ニュー・サウス・ウェールズ財務公社 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | ニュー・サウス・ウェールズ財務公社 |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社(E06025)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020年12月24日
【事業年度】 自 2019年７月１日 至 2020年６月30日
【発行者の名称】 ニュー・サウス・ウェールズ財務公社
（New South Wales Treasury Corporation）
【代表者の役職氏名】 デイビッド・デヴェラル（David Deverall）
主席執行役員（Chief Executive）
【事務連絡者氏名】 弁護士 島崎文彰
【住所】 東京都千代田区神田小川町一丁目７番地
小川町メセナビル４階
島崎法律事務所
【電話番号】 (03)5843-9631
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、「ドル」または「豪ドル」とはすべてオーストラリア・ドルを、また「米ドル」とはすべ
てアメリカ合衆国ドルを意味する。2020年12月10日現在、日本の主要銀行が建値した豪ドルに対す
る日本円の対顧客電信売買相場の中値は１豪ドル＝77.12円であった。
(2) ニュー・サウス・ウェールズ財務公社、ニュー・サウス・ウェールズ州およびオーストラリア連邦
の会計年度は７月１日から翌年６月30日までである。本書中、2020年６月30日に終了した会計年度
は「2019/20年」と表示し、他の会計年度も同様に表示する。2019年12月31日に終了した暦年は
「2019年」と表示し、他の暦年も同様に表示する。
(3) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第１【募集（売出）債券の状況】
募集債券
該当なし。
売出債券
該当なし。
公社は2020年７月１日以降、公社は日本において債券の募集または売出しを行っていない。
第２【外国為替相場の推移】
該当事項なし。
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第３【発行者の概況】
１ 【発行者が国である場合】
該当事項なし。
２ 【発行者が地方公共団体である場合】
該当 事項なし。
３ 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
別段の記載のあるものを除き、「第３ 発行者の概況」中の統計資料はニュー・サウス・ウェールズ財務
公社が作成または提供したものである。
(1) 【設立】
① 設立の年月日、設立の目的と根拠
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社（以下「公社」という。）は、ニュー・サウス・ウェールズ
州の1983年財務公社法（以下「財務公社法」という。）に基づいて、1983年６月10日に設立された。
公社の目的は、ニュー・サウス・ウェールズ州の2018年政府部門金融法（以下「GSF法」という。）に
規定するニュー・サウス・ウェールズ州（以下「州」または「ニュー・サウス・ウェールズ」とい
う。）の公的機関およびニュー・サウス・ウェールズ州政府のための中央借入機関として行為するこ
とである。この役割には、これら顧客向けの、資金調達、ポートフォリオ管理、投資管理および助言
サービスの提供が含まれる。
② 法律の改正
2018年12月１日、1987年公的機関金融法（PAFA）は、1984年政府関係機関年次報告書法、1985年省
庁年次報告書法およびこれら法律のいずれかに基づく諸規則とともに廃止された。
同12月１日付で2018年政府部門金融法の一部施行も実施されたが、これは2018年政府部門金融法
（廃止および改正）法（類似法）とともに従前の金融取決めおよび年次報告制度に代わるものであ
り、公社の事業の特定部分に影響を及ぼし、公社法に関連する変更をもたらした。
GSF法は、段階的導入が予定されており、GSF法の一部規定は2019年７月１日付で施行されたが、新
しい報告の取決めは2021年までに段階的に開始する予定である。
③ 法的地位、特別な権限および目的
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府およびGSF法に規定するすべてのニュー・サウス・
ウェールズの公的機関のための中央借入機関として行為する。1987年の財務公社法の改正により、地
方自治体も公社を通じての借入を選択することができる。GSF法に規定する州の公的機関は、財務省前
払金およびニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣が決定するその他の資金調達の場合を除き、すべ
ての借入を公社を通じて行わなくてはならない。
さらに、公社は公社自身や顧客の資産および負債ポートフォリオの管理とＴコープＩＭファンドの
監督を通じて資産および負債の管理にも積極的に関与している。ニュー・サウス・ウェールズ州政府
がその資金管理業務を公社に集中させる決定をした結果、顧客向けの投資管理サービス提供における
公社の役割は大幅に高まってきている。公社は現在、103十億ドルの資金を管理している。
公社の借入れおよび投資の権限は、GSF法により定められている。
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公社が獲得した資金融通に関して公社が発行した有価証券は、GSF法の規定に従って州政府により保
証されている。公社の借入金に対する州政府保証は、さらなる議会の承認を必要とせずに統合基金よ
り 支払われる。
公社は以下の広範な目的を有する。
－州政府および州の公的機関のために可能な限りの低コストで資金を調達すること。
－公社自身とその顧客の金融資産および負債ポートフォリオの管理のために効果的かつ効率的な金
融サービスを提供すること。
－政府および公的機関に対して、金融市場と財務管理に関する正確で有用なアドバイスを提供する
こと。
④ 日本との関係
設立に関し日本との関係はない。
(2) 【資本構成】
公社は、政府系機関として、公式の資本金を有していない。公社の利益剰余金からなる一般準備金
は、払込資本金の代りに保有されるものである。公社の貸借対照表に内在するリスクを軽減するための
十分な資本基盤を提供するために、一般準備金が維持されている。
( 単位：百万ドル)
2019 年 2020 年
６月30日現在 ６月30日現在
負債
金融機関短期借入金 6,436.9 10,507.5
未決済債務 0.0 0.8
政府顧客借入金 860.1 428.2
借入金 65,885.1 87,061.2
デリバティブ金融商品債務 930.4 1,341.9
未払法人税（相当額） 7.0 11.7
139.6 125.0
その他の負債および引当金
74,259.1 99,476.3
正味借入金債務合計
262.7 239.6
純資産
262.7 239.6
利益剰余金
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(3) 【組織】
公社は、理事会（Board of Directors）が決定する方針および理事会による指示に従って、主席執行
役員（Chief Executive）がこれを運営する。
ニュー・サウス・ウェールズ州財務省次官、別の財務省職員および主席執行役員は、理事職に就く。
現在の理事は以下のとおりである。
マイケル・ドワイヤー (Michael Dwyer)
理事会会長
マイケル・プラット (Michael Pratt)
理事会副会長
デイビッド・デヴェラル (David Deverall)
主席執行役員
フィリップ・ガードナー (Phillip Gardner)
非執行理事
イアン・セイン (Ian Saines)
非執行理事
ジェニー・ボディントン (Jenny Boddington)
非執行理事
アンヌ・ブレナン (Anne Brennan)
非執行理事
グレゴリー・クーパー (Gregory Cooper)
非執行理事
グレン・スティーブンス (Glenn Stevens)
非執行理事
アンヌ・テンプルマン・ジョーンズ (Anne Templeman-Jones)
非執行理事
各人とも勤務地はニュー・サウス・ウェールズ州2000、シドニー市フィリップ・ストリート126、ドイ
チェ・バンク・プレイス７階である。
公社の上席役員は、以下のとおりである。
デイビッド・デヴェラル 主席執行役員
(David Deverall)
スチュアート・ブレントノール 最高投資責任者
(Stuart Brentnall)
キャサリン・セイモア ゼネラル・マネージャー － 顧客関係担当
(Katharine Seymour)
ポール・スミス 最高業務運営責任者
(Paul Smith)
オマリー・ノースバーン 最高リスク責任者
(Omahlee Northburn)
ケイティ・マクドナルド ゼネラル・マネージャー － 人事および職場担当
(Katy McDonald)
サイモン・リング ゼネラル・マネージャー － 金融市場担当
(Simon Ling)
マイク・ドートン ゼネラル・マネージャー － テクノロジー担当
(Mike Daughton)
主席執行役員によって、あるいはその権限によって、公社の名において、または公社を代表してなさ
れたいかなる行為も、公社によってなされたものとみなされる。
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(4) 【業務の概況】
① 概要
公社はGSF法に規定するすべてのニュー・サウス・ウェールズ州の公的機関のために資金調達、借入
金の配分および管理を行う責任を有している。
公社はあらゆる形態の資金調達を行う権限を有し、公社が借入れた資金は、州政府および関係公的
機関に貸付けられる。かかる公的機関は、財務公社法により、財務省前払金およびニュー・サウス・
ウェールズ州財務大臣が決定するその他の形態による借入を除き、すべての借入を公社から行うこと
を義務づけられている。公社が調達した資金は、関係公的機関に対して支払をする時まで公社により
投資運用される。公社はまた、公的機関に対して投資管理サービスを提供している。
公社は、ニュー・サウス・ウェールズの予算が公表された後、すべての大手格付機関によって再確
認された州のAAAの格付を当年度中引続きサポートした。強力な流動性ポジションを維持するという公
社の戦略は、格付機関による評価にプラスの貢献をした。公社は、主に州の債務の返済および/または
ポジション替えを通じて、州の電力資産のリサイクル・プログラム支援を継続した。公社はまた、引
続き、資金の集中管理モデルならびにニュー・サウス・ウェールズ・インフラストラクチャー・
フューチャー・ファンド（NIFF）の設立による規模およびその他の利益を実現した。
② 借入
オーストラリアにおいて、公社は記名式債券の発行により長期借入を行い、約束手形（コマーシャ
ル・ペーパー）の発行により短期資金を調達している。これらにはそれぞれ州政府保証が付与されて
いる。
公社は非常に広範囲にわたる借入権限を有しており、海外からの借入も行うことができるが、その
場合には通常州政府保証が必要とされる。
下表は、過去２会計年度の６月30日における公社の借入金残高（市場価値で表示）を比較したもの
である。
( 単位：百万ドル)
2019 年６月30日現在 2020 年６月30日現在
負債
金融機関短期借入金 6,436.9 10,507.5
未決済債務 0.0 0.8
政府顧客借入金 860.1 428.2
借入金 65,885.1 87,061.2
デリバティブ金融商品債務 930.4 1,341.9
未払法人税（相当額） 7.0 11.7
139.6 125.0
その他の負債および引当金
74,259.1 99,476.3
正味借入金債務合計
注 数値は 2019/20年公社財務書類より引用されている。
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③ 公的機関への貸付
公社は、州の中央借入機関として、政府および州所有の公社を含む政府機関の代わりに借入を行
う。政府顧客貸付金については、財務書類に対する注記の注９を参照のこと。
公社は、公的機関に対し、公社が当該資金を調達したのと概ね同じ条件で貸付を行う。これらの貸
付は貸付先機関の所得および収入を担保としている。元利金の支払は、債権者に対する公社の債務の
弁済義務の履行を可能とするために、貸付を受けた機関が公社に対して行う。
公社の貸付先顧客機関の特定の資金需要を満たすために約束手形の発行を通じてオーストラリア市
場において行われる短期資金調達は、そのまま顧客にバックツーバック・ベースで転貸される。
現在公社は、いくつかのシンジケート・ローンならびにユーロ米ドル、ユーロ豪ドルおよびユーロ
円債を含む主要な国際市場における起債により海外での借入を行っている。
公社の海外での中期借入れを補うためにユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムが1989
年に設けられた。ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムにより様々な仕組みの多通貨建
債券の発行が可能になっている。
公社は、主要な資本市場への参入がオーストラリア国内で同等の借入をするコストよりも低コスト
で可能な場合、これら市場において資金調達を行う方針をとっている。
④ 投資
公社はニュー・サウス・ウェールズの公的機関に預金ファシリティを提供しており、これにより資
金をまとめ、短期金融市場において競争的に貸出しを行うことができる。2020年６月30日現在におけ
るこれら資金の価額は28.2百万ドルであった。
1989年６月30日、公社はＴコープＩＭファンドを導入した。これらのファンドにより高い利回りと
多様な投資機会が顧客である全ての公的機関にもたらされている。基本的に、公的機関の資産は翌日
物の現金からより長期の投資まで、ひとつにまとめられ、オーストラリアの有力な投資運用機関に預
けられる。公社は投資信託への投資を管理するほか、これらファンド・マネージャーのマネージャー
として行為している。
2020年６月30日現在、ＴコープＩＭファンドは、合計で約59.2十億ドルの資産を保有していた。公
社はまた、現金および固定収入ポートフォリオ、インフラストラクチャー・ポートフォリオの管理を
するほか、特定の顧客の指示に基づいて個別対応のサービスを提供している。こうしたサービス提供
による運用資金総額は、2020年６月30日現在46.2十億ドルであった。
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⑤ 2020/21年の借入計画
2020/21年中の中長期の資金調達所要額は36.5十億ドルと予想される。この所要額は、公的機関顧客
向けの新規貸付金31.9十億ドルおよび満期を迎える負債の借換えのための4.5十億ドルを反映してい
る。
短期資金調達は、2020/21年において現在の７十億ドルの水準をほぼ維持するものと予想される。
指標銘柄債の発行プログラムは、再び2020/21年の中長期資金調達の大半を占めるものとみられる。
資金調達の最終額およびその構成は、市況および公社の顧客の借入需要に左右されるであろう。
⑥ 日本との関係
1985年４月に、公社は、日本の銀行および保険会社との間で13十億円のシンジケート・ローン契約
を締結することにより、日本の資本市場に参入した。それ以降、公社は日本の金融機関団との様々な
シンジケート・ローン契約およびプライベート・ローンを締結し、また1990年代には各種のサムライ
債およびショーグン債を発行した。
2005年までは、公社は日本の円建債市場において最も多く債券を発行する外国債の発行体のひとつ
であった。また公社がユーロ市場において発行した多くのシリーズの債券の売出しが日本の資本市場
において行われた。
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(5) 【経理の状況】
財務書類
財務公社法は、公社に年次報告書の作成を義務づけている。1984年政府関係機関年次報告書法は、
ニュー・サウス・ウェールズの各政府関係機関に対してその活動に関する年次報告書を作成し、これを
議会に提出することを義務づけ、また当該年次報告書に適用ある基準の概要を定めている。
公社のように1984年政府関係機関年次報告書法の適用を受ける政府関係機関は、1983年財政監査法に
より権限を定められている会計検査官の監査を受ける。同法は、政府関係機関の財務書類の記載内容に
ついても規定している。
公社の財務書類は、1983年財政監査法、2015年財政監査規則およびニュー・サウス・ウェールズ州財
務大臣令に準拠して作成されている。財務書類はまた、オーストラリア会計基準、およびオーストラリ
ア会計基準審議会によるその他権威ある基準にも準拠している。
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包括利益計算書 (Statement of comprehensive income)
2020 年 2019 年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
損益を通じて公正価値により測定された金融
商品にかかる純収入 ３ 93,641 137,373
87,832 80,487
手数料収入 ４
純収入合計 181,473 217,860
営業費用 ５ (85,474) (77,365)
(21,091) (16,482)
取引費用 ５
営業費用および取引費用合計 (106,565) (93,847)
法人税相当額控除前利益 74,908 124,013
法人税相当額 １(c) (22,472) (37,176)
当期利益 52,436 86,837
その他包括損失
損益に組替えられない項目：
確定給付制度にかかる保険数理上の損失 - (93)
当期包括利益合計 52,436 86,744
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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貸借対照表 (Balance sheet)
2020年 2019年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
資産
現金および当座資産 ６ 868,594 2,182,026
未決済債権 784 -
金融機関短期貸付金 ７ 3,793,268 4,303,826
保有有価証券 ８ 6,427,233 5,196,538
デリバティブ債権 13 1,336,353 978,764
政府顧客貸付金 ９ 87,224,457 61,798,872
その他の資産 21 42,870 55,754
使用権資産 22 17,522 -
有形固定資産 22 4,791 5,995
資産合計 99,715,872 74,521,775
負債
金融機関短期借入金 10 10,507,541 6,436,864
未決済債務 784 -
政府顧客借入金 11 428,199 860,119
借入金 12 87,061,209 65,885,112
デリバティブ債務 13 1,341,852 930,445
未払法人税相当額 11,672 6,984
リース負債 23 23,308 -
その他の負債および引当金 23 101,712 139,592
負債合計 99,476,277 74,259,116
純資産 239,595 262,659
資本
利益剰余金 17 239,595 262,659
資本合計 239,595 262,659
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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資本変動計算書 (Statement of changes in equity)
利益剰余金 資本合計
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
2018年６月30日現在資本合計 17 293,415 293,415
当期利益 86,837 86,837
(93) (93)
その他包括損失
86,744 86,744
当期包括利益合計
所有者の立場での所有者との取引：
未払配当金 23 (117,500) (117,500)
2019年６月30日現在資本合計 17 262,659 262,659
当期利益 52,436 52,436
- -
その他包括損失
52,436 52,436
当期包括利益合計
所有者の立場での所有者との取引：
未払配当金 23 (75,500) (75,500)
2020年６月30日現在資本合計 17 239,595 239,595
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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キャッシュ・フロー計算書 (Statement of cash flows)
2020年 2019年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
営業活動による流入/（流出）キャッシュ・フロー
