
責任
コンプライアンス部門は、各自の義務の遂行の際にコンプライアンス・リスクを回避する方法について
ナティクシスのすべての従業員に対して助言および支援を行っている。同部門は、ナティクシスの行動規
範 (「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナン
スの概要- (1) 行動- (a) ナティクシスの行動規範」を参照のこと。) に定められた原則の実施に重要な
役割を担っており、同原則は、コンプライアンス・マニュアル内のコンプライアンスに適応している。
このコンプライアンス部門の範疇は、非金融リスク、とりわけ銀行業務および金融活動に特有の立法お
よび規制に対する規定、ならびにあらゆる不遵守リスクを回避するための業務基準である。これには、提
供される商品またはサービスのコンプライアンス、市場の統合、ファイナンシャル・セキュリティおよび
不正防止、ならびにテクノロジー・リスクおよび個人データ処理の監視が含まれている。
これに関連して、コンプライアンス部門は、基準、方針および手続の実施に参画し、特に新規事業、新
商品および新組織の管理に関して、該当する文書のコンプライアンスを確保することで意見を表明する。
コンプライアンス部門はまた、規制の監視を行い、特にマネーロンダリング防止およびテロリストへの
資金提供の防止、脱税ならびに情報セキュリティに関する多くの規制変更についての研修および自己啓発
促進活動を行った。
コンプライアンス部門は、第一段階の永久コンプライアンス・リスク統制の調整を行う。さらに同部門
は、リスクに基づく手法 (「 (a) ナティクシスの内部統制システムの組織」を参照のこと。) の一環とし
て、手続の事業分野内での適用およびコンプライアンス・リスクの管理が確実に行われるようにするため
に、第二段階の永久統制を構築および実施する。かかる目的のため、コンプライアンス部門は、不遵守リ
スクを特定している。また、関連事業より指摘のあった機能不全はすべて修正された。
ガバナンス
コンプライアンス部門は、業務部門から独立してその職務を果たす。同部門は、統括部門委員会のメン
バーであり、 ACPR (フランスの銀行業務および保険部門における健全性監督機関)に申告される永久統制
の責任を負うナティクシスの事務総長に報告を行う。ナティクシスのコンプライアンス部門長は、エグゼ
クティブ委員会のメンバーである。
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コンプライアンス部門は、検知された主要なリスク、ならびにこれらのリスクに対処するための方法の
実施および効果について、ナティクシスの上級経営委員会および取締役会(リスク委員会)のメンバーに
対 して報告を行う。同部門は、規制当局に対する様々な報告書の作成に関与している。
コンプライアンス部門は、 Groupe BPCE の業務原則および報告原則を採用している。
コンプライアンス部門の業務規則は、ナティクシスの上級経営委員会が承認した憲章に定められてい
る。この憲章は 2020 年に更新され、全セクターに適用される最低限の枠組を定めている。
国際的な監督
ナティクシスは、当行全体での内部統制システムの一貫性を確保するために、統制機能をグローバルに
組織している。この組織は、取引の開始および確認に責任を負う業務および統制ユニットとそれらを統制
するユニットとの間の厳格な独立性の原則の遵守を確実にすることを目指している。
ナティクシスのコンプライアンス部門は、その業務の一環として、事業体のコンプライアンス・マネー
ジャーに対して指導し、リーダーシップをとり、監督する。この役割は、親会社であるナティクシスへの
階層的な報告および各支店や子会社への直接的なつながりを通じて実行される。
その業務または事業体が規制の対象となるかにかかわらず、関連する事業体が独占または共同支配下に
置かれている場合、コンプライアンス部門はナティクシスのすべての事業体に設置されている。
ナティクシスが事業を展開している各国において、少なくとも1名以上コンプライアンス部長が任命さ
れる。
ツール
コンプライアンス部門は、責任下にあるすべての分野をカバーするための一連のツールを備えている。
それらは以下のものである。
・ KYC 手段と併せて用いられている業務分析ツール。これはマネーロンダリングおよび内部不正を発見
し、テロリストへの資金提供を防止するためのものである。
・ 確実に禁輸措置を遵守するため、顧客データベースを検証し、取引を検査にかけるデータ比較シス
テム。
・ 慎重に扱うべき取引を監視し、インサイダーのリストを維持し、利益相反を管理し、市場濫用の実
例を検知するためのツール。
・ コンプライアンス部門において、すべての第二段階の永久統制を確保するためのツール。
② 従業員および職業倫理
利益相反
利益相反は、以下により回避されている。
・ 利益相反のリスクを生じさせる状況を識別するリスク予想図の利用。
・ 情報バリアの設置および監視。
・ 補償方針の検証。
・ ナティクシスの従業員に適用される善良な行動規範の遵守。
・ スタッフ研修。
利益相反は、以下を通じて管理されている。
・ 利益相反防止の枠組の遵守。
・ 利益相反を特定し、管理するための事業分野、コンプライアンス部門および経営陣の間の協力。
・ 取引上のコンフリクトの発見ツールの力を借りた、コンプライアンス部門による綿密な監視。
・ 必要に応じて未解決の利益相反の仲裁を行うための上申手続。
顧客の利益を危険にさらすリスクが所定の内部手続にもかかわらず回避できなくなる場合にはいつで
も、ナティクシスは顧客に代わって行動を取る前に、顧客に対して利益相反の性質について知らせる。こ
れにより、顧客が取引を続けるかどうかについて十分な情報を得た上での決定を行うことができるように
する。
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情報の回覧
機密情報の不当な回覧を回避するために、情報バリアが整備され、組織構造が変更されるたびに見直さ
れている。これらのバリアは、事業分野と部門を区分化するものとして機能している。かかる区分は「関
係者以外極秘」での情報の回覧に制限を加えるものであり、情報は顧客の利益のためにのみ伝達され、ま
た義務を履行するために情報を確実に必要とする従業員に対してのみ発信される。これらのバリアは、組
織的、物理的または電子的なものとなる可能性があり、また永続的なまたは一時的なものとなる可能性が
ある。ナティクシスは、恒久的な情報バリアを設置し、 Natixis Investment Managers における資産運用業
務をその他の業務から分離させている。
有効な規制に従い、慎重に扱うべき取引の特別なツールへの参入により、コンプライアンス部門は、警
戒リストまたは禁止リストに記載されるべき発行者ならびにインサイダーのリストに記載されるべき従業
員を迅速に特定できるようになった。
市場統合
ナティクシスは、市場濫用における EU 規則の要求に従い、市場濫用となり得る取引を検出するための枠
組を設置した。この枠組は、内部統制システムに組み込まれている。警告は処理され、監視ツールおよび
専門チームにより、市場濫用の可能性が分析される。市場濫用となり得る取引は、効力のある規制に従っ
て、 Autorité des Marchés Financiers ( AMF− フランス金融市場庁)または現地当局に報告される。
③ 顧客および投資家の保護
顧客の利益を保護することは、ナティクシスの中核となる関心事であり、フランス国内外のすべての事
業体の方針に反映され、ナティクシスの行動規範にも含まれている。あらゆる状況において、従業員は勤
勉さ、忠義、誠実さおよびプロ意識をもって顧客に対応し、顧客の能力およびニーズに見合った金融商品
およびサービスを提供することを求められている。
したがって、高レベルの顧客保護の維持のため、ナティクシスは、その手続を強化し、追加的統制を導
入した。
この結果、 KYC およびその他の情報の管理、顧客に提供された商品のガバナンスの構築ならびに顧客の資
産保護のために使用する様々なシステムを実施することとなった。 GDPR および顧客の個人データ保護に関
する詳細は「⑥ 個人データの保護」を参照のこと。
顧客情報
規制により規定されるプロではない顧客、プロの顧客または適格な取引相手方としてのステータスに基
づく顧客に起因する取引前後の情報のみならず、顧客の受入れに関する第2次金融商品市場指令のすべて
の義務をも含む顧客情報手続が存在する。
経費および費用の情報ならびにプロでない顧客に提供されるパッケージ商品向けの主要な情報文書に関
する特定の手続も存在しており、その結果、確実にナティクシスの PRIIPS 義務が遵守される。
顧客身元確認( KYC )
顧客の受入れに関する手続は、マネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供の防止ならびに禁輸
措置および制裁( AML-CTF )の遵守、汚職防止(サパン2法)および租税回避の防止( FATCA 、 AIE および
DAC6 )を統制する様々な法的規制に沿っている。かかる受入れ手続は、金融商品市場指令、 EMIR および
ドッド・フランク法の遵守を通して、顧客を保護することも意図している。
顧客のコンタクト・エントリー・ツールは、すべての主要顧客銀行で公開されている。
顧客の金融商品および資金の保護
顧客に帰属する金融商品または資金を運用する場合、これらの資産に対する顧客の所有権は維持され、
保証される。組織が自らの目的のために顧客の所有する金融商品を使用することは、顧客が事前に明確な
合意をした場合のみ許される。同様に、規制は、プロでない顧客との譲渡担保の契約締結を禁止してい
る。
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商品管理
第2次金融商品市場指令および IDD (保険販売業務指令)は、ナティクシスが販売するすべての金融商品
および保険商品のターゲットとする市場を明確にし、それを定期的に見直すこと、ならびに商品が意図し
たターゲットに販売されることを確保することを目的とした商品管理の原則を確立した。これには、販売
戦略がターゲットとする市場に合致し、また適切であることを確保する目的も含まれる。商品管理は、分
類にかかわらずすべての種類の顧客に適用され、複雑さまたは取引場所にかかわらずすべての商品につい
て適用される。
商品管理の業務への適応、特にターゲットとする市場の定義および検証は、専門の委員会を通じて管理
される。
顧客からの苦情処理
この枠組は、以下を確保する。
・ 顧客が自らの苦情がどのように処理されるかについての透明性のある情報を受け取ること。
・ 苦情は効果的に処理されること。
・ 識別された問題を改善するために是正措置が実施されること。
④ ファイナンシャル・セキュリティ
ファイナンシャル・セキュリティ部門は、コンプライアンス部門に直属し、マネーロンダリング防止な
らびにテロリストへの資金提供の防止( AML / CTF )、汚職および不正防止の枠組を管理し、ナティクシス
およびその支店ならびに子会社が金融制裁および禁輸措置を確実に遵守することを保証する。
2020 年は、以下に関する引受業務の継続により特徴づけられた年であった。
・ ファイナンシャル・セキュリティ・システムの管理。
・ ファイナンシャル・セキュリティ監督委員会( AMLSOC )が使用する指標は、フランス国内外の親会
社、子会社および支店のために調整された。
・ ナティクシスのファイナンシャル・セキュリティチーム数の増加。
・ 国際的な制裁遵守の枠組(特に取引および顧客のデータベースの監視のためのシステム)。
・ KYC システム(特にガバナンスの見直しおよび調整、ならびに KYC を新たに最適化およびデジタル化
する新プロジェクト)。
・ Natixis S.A. の事業関係を毎日監視する自動メディアの導入。
・ 資産運用の事業体および Natixis M&A stores のファイナンシャル・セキュリティ・システムとナ
ティクシスのグローバル・システムの統合に関する取組み。
・ AFA の勧告に基づく BPCE に従った不正リスクのマッピング方法の強化。
マネーロンダリング防止およびテロリストへの資金提供の防止
マネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供への対抗の一環として、 2020 年、ナティクシスはフ
ランス、欧州および国際的な機関ならびに公共団体が発行する文書およびレポートから新たな要件を統合
することによって、その AML-CTF の枠組を強化した。
実施されている規制に従い、ナティクシスの AML-CTF システムは主に以下の項目から成る。
・ 顧客の受入れ前および受入れ後の間中の事業関係についての詳細かつ最新の情報。
・ 検出されたマネーロンダリングおよびテロリストへの資金提供リスクに基づき顧客を分類するリスク
に基づく手法。
・ 自動ツールまたは要求を使用する顧客のデータベースおよび取引のためのスクリーニング・システ
ム。
・ 恒常的かつ周期的な統制を行う監視システム。
・ 警告および関連する金融情報機関へと疑惑を報告する権限を持つ部門に対する疑惑の内部伝達。
・ 事業関係および事業関係の情報をアーカイブ化および蓄積するシステム。
・ 従業員訓練および情報システム。
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2020 年、ナティクシスのファイナンシャル・セキュリティは指導ツールを強化した。
さらに、 Natixis S.A. のファイナンシャル・セキュリティが使用する事前の AML-CTF 紹介基準は、
Natixis S.A. およびその子会社の連結範囲にわたる監視の強化の一環として強化され、再設定された。し
たがって、取引または融資が準備できる前に、紹介基準のリストに記載されている1つまたは複数の基準
を満たす、事例についての意見が Natixis S.A. のファイナンシャル・セキュリティによって提供されなけ
ればならない。
テロリストへの資金提供の防止について、ナティクシスは、ナティクシスの事業分野、支店および子会
社のエクスポージャーの評価に基づく CTF リスク予想図についての作業を継続した。さらに、地政学的観察
報告が内部で配布され、それにより人々はこの分野における最新の進展を常に把握し、適切な警戒手段お
よび専門的統制の実施についての指針が提供される。
金融制裁および禁輸措置の遵守
ナティクシスは、対象となる金融制裁および禁輸措置に関する規制を確実に遵守する内部方針および手
続、スクリーニング・ツール、研修ならびに永久的管理統制の枠組を持つ。
同枠組は、金融制裁、特に口座凍結または銀行融資の利用制限の対象となる者または事業体を継続的に
特定する目的で、顧客データベースを検証し、取引を審査にかける手段を利用する。同枠組は、可能な限
り速やかにナティクシスの顧客の口座を凍結することを可能にする。また、禁輸措置手段に基づく制限ま
たは禁止の対象となる部門、商品または技術に関連する取引を禁止することもできる。禁輸措置の対象と
なる法域は、健全で制限的な手法の一環として、恒常的な監督および高度なデューディリジェンス義務の
対象となる。
金融制裁の専門家チームは、当行の事業分野および事業体に具体的な支援および助言を行っている。
2020 年、ナティクシスは、特にスクリーニング・ツールへの新しい変更およびシステムのトレーニング
と監視のための新しい過程の実施により国際的制裁によりコンプライアンス・システムを引続き強化し
た。
不正の防止
不正防止策は、不正防止調整部により、関連する事業分野との協力の下で進められている。この部署は
また、不正リスク管理に向けた基準および原則を草案し実施することならびにフランス国内外のナティク
シスの支店および子会社にわたる不正防止責任者のネットワークの調整について責任を負っている。
すなわち、資本市場業務に関連したリスクは、綿密に監視され、 CIB コンプライアンス部門内の専門チー
ムにより監視および実施される特定の第一段階および第二段階の統制下に置かれる。ソーシャル・エンジ
ニアリング型の決済詐欺も恒常的な警戒および専門的な研修を含む特別な予防策の対象となった。最後
に、情報流出のリスクは、重大なリスクとなっているが、不正および IT セキュリティの専門家、また該当
する場合は法律および人事機能の専門家が関与している特別な管理および調査システムの対象となってい
る。
汚職の防止
透明性、汚職の防止および経済の近代化に関する 2016 年 12 月9日付法律(「サパン2法」として知られ
る。)第 17 条に定める要件に従い、ナティクシスは、汚職防止の最良国際基準に合わせるため、コンプラ
イアンス枠組の規則および手続のいくつかを強化および追加した。
ナティクシスの最高経営責任者は、汚職防止プログラムの責任を負う。全体的な汚職防止の枠組は、コ
ンプライアンス部門のファイナンシャル・セキュリティ部門内の専門チームによって管理および調整され
ている。この管理および調整は、フランス国内外におけるナティクシスのすべての事業分野、子会社およ
び支店の汚職防止特派員のネットワークに依拠している。ガバナンスは、既存のリスク管理および統制委
員会ならびに特定の委員会の導入を通じて行われている。
汚職防止システムは、以下を含む。
・ 定期的に更新される汚職リスクマップ
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・ 基準および手続。 この基準および手続には、全従業員に共有された汚職の防止および発見を目的と
した規定ならびにこのテーマについての内部規則が含まれる。利益相反状況の防止および管理のた
めの手続、第三者との事業関係を始める際の汚職防止のデューディリジェンスの実施、パートナー
シッ プの構築または買収および取得の取引実行前ならびに人材採用の監督等の様々な高リスク状況
は、専用の手続を通じて管理されている。寄付または招待の付与/受取り、イニシアチブの支援、
後援、寄付および第三者の報酬を含む高リスクな慣行も一定の手続によって管理されている。
・ 統制システム。 汚職の側面は、特に高リスク状況および高リスクな慣行を取り扱う特定の統制を通
じて既存の永久統制システムに完全に組み込まれている。
・ 内部告発システム。 汚職防止プログラムは、ナティクシスの警報システムに基づいている。ナティ
クシスの従業員は、汚職または利益誘導を示唆するようなあらゆる事実または出来事との遭遇を報
告するために警報システムを利用することができる。
・ 研修システム。 これらの規則および手続が普及および使用されていることを確実にするため、必須
の e- ラーニング研修が開始され、特定の研修が、汚職リスクにさらされる可能性が最も高いナティ
クシスのエグゼクティブ委員会の構成員および従業員に対して実施された。
ナティクシスのすべての事業体に適用されるフランス法令に加えて、ナティクシスは、海外業務に適用
される英国賄賂防止法および米国海外汚職行為防止法といった現地の規則を厳格かつ確実に遵守してい
る。
主な汚職防止プログラムの規則および手続は、 www.natixis.com 上の汚職防止規定に記載されている。
⑤ テクノロジー・リスク
情報通信技術リスクに関する欧州銀行監督機構からの指示に従い、ナティクシスはテクノロジー・リス
ク管理システムを強化してきた。特にナティクシスは、「サイバー・セキュリティおよび継続性」指導委
員会の定期的な会議により効果的な調整が保証される、サイバー・リスク管理のための2つの防衛ライン
を設置した。 IT 部門および対応する事業部門は、第1防衛ラインを築く。コンプライアンス部門に直属す
る情報システム・セキュリティおよび事業継続性( ISS-BC )部門は、第2防衛ラインを築く。ナティクシ
スは、 Groupe BPCE の情報システム・セキュリティおよび事業継続性部門にも組み込まれている。そのた
め、ナティクシスには、 Groupe BPCE により定義される方針および手法が適用される。
情報システム・セキュリティ
ISS-BC 部門は、リスクに基づきその活動を調整する。かかる部門は、オペレーショナル・リスクに関し
て、事業分野の懸案事項のリスク状況および脆弱な IT 資産を特定する手法を採用している。リスク評価
は、年間検証の間に実施され得るか、または他のプロジェクトを支援するための作業の一環として完了さ
れ得る。 ISS-BC 部門に監視される事業のプロジェクトは、より良くリスクに対処するために、特定のセ
キュリティ要件を公表する。
これらのリスクを考慮して、 ISS-BC 部門は、 IT システム・セキュリティのすべての分野を対象とする年
間の第二段階の永久統制計画を実施している。アクセス権の確認およびインターネットにさらされている
情報資産に対する侵入テストが特に重点的に実施されている。
リスクに基づく手法もまた、 2018 年 -2020 年戦略プログラムを明確化するために使用された。 New Sec と
呼ばれるこのプログラムは、主に境界セキュリティに基づく現状モデルを「エアポート」タイプモデルへ
と転換することを目的としている。したがって、 2020 年、ナティクシスの情報資産保護および起こりうる
攻撃の探知の改善を目的とした構築プロジェクトが効果的に実施された。この転換規模の大きさを考慮す
ると、残りの転換作業は 2022 年まで続く見込みである。
事業継続性
ナティクシスの事業継続性の枠組は、 IT システムの不便性、インターネットサイトの不便性もしくは重
要なスキルの欠落または仕入先の不足の結果に基づく事象の管理と、各シナリオ(セーヌ川の氾濫、サイ
バー攻撃等)に特有の緊急措置を組み合わせている。
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ナティクシスは現在、セーヌ川氾濫、ストライキ等ゆっくりと訪れる危機的状況に適切に対応すること
を可能にするラップトップの膨大な在庫を保有している。これにより、リモートワークを幅広く安全に実
施し、 COVID-19 危機に対して効果的に対処することを可能にした。
ナティクシスは、第一および第二段階の統制、危機管理の実施ならびにバックアップ・ソリューショ
ン・テストを使用して、この枠組全体を定期的に検査している。これに関連して、ナティクシスはサイ
バー攻撃に対するレジリエンスを図る複数年にわたるテスト計画を実施している。
IT プロセスの管理
ナティクシスは、テクノロジー・リスク管理システムを拡張し、 IT プロセス( IT ガバナンスおよび戦
略、 IT 製品ならびに IT システム開発管理)に関連するリスクも含めるようにした。
それに応じて、 ISS-BC 部門は、リスク解析を修正し、それらすべてのリスク管理を目指した運用方針を
作成した。かかる方針の展開は、関連する第二段階の統制とともに 2021 年に行われる予定である。
⑥ 個人データの保護
ナティクシスのデータ保護責任者は、最高コンプライアンス責任者に直属し、すべてのナティクシスの
事業体および事業分野に広がる「データ・プライバシー・リエゾン」のコミュニティを調整する。
このユニットの目的は、ナティクシスが個人データの保護に関係するすべての規則、特に欧州の一般
データ保護規則( GDPR )の遵守を確実にすることである。かかる職務活動を監視し、必要とされる残りの
連携手段の管理をするためデータ・プライバシー委員会は定期的に開催されている。かかる連携手段に
は、 IT 部門による関連する IT 資産の改善のための複数年プロジェクトの開始も含まれている。
ナティクシスは、データ漏えいの対応、個人による権利行使についての要求への対処、当局への紹介の
対応、登記簿の更新および毎年の審査、第一および第二段階の統制計画の実施、研修の必要性への対応、
規制の監視の実施ならびにプロジェクトにおけるデザイン/デフォルトのプライバシーを確実にすると
いった重要なプロセスのために、個人データの登録および手続を行っている。かかる登録手続は、第一お
よび第二段階の統制と同様に、 2021 年の全面的な審査の対象となる。
国際的に、 EMEA 地域および APAC 地域において、 GDPR および適用ある現地の規制に関連するギャップ分析
および改善プロジェクトが実施され、 2021 年も継続される。
(i) 法的リスク
大半の銀行グループと同様、ナティクシスおよびその連結子会社は、係争中の訴訟に関与しており、規制
当局による調査の対象となる可能性がある。
ナティクシスの財務上の立場および/もしくはナティクシスとその連結子会社全体の財務上の立場、また
はそれらの利益性または事業に重要な影響を及ぼす可能性があるとみなされるかまたは近年及ぼしている訴
訟による財政面の影響( 2020 年 12 月 31 日現在の評価による。)は、ナティクシスの連結財務諸表に記載され
ている。
最も重要な争議については、以下に記述する。以下の一連の記述は、かかる争議がナティクシスおよび/
またはその連結子会社へ必ず影響を及ぼすことを指し示すものではない。その他の争議は、ナティクシスお
よび/またはナティクシスとその連結子会社全体の財務上の立場または利益性に重要な影響を及ぼす可能性
がないとみなされるか、またはかかる影響を及ぼすか否かを判断できる段階に至っていない。
① 訴訟手続および仲裁手続
Madoff 詐欺
ユーロで示される、 Madoff 事件にさらされた資産残高は、 2020 年 12 月 31 日現在で 503.4 百万ユーロと見積
られ、その時点で全額引き当てられていた。当該エクスポージャーの有効な影響は、ナティクシスに投資
された資産の回収額および当行による特に法的手続に関する措置の結果の両方に依拠する。さらに、 2011
年にはこの件について、専門職賠償責任保険の適用について紛争が生じており、承継保険会社に合計 123 百
万ユーロが拠出されている。 2016 年 11 月、パリ控訴裁判所は、 Madoff 詐欺によりナティクシスが被った損
失に対して、当行が保証された金額については原保険会社が負担する責任があるという商事裁判所の過去
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の判決の正当性を示した。 2018 年9月 19 日、破棄院は控訴に基づき判決を破棄し、本訴訟を異なる裁判官
で構成されたパリ控訴裁判所に差し戻した。 2019 年9月 24 日、裁判所はナティクシスに対して判決を言い
渡 し、パリ商事裁判所の判決を覆した。 2019 年 12 月、ナティクシスは、破棄院に上訴した。
Bernard L. Madoff Investment Securities LLC ( BMIS )の管財人として裁判所が任命したアーヴィン
グ・ H ・ピカールは、ニューヨーク州南部地区連邦破産裁判所において、いくつかの銀行機関に対して申立
(ナティクシスに対する 400 百万ドルの請求を含む。)を行うことにより、詐欺発覚の前に受領した金額の
清算に関する補償請求を行った。ナティクシスは自身に不利な当該主張を否認しており、ナティクシスの
地位を擁護し、自身の権利を保護するために必要な措置を行った。ナティクシスは、本件を予備的に、ま
たは本件の判決の前に棄却することを含む申立を行い、また特定の案件を米国地方裁判所に移転する言及
を撤回する請求を行った。これらの訴訟は多数の判決および申立を待っており、未だ進行中である。 2016
年 11 月の破産裁判所からの判決は、管財人が起こした複数の返還請求を域外的管轄権に基づき棄却するも
のであった。 2017 年9月、第2巡回裁判所は、 BMIS の管財人および被告に対して域外的管轄権に基づく破
産裁判所の判決に対する上訴権を直接付与し、そうすることで地方裁判所への中間申立が必要となるのを
避けた。 2019 年2月、第2巡回裁判所の控訴裁判所は、破産裁判所の域外的管轄権判決を覆した。 2019 年
8月、ナティクシスは、最高裁判所に対して、第2巡回裁判所に対する上訴を許可するよう申請した被告
団に加わった。 2020 年6月、最高裁判所は訴訟の審理を拒否した。本訴訟は、破産裁判所の第2巡回裁判
所に差し戻された。 BMIS の管財人は、誠実概念に基づいた補償請求に関する特定の訴訟が解決するまで、
かかる未解決の補償についての訴訟の保留を検討している。
さらに、 Fairfield Sentry Limited および Fairfield Sigma Limited の清算人らは、これらのファンドか
ら受益証券の買戻しに係る支払いを事前に受けた投資家に対して多数の法的手続(ニューヨーク州におい
て 200 を超える法的手続がなされている。)を開始している。これらの手続の一部について、ナティクシス
のいくつかの事業体が被告とされている。ナティクシスはこれらの手続に全く根拠がないものとみなして
おり、積極的に自身の地位を擁護している。これらの手続は数年間停止していたが、 2016 年 10 月に破産裁
判所は清算人に対しその当初の請求を修正することを承認した。被告は 2017 年5月および6月に共同で答
弁した。 2018 年8月、破産裁判所は、本件を予備的に、または本案判決の前に却下することを求める被告
による却下の申立について判決を下した。裁判官は、申立の1つである対人管轄権についてのみ判決を行
い、被告に対する請求への判断は示さなかった。 2018 年 12 月、裁判官は棄却の申立について判決を下し、
清算人の慣習法に関する請求(不当利得、不当利得返還請求、誤払いおよび法定信託)および契約に基づ
く請求を棄却した。しかし、裁判官は、免責条項第 546 条( e )項を適用するための答弁をする権利を留保
しながらも、イギリス領バージン諸島の法律に基づく請求については棄却の申立を覆した。 2019 年5月、
清算人は破産裁判所の判決を不服として地方裁判所に控訴した。ナティクシスを含む被告は、 2020 年3月
9日に本訴訟の棄却を申立て、 2020 年3月 16 日に当初の申立を更新した。破産裁判所は、清算人による全
訴訟の棄却につながる可能性があるため、免責条項第 546 条( e )項または当初の申立の不適切性を基に、
訴訟に対する棄却の申立を制限するよう被告に求めた。 2020 年 12 月、破産裁判所は、ナティクシスを含む
被告が免責条項第 546 条( e )項の適用を受けることを考慮し、イギリス領バージン諸島の法律に基づく請
求を棄却した。返還要求の拒否につながる可能性のあるこの決定は、控訴の対象である。
本件は進行中である。
少数株主擁護連盟により取りまとめられた刑事告訴
2009 年3月、パリ検察庁は、ナティクシスの少数株主により提起され、少数株主擁護連盟( Association
de Défense des Actionnaires Minoritaires ( ADAM ))により取りまとめられた訴えについて、予備捜査
を開始した。原告が民事手続を開始したため、 2010 年に司法調査が開始された。 2017 年2月 14 日、ナティ
クシスは 2007 年下半期のサブプライム危機の始まりに送信した2件のメッセージによる虚偽および誤解を
与える情報について調査を受けた。
司法調査の後、 2019 年6月 28 日に陪審裁判が命じられた。
かかる陪審審理は、サブプライム危機の結果当時ナティクシスがさらされていたリスクについて説明し
ている、 2007 年 11 月 25 日に発信されたメッセージのみを問題としている。2件目のメッセージについては
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免訴された。違反はなかったという主張のもと、ナティクシスは自らを弁護し、刑事裁判所はその判決を
言い渡す。
MMR による請求
2007 年に、 Ixis Corporate & Investment Bank (ナティクシスの前身会社)は、 Bernard Madoff
Investment Securities のファンドに投資するファンドに連動した EMTN (ユーロ・ミディアム・ターム・
ノート)を発行した。 Renstone Investments Ltd ( MMR Investment Ltd の推定前身会社)は、募集代理人
として行為する金融仲介機関を通じてこれらの債券を 50 百万ドル購入したと主張している。
2012 年4月、 MMR Investment Ltd は、ナティクシスおよび金融仲介機関に対して、購入価格を金融仲介
機関に対して支払ったにもかかわらず、債券を受領していないと主張する共同訴訟をパリ商事裁判所に提
起した。当該主張は、主に債券の購入価格の返還および代替として、同意の瑕疵があったことを理由に、
購入を無効とすることに関連している。
2017 年2月6日、パリ商事裁判所は MMR Investment Ltd のすべての主張を棄却した。 2018 年 10 月 22 日、
かかる判決はパリ控訴裁判所に支持された。これに対し、 MMR Investment Ltd は控訴した。本件は進行中
である。
米国における証券化
2001 年から 2007 年中頃に実施された住宅ローン担保証券( RMBS )取引に関する5件の個別の法的手続
が、ニューヨーク最高裁判所において Natixis Real Estate Holding LLC に対して 2012 年に開始された。
これら5件の法的手続のうち2件が不正行為の告発に関連している。1件は 2015 年に時効により棄却さ
れた。2件目に関連したいくつかの請求も時効により棄却され、 2018 年、ナティクシスは、裁判所が本件
の本案判決を下す前に未払いの請求を支払った。
これら5件の法的手続のうち3件がナティクシスに対して申立てられ、有資格者を代表したものとされ
ており、ナティクシスは特定の証券化取引により不良担保を買い戻すことができなかったと主張してい
る。そのうち2件は時効により棄却され、原告による上告も棄却された。したがって、約 820 百万米ドルの
請求が含まれる1件の訴訟のみが進行中であるが、ナティクシスは複数の理由、特にその請求は時効であ
り、原告には訴訟を起こす権利もないことからその請求には根拠がないと考えている。
EDA - Selcodis
2013 年 11 月 20 日に提起された2件の申立を通じて、 Selcodis および EDA もまた、ナティクシスおよび他の
2つの銀行に対して、違法契約につき、パリ商事裁判所において申立を行い、かかる行為が EDA に対する保
証の付与拒否および種々のローンの終了の要因となったことを主張している。
Selcodis は裁判所命令による子会社の EDA の清算の結果被った損失について補償を求めており、被告に対
し、 32 百万ユーロと査定する損害および利息の支払命令を行うことを要求している。 EDA は、被告に対し資
金不足分全額を負担する命令を求めており、その金額は裁判所が指定する受取人により算定されるものと
する。
ナティクシスは、これらのすべての申立には根拠がないと考えている。
2018 年 12 月6日、これらの申立の併合後、パリ商事裁判所はこれらの申立期間が経過しているとの判決
を下し、終了したものとみなした。 2019 年1月、原告はこの判決に対して控訴した。
判決は 2020 年6月 24 日に言い渡され、控訴裁判所は現行手続の終了を認めなかった。この判決に対して
は、控訴を請求することができる。誰も控訴せずとも、控訴期間内であるため、控訴は可能である。
MPS 財団
2014 年6月、イタリアの財団である MPS 財団( Fondazione Monte dei Paschi di Siena )は、以前の執行
役員の要請により 2011 年に MPS 財団に対して資金供与を行ったナティクシスを含む 11 の銀行に対して、行わ
れた資金提供は、 MPS 財団は貸借対照表合計の 20 %を超過する債務を保有することができないという同財団
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の規則に違反しているという理由で申立を行った。 MPS 財団により申し立てられている、すべての銀行およ
び前取締役に対する損害の額は、合計 285 百万ユーロである。
ナティクシスは、これら告発を根拠のないものとみなしている。
管轄権についての異議を受け、シエナ裁判所は 2016 年2月 23 日付でフィレンツェ裁判所に本件を照会し
た。本件は進行中である。
フォーミュラファンド
2015 年2月における AMF による、 Natixis Asset Management (現在は Natixis IM International )の、特
にフォーミュラファンドの管理についての職業上の義務の遵守についての調査の後、 AMF の執行委員会は、
2017 年7月 25 日に命令を下し、警告および 35 百万ユーロの罰金を下した。執行委員会は、ファンドおよび
構造的マージンに請求された償還費用に関する多数の誤りを発見した。
Natixis IM International はフランスの最高行政裁判所に、この判決を不服として控訴した。 2019 年 11
月6日の判決において、フランスの最高行政裁判所は執行委員会の決定を覆し、罰金を 20 百万ユーロに減
額した。警告は下されたままである。
さらに、 UFC-QUE CHOISIR は、消費者の権利の非営利組織という立場で、 2018 年3月5日、問題となった
フォーミュラファンドの保有者が被った金融損失の補償を得るために、資産運用会社に対する請求をパリ
地方裁判所に申立てた。本件は進行中である。
Société Wallonne du Logement
2013 年5月 17 日、 Société Wallonne du Logement ( SWL )はナティクシスに対し、 2006 年3月に SWL とナ
ティクシス間で締結したスワップ契約の適法性を係争し、その破棄を求める申立をシャルルロア商事裁判
所(ベルギー)に行った。
SWL のすべての主張は 2014 年 11 月 28 日付のシャルルロア商事裁判所による判決により棄却された。 2016 年
9月 12 日、モンス控訴裁判所は係争中のスワップ契約を破棄し、ナティクシスに SWL がスワップ契約の一部
として支払った金額から同契約に基づきナティクシスが SWL に支払った額を差引き、前スワップ契約が終了
していなければ支払うはずであった金額を考慮した額を SWL に対しナティクシスが払い戻す旨の命令を行っ
た。 2018 年6月 22 日、ベルギー破棄院はこの判決を覆した。 2019 年2月、 SWL は控訴裁判所に対し控訴手続
を申立てた。
2020 年4月 22 日、リエージュ控訴裁判所は係争中のスワップ契約を破棄し、法定レートに基づく利子に
加えて、係争中のスワップ契約の実行費用と前スワップ契約が終了していなければ支払うはずであった金
額の差額に相当する金額を SWL に対しナティクシスが払い戻す旨の命令を行った。
ナティクシスは 判決を不服としてフランス最高裁判所に控訴した。
SFF / Contango Trading S.A.
2015 年 12 月、 the South African Strategic Fuel Fund ( SFF )はいくつかの石油貿易業者に対して一定
の石油埋蔵量を販売する契約を締結した。ナティクシスの子会社である Contango Trading S.A. はかかる契
約のために資金を提供した。
2018 年3月、 SFF は南アフリカ最高裁判所(西ケープ州、ケープタウン)においてナティクシスおよび
Contango Trading S.A. を主な相手方として、契約の無効化および公正かつ衡平な賠償金の獲得を目的とし
た訴訟を起こした。
判決は 2020 年 11 月 20 日に言い渡され、契約の無効化を宣言し、 Contango Trading S.A. に 208,702,648 米
ドルの返金および賠償金を認めた。 2020 年 12 月 22 日、裁判所は SFF および Vitol に控訴する権利を与え、同
時に SFF は裁判で争っていない部分に係る 123,865,600 米ドルを Contango Trading S.A. に支払った。
判決は部分的に控訴されている。
Lucchini Spa
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2018 年3月、 Natixis S.A. は他の銀行と連帯して、 Lucchini Spa から(特別管理手続下で)ミラノの裁
判所への出頭命令を受けた。 Lucchini Spa の管財人は、 Lucchini Spa に認められたローン再編契約の履行
に関する不正を主張した。
2020 年7月 21 日、ミラノの裁判所は Lucchini Spa によるすべての主張を棄却し、各銀行に対してそれぞ
れ 174 千ユーロずつ、総額 1.2 百万ユーロの手続費用の支払いを命じた。この判決に対しては、審査を請求
することができる。
Lucchini Spa は判決を不服とし控訴した。本件は進行中である。
競争委員会/ Natixis Intertitres およびナティクシス
2015 年 10 月9日、食事券産業で事業を行う会社は、競争委員会に対し、食事券の発行および承認に関す
る産業の慣行について異議を申し立てた。かかる異議申し立ては、食事券産業で事業を行うフランス企業
数社を対象とし、 Natixis Intertitres が含まれている。
2019 年 12 月 17 日の判決において、競争委員会は、ナティクシスが食事券市場への新たな参入者を防ぐ目
的で、市場の確保を目的とした極秘情報の交換および一連の合意の採用という2つの行為に加担したと判
決を下した。
Natixis Intertitres は、ナティクシスと連帯して 4,360,000 ユーロの罰金を言い渡され、他の2つの罰
金と併せて合計 78,962,000 ユーロの罰金となった。
この判決は、 2019 年 12 月 18 日付の競争委員会のプレスリリースのテーマであった。
ナティクシスおよび Natixis Intertitres は、この判決に控訴している。
Bucephalus Capital Limited / Darius Capital Partners
2019 年6月7日、 Bucephalus Capital Limited (英国法に基づく会社)は、他の会社とともに、パリ商
事裁判所において Darius Capital Partners ( Natixis Investment Managers が株式を 70 %保有する子会社
で、現在は Darius Capital Conseil の名称で活動している、フランス法に基づく会社)に対する請求を行
い、特に契約上の関係および様々な事後協定を定めた 2013 年9月5日付の包括協定に関して、様々な契約
上の義務の不履行について異議を申し立てた。 Bucephalus Capital Limited は合計 178,487,500 ユーロを請
求した。
Darius Capital Partners は、これらの請求は根拠がないものと考えている。本件は進行中である。
欧州国債に係る反トラスト訴訟
2019 年 12 月末、ナティクシスは 2007 年1月1日から 2012 年 12 月 31 日の期間に係る欧州国債( EGBs )市場
における違反行為の疑惑に関してニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において申立が行われた集団訴
訟の被告に加えられた。集団訴訟は、 2019 年3月、名称が判明している複数の銀行と匿名の銀行(「 John
Doe 」)に対して最初に申し立てられた。
他の被告らと同様に、ナティクシスは、予備的に、かつ、本件についての判決が下される前に、多くの
理由から本件を棄却するよう裁判所に要請したが、この段階では退けられた。
ナティクシスは、根拠がないと考えているこれらの疑惑に対して、有効性および手続面から自らを積極
的に擁護し続けるつもりである。
受益相殺の論争
2020 年7月 17 日、ナティクシスが出資した取引において発生した相殺の有効性を認める宣言的判決を求
めて、イギリスの裁判所にナティクシスおよび他の被告に対する訴訟が起こされた。さらに原告は、取引
におけるナティクシスへの支払権譲渡にも異議の申立を行っている。ナティクシスは、 55,396,323.46 米ド
ルの支払を求めて反訴した。
本件は進行中である。
2020 年3月、スタンドバイ信用状の支払においてナティクシスが行った相殺について、ニューヨーク州
の裁判所に訴訟が起こされた。かかる相殺は、スタンドバイ信用状の受益者の負債を考慮に入れている。
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ナティクシスは、裁判所に対し相殺の有効性を擁護し、銀行への 46,076,165.15 米ドルの支払要求を棄却す
るよう求めている。
公判は 2020 年 11 月 29 日に行われ、数ヶ月後に判決が下される予定である。
② 依存関係
ナティクシスは、いかなる特許またはライセンスもしくは産業、商業または財務供給契約にも依存して
いない。
(j) その他のリスク
① 保険業務に関するリスク
Natixis Assurances
Natixis Assurances はナティクシスの保険部門であり、2つの事業で構成されている。
・ 投資および年金目的の生命保険および養老保険ならびに個人保護保険におけるポートフォリオの開
発に焦点を当てた、個人保険事業。
・ 自動車およびマルチリスク住宅保険、個人傷害保険、法的保護保険、健康保険ならびに損害・災害
保険のポートフォリオの開発に焦点を当てた、損害保険事業。
投資ソリューション活動が優位にあることを考慮すると、 Natixis Assurances がさらされる主なリスク
は、金融リスクである。当行は、引受リスク(生命保険および損害保険の両方)、また取引相手方リスク
にもさらされる。
市場リスク
市場リスクは、その保証元本および保証利益率のコミットメント(ユーロ建て保険では、主要なファン
ドの貸借対照表上 59.8 十億ユーロ)を支持する金融資産を通じて、子会社の BPCE Vie が大部分を負担す
る。当行は、資産価値の減損リスク(株式の低下または不動産市場の下落、スプレッドの拡大、金利の引
き上げ)にさらされ、また保証元本および保証利益率に見合う十分な収益を生み出さない金利の低下のリ
スクにさらされる。このリスクに対処するため、近年、 BPCE Vie は、最低保証利益率を持つ保険のみを販
売してきた。保険の 95 %超は最低保証利益率が0である。最低保証利益率の平均は 0.12 %である。
市場リスクに対処するため、利益率の源泉は、特に新たなアセットクラス(経済への資金供給、インフ
ラストラクチャー等)への投資を通して、多様化されてきた。この多様化は、年ごとに規定され、規制上
の制約、保険契約者へのコミットメントおよび商業的要件を考慮に入れた、戦略的配分により管理され
る。
信用リスク
信用リスクは、 Natixis Assurances の基準および内部制限に従って、監視および管理されている。 2020
年 12 月 31 日現在、確定利付ポートフォリオの 63 %が A 以上の格付を有する有価証券に投資されている。
生命保険引受リスク
生命保険の引受けがさらされている主なリスクは、投資ソリューションの活動に関係している。特に低
金利の環境では、最大のリスクは、有価証券の再投資により主なファンドの利益率が希薄化することによ
る、償還の減少および/またはユーロ建てビークルへの過度の流入のリスクである。ユニットリンク保険
への流入を優先させるため、ユニットリンク商品に焦点を当てたユニットリンク商品およびその広報キャ
ンペーンの創出といった措置が取られている。
損害保険引受リスク
Natixis Assurances がさらされる損害保険の引受リスクは、その子会社である BPCE Assurances が負担す
る。
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・ 保険料リスク:保険契約者から支払われた保険料が転換リスクに相当することを確実にするため、
BPCE Assurances は、ポートフォリオ監視策を実施し、これにより各保険は3年間にわたる実績に基
づき評価が行われている。保険金請求のタイプ、保険金請求の数、その費用および問題となる活動
に 特有のその他の変数(例えば債務の度合いおよび自動車保険の配当金/違約金)がその結果に影
響を与えている。この監視策は、多額の保険金請求により生じる潜在的リスクの検知や十分な再保
険の補償範囲の手配にも寄与している。
・ 損失リスク:棚卸しが行われるごとに、専門家により認識され、規制機関により要求された分析的
方法に基づき、支払われるべき保険金請求に備えた準備金の数理的評価が行われる。
・ 異常災害リスク:異常災害リスクとは、多数の保険金請求を生じさせるような重大な事態(暴風
雨、民事責任のリスク等)に対するエクスポージャーである。したがって、このリスクについて
は、例えば自然災害もしくは攻撃等が生じた場合には政府により、または特に暴風雨もしくは民事
責任請求が生じた場合には民間の再保険会社により、または再保険プールを通じて、再保険が掛け
られる。
取引相手方リスク
Natixis Assurances がさらされる取引相手方リスクは、主に再保険の取引相手方に関するものである。
再保険会社の選択は、当該リスクを管理する上で重要な構成要素である。
・ Natixis Assurances は3つの国際的に認識された格付機関のうちの少なくとも1つによる金融格付
の対象となる再保険会社と取引を行っており、かかる再保険会社はスタンダード&プアーズの A- 以
上に相当する格付を有する。
・ 複数の再保険会社を利用することで、取引相手方の多様化が保証され、取引相手方リスクを制限で
きる。
Coface
その活動を通して、 Coface は、信用リスク、金融リスク、戦略リスク、再保険リスク、オペレーショナ
ル・リスクおよびコンプライアンス・リスクという5種類のリスクにさらされている。2種類の主要なリ
スクは、信用リスクおよび金融リスクである。
信用リスク
信用リスクは、債務者の不払いによる当行グループの保険契約者が有する債権の損失のリスクとして定
義される。 Coface は多くの手続を通じて信用リスクを管理しており、その範囲には商品に関する保険期間
の承認、価格設定、信用リスクヘッジの監視およびポートフォリオの多角化が含まれている。エクスポー
ジャー(国、部門、債務者等)の集中は、信用リスクを悪化させ得る。伝統的に、 Coface は頻発リスクと
イベントリスクとを次のように区別をしている。
・ 頻発リスクとは、多数の債務者からの滞納が突然大幅に増加するリスクのことである。このリスク
は、瞬間損害率 ( 注1 ) の監視を行うことで、各地域および国につき測定される。エクスポージャー
およびポートフォリオの監視に関して、当行グループは、リスクの精密な管理を開始した。このた
め、延滞額は、上級経営委員会によって毎週、および当行グループの引受委員会によって毎月、分
析される。異なる引受業務部についての損害率も、 Coface の連結レベルで監視される。
( 注1 ) 瞬間損害率とは、損失率の変動を再現する週ごとの指標である。これは各地域および各国において監
視され、引受会社がポートフォリオにおける変動を監視し、悪化を検知することができるように、ひ
いては可能な限り速やかに是正措置を導入するべく Coface により毎週報告される。
・ イベントリスクとは、同一の債務者もしくは債務者グループについて記録された異常に高い損失、
または同一の国に係る損失の累積のリスクのことである。イベントリスクは、 Coface Re の再保険に
より補填されている。
各地域および国の毎週および毎月の監視に加えて、 Coface は次の内容に基づく体制を敷いている。
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・ 債務者ごとの特定の額を超過する保険請求準備金の集中。これについてはその後、情報、引受けお
よび回収の実績を向上させるために、事後分析が行われる。
・ すべての債務者を網羅する債務者リスク評価( DRA )システム。
・ リスク引受けレベルでの監視は、 DRA に基づく未払負債の一定のレベルを超え、 Coface の引受部門に
よる承認および全体予算の設定が必要となる。
信用リスクのポートフォリオの多様化
債務者の債務不履行、一定の事業部門における停滞または所定の国における有害事象が全体的な請求費
用に過度な影響を有しているリスクを最小限にとどめるために、 Coface は多様化した信用リスクのポート
フォリオを維持している。この保険契約には、契約中の信用限度の変更を可能にする条項も含まれてい
る。信用保険会社は、問題となっている債務者に対する新規販売において、その信用保険適用範囲を減ら
すことまたは取り消すことがある。この規則の例外として、契約で設定された金額を超過しない貸付残高
に対する与信限度額の設定において、 Coface は保険契約者の専門知識に応じ、特定の保険契約者に一定の
決定権を認めることがある。
引受決定は、上級 ATLAS 仲裁システムのネットワーク上でリアルタイムに活動している、様々な引受組織
の引受人のグループにより行われる。かかる引受決定は、当行グループの引受部門の責任下に置かれる、
総合的なリスク引受方針の一部である。
保険契約の債権ポートフォリオの総合的な質は、リスク評価に重きを置かれるエクスポージャー額と保
険料の見積りを比較する指標によって監視される。かかる指標は、地域別に区分される。
さらに、 Coface のリスクの大多数が短期のものである(全未払負債の 95 %)という事実によって、比較
的速やかに当該債務者または債務者グループのために保証するリスクを軽減し、その支払能力の低下を予
測することが可能になる。
当行グループの信用リスク基準の遵守を保証するために、レベル2の管理が設けられている。
以下のグラフは、 2020 年 12 月 31 日時点の Coface が被る信用リスク・エクスポージャーの合計別の債務者
の内訳を示す。
金融リスク
当行グループは、その戦略的配分の明確化、保険会社を制御する規則およびその負債の管理に関する投
資制約を通じた金融リスク管理を含む投資方針を施行している。実施される投資戦略は、明示されたリス
ク枠組の中で投資とパフォーマンスを最適化すると同時に、保険契約者に対する当行グループのコミット
メントを果たすことを保証しなければならない。
従って、金融リスクの管理は、基準および管理の厳格なシステムに基づいており、以下を定期的に検討
している。
・ 金利リスクおよび信用リスク: Coface の配分の大多数は、確定利付商品であり、安定的かつ経常的
な収益を保証する。債券ポートフォリオの総合的な最大感応度は、意図的に5を上限と定められて
おり、 2020 年 12 月 31 日現在 4.17 であった。ギリシャのソブリン債はいまだにエクスポージャーにさ
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らされていない。戦略的割当の一部として、また健康危機に起因して、 Coface は危機の当初から投
資ポートフォリオ・エクスポージャーを減らすことを目的として活動を行っていた。2月末から開
始 されたすべてのポートフォリオの取引相手方の見直し、ならびに金融市場の選好によるイタリア
政府債およびスペイン政府債、新興国国債および高利回り債、 BBB 投資格付の社債および株式へのエ
クスポージャーの削減によって、リスクは制御された。
・ 為替リスク: Coface の投資対象の大多数はユーロ建てである。その他の通貨を使用する子会社およ
び支店は、同様の一致原則を遵守しなければならない。さらに、当行グループのすべての欧州の事
業体を含むポートフォリオの大多数において、外国為替投資において、対応原則を満たさない為替
リスクが組織的にヘッジされている。結果として、 2020 年 12 月 31 日現在、関連するポートフォリオ
担当の管理者により、このポートフォリオの米ドル建て、英ポンド建て、円建て、ノルウェー・ク
ローネ建ておよびスウェーデン・クローナ建ての債券投資は、ユーロに対して組織的にヘッジが設
定された。子会社により行われた外国為替取引は、関連してヘッジが必要となった場合に臨機応変
に決定できるように当行グループにより監視された。
・ エクイティ・リスク:エクスポージャーはポートフォリオの 10 %を下回るように上限が定められて
おり、主要事業に関連してユーロ圏に集中させられている。 2020 年 12 月 31 日現在、株式は投資ポー
トフォリオの 5.3 %(ユーロ圏市場に上場されている株式5%を含む。)に相当した。これらの投資
は、ユーロ・ストックス 50 指数において一部ヘッジされていた。このヘッジは、投資および保有株
式の未実現のキャピタル・ゲインまたはキャピタル・ロスの額に従って調整され得る。
・ 取引相手方リスク:どの取引相手方に対しても、短期エクスポージャーの例外的な除外を除き、最
大エクスポージャーは運用資産の5%に設定されている。 2020 年 12 月 31 日現在、当行グループの保
有する債券の 95 %超が BBB- 以上の平均格付を保持しており、国際的に評価されている格付機関によ
り CCC に格付されたエクスポージャーはない。
・ 流動性リスク: 2020 年 12 月 31 日現在、短期エクスポージャーはわずかに減少し、債券ポートフォリ
オにおいて3年未満に満期が到来する証券は、 2019 年の 48 %と比較して、 38.8 %となった。5年超
に満期が到来する証券は、 2019 年の 31.6 %と比較して、 39.8 %に増加した。この増加は、債券ポー
トフォリオの期間の増加によるものである。ポートフォリオの圧倒的多数は OECD 市場に上場されて
おり、現時点で流動性リスクは低いと考えられている。
Coface の投資方針遵守に対するレベル2の管理もまた行われている。
ソブリンリスクに対するエクスポージャー
(この情報は、法定監査人により認定された財務書類の一部を構成している。)
ソブリン債( Natixis Assurances および Coface )に対するエクスポージャーは、保険契約者および生命
保険に特化した保険会社の間で共有メカニズムが適用される前の正味帳簿価額として以下の表に示されて
いる。
(1)
エクスポージャー (単位:百万ユーロ) 2020 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日
ドイツ 387 328
オーストリア 80 107
ベルギー 1,308 1,094
スペイン 837 818
米国 102 236
フランス 8,730 9,057
イタリア 618 955
ルクセンブルグ 660 679
ポルトガル 190 199
ポーランド 117 122
香港 - 111
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シンガポール - 100
スロバキア 102 102
その他主権国 290 592
合計 13,420 14,499
(1) 2020 年 12 月 31 日に株式方式によって連結された、 Coface エクスポージャーを除く。
② 戦略リスク
戦略リスクは、以下により構成される。
・ 選択した戦略に付随するリスク。
・ またはナティクシスが戦略を遂行できないことにより生じるリスク。
戦略リスクは、取締役会がこれを監視しており、戦略委員会によるサポートを受けて、ナティクシスの
活動を導く戦略を少なくとも年に一度見直している。取締役会はまた、戦略的投資計画に加え、とりわけ
ナティクシスの業績、その貸借対照表の構造またはリスク特性に重大な影響を及ぼす可能性がある取得お
よび処分といった取引を承認している。
上級経営陣は、上級経営委員会の支援を受けながら、ナティクシスの戦略を定め、推し進める役割を
担っている。
これら様々な組織のメンバーについては、「第5 提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの
状況等」に記載されている。取締役会の社内規定については、会合の招集手続を含めて、本書の「第5
提出会社の状況-3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コーポレート・ガバナンスの概要- (3)
コーポレート・ガバナンスの管理および監督- (a) 取締役会」を参照のこと。
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
下記「 (3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(2) 生産、受注および販売の状況
該当事項なし。
(3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
本項に含まれる将来予測に関する記述は、本書の提出日現在の予測である。
(i) 2020 年における重要事象
(a) マクロ経済の背景
① 経済成長および金融政策
(世界銀行によれば) 2020 年は、 COVID-19 のパンデミックが戦後最も深刻な世界的不況をもたらし、同
時に 1870 年代以降最多の国々に打撃を与えたことで、近代史上未曽有の年となるだろう。
世界の経済成長および金融政策の両方が、 2020 年の健康危機により深刻な影響を受けた。
2020 年上半期 において、 COVID-19 危機により世界経済は未曽有の規模の不況および深刻な不確実性に
陥った。3月以降、ほとんどの国が程度の差こそあれ厳重なロックダウン措置を課し、これにより経済活
動は急激に落ち込み、世界貿易は崩壊した。第1四半期の数字は最初にその衝撃の片鱗を示した。中国は
この感染症が最初に発生した国で、第1四半期の GDP は、 9.8 %減少し、ユーロ圏では 3.8 %、英国では
2.2 %、米国では 1.2 %(年率5%)減少した。第2四半期には一般となった外出禁止の状況でより急激に
落ち込んだ(ユーロ圏では約 12 %)。
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これに関連して、中央銀行は、流動性リスクを制限し、特定の資産、特に社債の価格の暴落を回避する
新旧両方の措置という持ち札を展開すべく迅速かつ積極的に行動した。いくつかの中央銀行はこのように
政策金利を引き下げ、長期金利を低水準で維持するために資産買入計画を再開または増加させ、ドル資金
調 達のストレスを緩和するために通貨スワップ契約を強化した。
上半期において、連邦準備制度理事会は、中小企業支援を目的として資産買入プログラムの対象となる
証券の範囲を社債を含めるまで拡大し、銀行から付与された適格融資の最大 95 %を買い入れる(メインス
トリート融資プログラム)。 ECB はまた、当初総額 750 十億ユーロで設定したパンデミック緊急買入プログ
ラム( PEPP )を強化し、 600 十億ユーロが追加された。既に決定されたとおり、貸出 条件付長期資金供給オ
ペレーション( TLTROⅢ )の条件緩和に加えて、 ECB は、金融システムにおける流動性問題を回避するため
に新たな手段であるパンデミック緊急長期資金供給オペレーション( PELTRO )を追加した。市場資産向け
の買入プログラムの適格条件も緩和された。
本年上半期の経済活動が記録的に落ち込んだ後、 2020 年下半期 の事業には上昇および下落の傾向があっ
た。春の終わりのロックダウンおよび移動制限の段階的解除により、自然の成行きで第3四半期には並外
れた規模で世界の経済活動は急激に改善した。中国では、 GDP は第3四半期に 4.9 %増加した一方で、成長
率は日本で 5.3 %、米国で 7.5 %、ユーロ圏で 12.5 %、英国で 16 %に達した。フランスが最も高い成長率を
記録し、四半期成長率 18.7 %を示した。
しかしながら、欧州および米国は、秋に新規感染者数の第2波に直面した。移動および経済活動の制限
はほとんどの国で徐々に解除され、それにより事業は影響を受けた。しかしながら、第4四半期の事業損
失は、課される制限による経済的影響を最小化すべく政府が努力しているため、第2四半期に記録された
事業損失よりはるかに少ない。その結果、ドイツでは第4四半期の成長率はほぼ安定していたが、フラン
スの減少は最新の INSEE 推定値に基づくと 1.3 %に限定されるだろう。通年ベースでは、ユーロ圏の GDP は
6.8 %減少し、フランスは 8.3 %減少した。
欧州では、第4四半期において部分的失業制度が継続され、これにより家計所得および失業への影響が
軽減された。第2四半期における見せかけの低下の後、失業率はユーロ圏では第3四半期に上昇し、2月
の 7.2 %から 12 月には 8.3 %に上昇した。フランスでは、ユーロスタットによると 12 月の上昇率は 8.9 %であ
り、つまり 2020 年2月より 1.4 ポイント上昇 した 。
米国では、2月から4月までに失業率が目覚ましく上昇して 14.7 %に達した後、失業率は本年下半期に
おいて6月の 11.1 %から 12 月には 6.7 %まで徐々に低下した。それにもかかわらず、米国労働市場は当年度
末に減速し始めた。
本年下半期において、金融政策は依然として非常に緩和されていた。米国では、連邦準備制度理事会は
資産買入のペース(財務省証券の 買入れ は1ヶ月当たり 80 十億ドル、政府機関担保債券は 40 十億ドル)を
維持し、政策金利はゼロを維持した。欧州では、 ECB が金融緩和の水準を数回緩和した。 2020 年上半期にお
いて当初予算 750 十億ユーロで PEPP (パンデミック緊急買入プログラム)を開始した後、かかるプログラム
の規模は買入れにより2回増加され(6月の 600 十億ユーロ増および 12 月の 500 十億ユーロ増)、買入れは
2022 年末まで延長される。したがって、 PEPP の予算は 1,850 十億ユーロで、そのうち約 700 十億ユーロが
2020 年末に使用された。さらに、 TLTROⅢ の条件は緩和されており、補助金付資金調達条件(上限マイナス
100 ベーシスポイント)の利用可能期間は 2022 年6月まで延長されることになった。最後に、 ECB は主要政
策金利を変更せず据え置いた。
しかしながら、 2020 年は、真にかすかな希望の光である COVID-19 に対するワクチンの登場およびブレグ
ジット後の関係に関する貿易協定に関する欧州首脳陣の土壇場での最終決断という2つの良いニュースで
幕を閉じた。
② 金利
かかる背景により、 2020 年上半期 において、 金利 は米国を皮切りに大多数の先進国で低下した。フェデ
ラルファンドの金利を 1.75 %から 0.25 %(レンジの限界)まで引き下げ、大量の流動性注入を進めること
により、米国の中央銀行は、長期金利を過去最低の 水準 にした。 10 年物米国財務省証券の利回りは 1.80 %
から 0.60 %に低下した。
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欧州では、債券の利回りは、 ECB がその政策金利を 引き下げなかった ため上半期において一層安定してい
た。 ECB は、欧州ソブリン債のスプレッドが大きく広がることを何とか食い止めようとした。かかるスプ
レッドは3月には変動が激しかったが、6月には危機前の水準まで回復した。
本年下半期 の特徴は経済活動の回復であったが、(特にユーロ圏においては)これにより金利が上昇し
たわけではなかった。実際に、フランスおよびドイツの 10 年物ソブリン債の利回りは下半期においてそれ
ぞれ 22 ベーシスポイントおよび 12 ベーシスポイント低下し、当事業年度末にはそれぞれマイナス 0.57 %お
よびマイナス 0.34 %となった。この低下傾向は周辺国の債券(イタリア(下半期において マイナス 71 ベー
シスポイントで当年度末には過去最低水準の 0.54 %となった)を含む。)にも反映されており、以下が主
な原因である。
・ ユーロ圏に おける インフレ率の急激な低下およびこれに関連した期待
・ ユーロ圏に おける 過剰流動性の急激な増加
・ 欧州の景気刺激策に関する原則合意
米国では、かかる動向は本年下半期において異なっていた。実際に、 10 年物の利回りは下半期にほぼ 26
ベーシスポイント上昇し、 2020 年末にはおよそ 0.90 %だった。ジョー・バイデン氏の勝利、株式指標の急
激な上昇およびインフレ予測は、大西洋地域で見られる金利上昇を明白に支えた。
③ 外国為替
本年上半期におけるユーロ/米ドルのわずかな変動(6月 30 日現在プラス 0.1 %で 1.1243 となった。)は
広範囲で、最大でも3月9日に 1.1522 、3月 23 日に 1.0638 であった。 本年下半期 の特徴はドルの下落だっ
た。有効な C0VID-19 ワクチンに関する発表の急増、ワクチン接種キャンペーン、また特に米国における財
政刺激策の発表は、ドルに影響を及ぼしたリスクへの関心を強めた。このドル安により、本年下半期にお
いて G10 の通貨は平均 9.5 %、ラテンアメリカの通貨は 8.8 %、アジア新興国の通貨は 5.4 %、 EMEA 地域の新
興国の通貨は 5.3 %上昇した。
かかる背景により、ユーロは本年下半期において 8.7 %上昇し、7月1日の半年ぶりの安値( 1.1185 )か
ら 12 月 30 日の高値( 1.231 )まで上昇し、これにより本年末には 8.9 %の上昇となった。
当年度末において、英国および欧州連合は、 2021 年1月1日現在のかかる両パートナー間の関係の枠組
を構成する合意に達した。本年上半期に対ユーロで 6.8 %下落した後、英ポンドは下半期には 1.4 %上昇
し、 2020 年末には対ユーロで 0.8956 となった。
新興国の通貨に関して、本年下半期に おいて 人民元は対ドルで 8.3 %上昇し、本年末には2年半の間で過
去最高水準となった。
④ 株式
2020 年第1四半期には、健康危機の拡大によって空前の規模の売りの 動き が引き起こされた。2月 19 日
から3月 23 日までの第1四半期の最大累積損失は、 S&P500 で 34 %、 SXXP (ユーロ・ストックス 600 )で 38 %
であった。実際のボラティリティおよびインプライド・ボラティリティは史上最高水準に達した。部門別
では、最も大きな打撃を受けたのは循環株、特に旅行/レジャー部門および石油価格の下落の影響を受け
た石油株だが、一方で保守的部門(食品、医薬品およびテクノロジー)のパフォーマンスは優れていた。
株式市場の主要指数は、第2四半期には景気回復の期待ならびに政府および中央銀行の大規模行動によ
り大幅に上昇し、 20 年超で過去最高となった。 2020 年第2四半期において、株式市場の主要指数は、
S&P500 の 20 %の上昇( 1998 年以降最高)、ダウジョーンズのプラス 20 %( 1987 年以降最高)およびナス
ダックのプラス 31 %と著しく上昇したのに対し、欧州ではユーロ・ストックス 50 が 16 %上昇した。
このように、 2020 年上半期の特徴は、 S&P500 の4%低下およびテクノロジー関連株に牽引されてナス
ダックがプラス 16 %の優れたパフォーマンスを示したという米国の 株価指数 の展開となるだろうが、欧州
の株価指数は低迷し、ユーロ・ストックス 50 およびユーロ・ストックス 600 についてはマイナス 13 %からマ
イナス 14 %というパフォーマンスだった。
第3四半期において、株価は全体として上昇し、 MSCI ワールド・米ドルは 7.9 %上昇した。利益は7月お
よび特に8月に記録的だったが、市場は依然として経済の再開に支えられていた。最後に、株価指数は、
バイデン氏の勝利および共和党上院に最適と思われるシナリオを提案した後押し要因としての米国の選挙
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ならびに特に有効な COVID-19 ワクチンの発表により、本年第4四半期に急激に上昇した。 MSCI ワールド・
ドルはこのように第4四半期に 13.6 %上昇し、本年末には 2019 年 12 月 31 日と比べてプラス 16.2 %となっ
た。
最終的に、米国株式は 2020 年に急激に上昇した( S&P500 はプラス 16 %)ものの、第2四半期に始まった
改善は欧州における第1四半期の落込みを相殺せず、 CAC40 は本年末には前年比7%低下となり、ユーロ・
ストックス 50 指数は前年比5%低下となった。
(b) ナティクシスの事業分野における重要事象
2020 事業年度の初めには、 Coface の資本の 29.5 %の持分を2月に米国の専門保険会社である Arch Capital
Group に売却することが発表された。かかる取引の完了は、通常の条件として、特に6ヶ月から 12 ヶ月を要す
る可能性のある規制当局の承認を条件としている。 2020 年3月 31 日のクロージング以降、したがって Coface
の寄与額はナティクシスの財務諸表の連結から除外され、 CET 1ソルベンシー比率に 15 ベーシスポイントのプ
ラスの影響を与える。
さらに、ナティクシスは様々な事業分野を引続き展開した。
資産運用およびウェルス・マネジメント では、 Natixis IM は、 2020 年6月 28 日に Natixis Investment
Managers ならびに La Banque Postale の各子会社である Ostrum Asset Management および La Banque postale
Asset Management が行う債券および保険関連の運用事業を合併する契約書に署名したことにより、 2020 年に
初めて展開の節目を迎えた。
必要な規制上の承認を取得した後、ナティクシスおよび La Banque Postale は、 2020 年 10 月 31 日に Ostrum
Asset Management および La Banque Postale Asset Management の債券および保険関連の運用事業の合併を成
立させることができた。この合併は、運用資産が 430 十億ユーロ超という欧州における資産運用のリーダーの
誕生を示すものであり、 2020 年9月末現在サービス・プラットフォームを通じて 590 十億ユーロ超が運用され
ていた。運用資産合計 177 十億ユーロおよび 96 名の従業員が La Banque Postale から Ostrum に移管された。
このプロジェクトの一環として、 Ostrum US (米国における Ostrum の子会社で、プライベート・デットの運
用を専門とする)は 2020 年第3四半期に閉鎖された。さらに、一定の Ostrum の業務は 2020 年 10 月1日に
Natixis Investment Managers のその他子会社に譲渡された。
・ 資産運用会社である Thematics に譲渡された保険以外に関する株式運用業務(運用資産 1.1 十億ユー
ロ)
・ DNCA に譲渡された転換株式およびその他の保険以外の株式の運用(運用資産 7.2 十億ユーロ)
・ Natixis IM International に譲渡されたフランスのプライベート・デットおよび不動産の運用業務
(運用資産 2.9 十億ユーロ)
また、ナティクシスは、 2020 年 11 月5日、パートナーシップの進歩的かつ整然とした解消に向けて H2O と議
論に 入っていることを発表した。かかる協議には、 H2O AM における Natixis IM の株式の漸進的売却が含ま
れ、これにより売却契約が締結され、 2021 年末までの移行期間にわたり H2O AM は整然と販売を引継ぐ。かか
る進展は関係規制当局による検討および承認を条件としている。
2020 年、 Natixis IM は以下の主要な賞を獲得した。
・ 保険資産リスク: Mirova は、「 2020 Responsible Investor award 」を受賞した。
・ Barron's : Natixis Investment Managers は、米国において対前年パフォーマンスに関する 2019 年の
「 Barron's Best Fund Families 」のランクで 11 位を獲得した。 Natixis Investment Managers は、世
界の株式の分野において第2位だった。
・ さらに、 Lipper Fund Awards 2020 において、ナティクシスおよび子会社は、いくつかの分野および国
(米国、フランス、英国、ドイツ、スイス、オーストリアおよびオランダ)で認知された。
・ environmental Finance/Impact Awards 2020 :
・ Mirova は、 the award for best management team of the year を受賞した。
・ Althelia Sustainable Ocean Fund は、本年の影響あるプロジェクト/投資の分野で第1位を受賞
した。
・ Althelia Biodiversity Fund Brazil は、マルチアセットの分野で第1位を受賞した。
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・ InvestmentNews/Excellence in Diversity & Inclusion 2020 : Natixis Investment Managers は多様
性のチャンピオンに選ばれた。
・ United Principle for Responsible Investing/PRI Leaders’ group 2020 : Mirova は、本年のテーマ
である気候報告の最前線での初の 36 の PRI 署名者である PRI リーダーグループ 2020 の署名者として表彰
された。
・ Pensions Age/Pensions Age Awards 2020 : Mirova は、本年の最優秀持続可能性サービス・プロバイ
ダーに選ばれた。
・ Mirova は、 Hirschel & Kramer(H&K)/Responsible Investment Brand Index 2020 によれば、社会的責
任投資分野の資産運用会社の上位 10 社(第7位)に入っている。
・ Natixis Investment Managers は、資産運用会社のマーケティング効果に関する Peregrine
Communications’Global 100 ランキングで上位 10 社(第7位)に入った。
・ Citywire Selector/Gender Diversity Awards 2020 :
・ Natixis Investment Managers -米国の地域リーダーの分野( 50 から 100 のマネージャー)の勝者
である資産運用会社
・ Loomis, Sayles & Company :「米国の地域リーダー」の分野( 25 から 50 のマネージャー)で受賞
した資産運用会社
2020 年における プライベート・バンキング の堅調な財務業績( 2019 年と比較して純収益が 19 %増加)は、
健康危機という状況にもかかわらず、 Natixis Wealth Management のすべての事業体のコミットメントにより
推進された勢いの結果である。
2020 年は、事業が引続きニュー・ディメンション計画の一環として戦略計画を展開し、顧客の期待に最大
限応えるべく適応した年だった。
・ 電子署名システムの拡大等の顧客関係のさらなるペーパーレス化
・ BPCE の直接顧客およびネットワークの通信のための新しい方法およびスケジュール
・ 生命保険ブローカー業務の提供およびサービスの質を向上させるための戦略的プロジェクトの開発
これらの共同イニシアチブは、以下の資源最適化の努力により補完された。
・ 特に IT の売上に影響を与えない費用削減
・ 定年制度の終了およびさらなる人員削減
ウェルス・マネジメントの特徴は、以下のいくつかの注目すべき事象だった。
・ 管理されたリスク状況のもとでの貸出事業の成長率(6%増)
・ ストラクチャード商品の事業展開( EMTN クラブからの収入の 68 %の増加)
VEGA IM の子会社について、 2020 年の特徴は以下であった。
・ 440 百万ユーロに達した合計純流入額の水準に反映された、健康危機の状況をものともしない Caisses
d’Epargne の銀行の好調な売上の勢い
・ 「成長」に牽引され、史上最高のパフォーマンス額を生んだ経営のパフォーマンス
・ 独立した影響力のある格付機関である Impak Finance と構築したパートナーシップならびに年金および
従業員貯蓄制度に関する最初の契約に続く VEGA Responsible Transformation thematic fund による範
囲の拡大
・ VEGA IM による「クラブ ESG -責任投資専門性部門」の創設:責任投資方針およびその適用の監督、全
体的なポートフォリオ設計プロセス、透明性に関するコミットメント(透明性コード、非財務報
告)、 RI の範囲(ラベル、ミューチュアルファンド、ディスクリショナリー・アセット・マネジメン
ト等)の展開、専用管理の実施
従業員貯蓄 の事業は、運用資産が前年比4%増加して 28.2 十億ユーロとなったことからも明らかなよう
に、 2020 年も依然として非常に力強いものだった。大企業顧客向け部門の事業活動は、 2020 年に獲得した数
件の重要な入札案件により堅調だった。3月半ばから 2020 年5月にかけて閉鎖されていた BPCE ネットワーク
の売上は、当年度末まで順調に回復した。退職貯蓄市場の改革は、 PACTE 法によりもたらされたが、依然とし
て過去1年間の最優先事項だった。 Natixis Interépargne および補完的集団年金貯蓄のみを専門とする初の
保険会社である ARIAL CNP Assurances は、新企業退職貯蓄制度( PER )を組み込んだ、企業に総合的な従業員
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貯蓄および退職者貯蓄のソリューションを提案する専門知識のプールを7月初頭に発表した。このパート
ナーシップを通じて、 Natixis Interépargne は、零細企業から最大企業まであらゆる規模の企業に総合的な
従 業員貯蓄および退職者貯蓄のソリューションへの完全なアクセスを提供する。
2020 年における コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング の主要な出来事として、
以下の目標達成を目指すニュー・ディメンション戦略計画の継続的展開が含まれる。かかる目標とは、革新
的なソリューションを提案する銀行として認知され、新たな社会動向における積極的プレーヤーとなり、こ
の未曾有の状況において顧客へのより向上した支援を提供することである。
2020 年上半期において、 COVID-19 危機は責任投資市場において新たな原動力を生む契機となり、社会問題
を環境問題と同レベルまで押し上げた。
ナティクシスは、 Unédic および CADES といった社会的保護制度の維持を担う様々なフランスの公的機関を支
援した。
ナティクシスは、 2019 年にグリーン・ウェイティング・ファクターの展開後、自らのエネルギー軌道の動
的管理に取り組んだ。
ナティクシスは、「グリーン」分野における専門知識およびイノベーションの能力に対して、いくつかの
賞を受賞した。
アジア太平洋 地域では、ナティクシスは、 初めて商業銀行向けブルー・ボンドを発行した中国銀行に顕著
な、象徴的取引により持続可能性へ移行している顧客を支援することによって、グリーン・ファイナンスの
専門知識を活用した。オーストラリアでは、ナティクシスおよび M&A 専門会社である Azure Capital は、 Engie
ANZ の革新的な自己資本調達プラットフォームであるオーストラリア再生可能エネルギー基金( ARET )の創設
および売却のためのアドバイザリー・サービスを提供した。
ナティクシス は、 The Asset Triple A award および the Air Finance Journal award の一環として多くの取
引に対して数回受賞し、アジア証券業金融市場協会( ASIFMA )のフィンテック作業会の議長を務めた。
南北アメリカ大陸 プラットフォームは、ストラクチャード・ファイナンス、買収ファイナンスおよび資本
市場において、ソリューションの範囲を拡大し、専門知識を強化し続けている。特に、同プラットフォーム
は、顧客との相乗効果を強化するためにカバレッジ・チーム、不動産チーム、投資銀行チームおよび貿易
チームを統合して投資銀行チームを創設した。
ナティクシスのニューヨーク支店は現在、グローバル証券の資金調達を目的とした Fixed Income Clearing
Corporation ( FICC )スポンサード・レポ・プログラムのスポンサーである。
ナティクシスは、 2020 年に Embraer の債券発行および BNDES に関する期限前返済ファシリティの活発な MLA お
よびジョイント・ブックランナーとして活動した。
ナティクシスは、 CLO アレンジャーの米国市場で第7位に位置付けられた (出典 : Bloomberg / Reuters ) 。
当行は、 IJGLobal 誌から「 2019 Enterprise Latin America MLA of the year trophy 」にも選ばれた。
EMEA プラットフォーム は、特に 不動産 部門で好調な取引高を記録し、様々な投資家およびパートナーにそ
の資産を売却することにより、エネルギーおよび不動産インフラ・プロジェクトにおいて非常に活発だっ
た。ロンドン支店は、引続き英国の顧客に事業を集中させた。
ドイツ では、当行は、気候変動に対処するための持続可能な投資戦略によるインデックス付保険の販売の
ために大規模な地域の Landesbank と長期パートナーシップを確立した。ナティクシスは、気候変動に対処す
るため市場に出回る最初の指数連動型保険商品である革新的なソリューションを提供する。
スペイン 市場では、マドリード支店は引続き成長し、 2020 年度の MLA シンジケート住宅ローンの件数で第2
位( 出典: Dealogic )となった。
イタリア では、ナティクシスは、特にインフラ部門および不動産部門向けのかなりの数の法人顧客向け ESR
取引に関与していた。当行は、劣後債の買戻しの過程で Generali Assicurazioni のディール・マネージャー
およびブックランナーに任命され、その後新規グリーン・ボンドが募集された。
中東 地域では、ナティクシスは、 IJ Global の運用の「 2019 年度の MENA MLA 」で認められ、 Acwa Power (タ
ウィーラの持続可能な淡水化融資)または Dewa V ( IPP ソーラー PV プロジェクト)で重要なグリーン取引に関
して数回ノミネートされた。
最後に、 ロシアでは 、当行はアムール・ガス地域プロジェクトの資金調達に参加した。
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資本市場で 、 ナティクシス は、顧客およびパートナーに寄り添い、新しいニーズに商品およびノウハウを
適応させることにより、異常で未曾有の健康危機の状況に適応することができた。当行は、機関投資家およ
び 国際機関との関係を維持し、大企業との関係を強化した。フィックスド・インカムについては、チーム
は、産業投資家および機関投資家が COVID-19 危機の間にリスクヘッジ方針および投資方針を調整する支援に
深く関わった。
株式デリバティブでは、ナティクシスは、引続き様々な銀行業務( BPCE )および保険販売ネットワークの
エネルギー移行に取り組む金融貯蓄商品のキャンペーンを実施した。
当行は、2つの賞を受賞しており、1つは「 The Banker 」誌、もう1つは「 Structured Retail
Products 」誌 (出典(1) Investment Bank of the Year for Equity-linked Products 、(2) Deal of the
Year 2020 ) である。
不動産
不動産 事業分野(航空機、インフラストラクチャー、ならびに不動産およびホテル/観光部門)は非常に
回復力があることを示した。
旅客航空輸送部門は、特に COVID-19 の流行の影響を受けた。同部門は、低水準の出張および海外旅行と共
に、国内線および観光路線に牽引されて徐々に回復し始めている。この試練の時期に、ナティクシスは、流
動性ファシリティ、ポートフォリオ・ファイナンスおよび輸出信用機関の保証付取引を提供することによ
り、顧客である航空会社およびリース会社の両方を引続き支援した。
「インフラストラクチャー」および「エネルギー」は、通信インフラ部門および再生可能エネルギー部門
に牽引されて危機によく持ちこたえた。例えば、ナティクシスはチリにおいて数多くの太陽光発電所
( Sonnedix 、 CVE 、 Langa 、 Reden 、 Grenergy 、 Arroyo )に関するアレンジを行い、当該部門におけるナティク
シスの支配的地位を確認した。
最後に、不動産およびホスピタリティ部門は、営業を行っているすべての地理的地域の顧客に対する支援
ならびにグリーン・ファイナンスおよびサステナブル・ファイナンスの展開を継続した。
ナティクシスは、 Global Telecoms MLA におけるパフォーマンスに関する IJ Global League Table で第2
位、 Latam Infrastructure Finance MLA で第4位、インフラ融資の専門知識を反映する世界全体で第8位と
なった。
トレード・アンド・トレジャリー・ソリューションズ
トレード・アンド・トレジャリー・ソリューションズは、 2020 年に変革を経験して、現在は輸出信用業務
およびコモディティ取引業務に分類されており、特に海外において顧客に運転資金需要および事業展開につ
いてより包括的な支援を提供することにより、顧客に対する一層良いサービスの提供を目指している。
2020 年の主な出来事のうちで、 ENR Trade は、 Trafigura とのアルミニウムに対するグリーン・レポ等の革
新的な商品により、エネルギー転換中の顧客支援を強化した。
さらに、トレジャリー・ソリューションズは、デジタル分野、たとえば国際決済等のトレーサビリティに
おいて引続き革新を行った。
M&A
ナティクシスおよび M&A 関係会社のネットワークは、本年において数多くの大規模取引を実施した。
フランスでは、 Natixis Partners は、 Sagard に対し Ipackchem を SK Capital へ売却するよう助言した。英国
では、 Fenchurch Advisory が Hastings group plc に対し、 Sampo および RMI のコンソーシアムによる公開買付
けについて助言した。米国では、 PJ Solomon が Mood Media に対して、最初に チャプター 11 に基づく経営再
建、その後 Vector Capital への売却について助言した。フランスでは、ナティクシスおよび Natixis
Partners は中型株の取引件数において共に第1位となった (出典: L'Agefi ) 。英国では、 Fenchurch
Advisory は FIG 部門における取引件数において第1位となった (出典: Mergermarket )。
インベストメント・バンキング
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インベストメント・バンキングでは、ナティクシスの顧客のために貸借対照表を強化するための多数の融
資取決め(フランスにおける流動性枠、 EMP )のアレンジにより戦略的資金調達および買収資金調達が企業の
カ バレッジ・チームを支援した。
買収ファイナンスに関しては、多くの取引が企業買収者によって行われた( Banijay による Endemol Shine
グループの買収を含み、これにより同グループは世界最大の独立系テレビ番組制作会社になることができ
た)。
投資ファンド・セグメント向けレバレッジド・ファイナンスが減少したものの、ナティクシスは、いくつ
かの重要な達成を記録した。フランスでは、ナティクシスは、 生物学的安全性および食品安全性の分野にお
いて大手である Kersia の買収に関連して、 IK Partners に対してアレンジおよびコーディネートをしており
(単独のサステナビリティ・コーディネーターおよびファシリティ・エージェント)、これはフランスの債
券初の持続可能性と連動した LBO である。
ナティクシスは、フランスにおける 2016 年以降の M&A 取引の資金調達目的の最大の増資である Alstom の取引
に関するパートナー・ブックランナーとして、また Technicolor の増資ではグローバル・コーディネーターお
よびジョイント・ブックランナーとして行為し、増資市場で活発な動きを見せた。
こうした極めて不安定な市場環境の中で、ナティクシスは、 2020 年に5件の大規模取引( Accor 、 Safran 、
STMicroelectronics および Worldline (2件)の発行を含む。)の幹事会社として、転換社債市場における高
い専門知識から利益を上げた。
ナティクシスは、フランス市場における買収額および取引件数に関して依然としてリーダーだった (出
典: 2020 年の 120 の SBF 発行体のウェブサイトからの規制情報 ) 。
2020 年の社債市場は、企業向け社債が特に活況だった。ナティクシスは、公募債の発行について多くのフ
ランス企業から選ばれ、「フランスにおける非希薄化型ハイブリッド部門」の順位表のトップ( LT ハイブ
リッドおよびシニア社債 FR の第1位: 出典: dealogic )だった。
ナティクシスはまた、企業、ソブリン、国際機関および金融部門のため、健康危機の影響を受けた事業の
支援を目的とする発行(例えば COVID 債等)を含む合計 56 件の実行済マンデートに関して、様々なグリーン・
ボンド取引およびソーシャル・ボンド取引の態勢を整えることにより、引続き持続可能な財務戦略を展開し
た。
COVID-19 危機は、 保険 部門に損害を与えたが、同部門は、事業の継続性を維持する措置を講じることによ
り適応し、依然として顧客のために事業を行っている。同部門は、政府が設立した VSE のための連帯基金に 14
百万ユーロを拠出した。
生命/医療保険および損害保険は、最初のロックダウンからテレワークを広く実施し、作業を確保するた
めの重要な業務のみをオンサイトで維持し、顧客に対する高水準のサービス品質を維持するための日々の引
受業務および運用業務を監視する体制を整備することにより、ロックダウン期間に適応した。
生命/医療保険および損害保険に関して、危機による財務への影響は特に整備された保護機構により抑え
られ、特に第1四半期における株式市場の低迷の影響は 2019 年に取得した株式カバレッジにより軽減された
ため、債務返済補償保険および個人保護保険に関して影響はほとんどなかった。
最初のロックダウンにより、銀行支店は閉鎖され、これは特に貯蓄の業務水準を下げた。上半期の収益は
影響を受けたが、本年下半期には 2019 年下半期の水準近くまで回復した。
6月には、新しく簡易化され、デジタル化され、競争力のある個人保護商品である「 Secur' Famille 2 」
が Caisses d'Epargne のネットワークで発売された。9月には、 PERi の新商品が Caisses d'Epargne ( CE )お
よび Banques Populaires ( BP )のネットワークで発売された。
損害保険については、技術的および財務的な観点から、外出制限措置、金融市場の縮小による財務的影響
およびロックダウン中の特に自動車保険、マルチリスク住宅保険および個人傷害保険セグメントの当期の保
険金支払額の改善後、かかる危機により売上は減少し、契約は解除された。
本格的なバンカシュランスの専門銀行となり、 Natixis Assurances 内の個人顧客および法人顧客向けの独
自の損害保険事業モデルを構築するという目標は、 Covéa との間でパートナーシップを 2020 年1月1日付で更
新することが 2019 年5月に合意された後に実現した。 #INNOVE 2020 プログラムは、 Banques Populaires およ
び Caisse d'Epargne の銀行において、 Banques Populaires の銀行および新しい Multi-Risk Home Caisse d’
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Epargne の銀行における新たな自動車およびマルチリスク住宅保険商品が強力な勢いで創出され、年間を通じ
て展開された。現在、 Banques Populaires および Caisse d'Epargne のすべての銀行は、かかるプログラムの
強 み、すなわち新たにデザインされた経験、新たな商品および新情報システムから恩恵を受けている。
BPCE Assurances はこのようにして唯一の BPCE IARD のリテール顧客向け損害保険プラットフォームとな
り、これは Caisse d'Epargne および Banques Populaires のネットワーク双方の専門家に特化したプラット
フォームである。
2020 年、ナティクシスの 決済 業務は、パンデミック中の顧客支援において重要な役割を果たした。健康危
機が始まってから、 Natixis Payments は、 Banques Populaires および Caisse d'Epargne のネットワークなら
びにすべての地域の直接顧客に対する同水準のサービス(発行、取得、決済処理、不正防止)の保証にコ
ミットしている。
決済部門はまた、消費者の購買および決済行動、特に以下の非接触型モバイル決済の変化を支援した。
・ 同部門の専門家は、非接触型決済について 50 ユーロという新たな上限を5月 11 日から実施し、6月に
はレストラン割引券の上限を引き上げることに、積極的に取り組んだ。
・ リテールのデジタル化という前例のない状況において、 Natixis Payments はまた、対象範囲が大小両
方の小売業者向けに設計されているフィンテックの Dalenys ならびに中小企業を対象とするフィンテッ
クの PayPlug のオムニチャネル・プラットフォームのおかげで、直接または Banque Populaire および
Caisse d’Epargne の銀行ネットワークとの相乗効果のいずれかにより、オンライン販売の展開におい
てあらゆる規模の小売業者を支援した。
・ 処理業務に関しては、 Bank Audi および Volkswagen Financial Services を含む 10 の新しい金融機関が
Natixis Payments に電子決済の処理および決済を委託することを選択した。特に複雑な状況におい
て、これは空前の規模となる移行プロジェクトだった。
顧客中心の配慮および対応を可能にしたことで、決済業務の回復力が強化され、これにより純収益は 2019
年と比較して増加した。
この前例のない状況によっても以下の主要プロジェクトの立上げが遅れることはなかった。
・ プロセシング・ビジネス・ユニット( BU )は、決済業界において革新および競争力に関してトッププ
レーヤーとなる変革のために多くのプロジェクトを立ち上げた。
・ Banque Populaire のネットワーク( 2020 年上半期においては Caisse d’Epargne の銀行)における
グループ決済プログラム( PPG )の展開
・ ナティクシスを Oney の決済パートナーとする Oney のプロジェクト(決済処理、取得、デジタル・
バンキング)の進行
・ 製品管理の導入およびプロジェクトのアジャイル開発
・ 業務効率化計画(ネクスト・ステージ)の開始
・ 以下の革新は、依然として今後数ヶ月に向けて準備するための最も重要な優先事項であった。すなわ
ち、 2020 年9月に開始された新しい Android の POS 端末の範囲、中小企業および大企業向けのオムニ
チャネル e コマースの提供、 2020 年7月の Apetiz のミール・バウチャーの新しいアプリケーション(同
業種で最高位とされるアプリケーション)である。
・ NIT によるフランス経済・財務省との間のレストラン・バウチャー契約の更新、新規直接顧客の獲得お
よび銀行ネットワークを介したクロスセリング等、いくつかの成功した商業的成果も注目される。こ
の最後のトピックに関しては、ネットワーク開発部により、 Natixis Payments は、事業を展開するた
めのネットワークおよびフィンテックに関して事業者から専門パートナーに移行することができた。
その結果、 PayPlug は、 2019 年の9百万ユーロと比較して 2020 年にはネットワークにより 61 百万ユーロ
の売上を達成した。
最後に、決済部門はまた、事業展開および事業分野間の相乗効果を加速するため 2020 年 10 月に新たな組織
化を実施した。この新たな組織は3つのビジネス・ユニット( BU )に基づいている。
・ 汎用性およびパフォーマンスを向上させるための顧客中心かつ製品指向の組織による処理 BU
・ 競争に直面している市場への影響を高めるための強力な商品および組織統合によるデジタル決済 BU
( Dalenys 、 PayPlug 、 S-money )
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・ 事業体間の相乗効果が向上した福利厚生 BU ( NIT 、 Titres Cado 、 Comitéo および Lakooz )
Natixis Payments は、 FW500 ランキング(フランスのデジタル変革に貢献している企業に関するフランスの
技術ランキング)で 11 位に入り、自らを決済および金融サービス全般の分野におけるリーディングカンパ
ニーと位置付けている。
このパフォーマンスおよび革新が相まって、過去 12 ヶ月間にわたり決済部門は特に目を引いた。すなわ
ち、(全事業体合わせて) 200 名近くの従業員が、このようにして新たに、商品の技術開発を支援するために
様々な技能の補完に参加している。
この事業分野の展開は、以下のものと密接な関係がある。
・ 流動性 ニーズは、前年比で5%増加した。
・ バーゼル3の RWA の消費は、前年比で6%増加し、 105.0 十億ユーロとなった。
( ⅱ ) 2020 年 12 月 31 日現在の経営報告書
比較可能性の目的で、 29.5 %の Coface の持分の売却に係る寄与は、損益計算書の下部に個別に表示されて
いる。
(a) 連結決算
変動
2020 年と 2019 年との比較
2019 年
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 プロフォーマ 現行 恒常
純収益 7,306 8,485 (13.9) % (13.2) %
うち事業分野 7,360 8,365 (12.0) % (11.4) %
銀行業務営業費用 (5,828) (6,115) (4.7) % (4.0) %
営業総利益 1,478 2,369 (37.6) % (37.0) %
貸倒引当金繰入額 (851) (330) 158.1 %
営業純利益 626 2,039 (69.3) %
関連会社 (6) 21
その他資産に係る損益 (42) 685
のれん価値における変動 0 0
税引前利益 579 2,745 (78.9) %
所得税 (204) (616) (66.8) %
非支配持分 (81) (295) (72.5) %
Coface の寄与額 (192) 62
報告対象の純利益グループ持分 101 1,897 (94.7) %
費用収益比率 79.8 % 72.1 %
ROE (0.1) % 11.1 %
ROTE (0.1) % 14.3 %
連結損益計算書に含まれる主要な項目の増減の分析
純収益
ナティクシスの 純収益 は、 2020 年 12 月において 7,306 百万ユーロとなり、恒常為替レートで 2019 年と比較し
て 13.2 %の減少となった。
主要な事業分野から生じた 純収益 は、 2019 年に対して恒常為替レートで 11.4 %減少して、 7,360 百万ユーロ
となった。 COVID-19 危機により、保険部門および決済部門は増益となった 一方で 、 資産運用およびウェル
ス・マネジメント部門ならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング 部門 で収益
は減少した。 資産運用およびウェルス・マネジメント部門の純収益は、恒常為替レートで 13.4 %減少した。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門の純収益は、恒常為替レートで 15.3 %
減少した。保険部門の純収益は、 6.5 %増加(合計マイナス 14 百万ユーロの連帯基金への拠出を除くと 8.1 %
増)し、決済部門の純収益は、 1.9 %増加した。
コーポレートセンターの純収益 には、現在 Natixis Algérie およびナティクシスのプライベート・エクイ
ティのランオフ事業が含まれているが、 2019 年のプラス 120 百万ユーロに対して、 2020 年にはマイナス 54 百万
ユーロとなった。この純収益には、取引日の為替レートでの外貨建て DSN の利益に係るマイナス 86 百万ユーロ
が含まれている( 2019 年はプラス 19 百万ユーロであった。)。
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一般営業費用および人員
経常費用は、合計 5,828 百万ユーロとなり、恒常為替レートで 2019 年と比較して 4.0 %減少した。資産運用
およびウェルス・マネジメント部門に係る費用は、恒常為替レートで 3.2 %減少した。コーポレート・バンキ
ングおよびインベストメント・バンキング部門に係る費用は、恒常為替レートで 5.4 %減少した。保険部門お
よび決済部門に係る費用はそれぞれ 2.5 %および 5.7 %増加した。コーポレートセンターの費用は、 14.9 %減
少して 460 百万ユーロとなり、 2019 年の 170 百万ユーロに対して単一破綻処理基金への拠出は 165 百万ユーロで
あった。
人員 は、期末時点で常勤労働者が前年比で3%増の 16,943 人となり、ポルトにおける統制機能および IT
チームの拡大後、事業分野においてわずかに2%増加およびコーポレートセンターにおいて5%増加した。
営業総利益
2020 年の 営業総利益 は、 2019 年と比較して、恒常為替レートで 37 %急激に減少して合計 1,478 百万ユーロと
なった。
税引前利益
貸倒引当金 繰入額は、 2020 年において 851 百万ユーロとなり、合計 330 百万ユーロであった 2019 年と比較し
て著しく増加した。主要な事業分野における資産の割合としての貸倒引当金繰入額は、 2019 年の 50 ベーシス
ポイントに対して、 2020 年には 128 ベーシスポイントとなった。
関連会社 からの収益は、 2019 年のプラス 21 百万ユーロに対して、 2020 年には合計でマイナス6百万ユーロ
となった。
その他資産に係る損益 は、 2020 年には合計マイナス 42 百万ユーロとなり、このうちマイナス 48 百万ユーロ
は、 H2O の売却に係る損失に起因するものであった。これに対して、 2019 年は 685 百万ユーロであり、このう
ち 697 百万ユーロは、 2019 年第1四半期における BPCE S.A. に対するリテール・バンキング業務の売却に起因
するものであった。
2020 年において、 のれん価値における変動 はなかった。
したがって、 2020 年の 税引前利益 は、 2019 年の 2,745 百万ユーロに対して、合計 579 百万ユーロとなった。
経常純利益(グループ持分)
経常 税金 費用は、 2020 年において 204 百万ユーロとなり、実効税率は 27.4 %であった。
非支配持分 は、 H2O の業績低下に従い、 2019 年のマイナス 295 百万ユーロに対してマイナス 81 百万ユーロと
なった。
Coface の寄与額 は、現在損益計算書に個別に表示されているが、合計で 2020 年における純利益のマイナス
192 百万ユーロとなった。これには、 2019 年におけるプラス 62 百万ユーロと比較して、かかる売却に関連する
一時的な影響( 2020 年におけるその他資産に係る損益のマイナス 147 百万ユーロおよび関連会社からの収益の
マイナス 57 百万ユーロ)が含まれている。
これにより、 2020 年の 会計純利益 は、 2019 年のプラス 1,897 百万ユーロと比較して、 プラス 101 百万ユーロ
となった。
2020 年の 連結管理 ROE は、税引後で 2.4 %となり(経常外項目を除く。)、 ROE はマイナス 0.1 %となった
(経常外項目を含む。)。
2020 年の 連結管理 ROTE は、税引後で 3.0 %となり(経常外項目を除く。)、 ROTE はマイナス 0.1 %となった
(経常外項目を含む。)。
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(b) ナティクシスの主要な事業分野別分析
① 資産運用およびウェルス・マネジメント
変動
2020 年と 2019 年との比較
2019 年
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 プロフォーマ 現行 恒常
純収益 3,225 3,760 (14.2) % (13.4) %
資産運用 2,948 3,511 (16.0) % (15.1) %
ウェルス・マネジメント 178 149 19.5 % 19.5 %
従業員貯蓄 99 100 (1.1) % (1.1) %
銀行業務営業費用 (2,387) (2,492) (4.2) % (3.2) %
営業総利益 838 1,268 (33.9) % (33.4) %
貸倒引当金繰入額 (27) (8)
営業純利益 811 1,260 (35.7) %
関連会社 1 1 50.1 %
その他資産に係る損益 (45) 13
のれん価値における変動 (11) (8) 38.3 %
税引前利益 757 1,266 (40.2) %
費用収益比率 74.0 % 66.3 %
株式(平均) 4,603 4,477
ROE 10.0 % 14.8 %
資産運用およびウェルス・マネジメント部門の収益は、 2019 年と比較して、恒常為替レートで 13 %減少
(現行為替レートでは 14 %減)し、 3.2 十億ユーロとなった。
費用は、恒常為替レートで3%減少(現行為替レートでは4%減)し、 2.4 十億ユーロとなった。
営業総利益は、恒常為替レートで 33 %減少(現行為替レートでは 34 %減)し、 837.8 百万ユーロとなっ
た。
本部門の ROE は 10.0 %であり、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して 4.8 ポイント減少した。
A 資産運用
2020 年 12 月末現在、運用資産額は、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して、 現行為替レートで 22 %増加(恒常
為替レートでは 27 %増)し、 1,135.5 十億ユーロとなった。 これは主に LBPAM の拠出、市場効果( 58.9 十億
ユーロ増、 H2O の影響を除くと 63.6 十億ユーロ増)および純流入額( 5.1 十億ユーロ増、 H2O を含めた修正再
表示後は 12.5 十億ユーロ増)に関連した、非常に有利な範囲による影響( 177.7 十億ユーロ増) による もの
であったが、不利な為替レートの影響( 40.3 十億ユーロ減)により部分的に相殺された。
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当年における運用資産額の変動 ( 単位:十億ユーロ )
(*) 2020 年第1四半期のプライベート・エクイティにおける運用資産額の修正( 0.5 十億ユーロ増)および 2020 年
第4四半期の欧州における LBPAM の運用資産額の統合( 177.2 百万ユーロ増)。
当事業分野は、現行為替レートで 5.1 十億ユーロの純流入額を計上した。
・ 米国では、純流入額は合計 7.4 十億ユーロであった。これは主に Loomis Sales & Co. (債券の 13.2 十
億ドル増)、 WCM Investment Management (株式商品の 12.4 十億ドル増)および AEW Capital
Management (不動産商品の 2.7 十億ドル増)に起因したものであり、 Harris Associates (主に株式
商品の 19.8 十億ドル減)および Gateway Investment Advisers, LLC (代替商品の 1.6 十億ドル減)の
流出額により部分的に相殺された。
・ プライベート・エクイティ会社からの純流入額は 2.7 十億ユーロとなり、これは主に Vauban
Infrastructure Partners ( 1.6 十億ユーロ増)および MV Credit ( 0.5 十億ユーロ)によるもので
あった。
・ 欧州地域において、純流出額は 2.6 十億ユーロであった。これは、 H2O (主に債務商品の 7.3 十億ユー
ロ減)ならびに DNCA Finance (分散型および債券商品の 3.6 十億ユーロ減) の純流出額が Mirova ( 株
式商品および 債務商品の 5.5 十億ユーロ増)、 AEW Europe ( 不動産商品の 1.5 十億ユーロ増 )ならび
に Ostrum (主に金融市場商品の 1.3 十億ユーロ増)からの 純流入額を上回って相殺したことによるも
のであった。
・ アジアにおける純流出額は、主に株式商品( 1.3 十億ユーロ減)によるものであった。
・ リテールにおける 1.0 十億ユーロの流出額は、主に Dynamic Solutions の分散型商品( 0.5 十億ユーロ
減)、仕組商品( 0.5 十億ユーロ減)および株式商品( 0.4 十億ユーロ減)に関連するものであっ
た。
2020 年 12 月 31 日現在における平均運用資産額は 881.1 十億ユーロとなり、 ユーロの恒常為替レートで 前年
と比較して増加した( 3.5 %増、 LBPAM の拠出を含めた修正再表示後は安定的)。 残高に係る利益率は、
2019 年 12 月 31 日現在と比較して、恒常為替レートで 9.4 %減少して 26.7 ポイントとなり、 LBPAM の拠出を含
めた修正再表示後はわずかに減少となる( 6.6 %減)。
2020 年 12 月 31 日現在、純収益は、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して、 562.7 百万ユーロ減少し、 2,948.0 百
万ユーロとなった( 16 %減) (恒常為替レートでは 15 %減)が、 2020 年の LBPAM の拠出に関連する範囲によ
る影響は、 4.4 百万ユーロと限定的であった。前年比における純収益の変動は、主に欧州の H2O における成
功報酬の急激な減少、ならびに程度は少ないものの、米国および欧州における利益率の低下および受取利
息の減少に伴う管理手数料の減少により影響を受けた。
費用は 2,156.5 百万ユーロとなり、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して、 94.8 百万ユーロ減少した(4%減)
(恒常為替レートでは3%減) が、 2020 年の LBPAM の範囲による影響は、 5.5 百万ユーロであった 。費用に
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おける順調な変動は、業績の変動に従った変動報酬の著しい減少(主に米国、欧州およびフェデレーショ
ンにおける減少)、ならびに程度は少ないが運営費用(主にコンサルティング、文書化および市場データ
の 費用増加を上回る、健康危機に関連した交通費、接待費、通信費および広告費)によるものである。
2019 年と比較して、固定内部人件費は人員増加により増加したが、建物および物流における費用も増加し
た。
H2O の子会社売却案の発表を受け、第4四半期にキャピタル・ロスの見積額に基づいて追加引当金が計上
され、 その他の資産に係る損失 において計上された年間総額への影響はマイナス 47.6 百万ユーロとなっ
た。
B ウェルス・マネジメント
2020 年において、主にネットワークによりもたらされた B2B プライベート・バンキング事業の好調および
ルクセンブルクにおける機関の著しい流入額により、 ウェルス・マネジメントの純流入額は 919 百万ユーロ
となった。
運用資産額 は、合計 30.7 十億ユーロとなり、前年比で1%の増加となったが、これは不利な市場効果
(第1四半期に計上された極めて不利な市場の効果)を上回り相殺した流入額によるものであった。
同時に、 貸付残高 は、フランスにおける集中的な増加により6%増加して、 2.2 十億ユーロとなった。
2020 年において、 当事業分野の純収益 は、 2019 年と比較して 19.5 %と著しく増加( 29.0 百万ユーロ増)
し、 177.8 百万ユーロとなった 。この増加は、主に取引手数料の急騰、取引手数料および運用資産手数料の
高い業績ならびに堅実な金融業務の利ざやに起因するものである。
費用 は、 費用管理のための活動を織り込むことにより、 2019 年と比較して2%減少し、 153.7 百万ユーロ
となった 。
C 従業員貯蓄制度
2020 年 12 月末現在の運用資産額は、合計 28.2 十億ユーロとなり 、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して 1.2 十億
ユーロまたは4%の増加であった。これは、有利な市場の効果( 0.7 十億ユーロ増)および有利な投資効果
( 0.5 十億ユーロ増)によるものである。
PERCO の運用資産額は 3.3 十億ユーロとなり 、 2019 年 12 月末現在と比較して、貯蓄者の増加(9%増)に
伴い 13 %の増加となった。これは、退職貯蓄が従業員貯蓄市場において継続的な増加の牽引役であること
を裏付けている。
本年を通じた平均運用資産額は、合計 25.8 十億ユーロとなり、前年比で減少( 10 %減)した。これは主
に、 2019 年度末における Sanofi の資産に係る損失の影響によるものであった。
2020 年 12 月 31 日現在の純収益は 、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して 1.1 百万ユーロまたは1%減少し、 99.1
百万ユーロとなった。 これは、 2020 年6月の BPCE Lease に対する自動車リースの遠隔販売業務の移転によ
るものであったが、自動車リースの純申込手数料額(投資家の裁定取引)の増加により部分的に相殺され
た。
費用は 、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して 5.9 百万ユーロまたは7%減少し、 合計 77 百万ユーロとなった。
これは、 IT プロジェクトの資金の増加( PACTE プロジェクト)ならびに運営費用の減少( COVID-19 の影響お
よび費用削減策)によるものであったが、内部人件費、主に固定された内部人件費の増加(有給休暇のた
めの引当金の増加および従業員給付の増加)により部分的に相殺された。
② コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
変動
2020 年と 2019 年との比較
2019 年
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 プロフォーマ 現行 恒常
純収益 2,803 3,337 (16.0) % (15.3) %
グローバル・マーケッツ 1,085 1,509 (28.1) % (27.9) %
フィックスド・インカム 1,114 1,118 (0.4) % (0.1) %
株式 (45) 417 (110.7) % (110.7) %
XVA デスク 16 (26) (161.5) % (161.5) %
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ファイナンス 1,300 1,408 (7.6) % (6.5) %
インベストメント・バンキング 424 395 7.3 % 8.3 %
その他の項目 (5) 24 (121.8) % (123.0) %
銀行業務営業費用 (2,099.0) (2,234.9) (6.1) % (5.4) %
営業総利益 704.4 1,101.8 (36.1) % (35.6) %
貸倒引当金繰入額 (818.9) (311.6) 162.8 %
営業純利益 (114.5) 790.2 (114.5) %
関連会社 9.8 10.3 (5.1) %
その他資産に係る損益 0.0 (14.8)
のれん価値における変動
税引前利益 (104.7) 785.7 (113.3) %
費用収益比率 74.9 % 67.0 %
株式(平均) 6,998 6,719
ROE (1.2) % 8.4 %
2020 年において、 コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの純収益 は合計 2,803
百万ユーロとなり、 2019 年と比較して、恒常為替レートで 15.3 %の減少であった。
資本市場 の収益は、 2020 年は合計 1,085 百万ユーロとなり、 2019 年と比較して、恒常為替レートで 27.9 %
の減少であった。
債券、外国為替、信用供与、コモディティおよびトレジャリー 業務による収益は、 2020 年には 1,114 百万
ユーロとなり、 2019 年と比較して恒常為替レートで安定的であった。各セグメントにおいて、下記の変動
が見られた。
・ 債券および外国為替の収益 は 2.5 %増加し、 債券 は、売上の低迷および低金利の継続に起因して
9.4 %減少し、 外国為替 の業務は、本年の最初の4ヶ月間における為替の急激な変動が顧客からヘッ
ジの大きな需要を生み出したことにより、 23.5 %急増した。
・ 信用供与 業務による収益は、 2019 年と比較して 9.1 %減少した。これは、本年上半期の証券市場の低
迷により不利益がもたらされたものであったが、 2019 年と比較して、第2四半期中の証券市場の回
復が減少を押しとどめた。
・ 回収 業務における収益は、現在フィックスド・インカムおよび株式の間で均等に分割されている
が、 2019 年と比較して 21 %減少した。これは、特に、6月の中央銀行による新 TLTRO の実施(多額の
流動化された供給につながった。)後の第2四半期における事業の減退によるものである。
収益は 263 百万ユーロの減少となったが、 株式 業務は、株式市場における急激なボラティリティおよびエ
クイティ・デリバティブの事業分野のエクスポージャーに強い影響を与えた配当支払い方針の変更があっ
た上半期の過酷な市場環境に耐えた。
ジョイントベンチャーからの収益(すなわち、チームの連携を確保するためにグローバル・マーケッツ
およびインベストメント・バンキング間で収益が均等に分割される。)は、 2020 年において堅調だった。
戦略ファイナンスおよび買収 の収益は、特に政府保証債( EMP )を通じた融資に対する法人顧客の堅実な
需要に支持されたことにより、 4.7 %増加した。これにより、特に米国の第一次市場における低迷が相殺さ
れた。
債券市場におけるシンジケーション による収益は、本年を通じて非常に活動的な債券発行市場および顧
客セグメントにおいて、 2019 年と比較して 17.9 %増加した。
TTS (トレード・アンド・トレジャリー・ソリューションズ)および 映画産業ファイナンス ( Coficiné )
を含む ファイナンス の収益は 1,300 百万ユーロとなり、 2019 年と比較して、恒常為替レートで 6.5 %減少し
た。
オリジネーションおよびシンジケーション の収益は、 2019 年と比較して 28.2 %減少したが、これは各部
門における業務の急激な低迷によるものであった。コモディティにおける、 2019 年よりも依然として低い
石油価格の急落、 COVID-19 危機を背景とした航空機および 2020 年に多くが閉鎖されたままである米国にお
ける不動産金融証券化市場が挙げられる。 ファイナンシング・ポートフォリオ は、事実上恒常為替レート
で安定的であった。かかる減少は、組成が少ない状況が目立ったファイナンシング・ポートフォリオの純
受取利息で観察されたが、本年下半期における流動性枠の縮小の急増および新規融資の許可により支持さ
れたコーポレート・ポートフォリオにおける利ざやの増加により軽減された。 ENR (エネルギーおよび天然
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資源)ならびに貿易金融 の収益は、1バレル当たりの平均原油価格が昨年より低下したことおよび顧客数
の減少を目標とする当該活動に再び焦点を合わせる戦略により、恒常為替レートで 13.9 %低下した。
M&A 業務を含む インベストメント・バンキング による収益は、前年比で恒常為替レートで 8.3 %増加し、
累計 424 百万ユーロの収益を計上した。特に M&A 業務は、 2020 年、本年下半期においても依然として活発で
あり、年間収益は 208 百万ユーロとなり、恒常為替レートで 7.5 %増加した。
2020 年、 コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング の費用は、合計 2,099 百万ユー
ロとなり、 2019 年と比較して、現行為替レートで 6.1 %および恒常為替レートで 5.4 %減少した。 2020 年に
おいて、財務コミュニケーションの経常外項目として分類された転換および事業効率費用の 2020 年の 11 百
万ユーロおよび 2019 年の 27 百万ユーロを除くと、費用は、変動費の減少および費用管理の厳格化により、
恒常為替レートで 4.7 %の減少となった。
営業総利益 は、 2019 年と比較して、恒常為替レートで 35.6 %増加し、合計 704 百万ユーロとなった。 2020
年の 費用収益比率 は 74.9 %であり、これは 2019 年( 67.0 %)と比較して 7.9 ポイント悪化した。
貸倒引当金繰入額 は 819 百万ユーロとなり、 2019 年と比較して急激に増加した。これは、航空機ならびに
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのいくつかのローンに対するリスクの悪
化ならびに不正および IFRS 第9号の引当金設定基準の影響によるものであった。
税引前利益 は、プラス 786 百万ユーロであった 2019 年と比較して、現行為替レートでマイナス 105 百万
ユーロとなったが、これはその他の資産に係る損益のもとで 2019 年第1四半期に経常外項目として計上さ
れたブラジルの子会社の売却に係るキャピタル・ロス( 14.5 百万ユーロ減)が含まれる。
2020 年の 税引後 ROE は、 2019 年( 8.4 %)と比較してマイナス 1.2 %となった。
③ 保険
2019 年 変動
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 プロフォーマ 2020 年と 2019 年との比較
純収益 901 846 6.5 %
銀行業務営業費用 (491) (478) 2.5 %
営業総利益 410 368 11.6 %
貸倒引当金繰入額
営業純利益 410 368 11.6 %
関連会社 (17) 10
その他資産に係る損益
のれん価値における変動
税引前利益 393 378 4.2 %
費用収益比率 54.5 % 56.5 %
株式(平均) 924 926
ROE 29.3 % 27.9 %
本年は、 COVID-19 のパンデミックに特徴付けられ、商業活動は、最初のロックダウン期間中である3月
から5月の間に大幅に鈍化する結果となった。
直接事業プレミアムは 8.1 十億ユーロで、生命保険の流入額は 2019 年と比較して 19 %減少した。ユニット
リンク資産のプレミアムは合計 2.9 十億ユーロとなり、総流入額合計の 35.4 %を占めた。これは、 2019 年と
比較して5ポイントの減少であり、 12 月末の相場平均を1ポイント上回る。「ユーロ」ファンドに投資さ
れた総流入額は、 25 %減少して 5.3 十億ユーロとなった。
個人保護保険および債務返済補償保険( ADE )のプレミアム( 1,053 百万ユーロ)は、引続き増加した
(6%増)。 個人保護保険のプレミアムは、主に 現在の業務の 39 %を占める Caisses d ' Epargne ネットワー
ク( 17 %)により 10 %増加した 。債務返済補償保険は、公衆衛生上の危機のブールキン法の改正による重
大な影響を受けず、5%増加した。
損害保険のポートフォリオは、5%( NBFI を除く。)増加して合計 6.4 百万件の契約となった。総売上高
は、健康危機およびロックダウンの影響により2%減少したが、 2020 年5月に導入された刺激計画の成功
および2つのネットワークにわたる #INNOVE2020 計画の開発により利益を得た。獲得したプレミアムは、
Caisses d'Epargne および Banques Populaires ネットワークと同じ事業成長(それぞれ5%増および5%
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増)に伴い、前年比で5%増加して 1,654 百万ユーロとなった。かかる増加は主要商品により促進され、
ポートフォリオの増加および最新の関税に基づき、自動車保険が5%の増加、マルチリスク住宅保険が
7% の増加、個人アカウント/マルチリスク・アカウント保険が5%の増加となった。
保険事業の 純収益 は、 2019 年と比較して6%増加し、合計 901 百万ユーロとなった。これは、以下の要因
によるものである。
・ 個人保険の純収益の 11 %の増加。これは、残高の増加(6%)に後押しされたが、公衆衛生上の危
機および金融市場の低迷の影響を受けた(既存の株式ヘッジにより緩和された。)。また、純収益
も増加したが、これは(前年の最終決算の更新に関連した) ADE のための保険金請求費用が減少し、
休業補償による保護保険金請求も悪化したものの、個人保護保険および債務返済補償保険により抑
えられたためであった。
・ ロックダウンによる個人顧客向け商品、特に自動車セグメントにおける保険金請求費用の減少によ
る損害・災害保険の3%の増加。合算比率は、 2019 年の 89.6 %から改善され、合計 89.2 %となっ
た。
・ 13.9 百万ユーロの影響を与えた、 フランス政府により設立された保険連帯基金に対する 一時的な拠
出。
営業費用 は 491 百万ユーロに達し、 2.5 %増加した。この増加は、ニュー・ディメンション計画に基づく
目標の実施、すなわち事業成長の支援ならびに戦略計画、特に #INNOVE2020 の実施を反映している。
営業総利益 は、 11.6 %増加して 410 百万ユーロとなった。
関連会社の利益は、以下により影響を受けた。
・ レバノンの決済不履行:銀行保険会社の ADIR ( 34 %保有)の 23.1 百万ユーロの価値の減損が計上さ
れた。
・ 2019 年における 6.7 百万ユーロと比較して、 BPCE IARD の 4.9 百万ユーロの拠出。これは、主に公衆衛
生上の危機を受けたレストランの経営者のための営業損失補償の保険金請求費用の悪化によるもの
であった。
本部門の ROE は 29.3 %であり、 2019 年と比較して 1.4 ポイント改善した。
④ 決済
2019 年 変動
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 プロフォーマ 2020 年と 2019 年との比較
純収益 431 423 1.9 %
銀行業務営業費用 (391) (370) 5.7 %
営業総利益 39 52 (25.0) %
貸倒引当金繰入額 2 (2)
営業純利益 42 50 (16.7) %
関連会社
その他資産に係る損益
のれん価値における変動
税引前利益 42 50 (16.8) %
費用収益比率 90.9 % 87.6 %
株式(平均) 403 375
ROE 7.3 % 9.1 %
2020 年の 業務 は、 COVID-19 に関連した健康危機により悪影響を受け、様々なロックダウンが消費に影響
を与えた。
それにもかかわらず、パンデミックは、決済市場において既に存在する動向を促進させ、非接触型決済
の普及を引続き加速させた。これは、 2020 年第4四半期におけるカード取引の 43 %を占めており( 2020 年
第1四半期では 31 %)、デジタル化促進の兆候である。また、これは e コマース業務の発展においても見ら
れ、 2019 年と比較して、 Natixis Payment Solutions ならびにフィンテックの Dalenys および Payplug の取引
高は 20 %増加した。
決済事業の回復力は、主に以下に挙げられるとおりである。
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(ⅰ) カード決済数における Natixis Payment Solutions の過去の電子銀行業務において、4%に抑えられた
減少( 2019 年第2四半期と比較して、 2020 年第2四半期に 19 %減少後)。
(ⅱ)Natixis Intertitres の過去のレストラン・バウチャーの発行業務における限定的な減少( 2019 年と比
較して、バウチャー発行数は2%減)。これにより、 APETIZ の提供のデジタル化が引続き促進され、
事業開発が加速する( 2019 年と比較して、新規受益者は 13 %増)一方で、その他の事業者( Titres
Gifts 、 Comitéo 、 Lakooz )は、良好な耐性を示し、プリペイドおよび発行事業単位により創出された
全体的な事業売上はマイナス3%と減少を示した。
( ⅲ )Merchant Solutions ビジネス・ユニットのフィンテック e コマースの Payplug による高い業績。これ
は、堅調な事業開発ならびに Banques Populaires および Caisses d'Epargne のネットワークにより獲得
されたシナジーにより、売上高で 125 %の伸びを記録した。
決済部門の純収益 は、 430.6 百万ユーロ ( 8.1 百万ユーロ増)となり、 2019 年と比較して2%増加した
が、これは主に、特に大量の送金および引き落としならびに不正防止のための新規提供を展開させた過去
の電子決済業務と Merchant Solutions ビジネス・ユニット( BU )のフィンテックに対する拠出によるもの
であった。プリペイドおよび発行ビジネス・ユニットについては、寄付事業(寄付および市場提供)の業
績は安定的であり、これらのバウチャーの販売場所の閉鎖により悪影響を受けた NIT の収益を上回り相殺し
た。
決済部門の費用 は、 391.4 百万ユーロとなり、6%増加( 21 百万ユーロ増)した。これは、人的投資およ
び IT 投資、特に費用管理のために実施された活動に関連した 2020 年における戦略プロジェクト( PPG グルー
プ決済プログラム)の立上げによるものであった。
全体として、 営業総利益 は 25 %減少して 39.3 百万ユーロとなった。
税引前利益は 、 2019 年と比較して、 17 %減少して 41.7 百万ユーロとなり 、 ROE は 1.8 ポイント減少して
7.3 %となった。
⑤ コーポレートセンター
変動
2020 年と 2019 年との比較
2019 年
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 プロフォーマ 現行
純収益 (54) 120 (145.4) %
Algeria 57 71 (19.5) %
NPE 3 (10)
事業横断型機能 (114) 59
銀行業務営業費用 (460) (540) (14.9) %
営業総利益 (514) (421) 22.2 %
貸倒引当金繰入額 (8) (8) (0.8) %
営業純利益 (522) (429) 21.8 %
関連会社 0 0
その他の資産に係る損益 3 687 (99.6) %
のれんの価値の変動 11 8 38.3 %
税引前利益 (508) 266 (290.7) %
コーポレートセンターの 純収益 は、 2019 年 12 月末現在のプラス 120 百万ユーロと比較して、 2020 年 12 月末
現在では合計マイナス 54 百万ユーロとなった。
A Natixis Algérie
恒常為替レートでは、 2019 年と比較して、短期平均貸付残高は 11 %減少し、中期および長期貸付残高は
4%減少した。これは、 COVID-19 の影響ならびにアルジェリアの経済および政治状況により不利となった
ことによる。同期の顧客預金は、経常勘定の流入額および新規の定期預金申込みの増加により5%増加し
た。
オフバランスシートコミットメントは3%増加したが、これは主に、年間を通じた(特に大企業の自動
車および家庭電化製品部門における)信用状の増加によるものであった。
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Natixis Algérie は、 2019 年と比較して 19 %減の 56.8 百万ユーロの 純収益 を計上した。為替レートの影響
を除くと、純収益は 13 %減少した。これは主に、アルジェリア政府による 2020 年3月 24 日以降の外国為替
取 引に係るマージンを(1%から) 0.10 %まで引き下げる旨の決定を受けた外国為替取引に関する手数料
収入に起因したものであった。
リスク費用 は、マイナス 5.2 百万ユーロを計上し、 2019 年と比較して 3.2 百万ユーロ減少した。
B Natixis Private Equity ( NPE )
2020 年、 Natixis Private Equity (ランオフ)は撤退戦略を追求し、その事業規模を 19 %縮小させた。
2019 年と比較して、キャッシュアットリスクの コミットメント は 23 %減少し、 40.5 百万ユーロとなった
(主にベンチャー・ファンドの減価償却の影響に起因する。)。オフバランスシートコミットメントは、
2019 年と比較して2%減少し、 13.4 百万ユーロとなった。
純収益 は、 2019 年と比較して 12.9 百万ユーロ増加し、 2.6 百万ユーロ(主に 2020 年上半期における 11 百万
ユーロの EMZ 6ファンドの成功報酬の分配)となった。
C 横断型機能
事業横断型機能は、 2019 年 12 月末現在のプラス 59 百万ユーロと比較して、 2020 年 12 月末現在は合計マイ
ナス 114 百万ユーロの 純収益 を計上した。
・ ドル建ての超劣後債の為替レートの変動は、前年のプラス 19 百万ユーロと比較して、 2020 年末現在
はマイナス 86 百万ユーロとなった。
・ FVA ヘッジは、 2019 年末現在のプラス 17 百万ユーロと比較して、 2020 年末現在ではプラス 10 百万ユー
ロであった。
これらの項目を除くと、 2019 年のプラス 23 百万ユーロと比較して、 2020 年の純収益はマイナス 38 百万
ユーロとなり、基本的に以下により構成される。
・ トレジャリーおよび ALM 業務からの収益は、残高の償却が終了したこと、ならびに為替および金利の
影響により減少した。
・ 大部分が Groupe BPCE に関連した事業体への支援業務による再請求費用である。
コーポレートセンターの 費用 は、 2019 年末現在の 540 百万ユーロと比較して、 2020 年末現在は合計 460 百
万ユーロとなった。
・ 2019 年の 170 百万ユーロに対し、 2020 年は合計 165 百万ユーロとなった単一破綻処理基金への拠出
金。
・ かかる項目を除くと、 2020 年の費用は、 2019 年の 371 百万ユーロと比較して、合計 294 百万ユーロと
なった。これらは主に以下で構成される。
・ 2020 年において、ナティクシスの事業分野に対する支援業務の再分配純額である 147 百万ユーロ
の費用。これは、 2019 年と比較すると 74 百万ユーロの減少となったが、かかる減少は危機的状
況における預貯金に起因したものであった。 2020 年において 109 百万ユーロとなったかかる費用
の差額は、 BPCE S.A. に対するリテール・バンキング事業の売却を受けて設置されたサービスの
一部として、基本的に BPCE の事業体に再請求された。
・ 事業横断型費用は、 2019 年と比較して 14 百万ユーロ増加して、 120 百万ユーロとなった。これは
主に、税目に関連している。
営業総利益 は、 2019 年末現在のマイナス 420 百万ユーロと比較して、 2020 年末現在はマイナス 514 百万
ユーロとなった。
コーポレートセンターの リスク費用 は、主にアルジェリアの関連により、 2020 年は、 2019 年と同様に、
マイナス8百万ユーロとなった。
税引前利益 は、 BPCE S.A. に対するリテール・バンキング業務の売却による資本拠出により、 2019 年末現
在のプラス 267 百万ユーロと比較して、 2020 年末現在はマイナス 508 百万ユーロとなり、その他の資産に係
る利益においてプラス 697 百万ユーロで計上されたことを示している。
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⑥ リスク費用
2020 年 12 月 31 日現在の貸倒引当金繰入額はマイナス 851 百万ユーロとなり、そのうちマイナス 685 百万
ユーロが不良債権であり、マイナス 166 百万ユーロが正常債権であった。 2019 年 12 月 31 日現在、貸倒引当金
繰入額はマイナス 330 百万ユーロとなり、そのうちマイナス 345 百万ユーロが不良債権であり、 15 百万ユー
ロが正常債権であった。
部門別の貸倒引当金繰入額合計
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日
資産運用およびウェルス・マネジメント (27) (8)
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング (819) (312)
保険 0 0
決済 3 (2)
その他 (8) (8)
貸倒引当金繰入額合計 (851) (330)
Coface の事業体 0 (2)
貸倒引当金繰入額合計 (851) (332)
地理的地域別の貸倒引当金繰入額合計( 2019 年、 Coface を除く。)
( 単位:百万ユーロ ) 2020 年 12 月 31 日 2019 年 12 月 31 日
欧州、中東およびアフリカ (386) (193)
中央およびラテンアメリカ (83) (33)
北米 (153) (96)
アジアおよびオセアニア (229) (8)
貸倒引当金繰入額合計 (851) (330)
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別表 - 連結決算
1‐ 2020 年度連結決算として再分類された経営業績
経常外項目
コーポレー
資産運用
2020 年
ト・バンキ
および
インベス ングおよび コーポ
2020 年
ター・リ ウェル インベスト レート
( 単位:百万 修正 Coface の
レーション ス・マネ メント・バ セン 2020 年
ユーロ ) ズ ジメント ンキング 保険 決済 ター Coface 再表示 再分類 公表値
純収益 7,405 0 (14) (86) 7,306 7,306
銀行業務
(5,727) (46) (11) (7) (37) (5,828) (5,828)
営業費用
営業総利益 1,678 (46) (11) (14) (7) (123) 1,478 1,478
貸倒引当金繰入額 (851) 0 (851) (851)
営業純利益 827 (46) (11) (14) (7) (123) 626 626
関連会社 17 (23) 0 (6) (47) (53)
その他の資産
6 (48) 0 (42) (146) (187)
に係る損益
のれん価値
0 0 0 0
における変動
税引前利益 850 (93) (11) (37) (7) (123) 579 (192) 386
所得税 (260) 10 3 4 2 37 (204) (204)
非支配持分 (83) 2 0 (81) (81)
Coface の寄与額 11 0 (203) (192) 192 0
報告対象の
純利益 517 (81) (8) (33) (5) (86) (203) 101 101
グループ持分
費用収益比率 77.3 % 79.8 % 79.8 %
2‐ 2019 年度連結決算として再分類された経営業績
経常外項目
コーポレー
資産運用
ト・バンキ
2019 年 および
ングおよび コーポ
2019 年
インベス ウェル インベスト レート 処分によ
( 単位:百万 修正
ター・リレー ス・マネ メント・バ セン る影響の Coface の 2019 年
ユーロ ) ションズ ジメント ンキング 保険 決済 ター Coface 再表示 範囲 再分類 公表値
純収益 8,466 0 19 8,485 22 712 9,219
銀行業務
(6,036) (9) (27) (6) (5) (33) (6,115) (22) (517) (6,655)
営業費用
営業総利益 2,430 (9) (27) (6) (5) (14) 2,369 0 195 2,564
貸倒引当金繰入額 (330) 0 (330) 0 (2) (332)
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営業純利益 2,100 (9) (27) (6) (5) (14) 2,039 0 193 2,232
関連会社 21 0 21 0 0 21
その他の資産
2 (15) 697 685 0 2 687
に係る損益
のれん価値
0 0 0 0 5 5
における変動
税引前利益 2,123 (9) (42) (6) (5) 684 2,745 0 200 2,945
所得税 (556) 3 7 2 2 (74) (616) 0 (53) (669)
非支配持分 (262) (33) (295) 0 (84) (380)
Coface の寄与額 65 0 (2) 62 0 (62) 0
報告対象の
純利益 1,370 (6) (34) (4) (3) 577 (2) 1,897 0 0 1,897
グループ持分
費用収益比率 71.3 % 72.1 % 72.2 %
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( ⅲ ) Natixis S.A. に関する情報
(a) Natixis S.A. の親会社の損益計算書
2020 年 2019 年
2020 年/ 2020 年/ 2020 年/
2019 年 2019 年 2019 年
Natixis Natixis
フランス フランス
( 単位:百万ユーロ ) 本土 % 支店 % S.A. % 本土 支店 S.A.
純収益 2,125 (14) 1,020 (30) 3,145 (20) 2,478 1,452 3,930
営業費用 (1,775) (7) (634) (13) (2,409) (9) (1,906) (732) (2,638)
営業総利益 350 (39) 386 (46) 736 (43) 572 720 1,292
リスク費用 (292) (6) (402) 244 (694) 62 (312) (117) (429)
営業純利益 58 (78) (16) (103) 42 (95) 260 603 863
固定資産に係る損益 (100) (108) (10) (1,100) (110) (109) 1,258 1 1,259
税引前利益 (42) (103) (26) (104) (68) (103) 1,518 604 2,122
所得税 227 4 (16) (84) 211 76 218 (98) 120
資金調達/一般銀行業務リス
クおよび規制条項による資金 0 N/A 0 N/A 0 N/A 0 0 0
調達の撤回
当期利益/(損失) 185 (89) (42) (108) 143 (94) 1,736 506 2,242
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの営業総利益はプラス 736 百万ユーロであり、純収益が 785 百万ユーロ
減少したことにより、営業費用が 229 百万ユーロ減少したにもかかわらず、 2019 年 12 月 31 日現在と比較して
556 百万ユーロの減少となった。
純受取利息は 225 百万ユーロ増加した。フランス本土の事業は 354 百万ユーロ増加し、海外支店については
129 百万ユーロ減少した。かかる純増加は、当年度中のリボルビング・クレジット・ファシリティ( RCF )の
貸出しおよびバニラ・ファイナンスの持続的商品によるものであった。手数料収入(純額)は、フランス本
土における 107 百万ユーロの増加および海外支店による事業の 58 百万ユーロの減少により、 49 百万ユーロ増加
した。手数料収入のこの変動は、オフバランスシート取引に係る手数料収入(純額)のプラス 165 百万ユー
ロ、顧客取引に係る手数料収入(純額)のマイナス 56 百万ユーロ、有価証券取引に係る手数料収入(純額)
のマイナス 53 百万ユーロおよび金融サービス取引または決済商品取引に係る手数料収入(純額)のマイナス
15 百万ユーロに分類できる。
ナティクシスの子会社により支払われた配当は 174 百万ユーロ減少したが、これには、特にマイナス 164 百
万ユーロの資産運用の子会社である Natixis Investment Managers からの配当の減少、マイナス 51 百万ユーロ
の Coface によって支払われた配当の減少および 79 百万ユーロの Natixis Assurances による増加が含まれる。
トレーディングポートフォリオ取引による収益は 567 百万ユーロ減少した。うち、マイナス 603 百万ユーロ
はフランス本土における業務に起因し、プラス 37 百万ユーロは海外支店で行われた取引に起因する。
投資ポートフォリオ取引による収益は 298 百万ユーロ減少した。うち、マイナス 224 百万ユーロはフランス
本土における業務に起因し、マイナス 74 百万ユーロは支店における業務に起因する。
営業費用は、 229 百万ユーロ減少した。これには、人件費のマイナス 114 百万ユーロ(変動報酬のマイナス
116 百万ユーロ)、費用削減プログラムに起因した再請求控除後の外部サービスのマイナス 109 百万ユーロな
らびに費用および税金のマイナス7百万ユーロが含まれる。
純貸倒引当金繰入額は、 265 百万ユーロ増加(そのうちプラス 285 百万ユーロは海外支店の業務)し、マイ
ナス 694 百万ユーロとなった。ポートフォリオに基づく引当金を除くと、 2020 年におけるリスク費用は、 2019
年のマイナス 324 百万ユーロと比較して、マイナス 667 百万ユーロとなった。これは、 COVID-19 の健康危機を
背景に、個人リスク費用において(特に航空輸送産業で)大幅な増加を示した。また、これには、ナティク
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シスが撤退を発表した、米国における石油およびガスの米国独立事業者の未払金に対する引当金の影響なら
びに特にアジアで確認されたクレジット詐欺に関連した影響も含まれる。
その結果、営業利益は、これらの項目によって 821 百万ユーロ減少し、プラス 42 百万ユーロとなった。
2020 年 12 月 31 日現在、固定資産に係る損益は、マイナス 110 百万ユーロとなり、 1,369 百万ユーロの減少と
なった。 2019 年の残高は主に、前専門金融サービス部門であった、保証および金融保証、リース、ファクタ
リング、消費者金融ならびに証券管理業務の事業を BPCE へ売却したことによるキャピタル・ゲイン 1,092 百万
ユーロに相当する。 2020 年の残高には、特に Coface の証券の引当金によるマイナス 38 百万ユーロが含まれ
る。
税引後純利益は、 2019 年がプラス 2,242 百万ユーロであったのに対し、プラス 143 百万ユーロとなった。
2020 年 12 月 31 日現在、貸借対照表は、 2019 年 12 月 31 日現在の 438,497 百万ユーロに対し、合計 345,669 百万
ユーロとなった。かかる大幅な減少は、主に証券借入の表示に対する ANC 規制第 2020-10 号の適用によるもの
であり、 2019 年の貸借対照表においてマイナス 66,577 百万ユーロのプロフォーマへの影響があった。また、
保険料の表示変更により、 2019 年の貸借対照表においてマイナス 16,416 百万ユーロのプロフォーマへの影響
があった。
(b) 利益分配案
2020 年 12 月 31 日現在のナティクシスの財務諸表において、純利益は 142,691,880.31 ユーロの黒字であり、
利益剰余金の 3,250,193,296.65 ユーロを考慮すると、分配可能利益は 3,392,885,176.96 ユーロである。
2021 年5月 28 日の株主総会では、第3号決議に関し、以下を決定した。
・ 普通配当として 189,357,090.12 ユーロを支払う。
・ 残余分配可能金(すなわち 3,203,528,086.84 ユーロ)を剰余金として割り当てる。
(c) 節倹費用および控除不適用の費用
フランス一般租税法典第 223 条の4および第 223 条の5の規定に従い、過年度の財務諸表には、課税所得か
ら控除不適用である節倹費用は含まれていないことに留意すべきである。
(d) 支払条件
フランス商法第 D.441- 4条に準じて、サプライヤーに対する債務のうち受理済だが報告日現在において未
払いとなっているものの満期別分類(総額 45.1 百万ユーロ(税込)である。)は以下のとおりである。
支払遅延のトランシェ
( 1日以上の )
0日
( 参考 ) 1日から 30 日 31 日から 60 日 61 日から 90 日 91 日以上 合計
影響を受けた債務総額(税込)
( 単位:百万ユーロ ) 43.8 0.8 0.1 0.1 0.3 1.3
当期の購入額合計(税込)に対す
る割合 2.68 % 0.05 % 0.00 % 0.00 % 0.02 % 0.08 %
影響を受けた債務数 770 101
この情報には、銀行取引および関連業務は含まれていない。
Natixis S.A. の顧客に関連する負債および債権については、満期別資産および負債に関する、その残存満
期の情報を記載する「第6 経理の状況-1 財務書類- (2) 個別財務諸表-親会社財務諸表注記」の注記
37 を参照のこと。
( ⅳ ) 定義および代替業績指標
Coface の持分の 29.5 %を処分して同社を連結対象から除外したことを反映するため、ナティクシスの損益
計算書の表示が修正された。 Coface の残存寄与額は、損益計算書の下部に別途表示されている。金融投資の
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その他の構成要素( Natixis Algérie 、ランオフされた設備投資)は、現在はコーポレートセンターに組み込
まれている。この経営報告書の公表における比較可能性を担保するため、 2019 年の数値は、新組織に従い表
示 される。
なお、銀行業務の分離に係るフランスの法の要件を遵守するため、以前はグローバル・マーケッツの一部
であった、短期トレジャリーおよび担保管理の業務は、 2017 年4月1日に財務部門に移された。ただし、互
換性を確保するために、経営報告書において CIB に言及する場合には CIB ならびに短期トレジャリーおよび担
保管理業務を指すものとする。
さらに、 部門の業績の評価 に利用される基準は、ニュー・ディメンション計画について定義された以下の
基準である。
・ バーゼル3の平均リスク加重資産の 10.5 %に基づく事業分野に分配される規制上の自己資本
・ 2%の資本利益率
なお、ナティクシスの事業分野の収益は、バーゼル3の規制枠組に従って表示されている。保険事業に特
有である資本配分は、 CRD 4および CRR (「デンマーク妥協」)に置き換えられたとおり、保険会社の投資の
ためのバーゼル3の会計上の取扱いに基づいている。
様々な事業分野によって創出された利益を断定するために適用される規則 は、以下のとおりである。
・ 割り当てられた規制上の自己資本の利益率を各事業部門が記録していること。慣例により、標準自己
資本の利益率は、2%である。
・ 各部門を構成する事業体の発行済株式資本利益率が除去されていること。
・ Tier 2劣後負債の費用が、それぞれの規制上の自己資本に比例して各部門に請求されていること。
・ 各部門にナティクシスの諸経費の大部分についての金額の請求書が送られていること。請求書が送ら
れない部分は、ナティクシスの諸経費合計の3%未満(単一破綻処理ファンド( SRF )を除く。)であ
る。 SRF 拠出金はコーポレートセンターが負担し、各部門には再請求されない。
超劣後債務( DSN )は持分金融商品として分類され、すなわち、かかる商品に係る利息費用は、損益計算書
において認識されていない。
ナティクシスおよび各事業分野の ROE および ROTE は、以下のとおり計算される。
・ ナティクシスの ROE を求めるために使用される利益の測定値は、純利益(グループ持分)から DSN の税
引後利息費用を差し引いたものである。株式資本は、 IFRS が定義した平均グループ持分株主資本であ
り、配当金を支払い(平均 ハイブリッド負債 を除く。)、株主資本として認識される未実現または繰
延の損益( OCI )を除いた後のものである。
・ 事業分野の ROE の計算は、以下に基づく。
・ 分子に関しては、事業分野の税引前利益。前述の規則のとおり、これに対して標準税率が適用さ
れる。標準の税率は、ナティクシスの企業が事業を行う法域における納税義務の条件を考慮し
て、各部門について決定される。これは年に1度決定され、当年度における繰延税金に関連する
潜在的な変更については考慮に入れていない。
・ 分母に関しては、部門に割り当てられた RWA の 10.5 %の基準で計算された標準自己資本と事業分野
に関連するのれんおよび無形資産を足した額。
・ ナティクシスの ROTE は、分子に関しては、純利益(グループ持分)から税引後の優先株に係る DSN の支
払利息を除いた額を用いて計算される。使用される株主資本は、 IFRS に従った平均株主資本(グルー
プ持分)であり、配当金を支払い、平均ハイブリッド負債、平均無形資産および平均のれんを除いた
後のものである。
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 5.22 も参照のこと。
4 【経営上の重要な契約等】
上記「第2 企業の概況-3 事業の内容」ならびに「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析- (3) 財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこ
と。
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5 【研究開発活動】
該当事項なし。
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第4 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 5.7 および注記 7.10 を
参照のこと。
2 【主要な設備の状況】
上記「1 設備投資等の概要」を参照のこと。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第5 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
① 【株式の総数】
授 権 株 数(株) 発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
3,155,951,502 株
( 注 ) ( 注 )
( 2020 年 12 月 31 日現在)
( 注 ) フランス法上、未発行の授権株式という概念はない。しかしながら株主から取締役会への委託により発行される株
式という概念がある。当行の株主は、一定の額および期間において新株または持分証券を発行する権限を取締役会
に与えることができる。
② 【発行済株式】
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名又は
種 類 発行数(株) 内 容
額面・無額面の別 登録認可金融商品取引業協会名
当行の株式は、株主の判断に
より、記名式または識別可能 議決権に
3,155,951,502 株
な無記名式のいずれかの形式 普通株式 ユーロネクスト・パリ 制限のない
( 2020 年 12 月 31 日現在)
とする。(1株の額面金額 株式
1.60 ユーロ)
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 5.16 を参照のこと。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
過去5年間における株式資本の推移
下記の表は、過去5年間における当行の株式資本の推移を示している。
事業年度当初 事業年度中 事業年度末 資本金
における株式数 の新規株式数 における株式数 ( 単位:ユーロ )
2016 年 3,128,127,765 8,946,815 3,137,074,580 5,019,319,328.00
2017 年 3,137,074,580 285,658 3,137,360,238 5,019,776,380.80
2018 年 3,137,360,238 12,928,354 3,150,288,592 5,040,461,747.20
2019 年 3,150,288,592 2,789,890 3,153,078,482 5,044,925,571.20
2020 年 3,153,078,482 2,873,020 3,155,951,502 5,049,522,403.20
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下記の表は、各企業活動の株式プレミアムの金額の詳細である。
増資時の
資本金 株式プレミアム
事業年度 日付 株式数 ( 単位:ユーロ ) ( 単位:ユーロ )
2013 年 1月1日 3,086,214,794 4,937,943,670.40
無償株式割当 5,640,766 9,025,226
増資における従業員向け株式の発行 8,439,630 13,503,408 10,127,556
12 月 31 日 3,100,295,190 4,960,472,304.00
2014 年 1月1日 3,100,295,190 4,960,472,304.00
無償株式割当 6,261,106 10,017,769.60
増資における従業員向け株式の発行 9,951,325 15,922,120 24,291,184.33
12 月 31 日 3,116,507,621 4,986,412,193.60
2015 年 1月1日 3,116,507,621 4,986,412,193.60
無償株式割当 3,114,520 4,983,232
増資における従業員向け株式の発行 8,505,624 13,608,998.40 31,428,280.68
12 月 31 日 3,128,127,765 5,005,004,424
2016 年 1月1日 3,128,127,765 5,005,004,424
無償株式割当 957,368 1,531,788.80
増資における従業員向け株式の発行 7,989,447 12,783,115.20 13,390,313.18
12 月 31 日 3,137,074,580 5,019,319,328
2017 年 1月1日 3,137,074,580 5,019,319,328
無償株式割当 285,658 457,052.80
12 月 31 日 3,137,360,238 5,019,776,380.80
2018 年 1月1日 3,137,360,238 5,019,776,380.80
無償株式割当 945,549 1,512,878.40
増資における従業員向け株式の発行 11,982,805 19,172,488 40,765,502.61
12 月 31 日 3,150,288,592 5,040,461,747.20
2019 年 1月1日 3,150,288,592 5,040,461,747.20
無償株式割当 2,789,890 4,463,824
12 月 31 日 3,153,078,482 5,044,925,571.20
2020 年 1月1日 3,153,078,482 5,044,925,571.20
無償株式割当 2,873,020 4,596,832
12 月 31 日 3,155,951,502 5,049,522,403.20
権利確定期間の無償株式
下記の表は、過年度における権利確定期間中に付与された無償株式の詳細である。
2016 年5月 24 日 2016 年5月 24 日 2016 年5月 24 日 2016 年5月 24 日 2016 年5月 24 日 2016 年5月 24 日
株主総会の開催日
(第 19 号決議) (第 20 号決議) (第 19 号決議) (第 19 号決議) (第 20 号決議) (第 19 号決議)
取締役会の開催日(付与日) 2017 年5月 23 日 2018 年4月 13 日 2018 年5月 23 日 2018 年8月2日 2019 年4月 12 日 2019 年5月 28 日
(a)
79,369 3,389,678 69,685 13,605 2,600,406 105,128
付与された株式の合計
(c)
2020 年3月1日
(c)
(b)
2021 年3月1日 2021 年3月1日
2021 年5月 23 日 2022 年5月 23 日 2022 年5月 22 日 2023 年5月 28 日
権利確定日
2022 年3月1日
2021 年4月 13 日
2023 年4月 13 日
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(a) 業務執行役員に対して付与された株式の詳細については、「3 コーポレート・ガバナンスの状況等-(1)コー
ポレート・ガバナンスの概要- (4) 執行役の各種報酬および手当の決定に関して策定された方針および規則- (b)
取 締役会会長および最高経営責任者に対する 2020 年の各種報酬および手当-⑤ AMF 勧告に従った規格表(表 10
( AMF ))」を参照のこと。
(b) 当該制度に規定された勤続要件および業績条件を満たすことを条件としている。
(c) 受益者により株式の権利確定のスケジューリングがなされる。
2020 事業年度に交付された保有期間の無償株式
下記の情報は、最高経営責任者の決定により、 2020 事業年度中に記録された、受益者による取得確定後
の保有期間中の無償株式の詳細である。
・ 2017 年計画に関して、 2017 年4月 10 日付役会において、取締役会は、 2016 年5月 24 日付の共同株主
総会、第 20 号決議において付与された権限に基づき、ナティクシスおよび子会社の一定の従業員な
らびにナティクシスの最高経営責任者に合計 3,012,307 株の無償株式を割り当てることを決定し
た。本割当の最後のトランシェの権利確定期間は、 2020 年3月1日に終了した。 2018 年計画に関し
て、 2018 年4月 13 日付役会において、取締役会は、 2016 年5月 24 日付の共同株主総会、第 20 号決議
において付与された権限に基づき、ナティクシスおよび子会社の一定の従業員ならびにナティクシ
スの最高経営責任者に合計 3,389,678 株の無償株式を割り当てることを決定した。本割当の最初の
トランシェの権利確定期間もまた、 2020 年3月1日に終了した。
その結果、 2020 年3月1日付の決定において 、最高経営責任者は、取締役会により付与された権限
に基づき、 2017 年計画に関して1株当たり額面金額 1.60 ユーロの 1,850,703 株の新規発行を通じた
2,961,124.80 ユーロおよび 2018 年計画について1株当たり額面金額 1.60 ユーロの 917,310 株の新規
発行を通じた 1,467,696 ユーロの準備金の資産計上による増資を認識した。これにより、当行の資
本金は、 5,044,925,571.20 ユーロから 5,049,354,392 ユーロに増加した。
・ 2016 年7月 28 日付役会において、取締役会は、 2016 年5月 24 日付の共同株主総会、第 19 号決議にお
いて付与された権限に基づき、 2016 年計画に基づく合計 151,283 株の無償株式をナティクシスの上
級経営委員会委員に割り当てることを決定した。これらの株式の権利確定期間は、 2020 年7月 28 日
に終了した。
その結果、 2020 年7月 28 日付の決定において 、最高経営責任者は、取締役会により付与された権限
に基づき、1株当たり額面金額 1.60 ユーロの 105,007 株の新規発行を通じた 168,011.20 ユーロの準
備金の資産計上による増資を認識し、これにより当行の資本金は、 5,049,354,392 ユーロから
5,049,522,403.20 ユーロに増加した。
Mauve 従業員持株制度
Mauve 制度は、取締役会が決定する範囲( Natixis S.A. およびその子会社ならびに支店から構成され
る。)に含まれる会社の従業員で、ナティクシス従業員貯蓄制度およびナティクシス海外従業員貯蓄制度
に登録している従業員のための制度である。当該スキームはまた、かかる範囲に含まれる会社の退職者お
よび退職前の者が利用可能である。
Mauve 制度の下、受益者はナティクシス内の既存の制度の規定に従って有利な条件かつ従業員拠出の給付
付きでナティクシスの株式(または海外受益者の場合には類似の代替物)を購入することができる。
Mauve 制度に投資した金額は、フランスにおいて従業員貯蓄制度に適用される早期解除の場合を除き、5
年間ロックアップされる。当該期間は、フランス国外において現地の法規制および提案された代替案に基
づき短縮されることがある。
ナティクシスの従業員の利益を長期に渡るナティクシスの成長および収益と合致させることを目的とし
て、ナティクシスの取締役会は、ナティクシスの従業員向けの Mauve 従業員持株制度に基づく優先引受権の
ない増資を 2013 年から 2016 年(同年を含む。)および 2018 年に再び行うために株主総会で付与された権限
を行使することに合意した。
2019 年5月 28 日付の決議において、共同株主総会は、株式の発行または従業員貯蓄制度の参加者向けの
資本準備金につながる証券の発行を通じて、資本金を1段階または複数段階( 50 百万ユーロを上限とす
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る。)増加させるかどうかの決定に関して取締役会に付与された権限を更新した。また、株式の発行を行
う権限の委任は、かかる総会の開催日から 26 ヶ月間有効となる旨が規定された。
ナティクシスの取締役会は、 2020 年において当該権限を行使しなかった。
(4)【所有者別状況】
下記「(5)大株主の状況」を参照のこと。
(5)【大株主の状況】
2020 年 12 月 31 日における資本金の配分
2020 年 12 月 31 日におけるナティクシスの主要株主は以下のとおりであった。
資本に
占める 議決権
氏名又は名称 住所 所有株式数(株) 割合 の割合
パリ・セデックス 13 、 75201 、
(注
70.66 %
BPCE S.A.
