西オーストラリア州理財公社 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
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| 提出者 | 西オーストラリア州理財公社 |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020年12月24日
【会計年度】 自 2019年７月１日 至 2020年６月30日
【発行者の名称】 西オーストラリア州理財公社
(Western Australian Treasury Corporation)
【代表者の役職氏名】 Kaylene Gulich
(西オーストラリア州理財公社最高執行役員)
【事務連絡者氏名】 弁護士 松 添 聖 史
弁護士 渡 邊 大 貴
【住所】 東京都港区六本木一丁目９番10号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がなければ、「豪ドル」又は「ドル」と表示されたすべての金額はオーストラリア・ドルを意味
する。2020年12月18日現在のオーストラリア・ドルの東京における対顧客外国為替相場の仲値は１オーストラリア・
ドル＝78.61円である。
(2) 西オーストラリア州理財公社、西オーストラリア州及びオーストラリア連邦の会計年度は７月１日から翌年６月30日
までである。2020年６月30日に終了した会計年度は本書中2019/20年又は2019/20年度と表示されており、他の会計年
度についても同様である。2019年12月31日に終了した暦年は本書中2019年と表示されており、他の暦年についても同
様である。
(3) 本書中、表中の数字は四捨五入されているため、合計は各々の数字の総和と必ずしも一致しない。
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第１ 【募集（売出）債券の状況】
該当事項なし
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第２ 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近５年間の会計年度（又は事業年度）別為替相場の推移】
該当事項なし
(2) 【当会計年度（又は事業年度）中最近６月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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第３ 【発行者の概況】
１ 【発行者が国である場合】
該当事項なし
２ 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
３ 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
１ 設立及び法的地位
西オーストラリア州理財公社(以下「WATC」という。)は、1986年西オーストラリア州理財公社法(以下「公
社法」という。)に基づき、当分の間州大蔵次官により構成される法人として1986年７月１日に設立された。
1998年11月に公社法の改正が行われ、WATCを州大蔵次官により構成される法人として設立した規定が廃止さ
れ、かわりに同様の機能、責任及び説明義務を有する６名から成る取締役会を創設する規定が設けられた。
WATCは公営企業であり、公営機関としての地位、免責特権及び特権を享受する。
２ 企業統治
WATCの取締役会(以下「取締役会」という。)は、公社法(改正済)に基づくWATCの業務遂行に責任を持つ。
WATCが、州、顧客及びその他の関係者のためにその業務を確実に遂行するため、取締役会は(大臣の承認を
受けて)WATCの戦略的な方向付けを定め、方針及び原則を設定し、その下でWATCは運営を行う。
なお、WATCの担当大臣は、法学士、理学修士、立法議会議員、大蔵大臣、金融、アボリジナル問題、土地担
当大臣であるベン・ワイアット氏である。
取締役会が設定する組織統治方法は、WATCの法的義務の遵守、WATCの業務運営、WATCの業績の監督を可能に
するものである。取締役会はWATCの運営管理及び戦略的指揮の実施については、最高執行役員の責務と考え、
同人を信頼する。
取締役会の構成
取締役会の構成員は、公社法第5B条に基づき決定され、以下のとおりである。
(ⅰ)会長－大蔵次官
(ⅱ)副会長－大蔵次官が適宜任命する大蔵省職員
(ⅲ)WATCの最高執行役員又は最高執行役員代理、及び
(ⅳ)大臣が任命する商業又は財務経験を有する３名以内の者。任命取締役である。
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任命取締役の在任期間は任命書に明示された期間(３年以内)であるが、適宜再任される。
2020年６月30日現在のWATCの取締役は以下のとおりである。
名前 役職 任命日 任期満了
マイケル・バーンズ 取締役会会長 法定 法定
マイケル・コート 取締役会副会長 2017年７月１日 該当なし
(1)
最高執行役員 法定 法定
ケイリーン・グリッチ
フィリッパ・ホブソン 取締役 2020年２月17日 2022年12月31日
スーザン・マーフィー 取締役 2019年１月１日 2021年12月31日
デイヴィッド・ブランビー 取締役 2020年２月17日 2022年12月31日
注：(1) 最高執行役員は執行責任を持つ唯一の取締役である。
取締役会の秘書役は、最高財務責任者のスティーブン・ラフ氏であった。
取締役会の責任
取締役会は公社法に基づくWATCの業務遂行につき責任がある。業務は以下のとおりである。
(ⅰ)金銭を借入れ、西オーストラリア州の公的部門に対し金銭を貸付ける。
(ⅱ)公社法の目的とする借入計画を策定・実行する。
(ⅲ)WATCの財政に関する権限と義務を管理する。
(ⅳ)債務管理、資産管理及びプロジェクト・ファイナンス、ストラクチャード・ファイナンスを含む財務事項
につき助言を行う。
(ⅴ)大蔵省及びその他政府機関の投資を管理する。
(ⅵ)公的機関の財務リスク管理を補佐する。
(ⅶ)WATCの設立以前に借入れた債務の管理につき州を補佐する。
この役割を果たすため、取締役会はWATCの業務を管理し監督する。すなわち、
(ⅰ)毎年のWATCの「戦略的開発計画書」及び「公社の目的声明書」を(大臣の承認を得て)検討し設定する。
(ⅱ)WATCの実績を監視する。
(ⅲ)会計、リスク管理、予算、法令遵守、情報技術及び内部管理方針、システム、報告手順が適切になされて
いるかを確認する。これらには、「リスク管理方針」及び「事業継続計画」が含まれる。
業績評価
良い統治の一環として、取締役会は毎年、取締役の業績の評価を行う。
取締役会委員会
その責務を実行する助けとして、取締役会は監査委員会と人事・報酬委員会を設けている。
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監査委員会
監査員会はWATCの取締役会の小委員会であり、取締役会への助言を行う。監査員会の権限、任務及び責任は
監査員会憲章に概略が説明されている。監査委員会の目的は、取締役会が以下に関する監督責任を遂行する手
助けをすることである。
・WATCの金融口座及び財務書類の作成及び完全性
・WATCが財務報告及び不正行為リスクの特定及び管理に利用する、内部統制、方針及び手続
・外部監査人による財務書類の年次監査
・外注した内部監査機能の実績及び業務範囲
・財務報告及び不正に関する情報システムの品質、完全性及び信頼性。
監査委員会は取締役会と監査人（外部及び内部）の間のコミュニケーション手段として行為し、取締役会が
監査人の活動から生ずる重要な事項及び情報に確実に注意を向けるようにする。
監査委員長は各会合の後で、委員会の所見及び勧告を含めて、取締役会に報告を行う。
2020年６月30日現在の監査委員会のメンバーは、以下のとおりである。
氏名 役職
フィリッパ・ホブソン 委員長
マイケル・コート 委員
スーザン・マーフィー 委員
監査委員会の書記役は、シニア・コンプライアンス・オフィサーのフィリップ・メタクサスであった。
監査委員会のメンバーは、非執行取締役である。
WATCの外部監査はアーンスト・ヤングのサービスを利用する会計検査庁長官により行われ、年次監査を行
う。内部監査機能は2021年６月30日までは、KPMGに外部委託されている。
人事・報酬委員会
人事・報酬委員会は最高執行役員を含むWATCの全職員の雇用条件に適用される包括的な報酬及び方針につい
て検討を行い取締役会に助言を行う。
取締役会の承認を得て、人事・報酬委員会は外部の報酬制度の専門家を利用し、最高執行役員を含むWATC職
員の適正な報酬の水準及びその他の雇用条件につき助言を受ける。
任命取締役に支払われる報酬及び手当は、公共部門管理大臣の助言を受けて大蔵大臣が決定する。最高執行
役員の勤務条件は、大臣の同意を必要とする。
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2020年６月30日現在の人事・報酬委員会のメンバーは、以下のとおりである。
氏名 役職
マイケル・バーンズ 委員長
マイケル・コート 委員
ケイリーン・グリッチ 委員
フィリッパ・ホブソン 委員
スーザン・マーフィー 委員
デイヴィッド・ブランビー 委員
報酬委員会の書記役は、人事マネージャーである、レベッカ・リッジウェイであった。
３ 西オーストラリア州政府との関係
州の中央借入機関として、WATCは州及び西オーストラリア州内の準政府機関に代わり、オーストラリア国内
及び国外において借入を行う。近年、多数の地方政府機関もWATCを通じての借入を選んでいる。
1998年改正公社法により、WATCは、投資を含む金融資産及び負債の管理につき西オーストラリア州の政府機
関を補佐することが可能となった。
４ 州保証
公社法第13条第１項に基づき、WATCが公社法のもとで負担した又は引受けた金銭債務は西オーストラリア州
を代表する大蔵大臣により保証される。公社法第13条第１項によって生じる保証に基づく大蔵大臣のいかなる
金銭債務も、同法第13条第２項に基づき必要な範囲で使用される西オーストラリア州統合基金に請求され、支
払われる。
５ 法規制
WATCの機能を規制する法規制は以下から成る。
(a) 公社法(改正済)及びそれに基づく諸規則
公社法は、WATCの権限並びにその借入及び貸付機能を規定する。
借入の全ての責任は、WATCの取締役会が負う。
大蔵大臣はWATCへの書面による通知をもって、その借入の権限行使に制限を加え、また適宜かかる制限を
変更することができる。WATCの債務は、WATCがかかる制限に違反したことを理由として、又はかかる制限の
影響により、強制執行不能となることはない。WATCと取引を行う者は、WATCがかかる制限に従っていたか又
は従っているかにつき調査する義務はなく、また考慮する必要はない。
(b) 2006年財政管理法
州及び特別立法に基づく公的機関の財政管理及び監査に関する規定、並びに、各省庁及び特別立法に基づ
く公的機関による年次報告に関する規定が設けられている。
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(c) 統一表示枠組み
統一表示枠組み（UPF）は、オーストラリアの州、特別地域及び連邦の政府が詳細な政府全体の財務書類
（比較ベースでの予測及び結果の両方を含む。）を開示することを求める。UPFは、オーストラリア会計基
準AASB第1049号「政府全体及び一般政府部門財務報告」の要件と共に、財務上の必要額の予測及び結果の透
明性のある開示を全ての管轄法域において確実に利用可能にする。西オーストラリア州の政府全体の財務開
示（予算書を含む。）は、本書において詳述される西オーストラリア州公的部門財務実績に関する説明の基
礎を構成する。
６ 日本との関係
なし。
(2) 【資本構成】
WATCの2019年６月30日及び2020年６月30日現在の資本構成(監査済)は以下のとおりである。
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
借入金
短期債務(６月30日から1か月以内に満期を迎える債務)
－国内借入 8,555.6 9,801.4
694.7 237.9
－海外借入
9,250.3 10,039.3
長期債務(６月30日から12か月を超えて満期を迎える債務)
－国内借入 46,593.3 43,796.9
0.0 0.0
－海外借入
46,593.3 43,796.9
６月30日現在額面価額 55,843.6 53,836.2
６月30日現在公正価値 60,501.5 57,670.5
資本
留保利益 149.1 142.5
3.0 3.0
準備金
資本合計 152.1 145.5
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(3) 【組織】
2020年６月30日現在、WATCは75名(男性47名、女性28名)の職員を雇用していた。
2020年６月30日現在のWATCの取締役及び上級職員は以下のとおりである。
取締役
マイケル・バーンズ 取締役会会長
マイケル・コート 取締役会副会長
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
フィリッパ・ホブソン 取締役
スーザン・マーフィー 取締役
デイヴィッド・ブランビー 取締役
上級職員
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
ロス・モールトン チーフ・オペレーティング・オフィサー
スティーブン・モーホール 顧客サービス本部長
ヴィンス・シンキナ 部長（金融市場）
スティーヴ・ラフ チーフ・ファイナンシャル・オフィサー
ウィリアム・マクウェン チーフ・リスク・オフィサー
ロバート・ベケット 部長（情報及び通信技術）
リサ・ブラディ 部長（顧客外国為替及びトレジャリー・サービス）
ピーター・シーズ 部長（法務及びコンプライアンス）
リチャード・マッケンジー 部長（顧客借入金融及び投資）
デービッド・レッツ 部長（助言サービス）
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2020年６月30日以後、上級職員の一部に異動があり、2020年８月１日現在の上級職員は以下のとおりである。
上級職員
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
ロス・モールトン チーフ・オペレーティング・オフィサー
スティーブン・モーホール 顧客サービス本部長
ピーター・シーズ 部長（法務及びコンプライアンス）
ヴィンス・シンキナ 部長（金融市場）
スティーヴ・ラフ チーフ・ファイナンシャル・オフィサー
ウィリアム・マクウェン チーフ・リスク・オフィサー
ロバート・ベケット 部長（情報及び通信技術）
デービッド・レッツ 部長（助言サービス）
リサ・ブラディ 部長（顧客外国為替及びトレジャリー・サービス）
リチャード・マッケンジー 部長（戦略）
ジェイムソン・ヒック 部長代理（顧客借入金融及び投資）
レベッカ・リッジウェイ 人事マネージャー
2020年６月30日現在のWATCの組織構成は以下のとおりである。
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(4) 【業務の概況】
１ 概要
WATCは西オーストラリア州の中央借入機関であり、公社法に基づき、オーストラリア内外においてあらゆる
通貨での借入を行い、WATCから金銭を借入れることを法的に授権されている準政府機関、地方自治体及びその
他の自治体（州政府を含む。）への貸付を行い、借入計画を立案及び実行し、またWATCの財政に関する権限と
義務の管理をなす権限を賦与されている。この幅広い役割の中に、WATCの主たる業務は資金調達・債務管理、
資産・投資管理、財務助言サービス、財務リスク管理並びにトレジャリー・マネジメント（資金管理）サービ
ス及びシステムを含む。
ヴィジョン、目標、価値
西オーストラリア州理財公社（WATC）は、西オーストラリア州において一元化された財務サービスを提供
し、健全な財務結果を達成するために顧客である公共部門と協働する。
ヴィジョン
西オーストラリア州の公共部門のために最良の財務ソリューションを提供していると認められること。
目標
・高品質で費用効率の高い商品及びサービスを西オーストラリア州の公共部門に提供する。
・コスト効率の良い方法で顧客の借入ニーズを満たす資金を確実に調達するために国内外の資本市場へ
の迅速なアクセスを維持する。
・公社法及びWATCの取締役会のリスク選好に従いWATCの業績を最適化する。
価値
WATCは以下の企業価値に従い、全ての事業取引を行う。
卓越性（Excellence） － WATCは卓越性の追求を創造的に考え、継続的に改善することに挑戦する。
パートナーシップ（Partnership） － WATCは成果の達成に向けて、顧客及び同僚に敬意を払い、協力的
かつ協調して業務を行う。
誠実性（Integrity） － WATCは開かれていて、誠実で説明責任を果たす。WATCは最高の職業上、倫理上
の基準を忠実に守る。WATCは約束を尊重する。
コミットメント（Commitment） － ハードワークと決定を通じて、WATCは西オーストラリア州のために最
良の成果を提供する。
主要な業務分野
WATCは、４つの主要な業務分野の役割と責任を通じて、WATCのビジョンをうまく提供することができる。
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顧客サービス
「顧客サービス」部門は、WATCの顧客との協働で、借入金融、投資、外国為替、トレジャリー管理、財務
リスク管理及び財務助言サービスにおける、包括的な一連の高品質、費用効果の高い金融商品及びサービス
を提供することを目指す。これらの商品及びサービスは、WATの顧客のために健全な財務リスク管理を推
進、支援及び提供すべく設計されている。顧客と協働して業務を進めることで、WATCはこれらの商品及び/
又はサービスの最も適切な利用により各顧客の個別の事業上の要求を確実に達成する。
金融市場
「金融市場」部門は、国内外の資本市場における業務、資産負債管理、WATCの流動性ポートフォリオの管
理、顧客を代理しての投資管理、外国為替管理取引並びに経済分析及び金融市場分析を実行する。
リスク
リスク管理は、WATCの業績への悪影響を避けるために、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リ
スク及び流動性リスクを測定及び監視し、執行役員及び取締役会に全てのリスク事項への指針を提供し、か
つ公社組織内でのリスクに関する良い文化を発展させる責任がある。
法務及びコンプライアンス
法務及びコンプライアンスは、法制、政策及びWATCのコーポレート・ガバナンス慣行の遵守の管理、WATC
の借入及びその他契約（金融市場の契約及び顧客との契約を含む。）のオリジネーション及びドキュメン
テーションの監督及びそれらに関する指針の提供を担当する。
コーポレート・サポート
WATCのオペレーションを支援する追加的な機能には、会計、総務、トレジャリーオペレーション、マーケ
ティング及びコミュニケーション、プロジェクト・マネジメント、人事、情報管理及び通信技術の分野を含
む。
２ 2019/20年度業績の概要
業務としては、WATCは仕事の方法、仕事の場所及び中核的な仕事の実行方法を調整して、状況に敏速に対応
しなければならなかった。これを通じて、WATCは、資金への良好なアクセス、投資ポートフォリオの質の高い
管理、及び顧客に対する継続的で質の高い金融商品・サービスの確保を通じて、州のニーズを引き続き支援す
ることができた。
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当事業年度は力強いスタートを切った。州財政の改善により、2019/20年度の営業黒字見通しが「中間レ
ビュー」の更新期間中に26億ドルに増加した。これは、来るべき財政課題を乗り切る上で、州の助けとなる貴
重なポジションであった。ウイルスの拡散を抑えるために必要とされた対策は経済に大打撃を与えたが、州経
済の基礎的な強さは段階的な回復を支えており、2019/20年度の実質州内最終需要は1.1％増加した。
このようなプラスの発展にもかかわらず、世界経済は第二次世界大戦以来最も厳しい低迷にあり、オースト
ラリアが約30年ぶりの景気後退に突入するなど、経済状況は依然として厳しい。連邦及び全ての州政府の借入
業務は増加すると見込まれるが、その完全な程度は、2020年10月中に予算が発表されるまでわからない。
キャッシュレートの引き下げ、3年物のイールドカーブ・コントロールの導入、並びに多額のソブリン債及
び準国債の購入プログラムを通じたオーストラリア準備銀行（RBA）の介入は、市場環境の安定化を助けた。
RBAによるキャッシュレートの引き下げ及び多額の債券・準政府債券購入プログラムへの強い集中は、市場が
ある程度正常な状態に戻ることを可能にすることに成功し、オーストラリア中央銀行が５月初旬から準政府市
場への介入を休止することを可能にした。
2019/20年度、WATCは当年度の73億ドルの借換えコミットメントを満たし、2020/21年度満期の33億ドルの借
換えを行い、州の新たな資金調達要求４億ドルを満たすために、過去最高水準となる110億ドルの借入を行っ
た。重要な貸借対照表指標を継続的に管理した結果、12ヶ月以内に満期を迎える負債は16.6％に達し、市場の
流動性が高いことを反映して、流動資産ポートフォリオのカバー率は181.6％となった。これらは、WATCの取
締役会の目標(それぞれ20％未満、100％以上)に十分納まった。
これらの資金調達にあたり、WATCは、良好な市場へのアクセスを享受し、投資家のニーズに合った一連の商
品を提供した。WATCは、引き続き強力な変動利付債プログラムを保有しており、2020年６月30日現在で５本の
ラインに90億ドルの残高があり、当年度中に機会を利用して、２本の長期債(2034年及び2041年)により満期構
成を長期化した。
３月から４月にかけて市場が混乱した後、WATCはシンジケートによる発行市場での債券を発行して資金を調
達した初めての準政府機関であり、国内外からの強力な支援を受けて、５月に新たな2031年満期指標銘柄の発
行に成功した。
WATCは税引前利益4,070万ドルを計上し、配当金及び税金相当額3,360万ドルを統合勘定に拠出する。
WATCの顧客チームは引き続き、州の良好な財政成果を支援する主導的な役割を担い、公共部門全体の流動性
管理に一層重点を置き、大学と地方政府部門のキャッシュフローに対するCOVID-19の影響に対応して、これら
の部門の流動性を支援する新たな貸付商品を開発した。WATCは、為替エクスポージャーの管理を含み、戦略的
な財務助言及びソリューションを提供するために、顧客との提携に継続して大いに重点を置いてきた。
当年度の大きな成果は、２年を超える仕事を終えたクオンタム財務管理システムへの移行であった。新シス
テムの能力を最大限に引き出すためにWATCは現在フェーズ２に進んでいるが、最初のフェーズは時間の面でも
予算の面でも大きな成功を収めている。
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３ 目標に対する成果
WATCの取締役会は、WATCの年間業績目標を設定する。これらの目標は、公社法第16I条第２項に基づき毎会
計年度開始時に大蔵大臣に対して提出される「企業趣旨声明（Statement of Corporate Intent）」の一部を
構成する。
金利の節減予想
目標：節減率＞0.00％
結果：債券の信用格付け及び満期までの期間を参照する顧客に対する金利節減率は、0.00％を上回った。
目標達成。WATCは2019/20年度も引き続き顧客に対して大幅な金利の節減を提供する。
顧客満足の評価
目標：90％の顧客満足度
結果：100％の顧客満足度
目標達成。WATCは引き続き価値ある財務ソリューションを顧客に提供する。WATCが財務助言を提供した後
に顧客から受けたフィードバックは大変肯定的であり、調査を行った顧客の100％が提供された助言の質、
顧客のプロジェクトへの付加価値並びにWATCの全体的な能力及び提供されたサービスについて満足又は非常
に満足であった。
管理費用比率
目標：管理費用比率＜0.050％
結果：管理費用比率＝0.038％
目標達成。WATCは管理費の純額を抑制することにより、引き続き州へ規模の利益を提供する。
税引前利益
目標：利益＝2,860万ドル
結果：利益＝4,070万ドル
目標達成。民間部門の金融機関と異なり、WATCの第１の目標は、税引前利益を最大化することではなく、
むしろ西オーストラリア州及び州の公共部門の機関に費用効率のよい金融商品及びサービスを提供しつつ、
適切な利益を維持することである。
職員のエンゲージメント評価
目標：職員のエンゲージメント評価＞65％
結果：該当なしCOVID-19による混乱を鑑みて、職員のエンゲージメント調査の展開は2020年７月まで延期
された。調査時期が計画より遅れたため、結果はWATCが2020/21年度基づくことができるイニシアチブに組
み込まれる予定である。
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５年間のKPI（主要な業績評価指標）の概要
2019/20 年度 2018/19 年度 2017/18 年度 2016/17 年度 2015/16 年度
金利の節減予想
達成 達成 達成 達成 達成
＞0.00％
顧客満足の評価 100 ％ 100 ％ 99 ％ 100 ％ 100 ％
管理費用比率 0.038 ％ 0.034 ％ 0.034 ％ 0.037 ％ 0.039 ％
税引前利益 40.7 百万ドル 41.7 百万ドル 34.8 百万ドル 17.6 百万ドル 16.0 百万ドル
職員のエンゲー
該当なし 56 ％ 56 ％ 46 ％ 51 ％
ジメント評価*
* 使用する方法が2017/18年度に変更された。
５年間の財務情報
2019/20 年度 2018/19 年度 2017/18 年度 2016/17 年度 2015/16 年度
（単位：百万ドル）
財務実績
法人税相当額控
40.7 41.7 34.8 17.6 16.0
除前の利益
財政状態
資産合計 64,658.5 59,483.4 55,985.8 54,987.8 50,976.1
資産増加率(％) 8.7 6.2 1.8 7.9 19.0
負債合計 64,506.4 59,337.9 55,851.3 54,868.3 50,861.7
資本 152.1 145.5 134.5 119.5 114.4
４ 顧客への価値の提供
WATCは、州及び政府機関に高品質でコスト効率の良い広範囲にわたる財務商品及びサービスを提供する。
WATCは、公的機関の事業に有益かつ州にとり金銭的価値を示す決定を公的機関が情報を得た上で行う手助け
をすることにより、公共部門の財政管理において重要な役割を果たす。
リーダーシップ
WATCは、これまで培ってきた経験、知識、専門的なスキルを活用して、債務の調達及び投資、外国為替管
理、財務及び商業助言サービスの提供に関する専門知識が、政府機関に付加価値をもたらす機会を特定してい
る。州のために成果をもたらすWATC独自の専門知識の例としては、以下が挙げられる。
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・ ヴニュウェスト社が、パース・スタジアム契約の中で、金利支払の調整を導入するのを支援（2020年２
月から州に対する多額の金利支払の割り戻しをもたらした）、
・ 外国為替エクスポージャーを特定、定量化、管理するために多数の公的機関との協働、
・ 主要な契約見直しの一環として財務評価で保健省を支援。西オーストラリア州政府が州の最善の選択肢
を決定するのを助けた各種選択肢の完全な費用・便益分析を提供、
・ 専門的な財政及び商業的助言を継続的に提供したチームメンバーの公的機関(LandgateやMETRONETなど)
への出向を通じて、重要な政府インフラ・プロジェクトを直接支援。
持続可能性
WATCは、将来世代に向けた州の持続可能性に係るイニシアチブ実行の重要性を重視している。海洋のプラス
チック汚染に対する世界的な関心の高まりや、廃棄物輸出が人の健康及び環境に悪影響を与えないようにする
必要性に対応して、オーストラリア政府評議会(COAG)は、付加価値のあるリサイクル可能な商品に処理されて
いない廃プラスチック、紙、ガラス及びタイヤは輸出禁止の対象とすることで合意した。このコミットメント
を見越して、水環境規制省は、このような輸出禁止の対象となる未処理の廃棄物カテゴリーのうちの２つ、紙
及びプラスチックに与えうる影響を評価するためにWATCの支援を求めた。WATCは、選択的廃棄物輸出禁止が西
オーストラリア経済にもたらす潜在的な財政的影響を評価するための財務モデルを開発し、州内での再処理イ
ンフラ整備のための機会及び関連費用を評価した。COAGの廃棄物輸出禁止は、オーストラリアが自らの廃棄物
に対して責任を持ち、この資源を雇用の創出、イノベーションの発掘及び強力な環境上の成果の実現に利用す
るための重要なステップである。
WATCは、西オーストラリア州未来基金を「未来保健研究・イノベーション基金(FHRI基金)」とする法案の成
立に向けて財務省を支援し、同基金は2020年6月24日に運用を開始し、予想投資収益(WATCが開発したモデルに
よる)をFHRI勘定に割り当てることが認められた。このマイルストーン法は、安全かつ継続的な資金源を通じ
て、西オーストラリア州における保健・医療の研究及びイノベーションの財政的持続可能性を向上させる。
FHRI基金が提供する確実性の増大は、保健部門における雇用の創出、経済の多様化、患者ケアの改善、並びに
西オーストラリア州による優秀な保健医療研究者、イノベーター及び臨床医の確保、併せて世界的なプロジェ
クト及びパートナーシップの誘致に役立つと期待されている。
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適応性
COVID-19のパンデミックの結果、当年度の第４四半期における社会的・経済の変化のペースは、全ての州及
び地方政府機関がどのように業務を行っているかに課題を投げかけた。この間、州政府の資金調達の優先順位
を満たすための資金調達の責務の一環として、WATCは、重要な資金への継続的なアクセスを確保しつつ、州政
府及びWATCの顧客を支援するため、公共部門中の幅広い利害関係者と緊密に協力し、債務要件の柔軟性を高め
た。
例えば、パンデミックに対応して、州の財政状態の変化に関するより迅速な情報を大蔵大臣（Treasurer）
に提供するために、公共部門の機関の流動性金融資産保有の収集頻度を毎月から毎週に増やした。効果的に報
告頻度を増やすことができる能力は、WATCと顧客である機関の積極的な連携を直接反映したものであり、公共
部門内でのWATCの関係性の強さと重要性を示すものである。
WATCはまた、パンデミックによる収入減の影響を受けた地方政府及び大学を支援するため、短期融資の枠組
みを設計した。2020年５月７日に州政府が発表した新しい融資枠組みにより、地方政府及び大学は、運営の流
動性を支えるために短期融資を利用できるようになった。この枠組みの運用は、一連のオンラインセミナー
や、個々の顧客の要件を決定するために個別の顧客と協働する「WATC顧客関係マネジャー」を通して説明され
た。
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公的機関の対公社債務額面残高純額 ― 2020年６月30日現在
(単位：千豪ドル)
2019年７月１日 2019/20年中の 2020年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
オールバニ市議会
14,613 (2,518) 12,096
動物資源局 375 (164) 211
アーマデール市議会 45,636 (5,994) 39,641
アシュバートン地方議会 3,813 (766) 3,047
オーガスタ・マーガレット・リバー地方議会 9,397 (925) 8,472
バッセンディーン町議会 680 (130) 549
ベイズウォーター市議会 16 (4) 11
ベルモント市議会 14,662 (706) 13,957
ビバリー地方議会 1,671 (153) 1,517
ボッディントン地方議会 2,055 759 2,814
ボイアップ・ブルック地方議会 473 (39) 433
ブリッジタウン・グリーンブッシュ地方議会 2,199 (388) 1,810
ブルックトン地方議会 1,325 (254) 1,071
ブルーム地方議会 3,399 711 4,110
ブルームヒル-タンベラップ地方議会 1,160 905 2,065