受取利息およびその他の金融収益 2,258,187 2,207,415
支払利息およびその他の金融費用 (2,039,491) (2,144,600)
受取手数料 93,725 96,747
税相当額の支払 (17,783) (38,750)
財貨・サービス税の支払 (4,275) (5,178)
営業費用および取引費用の支払 (99,262) (97,174)
政府顧客への貸付実行 (27,475,716) (7,194,632)
政府顧客からの貸付金返済 3,451,214 1,600,221
270,755 342,677
その他の金融商品による流入/（流出）現金純額
営業活動に使用した現金純額 30 (23,562,646) (5,233,274)
投資活動による流入/（流出）キャッシュ・フロー
有形固定資産および無形資産の購入 (6,034) (5,915)
(559,536) 1,266,216
保有金融市場証券（への支払）/からの受取現金純額
投資活動による/（に使用した）現金純額 (565,570) 1,260,301
財務活動による流入/（流出）キャッシュ・フロー
借入金および短期有価証券発行による手取金 103,046,836 61,502,241
借入金および短期有価証券の返済 (80,362,360) (57,392,712)
(117,500) -
支払配当金
22,566,976 4,109,529
財務活動による現金純額
保有現金増加/（減少）純額 (1,561,240) 136,556
1,902,336 1,765,780
現金および現金同等物期首残高
現金および現金同等物期末残高 29 341,096 1,902,336
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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財務 書類 に対する注記
１ 作成の基準および会計の発展
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社（以下「公社」という。）は、ニュー・サウス・ウェールズ州の
州政府、公的機関およびその他の公的主体向けに金融サービスを提供している。
本財務書類の作成にあたって採用されている重要な会計方針は、財務書類に対する本注記および後段の
注記において報告されている。会計方針は、前年度のものと合致している。
本財務書類は、2020年８月21日のニュー・サウス・ウェールズ財務公社の理事会決議に従って、発行が
承認された。
（ａ）作成の基準
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社の財務書類は、一般目的の財務書類であり、1983年財政監査
法、2015年財政監査規則およびニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣令の規定に準拠して作成されて
いる。財務書類はまた、オーストラリア会計基準およびオーストラリア会計基準審議会（以下「AASB」
という。）によるその他権威ある基準にも準拠して作成されている。
オーストラリア会計基準は、オーストラリア版の国際財務報告基準（以下「IFRS」という。）および
オーストラリア会計解釈指針を含んでいる。添付の注記を含む本財務書類は、IFRSを遵守している。
財務書類は、「営利」法人の基準に基づいて作成されている。
財務書類は、発生主義会計に基づき作成されている。金融資産および金融負債は、公正価値測定基準
により計上されている。有形固定資産は、取得時における対価の公正価値により計上されている。従業
員給付は、現在価値基準で認識されている。その他の資産、負債および引当金はすべて、当初は歴史的
原価により測定され、回収可能額または決済額に基づいて報告されている。
すべての金額は、オーストラリア・ドルで表示されており、別段の記載がない限り千ドル単位に四捨
五入されている。
資産および負債は、貸借対照表において流動性の順に表示されている。
（ｂ）外貨建取引
外貨建取引はまず、取引日現在の為替レートで豪ドルに換算される。期末において、外貨建の貨幣項
目は、その日現在の直物為替レートで豪ドルに換算される。この結果生じる為替差額は包括利益計算書
において認識される。
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（ｃ）所得税
1936年所得税法および1997年所得税法により、公社は連邦所得税を免除されている。しかし、公社
は、税金に相当する金額の支払をニュー・サウス・ウェールズ州政府に対してなさねばならない。公社
の負担は、2020年６月30日までの１年間の当期利益の30％（2019年：30％）相当額と定められた。
（ｄ ）財貨・サービス税（GST）
収益、費用および資産（債権を除く。）は、財貨・サービス税（GST）を控除して認識される。費用に
かかる税務当局から回収できないGSTの金額は、営業費用の別途項目として認識される。資産にかかる回
収できないGSTの金額は、取得原価の一部として認識される。債権および債務は、GST込みで認識され
る。キャッシュ・フローは、税込みでキャッシュ・フロー計算書に計上される。投資活動および財務活
動から生じるキャッシュ・フローのGSTのうち、オーストラリア税務当局から回収可能または当局に対し
て未払いの部分は、営業活動によるキャッシュ・フローとして分類される。
（ｅ ）当年度中に適用された基準および解釈指針
公社は、2019年７月１日に開始する年次報告期間に以下の基準および改訂を初度適用した：
AASB 16号「リース」（および適用ある改訂）
AASB 16号「リース」および関連する改訂基準は、これまでAASB 117号「リース」の範囲内にあったオ
ペレーティング・リースについて新たな認識および測定の要件を定めている。
AASB 16号の適用により、公社は「使用権資産」および将来のリース支払額の現在価値である関連する
リース負債を認識している。この結果、貸借対照表上で認識される資産（注22）および負債（注23）が
増加するとともに費用の認識額が変化することとなり、利息および減価償却費がオペレーティング・
リース費用にとって代わった。使用権資産およびリース負債の計算にあたっては、12年（当初７年にオ
プションの５年を加算）のリース期間と2.42％の割引率が使用された。
会計基準において具体的な経過規定により認められているため、公社は2019報告期間にかかる比較数
値を修正再表示していない。
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（ｆ）発行済みであるが、まだ効力を生じていない関連基準および解釈指針
財務書類の承認日現在、以下に掲げる基準および解釈指針が、発行済みであるが、まだ効力を生じて
いなかった。
有効となる
初度適用が予定
年次報告期間の
される会計年度
基準/解釈指針 開始日 の終了日
AASB 1059 号 「サービス譲与契約：譲与者」 2020 年１月１日 2021 年６月30日
AASB 2019-5 号 「オーストラリア会計基準の改訂－オー 2020 年１月１日 2021 年６月30日
ストラリアにおいて未発行のIFRS新基準
の影響の開示」
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州財務省通達20-01「オーストラリア会計基準に基づくオプショ
ンおよび主な方針決定の指令」に従って、新しい会計基準、改訂および解釈指針を早期適用していな
い。
AASB 1059号「サービス譲与契約：譲与者」（2020年１月１日付で発効）
AASBは、民間部門の事業者との間でサービス譲与契約を締結する公的部門企業向けに会計上の指針を
提供するため、AASB 1059号を導入した。
2020年６月30日現在、公社はいかなるサービス譲与契約も締結していなかった。よって、AASB 1059号
は公社の財務報告要件に何らの影響も及ぼさないであろう。
AASB 2019-5号「オーストラリア会計基準の改訂－オーストラリアにおいて未発行のIFRS新基準の影響
の開示」（2020年１月１日付で発効）
AASB 2019-5号は、IFRSに準拠する意向である企業に対して、AASBがまだ発行していないIFRS基準の潜
在的な影響について開示することを義務づけるものである。経営陣は、AASB 2019-5号によって注１
（ｆ）における開示事項が増加することになると予想している。
（ｇ）重要性な会計上の見積りおよび重要な判断
財務書類の作成は、経営陣に対して、注15に記載するとおり、金融資産および金融負債の公正価値の
決定に際して高い水準の判断および見積りをすることを義務づけている。見積りおよび判断は、定期的
に評価され、過去の経験および将来事象の期待に基づいて行われる。公社は、財務書類の作成に用いら
れた見積りは合理的であると考えている。
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２ セグメント情報
公社は、以下の事業セグメントを有している。
1) 金融市場
この部門は、政府顧客に対する融資ならびに債券発行およびバランスシートのリスク管理業務を通
じて行う関連する資金調達について責任を負う。この部門は、負債管理、通貨管理および助言サービ
スも提供する。
金融市場業務からの収益は、そのすべてが注３において開示される金融資産および金融負債からの
収益および費用の純額ならびに注４において開示される関連受取手数料からなる。
2) 投資運用
この部門は、現金および固定収入、財産ならびにインフラストラクチャー・ポートフォリオの直接
管理、ＴコープＩＭファンドを通じた「マネージャー・オブ・マネージャーズ」サービスならびにそ
の他個別のきめ細かいサービスを含む投資運用業務を提供している。
投資運用業務からの収益は、注４において開示するとおり受取手数料の形をとる。
公社の収益の大部分は、ニュー・サウス・ウェールズ州の州政府および共通の支配下にあると考えられ
るその機関から生じる。当年度中、セグメント間の売上げはなかった。
公社は、その主な役割の性質および立法の目的から、資金の一部を海外の金融市場から調達するほか
は、オーストラリア国内で事業を行っている。したがって、本財務書類において地域別セグメント報告は
なされていない。
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３ 損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる損益純額
会計方針
損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる損益純額は、貸付業務および関連す
る資金調達業務ならびに関連するリスクの管理からの収益に関係している。収益は、主に金融資
産および金融負債（資産にかかる稼得利息または負債にかかる支払利息を含む。）の公正価値変
動の差額から生じる。
公社は、金融資産および金融負債を、損益を通じた公正価値により測定することを義務づけら
れている。AASB９号「金融商品」に基づく分類要件では、ある主体の金融資産および金融負債の
管理に関するそのビジネス・モデルが考慮されている。公社は、そのバランスシートを公正価値
基準で管理している。このことは、理事会が承認したリスク管理方針に沿ったリスク、制限、評
価およびパフォーマンスの測定および報告を通じて示されている。したがって、すべての金融資
産および金融負債は、貸借対照表日現在の公正価値基準で評価され、ある評価日から次の評価日
までに当該評価の結果生じる損益は、包括利益計算書において認識される。
2020 年 2019 年
損益を通じて公正価値により指定された金融資産 (千ドル) (千ドル)
受取利息－政府顧客 2,128,215 1,940,288
受取利息－金融機関 181,380 260,855
1,197,741 3,301,210
金融資産の公正価値の増加/（減少）
3,507,336 5,502,353
損益を通じて公正価値により指定された金融負債
支払利息－政府顧客 (3,653) (44,759)
支払利息－金融機関 (2,148,220) (2,156,325)
(1,184,155) (3,132,213)
金融負債の公正価値の（増加）/減少
(3,336,028) (5,333,297)
為替純利益 899 746
デリバティブにかかる純損失 (78,566) (32,429)
損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる純収入 93,641 137,373
デリバティブ金融商品は、金利リスクおよび為替リスクを管理するために利用されている。デリバティ
ブ金融商品にかかる損益は、金融資産および金融負債の公正価値の変動によりほぼ相殺されている。
損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる純収入は、金融資産および金融負債の公正価
値変動からなる。当該金融資産にかかる2020年の純収入は93.6百万ドルで、これにはレベル３のユーロ・
ミディアム・ターム・ノートおよび関連する通貨スワップに対する当年度下半期における不安定な市場状
況の影響が含まれている（注５）。
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４ 受取手数料
会計方針
受取手数料は、主として顧客資産ポートフォリオの管理を通じて、またＴコープＩＭファンド
の受託者および/またはマネージャーとして、投資運用業務から得られる。
提供したサービスにかかる受取手数料は、サービスが提供された期に認識される。
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
投資運用手数料
(1)
顧客資産運用委託手数料 56,660 49,970
(1)
ＴコープＩＭファンド運用手数料 28,216 28,085
ニュー・サウス・ウェールズ州政府系法人からの
(1)
その他の手数料 340 298
608 1,035
金融機関からのその他の手数料
85,824 79,388
金融市場
ニュー・サウス・ウェールズ州政府系法人からの手数料 1,974 1,075
34 24
金融機関からのその他の手数料
2,008 1,099
87,832 80,487
(1) 注26において開示するとおり、運用対象のファンドにかかる稼得手数料に関係している。
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５ 営業費用および取引費用
会計方針
営業費用および取引費用は、関連するサービスが提供された期に、または負債が生じたとき
に、認識される。
減価償却費および償却費は、資産の見積耐用年数にわたって定額法により計算される。
オペレーティング・リースにかかるリース料の変動は、新たなリース会計基準AASB 16号の適用
に伴う移行および再分類の結果を反映している。リース負債にかかる支払利息は、「支払利息－
政府顧客」において認識され（注３）、使用権資産に関連する償却費用は下記の「減価償却費お
よび償却費」に計上される。
使用権資産にかかる減損損失
2019/20年度を通じて発生したCOVID-19は、ニュー・サウス・ウェールズ経済および世界経済に
未曽有の影響を与えた。COVID-19は、シドニー市フィリップ・ストリート126に所在する公社の建
物の市場賃料に影響を及ぼし、よって貸借対照表上の使用権資産の価値にも影響を及ぼした。
したがって、公社は、帳簿価額が回収可能額を上回るかどうかを判断するため、使用権資産に
かかる減損の評価を実施した（注22）。 使用権資産は、使用権資産の公正価値を参照して回収可
能額まで評価減された。
その結果、公社は2019/20年に3.3百万ドルの使用権資産にかかる減損損失を認識した。
営業費用
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
給与、賃金および給付金 53,711 49,983
情報技術 9,354 8,446
市場情報サービス 7,060 5,300
使用権資産にかかる減損 3,256 -
減価償却費および償却費 5,202 2,077
オペレーティング・リースにかかるリース料 - 1,989
6,891 9,570
その他の営業費用
85,474 77,365
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上記の営業費用には、以下の特定項目が含まれる。
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
94 2,163
コンサルタント手数料
情報技術 94 2,163
ニュー・サウス・ウェールズ州監査局に対する監査人報酬
公社の財務報告の監査 336 338
125 85
その他の監査および関連サービス
461 423
退職年金費用
確定拠出制度 2,956 2,507
- 21
確定給付制度
2,956 2,528
取引費用
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
債券発行手数料 8,548 4,800
12,543 11,682
その他の取引費用
21,091 16,482
その他の取引費用には、顧客投資ポートフォリオの管理に関連した費用ならびに先物の仲介および決済
手数料といったその他金融市場関連の費用が含まれる。
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金融商品
会計方針
(a) 金融商品の概要
公社の金融商品は、注６ないし13において開示する現金および当座資産、金融市場証券、貸
付金、借入金およびデリバティブからなる。
すべての金融資産、金融負債およびデリバティブは、取引日、すなわち公社が商品の契約条
項の当事者となった日に、貸借対照表において認識される。未決済債権は、貸借対照表日現在
認識済であるが未決済の取引にかかる公社の未収金額からなる。未決済債務は、貸借対照表日
現在認識済であるが未決済の取引にかかる公社の未払金額からなる。
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する公社の契約上の権利が失効した日
をもって、認識除外となる。金融負債は、公社の契約上の義務が消滅した日をもって、認識除
外となる。
売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券は、公社が所有に伴うリスクおよび経済価値を
取得しない場合、現金および当座資産に保持される（注６）。担保として提供を受けた有価証
券は、公社が当該有価証券のリスクおよび経済価値に実質的に晒されていないため、貸借対照
表には計上されない。
買戻し契約に基づいて売却された有価証券は、所有に伴うリスクおよび経済価値のほぼすべ
てが公社に残る場合、財務書類において保有有価証券（注８）に保持される。取引相手からの
合意された買戻し金額にかかる負債は、通常90日以内の期間内に有価証券を買戻す義務が存在
するため、金融機関短期借入金（注10）において認識される。
(b) 公正価値測定
公社は、AASB 13号「公正価値測定」に従って、金融資産および金融負債を測定している。
活発な市場が存在する場合には、公正価値は期末現在の特定の市場相場価格／利回りを参照し
て決定される。活発な市場が存在しない場合は、有価証券から発生が見込まれる将来のキャッ
シュ・フローを市場利回りおよび当該有価証券に見合ったマージンを用いて現在価値に割引く
ことにより最もうまく公正価値が見積もられる評価方法が選択されるように判断される。かか
るマージンは、当該有価証券の信用力および流動性を考慮に入れたものである。政府顧客貸付
金の評価に用いられる市場利回りは、公社が発行した類似の債務証券の利回りに由来している
（詳細は注18を参照）。
公社は、そのリスク管理戦略に従って、ネット・エクスポージャーを基準とした金融資産お
よび金融負債を通じて、市場リスクを管理している。その結果、公社は、特定のリスク・エク
スポージャーにかかる正味資産ポジションを売却して受取る、または正味負債ポジションを移
転して支払われる価格に基づいて、金融資産および金融負債のグループを測定するため、AASB
13号「公正価値測定」において認められる例外を利用している。
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６ 現金および当座資産
2020 年 2019 年
( 千ドル) ( 千ドル)
現金および短期貸付（無担保） 868,594 1,081,651
- 1,100,375
売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券
868,594 2,182,026
現金および当座資産には、容易に現金化可能な資産が含まれる。
７日間以内の短期貸付は国内の金融機関向けに行われ、元金は満期日に、また利息は月末に支払われ
る。
売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券は、流動性の高い債務証券により担保が付されており（注
19）、30日未満の満期となっている。
７ 金融機関短期貸付金
2020 年 2019 年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
短期銀行預金 3,307,370 4,064,084
485,898 239,742
現金担保 19
3,793,268 4,303,826