2,227,221,174 70.57 %
ピエール・マンデス-フランス通
3 )
り 50 番地
(注1 )
従業員株式 該当なし 97,166,403 3.08 %
3.08 %
うち、フランス商法
第 L.255-102 条の意義の範囲
該当なし 77,715,536 2.46 % 2.47 %
(注2 )
内における従業員持株
パリ、 75015 、ブルバール・パス
Amundi 48,622,900 1.54 % 1.54 %
ツール、 91-93
ニューヨーク州、イースト 55 、 52
BlackRock, Inc.
43,152,400 1.37 % 1.37 %
ストリート
自己株式 該当なし 4,014,663 0.13 % 0.00 %
流通株式 該当なし 827,549,262 26.22 % 26.26 %
( 注1 ) うち 0.92 %は、従業員のために留保される資本の増加(以下「 FCPE Mauve 」という。)を通じて保有され、う
ち 0.78 %は、従業員および元従業員による従業員貯蓄制度外で保有され、またうち 1.38 %は、 Groupe BPCE の株
式保有者を含む、 BPCE Actions Natixis のファンドに基づき保有されている。
( 注2 ) フランス商法第 L.225-102 条に言及される株式は、株主を代表する取締役を指名する申立が行われる基準値を決
定する役割を果たす( FCPE Mauve 、無償株式割当制度に基づいて保有される株式(マクロン法第 2015-990
条)、 Groupe BPCE の株式を含む、 BPCE Actions Natixis のファンドに対して適用される。)。
( 注3 ) 議決権の割合には、ナティクシスの保有する自己株式が考慮されている。
当行の知る限り、 BPCE S.A. 、 Amundi および BlackRock, Inc. を除き、ナティクシスの資本または議決権の
1%以上を保有する株主は存在しない。
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2 【配当政策】
前期繰越損失を控除した各事業年度の最終利益のうち少なくとも5%が法定準備金として留保されるもの
とする。かかる規定は、当該準備金が当行の資本金の 10 分の1に達した場合には適用されなくなる。しか
し、当該準備金が資本金の 10 分の1を下回った場合は、再びこの留保が再開される。
利益残高は、利益剰余金とともに、法律により認められる範囲内で定時株主総会が自由に処分することが
でき、かつ、取締役会の提案により時期への繰越し、準備金への組み入れまたは一部もしくは全部の分配を
行うことができる分配可能利益を構成する。
定時株主総会は、利益剰余金または株主総会が自由に処分できる準備金から留保した額を分配することの
決定を行うこともできる。この場合、当該決定は、使用する準備金の勘定科目について明示しなければなら
ない。
定時株主総会決議により、分配配当金の全額または一部について、現金による配当または株式による配当
のいずれかを選択するオプションを与えることができる。株式配当の場合は、適用法令の規定に従って、当
行の株式を分配することにより配当金の支払いが行われる。
取締役会は、法律により認められる範囲内で、現金配当または株式配当のいずれかによる中間配当を実施
する決定を行うことができる。
年間配当金の支払いは、事業年度末日から9ヶ月以内の取締役会の定める時期に実施する。
2021 年5月 28 日に開催されたナティクシスの定時株主総会において、1株当たり 0.06 ユーロの配当支払い
が決議された。
株主のスコアカード
( 単位:ユーロ ) 2020 年 2019 年 2018 年 2017 年 2016 年 2015 年
1株当たり
(0.01) 0.56 0.47 0.50 0.41 0.41
(a)
利益
1株当たり
5.37 5.17 5.35 5.18 5.38 5.31
(b)
純資産
1株当たり
0.06 0.00 0.78 0.37 0.35 0.35
正味配当金
株式数 3,155,951,502 3,153,078,482 3,150,288,592 3,137,360,238 3,137,074,580 3,128,127,765
配当性向 該当なし 0 % 64 % 74 % 85 % 85 %
(c)
4.383 5.322 7.426 7.00 5.49 7.74
上限価格
(c)
1.6235 3.398 3.938 5.15 3.07 4.82
下限価格
(a) 当該期間中および超劣後債に係る純利息支払い(税引後)の計算後の平均株式数(自己株式を除く。)を用いて計
算した。
(b) 当該年度の 12 月 31 日における株式数ならびに 2015 年、 2016 年、 2017 年、 2018 年、 2019 年および 2020 年の配当後性向
を用いて計算した。
(c) 終値である。
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3 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
(1) 行動
(a) ナティクシスの行動規範
行動規範は、ナティクシスの上級経営委員会および取締役会により承認された。当該行動規範は、ナティ
クシスに常勤または臨時で雇用されるすべての個人またはフランス国内外を問わず、ナティクシスが 50 %以
上を保有する事業体に適用される。仕入先および請負業者についても、当該行動規範の原理に基づき、各ナ
ティクシスの事業体に適用される規定に従うよう義務付けられている。
当該行動規範は、2つの主要な項を含む。第一に、ナティクシスの義務(顧客の利益の優先、倫理、社会
に対する責任、ナティクシスおよび Groupe BPCE の評判の保護)を規定している。第二に、各職員が活動およ
び決定を行う際によりどころとなる指針を提示している。
これらの指針は、ナティクシスにおいて行われる活動および任務を表す例を用いて示されている。
当該行動規範は、ナティクシスのウェブサイト ( https://www.natixis.com/natixis/en/our-code-of-
conduct-rep_95743.html ) にて閲覧可能である。
専用の行動ガバナンス
専用委員会であるグローバル文化および行動委員会は、行動に関する事項のガバナンスについての責任を
負う。当該委員会は、最高経営責任者が議長を務め、ナティクシスの上級経営委員会の委員により構成され
る。当該委員会は、その義務および役割について規定した憲章により統制される。グローバル文化および行
動委員会は、ナティクシスの行動規範ならびにすべての子会社および直接の支店への行動規範の適用に関係
するすべての事項についての責任を負う。当該委員会は、当該規範の更新および個別の事例または業務上の
事例に関する決定等、行動規定に関する事項を監督し、定期的に監視する責任を有する。必要に応じて当該
委員会に助言を求めるための段階的な過程も整えられている。
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グローバル文化および行動委員会は、個別の事例の検討、 ESR の手続に係る承認および当該行動規範の普及
の監督のため会合を四半期ごとまたは臨時で開く。
運用システムのグローバルな実施
すべてのナティクシスの事業分野および支援部門は、それぞれの活動を行うにあたり、当該行動規範の原
理に適応する責任を有する。したがって、行動に関する事項は既存のまたは新設の行動委員会を通じて異な
る当行グループの事業体のガバナンスに含まれる。
各事業体の適用については、グローバル行動方針に示された規定で定められており、その概要は以下のと
おりである。
・ 行動規範により課された責任(特に、戦略上および業務上の判断に関係があることが確実な事項およ
び個人の行動に関する責任)
・ ガバナンスおよび報告に関する規定
・ リスク評価、指標の監視および管理システム
2020 年において、すべての委員会は、1回以上会合を開き、当該行動規範の観点から(人材、リスク、コ
ンプライアンスまたはその他の)不足事項を検討することにより、これらの不足事項が関係する従業員の年
次評価で考慮されたことを保証した。
すべての従業員は、行動規範で義務付けられた研修を完了する必要がある。
最後に、行動規範ならびに当該規範の原理を補完する方針および手続は、すべての状況に対する規則を網
羅するものではない。各自の任務に関してそれぞれが個人的な判断を行うことおよび注意深く職業倫理を示
すことは、各個人の責任である。
内部通報システム
内部通報手続は、行動システムの不可欠な部分である。これにより、不適切な行為または行動(違法行
為、非倫理的行動、行動規範または適用される方針および手続の違反)に気が付いた従業員は、ナティクシ
ス内の管轄組織へ通報し、法規制により規定された保証および保護を受けることができる。内部通報手続
は、以下の者に対して開かれている。
・ 現在ナティクシスと雇用契約(契約の種類または期間を問わない。)を締結しているすべての個人
・ ナティクシスと永続的にまたは不定期に協働する外部企業(仕入先または下請業者)の従業員
特に、適用ある法規制に依拠しつつ、以下の手続を整備することにより、警告を適時にモニタリングする
ことができている。
・ 通報の迅速な確認
・ 確認から 15 営業日以内に、通報された情報がさらなる調査対象となるかどうかについての通知
・ 確認から3ヶ月以内に、通報された情報に対処するための措置または、かかるプロセスが完了してい
る場合には情報に基づいて行われた(または行われなかった)措置の通知
かかる手続は、適用される規制に従い、内部通報者の保護(かかる内部通報者が公平かつ誠実に行為する
限りにおいて、いかなる状況にあっても懲戒処分やかかる通報に関する訴訟手続の対象とならない。)およ
び情報が確信を持って適切に取り扱われることを確保することを規定している。
当該内部通報システムは、ナティクシス全体に適用される最低限の基準を示す包括的な方針に基づいてい
る。各事業体、子会社および支店のそれぞれが各自の事業および現地の規制に対する包括的な方針を採用し
なければならない。
(2) 経営理念および安全性
(a) 利益の代表
2018 年において、ナティクシスは、政府機関および官僚に対する 責任あるロビー活動およびアドボカシー
活動に関する憲章 を採用した。当該憲章は、ナティクシスのウェブサイト ( https://www.natixis.com
/natixis/en/our-code-of-conduct-rep_95743.html) にて閲覧可能である。
当該憲章において、ナティクシスは、自身のロビー活動が行動規範ならびに適用される法律、規則および
規制に整合的かつ誠実であることを保証している。当該憲章は、ナティクシスの管理下にあるすべての事業
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体およびその従業員に適用される。当該憲章は、ナティクシスの広報部門およびその親会社である BPCE によ
り調整されるロビー活動およびアドボカシー活動をカバーしている。ナティクシスは、民主化したプロセス
が 正しく機能することを確保するためには、多様化した利益について対話することおよび敬意を持って議論
することが必要であると考えている。そのためにも、ナティクシスは、ナティクシスの事業および顧客への
対応能力に影響を及ぼす立法要件案および規制要件案に関して民間および政府官僚と対話を行っている。
ナティクシスは、管轄の欧州当局および国内当局に登録されており、適用される行動規範を遵守すること
を約束している。ナティクシスは、 2017 年以降、欧州透明性登録簿に含まれ、またフランスにおける公的生
活における透明性に係る最高機関へのロビイストの登録も行っている。
利益の代表に関する問題の調整は、会社秘書室の広報における専門チームにより監視されている。
本年において、広報活動の大部分を占める主要な分野横断的問題は、当行グループと緊密に連携して実施
している、グリーン・ファイナンスに関するものだった。本年、広報チームは当行グループを代表して、か
かる問題に関する 13 の協議会に参加した。
(b) 租税回避との闘い
ナティクシスは、自身の取引が税法および税規制を遵守していることを保証するための管理システムを実
施している。
すべての新商品および新規事業は、これらの法令の観点から承認を受けなければならない。さらに、ナ
ティクシスは自身の組織構造および運営について透明性のある報告を行い、また税金費用の決定要素をさら
に明確にするためにその収益性およびそれに伴う税金を国別ベースで開示している。ナティクシスはまた、
英国の歳入関税庁の銀行に対する課税の実施規則も採用している。
ナティクシスは、フランスおよび世界中の租税回避対策を意図した透明性規則を遵守している。そのた
め、ナティクシスは、居住書が海外で受領した収益に関する情報を税務当局に対して体系的に提供する自動
情報交換( EAI )の共通報告基準( CRS )、米国の納税者が保有する外国口座または事業体が関与する脱税を
防止することを目的とする米国の FATCA の基準 (「第3 事業の状況-2 事業等のリスク- (2) リスク管理
- (h) 不遵守リスク-③ 顧客および投資家の保護-顧客身元確認( KYC )」を参照のこと。) ならびに潜在
的に租税回避に積極的な性質を持つ取引の報告に関する欧州の基準である DAC 6を適用している。より一般的
には、ナティクシスは、 OECD が公表した国際的な課税基準( BEPS 計画)に準拠している。
概して、ナティクシスは専門家としての立場を維持し、事業を行う国のすべての税務当局と協力してい
る。
加えて、ナティクシスは、マネーロンダリング防止システムの中に、脱税に関する事項も組み込んでい
る。 (「第3 事業の状況-2 事業等のリスク- (2) リスク管理- (h) 不遵守リスク-④ ファイナンシャ
ル・セキュリティ」を参照のこと。)
(3) コーポレート・ガバナンスの管理および監督
(a) 取締役会
① 取締役会の構成および組織
2020 年 12 月 31 日現在ナティクシスの取締役会は 15 名からなる。その構成は下記のとおりである。
・ BPCE からの2名(ローラン・ミニョン氏およびカトリーヌ・ハルバーシュタット氏によって代表さ
れる BPCE )
・ Banques Populaires の銀行 からの 4名(アラン・コンダミナ氏、シルヴィ・ギャルスロン氏、フィ
リップ・ウルダン氏およびカトリーヌ・ルブラン氏)
・ Caisses d'Epargne の銀行からの4名(ダニエル・ド・ボールペール氏、ドミニク・デュバン氏、ニ
コール・エトシュゴワンベリー氏およびクリストフ・ピノー氏)
・ 独立取締役5名(アンヌ・ラルー氏、ベルナール・オプティ氏、カトリーヌ・パリゼ氏、ダイア
ン・ドゥ・サン・ヴィグトール氏およびニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏)
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フランス商法第 L.22-10- 5条、第 L.225-27- 1条および第 L.22-10- 7条に従い、ナティクシスの取締役会
には従業員兼取締役または従業員兼株主兼取締役はいない。しかし、社会経済委員の代表者2名が取締役
会の全会議に顧問として参加する。
ナティクシスの 定款 第9条によると、各取締役は任期中に少なくとも 140 株の当 行 株式を保有しなければ
ならない。さらに、 フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef ) コーポレート・ガバナン
ス・コードの勧告および取締役会の構成員に関するコンプライアンス憲章 (「② 取締役会の役割および権
限- B 取締役会構成員のコンプライアンス憲章」を参照のこと。) の第3条によると、取締役は、取締役
に就任して 18 ヶ月以内に、少なくとも 1,000 株の当 行 株式を保有することを求められる 。
フランス商法第 L.225-19 条に従い、 70 歳を超える取締役の数は在任の取締役の数の3分の1を超えては
ならない。 2 020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの取締役のうち、2名が 70 歳を超えている。
さらに、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレート・ガバナンス・コード
の 14.1 条に基づき、ナティクシスの取締役会の任期は4年である。
独立取締役
取締役会の構成員の3分の1が、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレー
ト・ガバナンス・コードに従って独立取締役である。 2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの5名の独立取
締役は、アンヌ・ラルー氏( Web School Factory の学部長および Innovation Factory の会長)、ベルナー
ル・オプティ氏(同氏が創設した Centaurus Capital Limited Fund の会長)、カトリーヌ・パリゼ氏(今
日において、同氏はその専門的な職務から離れている。)、ダイアン・ドゥ・サン・ヴィグトール氏
( Transocean の取締役)およびニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏( Groupe M6 の業務執行役員会会長)であ
る。
例年どおり、指名委員会により提出された報告書を受け、取締役会は、 2020 年 12 月 17 日のナティクシス
の取締役会において、各独立取締役について、専門分野、思考および表現の判断および自由、具体的に
は、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレート・ガバナンス・コードに推奨
されている独立基準および取締役会の社内規定の基準 (「② 取締役会の役割および権限 - A 法定要件およ
び取締役会の社内規定 」を参照のこと。) に関して調査を行った。
取締役会は、当行の独立取締役が取締役を務める会社がナティクシスまたはそのコーポレート・グルー
プとの間に重要な取引関係があるかどうかの評価を慎重に行った。
ナティクシスは「リファレンス・バンカー」(すなわち、「当行のすべての要件にとり重要な銀行
員」)のコンセプトを、取引関係の重要性の評価、ナティクシスへ依存している状況の特定、およびこれ
らの関係が取締役の判断の独立性に影響を及ぼしやすいかを最終的に判断する際に適用する。
かかる目的を達成するために、取締役会は広範にわたり、指数、基準およびパラメーターを分析し、こ
れにはバンキング、取引またはコンサルティング関係の期間、程度および性質、負債総額に対するコミッ
トメント額およびナティクシスの比重、ならびに当行の流動性要件が含まれる。
この調査に基づき、取締役会は、独立取締役が執行役員を務める、または専門業務を行う企業、特に、
Web School Factory 、 Centaurus Capital Limited および Groupe M6 について、ナティクシスが「リファレ
ンス・バンカー」に該当しないものと判断した。
ナティクシスは、これらの企業とほとんど、または全く取引関係がない。
さらに、現在まで、独立取締役は、取締役会のすべての構成員に適用されるコンプライアンス憲章に基
づき、他の会社で務める非業務執行役員に関して利益相反する立場にない。かかるコンプライアンス憲章
に基づき、独立取締役は、独立取締役が関与する利益相反を当行に通知し、前述のコンプライアンス憲章
の取扱いに関連するプロセスを遵守することを約束している。
したがって、ナティクシスの取締役会は、アンヌ・ラルー氏、ベルナール・オプティ氏、カトリーヌ・
パリゼ氏、ダイアン・ドゥ・サン・ヴィグトール氏およびニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏が必要な独立基
準を満たしていると判断した。
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(a)
ダイアン・ アンヌ・ラルー ベルナール・ カトリーヌ・ ニコラス・
査定基準
ドゥ・サン・ オプティ パリゼ ドゥ・
ヴィグトール タヴェルノ
過去5年間において、以下に該当し
ていないまたは該当していなかっ
た。
・ ナティクシスの従業員または業
務執行役員
OK OK OK OK OK
・ ナティクシスの連結会社の従業
員、業務執行役員または取締役
・ BPCE または BPCE の連結会社の従
業員、業務執行役員または取締
役
ナティクシスが直接的もしくは間接
的に取締役であるか、またはナティ
クシスの従業員もしくは業務執行役
OK OK OK OK OK
員が現在または過去5年間に取締役
である会社の業務執行役員を務めて
いないこと
当行もしくは当行グループの主要な
顧客、仕入先、コーポレート銀行、
投資銀行またはアドバイザーではな
いこと(またはこれらの者に直接的
OK OK OK OK OK
もしくは間接的に関係していないこ
と)、または当行もしくは当行グ
ループとの取引が事業の大部分を占
めていないこと
執行役の近親者ではないこと
OK OK OK OK OK
過去5年間に当行の監査人 を務めて
OK OK OK OK
いないこと
12 年(独立取締役の地位は、 12 年間
取締役を務めた後に消失する。)を
OK OK OK OK OK
超えて当行の取締役を務めていない
こと
ナティクシスまたは BPCE の主要株主
OK OK OK OK OK
を代表する取締役ではないこと
ナティクシスまたは当行グループか
ら現金または株式の形で変動報酬ま
OK OK OK OK OK
たは業績連動報酬を受けていないこ
と
(a) 「② 取締役会の役割および権限- B 取締役会構成員のコンプライアンス憲章」を参照のこと。
② 取締役会の役割および権限
A 法定要件および取締役会の社内規定
取締役会の職務は法律および定款により定められている。
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2020 年 12 月 17 日に採用された現行版の社内規定は、取締役会の運営に適用される規則を規定し、その構
成員の権利および職務を定めることで、法定要件を整える。 これらの規則は、ナティクシスのウェブサイ
ト ( www.natixis.com ) 上ですべて閲覧可能である。
取締役会は、特別委員会の補佐を受け、以下の事項に関わっている。
・ 戦略的方向性
取締役会は、当行の業務に関連した社会問題および環境問題を考慮した上で、企業の利益に基づ
き、当行の業務の方向性を決定し、それらの実行を取り計らう。当行の目的の範囲内および法律ま
たは定款により 株主 総会に付与される権限の範囲内で、取締役会は、当行の業績に影響を与える事
象を問題として取り上げ、その討議に基づいて当行を統制する。取締役会は、適当であると判断し
た場合、統制および検証を行う。
以下の多くの取引は、取締役会による事前承認の対象である。
・ 当行が現在行っていない新たな主要な事業を取り入れるためのナティクシスの活動の拡大
・ 当行グループの構造が変更される場合で、金額が 100 百万ユーロを超える株式の取得もしくは買
増し、投資、投資の撤収またはナティクシスもしくはその主要な子会社によるジョイントベン
チャーの設立
・ ナティクシスが関係する資産の譲渡、会社の統合またはスピンオフ
・ 財務書類
・ 取締役会が運用報告書を承認する。
・ 取締役会が翌年の予算案の検討を行う。
・ 取締役会が当行の親会社の財務書類および連結財務書類を検討および承認し、その正確性およ
び公正性を確保する。
・ 取締役会が、ナティクシスが公表および開示する過程ならびに公表および開示しようとする情
報の品質および信頼性の検証を行う。
・ 内部統制/リスク管理/コンプライアンス
・ 取締役会は、特に職務の分離および利益相反の防止の観点から、当行の経営幹部が監督メカニ
ズムを適切に実施していることを検証し、当行が効果的かつ健全に管理されていることを確保
する。
・ 取締役会は、フランス通貨金融法典第 L.511-55 条に規定されるとおり、ガバナンスの枠組を検
討し、定期的にその有効性を評価し、不備を改善する是正措置が講じられることを確保する。
・ 取締役会は、ナティクシスがさらされているかまたはさらされ得るリスク(経済環境により生
じるリスク、社会的リスクおよび環境リスクを含む。)を引き受け、これを管理、監視および
軽減させることを統制する方針および戦略を承認し、定期的に検討する。
・ 取締役会は、当行の最高リスク管理責任者の辞任/選任について報告を受ける。
・ ガバナンス
・ 法律および定款に基づき、取締役会会長は、取締役会を招集し議長を務め、その活動の計画お
よび管理を行う。取締役会会長は、株主総会の議長も務める。取締役会会長または最高経営責
任者は、各取締役が職務を遂行するのに必要なすべての書類および情報を提供することが求め
られる。
注意点として、信用金融機関の取締役会は、最高経営責任者が議長を務めることはできない。
・ 当行の定款第 15 条に定義される条件に基づき、取締役会は、取締役の中から、またはその他か
ら最高経営責任者の選任を行うことができる。また、最高経営責任者は、随時解任することが
できる。最高経営責任者は、代理する権限の有無にかかわらず、その権限を自ら選んだ執行役
員に委任することができる。
・ 取締役会は、エフェクティブ・マネージャー(フランス通貨金融法典第 L.511-13 条に定める意
味を有する。)を任命し、株主総会の招集、議案の設定および決定を実行する。
・ 取締役会会長の提案に基づき、取締役会または取締役会会長により検討を提案された問題につ
いて議論するため、自身の委員会を設置することができる。取締役会は、かかる委員会の構造
および権限を決定し、委員会は自身の責任の下で活動を行う。
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ナティクシスの企業目的の観点ならびにフランス商法第 L.823-19 条およびフランス通貨金融法
典第 L.511-89 条の規定に従って、取締役会は、監査委員会、リスク委員会、報酬委員会および
指 名委員会を設置しなければならない。
・ 取締役会の業績の評価に関して、社内規定は、少なくとも年1回、取締役会およびその特別委
員会の運営評価を議案とすることを規定しており、かかる報告はナティクシスの年次報告書に
記載されるものとする ( 2020 年の報告については、「④ 2020 年における取締役会の業績の評
価」を参照のこと。) 。
・ 取締役会は、コーポレート・ガバナンスの報告書を承認する。
・ 取締役会議事録は、有効な法令の規定に従って作成される。
・ 補償方針
・ 取締役会は、当行の報酬方針の一般原則を採択かつ検討し、その実行を監視する。
・ 取締役会は、取締役会会長、最高経営責任者および最高経営責任者代理の報酬の水準および条
件を、報酬委員会と協議の上で決定する。
・ 取締役会は、ナティクシスの報酬方針が現行の規則(特に当行の規制対象スタッフに関する規
則)をどの程度遵守しているかについて意見を表明する。
・ 取締役会は、株主総会により取締役に割り当てられた報酬の分配に関する規則を設定する。
B 取締役会構成員のコンプライアンス憲章
取締役会は、そのグッド・ガバナンスへのコミットメントを再確認するため、その構成員のためにコン
プライアンス憲章を採択した(社内規則に添付)。当憲章の目的は、コーポレート・ガバナンス原則の適
用およびナティクシスの取締役の最善な実務を推進することである。
就任を承諾する前に、ナティクシスの各取締役は、法規制、定款、社内規定、当憲章およびその他の拘
束力のある条文等により自身に課せられる一般的または具体的な義務について熟知していることを保証し
なければならない。
ナティクシスの取締役会の構成員は、下記に記載する当憲章に含まれるガイドラインを遵守することに
同意している。
第1条:出席
すべての取締役は、職務の遂行に十分な時間を割き注意を向けなければならず、取締役会、構成員を務
める委員会および株主総会に定期的に出席しなければならない。したがって、取締役は、取締役としての
回数および責務の水準に関連して、執行役をも務める場合は特に、要請される際に出席できることを保証
しなければならない。
第2条:取締役の職務および企業利益
各取締役は、すべての株主を代表し、常時ナティクシスの企業利益のために努力するものとする。取締
役は、ナティクシスの価値を保護し向上させる役割を担うものとする。
第3条:株式保有および透明性
各取締役は 少なくとも 1,000 株のナティクシスの株式を保有することが推奨される。 各取締役は 定款にお
いて規定される 140 株を 6ヶ月間 に取得し、その後 12 ヶ月間に保有株式を 1,000 株まで増加させる。
効力ある法律を遵守するため、各取締役が保有する株式は記名式でなければならない。
第4条:プロフェッショナリズムおよび効率性
取締役は、取締役会および特別委員会の同僚意識および業務の効率性に貢献する。取締役は、特に取締
役会の定期的査定の間、取締役会運営の改善に役立つと考えられる助言を行う。
取締役会のその他の構成員とともに、取締役は、指導および管理義務が効力ある法規制に従って行われ
るよう 注意 する。
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取締役は、取締役会が採る方針が、公式に決定され、妥当な根拠を有し、取締役会議事録に記載される
ことを保証する。
第5条:守秘義務
取締役会および委員会の構成員ならびに取締役会および委員会に出席するすべての個人は、審議におい
て 一般的な守秘義務を負う。
第6条:インサイダー取引の防止-内部情報
(委任された施行規則、市場濫用規則( MAR )とあわせて)欧州議会および理事会の規則 596/2014 に従っ
て、次のように規定される。
「内部情報とは、未公表で、1もしくは複数の発行者または1もしくは複数の金融商品に直接的または
間接的に関連し、公表された場合、当該金融商品または関連するデリバティブ金融商品の価格に著しい影
響を及ぼすとみられる性質を明確に持つすべての情報を指す。」
取締役会 がナティクシスの内部情報を得た場合、取締役ならびに取締役会および委員会に出席するすべ
ての個人は、以下のことを行わないものとする。
・ インサイダー取引(「インサイダー取引」とは、 ( ⅰ ) 内部情報を所有する者が、自己もしくは第三
者のために、かかる内部情報に関連する金融商品を直接的または間接的に売買するために内部情報
を使用すること、また、 ( ⅱ ) 内部情報に基づく推奨および勧誘であると認識しているまたは認識す
べきである場合に、当該推奨および勧誘を使用することを指す。)を実行することまたは実行しよ
うと試みること。
・ 他者にインサイダー取引の実行の推奨および勧誘を行うこと。
・ 内部情報を非合法的に開示すること。
上記のことを自制する義務は、ナティクシスにより発行されたまたは発行される予定の株式およびすべ
ての投資証券 ならびに これらの証券から分離することができる権利(先売権等)および原資産がナティク
シスにより発行された権利または証券であるデリバティブに関連する。
かかる自制義務は、内部情報が、ナティクシスが権利を持つまたは持つ可能性がある上場企業の証券に
関するもので ある 場合にも適用される。
また、かかる規制は、取締役が取締役会における業務の上で内部情報を入手し得るすべての上場企業に
も通用する。
取締役会の構成員は、それが近い関係を有する人物、特に以下の者がナティクシスの株式の取引を実行
する際のリスクについて知らされる。
・ 配偶者または国内法令に従って配偶者と同等であるとみなされるパートナー
・ 国内法令において扶養児童とされる者
・ 該当する取引の実行日において、少なくとも1年間同居していた親類
・ 法人、トラストまたはパートナーシップ
・ その経営責任が経営責任を果たす者またはその者に近い関係を有する者により果たされてい
る。
・ かかる者によって直接的または間接的に管理されている。
・ かかる者の利益のために設立されている。
・ その 経済的利益が、かかる者の経済的利益と実質的に同等である。
この よう な行為がなされた場合は、行政上および刑事上処罰される。
a) パーマネント・インサイダー
・ MAR 規則に従い、ナティクシスは、 AMF に提供されるパーマネント・インサイダーのリストに取締役
および監査人の名前を記載している。パーマネント・インサイダーとは、発行体が所有する内部情
報に、発行体におけるその職務または地位の性質により継続的にアクセスが可能な個人または法人
を指す。それぞれ取締役は、コンプライアンス部門長からの受領通知付の書面にて、かかるリスト
に名前が記載されていることについて通知を受ける。
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・ かかるリストに記載されていない個人は、法規制の遵守を免れるわけではなく、インサイダーの立
場になる可能性は否定されない。
・ ナティクシスの株式または債券およびその他の関連するデリバティブまたは金融商品の取引につい
て、取締役および監査人は、 Natixis S.A. のコンプライアンス・マニュアルの規定を、厳密に遵守
するものとする。
・ 特に、取締役および監査人は、「ネガティブ・ウィンドウ」としても知られている休止期間中、い
かなる取引も行わないことに同意するものとする。かかる期間は、四半期、半期および年次業績の
公表日の 30 暦日前から開始され、これらの財務書類の公表日に終了する。
b) 報告義務
・ 各取締役および監査人は、 MAR 規則に規定される条項に従い、当行株式の取引を行った場合は、当該
取引日から3営業日以内にナティクシスおよび AMF に申告しなければならない。
・ かかる報告義務は、 MAR 規則により定義される近い関係を有する人物にも適用される。
・ また、取締役および監査人は、毎年 12 月 31 日現在の保有株式数および実施されたすべての金融取引
をナティクシスに通知し、当行による当該情報の公開を可能にしなければならない。
・ また、ナティクシスは、フランス国内外のすべての当局(株式市場の規制当局等)に対する報告義
務を履行するために必要な情報(上場会社株式の取引に関するもの)を提供するよう、各取締役お
よび監査人に要求することができる。
第7条:独立性および利益相反
指名委員会は、利益相反の可能性について各取締役および監査人の状況を、彼らが最初に任命された時
および彼らの任期が更新された時に審査する。すべての取締役および監査人は、その任務の全期間を通じ
て、自己の利益とナティクシスの利益との間に生じ得る相反を防止するよう努める。したがって、取締役
および監査人は、すべての状況において判断、決断および活動を行う際、その独立性を維持するために努
力するものとする。取締役は、ナティクシスの企業利益(これを保護するのが取締役の権限である。)に
沿わないいかなる事象による影響も受けてはならない。
利益相反は、取締役または監査人が、ナティクシスの最善の利益になる意思決定を行い、以下のいずれ
かに関係なくその職務を遂行する能力を損なうおそれのある状況である。
・ 彼らの金銭的利害
・ ナティクシスの認定の株式投資の保有者との彼らの個人的な関係または職務上の関係
・ ナティクシスの従業員との彼らの個人的な関係または職務上の関係
・ その他の現在または過去に就いた地位
・ 外部の利害関係者との彼らの個人的な関係または職務上の関係
取締役または監査人がこれらの状況のいずれかに陥ることを避けることができない場合、当該構成員
は、自らが関与している利益相反について、取締役会会長または該当する場合はナティクシスの会社秘書
役に直ちに報告しなければならない。取締役または監査人は、直接または間接的に関係しているかどう
か、またどのような立場で関係しているかを明確に報告しなければならず、また利益相反の文書化に協力
しなければならない。
取締役会会長、または会社秘書役(該当する場合)は、利益相反が存在するか否かを決定し、関連当事
者契約手続の遵守を確実にする。
取締役または監査人は、もし自らが利益相反に陥ったことに気が付いた場合、当該構成員は、かかる利
益相反の分野に関連する取締役会または特別委員会(該当する場合)の議論への参加を差し控えなければ
ならない。その場合、当該構成員は、取締役会の議論および議決を棄権しなければならず、またかかる利
益相反の分野に関連する議事録の部分の承認には関与しない。
第8条:情報/研修
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すべての取締役は、取締役会および特別委員会の議案に関して役立つ活動を行うために必要な情報を知
り、それを適切な期間内に取締役会会長および/または所属する特別委員会の会長に対し要求しなければ
ならない。
さらに、すべての取締役は、必要な場合、当行が提供する研修モジュールに参加し、研修を受けなけれ
ばならない。
第9条:憲章の適用
ナティクシスの取締役会の構成員が、自己都合またはナティクシスの社内規定に関連するその他の理由
で、当憲章を遵守して業務を行うことができる立場ではなくなった場合、当該取締役は取締役会 会 長に通
知し、状況を修正するための方法を検討しなければならない。かかる方法が見つからない場合、業務の遂
行に関して、個人的に影響を受けるものとする。
ナティクシスの最高コンプライアンス責任者は、行動規範についての取締役会の各構成員からの質問に
回答するものとする。
C 取締役のインテグリティおよび利益相反
有罪判決の開示
ナティクシスが知る限りでは、取締役または上級経営陣はいずれも、少なくとも過去5年間に不正行為
で有罪判決を受けておらず、破産もしくは清算手続または管財人の管理下に入らず、公的機関または規制
当局による有罪判決および/または処罰を受けておらず、発行者の経営管理または監督機構の一員とし
て、または発行者の事業管理もしくは運営に参加する上で不適格とされていない。
利益相反
ナティクシスの取締役会の構成員は、 BPCE (ナティクシスの主要株主)および従業員または Groupe BPCE
内、特に Caisses d'Epargne および Banques Populaires の銀行でその他の仕事を持つ個人を含む。ナティク
シスおよびその子会社は、 BPCE および Groupe BPCE の企業との取引関係を維持している。
さらに、ナティクシスの取締役会の構成員は、ナティクシスまたはその子会社と取引銀行関係または取
引関係を維持することができる第三者グループに所属する独立取締役を含む。
ナティクシスが知る限りでは、これらの状況は、取締役の判断、決定および行為の独立性に影響を与え
ない。必要な場合、取締役会の社内規定およびコンプライアンス憲章は、取締役会のすべての構成員に利
益相反の解決システムを提示する。また、かかる構成員に対して取締役会会長(またはナティクシスの会
社秘書役)にあらゆる利益相反を通知することを要求し、また、取締役会および特別委員会でかかる利益
相反に言及する部分への参加を控え、対応する決議を棄権しなければならない。
さらに、ナティクシスに対する取締役会の構成員の職務と、個人的利益および/またはその他第三者に
対する職務との間には、潜在的な利益相反はない。
ナティクシスが知る限りでは、その条件に基づき便宜を図ることができ、または契約の性質上、当事者
の独立性を損なうかまたは決断を妨げることのあり得る、取締役会構成員または上級経営陣をナティクシ
スに拘束する役務契約を締結しない。
経営責任を果たす者または近い関係を有する者による AMF に開示されたナティクシスの株式取引の要約
以下の表は、フランス通貨金融法典第 L.621-18- 2条および AMF の一般規制第 223-22 条から第 223-26 条に
従って AMF に開示された 2020 事業年度における当行株式に関する執行役員の取引の要約を示している。
取引額
氏名 日付 取引 株式数
( 単位:ユーロ )
(b)
アンヌ・ルベル 2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 6,902 N/A
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 5,272 N/A
ジャン・フランソワ・
(b)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 21,436 N/A
レコア
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(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 10,148 N/A
(a)
2020 年7月 28 日 無償株式の権利確定( 2016 年 PAGA ) 9,492 N/A
(b)
ローラン・ミニョン 2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 35,894 N/A
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 28,258 N/A
(a)
2020 年7月 28 日 無償株式の権利確定( 2016 年 PAGA ) 37,970 N/A
アンドレ・ジャン・
(b)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 8,763 N/A
オリヴィエ
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 5,046 N/A
(a)
2020 年7月 28 日 無償株式の権利確定( 2016 年 PAGA ) 8,305 N/A
(b)
ジャン・レイビー 2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 188,457 N/A
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 27,126 N/A
(b)
フランソワ・リアイ 2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 37,656 N/A
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 18,525 N/A
ピエール・アントワー
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 8,030 N/A
ヌ・ヴァシュロン
(b)
マルク・ヴァンサン 2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2017 年 PAGA ) 39,195 N/A
(c)
2020 年3月2日 無償株式の権利確定( 2018 年 PAGA ) 18,525 N/A
(a)
2020 年7月 28 日 無償株式の権利確定( 2016 年 PAGA ) 11,272 N/A
(a) 2016 年7月 28 日の取締役会で承認された無償新株割当制度( 2016 年 PAGA )
(b) 2017 年4月 10 日の取締役会で承認された無償新株割当制度( 2017 年 PAGA )
(c) 2018 年4月 13 日の取締役会で承認された無償新株割当制度( 2018 年 PAGA )
雇用契約および/または業務委託契約
フランス商法第 R.22-10-14 II 5条に従い、いかなる取締役も当行との雇用契約および/または業務委
託契約に拘束されないことが規定されている。
D 現在の契約のための「規制」契約および評価手段
社内憲章
2013 年2月 17 日のナティクシスの取締役会において、 AMF 勧告 No.2012-05 に従い、ナティクシスの取締役
会は「関連当事者契約」に関する社内憲章を策定した。これは 2014 年 12 月 17 日に改訂され、 2014 年7月 31
日の指令 No.2014-863 による変更も含まれた。
かかる憲章は、フランス商法第 L.225-38 条の規定に従って「関連当事者契約」を設定する基準を定義す
る。
特に、法定監査人の特別報告書を踏まえ、取締役会の通知から株主総会による承認までの手続を定め
る。
2021 年2月 11 日、憲章が更新され、取締役会に承認を得るため提示および提出された。かかる更新は、
特に「 PACTE 」として知られる企業の事業成長および改革に関する 2019 年5月 22 日の法律第 2019-486 号に
従ったものである。そのため、通常の条件で締結された継続的な取引に関連する契約を評価するための手
順が含まれている。
2020 事業年度において承認されたおよび機密解除された規制契約
2020 事業年度中において、取締役は、 2つの新しい規制契約 を承認した。
・ 2020 年 12 月 17 日の会議において、フランス商法第 L.225-38 条に基づき、 ナティクシス (自身および
ナティクシスの子会社のために行動する。)と BPCE IT / ALBIANT IT との間の外部業務委託契約 を締
結した。この契約の目的は、ナティクシスに提供される IT プロダクション・サービスの品質を最適
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化し、向上させるために、ナティクシスのインフラストラクチャー、プロダクションおよびセキュ
リティ活動(以下「 IPS 」という。)と BPCE IT を組み合わせることにある。この契約は、「 IPS 」業
務 の移管に関する契約面(人員の移転、社会保障費の引受け)を整理し、移管された業務の運営に
必要な外部委託サービスを BPCE IT / ALBIANT IT がナティクシスに提供する際の条件を定めるもので
ある。 BPCE IT および ALBIANT IT が提供するサービスは、標準的な財務条件下で提供され、 BPCE IT
( GIE )のメンバー(ナティクシスを含む。)に対する通常の請求書発行システムの一部となってい
る。ナティクシスとしては、 BPCE IT と ALBIANT IT に共通の管理者であるニコール・エトシュゴワン
ベリー氏がいるため、この契約はフランス商法第 L.225-38 条に規定された規制契約に該当する。
・ 2020 年 6 月 23 日の会議において、 Ostrum Asset Management ( Natixis Investment Managers の子会
社)の中で、 Ostrum Asset Management と LBP Asset Management のユーロ・レートおよびクレジッ
ト・マネジメントの活動と専門知識、ならびに保険管理を統合することにより、 資産運用における
欧州の主要プレーヤーを創出するためのパートナーシップを正式に締結することを目的とした契約
(基本合意書) を締結した。
フランス商法第 L.225-40 条に基づき、審議に参加せず、また投票にも参加しなかった共通の役員は
以下のとおりである。
・ ローラン・ミニョン氏、 BPCE 社の経営委員会会長( BPCE は Natixis Investment Managers および
Ostrum Asset Management の取締役でもある。)および Natixis の取締役会会長。
・ カトリーヌ・ハルバーシュタット氏、 BPCE 経営委員会のメンバー( BPCE は Natixis Investment
Managers および Ostrum Asset Management の取締役でもある。)および Natixis の取締役会におけ
る BPCE の常任代表者。
・ アラン・コンダミナ氏、ナティクシスおよび Ostrum Asset Management の取締役。
・ クリストフ・ピノー氏、ナティクシスおよび Natixis Investments Managers の取締役。
・ フランソワ・リアイ氏、 BPCE の経営委員会メンバー、ナティクシスの最高経営責任者および
Natixis Investments Managers の取締役会会長。
取締役会は、この取引が、ナティクシスと La Banque Postale の間で、両社の資産運用事業の一部をジョ
イントベンチャーに統合することにより、フランスおよび欧州における保険運用事業の主要プレーヤーを
創出するというプロジェクト全体を実施することを目的としているという点で、当行の企業利益に照らし
て正当なものであると考えている。この契約は、 2020 年 6 月 28 日に締結された。
さらに、フランス商法第 L.225-40- 1条に基づき、 2020 年 12 月 17 日の取締役会において、 取締役会は過去
の事業年度に締結され認可された契約のうち、過去の事業年度においても実行されていた契約について検
討した。
かかる検討の終了後、取締役会は、
・ 2019 年2月 12 日にナティクシスの取締役会で承認されたスミス売却契約に関連する4つの契約
( TSA / SLA 、リバース TSA 、 TSA / SLA IT および期限切れのマンデート契約)の格下げを承認した。
・ 他の3つの規制契約(フランソワ・リアイ氏の最高経営責任者就任時に締結された契約、ナティク
シスによる BPCE が Arial CNP Assurance と締結した保険契約の遵守、および引受契約の承認)の失
効、終了、および満了を正式に記録した。
規制契約の情報は、株主総会で示される法定監査人の特別報告書に含まれる。
E 役員または大株主および被支配企業との間で締結された契約
2020 年6月 23 日に取締役会が規制契約として承認した基本合意書 (詳細は上記を参照のこと。) は、フ
ランス商法第 L.225-37- 4 ( 2 ) 条で規定される契約でもある。この契約は、ナティクシスの完全子会社であ
る Natixis Investment Managers 、ナティクシスおよび Natixis Investment Managers の子会社(出資比率
は 57 %)である Ostrum Asset Management が当事者であり、ナティクシスの株主(出資比率は 70.57 %)で
ある BPCE によって締結された。
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③ 2020 年における取締役会の業績
取締役会は、 2020 年に合計 15 回開催された。その構成員の出席率は、通年で 96 %( 2019 年は 91 %)で
あった。
議案に係るすべての書類は、招集通知に添付されるか、または取締役会開催前の合理的な期間内に、安
全な電子プラットフォームを通じて各取締役宛に送付または手渡される。これらの書類は、例外的に会議
において配布される場合がある。
最高経営責任者は、自身の報酬が議論された会議を除き、すべての取締役会に出席したため、取締役
は、重要な問題に関する最高経営責任者の意見を聞くことができ、関連すると考えられる質問をすること
ができた。
取締役会の議題に関する追加の情報を提供するため、最高財務責任者、会社秘書役に加え、要請があっ
た場合には1人または複数の事業分野担当部長が招集された。最後に、社会経済委員会の代表者も各取締
役会に招集された。
2020 年は、例外的な健康危機に見舞われ、例年よりも多くの会議が開催された。特に、取締役会は、重
要な活動の継続と従業員の保護という2つの目的のために、 BPCE と連携して 2020 年1月 21 日から実施され
た危機管理システムを監視した。
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2020 年に取締役会が取り組んだ主な議題は以下のとおりであった。
財務ポジションおよびナ ・ 四半期および半期の財務書類の検討ならびに(親会社および連結の)年次財務書類の承認
ティクシスの活動の監視 ・ 健康危機を背景とする利益配分の変更の承認
・ Natixis S.A. の IFRS に基づく 2019 年 12 月 31 日現在の個別財務諸表の承認
・ 2020 年および 2021 年の予算の検討および承認
・ 経済的検討およびベンチマークの検討/ビジネス市場、持続可能なファイナンスの検討お
よび 株式の残存期間
・ プレスリリースの検討および承認
・ コーポレート・ガバナンス・レポートおよび当行の資本金を増加させるための権限の使用
に関する報告書を含む取締役会の経営報告書の 承認
・ 監査委員会の作業に対するフィードバック
内部 統制 ・ リスク選好枠組( RAF )の承認および更新
リスク管理 ・ 2014 年 11 月3日付省令で定義されている指標および警告閾値の年次レビューの承認
コンプライアンス ・ リスク費用の分析および予測
・ 内部ストレス・テストの実施
・ 流動性リスクの許容度の承認
・ 流動性リスクおよび基礎となる仮定に関する戦略、方針、手続、システム、ツールならび
に限度に関する承認
・ 特に流動性ポジションおよびリスク軽減要因に係る代替シナリオを考慮した、緊急時計画
の承認
・ 2021 年の監査計画の承認
・ ALM 基準の承認
・ デリバティブ商品の更新(健康危機に関係する配当の変更に係る変化の影響)
・ H2O ファイルに対するフォローアップ
・ ブレグジットに係る更新
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングのブッキングモデルに係
る方針の承認
・ コンプライアンス管理活動および成果の検討
・ コンプライアンス憲章の更新
・ AML / CTF 管理報告書および資産凍結の承認
・ リスク委員会および米国リスク委員会の作業に対するフィードバック
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コーポレート・ ・ (経営報告書に含まれる)コーポレート・ガバナンスに関する取締役会の報告書の承認
・ 2020 年5月 20 日に開催された共同株主総会の書類に対する修正および健康危機を背景とす
ガバナンス
る株主総会の開催に関するアレンジの承認
・ 株主からの書面での質問に対する回答の承認
・ 配当の更新
・ 取締役会構成員に関する多様性の方針の更新
・ 将来の取締役会構成員に関する選任方針の策定
・ 3名の取締役の任期の更新
・ 3名の新たな取締役の選任
・ 特別委員会の構成
・ 新たな取締役会特別委員会である CSR 委員会の設置 (「 (b) 特別委員会:取締役会の派生
-⑥ 企業の社会的責任( CSR )委員会」を参照のこと。)
・ 新たな最高経営責任者の任命
・ 新たな経営幹部の任命
・ 独立取締役の状況のレビュー
・ 法定監査人の再任見込 (「 (b) 特別委員会:取締役会の派生-① 監査委員会- C 2020 年
における監査委員会の業務」を参照のこと。)
・ 2019 事業年度における取締役会および特別委員会の業務の評価結果の検討
・ 2020 事業年度における取締役会および特別委員会の業務評価の開始
・ 株主総会および参加権付有価証券の保有者の年時総会の招集
・ 過去の事業年度において承認された関連当事者契約および保証の見直し
・ 規制上の保証および契約の締結の承認
・ 最高経営責任者の後任育成方針 ( 「 (b) 特別委員会:取締役会の派生-④ 指名委員会- D
業務執行役員の後任育成計画」 を参照のこと。) およびエフェクティブ・マネージャーの
後任育成方針に加えて、特に取締役会および委員会の構成の変更に係る指名委員会の業務
に関する報告
報酬 ・ 2019 事業年度の取締役会会長の報酬および 2020 事業年度の報酬の原則
・ 2019 事業年度の最高経営責任者の報酬および 2020 事業年度の報酬の原則
・ 2020 事業年度中に選任された最高経営責任者の報酬の原則
・ 退任した最高経営責任者の退職金および競合避止のための報酬
・ 2020 事業年度の取締役の報酬の原則の承認
・ 繰延方針の承認( 2020 事業年度における CRD 4規制対象社員の業績条件の定義)
・ CRD 4規制対象社員の報酬に関するリスクおよびコンプライアンスの目標の見直し( 2019
年の概要および 2020 年の目標)
・ 2019 事業年度の変動報酬の承認
・ 2019 事業年度に統制機能および CRD 4規制対象社員に割り当てられた変動報酬の承認
・ 2019 年に CRD 4規制対象社員に付与され、支払われた報酬に関する年次報告
・ 2020 年の長期奨励制度の更新および上級経営陣委員会構成員に対する無償のパフォーマン
ス・シェアの割当の承認
・ CRD 4規制対象社員に関する 2020 事業年度における無償株式の取得に係る業績条件の評価
・ コーポレート・インベストメント・バンキング部門の従業員に対する 2020 事業年度におけ
る変動報酬の上限を定めた規定の承認
・ 従業員に係る繰延変動報酬スキームに基づく無償株式の割当( 2019 年に付与された変動報
酬の繰延部分に対応)
・ 2020 年事業年度の報酬方針および履行に関する報告書の情報
・ 報酬委員会の業務に対するフィードバック
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金融取引および/または ・ ナティクシスの流動性契約の更新
戦略 ・ 2017 年および 2018 年の計画に係る無償新株割当に続く、増資 に関する情報
・ 戦略的プロジェクトの検討および承認
・ フランス労働法第 L.2312-22 条 - 2項に従った当行の財政および経済状態への社会経済委員
会の意見
・ 2021 事業年度の社債およびワラントの発行承認の更改
・ 米国コマーシャル・ペーパー( USCP )の発行に関する発行決定の取消しおよび権限の委任
健康危機 ・ 健康危機への影響に関する定期的な更新
その他 ・ 現代奴隷法に関連する宣言の承認
・ 支店および海外駐在員事務所の閉鎖および開設
・ ナティクシスの子会社からナティクシスへのすべての資産および負債( TUP )の移転
④ 2020 年における取締役会の業績の評価
上場企業の適格なガバナンスに関してフランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポ
レート・ガバナンス・コードに規定される勧告に基づき、ナティクシスは、過年度と同様に、取締役会お
よび特別委員会の業績の評価を行った。
ナティクシスは、3年ごと( 2010 年、 2013 年、 2016 年、 2019 年)にその取締役会および特別委員会の業
務を評価するために、独立した外部企業のサービスを利用している。その他の年については、ナティクシ
スは自身で内部評価を行う。したがって、 2020 年に関して、ナティクシスは、取締役会およびその特別委
員会の構造および運営ならびにそれらの全体的な業績を評価するための内部評価を実施した。
前回の評価のフォローアップに関して、取締役会は、 2020 年 12 月 17 日付役会において、 ESR 委員会の設置
を決定し、 2021 年1月にかかる委員会の最初の会合が行われた。
2020 事業年度の評価では、次のテーマに焦点が置かれた。
・ 取締役会の構成と規模
・ 取締役の統合と発展(研修を含む。)
・ 取締役会会議の企画
・ 機能分離の効果
・ 情報の質
・ 特に危機的状況での意思決定および情報伝達プロセス
・ 取締役会のパフォーマンスの監視
・ 財務コミュニケーションへの貢献
・ リスク管理の監視
・ 戦略への貢献
・ 特別委員会の構成および機能
各取締役、監査人および取締役会会長は、個人面談においてアンケートに回答した。かかる面談は、 SEC
(社会経済委員会)の代表者とも行われた。
さらに、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレート・ガバナンス・コード
に推奨されているように、各取締役の取締役会の業務への実際の貢献の評価を行う一環として、各取締役
は、それぞれ取締役会構成員の個人のスキルを評価し、意見を表明するよう促された。
かかる面談の結果は、詳細な評価報告書に取りまとめられ、その要約は 2021 年2月 11 日に開催された取
締役会の会議で提示された。
かかる報告書には、取締役が取締役会に対して非常に肯定的な見方をしており、また、取締役が勤勉か
つ建設的に取り組んでいるとみなされることが示されている。取締役は、取締役会のパフォーマンスが良
好であり、健康危機の状況下において、取締役会が関与し、迅速な対応ができる立場にあったと考えてい
る。
取締役会の構成に関して、取締役は、 2020 年に更新されたスキル・マッピングに示されているように、
経歴と経験のバランスが取れていると考えている。
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取締役は、取締役会の会議の組織化および円滑化に対する取締役会会長の役割および取組みを強調し
た。より具体的には、後者により議論が促進され、意見交換が奨励され、回答が確実に得られると、取締
役 は述べた。取締役会会長および最高経営責任者の職務の分担は、機能的であると考えられている。
取締役は、取締役会の会議が、参加者が自由に意見を述べることができる開かれた討論を伴う丁寧で建
設的な環境で行われていると考えている。取締役は、特に外部成長の観点から、スケジュールの多い会議
の運営を最適化し、特定の決定事項をより詳細にフォローアップするために、エグゼクティブ・サマリー
の更なる活用を提案している。また、取締役は、取締役会が規制関連事項にかなりの時間を割いていると
考えており、戦略委員会の会議ではこれらの話題が別の場所で議論されていることから、取締役会の会議
において戦略および事業に割く時間を増やすべきだと考えている。
また、取締役は、特に非公式な議論の機会を設けることで、取締役会の結束力を高めることができると
考えている。取締役の研修に関して、研修プログラムの質は非常に高いと考えられている。最後に、委員
会に関して、取締役は、実施された業務は良質だと考えており、特に密度の高い議題を扱うリスク委員会
の会議に関しては、取締役会と同様にエグゼクティブ・サマリーのさらなる活用を提案している。
⑤ 取締役会構成員の研修プログラム
2020 年、ナティクシスは、取締役会構成員に対する研修プログラムを更新した。実施された研修プログ
ラムは、既存の BPCE の監査役会の構成員に対する研修プログラムと一致している。
かかるプログラムは、3つの分野を網羅する。
・ 新取締役およびその他の参加希望者に対する「基礎」研修。かかる研修は、取締役会で議論される
課題に関する有益な理解を取締役へ提供するモジュールから構成されている。
・ 取締役が、取締役会で議論される技術的または複雑な事項につき、それを適切に理解、監視および
確認できるようにするための技術的または複雑な課題に関する「専門知識」の研修。モジュール
は、年間を通して分散されており、会計および財務に関する事項、リスク管理、取締役の責任(民
事、刑事および規制)、資本市場活動、コンプライアンス原則、サイバー・セキュリティ等の分野
を取り上げる。
・ 取締役がその職務を遂行する上で必要な知識および技術を得られるよう、必要に応じて必要なとき
に提供される「特別」研修。かかる研修の目的は、事業分野またはその他の時事的なトピックに関
連する課題、また、構成員間の保護されたウェブサイトからの経済、会計、規制、コンプライアン
ス、法律およびその他の事項に関連する記録に関し、より深く検討することである。
研修は、社内の、また時折社外のトレーナーによって提供される。
2020 年に、 13 の異なる事柄に関して 12 回の研修セッションが行われた。 2020 年度の研修は、 BPCE の監査
役会の構成員および社会経済委員会の構成員に対し開かれた。取締役は、 BPCE が開催した監査役会の構成
員のためのセッションにも出席するよう促された。
2020 年にナティクシスが提供した研修は、以下のトピックを取り上げた。
・ サイバー・セキュリティ
・ デジタル技術(課題と検証)
・ ナティクシスの事業
・ リスク管理システム
・ 資本・金融市場活動のルール、オペレーション、コントロール(複雑な市場商品およびそれに伴う
リスクに焦点を当てたもの)
・ 保険契約に関する新たな IFRS 第 17 号の会計基準
・ 評価システム(公正価値、観察可能性および平準化)
・ 監督上の検証・評価プロセス( SREP )の観点からの資本計画
・ リスク選好枠組
・ リスク・モデルの管理
・ 米国リスクの管理システム
・ 報酬メカニズム
・ コンプライアンスおよび規制の最新動向に関する主要な原則
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2020 年研修プログラムで当初予定されていた3つのセッションは、健康危機の影響で開催することがで
きず、 2021 事業年度に延期された。かかるセッションは、以下を網羅するものである。
・ 資産運用会社の事業分野、活動および運営
・ プルーデンシャル規制のソルベンシーおよび流動性
・ 取締役の責任(民事、刑事および規制上)
⑥ 監査人
年齢
2020 年における取締役会
氏名 ( 2020 年 12 月 国籍 初就任 任期満了日
および委員会への出席率
31 日現在)
監査人
取締役会: 73 %
2019 年
アンリ・プログリオ 71 コンプライアンス委員会: 75 % フランス 2023 年株主総会
4月4日
戦略委員会: 100 %
2019 年4月4日現在、ナティクシスの取締役会には、監査人であるアンリ・プログリオ氏も含まれてい
る。同氏は、 2018 年 11 月 17 日まで独立取締役であり、 12 年間の任期の間は、監査役会の構成員を務め、そ
の後はナティクシスの取締役会の構成員を務めた。
2006 年にさかのぼる同氏の当行グループに関する知識、財務に関する事項における同士の認められた専
門知識、同氏の大企業の経営および戦略的課題への取り組みにおける経験は、取締役会にとって有益かつ
効果的である。アンリ・プログリオ氏は、顧問としての立場で取締役会に出席する。同氏はまた、報酬委
員会および戦略委員会の業務に貢献している。
社内規定第 3.6 条および 2019 年2月 12 日の取締役会の審議に基づき、監査人は、 2020 年に合計 24,000 ユー
ロ( 2019 年度の取締役会報酬と同額)の報酬を受け取った。かかる金額は、取締役の報酬から控除され
る。
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(b) 特別委員会:取締役会の派生
ナティクシスの取締役会は、その審査過程の補佐、その審議の一部の準備およびフランス通貨金融法典の
遵守のために、5つの特別委員会、すなわち、監査委員会、リスク委員会、報酬委員会、指名委員会および
戦略委員会を設置している。各委員会は、独立取締役が議長を務めている。
ナティクシスの取締役会は、 2020 年 12 月 17 日の会議において、 2021 年1月1日から企業の社会的責任委員
会(「 CSR 委員会」)を設置することを決定した(下記「⑥ 企業の社会的責任( CSR )委員会」を参照のこ
と。 ) 。
① 監査委員会
A 組織
監査委員会は5名により構成されている。 2020 年 12 月 31 日現在、その構成員は以下のとおりであった。
カトリーヌ・パリゼ 議長
カトリーヌ・ハルバーシュタットによって代表さ
委員
れる BPCE
ダニエル・ド・ボールペール ( 2020 年2月6日ま
委員
でフランソワーズ・ルメールが就任していた。)
シルヴィ・ギャルスロン 委員
ベルナール・オプティ 委員
監査委員会の議長および構成員は、その専門的な役職を通じて得た豊富な会計および財務の専門知識を
持つ。カトリーヌ・パリゼ氏は、監査において 35 年に及ぶキャリアを持つ。カトリーヌ・ハルバーシュ
タット氏は、数年間 Banque Populaire du Massif Central の最高経営責任者を務め、リテール・バンキン
グおよびコーポレート・ファイナンスの深い見識を持つ。シルヴィ・ギャルスロン氏は、 CASDEN Banque
Populaire の最高経営責任者であり、財務上の幅広い経験を持つ。ダニエル・ド・ボールペール氏は、会計
業務、財務、内部統制および会計監査に関する幅広い知識を持つ。ベルナール・オプティ氏は、金融市場
の専門家であり、複雑な金融商品および代替投資会社において幅広い経験を持つ。
5名の構成員のうち2名(カトリーヌ・パリゼ氏およびベルナール・オプティ氏)が独立取締役であ
る。
当期を通して、カトリーヌ・パリゼ氏が監査委員会の議長を務めた。
当行の主要株主( Groupe BPCE の代表者に加え、 Caisses d'Epargne および Banques Populaires の各銀行
のメンバー)の異なる構成員が代表を務めるために、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟
( Medef )コーポレート・ガバナンス・コードに推奨されているように、独立取締役がナティシスの監査委
員会の3分の2を構成することはない。さらに、監査委員会の所見および提案は、議長を含む出席委員の
過半数が賛成した場合に採用される。
B 役割および権限
ナティクシスの監査委員会は、その権限および業務手順を定める社内規定を有しており、その最新版は
2017 年2月9日に取締役会により承認されている。
ナティクシスの取締役会の権限の下、監査委員会の主要な職務は以下のとおりである。
・ ナティクシスが公表した情報の明確さの確認、ナティクシスの個別および連結財務諸表の作成に採
用された会計方法の妥当性の評価、財務情報の作成過程(財務書類、経営報告書の作成等)の監督
およびかかる情報の完全性を保証するための提言
・ ナティクシスの予算案および重要なオフバランスシートのコミットメントに加えて、四半期、半期
および年次の連結財務諸表および年次の個別財務諸表の法定監査の監督(これらは、ナティクシス
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の取締役会に提示できるよう十分な時間の余裕をもって行われる。)ならびに半期および年次の経
営報告書の監督
・ 会計および財務情報の作成および処理の手順に関連する内部統制およびリスク管理システムの有効
性の監督
・ 独立性の義務を負う監査人が、その義務を遵守することを確実にすること。したがって、当該委員
会は、以下のことを行わなければならない。
-ナティクシスが支払う金額またはそれらの金額が会社およびネットワークの純売上高に占める割
合が本質的に、監査人の独立性を損なわないことを確保する。
-監査人が提供しうる業務に適用される規則の設定および財務書類の証明以外の業務の承認の管理
・ 監査人の職務の遂行の監督
・ ナティクシスの取締役会への監査人または監査法人の選任に関する推薦の提出
・ 監査人の業務計画、当該監査人が行った監査および勧告の成果、ならびにそれについてなされた
フォローアップ措置についての審査
・ ナティクシスまたはその子会社1社以上と、 Groupe BPCE を構成する全部または一部の事業体との間
における商取引関係に関して毎年提出される報告書につき所見を述べる。
・ 当該委員会の職務の遂行に関する取締役会への定期的な報告。財務書類の証明の結果に基づく、か
かる業務が財務書類の完全性にどのように貢献したか、また、かかる一連の作業においてそれが果
たした役割に関する報告も行う。直面した困難については、遅滞なく報告する。
当行の最高経営責任者は、監査委員会に対して当該委員会の業務に必要な書類および情報を提供する。
以下の一覧はすべてを網羅するものではない。
・ 当行が定期的に作成する単体および連結の財務関連書類、会計資料ならびに規制文書
・ 当行の法定監査人が作成する概括報告書
・ 当行に関する監査報告書
・ 当行内で適用される会計方針および会計処理法
・ 主要子会社の取締役会または(場合により)監査委員会に提供された連結予算および関連書類
監査委員会は、取締役会に対して、監査(特に当行およびその子会社の財務書類に関する監査)を行う
旨の提案をすることができる。
当該委員会は、それが適切と判断した場合、その付託された権限に該当する事項を説明するために外部
の専門家またはコンサルタントの技能を求めることができる。
監査委員会は、少なくとも四半期に1回は会合を開くものとする。監査委員会の会合の議事録は、取締
役会秘書役により作成される。これらの議事録は、監査委員会の委員で共有され、次回の会合の際に承認
される。取締役会は、十分な情報に基づいた決断を下せるよう、監査委員会の業務について情報提供を受
ける。
C 2020 年における監査委員会の業務
監査委員会は、 2020 事業年度に5回会議を開いた。その構成員の出席率は、通年で 92 %であった。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全な電子プラッ
トフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
検討および分析のために提出された各事項について、監査委員会は、関連するナティクシスの社員から
話を聞き、また、かかる事項の報告について熟知する機会があった。
監査委員会は、ナティクシスの親会社および連結会社の年次、半期および四半期の財務書類の法定監査
ならびにその予算案の監督を、それらがナティクシスの取締役会に提出される前に行った。
議題によっては、いくつかの監査委員会の会議は、会計および比率担当部長ならびにナティクシスおよ
び BPCE の一般的調査部門長とともに、ナティクシスの最高財務責任者、最高リスク管理責任者、会社秘書
役の立会いの下その会合が開かれた。
財務書類の監査を実施するため、監査委員会は、年次財務書類の締め括りの際ならびに半期および四半
期財務書類の審査の際に、財務部門のプレゼンテーションおよび法定監査人のコメントを聴取した。
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2020 年において、監査委員会の業務は特に以下のものに重点を置いた。
財政状態 ・四半期、半期および年間の親会社および連結会社の財務書類の検討
・ IFRS 基準に基づいて用意された 2019 年 12 月 31 日現在のナティクシス単体の貸
借対照表
・ 2021 年の予算の検討(戦略的計画の財務枠組のアップデートを含む。)
・法定監査人の意見
・ナティクシスの投資運用会社および DNCA の米国の関係会社との分担契約の結
果の監査
その他 ・評価システムおよびかかるガバナンスの実施
・監査役の任期更新に関連した作業の提示およびその結果
・法定監査人の 2020 年の監査計画、監査に割り当てられた予算および完了され
た/現在進行中の監査に対するフォローアップ
・ 2020 年の法定監査人の報酬のフォローアップ(証明およびその他の業務)
・法定監査人サービスの完了について、監査委員会のリーダーからの事前承認
に関する情報
・法定監査人による 2020 年の年次および連結財務諸表に係る報告書作成のフォ
ローアップ
法定監査人の任期更新に関連する入札手続に関する情報
2021 年 12 月 31 日に終了する事業年度末に PwC およびデロイトの法定監査人の任期が満了することを見越し
て、 EU 規則第 537/2014 号に基づき、更新されるすべての委任事項を BPCE とナティシスが共同で実施する入
札に付すことを決定した。
入札募集の主な期限は次のとおりであり、 2020 年4月に入札募集開始、 2020 年 11 月に BPCE およびナティ
クシスによる監査法人の選定および 2022 年のナティクシスの株主総会で法定監査人の選任がなされる。
BPCE が定めた規則に従い、 Groupe BPCE の各機関は、 BPCE の財務諸表を認証する法定監査人のネットワー
クから選ばれた少なくとも1名の法定監査人と、 BPCE が推奨する企業リストの中から選ばれた1名の法定
監査人を置くことが推奨されている。かかるアプローチは、 Groupe BPCE 内の法定監査プロセスを最適化
し、当行グループ内で選任された法定監査人のサービスを調和することを目的としている。
監査委員会は、入札募集への回答を検討した後、 2020 年 11 月5日に開催された取締役会で提言を行っ
た。取締役会は、監査委員会の提言に基づき、 2021 年 12 月 31 日現在の財務諸表の承認を予定しているナ
ティクシスの株主総会に、6年間の期間で PwC の任期を更新し、(累積任期の上限に達したデロイトの代わ
りに) Mazars を選任する議案を提出することを決定した。この選択は、監査委員会の提言を受けて BPCE の
監査委員会が採択した決定に従ったものである。
② リスク委員会
A 組織
リスク委員会は5名により構成されている。 2020 年 12 月 31 日現在、リスク委員会の構成員は以下のとお
りである。
ベルナール・オプティ 議長
カトリーヌ・ハルバーシュタットによって代表さ
委員
れる BPCE
ニコール・エトシュゴワンベリー 委員
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カトリーヌ・パリゼ 委員
クリストフ・ピノー 委員
5名の構成員のうち2名(カトリーヌ・パリゼ氏およびベルナール・オプティ氏)が独立取締役であ
る。なお、リスク委員会の所見および提案は、議長を含む出席委員の過半数が賛成した場合に採用され
る。
リスク委員会の議長および委員は、その専門的な役職を通じて広範な専門知識を得た結果、ナティクシ
スのリスク管理および内部統制について深い理解を有している。
2014 年 12 月 17 日以降、リスク委員会はベルナール・オプティ氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
ナティクシスのリスク委員会は、その権限および業務手順を定める社内規定を有しており、かかる規定
の最新版は 2017 年 11 月7日に取締役会により承認された。
ナティクシスの取締役会の権限の下、リスク委員会の主要な職務は特に以下のとおりである。
・ 現在および将来における当行の全体的な戦略およびリスク選好についての取締役会への助言
・ 経営幹部およびリスク管理担当部長によるかかる戦略の実施に関する、取締役会の検査の支援
・ 規則の遵守ならびにリスクの監視および統制を確保するためにナティクシスが設けた手順に関して
所見を述べること。このために、ナティクシスは、ナティクシスのリスク委員会およびその子会社
のリスク委員会からの報告ならびに当行の最高経営責任者の指令により作成された、特にオペレー
ショナル・リスク、市場リスクまたは取引相手方リスクのリスクに関する報告を受領する。
・ 内部統制およびリスク管理システムの有効性の監視
・ 特に、当行が効果的および慎重に管理の下にあることを確保する職務の分離および利益相反の防止
について、取締役会がガイドラインを決定し、経営幹部が適切に監督体制を実施していることを確
認する上での支援
・ 付託された権限に従って、顧客に提供される商品の価格およびサービスがナティクシスのリスク戦
略に適合しているかの検討。これらの価格がリスクを正しく反映していない場合、リスク委員会
は、かかる状態を修正する行動計画を取締役会に提出する。
・ 報酬委員会の責任について、その権限を侵害することなく、ナティクシスの報酬方針および慣行に
より規定されたインセンティブが、ナティクシスがさらされているリスク、その資本、その流動性
および可能性ならびに期待される利益の計画に関しての状況と適合しているかの検討
・ 前述のガバナンスの体制についての検討、その有効性の評価、また、不足な点があった場合にその
是正措置の実施の確保を取締役会が行う際の支援
・ 経済環境から生じるリスクを含め、ナティクシスがさらされているまたはさらされる可能性がある
リスクを取ること、管理すること、監視することおよび低減することを監督する戦略および方針の
定期的な審査。このために、少なくとも年に一度、リスク委員会は、ナティクシスのリスク選好を
定義し監視するために使用される書類すなわちリスク選好報告書およびリスク選好枠組を分析す
る。リスク委員会は、2回の年次レビューの間で起こる、業界別制限の変更を含むすべての制限変
更を研究する。
・ 銀行部門の事業、決済サービスおよび投資サービスの内部統制に関する 2014 年 11 月3日付フランス
省令第 253 条に従って、コンプライアンス・リスクの監視に関連する事項を少なくとも年に一度審査
すること
・ ナティクシスの一般的調査部門長の任命および解任につき当該委員会の所見を述べること
・ 一般的調査部門ならびに規制当局および監督当局(特に、フランスの金融健全性監督・破綻処理機
構( Autorité de Contrôle Prudentiel et de Résolution ( ACPR ))により実施された任務の結果
がフォローアップされるよう取り計らうこと。この目的のために、ナティクシスおよびその子会社
に関するすべての報告書を規制当局および監督当局(特に ACPR )から受領するリスク委員会へ、一
般的調査部門が作成したナティクシスおよびその子会社に関する報告書の要約が提出される。
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・ ナティクシスの年間内部監査計画(子会社における監査を含む。)への取組み。当該計画は、少な
くとも承認の1週間前までにリスク委員会に提出される。
議長の提案に基づき、リスク委員会は、当該委員会が適切だとみなした場合、また、取締役会会長と協
議の上で、その委員会の会議に、リスク委員会が扱う問題に光明を投じることができるナティクシスのマ
ネージャー(主要な子会社のマネージャーまたはそのリスク委員会の議長を含む。)を招くことができ
る。また、リスク委員会は、最高財務責任者、最高リスク管理責任者、会社秘書役、ナティクシスの一般
的調査部門長、 BPCE の一般的調査部門およびナティクシスの法定監査人も招くことができる。最高リスク
管理責任者、最高コンプライアンス責任者およびナティクシスの一般的調査部門長は、リスク委員会へ常
時直接アクセスできる。
C 2020 年におけるリスク委員会の業務
リスク委員会は、 2020 事業年度に8回会議を開いた。その構成員の出席率は、通年で 88 %であった。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・
プラットフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
2020 年において、リスク委員会の業務は以下のものに重点を置いた。
リスク管理 ・リスクダッシュボードの要点および当行のリスク環境の見通し
・ H2O に関する定期的な更新
・オートコールに関する活動計画へのコメント
・ SREP レターの最終版に関する更新
・リスク方針に係る主要な変更の概要
・リスク選好枠組( RAF )の年次レビュー
・重要性に係る基準および閾値のレビュー
・ ナティクシスの 全体的な戦略およびリスク選好のレビュー、ならびにその実
施管理
・ 2014 年 11 月3日付省令に定義された指標および警告閾値の年次レビュー
・リスク予測( COVID-19 シナリオ)に係る費用に関する更新
・信用部門の集中リスク枠組の提示
・リスク・モデル管理に関する更新
・ ICAAP (自己資本充実度評価プロセス)の提示
・内部ストレス・テストの結果に関する更新
・流動性リスク許容度のレビュー
・流動性リスクおよびその前提に関する戦略、方針、手続、システム、ツール
および制限のレビュー
・代替ストレス・シナリオの結果
・流動性状況の変化のレビューおよび分析の結果
・ ALM 基準のレビュー
・特に流動性ポジションおよびリスク軽減要因に係る代替シナリオを考慮し
た、緊急時計画の年次分析
・報酬方針がリスクに適合していることの確認
内部統制 ・内部統制に係る年次報告書の提示
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・ 2014 年 11 月3日付省令に基づく、 2019 事業年度の内部統制枠組および実施さ
れているリスク部門の手続の有効性の評価(リスク管理およびコンプライア
ンスの成果の評価を含む。)
・事業年度中に行われたナティクシスの一般的調査部門および BPCE の一般的調
査部門が行う業務の見直し
・ナティクシスの一般的調査部門および BPCE の一般的調査部門による提言の実
施の監督
・ナティクシスの一般的調査部門の業務において特定された主要なリスク
・提言の監督システムの一環として、 2020 年 12 月 31 日付で「遅延ゼロ」キャン
ペーンを更新
・ 2021 年の監査計画案の提示
・ナティクシスの一般的調査部門の予算の提示
コンプライアンス ・コンプライアンス管理の活動および成果の検討
・サイバー・セキュリティに関する更新および ICT リスクに係る EBA のガイドラ
イン
・コンプライアンス枠組に関する更新および第2次金融商品市場指令に関する
年次更新
・コンプライアンス憲章の更新
その他 ・健康危機およびナティクシスの事業への影響に関する更新
・ CIB のブッキングモデル方針の提示
・保険事業分野におけるリスクおよびコンプライアンスの管理に関する更新
・ Natixis IM におけるリスクおよびコンプライアンスの管理に関する更新
米国リスク委員会
米国リスク委員会は、リスク委員会から派生したものである。 2016 年に創設された同委員会は、米国で
設立され一定の活動閾値基準を満たす外国銀行に対して 2016 年7月1日から適用される米国の規制要件
(ドッド・フランク法)を満たしている。
米国リスク委員会の構成員は、リスク委員会と同一である。同委員会は、共同米国業務に関連するリス
ク管理を監督する職務を負う。
米国リスク委員会は、 2020 事業年度に8回会議を開いた。同委員会は、以下の事項に重点を置いた。
・ USRC 憲章の更新
・ 米国の最高リスク管理責任者の 2020 年の優先事項およびリソースの検討およびフォローアップ、な
らびに関連する活動計画に関する更新
・ 米国の緊急時計画の検討
・ 米国 CIB のコンプライアンスおよび信用リスクに関する計画の検討および承認
・ 米国プラットフォームの活動に対する健康危機の影響(特に信用リスク、流動性リスク、市場リス
クおよびリスク費用に関するもの)の審査
・ 事業の変更およびコンプライアンス・リスクを含む米国プラットフォームのリスクについての定期
的な検討
・ プラットフォームのマクロ経済環境および規制環境、ならびに CUSO の活動および事業分野の定期的
な検討
・ 貸付検討および監査の結果に関する定期的な監視
・ 関連する活動計画に係る規制上の審査の結果の評価および(必要な場合には)承認
・ 流動性リスク管理システムの監視
・ 流動性リスク管理システムの強化
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・ 文化および職業行為の枠組の強化
・ CUSO リスク選好枠組( RAF )の審査および承認
・ CUSO リスク方針(リスク管理枠組を含む。)の検討および承認
・ 3つの防衛ラインにおける業務進捗の監視
・ Natixis IM の範囲内における特定業務(特にリスクおよびコンプライアンス部門の再編成、ならび
に流動性リスク、投資リスクおよび集中リスクの管理)に関する検討および監視
③ 報酬委員会
A 組織
報酬委員会は7名により構成されている。 2020 年 12 月 31 日、報酬委員会の構成員は以下のとおりであ
る。
ニコラス・ドゥ・タヴェルノ 議長
アラン・コンダミナ 委員
ダイアン・ドゥ・サン・ヴィクトール 委員
アンヌ・ラルー 委員
カトリーヌ・ルブラン
委員
( 2020 年5月 20 日までベルナール・デュピュイが
就任していた。)
クリストフ・ピノー 委員
アンリ・プログリオ 委員
構成員のうち3名( アンヌ・ ラルー氏 、ダイアン・ドゥ・サン・ヴィクトール 氏およびニコラス・
ドゥ・タヴェルノ氏)が独立取締役である。
2013 年8月6日以降、報酬委員会はニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏がその議長を務めている。
報酬委員会の独立取締役の人数は、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポ
レート・ガバナンス・コードの勧告にもかかわらず、構成員全体の人数の半数以下である。同委員会は、
バランスのとれた構成であり( 50 %が独立、 50 %が非独立取締役)、独立取締役がその議長を務めてい
る。さらに、報酬委員会の所見および提案は、議長を含む出席委員の過半数が賛成した場合に採用され
る。
B 役割および権限
ナティクシスの報酬委員会の役割には、報酬に関してナティクシスの取締役会が発表する決定に関する
準備があり、かかる報酬には当行のリスクに重大な影響を与えるナティクシスの従業員についてのものを
含む。報酬委員会の権限および業務手順については、社内規定に詳述されており、その最新版は 2014 年 12
月 17 日に取締役会により承認された。
報酬委員会は、ナティクシスの取締役会に対して、以下に関する提案を提出する責任を有する。
・ ナティクシスの取締役会会長に支払われる現物給付、年金制度および個人保護の団体保険ならびに
ストック・オプションの割当または株式取得を含む報酬の金額および条件
・ 最高経営責任者および該当があれば最高経営責任者代理1名以上に支払われる現物給付、年金制度
および個人保護の団体保険ならびにストック・オプションの割当または株式取得を含む報酬の金額
および条件
・ ナティクシスの株主総会でかかる株主に決定のために提出される、ナティクシスの取締役の報酬の
分配に関する規則および当該報酬の合計額
・ 最高リスク管理責任者およびコンプライアンス責任者の報酬の監視
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・ 銀行業務の分離および規制に関する法律(「 SRAB 」)に関するフランス法第 2013-672 条および米国
ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法(「ボルカー・ルール」)第 619 条で言及される
従業員または資産運用( AIFMD )または保険業務(ソルベンシー2)における規制対象スタッフに加
え、 2014 年 11 月3日付フランス省令で言及される対象スタッフを含む規則へのナティクシスの報酬
方針の適合性
・ 特にナティクシスまたは当行グループのリスク特性に重要な影響を与え得る専門的な業務に従事す
る従業員の区分に関するナティクシスの報酬方針の年次レビュー
報酬委員会は、ナティクシスが加入する執行役員賠償責任保険について検討し、その所見を述べること
ができる。
報酬委員会は、承認のため取締役会または株主総会に提出される、ナティクシスの従業員向けの増資の
ための制度を含む従業員貯蓄制度、また、該当がある場合、株式発行または株式購入のための制度、また
は、無償株式の割当に関連する提案についての検討を行う。
ナティクシスの最高経営責任者は、報酬委員会に対して、その義務の履行に際して有用となる書類を提
供し、同委員会へ十分な情報が確実に与えられるようにする。
報酬委員会は、必要に応じてナティクシスの内部統制部門または外部の専門家に相談する。
C 2020 年における報酬委員会の業務
報酬委員会は、 2020 事業年度に4回会議を開いた。その構成員の出席率は、通年で 97 %であった。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・
プラットフォームを通して議題項目が記載された電子ファイルが送付される。
2020 年において、報酬委員会は、以下の分野に重点を置いた。
業務執行役員 ・業務執行役員の年間変動報酬の量的基準および戦略目標の達成度を評価し、
2020 年5月 20 日の株主総会において採決する 2020 事業年度の報酬原則を認証し
上級経営陣
た上での、 2019 年の変動報酬ファクターの承認
委員会の構成員
・ナティクシスの最高経営責任者であるフランソワ・リアイ氏の任期の終了に関
連する財務状況の検討
・ナティクシスの新たな最高経営責任者であるニコラ・ナミア氏の報酬方針の検
討
・上級経営委員会を対象とする長期報酬制度
・執行役の報酬に関して、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟
( Medef )コーポレート・ガバナンス・コードの勧告の年次分析
報酬方針および規則 ・規制面 の検討
・取締役の報酬方針の検討
・繰延支払方針: 2020 年の規制対象スタッフの業績状況を定める。
・ナティクシスの報酬方針の検討(繰延収益規則および変動報酬の支払条件なら
びに各事業分野の変動報酬額を含む。)
・繰延変動報酬に適用される業績条件の達成状況のレビューおよび監視
・ 2019 事業年度の管理部門長および規制対象スタッフの報酬の分析
・リスクおよびコンプライアンスの特定の目標のレビュー( 2019 年のレビューお
よび 2020 年の目標の提示)
・年俸上位 100 の従業員に付与された報酬の分析
・ 2019 年の CRD 4に基づく規制対象スタッフへの報酬の年次報告書
・男女間の平等性に関する方針および同一賃金指標の提示
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従業員貯蓄および従業員株式 ・従業員貯蓄制度に関する更新
・ 2020 年4月 10 日開催の取締役会による無償株式の割当に関する情報
・ 2019 事業年度の利益分配賞与
④ 指名委員会
A 組織
指名委員会は6名により構成されている。 2020 年 12 月 31 日現在、その構成員は以下のとおりである。
ダイアン・ドゥ・サン・ヴィクトール 議長
ダニエル・ド・ボールペール 委員
ニコール・エトシュゴワンベリー 委員
フィリップ・ウルダン
委員
( 2020 年5月 20 日までティエリ・カーンが就任し
ていた。)
アンヌ・ラルー 委員
ニコラス・ドゥ・タヴェルノ 委員
6名の構成員のうち3名(アンヌ・ラルー氏、ダイアン・ドゥ・サン・ヴィクトール氏およびニコラ
ス・ドゥ・タヴェルノ氏)が独立取締役である。指名委員会の独立取締役の人数は、フランス私企業協会
( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレート・ガバナンス・コードの勧告にもかかわらず、構成員
全体の人数の半数以下である。同委員会は、バランスのとれた構成を有し( 50 %が独立、 50 %が非独立取
締役)、独立取締役がその議長を務めている。さらに、指名委員会の所見および提案は、議長を含む出席
委員の過半数が賛成した場合に採用される。
ナティクシスの最高経営責任者は、必要がある場合、指名委員会の業務に関わっている。
2019 年4月4日以降、指名委員会はダイアン・ドゥ・サン・ヴィクトール氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
ナティクシスの指名委員会に与えられた責務は、基本的に、執行役員および取締役会の構成員の人選の
検討、彼らの個人および集団としての専門知識の評価ならびに取締役会の有効性の評価である。指名委員
会の権限および業務手順については、取締役会の社内規定に詳述されており、その最新版は 2014 年 12 月 17
日に承認された。
委員会の主要な職務は、以下のとおりである。
・ ナティクシスの最高経営責任者の指名およびもし適切な場合は1名以上の最高経営責任者代理の指
名について、取締役会へ所見を述べ、また、ナティクシスの取締役会の要求に応じて、それに関す
る提案および提言を行うこと
・ 取締役の選任/指名について取締役会へ所見を述べ、また、それに関する提言を行うこと
・ 個人および集合として、取締役会の構成員が有する知識、技能および経験のバランスおよび多様性
の評価
・ ナティクシスの取締役会の構成員を務める際の職務および必要な要件の詳述ならびにかかる業務に
費やす時間の評価
・ 取締役会の男女数の均衡を取るための目標の決定。指名委員会は、これらの目標を達成するため
に、方針を策定する。ナティクシスの目標、方針および実施手順は公表される。
・ 少なくとも年に一度、取締役会に与えられた責務に関して、定期的に取締役会の構造、規模、構成
および有効性について評価し、また、取締役会に有益な提案を提出すること
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・ 少なくとも年に一度、個人および集団としての取締役会の知識、技能および経験を定期的に評価
し、また、その議題に関する報告書を取締役会に提示すること
・ ナティクシスの経営幹部、最高経営責任者代理および最高リスク管理責任者の選任および指名につ
いて取締役会の方針を定期的に吟味し、それに関する助言を行うこと
独立取締役の資格は、指名委員会が議論し、取締役会への報告を作成する。毎年、かかる報告に基づ
き、また、年次報告書が発表される前に、取締役会は、取締役会社内規定に定められた独立性基準に基づ
いて、取締役会の各構成員の状況を検討する (「 (a) 取締役会 - ② 取締役会の役割および権限- A 法定要
件および取締役会の社内規定」を参照のこと。) 。
C 2020 年における指名委員会の業務
指名委員会は、 2020 事業年度に6回会議を開いた。その構成員の出席率は、 97 %であった。
委員会会議前の合理的な期間内に、会議に向けた検討および分析のため、各取締役に安全なデジタル・
プラットフォームを通して議題項目が記載されたファイルが送付される。
2020 年において、指名委員会は、以下の分野に重点を置いた。
取締役の独立性 ・各取締役の独立性基準の検証
取締役会の構成およびガバナ ・ナティクシスの新たな最高経営責任者の任命に関する所見
ンスの再編
・最高経営責任者および取締役会会長の後任育成計画の審査および検討
・取締役の多様性政策および将来の取締役の選任に関する方針の更新の検討
・執行役員(「 dirigeants effectifs 」)および最高リスク管理責任者の選任
および任命に関する方針の検討
・3名の新たな取締役の選任に関する所見
・3名の取締役再任に関する所見
・取締役の任命に関する所見
・取締役会の構成員に係る多様性政策に関する更新
・独立取締役の要件の審査
・取締役会において遂行される職務に必要な要件の分析
・個人および集団として、取締役会の構成員が有する知識、技能および経験の
バランスおよび多様性の評価
・取締役会において、ナティクシスの利益を害する可能性がある者または支配
集団の特定
その他 ・ナティクシスの人材管理システムの提示
D 業務執行役員の後任育成計画
指名委員会は、業務の一環として、様々な会議において CEO の後任育成計画を検討した。
同委員会は、その業務および議論を通じて、すべての構成要素において多様性を重要な要素としつつ、
短期的、中期的および長期的な状況に適合した計画の策定に努めてきた。同委員会は、計画を評価し実施
するために、専門のコンサルティング会社のサービスを利用した。
取締役会会長は、当行の慣行およびより広範には Groupe BPCE の慣行との整合性を確保するとともに、当
行グループの高い潜在的な内部特性を考慮するため、この計画の策定に関与した。
指名委員会は、 CEO の後任育成計画の年次レビューを行う。指名委員会は、その職務を遂行するため、取
締役会にその業務の進捗状況を報告し、報酬委員会と連携する。
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⑤ 戦略委員会
A 組織
戦略委員会は、すべての取締役および監査人により構成される。審議される議題に応じて、ナティクシ
スの上級経営委員会の特定の構成員を、戦略委員会に招聘することができる。外部の者も同委員会に参加
す ることができる。
戦略委員会は、 2016 年2月 10 日以降、アンヌ・ラルー氏がその議長を務めている。
B 役割および権限
戦略委員会に与えられた責務は、ナティクシスの包括的な戦略およびその業務部門を徹底的に調査し、
Groupe BPCE へ上級経営陣の構想を共有することに関係している。
さらに、戦略委員会の会議は、取締役会にとって、最高経営責任者と業務を行う経営陣への理解をより
深められ、取締役会の業務方法を改善することができる機会となっている。
C 2020 年における戦略委員会の業務
戦略委員会は、少なくとも年に1回会議を開いている。戦略委員会は、 2020 年に3回会議を開いた(戦
略の議論に充てられた1日を含む。)。
その構成員の出席率は、 100 %であった。
合理的な期間内に、各取締役に安全なデジタル・プラットフォームを通して議題項目に関連する書面が
送付される。
2020 年、ナティクシスの戦略委員会は、特に以下の点の審議のために会議を開いた。
・ Coface におけるナティクシスの持分売却計画等の、特定の戦略プロジェクト
・ ニュー・ディメンション戦略計画に関する更新
・ 同業他社と比較したナティクシスの財務実績の概要
・ ナティクシスの4つの各事業分野における 2021 年の目標
・ 変革および業務効率化プロジェクト
これらの会議において、同委員会は、次期戦略計画の作成に関する議論に関与した。
⑥ 企業の社会的責任( CSR )委員会
ナティクシスの取締役会は、 2020 年 12 月 17 日の会議において、企業の社会的責任委員会(「 CSR 委員
会」)の設置を決議した。ナティクシスは、その責任を認識し、企業の社会的責任が強力な長期的パ
フォーマンスのレバレッジを生み出すことを確信しており、 CSR は経済的パフォーマンスと責任を組み合わ
せたナティクシスの戦略的野心の中核にある。
A 組織
CSR 委員会は4名により構成されている。
アンヌ・ラルー 議長
ドミニク・デュバン 委員
シルヴィ・ギャルスロン 委員
ベルナール・オプティ 委員
構成員のうち2名(アンヌ・ラルー氏およびベルナール・オプティ氏)が独立取締役である。
4名の CSR 技能は、取締役会において評価された。この点に関して、アンヌ・ラルー氏、ドミニク・デュ
バン氏、シルヴィ・ギャルスロン氏およびベルナール・オプティ氏は、この分野における専門知識と経験
を同委員会に提供する。またベルナール・オプティ氏は、リスクに関する専門知識も提供し、リスク委員
会との連携を促進する。
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B 役割および権限
ナティクシスの CSR 委員会は、 2020 年 12 月 17 日に取締役会で承認された、権限および運営方法を定めた内
部規則を有している。
一般的に、 CSR 委員会は、フランス商法第 L.225-35 条に従って、取締役会が当行の事業ガイドラインおよ
びその実施を決定する際に、社会的および環境的な問題が考慮されるよう取り計らう。
同委員会の主要な職務は以下のとおりである。
・ 当行グループの CSR 戦略とコミットメント、特にすべての事業分野におけるグリーンで持続可能な金
融戦略に関する検討
・ ナティクシスの環境フットプリントを減少させるための活動(資源消費、廃棄物管理および移動慣
行の管理)ならびに投融資活動の結果の審査
・ 従業員の意識向上策の監視
・ 報酬委員会と連携した、業務執行役員の報酬方針における非財務的基準を考慮するための手続の審
査
・ リスク委員会と連携した CSR リスクの審査、ならびに環境問題および社会問題による投資、経済パ
フォーマンスおよび評価に対する影響の審査
・ 報告システム、非財務情報の作成(特に非財務業績報告書( DPEF ))、および全般的に、現行の CSR
規制で要求されている情報の監視
・ ナティクシスの非財務格付の年次レビュー
CSR 委員会は、その活動内容を取締役会に報告し、より具体的に結論を提示して議論し、必要に応じて審
議に付す。
(c) 上級経営陣
2020 年 12 月 31 日現在、上級経営陣は、最高経営責任者であるニコラ・ナミア氏および上級経営委員会
( 2020 年の活動内容については下記に詳述される (下記「④ 上級経営委員会の業務」を参照のこと。) 。)
を中心に構成されている。
2020 年 12 月 31 日現在、その構成員は、最高経営責任者の他は以下のとおりである。
・ ナタリー・ブリッカー氏(最高財務責任者)
・ アンヌ・クリスティーヌ・シャンピオン氏(コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バ
ンキング部門の共同ヘッド)
・ モハメド・カララ氏(コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門の共同
ヘッド)
・ アンドレ・ジャン・オリヴィエ氏(事務総長)
・ ジャン・レイビー氏(資産運用およびウェルス・マネジメント部門長)
・ ヴェロニク・サニ氏(テクノロジーおよび変革部門役員)
・ セシル・トリコン・ボサード氏(当行グループ人事部門役員)
・ ピエール・アントワーヌ・ヴァシュロン氏(決済部門長)
・ オリビエ・ヴィネロン氏(最高リスク管理責任者)
2021 年2月 22 日、新たな構成員として、保険部門長であるフランソワ・コデ氏が就任した。
情報機関であるエグゼクティブ委員会( Comex )(活動内容については下記に詳述される (下記「⑤ エグ
ゼクティブ委員会の業務」を参照のこと。) 。)には、上級経営委員会の構成員の他に、当行の経営に不可
欠な特定の主要事業分野および支援部門の責任者が招集される。
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① 上級経営委員会および最高責任者の上位 10 %における男女の均衡
A 上級経営委員会 におけるジェンダーダイバーシティー方針
ガバナンス機関(フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレート・ガバナン
ス・コード第 7.2 条の意味において、取締役会および上級経営委員会を含む。)における男女の割合の均衡
は、ナティクシスにとって重要な問題である。
2019 年、当行は国連の男女平等に関する原則に署名した。ナティクシスは、女性のエンパワーメントの
ための7つの原則に署名することで、当行の最高レベルにおいて男女平等のガバナンスを実施することを
約束している。
ナティクシスは、ニュー・ディメンション戦略計画の一環として、上級経営委員会の構成員の 20 %を女
性とするなど、ジェンダーダイバーシティーの目標も設定している。 2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシス
の上級経営委員会における女性の割合は 40 %( 2021 年2月 22 日のフランソワ・コデ氏の就任により 36 %に
低下)で、以前の 30 %に比べて女性の割合が明らかに増加しており、戦略計画において設定された目標を
上回っている。
ナティクシスは、5年前には男性のみで構成されていた上級経営委員会から、現在は男性6名、女性4
名で構成される委員会へと移行した。各構成員は、最高財務責任者、テクノロジーおよび変革部門役員、
人事部門役員、ならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの共同ヘッドと
いう戦略的地位に就いている。ナティクシスは、女性の割合を大幅に増加させるという点でも、支援業務
および事業分野において最高の地位を占める女性のプロファイルに関しても、模範的であるとみなされて
いる。
ガバナンス機関におけるこの女性の増加は、数年前に開始された、以下を中心とした具体的な行動計画
の結果である。
・ 各事業分野における数値目標の設定および監視
・ 強力な能力ベースの人材および採用プロセス
・ 女性のプロファイルを体系的に含む後任育成計画
・ 混合型のキャリア開発プログラム
後者については、ナティクシスは 2019 年に、優秀な女性従業員が上級経営委員会またはエグゼクティブ
委員会の構成員の支援を1年間受けることのできる「女性スポンサーシップ・プログラム」を構築および
実施した。目標は、これらの女性の才能を促進し認知度を高めることにより、ナティクシス内でのキャリ
アの機会を積極的に提供することである。
また 10 年超にわたり、「女性のためのキャリアにおける成功」等の女性に特化したコーチング・プログ
ラムを実施しており、これによって、毎年、従業員がリーダーシップ・スキルを磨き、自らの意思を主張
することが可能になっている。
こうした取組みの結果、現在ナティクシスは、男女平等庁が作成し 2020 年7月に発表された SBF120 のガ
バナンス機関における女性部門の格付けリストにおいて首位の銀行 となった。
このランキングは、上級経営委員会の構成員が所属するリーダーシップ団体における女性の存在感を高
めるための進歩と努力を評価するものである。
B 最高責任者の上位 10 %における男女の均衡
フランス商法第 L.22-10-10 条 - 2項に従い、女性の 29 %が、責任者たる地位の上位 10 %に就いている(上
級経営委員会の構成員およびナティクシスのエグゼクティブ委員会の構成員を含む。)。これは、トップ
のリーダーシップ団体であるグローバル・リーダーズ(上位 100 位に相当する。)に相当するものである。
② 最高経営責任者
最高経営責任者は、取締役会会長および最高経営責任者の執務を分離させる 2009 年4月 30 日の取締役会
の決定に従って、ナティクシスの上級経営陣への責任を有する。
2020 年8月3日のフランソワ・リアイ氏の退任後、取締役会は、後任として、指名委員会の高評価に
従ってニコラ・ナミア氏を指名し、役職を直ちに有効とすることを決定した。ニコラ・ナミア氏の任期は
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4年であり、 2023 年 12 月 31 日に終了する事業年度の財務諸表を承認するために招集される 2024 年ナティク
シス株主総会後に終了となる。
したがって、ニコラ・ナミア氏は、ナティクシスの執行役員(「 dirigeant effectif 」、フランス通貨
金融法典第 L.511-13 条および第 L.532- 2条で定義される。)となった。
最高経営責任者は、その権力の一部を、再委任の権限付きまたは権限なしで、それが選んだ者へ委任す
ることができる。この事実に関して、ナティクシスは、権限および署名権限の委任を任命し監視する包括
的システムを有しており、上級経営委員会の構成員への上級経営陣の権限の委任を含んでいる。さらに、
各事業分野および支援部門は、上級経営陣が定めた基本方針に沿って、自身の署名権限規則の定義および
定期的な更新を行う。
最高経営責任者の提案により、取締役会は取締役の中からまたは別の方法で、最高経営責任者を補佐す
る1名から5名の最高経営責任者代理を指名することができる。
取締役会は、最高経営責任者と共に、最高経営責任者代理に付与される権限の範囲およびその期間を決
定する。最高経営責任者代理は、第三者に対しては、最高経営責任者と同一の権限が付与される。
有罪判決の不存在に関する開示
最高経営責任者は、少なくとも過去5年間に、詐欺の有罪判決を受けたことはなく、破産、清算、財産
管理または会社の破産を申し立てられたことも、公的機関または規制機関により有罪判決および/または
処罰を受けたこともなく、発行会社の管理機関、経営機関もしくは監督機関の構成員として行為すること
または発行会社の事業の管理もしくは運営において行為することについて不適格となったこともない。
利益相反
最高経営責任者のナティクシスに対する職務と、同氏の私的利益および/または第三者に対するその他
の職務の間に、潜在的な利益相反は存在しない。
また、最高経営責任者をナティクシスに拘束する業務契約であって、かかる契約の条件に従って利益を
供することができ、同氏の独立性について疑義を生じさせたり、同氏の意思決定に干渉したりする可能性
のあるものは存在しない。
③ 執行役員 (「 dirigeants effectifs 」)
フランス財政金融法第 L.511-13 条および第 L.532- 2条に従い、ナティクシスは、現在2名の執行役員
(最高経営責任者のニコラ・ナミア氏および最高財務責任者のナタリー・ブリッカー氏)を擁している。
ブリッカー氏は、マルク・ヴァンサン氏の後任として 2020 年 11 月5日の取締役会において指名された。
執行役員として、ニコラ・ナミア氏およびナタリー・ブリッカー氏は、監督当局、特にフランスの金融
健全性監督・破綻処理機構( Autorité de Contrôle Prudentiel et de Résolution ( ACPR ))および欧州
中央銀行( ECB )に対して、以下の業務に関する保証を行い、また、その全責任を負う。
・ フランス財政金融法第 L.511-13 条での意味における銀行の経営管理
・ ACPR が要求し得る会計または財務関連書類の ACPR への開示および同法の第 L.571- 4条から第 L.571-
9条に関する情報のあらゆる質問または要求への回答
・ 銀行部門事業の内部統制に関する 2014 年 11 月3日付フランス省令を遵守するために設けられた体制
および手順の効果についての定期的な評価および統制
・ 資金需要の決定
かかる状況において、執行役員は、ナティクシスのあらゆる部門、部署、被支配事業体または子会社か
ら、すべての有益な情報を要求しそれを受領する権限を有する。
業務執行役員が欠席の場合、その他の執行役員は、指名委員会による推薦に基づいて、取締役会が新た
な最高経営責任者を指名するまで事業継続性を確保する。
④ 上級経営委員会の業務
ナティクシスが取締役会を有するフランスの株式会社へ転換したことに従い、当行の主要な決定の検討
および認可ならびに当行の経営の舵取りを行うために、 2009 年5月初旬に上級経営委員会が設置された。
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例外がなければ、上級経営委員会は、最高経営責任者が議長を務め、毎週開催される。同委員会は、ナ
ティクシスの4つの主要事業(資産運用およびウェルス・マネジメント、コーポレート・バンキングおよ
び インベストメント・バンキング、保険ならびに決済)担当部長ならびに主要かつ横断的な支援部門の責
任者で構成されている。
状況が許す限り、上級経営委員会の構成員は 2020 年中のすべての会合に出席した。業務部門または様々
な支援部門の代表者が、その部門に付与された権限の範囲内に当たる計画または方針を上程するために、
会合に招かれた。
2020 年は、 2018 年 -2020 年ニュー・ディメンション戦略計画がナティクシスのすべての事業分野にわたっ
て実行される最後の年であった。ニュー・ディメンションは、ナティクシスの顧客に、広範囲にわたる高
付加価値ソリューションを与える3つの強力なイニシアチブを提示している。ニュー・フロンティア計画
の下で成功のうちに開始された当行の事業モデルの移行を強化すること、当行の投資の大部分をデジタル
技術へ割り当てることおよびナティクシスのチームが持つ並外れた技術が認識される領域において、業界
を牽引し当行の差別化を行うことである。 2020 年は、 2020 年 11 月に発表された長期的な価値の創造に焦点
を当てた戦略的選択の構造化にも象徴されており、 2021 年 -2024 年の次期戦略計画に向けた強固な基盤の構
築が可能となった。
かかる状況において、上級経営委員会は、外部成長の機会を調査し、様々なプロジェクトまたは構想の
監督を行った。結果として、上級経営委員会は、ナティクシスが実施したすべての戦略的事業の分析およ
び承認を、当行の取締役会への提出前に行った。
戦略的な取引については、資産運用およびウェルス・マネジメント事業では、 Ostrum AM と Banque
Postale AM の合併が完了し、大企業機関投資家向けの金利・保険管理分野における欧州のリーダーを確立
するとともに、 Natixis Investment Manager の欧州における資産運用のリーディング・プレーヤーとして
の位置付けを強化した。また、 Natixis Investment Managers および H20 AM の関係の変化についての発表、
ならびにパートナーシップを段階的かつ秩序ある形で解消するための協議が開始されたことも注目に値す
る。
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門では、エクイティ・デリバティブ
事業のポジションが再編成され、最も複雑な商品は廃止され、低リスクおよび中リスクの商品に対するエ
クスポージャー制限が緩和されたほか、 Groupe BPCE のネットワークおよびナティクシスの戦略的顧客にも
再び重点が置かれるようになった。
非事業セグメントでは、 2020 年2月に Coface の株式資本の 29.5 %が Arch Capital Group に売却されたこ
とが発表され、ナティクシスの残りの持分は 12.2 %となった。
さらに、上級経営委員会は、銀行部門および保険部門における経済環境および規制環境の変動に対する
ナティクシスの適応を監督した。特に、当該委員会は、規制上の変更およびイニシアチブを定期的に監視
した。当該委員会は、ナティクシスの回復力と業務効率の向上を目的として複数のプロジェクトを立ち上
げ、 2024 年までに 350 百万ユーロのコスト削減を目指す新たな変革計画を発表した。
さらに同委員会は、3つの価値観(持続可能な影響力、起業家精神、共同知性)を中心としたナティク
シスの「パープル・ウェイ」を定義および確認する文化に焦点を当てたプロジェクト、ナティクシス財団
の創設、ならびに新しいモビリティ協定の実施を通じて、従業員エンゲージメントのイニシアチブを奨励
した。
また上級経営委員会は、 BPCE と連携して、ナティクシスの不動産戦略および新たな職場環境・手法につ
いての検討を継続した。
上級経営委員会は、従業員、顧客およびすべての利害関係者に対する、 COVID-19 による健康危機の影響
の管理および監視を監督した。特に、事業継続性、リスクの監視および顧客の経済回復を支援するための
措置を定期的に監視した。
上級経営委員会は、当年度を通してその会合において当行の事業の進展および業績を定期的に調査し
た。同委員会は、年次財務書類、半期財務書類および四半期財務書類について、その取締役会への提出前
にその検討を行い、また、当行の財務報告資料の定義付けに関与した。
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関連する業務部門および支援部門との詳細な議論の後、上級経営委員会は、主要な経営上の決定の承認
を行い、予算および資本軌道、強化および検証されたリスク選好枠組、内部ストレス・テストならびに
ICAAP 報告書の検討および承認を行った。さらに、上級経営委員会は、義務的な年次交渉および報酬見直し
方 針を統制する諸条件、執行役員およびマネージャーの指名ならびにすべての重要な計画または投資につ
いての承認も行った。
さらに、上級経営委員会は、ナティクシス内の経営、リスク管理およびコンプライアンスの手段を監督
し、当行のリスクにおける変化および監査の影響について定期的に検討した。また、同委員会は、職業行
為に関連する問題にも焦点を当てた。
また、上級経営委員会は、ナティクシスの CSR 戦略の実施も監督した。特に気候変動への対応において、
同委員会は、気候および環境に好影響を与える取引向けのリスク加重資産の有利な調整ならびに気候およ
び環境に悪影響を与える取引向けのリスク加重資産の不利な調整を引き起こす、グリーン・ウェイティン
グ・ファクター・プロジェクトの展開を監督した。石油およびガスのエクスポージャーは年間を通じて積
極的に削減され、 2022 年に予定されているシェールガスおよびシェールオイルの事業からの完全撤退の決
定が発表された。
最後に、同委員会は、 2021 年 -2024 年の次期戦略計画の作成作業を継続し、 2024 年の事業分野の戦略的方
向性および優先すべき分野横断的課題の方向性を決定するための数日間の戦略的対話を行った。
⑤ エグゼクティブ委員会の業務
ナティクシスは、上級経営委員会の構成員ならびに当行の成功にとって重要である特定の事業分野担当
部長および支援部門長から成るエグゼクティブ委員会を有する。
40 名を超える構成員から成るエグゼクティブ委員会は、四半期ごとに、セミナー形式で開催された。同
構成員らは、かかるセミナーにおいて、上級経営委員会が提案した戦略に関する考察と分析を提供し、
チームへ周知すべき経営情報を組み入れるために招聘された。健康危機ならびに事業分野およびチームに
対する健康危機の影響に対処するために、数回の臨時会議が開催された。
エグゼクティブ委員会の構成員は、特定のテーマに関する事業横断的なイニシアチブの発起人または
ワーキンググループへの貢献者として、 2021 年 -2024 年の戦略計画の作成に貢献した。
また、同構成員らは、常に、特に人事、財務および事業分野の分野等の、当行の様々なプロジェクトに
関与している。
(4) 執行役の各種報酬および手当の決定に関して策定された方針および規則
予備事項として、 BPCE が開始したナティクシスの株式の募集に関連して、取締役会は、ナティクシスおよ
びその子会社の従業員および執行役に対する報酬として付与される金融商品の条件の調整を検討することが
求められると規定されている。 BPCE による募集の後にスクイーズアウト手続が実施された場合、これらの金
融商品の業績条件および決済方法に影響が及ぶ可能性がある。決定された調整は、予定される募集の文書作
成において、追加の連絡の対象となる。
ナティクシスの報酬方針は、当行の戦略を実施する上で重要な要素である。当該方針は、過度なリスク負
担を抑制しつつ、従業員の長期にわたる雇用を促進し、かつ、当行の魅力を高めるような構造になってい
る。
本項では、まず、承認のため次回の株主総会に提出される報酬方針の原則および業務執行役員の報酬に適
用される基準について詳述し、次に、前事業年度に支払われた、または前事業年度に関して割り当てられた
報酬の構成に関する情報を提供する。
報酬委員会の構成員、役割および権限に関する情報は、上記「 (2) コーポレート・ガバナンスの管理およ
び監督」に詳述される。(「 (2) コーポレート・ガバナンスの管理および監督- (b) 特別委員会:取締役会
の派生-③ 報酬委員会」を参照のこと。)
フランス商法第 L.22-10-34 条に従い、業務執行役員に対する 2020 事業年度の変動報酬および特別報酬の支
払いは、当該事業年度の財務諸表を承認するために招集される株主総会の承認の対象となる。
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(a) 執行役に対する報酬方針
ナティクシスの報酬方針は、持続的に企業戦略を実施する上で重要である。取締役会は、当該方針が企業
の利益と一致するようにしている。取締役会は、報酬の各構成要素はバランスがとれており、付与される手
当は遂行された職務に見合うものであることを保証している。また、当該報酬が、過度なリスク負担を抑制
しつつ、従業員の長期にわたる雇用を促進し、かつ、当行の魅力を高めるような構造になっていることも保
証している。
当該方針には、各事業分野および各従業員の個別および全体の業績が反映され、財務実績基準および定性
的な実績基準(非財務基準(特に社会的および環境的責任)を含む。)が組み入れられている。また、ナ
ティクシスの文化および善良な行動規範に沿った行動を促進しつつ、時間をかけてナティクシスの様々な利
害関係者の利益を調整し、当該方針が従業員と顧客との間で利益相反の原因とならないようにしている。
報酬方針の策定・修正プロセスの独立性および妥当性を確保するため、報酬委員会(当該委員会の役割は
「 (2) コーポレート・ガバナンスの管理および監督- (b) 特別委員会:取締役会の派生-③ 報酬委員会」に
詳述される。)は、執行役の報酬方針の原則について年次分析を行い、取締役会への提案を策定している。
同時に、報酬委員会は、適用ある法律および取締役会の内部規則に従い、利益相反に関する規則を確実に遵
守している。
報酬方針は、 CRD 、銀行業務の分離および規制に関するフランス法、 AIFMD 、 UCITS 、金融商品市場指令、
IDD およびソルベンシーを含む、ナティクシスが事業を行う国および事業部門の規制を厳密に遵守している。
業務執行役員の報酬は、すべての従業員(特に、専門的な業務でナティクシスのリスク特性に重大な影響
を与える従業員)に適用されるナティクシスの一般的な報酬方針の原則に準拠しており、その詳細は、株主
総会の前に毎年公表される報酬方針および実務に関する年次報告書に記載される。
報酬委員会との協議の後、株主総会によって給与体系が承認される前に、取締役会は、ナティクシスの業
務執行役員の様々な支払要素を、同等の役職に関する市場慣行との競争原則およびかかる支払要素が業績に
どのように関連しているかに基づいて決定する。
業績
競争力
個別および全体の
+
市場慣行との比較
財務基準および非財務基準
フランス商法第 L.22-10- 8 III 条に従い、取締役会は、例外的な状況において、報酬方針の特定の規定を
その原則に沿って変更することができる。ただし、企業の利益を考慮して、かかる標準方針からの逸脱は一
時的なものであり、当行の持続可能性または成長能力を保証するために必要であることを条件とする。
ガバナンスに変更があった場合または新たな執行役が選任された場合、取締役会は、報酬方針の中核とな
る原則を確実に遵守し、利害関係者の特性によっては当該方針からの逸脱を決定することができる。
下記の方針は、近年株主総会に提出された報酬方針に沿ったものであり、この内容に対する重要な変更は
行われなかった。
① 非業務執行役員
ナティクシスの取締役会の構成員は、以下に規定される条件に従い、報酬を受領した。
取締役会および委員会への出席に関して取締役会の構成員に割り当てられる報酬の年間予算の総額は、
650,000 ユーロである ( 2015 年5月 19 日の共同株主総会第 36 号決議を参照のこと。) 。
報酬委員会の提案に基づき、 2021 年2月 11 日の取締役会により承認された報酬方針の主な変更点は、以
下のとおりである。
・ CSR 委員会の設置を考慮した、取締役会の構成員に割り当てられる年間報酬パッケージ全体の分配方
法の調整
・ 取締役会会長による同人の取締役としての職務に係る報酬の放棄 ( 注1 )
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( 注1 ) Groupe BPCE 内で適用される規則に従い、取締役としての職務に関してローラン・ミニョン氏に支払わ
れるべき報酬の一部は、 BPCE に直接割り当てられ、支払われた。
取締役会の構成員の報酬は、 15 名の取締役および1名の監査人という構成を基準に、以下の規定に従っ
て付与される。
報酬
管理機関 固定部分(任期に応じ比例配分) 変動部分
取締役会
会長 N/A N/A
会議1回につき 2,000 ユーロ
構成員 8,000 ユーロ
(7回を上限とする。)
監査委員会
会議1回につき 2,000 ユーロ
議長 17,000 ユーロ
(6回を上限とする。)
会議1回につき 1,000 ユーロ
委員 3,000 ユーロ
(6回を上限とする。)
リスク委員会
会議1回につき 2,000 ユーロ
議長 17,000 ユーロ
(6回を上限とする。)
会議1回につき 1,000 ユーロ
委員 3,000 ユーロ
(6回を上限とする。)
指名委員会
会議1回につき 2,000 ユーロ
議長 15,000 ユーロ
(3回を上限とする。)
会議1回につき 1,000 ユーロ
委員 2,000 ユーロ
(3回を上限とする。)
報酬委員会
会議1回につき 2,000 ユーロ
議長 15,000 ユーロ
(4回を上限とする。)
会議1回につき 1,000 ユーロ
委員 2,000 ユーロ
(4回を上限とする。)
CSR 委員会
会議1回につき 2,000 ユーロ
議長 12,000 ユーロ
(2回を上限とする。)
会議1回につき 1,000 ユーロ
委員 2,000 ユーロ
(2回を上限とする。)
戦略委員会
会議1回につき 12,000 ユーロ
議長 N/A
(1回を上限とする。)
会議1回につき 2,000 ユーロ
委員 N/A
(1回を上限とする。)
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取締役会の構成員は、取締役会の会議への参加に関して、年間 8,000 ユーロの固定部分および会議1回に
つき 2,000 ユーロの変動部分(出席回数に応じたものであり、報酬が支払われる会議の総数は年間7回を上
限 とする。)を受領する。したがって、取締役会の会議について支払われる報酬の最大額は、いずれの取
締役についても 22,000 ユーロを超えてはならない。
特定の事業年度中に取締役会の構成に変更があった場合、この金額は、就任する取締役と退任する取締
役との間で分割される。
さらに、該当する場合には、上表に示すとおり、取締役会の様々な特別委員会への参加に関しても報酬
を受領する。
例えば、すべての委員会の委員(議長ではなく)も務める取締役は、取締役会および委員会のすべての
会議につき 100 %出席した場合、年間 57,000 ユーロを受領する。
委員会の議長には、その仕事量および責任を考慮し、委員よりも高額の報酬が支払われる。
また、 Groupe BPCE 内で適用される規則に従い、 BPCE の取締役に対する役員報酬は、取締役ではなく、
BPCE に直接付与され、支払われる。
取締役会会長が、同人の取締役としての職務に関して支払われるべき報酬を放棄したことを考慮し、
(必要な場合には)この方針が取締役会会長に適用されないことが規定されている。
取締役の固定報酬および変動報酬の分配方法は、 2021 事業年度の取締役会により承認されたが、取締役
会の構成に変更があった場合または仕事量もしくは責任の増加を考慮した変更があった場合には、取締役
会によって調整される可能性があることに留意されたい。
取締役会の構成員の任期は、フランス商法第 R.22-10-14(II)( 5 ) 条に従い、取締役会の構成表に詳述さ
れることになっている。さらに、取締役会の構成員の選任および解任に関する条件については、フランス
商法第 L.225-18 条に言及される。取締役会の構成員はまた、理由を示さずに辞職することができる。死亡
または辞職により取締役に欠員が生じた場合、取締役会は、2回の株主総会の間に臨時選任を行うことが
できる。取締役会が行う選任は、次の株主総会で承認されることを条件とする。最後に、いかなる取締役
も、当行との雇用契約および/または役務契約に拘束されない。
② 取締役会会長
ナティクシスの取締役会会長の報酬は、取締役会が、同人の経験を考慮し、市場の基準に従って評価す
ることにより設定される。取締役会会長としての職務に係るローラン・ミニョン氏の年間固定報酬は、総額
300,000 ユーロであり、 2018 年から変更されていない。
唯一の変更点は、ナティクシスの取締役会会長が、同人の BPCE の代表取締役としての職務に係る報酬の
支払いを放棄したことに関連している。当行グループの規則に従い、この報酬は、会長ではなく、 BPCE に
直接支払われた。
フランス商法第 R.22-10-14(II)( 5 ) 条に従い、 2018 年6月1日、ローラン・ミニョン氏は、 2022 年 12 月
31 日に終了する年度の財務諸表を承認するために招集されるナティクシスの 2023 年株主総会後までを任期
として、ナティクシスの取締役会会長に選任された。また、取締役会会長の選任および解任に関する基準
は、フランス商法第 L.225-47 条に規定される。
③ 最高経営責任者
固定報酬
最高経営責任者の固定報酬は、その職務を遂行するために必要なスキルおよび専門知識に基づき設定さ
れ、同等の役職に関する市場慣行に沿っている。
2021 事業年度のニコラ・ナミア氏の年間固定報酬は、総額 800,000 ユーロで維持されている。
年間変動報酬
さらに、最高経営責任者の報酬は、特に、あらかじめ定められた目標の達成を条件とする年間変動報酬
について、当行の業績と密接に関係している。これらの目標の詳細および期末時点におけるその達成状況
は、報酬委員会との協議の後、取締役会によって評価され、その後株主総会で投票にかけられる。当該基
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準には、 BPCE およびナティクシスの財務実績に関する量的目標ならびに戦略目標に連動する目標( CSR に関
する目標も含む。)が含まれている。
年間変動報酬目標は、固定報酬の 100 %(すなわち年間総額 800,000 ユーロ)で維持されている。
報酬委員会による検討の後、 2021 年2月 11 日の取締役会により承認された 2021 事業年度の年間変動報酬
の決定基準は、以下のとおりである。
2021 年変動報酬決定規則
目標は固定報酬の 100 %(変動幅は当該目標の0%から 156.75 %(つまり、最大で固定報酬の
156.75 %))に設定された。
・ 12.5 %の純利益(グループ持分)
量的基準
・ 8.3 %の費用収益比率
*
BPCE の財務実績 25 % ・ 4.2 %の純収益
・ 11.25 %の純収益
・ 11.25 %の純利益(グループ持分)
量的基準
・ 11.25 %の費用収益比率
*
ナティクシスの財務実績 45 % ・ 11.25 %の ROTE
・ 10 %の新たな戦略計画の最終決定および開始
・5%の転換イニシアチブの進展
・5%の統制およびリスクに係る監視
・5%の様々な事業分野における CSR およびエネルギー転換の問題
に影響を与えるプレーヤーとしてのナティクシスの地位の強調
戦略的基準 30 % ・5%の従業員の雇用の促進および奨励
*
基礎となるデータ
最高経営責任者の年間変動報酬の支払条件は、適用ある規制、特に 2019 年5月 20 日付欧州指令 CRD 5に規
定される報酬の監督に関する規制上の要件を遵守する。特に、付与された変動報酬の一部の支払いは、複
数年にわたり繰り延べられ、条件付であり、勤続要件および業績基準を満たすことを条件とする。
付与された変動報酬の繰延部分は、かかる報酬の少なくとも 40 %を占めており、一方、年間変動報酬の
50 %は、株式の形式または同等の金融商品によって付与される。これは、割り当てられた変動報酬の繰延
部分および条件付部分ならびに非繰延部分双方に当てはまる。
繰り返し述べるが、最高経営責任者は、変動報酬の繰延部分の権利確定期間および制限期間の両方にお
いて、ヘッジまたは保険戦略手段の使用を禁止されている。
長期報酬制度に基づく付与
最高経営責任者は、ナティクシスの上級経営委員会委員向け長期報酬制度(以下「 LTIP CDG 」とい
う。)に基づく割当を受給する資格を有する。当該割当は、同人の年間固定報酬総額の 20 %に相当し、そ
の権利確定は、勤続要件および業績基準を満たすことを条件とする。
事業年度中に最高経営責任者に付与される変動報酬(年間変動報酬および LTIP )の総額が、同人の固定
報酬の年間総額の2倍を超えてはならない。
諸手当
最高経営責任者は、フランスのナティクシスの従業員に適用されるものと同様の規則に基づき、家族補
助手当を受領する。最高経営責任者は、社用車を所有している。
最高経営責任者は、ナティクシスの従業員に適用されるものまたは Groupe BPCE がその執行役員に対して
実施するものと同一条件の社会的保護手当も受領する。
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退職後給付
年金制度
その他のスタッフと同様、 最高経営責任者は、強制加入年金制度の適用を受けている 。同人は、フラン
ス一般税法第 39 条または第 83 条に記載される補完年金制度のような制度の適用を受けていない。
退職金
標準報酬月額は、最終営業暦年の活動に関して支払われた 固定報酬総額の 12 分の1および最終3暦年の
活動に関して支払われた 変動報酬の平均値 に相当する。
退職金の額は、以下 の算式による計算額に相当する。
標準報酬月額 ×( 12 ヶ月 + 勤続年数ごとに1ヶ月)
最高経営責任者は、重大な過失もしくは故意による不正行為が発生した場合、自らの意思で当行を離れ
他の職務に就く場合もしくは Groupe BPCE 内の他の職務へ異動する場合、または年金受給権を行使する場合
には、退職金を受領しない。
さらに、フランス私企業協会( AFEP )/フランス企業連盟( Medef )コーポレート・ガバナンス・コード
の規定に沿って、手当を享受する権利は、業績基準および要件を満たすことを条件とする。取締役会 は、
必要に応じて 当該基準の達成を証明する。 2021 年2月 11 日、ナティクシスの取締役会は、最高経営責任者
の退職金を決定するための新たな条件を定めた。この条件は、事業年度通期において実施された予算の策
定・監視プロセスを反映させるため、目標の達成状況に係る評価を、半年ごとではなく、過去2事業年度
に関して実施することを定めている。さらに、予算目標の達成状況を評価するための純利益(グループ持
分)および ROE については、基礎となるデータを用いる。
1.退任前の2事業年度におけるナティクシスの基礎となる純利益(グループ持分)の平均が、当該期
間の平均予算の 75 %以上であること。
2.退任前の2事業年度におけるナティクシスの基礎となる ROE の平均が、当該期間の平均予算の 75 %以
上であること。
3.退任の直前の半期におけるナティクシスの費用収益比率が 75 %未満であること。
支払額は、達成された業績基準の数に基づいて決定される。
・ 3つの基準がすべて達成された場合、合意された支払額の 100 %
・ 2つの基準が達成された場合、合意された支払額の 66 %
・ 1つの基準が達成された場合、合意された支払額の 33 %
・ いずれの基準も達成されなかった場合、支払いは行われない。
繰り返し述べるが、最高経営責任者が受領する退職金の額、また(保証される場合)競業避止補償と合
算した額は、標準報酬月額の 24 ヶ月分を超えてはならない。
競業避止補償
競業避止契約は6 ヶ月の期間に限定され、 最高経営責任者の離職日に効力を有する、固定報酬の6 ヶ月
分に相当する補償を提供する。
2021 年2月 11 日、取締役会は以下のとおり決定した。
・ 最高経営責任者が年金受給権を行使する場合、競業避止補償は支払われない。
・ いかなる場合であっても、 65 歳を超える人物に競業避止補償を支払うことはできない。
・ また、競業避止補償は、任期中に分割して支払われなければならないと規定されている。
最高経営責任者が受領する競業避止 補償 の額、また場合によっては退職金と合算した額の上限は、 標準
報酬月額の 24 ヶ月分( 固定および変動報酬の両方 )である。
取締役会は、最高経営責任者が退任した際に競業避止条項を行使するか否かを決定しなければならな
い。
当該退職金および競業避止補償については、 2021 年5月開催のナティクシスの株主総会に提出されるこ
とが規定されている。
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フランス商法第 R.22-10-14(II)( 5 ) 条により義務付けられる開示
2020 年8月3日、ニコラ・ナミア氏は、取締役会により、 2023 年 12 月 31 日に終了する年度の財務諸表を
承認するために招集されるナティクシスの 2024 年株主総会後までの4年間を任期として、 2020 年8月4日
付 で最高経営責任者に選任された。また、最高経営責任者の選任および解任に関する基準は、フランス商
法第 L.225-51- 1条および第 L.225-55 条に規定される。
(b) 取締役会会長および最高経営責任者に対する 2020 年の各種報酬および手当
2020 年5月 20 日の株主総会において、取締役会会長および最高経営責任者に対する報酬方針の構成が承認
された。
① 取締役会会長- 2020 事業年度に支払われた、および/または 2020 事業年度に関して付与された各種報酬
および手当
2020 年5月 20 日の株主総会で承認された原則に基づき、ローラン・ミニョン氏は、 2020 事業年度におい
て、ナティクシスの取締役会会長としての職務に関して、総額 300,000 ユーロを受領した。
② 最高経営責任者-フランソワ・リアイ氏( 2020 年1月1日から 2020 年8月3日まで任期)に対して、
2020 事業年度に支払われた、および/または 2020 事業年度に関して付与された各種報酬および手当の総
額
固定報酬
2020 事業年度の最高経営責任者の固定報酬は、年間総額 800,000 ユーロ(前年から変更なし)であり、
2020 年のフランソワ・リアイ氏の固定報酬は、 473,118 ユーロ(任期に応じ比例配分)となった。
2020 事業年度中にナティクシスの最高経営責任者としての職務に関してフランソワ・リアイ氏に支払わ
れた固定報酬は、付与された報酬総額の 75 %を占めている。
年間変動報酬
2020 事業年度の年間変動報酬目標は、フランソワ・リアイ氏の固定報酬の 120 %であり、変動幅は当該目
標の0%から 156.75 %(つまり、最大で同氏の固定報酬の 188.1 %)に設定された。フランソワ・リアイ氏
の変動報酬目標は、年間 960,000 ユーロであり、 2020 年については 560,000 ユーロ(任期に応じ比例配分)
となった。
取締役会は、フランソワ・リアイ氏に対し、 2020 事業年度に係る年間変動報酬を付与しないことを決定
した。
パフォーマンス・シェアの無償割当
ナティクシスの 2020 年上級経営委員会委員向け長期奨励制度( LTIP CDG )の一環としての最高経営責任
者のパフォーマンス・シェアの受給資格に係る原則に従い、ナティクシスの取締役会は、 2020 年5月 20 日
の会議において、フランソワ・リアイ氏に対して、 77,783 株のパフォーマンス・シェアを割り当てた。こ
れにより、フランソワ・リアイ氏は、その業績条件の達成に応じて、最大 93,339 株(つまり、割当日にお
ける資本金の最大 0.00246 %)を取得し得る。この割当は、フランソワ・リアイ氏の年間固定報酬総額の
20 %に相当する。
これらの株式の権利確定は、ナティクシスの株式の相対的な総株主利益( TSR )および CSR 目標の達成の
両方に基づく Groupe BPCE への勤続要件および業績条件を満たすことを条件としている。 2020 年8月3日の
取締役会の決定により、過去にフランソワ・リアイ氏に付与され、権利確定の過程にある繰延変動報酬の
すべての要素について、勤続要件が解除された。その他の権利確定条件は維持された。
ユーロ・ストックス銀行指数に対するナティクシスの株式の年間パフォーマンスは、当該制度が適用さ
れる4年間(すなわち、 2020 事業年度、 2021 事業年度、 2022 事業年度および 2023 事業年度)にわたって、
割当株式の 25 %をそれぞれ占める各年次トランシェにつき、毎年比較される。ユーロ・ストックス銀行指
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数の平均 TSR と比較したナティクシスの TSR の相対的パフォーマンスに基づき、各年次トランシェには以下
の比率が適用される。
・ 90 %未満のパフォーマンス:年次トランシェの株式は権利確定しない。
・ 90 %のパフォーマンス:年次トランシェの株式の 80 %が権利確定する。
・ 100 %のパフォーマンス:年次トランシェの株式の 100 %が権利確定する。
・ 120 %以上のパフォーマンス:年次トランシェの株式の 110 %が権利確定する。
当該比率は、各パフォーマンス・カテゴリー間で直線的に変動する。
CSR 目標は、非金融格付機関により評価された、4年間の権利確定期間におけるナティクシスの CSR のパ
フォーマンスの変動に基づいている。権利確定プロセスには各格付機関の CSR 評価に相当する評価基準が含
まれ、過去2年間においてその要件は引き上げられている。
4年間の権利確定期間の終了時に、総合的な年次格付の平均によって、 TSR の条件を適用して取得した株
式数に対する追加の株式数の割合が決定される。 TSR 基準および CSR 基準のパフォーマンスが平均を上回っ
た場合も、絶対的な権利確定の上限は 120 %とする。
諸手当
2020 年において、フランソワ・リアイ氏は、ナティクシスの従業員に適用されるものと同様の条件に基
づき、家族補助手当を受領した(すなわち 1,625 ユーロ)。
フランソワ・リアイ氏は、ナティクシスの従業員が受領するもの、または Groupe BPCE が執行役員に対し
付与するものと同条件の健康給付および個人保護保険も受領している。かかる補償に対応する企業拠出金
の額は、 13,302 ユーロである。
退職後給付
年金制度
その他のスタッフと同様、 最高経営責任者は、強制加入年金制度の適用を受けている 。同人は、フラン
ス一般税法第 39 条(確定給付制度)または第 83 条(任意確定拠出制度)に記載される補完年金制度のよう
な制度の適用を受けていない。さらに、フランソワ・リアイ氏は、 Groupe BPCE が実施した「第 82 条」タイ
プの生命保険契約(フランス一般税法を参照のこと。)に対する支払いを行った。当該制度においては、
ナティクシスではなく、最高経営責任者が出資を行い、フランソワ・リアイ氏は 2020 年に 69,391 ユーロを
支払った。
退職金および競業避止補償
フランソワ・リアイ氏の退任に伴い、 2020 年8月3日の取締役会の会議において、固定報酬の6 ヶ月分
に相当する 400,000 ユーロの競業避止補償を割り当てることが決定された。当該補償は6 ヶ月 間にわたって
分割して支払われる。
2021 年2月 11 日、取締役会は、フランソワ・リアイ氏の退任に伴う財政状況の見直しを受け、報酬委員
会の勧告を採択した。その結果、取締役会は、フランソワ・リアイ氏に対する退職金の支払いが不正で
あったと指摘し、フランソワ・リアイ氏に対し、当該退職金の返済を求めることを決定した。この決定
は、ナティクシスの発展(特に COVID 危機の関連)におけるフランソワ・リアイ氏の役割を疑問視するもの
ではないことに留意されたい。
③ 最高経営責任者-ニコラ・ナミア氏( 2020 年8月4日から 2020 年 12 月 31 日まで任期)に対して、 2020 事
業年度に支払われた、および/または 2020 事業年度に関して付与された各種報酬および手当の総額
2020 事業年度の最高経営責任者の報酬の構成は、 2020 年5月 20 日の株主総会で承認された原則を遵守し
ている。取締役会は、 2020 年8月3日の会議において、ニコラ・ナミア氏の報酬の構成につき、従前と同
様の内容で維持することを決定した。
固定報酬
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2020 事業年度の最高経営責任者の固定報酬は、年間総額 800,000 ユーロであり、 2020 年のニコラ・ナミア
氏の固定報酬は、 330,159 ユーロ(任期に応じ比例配分)となった。
2020 事業年度中にナティクシスの最高経営責任者としての職務に関してニコラ・ナミア氏に支払われた
固定報酬は、付与された報酬総額の 63 %を占めている。
年間変動報酬
取締役会は、 2020 年8月3日の会議において、 2020 事業年度のニコラ・ナミア氏の年間変動報酬目標
は、同氏の固定報酬の 100 %であり、変動幅は当該目標の0%から 156.75 %(つまり、最大で固定報酬の
156.75 %)に設定された。ニコラ・ナミア氏の変動報酬目標は、年間 800,000 ユーロであり、 2020 年につい
ては 333,333 ユーロ(任期に応じ比例配分)となった。
2020 事業年度について、以下の目標が設定された。
・ 量的目標( 70 %)。そのうち 25 %は、 Groupe BPCE の財務実績に基づいており(純収益( 4.2 %)、
純利益(グループ持分)( 12.5 %)および費用収益比率( 8.3 %))、 45 %はナティクシスの財務実
績に基づいている(純収益( 11.25 %)、純利益(グループ持分)( 11.25 %)、費用収益比率
( 11.25 %)および ROTE‐ 有形株主資本利益率( 11.25 %))。
・ 個別の戦略目標( 30 %)。新たな戦略計画の策定ならびに CE および BP のネットワークへの分配の強
化に関連する 10 %を含む。その他4つの戦略目標は、規制に従った監督および統制の監視(リスク
選好枠組の実施および閾値超過の是正措置の開始を含む。)、ナティクシスの転換および企業文化
イニシアチブの進展、 CSR イニシアチブにおける主要なプレーヤーとしてのナティクシスの地位の向
上ならびに予測能力、決断力、遂行された組織活性化能力および執行役員を管理する能力を考慮し
て評価される経営者の業績に関連しており、それぞれ5%の比重が割り当てられる。
取締役会は、 2020 年に定められた基準に関してニコラ・ナミア氏の業績の水準を評価し、報酬委員会の
意見を受けた後に、同氏に対して、総額 190,581 ユーロ(すなわち変動報酬目標の 57.17 %)を割り当てる
ことを決定した。
・ BPCE の量的基準に関して:ニコラ・ナミア氏の年間報酬目標の 48.70 %(すなわち 40,581 ユーロ)
・ ナティクシスの量的基準に関して:ニコラ・ナミア氏の年間報酬目標の 20.00 %(すなわち 30,000
ユーロ)
・ 戦略的基準に関して:ニコラ・ナミア氏の年間報酬目標の 120 %(すなわち 120,000 ユーロ)
一部は 2021 年に支払われ、そのうち 50 %(すなわち 98,538 ユーロ)はナティクシスの株価に連動する。
残りは3年間にわたって繰り延べられ、そのうち 50 %(すなわち 92,043 ユーロ)はナティクシスの株価に
連動する。この繰り延べられた金額は、 2022 年( 100 %現金による支払い)、 2023 年( 50 %は現金による支
払い、 50 %はナティクシスの株価に連動)および 2024 年( 100 %ナティクシスの株価に連動)に3分の1ず
つ支払われる(ただし、勤続要件および業績の条件を満たすものとする。)。
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2020 年の年間変動報酬に係る支払いは、 2021 年5月 28 日の株主総会における投票の後に初めて実施され
ることに留意されたい。
2020 年に実施された繰延変動報酬の仕組みの再確認
*
年間変動報酬の繰延部分を管理する CRD 4規則。繰延報酬は、勤続要件および業績基準を満たすことを条件とす
る。
2020 事業年度年間変動報酬
ニコラ・ナミア氏の 2020 事業年度年間変動報酬( 2020 年8月4日から 2020 年 12 月 31 日まで)
権利確定日別の 2020 事業年度年間変動報酬の内訳
ニコラ・ナミア氏(最高経営責任者( 2020 年8月4日から 2020 年 12 月 31 日まで))
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ニコラ・ナミア氏の 2020 事業年度の年間変動報酬のうち、 48 %が 2022 年、 2023 年および 2024 年に繰り延
べられ、そのうち 50 %はナティクシスの株価に連動する。
パフォーマンス・シェアの無償割当
ニコラ・ナミア氏は、 2020 年のナティクシスの上級経営委員会委員向け長期奨励制度に基づく割当を付
与されなかった。
諸手当
ニコラ・ナミア氏は、ナティクシスの従業員に適用されるものと同様の条件に基づき、家族補助手当を
受領した(すなわち 670 ユーロ)。ニコラ・ナミア氏の社用車に係る現物給付は 3,710 ユーロである。
ニコラ・ナミア氏は、ナティクシスの従業員が受領するもの、または Groupe BPCE が執行役員に対し付与
するものと同条件の健康給付および個人保護保険も受領している。かかる補償に対応する企業拠出金の額
は、 5,979 ユーロである。
最高経営責任者の職務に関して付与される 2020 事業年度の報酬総額の内訳
(最高経営責任者としての任期に応じた報酬の累積額(フランソワ・リアイ氏は 2020 年1月1日から 2020
年8月3日まで、ニコラ・ナミア氏は 2020 年8月4日から 2020 年 12 月 31 日まで))
退職後給付
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年金制度
その他のスタッフと同様、 最高経営責任者は、強制加入年金制度の適用を受けている 。同人は、フラン
ス一般税法第 39 条(確定給付制度)または第 83 条(任意確定拠出制度)に記載される補完年金制度のよう
な制度の適用を受けていない。前任者に適用されていた「第 82 条」体制は、ニコラ・ナミア氏については
更 新されなかった。
退職金および競業避止補償
ニコラ・ナミア氏は、 2020 年において、退職金または競業避止補償を受領しなかった。
④ フランス商法第 L.22-10- 9 I 条の第6項および第7項に基づく報酬に関する情報
2020 年 2019 年 2018 年 2017 年 2016 年
ナティクシスの業績-基礎となる純利益
(グループ持分) 517 1,370 1,607 1,715 1,372
前年比 (62.3) % (14.7) % (6.3) % 25.0 % 2.1 %
ナティクシスの業績-基礎となる純収益 7,405 9,177 9,500 9,497 8,700
(d)
前年比 (19.3) % (3.4) % 0.0 % 9.2 % 1.6 %
ナティクシスの業績-基礎となる費用収益
比率 77.3 % 71.3 % 70.9 % 68.9 % 71.4 %
前年比 6.0pp 0. 4pp 2pp (2.5)pp 2.4pp
ナティクシスの業績-基礎となる ROTE 3.0 % 10.0 % 12.0 % 12.3 % 9.9 %
前年比 (7)pp (2)pp (0.3)pp 2.4pp 0.1pp
(a)
最高経営責任者に付与された報酬 1,159,862 1,950,646 2,023,129 2,815,242 1,914,761
前年比 (40.5) % (3.6) % (28.1) % 47.0 % (7.0) %
(c)
従業員に付与された平均報酬 112,712 126,915 126,064 131,739 125,697
前年比 (11.2) % 0.7 % (4.3) % 4.8 % 5.8 %
従業員の報酬の平均値に対する
(c)
最高経営責任者の給与比率 10.3 15.4 16 21.4 15.2
前年比 (5.1) (0.6) (5.4) 6.2 (2.1)
従業員の報酬の中央値に対する
(c)
最高経営責任者の給与比率 14.1 22.9 24.4 34.9 24.5
前年比 (8.8) (1.5) (10.5) 10.4 (2.5)
(b)
取締役会会長に付与された報酬 300,000 300,000 175,000 0 0
前年比 0 71.4 %
従業員の報酬の平均値に対する
(c)
取締役会会長の給与比率 2.7 2.4 1.4 N/A N/A
前年比 0.3 1.0
従業員の報酬の中央値に対する
(c)
取締役会会長の給与比率 3.6 3.5 2.1 N/A N/A
前年比 0.1 1.4
(a) 各事業年度について、ナティクシスの最高経営責任者としての職務に関して付与される報酬(無償株式割当を含
む。)。参考までに、 2018 年5月 31 日まではローラン・ミニョン氏、 2018 年6月1日から 2020 年8月3日までは
フランソワ・リアイ氏、 2020 年8月4日からはニコラ・ナミア氏が、ナティクシスの最高経営責任者を務めた。
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(b) 各事業年度について、ナティクシスの取締役会会長としての職務に関して付与される報酬。参考までに、 2018 年
5月 31 日までは、フランソワ・ペロル氏がナティクシスの取締役会会長を務め、 2018 年6月1日付でローラン・
ミニョン氏が取締役会会長となっている。
(c) 各年においてナティクシスの従業員(海外支店を含む。)に付与され、給与比率の計算に使用される報酬の平均
値および中央値は、各年の正社員(正社員契約を締結し、通年勤務する常勤労働者(執行役を除く。))に基づ
き計算され、固定報酬に、付与された変動報酬の総額(無償株式割当を含む。)ならびに前事業年度に関してそ
の年に付与された利益分配制度およびインセンティブ制度の金額を加えたものに相当する。フランス私企業協会
( AFEP )の勧告に従い、執行役または従業員の退職金は、算出された報酬から除外される。
(d) 同一条件に基づくと( Coface の処分)、 2019 年から 2020 年までの基礎となる純収益の変動はマイナス 12.5 %であ
る。
注: pp :パーセントポイント
⑤ AMF 勧告に従った規格表
表1( AMF )
各業務執行役員に付与された報酬、ストック・オプションおよび株式の概要
2020 事業年度 2019 事業年度
フランソワ・リアイ、最高経営責任者
(a) (a)
事業年度において支払われるべきまたは付与された報酬 474,743 ユーロ 1,790,646 ユーロ
事業年度において付与されたオプションの価格 0 ユーロ 0 ユーロ
(b) (b)
事業年度において付与されたパフォーマンス・シェアの価格 160,000 ユーロ 160,000 ユーロ
合計 634,743 ユーロ 1,950,646 ユーロ
フランソワ・リアイの BPCE における職務に係るその他の報酬 0 0
ユーロ ユーロ
ニコラ・ナミア、最高経営責任者
(c)
事業年度において支払われるべきまたは付与された報酬 525,119 ユーロ N/A
事業年度において付与されたオプションの価格 0 ユーロ N/A
事業年度において付与されたパフォーマンス・シェアの価格 0 ユーロ N/A
合計 525,119 ユーロ N/A
ニコラ・ナミアの BPCE における職務に係るその他の報酬 672,548 ユーロ N/A
ローラン・ミニョン、取締役会会長
事業年度において支払われるべきまたは付与された報酬 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ
事業年度において付与されたオプションの価格 0 ユーロ 0 ユーロ
事業年度において付与されたパフォーマンス・シェアの価格 0 ユーロ 0 ユーロ
合計 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ
ローラン・ミニョンの BPCE における職務に係るその他の報酬 2,171,169 ユーロ 2,458,800 ユーロ
(a) うち 家族補助手当は、 2020 年は 1,625 ユーロ、 2019 年は 2,384 ユーロ 。
(b) 割当日における株価( 2020 年は 73,116 ユーロ、 2019 年は 79,587 ユーロの公正価値 )に相当する。
(c) 670 ユーロの家族補助手当および 3,710 ユーロの 2020 年における 社用車の現物給付 を含む。
表2( AMF )
各業務執行役員に付与された報酬の概要
以下の表において、
・ 「支払われるべきまたは付与された金額」とは、支払日にかかわらず、年間を通じた執行役の職務
に関して割り当てられる報酬および手当をいう。
・ 「支払われた金額」とは、付与日にかかわらず、年間を通じた執行役の職務に関して実際に支払わ
れた報酬および手当(証券の交付を含む。)をいう。
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2020 事業年度 2019 事業年度
支払われるべき 支払われるべき
または付与された 支払われた または付与された 支払われた
金額 金額 金額 金額
ローラン・ミニョン、
取締役会会長
執行役業務に対する
固定報酬 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ
年間変動報酬 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ
特別報酬 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ
役員報酬 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ
現物給付 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ
合計 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ 300,000 ユーロ
ローラン・ミニョン の
ナティクシスの最高経
営責任者としての職務
に係るその他の報酬
(a) (a) (a)
N/A 539,924 ユーロ 0 ユーロ 1,000,371 ユーロ
ローラン・ミニョン の
BPCE における職務に係
るその他の報酬 2,171,169 ユーロ 1,901,439 ユーロ 2,458,800 ユーロ 1,428,837 ユーロ
フランソワ・リアイ、
最高経営責任者
執行役業務に対する
(e)
固定報酬 473,118 ユーロ 473,118 ユーロ 800,000 ユーロ 800,000 ユーロ
( b ) (b)
年間変動報酬 0 ユーロ 781,400 ユーロ 988,262 ユーロ 749,248 ユーロ
特別報酬 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ
役員報酬 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ 0 ユーロ
( c ) ( c ) (c) (c)
現物給付 1,625 ユーロ 1,625 ユーロ 2,384 ユーロ 2,384 ユーロ
(d) (d)
合計 474,743 ユーロ 1,256,143 ユーロ 1,790,646 ユーロ 1,551,632 ユーロ
フランソワ・リアイの
BPCE における職務に係
るその他の報酬 N/A 57,450 ユーロ N/A 111,585 ユーロ
ニコラ・ナミア、
最高経営責任者
執行役業務に対する
( e )
固定報酬 330,158 ユーロ 330,158 ユーロ N/A N/A
( f )
年間変動報酬 190,581 ユーロ 79,947 ユーロ N/A N/A
特別報酬 0 ユーロ 0 ユーロ N/A N/A
役員報酬 0 ユーロ 0 ユーロ N/A N/A
( c ) ( c )
現物給付 4,380 ユーロ 4,380 ユーロ N/A N/A
合計 525,119 ユーロ 414,485 ユーロ N/A N/A
ニコラ・ナミアの BPCE
における職務に係るそ
の他の報酬 672,548 ユーロ 753,322 ユーロ N/A N/A
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(a) この金額には、過年度に係る繰延変動報酬の支払いおよび証券の交付が含まれ、ローラン・ミニョン氏のナティ
クシスの最高経営責任者としての職務に関して付与される。上級経営委員会向け長期奨励制度に基づく証券の交
付 については、表7( AMF )に記載されている。
(b) この金額には、過年度に係る繰延変動報酬の支払いおよび証券の交付が含まれ、フランソワ・リアイ氏のその他
の職務に関して付与される。上級経営委員会向け長期奨励制度に基づく証券の交付については、表7( AMF )に記
載されている。
(c) 報告された金額は、家族補助手当および/または社用車の現物給付に相当する。
(d) 最高経営責任者であるフランソワ・リアイ氏に対し、 2019 年5月 28 日に開催された取締役会においては、割当日
時点で 160,000 ユーロに相当する 31,708 株のパフォーマンス・シェアが割り当てられ、 2020 年5月 20 日に開催され
た取締役会においては、同氏に対し、割当日時点で 160,000 ユーロに相当する 77,783 株のパフォーマンス・シェア
が割り当てられた。
(e) 月の途中で退職する場合、給与規則に基づき、営業日計算または暦日計算のうち、より有利な方法が採用され
る。
(f) この金額には、過年度に係る繰延変動報酬の支払いおよび証券の交付が含まれ、ニコラ・ナミア氏のその他の職
務に関して付与される。
ナティクシスの最高経営責任者としての職務に関して 2020 年にニコラ・ナミア氏に支払われた報酬は、
334,538 ユーロの固定報酬および諸手当ならびに 79,947 ユーロの変動報酬により構成されていた。当該変動
報酬の内訳は下表のとおりであり、ナティクシスにおける以前の役職に対して付与された変動報酬と一致
している。ニコラ・ナミア氏に付与された変動報酬の繰延部分に係る業績条件は、ナティクシスの営業純
利益が真に正となることである。 2020 事業年度にはこの条件が満たされたため、過去3事業年度に係る繰
延部分が受益者に支払われた。付与された金額と実際に支払われた金額との差額のうち、ナティクシスの
株価に連動する部分は、株価の変動と相関している。
2016 事業年度の変動 2017 事業年度の変動
報酬のうち繰り延べ 報酬のうち繰り延べ
2020 年3月に支払わ 2020 年 10 月に支払わ
られた証券 られた証券
れた 2019 事業年度分 れた 2019 事業年度分
2017 事業年度の変動 2018 事業年度の変動
または または の変動報酬の の証券に類似
報酬のうち繰り延べ 報酬のうち繰り延べ
類似する金融商品 類似する金融商品 られた現金 られた現金 うち現金 する金融商品 合計
ローラン・ミニョン
2020 年に支払われた金額 140,605 ユーロ 110,692 ユーロ 190,012 ユーロ 98,615 ユーロ 0ユーロ 0ユーロ 539,924 ユーロ
付与価格(当初価格) 203,163 ユーロ 190,012 ユーロ 190,012 ユーロ 98,615 ユーロ 0ユーロ 0ユーロ 681,802 ユーロ
フランソワ・リアイ
2020 年に支払われた金額 147,506 ユーロ 72,565 ユーロ 124,564 ユーロ 111,113 ユーロ 174,106 ユーロ 151,546 ユーロ 781,400 ユーロ
付与価格(当初価格) 213,135 ユーロ 124,564 ユーロ 124,564 ユーロ 111,113 ユーロ 174,106 ユーロ 174,106 ユーロ 921,588 ユーロ
ニコラ・ナミア
2020 年に支払われた金額 10,313 ユーロ 14,950 ユーロ 25,667 ユーロ 29,017 ユーロ 0ユーロ 0ユーロ 79,947 ユーロ
付与価格(当初価格) 14,907 ユーロ 25,667 ユーロ 25,667 ユーロ 29,017 ユーロ 0ユーロ 0ユーロ 95,258 ユーロ
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表3( AMF )
ナティクシスの非業務執行役員が受領した報酬
2020 年5月 20 日の株主総会で承認された原則に従い、非業務執行役員は、下表に記載される報酬を受領
した。
1)ナティクシスにより支払われた報酬
2020 事業年度 2019 事業年度
取締役 取締役会 委員会
うち うち
(a)(b) (a)(b)
( 単位:ユーロ ) 金額 変動報酬 金額 変動報酬 付与総額 付与総額
BPCE
(代表:カトリーヌ・ハルバー
(c) (c) (c) (c)
シュタット) 44,000 28,000 17,000 11,000 61,000 63,000
ローラン・ミニョン
(d) (d) (d) (d)
(取締役) 22,000 14,000 2,000 2,000 24,000 24,000
ダニエル・ド・ボールペール 22,000 14,000 13,696.72 9,000 35,696.72 20,972.60
ティエリ・カーン
( 2020 年6月 23 日まで任期) 8,681.97 5,600 1,770.49 1,000 10,452.46 29,000
アラン・コンダミナ 22,000 14,000 8,000 6,000 30,000 29,000
ドミニク・デュバン
( 2020 年2月6日より任期) 20,257.93 13,066.66 2,000 2,000 22,257.93 N/A
ベルナール・デュピュイ
( 2020 年6月 23 日まで任期) 10,548.64 7,466.67 2,770.49 2,000 13,319.13 26,194.52
ニコール・エトシュゴワンベ
リー 22,000 14,000 16,000 11,000 38,000 38,000
シルヴィ・ギャルスロン 22,000 14,000 10,000 7,000 32,000 32,000
フィリップ・ウルダン
( 2020 年6月 23 日より任期) 10,730.05 6,533.33 4,549.18 3,500 15,279.23 N/A