ブルース・ロック地方議会 71 201 272
バンベリ市議会 12,518 (1,298) 11,220
バンベリ水道公社 272 7,088 7,360
バッセルトン市議会 34,931 (3,730) 31,201
バッセルトン水道公社 842 (294) 548
ケンブリッジ町議会 1,107 0 1,107
キャニング市議会 8,617 (3,130) 5,487
ケーペル地方議会 6,031 (638) 5,392
カナマー地方議会 192 (42) 150
カーナーヴォン地方議会 372 (55) 317
チャップマン・ヴァレー地方議会 159 (71) 88
チタリング地方議会 2,268 (315) 1,953
クレアモント町議会 11,148 (644) 10,503
コックバーン市議会 17,500 (2,500) 15,000
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(単位：千豪ドル)
2019年７月１日 2019/20年中の 2020年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
コリー地方議会
1,226 223 1,449
クールガーディ地方議会 3,480 (577) 2,903
クーロウ地方議会 254 (37) 217
コリジン地方議会 1,657 (79) 1,578
コートスロー町議会 3,744 (293) 3,451
郊外住宅局 25,296 (6,790) 18,505
クランブルック地方議会 303 (132) 171
カバリング地方議会 272 (55) 217
キュー地方議会 0 935 935
カンダーディン地方議会 1,237 (78) 1,158
カーティン工科大学 30,682 (2,216) 28,465
ダルワリン地方議会 3,460 (130) 3,330
ダンダラガン地方議会 366 (96) 269
ダーダナップ地方議会 2,243 (280) 1,963
デンマーク地方議会 2,437 (306) 2,131
ダービー・ウェスト・キムバリー地方議会 7,457 (3,648) 3,809
ドニーブルック・バリングアップ地方議会 205 259 464
ダウリン地方議会 1,418 (142) 1,276
ダンブレイアン地方議会 1,044 (734) 310
ダンダス地方議会 387 (47) 340
東ピルバラ地方議会 4,800 (1,003) 3,797
イディース・コーワン大学 72,114 (22,272) 49,842
発電及びリテール公社 27,034 201,166 228,200
電力ネットワーク公社 7,274,817 144,255 7,419,072
エスペランス地方議会 1,880 304 2,183
エクスマウス地方議会 1,999 (224) 1,775
FES省 36,556 3,484 40,040
フリマントル市議会 7,547 18,310 25,858
フリマントル港湾局 172,770 (3,491) 169,279
ジンジン地方議会 2,201 (211) 1,990
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(単位：千豪ドル)
2019年７月１日 2019/20年中の 2020年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
グノーワンジェラップ地方議会
750 240 990
ゴスネルズ市議会 10,759 5,807 16,566
政府職員老齢退職年金委員会 107,961 (52,168) 55,794
グレータージェラルトン市議会 38,375 (5,296) 33,079
ホールズ・クリーク地方議会 913 3,503 4,416
ハーヴェイ地方議会 934 593 1,527
住宅局 4,752,657 488,796 5,241,454
アーウィン地方議会 3,269 1,178 4,447
ジェラムンガップ地方議会 789 322 1,111
ジューンダラップ市議会 10,414 (3,324) 7,090
カラムンダ市議会 4,954 3,035 7,989
カルグーリー・ボールダー市議会 9,847 (1,174) 8,673
カラサ市議会 346 (83) 263
カタニング地方議会 2,784 (258) 2,526
ケラーバリン地方議会 2,114 (198) 1,916
ケント地方議会 343 (88) 254
キンバリー港湾局 11,697 (537) 11,160
コジョナップ地方議会 461 2,426 2,887
コンディニン地方議会 3,284 (182) 3,103
クリン地方議会 1,252 (88) 1,164
ウィナナ市議会 21,294 (1,451) 19,843
レイク・グレース地方議会 1,080 356 1,436
ラバトン地方議会 1,374 (217) 1,156
マンジマップ地方議会 4,235 366 4,601
メルヴィル市議会 2,083 55 2,139
メレディン地方議会 1,092 (243) 849
大都市再開発局 247,957 (36,265) 211,692
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(単位：千豪ドル)
2019年７月１日 2019/20年中の 2020年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
ミッド・ウェスト港湾局
10,910 (1,431) 9,479
ミンジェニュー地方議会 525 (197) 328
教育大臣 349,527 14,087 363,615
財務大臣（1991年州供給公社法（改正済）に基づく権
5,433 (5,433) 0
限を利用）
漁業大臣 17,217 (2,306) 14,910
ムーラ地方議会 1,087 (135) 951
モラワ地方議会 307 (14) 293
モスマン・パーク町議会 5,724 (308) 5,416
マウント・マグネット地方議会 117 (47) 69
マウント・マーシャル地方議会 1,093 (43) 1,050
ムキンブディン地方議会 706 794 1,500
マンダリン地方議会 11,188 (633) 10,556
マーチソン地方議会 1,568 (1,551) 17
マードク大学 3,927 (385) 3,543
マレー地方議会 3,485 573 4,057
ナンナップ地方議会 358 276 633
ナランビーン地方議会 950 (51) 899
ナロジン地方議会 1,142 (167) 975
ネッドランズ市議会 7,556 (1,691) 5,865
ノーサン地方議会 2,281 4,124 6,405
ノーサンプトン地方議会 1,275 201 1,475
ナンガリン地方議会 534 (45) 488
ペパーミント・グローブ地方議会 786 (30) 757
ペレンジョリ地方議会 748 (223) 525
パース市議会 15,683 (6,904) 8,779
ピルバラ港湾局 131,864 (23,032) 108,832
ピンジェリー地方議会 3,572 (168) 3,405
プランタジネット地方議会 1,970 149 2,118
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(単位：千豪ドル)
2019年７月１日 2019/20年中の 2020年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
公共輸送局
2,372,718 180,834 2,553,552
クァレーディング地方議会 520 62 582
ラヴェンソープ地方議会 1,694 (210) 1,485
地域電力公社 698,700 (7,804) 690,896
ロッキンガム市議会 10,062 (1,071) 8,991
サーパンティン・ジャラデール地方議会 6,181 1,004 7,185
シャーク・ベイ地方議会 163 749 913
サウスパース市議会 8,753 (1,297) 7,456
大都市南部地域議会 15,661 (3,948) 11,713
南部港湾局 18,624 (7,090) 11,533
サビアコ市議会 7,311 (524) 6,787
スワン市議会 36,392 2,838 39,230
タミン地方議会 271 (10) 261
2004年ローン(共同会社)法第6(1)条に基づき権限を行
29,318 (3,247) 26,070
使する農業・食品大臣
西オーストラリア州を代理する大蔵大臣 25,966,043 (540,347) 25,425,696
スリー・スプリングス地方議会 141 (51) 89
トゥーディエー地方議会 1,824 4,261 6,085
トゥレイニン地方議会 494 159 652
西オーストラリア大学 142,630 46,456 189,086
アッパー・ガスコイネ地方議会 830 (74) 756
ヴィクトリア・パーク町議会 4,241 16,098 20,338
ヴィクトリア・プレインズ地方議会 194 (35) 159
ヴィンセント市議会 13,948 (5,144) 8,804
ワギン地方議会 638 (55) 584
ワンダリング地方議会 474 (474) 0
ワナルー市議会 60,778 4,556 65,334
ワルーナ地方議会 365 (61) 304
水道公社 5,980,000 0 5,980,000
ウェスト・アーサー地方議会 807 (91) 716
西オーストラリア州土地局 225,500 10,000 235,500
ウェストニア地方議会 85 (75) 10
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(単位：千豪ドル)
2019年７月１日 2019/20年中の 2020年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
ウィックピン地方議会
52 (31) 21
ウィリアム地方議会 816 (113) 703
ウィルナ地方議会 3,718 (287) 3,431
ウォンガン・バリデュー地方議会 357 1,888 2,244
ヤルカチェム地方議会 111 (20) 91
ウィンダム・東キンバリー地方議会 3,378 (779) 2,599
ヤルグー地方議会 456 (121) 335
2,103 (234) 1,869
ヨーク地方議会
合計 49,327,287 387,222 49,714,509
(注) 四捨五入のため合計は一致しない。
５ 成功する財務管理
WATCは、現在の困難な時期を通じて、州の財政的必要性を支援するにあたり、柔軟性及び適応性を保ち続け
ている。
2019/20年度の世界経済及び金融市場は、(第１次米国/中国貿易協定の後押しを受けて)２月に株式市場が史
上最高値を更新したものの、コロナウィルスによる景気後退懸念を受けてRBAが３月には金利を過去最低水準
まで引下げたことから、極端な高値と安値を記録した。このような状況の中、WATCは州の借入プログラムをう
まく遂行し、多数のシンジケートによる指標銘柄債券及び変動利付債を発行し、WATCの投資ポートフォリオに
ついて確立されたベンチマークを上回る成果を達成した。
経済、市場の状況
世界経済及びオーストラリア経済は、COVID-19のパンデミックとそれを抑制するために取られた施策の結果
として、この数十年間で最も深刻な景気後退を経験した。３月初めに危機が深刻化すると、金融状況は大幅に
逼迫し、いくつかの市場では機能不全の時期があった。前例のない財政及び金融政策の緩和が展開されたこと
で、金融市場のボラティリティは低下した。３月下旬のRBAによるイールドカーブ・コントロールが導入され
て以来、３年物の連邦債の利回りは目標とする0.25％前後に沿って推移している一方、10年物の利回りは歴史
的な低水準で比較的安定している。現在まで世界的に低い感染率にパンデミックの制御が成功したことによ
り、この危機がオーストラリア及び西オーストラリア州経済に与える影響は、最初に懸念されたよりも小さく
なっている。しかしながら、この危機の前例のない性質を踏まえると、経済の先行きは依然として不透明な状
況にある。
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資産運用
WATCは、一連の競争力のある投資商品及び独立した助言サービスなど、革新的な投資サービスを提供する経
験豊富なプロバイダーであり、これにより個々の顧客の投資ニーズに最適な金融ソリューションを確実に実現
する。
WATCは、３つの顧客に代わって５つの投資ポートフォリオを運用している。これらの顧客は、ガバナンスを
改善しポートフォリオのリターンを向上させるために、WATCが国内外の市場で行っている事業規模に関連する
経験、専門知識、システム、価格設定及び監視を利用することにより、投資運用機能を外注することを選択し
た。顧客ポートフォリオのリターンはすべて、ベンチマークを上回った。2020年６月30日現在、WATCは、公社
名義及び顧客名義ので136億ドルを超える投資ファンドを運用していた。
資金調達活動
当会計年度中、WATCの資金調達活動が増加した。WATCは、顧客に110億ドルを貸付けたが(71億ドルから増
加)、その大半(約106億ドル)は、当年度中に満期を迎えたリファイナンス（借換え）ローンに関するもので
あった。これにはまた、前倒しで調達した2020年７月に満期を迎える33億ドルのローンも含まれる。これを達
成するために、約110億ドルの指標銘柄債券及び変動利付債を発行した(前年度から30億ドルの増加)。これに
は、既存の2029年満期指標銘柄債券の入札１件、シンジケートによる新たな2031年満期指標銘柄債券１件（15
億ドルを調達）、シンジケートによる新規の非指標銘柄債券２件、２件の長期ライン（2034年及び2041年）あ
わせて７億ドル調達、並びに新たなシンジケートによる変動利付債券２件（22億ドルを調達）が含まれる。こ
の資金は、以下のために使われた。
・ 2019/20年度の満期の借換え及び新規資金需要、
・ 2020年７月満期債券の借換え。これには、指標銘柄債券の残高８億5,000万ドルを買戻すリバース・テ
ンダー・プロセスの利用を含む。
・ 2020/21年度の新通貨プログラムの一部の事前調達。
６ WATCの業績の最適化
WATCは、ビジョン及び目標の達成を支える質の高いシステム、能力、プロセス及び実践を、現在及び将来に
わたり継続的に改善していくことに責任を持っている。
WATCは、サービスの提供、システム及びプロセスの効率性向上を継続的に追求するとともに、人材や能力へ
の投資も行う。
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顧客の効率性促進
WATCは、さまざまな取組を通じて顧客の効率化に努めている。2019年７月１日から、新しいリース基準
(AASB第16号)は、全ての公共部門の機関に対し、オペレーティング・レンタル契約の大部分を貸借対照表上、
資産及び負債として認識することを義務付けている。公的機関によるこの新基準の導入を支援するため、WATC
はそのウェブサイトにセルフサービスのデータベースを組み込んだ。データベースは毎月更新され、年次報告
及び予算編成の目的上必要とされる、公共部門の機関が新基準に従いリース債務を効率的に見積もることがで
きるように、増分借入金利を提供する。
WATCは、顧客の会計監査人がWATCのクライアント・ポータルに一時的にアクセスできるようにするなど、年
度末のオンライン報告機能を導入することにより、WATCのクライアント・ポータルからの効率性の活用を継続
した。また、WATCは、長期金利予測モデルの包括的な見直しを行い、現在の市場状況を反映し、州の予測利子
費用の正確性及び公的機関への関連サービスを強化するために、当社の利子費用予測システムに多数の変更を
実行した。
システム改善及び能力構築
２年以上の作業が終わり、2019/20年度は、20年近く続いていたシステムからクオンタム・トレジャリー・
マネジメント・システム（TMS）への移行に成功した。このシステムは、WATCの金融市場活動並びに顧客の
ローン、投資及び外国為替の管理の中核をなすものである。また、WATCは機会を利用し、公社内の効率性を確
認するために、関連するプロセスを見直した。
また、社内の効率性検討の一環として、組織デザインの見直し及び価値観に基づいた能力フレームワークの
立案など、新しい人材の機会を探った。能力開発及び後継者管理の支援など、多くの役割もTMSプロジェクト
中に行われた。WATCの人員はまた、COVID-19の期間中、在宅勤務、オフィスを経由するローテーション並びに
リモートアクセス及びデジタル通信技術の利用の増加に関しては、大きな回復力と適応力を示した。
ICTシステムの最適化
WATCは、ICTインフラシステムの簡素化を進めるために、政府全体のアプローチによりもたらされる効率性
の機会を引き続き活用している。そのため、WATCは社内インフラからGovNext-ICTクラウド及びその他クラウ
ドサービスへの移行を進めている。これにより、政府の共有サービスを活用することで、効率性が向上する。
電話システムのVoIPへの更新及びマイクロソフト・チームの組込などを含む、このITインフラの大部分につい
て移行が完了した。この更新により、COVID-19によるロックダウン期間中の遠隔勤務の際、全てのスタッフが
即座にコミュニケーション及び連絡が可能となった。
サイバーセキュリティは、依然としてWATCの全ての業務上の考慮事項のきわめて重要な要素である。セキュ
リティの監視、評価、修正及び改善のための継続的なプログラムが引き続き優先事項である。
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(5) 【経理の状況】
以下に掲げる2020年６月30日に終了した２年間についての財務データは、WATCが公表する監査済の財務書類に
基づくものである。
WATCは、2006年財政管理法に基づき、適切な会計帳簿を作成しなければならない。会計検査庁長官はいつでも
WATCの検査をすることができ、最低年１回一定の財務情報を監査しなければならない。
WATCは６月30日に終了する12か月間のWATCの活動に関する年次報告書を、大臣が毎年６月30日から90日以内に
議会に上程できるように、大臣宛てに提出しなければならない。同報告書は、その報告の対象である期間のWATC
の財務書類及びその他所定の情報を含まなければならない。
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包括利益計算書
2020 年６月30日終了の年度
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
収益
収入
投資収益 79.0 90.9
公的機関からの受取利息 1,298.0 1,532.2
2.5 1.9
手数料収入
収入合計 1,379.5 1,625.0
収益合計 1,379.5 1,625.0
費用
費用
借入に係る支払利息 1,262.7 1,511.0
起債費用 1.2 1.1
減価償却費 0.1 0.2
無形資産償却費 0.8 0.2
管理費用(注４) 19.1 17.4
54.9 53.4
公正価値の変動(純額)(注６)
費用合計 1,338.8 1,583.3
法人税相当額控除前の利益 40.7 41.7
法人税相当額費用(注７) 12.2 12.5
当期純利益
28.5 29.2
その他包括利益 0.0 0.0
当期包括利益合計 28.5 29.2
包括利益計算書は、付随の注記と併せて読むべきである。
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財 政 状 態 計 算 書
2020 年６月30日現在
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
資産
現金性資産(注８) 255.4 141.5
投資(注９) 7,164.8 5,477.3
受取債権及びその他金融資産(注10) 1,125.3 948.6
公的機関への貸付金(注11) 56,109.5 52,912.9
税金資産(注12) 1.2 1.1
有形固定資産(注13) 0.3 0.4
2.0 1.6
無形資産(注14)
資産合計 64,658.5 59,483.4
負債
未払債務及びその他金融負債(注16) 3,976.0 1,651.3
借入金(注17) 60,501.5 57,670.5
納税債務(注18) 25.0 12.6
3.9 3.5
引当金(注19)
負債合計 64,506.4 59,337.9
純資産 152.1 145.5
資本
留保利益 149.1 142.5
3.0 3.0
準備金
資本合計 152.1 145.5
財政状態計算書は、付随の注記と併せて読むべきである。
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有価証券報告書
資 本 変 動 表
2020 年６月30日終了の年度
(単位：百万豪ドル)
準備金 留保利益 資本合計
2018年７月１日現在残高 3.0 131.5 134.5
当期純利益
0.0 29.2 29.2
0.0 0.0 0.0
その他包括利益
当期包括利益合計
0.0 29.2 29.2
所有者としての立場での所有者との取引：
資本処分 0.0 0.0 0.0
0.0 (18.2) (18.2)
所有者への分配
合計 0.0 (18.2) (18.2)
2019年６月30日現在残高 3.0 142.5 145.5
3.0 142.5 145.5
2019年７月１日現在残高
当期純利益
0.0 28.5 28.5
0.0 0.0 0.0
その他包括利益
当期包括利益合計
0.0 28.5 28.5
所有者としての立場での所有者との取引：
資本処分 0.0 0.0 0.0
0.0 (21.9) (21.9)
所有者への分配
合計 0.0 (21.9) (21.9)
2020年６月30日現在残高 3.0 149.1 152.1
資本変動表は、付随の注記と併せて読むべきである。
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キャッシュ・フロー表
2020 年６月30日終了の年度
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
営業活動からのキャッシュ・フロー
公的機関への貸付金受取利息 1,335.3 1,525.9
投資受取利息 120.0 114.3
投資資産売却及び満期手取金 6,489.9 4,360.9
投資支払 (7,697.3) (6,382.6)
公的機関への貸付金 (7,127.2) (8,300.9)
公的機関からの貸付金返済 6,747.6 8,799.9
公的機関を代理してのその他支払 0.2 (0.2)
借入による手取金 20,284.1 16,771.7
借入金返済 (17,857.3) (15,452.3)
手数料収入 2.4 1.9
支払利息及びその他資金調達費用 (1,578.0) (1,762.8)
管理及び起債費用 (19.1) (18.8)
0.0 (10.4)
税相当額支払
営業活動による/(使用された)現金(純額)(注21ｂ)
700.6 (353.4)
投資活動からのキャッシュ・フロー
有形固定資産支払 0.0 (0.2)
(1.2) (1.6)
無形資産支払
投資活動に使用された現金(純額)
(1.2) (1.8)
財務活動からのキャッシュ・フロー
(21.9) (18.2)
配当支払い
財務活動に使用された現金(純額) (21.9) (18.2)
現金及び現金同等物の増加/(減少)(純額) 677.5 (373.4)
405.6 779.0
期首現金及び現金同等物残高
期末現金及び現金同等物残高(注21ａ) 1,083.1 405.6
上記には、以下が含まれる
州政府へのキャッシュ・フロー
配当支払い (21.9) (18.2)
0.0 (10.4)
税相当額支払い
州政府への現金(純額)
(21.9) (28.6)
キャッシュ・フロー表は、付随の注記と併せて読むべきである。
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財務書類に対する注記(2020年６月30日終了年度)
(注１) 西オーストラリア州理財公社（WATC）は、1986年西オーストラリア州理財公社法に基づき、州の中央融資
機関として、1986年７月１日に設立された。WATCの所在地は、西オーストラリア州、パース、セント・
ジョージズ・テラス225、12階である。
概要
2020年６月30日に終了する年度のWATCの財務書類は、オーストラリア会計基準に基づき作成されている。
「オーストラリア会計基準」という用語は、オーストラリア会計基準委員会(AASB)により発行された基準及
び解釈を含む。財務報告はまた国際財務報告基準にも準拠する。
これらの会計書類を作成するにあたり、WATCはその業務運営に関係する場合、AASBが発行する施行日から
の新基準及び修正基準並びに解釈を採用している。
オーストラリア会計解釈は、AASB1048「基準の解釈及び適用」を通じて採択され、国際会計基準審議会
（IASB）の解釈に対応するもの、及びオーストラリアにおいてのみ適用されるものに分類される。
基準の早期採用
WATCは、大蔵大臣指示(TI)第1101号「オーストリア会計基準及びその他発表の適用」により特に認められ
ない限り、オーストラリア会計基準又は解釈を早期に採用することはできない。2020年６月30日に終了する
年次報告期間について発行済み又は修正済みである（が施行されていない）オーストラリア会計基準のう
ち、WATCにより早期採用されているものはない。
(注２) 重要な会計方針の概要
(a) 会計の一般制度
(ⅰ)WATCは、大蔵大臣の指示により適用されるオーストラリア会計基準、AASBの枠組み、会計基礎概念に
関する記述及びその他公式見解に従った一般目的の財務書類を作成する非営利報告団体である。この内
いくつかのものは大蔵大臣の指示により、適用、開示、フォーマット及び用語の改訂のため修正され
る。
財務管理法及び大蔵大臣の指示は財務書類を作成するにあたっての法的規定であり、オーストラリア
会計基準、AASBの枠組み、会計基礎概念に関する記述及びその他公式見解に優先するものである。
もし何らかの修正が必要とされ、報告結果に重大な財務的影響を及ぼす場合は、修正内容の詳細及び
その財務的影響につき財務書類の注記に記載される。
(ⅱ)別途記載しない限り、財務書類の数字は豪ドルで表示され、すべての金額は百万豪ドル単位に四捨五
入されている。
(ⅲ)財務書類の作成にあたり採用された会計方針は、別途記載しない限り、表示のすべての期間を通じて
統一的に適用されている。
(ⅳ)比較情報は、当年度の表示と一致するよう調整されている。
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(b) 作成の基礎
財務書類は、以下に注記するもの除き、取得原価主義を用いて発生主義により作成されている。
WATCはその職務を果たすために投資、公的機関への貸付金及び借入金を維持し、AASB９「金融商品」の
規定に準拠し、これらの金融資産及び金融負債を損益を通じて公正価値するものとして指定することを選
択している。WATCは、その業務を毎日公正価値ベースに基づき管理しているので、これを選択する資格基
準を満たしている。AASB９に基づき、すべてのデリバティブ金融商品もまた、損益を通じて公正価値ベー
スで計上されている。もともと、金融資産及び金融負債の評価に使用される市場取引レートは信用リスク
の割引を含む。
重要な会計上の判断及び見積り
財務書類に認識される金額に最も大きな影響を及ぼす会計方針を適用する過程においてなされた判断
は、投資、公的機関への貸付金及び借入金の測定のために呼び値に代わり中間価格を使用することに関連
する。
WATCはこれらの金融資産及び負債のリスクの危険性を最小化することを目指す。これらの項目のリス
ク・ポジションが相殺される範囲で、WATCがそれらを保有するならば、なんらかのオープン・ポジション
(正味残高)に適用される呼び値とともに中間価格が使用される。
金融資産及び金融負債の価値評価においてなされる主要な仮定は、注20において開示される。
(c) 収入
収入は、受領済み又は受領可能な対価の公正価値で認識され、かつ測定される。収入は次に示すように
認識される。
手数料収入
提供したサービスに関する手数料収入はサービスが提供された期間に認識される。
利息
受取利息は生じたときに実効利率法を用いて認識され、ポートフォリオ管理において実現する類似性
質の項目を含む。金融資産に関する実現損益もまた、利息として認識される。
(d) 有形固定資産
原価が5,000豪ドル以上の有形固定資産の項目は、資産として認識され、資産を利用するコストは耐用
期間にわたり費用化(減価償却)される。原価が5,000豪ドル未満の有形固定資産の項目は、包括利益計算
書に直接計上される(個々が類似項目の一群の一部を構成し、全体としては重要である場合を除く。)。
有形固定資産のすべての項目は、当初、原価で認識される。当初の認識の後、有形固定資産は、原価か
ら減価償却累計額及び何らかの価値の減損を差引いて記帳される。減価償却は定額法を用いて予想耐用年
数を基に計算される。各種減価償却資産に使用される予想耐用年数は下記のとおりである。
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2020年 2019年
・コンピュータ機器
３～５年 ３～５年
・その他機器 ５～10年 ５～10年
減損
有形固定資産の帳簿価格は、事象又は環境の変化が帳簿価格の回収不能の可能性を示唆したときに、減
損につき検討される。個別では多額のキャッシュ・インフローを生み出さない資産については、回収可能
額は資産が属する現金をもたらすユニットについて決定される。このような兆候があり、帳簿価格が回収
可能額の見積もりを上回る場合、資産又は現金を生み出すユニットは回収可能額に減額される。
有形固定資産の回収可能額は、公正価値から売却費用を控除した額と減価償却後の取替原価の大きい方
である。
減損損失は包括利益計算書において認識される。
(e) 無形資産
コンピュータ・ソフトウェアは、WATCが財務書類に計上する唯一の無形資産である。資産利用の原価
は、耐用期間にわたり費用化(償却)される。
別個に取得した無形資産は、取得日の原価で資産化される。当初の認識の後、各種類の無形資産にコス
ト・モデルが適用される。これら資産の耐用期間は有限として査定される。無形資産は期間３年で償却さ
れる。
減損の兆候がある場合、無形資産の減損が検査される。耐用期間もまた、年次ベースで検査され、適用
ある場合、見込みベースで調整が行われる。
(f) 投資
WATCは、投資を損益を通じて公正価値評価する金融資産として分類する。WATCは満期保有又は売却可能
に分類される投資を保有しない。
投資は、約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定される。本
方針から生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。公正価値は、投資がリスクを相
殺するポジションに保有される範囲で、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は買い呼び値を
適用して、算定される。オーストラリア連邦及び州政府の投資は、ポートフォリオ管理の目的から保有さ
れている。これらの投資は一般的に満期まで12か月を超えるものであるが、通常の業務においてはWATCの
指標銘柄債券を経済的にヘッジするために利用され、従って12か月以内に換金される予定で保有される。
(g) 公的機関への貸付金
公的機関への貸付金は、約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で
測定され、貸借対照表において資産に記帳される。本方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書
の勘定に記帳される。公正価値は、公的機関への貸付金がリスクを相殺するポジションに保有される限り
は、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は買い呼び値を適用して、算定される。一般的な状
況では、公的機関への貸付金は、満期時に更新又は再貸付される。
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(h) 借入金
借入金は約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定される。本