一定のデリバティブ取引に関して金融機関に支払われるべき金額を支援するために、公社から現金担保
が提供されることがある（注19）。
８ 保有有価証券
2020 年 2019 年
( 千ドル) ( 千ドル)
変動利付債 899,560 1,101,590
譲渡性預金証書 4,164,006 1,469,791
(1)
準政府債券 1,046,128 1,909,770
国際機関債 229,350 624,318
その他連邦政府およびニュー・サウス・ウェールズ州政府
88,189 91,069
関連有価証券
6,427,233 5,196,538
(1) 買戻し契約に基づいて売却された有価証券1,041.2百万ドル（2019年：599.4百万ドル）を含む。
保有有価証券は、主として流動性要件をカバーするために利用される。上記の金額のうち、1,515.8百万
ドル（2019年：2,442.1百万ドル）は、貸借対照表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
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９ 政府顧客貸付金
2020 年 2019 年
( 千ドル) ( 千ドル)
ニュー・サウス・ウェールズ州の公的部門顧客向け：
－政府系法人 60,121,641 36,628,446
－水道部門 14,054,820 12,861,815
－電力部門 6,528,437 6,185,418
－運輸部門 2,681,395 2,666,438
－その他の部門 2,995,540 2,811,943
842,624 644,812
－地方政府
87,224,457 61,798,872
政府顧客貸付金は、単利付、固定利付、変動利付またはインフレ指数連動基準による資金融通からな
る。
資本連動貸付金については、利息および額面金額がインフレの変動に四半期ごとに連動する。貸借対照
表日現在のこれら貸付金の公正価値は、合計7,434.0百万ドル（2019年：7,457.4百万ドル）であった。
年度ごとの連動貸付金は、一定の額面金額と、固定の実質金利および最新の調整済み消費者物価指数を
含む変動する利息からなる。貸借対照表日現在のこれら貸付金の公正価値は、合計1,964.3百万ドル（2019
年：1,984.8百万ドル）であった。
ニュー・サウス・ウェールズ州の公的部門顧客向けの貸付金は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府に
より保証されている。上記の金額のうち、82,051.5百万ドル（2019年：58,421.5百万ドル）は、貸借対照
表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
10 金融機関短期借入金
2020 年 2020 年 2019 年 2019 年
額面 公正価値 額面 公正価値
注 ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
約束手形 8,829,402 8,842,238 5,420,074 5,407,231
現金担保 19 153,340 153,339 163,990 163,984
短期借入金 527,500 527,498 279,700 279,690
買戻し契約に基づいて売却された
1,000,247 1,002,466 585,088 585,959
有価証券
10,510,489 10,507,541 6,448,852 6,436,864
約束手形は、通常12カ月までの期間で、公社が発行する短期有価証券である。
一定のデリバティブ取引に関して金融機関から支払を受けるべき金額を支援するために、公社に現金担
保が提供されることがある（注19）。
短期借入金には、当座借越および国内金融機関から借入れた翌日物預金が含まれる。これらの翌日物預
金は無担保で借入れられ、満期日に元利金が返済される。
買戻し契約に基づいて売却された有価証券は、現金担保により担保されている（注19）。公社は、通常
180日以内の期間内の合意された日に有価証券を買戻す義務を負う。
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11 政府顧客借入金
2020 年 2020 年 2019 年 2019 年
額面 公正価値 額面 公正価値
( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
顧客預り金：
－政府系法人 7,866 7,866 406,524 409,687
420,336 420,333 449,997 450,432
－その他
428,202 428,199 856,521 860,119
預り金は、要求払いまたは１年以内の定期で顧客から無担保で受取ったものであり、利息は満期日に支
払われる。
12 借入金
2020 年 2020 年 2019 年 2019 年
額面 公正価値 額面 公正価値
( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
指標銘柄債 60,245,756 68,036,931 46,692,401 52,671,980
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート 1,188,814 1,449,258 817,609 1,074,385
資本連動債券 6,152,543 7,108,938 6,065,409 7,161,477
変動利付債券 6,030,000 6,033,502 2,430,000 2,432,552
4,115,676 4,432,580 2,365,408 2,544,718
その他借入金
77,732,789 87,061,209 58,370,826 65,885,112
指標銘柄債は、利息が半年ごとに支払われ、額面金額が満期日に償還される。
ユーロ・ミディアム・ターム・ノートは主幹事会社を通じて、ユーロ市場および日本の個人投資家市場
向けに発行される。これらは満期日に償還され、利息は１年または半年ごとに支払われる。公正価値でみ
ると、1,251.1百万ドル（2019年：1,065.4百万ドル）のユーロ・ミディアム・ターム・ノートが貸借対照
表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
資本連動債券は、四半期ごとの利付で、額面金額がインフレに連動する国内債券である。公正価値でみ
ると、6,318.8百万ドル（2019年：7,161.5百万ドル）の資本連動債券が貸借対照表日から12カ月以降に満
期を迎える予定である。
変動利付債券は、四半期ごとに変動する利息が支払われ、額面金額が満期日に償還される。公正価値で
みると、5,412.9百万ドル（2019年：2,432.6百万ドル）の変動利付債券が貸借対照表日から12カ月以降に
満期を迎える予定である。
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その他借入金には、ワラタ債券、サステナビリティ債券プログラムに基づいて発行された債券およびそ
の他の国内非指標銘柄債が含まれる。貸借対照表日現在のワラタ債券およびサステナビリティ債券の公正
価値は、それぞれ424.1百万ドル（2019年：468.9百万ドル）および3,931.2百万ドル（2019年：1,997.6百
万ドル）であった。公正価値でみると、4,323.4百万ドル（2019年：2,418.2百万ドル）のその他借入金が
貸借対照表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
公社のすべての金融負債はニュー・サウス・ウェールズ州政府によって保証されている（注14）。公社
は、その借入金に関連して、資産およびその他の担保の形態で追加の担保を提供していない。
発行済の指標銘柄債券の満期日別内訳は以下のとおりである。
2020 年 2020 年 2019 年 2019 年
利息 額面 公正価値 額面 公正価値
満期日 (％／年) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
2020年５月１日 6.00 - - 2,814,370 2,958,786
(1)
- -
2020年６月１日 6.00 77,424 81,484
2021年４月８日 4.00 2,772,612 2,878,111 3,196,446 3,387,792
2022年３月１日 6.00 4,947,050 5,514,642 5,158,450 5,922,693
2023年４月20日 4.00 4,883,184 5,413,367 4,540,254 5,048,454
(1)
541,757 634,781 582,617 695,702
2023年５月１日 6.00
2024年２月８日 1.00 5,672,450 5,794,932 - -
2024年８月20日 5.00 4,502,106 5,403,274 5,943,990 7,142,281
2026年５月20日 4.00 4,215,528 5,018,927 2,968,528 3,471,955
2027年５月20日 3.00 6,620,380 7,551,504 4,599,450 5,090,535
2028年３月20日 3.00 6,241,820 7,190,090 5,609,820 6,247,286
2029年４月20日 3.00 6,578,600 7,607,092 4,937,100 5,490,406
2030年２月20日 3.00 6,975,296 8,120,886 5,372,298 5,996,903
2030年５月１日 6.00 283,248 409,471 344,004 486,414
2031年３月20日 2.00 2,732,750 2,900,022 - -
2033年３月８日 2.00 1,000,000 1,041,963 - -
2034年３月20日 3.50 426,950 521,747 325,950 385,829
2037年11月20日 3.50 756,700 928,075 221,700 265,461
2041年５月７日 2.25 794,625 804,324 - -
300,700 303,723 - -
2042年５月20日 2.25
60,245,756 68,036,931 46,692,401 52,671,980
(1) 連邦政府は、2020年６月30日現在、公正価値で合計634.8百万ドル（2019年：777.2百万ドル）の借入金に保証
を付していた。金融負債に関するその他の開示（注14）を参照。
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13 デリバティブ
デリバティブ金融商品とは、その価値が原金融商品の価値（もしくは価値の変動）、参照レートまたは
指数に依拠する（または由来する）契約または合意である。
デリバティブ金融商品には、スワップ、先日付の顧客貸付金、先物および先物為替予約が含まれる。先
日付の貸付金は、他の顧客貸付金と一致した基準で値決めされる。その他すべてのデリバティブ金融商品
について、公社は、プライス・メーカーではなく、デリバティブの利用におけるプライス・テーカーであ
る。
一定のデリバティブ取引の市場価値が取引相手との間で合意された限界値を超える場合には、公社が担
保を取得するか、または提供することがある（注19）。
正味エクスポージャー
期末現在残存している公社のデリバティブ金融商品取引の公正価値は、次のとおりである。
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
デリバティブ債権
通貨スワップ 84,817 80,659
金利スワップ 1,176,425 871,388
先物為替予約 66,224 26,175
取引所上場先物 318 -
先日付貸付金 4,870 -
3,699 542
コモディティ・スワップ
1,336,353 978,764
デリバティブ債務
通貨スワップ (76,686) (27,949)
金利スワップ (1,205,192) (870,171)
先物為替予約 (56,275) (27,595)
取引所上場先物 - (4,188)
(3,699) (542)
コモディティ・スワップ
(1,341,852) (930,445)
デリバティブに基づく正味（債務）/債権 (5,499) 48,319
デリバティブ金融商品の大部分（取引所上場先物、コモディティ・スワップおよび先物為替予約を除
く。）は、貸借対照表日から12カ月以降に回復される予定であるか、または決済されることになってい
る。
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14 金融負債に関するその他の開示
州政府保証
公社のすべての金融負債は、2018年政府部門金融法第6.5章第6.26条および第6.27条に基づいてニュー・
サウス・ウェールズ州政府によって保証されている。
連邦政府保証
公社が発行した特定の指標銘柄債券で、借入金（注12）として認識されているものは、2009年７月24日
付の州および特別地域の借入金に対するオーストラリア政府保証制度（以下「保証制度」という。）に
従って、オーストラリア連邦により保証されている。2010年２月７日、連邦は、保証制度に基づく「最終
発行日」を2010年12月31日とすることを発表した。最終発行日現在残存する公社発行の連邦政府保証指標
銘柄債券はすべて、保証制度の規定に従って引続き連邦の保証を受けている。
金融取決め
公社は十分な資金調達基盤を確保するために、国内およびオフショアの資本市場を利用することができ
る。公社は、オーストラリアの発行体が利用できる最高位の信用格付を有しているが、これはニュー・サ
ウス・ウェールズ州政府の保証に由来するものである。
公社の国内指標銘柄、非指標銘柄および約束手形の発行のほか、以下の海外プログラムが実施されてい
る。
2020年限度額 2019年限度額
(1)
グローバル・エクスチェンジャブル債 18十億豪ドル 18十億豪ドル
マルチ・カレンシー・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート 10十億米ドル 10十億米ドル
マルチ・カレンシー・ユーロ・コマーシャル・ペーパー 10十億米ドル 10十億米ドル
2020年 2019年
日本の発行登録 3,000億円 3,000億円
(1) グローバル・エクスチェンジャブル債プログラムに基づいて最後に発行された債券は、2019年４月に満期を迎え
た。
これらのプログラムは、資金の供給者に対して、契約上の拘束力を有するものではない。
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15 公正価値測定
金融資産および金融負債は、損益を通じた公正価値として計上されている。
公社の貸付金および借入金はニュー・サウス・ウェールズ州政府により、また特定の指標銘柄借入金は
連邦政府により、保証されている(注12)。そのため、公正価値の決定において信用リスクは重要なファク
ターとなっていない。したがって、公正価値の変動は、主として市場の情勢の変化から生じる市場利回り
および価格の変動に起因する。
公社は、金融資産および金融負債の公正価値の決定において、割引キャッシュ・フロー評価手法を用い
ている。
公正価値測定は、測定に使用される入力値の主観性を反映した公正価値ヒエラルキーを利用して分類さ
れている。公正価値ヒエラルキーの各レベルおよび入力値は以下のとおりである。
レベル１ ： 同一の資産または負債の活発な市場における（調整なしの）相場価格
レベル２ ： 資産または負債に関して、直接的に（すなわち、価格として）もしくは間接的に（すなわ
ち、価格に由来するものとして）観察可能な、レベル１に含まれる相場価格以外の入力値。
これには、適切なベンチマークに由来するマージンと組み合わせた相場価格または観察可能
な価格が含まれる。
レベル３ ： 観察可能な市場データに基づかない、資産または負債の入力値（すなわち、観察不能な入力
値）。
公社は、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間末に認識する方針をとっている。
公正価値ヒエラルキーに基づく公正価値により測定された公社の金融資産および金融負債（レベル別）
は、下表のとおりである。帳簿価額が公正価値の合理的な近似値である場合には、公正価値で測定された
のでない金融資産および金融負債にかかる公正価値情報は、この表に含まれない。
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2020年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
未決済債権 - 784 - 784
金融機関短期貸付金 485,898 3,307,370 - 3,793,268
保有有価証券 2,236,726 4,190,507 - 6,427,233
デリバティブ債権 318 1,336,035 - 1,336,353
政府顧客貸付金 18,280 86,796,897 409,280 87,224,457
先物証拠金 3,316 - - 3,316
金融資産 2,744,538 95,631,593 409,280 98,785,411
金融負債
金融機関短期借入金 (680,837) (9,826,704) - (10,507,541)
未決済債務 - (784) - (784)
政府顧客借入金 (117,598) (310,601) - (428,199)
借入金 (80,769,900) (5,157,491) (1,133,818) (87,061,209)
デリバティブ債務 - (1,341,852) - (1,341,852)
金融負債 (81,568,335) (16,637,432) (1,133,818) (99,339,585)
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レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2019年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
売戻条件付契約に基づいて購入した
有価証券 - 1,100,375 - 1,100,375
金融機関短期貸付金 239,742 4,064,084 - 4,303,826
保有有価証券 3,700,083 1,496,455 - 5,196,538
デリバティブ債権 - 978,764 - 978,764
政府顧客貸付金 10,311 61,788,561 - 61,798,872
先物証拠金 23,512 - - 23,512
金融資産 3,973,648 69,428,239 - 73,401,887
金融負債
金融機関短期借入金 (443,676) (5,993,188) - (6,436,864)
政府顧客借入金 (171,826) (688,293) - (860,119)
借入金 (61,779,593) (3,378,480) (727,039) (65,885,112)
デリバティブ債務 (4,188) (926,257) - (930,445)
金融負債 (62,399,283) (10,986,218) (727,039) (74,112,540)
レベル３の金融商品－重要な観察不能な入力値を用いた評価手法により決定された公正価値
レベル３のユーロ・ミディアム・ターム・ノートは、公社が発行した外貨建の固定利付有価証券（借入
金）である。貸借対照表日現在のレベル３のユーロ・ミディアム・ターム・ノートの公正価値は、1,133.8
百万ドル（2019年：727.0百万ドル）であった。これらの有価証券の評価は、原有価証券の市場相場価格お
よびその他の観察可能な入力値に由来する。公社は、有価証券の取引活動が制限されていることを踏まえ
て、市場相場価格にいっそうのリスク調整を加えた。公社は、これらの有価証券にかかるキャッシュ・フ
ローに関連した通貨エクスポージャーを完全にヘッジするため、通貨スワップを利用しており、関連する
これら通貨スワップは公正価値ヒエラルキーの下でレベル２に分類される。
レベル３の政府顧客に対する貸付金は、特定のレベル３のユーロ・ミディアム・ターム・ノートに関連
する評価に基づく公正価値をもつ貸付金である。貸借対照表日現在のレベル３の政府顧客に対する貸付金
の公正価値は409.3百万ドル（2019年：なし）であった。
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レベル３の公正価値変動の調整
下表は、貸借対照表におけるエクスポージャーの変動の、2020年６月30日現在レベル３に分類されてい
る金融商品への調整を要約したものである。
金融資産 金融負債
(千ドル) (千ドル)
2018 年６月30日現在合計 - (636,319)
(1)(2)
未実現利益および（損失） - (103,986)
(1)
（受取利息）/支払利息 - 13,266
2019 年６月30日現在合計 - (727,039)
追加 402,062 (399,900)
(1)(2)
7,218 (20,874)
未実現利益および（損失）
(1)
- 13,995
（受取利息）/支払利息
2020 年６月30日現在合計 409,280 (1,133,818)