アンヌ・ラルー 22,000 14,000 23,000 19,000 45,000 44,000
カトリーヌ・ルブラン
( 2020 年6月 23 日より任期) 9,796.72 5,600 5,049.18 4,000 14,845.90 N/A
フランソワーズ・ルメール
( 2020 年2月6日まで任期) 1,742.08 933.33 1,303.28 1,000 3,045.36 32,000
(e) (e)
ベルナール・オプティ 22,000 14,000 39,000 19,000 61,000 61,000
カトリーヌ・パリゼ 22,000 14,000 38,000 18,000 60,000 60,000
クリストフ・ピノー 22,000 14,000 17,000 12,000 39,000 37,000
ダイアン・ドゥ・サン・ヴィク
(e) (e)
トール 22,000 14,000 29,000 12,000 51,000 37,630.13
ニコラス・ドゥ・タヴェルノ 22,000 14,000 30,000 13,000 52,000 50,000
(a) 割当額は支払額と一致しており、支払いは同事業年度内に行われる。
(b) 30 %または(フランスの非居住者である取締役については) 12.8 %の源泉徴収税を控除する前の金額。
(c) ローラン・ミニョン氏の取締役としての職務に係る報酬を含む。
(d) Groupe BPCE 内で適用される規則に従い、取締役としての職務に関してローラン・ミニョン氏に支払われるべき報
酬は、 BPCE に直接割り当てられ、支払われる。ローラン・ミニョン氏は、取締役会会長としての職務に関して、総
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額 300,000 ユーロを受領している(上記「① 取締役会会長- 2020 事業年度に支払われた、および/または 2020 事業
年度に関して付与された各種報酬および手当」を参照のこと。)。
(e) フランスの非居住者である取締役( 12.8 %の源泉徴収税)。
*
2)ナティクシスの連結範囲に含まれる企業により支払われた報酬
取締役 2020 事業年度 2019 事業年度
( 単位:ユーロ ) 付与総額 支払総額 付与総額 支払総額
(a) (b)
BPCE 47,100 29,700 37,800 29,100
(c) (d)
アラン・コンダミナ 6,000 4,800 4,800 2,400
ベルナール・デュピュイ
(d)
( 2020 年6月 23 日まで任期) N/A N/A N/A 1,800
(c) (d)
クリストフ・ピノー 23,100 15,200 15,200 20,500
*
ダニエル・ド・ボールペール氏、ニコール・エトシュゴワンベリー氏、シルヴィ・ギャルスロン氏、フィリップ・
ウルダン氏およびカトリーヌ・ルブラン氏は、 BPCE および/またはその子会社からも 2020 事業年度に係る報酬を受
領した。ローラン・ミニョン氏、ティエリ・カーン氏、ベルナール・デュピュイ氏、カトリーヌ・ハルバーシュ
タット氏およびフランソワーズ・ルメール氏に対して、 BPCE および/またはその子会社から支払われた 2020 事業年
度に係る報酬については、 BPCE の 2020 年登録届出書に詳述されている。
(a) 2019 事業年度に係る報酬の一部を含む。
(b) 2018 事業年度に係る報酬の一部を含む。
(c) 2019 事業年度に係る報酬。
(d) 2018 事業年度に係る報酬。
表4( AMF )
当期中に、発行会社およびグループ会社が各業務執行役員に対して付与した新株予約権またはコール・オ
プション
2020 事業年度に付与された新株予約権またはコール・オプションはない。
表5( AMF )
当期中に、各業務執行役員によって行使された新株予約権またはコール・オプション
2020 事業年度に行使された新株予約権またはコール・オプションはない。
表6( AMF )
2020 年において各業務執行役員に対して割り当てられた無償株式
株主総会において、発
行会社およびすべての
当行グループ会社から 当期中に付与さ 連結財務書類に適用さ
各執行役に対して付与 れたオプション れる方法に基づくオプ
(b)
された 無償株式 プランの日付 の数 ションの価格 権利確定日 譲渡日 業績条件
ローラン・ミニョン
N/A N/A N/A N/A N/A N/A
フランソワ・リアイ 2020 年
2024 年 2024 年
(a)
77,783 73,116 ユーロ 有
5月 19 日 5月 19 日
5月 20 日
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ニコラ・ナミア
N/A N/A N/A N/A N/A N/A
(a) ナティクシスの最高経営責任者としての職務に関して、ナティクシスがフランソワ・リアイ氏に付与したパ
フォーマンス・シェア。
(b) 2020 年8月3日の取締役会の決定により、過去にフランソワ・リアイ氏に付与され、権利確定の過程にある繰延
変動報酬のすべての要素について、勤続要件が解除された。その他の権利確定条件は維持された。
表7( AMF )
当期中に、各業務執行役員に対して譲渡可能となった無償株式
当期中に譲渡可能となった
(a)
業務執行役員の氏名 プランの番号および日付 パフォーマンス・シェアの数 権利確定条件
(b)
ローラン・ミニョン 2018 年4月 13 日
28,258
(b)
2017 年4月 10 日
35,894
(b)
2016 年7月 28 日
37,970
(b)
フランソワ・リアイ 2018 年4月 13 日
18,525
(b)
2017 年4月 10 日
37,656
(b)
ニコラ・ナミア 2018 年4月 13 日
3,817
(b)
2017 年4月 10 日
2,633
合計 N/A 164,753 N/A
(a) 執行役に対して発行される株式の 30 %は、同人らの退任時に期間が終了するロックイン期間の対象となる。
(b) 執行役の報酬の原則については、「 (a) 執行役に対する報酬方針-③ 最高経営責任者-年間変動報酬」ならびに
「② 最高経営責任者-フランソワ・リアイ氏( 2020 年1月1日から 2020 年8月3日まで任期)に対して、 2020 事
業年度に支払われた、および/または 2020 事業年度に関して付与された各種報酬および手当の総額-パフォーマ
ンス・シェアの無償割当」および「③ 最高経営責任者-ニコラ・ナミア氏( 2020 年8月4日から 2020 年 12 月 31 日
まで任期)に対して、 2020 事業年度に支払われた、および/または 2020 事業年度に関して付与された各種報酬お
よび手当の総額-パフォーマンス・シェアの無償割当」を参照のこと。
表8( AMF )
当行グループ(ナティクシス、 BPCE 、 Caisses d'Epargne 、 Banques Populaires ):付与された株式購入オ
プションまたは新株予約権の記録
2009 年以降、当行により付与された新株予約権またはコール・オプションはない。
表9( AMF )
上位 10 名の非執行役従業員に対して付与されたストック・オプションまたはコール・オプションおよび行
使されたオプション
2020 事業年度にナティクシスの従業員により付与されたまたは行使された新株予約権またはコール・オ
プションはない。
表 10 ( AMF )
2020 年において権利確定の過程にある、または権利確定した各業務執行役員に対する無償株式割当
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2020 年 12 月 31 失効または
ロックイン
付与された無
日現在に引受 解約された 事業年度末
期間終了日
償株式の総数
割り当てられた 株主総会の 取締役会の 株式権利確 けられた権利 新株予約権 現在の残存
(b)
(a)
無償株式の情報 日付 日付 定日 確定株式数 の累積数 割当株式数
ローラン・
2016 年 2016 年 2020 年 2020 年
47,463 37,970 9,493 0
(c)
5月 24 日 7月 28 日 7月 28 日 7月 28 日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2017 年 2020 年 2020 年
(e)
35,894 35,894 - 0
5月 24 日 4月 10 日 3月1日 10 月1日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2017 年 2021 年 2021 年
29,911 - - 29,911
5月 24 日 5月 23 日 5月 23 日 5月 23 日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2018 年 2020 年 2020 年
(e)
28,258 28,258 - 0
5月 24 日 4月 13 日 3月1日 10 月1日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2018 年 2021 年 2021 年
(e)
56,517 - - 56,517
5月 24 日 4月 13 日 3月1日 10 月1日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2018 年 2022 年 2022 年
11,661 - - 11,661
5月 24 日 5月 23 日 5月 23 日 5月 23 日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2019 年 2021 年 2021 年
(e)
10,172 - - 10,172
5月 24 日 4月 12 日 3月1日 10 月1日
ミニョン
ローラン・
2016 年 2019 年 2022 年 2022 年
(e)
20,345 - - 20,345
5月 24 日 4月 12 日 3月1日 10 月1日
ミニョン
フランソワ・
2016 年 2017 年 2020 年 2020 年
(e)
37,656 37,656 - 0
(d)
5月 24 日 4月 10 日 3月1日 10 月1日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2017 年 2021 年 2021 年
7,399 - - 7,399
5月 24 日 5月 23 日 5月 23 日 5月 23 日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2018 年 2020 年 2020 年
(e)
18,525 18,525 - 0
5月 24 日 4月 13 日 3月1日 10 月1日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2018 年 2021 年 2021 年
(e)
37,050 - - 37,050
5月 24 日 4月 13 日 3月1日 10 月1日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2018 年 2022 年 2022 年
13,605 - - 13,605
5月 24 日 8月2日 5月 23 日 5月 23 日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2019 年 2023 年 2023 年
31,708 - - 31,708
5月 24 日 5月 28 日 5月 28 日 5月 28 日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2019 年 2021 年 2021 年
(e)
11,461 - - 11,461
5月 24 日 4月 12 日 3月1日 10 月1日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2019 年 2022 年 2022 年
(e)
22,924 - - 22,924
5月 24 日 4月 12 日 3月1日 10 月1日
リアイ
フランソワ・
2016 年 2020 年 2024 年 2024 年
(e)
77,783 - - 77,783
5月 24 日 5月 20 日 5月 19 日 5月 19 日
リアイ
ニコラ・ナミア 2016 年 2017 年 2020 年 2020 年
(e)
2,633 2,633 - 0
5月 24 日 4月 10 日 3月1日 10 月1日
ニコラ・ナミア 2016 年 2018 年 2020 年 2020 年
(e)
3,817 3,817 - 0
5月 24 日 4月 13 日 3月1日 10 月1日
ニコラ・ナミア 2016 年 2018 年 2021 年 2021 年
(e)
7,634 - - 7,634
5月 24 日 4月 13 日 3月1日 10 月1日
209/677
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ニコラ・ナミア 2016 年 2018 年 2022 年 2022 年
2,125 - - 2,125
5月 24 日 5月 23 日 5月 23 日 5月 22 日
ニコラ・ナミア 2016 年 2019 年 2021 年 2021 年
(e)
2,993 - - 2,993
5月 24 日 4月 12 日 3月1日 10 月1日
ニコラ・ナミア 2016 年 2019 年 2022 年 2022 年
(e)
5,986 - - 5,986
5月 24 日 4月 12 日 3月1日 10 月1日
(a) 2016 事業年度から 2020 事業年度に割り当てられたすべての株式は、業績条件の対象となる。
(b) 執行役に割り当てられる株式に対するロックイン義務は、 2020 年5月 20 日よりも前に行われた割当については、
執行役の任期満了までに交付される株式の 30 %であり、 2020 年5月 20 日以降は、当該株式の 100 %に適用される。
(c) ローラン・ミニョン氏については、 2020 事業年度以前に、以下の無償株式が付与され、権利確定した。
- 2013 年 11 月6日の取締役会において 90 株( 2016 年3月1日に取得)
- 2014 年7月 31 日の取締役会において 31,955 株( 2018 年 8 月1日に取得)
- 2015 年2月 18 日の取締役会において 27,321 株( 2019 年2月 18 日に取得)
- 2016 年7月 28 日の取締役会において 28,755 株( 2018 年3月1日に取得)
- 2016 年7月 28 日の取締役会において 57,510 株( 2019 年3月1日に取得)
- 2017 年4月 10 日の取締役会において 17,947 株( 2019 年3月1日に取得)
これらの株式の 30 %が、同氏の任期満了まで、ロックイン義務の対象となる。ただし、 2013 年に割り当てられた
90 株については、同氏の任期満了まで、権利確定したすべての株式にロックイン義務が適用される。
(d) 2020 年8月3日の取締役会の決定により、過去にフランソワ・リアイ氏に付与され、権利確定の過程にある繰延
変動報酬のすべての要素について、勤続要件が解除された。その他の権利確定条件は維持された。
(e) 過年度に係る年間変動報酬の繰延分の一部として割り当てられた株式。
表 11 ( AMF )
業務執行役員の状況
任期満了もしくは
異動に伴い支払われる
べきもしくは支払われ
競業避止条項に
るであろう
(a)
(a)
2020 事業年度 雇用契約 補完年金制度 報酬または手当 係る報酬
業務執行役員 有 無 有 無 有 無 有 無
ローラン・ミニョン、
取締役会会長
任期開始日: 2018 年6月1日
任期満了日: 2023 年5月開催の株
主総会後 ○ ○ ○ ○
フランソワ・リアイ、
最高経営責任者
任期開始日: 2018 年6月1日
(b)
任期満了日: 2020 年8月3日 ○ ○ ○ ○
ニコラ・ナミア、
最高経営責任者
任期開始日: 2020 年8月4日
任期満了日: 2024 年5月開催の株
主総会後 ○ ○ ○ ○
(a) 「 (a) 執行役に対する報酬方針-③ 最高経営責任者-退職金」および「競業避止補償」を参照のこと。
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(b) その他のスタッフと同様、 最高経営責任者は、強制加入年金制度の適用を受けている 。フランソワ・リアイ氏
は、フランス一般税法第 39 条または第 83 条に記載される、補完年金制度のような制度の適用を受けていない。さ
らに、フランソワ・リアイ氏は、 Groupe BPCE が実施した「第 82 条」タイプの生命保険契約(フランス一般税法を
参 照のこと。)に対する支払いを行った。当該制度においては、ナティクシスではなく、最高経営責任者が出資
を行い、フランソワ・リアイ氏は 2020 年に 69,391 ユーロを支払った。
⑥ 2020 年 12 月 31 日に終了した事業年度に関してナティクシスの最高経営責任者に支払われるべきまたは付
与された報酬の内訳
2020 事業年度に関して各業務執行役員に支払われるべきまたは付与された報酬の内訳は、ナティクシス
の株主総会に提出され承認を得なければならない。ナティクシスの場合、かかる勧告は、取締役会会長で
あるローラン・ミニョン氏ならびに最高経営責任者であるフランソワ・リアイ氏( 2020 年1月1日から
2020 年8月3日まで)およびニコラ・ナミア氏( 2020 年8月 4 日から 2020 年 12 月 31 日まで)の報酬に関連す
る。
関連する報酬の内訳
・ 固定報酬
・ 年間変動報酬(うち繰延分)
・ 複数年変動報酬
・ 特別報酬
・ ストック・オプション/無償株式およびその他の長期報酬の付与
・ 契約金
・ 契約終了手当、退職金/競業避止手当
・ 補完年金制度
・ 役員報酬
・ 現物給付
株主総会の承認の対象となるまたは当
該株主総会で承認された、終了した事
業年度に関して支払われるべきまたは
付与された報酬の内訳 金額 コメント
固定報酬 フランソワ・リアイ 2020 事業年度の最高経営責任者の固定報酬は、年間
氏: 総額 800,000 ユーロであり、フランソワ・リアイ氏
473,118 ユーロ については 473,118 ユーロ、ニコラ・ナミア氏につ
いては 330,159 ユーロとなった。
ニコラ・ナミア氏:
330,159 ユーロ
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2020 年に係る年間変動報酬 フランソワ・リアイ ニコラ・ナミア氏の年間変動報酬目標は、同氏の固
氏: - 定報酬の 100 %(フランソワ・リアイ氏は 120 %)で
あり、変動幅は当該目標の0%から 156.75 %(つま
ニコラ・ナミア氏: り、最大で固定報酬の 156.75 %)に設定された。ニ
190,581 ユーロ コラ・ナミア氏の変動報酬目標は、年間 800,000
ユーロであり、 2020 事業年度については 333,333
ユーロ(任期に応じ比例配分)となった。
2020 事業年度について策定された目標は、以下のと
おりである。
・量的目標( 70 %)。そのうち 25 %は、 Groupe
BPCE の財務実績に基づいており(純収益
( 4.2 %)、純利益(グループ持分)( 12.5 %)
および費用収益比率( 8.3 %))、 45 %はナティ
クシスの財務実績に基づいている(純収益
( 11.25 %)、純利益(グループ持分)
( 11.25 %)、費用収益比率( 11.25 %)および
ROTE (有形株主資本利益率)( 11.25 %))。
・個別の戦略目標( 30 %)。新たな戦略計画の策定
ならびに CE および BP のネットワークへの分配の強
化に関連する 10 %を含む。その他4つの戦略目標
は、規制に従った監督および統制の監視(リスク
選好枠組の実施および閾値超過の是正措置の開始
を含む。)、ナティクシスの転換および企業文化
イニシアチブの進展、 CSR イニシアチブにおける
主要なプレーヤーとしてのナティクシスの地位の
向上ならびに予測能力、決断力、遂行された組織
活性化能力および執行役員を管理する能力を考慮
して評価される経営者の業績に関連しており、そ
れぞれ5%の比重が割り当てられる。
取締役会は、 2020 年に定められた基準に関して業績
の水準を評価し、報酬委員会の意見を受けた後に、
ニコラ・ナミア氏に対して、総額 190,581 ユーロを
割り当てることを決定した。
・ BPCE の量的基準に関連: 40,581 ユーロすなわち年
間変動報酬目標の 48.70 %
・ナティクシスの量的基準に関連: 30,000 ユーロす
なわち年間変動報酬目標の 20.00 %
・戦略的基準に関連: 120,000 ユーロすなわち目標
の 120.00 %
一部は 2021 年に支払われ、そのうち 50 %(すなわち
98,538 ユーロ)はナティクシスの株価に連動する。
残りは3年間にわたって繰り延べられ、そのうち
50 %(すなわち 92,043 ユーロ)はナティクシスの株
価に連動する。この繰り延べられた金額は、 2022 年
( 100 %現金による支払い)、 2023 年( 50 %は現金
による支払い、 50 %はナティクシスの株価に連動)
および 2024 年( 100 %ナティクシスの株価に連動)
に3分の1ずつ支払われる(ただし、勤続要件およ
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び業績の条件を満たすものとする。)。 2020 年の年
間変動報酬に係る支払いは、 2021 年5月 28 日の株主
総会における投票の後に初めて実施されることに留
意されたい。さらに、取締役会は、フランソワ・リ
アイ氏に対し、 2020 事業年度に係る年間変動報酬を
付与しないことを決定した。
複数年変動報酬 0株 2020 年においてフランソワ・リアイ氏およびニコ
ラ・ナミア氏に対する複数年変動報酬の支払いは行
われなかった。
特別報酬 0株 2020 年においてフランソワ・リアイ氏およびニコ
ラ・ナミア氏に対する特別報酬の支払いは行われな
かった。
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ストック・オプション/パフォーマン フランソワ・リアイ ・ 2020 事業年度においてフランソワ・リアイ氏また
ス・シェアのおよびその他の長期報酬 氏に対する付与: はニコラ・ナミア氏に対するストック・オプショ
の付与 77,783 株のパフォー ンの付与は行われなかった。
マンス・シェア ・ナティクシスの 2020 年上級経営委員会委員向け長
期奨励制度( LTIP CDG )の一環としての最高経営
ニコラ・ナミア氏に
責任者のパフォーマンス・シェアの受給資格に係
対する付与:
る原則に従い、ナティクシスの取締役会は、 2020
0株のパフォーマン
年5月 20 日の会議において、フランソワ・リアイ
ス・シェア
氏に対して、 77,783 株のパフォーマンス・シェア
を割り当てた。これにより、フランソワ・リアイ
氏は、その業績条件の達成に応じて、最大 93,339
株(つまり、割当日における資本金の最大
0.00246 %)を取得し得る。この割当は、フラン
ソワ・リアイ氏の年間固定報酬総額の 20 %に相当
する。
・これらの株式の権利確定は、ナティクシスの株式
の相対的な総株主利益( TSR )および CSR 目標の達
成の両方に基づく Groupe BPCE への勤続要件およ
び業績条件を満たすことを条件としている。 2020
年8月3日の取締役会の決定により、過去にフラ
ンソワ・リアイ氏に付与され、権利確定の過程に
ある繰延変動報酬のすべての要素について、勤続
要件が解除された。その他の権利確定条件は維持
された。
・ユーロ・ストックス銀行指数に対するナティクシ
スの株式の年間パフォーマンスは、当該制度が適
用される4年間(すなわち、 2020 事業年度、 2021
事業年度、 2022 事業年度および 2023 事業年度)に
わたって、割当株式の 25 %をそれぞれ占める各年
次トランシェにつき、毎年比較される。ユーロ・
ストックス銀行指数の平均 TSR と比較したナティ
クシスの TSR の相対的パフォーマンスに基づき、
各年次トランシェには以下の比率が適用される。
・ 90 %未満のパフォーマンス:年次トランシェか
ら割り当てられた株式は権利確定しない。
・ 90 %のパフォーマンス:年次トランシェの株式
の 80 %が権利確定する。
・ 100 %のパフォーマンス:年次トランシェの株
式の 100 %が権利確定する。
・ 120 %以上のパフォーマンス:年次トランシェ
の株式の 110 %が権利確定する。
当該比率は、各パフォーマンス・カテゴリー間で直
線的に変動する。
・ CSR 目標は、非金融格付機関により評価された、
4年間の権利確定期間におけるナティクシスの
CSR のパフォーマンスの変動に基づいている。権
利確定プロセスには各格付機関の CSR 評価に相当
する評価基準が含まれ、過去2年間においてその
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要件は引き上げられている。4年間の権利確定期
間の終了時に、総合的な年次格付の平均によっ
て、 TSR の条件を適用して取得した株式数に対す
る追加の株式数の割合が決定される。 TSR 基準お
よび CSR 基準のパフォーマンスが平均を上回った
場合も、絶対的な権利確定の上限は 120 %とす
る。
ヘッジの禁止 最高経営責任者は、変動報酬の繰延部分の権利確定
期間および制限期間の両方において、ヘッジまたは
保険手段の使用を禁止されている。
競業避止手当 フランソワ・リアイ フランソワ・リアイ氏の退任に伴い、 2020 年8月3
氏: 日の取締役会において、固定報酬の6 ヶ月分に相当
400,000 ユーロの競業 する 400,000 ユーロの競業避止補償を支払うことが
避止手当 決定された。当該補償は6 ヶ月 間にわたって分割し
て支払われる。
ニコラ・ナミア氏:
N/A
退職金 フランソワ・リアイ 2021 年2月 11 日、取締役会は、フランソワ・リアイ
氏: 氏の退任に伴う財政状況の見直しを受け、報酬委員
コメントを参照のこ 会の勧告を採択した。その結果、取締役会は、フラ
と。 ンソワ・リアイ氏に対する退職金の支払いが不正で
あったと指摘し、フランソワ・リアイ氏に対し、当
ニコラ・ナミア氏: 該退職金の返済を求めることを決定した。
N/A この決定は、ナティクシスの発展(特に COVID 危機
の関連)におけるフランソワ・リアイ氏の役割を疑
問視するものではなく、原則として退職金の支払い
を正当化するものであったことに留意されたい。
補完年金制度 フランソワ・リアイ その他のスタッフと同様、 最高経営責任者は、強制
氏: 加入年金制度の適用を受けている 。同人は、フラン
Groupe BPCE の「第 82 ス一般税法第 39 条または第 83 条に記載される補完年
金制度のような制度の適用を受けていない。さら
条」制度
に、フランソワ・リアイ氏は、 Groupe BPCE が実施
した「第 82 条」タイプの生命保険契約(フランス一
般税法を参照のこと。)に対する支払いを行った。
当該契約の保険料は、ナティクシスではなく、最高
経営責任者によって支払われた。 2020 年、フランソ
ワ・リアイ氏は自身の契約につき 69,391 ユーロを支
払った。
役員報酬 - 2020 年においてフランソワ・リアイ氏およびニコ
ラ・ナミア氏に対する、 2020 事業年度における
Groupe BPCE の取締役としての職務に係る報酬の支
払いは行われなかった。
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現物給付 フランソワ・リアイ フランソワ・リアイ氏およびニコラ・ナミア氏は、
氏: ナティクシスの従業員に適用されるものと同様の条
1,625 ユーロ 件に基づき、家族補助手当を受領する。
ニコラ・ナミア氏の社用車に係る現物給付は 3,710
ニコラ・ナミア氏: ユーロである。
670 ユーロおよび
3,710 ユーロ
保険制度/個人保護保険 最高経営責任者は、健康および個人保護補償に関し
て、ナティクシスの従業員が受領するものと同様の
保険料を受領している。
(2)【役員の状況】
(a) 取締役(本書提出日現在)
男性の数:9名、女性の数:7名(女性の比率 44 %)
当行内での 社外での
氏名 略歴
主な役職 主な役職
ローラン・ミニョン 取締役会会長 BPCE の業務執行役員会 ローラン・ミニョン氏は、 2018 年6月
生年月日: 1963 年 12 月 28 日 初就任: 2018 年6月1 会長 1日から BPCE の業務執行役員会会長お
国籍:フランス 日開催の取締役会、 よびナティクシスの取締役会会長を務
ナティクシス株式持分: 2019 年5月 28 日開催の パリ・セデックス 13 、 めている。
344,490 株 株主総会で承認 75201 、ピエール・マン HEC および Stanford Executive Program
任期満了日: 2023 年開 デス-フランス通り 50
の卒業生として、ローラン・ミニョン
(d)
番地
氏は、 Banque Indosuez で 10 年超勤務
催の株主総会
し、取引フロアからコーポレート・バ
ンキングまで様々な役職に就いた。
戦略委員会委員
1996 年に、同氏は、ロンドンの
初就任: 2018 年6月1
Schroeders に入社し、その後 1997 年に
日開催の取締役会
は AGF の財務部門責任者となった。同氏
は、 1998 年に、エグゼクティブ委員会
の役員に任命され、その後 2002 年に、
Banque AGF 、 AGF Asset Management お
よび AGF Immobilier の副最高経営責任
者に就任した。同氏は、 2003 年に、生
活および金融サービス部門ならびに信
用保険部門を担当する最高経営責任者
となり、 2006 年にエグゼクティブ委員
会の会長に就任した。 2007 年9月から
2009 年5月まで、同氏は、 Oddo et Cie
と同時に Philippe Oddo の副マネー
ジャーを務めた。
ローラン・ミニョン氏は、 2009 年から
2018 年までナティクシスの最高経営責
任者を務めていた。同氏は、 2013 年8
月6日から BPCE の業務執行役員会の構
成員を務めている。
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BPCE 取締役 ファイナンス・ソ カトリーヌ・ハルバーシュタット氏
ナティクシス株式持分: 常任代表者:カトリー リューションおよび専 は、 2021 年4月からファイナンス・ソ
2,227,221,174 株 ヌ・ハルバーシュタッ 門部門担当の BPCE 業務 リューションおよび専門部門担当の
ト氏 執行役員 BPCE 業務執行役員を務めている。
生年月日: 1958 年 10 月 カトリーヌ・ハルバーシュタット氏
9日 パリ・セデックス 13 、 は、クレルモン・フェランにある École
初就任: 2009 年8月 25 75201 、ピエール・マン
Supérieure de Commerce の会計学の大
日開催の取締役会で選 デス-フランス通り 50
学院の学位ならびに経営管理学および
任、 2010 年5月 27 日開 番地
財務学の大学院の学位を有している。
催の株主総会で承認
1982 年に、同氏は Banque Populaire du
任期満了日: 2023 年開
Massif Central に入社して人事部長を
(d)
務め、その後最高財務責任者、業務最
催の株主総会
高責任者となり、 2000 年現在、副最高
経営責任者を務めた。 2008 年には、同
監査委員会委員
氏は Natixis Factor の最高経営責任者
初就任: 2017 年 12 月 21
となり、 2010 年9月1日から 2016 年3
日開催の取締役会
月 25 日までカトリーヌ・ハルバーシュ
( 2018 年1月1日付で
タット氏は、 Banque Populaire du
有効)
Massif Central で最高経営責任者を務
めた。 2016 年1月1日から 2018 年 10 月
リスク委員会委員
31 日まで、カトリーヌ・ハルバーシュ
初就任: 2017 年 12 月 21
タット氏は人事、内部コミュニケー
日開催の取締役会
ションおよび BPCE の会社秘書室担当の
( 2018 年1月1日付で
BPCE 業務執行役員を担った。
有効)
2016 年 11 月1日から 2021 年3月末ま
で、カトリーヌ・ハルバーシュタット
戦略委員会委員
氏は、人事担当の BPCE 業務執行役員を
初就任: 2017 年 12 月 21
担っている。
日開催の取締役会
( 2018 年1月1日付で
有効)
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ダニエル・ド・ボールペー 取締役 Société Locale ダニエル・ド・ボールペール氏は、
ル 初就任: 2019 年5月 28 2015 年4月、 Caisse d'Epargne Ile-
d'Épargne Paris Ouest
生年月日: 1950 年9月 23 日 日開催の株主総会
de-France の運営および監査役会の役員
の会長
国籍:フランス 任期満了日: 2023 年開
となり、 2017 年4月から 2021 年4月ま
(d)
ナティクシス株式持分 :
で会長を務めている。
パリ・セデックス 13 、
催の株主総会
1,000 株
ESC Rouen の卒業生であり、公認会計士
75633 、 CS 91344 、ヌー
兼公認監査人であるダニエル・ド・
ヴ・トルビアック通り
指名委員会委員
ボールペール氏は、 1978 年、監査法人
26-28 番地
初就任: 2019 年5月 28
のデロイトでキャリアを開始し、 1985
日開催の取締役会
年にパートナーに就任、その後、 1995
年に当監査法人を退職した。 1996 年か
監査委員会委員
ら、同氏は、 International Audit
初就任: 2020 年2月6
Company に勤務し、 2005 年に当事務所の
日開催の取締役会
会長となり、その後、会計事務所の GEA
Conseil に入所し、同年に当会計事務所
戦略委員会委員
の共同マネージャーになった。同氏
初就任: 2019 年5月 28
は、 2010 年から 2018 年6月まで監査法
日開催の取締役会
人の GEA Finances の共同マネージャー
に任命された。ダニエル・ド・ボール
ペール氏は、 2009 年から 2012 年まで
Société Locale d'Epargne PME
Professionnels の会長を務め、その後
2013 年から 2014 年まで Locale Épargne
Économie Sociale et d'Entreprise の
取締役を務めた。 2015 年、同氏は、
Société Locale d'Épargne Paris
Ouest の会長に任命された。
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ドミニク・ガルニエ 取締役 Banque Populaire ドミニク・ガルニエ 氏は、 2021 年5月
生年月日: 1961 年6月 20 日 初就任: 2021 年5月 28 20 日より、 Banque Populaire Alsace
Alsace Lorraine
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
Lorraine Champagne の最高経営責任者
Champagne の最高経営責
ナティクシス株式持分 : 任( 2021 年5月 29 日付
任者 を務めている。
6,443 株 で有効)
同氏は、 ESSCA School (金融専攻)を
任期満了日: 2024 年開
メッス、 57000 、フラン
卒業し、 Banques Populaires の銀行上
(a)
ソワ・ド・キュレル通
級課程( Cycle d'Etudes
催の株主総会
り3番地
Supérieures )および Banques
Populaires の経営開発センター
報酬委員会委員
( Centre de Perfectionnement au
初就任: 2021 年5月 28
Management )の修了証書を有してお
日開催の取締役会
り、 1983 年から 2009 年まで、 Banques
( 2021 年5月 29 日付で
Populaires において様々な役職に就い
有効)
た。 2010 年、同氏は、 Banque
Populaire Grand Ouest の最高経営責任
戦略委員会委員
者となり、 2011 年から 2018 年まで
初就任: 2021 年5月 28
Banque Populaire Aquitaine Centre
日開催の取締役会
( 2021 年5月 29 日付で
Atlantique の最高経営責任者を務め
有効)
た。 2018 年 12 月、同氏は、 BPCE の上級
経営委員会委員に任命された(ファク
タリング、保証、リース、消費者信用
および証券業務の統合プロジェクトの
管理担当となり、その後ファイナン
ス・ソリューションおよび専門部門
( SEF )担当となった。)。同氏は、現
在、 Banque Populaire Alsace
Lorraine Champagne の最高経営責任者
およびナティクシスの取締役会役員で
ある。
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ドミニク・デュバン 取締役 Caisse d'Epargne ドミニク・デュバン氏は、 2018 年5月
生年月日: 1958 年 10 月3日 初就任: 2020 年2月6 28 日より、 Caisse d 'Epargne Grand
Grand Est Europe の運
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
Est Europe の 運営および監査役会の会
営および監査役会の会
ナティクシス株式持分 : 任、 2020 年5月 20 日開
長 長を務めている。
1,616 株 催の株主総会で承認
National School of Public Works of
任期満了日: 2022 年開
ストラスブール、
the State ( ENTPE )を卒業し、コーポ
(c)
67100 、ライン通り1番
レート・アドミニストレーションの大
催の株主総会
地
学院の学位を有するドミニク・デュバ
ン氏は、 departmental infrastructure
戦略委員会委員
directorate においてエンジニアとして
初就任: 2020 年2月6
キャリアを開始し、その後フランスの
日開催の取締役会
ムルトエモーゼル県のジェネラルカウ
ンセルに所属、 1989 年に都市計画の半
CSR 委員会委員
官半民企業である Solorem に入社した。
初就任: 2020 年 12 月 17
1991 年、同氏は新規建築工事マネー
日開催の取締役会
ジャーとして Batigère グループに加
( 2021 年1月1日付で
わった。賃貸管理担当として5年間務
有効)
めた後、 1997 年、同氏は Batigère
Nancy の取締役となった。 2001 年、同氏
は Batigère グループの取締役会に任命
され、 2002 年から 2014 年まで取締役会
会長、その後 2014 年6月から 2018 年6
月まで監査役会会長を務めた。 2016
年、同氏は Société Locale d 'Épargne
Meurthe-et-Moselle の取締役に任命さ
れた。 2018 年、同氏は Banque BCP
Luxembourg の監査役会の役員となっ
た。
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ニコール・エトシュゴワン 取締役 Caisse d'Epargne 2009 年8月1日以降、ニコール・エト
ベリー 初就任: 2018 年 12 月 20 シュゴワンベリー氏は、 Caisse
Loire-Centre の業務執
生年月日: 1956 年 12 月 17 日 日開催の取締役会で選
行役員会会長 d'Epargne Loire-Centre の業務執行役
国籍:フランス 任、 2019 年5月 28 日開
員会会長である。
ナティクシス株式持分: 催の株主総会で承認
サン・ジャン・ド・
ニコール・エトシュゴワンベリー氏
1,112 株 任期満了日: 2024 年開
ラ・ルエル、 45146 、 CS
は、情報テクノロジーの博士号を有
(a)
10620 、メゾン・ルー し、 Banque Courtois の情報システムで
催の株主総会
ジュ通り 12 番地
キャリアを開始、その後、 Fédération
du Crédit Mutuel Midi Atlantique に
指名委員会委員
勤務した。同氏はその後、 Caisse
初就任: 2018 年 12 月 20
Régionale du Crédit Agricole Mutuel
日開催の取締役会
de Toulouse に入社し、開発および市場
の管理職に就いた。 2001 年、ニコー
リスク委員会委員
ル・エトシュゴワンベリー氏は、
初就任: 2018 年 12 月 20
Caisse d'Epargne de Midi Pyrénées に
日開催の取締役会
入社し、銀行の IT 移行および銀行業務
を監督した。 2005 年から 2008 年、ニ
戦略委員会委員
コール・エトシュゴワンベリー氏は、
初就任: 2018 年 12 月 20
有価証券勘定管理および金融商品の保
日開催の取締役会
管に特化した旧 Caisses d'Epargne の子
会社、 Gestitres の最高経営責任者を務
めた。 2008 年、同氏は、 Caisse
d'Epargne グループの IT プロジェクト管
理を担当する、 GIE GCE Business
Services の 業務執行役員会会長となっ
た。
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シルヴィ・ギャルスロン 取締役 Banque Populaire 2021 年4月1日から、シルヴィ・ギャ
生年月日: 1965 年4月 14 日 初就任: 2016 年2月 10 ルスロン氏は、 Banque Populaire
Aquitaine Centre
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
Aquitaine Centre Atlantique の最高経
Atlantique の最高経営
ナティクシス株式持分: 任、 2016 年5月 24 日開
責任者 営責任者を務めている。
1,000 株 催の株主総会で承認
SKEMA ビジネススクール(ニース)の卒
任期満了日: 2024 年開
ボルドー・セデック 業生であるシルヴィ・ギャルスロン氏
(a)
ス、 33100 、ケリー通り は、 1987 年に Banque Populaire グルー
催の株主総会
10 番地
プの内部監査部門に入社した。同氏
は、 1994 年に SBE の会社秘書役になり、
監査委員会委員
その後 2000 年に BRED の財務部門に入社
初就任: 2016 年2月 10
した。 2003 年に同氏はナティクシスに
日開催の取締役会
入社し、最初は第三者資産運用部門に
入り、その後情報システムおよびロジ
戦略委員会委員
スティクス部門に入った。 2006 年に同
初就任: 2016 年2月 10
氏は M.A. Banque の最高経営責任者に選
日開催の取締役会
任され、 2010 年には業務執行役員会会
長に選任された。シルヴィ・ギャルス
CSR 委員会委員
ロン氏は、 2013 年4月に財務、リスク
初就任: 2020 年 12 月 17
および子会社を担当する最高経営責任
日開催の取締役会
者代理として CASDEN Banque Populaire
( 2021 年1月1日付で
に入社した。
有効)
2015 年5月から 2021 年3月まで、シル
ヴィ・ギャルスロン氏は CASDEN Banque
Populaire の最高経営責任者を務めた。
フィリップ・ウルダン 取締役 Banque Populaire du Groupe BPCE 内において、フィリップ・
生年月日: 1956 年6月 19 日 初就任: 2020 年6月 23
Nord の取締役会会長 ウルダン氏は、 2016 年 10 月 16 日より
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
Banque Populaire du Nord の取締役会
ナティクシス株式持分: 任、 2021 年5月 28 日開
マルク・アン・バルー
会長を務めている。同氏はまた、 2018
1,000 株 催の株主総会で承認
ル、 59700 、レピュブ
年より BPCE Financement の取締役を務
任期満了日: 2022 年開
リック通り 847 番地
めている。
(c)
リールの IAE ビジネススクールの大学院
催の株主総会
学位を取得後、フィリップ・ウルダン
氏は、 1979 年から France Rail
指名委員会委員
Publicité において営業としてそのキャ
初就任: 2020 年6月 23
リアを開始した後、同社の地域統括責
日開催の取締役会
任者に就任した。
同氏は 1983 年に広告出版社 Epure に営業
戦略委員会委員
部長として入社し、 1986 年にはフラン
初就任: 2020 年6月 23
ス産業省の特別顧問に任命され、観光
日開催の取締役会
庁の副大臣の補佐を務めた。同氏は
1988 年から 1994 年にかけて、印刷グ
ループ Techniphoto に営業部長として在
籍した。そして 1994 年から 2018 年にか
けて SAS Investissement et actions の
会長を務めた。
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カトリーヌ・ルブラン 取締役 Banque Populaire Groupe BPCE 内において、カトリーヌ・
生年月日: 1955 年2月 11 日 初就任: 2020 年6月 23
Grand Ouest の取締役会 ルブラン氏は、 2019 年5月 21 日 より
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
Banque Populaire Grand Ouest の取締
会長
ナティクシス株式持分: 任、 2021 年5月 28 日開
役会会長を務めている。同氏はまた、
1,000 株 催の株主総会で承認
サン・グレゴワール セ 2016 年から 2020 年まで BPCE Factor の取
任期満了日: 2025 年開
締役を務めている。
デックス、 35768 、ブ
(b)
Université Paris XI の卒業生で、法学
ティエール通り 15 番地
催の株主総会
の博士号保有者であるカトリーヌ・ル
ブラン氏は、 1980 年に Fédération
報酬委員会委員
Nationale de la Mutualité Française
初就任: 2020 年6月 23
の法律顧問としてそのキャリアを開始
日開催の取締役会
し、 1982 年には Centre National sur
les Droits de la Femme の上級顧問を
戦略委員会委員
務めた。
初就任: 2020 年6月 23
1983 年より同氏はパリ商工会議所に在
日開催の取締役会
籍した。同氏は、財務部長および人事
部長( 1990 年から 1999 年)ならびに開
発部長( 1999 年から 2000 年)などの
様々な役職に就いた。
2001 年、同氏は ESSCA 経営管理大学院 に
教育および研究部長 として勤務した。
同氏はその後、 2006 年に ESSCA の副学部
長に任命され、 2007 年から 2018 年 11 月
まで学部長を務めた。
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アンヌ・ラルー 独立取締役 Web School Factory の アンヌ・ラルー氏は 2012 年から Web
生年月日: 1963 年 12 月6日 初就任: 2015 年2月 18
学長およびマネージン School Factory の学長を務め、 2013 年
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
グ・ディレクターなら
から Innovation Factory の会長を務め
ナティクシス株式持分: 任、 2015 年5月 19 日開
びに Innovation
ている。
1,000 株 催の株主総会で承認
Factory のマネージン
アンヌ・ラルー氏は、 I'École
任期満了日: 2022 年開
グ・ディレクター
Supérieure des Sciences Économiques
(c)
et Commerciales ( ESSEC )の卒業生で
催の株主総会
パリ、 75013 、ナショナ
ある。同氏は、マネージャーとして
ル通り 59 番地
キャリアを開始し、その後パリの Havas
報酬委員会委員
で顧客開拓・開発部門長に任命される
初就任: 2015 年2月 18
まで、ロンドン、続いてパリの Lazard
日開催の取締役会
で M&A 部門のアシスタント・ディレク
ターを務めた。同氏は、 Rothschild &
指名委員会委員
Cie にマネージング・ディレクターとし
初就任: 2015 年2月 18
て入社するまで、 Havas Édition
日開催の取締役会
Électronique の会長および最高経営責
任者であった。
戦略委員会議長
同氏は、 2002 年に Nexity に入社し、
初就任: 2015 年2月 18
2006 年に Nexity-Franchises の最高経営
日開催の取締役会
責任者に任命されるまで、事務総長お
よび開発担当取締役の役職を務め、
CSR 委員会委員議長
2011 年まで販売部門の最高経営責任者
初就任: 2020 年 12 月 17
代理を務めた。
日開催の取締役会
( 2021 年1月1日付で
有効)
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ベルナール・オプティ 独立取締役 Centaurus Capital ベルナール・オプティ氏は、 2000 年に
生年月日: 1956 年8月5日 初就任: 2009 年 11 月 12 ロンドンで同氏が設立したヘッジファ
Limited の会長
国籍:フランス 日開催の取締役会で選 ンドグループ、 Centaurus Capital の会
ナティクシス株式持分 : 任、 2010 年5月 27 日開
W1K5JH 、ロンドン、デ 長である。
1,000 株 催の株主総会で承認
イビーズ通り 53 番地 École Polytechnique の学位を有する同
任期満了日: 2022 年開
氏は、 1979 年から 2000 年の間に、初め
(c)
はパリで、その後はニューヨークで、
催の株主総会
そして最終的にロンドンで Paribas での
キャリアを築いてきた。
監査委員会委員
財務管理部門の副役員( 1980 年から
初就任: 2009 年 12 月 17
1987 年)として、ベルナール・オプ
日開催の取締役会
ティ氏は、 Paribas North America に入
社し、初めにリスク裁定取引トレー
リスク委員会議長
ダー( 1987 から 1990 年)を、そしてそ
初就任: 2014 年 12 月 17
の後はリスク裁定取引部門のグローバ
日開催の取締役会
ルヘッド( 1990 年から 1995 年)を務め
た。 1995 年、リスク裁定取引部門を率
戦略委員会委員
いたまま、同氏は、株式デリバティブ
初就任: 2011 年 11 月5
部門のグローバルヘッド( 1995 年から
日開催の取締役会
2000 年)となるため、ロンドンへ移っ
た。
CSR 委員会委員
初就任: 2020 年 12 月 17
日開催の取締役会
( 2021 年1月1日付で
有効)
カトリーヌ・パリゼ 独立取締役 退職 Université IX Paris Dauphine の経営
生年月日: 1953 年8月 22 日 初就任: 2016 年 12 月 14
学の学位を有するカトリーヌ・パリゼ
国籍:フランス 日開催の取締役会で選 パリ、 75015 、ジヌー通
氏は、監査およびアドバイザリーにつ
ナティクシス株式持分 : 任、 2017 年5月 23 日開 り 19 番地
いて 35 年の経験を有し、 1990 年から
1,000 株 催の株主総会で承認
2015 年まで PricewaterhouseCoopers の
任期満了日: 2023 年開
パートナーであり、 AXA 、 Sanofi 、
(d)
Crédit Agricole 、 Caisses des
催の株主総会
Dépôts 、 Compagnie des Alpes and
Generali France の世界規模の監査の責
監査委員会議長
任を有するパートナーであった。同氏
初就任: 2016 年 12 月 14
はまた、7年間、 PwC の取締役会役員で
日開催の取締役会
あり、保険および銀行部門を担当する
パートナーであった。 2016 年2月 17 日
リスク委員会委員
から 2017 年9月 13 日まで、カトリー
初就任: 2016 年 12 月 14
ヌ・パリゼ氏は Eurodisney の監査役会
日開催の取締役会
役員であった。同氏は、 2020 年3月 11
日より、 Generali Vie および Generali
戦略委員会委員
IA の取締役会役員である。
初就任: 2016 年 12 月 14
日開催の取締役会
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クリストフ・ピノー 取締役 Caisse d'Epargne et クリストフ・ピノー氏は、 2018 年4月
生年月日: 1961 年 11 月 26 日 初就任: 2018 年 12 月 20 27 日以降、 Caisse d'Epargne et de
de Prévoyance
国籍:フランス 日開催の取締役会で選
Prévoyance Bretagne Pays de Loire の
Bretagne Pays de
ナティクシス株式持分 : 任、 2019 年5月 28 日開
業務執行役員会会長である。
Loire の業務執行役員会
1,093 株 催の株主総会で承認
ISC Paris Business School 、 ITB
会長
任期満了日: 2025 年開
( Institut Technique Bancaire )およ
(b)
オルヴォー・セデック
び ICG IFG ( Institut Français de
催の株主総会
ス、 44703 、ラ・ジュネ
Gestion )を卒業したクリストフ・ピ
ス通り 15 番地
ノー氏は、 1984 年、 Banque Populaire
リスク委員会委員
Anjou-Vendée でキャリアを開始し、そ
初就任: 2018 年 12 月 20
の後、 Crédit Agricole Mayenne および
日開催の取締役会
Crédit Mutuel Anjou へ転職した。 2002
年、同氏は、 Caisse d'Epargne et de
報酬委員会委員
Prévoyance Bretagne Pays de Loire に
初就任: 2018 年 12 月 20
ネットワーク部長として入社し、その
日開催の取締役会
後、開発担当の業務執行役員会の構成
員となった。その後、同氏は、 2007 年
戦略委員会委員
に、 Crédit Foncier に開発担当の副マ
初就任: 2018 年 12 月 20
ネージング・ディレクターとして入社
日開催の取締役会
した。 2013 年から 2018 年まで、同氏
は、 Caisse d'Epargne Côte d'Azur の
執行役員会会長であった。
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ダイアン・ドゥ・サン・ 独立取締役 Transocean の取締役会 ダイアン・ドゥ・サン・ヴィグトール
ヴィグトール 初就任: 2019 年4月4 役員 氏は、 2020 年5月7日より Transocean
生年月日: 1955 年2月 20 日 日開催の取締役会で選 の取締役会役員である。
国籍:フランス 任、 2019 年5月 28 日開 スイス、ヴェルニエ、 会社法の DEA (上級学位)および国際法
ナティクシス株式持分 : 催の株主総会で承認 ブランドネ通り 10 番地 の DEA (上級学位)を有する弁護士とし
1,000 株 任期満了日: 2025 年開 て研修を行ったダイアン・ドゥ・サ
(b)
ン・ヴィグトール氏は、 1977 年に弁護
催の株主総会
士としてのキャリアを開始し、その後
1987 年に Thales に法律顧問として入社
指名委員会議長
した。 1988 年から 1993 年まで、同氏
初就任: 2019 年4月4
は、 General Electric の保健部門、そ
日開催の取締役会
の後フランスおよび米国において国際
的な法務顧問およびアソシエイトで
報酬委員会委員
あった。
初就任: 2019 年4月4
1993 年、同氏は、 Honeywell
日開催の取締役会
International に入社し、フランスおよ
びベルギーの様々な部門において主席
戦略委員会委員
法務役員および副会長として 10 年間勤
初就任: 2019 年4月4
務した。
日開催の取締役会
2004 年から 2006 年、同氏は、フランス
の EADS ( Airbus )の上級副会長および
主席法務役員であった。
同氏は、 2007 年から 2020 年3月 31 日ま
で ABB の事務総長を務め、 2007 年から
2019 年 11 月1日まで ABB の首席法務役員
およびエグゼクティブ委員会の委員を
務めた。同氏は、 2019 年 11 月から 2020
年7月まで ABB India Ltd の取締役会役
員であり、 2019 年5月から 2020 年4月
まで Altran Technologies の取締役会役
員であった。
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ニコラス・ドゥ・タヴェル 独立取締役 Groupe M6 の業務執行役 ニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏は、
ノ 初就任: 2013 年7月 31 2000 年5月から Groupe M6 の業務執行役
員会会長
生年月日: 1950 年8月 22 日 日開催の株主総会
員会会長である。
国籍:フランス 任期満了日: 2025 年開
ヌイイ・シュル・セー Sciences Po Bordeaux の卒業生であ
(b)
ナティクシス株式持分 :
ヌ・セデックス、
り、公法の DES (大学院の学位)を有す
催の株主総会
1,000 株
92575 、シャルル・ド・
るニコラス・ドゥ・タヴェルノ氏は、
ゴール通り 89 番地
1975 年に、ノルベール・セガール内閣
報酬委員会議長
の外国貿易大臣としてキャリアを開始
初就任: 2013 年8月6
し、その後フランス郵政大臣を務め
日開催の取締役会
た。 1986 年に、同氏は、 Lyonnaise des
Eaux のオーディオ・ビジュアル業務の
指名委員会委員
指揮を執った。その立場において、同
初就任: 2014 年 12 月 17
氏は、 M6 を設立する計画を監督した。
日開催の取締役会
1987 年に、同氏は Métropole
Télévision M6 の副最高経営責任者に任
戦略委員会委員
命され、 2000 年以降同社の業務執行役
初就任: 2013 年8月6
員会会長を務めている。
日開催の取締役会
アンリ・プログリオ 監査人 Henri Proglio 2015 年より、アンリ・プログリオ氏は
生年月日: 1949 年6月 29 日 初就任: 2019 年4月4 Henri Proglio Consulting SAS の会長
Consulting SAS の会長
国籍:フランス 日開催の株主総会、
および EDF の名誉会長を務めている。
ナティクシス株式持分 : 2019 年5月 28 日開催の
HEC Paris を卒業したアンリ・プログリ
パリ、 75001 、カスティ
1,000 株 株主総会で承認
リオーネ通り5番地 オ氏は、 1972 年に Générale des Eaux グ
任期満了日: 2023 年開
ループ(現 Veolia Environnement )に
(d)
てキャリアを開始し、上級経営陣の
催の株主総会
様々な地位に就いた。 1990 年、同氏
は、廃棄物の管理および輸送を専門と
報酬委員会委員
した子会社である、 CGEA の会長兼 CEO に
初就任: 2019 年4月4
任命された。 2000 年、同氏は、 Vivendi
日開催の取締役会
Environnement ( Veolia
Environnement )の会長となり、 2003 年
戦略委員会委員
に会長兼最高経営責任者となった。ま
初就任: 2019 年4月4
た、 2005 年、同氏は母校である HEC の学
日開催の取締役会
校評議会会長に任命された。 2009 年か
ら 2014 年 11 月 22 日まで、アンリ・プロ
グリオ氏は、 EDF の会長兼最高経営責任
者であった。また、同氏は、 2018 年 11
月まで、ナティクシスの独立取締役で
あった。
(a) 2023 年度財務諸表を承認するために開催される株主総会。
(b) 2024 年度財務諸表を承認するために開催される株主総会。
(c) 2021 年度財務諸表を承認するために開催される株主総会。
(d) 2022 年度財務諸表を承認するために開催される株主総会。
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(b) 上級経営陣(本書提出日現在)
男性の数:1名、女性の数:0名(女性の比率0%)
当行内での 社外での
執行役の氏名 略歴
主な役職 主な役職
ニコラ・ナミア 最高経営責任者 BPCE 業務執行委員会委 2020 年8月3日より、ニコラ・ナミア
生年月日: 1976 年3月 25 日 初就任: 2020 年8月3 員 氏は、ナティクシスの最高経営責任者
国籍:フランス 日開催の取締役会 を務めている。また、同氏は 2018 年か
ナティクシス株式持分: ( 2020 年8月3日付で ら BPCE の業務執行役員会委員も務めて
23,407 株 有効) いる。
スタンフォード大学経営大学院(エグ
ゼクティブプログラム)、 ESSEC および
Institut d'Études Politiques de
Paris の学位を保有し、エリート École
Nationale d'Administration (ENA) の
卒業生であるニコラ・ナミア氏は、
2004 年にフランス経済・財務省の財務
省においてそのキャリアを開始した。
同氏は初め、 G 8および G20 の国際的な
財務会議の準備を任され、のちに
Autorité des Marchés Financiers
(AMF) の政府委員代理として任命され
た。 2008 年、同氏は Groupe BPCE の財務
部門に入社し、商業銀行業務および保
険業務の企画長となった。 2012 年、同
氏は、経済、事業および国際経済関係
の財源に関する首相のテクニカル・ア
ドバイザーとして任命された。
ニコラ・ナミア氏は、 2014 年にナティ
クシスの戦略企画部長およびエグゼク
ティブ委員会委員として Groupe BPCE に
戻った。かかる役割の中で、同氏は、
2014 年以降ナティクシスにより実行さ
れたすべての買収の調整を行なった。
2017 年9月、同氏は、最高財務責任
者、戦略企画部長およびナティクシス
の経営企画委員会の構成員に任命され
た。
2018 年6月、ニコラ・ナミア氏は財務
部門、戦略部門および法務部門および
監査役会秘書室を担当する、 BPCE の業
務執行役員会委員として任命された。
2018 年 11 月から 2020 年8月まで、同氏
は、財務部門およびグループ戦略部門
を担当する BPCE の業務執行役員会委員
を務めた。
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(c) 上級経営委員会およびエグゼクティブ委員会
・上級経営委員会( CDG )の委員(本書提出日現在)
男性の数:7名、女性の数:4名(女性の比率 36 %)
ニコラ・ナミア ナタリー・ブリッカー オリビエ・ヴィネロン セシル・トリコン・ボサー
最高経営責任者 財務 リスク部門 ド
上級経営委員会議長 人事およびコーポレート・
カルチャー部門
フランソワ・コデ アンドレ・ジャン・ ティム・ライアン ヴェロニク・サニ
保険部門 オリヴィエ 資産運用およびウェルス・ テクノロジーおよび変革部
会社秘書室 マネジメント部門 門
ピエール・アントワーヌ・ モハメド・カララ アンヌ・クリスティーヌ・
ヴァシュロン コーポレート・バンキング シャンピオン
決済部門 およびインベストメント・ コーポレート・バンキング
バンキング( CIB )部門 およびインベストメント・
バンキング( CIB )部門
・エグゼクティブ委員会( COMEX )の役員(本書提出日現在)
男性の数: 30 名、女性の数: 11 名(女性の比率 27 %)
ニコラ・ナミア アラン・ガロワ オリバー・ビラル ナタリー・ブリッカー
最高経営責任者 EMEA -フランスのカバレッ 海外営業およびマーケティ 財務
ジ(コーポレート・バンキ ング/ Natixis Investment
ングおよびインベストメン
Managers (資産運用および
ト・バンキング部門)を除
ウェルス・マネジメント部
く
門)
ナタリー・ブルテル アラン・ブリュノー アンヌ・クリスティーヌ・ フォアド・チェハディ
損害保険(保険部門) コンプライアンス(会社秘 シャンピオン 転換および事業効率部門
書室) (コーポレート・バンキン (テクノロジーおよび変革
グおよびインベストメン 部門)
ト・バンキング部門)の共
同ヘッド
オードリー・ケーニッヒ ギヨーム・ドゥ・サン・ アンヌ・セシル・ドゥラス オリビエ・ディレイ
Natixis Wealth セーヌ グローバル・トレード 南北アメリカ大陸(コーポ
金融機関(コーポレート・ (コーポレート・バンキン レート・バンキングおよび
Management (資産運用およ
バンキングおよびインベス グおよびインベストメン インベストメント・バンキ
びウェルス・マネジメント
トメント・バンキング部 ト・バンキング部門) ング部門)
部門)
門)
クリストフ・エグリザウ ファブリス・クロッピ ブノワ・ゴースロン デヴィッド・ジウンタ
Natixis Interépargne (資 インベストメント・バンキ コミュニケーション 米国およびカナダ/ Natixis
ング(コーポレート・バン
産運用およびウェルス・マ Investment Managers (資産
キングおよびインベストメ
ネジメント部門)
運用およびウェルス・マネ
ント・バンキング部門)
ジメント部門)
ステファン・ホニグ エルヴェ・ウッス マイケル・ハイゼ クリストフ・ランヌ
戦略 一般的調査部門 グローバル・マーケッツ 変革および才能部門責任者
(コーポレート・バンキン (資産運用およびウェル
グおよびインベストメン ス・マネジメント部門)
ト・バンキング部門)
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
クリストフ・イザー フランソワ・ クリスチャン・ル・ シリル・マリー
個人保険(保険部門) コデ イール 財務、戦略および企業開
保険部門 法務(会社秘書室) 発/ Natixis Investment
Managers (資産運用および
ウェルス・マネジメント部
門)
アンドレ・ジャン・オリ ティム・ライアン ヴェロニク・サニ セシル・トリコン・ボサー
ヴィエ 資産運用およびウェルス・ テクノロジーおよび変革部 ド
会社秘書室 マネジメント部門 門 人事部
ピエール・アントワーヌ・ モハメド・カララ フレデリク・シュノ ソフィー・ディドロ
ヴァシュロン コーポレート・バンキング BPCE ネットワークス・コー エンタープライズ・リス
決済部門 およびインベストメント・ ディネーション(決済部 ク・マネジメント(リスク
バンキング( CIB )部門の共 門) 部門)
同ヘッド
クロエ・マイェノベ テレサ・モーラ・グルニエ ステファン・モーリン ジョセフ・ピント
副主席執行役員およびビジ コントローリング・ファイ リスクおよびコンプライア オペレーション/ Natixis
ネス・ユニット担当部長 ナンス(財務) ンス米国(リスク部門およ Investment Managers (資産
(決済部門) び会社秘書室)
運用およびウェルス・マネ
ジメント部門)
フィリップ・セトボン オリビエ・ヴィネロン リチャード・ヴィナディエ ブルーノ・ル・サン
Ostrum Asset Management リスク部門 会計および比率部門(財 アジア太平洋(コーポレー
務) ト・バンキングおよびイン
(資産運用およびウェル
ベストメント・バンキング
ス・マネジメント部門)
部門)
ベネディクト・ジアフェリ
実物資産(コーポレート・
バンキングおよびインベス
トメント・バンキング部
門)
(3)【監査の状況】
(a) 監査委員会および法定監査人
① 監査委員会
「3 コーポレート・ガバナンスの状況等- (3) コーポレート・ガバナンスの管理および監督- (b) 特
別委員会:取締役会の派生-① 監査委員会」を参照のこと。
② 法定監査人
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 15 を参照のこと。
(b) 監査報酬の内容等
① 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 15 を参照のこと。
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② その他重要な報酬の内容
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 15 を参照のこと。
③ 外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
「第6 経理の状況-1 財務書類- (1) 連結財務諸表-連結財務諸表注記」の注記 15 を参照のこと。
④ 監査報酬の決定方針
該当事項なし。
(4)【役員の報酬等】
該当事項なし。
(5)【株式の保有状況】
該当事項なし。
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第6 【経理の状況】
a. 本書記載のナティクシス・エス・エー(以下「当行」という。)および連結子会社(以下、合
わせて「当行グループ」という。)の連結財務諸表は、欧州連合(以下「 EU 」という。)が採
用し、国際会計基準審議会(以下「 IASB 」という。)が公表した国際財務報告基準(以下
「 IFRS 」という。)に準拠して作成された。また、当行の個別財務諸表は、フランスにおける
諸法令および一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠して作成された。当行グループおよ
び当行が採用した会計原則、会計慣行および表示方法と、日本において一般に公正妥当と認め
られるそれらとの間の主な相違点に関しては、「 第6 4.フランスと日本における会計原則
及び会計慣行の主要な相違」に説明されている。
本書記載の当行グループの連結財務諸表および当行の個別財務諸表は、「財務諸表等の用
語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和 38 年大蔵省令第 59 号。以下「財務諸表等規則」と
いう。)第 131 条第1項の適用を受けるものである。
b. 本書記載の原文の連結財務諸表および個別財務諸表(以下「原文の財務諸表」という。)は、
フランスの独立公認会計士であり、かつ外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和 23 年法律第
103 号。その後の改正を含む。)第1条の3第7項に規定されている外国監査法人等をいう。)
であるデロイト・エ・アソシエおよびプライスウォーターハウスクーパース・オーディット
(以下「会計監査人」と総称する。)から監査を受けている。 2020 年 12 月 31 日に終了した年度
の原文の財務諸表について会計監査人が行った監査は、「金融商品取引法」(昭和 23 年法律第
25 号。その後の改正を含む。)第 193 条の2第1項第1号に規定されている監査証明に相当する
と認められる証明となっており、会計監査人の原文の監査報告書およびその日本語訳は本書に
添付されている。
c. 本書記載の原文の財務諸表は、フランスにおいて開示されたものと同一のものであり、日本語
版はその翻訳である。
d. 本書記載の原文の財務諸表はユーロで表示されている。「財務諸表等規則」第 134 条の規定に基
づき「円」で表示されている金額は、 2021 年4月 23 日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行における対顧
客電信直物売買相場の仲値、1ユーロ= 129.72 円の為替レートで換算された金額である。金額
は億円単位(四捨五入)で表示されている。なお、円換算額は単に便宜上表示されたものであ
り、ユーロ額が上記のレートで円に換算されることを意味するものではない。円換算額は、四
捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
e. 円換算額および「 第6 2.主な資産・負債及び収支の内容」から「 第6 4.フランスと日
本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」までの記載事項は、原文の財務諸表には含ま
れておらず、当該事項における原文の財務諸表への参照事項を除き、上記 b .の会計監査の対象
にもなっていない。
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1 【財務書類】
連結損益計算書
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
に終了した年度
注記 に終了した年度
百万ユーロ 億円
百万ユーロ 億円
受取利息および類似収益 6.1 2,940 3,814 3,948 5,121
支払利息および類似費用 6.1 (1,847) (2,396) (3,144) (4,078)
受取報酬および受取手数料 6.2 5,084 6,595 5,719 7,419
支払報酬および支払手数料 6.2 (2,028) (2,631) (2,197) (2,850)
純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る純損益 6.3 1,002 1,300 1,986 2,576
資本を通じて公正価値で測定される金融商品に係る純損益 6.4 72 93 40 52
償却原価で測定される金融資産の認識中止に起因する純損益 6.5 (12) (16) (10) (13)
保険事業からの純利益 8.2 2,034 2,639 2,792 3,622
その他業務収益 6. 6 256 332 251 326
その他業務費用 6. 6 (194) (252) (167) (217)
純収益 7,306 9,477 9,219 11,959
営業費用 6. 7 (5,415) (7,024) (6,208) (8,053)
有形固定資産および無形資産に係る減価償却、償却および減
損引当金 (412) (534) (447) (580)
営業総利益 1,478 1,917 2,564 3,326
貸倒引当金繰入額 6. 8 (851) (1,104) (332) (431)
営業純利益 626 812 2,232 2,895
持分法による投資利益 (53) (69) 21 27
その他の資産に係る損益 6. 9 (187) (243) 687 891
のれんの価値の変動 0 0 5 6
税引前利益/(損失) 386 501 2,945 3,820
法人所得税 6. 10 (204) (265) (669) (868)
非継続事業に係る純利益 0
0 0 0
当期純利益 /( 損失 ) 182 236 2,276 2,952
うちグループ持分 101 131 1,897 2,461
うち非支配持分に帰属する利益 81 105 380 493
1株当たり利益/(損失) (単位:ユーロ)
期中平均株式数 (自己株式を除く )に基づいて計算された、株
主に帰属する1株当たり当期純利益/(損失)(注記 5.23 参
照)-グループ持分 (0.01) ユーロ (1.30) 円 0.56 ユーロ 72.64 円
希薄化後 1 株当たり利益/(損失) (単位 : ユーロ)
ストックオプションが行使された場合に発行される可能性の
ある株式および無償株式を含む期中平均株式数 (自己株式を
除く )に基づいて計算された、株主に帰属する 1 株当たり当
期純 利益/(損失)(注記 5.23 参照)-グループ持分 (0.01) ユーロ (1.30) 円 0.56 ユーロ 72.64 円
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当期純利益およびその他の包括利益に係る計算書
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
に終了した年度
に終了した年度
百万ユーロ 億円
百万ユーロ 億円
純利益 182 236 2,276 2,952
損益にリサイクル可能な項目 (300) (389) 472 612
為替換算調整 額 (401) (520) 155 201
当期再評価調整額 (405) (525) 137 178
損益への振替 3 4 16 21
その他の分類変更 (0) (0) 1 1
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(負債性金融商品)の再評価額 9 12 14 18
当期再評価調整額 31 40 21 27
損益への振替 (22) (29) (7) (9)
その他の分類変更 0 0 0 0
売却可能金融資産の再評価額 125 162 254 329
当期再評価調整額 210 272 389 505
損益への振替 (85) (110) (136) (176)
その他の分類変更 0 0 0 0
ヘッジ目的デリバティブの再評価額 15 19 146 189
当期再評価調整額 (7) (9) 13 17
損益への振替 22 29 133 173
その他の分類変更 0 0 0 0
リサイクル可能な関連会社の資本に直接認識された損益に対
する持分 (1) (1) 7 9
売却目的保有の非流動資産 0 0 0 0
損益にリサイクル可能な項目に関する税効果 (47) (61) (103) (134)
損益にリサイクル不能な項目 100 130 (170) (221)
確定給付制度の再評価調整額 32 42 (51) (66)
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融
負債に係る自己の信用リスクの再評価額 (21) (27) (226) (293)
その他の包括利益を通じて公正価値で認識される資本性金融
商品の再評価額 138 179 47 61
その他の包括利益を通じて公正価値で認識される金融資産の
ヘッジ目的デリバティブの再評価額 0 0 0 0
損益にリサイクル不能な関連会社の資本に直接認識された損
益に対する持分 (0) (0) 0 0
売却目的保有の非流動資産 0 0 0 0
損益にリサイクル不能な項目に関する税効果 (49) (64) 61 79
その他の包括利益に直接認識された損益(税引後) (201) (261) 302 392
利益合計 (19) (25) 2,578 3,344
グループ持分 (93) (121) 2,129 2,762
非支配持分 74 96 449 582
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未実現損益または繰延損益に係る税金の内訳
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万ユーロ )
総額 法人所得税 純額
総額 法人所得税 純額
為替換算調整額 (401) 0 (401) 155 0 155
損益にリサイクル可能なその他の包括利
益を通じて公正価値で測定される金融資
産(負債性金融商品)の再評価額 9 (2) 8 14 (3) 11
売却可能金融資産の再評価額 125 (41) 84 254 (62) 191
ヘッジ目的デリバティブの再評価額 15 (4) 11 146 (38) 108
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定された金融負債に係る自己の
信用リスクの再評価額 (21) 5 (16) (226) 60 (166)
その他の包括利益を通じて公正価値で認
識される資本性金融商品の再評価額 138 (45) 93 47 (12) 34
その他の包括利益を通じて公正価値で認
識される金融資産のヘッジ目的デリバ
ティブの再評価額 0 0 0 0 0 0
確定給付制度の再評価調整額 32 (9) 23 (51) 13 (38)
関連会社の未実現損益または繰延損益に
対する持分 (1) (0) (1) 9 (2) 7
売却目的保有の非流動資産 0 0 0 0 0 0
未実現損益または繰延損益の変動合計 (104) (97) (201) 346 (44) 302
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連結貸借対照表 - 資産
*
2020 年 12 月 31 日現在
注記 2019 年 12 月 31 日現在
百万ユーロ 億円
百万ユーロ 億円
現金および中央銀行預け金 30,637 39,742 21,016 27,262
*
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 7.1 210,378 272,902 220,714 286,310
ヘッジ目的デリバティブ 7.2 230 298 325 422
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
金融資産 7.4 13,194 17,115 12,076 15,665
償却原価で測定される有価証券 7.6.3 1,930 2,504 1,558 2,021
償却原価で測定される銀行貸出金および債権なら
びに類似項目 7.6.1 44,691 57,973 48,115 62,415
償却原価で測定される顧客貸出金および債権 7.6.2 67,939 88,130 71,089 92,217
うち政府代行業務 886 1,149 852 1,105
金利リスクをヘッジしたポートフォリオの再評価
調整額 0 0 0 0
保険事業の投資 8.3 112,698 146,192 108,053 140,166
当期税金資産 270 350 348 451
繰延税金資産 7.8 1,196 1,551 1,388 1,801
*
未収勘定およびその他の資産 7.9 5,081 6,591 5,296 6,870
売却目的で保有する非流動資産 1.2 728 944 0 0
繰延 利益分配 0 0 0 0
関連会社に対する投資 879 1,140 743 964
投資不動産 0 0 0 0
有形固定資産 7.10 1,272 1,650 1,425 1,849
無形資産 7.10 665 863 717 930
のれん 7.12 3,533 4,583 3,891 5,047
資産合計 495,320 642,529 496,754 644,389
* 2019年に公表 され た財務諸表に 関連し て 修正 再表示 され た 金 額(注記5.4参照)
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連結貸借対照表-負債および株主資本
*
2020 年 12 月 31 日現在
注記 2019 年 12 月 31 日現在
百万 ユーロ 億円
百万 ユーロ 億円
中央銀行 預り金 0 0 0 0
*
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 7.1 208,467 270,423 209,951 272,348
ヘッジ目的デリバティブ 7.2 525 681 626 812
銀行預り金 および類似項目 7.1 3 84,408 109,494 71,927 93,304
うち政府代行業務 46 60 46 60
顧客預り金 7.1 3 29,798 38,654 30,485 39,545
うち政府代行業務 987 1,280 964 1,251
債務証券 7.1 4 35,652 46,248 47,375 61,455
金利リスクをヘッジしたポートフォリオの再評価
調整額 183 237 157 204
当期 税金 負債 391 507 571 741
繰延税金 負債 7.8 438 568 616 799
*
未払勘定およびその他の負債 7.9 6,265 8,127 8,060 10,455
うち政府代行業務 8 10 0 0
売却目的で保有する非流動資産に係る負債 1.2 55 71 0 0
保険契約関連の負債 8.4 104,182 135,145 100,545 130,427
劣後債務 7.15 3,934 5,103 3,971 5,151
引当金 7.16 1,623 2,105 1,642 2,130
株主資本(グループ持分) 19,229 24,944 19,396 25,160
・株式資本および資本剰余金 11,036 14,316 11,036 14,316
・利益剰余金 7,393 9,590 5,583 7,242
・資本に直接認識したリサイクル可能な損益 799 1,036 1,093 1,418
・資本に直接認識したリサイクル不能な損益 (100) (130) (212) (275)
・当期純利益(損失) 101 131 1,897 2,461
非支配持分 167 217 1,430 1,855
負債および株主資本合計 495,320 642,529 496,754 644,389
* 2019年に公表 され た財務諸表に 関連 して 修正 再表示 された金 額(注記5.4参照)
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株主資本等変動計算書
資本直入された損益
株式資本および
資本剰余金
利益剰余金 リサイクル可能 リサイクル不能
損益にリサイクル
純損益を通じて公正価
可能なその他の包
値で測定するものとし
括利益を通じて公 資本を通じて公正 確定給付制度
その他の発 て指定された金融負債
その他の
正価値で測定され 価値で測定される コミットメン 当期純利益 株主 資本
行済資本性 に係る自己の信用リス
自己株式 利益 為替換算 売却可能 る負債性金融商品 ヘッジ目的 資本性金融商品の トの再評価 (グループ (グループ 非支配 連結資本
(a) (b) (c)
資本
(単位:百万ユーロ ) 資本剰余金 金融商品 の消却 剰余金 調整 額 資産 の再評価額 デリバティブ 再評価額 クの再評価額 調整額 持分) 持分) 持分 合計
利益処分後の 2018 年 12 月 31 日現在の株主資本 5,040 5,995 1,978 (27) 6,279 452 363 (18) (105) (25) 83 (100) 0 19,916 1,279 21,195
増資 4 (4) 0 0
自己株式の消却 (13) (1) (14) (14)
株式に基づく報酬制度の資本部分 9 9 1 10
2019 年度に支払われた 2018 年度配当金 (2,451) (2,451) (301) (2,752)
株主との取引合計 4 (4) 0 (13) (2,443) 0 0 0 0 0 (2,456) (300) (2,757)
永久超劣後債の発行および償還 0 0 0
永久超劣後債に係る利息の支払い (138) (138) (138)
資本直入された損益の変動額 112 223 12 2 34 (166) 217 71 288
当期中における自己の信用リスク引当金の繰入
額 1 (1) 0 0
リサイクルできないその他の包括利益を通じて
公正価値で測定される資本性金融商品の当期中
に完了した売却による利益の準備金への繰入額 1 (1) 0 0
改訂 IAS 第 19 号に従った数理計算上の差異の変
動額 (38) (38) (2) (40)
2019 年 12 月 31 日現在の利益/(損失) 1,897 1,897 380 2,276
(d)
取得および処分の影響額 (46) 16 (70) (1) 106 2 7 6 13
その他 (8) (8) (3) (11)
2019 年 12 月 31 日現在の株主資本 5,045 5,991 1,978 (40) 3,646 580 516 (6) 3 9 (84) (136) 1,897 19,396 1,430 20,826
2019 年度の利益処分 1,897 (1,897) 0 0
利益処分後の 2019 年 12 月 31 日現在の株主資本 5,045 5,991 1,978 (40) 5,542 580 516 (6) 3 9 (84) (136) 0 19,396 1,430 20,826
増資 5 (5) 0 0
自己株式の消却 38 (12) 26 26
株式に基づく報酬制度の株式部分 6 6 6
2020 年度に支払われた 2019 年度配当金 0 0 (167) (167)
株主との取引合計 5 (5) 0 38 (6) 0 0 0 0 0 32 (167) (135)
永久超劣後債の発行および償還 0 0 0
永久超劣後債に係る利息の支払い (119) (119) (119)
資本直入された損益の変動額 (399) 161 8 11 93 (16) (142) (7) (148)
当期中における自己の信用リスク引当金の繰入
額 0 (0) 0 0
リサイクルできないその他の包括利益を通じて
公正価値で測定される資本性金融商品の当期中
に完了した売却による利益の準備金への繰入額 (13) 13 0 0
改訂 IAS 第 19 号に従った数理計算上の差異の変
動額 12 12 (0) 12
2020 年 12 月 31 日現在の利益/(損失) 101 101 81 182
(d)
取得および処分の影響額
1 3 (78) 11 (62) (1,171) (1,233)
その他 11 11 0 11
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有価証券報告書
2020年12月31日現在の 株主 資本 5,050 5,986 1,978 (2) 5,417 185 599 1 13 114 (100) (114) 101 19,229 167 19,396
資本直入された損益
株式資本および
資本剰余金
利益剰余金 リサイクル可能 リサイクル不能
損益にリサイクル
純損益を通じて公正価
可能なその他の包
値で測定するものとし
括利益を通じて公 資本を通じて公正 確定給付制度
その他の発 て指定された金融負債
その他の
正価値で測定され 価値で測定される コミットメン 当期純利益 株主 資本
行済資本性 に係る自己の信用リス
自己株式 利益 為替換算 売却可能 る負債性金融商品 ヘッジ目的 資本性金融商品の トの再評価 (グループ (グループ 非支配 連結資本
(a) (b) (c)
資本
(単位:億円 ) 資本剰余金 金融商品 の消却 剰余金 調整 額 資産 の再評価額 デリバティブ 再評価額 クの再評価額 調整額 持分) 持分) 持分 合計
利益処分後の 2018 年 12 月 31 日現在の株主資本 6,538 7,777 2,566 (35) 8,145 586 471 (23) (136) (32) 108 (130) 0 25,835 1,659 27,494
増資 5 (5) 0 0
自己株式の消却 (17) (1) (18) (18)
株式に基づく報酬制度の資本部分 12 12 1 13
2019 年度に支払われた 2018 年度配当金 (3,179) (3,179) (390) (3,570)
株主との取引合計 5 (5) 0 (17) (3,169) 0 0 0 0 0 (3,186) (389) (3,576)
永久超劣後債の発行および償還 0 0 0
永久超劣後債に係る利息の支払い (179) (179) (179)
資本直入された損益の変動額 145 289 16 3 44 (215) 281 92 374
当期中における自己の信用リスク引当金の繰入
額 1 (1) 0 0
リサイクルできないその他の包括利益を通じて
公正価値で測定される資本性金融商品の当期中
に完了した売却による利益の準備金への繰入額 1 (1) 0 0
改訂 IAS 第 19 号に従った数理計算上の差異の変動
額 (49) (49) (3) (52)
2019 年 12 月 31 日現在の利益/(損失) 2,461 2,461 493 2,952
(d)
取得および処分の影響額 (60) 21 (91) (1) 138 3 9 8 17
その他 (10) (10) (4) (14)
2019 年 12 月 31 日現在の株主資本 6,544 7,772 2,566 (52) 4,730 752 669 (8) 4 12 (109) (176) 2,461 25,160 1,855 27,015
2019 年度の利益処分 2,461 (2,461) 0 0
利益処分後の 2019 年 12 月 31 日現在の株主資本 6,544 7,772 2,566 (52) 7,189 752 669 (8) 4 12 (109) (176) 0 25,160 1,855 27,015
増資 6 (6) 0 0
自己株式の消却 49 (16) 34 34
株式に基づく報酬制度の株式部分 8 8 8
2020 年度に支払われた 2019 年度配当金 0 0 (217) (217)
株主との取引合計 6 (6) 0 49 (8) 0 0 0 0 0 42 (217) (175)
永久超劣後債の発行および償還 0 0 0
永久超劣後債に係る利息の支払い (154) (154) (154)
資本直入された損益の変動額 (518) 209 10 14 121 (21) (184) (9) (192)
当期中における自己の信用リスク引当金の繰入
額 0 (0) 0 0
リサイクルできないその他の包括利益を通じて
公正価値で測定される資本性金融商品の当期中
に完了した売却による利益の準備金への繰入額 (17) 17 0 0
改訂 IAS 第 19 号に従った数理計算上の差異の変動
額 16 16 (0) 16
2020 年 12 月 31 日現在の利益/(損失) 131 131 105 236
(d)
取得および処分の影響額
1 4 (101) 14 (80) (1,519) (1,599)
その他 14 14 0 14
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020年12月31日現在の 株主 資本 6,551 7,765 2,566 (3) 7,027 240 777 1 17 148 (130) (148) 131 24,944 217 25,160
(a) 株式プレミアム、法定準備金、契約準備金、長期キャピタル・ゲイン準備金およびその他のナティクシスの準備金。
(b) その他の発行済資本性金融商品:永久超劣後債がこれに該当する(注記 12.3 参照)。
(c) 資本に認識されている純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融負債に係る自己の信用リスクに起因する公正価値の変動(未実現分および実現分)は注記 7.1.2.1 に開示されている。
(d) 2019 年 12 月 31 日現在および 2020 年 12 月 31 日現在の株主資本(グループ持分)への影響は注記 3.2 に表示されている。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
キャッシュ・フロー計算書
現金および現金同等物の残高は、現金および中央銀行預け金の正味残高、ならびに金融機関における要求払預金および金融機関からの
借入金の正味残高から成っている。
営業活動により生成された現金の変動は、満期保有目的金融資産および投資不動産に関連するキャッシュ・フローを除いて、当行グ
ループの活動により生成されたキャッシュ・フローである。
投資活動に関連する現金の変動は、連結および非連結対象の関連会社に対する投資、有形固定資産および無形固定資産の取得および処
分、ならびに投資不動産、オペレーティング・リースの下で提供される不動産および満期保有目的金融資産の取得および処分に関連す
るキャッシュ・フローから生じている。
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
に終了した年度
に終了した年度
百万ユーロ 億円
百万ユーロ 億円
税引前利益 386 501 2,945 3,820
+/- 有形固定資産および無形資産の減価償却および償却の純費用計上額 397 515 454 589
+/- のれんおよびその他の非流動資産の評価減 0 0 (2) (3)
+/- その他の引当金 (保険会社の技術的準備金を含む )の純繰入額 4,737 6,145 8,455 10,968
+/- 持分法による投資利益 (6) (8) (21) (27)
+/- 投資活動に係る純損失/ (利得 ) (9) (12) (885) (1,148)
+/- 財務活動からの(収益)/費用 69 90 88 114
+/- その他の活動 (782) (1,014) 3,171 4,113
= 税引前利益に含まれる非資金項目およびその他の調整額合計 4,406 5,715 11,260 14,606
+/- インターバンク市場項目および短期金融市場項目の減少/(増加) 額 11,490 14,905 (13,129) (17,031)
+/- 顧客項目の減少/(増加)額 (177) (230) (6,927) (8,986)
+/- 金融資産または負債の減少/(増加)額 (9,154) (11,875) (1,808) (2,345)
(e)
+/- 非金融資産または負債の減少/(増加) 額 (419) (544) 1,349 1,750
- 法人所得税の支払額 (491) (637) (630) (817)
= 営業資産および負債の純減少/(増加)額 1,249 1,620 (21,145) (27,429)
営業活動によるキャッシュ・フロー 6,040 7,835 (6,940) (9,003)
(a)
+/- 金融資産および資本持分の減少/(増加)額 88 114 2,652 3,440
+/- 投資不動産の減少/(増加)額 61 79 (80) (104)
+/- 有形固定資産および無形資産の減少/(増加)額 (384) (498) (204) (265)
投資活動によるキャッシュ・フロー (235) (305) 2,368 3,072
(b)
+/- 株主との取引による収入/ (支出 )額 (167) (217) (2,752) (3,570)
(c)
+/- その他の財務活動による収入/ (支出 )額 (147) (191) (175) (227)
財務活動によるキャッシュ・フロー (313) (406) (2,928) (3,798)
(d)
売却目的で保有される資産および負債のキャッシュ・フロー (235) (305) 0 0
現金および現金同等物に係る為替レート変動の影響 (1,176) (1,526) 164 213
現金および現金同等物の純増加/ (減少 )額 4,082 5,295 (7,336) (9,516)
営業活動によるキャッシュ・フロー 6,041 7,836 (6,940) (9,003)
投資活動によるキャッシュ・フロー (235) (305) 2,368 3,072
財務活動によるキャッシュ・フロー (313) (406) (2,928) (3,798)
売却目的で保有される資産および負債のキャッシュ・フロー (235) (305) 0 0
現金および現金同等物に係る為替レート変動の影響 (1,176) (1,526) 164 213
現金および現金同等物の期首残高 16,087 20,868 23,423 30,384
現金および中央銀行預け金 21,014 27,259 24,280 31,496
インターバンク残高 (4,927) (6,391) (857) (1,112)
現金および現金同等物の期末残高 20,170 26,165 16,087 20,868
現金および中央銀行預け金 30,637 39,742 21,014 27,259
インターバンク 残高 (10,467) (13,578) (4,927) (6,391)
現金および現金同等物の増減額 4,082 5,295 (7,336) (9,516)
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
(a) 金融資産および関連会社に対する投資に関連するキャッシュ・フロー。主に以下のものから成る。
- 連結対象の持分投資に関連するキャッシュ・フロー (194.2) 百万ユーロ
- 非連結の持分投資に関連するキャッシュ・フロー 90.3 百万ユーロ
- 満期保有目的資産に関連するキャッシュ・フロー 191.6 百万ユーロ
(b) ナティクシス取締役会は COVID-19 危機の財務的影響を巡る不確実性に鑑み、 2020 年3月 27 日に欧州中央銀行( ECB )によってなされた勧告に従って配
当金の分配をしないことを決定した。
(c) 財務活動によるキャッシュ・フローの内訳は以下のとおり。
- 劣後債について支払った利息 (81) 百万ユーロ。
- 資本に計上された超劣後債について支払った利息 (66) 百万ユーロ。
(d) Coface および H20 の現金に相当する(注記 1.2 参照)。
(e) 2020 年 12 月 31 日現在の (225) 百万ユーロにのぼるリース負債に関連するキャッシュ・フローを含む。
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連結財務諸表注記
注記および付録
* *
注記 1 基本的なフレームワーク 259 注記 5 会計原則および評価方法 280
1.1 適用した 会計基準 259 5.1 金融資産(デリバティブを除く) 280
1.2 重大な事象 260 5.2 リース 283
1.3 後発事象 261 5.3 償却原価で測定 され る資産およびその他の包括利益 284
を通じて公正価値で測定 され る資産の減損ならびに
貸出 コミットメントおよび 保証コミットメント の 引
当金
1.4 財務諸表への健康危機の影響 262 5.4 デリバティブ金融商品およびヘッジ会計 287
5.5 外貨建 取引 289
注記2 連結の方法および原則 265 5.6 金融商品の公正価値 289
2.1 連結範囲 265 5.7 有形固定資産、無形資産(のれんを除く)および投 290
資不動産
2.2 支配の概念および連結方法 265 5.8 売却目的で保有する非流動資産および 非継続事業 291
2.3 連結範囲の変更 266 5.9 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 292
2.4 少数株主に付与されたプット・オプションの取扱 266 5.10 負債 292
い
2.5 企業結合およびのれん 267 5.11 認識の中止 292
2.6 売却目的で保有する子会社 269 5.12 金融資産と金融負債の相殺 293
2.7 個別データの標準化およびグループ内取引の取扱 269 5.13 引当金 293
い
2.8 ナティクシスの政府代行業務 269 5.14 従業員給付 293
2.9 海外の子会社および支店の財務諸表の通貨換算 269 5.15 負債と資本の区別 294
5.16 株式に基づく報酬 294
注記 3 連結範囲 270 5.17 自己株式および自己株式に関連したデリバティブ 295
3.1 2020 年 1 月 1 日以降の連結範囲の変更 270 5.18 受取報酬および受取手数料 295
3.2 取得および処分の影響 271 5.19 税金費用 296
3.3 子会社に対する持分 272 5.20 貸出コミットメントおよび保証コミットメント 296
3.4 パートナーシップおよび関連会社に対する持分 273 5.21 銀行破綻処理メカニズムへの 拠出 297
5.22 見積り と判断 の使用 297
注記 4 組成された企業 275 5.23 1株当たり利益 /(損失) 300
4.1 ナティクシスが取引を行ってい る組成された企業 275
の範囲
4.2 非連結の組成された企業に対して有する関与 277 注記 6 損益計算書注記 301
4.3 ナティクシスが 単にスポンサーとして関与してい 279 6.1 金利差益 301
る非連結の組成された企業
4.4 組成された企業に対する財務支援 279 6.2 正味受取報酬および受取手数料 302
6.3 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係 303
る損益
6.4 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金 303
融資産に係る損益
6.5 償却原価で測定される 金融 商品の認識中止 に 起因す 304
る 純損益
6.6 その他の損益 304
6.7 営業 費用ならびに減価償却、償却および減損 304
6.8 リスク費用 305
6.9 その他の資産に係る損益 306
6.10 財務諸表中の税務費用と理論上の税務費用の調整 306
* (訳者注:原文のページ)
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有価証券報告書
* *
注記1 0 リスク管理
注記 7 貸借対照表注記 307 369
10.1 自己資本
7.1 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産お 307 369
よび金融負債
10.2 信用リスクおよび取引相手方リスク
7.2 ヘッジ目的デリバティブ 311 369
10.3 市場リスク、全体的金利リスク、
7.3 金融資産と金融負債の相殺 313 370
流動性リスクおよび構造的な為替リスク
7.4 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される 316
金融資産
注記1 1 従業員数、人件費、報酬および従業員給付
7.5 貸借対照表において公正価値で計上されている金 318 371
融資産および負債の公正価値
7.6 11.1 従業員数
償却原価で測定される金融資産 330 371
11.2 報酬および従業員給付
7.7 金融資産に関するその他の情報 334 371
7.8 繰延税金資産および負債 336
注記1 2 資本管理
7.9 未収・未払勘定、その他の資産および負債 337 380
12.1 株式資本
7.10 有形固定資産および無形資産 338 380
12.2 資本管理
7.11 担保の差押えにより取得した資産 339 380
7.12 12.3 資本性金融商品 の発行
のれん 340 380
7.13 銀行預り金および顧客預り金
341
7.14 債務証券 注記1 3 コミットメント
341 381
7.15 劣後債務 342 13.1 保証コミットメント
381
7.16 引当金および減損 343 13.2 貸出コミットメント
383
7.17 金融資産および金融負債の契約上の満期別内訳 344
7.18 指標改革の影響を受ける金融商品 346
注記 14 その他の情報 385
注記8 保険事業に関する注記 347 14.1 ナティクシスが借手のリース契約 385
14.2 ナティクシスが貸手のリース契約 386
8.1 保険企業の連結 347
8.2 会計原則 14.3 関連当事者 387
347
8.3 保険事業からの純利益
350
8.4 保険事業の投資 注記 15 法定監査人の報酬 391
353
8.5 保険契約関連の負債
359
8.6 保険事業への IFRS 第 9号適用の一時的免除に関して
360
開示すべき情報
注記 16 国別企業活動 392
注記 9 セグメント報告 16 .1 2020 年 12 月 31 日現在の 国別企業活動 392
361
9.1 資産運用およびウェルス・マネジメント 16.2 2020 年 12 月 31 日現在の 国別の 銀行業務 純収 益、税引 395
361
前利益 および 従業 員数
9.2 コーポレート ・バンキングおよび インベストメン
361
ト・バンキング
9.3 保険 注記1 7 連結範囲比較情報 396
362
9.4 決済 17.1 2020 年 12 月 31 日現在の非連結企業 403
362
9.5 コーポレート ・ センター 17.2 2020 年 12 月 31 日現在の非連結投資先 403
362
9.6 セグメント 情報
363
9.7 その他の 開示
368
* (訳者注:原文のページ)
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
注記1 基本的なフレームワーク
1.1 適用した会計基準
1.1.1 当行グループが適用した IFRS 基準および IFRIC 解釈指針
2002 年7月 19 日の欧州規則第 1606 / 2002 号によって要求されるとおり、ナティクシスは、 2020 年 12 月 31 日に終了した年度の連結財務諸
表を、同日現在欧州連合によって採択された国際会計基準( IAS )/国際財務報告基準( IFRS )および国際財務報告解釈指針委員会
(1)
( IFRIC )による解釈指針に準拠して作成した 。
(1) 欧州連合によって採択された基準書の全文は、ヨーロッパ委員会のウェブサイト( http://ec.europa.eu/finance/company-reporting/ifrs-financial-
statements/index_fr.htm )で閲覧することができる。
ナティクシスの連結財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、当期純利益/(損失)およびその他の包括利益に係る計算書、株主資本
等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書ならびに財務諸表注記が含まれる。
比較目的で表示された 財務諸表は 2020 年3月6日にフランス金融市場庁( Autorité des Marchés Financiers : AMF )に提出された 2019
年登録届出書の中でナティクシスにより公表されたものである。 目論見書の公表に関する EU 規則第 2017/1129 号および目論見書に含まれ
る情報に関する委員会委任規則( EU )第 2019/980 号に従い、 2019 年3月 15 日に AMF に提出された 2018 年登録届出書の中で公表された 2018
年 12 月 31 日に終了した年度の財務諸表が参考のために本登録届出書に組み込まれている。
ヨーロッパ委員会により 2016 年 11 月 22 日付で採択された新 IFRS 第9号「金融商品」が、 2018 年1月1日から適用されていることに注意
する必要がある。
なお、ナティクシスは、ヘッジ取引の認識に際してヘッジ会計に関する IFRS 第9号の規定を適用せずに IAS 第 39 号の適用を続けるという
同基準が認めるオプションを、欧州連合の採択する内容(すなわち、一定のマクロ・ヘッジに関する規定を除外する)に沿って、選択
した。
さらに、ヨーロッパ委員会は 2017 年 11 月3日、 IFRS 第9号「金融商品」と IFRS 第4号「保険契約」を併せて適用するための、金融コン
グロマリット向けの特別な規定を定める IFRS 第4号の修正を採択し、 2018 年1月1日をもって発効させた。欧州の規則のもと金融コン
グロマリットは、次の条件を満たす限り IFRS 第9号の保険部門への適用を、新 IFRS 第 17 号「保険契約」の発効日まで先送りできる:
・ コングロマリットの保険部門と他の部門との間で金融商品を譲渡していない(譲渡による影響を受ける両部門の純損益を通じて公
正価値で測定される金融商品を除く)
・ IAS 第 39 号を適用する保険企業を表示している
・ 注記に特定の追加情報を提供している
ナティクシスは金融コングロマリットであるため、この規定を自己の保険事業に適用することを選択し、それら保険事業には引き続き
IAS 第 39 号を適用する予定である。この措置が関係する主な企業は、 Coface の保険子会社、 Natixis Assurances 、 BPCE Vie とその連結対
象ファンド、 Natixis Life 、 BPCE Prévoyance 、 BPCE Assurances および BPCE IARD である。
2017 年 11 月3日の施行規則に従いナティクシスは、保険事業とグループの他の事業の間の金融商品の譲渡のうち、譲渡側の企業におい
て認識中止がなされる譲渡を一切禁止するための必要な措置を講じた。ただし、この制約は、関係する両部門によって純損益を通じて
公正価値で測定される金融商品の譲渡については要求されない。
2020 年 12 月 31 日現在のナティクシスの連結財務諸表の作成に使用した会計原則および会計処理方法は、欧州連合で採択された IFRS に準
拠して作成した 2019 年 12 月 31 日に終了した事業年度の連結財務諸表の作成に使用したものと同一であり、 2019 年度連結財務諸表注記 1.1
「表示の基礎」 ( 2019 年ユニバーサル登録届出書の第 5.1 章「財務データ - 連結財務諸表および注記」(訳者注:原文の章)に表示さ
れている。) に詳しく記載されている。ただし、 2020 年1月1日から適用されている以下の基準、修正および解釈指針を除く。
・ IAS 第1号および IAS 第8号の修正「『重要性がある』の定義」 がヨーロッパ委員会により 2019 年 11 月 29 日に採択され、 2020 年1月
1日から強制適用になった。これらの修正は、特定の情報の重要性のあるなしに関する評価を容易にし、かつ、財務諸表注記に表
示される情報の妥当性を改善するために、「重要性がある( material )」という用語の明確化を図っている。これらの修正による
ナティクシスの財務諸表への影響はなかった。
・ 「 概念フレームワーク」の修正 がヨーロッパ委員会により 2019 年 11 月 29 日に採択され、 2020 年1月1日から強制適用になった。こ
れらの修正の狙いは、複数の基準および解釈指針に関係する従前のフレームワークに対する既存の参照を、改訂された概念フレー
ムワークに対する参照に置き換えることにある。この修正によるナティクシスの財務諸表への影響はなかった。
・ IFRS 第3号「企業結合」の修正 がヨーロッパ委員会により 2020 年4月 21 日に採択され、 2020 年1月1日から適用になった。同修正
により事業の定義が明確になったほか、特定の取得が企業結合に該当するかまたは単なる資産の取得に該当するかの判定に際して
簡便法の使用が可能になった。この修正によるナティクシスの財務諸表への影響はなかった。
・ IFRS 第 16 号の修正「 COVID-19 に関連した賃料減免」 がヨーロッパ委員会により 2020 年 10 月9日に採択され、 2020 年6月1日から遡
及的に適用になった。同修正は、賃料減免を受けた借手について、 COVID-19 健康危機に関連する任意の一時的な実務上の救済措置
を認めるものである。この修正によるナティクシスの財務諸表への影響はなかった。
・ IFRS 第9号、 IAS 第 39 号、 IFRS 第7号、 IFRS 第 4号および IFRS 第 16 号の修正「金利指標改革 - フェーズ2」 がヨーロッパ委員会
により 2021 年1月 13 日に採択され、 2021 年1月1日から適用になった。ナティクシスは 2020 年 12 月 31 日現在での早期適用を選択し
た。
これらの修正の狙いは、代替指標金利への移行によって生じる、金融資産および金融負債(リース債務を含む)に影響を及ぼす変更に
関する会計手続を定めることにある。また、ヘッジ会計の適用における一定の緩和措置も規定しており、基準金利の修正後もヘッジ関
係を維持できるようにしている。ナティクシスは主に、 EURIBOR 、 EONIA 、 LIBOR 金利でのデリバティブ契約および貸出・借入契約を介し
てリスクに晒されている。これらの指標に連動する金融資産・金融負債の金額およびデリバティブの想定元本のうち、満期が 2021 年 12
月 31 日より先のものについては、注記 5.22 に表示されている。
また:
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・ IFRS 第 16 号「リース」に関して、 IFRS 解釈指針委員会( IFRS IC )は 2019 年 11 月 26 日に開催した会合にて、リースに使用される強制
力のある条件を評価する際に使用される方法に関する詳細を定めた。フランス国家会計基準局は 2020 年7月3日、フランスの商業
用 リースに関して、 IFRS 第 16 号に準拠するリース資産・負債の測定について通達を公表した。同通達により、 2018 年2月 16 日に公
表された通達が置き換えられた。この一連の詳細および検討の適用によるナティクシスの連結財務諸表への重大な影響はなかっ
た。
・ 債務不履行残高の識別に関して、ナティクシスは、欧州銀行監督局によって示された説明を考慮に入れている( 新しい債務不履行
の定義 を参照)。
2021 年1月1日をもって適用開始になった欧州規則 575/2013 の第 178 条および 2020 年 12 月 31 日までに適用すべき延滞債権の重要性の評価
のための閾値に関する欧州中央銀行の欧州規則 2018/1845 の規定に関する欧州銀行監督局( EBA )の指針は、債務不履行の識別における
欧州の金融機関の財務諸表に係る実務の一貫性を強化する狙いがある。
不良債権の定義は次によって定められている:
・ 債務不履行の状況を識別するために返済遅延に適用される相対的な閾値と絶対的な閾値の導入
・ 待機期間(正常債権への復帰については3ヶ月、条件緩和資産については 12 ヶ月)の適用による、正常債権への復帰に関する規準
の明確化
・ 条件緩和債権を債務不履行に分類する際の明確な基準の導入
ナティクシスは、不良債権の識別に関するこれらの新たな規定を 2020 年 10 月 22 日から適用した。
債務不履行に陥った債権の識別に関して定められた詳細は、信用リスクに起因する予想損失の認識に関連する IFRS 第9号の規定適用に
おいてレベル3に分類される債権の不良性の評価規準と合致する。不良債権に関連する新規定の適用に伴って生じた変更によるナティ
クシスの連結財務諸表への重要な影響はなかった。
IASB が 2017 年5月 18 日に公表した IFRS 第 17 号「保険契約」 は、 IFRS 第4号「保険契約」を置き換える予定であるが、欧州連合によって
まだ採択されていない。
当初は 2021 年1月1日に適用を開始し、 2020 年1月1日現在の比較情報を表示するとされていたが、現時点で本基準は 2023 年1月1日
になるまでは発効しないと予想されている。事実、 2020 年3月 17 日の会合で IASB の審議会は、本基準の適用を2年間延期することを決
定した。同審議会はまた、保険会社について認められている IFRS 第9号の一時的適用免除のスケジュールを調整し、 2023 年1月1日か
らの IFRS 第 17 号の適用に合わせることも決定した。
IFRS 第 17 号は、保険契約と裁量権のある配当付投資契約の認識、測定、表示および開示に関する原則を定めている。
これらの契約に基づく負債は、現在は取得原価で評価しているが、 IFRS 第 17 号のもとでは現在価値で認識しなければならなくなる。し
たがって、保険契約は将来キャッシュ・フローに基づいて評価し、その際には、それらのキャッシュ・フローに関する不確実性を考慮
に入れるためにリスク・マージンも含めることになる。 IFRS 第 17 号はまた、契約上のサービス・マージンという概念も導入している。
これは、保険会社の未稼得利益をいい、これを被保険者へのサービスの提供に応じて取り崩すことになる。同基準は、契約グループご
とに見積もることを求めており、従前よりも細かいレベルでの計算を要求している。
こうした会計処理の変更が保険事業(特に生命保険)の構成を変える可能性があるほか、収益のぶれの増大をもたらす可能性がある。
保険企業は同基準に起因する変更に沿ったプロジェクト構造を確立し、同基準が認める選択の検証および文書化、モデリング、システ
ムおよび組織の適応、財務諸表の作成および移行戦略の策定、財務コミュニケーションならびに変更管理などの準備を進めている。
1.1.2 連結財務諸表の表示
本 連結財務諸表は、下記の注記2および5に示された評価および表示の原則に準拠して作成されている。
1.1.3 年度末
本連結財務諸表は、ナティクシスの連結範囲に含まれる企業の 2020 年 12 月 31 日現在の個別財務諸表に基づいている。
1.1.4 連結財務諸表注記
別途示された場合を除き、本注記において提供される数値の単位は百万ユーロである。
1.2 重大な事象
1.2.1 Coface
ナティクシスは 2020 年2月 25 日、 Coface の株式資本および議決権の 29.5 %について1株当たり 10.70 ユーロの単位価格で売却する契約を
Arch Capital Group (米国の保険・再保険会社)と締結したと発表した。同価格は 2020 年8月 28 日に1株当たり 9.95 ユーロに変更さ
れ、その影響で 145.6 百万ユーロのキャピタル・ロスが計上された。 この取引の完了は、規制当局からの承認を条件とする。
売却契約の締結を受け、ナティクシスは Coface に対する支配持分の内容を再評価した。 IFRS 第 10 号に基づく排他的支配を定める規準が
満たされなくなったことから、ナティクシスは Coface に対して排他的支配を行使しておらず、したがって 2020 年2月 25 日をもって
Coface を連結財務諸表に全部連結する必要はなくなったと判断されている。
しかしながら、ナティクシスは引き続き重要な影響力をを有する。したがって、ナティクシスの Coface に対する残りの 12.7 %の持分
は、便宜上、かつその連結財務諸表における当該取引の影響をより良く反映させるために、 2020 年1月1日から持分法を用いて連結さ
れた。
親会社の子会社に対する排他的支配の喪失は、2つの異なる種類の取引として処理される。一つ目が (i) 子会社の全株式の売却、二つ目
が (ii) 保持した持分に対応する新規投資である。
2020 年 12 月 31 日現在、排他的支配の喪失により、ナティクシスはその財務諸表に次の認識を行った:
・ 支配喪失日(すなわち 2020 年1月1日)時点での処分損益と上述の価格調整の影響。ナティクシスの連結損益計算書の「その他の
資産に係る損益」の表示科目に (145.6) 百万ユーロにのぼる額が表示された。
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・ 売却価格から取引に直接関連する売却コストを控除した金額に基づき評価された Arch Capital Group へ売却した資本持分 29.5 %
は、 IFRS 第5号に従って認識され、ナティクシス貸借対照表の別の表示科目である「売却目的で保有する非流動資産」に 446.3 百万
ユー ロ相当額が計上された。
・ 売却契約の影響を受けない残存持分 12.7 %は持分法を用いて引き続き認識され、「関連会社に対する投資」の表示項目のもと貸借
対照表に表示されている。 Coface 株の終値(1株当たり 8.21 ユーロ)に基づく減損 (57.4) 百万ユーロの認識後で、 2020 年 12 月 31 日
現在 158.5 百万ユーロであった。この減損は、損益計算書の「持分法による投資利益」の表示科目に含まれている。
1.2.2 H2O
ナティクシスは 2020 年第4四半期、自己が有する当該企業に対する全持分、すなわち株式資本の 50.01 %の売却に向けて交渉を開始し
た。この売却は、 H2O Holding による自社株の購入を伴う。最終覚書を 2021 年1月 29 日に交わした。
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは当該企業の完全連結を継続し、 IFRS 第5号の規定に従って「売却目的で保有する非流動資産およ
び非継続事業」に表示したうえで、当該企業の資産と負債を2つの別々の貸借対照表科目に振り分け、それぞれ 281.5 百万ユーロの「売
却目的で保有する非流動資産」と 54.7 百万ユーロの「売却目的で保有する非流動負債」を計上した。この売却の完了は、規制当局から
の承認の取得を条件とする。処分利益の見積り (47.6) 百万ユーロが、固定資産に係る損益に計上されている(税効果を除く)。
1.2.3 ナティクシスと La Banque Postale の提携
規制当局からの必要な承認を取得し、ナティクシスと La Banque Postale は 2020 年 10 月 31 日、 2019 年に発表された Ostrum Asset
Management と La Banque Postale Asset Management の固定金利および保険関連の運用事業の合併を成立させることに成功した。この取
引の結果、 LBP AM の事業が Ostrum へ拠出された。
この資産拠出完了時点で、ナティクシスは Ostrum の持分 55 %を保持し、 La Banque Postale は 45 %の持分を保有している。この合併に先
立ち、金利および保険運用事業に関係の無い Ostrum の事業は、 Natixis IM グループに属する他の会社へ譲渡された。
IFRS 第 10 号の規定によると、ナティクシスは同社に対して排他的支配を行使しているため、ナティクシスの財務諸表に完全連結してい
る。
会計処理の観点から見ると、この取引は2つの取引から成るということができる:
・ 取得法を用いて処理された、 2020 年 12 月 31 日現在で 52.3 百万ユーロにのぼるのれんの認識を伴う LBP AM 企業の買収
・ 希薄化した分について 11.8 百万ユーロの「資本-グループ持分」の認識を伴う、 Ostrum AM に対する支配の喪失を伴わない持分比率
の低下
LBP AM はまた、自己が有する全株式についてナティクシスが付与した確約的合意を有している。よって非支配持分に関するプットを、
2020 年 12 月 31 日現在 79.5 百万ユーロの負債として認識した。
1.2.4 COVID-19
COVID-19 健康危機により、多くの国の経済活動が重大な影響を受けている。感染拡大地域における移動制限および企業や小売店の休業
は、被害の大きい地域および事業セクター(観光や飲食、航空輸送、地方の消費など)における経済的な価値連鎖に顕著な打撃を与え
ている。
この危機のさなか経済を支えるために、ナティクシスは、被害の大きい事業セクターに対する金融支援を目的とする経済支援策(国が
保証する貸出と債務返済猶予)に協力した。
COVID-19 危機は金融業界にも波及し、とりわけ、極めて高いボラティリティと不安定な相場をもたらした。高い不確実性を特徴とする
環境のなか、ナティクシスは金融資産・負債の評価額ならびに減損および引当金の算定において、危機の影響や一部の政府によって講
じられている措置を考慮に入れた。
2020 年 12 月 31 日現在のナティクシスの財務諸表に対する危機の影響は注記 1.4 に詳述されている。
1.3 後発事象
ナティクシス株式の簡易的公開買付の申請
BPCE S.A. は 2021 年2月9日、ナティクシス・エス・エーの資本持分のうち自己が保有していない分、すなわち 2020 年 12 月 31 日現在でお
よそ 29.3 %を取得し、同社の簡易的株式公開買付をフランス金融市場庁( AMF )へ提出するとの意向を発表した。
1株当たり 4.00 ユーロ(配当付き)でのこの公開買付の提案は AMF の審査を受け、同審査に合格すれば、実行条件が満たされることを条
件にスクイーズアウトを実施する予定である。
この公開買付の提案は、ナティクシスの各事業部門の発展とその機能経路の簡略化を目的とした野心的な産業プロジェクトの一部を構
成し、 Groupe BPCE はその準備の一環として戦略的プランを分析する方針である。
この取引による 2020 年 12 月 31 日現在のナティクシスの連結財務諸表への影響はなかった。
ナティクシスと Arch Capital Group Ltd. が Coface の株式資本 29.5 %の売却契約成立を発表
関係する競争・規制当局の承認を経て、ナティクシスと Arch Capital Group Ltd. は 2021 年2月 10 日、ナティクシスから Arch Capital
Group Ltd. の関連会社である Arch Financial Holdings Europe IV Limited への、1株当たり 9.95 ユーロ(配当付き)でのナティクシス
の有する Coface の株式資本 29.5 %の売却を発表した。
これで Coface の取締役会にはナティクシスの代表者はいなくなり、ナティクシスが確保していた4つの席は Arch が取得した。ナティク
シスは Coface に対する残り 12.7 %の持分を金融投資として保有する予定である。
この取引による 2020 年 12 月 31 日現在のナティクシスの連結財務諸表への影響はなかった。
改革と業務効率改善プログラムの立ち上げ
ナティクシスは 2020 年 11 月5日、四半期決算発表において、 2024 年末までの長期費用削減効果が約 350 百万ユーロにのぼる(同期間中に
おける関連特別費用は約 270 百万ユーロ)、コーポレート・バンキング業務の改革を中心とする改革・業務効率改善プログラムの立ち上
げを発表した。
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自らが直面している課題を克服するために、ナティクシスはまた、確固とした多様なノウハウを生かして競争力に焦点を当てた経営モ
デルの改良にも引き続き取り組む予定である。
こうした予測・適応・発展アプローチの結果、ナティクシスは 2016 年以来、パリとポルトという欧州における2つの事業エリアに関す
るサポート機能の整備を行ってきた。こうした組織整備計画に沿って 2021 年1月末、ポルト・センターに関する開発プロジェクトを社
会的パートナーへ発表した。
同プロジェクトの構成は以下のとおりとなっている:
・ データ&テクノロジー、 COO-CIB およびグローバル・ビジネス・マネジメント&変革を用いたテクノロジーおよび変革、人事ならび
にリスクをはじめとする、ポルトに既に構築されているサポート機能の強化継続
・ ポルトにおける他のサポート機能の位置づけの調整:財務、ワークプレイスおよびコミュニケーション、ならびにカバレッジおよ
びディストリビューション・ポートフォリオ・マネジメント内の一定のコーポレート・バンキング業務
209 にのぼる職務を調整することになったこのプロジェクトによりまた、センター・オブ・エクセレンスやセンター・オブ・エクスパタ
イズとしてのポルトの位置づけが確認された。
株式デリバティブ事業の戦略的な見直しによってもまた、ナティクシスにとってのその重要性が確認され、リスク水準の軽減を図りな
がら戦略的な顧客に同事業を集中させることになった。発表したこの計画を実行すると、 36 の職務が無くなることになる。
社会経済委員会( CSE : Social and Economic Committee )との協議を経て最良の条件のもとこれらプロジェクトのさまざまな内容を実
行するために、野心的な内部・外部モビリティ計画を対象エリア内にて策定した。このプロジェクトの協議と並行して、労働組合との
交渉も行い、内外のモビリティを支えるための措置を詳しく定める予定である。
これらの措置を発表した日と、それに伴う関連する措置に関する交渉の着手が影響し、その日における財務的な影響の見積りを示すこ
とはできない。
1.4 財務諸表への健康危機の影響
COVID-19 の流行の急速な世界的拡大を受けて、感染が確認された国の大半が 2020 年度において国民に対して移動や行動の制限を課し、
それが影響してビジネスが著しく減少した結果、多くの事業セクターにおいて経済的状況が悪化したほか、金融市場においても大きな
混乱が生じた。
こうした環境のなか、多くの企業が資金繰りに苦慮しており、ナティクシスは主に政府主導の一定の経済支援策の実施に参加すること
で、顧客による今般の危機の脱却を支援している (注記 1.4.1 参照) 。
また、景気後退を受けてナティクシスは、予想される貸倒水準の算定の基礎としているベースライン・シナリオを修正し (注記 1.4.2 お
よび 5.3 参照) 、高い不確実性があるものの、1年以内または保有する金融項目の期間内に債務不履行に陥るリスクに対する足元の状況
の影響について最善の見積りを行った。
よって 2020 年度中、リスク・コストが増加した。 2019 年 12 月 31 日現在 (332) 百万ユーロだった同コストは、 2020 年 12 月 31 日現在では
(851.3) 百万ユーロにのぼった。
実体経済および金融セクターへの健康危機の波及はまた、一定の商品の評価額にも影響を及ぼした (注記 1.4.3 を参照) 。
経済情勢の変化に関する不確実性にかかわらず、ナティクシスはすべての資金生成単位( CGU )についてのれん減損テストを実施した
(注記 2.5 参照) 。
さらに COVID-19 の流行は、持分法により 50 %を連結している会社の BPCE IARD の 2020 年度の収益にも影響を与えた。飲食店のオーナーの
営業損失率の悪化が響いた。その結果、再保険の影響考慮後で、連結当期純利益に対する当該企業の寄与は 4.9 百万ユーロに限定されて
いる。
1.4.1 経済支援策
2020 年度中、金融機関も関わる経済の下支え策が実施された。
1.4.1.1 政府保証ローン
政府保証ローン( PGE )は、 2020 年3月 23 日付の 2020 年フランス補正予算法 2020-289 の第6条を通じて、かつ、 COVID-19 による健康危機
の影響を受けた企業の資金繰りニーズに対処するために 2020 年3月 16 日をもってフランス政府から貸出機関および金融企業に政府保証
を与える 2020 年3月 23 日付の経済金融相命令によって制定された支援策である。 PGE の特徴(目的、金利)は全銀行同一である。
PGE は期間1年の現金貸付で、その期間のあいだ返済は猶予される。借入企業は1年目末に、1年から5年の中から PGE の返済期間を選
ぶことができる。1年目末の時点で、借入企業は償還の繰り延べをさらに1年間延長でき、この期間中は、利息と国の保証コストのみ
が支払われる。
適格企業については、 PGE の金額は通常、その企業の収益の 25 %が上限となる。 PGE は企業の規模に応じて 70 %から 90 %が政府によって
保証され、残りのリスクを銀行が負担する。政府保証は、元本、利息、および満期に達するまで同債務に係る関連コストの一定割合を
カバーする。ただし、何らかの信用事由の発生を受けて早期償還となるときは、この限りではない。
PGE に係る利息は、時間価値と元本に関係する信用リスクの対価である。早期返済時の違約金は無しか、または契約上妥当な方法で設定
されている。また、延長条件は事前に設定されるのではなく、延長時に市況を基に見直される。
上述の特徴を考慮すると、 PGE は元本および利息の支払いのみ( SPPI )要件を満たす (注記 5.1.2 参照) 。これらは、目的がキャッシュ
フローを回収するためにローンを保有するという回収管理モデルにおいて保有しているため、「償却原価で測定される債権」の区分に
認識される (注記 5.1.3 参照) 。 PGE は、その後の貸借対照表日に、実効金利法を用いて償却原価で測定される。
政府保証は、補償の原則に従い、かつ、契約条件の不可欠な部分とみなされるため、 IFRS の金融保証の定義を満たす。ローンが供与さ
れた際にナティクシスが政府へ支払う保証料は、実効金利法を用いて PGE の当初期間にわたり損益計算書に「金利差益」のもとで計上さ
れる。
なお、 PGE を特定の取引相手方に供与すること自体はリスク悪化の閾値を構成するものではない。というのも、その場合は、その取引相
手方の他の未払項目がステータス2または3に変更されるはずだからである。
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2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは 86 件の PGE の申請を受諾しており、その残高は 2,503 百万ユーロ(自動車セクター向けの 800 百万
ユーロ、航空輸送セクター向けの 783.5 百万ユーロ、宿泊・飲食セクター向けの 118.5 百万ユーロを含む)にのぼり、それに関連して国
から得た保証は 2,269 百万ユーロにのぼった。そのうち、 12 件( 72.3 百万ユーロ)は「購入または組成した信用減損( POCI )」に、 19 件
( 69.9 百万ユーロ)は条件緩和債権に分類されている。
未実行のコミットメントは合計 75 百万ユーロで、すべて報道・出版セクター向けのものであった。
1.4.1.2 貸出金の返済期限の延長(返済猶予)とその他の条件緩和
COVID-19 危機に関係してナティクシスは、一定の顧客へさまざまな形の譲歩(返済の一時猶予や繰り延べなど)を認め、危機によって
生じた一時的な資金繰り難をそれらの顧客が乗り越えられるよう支援している。顧客が直面している資金難は純粋に当面の一時的なも
のか否か、そして条件緩和によって取引相手方が契約上の合意を期限に従って遵守する自己の能力を危険に晒すことなくして危機を乗
り越えられるようになるか否かを判定すべく、案件ごとの分析を実施した。
これら債権の「債務者の財政状態により条件が緩和された貸出金」への分類は、注記 5.1.3 に定める基本原則に従って実施された。
またナティクシスは、「一括の( en masse )」(つまり「全般的な( general )」)返済猶予、すなわち個別の条件を付与することなく
して顧客の集合に広範な規模で行う返済猶予は認めていない点に留意いただきたい。
2020 年 12 月 31 日現在、合計貸出額 3,339.2 百万ユーロにのぼる 245 件の債権について返済猶予を認めている(そのうち 1,342.5 百万ユーロ
が不動産金融セクター向け、 258.3 百万ユーロが非鉄金属生産セクター向け、 129.7 百万ユーロが化粧品・医薬品販売セクター向け、 105
百万ユーロが道路輸送セクター向けである)。
これらのプロジェクトのうち、譲歩に基づく条件緩和資産に分類されているのは僅か 24 件、 269.3 百万ユーロ相当である。それら条件緩
和債権に関連する引当金は、 2020 年 12 月 31 日現在9百万ユーロである。
1.4.2 償却原価で測定される資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資産の減損ならびに貸出コミッ
トメントおよび保証コミットメントに対する引当金
引当金の対象となる全エクスポージャーについて 2020 年 12 月 31 日現在の予想損失額を算定するために、ナティクシスは注記 5.3 にて記載
されている減損または予想信用損失に対する引当金に関する方法を適用したが、基準設定機関および監督当局が健康危機に鑑みて発出
した勧告を考慮に入れるために同方法に変更を加えた。
シナリオの判定
健康危機により経済は多大な影響を受けており、多くの事業セクターに甚大な影響が広がっている。異例の状況と不確実性に鑑み、ナ
ティクシスは COVID-19 危機に関係する予想信用損失を算定するにあたり、欧州証券市場監督機構( ESMA )や欧州銀行監督機構( EBA )、
欧州中央銀行( ECB )、国際会計基準審議会( IASB )によって公表されているさまざまな報道発表に依拠した。
これを踏まえてナティクシスは、 COVID-19 の特殊な状況と経済の下支え策を考慮に入れるためにマクロ経済予測を修正・調整した。
ナティクシスは、 2023 年度の予測を用いて IFRS 第9号の引当金計上のパラメータを算出するために3つの主要シナリオを使用した:
・ 2020 年9月、自前のエコノミストが定めナティクシスのガバナンス機関が認めたシナリオを基に中心シナリオを更新した。
・ 中心シナリオのフレームワークにて定めたマクロ経済変数よりも低調なそれら変数の実現に当たる悲観シナリオ
・ 中心シナリオのもと定めたマクロ経済変数よりも好調なそれら変数の実現に当たる楽観シナリオ
COVID-19 危機に伴う 2020 年の歴史的な経済的打撃を経て、中心シナリオでは 2021 年から国内総生産( GDP )が力強い回復を達成し、それ
以降はより正常な経済活動の長期的ペースに次第に回帰すると予測している。その後、 2023 年には経済活動は危機前の水準( 2019 年)
に戻ると考えられる。
ナティクシスのエコノミストらによる中心シナリオを基に使用された主なマクロ経済変数の3年予想を以下に示す:
2021 年 2022 年 2023 年
S&P 500
2,667 2,707 2,748
SLS 13.8 5.8 5.8
VIX 22 15 12
FRB 政策金利 0.25 0.25 0.25
6ヶ月対 12 ヶ月の LIBOR スプレッド (0.27) (0.35) (0.3)
また、 2021 - 2024 年戦略計画作成の一環として、新たなベースライン・シナリオを策定した。 12 月に関係当局によって承認されたこの
新たなベースライン・シナリオは 2020 年 11 月のコンセンサス予測と概ね合致しており、そのコンセンサス予測自体も、上述の3つのシ
ナリオの策定の一環として9月に承認した予測と一致する。移行マトリクス決定のためのモデルに入力する財務変数の予測に関して
は、新しいベースライン・シナリオと 2020 年 11 月のコンセンサスは合致する。
さまざまな前提のこうした近似性に鑑み、 IFRS 第9号に基づく正常債権に対する引当金は、9月に承認されたシナリオを 2020 年 12 月に
承認された加重によって調整した上で算定された。
使用するシナリオに加重することで、導入された制限措置を受けて生じたいくつかの経済変数の悪化と、昨年 11 月のワクチン接種に関
する発表の金融市場へのプラスの影響を反映することができる。 2020 年 12 月 31 日現在適用された加重は、悲観シナリオが5%、中心シ
ナリオが 85 %、楽観シナリオが 10 %である。
セクター特有の要素をより適切に考慮に入れるための引当金計上の仕組みの変更
シナリオのマクロ経済変数および金融変数により、新たなスコアリング移行マトリクスと対応するデフォルト確率( PD )の構築が可能
になっており、全般的なシナリオを反映・尊重しているが、事業セクターごとに区別するうえでは十分細かい情報が得られない。既存
のシステムを強化・改良するために、 PD に関するセクター別調整が、 6-12 ヶ月の期間における経済セクター別の格付け評価を基に算定
された。移行マトリクスから作成されたセクター別加重平均 PD 予想は、 各セクターの格付け予想における同等の PD に収束させるために
比較・調整される。
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2020 年度中に実施されたデフォルト確率のセクター別調整は、リスク悪化の観察を目的とする規準として、そのセクターの格付けの変
動を使用することに取って代わる。こうしたより正確なアプローチのおかげで、信用リスクを評価する際にセクター特有の要素をより
適 切に考慮に入れながら、取引相手方の格付けに関する区別を強化できる。このおかげで従前の手法の景気循環に連動する影響を軽減
できる。従前の手法では、格付けが一定の閾値を下回ったセクターに属する取引相手方との契約はすべてステータス2へ格下げされて
いた。
感応度テスト
より大きな加重を楽観シナリオまたは悲観シナリオへ適用すると、将来の年における中心シナリオの実現幅に応じて予想損失額の感応
度を見積もることができる。
そのようにして、悲観シナリオの発生確率の加重を 100 %にすると、 2020 年 12 月 31 日現在でさらに 42.6 百万ユーロの引当金を認識するこ
とになる。反対に、楽観シナリオの発生確率の加重を 100 %にすると、 94.3 百万ユーロの引当金を戻し入れることになる。
1.4.3 健康危機の影響を受けた金融資産の公正価値
金融市場への COVID-19 健康危機の影響が響き、 2020 年度において、一部の商品の評価額が市場の流動性による影響を受けた。
こうした状況を背景に、 CIB の事業活動は「配当金」構成要素など一部の価値係数の重大な再評価に晒された。
・ 一部の企業が配当を一時停止すると発表した結果、短期配当の大半がほとんど中止され、この要素を再評価するために使用するコ
ンセンサス値にそれらの発表が反映された。
・ 緊張感が広がり激しい変動を生じさせた市場環境に起因して、「ボラティリティ」係数も、関係するすべての取引について再評価
された。
2020 年度のナティクシスの収益はこうした状況の影響を受けたが (注記 1.4.4 参照) 、同年下半期の再評価の程度は低下した。
また、健康危機に関係して、資産運用事業部門でポートフォリオの包括的な見直しが実施され、その結果、 2020 年度中に減損損失が認
識された (注記 1.4.4 参照) 。
非公開のプライベート・エクイティ・ファンドにて保有する持分(シード・マネー・ポートフォリオ)は、 Invest Europe も推奨してい
る IPEV ( International Private Equity and Venture Capital Valuation )ガイドラインを用いて評価されている。
1.4.4 COVID-19 健康危機の主な影響の要約表
(単位:百万ユーロ )
2020 年 12 月 31 日
純収益
(226)
資産運用
シード・マネー・ポートフォリオの評価減 30
§ 上場
36
§ 非上場
(6)
CIB
資本性商品に係る配当金の評価減 (283)
CIB
(a)
16
信用評価調整( CVA )・債務評価調整( DVA )の影響額
コーポレートセンター
(b)
10
資金調達評価調整( FVA )の影響額
CIB
(c)
(610)
貸倒引当金繰入額
税引前利益への影響額合計 (836)
(a) ヘッジ目的金融商品の評価額の変動を含む、 XVA デスクの純利益。
(b) 財務管理によってヘッジされた FVA 影響額の持分。
(c) 正常債権に係る IFRS 第9号の規定の影響、不正に対する引当金、航空セクターで業を営む取引相手方など COVID-19 危機の影響による貸倒引当金繰入
額。
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注記2 連結の方法および原則
2.1 連結範囲
ナティクシスの連結財務諸表には、ナティクシスおよびその主な子会社の財務諸表が含まれる。
ナティクシスの財務諸表に重要な貢献を行っている子会社のみが連結されている。
重要性は、ナティクシスの各事業分野に係る特定の閾値、および各企業によるナティクシス連結財務諸表への貢献の目的適合性につい
ての定性的評価に基づいて決定される。該当する主な閾値は以下のとおりである。
事業分野
貸借対照表上の総資産額 純収益 純利益
(単位:百万ユーロ )
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・
250 15 +/-2
バンキング
資産運用およびウェルス・マネジメント 60 5 +/-2
保険 60 5 +/-2
決済 60 5 +/-2
コーポレートセンター 60 5 +/-2
上記閾値の例外として、また、 EU 規則第 575/2013 号の第 19 条を遵守するために、金融機関または付随サービス企業の定義に該当する企
業については、連結の閾値は 10 百万ユーロ(貸借対照表上の総資産額およびデリバティブを除くオフバランスのコミットメントの合
計)であった。
Natixis Assurances の範囲内でのミューチュアルファンドや不動産の保有に関しては、連結範囲に含める上で使用する重要性の閾値は
以下のとおりである。
・ 当該ミューチュアルファンドの総資産または帳簿価額が Natixis Assurances の投資額の 0.5 %超であること
・ 連結の範囲外となった企業の総資産が Natixis Assurances の総投資額の5%以下であること
連結範囲には、ナティクシスが独占的支配、共同支配または重要な影響力を行使しているすべての重要な企業が含まれる。 IFRS は、独
占的支配、共同支配および重要な影響力の3つの種類の支配を定めている。存在する支配の種類の決定には、保有する議決権の識別に
限らず、分析対象となる複数企業の間に存在する経済的および法的関係の分析が含まれる。
支配力または重要な影響力を行使しているかどうかを決定するにあたり、ナティクシスは、既存の議決権および潜在的な議決権がいつ
でも行使可能または転換可能となっており、かつそれらが当該企業の関連性のある活動に対する影響力を与える場合は、それらを考慮
に入れている。潜在的議決権は、普通株式に対するストック・オプション、または債券の新規普通株式への転換によって生じる。しか
し、潜在的議決権は所有比率の算定においては考慮されない。ただし、当該潜在的議決権によって基礎となる株式に付随する経済的便
益を得ることができると結論付けられる場合を除く。
ナティクシスの連結企業の範囲は、当財務諸表の注記 17 に示されている。
所有比率および保有する議決権は、連結範囲内の企業それぞれに対して表示されている。所有比率は、ナティクシスが直接または間接
的に保有する、連結範囲内の企業の持分株式を表す。所有比率は、所有される企業の純資産に対するナティクシスの持分を決定する際
に用いられる。
2.2 支配の概念および連結方法
2.2.1 企業の支配
ナティクシスが支配する企業は、 IFRS 第 10 号に従い、全部連結法で連結されている。本基準書は、従来どおり支配された企業である
か、あるいは組成された企業 (注記4参照) であるかどうかにかかわらず、すべての企業に適用される単一の支配モデルを定義してい
る。企業の支配は、以下の3つの累積的規準を用いて分析される。
・ 当該企業の関連性のある活動に対するパワー
・ 当該企業との関係に起因する、変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利
・ 当該企業が獲得する変動リターンに影響を与えるため、当該企業に対するパワーを行使する能力
議決権または類似の権利が当該企業のガバナンスの基礎となる場合、支配とは通常 50 %超の議決権の保有を意味すると考えられる。
そうでない場合、支配は判断を用いて、以下のような事実および状況をすべて考慮の上で決定される。
・ 当該企業の設立に関する目的、条項および状況
・ 当該企業の関連性のある活動およびそれらの活動に関する意思決定プロセスの性質
・ 当該企業の関連性のある活動(すなわち、当該企業のリターンに重要な影響を及ぼす活動)の管理に対する、ナティクシスの意思
決定権(議決権、契約上の取決めなど)の範囲
・ 当該企業のリターンの変動性に対するエクスポージャー (他の投資家が受け取るリターンと比較して、ナティクシスが受け取るリ
ターンの重要性など)
・ 他の当事者が保有する権利 (離脱権、早期償還権、当該企業の解散に関する権利など)
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これらの規準を検討した上で、当該企業の関連性のある活動の管理に対する意思決定権により、獲得する変動リターンに影響を及ぼす
ことができるとナティクシスが判断する場合、ナティクシスは IFRS 第 10 号に定められている支配を有しており、当該企業は全部連結の
対 象となる。
全部連結では、投資の帳簿価額が当該子会社の全資産および負債の価値総額に置き換えられる。
株主資本および損益における非支配持分は、貸借対照表、損益計算書ならびに当期純利益/ (損失 )およびその他の包括利益に係る計算
書で個別に表示される。
2.2.2 共同支配:共同支配企業および共同支配事業
ナティクシスは、契約上の取決めにより、当該企業の関連性のある活動に関する意思決定が、パートナーシップの支配を共有している
当事者の全員一致の合意を必要とし、かつ、各当事者が、他の当事者が当該取決めを支配することを妨げる能力を有する場合に、共同
支配を行使する。
IFRS 第 11 号は、パートナーシップを共同支配企業および共同支配事業の2つに分類している。 共同支配企業とは、当事者が当該企業に
対する共同支配を行使し、当該企業の純資産に対する権利を保有するパートナーシップである。共同支配企業は、持分法で連結され
る。持分法による連結では、所有者の財務諸表における投資の帳簿価額を、被所有企業の株主資本および損益に対するナティクシスの
持分に置き換えることが含まれる。投資は、この再評価額で、連結貸借対照表の資産側に「関連会社に対する投資」として認識され
る。投資の取得原価と再評価額との差額は、貸借対照表の負債側では「株主資本(グループ持分)」に認識され、連結損益計算書では
「持分法による投資利益」における収益として、また、当期純利益/(損失)およびその他の包括利益に係る計算書では「資本に直接
認識された関連会社の損益に対する持分」における収益として、認識される。共同支配企業に関するのれんは、帳簿価額に含まれてい
る。
・ これらの投資は、客観的な減損の証拠がある場合には減損テストの対象となる。当該投資の回収可能価額が帳簿価額を下回る場
合、連結損益計算書の「持分法による投資利益」に減損が計上される。
持分法による被連結会社の損失のうちナティクシスに帰属する持分が、当該被連結会社に対する投資持分と同等またはそれを上回
る場合には、ナティクシスは被連結会社の将来の損失に対するその持分を考慮しないこととする。その場合、投資の価額はゼロと
表示される。関連会社におけるその後の損失は、ナティクシスが当該損失をヘッジする法的または黙示的義務を有する場合、ある
いはナティクシスが当該企業に代わり支払いを行っていた場合にのみ、引当金を計上する。
・ 共同支配事業とは、当該事業に対して共同支配を行使できる当事者が当該事業の資産に対する権利を有し、かつ当該事業の負債に
関する義務を負うパートナーシップをいう。共同支配事業に対する投資は、当該共同支配事業に対する持分すべて、すなわち、権
利を有する資産、負債およびその他の包括利益の各々に対するその持分を織り込むことにより計上される。これらの持分はその種
類ごとに、連結貸借対照表、連結損益計算書ならびに当期純利益/(損失)およびその他の包括利益に係る計算書におけるさまざ
まな項目に分けて計上される。
2.2.3 関連会社に対する重要な影響力
重要な影響力とは、持分を有する企業の財務および営業の方針に対する支配ではないが、それらの方針の決定に関与する力をいう。重
要な影響力は、ナティクシスが当該企業の議決権の 20 %以上を直接または間接的に所有している場合に存在すると推定される。 IAS 第 28
号は、重要な影響力が行使される企業を関連会社と定義している。これらの企業は、共同支配企業 (上記を参照のこと) に適用される
ものと同様の条項に従い、持分法で連結されるが、ナティクシスが IAS 第 28 号において利用可能なオプションに基づき、損益を通じて公
正価値で測定される金融資産に分類しているプライベート・エクイティ投資を除く。
2.3 連結範囲の変更
すでに支配している企業に対するナティクシスの所有割合が増加する場合、追加持分の取得原価と当該日現在の当該企業の純資産に対
する取得持分との差額は「利益剰余金」に計上される。ある企業に対するナティクシスの所有割合が、当該企業に対する支配を喪失す
ることなくして低下する場合、売却価額と売却された持分の帳簿価額との差額は「利益剰余金」に計上される。
これまで(純損益またはその他の包括利益を通じて)公正価値で測定される金融資産に認識されていた企業から証券を複数回購入して
支配を獲得する場合、それは支配の獲得時に発生する2つの取引として表示される。
・ 純損益を通じて公正価値で測定される資産として従来認識されていた有価証券の処分
・ 支配獲得後に保有している全有価証券の取得
このような場合、のれんは、当該企業に対する支配の獲得日における、取得した資産および引き受けた負債の公正価値に基づき一度の
み算定される。
連結子会社の支配を喪失する場合、残余株式持分はすべて公正価値で測定され、処分に係る損益は連結損益計算書において「その他の
資産に係る損益」に認識される。
関連会社の処分に係る損益は、連結損益計算書の「その他の資産に係る損益」に表示される。
2.4 少数株主に付与されたプット・オプションの取扱い
ナティクシスによる少数株主への プット・オプションの付与は、ナティクシスが直ちに行使可能なコール・オプションも保有している
場合を除き、当該オプションが行使されない限りにおいて、対象となる子会社に対するナティクシスの支配持分の決定に影響を及ぼさ
ない。
少数株主へのプット・オプションの付与は、当該プット・オプションがナティクシスによるコール・オプションの保有に関連してお
り、かつ当該コール・オプションおよびプット・オプションが基礎となる株式に付随する経済的便益に対する即時の権利を提供してい
る場合を除き、対象となる子会社に対するナティクシスの所有比率に影響を及ぼさない。
基礎となる株式に関連するリスクおよび便益をオプションの行使前にナティクシスに移転させない 少数株主へのプット・オプションの
付与は、当該オプションの行使価格の見積現在価値と同額の負債の認識を生じさせる。対応する受取債権は資本に計上され、非支配株
主持分からその帳簿価額が控除され、残りはグループ持分の利益剰余金から控除される。当該プット・オプションの行使価格の調整に
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関連するその後の負債の変動は、グループ持分の連結利益剰余金に計上される。 プット・オプションの対象となる 非支配持分から生じ
た利益は、連結損益計算書の「当期純利益/(損失)の帰属:非支配持分」に表示されている。
2.5 企業結合およびのれん
支配を生じさせる 企業結合に対しては、以下の会計処理が適用されている。
・ 2004 年1月1日より前に実行されたものを 除く、 2010 年1月1日より前の企業結合については、改訂前の IFRS 第3号。 IFRS の初度
適用日においてナティクシスは、 IFRS 第1号「初度適用」が提供する、 2004 年1月1日より前になされた企業結合を IFRS 第3号に
従い遡及的に修正再表示しない選択肢を選択した。
・ 2010 年1月1日より後に発生した企業結合については、改訂後の IFRS 第3号(以下「 IFRS 第3 R号」)。 IFRS 第3 R号は、取得日が
IFRS 第3 R号の適用日以降の企業結合に対し、将来に向かって適用すればよい。
IFRS 第3号および IFRS 第3 R号のいずれに従っても、企業結合は取得法を用いて計上される。取得法のもとで、被取得企業の識別可能な
資産および負債は、その評価日現在の公正価値で測定される。
非支配持分およびのれんの測定に用いられる方法は、 IFRS 第3号と IFRS 第3 R号のいずれが適用されるかによって異なる場合がある。
・ 2010 年1月1日より前に実施された企業結合に対して IFRS 第3号を適用する場合
・少数株主持分は、購入日時点の公正価値で測定された被取得企業の識別可能な純資産に対する持分に基づいて決定される(部分の
れん法)。
・のれんは、企業結合の原価と、識別可能な資産、負債および偶発負債の正味公正価値に対する取得企業の持分との差額である。
・ 2010 年1月1日より後に実施された企業結合に対して IFRS 第3 R号を適用する場合
・各企業結合について、ナティクシスは非支配持分を以下のいずれかに基づいて決定することを選択した。
-購入日時点の公正価値で測定された被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の持分。したがって、非支配持分に係る
のれんを認識しない(部分のれん法)。
-購入日時点の公正価値であり、結果として、当行グループの持分と非支配持分の両方に係るのれんを認識する(全部のれん
法)。
・したがって、のれんは( i)購入価格、購入日前に被取得企業に対して保有していた持分の購入日時点の公正価値、および非支配
株主持分の額(大半の場合は部分のれん法を用いて算定している。それ以外は全部のれん法を用いている)の合計と、( ii )購入
日時点の公正価値で測定された引受けられた資産および負債の純額の間の差額として決定される残余項目である。
正ののれんは、被支配企業に関連している場合、貸借対照表の資産側における別個の表示項目として計上される。正ののれんは、購入
日時点で、当該取得の恩恵を受けることが期待され、かつ償却されていない1つ以上の資金生成単位( CGU )に配分される。正ののれん
は、少なくとも年1回、および客観的な減損の証拠がある場合はその都度、減損テストの対象とされる。減損テストは、のれんを含む
CGU (または CGU のグループ)の帳簿価額とその回収可能価額とを比較することにより行われる。
被支配企業の負ののれんは、「のれんの価値の変動」として直ちに損益に認識される。
関連会社または共同支配企業に関連するのれんは、それが正ののれんである場合には資産項目である「関連会社に対する投資」の帳簿
価額に含まれるが、その後償却することはできない。当該のれんについては、少なくとも1年に1回減損テストを実施する。負ののれ
んである場合には、「持分法による投資利益」として直ちに損益に認識される。
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共同支配のもとで実施される企業結合の特定事例
共同支配下にある企業または事業の間における結合は、いくつかの事業が結合され、かつすべての利害関係のある当事者(企業または
事業)が、結合前後の比較的長い期間にわたり同じ当事者によって最終的に支配されているような結合であると解釈される。かかる結
合は、 IFRS 第3 R号の適用範囲に含まれない。
共同支配下における企業結合の会計処理が IFRS 第3 R号で明確化されていないなかで、ナティクシスはかかる取引に過去の帳簿価額に基
づく方法を適用している。この方法では、支払われた価格と、被取得企業の資産および負債の過去の帳簿価額に対するナティクシスの
持分の間の差額が、株主資本からの控除として計上される。事実上、この方法を用いるにあたり、パーチェス法の適用により生じるの
れんおよび評価差額が株主資本から控除される。
用いられる 帳簿価額は、取引の完了日時点における最終的な親会社の連結財務諸表に示された額である。
ナティクシスが支配する2つの企業が関与する取引、および、ナティクシスが支配する企業と BPCE が支配する企業が関与する取引は、
共同支配企業により実施された取引と見做される。
2006 年にナティクシスの設立をもたらした取引の測定および認識に適用される原則
CNCE によってナティクシスに拠出された資産は、以下の2つの異なる区分に該当する。
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングならびにサービス子会社に対する持分
・ Caisses d’ Epargne の株式資本に対する権利を付与する 協調投資証券 ( certificats coopératifs d’ investissement : CCI )の一部
両方の資産区分に関して連結目的で用いられる拠出価額は、 EU において採択された IFRS に準拠して修正再表示された、 CNCE の連結財務
諸表におけるこれらの資産の帳簿価額である。
当行グループの構造に影響を及ぼし、ナティクシスの設立につながったその他の取引は、連結目的上、 IFRS 第3号に従い、パーチェス
法により会計処理された。
上述の 2006 年 12 月 31 日の企業結合に関連して発生したのれんは以下のように会計処理された。
拠出を受けた企業に係るのれん
拠出は IFRS に基づく正味帳簿価額で認識されたため、拠出されたさまざまな資産および負債に係る評価調整額は計上されていない。取
得コストが持分の実質価値を考慮している一方で、拠出はその正味帳簿価額で認識されたため、取得コストと拠出された企業の純資産
に対する当行グループの持分の間の差額は、 IFRS 第3号における意味の範囲内でのれんに相当しない。観察された各差額は「利益剰余
金」に認識された。
この点において、 2006 年 12 月 31 日現在で 3,170 百万ユーロが株式発行差金に計上された。
その他の取引に係るのれん
企業結合により発生したのれんは 484 百万ユーロであり、その内訳は、旧 IAMG に係る 229 百万ユーロ、旧 IXIS CIB に係る 21 百万ユーロお
よび旧 Novacrédit に係る8百万ユーロ、ならびに Caisses d’ épargne の CCI ( 190 百万ユーロ)および Banques Populaires の CCI ( 36 百万
ユーロ)に関連する「関連会社に対する投資」に計上されたのれんである。
この後、旧 IXIS CIB に関連するのれんは全額が評価減された。
2013 年度における協調投資証券の売却を考慮すると、関連するのれんは、もはや連結貸借対照表に含まれない。
その他ののれん
2020 年度、のれんは、為替換算調整額( (129) 百万ユーロ)を除き、 (229) 百万ユーロ減少した (注記 7.12 参照) 。
減損テスト
のれんのすべての項目は、配分された資金生成単位( CGU )の使用価値に基づいて減損されている。
使用価値の算定では主に、健康危機に関係して再評価された各事業部門の最新の業績予測に基づいて算定された各 CGU の将来キャッ
シュ・フローの見積りの更新(すなわち、割引キャッシュ・フロー( DCF )法)に依拠した。
2020 年 12 月 31 日現在、次の前提が使用された:
・ 見積将来キャッシュ・フロー:ナティクシスの戦略計画作成の一環として立てた各事業部門に関する複数年に及ぶ利益推移の最新予
測から抽出した予測データ。
・ 永久成長率:永久成長率は、保険および決済 CGU と CIB の M&A 事業については、これらの事業の持続的な成長見通しと危機のなかでの
適応力に鑑み 2.5 %に設定された。 AWM CGU については、株価指数のボラティリティがいまだに顕著であることからプラス2%に据え
置かれた。なお、 2020 年6月 30 日現在のテストにて、全 CGU について永久成長率がプラス2%に引き下げられている。
・ 割引率:各 CGU について個別の率を使用:資産運用およびウェルス・マネジメントは 7.6 %( 2019 年 12 月 31 日時点は 9.1 %)、 CIB は
9.5 %( 2019 年 12 月 31 日時点は 11.4 %)、保険は 7.6 %( 2019 年 12 月 31 日時点は 10.6 %)、決済は 6.7 %( 2019 年 12 月 31 日時点は
6.9 %)。
市場データの算出については現在、ユーロ圏危機以来におけるいくつかの CGU の金利の一貫した低下に特に鑑み、各 CGU の現行の運営状
況をより映し出した期間を考慮に入れるため過去5年を基にしている(以前までは 10 年)。こうした手法の調整により、2つの年度間