方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。公正価値は、借入金がリスクを
相殺するポジションに保有される限りは、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は売り呼び値
を適用して、算定される。一般的な状況では、借入金は、満期時に乗換えられるか借換えられる。起債費
用は発生したときに包括利益計算書に計上される。
(i) デリバティブ金融商品
デリバティブはもっぱら金利及び外国為替リスクを経済ヘッジするために利用される。デリバティブは
すべて、約定日付で公正価値で貸借対照表において認識される。デリバティブはすべて、取引目的で保有
されるものとして分類されている。デリバティブの帳簿価格は、契約の有効期間中、公正価値で再測定さ
れる。本方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。
(j) 外貨換算
外貨建取引は、約定日に適用される為替レートで約定日付で豪ドル建勘定に記帳される。報告期間末日
現在、すべての貨幣性資産及び負債は、2020年６月30日現在の為替レートで換算されている。為替差益
(損)は、包括利益計算書に記帳される。WATCの機能通貨及び表示通貨は、ともにオーストラリア・ドル
(豪ドル)である。
(k) 資金調達コスト
資金調達コストは負担したときに費用として認識される。支払利息は生じたときに認識され、関係のあ
るポートフォリオ管理において実現する類似性質の項目を含む。金融負債に関する実現損益もまた、利息
として認識される。
(l) 職員給付
(ⅰ)病気休暇
病気休暇については、与えられた権利ではなく、また会計年度中に取得された病気休暇は、通常の病
気休暇枠の使用を超えないと予想されるため、引当金を設定していない。
(ⅱ)年次休暇
この給付は報告日までの職員のサービスについて報告日現在で認識され、決済時に適用する予定の報
酬率を用いて、債務が決済されるとき支払われる予定の金額の現在価値で測定される。
(ⅲ)長期有給休暇
報告日から12か月以内に決済が予定される長期有給休暇債務は、職員給付引当金として認識され、債
務が決済されるとき支払われる予定の額面金額で測定される。報告期間末日から12か月を超えて決済が
予定される長期有給休暇債務は、職員給付引当金として認識され、報告日までの職員が提供したサービ
スに関して行われる将来支払予想額の現在価値で測定される。将来の支払予想額を査定する際には、将
来の予想給与水準、職員離職の経験値及び勤続年数を考慮する。将来支払の予想額は、予測将来キャッ
シュ・アウトフローと可能な限り近い満期の条件をもつ国債の報告期間末日現在の市場利回りを用いて
割引かれる。
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(ⅳ)老齢退職手当
州政府職員老齢退職年金委員会(GESB)及びその他の基金提供者が法的な要件に従い、以下に詳述する
年金制度を管理する。職員に対する個別の制度への加入に関する適格基準は、開始日と実施日により異
なる。
適格な職員は、1987年以来新規加入者を受付けていない確定給付年金制度である州年金制度、又は
1995年以来新規加入者を受付けていない確定給付一時金制度であるゴールド・ステート老齢退職手当制
度(GSS)に拠出する。これらいずれの制度にも加入していなかった、2007年４月16日より前に雇用を開
始した職員は、ウェスト・ステート老齢退職手当制度(WSS)の非拠出加入者になった。2007年４月16日
以降に就業した職員は、GESBスーパー制度(GESBS)の加入者になった。2012年３月30日から、WSS又は
GESBSの既存加入者及び新たな職員は、自身の好きな年金基金提供者を選択できる。WATCは1992年連邦
政府年金保証(管理)法に従い、職員に代わりGESB又は他の基金提供者への拠出を行う。これらの積立て
制度への拠出は、州年金制度又はGSSの加入者ではない職員に関するWATCの退職手当負担債務を消滅さ
せる。
WATCはまた、以前は公的部門の者であった現在のスタッフの以前の勤務の結果、非積立型年金債務を
有する。これら将来の支払債務は、報告日現在、貸借対照表において引当てられている。この制度に基
づく負債は、予想ユニット法を用いてマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングにより毎年
計算される。予想される将来支払いは、予想将来キャッシュ・アウトフローに可能な限り適合する満期
条件を持った国債の市場利回りを用いて、報告日付で現在価値に割引かれる。
GSS、WSS及びGESBS（当期勤務の退職手当費用はWATCからGESBに支払われる。）は、拠出型制度と定
義される。GSS、WSS及びGESBSに基づく当期勤務の退職手当負担債務は、GESBへの雇用主の拠出支払い
と同時に消滅する。
GSSは、職員及び政府全体の報告の目的で、確定給付制度である。しかし、代理人の見解からは、給
付の振替とは別に、AASB119のもとでは、確定拠出制度と定義される。
確定給付制度の年金費用は、以下の要因から構成される。
・ 当期勤務原価
・ 利息費用(割引の繰入れ)
・ 保険数理損益
・ 過去勤務債務
確定給付制度の保険数理損益は、直ちに包括利益計算書において収益又は費用として認識される。
確定拠出制度の年金費用は、拠出が期限を迎えたときに認識される。
(m) 配当政策
WATCの配当政策は、堅実な商業慣行に矛盾せず、かつWATCの財政的健全性を損なわない適切な配当を
WATCが州に行うことを確保するよう定式化されている。WATCの方針は、配当としてWATCの税引後利益の
75％を州統合勘定に支払う旨を定める。ただし、大蔵大臣の承認する調整を受ける。現会計年度の配当金
は、取締役会により宣言され、翌会計年度に支払われる。
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(n) 法人税
WATCは課税相当額制度(TER)の中で事業を行っている。これにより、法人税に関して相当額が州大蔵省
に支払われる。州政府が承認したTERの指針及び指示は、税金に関する負債の算定を決定する。
TERへの参加の結果、WATCはオーストラリア会計基準AASB112「法人税」を遵守することが求められてい
る。
ある会計期間の法人税費用又は収入は、資産及び負債の課税標準とその財務書類上の帳簿価格の一時的
差異、並びに未使用の税損失に帰すべき繰延税金資産・負債の変動により調整された当該期間の課税所得
に対する支払うべき税金である。
繰延税金資産及び負債は、資産が回収又は負債が清算されたときに適用が予想される税率(制定済み又
は実質的に制定された税率を基礎とする)で、一時的差異について認識される。当該税率は、繰延税金資
産又は負債を測定するために控除可能かつ課税可能な一時差異の累積額に適用される。資産又は負債の当
初認識から生ずる特定の一時的差異には例外がある。繰延税金資産又は負債が、取引の時点で、経常利益
又は課税損益のいずれにも影響を与えない取引において生ずる場合、これら一時的差異に関連して繰延税
金資産又は負債は認識されない。
繰延税金資産は、控除可能な一時的差異及び未利用の税金損失を利用できる将来の課税額が利用できる
可能性が高い場合に限り、これらの一時的差異及び損失について認識される。
その他包括利益に認識される金額に起因する当期及び繰延税金残高は、その他包括利益に認識され、資
本に直接起因するものは直接資本に認識される。
繰延税金資産の帳簿価格は各報告日において見直され、繰延税金資産の全部又は一部の使用を可能とす
るような十分な課税利益が今後利用できない可能性がある場合、減額される。
(o) 資産の減損
各報告日現在、WATCは資産の減損の兆候がないかを査定する。減損の兆候がある場合、WATCは回収可能
額の正式な見積もりを行う。資産の帳簿価格が回収額を上回る場合、当該資産は減損しているとみなさ
れ、回収可能額まで減額される。
回収可能額は、公正価値から売却費用を差引いた額と減価償却後の取替原価の大きい方である。減損の
リスクは、一般に、資産の減価償却が著しく低く評価されている場合、取替原価が下落している場合、又
は耐用期間に大幅な変更がある場合に限られる。各種類の資産は、減価償却累積額が資産の将来の経済的
利益の消費水準又は満了を反映しているかを検証し、取替原価の下落による減損リスクの有無を評価する
ために、毎年見直しが行われる。
(p) 受取債権
受取債権は原価で認識される。受取債権は一般に30日以内に決済されるため、帳簿価格は公正価値に近
似する。徴収不能額の引当金は、資産の減損の兆候がある場合に引き当てられる。WATCの顧客の性質に起
因する未徴収である金額の兆候はない。
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(q) 未払債務
未払債務は、WATCが資産又はサービスの購入の結果、将来の支払いをなす義務を負うことになったとき
に、支払うべき金額で認識される。帳簿価格は公正価値に近い。なぜなら30日以内に一般的に決済される
からである。
(r) 現金及び現金同等物
貸借対照表の現金資産は、銀行預金及び手持現金から構成される。帳簿価格は、その性質上短期である
ため、公正価値に近い。キャッシュ・フロー表の目的上、現金及び現金同等物は、手持ち現金及び当初満
期が３か月以内の直ちに周知の金額の現金に交換可能な短期預金を含み、価値の変動リスクが小さいもの
である。
(s) 未払賃金(給与)
未払給与は、職員に払うべきであるが会計年度末において未払いの金額を表す。なぜなら、ある会計年
度の最後の給与期間末は会計年度末と一致しないからである。未払給与は会計年度末から２週間以内に精
算される。WATCは未払給与の帳簿価格は公正価値と同額であると考える。
(t) スワップ公正価値準備金
WATCは、顧客の長期資金需要を満たすために調達した中・長期債務に対する金利及び外為エクスポー
ジャーを低減するために、金利及び通貨スワップを締結する。
会計基準に従い、スワップの公正価値の変動は、包括利益計算書に計上される。この方針により生み出
された純利益を独立して特定するために利用できる任意の資本準備金が設定されている。これは将来、取
引の満期において留保利益に振替えることができる。
(注３) 会計方針変更の開示
オーストラリア会計基準の最初の適用
WATCは、2019年７月１日以後に開始する年次報告期間から有効なすべてのオーストラリア会計基準を採択
した。WATCに重要な財務上の影響を与えたものは無かった。
発行済みであるがまだ有効でないオーストラリア会計基準の将来の影響
WATCは、TI第1101号「オーストリア会計基準及びその他発表の適用」又はTI第1101号の適用除外により特
別に認められない限り、オーストラリア会計基準を早期採用することができない。WATCは、WATCに影響を与
えるかもしれない発行済みの以下のいずれのオーストラリア会計基準も早期に適用していない。適用ある場
合、WATCはこれらのオーストラリア会計基準をその適用日から適用する予定である。
AASB2018-7「オーストラリア会計基準の修正－重要の定義」。WATCは同基準が2021年６月30日終了年度
に最初に適用されるときに大きな財務上の影響があるとは予想しない。
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以下の新基準及び修正はWATCに影響を与えると予想されない。
AASB 修正 影響を受ける基準
AASB17 「保険契約」
AASB1059 「サービス免許協定：譲与者」
AASB1060 「一般目的の財務書類－営利目的及び非営利目的ティア２事業体向け簡易開
示」
AASB2018-6 「オーストラリア会計基準の修正－事業の定義」
AASB2019-2 「オーストラリア会計基準の修正－AASB1059の実施」
AASB2019-3 「オーストラリア会計基準の修正－金利ベンチマーク改革」
AASB2019-5 「オーストラリア会計基準の修正－オーストラリアで未発行の新IFRS基準の効
果に関する開示」
AASB2019-7 「オーストラリア会計基準の修正－重要な財政合計のGFS測定及びGAAP/GFS調整
の開示」
AASB2020-1 「オーストラリア会計基準の修正－流動負債及び固定負債の分類」
AASB2020-2 「オーストラリア会計基準の修正－特定の営利民間部門事業体の特別目的財務
書類の廃止」
AASB2020-3 「オーストラリア会計基準の修正－2018年-2020年の年次改正及びその他修正」
以下の新基準及び修正の影響は、まだ完全には決定されていない。
AASB 修正 影響を受ける基準
AASB2019-1 「オーストラリア会計基準の修正－概念的枠組みの参照」
(注４) 管理費用
職員給付費用
以下の職員給付費用が管理費用に含まれる。
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
給与
10.8 9.7
労働災害補償費用 0.0 0.1
退職年金費用 1.1 1.0
0.1 0.1
長期休暇引当金
12.0 10.9
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管理費用
職員給付費用 12.0 10.9
サービス及び契約 2.5 2.2
設備保守 2.2 1.8
宿泊費 0.9 0.8
1.5 1.7
その他コスト
19.1 17.4
(注５) 為替差益/差損
WATCは、その海外借入を通じて発生した費用の支払いのため外貨建の銀行口座に残高を有している。2020
年６月30日現在、為替相場の変動を考慮に入れた場合、残高について損益はなかった(2019年６月30日：損
益なし)。
(注６) 公正価値変動(純額)
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
未実現利益/（損失）－投資
6.1 32.4
未実現利益/（損失）－公的機関への貸付金 483.7 1,605.7
未実現（損失）/利益－借入金 (602.5) (1,933.3)
57.8 241.8
未実現利益/（損失）－デリバティブ
公正価値変動（純額）
(54.9) (53.4)
金利変動の加算
投資利息 79.0 90.9
公的機関からの利息 1,298.0 1,532.2
(1,262.7) (1,511.0)
借入利息
114.3 112.1
損益を通じて公正価値評価される金融資産及び金融負債の純
59.4 58.7
利益
WATCは長期目標を達成するためポートフォリオ基準で営業を管理する。総額70.8百万豪ドル（2019年：
80.4百万豪ドル）の実現損失は受取利息及び支払利息に反映される。公正価値変動の純額は、原証券の期間
中実現されるべき未実現公正価値の調整を表す。
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(注７) 法人税相当額
会計上の利益に対する見かけ上の法人税相当額費用は、下記のとおり、会計上の法人税相当額費用と一致
する。
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
法人税相当額控除前の会計上の利益 40.7 41.7
税率30％の法人税相当額(2019年：30％)
12.2 12.5
課税利益決定において控除不能/課税不能費用の税効果
0.0 0.0
諸費用(雑費)
法人税相当額費用 12.2 12.5
以下の増減から成る法人税相当額費用：
当期法人税相当額費用 12.3 12.6
一時的差異の発生及び解消に関する繰延税金利益 (0.1) (0.1)
0.0 0.0
一時的差異の発生及び解消に関する繰延税金費用
法人税相当額費用総額
12.2 12.5
繰延税金資産：
1.2 1.1
職員引当金
合計(注12)
1.2 1.1
(注８) 現金性資産
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
銀行預金
255.4 141.5
0.0 0.0
海外銀行口座
255.4 141.5
平均残高 279.3 189.4
受取利息 2.1 3.9
平均利率 0.75％ 2.04％
現金性資産は銀行口座に保有する資金のみを表示し、金融市場投資は含まない。WATCの指標銘柄債券ライ
ンの満期を円滑に行うため、債券の満期前には翌日物銀行口座に通常より大きい現金残高が残されている。
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(注９) 投資－公正価値
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
投資－デリバティブ以外
投資は以下から構成される。
短期金融市場への投資 3,614.0 2,998.5
政府債券 3,550.8 2,478.8
0.0 0.0
社債
合計 7,164.8 5,477.3
満期による分類
コール 48.0 40.0
３か月以内 4,984.4 724.0
３か月から12か月 991.9 2,976.5
１年から５年 1,140.5 1,677.6
0.0 59.2
５年超
合計 7,164.8 5,477.3
金利更改による分類
コール 48.0 40.0
３か月以内 5,490.7 1,229.8
３か月から12か月 739.6 2,976.4
１年から５年 886.5 1,171.9
0.0 59.2
５年超
合計 7,164.8 5,477.3
格付別投融資額の割合
AAA 27.85％ 17.97％
AA 61.15％ 69.78％
A 11.00％ 12.25％
0.00％ 0.00％
BBB
100.00％ 100.00％
平均残高
5,860.3 4,167.6
受取利息 76.9 87.0
平均利率 1.31％ 2.09％
WATCは、その余剰資金を西オーストラリア州理財公社法に従い投資する。評価方法の詳細な情報は注20に
記載されている。すべての投資は損益を通じて公正価値評価する金融資産として分類されている。
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(注10) 受取債権及びその他金融資産
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
未収受取利息
255.5 302.2
外貨建債権 1.1 0.0
21.5 58.1
その他債権
278.1 360.3
847.2 588.3
その他金融資産(注11b及び17b)
1,125.3 948.6
未収受取利息は顧客になされた貸付及び金融機関の投資に関連した発生利息から構成される。その他債権
は2020年６月30日より前に開始し、2020年６月30日より後の期日で決済される金融商品取引を示す。その他
金融資産の詳細は、注20において説明する。
(注11) 公的機関への貸付金－公正価値
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
11a. 公的機関への貸付金－デリバティブ以外
56,109.5 52,912.9
満期による分類
３か月以内 3,651.9 1,482.2
３か月から12か月 4,477.8 7,494.4
１年から５年 27,433.3 25,623.6
20,546.5 18,312.7
５年超
合計 56,109.5 52,912.9
金利更改による分類
３か月以内 18,376.3 16,617.4
３か月から12か月 4,567.3 5,888.1
１年から５年 13,897.0 13,306.7
19,268.9 17,100.7
５年超
合計 56,109.5 52,912.9
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(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
11b. 公的機関への貸付金－デリバティブ
6.9 3.3
満期による分類
３か月以内 0.2 (0.1)
３か月から12か月 0.7 0.0
１年から５年 3.4 0.1
2.6 3.3
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
6.9 3.3
デリバティブ合計
金利更改による分類
３か月以内 0.0 (5.2)
３か月から12か月 0.7 0.0
１年から５年 3.5 0.1
2.7 8.4
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
6.9 3.3
デリバティブ合計
平均残高 51,874.8 50,945.5
受取利息 1,298.0 1,532.2
平均利率 2.50％ 3.01％
WATCは州政府及び西オーストラリア州内の地方政府機関に資金を貸付ける。通常の場合ではこれらの貸付
金は更新又は再貸付される。州政府への貸付金(全体の98.8％(2019年：98.8％))は州により保証されてお
り、他方地方政府への貸付金(全体の1.2％(2019年：1.2％))は証書により担保されており、地方政府法の規
定に基づき、地方政府の一般会計に対し請求できる。2020年６月30日現在、地方政府への貸付金に減損の兆
候はなかった。公的機関への貸付は組織的市場において標準化された形式では取引されていない。評価方法
の詳細な情報は注20に記載される。
(注12) 税金資産
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
繰延税金資産
1.2 1.1
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(注13) 有形固定資産
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
設備(原価)
3.1 3.2
2.8 2.8
控除：減価償却累計額
有形固定資産合計
0.3 0.4
調整表
設備
期首残高 0.4 0.4
加算 0.0 0.2
処分／除去 (0.1) 0.0
減価償却 (0.1) (0.2)
0.1 0.0
処分に関する累積減価償却
期末残高
0.3 0.4
(注14) 無形資産
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
無形資産(原価)
11.4 10.2
9.6 8.6
控除：償却累計額
無形資産合計
2.0 1.6
調整表
無形資産
期首残高 1.6 0.2
加算 1.2 1.6
処分 0.0 0.0
償却 (0.8) (0.2)
0.0 0.0
処分に関する累積償却
期末残高
2.0 1.6
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(注15) 資産の減損
2020年６月30日現在、有形固定資産及び無形資産の減損の兆候はなかった。
WATCは、本報告期間中、無期限の耐用年数を持つのれん又は無形資産を保有しておらず、また報告日現
在、利用可能となっていない無形資産はない。
(注16) 未払債務
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
未払利息（償却原価）
573.6 587.8
3,402.4 1,063.5
その他未払債務（償却原価）
3,976.0 1,651.3
未払債務は未払利息並びに債務商品及び未提示手形に関連する種々の未払勘定から成る。未払利息は金融
機関に対するものである。その他未払債務は、2020年６月30日より前に開始し、2020年６月30日より後の期
日で決済される金融商品取引を含む。
(注17) 借入金－公正価値
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
17a. 借入金－デリバティブ以外
60,501.5 57,670.5
満期による分類
３か月以内 6,858.2 2,071.5
３か月から12か月 2,398.2 8,023.4
１年から５年 29,074.5 28,522.5
22,170.5 19,053.1
５年超
借入金合計（公正価値） 60,501.5 57,670.5
金利更改による分類
３か月以内 15,847.5 10,826.0
３か月から12か月 389.7 5,120.7
１年から５年 22,093.8 22,670.7
22,170.5 19,053.1
５年超
借入金合計（公正価値） 60,501.5 57,670.5
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17b. 借入金－デリバティブ
(840.3) (585.0)
満期による分類
３か月以内 12.1 0.1
３か月から12か月 0.9 (15.4)
１年から５年 (654.1) (453.3)
(199.2) (116.4)
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
(840.3) (585.0)
デリバティブ合計
金利更改による分類
３か月以内 103.9 538.0
３か月から12か月 18.7 (84.1)
１年から５年 (713.6) (768.4)
(249.3) (270.5)
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
(840.3) (585.0)
デリバティブ合計
平均残高 58,055.4 55,261.6
支払利息 1,262.7 1,511.0
平均利率 2.17％ 2.73％
WATCは国内及び海外資本市場で資金を調達する。西オーストラリア州理財公社法第13条第１項に基づき、
WATCの財務上の債務は西オーストラリア州の代理として大蔵大臣により保証されている。WATCの借入は種々
の市場及び満期にわたり多様化されている。評価方法についての詳しい情報は、注20に記載されている。
借入金－額面金額
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
６月30日からの期間12か月以下の債務
国内 8,555.6 9,801.4
694.7 237.9
海外
9,250.3 10,039.3
６月30日からの期間12か月を超える債務
国内 46,593.3 43,796.9
0.0 0.0
海外
46,593.3 43,796.9
６月30日現在残高(額面金額) 55,843.6 53,836.2
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海外借入
海外借入は、豪ドル建及び外貨建借入を含む。外貨建借入は2020年６月30日現在適用される為替レートを用
いて換算されており、以下のとおりである。
2020 年６月30日現在の為替レートによる換算額
2020 年６月30日から 2020 年６月30日から
12 か月以内の返済分 12 か月超の返済分
外貨建借入 ( 単位：百万豪ドル)
445.8 百万米ドル 650.0 0
2019 年６月30日現在の為替レートによる換算額
2019 年６月30日から 2019 年６月30日から
12 か月以内の返済分 12 か月超の返済分
外貨建借入 ( 単位：百万豪ドル)
なし 0 0
報告日現在において、全ての外貨建借入について、経済上のヘッジ、スワップ又は先物契約が結ばれるか、
外貨建資産に投資されている。従って、海外借入の通貨換算によって生ずる為替差益(損)は、外貨契約、海
外投資又は連続した貸付について発生するこれに対応する差損(益)と相殺され、為替差益(損)の純額は発生
しない。
(注18) 納税債務
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
当期法人税相当額債務
25.0 12.6
(注19) 引当金
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
年次休暇
1.5 1.2
長期有給休暇 2.1 2.0
0.3 0.3
退職手当(確定給付制度)
3.9 3.5
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ゴールド・ステート老齢退職手当制度
会計方針
保険数理上の損益は発生した年度において包括利益計算書に直ちに認識される。
本制度情報
本制度によりもたらされる利益の性質
以前の州年金制度加入者の一部がゴールド・ステート・スーパー（老齢退職手当制度）に移行した。彼
らの移行された給付に関して、加入者は退職、死亡又は傷病の場合に一時金で給付を受取る。これは雇用
期間中の給与に関係づけられ、公的部門の雇用を離職後の支払猶予期間中指数化方式で計算される。
規制上の枠組みの説明
本制度は2000年州老齢退職年金法（西オーストラリア）及び2001年州老齢退職年金規則（西オーストラ
リア）に基づき運用される。
制度は老齢退職年金産業（監督）（SIS）法の正式な対象ではないが、西オーストラリア州政府は、
（政府覚書において）制度をSIS法制の精神に基づき運用することを約束している。
義務が免除された公的部門老齢年金制度（SIS法に定義される。）として、本制度は最低資金要件に従
わない。
憲法で保護された年金基金（所得税評価法に定義される。）として、本制度は税金を払う必要がない。
本制度のガバナンスに対する他の法人の責任の説明
政府職員老齢年金委員会（GESB）は本制度のトラスティーであり、本制度のガバナンスの責任がある。
トラスティーとして、GESBは本制度の受益者の最善の利益のためにのみ行為する法律上の義務がある。
GESBには以下の役割がある。
・本制度の管理及び本制度の規則に従って必要ある場合に受益者への支払い、
・本制度資産の運用及び投資（本報告の負債は資産により裏付けられない）、及び
・上記の政府覚書の遵守。
リスクの説明
本制度によりWATCは多数のリスクにさらされる。確定給付に関連するより重要なリスクは以下の通りで
ある。
・給与リスク ― （将来の給付額がそれに基づく）賃金又は給与が仮定よりも急激に上昇し、確定給付
額及び関連する雇用者拠出を増加させるリスク。
・インフレーション・リスク ― （繰延給付の物価スライド制に影響を与える）インフレーションが仮
定よりも高くなり、確定給付額及び関連する雇用者拠出を増加させるリスク。
・法律上のリスク ― 確定給付を提供するコストを上昇させる法律の変更が行われるリスク。
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重要な事実の説明
本年度中に確定給付債務に影響を与える制度の改正、縮小又は清算はなかった。
確定給付負債/(資産)(純額)の調整表
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
期首の確定給付負債/（資産）（純額）
0.3 0.3
(+) 当期の勤務費用
0.0 0.0
(+) 純利息
0.0 0.0
(+) 過去の勤務費用/削減
0.0 0.0
(+) 決済による(利益)/損失
0.0 0.0
(-) 本制度資産の実際の利回りから受取利息を控除
0.0 0.0
(+) 人口動態の仮定変更から生ずる実際の（利益）/損失
0.0 0.0
(+) 財務上の仮定変更から生ずる実際の（利益）/損失
0.0 0.0
(+) 債務実績から生ずる実際の（利益）/損失
0.0 0.0
(+) 資産上限の効果の調整
0.0 0.0
0.0 0.0
(-) 雇用主拠出
確定給付負債／(資産)(純額)
0.3 0.3
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本制度資産の公正価値調整表
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
期首の本制度資産の公正価値
0.0 0.0
(+) 受取利息
0.0 0.0
(+) 本制度資産の実際の利回りから受取利息を控除
0.0 0.0
(+) 雇用主拠出
0.0 0.0
(+) 本制度参加者による拠出
0.0 0.0
(-) 支払い給付
0.0 0.0
(-) 税金、プレミアム及び費用
0.0 0.0
(+) 振替による
0.0 0.0
(+) 蓄積部門への拠出
0.0 0.0
(+) 決済
0.0 0.0
(+) 為替レート変動 0.0 0.0
期末の本制度資産の公正価値
0.0 0.0
確定給付債務（DBO）の調整表
期首の確定給付債務の現在価値 0.3 0.3
(+) 当期の勤務費用
0.0 0.0
(+) 利息費用(支払利息)
0.0 0.0
(+) 本制度参加者による拠出
0.0 0.0
(+) 人口動態の仮定変更から生ずる保険数理上の(利益)/損
0.0 0.0
失
(+) 財務上の仮定変更から生ずる保険数理上の(利益)/損失
0.0 0.0
(+) 債務実績から生ずる保険数理上の(利益)/損失
0.0 0.0
(-) 支払い給付
0.0 0.0
(-) 税金、プレミアム及び費用
0.0 0.0
(+) 振替による