(1) 包括利益計算書上、損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる損益純額に含まれている。
(2) これらの損益は、公正価値ヒエラルキーの下でレベル２に分類される関連する通貨スワップによる損益により概
ね相殺されている。
レベル３の金融商品－感応度分析
貸借対照表日現在、レベル３のユーロ・ミディアム・ターム・ノート負債およびレベル３の政府顧客貸
付金の評価に用いられた市場価格（利率）が0.01％変動すると、それぞれ公正価値に約+/-2.2百万ドル
（2019年：+/-1.2百万ドル）および+/-1.1百万ドル（2019年：なし）の影響があるであろう。この感応度
分析は、注18に詳述する公社による市場リスクの管理において検討されるべきである。
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16 金融資産と金融負債の相殺
下表は、貸借対照表において相殺された金融資産および金融負債ならびに貸借対照表上では相殺されて
いないが公社の取引相手との強制力のあるマスター・ネッティング契約の対象となっている金融資産およ
び金融負債を表示している。
貸借対照表に対する相殺の効果 相殺されない関連金額
金融商品担
貸借対照表 マスター・
保および
において ネッティン
貸借対照表 マージン
グ取決め
相殺された に表示され （受取）/支
総額 総額 る純額 対象額 払 純額
2020 年 注 ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
金融資産
デリバティブ債権
（先物を除く。） 1,356,895 (20,860) 1,336,035 (775,525) (151,550) 408,960
デリバティブ債権－先物 607 (289) 318 - - 318
デリバティブ債権合計 13 1,357,502 (21,149) 1,336,353 (775,525) (151,550) 409,278
(1)
先物マージン債権 24 - 24 - - 24
先物証拠金 21 3,316 - 3,316 - - 3,316
金融資産 1,360,842 (21,149) 1,339,693 (775,525) (151,550) 412,618
金融負債
デリバティブ債務
（先物を除く。） (1,362,712) 20,860 (1,341,852) 775,525 483,164 (83,163)
デリバティブ債務－先物 (289) 289 - - - -
デリバティブ債務合計 13 (1,363,001) 21,149 (1,341,852) 775,525 483,164 (83,163)
買戻し契約に基づいて
売却された有価証券 10 (1,002,466) - (1,002,466) - 1,002,466 -
金融負債 (2,365,467) 21,149 (2,344,318) 775,525 1,485,630 (83,163)
( 1) 注21のその他の債権および未収金に含まれている。
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貸借対照表に対する相殺の効果 相殺されない関連金額
金融商品担
貸借対照表 マスター・
保および
において ネッティン
貸借対照表 マージン
グ取決め
相殺された に表示され （受取）/支
総額 総額 る純額 対象額 払 純額
2019年 注 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
デリバティブ債権
（先物を除く。） 981,493 (2,729) 978,764 (622,702) (158,012) 198,050
デリバティブ債権－先物 251 (251) - - - -
デリバティブ債権合計 13 981,744 (2,980) 978,764 (622,702) (158,012) 198,050
売戻条件付契約に基づい
て購入した有価証券 ６ 1,100,375 - 1,100,375 - (1,096,467) 3,908
(1)
先物マージン債権 2,459 - 2,459 - (2,459) -
先物証拠金 21 23,512 - 23,512 - (1,729) 21,783
金融資産 2,108,090 (2,980) 2,105,110 (622,702) (1,258,667) 223,741
金融負債
デリバティブ債務
（先物を除く。） (928,986) 2,729 (926,257) 622,702 231,127 (72,428)
デリバティブ債務－先物 (4,439) 251 (4,188) - 4,188 -
デリバティブ債務合計 13 (933,425) 2,980 (930,445) 622,702 235,315 (72,428)
買戻し契約に基づいて
売却された有価証券 10 (585,959) - (585,959) - 585,959 -
金融負債 (1,519,384) 2,980 (1,516,404) 622,702 821,274 (72,428)
(1) 注21のその他の債権および未収金に含まれている。
公社が認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を現に有しており、かつネット・ベースで決
済するか、または資産の実現と負債の清算を同時に行う意図がある場合には、金融資産と金融負債の相殺
が認められ、純額が貸借対照表において報告される。一般的な市場慣行に沿って、公社は、貸借対照表上
における相殺基準を満たしていない取決めを締結している。これは、相殺する権利が将来事象の発生時に
のみ強制可能であるために、公社が認識済みの金額を相殺する法的に強制力のある権利を現に有していな
いためである。よってこれらの金額は貸借対照表上では相殺されておらず、表において区分表示されてい
る。表には、貸借対照表において相殺された金融資産および金融負債の総額も示されている。「純額」の
欄には、すべての相殺権が行使された場合の公社の貸借対照表に対する影響が示されている。
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貸借対照表において相殺されない関連金額
デリバティブ資産および負債
公社は、公社と市場の取引相手との間の国際スワップ・デリバティブ協会（ISDA）契約に定めるマス
ター・ネッティング取決めに基づくデリバティブ取引を行っている。取引相手の信用デフォルトなど一定
の状況下では、ISDA契約に基づくすべての残存取引は公社によって解約され、解約価額が決定され、唯一
の純額のみがすべての取引の決済における取引相手に対する債務/債権となる。金融担保とは、債務不履
行の場合に担保の実現を可能にすることにより、取引相手間の正味エクスポージャーをカバーするために
得られる現金をいう。
買戻し契約およびリバース・レポ契約
買戻し契約（買戻し契約に基づいて売却された有価証券）およびリバース・レポ契約（売戻条件付契約
に基づいて購入した有価証券）は、グローバル・マスター・リパーチャス・アグリーメントなどのネッ
ティング契約に基づく相殺の対象となっている。これらのネッティング契約のもとでは、同一の取引相手
とのすべての取引残高は相殺が可能で、債務不履行の場合には一括清算ネッティングが適用される。これ
らの取決めは、取引相手に債務不履行があった場合には、金融担保によって支援される。
17 財務リスク
目的および方針
公社は、市場リスク（金利リスクおよび為替リスク）、信用リスクならびに流動性リスクを含むさまざ
まな財務リスクを管理し、監視している（それぞれ注18、19および20を参照）。
これらのリスクが引受けられ、管理される範囲は、理事会方針、経営指針および顧客との契約に基づい
て設定されている。公社は理事会方針ならびに経営陣および顧客による制限の遵守状況を監視している。
こうした監視は、営業部門から適切に分離されている。情報は日々要約され、監視され、検討されたうえ
で、定期的に理事会に報告されている。
財務手続きのあらゆる側面は、ディーリング、決済、会計および法令遵守の間で分離されている。ま
た、建玉制限、流動性制限および取引相手信用制限も設定されている。これらの制限は、ディーリングお
よび決済の機能から独立して監視されており、これら制限の利用は要約され、日々経営陣に報告されてい
る。
公社の貸付および関連する資金調達活動の性格上、公社の貸借対照表において満期と金利改定にギャッ
プが発生し、これは日々変化する。公社の理事会はこうしたギャップから生じるリスクを特定しており、
こうしたリスクを慎重に制限するための理事会方針を確立している。理事会の制限に従ってリスクを管理
するにあたって、公社はデリバティブ金融商品を利用している。
デリバティブは、貸借対照表における一定の資産および負債についての金利リスクおよび為替リスクを
管理するために利用される。
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資本
ニュー・サウス・ウェールズ州政府は、法律上、公社に対する出資を義務づけられていない。利益剰余
金は、払込資本金の代りに保有されるもので、公社の事業に内在するリスクに見合った資本基盤を提供す
る。また、公社のすべての金融負債は、2018年政府部門金融法第6.5章第6.26条および第6.27条に基づいて
ニュー・サウス・ウェールズ州政府により保証されている。
18 市場リスク
金利リスク
公社の債務証券に等しいか、またはこれに由来し、評価のために利用される金利は次のとおりである。
2020年６月30日現在 2019年６月30日現在
市場金利 市場金利
利率 （満期までの利回り） （満期までの利回り）
％／年 （％／年） （％／年）
名目
翌日物 - 0.130 1.250
90日満期 - 0.102 1.165
180日満期 - 0.161 1.179
2020年５月１日満期 6.000 - 1.084
(1)
2020年６月１日満期 6.000 - 1.004
2021年４月８日満期 4.000 0.264 1.109
2022年３月１日満期 6.000 0.307 1.117
2023年４月20日満期 4.000 0.389 1.197
(1)
2023年５月１日満期 6.000 0.281 1.092
2024年２月８日満期 1.000 0.507 -
2024年８月20日満期 5.000 0.549 1.300
2026年５月20日満期 4.000 0.763 1.473
2027年５月20日満期 3.000 0.938 1.601
2028年３月20日満期 3.000 1.060 1.697
2029年４月20日満期 3.000 1.195 1.814
2030年２月20日満期 3.000 1.302 1.901
2030年５月１日満期 6.000 1.274 1.866
2031年３月20日満期 2.000 1.439 -
2033年３月８日満期 2.000 1.686 -
2034年３月20日満期 3.500 1.753 2.119
2037年11月20日満期 3.500 1.981 2.214
2041年５月７日満期 2.250 2.197 -
2042年５月20日満期 2.250 2.207 -
資本連動
2020年11月20日満期 3.750 0.526 0.098
2025年11月20日満期 2.750 0.255 0.199
2035年11月20日満期 2.500 0.707 0.701
(1) 連邦政府保証によって保証されている証券。注14を参照。
公社は、金融商品により発生するキャッシュ・フローまたは想定キャッシュ・フローに照らし合せて、
金利リスクに対するエクスポージャーを測定する。かかるキャッシュ・フローは、適切な市場利回りおよ
びマージンで現在価値に割引かれる。金利リスクは、固定金利商品のように金利の変動に応じて価値が変
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動する「公正価値金利リスク」、および変動金利商品のように市場金利の変動に応じて金利が改定される
「キャッシュ・フロー金利リスク」の形態をとりうる。
公社は、貸借対照表に内在する市場リスク・エクスポージャーの測定にあたって、バリュー・アット・
リスク（VaR）モデルを利用している。VaRは、99％の信頼区間と10日間の保有期間を用いた２年間のヒス
トリカル・シミュレーションを基準として測定される。
VaRは日々計算され、10日間で予想されうる損失見積額（この金額を超える可能性は１％）を示してい
る。
歴史的データベースは、銀行手形、銀行手形先物、債券先物、連邦および準政府債券、変動利付ノー
ト、資本連動債券ならびに金利スワップを含む、公社が直面する主な市場リスク・エクスポージャーに関
連する観測を含んでいる。シミュレーションの過程では、アウトライト金利水準の動き、利回り曲線およ
び各種有価証券グループ間の基本的なスプレッドの変化を把握する。すべての歴史的データの観測は均等
に加重される。
市場リスクの見積りとして、VaRには以下を含む一定の制限がある。
(a) ヒストリカル・シミュレーション基準に基づくVaRの計算は、将来のリターンが過去と同じ分布に
なるであろうことを暗黙の前提としている。そうでない場合は、VaRは実際の損失を過大または過
小評価することがある。
(b) 急速に変化する市場においては、モデルの反応が鈍く、結果として信頼区間におけるVaRが統計上
の予想を上回ることがよく起こる。
(c) モデルは、信頼区間での期待損失を定量化するが、これはVaRを上回る日における損失の潜在的な
規模を示すものではない。
公社の2020年６月30日現在の貸借対照表によると、10日間で可能性のある最大損失は5.6百万ドル（2019
年：7.4百万ドル）で、この最大額を超える可能性は１％である。2020年６月30日終了年度の平均VaRは、
5.8百万ドル（2019年：4.9百万ドル）であった。
為替リスク
公社は、為替レートの変動に対して重大なエクスポージャーを持つことがないように確保することをそ
の方針とし、手続きをとっている。豪ドル建資産の資金を賄うために約束手形（注10）またはユーロ・ミ
ディアム・ターム・ノート（注12）を通じて外貨で行う借入れから生じる為替リスクは、豪ドルの通貨ス
ワップおよび先物為替予約を締結することによってカバーされている。
公社が顧客との間で先物為替予約を締結する場合、これらは市場の取引相手との対応する先物為替予約
によってカバーされている。公社が受託者またはマネージャーとして行為する投資ファンドにおける為替
リスクは、かかるファンドへの投資家がこれを負担する。
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19 信用リスク
以下に記載する例外を除き、あらゆる種類の金融資産について、貸借対照表日現在の最大信用リスク・
エクスポージャーはすでに開示されている公正価値に等しい。
政府顧客貸付金および債権は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府により保証されているため、信用リ
スクは発生しないものとみなされる。
公社が保有する特定の有価証券はオーストラリア連邦政府によって保証されている（注14を参照）。か
かる有価証券は注12において別途特定されている。
デリバティブ金融商品は、スワップ、先日付貸付金、先物為替予約および先物を含んでいる。公社は、
公社の活動から生じる市場リスクをヘッジする目的で、かつ政府顧客とバック・トゥー・バック取決めの
下で市場の取引相手との間の仲介役として行為する場合には、デリバティブ契約を締結する。政府顧客に
代わって締結したデリバティブについては、公社は取引相手に債務不履行があった場合には顧客から補償
を受け、これによってかかるデリバティブ取引の信用リスクは大幅に軽減する。
公社は、信用リスクを軽減するために、信用デフォルト・スワップのような信用デリバティブを利用し
ていない。
デリバティブ金融商品についての信用エクスポージャーの計算については、満期日までの期間および額
面金額を参照して決定される潜在的エクスポージャーの額を時価に加算することが市場における慣例であ
る。追加の信用エクスポージャーについては、下記の信用リスクの集中の表に記載される。
額面価額が時価を上回る金融商品については、最大の潜在的信用エクスポージャーを反映するため、額
面金額と時価の差額が開示される。
追加の信用エクスポージャーについては、下記の信用リスクの集中の表に記載される。
担保
公社は、特定の取引相手とのデリバティブ取引に基づいて支払われるべき金額を支えるために担保を取
得または提供している。担保には、合意された時価の基準値を上回った場合に取得または提供される現金
もしくは適格有価証券が含まれることがある。かかる取決めは公社と各取引相手の間で合意されるもの
で、原デリバティブ取引に適用される業界の標準契約の付属文書の形式を取っている。債務不履行があっ
た場合には、公社は直ちに現金担保を不履行当事者に対する債権の金額と相殺する権利を有する。貸借対
照表日現在、かかる取決めに基づき受取った担保は153.3百万ドル（2019年：164.0百万ドル）であった。
信用リスクについて受取った担保の正味影響については下記を参照されたい。
2020年 2019年
注 (千ドル) (千ドル)
デリバティブ金融商品 162,793 167,065
受取った担保の帳簿価額 10 (153,339) (163,984)
正味信用リスク 9,454 3,081
公社は、貸借対照表日現在、こうした取決めに基づいて、485.9百万ドル（2019年：239.7百万ドル）の
担保を支払った。注７を参照。
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リバース・レポ契約（売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券）
期末現在、公社は売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券はなかった（2019年：1,100.4百万ドル）
（注６）。これらの金融商品は、法的に譲渡され、取引相手に債務不履行があった場合に現金化が可能
な、流動性の高い債務証券により担保が付されている。公社は、提供された有価証券のリスクおよび経済
価値に実質的に晒されていないため、これらの有価証券は貸借対照表に計上されていない。リバース・レ
ポ契約の諸条件は、業界の標準的な契約に拠っている。債務不履行の場合には、公社は直ちに担保を不履
行当事者に対する債権の金額と相殺する権利を有する。こうした相殺取決めの効果については、注16にお
いて開示する。
買戻し契約（買戻し契約に基づいて売却された有価証券）
期末現在、公社は、買戻し契約に基づいて売却された有価証券が1,041.2百万ドル（2019年：599.4百万
ドル）あった（注８）。買戻し契約に基づいて売却された有価証券は、現金担保によって担保される。債
務不履行があった場合には、公社は直ちに現金担保を不履行当事者に対する債権の金額と相殺する権利を
有する。買戻し契約の諸条件は、現行のオーストラリアの市場慣行を反映した業界の標準的な契約に拠っ
ている。こうした相殺取決めの効果については、注16において開示する。
これら有価証券にかかる実質的にすべてのリスクおよび経済価値を保持しているため、公社は引続きこ
れらの有価証券を貸借対照表において認識し、受取った担保を負債として認識している。取引相手は、公
社に有価証券を返却する義務を負い、公社は、通常90日以内の期間内の合意された日に有価証券を買戻す
義務を負う。
下表は、譲渡された金融資産および関連する負債の帳簿価額ならびに報告日現在の信用リスクに対する
正味影響額を示したものである。
2020年 2019年
注 (千ドル) (千ドル)
買戻し契約に基づいて売却された有価証券 ８ 1,041,189 599,360
受取った担保の帳簿価額 10 (1,002,466) (585,959)
正味信用リスク 38,723 13,401
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信用リスクの集中
(1)
信用格付別－2020年
その他の
(2)
AAA AA+ AA- A+ A 格付 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および
当座資産 - - 768,610 99,984 - - 868,594
金融機関
短期貸付金 - - 1,787,624 996,344 1,009,300 - 3,793,268
(6)
保有有価証券 1,712,261 612,221 2,043,345 1,474,559 199,944 384,903 6,427,233
デリバティブ
金融商品 4,870 - 634,059 276,699 11,072 409,653 1,336,353
- - - - - 3,316 3,316
先物証拠金
1,717,131 612,221 5,233,638 2,847,586 1,220,316 797,872 12,428,764
デリバティブに対す
る追加的な潜在的エ
クスポージャー - - 135,129 94,124 10,994 46,977 287,224
金融商品に対する追
加的な潜在的エクス
808 418 2,091 1,942 56 97 5,412
ポージャー
1,717,939 612,639 5,370,858 2,943,652 1,231,366 844,946 12,721,400
(1)
信用格付別－2019年