の割引率の低下を概ね説明できる。
また、補足すると、割引率は以下の点を考慮して決定した:
・ 保険および決済の CGU については、無リスクである 10 年物フランス国債の利率に係る期間5年の平均
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・ 資産運用およびウェルス・マネジメントならびにコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングの CGU について
は、 10 年物フランス国債と 10 年物米国債の利率の平均の期間5年の平均
そのうえで、 CGU の代表的な企業のサンプルに基づいて算出されたリスク・プレミアムの5年平均を、これらの利率に加算する。
CIB については、一方ではのれんの源泉が専ら M&A 事業でありながら、他方では同部門内の進行中の作業が次の戦略計画を考慮したもの
であることから、同事業単位は終了した。評価は M&A の範囲のみについて実施する一方、以前実施したテストと比較して使用する評価手
法の充実を図っている( DCF 法ならびに株価収益率および類似取引による評価手法を含む多規準アプローチ)。
これらのテストの結果、 2020 年 12 月 31 日現在で認識した減損損失はなかった。
永久成長率を 50 ベーシスポイント 低下させ、かつ 割引率を 50 ベーシスポイント上昇させると( 2012 年から 2020 年にわたり観察された過
去の1年ごとの変動に基づく仮定)、 CGU の使用価値が以下のとおり減少する。
・ 資産運用およびウェルス・マネジメント CGU について、 (13) %
・ ( M&A 事業に係る)ホールセール・バンキング CGU について、 (12) %
・ 保険 CGU について、 (14) %
・ 決済 CGU について、 (17) %
その場合でも、これらの CGU について減損損失を認識する必要はない。
重要な仮定に対する感応度は、 CGU の回収可能価額に重大な影響を及ぼさない。
・ 資産運用およびウェルス・マネジメントについて、「株式」市場が 10 %下落すると(すべての年を通じて一律の下落)、当該 CGU の
回収可能価額に 10 %の負の影響を及ぼすが、減損損失の認識には至らない。
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングについて、ドルまたは流動性コストの上昇に対する感応度が正味
収益に及ぼす影響は限定的であり、減損の計上には至らない。
・ 保険については:
・ 生命保険の主な感応度ベクトルは金利と市場レートだが、各種措置を講じてその影響の軽減を図っている(投資の分散や準備
金、エクイティ・ヘッジ等)。したがって、損益計算書への影響は限定的であり、当該 CGU の価額は著しい影響を受けない。
・ 非生命保険については、主な感応度ベクトルは損害率であり、これは概ね合算比率を通じて測定される。ナティクシスの戦略
計画「新次元」は合算比率を 94 %未満に設定している。毎年この比率が1ポイント悪化しても、当該 CGU の価額の下落幅は3%
にとどまり、減損への影響は生じない。
・ 決済については、当該 CGU は事業活動に関して多様な事業モデルを有している。一方は、長年にわたり大量の活動(および電子決済
において力強いモメンタム)を生んできた BPCE グループ・ネットワークに対し長期にわたりサービスを提供してきた決済事業で、
もう一方は、多種多様な商品(デジタル化証券や商業ソリューション、 eコマース、企業の労使協議会向けのソリューションなど)
をグループの顧客と外部の両方に提供しているフィンテック企業のポートフォリオである。この事業モデルに伴う利益の振れ幅は
低い。
2.6 売却目的で保有する子会社
ナティクシスが 12 ヶ月以内の期間に売却を意図し、買手を積極的に探している被支配企業の資産および負債は、連結貸借対照表におけ
る2つの個別の表示項目において、非流動資産および負債として区分表示されている。
売却目的保有のグループは、 CGU グループの場合もあれば、特定の CGU 、または CGU の一部である場合もある。当該グループには、流動資
産、流動負債および IFRS 第5号に基づく測定規定の適用範囲外の資産を含む当該企業の資産および負債が含まれている場合がある。
IFRS 第5号に基づく測定規定の適用範囲内にある非流動資産が売却目的保有のグループの一部を構成するときは、 IFRS 第5号に基づく
測定規定をグループ全体に適用する。つまり、当該グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうちいずれか低い方で測定
される。
資産および負債のグループの公正価値がその正味帳簿価額よりも低いときは、ナティクシスは減損の額を、 IFRS 第5号に従って測定さ
れる非流動資産(のれん、無形資産および有形固定資産)に限定する。
2020 年 12 月 31 日現在で IFRS 第5号に基づき処理されている企業は、注記 1.2 「重大な事象」に表示されている。
2.7 個別データの標準化およびグループ内取引の取扱い
連結に先立ち、連結範囲に含まれる会社の個別財務諸表は、以下に述べるナティクシスの会計方針と整合させるため、必要に応じて修
正再表示される。
全部連結されている企業間の内部取引が貸借対照表および損益計算書に与える影響は消去される。持分法により連結されている企業の
内部損益は、共同支配企業または関連会社に対するナティクシスの持分割合に応じて消去 され ている。
2.8 ナティクシスの政府代行業務
2008 年改正財政法第 121 条( 2008 年 12 月 30 日第 2008-1443 号)によって改正された 1997 年改正財政法第 41 条( 1997 年 12 月 29 日第 97-1239
号)、 2014 年改正財政法第5条( 2014 年 12 月 29 日第 2014-1655 号)、ならびに 2019 年 12 月 24 日にフランス政府との間で交わされた契約に
従い、ナティクシスはフランス政府による一定の公的手続を代行管理しており、主として政府開発援助の フレームワーク 内で行われる
外国への貸出および資金援助、外国への非補助金型の融資、「民間セクターの支援および研究のための基金( Fonds d’Études et d’
Aide au Secteur Privé )」に基づく資金援助、ならびにフランス政府によって保証された輸出信用に係る金利の固定化から成ってい
る。これに関連する取引は、政府保証が付いているものも含め、財務諸表において区別して認識されている。政府およびその他の関連
する債権者は、これらの政府代行業務に割当てられた資産および負債に対する特定の権利を有する。これらの業務に関連する当行の資
産および負債は、貸借対照表においてこれらの業務に関連する各表示項目を示すことで識別されている。
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2.9 海外の子会社および支店の財務諸表の通貨換算
ナティクシスの連結財務諸表はユーロ建てで作成されている。
機能通貨がユーロでない 海外の子会社および支店の貸借対照表は、取引日の為替レートで換算される株式資本、剰余金および資本の配
分を除き、決算日の為替レートで ユーロに 換算されている。 機能通貨がユーロでない 海外の子会社および支店の損益計算書は、当年度
の平均為替レートで換算されている。結果として生じる貸借対照表と損益計算書の両方の項目に係る為替換算差損益は、資本におい
て、グループ持分に帰属する部分については「為替換算調整額」、第三者に帰属する部分については「少数株主持分」に認識されてい
る。
企業の全部または一部が売却される場合や、企業が資本を返済する場合には、為替換算差損益は、リサイクル可能なその他の包括利益
に「為替換算調整額」のもと認識された為替換算差額の累積額に応じて損益として分類変更される。
ナティクシスは、 IFRS 第1号のもとで初度適用時に利用可能なオプションを用いること、すなわち 2004 年1月1日現在で存在した為替
換算調整額の累積残高を利益剰余金に振替えることを選択した。海外の企業が後に売却された場合、当該処分に係る損益には、 2004 年
1月1日より後に発生した為替換算差損益のみが含まれる。
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注記3 連結範囲
3.1 2020 年1月1日以降の連結範囲の変更
2020 年1月1日以降に生じた連結範囲の主な変更は以下のとおりである:
3.1.1 コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
連結対象から除外された企業
・ 2020 年第1四半期中、連結の閾値を下回ったため、 Trez Commercial Finances Limited Partnership が連結対象から除外された。
・ 2020 年第3四半期、ナティクシス・グランド・ケイマン支店が閉鎖された。
持分比率の変動
・ 2020 年第2四半期、役員から株式を買戻し、 Natixis Coficiné に対する所有持分が 99.9 %から 100 %へと上昇した。
・ 2020 年下半期、2回に及ぶ減資を経て、 EDF Investissement Group に対する持分比率が 6.1 %から 7.5 %へと上昇した。
・ 2020 年第1四半期および第4四半期における非支配持分の撤退により、 Azure 企業に対する持分比率が 52.2 %から 53.1 %へと上昇し
た。
3.1.2 資産運用およびウェルス・マネジメント
新たに連結対象となった企業
・ 2020 年第2四半期、資産運用事業の業務サポート(サービスの提供、 IT インフラ)を目的とする Loomis Sayles Operating
Services LLC を設立し連結した。
・ ルクセンブルクの企業である Natixis Investment Managers S.A. は、欧州における自己の販売事業を拡大するために、ベルギーの
支店、 Natixis Investment Managers S.A. ベルギー支店を設立し、 2020 年第3四半期から連結した。
・ 2020 年第4四半期における Teora の連結。 Natixis Wealth Management は自己の生命保険仲介事業をこの子会社へ移転させる予定であ
る。
・ 2020 年第 4 四半期、追加シード・マネーを Thematics Subscription Economy ファンドへ投資し、 Natixis IM の持分を 30 %超に引き
上げた。同時に、当初投資期間を1年以上に延長した。その結果、資産総額が 60 百万ユーロを超えるこのファンドを 2020 年 12 月 31
日現在で連結対象に加えた。
・ 欧州大陸での事業拡大の一環として Loomis Sayles は、ユーロ圏における固定利付証券のノウハウを強化すべくオランダに支店
( Loomis Sayles & Company, LP オランダ支店)を設立した。 Loomis Sayles はまた、ルクセンブルクでの特定のファンドの管理を
円滑にするために、新たな企業の Loomis Sayles Alpha Luxembourg LLC を設立した。これら2つの組織を 2020 年第4四半期に連結
した。
・ DNCA Finance は、子会社である DNCA Luxembourg の以前の事業を引き継ぐためにルクセンブルクに支店を設立した。この支店を 2020
年第4四半期に連結した。
・ 2020 年第 4 四半期、 AEW Capital Management は米国における新たな不動産ファンドの管理に関連して、 Seaport Strategic
Property Program I Co-Investors, LLC を設立した。 AEW Capital Management の完全子会社であるこの企業を、 2020 年 12 月 31 日現
在で連結対象に加えた。
連結対象から除外された企業
・ 2020 年第1四半期に Thematics Meta Fund を連結対象から除外した。同ファンドへ投資したシード・マネーが一部払い戻され、
Natixis IM の持分が連結対象除外閾値の 20 %を下回った。
・ 2020 年第4四半期、清算を受けて次の企業を連結対象から除外した: AEW Central Europe Romania 、 Arctic Blue Capital Ltd 、
Arctic Blue Capital Management Ltd 、 Loomis Sayles Solutions, LLC および CREA Western Investors I, Inc. 。
・ DNCA Group の組織簡素化の一環として、 DNCA Courtage および DNCA Luxembourg の両社について 2020 年第4四半期、 DNCA Finance へ
の資産の包括的移転を実施した。また、 NIM P3 の完全子会社で DNCA Finance の支配持分を有する DNCA Management を NIM P3 が吸収合
併した。
・ 2020 年第4四半期、連結の閾値を下回ったことを受けて Thematics AI and Robotics Fund を連結対象から除外した。
持分比率の変動
・ 2020 年第2四半期、 2020 年の買戻し可能期間中に DNCA の経営陣は、 DNCA Finance および DNCA Management の株式の一部についてプッ
ト・オプションを行使した。これらの取引後、 DNCA Finance およびその子会社( DNCA Courtage 、 DNCA Luxembourg および DNCA
Finance ミラノ支店)に対する Natixis IM の持分比率は 85 %に、 DNCA Management に対する持分比率は 100 %に達した。
・ Vauban IP は、 Mirova のインフラ事業のスピンオフ会社として、 2019 年後半に(資本の 18.6 %を所有する)その共同経営者と(資本
の 81.4 %を所有する) Natixis IM が共同設立した会社だが、 2020 年第1四半期中、共同経営者が保有する持分が 20 %増加し、取引
の目標出資構成に達した。その結果、 Vauban に対する Natixis IM の持分は 81.4 %から 61.4 %へと低下した。
・ Dorval Finance :同組織の経営陣は 2020 年第1四半期末、プット・オプションを行使し株式を償還した。これらの取引を経て、
Dorval に対する Natixis IM の持分比率および支配権は 88.7 %になった。
・ 2020 年上半期、 Thematics AI and Robotics ファンドへ投資したシード・マネーの一部が償還された。その結果、同ファンドに対す
る Natixis IM の持分は 31 %になった。
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・ 2020 年第3四半期、予定されていた買戻し期間内に、 Thematics AM の経営陣は、 Thematics AM の株式資本の 10 %に相当する持分の
一部についてプット・オプションを行使した。
・ Natixis IM と La Banque Postale AM の金利管理および保険事業の合併の一環として 2020 年第4四半期、 LBP AM の事業の大部分が
Ostrum へ移転された。この資産の拠出を経て、 Natixis IM の Ostrum に対する出資比率は 55 %となり、 La Banque Postale は 45 %の持
分を取得した。
再編
・ NIM は米国における AM 持株会社の組織構造の簡素化を図った。
2020 年1月1日、 Natixis US Holdings, Inc. は、 Natixis Investment Managers LP に対して重要ではない持分(1%)を有する持
株会社である Natixis Investment Managers LLC を吸収合併した。なお、 Natixis Investment Managers LP の残りの資本( 99 %)は
すべて Natixis US Holdings Inc. が所有している。この取引の一環として、 Natixis US Holdings Inc. は、有限責任会社( LLC )に
形態を変え、その後 Natixis Investment Managers US Holdings LLC に名称を変更した。
Natixis Investment Managers LP は 2020 年1月1日、米国のさまざまな関連会社( Loomis 、 Harris 、 AEW Capital Management 、
Vaughan Nelson など)に対して重要ではない持分(1%から2%)を間接的に有する持株会社である Natixis Investment Managers
Holdings LLC を吸収合併した。なお、それら関連会社の残りの資本はすべて Natixis Investment Managers LP が所有している。
Natixis Investment Managers LP は有限責任会社( LLC )に形態を変え、その後 Natixis Investment Managers LLC に名称を変更し
た。
Natixis ASG Holdings Inc. は 2020 年3月 15 日、完全子会社の Alternative Strategies Group LLC を吸収合併した。 Alternative
Strategies Group LLC はそれまで、その完全子会社である AlphaSimplex Group LLC の持株会社としての役割を果たしていた。
3.1.3 保険
連結対象から除外された企業
・ 持分比率が閾値を下回ったため、 2020 年第1四半期、 Sélection Protection 85 ファンドを連結対象から除外した。
3.1.4 決済
連結対象から除外された企業
・ 2020 年第4四半期、 Dalenys においてルーマニアの企業 Rentabiliweb が閉鎖された。
持分比率の変動
・ 2020 年第2四半期、 Payplug に対する持分が、設立者からの株式の買戻しを経て 99.1 %から 99.4 %へと増加した。
3.1.5 Coface
2020 年1月1日から、 Coface は持分法を用いて連結されている (重大な事象を参照) 。
新たに連結対象となった企業
・ 2020 年第3四半期における Coface GK Forsikring AS の取得。同社は北欧市場における短期の輸出信用保険ポートフォリオを運用し
ている。
再編
・ 2020 年第3四半期、 Coface Do Brasil Seguros De Credito が Seguro Brasileira CE を吸収合併した。
3.2 取得および処分の影響
2019 年 12 月 31 日現在の取得および処分の影響は以下のとおりであった:
・ 取得に関連して少数株主に付与した新たなプット・オプションの認識 (44.2) 百万ユーロ。コーポレート・バンキング事業部門に関
しては、合併・買収のコンサルティング会社である Azure Capital の取得の一環として、 (9 )百万ユーロのプットを 48 %の少数株主
について計上した。また、 Natixis Coficiné の非支配持分(株式資本の 0.01 %)について (0.3) 百万ユーロのプットを計上した。資
産運用およびウェルス・マネジメント事業部門に関しては、 Natixis Investment Managers が Flexstone Patners SAS に対する持分
を一部売却し、その結果ナティクシスの所有持分は 100 %から 84 %へと減少した。 16 %の少数株主持分に付与したプット・オプショ
ンを (3.6) 百万ユーロ計上した。また、 2019 年に共同経営者と Natixis Investment Managers が共同設立した Thematics Asset
Management を財務諸表に連結した。ナティクシスが国外の株式へテーマ別の投資をする際のパートナーに同社になってもらうとい
うのが趣旨である。 Natixis Investment Managers はまた、非支配持分( 60 %)について (30.2) 百万ユーロのプット・オプションを
保有している。 Massena Partners では、非支配持分(2%)に関するプット・オプションを (0.9) 百万ユーロ計上した。さらに、決
済事業に関して、 Lakooz における少数株主持分( 0.1 %)に関するプット・オプションを (0.2) 百万ユーロ計上した。
・ 期首における非支配持分に係るプット・オプション 12.7 百万ユーロに関するもの。この影響は、これらのプット・オプションの公
正価値の期中における変動に由来し、金融債務のマイナスの再評価 29.5 百万ユーロと、この金融債務に係る割引の振り戻しの影響
(16.8) 百万ユーロから成る。
・ 連結対象企業の支配を喪失することのない持分比率の変動の影響 (13) 百万ユーロ。そのうち (4.4) 百万ユーロは Coface に関するもの
であり、 (11.5) 百万ユーロは Mirova Natural Capital Limited の少数株主持分の 49 %の買取りに関する損失であった。
・ 特に CEGC ポートフォリオからの売却可能資産に係る未実現準備金 (70) 百万ユーロ、リサイクル可能なヘッジ目的のデリバティブ準
備金 106 百万ユーロおよび確定給付制度に係る再評価調整額2百万ユーロの( BPCE への SFS 事業部門の売却に起因する)純損益への
リサイクル。
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・ 為替換算調整額 21.9 百万ユーロおよび固定利付証券に係るリサイクル可能なその他の包括利益 0.8 百万ユーロの( Natixis Brésil の
処分に起因する)純損益を通じたリサイクル。
・ 米ドル/ユーロの為替リスクに対する当グループのグローバル・エクスポージャーを減らすための、ドバイ支店による資本の一部
( 94.4 百万ドル)の償還後の (5.6) 百万ユーロの為替換算調整額のリサイクル。
2020 年 12 月 31 日現在の取得および処分の影響は以下のとおりであった:
・ 期首における非支配持分に係るプット・オプション 19.1 百万ユーロに関するもの。この影響はこれらのプット・オプションの公正
価値の期中の変動 13.7 百万ユーロに関連しており、金融債務の下方再評価 16.1 百万ユーロによって生じた。そのうち 19.4 百万ユー
ロは AWM 部門に関するもので( Dorval Finance に関する 7.8 百万ユーロおよび IML に関する 10.2 百万ユーロを含む)、 (2.4) 百万ユー
ロはこの金融債務に係る割引の振り戻しの影響によって生じたものである。それらのプットに相当するこれらの企業の正味少数株
主持分の持分における期中のプラスの変動の振替は 5.4 百万ユーロだった。
・ 期中における少数株主持分に係る新たなプット・オプションは (18.1) 百万ユーロにのぼった。 Natixis IM と La Banque Postale AM
の金利管理および保険事業の合併の一環として 2020 年第4四半期、 LBP AM の事業の大部分が Ostrum へ移転された。この資産の拠出
を経て、 Natixis IM の Ostrum に対する出資比率は 55 %になった一方、ナティクシスが La Banque Postale にプット・オプションを付
与し、 La Banque Postale は 45 %の持分を取得した。資本持分における (18.1) 百万ユーロの影響は、プット・オプションの評価額
( 79.5 百万ユーロ)と新しい企業の少数株主持分( 61.4 百万ユーロ)の差異に相当する。
・ 連結対象企業の支配を喪失することのない持分比率の変動 11.4 百万ユーロは主に、 2020 年第4四半期に実施した Ostrum の持分 45 %
の La Banque Postale AM への 11.8 百万ユーロでの売却の結果生じた持分比率の希薄化に相当する。
・ Coface の支配喪失に関係する改訂 IAS 第 19 号の適用により生じた数理計算上の差異の準備金への分類変更 (10.9) 百万ユーロ。
3.3 子会社に対する持分
3.3.1 重要な非支配持分
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ )
非支配持分 企業の財務情報要約
非支配持
非支配持分
分の株主 子会社に 非支配持分
非支配持 に対する支
に帰属す おける非 の株主に対 債務総額
分に対す 配割合(差
資産 当期純 利益
る当期損 支配持分 する支払配 (負債およ
る持分割 がある場
益 の金額 当 総額 び資本) 利益 合計
企業名 設立地 合 合)
H2O 英国 49.99 % 49.99 % 30 122 124 282 55 60 38
その他企業 52 45 42
合計 81 167 167
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2019 年 12 月 31 日現在
2019 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ )
非支配持分 企業の財務情報要約
非支配持分 非支配持
非支配持 に対する支 分の株主 子会社に 非支配持分
分に対す 配割合(差 に帰属す おける非 の株主に対 債務総額
資産 当期純 利益
る持分割 がある場 る当期損 支配持分 する支払配 (負債およ
企業名 設立地 合 合) 益 の金額 当 総額 び資本) 利益 合計
Coface フランス 57.52 % 57.52 % 118 1,174 68 7,387 5,462 147 241
H2O 英国 49.99% 49.99% 211 229 186 675 225 423 454
その他企業 51 27 47
合計 380 1,430 301
3.3.2 支配を維持している子会社に対する持分比率の変動による影響
規制当局からの必要な承認を得て、ナティクシスおよび La Banque Postale は、 2019 年に発表した Ostrum Asset Management と La Banque
Postale Asset Management の固定利付証券および保険関連の管理事業の合併を 2020 年 10 月 31 日付で成立させることができた。この取引
の結果、 LBP AM の事業が Ostrum へ拠出された (注記 1.2.3 参照) 。
この資産の拠出を経て、ナティクシスの Ostrum に対する出資比率は(取引前の 100 %から) 55 %になった一方、 La Banque Postale は
45 %の持分を取得した。 LBP AM はまた、その全持分についてナティクシスが付与した確約的合意を有している。
2019 年においては、そのような重大な取引は計上されなかった。
3.3.3 持分を保有している子会社の支配を当期中に喪失したことによる影響
Coface 売却契約 (注記 1.2.1 参照) の締結後、ナティクシスは当該企業に対して自己が行使する支配の性質について再評価を行った。ナ
ティクシスは Coface に対する持分を留保しているものの、 2020 年2月 25 日をもって支配を喪失したという判断に至った。
2019 年においては、そのような取引は計上されなかった。
3.3.4 重要な制限
ナティクシスは、流動性リスク監督の対象となっているため、流動性準備の設置が要求されており、当該流動性準備を構成する資産の
使用が制限されている (登録届出書 ( Universal Registration Document ) の第3章「リスク要因、リスク管理 および 第三の柱」の注記
3.2.7 「貸借対照表の管理」(訳者注:原文の章および注記)を参照のこと) 。
さらに、流動性およびソルベンシーに関する現地の規制の対象となる企業もある。
抵当に入り自由に使用できない資産については、登録届出書 ( Universal Registration Document ) の第3章「リスク要因、リスク管理
および第三の柱」の第 3.3 .4 節(訳者注:原文の章および節)に記載されている。
為替管理が適用されている国も複数あるものの、当期中において、ナティクシスは困難なくそれらの国に所在する子会社の配当を移転
することができた。
公正価値オプションのもと で 測定され、保険業務におけるユニット ・ リンク 型 保険に相当する資産は保険契約者の利益のために保有さ
れている。
3.4 パートナーシップおよび関連会社に対する持分
3.4.1 ナティクシスが扱うパートナーシップおよび関連会社の種類
パートナーシップ(共同支配事業および共同支配企業)
ナティクシスが持分を有するパートナーシップ(共同支配事業および共同支配企業)で、ナティクシスの 連結 財務諸表に影響を及ぼす
ものはない。
関連会社
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスが持分法を用いて連結 している 主要な投資は、 EDF Investment Group ( EIG) および Coface である。
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関連会社に対する投資の要約表
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
関連会社に
関連会社に
対する 資本に直接認識
対する 資本に直接認識
(単位:百万ユーロ ) 投資の価 額 当期純利益 された損益
投資の価 額 当期純利益 された損益
共同支配企業
関連会社 879 (53) (2) 743 21 7
EDF Investment Group(EIG)
521 10 (0) 520 10 (0)
(a)
158 (47) (1)
Coface
(b)
200 (16) (1) 223 11 7
その他の企業
合計 879 (53) (2) 743 21 7
(a) Coface の当期純利益には、ナティクシスが保有する持分の減損 (57.4) 百万ユーロが含まれ てい る。 2020 年 12 月 31 日現在、持分法を用いた Coface に対す
る持分の市場 価額 は 158.5 百万ユーロである。
(b) 2020 年 12 月 31 日現在のその他の企業の当期純利益 (16) 百万ユーロには、持分法適用による評価額をゼロ とした Adir に関する評価減 (11.5) 百万ユーロが
含まれ てい る。
3 . 4.2 重要な共同支配企業および関連会社の要約財務情報
重要な影響力の下にある重要な関連会社および共同支配企業に関する要約財務データを以下に示す。
2020 年12月31日現在 2019年12月31日現在
EDF Investment Group
EDF Investment Group
Coface
(単位:百万ユーロ )
( EIG )
( EIG )
評価方法 関連会社 関連会社 関連会社
受取配当 11 10
主な合算項目
資産合計 7,553 6,969 8,577
債務合計 5,554 41 49
損益計算書
税引前 利益 128 202 231
法人所得税 (45) (50) (68 )
当期純利益 83 152 162
資本に直接認識された損益 145 (11) (5)
2020 年 12 月 31 日現在の EIG および Coface に関するデータは、同日現在 EU が採択していた IFRS ならびに注記 5 で説明しているナティクシス
の連結財務諸表に適用される会計原則および評価方法に準拠する。
以下に、持分法を用いて計算した帳簿価額での財務情報に係る調整表を示す。
2020 年12月31日現在 2019年12月31日現在
EDF Investment Group EDF Investment Group
Coface
(単位:百万ユーロ ) (EIG)
(EIG)
8,528
関連会社株式 1,701 6,927
所有比率 12.70 % 7.54 % 6.11 %
関連会社資本に対するナティクシス持分 216 521 520
のれん
減損 (57)
関連会社に対する投資の価値 158 521 520
3.4.3 制限の性質および範囲
関連会社および共同支配企業に対してナティクシスが保有する持分に関する重要な制限はなかった。
3.4.4 企業が保有する共同支配企業および関連会社に対する持分に関連するリスク
当期中、持分法適用後ベースで、共同支配企業または関連会社の損失に 対する 未認識の 持分 はない。
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注記4 組成された企業
組成された企業とは、誰が企業を支配しているのかの決定に際して、議決権または類似の権利が決定的な要因とならないように設計さ
れた企業(例えば、あらゆる議決権が管理業務のみに関係しており、その関連性のある活動が契約上の取決めによって管理される場合
など)である。
組成された企業は一般に、以下の特性の1つまたはそれ以上を有している。
・ 制限された、および狭く明確化された活動および目的
・ 資本が限られている、または全くなく、劣後的な財務的支援なしにその活動資金を調達するには不十分である
・ 信用あるいはその他のリスクの集中(トランシェ)を生み出す、複数の契約上連関した金融商品の形での資金調達
・ 従業員がほとんど、あるいは全く存在しない
4.1 ナティクシスが取引を行っている組成された企業の範囲
4.1.1 一般原則
IFRS 第 12 号に従い、ナティクシスは、ナティクシスが関与を有し、以下の役割の1つまたはそれ以上を果たすすべての組成された企業
に関する情報を開示する。
・ オリジネーター /組成者 /アレンジャー
・ 募集代理人
・ 関連性のある活動の管理者、または
・ 取引の組成または管理に対してナティクシスが決定的な影響を及ぼすその他の役割
他の企業への関与とは、企業を他の企業の業績に関連する変動リターンのリスクにさらす契約上または非契約上の関係を意味すると理
解される。他の企業への関与は、特に資本性金融商品または債務証券の保有、ならびに資金の提供、証券担保貸付、信用補完および保
証または仕組みデリバティブの発行などのその他の関連によって証明できる。
したがって、以下は連結範囲 (IFRS 第 10 号 )または追加情報の開示に該当する範囲 (IFRS 第 12 号 )に含まれていない。
・ 継続中の取引を通じてのみナティクシスに関係する組成された企業。これは、組成された企業のリターンの変動性に対して一般に
重要な影響を持たず、ナティクシスが、組成された企業ともまたは伝統的に統治されている企業とも同様に締結することが可能で
ある組成されていない金融商品に対応する。継続中の取引は通常以下のとおりである。
・ バニラ固定利付 /通貨デリバティブ、その他の原資産のデリバティブならびに証券およびレポの貸付 /借入
・ ファミリー SCI または特定の保有先会社に対して付与された保証およびプレーンバニラの資金提供
・ ナティクシスが単なる投資者として行動する外部の組成された企業。これには主に以下が含まれる。
・ ナティクシスによって管理されていない外部のミューチュアルファンドに対する投資(ナティクシスが実質的にすべてのユニッ
トを所有するものを除く。)
・ ナティクシスが単なる少数投資家として行動する外部の証券化ビークルへの関与
・ ナティクシスが単なる少数投資家として行動する不動産ファンドおよび外部のプライベート・エクイティ・ファンドへの制限さ
れた範囲での関与
ナティクシスが取引を行っている組成された企業は、ストラクチャード・ファイナンスの一環として創設された企業、資産運用ファン
ド、証券化ビークルおよびその他の種類の取引のために設立された企業の4グループに分類される。
IFRS 第 10 号に準拠して、組成された企業の連結分析は注記 2.2.1 で参照されるすべての規準を考慮して実施された。
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4.1.2 ストラクチャード・ファイナンス取引
(航空、海上もしくは陸上輸送に関わる)動産、不動産、企業の取得( LBO ファイナンス)またはコモディティのファイナンス上の要件
に対応するため、ナティクシスは、顧客に代わって特定の金融取引のために組成された企業の創設を要求されることがある。
これらの仕組は大半が自らによって管理されている。リース契約の場合、収益が常にゼロになるように取引が組成されなくてはならな
い。つまり、デフォルト事象が発生した場合に限り、保証が行使された後で資産に対する権利を処分することで、組成された企業の収
益を修正できる。デフォルト事象が発生した場合には、ナティクシスは単独でまたは銀行シンジケートの代理人を通じて資産を売却す
るパワーを有する。この権利は、ナティクシスが貸付契約のもと支払われるべき残高の金額を上回って売却から収益を享受することは
ないため、保護権に相当する。したがって、ナティクシスは当該企業の関連性のある活動に対するパワーを有していない。
これらの仕組に自動操縦のメカニズムがない場合、関連性がありリターンを生じさせる活動を監視するのは一般的にはスポンサーであ
る。前述のとおり、ナティクシスの貸手としての権利は、当該債権の金額に限定される保護権である。したがって、ナティクシスは当
該企業の関連性のある活動に対するパワーを有していない。
加えて、ナティクシスがかかる企業の株主となっていることはまれであり、また株主である場合には、ナティクシスは一般に非支配持
分を保有している。ナティクシスが過半数株主となっている企業の数は限られており、これらはナティクシスの連結財務諸表に重大な
影響を及ぼしていない。
4.1.3 資産運用取引
ミューチュアルファンド
原則、シード・マネー投資のうち、保有期間が1年未満のものは連結しなかった。
1. 保証されていないミューチュアルファンド
ミューチュアルファンドの場合において、関連性のある活動は、ファンド資産に含まれる証券に関係する投資および負の投資活動であ
る。これらの活動は、投資家に代わり Natixis Investment Managers および Natixis Wealth Management の管理 会社によって裁量権のあ
る形で運用されている。
Natixis Investment Managers および Natixis Wealth Management のマネージャーとしての報酬は、投資家のために生み出されるリター
ンと比べてわずかである。実際には、資産運用活動は競争が激しい国際的な市場で行われるため、管理および成功報酬は市場で入手さ
れ、提供されたサービスと一致している。
第三者に保有される権利(例えば、撤退またはファンドの償還 /清算の権利)がない場合、 Natixis Investment Managers および Natixis
Wealth Management によって管理されるミューチュアルファンドの支配は、ナティクシスの連結範囲内の企業または事業分野が有する関
与を合わせて評価されている。
・ マネージャーとして、 Natixis Investment Managers および Natixis Wealth Management は当該ファンドに投資はせず、一般的に所
有する ユニット は少数に限られる。
・ Natixis Assurances は保険子会社を通じて Natixis Investment Managers が運用するミューチュアルファンドの持分を取得する可能
性がある。これらの持分は、ユーロ建てまたはユニット・リンク型の保険契約の形で引受けられている。
・ ユーロ建て契約は、被保険当事者が最低保証リターンに加えて保険会社の主要なファンドによって生み出される剰余金の大部
分を受取る契約である。ファンドのリターンと最低保証リターンの間の不足額は保険会社が負担しており、よって保険会社は
当該リスクを負担している。
・ ユニット・リンク型契約は、被保険当事者が、保険会社が自身に代わって投資するファンドを選択する契約である。かかる
ファンドに対する保険会社の持分の価値は保険契約に反映されている。ユニット・リンク型契約に相当する被投資ファンド
は、すべての支配規準が累計で満たされ、当該ファンドが重要な影響を有する場合には、 IFRS 第 10 号に基づいて連結されてい
る。
・ その他のナティクシス企業および事業分野は、主に現金投資の必要性を満たすことを目的として、少数持分を保有する場合があ
る。
ファンドは以下のいずれかの条件が満たされる場合、連結の対象である。
・ ナティクシスが本人として行動している場合、すなわち、ナティクシスがマネージャーでありかつ限られた人数によって解任不能
で、またナティクシスが当該ファンドを支配していると結論付けることが出来るほど充分に大きい重要性のある関与を有している
場合、または
・ ナティクシスはマネージャーではないが実質的にすべてのユニットを保有している場合
保証されていないミューチュアルファンドのうち、連結の対象だがその重要性に起因して連結していないファンドは、注記 17.1 におい
て一覧にしている。
2. 保証されているミューチュアルファンド
ナティクシスは、特定のミューチュアルファンドの資本および /または業績を保証している。当該パッケージファンドは、パッシブ運用
のファンドである。仕組が当初に創設された時点で、その仕組はファンドの全運用期間にわたって固定される。 Natixis TradEx
Solutions (旧 Natixis Asset Management Finance )による当該ファンドの厳格な運用ならびに、組成時およびファンドの運用期間を通
じたモニタリングにおける強固なリスク統制システムの効果により、ナティクシスのマイナスの変動リターンに対するエクスポー
ジャーは比較的限定的である。当該統制は保証の発動リスクを著しく制限している。
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保証されていないミューチュアルファンドと同様に、ナティクシスが本人として行動している場合(例えば、ナティクシスが解任不能
なマネージャーとして行動し、重要な関与を有する場合)は常に、保証されているミューチュアルファンドは IFRS 第 10 号に基づき連結
対象となる。保証されているミューチュアルファンドのうち、連結の対象だがその重要性に起因して連結していないファンドは、注記
18.1 において一覧にしている。
不動産ファンド
当該ファンドの関連性のある活動は、不動産資産の投資および負の投資に関わる活動である。当該ファンドは、投資家に代わって
Natixis Investment Managers の管理会社( AEW Europe 、 AEW Central Europe など)によって運用されている。
報酬に関しては、ナティクシスが受け取るリターンには、ナティクシスが管理会社として受け取る収益(管理報酬、成功報酬など)お
よび投資家として受け取る収益(配当)がある。
ファンドは、ナティクシスが本人として行動している場合(例えば、ナティクシスがマネージャーであり、限られた人数によって解任
不能で、重要な変動リターンを有する場合)、連結対象である。不動産ファンドのうち、連結の対象だがその重要性に起因して連結し
ていないファンドは、注記 18.1 において一覧にしている。
プライベート・エクイティ・ファンド
プライベート・エクイティ業務の一環として、ナティクシスは、プライベート・エクイティ投資ビークル(プライベート・エクイティ
投資ファンドである Fonds Communs de Placement à Risque ( FCPR )およびベンチャー・キャピタル会社である Sociétés d’
Investissement à Capital-Risque ( SICAR ))ならびに当行が一般に管理してきたリミテッド・パートナーシップを通じた非上場企業
に対する持分投資を行っている。
プライベート・エクイティ・ファンドに適用される IFRS 第 10 号に基づく連結の分析規準は、不動産ファンドに適用されるものと同じで
ある。ファンドは、ナティクシスが本人として行動している場合(例えば、ナティクシスがマネージャーであり、限られた人数によっ
て解任不能で、重要な変動リターンを有する場合)、連結対象である。プライベート・エクイティ・ファンドのうち、連結の対象だが
その重要性に起因して連結していないファンドは、注記 17.1 において一覧にしている。
4.1.4 証券化取引
証券化ビークル
証券化取引は 一般に、信用リスクを示している資産またはデリバティブを分別するために用いられる組成された企業の形で構成されて
いる。
かかる企業の目的は、最も多くの場合、引受けるリスクの水準に基づく特定の水準の報酬を求める投資家による取得を視野に入れて、
基礎となる信用リスクを分散およびトランシェ化することである。
これらのビークルの資産、およびこれらが発行する負債は、売却される各トランシェに関連するリスクの水準と帰属する格付けの間の
適合性を継続的に監視している格付機関によって格付けされる。
ナティクシスが関わり、組成された企業を使った証券化には以下の種類がある。
・ ナティクシス(または子会社)が、資産ポートフォリオの一つに関連する信用リスクを、現金または合成の形で専用のビークルに
移転する取引
・ 第三者に代わる証券化取引。当該取引は、第三者の会社の資産を専用の仕組(一般に特別目的事業体( SPE) またはコンデュイッ
ト)に置くことにある。 SPE はユニットを発行するが、そのユニットは場合よっては投資家によって直接引受けられるか、または短
期満期「債券」(財務省債券またはコマーシャルペーパー)を発行することによってユニットの購入をリファイナンスするマルチ
セラー・コンデュイットによって引受けられる。
ナティクシスは、主として以下の立場で当該企業に関与している。
・ 証券化取引の組成者 /アレンジャー
・ 資産として保有され、証券化を待っている証券または貸出の オリジネーター
・ 市場と証券化事業体の間における信用リスクの仲介業者
2020 年、 2019 年に続きナティクシスはまた、 Natixis Real Estate Capital LLC が組成した商業不動産融資について様々な証券化取引を
完了した。
証券化ビークルのうち、連結の対象だがその重要性から連結していないものは、注記 17.1 において一覧にしている。
また、 ナティクシスは Magenta と Versailles の2つの ABCP ( Asset-backed Commercial Paper (資産担保コマーシャルペーパー))コン
デュイットのスポンサーである。
取得する債権の選択および運用ならびに発行プログラムの管理における重要な役割を踏まえると、ナティクシスはリターンの金額に影
響を及ぼすことを可能とする当該コンデュイットの関連性のある活動に対するパワーを有していることから、 Versailles コンデュイッ
トは連結されている。
対照的に、ナティクシスは Magenta コンデュイットの関連性のある活動を決定するパワーを有する経営機関の一部ではないため、
Magenta コンデュイットはナティクシスの財務諸表では連結されていない。
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CDO 資産運用の仕組の管理
Natixis Investment Managers は、第三者の投資家に係る基礎となるポートフォリオのマネージャーとして、かかるファンドに関与して
いる。その役割はポートフォリオ運用契約によって厳密に定義されており、当該仕組に対する実質的な支配が与えられることはなく、
むしろ代理人としての役割が与えられている。さらに、 Natixis Investment Managers もその他のナティクシスの企業も、これらのファ
ンドの重要な持分を保有していない。よって、ナティクシスはリターンの変動性に著しくさらされていない。
信用保険( Coface )
Coface への持分投資には持分法を適用しているため (注記 1.2 「重大な事象」を参照) 、ナティクシスは 2020 年 12 月 31 日現在、 Coface が
保有する組成された企業に対する持分を一切有していない。
2019 年 12 月 31 日現在では、ナティクシスは Coface の組成された企業に対して次の持分を有していた:
Coface のサブグループの信用補完業務は、事前に規定された額を超過する損失について組成された企業を通じ投資家のために第三者に
より証券化された受取債権の付保から成っている。ドイツ支店である Coface Deutschland によって結ばれる契約と、 Compagnie
Française d’Assurance pour le Commerce Extérieur によって結ばれる契約の区別を行わなければならない。
・ ドイツの契約のもとで、信用保険会社は、総合初期損失と呼ばれる控除免責金額を超過する損失にのみ責任を負う。この初期損失
は、信用保険会社によって補償されない初期損失の額を契約上定義している。 Coface Kredit がこれらの契約を通じて提供する補償
範囲は、「自然災害」型の補償範囲に類似している。これらの仕組の分析は、初期損失の額が見積損失、すなわち1年間にわたっ
て見積られる平均損失より組織的に大きいことを示している。さらに、組成された企業の活動は、保護の売手でしかない信用保険
会社に代わって実施されない。 Coface Kredit は証券化の仕組のスポンサーではない。 Coface Kredit は組成された企業の活動の決
定および運営または経営管理においていかなる役割も果たさない。 Coface Kredit は、(ポートフォリオを構成する債権の選択、債
権の運用などの)証券化ビークルの関連性のある活動に対するパワーを有していない。パワーおよびリターンに対する重大なエク
スポージャーの規準が満たされていない。これらのファンドは 2019 年 12 月 31 日現在のナティクシスの財務諸表に連結されていな
い。
・ Coface によって結ばれるフランスの契約に、補償されない「初期損失」が含まれることはまれである。しかしながら、当該契約
は、 SPE が保有する受取債権のごく一部のみを 補償 している。さらに、 Coface によって補償される ポートフォリオ・リスクの質は、
その他の利害関係者 ( その他の保険会社、スポンサー、売手 ) が負担するポートフォリオ・リスクと比べて、当該 仕組のリスクの
大半を Coface に移転させるものではない。加えて、 Coface は 組成された企業の活動の決定および運営または経営管理においていか
なる役割も果たさない。保証が発動した場合、 Coface は保護権に対応したパワーのみを有している。 Coface は証券化ビークルの関
連性のある活動に対してパワーを有していないため、これらのファンドは 2019 年 12 月 31 日現在のナティクシスの財務諸表に連結さ
れていない。
4.1.5 その他の取引
・ ナティクシスは、営業用不動産および非営業用不動産を管理することを目的とした一定数のビークルを支配している。関連性のあ
る活動は主に、株主へのリターンの源泉としての不動産の管理である。ナティクシスは通常、これらの活動に対するパワーを有し
ている。このような SPE は、ナティクシスが重要な関与を有した時点で、ナティクシスの連結財務諸表にとって重要である場合に連
結される。
・ Natixis Coficiné は、以下と関係を有している。
・ 映画製作を主催するためにプロデューサーによって作られた組成された企業。 Coficiné は貸手としてのみ関与している。
Coficiné は、プロデューサーによって完全所有されている当該企業に対して持分を有していない。活動はプロデューサーの権
限内にあるため、 Coficiné は当該企業の運営に参画していない。 Coficiné ひいてはナティクシスも、これらの組成された企業
の関連性のある活動に対するパワーを有しておらず、 IFRS 第 10 号のもとでの支配を有していない。
・ 映画業界金融会社( SOFICA) 。ナティクシスはこれらの SOFICA の重要性のない持分を保有しており、提供されるサービスに応じ
た市場レートでの管理報酬を受け取っている。ナティクシスはこれらの組成された企業に対するその他の関与を有していな
い。従って、 IFRS 第 10 号のもとでの連結の対象ではない。
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4.2 非連結の組成された企業に対して有する関与
以下の表は、 (ⅰ )組成された企業に対してナティクシスが有する持分の簿価および( ii )これらの関与に帰属する損失リスクに対する
最大エクスポージャーを示している。
当該組成された企業へのナティクシスの持分の内訳にくわえ、下表には当該組成された企業の規模に関する情報も示している。この情
報は合算して報告されている。つまり、ナティクシスが持分を有するすべての組成された企業を、その持分のレベルにかかわらず、事
業別にグループ化している。
組成された企業の規模は次の観点から見て表わされている。
・ 証券化に関しては、貸借対照表の負債の部における発行額合計
・ 資産運用に関しては、ファンドの純資産
・ ストラクチャード・ファイナンスに関しては、プール中の銀行からの借入金残高(借入残高)
・ その他の活動に関しては、資産合計
最大リスク・エクスポージャーは、貸借対照表の資産に計上された関与の金額および供与されたコミットメントから、負債に計上され
た偶発損失引当金および受取保証を控除した金額に相当する。
・ 「デリバティブの名目金額」項目は、ナティクシスおよび組成された企業が合意したオプションおよび CDS 売却の名目金額に対応す
る。
・ 受取保証とは、組成された企業に関連するエクスポージャーをカバーするために第三者によってナティクシスに対して付与された
保証である。「受取保証」の表示項目に含められるのみであり、資産項目から控除されない。
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
ストラク
ストラク
チャード・
チャード・
ファイナン その他の
保険事業の投資を除く
ファイナン その他の
(単位:百万ユーロ )
証券化 資産運用 ス 活動 合計
証券化 資産運用 ス 活動 合計
純損益を通じて公正価
値で測定される金融資
産 127 1,690 1,308 592 3,717 622 1,565 1,224 598 4,009
トレーディング目的
デリバティブ 25 42 455 517 1,040 44 109 312 456 920
トレーディング目的
金融商品(デリバ
ティブを除く) 48 29 640 63 780 1,759
497 445 689 128
公正価値オプション
を用いて測定される
金融商品 - - - - - - - 0 - 0
純損益を通じて公正
価値で測定される金
融商品 54 1,619 213 12 1,897 81 1,012 223 14 1,330
その他の包括利益を通
じて公正価値で測定さ
れる金融資産 - - 3 0 3 - - 3 0 3
償却原価で測定される
金融資産 6,241 975 11,315 824 19,355 6,368 1,248 11,370 708 19,695
その他の資産
13 37 19 6 75 14 43 7 6 71
資産合計
6,381 2,701 12,646 1,422 23,149 7,005 2,857 12,604 1,313 23,778
純損益を通じて公正価
値で測定される金融負
債(デリバティブ) 5 82 140 249 476 45 90 903 182 1,221
引当金
5 - 15 2 22 2 0 15 2 19
負債合計
10 82 155 252 498 48 90 918 184 1,240
供与された貸出コミッ
トメント 7,088 274 2,064 418 9,846 5,554 246 2,792 394 8,985
供与された保証コミッ
トメント 161 158 3,098 84 3,501 225 204 3,399 11 3,840
受け取った保証
233 - 4,127 27 4,387 243 - 3,899 28 4,171
オプションおよび CDS 売
却の名目金額 814 - 6,556 281 7,652 555 - 5,043 377 5,974
損失リスクに対する最
大エクスポージャー 14,206 3,134 20,223 2,176 39,739 13,092 3,307 19,923 2,065 38,387
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2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
ストラク
ストラク
チャード・
チャード・
ファイナン その他の
保険事業の投資
ファイナン その他の
(単位:百万ユーロ )
証券化 資産運用 ス 活動 合計
証券化 資産運用 ス 活動 合計
純損益を通じて公正価
値で測定される金融資
産 - 12,641 - - 12,641 - 8,594 - - 8,594
トレーディング目的
デリバティブ - - - - - - - - - -
トレーディング目的
金融商品(デリバ
ティブを除く) - 5,334 - - 5,334 - 2,202 - - 2,202
公正価値オプション
を用いて測定される
金融商品 - 7,307 - - 7,307 - 6,392 - - 6,392
売却可能金融資産 498 4,975 - - 5,472 557 3,809 - - 4,366
貸出金および債権 - - - - - - - - - -
満期保有金融資産 - - - - - - - - - -
その他の資産 - - - - - 0 - - - 0
資産合計 498 17,616 - - 18,113 557 12,403 - - 12,961
純損益を通じて公正価
値で測定される金融負
債(デリバティブ) - - - - - - - - - -
引当金 - - - - - - - - - -
負債合計 - - - - - - - - - -
供与された貸出コミッ
トメント 55 510 - - 565 53 297 - - 350
供与された保証コミッ
トメント - - - - - - - - - -
受け取った保証 - - - - - - - - - -
オプションおよび CDS 売
却の名目金額 - - - - - - - - - -
損失リスクに対する最
大エクスポージャー 553 18,125 - - 18,678 611 12,700 - - 13,311
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
ストラク
ストラク
チャード・
チャード・
ファイナン その他の
ファイナン その他の
(単位:百万ユーロ )
証券化 資産運用 ス 活動 合計
証券化 資産運用 ス 活動 合計
組成された企業の規模 102,953 196,157 81,478 792 381,380
85,163 200,884 80,876 952 367,875
4.3 ナティクシスが単にスポンサーとして関与している非連結の組成された企業
IFRS 第 12 号のもとで開示が要求される情報に関して、ナティクシスが組成された企業のスポンサーであるのは、以下の2つの指標が共
に満たされた場合である。
・ ナティクシスは組成された企業の創設および組成に関与している。
・ ナティクシスは当該組成された企業へ資産を移転することによりまたは当該組成された企業の関連性のある活動を管理することに
より、企業の成功に貢献している。
ナティクシスの参加が単にアドバイザー、アレンジャー、保管機関または募集代理人としてである場合、ナティクシスは当該組成され
た企業のスポンサーではないと推定される。
ナティクシスは以下についてスポンサーの役割を果たす。
・ ナティクシスの管理会社によって創始され、ナティクシスが持分またはその他のいかなる関与も有していないミューチュアルファ
ンド。報告される収益は、ナティクシスが受領する管理および成功報酬ならびにこれらのファンドとの継続的取引から生じる損益
を含む。
・ ナティクシスが第三者と共に創設した、証券化ビークルへの不動産貸出金の組成および販売から成る米国の活動で、ナティクシス
が関与を有していないもの。報告された収益は、組成報酬および債権の割当によるキャピタル・ゲインおよびロスを含む。
2020 年 12 月 31 日 現在 2019 年 12 月 31 日 現在
(単位:百万ユーロ ) 証券化 資産運用 合計
証券化 資産運用 合計
企業から引き出された収益 8 126 134 3 185 188
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利息控除後収益 3 - 3 1 0 1
報酬および手数料控除後収益 0 139 139 1 142 143
純損益を通じて公正価値で測定
される金融商品に係る純損益 5 (13) (8) 1 43 44
当期企業から移転された資産の帳
*
簿価額 252 - 252 948 - 948
* すべての投資家による売却金額に関する情報が入手不能な場合においては、これらのビークルに移転された資産の帳簿価額は、 2020 年度および 2019 年
度中にナティクシスによって売却された資産に相当する。
4.4 組成された企業に対する財務支援
ナティクシスは、連結または非連結の組成された企業に対して、いかなる財務支援も行わなかった。
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注記5 会計原則および評価方法
5.1 金融資産(デリバティブを除く)
IFRS 第9号「金融商品」に従って、金融資産は当初認識時、償却原価、その他の包括利益を通じて公正価値、または純損益を通じて公
正価値で計上される。負債性金融商品については、この分類は対象の金融商品に適用されるビジネス・モデルと契約上のキャッシュ・
フローの特徴(元本および利息の支払のみ( SPPI )に該当するか否か)によって決まる。
5.1.1 ビジネス・モデル
ビジネス・モデルとは、ナティクシスがキャッシュ・フローと収益を生み出すために金融資産を運用する方法をいう。企業は、自らの
判断により使用するビジネス・モデルを決定しなければならない。
ビジネス・モデルの選択は、所与の経済的目的の達成を念頭に金融資産グループが集合的に運用される方法を反映するレベルに基づい
て行わなければならない。したがって、ビジネス・モデルは、金融商品ごとに決定されるのではなく、より高い集合レベルであるポー
トフォリオごとに決定される。
ビジネス・モデルの選択においては、過去にキャッシュ・フローが生み出された方法に関するすべての情報をその他関連するすべての
情報とともに考慮に入れなければならない。例えば:
・ 金融資産のパフォーマンスを評価し、主な経営幹部に示す方法
・ ビジネス・モデルのパフォーマンスに影響するリスク。とりわけ、それらのリスクを管理する方法
・ 経営幹部への報酬の決定方法(例えば、運用資産の公正価値に基づいて決まるのか、または受け取る契約上のキャッシュ・フロー
に基づいて決まるかなど)
・ 売却の頻度、規模および目的
IFRS 第9号は3つのビジネス・モデルを定めている:
・ 回収目的保有モデル : このモデルでは、金融資産は、契約上のキャッシュ・フローを資産の存続期間にわたり受け取るために保有
される。「保有」の概念が満期保有目的に比較的類似しているこのモデルは、以下の条件のもとで売却がなされる場合は有効性が
保たれる:
・ 処分の理由が信用リスクの増大である
・ 処分の時期が満期直前であり、かつ、残りの契約上のキャッシュ・フローが反映された価格での処分である
・ その他の処分でも、処分が(金額的に重要であったとしても)稀である場合、または、(頻繁であったとしても)個別でも合
算しても金額的重要性がない場合は、「回収目的保有」モデルの目的を満たすとされるときがある。ナティクシスは、回収目
的保有モデルのもとで保有される金融資産の主な売却計画すべてについて報告、事前分析、および定期的モニタリングを義務
付ける手続を定めており、このビジネス・モデルのもとに資産を分類するうえで求められる条件が必ず満たされるよう徹底し
ている。
ナティクシスにおいては、回収目的保有モデルは主に、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングが行って
いる貸付業務(ローン・シンジケーション業務を除く)に適用されている。
・ 回収かつ売却目的保有モデル : 混合型のビジネス・モデルで、このモデルのもとでは、契約上のキャッシュ・フローの受け取
りと金融資産の売却の両方を目的に資産が運用される。このモデルにおいては、その業務の目的を達成するために金融資産が
売却される。
ナティクシスは、「回収かつ売却目的保有」モデルを主に、流動性準備金における有価証券のポートフォリオ運用業務に適用
される。
・ その他のモデル :契約上のキャッシュ・フローの回収が付随的なものであるその他の金融資産、特にトレーディング目的で保
有する金融資産を対象とするモデルである。
このビジネス・モデルは、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキングが行っているローン・シンジケー
ション業務および資本市場業務に適用される。
5.1.2 SPPI テスト
契約条件により、所定の日に、元本および元本残高に対する利息の支払のみに該当するキャッシュ・フローが生じるときは、その金融
資産は基本的金融資産とみなされる。
「元本」とは、その取得日における当該金融資産の公正価値をいう。「利息」は、貨幣の時間的価値と、元本について負担する信用リ
スク、ならびに流動性リスクなど他のリスクの対価に、事務手続費用と利ざやを加えたものである。
その金融商品の契約条件を考慮に入れて、契約上のキャッシュ・フローが元本および利息の支払のみであるか否かを判定しなければな
らない。よって、貨幣の時間的価値のみが映し出されているか否かについて疑問を生じさせるすべての要素を分析しなければならな
い。例えば:
・ キャッシュ・フローの額および発生日を変え得る事象
・ 適用される金利特性
・ 期限前償還および返済延期オプション
借手または貸手に関して、金融商品の期限前償還を認める契約上のオプションがあったとしても、期限前償還の額が、主に未払いの元
本と利息に相当するとき、または該当する場合には、早期契約解除に対する相応の追加的対価をそれに加算して得た額に相当するとき
は、契約上のキャッシュ・フローに関する SPPI テストの条件が満たされないことにはならない。
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定性分析を通じて明確な判定ができないときは、定量分析(「ベンチマーク・テスト」)を実施する。このテストでは、対象資産の契
約上のキャッシュ・フローをベンチマーク資産の契約上のキャッシュ・フローと比較する。
基本的金融資産(すなわち、 SPPI を生成する金融資産)とは、固定金利ローンや、金利の期間のミスマッチが無いまたは特定の有価証
券もしくは市場指数に関連付けられていない変動金利ローン、固定金利もしくは変動金利の負債性証券など負債性金融商品をいう。
株価や市場指数の変動に対するエクスポージャーまたはレバレッジの組込みなど、基本的な貸付の取決めと合致しないリスク・エクス
ポージャーやキャッシュ・フローのボラティリティを生む契約上のオプションがある場合、契約上のキャッシュ・フローを「 SPPI 」に
分類することはできない。
非 SPPI 金融資産としては、ミューチュアルファンドのユニットや、転換比率が定められた転換社債または強制転換社債などが挙げられ
る。
ナティクシスは、金融資産の当初認識時に金融資産の SPPI 区分を分析するのに必要な業務上の手続を導入している。また、証券化ファ
ンドのユニット、または持参人間での支払優先順位を定め信用リスクの集中を創造するストラクチャー発行のその他の金融資産(トラ
ンシェ)ごとに、特定のキャッシュ・フロー分析を実施している。それら金融商品の SPPI 区分を決定するには、当該資産および基礎と
なる金融資産のポートフォリオについて(ルックスルー・アプローチに従って)契約上のキャッシュ・フローと信用リスクを分析する
必要がある。
5.1.3 償却原価で測定される金融資産
償却原価で認識される金融資産は、負債性金融商品、特に金融機関および顧客に対する貸出金および債権、さらには短期国債や長期国
債など償却原価で計上される有価証券に相当する。
これらは、以下の2つの条件を満たすときは償却原価で測定される:
・ 契約上のキャッシュ・フローを回収することが目的のビジネス・モデルのもとで当該資産が保有されている
・ 当該金融資産の契約条件により、 所定の日に、元本および元本残高に対する利息の支払のみによるキャッシュ・フローが発生す
る。この場合、資産は基本的資産とみなされ、そのキャッシュ・フローは SPPI に区分される。
これらは当初、公正価値から取引コストを増減して計上される。貸出金の場合、取引コストには手数料および当該貸出金の設定に直接
起因する費用が含まれる。
当初認識後の貸借対照表日には、当該金融資産は実効金利法を用いて償却原価で測定される。
「実効金利」とは、見積将来キャッシュ・フロー(支払額または受取額)を契約開始時の当該負債性金融商品の価値に割り引くための
利率をいう。この利率には、当該貸出金の設定に直接関係する割引および外部取引収益またはコストも含まれ、これらは実効利回りの
調整として扱われる。
貸出金が市場金利を下回る金利で供与される場合、当該貸出金の額面価額と市場金利で割引かれた将来キャッシュ・フローの合計の間
の差額に対応するディスカウントが、当該貸出金の額面価額から控除される。市場金利とは、大部分の金融機関が任意の時点で類似の
特性を持つ金融商品および取引相手方に適用する金利である。
負債性金融商品に係る未収利息または受取利息は、実効金利法を用いて「受取利息および類似収益」のもとで収益として計上される。
当該金融商品が売却される場合には、損益は「償却原価で測定される金融商品の認識中止により生じた純損益」のもとで損益計算書に
計上される。
債務者の財政状態により条件が緩和された貸出金の具体的な事例
「条件緩和」 債権は、ナティクシスが、 財政的困難に直面 している 、 または 直面する可能性の 高い借手に対して与えた譲歩に関わる修
正条件を伴う貸出金に相当する。それらは、ナティクシスが与えた譲歩および借手に生じている財政的困難の結合の結果である。
「条件緩和」債権の修正条件は、借手をより有利な状況に置くものでなければならず(例えば、利息または元本の支払いの一時停止、
返済期間の延長等)、既存契約の条件を修正する改訂の使用または既存貸出金の全部または一部のリファイナンスにより確定される。
財政的困難は、 30 日超延滞の金額またはリスク格付け等の複数の規準を観察することにより判断される。「条件緩和」を実施したから
といって、条件緩和の対象である取引相手方をバーゼル規制の「債務不履行」区分に必ず分類しなければならないというわけではな
い。取引相手方を「債務不履行」区分に分類するかの判断は、当該取引相手方の条件緩和中に実施される健全性テストの結果を基に行
われる。
既存の契約条件を修正することで 条件が緩和された 貸出金については、当初資産の認識を中止することなく、次の差異に相当するディ
スカウントを計上しなければならない:
・ 当初予想された契約上のキャッシュ・フローの現在価値
・ 当初の実効金利で割り引かれた修正後の契約上のキャッシュ・フローの現在価値
このディスカウントは、条件緩和手続前の貸出金の特徴(不良債権)を考慮に入れて、「貸倒引当金繰入額」のもとで損益計算書に計
上される。このディスカウントは、貸出金の残存期間にわたり損益計算書の純受取利息に戻し入られる。
ディスカウントが重要ではないときは、条件緩和債権の実効金利が変更され、ディスカウントは認識されない。
借手のコミットメント履行能力について不確実性が残らないときは、条件緩和債権は専門家の意見を踏まえて正常債権に分類変更され
る。
以下の条件が満たされる場合には、貸出金はもはや条件緩和債権とはみなされない。
・ 貸出金の条件緩和を実施した日から2年間が経過している。
・ 貸出金が報告日時点で正常債権として認識されている。
・ 30 日超支払期日を経過した貸出金がない。
・ 定期的で重要な返済(元本および利息の)が少なくとも過去1年間にわたり行われている。
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実質的に異なる資産(資本性金融商品や、金利が固定から変動にまたはその反対に変えられた金融商品など)に全面的もしくは部分的
に転換された か、または取引相手方の変更を生じさせるような条件緩和債権については、以下が行われる。
・ 新たな金融商品は公正価値で計上される。
・ 認識中止された貸出金の帳簿価額 と交換により受取った資産の公正価値の間の差額は、貸倒引当金繰入額のもと損益計算書に計上
される。
・ 貸出金が新たな資産に完全に転換された場合、当該貸出金に対して計上された過去の引当金は調整され、全額が戻し入れられる。
5.1.4 リサイクル可能またはリサイクル不能なその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は主に、公債と債券の負債性金融商品に相当する。
負債性金融商品は、次の2つの条件がみたされるときはその他の包括利益を通じて公正価値で評価される:
・ 当該資産を回収目的保有ビジネス・モデルのもとで保有しており、目的が契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の
両方である
・ 当該金融資産の契約条件により、 所定の日に、元本および元本残高に対する利息の支払のみに相当するキャッシュ・フローが生じ
る。この場合、資産は基本的資産とみなされ、そのキャッシュ・フローは SPPI に分類される。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品は当初、取引コストを含む市場価額で認識される。
報告日には、市場価格を上場証券に適用することにより公正価値で測定され、公正価値の変動は、「リサイクル可能なその他の包括利
益に直接計上される損益」に計上される。
負債性金融商品について生じるまたは受け取る利息は、実効金利法を用いて「受取利息および類似収益」のもと収益として計上され
る。売却したときは、当該負債性金融商品の公正価値の変動は、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る損
益」のもと収益に振り替えられる。
資本性金融商品の具体的な事例
資本性金融商品は、取消不能オプションのもとでは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定することができる。この取消不能オプ
ションは、ケースに応じてなされ、トレーディン目的で保有しない資本性金融商品に限り適用される。
報告日には、これらは公正価値で測定され、公正価値の変動は「リサイクル不能なその他の包括利益に直接計上される損益」に計上さ
れる。
実現損益および未実現損益は、収益に影響を及ぼす配当を除き、引き続き資本に認識され、損益に認識されることはない。資本性金融
商品の処分損益は「利益剰余金」に振り替えられる。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品については、減
損は認識されない。
5.1.5 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
純損益を通じて公正価値で計上される金融資産は、次のものに相当する:
・ トレーディン目的で保有する金融資産: 短期で売却することを主たる目的としてナティクシスが取得または組成した負債性金融商
品および資本性金融商品であることに加えて、一括して管理され、最近において実際の短期的な利益確定売りパターンを示す証拠
がある金融商品ポートフォリオの一部を構成しているものである。貸借対照表の負債の部に計上するレポ契約およびデリバティブ
取引のもとで売却される有価証券に関係する保証金および関連する追加証拠金も、この項目に含まれる。
・ 公正価値オプションに基づく金融資産: トレーディン目的では保有されない SPPI 金融商品に相当する。 IFRS 第9号のもとで当初認
識時には純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定される。ただし、このオプションによって、関連する金融資産や負債
との損益測定上の不整合が低減する場合に限られる。
・ その特徴により純損益を通じて公正価値で測定される金融資産: IFRS 第9号のもとでは SPPI 規準を満たさない負債性金融商品であ
る (注記 5.1.2 参照) 。例えば、 SPPI 特徴をもたない負債性金融商品とみなされるミューチュアルファンドのユニットなどである。
トレーディング目的で保有する非 SPPI 負債性金融商品は、トレーディン目的で保有する資産とともに表示されている。
連結対象外の関連会社に対する投資のうち、リサイクル不能なその他の包括利益を通じて公正価値で測定するという取消不能オプ
ションが採用されていないものについても、この区分に分類される (注記 7.1.1 参照) 。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は、当初認識時は市場価額で測定され、取引コストは損益計算書に認識されている。
当初認識後の各報告日に、注記 5.6 「金融商品の公正価値」で概説されている原則に従って当該市場価額は見直される。クーポンを含め
市場価額の変動は、連結損益計算書における「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る損益」に計上される。ただし、非
SPPI 金融資産に係る未収利息および受取利息は「受取利息」に計上される。
5.1.6 有価証券取引の認識日
購入または売却した有価証券はそれぞれ、会計上の分類に関わらず決済日に認識または認識中止される。
反対取引も決済日に認識される。レポ契約およびリバース・レポ契約について、受け取ったまたは供与した貸出コミットメントは、当
該取引がそれぞれ「負債」および「貸出金および債権」として認識されるときは取引日から決済日の間認識される。
レポ契約およびリバース・レポ契約が「純損益を通じて公正価値で測定される資産および負債」に認識される場合、買戻コミットメン
トは先渡金利デリバティブとして認識される。
5.2 リース
ナティクシスが借手となっている取引
ナティクシスが借手であるリース契約は、リース期間が 12 ヶ月以下であるまたは原資産が少額である場合を除き、リース期間にわたり
支払うリース料およびその他の支払に関して、 IFRS 第 16 号の定めるところにより貸借対照表において資産の部の「使用権」および負債
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の部の「金融負債」に認識される。ナティクシスは、 IASB が(結論の根拠において)提示している 5,000 米ドルの参考基準額を使用して
少額資産の判定をしている。また、財務諸表に対する影響が重大ではない場合は契約を除外するという選択をした。
リース期間
リース期間にわたり、使用権は定額法で償却され、金融負債は数理計算に基づいて償却される。 IFRS 第 16 号に従って、リース期間は、
解約不能期間に、借手が行使しないことが合理的に確実な解約オプションが対象とする期間を加えた期間に該当する。原則、フランス
の法律に基づく「 3/6/9 」不動産リースについては期間を9年とする。期間延長が暗黙の了解となっている契約に関しては、リース期間
の判定は、まずはその事業所の不動産戦略を考慮に入れた当該事業所の判断を基に行い、次に個別の情報がないときは、ナティクシス
の中期経営計画によって定められている時間枠を基に期間を限定する、すなわち3年に限定する。
フランス国外、特に英語を母国語とする国(例えば、ナティクシスの米国子会社)では、不動産リースの期間は 10 年から 15 年の間にな
り得る。借手および貸手の各々が重要ではない違約金を支払うだけで相手方当事者の承諾を得ることなくしてリースを解約する権利を
有するときは、当該リースは強制力が消滅していると定められている。
ナティクシスは、オプションを行使することが合理的に確実か否かを判定する際に、当該オプションを行使するまたは行使しない経済
的誘因を生じさせる、以下のようなあらゆる関連する事実および状況を検討する:
・ 市場の利率に照らしたときの、オプション対象期間に係る契約上の条件(解約に伴う違約金や残価保証に起因する支払いを含む当
該リースに係る支払額)
・ 実施した重要なリース物件の改良
・ リースの解約関連費用(交渉費用、移動費、借手のニーズに適した他の原資産を特定するための費用、契約に定められた状態への
原資産の回復に関連する費用など)
・ 原資産が特殊な資産に該当するか否かやその所在地を考慮したうえでの、ナティクシスの営業においての原資産の重要性
・ 類似資産のリースの更新に関する過去の実務に加え、当該資産の将来の使用に関する戦略
リース負債の測定
リース開始日時点で、リース負債を算定する際に考慮に入れる支払いには、リース期間中原資産を使用する権利に対する支払いで、
リース開始日時点で支払わないものが含まれる。すなわち:
・ 固定の支払(実質的な固定の支払を含む)からリース・インセンティブに係る債権を控除した額。実質的な固定リース料とは、形
式的には変動性を含むが実質的には回避不能な支払いをいう。
・ 指数またはレートに左右される変動リース料で、リース開始日時点の指数またはレートを用いて当初測定されるもの。
・ 該当する場合、残価保証、購入オプションまたはリース解約に伴う違約金の支払いに基づきナティクシスが貸手へ支払うことが予
想される金額。
リース負債を算定する際に考慮に入れる支払いから、付加価値税および家屋税は除外される。これらは IFRIC 第 21 号「賦課金」の解釈の
範囲に含まれる。また、貸手が(場合によっては)徴収する不動産税や保険料も(補填される金額が契約で事前に定められていない場
合は)変動リース料を構成し除外される。
IFRS 第 16 号に従って、リース料はリースの計算利子率で割り引かれる。すなわち、同様の経済環境において当該使用権資産と同様の価
値の資産を入手するのに必要な資金を、同様の期間にわたり同様の担保で借り入れるのに借手が支払うであろう金利に該当する借手の
追加借入利子率で割り引かれる。ナティクシスは自己のリース料に限界利子率を適用している。この限界利子率は契約期間および通貨
によって異なる。また、ナティクシスの信用スプレッドとナティクシスが資金を供給する企業も考慮に入れる。
リース負債は、連結貸借対照表の「未払勘定およびその他の負債」に計上される。金融負債に関係する支払利息は「支払利息および類
似費用」に認識される。
使用権資産の認識
リース開始日に、使用権資産は、当該日におけるリース負債額と同額に対し、当該日以前に貸手へ行ったためリース負債の測定に含ま
れない支払いについて調整を加え、受け取ったリース・インセンティブを控除した金額で認識される。該当する場合は、借手に発生し
た当初直接コスト、およびリースの契約条件で要求されている解体および再装備の見積りコストのうち、支出がなされることが見込ま
れ、かつ十分な信頼をもって見積もることができる額を考慮に入れるために、当該金額が調整される。
使用権資産は、連結貸借対照表において、「有形固定資産」のうち、同じ性質を有し完全所有されている資産と同じ表示科目に認識さ
れる。
使用権の償却費は、損益計算書において、「有形固定資産および無形資産に係る減価償却、償却および減損」に計上される。
使用権の価額はその後、リースの修正またはリース期間の再見積りが行われた場合、および指数またはレートの適用に起因する契約上
のリース料の変更を織り込むために調整されることがある。
5.3 償却原価で測定される資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資産の減損
ならびに貸出コミットメントおよび保証コミットメントの引当金
一般原則
償却原価で測定される金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類される負債性金融商品、純損益
を通じて公正価値で認識されない貸出コミットメントおよび金融保証契約ならびにリース債権は、予想信用損失( ECL )について当初認
識日に減損または引当金が計上される。
これらの金融資産は、当初認識以降に観察される信用リスクの増加度合いに応じて3つの区分に分類される。以下に従い、各区分の残
高に係る減損損失を計上する必要がある:
ステージ1(または S1 )
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信用リスクが当初認識以降著しく増大していない正常債権がこれに該当する。これらの貸出金に係る信用リスクに係る減損または引当
金は、向こう 12 ヶ月間の予想信用損失の額で計上される。これらの貸出金に係る受取利息は、当該金融商品の減損前の帳簿価額総額に
実効金利法を適用して、純損益に認識される。
ステージ2(または S2 )
信用リスクが当初認識以降著しく増大した正常債権は、ステージ2に振り替えられる。信用リスクに係る減損または引当金は、当該金
融商品の満期時の予想信用損失(全期間予想信用損失)を基に算定される。残高に係る受取利息は、当該金融商品の減損前の帳簿価額
総額に実効金利法を適用して、損益に認識される。
ステージ3(または S3 )
IFRS 第9号の定義による「減損」が生じている貸出金はこの区分に振り替えられる。当該金融商品の当初認識後に生じた取引相手方リ
スクに当たる事象の結果、減損損失が発生したという客観的証拠がある貸出金がこれに該当する。 2021 年1月1日発効の EU 規則第
575/2013 号第 178 条に基づく債務不履行の定義の適用、および 2020 年 12 月 31 日までに適用しなければならない債権に係る延滞の重要性を
評価する際の閾値に関する欧州中央銀行の EU 規則 2018/1845 の規定に関する、欧州銀行監督機構( EBA )のガイドラインが定める債務不
履行の新しい定義により、債務不履行の識別における欧州信用機関の実務の一貫性が強化されている。
よって、不良債権の定義が、債務不履行の状態を識別するために支払遅延に適用する相対的規準と絶対的規準の導入、猶予期間の設定
による正常債権への復帰規準の明確化、そして条件緩和債権を債務不履行に分類するための明確な規準の導入により明確になっている
(注記 5.1.3 参照) 。ナティクシスは、 2020 年 10 月 22 日から不良債権の識別に関するこれらの新しい規定を適用している。
予想信用損失の算出に使用される内部パラメータは、債務不履行の十分な履歴がこの新しい定義に従って構築されるなか、専用のバッ
クテスト作業の一環として監視される。しかし、ナティクシスの有するエクスポージャーは、債務不履行件数が少ないと考えられる
ポートフォリオ(国家、金融機関、大企業、特定金融会社)に対するもので、不良債権に関する新しい規定の適用に伴うリスク・パラ
メータへの影響の見積りをしたところ、ナティクシスの連結財務諸表に重要は変化は生じていない。
金融資産の帳簿価額は、ナティクシスが当該資産に係る契約上の残存キャッシュ・フローの全部または一部を回収できると合理的に予
想できなくなったときは減額される。これは金融資産の(全部または一部)認識中止に該当し、借手に対する法的手続の完了前に行う
場合もある。
案件によって状況が異なるため、分析は個別に実施される。債権の全部または一部を回収できないことを明確に証明する要素(例え
ば、回収行動の中止、回収不能証明書の受領など)以外にも、さまざまな兆候を考慮に入れるが、これらの評価には、清算の開始、残
存資産の消滅または不足および/または担保の不在などが含まれる。
案件の状況に鑑み、債権の全部または一部を回収できないことが合理的に確実なときは、償却すべき額が、可能な限り客観的な外部・
内部要因を基に算定される。
信用リスクに係る減損または引当金は、当該債権の回収可能価額、すなわち担保の影響考慮後の回収可能な見積将来キャッシュ・フ
ローの現在価値に基づく、金融商品の残存期間にわたり予想される損失(満期時予想損失)に応じて算出される。受取利息は、減損後
の資産の正味帳簿価額に実効金利法を適用して、損益に認識される。
また本基準は、購入または組成した信用減損( POCI )資産の間の区別を設けている。これは、購入または組成した金融資産のうち、当
初認識時に既に信用リスクについて減損が生じており、当該企業が当初認識日時点で契約上のキャッシュ・フローを全額回収できると
予想していないものをいう。 POCI については、当初認識直後の報告日時点の全期間予想信用損失を基に減損が計上される。
貸借対照表の資産の部に償却原価で認識されている負債性金融商品については、(当該資産が S1 、 S2 、 S3 または POCI であるかにかかわ
らず)当該資産が当初その正味価額で表示されていた科目に対して減損が計上される。減損損失および減損の戻入れは、損益計算書に
おいて「貸倒引当金繰入額」に計上される。
貸借対照表の資産の部にリサイクル可能なその他の包括利益に対して認識されている負債性金融商品については、リサイクル可能なそ
の他の包括利益として貸借対照表の負債の部に減損が計上され、対応する仕訳が(当該資産が S1 、 S2 、 S3 または POCI であるかにかかわ
らず)損益計算書の「貸倒引当金繰入額」に行われる。
貸出コミットメントおよび金融保証コミットメントについては、(当該コミットメントが S1 、 S2 、 S3 または POCI であるかにかかわら
ず)引当金が貸借対照表の負債の部の「引当金」に計上される。引当金の変動は、損益計算書において「貸倒引当金繰入額」に認識さ
れる。
減損損失および引当金の認識に係る原則
信用リスクの悪化基準
ナティクシスが有するエクスポージャーの大半に適用される信用リスクの増大や予想信用損失を測定するための原則を以下に記載す
る。
信用リスクの著しい増大は、合理的かつ正当なあらゆる情報を考慮に入れ、かつ当該年度末時点における当該金融商品の債務不履行リ
スクと当初認識日時点における当該金融商品の債務不履行リスクを比較することで、個別に評価される。リスク増大を測定したとき
は、大半の場合、当該取引は個別に減損される(ステージ3)前にステージ2へ格下げされることになる。
より詳しく説明すると、信用リスクの変動は以下の規準を基に測定される:
・ 大企業、銀行、および政府向けの貸出金勘定:信用リスクの増大は、定量的規準と定性的規準を組み合わせて測定される。定量的
規準は、当初認識以降の格付けの変化に基づいている。追加の定性的規準を用いて、支払期限が 30 日超経過している(すなわち、
支払期限が 30 日超経過しているという仮定は否定されない)または S3 以外の「ウォッチ・リスト(要注意先リスト)」の資産とし
て計上されている(すなわち、経済的困難(一時返済猶予)にある)すべての契約をステージ2に区分できる。セクターの格付け
や 2019 年度のカントリー・リスクの水準に基づく追加の規準も使用されている (下記参照) 。
・ 個人の顧客、個人事業主顧客、中小企業( SME )、公的部門、公営住宅向けの貸出金勘定:信用リスクの増大は、定量的規準と定性
的規準を組み合わせて測定される。定量的規準は、 12 ヶ月デフォルト(債務不履行)確率(当初認識以降の一定周期の平均を求め
て測定される)の変動の測定値に基づいている。追加の定性的規準を用いて、支払期限が 30 日超経過している(すなわち、支払期
限が 30 日超経過しているという仮定は否定されない)または S3 以外のウォッチ・リストの資産として計上されている(すなわち、
経済的困難(一時返済猶予)にありながら、再建が行われている状況にある)すべての契約をステージ2に区分できる。
2020 年度から、リスクの悪化を監視する規準として、デフォルト確率にセクターごとの調整を加え、セクター別の格付けの変動の使用
を廃止している。こうしたより正確な手法により、信用リスクを評価する際にセクター特有の要素をより適切に考慮に入れることがで
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きるうえ、取引相手方の格付けに関する区別を強化できる。こうすることで、格付けが所定の閾値を下回ったセクターに属する契約を
すべてステージ2に格下げするという従前の手法による景気循環的影響を軽減できる。
なお、健康危機に関係する PGE または個人の返済猶予の認定は、それ自体ではステージ2または3への区分変更に至るリスクの悪化規準
にはならない (注記 1.4.1 参照) 。
以上の貸出金残高すべてについて、リスク増大を測定する基礎となる格付けは、内部システムによって算出された利用可能な格付け、
および、特に内部格付けが利用できないときには、外部格付けである。
貸出実行日または報告日に格付けが存在しないときは、当該貸出金は自動的にステージ2に区分される。
本基準は、金融商品の信用リスクが会計年度末時点で低いとみなされるときは、同リスクは当初認識以降著しく増大していないと定め
ている。この規定は、バーゼル3規制により定められたナティクシスの流動性準備金のもとで管理されている特定の投資適格債務証券
に適用されている。「投資適格」区分とは、スタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズまたはフィッチにおいて BBB- 以上および
これと同等の格付けが付与されている証券をいう。
開始以降格下げが記録されていないときは、 12 ヶ月以内の予想損失が減損として認識される。
既知の取引相手方リスクに相当し、当初認識後に発生した事象を原因として減損損失が生じたという客観的証拠がある金融資産は、ス
テージ3に分類するものとみなされる。資産の識別規準は IAS 第 39 号に基づくものと類似しており、プルーデンシャルの観点における債
務不履行の概念と合致する。
したがって、以下の両条件が満たされるときは、貸出金および債権はステージ3に区分される:
・ 減損の客観的兆候が存在する:対象の貸出金の当初認識後に生じた、取引相手方リスクにみなされる「トリガー事象」または「損
失事象」が存在する。個別ベースでは、起こりうる信用リスクは、信用機関に適用されるプルーデンシャル要件に関する 2013 年6
月 26 日付 EU 規則第 575-2013 号の第 178 条の定義による債務不履行事象により生じる。減損の客観的証拠としては、連続 90 日以上支払
遅延になっている相対的および絶対的規準を 500 ユーロまたは総エクスポージャーの1%超える支払や、支払遅延の有無を問わず、
借入額の一部もしくは全部を回収できないと予想せざるを得ないまたは法的手続の開始に繋がる経済的困難に取引相手方が直面し
ていることが観察されるときが挙げられる。条件緩和債権は、条件緩和前の正味現在価値と条件緩和後の正味現在価値の差額の
1%を損失が超えるときは、債務不履行に分類される。
・ 以上の事象の結果、損失の発生を認識せざるを得ない。すなわち、予想損失が発生する見込みが確実になった。
債券や証券化取引( ABS 、 CMBS 、 RMBS 、キャッシュ型 CDO )などの負債性金融商品は、既知の取引相手方リスクが存在するときは減損が
生じているとみなされ、ステージ3に分類される。当行グループは、貸出金および債権の減損リスクを個別に評価する際に使用するも
のと同じ減損の兆候を用いて、債務証券をステージ3に分類すべきか判断している。
IAS 第 32 号における金融負債の定義を満たす永久超劣後債については、一定の状況のもとで発行体がクーポンを支払えなくなるまたは予
定償還日を延期する可能性があるときは、特段の注意が払われている。
引当金の計上方法
ステージ1またはステージ2の資産に係る予想損失の計算
ステージ1またはステージ2の資産に係る予想信用損失は、以下の式を用いて計算される:
これは、パラメータ EAD 、 PD および LGD の積を、各予測年度について割り引いて合計したものである:
・ EAD(t) ( Exposure At Default :デフォルト時エクスポージャー):当該機関が t年度中に対象貸出金に関してさらされうる損失額
のことで、必要なときは加速償却率や信用リスク換算率が含まれる。
・ PD(t) ( Probability of Default :デフォルト確率):取引相手方が t年度中に債務不履行に陥る確率。
・ LGD ( Loss Given Default :デフォルト時損失):取引相手方が対象貸出金について債務不履行に陥ったときに、回復フェーズ後に
回収できない契約上のキャッシュ・フローの額。
ナティクシスはこれらのインプットを定義するのに既存の概念とメカニズムを利用している。具体的には、規制上の自己資本要件(自
己資本比率)を計算するために開発された内部モデルや、ストレス・テスト・システムで使用されるものと類似の予測モデルを利用し
ている。 IFRS 第9号の仕様を遵守するために一定の調整が行われている:
・ したがって、 IFRS 第9号のパラメータは会計上の引当金を設定するうえで必要な損失の正確な見積りを与えることを目的としてい
る一方、プルーデンシャル・パラメータは、規制の枠組みのためにより慎重なものになっている。したがって、 PD および LGD の景気
後退期の付加や規制上のフロア、内部コストなど、プルーデンシャル・パラメータに組み込まれている安全バッファーのいくつか
は修正再表示されている。
・ ステージ2に分類された貸出金に係る引当金を計算するために使用される IFRS 第9号のパラメータは、全期間予想信用損失の計算
を可能にする必要がある一方、プルーデンシャル・パラメータは、 12 ヶ月デフォルト率を算定するために定められたものである。
したがって、 12 ヶ月のパラメータは、より長い時間的枠組みにわたって予測される。
・ IFRS 第9号のパラメータは将来予測的で、予測期間にわたる経済情勢の予想を考慮に入れなければならない一方、プルーデンシャ
ル・パラメータは、一定周期の平均の見積り( PD に関して)または景気最悪時の見積り( LGD および当該金融商品の全期間にわたる
見積りフローに関して)に相当する。したがって、プルーデンシャル・パラメータである PD および LGD は、経済情勢の予想を基に調
整されている。
先に述べた通り、 2020 年度から、 PD に関するセクター別調整が、 6-12 ヶ月の予測期間にわたる経済セクター別の格付け評価を基に算出
された。移行マトリクスから作成されたセクター別加重平均 PD 予想は、 各セクターの格付け予想における同等の PD に収束させるために
比較・調整される。
経済情勢に応じてパラメータを調整するために、期間を3年として3つの経済シナリオが構築されている。中心シナリオは次の戦略計
画の予算シナリオに相当し、財務管理プロセスとの一貫性の確保を図っている。そしてこのシナリオについて、楽観的シナリオと悲観
的シナリオから成る2つのバリエーションも、マクロ経済上のパラメータの観察を基に構築されている。
最良および最悪経済シナリオの狙いは、中心シナリオで見積った経済変数の不確実性を想定することにある。
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これらのシナリオごとに変数を定めているということはつまり、経済シナリオごとに PD と LGD のパラメータを変えることができ、また予
想信用損失を経済シナリオごとに計算できるということである。
3年よりも長い期間のパラメータは、長期平均へ徐々に回帰するという原則を基に予測されている。整合性を保つために、 PD および LGD
パラメータを変更するために使用されるモデルは、ストレス・テスト・システムで開発されたモデルに基づいている。これらの経済シ
ナリオは発生確率と関連付けられており、最終的には IFRS 第9号に基づく減損額として使用される、平均予想損失額を算出することが
可能となっている。
発生確率の算定方法は、経済に関する市場コンセンサスの分析、および当行グループの経済シナリオとこの市場コンセンサスとの開き
に基づいている。つまり、経済シナリオとコンセンサスの開きが小さいほど、発生確率が高い。
3つのシナリオはすべて、予算プロセスのために定めているものと同じ組織構造およびガバナンスを用いて定められており、また、経
済調査部による提案を基に毎年見直されている。 2020 年に関しては、健康危機の影響に鑑み、見直しを2回実施した。各シナリオの発
生確率も、当該経済シナリオにて使用しているマクロ経済パラメータの観察された変動を基に四半期ごとに見直されている。
2020 年 12 月 31 日現在、各シナリオの加重は以下のとおりであった:
・ 中心シナリオ: 85 %
・ 楽観的シナリオ: 10 %
・ 悲観的シナリオ:5%
このようにパラメータを定めているため、内部手法を用いて承認された範囲に属するか、リスク加重資産の計算用の標準手法を用いて
処理されているかを問わず、評価対象のすべてのエクスポージャーについて信用損失を見積もることができる。
ただし、所要自己資本が標準手法を用いて計算され、かつエクスポージャーが格付システムに組み込まれていない一定の企業は、過去
の損失率に当該企業が個別に調整を加えたものを基にした正常債権に係る引当金の計算手法を導入している。
IFRS 第9号パラメータの検証メカニズムは、ナティクシスと BPCE グループ内の既存のモデルに関する検証メカニズムに完全に組み込ま
れている。したがって、モデルの検証では、独立した内部モデル検証ユニットによるレビュー・プロセスを受ける。
ステージ3の資産に係る予想信用損失の計算
ステージ3の金融資産に係る予想信用損失に対する減損は、当該債権の償却原価と回収可能価額(すなわち、回収可能な見積将来
キャッシュ・フローの現在価値。なお、これらのキャッシュ・フローが相手方当事者の活動によるものか、または保証の実行可能性に
よるものかを問わない)の差額として算定される。短期資産(満期が1年未満のもの)については、将来キャッシュ・フローの割引は
行わない。減損の算定は全世界ベースで行われ、利息と元本は区別されない。ステージ3の貸出コミットメントまたは保証コミットメ
ントに起因する予想信用損失は、貸借対照表の負債の部に認識される引当金を通じて考慮される。債権の各区分に係る回収実績に基づ
いて決定される満期スケジュールを基に、各債券の具体的な減損額が計算される。
予想信用損失を測定する際は、当該金融資産の契約条件の不可欠な部分を構成しかつ当該企業が別途認識していない担保資産およびそ
の他の信用補完を考慮に入れて、予想されるキャッシュ・フローの不足額を見積もる。
ステージ3に分類される貸出金は、個別の予想回収額分析後に減損を計上するのではなく、引当金を計上しなかった貸出金に係る過去
の想定外の損失に基づいて調整された貸倒引当金繰入率を基に減損または引当金が計上される。
5.4 デリバティブ金融商品およびヘッジ会計
デリバティブ金融商品は、トレーディング目的で保有されるかヘッジ目的で保有されるかにかかわらず、貸借対照表において公正価値
で認識される。
トレーディング目的で保有されるデリバティブ金融商品
トレーディング目的で保有されるデリバティブは、市場価値がプラスの場合は貸借対照表の「純損益を通じて公正価値で測定される金
融資産」に、市場価値がマイナスの場合は「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」に計上される。
当初認識の後の公正価値の変動は、損益計算書の「純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る純損益」に計上される。かか
る金融商品に係る未収・未払利息も、この表示項目に含められる。
金融負債の組込デリバティブの特定事例
組込デリバティブとは、基礎となる指標(金利、株価、為替レートまたはその他の指標)の変動に対応して、当該契約のキャッシュ・
フローの一部または全部の変動を生じさせるような主契約の構成要素である。
ハイブリッド商品(主契約およびデリバティブ)が純損益を通じて公正価値で測定されない場合において、組込デリバティブは、デリ
バティブおよびその経済的特性の定義に係る規準を満たしており、かつ関連するリスクが主契約のリスクに密接に関わっていない場
合、主契約から分離される。
このようにして主契約から分離された デリバティブは、純損益を通じて公正価値で測定される資産および負債に含められる。
オプション・プレミアムに係る表示の変更
ナティクシスは 2020 年 12 月 31 日現在、後払または支払済みのプレミアムについて、購入または売却した条件付デリバティブの表示を変
更した。
この修正適用前は、受取予定のプレミアムおよび支払予定のプレミアムの額は、それらが関係するデリバティブ商品が表示されている
資産および負債、金融負債の項目から独立した、繰延収益およびその他の資産ならびに未収収益およびその他の負債のもと貸借対照表
にそれぞれ表示されていた。
それらのプレミアムはそれらのデリバティブ商品から切り離せないため、貸借対照表におけるそれらの表示が修正された。受取予定の
プレミアムおよび支払予定のプレミアムの額は現在、それらが関係する購入または売却した条件付デリバティブの評価額に含まれてい
る(純損益を通じて公正価値で測定される金融資産・負債の項目)。
該当するデリバティブ商品は主に、外国為替オプションと金利オプションである。この変更による損益計算書への影響はなかった。
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2020 年 12 月 31 日現在:
・ 「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」に分類された条件付デリバティブの評価額に含まれた支払予定のプレミアムの
額は、 2019 年 12 月 31 日現在の 8.1 十億ユーロにに対して 7.6 十億ユーロにのぼった。
・ 「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」に分類された条件付デリバティブの評価額に含まれた受取予定のプレミアムの
額は、 2019 年 12 月 31 日現在の 8.3 十億ユーロにに対して 7.9 十億ユーロにのぼった。
下表に、この表示の変更による各種項目に対する影響をまとめる:
2019 年 12 月 31 日 現在 2020 年 12 月 31 日 現在
(単位:十億ユーロ )
変更前 変更額 変更後
変更前 変更額 変更後
資産
純損益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産 228.8 (8.1) 220.7 218 (7.6) 210.4
未収勘定およびその他の資産 13.6 (8.3) 5.3 13 (7.9) 5.1
資産合計 513.2 (16.4) 496.8 510.8 (15.5) 495.3
負債
純損益を通じて公正価値で測定さ
れる金融負債 218.3 (8.3) 210 216.4 (7.9) 208.5
未払勘定およびその他の負債 16.1 (8.1) 8 13.9 (7.6) 6.3
負債合計 513.2 (16.4) 496.8 510.8 (15.5) 495.3
ヘッジ手段
IFRS 第9号が認めるオプションを用い、ナティクシスはヘッジ取引の会計処理に引き続き IAS 第 39 号を適用することを選択している。
IAS 第 39 号は、ヘッジ関係として、キャッシュ・フロー・ヘッジ、公正価値ヘッジおよび在外営業活動体に対する純投資ヘッジの3つの
種類を認識している。
デリバティブは、開始時点で、およびヘッジ期間を通じて IAS 第 39 号に定められた規準を満たす場合にのみ、ヘッジとして指定すること
ができる。これらの規準には、デリバティブとヘッジ対象の間のヘッジ関係が、将来に向かっても、また遡及的にも有効であることの
正式な文書化が含まれる。ヘッジ関係は、ヘッジ手段の価値の変動がヘッジ対象の価値の変動を 80 %から 125 %の範囲で遡及的に相殺し
ている場合、有効であると推定される。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジは、既存の取引または可能性の高い予定取引からの将来キャッシュ・フローをヘッジするために用いられ
る。
変動金利の借入および発行のヘッジ
ナティクシスは、銀行間借入および公募 /私募発行の将来コストを固定するため、固定金利の金利スワップ借入を用いている。
変動金利の貸出のヘッジ
ナティクシスは、将来の変動金利借入コストを固定するため、固定金利のプレーンバニラ金利スワップ貸出を用いている。
金利リスクの全体的なヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジは、主としてナティクシスの全体的な金利リスクをヘッジするために用いられる。
これらの構造的ヘッジの文書化は、すべての変動金利取引に係る将来の変動資金管理スケジュールに基づいている。
将来に向かってのヘッジの有効性のテストには、満期区分別の累積的な変動金利借入および固定金利借手スワップと、満期区分別の累
積的な変動金利貸出および固定金利貸手スワップの設定(指標および通貨別)が含まれる。
各満期について、ヘッジされるべき項目の名目金額がヘッジ目的デリバティブの想定額を上回っている場合、ヘッジは証明される。
遡及的な ヘッジの有効性のテストは、当該ヘッジが異なるさまざまな報告日現在で有効であったかどうかを検証するために用いられ
る。かかる各報告日現在で、ヘッジ手段の公正価値(未収・未払利息を除く)の変動は、ヘッジされる仮想デリバティブ金融商品
(ヘッジ対象の資産または負債および経営者の意思を表す合成金融商品)の公正価値の変動と比較される。ヘッジ手段の公正価値の変
動は、ヘッジ対象の公正価値の変動を 80 %から 125 %の範囲で相殺していなければならない。これらの限度から外れた場合、当該ヘッジ
は適格でなくなる。
キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理
ヘッジに係る損益の有効な部分が資本において直接認識される一方で、非有効な部分は各報告日現在で「純損益を通じて公正価値で測
定される金融商品に係る純損益」において損益に計上される。ヘッジ対象については、特定の仕訳は行われない(これらがヘッジされ
なかった場合に行われるであろうものを除く)。
ヘッジ関係が中断される場合(特に、ヘッジの有効性が 80 %から 125 %の範囲から外れた場合)、会計処理では当該デリバティブを「純
損益を通じて公正価値で測定される金融商品」に分類変更し、かつ、当該ヘッジ取引が損益に影響を及ぼすときは、「資本に直接認識
された損益」のもとリサイクル可能な従前のヘッジ期間において資本に累積された有効なデリバティブの額を純損益を通じて戻し入れ
る。
公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジは、認識された資産もしくは負債、または未認識の確定コミットメントの公正価値の変動に対するエクスポージャーの
ヘッジを目的としている。
金利リスクの全体的なヘッジ
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子会社である Natixis Financial Products LLC は、公正価値ヘッジのルールに従い、金利リスクの全体的なヘッジを文書化している。こ
れらの取引を会計処理するため、当該子会社は、 EU によって採用された IAS 第 39 号のカーブアウト規定を適用している。 会計処理上、構
造 的な公正価値ヘッジとして指定された デリバティブ金融商品の会計処理は、公正価値ヘッジ目的のデリバティブに適用される会計処
理に類似している。ヘッジ対象の金融商品のポートフォリオに係る公正価値の変動は、貸借対照表の個別の表示項目(「金利リスクを
ヘッジしたポートフォリオの再評価調整額」)において報告され、対応する仕訳が損益において行われる。
固定金利の貸出および借入のヘッジ
ナティクシスは、 固定金利の借入および発行 に係る金利の不利な変動の影響をヘッジするため、固定金利のプレーンバニラ金利スワッ
プ貸出を用いている。また 固定金利の貸出および有価証券 に係る金利の不利な変動の影響をヘッジするため、固定金利のプレーンバニ
ラ・スワップ借入を用いている。
公正価値ヘッジの文書化
将来に向かってのヘッジの有効性のテストには、ヘッジ対象とヘッジ手段の金融上の特性、すなわち、評価日、満期日、想定額、固定
金利、および支払いの頻度が実質的に同じであることの検証が含まれる。
遡及的なヘッジの有効性のテストは、当該ヘッジが異なる報告日現在で有効であったかどうかを検証するために用いられる。
かかる各報告日現在で、ヘッジ手段の公正価値(未収・未払利息を除く)の変動は、ヘッジされる仮想資産および負債(ヘッジされる
資産または負債を表す合成金融商品)の公正価値の変動と比較される。ヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジ対象の公正価値の変動
を 80 %から 125 %の範囲で相殺していなければならない。
この範囲から外れた場合、当該ヘッジは IFRS に基づくヘッジ会計に適格でなくなる。
公正価値ヘッジの会計処理
デリバティブの公正価値の変動は、有効な部分と非有効な部分の両方について、損益に認識される。
これを対称的に、ヘッジ対象 の公正価値の変動も損益に認識される。
したがって、ヘッジの非有効な部分のみが損益に影響を及ぼすことになる。
未収・未払利息を除く ヘッジ目的デリバティブの公正価値の変動は、「純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る純損益」
として損益に計上される。 これらの 金融商品に関連する 未収・未払利息は、「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似
費用」に計上される。
ヘッジ関係が中止される場合、当該ヘッジ手段は純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に分類変更される一方で、ヘッジ対象
に係る未実現損益はヘッジが中止された日現在の額に固定され、満期まで損益に計上される。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
純投資のヘッジは、純外貨投資(連結子会社または投資)において生じる為替リスクをヘッジするために用いられる。これらは、
キャッシュ・フロー・ヘッジと同じ方法で会計処理される。ヘッジ手段(外貨建ての貨幣性デリバティブまたは負債)に係る公正価値
の変動の有効な部分は資本において認識される。企業が連結される際に認識される為替換算調整額は、これらの公正価値の変動と相殺
される (注記 2.9 参照) 。公正価値の変動の非有効な部分は損益に認識される。資本において直接認識された未実現損益は、当該純投資
の全部または一部が売却された場合、損益に振替えられる。
内部契約
ナティクシスとその子会社の間には、ヘッジ会計において用いられるデリバティブを含んだ 多くの 内部契約が存在する。当該取引が連
結目的においてヘッジ会計の規準を満たしていることを確認するため、ナティクシスはこれらが市場において正確にヘッジされている
ことを定期的に検証している。
クレジット・デリバティブ
ナティクシスが用いるクレジット・デリバティブは金融保証とはみなされず、 IAS 第 39 号の適用範囲に含まれるデリバティブとみなされ
る。これらは、純損益を通じて公正価値で測定される資産または負債に分類される。
5.5 外貨建取引
ナティクシスが締結した外貨建て取引に関連する資産および負債の会計処理に用いる方法は、その資産または負債が貨幣性項目に分類
されるかまたは非貨幣性項目に分類されるかによって決まる。
外貨建ての 貨幣性資産および負債は、報告日の実勢直物レートで機能通貨に換算される。この換算により生じる為替差額は、次の2つ
の例外を除いて、損益に認識される。
・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の償却原価に基づいて計算された為替差損益のみが損益に認識され、残
りは「資本に直接認識された損益」に認識される。
・ キャッシュ・フロー・ヘッジに指定された貨幣性項目または在外企業に対する純投資の一部に関して生じた為替差損益は、「資本
に直接認識された損益」に認識される。
取得原価で測定される外貨建ての非 貨幣性項目は、取引日(または発行済の永久超劣後債の資本への分類変更日: 注記 12.3.1 参照 )の
為替レートで換算される。
公正価値 で測定される外貨建ての非貨幣性項目は、報告期間末の実勢為替レートで換算される。外貨建ての非貨幣性項目(例えば、資
本性金融商品)に係る損益は、当該資産が「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」に分類される場合は損益として認識さ
れ、当該資産が「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」に分類される場合は資本において認識されるが、当該金
融資産が公正価値ヘッジにおいてヘッジ対象として指定されている場合には、為替差損益は損益に認識される。
5.6 金融商品の公正価値
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一般原則
金融商品(資産または負債)の公正価値は、測定日における市場参加者間の独立当事者間取引において、資産の売却で受領し、または
負債の譲渡で支払われるであろう価格である。
したがって、公正価値は出口価格に基づく。
金融商品の当初認識時の公正価値は、通常は取引価格、すなわち、資産取得時の支払価格または負債引受時の受領価格である。
当初認識後の測定においては、資産および負債の見積公正価値を、基本的には観察可能な市場データを基にしながら、公正価値の計算
に使用されるすべてのインプットを、取引において市場参加者が使用するであろう価格と整合性のあるものにしなければならない。
この場合、公正価値は中値ならびに対象となる金融商品およびその関連リスクに応じて決定される追加的な評価調整により構成され
る。
中値は以下に基づき入手される。
・ 金融商品が活発な市場で相場が付けられている場合は、その相場価格。金融商品は、証券取引所、ディーラー、ブローカー、業界
団体、価格決定機関または規制機関より、相場価格が容易にかつ定期的に入手可能である場合には、活発な市場で相場が付けられ
ているとみなされ、かかる価格が、主要市場において、またはそれがない場合には最も有利な市場において、実際かつ定期的に発
生する独立当事者間取引を表す。
・ 金融商品の市場が活発ではない場合は、公正価値は評価技法を用いて算定される。使用される技法は、関連する観察可能な入力
データを最大限活用し、観察可能でない入力データの利用を最小限に抑えなければならない。この技法は、最近の取引から得られ
る観察可能なデータ、類似の金融商品の公正価値、割引キャッシュ・フロー分析およびオプション・プライシング・モデル、ハイ
ブリッド商品の場合には独自のモデル、プライシング・データまたは市場データが入手できないときは観察不能なデータを参照す
ることができる。
追加的な評価調整は、主要な市場における出口取引の結果生じる費用を考慮するために、市場リスクおよび信用リスクに係るリスク・
プレミアムなど評価の不確実性に関する要素を組み込む。同様に、無担保のデリバティブまたは完全に担保されていないデリバティブ
からの将来キャッシュ・フローの資金調達に関連するコストを織り込むために、仮定に基づく資金調達評価調整( Funding Valu ation
Adjustment ( FVA ) )も考慮される。
主な追加的な資金調達評価調整は以下のとおりである。
ビッド / アスク調整-流動性リスク
この調整は、ビッド価格(買呼値)とアスク価格(売呼値)との間の差で、販売費に相当する。これは、ポジションを取得するリスク
または別の市場参加者からの提案価格で売却するリスクに関して市場参加者から要求される報酬を反映する。
モデルの不確実性の調整
この調整は、使用する評価技法の欠点、とりわけ、観察可能な市場インプットを入手可能な場合であっても、考慮されないリスク要因
を考慮に入れるものである。これは、さまざまな金融商品に固有のリスクが、評価に使用される観察可能なインプットによって考慮さ
れるリスクと異なる場合に該当する。
インプットの不確実性の調整
評価技法で使用される特定の価格またはインプットの観察が困難であるか、あるいは価格またはインプットが定期的に入手不能で売却
価格を決定できない場合がある。このような状況下においては、市場参加者が金融商品の公正価値を評価するときに同一のインプット
について異なる値を採用するという可能性を反映させるために調整が必要な場合がある。
信用評価調整( CVA )
この調整は、取引相手方の信用の質を考慮していない評価に適用される。これは、取引相手方の債務不履行リスクに関連する予想損失
に対応し、ナティクシスが当該取引の市場価値の全額を回収できるとは限らないという事実を勘案することを目指している。
CVA の決定方法は、この計算に含まれる取引相手方の全セグメントに関する専門的な市場慣行に則した市場インプットの使用を基礎とし
ている。この方法は当期中に発展し、計算の対象となる取引相手方のすべてのセグメントに適用された。流動性のある市場のインプッ
トがない場合には、この方法は取引相手方の種類、格付け、地域別の代替値を使用した。
内部信用リスクを考慮した価格調整(債務評価調整 - DVA )
DVA は、 CVA と対称をなし、公正価値で測定すると指定されたデリバティブ金融商品の負債評価に係る取引相手方の視点からの予想損失
を示す。これは、ナティクシス自体の信用の質がこれらの商品の評価に与える影響を反映する。当該期間中における BPCE の「ゼロ・
クーポン」スプレッドの流動性を考慮し、比較可能な企業のサンプルに係る「ゼロ・クーポン」スプレッドを観察することにより、調
整が行われる。 DVA の計算は、資金調達評価調整( FVA )を考慮して行われる。
活発な市場の識別
市場が活発かどうかを判定するに際は、以下の規準が用いられる:
・ 市場の活動水準および傾向(発行市場の活動水準を含む)
・ 同様の市場取引で観察される過去の価格データの長さ
・ サービス・プロバイダーによって回収された価格の不足
・ ビッド/アスクの価格スプレッドが大きいこと
・ 一定期間または異なる市場参加者間における急激な価格変動
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評価管理手続は第3章「リスク要因、リスク管理および第三の柱」の第 3.2.5 節「市場リスク」(訳者注:原文の章および節)に表示さ
れている。
公正価値で測定および表示される金融資産および金融負債は、次の尺度に基づいて区分されている:
・ レベル1:同一の資産および負債の活発な市場における相場価格を用いて、市場価額が直接算定される。
・ レベル2:市場にて直接または間接的に観察可能な重要なデータを基にした評価技法を用いて市場価額が算定される。
・ レベル3:一般的ではないモデルや観察できない市場データを基にしたモデルを用いて市場価額が算定される。これらのモデルが
評価額に著しい影響を及ぼす公算が大きい。
公正価値ヒエラルキーに応じて区分された金融資産および金融負債と主なモデルの説明は注記 7.5 に表示されている。
5.7 有形固定資産、無形資産(のれんを除く)および投資不動産
貸借対照表に認識している固定資産には、有形固定資産、無形資産および投資不動産が含まれている。リース資産に関する使用権(そ
の主な項目は注記 5.2 において説明されている)は、ナティクシスが完全な所有権を有する類似資産に該当する固定資産の科目に表示さ
れている。
当初認識時における測定
貸借対照表において、他の有形固定資産と区分表示される投資不動産は、営業目的ではなくリース収益を生み出すことを目的として保
有している不動産から成る。
純損益を通じて公正価値で計上される保険会社によって保有される不動産を除いて、 IFRS の初度適用時に、有形固定資産および投資不
動産は、 IFRS 第1号に基づき利用できるオプションで認められるところにより、取得原価で計上された。
有形固定資産および投資不動産は、取得日の購入価格に、直接起因するコスト(譲渡に係る税金、報酬、手数料および登録費用)およ
び( IAS 第 23 号「借入コスト」に定める資産計上の規準を満たす場合には)借入コストを加えて計上される。
社内で開発されたコンピューター・ソフトウェアは、「無形資産」にその開発の直接コストで認識される。この直接コストに含まれる
のは関連するハードウェア費用、サービス原価、 当該ソフトウェアの作成および使用準備に直接的に起因する 人件費、ならびに( IAS 第
23 号「借入コスト」に定める資産計上の規準を満たす場合には)借入コストなどである。
開発段階で発生する費用は、 IAS 第 38 号に定める無形資産としての認識規準を満たす場合には、資産計上される。この規準に含まれるの
は、技術的実現可能性、当該資産を完成させ使用または販売するという意思、当該資産が将来の経済的便益を生み出す可能性、資源の
入手可能性、および当該資産開発期間に帰すことができる支出を信頼性をもって測定できる能力などがある。研究段階で発生したコス
トは、資産計上されず、費用として認識される。
事後測定
当初認識後、資産は、取得原価から減価償却累計額、償却累計額および減損損失累計額を減じて測定される。保険会社が保有する投資
不動産は、 IAS 第 40 号および IFRS 第4号に従って、純損益を通じた公正価値で測定される。
いずれについても、公正価値は、市場相場での賃貸料の資産計上、および市場取引との比較に基づき、多規準アプローチを用いて求め
る。
フランス保険法第 R.332-210-1 条に従い、 ACPR によって承認された独立系 専門家によって5年間ごとの査定が実施される。2つの査定間
に、専門家によって半年ごとに不動産の市場価値が認定される。
減価償却および償却
有形固定資産および無形資産は、その使用目的において、ナティクシスによって使用できる状態になり次第、見積耐用年数にわたっ
て、定額法、定率法または逓増減価償却法の内、経済的便益の消費パターンを最も良く反映する方法で減価償却または償却される。資
産の残存価額は、信頼性をもって測定可能な場合、減価償却または償却可能額から控除される。ナティクシスは、土地および歴史的記
念建造物に分類される破壊できない建物を除く項目の残存価額を信頼性をもって測定できないと考えている。したがって、それらの残
存価額をゼロとする。
IAS 第 16 号に従って、異なる耐用年数を持ち、または項目全体とは異なる将来の経済的利益の消費が見込まれる有形固定資産勘定の重要
な各構成要素に対して、特別な減価償却明細表が定められている。事業用建物および投資不動産に対しては、下記の構成要素および減
価償却期間が適用される。
構成要素 減価償却 期間
土地 非適用
歴史的記念建造物に分類される破壊できない建物 非適用
壁、屋根および防水処理 20~40年
基礎および骨組 30~60年
外部下塗り 10~20年
装置および付帯設備 10~20年
内部の什器備品および器具 8 ~15年
有形固定資産のその他の項目は、その見積耐用年数(一般に5~ 10 年)にわたって減価償却される。
固定資産が賃借建物に関するものであるときは、その減価償却期間をリース期間に合致させる。
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購入したソフトウェアは、定額法 によって 見積耐用年数 ( ほとんどの場合 5 年未満 )にわたって償却される。自己創設ソフトウェア
は、 見積耐用年数( 15 年を超えてはならない)にわたって償却される。
その他の無形資産は主に顧客ポートフォリオの構成要素から成り、契約期間(平均期間は、米国については5~8年、オーストラリア
については 10 年)にわたり償却される。
減価償却期間は1年に1回見直す必要があり、該当する場合、見積りの変更による影響は、変更日から将来に向かって損益に認識され
る。
固定資産の減価償却は、連結損益計算書の「有形固定資産および無形資産の減価償却、償却および減損」のもとに表示されている。
減損
資産は、減損の客観的な証拠がある場合はいつでも、また、無期限の耐用年数を有する無形資産の場合は少なくとも年1回減損テスト
を実施する。ナティクシスは、各報告日に減損の証拠があるか検討し、かかる証拠が存在する場合、可能な限り個々の資産の回収可能
価額を見積り、それができない場合は、当該資産が属する資本生成単位( CGU )の回収可能価額を見積もる。回収可能価額は、売却コス
ト控除後の公正価値と、将来のキャッシュ・フローの現在価値に当たる使用価値のいずれか高い方の金額である。資産または CGU の回収
可能価額が帳簿価額よりも低い場合、損益計算書の「有形固定資産および無形資産の減価償却、償却および減損」に減損損失が認識さ
れる。
評価減は、当初評価減を引き起こした状況に変化があった場合(例えば、減損の客観的な証拠がなくなった場合など)には、戻入れす
ることができる。
処分損益
事業用資産の処分損益は、損益計算書の「その他の資産に係る損益」で認識され、投資不動産の処分損益は、「その他業務収益」また
は「その他業務費用」に計上される。
建設中の固定資産の除去または中断
固定資産の除去により発生した費用は、連結損益計算書の「有形固定資産および無形資産の減価償却、償却および減損」に計上され
る。
開発中の IT プロジェクトが中断すると、その認識の中止となる。対応する費用は、連結損益計算書の「有形固定資産および無形資産に
係る損益」に転記される。
5.8 売却目的で保有する非流動資産および非継続事業
非流動資産(または資産グループ)は、その帳簿価額が売却により回収されるときに処分されることが意図されている。この資産(ま
たは資産グループ)は、即時売却可能でなければならず、 12 ヶ月以内に売却される可能性が高いものでなければならない。
売却の可能性が高いのは、以下の場合である。
・ 活発なマーケティングを伴う資産(または資産グループ)の売却計画が、経営陣によって策定されている場合
・ 少なくとも1人の購入希望者が拘束力のない購入申込を行っている場合
・ 計画が大幅に変更されたり、撤回される可能性が低い場合
該当する資産は、「売却目的で保有する非流動資産」 の表示項目 に分類され、分類変更され次第、償却が停止される。帳簿価額が売却
コスト控除後の公正価値を上回る場合、減損損失が認識される。関連負債も、貸借対照表の独立した表示項目に表示される。
売却目的保有のグループは、 CGU グループの場合もあれば、特定の CGU 、または CGU の一部である場合もある。当該グループには、流動資
産、流動負債および IFRS 第5号に基づく測定規定の適用範囲外の資産を含む当該企業の資産および負債が含まれる場合がある。 IFRS 第
5号に基づく測定規定の範囲内にある非流動資産が売却目的保有のグループの一部を構成するときは、 IFRS 第5号に基づく測定規定を
グループ全体に適用する。つまり、当該グループは、帳簿価格と売却コスト控除後の公正価値のうちいずれか低い方で測定される。
資産および負債のグループの公正価値がその正味帳簿価額よりも低いときは、ナティクシスは減損の額を、 IFRS 第5号に従って測定さ
れる非流動資産(のれん、無形資産および有形固定資産)に限定する。
「売却目的で保有する非流動資産」に分類されてから 12 ヶ月以内に売却されなかった場合、ナティクシスの支配とは無関係の特別な状
況がなければ、当該資産または資産グループのこの区分への分類は停止される。
ナティクシスが資産売却計画を表明している子会社は、注記 2.6 「売却目的で保有する子会社」において一覧にされている。
非継続事業は、処分済であるかまたは売却目的の保有 に分類されていることが、明確に識別可能な企業の構成単位であり、かつ、以下
のいずれかの条件を満たす。
・ 独立の主要な事業分野または営業地域を表す。
・ 独立の主要な事業分野または営業地域を処分する単一の統一された計画の一部である。
・ 転売のみを目的に取得した子会社である。
非継続事業に関連する資産および負債は、売却目的で保有する資産グループと同一の方法で貸借対照表に計上される。非継続事業から
の損益は、損益計算書の独立した表示項目とし、この中には、処分までの間に発生した当該非継続事業の税引後損益および売却コスト
控除後の公正価値で計上されている売却目的で保有する資産または資産グループの売却もしくは評価から生じる税引後損益が含まれ
る。
5.9 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
トレーディング目的で保有する金融負債(デリバティブ金融商品を含む)および IFRS 第9号のもとで利用可能な公正価値オプションを
用いて当初認識時に自発的にこの区分に分類された金融負債がこれに該当する。
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純損益を通じて公正価値で測定する金融商品として認識されたレポ契約およびデリバティブ取引に関係して設定された担保区分の保証
金および追加証拠金も、トレーディング目的で保有する金融負債に含めている。これは、これらの項目が、これらがカバーする活動ま
たは金融商品に密接に関係し、かつ、これらが関係する活動のビジネス・モデルの不可欠な部分を構成するからである。
この取消不能オプションのもとで評価される有価証券は、以下に示す3つの区分のいずれか一つに該当する:
・ 公正価値で測定され管理される金融資産グループの一部を構成する金融商品:このオプションは、公正価値で測定、管理される負
債に適用される。ただし、経営者が公正価値リスク管理方針に従う場合に限る。
・ 関係する金融資産や金融負債との会計上のミスマッチがある金融商品:このオプションを適用することで、単一の戦略のもとで管
理される金融商品に異なる評価ルールを適用することから生じる会計上のミスマッチを解消できる。
・ 重要かつ分離可能な組込デリバティブが1件以上組み込まれているハイブリッド金融商品:組込デリバティブとは、金融ハイブ
リット商品または非金融ハイブリット商品の構成要素のうち、デリバティブの定義を満たすものをいう。このオプションにより当
該金融商品全体を公正価値で測定できるようになるため、組込デリバティブを抽出、認識または分離して測定する必要がなくな
る。
この区分に属する金融負債は、報告日現在の公正価値で計上され、貸借対照表の「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」と
して表示される。公正価値の変動は、損益計算書の「純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る純損益」において当該年度
の損益として認識される。ただし、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に係る自己の信用リスクに起因する公正価値の変動
は、この認識が会計上のミスマッチを生じさせたり、拡大させたりすることがないことから、この対象から除かれる。自己の信用リス
クに起因する価値の変動は、「その他包括利益に直接認識された損益」の下の「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に係る
自己の信用リスクの再評価額」に認識される。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債を期限前償還するときは、自己の信用リスクに起因する公正価値の
実現損益を、「純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債に係る自己の信用リスクの再評価額」から資本の部
に属する「利益剰余金」へ直接振り替える。
5.10 負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類されない、ナティクシスによって生み出された債務は、償却原価法を用いて測定
され、貸借対照表の「銀行預り金」、「顧客預り金」、「発行済債務証券」または「劣後債務」に認識される。
債務証券は、当初認識時に、取引コストを含めた発行価格で測定される。その後は償却原価で測定され、発行費は当該金融商品の利用
期間にわたって認識される。
5.11 認識の中止
ナティクシスは、金融資産からのキャッシュ・フローに関する契約上の権利が失効した場合、当該金融資産の全部または一部の認識を
中止する。また、これらの契約上の権利または所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転された場合にも、当該金融資産の
全部または一部の認識を中止する。
ナティクシスが契約上の権利を譲渡しておらず、リスクと経済価値のほとんどすべてを保持しているわけでもない場合、ナティクシス
は、当該資産の支配を移転したか否かを決定する。支配が放棄されたとみなされる場合、その金融資産の認識が中止される。当行グ
ループが当該資産の支配を保持する場合、その資産は、ナティクシスの「継続的関与」の範囲まで、貸借対照表において引続き認識さ
れる。
継続的関与は、以下の契約上の条件の存在によって証明される。
・ 移転した資産を買戻すというオプションまたは義務
・ 移転した資産のパフォーマンスに関係する金銭的補償の回収
金融負債は、清算、取消または失効したときに認識が中止される。
レポ契約
a )譲渡人
売却された有価証券に対する認識は中止されない。ナティクシスは、受領した資金を返却するというコミットメントを表すものとし
て、負債を認識する(「レポ契約に基づく売却有価証券」)。
b )譲受人
購入された有価証券は認識されず、譲受人から受け取るべき未収金が貸付けた資金を表すものとして計上される。当該資産に対する支
出金額が、「レポ契約に基づく取得有価証券」に認識される。
その後の各報告日 に 、当該有価証券は、最初に分類された区分に適用される規則に従って譲渡人により引続き評価される。譲受人の勘
定には、譲渡人から受取るべき金額が、引続き貸借対照表に表示される。
貸付 / 借入有価証券
貸付 /借入有価証券取引は、 IFRS における意味の範囲内で、金融資産の譲渡を伴わない。したがって、これらの取引によって、貸付有価
証券の認識が中止されることはない。貸付有価証券は、 IFRS のもとでは識別されず、当初の IFRS 区分に引続き計上され、適宜測定され
る。借入有価証券は、借手によって認識されない。
5.12 金融資産と金融負債の相殺
IAS 第 32 号に従い、ナティクシスは、金融資産と金融負債の相殺について、( i)計上された金額を相殺する法的に強制可能な権利を有
し、( ii )正味金額を決済するかまたは当該資産の現金化および負債の決済を同時に実行する意思があるという2要素から成る条件を
前提として、金融資産と金融負債の相殺を実施し、正味残高を貸借対照表に表示する。
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運営原則が上記の2つの規準を満たしている清算機関で実施されるデリバティブおよびレポ契約に関する取引は、貸借対照表で相殺さ
れる( 注記 7.3 参照)。
5.13 引当金
引当金は、時期または金額が不確実な負債である。負債は、過去の事象によって生じる現在の債務であり、それを清算すると、信頼性
をもって測定できる経済的便益を包含する資源の流出をもたらすと予想される。
引当金として認識される金額は、報告日における 現在の債務を清算するのに要する支出の最善の見積り でなければならない。この金額
は、割引の影響が重大である場合は割引かれる。引当金は、報告日ごとに見直され、必要に応じて調整がなされる。従業員給付をカ
バーするための引当金を除き、貸借対照表上 で認識される引当金は、主にリストラ 引当金ならびにリスクおよび訴訟に対する引当金に
関係する。
a )リストラ引当金
リストラ費用に対する引当金は、引当金認識についての下記の標準的な規準および下記の2つの条件が満たされたときに、認識され
る。
・ 決算日現在で、少なくとも下記の事項を明確にしたリストラに関する詳細な正式の計画がある。
・ 関係する事業または事業の一部
・ 影響を受ける主たる事業所
・ 雇用契約の終了により補償を受ける従業員の勤務地、職種およびその概数
・ 負担する費用
・ 計画実施日
・ ナティクシスは、リストラ計画の実施を開始することによって、または決算日にその概要を告知することによって、リストラ実施
につき、影響を受ける人々の予想を確実なものにしている。
リストラ費用に対する引当金は、リストラに直接的に関係する支出のみを含む。
b )リスクおよび訴訟に対する引当金
ナティクシスがさらされている主なリスクおよび訴訟については、第3章「リスク要因、リスク管理および第三の柱」の第 3.2.9 節(訳
者注:原文の章および節)に記載されている。
引当金の変動は、損益計算書において将来支出の種類に対応する表示項目で認識される。
2020 年 12 月 31 日現在および 2019 年 12 月 31 日現在のナティクシスの財務諸表の負債側に計上されている引当金については、注記 7.16 「引
当金の要約」に表示されており、最終結果は注記 6.6 「その他の損益」、注記 6.7 「営業費用」および注記 6.8 「リスク費用」に記載され
ている。
5.14 従業員給付
IAS 第 19 号に従い、従業員給付は、以下の4つの区分のうちの1つに分類される。
・ 「短期給付」: 当期中に支払われる給料、社会保障負担、年次休暇、従業員利益分配、奨励制度、追加負担および賞与が含まれ
る。
・ 「解雇手当」: 企業の決定または雇用終了と引換えに退職手当パッケージを受取るという従業員の決定の結果として、通常の退職
年齢前に社員の雇用を終了するのと引換に付与される従業員給付から成る。
・ 「退職後給付」: 年金、銀行業界に適用されるその他の補足的退職給付、退職時の報酬および退職者に支払われるその他の契約上
の給付など。
・ 「その他の長期給付」: 長期勤続報奨、タイム・セービング口座のもとでの支払額および「従業員維持および業績報酬制度」の一
環として現金で支払われる繰延報酬を含む。
短期従業員給付は、当該給付の見返りに従業員が勤務した期間の費用として認識される。
退職給付に対する引当金が発生するのは、雇用主が退職給付の提供を明確に確約したとき、または雇用主が退職給付の支払いを定めた
リストラの費用を認識したときである。
IAS 第 19 号に規定された認識の原則に従い、ナティクシスは以下の種類の退職後給付を識別する。
・ 確定拠出制度:この制度のもとでは、企業体は特定の給付額を支払う義務を一切負わない。
・ 確定給付制度:この制度のもとでは、ナティクシスは特定の給付額を支払う法的または推定的義務を有する。
確定拠出制度のもとで拠出された負担金は、従業員が当該負担金と引換に勤務した期間において、費用計上される。
予測単位積増方式を用いた保険数理士による給付債務の査定に基づき、確定給付制度に対する引当金が設定される。この方法は、毎年
見直される人口統計および財務上の仮定(具体的には、 AA 格付けの社債の金利カーブに基づく割引率)を活用したものである。制度資
産の価値が数理計算上の負債から控除される。この評価は独立保険数理士によって定期的に実施される。
ナティクシスの確定給付制度コミットメントの全部または一部への資金調達を目的とし、関連当事者によって引き受けられたナティク
シスの保険契約は、貸借対照表の資産の部の「未収勘定およびその他資産」に計上されている。
数理計算上の仮定の変動および実績による修正(数理計算上の仮定と実績との間の差異による影響)に関連する数理計算上の負債につ
いての再評価調整は、「資本に 直接認識された損益」内の包括利益にリサイクルされない項目に 計上される。
確定給付制度に関して認識される年間人件費は、以下の項目で構成される。
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・ 当期中に受益者によって確定された権利を表す勤務費用
・ 制度の変更または縮小および制度の清算の影響によって生じる過去勤務費用
・ 正味の債務に対する割引の巻戻しの影響を反映する正味利息費用
その他の長期給付は、確定給付制度のもとで退職後給付に適用されるのと同一の保険数理的方法を用いて評価される。ただし、負債再
評価項目は、直接費用として認識される。
「従業員維持および業績表彰制度」に従って従業員が勤続することを条件とする、現金決済の変動報酬に関連する費用見積額は、権利
確定期間にわたって認識される。
5.15 負債と資本の区別
IAS 第 32 号に従い、発行済金融商品は、保有者に現金を引渡す契約上の義務が組込まれているか否かによって、負債または資本に分類さ
れる。
・ 超劣後債および優先株式は、連結ベースで利益が計上された場合には利払いが義務付けられる条項についての再交渉が 2009 年に行
われ、それ以降いずれに区分すべきかについて任意とされたことから、資本に分類されている。
期中の変更は、注記 7.15 「劣後債の期中変動」および注記 12.3 「資本性金融商品の発行」に記載されている。
・ ただし、金融商品が資本に分類される場合は以下のとおりである:
・ その金融商品に係る支払は配当と同様に扱われる。ただし、それら分配の税効果は、 2019 年1月1日をもって発効になった
2017 年 12 月付の IAS 第 12 号の修正に従い、分配する額の由来に応じて、資本に直接認識される損益として利益剰余金に認識され
るか、または損益に認識される。したがって、当該分配が IFRS 第9号における配当の定義に合致するときは、税効果は損益に
計上される。この規定は、会計目的上配当として扱われる超劣後債による受取利息に適用される。
・ 資本に当初分類された日においてユーロに換算された結果の取得原価で固定される。
・ ナティクシスの連結範囲に含まれる専用ミューチュアルファンドの純資産の第三者投資家持分は、貸借対照表の「純損益を通じて
公正価値で測定される金融負債」に計上される金融負債を構成する。ミューチュアルファンドの利益に対する第三者投資家の持分
は、連結損益計算書の「純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る純損益」として計上されている。
・ ナティクシスが全部連結の対象とする償還期日付きファンドの第三者投資家による保有ユニットは、清算時にファンドの純資産に
対する持分の返済を受ける権利を保有者に付与するものであり、連結貸借対照表の「未払勘定およびその他の負債」として負債に
分類されている。ファンドの利益に対する第三者投資家の持分は、連結損益計算書の「支払利息および類似費用」に計上されてい
る。
5.16 株式に基づく報酬
従業員のために留保される資本の増加
従業員貯蓄制度のもとで従業員に付与されるストック・オプションは、特定の期間における平均市場価格(参照価格と呼ばれる)と比
較して割引かれており、5年間の譲渡制限期間が設けられている。付与された利益は、制限条件を考慮後の取得株式の公正価値と申込
日において従業員が支払った金額の差額に株式の申し込み数を乗じた金額である。
譲渡制限の評価方法は、譲渡制限株式の5年先渡売りと、最終的には先渡売りからの収益で5年後に返済される借入金で購入の資金調
達を行うことによって同数の株式の現金買いを行うという2ステップの戦略コストを基礎とする。借入金金利は、平均的なリスク・プ
ロファイルの市場参加者が何の影響も受けずに5年で返済できる証券担保借入を求めた場合に認められるであろう金利である。
従業員のために留保される資本の増加に関連する利益の評価に適用される主な仮定は、注記 11.2.4 に記載されている。
株式に基づく従業員維持および業績表彰制度
変動報酬方針は、欧州規則 CRD IV など規制が定める枠組みに準拠している。また、 ACPR 、 ECB および AMF に関する透明性要件も満たして
いる。
ナティクシスの株式で決済される制度もあれば、ナティクシスの株価と連動させた額の現金で決済される制度もある。
株式決済型従業員維持および業績報酬制度
IFRS 第2号「株式に基づく報酬」に基づき、従業員に対する無償株式の交付により、付与日に受領した財貨またはサービスの公正価値
に相当する 費用が発生する。この人件費は資本に対して認識される。受領したサービスの公正価値は、付与日の株式の公正価値から権
利確定期間中に従業員が放棄した配当の現在価値を控除し、勤続要件を考慮して算定される。
費用は定額法で権利確定期間にわたって認識される。費用は権利の損失を反映するよう権利確定期間にわたって調整される。
ナティクシス株価に連動する現金決済型従業員維持および業績報酬制度
現金決済される株式に基づく報酬に適用される会計処理は、 IFRS 第2号「株式に基づく報酬」に準拠している。
当該基準に基づき、取得されたサービスおよび負担した負債は公正価値で測定される。負債が決済されるまで、債務は各報告日および
決済日に再測定され、公正価値の変動は当該期間の損益に認識される。報告日における負債の再測定は、勤続要件および業績規準が満
たされているか否かとともに、原株式の価値の変動が考慮される。
報酬の支払いが勤続要件の対象となる場合、対応する費用は定額法で権利確定期間にわたって計上され、勤続要件が存在しない場合、
費用は直ちに債務として認識される。その後、後者は、業績規準および基礎となる株価の変動を考慮に入れて報告日毎に再測定され
る。
ナティクシスの株価またはその子会社の株価に連動する現金決済型従業員維持および業績報酬制度の条件変更によって、当該制度が株
式決済型従業員維持および業績報酬制度に分類変更される場合には、当該変更日において、ナティクシスの株価またはその子会社の株
価に連動する当初の制度に対して計上されていた負債の認識が中止されるとともに、株式決済型従業員維持および業績報酬制度のもと
で提供されるサービスに相当する負債が認識されることになる。資本での認識と負債の認識中止との差額は直接損益に計上される。
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これらの制度に関する詳細な情報と当年度中の数量的影響は、注記 11.2.2 に記載されている。
5.17 自己株式および自己株式に関連したデリバティブ
ナティクシスが保有するすべての自己株式は、それらの取得 /保有目的にかかわらず、資本から差し引かれる。トレーディング目的また
は売却可能として保有する自己株式の売却、測定または減損に関して、親会社の財務諸表において認識されたいかなる損益も、連結財
務諸表において資本から差し引かれる。
自己株式に関連したデリバティブは、決済方法により異なる認識がなされる。
・ 一定数の自己株式が一定金額の現金その他の金融資産と交換する取引により決済され、その取引が唯一の可能な決済方法である場
合、資本性金融商品として認識される。この場合、その後の再評価は行われない。
・ 正味現金決済または正味自己株式決済により決済される場合、デリバティブとして認識される。この場合、金融商品の公正価値の
変動が損益計算書に計上される。
ナティクシスに自己株式の購入義務を負わせる契約は、デリバティブの分類方法にかかわらず、割引取得価格の負債を発生させ、対応
する仕訳が資本に行われる。
5.18 受取報酬および受取手数料
IFRS 第 15 号「顧客との契約から生じる収益」のもとでは、企業は通常活動から生じる収益を、顧客に約束した財およびサービスの移転
と引き換えに企業が受け取ると予想する対価が反映された金額で認識しなければならない。収益は5段階で認識される:
・ 顧客との契約の識別
・ 互いに個別に認識すべき特定の履行義務(または項目)の識別
・ 全体の取引価格の算定
・ 様々な特定の履行義務への取引価格の配分
・ 履行義務が充足された時点での収益の認識
この手法は、( IFRS 第 16 号の対象である)リース、( IFRS 第4号の対象である)保険契約、( IFRS 第9号の対象である)金融商品を除
く顧客との契約のすべてに適用される。収益または契約コストに関して具体的な規定が他の基準に定められているときは、それらを先
に適用する。
この手法が適用されるナティクシスの主な事業は以下のとおりである:
・ 受取報酬および受取手数料。この収益が実効金利に組み込まれていない場合のバンキング・サービスによるもの、または資産運用
もしくは金融工学サービスによるもの。
・ その他の事業活動による収益。特にリースに含まれるサービスに関するもの。
受取手数料は、提供したサービスの種類および提供したサービスに付帯する金融商品の会計処理方法に従って、損益に認識される。
報酬額の測定について不確実性が残るときは(資産運用の成功報酬や金融工学に関する変動報酬など)、報告日時点で入手可能な情報
を鑑みて、当行グループの権利が確定している金額のみが認識される。
サービス報酬を分析し、同報酬のさまざな構成要素(または履行義務)を個別に識別し、それに起因する収益の割合を各構成要素に割
り当てている。そのうえで、各構成要素を、提供したサービスの種類および提供したサービスに付帯する金融商品の会計処理方法に応
じて、収益に認識する。
・ 保証報酬や管理報酬など、継続サービスに対する報酬および手数料は、当該サービスを提供する期間にわたり繰り延べられる。
・ ビジネス・プロバイダー報酬など、単発のサービスに対する報酬および手数料は、当該サービスを提供次第、収益に認識される。
シンジケーション取引の一環として行うものをはじめ、顧客への特定の貸出の手配に関連するストラクチャリングおよびアレンジメン
トに対する報酬は、法的な取引完了日または(シンジケート・ローンの場合は)シンジケーション期間の末日に損益に認識される。
貸出金設定に対する報酬など、金融商品に係る実効利回りの不可欠な一部を成す報酬および手数料は、当該貸出金の見積期間にわたっ
て認識され、実効金利の調整として償却される。これらの報酬および手数料は、「正味受取報酬および受取手数料」ではなく受取利息
として認識される。
支払日とサービスの実施日が異なるときは、契約の種類および当該相違の性質に応じて資産または負債が生じ、「その他の資産」また
は「その他の負債」に計上される。
5.19 税金費用
当年度の税金費用は、以下により構成される。
・ フランス企業が、 500,000 ユーロを超える部分の利益について 32.02 %の率で支払うべき税金(0から 500,000 ユーロは 28 %)、また
は海外の企業および支店に対して現地で定められている率で支払うべき税金。
・ 資産・負債の帳簿価額と、貸借対照表負債法により計算されるその税務基準額との間の一時的差異から生じる繰延税金
繰延税金資産・負債は、現地の税法に従い、一時的差異が解消される日現在で適用されているまたは実質的に適用されている税率に基
づき、各課税企業レベルで計算される。繰延税金は割引かれない。
繰延税金資産は、当該課税企業が一定期間(最長 10 年間)の間に税効果を実現できる可能性が高い場合にのみ、報告日に認識される。
こうした税効果は、当該期間内に一時的差異または繰越欠損金が将来の見積課税所得から控除されることで実現される。
繰延税金資産・負債は、各課税企業のレベルで相殺される。課税企業は、当行グループの減税目的のために選ばれた単体企業または、
該当する場合には、企業グループの一部のいずれかである。
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フランスにおいて繰延税金資産・負債に適用される税率は、様々なフランスの法律を通じて議会が導入した減税を考慮に入れている。
法人税率は、( 3.3 %の社会保障税による影響を除くと) 2021 年は 27.5 %に(全課税所得について)、 2022 年以降は 25 %になる予定であ
る。
すべての一時的差異は、それらの解消日または支払日にかかわらず、認識されている。繰延税金の正味残高は貸借対照表の「繰延税金
資産」に表示される。
付加価値 負担金、すなわち「 Cotisation sur la Valeur Ajoutée des Entreprises 」( CVAE )について は、 その計算が 当期 純 利益 を基
にされないとナティクシスは考えており、 「 営業費用 」として計上 され ている。
さらに、 2020 年4月1日から、外国の有価証券に係る税額控除は NBI ではなく法人所得税に計上されている点に注意する必要がある。
5.20 貸出コミットメントおよび保証コミットメント
a )金融保証
供与したコミットメント
デリバティブに分類されない金融保証コミットメントは、債務者が契約上支払うべき分割払込金の支払いを怠ったために生じた損失に
ついて、保証対象企業に返済するため、発行体に特定の支払いをすることを求める契約である。この権利の行使は、不確実な将来の事
象の発生を条件としている。
供与された金融保証は、当初は公正価値で表示され、当初認識後は次のうちいずれか高い方で表示される:
・ 当初認識額から、該当する場合には、 IFRS 第 15 号「顧客との契約から生じる収益」に記載の原則に沿って計上された償却額を控除
した額。この償却額は、当該保証によってカバーされる期間中にわたって、受領報酬が遅延認識されることを表す。
・ 予想信用損失モデル (注記 5.3 参照) の引当金に応じて算定される引当金額
これらの引当金は注記 7.16 「引当金の要約」に表示されている。
保険子会社が供与した金融保証で、保険契約の定義を満たすものはすべて、 IFRS 第4号「保険契約」の要求事項に則して会計処理され
ている (注記8参照) 。
ミューチュアルファンドに対して発行される保証の特定事例
ナティクシスは、特定のミューチュアルファンドのユニットの元本および /または利益を保証している。これらの保証は、各ファンドの
満期時のユニットの純資産価額が、保証された純資産価額を下回った場合においてのみ行使される。
これらの保証はデリバティブとして計上され、 IFRS 第 13 号の規定に従って公正価値で測定されている。
受け取った保証コミットメント
IFRS の基準書には、受け取った金融保証を網羅する規定がない(デリバティブまたは保険契約を除く)。具体的な指針がない場合、適
用される会計処理は、類似した状況下で他の基準によって規定された会計処理との類似性によって決定しなければならない。したがっ
て、発行体に対する金融保証の定義に合致する受取保証は、以下に従って処理される。
・ 金融資産(負債性金融商品)に関して受け取った保証については IFRS 第9号。実際には、金融資産に関係する予想信用損失の測定
では、当該負債性金融商品の不可欠な部分だと考えられる保証が発生するフローを考慮に入れなければならない。
・ IAS 第 37 号の適用範囲に該当する非金融負債に関して受け取った保証については、 IAS 第 37 号。
b )貸出コミットメント
貸出コミットメントとは、事前に定められた条件のもとで貸出を実行するというナティクシスの取消不能なコミットメントをいう。
ナティクシスによって供与される貸出コミットメントの大半は、付与日の市場価格で付与され償却原価で認識される貸出金を生じさせ
る。よって、また IFRS 第9号に従って、貸出を行うというコミットメントと貸出そのものは、連続した段階から成る一つのプロセスで
あり、同一の金融商品とみなされる。したがって、貸出を行うというコミットメントは IFRS 第9号の範囲に該当しない。つまり、オフ
バランスシート取引として扱われ、再評価は行われない。しかしながら、貸出コミットメントは IFRS 第9号に基づく引当金計上のメカ
ニズムを適用できる (注記 5.3 参照) 。 IFRS 第9号は、貸出コミットメントの発行者は、本基準の範囲に該当しないローン・コミットメ
ントに引当金計上規準を適用しなければならないと規定している。これらのコミットメントに関係して認識された引当金は、注記 7.16
「引当金の要約」に表示されている。
5.21 銀行破綻処理メカニズムへの拠出
2015 年 10 月 27 日付のフランスの省令によって預金保証・破綻処理基金の設立手続が変更になった。預金保証・破綻処理基金への拠出
は、共同出資証明書、ならびに、貸借対照表上で資産として認識される現金保証金(取消不能なコミットメントの保証)およびその他
の営業費用の中の「所得税を除く税金」として損益に計上される拠出(この拠出は運用の承認を自主的に撤回する場合には払い戻しさ
れない)の形で支払うことができる (注記 6.7 参照) 。
銀行や投資会社の再生や破綻処理の枠組み構築に関する EU 指令第 2014/59 号( BRRD - 銀行再生・破綻処理指令)および EU 規則 806/2014
号(単一破綻処理制度( SRM )規則)によって、 2015 年時点で破綻処理基金の創設が定められた。 2016 年に、当該基金は単一監督メカニ
ズム( SSM )の参加国間での単一破綻処理基金( SRF )となった。この SRF は破綻処理のための資金調達メカニズムであり、破綻処理当局
である単一破綻処理理事会が利用できる。単一破綻処理理事会は、破綻処理手続の実施に際して当該基金を利用することができる。
委任規則第 2015/63 号および破綻処理のための資金調達メカニズムへの事前拠出に関する BRRD 指令の補足となる実施規則第 2015/81 号に
従って、単一破綻処理理事会は単一破綻処理基金への 2019 年の拠出水準を設定した。単一破綻処理基金への拠出は貸借対照表上に資産
として認識される現金保証金(現金保証金の 15 %)および「所得税を除く税金」として損益計上される拠出の形で支払うことができる
(注記 6.7 参照) 。
5.22 見積りと判断の使用
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財務諸表の作成において、ナティクシスは、専門家の判断を仰ぐ必要のある入手可能な情報に基づき、一定の見積りおよび仮定を立て
る必要がある。この作業は、グローバル経済に前例のない影響をもたらしている現在の健康危機を考慮すると、とりわけ困難なものと
なっている。
これらの見積りおよび仮定は、損益計算書における収益および費用の計算、貸借対照表における資産および負債の価額、および /または
財務諸表注記における一定の開示事項に影響する可能性のある不確実性の原因となる。よって、特定の取引の将来の結果が、 2020 年 12
月 31 日現在の財務諸表の作成に用いられている見積りから著しく乖離する場合があり、極端な不確実性が生じている現状を考えるとな
おさらその可能性は高い。
仮定を立てる必要がある会計上の見積りは、主に以下に記載の項目の測定に用いられている:
公正価値で計上される金融商品
活発な市場で取引されていないハイブリッド市場金融商品の公正価値は、評価技法を用いて算定される。評価モデルを用いて生成され
た評価は、当該金融商品および関連するリスクに応じて、正味ポジションのビッド /アスク価格、モデルリング・リスク、将来キャッ
シュ・フローの資金調達コストに関する仮定、ならびに取引相手方リスクおよびインプット・リスクを勘案して調整される。これらの
方法により得た公正価値は、市場で売却される場合、取引時の実際の価格と異なることがある。
流動性の低い金融商品の価格設定に使用される評価モデルについては、注記 7.5 に記載されている。
IFRS 第9号のもとで「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」または「リサイクル不能なその他の包括利益を通じて公正価値
で測定される金融資産」として区分される非上場資本性金融商品の一部は、非連結企業に対する投資で構成される。非上場非連結企業
に対する投資の公正価値は、主としてマルチプルまたは DCF (割引キャッシュ・フロー)に基づく評価方法により得られる。これらの方
法を使用するためには、事前に一定の選択および仮定(とりわけ将来予想キャッシュ・フローおよび割引率)を実施する必要がある。
予想信用損失による減損
予想信用損失による減損モデルは、損失に対する引当金および評価調整に影響を及ぼすパラメータと前提を基礎とする。これらのパラ
メータと前提は現在や過去のデータに基づいており、これにはまた、将来の経済シナリオの見積りや重みづけなど合理的かつ正当な予
測が含まれる。ナティクシスはまた、これらのパラメータや前提を見積り適用する際に専門家の意見も考慮に入れている。
健康危機を原因とするグローバル経済を巡る極めて不確実な環境により、合理的かつ根拠のある予測をするにあたり 2020 年は細心の注
意を払う必要が生じた。よってナティクシスは、特にマクロ経済に関する予想に基づく、かつ自己の運営組織が承認した、新たなシナ
リオの一元管理を構築した (注記 1.4.2 参照) 。
資金生成単位( CGU )の評価
減損テストを行えるよう、すべてののれんが CGU に割り当てられている。ナティクシスによって行われる減損テストは、各 CGU の帳簿価
額(のれんを含む)をその回収可能価額と比較することによって行われる。回収可能価額が使用価値に等しい場合、年間のフリー・
キャッシュ・フローを永続価値に割引くことによって算定される。割引キャッシュ・フロー法の使用は以下を伴う。
・ 将来キャッシュ・フローを見積る。ナティクシスは、これらの見積りの基礎を、そのビジネス単位の中期計画に含まれる予測に置
く。
・ 中期計画の最終年のキャッシュ・フローを、予想年間成長率を反映させた利率で、無期限の将来にわたって見積る。
・ 各 CGU の個別の利率でキャッシュ・フローを割引く。
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの事業部門の将来の純利益に結果的に影響を及ぼす景気見通しに関する高い不確実性にかかわら
ず、すべての資金生成単位( CGU )について評価額の評価が行われた。 CGU の減損テストは注記 2.5 に表示されている。
償却原価で認識される貸出金および債権の公正価値
活発な市場で相場が付けられていない貸出金の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を使用することにより決定される。割引率は、
類似のリスク特性を持つ貸出金グループに対して、当該期間中に機関投資家によって使用される利率の査定に基づく。貸出金は、信用
スプレッドに影響を与える要因の特定を可能にする統計調査に基づき、類似のリスク特性を持つグループに分類されている。ナティク
シスはまた、この分類を改良するために、専門家の判断に依拠している。
従業員給付
ナティクシスは、主な従業員給付の算定を独立保険数理士に依頼している。これらのコミットメントは、昇給率、割引率および制度資
産の収益率などの仮定を用いて決定される。これらの割引率および収益率は各計算期間末時点に観察された市場レート(例えば、割引
率について AA 格付け社債のイールド・カーブ)に基づいている。長期給付債務に適用される場合、これらのレートが、評価に不確実性
をもたらす。
保険契約関連の負債
保険の技術的準備金は、次期以降の期間にわたって報告される金額の調整につながる可能性がある 仮定 および見積りを用いて計算され
る。
・ 個人向け保険については、支払準備金は、保険請求経験のモデリングにより計算される。
・ 生命保険については、責任準備金は、経済的仮定、金融的仮定、死亡率表、罹患率表および行動統計(例えば保険解約に関するも
の)に基づき算定される。
・ 損害保険に関しては、技術的準備金は未経過保険料収益(発生基準に従って計算され、報告日以降の期間に関連する期中に請求さ
れた保険料部分に相当する)に関する引当金と、報告日時点では発生しているがまだ支払われていない既知および未知の保険金請
求に相当する支払うべき保険金に関する準備金で構成される。
負債十分性テスト
IFRS 第4号に従って、保険の技術的準備金は、現地規則によって規定された方法を用いて算定される。負債十分性テストは、連結財務
諸表に表示される保険負債が、その日時点で見積られた将来キャッシュ・フローをカバーするのに十分であることを確実にするために
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実施される。このテストは、割引将来フローの確率論的なモデリングに基づいている。負債が不十分であるときは、潜在的損失の全額
が純利益に計上される。
繰延利益分配
繰延利益分配の計算に使用される配当参加率は、中期計画の期間にわたる予想配当性向に基づき決定されるが、前年度の実質配当性向
と一致している。
繰延利益分配資産の場合、不利な経済環境から生じる流動性の要求により、含み損のある資産の売却を余儀なくされないよう検証する
ための、回収可能性テストが実施される。この回収可能性テストは、過去の償還および資金の流入に関するさまざまな経済上の仮定に