0.0 0.0
(-) 蓄積部門への拠出
0.0 0.0
(+) 過去の勤務費用/削減
0.0 0.0
(+) 決済による利益/損失
0.0 0.0
(+) 決済
0.0 0.0
0.0 0.0
(+) 為替レート変動
期末の確定給付債務の現在価値
0.3 0.3
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資産上限の効果の調整
資産上限は、確定給付負債/（資産）の純額へ影響を与えない。
本制度資産の公正価値
移転済給付を補助するために現在の職員のためのゴールド・ステート・スーパーの資産は存在しない。
従って、以下は存在しない。
・本制度資産の公正価値、
・本制度資産の割当資産、
・雇用主により発行される金融資産、
・雇用主が使用する資産、及び
・資産-負債を一致させる戦略。
報告日付の重要な保険数理上の仮定
2020年 2019年
開始年DBO及び当年度の確定給付コストを決定する仮定
割引率 1.40％ 2.60％
予想給与増加率 2018/19年 - 1.50％
2019/20年 1.50％ 1.50％
2020/21年 1.50％ 1.50％
その後 4.20％ 4.20％
CPI(消費者物価指数) 2.50％ 2.50％
評価日現在のDBOを決定する仮定
割引率 0.85％ 1.40％
予想給与増加率 2019/20年 - 1.50％
2020/21年 2.00％ 1.50％
2021/22年 2.00％ -
その後 3.50％ 4.20％
CPI(消費者物価指数) 2.00％ 2.50％
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割引率は2029年11月満期の州政府債券に基づいている。使用される減少率(例えば、死亡率及び退職率)
は、2019年６月30日現在のスキームの保険数理的な見直しに基づき、オーストラリア政府保険数理表（ALT
2015-17）及びMercer公的部門年金生命表（退職所及び配偶者年金受給者）により更新されている。
2020年６月30日現在で使用された給与増加の仮定は、最初の２年間は年率2.00％、その後は年率3.50％で
ある。2019年６月30日現在で使用された給与増加率は、最初の３年間は年率1.50％、その後は年率4.20％と
仮定した。
感受性分析
複数のシナリオに基づく2020年６月30日現在の確定給付債務は、以下のとおりである。
シナリオA及びBは割引率の感受性に関係する。シナリオC及びDは予想給与増加率及び物価指数の感受性
に関係する。
シナリオA：年率0.5％低い割引率の仮定
シナリオB：年率0.5％高い割引率の仮定
シナリオC：年率0.5％低い予想給与増加率及び物価指数の仮定
シナリオD：年率0.5％高い予想給与増加率及び物価指数の仮定
基準のケース シナリオA シナリオB シナリオC シナリオD
割引率 割引率 給与 給与
年率マイナス 年率プラス 年率マイナス 年率プラス
0.5％ 0.5％ 0.5％ 0.5％
割引率 年率0.85％ 年率0.35％ 年率1.35％ 年率0.85％ 年率0.85％
給与増加率 年率3.50％ 年率3.50％ 年率3.50％ 年率3.00％ 年率4.00％
確定給付債務
0.3 0.3 0.3 0.3 0.3
(単位：百万豪ドル)
確定給付債務は上記で概説した仮定の変更により再計算されているが、その他すべての債務は維持され
る。
上記の表での給与の仮定は長期給与の仮定である。短期の仮定もシナリオC及びシナリオDに記載のとお
り、また調整されている。
資金調達の取決め
WATCは要求に応じて支払い給付に見合う拠出を行う。
予想拠出
(単位：百万豪ドル)
2021年
予想雇用主拠出
0.1
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確定給付債務の満期構造
WATCの確定給付債務の加重平均デュレーションは3.0年である。
(注20) 金融商品及びリスク管理
方針
リスク管理ガバナンス
WATCの取締役会（取締役会）は、1986年西オーストラリア州理財公社法に基づきWATCがその職務を遂行す
ることに責任を持つ。
これらの職務を遂行するにあたり、取締役会は適切なリスク管理方針、システム、報告手順を確実に整え
るようにする。この点からその義務の遂行を助けるために、取締役会は、市場リスク、信用リスク、流動性
及び資金調達リスク並びにオペレーショナル・リスクを対象とするリスク管理方針を実施している。
WATCは、月次ベースで会合を行い、リスク管理に関する以下の機能に責任をもつ、資産及び負債管理委員
会（ALCO）を創設した。
・WATCのリスク管理プロセス及び戦略についての助言の提供、
・WATCがリスク・エクスポージャーの水準を合意された水準に維持することに関する事項についての助
言、
・WATCに影響を与える可能性のあるリスクの進展に関する助言の提供、及び
・WATCのリスク管理方針の毎年の見直しから生ずる勧告に関する助言の提供。
WATCは顧客へ提供する財務サービスに関連するリスクを負う。これらのサービスは貸付、財務リスク管理
及び投資業務を含む。WATCが管理する主要なリスクは、以下のとおりである。
・金利リスク、
・為替レート・リスク、
・信用リスク、
・流動性リスク、
・資金調達リスク、及び
・オペレーショナル・リスク
WATCは、これらのリスクの軽減を賄う適切な資本を確実に維持する。この点から、オーストラリア・プル
デンシャル・レギュレーション・オーソリティー（APRA）は、銀行の市場リスク、信用リスク及びオペレー
ショナル・リスクの自己資本の計量のために指針を定める。WATCは自己資本及びオペレーショナルリスクの
要件を決定するにあたり、これらの基準及びバーゼル合意に基づく公表を指針とする。
WATCは、その方針として、巨額の為替レート・リスクを負わず、すべてのその他財務リスクを最小化する
ことを目指す。
WATCは、顧客の資金調達需要を満たすため調達する債券の外国為替及び金利のエクスポージャーを低減す
るために、金利及び通貨スワップを締結する。会計基準に従い、スワップの公正価値の変動は包括利益計算
書上に計上される。未実現の損益はWATCの現金利益又は損失を意味しない。
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金利リスク
金利リスクは、金利の変動が損失の原因となるリスクである。
WATCの金利リスク自己資本は、99％の信頼水準及び10日間の流動性期間に基づくVaR(バリュー・アット・
リスク)モデルに対する過去のデータによる検証の結果により３から４のリスク乗数を使用して決定され
る。
VaRモデルは、通常の市場環境において市場リスクを測定するために設計されている。同モデルは、通常
の市場環境に影響を与えるリスク要因において発生する一切の変化は、通常の分布を伴うと仮定する。分布
は指数的に加重された経験データを用いて計算される。VaRは情報を提供するために過去のデータに大きく
依拠していて、明確にリスク要因の将来の変更及び修正を予想できないという事実のために、大きな市場の
動きの見込みは、リスク要因の変化が通常の分布仮定と一致しない場合、過小評価される可能性がある。
VaRはまた、リスク要因に置かれた仮定及び特定の商品に関するかかる要因間の関係のために過小又は過大
に評価される可能性がある。ポジションは一日中変動することがあるが、VaRは各営業日の終了時にポート
フォリオのリスクを表示するのみで、99％の信頼水準を超えて発生する可能性のある損失は考慮しない。実
際には、実績はVaRの計算と異なり、（特に）計算はストレスを受けた市場状況において意味のある損益の
指標を提供しない。VaRモデルの信頼性を決定するために、実際の結果が仮定の有効性及びVaR計算に使用さ
れるパラミーターを検証するために監視されている。
WATCは金利リスクの最小化を非常に重視する。当然のことながら、貸付及び市場支援業務から生ずるWATC
の金利リスク・エクスポージャーはすべて、経済上ヘッジされている。これらのヘッジング契約の効果は、
WATCのVaR及び自己資本を最小にするために継続的に見直しを受ける。
VaR 及びその他金利リスクに敏感な尺度を使用する市場エクスポージャーは、毎日評価される。リスクの
制御は、毎月、また必要ある場合より頻繁に実施されるストレス・テストの使用により、さらに向上する。
ストレス・テストは、極端な市場の状況において発生する可能性のある損失見込み額の目安を与える。スト
レス・テストはまた、WATCが金利の動きに敏感なカーブ上の範囲を強調する。
WATCの市場リスクに関連するVaR測定を以下に詳述する。
バリュー・アット・リスク（VaR）
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
年間１日平均残高
1.4 0.9
年間最低値 0.7 0.6
年間最高値 3.5 1.3
年度末残高 1.2 0.9
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金利リスク・エクスポージャー
以下の表は、報告日現在のWATCの金利リスク・エクスポージャーの詳細である。
加重平均 ３か月から
コール ３か月以内 １年から５年 ５年超 無利息 合計
実効利率 12 か月
2020 年 (％) (単位：百万豪ドル)
金融資産：
現金及び現金同等物 0.76 255.4 255.4
受取債権
－デリバティブ以外 278.1 278.1
－デリバティブ (103.9) (18.0) 717.1 252.0 847.2
投資 1.31 48.0 5,490.7 739.7 886.4 7,164.8
18,376.3 4,567.3 13,897.0 19,268.9 56,109.5
公的機関への貸付金 2.50
303.4 23,763.1 5,289.0 15,500.5 19,520.9 278.1 64,655.0
金融負債：
未払債務 3,976.0 3,976.0
15,847.5 389.7 22,093.8 22,170.5 60,501.5
借入金 2.17
0.0 15,847.5 389.7 22,093.8 22,170.5 3,976.0 64,477.5
加重平均 ３か月から
コール ３か月以内 １年から５年 ５年超 無利息 合計
実効利率 12 か月
2019 年 (％) (単位：百万豪ドル)
金融資産：
現金及び現金同等物 2.04 141.5 141.5
受取債権
－デリバティブ以外 360.3 360.3
－デリバティブ (543.2) 84.1 768.5 278.9 588.3
投資 2.09 40.0 1,229.8 2,976.4 1,171.9 59.2 5,477.3
16,617.4 5,888.1 13,306.7 17,100.7 52,912.9
公的機関への貸付金 3.01
181.5 17,304.0 8,948.6 15,247.1 17,438.8 360.3 59.480.3
金融負債：
未払債務 1,651.3 1,651.3
10,826.0 5,120.7 22,670.7 19,053.1 57,670.5
借入金 2.73
0.0 10,826.0 5,120.7 22,670.7 19,053.1 1,651.3 59,321.8
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為替レート・リスク
外国為替リスクは、為替レートの変動による損失のリスクである。WATCの方針は、営業目的の外貨建銀行
口座の少額な残高を維持する必要から発生するわずかなエクスポージャーを除き、為替リスクを一切負わな
いというものである。
実務上、WATCの外貨建て債務はすべて、以下の１以上の形態で、外貨建資産に対応させるか、裏付けられ
ている。
・外貨建貸付、
・クロス・カレンシー・スワップに基づく外貨建債権、
・先物為替契約による外貨建債権、及び/又は
・外貨建投資。
WATCはまた、西オーストラリア州理財公社法第９条（１）項(g)に従い、顧客に代わり、外国為替取引及
び通貨オプションを引受ける。各市場取引は、顧客との取引により相殺され、WATCは為替リスクを負わな
い。
信用リスク
信用リスクは、取引相手がWATCに対する財務上の義務を果たさないことによる財務上の損失リスクであ
る。
WATCの制定法は、西オーストラリア州の公的部門の機関又は成文法によりWATCからの借入を承認された企
業体への貸付のみを許可する。WATCは公的部門の機関へのエクスポージャー（融資残高）をカバーするため
の資本を、WATCとかかる機関との関係の性質を理由として、分けて確保していない。その結果、WATCの信用
リスクは、投資、デリバティブ及び地方政府の取引相手方に主に限定される。
WATCは、WATCの信用エクスポージャーの多様性を確保し、また取引相手の信用の質の最低基準を設定する
ことにより、信用リスクの軽減を意図する包括的な信用リスク管理方針を維持している。WATCはまた、デリ
バティブ商品に関する信用リスクを相殺規定及びクレディット・サポート・アネックス（CSA）を持つISDA
基本契約書の利用により軽減する。
信用リスクをカバーするのに必要な資本は、投資の市場価値、投資の満期及び取引相手の信用状態により
変動する。資本はまた、WATCのデリバティブ・エクスポージャーに関連する信用リスクをカバーするために
分けて確保されている。
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投資の信用エクスポージャー（格付別）
(単位：％)
2020年 2019年
AAA
27.85 17.97
AA 61.15 69.78
A 11.00 12.25
0.00 0.00
BBB
100.00 100.00
デリバティブの信用エクスポージャー（格付別）
AAA 0.00 0.00
AA 95.60 92.74
4.40 7.26
A
100.00 100.00
流動性リスク
流動性リスクは、過度の損失又は資金調達コストを負担することなしに、期限の到来したときに財務上の
責任を果たすために利用可能な十分な資金を保有するWATCの能力に関係する。
WATCは、以下を含む多くの方法でこのリスクを最小化する。
・流動資産の保有及び/又はスタンドバイ枠は、APRAのプルデンシャル基準「APS210号」に指示された最
低水準以上を確保する。
・50日間のキャッシュ・フロー予測を毎日、並びに10日間及び10週間のキャッシュ・フロー予測を毎週、
作成する。
・悪い市場状況につき、シナリオ分析を実施する。
・あらゆる市場及びあらゆる借入期間で、資金調達活動を多様化する。
・日中流動性需要に対処するために、日中当座貸越枠へアクセスする。
流動資産の最低レベルを維持することにより、WATCは不測の巨額の正味キャッシュ・アウトフロー又は一
時的な市場混乱を満たす十分な流動性を確実に持つようにする。
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流動性表
以下は、見積り利息支払いを含み、相殺契約の影響を除外した、金融負債の契約満期を示す。
３か月から
３か月以内 １年から５年 ５年超 合計
12 か月
2020 年 (単位：百万豪ドル)
金融負債：
借入
7,349.7 3,548.1 31,296.0 21,051.9 63,245.7
－デリバティブ以外
7,349.7 3,548.1 31,296.0 21,051.9 63,245.7
デリバティブ
－デリバティブ未払債務 736.8 5.7 144.6 32.5 919.6
818.3 230.1 649.3 70.4 1,768.1
－デリバティブ受取債権
デリバティブ（純額） (81.5) (224.4) (504.7) (37.9) (848.5)
合計 7,268.2 3,323.7 30,791.3 21,014.0 62,397.2
３か月から
３か月以内 １年から５年 ５年超 合計
12 か月
2019 年 (単位：百万豪ドル)
金融負債：
借入
2,589.7 9,190.6 30,968.4 18,501.5 61,250.2
－デリバティブ以外
2,589.7 9,190.6 30,968.4 18,501.5 61,250.2
デリバティブ
－デリバティブ未払債務 13.9 59.3 76.2 1.8 151.2
78.6 204.2 431.4 33.7 747.9
－デリバティブ受取債権
デリバティブ（純額） (64.7) (144.9) (355.2) (31.9) (596.7)
合計 2,525.0 9,045.7 30,613.2 18,469.6 60,653.5
資金調達リスク
資金調達リスクは、資金調達が必ずしもいつでも利用できるとは限らないリスクである。これは資金調達
枠の多様化が不足している場合、又は特定期間の資金需要が過度である場合に発生する可能性がある。
このリスクはWATCが資金調達活動を国内及びオフショアの市場全体並びに借入期間を多様化すること並び
に流動性の高い投資ポートフォリオを維持することにより最小化される。
取締役会は、ALCOに、適切な資金調達枠及び資金源を確実に維持するよう求める。さらに、取締役会は、
資金調達リスクの適切な管理を確実にするために、ALCOがその役内で運営しなければならない最短債務満期
及び流動性カバレッジ目標を定める。
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オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、内部プロセス、人員及びシステムの不十分若しくは失敗又は外部の事象か
ら生ずる損失リスクである。
WATCのオペレーショナル・リスク管理方針は、オペレーショナル・リスクを特定、評価、制御及び監視す
る方法を記載する。この方針の主要な目的は、以下のとおりである。
・オペレーショナル・リスクが一貫した方法で管理されることを可能とする文化を促進する。
・オペレーショナル・リスク管理に関して職員が自分たちの責任を明確に理解するようにする。
・事業目標が満たされるように、効果的にオペレーショナル・リスクを特定し、管理する。
・WATCのオペレーショナル・リスク・エクスポージャーに対応した資本レベルを算定する。
必要資本
WATCの資本方針に基づき、確定した最低資本金額が、市場リスク、信用リスク及びオペレーショナル・リ
スクをカバーするために留保されなければならない。WATCは留保利益及び準備金を資本とみなす。
市場リスク、信用リスク及びオペレーショナル・リスク自己資本の最低額の計算は、APRAのプルデンシャ
ル基準及びバーゼル合意の指示に従う。WATCの必要資本総額の算定は、毎日実施され、WATCの利用可能資本
と比較される。
WATCの必要資本総額は、顧客への貸付の水準及びプロファイル、市場支援業務の取引高及び適切な資金調
達/ヘッジ商品の利用可能性の関数として、時間の経過により変動する。従って、資本保有レベルを慎重に
管理するために、WATCは必要資本の予測（通常３年超）を行う。この情報は、予測期間の予想されるエクス
ポージャーをカバーするのに利用できる十分な資本を確保するために保有されるべき最低資本金額を取締役
会が決定するのに利用される。
WATCの必要資本の見直しは最低１年に１度は行われる。
WATCの市場リスク管理方針に従い、VaRが10日間の保有期間及び99％の信頼間隔を使用して計算される。
WATCの市場リスク自己資本を決定するために、計算されるVaR統計は３を乗じる。
APRA基準に合致して、WATCは「裏付け検査」結果を監視し、裏付け検査の結果がWATCのVaR モデルがバラ
ンスシートのボラティリティを低く見積もっていることを示す場合、APRA指標に合致した水準にリスク乗数
を増加させる。APRA基準に基づき認められる最小乗数は３であり、最大は４である。
マネジメント
投資、公的機関への貸付金、借入金及びデリバティブ金融商品は損益を通じて公正価値評価されるものと
して指定されている。残高は、貸借対照表における公正価値で記録され、未実現の損益は包括利益計算書に
計上される。公正価値は金融資産と負債がリスクポジションを相殺して保有される限度において、市場で取
引される中間価格を用いて導かれる。信用リスクは公正価値を決める決定的な要因ではない。なぜなら、
WATCの負債は州を代理する大蔵大臣により保証されており、従って公正価値の変動は主に価格とイールドの
市場に関連した動きに原因があるからである。
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自らの任務を遂行するにあたって、WATCは資本市場からのネットの借り手である。満期構造及び商品利用
の面でのWATCの資金調達の選考は、最低コストで資金を調達するために投資家の選考と均衡しなければなら
ない。この点から、WATCは、資金調達ポートフォリオの満期プロファイルを貸付ポートフォリオの満期プロ
ファイルに近づけることにより、ある程度の市場リスクを受け入れる。負担する残りの市場リスクを経済上
ヘッジし、かつ最小限にするためにスワップ、金利先物契約及び先物等のデリバティブ商品が使用される。
これらの契約で交換される金額は、デリバティブの想定元本金額とその他条件を参照して計算される。与
信額は取引相手方の不履行の場合の報告日におけるWATCの与信評価額を表わす。WATCはデリバティブ取引か
ら生ずる与信エクスポージャーを決定するため、APRAの「カレント・エクスポージャー・メソッド」を採用
している。2020年６月30日現在、WATCは、取引の相手方は全てその債務を履行すると確信している。
金利リスク管理に使用されるデリバティブ商品の想定元本金額、公正価値及び与信額の詳細は以下のとお
りである。
(単位:百万豪ドル)
想定元本金額 公正価値 与信額
2020年６月30日現在
先物 662.6 (0.1) 0.0
金利スワップ 12,763.0 847.2 801.7
金利先渡契約 0.0 0.0 0.0
2019年６月30日現在
先物 53.0 (0.1) 0.0
金利スワップ 12,316.2 589.4 754.1
金利先渡契約 345.0 (1.0) 0.0
金利スワップは、変動利率のエクスポージャーを生み出すために固定金利の指標銘柄債券及び金利スワッ
プを発行することにより、資金調達リスク及び金利リスクを管理するために随時利用される。時には変動か
ら固定へのスワップもWATCの公的機関への貸付に適合させるため変動金利借入から固定金利借入へと変更す
るのに利用される。金利スワップでは、WATCは相手方とあらかじめ決定された間隔で、合意された想定元本
金額を参照して計算される固定金利額と変動金利額の差を交換することに合意する。金利スワップもまた、
期限付変動金利資金を公的機関へ貸付けるために利用される。2020年６月30日現在、WATCはこの方法で総額
17,562.1百万豪ドル（2019年：17,107.7百万豪ドル）の資金を貸付けていた。
金利先渡契約は、期限の到来した時点で現金支出に対する確定した収益又は費用を保証するためにWATCに
より利用される。これらの契約は特定の期間中、想定元本金額に対する金利を設定する。先物契約は、本来
金利先渡契約と同じ目的で利用される。WATCが利用する契約は、銀行手形、３年及び10年の債券契約であ
る。
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WATCは豪ドルへのスワップ後の全て込みの費用が同様の国内借入より低い場合に外貨建借入を行う。WATC
はポートフォリオに基づき金利リスクを管理する一方、借入取引の一環として外貨建借入における為替リス
クを管理する。2020年６月30日現在、WATCは649.1百万豪ドルの豪ドル建固定先物債務と共に、650.2百万豪
ドルの外国通貨スワップ及び先渡し契約を保有していた（2019年：外国通貨スワップ及び先渡し契約を保有
していなかった）。さらに、WATCは顧客のために、74.6百万豪ドル（2019年：58.8百万豪ドル）の外国為替
取引を取決めていた。これら取引は顧客に引続いて貸付けられ、従ってWATCはリスクを負わない。これらの
外国為替先物取引による公的機関からの受取債権及び第三者への支払いに関する公正価値(1.0百万豪ドル)
は、それぞれ注11b及び注17bに含まれている。
全ての金融資産及び金融負債が報告日において公正価値で認識されている。評価のために、WATCはキャッ
シュ・フローを現在価値に割引くため可能な限り市場取引金利を使用する。市場取引金利がない株式は、適
切なゼロ・クーポン・イールド曲線を使って評価される。これには、市場に近似させるために信用リスクに
対する十分な考慮を含む。６月30日現在、WATCが評価目的で使用した市場金利は以下のとおりである。
2020年６月30日現在 2019年６月30日現在
クーポン
市場金利 市場金利
翌日
― 0.25％ 1.25％
90日間 ― 0.10％ 1.20％
180日間 ― 0.16％ 1.22％
2020年７月22日 2.50％ 0.13％ 1.16％
2021年７月15日 7.00％ 0.30％ 1.16％
2022年10月20日 2.75％ 0.33％ 1.21％
2023年10月16日 6.00％ 0.42％ 1.25％
2024年７月23日 2.50％ 0.53％ 1.35％
2025年７月23日 5.00％ 0.65％ 1.42％
2026年10月21日 3.00％ 0.79％ 1.58％
2027年10月21日 3.00％ 0.97％ 1.69％
2028年７月20日 3.25％ 1.09％ 1.76％
2029年７月24日 2.75％ 1.23％ 1.86％
2031年10月22日 1.75％ 1.50％ ―
2034年10月24日 2.00％ 1.88％ ―
2041年７月23日 2.25％ 2.20％ ―
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公正価値の階層
以下の表は、公正価値で記録される金融商品の評価方法による分析である。異なるレベルは、以下のよう
に定義されている。
レベル１：特定の資産又は負債について、活発な市場での公表価格
レベル２：直接的（すなわち、価格として）又は間接的（すなわち、価格から導かれる）な、資産又は負
債について観察可能な、レベル１の中に含まれる公表価格以外の情報、及び
レベル３：観察可能な市場データに基づかない、資産又は負債についての情報（観測できない情報）
公正価値階層のレベル間の移動は、報告期間末に起こったとみなされる。2020年６月30日終了年度中にレ
ベル間の移動はなかった。
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2020年６月30日
損益を通じて公正価値評価されるものとして
(単位：百万豪ドル)
指定された金融資産
投資 1,674.1 5,490.7 0.0 7,164.8
公的機関への貸付金 54.7 56,054.8 0.0 56,109.5
0.0 6.9 0.0 6.9
デリバティブ金融資産
資産合計 1,728.8 61,552.4 0.0 63,281.2
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融負債
借入金 47,326.9 13,174.6 0.0 60,501.5
0.0 (840.3) 0.0 (840.3)
デリバティブ金融負債
負債合計 47,326.9 12,334.3 0.0 59,661.2
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2019年６月30日
損益を通じて公正価値評価されるものとして
(単位：百万豪ドル)
指定された金融資産
投資 2,147.7 3,329.6 0.0 5,477.3
公的機関への貸付金 0.0 52,912.9 0.0 52,912.9
0.0 3.3 0.0 3.3
デリバティブ金融資産
資産合計 2,147.7 56,245.8 0.0 58,393.5
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融負債
借入金 45,762.9 11,907.6 0.0 57,670.5
0.0 (585.0) 0.0 (585.0)
デリバティブ金融負債
負債合計 45,762.9 11,322.6 0.0 57,085.5
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レベル２資産又は負債の価値を決定するために使用された評価技術は、レベル１インプットを用いた一連
のゼロ・クーポン・イールド・カーブの生成又は特定のカーブのスプレッドでの資産・負債の評価である。
インプットはWATCの指標銘柄ライン上の価格、銀行手形スワップ・レート、金融市場レート、為替レート、
発行者レート及び指標銘柄レート間の観察されるスプレッド、カーブ上の特定ポイントのカーブ間の観察さ
れるスプレッドを含む。これらのインプットは観察可能な基準に対する見積もりの結果を改善するために毎
日修正される。
投資は、利用可能な場合識別可能な資産の活発な市場の公表価格を用いて、又は適切なゼロ・クーポン・
イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
公的機関への貸付金は、WATCのゼロ・クーポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・
ベースで評価される。
デリバティブ金融資産及び負債は、金利スワップ、金利先渡契約及び外貨スワップなどの店頭デリバティ
ブを含み、WATCのゼロ・クーポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価さ
れる。
借入金は、利用可能な場合識別可能な負債の活発な市場の公表価格を用いて、又はスワップのゼロ・クー
ポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
(注21) キャッシュ・フロー表に対する注記
21ａ．現金の一致
キャッシュ・フロー表においては、現金は手持ち現金、銀行預金、金融市場商品への投資、銀行当座借
越の純額を含む。キャッシュ・フロー表の各報告期末に示された現金は、以下のとおり財政状態計算書の
関連項目と一致する。
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
銀行預金(注８)
255.4 141.5
短期金融市場投資 827.7 264.1
0.0 0.0
海外銀行口座(注８)
1,083.1 405.6
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21ｂ．営業活動による/（使用された）現金(純額)と当期純利益合計の一致
(単位：百万豪ドル)
2020年 2019年
当期純利益
28.5 29.2
減価償却費 0.1 0.2
無形資産の償却 0.8 0.2
受取債権の減少 49.6 0.6
未払利息の減少/(増加) (50.9) 19.1
その他の債務の増加/(減少) 0.8 (0.7)
納税債務の増減 12.3 12.6
繰延税金資産の(増加) (0.1) (0.1)
職員給付の増加 0.4 0.4
プレミアム/ディスカウントの償却 (235.9) (254.4)
公正価値調整 54.9 53.4
法人税相当額費用 0.0 (10.4)
顧客機関を代理してのその他受領/(支払) 0.3 (0.2)
投資現金の(増加) (1,207.4) (2,021.7)
貸付現金の(増加)/減少 (379.6) 499.0
2,426.8 1,319.4
借入現金の増加
営業活動による/(使用された)現金 700.6 (353.4)
(注22) 取締役及びその他経営幹部の報酬
WATCは経営幹部に大臣、WATCの取締役及び上級役員を含むことを決定した。しかし、WATCは大臣に報酬を
支払う義務はない。大臣の報酬に関する開示は州財政の年次報告書に含まれている。
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取締役の報酬
WATCの現在の取締役は、M.A.バーンズ（会長）、M.J.R.コート（副会長）、K.P.グリッチ（最高執行役
員）、D.D.ブランビー（取締役）、P.ホブソン（取締役）及びS.L.マーフィー（取締役）である。K.P.グ
リッチ以外の取締役は全て、執行責任を持たない。当該年度中、報酬、給与、退職給付金及びその他の給付
金の総額が下記の範囲に入る取締役の人数は以下のとおりである。
2020年 2019年
0
2 2
10,000豪ドル～ 20,000豪ドル
*2 *2
20,001豪ドル～ 30,000豪ドル
**2 **1
40,001豪ドル～ 50,000豪ドル
1 1
190,001豪ドル～200,000豪ドル ― ***1
360,001豪ドル～370,000豪ドル ― ****1
450,001豪ドル～460,000豪ドル 1 ―