その他の
(2)
AAA AA+ AA- A+ A 格付 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および
当座資産 - - 1,981,313 200,713 - - 2,182,026
金融機関
短期貸付金 - - 2,858,835 792,382 652,609 - 4,303,826
(6)
保有有価証券 1,545,741 1,347,187 807,156 972,718 198,851 324,885 5,196,538
デリバティブ
金融商品 - - 527,312 235,500 4,789 211,163 978,764
- - - - - 23,512 23,512
先物証拠金
1,545,741 1,347,187 6,174,616 2,201,313 856,249 559,560 12,684,666
デリバティブに対す
る追加的な潜在的エ
クスポージャー - - 143,163 71,859 250 34,507 249,779
金融商品に対する追
加的な潜在的エクス
- - - 3,946 1,149 115 5,210
ポージャー
1,545,741 1,347,187 6,317,779 2,277,118 857,648 594,182 12,939,655
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取引相手別－2020年
(3) (4) (5)
政府 銀行 その他 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および当座資産 - 868,594 - 868,594
金融機関短期貸付金 - 3,793,268 - 3,793,268
(6)
保有有価証券 2,095,132 4,076,250 255,851 6,427,233
デリバティブ金融商品 399,718 936,635 - 1,336,353
- - 3,316 3,316
先物証拠金
2,494,850 9,674,747 259,167 12,428,764
デリバティブに対する追加
的な潜在的エクスポー
ジャー 45,988 241,236 - 287,224
金融商品に対する追加的な
1,226 4,186 - 5,412
潜在的エクスポージャー
2,542,064 9,920,169 259,167 12,721,400
取引相手別－2019年
(3) (4) (5)
政府 銀行 その他 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および当座資産 - 2,182,026 - 2,182,026
金融機関短期貸付金 - 4,303,826 - 4,303,826
(6)
保有有価証券 2,268,609 2,276,947 650,982 5,196,538
デリバティブ金融商品 197,948 780,816 - 978,764
- - 23,512 23,512
先物証拠金
2,466,557 9,543,615 674,494 12,684,666
デリバティブに対する追加
的な潜在的エクスポー
ジャー 33,519 216,260 - 249,779
金融商品に対する追加的な
- 5,210 - 5,210
潜在的エクスポージャー
2,500,076 9,765,085 674,494 12,939,655
(1) スタンダード・アンド・プアーズによる信用格付またはそれと同等のもの。公社の取引相手リスク方針に従っ
て、「格下げ方向のクレジット・ウォッチ」に該当する取引相手は１等級引下げられる。
(2) その他の格付には、長期格付がBBB+格であるもの、または取引相手の長期格付がない場合、短期格付がA-2格以下
であるものが含まれる。
(3) 政府－外国政府、オーストラリア連邦政府およびオーストラリアの他の州政府。
(4) 銀行－関連するオーストラリアの法律または海外の法域においてこれに相当する法律に基づいて銀行として認可
されている法人。
(5) その他の取引相手には国際機関が含まれる。
(6) 保有するAAA格の政府有価証券には、オーストラリア連邦による保証が付された合計65.4百万ドル（2019年：64.4
百万ドル）が含まれる。
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20 流動性リスク
公社は、理事会が定める最低限の健全性と最大範囲内で十分な水準の流動性を維持している。最低限の
健全性水準は、負債合計に対する比率で定義され、予期しない償還請求に対応し、かつ一時的な市場の混
乱に対処するために保有される。顧客の資金調達需要、満期到来のコミットメントおよびバランスシート
管理活動を含むさまざまな状況に対応するために、承認された最大限の範囲まで追加的な流動性水準が維
持されている。
以下の表は、契約上の（割引かれていない）キャッシュ・フローを期間別に要約したものである。金額
は、公正価値または割引キャッシュ・フローに基づく貸借対照表の金額とは異なる。
１カ月以下 １～３カ月 ３～12カ月 １～２年 ２～５年 ５年超 合計
2020 年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
現金および当座資産 868,594 - - - - - 868,594
未決済債権 784 - - - - - 784
金融機関短期貸付金 2,542,229 551,009 701,752 - - - 3,794,990
保有有価証券 582,324 1,447,040 2,918,507 765,316 509,640 246,083 6,468,910
政府顧客貸付金 422,265 1,312,986 4,937,469 7,263,056 27,613,566 51,721,509 93,270,851
その他の資産 17,580 213 886 1,182 3,167 340 23,368
先物証拠金 3,316 - - - - - 3,316
金融資産 4,437,092 3,311,248 8,558,614 8,029,554 28,126,373 51,967,932 104,430,813
金融負債
金融機関短期借入金 (3,522,242) (3,502,872) (3,237,000) (250,000) - - (10,512,114)
未決済債務 (784) - - - - - (784)
政府顧客借入金 (306,481) (120,854) (882) - - - (428,217)
借入金 (9,433) (628,088) (6,139,326) (7,207,737) (26,886,661) (52,087,867) (92,959,112)
リース負債 (210) (420) (1,898) (2,641) (8,682) - (13,851)
債務、未払費用および
その他引当金 (6,920) - - - - - (6,920)
金融負債 (3,846,070) (4,252,234) (9,379,106) (7,460,378) (26,895,343) (52,087,867) (103,920,998)
正味金融資産/(負債) 591,022 (940,986) (820,492) 569,176 1,231,030 (119,935) 509,815
デリバティブ
33,274 60,094 194,374 295,283 496,833 689,708 1,769,566
デリバティブ債権
(29,736) (49,866) (174,805) (298,221) (481,799) (1,014,314) (2,048,741)
デリバティブ債務
正味デリバティブ 3,538 10,228 19,569 (2,938) 15,034 (324,606) (279,175)
純額 594,560 (930,758) (800,923) 566,238 1,246,064 (444,541) 230,640
累計額 594,560 (336,198) (1,137,121) (570,883) 675,181 230,640 -
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１カ月以下 １～３カ月 ３～12カ月 １～２年 ２～５年 ５年超 合計
2019 年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
現金および当座資産 2,182,473 - - - - - 2,182,473
金融機関短期貸付金 692,161 656,421 2,978,388 - - - 4,326,970
保有有価証券 437,316 414,520 1,980,700 835,735 920,797 759,684 5,348,752
政府顧客貸付金 313,251 945,133 3,936,286 5,512,219 17,752,755 39,477,591 67,937,235
その他の資産 18,469 23 105 141 410 - 19,148
先物証拠金 23,512 - - - - - 23,512
金融資産 3,667,182 2,016,097 8,895,479 6,348,095 18,673,962 40,237,275 79,838,090
金融負債
金融機関短期借入金 (2,771,265) (1,551,926) (2,127,000) - - - (6,450,191)
政府顧客借入金 (613,026) (204,471) (43,608) - - - (861,105)
借入金 (26,657) (558,363) (4,600,456) (7,516,174) (15,235,218) (44,554,389) (72,491,257)
債務、未払費用およ
びその他引当金 (4,974) - - - - - (4,974)
金融負債 (3,415,922) (2,314,760) (6,771,064) (7,516,174) (15,235,218) (44,554,389) (79,807,527)
正味金融資産/(負債) 251,260 (298,663) 2,124,415 (1,168,079) 3,438,744 (4,317,114) 30,563
デリバティブ
デリバティブ債権 12,737 62,113 188,975 299,803 706,825 650,371 1,920,824
(22,080) (50,588) (187,567) (228,208) (579,620) (806,782) (1,874,845)
デリバティブ債務
正味デリバティブ (9,343) 11,525 1,408 71,595 127,205 (156,411) 45,979
純額 241,917 (287,138) 2,125,823 (1,096,484) 3,565,949 (4,473,525) 76,542
累計額 241,917 (45,221) 2,080,603 984,118 4,550,067 76,542 -
政府顧客貸付金の大半は、５年超の満期構成の貸付金である。よって、公社の負債の満期構成は、資産の満期構成
より短期間となることがある。これにより、公社は流動性の不足を満たすため定期的な借換えの実施を求められるこ
とがある。
契約上のコミットメントについては注25において開示する。特定のニュー・サウス・ウェールズ州公的
部門顧客のための保証については注27において開示する。
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21 その他の資産
会計方針
債権、無形資産、前払金および預金を含むその他の資産は、回収可能額に基づいて報告されて
いる。
債権および無形資産は、減損の証拠について定期的に査定が行われる。減損の証拠が見つかっ
た場合には、帳簿価額が見直され、必要に応じて資産の回収可能額に評価減される。
コンピューター・ソフトウェアおよび管理サービス・システムに関連した開発は無形資産とし
て分類され、資産の見積耐用年数にわたって定額法で償却される。見積耐用年数は、一般にコン
ピューター・ソフトウェアが作動した日から最長５年である。資産の耐用年数は、定期的に見直
され、適宜調整される。無形資産は、当初は取得原価で測定される。無形資産は、活発な市場が
存在する場合に限り、その後公正価値で測定される。公社の無形資産については活発な市場が存
在しないため、資産は取得原価から償却費累計額および減損を控除して計上される。各実施段階
にあるシステム・プロジェクトは、当該プロジェクトが作動するまでは、償却を開始しない。
リース債権は、ファイナンス・リース取決めに基づくリース期間にわたって借り手に対する債
権額からなる。
2020 年 2019 年
( 千ドル) ( 千ドル)
未収手数料および債権 16,680 13,862
現金および当座資産からの未収利息 575 1,897
無形資産 10,809 6,730
先物証拠金 3,316 23,512
リース債権 5,766 668
その他の前払金 5,460 4,465
その他の債権および未収金 264 4,620
42,870 55,754
無形資産の調整：
期首帳簿価額 6,730 1,712
追加 5,942 5,837
償却 (1,863) (819)
期末帳簿価額 10,809 6,730
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22 有形固定資産および使用権資産
会計方針
賃借物件改良費、事務用設備・備品、コンピューター・ハードウェアおよび車輌からなる有形
固定資産は、減価償却費累計額および減損を控除した費用で計上されているが、これは公正価値
に近似している。費用には当該項目の取得または建設に直接帰属する経費が含まれている。
使用権資産は、現在の事務所建物をリース期間にわたって使用する公社の権利を示しており、
減価償却費累計額および減損を控除した費用で計上されているが、これは公正価値に近似してい
る。
減価償却費は、資産が作動した日から、以下の見積耐用年数にわたって定額法により計算され
る。
・賃借物件改良費（修繕引当金を含む。）： リースの契約上の期間（2025年５月31日に期限
が到来する。）
・使用権資産： リース期間（2030年５月31日に期限が到来する。）
・設備および車輌
・コンピューター・ハードウェア： ３年
・車輌： ５年
・事務所設備・備品： リース期間（2025年５月31日に期限が到来する。）
資産の残余価値、耐用年数および減価償却方法は定期的に見直され、変動の効果は将来予測基
準で認識される。資産の性質および重要性から、独立した評価を要しない。減損の兆候がある場
合、帳簿価額は必要に応じて資産の回収可能額まで評価減される。
有形固定資産の項目の処分または除却による損益は、資産の売却手取金と帳簿価額との差額と
して決定され、包括利益計算書において認識される。
有形固定資産にかかる支出は、それが公社の資産基盤に重要な強化をもたらす認識可能な資産
に関連しており、かつかかる資産が継続的便益を公社に提供することが見込まれる場合には、資
産計上される。
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賃借物件改良費 設備および車輌 有形固定資産合計 使用権資産
2020年 2019年 2020年 2019年 2020年 2019年 2020年 2019年
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
期首現在公正価値 4,927 5,363 2,460 2,564 7,387 7,927 - -
期首現在減価償却
費累計額 (761) (493) (631) (160) (1,392) (653) - -
期首現在帳簿価額 4,166 4,870 1,829 2,404 5,995 7,274 - -
当期中の変動：
公正価値の増加 - - 55 44 55 44 22,878 -
処分および評価減
純額 - - (19) (65) (19) (65) - -
減価償却費 (706) (704) (534) (554) (1,240) (1,258) (2,100) -
減損費用 - - - - - - (3,256) -
期末現在帳簿価額 3,460 4,166 1,331 1,829 4,791 5,995 17,522 -
期末現在公正価値 4,927 4,927 2,432 2,460 7,359 7,387 19,622 -
期末現在減価償却
費累計額 (1,467) (761) (1,101) (631) (2,568) (1,392) (2,100) -
期末現在帳簿価額 3,460 4,166 1,331 1,829 4,791 5,995 17,522 -
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23 その他の負債、引当金およびリース負債
会計方針
その他の負債および引当金は、実際のまたは予想される決済額に基づいて報告される。
公社が過去の事象の結果として現在の義務（法的または推定）を有しており、公社がかかる義
務の決済を義務づけられる可能性があり、かかる義務の金額について信頼できる見積りが可能な
場合に、引当金が認識される。
従業員給付引当金には、年次有給休暇、長期勤続休暇およびその他の従業員受給権にかかる引
当金が含まれる。これらの引当金は、報告日現在の累積された未使用の受給資格について将来支
払われるべき予想金額および関連負債（給与税など）を示している。
年次有給休暇引当金は、法定および契約上の義務に基づいて認識され、決済時に適用があると
見込まれる報酬率を用いて名目価値で測定される。長期勤続有給休暇引当金は、期末までに従業
員が提供した役務について、予想される将来の給与水準、過去の従業員離職率および勤続年数を
考慮して当該従業員に支払われる将来の見積キャッシュ・アウトフローの現在価値に相当する。
公社が支払うべき配当金は、1983年財政監査法に従って、ニュー・サウス・ウェールズ州財務
大臣がこれを決定する。また、当期の配当決定の基準は、当年度末に先立って理事会決議に記録
される。
AASB 16号「リース」の適用による結果は以下のとおりである。
・リース報奨金は、使用権資産の一部に含まれることとなる（注22）、および
・将来のリース支払の現在価値であるリース負債の認識。
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
その他の負債および引当金 101,712 139,592
23,308 -
リース負債
125,020 139,592
その他の負債および引当金の内訳は以下のとおりである。
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
従業員給付引当金 14,473 12,956
債務、未払費用およびその他引当金 6,920 4,974
リース報奨金 - 4,162
前受金 4,819 -
75,500 117,500
未払配当金
101,712 139,592
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リース負債の調整
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
期首現在帳簿価額 - -
追加 25,118 -
(1)
支払利息 608 -
リース支払 (2,418) -
期末現在帳簿価額 23,308 -
(1) リース負債にかかる支払利息は、「支払利息－政府顧客」において認識されている（注3）。
24 退職年金
会計方針
確定給付制度から生じる前払退職年金拠出金を示す金額は資産として認識され、その他の資産
（注21）に含まれている。保険数理上の損益は、発生した期に包括利益計算書において認識され
る。
以下の基金は、閉鎖型のニュー・サウス・ウェールズ州公的部門退職年金制度の投資を信託保有してい
る。
州公的機関退職年金制度（SASS）
州退職年金制度（SSS）
州公的機関非拠出型退職年金制度（SANCS）
これらの基金は、いずれも確定給付型制度であり、従業員の最終給付額の少なくとも一部分は加入者の
給与と加入年数の積に由来している。すべての制度は、新規加入を停止している。すべての基金資産は、
(1)
商業ベースで投資されている 。退職年金債務を減らすために、マーサー・アドミニストレーション・
サービシズに対して支払を行うことができる。かかる支払額は、マーサー・アドミニストレーション・
サービシズによって投資準備勘定において保有されている。確定給付債務の加重平均期間は15.3年（2019
年：14.9年）である。
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SASS、SSSおよびSANCSの保険数理士による評価は、オーストラリア会計基準AASB 119号「従業員給付」
の要件に基づいている。この基準は、未払給付の価値を算出する際に、評価利率として市場により決定さ
れたリスク調整後の割引率を適用することを義務づけている。AASB 119号の要件を満たすために、報告日
現在次の主な保険数理上の仮定が用いられた。
2020年 2019年
％／年 ％／年
(2)
６月30日現在割引率 3.2 3.2
現在の年金債務を裏付ける資産にかかる予想収益率 7.0 7.4
消費者物価指数予想上昇率 －2019/20年度
1.0 1.8
－2020/21年度 0.3 2.0
－2021/22年度 1.5 2.3
－2022/23年度 1.3 2.3