基づく将来の予想キャッシュ・フローに依拠している (注記 8.2.5 参照) 。
繰延税金
欠損金の繰越は、フランスおよび英国においては無期限に認められており、その他の国でも極めて長期間(米国では 2018 年1月1日よ
り前の欠損金については 20 年間)にわたって控除可能であるなかで、ナティクシスは、保守的姿勢により、一定期間(最長 10 年)にわ
たって課税所得を生み出す能力に対応させる形で正味繰延税金資産を計上している。
このため、ナティクシスは、各事業分野の中期計画に基づき、税務上の事業計画を作成している。
法人所得税の処理に関する不確実性( IFRIC 第 23 号)
ナティクシスは、ある法人所得税の処理を税務当局が容認する可能性が高くないと結論付けた場合、財務諸表にその処理に関する不確
実性を開示している。ある税務上のポジションが不確実であるかどうかを判断し、当グループの法人所得税の額への影響を評価するに
当たりナティクシスは、税務当局が入手可能なすべての情報に関する包括的な知識を用いて全申告額を検証すると仮定している。この
判定は特に、行政政策、法的手続および税務当局が類似の不確実性について実施した更生の実績を基に行う。ナティクシスは、例えば
税制改正、制限期間の終了、税務当局が実施した管理策や施策の結果により生じうる、関連する事象および状況の変化があった場合、
税務上の不確実性に関して税務当局へ支払うまたは税務当局から受け取ると予想する金額の見積りの見直しを行う。
その他の引当金
金融商品、従業員給付および保険契約に関連する準備金を除き、連結貸借対照表で認識される引当金は、主に訴訟、リストラ、課徴金
および罰金リスクに対する引当金に関係するものである。
引当金が引上げられるのは、過去の事象により生じた債務を清算するために、経済的便益を包含する資源の流出が必要となる可能性が
高く、かつ、債務額を信頼性をもって見積ることができるときである。この金額を計算するために、ナティクシスはリスクの発生確率
を評価する必要がある。また割引の影響が重大である場合には、将来キャッシュ・フローが割引かれる。
その他の不確実性
ブレグジット(英国の EU 離脱)関連の不確実性
英国は 2016 年6月 23 日、国民投票を経て欧州連合から離脱(ブレグジット)することを決定した。 2017 年3月 29 日に欧州連合に関する
条約の第 50 条を発動させ、英国とその他 27 の欧州連合加盟国は、英国の脱退実現に向けて2年間という準備期間を設定した。この期限
は3回にわたり延期され、最終的には 2020 年1月 31 日に実行された。その後の 2020 年 12 月までの移行期間中、現行の欧州規則が引き続
き適用されるなか財とサービスに関する将来の貿易協定を巡り交渉が行われた。
英国と欧州連合は 2020 年 12 月 24 日、離脱協定に署名し、将来のビジネス関係のフレームワークを定めて移行期間を終了させた。しかし
ながら、この協定では金融サービスが取り扱われなかったため、ナティクシスは、合意なき離脱を見越して準備していた措置を、自己
の活動へ重要な影響を及ぼすことなく 2021 年1月1日から適用した。両者(英国および欧州連合)は、金融セクターに関する特別ルー
ルの交渉をするための期間を 2021 年3月 31 日までの3ヶ月間に定めた。ナティクシスは、連結財務諸表の作成に用いる仮定と見積りに
同交渉結果を適宜組み込むために、交渉結果を注視している。最後に、欧州規則による英国 CCP の否認は、 ESMA が同等性の認められる期
間を 2022 年6月 30 日までに延長すると 2020 年9月 21 日に発表しており、短期的にはリスクではない。
BMR の特定の規定の適用に関する不確実性
ベンチマークとして使用される指数に関する 2016 年6月8日の欧州規則( EU )第 2016/1011 号(以下「ベンチマーク規則」または
「 BMR 」)により、金融商品および金融契約においてベンチマークとして使用される指数、または欧州連合域内の投資ファンドの運用成
果を測定するために使用される指数の正確性および信頼性の担保を目的とした共通の枠組みが導入された。
ベンチマーク規則の狙いは、欧州連合域内での、ベンチマークの提供、ベンチマークの基礎となるデータの提供、およびベンチマーク
の使用を規制することにある。同規則はアドミニストレーターについて移行期間を設けており、各アドミニストレーターは 2022 年1月
1日までに認可または登録されなければならない。この日を過ぎると、アドミニストレーターが認可または登録されていない(また
は、アドミニストレーターが EU 域外に所在する場合は、アドミニストレーターが同等の規則またはその他の方法で広く認められている
または認可されている規則の対象ではない)ベンチマークについては、 EU が監督する企業による使用が禁止される。 BMR のもとでは、金
利のベンチマークである EURIBOR 、 LIBOR および EONIA はクリティカルに指定されている。
ユーロ圏では、新しい指標金利の定義を巡る不確実性の大半が 2019 年上半期に解消された。さらに言えば、新しい指標を提案するため
の作業は、 EONIA に関しては完了した。 EONIA は 2019 年 10 月1日にユーロ短期金利(€ STER )のトラッカーとなり、 2021 年 12 月 31 日まで継
続される予定である。そして後者は、 2022 年1月1日からいわゆる「再調整」 EONIA に取って代わることになる。
EURIBOR に関しては、「ハイブリッド型 EURIBOR 」に切り替えることを目指し、(ベルギーの規制当局が BMR 規定に準拠すると認めた)新
しい計算方法が 2019 年 11 月に決まった。現時点では、指標の算出に貢献する銀行の数が限られているため、 EURIBOR の持続可能性につい
て幾分不確実性が存在する。代替参照金利に関する欧州作業部会によって 2020 年 11 月、フォールバック条項の策定において企業を支援
すべく2つの協議が開始された。これらの協議では、この点に関して、 EURIBOR の恒久的な廃止が発動される事象の決定と、 EURIBOR に
取って代わる金利を€ STR を基に決定する方法が話し合われている。
LIBOR に関して言えば、現時点では、代替「無リスク金利」が英ポンド、米ドル、スイスフラン、および日本円 LIBOR について定められ
ている。ただし、これらの金利への移行条件を定めるための作業が今も進められている。また、移行期間終了時に再交渉がなされてい
ない LIBOR が参照されている契約についての法的な解決策も、欧州レベルと英国および米国で検討されている。
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2018 年上半期以降ナティクシスでは、プロジェクト・チームが設置され、金利指標改革に伴う影響を法律、商業、財務、会計処理の観
点から予測する作業に取り組んでいる。ナティクシスが有する4つの全事業部門を網羅するガバナンスが構築され、この問題の運営上
の側面を分析している。
2019 年の作業は EURIBOR 改革と EONIA から€ STR への移行、指標の廃止に関する契約条項の強化に焦点が当てられた。 2020 年には、指標の
移行と廃止されるベンチマークに対するエクスポージャーの縮小について、運営面に軸足を置いた新しい段階に入った。例えば、新し
い指標の使用、既存契約修正計画の識別と実行、取引銀行とのより活発なコミュニケーションを始めた。ただし、金利指標改革の影響
を受ける契約の大半が、 2021 年中に代替金利に置き換えられ修正される予定である。
会計処理に関しては:
・ IASB は 2019 年9月、ヘッジ関連問題に関する IFRS 第9号、 IAS 第 39 号および IFRS 第7号の修正を公表した。 IAS 第 39 号および IFRS 第
9号の修正は、ヘッジ会計に関してこれらの基準が定めた要求事項の一時的な例外措置について規制している一方、 IFRS 第7号の
修正は、これらの例外措置が適用されるヘッジ関係に関して、 IBOR 改革に対する企業のエクスポージャー、代替的なベンチマーク
金利への移行の管理方法およびこれらの修正を適用するために行われた仮定または判断に関する情報を提供することを要求してい
る。これらの修正を通じて IASB は、代替的なベンチマーク金利への移行前の期間中に、 IBOR 改革に伴う不確実性が原因で企業が
ヘッジ関係を中止しなければならない事態を防ぐことを目指している。 BOR または EONIA の要素が盛り込まれているこれらヘッジ契
約のすべてが金利指標改革の影響を受け、よって、規則や適用する代替指標、または暫定金利の適用期間が原因で実施しなければ
ならない契約の変更に関して不確実性が残る限り上記の修正の恩恵を受けるとナティクシスは考えている。ヘッジ目的デリバティ
ブは注記 7.18 に表示されている。ヘッジ関係で用いられた金利スワップは、ほぼすべてが BOR または EONIA の指標に連動する。
・ IASBは2020年 8 月27日、 伝統的なベンチマーク 金利から代替 的なベンチマーク 金利への移行に起因する トピックに 対処するための
文書 草案を公表した。この概要は、金融資産および金融負債(リースに 関連 する債務を含む)の修正に関 して、 それ ら が既存の契
約条項(フォールバック条項)の 発動 、ヘッジ会計または開示に 関連している か否かを問わず、IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7
号、IFRS第4号およびIFRS第16号の規定を 修正 すること を狙いとしてい る。2021年1月13日に ヨーロッパ 委員会が採択したこの文
書は、2021年1月1日に発効し、早期適用も認められている。ナティクシスは2020年12月31日 付で これらの 修正 を早期適用するこ
とを選択した。
詳しく言うと、これらには以下のものが含まれる:
・ 金利指標改革が直接の原因である金融資産および金融負債 の変更 で、契約上のキャッシュ ・ フローの計算基礎が 、 その 変更 直前に
用いられてい た基礎と経済的に同等であるものについて、IFRS第9号および IFRS 第 16号の規定を適用 して、 変動金利に連動する金
融商品のキャッシュ ・ フローを再見積りする こと 。つまり、金融資産 および 金融負債(リース債務を除く)に関しては、実効金利
の将来予測的な 修正 、リースに 関連 する金融負債に関しては、代替 的なベンチマーク への切り替えを考慮に入れ た 割引率の 変更 を
含む賃借債務の将来予測的な 修正 。よって、これら の 規定の適用は、移行日時点で は 損益計算書 に 影響を及ぼさない。
・ ヘッジ会計に関しては、 修正草案 では、IFRS第9号およびIAS第39号が定めているヘッジ会計 の 適用 規準に対して、 ヘッジ会計の 中
断の回避を目的とする新たな例外措置を導入している。
・ 公表すべき情報に関しては、IBOR改革に伴って企業が さらさ れるリスクの性質 と範囲 に関する情報 を、 全金融商品について伝達 す
ること (注記 7.18 参照) 。
5.23 1株当たり利益/(損失)
希薄化後1株当たり利益 /(損失)は、グループ持分に帰属する当期純利益 /(損失)を、希薄化金融商品の普通株式への転換により生
じる最大の影響額に応じて調整された加重平均株式数で割った額に相当する。希薄化後1株当たり利益 /(損失)を計算する際には、発
行済ストック・オプションが考慮される。これらの金融商品の転換は、希薄化後1株当たり利益 /(損失)の計算に使用される当期純利
益 /(損失)に影響を与えない。
2020 年 12 月 31 日に
2019 年 12 月 31 日に
終了した年度 終了した年度
1株当たり利益 /(損失)
グループ持分に帰属する当期純利益 /(損失) (単位:百万ユーロ)
101 1,897
( a)
(19) 1,758
株主に帰属する当期純利益 /(損失) (単位:百万ユーロ)
期中平均普通株式数 3,155,436,359 3,152,619,870
期中平均 自己株式 数 4,116,402 2,446,353
1株当たり利益 /(損失)の計算に使用される平均株式数 3,151,319,957 3,150,173,517
1株当たり利益 /(損失) (単位:ユーロ)
(0.01) 0.56
希薄化後1株当たり利益 /(損失)
グループ持分に帰属する当期純利益 /(損失) (単位:百万ユーロ)
101 1,897
( a)
(19) 1,758
株主に帰属する当期純利益 /(損失) (単位:百万ユーロ)
期中平均普通株式数 3,155,436,359 3,152,619,870
期中平均 自己株式 数 4,116,402 2,446,353
( b)
8,765,186 7,988,464
ストック・オプション制度および無償株式割当 に起因する希薄化性潜在的 株式数
希薄化後1株当たり利益 /(損失)の計算に使用される平均株式数 3,160,085,143 3,158,161,981
希薄化後1株当たり利益 /(損失) (単位:ユーロ)
(0.01) 0.56
( a)グループ持分に帰属する当期純利益 /(損失)と、株主に帰属する当期純利益 /(損失)との差異は、超劣後債および優先株式で発生した利息、すな
わち、 2020 年 12 月 31 日現在の (119.4) 百万ユーロおよび 2019 年 12 月 31 日現在の (138.1) 百万ユーロに相当する。
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( b)この株式数は、 2018 年度、 2019 年度、および 2020 年度の無償株式制度( PAGA )、 2017 年度、 2018 年度、 2019 年度および 2020 年度の長期奨励制度
( LTIP )ならびに 2018 年度のペイメント・ビジネス・ライン制度( PMP )のもとに付与された株式を指している。
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注記6 損益計算書注記
6.1 金利差益
「受取利息および類似収益」ならびに「支払利息および類似費用」は、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」
および「償却原価で測定される金融資産」として認識される固定利付有価証券に係る利息ならびに銀行および顧客に対する貸出金およ
び債権に係る利息から成る。
償却原価で評価される金融資産および金融負債には、実効金利法により計算される利息が認識される。
この項目にはヘッジ目的デリバティブに係る利息も含まれている。
受取利息にはまた、トレーディング・モデルのもとで保有されていない非 SPPI 負債性金融商品(公正価値で測定される金融商品に当初
から分類されている)に係る利息も含まれている。
2020 年 12 月 31 日現在、金融資産に係るマイナスの利息は「支払利息および類似費用」に、金融負債に係るマイナスの利息は「受取利息
および類似収益」に表示されている。 2019 年 12 月 31 日現在、金融資産に係るマイナスの利息は「受取利息および類似収益」に含めて正
味残高を示し、金融負債に係るマイナスの利息は「支払利息および類似費用」に計上されていた。
2020 年 12 月 31 日に終了した年度 2019 年 12 月 31 日に終了した年度
(単位:百万ユーロ )
収益 費用 正味
収益 費用 正味
償却原価で測定される金融資産および金融負債 2,485 (1,418) 1,067 3,452 (2,683) 769
中央銀行預け金 72 (60) 12 346 (93) 253
有価証券に係る利息 108 (94) 14 87 (92) (5)
債権、貸出金および借入金 2,305 (783) 1,522 3,019 (1,447) 1,571
銀行 468 (596) (128) 306 (823) (516)
顧客 1,833 (187) 1,646 2,706 (624) 2,082
ファイナンス・リース 4 4 6 6
債務証券および劣後債務 (469) (469) (1,031) (1,031)
リース負債 (13) (13) (20) (20)
その他の包括利益 を通じて公正価値で測定される金
融資産 70 (0) 70 104 104
有価証券に係る利息 70 (0) 70 104 104
貸出金および債権 0 0 0 0
純損益を通じて公正価値で評価される金融 資産 66 66 56 56
貸出金および債権 42 42 39 39
有価証券に係る利息 24 24 17 17
ヘッジ目的デリバティブ 318 (429) (110) 336 (461) (126)
(a)
合計 2,940 (1,847) 1,093 3,948 (3,144) 803
(a) 2020 年 12 月 31 日現在、金融資産および金融負債に係るマイナスの利息はそれぞれ (146.9) 百万ユーロおよび 231 百万ユーロにのぼった。
6.2 正味受取報酬および受取手数料
サービスまたは金融商品に関して受け取った報酬および手数料の会計処理 方法 は、提供されるサービスの最終目的とそのサービスが関
係する金融商品の会計処理方法に左右される。適用している主な会計原則は注記 5.18 に表示されている。
受託または類似の報酬および手数料は、個々の顧客、年金制度またはその他の機関に代わり保有または投資されている資産から生ずる
ものである。とりわけ、信託取引は、資産運用および保管業務で、第三者に代わり行われるものを含む。
Natixis Investment Managers の関連会社が運用する特定のファンドに関しては、目論見書にある契約条件が、優れたファンド運用成果
に対する「成功報酬」の支払を規定している。
2020 年 12 月 31 日に終了した年度 2019 年 12 月 31 日に終了した年度
収益 費用 正味
収益 費用 正味
(単位:百万ユーロ )
インターバンク取引 7 (29) (22)
8 (27) (18)
顧客との取引 568 20 588 553 (2) 551
有価証券取引 76 (174) (98) 69 (124) (55)
決済サービス 477 (65) 412 473 (61) 412
金融サービス 121 (504) (383) 229 (598) (369)
(a)
3,414 0 3,414 4,007 0 4,007
受託 取引
貸出、保証、有価証券およびデリバティブの
313 (141) 172 235 (117) 118
コミットメント
(b)
107 (1,137) (1,030) 147 (1,265) (1,119)
その他
(c)
5,084 (2,028) 3,056 5,719 (2,197) 3,523
合計
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( a)うち成功報酬は、 2020 年 12 月 31 日に終了した年度が 314 百万ユーロ(うち 286 百万ユーロが欧州向け)、 2019 年 12 月 31 日に終了した年度が 627 百万ユー
ロ(うち 537 百万ユーロが欧州向け)。
( b)うち保険事業の正味受取報酬および受取手数料は、 2020 年 12 月 31 日に終了した年度が (1,125) 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日に終了した年度が (1,243)
百万ユーロ。保険事業の関連収益は「保険事業からの純利益」として表示されている。
( c) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は正味受取手数料に (126.8) 百万ユーロ寄与していた(収益が 59.1 百万ユーロ、費用が (185.9) 百万ユーロで、主に「そ
の他」に分類されていた)。
6.3 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に係る損益
この項目には、トレーディング目的で保有されているか、公正価値オプションのもとで指定されているか、または公正価値で測定され
ているかを問わず、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負債に係る損益が含まれる。また、この表示項目には、
受取利息として表示されている利息を除き、当該金融商品に係る利息も含まれる。
「ヘッジ目的デリバティブ」には、公正価値ヘッジと分類されたデリバティブの公正価値の変動(利息を除く。)およびこれと対称関
係となるヘッジ対象の再評価を含む。また、ヘッジ目的デリバティブには、キャッシュ・フロー・ヘッジの「非有効」部分も含む。
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
に終了した年度
に終了した年度
ヘッジ目的デリバティブを除く金融資産および金融負債に係る純損益 2,004
1,021
(b)
1,601 5,275
トレーディング目的で保有する金融資産および金融負債に係る純損益
うちヘッジ会計として適格でないデリバティブ 3,722 (463)
純損益を通じて公正価値で評価される金融資産に係る純損益 66 268
公正価値オプションのもとで測定される金融資産および金融負債に係る純損益 (660) (3,714)
その他 15 175
ヘッジ手段およびヘッジ対象の再評価 (19) (18)
キャッシュ・フロー・ヘッジ (CFH) の「非有効」部分 (11) 0
公正価値ヘッジ (FVH) の「非有効」部分 (9) (18)
公正価値ヘッジの変動 (133) (115)
ヘッジ対象の変動 124 97
(a)
1,002 1,986
合計
(a) 損益計算書に表示された費用および収益が機能ではなく種類別に分類される場合、純損益を通じて公正価値で測定される金融商品に関する活動の正
味収益は全体として考慮されるべきである。上に表示された結果には、これらの金融商品の借換コストが含まれておらず、借換コストは受取利息ま
たは支払利息に計上されている。
(b) 「トレーディング目的で保有する金融資産および金融負債に係る純損益」には、以下が含まれる。
- モノライン保険会社との間で締結された CDS の公正価値に対して適用された減額: 2020 年度には 4.7 百万ユーロの在庫減少の増加が計上された。こ
れに対して 2019 年 12 月 31 日現在では 1.8 百万ユーロ(費用)の在庫減少の増加(外国為替の影響と BPCE 保証の影響を除く)。よって、減少した在
庫の合計は、 2019 年 12 月 31 日現在が 25.1 百万ユーロだったのに対して、 2020 年 12 月 31 日現在は 29.8 百万ユーロだった。
- 2020 年 12 月 31 日現在、デリバティブに対する自己信用リスク調整(債務評価調整: DVA )の認識額は、 2019 年 12 月 31 日現在の (35.4) 百万ユーロ
(費用)に対して 11.8 百万ユーロ(収益)だった。
また、金融資産に係る取引相手方リスクの評価に関連する評価調整( CVA )は、 2019 年 12 月 31 日現在の (1.2) 百万ユーロの費用に対して、 2020 年 12 月 31
日現在は (39.8) 百万ユーロ(費用)であった。
- 無担保のデリバティブまたは完全に担保されていないデリバティブで使用される資金調達評価調整( FVA )も、 2019 年 12 月 31 日現在の 12.8 百万
ユーロの収益に対して、 2020 年 12 月 31 日現在は (3.3) 百万ユーロの費用をこの項目に認識している。
6.4 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る損益
下表は、当期純利益に認識された、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る純損益を示している。この項目は
主に以下のものから成る:
・ ヘッジ手段の影響を除いた、負債性金融商品の売却益
・ 資本性金融商品に係る配当
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ ) に終了した年度
に終了した年度
負債性金融商品に係る純利得 9
23
貸出金および債権に係る純利得
資本性金融商品に係る純利得(配当) 50 31
合計 72 40
当期中に認識された未実現損益は、「当期純利益(損失)およびその他の包括利益に直接計上された損益に係る計算書」に表示されて
いる。
6.5 償却原価で測定される金融商品の認識中止に起因する純損益
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この表示項目には、償却原価で認識される債務証券ならびに貸出金および債権の認識中止に起因する損益から成り、ヘッジ手段の影響
も含まれる。
2020 年 12 月 31 日現在、償却原価で認識される金融商品の認識中止に起因する純損益には、償却原価で認識されていた金融資産の売却後
に計上された損失 (13) 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は (7 )百万ユーロ)や、償却原価で認識されていた債務証券の売却に関連する
利得1百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は (3 )百万ユーロ)が含まれる。
6.6 その他の損益
その他の業務からの損益には付随的収益・費用が含まれている。
2020 年 12 月 31 日に終了した年度 2019 年 12 月 31 日に終了した年度
(単位:百万ユーロ )
収益 費用 正味
収益 費用 正味
オペレーティング・リース 30 0 30
29 0 29
その他の関連損益 227 (194 ) 33 221 (167) 54
(a)
256 (194 ) 62
251 (167) 85
合計
(a) このうち、 COVID-19 危機の中での小規模企業連帯基金への保険者の拠出は 2020 年 12 月 31 日現在で (13.9) 百万ユーロにのぼった。
6.7 営業費用ならびに減価償却、償却および減損
営業費用の主な内訳には、再請求費用を控除した賃金・給料を含む人件費、社会保障費、年金(確定給付制度)等の従業員給付および
IFRS 第2号に従い認識される株式に基づく報酬に関連する 費用 がある。これらの 費用 の内訳については、注記 11 に記載されている。
この項目にはまた、すべての一般管理費および外部委託費も含まれる。
2020 年 12 月 31 日に 2019 年 12 月 31 日に
(単位:百万ユーロ )
注記 終了した年度 終了した年度
人件費 11.2
賃金および給料 (2,485 ) (2,830)
(a)
(19 ) (54)
うち株式報酬
年金その他の長期従業員給付 (230 ) (285)
社会保障費 (565 ) (606)
インセンティブおよび利益分配制度 (115 ) (136)
給与税 (106 ) (117)
その他 (4) (6)
人件費合計 (3,505 ) (3,980)
その他の営業費用
(b)
(300 ) (315)
所得税を除く税金
外部委託費 (1,579 ) (1,870)
その他 (31 ) (43)
その他の営業費用合計 (1,910 ) (2,228)
合計 (5,415 ) (6,208)
(a) 従業員維持および業績報酬制度に関して 2020 年度に認識されている金額には、ナティクシス株価連動型の現金決済型の報酬部分についての (13) 百万
ユーロの費用( 2019 年 12 月 31 日現在では (44) 百万ユーロ)およびナティクシス株式決済型の報酬部分についての (6 )百万ユーロの追加費用( 2019 年 12
月 31 日現在では (10) 百万ユーロ)が含まれている。
(b) 2020 年 12 月 31 日現在の単一破綻処理基金( Single Resolution Fund : SRF )への拠出である (165.3) 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在では (169.7) 百万
ユーロ)を含む。うち企業連帯社会拠出金( C3S )は、 2019 年 12 月 31 日現在の (33.8) 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は (41.1) 百万ユーロ。
2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は営業費用に (480.1) 百万ユーロ寄与していた。
また、有形固定資産および無形資産に係る減価償却費、償却費および減損には、解除する予定の建物の取り決めに関する繰上償還の
(7.1) 百万ユーロが含まれている。
6.8 リスク費用
この表示項目は主に、 IFRS 第9号の定義による信用リスクの認識に関連する収益が含まれる:
・ 以下の項目に関する 12 ヶ月および全期間予想信用損失に対する引当金および減損に係るキャッシュ・フロー
・ 償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で認識される負債性金融商品
・ リース債権
・ 貸出コミットメントまたは保証コミットメントのうち、デリバティブ金融商品の定義を満たさないもの
・ 回収不能貸出金損失および過年度に損失として認識した貸出金の回収
2020 年 12 月 31 日に終了した年度 2019 年 12 月 31 日に終了した年度
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償却済
引当金で
引当金で
償却済
貸倒債権
正味 充当されな 貸倒債権
正味 充当されな
(単位:百万ユーロ )
繰入れ 戻入 れ かった償却 の回収 純額
繰入れ 戻入 れ かった償却 の回収 純額
金融資産の減損引当金 (872) 561 (9) 4 (316)
(1,372) 567 (3) 7 (801)
減損していない金融資産
(118) 90 0 0 (27) (74) 61 0 0 (13)
- 12 ヶ月予想信用損失
減損していない金融資産
(395) 321 0 0 (73) (244) 266 0 0 22
-全期間予想信用損失
減損している金融資産-
(860) 156 (3) 7 (700) (554) 234 (9) 4 (325)
全期間予想信用損失
その他
偶発損失引当金 (403) 353 (0) 0 (51) (275) 262 (2) 0 (15)
貸出コミットメント-
(75) 50 0 0 (25) (29) 26 0 0 (3)
12 ヶ月予想信用損失
貸出コミットメント-全
(295) 253 0 0 (41) (166) 174 0 0 8
期間予想信用損失
減損している貸出コミッ
トメント-全期間予想信 (25) 42 0 0 16 (75) 50 (0) 0 (25)
用損失
その他 (8) 8 (0) 0 (1) (5) 11 (2) 0 4
合計 (1,775) 920 (3) 7 (851) (1,147) 823 (11) 4 (332)
うち:
減損引当金の戻入れ 920 823
減損引当金の取崩し 677 194
戻入 れ小 計 1,597 1,017
引当金で充当された償却 (677) (194)
正味戻入 れ合 計 920 823
この項目にはまた、店頭取引( OTC )商品の取引相手方に関係して確定した債務不履行リスクに関して計上された減損も含まれ、 2020 年
12 月 31 日現在、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に 32.6 百万ユーロが計上されている。
6.9 その他の資産に係る損益
この項目は、有形固定資産および無形資産の処分から生じたキャピタル・ゲインおよびロス、ならびに連結子会社に対する投資の処分
に係るキャピタル・ゲインおよびロスから成る。
2020 年 12 月 31 日に終了した年度 2019 年 12 月 31 日に終了した年度
連結子会社に 有形固定資産
連結子会社に 有形固定資産
(a)
(b)
(単位:百万ユーロ )
対する投資 および無形資産 合 計
対する投資 および無形資産 合 計
処分に係る正味キャピタ
627 60 687
(187) 0 (187)
ル・ゲイン/ (ロス )
合計 (187) 0 (187) 627 60 687
(a) 2020 年度に計上された、 Coface の処分損益に関する (145.6) 百万ユーロおよび H20 に係る (47.6) 百万ユーロを含む(注記 1.2 重大な事象を参照)。
(b) SFS 事業部門の売却に関する 697.1 百万ユーロおよび Natixis Brasil の処分に関する (14.7) 百万ユーロを含む。
6.10 財務諸表中の税務費用と理論上の税務費用の調整
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ ) に終了した年度
に終了した年度
+ グループ持分に帰属する当期純利益
1,897
101
+ 非支配持分に帰属する当期純利益
81 380
+ 法人所得税費用
204 669
+ 非継続事業からの利益
+ のれんの減損
(5)
- 持分法による投資利益
53 (21)
= 税金、のれん、償却および持分法による投資利益控除前連結当期純利益/(損失)
439 2,919
(a)
282 (110)
+/- 永久差異
= 連結課税所得/ (欠損金 )
721 2,809
(b)
32.02 % 34.43 %
x 理論上の税率
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= 理論上の税額
(231) (967)
+ 軽減税率での法人所得税
(2) 0
+ 繰延税金目的上認識されない当期の欠損金
16 (7)
+ 連結納税に係る影響額
18 16
+ 海外子会社での税率差
(3) 209
+ 過年度税金およびその他の税金
(2) 80
= 当期の税金費用
(204) (669)
うち:未払税金 (247) (522)
繰延税金 43 (147)
(a) 永久差異には、 Coface 部門の支配喪失の影響( 145.6 百万ユーロ)、 Natixis Investment Managers による H20 の売却に関連する予想損失の認識の影響
( 49 百万ユーロ)、 2020 年 12 月 31 日現在で 114.7 百万ユーロにのぼる損金不算入の規制上の拠出金による影響( 2019 年 12 月 31 日現在は 130 百万ユーロ)
が含まれる。 2019 年は、永久差異には、 BPCE への SFS 事業部門の売却に関連する非課税の長期キャピタル・ゲイン部分( (454) 百万ユーロ)および
Natixis Brasil の処分に係る損金不算入のキャピタル・ロス( 14.7 百万ユーロ)が含まれる。
(b) 2020 年、標準法人税率は 32.02 %に低下した。
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注記7 貸借対照表注記
7.1 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負債
これらの資産および負債は、報告日現在の公正価値で測定され、利息を含めた公正価値の増減は、損益計算書上で「純損益を通じて公
正価値で測定される金融商品に係る純損益」として認識される。ただし、以下を除くものとする。
・ 損益計算書において受取利息および支払利息として計上されたヘッジ目的デリバティブおよび非 SPPI 金融商品に対する利息。
・ 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債に係る自己の信用リスクに起因する公正価値の変動。当該公正
価値変動については、その他の包括利益において「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に係る自己の信用リスクの再評
価額」に計上される。
7.1.1 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
以下の表は、商品の種類別の純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の内訳を示す。
純損益を通じて公正価値で測定しなければならない金融商品には、負債性金融商品および非 SPPI ローン(これらの分類規準は注記 5.1.2
に記載されている)、ならびにその他の包括利益に認識しないことを選択した資本性金融商品が含まれる。
*
2020 年12月31日 現在
2019年 12 月 31 日 現在
公正価値
公正価値
オプショ
オプショ
トレー
トレー
純損益を通じ ンに 基づ
純損益を通じ ンに基づ
ディング
ディング
て公正価値で き指定 さ
て公正価値で き指定さ
目的で保
目的で保
評価される金 れた金融
評価される金 れた金融
有する金
有する金
(a) (b)
(a) (b)
(単位:百万ユーロ ) 融資産 融資産 資産 合計
融資産 融資産 資産 合計
注記 5.1.1.1 5.1.1.1
有価証券 51,565 2,437 21 54,023 51,164 2,700 43 53,907
負債性金融商品 18,833 1,703 21 20,556 15,004 1,865 43 16,912
その他の発行済資本性金
融商品 32,733 734 0 33,467 36,160 835 0 36,995
リバース・レポに対する
(c)
資金調達 80,113 80,113 89,971 89,971
貸出金および債権 2,933 1,931 2 4,867 4,612 1,715 2 6,329
銀行 0 963 2 966 13 999 2 1,014
顧客 2,932 969 0 3,901 4,599 716 0 5,315
ヘッジ会計として適格で
(c)*
53,664 0 0 53,664 52,792 0 0 52,792
ないデリバティブ
支払保証金 17,711 0 0 17,711 17,715 0 0 17,715
合計 205,986 4,368 23 210,378 216,254 4,415 45 220,714
( a)ナティクシスが使用している SPPI 規準を満たさない場合、金融資産を純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類するための規準は注記
5.1.2 に記載されている。
( b) IFRS 第9号で定義されている会計上のミスマッチの場合に限る(注記 5.1.5 参照)。
( c)この情報は、 IAS 第 32 号に従って実施した相殺の影響を考慮して表示されている(注記 7.3 参照)。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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7.1.2 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
以下の表は、商品の種類別の純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の内訳を示す。
*
2020 年 12 月 31 日現在 201 9年 12 月 31 日現在
公正価値オプション
公正価値オプション
取引のために発行 に基づき指定された
取引のために発行 に基づき指定された
(単位:百万ユーロ ) された金融負債 金融負債 合計
された金融負債 金融負債 合計
7.1.2.1 および 8.1.2.1 および
注記
7.1.2.2 8.1.2.2
有価証券
20,877 22,776 43,654 18,840 24,759 43,598
債務証券
295 22,677 22,972 297 24,659 24,955
劣後債務
0 99 99 0 100 100
空売り
20,582 0 20,582 18,543 0 18,543
(a)
買戻有価証券
95,263 0 95,263 96,032 0 96,032
負債
13 3,795 3,808 12 3,933 3,945
他行 借入金
0 151 150 0 96 96
顧客預り金
13 120 133 12 139 151
その他の 負債
0 3,525 3,525 0 3,699 3,699
ヘッジ会計として適格
でないデリバティブ金
(a)*
融商品
49,897 0 49,897 51,390 0 51,390
預り保証金
15,844 0 15,844 14,985 0 14,985
合計
181,896 26,571 208,467 181,259 28,692 209,951
(a) この情報は、 IAS 第 32 号に従って実施した相殺の影響を考慮して表示されている (注記 7.3 参照 )。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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公正価値オプションに基づき測定される金融負債に分類するための条件
金融負債が純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されるのは、それを選択した方がより適切な情報を提供できる場合、ま
たは金融商品が1つ以上の重要かつ分離可能なデリバティブを組込んでいる場合である (注記 5.1.5 参照) 。
以下の2つの状況においては、公正価値オプションの使用を選択する方が、より適切な情報を提供できるとみなされる。
・ 経済的関連性がある資産と負債間で会計上のミスマッチがある場合。特に公正価値が選択されるのは、ヘッジ会計の条件が満たさ
れていない場合である。その場合、ヘッジ対象項目の公正価値の変動が、ヘッジ目的デリバティブの公正価値の変動を自動的に相
殺する。
・ 金融資産および負債のポートフォリオが、資産および負債管理の文書化された方針の一環として公正価値で管理され認識されてい
る場合。
純損益を通じて公正価値で測定される負債は主に、顧客に代わり組成され仕組まれた発行証券で、リスクとヘッジがまとめて管理され
ているものである。そうした発行証券には、重要な組込デリバティブが含まれており、自己の信用リスクに割り当てられるものを除
き、価値の変動が、それらをヘッジするデリバティブ手段の価値の変動により相殺される。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
会計上の 公正価値に 組込デリバ
会計上の 公正価値に 組込デリバ
(単位:百万ユーロ )
帳簿価額 ミスマッチ 基づく管理 ティブ
帳簿価額 ミスマッチ 基づく管理 ティブ
銀行預り金 96 6 90
151 4 147
顧客預り金 120 0 120 139 0 139
債務証券 22,677 19,030 3,647 24,659 20,569 4,090
劣後債務 99 0 99 100 0 100
その他の 負債 3,525 3,525 0 3,699 3,699
合計 26,571 22,558 4,013 28,692 24,273 4,419
発行後、純損益を通じて公正価値オプションに基づき認識される一部の負債は、保証の対象である。この保証の影響は、負債の公正価
値に織り込まれている。
7.1.2.1 公正価値オプションに基づき測定される金融負債および信用リスク
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債の帳簿価額は、貸借対照表に表示されたそれらの公正価値に相当す
る。
貸出金について満期時に契約上支払うべき金額は、報告日において未返済の元金に、期日到来していない経過利息を加えた金額であ
る。有価証券について契約上支払うべき金額は、その償還価額である。
信用リスクが「株主資本」に認識される、公正価値オプションに基づき測定される金融負債
2020 年 12 月 31 日現在 201 9年 12 月 31 日現在
純損益を通じ
純損益を通じ
て公正価値で
て公正価値で
測定するもの
測定するもの
として 指定さ
として 指定さ
れ た 金融負債
れ た 金融負債
帳簿価額と契 に係る信用リ
帳簿価額と契 に係る信用リ
契約上の
契約上の
約上の満期時 スクに起因す
約上の満期時 スクに起因す
満期時支払金 支払金額との る公正価値の
満期時支払 支払金額との る公正価値の
(単位:百万ユーロ ) 帳簿価額 額 差額 累積変動額
帳簿価額 金額 差額 累積変動額
(a)
24,659 23,921 738 115
22,677 22,339 338 136
債務証券
(a)
99 100 (1) (1) 100 100 0 (1)
劣後債務
(b)
22,776 22,439 337 135 24,759 24,021 738 114
合計
(a) ナティクシス発行証券の早期償還に関連して 2020 年度に株主資本に認識された支払残高は、 2019 年度の (2 )百万ユーロに対して、合計 0.2 百万ユーロで
あった。
(b) ナティクシス発行証券に係る内部信用リスクに対して計上された(注記 7.5 に記載の計算方法を使用して決定された)公正価値の合計額は、 2020 年 12 月
31 日現在で (134.9) 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は (113.5) 百万ユーロ )であった。
未払金額の変動に加えて、この差額は、前年度の決算以降のナティクシスのスプレッドの変動を反映している。
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信用リスクが当期純利益に認識される、公正価値オプションに基づき測定される金融負債
2020 年 12 月 31 日現在 201 9年 12 月 31 日現在
帳簿価額と契約上
帳簿価額と契約上
契約上の満期時
契約上の満期時
の満期時支払金額
の満期時支払金額
(単位:百万ユーロ)
帳簿価額 支払金額 との差額
帳簿価額 支払金額 との差額
銀行預り金 96 92 4
151 146 5
顧客預り金 120 119 0 139 140 (1)
その他の支払債務 3,525 3,525 0 3,699 3,699 0
合計 3,795 3,790 5 3,933 3,930 3
7.1.3 ヘッジ会計を適用できないデリバティブ
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ金融商品は、予想保有期間にかかわらずトレーディング目的保有に分類される。
*
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
想定元本 資産 負債 想定元本 資産 負債
(単位:百万ユーロ )
組織的市場 440,421 1,260 918
343,177 993 622
金利デリバティブ 269,680 502 250 335,787 343 215
通貨デリバティブ 583 60
株式デリバティブ 72,139 491 372 103,030 916 703
クレジット・デリバティブ 0 1 0
その他の契約 775 1,544
店頭取引 6,044,952 52,672 49,276 4,885,215 51,532 50,472
*
4,902,693 37,895 32,749 3,671,207 39,816 36,625
金利デリバティブ
*
911,861 9,715 10,585 952,824 8,167 8,288
外国為替 デリバティブ
株式デリバティブ 103,966 3,042 3,892 139,702 2,452 4,140
クレジット・デリバティブ
45,077 830 1,062 30,034 602 818
その他の契約 81,354 1,190 988 91,448 494 600
合計 6,388,129 53,664 49,897 5,325,636 52,792 51,390
*
1,657,537 36,963 36,432 1,675,240 33,365 31,022
うち銀行
うちその他の金融機関 4,146,948 8,481 9,618 2,933,498 12,371 14,177
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
デリバティブ金融商品の想定元本は、単に金融商品市場での当行グループの取引高を示しているだけであり、当該金融商品に係る市場
リスクを反映していない。
7 .2 ヘッジ目的デリバティブ
デリバティブは、その開始時およびヘッジ期間を通じて、 IAS 第 39 号に定める規準を満たす場合に限り、ヘッジとして指定することがで
きる。これらの規準には、デリバティブとヘッジ対象との間のヘッジ関係が、将来的および遡及的に有効であるという正式な証拠文書
の提示が含まれる。ヘッジ関係が有効と推定されるのは、遡及的に、ヘッジ手段の価値変動が、ヘッジ対象の価値変動を 80 %~ 125 %の
範囲内で相殺する場合である。
キャッシュ・フロー・ヘッジ は、主にナティクシスによって、全般的な金利リスクに対するヘッジとして使用されている。
公正価値ヘッジは、固定利付有価証券の公正価値の変動を個別にヘッジするために、また IAS 第 39 号のカーブアウト(適用除外)規定に
従い、 Natixis Financial Products LLC の金利リスクの包括的ヘッジとして使用される。
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2020 年 12 月 31 日現在 201 9年 12 月 31 日現在
想定元本 公正価値資産 公正価値負債
想定元本 公正価値資産 公正価値負債
(単位:百万ユーロ )
キャッシュ・フロー・ヘッジ 17,060 60 100
15,775 59 70
店頭取引 15,775 59 70 17,060 60 100
金利デリバティブ 15,231 59 70 16,738 60 100
通貨デリバティブ 544 322
公正価値ヘッジ 129,061 171 455 180,104 265 526
店頭取引 129,061 171 455 180,104 265 526
金利デリバティブ 129,061 171 455 180,104 265 526
通貨デリバティブ
合計 144,836 230 525 197,164 325 626
デリバティブ金融商品の想定元本は、単に金融商品市場での当行グループの取引高を示しているだけであり、当該金融商品に係る市場
リスクを反映していない。
7.2.1 ヘッジ目的デリバティブの明細表
以下の表は、満期別のデリバティブの想定元本の内訳を示している。
2020年12月31日 現在 2019年12月31日 現在
想定元本
(単位:百万ユーロ )
1 年未満 1 ~ 5 年 6 ~10年 10年 超 合計
1 年未満 1 ~ 5 年 6 ~10年 10年 超 合計
金利ヘッジ
16,423 62,178 36,904 28,787 144,292 26,451 85,103 51,762 33,526 196,842
キャッシュ・フ
ロー・ヘッジ
1,137 1,075 6,341 6,678 15,231 313 2,436 5,064 8,924 16,738
公正価値ヘッジ
15,285 61,103 30,563 22,109 129,061 26,138 82,666 46,699 24,601 180,104
為替ヘッジ
22 519 3 544 316 6 322
キャッシュ・フ
ロー・ヘッジ
22 519 3 544 316 6 322
公正価値ヘッジ
0 0 0
合計
16,423 62,200 37,423 28,790 144,836 26,451 85,103 52,078 33,532 197,164
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7.2.2 資産および負債の公正価値ヘッジ
金利リスクのヘッジ 金利リスクのヘッジ
2020年12月31日 現在 2019年12月31日 現在
うちヘッジ対象
うちヘッジ対象
(単位:百万ユーロ ) 帳簿価額 部分 の再評価 繰延ヘッジ部分
帳簿価額 部分 の再評価 繰延ヘッジ部分
21,654 212 1
資産 19,014 396 2
その他の包括利益を通じて公
10,570 185 10,407 28
正価値で測定される金融資産
固定利付有価証券 10,570 185 10,198 28
株式およびその他の変動利付
209
有価証券
償却原価で 測定される 金融資
8,444 211 2 11,247 184 1
産
銀行貸出金および債権 6,547 169 2 7,909 154 1
顧客貸出金および債権 1,897 42 3,300 30
固定利付有価証券 39
負債 3,623 106 5,471 101
償却原価で測定される金融負
3,623 106 5,471 101
債
金融機関債務 2,244 32 3,924 36
顧客債務 25 (1) 69 (1)
債務証券 1,224 21 1,348 13
劣後債務 130 54 129 52
7.2.3 資産および負債のキャッシュ・フロー・ヘッジ
2020年12月31日 現在 2019年12月31日 現在
ヘッジ 目的
ヘッジ 目的
デリバティブの
デリバティブ
(a)
(a)
(単位:百万ユーロ )
公正価値 うち有効部分 うち非有効 部分
の公正価値 うち有効部分 うち非有効 部分
(39) (39)
金利リスクのヘッジ (11 ) (19 ) 8
通貨ヘッジ 25 25 0 (24) (24)
合計 14 5 8 (64) (63)
(a) ヘッジ目的デリバテ ィブの資産および負債の公正価値は、純額で表示される。
7.2.3.1 キャッシュ・フロー・ヘッジ - その他の包括利益項目の分析
2019年 有効部分の ヘッジ 対象 2019年 有効部分の ヘッジ 対象 2020年
1月1日 有効部分の 損益 におけ の一部また 12月31日 現 有効部分 損益 におけ の一部また 12月31日
(単位:百万ユーロ )
現在 変動 る 分類 変更 は全部決済 在 の 変動 る 分類 変更 は全部決済 現在
CFH 取引の OCI の金額 (3) 2 (4) (5) 36 (32) 7 5
合計 (3) 2 (4) (5) 36 (32) 7 5
繰り延べられるヘッジ部分は、 2020 年 12 月 31 日現在が 41 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在が 59 百万ユーロとなった。
7.3 金融資産と金融負債の相殺
下記の表は、 IAS 第 32 号に定める規準を満たす ナティクシスの 貸借対照表上の相殺額、および IAS 第 32 号に定める相殺処理の規準を満た
さないマスター・ネッティング契約または類似の契約に基づく法的強制力のある相殺権の存在に関連する影響を表示したものである。
相殺総額を控除した後の金融資産および金融負債の認識総額(貸借対照表上で相殺していない金額を含む。これらはマスター・ネッ
ティング契約または類似の契約の対象である場合もあれば、そうでない場合もある。)は、貸借対照表に表示されている残高総額と合
致する。
相殺総額は、 IAS 第 32 号に定める規準を満たすレポ契約およびデリバティブ取引を反映している。これらの大半は、クリアリング・ハウ
スで実行されている。
・ 上場デリバティブについては、次のオプションに関する各資産および負債項目に計上されているポジションは:
・ 指数オプションおよび先物オプションについては、満期および通貨ごとに相殺されている。
・ 株式オプションについては、 ISIN コードおよび満期日ごとに相殺されている。
・ 店頭デリバティブについては、デリバティブの資産評価額と負債評価額の通貨相殺効果と証拠金の変動を考慮に入れて情報が表示
されている。
・ レポ契約については、ナティクシスは、以下の条件を満たすレポ契約とリバース・レポ契約の純額を貸借対照表に計上している。
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・ 同一のクリアリングハウスと締結した契約であること
- 満期日が同じであること
- 保管機関が同じであること(保管機関が T2S プラットフォームに加入している場合を除く)
- 同一通貨での取引であること
・ 決済・引渡が同じ保管機関によって実行され、その保管機関のサービスによって、同じ決済日で、同じ取引相手方と締結さ
れ、満期日と通貨が同一である契約を結び付けることが可能であるもの
2020 年 12 月 31 日現在、クリアリングハウスの LCH Clearnet Ltd 、 Eurex Clearing AG および CME Clearing が扱っている店頭デリバティブ
は、 IAS 第 32 号における意味での会計処理の相殺の対象ではなく、むしろ日次清算の対象である(それら3つのクリアリングハウスが定
めている「変動証拠金を決済とみなす( Settlement to Market )」の原則が適用され、追加証拠金は現在、従前の保証金ではなくデリ
バティブの定期的な清算と考えられている)。
これらの表にはまた、マスター・ネッティング契約または類似の契約が対象とするデリバティブ金額またはレポ契約残高のうち、それ
らの契約のもと差金決済規準もしくは資産と負債の同時決済を証明できない、または1人以上の取引相手方のデフォルト、支払不能も
しくは破産の場合を除き、相殺権を行使できないものに相当する、マスター契約または類似の契約の影響も表示している。これらの金
額は、貸借対照表上では相殺されない。
7 .3.1 金融資産
*
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
貸借対照表上
貸借対照表上
貸借対照表上で で相殺されて 貸借対照表上で
貸借対照表上で で相殺されて 貸借対照表上で
相殺されている いる金融負債 認識されている
相殺されている いる金融負債 認識されている
金融資産総額 総額 金融資産純額
金融資産総額 総額 金融資産純額
(c)=
(c)=
(a) - (b)
(単位:百万ユーロ ) (a) - (b)
(a) (b)
(a) (b)
純損益を通じて公正価値で測定
される金融資産 151,481 17,703 133,777 198,941 48,090 150,851
デリバティブ 56,219 2,554 53,664 88,360 27,480 60,880
レポ契約 95,262 15,149 80,113 110,581 20,611 89,971
ヘッジ目的デリバティブ 254 25 230 2,552 2,228 325
金融機関貸出金および債権 7,812 5,057 2,755 3,036 1,100 1,936
レポ契約 7,812 5,057 2,755 3,036 1,100 1,936
顧客貸出金および債権 4,141 0 4,141 3,541 0 3,541
レポ契約 4,141 0 4,141 3,541 0 3,541
合計 163,688 22,785 140,903 208,070 51,418 156,652
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
*
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
マスター・
マスター・
ネッティン
ネッティン
グ契約また
貸借対照表
貸借対照表
グ契約また
は類似の契
上で認識さ 現金で受
上で認識さ 現金で受
は類似の契
約の影響
れている金 領した保 正味エクス
れている金 領した保 正味エクス
*
(a)
融資産純額 証 ポージャー
融資産純額 約の影響 証 ポージャー
(g)=
(g)=
(c) -
(c) -
(d) - (f)
(単位:百万ユーロ ) (d) - (f)
(c) (d) (f)
(c) (d) (f)
デリバティブ 53,894 34,577 11,246 8,071 61,204 40,616 10,170 10,419
レポ契約 87,009 83,766 5 3,238 95,448 91,724 93 3,631
合計 140,903 118,343 11,251 11,309 156,652 132,340 10,263 14,050
(a) 有価 証券の形で受領した保証を含む。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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7 .3.2 金融負債
*
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
貸借対照表上
貸借対照表上 貸借対照表上
貸借対照表上で
貸借対照表上で
で相殺されて 貸借対照表上で
で相殺されて で認識されて
相殺されている
相殺されている
いる金融資産 認識されている
いる金融資産 いる金融負債
金融負債総額 総額 金融負債純額
金融負債総額 総額 純額
(c)=
(c)=
(a) - (b)
(単位:百万ユーロ ) (a) - (b)
(a) (b)
(a) (b)
純損益を通じて公正価値で測定する
ものとして指定された金融負債 162,866 17,705 145,161 203,577 47,826 155,751
デリバティブ 52,454 2,556 49,897 86,934 27,216 59,718
レポ契約 110,412 15,149 95,263 116,643 20,610 96,032
ヘッジ目的デリバティブ 548 23 525 3,118 2,491 626
金融機関債務 14,186 5,057 9,129 7,988 1,100 6,888
レポ契約 14,186 5,057 9,129 7,988 1,100 6,888
顧客 債務 17 0 17 121 121
レポ契約 17 0 17 121 121
合計 177,618 22,785 154,833 214,804 51,418 163,386
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
*
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
マスター・
マスター・
ネッティン
ネッティン
グ契約また
貸借対照表上
貸借対照表上
グ契約また
は類似の契
現金 の形で
現金 の形で
で認識されて
で認識されて
は類似の契
約の影響
付与した
付与した
いる金融負債 正味エクス
いる金融負債 正味エクス
*
(a)
純額 保証 ポージャー
純額 約の影響 保証 ポージャー
(g) =
(g) =
(c) - (d)
(c) - (d)
- (f)
(単位:百万ユーロ ) - (f)
(c) (d) (f)
(c) (d) (f)
デリバティブ 50,423 35,430 10,805 4,188 60,345 41,151 9,960 9,233
レポ契約 104,410 104,277 0 132 103,041 99,904 14 3,124
合計 154,833 139,707 10,806 4,320 163,386 141,055 9,974 12,358
(a) 有価 証券の形で付与した保証を含む。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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7.4 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
この勘定科目は、 SPPI 規準を満たすキャッシュ・フローを伴う、「回収および売却を目的とする保有」ビジネス・モデルの下で管理さ
れている負債性金融商品を対象とする (注記 5.1.4 参照) 。流動性準備金に保有されている負債性金融商品やナティクシスが取消不能な
形でその他の包括利益を通じて公正価値で測定することを選択した資本性金融商品が含まれる。
2020年12月31日現在 2019年 12 月 31 日 現在
負債性金融商品 負債性金融商品
減損して
減損して
その他の
その他の
いない金融 減損した
減損した
いない金融
資本性金融
資本性金融
(a) (b)
(a) (b)
(単位:百万ユーロ ) 資産 金融資産 商品 合計
資産 金融資産 商品 合計
注記 7.4.1 7.4.1 7.4.2
7.4.1 7.4.1 7.4.2
有価証券 12,550 644 13,194 11,563 513 12,076
貸出金および債権
合計 12,550 644 13,194 11,563 513 12,076
( a) 12 ヶ月予想信用損失(ステージ1)または全期間予想信用損失(ステージ2)に基づいて価値調整が計算されている、減損していない金融資産で構
成されている。
( b)減損した金融資産(ステージ3)は、金融機関の規制要件に関する 2013 年6月 26 日付 EU 規制の第 178 条に定義されているように債務不履行事象が識別
された資産である。
7.4.1 リサイクル可能なその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の調整表
以下の表は、各種類の商品について、 2020 年度における会計項目の変動、ならびに損益にリサイクル可能なその他の包括利益を通じて
公正価値で測定される金融資産に関連する減損および引当金繰入額を示している。
2020 年 12 月 31 日現在のリサイクル可能なその他の包括利益 を通じて公正価値で測定される金融資産
予想信用損失が 予想信用損失が
12ヶ月にわた って 全期間 にわたって
測定される減損 測定される減損 組成/取得後に
していない資産 していない資産 減損した資産 組成/取得 時 に
(S1バケット) (S2バケット) (S3バケット) 減損した資産 合計
信用損失に 信用損失 信用損失に 信用損失 信用損失
帳簿価額 関する価値 帳簿価額総 に関する 帳簿価額総 関する価値 帳簿価額 に関する 帳簿価額 に関する
(単位:百万ユーロ ) 総額 調整 額 価値調整 額 調整 総額 価値調整 総額 価値調整
2019 年 1月 1日現在の残
高 10,670 (0) 4 (0) (0) 0 0 0 10,673 (0)
新規組成契約または新
規取得契約 1,956 (0) 1,956 (0)
認識の中止を生じさせ
ない契約上のキャッ
シュ・フローの変動 1 1
信用リスク・パラメー
タの変化に関連する変
動(振替を除く) (76) 0 (0) (76) 0
金融資産の振替 (33) 0 33 (0)
S1 への振替
S2 への振替 (33) 0 33 (0)
S3 への振替
期間中に全額返済また
は売却された契約 (775) 0 (775) 0
価値の減損(償却)
為替レートの変動に関
連する変動 86 (0) 86 (0)
使用モデルの変更
その他の変更 (299) 0 (4) 0 (303) 0
2019年12月31日現在の
残高 11,529 (0) 33 (0) 0 0 0 0 11,563 (0)
新規組成契約または新
規取得契約 1,275 0 1,275 0
認識の中止を生じさせ
ない契約上のキャッ
シュ・フローの変動 0 0
信用リスク・パラメー
タの変化に関連する変
動(振替を除く) 677 (1) 677 (1)
金融資産の振替 33 0 (33) 0
33
S1への振替 0 (33) 0
S2への振替
S3への振替
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期間中に全額返済また
は売却された契約 (653) 0 (653) 0
価値の減損(償却)
為替レートの変動に関
連する変動 (312) 0 (312) 0
使用モデルの変更
その他の変更 1 0 1 0
2020年12月31日現在の
残高 12,551 (1) 0 0 0 0 0 0 12,551 (1)
7.4.2 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品
2020年12月31日現在 2019年12月31日現在
当該 期間に 当該 期間にわたる
当該 期間に 当該 期間にわたる
認識された配当 認識の中止
認識された配当 認識の中止
2020年12 当該期間
当該期間
月31日現 中に認識
2019年12月 中に認識
在 に保有 が中止さ 売却日に
31日現在 に が中止さ
されてい れた資本 売却 日に おける
保有されて れた資本 売却 日に 売却日にお
た 資本性 性金融商 おける公 累積純損
いた 資本性 性金融商 おける公 ける
(単位:百万ユーロ )
公正価値 金融商品 品 正価値 益
公正価値 金融商品 品 正価値 累積純損益
非上場および非連結会社
に対する 投資 644 50 0 13 0 513 30 0 4 1
その他の資本性金融商品
合計 644 50 0 13 0 513 30 0 4 1
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7.5 貸借対照表において公正価値で計上されている金融資産および負債の公正価値
財務報告の目的上、金融商品および非金融商品の公正価値は、これらの評価を行うために使用されたモデルおよび変数の観察可能性を
反映する公正価値ヒエラルキーに従って分類されている (注記 5.6 参照) 。公正価値ヒエラルキーの3つのレベルは以下に示されてい
る。
デリバティブ商品に関しては、公正価値は主要なリスク要因、すなわち主に金利リスク、為替リスク、信用リスクおよび株式リスクに
基づいて分類される。
*
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
帳簿価額 レベル1 レベル2 レベル3
資産 (単位:百万ユーロ ) 帳簿価額 レベル1 レベル2 レベル3
152,322 48,143 102,117 2,062 163,461 47,785 112,452 3,224
トレーディング目的で保有する金融資産
18,833 15,848 2,887 98 15,004 11,870 2,793 341
うち有価証券形式の負債性金融商品
32,733 32,295 438 36,160 35,915 185 60
うち資本性金融商品
83,046 81,082 1,964 94,583 91,760 2,823
うち貸出金および債権
17,711 17,711 17,715 17,715
うち支払保証金
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ
53,664 1,048 50,859 1,757 60,880 924 57,749 2,207
(プラスの公正価値)
*
38,397 28 37,824 545 43,673 2 42,931 741
うち金利デリバティブ
*
9,715 9,230 484 12,743 11,767 976
うち通貨デリバティブ
830 647 184 602 373 229
うちクレジット・デリバティブ
3,533 445 2,544 544 3,368 679 2,427 262
うち株式デリバティブ
1,190 575 615 0 495 243 251
うちその他
純損益を通じて公正価値で評価される金融資
4,368 1,167 1,996 1,205 4,415 1,313 1,793 1,308
産
734 156 0 578 835 222 0 613
うち資本性金融商品
1,703 1,011 124 568 1,865 1,091 127 647
うち有価証券形式の負債性金融商品
1,931 1,873 59 1,715 1,666 49
うち貸出金および債権
公正価値オプションに基づき測定するものと
23 2 21 45 45
して指定された金融資産
21 21 43 43
うち有価証券形式の負債性金融商品
2 2 2 2
うち貸出金および債権
230 230 325 325
ヘッジ目的デリバティブ(資産)
230 230 325 325
うち 金利デリバティブ
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
13,194 11,963 739 490 12,076 11,171 585 321
れる金融資産
643 152 0 490 514 184 8 321
うち資本性金融商品
12,550 11,811 739 11,563 10,987 576 0
うち有価証券形式の負債性金融商品
うち貸出金および債権
223,800 62,321 155,944 5,534 241,202 61,193 172,948 7,060
合計
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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*
20 20 年 12 月 31 日 現在 2019 年 12 月 31 日 現在
帳簿価額 レベル 1 レベル 2 レベル 3
負債 (単位:百万ユーロ ) 帳簿価額 レベル 1 レベル 2 レベル 3
トレーディング目的で保有する金融負債
36,722 20,567 16,154 0 33,825 18,534 15,291 0
うち取引目的で発行された有価証券
20,877 20,567 310 0 18,840 18,534 306 0
うち預り保証金
15,844 15,844 14,985 14,985
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ
金融商品(マイナスの公正価値)
49,897 713 47,707 1,477 59,718 674 57,146 1,898
*
うち金利デリバティブ
32,998 4 32,672 322 40,868 40,327 542
*
うち通貨デリバティブ
10,585 0 10,303 282 12,588 0 11,863 724
うちクレジット・デリバティブ
1,062 799 263 818 502 316
うち株式デリバティブ
4,264 258 3,404 601 4,844 437 4,092 315
うち その他
988 451 529 8 600 238 361 1
トレーディング目的で保有するその他の金
融負債
95,276 94,702 574 96,044 95,235 809
公正価値オプションに基づき測定するもの
として指定された金融負債
26,571 3,045 14,768 8,758 28,692 3,696 15,627 9,368
うち公正価値オプションに基づき測定さ
れる有価証券
22,776 14,022 8,754 24,759 15,393 9,366
うち公正価値オプションに基づき測定さ
れるその他の金融負債
3,795 3,045 746 4 3,933 3,696 235 2
ヘッジ目的デリバティブ(負債)
525 525 626 626
うち金利デリバティブ
525 525 626 626
合計
208,992 24,326 173,857 10,809 218,905 22,904 183,926 12,075
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
保険事業の公正価値測定に関するデータは、注記 8.4.4 に表示されている。
a )レベル1:流動性のある市場の相場を用いた公正価値測定
レベル1は、活発な市場で相場が付けられている直接利用可能な価格に基づいて公正価値が決定される金融商品で構成される。
レベル1に主に含まれるのは、証券取引所に上場またはその他の活発な市場で継続的に売買されている有価証券および流動性が実証さ
れている組織的市場で取引されるデリバティブ(先物、オプションなど)、ならびに NAV (1株当たり純資産価額)が毎日決定され報告
されるミューチュアルファンド・ユニットである。
b )レベル2:観察可能な市場モデルおよびパラメータを用いた公正価値測定
レベル2の公正価値は、レベル1の公正価値で示されたものを除く金融商品、および満期まで直接観察可能(価格)または間接的に観
察可能(価格デリバティブ)のいずれかであるインプットを組み込んだ評価技法を用いて測定される金融商品で構成される。主な商品
には、以下が含まれる。
単純な金融商品
大部分の店頭取引のデリバティブ、スワップ、クレジット・デリバティブ、金利先渡契約、キャップ、フロアおよびプレーンバニラ・
オプションは、活発な市場、すなわち取引が定期的に発生する流動性の高い市場で取引される。これらの金融商品は、通常、一般的に
認められたモデル(割引キャッシュ・フロー法、ブラック・ショールズ・モデル、内挿法)を用いて、直接観察可能なインプットに基
づいて評価される。これらの金融商品については、これらのモデルが使用される範囲およびインプットの観察可能性が文書化されてい
る。
レベル2のインプットを用いて測定される金融商品には、以下も含まれる。
・ レベル1に分類されるものと比較して流動性が低い有価証券。その公正価値は妥当な数の活発なマーケット・メーカーによって提
示され、必ずしも直接的に行使可能ではないが定期的に観察可能である外部価格に基づいて決定される(価格は主にコントリビュー
ション・データベースおよびコンセンサス・データベースから入手される。)。これらの規準を満たさない有価証券はレベル3の公
正価値に分類される。
・ 活発な市場に上場していない有価証券であって、その公正価値が、観察可能な市場データ(例えば、同等の上場企業が公表する市
場データの使用または市場参加者に広く用いられている技法に由来するマルチプル法など)に基づいて決定されるもの。
・ ギリシャの ソブリン債で、その公正価値がレベル2に分類されるもの。
・ NAV が毎日決定され公表されているわけではないが、定期的な報告がなされる対象であるか、または最近の取引から観察可能なデー
タが得られるミューチュアルファンド・ユニット。
・ 公正価値オプションに基づき測定される発行債券で、基礎となるデリバティブがレベル2に分類されるもの。
発行体の信用リスクも観察可能だとみなされる。「発行体の信用リスク」部分の評価は、イールド・カーブ、再評価スプレッドなどの
インプットを用いた割引キャッシュ・フロー法を基礎とする。各債券に係るこの評価額は、コールの存在を考慮し、(従前の報告日同
様 2020 年 12 月 31 日現在の BPCE のキャッシュ・リオファー・カーブに基づく)再評価スプレッドと平均発行スプレッドとの差異に基づ
く、残存想定元本およびその感応度の積に対応する。発行体スプレッドの変動は、当初満期日が1年未満の債券の場合、一般に重要で
はない。
複雑な金融商品
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よりハイブリッドなおよび /または長期の金融商品には、イールド・カーブ、オプションのインプライド・ボラティリティのレイヤー、
市場コンセンサスのデータ、活発な店頭取引市場などの観察可能なデータに由来する市場インプットを基礎とする広く認められたモデ
ル を用いて測定されるものがある。
これらの金融商品の公正価値の決定に用いられる主なモデルを、商品の種類ごとに以下に示す。
・ 資本性商品: 複雑な商品は、以下を用いて評価される。
・ 市場データ
・ ペイオフ、すなわち商品に付随する満期時のプラスまたはマイナスのキャッシュ・フローの計算
・ 原資産の変動モデル
取引される商品には、単独の原資産、複数の原資産またはハイブリッド(例:債券 /株式)の商品がある。
資本性商品に用いられる主なモデルは、ローカル・ボラティリティ、1ファクター Hull & White モデル( H&W1F )と組み合わせた
ローカル・ボラティリティ ならびにローカル・ストキャスティク・ボラティリティ(「 LSV 」)モデル である。
ローカル・ボラティリティ・モデルは、ボラティリティを時間と原資産の価格の関数として取り扱う。その主要な特性は、(市場
データから得た)オプションのインプライド・ボラティリティを、権利行使価格に関連付けて考慮する点にある。
H&W1F と組み合わせたハイブリッド・ローカル・ボラティリティは、上述のローカル・ボラティリティ・モデルと後述の1ファク
ター Hull & White モデル (固定利付商品参照) の組み合わせで構成される。
LSV モデルは、原資産とそのボラティリティ(合計2つのファクター)の結合拡散モデルに基づいており、すべてのバニラ・オプ
ションとの整合性を図るためにローカル・ボラティリティ機能(「デコレーター」と呼ばれる)が搭載されている。
・ 固定利付商品: 固定利付商品は、一般的にモデルの選択を正当化する特定の性質を有している。ペイオフの評価は、潜在的リスク
要因のすべてを考慮する。
固定利付商品の評価および管理に使用される主なモデルは、1ファクター( HW1F )と2ファクター( HW2F ) Hull & White モデル、
または1ファクター Hull & White 確率ボラティリティモデル( HW1FVS )である。
HW1F モデルは、1つのガウス型ファクターとバニラ・レート・オプションの1回のキャリブレーションによりイールド・カーブを
モデル化することを可能にする。
HW2F モデルは、2つのファクターとバニラ・レート・オプションおよびスプレッド・オプション商品の1回のキャリブレーション
によりイールド・カーブをモデル化することを可能にする。
HW1VS モデルは、(資本の範囲における LSV モデルのように)イールド・カーブとそのボラティリティを表すガウス型ファクターを
共同でモデル化することを可能にする。
・ 通貨商品: 通貨商品は、一般的にモデルの選択を正当化する特定の性質を有している。
通貨商品の評価および管理に使用される主なモデルは、(資本の範囲における LSV モデルのように)ローカル・ボラティリティおよ
び確率モデル、ならびに基礎となる通貨モデルと国内経済および国外経済の固定利付商品のカーブを理解するための2つの1ファ
クター Hull & White モデルを組み合わせたハイブリッド・モデルである。
かかるレベル2すべての金融商品に関連するインプットは、観察可能であると実証され、文書化された。方法論的観点から、観察可能
性は以下の4つの不可分の規準に基づく。
・ インプットが、外部の情報源(例として、主に一般に認められたコントリビューター)に由来する。
・ インプットが、定期的に更新される。
・ インプットが、最近の取引を表す。
・ インプットの特性が、取引の特性と同一である。必要に応じて代替値を使用することができる。ただし、そのような手順の妥当性
が実証され文書化されることを条件とする。
評価モデルを用いて得られた金融商品の公正価値は、流動性リスク(ビッド /アスク)、取引相手方リスク、無担保のデリバティブまた
は完全に担保されていないデリバティブの資金調達コストに関連するリスク、内部信用リスク(負債性デリバティブ・ポジションの測
定)、モデルリング・リスクおよびインプット・リスクを考慮に入れるために調整される。
これらの金融商品の取引開始により発生する利益は、直ちに損益に認識される。
c )レベル3:観察可能でない市場データを用いた公正価値測定
レベル3は、評価に重大な影響を与える可能性がある一般に認められていないモデルおよび /または観察可能でない市場データに基づく
モデルを用いて測定された金融商品で構成される。これには、主として以下が含まれる。
・ 公正価値を観察可能なインプットを用いて決定することができない非上場株式
・ 活発な市場に上場していないプライベート・エクイティ有価証券であり、市場参加者が IPEV ( International Private Equity
Valuation )基準に従って 一般的に使用するモデルにより公正価値が測定されるが、市場変動への感応度が高く、その公正価値の決
定には必ず判断が伴う有価証券。 2020 年 12 月 31 日現在、健康危機に鑑み、ナティクシスは自己のポートフォリオについて包括的な検
証を実施した (注記 1.4.3 参照) 。
・ 保険事業分野が保有する仕組私募証券または私募証券を表すもの
・ レベル2に分類されないハイブリッド型の金利および為替デリバティブならびにクレジット・デリバティブ
・ 流通市場価格が存在しないシンジケート・プロセスの貸出金
・ 専門家の評価に基づいて公正価値が決定される証券化プロセスの貸出金
・ 市場取引との比較を組み合わせた市場金利での賃料の現在価値化に基づく複数規準アプローチを使用して公正価値が得られる投資
不動産
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・ 繰延初日マージンがある金融商品
・ 評価日にファンドが最近の NAV を公表していない、またはそのような有価証券について観察された低い流動性を考慮して利用可能な
市場価格( NAV など)を大幅に調整する必要があるロックアップ期間またはその他の制約があるミューチュアルファンド・ユニット
・ 公正価値オプションに基づき測定される債務証券は、基礎となるデリバティブがレベル3に分類されるときはレベル3に分類され
る。関係する発行体の信用リスクは観察可能だと考えられるため、レベル2に分類される。
・ モノライン保険会社と締結した CDS で、評価減を測定するのに使用する評価モデルの方法が、取引相手方リスクについてなされた調
整(信用評価調整: CVA )により即したもの。また、エクスポージャーの予想評価減および市場データに織り込まれている取引相手
方スプレッドも考慮に入れている。
・ エクスポージャーが原通貨またはボラティリティ・サーフェスによって決定される流動性の範囲を超えている場合(例えば、特定
の外貨オプションおよびボラティリティ・キャップ /フロア)、プレーン・バニラ・デリバティブは公正価値ヒエラルキーでレベル
3に分類される。
金融機関および投資会社に適用される自己資本要件に関連する 2007 年2月 20 日付のフランスの行政命令( 2011 年 11 月 23 日付の行政命令
による改正後)ならびにバーゼル3による要件に関する 2013 年6月 26 日付の欧州資本要求規制( CRR )に従い、危機シミュレーションお
よび事後管理(内部モデルおよびモデリング手続の正確性および一貫性の検証)の説明が、 第3章「リスク要因、リスク管理および第
三の柱に関する報告書」 の第 3.2.5 節(訳者注:原文の章および節)で使用されている各モデルについて提供されている。
IFRS 第9号では、初日利益は、市場参加者が価格を設定する際に考慮する要素の変化によって生じた場合、すなわち評価に入力された
モデルおよびパラメータが観察可能な場合に限り認識する必要がある。
選択された評価モデルが現行の市場慣行によって一般に認められていない場合、または金融商品の評価に重大な影響を及ぼすインプッ
トの1つが観察可能でない場合においては、取引日の取引利益を直ちに損益計算書において認識することはできないが、取引期間にわ
たってまたはインプットが観察可能となる日まで、定額法で収益として計上される。取引日に損失が生じた場合には、直ちに損益に認
識される。
2020 年 12 月 31 日現在、初日利益 /損失の認識が繰り延べられた金融商品には、以下が含まれる。
・ 複数の株式および指数を原資産とする仕組商品
・ スポンサー指数に連動する単一資産を原資産とする仕組商品
・ シンセティック・ローン
・ ファンドに係るオプション(複数資産およびミューチュアルファンド)
・ 仕組固定利付商品
・ 証券化スワップ
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これらの金融商品について、下記の表に、主な観察可能でないインプットおよび値の範囲を示す。
観察可能なデータの最小値と最
主な観察可能でない
大値の範囲 ( 2020 年 12 月)
金融商品クラス 商品の主な種類 使用される 評価技法 データ
金利デリバティブ 動きの鈍い CMS/ ボラティリ 金利オプション用の評価モデ 平均回帰性パラメー [1.75 % ;5 % ]
ティ債券 ル ター
金利デリバティブ コーラブル・スプレッド・ 複数のイールド・カーブ要因 スプレッドの平均回 [0 % ;3 0% ]
オプションおよびコリ を表すモデル 帰性
ドー・コーラブル・スプ
レッド・オプション
金利デリバティブ バミューダ型アクリーティ 増価要因 [69.5 % ;94 % ]
ング
金利デリバティブ ボラティリティのキャッ 金利オプションに係る評価モ 金利のボラティリ [5.46 % ;87.46 % ]
プ/フロア デル ティ
株式 プレーン・バニラ・デリバ さまざまな株式オプション評 株式のボラティリ [1.00 % ;171.79 % ]
ティブ、複雑なデリバティ 価モデル、株式のバスケット ティ
ブ、株式のバスケットまた またはファンド
ファンドのボラティ [1.5 % ;40.27 % ]
はファンド
リティ
株式間の相関 [18.50 % ;96.28 % ]
非特定銘柄レポ取引 [(0.76) % ;0.91 % ]
のバスケット
為替 為替デリバティブ 為替オプションの評価モデル 為替のボラティリ [7.3 % ;12.739 % ]
ティ
為替 長期 PRDC/PRDKO/TARN ハイブリッド型債券 /為替オプ 為替レートと金利の [11.5 % ;32.8 % ]
ションの評価モデル 相関、ならびに長期 [7.3 % ;12.739 % ]
的なボラティリティ
の水準
為替 Helvetix :長期オプション ブラック&ショールズ・モデ EURCHF と EURUSD の相 [23.46 % ;38.90 % ]
のストリップ、クォント・ ル 関
オプションのストリップ、
デジタル・オプションのス
トリップ
Helvetix :スプレッド・オ ガウス・コピュラ USDCHF および EURCHF USDCHF のボラティリティ:
プションおよびデジタル・ の長期ボラティリ [8.0701 % ;11.0529 % ]
スプレッド・オプション ティ EURCHF のボラティリティ:
[7.3352 % ;8.8223 % ]
クレジット CDO デフォルト率は基礎となる PFI 資産間の相関、現金 80.00 %
債券の市場価格に基づき、回 資産とデリバティブ
収率は過去の格付機関のデー 資産の間のベース・
タに基づく。 スプレッド、回収率
クレジット 証券化スワップ 基礎となるポートフォリオの 期限前償還率 [3.3 % ;40.0 % ]
早期償還に関する仮定に基づ
く予想割引後キャッシュ・フ
ロー
ハイブリッド ハイブリッド型株式/債 株式ディフュージョン、 FX 株式と為替の相関 [(63.23) % ;59.54 % ]
券/為替デリバティブ ディフュージョンおよび債券
株式と債券の相関 [(40) % ;45 % ]
ディフュージョンを連結した
ハイブリッド・モデル
債券と為替の相関 [(35) % ;35 % ]
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d) 公正価値のレベル間の振替に関するナティクシスの方針
公正価値 の レベル間の振替は、主に財務、リスクおよび事業部門の代表者から成る評価委員会が見直し検証する。同委員会は、「一般
原則」に記載されている市場活動および流動性のさまざまな指標を考慮する。
金融商品がこれらの規準を満たさなくなった場合、または再度満たすようになった場合に、見直しが実施される。
2020 年 12 月 31 日現在で実施した主な振替は (注記 7.5.1 参照) 、以下に関するものである:
・ 残存期間が 10 年から 20 年のバミューダ型アクレ-ター(豪ドル建)。増価要因パラメータの非重要性からレベル2の公正価値に振
り替えられた (上表参照)。
・ 株式に連動する単一資産を原資産とする仕組商品。原資産の評価インプット(ボラティリティ、レポ、配当)の観察可能性の領域
を検証後、レベル3に振り替えられた。
なお、 2019 年度における主な振替は、バミューダ型アクリーティング・スワップション(ユーロおよび豪ドル建て)、特定の複雑な複
数または単一の原資産を持つ指数連動型デリバティブ、および公正価値オプションに基づき測定される関連負債から成る。これらの商
品は、期中に実施した観察可能性の検証を経て、公正価値ヒエラルキーのレベル2からレベル3に振り替えられた。当該の検証の結
果、対応するインプットおよび商品について観察される価格が欠如していることが判明し、そのことが公正価値ヒエラルキーのレベル
3への振替の根拠となった。
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7.5.1 公正価値ヒエラルキーのレベル3 を用いて公正価値で測定される金融資産および負債
2020 年 12 月 31 日現在
(a)
期中に認識された損益 期中に実行された取引 期中の 振替
レベル3
損益計算書
レベル3
期首残高
期末残高
報告日現在 資本に直
2020 年1月1日 その他の
為替換算
金融資産 報告日 現在 失効/償還 接認識さ レベル 3 レベル 3 連結範囲 2020 年 12 月 31
* (b)
(単位:百万ユーロ )
現在 保有取引 取引 れた損益 購入/発行 売却/償還 から へ 振替 の変更 調整 額 日現在
トレーディング目的で保有する金融資産 3,224 (55) 432 9,342 (11,211) (12) 485 (51) (93) 2,062
うち有価証券形式の負債性金融商品 341 (110) 410 4,066 (4,626) (12) 52 9 (34) 98
うち資本性金融商品 60 (60)
うち貸出金および債権 2,823 55 21 5,276 (6,585) 433 (59) 1,964
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ
金融商品 (プラスの公正価値 ) 2,207 (9) 28 515 (363) (312) (3) (226) (80) 1,757
うち金利デリバティブ 741 211 (271) 25 (47) (108) (0) (6) 545
*
うち通貨デリバティブ 976 (14) (15) (1) (46) (176) (30) (227) 17 484
うちクレジット・デリバティブ 229 (27) (2) 2 (16) (1) 10 (11) 184
うち株式デリバティブ 262 (179) 316 489 (254) (26) 16 1 (81) 544
うち その他
トレーディング目的で保有するその他の金
融資産
純損益を通じて公正価値で評価される金融
資産 1,308 (24) (4) 179 (275) 0 0 39 (7) (14) 1,205
うち資本性金融商品 613 (3) (5) 12 (67) 39 (7) (5) 578
うち有価証券形式の負債性金融商品 647 (22) 0 (24) (25) 0 0 (9) 568
うち貸出金および債権 49 2 0 192 (183) 59
公正価値オプションのもと純損益を通じて
公正価値で測定するものとして指定された
金融資産 (19) 40 21
うち有価証券形式の負債性金融商品 (19) 40 21
うち資本性金融商品
うち貸出金および債権
その他の包括利益を通じて公正価値で評価
される金融商品 321 43 0 158 14 (44) 28 (30) 490
うち資本性金融商品 321 43 158 14 (44) 28 (30) 490
うち有価証券形式の負債性金融商品
うち貸出金および債権
公正価値で計上される金融資産合計 7,060 (64) 455 158 10,051 (11,893) (323) 522 (210) (7) (217) 5,534
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
(a) 上表の「期中の振替」の欄に表示されたフローは、 2020 年 12 月 31 日現在の取引残高を基に算定された。
(b) 主に、オプション・プレミアムの債務または債権に関する表示変更の影響に相当する(注記 5.4 参照)。
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(a)
レベル3
期中に認識された損益 期中に実行された取引 期中の 振替
期首残高
損益計算書
レベル3
2020 年
期末残高
報告日現在 資本に直接
1月1日 その他の
為替換算
金融負債 報告日 現在 失効/償還 認識された レベル 3 レベル 3 連結範囲 2020 年 12 月 31 日現
* (b)
(単位:百万ユーロ )
現在 保有取引 取引 損益 調達 /発行 売却/償還 から へ 振替 の変更 調整 額 在
トレーディング目的で保有する有価証券 1 (0) 24 (25) 0 0 0 0
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ
金融商品(マイナスの公正価値) 1,898 163 (242) 297 (202) (238) 162 (266) (94) 1,477
うち金利デリバティブ 542 41 (179) 5 (25) (55) (5) 322
*
うち通貨デリバティブ 724 (27) (14) (1) (8) (165) 94 (266) (55) 282
うちクレジット・デリバティブ 316 (20) (20) 4 (4) (0) 1 (13) 263
うち株式デリバティブ 315 167 (30) 289 (164) (12) 57 0 (20) 601
うち その他 1 3 (1) (5) 10 (0) 8
トレーディング目的で保有するその他の金
融資産 809 15 (26) 499 (723) (0) 574
純損益を通じて公正価値オプションに基づ
き測定される金融負債 9,368 (21) 422 4,627 (5,376) (556) 505 61 (272) 8,758
うち公正価値オプションに基づき測定さ
れる有価証券 9,366 (20) 422 4,627 (5,376) (556) 503 61 (272) 8,754
うち公正価値オプションに基づき測定さ
れるその他の金融負債 2 (0) 2 4
公正価値で認識される金融負債合計 12,075 158 153 5,447 (6,326) (794) 667 (205) (367) 10,809
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
(a) 上表の「期中の振替」の欄に表示されたフローは、 2020 年 12 月 31 日現在の取引残高を基に算定された。
(b) 主に、オプション・プレミアムの債務または債権に関する表示変更の影響に相当する (注記 5.4 参照)。
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2019 年 12 月 31 日現在
期中に実行された
レベル3
期中に認識された損益 取引 期中の 振替
期首残高
レベル3
損益計算書
2019 年
期末残高
為替
連結
1月1日 報告日現在 資本に直
2019 年 12 月 31 日
売却/ 換算
金融資産 現在 報告日 現在 失効/償還 接認識さ 調達 / レベル 3 レベル 3 その他の 範囲
*
(単位:百万ユーロ )
保有取引 取引 れた損益 発行 償還 から へ 振替 の変更 調整 額 現在
トレーディング目的で保有する金融資産 2,889 65 148 8,635 (8,431) (116) 6 (0) 27 3,224
うち有価証券形式の負債性金融商品 75 (27) (21) 1,350 (1,045) (0) 6 3 341
うち資本性金融商品 60 60
うち貸出金および債権 2,814 92 169 7,225 (7,386) (116) (0) 25 2,823
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ金融
商品 (プラスの公正価値 ) 2,548 841 (343) 446 (1,488) (339) 486 0 55 2,207
うち金利デリバティブ 122 306 (10) 10 (63) (5) 381 1 741
*
うち通貨デリバティブ 1,299 (171) (91) 279 (75) (328) 13 50 976
うちクレジット・デリバティブ 725 64 9 2 (582) 1 9 229
うち株式デリバティブ 402 643 (251) 155 (768) (5) 90 0 (5) 262
うち その他
トレーディング目的で保有するその他の金融資
産
純損益を通じて公正価値で評価される金融資産 1,490 50 35 (0) 32 (298) 3 (5) (4) 6 1,308
うち資本性金融商品 577 32 7 (0) 30 (26) (5) (4) 1 613
うち有価証券形式の負債性金融商品 862 18 28 0 (265) 4 647
うち貸出金および債権 51 2 (8) 3 49
公正価値オプションのもと純損益を通じて公正
価値で測定するものとして指定された金融資産 0 (0) 0
うち有価証券形式の負債性金融商品 (0) 0
うち資本性金融商品
うち貸出金および債権
その他の包括利益を通じて公正価値で評価され
る金融資産 48 1 26 256 (2) (8) (0) 321
うち資本性金融商品 48 1 26 256 (2) (8) (0) 321
うち有価証券形式の負債性金融商品
うち貸出金および債権
公正価値で計上される金融資産合計 6,975 958 (160) 26 9,369 (10,218) (455) 495 (14) (4) 88 7,060
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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期中に実行された
期中に認識された損益 取引 期中の 振替
レベル3
レベル3
損益計算書
期首残高
期末残高
2019 年 報告日現在 資本に直 連結
レベル 3 その他の 振 2019 年 12 月 31 日
売却/
金融負債 1月1日現 報告日 現在 失効/償還 接認識さ 調達 / レベル 3 範囲 為替換算調
(a) (a) *
(単位:百万ユーロ )
在 保有取引 取引 れた損益 発行 償還 から へ 替 の変更 整 額 現在
トレーディング目的で保有する有価証券 5 26 (32) 0
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ金融
商品 (マイナスの公正価値 ) 2,054 (151) (225) 250 (264) (401) 598 39 1,898
うち金利デリバティブ 192 63 (22) 45 (24) (15) 302 2 542
*
うち通貨デリバティブ 1,042 (32) 5 89 (30) (375) 8 18 724
うちクレジット・デリバティブ 251 65 10 2 (23) 1 11 316
うち株式デリバティブ 569 (249) (218) 114 (188) (10) 287 9 315
うち その他 1 1
トレーディング目的で保有するその他の金融負
債 1,176 37 (37) 1,161 (1,526) (2) 809
純損益を通じて公正価値オプションに基づき測
定される金融負債 185 475 (2) 3,339 (1,905) 4,975 2,296 5 9,368
うち公正価値オプションのに基づき測定され
る有価証券 182 475 (2) 3,339 (1,905) 4,975 2,296 5 9,366
うち公正価値オプションに基づき測定される
その他の金融負債 3 (1) 2
公正価値で認識される金融負債合計 3,415 365 (264) 4,776 (3,727) (403) 5,573 2,297 44 12,075
上表の「期中の振替」の欄に表示されたフローは、 2019 年 12 月 31 日現在の取引残高を基に算定された。
(a) 発行債務は、基礎となる金融商品と併せて公正価値ヒエラルキーのレベル3へ振り替えられた。これは、商品が期中に観察不能だったとみなされたことと、商品に関連する発行証券が 2018 年 12 月 31 日現在で既にレベル3に分類
されていた(後者は「その他の振替」に計上されている)ことの両方によるものであった。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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レベル 3で測定された金融商品の公正価値の感応度分析-資産および負債
観察可能でないインプットに用いて測定された金融商品の公正価値の感応度は、 2020 年 12 月 31 日現在で見積りが行われた。可能性の高
い仮定をすることで、この感応度は、不透明な経済環境における市場変動の影響を見積るために使用された。この見積りは、金利、為
替、クレジット、および資本性の金融商品の評価額に対する追加調整に関する各種仮定を用いて算定された。
(単位:百万ユーロ )
損益計算書に対する潜在的影響
株式およびその他の資本性金融商品、ならびにデリバティブ 21
金利や為替関連の金融商品、ならびにデリバティブ 14
クレジット関連の金融商品およびデリバティブ 13
レベル3の金融商品の感応度 48
7.5.2 金融商品の繰延マージンの修正再表示
繰延証拠金は、ヒエラルキーのレベル3に適格な金融商品のみを対象とする。注記 5.6 に記載されているように、不確実性の評価調整を
決定した後に計算される。未償却残高は、貸借対照表の「損益計算書で時価評価された金融商品」から関連する取引の市場価額を控除
した金額で認識される。
当該期間 当該期間
2020 年 12
2019 年1 新規取引 中に認識 2019 年 12 新規取引 中に認識
月 31 日現
月1日現 の された その他 月 31 日現 の された その他
(単位:百万ユーロ )
在
在 マージン マージン の変更 在 マージン マージン の変更
14 (12) 3
金利デリバティブ商品 1 7 (3) 4 9 14
通貨デリバティブ商品 0 2 (1) 0 0 2 (2) 3 3
クレジット・デリバティブ商品 16 8 (4) (10) 10 2 (2) (6) 4
株式デリバティブ商品 70 98 (69) 0 99 112 (67) (11) 133
レポ契約 9 (11) 5 4 6 (12) 11 9
合計 87 124 (88) (1) 122 136 (95) 0 163
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7.5.3 公正価値で測定された金融資産および負債:公正価値レベル間での振替
金融資産
2020 年 12 月 31 日 現在 2019 年 12 月 31 日 現在
振替前 レベル 1 レベル 2 レベル2 レベル3 レベル3 レベル 1 レベル 2 レベル2 レベル3 レベル3
振替後 レベル 2 レベル 1 レベル3 レベル1 レベル2 レベル 2 レベル 1 レベル3 レベル1 レベル2
(単位:百万ユーロ )
純損益を通じて公正価値で
測定される金融資産 1,019 101 522 323 306 230 495 455
トレーディング目的で保有
する金融資産 906 74 485 12 289 119 6 116
うち有価証券形式の負債
性金融商品 903 74 52 12 233 119 6 0
うち資本性金融商品 3 2
うち貸出金および債権 433 116
うち支払保証金 0 54
ヘッジ会計として適格でな
いデリバティブ金融商品
(プラスの公正価値) 113 27 (3) 312 16 111 486 339
うち金利デリバティブ 0 108 381 5
うち通貨デリバティブ (30) 176 13 328
うちクレジット・デリバ
ティブ 10 1 1
うち株式デリバティブ 111 12 16 26 16 109 90 5
うち その他 2 15 2
純損益を通じて公正価値で
評価される金融資産 0 0 0 3
うち有価証券形式の負債
性金融商品 0 0 0
うち貸出金および債権 3
公正価値オプションに基づ
き指定された金融資産 40
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定される金融
資産 252 414 273 588
うち資本性金融商品
うち有価証券形式の負債
性金融商品 252 414 273 588
うち貸出金および債権
金融負債
2020 年 12 月 31 日 現在 2019 年 12 月 31 日 現在
振替前 レベル 1 レベル 2 レベル2 レベル3 レベル3 レベル 1 レベル 2 レベル2 レベル3 レベル3
振替後 レベル 2 レベル 1 レベル3 レベル1 レベル2 レベル 2 レベル 1 レベル3 レベル1 レベル2
(単位:百万ユーロ )
トレーディング目的で保有
する金融負債 44 0 162 238 12 199 598 403
トレーディング目的で保有
する有価証券 4 0 0 83
ヘッジ会計として適格でな
いデリバティブ金融商品
(マイナスの公正価値) 40 0 162 238 12 116 598 401
うち金利デリバティブ 55 302 15
うち通貨デリバティブ 94 165 8 375
うちクレジット・デリバ
ティブ 1 0 1 0
うち株式デリバティブ 37 0 57 12 12 115 287 10
うちその他 3 10 5 1
トレーディング目的で保有
するその他の金融負債 2
公正価値オプションに基づ
き指定された金融負債 505 556 4,975
うち公正価値オプション
に基づき測定される有価
証券 503 556 4,975
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うち公正価値オプション
に基づき測定されるその
他の金融負債 2
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7.5.4 償却原価で評価される金融資産および負債の公正価値
金融資産
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ )
帳簿価額 公正価値 レベル 1 レベル 2 レベル 3
帳簿価額 公正価値 レベル 1 レベル 2 レベル 3
償却原価で測定される銀行
貸出金および債権 44,691 45,002 44,313 688 48,115 48,580 48,276 303
当座貸越 5,181 5,133 5,090 43 5,782 5,785 5,782
貸出金および債権 36,728 37,085 36,440 645 40,357 40,819 40,516 303
リバース・レポ契約 2,755 2,757 2,757 1,936 1,937 1,937
その他 27 27 27 40 40 40
償却原価で測定される顧客
貸出金および債権 67,939 68,312 46,199 22,113 71,089 71,281 49,262 22,019
当座貸越 2,621 2,621 2,621 2,632 2,632 2,632
その他貸出金および債権 61,080 61,453 39,344 22,109 62,436 62,628 40,742 21,886
リバース・レポ契約 4,141 4,141 4,141 3,541 3,541 3,541
ファイナンス・リース 34 34 30 4 40 40 40
ファクタリング 0 0 0 2,346 2,346 2,346
支払 保証金 62 62 62 0 93 93 93
その他 1 1 1 1 1 1
償却原価で測定される有価
証券形式の負債性金融商品 1,930 1,983 890 1,092 1,558 1,609 686 923
金融資産合計 114,560 115,297 91,403 23,893 120,762 121,471 98,224 23,245
金融負債
2020 年12月31日現在
2019 年12月31日現在
(単位:百万ユーロ ) 帳簿価額 公正価値 レベル 1 レベル 2 レベル 3
帳簿価額 公正価値 レベル 1 レベル 2 レベル 3
金融機関債務 71,928 72,174 71,949 225
84,408 84,502 84,440 62
うち口座および預金 75,162 75,259 75,197 62 64,917 65,162 64,937 225
うちレポ契約 9,129 9,128 9,128 6,888 6,888 6,888
うち預り保証金 82 82 82 65 65 65
うちその他 35 34 34 58 58 58
顧客債務 29,798 29,745 28,446 1,299 30,485 30,489 28,663 1,826
うち口座および預金 28,469 28,445 27,198 1,247 28,320 28,324 26,944 1,380
うちレポ契約 17 17 17 121 121 121
うちその他 1,312 1,283 1,230 52 2,044 2,044 1,597 446
負債性金融商品 35,652 35,602 33,395 2,207 47,375 47,376 44,861 2,515
劣後債務 3,934 4,271 303 3,969 3,971 4,307 3,686 622
金融 負債 合計 153,792 154,121 146,584 7,537 153,759 154,346 149,159 5,187
IFRS 第 13 号は、貸出金を含めて償却原価で計上されるすべての金融商品の公正価値および関連する公正価値ヒエラルキーを、財務諸表
注記に開示することを求めている。財務諸表注記に開示される公正価値の決定に使用した評価方法を以下に示す。
「償却原価」で認識される貸出金
ナティクシスの貸出金の大部分は変動金利型ローン であり、その 公正価値は割引将来キャッシュ・フローに基づいて決定される。一定
の貸出金に適用される割引率は、ナティクシスが報告日において同等の取引相手方に対して同等の性質の貸出を行う場合の金利であ
る。これらは主として変動金利型ローンであるため、契約利率は、市場の貸出金利および取引相手方リスクの傾向に従って調整され
る。
レポ契約の公正価値は、決算日の市場レートにて予想キャッシュ・フローを割り引き、流動性スプレッドを加算して計算する。
IFRS 第 13 号の規準を満たす相場価格がある場合には、その相場が使用される。
当初期間が1年未満の貸出金の公正価値は、帳簿価額と同等とみなされる。このことは一般的に、償還期間が1年以下で流動資産勘定
に計上される金融資産についても当てはまる。該当する債権は、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類されている。
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借入金および預貯金
ナティクシスの借入金および債務証券の公正価値の測定は、原資産の金利カーブおよびナティクシスとグループ企業との間の貸付 /借入
に適用されるスプレッドなど報告日現在のインプットを用いた割引キャッシュ・フロー法に基づいている。1年未満で満期を迎える債
務の公正価値は、帳簿価額と同等であるとみなされる。これらの債務は、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類されている。
7.6 償却原価で測定される金融資産
これらは「回収目的保有」モデルの下で保有されている SPPI 金融資産である。当行グループにより供与される貸出金の大部分は、この
区分に分類されている。
7.6.1 償却原価で測定される銀行貸出金および債権
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
減損していない 減損した
減損していない
減損した
(a) (b)
(a) (b)
(単位:百万ユーロ )
金融資産 金融資産 合計
金融資産 金融資産 合計
当座貸越 5,182 5 5,187 5,783 0 5,783
貸出金および債権 39,515 24 39,538 42,335 48 42,383
支払保証金
信用損失に対する価額調整 (5) (29 ) (34 ) (3) (48) (51)
(c)
合計 44,691 0 44,691 48,115 0 48,115
(a ) 12 ヶ月予想信用損失(ステージ1)または全期間予想信用損失(ステージ2)に基づいて価額調整が計算されている、減損していない金融資産で構
成されている。
(b ) 減損した金融資産(ステージ3)は、金融機関の規制要件に関する 2013 年6月 26 日付 EU 規則第 178 条に定義されているように債務不履行事象が識別さ
れた資産である。
(c) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「償却原価で測定される銀行貸出金および債権」に 313.8 百万ユーロ寄与していた。
償却原価で測定される銀行貸出金および債権の調整
2020 年 12 月 31 日現在の償却原価で測定される銀行貸出金および債権
予想信用損失が
12 ヶ月にわたり 予想信用損失が
測定されている 全期間にわたって
減損していない 測定される減損 組成/取得後に
資産 していない資産 減損した資産 組成/取得時に
(S1バケット) (S2バケット) (S3 バケット) 減損した資産 合計
信用損失 信用損失 信用損失に 信用損失 信用損失
帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 対する価額 帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する
(単位:百万ユーロ )
総額 価額調整 総額 価額調整 総額 調整 総額 価額調整 総額 価額調整
2019年 1 月 1 日現在の
残高 25,806 (0) 594 (2) 49 (48) 0 0 26,449 (50)
新規組成契約または新
規取得契約 24,396 0 71 0 24,467 0
認識の中止を生じさせ
ない契約上のキャッ
シュ・フローの変動 (29) 0 0 0 0 0 (29) 0
信用リスク・パラメー
タの変化に関連する変
動(振替を除く) (7,046) 0 110 (1) 2 0 (6,933) (2)
金融資産の振替 14 0 (14) 0 0 0 0 0
S1 への振替 20 0 (20) 0 0 0 0 0
S2 への振替 (6) 0 6 0 0 0 0 0
S3 への振替 0 0 0 0 0 0 0 0
売却目的保有の非流動
資産への振替 0 0 0 0 0 0 0 0
期間中に全額返済また
は売却された契約 (11,210) 0 (47) 0 (3) 0 (11,259) 0
価値の減損(償却) (1) 1 (1) 1
為替レートの変動に関
連する変動 80 0 1 0 1 0 82 0
使用モデルの変更 0
(b)
その他の 変動 14,835 0 0 0 0 0 14,835 0
2019年12月31日現在の
(a)
残高 46,846 0 715 (3) 48 (48) 0 0 47,609 (51)
新規組成契約または新
規取得契約 24,286 (0) 3 (0) 24,289 (0)
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認識の中止を生じさせ
ない契約上のキャッ
シュ・フローの変動 0 0 0 0 0 0 0 0
信用リスク・パラメー
タの変化に関連する変
動(振替を除く) (6,976) (0) (154) (2) 1 (0) (7,129) (2)
金融資産の振替 0 0 (0) (0) 0 0 0 0
S1 への振替 65 0 (65) 0 0 0 0 0
S2 への振替 (65 ) 0 65 (0) 0 0 0 0
S3 への振替 0 0 0 0 0 0 0 0
売却目的保有の非流動
(c)
資産への振替 (99) 0 0 0 0 0 (99) 0
期間中に全額返済また
は売却された契約 (19,522) 0 (24) 0 (1) 1 (19,546) 1
価値の減損(償却) (17) 17 (17) 17
為替レートの変動に関
連する変動 (570) 0 (58) 0 (1) 1 (629) 1
使用モデルの変更 0
その他の 変動 31 (0) (40) 0 (0) 0 (8) 0
2020年12月31日現在の
(a)
残高 43,997 0 442 (4) 29 (29) 0 0 44,468 (34)
( a) 保険会社の拠出金を除く総帳簿価額は 2020 年 12 月 31 日現在、 257 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 558 百万ユーロ)。
( b) 2019 年1月1日現在で 14,734 百万ユーロにのぼる SFS 部門のリテール・バンキング企業への貸出金残高に相当する。
( c) 2020 年 12 月 31 日現在で、売却目的で保有する非流動資産として分類された H20 の資産に相当する。
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7.6.2 顧客貸出金および債権
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
減損していない
減損していない
減損した金融
減損した金融
(a) (b)
(a) (b)
(単位:百万ユーロ )
金融資産 資産 合計
金融資産 資産 合計
リバース・ レポ契約 4,141 4,141 3,541 0 3,541
当座貸越 2,606 42 2,648 2,625 22 2,646
ファイナンス・リース 32 6 38 38 8 45
ファクタリング 2,347 0 2,347
その他 58,882 3,548 62,430 60,749 3,043 63,792
支払保証金 62 62 93 0 93
信用損失に対する価額調整 (209) (1,171) (1,380) (119) (1,255) (1,375)
(c)
合計 65,514 2,425 67,939 69,272 1,817 71,089
(a ) 12 ヶ月予想信用損失(ステージ1)または全期間予想信用損失(ステージ2)に基づいて価額調整が計算されている、減損していない金融資産で構
成されている。
(b ) 減損した金融資産(ステージ3)は、金融機関の規制要件に関する 2013 年6月 26 日付 EU 規制第 178 条に定義されているように債務不履行事象が識別さ
れた資産である。
(c) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「償却原価で測定される顧客貸出金および債権」に 2,345.8 百万ユーロ寄与していた。
償却原価で測定される顧客貸出金および債権の調整表
2020 年 12 月 31 日現在の償却原価で測定される顧客貸出金および債権
予想信用損失が
12 ヶ月にわたり 予想信用損失が
測定されている 全期間にわたって
減損していない 測定される減損 組成/取得後に
資産 していない資産 減損した資産 組成/取得時に
(S1バケット) (S2バケット) (S3 バケット) 減損した資産 合計
信用損失 信用損失 信用損失 信用損失 信用損失
帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する
(単位:百万ユーロ )
総額 価額調整 総額 価額調整 総額 価額調整 総額 価額調整 総額 価額調整
2019 年1月1日現在の残
高 50,255 (31) 17,758 (91) 2,143 (1,021) 363 (96) 70,518 (1,239)
新規組成契約または新規
取得契約 16,918 (17) 1,386 (13) 0 0 0 0 18,304 (30)
認識の中止を生じさせな
い契約上のキャッシュ・
フローの変動 225 1 38 (2) (3) (5) 0 0 259 (6)
信用リスク・パラメータ
の変化に関連する変動
(振替を除く) 874 4 573 (9) 378 (367) 107 4 1,933 (368)
金融資産の振替 (1,892) (6) 1,161 10 731 (4) 0 0 0 0
(a)
S1 への振替 741 (10) (740) 10 0 0 0 0 0 0
S2 への振替 (2,285) 3 2,356 (5) (71) 3 0 0 0 0
S3 への振替 (347) 1 (455) 6 802 (7) 0 0 0 0
売却目的保有の非流動資
(b)
産への振替
期間中に全額返済または
売却された契約 (15,008) 10 (4,653) 21 (262) 60 (123) 12 (20,046) 103
価値の減損(償却) (191) 194 (3) 3 (195) 197
為替レートの変動に関連
する変動 454 0 173 (1) 9 (8) 5 (1) 641 (9)
使用モデルの変更 0 0 0 0 0 0 0 0
(a)
その他の 変動 1,256 0 (211) 6 4 (29) 1 0 1,050 (23)
2019 年 12 月 31 日現在の残
高 53,083 (40) 16,224 (79) 2,809 (1,180) 349 (77) 72,464 (1,375)
新規組成契約または新規
取得契約 17,899 (22) 3,533 (9) 0 0 116 (33) 21,548 (63)
認識の中止を生じさせな
い契約上のキャッシュ・
フローの変動 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
信用リスク・パラメータ
の変化に関連する変動
(振替を除く) (5,322) (11) (594) (78) (186) (727) (24) (1) (6,126) (818)
金融資産の振替 (662) 0 (1,110) 6 1,772 (6) 0 0 0 0
(b)
S1 への振替 3,172 (6) (3,172) 6 0 0 0 0 0 0
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S2 への振替 (2,843) 5 2,898 (6) (55) 0 0 0 0 0
S3 への振替 (992) 1 (835) 5 1,827 (6) 0 0 0 (0)
売却目的保有の非流動資
産への振替
期間中に全額返済または
売却された契約 (9,888) 8 (2,069) 9 (184) 34 (62) 1 (12,202) 53
(c)
価値の減損(償却) (667) 664 (33) 33 (700) 697
為替レートの変動に関連
する変動 (2,336) 2 (823) 5 (173) 72 (19) 3 (3,352) 82
使用モデルの変更 0 0 0 0 0 0 0 0
(d)
その他の 変動 (2,303) 0 39 (1) (49) 44 (0) 0 (2,312) 44
2020 年 12 月 31 日現在の残
高 50,470 (62) 15,200 (146) 3,323 (1,100) 327 (73) 69,319 (1,380)
(a ) うち 525 百万ユーロは、 BPCE へ売却した SFS 企業への 2019 年1月1日現在の貸出金残高に相当する。
(b ) バケット2への振替に関する理由としての特定セクターの格下規準を第2四半期に廃止したことに関係する、バケット2からバケット1への残高の
分類変更を含む。影響額は、この修正の完了日現在で 2.8 十億ユーロにのぼると見積られている。
(c) 「回収不能な貸倒損失」としての認識と引き換えに一部または全額認識中止されたが、まだ執行手続中の残高 (337.4) 百万ユーロを含む。
(d) うち (2,346) 百万ユーロは 2019 年 12 月 31 日現在の Coface の寄与分に相当し、現在は持分法を用いて処理されている。
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7.6.2.1 財政的困難によりリストラクチャリングされた資産およびコミットメント
下表には、債務者の財政状態により付与された譲歩を構成する当初の契約条件の修正またはリファイナンスの対象となった金融資産
(トレーディング目的で保有する資産を除く)および貸出コミットメントがまとめられている (注記 5.1.3 参照) 。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
総エクスポージャー
総エクスポージャー
リストラ リストラク
リストラ リストラク
クチャリ チャリン 信用損失
クチャリ チャリン 信用損失 受け
(単位:百
ング:条 グ:リファ に対する 受け取っ
ング:条 グ:リファ に対する 取った
万ユーロ )
件の変更 イナンス 合計 価額調整 た保証
件の変更 イナンス 合計 価額調整 保証
貸借対照
表上 1,585 247 1,832 504 799 1,309 82 1,392 423 723
オフバラ
ンスシー
ト 33 14 47 2 18 15 4 18 2
合計 1,618 261 1,879 506 817 1,324 86 1,410 425 723
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
合計 純エクスポージャー合計
合計 純エクスポージャー合計
総エクス
総エクス
信用損失 減損して
信用損失 減損して 減損し
(単位:百万
ポー に対する いない貸 減損した
ポー に対する いない貸 た貸出
ユーロ ) ジャー 価額調整 出金 貸出金 合計
ジャー 価額調整 出金 金 合計
合計 1,879 506 301 1,072 1,373 1,410 425 182 802 985
フランス 698 169 88 441 529 238 90 30 117 148
その他の EU 379 163 80 136 216 395 145 55 195 250
北米 342 85 41 215 256 346 87 35 224 259
その他 460 88 92 280 372 432 103 62 266 329
7.6.2.2 その他の顧客に対する貸出金および債権
2020 年 12 月 31 日現在 2019年12月31日現在
減損していない
減損した金融 減損していない
減損した金融
(a) (b)
(a) (b)
(単位:百万ユーロ ) 金融資産 資産 合計
金融資産 資産 合計
商業ローン 823 22 845
416 62 478
輸出信用 2,209 114 2,323 3,130 308 3,438
現金および消費者信用 29,883 1,602 31,485 29,872 1,015 30,887
設備ローン 7,008 307 7,315 7,307 145 7,452
住宅ローン 559 6 565 512 8 520
その他の顧客ローン 18,807 1,457 20,264 19,104 1,545 20,649
信用損失に対する価額調整
(204) (1,146) (1,350) (116) (1,239) (1,355)
合計 58,678 2,402 61,080 60,633 1,804 62,437
( a) 12 ヶ月予想信用損失(ステージ1)または全期間予想信用損失(ステージ2)に基づいて価額調整が計算されている、減損していない金融資産で構
成されている。
( b)減損した金融資産(ステージ3)は、金融機関の規制要件に関する 2013 年6月 26 日付 EU 規制第 178 条に定義されているように債務不履行事象が識別さ
れた資産である。
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7.6.3 償却原価で測定される負債性金融商品
2020 年 12 月 31 日現在 2019年12月31日現在
減損していない
減損した金融 減損していない
減損した金融
(a) (b)
(a) (b)
(単位:百万ユーロ ) 金融資産 資産 合計
金融資産 資産 合計
負債性金融商品 1,551 155 1,706
1,884 193 2,076
信用損失に対する価額調整
(5) (142) (146) (1) (147) (148)
合計 1,879 51 1,930 1,550 8 1,558
( a) 12 ヶ月予想信用損失(ステージ1)または全期間予想信用損失(ステージ2)に基づいて価額調整が計算されている、減損していない金融資産で構
成されている。
( b)減損した金融資産(ステージ3)は、金融機関の規制要件に関する 2013 年6月 26 日付 EU 規制第 178 条に定義されているように債務不履行事象が識別さ
れた資産である。
償却原価で測定される債務証券の調整表
2020 年 12 月 31 日現在の償却原価で測定される 債務証券
予想信用損失が
12 ヶ月にわたり 予想信用損失が
測定されている 全期間にわたって
減損していない 測定される減損 組成/取得後に
資産 していない資産 減損した資産 組成/取得時に
(S1バケット) (S2バケット) (S3 バケット) 減損した資産 合計
信用損失 信用損失 信用損失 信用損失
帳簿価 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 に対する 帳簿価額 信用損失に対
(単位:百万ユーロ ) 額総額 価額調整 総額 価額調整 総額 価額調整 総額 価額調整 総額 する価額調整
2019 年1月1日現在の
残高 982 95 (6) 84 (84) 168 (47) 1,330 (137)
新規組成契約または新
規取得契約 724 (0) 57 (0) 781 (0)
認識の中止を生じさせ
ない契約上のキャッ
シュ・フローの変動
信用リスク・パラメー
タの変化に関連する変
動(振替を除く) 26 (0) 19 (1) 39 (24) 83 (25)
金融資産の振替 0 (0)
S1 への振替 0 (0)
S2 への振替
S3 への振替
期間中に全額返済また
は売却された契約 (306) (101) 0 (26) 2 (111) 13 (543) 15
価値の減損(償却)
為替レートの変動に関
連する変動 14 (0) 1 0 (0) (0) (0) 14 (0)
使用モデルの変更
IFRS 第5号 - 売却目的
で保有される企業
その他の 変動 34 7 6 (5) 14 5 (20) 40 0
2019 年 12 月 31 日現在の
残高 1,474 (0) 77 (1) 93 (93) 63 (54) 1,706 (148)
新規組成契約または新
規取得契約 709 516 38 1,264
認識の中止を生じさせ
ない契約上のキャッ
シュ・フローの変動
信用リスク・パラメー
タの変化に関連する変
動(振替を除く) (223) (5) (53) 2 (4) 5 (1) (269) (10)
金融資産の振替 (39) 39
S1 への振替
S2 への振替 (39) 39
S3 への振替
期間中に全額返済また
は売却された契約 (385) (60) (444)
価値の減損(償却) (4) 4 (4) 4
為替レートの変動に関
連する変動 (148) (23) (8) 6 (179) 6
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使用モデルの変更
IFRS 第5号 - 売却目的
で保有される企業
その他の 変動 (2) 1 5 1 3 1
2020 年 12 月 31 日現在の
残高 1,389 (5) 494 87 (87) 106 (55) 2,076 (146)
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7.7 金融資産に関するその他の情報
7.7.1 負債の担保として提供された金融資産
下記の表は、とりわけ下記の項目の帳簿価額を示したものである。
・ カバード・ボンド発行の原資産
・ 中央銀行に預けられ、いつでも財政立直しを保証するために担保として譲渡可能な金融商品(有価証券および債権)
これらの金融商品は、引き続き当初の分類に従って連結貸借対照表上に開示されている。
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
負債性金融商品 3,976
4,399
貸出金および債権 1,313 2,398
その他
合計 5,712 6,374
7.7.2 譲渡金融資産
下記の各表は、一部または全部の認識が中止されていない譲渡金融資産と、完全に認識が中止されているが ナティクシス が継続的関与
を維持している譲渡金融資産という2つの区分の譲渡資産を区別するという IFRS 第7号の修正に従った金融資産の譲渡を表示してい
る。
金融資産が一部または全部譲渡されるのは、 ナティクシスが当該金融資産からの キャッシュ・フローを回収するという契約上の権利を
譲渡した場合、または当該 金融資産からの キャッシュ・フローを回収するという契約上の権利を保持するが、1人以上の受益者にそれ
らのキャッシュ・フローを支払うという契約上の義務を引受ける場合である。
ナティクシスが完全に認識が中止された 譲渡金融資産の継続的関与を有するのは、譲渡条件に従い、 ナティクシスが当該資産に付随す
る契約上の権利もしくは義務を保持するか、または当該資産の新しい 契約上の権利を取得するかもしくは義務を引受ける場合である。
7.7.2.1 譲渡したが完全には認識を中止していない金融資産
認識が中止されていない譲渡 金融資産は、基本的に下記の金融商品で構成される。
・ 買戻有価証券
・ 現金送金によって担保される 有価証券貸付
・ 有価証券を担保としたドライ・ローン
・ 関連債務の取引相手方が譲渡資産に対してのみ償還請求権を有する 証券化
これらの 金融商品は、ナティクシスと当該資産およびそれに付随するキャッシュ・フローの所有権の譲受人との間の譲渡を取りまとめ
る取引の原資産であるため、譲渡資産とみなされる。
これらは、( ナティクシスに債務不履行がない限り )有価証券が ナティクシスに返却されなければならないことから、便益およびリス
クの事実上すべてが維持されるため、連結貸借対照表の資産側に維持される。
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レポ契約
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
関連負債の
関連負債の
(単位:百万ユーロ )
資産の帳簿価額 帳簿価額
資産の帳簿価額 帳簿価額
9,208 8,989
8,898 8,677
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金
融資産
償却原価で測定される貸出金および債権
8,898 8,677 9,208 8,989
合計
有価証券貸付
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
現在
現在
(単位:百万ユーロ ) 資産の帳簿価額
資産の帳簿価額
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 4,255
3,089
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
合計 3,089 4,255
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関連債務の取引相手方が譲渡資産に対してのみ償還請求権を有する資産の証券化
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万
資産の帳簿 関連負債の 資産の公正 関連負債の 正味ポジ
資産の帳簿 関連負債の 資産の公正 関連負債の 正味ポジ
ユーロ )
価額 帳簿価額 価値 公正価値 ション
価額 帳簿価額 価値 公正価値 ション
資産証券化 4,809 4,214 4,809 4,214 595
4,172 4,412 4,172 4,412 (240)
合計 4,172 4,412 4,172 4,412 (240) 4,809 4,214 4,809 4,214 595
7.7.2.2 継続的関与が維持されているが完全に認識が中止された譲渡金融資産
ナティクシスが継続的関与を維持しているものの完全に認識が中止された譲渡金融資産には、当該譲渡資産に付随する実質上すべての
利益およびリスクが移転されるという条件を満たしたうえで、ナティクシスが持分または債務を有する連結対象外の証券化ビークルへ
譲渡した資産が含まれる。
( 2019 年 12 月 31 日現在と同様に) 2020 年 12 月 31 日現在でも、ナティクシスによって維持されている証券化ビークルへの継続的関与によ
る、重大な影響はない。
7.7.3 担保として受領し売却または担保として再利用可能な金融資産
この表示項目は、保証所有者の側に債務不履行がない場合に資産を再利用する権利の付いた金融保証契約に基づき担保として受領した
金融資産 を対象として含む。
ナティクシスが担保として売却または再利用できる、担保として受領した金融資産の公正価値は、 2019 年 12 月 31 日現在の 234 十億ユーロ
に対して、 2020 年 12 月 31 日現在は 219 十億ユーロであった。
担保として受領した金融資産のうち、担保として再売却または再利用したものの公正価値は 2019 年 12 月 31 日現在の 177 十億ユーロに対し
て、 2020 年 12 月 31 日現在は 167 十億ユーロであった。
7.7.4 支払期日が経過しているが減損処理されていない金融資産
下記の表は、報告日現在において支払期日が経過しているが個別に減損処理されていない金融資産の経過日数の明細を金融商品の種類
別に表示したものである。作成される可能性があるポートフォリオに基づく減損損失は考慮されていない。
支払期日経過資産は、延滞している(すなわち元本の返済または利息の支払がなされていない)が、まだ減損が認識されていない資産
である。
当座貸越については、延滞は、顧客への通知日から起算され、表示された金額は、当座貸越合計額を示す。
回収過程で発生する偶発的事象に関係し、取引相手方の財務状況に無関係の支払遅延を意味する「 テクニカルな 」支払遅延は、含まれ
ていない。
各延滞金額の経過日数は、対象残高の最初の支払遅延からの経過日数に従って決定される。当期内訳は、最初の支払遅延に基づいて作
成されている。
2020 年 12 月 31 日現在の支払遅延
2019 年 12 月 31 日現在の支払遅延
資産の種類
> 180日
> 180日
> 90日
> 90日
< 90日 < 1 年 > 1 年
(単位:百万ユーロ ) < 90日 < 1 年 > 1 年
< 180日 合計
< 180日 合計
銀行貸出金および債権 2 2
顧客貸出金および債権 333 333 1,404 1,404
その他の金融資産
(a)
333 333 1,406 1,406
合計
(a) 2019 年 12 月 31 日現在で 690.6 百万ユーロにのぼる Coface に対するものを含む。
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7.8 繰延税金資産および負債
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
繰延税金 繰延税金
繰延税金 繰延税金
(単位:百万ユーロ )
基準額 資産 負債
基準額 資産 負債
(a)
繰延税金の源泉
(b)
のれんの税務上の償却 (1,193) (1,295)
従業員給付引当金 195 231
その他の税務上控除されない引当金 1,247 1,295
税務上控除されない未払費用 (繰延報酬を含む ) 463 535
平準化積立金の全額取崩し (61) (321)
純損益を通じたその他の繰延税金の源泉 (169) (141)
通常の税務上の損失 7,139 7,396
繰延税金資産に係る未認識の源泉 (4,286) (4,617)
純損益を通じた繰延税金源泉合計 3,335 1,323 379 3,083 1,350 476
リサイクル可能な OCI に対する繰延税金の源泉 (734) (194) 10 (745) (7) 164
リサイクル不能な OCI に対する繰延税金の源泉 269 67 49 274 45 (24)
繰延税金源泉合計 2,870 1,196 438 2,612 1,388 616
(a) プラスの金額は、繰延税金資産を発生させる繰延税金の源泉、マイナスの金額は、繰延税金負債を発生させる源泉を示す。
(b) 米国におけるのれんの税務上の償却に関連する繰延税金。
欠損金に係る繰延税金資産の地域別内訳
(単位:百万ユーロ ) 2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在 法定繰越期間 最長認識期間
欠損金に係る繰延税金資産の地域別内訳
(a)
580 641 無期限 10 年
フランス
(b) (c)
米国 57 47
無期限 10 年
英国 無期限 10 年
その他 121 101
合計 758 789
(a) 2020 年 12 月 31 日現在で認識された欠損金に係る繰延税金の額は 758 百万ユーロであった。そのうち 580 百万ユーロは、フランスにおける連結納税グ
ループに活用された。フランスにおける連結納税グループについて認識された欠損金の基準額は、 4,176 百万ユーロの繰越欠損金残高合計のうち
2,254 百万ユーロにのぼる。 2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは税務上の事業計画を実行する際に適用される仮定による繰延税金資産への潜在的影
響を測定するためのテストを実施した。適用された GDP の成長率に関する仮定の 10 %の上振れまたは下振れによる影響の測定を主に行うこれらのテス
トにより、ナティクシスが繰延税金を計算するために使用された欠損金を将来の課税利益から控除できる見込みが確認される。
(b) 2018 年1月1日より前に発生した欠損金を除く( 20 年以内)。
(c) 連邦の赤字に関しては、「州」と「市」の部分はより長い期間にわたって有効化される可能性がある(法定期限に制限される)。
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7.9 未収・未払勘定、その他の資産および負債
この表示項目はテクニカル勘定に相当し、その詳細は以下のとおりである。
7.9.1 その他の資産
2019 年 12 月 31 日
2020 年 12 月 31 日
*
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
(a)
1,342
1,335
未収 勘定
証券決済口座 15 70
その他の項目 815 203
支払保証金 174 155
(b)*
2,482 3,245
その他の債務者
その他の資産 260 280
(C)
5,081 5,296
合計
(a ) 2020 年 12 月 31 日現在、契約資産(未収収益) 190 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 231 百万ユーロ)。
(b ) 2020 年 12 月 31 日現在、売掛金 843 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 1,058 百万ユーロ)。
(c) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「未収勘定およびその他の資産」に 256.2 百万ユーロ寄与していた。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
7.9.2 その他の負債
201 9年 12 月 31 日
2020 年 12 月 31 日
*
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
(a)
2,403 3,215
未払勘定
*
949 1,363
その他の債権者
証券決済口座 4 24
預り 保証金 7 7
(b)
1,011 1,164
リース負債
その他 5 3
その他の負債 1,888 2,285
合計 6,265 8,060
(a ) 2020 年 12 月 31 日現在、 119 百万ユーロの契約負債(前払費用)( 2019 年 12 月 31 日現在は 129 百万ユーロ)。
(b ) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「未払勘定およびその他の負債」に 396.3 百万ユーロ寄与していた。
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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7.10 有形固定資産および無形資産
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万ユーロ ) 総価額 減損および償却 正味価額
総価額 減損および償却 正味価額
有形固定資産 2,611 (1,186) 1,425
2,517 (1,245 ) 1,272
土地および建物 371 (270 ) 101 454 (317) 137
リース契約(借手)に関する使用
1,241 (342 ) 898 1,232 (209) 1,023
権
うち不動産 1,238 (341) 897 1,213 (202) 1,011
うち動産 3 (2) 1 19 (6) 13
その他 905 (633 ) 273 925 (660) 265
(a)
1,899 (1,234 ) 665 2,008 (1,291) 717
無形資産
のれん 30 (7) 23 33 (6) 27
ソフトウェア 1,471 (1,130 ) 340 1,506 (1,116) 391
その他 398 (96 ) 301 468 (169) 298
合計 4,416 (2,479 ) 1,937 4,618 (2,477) 2,142
(a) 無形資産の内訳:
- 資産運用およびウェルス・マネジメント 部門については、 2020 年 12 月 31 日現在は 235 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は 244 百万ユーロであった。
- コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング 部門については、 2020 年 12 月 31 日現在は 91 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は 91
百万ユーロだった。
- 保険部門(投資不動産を除く)については、 2020 年 12 月 31 日現在は 164 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は 172 百万ユーロであった。
- 決済部門については、 2020 年 12 月 31 日現在は 159 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は 139 百万ユーロであった。
- コーポレート・センターについては、 2020 年 12 月 31 日現在は 16 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は4百万ユーロであった。
- Coface については、 2019 年 12 月 31 日現在は 67 百万ユーロであった。
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2020 年 12 月 31 日現在
総価額
総価額
連結範囲の
2020 年
2020 年
変更および
12 月 31 日
1月1日
(a)
(単位:百万ユーロ )
現在
現在 増加 減少 その他の項目
有形固定資産
2,611 283 (54) (321) 2,517
土地および建物
454 12 (7) (89) 371
オペレーティング・リースにより提供された
有形固定資産
リース契約(借手)に関する使用権
1,232 175 (13) (151) 1,241
うち不動産
1,213 175 (13) (135) 1,238
うち動産
19 0 0 (16) 3
その他
925 96 (34) (81) 905
無形資産
2,008 143 (18) (233) 1,899
のれん
33 0 0 (3) 30
ソフトウェア
1,506 48 (18) (66) 1,471
その他
468 95 0 (165 ) 398
合計
4,618 426 (72) (554) 4,416
(a) 現在は IFRS 第5号のもと持分法により処理されている Coface を含む:有形固定資産が (242) 百万ユーロ、無形資産が (220.5) 百万ユーロ。
2019 年 12 月 31 日現在
総価額 総価額 連結範囲の 総価額
2018 年 IFRS 第 16 号初 2019 年 変更および 2019 年
12 月 31 日現 度適用 1月1日 その他の 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
在 の影響 現在 増加 減少 項目 現在
有形固定資産 1,339 1,216 2,554 155 (118 ) 19 2,611
土地および建物 477 477 13 (49 ) 12 454
オペレーティング・リースのもと
支給されている有形固定資産
リース契約(借手)に関する使用
1,216 1,216 63 (56) 9 1,232
権
うち不動産 1,201 1,201 58 (55) 9 1,213
うち動産 14 14 6 (1) 0 19
その他 862 862 78 (13) (2) 925
無形資産 1,900 1,900 173 (101 ) 35 2,008
賃借権 31 31 (5) 7 33
ソフトウェア 1,445 1,445 96 (88 ) 53 1,506
その他 424 424 77 (8) (25) 468
合計 3,239 1,216 4,454 328 (219 ) 54 4,618
7.11 担保の差押えにより取得した資産
2020 年 12 月 31 日および 2019 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは、貸借対照表上で担保の差押えによって取得した資産を保有していなかっ
た。
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7.12 のれん
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年
1 月 1 日
現在 2020 年 12 月 31 日現在
期中
為替換算 持分法 その他
(c)
(単位:百万ユーロ ) 取得 譲渡 減損 調整 額 への変更 振替 の 変動 期末残高
期 首 残高
資産運用およびウェルス・
(a)
マネジメント 3,235 52 (120) 3,168
コーポレート・バンキング
およびインベストメント・
バンキング 144 (9) 135
保険
93 93
決済
137 137
(b)
その他の活動 282 (282) 0
合計
3,891 52 (282) 0 (129) 0 0 0 3,533
(a) 米国で計上されたのれんの中には、のれんの帳簿価額とその税務上の価額の差異に起因して 15 年の税務償却が発生するものがある。この取扱いの差
異により、 2020 年 12 月 31 日現在、 320.9 百万ユーロの繰延税金負債が発生した。
(b) (282) 百万ユーロは、 Coface の支配喪失に伴い認識されたのれんの処分に相当する(注記 1.2 重大な事象を参照)。
(c) 52 百万ユーロは、 Natixis IM の金利および保険管理事業と La Banque Postale AM との合併後の後者に対する 55 %の持分の取得時に認識されたのれん
に相当する。
さらに、持分法を用いて連結された企業に対するのれんは、 2020 年 12 月 31 日現在で 1.2 百万ユーロであった。
2019 年 12 月 31 日現在
2019 年
1 月 1 日
現在 2019 年 12 月 31 日現在
為替換算 持分法へ その他の
(単位:百万ユーロ )
期 首 残高 期中取得 譲渡 減損 調整 額 の変更 振替 変動 期末残高
資産運用およびウェルス・
(a)
3,136 42 (2) 30 31 (1) 3,235
マネジメント
コーポレート・バンキング
およびインベストメント・
(b)
129 11 4 144
バンキング
保険
93 93
(c)
0 10 126 137
決済
(d)
157 (157) (0)
専門金融サービス
ファイナンシャル・インベ
281 1 282
ストメント
その他の業務 (0) (0)
合計 3,796 64 (2) 0 34 0 0 (1) 3,891
(a) うち 42.1 百万ユーロは Massena Partners の取得により計上されたのれん。また MV Crédit に関して (1 )百万ユーロにのぼるのれんの調整を1年の配分期
間中に行った。
(b) うち 11.4 百万ユーロは Azure Capital Holdings Pty Ltd の取得により計上されたのれん。
(c) うち 10.2 百万ユーロは Titres Cadeaux の取得により計上されたのれん。
(d) また、 SFS 部門のリテール・バンキング企業の処分により、ナティクシスの CGU の表示が変更された。旧 SFS CGU 内にあった決済企業は、現在は「決済」
CGU に属する。当行グループは 126 百万ユーロののれんを決済 CGU に再配分したが、これは主に、上述の事業部門における最近のフィンテック企業の取
得により認識されたのれんで構成されていた。 Natixis Interépargne の所属が資産運用およびウェルス・マネジメントに変更された(「過去の」のれ
ん 31 百万ユーロが再配分された)。
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また、持分法を用いて連結している企業に係るのれんは、 2019 年 12 月 31 日現在で 3.4 百万ユーロとなっていた。
米国で計上した特定ののれんは、のれんの帳簿価額と税務上の価額の差異に起因して 15 年にわたる税務償却が発生する。この取扱いの
差異により 2020 年 12 月 31 日現在で 320.9 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在で 346.6 百万ユーロの繰延税金負債が発生した。
7.13 銀行預り金および顧客預り金
銀行預り金と顧客預り金残高は、預金の種類(要求払いまたは定期預金)別に示されている。それらは、 IFRS 第9号に従い、償却原価
方式を用いてその他の金融負債として測定されている。
7 .1 3 .1 金融機関 預り金
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
当座預金 5,445 5,080
預り金および借入金 69,750 59,888
レポ契約 9,129 6,888
預り 保証金 82 65
その他の 負債 1 5
(a)
84,408 71,927
合計
(a) 保険企業に関するものを含む。当該金額は、 2020 年 12 月 31 日現在は 4,156 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は 1,509 百万ユーロであった。 2019 年 12 月
31 日現在、金融機関のうち 451.7 百万ユーロは Coface の寄与分であった。
銀行預り金の公正価値は注記 7.5.4 に記載されている。
7.13.2 顧客 預り金
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
当座 預金 23,529
21,579
預り金および借入金 6,876 4,764
レポ契約 17 121
特別貯蓄口座 243 294
ファクタリング口座 301
預り 保証金
その他の負債 1,069 1,449
未払 利息 14 27
(a)
29,798 30,485
合計
(a) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「顧客預り金」に 301.9 百万ユーロ寄与していた。
顧客預り金の公正価値は注記 7.5.4 に表示されている。
7.14 債務証券
債務証券(利付社債、インターバンク市場有価証券等)は、有価証券の種類別に分類されているが、「劣後債務」に含まれる劣後有価
証券は除かれている。
2020 年 12 月 31 日
201 9年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
短期金融市場商品 44,127
33,362
債券 1,650 1,492
その他の債務証券 640 1,756
(a)
35,652 47,375
合計
(a) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「債務証券」に 1,538.7 百万ユーロ寄与していた。
債務証券の公正価値は注記 7.5.4 に表示されている。
7.15 劣後債務
劣後債 務 は、借入や発行債券と異なり、すべての上位債権者および無担保債権者への返済が終わった後に、配当参加権付借入金および
有価証券、ならびに超劣後証券の返済よりも優先して支払われる。劣後債 務 は、償却原価で評価される。
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
(b)
3,654
3,629
期限付劣後 債務
無期限劣後 債務 296 297
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未払利息 9 20
(a)
3,934 3,971
合計
発行劣後債の主な特徴は、第 三 の柱に関する報告書の第 14 章(訳者注:原文の章)で概説されている。
(a) 保険企業に関するものも含む。当該金額は、 2020 年 12 月 31 日現在は 251 百万ユーロ、 2019 年 12 月 31 日現在は 640.3 百万ユーロであった。 2019 年 12 月 31
日現在、 Coface は「劣後債務」に 389.3 百万ユーロ寄与していた。
(b) 劣後債の発行契約書は、条項が遵守されない場合の期限前償還を規定する条項を織り込んでいない。
2020 年度 中の劣後債務の変動
連結範囲
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日現 為替換算
(a)
(b)
発行 償還 その他
(単位:百万ユーロ ) 現在
在 調整 額 の変更
その他の期限付劣後債務 3,654 350 0 0 (378) 3
3,629
劣後債 674 2 3 679
劣後借入 金 2,980 350 (380) 2,950
その他の無期限劣後債務 297 0 0 0 0 (0) 296
超劣後債 0 0
劣後債 46 46
劣後借入 金 251 (0) 250
合計 3,951 350 0 0 (378) 3 3,925
この表には未払利息が含まれていない。
(a) その他の変動は主に、ヘッジ対象の債務の再評価と流通市場におけるナティクシスの債務に係るマーケット・メイキングを目的に Natixis Funding が
保有するグループ内有価証券の変動が占めた。
(b) 現在は持分法のもと処理されている Coface に関するもの。
2019 年度 中の劣後債務の変動
2019 年1月1日 為替換算 連結範囲 2019 年 12 月 31 日
(a)
発行 償還 その他
(単位:百万ユーロ )
現在 調整 額 の変更 現在
その他の期限付劣後債務 3,646 0 0 0 0 8 3,654
劣後債 667 8 674
劣後借入 金 2,980 2,980
その他の無期限劣後債務 297 0 0 0 0 0 297
超劣後債 0 0
劣後債 46 46
劣後借入 金 251 251
合計 3,943 0 0 0 0 8 3,951
この表には未払利息が含まれていない。
(a) その他の変動は主に、ヘッジ対象の債務の再評価と流通市場におけるナティクシスの債務に係るマーケット・メイキングを目的に Natixis Funding が保
有するグループ内有価証券の変動が占めた。
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7.16 引当金および減損
以下の表には、償却原価で測定される金融資産に関する信用損失に対する価額調整 (注記 5.1.3 参照 )、またはその他の包括利益を通じ
て公正価値で測定される金融資産に関する信用損失に対する価額調整 (注記 5.1.4 参照) 、あるいは供与された貸出コミットメントおよ
び保証コミットメントに関連する信用損失に対する価額調整 (注記 5.20 参照) は含まれない。
2020 年 12 月 31 日現在
2020年
2020 年
12月31日
1 月 1 日
為替換算
(b)
(単位:百万ユーロ )
現在
現在 増加 取崩し 戻入れ 調整額 その他
取引相手方リスク 916 402 (2) (353) (71) (2)
890
貸出および保証コミットメント 127 394 0 (345) (6) (2) 168
(a)
779 2 (0) (2) (64) (0) 714
訴訟
その他 の 引当金 10 6 (2) (6) (0) (0) 8
減損リスク 24 47 (2) 0 (0) (8) 61
長期投資 24 47 (2) 0 (0) (8) 61
不動産開発 0 0 0 0 0 0 0
その他 の 引当金 0 0 0 0 0 0 0
従業員給付 債務 524 80 (86) (18) 3 (2) 502
オペレーショナル・リスク 179 49 (13) (14) (2) (28) 170
偶発損失積立金合計 1,642 578 (103) (385) (70) (40) 1,623
(a) うち 2020 年 12 月 31 日現在の引当金の 503.4 百万ユーロが Madoff 詐欺のエクスポージャーに関するものである(第3章「リスク要因、リスク管理および
第三の柱」の第 3.2.9 節(訳者注:原文の章および節)参照)。
(b) 主に、確定給付制度の数理評価の影響、タイム・セービング口座に係る会計上の分類の変更(現在は長期給付とみなされている)( 86.1 百万ユー
ロ)、および 2019 年 12 月 31 日現在の Coface からの拠出の消去 (102.3) 百万ユーロに相当する。
2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 2019年
1 月 1 日 12月31日
為替換算
(単位:百万ユーロ )
現在 増加 取崩し 戻入れ 調整額 その他 現在
取引相手方リスク 888 275 (1) (263) 15 1 916
貸出および保証コミットメント 105 270 (0) (250) 1 2 127
(a)
768 0 (0) (3) 14 0 779
訴訟
その他 の 引当金 15 5 (0) (10) 0 (1) 10
減損リスク 22 4 (1) (1) 1 0 24
長期投資 21 4 (1) (1) 1 0 24
不動産開発 0 0 0 (0) 0 0 0
その他 の 引当金 0 0 0 0 0 0 0
従業員給付 債務 584 90 (176) (15) 5 36 524
(b)
188 51 (42) (17) 2 (3) 179
オペレーショナル・リスク
偶発損失引当金 合計 1,681 420 (220) (296) 23 35 1,642
この表には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に関連する信用損失に対する価額調整は含まれていない。
(a) うち 2019 年 12 月 31 日現在の引当金の 551 百万ユーロが Madoff 詐欺のエクスポージャーに関するものである(第3章「リスク要因、リスク管理および第三
の柱」の第 3.2.9 節(訳者注:原文の章および節)参照)。
(b) うち 2019 年 12 月 31 日現在のリストラ費用の引当金のうち 10.5 百万ユーロは、 Coface の計画に関するものである。
NIT 紛争
なお、 2019 年 12 月 18 日、フランスの独占禁止機関である競争委員会( Autorité de la Concurrence )は、フランスの歴史ある食事券会