2020 年
* ホブソン氏及びブランビー氏は年度途中で取締役に就任したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
** ナンス氏及びサール氏は年度途中で取締役会を退任した。
2019 年
* サール氏は年度途中で公的部門から退職し、報酬の資格を得た。したがって、この給与は年度の一部のみを表
示する。
* シーブルック氏は年度途中で取締役会を退任した。
** マーフィー氏は年度途中でシーブルック氏と交代したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
*** グリッチ氏は年度途中でコリンズ氏と交代したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
**** コリンズ氏は年度途中で退任した。
(単位：豪ドル)
2020年 2019年
WATC取締役の報酬総額
571,839 655,034
内訳：
短期雇用給付 510,801 592,753
その他長期雇用給付 12,889 16,078
退職給付 48,149 46,203
ここに含まれる退職給付金は、取締役に関してWATCが負担する退職給付費用を示す。
州年金制度の加入者である取締役はいない。
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その他経営幹部の報酬
その他の経営幹部は、V.シンキナ（金融市場部長）、S.L.ラフ（チーフ・ファイナンシャル・オフィサー
兼会社秘書役）、W.L.マクウェン（チーフ・リスク・オフィサー）、S.J.B.モーホール（顧客サービス本部
長）、R.A.モールトン（チーフ・オペレーティング・オフィサー）及びR.L.リッジウェイ(人事マネジャー)
である。当該年度中、報酬、給与、退職給付金及びその他の給付金(権利の支払いを含む。)の総額が下記の
範囲に入る取締役以外のその他経営幹部の人数は以下のとおりである。
2020年 2019年
170,001豪ドル～180,000豪ドル
- 1
180,001豪ドル～190,000豪ドル 1 -
220,001豪ドル～230,000豪ドル - 1
230,001豪ドル～240,000豪ドル - -
240,001豪ドル～250,000豪ドル 1 1
250,001豪ドル～260,000豪ドル 1 -
260,001豪ドル～270,000豪ドル 1 -
280,001豪ドル～290,000豪ドル - 1
300,001豪ドル～310,000豪ドル 2 1
320,001豪ドル～330,000豪ドル - 1
(単位：豪ドル)
2020年 2019年
その他経営幹部の報酬総額
1,565,796 1,565,028
内訳：
短期雇用給付 1,396,037 1,346,786
その他長期雇用給付 22,475 73,083
退職給付 147,284 145,159
ここに含まれる退職給付金は、取締役以外のその他経営幹部に関してWATCが負担する退職給付費用を示
す。
州年金制度の加入者であるその他経営幹部はいない。
(単位：豪ドル)
2020年 2019年
取締役及び経営幹部の報酬総額
2,137,635 2,220,062
内訳：
短期雇用給付 1,906,838 1,939,539
その他長期雇用給付 35,364 89,161
退職給付 195,433 191,362
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(注23) 監査人の報酬
(単位：豪ドル)
2020年 2019年
財務書類及び経営指標の監査について会計検査庁に支払われる
179,401 179,401
報酬・未払報酬額
(注24) 関連当事者間取引
WATCは、西オーストラリア州により完全に所有され、支配されている。WATCの関連当事者には以下を含
む。
・全ての大臣及びその身近な家族、並びにそれらが支配又は共同支配する事業体
・全ての上級役員及びその身近な家族、並びにそれらが支配又は共同支配する事業体
・州政府全体の統合財政書類に含まれる、その他法定機関及び州政府の部局（それらの関連機関を含む）
・州政府全体の財政書類に含まれる事業体の関係会社及び合弁会社
・政府職員老齢退職年金委員会（GESB）。
政府関連事業体との重要な取引
州の中央借入機関としての役割において、WATCは、州の保証が付された資金を各種州政府機関に貸付け
る。2020年６月30日現在、機関への貸付総額の98.8％（2019年：98.8％）が州政府の機関への貸付であっ
た。貸付はWATCの借入コストに管理費を賄う利鞘を加えて提供され、様々な満期を持つ。満期構造、利息及
び平均金利の詳細は、注11に示す。
さらに、WATCは通常業務において、様々な政府部局及び機関からサービスを受けている。これらの取引は
独立当事者間ベースで行われており、GESBへの年金支払及び大蔵省への宿泊施設賃料の支払を含む。
関連当事者との重要な取引
WATCは経営幹部若しくはその身近な家族又はそれらの共同支配する事業体との間で重要な関連当事者取引
を行わなかった。
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(注25) 補足説明
25ａ．2019/20年の実績と予算との比較
実績 予算 差額 注釈
(単位：百万豪ドル)
収入
投資収益 79.0 61.5 17.5 1
公的機関からの受取利息 1,298.0 1,472.3 (174.3) 2
2.5 1.7 0.8
手数料収入
1,379.5 1,535.5 (156.0)
利益
外国為替差益 0.0 0.0 0.0
0.0 0.0 0.0
有形固定資産売却益
収益合計 1,379.5 1,535.5 (156.0)
費用
借入に係る支払利息 1,262.7 1,482.3 (219.6) 4
起債費用 1.2 4.2 (3.0)
減価償却費 0.1 0.2 (0.1)
無形資産の償却 0.8 0.9 (0.1)
管理費用 19.1 19.3 (0.2)
54.9 0.0 54.9
公正価値変動(純額) 3
1,338.8 1,506.9 (168.1)
法人税相当額控除前の利益
40.7 28.6 12.1
法人税相当額費用 12.2 8.6 3.6
当期純利益 28.5 20.0 8.5
その他包括利益 0.0 0.0 0.0
包括利益合計 28.5 20.0 8.5
注釈：予算額との差異の理由
１．投資収益が予算より増加した理由は、投資残高が予想より大きかったことによる。
２．公的機関からの受取利息が予算より減少したのは、金利が予想より低かったこと及び公的機関顧客の借入プログラ
ムが予想より低かったことによる。
３．公正価値変動(純額)及び受取利息、支払利息の関係は注６で述べられている。予算は未実現の利益又は損失を独立
して認識しない。
４．借入に係る支払利息が予算より減少した理由は、金利及び債務水準が予想より低かったことによる。
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25ｂ．2019/20年と前年度との比較
2020年 2019年 増減 注釈
(単位：百万豪ドル)
収入
投資収益 79.0 90.9 (11.9) 1
公的機関からの受取利息 1,298.0 1,532.2 (234.2) 2
2.5 1.9 0.6
手数料収入
1,379.5 1,625.0 (245.5)
利益
外国為替差益 0.0 0.0 0.0
0.0 0.0 0.0
有形固定資産売却益
収益合計 1,379.5 1,625.0 (245.5)
費用
借入に係る支払利息 1,262.7 1,511.0 (248.3) 4
起債費用 1.2 1.1 0.1
減価償却費 0.1 0.2 (0.1)
無形資産の償却 0.8 0.2 0.6
管理費用 19.1 17.4 1.7
54.9 53.4 1.5
公正価値変動(純額) 3
1,338.8 1,583.3 (244.5)
法人税相当額控除前の利益
40.7 41.7 (1.0)
法人税相当額費用 12.2 12.5 (0.3)
当期純利益 28.5 29.2 (0.7)
その他包括利益 0.0 0.0 0.0
包括利益合計 28.5 29.2 (0.7)
１．投資収益が前年度に比し減少(11.9百万豪ドル)したが、これは主に金利低下による。
２．公的機関からの受取利息は、主に金利低下の効果により、前年度より減少(234.2百万豪ドル)した。
３．公正価値変動（純額）は、主に金利の変動により、前年度より増加（1.5百万豪ドル）した。
４．借入に係る支払利息は、金利低下の結果、前年度より減少(248.3百万豪ドル)した。
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(注26) 契約
2020年６月30日現在、契約済み未払いの約定はない(2019年：０)。
(注27) 後発事象
WATCの2020年６月30日付財務書類に重大な影響を及ぼすような後発事象は、貸借対照表日以後発生してい
ない。
(注28) 偶発債務
2020年６月30日現在、偶発債務はない(2019年：０)。
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(6) 【その他】
2020年６月30日以降、本書の提出日までに発生した重要な事実はない。
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(7) 【西オーストラリア州の概況】
１ 概要
(a) 位置、面積及び人口
西オーストラリア州はオーストラリア大陸の約３分の１を占めており、2,530,000平方キロメートルの面
積を占め、これは西ヨーロッパ全体を上回る面積である。海岸のほぼ全域に沿った狭い平野及び州の内陸部
全体を覆う「グレート・プラトー」として知られる台地の主要な２地域からなる非常に平坦な地形である。
西オーストラリア州は南部地域の地中海性気候から州北部の熱帯気候まで変化に富む気候を有している。
2020年３月、西オーストラリア州の推計人口は約270万人であり、オーストラリアの人口2,560万人の
10.4％を占めた。西オーストラリア州の年間人口増加率は、2020年３月四半期に年平均ベースで1.3％であ
り、国全体の増加率（1.5％）を下回った。西オーストラリア州はオーストラリアの州及び特別地域の中で
４番目に人口が多い州であった。
オーストラリア連邦
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(b) 政治及び外交
オーストラリア連邦と各州との憲法上の関係
西オーストラリア州は、北部特別地域及びオーストラリア首都特別地域とともに、オーストラリア連邦
を構成する６つの主権を有する連邦州の１つである。ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリア、クィー
ンズランド、南オーストラリア、西オーストラリア及びタスマニアの６つの英領植民地が、連邦制度によ
る州として統合された1901年１月１日に、オーストラリア連邦は連邦国家として誕生した。連邦議会は、
国防、社会福祉、外交、貿易・通商、通貨及び銀行業務等の国益に関する一定の事項について法律を制定
する権限を持つ。連邦議会は関税及び物品税を課す専権を与えられている。憲法上は各州が所得税を賦課
する権限を留保しているが、1942年以降、オーストラリア連邦政府が所得税を賦課する唯一の当局になっ
た。各州議会は、憲法に基づきオーストラリア連邦政府に付与された事項以外のあらゆる事項につき権限
を有している。各州が有する権限には以下の事項がある。教育、公衆衛生、警察及び裁判、運輸、道路及
び鉄道、工業、鉱業、農業、公共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道及び灌漑。
西オーストラリア州政府
西オーストラリア州の行政権は、王位（総督が代理する）及び議会に付与されている。総督が州の統治
主権の代表者であり、行政評議会の助言を得て州行政の統治権を行使する。行政評議会は、首相及びその
助言を得て総督が選任する閣僚により構成されている。内閣は、立法議会の大多数を占める政党又は連立
政党に属する議員から選任される大臣で構成される。
州議会
立法評議会及び立法議会から構成される議会が西オーストラリアの立法府を構成している。
2017年３月、オーストラリア労働党が政権党に選ばれた。それ以前は、オーストラリア自由党が2008年
９月及び2013年３月の選挙後、国民党との連立で政権を担った。首相は、マーク・マッガーワン閣下であ
る。西オーストラリア州議会の現在の構成は以下のとおりである。
立法評議会 議員数 立法議会 議員数
オーストラリア労働党 14 オーストラリア労働党 40
自由党 9 自由党 13
オーストラリア国民党 4 オーストラリア国民党 6
グリーンズ党(西オーストラリア) 4
ポーリン・ハンソン・ワン・
2
ネーション
自由民主党 1
猟師・漁師・農家党 1
1
西オーストラリア党
合計
36 合計 59
出典：西オーストラリア州議会
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立法評議会
立法評議会は州内６の選挙区を代表する36名で構成され、審査機関として機能する。任期は４年間であ
る。
立法議会
立法議会には59の選挙区をそれぞれ代表する59名の議員が在籍している。議員は議会の存続期間(４年
を限度とする。)をその任期として選出される。
州の首相は立法議会に議席を有し、議員の過半数を有する政党又は政党連合の党首が就任する。歳入の
調達又は公金の歳出に係る法律は、すべて立法議会にこれを提出しなければならない。
行政府
行政府は、18世紀の大英帝国で発展し一般に「議員内閣制」として知られている制度を基礎にしてい
る。内閣は、立法議会の過半数を占める政党又は政党連合に属する議員の中から選ばれた各省大臣で構成
される。州憲法上、少なくとも１名の大臣が立法評議会の評議員の中から選ばれなければならない。西
オーストラリア州では、他のオーストラリアの州と同様、首長たる大臣は「首相」に任命される。
(c) インフラストラクチャー及びサービス
西オーストラリア州は、信頼のおける港湾、道路、空港、通信及びエネルギー供給などの国際的レベルの
インフラストラクチャーを有している。西オーストラリア州は、また、拡大しつつあるアジア市場への近接
性から利益を得ており、十分に確立した高い品質の教育及び住宅に加えて、高い技術力をもった革新的な労
働力を擁している。西オーストラリア州はまた、包括的な事業サービス及び社会サービスを提供する。
２ 経済
(a) 最近の経済動向の概要
2020年初めにかけて、西オーストラリア州の経済活動は、特に家計支出、企業支出、人口増加及び労働市
場状況の全体で好調さが始まっていた。しかし、オーストラリアにおけるCOVID-19のパンデミックの出現に
より、ウイルスの蔓延を抑制するための政府による制限が課せられたため、この勢いを中断させた。国内活
動の制限は、州の境界及び国境の閉鎖と共に、2020年６月四半期の州最終需要の６％という記録的な減少及
び10万3,000人の雇用喪失をもたらした。
しかしながら、ウイルス状況が制御されるにつれて、州政府は大半の制限を予想より早く廃止することが
可能となった。これは経済からの即時の反応を刺激し、いくつかの経済指標はすでにCOVID前のレベル(小売
業及びオンライン求人広告等)に戻っている(又は上回っている)。さらに、州では当初の喪失雇用の86.7％
及び喪失労働時間のほぼ80％を回復した。この回復は、連邦政府及び州政府による驚異的な水準の景気刺激
策によって支えられてきた。
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さらに、西オーストラリア経済はその産業構造の恩恵を受けており、パンデミック期間を通して鉱業投資
及び輸出が堅調に推移した。輸出については、建設業に重点を置いた中国の景気刺激策が、この危機の期間
中の州の鉄鉱石輸出に対する需要を押し上げた。
西オーストラリアの経済活動は、州内総生産で測定すると、2018/19年の1.6％成長に続き、2019/20年に
1.4％成長して2,923億ドルとなった。2019/20年、西オーストラリア州の１人当たり名目GSPは119,861ドル
で、全州中最高であり、オーストラリアの１人当たり名目国内総生産の77,807ドルをかなり上回っていた。
経済指標の概要
６月30日終了の各年
2019/20年
オーストラ
リア全体に
最近 占める西
５年間の オーストラ
年平均 リア州の割
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 成長率 合
実質GSP/GDP
(％) (％)
(単位：百万ドル)：
西オーストラリア州 280,621 277,044 283,702 288,225 292,284 1.0 15.0
オーストラリア 1,814,866 1,856,619 1,911,376 1,952,680 1,947,118 2.0
１人当たり名目GSP/GDP
(単位：ドル)：
西オーストラリア州 93,587 97,091 99,560 110,607 119,861 3.8 該当なし
オーストラリア 69,249 72,273 74,633 77,587 77,807 2.5
小売業（連鎖数量測度）
(単位：百万ドル)：
西オーストラリア州 34,647 34,567 34,569 34,114 34,822 0.4 10.8
オーストラリア 307,448 313,209 321,184 325,133 325,192 1.9
(1)
人口(単位：百万人) ：
西オーストラリア州 2.555 2.571 2.590 2.617 2.656 0.9 10.4
オーストラリア 24.103 24.518 24.899 25.293 25.650 1.6
消費者物価指数の
年間伸び率(％)：
パース 1.0 0.6 0.9 1.3 1.3 1.0 該当なし
オーストラリア 1.4 1.7 1.9 1.6 1.3 2.1
注：(1) 人口データは３月30日終了年度ベースである（直近入手可能日）。
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0、8501.0、3101.0及び6401.0
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(b) 産業構造及び最近の主要産業の状況
西オーストラリア州は、過去50年ほどの間に、州の豊富な鉱物及びエネルギー資源並びに東アジアの急速
な都市化及び工業化により促進された国際的な需要に牽引され、農村を中心とした経済から、様々な鉱物・
エネルギー製品の第一級の生産者兼輸出者へと移行してきた。鉱業部門は、生産額で見て州最大の産業であ
り、投資及び輸出を通じて経済成長に大きな影響を与えている。鉱業部門は、2019年の州名目GSPの42.8％
を占めており、名目GSP合計の3億1,630万ドルのうち、１億3,530万ドルに相当した。名目ベースでは、鉱業
は2019/20年に25.4％成長し、名目GSPの成長に9.5パーセンテージ・ポイント寄与した。2019/20年の「鉱
業」の力強い伸びに「情報メディア、電気通信業」(7.0％)及び「専門家、科学技術サービス」(6.7％)が続
いている。
鉱業部門は規模及び生産額にもかかわらず、資本集約的生産構造であるため高い労働生産性が特徴であ
り、したがって2020年８月までの年間平均では州の総労働人口のわずか8.3％しか雇用していない。総雇用
に占める割合は、州の「保健及び社会扶助」（12.5％）、「建設業」（9.2％）、「小売業」（8.9％）が大
きく、「教育及び訓練」（8.1％）とほぼ同等である。
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(1)
産業別西オーストラリア州内総生産（粗付加価値）
６月30日終了の各年(時価)
2019/20年
西オースト
ラリア州の
粗付加価値 2019/20年
に占める割 国民生産に
産業 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 合 占める割合
(単位：百万ドル) (％) (％)
農業、林業、漁
5,278 6,631 5,959 6,133 5,387 1.7 14.3
業
鉱業 57,085 72,077 77,984 107,901 135,269 42.8 65.4
製造業 12,651 12,667 13,479 13,758 12,909 4.1 11.4
電気、ガス、水
4,671 4,593 4,614 4,746 4,888 1.5 10.3
道及び廃棄物
建設業 26,248 20,538 20,320 17,414 17,261 5.5 12.1
卸売業 8,145 8,186 8,234 8,810 8,965 2.8 11.9
小売業 8,074 8,097 7,979 8,299 8,606 2.7 10.6
4,504 4,351 4,352 4,400 4,013 1.3 10.1
宿泊及び飲食業
運輸業、郵便及
10,118 10,466 10,138 10,484 10,404 3.3 11.7
び倉庫業
情報メディア、
2,763 2,715 2,751 2,581 2,761 0.9 6.3
電気通信業
金融及び保険業 10,365 10,688 11,370 11,606 11,641 3.7 7.0
賃貸及び不動産
5,357 5,311 5,215 5,299 5,144 1.6 9.6
業
専門家、科学技
13,451 12,797 13,371 14,116 15,055 4.8 10.6
術サービス
管理及び支援
6,018 5,761 5,877 6,230 6,300 2.0 9.5
サービス
行政及び安全 9,464 9,316 9,465 9,547 9,997 3.2 9.4
教育及び訓練 8,603 8,617 8,784 9,035 9,143 2.9 9.6
保健及び社会扶
12,641 13,270 14,127 15,143 15,718 5.0 10.9
助
芸術及び娯楽
1,332 1,311 1,361 1,388 1,310 0.4 8.6
サービス
その他サービス 3,641 3,911 4,087 4,388 4,205 1.3 13.8
住宅所有 17,015 16,825 16,809 16,358 16,243 5.1 9.9
全産業合計 227,422 238,129 246,277 277,634 305,220 96.5 16.4
全産業税金マイ
ナス製品補助金 10,630 10,647 10,690 10,477 10,972 3.5 8.8
合計
全産業統計誤差
384 135 153 114 133 0.0 10.5
合計
州内総生産合計
238,436 248,912 257,120 288,225 316,324 100.0 15.9
(2)
注：(1) 粗付加価値（GVA）は基準価格表示生産価値から購入者価格での中間消費価値を差引いたものである。産
業別総生産を記載するために、この用語が使用される。基準価格表示生産価値は、個々の産業の産出全体
にわたる物品税及び補助金の発生による変動に起因する歪曲を除去する。時価表示の州のGVAは直接まと
められないので、オーストラリアの産業別GVAは要素所得の割合を用いて州に配分されている。
(2) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0
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対外貿易
西オーストラリア州は輸出指向の経済であり、州の純輸出は西オーストラリア州のGSPの44.1％を占め
たが、これに対してオーストラリア全体については3.7％であった。2019/20年において、西オーストラリ
ア州の製品輸出名目価値は2019/20年に13.3％増加し、1,871億ドルとなり、オーストラリアの輸出総額の
48.9％に相当した。この年間増加は、中国の製鋼所からの力強い需要及びブラジルにおける継続する供給
問題による３月四半期及び６月四半期の鉄鉱石価格の上昇並びにグローバル経済の不確かさによる金価格
の高騰を反映する。
西オーストラリア州の貿易収支（名目）
輸出 輸入 貿易収支
(単位：百万ドル)
６月30日終了の各年
2016年 103,504 35,235 68,269
2017年 123,867 34,816 89,051
2018年 133,340 34,774 98,566
2019年 165,176 34,849 130,327
2020年 187,104 35,967 151,137
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0
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西オーストラリア州の主要な製品輸出品目は、鉱物及びエネルギー製品（主に鉄鉱石、液化天然ガス、
金、原油及び石油製品、並びにアルミナ）であり、農産物（主に小麦、キャノーラ、羊毛、家畜及び甲殻
類）及び精密製造品が続く。2019/20年の西オーストラリア州の輸出相手先の上位８か国は、中国、日
本、英国、韓国、シンガポール、米国、香港及び台湾であり、州の総輸出の88.6％を占めた。
西オーストラリア州の主要輸出品目(2019/20年)
品目 金額(百万ドル) 構成比(％)
鉄鉱石 101,605 55.2
機密品目（例：液化天然ガス及びアルミナ） 45,539 24.7
金 21,515 11.7
石油 1,545 0.8
小麦 2,749 1.5
銅鉱石 1,906 1.0
原料鉱物 1,209 0.7
食肉 1,014 0.6
6,995 3.8
その他
合計
184,077 100
商品輸出合計の構成比（％）は四捨五入のために100％にならない可能性がある。
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0
中国は西オーストラリア州の最大の輸出先であり、2019/20年の西オーストラリア州の輸出総額の
53.4％を占める。原材料（特に鉄鉱石）に対する需要の伸びが、2020年６月までの12か月間で中国向け輸
出を年率平均20.4％増加させる基盤となった。中国の急速な産業化が西オーストラリア州の大量の原材
料、主として鉄鉱石、機密品目（液化天然ガス及びアルミナ）及び金を必要とする。2019/20年の中国へ
の年間輸出額は、2018/19年の817億ドルから983億ドルに増加した。
日本は西オーストラリア州の第２の輸出先であり、2019/20年の西オーストラリア州の輸出総額の
12.2％を占めた。日本への主な輸出には、機密品目（大部分は液化天然ガス）、鉄鉱石及び小麦がある。
2019/20年の日本への輸出額は、2018/19年の240億ドルから225億ドルへと減少した。
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西オーストラリア州の主要な輸出先（2019/20年）
国名 金額(百万ドル) 構成比(％)
中国 98,320 53.4
日本 22,464 12.2
英国 13,025 7.1
韓国 10,508 5.7
シンガポール 7,373 4.0
米国 4,166 2.3
香港 3,785 2.1
台湾 3,531 1.9
マレーシア 2,845 1.5
インドネシア 2,169 1.2
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0
2019/20年の西オーストラリアの主な海外からの輸入品は、プラント、建造物及び設備（州の資本集約
型事業投資を反映している。）、石油、金（製錬後再輸出用）及び製造品であった。西オーストラリア州
の輸入元の上位５か国（金額ベース）は、中国、米国、タイ、日本及びマレーシアである。
経済の見通し
COVID-19のパンデミックの深刻な影響にもかかわらず、西オーストラリア州経済（州内総生産（GSP）
で測定）は、2018/19年の1.6％の成長に続き、2019/20年には実質1.4％の成長を達成した。これは国全体
の一般的傾向とは異なり、国のGDPは0.3％減少し、他の大半の州経済は縮小している。
2019/20年のGSPの成長は、家計消費及び住宅投資の弱さを上回る好調な事業投資及び純輸出に支えられ
た。
経済がCOVID-19からの回復を続けているのに伴い、州経済は2020/21年には1.25％、2021/22年には
2.75％の増加が見込まれている。将来的には、州内経済（州内最終需要（SFD）で測定)がGSP成長の主要
な推進力となり、SFDは2021/22年に3.75％成長すると予測されている。西オーストラリア州の家計消費
は、COVID-19のパンデミックの発生及び社会的距離（ソーシャルディスタンス）その他の規制の導入によ
り、2019/20年に2.4％減少した。2020年９月四半期以降の消費の回復が見込まれるにもかかわらず、
2020/21年の各四半期の成長予測は、2020年６月四半期に発生した消費の記録的な減少を完全に相殺する
には十分ではなく、その結果2020/21年には２％の減少が予測されている。2021/22年にかけては、消費が
すべての支出構成要素で持ち直し、ホスピタリティ及び観光業の回復に支えられ、4％の成長への回帰が
見込まれている。2022/23年以降は、人口及び賃金の双方が徐々に増加するのに支えられ、消費はより緩
やかに増加すると予測されている。
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2019/20年の事業投資は9.4％増で383億ドルとなり、７年ぶりの成長となった。西オーストラリア州
は、2019/20年に成長を記録したオーストラリア内の唯一の州であった。これは、BHPのSouth Flank、リ
オのKoodaideri及びFMGのEliwana及びIron Bridgeなど、主要な鉄鉱石の埋め戻しプロジェクトの増産に
よるものであった。企業はCOVID-19の後遺症で既存の業務に注力するため、鉱業の今後の成長は非鉱業産
業の弱さにより部分的に相殺され、2020/21年の事業投資の成長は穏やかに0.75％増になると見込まれて
いる。それでもなお、事業投資の成長は、2023/24年までに予測期間にわたって4.75％(長期平均である
4.2％を上回る)に上昇すると予想されており、これは、現在の大規模資源業務の現行レベルを維持するた
めに設備投資を持続している企業に支えられている。
2019/20年に４年連続で減少（13.4％減）したものの、住宅投資は、建築補助金及び過去最低の借入金
利に支えられ、2020/21年には0.75％、2021/22年には13.25％の成長が見込まれている。2020年６月初
旬、州政府及び連邦政府は、新しい住宅を建設する自己所有者及び投資家に２万ドルの州補助金（建築
ボーナス）、並びに住宅建設又は既存住宅の大幅改修のための自己所有者向けの２万5,000ドルの連邦補
助金(ホームビルダー)を含む、臨時の住宅刺激策を発表した。これにより、その後土地売却など建設の先
行指標が即座に上昇し、中期的な投資の持ち直しを示唆した。2021/22年の活動の上昇予測の後、投資は
2022/23年に落込み(17％の減少)、その後人口増加の予想及び労働市場条件の改善に支えられて2023/24年
には緩やかに回復すると予想されている。
住宅市場の他の部門は最近数か月改善されている。既存市場における住宅販売は、不動産サイクルが最
後に高かった2013/14年と同等のレベルまで上昇している。2020年初頭のCOVID-19発生前から回復及び逼
迫の兆しを見せていた賃貸市場は、2020年11月第１週の掲載件数が2020年３月比で約50％減少し、2020年
９月四半期のパースの空室率は0.9％と低下し13年ぶりの最低水準となるなど、一段とひっ迫している。
既存市場と賃貸市場の状況は、短期から中期的には住宅価格の中央値及び週間賃料の緩やかな回復につな
がると予想される。
COVID-19は州の労働市場に影響を与え、2020年２月から５月の間に雇用は13万人減少し、他方失業率は
６月に8.7％に達した。2020年10月時点で、当初の雇用減少の90％近くが回復し、失業率は6.6％に低下し
た。年末にかけての大幅な減少により、雇用は2019/20年2に0.3％増加し、これは全国的な成長率である
概ね0.4％と一致した。完全失業率は、2019/20年平均で6.1％となり、全国の5.6％を上回った。州の就業
率は、COVID-19期間の就業率が大幅に低下したため、2019/20年には67.5％に低下したが、オーストラリ
アの全州の中では依然として最も高い割合である。賃金の伸びは過去の平均以下にとどまっているが、西
オーストラリア州はオーストラリアのどの州よりも高い平均週賃金（AWE）を維持している。州の労働市