－2023/24年度 1.8 2.5
－2024/25年度から2025/26年度まで 2.0 2.5
－2026/27年度から2029/30年度まで 2.3 2.5
－それ以降 2.5 2.5
(1) 公社は、年金制度の受託者であるSASトラスティ・コーポレーションに対して投資運用サービスを提供している。
かかる業務の遂行にあたって公社が稼得する手数料は、包括利益計算書に含まれている。
(2) この率は、質の高い社債の利回りを反映している。
前払拠出金（純額）の変動の調整
合計
SASS SANCS SSS 2020年 2019年
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
期首現在正味（資産）/負債 - - - - (103)
従業員拠出金 - - - - (10)
包括利益計算書において
認識された正味費用 - - - - 113
期末現在正味（資産）/負債 - - - - -
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25 契約上のコミットメント
2020年 2019年
(千ドル) (千ドル)
オペレーティング・リース約定
１年以内 - 3,566
１年超～５年以内 - 15,716
５年超 - 3,962
(1)
合計（GSTを含む。） - 23,244
その他の支出約定
１年以内 2,771 2,605
１年超～５年以内 11,717 10,839
５年超 - 3,328
合計 14,488 16,772
(1) F19のオペレーティング・リース約定合計は、2.1百万ドルの財貨・サービス税（GST）を含んでいるが、その一部
はオーストラリア国税庁から還付されている。
オペレーティング・リースは、AASB 16号「リース」に従って、2019年７月１日からリース負債として貸
借対照表において認識されているため、関連するオペレーティング・リース約定はもはや開示されていな
い。
会計基準において具体的な経過規定により認められているため、公社は2019報告期間にかかる比較数値
を修正再表示していない。
その他の支出約定には、重要な情報技術関連契約にかかる外貨建の実施およびライセンス費用が含まれ
る。
26 受任業務および運用ファンド
公社は、ＴコープＩＭファンドの受託者およびファンド・マネージャーとして行為するほか、顧客に代
わって資産および負債ポートフォリオの管理にあたっている。これに関連する負債および資産は、公社の
貸借対照表においては認識されない。こうした業務に関して公社が稼得する手数料は、発生主義により包
括利益計算書に計上される。
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
(1)
運用ファンド 102,962,674 106,847,428
これらファンドの運用者は、以下のとおりである：
－外部ファンド・マネージャー 79,126,680 79,701,990
23,835,994 27,145,438
－公社
運用ファンドの合計 102,962,674 106,847,428
運用負債ポートフォリオ 70,753,349 40,529,223
(1) ＴコープＩＭファンド内の資金は56,762.5百万ドル（2019年：59,319.5百万ドル）であった。
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27 偶発債務
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州の他の公的部門顧客のために、第三者との契約に基づく当該顧
客の履行について保証を行っている。貸借対照表日現在、これらの保証額は合計65.4百万ドル（2019年：
74.7百万ドル）であり、この金額は要求払いである。
かかる保証に基づいて支払われた金額は、ニュー・サウス・ウェールズ州の公的部門の参加機関から回
収可能である。この融資には、ニュー・サウス・ウェールズ州政府の保証が付されている。
28 関連当事者
主要経営陣
主要経営陣には、公社の経営について権限および責任を有する理事および執行役員が含まれる。主要経
営陣の報酬は、以下に開示するとおりである。
理事および執行役員の当年度の報酬
2020 年 2019 年
(千ドル) (千ドル)
短期従業員給付 5,097 4,993
退職後給付 233 207
その他の長期従業員給付 357 303
157 -
退職給付
5,844 5,503
上記の報酬総額は公社から支払われ、非執行理事への報酬627,000ドル（2019年：596,000ドル）を含ん
でいる。
公社の主要経営陣が、公社の取引先である法人の主要経営陣を兼任しているとみなされる場合は、かか
る取引は公社の通常の商業条件に基づき、商業ベースで行われる。
閣僚
公社のポートフォリオ担当大臣（ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣）を含むニュー・サウス・
ウェールズ州政府の閣僚は、公社および各州政府系法人の関連当事者とみなされる。
ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣は、ポートフォリオ担当大臣としての資格において、公社が行
う一定の取引（公社における公的部門の資金の投資および政府顧客への貸付業務を含む。）の授権につい
て責任を負う。
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その他の法律上の関係
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州議会の1983年財務公社法に基づいて設立された公法人である。
公社はオーストラリアに所在し、その主たる事務所は、ニュー・サウス・ウェールズ州2000、シドニー
市、フィリップ・ストリート126、ドイチェ・バンク・プレイス７階に置かれている。
公社から支払われる配当金は、1983年財政監査法に従ってニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣がこ
れを決定する。公社の財政収支は、毎年ニュー・サウス・ウェールズ州の州財政報告に連結されている。
2018年政府部門金融法は、ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣により特別の免除が認められない限
り、ニュー・サウス・ウェールズ州政府機関が公社からのみ借入を行うことを義務づけている。
その他のニュー・サウス・ウェールズ州の政府機関
1983年財務公社法の下で、公社の主たる目的は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府、公的機関および
その他公共団体向けに、またはこれらのために、金融サービスを提供することである。より具体的には、
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府およびニュー・サウス・ウェールズ州の公的機関との関連で
以下の業務に従事することができる。
・資金提供
・資産および負債の運用、管理または運用に関する助言
・投資資金の引受け
公社の顧客は、すべてニュー・サウス・ウェールズ州の政府系法人またはその他公共団体である。公社
は、公社の通常の取引条件に基づいて顧客との取引を行っている。
29 キャッシュ・フロー計算書－現金および現金同等物の調整
キャッシュ・フロー計算書の目的上、現金および現金同等物には、以下のものが含まれる。
2020年 2019年
注 (千ドル) (千ドル)
現金および当座資産 ６ 868,594 2,182,026
短期借入金 10 (527,498) (279,690)
現金および現金同等物 341,096 1,902,336
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30 営業活動によるキャッシュ・フローの当期利益への調整
2020年 2019年
(千ドル) (千ドル)
営業活動に使用された現金純額 (23,562,646) (5,233,274)
加算／(減算)調整：次の項目から生じるもの：
－顧客貸付金の純額 24,024,502 5,594,411
－金融資産および負債にかかる各期末現在未収利息の純変動 25,960 (79,317)
－その他の金融商品の純変動 (270,755) (342,677)
－その他の資産の純変動 (17,032) 779
－使用権資産の追加 19,622 -
－リース負債の追加 (25,118) -
(8,808) 6,798
－その他の負債および引当金の純変動（配当を除く。）
185,725 (53,280)
加算／(減算)：純利益に寄与するが
営業キャッシュ・フローを発生させないもの：
－確定給付制度にかかる保険数理上の損失 - 93
－リース負債にかかる支払利息 (608) -
－有形固定資産および無形資産の処分損 11 37
－金融商品売却（損）/益 (231,839) 45,842
－金融商品にかかる未実現公正価値の増加 104,349 96,222
－減価償却費および償却費 (5,202) (2,077)
当期利益 52,436 86,837
31 財務活動から生じる負債の調整
2020年 2019年
(千ドル) (千ドル)
期首残高 73,182,095 65,053,077
キャッシュ・フロー：
借入金および短期有価証券発行による手取金 103,046,836 61,502,241
借入金および短期有価証券の返済 (80,362,360) (57,392,712)
非現金項目の変動 2,130,378 4,019,490
期末残高 97,996,949 73,182,095
財務活動には、貸借対照表上で金融機関短期貸付金、政府顧客貸付金および借入金において保有される
金融商品が含まれる。
32 後発事象
貸借対照表日後の事象で、2020年６月30日現在の財務書類に重大な影響を及ぼし得るものはない。
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(6) 【その他】
報告書においてすでに開示されたもののほかに、直近の会計年度末（2020年６月30日）以降、重要な
事実は発生していない。公社は、負担したまたは引受けたそのすべての国内外の債務についてその期日
における支払を履行してきた。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
ニュー・サウス・ウェールズ州の概況
① 位置、面積、地形および人口
ニュー・サウス・ウェールズ州は南緯29度線から39度線、東経141度線から154度線の間に位置して
いる。面積は801,600平方キロメートルで、オーストラリアのほぼ10分の１を占める。
ニュー・サウス・ウェールズ州の人口は約8,220,000人である。ニュー・サウス・ウェールズ州の人
口の過半数を占める約4.9百万人がシドニーの首都圏に集中している。他の主要な地方都市にはニュー
カッスル（491,000人）およびウロンゴング（306,000人）が含まれる。
州は自然の特徴により南北に広がりながら、沿岸地帯（幅が北部の80キロメートルから南部の30キ
ロメートルまで変化している）、台地、台地の西部勾配地帯、西部平原地帯（州面積の約３分の２を
占める）の主な４つに区分される。
州全体は温暖域内に位置しており、気候は一般に穏やかで極端な寒暖差はほとんどない。シドニー
の夏の平均気温は22度、冬は13度である。これに対して、西内陸部で同緯度のミルデュラ（州の南
端）では夏29度、冬11度である。降雨量は州の中でも大きく異なり、北部では年間平均がおよそ1,500
ミリメートルであるのに対し、南部ではおよそ800ミリメートルである。北西部では年間平均降雨量が
およそ200ミリメートルである。季節は９、10、11月が春、12、１、２月が夏、３、４、５月が秋、
６、７、８月が冬である。
② 政治および外交
(a) オーストラリア連邦との関係
オーストラリア連邦は、オーストラリア連邦憲法（英国議会で制定された法律）に基づき誕生し
た。ニュー・サウス・ウェールズおよび他の５つの英領植民地は、1901年１月１日にオーストラリ
ア連邦の名の下に連邦州となった。
連邦政府は、国防、外交、貿易および通商、郵便および電信、通貨および銀行業務、保険、年金
ならびに社会福祉など、各州共通の利害である特定事項に関する法律を制定する権限を与えられて
いる。また、連邦政府は、関税および消費税の課税については専権を有しているが、その他すべて
の課税分野については州政府と共同で課税する権限を有している。1942年以来、連邦政府は唯一の
所得課税当局となっているが、各州は連邦から財政援助金の支払を受けており、各州はその居住者
から徴収される個人所得税に付加税を課したり、還付を認める権限を有している。
ニュー・サウス・ウェールズの主権は、他の諸州と同様に連邦憲法において明確に定められてい
る。各州政府は、連邦政府に明確に付与されていないすべての権限、例えば土地、鉱業、教育、保
健、運輸および鉄道、水道および灌漑、工業および農業、警察および司法、高速道路、公共事業、
港湾設備、林業、電力ならびにガスなどの分野に関する権限を保持している。
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(b) 政治機構および政党
ニュー・サウス・ウェールズ州の立法権は、統治君主ならびに立法議会（下院）および立法評議
会（上院）の２議院から成っている。両院とも法案を発議することはできるが、歳入の支出や課税
に関する法案は下院が先議権を有する。法案は両院で可決されなければならないが、上院は歳出予
算すなわち財政法案については否決することができない。
財政法案に関して両院間で意見の相違がある場合、憲法の規定は伝統的権利として下院が財政を
掌握することを認めている。通常の年間役務支出関連法案は、上院による修正を付してまたはこれ
を付さないで、総督に裁可のために提出され、上院の賛成がなくても法案は成立しうる。下院で通
過した（歳出予算案以外の）法案に対する反対に打ち勝つために、憲法では３カ月をおいた後、下
院は再度その法案を通過させることができるとしている。その法案が再度上院で否決された場合、
下院はその法案を選挙人投票に諮ることができる。
2019年３月、州総選挙が行われた。 グラディス・ベレジクリアン 首相が率いる自由党と国民党の
２期目となる現連立政府が、下院における過半数を下回ったものの４年任期の３期目に選出され、
政府が構成されている。次回の州総選挙は、2023年３月に行われる予定である（ただし、憲法に
従ってこれより早く選挙が行われることがある。）。
2020年12月現在のニュー・サウス・ウェールズ州議会の構成は次の通りである。
下院 上院
オーストラリア労働党(ALP) 36 14
自由党／国民党 48 17
無所属 3 1
その他 6 10
- -
欠員
93 42
計
州の行政権は、州総督（通常、州政府の助言に基づいて行為する。）および州の閣僚により構成
される行政評議会に帰属している。閣僚は、下院において過半数を占める政党、あるいは連立政権
に属する政党の議員の中から任命される。実質上、行政権は州首相と閣僚からなる内閣によって行
使される。
州の司法権は、最高裁判所を頂点とする州裁判所の組織に付与されている。州最高裁判所の判決
に対してオーストラリア高等裁判所に上訴することができる。
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(c) 州政府機関および地方行政機関
ニュー・サウス・ウェールズ州政府の各省庁によって行使される行政機能の他に、省庁以外の多
くの州政府機関があり、その機能および権限は議会の制定する法律により直接付与されている。
地方行政機関は、州議会により付与された権限を行使する市、地方および区の評議会からなる。
これらの各機関は、各地域の住民および不動産所有者によって選出された代表によって構成されて
いる。これらの機関は、主に土地利用計画、郊外道路、図書館および地域建築基準の保全を含む地
域サービスを行っている。
いくつかの地方行政区域を包括する郡評議会は、これを構成している各区評議会の地域住民に
サービスを提供している。郡評議会の評議員は、その構成評議会の評議員から選出される。郡評議
会は、州議会により付与された権限、特に小売配電事業の権限を行使している。
(d) 外交
ニュー・サウス・ウェールズ州自体は他国と外交関係を維持していない。ニュー・サウス・
ウェールズ州は、特別ミッションを通じてニュー・サウス・ウェールズ州の企業による外国貿易や
州内への外国からの投資の促進にも努めている。
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③ 経済
(1.1) ニュー・サウス・ウェールズ州の経済
本項では、経済実績を検討し、かつ2020/21年予算の基礎となる経済予想について詳述する。歳
入、歳出は、ともに経済環境の影響を受ける。税金、利払費用および省庁の費用に影響を与える要
因としては、経済的要因が最も重要である。
(1.2) 最近の業績
2019/20年の半期レビューから11カ月が経過して、ニュー・サウス・ウェールズ州民は、前世紀の
半ば以来最も難しい時期に耐えてきた。2020/21年予算は、この困難な時期に州民が必要としている
救済を提供し、州の重点ポイントを雇用の創出と強く着実な回復に転換し、長期的な繁栄の基盤を
築くこととしている。
2019/20年を通じて、ニュー・サウス・ウェールズは州の99.9％で深刻な長期にわたる干ばつに見
舞われた。2019年夏に入ると、 乾燥状態が壊滅的な森林火災に発展し、240日間連続で5.5百万ヘク
タールを焼き尽くし、2,476戸の家屋と899百万ドルのインフラが破壊され、26人の命が悲劇的に失
われた。火災が終息する前、森林火災の影響を受けたコミュニティが再建への第一歩を踏み出した
とき、COVID-19のパンデミックの発生は記憶に残る最も重大な経済的衝撃をもたらした。
制限により、政府には医療制度を準備し、強化する時間ができ、医療施設に3.0十億ドル強が投じ
られた。これには、需要の急増に耐えるため、ニュー・サウス・ウェールズの病院の集中治療室を
４倍にすることと、非常に効果的な検査および追跡機能への資金提供が含まれている。
こうした取組みは、長期間にわたってウイルスの拡散を制限し、特別なケアを必要とする人々に
これを提供し、可能な限り経済を開放し続けたニュー・サウス・ウェールズにおいて大成功を収め
た。
連邦と協力して、政府はまた、人々の雇用とビジネスを維持するという明確な目的をもって、パ
ンデミックの経済的影響を緩和するための迅速な措置を講じた。
こうした取組みにもかかわらず、パンデミックの規模は、結果として生じる経済的収縮を記憶に
残る最も深刻なものにした。2019/20年の下半期中、ニュー・サウス・ウェールズの経済活動は約
10％収縮した。失業率は1990年代後半以降最高水準にまで上昇し、家計消費は15％落込み、事業投
資は激減した。州民の精神的健康に対する影響は大きく、ライフライン、キッズ・ヘルプラインお
よびビヨンド・ブルーへの電話が増加した。
経済の再開に成功したことで、多くの事業者は再び門戸を開き、人々は仕事に復帰することがで
きた。しかし、COVID-19前の経済成長を取戻すには、まだ時間がかかるであろう。持続的な回復
は、民間部門への信頼の回復にかかってくる。この予算において、ニュー・サウス・ウェールズ州
政府は、 長期的にさらに強力な経済の基盤を築く一方で、短期的には州の経済に弾みをつけるため
の決定的な行動を取っている。
(1.3) 2020/21年の見通し
森林火災およびCOVID-19の経済的影響は、州全体にわたって感じられた。州政府のあらゆるレベ
ルからの果断な対応により回復への道は短くなったものの、このように連続した危機から完全に復
活するには時間を要する。
森林火災により、生命、財産、資産および地域社会のインフラが失われた。地域社会および企業
は、資産の破壊だけでなく、サービスに基づくビジネスに対する影響によっても特に大きな打撃を
受けた。多くの地域社会では、クリスマスと新年の観光シーズンのピーク時に森林火災が猛威を振
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るい、決定的な収入が奪われた。 影響は、国内活動を行う州内の都市ならびに大気質の悪化および
森林火災の世界的な報道の影響を受けた国際観光においても感じられた。
COVID-19 の経済的影響は、世界的な金融危機の時よりもさらに深刻になっている。2020年には、
州は記憶に残るなかで最も急激な経済活動の収縮を経験した。
国境および州境の封鎖により、海外留学生、観光客および移民の流入が失われ、経済の生産能力
が妨げられ、需要が弱まった。社会的距離、休校およびその他の移動制限は消費支出に悪影響を及
ぼした。パンデミックの早い段階で自信が急速に落込んだが、経済が再開し、新規感染者数が少数
に抑えられているため、こうした自信がCOVID-19前の水準に戻り始めている兆しがある。
COVID-19の影響は州の主だったすべての経済指標に表れている。
州最終需要（SFD）で測定される経済活動は、2019/20年下半期に約10％収縮した。経済を最も牽
引したのは家計消費（経済の約60％を占める）で、同期間中に14.8％落込んだ。タイムリーなデー
タは、感染拡大防止措置が解除されたため、消費支出が一部回復したことを示唆している。連邦の
所得減税の加速を含む政府支援が進行中の経済回復を後押しするであろう。