社4社に対して価格操作を理由に合計約 415 百万ユーロの罰金を科したと発表した。財務レベルでは、ナティクシスに科された罰金は
83.3 百万ユーロとなった(うち 4.4 百万ユーロは Natixis Intertitres が単独で科され、残りはナティクシスに連帯責任がある)。ナ
ティクシスはこの決定に対して異議を申し立てており、この決定への異議申立における抗弁において主張できる点が多数あると考えて
いる。こうした状況に鑑みて、 2019 年 12 月 31 日現在または 2020 年 12 月 31 日現在の財務諸表には、引当金は計上されていない。
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7.17 金融資産および金融負債の契約上の満期別内訳
下表は、貸借対照表中の金融資産および金融負債を契約上の満期別に示している。変動利付資産、トレーディング目的およびヘッジ目
的デリバティブ金融商品ならびに金融資産および金融負債によるヘッジ対象および対象外の構成要素の再評価額は、「日付の定めのな
い」満期を有するものとみなされる。同様に、延滞または不良債権も、「日付の定めのない」満期を有するものとみなされる。
保険会社の技術的準備金は、ほぼ要求払い預金と同等であり、下表には表示されない。
*
20 20 年 12 月 31 日現在
201 9年 12 月 31 日現在
1ヶ月
1ヶ月
以上 3ヶ月 1 年以
以上 3ヶ月 1 年以
1ヶ月 3ヶ月 以上1 上 5 年
資産 1ヶ月 3ヶ月 以上1 上 5 年
*
(単位:十億ユーロ )
未満 未満 年未満 未満 5 年超 無期限 合計
未満 未満 年未満 未満 5 年超 無期限 合計
現金および中央銀行預け
21 0 21
31 0 31
金
純損益を通じて公正価値
で測定される資産 -トレー
1 0 0 1 1 154 157 0 0 2 1 165 168
ディング目的保有のデリ
バティブを除く
ヘッジ会計として適格で
54 54 53 53
*
ないデリバティブ
ヘッジ目的デリバティブ 0 0 0 0
その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定される 1 1 0 1 9 1 13 1 0 0 1 9 1 12
金融資産
金融機関貸出金および債
10 3 14 8 10 1 45 7 4 16 10 10 1 48
権
顧客貸出金および債権 14 5 10 26 11 3 68 16 5 7 26 13 4 71
償却原価での負債性金融
0 0 1 0 1 0 2 0 0 0 1 0 2
商品
金利リスクをヘッジした
ポートフォリオに係る再
評価調整額
合計 56 8 25 36 32 212 369 46 10 23 38 34 223 375
1ヶ月
1ヶ月
以上 3ヶ月 1 年以
資産 以上 3ヶ月 1 年以
(単位:十億ユーロ )
1ヶ月 3ヶ月 以上1 上 5 年
1ヶ月 3ヶ月 以上1 上 5 年
未満 未満 年未満 未満 5 年超 無期限 合計
保険事業投資 未満 未満 年未満 未満 5 年超 無期限 合計
純損益を通じて公正価値
で測定される資産 -トレー
0 0 2 0 2 19 23
0 0 0 0 1 26 28
ディング目的保有のデリ
バティブを除く
売却可能金融資産 0 1 3 12 28 8 52 0 0 3 13 25 10 51
貸出金および債権 0 13 13 0 0 0 14 14
満期 保有 金融資産 0 0 0 0 1 0 0 0 1
合計 0 1 3 12 30 47 94 0 1 2 15 22 43 85
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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*
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
1 ヶ月
1 ヶ月
以上 3ヶ月 1 年以
以上 3ヶ月 1 年以
1ヶ月 3 ヶ月 以上1 上 5 年
負債 1ヶ月 3 ヶ月 以上1 上 5 年
*
5 年超 無期限
(単位:十億ユーロ )
未満 未満 年未満 未満 5 年超 無期限 合計
未満 未満 年未満 未満 合計
中央銀行預り金
純損益を通じて公正
価値で測定するもの
9 0 0 2 12 135 158 12 1 0 1 11 133 159
として指定された金
融負債
うちレポ契約 95 95 96 96
担保付債務 9 0 0 2 12 37 60 12 1 0 1 11 34 59
うち上位債務
無担保債 0 0 0 0 3 4 0 0 0 0 0 4 4
うち上位債務
カバード・ボンド 0 0 0 0
トレーディング目的
50 50 51 51
*
デリバティブ
ヘッジ目的デリバ
1 1 1 1
ティブ
金融機関預り金 28 10 17 24 1 4 84 17 14 12 24 3 2 72
うちレポ契約 4 0 1 0 3 9 4 1 1 0 1 7
顧客預り金 25 2 1 0 1 0 30 21 4 3 1 2 0 30
債務証券 16 8 10 1 1 0 36 16 11 17 1 2 0 47
うち担保付債務
カバード ・ ボンド
劣後債 務 1 0 0 3 0 4 0 4 4
満期別金融負債 79 19 28 27 18 190 362 66 30 33 27 17 191 364
供与された貸出コ
2 8 13 31 6 0 59 2 4 8 32 6 52
ミットメント
供与された保証コ
1 3 9 5 6 24 2 3 6 8 8 26
ミットメント
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
7.18 指標改革の影響を受ける金融商品
下表に、指標改革 (注記 6.22 参照) の一環として移行される予定の指標別に金融商品を示す。以下の規則を考慮に入れて表示されたこ
のデータは ALM マネジメント・データベースから抽出されたもので、満期が 2021 年 12 月 31 日より後の金融商品に関するものである。
・ デリバティブを除く金融資産および金融負債は、引当金を除いた額面価額(発行済資本)を基に表示されている。ただし、固定利
付証券(発行を除く)は例外で、評価を含めて繰り延べられている。
・ デリバティブは 2020 年 12 月 31 日現在の想定元本を基に表示されている。
・ レポ契約は、会計上の相殺前に EONIA 、 EURIBOR および LIBOR に分類されている
・ いずれも参照金利に連動する借入部分と貸出部分から成るデリバティブに関しては、両部分を財務諸表に対する注記において報告
し、それら2つの部分に関する参照金利に対するナティクシスのエクスポージャーを実質的に反映させている。
・ 要求払いの金融資産および金融負債は、満期が 2021 年 12 月 31 日より前であるとみなし、表示されているエクスポージャーから除外
している。
デリバティブ
(単位:百万ユーロ )
金融資産 金融負債 (想定元本)
EURIBOR - 欧州銀行間取引金利
35,473 18,689 1,539,938
EONIA - ユーロ圏無担保翌日物平均金利 ユーロ短期金利(€ STER )
1,578 1,305 188,369
LIBOR - ロンドン銀行間取引金利 - 米ドル 担保付翌日物調達金利( SOFR )
16,319 6,096 1,410,984
LIBOR - ロンドン銀行間取引金利 - 英ポンド ポンド翌日物平均金利( SONIA )
799 0 173,887
LIBOR - ロンドン銀行間取引金利 - スイスフラン スイス翌日物平均金利( SARON )
125 0 28,635
LIBOR - ロンドン銀行間取引金利 - 日本円 無担保コール翌日物金利( TONA )
158 1,025 134,070
LIBOR - ロンドン銀行間取引金利 - ユーロ ユーロ短期金利(€ STER )
187 0 2,901
合計 54,639 27,115 3,478,784
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注記8 保険事業に関する注記
8.1 保険企業の連結
ナティクシスは、保険企業については IAS 第 39 号に定められている規定を適用し続けることを選択した (注記 1.1.1 参照) 。
ANC の勧告第 2017-02 号に従い、ナティクシスは保険事業を貸借対照表および損益計算書において個別に表示している。
貸借対照表の資産の部にある「保険事業の投資」は、主に以下の項目から成る保険事業の資産で構成される:
・ 保険契約者への貸付金を含む金融投資(すなわち金融商品)
・ ユニット・リンク型商品に対する金融投資
・ デリバティブ金融商品
・ 金利リスクがヘッジされたポートフォリオに係る再評価差額金
有価証券に対する金融投資は貸借対照表にて、 IAS 第 39 号に定められているさまざまな投資区分のもとに分類されている。
保険事業に関係するその他の残高は、他の貸借対照表科目に関連する残高とともに種類別に合算されている。
貸借対照表の負債の部にある「保険関連の負債」科目は次の項目で構成される:
・ 保険会社の技術的準備金
・ 保険契約者への未払金を含む保険負債および再保険負債
・ 保険事業が保有するデリバティブ金融商品
・ 金利リスクがヘッジされたポートフォリオに係る再評価額の持分
・ 繰延利益分配負債
損益計算書表示科目の「保険事業からの純利益」は主に次の項目で構成される:
・ 計上保険料および未経過保険料準備金の変動
・ 投資不動産からの収益を含む投資収益
・ 投資費用
・ 純損益を通じて公正価値で測定される投資の公正価値の変動、ならびに投資不動産を含む投資の売却損益
・ 償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される投資に係る減損損失および減損戻入
・ 取得原価の償却
・ 保険給付に係る外部費用
・ 出再控除後の収益および費用
8.2 会計原則
8.2.1 IAS 第 39 号に基づく金融資産
当初認識時、金融資産および金融負債は取得日における取得価格に相当する公正価値で測定する。当初認識後の会計処理は貸借対照表
上の分類によって決まる。 IAS 第 39 号に従って、金融資産は以下に示す4つの金融資産区分のいずれか一つに分類される:
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
これらは、トレーディング目的で保有されているか、または当初認識にあたり、( 2005 年6月に IASB によって公表され、 2005 年 11 月 15
日に EU によって採用された) IAS 第 39 号に係る公正価値オプションの修正に従い、純損益を通じて公正価値で測定される資産として指定
された金融商品である。
トレーディング目的で保有される有価証券とは、ナティクシスが主として短期間で売却するために取得した有価証券、および一括して
管理され、最近の実際の短期的な利益確定パターンの証拠がある金融商品のポートフォリオの一部を成している有価証券である。
このオプションのもとで評価される有価証券は、以下の3つの区分のいずれかに分類される。
・ 1つ以上の重要かつ分離可能な組込デリバティブ機能を含むハイブリッド商品
・ 公正価値に基づいて評価および管理される金融資産のグループに属する金融商品
・ 会計処理において関連する金融負債とミスマッチが生じている金融商品
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満期保有金融資産
これらは、当初認識にあたって純損益を通じて公正価値で測定される資産(公正価値オプション)または売却可能資産として指定され
た金融資産、ならびに貸出金および債権の定義を満たす金融資産を除いた、固定または決定可能な支払額および確定満期日を有し、か
つナティクシスが満期まで保有する明確な意思および能力を有する非デリバティブ金融資産である。
当初認識にあたり、売却可能金融資産は、取引コストを含めて公正価値で測定される。当初認識の後、貸出金および債権は実効金利法
を用いて償却原価で測定され、各報告日現在で減損テストされる。必要な場合、減損損失が「貸倒引当金繰入額」において損益に認識
される。これらの有価証券に係る金利リスクのヘッジを目的とした取引は、 IFRS のもとでは認められていない。
貸出金および債権
貸出金および債権とは、純損益を通じて公正価値で測定された金融資産または売却可能資産として指定された金融資産を除いた、固定
または決定可能な支払額を有し、かつ活発な市場で取引されていない非デリバティブ金融資産である。これには保有者が信用の低下以
外の理由で当初の投資の大半を回収することのできない資産は含まれず、かかる資産は売却可能資産に分類されるべきである。
貸出金および債権をヘッジしているときは、貸出金および債権には、この区分に分類された資産のヘッジされた構成要素の公正価値も
含まれる(公正価値ヘッジ)。
当初認識にあたり、貸出金および債権は公正価値(すなわち、額面価額)と取引コストの合計から割引および取引収益を差引いた額で
測定される。貸出金の場合、取引コストには手数料および当該貸出金の設定に直接起因する費用が含まれる。
当初認識の後、貸出金および債権は実効金利法を用いて償却原価で測定され、各報告日現在で減損テストされる。必要な場合、減損損
失が「貸倒引当金繰入額」において損益に計上される。
貸出金が市場金利を下回る金利で供与される場合、当該貸出金の額面価額と市場金利で割引かれた将来キャッシュ・フローの合計の間
の差額に対応する割引が、当該貸出金の額面価額から控除される。市場金利とは、大部分の金融機関が任意の時点で類似の特性を持つ
金融商品および取引相手方に適用する金利である。
売却可能金融資産
売却可能金融資産には、貸出金および債権、満期保有投資または純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されない非デリ
バティブ金融資産が含まれる。この区分に分類される有価証券は、当初認識時はその市場価額で認識される。報告日においては、当該
有価証券は、上場金融商品に係る市場価格に基づいて決定された市場価額で再測定される。
ヘッジされていない売却可能金融資産の公正価値の変動による損益(収益を除く)は、「資本直入された損益」として資本において直
接認識される。未収収益または稼得収益は、損益計算書の「保険事業からの純利益」において実効金利法を用いて認識される。売却可
能金融資産は各報告日現在で減損テストされる。資産が減損しているという客観的な証拠があり、公正価値の減少がすでに資本におい
て直接認識されている場合、減損損失累計額は資本から除外され、「貸倒引当金繰入額」(負債性金融商品)または「保険事業からの
純利益」(資本性金融商品)として損益に認識する。
8.2.2 金融資産の減損引当金
該当する企業は報告日に、貸出金および債権について個別にまたは集合的に減損が生じている客観的証拠が存在するか否かを評価す
る。減損の証拠を特定するためにそれらの企業は、いくつかの客観的規準における傾向を分析するほか、自己の専門家チームによる判
断も用いる。同様に、回収の見込み時期を見積もるのにも自己の専門家による判断を用いる場合がある。
償却原価で測定される資産および売却可能負債性金融商品
利息または元本の支払不履行など、発行体が元本および利息の支払いに関する自己の債務を履行できない恐れがあると考える理由が存
在するときは直ちに減損引当金を設定する。この区分に属する有価証券は、報告日ごとにポートフォリオを検証したうえで個別に判定
する。
売却可能資本性金融商品
売却可能資産に区分された非償却有価証券の減損規準は以下のとおりである:
・ 報告日時点で 50 %を超える未実現損失があるときは、自動的に減損を計上する。
・ 未実現損失があった期間が連続 24 ヶ月を超えたときは、自動的に減損を計上する。
・ 報告日時点で 30 %を超える未実現損失があることを示す有価証券については、個別に分析する。
・ 未実現損失があった期間が連続6ヶ月を超えたことを示す有価証券については、個別に分析する。
識別された有価証券には、その帳簿価額の合計に基づいて減損損失を計上し、減損後の評価額に回収可能価額が反映されるようにす
る。減損損失の戻入を行うことはない。
引当金を既に設定しているが報告日においてその投資有価証券の価値がさらに下落しているときは、 IFRIC 第 10 号に従い、閾値や期間の
要件にかかわらず減損損失を追加認識することになる。
8.2.3 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値に関する一般原則は、注記 5.6 に表示しているものと同じである。
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8.2.4 再保険取引
出再
保険取引は出再前に認識する。出再は、各再保険契約の条件に従って認識する。
受再
受再は保険契約として認識する。
これらの取引の一環として差し入れるまたは受け取る保証は、貸借対照表に認識するか(保証金)またはオフバランスシートで認識す
る(担保差入有価証券または担保預り有価証券)。
ナティクシスの再保険契約は、 IAS 第 39 号の適用範囲に該当しない。
8.2.5 保険契約関連の負債
Coface の子会社および Natixis Assurances のサブグループが管理する契約は、 IFRS 第4号に定められている任意配当参加権機能を有す
る保険契約および投資契約の定義を満たす。よって、これらの契約について技術的準備金を負債に認識している。これらの準備金は、
保険会社の技術的負債を取扱う IFRS 第 17 号が発効するまではフランス GAAP に従って測定する。
保険契約に係る技術的準備金は、保険契約者および契約上の受益者に関する保険会社のコミットメントを充足する。
IFRS 第4号に従い、保険の技術的準備金は、国内規則が規定する方法を用いて算出する。連結財務諸表に、当該日時点の将来キャッ
シュ・フローの見積りをカバーするのに十分な保険負債が表示されるように、負債の十分性テストを実施している。割引後将来キャッ
シュフローの確率論的または確定的な評価モデルを基にして、このテストを実施している。
生命保険契約に係る技術的準備金は主として、契約の解約払戻金に相当する数理的準備金から成る。
取扱保険は主として、死亡、障害、就業不能、扶養、対人損害、対物損害、健康、法的保護および金銭的損失を保証するものである。
関連する技術的準備金は、専門の表(生命表、経験表、 Bureau Commun Assurances Collectives / BCAC 表)を用いて計算する。
損害保険契約に係る技術的準備金は、未経過保険料収入および支払うべき保険金(割引しない)に関する準備金から成る。
未経過保険料収入に関する準備金は、各保険契約に別々に比例按分させる。これらは、事業年度末から保険料払込期日までの残りの保
険料収入部分に相当する。
保険金支払準備金は、報告日現在で報告されているが精算がなされていない保険金見積額から成る。保険金未払額に加えて、リスクの
安定化に続き債権回収措置後に支払われる保険金の最終金額を参照して統計的に計算された未知の保険金に対しても引当金が設定され
る。
準備金にはまた、年度末保険料に関連する経済的危険および管理報酬に係る準備金も含まれる。
この統計的な見積りに加えて、個別に見積もられるデフォルト確率および深刻度に基づき、大災害に対する特別準備金も認識される。
保険契約取得コストは、その期間に帰属するものを費用として計上する。具体的には、損害保険契約の取得コストは、保険料の獲得期
間にわたり費用計上される。繰延契約取得コストは、期末時点の未経過保険料に比例按分して計算される。
IFRS 第4号第 30 項に従い、任意の配当参加権を有する保険契約および投資契約(生命保険)は、保険契約者に潜在的に帰属する未実現
損益の部分を繰延利益分配準備金として認識にするというシャドウ・アカウンティングを用いて測定する。よって、繰延利益分配準備
金は、金融投資に係る未実現利益に対する保険契約者の潜在的な権利、または未実現損失の保険契約者の負担部分を反映する。 2019 年
度予算の配当性向を考慮し、また 2019 年度の配当性向の実績に基づき、 2020 年 12 月 31 日現在採用された繰延利益分配率は 87 %となった
( 2019 年 12 月 31 日現在は 89 %)。
正味ベースで未実現損失が発生している場合は、極めて可能性が高いと予想される保険契約者の将来の繰延利益分配額を上限として繰
延利益分配資産を認識する。
繰延利益分配資産および負債は、主に以下において発生する。
・ 「売却可能金融資産」および「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」の再評価
・ 保険契約をカバーするために保有する不動産資産の再評価
・ 連結財務諸表における資本剰余金および流動性リスク準備金の修正再表示
繰延利益分配資産および負債の変動は、以下において認識する。
・ 「売却可能資産」の価値の変動に関連する場合は資本に
・ 「純損益を通じて公正価値で測定される」資産または保険契約をカバーするために保有する投資不動産の価値の変動、および「売
却可能資産」の価値の持続的な下落に係る引当金の変動に関連する場合は損益に
シャドウ・アカウンティング・メカニズムを適用した結果、 2019 年 12 月 31 日と同様に 2020 年 12 月 31 日に繰延利益分配負債を認識した。
(単位:百万ユーロ )
2020 年
2019 年
正味繰延利益分配資産合計
- -
正味繰延利益分配 負債 合計
4,692 4,039
繰延利益分配資産の場合、回収可能性テストを実施する。繰延利益分配は、会社がリソースに基づいて契約の将来の補償を操作する意
思および能力次第で、回収できる。これは、以下の影響を受ける。
・ 株式および債券市場の変動
・ 保険契約の商業的訴求力および保険契約者による契約更新の傾向から生じるネット・インフローの変動
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・ 負債の変動に対応し、市場サイクルと一致する期間にわたり資産を保有するための会社内の利用可能な準備金と自己のリソース
したがって、会社が残りの回収可能期間にわたって未実現損失を有する投資を売却することなく流動性要件を充足する能力および意思
を示すため、繰延利益分配資産の回収可能性の予測分析を実施する。このプロセスは、契約に適用される規制および契約条件に従い、
かつ過去の確率に基づく経済シナリオを用いて策定された将来キャッシュ・フローの見通しに相当する。
8.3 保険事業からの純利益
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日に終
(単位:百万ユーロ )
に終了した年度
了した年度
既 経過保険料
13,862
10,557
計上保険料 10,599 13,881
未経過保険料収入の変動 (41 ) (19)
保険事業によるその他の収益 11 9
保険事業収益 0 138
投資収益(費用控除後) 1,512 3,484
投資収益 1,546 1,792
投資費用 (296 ) (279)
投資の処分によるキャピタル・ゲインおよびロス(戻入、評価減および償却控除後) 131 205
純損益を通じて公正価値で計上される投資の公正価値の変動 306 1, 833
投資の評価減の変動 (176 ) (67)
取得コストの償却 2 (3)
保険給付費用 (10,256 ) (14,661)
出再 後 の 損益 208 (36)
出再 収益 3,004 3,455
出再 費用 (2,796 ) (3,491)
(a)
2,034 2,792
保険事業からの純利益
(a) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は保険事業からの純利益に 849.8 百万ユーロ寄与した。
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8.3.1 保険会社に適用される表示から銀行に適用される表示への転換
下表は、表示している保険会社の財務諸表を銀行業の形式に転換したときの調整を示している。
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日に終了した年度
銀行業の形式
純収益
その他の正
味収益項目
(保険から
営業
保険からの の純利益を 貸倒引当金 その他の
保険会社の形式
(単位:百万ユーロ )
合計 純利益 除く) 費用 総利益 繰入額 税金 項目 純利益
計上保険料
10,599 10,599 0 0 10,599 0 0 0 10,599
未経過保険料収入
の変動 (41 ) (41 ) 0 0 (41 ) 0 0 0 (41 )
経過保険料 10,557 10,557 0 0 10,557 0 0 0 10,557
銀行業務営業 収 益 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その 他の活動による
収益 0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の営業 収益 22 11 0 11 22 0 0 0 22
投資収益 1,662 1,546 116 0 1,662 0 0 0 1, 662
投資費用 (390 ) (296) (82) (12) (390 ) 0 0 0 (3 90 )
投資の処分による
キャピタル・ゲイ
ンおよびロス(戻
入、評価減および
償却控除後) 131 131 0 0 131 0 0 0 131
純損益を通じて公
正価値で計上され
る投資の公正価値
の変動 362 307 56 0 362 0 0 0 362
投資の評価減の変
動 (176 ) (176 ) 0 0 (176 ) 0 0 0 (176 )
投資収益(費用控除
後) 1,590 1,512 90 (12 ) 1,590 0 0 0 1,590
保険給付費用 (10,358 ) (10,256 ) 0 (102 ) (10,358 ) 0 0 0 (1 0,358 )
出再収益 3,000 3,004 (4) 0 3, 000 0 0 0 3, 000
出再費用 (2,784 ) (2,796 ) 12 0 (2,784 ) 0 0 0 (2,784 )
出再後 の 損益 215 207 8 0 215 0 0 0 215
貸倒引当金繰入額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
銀行業務営業費用 0 0 0 0 0 0 0 0 0
契約 取得コスト (702) 2 (597) (106 ) (702 ) 0 0 0 (702 )
ポートフォリオ価
値の償却および関
連項目 0 0 0 0 0 0 0 0 0
管理費 (668) 0 (542) (126 ) (668 ) 0 0 0 (668 )
その他の経常営業
損益 (179) 0 (50) (128 ) (179 ) 0 0 0 (179 )
その他の 非経常
営業損益 (13) 0 (13) 0 (13 ) 0 0 0 (13 )
営業利益(損失) 464 2, 034 (1,106) (464 ) 464 0 0 0 464
財務費用 (12) 0 (12) 0 (12 ) 0 0 0 (12 )
関連会社の損益に
対する持分 (64) 0 0 0 0 0 0 (64) (64)
法人所得税 (172) 0 0 0 0 0 (172 ) 0 (172 )
非継続事業からの
税引後利益 0 0 0 0 0 0 0 0 0
非支配持分 0 0 0 0 0 0 0 0 0
連結純利益
216 2, 034 (1,118) (464 ) 452 0 (172 ) (64 ) 216
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2019 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日に終了した年度
銀行業の形式
純収益
その他の
正味収益
項目(保
険からの
営業
保険会社の形式 保険からの 純利益を 貸倒引当金 その他の
(単位:百万ユーロ )
合計 純利益 除く) 費用 総利益 繰入額 税金 項目 純利益
計上保険料 13,882 13,882 0 0 13,882 0 0 0 13,882
未経過保険料収入
の変動 (20) (20 ) 0 0 (20) 0 0 0 (20)
経過保険料 13,862 13,862 0 0 13,862 0 0 0 13,862
銀行業務営業 収 益 58 0 58 0 58 0 0 0 58
その 他の活動による
収益 161 138 23 0 161 0 0 0 161
その他の営業 収益 19 9 0 11 19 0 0 0 19
投資収益 1,908 1,792 116 0 1,908 0 0 0 1,908
投資費用 (368 ) (279 ) (75) (14) (368) 0 0 0 (368)
投資の処分による
キャピタル・ゲイ
ンおよびロス(戻
入、評価減および
償却控除後) 262 204 (5) 0 200 (0) 0 62 262
純損益を通じて公
正価値で計上され
る投資の公正価値
の変動 1,829 1,833 (4) 0 1,829 0 0 0 1,829
投資の評価減の変
動 (73 ) (67) (6) 0 (73) 1 0 0 (73)
投資収益(費用控除
後) 3,560 3,484 26 (14) 3,497 0 0 62 3,560
保険給付費用 (14 ,783) (14,662) 4 (124) (14,783) 0 0 0 (14,783)
出再収益 3,465 3,455 11 0 3,465 0 0 0 3,465
出再費用 (3, 478 ) (3, 491 ) 13 0 (3,478) 0 0 0 (3,478)
出再後 の 損益 (14) (36) 23 0 (14) 0 0 0 (14)
貸倒引当金繰入額 (2) 0 0 0 0 (2) 0 0 (2)
銀行業務営業費用 (13) 0 (0) (13) (13) 0 0 0 (13)
契約 取得コスト (959) (3) (761) (194) (959) 0 0 0 (959)
ポートフォリオ価
値の償却および関
連項目 0 0 0 0 0 0 0 0 0
管理費 (860) 0 (491) (369) (860) 0 0 0 (860)
その他の経常営業
損益 (324) 0 (73) (253) (327) 0 0 2 (324)
その他の 非経常
営業損益 (7) 0 4 (11) (7) 0 0 0 (7)
営業利益(損失) 699 2,792 (1,187) (969) 635 (2) 0 65 698
財務費用 (32) 0 (33) (0) (32) 0 0 0 (32)
関連会社の損益に
対する持分 10 0 0 0 0 0 0 10 10
法人所得税 (208) 0 0 (2) (2) 0 (205) 0 (208)
非継続事業からの
税引後利益 0 0 0 0 0 0 0 0 0
非支配 持分 (118) 0 0 0 0 0 0 (118) (118)
連結純利益 351 2,792 (1,219) (971) 600 (2) (205 ) (43) 351
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8.4 保険事業の投資
2020 年 12 月 31 日
201 9年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ ) 現在
現在
注記
投資不動産 8.4.3 1,498
1,438
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 8.4.1 27 ,905 23,360
ヘッジ目的デリバティブ
売却可能金融資産 8.4.2 51 ,939 51,391
貸出金および債権 8.4.5 13 ,003 13,994
満期保有金融資産 8.4.6 764 918
保険契約および金融契約に関する負債のうち再保険者と再々保険者が保有する部
分
16 ,504 15,218
保険および受再事業に起因する債権 853 1,265
出再に起因する債権 28 86
繰延取得コスト 265 323
その他
(a)
112,698 108,053
合計
(a) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「保険事業の投資」に 3,987.4 百万ユーロ寄与した。
8.4.1 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
20 20 年 12 月 31 日
201 9年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ ) 現在
現在
注記
トレーディング目的で保有する有価証券 2,286
5,668
有価証券形式の負債性金融商品
(a)
5,668 2,286
その他の発行済資本性金融商品
貸出金および債権
ヘッジ会計に適格でないデリバティブ金融商品 17 19
ヘッジ目的デリバティブ 29
純損益を通じて公正価値オプションに基づき測定される有価証券 8.4.1.1 22,190 21,055
有価証券形式の負債性金融商品 1,684 2,046
(a)
4,011 785
その他の発行済資本性金融商品
ユニット・リンク型保険契約を裏付けとする投資 16,495 18,224
純損益を通じて公正価値で測定される貸出金および債権 8.4.1.1 0 0
銀行
顧客
合計 27,905 23,360
(a) ミューチュアルファンドのユニットを含む。
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8.4.1.1 公正価値オプションに基づき測定される金融資産の分類条件
金融資産が純損益を通じて公正価値で測定されるのは、それを選択した方がより適切な情報を提供できる場合、または当該金融商品が
1つ以上の重要かつ分離可能な組込デリバティブを組込んでいる場合である。
以下の2つの状況においては、公正価値オプションの使用を選択する方が、より適切な情報を提供できるとみなされる。
・ 経済的に関連性がある資産と負債間で会計上のミスマッチがある場合。これが生じるのは、たとえばヘッジ会計の規準が満たされ
ていないときの資産とヘッジ目的デリバティブの場合である。
・ 金融資産および負債のポートフォリオが、資産および負債管理の文書化された方針の一環として公正価値で管理され認識されてい
る場合。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産は、保険事業のユニット・リンク型保険契約を中心とする金融資産
で主に構成される。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
公正価値に
会計上の 組込デリバ
会計上の 公正価値に 組込デリバ
(単位:百万ユーロ )
帳簿価額 ミスマッチ 基づく管理 ティブ
帳簿価額 ミスマッチ 基づく管理 ティブ
銀行貸出金および債権
顧客貸出金および債権
有価証券形式の負債性
2,257 553 1,704 2,670 622 2,048
金融商品
その他の発行済資本性
19,933 19,933 18,385 18,385
金融商品
合計 22,190 20,486 1,704 21,055 19,007 2,048
8.4.2 売却可能金融資産
下表は、売却可能金融資産を金融商品の種類(固定利付有価証券、変動利付有価証券)ごとに表したものであり、減損前の総額、減損
額および減損控除後の正味価額を開示している。
(単位:百万ユーロ )
2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
有価証券 51,592
52,161
・負債性金融商品 43,186 42,651
(a)
8,571 8,509
・その他の発行済資本性金融商品
・未収利息 404 432
売却可能資産 の 減損 (223 ) (201)
・負債性金融商品 (57 ) (50)
(b)
(166 ) (151)
・その他の発行済資本性金融商品
(c)
51,939 51,391
合計
(a) ミューチュアルファンドのユニットを含む。
(b) 2020 年 12 月 31 日現在、変動利付有価証券の永久的減損額は 2019 年 12 月 31 日現在の 53 百万ユーロに対して 168 百万ユーロだった。この費用は、利益分配
メカニズムにより 87 %の金額が相殺された( 2019 年 12 月 31 日現在は 89 %)。 2020 年の費用は、過年度に減損を計上した有価証券に係る追加減損損失
計上額の 144 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 16 百万ユーロ)と新たに減損した有価証券に対する引当金 25 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 37 百
万ユーロ)に分解できる。
(c) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「売却可能金融資産」に 2,911 百万ユーロ寄与した。
8.4.3 投資不動産
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(単位:百万ユーロ )
総価額 減損および償却 正味価 額
総価額 減損および償却 正味価 額
投資不動産 - 公正価値
1,018 1,018 1,070 1,070
投資不動産 - 取得原価
40 26 40 26
(14) (14)
投資不動産 - ユニット・リ
ンク型保険契約 394 394 402 402
合計
1,452 (14) 1,438 1,512 (14) 1,498
投資不動産の公正価値は、 IFRS 第 13 号の公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されており、その評価技法は注記 5.7 に記載されてい
る。
公正価値が変動した結果、 2020 年 12 月 31 日現在の平均関連基準金額の 87 %( 2019 年 12 月 31 日現在では関連基準金額の 89 %)に相当する
繰延利益分配準備金を対称的に認識した 。
8.4.4 貸借対照表において公正価値で計上される金融資産および負債の公正価値
公正価値で測定される金融資産および負債は、注記 5.6 および 7.5 に表示されている公正価値ヒエラルキーを基に区分されている。
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2020 年 12 月 31 日現在
2019 年 12 月 31 日現在
資産
(単位:百万ユーロ )
帳簿価額 レベル1 レベル2 レベル3
帳簿価額 レベル1 レベル2 レベル3
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
産 27,875 22,314 4,042 1,519 23,360 17,505 4,569 1,286
トレーディング目的で保有する利付有価証券 5,668 5,668 0 0 2,286 2,202 84
うち有価証券形式の負債性金融商品 0 0 0 0
うち資本性金融商品 5,668 5,668 0 0 2,286 2,202 84
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ金
融商品(プラスの公正価値) 17 15 2 0 19 14 5 0
うち金利デリバティブ 0 0 0 0 1 1
うち通貨デリバティブ 4 2 2 0 9 6 4 0
うちクレジット・デリバティブ
うち株式デリバティブ 13 13 0 0 8 8 0
うち その他 0 0 0 0 0 0
トレーディング目的で保有するその他の金融
資産
純損益を通じて公正価値オプションで測定す
るものとして指定された金融資産 22,190 16,631 4,040 1,519 21,055 15,289 4,480 1,286
うち有価証券形式の負債性金融商品 1,684 89 77 1,517 2,046 98 663 1,285
うち資本性金融商品 4,011 3,035 977 0 785 125 659
うち貸出金および債権 0 0 0 0
うちユニット・リンク型保険契約を裏付け
とする投資 16,495 13,508 2,986 1 18,224 15,065 3,159 0
ヘッジ目的デリバティブ 29 0 29 0
売却可能金融資産 51,939 42,774 6,239 2,925 51,391 43,317 5,279 2,795
売却可能有価証券 - 持分投資
96 0 0 96 240 0 0 240
その他の売却可能有価証券 51,843 42,774 6,239 2,830 51,151 43,317 5,279 2,554
うち有価証券形式の負債性金融商品 43,533 36,996 3,707 2,830 43,033 37,311 3,189 2,534
うち資本性金融商品 8,310 5,778 2,532 0 8,118 6,006 2,091 21
うちその他の売却可能金融資産
合計
79,843 65,089 10,311 4,444 74,751 60,822 9,848 4,081
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
公正価値ヒエラルキーのレベル3を用いて公正価値で測定される金融資産
2020 年 12 月 31 日現在
期中に実行され
期中に認識された損益 た取引 期中の 振替
損益計算書
レベル3 レベル3
報告日
期首残高 期末残高
為替
現在
2020 年
報告日 連結 換算
2020 年
失効/ 資本直入 その他
売却/
1月1日 12 月 31 日
現在 償還取 された損 購入/ レベル 3 レベル の 範囲 調整
(単位:百万ユーロ ) 現在 現在
保有取引 引 益 発行 償還 から 3 へ 振替 の変更 額
純損益を通じて公正価値で
測定される金融資産 1,286 (12) (2) 0 60 (167 ) (160 ) 513 0 (0) 0 1,519
ヘッジ会計として適格でな
いデリバティブ金融商品 (プ
ラスの公正価値 )
うち通貨デリバティブ
うち株式デリバティブ
うち その他
純損益を通じて公正価値オ
プションに基づき測定する
ものと指定された金融資産 1,286 (12) (2) 0 60 (167 ) (160 ) 513 0 0 0 1,519
うち有価証券形式の負債性
金融商品 1,285 (12) (2) 0 60 (167 ) (160 ) 512 0 0 0 1,517
うちユニット・リンク型保
険契約を裏付けとする投資 0 0 0 0 0 0 (0) 1 0 0 0 1
売却可能金融資産 2,795 (4) (4) (14 ) 493 (206 ) (317 ) 351 (26) (142) 0 2,925
売却可能有価証券 -持分投
資 240 0 0 (6) 9 0 0 0 (5) (142) 0 96
その他の売却可能有価証券 2,554 (4) (4) (8) 484 (206 ) (317 ) 351 (21) 0 0 2,830
うち有価証券形式の負債性
金融商品 2,534 (4) (4) (8) 484 (206 ) (317 ) 351 0 0 0 2,830
うち資本性金融商品 21 0 0 0 0 0 0 0 (21) 0 0 0
うちその他の売却可能金融
資産 0
公正価値で計上される金融
資産合計 4,081 (16) (5) (14 ) 552 (373 ) (477 ) 864 (26) (143) 0 4,444
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2019 年 12 月 31 日現在
期中に実行された
期中に認識された損益 取引 期中の 振替
損益計算書
レベル3 レベル3
報告日
期首残高 為替 期末残高
現在
2019 年 報告日 連結 換算
失効/ 資本直入 その他 2019 年
売却/
1月1日 現在 償還取 された損 購入/ レベル 3 レベル の 範囲 調整 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在 保有取引 引 益 発行 償還 から 3 へ 振替 の変更 額 現在
純損益を通じて公正価値で
測定される金融資産 - ト
レーディング 1,238 87 (3) 0 201 (207) (31) 0 1 0 0 1,286
ヘッジ会計として適格でな
いデリバティブ金融商品 (プ
ラスの公正価値 ) 0 0 (0)
うち通貨デリバティブ 0 (0)
うち株式デリバティブ 0 0
うち その他 0
純損益を通じて公正価値オ
プションに基づき測定する
ものと指定された金融資産 1,238 87 (3) 201 (207) (31) 0 1 1,286
うち有価証券形式の負債性
金融商品 1,238 87 (3) 201 (207) (31) 1 1,285
売却可能金融資産 2,475 (11) 51 14 740 (601) (572) 685 14 0 1 2,795
売却可能有価証券 -持分投
資 208 12 17 3 1 240
その他の売却可能有価証券 2,267 (11) 51 3 724 (601) (572) 685 10 0 0 2,554
うち有価証券形式の負債性
金融商品 2,218 (11) (4) 3 724 (507) (572) 685 2,534
うち資本性金融商品 49 55 (94) 10 21
うちその他の売却可能金融
資産 0 0
公正価値で計上される金融
資産合計 3,713 76 48 14 941 (808) (603) 685 15 0 1 4,081
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有価証券報告書
公正価値で測定され る 金融資産:公正価値レベル間での振替
20 20 年 12 月 31 日 現在 201 9年 12 月 31 日 現在
振替前 レベル 1 レベル 2 レベル2 レベル3 レベル3
レベル 1 レベル 2 レベル2 レベル3 レベル3
振替後 レベル 2 レベル 1 レベル3 レベル1 レベル2 レベル 2 レベル 1 レベル3 レベル1 レベル2
(単位:百万ユーロ )
純損益を通じて公正価値で測
定される金融資産 513 160 0 0 0 0 31
純損益を通じて公正価値オプ
ションに基づき測定するもの
と指定された金融資産 513 160 0 0 0 0 31
うち有価証券形式の負債性
金融商品 512 160 31
うち資本性金融商品
うちユニット・リンク型保
険契約を裏付けとする投資 1 0
売却可能金融資産
279 351 317 401 825 685 0 572
売却可能有価証券 - 持分投
資
その他の売却可能有価証券
279 351 317 401 825 685 0 572
うち有価証券形式の負債性
金融商品 279 351 317 99 544 685 572
うち資本性金融商品
302 280
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8.4.5 貸出金および債権
8.4.5.1 金融機関貸出金および債権
20 20 年 12 月 31 日
201 9年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
残高 303 682
貸出金および債権 303 681
未収利息 1 1
引当金
(a)
303 682
合計
(a) 2019年12月31日現在、 Coface は 「 金融機関 貸出金および債権」 に 16.7百万ユーロ 寄与した 。
8.4.5.2 顧客貸出金および債権
20 20 年 12 月 31 日
201 9年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
13,312
残高 12,700
貸出金および債権 12,686 13,299
有価証券形式の負債性金融商品
リバース・レポによる貸出
その他
未収利息 13 13
引当金
(a)
12,700 13,312
合計
(a) うち、再保険契約に関して行われた預り保証金は、 2019 年 12 月 31 日現在の 11,666 百万ユーロに対して 11,089 百万ユーロ。
2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「顧客貸出金および債権」に 59.2 百万ユーロ寄与した。
8.4.6 満期保有金融資産
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
公債 636
507
総価額 507 636
引当金
債券 257 282
総価額 258 28 3
引当金 (1) (1)
合計 764 918
8.4.7 貸借対照表上に償却原価で評価された金融資産の公正価値
2020 年 12 月 31 日現在 201 9年 12 月 31 日現在
(単位:百万
ユーロ ) 帳簿価額 公正価値 レベル 1 レベル 2 レベル 3
帳簿価額 公正価値 レベル 1 レベル 2 レベル 3
金融機関貸出
金および債権
303 303 0 303 682 682 3 679
うち貸出金
および債権
303 303 0 303 612 612 3 609
その他
1 1 1 70 70 70
顧客貸出金お
よび債権
12,700 12,700 0 12,700 0 13,312 13,312 51 13,259 2
うち貸出金
および債権
12,700 12,700 0 12,700 0 13,312 13,312 51 13,259 2
満期保有資産
764 963 820 140 3 918 1,124 1,051 71 2
金融資産合計
13,767 13,966 820 13,143 3 14,912 15,118 1,106 14,009 4
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8.5 保険契約関連の負債
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
技術的準備金 93,395 90,018
保険契約に関連する技術的準備金 49,894 48,724
ユニット・リンク型保険契約に関連する技術的準備金 14,035 12,164
任意の利益分配機能を有する金融契約に関連する技術的準備金 19,561 20,161
任意の利益分配機能を持たない金融契約に関連する技術的準備金 - -
ユニット・リンク型保険契約に関連する技術的準備金 5,213 4,930
繰延利益分配負債 4,692 4,039
保険および再保険事業に起因する債務 10,778 10,489
保険および受再事業に起因する債務 427 475
出再事業に起因する債務 10,351 10,015
デリバティブ 10 39
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ金融商品 5 39
ヘッジ目的デリバティブ 4 -
保険契約に関連するその他の負債 - -
(a)
104,182 100,545
合計
(a) 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は「保険契約関連の負債」に 2,022.3 百万ユーロ寄与した。
8.5.1 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に関して IFRS 第 7号のもとで要求される情報は注記 7.1.2 に表示されている。
8.5.2 銀行預り金および顧客預り金
銀行預り金と顧客預り金に関して IFRS 第 7号のもとで要求される情報は注記 7.13 に表示されている。
8.5.3 債務証券
債務証券に関して IFRS 第 7号のもとで要求される情報は注記 7.14 に表示されている。
8.5.4 劣後債務
劣後債務に関して IFRS 第 7号のもとで要求される情報は注記 7.15 に表示されている。
8.6 保険事業への IFRS 第9号適用の一時的免除に関して開示すべき情報
2020 年 12 月 31 日現在 201 9年 12 月 31 日現在
(単位:百万ユーロ ) 公正価値 当期公正価値の変動
公正価値 当期公正価値の変動
43,660 2,011
SPPI 金融資産 42,578 788
非 SPPI 金融資産 3,898 28 3,177 54
(a)
46,476 816 46,837 2,066
合計
この表には、純損益を通じて公正価値で認識された金融資産または再保険事業は含まれていない。
(a) 売却可能資産に分類しているミューチュアルファンドの 6,312 百万ユーロ( 2020 年 12 月 31 日現在)および 5,994 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在)を
除く。
2019 年 12 月 31 日現在、 Coface は公正価値合計に 2,447.3 百万ユーロ寄与した。
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注記9 セグメント報告
2017 年 11 月、ナティクシスは 2018-2020 年戦略計画「新次元」を新たに打ち出した。「新次元」では、私たちのクライアントへ高い付加
価値をもたらすソリューションの開発を目的とする断固とした3つの取組みを定めている。「ニューフロンティア計画のもと達成した
事業モデルの転換をさらに進める」「投資の大部分をデジタル技術へ割り当てる」「評価の高い確固としたスキルをナティクシスの組
織が誇る分野で標準とするべく差別化を図るという私たちの明確な決意を反映する」というのが3つの取組みである。
2019 年3月 31 日に完了したリテール・バンキング事業の BPCE S.A. への売却後、当行は組織構造を4つの事業部門に分けた:
・ 資産運用およびウェルス・マネジメント 。 Natixis Investment Managers 内の資産運用事業、ウェルス・マネジメント事業、従業員
貯蓄制度から成る。
・ コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング 。企業、機関投資家、保険会社、銀行、公共部門組織に対しアド
バイスを行い、さまざまな種類の金融ソリューションを提供するとともに、資本市場へのアクセスも提供する。主な責務は3つで
あり、まず、当行の顧客重視の姿勢を強化すること、発行体と投資家の仲立ちを務めること、そして「 OTD ( Originate-to-
distribute :組成販売型)」モデルを展開し、融資ポートフォリオの積極的な運用によって当行のバランスシートの回転の最適化
を図ることである。
・ 保険 。個人保険および損害保険商品の販売を担う BPCE グループの単一基盤。
・ 決済 。 Banque Populaire/Caisse d'Epargne 銀行の顧客および当行の顧客に決済に係る各種ツール、インフラ、サービスを提供して
いる。
プライベート・エクイティ(流出まで維持される自己勘定取引およびスポンサー・ファンドの割当分)および Natixis Algérie は、戦略
に関係ないとみなされており、コーポレート・センターに組み込まれている。
この新組織構造に基づき、上級経営陣は部門別の営業成績を監視し、業務計画の策定および戦略的見地から業務管理を行う。 IFRS 第8
号「事業セグメント」に従い、これがナティクシスがその事業セグメントとして定めた事業区分である。
9.1 資産運用およびウェルス・マネジメント
・ 資産運用: 資産運用事業は、 Natixis Investment Managers のもとに集約されている。同部門は、すべての資産カテゴリーを網羅し
ており、主に米国とフランスで事業を展開している。この事業は、それぞれ独立した企業(専門の資産運用会社や販売組織)が
担っており、持株会社が、戦略的方向性を監督することで組織の一貫性を確保し、事業の調整を図っている。よってこれらの会社
は、適切な経済モデルに基づき、自己の中核事業に集中し、堅調なパフォーマンスを達成することに注力しながら、自己の法人の
顧客を開拓するという選択肢を残し、かつ本事業部門の他のサポート機能を利用できる。これら資産運用会社の中には、 Loomis
Sayles 、 Harris Associates 、 AEW 、 DNCA および Ostrum Asset Management など確固とした評価を確立した会社も多くある。 2020 年第
3四半期に発表した通り、 Natixis IM は H20 からの段階的な撤退を発表した (注記 1.2.2 参照) 。
・ これら専門の資産運用会社を集約しているおかげで当行グループは、一通りのノウハウを提供し、あらゆる顧客セグメントの需要
に応えることができる。共通のプラットフォームと、各資産運用会社が長年かけて構築した営業フランチャイズを活用した販売の
確立により、各種顧客セグメントの取り込みの最適化を図っている。 2014 年に入ってから、第三者顧客向けプライベート・エクイ
ティ会社を Natixis Investment Managers へ移管し、スポンサー・ビークルを設立して、ナティクシスによる各ファンドへのコミッ
トメントを監督している。各チームには、スポンサー対象の株式保有を通じた、フランスや欧州にある基本的に未上場の中小企業
へのエクイティ・ファイナンスにおいて幅広い実績がある。本事業部門は、第三者投資家向けのプライベート・エクイティ・セグ
メントを網羅しており、プライベート・エクイティ案件(成熟企業向けの重要な資金供給)、ベンチャーキャピタル(新しい革新
的な企業)およびファンド・オブ・ファンズを手掛ける。
・ ウェルス・マネジメント: この事業部門は、フランスおよびルクセンブルクでのウェルス・マネジメント事業と資産運用を網羅す
る。 Natixis Wealth Management はフランス市場において重要な地位を占めている。当行は主に、 Caisse d'Epargne および Banques
Populaires の顧客を基に顧客基盤を構築しているほか、それより規模は小さいものの、ナティクシスの顧客も活用して顧客基盤を
開拓している。プライベート・バンキングでは、アドバイス業務、ファイナンシャル・プランニングおよび金融ノウハウならびに
ファンド運用ソリューションを提供している。
・ 従業員貯蓄制度: この事業部門は、企業に従業員貯蓄制度の運用ソリューション(従業員の口座の管理、資金管理および会計)を
提供する。
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9.2 コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門は、企業、機関投資家、保険会社、銀行、公共部門組織に対しア
ドバイスを行い、さまざまな種類のカスタマイズされた金融ソリューションを提供するとともに、資本市場へのアクセスも提供する。
チームの持っている技術面での専門知識を活かし、ナティクシスは、顧客に、最新の市場動向に配慮したカスタマイズ・ソリューショ
ンを顧客のために設計する。
戦略的な対話を強化することでより良い顧客サービスを提供するため、 また、 OTD (組成販売型) モデルの実施を加速するために、 2016
年に当該部門の組織構造が再構築された。これによって、インベストメント・バンキングに新たな事業部門を創設した。同事業部門の
使命は、顧客と戦略的な対話を構築することにあり、取得&戦略的ファイナンス、資本&格付アドバイザリー、エクイティ・資本市
場、戦略的資本取引といった事業部門を網羅している。また、債券の組成も手掛ける。
2018 年初め、 CIB はファイナンス事業の業績および分析の表示方法を変更し、「新次元」計画に定められている4つの主要セクターを基
に3つの新事業部門を創設した:
・ エネルギー&天然資源 セクター:貿易金融、ストラクチャード・コモディティ・ファイナンスの組成および構築を手掛ける。
・ 実物資産 事業部門:インフラ、航空、不動産&ホスピタリティの3セクターにおける組成および構築
・ ディストリビューション&ポートフォリオ管理 事業部門:シンジケーションと、ストラクチャード・ファイナンスおよびバニラ・
ファイナンスのポートフォリオ管理を手掛ける。
株式、固定利付、クレジット、為替、コモディティおよび「グローバル・ストラクチャード・クレジット・アンド・ソリューション」
業務は依然としてグローバル・マーケット事業部門に属し、また、短期貿易金融やフローの創造は依然として「トレード・アンド・ト
レジャリー・ソリューションズ」に集約されている。
さらに、 SFS 事業の BPCE S.A. への売却を経たコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門には現在、 映画産業
向け金融 事業部門が含まれている。同事業部門は、フランスおよび欧州にて映画および音響・映像事業向けの仕組みローンに特化して
事業を展開している子会社の Coficiné を通じて営業している。
9.3 保険
Natixis Assurances は、保険事業を営むさまざまな子会社を傘下に置く持株会社である。 2014 年3月、バンカシュランス・モデルの確
立計画に従い、 Natixis Assurances は PPI と損害保険子会社の BPCE Assurances を取得し、現在は完全子会社化している。保険事業で
は、個人・団体生命保険、人身保障保険、損害保険商品などあらゆる保険を Banque Populaire および Caisses d'Epargne のネットワーク
に提供している。これらの多様なカスタマイズ・ソリューションを、個人や小規模企業の顧客、農家、企業、各種非営利団体向けに設
計している。
9.4 決済
この事業部門では、決済に必要な各種ツール、インフラ、各種サービスを提供しており、エレクトロニック・バンキングや、大量の電
子送金の実行および回収、小切手決済、サービス・バウチャー、 eコマースを手掛けるなどして、欧州決済部門の「専業組織」になるこ
と、またデジタル変革の加速を図っている。決済部門は近年、 Payplug 、 S Money 、 Dalenys および Comiteo など、電子決済や eコマースに
特化した新興企業を何社か取得した。
9.5 コーポレート・センター
これらのオペレーション・センターに加えて、主に中央資金調達メカニズムおよびナティクシスの資産負債管理に関連する収益を含む
コーポレート・センターがある。この目的のため、コーポレート・センターは、短期金融を含むあらゆる財務業務を担っており、 2017
年の始め以来ナティクシスの財務部に組み込まれている(以前はコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング部門
に属していた)。
また、当行の持分投資で特定の部門の事業に属さないものから成るポートフォリオからの純利益に加え、(流出まで維持される)自己
勘定のプライベート・エクイティ事業および Natixis Algérie のプライベート・エクイティ事業も含まれる。
Coface の株式資本の 29.5 %の売却後( 12.7 %の持分はナティクシスが維持)、ナティクシスの連結財務諸表に対する Coface の残存寄与
分は損益計算書の「持分法による投資利益」の項目に表示されている。なお、 Coface の主力事業は信用保険、海外ファクタリング、企
業情報および格付、ならびに売掛金である。
コストについては、コーポレート・センターは、当行の構造的コストおよび単一破綻処理基金への拠出金を認識している。
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9.6. セグメント情報
9.6.1 損益計算書のセグメント報告
2020 年 12 月 31 日現在
2020 年 12 月 31 日に終了した年度
コーポレー
ト・バンキン
資産運用およ
グおよびイン
びウェル
ベストメン
コーポレート・
ス・マネ
ト・バンキン
(c)
(b)
センター
(単位:百万ユーロ ) ジメント
グ 保険 決済 合計
純収益
3,225 2,663 901 431 86 7,306
(a)
(14) % (17) % 6% 2% (91) % (21 )%
2019 / 2020 変動
費用 (2,387) (2,037) (491) (391) (522) (5,828)
(a)
(4) % (6) % 3% 6% (54) % (12 )%
2019 / 2020 変動
営業総利益 838 626 410 39 (436) 1,478
(a)
(34) % (41) % 12 % (25) % 146 % (42 )%
2019 / 2020 変動
貸倒引当金繰入額 (27) (819) 0 2 (8) (851)
(a)
234 % 163 % (210) % (18) % 157 %
2019 / 2020 変動
営業純利益 811 (193) 410 42 (444) 626
(a)
(36) % (126 )% 12 % (17) % 137 % (72 )%
2019 / 2020 変動
関連会社 1 10 (17) 0 (47) (53)
(a)
50 % (5)% (271 )% (351 )%
2019 / 2020 変動
その他 (55) (0) 0 0 (132) (187)
(a)
(119) % (127) %
2019 / 2020 変動
税引前利益 757 (183) 393 42 (622) 386
(a)
(40) % (125 )% 4% (17) % (87) %
2019 / 2020 変動
当期純利益(グループ持分) 459 (139) 271 29 (519) 101
(a)
(31) % (126 )% 5% (14) % (225) % (95) %
2019 / 2020 変動
この情報は、 2020 年 12 月 31 日現在欧州連合が採用していた IFRS に従って適用された会計原則に基づいて算定された。
( a) 2019 年 12 月 31 日から 2020 年 12 月 31 日までの変動
( b)うち資産運用に関するもの:
- 純収益: 2,948 百万ユーロ
- 費用: (2,157) 百万ユーロ
- 営業総利益: 792 百万ユーロ
- 貸倒引当金繰入額: (27) 百万ユーロ
- 税引前利益: 711 百万ユーロ
(c) うち短期金融に関するもの:
- 純収益: 140 百万ユーロ
- 費用: (62) 百万ユーロ
- 営業総利益: 78 百万ユーロ
- 貸倒引当金繰入額: (0) 百万ユーロ
- 税引前利益: 78 百万ユーロ
うち Coface に関するもの:
- 持分法により会計処理された会社の純利益に対する持分: (47) 百万ユーロ(持分法適用投資の価値の減損 (57.5) 百万ユーロおよび 2020 年度営業利益
に関するもの 10.5 百万ユーロ)
- その他: 29.5 %の処分に係る利得に相当する (145.6) 百万ユーロ(注記 1.2.1 参照)
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純収益の内訳
(単位:百万ユーロ )
純収益 2019 / 2020 変動
資産運用およびウェルス・マネジメント 3,225 (14) %
資産運用 2,948 (16) %
ウェルス・マネジメント 178 20 %
従業員貯蓄 99 (1) %
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング 2,663 (17) %
(a)
944 (32) %
資本市場
グローバル・ファイナンスおよびインベストメント・バンキング 1,671 (7) %
その他 48 97 %
保険 901 6%
決済 431 2%
コーポレート・センター 86 (91) %
合計 7,306 (21 )%
(a) XVA デスクの純収益を除く 1,069 百万ユーロを含む。うち 1,114 百万ユーロは FICT に関する純収益、 (45) 百万ユーロは株式に関する純収益。
2019 年 12 月 31 日現在 - 修正再表示ベース
「金融投資」と「コーポレート・センター」を単一の「コーポレート・センター」に集約している。
*
2019 年 12 月 31 日に終了した年度
コーポレー
ト・バンキン
資産運用お
グおよびイン
よびウェル
コーポレー
ベストメン
ス・マネジ
ト・センター
ト・バンキン
(a) (b)
(単位:百万ユーロ )
メント グ 保険 決済 合計
純収益 3,760 3,223 846 423 967 9,219
費用 (2,492) (2,170) (478) (370) (1,144) (6,655)
営業総利益/(損失) 1,268 1,053 368 52 (177) 2,564
貸倒引当金繰入額 (8) (312) 0 (2) (10) (332)
営業純利益/(損失) 1,260 741 368 50 (187) 2,232
関連会社 1 10 10 0 0 21
その他 5 (15) 0 0 702 692
税引前利益/(損失) 1,266 737 378 50 515 2,945
当期純利益/(損失)(グループ持分) 662 527 258 34 416 1,897
この情報は、 2019 年 12 月 31 日現在欧州連合が採用していた IFRS に従って適用された会計原則に基づいて算定された。
* この情報は、 2020 年 12 月 31 日現在でナティクシスが採用していた新たな事業部門構成に従って表示されている。
(a )うち資産運用に関するもの:
- 純収益: 3,511 百万ユーロ
- 費用: (2,253) 百万ユーロ
- 営業総利益: 1,258 百万ユーロ
- 貸倒引当金繰入額: (6.5) 百万ユーロ
- 税引前利益: 1,257 百万ユーロ
(b) うち短期金融に関するもの:
- 純収益: 114 百万ユーロ
- 費用: (65) 百万ユーロ
- 営業総利益: 49 百万ユーロ
- 貸倒引当金繰入額: 0百万ユーロ
- 税引前利益: 49 百万ユーロ
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純収益の内訳
(単位:百万ユーロ )
純収益
資産運用およびウェルス・マネジメント 3,760
資産運用 3,511
ウェルス・マネジメント 149
従業員貯蓄 100
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング 3,223
(a)
1,396
資本市場
グローバル・ファイナンスおよびインベストメント・バンキング 1,803
その他 24
保険 846
専門金融サービス 423
コーポレート・センター( Coface を除く) 967
合計 9,219
(a) XVA デスクの純収益を除く 1,535 百万ユーロを含む。うち 1,118 百万ユーロは FICT に関する純収益、 417 百万ユーロは株式に関する純収益。
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2019 年 12 月 31 日現在 - 報告ベース
2019 年 12 月 31 日に終了した年度
コーポレー
ト・セン
コーポレー
ターおよび
ト・バンキ
金融投資
資産運用お
ングおよび
( Coface を
よびウェル
インベスト
ス・マネ
除く)
メント・バ
(b)
(c) (d)
(単位:百万ユーロ )
ジメント
ンキング 保険 決済 合計
Coface
純収益 3,760 3,223 846 423 772 195 9,219
(a)
10 % 3% 7% (4)%
2018 / 2019 変動
費用 (2,492 ) (2,170 ) (478 ) (370 ) (561) (584 ) (6,655 )
(a)
10 % 2% 7% (2)%
2018 / 2019 変動
営業総利益 1,268 1,053 368 52 211 (388) 2,564
(a)
10 % 6% 8% (8)%
2018 / 2019 変動
貸倒引当金繰入額 (8) (312) 0 (2) (10) 1 (332 )
(a)
78 % 55 %
2018 / 2019 変動
営業純利益 1,260 741 368 50 201 (388) 2,232
(a)
9% (9)% 8% (13 )%
2018 / 2019 変動
関連会社 1 10 10 0 0 0 21
(a)
(68 )% (10 )% (32 )% (27 )%
2018 / 2019 変動
その他 5 (15 ) 0 0 7 695 692
(a)
(87 )%
2018 / 2019 変動
税引前利益 1,266 737 378 50 208 307 2,945
(a)
6% (11 )% 6% 11 %
2018 / 2019 変動
当期純利益(グループ持分) 662 527 258 34 50 365 1,897
(a)
6% (11 )% 6% 11 %
2018 / 2019 変動
この情報は、 2019 年 12 月 31 日現在 EU が採用していた IFRS に従って適用された会計原則に基づいて算定された。
( a) 2018 年 12 月 31 日から 2019 年 12 月 31 日までの変動
( b)うち資産運用に関するもの:
- 純収益: 3,511 百万ユーロ
- 費用: (2,253) 百万ユーロ
- 営業総利益: 1,258 百万ユーロ
- 貸倒引当金繰入額: (6.5) 百万ユーロ
- 税引前利益: 1,257 百万ユーロ
(c) うち短期金融に関するもの:
- 純収益: 114 百万ユーロ
- 費用: (65) 百万ユーロ
- 営業総利益: 49 百万ユーロ
- 貸倒引当金繰入額: 0百万ユーロ
- 税引前利益: 49 百万ユーロ
(d) コーポレート・センターに帰属する純収益および営業費用には、第1四半期に BPCE へ売却した事業の、 2019 年3月 31 日をもって連結から除外した
後における残存的影響が含まれている。純収益への影響は 22.3 百万ユーロ、営業費用への影響は (22.5) 百万ユーロに達したが、いずれも主に Euro
Titres に関連する。
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純収益の内訳
(単位:百万ユーロ )
純収益 2018 / 2019 変動
資産運用およびウェルス・マネジメント 3,760 10 %
資産運用 3,511 7%
ウェルス・マネジメント 149 3%
従業員貯蓄 100 6%
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング 3,223 3%
(a)
1,396 15 %
資本市場
グローバル・ファイナンスおよびインベストメント・バンキング 1,803 1%
その他 24 (56) %
保険 846 7%
決済 423
金融投資 772
コーポレート・センター 195
合計 9,219 (4)%
(a) XVA デスクの純収益を除く 1,535 百万ユーロを含む。うち 1,118 百万ユーロは FICT に関する純収益、 417 百万ユーロは株式に関する純収益。
9.6.2 貸借対照表 のセグメント分析
2020 年 12 月 31 日現在:
2020 年12月31日 現在
コーポレート・
バンキングおよ
資産運用お
びインベストメ
よびウェル
ント・バンキン コーポレー
ス・マネジ
(単位:百万ユーロ )
グ 保険 決済 ト・センター 合計
メント
純損益を通じて公正価値で測定される金
融資産 1,878 209,110 1 (610 ) 210,378
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定される金融資産 515 4,169 10 8,499 13,194
償却原価で測定される負債性金融商品
1,500 430 1,930
償却原価で測定される銀行貸出金および
債権ならびに類似項目 705 5,538 221 426 37,801 44,691
償却原価で測定される顧客貸出金および
債権 4,232 56,616 (286 ) 9 7,368 67,939
保険事業の投資
112,698 112,698
売却目的で保有する非流動資産
282 446 728
のれん
3,168 135 93 137 3,533
その他 の 資産
(5,408 ) 18,986 (411 ) (80 ) 27,143 40,230
資産合計
5,371 296,463 112,316 539 80,631 495,320
純損益を通じて公正価値で測定するもの
として指定した金融負債 65 184,086 3,461 20,854 208,467
銀行 からの 預り金 および借入金ならびに
類似項目 1,167 28,868 4,861 (176 ) 49,688 84,408
顧客 からの 預り金 および借入金
1,855 6,961 (39 ) 107 20,914 29,798
債務証券
657 37,487 (2,866 ) 375 35,652
売却目的で保有する資産に係る負債
55 55
保険契約関連の負債
104,182 104,182
劣後債務
10 2,539 1,385 3,934
その他 の 負債
1,562 36,773 1,331 358 (11,200) 28,824
負債合計
5,371 296,463 112,316 539 80,631 495,320
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2019 年 12 月 31 日現在 - 修正再表示ベース
「金融投資」と「コーポレート・センター」を単一の「コーポレート・センター」に集約している。
2019 年12月31日 現在
コーポレート・
バンキングおよ
資産運用お
びインベストメ
よびウェル
ント・バンキン
コーポレート・
ス・マネジ
*
(単位:百万ユーロ )
グ 保険 決済 センター 合計
メント
純損益を通じて公正価値で測定される資
*
産 2,076 227,466 4 22 (766 ) 228,802
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定される金融資産 365 3,764 4 7,94 3 12,076
償却原価で測定される負債性金融商品
140 1,019 400 1,558
償却原価で測定される銀行貸出金および
債権ならびに類似項目 935 26,004 265 440 20,471 48,115
償却原価で測定される顧客貸出金および
債権 4,461 60,367 (336) 11 6,586 71,089
保険事業の投資
104,066 3,987 108,053
売却目的で保有する非流動資産
のれん
3,235 144 93 137 282 3,891
*
その他 の 資産 (5,036) 20,0 60 (79) (114 ) 24,7 55 39,586
資産合計
6,175 338,823 104,013 500 63,659 513,170
純損益を通じて公正価値で測定される金
*
融負債 121 214,322 3,601 235 218,279
銀行預り金 および類似項目
986 42,594 2,114 (198) 26,431 71,927
顧客預り金
2,597 12,781 (43) 103 15,047 30,485
債務証券
670 46,899 (2,357) 2,163 47,375
売却目的で保有する資産に係る負債
保険契約関連の負債
98,512 2,033 100,545
劣後債務
10 2,537 1,034 390 3,971
*
その他 の 負債 1,791 19, 690 1,152 594 17,360 40,587
負債合計
6,175 338,823 104,013 500 63,659 513,170
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
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2019 年 12 月 31 日現在 - 公表ベース
2019 年12月31日 現在
コーポレー
ト・バンキ
ングおよび
資産運用お
インベスト
コーポレー
よびウェル
メント・バ
ト・セン
ス・マネジ
*
(単位:百万ユーロ )
ンキング 保険 決済 ター 合計
メント 金融投資
純損益を通じて公正価値で測定される資
*
産 2,076 227,466 4 22 (136) (630) 228,802
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定される金融資産 365 3,764 4 1 7,94 2 12,076
償却原価で測定される負債性金融商品
140 1,019 339 61 1,558
償却原価で測定される銀行貸出金および
債権ならびに類似項目 935 26,004 265 440 604 19,867 48,115
償却原価で測定される顧客貸出金および
債権 4,461 60,367 (336) 11 2,916 3,670 71,089
保険事業の投資
104,066 3,987 0 108,053
売却目的で保有する非流動資産
(36) 36 0
のれん
3,235 144 93 137 282 0 3,891
*
その他 の 資産 (5,036) 20,0 96 (79) (150) (23) 24,778 39,586
資産合計
6,175 338,823 104,013 500 7,969 55,690 513,170
純損益を通じて公正価値で測定される金
*
融負債 121 214,322 3,601 235 218,279
銀行預り金 および類似項目
986 42,594 2,114 (198) 518 25,913 71,927
顧客預り金
2,597 12,781 (43) 103 1,228 13,819 30,485
債務証券
670 46,899 (2,357) 1,579 584 47,375
売却目的で保有する資産に係る負債
(251) 250 1 0
保険契約関連の負債
98,512 2,033 0 100,545
劣後債務
10 2,537 1,034 390 0 3,971
*
その他 の 負債 1,791 19, 941 1,152 344 2,220 15,139 40,587
負債合計
6,175 338,823 104,013 500 7,969 55,690 513,170
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
9.7 その他の 開示
2020 年 12 月 31 日現在
その他 の
(a)
(単位:百万ユーロ )
フランス その他 の EU 北米 OECD その他 合計
純収益 3,792 530 2, 248 341 394 7,306
当期純利益(グループ持分) (276) 106 269 110 (108) 101
純損益を通じて公正価値で測定される資産 166,032 8,797 19,461 15,814 274 21 0,378
その他の包括利益を通じて公正価値で測定され
る金融資産 8,984 234 (11) 20 3,967 13,194
償却原価で測定される銀行貸出金および債権な
らびに類似項目 42,285 530 942 35 900 44,691
償却原価で測定される顧客貸出金および債権 32,872 9,382 15,166 80 10, 439 67,939
保険事業の投資 106,099 6,605 0 0 (5) 112,698
売却目的で保有する非流動資産 699 17 0 11 1 728
固定資産 1,597 145 86 42 68 1, 938
その他 の 資産 30,154 (548) 8,799 5,405 (56) 43,754
資産合計 38 8,721 25, 163 44 ,443 21,407 15, 586 495, 320
(a) 英国を含む。
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2019 年 12 月 31 日現在
その他 の
* *
(単位:百万ユーロ )
フランス その他 の EU 北米 OECD その他 合計
純収益 3,984 1,706 2,672 187 669 9,219
当期純利益(グループ持分) 657 517 505 14 203 1,897
*
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 170,943 10,746 36,934 9,906 272 228,802
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
金融資産 8,270 265 (7) 2 3,546 12,076
償却原価で測定される銀行貸出金および債権なら
びに類似項目 45,236 521 241 67 2,050 48,115
償却原価で測定される顧客貸出金および債権 33,590 10,752 15,354 7 11,386 71,089
保険事業の投資 100,430 6,455 145 838 185 108,053
売却目的 で 保有 する 非流動資産
固定資産 1,657 245 120 35 85 2,142
*
その他 の 資産 31,936 (224) 7,273 4,104 (196) 42,893
資産合計 392,062 28,760 60,060 14,958 17,328 513,170
* 2019 年に公表された財務諸表に関連して修正再表示された金額(注記 5.4 参照)。
注記 10 リスク管理
10.1 自己資本
IAS 第1号で要求される自己資本に関する情報は、第3章「リスク要因、リスク管理および第三の柱」第 3.3.1 節(訳者注:原文の章お
よび節)に記載されている。
10.2 信用リスクおよび取引相手方リスク
IFRS 第7号により要求されるリスク管理情報は、以下に示す開示を除き、第3章「リスク要因、リスク管理および第三の柱」第 3.2.3 節
(訳者注:原文の章および節)に提示されている。
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10.2.1 リスク・プロファイル
この表は、 IFRS 第9号の引当金設定基準を満たす各会計上の残高を信用リスク区分別に分解した内訳( S1 、 S2 および S3 の各ステージに分解したもの)およびそれに対応する減損および引当金を表示するため
のものである(保険会社による分を除く)。各信用リスク区分を、基本シナリオ (注記 5.3 参照) に関連する IFRS 第9号に基づくデフォルト確率の範囲ごとに示している。
2020 年 12 月 31 日現在
帳簿価額総額 予想信用損失に対する減損または引当金
デフォルト確率の目盛り デフォルト確率の目盛り
0.00 以上 0.05 0.05 以上 0.10 以上 0.15 以上 0.25 以上 0.00 以上 0.05 以上 0.10 以上 0.15 以上 0.25 以上
(単位:百万ユーロ ) 未満 0.10 未満 0.15 未満 0.25 未満 100.0 未満 100.0 0.05 未満 0.10 未満 0.15 未満 0.25 未満 100.0 未満 100.0
差引額
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定される負債性金
融商品 12,534 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 12,550
S1 12,534 16 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 12,550
S2 0
S3 0
償却原価で測定される有価証
券 1,883 0 0 0 0 193 4 0 0 0 0 142 1,930
S1 1,389 0 0 0 0 0 5 0 0 0 0 0 1,385
S2 494 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 494
S3 0 0 0 0 0 193 0 0 0 0 0 142 51
償却原価で測定される金融機
関貸出金および債権ならびに
類似項目 44,146 122 166 3 2 29 2 2 1 0 0 29 44,434
S1 43,834 2 156 3 2 0 1 0 0 0 0 0 43,996
S2 311 120 10 1 0 0 1 2 1 0 0 0 438
S3 0 0 0 0 0 29 0 0 0 0 0 29 0
償却原価で測定される顧客貸
出金および債権 60,268 2,663 1,051 1,109 633 3,596 113 39 17 20 19 1,172 67,939
S1 48,120 1,429 441 326 154 0 40 11 6 3 2 0 50,408
S2 12,148 1,235 609 783 479 0 73 29 11 17 17 0 15,107
S3 0 0 0 0 0 3,596 0 0 0 0 0 1,172 2,424
供与された貸出コミットメン
ト 57,291 989 583 99 8 59 69 14 23 4 1 3
S1 51,938 592 235 31 5 0 26 5 1 0 0 0
S2 5,353 397 348 68 3 0 43 9 22 4 1 0
S3 0 0 0 0 0 59 0 0 0 0 0 3
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供与された保証コミットメン
ト 22,065 906 352 146 45 433 10 4 5 1 0 34
S1 20,244 451 212 35 16 0 5 1 0 0 0 0
S2 1,821 455 139 110 28 0 5 2 5 1 0 0
S3 0 0 0 0 0 433 0 0 0 0 0 34
2020 年 12 月 31 日現在合計 198,187 4,696 2,151 1,357 688 4,310 198 59 47 25 20 1,379
2019 年 12 月 31 日現在
帳簿価額総額 予想信用損失に対する減損または引当金
デフォルト確率の目盛り デフォルト確率の目盛り
0.00 以上 0.15 0.15 以上 0.25 以上 0.50 以上 0.75 以上 2.50 以上 10.00 以上 100.0 (デ 0.00 以上 0.15 以上 0.25 以上 0.50 以上 0.75 以上 2.50 以上 10.00 以上 100.0 (デ
(単位:百万ユーロ ) 未満 0.25 未満 0.50 未満 0.75 未満 2.50 未満 10.0 未満 100.0 未満 フォルト) 0.15 未満 0.25 未満 0.50 未満 0.75 未満 2.50 未満 10.0 未満 100.0 未満 フォルト)
差引額
資本を通じて公正価値で測定
される負債性金融商品 11,563 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 11,563
S1 11,529 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 11,529
S2 33 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 33
S3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
償却原価で測定される有価証
券 1,551 0 0 0 0 0 0 155 1 0 0 0 0 0 0 147 1,558
S1 1,474 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1,474
S2 77 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 76
S3 0 0 0 0 0 0 0 155 0 0 0 0 0 0 0 147 8
償却原価で測定される金融機
関貸出金および債権ならびに
類似項目 47,542 17 2 0 0 0 0 48 3 0 0 0 0 0 0 48 47,558
S1 46,844 0 2 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 46,846
S2 698 17 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 712
S3 0 0 0 0 0 0 0 48 0 0 0 0 0 0 0 48 0
償却原価で測定される顧客貸
出金および債権 66,966 119 253 481 1,048 519 6 3,072 114 5 0 0 0 0 1 1,255 71,089
S1 50,776 0 253 481 1,048 519 6 0 39 0 0 0 0 0 1 0 53,043
S2 16,190 119 0 0 0 0 0 0 75 5 0 0 0 0 0 0 16,229
S3 0 0 0 0 0 0 0 3,072 0 0 0 0 0 0 0 1,255 1,817
供与された貸出コミットメン
ト 52,007 118 0 0 0 0 0 76 57 6 0 0 0 0 0 13
S1 46,526 0 0 0 0 0 0 0 15 0 0 0 0 0 0 0
S2 5,481 118 0 0 0 0 0 0 42 6 0 0 0 0 0 0
S3 0 0 0 0 0 0 0 76 0 0 0 0 0 0 0 13
供与された保証コミットメン
ト 24,505 47 1 0 0 0 0 130 9 1 0 0 0 0 0 41
S1 21,257 0 0 0 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0
S2 3,247 48 1 0 0 0 0 0 7 1 0 0 0 0 0 0
S3 0 0 0 0 0 0 0 130 0 0 0 0 0 0 0 41
2019 年 12 月 31 日現在合計 204,133 301 256 481 1,048 519 6 3,481 184 12 0 0 0 0 1 1,504
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10.2.2 IFRS 第9号のもとで減損した金融商品について受け取っている保証
下表に、信用リスクおよび取引相手方リスクに対するナティクシスの金融資産のエクスポージャーを示す。信用リスク(未認識の相殺および担保を考慮に入れずに算定)および取引相手方リスクに対するこ
のエクスポージャーは、金融資産の正味帳簿価額に相当する。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
(a)
減損控除後の
減損控除後の
最大リスク・
減損した金融商品の分類
保証
保証
最大エクスポー
最大リスク・ 最大エクス
エクスポージャー
(c)
(b) (c)
(b)
(単位:百万ユーロ ) 減損 ジャー 個人保証 物的担保
エクスポージャー 減損 ポージャー 個人保証 物的担保
債務証券 - FVOCI R
銀行貸出金および債権 - FVOCI R
顧客貸出金および債権 - FVOCI R
償却原価で測定される債務証券 193 (142 ) 51 155 (147) 8
償却原価で測定される銀行貸出金および債権 29 (29 ) - 48 (48) 0
償却原価で測定される顧客貸出金および債権 3,596 (1,172 ) 2,424 600 552 3,072 (1,255) 1,817 298 945
供与された貸出コミットメント 59 (3) 56 19 13 76 (13) 63 5 21
供与された保証コミットメント 433 (34 ) 399 311 18 129 (41) 88 26 26
合計 4,310 (1,379 ) 2,931 930 582 3,480 (1,504) 1,976 328 992
(a) 組成/取得後に減損した資産(ステージ3)または組成/取得時に減損していた資産( POCI )。
(b) 帳簿価額総額
(c) 貸借対照表上の帳簿価額
10.3 市場リスク、全体的金利リスク、流動性リスクおよび構造的な為替リスク
IFRS 第7号に基づき要求される、市場リスク、全体的金利リスク、流動性リスクおよび構造的な為替リスクの管理に関する開示は、第3章「リスク要因、リスク管理および第三の柱」第 3.2 節(訳者注:
原文の章および節)において表示されている。
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注記 11 従業員数、人件費、報酬および従業員給付
11.1 従業員数
2020 年12月31日 現在
(単位:人 ) 2019 年12月31日 現在
(a)
16,943 19,639
従業員数
(a) 報告日現在におけるナティクシスの従業員数(フルタイム換算)( 2020 年 12 月 31 日現在は、 H20 に関して IFRS 第5号のもとで修正再表示された企業の
従業員 105 人を含む)。 2019 年 12 月 31 日現在、 Coface には 3,248 人の従業員がいた。
従業員数の内訳は第6章「非財務成績報告書」の注記 6.7.1.1 (訳者注:原文の章)に表示されている。
11.2 報酬および従業員給付
報酬および従業員給付には、賃金および給与(払戻請求に基づき、役務が提供された報告期間末から 12 ヶ月以内に支払われた費用控除
後)、現金決済型または株式決済型繰延変動報酬、その期に係る従業員インセンティブおよび利益分配、年金費用、長期勤続報奨およ
び従業員のために留保されていた増資に関連する給付など他の従業員給付債務が含まれる。
2020 年 12 月 31 日に終了した年度の人件費は、 2019 年 12 月 31 日に終了した年度が合計 3,980 百万ユーロだったのに対し合計 3,505 百万ユー
ロであった。
11.2.1 短期従業員給付
この項目には、関連役務が提供された報告期間末から 12 ヶ月以内に支払われた賃金および給与、従業員インセンティブならびに利益分
配のうち、改訂 IAS 第 19 号「従業員給付」に基づく短期給付の定義を満たすものが含まれる。この基準に従い、短期給付は、従業員が当
該給付を発生させる役務を提供した期間に費用計上される。
11.2.2 繰延報酬
株式に基づく従業員維持および業績表彰制度
2010 年から毎年、ナティクシスは特定の役職員カテゴリーに対して株式に基づく報酬制度を付与してきた。これらの制度の会計処理に
ついては注記 5.16 に記載されている。
2021 年2月 11 日に取締役会によって承認された制度は、報告日現在ではこれらの配分がまだ正式に実施されていないため、これらの費
用は、株価および配当金の仮定に関して報告日に入手可能な最善の見積インプットを用いて見積られた。
ナティクシスの子会社も自己株式による株式報酬制度を導入している場合がある。個別に考慮したとしても、それらの制度が連結レベ
ルでナティクシスに及ぼす影響は重大ではない。よって、それらの特徴は以下の段落において概説されていない。
ナティクシス株価に連動する現金決済型長期報酬制度
評価日における
連動・現金決済型
当初割り当て られ た
受益者が取得 ユニットの公正価値
ユニット数*
(単位:ユーロ )
制度の年度 付与日 取得日 したユニット数
2018年3月 1,081,907
2019年3月 1,787,527
2015 年度制度 2016年2月10日 6,084,435 6.11
2019年3月 868,417
2020年3月 2,124,062
2016 年度制度 2017年4月10日 2,835,311 5.47
2020年3月
1,154,437
2021年3月
2017 年度制度 2018年4月13日 2,660,487 2.79
2021年3月
2022年3月
2018 年度制度 2019年4月12日 3,260,945 2.68
2022年3月
2019 年度制度 2020年4月10日 5,867 ,435 2023年3月 2.50
2023年3月
2024年3月
2020 年度制度 2021年1月20日 1,353 ,434 2.73
* 権利確定日現在の予想ユニット数はエクイティー・スワップによって資金を確保している。
これらの制度に基づく支払は、勤続要件および業績規準の適用を受ける。
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ナティクシス株価に 連動 する現金決済型短期報酬制度
評価日における
連動・現金決済型 当初付与された 取得日に予想される 連動・現金決済型
ユニットの評価 連動・現金決済型 連動・現金決済型 ユニットの公正価値
(単位:ユーロ ) (単位:ユーロ )
制度の年度 付与日 権利取得日 ユニット数 ユニット数
2021年 2021年
2020 年度制度 1月20日 3月1日 3.17 3,504,747 3,504,747 3.17
短期制度に対応する費用は、 2020 年度の財務諸表では全額認識されており、その金額は (11) 百万ユーロである( 2019 年 12 月 31 日現在は
(28) 百万ユーロ)。
株式決済型報酬制度
付与日における 評価日における
当初付与された 受益者が取得 無償株の株価 無償株の公正価値
(単位:ユーロ ) (単位:ユーロ )
制度の年度 付与日 株式数 取得日 したユニット数
2014 年度制度 2015 年2月 18 日 2019年2月1日
95,144 6.18 3.45
2018年3月
2015 年度制度 2016 年7月 28 日 3,081,642 2019年3月 3.43 2.80
2016 年度制度 2016 年7月 28 日 151,283 2020年7月1日 3.43 1.62
2019年3月
2016 年度制度 2017 年4月 10 日 3,012,307 2020年3月 5.70 4.28
2017 年度制度 2017 年5月 23 日 79,369 2021年5月1日 6.44 3.32
2020年3月
2017 年度制度 2018 年4月 13 日 2,943,516 2021年3月 6.65 5.04
2021年3月
2018 年度制度 2019 年4月 12 日 2,600,406 2022年3月 4.99 3.41
2022年3月
2019 年度制度 2020 年4月 10 日 3,598,832 2023年3月 2.24 1.35
2023年3月
2020 年度制度 2021 年1月 20 日 1,562,732 2024年3月 2.79 2. 40
これらの制度に基づく支払は、勤続要件および業績規準の適用を受ける。
従業員維持および業績報酬制度に係る当期費用
2020 年度に係る費用
ナティクシスまたはその子
2019 年度に係る費用
会社の株価に連動して現金
費用
(単位:百万ユーロ ) (単位:百万ユーロ )
株式で決済された制度 で決済された制度 合計
過年度の維持制度 (24.4 )
(7. 1) 1.0 (6.0 )
当年度に付与された維持制度 (4.5 ) (4.5 ) (2.9 )
合計 (7. 1) (3.4) (10.5 ) (27.3 )
これらの制度の費用を計算するために使用された評価インプット
2020 年12月31日
2019 年12月31日
現在
現在
株価 3.96
2.79
無リスク利子率 (0.56 )% (0.66 )%
配当 支払率 7.17 % 12.83 %
権利失効率 4.55 % 4.72 %
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現金決済型従業員維持および業績報酬制度
現金で支払われる繰延維持および業績賞与が一部の従業員に付与される。この賞与は、勤続要件および業績規準の適用を受ける。会計
処理としては、「その他の長期従業員給付」に計上される。見積費用は、これらの条件が満たされる確率に関する数理計算上の見積り
に基づいている。この費用は権利確定期間にわたり認識される。 2020 事業年度に認識された金額は以下のとおりであった。
2019 年度に係る費用
2020 年度に係る費用
(単位:百万ユーロ)
(単位:百万ユーロ)
制度の年度 付与日 取得日
2018年3月
2019年3月
2016 年度制度 2017 年4月 10 日 (0.5)
2019年3月
2020年3月
2017 年度制度 2018 年2月 23 日 (1.1) (9.4)
2020年3月
2018 年度制度 2019 年2月 26 日 2021年3月 (5.0) 1.1
2021年3月
2022年3月
2019 年度制度 2020 年1月 22 日 (3.2) (12.1)
2022年3月
2023年3月
2020 年度制度 2021 年1月 20 日 (8.0)
合計
(17.4) (20.9)
11.2.3 年金およびその他の長期従業員給付
退職後確定拠出制度
ナティクシスは、確定拠出制度の下で、独立の企業に固定額の拠出金を支払っており、それ以上の拠出金を支払う義務を負っていな
い。
ナティクシスの従業員が利用可能な主要な確定拠出制度はフランスで運営されている。それらには、強制加入の年金制度ならびに国家
的な制度である AGIRC (管理職補足年金制度)および ARRCO (被用者補足年金制度)が含まれている。
従業員が任意加入できる年金制度は、一部のナティクシス企業によって運営されており、同様に、確定拠出制度として分類されてい
る。これらの企業は、単独の拠出義務(「 PERCO (年金貯蓄プラン)」への拠出)を負っている。
確定拠出制度に基づいて支払われた拠出金は、役務が提供された期間に費用計上される。
2020 年12月31日
2019 年12月31日 に
(単位:百万ユーロ )
に終了した年度
終了した年度
確定拠出制度に基づき費用計上された拠出 107 124
退職後確定給付制度およびその他の長期従業員給付
退職後確定給付制度には、ナティクシスが所定水準の給付を支払うことを約束したすべての退職後給付が含まれる。
付与されたこれらの給付に関わる負債は、その全部または一部が制度資産によってヘッジされている。当該資産は主に、退職を専門と
するフランスの保険会社が管理する、外部委託された保険契約で構成されている。その年金が現金化される際の長寿リスクは、それら
の保険会社が負担する。制度資産は保険会社の一般基金に投資されるが、その大部分は通常債券から成っている。保険会社はフランス
のプルーデンシャル基準および規制の適用を受ける。
保険会社はまた、給付債務のうち各々が保障する部分に係る資産/負債戦略の管理も行う。
それ以外の部分については、ナティクシスが長期的なキャッシュ・フローを裏付として金利および流動性ヘッジを構築している。
ナティクシスの確定給付制度債務の全部または一部に資金供給することを目的とし、ナティクシスの関連当事者によって引き受けられ
た保険契約は、貸借対照表の資産側の「未収勘定およびその他資産」に計上されている。
その他の長期従業員給付は、従業員が関連役務を提供した期間末から 12 ヶ月以内に全額の支払義務が発生しない、退職後給付および退
職時給付以外の給付によって構成される。
これらの給付には主に、長期勤続報奨、期間末から 12 ヶ月以上が経過した後に現金で支払われる繰延報酬および 2020 年からのワーキン
グ・タイム口座( CET )が含まれる。
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a ) 2020 年 12 月 31 日現在で貸借対照表に認識された金額
貸借対照表の負債側で認識される引当金の金額は、確定給付制度に基づく数理計算上の債務の価額から、これらの給付債務をヘッジす
る資産の市場価格を控除した額に相当する。
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
その他の その他の
退職後確定給付制度 長期従業員給付 退職後確定給付制度 長期従業員給付
補足的年金
補足的年金
退職時 長期勤続
退職時報 長期勤続
(単位:百万ユーロ )
給付等 報奨 報奨 その他 合計
給付等 奨 報奨 その他 合計
数理計算上の債務
579 212 49 185 1,025 622 238 54 127 1,042
制度資産の公正価値 (423 ) (105 ) 0 0 (528 ) (422) (104) 0 0 (526)
(a)
分離資産の公正価値
(33 ) (29 ) 0 0 (62 ) (32) (28) 0 0 (61)
資産の上限による影響 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
貸借対照表において認識さ
れた正味金額 124 77 49 185 435 168 105 54 127 455
負債 156 107 49 185 497 200 134 54 127 516
資産 33 29 0 0 62 32 28 0 0 61
(a) 分離資産の構成要素は大部分が、ナティクシスの保険子会社 ( ABP vie ) の貸借対照表に分離されている。この分離資産は、連結対象となるナティクシ
ス・グループの他の企業の給付債務をヘッジするもので、いくつかの従業員カテゴリーの退職後給付をヘッジするために移管された。
b )貸借対照表に認識された金額の変動(数理計算上の債務の変動)
2020 年12月31日 に終了した年度 2019 年12月31日 に終了した年度
その他の
その他の
退職後確定給付制度 長期従業員給付
退職後確定給付制度 長期従業員給付
補足的年金 退職時
補足的年金 退職時
長期勤続
長期勤続
(単位:百万ユーロ )
給付等 報奨 報奨 その他 合計
給付等 報奨 報奨 その他 合計
期首における数理計算上の
債務 622 238 54 127 1,042 526 215 51 144 936
損益に計上された変動 (27 ) 8 3 (23 ) (39 ) (5) 3 5 (15) (12)
勤務費用 6 12 4 18 40 7 12 4 28 50
過去勤務費用 (13 ) 0 1 0 (12 ) (2) 0 0 0 (2)
うち制度の清算および縮
小 (13 ) 0 0 0 (13 ) (2) 0 0 0 (2)
利息費用 12 1 0 0 13 15 3 1 0 19
給付金 支払 額 (32 ) (6) (2) (41 ) (81 ) (25) (11) (3) (45) (84)
うち制度の清算に関連す
る払出金額 (16 ) (5) 0 0 (21 ) (11) 0 0 0 (11)
その他の長期従業員給付に
係る再評価調整額 0 0 (0) 0 (0) 0 0 4 2 5
その他 (0) 1 0 1 2 0 0 0 0 (1)
その他の包括利益に直接認
識された純損益に振替えら
れることのない変動 34 2 0 0 36 95 19 0 0 114
再評価調整額 - 人口統計
上の仮定 6 1 0 0 7 (3) 1 0 0 (2)
再評価調整額 - 財務上の
仮定 17 4 0 0 21 83 23 0 0 106
再評価調整額 - 過去の実
績の影響 12 (3) 0 0 9 15 (5) 0 0 10
為替換算調整 額 (28) (0) 0 (3) (31) 2 0 0 0 3
売却目的で保有する非流動
(a)
資産に関係する変動 (21) (36) (9) (3) (68) 0 0 0 0 0
範囲の変動 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
(b)
その他 (1) (0) (0) 86 85 5 0 (1) (1) 2
期末における数理計算上の
債務 579 212 49 185 1,025 622 238 54 127 1,042
(a) 2020 年初め以来、会計上は IFRS 第5号および持分法に基づき処理されている Coface に相当する。
(b) 現在は長期給付とみなしているタイム・セービング引当金の設定への分類変更に相当する 86 百万ユーロを含む。
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c )貸借対照表に認識された金額の変動(ヘッジ資産の変動)
制度資産
2020 年12月31日 に終了した年度 2019 年12月31日 に終了した年度
退職後確定給付制度
退職後確定給付制度
補足的年金
補足的年金
(単位:百万ユーロ ) 給付等 退職時報奨 合計
給付等 退職時報奨 合計
期首における資産の公正価値
422 104 526 255 102 357
純損益に計上された変動 (18 ) (0) (19 ) (6) 1 (5)
受取利息 10 0 10 12 1 14
制度加入者の拠出金 2 0 2 3 0 3
うち雇用主支払分 1 0 1 3 0 3
うち受益者支払分 0 0 0 0 0 0
給付 金支払額 (26) (2) (28) (21) 0 (21)
うち制度の清算に関連する払出金額 (12) (2) (14) (11) 0 (11)
その他 (3) 1 (2) 0 0 0
その他の包括利益に直接認識された純損益に
47 2 49 50 1 51
振替えられることのない変動
再評価調整額 -資産の収益
47 2 49 50 1 51
為替換算調整 額 (24) 0 (24) 4 0 4
売却目的で保有する非流動資産に関係する変
(1) (1) (2) 0 0 0
(a)
動
範囲の変動 0 0 0 0 0 0
(b)
(3) (0) (3) 119 0 119
その他
期末における資産の公正価値 423 105 528 422 104 526
(a) 2020 年初め以来、会計上は IFRS 第5号および持分法に基づき処理されている Coface に相当する。
(b) 2019 年、 Institution de Prévoyance Austerlitz は Institution de Retraite Professionnelle Supplémentaire ( IRPS - 補足的企業年金制度)に
移行した。その結果、ナティクシスの年金債務の一部に係るヘッジ契約を制度資産に分類した。
分離 資産
2020 年12月31日 に終了した年度 2019 年12月31日 に終了した年度
退職後確定給付制度
退職後確定給付制度
補足的年金
補足的年金
(単位:百万ユーロ ) 給付等 退職時報奨 合計
給付等 退職時報奨 合計
期首における資産の公正価値 147 27 174
32 28 60
純損益に計上された変動 (0) 0 (0) 0 0 0
受取利息 0 0 0 0 0 0
制度加入者の 拠出金 0 0 0 0 0 0
うち雇用主支払分 0 0 0 0 0 0
うち受益者支払分 0 0 0 0 0 0
給付 金支払額 (0) 0 (0) 0 0 0
うち制度の清算に関連する払出金額 (0) 0 (0) 0 0 0
その他 0 0 0 0 0 0
その他の包括利益に直接認識された純損益に
1 1 2 2 1 3
振替えられることのない変動
再評価調整額 -資産の収益
1 1 2 2 1 3
為替換算調整 額 0 0 0 0 0 0
売却目的で保有する非流動資産に関係する変
(0) (0) (0) 0 0 0
動
範囲の変動 0 0 0 0 0 0
(a)
0 0 0 (117) 0 (117)
その他
期末における資産の公正価値 33 29 62 32 28 60
(a) 2019 年、 Institution de Prévoyance Austerlitz は Institution de Retraite Professionnelle Supplémentaire ( IRPS - 補足的企業年金制度)に
移行した。その結果、ナティクシスの年金債務の一部に係るヘッジ契約を制度資産に分類した。
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d )制度資産の内訳
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
資産の公正価値
資産の公正価値
活発な市場
活発な市場
活発な市場
活発な市場
における相
における相
における相
における相
構成比率 場なし
構成比率 場なし
場あり
場あり
(% ) 合計 (% ) (% )
(% ) 合計 (% ) (% )
短期金融市場
4% 22 41% 59%
2% 11 31 % 69 %
株式 21% 111 71 % 29 % 21% 108 73% 27%
債券 51% 271 99% 1% 51% 267 99% 1%
不動産 2% 9 0% 100% 2% 8 0% 100%
デリバティブ 0% - 0% - 0% 0%
投資ファンド 24 % 127 88% 12% 23% 119 88% 12%
資産担保証券 0% - 0% 2 0% 100%
仕組 負債性金融商品 0% - 0% - 0% 0%
合計 100% 528 88 % 12 % 100% 526 87% 13%
e )退職後制度の再評価差異
数理計算上の債務の再評価の内訳
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
退職後確定給付制度
退職後確定給付制度
(単位:百万ユーロ )
補足的年金給付等 退職時報奨 合計
補足的年金給付等 退職時報奨 合計
233 12 245
期首における再評価調整額合計
328 30 358
期中における再評価調整額 18 2 20 95 17 112
売却目的で保有する非流動資産に関連する変動 (16) (19) (35) 0 0 0
(a)
期末における再評価調整額合計 330 13 343 328 30 358
(a) 2020年初め以来、会計上はIFRS第5号および持分法 に基づき 処理 され ているCofaceに 相当 する。
制度資産
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
退職後確定給付制度
退職後確定給付制度
(単位:百万ユーロ )
補足的年金給付等 退職時報奨 合計
補足的年金給付等 退職時報奨 合計
45 2 47
期首における再評価調整額合計
129 3 132
うち資産の上限による影響 1 0 1 (2) 0 (2)
期中における再評価調整額 37 2 39 84 1 86
うち制度資産の上限による影響 0 0 0 2 0 2
期末における再評価調整額合計 166 5 171 129 3 132
うち資産の上限による影響 1 0 1 1 0 1
分離 資産
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
退職後確定給付制度
退職後確定給付制度
(単位:百万ユーロ ) 補足的年金給付等 退職時報奨 合計
補足的年金給付等 退職時報奨 合計
期首における再評価調整額合計 38 5 43
7 6 13
うち資産の上限による影響 0 0 0
期中における再評価調整額 1 1 2 (29) 1 (29)
うち制度資産の上限による影響 0 0 0
期末における再評価調整額合計 8 7 15 7 6 13
うち資産の上限による影響
f )当期費用の分析
確定給付制度に関して認識される年間人件費は、以下の項目で構成される。
・ 期中に受益者が取得した受給権に対応する、提供役務に係る費用
・ 生じ得る制度の変更または縮小のほか、生じ得る制度の決済による影響に起因する過去勤務費用
・ 純債務に係る割引の巻戻しの影響を反映する純利息費用
その他の長期従業員給付に関連する債務は、退職後確定給付債務について使用されるものと同じ保険数理評価法を使用して会計処理さ
れる。ただし、再評価調整額は直ちに損益に認識される。
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2019 年12月31
日 に終了した
2020 年12月31日 に終了した年度
年度
その他の長期
退職後確定給付制度 従業員給付
長期勤
(単位:百万ユーロ )
補足的年金給付等 退職時報奨 続報奨 その他 合計
合計
50
勤務費用 6 12 4 18 40
過去勤務費用 (13 ) 0 1 0 (12 ) (2)
利息 費用 12 1 0 0 13 19
利息 収益 (10 ) (1) 0 0 (10 ) (14)
その他 3 (0) 0 1 4 (1)
当期 費用合計 (2) 13 5 19 34 53
g ) 2020 年 12 月 31 日現在における主な数理計算上の仮定
退職後確定給付制度に係る引当金額は、人口統計上および財務上のさまざまな仮定を用いた保険数理基準に基づいて計算されている。
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
(a)
フランス 欧州 米国
フランス 欧州 米国
割引率 (タイム・セービング口座を除く) 0.40% 1.43% 3.11%
0.16 % 1.34 % 2.35 %
インフレ率 1.60% 2.61 % - 1.60% 2.32% 2.64%
給与上昇率 2.28 % 2.44 % - 2.27% 2.58% 3.99%
医療費上昇率 2.40 % 0.00% 3.90% 2.42% 0.00% 3.90%
デュレーション (単位:年) 13 23 15 13 18 14
(a) インフレ率と給与上昇率の2つのパラメータは、米国での負債の評価において考慮されなくなった。
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
その他の
その他の
退職後確定給付制度 長期従業員給付
退職後確定給付制度 長期従業員給付
補足的 退職時 長期勤続
補足的 退職時 長期勤続
年金給付等 報奨 報奨 その他
年金給付等 報奨 報奨 その他
割引率 (タイム・セービ
ング口座を除く) 1.52 % 0.08 % 0.07 % 1.96 % 1.91% 0.35% 0.41% 2.07%
インフレ率 1.87 % 1.60 % 1.60 % 1.60 % 2.37% 1.61% 1.61% 1.63%
給与上昇率
(インフレを含む) 2.32 % 2.26% 2.28 % 2.96 % 2.94% 2.26% 2.26% 3.37%
医療費変動率
(インフレを含む) 3.22 % 3.00%
デュレーション
(単位:年) 15 9 10 13 15 9 9 13
割引率は、デュレーションが同じ AA 格社債の利回りに基づいて決定される。このベンチマークは、 Bloomberg の「 EUR コンポジット
( AA )ゼロ・クーポン・イールド」のイールド・カーブから入手される。
退職時報奨および長期勤続報奨については、6年間の平均に基づき年齢区分別および等級別に従業員の労働移動率が計算される。 60 歳
以上の従業員については労働移動率を0%とする。
インフレを考慮に入れた賃金上昇率は、過去6年間の実質報酬成長率の平均を用いて算定している。この賃金上昇率は、同期間中に観
察された名目上昇率の最大値を上限としている。
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h )主要な仮定に対する感応度分析
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
その他の
その他の
退職後確定給付制度 長期従業員給付
退職後確定給付制度 長期従業員給付
退職時
退職時
補足的年 長期勤続
補足的年 長期勤続
(単位: % ) 金給付等 報奨 報奨 その他
金給付等 報奨 報奨 その他
割引率の +0.5 %の変動
(9.92 )% (5.58)% (4.36 )% (1.18 )% (9.99)% (5.58)% (5.14)% (1.89)%
割引率の -0.5 %の変動 11.87 % 6.10 % 4.69 % 1.33 % 11.98% 6.79% 5.66% 1.98%
医療費上昇率の +1%の変動 1.10 % 1.19%
医療費上昇率の -1%の変動 (0.91 )% (0.99)%
給与および所得の上昇率の +1%の変動(イ
ンフレを含む) 10.35 % 12.41 % 8.84 % 11.39% 12.24% 8.03%
給与および所得の上昇率の -1%の変動(イ
ンフレを含む) (8.58 )% (10.60 )% (7.80 )% (9.93)% (10.20)% (7.14)%
i )非割引支払の予定表
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
退職後確定給付制度
退職後確定給付制度
(単位:百万ユーロ )
補足的年金給付等 退職時報奨
補足的年金給付等 退職時報奨
134 61
n+ 1から n+ 5(1 ~ 5 年後 )
120 50
n+ 6 からn+ 10 ( 6 ~ 10 年後 ) 97 71 112 81
n+ 11 からn+1 5( 11 ~ 15 年後 ) 93 77 104 80
n+ 16からn+ 20( 16 ~ 20 年後 ) 96 95 105 101
> n+20 ( 21年後以降 ) 344 156 392 179
合計
750 448 847 502
11.2.4 その他の株式に基づく制度
当行の従業員貯蓄制度に基づく従業員ストック・オプション制度
制度 2014 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2018 年度
対象企業 ナティクシス Coface ナティクシス ナティクシス ナティクシス
制度発表日 2014 年 3月 14 日 2014 年 6月 12 日 2015 年 3月 12 日 2016 年 3月 10 日 2018 年 3月 23 日
5 years 5 years 5 years 5 years 5 years
制度満期
€ 5.051 € 10.40 € 6.618 € 4.094 € 6.252
基準価格
€ 4.041 € 8.32 € 5. 295 € 3.2 76 € 5.002
取得価格
額面の割引率 20.00% 20% 19.99% 19.98% 19.99%
取得株式数 9,951,325 255,347 8,505,624 7,989,447 11,982,805
€ 40.2m € 2. 1m € 45m € 26m € 60m
取得総額(百万ユーロ)
無リスク利子率 0.84% 0.84% 0.14% 0.08% (0.15)%
株式借入の年間金利(レポ) 0.16% 0.16% 0.05% (0.12)% 0.05%
市場参加者の借入金利(5年) 5.47% 5.47% 4.45% 3.93% 3.34%
ロックアップ費用 21.28% 21.30% 19.57% 19.43% 16.22%
なお、 2019 年度および 2020 年度は従業員割当増資は無かった。
2019 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは当行の従業員貯蓄制度に基づく従業員ストック・オプションの予約権に対して付与した割引につ
いて、発行証券に適用される5年間のロックアップ期間を考慮に入れて測定した費用 2.3 百万ユーロを計上した。
注記 12 資本管理
12 .1 株式資本
株式数 株式資本 (単位:ユーロ )
普通株式 額面
3,15 3,078 ,482
1月1日現在 1.60 5,04 4,925 ,571
2, 873 ,020
増資 1.60 4, 596 ,832
3,15 5,951 ,502
12 月 31 日現在 5,04 9,522 ,403
自己株式数は2020年12月31日現在 が 4,014,663 株、 2019 年 12 月 31 日現在が 2,083,199 株 であった。
2020 年度に実施された増資は、 2017 年度および 2018 年度の株式報酬による従業員維持および業績報酬制度( PFP )および 2016 年度の長期
インセンティブ制度( LTIP )に基づく一定のナティクシス従業員に対する無償株式割当に相当する。
12.2 資本管理
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ナティクシスにとって資本管理の主な目的は、当行グループが外部環境によって課された資本要件を充足し、適切な格付を維持するこ
とにより、事業活動を支え、株主価値を最大化することである。
ナティクシスは、経済状況および事業のリスク・プロファイルの変化に合わせて資本構成の管理を調節している。 2020 年度には、ナ
ティクシスの目的、方針および手続に変更はなかった。
12.3 資本性金融商品の発行
12.3.1 永久超劣後債および優先株式
IAS 第 32 号に従い、発行済の金融商品は、現金を保有者に提供する契約上の義務が組込まれているか否かにより、負債性または資本性に
分類される。
2009 年 12 月 31 日以降、発行済の永久超劣後債および優先株式は、配当支払を任意とする条項に従って発行された資本性金融商品として
認識され、連結貸借対照表の「利益剰余金」に計上されてきた。
これらの負債性金融商品を資本性金融商品に転換することに伴い、 2009 年6月 30 日に 418 百万ユーロの利得が損益に認識された。
2009 年6月 30 日より後の発行分は、その利息支払の任意性を鑑み、常に資本性金融商品として分類されてきた。
超劣後債は、 2020 年 12 月 31 日現在( 2019 年 12 月 31 日現在と変わらず) 1,978 百万ユーロであった。
2020 年 12 月 31 日現在、損益に計上された外貨建て超劣後債の為替レート変動の総額は、 2019 年 12 月 31 日現在での 19.0 百万ユーロ(税引
後 14.3 百万ユーロ)に対して、 (85.6) 百万ユーロ(税引後 (58.2) 百万ユーロ)であったことに留意すべきである。
永久超劣後債の主な特性は、「第三の柱に関する報告書」の第 14 章(訳者注:原文の章)に概説されている。
12 .3.2 流動性契約の管理
ナティクシスは、フランス金融市場協会 (Association des Marchés Financiers) が 2008 年 9 月 23 日に策定し、金融市場庁 (Autorité
des Marchés Financiers) が 2008 年 10 月 1 日に承認したコンプライアンス憲章に従い、独立系サービス・プロバイダーと流動性契約を
締結した。
本契約の下で、当該サービス・プロバイダーは、取引の流動性を高め、ナティクシス株式の取引を活発化して、市場動向によって正当
化されない価格格差が生じないようにするために、ナティクシスの自己株式に介入することを委任されている。
この権限付与は、 2020 年5月 20 日付株主総会の第 16 号決議に基づいている。同決議はナティクシスに対して、1株当たり 10 ユーロを上
限価格として、ナティクシスの資本を構成する株式の 10 %を超えない数の株式を取得する権限を付与している。
この契約に基づき、ナティクシスは 2020 年 12 月 31 日現在、 11 百万ユーロに相当する 3,912,890 株の株式を保有している。これに対し 2019
年 12 月 31 日現在は、 7.9 百万ユーロに相当する 1,981,426 株だった。
注記 13 コミットメント
13.1 保証コミットメント
金融保証とは、債務者が期限到来の支払を履行しなかったために、契約保有者が損失を被った場合、保証の発行体がその損失を補償す
る義務を負う契約をいう。この権利の行使は、不確実な将来の事象が発生することを条件とする。
下表の金額は、引受けたコミットメントの名目金額を示している。
2020 年12月31日
2019 年 12 月 31 日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
供与された保証 コミットメント
銀行向け 6,952 8,447
信用状の確認 1,317 1,851
その他の保証 5,635 6,595
顧客向け 17,008 17,779
不動産保証 135 205
行政・納税 保証金 210 292
供与されたその他の保証金および裏書 669 1,728
その他の保証 15,994 15,554
供与された保証コミットメント合計 23,960 26,226
銀行から受け取った保証コミットメント 12,043 12,229
ミューチュアルファンドに対する保証の具体例
ナティクシスは一部のミューチュアルファンドのユニットについて、元本および/またはリターンを保証している。満期日における
ファンドの1ユニット当たりの純資産価額が、保証する純資産価額を下回った場合に限りそれらの保証が実行される。
一部の UCITS に対してナティクシスが供与する資本および/または運用成果の保証は、デリバティブとして認識され、 IFRS 第 13 号の規定
に従って公正価値で測定されている。
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保証コミットメント調整表
供与された保証コミットメント - 2020 年 12 月 31 日現在
12 ヶ月予想信用損失を測定して 全期間予想信用損失を測定して
いる減損のないコミットメント いる減損のないコミットメント 組成・取得後に減損したコミッ 組成・取得時に減損していたコ
( S1 バケット) ( S2 バケット) トメント( S3 バケット) ミットメント 合計
総エクスポー 貸倒引当金 総エクスポー 貸倒引当金 総エクスポー 貸倒引当金 総エクスポー 貸倒引当金 総エクスポー 貸倒引当金
(単位:百万ユーロ )
ジャー 繰入額 ジャー 繰入額 ジャー 繰入額 ジャー 繰入額 ジャー 繰入額
2019 年1月1日現在の残高 24,669 (3) 4,947 (10 ) 74 (20 ) 5 (1) 29,695 (34 )
組成または購入した新たなオフバランス
シートのコミットメント 9,153 (1) 203 (1) 9,356 (3)
信用リスク・パラメータの変動に伴う増減
(振替を除く) (2,316) 2 (256 ) 0 (32 ) (4) (2,604) (2)
保証コミットメントの振替 (581) (1) 529 1 52 0 0 0
S1 への振替 370 (2) (370 ) 2 - - 0 0
S2 への振替 (929 ) 1 929 (1) 0 0 0 0
S3 への振替 (22 ) 0 (30 ) 0 52 0 0 0
売却目的で保有する非流動資産への振替
(c)
全額売却、実行または期間満了したコミッ
トメント (5,840 ) 0 (1,439 ) 2 (18 ) 1 (7,296 ) 4
為替レートの変動に伴う増減 325 0 32 0 0 0 357 0
使用モデルの変更
(b)
その他の変動 (4,154) 0 (723) 1 53 18 (2) 1 (4,826) (16)
(a)
2019 年 12 月 31 日現在の残高 21,257 (3) 3,294 (7) 129 (41 ) 3 0 24,682 (51 )
組成または購入した新たなオフバランス
シートのコミットメント 3,469 (1) 300 (2) 0 0 3,769 (3)
信用リスク・パラメータの変動に伴う増減
(振替を除く) (1,113 ) (3) (748 ) (7) (3) 5 (1) 0 (1,864 ) (5)
保証コミットメントの振替 (395 ) 0 311 0 84 (0) 0 0
S1 への振替 394 1 (394 ) 1 0 0 0 2
S2 への振替 (779 ) (1) 780 (1) (1) 0 0 (1)
S3 への振替 (10 ) 0 (75 ) 0 85 (0) 0 0
売却目的で保有する非流動資産への振替 0 0 0 0 0 0 0 0
全額売却、実行または期間満了したコミッ
トメント (3,983 ) 1 (468 ) 2 (1) 0 (0) 0 (4,452 ) 2
為替レートの変動に伴う増減 (1,477) 0 (145) 0 (28) 2 0 0 (1,651) 2
使用モデルの変更 0 0 0 0
(c)
その他の変動 3,202 0 9 0 252 0 0 0 3,462 1
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(a)
2020 年 12 月 31 日現在の残高 20,960 (6) 2,553 (14 ) 433 (34 ) 2 0 23,946 (54 )
(a) 保険会社の寄与分、すなわち 2020 年 12 月 31 日現在は 14 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日は 1,544 百万ユーロ)を除く帳簿価額総額。
(b) 主に、現在はデリバティブとして認識されている UCITS に対して供与された保証から成る。
(c) ニューヨーク支店が供与した信用状の形での保証コミットメントに関して 2020 年 12 月 31 日に加えた修正を含む。 2019 年、これらの保証は、他の参加者から受領した保証を控除した金額で表示されていた。影響は、ステージ1に分類
されているコミットメントに対しては 2,930 百万ユーロ、ステージ3に分類されているコミットメントに対しては 252 百万ユーロである。
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13.2 貸出コミットメント
以下の貸出コミットメントは IFRS 第9号の適用範囲に含まれる。
・ コミットメントを供与された企業が貸出の実行後直ちに当該貸出を転売または証券化するのが通常である場合、純損益を通じて公
正価値で測定される金融負債として適格であるコミットメント
・ 純額決済(すなわち、売却)されるコミットメント
・ 市場金利を下回る利率で付与されるローンをもたらすコミットメント
上記以外の貸出コミットメントは IAS 第 37 号の適用範囲に含まれる。
供与された貸出コミットメントは、以下のいずれかに該当する場合、 IAS 第 37 号の定義により偶発負債に相当する。
・ 過去の事象から発生し得る債務のうち、必ずしも企業が支配できる範囲にあるとはいえない将来の1つもしくは複数の不確実な事象
が発生するか、または発生しないことによりその存在が確認されるもの
・ 過去の事象の結果として発生した現在の債務であるが、以下のいずれかの理由により認識されていないもの
・ 債務決済のために経済的便益の流出が必要となる可能性が高くない。
・ 債務の金額が十分な信頼性をもって測定できない。
2020 年12月31日
2019 年12月31日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
供与された貸出コミットメント
銀行向け 7,142 2,533
顧客向け 51,887 49,668
・ 信用状の開設
2,026 4,171
・ その他の確認済み与信枠
49,219 45,005
・ その他のコミットメント
642 492
供与された貸出コミットメント合計 59,029 52,201
受け取った貸出コミットメント
・ 銀行
12,070 5,530
・ 顧客
8 116
受け取った貸出コミットメント合計 12,078 5,646
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貸出コミットメントの調整表
2020 年 12 月 31 日現在の貸出コミットメント
12 ヶ月予想信用損失を測定して 全期間予想信用損失を測定して
いる減損のないコミットメント いる減損のないコミットメント 組成・取得後に減損したコミッ 組成・取得時に減損していたコ
( S1 バケット) ( S2 バケット) トメント( S3 バケット) ミットメント 合計
総エクスポー 貸倒引当金繰 総エクスポー 貸倒引当金繰 総エクスポー 貸倒引当金繰 総エクスポー 貸倒引当金繰 総エクスポー 貸倒引当金繰
(単位:百万ユーロ )
ジャー 入額 ジャー 入額 ジャー 入額 ジャー 入額 ジャー 入額
2019 年1月1日現在の残高 43,290 (13 ) 6,609 (51 ) 46 (3) 87 (4) 50,032 (71 )
組成または購入した新たなオフバランス
シートのコミットメント 11,345 (3) 343 (1) 0 0 0 0 11,688 (4)
信用リスクパラメータの変動に伴う増減
(振替を除く) (2,863 ) 4 (2,546 ) 3 (47 ) (4) (5) 2 (5,462 ) 5
貸出コミットメントの振替 (1,188) (3) 1,146 3 43 (1) 0 0
S1 への振替 256 (4) (256 ) 4 0 0 0 0
S2 への振替 (1,415 ) 1 1,418 (2) (3) 0 0 0
S3 への振替 (29 ) 0 (16 ) 1 45 (1) 0 0
売却目的で保有する非流動資産への振替 0 0 0 0 0 0 0 0
全額売却、実行または期間満了したコミッ
トメント (5,148 ) 1 (418 ) 0 (21 ) 1 0 0 (5,586 ) 2
為替レートの変動に伴う増減 296 0 80 (1) 0 0 0 0 376 (1)
使用モデルの変更 0
(a)
その他の変動 795 (1) 376 (1) 55 (5) (73) 2 1,153 (6)
2019 年 12 月 31 日現在の残高 46,527 (15 ) 5,590 (48 ) 76 (12 ) 9 0 52,201 (76 )
組成または購入した新たなオフバランス
シートのコミットメント 10,595 (10 ) 1,258 (8) 0 0 3 0 11,855 (18 )
信用リスクパラメータの変動に伴う増減
(振替を除く) 4,173 (10) (1,804 ) (28) (82 ) 10 7 (0) 2,293 (29)
貸出コミットメントの振替 (1,721 ) (1) 1,647 1 74 (0) (0) (0)
S1 への振替 978 (4) (976 ) 4 (2) 0 (0) (0)
S2 への振替 (2,683 ) 3 2,684 (4) (1) 0 (0) (0)
S3 への振替 (16 ) 0 (61 ) 0 77 (0) 0 0
売却目的で保有する非流動資産への振替 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
全額売却、実行または期間満了したコミッ
トメント (5,864 ) 1 (316 ) 2 (4) 0 (4) 0 (6,188 ) 3
為替レートの変動に伴う増減 (1,637) 1 (276) 3 (2) 0 (0) 0 (1,916) 4
使用モデルの変更 0
(b)
その他の変動 729 2 64 0 (11) 0 0 0 782 2
2020 年 12 月 31 日現在の残高 52,801 (32) 6,162 (79 ) 51 (2) 14 0 59,029 (114 )
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(a) バケット S1の総エクスポージャーは、 BPCE へ売却した SFS 事業部門のリテール・バンキング企業における残高から成る。
(b) Coface からの撤退を含む。
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注記 14 その他の情報
14.1 ナティクシスが借手のリース契約
14 .1.1 借手としてのリース契約による収益への影響
借手として締結しているリースに関する使用権の正味価額は 2020 年 12 月 31 日現在 898 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 1,023 百万ユー
ロ)であり、そのうち 897 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 1,011 百万ユーロ)は不動産のリースに関するものである ( 注記 7.10 参
照) 。
借手として締結しているリース契約に関するリース負債は 1,011 百万ユーロ( 2019 年 12 月 31 日現在は 1,164 百万ユーロ)であり、「その
他の負債」に認識されている (注記 7.9.2 参照) 。
2020 年 12 月 31 日に終了した 2019 年 12 月 31 日に終了した
(単位:百万ユーロ )
年度 年度
リース負債に係る支払利息 (20)
(13 )
使用権資産の償却 (194 ) (219)
リース負債の評価に含めていない変動リース料 (9) (9)
貸借対照表に認識しているリース契約の損益計算書に対する影響額 (216 ) (247)
2020 年 12 月 31 日に終了した 2019 年 12 月 31 日に終了した
(単位:百万ユーロ ) 年度 年度
短期リースに係るリース費用 (2)
(1)
少額リースに係るリース費用 (5) (3)
貸借対照表に認識していないリース契約の損益計算書に対する影響額 (6) (5)
少額契約および短期契約に関連するリース費用は、連結損益計算書の「その他業務費用」に計上している。
14 .1.2 使用権資産の転貸による収益
ナティクシスが賃借している資産の全部または一部を転貸する場合、当該転貸借契約は、貸手が採用する手法と同様の実質基準分析を
実施する必要がある。
これらの契約によって稼得する収益は、貸手とまったく同じ方法で計上される。すなわち、オペレーティング・リースの場合は「その
他業務収益」に計上され (注記 6.6 参照) 、ファイナンス・リースの場合は「受取利息」に計上される (注記 6.1 参照) 。
(単位:百万ユーロ )
2020 年 12 月 31 日に終了した年度 2019 年 12 月 31 日に終了した年度
サブリース収益 - オペレーティング・リース 30
29
サブリース収益 - ファイナンス・リース 0 0
14.1.3 リース負債およびオフバランスシートのコミットメントの契約満期別内訳
下表に表示している金額は、割引前の契約上のキャッシュ・フローから成る。
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
1ヶ 3 - 6ヶ
1ヶ 1 - 3 - 6ヶ月
月 1 - 6ヶ 月 - 1 -2 2 -5 5年
月 3ヶ 6ヶ - 1 -2 2 -5 5年
(単位:百万ユーロ )
未満 3ヶ月 月 1年 年 年 超 合計
未満 月 月 1年 年 年 超 合計
割引前のリース負債
(金融費用控除前) 40 11 50 100 186 339 352 1,079 43 16 59 119 213 45 1 343 1,244
下表は、まだ開始されていないが、ナティクシスが引き受けたコミットメントに相当するリースに関して、 2020 年 12 月 31 日現在のリー
ス負債の測定に含まれていない、将来のキャッシュ・アウトフローを示している。
(単位:百万ユーロ )
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
1ヶ 3 - 6ヶ
1ヶ 1 - 3 - 6ヶ月
月 1 - 6ヶ 月 - 1 -2 2 -5 5年
月 3ヶ 6ヶ - 1 -2 2 -5 5年
未満 3ヶ月 月 1年 年 年 超 合計
未満 月 月 1年 年 年 超 合計
既に契約したが原資産をま
だ使用に供することができ
ないリース 0 0 0 0 0 104 257 361 1 2 2 61 312 378
14.2 ナティクシスが貸手のリース契約
2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
残存期間
残存期間
2年以 3年以 4年以
1年以 2年以 3年以 4年以
1年 1年以上 上3年 上4年 上5年
リース金融 1年
上2年 上3年 上4年 上5年
未満 2年未満 未満 未満 未満 5年超 合計
(単位:百万ユーロ )
未満 未満 未満 未満 未満 5年超 合計
ファイナンス・リース
投資総額
12 9 6 4 1 0 32
16 11 7 4 2 0 41
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ナティクシス(E15244)
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未収最低支払リース料の現在
価値 11 8 6 4 1 0 30
14 9 7 4 2 0 36
未稼得金融収益
2 1 0 0 0 0 3
3 2 1 0 0 0 5
オペレーティング・リース
解約不能リースに基づく未収
最低支払リース料 47 40 33 28 22 64 234
64 49 41 34 29 94 311
14.3 関連当事者
グループの連結対象企業間の関係
ナティクシスと関連当事者( BPCE および子会社、 Banques Populaires の各行およびその子会社を含む Banque Populaire グループ、
Caisses d’ Epargne およびその子会社を含む Caisses d’ Epargne のネットワーク、ならびに持分法を用いて連結されるすべての関連会
社)との間の主な取引は以下のとおりである。
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ナティクシス(E15244)
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2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
うち、ソ
うち、ソ
リューショ
リューショ
ンズ・アン
ンズ・アン
ド・ファイ
ド・ファイ
ナンシャ
ナンシャ
ル・エクス
ル・エクス
パタイズ部
パタイズ部
Caisses d’
Caisses d’
Banques
Banques
(a)
(a)
(単位:百万ユーロ ) BPCE 門 Populaires Epargne
BPCE 門 Populaires Epargne
資産
純損益を通じて公正
価値で測定される金
融資産 19,641 258 3,155 4,517 14,376 224 3,196 5,408
その他の包括利益を
通じて公正価値で測
定される金融資産
償却原価で測定され
る負債性金融商品 0 21 52 190
償却原価で測定され
る銀行貸出金および
債権ならびに類似項
目 38,346 4,469 431 293 39,663 8,223 418 281
償却原価で測定され
る顧客貸出金および
債権 201 135 135 319 267 120
保険事業の投資
11,557 144 225 12,274 172 225
売却目的で保有する
非流動資産
負債
純損益を通じて公正
価値で測定するもの
として指定された金
融負債 7,071 258 3,770 3,984 7,970 264 1,590 3,940
銀行預り金および借
入ならびに類似項目 60,743 926 241 121 46,359 1,002 1,726 102
顧客預り金および借
入 163 72 36 1 346 51 41 14
債務証券
劣後債務
2,947 2,596
保険契約関連の負債
0 2 77 0 0 81
売却目的で保有する
資産に係る負債
株主資本
1,794 1,741
コミットメント
供与コミットメント
7,344 581 7 165 2,481 445 100 125
受 取 コミットメント
15,089 37 151 971 7,419 13 253 1,037
関連会社および共同支配企業との関係は重要ではない。
(a) 次の企業に相当する:ファクタリング、消費者金融、リース、保証および金融
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ナティクシス(E15244)
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2020 年12月31日 現在 2019 年12月31日 現在
うち、ソ
うち、ソ
リュー
リュー
ション
ション
ズ・アン
ズ・アン
ド・ファ
ド・ファ
イナン
イナン
シャル・
シャル・
エクスパ
エクスパ
タイズ部
タイズ部
Caisses d’
Caisses d’
Banques
Banques
(a)
(a)
(単位:百万ユーロ ) BPCE 門 Populaires Epargne
BPCE 門 Populaires Epargne
収益
受取利息および類似収益 364 46 51 1 187 36 48 1
支払利息および類似費用 (542) (20) (4) (0) (615) 2 0
正味受取報酬および受取手数料 (49) (46) (419) (313) (54) (46) (377) (245)
純損益を通じて公正価値で測定
される金融商品に係る純損益 (1,369) 100 (50) 723 (643) 142 208 1,042
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定される金融資産に係
る損益
償却原価で測定される金融資産
の認識中止に起因する純損益
純損益を通じて公正価値で測定
される金融資産へ分類変更した
償却原価で測定される金融資産
に係る純損益
純損益を通じて公正価値で測定
される金融資産へ分類変更した
その他の包括利益を通じて公正
価値で測定される金融資産に係
る純損益
その他業務の収益および費用 51 50 6 15 69 70 3 16
営業費用 (74) 4 (1) (12) (65) 6 (1) (15)
関連会社および共同支配企業との関係は重要ではない。
(a) 次の企業に相当する:ファクタリング、消費者金融、リース、保証および金融。
経営陣の報酬
(単位:ユーロ ) 2020 年12月31日 に終了した年度
2019 年12月31日 に終了した年度
615,674
612,896
( a)
ナティクシスの取締役
13,370,043 12,414,147
(b)
執行役
( a) 2020 年度および 2019 年度に取締役会の構成員に支払われた報酬には、固定部分(1名当たり 8,000 ユーロ)および変動部分(1回の取締役会開催に
つき1名当たり 2,000 ユーロ)が含まれていた。監査委員会およびリスク委員会の構成員は、 3,000 ユーロの固定報酬(委員長は 17,000 ユーロ)およ
び1回の取締役会開催につき1名当たり 1,000 ユーロの変動報酬(委員長は 2,000 ユーロ)を受け取った。任命委員会および報酬委員会の構成員は、
2,000 ユーロの固定報酬(委員長は 15,000 ユーロ)と1回の取締役会開催につき1名当たり 1,000 ユーロの変動報酬(委員長は 2,000 ユーロ)を受け
取った。戦略委員会の構成員は 2,000 ユーロの変動報酬を、戦略委員会の委員長は 12,000 ユーロの固定報酬を受け取った。
( b) 表示している金額は、執行役委員会の構成員に支払われたまたは支給された報酬の総額をそれぞれ表している。
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役員の報酬
役員の報酬は、登録届出書の第 2.3 項における AMF の勧告に従って標準表に詳しく示している。
下表は、当事業年度に支払われた報酬を示している。
(d)
2019 事業年度
2020 事業年度
ローラン・ミニョン( Laurent Mignon )、取締役会長
€300,000 €300,000
当事業年度の報酬
€0 €0
当事業年度に付与されたオプションの価額
€0 €0
当事業年度に付与された無償株式の価額
€300,000 €300,000
合計
フランソワ・リアヒ( François Riahi )、最高経営責任者
(a)
€474,743 €1,790,646
当事業年度の報酬
€0 €0
当事業年度に付与されたオプションの価額
(b)
€160,000 €160,000
当事業年度に付与された無償株式の価額
€634,743 €1,950,646
合計
ニコラス・ナミアス( Nicolas Namias )、最高経営責任者
(c)
€525,119 €0
当事業年度の報酬
€0 €0
当事業年度に付与されたオプションの価額
€0 €0
当事業年度に付与された無償株式の価額
€525,119 €0
合計
(a) うち家族手当が 2020 年度は 1,625 ユーロ、 2019 年度は 2,384 ユーロ。
(b) 割当日における株価に対応する。公正価値は、 2020 年度が 73,116 ユーロ、 2019 年度が 79,587 ユーロ。
(c) 2020 年においては、 670 ユーロの家族手当および 3,710 ユーロの車両手当を含む。
(d) フランソワ・リアヒ最高経営責任者は 2020 年8月3日まで、ニコラス・ナミアス最高経営責任者は 2020 年8月4日から。
執行役の年金制度
ナティクシスの最高経営責任者は、上級管理職に提供される退職給付制度 ( 「 hors classification ( 労働協約適用外 ) 」 ) の適用を受
けている。
・フランソワ・リアヒに関して:
(1)
・ 区分1 の社会保障拠出金
(1)
・ 区分1 の AGIRC-ARRCO 年金制度( 13.53 %)
(1)
・ PASS の4倍を上限とする区分2 ( 3.86 %)の AGIRC-ARRCO 補足的年金制度
(1)
・ 区分2 ( 21.59 %)の AGIRC-ARRCO 年金制度
・ニコラス・ナミアスに関して:
(1)
・ 区分1 の社会保障拠出金
(1)
・ 区分1 の AGIRC-ARRCO 年金制度( 13.53 %)
(1)
・ PASS の4倍を上限とする区分2 ( 3.86 %)の AGIRC-ARRCO 補足的年金制度
(1)
・ 区分2 ( 21.59 %)の AGIRC-ARRCO 年金制度
その他の職員同様、最高経営責任者は公的年金制度の対象である。ただし、フランス一般税法第 39 条(確定給付制度)または第 83 条
(任意確定拠出制度)にて説明されている種類の補足的年金制度の対象ではない。
さらに、フランソワ・リアヒは BPCE グループが運用している「第 82 条」区分生命保険契約(フランス一般税法に準拠する)に払込みを
行った。同保険契約の保険料は、ナティクシスではなく最高経営責任者が支払った。 2020 年、フランソワ・リアヒは同保険契約に
69,391 ユーロを支払った。この制度は、ニコラス・ナミアスに関しては更新されなかった。
(1) 社会保障拠出金の1年当たりの上限( PASS )は 40,524 ユーロである。区分1は年間報酬、0ユーロから 40,524 ユーロの部分に相当する。区分2は
年間報酬、 40,524 ユーロから 324,192 ユーロの部分に相当する。 PASS の4倍を上限とする区分2は年間報酬、 40,524 ユーロから 162,096 ユーロの部分に
相当する。
退職に対する補償
退職金
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月額標準報酬は、直近の1勤務年に支払われた定額報酬に、直近の3勤務年に支払われた変動報酬の平均を加算して得た額の 12 分の 1に
等しい。
退職金額は、月額標準報酬×( 12 ヶ月+1勤続年当たり1ヶ月)に等しい。
最高経営責任者は、重大な過失もしくは故意の不正行為により辞職するとき、または自らの意思で当行を退職し他の職に就くもしくは
BPCE グループ内で異動するときは、契約終了時の支払は受け取れない。
また、 Afep (フランス私企業協会) - Medef (フランス企業連盟)企業統治規範の規定に従い、各給付に対する権利が認められるには、
業績規準・要件を満たさなければならない。こうした規準の達成は、必要に応じて取締役会が検証する。
ナティクシスの取締役会は 2021 年2月 11 日付の会議にて、最高経営責任者の役務提供の終了に対する補償を算定するための新しい方法
を定めた。同方法のもとでは、目標の達成を、当該役務提供終了前に終了した事業年度を基に評価する。その業績規準は以下のとおり
である:
1. 退職前の2事業年度におけるナティクシスの基礎となる平均純利益が、同期間中の平均期待予算額の 75 %以上である。
2. 退職前の2事業年度におけるナティクシスの基礎となる平均株主資本利益率( ROE )が、同期間中の平均期待予算額の 75 %以上であ
る。
3. 退職前6ヶ月のナティクシスの費用収益比率が 75 %未満である。
支払額は、達成した業績基準の数に応じて決まる:
・ 3つの基準すべてを達成したとき:合意した支払額の 100 %
・ 2つの基準を達成したとき:合意した支払額の 66 %
・ 1つの基準を達成したとき:合意した支払額の 33 %
・ 1つも基準を達成できなかったとき:一切支払われない
なお、 CEO の退職金額と、競業避止補償金の合計額は、基本月額報酬の 24 ヶ月分を超えてはならない。
競業避止補償金
競業避止契約は、6ヶ月間に限定しており、当該 CEO が退職する日に有効な定額報酬6ヶ月分相当の補償金を支払う義務を定めている。
2021 年2月 11 日、取締役会は次の決定をした:
競業避止補償金の支払いは、当該役員が年金受給権を行使した時に除外される。いかなる場合も、競業避止補償金は 65 歳を超えて支払
われない。また、競業避止給付金はその期間中に分割して支払われなければならないと定められている。
最高経営責任者が受け取る競業避止補償金は、退職金が支払われる場合はそれと合算して、月額標準報酬(定額と変動の両方)の 24 ヶ
月以下と上限が設けられている。
最高経営責任者の退職時には、取締役会は、競業避止条項を発動させるか否かについて判断をしなければならない。退職給付金と競業
避止制度は、 2021 年5月に開催予定のナティクシスの株主総会に提出されると定められている。
フランソワ・リアヒの退職を受けて、取締役会は 2020 年8月3日、定額報酬の6ヶ月分に相当する 400,000 ユーロの競業避止補償金を、
6ヶ月にわたり分割して支払うことを決定した。
取締役会は 2021 年2月 11 日の会議にて、フランソワ・リアヒ退職の財政状態の再評価時の報酬委員会による勧告を採用することを決定
した。よって取締役会は、契約終了に伴うフランソワ・リアヒへの支払は違法であったと認識し、その返還を要求することを決定し
た。
なお、この決定は、ナティクシスの発展において、特に COVID 危機のなかフランソワ・リアヒが果たした役割について疑問を投げかける
ものではないことに留意いただきたい。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
注記 15 法定監査人の報酬
当行の財務諸表は、独立した監査法人2社の監査を受けている。
(1)
デロイト・エ・アソシエのマンデート は、 2016 年5月に開催された株主総会において、 2022 年度財務諸表の承認を目的として招集される株主総会をもって終了する6年の期間につき、株主によって更新
された。
(2)
プライスウォーターハウスクーパース・オーディット は、 2016 年5月に開催された株主総会において、 2022 年度財務諸表の承認を目的として招集される株主総会をもって終了する6年の期間につき、株
主によって選任された。
デロイト・エ・アソシエ および プライスウォーターハウスクーパース ・オーディットは、ベルサイユ地方監査人協会 ( Compagnie Régionale des Commissaires aux Comptes de Versailles )に法定監査人と
して 登録されており、フランス高等監査人委員会 ( Haut Conseil du Commissariat aux Comptes ) の監督下にある。
法定監査人およびそのネットワークがその業務の対価として支払いを受けた報酬金額は以下のとおりであった。
デロイト・エ・アソシエ PWC マザー 合計
2020 年度 2020 年度 2020 年度 2020 年度
2019 年度 変動 2019 年度 変動 2019 年度 変動 2019 年度 変動
(単位:百万ユーロ )
金額 金額 金額 金額
% 金額 % % % 金額 % % % 金額 % % % 金額 % %
個別・連結財務諸表の独立監
査、証明および検証 5,957 83 % 7,863 83 % (32 )% 8,156 78 % 7,728 72 % 5% 2,438 77 % 2,066 58 % 15 % 16,551 80 % 17,657 73 % (7) %
発行体 3,554 3,675 (3)% 1,887 2,064 (9) % 2 1 50 % 5,443 5,740 (5)%
全部 連結子会社 2,403 4,188 (74 )% 6,269 5,664 10% 2,436 2,065 15 % 11,108 11,917 (7) %
財務諸表の証明以外のサービス 1,196 17 % 2,591 17 % (117 )% 2,294 22 % 2,681 25 % (17 )% 732 23 % 1,312 37 % (79 )% 4,222 20 % 6,585 27 % (56 )%
発行体 769 1,200 (56) % 1,370 1,278 7% 690 1,210 (75) % 2,829 3,688 (30) %
全部連結子会社 427 1,391 (226 )% 924 1,403 (52 )% 42 102 (143 )% 1,393 2,897 (108 )%
合計 7,153 100% 10,454 100% (46 )% 10,450 100% 10,802 100% (3)% 3,170 100% 3,546 100% (12 )% 20,773 100% 24,242 (17 )%
うち、財務諸表の証明に対して
連結企業の法定監査人へ支払っ
た報酬 2,114 3,774 1,435 7,323
うち、財務諸表の証明以外の
サービスに対して連結企業の法
定監査人へ支払った報酬 218 192 2 412
財務諸表の証明以外のサービスには以下のものが含まれている:
・ 導入したメカニズムのコンプライアンス徹底支援が 2.5 百万ユーロ
・ 欧州連合域外で実施されたものを中心とする税務監査が 0.7 百万ユーロ
・ 専門的支援業務が 0.6 百万ユーロ
・ コンフォート・レターの発行が 0.2 百万ユーロ
(1) デロイト・エ・アソシエ - 6, place de la Pyramide, 92908 Paris La Défence Cedex, 代表署名者は シャルロット・ヴァンドゥプュトゥ。
(2) プライスウォーターハウスクーパース・オーディット - 63, rue de Villiers 92208 Neuilly-Sur-Seine Cedex, 代表署名者はエマニュエル・ベノア。
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注記 16 国別企業活動
2013 年7月 26 日法律第 2013 - 672 号フランス金融法第7条(第 L.511-45 条の改正)においては、金融機関が国または地域ごとにその所在
地および企業活動に関する情報を公表することを定めている。
上記の条項に従い、次に記載する表は、 2020 年 12 月 31 日現在の純収益、税引前利益、法人所得税ならびに従業員数に関する情報を詳記
している。
16.1 2020 年 12 月 31 日現在の国別企業活動
営業国 業務内容
アルジェリア
NATIXIS ALGÉRIE
銀行
ドイツ
NATIXIS PFANDBRIEFBANK AG
信用機関
NATIXIS ZWEIGNIEDERLASSUNG DEUTSCHLAND
金融機関
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS S.A., ZWEIGNIERDERLAASUNG DEUTSCHLAND
販売
AEW INVEST GmbH
販売
サウジアラビア
SAUDI ARABIA INVESTMENT COMPANY
金融機関
オーストラリア
NATIXIS AUSTRALIA PTY LTD
金融機関
INVESTORS MUTUAL LIMITED
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS AUSTRALIA PTY LIMITED
販売
AEW ASIA LIMITED オーストラリア支店
資産運用
AZURE CAPITAL HOLDINGS PTY LTD
M&A 顧問サービス
AZURE CAPITAL SECURITIES PTY LTD
資金管理およびエクイティ・キャピタル・マーケッツ
THE AZURE CAPITAL TRUST
持株会社
AZURE CAPITAL LIMITED
持株会社
ベルギー
DALENYS S.A.