場がCOVID-19の影響から継続的に回復するにつれて、2020/21年には雇用が0.25％減少するが、その後
2023/24年まで毎年約２％増加すると予想されている。失業率は、短期的には高水準で推移すると見込ま
れるが、同期間を超えて６％まで低下する傾向にある。
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商品輸出は2019/20年に、鉄鉱石の輸出の増加に支えられて、2018/19年の1.6％成長の後、0.3％増加し
た。これに対してオーストラリア全体は0.7％の減少であった。輸出は2020/21年には変わらず、将来の予
測期間を通じてわずかな伸びにとどまると予測される。
(c) 物価指数（CPI）
消費者物価指数の最近の傾向は、主にCOVID-19のパンデミックに対する政府の政策並びに世界の原油価格
の動きの結果である。政策が牽引する消費者物価の変動の例には、全国的な無料保育の一時的導入及び管理
価格に対するリベートの導入が含まれる。パースのCPIは、2020年６月四半期の1.2％の下落（1961年12月以
来最大の下落）から反転し、2020年９月四半期に1.8％上昇した。
短期のボラティリティにもかかわらず、パースのCPIは2020年９月までの１年間に1.3％上昇した。年平均
成長率は、幅広い分類全体、すなわち「食料及び非アルコール飲料」、「アルコール及びタバコ」及び「住
宅」に支えられた。国のインフレ率は1.1％上昇し、同じく「アルコール及びタバコ」及び「食料及び非ア
ルコール飲料」の増加が要因であった。パースのCPIはオーストラリア準備銀行の目標幅の最低値に向けて
段階的に上昇し、2021/22年に1.75％及び2023/24年には２％と予想されている。
(d) 労働市場及び賃金
COVID-19は州の労働市場に影響を与え、2020年２月から５月の間に雇用は13万人減少し、失業率は６月に
8.7％に達した。2020年10月時点で、当初の雇用減少の90％近くが回復し、失業率は6.6％に低下した。
2020年４月及び５月の大幅な減少のために、雇用は2020年10月に年平均で0.5％の減少であった。フルタ
イムの雇用は2020年10月に年平均成長率から1.2パーセンテージ・ポイント（pp）縮小したが、パートタイ
ム雇用の0.7ppの貢献により一部相殺された。
産業全体で、2020年８月まで（最新データ）の年平均で雇用の成長率が最も力強かったのは、「行政及び
安全」及び「その他サービス」であった。COVID-19により最も影響を受けた一部産業の雇用、例えば「宿泊
及び飲食業」及び「芸術及び娯楽サービス」は、８月に回復し始めた。
COVID-19による制限の真っ最中の労働需要の急激な落ち込みの後、2020年10月の西オーストラリア州にお
ける求人広告は（教育、スキル及び雇用省のインターネット求人指標による測定）、2013年３月（鉱業投資
ブームの終了近く）以降最高水準に回復している。これは、新規雇用が短期的に継続する傾向にあることを
示している。
州の季節調整済失業率は2020年６月に8.7％でピークとなったが、その後下降し、10月には6.6％であっ
た。失業率は、主にCOVID-19の期間中の高い率のために2020年10月までの12か月間に平均6.6％で、これに
対し前年は６％であった。西オーストラリア州の労働市場の就業率は、2020年10月までの１年間で平均
67.4％であった。これは前年の68.3％より低下したが、依然としてすべての州の中で最高である。
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労働市場は2021/22年に回復し、今後の予測の間、継続的な増加が予想される。雇用が１年につき約２％
成長し、また失業率は2023/24年までに６％への低下傾向が予想される。
西オーストラリア州の産業別雇用人口
前年から
(1) (2)
(2)
2020年８月 年変化率
の増加数
(単位：千人) (％)
農業、林業、漁業 35.6 -1.9 -5.0
鉱業 112.3 3.2 3.0
製造業 76.4 -11.8 -13.4
電気、ガス、水道及び廃棄物 22.2 0.9 4.3
建設業 123.7 0.2 0.2
卸売業 38.2 -3.8 -9.1
小売業 119.6 -11.1 -8.5
宿泊及び飲食業 82.4 -6.1 -6.8
運輸、郵便及び倉庫業 62.1 -3.7 -5.6
情報メディア及び電気通信業 14.1 2.0 16.1
金融及び保険業 29.2 0.9 3.3
賃貸及び不動産業 25.9 3.1 13.6
専門家、科学技術サービス 108.0 0.5 0.5
管理及び支援サービス 40.5 0.0 0.1
行政及び安全 96.1 9.4 10.8
教育及び訓練 109.2 0.8 0.7
保健及び社会扶助 168.1 7.5 4.7
芸術及び娯楽サービス 22.1 -2.7 -10.7
60.2 7.3 13.8
その他サービス
合計 1,345.8 -5.1 -0.4
注：(1) 2020年８月までの１年間の平均。オーストラリア統計局は産業別雇用人口データを２月、５月、８月及び
11月のみ発表する。
(2) 年間の平均増減率（2020年８月までの４四半期の平均と2098年８月までの４四半期を比較）。
出典：オーストラリア統計局、目録6291.0.55.003
西オーストラリアの賃金の伸びは、州の賃金価格指数（WPI）の増減の測定によると、2019/20年には
1.7％と大きく安定を維持し、これは過去の平均成長率3.3％をかなり下回った（WPIシリーズは1997年９月
中間期から開始した。）。将来的には、州のWPIの成長率は、2020/21年に1.5％と低下し、その後労働市場
状況の改善と連動して、徐々に上昇すると予想される。
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西オーストラリア州及びオーストラリアの労働力
６月30日終了の各年度の平均
2020年６月
までの５年 2020年６月の
間の平均 西オーストラ
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 年間伸び率 リア州の割合
労働人口(単位：千人)：
(％) (％)
西オーストラリア州 1,399 1,389 1,417 1,432 1,435 0.6 10.6
オーストラリア 12,625 12,792 13,152 13,412 13,544 1.8
総雇用数(単位：千人)：
西オーストラリア州 1,315 1,303 1,332 1,344 1,348 0.4 10.5
オーストラリア 11,884 12,065 12,431 12,725 12,782 1.9
就業率(％)：
西オーストラリア州 68.2 67.3 68.3 68.3 67.5 該当なし 該当なし
オーストラリア 65.0 64.8 65.5 65.7 65.4 該当なし
失業率(％)：
西オーストラリア州 6.0 6.2 6.1 6.1 6.1 該当なし 該当なし
オーストラリア 5.9 5.7 5.5 5.1 5.6 該当なし
出典：オーストラリア統計局、目録6202.0
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３ 財政
(a) 法的枠組
西オーストラリア州の財政を統制する法は、主として以下に規定されている。
・1889年憲法、
・1899年改正憲法、
・2006年財政管理法（FMA）、
・2000年政府財政責任法（GFRA）、
・大蔵大臣の貸付認可法及び供給法（2020年において要求される）
・歳出法（年次）、
・法人（法定機関）を設立する授権法、及び
・定期的な借入法（直近は2017年借入法）。
州の財政システムの中核には、議会のみが課税をなし、統合勘定よりの金銭の支出を認可（充当）する権
限を持つという基本的原則がある。
1889年憲法及びFMAに基づき、統合勘定、大蔵大臣特別目的勘定及び大蔵大臣貸付勘定として知られる、
法定の会計（以上を、個別の政府機関が管理する特別目的会計の制度とあわせて「公共会計」と総称す
る。）が創設されている。
より大企業に発展した州政府商取引企業（GTE）を例外とするが、公的機関はFMAの対象である。FMAは州
の公共財政の管理、運営及び報告を提供するが、他方大蔵大臣の指示は、収入、支出及び財産の会計処理、
報告基準及び同法の目標及び目的を達成するのに必要なその他事項として、これらの事項の最低水準の要件
を規定する。FMAは、公的機関に発生主義で会計帳簿の詳細を維持し、オーストラリア会計基準に従い作成
される監査済年次財務書類を大臣が議会へ提出することにより説明責任を果たすことを要求する。
FMAの対象ではないGTEは、自己に適用される立法により規定される自身の統制、財務管理、監査及び報告
の要件を有している。
大半の政府機関は６月30日を報告日とする。TAFE（職業訓練専門学校）及び大学等の６月30日以外の報告
日である政府機関は、６月30日までの管理用の決算書若しくは直近の財務書類を使用するが、これらの財務
書類の使用は州政府の統合財務書類に大きな影響を与えない。
会計検査庁長官がGTEを含む政府機関及び政府全体の会計書類の監査、並びに州議会へのその発見事項の
報告について責任を負う。
2006年会計検査法が会計検査庁長官の職位を創設し、その任命、任期、職務、責任及び権限に関する要件
を詳述する。同法はまた、会計検査庁長官の独立性を保証する。
州と銀行との取引は、主に現在オーストラリア・コモンウェルス銀行にある中央公共銀行勘定を通じて行
われる。公共銀行勘定で取引する機関は自己資金を自己の細分銀行勘定を通じて管理する。いくつかの機関
はその制定法により、公共銀行勘定以外に資金の預入又は投資をすることができる。
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1889年憲法により統合勘定が創設される。1889年憲法第64条に基づき、別の成文法により担保されていな
い税金、財産税、関税、賦課金等から州へ支払うべき金額は、すべて統合勘定へ払込まねばならない。統合
勘定は毎年の歳出法に定める目的のために使用される。有効な法により行われた歳出は、行政府が統合勘定
から金員を取り出すための必要な根拠である。
統合勘定からの歳出は２つの種類に分けられる。年間歳出と特別（又は無期限的/継続的）歳出である。
年間歳出は、歳出法に基づき議会により毎年承認され、特定サービスのため又は特定会計年度の目的で統
合勘定からの特定金額を充当する。これら歳出の詳細は、歳出法を補足し、項目別の統合勘定支出明細を含
む、「予算書第２」中の「統合勘定見積書及び見積書を補足する政府機関情報（予算財務書類）」に記載さ
れる。
現在２つの基本的な年間歳出法があり、１つは経常サービスのためのものであり、もう１つは資本目的の
ためである。会計年度末に未支出の歳出予算は失効する。毎年の歳出法を超過する支出は、FMAに基づき承
認された場合、統合勘定に計上され、翌会計年度又はそれ以降の会計年度の補足的歳出法において規定され
る。かかる支出は、歳出法により前年度に充当された総額の３％までに制限されている。３％の上限を超え
る支出は、大蔵大臣の貸付認可法により認可されなければならない。経常的歳出及び資本的歳出は、交換で
きない。
継続的歳出は無期限であり、会計年度末に失効しない制限なしの歳出を含む法令を議会が承認した場合に
発生する。かかる歳出は通常公務員の権利を保護するために行われ、州議会議員及び特定の公務員の給与等
から、各種老齢退職手当、年金支払、及び各種契約の下での債務までを対象とする。歳出は統合勘定から支
払われ、事実上予算書に含まれるが、各会計年度の歳出法により充当される金額から分離して維持される。
新会計年度の当初２か月間及び前年の歳出法の20％を上限として、金銭の自動的提供が利用でき、歳出法
又は供給法が成立すると、失効する。
年間歳出と継続的歳出に加えて、大蔵大臣は、FMA第23条に基づき、省が受取った特定の歳入はその省が
留保できることを規定する決定を行うことができる。かかる歳入は統合勘定の貸方に記入されない。しかし
歳入及び対応する歳出は、予算により資金が賄われる機関が行ったサービスの費用総額を議会で議論するた
め予算書に含まれる。
GFRAは、大蔵大臣に対して、会計基準、一般に公正妥当と認められている会計原則に従う完全発生主義
(1)
ベースで、かつ国内及び国際的に認められた統計基準を利用する政府財政統計 ベースで、州の財政につ
いての報告を求める。これらの要求は、オーストラリア会計基準AASB1049「政府全体及び一般政府部門の会
計報告」に一致する表示の使用と共に導入された。
GFRAは、効率的かつ包括的な財政の枠組みが州財政管理のために毎年適切な状態であることを確保する。
この枠組みの中心は「財務戦略説明書」であり、これを通じて州政府は公的部門全体の財務目標を少なくと
も毎年明確に表現しなければならない。一連の財政目標が業績測定のために使用され、中期の予想期間の財
務戦略を運用する。オーストラリア会計基準に基づく州財政年次報告書も要求される。
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（通常、部門内の政府機関が行うインフラストラクチャーへの投資を支援するために）借入が必要な場
合、借入法を通じて議会が借入額を制限する。借入法により、大蔵大臣は、公共目的のために借入法のその
時の未使用額合計を超過しない範囲で、金員の借入をなすことができる。これらの法はまた、借入法の権限
に基づき調達した関連する債務返済費用に、恒久的に統合勘定の現金を充当する。
脚注：(1)「政府財政統計」（GFS）という用語は、政府の財政活動を測定する一連の統計を指し、これらの活動が経済
の他部門へ与える影響を反映する。オーストラリアのGFS体系は、統一された体系的な方法で分類された、オース
トラリアの公的部門の機関についての統計的情報を提供するように設計されている。
(b) 予算事項及び財政政策
2000/01年度以後、州の予算の焦点は、オーストラリア統計局の政府財政統計(GFS)基準により定義される
一般政府部門の発生主義会計である。この基準の使用は、すべてのオーストラリアの政府（連邦、州及び特
別地域）による、公的部門財政の統一表示枠組み(UPF)の目的でGFS発生主義会計を採用する決定を反映す
る。2000年３月、オーストラリア・ローン評議会は発生主義UPFに合意した。
2007年10月、オーストラリア会計基準委員会（AASB）は、AASB1049「政府全体及び一般政府部門の会計報
告」を発表した。この基準は、2008年７月１日以降に開始する報告期間に適用される。2008年３月、州、特
別地域及び連邦政府はAASB1049の概念及び表示形式を満たすためのUPFの変更に合意した。UPFが発表され、
2008/09年予算の発表（2008年５月８日）以降この形式で使用されている。AASB1049は、発生主義のGFS及び
オーストラリア会計基準に基づく２つの従前の政府全体の財務シリーズを１つの表示へと「調和」させる。
これらの形式間の財務合計の差異は大きくない。本書の記述はすべてAASB1049に基づき作成された、又はそ
れに従った情報及びデータに基づく。
GFSの財政表示について以前そうであったように、AASB1049の開示はストック及びフローの情報から成り
立つ。フローは時間を通じて発生し、歳入及び歳出（包括利益計算書）並びに現金の支払及び受取（キャッ
シュフロー計算書）を含む。財政状態計算書は資産及び負債のストックを測定する。
発生主義による予算表示は、政府機関を
・一般政府部門、
・公的金融企業、
・公的非金融企業
に分類する。
一般政府部門の大半の機関は、その財政上の義務を果たす上で議会からの歳出に依存し、従って州政府の
政策決定及び財務管理により直接影響を受ける機関のグループである。
大蔵省は、州財政の管理者としての役割から、GFRAにより要求される財務戦略説明書を組込んだ毎年の州
予算を作成する責任がある。予算に含まれる資産投資計画（AIP）及びその他財務計画は、州政府が定めた
指針と政策の範囲内で作成される。
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一般政府部門の歳入は、以下を含む。
・ 租税、
・ 連邦政府からの経常的交付金及び資本的交付金(一般目的及び/又は特定目的)、
・ 財・サービスの販売収入、
・ 公的企業の配当金及び税相当額支払い、及び
・ 鉱業及び採取産業の事業者からのロイヤルティー。
一般政府部門の歳出は、給与、減価償却、老齢退職年金、経常及び資本移転、利子及びその他営業費用を
含む。これらの歳出は、補助金計画の交付費用、並びに
・ 教育、
・ 保健(病院を含む。)、
・ 法の執行及び秩序(警察、裁判所及び矯正サービスを含む。)、
・ 公共輸送
等の重要な政府サービス提供の経費を対象とする。
資本の性質を持つ支出は、病院・保健所、学校・教育施設の建設、土地取得及び公営住宅供給並びに政府
建物の建設及び維持など公共事業に関するものである。資本支出は、州の財務書類において日々の営業費用
とは明確に区別することができる。
西オーストラリア州は、オーストラリアの他州及び特別地域の大半と同様に、「見出し」の予算指標とし
て一般政府部門の営業収支の純額に重点を置く。営業収支(純額)は資本資産の取得費用を含まないが、非現
金項目(例えば、発生済の退職年金権利及び資本減耗(減価償却))を含む。発生済費用全額を含めることによ
り、営業収支(純額)は公共サービスを提供する全費用を含む。これは、時間的経過に沿った州政府の財務方
針の持続性を測る良い尺度となり、また公共サービスの現在の水準を示す。営業収支の純額は、UPF報告の
一部としての連邦、すべての州及び特別地域により提示される予算情報において明らかであり、UPF報告は
連邦、州及び特別地域等、地域ごとの直接比較を可能とする。西オーストラリア州同様、オーストラリアの
大半の他州及び特別地域は、見出しの予算指標として営業収支（純額）に重点を多く。
一般政府部門の投資/貯蓄収支は貸付純額の合計により測定される。この合計は、損益計算書の歳入全額
と減価償却以外の歳出費用全額を含む。この合計はまた、資本支出(純額)を含むが、資本の使用(すなわ
ち、減価償却)を含まない。重ねてであるが、すべてのオーストラリアの管轄地域は、UPF予算及び年度中の
その他政府全体の財務開示においてこの合計を含む。
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(c) 州政府の財政戦略
州政府は責任ある財務管理に尽力すると共に、西オーストラリア州のコミュニティに質の高いサービスを
提供する。以下の政府全体の財政目標において進展が反映されている。
州政府の財政目標は、COVID-19のパンデミックが州の経済見通し及び財政見通しに重大な影響を与えたこと
を踏まえ、2020/21年予算について更新がなされた。下記に報告する新目標は、州の経済回復及び雇用成長
を支えるために、パンデミックに対応する追加投資の必要性を認めると同時に、責任ある持続可能な財政管
理に強く焦点を当てている。西オーストラリア州政府の財政戦略及び目標の変更は、COVID-19に対応した連
邦政府の同様の変更と一致したものである。
財政目標
以下の財政目標が2020/21年予算に適用される。
・ 今後の予測期間中、平均ベースで、一般政府部門の営業黒字（純額）を維持する（新目標）。
・ 以下により、規律ある一般政府歳出管理を維持する（現在の目標）。
－ 公的部門の賃金を州政府の賃金政策に合わせる。
－ 主要なサービス提供機関の反復支出を資源契約にある予算支出の限度額に合わせる。
・ 公的部門全体の正味財産（すなわち、純資産）を維持又は増加させる（新目標）。
2020/21年業績予測
以下の表において各目標を説明する。州政府は2020/21年及びその先の予測期間全体において財政目標の
全てを満たす道筋にのっている。
2020/21 年予算と財政目標との整合性
2019/20 年 2020/21 年 2021/22 年 2022/23 年 2023/24 年
実績 予算推計 将来推計 将来推計 将来推計
今後の予測期間中平均ベースで、一般
政府部門の営業黒字（純額）を維持
－ 一般政府営業収支（純額）（百
1,669 1,204 363 1,067 1,474
万ドル）
－ 2020/21年予算整合性 達成 達成 達成 達成 達成
以下を通じた規律ある一般政府歳出管
理の維持
－ 公的部門の賃金を州政府の賃金
政策に合わせる
－ 2020/21年予算整合性 達成 達成 達成 達成 達成
－ 主要なサービス提供機関の反復
支出を予算支出の限度額に合わせ
る。
－ 2020/21年予算整合性 未達成 達成 達成 達成 達成
公的部門全体の正味財産の維持又は増
加
－ 公的部門全体の正味財産（十億
102.4 102.7 103.4 105.7 108.7
ドル）
－ 2020/21年予算整合性 達成 達成 達成 達成 達成
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2019/20年財政目標との整合性
2019/20年の財政目標の結果は、2019/20年州財政年次報告書（ARSF、2020年９月25日発表）において報告
されている。
州政府の2019/20年予算（世界的なCOVID-19のパンデミックの発生より前であった）に定める目標は、予
算の回復の支援に重点を置き、以下のとおりであった。
・ 一般政府部門の営業黒字（純額）に向けて前進する。対前年比の営業赤字の削減により測定する。
・ 公的部門全体の現金黒字に向けて前進する。
・ 以下により、規律ある一般政府支出管理を維持する。
－ 公的部門の賃金を州政府の賃金政策に合わせる。
－ 主要なサービス提供機関の反復支出が資源契約にある予算支出の限度額を満たすようにする。
・ 一般政府部門が保有する公的部門全体の純債務の比率を低くする。
当会計年度末に向けてCOVID-19が州財政に与えた影響にもかかわらず、以下の表のとおり、2019/20年の
結果は州政府の2019/20年の州政府の５つの財政目標のうち３つを達成するものであった。2019/20年におけ
る達成できなかった支出管理目標に関連して、賃金政策の結果は当年度中に達成されたものの、３つの政府
機関が承認された支出目標を超過した。これは主に、アコモデーション・リースの会計処理の変更の影響並
びに山火事鎮静及び自然災害事象に関連した支出を反映する。リース会計の変更はまた、2020年６月30日現
在の公的部門合計の純債務の一般政府の割合を上昇させた。詳細は大蔵省のウェブサイト
(https://www.wa.gov.au/organisation/department-of-treasury)より入手可能な2019/20年ARSFに記載され
ている。
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2019/20年財政目標との整合性
財政目標 予算 中間検討 実績
一般政府部門の営業黒字（純額）に向けた進展
- 一般政府部門営業収支（純額）（百万ドル） 1,533 2,589 1,669
- 整合性 達成 達成 達成
公的部門全体の現金黒字に向けた進展
- 公的部門全体の現金黒字/赤字（百万ドル） -248 1,961 2,217
- 整合性 達成 達成 達成
以下を通じた規律ある一般政府歳出管理の維持
- 公的部門の賃金成果を州政府の賃金政策に合わ
せる
- 整合性 達成 達成 達成
- 主要なサービス提供機関の反復支出を予算支出
限度額に合わせる
- 整合性 達成 未達成 未達成
一般政府部門が保有する公的部門全体の純債務の割合
を減少させる
- 公的部門全体の純債務に占める一般政府部門の
70.1 64.3 67.0
純債務の割合（％）
- 整合性 未達成 達成 未達成
西オーストラリア州の信用格付
2019年６月、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは西オーストラリア州長期債務格付をAa1（アウ
トルック「安定的」）に引き上げ、2020年10月29日に当該格付を確認した。S&Pグローバルは、2013年９月
以降、州の長期債務格付AA+（2018年10月以降、アウトルック「安定的」）を維持し、2020年10月29日に当
該格付を再確認した。
財政結果
それぞれの年度の州財政年次報告書（ARSF）において公表された2015/16年、2016/17年、2017/18年、
2018/19年及び2019/20年の一般政府及び公的部門全体の損益計算書、貸借対照表及びキャッシュフロー計算
書を以下の表に示す。これらの表はまた2020/21年の予算推計も提供する。これらはそれぞれ西オーストラ
リア州の直近の実績及び予算予測である。
以下の重要な結果は2019/20年ARSFに詳しく説明される。
・ 世界経済及び国全体の経済と同様、西オーストラリア州経済は、2020年６月四半期にCOVID-19のパン
デミックの影響を大きく受けた。
・ 西オーストラリア州は、2019/20年中に州内経済が成長（1.1％）したオーストラリア国内唯一の州で
あった。これは、７年ぶりの増加となった事業投資の9.3％成長により支えられた。
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・ 一般政府部門は2019/20年に17億ドルの営業黒字を計上したが、2019年12月の中間検討における予測
より９億2,000万ドル下回った。
－ 歳入は予測を３億9,000万ドル下回り、歳出は５億2,900万ドル上回ったが、これは主にパンデ
ミックへの州政府の迅速な対応の影響を反映したものであった。
・ 2020年６月30日現在の公的部門全体の純債務は354億ドルで、中間検討の予測より７億2,400万ドル低
かったが、これは主にCOVID-19の発生に伴う遅延の結果、予想を下回るインフラ投資を反映したも
のである。
2020/21年予算の財政予測
直近の2020/21年予算は以下の開示を含む。
・ COVID-19に対する対応として、州政府は、債務の返済よりも経済の支援に重点を置くように財政戦略
を調整した。財政戦略の変更は、連邦政府による同様の対応に一致したものである。
・ 2019/20年から2022/23年にかけての一般政府部門の経常的支出（上記の説明を参照のこと。）は、
COVID-19関連の支出が増加したことを背景に、2019/20年度中間検討の時点よりも49億ドル増加する
見込みである。収入は、COVID-19の救済措置、税金及びGST関連の補助金の減少がより鉱業収入の増
加により一部相殺されたため、17億ドル下方修正された。
・ 歳入・歳出見通しの変更により、一般政府の営業黒字（純額）の予測は、中間検討の時点と比較し
て、将来推計で66億ドル減少した。2020/21年には12億ドルの営業黒字が見込まれているが、中期検
討時点の27億ドルの黒字から下方修正されている。
・ 公的部門の支出（一般政府支出及び公的部門全体の資産投資総額の両方)は、2020/21年には2019/20
年よりも48億ドル増で予算計上されており、州の経済に対する財政支援は非常に大きく増加してい
る。
・ 営業黒字の縮小及び過去最高のインフラストラクチャー支出により、純負債の予測水準は、中間検討
と比較して83億ドル増加した。必要かつ避けられない増加ではあるが、この水準の純債務は依然と
して持続可能であり、州経済(GSP)に占める公的部門純債務の割合は、2019/20年の推計11.3％から
2023/24年の予測14.1％へとわずかに上昇したにすぎない。
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一般政府 損益計算書
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年
(1) (1) (1) (1)
実績 予算推計
実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
取引の結果
歳入
租税 9,069 8,604 8,540 8,616 9,077 8,806
経常的交付金及び補助金 7,407 8,091 8,529 10,210 9,379 8,861
資本的交付金 895 513 1,263 873 642 1,026
財・サービス販売 2,155 2,261 2,516 2,734 2,754 2,783
利息収入 192 196 170 168 124 100
公的企業からの収入
他部門企業からの配当 1,415 837 1,718 1,350 392 2,776
税相当額 631 534 677 642 732 902
ロイヤルティー収入 4,126 5,272 5,231 6,713 8,450 8,287
その他 594 604 688 701 614 601
歳入計 26,485 26,913 29,332 32,006 32,162 34,139
歳出
給与 11,383 11,610 12,193 12,269 12,887 12,997
老齢退職給付
当期コスト 1,167 1,166 1,199 1,213 1,276 1,290
退職手当利息 218 156 177 135 89 74
その他雇用コスト 370 322 359 447 401 360
減価償却 1,359 1,320 1,343 1,445 1,751 1,854
サービス及び契約 2,195 2,393 2,432 2,538 2,590 2,632
その他総営業費用 5,518 5,808 5,852 5,645 5,391 5,723
利息
リースに係る利息 20 38 73 89 142 145
その他利息 644 744 818 859 737 664
経常移転 5,164 5,280 5,061 5,426 5,003 6,665
資本移転 469 549 442 625 228 532
歳出計 28,506 29,387 29,949 30,689 30,493 32,935
収支(純額) -2,021 -2,474 -618 1,317 1,669 1,204
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その他経済フロー－営業利益に
含まれるもの
資産／負債に係る純利益 -148 -193 -132 59 -27 -18
生命保険数理純利益－老齢退
-589 659 - - - -
職給付年金
貸倒引当金 -54 -41 -51 2 -126 -14
会計方針の変更/過年度の訂正 110 143 -47 -172 -44 -
その他経済フロー合計 -679 568 -230 -111 -197 -31
営業利益 -2,700 -1,905 -848 1,206 1,472 1,173
その他エクイティの増減すべて
営業利益に組替えられない項目
再評価 -2,549 -3,027 -713 -1,374 392 67
生命保険数理純利益－老齢退
- - 211 -814 5 -207
職給付
エクイティに直接認識する利
8 15 -3 - -1 -54
益
公的企業部門の純資産の変動 -1,192 147 -1,638 -1,661 217 -691
その他すべて - - - - -239 -
その他エクイティの増減すべて
-3,733 -2,865 -2,143 -3,849 373 -885
の合計
純資産の増減合計 -6,433 -4,771 -2,991 -2,642 1,845 288
主要な財務数字総計
収支(純額) -2,021 -2,474 -618 1,317 1,669 1,204
控除：非金融資産の正味取得
非金融資産の購入 2,475 2,341 2,438 2,540 2,553 3,013
在庫変動 15 -11 -3 - 38 21
非金融資産のその他変動 15 240 513 146 -15 -
控除：
非金融資産の売却 102 132 82 100 1,476 143
減価償却 1,359 1,320 1,343 1,445 1,751 1,854
非金融資産の正味取得合計 1,043 1,119 1,524 1,142 -651 1,038
貸付／-借入(純額) -3,064 -3,592 -2,141 175 2,320 167
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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一般政府 貸借対照表（６月30日現在）
(1) (1) (1) (1)
2020年 2021年
2016年 2017年 2018年 2019年
実績 予算推計
実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
資産
金融資産
現金及び預金 820 778 862 601 513 477
貸付金 711 717 741 713 715 748
投資、貸付金及びプレース