住宅および事業投資は、いずれも大きく落込んだ。連邦および州の刺激策は、2020/21年における
事業投資（特に設備投資）の回復のきっかけとなることが期待されるが、州境封鎖によって移民が
妨げられる限り、住宅投資は低迷を続けるであろう。
(a)
経済実績および見通し
ニュー・サウス・ 2018/19 年 2019/20 年 2020/21 年 2021/22 年 2022/23 年 2023/24 年
ウェールズ州 実績 実績 予想 予想 予測 予測
-1.75 (2) -1.5 (2.25)
実質州最終需要 2.1 2.5 2.25 3.25
-1 (1.75) -0.75 (2.25) 2.25 (2.5)
実質州内総生産 1.9 2.5 2.5
0 (1.5) -1 (1.25) 1 (1.25)
雇用 3.3 1.25 1
(b)
6.5 (4.75) 6.5 (4.5) 6 (4.5) 5.75 (4.5)
失業率 4.6 5.25
シドニー
(c)
1 (1.75) 1 (1.75) 1.25 (2) 1.5 (2)
消費者物価指数 1.7 1.5
2 (2.25) 1.25 (2.5) 4 (4.5) 1.5 (2.75)
賃金物価指数 2.4 1.75
-0.5 (3.5) 1.25 (4) 0.2 (1.4) 3.75 (4.5)
名目州内総生産 3.7 4.25
(a) 別段の表示のない限り、年平均変動率（％）。以前の予想（2019/20年半期報告）が異なる場合は、括弧内
に示す。
(b) ６月四半期（％）。
(c) ６月30日までの１年間の変動率。予想は0.1パーセント・ポイント単位に四捨五入されている。
出所：オーストラリア統計局要覧 5206.0号、5220.0号、6202.0号、6401.0号、6345.0号、3101.0号および
ニュー・サウス・ウェールズ州財務省
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家計消費
家計の支出は、社会的距離の制限、 事業運営の変更、多くの失業および不安定な自信など、多く
の要因の影響を受けている。その結果、６月四半期の家計消費は13％以上急落した。これは、連邦
政府による大掛かりな所得支援策の導入にもかかわらず、州最終需要の下落の約４分の３を占め
た。消費の低迷と家計への政府移転の増加の複合効果により、６月四半期の全国家計貯蓄率は、
1974年６月以来最高となる19.8％に跳ね上がった。
住宅投資
人口増加率の低下は住宅需要の足かせであるため、住宅投資の見通しにとって逆風となる。
ニュー・サウス・ウェールズにおける住宅投資は、2018年央に最高記録に達して以降、現在すでに
８四半期連続して減少してきている。高水準の新築住宅完成件数と、人口増加率の急速な低下、
COVID-19による所得および雇用の減少ならびに短期賃貸から長期市場へのシフトとが相まって、シ
ドニーにおける賃貸住宅の空室率の上昇圧力となっている。その結果、シドニーにおける家賃は低
下し、シドニーの住宅価格は、パンデミックが始まって以降緩やかに低下してきている。低金利と
政府の刺激策が何らかの支援を提供するものの、住宅投資は予想期間にわたって軟調になるであろ
う。
事業投資
事業投資は、持続可能な経済の回復にとって不可欠となろう。ニュー・サウス・ウェールズ州政
府は、COVID-19の影響を受けた事業者に対して、新たな活動への適応、改革および投資をサポート
している。パンデミックのピーク時にニュー・サウス・ウェールズ州政府がそのターゲットとする
営業時間その他の規制を緩和することで、事業者は代替のビジネス・モデルに切替え、新しい技術
の採用が奨励された。財務大臣は、 より強力な回復を促進するために、こうした一時的な変化の一
部を保持することのコストと利点を政府全体で評価することを主導する予定である。
政府はまた、安全性およびその他の重要な基準を確実に遵守しつつ、新たな技術を採用する自由
度を増すことを含め、事業者に革新の余地を与えることを目的として、規制の見直しを前向きに
行っている。政府は、ニュー・サウス・ウェールズ州生産性グリーン・ペーパーにより推奨されて
いる改革を含むすべての部門にわたる規制方法の広範な改革を模索している。例えば以下の改革が
挙げられる：
・ 全国的な相互運用性フレームワークの開発を主導することにより、電子不動産譲渡市場にお
ける競争を激化させること。
・ 競争政策の運用を改善し、ドローン、マイクロモビリティ端末、小売業および農業など、
ニュー・サウス・ウェールズ州生産性委員会によって特定された分野に規制改革を導入するこ
と。
プランニング・システムには、州政府が経済を立て直すにつれて経済を成長させる雇用創出建設
プロジェクトへの民間部門による投資を支援することによって、果たすべき重要な役割がある。
ニュー・サウス・ウェールズ州生産性委員会のグリーン・ペーパーは、処理と承認の遅延を減らす
ことによってプランニング・システムを改善する範囲を特定した。これを行うため、2020/21年予
算では、以下を含むニュー・サウス・ウェールズ州プランニング改革行動計画を実施するために４
年間で258.5百万ドルの新規資金が割当てられている：
・ 評価にかかる時間を短縮するため、計画立案のプロセスをより効率的にすること。
・ 新しいビジネス・モデルと変化するニーズに対応するためのシステムの簡素化。
・ 「ワン・ストップ・ショップ」における業界と政府の間のインターフェースの改善。
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・ 評議会のプロセスを21世紀に持ち込むためのeプランニングへの投資。
・ 利害関係者がインフラストラクチャーへの貢献システムと相互作用する方法を変革するため
の統合デジタル・ツールの開発（14.8百万ドル）。
上記は、現在行われているニュー・サウス・ウェールズ州生産性委員会のレビューから生じたイ
ンフラストラクチャーへの貢献システムの改革に加えて行われる。
これらの改革により、ニュー・サウス・ウェールズ州の事業者および市民は、新しい経済状況に
適応し、より改革的かつ競争的になり、新しい技術を開発もしくは採用する能力を高めることがで
きるであろう。そうすることで、生産性の向上を促進し、経済を支援し、予算の均衡を保ち、賃金
を引上げ、ニュー・サウス・ウェールズ州の人々の生活水準を高めることになるであろう。
労働市場
雇用の伸びに対する見通しは、全体として短期的な緩やかな回復を示唆する様々な要因に左右さ
れるが、その後需要が回復するにつれて来年からは成長が加速していく。雇用は、短期的に国内の
さらなる規制緩和によって引続きサポートされるであろう。 雇用還付金や 職業訓練を増やす インセ
ンティブなど、 先ごろ発表された連邦の措置は支えになっている。これとは対照的に、ジョブキー
パー制度の終了、国境の封鎖および人口の伸び悩みは依然として逆風となるであろう。全体とし
て、雇用は2020/21年に１％減少し、その後総需要の回復に合わせて2021/22年には１ 1/4％回復す
るであろう。
失業率は、2020年末までに７ 1/2％のピークに達し、その後需要の回復に合わせて低下するもの
と予想される。前回の景気低迷時と同様、COVID-19の期間中にみられた失業率の上昇をすべて元に
戻すにはかなりの時間を要するであろう。失業率は、2024年６月四半期までに５ 1/4％に落ち着く
ものと予想される。
賃金物価指数
ニュー・サウス・ウェールズ州における賃金の伸びは、2020年６月四半期までの１年間に1.8％
へと急速に落ち込んだ。 労働市場が軟調であることから、民間部門の賃金の伸びは、2020/21年を
通じて緩和し、労働市場が強くなるにつれて徐々に回復するものと予想される。ニュー・サウス・
ウェールズ州労使関係委員会が先ごろニュー・サウス・ウェールズ州の多くの公務員について
2020/21年に0.3％の賃金引上げを認める決定をしたことを受けて、ニュー・サウス・ウェールズ州
の公的部門賃金の伸びも近年より低下するであろう。2021年７月１日から開始される老齢年金保証
の予定されている年0.5％引上げも賃金の上昇を損うものと予想される。
インフレ
インフレに対する短期的な見通しは連邦政府の無償保育政策、今年前半の世界の石油価格の急落
からの段階的な回復、および住宅部門、とりわけ賃貸住宅の重大な不振という３つの要因に左右さ
れる。これらの要因が組合わさって、1997年以来初めて年間の総合インフレ率はマイナスの領域に
押し下げられ、シドニーの総合消費者物価指数（CPI）は2020年６月四半期までの１年間で1.0％低
下した。
今後、こうした短期的な影響の解消と今後数カ月にわたるCOVID-19に関わる制限の継続的な撤廃
により、消費者物価は回復し、2021年６月に最大３％まで一時的に急上昇するはずである。この予
測は、石油価格が現在の水準から緩やかに回復すること、およびビクトリア州の保育料の免除が今
年末以降かなり先まで延長されないことをも前提としている。
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さらに、 賃金と賃貸価格の限定的な上昇、世界の過剰な工業設備能力、干ばつ状態の緩和および
オーストラリア・ドルの漸進的な上昇など、いくつかの要因が中期的な消費者物価の上昇を抑制す
るように作用するであろう。
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④ 州財政の実績および見通し
(4.1) 2019/20年のニュー・サウス・ウェールズ州予算の実績
予算収支
2019/20年の正味予算収支は9.7十億ドルの赤字で、これは2018/19年との比較で8.0十億ドルの減
少となる。このような予算収支の減少は、COVID-19および自然災害による緊急事態の一般政府部門
への影響を反映したものであり、これにはフロントライン・サービスの提供、 定期的な交付金およ
び助成金ならびに一般政府部門におけるその他の運営費への支出の増加が含まれる。
(4.2) 州の歳入
歳入合計は、以下に概説するとおり、当初予算を2.9十億ドル下回った。
税金
税収は、以下を主な理由として当初予算を1.9十億ドル下回った：
・ 給与税は、COVID-19の結果予算編成時に予想されたより雇用が軟調であったことと、10百万ド
ルまでの納税者に25％の割引がなされたことにより、当初予算を1.3十億ドル下回った。
ニュー・サウス・ウェールズ州政府が導入した年次報告書の申告および納期を2020年10月まで
延長するという救済策も2019/20年に給与税を認識する能力に影響を及ぼしている。ギャンブ
ル・賭博税は、2020年３月から年度末までCOVID-19の公衆衛生に関する命令が実施された結
果、主として会場の閉鎖により、2019/20年予算を424百万ドル下回った。
・ 予算計上された主に自動車関連の税収の一部を、税収から財貨・サービス売上に再分類（406百
万ドル）。
・ 予想評価額の低下を反映して、土地税は2019/20年予算における予想を62百万ドル下回った。
これらは予想を上回った以下の業績によって相殺された：
・ 2019/20年予算を243百万ドル上回ったその他の税金公課。これは、主として 最近の負債評価額
に基づく粉塵疾患補償制度への未払の拠出金の変動によるものである。
・ 住宅取引件数および価格の伸びが予想をわずかに上回ったことから、譲渡税は2019/20年予算に
おける予想を67百万ドル上回ったが、超大型商業用不動産取引にかかる公課の減少により一部
相殺された。
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交付金および助成金
交付金および助成金歳入は、以下を主な理由として当初予算を1.3十億ドル上回った：
・ 連邦パートナーシップ交付金の支払は、主として639百万ドルの自然災害救済交付金の支払、な
らびに主にオーストラリア会計基準審議会（以下「AASB」という。）1058号「収益認識」の交
付金への影響による387百万ドルの会計上の調整により、2019/20年予算を998百万ドル上回っ
た。
・ 連邦特定目的交付金およびその他の交付金は、2019/20年予算を847百万ドル上回った。これは
主に、COVID-19対策による ヘルス・クラスターをサポートするための813百万ドルのCOVID-19全
国パートナーシップ協定交付金の支払によって牽引された。
これらの増加分は、予想を下回った下記の業績により一部相殺された。
・ 主に財貨・サービス税（GST）により構成される連邦一般目的交付金は、2019/20年予算におけ
る予想を612百万ドル下回った。支払の減少は、連邦2019/20年中間経済財政見通しにおけるGST
プールの予測が下方修正されたことによるところが大きい。
財貨・サービス売上
財貨・サービス売上には、政府資産の利用による収益ならびに政府機関の通常取引業務による収益
が含まれる。
財貨・サービス売上は、主に以下を理由として2019/20年予算を1.0十億ドル下回った：
・ シドニー・メトロのプロジェクトを一般政府（GG）部門に移転したことなどにより、大規模な
鉄道プロジェクトについて公的非金融機関部門からニュー・サウス・ウェールズ交通局および
シドニー・メトロに支払われたサービス手数料が1.1十億ドルに減少。
・ 教育部門における財貨・サービス売上は、保護者からの任意の出資金が予想を下回ったため、
2019/20年予算を290百万ドル下回った。これらの出資金は事実上の寄付金であるため、予想外
に変動しうる。
・ 活動に対するCOVID-19の影響およびもはやシングル・ルーム料金を支払わない民間健康保険業
者からの収益の減少により、医療分野における財貨・サービス売上は2019/20年予算を187百万
ドル下回った。
・ 上記の減少は、当初は「税金および罰金、規制上の手数料ならびにその他」において予算計上
されていた規制上の手数料および罰金（主に自動車関連）（652百万ドル）を認識したことによ
り一部相殺された。
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受取利息
受取利息には、公的非金融機関への前払金に対する利息、ならびにニュー・サウス・ウェールズ財
務公社およびその他の金融機関において保有される預金に対する利息が含まれる。
受取利息は、主に財務省銀行制度において保有される現金残高が予想を上回ったことにより、
2019/20年予算を31百万ドル上回った。
財政分配金（配当金および法人税相当額）
配当金および法人税相当額は、民間部門との競争上の中立性を確保し、政府系企業による商業投資
決定を奨励するため、政府系企業により支払われるものである。
配当金および法人税相当額は、2019/20年予算における予想を523百万ドル下回った。こうした差額
は、主としてニュー・サウス・ウェールズ財務公社からの予算配当が75百万ドル減の231百万ドルに
なったこと、森林火災により森林公社に対して配当金猶予が認められたこと、ならびに不動産業界に
対するCOVID-19の影響によりランドコム社からの受取配当金が減少したこと（183百万ドル）による
ものである。
その他の配当金および分配金
その他の配当金および分配金は2019/20年予算を425百万ドル上回った。これは、主として以下の項
目から予想を上回る投資収益があったためである：
・ 金融市場の業績改善により、ニュー・サウス・ウェールズ・セルフ・インシュアランス・コー
ポレーションが認識した配当金および分配金が増加したこと（226百万ドル）。
・ ニュー・サウス・ウェールズ・トレジャリー・コーポレーション・インベストメント・マネジ
メント・ファンドからの分配金が増加したこと（165百万ドル）。
罰金、規制上の手数料およびその他
罰金、規制上の手数料およびその他の歳入は、当初予算を1.2十億ドル下回った。これは主に以下
の理由によるものである：
・ 鉱区使用料は、2019/20年予算を305百万ドル下回った。これは主として燃料炭価格が2019/20年
予算における予想を大きく下回ったことによる。
・ 予算計上された罰金および規制上の手数料を財貨・サービス売上に再分類（245百万ドル）。
・ 「Toward Zero」プログラムの開始が遅れたことにより罰金が214百万ドルに減少。
・ インフラストラクチャー・コンセッションのための歳入受領権の減少（125百万ドル）。
・ その他の差額は、一般政府機関全体にわたる追加的な政策措置等によるものである。
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(4.3) 歳出
歳出合計は、以下に概説するとおり、当初予算を5.0十億ドル上回った。
従業員関連の歳出（老齢年金を除く。）
従業員関連の歳出は、2019/20年予算を1.3十億ドル上回った。これを牽引したのは、主に以下の要
因である：
・ ニュー・サウス・ウェールズ・セルフ・インシュアランス・コーポレーションは、主として 未
払の請求債務の増加による労働者災害補償費用により、2019/20年予算を479百万ドル 上回っ
た。
・ 保健省は、主としてCOVID-19への対応に要する追加資金によって、2019/20年予算における予想
額を145百万ドル上回った。
・ 矯正施設、裁判所および審判サービスならびに少年裁判および児童保護の分野にわたる追加的
な従業員関連の歳出により、コミュニティ・ジャスティス省は2019/20年予算を139百万ドル上
回った。
・ サービス・ニュー・サウス・ウェールズは、2019/20年予算を102百万ドル上回ったが、これは
主に営業費用からの再分類およびCOVID-19の影響によるものである。
・ その他の差額は、多くの政府機関にわたる従業員関連費用に影響を及ぼす追加的な政策措置に
よるものである。
老齢年金利息費用およびその他の老齢年金費用
老齢年金の利息費用およびその他の費用は、金利の低下により当初予算を60百万ドル下回った。
減価償却費および償却費
特に道路インフラ・プロジェクトに関連した資産の完成が予想を下回ったことを主な理由として、
減価償却費および償却費は2019/20年予算を162百万ドル下回った。
支払利息
当初予算における予想と比較して金利が下がったことを主な理由として、支払利息は2019/20年予
算を194百万ドル下回った。
その他の営業費用
その他の営業費用は、2019/20年予算における予想を2.3十億ドル上回った。これを主に牽引したの
は以下の要因である：
・ ニュー・サウス・ウェールズ・セルフ・インシュアランス・コーポレーションは、2020年６月
の評価においてトレジャリー・マネージド・ファンド（以下「TMF」という。）およびプリ・マ
ネージド・ファンド（PMT）における請求にかかる828百万ドル、森林火災の災害に関連した507
百万ドルの損失の一部でないその他TMFの一般負債における影響551百万ドル、およびCOVID-19
の影響による追加的な保険請求コスト343百万ドルによって牽引され、2019/20年予算を2.1十億
ドル上回った。
・ 保健省は、主にCOVID-19のパンデミックに対応した個人用防護具の調達関連費用により牽引さ
れ、2019/20年予算を409百万ドル上回った。
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・ 教育省は、COVID-19のパンデミックによる清掃・メンテナンス費用の増加により、2019/20年予
算を219百万ドル上回った。
・ これらの増加は、大規模な鉄道プロジェクトについてニュー・サウス・ウェールズ交通局およ
びシドニー・メトロが負担した費用が1.1十億ドルに減少したことにより、一部相殺された。こ
の影響は、対応する財貨・サービス売上の減少により、おおむね相殺された。
・ その他の差額は、多くの政府機関にわたる追加的な政策措置によるものである。
交付金および助成金費用
経常的な交付金、資本交付金、助成金およびその他の移転費用は、2019/20年予算を1.8十億ドル上
回った。これは主として以下によるものである：
・ ニュー・サウス・ウェールズ交通局は、シティ・トゥ・サウスウエスト線にかかるシドニー・
メトロへのリスタート資本交付金、ならびに公共交通システムを利用する乗客から徴収した歳
入の減少およびCOVID-19のパンデミックによる清掃費用を補完するための他の交通当局への交
付金費用によって牽引され、2019/20年予算を1.3十億ドル上回った。
・ 財務省は、小規模事業交付金プログラムおよびCOVID-19刺激策の一環としての検疫パッケージ
により、2019/20年予算を530百万ドル上回った。
・ ニュー・サウス・ウェールズ地方消防局は、主として森林火災の災害について負担した費用に
より、予算を355百万ドル上回った。
これらは、予想を下回った以下の結果により相殺された：
・ 教育省は、COVID-19のパンデミックにより遅延した資本プロジェクトおよびプログラムにかか
る交付金費用が減少したことにより、予算における予想を350百万ドル下回った。
総合収支
総合収支は、経営成績にその他の経済的フロー－その他の総合収益の合計を加算したものである。
2019/20年総合収支は、予算における予想より15.3十億ドル少なく、10.4十億ドルの赤字であっ
た。この結果は、経営成績の差額が11.4十億ドルと、主に老齢年金の保険数理上の調整および公的金
融機関（PFC）／公的非金融機関（PNFC）部門の機関へのエクイティ投資の純変動によるその他の経
済的フロー－その他の総合収益の差額が3.9十億ドルであったことによるものである。
正味貸付
正味貸付の成果は、非金融資産の取得・売却の純額について調整済の予算収支（正味経営収支）で
ある。
正味貸付は、主にCOVID-19のパンデミックの影響および対策ならびに2019/20年における政府の記