持株会社
NATIXIS BELGIQUE INVESTISSEMENTS
投資会社
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS S.A., ベルギー支店
販売
カナダ
NATIXIS CANADA
金融機関
NATIXIS IM CANADA HOLDINGS LTD
持株会社
中国
NATIXIS SHANGHAI
金融機関
NATIXIS BEIJING
金融機関
VERMILION (BEIJING) ADVISORY COMPANY LIMITED
M&A 顧問サービス
大韓民国
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS KOREA LIMITED
販売
アラブ首長国連邦
NATIXIS DUBAI
金融機関
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS MIDDLE EAST
販売
スペイン
NATIXIS MADRID
金融機関
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS スペイン支店
販売
AEW EUROPE LLP スペイン支店
販売
NATIXIS PARTNERS IBERIA, S.A.
M&A 顧問サービス
米国
AEW CAPITAL MANAGEMENT, INC.
資産運用
AEW CAPITAL MANAGEMENT, LP
資産運用
AEW PARTNERS V, INC.
資産運用
AEW PARTNERS VI, INC.
資産運用
AEW PARTNERS VII, INC.
資産運用
AEW REAL ESTATE ADVISORS, INC.
資産運用
AEW SENIOR HOUSING INVESTORS INC
資産運用
ALPHASIMPLEX GROUP LLC
資産運用
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有価証券報告書
営業国 業務内容
AURORA INVESTMENT MANAGEMENT LLC
資産運用
BLEACHERS FINANCE
証券化ビークル
CASPIAN CAPITAL MANAGEMENT, LLC
資産運用
EPI SLP LLC
資産運用
GATEWAY INVESTMENT ADVISERS, LLC
資産運用
HARRIS ALTERNATIVES HOLDING INC
持株会社
HARRIS ASSOCIATES LP
資産運用
HARRIS ASSOCIATES SECURITIES, LP
販売
LOOMIS SAYLES & COMPANY, INC.
資産運用
LOOMIS SAYLES & COMPANY, LP
資産運用
LOOMIS SAYLES ALPHA, LLC.
資産運用
LOOMIS SAYLES DISTRIBUTORS, INC.
販売
LOOMIS SAYLES DISTRIBUTORS, LP
販売
NATIXIS ASG HOLDINGS, INC
販売
NATIXIS FINANCIAL PRODUCTS LLC
デリバティブ取引
NATIXIS NEW YORK
金融機関
NATIXIS NORTH AMERICA LLC
持株会社
NATIXIS REAL ESTATE CAPITAL LLC
不動産金融
NATIXIS REAL ESTATE HOLDINGS LLC
不動産金融
NATIXIS US MTN PROGRAM LLC
発行ビークル
NATIXIS FUNDING CORP
その他の金融会社
NATIXIS SECURITIES AMERICAS LLC
証券会社
EPI SO SLP LLC
資産運用
LOOMIS SAYLES TRUST COMPANY, LLC
資産運用
VERSAILLES 証券化ビークル
PETER J. SOLOMON COMPANY LP
M&A 顧問サービス
HARRIS ASSOCIATES, INC.
資産運用
VAUGHAN NELSON INVESTMENT MANAGEMENT, INC.
資産運用
NATIXIS ADVISORS, LP
販売
NATIXIS DISTRIBUTION CORPORATION
販売
NATIXIS DISTRIBUTION, LP
販売
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS INTERNATIONAL, LLC
販売
OSTRUM AM US LLC (旧 NAM US)
資産運用
PETER J. SOLOMON SECURITIES COMPANY LLC
証券会社
AEW SENIOR HOUSING INVESTORS II INC
資産運用
FLEXSTONE PARTNERS LLC (旧 CASPIAN PRIVATE EQUITY, LLC)
資産運用
VAUGHAN NELSON INVESTMENT MANAGEMENT, LP
資産運用
AEW PARTNERS REAL ESTATE FUND IX, LLC
資産運用
CM REO HOLDINGS TRUST
流通市場ファイナンス
CM REO TRUST
流通市場ファイナンス
MSR TRUST
不動産ファイナンス
AEW PARTNERS REAL ESTATE FUND VIII LLC
資産運用
AEW SENIOR HOUSING INVESTORS III LLC
資産運用
AEW SENIOR HOUSING INVESTORS IV LLC
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS, LLC (旧 NATIXIS INVESTMENT MANAGERS, LP )
持株会社
MIROVA US LLC
資産運用
LOOMIS SAYLES OPERATING SERVICES, LLC
資産運用
SEAPORT STRATEGIC PROPERTY PROGRAM I CO-INVESTORS, LLC
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS US HOLDINGS, LLC (旧 NATIXIS US HOLDINGS
持株会社
INC )
フランス
1818 IMMOBILIER
不動産業
ALLIANCE ENTREPRENDRE
資産運用
BPCE ASSURANCES
保険会社
NAMI INVESTMENT
保険・不動産投資
NATIXIS ASSURANCES
保険会社・持株会社
NATIXIS FONCIÉRE S.A. (旧 SPAFICA )
不動産投資
NATIXIS FORMATION ÉPARGNE FINANCIÈRE
持株会社
NATIXIS FUNDING
債券流通市場でのマーケット・メイキング
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営業国 業務内容
NATIXIS IMMO DÉVELOPPEMENT
居住用不動産の開発
NATIXIS IMMO EXPLOITATION
不動産業
NATIXIS INNOV
持株会社
NATIXIS INTERTITRES
クーポン券提供
NATIXIS LIFE
生命保険
NATIXIS MARCO 投資会社 -(事業拡大)
NATIXIS PRIVATE EQUITY
プライベート・エクイティ
ナティクシス・エス・エー 信用機関
SCI ALTAIR 1
不動産業
SCI ALTAIR 2
不動産業
SEVENTURE PARTNERS
資産運用
CONTANGO TRADING S.A.
証券会社
NATIXIS PARTNERS
M&A 顧問サービス
FCT LIQUIDITÉ SHORT 1
証券化ビークル
DNCA FINANCE
資産運用
ベンチャーキャピタル・ミューチュアルファンドの運
NAXICAP PARTNERS
用
OSSIAM 資産運用
BPCE PRÉVOYANCE (旧 ABP PRÉVOYANCE)
個人向け保障保険
BPCE VIE (旧 ABP VIE)
保険
FRUCTIFONCIER 保険・不動産投資
AAA ACTIONS AGRO ALIMENTAIRE
保険投資ミューチュアルファンド
BPCE APS
サービス・プロバイダー
FONCIÉRE KUPKA
不動産業
BPCE RELATION ASSURANCES
サービス・プロバイダー
SPG ミューチュアルファンド
RÉAUMUR ACTIONS (旧 ABP DIVERSIFIE )
保険投資ミューチュアルファンド
NATIXIS COFICINÉ
金融会社(音響・映像)
NATIXIS INTERÉPARGNE
従業員貯蓄制度の管理
NATIXIS PAYMENT SOLUTIONS
銀行業
AEW S.A.
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
持株会社
AEW CILOGER
不動産管理
NATIXIS WEALTH MANAGEMENT
信用機関
SELECTIZ 保険投資ミューチュアルファンド
SELECTIZ PLUS FCP 4DEC
保険投資ミューチュアルファンド
NATIXIS PAIEMENT HOLDING
持株会社
S-MONEY 決済サービス
決済サービス
LAKOOZ
決済サービス
PAYPLUG
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS PARTICIPATIONS 1
持株会社
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS PARTICIPATIONS 3
持株会社
DALENYS PAYMENT
決済サービス
RECOMMERCE オンライン・サービス
EOLE COLLATERAL
証券化ビークル
INVESTIMA 77
持株会社
NATIXIS IM INNOVATION (旧 AEW CO-INVEST)
資産運用
ベンチャーキャピタル・ミューチュアルファンドの運
用
MIROVA
持株会社
MV CREDIT FRANCE
OSTRUM AM (NEW)
資産運用
FONDS TULIP
保険投資(証券化ファンド)
ALLOCATION PILOTÉE ÉQUILIBRE C
保険投資ミューチュアルファンド
MIROVA EUROPE ENVIRONNEMENT C
保険投資ミューチュアルファンド
ALTER CE (COMITÉO)
中央労使協議会向けオンライン・サービス
MIROVA NATURAL CAPITAL LIMITED フランス支店
(旧 MIROVA-ALTHELIA LIMITED フランス支店 )
資産運用
SEEYOND 資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS INTERNATIONAL
販売
VEGA INVESTMENT MANAGERS
ミューチュアルファンド持株会社
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ナティクシス(E15244)
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営業国 業務内容
MASSENA PARTNERS - 支店
資産運用および投資顧問サービス
SCPI IMMOB ÉVOLUTIF (旧 FRUCTIFONDS IMMOBILIER)
保険・不動産投資
OPCI FRANCEUROPE IMMO
保険投資ミューチュアルファンド
FCT NA FINANCEMENT DE L'ÉCONOMIE - COMPARTIMENT IMMOCORP II
保険投資(証券化ファンド)
TITRES CADEAUX
クーポン券提供
資産運用
THEMATICS ASSET MANAGEMENT
資産運用
VAUBAN INFRASTRUCTURE PARTNERS
投資顧問サービス
DARIUS CAPITAL CONSEIL
資産運用
DORVAL ASSET MANAGEMENT
資産運用
FLEXTONE PARTNERS SAS
持株会社
NATIXIS TRADEX SOLUTIONS (旧 NATIXIS ASSET MANAGEMENT FINANCE )
資産運用
H20 AM EUROPE
保険仲介会社
TEORA
証券化ビークル
NALÉA
内部サービス・プロバイダー
DALENYS SERVICES (旧 RENTABILIWEB SERVICES )
オンライン・サービス
DALENYS MARKETING (旧 RENTABILIWEB MAKETING )
オンライン・サービス
DALENYS TECHNOLOGIES (旧 RENTABILIWEB TECHNOLOGIES )
英国
資産運用
AEW EUROPE ADVISORY LTD
AEW EUROPE CC LTD
資産運用
AEW EUROPE HOLDING LTD
資産運用
AEW EUROPE INVESTMENT LTD
資産運用
AES EUROPE LLP
資産運用
AEW GLOBAL ADVISORS (EUROPE) LTD
資産運用
AEW GLOBAL LTD
資産運用
AEW GLOBAL UK LTD
資産運用
資産運用
H2O ASSET MANAGEMENT CORPORATE MEMBER
資産運用
LOOMIS SAYLES INVESTMENTS LTD (UK)
金融機関
NATIXIS LONDON
資産運用
AEW EUROPE PARTNERSHIP
H2O ASSET MANAGEMENT LLP
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS UK LTD
販売
NATIXIS ALTERNATIVE HOLDING LIMITED
持株会社
FENCHURCH PARTNERS LLP
M&A 顧問サービス
VERMILION PARTNERS (UK) LIMITED
持株会社
VERMILION PARTNERS LLP
M&A 顧問サービス
MV CREDIT LIMITED
資産運用
MV CREDIT LLP
資産運用
MIROVA NATURAL CAPITAL LIMITED (旧 MIROVA-ALTHELIA LIMITED)
資産運用
AEW PROMOTE LP LTD
資産運用
香港
AEW ASIA LIMITED
資産運用
NATIXIS ASIA LTD
その他の金融会社
NATIXIS HONG KONG
金融機関
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS HONG KONG LIMITED
VERMILION PARTNERS (HOLDINGS) LIMITED
持株会社
VERMILION PARTNERS LIMITED
持株会社
NATIXIS HOLDINGS (HONG KONG) LIMITED
持株会社
POINCARÉ HOLDINGS LTD
資産運用
POINCARE CAPITAL MANAGEMENT LTD
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS INTERNATIONAL HONG KONG LIMITED (旧 OSTRUM
資産運用
AM HONG KONG LTD )
ケイマン諸島
AEW VIA INVESTORS, LTD
資産運用
DF EFG3 LIMITED
持株会社
アイルランド
NATINIUM FINANCIAL PRODUCTS
証券化ビークル
PURPLE FINANCE CLO 1
証券化ビークル
PURPLE FINANCE CLO 2
証券化ビークル
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
営業国 業務内容
イタリア
金融機関
NATIXIS MILAN
DNCA FINANCE ミラノ支店
資産運用
AEW CILOGER イタリア支店
販売
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS S.A, イタリア支店
販売
日本
金融機関
NATIXIS JAPAN SECURITIES CO, LTD
NATIXIS TOKYO
金融機関
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS JAPAN CO., LTD
資産運用
AEW JAPAN CORPORATION
資産運用
ジャージー
AEW VALUE INVESTORS ASIA II GP LIMITED
資産運用
NATIXIS STRUCTURED PRODUCTS LTD
発行ビークル
AEW VALUE INVESTORS ASIA III GP LIMITED
資産運用
ルクセンブルク
H2O ASSET MANAGEMENT HOLDING
資産運用
KENNEDY FINANCEMENT LUXEMBOURG 投資会社 - 資産運用
KENNEDY FINANCEMENT LUXEMBOURG 2 財務部本部 - 資産運用
NATIXIS ALTERNATIVE ASSETS
持株会社
NATIXIS LIFE
生命保険
NATIXIS REAL ESTATE FEEDER SARL
投資会社
NATIXIS TRUST
持株会社
DAHLIA A SICAR SCA
プライベート・エクイティ
NATIXIS STRUCTURED ISSUANCE
発行ビークル
AEW EUROPE SARL (旧 AEW LUXEMBOURG)
資産運用
AEW EUROPE GLOBAL LUX
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS S.A
販売
MV CREDIT SARL
資産運用
NATIXIS WEALTH MANAGEMENT LUXEMBOURG
銀行
MASSENA PARTNERS S.A.
資産運用および投資顧問サービス
MASSENA WEALTH MANAGEMENT SARL
資産運用および投資顧問サービス
DNCA FINANCE ルクセンブルク支店
資産運用
THEMATICS SUBSCRIPTION ECONOMY FUND
資産運用
LOOMIS SAYLES ALPHA LUXEMBOURG, LLC
資産運用
マレーシア
NATIXIS LABUAN
金融機関
メキシコ
NATIXIS IM MEXICO, S. DE RL DE CV
資産運用
モナコ
H2O AM MONACO SAM
資産運用
PROMETHEUS WEALTH MANAGEMENT SAM
資産運用
オランダ
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS, NEDERLANDS
販売
LOOMIS SAYLES & COMPANY, LP オランダ支店
販売
DALENYS INTERNATIONAL (旧 RENTABILIWEB INTERNATIONAL )
持株会社
DALENYS FINANCE (旧 RENTABILIWEB FINANCE )
持株会社
ポーランド
AEW CENTRAL EUROPE
資産運用
ポルトガル
NATIXIS PORTO
金融機関
チェコ共和国
AEW CENTRAL EUROPE CZECH
販売
ロシア
NATIXIS BANK JSC, MOSCOW
銀行
シンガポール
LOOMIS SAYLES INVESTMENTS ASIA PTE LTD
資産運用
NATIXIS SINGAPORE
金融機関
AEW ASIA PTE LTD
資産運用
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS SINGAPORE LIMITED (旧 OSTRUM AM ASIA LTD )
資産運用
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
営業国 業務内容
H2O AM ASIA PTE LTD
資産運用
スウェーデン
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS, NORDICS FILIAL
販売
スイス
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS SWITZERLAND SARL
資産運用
FLEXSTONE PARTNERS SARL (旧 EURO PRIVATE EQUITY)
資産運用
台湾
NATIXIS TAIWAN
金融機関
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS SECURITIES INVESTMENT CONSULTING CO. LTD
資産運用
ウルグアイ
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS URUGUAY S.A.
販売
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
16.2 2020 年 12 月 31 日現在の国別の銀行業務純収益、税引前利益および従業員数
税引前利益/
銀行業務純収益 従業員数
(損失)(事 税引前利益ま
(単位:百万ユーロ)
営業国 業税を含む) たは損失 法人所得税 (FTE)
アルジェリア 57 27 26 (6) 750
ドイツ 66 23 22 (11) 124
サウジアラビア 0 (0) (0) 0 3
オーストラリア 45 20 20 (7) 102
ベルギー 0 (0) (0) (0) 5
カナダ 8 7 7 (0) 5
中国 17 3 2 (1) 58
大韓民国 2 1 1 (0) 3
アラブ首長国連邦 31 (24 ) (25 ) 0 48
スペイン 54 39 38 (11 ) 76
米国 2,240 374 327 (59 ) 2,670
フランス 3,792 134 (87) (113 ) 10,541
英国 432 177 172 (24 ) 617
香港 191 23 18 26 437
ケイマン諸島 0 0 0 0 0
アイルランド 7 (22) (22) 8 0
イタリア 96 33 32 (11 ) 93
日本 49 18 16 (3) 101
ジャージー 0 (0) (0) 0 0
ルクセンブルク 111 46 40 (14 ) 228
マレーシア 3 2 2 (0) 4
メキシコ 0 0 0 (0) 7
モナコ (10) (16) (16) 5 13
オランダ 1 0 0 (0) 10
ポーランド 0 (1) (1) 0 5
ポルトガル (0) 6 6 (1) 739
チェコ共和国 0 0 0 0 2
ルーマニア (0) 1 1 0 0
ロシア 4 (0) (0) (0) 33
シンガポール 93 (138) (142) 17 229
スウェーデン 0 0 0 (0) 1
スイス 6 2 2 (0) 19
台湾 7 3 2 (0) 18
ウルグアイ 1 0 0 (0) 2
7,306 739 439 (204 ) 16,943
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
注記 17 連結範囲比較情報
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング
NATIXIS PFANDBRIEFBANK AG
信用機関 完全連結 100 100 100 100 ドイツ
(u)
Azure Capital Holdings Pty Ltd
M&A 顧問サービス 完全連結 53 53 52 52 オーストラリア
資金管理およびエ
Azure Capital Securities Pty Ltd
クイティ・キャピ
(u)
タル・マーケッツ 完全連結 53 53 52 52 オーストラリア
(u)
The Azure Capital Trust
持株会社 完全連結 53 53 52 52 オーストラリア
(u)
Azure Capital Limited
持株会社 完全連結 53 53 52 52 オーストラリア
NATIXIS AUSTRALIA PTY Ltd
金融機関 完全連結 100 100 100 100 オーストラリア
Saudi Arabia Investment Company
金融機関 完全連結 100 100 100 100 サウジアラビア
NATIXIS BELGIQUE INVESTISSEMENTS
投資会社 完全連結 100 100 100 100 ベルギー
(r)
EDF INVESTISSEMENT GROUPE
投資会社 持分法 8 8 6 6 ベルギー
Vermilion (Beijing) Advisory
Company Limited
M&A 顧問サービス 完全連結 51 51 51 51 中国
TREZ COMMERCIAL FINANCES LIMITED
不動産ファイナン
(b)
PARTNERSHIP
ス 100 100 カナダ
*
Natixis Partners Iberia, S.A.
M&A 顧問サービス 完全連結 80 80 80 80 スペイン
NATIXIS NORTH AMERICA LLC
持株会社 完全連結 100 100 100 100 米国
Peter J. Solomon Company LP
M&A 顧問サービス 完全連結 51 51 51 51 米国
Peter J. Solomon Securities
Company LLC
証券会社 完全連結 51 51 51 51 米国
NATIXIS FUNDING CORP
その他の金融会社 完全連結 100 100 100 100 米国
Versailles 証券化ビークル 完全連結 100 0 100 0 米国
Bleachers finance
証券化ビークル 完全連結 100 0 100 0 米国
NATIXIS SECURITIES AMERICAS LLC
証券会社 完全連結 100 100 100 100 米国
NATIXIS FINANCIAL PRODUCTS LLC
デリバティブ取引 完全連結 100 100 100 100 米国
不動産ファイナン
NATIXIS REAL ESTATE HOLDINGS LLC
ス 完全連結 100 100 100 100 米国
不動産ファイナン
NATIXIS REAL ESTATE CAPITAL LLC
ス 完全連結 100 100 100 100 米国
流通市場ファイナ
CM REO HOLDINGS TRUST
ンス 完全連結 100 100 100 100 米国
流通市場ファイナ
CM REO TRUST
ンス 完全連結 100 100 100 100 米国
不動産ファイナン
MSR TRUST
ス 完全連結 100 100 100 100 米国
Natixis US MTN Program LLC
発行ビークル 完全連結 100 100 100 100 米国
ナティクシス・エス・エー 信用機関 完全連結 100 100 100 100 フランス
債券流通市場での
マーケット・メイ
**
NATIXIS FUNDING
キング 完全連結 100 100 100 100 フランス
居住用不動産の開
NATIXIS IMMO DÉVELOPPEMENT
発 完全連結 100 100 100 100 フランス
CONTANGO TRADING S.A.
証券会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
Natixis Partners
M&A 顧問サービス 完全連結 100 100 100 100 フランス
FCT Liquidité Short 1
証券化ビークル 完全連結 100 100 100 100 フランス
EOLE Collateral
証券化ビークル 完全連結 100 100 100 100 フランス
ミューチュアル
SPG ファンド 完全連結 100 100 100 100 フランス
投資会社 -(事業
NATIXIS MARCO
拡大) 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS INNOV
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
Investima 77
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
Natixis Alternative Holding
Limited 持株会社 完全連結 100 100 100 100 英国
Fenchurch Partners LLP
M&A 顧問サービス 完全連結 51 51 51 51 英国
Vermilion Partners (UK) Limited
持株会社 完全連結 51 51 51 51 英国
Vermilion Partners LLP
M&A 顧問サービス 完全連結 51 51 51 51 英国
NATIXIS ASIA LTD
その他の金融会社 完全連結 100 100 100 100 香港
Natixis Holdings (Hong Kong)
Limited 持株会社 完全連結 100 100 100 100 香港
396/677
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
Vermilion Partners (Holdings)
Limited 持株会社 完全連結 51 51 51 51 香港
Vermilion Partners Limited
持株会社 完全連結 51 51 51 51 香港
NATINIUM FINANCIAL PRODUCTS
証券化ビークル 完全連結 100 100 100 100 アイルランド
DF EFG3 Limited
持株会社 完全連結 100 100 100 100 ケイマン諸島
NATIXIS JAPAN SECURITIES CO, Ltd
金融機関 完全連結 100 100 100 100 日本
NATIXIS STRUCTURED PRODUCTS LTD
発行ビークル 完全連結 100 100 100 100 ジャージー
NATIXIS TRUST
持株会社 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
NATIXIS REAL ESTATE FEEDER SARL
投資会社 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
NATIXIS ALTERNATIVE ASSETS
持株会社 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
NATIXIS STRUCTURED ISSUANCE
発行ビークル 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
Natixis Bank JSC, Moscow
銀行 完全連結 100 100 100 100 ロシア
支店
NATIXIS Zweigniederlassung
Deutschland 金融機関 完全連結 100 100 100 100 ドイツ
NATIXIS CANADA
金融機関 完全連結 100 100 100 100 カナダ
NATIXIS SHANGHAI
金融機関 完全連結 100 100 100 100 中国
NATIXIS BEIJING
金融機関 完全連結 100 100 100 100 中国
アラブ首長国連
NATIXIS DUBAI
金融機関 完全連結 100 100 100 100 邦
NATIXIS NEW YORK
金融機関 完全連結 100 100 100 100 米国
NATIXIS MADRID
金融機関 完全連結 100 100 100 100 スペイン
NATIXIS LONDON
金融機関 完全連結 100 100 100 100 英国
NATIXIS HONG KONG
金融機関 完全連結 100 100 100 100 香港
(v)
NATIXIS GRAND CAYMAN
金融機関 100 100 ケイマン諸島
NATIXIS MILAN
金融機関 完全連結 100 100 100 100 イタリア
NATIXIS TOKYO
金融機関 完全連結 100 100 100 100 日本
NATIXIS LABUAN
金融機関 完全連結 100 100 100 100 マレーシア
NATIXIS PORTO
金融機関 完全連結 100 100 100 100 ポルトガル
NATIXIS SINGAPORE
金融機関 完全連結 100 100 100 100 シンガポール
NATIXIS TAIWAN
金融機関 完全連結 100 100 100 100 台湾
映画産業金融
金融会社(音響・
**
NATIXIS COFICINE
映像) 完全連結 100 100 100 100 フランス
資産運用&ウェルスマネジメント
資産運用
Natixis Investment Managers
グループ
AEW Invest Gmbh
販売 完全連結 60 60 60 60 ドイツ
Natixis Investment Managers
Australia Pty Limited
販売 完全連結 100 100 100 100 オーストラリア
Investors Mutual Limited
資産運用 完全連結 52 52 52 52 オーストラリア
Natixis IM Canada Holdings Ltd
持株会社 完全連結 100 100 100 100 カナダ
Natixis Investment Managers Korea
Limited 販売 完全連結 100 100 100 100 大韓民国
AEW CAPITAL MANAGEMENT, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW CAPITAL MANAGEMENT, LP
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW PARTNERS V, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW PARTNERS VI, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW PARTNERS VII, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW REAL ESTATE ADVISORS, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW SENIOR HOUSING INVESTORS INC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW SENIOR HOUSING INVESTORS II
INC 資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW Value Investors Asia II GP
Limited 資産運用 完全連結 100 100 100 100 ジャージー
AEW VIA INVESTORS, LTD
資産運用 完全連結 100 100 100 100 ケイマン諸島
AEW Partners Real Estate Fund VIII
LLC 資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW Senior Housing Investors III
LLC 資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW Senior Housing Investors IV
LLC 資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
AEW Partners Real Estate Fund IX,
LLC 資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
Seaport Strategic Property Program
(ee)
I Co-Investors, LLC
資産運用 完全連結 100 100 米国
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有価証券報告書
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
ALPHASIMPLEX GROUP LLC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
ALTERNATIVE STRATEGIES GROUP LLC
(g)
持株会社 100 100 米国
AURORA INVESTMENT MANAGEMENT LLC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
CASPIAN CAPITAL MANAGEMENT, LLC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
(x)
CREA WESTERN INVESTORS I, INC.
資産運用 100 100 米国
EPI SLP LLC
資産運用 完全連結 60 60 60 60 米国
EPI SO SLP LLC
資産運用 完全連結 60 60 60 60 米国
GATEWAY INVESTMENT ADVISERS, LLC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
HARRIS ALTERNATIVES HOLDING INC
持株会社 完全連結 100 100 100 100 米国
HARRIS ASSOCIATES LP
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
HARRIS ASSOCIATES SECURITIES, LP
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
HARRIS ASSOCIATES, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
LOOMIS SAYLES & COMPANY, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
LOOMIS SAYLES & COMPANY, LP
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
LOOMIS SAYLES ALPHA, LLC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
LOOMIS SAYLES DISTRIBUTORS, INC.
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
LOOMIS SAYLES DISTRIBUTORS, LP
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
(x)
LOOMIS SAYLES SOLUTIONS, LLC
資産運用 100 100 米国
LOOMIS SAYLES TRUST COMPANY, LLC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
Loomis Sayles Operating Services,
(m)
LLC
資産運用 完全連結 100 100 米国
Ostrum AM US LLC (旧 NAM US)
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
NATIXIS ASG HOLDINGS, INC
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
Flexstone Partners LLC ( 旧 Caspian
Private Equity, LLC)
資産運用 完全連結 84 84 84 84 米国
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
(f)
HOLDINGS, LLC
持株会社 100 100 米国
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS, LLC
(d)
持株会社 100 100 米国
Natixis Investment Managers, LLC
( 旧 NATIXIS INVESTMENT MANAGERS,
(e)*
LP)
持株会社 完全連結 100 100 100 100 米国
Natixis Advisors, LP
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
Natixis Distribution Corporation
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
Natixis Distribution, LP
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
INTERNATIONAL, LLC
販売 完全連結 100 100 100 100 米国
VAUGHAN NELSON INVESTMENT
MANAGEMENT, INC.
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
VAUGHAN NELSON INVESTMENT
MANAGEMENT, LP
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
Mirova US LLC
資産運用 完全連結 100 100 100 100 米国
Natixis IM innovation ( 旧 AEW Co-
Invest) 資産運用 完全連結 100 100 100 100 フランス
AEW S.A.
資産運用 完全連結 60 60 60 60 フランス
AEW CILOGER
不動産管理 完全連結 60 60 60 60 フランス
ALLIANCE ENTREPRENDRE
資産運用 完全連結 100 100 100 100 フランス
*
DARIUS CAPITAL CONSEIL
投資顧問サービス 完全連結 70 70 70 70 フランス
(h) (y)
DNCA Courtage
資産運用 92 79 フランス
(h)
DNCA Finance
資産運用 完全連結 100 85 92 79 フランス
(h) (z)
DNCA Management
資産運用 72 72 フランス
* (j)
Dorval Asset Management
資産運用 完全連結 89 89 55 55 フランス
Flexstone Partners SAS
資産運用 完全連結 84 84 84 84 フランス
ベンチャーキャピ
タル・ミューチュ
アルファンドの運
Mirova 用 完全連結 100 100 100 100 フランス
Natixis Investment Managers
International 販売 完全連結 100 100 100 100 フランス
(t)
Ostrum AM (New)
資産運用 完全連結 55 55 100 100 フランス
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
Natixis TradEx Solutions ( 旧
Natixis Asset Management Finance)
* **
( )( ) 持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS FORMATION ÉPARGNE
FINANCIÈRE 持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
PARTICIPATIONS 1
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
PARTICIPATIONS 3
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
ベンチャーキャピ
タル・ミューチュ
アルファンドの運
NAXICAP PARTNERS
用 完全連結 100 100 100 100 フランス
OSSIAM 資産運用 完全連結 75 75 75 75 フランス
SEVENTURE PARTNERS
資産運用 完全連結 59 59 59 59 フランス
SEEYOND 資産運用 完全連結 100 100 100 100 フランス
MV Credit France
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
H2O AM Europe
資産運用 完全連結 50 50 50 50 フランス
(q)
Thematics Asset Management
資産運用 完全連結 50 50 50 40 フランス
(i)
Vauban Infrastructure Partners
資産運用 完全連結 61 61 81 81 フランス
AEW EUROPE ADVISORY LTD
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW EUROPE CC LTD
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW EUROPE HOLDING Ltd
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW EUROPE INVESTMENT LTD
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW EUROPE LLP
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW EUROPE PARTNERSHIP
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW GLOBAL ADVISORS (EUROPE) LTD
資産運用 完全連結 100 100 100 100 英国
AEW GLOBAL LTD
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW GLOBAL UK LTD
資産運用 完全連結 60 60 60 60 英国
AEW UK INVESTMENT MANAGEMENT LLP
資産運用 持分法 50 30 50 30 英国
AEW Promote LP Ltd
資産運用 完全連結 100 60 100 60 英国
H2O ASSET MANAGEMENT LLP
資産運用 完全連結 50 50 50 50 英国
H2O ASSET MANAGEMENT Corporate
member 資産運用 完全連結 50 50 50 50 英国
LOOMIS SAYLES INVESTMENTS Ltd (UK)
資産運用 完全連結 100 100 100 100 英国
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS UK Ltd
販売 完全連結 100 100 100 100 英国
Mirova Natural Capital Limited (旧
Mirova-Althelia Limited)
資産運用 完全連結 100 100 100 100 英国
MV Credit Limited
資産運用 完全連結 100 100 100 100 英国
MV Credit LLP
資産運用 完全連結 100 100 100 100 英国
(x)
Arctic Blue Capital Ltd
資産運用 50 29 英国
AEW ASIA LIMITED
資産運用 完全連結 100 100 100 100 香港
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS HONG
KONG LIMITED
資産運用 完全連結 100 100 100 100 香港
Poincaré Holdings Ltd
資産運用 完全連結 50 25 50 25 香港
Poincaré Capital Management Ltd
資産運用 完全連結 50 25 50 25 香港
Natixis Investment Managers
International Hong Kong Limited
*
(旧 Ostrum AM Hong Kong Ltd)
資産運用 完全連結 100 100 100 100 香港
PURPLE FINANCE CLO 1
証券化ビークル 完全連結 89 89 89 89 アイルランド
PURPLE FINANCE CLO 2
証券化ビークル 完全連結 100 100 71 71 アイルランド
Arctic Blue Capital Management Ltd
(x)
資産運用 50 29 ケイマン諸島
Asahi Natixis Investment Managers
*
Co. Ltd
販売 持分法 49 49 49 49 日本
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS JAPAN
CO., LTD
資産運用 完全連結 100 100 100 100 日本
AEW Japan Corporation
資産運用 完全連結 100 100 100 100 日本
AEW Value Investors Asia III GP
Limited 資産運用 完全連結 100 100 100 100 ジャージー
AEW EUROPE SARL (旧 AEW Luxembourg)
資産運用 完全連結 60 60 60 60 ルクセンブルク
AEW EUROPE GLOBAL LUX
資産運用 完全連結 100 60 100 60 ルクセンブルク
H2O ASSET MANAGEMENT HOLDING
資産運用 完全連結 50 50 50 50 ルクセンブルク
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2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
投資会社 - 資産
KENNEDY FINANCEMENT Luxembourg
運用 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
財務部本部 - 資
KENNEDY FINANCEMENT Luxembourg 2
産運用 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
Loomis Sayles Alpha Luxembourg,
(cc)
LLC
資産運用 完全連結 100 100 ルクセンブルク
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS S.A
販売 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
(h) (y)
DNCA Luxembourg
資産運用 92 79 ルクセンブルク
MV Credit SARL
資産運用 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
(b)
Thematics Meta Fund
資産運用 42 42 ルクセンブルク
(k)
Thematics AI and Robotics Fund
(aa)
資産運用 47 47 ルクセンブルク
Thematics Subscription Economy
(bb)
Fund
資産運用 完全連結 57 57 ルクセンブルク
Natixis IM Mexico, S. de RL de CV
資産運用 完全連結 100 100 100 100 メキシコ
H2O AM Monaco SAM
資産運用 完全連結 50 50 50 50 モナコ
Prometheus Wealth Management SAM
資産運用 完全連結 50 25 50 25 モナコ
AEW CENTRAL EUROPE
資産運用 完全連結 60 60 60 60 ポーランド
Natixis Investment Managers
Singapore Limited (旧 Ostrum AM
*
Asia Ltd)
資産運用 完全連結 100 100 100 100 シンガポール
AEW Asia Pte Ltd
資産運用 完全連結 100 100 100 100 シンガポール
LOOMIS SAYLES INVESTMENTS ASIA Pte
Ltd 資産運用 完全連結 100 100 100 100 シンガポール
H2O AM Asia Pte Ltd
資産運用 完全連結 50 50 50 50 シンガポール
Flexstone Partners SARL (旧 Euro
Private Equity)
資産運用 完全連結 84 84 84 84 スイス
Natixis Investment Managers
Switzerland Sarl
資産運用 完全連結 100 100 100 100 スイス
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
SECURITIES INVESTMENT CONSULTING
Co. LTD
資産運用 完全連結 100 100 100 100 台湾
Natixis Investment Managers
Uruguay S.A.
販売 完全連結 100 100 100 100 ウルグアイ
支店
Natixis Investment Managers S.A,
Zweignierderlaasung Deutschland
販売 完全連結 100 100 100 100 ドイツ
AEW Asia Limited オーストラリア支
店 資産運用 完全連結 100 100 100 100 オーストラリア
Natixis Investment Managers S.A.,
(p)
ベルギー支店
販売 完全連結 100 100 ベルギー
Natixis Investment Managers Middle
アラブ首長国連
East 販売 完全連結 100 100 100 100 邦
Natixis Investment Managers スペイ
ン支店 販売 完全連結 100 100 100 100 スペイン
AEW Europe LLP スペイン支店
販売 完全連結 100 60 100 60 スペイン
Mirova Natural Capital Limited, フ
ランス支店 (旧 Mirova-Althelia
Limited, フランス支店 )
資産運用 完全連結 100 100 100 100 フランス
AEW Ciloger イタリア支店
販売 完全連結 60 60 60 60 イタリア
Natixis Investment Managers S.A.,
イタリア支店 販売 完全連結 100 100 100 100 イタリア
(h)
DNCA Finance ミラノ支店
資産運用 完全連結 100 85 92 79 イタリア
DNCA Finance ルクセンブルグ支店
(dd)
資産運用 完全連結 100 85 ルクセンブルク
Natixis Investment Managers,
Nederlands 販売 完全連結 100 100 100 100 オランダ
Loomis Sayles & Company, LP, オラ
(cc)
ンダ支店
販売 完全連結 100 100 オランダ
AEW Central Europe Czech
販売 完全連結 60 60 60 60 チェコ王国
(x)
AEW Central Europe Romania
販売 60 60 ルーマニア
Natixis Investment Managers,
Nordics filial
販売 完全連結 100 100 100 100 スウェーデン
その他の企業
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2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
Natixis Investment Managers US
Holdings, LLC (旧 NATIXIS US
(c)*
HOLDINGS Inc)
持株会社 完全連結 100 100 100 100 米国
プライベート・エクイティ - 第三者
資産運用
プライベート・エ
NATIXIS PRIVATE EQUITY
クイティ 完全連結 100 100 100 100 フランス
プライベート・エ
DAHLIA A SICAR SCA
クイティ 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
ウェルスマネジメント
NATIXIS Wealth Management
Luxembourg 銀行 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
Natixis Wealth Management
グループ
**
Natixis Wealth Management
信用機関 完全連結 100 100 100 100 フランス
ミューチュアル
VEGA INVESTMENT MANAGERS
ファンド持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
1818 IMMOBILIER
不動産業 完全連結 100 100 100 100 フランス
(s)
TEORA
保険仲介会社 完全連結 100 100 フランス
資産運用および投
Massena Partners S.A.
資顧問サービス 完全連結 98 98 98 98 ルクセンブルク
資産運用および投
Massena Wealth Management SARL
資顧問サービス 完全連結 98 98 98 98 ルクセンブルク
支店
資産運用および投
Massena Partners - 支店
資顧問サービス 完全連結 98 98 98 98 フランス
従業員貯蓄制度
従業員貯蓄制度の
**
NATIXIS INTERÉPARGNE
管理 完全連結 100 100 100 100 フランス
保険
NATIXIS ASSURANCES
保険会社持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS LIFE
生命保険 完全連結 100 100 100 100 ルクセンブルク
BPCE IARD (旧 ASSURANCES Banque
Populaire IARD)
損害保険 持分法 50 50 50 50 フランス
BPCE Prévoyance (旧 ABP
PRÉVOYANCE) 個人向け保障保険 完全連結 100 100 100 100 フランス
ADIR 損害保険 持分法 34 34 34 34 レバノン
FRUCTIFONCIER 保険・不動産投資 完全連結 100 100 100 100 フランス
BPCE Vie (旧 ABP VIE)
保険 完全連結 100 100 100 100 フランス
REAUMUR ACTIONS (旧 ABP
保険投資ミュー
DIVERSIFIÉ) チュアルファンド 完全連結 100 100 100 100 フランス
NAMI INVESTMENT
保険・不動産投資 完全連結 100 100 100 100 フランス
ECUREUIL VIE DÉVELOPPEMENT
保険 持分法 51 51 51 51 フランス
サービス・プロバ
BPCE RELATION ASSURANCES
イダー 完全連結 100 100 100 100 フランス
SCI DUO PARIS
不動産管理 持分法 50 50 50 50 フランス
保険投資(証券化
Fonds TULIP
ファンド) 完全連結 100 100 100 100 フランス
FCT NA Financement de l'économie -
保険投資(証券化
compartiment Immocorp II
ファンド) 完全連結 100 100 100 100 フランス
保険投資ミュー
AAA ACTIONS AGRO ALIMENTAIRE
チュアルファンド 完全連結 37 37 42 42 フランス
SCPI IMMOB EVOLUTIF (旧
FRUCTIFONDS IMMOBILIER)
保険・不動産投資 完全連結 50 50 51 51 フランス
保険投資ミュー
OPCI FRANCEUROPE IMMO
チュアルファンド 完全連結 55 55 53 53 フランス
保険投資ミュー
SELECTIZ チュアルファンド 完全連結 56 56 55 55 フランス
保険投資ミュー
(l)
SELECTION PROTECTION 85
チュアルファンド 28 28 フランス
保険投資ミュー
SELECTIZ PLUS FCP 4DEC
チュアルファンド 完全連結 54 54 53 53 フランス
保険投資ミュー
ALLOCATION PILOTÉE ÉQUILIBRE C
チュアルファンド 完全連結 43 43 40 40 フランス
保険投資ミュー
MIROVA EUROPE ENVIRONNEMENT C
チュアルファンド 完全連結 36 36 34 34 フランス
BPCE ASSURANCES
保険会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
サービス・プロバ
BPCE APS
イダー 完全連結 53 53 53 53 フランス
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
支店
NATIXIS LIFE
生命保険 完全連結 100 100 100 100 フランス
決済
決済
**
NATIXIS PAYMENT SOLUTIONS
銀行業 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS INTERTITRES
クーポン券提供 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS PAIEMENT HOLDING
持株会社 完全連結 100 100 100 100 フランス
中央労使協議会向
けオンライン・
ALTER CE (COMITEO)
サービス 完全連結 70 70 70 70 フランス
TITRES CADEAUX
クーポン券提供 完全連結 100 100 100 100 フランス
S-MONEY 決済サービス 完全連結 100 100 100 100 フランス
LAKOOZ 決済サービス 完全連結 100 100 100 100 フランス
PAYPLUG 決済サービス 完全連結 99 99 99 99 フランス
DALENYS グループ
DALENYS S.A.
持株会社 完全連結 100 100 100 100 ベルギー
DALENYS INTERNATIONAL (旧
*
RENTABILIWEB INTERNATIONAL)
持株会社 完全連結 100 100 100 100 オランダ
DALENYS FINANCE (旧 RENTABILIWEB
*
FINANCE) 持株会社 完全連結 100 100 100 100 オランダ
DALENYS PAYMENT
決済サービス 完全連結 100 100 100 100 フランス
DALENYS SERVICES (旧 RENTABILIWEB
内部サービス・プ
*
SERVICES) ロバイダー 完全連結 100 100 100 100 フランス
DALENYS MARKETING (旧 RENTABILIWEB
オンライン・サー
*
MARKETING) ビス 完全連結 100 100 100 100 フランス
DALENYS TECHNOLOGIES (旧
オンライン・サー
*
RENTABILIWEB TECHNOLOGIES)
ビス 完全連結 100 100 100 100 フランス
オンライン・サー
RECOMMERCE ビス 完全連結 100 100 100 100 フランス
オンライン・サー
(w)
RENTABILIWEB
ビス 100 100 ルーマニア
COFACE
Coface グループ
(a)
Coface S.A.
持株会社 持分法 42 42 42 42 フランス
信用保険および関
(a)
Coface EUROPE
連サービス 持分法 42 42 42 42 フランス
(a)
Coface RE
再保険 持分法 42 42 42 42 スイス
マーケティングそ
(a)
BUSINESS DATA INFORMATION
の他のサービス 持分法 42 42 42 42 イスラエル
事業および支払能
(a)
Coface BELGIUM SERVICES
力に関するデータ 持分法 42 42 42 42 ベルギー
(a)
Coface CHILE S.A.
保険 持分法 42 42 42 42 チリ
債権管理および
(a)
Coface DEBITOREN
データ 持分法 42 42 42 42 ドイツ
Coface DO BRASIL SEGUROS DE
信用保険および関
(a)
CREDITO
連サービス 持分法 42 42 42 42 ブラジル
(a)
Coface FINANZ
ファクタリング 持分法 42 42 42 42 ドイツ
(a)
Coface HOLDING AMERICA LATINA
財務データ 持分法 42 42 42 42 メキシコ
(a)
Coface HOLDING ISRAEL
持株会社 持分法 42 42 42 42 イスラエル
(a)
Coface ITALIA
持株会社 持分法 42 42 42 42 イタリア
債権管理および
(a)
Coface NEDERLAND SERVICES
データ 持分法 42 42 42 42 オランダ
信用保険および関
(a)
Coface NORTH AMERICA
連サービス 持分法 42 42 42 42 米国
Coface NORTH AMERICA HOLDING
(a)
COMPANY
持株会社 持分法 42 42 42 42 米国
Coface NORTH AMERICA INSURANCE
信用保険および関
(a)
COMPANY
連サービス 持分法 42 42 42 42 米国
(a)
Coface POLAND CMS
財務データ 持分法 42 42 42 42 ポーランド
(a)
Coface POLAND FACTORING
ファクタリング 持分法 42 42 42 42 ポーランド
債権管理および
(a)
Coface SERVICES AUSTRIA
データ 持分法 42 42 42 42 オーストリア
402/677
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
Coface SERVICES NORTH AMERICA
(a)
GROUP
持株会社 持分法 42 42 42 42 米国
債権管理および
(a)
Coface SERVICIOS ESPANA SL
データ 持分法 42 42 42 42 スペイン
(a)
Coface UK HOLDING
持株会社 持分法 42 42 42 42 英国
(a)
Coface ROMANIA CMS
保険 持分法 42 42 42 42 ルーマニア
(a)
Coface RUS INSURANCE COMPANY
信用保険 持分法 42 42 42 42 ロシア
Coface SEGURO DE CREDITO MEXICO
(a)
保険 持分法 42 42 42 42 メキシコ
(a)
Coface SIGORTA TURQUIE
保険 持分法 42 42 42 42 トルコ
(a)
Coface SOUTH AFRICA
保険 持分法 42 42 42 42 南アフリカ
(a)
Coface SOUTH AFRICA SERVICES
保険 持分法 42 42 42 42 南アフリカ
債権管理および
(a)
Coface UK SERVICES LTD
データ 持分法 42 42 42 42 英国
債権管理および
(a)
Coface RATING HOLDING
データ 持分法 42 42 42 42 ドイツ
債権管理および
(a)
Coface RATING.DE
データ 持分法 42 42 42 42 ドイツ
信用保険および関
(a)
COFINPAR
連サービス 持分法 42 42 42 42 フランス
債権管理および
(a)
COGERI
データ 持分法 42 42 42 42 フランス
** (a)
FIMIPAR 債権の買戻し 持分法 42 42 42 42 フランス
(a)
Coface CENTRAL EUROPE HOLDING
持株会社 持分法 42 42 42 42 オーストリア
(a)
Kisselberg
保険 持分法 42 42 42 42 ドイツ
ミューチュアル
(a)
Fonds Colombes
ファンド 持分法 42 42 42 42 フランス
ミューチュアル
(a)
Fonds Lausanne
ファンド 持分法 42 42 42 42 スイス
信用保険および関
(a) (o)
SEGURO BRASILEIRA CE
連サービス 42 42 ブラジル
(a)
FCT VEGA
証券化ファンド 持分法 42 42 42 42 フランス
(n) (a)
Coface GK Forsikring AS
信用保険 持分法 42 42 ノルウェー
支店
Coface SVERIGE - 支店 (Coface
(a)
KREDIT)
保険 持分法 42 42 42 42 スウェーデン
Coface IRELAND - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 アイルランド
Coface UK - 支店 (Coface Europe)
信用保険および関
(a)
連サービス 持分法 42 42 42 42 英国
Coface BELGIUM - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 ベルギー
Coface PORTUGAL - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 ポルトガル
Coface IBERICA - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 スペイン
Coface SWITZERLAND - 支店 (Coface
(a)
S.A.)
保険 持分法 42 42 42 42 スイス
(a)
Coface ISRAEL
信用保険 持分法 42 42 42 42 イスラエル
Coface NEDERLAND - 支店 (Coface
(a)
KREDIT)
保険 持分法 42 42 42 42 オランダ
Coface DANMARK- 支店 (Coface
(a)
KREDIT)
保険 持分法 42 42 42 42 デンマーク
Coface ARGENTINA - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 アルゼンチン
Coface CHILE -支店 (Coface Europe)
信用保険および関
(a)
連サービス 持分法 42 42 42 42 チリ
Coface CANADA - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 カナダ
403/677
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年
2020 年 12 月 31 日現在 2019 年 12 月 31 日現在
12 月 31 日
%
%
現在の
事業部門
連結子会社 業務内容 連結方法 支配 所有
支配 所有 国
Coface HUNGARY - 支店 (Coface
(a)
AUSTRIA)
保険 持分法 42 42 42 42 ハンガリー
Coface POLAND - 支店 (Coface
(a)
AUSTRIA)
保険 持分法 42 42 42 42 ポーランド
(a)
LEID - 支店 (Coface AUSTRIA)
保険 持分法 42 42 42 42 リトアニア
Coface ROMANIA INSURANCE - 支店
(a)
(COFACE AUSTRIA)
保険 持分法 42 42 42 42 ルーマニア
(a)
Coface TECHNOLOGIE - ROMANIA
データ・サービス 持分法 42 42 42 42 ルーマニア
Coface CZECH INSURANCE - 支店
(a)
(Coface AUSTRIA)
保険 持分法 42 42 42 42 チェコ王国
COFACE SLOVAKIA INSURANCE - 支店
(a)
(Coface AUSTRIA)
保険 持分法 42 42 42 42 スロバキア
(a)
Coface PKZ
信用保険 持分法 42 42 42 42 スロベニア
Coface JAPAN - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 日本
Coface SINGAPOR - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 シンガポール
Coface HONG KONG - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 香港
Coface ECUADOR - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 エクアドル
Coface AUSTRALIE - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 オーストラリア
Coface TAIWAN - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 台湾
(a)
Coface BULGARIA (支店 )
保険 持分法 42 42 42 42 ブルガリア
信用保険および関
(a)
Coface ASSICURAZIONI SPA
連サービス 持分法 42 42 42 42 イタリア
(a)
Coface AUSTRIA
持株会社 持分法 42 42 42 42 オーストリア
信用保険および関
(a)
Coface DEUTSCHLAND
連サービス 持分法 42 42 42 42 ドイツ
Coface GRÈCE - 支店 (Coface
信用保険および関
(a)
Europe)
連サービス 持分法 42 42 42 42 ギリシャ
コーポレート・センター
NATIXIS ALGÉRIE
銀行 完全連結 100 100 100 100 アルジェリア
Naléa 証券化ビークル 完全連結 100 100 100 100 フランス
SCI ALTAIR 1
不動産業 完全連結 100 100 100 100 フランス
SCI ALTAIR 2
不動産業 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS IMMO EXPLOITATION
不動産業 完全連結 100 100 100 100 フランス
FONCIÈRE KUPKA
不動産業 完全連結 100 100 100 100 フランス
NATIXIS FONCIÈRE S.A. (旧 SPAFICA)
不動産投資 完全連結 100 100 100 100 フランス
* 2020 年登録社名変更。
** 金融機関および投資会社に適用される規制要件に関する 2013 年6月 26 日付欧州議会および欧州理事会の EU 規則第 575/2013 号第7条の規定に従い、グ
ループの連結割合に基づき健全性に関する個別の監督を行っているフランス子会社。
(a ) Coface の持分 29.5 %の売却に関する覚書締結に関する 2020 年2月 25 日の発表後、関連会社として処理されている企業。
( b)出資比率が適格水準を下回ったため 2020 年第1四半期に連結から除外された企業。
( c) 2020 年第1四半期、 NIM は米国における AM 持株会社の組織構造の簡素化を行った。この取引の一環として、 Natixis US Holdings, Inc. は有限責任会
社( LLC )に形態を変え、 Natixis Investment Managers US Holdings, LLC へ名称を変更した。
( d) 2020 年1月1日に Natixis Investment Managers US Holdings, LLC が吸収した企業。
( e) 2020 年第1四半期、 NIM は米国における AM 持株会社の組織構造の簡素化を行った。この取引の一環として、 NATIXIS INVESTMENT MANAGERS, LP は有限
責任会社( LLC )に形態を変え、 Natixis Investment Managers, LLC へ名称を変更した。
( f) 2020 年1月1日に Natixis Investment Managers, LLC が吸収した企業。
( g) 2020 年3月 15 日に NATIXIS ASG HOLDINGS, INC が吸収した企業。
( h) 2020 年第2四半期、 DNCA の経営陣は DNCA Finance 株 式 と DNCA Management 株 式 の一部について、 2020 年に予定されていた買戻し期間中にプット ・ オプ
ションを行使した。こ れら の取引後、 Natixis IM の DNCA Finance およびその子会社に対する所有持分は 85% に達した一方、 DNCA Management に対する
持分は 100% に達した。
( i) Vauban IP は 2019 年末にその共同経営者(資本の 18.6 %を所有する)と Natixis IM (資本の 81.4 %を所有する)によって、 Mirova のインフラ事業のス
ピンオフとして共同設立された。 2020 年第1四半期、共同経営者が保有する持分は 20 %増加し、取引の目標所有構成を達成した。その結果、 Vauban
に対する Natixis IM の持分は 81.4 %から 61.4 %へ低下した。
( j) Dorval Finance :このストラクチャーの経営陣は 2020 年第1四半期末、プット・オプションを行使して株式を償還した。この取引後、 Natixis IM の
Dorval に対する所有持分および支配比率は 88.72 %になった。
( k) 2020 年上 半 期、 Thematics AI and Robotics ファンドへ投資をしていたシード ・ マネーの一部が償還された。その結果、同ファンドに対する Natixis
IM の持分は 2020 年6月 30 日 現在 で 31 %になった。
( l)ファンドが償還日を迎え、 2020 年第1四半期に連結から除外された企業。
( m) 資産運用業務の運営サポート(サービス、 IT インフラ)のために最近創設され 2020 年第2四半期に連結された企業。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
( n) 2020 年第3四半期に取得した企業。
( o) 2020 年第3四半期に Coface Do Brasil Seguros De Credito が吸収した企業。
( p)ルクセンブルクの企業である Natixis Investment Managers S.A. は欧州における販売活動を拡大させるために、ベルギーに支店を創設した。同支店
は 2020 年第3四半期に連結された。
( q) 2020 年第 3四半期、 Thematics AM の経営陣は、 Thematics AM の株式資本の 10 %に相当する株式について、予定されていた買戻し期間中にプット・オプ
ションを行使した。
( r) EDF Investissement Groupe に対する株式保有比率は、 2020 年下半期における2回の減資を経て 6.1 %から 7.5 %へと上昇した。
( s) 2020 年第4四半期における連結: Natixis Wealth Management は生命保険仲介事業をその子会社へ譲渡する予定である。
( t) 2020 年第4四半期、 Ostrum AM の株式保有比率は、 La Banque Postale Asset Management ( LBPAM )の事業の吸収を経て 100 %から 55 %へと低下した。
( u) Azure の企業に対する株式保有比率は、 2020 年第1四半期および第4四半期における2名の少数株主の撤退を経て 52.2 %から 53.1 %へと上昇した。
( v) 2020 年第3四半期に閉鎖した支店。
( w) 2020 年第4四半期に閉鎖した企業。
( x)清算を経て 2020 年第4四半期に連結から除外された企業。
( y) DNCA Finance による吸収を経て 2020 年第4四半期に連結から除外。
( z) NIM P3 Finance による吸収を経て 2020 年第4四半期に連結から除外。
(aa) 出資比率が適格水準を下回ったため、 2020 年第4四半期に連結から除外された企業。
(bb) 連結の閾値を上回ったため 2020 年第 4四半期に連結。
(cc) 欧州における Loomis の事業拡大の一環として、 2020 年第4四半期に連結された企業。
(dd) 子会社の DNCA Luxembourg の以前の事業を組み込むために 2020 年第4四半期に連結された企業。
(ee) 米国における新しい不動産ファンドの運用の一環として 2020 年第4四半期に創設され連結された企業。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
17.1 2020 年 12 月 31 日現在の非連結企業
排他的支配もしくは共同支配下にある、または重要な影響力が及ぶ企業、および支配下にある組成された企業のうち、連結範囲に含め
ていない企業に関する情報は、ナティクシスのウェブサイトに掲載している:
https://www.natixis.com/natixis/jcms/ala_5507/fr/information-reglementee
17.2 2020 年 12 月 31 日現在の非連結投資
2020 年 12 月 31 日現在の正味帳簿価額が5百万ユーロ以上ある非連結持分投資のうち、株式資本の 10 %以上に投資しているものは以下の
とおりである:
株主資本の額 純利益の額
(a) (b) (b)
保有資本比率 (単位:百万ユーロ ) (単位:百万ユーロ )
企業 国
EFG-HERMES HOLDING 729 73
エジプト 13 %
Fiera Capital 348 (7)
カナダ 11 %
CE Développement
フランス 15 % 100 2
(a) 直接または間接的な保有。
(b) 株主総会で承認された直近の事業年度の資本および収益に関する情報( 2019 年 12 月 31 日現在)。
また、米国投資会社である WCM Investment Management の株式資本の 25 %を所有しているが、ナティクシスは重要な影響力を行使するこ
とができないため、連結されなかった。同出資は、 2019 年 12 月 31 日現在の 279 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 429 百万ユーロ
であった。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
(2) 個別財務諸表
ナティクシス比較 個別貸借対照表
20 20 年
201 9年
参照注記
番号
百万ユーロ 億円
12 月 31 日に終了した年度 百万ユーロ 億円
資産
4 現金および中央銀行預け金 24,526 31,815 15,858 20,571
6 政府債および政府債同等物 18,113 23,496 44,221 57,363
4 銀行預け金 81,014 105,091 87,300 113,246
5 顧客との取引 124,144 161,040 138,055 179,085
23 うち政府代行業務 886 1,149 852 1,105
6 債券およびその他の 固定利付有価証券 10,175 13,199 15,643 20,292
6 株式およびその他の変動利付有価証券 38,910 50,474 70,504 91,458
7 関連会社に対する投資およびその他の長期投資 154 200 192 249
7 子会社および関係会社に対する投資 13,510 17,525 13,979 18,134
11 無形資産 91 118 90 117
11 有形固定資産 118 153 137 178
発行済未払込資本
7 自己株式 17 22 39 51
12 その他の資産 30,020 38,942 45,956 59,614
12 未収勘定 4,876 6,325 6,523 8,462
資産合計 345,669 448,402 438,497 568,818
20 20 年
20 19 年
参照注記
番号
百万ユーロ 億円
オフバランスシート項目-受取コミットメント 百万ユーロ 億円
36 貸出コミットメント 46,623 60,479 34,470 44,714
銀行からの受取コミットメント 44,162 57,287 33,748 43,778
顧客からの受取コミットメント 2,461 3,192 722 937
36 保証コミットメント 8,937 11,593 9,402 12,196
銀行からの受取コミットメント 8,937 11,593 9,402 12,196
36 有価証券に関するコミットメント 7,702 9,991 8,480 11,000
36 その他の受取コミットメント 7,726 10,022 13,950 18,096
407/677
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
20 20 年
201 9年
参照注記
番号
百万ユーロ 億円
12 月 31 日に終了した年度 百万ユーロ 億円
負債および資本
13 中央銀行預り金
13 銀行預り金 119,541 155,069 99,615 129,221
23 うち政府代行業務 46 60 46 60
14 顧客との取引 100,132 129,891 119,320 154,782
23 うち政府代行業務 987 1,280 965 1,252
15 債務証券 52,146 67,644 62,441 80,998
16 その他の負債 45,254 58,703 126,679 164,328
16 未払勘定 3,158 4,097 5,161 6,695
23 うち政府代行業務 8 10
17 リスクおよびその他費用引当金 2,021 2,622 2,264 2,937
19 劣後債務 5,810 7,537 5,554 7,205
一般的銀行リスク準備金
一般的銀行リスク準備金を除く資本 17,606 22,839 17,463 22,653
21 発行済資本 5,050 6,551 5,045 6,544
21 発行時額面超過額 7,426 9,633 7,426 9,633
21 準備金 1,735 2,251 1,740 2,257
20 規制引当金および投資補助金 2 3 2 3
23 うち政府代行業務 2 3 2 3
21 利益剰余金 3,250 4,216 1,008 1,308
当期純利益/(損失) 143 185 2,242 2,908
負債および資本合計 345,669 448,402 438,497 568,818
20 20 年
201 9年
参照注記
番号
百万ユーロ 億円
オフバランスシート項目-供与コミットメント 百万ユーロ 億円
36 貸出コミットメント 108,439 140,667 81,064 105,156
銀行への供与コミットメント 48,423 62,814 23,348 30,287
顧客への供与コミットメント 60,016 77,853 57,716 74,869
36 保証コミットメント 29,202 37,881 35,126 45,565
銀行への供与コミットメント 7,861 10,197 9,451 12,260
顧客への供与コミットメント 21,341 27,684 25,675 33,306
36 有価証券に関するコミットメント 9,117 11,827 9,321 12,091
36 その他の供与コミットメント 20,008 25,954 23,862 30,954
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
ナティクシス比較個別損益計算書
20 20 年
201 9年
参照注記
番号
百万ユーロ 億円
12 月 31 日に終了した年度 百万ユーロ 億円
24 受取利息および類似収益 5,596 7,259 7,683 9,966
24 支払利息および類似費用 (4,554) (5,907) (6,866) (8,907)
25 変動利付有価証券 による 収益 757 982 931 1,208
受取報酬および受取手数料 811 1,052 1,383 1,794
26 支払報酬および支払手数料 (377) (489) (997 ) (1,293)
トレーディング・ポートフォリオ取引に係る
27 純利得/(損失) 968 1,256 1,534 1,990
売却目的で保有する有価証券取引に係る
28 純利得/(損失) (256) (332) 43 56
その他バンキング取引営業収益 306 397 603 782
29 その他バンキング取引営業費用 (106) (138) (384 ) (498)
純収益 3,145 4,080 3,930 5,098
30 営業費用 (2,329) (3,021) (2,559 ) (3,320)
・ 人件費 (1,225) (1,589) (1,339 ) (1,737)
・ その他一般管理費 (1,104) (1,432) (1,220 ) (1,583)
有形固定資産および無形資産の評価減、償却および減
損 (80) (104) (79) (102)
営業総利益 736 955 1,292 1,676
31 貸倒引当金繰入額 (694) (900) (429 ) (556)
営業 純 利益 42 54 863 1,119
32 固定資産に係る利得/(損失) (110) (143) 1,258 1,632
税引前当期利益 (68) (88) 2,121 2,751
非経常収益
33 法人所得税 211 274 121 157
一般的銀行リスク準備金および規制引当金
20 繰入/戻入額 0 0 0 0
当期純利益 143 185 2,242 2,908
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親会社財務諸表注記
注記および付録
* *
注 記 重大な事象 417 注記 10 自己株式-資産 432
1
1.1 Coface 417 注記 11 固定資産 432
1.2 財務諸表への健康危機の影響 417 注記 12 未収勘定およびその他の資産 433
注記2 会計原則および評価方法 418 注記 13 インターバンク取引および類似取引 433
2.1 顧客および銀行に対する貸出金 418 注記 14 顧客との取引 43 4
2.2 有価証券ポートフォリオ 419 注記 15 債務証券 434
2.3 有形固定資産および無形資産 421 注記 16 未払勘定およびその他の負債 434
2.4 債務証券 421 注記 17 引当金および減損 435
2.5 劣後債務 421 注記 18 従業員数および従業員給付 436
2.6 先渡金融商品(先物およびオプション) 421 注記 19 劣後債務 438
2.7 政府代行業務 422 注記 20 規制引当金 439
2.8 従業員給付 422 注記 21 株式資本、発行プレミアム、準備金および 439
利益剰余金
2.9 株式に基づく従業員の維持および業績表彰 423 注記 22 子会社および関連会社との取引 440
制度
2.10 リスクに対する引当金 424 注記 23 公的手続の管理に関連した資産、負債およ 440
びコミットメントに係る計算書
2.11 外貨建て取引 424 注記 24 受取利息および類似収益 441
2.12 海外子会社の統合 424 注記 25 変動利付有価証券による収益 441
2.13 銀行破綻処理メカニズムへの拠出 424 注記 26 報酬および手数料 441
2.14 非経常収益 424 注記 27 トレーディング・ポートフォリオ取引に係 442
る利得
2.15 法人所得税 424 注記 28 投資および類似のポートフォリオ取引に係 442
る利得または損失
2.16 会計処理方法の変更および財務諸表の比較 425 注記 29 その他の銀行業による収益および費用 442
可能性
注記3 後発事象 426 注記 30 営業費用 443
3.1 改革と業務効率改善プログラム 426 注記 31 リスク費用 443
3.2 ナティクシス株式の簡易的公開買付の申請 426 注記 32 固定資産に係る利得/(損失) 444
3.3 ナティクシスと Arch Capital Group Ltd. 426 注記 33 法人所得税 444
が Coface の株式資本 29.5 %の売却契約成立
を発表
注記4 インターバンク取引および類似取引 427 注記 34 地域別情報 445
注記5 顧客との取引 427 注記 35 オフバランスシート項目-先渡金融商品 446
注記6 債券、株式およびその他の固定・変動利付有価 428 注記 36 オフバランスシート項目-コミットメント 447
証券
注記7 関連会社に対する持分、投資、その他保有する 429 注記 37 外国為替取引、外貨建ての貸出および借入 448
有価証券
注記8 2020 年度中のフランス企業への投資の後に開示 429 注記 38 期限別業務およびリソース 448
閾値を超えている株式保有に関する情報
注記9 子会社および関連会社に関する開示 430 注記 39 フランス一般税法第 238-0A 条の定義の範囲 449
内の非協力的な国または地域における組織
および事業
* (訳者注:原文のページ)
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ナティクシス(E15244)
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注記 1 重大な事象
1.1 Coface
ナティクシスは 2020 年2月 25 日、 Coface の株式資本および議決権の 29.5 %について1株当たり 10.70 ユーロの単位価格で売却する契約を
Arch Capital Group (米国の保険・再保険会社)と締結したと発表した。同価格は 2020 年8月 28 日に1株当たり 9.95 ユーロに変更され
た。この取引の完了は、規制当局からの承認を条件とする。それらの承認はすべて 2021 年2月初めに得られた (注記3 後発事象参
照) 。
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの親会社財務諸表において処分損益または減損損失は認識されなかった。
ただし、売却契約の影響を受けない残存持分 12.7 %については、 Coface の株式市場終値(1株当たり 8.21 ユーロ)を基づき、 (41.4) 百
万ユーロの引当金( 2020 年度における (37.7) 百万ユーロの繰入を含む-注記7「 関連会社に対する持分、投資、その他保有する有価証
券 」を参照)認識後で 158.5 百万ユーロと評価された。
1.2 財務諸表への健康危機の影響
COVID-19 の流行の急速な世界的拡大を受けて、感染が確認された国の大半が 2020 年度において国民に対して移動や行動の制限を課し、
それが影響してビジネスが著しく減少した結果、多くの事業セクターにおいて経済的状況が悪化したほか、金融市場においても大きな
混乱が生じた。
こうした環境のなか、多くの企業が資金繰りに苦慮しており、ナティクシスは主に政府主導の一定の経済支援策の実施に参加すること
で、顧客による今般の危機の脱却を支援している (後述の注記 2.1 参照) 。
よって 2020 年度は貸倒引当金が増加した。貸倒引当金は、 2019 年 12 月 31 日現在の 429 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 694 百万
ユーロにのぼった。
1.2.1 経済支援策
2020 年度中、金融機関も関わる経済の下支え策が実施された。
1.2.2 政府保証ローン
政府保証ローン( PGE )は、 2020 年3月 23 日付の 2020 年フランス補正予算法 2020-289 の第6条を通じて、かつ、 COVID-19 による健康危機
の影響を受けた企業の資金繰りニーズに対処するために 2020 年3月 16 日をもってフランス政府から貸出機関および金融企業に政府保証
を与える 2020 年3月 23 日付の経済金融相命令によって制定された支援策である。 PGE の特徴(目的、金利)は全銀行同一である。
PGE は期間1年の現金貸付で、その期間のあいだ返済は猶予される。借入企業は1年目末に、1年から5年の中から PGE の返済期間を選
ぶことができる。1年目末の時点で、借入企業は償還期間をさらに1年間延長でき、この期間中は、利息と国の保証コストのみが支払
われる。
適格企業については、 PGE の金額は通常、その企業の収益の 25 %が上限となる。 PGE は企業の規模に応じて 70 %から 90 %が政府によって
保証され、残りのリスクを銀行が負担する。政府保証は、元本、利息、および満期に達するまで同債務に係る関連コストの一定割合を
カバーする。ただし、何らかの信用事由の発生を受けて早期償還となるときは、この限りではない。
PGE に係る利息は、時間価値と元本に関係する信用リスクの対価である。早期返済時の違約金は無しか、または契約上妥当な方法で設定
されている。また、延長条件は事前に設定されるのではなく、延長時に市況を基に見直される。
PGE は「顧客との取引」区分に認識される (注記 2.1 参照) 。
政府保証は、契約条件の不可欠な部分とみなされ、減損の計算において考慮に入れられる。ローンが供与された際にナティクシスがフ
ランス政府に支払う保証料は、 PGE の当初期間にわたり損益に認識され、「受取利息および類似収益」に表示される。
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは 86 件の PGE の申請を受諾しており、その残高は 2,503 百万ユーロにのぼった。それに関連して国か
ら得た保証は 2,269 百万ユーロにのぼった。
未実行のコミットメントは合計 75 百万ユーロで、すべて報道・出版セクター向けのものであった。
1.2.3 貸出金の返済期限の延長(返済猶予)とその他の条件緩和
COVID-19 危機に関係してナティクシスは、一定の顧客へさまざまな形の譲歩(返済の一時猶予や繰り延べなど)を認め、危機によって
生じた一時的な資金繰り難をそれらの顧客が乗り越えられるよう支援している。顧客が直面している資金難は純粋に当面の一時的なも
のか否か、そして条件緩和によって取引相手方が契約上の合意を期限に従って遵守する自己の能力を危険に晒すことなくして危機を乗
り越えられるようになるか否かを判定すべく、案件ごとの分析を実施した。
こうした理由により、返済猶予またはその他の譲歩の個別の付与は、必ずしもそれらの貸出金が「譲歩が付与されている条件緩和債
権」に分類されることにつながらなかった (注記 2.1 参照) 。
またナティクシスは、「一括の」(つまり「全般的な」)返済猶予、すなわち個別の条件を付与することなくして顧客の集合に広範な
規模で行う返済猶予は認めていない点に留意いただきたい。
2020 年 12 月 31 日現在、 203 件のプロジェクトに対して返済猶予が行われた。その総額は 2,242 百万ユーロにのぼった。それら条件緩和債
権に関連する引当金は 2020 年 12 月 31 日現在で 21.4 百万ユーロにのぼる。
1.2.4 健康危機の影響を受けた金融資産の公正価値
金融市場への COVID-19 健康危機の影響が響き、 2020 年度において一部の商品の評価額が市場の流動性による影響を受けた。
こうした状況を背景に、ナティクシスの事業活動は「配当金」構成要素など一部の価値係数の重大な再評価に晒された。
- 一部の企業が配当を一時停止すると発表した結果、短期配当の大半がほとんど中止され、この要素を再評価するために使用するコン
センサス値にそれらの発表が反映された。
- 緊張感が広がり激しい変動を生じさせた市場環境に起因して、「ボラティリティ」係数も、関係するすべての取引について再評価さ
れた。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年度のナティクシスの収益はこうした状況の影響を受けたが、同年下半期の再評価の程度は低下した。
注記 2 会計原則および評価方法
ナティクシスの個別財務諸表は、銀行セクターの会社の財務諸表に関する 2014 年 11 月 26 日付 Autorité des Normes Comptables ( ANC - フ
ランスの会計基準策定機関)規則第 2014-07 号およびフランス一般会計計画( PCG - Plan Comptable Général )に関する規則第 2014-03 号
(改正)に準拠して作成され、表示されている。
現地のルールに従って策定された海外子会社の財務諸表は、個別財務諸表を作成するために、フランスで一般に公正妥当と認められて
いる会計原則に従って修正再表示されている。
当年度の財務諸表は、前年度の財務諸表と同一の形式で表示されている。一般に認められている会計原則は、次の原則に基づき慎重性
の原則に従って適用されている。
・ 継続企業
・ 年ごとの会計処理方法の一貫性
・ 周期性の原則
しかしながらナティクシスは 2020 年 12 月 31 日、貸借対照表における有価証券の貸付の表示に関する ANC 規則第 2014-07 号を改訂する 2020
年 12 月 22 日付 ANC 規則第 2020-10 号を初度適用した。この変更により、借入有価証券に相当する債務を、借入有価証券の評価額(貸借対
照表上ではトレーディング目的で保有する有価証券に分類)と貸し出した借入有価証券の評価額(これも貸借対照表上ではトレーディ
ング目的で保有する有価証券に分類)を控除したうえで、「その他の負債」に表示している。この変更の詳細は注記6および 16 に表示
されている。
また、 2020 年 12 月 31 日現在で、ナティクシスは次の修正を行った。
・ 損益計算書におけるマイナス金利の表示。同金利は現在、次の項目に含まれている。
・ 金融資産に関連するときは「支払利息および類似費用」
・ 金融負債に関連するときは「受取利息および類似収益」
2019 年 12 月 31 日現在では、マイナス金利は金融資産および負債に係るプラスの金利を控除してそれぞれ表示されていた。
・ 後払または支払済みのプレミアムについて、購入または売却した条件付デリバティブの表示
この変更が適用される前は、未収プレミアムおよび未払プレミアムの金額は、それらが関係する購入または売却したオプションに係る
項目とは別に、貸借対照表上の「その他の債務者」および「その他の債権者」にそれぞれ表示されていた。
これらのプレミアムはデリバティブと切り離せないため、貸借対照表でのそれらの表示が修正された。支払予定のプレミアムの金額お
よび受取予定のプレミアムの金額は現在、それらが関係する購入または売却した条件付デリバティブの評価額に含められている (注記
2.16 参照) 。
2.1 顧客および銀行に対する貸出金
銀行貸出金には、金融機関との銀行取引に関連して保有する債権のうち、有価証券によって表章されるものを除くすべての債権が該当
し、劣後貸出金およびリバース・レポ取引のなかで取得した株式および有価証券も含まれる。銀行貸出金は、要求払いの貸出金・預け
金ならびに定期貸出金および定期預け金に分類される。
顧客貸出金は、有価証券によって表章されるものを除く銀行以外の事業者に対する貸出金と、リバース・レポの株式・有価証券で構成
される。顧客貸出金は、貸出金の種類別(当座貸越、商業貸出金、短期融資、設備貸出金、輸出信用、劣後貸出金など)に分類され
る。
経過利息については、損益計算書の対応する債権勘定に貸方計上する。
貸出金供与または取得に係る受取報酬は、限界取引費用と併せて、実効金利法を使用して貸出金の有効期間にわたって認識を行う。認
識は、純収益における正味の受取利息として表示する。認識を行う報酬および取引費用は、該当する貸出金勘定に計上する。
解約不能条件で付与されたが、資金の移転が行われていない貸出金の場合、オフバランスシート項目の「供与された貸出コミットメン
ト」に計上する。
正常債権および不良債権は、個別に識別する。
信用リスクが識別され、その結果、融資契約の条件に基づき取引相手方が弁済義務を負う貸出金の全額または一部につきナティクシス
が回収できないおそれがあるときは、保証の有無を問わずその貸出金は不良債権とみなされる。とりわけ、支払いが3ヶ月超延滞して
いる返済がある貸出金は不良債権に分類される。
不良債権とは、 EU 規則第 575/2013 号第 178 条および信用債務の延滞の重要性を評価する際の閾値に関する 2020 年 12 月 31 日までに適用しな
ければならない欧州中央銀行 EU 規則第 2018/1845 号の規定の定めるところによる債務不履行事象が識別された債権をいう。不良債権の定
義は、次の項目によって定められている:
・ 債務不履行の状況を識別するために支払遅延に適用する相対的な規準と絶対的規準の導入
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・ 猶予期間(条件緩和資産については 12 ヶ月、その他の資産については3ヶ月)を要件とする、正常債権への復帰に関する規準の明
確化
・ 条件緩和債権を債務不履行に分類する際の明確な規準の導入
貸手が期限の利益喪失条項を発動した貸出金および不良債権として1年超分類されており貸倒償却を予定している債権は、回収不能と
みなされる。
不良債権の減損時に行った割引の影響の時間の経過に伴う戻入れは、損益計算書における「受取利息および類似収益」として認識され
る。
債務者の財政状態により条件が緩和された貸出金の具体的な事例
条件緩和債権は、ナティクシスが、財政的困難に直面している、または直面する可能性の高い借手に対して与えた譲歩に関わる修正条
件を伴う貸出金に相当する。それらは、ナティクシスが与えた譲歩および借手に生じている財政的困難の結合の結果である。
条件緩和債権の修正条件は、借手をより有利な状況に置くものでなければならず(例えば、利息または元本の支払いの一時停止、返済
期間の延長等)、既存契約の条件を修正する改訂の使用または既存貸出金の全部または一部のリファイナンスにより確定される。
財政的困難は、 30 日超延滞の金額またはリスク格付け等の複数の規準を観察することにより判定される。財政的困難は取引相手方が
バーゼルの債務不履行カテゴリーに降格する前に対処されることから、貸出金の条件緩和により、必ずしも取引相手方がバーゼルの債
務不履行カテゴリーに分類される結果にはならない。
個別の減損および引当金
貸出金の一部または全額に回収不能リスクがある場合、または借手に条項違反があった場合、(不良債権については)減損損失または
(オフバランスシートのコミットメントに関しては)予想損失額に相当する引当金を損益計算書の「貸倒引当金繰入額」に計上する。
これらの減損および引当金は、リスクおよび利用可能な担保の分析を検討したうえで、四半期ごとに個別に評価を行う。
減損した貸出金および債権からの回収または割引の影響の戻入れに伴う利息は受取利息として認識する。
減損損失は、債権の総額での帳簿価額と回収可能と考えられる額(保証の実現から得られるフローを含む。)、すなわち固定金利債権
の場合は契約当初の実効金利で割引いた額、または変動金利債権の場合は契約条件に従って取り決めた直近の実効金利で割引いた額と
の差異を計算して算出する。
リスクを踏まえた不良債権に係る減損は、貸借対照表の資産の部に計上し、当該資産からその減損を控除している。
オフバランスシートのコミットメントを原因とする予想損失額は、貸借対照表の負債側に引当金として認識する。
一般信用リスクに関する引当金
個別には自己の信用リスクに引当金を割り当てていない金融資産は、類似のリスク特性を有する資産グループに含める。類似資産の
ポートフォリオの構成は、地理的リスクおよびセクター・リスクの2種類の規準に基づいている。
ポートフォリオについては四半期ごとに見直され、経済状況に問題の発生が予想されるセクターや国における貸出金は、適宜正常債権
に対する引当金の基準で組み入れる。
資産の各グループは、当該資産グループに関する見積回収可能キャッシュ・フローが減少する可能性が高いことを示す観察可能なデー
タに基づく減損の客観的証拠について評価を行う。減損の客観的な証拠を示す資産グループについては、貸借対照表の負債側において
集合的に評価減を行う。そのような資産グループで、その後に(個別債権リスクとしての)減損と識別されたものは、集合的な評価減
の計算基礎から除外する。
地理的リスクに対する引当金は、主に各国のさまざまなパラメーターおよび指標(政治情勢、景気動向、景気見通し、銀行システムの
状況等)を反映させた内部格付けに基づく。減損損失の算定は、内部格付けと引当率の相関表を基に行う。必要な場合は、引当金の規
模に割り当てられた率を改訂する。
セクター・リスクに対する引当金は、各セクター独自のインデックス(セクター成長率、当該セクターにおいて業界が保有する現金、
コモディティ・コスト等)の組み合わせに基づく。評価損失の計算方法は、満期日現在で計算される「予想損失」方式である。
COVID-19 健康危機は、ナティクシスが業を営んでいる全地域に影響を及ぼしている世界的な危機であるが、その影響は経済セクターに
よって大きく異なる。こうした状況に鑑み、かつ一方ではカントリー・リスクに他方ではセクター・リスクに専ら基づく手法を考慮に
入れて、セクター規準が総合的なリスクに対する最も適切なアプローチに該当すると考えた。よって 2020 年は、引当金の総額を計算す
るのに用いる方法の変更を行い、リスク悪化の客観的な第1指標としてセクター・ベースの規準を保持した。
総合的なリスクの見積りに当たり従前の手法を維持した場合、引当金の総額は 68.0 百万ユーロ増加していた。しかしながら、上記変更
を加えると、引当金の総額は前年比 16.5 百万ユーロ増になったが、 2020 年において 76.3 百万ユーロの顕著な増加を示すセクター別引当
金があった。これには、 COVID-19 危機の影響が鮮明になった新たなセクター(航空、報道、自動車メーカー、宿泊・飲食、通信・メ
ディア、輸送)の引当金が含まれている。
要注意先リストに記載される貸出金がバーゼル合意による債務不履行として識別された場合、かかる貸出金は、セクターごとに集合的
に減損が計上される。ただし、すでに個別評価減の対象となっている場合を除く。
セクター・リスクおよびカントリー・リスクに対する引当金は、貸借対照表の負債側に表示される。
2.2 有価証券ポートフォリオ
有価証券は、 ANC 規則第 2014-07 号の Book II - Title 3「有価証券取引の会計処理」に従い、次の基準によって分類している。
・ 有価証券の種類:政府証券(財務省短期証券およびこれに準ずる有価証券)、債券およびその他の固定利付有価証券(譲渡可能債
券およびインターバンク市場証書)、株式およびその他の変動利付有価証券
・ 有価証券を保有する経済的目的。次のいずれかのカテゴリーに分類される:トレーディング目的保有、売却目的保有、投資目的保
有、その他の長期有価証券、関連会社に対する投資、子会社および関係会社に対する投資。
有価証券の売買は、決済・引渡日に貸借対照表に計上される。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
証券貸付取引の場合、貸し出した有価証券は貸借対照表に表示されなくなり、貸し出した有価証券の帳簿価額に相当する債権が資産と
して認識される。
証券借入取引の場合、借入有価証券はトレーディング目的で保有する有価証券の区分に計上され、貸手に対する債務である有価証券に
ついて、対応する負債を、借入日時点の借入有価証券の市場価格と同額で認識する。借入有価証券(貸し出した借入有価証券を含む)
は、借入有価証券の評価額に相当する債務控除項目として貸借対照表に表示される。
適用される分類および測定に関する規則は以下のとおりである。
・ トレーディング目的で保有する有価証券: 当初、短期間での転売または買戻しを意図して購入または売却する有価証券、および
マーケット・メイキング業務の一環として保有する有価証券。トレーディング・ポートフォリオの専門的運用を目的として売買さ
れる有価証券も、トレーディング目的の保有に分類される。このカテゴリーに分類されるには、有価証券が当初認識日において活
発な市場で売買可能であり、その市場価格が容易に入手可能で、実際の取引が通常の取引条件の下で定期的に行われていることを
示していなければならない。
取得に際しては、トレーディング目的で保有する有価証券は、経過利息を含む支払価格で計上する。取引コストは、費用として認
識する。
各貸借対照表日においては、市場価額で測定を行い、評価差額の総額は、損益計算書の「トレーディング目的で保有する有価証券
取引の残高」という表示項目で認識する。
・ 売却 目的で保有する有価証券 : 他 のカテゴリーのいずれにも分類されていない有価証券は、売却目的で保有する有価証券とみな
す。
取得コストを除外した購入価格で貸借対照表に計上する。購入価格(経過利息を除く)と償還価格の差異は、有価証券の残存期間
にわたって収益として認識される。
期末には、帳簿価額または市場価額の最低値の金額で評価を行う。未実現損失が生じた場合、減損損失の認識を行うが、この計算
には、実施されたヘッジ取引による利得を織り込む。未実現利得については認識しない。
・ 投資目的で保有する有価証券 : 満期まで保有する意思を表明して取得した固定利付期限付有価証券で、ナティクシスに満期まで保
有する能力が備わっているもの。
取得コストを除外した購入価格で貸借対照表に計上する。購入価格と償還価格の差異は、有価証券の残存期間にわたって収益とし
て計上される。
未実現損失は、規制の要件に従って、減損の対象とはなら ない。ただし、不測の状況により満期前に売却される可能性が高い場合
または当該金融商品の発行体にデフォルト・リスクがある場合には、この限りではない。未実現利得については認識しない。
・ 関連会社、子会社および関係会社に対する投資ならびにその他の長期投資:
・ その他の長期有価証券: ナティクシスが専門家としての立場から発行会社との持続的で特別な関係の構築を意図して行った有価
証券投資であるが、保有議決権の割合が低いため投資先の企業の経営に影響を及ぼさない投資。
取得コストを除外した購入価格で取得日に認識される。
これらは、取得原価または使用価値の最低値の金額で貸借対照表に計上する。未実現損失については、減損損失引当金の対象と
なる。
・ 関連会社に対する投資 : 長期的な保有がナティクシスの事業にとって有益と考えられる有価証券の形態による投資。
取得コストを除外した購入価格で取得日に認識を行う。
当該有価証券は評価を個別に行い、評価額は報告日の使用価値と取得原価の最低値の金額とする。未実現損失については、減損
損失引当金の対象となる。
・ 子会社および関係会社に対する投資: ナティクシスが独占的な支配力を行使する関係会社、すなわちナティクシスの連結対象
として全部連結される可能性の高い会社の株式およびその他の変動利付有価証券。
取得コストを除外した購入価格で取得日に認識を行う。
これらは評価を個別に行い、評価額は報告日の使用価値と取得原価の最低値の金額とする。未実現損失については、減損損失引
当金の対象となる。
使用価値の決定に使用される測定アプローチは、次のいずれかを適宜採用する。
・ 純資産価額方式(修正再表示有りまたは無し)
・ 同業他社との比較方式
・ 割引将来キャッシュ・フロー( DCF )法
・ 市場株価法
・ 上記を組み合わせた方法
将来キャッシュ・フローを測定するための DCF 法は、対象となる子会社の経営陣が作成し、ナティクシスの上級経営陣が承認した事業計
画の設定に基づくものである。将来キャッシュ・フローの割引率は、次の値の結果とする。
・ 無リスクとみなされる投資収益率の平均値
・ 子会社が上場する市場における平均信用スプレッド
・ 同等の企業をサンプルとして反映される平均ベータ値
・ 自己株式: ナティクシスは、流動性に関する取決めに基づき株価を調整するため自己株式を保有する場合がある。当該自己株式
は、トレーディング目的で保有する有価証券として認識されており、これと同じカテゴリーに属する他の有価証券と同一の規則に
従う。また、株式市場のインデックスに対する裁定取引を通じて取得した自己株式は、トレーディング目的で保有する有価証券と
して認識される。
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
従業員への交付を目的として保有する自己株式は、売却目的で保有する有価証券に分類され、それに対応する規則に従う。
証券ポートフォリオの処分による収益、価値調整および収入は、次に定めるところに従い認識を行う。
・ 変動利付有価証券による収益は、受取時または支払いが株主総会の決議対象となった時点にその認識を行う。
・ 固定利付有価証券による収益は、発生主義に基づき認識を行う。
・ 価値調整および有価証券処分による収入は、かかる有価証券が属するポートフォリオによって、それぞれの表示項目で認識を行
う。
・ トレーディング目的で保有する有価証券および売却目的で保有する有価証券は、「純収益」により
・ 価値調整が取引相手方 リスク に関連する場合には、売却目的または投資目的で保有する有価証券のポートフォリオにおける固定
利付有価証券に係る貸倒引当金繰入額として
・ 固定資産に係る純利得/(損失):
・ 予測不能な状況のため当該投資目的で保有する有価証券の処分の可能性が高い場合における、当該投資目的で保有する有価
証券の価値の調整(取引相手方リスクに関する減損を除く)、および投資目的で保有する有価証券の処分による全収入に関
するもの
・ 関連会社、子会社および関係会社に対する投資ならびにその他の長期有価証券に関するもの
取得後に戦略変更が必要となる特別な市場環境が発生した場合、または活発な市場における当該有価証券の取引が停止された場合、
「トレーディング目的で保有する有価証券」カテゴリーから「売却目的で保有する有価証券」および「投資目的で保有する有価証券」
カテゴリーへ、また、「売却目的で保有する有価証券」カテゴリーから「投資目的で保有する有価証券」カテゴリーへの分類変更が認
められる。
次の2つの条件を満たした場合、規制により、銀行が「投資目的保有」カテゴリーに分類変更された有価証券の全部または一部を売却
することが認められる。
・ 例外的な状況による振替の場合
・ 当該有価証券の市場が再度活発になった場合
ナティクシスは、個別財務諸表においてこのような振替を行っていない。
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有価証券報告書
2.3 有形固定資産および無形資産
固定資産は、取得原価に、直接帰属する取引コストおよび利用可能となる前に建設または据付の段階で発生した借入コストを加算した
金額で認識を行う。
自己創設ソフトウェアは、貸借対照表の資産側に直接的にかかった開発コストで計上するが、このコストには、これらが資産化の規準
を満たす場合、その開発および準備に直接帰属する外注費および人件費を含む。
取得後、固定資産は取得原価から評価減、償却および減損損失の累計額を差し引いて計上される。
固定資産については、ナティクシスがそれらの意図する方法により使用が可能となる状態になり次第、定額法または経済的な償却/減
価償却をより良く反映する場合においては定率法によって見積耐用年数にわたってその減価償却または償却を行う。資産の残存価額
は、信頼性をもって測定が可能な場合、減価償却可能価額または償却可能価額から控除する。
耐用年数がそれぞれ異なる、または将来の経済的便益が項目ごとに異なることが全体として見込まれる有形固定資産項目の場合、それ
ら 重要な構成要素それぞれにつき、 適用される会計原則に従って特定の減価償却スケジュールを定める。事業目的および投資目的の資
産である建物の場合、次の構成要素および減価償却年数が適用される。
・ 土地:非減価償却
・ (歴史的重要性により)破壊できない建物:非減価償却
・ 壁、屋根および防水処理: 20 年から 40 年
・ 基礎および骨組: 30 年から 60 年
・ 外部下塗り: 10 年から 20 年
・ 装置および付帯設備: 10 年から 20 年
・ 内部の什器備品および器具:8年から 15 年
有形固定資産のその他の項目は、通常5年から 10 年の見積耐用年数にわたって減価償却を行う。
購入したソフトウェアは、定額法によって見積耐用年数(ほとんどの場合5年未満)にわたって償却される。自己創設ソフトウェア
は、見積耐用年数( 15 年を超えてはならない)にわたって償却される。
固定資産が賃借建物に関するものであるときは、その減価償却期間をリース期間に合致させる。とりわけ、ナティクシスが(例えば、
いわゆる 3-6-9 リースに基づく)リースを更新しないと決定したときは、リースに関連する当該固定資産(例えば、什器備品および器
具)の減価償却期間は、当該リースの残存期間が上限となる。
減価償却/償却年数は毎年見直す必要があり、該当する場合には、見積りの変更の影響は変更の日から将来に向かって損益として認識
される。
2.4 債務証券
本表示項目は、劣後債務として認識された劣後商品を除き、ナティクシスがフランスまたは国外で発行した、売却目的保有の自由に取
引できる有価証券に帰属する債務から成る。
本表示項目は、中期債、インターバンク市場商品、譲渡性債務証券および債券ならびにその他の固定利付有価証券を主に含む。
これらの発行証券に関連する未払利息は、損益計算書上の相殺項目とあわせて関連債務として別途開示する。
発行債券に対する 発行プレミアム または 償還プレミアムは、該当する発行債券の有効期間で償却し、関連費用は、損益計算書の「支払
利息および類似費用」の項目で認識する。
2.5 劣後債務
この項目は、清算時における償還が他の全債権者の債権が弁済された後に限定される永久劣後債および期限付劣後債を意味する。未収
利息は、損益計算書のこれに対応する債権項目に貸方計上する。
永久劣後債が償還型証券と同等とみなされる場合、各定期支払は、元本の返済に充当される。かかる返済は、額面価額および利息から
控除する。損益計算書の「支払利息および類似費用」の項目に借方計上する。
2.6 先渡金融商品(先物およびオプション)
これらの金融商品の想定元本は、社内監視活動および規制目的でオフバランスシートに計上されるが、オフバランスシート項目の公表
済計算書には含まれていない。これらの金融商品の詳細は、注記に記載される。
適用される会計原則は、関係する金融商品および取引目的(ヘッジまたはトレーディング目的)により左右される。
金利および為替取引
本取引は、次の4つの目的で実施される。
・ ミクロヘッジ(影響を受けるヘッジ)
・ マクロヘッジ(グローバルなバランスシートの管理)
・ 投機的ポジション建て
・ トレーディング・ポートフォリオの専門的管理
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有価証券報告書
特定のヘッジに係る損益は、ヘッジ対象のポジションまたは取引の損益と対称的な損益として認識される。
ナティクシス全体の金利リスクのヘッジと管理のために使用された先渡金融商品から生じた損益は、比例按分方式で認識を行う。未実
現損益は認識しない。
投機的ポジションの会計処理は、利息フローと同様とする。契約は、各報告日の市場価額で評価し、未実現損失については引当金繰入
額として損益計算書に認識する。
最終カテゴリーの各金融商品は、個別に時価評価を行う。期間中の価値の変動は、損益計算書に直ちに認識を行う。評価額は取引相手
方リスク、ポジションの資金調達コストおよび将来の契約管理コストの割引現在価値に応じて調整を行う。
先渡外国為替契約
他の外国通貨先物のヘッジを行うアウトライト外国通貨先物商品または取引は、該当通貨の決済日までの期間に対応する先渡外国為替
レートに基づき測定される。ヘッジされた通貨先物取引に関連する金利またはプレミアム/ディスカウントの差異は、取引の有効期間
中の支払利息または受取利息として段階的に認識を行う。
オプション(金利、通貨および株式)および先物
各オプションまたは先物契約の基礎となる金融商品の想定元本は、ヘッジ契約およびトレーディング契約で区別を行い認識する。
ヘッジ取引については、損益は、ヘッジ対象の損益と対称的な損益として認識される。
非ヘッジ活動については、オプションまたは先渡契約のポジションは、報告日に時価評価されている。時価の変動は損益計算書に直接
認識される。ただし、店頭市場で取引されている金融商品に関しては、当該取引が決済された場合に限り損益が損益計算書に認識さ
れ、当該金融商品の存続期間にわたり生じる正味リスクに対して計上する可能性のある引当金には影響しない。
支払期日が到来しまたは最終的に修正されたオプション・プレミアムの 2020 年 12 月 31 日現在の表示 (注記2参照) 。
2.7 政府代行業務
2008 年改正財政法第 121 条( 2008 年 12 月 30 日第 2008-1443 号)によって改正された 1997 年改正財政法第 41 条( 1997 年 12 月 29 日第 97-1239
号)、 2014 年改正財政法第5条( 2014 年 12 月 29 日第 2014-1655 号)ならびに 2019 年 12 月 24 日にフランス政府との間で交わされた契約に従
い、ナティクシスはフランス政府による一定の公的手続を代行管理しており、主として政府開発援助の枠組内で行われる外国への貸出
および補助金、外国への非譲許的融資、「民間セクターの支援および研究のための基金」への補助金、ならびにフランス政府によって
保証された輸出信用に係る金利の固定化から成っている。これに関連する取引は、政府保証が付いているものも含め、財務諸表におい
て区別して認識されている。政府およびその他の関連する債権者は、これらの政府代行業務に割当てられたナティクシスの資産および
負債に対する特定の権利を有する。これらの業務に関連する当行の資産および負債は、貸借対照表においてこれらの業務に関連する各
表示項目を示すことで識別されている。
2.8 従業員給付
従業員給付は、「人件費」として認識される。
次の4カテゴリーに分離される。
「短期給付」 給料、社会保障負担、年次休暇、従業員利益分配、奨励給制度、追加負担および変動報酬など付与されてから 12 ヶ月以内
に支払われるものは、従業員が関連する勤務を提供した期間に費用計上される。
「解雇給付」 退職日前に従業員の雇用を終了する場合に従業員に付与される。当該給付には引当金が計上される。
「退職後給付」 年金、銀行業界に適用されるその他の補足的退職給付、退職時報奨および退職者に支払われるその他の契約上の給付
等。ナティクシスは、退職後給付を2種類に分類している。
・ 確定拠出制度: 主に社会保障基礎年金制度および補足的制度である Agirc および Arrco で構成される。これにより、企業は特定の給
付額を支払う義務を一切負わない。確定拠出制度に基づき支払う拠出金については、該当する期間において費用として計上され
る。
・ 確定給付制度: これに基づき、ナティクシスは特定の給付額を支払う法的または推定的な義務を負うため、その評価額が計上され
ると共に資金の積立が行われる。
予測単位積増方式を用いた保険数理士による給付債務の査定に基づき、確定給付制度に対する引当金が設定される。この方法は、
人口統計および財務上の仮定を活用したものである。制度資産の価値は、数理計算上の債務から控除される。この評価は独立保険
数理士によって定期的に実施される。
数理計算上の仮定については年に1回見直しを行う。数理計算上の仮定の変動および実績による修正(数理計算上の仮定と実績の
差異の影響)により、数理計算上の差異が生じる。
退職および類似のコミットメントの測定および認識の規則に関する Autorité des Normes Comptables ( ANC -フランスの会計基準策
定機関)の勧告第 2013-02 号( 2013 年 11 月7日付)( 2012 年6月に欧州連合によって採用された IAS 第 19 号(改訂)の部分適用を容
認する勧告)に従い、ナティクシスは、個々の財務諸表でコリドー方式のアプローチを維持することを選択した。
この方式の下で、ナティクシスは、正味の数理計算上の差異累積額のうち( i)確定給付債務の現在価値の 10 %と( ii )前会計期間
末の制度資産の公正価値の 10 %のいずれか多い金額を下回る部分を認識しない。したがって、この「コリドー」を超える数理計算
上の差異の一部は、該当する制度に加入している従業員の平均残存勤務期間にわたって認識される。
既存の制度が変更された場合、または新規制度が開始された場合、過去勤務費用は、給付の権利が確定するまでの期間にわたって
損益として認識される。
ナティクシスの確定給付制度コミットメントの全部または一部への資金調達を目的とし、ナティクシスの関連当事者によって引き
受けられた保険契約は、貸借対照表の資産の部の「その他の資産」に計上されている。
貸借対照表の引当金として認識された金額は、確定給付制度に基づく債務の決算日における現在価値から以下を考慮したものを表
す。
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・ 損益として未認識の過去勤務費用を減算。
・ 次の事項から生じた未認識の数理計算上の差異をコリドーの原則に従って加算または減算。
・ 人口動態の変数に関連する実績による修正
・ 数理計算上の仮定における変動
・ 割引率の変更
・ 制度資産および補填の権利に係る期待運用収益と実際の運用収益の差異
・ 決算日における制度資産の市場価額を減算。
確定給付制度につき認識された年間人件費は、以下により構成される。
・ 当期中に受益者により確定された権利
・ 債務に対する割引の戻入れの影響を反映する利息費用
・ 制度資産の期待運用収益
・ 数理計算上の差異および過去勤務費用の償却
・ 制度の縮小および清算の影響
「その他の長期給付」 従業員維持および業績表彰制度に基づく長期勤続報奨および現金払の繰延報酬を含み、確定給付制度における退
職後給付に適用されるものと同じ保険数理方法を用いて評価を行う。数理計算上の差異は、コリドー方法が適用されず、過去勤務費用
は、費用として直接認識を行う。
現金決済型変動報酬に関連する費用の見積金額は、従業員維持および業績表彰制度に従い、従業員の継続勤務を条件として、権利確定
期間にわたって認識を行う。
2020 年 12 月 31 日現在、タイム・セービング口座のもとで支払うべき金額 69.8 百万ユーロは「その他の長期給付」に含まれている。 2019
年 12 月 31 日現在では、これらは「短期給付」として 64.9 百万ユーロ計上されていた。
2.9 株式に基づく従業員の維持および業績表彰制度
ナティクシスは、 2010 年以来、支払が株式に基づく制度を特定の区分の従業員に割り当てている。それらの制度は2つの形で決済され
る。一部はナティクシスの株式で、他方はナティクシスの株価に連動する現金で決済される。各制度は期間を3年とし、付与年度にナ
ティクシスの株価に連動した現金で清算される「短期」制度を除き、制度のうち3分の1が2年後に、3分の2が権利確定期間終了時
に決済される。
これらの制度は、すべて勤続要件および/または業績要件を満たすことが条件となる。
ナティクシス株価に連動する現金決済型従業員維持・業績報酬制度
株価連動現金決済型制度により、人件費の認識を行う。この場合、貸借対照表日現在の株価ならびに業績および/または勤続要件を満
たす可能性を考慮して測定を行う。勤続要件がある場合、計算された費用は定額法で権利確定期間にわたって認識する。勤続要件がな
い場合は、費用は直ちに債務として認識する。後者はその後、業績規準および基礎となる株式の価値の変動を考慮に入れて、各報告日
に再測定する。
この制度に対応して 2020 年度の損益計算書に認識された費用は、 2019 年 12 月 31 日現在の 18.0 百万ユーロに対し、 9.3 百万ユーロであっ
た。
ナティクシス株価に連動する現金決済型従業員維持・業績報酬制度の条件変更によって、当該制度が株式決済型従業員維持・業績報酬
制度として再分類される場合、当該制度が発行済株式の割り当てを規定している場合は、ナティクシス株価に連動する従前の制度につ
いて計上されていた債務の認識が中止されるとともに、新たな株式決済型従業員維持・業績報酬制度に対する引当金として負債の認識
が行われる。新たな制度の下で認識する負債と、認識を中止する従前の債務との間の差額は、直接損益に計上される。当該制度が新株
の割り当てを規定している場合、ナティクシス株価に連動する従前の制度について計上された債務の認識の中止のみが損益に計上され
る。
株式決済型従業員維持および業績報酬制度
株式で決済を行う制度の場合、株式付与義務により相殺を行う引当金の準備がなく決済において現金支出が生じる可能性がある、また
はこれが確実な場合には、負債の認識について定めたフランス会計規制委員会 (CRC) 規則第 2008-15 号に従い認識する。
・ 株式付与が 新株発行を伴う場合、ナティクシスは現金を支出しないため 、費用の認識を行わない。
・ 株式付与が株式の買戻しまたは発行済株式の付与を伴う場合、株式が従業員に発行された時点で、引当金を相殺することなく現金
支出が認識される。株式の振替費用または株式が購入されたものではない場合は貸借対照表日現在の株価および従業員に付与され
る予定株式数を考慮して引当金が設定される。費用は、権利確定期間にわたって段階的に認識を行う。
2.10 リスクに対する引当金
引当金は、時期または金額が不確実な負債である。負債は、過去の事象によって生じる現在の債務であり、それを清算すると、信頼性
をもって測定できる経済的便益を包含する資源の流出をもたらすと予想される。
引当金として認識される金額は、報告日における現在の債務を清算するのに要する支出の最善の見積りでなければならない。この金額
は、割引の影響が重大である場合は割引かれる。引当金は、報告日ごとに見直され、必要に応じて調整がなされる。従業員給付をカ
バーするための引当金を除き、貸借対照表上で認識される引当金は、主にリストラ引当金、紛争、課徴金および罰金に対する引当金、
ならびにその他のリスクに対する引当金に関係する。
2.11 外貨建て取引
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オフバランスシート上の外貨建ての債権、債務およびコミットメントは、為替ポジションの再評価を通じて、貸借対照表日現在の現行
の為替レートでユーロに換算される。ユーロ建て外国為替ポジションの評価による金額とユーロ建て外国為替ポジション相当で報告さ
れ た金額の差異は、損益計算書に計上される。
ただし、政府代行業務に関連する為替差額については、未収・未払勘定において認識を行う。
2.12 海外子会社の統合
現地規則に準拠して作成された海外子会社の財務諸表については、フランスの一般に認められている会計原則に準拠して修正再表示さ
れ、機能通貨がユーロでない場合はユーロへの換算を行い、内部取引を消去のうえでナティクシスの財務諸表に統合される。
貸借対照表および損益計算書の項目は、報告期間の末日に換算される。
海外子会社の資本配賦額の換算から生ずる差額は、未収・未払勘定に計上される。
2.13 銀行破綻処理メカニズムへの拠出
フランスでの 2015 年 10 月 27 日付省令によって預金保証・破綻処理基金の設立手続が変更になった。預金保証・破綻処理基金への拠出
は、共同出資証明書、ならびに、貸借対照表上で資産として認識される現金保証金 (取消不能コミットメントの保証 )およびその他の営
業費用の中の「税金および規制上の拠出金」として損益に計上される拠出(この拠出は運用の承認を自主的に撤回する場合には払い戻
しされない。)の形で支払うことができる (注記 6.7 参照) 。
銀行や投資会社の再生や破綻処理の枠組み構築に関する EU 指令第 2014/59 号( BRRD - 銀行再生・破綻処理指令)および EU 規則第
806/2014 号(単一破綻処理制度( SRM )規則)によって、 2015 年時点で破綻処理基金の創設が定められた。 2016 年に、当該基金は単一監
督メカニズム( SSM )の参加国間での単一破綻処理基金( SRF )となった。この SRF は破綻処理のための資金調達メカニズムであり、破綻
処理当局である単一破綻処理理事会が利用できる。単一破綻処理理事会は、破綻処理手続の実施に際して当該基金を利用することがで
きる。
委任規則第 2015/63 号および破綻処理のための資金調達メカニズムへの事前拠出に関する BRRD 指令の補足となる実施規則第 2015/81 号に
従って、単一破綻処理理事会は 2019 年度の単一破綻処理基金への拠出水準を設定した。基金への拠出は貸借対照表上に資産として計上
される現金保証金(請求された拠出金の 15 %以下)および「税金および規制上の拠出金」として損益計算書に認識される拠出金の形で
支払うことができる 。
2.14 非経常収益
非経常損益項目か否かの判断は、金額、現在の営業における非経常的な性質および対象となる事象が繰り返す可能性に基づき行われ
る。
2.15 法人所得税
追加拠出のため、当年度のフランスにおける税金費用の計算に使用された法人所得税率は 32.02 %であった。海外子会社については、適
用される現地法人所得税率が使用された。
2.16 会計処理方法の変更および財務諸表の比較可能性
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは ANC 規則第 2020-10 号を初度適用し、貸借対照表上の証券貸付の表示を修正した (注記2参照) 。
ナティクシスは、財務諸表の明瞭性を改善させるために、満期時または最終的に決済されるオプション・プレミアムの表示を修正した
(注記2参照) 。
貸借対照表に対するこれらの変更の影響を以下に示す。
オプション・ オプション・
ANC 規則 プレミアムの プレミアムの
2019 年公表 2020-10 認識方法の変 2019 年参考 ANC 規則 2020- 認識方法の変 2020 年公表
(単位:百万ユーロ ) ベース の影響 更による影響 ベース 2020 年修正前 10 の影響 更による影響 ベース
資産
政府有価証券およびその同
等物 44,221 (31,690) 12,531 49,896 (31,783) 18,113
債券およびその他の固定利
付有価証券 15,643 (5,484) 10,159 14,645 (4,470) 10,175
株式およびその他の変動利
付有価証券 70,504 (29,403) 41,101 68,346 (29,436) 38,910
自己株式 39 39 17 17
その他の資産 45,956 (16,416) 29,540 45,567 (15,547) 30,020
(影響を受けない)その他
の資産項目 262,134 262,134 248,434 248,434
資産合計 438,497 (66,577) (16,416) 355,504 426,905 (65,689) (15,547) 345,669
負債
その他の負債 126,679 (66,577) (16,416) 43,686 126,490 (65,689) (15,547) 45,254
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(影響を受けない)その他
の負債項目 311,818 311,818 300,415 300,415
負債合計 438,497 (66,577) (16,416) 355,504 426,905 (65,689) (15,547) 345,669
注記 3 後発事象
3.1 改革と業務効率改善プログラム
ナティクシスは 2020 年 11 月5日、四半期決算発表において、 2024 年末時点で約 350 百万ユーロにのぼる持続的な費用削減効果を生み(同
期間中における関連特別費用は約 270 百万ユーロ)、コーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング業務の改革を中心
とする改革・業務効率改善プログラムの立ち上げを発表した。
自らが直面している課題を克服するためにナティクシスはまた、確固とした多様なノウハウを生かして競争力に焦点を当てた経営モデ
ルの改良にも引き続き取り組む予定である。
こうした予測・適応・発展アプローチの結果、ナティクシスは 2016 年以来、パリとポルトという欧州における2つの事業エリアに関す
るサポート機能の整備を行ってきた。こうした組織整備計画に沿って 2021 年1月末、ポルト・センターに関する開発プロジェクトを社
会的パートナーへ発表した。
同プロジェクトの構成は以下のとおりとなっている。
・ データ&テクノロジー、 COO-CIB およびグローバル・ビジネス・マネジメント&変革を用いたテクノロジーおよび変革、人材ならび
にリスクをはじめとする、ポルトに既に構築されているサポート機能の強化継続
・ 他のサポート機能のポルトへの移転:財務、ワークプレイスおよびコミュニケーション、ならびにカバレッジおよびディストリ
ビューション・ポートフォリオ・マネジメント内の一定のコーポレート・バンキングおよびインベストメント・バンキング業務
209 にのぼる職務を調整することになったこのプロジェクトによりまた、センター・オブ・エクセレンスやセンター・オブ・エクスパタ
イズとしてのポルトの位置づけが確認された。
株式デリバティブ活動の戦略的な見直しによってもまた、ナティクシスにとってのその重要性が確認され、リスク水準の軽減を図りな
がら戦略的な顧客に同事業を集中させることになった。発表したこの計画を実行すると、 36 の職務が無くなることになる。
社会経済委員会( CSE : Social and Economic Committee )との協議を経て最良の条件のもとこれらプロジェクトのさまざまな内容を実
行するために、野心的な内部・外部モビリティ計画を対象エリア内にて策定した。このプロジェクトの協議と並行して、労働組合との
交渉も行い、内外のモビリティを支えるための措置を詳しく定める予定である。
これらの措置を発表した日と、それに伴う関連する措置に関する交渉の着手が影響し、その日における財務的な影響の見積もりを示す
ことはできない。
3.2 ナティクシス株式の簡易的公開買付の申請
BPCE S.A. は 2021 年2月9日、ナティクシス・エス・エーの資本持分のうち自己が保有していない分、すなわち 2020 年 12 月 31 日現在でお
よそ 29.3 %を取得し、同社の簡易的株式公開買付をフランス金融市場庁( AMF )へ提出するとの意向を発表した。
1株当たり 4.00 ユーロ(配当付き)でのこの公開買付の提案は AMF の審査を受け、同審査に合格すれば、実行条件が満たされることを条
件にスクイーズアウトを実施する予定である。
この公開買付の提案は、ナティクシスの各事業部門の発展とその機能経路の簡略化を目的とした野心的な産業プロジェクトの一部を構
成し、 Groupe BPCE はその準備の一環として戦略的プランを分析する方針である。
この取引による 2020 年 12 月 31 日時点のナティクシスの親会社財務諸表への影響はなかった。
3.3 ナティクシスと Arch Capital Group Ltd. が Coface の株式資本 29.5 %の売却契約成立を発表
関係する競争・規制当局の承認を経て、ナティクシスと Arch Capital Group Ltd. は 2021 年2月 10 日、ナティクシスから Arch Capital
Group Ltd. の関連会社である Arch Financial Holdings Europe IV Limited への、1株当たり 9.95 ユーロ(配当付き)での Coface の株式
資本 29.5 %の売却を発表した。
これで Coface の取締役会にはナティクシスの代表者はいなくなり、ナティクシスが確保していた4つの席は Arch が取得した。ナティク
シスは Coface に対する残り 12.7 %の持分を金融投資として保有する予定である。
この取引による 2020 年 12 月 31 日現在のナティクシスの親会社財務諸表への影響はなかった。
注記 4 インターバンク取引および類似取引
(単位:百万ユーロ )
2020 年 度
201 9年 度
現金および中央銀行預け金 24,526 15,858
*
銀行預け金 81,014 87,300
要求払い 4,227 4,149
定期 76,787 83,151
インターバンク取引および類似取引 105,540 103,158
*
うち 劣後貸出金
0 0
うち リバース・レポ契約
34,692 36,220
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うち 未収利息
56 86
2020 年 12 月 31 日現在の不良債権は、 2019 年 12 月 31 日現在の 48 百万ユーロに対し 30 百万ユーロであった。ナティクシスは、 2020 年 12 月 31
日および 2019 年 12 月 31 日の両時点において、金融機関に対する回収不能貸出金を有していなかった。
不良債権引当金は、 2019 年 12 月 31 日現在の (48) 百万ユーロに対し、 2020 年 12 月 31 日現在は (30) 百万ユーロであった。
注記 5 顧客との取引
(単位:百万ユーロ )
2020 年 度
2019年 度
当座貸越勘定 2, 433 2,564
商業貸出金 397 779
その他顧客貸出金 121,314 134,712
現金および消費者信用 30,542 31,004
設備貸出金 4,621 5,245
輸出信用 2,122 3,028
住宅ローン 2 2
リバース・レポ契約 59,400 73,963
劣後貸出金 1,230 878
その他貸出金 23,397 20,592
顧客との取引 124,144 138,055
うち未収利息 127 252
2020 年 12 月 31 日現在の永久劣後貸出金の額は、 2019 年 12 月 31 日現在の合計 808 百万ユーロに対して 808 百万ユーロであった。
注記1に記載した条件緩和債権のうち、減損控除前の正常債権は、 2019 年 12 月 31 日現在の 183 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は
263 百万ユーロであった。減損控除後の額は、 2019 年 12 月 31 日現在の 182 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 259 百万ユーロであっ
た。
注記1に記載した条件緩和債権のうち、不良債権または回収不能債権に計上した減損控除前の額は、 2019 年 12 月 31 日現在の 1,093 百万
ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 1,444 百万ユーロであった。減損控除後の額は、 2019 年 12 月 31 日現在の 744 百万ユーロに対して
2020 年 12 月 31 日現在は 1,010 百万ユーロであった。
不良債権は、 2019 年 12 月 31 日現在の 2,856 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 3,764 百万ユーロであった(うち回収不能債権額
は、 2019 年 12 月 31 日現在の 195 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 179 百万ユーロであった)。
不良債権引当金は、 2019 年 12 月 31 日現在の (991) 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は (1,404) 百万ユーロであった(うち回収不能
債権に係る引当金は、 2019 年 12 月 31 日現在の (189) 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は (174) 百万ユーロであった)。
Banque de France および/または欧州中央銀行による買入適格債権は、 2019 年 12 月 31 日現在の 715 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現
在は 114 百万ユーロであった。
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注記 6 債券、株式およびその他固定・変動利付有価証券
2020 年 度 2019 年 度
トレーディ
トレーディ
ング目的 で 売却目的 で 投資目的で
ング目的 で 売却目的 で 投資目的で
保有 する 有 保有 する 有 保有する有
保有 する 有 保有 する 有 保有する有
価証券 価証券 価証券 合計
(単位:百万ユーロ ) 価証券 価証券 価証券 合計
(b)
政府証券およびその同等物
(a)
総価額 11,215 6,086 728 18,028 37,959 5,517 631 44,107
プレミアム/ディスカウント 0 44 0 44 72 (1) 71
未収利息 8 32 0 41 5 38 43
減損 0 0
帳簿価額 11,223 6,162 728 18,113 37,964 5,627 630 44,221
(b)(c)
債券およびその他の固定利付有価証券
(a)
総価額 3,78 8 6,195 244 10,227 9,479 5,927 294 15,700
プレミアム/ディスカウント 0 6 0 6 1 1
未収利息 0 20 0 20 1 24 25
減損 0 (78) (0) (78) (83) (83)
帳簿価額 3,788 6,143 244 10,175 9,480 5,869 294 15,643
(b)(d)
株式およびその他の変動利付有価証券
総価額 37,875 1, 059 0 38,934 69,331 1,200 70,531
未収利息 0 0 0 0 0
減損 0 (23) 0 (23) (27) (27)
帳簿価額 37,875 1, 035 38,910 69,331 1,173 70,504
( a) 上記カテゴリーの有価証券については、「売却目的で保有する有価証券」および「投資目的で保有する有価証券」の欄に記載されている総価額は償
還価額である。
( b) うち貸付有価証券は、 2019 年 12 月 31 日現在の 33,653 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 29,902 百万ユーロであった。
( c) うち債券およびその他の上場固定利付有価証券は、 2019 年 12 月 31 日現在の 14,588 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 9,327 百万ユーロであっ
た。
( d) うち株式およびその他の上場変動利付有価証券は、 2019 年 12 月 31 日現在の 70,213 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 38,659 百万ユーロであっ
た。
短期投資、トレーディング目的で保有する有価証券および投資有価証券に認識されている、活発な市場で取引されていない金融商品は
2020 年 12 月 31 日現在、 19,212 百万ユーロにのぼった。
ナティクシスは 2020 年 12 月 31 日、特に貸借対照表上での証券貸付の表示に関する ANC 規則第 2014-07 号を改訂する 2020 年 12 月 22 日付 ANC 規
則第 2020-10 号を初度適用した。この変更により、借入有価証券に相当する債務を、借入有価証券の評価額(貸借対照表上ではトレー
ディング目的で保有する有価証券に分類)と貸し出した借入有価証券の評価額(これも貸借対照表上ではトレーディング目的で保有す
る有価証券に分類)を控除したうえで、「その他の負債」に表示している。これらの変更による影響は注記 2.16 に表示されている。
有価証券のカテゴリー間の振替
2019 年度および 2020 年度においては有価証券のカテゴリー間の振替は行われなかった。
投資ポートフォリオにおける未実現キャピタル・ゲインおよびロス:
(単位:百万ユーロ ) 2020 年 度
2019 年 度
政府証券およびその同等物
未実現キャピタル・ゲイン 29 25
未実現キャピタル・ロス (1)
債券およびその他の固定利付有価証券
未実現キャピタル・ゲイン 56
未実現キャピタル・ロス (87) (92)
株式およびその他の変動利付有価証券
未実現キャピタル・ゲイン 62 471
未実現キャピタル・ロス (11) (10)
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注記 7 関連会社に対する持分、投資、その他保有する有価証券
(単位:百万ユーロ )
2020 年 度
2019年 度
投資 95 97
残高 97 103
当座勘定貸付金 0
為替換算調整 額 5 4
減損 (7) (10)
貸付有価証券 0
その他の長期投資 58 95
(a)
残高 75 114
当座勘定貸付金
為替換算調整 額
減損 (17) (19)
貸付有価証券
未収利息 1
投資およびその他保有する長期有価証券 154 192
子会社および関係会社に対する投資 13,510 13,979
(b)
残高 13,796 14,195
当座勘定貸付金 6 6
(b)
為替換算調整 額 71 39
(c)
減損 (363) (261)
貸付有価証券 0
未収利息 0 0
子会社および関係会社に対する投資 13,510 13,979
自己株式 17 39
トレーディング目的で保有する有価証券 17 38
売却目的で保有する有価証券 0 1
貸付有価証券
長期投資
自己株式 17 39
(a) 2020 年度中の主な変動は以下に関するものであった。
- NYBEQLLC の評価額 (26) 百万ユーロ
- VEV からの撤退 (12) 百万ユーロ
(b) 2020 年度中の主な変動は以下に関するものであった。
- Natixis Marco の減資 (300) 百万ユーロ
- Natixis Trust の減資 (50) 百万ユーロ
- Récomex の処分 (10) 百万ユーロ
- Natixis North America のカウンター・バリュエーション (14) 百万ユーロ
- Natixis Payment Holding の増資 21 百万ユーロ
(c) 2020 年度中の主な変動は以下に関するものであった。
- Coface S.A. の追加引当金 38 百万ユーロ
- Natixis Paiement Holding の追加引当金 68 百万ユーロ
注記 8 2020 年度中のフランス企業への投資の 後に 開示閾値を超え てい る株式保有に関する情報
次の表は、フランス商法第 L.247-1 条に従い作成された。
株式数( 2020 年
保有比率( 2020 年 12 月 31
日現在)
株式資本の5%の閾値の超過 12 月 31 日現在)
COFIMAGE 27
非上場 84.00% 2,240
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注記9 子会社および関連会社に関する開示
フランス商法第 L.233-15 条および第 R.123-197 条
前年度の付加価値
付与済だが
保証金、
税を除く NBI また
未返済の貸出
裏書その他 2020 年度未
(a)(b)
資本を除く
金および債権
の保証金額 は収益 収配当金
2020 年 12 月 31 日
(A) (a)(b)
上場/ (単位: (単位: (単位: (単位:
資本 株主持分 現在資本比率 保有持分の帳簿価額 前年度損益
非上場 (単位 : 千 ) (単位:千 ) (単位:% ) (単位:千ユーロ ) 千ユーロ ) 千ユーロ ) 千ユーロ ) (単位:千ユーロ ) 千ユーロ )
企業またはグループ 総額 純額
A -総価額が報告会社の株式資本のうち 1% を超える投資の内訳
子会社および投資( 10 %を超える持分)
NATIXIS INVESTMENT MANAGERS
75013 パリ
ピエール・マンデス-フランス通り 43 237,087 EUR 5,117,836 EUR
非上場 100.00 % 40,847 473,607
NATIXIS ASSURANCES
75013 パリ
ピエール・マンデス-フランス通り 30 148,014 EUR 1,138,721 EUR
非上場 100.00 % 3,191 234,789
NATIXIS Marco
75013 パリ
アウスターリッツ通り 47 700,119 EUR 10,513 EUR
非上場 100.00 % 5,880 5,867
NATIXIS TRUST
L-1855 ルクセンブルグ
609,865 EUR 134,015 EUR
ジョン・ F・ケネディー通り 51
非上場 100.00 % 7,379 10,360
(b)
Coface S.A.