4,042 4,278 5,682 4,470 5,924 3,441
メント
売掛債権、未収入金 2,921 3,099 3,212 3,999 3,938 3,184
株式及びその他エクイティ
他の公的部門企業への投
47,654 44,044 42,406 40,745 40,962 40,271
資－持分法
他の公的部門企業への投
8,180 9,019 9,377 10,000 10,602 12,013
資－直接投資
他の企業への投資 48 51 48 20 22 22
その他金融資産 8 8 8 8 8 8
金融資産合計 64,384 61,995 62,337 60,556 62,684 60,164
非金融資産
土地 38,551 37,558 36,406 35,600 35,238 35,353
有形固定資産 43,256 47,481 44,709 45,344 46,363 48,162
使用権資産 - - - - 2,484 2,465
生物学的資産 4 8 3 3 109 109
在庫
土地在庫 113 - - - - -
その他在庫 84 73 70 71 108 130
無形資産 650 680 627 626 603 585
売却目的非流動資産 32 111 125 43 21 17
投資資産 8 7 7 7 7 7
その他 484 665 248 245 229 217
非金融資産合計 83,182 81,453 82,196 81,940 85,163 87,044
資産合計 147,566 143,447 144,532 142,496 147,847 147,208
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有価証券報告書
負債
預金 518 646 553 686 1,472 730
貸付金受取 392 376 360 343 326 309
借入金
リース負債 - - - - 2,722 3,098
その他借入金 18,379 23,572 28,109 27,745 26,389 26,104
未積立年金 7,939 7,043 6,541 7,062 6,818 6,643
その他従業員給付 2,892 2,911 3,033 3,197 3,543 3,574
買掛金、未払金 1,228 1,294 1,277 1,425 1,463 1,471
その他負債 1,352 1,380 1,425 1,445 2,674 2,553
負債合計 32,700 37,221 41,297 41,903 45,408 44,482
純資産 114,866 106,226 103,236 100,593 102,438 102,726
内訳：
払込エクイティ - - - - -
累積剰余金 8,460 6,553 5,626 6,317 7,587 8,209
その他準備金 106,406 99,673 97,610 94,276 94,851 94,517
純資産 114,866 106,226 103,236 100,593 102,438 102,726
覚書事項
正味金融資産 31,684 24,774 21,040 18,653 17,276 15,682
正味金融負債 24,150 28,290 30,744 32,091 34,288 36,602
正味債務
債務総額 19,289 24,594 29,022 28,774 30,910 30,241
控除：流動性金融資産 5,572 5,773 7,285 5,784 7,152 4,665
正味債務 13,717 18,820 21,737 22,990 23,758 25,576
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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有価証券報告書
一般政府 キャッシュフロー計算書
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年
(1) (1) (1) (1)
実績 予算推計
実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
営業活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
税金受取 9,130 8,463 8,506 8,911 9,018 8,715
交付金及び補助金受取 8,310 8,529 9,773 11,082 11,825 11,564
財・サービスの売却による
2,294 2,303 2,723 2,599 2,589 2,756
受取
受取利息 187 193 158 173 119 95
配当及び税同額 2,087 1,484 2,280 2,092 1,071 3,761
その他受取 5,922 7,218 7,230 7,659 10,825 10,780
現金受取合計 27,929 28,191 30,670 32,517 35,447 37,671
現金支払
賃金、給与、補足及び年金 -13,374 -13,141 -13,801 -13,766 -14,192 -14,711
財・サービスの支払 -8,083 -8,608 -8,759 -8,473 -8,494 -8,848
支払利息 -631 -758 -860 -950 -905 -819
交付金及び補助金支払 -5,364 -5,389 -5,125 -5,635 -6,641 -8,356
配当及び税同額 - - - - - -
その他支払 -1,769 -1,836 -1,727 -1,679 -2,004 -1,664
現金支払合計 -29,221 -29,732 -30,271 -30,503 -32,237 -34,399
営業活動による純キャッシュフ
-1,291 -1,541 399 2,014 3,211 3,272
ロー
投資活動によるキャッシュフ
ロー
非金融資産への投資からの
キャッシュフロー
非金融資産の購入 -2,475 -2,341 -2,438 -2,540 -2,553 -3,013
非金融資産の売却 102 132 82 100 1,476 143
非金融資産への投資からの
-2,373 -2,210 -2,357 -2,441 -1,077 -2,870
キャッシュフロー合計
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有価証券報告書
金融資産への投資からの
キャッシュフロー
現金受取
政策目的 140 14 13 33 64 10
流動性目的 101 83 76 308 56 64
現金支払
政策目的 -798 -861 -573 -790 -862 -1,786
流動性目的 -136 -46 -57 -66 -38 -46
金融資産への投資からの
-694 -809 -541 -516 -780 -1,758
キャッシュフロー合計
投資活動による純キャッシュフ
-3,067 -3,018 -2,898 -2,956 -1,857 -4,628
ロー
財務活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
貸付金受取 16 16 16 17 17 17
借入金 5,194 5,166 4,318 61 845 284
預金受取 - - - - - -
その他財務活動受取 41 46 156 253 312 54
財務活動による現金受取合計 5,250 5,227 4,490 330 1,174 355
現金支払
貸付金支払 -16 -16 -16 -17 -17 -17
借入金返済 -97 -168 -182 -513 -1,379 -118
預金支払 - - - - - -
その他財務活動支払 -447 -418 -271 -214 -492 -492
財務活動による支払い合計 -560 -602 -469 -744 -1,888 -628
財務活動による純キャッシュフ
4,691 4,626 4,020 -414 -714 -272
ロー
現金及び現金同等物の純増 333 66 1,521 -1,355 640 -1,628
期首現金及び現金同等物 4,440 4,773 4,839 6,360 5,005 5,645
期末現金及び現金同等物 4,773 4,839 6,360 5,005 5,645 4,016
主要な財務数字総計
営業活動による純キャッシュフ
-1,291 -1,541 399 2,014 3,211 3,272
ロー
非金融資産への投資からの純
-2,373 -2,210 -2,357 -2,441 -1,077 -2,870
キャッシュフロー
現金黒字/-赤字 -3,664 -3,751 -1,958 -426 2,134 402
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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公的部門 損益計算書 総計
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年
(1) (1) (1) (1)
実績 予算推計
実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
取引の結果
歳入
租税 8,560 8,117 8,053 8,097 8,550 8,319
経常的交付金及び補助金 7,407 8,091 8,529 10,210 9,379 8,861
資本的交付金 895 513 1,263 873 642 1,026
財・サービス販売 21,583 20,602 21,128 23,488 37,054 44,136
利息収入 635 597 585 639 555 664
ロイヤルティー収入 4,126 5,272 5,231 6,713 8,450 8,287
その他 1,110 979 1,031 1,193 1,077 1,011
歳入計 44,316 44,172 45,819 51,214 65,706 72,303
歳出
給与 12,627 12,811 13,297 13,382 14,051 14,315
老齢退職給付
当期コスト 1,296 1,287 1,305 1,323 1,392 1,421
退職手当利息 218 156 177 135 89 74
その他雇用コスト 257 228 263 350 356 306
減価償却 3,354 3,399 3,362 3,431 3,908 4,038
サービス及び契約 3,179 3,309 3,285 3,306 3,385 3,469
その他総営業費用 20,279 19,603 19,726 22,084 35,027 42,035
利息
リースに係る利息 108 130 162 174 231 234
その他利息 1,535 1,584 1,526 1,583 1,333 1,442
経常移転 3,683 3,927 3,975 4,411 3,693 4,685
資本移転 340 482 365 319 194 404
歳出計 46,875 46,916 47,442 50,498 63,659 72,423
-2,559 -2,744 -1,623 716 2,047 -120
収支(純額)
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その他経済フロー－営業利益に
含まれるもの
資産／負債に係る純利益 -131 187 111 254 -408 -47
生命保険数理純利益－老齢退
-610 638 - - - -
職給付
貸倒引当金 -68 -102 -66 -16 -198 -48
会計方針の変更/前年度の訂正 -743 -1,008 48 -310 -79 -
その他経済フロー合計 -1,552 -285 94 -72 -685 -96
営業利益 -4,111 -3,030 -1,529 644 1,362 -216
その他エクイティの増減すべて
営業利益に組替えられない項目
再評価 -4,176 -2,896 -1,669 -2,444 850 771
生命保険数理純利益－老齢退
- - 206 -850 -22 -205
職給付
エクイティに直接認識する利
1,854 1,155 1 8 - -62
益
その他すべて - - - - -345 -
その他エクイティの増減すべて
-2,322 -1,741 -1,462 -3,286 483 504
の合計
純資産の増減合計 -6,433 -4,771 -2,991 -2,642 1,845 288
主要な財務数字総計
収支(純額) -2,559 -2,744 -1,623 716 2,047 -120
控除：非金融資産の正味取得
非金融資産の購入 5,237 5,137 5,052 4,965 5,188 7,549
在庫変動 1,024 -449 -321 614 2,088 140
非金融資産のその他変動 171 371 596 273 94 134
控除：
非金融資産の売却 701 576 567 654 1,736 489
減価償却 3,354 3,399 3,362 3,431 3,908 4,038
非金融資産の正味取得合計 2,376 1,085 1,398 1,767 1,727 3,296
-4,935 -3,829 -3,021 -1,051 320 -3,416
貸付／-借入(純額)
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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有価証券報告書
公的部門 貸借対照表 総計 （６月30日現在）
(1) (1) (1) (1)
2020年 2021年
2016年 2017年 2018年 2019年
実績 予算推計
実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
資産
金融資産
現金及び預金 1,873 2,136 2,079 1,517 2,346 1,802
貸付金 4,729 3,710 4,345 4,782 5,259 6,107
投資、貸付金及びプレース
18,322 18,613 16,733 19,567 25,495 23,282
メント
売掛債権、未収金 4,140 4,190 4,976 5,825 5,923 5,347
エクイティ‐他社への投資 1,544 2,101 1,854 1,920 1,844 2,033
その他金融資産 18 14 13 13 15 15
金融資産合計 30,626 30,764 30,001 33,624 40,882 38,585
非金融資産
土地 53,233 47,006 45,508 43,809 43,599 43,624
有形固定資産 97,324 98,534 100,294 101,099 102,575 106,516
使用権資産 - - - - 2,997 2,902
生物学的資産 334 334 332 345 317 321
在庫
土地在庫 2,172 1,966 1,902 1,852 1,809 2,141
その他在庫 4,501 4,052 3,731 4,345 6,433 6,573
無形資産 1,097 1,119 1,085 1,028 1,054 1,016
売却目的非流動資産 147 135 183 59 37 33
投資資産 297 262 77 67 33 51
その他 634 806 408 381 424 499
非金融資産合計 159,740 154,215 153,520 152,985 159,279 163,677
資産合計 190,366 184,979 183,521 186,610 200,161 202,263
101/131
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有価証券報告書
負債
預金 27 26 23 11 12 12
貸付金受取 392 376 360 343 326 309
借入金
リース負債 - - - - 3,500 4,086
その他借入金 51,852 56,021 57,379 60,974 64,711 66,043
未積立年金 8,068 7,166 6,636 7,165 6,920 6,731
その他従業員給付 3,345 3,310 3,398 3,577 3,981 3,981
買掛金、未払金 6,370 6,235 6,473 7,211 9,978 9,834
その他負債 5,446 5,616 6,016 6,736 8,294 8,541
負債合計 75,499 78,753 80,285 86,017 97,723 99,537
純資産 114,866 106,226 103,236 100,593 102,438 102,726
内訳：
払込エクイティ - - - - - -
累積剰余金 29,555 27,900 25,994 26,056 27,083 28,581
その他準備金 85,312 78,326 77,242 74,537 75,355 74,145
純資産 114,866 106,226 103,236 100,593 102,438 102,726
覚書事項
正味金融資産 -44,873 -47,989 -50,285 -52,392 -56,852 -60,951
正味金融負債 46,417 50,089 50,285 52,392 56,852 60,951
正味債務
債務総額 52,271 56,423 57,763 61,329 68,549 70,450
控除：流動性金融資産 24,924 24,459 23,157 25,867 33,100 31,191
正味債務 27,347 31,964 34,606 35,462 35,449 39,259
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
102/131
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
公的部門 キャッシュフロー計算書 総計
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年 2020/21年
(1) (1) (1) (1)
実績 予算推計
実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
営業活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
税金受取 8,556 7,971 8,017 8,392 8,492 8,212
交付金及び補助金受取 8,310 8,529 9,773 11,082 11,825 11,564
財・サービスの売却による
21,979 20,788 21,407 23,693 27,956 26,769
受取
受取利息 667 609 604 661 565 659
配当及び税同額 - - - - - -
その他 7,156 8,355 8,460 8,807 11,965 11,566
現金受取合計 46,668 46,252 48,260 52,635 60,802 61,770
現金支払
賃金、給与、補足及び年金 -14,834 -14,586 -15,101 -15,062 -15,441 -16,218
財・サービスの支払 -22,112 -21,342 -21,489 -23,421 -27,762 -29,359
支払利息 -1,940 -2,068 -1,899 -2,017 -1,864 -1,642
交付金及び補助金支払 -3,470 -3,773 -3,712 -4,129 -4,810 -5,455
配当及び税同額 - - - - - -
その他支払 -4,507 -4,596 -4,581 -4,620 -5,256 -5,427
現金支払合計 -46,863 -46,366 -46,782 -49,248 -55,132 -58,100
営業活動による純キャッシュフ
-195 -114 1,478 3,386 5,670 3,669
ロー
投資活動によるキャッシュフ
ロー
非金融資産への投資からの
キャッシュフロー
非金融資産の購入 -5,237 -5,137 -5,052 -4,965 -5,188 -7,549
非金融資産の売却 701 576 567 654 1,736 489
非金融資産への投資からの
-4,536 -4,561 -4,485 -4,310 -3,453 -7,060
キャッシュフロー合計
103/131
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
金融資産への投資からの
キャッシュフロー
現金受取
政策目的 140 14 13 21 64 10
流動性目的 4,850 6,136 6,189 6,495 12,044 7,020
現金支払
政策目的 -16 -13 -16 -19 -63 -10
流動性目的 -4,457 -7,678 -7,249 -8,784 -14,195 -8,052
金融資産への投資からの
516 -1,541 -1,063 -2,286 -2,150 -1,032
キャッシュフロー合計
投資活動による純キャッシュフ
-4,020 -6,102 -5,548 -6,597 -5,603 -8,092
ロー
財務活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
貸付金受取 - - - - - -
借入金 18,612 16,150 18,015 21,444 20,848 23,014
預金受取 - - - - - -
その他財務活動受取 49 45 57 98 231 20
現金受取合計 18,660 16,195 18,072 21,542 21,078 23,033
現金支払
貸付金支払 -16 -16 -16 -17 -17 -17
借入金返済 -11,333 -10,477 -14,181 -19,990 -18,397 -20,996
預金支払 - - - - - -
その他財務活動支払 -391 -413 -251 -188 -448 -421
現金支払合計 -11,740 -10,906 -14,448 -20,194 -18,862 -21,434
財務活動による純キャッシュフ
6,921 5,289 3,624 1,348 2,217 1,599
ロー
現金及び現金同等物の純増 2,706 -927 -446 -1,863 2,284 -2,823
期首現金及び現金同等物 9,239 11,946 11,019 10,573 8,710 10,994
期末現金及び現金同等物 11,946 11,019 10,573 8,710 10,994 8,170
主要な財務数字総計
営業活動による純キャッシュフ
-195 -114 1,478 3,386 5,670 3,669
ロー
非金融資産への投資からの純
-4,536 -4,561 -4,485 -4,310 -3,453 -7,060
キャッシュフロー
現金黒字/-赤字 -4,731 -4,675 -3,007 -924 2,217 -3,391
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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(d) 連邦と州の財政上の関係
オーストラリアの連邦制度は、他の国の連邦制度といくつかの点で実質的に相違している。
・ オーストラリアの税収入について連邦政府が優位性を有しており、その結果連邦からの資金移転に対
(2)
する全州 の依存度が高い。
・ 州間での交付金の配分により、支出及び課税基盤の相違にもかかわらず、州は同等のサービスを提供
することが可能となっている。
・ 統一表示枠組み（UPF）は、全てのオーストラリアの州、特別地域及び連邦の政府が詳細な政府全体
の財務書類（比較ベースでの予測及び結果の両方を含む。）を開示することを求める。さらに、オー
ストラリア会計基準AASB1049「政府全体及び一般政府部門の会計報告」の要件は、資金調達の必要額
の予測及び結果の透明な開示が全ての管轄法域において利用できることを確実にする。格付会社によ
る州財政の厳しい監視もある。西オーストラリア州の政府全体の財務開示は、本書において詳述され
る西オーストラリア州公的部門財務実績に関する説明の基礎を構成する。
連邦政府は州に対する財政的保護を提供し、必要がある場合州を支援する。例えば、
・ クイーンズランド州の洪水の後のインフラストラクチャー再建のために、すべてのオーストラリアの
所得税納税者に臨時洪水税の賦課を導入した。
・ オーストラリア連邦最高裁判所が1997年に州売上税を憲法上無効とした際に、州を代理して「セーフ
ティ・ネット」の取決めに基づき税を徴収した。
・ 世界金融危機の影響が残る中、州の借入について（有料で）保証を提供した。
・ 西オーストラリア州の相対的GSTに減少が予想されるのを受けて、ひも付きでない追加資金の提供を
通じて、2019/20年以降、GSTの下限70％を実施した。
・ COVID-19のパンデミックの期間中、「COVID-19に対する全国的パートナーシップ」を通じて、COVID-
19に関連する病院業務及びその他公衆衛生業務の費用の50％を賄うことに同意した。COVID-19が病院
業務全体に与える影響の不確かさを鑑みて、連邦はまた、全ての州の病院に対する連邦の資金供与を
継続的に確実に増やすために、病院業務への資金供与の最低保証を定めた。
脚注：(2) 以下の「州」という用語には、特別地域を含む。
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以下の表は、西オーストラリア州への連邦政府からの交付金の詳細を示す。
(1)
連邦からの交付金
2019/20年 2020/21年 2021/22年 2022/23年 2023/24年
実績 予算推計 将来推計 将来推計 将来推計
(単位：百万ドル)
一般目的交付金
GST歳入 3,466 2,322 2,554 4,849 5,091
(2)
814 1,547 1,849 - -
連邦-下限70％の資金援助
(3)
649 376 382 304 265
北西大陸棚交付金
一般目的交付金合計 4,930 4,244 4,784 5,153 5,356
5,091 5,642 6,159 6,097 6,613
ひも付き交付金
連邦からの交付金合計 10,020 9,886 10,944 11,250 11,970
注：(1) 経常的交付金及び資本的交付金を含む。四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
(2) 2019/20年の給付金は２年にわたり支払われた－2018/19年に４億3,400万ドル及び2019/20年に８億1,400万ドル。
2022/23年以降は、下限は連邦から直接的ではなく、GST歳入交付金プールの中から供給される。
(3) 原油物品税の取決めの変更に対する連邦の補償を含む。
出典：西オーストラリア州2020/21年予算書及び2019/20年州財政年次報告書
(e) 税制
西オーストラリア州政府は、2020/21年予算において、以下を含め、多数の歳入施策を公表した。
・給与税控除の基準値が、予定日であった2021年１月１日からの増加より繰り上げられて、2020年７月１
日付で100万ドルへ増額された。この繰上げは2020/21年度の歳入に700万ドルの影響を与えた。
・連邦政府の「ジョブキーパー支払い」制度を給与税から免除するための法律が導入された。ジョブキー
パー支払い制度は、現在の従業員及び最近一時帰休させられた従業員のそれぞれに対して、2020年３月
30日から2020年９月27日までの２週間ごとに1,500ドルの支払いを適格な雇用主に提供する。支払い
は、2020年９月28日から2021年１月３日までは２週間ごとに750ドル又は1,200ドル、その後2021年１月
４日から2021年３月28日までは２週間ごとに650ドル又は1,000ドルへと減少する。この免除により、
2019/20年には収入に対して7,100万ドルの影響を与えており、2020/21年には１億3,400万ドルの影響を
与えると推計される。
・2020年３月１日から2020年６月30日までの４か月間、2019/20年のオーストラリア全体の年間賃金が750
万ドル未満の中小企業に対して給与全が免除された。これにより、この期間に給与税の支払いが要求さ
れる約1,1000の業企業に対して、１億6,500万ドルの軽減が行われた。
・「オフザプラン税金払戻し制度」は、既に建設中の複数階層の開発において、2020年６月４日から2020
年12月31日までの間に締結された新しいユニットまたはアパートの購入契約に一時的に拡大された。拡
大制度の対象取引では、最大25,000ドルの支払済み税金の75％の譲渡税払戻しを受けることができる。
これは、将来推定に対して、総額800万ドルの影響を与える。
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(f) 借入協定
西オーストラリア州は州の機関並びに一定のその他公的及び民間企業が発行した債務を保証する（下記
「(g)借入及び偶発債務 － 西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務」を参照）。連邦と州の間の1994
年財政協定により、西オーストラリア州は自己の名において国内外市場で何らの制限も受けずに借入を行う
ことができる。かかる州の借入業務は西オーストラリア州理財公社が引き受ける。
(g) 借入及び偶発債務
未償還債務
西オーストラリア州は州機関が発行した債券を保証し、貸借対照表に記録されていない将来事象により引
き起こされる負債を負担する可能性がある（以下の「西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務」を参照
のこと）。
その他の借入
公的部門合計
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
(単位：百万ドル)
(1)
1,414 1,589 1,971 1,902 577
ファイナンス・リース － 保証付
(2)
50,438 54,431 55,408 59,072 64,134
国内借入及び外国借入
合計
51,852 56,021 57,379 60,974 64,711
(注) 借入はすべて、西オーストラリア州大蔵大臣による保証が付されている。
注：(1) ファイナンス・リース – AASB第117号「リース」に従い以前認識された契約の条項に基づくリース。2020年７月
１日現在、これらはAASB第1059号「サービス免許協定：譲与者」に従い処理されることになる。
(2) これらの借入は報告日現在適用される豪ドル相当額で報告されている。
出典：州財政年次報告書（毎年９月28日までに発表される。）
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
西オーストラリア州政府は、発行又は引継いだ全ての債務及び保証の履行を求められた全ての間接債務の
元本、プレミアム(もしあれば)及び利息の全額の支払を行ってきた。これらの債務は満期になると取決めら
れた通貨で即時に支払が行なわれてきた。
州はまた、適切な財務上の柔軟性を利用できる場合、余剰資金を使用した債務の繰上げ返済により、積極
的にリスク削減の機会を追求する。
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西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務
偶発資産及び負債は、一定の条件下で将来具体化する可能性のあるベネフィット及びコストの可能性であ
る。統合財務書類は、以下に注記する重要な定量化可能又は定量化不可能な偶発資産及び負債について引当
金を設定していない。
本項で説明される偶発事象についての詳細は、関連する機関の年次報告書にも記載されている。
以下の表は、2020年６月30日終了年度の、西オーストラリア州の重要な定量化できる偶発資産及び偶発債
務を示している。州の貸借対照表において既に定量化されている債務及び未積立年金債務はこの開示におい
て除外されている（これらの債務は既に明白に記録されているため）。州の公的部門の機関もまたさまざま
なより少額の（重要でない）偶発債務を保有する可能性があるが、これらは公的機関の年次報告書において
開示されている。
１．６月30日現在定量化可能な偶発資産及び負債
以下の重要な偶発資産及び負債が公的部門全体で認識されている。
定量化可能な偶発資産及び偶発債務（ ６月30日終了年度）
2019年 2020年
(単位：百万ドル)
偶発資産
(a)