録的なインフラ投資により、経営ポジションが悪化したことにより、当初予算を7.6十億ドル下回っ
た。
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⑤ ニュー・サウス・ウェールズ州公的部門の金融資産・負債管理
(a) 州の財政戦略
ニュー・サウス・ウェールズ州政府は、責任ある財政管理に取組むと同時に、以下によってのみ
可能なサービスおよびインフラへの投資を行っている：
・ 不要な増税をすることなく黒字を維持すること。
・ 可能な限り財政黒字および資産リサイクルの手取金を通じて資本支出の資金を賄うこと。
・ トリプルAの信用格付に見合った持続可能な債務水準を維持すること。
・ 州の減債専用基金であるニュー・サウス・ウェールズ・ジェネレーションズ・ファンド（NGF）
を成長させること。
2012年財政責任法（以下「FRA」という。）は、トリプルAの信用格付を維持するという法律上の
要件を付した政府の最終的な財政目標を定めている。ニュー・サウス・ウェールズは、かかる要件
を制定する唯一の法域であり、それによって同州は、オーストラリアにおいても国際的にもユニー
クな法域となっている。FRAには、トリプルA維持という目的のために法律に定められた財政目標お
よび健全な財務管理の原則が盛り込まれている。
政府は、経済が不安定な時期にはトリプルAという州の信用格付を維持することが重要であると考
えている。トリプルAという格付は、州の支払利息を可能な限り低く抑えるだけでなく、財政規律
および経済力の表れでもある。トリプルAとそれより格付の低い政府債の間のイールド・スプレッ
ドは、 経済的ストレスのある期間中には大幅に拡大する可能性があり、トリプルA格でない政府の
借入コストが上昇する。また、トリプルAの格付によって、州は市場に流動性がなくなったときに
ホールセールの資金調達市場を利用することができる。
2012年以降、政府は毎年FRAにより義務づけられた財政目標を実現してきた。
(b) 州部門全体の財政状態計算書
2020年６月30日現在の州部門全体の純負債は55.4十億ドルで、予想州内総生産（以下「GSP」とい
う。）の8.6％であった。これに対して、2019年６月30日現在の純負債は、GSPの3.8％に相当する
23.9十億ドルであった。
純負債が増加したのは、おおむね公正価値による借入金およびデリバティブが増加した結果であ
る。これは、広範囲に及んだ森林火災およびCOVID-19のパンデミックに対応した様々な救済策およ
び刺激策の資金を賄うため州の借入金が増加したこと、ならびにAASB 16号「リース」の適用により
償却原価による非現金借入金が増加したことによるものである。
州部門全体の純資産は、2020年６月30日に終了した年度に238.7十億ドルとなったが、これは前年
より10.4十億ドルの減少であった。この純減は、経営成績およびバランスシートの変動の双方を反
映した総合収支または州部門全体の実績である。
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正味金融負債
2020年６月30日現在の正味金融負債は、111.9十億ドルで、これは予算における予想を19.4十億ド
ル上回った。この変動は、主として、一般政府部門のインフラ投資および適用ある割引率の変動に
よる未積立老齢年金債務を賄うための資金を調達し、セクター刺激策の支援およびCOVID-19による
セクターのキャッシュフローを支援するための借入金の増加によるものであり、その一部はその他
の公的部門企業へのエクイティ投資の変動により相殺された。
６月30日現在の
ニュー・サウス・ウェールズ州の州部門全体の部門別の財政状態計算書
(単位：百万ドル)
一般政府部門 公的非金融機関
2019年
2020年 (修正再表示) 2020年 2019年
資産
金融資産
現金および現金同等物 6,134 1,969 2,110 2,548
債権 11,281 7,491 1,295 1,211
投資、貸付金および債券発行
公正価値による金融資産 40,874 43,333 243 240
その他の金融資産 1,533 2,591 421 656
前払金 1,239 1,193 0 0
未収法人税相当額 15 32 77 9
繰延税相当額 2,127 2,245 84 109
エクイティ投資
他の公的部門企業への投資 100,249 98,573 … …
関連会社への投資 11,866 12,055 … …
7 8 181 189
その他
175,326 169,490 4,411 4,963
金融資産合計
非金融資産
契約資産 24
在庫 1,188 399 576 474
森林資源およびその他の生物資産 14 10 827 1,171
売却目的保有資産 286 222 49 61
投資不動産 … … 676 648
有形固定資産
土地および建物 94,822 90,748 73,668 75,775
工場および設備 12,538 12,162 4,106 5,968
インフラ・システム 124,406 118,190 55,792 48,645
使用権資産 6,503 2,969
無形資産 3,686 3,694 1,070 1,108
6,858 6,266 629 170
その他
非金融資産合計 250,325 231,690 140,363 134,020
資産合計 425,651 401,181 144,774 138,983
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負債
受入預金 69 67 21 70
未払債務 7,031 7,079 2,005 2,136
契約負債 1,156 108
公正価値による借入金および
デリバティブ 392 207 7 3
償却原価による借入金 67,885 37,656 26,707 24.558
前受金 696 756 463 478
従業員給付引当金 22,566 20,802 1,227 1,150
老齢年金引当金 67,890 67,696 3,057 3,010
未払法人税相当額 80 3 0 32
繰延税相当額引当金 82 108 2,129 2,246
その他の引当金 14,101 11,604 1,664 1,410
5,015 6,134 192 322
その他
負債合計 186,964 152,110 37,580 35,415
純資産 238,688 249,070 107,193 103,567
その他の財政総計
正味債務 19,261 (10,401) 24,424 21,664
正味金融負債 111,887 81,194 33,170 30,453
⑥ 債務不履行の有無
今日までニュー・サウス・ウェールズは発行しまたは引受けたすべての債務および保証の履行を求
められたすべての間接債務に対する元利金全額を常に支払ってきた。それらの債務は、所定の償還日
に所定の通貨で速やかに支払われている。
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(8) 【オーストラリア連邦の概況】
① 政治および外交
国家組織および政党
オーストラリア憲法のもとでは、オーストラリア連邦の立法権は、女王、上院および下院で構成さ
れる連邦議会に付与されている。オーストラリア全土において女王の権威を代表する者は連邦総督で
ある。オーストラリアの各州には州における女王の代理人である州総督がいる。州総督の州における
権限は、同職の設立根拠となっている政府発行許可証によって付与されており、州総督はその職務遂
行方法を細かく定めた女王から発せられる指示に従ってこれらの権限を行使する。
1986年オーストラリア法の制定以来可決されたイギリス議会の法律で、オーストラリア連邦または
オーストラリアの州もしくは特別地域の法律の一部として連邦、州もしくは特別地域に及ぶか、また
は及ぶとみなされるものはない。さらに、州の立法権にかつて存在した制約は、同法により撤廃され
た。
上院は、連邦議会においてはSenate と呼ばれ、二院制の州議会においては Legislative Council
と呼ばれる。立法府は、1922年まで全ての州において二院制をとっていたが、この年クイーンズラン
ド州議会が上院を廃止し、一院制とした。また、連邦議会において下院は House of Representatives
であり、ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリアおよび西オーストラリアの各州議会では
Legislative Assembly、南オーストラリアおよびタスマニアの各州議会では House of Assembly と呼
ばれる。一院制のクイーンズランド州の議会は、Legislative Assembly と呼ばれる。７つの各議会の
立法権は、オーストラリアおよび州の憲法にそれぞれ定められている。二院制をとる州においては、
下院の方が規模が大きい。
各州議会の議員は、18才以上のオーストラリア国民で一定の居住資格を持つ者により選ばれる。連
邦議会に関しては、選挙権の資格は両院とも同じであり、18才以上のオーストラリア国民またはイギ
リス国民で連邦選挙名簿に登録されている者に選挙権が与えられている。
第46期オーストラリア連邦議会議員選出のため、2019年５月18日に2019年のオーストラリア連邦の
選挙が実施された。この選挙は、2016年の連邦同時解散選挙において選出された第45期議会の解散を
受けて告示された。下院（House of Representatives）の全151議席および上院（Senate）の76議席の
うち40議席が選挙の対象となった。
スコット・モリソン首相率いる第二次少数派連立政権は、野党指導者であるビル・ショーテンが率
いる野党労働党に対して３年任期３期目の政権を勝ち取った。
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2019年５月の選挙の前後における上院および下院の構成は以下のとおりである。
下院 上院
2019 年の 2019 年の
政党 前回選挙 選挙後 前回選挙 選挙後
76 77 30 36
保守連合
オーストラリア自由党 45 44 24 31
自由国民党 21 23 5 -
国民党 10 10 - 4
地方自由党 0 - 1 1
オーストラリア労働党 69 68 26 26
オーストラリア緑の党 1 1 9 9
自由民主党 - - 1 -
正義党 - - 1 -
ワン・ネイション党 - - 4 2
ランビーのネットワーク - - 1 1
カッターのオーストラリア党 1 1 - -
中央同盟（CA） 1 1 3 1
保守党 - - 1 -
2 3 - 1
無所属
150 151 76 76
合計
外交関係
主権国家として、オーストラリアは世界の大部分の国々と外交関係を維持している。オーストラリ
アは、54カ国に大使館を有するほか、29の高等弁務官事務所および33の総領事館を有している。
旧英国植民地として、オーストラリアは英連邦に属している。オーストラリアは国連の創設メン
バーであり、経済協力開発機構の加盟国である。
オーストラリアは特にアジア太平洋地域に属しており、アジア太平洋経済協力（APEC）およびアセ
アン地域フォーラムの加盟国である。
日本においては、オーストラリアは東京に大使館を置き、福岡、大阪および札幌に領事館を置いて
いる。
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② 経済
オーストラリア国内外の経済の見通し
オーストラリア経済は順調な回復途上にある。経済は９月四半期には堅調に成長し、最近のデータ
は、その勢いが12月四半期にも継続していることを示している。これは、オーストラリアがCOVID-19
ウイルスの感染拡大を抑え込むことに成功し、規制を段階的に緩和したことと一致している。労働市
場は、 経済活動が上昇するにつれ引続き強化されており、雇用は最大の危機的状況での落ち込みから
４分の３が回復した。労働市場の回復は、政府の経済支援パッケージと強力な健康結果によって支え
られており、これらは消費者および企業の信頼の回復を牽引するのに役立った。
それでも経済が完全に回復し、失業率が６％を優に下回るまでには時間がかかる。最近の国内にお
ける感染症の 発生は封じ込められており、ワクチンは2021年３月までにオーストラリアにおいて利用
可能になると想定されているが、ウイルス発生のリスクは、家庭および企業の双方に不確実性をもた
らし続けるであろう。
本年実施された財政および金融面でのしっかりした支援により、世界経済も回復しつつある。一部
の国ではワクチン接種プログラムの初期段階が始まっており、これによりさらに自信を深めることに
なるであろう。
ウイルスの封じ込めに効果を上げてきた国々については、景気回復は急速であり、見通しは良好で
ある。しかし、一部の国における新たな感染発生は活動の収縮につながり、そのことは当該諸国経済
の回復を後退させるであろう。
世界のGDPは、2020年に４％の落 ち 込みが予想された後、2021年には４ 3/4％の上昇と予想される。
それでも多くの主要諸国における経済活動は、少なくとも2022年まではCOVID-19前の水準を下回って
推移するものと予想される。オーストラリアの主要な貿易相手国は、中国における経済活動の力強い
回復に支えられて、2021年には５ 3/4％成長するものと予想される。
オーストラリアの実質GDPは、９月四半期には四半期の伸び率としては1976年３月四半期以来最高と
なる3.3％の成長であった。同四半期における成長を牽引したのは、家計消費の力強い回復と公的支出
の伸びであった。成長の回復は、 ウイルスの封じ込めに成功した州および特別地域全体に広がった。
対照的に、第２波を抑え込むための保健対策の結果、ビクトリア州の経済活動は９月四半期には落ち
込んだ。
最近の指標は、回復の勢いは12月四半期にも継続していることを示している。これは、ビクトリア
州における規制緩和によって後押しされ、同州の家計消費および労働市場の結果が著しく改善してい
るという初期の兆候がみられた。
2020 年の実質GDPは２ 1/2％落ち込み、その後2021年には４ 1/2％の成長と予想される。経済活動
は、政府の経済政策、ならびに時間の経過とともに、社会的距離制限の段階的緩和および継続的な信
頼の回復によってサポートされるであろう。しかし、観光および教育といった海外からの訪問者およ
び移民に依存する産業での活動は、こうした人の流れが回復するまで引続き抑えられるものと予想さ
れる。
労働市場は、経済活動の回復に伴って大幅に状況が改善してきた。2020年５月以降、経済危機が高
まって失われた雇用の４分の３および労働時間のほぼ３分の２が回復した。労働力率は、10月には
COVID-19前の水準に近い65.8％に上昇した。10月には7.0％であった失業率は、2021年３月四半期には
７ 1/2％でピークに達するものと予想されるが、これは2020/21年予算において予想された８％のピー
クを下回る。その後失業率は2022年６月四半期までに６ 1/4％に低下するものと予想される。こうし
た状況改善にもかかわらず、失業率は依然として上昇しており、若年層ならびに感染拡大防止策の影
響を最も受ける地域および産業の人々を含む特定のグループでは厳しい状況にある。
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経済の回復には依然として重大なリスクが存在する。国内での感染症発生および他の主要経済への
継続的な混乱のリスクは、経済環境が依然として極めて不安定であることを意味する。ワクチンおよ
び その他の医療の開発は順調に進んでいるものの、ウイルスの世界的な拡散を抑え込むタイミング、
分布状況および有効性に関しては依然として不確実である。深刻な健康および経済的な結果と様々な
国における債務水準の上昇とが相俟って、世界の経済および金融システムに対して圧力をかける可能
性があり、それが信用の引締めおよび金融不安につながる可能性がある。
国内では、失業率の上昇によるものを含む継続的な不確実性により、家計貯蓄が持続的に高くな
り、また消費の伸びが予想を下回る可能性がある。見通しに対するその他のリスクとしては、オース
トラリアの輸出市場および貿易フローに影響を及ぼしうる世界的な貿易摩擦などがある。COVID-19の
パンデミックにより、長く続く経済的影響の度合いについて予測することは依然として難しい。
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③ 通貨・金融制度
通貨制度
オーストラリアの通貨制度においては十進法がとられており、１ドルは100セントである。豪ドル紙
幣の種類は５、10、20、50および100ドルであり、硬貨の種類は５、10、20、50セント、１ドルおよび
２ドルである。１ドル札および２ドル札は、1984年および1988年にそれぞれ硬貨となった。憲法によ
り、連邦は通貨発行の権限を持つ。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行、商業銀行、貯蓄銀行および特殊銀行３行で構成されてい
る。一般に、中央銀行である準備銀行の職責、権限および業務は諸外国の中央銀行の場合と同様であ
る。すなわち発券業務の管理、通貨および流動性の管理政策の実施、連邦政府証券の市場操作、連邦
のための金融および国庫代理業務ならびに為替管理等である。また、準備銀行は銀行預金者の利益を
保護する義務がある。準備銀行によるすべての金員の支払に対しては、連邦が法的責任を負ってい
る。
その他の金融機関および資本市場
オーストラリアにおいて銀行以外の金融機関のうち重要なものは、生命保険・損害保険会社、退職
年金基金、ファイナンス・カンパニー、恒久住宅信用協会、信用組合、金融市場会社および短期金融
市場の公認ディーラーである。これらの金融機関はオーストラリアの金融部門の資産の過半を占め
る。これらの機関は共に広範な金融サービスを提供し、金融制度の発展およびオーストラリア経済の
発展に重要な貢献をしてきた。
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④ 貿易および国際収支
貿易
オーストラリア経済において、外国貿易は重要な役割を果たしている。オーストラリアの対外貿易
収支は次の表に示すとおりである。
対外貿易収支(名目ベース)
( 単位：百万ドル)
2018/19 年 2019/20 年
471,715 473,289
輸出
421,769 398,165
輸入
48,820 77,019
貿易収支
出典：オーストラリア統計局要覧 5206.0号
2019/20 年における地域別の商品輸出入
( 単位：百万ドル)
相手国 輸出 輸入
日本 52,651 19,096
中国（特別行政区および台湾を除く。） 150,251 80,833
香港（中国の特別行政区） 6,879 737
ASEAN 39,007 47,062
大韓民国 25,102 10,446
インド 10,750 4,745
EU28 カ国 27,140 53,833
アメリカ合衆国 17,494 36,335
英国 15,630 6,942
ニュージーランド 9,955 7,469
台湾 11,738 5,193
出典：オーストラリア統計局要覧 5368.0号
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国際収支
次の表は、2019年および2020年に終了した２会計年度におけるオーストラリアの国際収支を示して
いる。
財貨およびサービスの要約
( 単位：百万ドル)
2018/19 年 2019/20 年
財貨・サービス収支 48,820 77,019
財貨・サービス受取合計 471,715 473,289
財貨受取合計 373,710 381,486
農産品 47,937 46,594
非農産品およびその他の財貨 325,774 334,892
サービス受取合計 97,465 91,801
財貨・サービス支払合計 -422,354 -396,271
財貨支払合計 -320,665 -309,738
消費財 -104,012 -103,024
資本財 -78,696 -72,875
中間品およびその他の財貨 -137,953 -133,835
サービス支払合計 -101,690 -86,531
出典：オーストラリア統計局要覧 5302.0号
⑤ 豪ドルの為替レート
1983年12月12日より前には、オーストラリアは、管理為替相場制を採用しており、豪ドルの為替
レートは通貨の加重貿易指数に基づいて、当局によって日々決定されていた。
連邦政府は1983年12月12日から豪ドルの変動相場制移行を決定した。現在豪ドルの為替レートは豪
ドルに対する全般的な需給によって決定されている。かかる豪ドルの変動相場制移行の決定は、オー
ストラリアに過度の外貨が流入し、また豪ドルの切上げを見越して投機が高まるという異例の時期の
後に行われた。
市場原理に基づくすべての為替相場と同様に、豪ドルは時に大幅な変動を示してきた。以下は表示
日の米ドルおよび日本円に対する豪ドルの為替の中値を表している。
2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年
６月30日 ６月30日 ６月30日 ６月30日 ６月30日
１豪ドル当りの米ドル相当額 0.74507 0.76891 0.74050 0.7020 0.6903
１豪ドル当りの日本円相当額 76.8980 86.1870 82.0085 75.7107 74.5050
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