92276 ボワ・コロンブ
CS20003 コストゼベロント広場 1 304,064 EUR 876,308 EUR
上場 42.20 % 3,406 132,677
NATIXIS WEALTH MANAGEMENT
75002 パリ
モンマルトル通り 115 129,048 EUR 86,676 EUR
非上場 100.00 % 90,769 12,066
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前年度の付加価値
付与済だが
保証金、
税を除く NBI または
未返済の貸出
裏書その他 2020 年度未収
(a)(b)
資本を除く
金および債権
の保証金額 収益 配当金
2020 年 12 月 31 日
(A) (a)(b)
上場/ 保有持分の帳簿価額 (単位: (単位: (単位: (単位:
資本 株主持分 現在資本比率 前年度損益
非上場 (単位 : 千 ) (単位:千 ) (単位:% ) (単位:千ユーロ ) 千ユーロ ) 千ユーロ ) 千ユーロ ) (単位:千ユーロ ) 千ユーロ )
企業またはグループ 総額 純額
NATIXIS PAYMENT HOLDING
75013 パリ
ピエール・マンデス-フランス通り 30 230,141 EUR (7,662) EUR
非上場 100.00 % (13) (60,247)
NATIXIS NORTH AMERICA LLC
NY 10020 ニューヨーク
アベニュー・オブ・ザ・アメリカズ
1251 2,468,579 USD (329,491) USD
非上場 100.00 % (6,470) (34,375)
NATIXIS JAPAN SECURITIES CO., Ltd.
100-6226 東京都千代田区丸の内 1- 11
- 1 18,000,000 JPY 277,827 JPY
非上場 100.00 % 44,447 12,437
NATIXIS INNOV
75013 パリ
アウスターリッツ通り 47 150,060 EUR 5,849 EUR
非上場 100.00 % (927) (950)
NATIXIS ALG ÉRIE
16311 アルジェー
バブ・エズアール市 34/35 区
メルキュール・ビジネス地区
エル・クサール ビル
20,000,000 DZD 1,619,177 DZD
非上場 100.00 % 53,049 17,480
NATIXIS Pfandbriefbank AG
D-60322フランクフルト・アム・マイン
イム・トルツ・ フランクフルト 55
120,000 EUR 9,272 EUR
非上場 100.00 % 24,860 1,830
CONTANGO TRADING S.A.
75013 パリ
ピエール・マンデス-フランス通り 30 90,100 EUR (82,931) EUR
非上場 100.00 % (91,438) 11,232
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前年度の付加価値
付与済だが
保証金、
税を除く NBI または
未返済の貸出 2020 年度未
裏書その他
(a)(b)
資本を除く
金および債権
の保証金額 収益 収配当金
2020 年 12 月 31 日
(A) (a)(b)
上場/ (単位: (単位: (単位: (単位:
資本 株主持分 現在資本比率 保有持分の帳簿価額 前年度損益
非上場 (単位 : 千 ) (単位:千 ) (単位:% ) (単位:千ユーロ ) 千ユーロ ) 千ユーロ ) 千ユーロ ) (単位:千ユーロ ) 千ユーロ )
企業またはグループ 総額 純額
DF EFG3 LIMITED
KY1-1104 グランド・ケイマン
ウグランドハウス 私書箱 309
メープル・コーポレート・サービセ
ズ・リミテッド 85,000 USD (1,674) USD
非上場 100.00 % 3,492 3,492
NATIXIS PAYMENT SOLUTIONS
75013 パリ
ピエール・マンデス-フランス通り 30 53,559 EUR 132,485 EUR
非上場 100.00 % 333,017 47,799
NATIXIS INTER ÉPARGNE
75013 パリ
8,891 EUR 18,576 EUR
ピエール・マンデス-フランス通り30
非上場 100.00 % 100,256 20,039
B - その他の子会社および投資の開示
総額*
21 - フランス企業 (総計)
297,222 271,349 1,147,853 16,015 14,844
22 - 外国企業 (総計)
225,181 183,903 2,805,631 5,952,226 45,336
* うち A項に該当しない子会社および投資。
( A) 当期利益を除く。
( a) 2020 年度。
(b) Coface S.A. - 2019 年度。
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注記 10 自己株式 - 資産
平均
平均購入 売却または 売却 期末時点の 保有資本
(単位:ユーロ ) 購入株数 購入価格 価格 解約金額 売却価格 価格 株数 比率
2020 年1月1日現在 295,492,829 1,414,064,817 4.79 285,176,262 1,300,569,756 4.56 10,316,567 0.33%
価格安定化 41,906,873 126,327,541 3.01 (51,361,861) (128,724,647) 2.51
2020 年 12 月 31 日現在 337,399,702 1,540,392,358 4.57 336,538,123 1,429,294,403 4.25 861,579 0.03%
株式額面価額: 1.60 ユーロ。
注記 11 固定資産
2020年 度 2019 年度
(単位:百万ユーロ ) 総額 減価償却および償却 純額
総額 減価償却および償却 純額
営業固定資産 2,017 (1,790) 227
2,044 (1,835) 209
無形資産 1,413 (1,322) 91 1,403 (1,313) 90
有形固定資産 631 (513) 118 614 (477) 137
営業外固定資産 1 (1) 0 1 (1) 0
無形資産 0 0
有形固定資産 1 (1) 0 1 (1) 0
無形資産 1,413 (1,322) 91 1,403 (1,313) 90
有形固定資産 632 (514) 118 615 (478) 137
2020 年1月
2020 年 12 月 31
1日現在 日現在
取得 処分 その他
価額(総額)
営業無形資産 1,403 28 (18) (1) 1,413
のれん 865 0 0 0 865
ソフトウェア 503 8 (18) 9 502
その他の無形資産 36 20 0 (10) 46
営業有形固定資産 614 37 (15) (5) 631
土地および建物 195 12 (6) (1) 200
その他の有形固定資産 419 25 (9) (4) 431
営業外有形固定資産 1 0 0 0 1
土地および建物 1 1
その他の有形固定資産 0 0
合計 2,018 65 (33) (6) 2,045
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
2020 年1月
2020 年 12 月 31
1日現在 日現在
繰入れ 戻入れ その他
減価償却および償却
営業無形資産 (1,313) (27) 18 0 (1,322)
のれん (864) 0 (864)
ソフトウェア (449) (27) 18 (458)
その他の無形資産 0 0 0
営業有形固定資産 (477) (53) 14 3 (513)
土地および建物 (135) (21) 6 3 (147)
その他の有形固定資産 (342) (32) 8 (366)
営業外有形固定資産 (1) 0 0 0 (1)
土地および建物 (1) (1)
その他の有形固定資産 0 0
合計 (1,791) (80) 32 3 (1,836)
注記 12 未収勘定およびその他の資産
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
オプション 18,139
10,173
決済勘定 13 21
その他の債務者 19,037 27,596
在庫勘定およびその他の類似勘定 798 200
その他の資産 30,020 45,956
回収勘定
調整勘定 3,410 5,080
金融商品に係る利得 378 20
繰延費用および繰上返済 300 346
未収収益 268 397
その他の未収勘定 520 680
未収勘定 4,876 6,523
2020年12月31日 現在 、ナティクシスは分割または最終的に一括で支払うプレミアムを裏付けとする、購入または売却したオプションの
表示方法を変更した。
この変更 が 適用 され る前は、未収プレミアムおよび未払プレミアムの 金 額は 、それらが 関係する購入または売却したオプション に係る
項目 とは別に、貸借対照表上の 「 その他の債務者 」 および 「 その他の債権者 」 にそれぞれ 表示 され ていた。
これらのプレミアムはデリバティブ 商品と 切り離せないため、貸借対照表でのそれらの表示 が変更された。未収プレミアム および 未払
プレミアムの 金 額は現在、それらが関係する購入または売却したオプションの評価額に含め られ ている (注記2.16参照) 。
注記 13 インターバンク取引および類似取引
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
中央銀行預り金
*
119,541 99,615
金融機関預り金
要求払い 14,333 9,289
定期 105,208 90,326
インターバンク取引および類似取引 119,541 99,615
*うち レポ契約 40,178 31,009
*うち 未払 利息 51 101
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注記 14 顧客との取引
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
特別貯蓄口座 130
116
要求払い
定期 116 130
*
100,016 119,190
その他 の負債
要求払い 32,592 40,763
定期 67,424 78,427
顧客との取引 100,132 119,320
*うち 買戻契約 67,381 86,803
*うち 未払 利息 27 97
注記 15 債務証券
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
インターバンク市場証券および譲渡性債務証券 40,505
30,580
債券 21,566 21,936
債務証券 52,146 62,441
うち償却不能な株式プレミアム 242 416
注記 16 未払勘定およびその他の負債
(単位:百万ユーロ ) 2020年 度
2019年 度
その他の債権者 16,298 23,632
有価証券取引 20,606 85,143
うちトレーディング目的有価証券、借入有価証券に係る負債 0 66,577
うちトレーディング目的有価証券、有価証券に係るその他の負債 20,592 18,552
うち 未払 利息 14 14
売建てオプション 8,350 17,883
有価証券取引決済勘定 21
その他 の負債 45,254 126,679
凍結勘定 17 54
調整勘定および仮勘定 990 2,880
金融商品に係る損失 208 130
繰延収益および繰上返済 60 71
未払費用 690 951
その他の未払勘定 1,193 1,075
未払勘定 3,158 5,161
2020年12月31日 現在 、ナティクシスは分割または最終的に一括で支払うプレミアムを裏付けとする、購入または売却したオプションの
表示方法を変更した。
この変更 が 適用 され る前は、未収プレミアムおよび未払プレミアムの 金 額は 、それらが 関係する購入または売却したオプション に係る
項目 とは別に、貸借対照表上の 「 その他の債務者 」 および 「 その他の債権者 」 にそれぞれ 表示 され ていた。
これらのプレミアムはデリバティブ 商品と 切り離せないため、貸借対照表でのそれらの表示 が変更された。未収プレミアム および 未払
プレミアムの 金 額は現在、それらが関係する購入または売却したオプションの評価額に含め られ ている (注記2.16参照) 。
2020年12月31日 現在、 ナティクシス は ANC規則第2020-10号を初度適用し 、 貸借対照表上の有価証券の表示を 修正した (注記2および注
記2.16参照) 。
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注記 17 引当金および減損
2020年 1 月 2020年12月
為替換算
(単位:百万ユーロ )
1 日現在 31日現在
繰入れ 戻入れ 調整額 その他
資産から控除される減損引当金 (1,003) 489 43 2
(1,427) (1,896)
銀行 (48) 0 18 0 0 (30)
顧客 (991) (857) 409 37 (2) (1,404)
投資 (10) (12) 14 0 1 (7)
その他の長期投資 (20) (9) 12 0 0 (17)
子会社および関連会社に対する投資 (261) (117) 10 0 5 (363)
その他の有価証券および債務者 (97) (8) 26 6 (2) (75)
負債性引当金 2,264 114 (300) (52) (5) 2,021
従業員給付 237 103 (43) 0 (1) 296
オフバランス・コミットメント 49 19 (28) (1) (4) 35
カントリー・リスク 385 24 (82) (2) 0 325
個別の信用リスク 2 0 (1) 0 0 1
訴訟引当金 491 5 (2) (41) 0 453
セクター・リスク 220 159 (74) (8) 0 297
先渡金融商品に係るリスク 366 0 (310) 0 0 56
その他 514 96 (52) 558
2019年 1 月 為替換算 2019年12月
(単位:百万ユーロ )
1 日現在 繰入れ 戻入れ 調整額 その他 31日現在
資産から控除される減損引当金 (1,420) (578) 567 1 3 (1,427)
銀行 (48) 1 (1) (48)
顧客 (859) (482) 353 (6) 3 (991)
投資 (18) (1) 12 (3) (10)
その他の長期投資 (21) (2) 3 (20)
子会社および関連会社に対する投資 (393) (50) 171 8 3 (261)
その他の有価証券および債務者 (81) (43) 27 (97)
負債性引当金 2,192 445 (375) 12 (10) 2,264
従業員給付 397 45 (187) (18) 237
オフバランス・コミットメント 21 62 (35) 1 49
カントリー・リスク 269 131 (15) 385
個別の信用リスク 2 1 (1) 2
訴訟引当金 482 9 491
セクター・リスク 229 84 (94) 1 220
先渡金融商品に係るリスク 324 75 (33) 366
その他 468 47 (10) 2 7 514
NIT 紛争
なお、 2019 年 12 月 18 日、フランスの独占禁止機関である競争委員会( Autorité de la Concurrence )は、フランスの歴史ある食事券会
社4社に対して価格操作を理由に合計約 415 百万ユーロの罰金を科したと発表した。財務レベルでは、ナティクシスに科された罰金は
83.3 百万ユーロとなった(うち 4.4 百万ユーロは Natixis Intertitres が単独で科され、残りはナティクシスに連帯責任がある)。ナ
ティクシスはこの決定に対して異議を申し立てており、この決定への異議申立における抗弁において主張できる点が多数あると考えて
いる。こうした状況に鑑みて、 2019 年 12 月 31 日現在または 2020 年 12 月 31 日現在の財務諸表には、引当金は計上されていない。
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注記 18 従業員数および従業員給付
従業員数の変動
2020 年 12 月 31 日
2019 年 12 月 31 日
現在
現在
テクニカル・スタッフ 2,199
2,428
マネージャー 5,076 5,056
従業員数 7,504 7,255
退職後給付およびその他の長期従業員給付
主な数理計算上の仮定
2020年 度 2019年 度
退職後確定給付制度 その他の長期従業員給付
退職後確定給付制度 その他の長期従業員給付
補足的年金給
補足的年金給付等 退職時報酬 長期勤続報奨 その他
債務の種類別 付等 退職時報酬 長期勤続報奨 その他
割引率
0.38% 0.25% 0.05% (0.10)% 0.62% 0.45% 0.25% 0.33%
制度資産期待
運用収益
0.78% 2.90% 0.50% 1.56% 2.96% 0.50%
将来の給与上昇率は、従業員数を一定とし、3年間の平均を用いて等級別に見積もられる。平均値(インフレを含む。)は、 2019 年 12
月 31 日現在と変わらずで、 2020 年 12 月 31 日現在は 2.28 %であった。従業員がすべての給付を受けるための平均残余勤務年数は、 2019 年
12 月 31 日現在の 12.2 年に対して 12.0 年である。
従業員給付、制度資産および分離資産債務
20 20 年12月31日
20 19 年12月31日
(単位:百万ユーロ )
現在
現在
給付債務総額 511 492
制度資産の公正価値 (230) (248)
分離資産の公正価値 (62) (60)
正味債務額 219 184
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制度種類別正味債務額の内訳
2020年 度 2019 年度
退職後確定給付制度 その他の長期従業員給付
退職後確定給付制度 その他の長期従業員給付
退職時 長期勤続
退職時 長期勤続
補足的年金給
補足的年金給
付等 報酬 報奨 その他 合計
(単位:百万ユーロ )
付等 報酬 報奨 その他 合計
1月1日現在の給付債務
認識 正味債務額
36 24 31 63 154 39 40 32 88 199
未認識の 数理計算上の差
異
28 (10) (2) 3 19 0 (22) (2) 1 (23)
未認識の過去勤務費用
1 7 3 11 11 2 13
1月1日現在の正味債務
額合計
65 21 32 66 184 39 29 32 89 189
期中支払給付金
(3) (3) (1) (35) (42) (3) (6) (2) (41) (52)
期中権利給付金
1 7 3 17 28 1 6 3 19 29
利息費用
2 1 3 3 1 4
制度資産期待運用収益総
額
(3) (3) (6) (2) (3) (5)
管理報酬の変動
0 0
期中の基金への支払額
(1) (1) (2) (2)
支払報酬
0 0
期中に認識された制度の
修正
(10) 1 (9) 3 3
期中に認識された数理計
算上の差異
12 1 13 3 2 5
(a)
その他の項目
1 69 70 (3) (17) (3) (3) (26)
損益に計上された債務の
変動
(1) 3 2 52 56 (3) (16) 0 (25) (44)
その他の項目(連結範囲
の変更など)
0 0
認識されたその他の変動
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
給付債務に係る数理計算
上の差異
(13) 2 (11) 41 9 2 2 54
制度資産に係る数理計算
上の差異/運用収益
3 3 (10) (10)
その他の数理計算上の差
異
0 2 2
未認識の数理計算上の差
異の変動
(10) 2 0 0 (8) 31 11 2 2 46
期中に認識された制度の
修正
(10) (10) 1 1
その他の項目
0 (2) (2)
未認識のその他の変動
(10) 0 0 0 (10) 1 (2) 0 0 (1)
12 月 31 日現在の給付
債務
認識 正味債務額
35 28 33 115 211 36 24 31 63 154
未認識の数理計算上の差
異
6 (8) (2) 2 (2) 28 (10) (2) 3 19
未認識の過去勤務費用
1 6 3 10 1 7 3 11
12 月 31 日現在の正味債務
額合計
42 26 34 117 219 65 21 32 66 184
(a) 2020 年 12 月 31 日現在、タイム・セービング口座のもとで支払うべき金額 69 百万ユーロは「その他の長期給付」に含まれているが、 2019 年 12 月 31 日現在
では、これらは「短期給付」のもとで 64 百万ユーロ計上されていた。
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注記 19 劣後債務
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
期限付劣後債務 3,326
3,676
劣後債 726 726
劣後借入金 2,950 2,600
無期限劣後債務 2,108 2,201
配当参加権付借入金
劣後債 2,108 2,201
劣後借入金
未払 利息 26 27
5,810 5,554
劣後債務合計金額の 10 %を占める債務:
最初の償 最初の 劣後条
還日前の 償還日 株式に転 件(直
利払いの 利率と期 後の利 換できる 前の上
2020 年
発行日 満期日 通貨 発行額 頻度 間 率 2019 年 負債 位者)
Euribor 償還
2014 年 2026 年 毎四 3ヵ月物 条項 転換 無担保
6月 27 日 6月 27 日 EUR 900,000,000 半期 +2 % 無し 900,000,000.00 900,000,000.00 不能 債権者
償還
Euribor
2015 年 2027 年 毎四 3ヵ月物 条項 転換 無担保
7月 29 日 7月 29 日 EUR 1,000,000,000 半期 +230bp 無し 1,000,000,000.00 1,000,000,000.00 不能 債権者
永久超劣後債
ナティクシスは、ユニット保有者に固定利率または変動利率の収益を提供し、所定の期間経過後および各利払い応当日に償還できる永
久超劣後債を発行した。これら債券の一部について、当該期間経過時に償還しないときは、 Euribor または Libor に連動する変動クーポ
ンを支払うことになる。
超劣後債に係る契約条件の規定によると、発行体は利息の支払いを(全部または一部)一時停止することができ、未払いクーポンは繰
り延べられない。
損失吸収条項があるため、規制自己資本が所要水準を割り込んだときは、この証券の額面価額は減額され、利払い額を計算する新しい
基礎が設定される。ただし、一定の条件が満たされれば、当初の額面価額に回復する場合がある。
ナティクシスが清算される場合、その有価証券の当初の額面価額が減額されているかどうかを問わず、ユニット保有者は当初の額面価
額で自己の有価証券を保有することになる。
償還可能劣後債
ナティクシスが発行した償還可能劣後債には、通常劣後債と同等の中長期貸出金または有価証券が含まれる。これは、発行体が清算さ
れるときは契約上の満期日前に償還でき、他の債権者より支払い順位が低いが、超劣後債の保有者よりは順位が高い。
銀行監督機関が承認するときは、償還可能劣後債は、発行会社の主導で、株式市場で買い戻すか、または私募債の場合は店頭で買い戻
すことで、発行公告もしくは購入契約に定められている日以降、または現行の税規則および規制の変更時に、早期償還される場合があ
る。いずれの場合も、償還するには、銀行監督機関による承認を得なければならない。
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注記 20 規制引当金
減価 償却 可能 固定資産 公的資金
(単位:百万ユーロ ) 合計
再評価 準備 金 投資引当金 加速減価償却 の割当
2019 年1月1日現在 0 0 0 2
2
繰入れ 0
戻入 れ 0
その他 0
2019 年度の動き 0 0 0 0 0
2019 年 12 月 31 日現在の残高 0 0 0 2 2
2020 年1月1日現在 0 0 0 2 2
繰入れ 0
戻入 れ 0
その他 0
2020 年度の動き 0 0 0 0 0
2020 年 12 月 31 日現在の残高 0 0 0 2 2
注記 21 株式資本、発行プレミアム、準備金および利益剰余金
長期キャピタ
法定 別途 その他の
発行プレミ ル・ゲイン規
(単位:百万ユーロ )
資本 アム 準備金 積立金 制準備金 準備金 利益剰余金 合計
2019 年1月1日現在 5,040 7,426 533 1,210 0 2 1,625 15,836
2018 年度利益の処分 (617) (617)
株式無償割当 5 (5) 0
2019 年度の動き 5 0 0 (5) 0 0 (617) (617)
2019 年 12 月 31 日現在の残高 5,045 7,426 533 1,205 0 2 1,008 15,219
2020 年1月1日現在 5,045 7,426 533 1,205 0 2 1,008 15,219
2019 年度利益の処分 2,242 2,242
株式無償割当 5 (5) 0
2020 年度の動き 5 0 0 (5) 0 0 2,242 2,242
2020 年 12 月 31 日現在の残高 5,050 7,426 533 1,200 0 2 3,250 17,461
2020 年 12 月 31 日現在、株式資本は 3,155,951,502 株で構成され、各株式の額面は 1.60 ユーロであった。議決権がない自己株式を除き、株
式が保有者に付与している権利はすべて同じである。
2019 年度の増資は、従業員維持および業績報酬制度におけるナティクシスの一部の従業員への無償株式 2,789,890 株の割当によるもので
ある。
2020 年度の増資は、従業員維持および業績報酬制度におけるナティクシスの一部の従業員への無償株式 2,873,020 株の割当によるもので
ある。
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注記 22 子会社および関連会社との取引
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019 年度
資産
銀行預け金 52,861 46,595
顧客貸付金 35,334 31,290
債券およびその他の固定利付有価証券 3,317 3,602
株式およびその他の変動利付有価証券 3,341 3,354
負債
金融機関預り金 72,744 58,849
顧客預り金 24,158 30,085
債務証券 407 252
劣後債務 5,046 4,788
オフバランスシート
供与された貸出コミットメント:
・ 銀行
28,067 8,594
・ 顧客
10,277 7,201
代理として提供された保証
・ 銀行
5,120 6,132
・ 顧客
6,464 7,640
関連当事者間の取引に係る規則第 2014-07 号第 1124-61 条に基づき、関連当事者間の取引が報告範囲( 100 %子会社)外で実施されている
か、または通常の市場条件で実施されたため、ナティクシスには開示すべき追加情報はない。
注記 23 公的手続の管理に関連した資産、負債およびコミットメントに係る計算書
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
顧客との取引 886 852
資産合計 886 852
インターバンク取引および類似取引 46 46
顧客との取引 987 965
その他 の負債 8
公的資金割当 2 2
負債合計 1,043 1,013
注記 24 受取利息および類似収益
(単位:百万ユーロ )
2020年 度 2019年 度
受取利息および類似収益 5,596 7,683
インターバンク取引 1,694 3,271
顧客との取引 1,934 2,564
債券およびその他の固定利付有価証券 181 191
その他の受取利息および類似収益 1,788 1,657
支払利息および類似費用 (4,554) (6,866)
インターバンク取引 (1,271) (1,750)
顧客との取引 (641) (2,052)
債券およびその他の固定利付有価証券 (1,349) (1,551)
その他の支払利息および類似費用 (1,294) (1,513)
1,042 817
うち劣後債に係る支払利息は、 2019 年 12 月 31 日現在の (197) 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は (176) 百万ユーロであった。
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスは損益計算書におけるマイナス金利の表示を変更した。同金利は、次の項目に表示されている。
・ 金融資産に関するものであるときは「支払利息および類似費用」
・ 金融負債に関するものであるときは「受取利息および類似収益」
2019 年 12 月 31 日現在では、マイナス金利は金融資産および負債に係るプラスの金利を控除してそれぞれ表示されていた。
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注記 25 変動利付有価証券による収益
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
子会社および関係会社に対する投資 923
752
関連会社に対する投資およびその他の長期投資
株式およびその他の変動利付有価証券 5 8
合計 757 931
注記 26 報酬および手数料
2020年 度
2019年 度
(単位:百万ユーロ )
収益 費用 収益 費用
顧客との取引 368 (5) 425 (6)
有価証券取引 2 (170) 7 (122)
先渡金融商品 68 (46) 37 (146)
貸出および保証コミットメント 117 (74) 642 (620)
その他のオフバランス・コミットメント 113 (24) 89 (16)
外国為替取引 (8) (16)
その他の金融サービス 15 (11) 17 (33)
支払 サービス 32 (38) 35 (38)
付帯収益 7 6
その他 91 125
合計 811 (377) 1,383 (997)
注記 27 トレーディング・ポートフォリオ取引に係る利得
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
トレーディング目的で保有する有価証券に係る純利得/(損失) 5,237
(1,349)
外国為替取引に係る純利得/(損失) 430 136
先渡金融商品に係る純利得/(損失) 1,887 (3,839)
合計 968 1,534
注記 28 投資および類似のポートフォリオ取引に係る利得または損失
(単位:百万ユーロ ) 2020年 度
2019年 度
売却目的で保有する有価証券
処分に係る利得 59 41
処分に係る損失 (275) (39)
正味減損 (損失 )/戻入益 (40) 41
合計 (256) 43
注記 29 その他の銀行業による収益および費用
(単位:百万ユーロ ) 2020年 度
2019年 度
利益分配契約による費用 (1)
0
付帯的サービスからの収益 275 280
共同銀行事業からの収益の当行帰属分 5 4
銀行営業費用の振替 2 1
その他 (81) (65)
合計 200 219
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注記 30 営業費用
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
人件費 (1,339)
(1,225)
賃金および給料 (803) (916)
(a)
(287) (463)
社会保障費
インセンティブおよび利益分配制度 (30) (60)
所得税 (70) (72)
再請求費用 25 30
( b)
(60) 142
リスクに対する引当金およびその他の費用
その他の管理費用 (1,104) (1,220)
(c)
(209) (217)
租税公課
外部委託費 (1,031) (1,188)
再請求費用 137 185
有形固定資産および無形資産の減価償却、償却および減損 (80) (79)
費用 (80) (79)
合計 (2,409) (2,638)
(a) うち年金費用は、 2019 年 12 月 31 日現在の 198 百万ユーロ( IPA に関する 114 百万ユーロを含む)に対して 2020 年 12 月 31 日現在は 75 百万ユーロであった。
(b) 2020 年度は 70 百万ユーロのタイム・セービング口座に関する引当金、 2019 年度は 114 百万ユーロの IPA に関する引当金の戻入れを含む。
(c) 単一破綻処理基金( SRF )への拠出を含む。同基金への拠出は 2019 年 12 月 31 日現在の 166 百万ユーロに対して 2020 年 12 月 31 日現在は 160 百万ユーロで
あった。
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注記 31 リスク費用
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
資産項目に係る貸倒引当金繰入額 (303)
(675)
不良債権: (675) (286)
減損損失 (764) (393)
減損損失 戻入れ 349 268
補填損失 (265) (184)
非補填損失 (2) (2)
償却済貸倒債権の回収 7 25
有価証券: 0 (17)
減損損失 0 (24)
減損損失 戻入れ 25 14
補填損失 (25) (7)
負債項目に係る貸倒引当金繰入額 (17) (127)
カントリー・リスク およびセクター・リスク : (27) (106)
引当金繰入れ (183) (215)
引当金戻入れ 156 109
リスクおよび費用 : 10 (21)
引当金繰入れ (26) (66)
引当金戻入れ 36 45
合計 (694) (429)
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注記 32 固定資産に係る利得/(損失)
(a)
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
長期投資
関連会社に対する投資およびその他の長期投資 (110) 1,199
利得 11 1,164
損失 (19) (95)
減損損失 (138) (54)
減損損失 戻入れ 36 186
リスクおよびその他の費用引当金 (2) (2)
リスクおよびその他の費用引当金戻入れ 1 0
売却目的で保有する有価証券 0 0
利得 0 0
有形固定資産 および無形資産 0 59
合計 (110) 1,258
(a) うち専門金融サービス部門の BPCE への譲渡に係る純損益は、 2019 年 12 月 31 日現在で 1,100 百万ユーロであった。
注記 33 法人所得税
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
標準税率による税金 (45)
(11)
軽減税率による税金
税額控除 14 13
連結納税の影響 217 229
その他の項目 (9) (77)
繰戻し
合計 211 121
税額計算
ナティクシス・グループにおける連結納税の合意は中立原則に基づくものであり、これにより各子会社は、あたかも連結されてないか
のように自らの税額を決定し、グループとしての税金に拠出を行う。
連結により実現した節税および費用削減は、ナティクシスが親会社としてその認識を行う。
親会社に移転された損失については、法人税還付引当金が設定され、子会社が黒字化した場合に発生するグループとしての税金の追加
負担額を相殺するとみなされ、子会社の税金拠出額は前年度の損失額分減額される。
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注記 34 地域別情報
2020 年度 2019 年度
南北ア
南北ア
その他の欧
その他の
メリカ
メリカ
(a)
(a)
(単位:百万ユーロ )
フランス 州 大陸 アジア その他 合計
フランス 欧州 大陸 アジア その他 合計
受取・支払利息
および類似収
益・費用 471 228 121 218 4 1,042 381 268 (184) 351 2 818
変動利付有価証
券からの収益 730 1 26 757 931 931
受取・支払報酬
および手数料 138 62 202 31 1 434 32 55 242 56 2 387
投資およびト
レーディング・
ポートフォリオ
取引からの正味
収益 591 78 (2) 36 9 712 1,862 (294) 2 (3) 9 1,576
その他の銀行業
に係る収益・費
用 212 3 (9) (7) 0 200 213 9 (1) (3) 0 218
正味収益合計 2,142 372 338 278 14 3,145 3,419 38 59 401 13 3,930
(a) 英国を含む。
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注記 35 オフバランスシート項目-先渡金融商品
(単位:百万ユーロ )
2020年 度名目
2019年 度名目
組織的市場取引 335,787
269,680
先渡取引 269,680 333,624
オプション 0 2,163
店頭取引 4,963,630 3,811,367
先渡取引 4,444,705 3,283,545
オプション 518,925 527,822
金利商品 5,233,310 4,147,154
組織的市場取引 583 60
先渡取引 583 60
オプション
店頭取引 251,666 285,800
先渡取引 42,163 35,585
オプション 209,503 250,215
外国為替商品 252,250 285,860
組織的市場取引 106,988 144,559
先渡取引 37,195 43,041
オプション 69,793 101,518
店頭取引 192,486 225,302
先渡取引 124,557 141,608
オプション 67,929 83,694
その他の金融商品 299,474 369,861
うち ヘッジ
・ 金利商品 35,418 26,265
・ 外国為替商品 23 3
・ その他の金融商品 2,386 2,721
うちマクロ・ヘッジ 122,221 171,974
うち分離している未決済残高 351 309
取引相手方リスク・エクスポージャー
(a)
取引相手方リスク・エクスポージャー
政府および中央銀行 10,269
金融機関 24,525
その他 16,229
合計 51,023
(a) 現行のバーゼル3基準に基づいて計算したエクスポージャー。
リスク管理に関する情報は、第3章第 3.2.3 節「信用リスクと取引相手方リスク」(訳者注:原文の章および節)に記載されている。
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先渡金融商品の公正価値
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
金利商品
プラスの公正価値 38,612 43,866
マイナスの公正価値 33,684 41,496
外国為替商品
プラスの公正価値 9,742 12,736
マイナスの公正価値 10,493 12,525
その他の金融商品
プラスの公正価値 5,561 4,463
マイナスの公正価値 6,326 6,284
注記 36 オフバランスシート項目-コミットメント
(単位:百万ユーロ )
2020年 度
2019年 度
貸出コミットメント 81,064
108,439
銀行 48,423 23,348
顧客 60,016 57,716
保証コミットメント 29,202 35,126
銀行 7,861 9,451
顧客 21,341 25,675
有価証券に関するコミットメント 9,117 9,321
その他のコミットメント 20,008 23,862
供与コミットメント合計 166,765 149,373
貸出コミットメント 46,623 34,470
銀行 44,162 33,748
顧客 2,461 722
保証コミットメント 8,937 9,402
銀行 8,937 9,402
有価証券に関するコミットメント 7,702 8,480
その他のコミットメント 7,726 13,950
受取コミットメント合計 70,988 66,302
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注記 37 外国為替取引、外貨建ての貸出および借入
(単位:百万ユーロ) 2020年 度
2019年 度
スポット取引
購入したが未受領の通貨 18,499 16,192
売却したが未引渡の通貨 18,287 16,715
外国通貨貸借
貸与したが未引渡の通貨
借用したが未受領の通貨
通貨先物およびオプション
ユーロ受領予定/通貨引渡予定 414,644 416,628
通貨受領予定/ユーロ引渡予定 433,633 473,765
通貨受領予定/通貨引渡予定 237,676 246,285
通貨引渡予定/通貨受領予定 237,461 246,251
プレミアム/ディスカウント受領予定 1,656 3,253
プレミアム/ディスカウント支払予定 1,403 2,602
注記 38 期限別業務およびリソース
合計
(単位:百万ユーロ )
3ヶ月 以下 3ヶ月~1年 1~5 年 5 年 超 無期限
銀行 貸出 金 35,405 18,949 11,324 15,336 0
81,014
顧客との取引 70,246 12,111 26,538 14,440 809 124,144
債券およびその他の固定利付有価証券 1,904 1,215 4,448 2,608 0 10,175
資産 107,555 32,275 42,310 32,384 809 215,333
銀行預り金 71,193 18,823 26,176 3,349 119,541
顧客との取引 93,385 1,240 2,208 3,299 100,132
債務証券 23,725 7,498 3,773 17,150 52,146
リソース 188,303 27,561 32,157 23,798 0 271,819
注記 39 フランス一般税法第 238-0A 条の定義の範囲内の非協力的な国または地域における組織
および事業
フランス の通貨金融法第 L.511 - 45 条および 2009 年 10 月 6日省令は、銀行に対し、財務諸表注記においてフランスと不正行為および納税
忌避への対処を目的とする行政支援協定を締結していない国および地域における組織および事業に関する情報開示を要求しており、こ
れにより銀行情報が入手可能となっている。
上記の義務は、 OECD の様々なワーキング・グループや首脳会談の業務に基づく税務事項に関して非協力的な地域に対する世界的な働き
かけの一部であり、またマネー・ロンダリングやテロリストに対する資金供与に対する取組の一部でもある。
非協力的な国におけるナティクシス子会社および支店の監視は、リスク機能により監督されるナティクシスのリスク監視プロセスの不
可欠な一部である。本プロセスには、以下が関わっている。
・ 中央リスク管理部門に機能的に連結している現地のリスク責任者/機能
・ 現地の制約を順守するとともに、グループ全体のリスク要件を遵守する特定の報告手続
上記に定める条項に基づき、ナティクシスは 2020 年 12 月 31 日現在以下のポジションがあることをここに報告する。
・ パナマにおいて、 66 百万ユーロの貸付残高(引当金控除後)および 78 百万ユーロの供与された貸出コミットメントを有している。
・ バハマ諸島において、 264 百万ユーロの貸付残高(引当金控除後)を有している。
・ オマーンにおいて、 426 百万ユーロの貸付残高(引当金控除後)、2百万ユーロの供与された金融保証および 157 百万ユーロの供与
された貸出コミットメントを有している。
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過去5事業年度分の会社の財務成績
(フランス会社法第 133 条、 135 条および 148 条)
2020年 度
カテゴリー 2016年 度 2017 年度 2018 年度 2019 年度
期末現在の財政状態
5,019,319,328.00 5,019,776,380.80 5,040,461,747.20 5,044,925,571.20 5,049,522,403.20
株式資本
3,137,074,580 3,137,360,238 3,150,288,592 3,153,078,482 3,155,951,502
発行済株式数
0 0 0 0 0
株式で償還可能な債券の数
0 0 0 0 0
株式に転換可能な債券の数
有効な経営に係る全体的成績
20,911,153,316.23 24,812,396,935.44 31,465,230,299.13 23,040,275,032.80 26,296,468,149.97
税引後収益
税金、減価償却、償却および
1,061,747,058.72 1,058,912,618.73 1,610,377,425.74 2,205,278,559.53 369,564,682.90
引当金控除前利益
364,623,914.40 255,217,927.59 269,538,633.33 120,723,077.77 211,515,956.27
法人 所得税
税金、減価償却、償却および
1,621,448,753.36 1,678,182,285.17 1,834,308,793.77 2,242,111,898.15 142,691,880.31
引当金控除後利益
(a)
1,097,976,103.00 1,160,823,288.06 2,457,225,101.76 0.00 189,357,090.12
配当金分配額
1株当たりの経営成績
税金後、減価償却、償却およ
0.45 0.42 0.60 0.74 0.18
び引当金控除前利益
税金、減価償却、償却および
0.52 0.53 0.58 0.71 0.05
引当金控除後利益
0.35 0.37 0.78 0.00 0.06
1 株当たり配当金
従業員
7,387 7,513 7,462 7,255 7,504
従業員数
878,011,680.00 899,121,895.31 916,160,105.76 916,358,847.83 801,847,788.90
人件費総額
社会保障費およびその他の従
388,380,689.14 503,004,737.45 421,145,026.49 523,163,629.26 317,843,440.76
業員給付
(a) うち、 2018 年度に関しては:
- 普通配当が 945,086,577.60 ユーロ
- 特別配当が 1,512,138,524.16 ユーロ
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2 【主な資産・負債及び収支の内容】
「第6 1財務書類」の「連結財務諸表注記」および「親会社財務諸表注記」を参照のこと。
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3 【その他】
(1) 後発事象
財務書類の監査を終了した事業年度末以降、本書の他の箇所に記載した内容以外に、当行グループの財務
状態および営利状況における重要な変更はない。
(2) 訴訟
本書提出日現在、「第3 事業の状況-2 事業等のリスク- (2) リスク管理- (i) 法的リスク」に記載
したもの以外に、当行は重要な訴訟に関与していない。
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4 【フランスと日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
(1) 日本と IFRS との会計原則の相違
添付の当行グループの連結財務諸表は、欧州連合が採用した IFRS に準拠して作成されている。こ
れらは日本において一般に公正妥当と認められた会計原則(以下「日本基準」という。)とは、い
くつかの点で異なる。直近期の財務諸表に関する主な相違点は以下のとおりである。
1) 連結の範囲
IFRS では、連結財務諸表には、親会社およびグループによって支配されている会社(一定の特別
目的事業体(以下「 SPE 」という。)を含む。)(すべての子会社)ならびに共同支配企業に対す
る持分についての財務諸表が含まれている。
「支配」は、親会社がその事業体の活動からの便益を得るためにその事業体の財務および経営に
関する方針を左右するパワーを有する場合に存在し、一般的には議決権の過半数を保有することに
より生じる。企業が他の企業体に対して支配できるパワーを有しているか否かを判断するにあた
り、他社により保有されているものを含め、現時点で行使可能または転換可能な潜在的議決権の存
在を考慮している。
企業が SPE を実質的に支配している場合には、当該 SPE は当該企業に連結される。
2012 年 12 月 11 日、ヨーロッパ委員会は、 IFRS 第 10 号「連結財務諸表」を採用した。これにより、
IAS 第 27 号「連結及び個別財務諸表」のうち連結財務諸表にわたる部分ならびに特別目的事業体に
関する SIC 第 12 号は、 IFRS 第 10 号により置き換えられた。同基準は、組成された企業(ストラク
チャード・エンティティ)であるか否かを問わず、すべての事業体に対して同一の支配モデルを適
用することを規定している。事業体に対する支配は、同時に充足されるべき3つの要件(関連する
事業活動に対する支配、当該事業体の変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利および当
該事業体の得る変動リターンに影響を及ぼす能力)を用いて分析されることになる。同基準は、
2014 年1月1日から開始する報告期間において遡及的に強制適用された。
日本基準では、企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基
準により連結範囲が決定され、支配されている会社の財務諸表は連結される。他の企業の財務上ま
たは営業上もしくは事業上の意思決定機関を支配している場合には、親会社は当該他の企業に対し
て支配権を有しているといえる。潜在的議決権は考慮されていない。ただし、子会社のうち支配が
一時的であると認められる企業、または連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるお
それのある企業については、連結の範囲に含めないこととされている。また、非連結子会社および
重要な影響力を与えることができる会社(関連会社)については、持分法の適用範囲に含める。な
お、日本でも、連結財務諸表上、共同支配投資企業は、共同支配企業に対する投資について持分法
を適用する。
日本基準ではまた、特別目的会社については、企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計
基準」および企業会計基準適用指針第 22 号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決
定に関する適用指針」において、特別目的会社が、適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を
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当該特別目的会社が発行する証券の所有者に享受させることを目的として設立され、当該特別目的
会社の事業がその目的に従って適切に遂行されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した
企 業から独立しているものと認め、当該特別目的会社に資産を譲渡した企業の子会社に該当しない
ものと推定され連結の対象となっていない。ただし、このように連結の範囲に含まれない特別目的
会社については、企業会計基準適用指針第 15 号「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指
針」に基づき、当該特別目的会社の概要、当該特別目的会社を利用した取引の概要、当期に行った
当該特別目的会社との取引金額または当該取引の期末残高等の一定の開示を行うことが、特別目的
会社に資産を譲渡した会社に求められている。
2) 会計方針の統一
IFRS では、連結財務諸表は、類似の状況における同様の取引および事象に関し、統一された会計
方針を用いて作成される。グループのメンバーが、類似環境下で行われた同様の性質の取引等に関
して連結財務諸表で採用している会計方針とは異なるものを使用している場合、連結財務諸表作成
時に適切な修正が行われる。
日本基準では、連結財務諸表を作成する場合、同一環境下で行われた同一の性質の取引等につい
て、親会社および子会社が採用する会計方針は、原則として統一しなければならない。ただし、実
務対応報告第 18 号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」に
より、在外子会社の財務諸表が IFRS または米国会計基準に準拠して作成されている場合、および国
内子会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告
書により開示している場合には、一定の項目の修正(のれんの償却、退職給付会計における数理計
算上の差異の費用処理、研究開発費の支出時費用処理、 IFRS に基づく投資不動産の時価評価および
IFRS に基づく固定資産の再評価、資本性金融商品の公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に
表示する選択をしている場合の組替調整)を条件に、これを連結決算手続上利用することができ
る。
関連会社については、企業会計基準第 16 号「持分法に関する会計基準」により、同一環境下で行
われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む。)および持分法を適用する被
投資会社が採用する会計方針を原則として統一することと規定されている。ただし、実務対応報告
第 24 号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外関連会社の財務諸表
が IFRS または米国会計基準に準拠して作成されている場合、および国内関連会社が指定国際会計基
準または修正国際基準に準拠した連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合
については、当面の間、実務対応報告第 18 号で規定される在外子会社等に対する当面の取扱いに準
じて行うことができる。
3) 他の企業への関与の開示
IFRS では、 IFRS 第 12 号「他の企業への関与の開示」に従い、次の事項に関する開示が要求されて
いる。
(a) 重大な判断および仮定(支配、共同支配および重要な影響力等を決定する際に行った重大
な判断および仮定)
(b) 子会社への関与(企業集団の構成、非支配持分が企業集団の活動およびキャッシュ・フ
ローに対して有している関与、企業集団の資産へのアクセス等に対する重大な制限の内容
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および程度、連結した組成された企業への関与に関連したリスクの内容、所有持分の変
動)
(c) 共同支配の取決めおよび関連会社への関与(共同支配の取決めおよび関連会社への関与の
内容、程度および財務上の影響、ならびに当該関与に関連したリスク)
(d) 非連結の組成された企業への関与(非連結の組成された企業への関与の内容および程度、
ならびに当該関与に関連したリスクの内容および変動)
日本では、上記に関して包括的に規定する会計基準はないが、連結の範囲に含まれない特別目的
会社に関する開示や、企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、連結の範
囲に含めた子会社、非連結子会社に関する事項その他連結の方針に関する重要な事項およびこれら
に重要な変更があったときは、その旨およびその理由について開示することが要求されている。
4) 企業結合
IFRS では、すべての企業結合は取得法で会計処理することが要求されている(共同支配の取決め
自体の財務諸表における共同支配の取決めの形成の会計処理、共通支配下の企業または事業の結
合、および事業を構成しない資産または資産グループの取得を除く。)。子会社の支配を獲得した
取得日に、のれんと区別して、その識別可能な資産および負債は一般的に支配獲得日の公正価値に
より、また非支配持分を連結財務諸表に計上する。
日本基準では、すべての企業結合(共同支配企業の形成および共通支配下の取引を除く。)は
パーチェス法(取得法に類似する方法)で会計処理することが要求されている。パーチェス法によ
る会計処理では、企業結合の対価は公正価値で測定される。
5) のれんの当初認識と非支配持分の測定方法
IFRS では、取得企業は、次の (a) が (b) を超過する額として測定される取得日時点ののれんを認識
する。
(a) 次の総計:
(i) 移転された対価(通常は取得日における公正価値)
(ii) 被取得企業のすべての非支配持分の金額
(iii) 段階的に達成される企業結合の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企業
の資本持分の取得日における公正価値
(b) 取得した識別可能な資産および引き受けた負債の取得日における正味の金額
IFRS 第3号(改訂)では、非支配持分の認識について次の2つの方法のうちいずれかの方法の選
択適用が認められている。
a) 非支配持分を取得日に公正価値により測定する。 ( いわゆる、全部のれんアプローチ )
b) 非支配持分は被取得企業の識別可能資産の純額の価値に対する持分割合により測定する。
( いわゆる、購入のれんアプローチ )
日本基準では、のれんは、企業または事業の取得原価が、取得した資産および引き受けた負債に
配分された純額に対する持分相当額を超過する額として算定される ( いわゆる、購入のれんアプ
ローチ ) 。 子会社の資産および負債は取得日において公正価値により測定され、非支配株主持分は
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取得日における純資産の公正価値の非支配株主持分割合相当額により認識される ( いわゆる、全面
時価評価法 ) 。
6) のれんの償却
IFRS では、のれんは償却されず、年1回もしくは事象や状況の変化が減損の可能性を示唆する場
合はより頻繁に、減損テストが実施される。
日本基準では、のれんは 20 年以内のその効果が及ぶ期間にわたり定額法その他の合理的方法によ
り規則的に償却され、必要に応じて減損処理の対象となる。ただし、金額に重要性が乏しい場合に
は、当該のれんが生じた事業年度の費用として処理することができる。
また、負ののれんについては、企業会計基準第 21 号「企業結合に関する会計基準」に従い、その
発生が見込まれる場合には、取得企業は、すべての識別可能資産および負債が把握されているか、
また、それらに対する取得原価の配分が適切に行われているかを見直す。その見直し後もなお負の
のれんが生じる場合には、当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理する。
7) 段階取得
IFRS では、段階取得による企業結合の場合、支配獲得前に保有していた被取得企業に対する持分
を取得日における公正価値により再評価し、再評価差額は純損益に認識する。さらに、取得企業が
被取得企業への持分の価値の変動をその他の包括利益に認識していた場合には、その認識額につい
ては取得企業が従来から保有していた持分を直接処分する場合に求められる会計処理と同じ基準に
より認識される。
非支配持分の測定については、上記「のれんの当初認識と非支配持分の測定方法」を参照のこ
と。
日本基準では、連結財務諸表上、支配を獲得するに至った取引のすべてについて、企業結合日の
公正価値で取得原価を算定する。当該取得原価と、支配獲得までの個々の取引の原価合計との差額
は損益とする。非支配株主持分の測定については、上記「のれんの当初認識と非支配持分の測定方
法」を参照のこと。
8) 金融商品の分類および測定
IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」により、金融資産および金融負債を以下のように分類し、測
定することが要求されている。
金融資産については、金融資産の管理に関する企業の事業モデルおよび金融資産の契約上の
キャッシュ・フローの特性の両方に基づき、以下のように事後測定するものに分類しなければなら
ない。
(a) 償却原価で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローを回収することを保有目的とす
る事業モデルの中で保有され、契約条件により元本および元本残高に対する利息の支払のみ
であるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
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(b) その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定するもの: 契約上のキャッシュ・フローの回
収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有され、契約条件により元本
および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場
合。
(c) 純損益を通じて公正価値で事後測定するもの: 上記以外の場合。
ただし、企業は、当初認識時に、売買目的保有または企業結合における取得者によって認識され
る条件付対価ではない資本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益に表示するという
取消不能の選択を行うことができる。
金融負債(公正価値オプションおよび負債であるデリバティブ等を除く)については、償却原価
で事後測定するものに分類しなければならない。
また IFRS 第9号では、会計上のミスマッチを除去または大幅に低減するなどの一定の要件を満た
す場合、当初認識時に金融資産および金融負債を、純損益を通じて公正価値で測定するものとして
取消不能の指定をすることができる(公正価値オプション)。
日本基準では、企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産および金融
負債は以下のように測定される。
・ 売買目的有価証券は、公正価値で測定し、公正価値の変動は損益認識される。
・ 満期保有目的の債券は取得原価または償却原価で測定される。
・ その他有価証券(売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式
以外の有価証券)は、公正価値で測定し、公正価値の変動額は、 (a) 純資産に計上され、売
却、減損あるいは回収時に損益計算書へ計上される、もしくは (b) 個々の証券について、公
正価値が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、それぞれ次の方法によ
る。
(a) 社債その他の債券の貸借対照表価額は、取得原価または償却原価から貸倒引当金を控
除した金額とする。
(b) 社債その他の債券以外の有価証券は取得原価をもって貸借対照表価額とする。
なお、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券についての取扱いは、企業会
計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準」等の適用開始に合わせて削除される。同会計
基準等の適用開始以降は、改正企業会計基準第 10 号により、市場価格のない株式等につい
て、取得原価をもって貸借対照表価額とすることが求められる。
・ 貸付金および債権は取得原価または償却原価から貸倒引当金を控除した金額で測定される。
・ 金融負債は債務額で測定される。ただし社債については償却原価法に基づいて算定された価
額で評価される。
日本では、 IFRS で認められる公正価値オプションに関する規定はない。
9) 公正価値測定
IFRS では、 IFRS 第 13 号「公正価値測定」は、一定の場合を除き、他の IFRS が公正価値測定または
公正価値測定に関する開示(および、売却コスト控除後の公正価値のような、公正価値を基礎とす
る測定または当該測定に関する開示)を要求または許容している場合に適用される。 IFRS 第 13 号で
は、公正価値を「測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受
け取るであろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格」と定義している。また、
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IFRS 第 13 号は、公正価値の測定に用いたインプットの性質に基づき3つの階層に分類し、公正価値
測定を当該階層別に開示することを求めている。
日本では、 2019 年7月4日に企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準」およびその適
用指針である企業会計基準適用指針第 31 号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」ならびに関
連する基準および適用指針の改正(合わせて「本会計基準等」)が公表され、 2021 年4月1日以後
開始する連結会計年度および事業年度の期首からの適用が求められており、早期適用も認められて
いる。本会計基準等は IFRS 第 13 号の定めを、市場価値のない株式等を取得原価をもって貸借対照表
価額とすることを除き、概ね取り入れている。ただし、これまで我が国で行われてきた実務等に配
慮し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で、個別項目に対するその他の取扱いを
定めている。なお、本会計基準等は、 (1) 改正企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」
における金融商品および (2) 改正企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」におけ
るトレーディング目的で保有する棚卸資産を対象としている。
本会計基準等が公表されるまでは、時価の算定(公正価値測定)について包括的に規定する会計
基準はなく、各会計基準において時価の算定方法が個別に定められていた。金融商品の時価につい
ては、企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」において、時価とは公正な評価額をい
い、市場価格に基づく価額、市場価格がない場合には合理的に算定された価額と定義されていた。
また、評価技法に用いるインプットのレベルに基づき時価を分類することは求められていなかっ
た。
10) 金融資産の減損
IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」に従い、償却原価で事後測定される金融資産またはその他の
包括利益を通じて公正価値で事後測定される金融資産、リース債権、契約資産、純損益を通じて公
正価値で事後測定されないローン・コミットメントおよび金融保証契約について、予想信用損失に
対する損失評価引当金を認識しなければならない。その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定
される金融資産に係る損失評価引当金はその他の包括利益に認識し、財政状態計算書における当該
金融資産の帳簿価額を減額してはならない。
各報告日における金融商品に係る損失評価引当金は、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識
以降に著しく増大している場合には、全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、当該金融商品
に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、 12 ヶ 月の予想信用損失に等し
い金額で測定しなければならない。
各報告日において、企業は、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどう
かを評価しなければならない。この評価を行う際に、企業は、予想信用損失の金額の変動ではな
く、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生のリスクの変動を用いなければならな
い。この評価を行うために、企業は、報告日現在での当該金融商品に係る債務不履行発生のリスク
を当初認識日現在での当該金融商品に係る債務不履行発生のリスクと比較し、当初認識以降の信用
リスクの著しい増大を示す、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
を考慮しなければならない。
予想信用損失の測定に当たっては、次のものを反映する方法で見積もらなければならない。
・ 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・ 貨幣の時間価値
・ 過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコ
ストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
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報告日現在の損失評価引当金を IFRS 第9号に従って認識が要求される金額に修正するために必要
となる予想信用損失(または戻入れ)の金額は、減損利得または減損損失として、純損益に認識す
る ことが要求される。
日本では、企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」および関連する指針に従い、満期
保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式ならびにその他有価証券のうち、時価を把握する
ことが極めて困難と認められる金融商品以外のもの(企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会
計基準」等の適用開始以降は、「時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品以外のも
の」は「市場価格のない株式等以外のもの」)について時価が著しく下落したときは、回復する見
込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失とし
て処理しなければならない。時価を把握することが極めて困難と認められる株式(企業会計基準第
30 号の適用開始以降は、「市場価格のない株式等」)については、発行会社の財政状態の悪化によ
り実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額をし、評価差額は当期の損失として処理する。
また、営業債権・貸付金等の債権については、債務者の財政状態および経営成績等に応じて債権を
3つ(一般債権、貸倒懸念債権および破産更生債権等)(金融機関では5つ)に区分し、区分ごと
に定められた方法に従い貸倒見積高を算定する。
また日本では、減損の戻入は、株式について禁止されているだけでなく、満期保有目的の債券お
よびその他有価証券に分類されている債券についても認められていない。貸付金および債権につい
ても、直接減額を行った場合には、減損の戻入益の計上は認められていない。
11) 金融資産の認識の中止
IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」に従い、 (1) 資産から生じるキャッシュ・フローに対する契
約上の権利が消滅した時、または (2) 金融資産を譲渡し、かつ (a) 企業が金融資産の所有に係るリス
クと経済価値のほとんどすべてが他の当事者に移転した時、もしくは (b) 企業がリスクと経済価値
のほとんどすべてを移転も保持もしないが金融資産に対する支配を保持していない場合、当該金融
資産の認識を中止する。企業がリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しないが保持もせず、譲
渡された資産を支配し続ける場合には、企業は資産に対する留保持分と関連して支払う可能性があ
る負債を認識する。企業が、譲渡された金融資産のほとんどすべてのリスクと経済価値を保持して
いる場合には、企業は金融資産の認識を継続する。
日本基準では、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が第三者に移転しているかどうかの判
断に基づいて、当該金融資産の認識の中止がなされる。
12) 金融商品の分類変更
IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」に従い、金融資産の管理に関する事業モデルを変更した場合
にのみ、影響を受けるすべての金融資産を同基準に定める分類方法に従って分類変更することが求
められている。金融負債の分類変更を行うことは認められていない。
日本では、企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」に従い、売買目的または売却可能
(その他有価証券)から満期保有目的への分類変更は認められず、売買目的から売却可能(その他
有価証券)への分類変更については、正当な理由がある限られた状況(トレーディング業務の廃止
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を決定した場合に、売買目的として分類していた有価証券をすべて売却可能(その他有価証券)に
分類変更することができる。)においてのみ認められている。
13) ヘッジ会計
IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」において、ヘッジに関する方針の文書化等のヘッジ会計の要
件を満たした場合に、以下の3つのヘッジ関係に基づいて会計処理される。
(a) 公正価値ヘッジ:認識されている資産もしくは負債または未認識の確定約定(あるいはそうし
た項目の構成要素)の公正価値の変動のうち、特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響す
る可能性があるものに対するエクスポージャーのヘッジ。ヘッジ対象の特定のリスクに起因す
る公正価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は、ともに純損益に認識される。ただし、公
正価値の変動をその他の包括利益に表示することを企業が選択した資本性金融商品に対する公
正価値ヘッジの場合には、ともにその他の包括利益に認識される。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ:認識されている資産もしくは負債または可能性の非常に高い予
定取引の全部または構成要素に係る特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性が
あるものに対するキャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーのヘッジ。ヘッ
ジ手段の利得または損失の有効部分はその他の包括利益に直接認識され、非有効部分は純損益
に認識される。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ:在外営業活動体に対する純投資のヘッジ。有効な
ヘッジと判断されるヘッジ手段から生じる為替換算差額は、その他の包括利益に直接認識さ
れ、非有効部分については純損益に認識される。
日本では、企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」に従い、ヘッジ会計の方法は、原
則として、時価評価されているヘッジ手段に係る損益または評価差額を、ヘッジ対象(相場変動等
による損失の可能性がある資産または負債で、予定取引により発生が見込まれる資産または負債も
含まれる)に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰り延べる方法(繰延ヘッジ)によ
る。ただし、現時点ではその他有価証券のみを適用対象として、ヘッジ対象に係る相場変動等を損
益に反映させることにより、その損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する方法
(時価ヘッジ)の適用も認められている。在外営業活動体に対する純投資に対するヘッジに関して
は、企業会計審議会公表の「外貨建取引等会計処理基準」および関連する実務指針において、 IFRS
と概ね同様の会計処理が認められている。
また、ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要件が満たされている場合には、ヘッジ手段
に生じた損益のうち結果的に非有効となった部分についても、ヘッジ会計の対象として繰延処理を
行うことができる(なお、合理的に区分できる非有効部分については当期の純損益に計上すること
ができる)。
資産または負債に係る金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップ
が、金利変換の対象となる資産または負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元
本、利息の受払条件および契約期間が当該資産または負債とほぼ同一である場合には、金利スワッ
プを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産または負債に係る利息に加減する「特例処
理」が認められている。また、ヘッジ会計の要件を満たす為替予約等については、当分の間、為替
予約等により確定する決済時における円貨額により外貨建取引および金銭債権債務等を換算し直物
為替相場との差額を期間配分する方法(「振当処理」)によることができる。
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14) 退職後給付
IFRS では、確定給付制度においては、制度負債は、予測単位積増方式を用いた数理計算に基づき
測定され、制度負債と同様の期間および同様の通貨の優良社債の直接利回りを反映した金利で割引
かれている。制度資産は、公正価値で測定されている。当該制度の資産が負債を超える場合は資産
( 超過額 ) として、不足する場合は負債 ( 不足額 ) として、それぞれ貸借対照表に計上されている。各
貸借対照表日においては、制度資産および確定給付制度債務は再測定される。損益計算書において
は、以下を除く利得または損失の変動を反映する:退職給付制度への拠出および制度から支払われ
る退職給付ならびに企業結合および再測定後の利得および損失。再測定された利得および損失は、
数理計算上の差異および制度資産からの収益(確定給付負債または資産の純額に係る利息純額に含
められた金額を除く)および資産上限額の影響の変動(確定給付負債または資産の純額に係る利息
純額に含まれる金額を除く)からなる。再測定された金額は、その他の包括利益に計上される。
利益または損失として認識される年金費用(収入)の金額は、制度資産の原価に含めることが他
の IFRS で要求されているか、または、認められている場合を除いて、以下の個々の構成要素に含ま
れる。
・ 勤務費用(当期中の従業員の勤務により生じる、確定給付制度債務の現在価値の増加)
・ 利息費用の純額(確定給付制度債務の割引による戻入分および制度資産からの理論的な収
益)
確定給付制度が積立超過の場合には、確定給付資産の純額を次のいずれか低い方で測定する。
・ 当該確定給付制度の積立超過
・ 制度からの返還または制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値(資
産上限額)
日本基準では、企業会計基準第 26 号「退職給付に関する会計基準」および企業会計基準適用指針
第 25 号「退職給付に関する会計基準の適用指針」に従って、退職給付見込額について全勤務期間で
除した額を各期の発生額とする方法(期間定額基準)と、給付算定式基準のいずれかを選択適用す
ることとされている。
日本では、割引率は、安全性の高い債券の利回りを基礎として決定するが、これには、期末にお
ける国債、政府機関債および優良社債の利回りが含まれ、いずれも選択可能である。また、割引率
等の計算基礎に一定の重要な変動が生じていない場合には、割引率を見直さないことが認められて
いる。制度資産に係る利息収益(長期期待運用収益)は、期首の年金資産の額に合理的に予想され
る収益率(長期期待運用収益率)を乗じて算定する。確定給付資産の上限はない。
また、遅延認識が認められており、原則として各期の発生額について平均残存勤務期間内の一定
の年数で按分した額を毎期費用処理する。数理計算上の差異の当期発生額のうち費用処理されない
部分(未認識数理計算上の差異)および過去勤務費用の当期発生額のうち費用処理されない部分
(未認識過去勤務費用)についてはいずれも、連結財務諸表においては、その他の包括利益に計上
する。また、その他の包括利益累計額に計上された未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務
費用のうち、当期に費用処理された部分については、その他の包括利益の調整(組替調整)を行
う。
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15) 株式に基づく報酬
IFRS では、 IFRS 第2号「株式に基づく報酬」がすべての株式に基づく報酬取引に適用され、持分
決済型、現金決済型および現金選択権付きの株式に基づく報酬取引の3つが規定されている。
(a) 持分決済型の株式に基づく報酬取引:受け取った財またはサービスおよびそれに対応する
資本の増加を、原則として受け取った財またはサービスの公正価値で測定する。従業員お
よび他の類似サービス提供者との取引において受け取ったサービスについては、付与した
資本性金融商品の付与日現在の公正価値で測定する。
(b) 現金決済型の株式に基づく報酬取引:受け取った財またはサービスおよび発生した負債
を、当該負債の公正価値で測定する。
(c) 現金選択権付きの株式に基づく報酬取引:株式に基づく報酬取引または当該取引の構成要
素を、現金(または他の資産)で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決
済型の株式に基づく報酬取引として、そのような負債が発生していない場合にはその範囲
で持分決済型の株式に基づく報酬取引として、会計処理される。
また持分決済型取引に関して、ストック・オプション等の公正価値と予想される権利確定数に基
づいて費用計上額を認識した後は、権利確定後に失効した場合でも費用の戻入等の処理は行われ
ず、認識される株式に基づく報酬費用の総額に影響は生じない。
日本でも、企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に基づき、ストッ
ク・オプションの付与日から権利確定日までの期間にわたり、付与日現在のストック・オプション
の公正な評価額に基づいて報酬費用が認識され、対応する金額は資本(純資産の部の新株予約権)
に計上される。
ただし、同基準の適用範囲は持分決済型株式報酬に限定されており、現金決済型取引等について
は特段規定がなく、実務上は発生時に費用(負債)処理される。また、同基準では、権利確定後に
失効した場合には失効に対応する新株予約権につき利益計上(戻入)を行う等、 IFRS と異なる処理
が定められている。
16) 有給休暇引当金
IFRS では、改訂 IAS 第 19 号「従業員給付」に従って、有給休暇引当金を計上することが要求され
ている。日本基準においては、該当する規定はない。
17) リース
IFRS では、 IFRS 第 16 号「リース」が、リースを「資産(原資産)を使用する権利を一定期間にわ
たり対価と交換に移転する契約または契約の一部分」と定義し、顧客が使用期間全体を通じて次の
両方を有している場合にこれを満たすとしている。
(a) 特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利
(b) 特定された資産の使用を指図する権利
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IFRS 第 16 号は、期間が 12 ヶ 月超のすべてのリースについて、資産および負債を認識することを借
手に要求している(原資産が少額の場合を除く)。借手は、リース対象の原資産の使用権を表す使
用権資産およびリース料の支払義務を表すリース負債を認識することを要求される。
借手は、使用権資産をその他の非金融資産 ( 有形固定資産等 ) と同様に、リース負債をその他の金
融負債と同様に測定する。その結果、借手は使用権資産の減価償却費およびリース負債に係る利息
を認識する。リースから生じる資産および負債は当初現在価値ベースで測定する。この測定には、
解約不能なリース料(インフレに連動する料金を含む)が含まれる。また、借手がリースを延長す
るオプションを行使する、またはリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実で
ある場合には、オプション期間に行われる支払も含まれる。
日本では、企業会計基準第 13 号「リース取引に関する会計基準」が、リース取引を、「特定の物
件の所有者たる貸手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利
を与え、借手は、合意された使用料を貸手に支払う取引」と定義している。借手は、リース取引を
ファイナンス・リース取引とそれ以外の取引(オペレーティング・リース取引)に区分し、ファイ
ナンス・リース取引について、財務諸表に資産計上し、対応するリース債務を負債に計上する。
ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをいい、ファイ
ナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであ
るとしている。ただし、解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね 75 %以上、また
は解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと
仮定した場合の合理的見積金額の概ね 90 %以上のいずれかに該当する場合は、ファイナンス・リー
スと判定される。リース資産およびリース債務の計上額を算定するにあたっては、原則として、
リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額
を控除する方法による。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法によ
り配分する。再リースに係るリース料は、企業会計基準適用指針第 16 号「リース取引に関する会計
基準の適用指針」に基づき、借手が再リースを行う意思が明らかな場合を除き、リース料総額に含
めない。ファイナンス・リースは、借手の財務諸表に資産計上され、対応するリース債務が負債に
計上される。なお、オペレーティング・リース取引、および少額(リース契約1件当たりのリース
料総額が 300 万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース)または短期(1年以内)のファイナ
ンス・リースについては、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
18) 無形資産および有形固定資産の減損
IFRS では、各報告日において、有形固定資産または無形資産の減損の兆候の有無について評価し
ている。そのような兆候が存在する場合、会社は当該資産の回収可能価額および減損損失を見積ら
なければならない。のれんおよび耐用年数を特定できない無形資産については、年1回もしくは事
象や状況の変化が減損の兆候を示す場合はより頻繁に、減損テストが実施される。無形資産(のれ
んを除く。)または有形固定資産に係る減損損失の戻入は、回復の都度、認識されている。ただ
し、増加した帳簿価額は、減損損失計上前の帳簿価額を超えてはならない。なお、のれんに係る減
損損失の戻入は行われない。
日本基準では、「固定資産の減損に係る会計基準」に従い、資産の減損の兆候が認められ、かつ
割引前将来キャッシュ・フローの総額( 20 年以内の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると
見積られる場合において、回収可能価額(正味売却価額と使用価値(継続的使用と使用後の処分に
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よって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額)と帳簿
価額の差額につき減損損失を計上する。減損損失の戻入は認められない。
19 )投資不動産
IFRS では、 IAS 第 40 号「投資不動産」に従い、投資不動産の当初認識後の評価方法として以下の
いずれかを選択できる。
(a) 公正価値モデル
投資不動産は公正価値で測定され、公正価値の変動は発生した期の純損益に認識される。
(b) 原価モデル
原価モデルでは、投資不動産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除
して測定することが要求される( IFRS 第5号「売却目的で保有する非流動資産および非継
続事業」に従い、売却目的保有に分類する(または売却目的保有に分類される処分グルー
プに含まれる)要件に合致するものを除く)。原価モデルを選択した場合には、投資不動
産の公正価値を開示する。
日本では、投資不動産についても、通常の有形固定資産と同様に取得原価に基づく会計処理を行
う(原価モデルを適用)。また、企業会計基準第 20 号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計
基準」に従い、賃貸等不動産を保有している企業は以下の事項を注記することが求められている。
(a) 賃貸等不動産の概要
(b) 賃貸等不動産の貸借対照表計上額および期中における主な変動
(c) 賃貸等不動産の当期末における時価およびその算定方法
(d) 賃貸等不動産に関する損益
20) 引当金の計上基準
IFRS では、以下の要件すべてを満たす場合に認識しなければならない。
・ 企業が過去の事象の結果として現在の債務(法的または推定的)を有している。
・ 当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高い。
・ 当該債務の金額について信頼性のある見積りができる。
貨幣の時間価値による影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の
現在価値としなければならない。
日本基準では、以下のすべてを満たす場合に認識しなければならない。
・ 将来の特定の費用または損失である。
・ その発生が当期以前の事象に起因する。
・ 発生の可能性が高い。
・ その金額を合理的に見積もることができる。
日本基準においては、「現在の債務」であることが明確に要請された規定は無い。また、引当金
について割引計算について該当する一般的な規定はない。
21 )金融保証契約
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IFRS では、 IFRS 第9号「金融商品」に従い、金融保証契約については、純損益を通じて公正価値
で測定する金融負債に指定した場合、または金融資産の譲渡が認識の中止の要件を満たさない場合
もしくは継続的関与アプローチが適用される場合に生じる金融負債に該当する場合を除いて、当初
は公正価値で計上し、当初認識後は予想信用損失に対する損失評価引当金の金額と、当初認識額か
ら IFRS 第 15 号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識された収益の累計額を控除した
金額とのいずれか高い方の金額で事後測定することが要求されている。
日本では、金融資産または金融負債の消滅の認識の結果生じる債務保証を除いて、保証を当初よ
り公正価値で貸借対照表に計上することは求められていない。保証に起因して、将来の損失が発生
する可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合には、債務保証損失引当金を
計上する。銀行の場合には、第三者に負う保証債務は偶発債務として額面金額を支払承諾勘定に計
上し、同時に銀行が顧客から得る求償権を偶発債権として支払承諾見返勘定に計上する。関連する
貸倒引当金も計上される。
22) コミットメント・フィー
IFRS では、コミットメント・フィーは、融資枠残高に対する割合により決定されている。融資枠
が使用される可能性が低い場合、この手数料は融資枠の契約期間にわたり損益として認識され、そ
の他の場合は、貸付が実行されるまで繰延べられ、実行の際に実効金利に対する調整として認識さ
れている。
日本基準では、コミットメント・フィーは、発生主義に基づき、当期に対応する部分を収益とし
て認識する。
23) 賦課金
IFRIC 第 21 号「賦課金」では、企業は、法令によって賦課金の支払の契機となる活動が生じた時
点においてのみ当該支払を負債認識する。債務発生事象が一定期間にわたって生じる場合には、負
債は当該期間にわたって徐々に認識される。賦課金を支払う義務が、一定の閾値に達した時に発生
する場合には、当該負債はその閾値に達した時点においてのみ認識される。
日本では、 IFRIC 第 21 号のような賦課金に関する特段の規定はない。
24) 収益認識
IFRS では、 IFRS 第 15 号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、約束した財またはサービスの
顧客への移転を当該財またはサービスと交換に企業が権利を得ると見込む対価の額で描写するよう
に収益を認識することが要求されており、この中心となる原則に従って収益を認識するために、以
下の5つのステップを適用する。
ステップ1: 顧客との契約を識別する。
本会計基準の要求事項は顧客と合意され、かつ、所定の要件を満たす契約のそれぞ
れに適用される。
ステップ2: 契約における履行義務を識別する。
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契約は、顧客に財またはサービスを移転する約束を含んでいる。それらの財または
サービスが別個のものである場合には、当該約束が履行義務であり、区分して会計
処 理される。
ステップ3: 取引価格を算定する。
取引価格とは、約束した財またはサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得
ると見込んでいる契約における対価の金額である。取引価格は固定金額の顧客の対
価である場合もあるが、変動対価または現金以外の形態の対価を含む場合もある。
ステップ4: 契約における履行義務に取引価格を配分する。
契約において約束した別個の財またはサービスのそれぞれの独立販売価格の比率に
基づき、各履行義務に取引価格を配分する。独立販売価格が観察可能でない場合に
は、当該独立販売価格を見積る。
ステップ5: 履行義務を充足した時にまたは充足するにつれて収益を認識する。
約束した財またはサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時に、
または充足するにつれて、充足した履行義務に配分された額で収益を認識する。財
またはサービスが移転するのは、顧客が当該財またはサービスに対する支配を獲得
した時(または獲得するにつれて)である。履行義務は、一時点で充足される場合
(顧客に財を移転する約束の場合に一般的)もあれば、一定の期間にわたり充足さ
れる場合(顧客にサービスを移転する約束の場合に一般的)もある。
IFRS 第 15 号はまた、契約獲得の増分コストに関する要求事項も含み、本人なのか代理人なのかの
検討等に関する適用指針を提供している。
日本では、 2018 年3月 30 日に企業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基準」およびその適用
指針である企業会計基準適用指針第 30 号「収益認識に関する会計基準の適用指針」(合わせて「本
会計基準等」)が公表され、 2021 年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から
の適用が求められており、早期適用も認められている。本会計基準等は、 IFRS 第 15 号の基本的な
原則を取り入れることを出発点とし、これまで日本で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある
場合には、比較可能性を損なわせない範囲で代替的な取扱いを追加することを基本的な方針として
開発が行われている。
本会計基準等が公表されるまでは、収益認識に関する包括的な会計基準は存在せず、従来より企
業会計原則の実現主義の原則に基づき収益を認識するとされている。物品販売については実務上、
出荷基準が広く採用されている。また、割賦販売については販売基準以外に回収基準・回収期限到
来基準も容認されている。ただし、企業会計基準第 29 号においては、割賦販売について回収基準・
回収期限到来基準を適用することは認められない。
25) 繰延税金
(a) 繰延税金資産の回収可能性
IFRS では、 IAS 第 12 号「法人所得税」に基づき、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じ
る可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について繰延税金資産を認識しなければなら
ない。近年に損失が発生した経歴があるときは、企業は、税務上の繰越欠損金または繰越税額控除
より発生する繰延税金資産を、十分な将来加算一時差異を有する範囲内でのみ、または税務上の繰
越欠損金もしくは繰越税額控除の使用対象となる十分な課税所得が稼得されるという他の信頼すべ
き根拠がある範囲内でのみ認識する。
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日本では、企業会計基準適用指針第 26 号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に詳細
な規定があり、収益力、タックス・プランニングおよび将来加算一時差異の解消に基づき、各一時
差異の解消のスケジューリング等を考慮して、繰延税金資産の回収可能性を判断することが求めら
れ ている。収益力に基づく判断に際しては、過去3年間と当期の課税所得等の要件に基づき企業を
5つに分類し、当該分類に応じて、回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定する。
(b) 内部取引の未実現利益の消去に係る税効果
IFRS では、 IAS 第 12 号「法人所得税」に基づき、内部取引の未実現利益の消去に係る税効果は、
資産負債法に基づき、一時差異が発生している資産を保有する買手の税率により繰延税金資産を測
定する。買手では、未実現利益の消去により発生する将来減算一時差異も含め、すべての将来減算
一時差異についての繰延税金資産の回収可能性を判断する。
日本では、 JICPA 会計制度委員会報告第6号「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指
針」に基づき、また、 2018 年4月1日以後開始する連結会計年度から企業会計基準適用指針第 28 号
「税効果会計に係る会計基準の適用指針」に基づき、内部取引の未実現利益の消去に係る一時差異
に対しては、例外的に繰延法に基づき売却元の税率を使用する。また、未実現利益の消去に係る一
時差異は、売却元の売却年度の課税所得の額を上限とする。
26) 負債と資本の区分
IFRS では、 IAS 第 32 号「金融商品:表示」に基づき、当初認識時に、契約の実質、ならびに金融
負債、金融資産および資本性金融商品の定義に従い、金融負債、金融資産または資本性金融商品に
分類する。
日本では、会社法上の株式として発行された金融商品は、純資産の部に計上される。転換社債型
新株予約権付社債については、企業会計基準適用指針第 17 号「払込資本を増加させる可能性のある
部分を含む複合金融商品に関する会計処理」において、一括して負債とするか、社債と新株予約権
に区分して負債と純資産の部にそれぞれ表示することが定められている。
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(2) 日本とフランスとの単体の会計原則の相違(フランスの単体の会計原則に係るもの)
添付のナティクシス・エス・エーの個別財務諸表は、フランスの金融機関が適用している会計原
則に従って作成されている。これらは日本の会計原則とは、いくつかの点で異なる。直近期の財務
諸表に関する主な相違点は以下のとおりである。
1) 資産の減損
フランスの会計原則では、貸付金および債権に関して、延滞貸付金は、借手が契約条件の一部ま
たはすべてを遵守しないリスクがあると銀行が考えているような貸付金として定義される。これ
は、 (a) 1回またはそれ以上の約定返済の不履行期間が3ヶ月(不動産貸付金の場合は6ヶ月、地
方自治体に対する貸付金の場合は9ヶ月)超の貸付金や、 (b) 法的手続が既に開始されている貸付
金、あるいは (c) デフォルトが発生していなくとも、銀行にとって回収可能性にリスクがあると思
われる借手に対する貸付金が該当する。特定の貸付金が延滞貸付金に分類された場合、当該貸付金
の債務者に対するその他のあらゆる貸付金およびコミットメントは、自動的に同じ分類となる。
フランスの会計原則では、償却可能な固定資産については、決算日時点で潜在的な減損の兆候が
ないかどうかを確認するため、減損テストを行う。非償却資産については、毎年減損テストが行わ
れる。減損の兆候がある場合には、新たな回収可能額と帳簿価額を比較する。資産の減損が発見さ
れた場合、減損損失が損益計算書および貸借対照表で認識される。この損失は、見積回収可能額に
変更があった場合、あるいは減損の兆候がなくなった場合に戻し入れが行われる。
フランスの会計原則に基づく資産の使用価値は、日本の会計原則における割引後将来キャッ
シュ・フローと類似している。また、資産の公正価値の最善の証拠は、 ( ⅰ ) 拘束力のある売買契約
における価格、 ( ⅱ ) 市場価格、 ( ⅲ ) 決算日現在、取引の知識がある自発的な当事者の間で独立第三
者間取引条件による資産の売却から得られる金額について、事業体が入手することのできる最善の
情報とされている。一度認識された減損損失は、その後当該資産(のれんを除く)の減損の理由が
存在しなくなったか減少した場合には、戻し入れられる。
日本の会計原則では、固定資産の減損に関する会計基準として、「固定資産の減損に係る会計基
準」が適用されている。当該基準では、長期性資産の割引前見積将来キャッシュ・フローが帳簿価
額より低い場合に、当該帳簿価額と回収可能価額の差額が減損損失として計上される。減損損失の
戻入れは禁止されている。
貸付金および債権については、債務者の財政状態および経営成績等に応じて債権を3つ(一般債
権、貸倒懸念債権および破産更生債権等。金融機関では5つ)に区分し、区分ごとに定められた方
法に従い貸倒見積高を算定する。
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2) 有価証券
フランスの会計原則では、「有価証券」という用語は、 ( ⅰ ) 銀行間市場で取引される有価証券、
( ⅱ ) 財務省証券や譲渡性預金、 ( ⅲ ) 債券およびその他の固定利付証券 ( 固定金利であるか変動金利
であるかを問わない ) 、ならびに ( ⅳ ) 株式およびその他の変動利付証券を意味する。
CRC 規則第 2014-07 号の適用により、有価証券は以下のとおり分類される。
( ⅰ ) 「トレーディング勘定の有価証券」
このカテゴリーには、短期間で売却するか買戻すことを目的に売買する有価証券や、マーケット・
メイキング業務の結果として保有している有価証券が含まれる。これらの有価証券は、活発な市場
で取引可能であり、かつ市場価格が正常な競争環境で定期的に行われる実際の取引の価格を反映し
ている場合、市場価格で評価される。これら有価証券の市場価格の変動は、損益計算書および貸借
対照表に認識される。
( ⅱ ) 「売却可能有価証券」
このカテゴリーには、その他のカテゴリーのいずれにも分類されない有価証券が含まれる。株式、
債券およびその他の固定利付証券は、取得原価 ( 未収利息を除く ) と、推定市場価値 ( 通常、株式市
場価格に基づき決定される ) のうちいずれか低い方の価額で評価される。
( ⅲ ) 「中期的に売却可能な持分証券」は、長期的な利益獲得を念頭においた発行体の事業開発への
投資ではなく、中期的な利益獲得を念頭に置いたポートフォリオ管理を目的とする投資で構成され
る。これらの有価証券は、取得原価と公正価値のうちいずれか低い方の価額で銘柄ごとに計上され
る。
( ⅳ ) 「満期保有目的証券」は、既定の満期がある固定利付証券 ( 主に債券、銀行間市場で取引され
る有価証券、財務省証券やその他譲渡性預金 ) のうち、満期まで保有するという当行の意思がある
ものに関連している。これらの有価証券の取得原価と償還価格の差額は、利息法を用いて損益計算
書に認識される。貸借対照表では、当該証券の残存期間にわたり、当該証券の帳簿価額がその償還
価額まで償却される。
( ⅴ ) 「その他長期投資」は、当行が、発行体の経営に積極的に参加することではなく、発行体と特
別な関係を築くことにより長期的な事業関係の構築を促進することを意図しながら、長期的視点で
十分な利益を獲得することを目的に長期保有する意図を持っているような株式および関連商品であ
る。この種の有価証券は、取得原価と公正価値のいずれか低い方の価額で銘柄ごとに計上される。
( ⅵ ) 「関連会社に対する資本持分および投資」は、当行が経営に対する重要な影響力を持っている
関連会社に対する投資や、当行の事業開発上戦略的意図を持った投資を含む。当該影響力は、当行
が少なくとも 10 %の所有持分を保有している場合に存在するものとみなされる。この種の有価証券
は、取得原価と公正価値のいずれか低い方の価額で銘柄ごとに計上される。
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信用リスクが発生した場合、「売却可能」または「満期保有目的」のポートフォリオ内で保有す
る固定利付証券は、貸付金および債権ならびにコミットメントに適用される基準と同じ基準に基づ
き、延滞貸付金に分類される。取引先リスクにさらされている有価証券が延滞貸付金に分類され、
関連引当金の額を個別に特定できる場合、対応する費用は「リスク費用」に含まれる。
日本の会計原則では、有価証券は経営者の保有目的およびその能力により以下のように分類およ
び会計処理される。
( ⅰ ) 売買目的有価証券
短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有される。時価で計上され、評価差額は当
期の損益として計上される。
( ⅱ ) 満期保有目的の債券
満期まで保有する積極的な意思とその能力に基づいて、満期までの保有が見込まれる債券。償却原
価法に基づいて算定された価額で計上される。
( ⅲ ) 子会社株式および関連会社株式
子会社株式および関連会社株式は、個別財務諸表では取得原価で計上される。
( ⅳ ) その他有価証券
上記のいずれにも分類されない有価証券。時価で計上され、評価差額は、税効果を調整の上、純
資産の部に計上される。
その他有価証券で時価を把握することが極めて困難と認められるものについては取得原価で計上
される。
著しい時価の下落が生じた場合には、有価証券の帳簿価額は時価まで減額され、かかる評価差額
は当期の損失として処理される。
3) 自己株式
フランスの会計原則では、自己株式は資産として計上され、必要に応じて引当金の設定対象とな
る。従業員割当を目的として取得された自己株式は、市場価格に基づく減損の対象とはならない。
日本の会計原則では、自己株式は取得原価により、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式とし
て一括して控除する形式で表示される。
4) 年金その他の退職後給付
フランスの会計原則では、法定財務諸表上に年金およびその他の退職後給付を認識することは要
求されていない。しかし、 CNC 緊急委員会意見書 2000-A およびプランコンタブルジェネラル第 335-1
条の適用により、退職後給付を法定財務諸表上に認識することを選択することができる。
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日本の会計原則では、個別財務諸表と連結財務諸表の両方において退職後給付を認識することが
要求されている。
5) リスク費用引当金
フランスの会計原則では、銀行取引と無関係な項目に対する当該引当金は、以下の場合に限り計
上できる。
- 期末日において第三者に対する債務を有している場合
- 第三者へ経済的資源を提供しなければならない可能性が高い場合
- かつ見返りとして提供物と同等の経済的便益を当該第三者から得られる見込みがない場合
日本の会計原則では、将来の特定の費用または損失について、その発生が当期以前の事象に起因
し、発生の可能性が高く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、当期の負担に属する
金額を当期の費用または損失として引当金に繰り入れる。
6) 法人所得税の会計処理
フランスの会計原則では、繰延税金資産および負債の計上は選択可能であるが、当期税金は認識
する必要がある。当行は個別財務諸表では、繰延税金資産および負債の計上の選択はしておらず、
当期税金のみ認識している。
日本の会計原則では、税金費用は税引前利益に基づいて計上され、個別財務諸表と連結財務諸表
の両方において繰延税金の計上が行われる。
7) デリバティブ
フランスの会計原則では、金利、為替、株式先物の売買目的取引およびヘッジ取引に係るコミッ
トメントは、オフバランス・シート項目として当該契約の想定元本額で計上される。適用される会
計方針は金融商品の種類および当初の取引目的により異なる。
先物取引
金利スワップおよび類似契約(金利先渡契約、カラー取引など)は当初の取引目的により次のよ
うに分類される。
・ ミクロヘッジ(個別ヘッジ)
・ マクロヘッジ(貸借対照表全体が対象)
・ 投機的ポジション/独立オープンポジション
・ 売買目的ポートフォリオと併せて利用
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上記の最初の2つのカテゴリーについての受け払い金額は、期間按分して純損益に認識する。独
立オープンポジションの基準を満たす先物契約の利得および損失は、金融商品の種類に応じて、当
該先物契約が決済された時点か、または当該先物契約期間にわたり純損益に計上する。特定資産運
用契約として分類される契約は、カウンターパーティー・リスクおよび将来の維持管理費の現在価
値を斟酌するための割引を適用した上で再構築コスト法または債券相当アドオン方式を用いて測定
される。ある会計期間から次の会計期間までの価値の変動は、損益計算書において直ちに認識す
る。
オプション
オプションの原資産の想定元本額は、ヘッジ目的の契約と資本市場売買取引の一環としての契約
に区分されて認識される。
金利オプション、為替オプション、またはエクイティ・オプションについては、支払ったプレミ
アムまたは受領したプレミアムは仮勘定に認識する。組織化された市場または類似の市場で取引さ
れたオプションは、年度末に評価され純損益に認識される。店頭オプション (OTC )は、キャピタ
ル・ロスについては引当金が認識されるが、未実現利得については認識しない。
ヘッジ手段の収益および費用は、ヘッジ対象から発生する収益および費用と対称になるように認
識する。
日本の会計原則では、スワップ、先物、先渡およびオプション等のデリバティブ取引は公正価値
で測定される。再評価に係る利得または損失は、適格なヘッジ手段として指定されていない限り損
益計算書に損益として認識される。
日本の会計原則では、文書化およびヘッジの有効性に関する一定の適格要件が満たされているこ
とを条件として、ヘッジ会計の適用が認められている。ヘッジ会計においては、ヘッジ手段の再評
価に係る利得および損失は、ヘッジ対象の利得または損失が損益計算書に認識されるまで、原則と
して、純資産の部において繰延べられる。一定の条件下では、ヘッジ対象およびヘッジ手段双方の
再評価に係る利得または損失を、同一の会計期間に、損益計算書において認識することができる。
複合金融商品に含まれる組込デリバティブについては通常、一定の条件を満たす場合に、主契約
から分離され、金融資産または負債として公正価値で測定される。再評価に係る利得または損失
は、損益計算書に損益として認識される。
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第7 【外国為替相場の推移】
ユーロと本邦通貨との間の為替相場は、最近5年間において、国内において時事に関する事項を掲載する
2以上の日刊新聞紙に掲載されているため、本項の記載を省略する。
第8 【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当事項なし。
第9 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
該当事項なし。
2 【その他の参考情報】
当該事業年度の開始日から本書提出日までの期間において提出された書類および提出日は以下のとおりで
ある。
(1) 発行登録書および添付書類 提出日: 2020 年5月 25 日
(2) 有価証券報告書および添付書類 提出日: 2020 年6月 10 日
(3) 臨時報告書および添付書類 提出日: 2020 年8月7日
(4) 訂正発行登録書(上記 (1) の訂正) 提出日: 2020 年8月 11 日
(5) 半期報告書および添付書類 提出日: 2020 年9月 30 日
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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
第1 【保証会社情報】
該当事項なし。
第2 【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第3 【指数等の情報】
1 【当該指数等の情報の開示を必要とする理由】
(1) 当行の発行している有価証券
1) ナティクシス 2021 年6月 21 日満期 円建 早期償還条項付 ノックイン型 225 連動 デジタル・クーポン社
債(満期償還額 225 連動型)
2) ナティクシス 2021 年7月 12 日満期 期限前償還条項付 日経平均株価連動デジタルクーポン 円建社債
3) ナティクシス 2021 年 12 月1日満期 円建 早期償還条項付 日経平均株価連動社債
4) ナティクシス 2021 年 12 月1日満期 円建 早期償還条項付 日経平均株価・ S&P500 複数指数連動社債
5) ナティクシス 2022 年7月 25 日満期 円建 早期償還条項付 ノックイン型 225 連動 デジタル・クーポン社
債(満期償還額 225 連動型)
6) ナティクシス 2022 年 12 月2日満期 円建 早期償還条項付 日経平均株価・ S&P500 複数指数連動社債
7) ナティクシス 2021 年6月 18 日満期 期限前償還条項付 日経平均株価参照 円建社債(ノックイン 65 )
8) ナティクシス 2021 年6月 18 日満期 期限前償還条項付 日米2指数参照 円建社債(ノックイン 60 )
9) ナティクシス 2021 年7月 12 日満期 期限前償還条項付 日経平均株価連動 円建社債
10) ナティクシス 2023 年7月 10 日満期 期限前償還条項付 日経平均株価・ S&P500 複数株価指数連動デジタ
ルクーポン 円建社債
11) ナティクシス 2023 年7月 10 日満期 期限前償還条項付 日経平均株価・ S&P500 複数株価指数連動3段デ
ジタルクーポン 円建社債
12) ナティクシス 2023 年 10 月 25 日満期 円建 早期償還条項付 ノックイン型 225 連動 デジタル・クーポン社
債(満期償還額 225 連動型)
13) ナティクシス 2021 年 10 月 15 日満期 期限前償還条項付 日経平均株価参照 円建社債(ノックイン 65 )
14) ナティクシス 2021 年 10 月 15 日満期 期限前償還条項付 日米2指数参照 円建社債(ノックイン 60 )
(2) 理由
上記 7) 、 9) および 13) の社債は、その条件に従い、満期償還額および早期償還の有無が日経平均株価の水準
により決定されるため、日経平均株価についての開示を必要とする。
上記 4) 、 6) 、 10) および 11) の社債は、その条件に従い、利率、早期償還の有無および満期償還額が日経平
均株価および S&P500 の水準により決定されるため、日経平均株価および S&P500 についての開示を必要とす
る。
上記 1) 、 2) 、 3) 、 5) および 12) の社債は、その条件に従い、利率、早期償還の有無および満期償還額が日経
平均株価の水準により決定されるため、日経平均株価についての開示を必要とする。
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上記 8) および 14) の社債は、その条件に従い、満期償還額および早期償還の有無が日経平均株価および
S&P500 により決定されるため、日経平均株価および S&P500 についての開示を必要とする。
(3) 内容
1) 日経平均株価
東京証券取引所市場第一部に上場されている選択された 225 銘柄の株価指数である日経平均株価(日経
225 )をいい、かかる指数は株式会社日本経済新聞社により計算および公表される。
2) S&P500
S&P500 指数として S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス・エル・エル・シーが計算し、公表している値
をいう。
2 【当該指数等の推移】
(1) 日経平均株価の過去の推移(終値ベース)
( 単位:円 )
年別 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
最近5年間の
最高 19,494.53 22,939.18 24,270.62 24,066.12 27,568.15
年別最高・最低値
最低 14,952.02 18,335.63 19,155.74 19,561.96 16,552.83
月別 2020 年7月 2020 年8月 2020 年9月 2020 年 10 月 2020 年 11 月 2020 年 12 月
最近6ヶ月の
最高 22,945.50 23,296.77 23,559.30 23,671.13 26,644.71 27,568.15
月別最高・最低値
最低 21,710.00 22,195.38 23,032.54 22,977.13 23,295.48 26,436.39
出典:ブルームバーグ・エルピー
(2) S&P500 の過去の推移(終値ベース)
( 単位:ポイント )
年別 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
最近5年間の
最高 2,271.72 2,690.16 2,930.75 3,240.02 3,756.07
年別最高・最低値
最低 1,829.08 2,257.83 2,351.10 2,447.89 2,237.40
月別 2020 年7月 2020 年8月 2020 年9月 2020 年 10 月 2020 年 11 月 2020 年 12 月
最近6ヶ月の
最高 3,276.02 3,508.01 3,580.84 3,534.22 3,638.35 3,756.07
月別最高・最低値
最低 3,115.86 3,294.61 3,236.92 3,269.96 3,310.24 3,647.49
出典:ブルームバーグ・エルピー
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
連結財務諸表に対する法定監査人の監査報告書
( 2020 年 12 月 31 日に終了した年度)
株主総会御中
ナティクシス
75013 パリ市ピエール・マンデス-フランス通り 30 番地
監査意見
株主総会で私たちに委託された契約に則り、私たちは 2020 年 12 月 31 日に終了した年度のナティクシス・グ
ループの添付の連結財務諸表について監査を実施した。
私たちの意見では、当該連結財務諸表は、欧州連合によって採用されている国際財務報告基準( IFRS )に
準拠して、グループの過去1年度にわたる資産・負債および財政状態ならびに同日に終了した年度の経営成
績について真実かつ公正な概観を与えている。
上に表明した意見は、監査委員会に対する私たちの報告内容と一致する。
意見の根拠
監査の枠組み
私たちは、フランスにおいて適用される職業的専門家としての基準に準拠して監査を行った。私たちは、
監査意見の根拠となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと考えている。
当該基準に基づく私たちの責任については、本報告書の「連結財務諸表の監査に関する法定監査人の責
任」にて詳しく説明されている。
独立性
私たちは、 2020 年1月1日から本報告書の日付までの期間にわたり、私たちに適用される独立性に関する
規則に従って監査業務を実施した。とりわけ、 EU 規則第 537/2014 号第5条 (1) またはフランス商法もしくはフ
ランスの法定監査人の倫理規定に基づき禁止されている業務は、一切提供しなかった。
観察事項
上に表明した意見に疑問を生じさせることなく、オプション・プレミアムの表示の変更に関する連結財務
諸表注記 5.4 に記載されている点に留意いただきたい。
私たちの評価の妥当性‐監査上の主要な検討事項
COVID-19 の流行に関連する世界的危機は、当年度の財務諸表の作成および監査において特殊な状況を創り
出した。この危機と前例のない保健的緊急措置が企業に対して多面的な影響を及ぼし、特に企業による事業
活動および資金繰りに影響が波及し、将来の見通しを巡る不確実性の増大をもたらした。移動制限やリモー
トワークなどそれら措置の一部は、企業の内部組織および監査実施の計画にも影響を及ぼした。
こうした複雑で変化の著しい状況のなか、私たちの評価の妥当性に関するフランス商法第 L.823-9 条および
第 R.823-7 条の規定に従い、当年度の連結財務諸表の監査にとって極めて重要であると職業的専門家として私
たちが判断した重要な虚偽表示リスクに関する監査上の主要な検討事項、ならびに私たちが示したそれらリ
スクへの対処方法に留意いただきたい。
これらの評価は、連結財務諸表全体の監査と先に表明した私たちの意見の形成に関連付けて実施された。
私たちは、連結財務諸表の特定の項目について個別の意見を示すことはしていない。
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有価証券報告書
売却目的で保有する子会社の表示と評価
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシス・グループは 私たちは、ナティクシスから入手したこれらの取
IFRS 第5号「売却目的で保有する非流動資産および 引に関する書類をレビューし、 2020 年 12 月 31 日現在
非継続事業」に従って、2件の売却取引を認識し におけるそれらの会計処理を評価した。
た: 私たちは次の作業を実施した:
・ 2020 年2月 25 日、 Coface の株式資本および議決 ・ 売却案が実際に IFRS 第5号の規準を満たしてお
権の 29.5 %に関する Arch Capital への売却契約 り、売却目的で保有する事業に分類できるかの
検証
締結
・ IFRS 第5号の規定に関して、「売却目的で保有
・ 2020 年 11 月5日、 H2O の売却に関する交渉の発
する資産」および「売却目的で保有する資産に
表と、その後の 2021 年1月 29 日における最終覚
係る負債」のもとにある、売却目的で保有する
書の締結
資産および負債の全構成要素の識別と表示の検
ナティクシス・グループは、これらの処分の影響
証
を 2020 年 12 月 31 日現在の財務諸表に計上した。
・ 売却目的で保有する資産および負債の公正価値
IFRS 第5号の規定に従って、これらの子会社の資
を測定するのに用いられた方法の評価
産および負債は、売却目的で保有する資産および負
・ 見積売却コスト控除後の処分損益に関してナ
債として貸借対照表の独立した項目にまとめられて
ティクシスが行った見積りならびにその他の資
おり、適用される規定に従って評価されている(す
産に係る損益への認識の検証
なわち、正味帳簿価額と売却コスト控除後の公正価
・ 最後に、これらの取引および会計処理に関し
値のうち、低い方の額で評価されている)。
て、連結財務諸表注記に示されている情報の適
その他の資産に係る予想損益が計上されている。
切性の評価
ナティクシス・グループにとってのこれらの処分
の重要性に鑑み、これらの会計処理および連結財務
諸表注記に示されているこれらに関する情報は、
2020 年度の監査上の主要な検討事項であると私たち
は考えた。
Coface に関しては、売却目的で保有する非流動資
産の額は 446.3 百万ユーロであり、認識された処分
損失は (145.6) 百万ユーロで、その他の資産に係る
損益に表示された。
H2O に関しては、売却目的で保有する非流動資産
および負債の額は、それぞれ 281.5 百万ユーロおよ
び 54.7 百万ユーロであり、処分損失の見積額は
(47.6) 百万ユーロで、その他の資産に係る損益に表
示された。
詳しくは連結財務諸表注記 1.2.1 、 1.2.2 、 2.6 、
5.8 および 6.9 を参照されたい。
顧客貸出金および債権の減損(ステージ1、2および3)
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
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ナティクシスは、コーポレート・バンキングおよ 私たちは、リスクの変動と不確実性の高まりを考
びインベストメント・バンキング部門における自己 慮に入れるために作業を調整した。私たちは、ナ
の金融事業の一環として、顧客に供与した貸出金お ティクシスの内部統制システムの妥当性、特に危機
よび債権ならびに貸出コミットメントに関係して、 への適合性を高く評価した。
信用リスクにさらされている。
COVID-19 の流行が原因で健康および経済危機が生 ステージ1および2に属する貸出金残高の減損
じ、それが借手の債務返済能力に影響を及ぼしてい 私たちは主に次の作業を実施した:
るが、地理的地域および事業セクターによって状況 ・ 次の項目を網羅するナティクシスの統制システ
はまちまちである。こうした危機に対応するため ムの評価
に、各国政府はそれぞれ特有の措置を講じた(部分 ・ 信用リスクの重大な悪化の判定に用いられ
的失業制度、政府保証付きローン、返済猶予な ている指標に応じたステージ1またはス
ど)。 テージ2への残高の分類
IFRS 第9号の「減損」規定に従い、ナティクシス ・ 内部モデルの妥当性
は、ステージ1、2または3への分類に応じたそれ ・ 2020 年 12 月 31 日現在の減損の算出に用いられた
らの残高に係る予想信用損失をカバーするために減 パラメータの適切性、特に COVID-19 の流行によ
損および引当金を認識している。それらの残高に割 る影響を考慮に入れることを目的とした方法の
り当てられるステージは、当初認識以降に観察され 変更とマクロ経済シナリオの調整の適切性の評
る信用リスクの増加に左右される。 2020 年度中の信 価
用リスクの悪化は、連結財務諸表注記 1.4.2 および ・ 契約のサンプルに関する確認計算の実施
5.3 に示されている定量的規準および定性的規準を
基に評価された。 ステージ3に属する貸出金残高の減損
ステージ1または2の残高に係る予想信用損失に 私たちは、次の項目に関連する統制をはじめとす
対する減損は、将来予測的な情報を含む各予想年度 る、ナティクシス・グループが整備している主な統
におけるデフォルト時エクスポージャー( EAD )、 制の設計を評価し、その有効性をテストした:
デフォルト確率( PD )およびデフォルト時損失率 ・ 減損の兆候(期限を過ぎた支払いなど)の識別
( LGD )に関するインプットの積和を割り引いて算 および取引相手方の格付プロセス
定されている。 ・ ステージ3へのエクスポージャーの分類
高度な不確実性を特徴とする流行に鑑み、ナティ ・ 保証、その分析、および評価の監視
クシスは 2020 年、次の変更を加えた: ・ 個別の減損損失の算定および関連するガバナン
・ IFRS 第9号の引当金計上時のパラメータの算出 スおよび妥当性の確認システム
に対する健康危機の影響を考慮に入れるための また、重要性およびリスク規準を基に抽出した
マクロ経済シナリオの調整 ファイル、特に、健康危機の影響を大きく受けた事
・ 信用リスクの評価におけるセグメント別要素の 業セクターに晒されているファイルのサンプルに基
組み込みに関連する方法的改良 づいて、私たちは与信レビューを実施した。このレ
既知の取引相手方リスク(ステージ3)がある貸 ビューの中で私たちは:
出金残高については、基本的に個別ベースで算定さ ・ リスクが著しく増加した取引相手方の状況につ
れる減損が計上されている。これらの減損は、債権 いて入手可能な最新の情報を確認した。
の回収可能価額、すなわち、担保による影響を考慮 ・ 機関が提出した情報および外部データを基に、
に入れた回収可能な将来キャッシュ・フローの見積 経営陣が使用した仮定および算定した引当金の
りの現在価値を基に測定されている。 見積りについて独立した立場から分析を実施し
これらの減損については、ステージ1、2または た。
3への貸出金残高の分類、ステージ1および2の残 ・ 減損引当金の見積りが正確に認識されていたか
高に関係する減損の計算に必要なインプットおよび を検証した。
手続の決定、ならびにステージ3に区分される貸出 この作業の一環として、当該の危機に鑑みて顧客
金残高の個別の引当金繰入水準の評価に関連して、 に認められた措置(返済猶予、政府保証付きローン
財務諸表の作成において判断が重要な役割を果たす など)が実際にリスク評価に組み込まれていたかを
領域であるため、私たちは監査上の主要な検討事項 検証した。
だと考えた。 私たちはまた、信用リスクに関連するものを含
む、顧客貸出金および債権の減損に関する注記に詳
2020 年 12 月 31 日現在、顧客貸出金および債権に 述されている情報も検証した。
関係する正味エクスポージャーは合計で 67,939 百
万ユーロだった。 2020 年 12 月 31 日現在、貸倒引当
金は 851 百万ユーロにのぼった。
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詳しくは連結財務諸表注記 1.4 、 5.1 、 5.3 、
5.22 、 6.8 、 7.6.2 および 10.2 を参照されたい。
法的リスクおよびコンプライアンス・リスクに関する引当金
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
ナティクシス・グループは訴訟の当事者になって 私たちは、法的リスクおよびコンプライアンス・
いるほか、さまざまな法域の規制当局および税務当 リスクの識別、評価および引当金計上手続を検証し
局による調査の対象になっており、情報を要請され た。
ている。 私たちは、現在進行中の訴訟の状況およびナティ
それらに伴う(税務を含む)法的リスクおよびコ クシス・グループが識別した主なリスクを、主に経
ンプライアンス・リスクの評価には、報告日現在の 営陣(およびより具体的には、ナティクシスの法務
経営陣の見積りが反映されている。 部、コンプライアンス部および税務部)との定期的
引当金の認識およびその金額の算定、ならびに連 な議論および入手した文書のレビューを通じて確認
結財務諸表注記に開示される情報には、まさにその した。
性質により、とりわけ現在進行中の訴訟の結果およ 私たちの作業においては、報告日に認識した引当
び財務的影響の見積りが難しいため、判断の行使が 金額を見積もるのに経営陣が使用した仮定および
必要となる。 データの合理性についても評価した。とりわけ、税
したがって、私たちは、経営陣が採用した仮定お 法の専門家に、ナティクシスが識別した税務リスク
よび選択肢に対するこれらの引当金の感応度に鑑 の分析および関連引当金の批判的レビューを行わせ
み、法的リスクおよびコンプライアンス・リスクに た。
関する引当金は監査上の主要な検討事項だと考え 私たちはまた、現在進行中の訴訟について、グ
た。 ループの法務顧問とともに確認手続を実施した。
最後に、そのように測定された引当金が正しく計
2020 年 12 月 31 日現在、訴訟引当金は 714 百万 上されているかを確認し、連結財務諸表注記におけ
ユーロにのぼった。 る関連開示を検証した。
詳しくは連結財務諸表注記 5.22 、 6.8 および
7.16 を参照されたい。
複雑な金融商品の評価
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
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コーポレート・バンキングおよびインベストメン 私たちは、レベル2および3に分類されるものを
ト・バンキング部門における資本市場事業の中でナ 中心とする複雑な金融商品の識別、評価、認識およ
ティクシス・グループが貸借対照表上に保有する金 び分類に関する内部統制の手続およびシステムを検
融商品の多くの部分が、公正価値で認識されてい 証した。
る。 私たちは、次の項目に関連するものを含め、私た
これらの金融商品の性質および複雑性に応じて次 ちの監査に関係があると判断した重要な統制の有効
の異なるアプローチが用いられて、市場価額が算定 性をテストした:
されている:直接観察可能な相場価格の使用(公正 ・ リスク部門による評価モデルおよび関連する調
価値ヒエラルキーのレベル1に分類される金融商 整の妥当性の確認と定期的なレビュー
品)、概ね観察可能なインプットによる評価モデル ・ 評価インプットの独立した検証
(レベル2に分類される金融商品)、概ね観察不能 ・ 主な評価調整額の算定
なインプットによる評価モデル(レベル3に分類さ ・ 公正価値ヒエラルキーにおける複雑な金融商品
れる金融商品)。 の分類に用いられる観察可能性の規準の文書化
複雑な金融商品、とりわけ公正価値ヒエラルキー と定期的なレビューおよび初日利益への影響の
のレベル3に分類されるものやレベル2の一部に関 検討
しては、以下を考えるとこれらのアプローチにはか 私たちは、評価専門家による支援を受けてこれら
なりの判断が含まれている場合がある: の確認作業を実施した。また、評価専門家ととも
・ 内部評価モデルの使用 に、 2020 年 12 月 31 日現在の主な評価調整額の見積り
・ 市場において観察不能な評価インプットの使用 に用いられた仮定、方法および評価モデルの市場イ
・ 一定の市場リスク、取引相手方リスク、または ンプットをサンプル・ベースで検証することによ
流動性リスクを反映させるための補足的な評価 り、独立した評価を行った。
調整 健康危機に関係する評価上の影響、特に資本性商
健康危機と金融市場へのその影響に関係して、注 品の評価額への影響を、ナティクシスが使用した見
記 1.4.3 に説明されているとおり、特定の市場パラ 積り(評価上のパラメータの算定と調整)に特に注
メータが調整されており、特に 2020 年上半期、資本 目して、私たちの作業において考慮に入れた。
性商品の評価額を中心に大きな影響が生じた。 また、ナティクシスの市場の取引相手方との証拠
私たちは、複雑な金融商品の評価は、エクスポー 金の差異も、サンプル・ベースで検証した。この検
ジャーの重要性と公正価値および健康危機の影響の 証は、評価の適切性を評価するのに役立った。
算定における判断の使用という理由から、監査上の さらに、 2020 年 12 月 31 日現在の金融商品に関する
主要な検討事項だと考えた。 注記に表示されている情報を、金融商品の公正価値
に対する健康危機の影響に関連する情報を含め検証
2020 年 12 月 31 日現在、レベル2の金融商品は、 した。
資産が 155,944 百万ユーロ、負債が 173,857 百万
ユーロであった。
2020 年 12 月 31 日現在、レベル3の金融商品は、
資産が 5,534 百万ユーロ、負債が 10,809 百万ユー
ロであった。
詳しくは連結財務諸表注記 1.4.3 、 5.6 、 5.22 お
よび 7.5 を参照されたい。
保険会社の技術的準備金
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
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保険事業の中でナティクシス・グループは、保険 私たちは、保険数理専門家による支援を受けて、
契約者に対するコミットメントに相当する技術的準 これらの項目の監査を行った。
備金を認識している。 当該準備金がカバーするリスクの種類に応じて、
これらの準備金がグループの財務諸表において重 主に次の監査手続を適用した:
要な額を占める点、ならびに、用いられる各種仮定 ・ グループが販売した保険契約に関する普通約款
(例えば、経験表および行動統計)または計算モデ の理解
ルを決定するのに、特に COVID-19 の流行に関係して ・ 当該準備金の計算に用いられた方法および仮定
判断の行使を要する準備金があるという理由から、 の評価。とりわけ、関連規制の遵守、市場慣
当該準備金の評価は監査上の主要な検討事項だと考 行、健康危機の影響で不確実性が増した経済・
えた。 金融的背景の評価
・ 管理システムに記録され、技術的準備金の評価
2020 年 12 月 31 日現在の保険契約に関連する負債 に用いられた保険契約に関する情報の信頼性
は、 104,182 百万ユーロであった。 の、会計上の調整、反復テストまたは調査に基
詳しくは連結財務諸表注記 5.22 および 8.5 を参 づくテスト
照されたい。 ・ 保険契約のサンプルに基づく、一部の準備金の
独立した再計算の実施
・ 計算方法および、 IFRS 第4号に基づき要求され
た負債十分性テストの結果の評価
私たちはまた、グループの連結財務諸表注記に開
示されている保険負債に関する情報も検証した。
繰越欠損金に関連する繰延税金資産
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
ナティクシス・グループは、関係する課税主体 私たちは、予算データがどのように集計され将来
が、所定の期限までに繰越欠損金と相殺できる課税 の課税所得が見積もられているかという情報を収集
所得を将来的に稼得する可能性が高いと判断したと し、税務の面から見た事業計画の策定プロセスの信
きは、繰越欠損金に関係する繰延税金資産を報告日 頼性を評価した。その信頼性を基に、グループが繰
に認識している。 延税金資産を回収できる確率を、以下の手段により
当該期間内に課税所得を生む力を見積り、繰延税 評価した:
金資産の認識の正当性を証明するには、税務の面か ・ 当該見積りの根拠として用いられた直近の事業
ら見た事業計画の策定においてなど、経営陣側の判 計画の策定および承認方法の検証
断の行使が求められる。 ・ 過年度の予測損益と、それらの年度の実際損益
私たちは、このように認識される繰延税金資産の との比較分析
経営陣が採用する仮定および選択肢に対する感応度 ・ 将来の所得を見積もるのに経営陣が使用した予
に鑑み、本問題を監査上の主要な検討事項として識 測上の仮定およびインプットの合理性、ならび
別した。 に認識された繰延税金資産の回収可能性を、私
たちの経験およびグループの活動および戦略に
2020 年 12 月 31 日現在、ナティクシスの連結貸借 関する私たちの理解を基に評価
対照表には、繰延税金資産のもと、 758 百万ユー 専門家の手を借りて、繰延税金負債または将来の
ロの繰越欠損金も含め、 1,196 百万ユーロが計上 課税所得を通じて使用する予定の既存の繰越欠損金
された。 を識別するのに経営陣が採用したモデルの適切性を
詳しくは連結財務諸表注記 5.22 および 7.8 を参 検証した。
照されたい。 繰延税金資産の額が適切に計算されているか、お
よび正しい税率が使用されているかを確認するため
に、経営陣が立てた予測に基づいて、テストを実施
した。
のれんの測定
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
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ナティクシスは、自己が発展するなか、取得した 私たちは、ナティクシスが減損の客観的な兆候を
企業の取得価格と取得日に引き受けた識別可能な資 識別し、のれんの減損を認識する必要性を評価する
産および負債の公正価値の差額に相当するのれん ために実施した手順および統制をレビューした。
を、連結財務諸表の資産の部に認識した。 そのうえで、企業評価の専門家の助けを借りて、
こののれんは、専用の資金生成単位( CGU )を割 当該手法の実施に用いられた方法の批判的レビュー
り当てることで特別に監視されている。各 CGU につ を実施し、各種 CGU の回収可能価額の計算を評価し
いて、少なくとも年に 1 回、または減損の兆候があ た。
るときはそれよりも頻繁に、その正味帳簿価額と よって、私たちは次の項目を検証した:
(将来キャッシュ・フローを割り引くことで算定さ ・ ナティクシスが選択した評価方法の市場慣行と
れる)回収可能価額を比較することにより減損テス 照らしたときの適合性
トが行われている。 ・ 取締役会が承認した経営陣による最新の見積り
将来キャッシュ・フローの予測を巡る不確実性の とのキャッシュ・フロー予測の一貫性、および
源泉である健康危機に関係して、ナティクシスは 健康危機による経済・金融への影響に関連付け
2020 年 12 月 31 日現在の減損テストの一環として、そ たときのそれらの合理性
の各事業部門に関する利益予測の再評価を実施し ・ 市場データと比較したときの主な仮定(成長
た。 率、割引率など)の整合性
回収可能価額の算定、特に使用した評価方法の選 ・ ナティクシス・グループが行った計算の妥当
択および計算において考慮した主な仮定(特に各事 性。独立した反対計算を実施することによりこ
業部門の中期計画における予想キャッシュ・フロー れを確認した。
の成長率および割引率に関する仮定)に伴う経営陣 健康危機の影響(事業部門の利益予想の再評価)
による判断を踏まえ、かつ健康危機の現状に鑑み、 を私たちの作業において考慮に入れたが、とりわ
のれんの評価は監査上の主要な検討事項であると私 け、ナティクシスが使用した見積りに特に注意を
たちは考えた。 払った。
また、主な仮定の変更に対する評価額の感応度分
2020 年 12 月 31 日現在、貸借対照表に計上された 析も実施した。
のれんは 3,533 百万ユーロであった。 さらに、 2020 年 12 月 31 日を期末とする連結財務諸
詳しくは連結財務諸表注記 2.5 、 5.22 および 表注記に示された減損テストおよび感応度分析に関
7.12 を参照されたい。 する情報の適切性も評価した。
所定の検証
私たちはまた、貴社の取締役会による経営陣報告書に開示されているグループに関する情報について、法
規制で要求されている所定の検証を、フランスにおいて適用される職業的専門家としての基準に準拠して実
施した。
情報の公正な表示および連結財務諸表との整合性について、私たちが報告すべき事項はない。
私たちは、フランス商法第 L.225-102-1 条が求める非財務成績に関する連結報告がグループの経営陣報告書
に含まれていることを証明するが、同法第 L.823-10 条の規定に従い、同報告書に盛り込まれた情報の公正な
表示または盛り込まれた情報の連結財務諸表との整合性については検証しておらず、それらは独立した第三
者による報告書において報告されるべきであることを明記する。
フランスの法規制が定めているその他の検証または情報
年次財務報告に組み込むことが意図されている連結財務諸表の書式
AMF 一般規則第 222-3 条パート III に従って、私たちは、貴社の経営陣から 2018 年 12 月 17 日付委員会委任規則
2019/815 が定めている単一電子報告書式の適用を 2021 年1月1日以後に開始する事業年度に延期することを
決定した旨の報告を受けた。したがって、本報告書には、フランス通貨金融法第 L.451-1-2 条 I に明記されて
いる年次財務報告に組み込むことが意図されている年次財務諸表の作成におけるこの書式への準拠について
の結論が含まれていない。
法定監査人の任命
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ナティクシス(E15244)
有価証券報告書
私たちは、株主総会によって任命されたナティクシスの法定監査人であり、それらの株主総会が開催され
たのは、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットについては 2016 年5月 24 日、デロイト・エ・
アソシエについては 1998 年6月 16 日である(任命日以降に実行された監査法人の合併考慮後)。以前は、デ
ロ イト・ネットワークの他の法人が任命されていたが、その任命の記録をすべて確認することはできない。
2020 年 12 月 31 日現在、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットは任命されてから5年目の年
にあり、その間中断は無かった。同日時点、デロイト・エ・アソシエの任命期間は 20 年連続に達し、その
間、 15 年前の 2006 年 11 月 17 日には、 Caisse Nationale des Caisses d'Epargne ( CNCE )の Ixis 事業と Banque
Fédérale des Banques Populaires ( BFBP )の Natexis Banques Populaires 事業の統合がなされ、ナティクシ
スが設立された。その時には、 Natexis Banques Populaires へ CNCE の子会社に対する株式と持分投資が譲渡
され、名称もナティクシスに変更された。
連結財務諸表に関する経営陣および統治責任者の責任
経営陣は、欧州連合が採用している IFRS に準拠した連結財務諸表の作成および公正な表示、ならびに不正
または誤謬によるかを問わず重要な虚偽表示のない連結財務諸表の作成を可能にするために必要だと経営陣
が判断する内部統制の整備について責任を負う。
連結財務諸表の作成において経営陣には、会社を清算しまたは営業を停止することが予想されない限り、
継続企業として存続する会社の能力を評価し、継続企業に関する事項を適宜開示し、かつ継続企業を前提と
した会計を使用する責任がある。
監査委員会には、財務報告プロセスに加え、内部統制およびリスク管理システムの有効性、ならびに該当
する場合は、会計および財務情報の作成および処理に係る手続の全般検証を監視する責任がある。
本連結財務諸表は、取締役会によって承認されている。
連結財務諸表の監査に関する法定監査人の責任
目的および監査アプローチ
私たちの役割は、連結財務諸表について報告書を発行することにある。私たちの目的は、連結財務諸表
に、全体として、重要な虚偽表示がないかについて合理的な保証を得ることにある。合理的な保証とは、高
水準の保証であるが、職業的専門家としての基準に従って監査を実施すれば、重要な虚偽表示が存在する場
合は必ず発見されるという保証ではない。虚偽表示は、不正または誤謬によって生じる可能性があり、連結
財務諸表を根拠になされる財務諸表利用者の経済的な意思決定に、単独でまたは合算して影響を及ぼすこと
が合理的に予想されるときは、重要であるとみなされる。
フランス商法第 L.823-10-1 条の規定により、私たちの法定監査は、会社の存続能力、または会社の業務管
理の質に関する保証を含んでいない。
フランスにおいて適用される職業的専門家としての基準に従って実施される監査の中で、法定監査人は、
監査中一貫して職業的専門家としての判断を行使する。
また:
・ 不正または誤謬によるかを問わず連結財務諸表に重要な虚偽表示が生じるリスクを識別・評価したうえ
で、それらのリスクに応じた監査手続を設計し実施する。また、自己の意見を裏付けるのに十分かつ適
切だと自らが考える監査証拠を入手する。不正は共謀やねつ造、故意の脱漏、不実表示、内部統制の無
効化を伴う場合があるため、誤謬よりも不正による重要な虚偽表示の方が、発見できないリスクが高
い。
・ その状況に適した監査手続を設計するために、監査に関連のある内部統制を把握する。ただし、これは
内部統制の有効性について意見を表明するためではない。
・ 連結財務諸表において経営陣が使用した会計方針の適切性ならびに経営陣が行った会計上の見積りおよ
び関連する開示の合理性を評価する。
・ 継続企業を前提とした会計の経営陣による使用の適切性を評価し、かつ、入手した監査証拠を基に、継
続企業として存続する会社の能力に重要な疑念を投げ掛ける事象または状況に関係して重要な不確実性
が存在するかどうかを評価する。この評価は、自己の監査報告日までに入手した監査証拠に基づいて行
う。ただし、将来の事象または状況が原因になって、会社が継続企業として存続できなくなる場合もあ
る。重要な不確実性が存在すると法定監査人が結論付けるときは、監査報告書において、連結財務諸表
内の関連する開示に注意を向けることを要求される。あるいは、かかる開示がなされていないまたは不
十分である場合は、当該報告書にて表明した意見を修正する必要がある。
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・ 連結財務諸表の全般的な表示を評価し、かつ、連結財務諸表が、公正な表示を達成する形で、基礎とな
る取引および事象を表しているかどうかを評価する。
・ 連結範囲に含まれている人または企業の財務情報について、連結財務諸表に関する意見を表明するうえ
で十分かつ適切だと考える監査証拠を入手する。法定監査人は、連結財務諸表の監査を指示、監督およ
び遂行する責任ならびに連結財務諸表について表明した意見に対する責任を負う。
監査委員会への報告
私たちは監査委員会に対し、監査の範囲および実施した監査計画、ならびに監査結果の説明が主に含めら
れた報告書を提出する。私たちはまた、会計・財務情報の作成および処理に係る手続に関する内部統制シス
テムにおいて重要な不備を識別したときは、必要に応じて通知する。
監査委員会への私たちの報告書には、職業的専門家としての判断によると当期の連結財務諸表の監査にお
いて極めて重要であり、よって本報告書にて説明する必要がある監査上の主要な検討事項に該当する重要な
虚偽表示リスクも含まれている。
私たちはまた、 EU 規則第 537/2014 号第6条に定められている宣誓を監査委員会に対して行い、特にフラン
ス商法第 L.822-10 条から第 L.822-14 条およびフランスの法定監査人の倫理規定に定められているものなど、
フランスにおいて適用される規則上の解釈に則った独立性を表明する。私たちの独立性についてリスクが生
じたときは、必要に応じて、関連するセーフガード措置とともに監査委員会と協議する。
ヌイイ・シュール・セーヌ市およびパリ・ラ・デファンス、 2021 年3月9日
法定監査人
プライスウォーターハウスクーパース・オーディット デロイト・エ・アソシエ
エマニュエル・ベノア シャルロット・ヴァンドゥプュトゥ
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親会社財務諸表に対する法定監査人の監査報告書
2020 年 12 月 31 日に終了した年度
ナティクシス株主総会御中
監査意見
株主総会で私たちに委託された任務に則り、私たちは 2020 年 12 月 31 日に終了した年度のナティクシスの親
会社財務諸表の監査を、本報告書に記載したとおり実施した。
私たちの意見では、当該親会社財務諸表は、フランスの会計原則に準拠して、同社の過去 1 年度にわたる資
産・負債および財政状態ならびに同日に終了した年度の経営成績について真実かつ公正な概観を与えてい
る。
上に表明した監査意見は、監査委員会に対する私たちの報告内容と一致する。
意見の根拠
監査の枠組み
私たちは、フランスにおいて適用される職業的専門家としての基準に準拠して監査を行った。私たちは、
監査意見の根拠となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと考えている。
当該基準に基づく私たちの責任については、本報告書の「親会社財務諸表の監査に関する法定監査人の責
任」にて詳しく説明されている。
独立性
私たちは、 2020 年1月1日から本報告書の日付までの期間にわたり、私たちに適用される独立性に関する
規則に従って監査業務を実施した。とりわけ、 EU 規則第 537/2014 号第5条 (1) またはフランス商法もしくはフ
ランスの法定監査人の倫理規定に基づき禁止されている業務は、一切提供しなかった。
観察事項
上に表明した意見に疑問を生じさせることなく、オプション・プレミアムおよび証券借入の表示の変更に
関する財務諸表注記2に記載されている点に留意いただきたい。
私たちの評価の妥当性‐監査上の主要な検討事項
COVID-19 の流行に関連する世界的危機は、当年度の財務諸表の作成および監査において特殊な状況を創り
出した。この危機と前例のない保健的緊急措置が企業に対して多面的な影響を及ぼし、特に企業による事業
活動および資金繰りに影響が波及し、将来の見通しを巡る不確実性の増大をもたらした。移動制限やリモー
トワークなどそれら措置の一部は、企業の内部組織および監査実施の計画にも影響を及ぼした。
こうした複雑で変化の著しい状況のなか、私たちの評価の妥当性に関するフランス商法第 L.823-9 条および
第 R.823-7 条の規定に従い、当年度の年次財務諸表の監査にとって極めて重要であると職業的専門家として私
たちが判断した重要な虚偽表示リスクに関する監査上の主要な検討事項、ならびに私たちが示したそれらリ
スクへの対処方法に留意いただきたい。
これらの評価は、上記で承認された年次財務諸表全体の監査と先に表明した私たちの意見の形成の一環と
して実施された。私たちは、年次財務諸表の特定の項目について個別の意見を示すことはしていない。
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個別ベースでの顧客貸出金および債権の減損
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
コーポレート・バンキングおよびインベストメン 私たちは、リスクの変動と不確実性の高まりを考
ト・バンキング部門における金融事業の一環とし 慮に入れるために作業を調整した。私たちは、ナ
て、ナティクシスは、顧客に供与した貸出金および ティクシスの内部統制システムの妥当性、特に危機
債権について生じた信用損失をカバーするために、 への適合性を高く評価した。
個別に引当金を認識している。 私たちは、次の項目に関連する統制をはじめとす
COVID-19 の流行が原因で健康および経済危機が生 る、ナティクシスが整備している主な統制の設計を
じ、それが借手の債務返済能力に影響を及ぼしてい 評価し、その有効性をテストした:
るが、地理的地域および事業セクターによって状況
・ 減損の兆候(期限を過ぎた支払いなど)の識別
はまちまちである。こうした危機に対応するため
および取引相手方の格付プロセス
に、各国政府はそれぞれ特有の措置を講じた(部分
・ 不良区分へのエクスポージャーの分類
的失業制度、政府保証付きローン、返済猶予な
・ 保証のモニタリングおよび評価
ど)。
・ 不良債権に係る個別の減損損失の算定および関
不良債権に関する減損引当金額を個別に算定する
連するガバナンスおよび妥当性確認システム
には、かなりの判断を必要とする。とりわけ、減損
また、重要性およびリスク規準を基に抽出した
の識別と、認識すべき減損損失の計算には、かなり
ファイル、特に、健康危機の影響を大きく受けた事
の判断が求められる。
業セクターに晒されているファイルのサンプルに基
個別の減損は、見積りが財務諸表の作成において
づいて、私たちは与信レビューを実施した。この レ
重要な役割を果たす領域の一つであるため、監査上
ビューの中で私たちは:
の主要な検討事項であると私たちは考えた。
・ 慎重な扱いを要する不履行取引相手方の状況に
ついて入手可能な最新の情報を確認した。
2020 年 12 月 31 日現在、顧客に対する債権は
・ 機関が提出した情報および外部データを基に、
124,144 百万ユーロを占めていた。 2020 年 12 月 31
経営陣が使用した仮定および算定した引当金の
日現在の個別の減損損失は 675 百万ユーロであっ
見積りについて独立した立場から分析を実施し
た。
た。
詳しくは親会社財務諸表注記1、注記2の第1
・ 減損引当金の見積りが正確に認識されていたか
項、注記5および注記 31 を参照されたい。
を検証した。
私たちはまた、顧客貸出金および債権の減損に関
する注記に詳述されている情報も検証した。
法的リスクおよびコンプライアンス・リスクに関する引当金
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
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ナティクシスは訴訟の当事者になっているほか、 私たちは、法的リスクおよびコンプライアンス・
さまざまな法域の規制当局および税務当局による調 リスクの識別、評価および引当金計上手続を検証し
査の対象になっており、情報を要請されている。 た。
それらに伴う(税務を含む)法的リスクおよびコ 私たちは、現在進行中の訴訟の状況およびナティ
ンプライアンス・リスクの評価には、報告日現在の クシスが識別した主なリスクを、経営陣(およびよ
経営陣の見積りが反映されている。 り具体的には、ナティクシスの法務部、コンプライ
引当金の認識およびその金額の算定、ならびに財 アンス部および税務部)との定期的な議論および入
務情報の開示には、まさにその性質により、とりわ 手した文書のレビューを通じて把握した。
け現在進行中の訴訟の結果および経済的影響の見積 私たちの作業においては、報告日に認識した引当
りが難しいため、判断の行使が必要となる。 金額を見積もるのに経営陣が使用した仮定および
したがって、私たちは、経営陣が採用した仮定お データの合理性についても検証した。とりわけ、税
よび選択肢に対するこれら引当金の感応度に鑑み、 法の専門家に、ナティクシスが識別した税務リスク
法的リスクおよびコンプライアンス・リスクに関す の分析および関連引当金の批判的レビューを行わせ
る引当金は監査上の主要な検討事項だと考えた。 た。
私たちはまた、現在進行中の訴訟について、ナ
2020 年 12 月 31 日現在、訴訟およびその他のリス ティクシスの法務顧問とともに確認手続を実施し
クに係る引当金は 1,011 百万ユーロであった(親 た。
会社財務諸表注記 17 を参照)。 最後に、そのように測定された引当金が正しく認
詳しくは親会社財務諸表注記2の第 10 項および 識されているかを確認し、親会社財務諸表注記にお
注記 17 を参照されたい。 ける関連開示を検証した。
活発な市場での相場価格がない金融商品の評価
識別されたリスクと主な判断 私たちの監査アプローチ
コーポレート・バンキングおよびインベストメン 私たちは、活発な市場での相場価格がない金融商
ト・バンキング部門における資本市場事業の一環と 品の識別、評価および会計処理に関する内部統制手
して、ナティクシスは貸借対照表に計上する金融商 続を検証した。
品を保有しているが、その多くが、活発な市場での 私たちは、次の項目に関連するものを含め、私た
相場価格がない金融商品である。 ちの監査に関係があると判断した統制の有効性をテ
そうした金融商品の市場価値の算定は、以下のよ ストした:
うに、用いる方法およびデータの選択においてかな
・ リスク部門による評価モデルおよび関連する調
りの判断を要する評価技法に基づいて行われる:
整額の妥当性の確認と定期的なレビュー
・ 内部評価モデルの使用
・ 評価インプットの独立した検証
・ 市場において観察不能な評価インプットの使用
・ 主な評価調整額の算定および評価調整の実行
・ 一定の市場リスク、取引相手方リスク、または
流動性リスクを反映させるために実施される補
私たちは、評価専門家による支援を受けてこれら
足的な評価調整
の確認作業を実施した。また、評価専門家ととも
健康危機と金融市場へのその影響に関係して、注 に、 2020 年 12 月 31 日現在の主要な評価調整額の見積
記 1.2.4 に説明されているとおり、特定の市場パラ りに用いられた仮定、方法およびモデルをサンプ
メータが調整されており、特に 2020 年上半期、資本 ル・ベースで検証することにより、独立した評価を
性商品の評価額を中心に大きな影響が生じた。 行った。
私たちは、活発な市場での相場価格がない金融商 健康危機に関係する評価上の影響、特に資本性商
品は、エクスポージャーの重要性 と公正価値および 品の評価額への影響を、ナティクシスが使用した見
健康危機の影響 の算定における判断の使用という理 積りに特に注目して、私たちの作業において考慮に
由から、監査上の主要な検討事項だと考えた。 入れた。
また、ナティクシスの市場の取引相手方との証拠
活発な市場に上場されていない金融商品は、政 金の差異も、サンプル・ベースで検証した。この検
府証券および同等物、金融機関預け金、顧客との 証は、評価の妥当性を評価するのに役立った。
取引に分けられている。詳しくは親会社財務諸表
注記1、注記2の第1項および第2項、注記4、
5、6、 27 および 28 を参照されたい。
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所定の検証
私たちはまた、フランスの法規制で要求されている所定の検証を、フランスにおいて適用される職業的専
門家としての基準に準拠して実施した。
経営陣報告書ならびに株主宛の財政状態および財務諸表に関するその他の文書で開示されている情
報
取締役会の経営陣報告書ならびに株主宛の財政状態および財務諸表に関するその他の文書に示されている
情報の公正な表示および財務諸表との整合性について、私たちが報告すべき事項はない。
フランス商法第 D.441-6 条に記載されている支払条件に関する情報の公正な表示および財務諸表との整合性
について、私たちは次の事項を観察している:経営陣報告書に示されているとおり、銀行取引および関連取
引は報告すべき情報の範疇にないと貴社は考えているため、この情報にそれらの取引は含まれていない。
コーポレート・ガバナンスに関する報告
私たちは、フランス商法第 L.225-37-4 条、第 L.22-10-10 条および第 L.22-10-9 条に基づき要求されている情
報が、取締役会の経営陣報告書におけるコーポレート・ガバナンスのセクションに存在することを証明す
る。
会社役員に支払われたまたは割り当てられた報酬および各種給付ならびにそれら役員の利益のためになさ
れたその他のコミットメントに関連してフランス商法第 L.22-10-9 条の要求事項に従って示されている情報に
ついて、私たちは、財務諸表または当該財務諸表の作成に用いられた基礎情報との整合性を検証した。また
必要に応じて、連結範囲に含まれている会社から貴社が取得した情報との整合性も検証した。この作業に基
づき、私たちは、当該情報の正確性および公正な表示を証明する。
フランス商法第 L.22-10-11 条の規定に従って示されている、株式公開買付または買収時に影響を及ぼす可
能性が高いと貴社が考える要素に関連する情報について、それらの情報の源泉で、私たちに提出された文書
への準拠を検証した。この作業に基づくと、同情報について報告すべき事項はない。
その他の開示
フランスの法律に従って、私たちは、投資および支配持分の購入ならびに株主および議決権保有者の身元
に関する諸々の情報項目が、経営陣報告書に適切に開示されていることを確認した。
フランスの法規制が定めているその他の検証または情報
年次財務報告に組み込むことが意図されている親会社財務諸表の書式
AMF 一般規則第 222-3 条パート III に従って、私たちは、貴社の経営者から 2018 年 12 月 17 日付委員会委任規則
2019/815 が定めている単一電子報告書式の適用を 2021 年1月1日以後に開始する事業年度に延期することを
決定した旨の報告を受けた。したがって、本報告書には、フランス通貨金融法第 L.451-1-2 条 I に明記されて
いる年次財務報告に組み込むことが意図されている年次財務諸表の作成におけるこの書式への準拠について
の結論が含まれていない。
法定監査人の任命
私たちは、株主総会によって任命されたナティクシスの法定監査人であり、それらの株主総会が開催され
たのは、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットについては 2016 年5月 24 日、デロイト・エ・
アソシエについては 1998 年6月 16 日である(任命日以降に実行された監査法人の合併考慮後)。以前は、デ
ロイト・ネットワークの他の法人が任命されていたが、その任命の記録をすべて確認することはできない。
2020 年 12 月 31 日現在、プライスウォーターハウスクーパース・オーディットは任命されてから5年目の年
にあり、その間中断は無かった。同日時点、デロイト・エ・アソシエの任命期間は 20 年連続に達し、その
間、 15 年前の 2006 年 11 月 17 日には、 Caisse Nationale des Caisses d'Epargne ( CNCE )の Ixis 事業と Banque
Fédérale des Banques Populaires ( BFBP )の Natexis Banques Populaires 事業の統合がなされ、ナティクシ
スが設立された。その時には、 Natexis Banques Populaires へ CNCE の子会社に対する株式と持分投資が譲渡
され、名称もナティクシスに変更された。
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有価証券報告書
親会社財務諸表に関する経営陣および統治責任者の責任
経営陣は、フランスの会計原則に準拠した親会社財務諸表の作成および公正な表示、ならびに不正または
誤謬によるかを問わず重要な虚偽表示のない親会社財務諸表の作成を可能にするために必要だと経営陣が判
断する内部統制の整備について責任を負う。
親会社財務諸表の作成において経営陣には、会社を清算しまたは営業を停止することが予想されない限
り、継続企業として存続する会社の能力を評価し、継続企業に関する事項を適宜開示し、かつ継続企業を前
提とした会計を使用する責任がある。
監査委員会には、財務報告プロセスに加え、内部統制およびリスク管理システムの有効性、ならびに該当
する場合は、会計および財務情報の作成および処理に係る手続の全般検証の有効性を監視する責任がある。
本親会社財務諸表は、取締役会によって承認されている。
親会社財務諸表の監査に関する法定監査人の責任
目的および監査アプローチ
私たちの役割は、財務諸表について報告書を発行することにある。私たちの目的は、財務諸表に、全体と
して、重要な虚偽表示がないかについて合理的な保証を得ることにある。合理的な保証とは、高水準の保証
であるが、職業的専門家としての基準に従って監査を実施すれば、重要な虚偽表示が存在する場合は必ず発
見されるという保証ではない。虚偽表示は、不正または誤謬によって生じる可能性があり、親会社財務諸表
を根拠になされる財務諸表利用者の経済的な意思決定に、単独でまたは合算して影響を及ぼすことが合理的
に予想されるときは、重要であるとみなされる。
フランス商法第 L.823-10-1 条の規定により、私たちの法定監査は、会社の存続能力、または会社の業務管
理の質に関する保証を含んでいない。
フランスにおいて適用される職業的専門家としての基準に従って実施される監査の中で、法定監査人は、
監査中一貫して職業的専門家としての判断を行使する。また:
・ 不正または誤謬によるかを問わず財務諸表に重要な虚偽表示が生じるリスクを識別・評価したうえで、
それらのリスクに応じた監査手続を設計し実施する。また、自己の意見を裏付けるのに十分かつ適切だ
と考えられる監査証拠を入手する。不正は共謀やねつ造、故意の脱漏、不実表示、内部統制の無効化を
伴う場合があるため、誤謬よりも不正による重要な虚偽表示の方が、発見できないリスクが高い。
・ その状況に適した監査手続を設計するために、監査に関連する内部統制を把握する。ただし、これは内
部統制の有効性について意見を表明するためではない。
・ 親会社財務諸表において経営陣が使用した会計方針の適切性ならびに経営陣が行った会計上の見積りお
よび関連する開示の合理性を評価する。
・ 継続企業を前提とした会計の経営陣による使用の適切性を評価し、かつ、入手した監査証拠を基に、継
続企業として存続する会社の能力に重要な疑念を投げ掛ける事象または状況に関係して重要な不確実性
が存在するかどうかを評価する。この評価は、自己の監査報告日までに入手した監査証拠に基づいて行
う。ただし、将来の事象または状況が原因になって、会社が継続企業として存続できなくなる場合もあ
る。重要な不確実性が存在すると法定監査人が結論付けるときは、監査報告書において、親会社財務諸
表内の関連する開示に注意を向けることを要求される。あるいは、かかる開示がなされていないまたは
不十分である場合は、限定適正意見または意見差控を表明する必要がある。
・ 財務諸表の全般的な表示を評価し、かつ、財務諸表が、公正な表示を達成する形で、基礎となる取引お
よび事象を表しているかどうかを評価する。
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有価証券報告書
監査委員会への報告
私たちは監査委員会に対し、監査の範囲および実施した監査計画、ならびに監査結果の説明が主に含めら
れた報告書を提出する。私たちはまた、会計・財務情報の作成および処理に係る手続に関する内部統制シス
テムにおいて重要な不備を識別したときは、必要に応じて通知する。
監査委員会への私たちの報告書には、職業的専門家としての判断によると当期の親会社財務諸表の監査に
おいて極めて重要であり、よって本報告書にて説明する必要がある監査上の主要な検討事項に該当する重要
な虚偽表示リスクも含まれている。
私たちはまた、 EU 規則第 537/2014 号第6条に定められている宣誓を監査委員会に対して行い、特にフラン
ス商法第 L.822-10 条から第 L.822-14 条およびフランスの法定監査人の倫理規定に定められているものなど、
フランスにおいて適用される規則上の解釈に則った独立性を表明する。私たちの独立性についてリスクが生
じたときは、必要に応じて、関連するセーフガード措置とともに監査委員会と協議する。
ヌイイ・シュール・セーヌ市およびパリ・ラ・デファンス、 2021 年3月9日
法定監査人
プライスウォーターハウスクーパース・オーディット デロイト・エ・アソシエ
エマニュエル・ベノア シャルロット・ヴァンドゥプュトゥ
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