27 24
一般政府
18 -
公的非金融企業
合計 45 24
偶発債務
(b)
368 347
保証、補償及び抵当に基づく偶発債務
(c)
500 395
その他の偶発債務
(d)
81 77
公立大学年金債務に関連する偶発債務
合計
949 818
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
(a) 定量化可能な偶発資産 ― 一般政府部門
WA 保健省は、主に西オーストラリア州内の病院において処置されるオーストラリアの他の管轄地域から
の住人に関する州を越える受領についての1,300万ドル（2019年：1,200万ドル）の偶発資産を保有してい
る。
その他の少額の偶発資産は、1,200万ドル（2019年：1,500万ドル）の残額から成る。
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(b) 保証、補償及び抵当に基づく偶発債務
公共信託受託者共通基金
公共信託受託者共通基金への預託は毎年６月30日付で第三者のために保有される残高を含む。共通基金
に保有される残高への保証は2020年６月30日現在、合計３億3,500万ドル（2019年６月30日：３億5,600万
ドル）であった。
水道公社
水道公社は契約に基づき水道公社の任務を保証するために、通常の業務の中で銀行保証を発行してい
る。2020年６月30日現在、これらの保証の金額は1,200万ドル（2019年６月30日現在から変わらず）であっ
た。
(c) その他偶発債務
アスベスト被害補償基金
2015 年10月16日に、連邦大蔵大臣及びすべての州・特別地域の大蔵大臣はアスベスト被害補償基金
（AICF）のデフォルトリスクを分担する方法につき合意した。デフォルトリスク合計に対する各州及び特
別地域の分担は、（連邦が合意したとおり、デフォルトリスクの３分の１の責任を負った後）基金の創設
以来、各法域において支払われた請求額の割合を反映する。2007/08年から2019/20年までに、全請求の約
15％が西オーストラリア州で提出され、これは3,200万ドルの見積もり偶発債務に相当する。デフォルトリ
スクを分担する取決めは、ジェームス・ハーディーPtyリミテッド（AICFに直接責任を持つ。）が管財人の
管理下に置かれ、これ以上補償の支払いのために当該ファンドに拠出できなくなった場合のみ発動する。
幹線道路局長
道路建設の目的で買収された土地の所有者により、及び道路工事契約に基づくサービスにつき、請求が
提起されている。2020年６月30日現在の２億3,100万ドル（2019年６月30日：２億9,400万ドル）の偶発債
務は、所有者の請求額と独立評価に基づき幹線道路局長により決定された予想決済価格の差額を反映し、
道路工事契約に基づき提供されたサービスに関して請負業者より提出されている賠償請求も含んでいる。
WA 保健省
WA 保健省 には、3,900万ドル（2019年６月30日：4,400万ドル）の偶発債務がある。これは主に、他の
オーストラリアの管轄地域の病院で処置される西オーストラリア州の住人についての州を越えた費用請求
（2,200万ドル）及び南部大都市医療サービスの交渉に基づく施設運営の問題（1,600万ドル、正式な契約
紛争メカニズムを引き起こす契約運営プロセスの継続的一部である。）から成る。
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住宅補償保険
住宅補償保険（HII）の偶発債務は、鉱山、産業規制及び安全省が管理する。HIIの将来の請求債務
（FCL）は、2020年６月30日現在で保険数理上の査定をされている。FCLは現在有効なHII保険契約について
将来発生する可能性のある事象の結果生ずる可能性のある将来の請求費用の見積額である。FCLは約1,900
万ドル（2019年：2,000万ドル）と査定されている。HIIに対する定量化できない偶発債務の開示も後述さ
れる。
地域社会省
現在、結果が確実ではない係属中の訴訟が多数ある。ステート・ソリシターズ・オフィスは総額1,300
万ドル（2019年６月30日：600万ドル）が、そのうち将来のある時点で、原告に対する補償として支払われ
る可能性があると見積もっている。これは地域社会省の偶発債務として認識されているが、同省が補償
（もしあれば）として支払う実際の金額の資金を出す最終的な責任があるかはまだ決定されていない。
西オーストラリア州計画委員会
「メトロポリタン、ピール及びグレーター・バンベリ地域スキーム」の運用に基づき、土地保有者に補
償の支払いが生ずる可能性のある土地、又は西オーストラリア州計画委員会（WAPC）の所有地として取得
する不動産に対する留保がある。同委員会は、毎年、かかる補償及び取得の優先順位を定める。土地保有
者はWAPCが提供する補償に対して、仲裁又は裁判所への訴訟のいずれかにより争う場合がある。かかる紛
争の解決は、WAPCの通常の事業の一部であり、生じる追加支払は、メトロポリタン地域改良基金及び地域
土地取得資金の財源の中で管理されている。この偶発債務の現在の推定は、約1,000万ドル（2019年６月30
日：7,400万ドル）である。
各種政府機関
その他の定量化できる偶発債務には、各政府機関の年次報告書に報告されるとおり、これらの機関につ
いて総額4,700万ドル（2019年６月30日：3,100万ドル）の様々な法律上及び契約上の請求権を含む。
(d) 公立大学年金債務に関連する偶発債務
2000年州退職年金法(SSA)により、1987年州政府雇用者退職年金法及び1938年退職年金及び家族給付法が
廃止された。これらの法に基づき運用されてきた制度はSSAの下で継続する。州はこれらの制度の下で支払
われる給付を保証する。この保証のもとでの州政府雇用者の資格は、貸借対照表上の未積立の年金債務の一
部として認識される。しかし、公立大学の雇用者は、（連邦政府が実行する高等教育機関の国の管理を認め
て）州財政年次報告書上は、州の雇用者ではない。
公立大学年金債務の保証は、2020年６月30日付でこれらの資格の年金数理的査定価値をもとに7,700万ド
ル（2019年６月30日：8,100万ドル）である。
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２．定量化不可能な偶発資産
ベル回収訴訟
2020 年６月30日現在、西オーストラリア州保険委員会は最終的にベル清算の分配手続きから具体化する
偶発資産を所有していたと考えた。この資産は、州が清算により６億6,500万ドルを受領した2020年９月に
具体化した。
同委員会は清算人の訴訟への資金供与に関連する訴訟費用及び損害賠償に対するエクスポージャーの可
能性がある。訴訟再開の不確実性のために、報告期間末時点での同委員会に対する費用の可能性を見積も
るのは実行可能でない。
WA 保健省
COVID-19 のパンデミックに対応し、ホテルでの隔離のために西オーストラリア州内のホテルに滞在する
オーストラリアの他の管轄地域の住人について、州を超えた収益の受領が予想されている。これらの受領
額はまだ決定していない。
その他 － 係争中の訴訟
多数の政府機関が現在異なる訴訟に関与しており、全て異なる段階にある。訴訟の多様性及び性質並び
にこれら訴訟の結果に関する不確実性のため、有利な結果が現れる場合に公的機関に与えられる可能性の
あるベネフィットの見込みを信頼できる程度定量化することはできない。
３．定量化不可能な偶発債務
訴訟
多数の政府機関は現在異なる訴訟手続きに関与しており、すべてが様々な段階にある。請求の多様性及
び性質のために、これらの訴訟のありうる結果については不確実性があり、州が法的責任があると判明し
た場合、影響の可能性を確実に計量することはできない。
クライブ・パーマー氏、Mineralogy 及びInternational Mineralsによる請求
Mineralogy Pty Ltd、International Minerals Pty Ltd、及び西オーストラリア州政府との間の法的紛
争がメディアに報道されている。
この紛争は、当初2002年に締結された州協定及びその後の大臣決定の効果に関するものである。これら
の会社は約280億ドル（遅延利息を含む。）の補償金を請求している。
西オーストラリア議会は、請求の規模を考え、かつ西オーストラリア州に対する潜在的な財務リスクに
対処するため、2020年８月13日に「2020年鉄鉱石加工(Mineralogy Pty. Ltd.)契約改正法案」を可決し
た。同法により、パーマー氏、Mineralogy及びInternational Mineralsが、この紛争に関連する訴訟及び
損害賠償請求を求める能力をなくし、州協定に基づき提出される可能性のある将来の提案の検討に関連す
る将来の損害賠償請求を防止する。同法は、本紛争及び上記の関連当事者を正確に対象とする限定された
ものである。
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連邦最高裁判所に異議が申し立てられた場合、同法は、審査に耐えると予想される。
州政府は、この請求に対して西オーストラリア州は強力に防御すると表明している。
汚染用地
2003 年汚染用地法に基づき、政府機関は、汚染用地を知りえたとき、及び疑いのあるときは、水・環境
規制省（DWER）に報告を求められている。同法に基づき、DWERはこれらの場所を人の健康、環境及び環境
問題へのリスクを基準に分類する。ある場所が「汚染 － 要改善」又は「汚染の可能性 － 要調査」に分
類された場合、政府機関は調査又は改善修復の費用につき責任をもつ場合がある。DWERは政府機関により
報告されている場所の分類をまだ終えていない。政府機関が分類過程の結果を査定できないため、ありう
る財務上の影響額を見積もる、又は支出の金額又は時期に関する不確実性を明確にすることは不可能であ
る。政府機関は、汚染用地が特定されるのに伴い、それを改善修復する進行中の管理計画を持つことを求
められている。
フォーレストフィールド空港リンクプロジェクト － ポリフッ素アルキル物質
汚染土壌が、フォーレストフィールド空港リンクプロジェクトの承認済み予算に対するリスクである。
トンネル採掘による廃棄物（すなわち掘削土）には、ポリフッ素アルキル物質が少量含まれていることが
わかっている。この廃棄物の一部が再利用できず、その代わりに、プロジェクトの追加費用で埋立処分さ
れなければならないというリスクがある。
森林契約
林産品委員会（FPC）は、将来契約される供給義務を満たすのに利用されるはずの、現在の松資源の不
足の可能性を確認した。財務書類の日付現在、可能性、時期及び不足可能性の金額についての不確実性の
程度は高く、従って同委員会は将来起こるかもしれない潜在的な義務の信頼に足る見積りの大きさを決定
することができない。同委員会は緩和策の開発及び実施のために更なる分析を行っている。
さらに、1998年産業・技術開発法に基づく責任大臣として、州開発大臣(又はその前任者)は、ある投資
証券保証（ISG）の署名者である。ISGは大臣、FPC(林産品委員会)のジェネラル・マネジャー及び木材加工
業者が署名している。ISGに基づき、FPCが契約金額の堅木材を供給できない状況においては、大臣は補償
金を支払う義務がある。
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金公社
過年度において、AGRマッセイ精錬所のニューバーン敷地内で地下水の汚染が発生した。AGRジョイン
ト・ベンチャー・パートナー（西オーストラリアン造幣局及びオーストラリア・ゴールド・アライアンス
Pty Ltd）は、当該土地の修復及び復旧の責任を負った。2010年３月29日のAGRマッセイ・パートナーシッ
プの解散に伴い、西オーストラリア造幣局は将来のいかなる債務についても全責任を継承した。これまで
に発生した費用は財務書類に計上されている。金公社は、修復がもしある場合、潜在的な財務的影響の見
積もりの評価を行っている。したがって、これらの金額を2020年６月30日現在で数量化することは不可能
である。
WA 保健省
COVID-19 のパンデミックに対応して、ホテルでの隔離のためにオーストラリアの他の管轄地域内のホテ
ルに滞在する西オーストラリア州の住人について、州を超えた費用の発生が予想されている。これらの負
債はまだ決定していない。
住宅補償保険
2013 年11月１日以降、州は建設業者又は建設グループの死亡、破産状態又は失踪から生ずる財務上の損
失を新たに発生するコスト基準でカバーする新たな住宅補償保険（HII）の条項を全額引き受けている。こ
の取決めは、長期の市場ベースのHIIソリューションを開発する追加的な時間を提供するために、最近2025
年12月31日まで延長された。2015年７月１日から、HII保険契約の保険料は、鉱山、産業規制及び安全省が
管理するHII再保険勘定に払込まれ、これらの保険契約から生ずる請求は、再保険勘定から充足されてい
る。
経済規制庁による調査
2019 年４月、経済規制庁(ERA)は、2016年３月から2017年７月の間に西オーストラリア卸電力市場(WEM)
で行われた、バランシング申請におけるシナジー社の価格設定に関する調査を終了した。ERAは、バランシ
ング申請における短期的な発電限界費用の合理的な予想を上回る価格を市場参加者が提示する行動が市場
支配力に関係する場合には、これを禁止するWEM規則の条項にシナジー社が違反したと見なした。ERAは、
シナジーがWEM規則に違反したかどうかを確定し、違反している場合、金銭的ペナルティー命令を求めるた
めに、シナジー社を電力審査委員会(ERB)に照会した。
シナジー社はこの点に関して何らかの不正行為や責任も否定し、ERBの前でERAの主張を抗弁しているの
で、2020年６月30日現在、引当金は設定されていない。ERBが、シナジー社がWEM規則に違反しているとし
た場合、ERBはペナルティの金額を設定する裁量権を有しているため、現段階では潜在的な賠償額を見積も
ることはできない。
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ロッタリー委員会
産業上告裁判所(IAC)の最近の判決により、任意退職金の算定方法が変更された。IACは、規則における
「継続勤務」の定義には、連邦又は他の州の公的部門の雇用において勤務した期間が含まれるとした。
ロッタリー・ウェストは、過去にこの制度の下で支払いを受け、連邦又は他の州の公的部門に雇用され
て勤務していた個人を識別するためにスタッフの記録を見直している。潜在的な負債は、現時点では信頼
性をもって測定することはできず、個々の請求権者が現れたときにのみ発生する可能性がある。
開発局WA（大都市圏再開発局）
大都市圏再開発局(現在、「開発局WA」として取引)は、パース中心部再開発地域内で同局を代理して行
われている建設工事に関連して係争中である。契約の紛争解決手続に従い、両当事者は調停を開始し、継
続中である。開発局WAの目的は、突然の欠陥及び未完成工事に伴う継続的な財務リスク及び負債から同局
を守る結果を得ることである。さらに、別のパース中心部再開発区域内の潜在的な著しい地盤沈下リスク
が現在調査中である。両当事者は、契約条項に従って本件を進めている。パース中心部再開発区域内の一
筆の土地の売却が終了したことにより、裁判所が指名する調停が保留され、売買契約における紛争解決条
項が実施される結果となった。両当事者が調停で紛争の解決を達成することができなかったため、裁判所
は、当事者に対して訴答書面を最終的なものとし、証拠開示を行うことを求める命令を発した。
ネイティブ・タイトル（先住民権原）
オーストラリア連邦の1993年ネイティブ・タイトル法(改正済)は、1975年10月31日以後に発生したネイ
ティブ・タイトルの権利及び利益の損失又は損害に対して補償を支払う全ての管轄地域の政府の法的責任
の可能性を構成する。現在西オーストラリア州では、117件のネイティブ・タイトルの請求の申立て及び65
件のネイティブ・タイトルの決定がある。州の責任の範囲を数量化することは困難であるが、ティン
バー・クリークの判決は、1.19平方キロメートルを超えるネイティブ・タイトルの減損及び消滅に対して
253万ドルをネイティブ・タイトル保有者に付与した。現在、西オーストラリア州にはネイティブ・タイト
ルが決定されている1,826,997平方キロメートルの土地がある。
ティンバー・クリーク連邦最高裁判所判決
連邦最高裁判所による2019年のティンバー・クリーク判決は、経済的及び非経済的損失の補償の評
価方法について、当事者にいくつかの指針を提供した。
州は、ネイティブ・タイトル保有者の経済的・社会的発展の願望をより良く支えるネイティブ・タ
イトルとの契約の交渉を継続しており、州に対する賠償責任の完全かつ最終的な解決を引き続き提供
する。これらは、全ての当事者にとり費用及び時間がかかる、裁判所が決定する和解よりも好まれ
る。Tjiwarlのネイティブ・タイトルの保有者は最近、連邦裁判所に２件の補償請求を提出し、これは
補償の法的原則に関するさらなる指針を提供することになる。
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南西部ネイティブ・タイトルの和解
2013 年７月、当時の州政府は、西オーストラリア州南西部のNoongar族のネイティブ・タイトルの主
張者にネイティブ・タイトルを与えることを決議する最終提案を発表した。2015年12月、６件の南西
部ネイティブ・タイトル和解先住民土地利用協定(ILUA)が締結され、国家ネイティブ・タイトル審判
所（NNTT）に登録申請が行われた。締結後、ILUAは多くの法的手続きの対象となり、その結果、ILUA
の最終登録及び和解の開始が遅延している。
６つの契約がNNTTに登録され、最終的な訴訟が解決されるまで、偶発債務が存在する。
和解は、州の南西部における全てのネイティブ・タイトルの請求の完全かつ最終的な解決を構成
し、現金、不動産譲渡及び資本工事を含む多くの要素を含む。また、12年間にわたり毎年5,000万ドル
の「未来基金」、12年間にわたり運営基金への毎年1,000万ドル、最大320,000ヘクタールの国土を含
む資産をNoongar族に提供する。現金部分は、州予算の将来推計に規定されている。Noongar Boodja
Trustを管理する最初の受託者として、受託会社(Perpetual Trustee Company Limited)が選定され
た。ただし、受託者は、ILUAの最終登録後の「信託発効日」に任命されるものとする。
公共輸送局
進行中の訴訟
元請負業者は、契約上の義務違反及びオーストラリア消費者法の違反に関する請求に関し、公共輸
送局(PTA)に対して最高裁判所で訴訟を開始した。PTAはすべての責任を否定し、訴訟を防御してい
る。原告はまだ請求を数量化することができず、貸借対照表日現在、この請求に関連する潜在的な支
払額を見積もることはできない。
公共交通施設の建設のための土地の取得の命令に関し、第三者から最高裁判所に請求があつた。公
判は来会計年度に開かれる予定である。和解交渉に譲歩をもたらす可能性があるため、請求金額を開
示することはできない。
PTA は、運輸インフラストラクチャー資産の引渡しについて、両当事者と契約を締結している。契約
の一方当事者がプロジェクトの引渡しに参加することを中止することが予想され、PTAは契約解除(和
解及び解除証書の形式で)のために現在当事者と交渉中である。不可抗力事由による解除権が、2020年
２月に発生した。和解交渉に譲歩をもたらす可能性があるため、請求金額を開示することはできな
い。
パース空港Pty リミテッド
2016 年４月に、PTAは、パース空港Pty リミテッドに対して、パース空港内外でフォーレストフィー
ルド空港リンク・プロジェクトの建設に関連して発生する身体障害、第三者物品損害及び間接的損害
によりパース空港Pty リミテッドが被る又は負担する損害又は債務に関して補償を供与した。PTAはこ
の補償に基づく請求に対する州のエクスポージャーを減らすために適切な保険を備えている。
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南部港湾局バルク・ローダー
南部港湾局は、BHPビリトン・ニッケル・ウェスト社向けのバルクのニッケルを積込む契約を締結して
いる。BHPビリトン・ニッケル・ウェストは、現在エスぺランスからバルクのニッケルを輸出していない。
しかしながら、この状況は変わるかもしれない。港湾局の責任状況は決定されておらず、契約の取決めに
基づく請求がある場合の財務上の影響（あるとすれば）を決定するために現在利用可能な情報は十分でな
い。
シナジー社（発電及びリテール公社）
シナジー社は、アスベストの危険性が認識されるより前に、その絶縁性と耐火性のためにアスベストを
利用した火力発電所のポートフォリオを運営している。シナジー社は、適切にアスベストを管理する最新
の工程を有し、継続的にこれらのリスクに対処している。しかし、アスベストから生まれる病気、例えば
石綿症は進むのに長い年月がかかる可能性がある。そのためシナジー社は、過去において同社の火力発電
所の１つにおいてアスベストに接触した労働者及びその他請負人に対して債務を負う可能性がある。シナ
ジー社の作業場の１つにおいてアスベストに晒されたことから発生する可能性がある診断が未確定の疾病
に対してシナジー社は偶発債務を保有する。この債務の大きさは全く不確実で、何らかの正確性をもって
計量することはできない。
ホライズン・パワー社
ホライズン・パワー社が所有する発電所及び住宅などの多くの不動産には、アスベスト含有物質が含ま
れている。ホライズン・パワーは、継続的なアスベストハザードの特定とリスク評価のための確固たる管
理及び監視プロセスを有しており、これらの物件所在地での修理、保守及び解体作業中の、安全な作業シ
ステムを実施する。ホライズン・パワーは、職場におけるアスベストの管理及び制御のための行動規範及
び定期的なコンプライアンス調査の権限を含む関連規則を順守しており、全ての現場からアスベスト材料
を除去する長期的な目標を持っている。
現在、ホライズン・パワーは、RiskCoverの対象とならないアスベストの曝露に起因する疾病につい
て、現在又は過去の従業員及び請負業者からの請求はない。将来、何らかの請求が発生した場合、ホライ
ズン・パワーは、労災補償及び公的賠償責任保険又はRiskCoverで適切にカバーされる可能性が高い。
児童性的虐待の被害者による民事訴訟に関する法定出訴期間の撤廃－2018年民事責任法の改正（児童性的
虐待訴訟）
過去の児童性的虐待の被害者による民事訴訟の法定出訴期間を撤廃するための「2018年民事責任法の改
正（児童性的虐待訴訟）」が2018年７月１日施行された。法定出訴期間の撤廃により、虐待が発生した組
織（州設立の機関を含む。）は損害賠償請求の可能性にさらされる。この改革の実施は、州に対する定量
化できない債務を意味する。
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西オーストラリア保険委員会(ICWA)は、政府保険基金、保険委員会一般基金及びRiskCover基金を通じ
て、この立法の変更から生じる請求にさらされている。
これらの保険金請求については、件数及び規模は非常に不確実である。入手可能な証拠に基づき、2020
年６月30日現在、信頼性のある見積りを行うことができず、ICWAの貸借対照表上の負債残高に計上されて
いる既知の請求権に含めることができないと判断された。保険数理上の評価では、これらの保険金請求の
範囲は2,560万ドルから7,730万ドルの間にあると推定されている。
保険の対象ではない、この改正に基づく更なる請求権が生じる可能性があり、これは結果として生じる
訴訟の解決に合わせて発生ベースで査定され、資金の積立てが行われる予定である。州政府はまた、「組
織的児童性的虐待の被害者に対する全国救済制度及び民事訴訟」に基づく将来の請求のために、資金を保
有する口座を設定した。
州全体の建造物被覆監査
2017 年９月、鉱山、産業規制及び安全省は、可燃性の建造物被覆による危険性について全ての政府省庁
及び機関に連絡し、それぞれの建物ポートフォリオについて監査を行うことを要求した。直近で公表され
た結果は、レビューをされた範囲の建造物の結果であり、50の建造物について詳細なリスク査定の後合格
であり、15の建造物は修繕措置が必要であり、３つの建造物について修繕措置が完了としている。修繕の
内容及び費用は不確実であり、現時点では定量化できない。
産業施設
内閣は、多数の財務的、環境的及びその他の条件を満たす場合のみ開始する予定の大型産業プロジェク
トを支援するインフラストラクチャー開発を原則として同意している。
その他偶発債務
既に完了している、又は間もなく完了するインフラストラクチャー・プロジェクトに関連する工事又は
業務に関して請求が発生する可能性がある。請求は通常、交渉期間があり、取り下げられる、その後（２
当事者間で合意される金額で）和解される、又は訴訟による等の代替的な解決過程へ進む。費用が交渉さ
れ、請求が解決した場合、これらは財務書類に反映される。
その他偶発債務は、様々な法令に基づき一定の状況下で、随時発生する可能性がある。かかる将来の債
務の可能性についての状況は変動し、法に基づく条項により義務の可能性が発生する場合、より詳細に数
量化される可能性がある。
2019/20 年からのオーストラリア会計基準の変更
オーストラリアの会計基準制度はダイナミックであり、オーストラリア国内及び海外の財務報告の発展に合わせ
て更新されている。
2019年１月１日以降に開始する報告期間については、３つの新しい基準が適用され、その影響は2019/20年実績
及び2020/21年予算データにおいて反映されている。新基準は以下の通りである。
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・ AASB第16号：「リース」。これはオペレーティング・リース及び関連するリース資産を初めて貸借対照表
に組み入れた。
・ AASB第15号：「顧客との契約から生じる収益」。これは、特に顧客との契約から生じる収益の性質、金
額、時期及び不確実性についての、収益認識規則を改定した。
・ AASB第1058号:「非営利事業体の所得」。これは、特に公的部門の事業体について、新しいAASB第15号の規
則の一部を簡略化したものである（顧客との契約の概念が曖昧になりうる場合）。
これらの変更は報告事業体にとり避けることができず、オーストラリア内外の公的部門及び民間部門両方の財務
報告に適用されることに留意することが重要である。
新基準を適用した結果、州及び特別地域の経済又は法的状況に重大な変更はない。さらに、支払リース及び収益
認識時期の見直しによる影響は、現金ベースで従前の会計基準に基づき作成された予測からほぼ変更がない。その
結果、州の信用格付は新基準から大きな変更はなく、信用格付会社は、これらの測定の変更を「通して見て」い
る。
AASB 第16号：リース
AASB第16号は、ファイナンス・リースが以前の基準の下で取扱われていたのと同様に、オペレーティング・リー
スを金融債務として計上することにより、貸借対照表上の借入金（従って、純負債）の価値を増加させた。
オペレーティング・リースは、公的部門と民間部門の両方の事業体にとって、何十年もの間、標準的な金融手段
であった。西オーストラリア州の公的部門にとり、これらのリースは典型的な賃貸契約であり、通常、事務所設
備、公務員の地域住宅、車両フリートの契約及び機器の賃借(コピー機から電力購入契約を通じた主要な経済プラ
ントまで)を利用する目的で使用されてきた。
AASB 第15号：顧客との契約から生じる収益及びAASB第1058号：非営利事業体の所得
この２つの基準からの主な変更点は、時間の経過とともに認識されるいくつかの収益の時期及び一部の収益と費
用の「グロスアップ」である。これらの変更は、経時的な営業収支に関しては、おおむね中立である(ただし、プ
ロジェクト工事の前払いされるインフラストラクチャー資金など、個々の年度は収入を受領する支出のタイミング
に応じて、従前の基準に基づく測定と比較して前後する可能性がある)。これらの変更は収入のタイミングに影響
を与えるが、現金収入には影響しないので、純負債には重大な変化はない。
これらの基準の下では、事業体が顧客に提供する前に財又はサービスを「支配」している場合には、収益を認識
されるい。実務的には、これらの変更のもたらす重要な影響は、以下の通りである。
・ 州が第三者の代理人としての関係のみで活動し、原資産に対して支配力を行使しない場合(例えば、一般政
府の営業収入及び費用は、地方政府及び非政府学校のために通過移転する連邦資金を削除するために相当
する額だけ減額される。)、収入及び費用を除去する。
・ 過年度に前払いされた連邦歳入を認識し、その後、資金が供与されたその作業についての支出に合わせて
将来年度に認識する。
・ 対価の受給権が発生した時点、又は顧客に財若しくはサービスが提供された時点で収益を認識する（特
に、これは非現金の貴金属取引(主に金の在庫)並びに以前に認識された現金取引を測定する、公的非金融
法人部門における金公社の収入及び費用をグロスアップする)。
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(8) 【オーストラリア連邦の概況】
１ 政治及び外交
(a) 国家組織及び政党
オーストラリア連邦は1901年１月１日に、ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリア、クイーンズラン
ド、南オーストラリア、西オーストラリア及びタスマニアの６つの英領植民地が、英国議会で制定された
オーストラリア連邦憲法に基づいて「連邦」の州として統合されることによって、連邦国家として誕生し
た。これら諸州に加えて、オーストラリア首都特別地域(首都であるキャンベラを含む。)、オーストラリア
北部特別地域、ノーフォーク島、ココス(キーリング)諸島及びクリスマス島などの特別地域(Territories)
がある。ココス諸島及びクリスマス島は連邦政府により直接統治されている。
オーストラリアにおける連邦の立法権は、上院及び下院で構成される連邦議会に付与されている。オース
トラリアにおいて女王の権威を代表する者は連邦総督である。上院議員及び下院議員は共に全有権者の義務
投票によって選出される。上院議員は６年を任期として６州から12名ずつ選出される。各州から選出された
上院議員は３年ごとにその半数が改選される。さらに、オーストラリア首都特別地域及びオーストラリア北
部特別地域からそれぞれ２名ずつの上院議員が選出されており、これら４名の上院議員の任期は次回の下院
の総選挙までとなっている。下院は、３年を超えない期間を任期とする150名の議員により構成される。各
州の下院議員の定員はほぼその人口に比例している。一定の場合には連邦総督は上下両院を同時に解散する
ことができる。
下院が先議権を有する予算法又は税法に関する場合を除き、上院は下院と同等の権限を有している。税法
及び政府の経常サービスに関する予算法については、上院は修正権は有しないが、これを否決し又は修正要
求を付して下院に差し戻すことができる。
憲法上、連邦議会は特定の事項、例えば国防、外交、外国及び州相互間の貿易・通商、外国会社、オース
トラリア内に設立された商社又は金融会社、関税及び物品税、郵便・電信・電話といった郵政事業、通貨、
銀行業務、保険、移民、年金及び社会サービスに関する法律を制定する権限が与えられている。これらの権
限のうちいくつかは州議会の権限を排除して専権として連邦議会に与えられている。その他の権限は連邦議
会と州議会によって並行的に行使されているが、連邦議会によって制定された法律は（その権限の範囲内
で）、連邦法と州法との間に不一致がある場合はいつでも州法に優先する。連邦議会に付与されていない権
限は、憲法上一定の制限を受けるが州に帰属する。
連邦の行政権は憲法上形式的には総督に付与されている。連邦行政評議会が、オーストラリアの統治に関
して総督に助言することを目的として設けられている。この評議会は首相及び他の国務大臣によって構成さ
れている。各大臣は両院いずれかの議員であり、例外的な場合を除き、下院において過半数を占める政党又
は連合政権に属する政党の党員である。連邦政府はこれらの大臣によって構成されており、実際上の行政権
は首相と国務大臣により行使されている。
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2018年８月下旬、政権党であるオーストラリア自由党の引続く派閥間の緊張が、党首であるマルコム・
ターンブル氏の地位への挑戦を成功させた。前オーストラリア大蔵大臣であるスコット・モリソン氏がその
後自由党の党首に選ばれた。オーストラリア下院の過半数の議席を占める政党の党首として、スコット・モ
リソン氏は連邦総督により組閣の要請を受け、第30代オーストラリア連邦首相に宣誓就任した。自由党/国
民党の連立は、2019年５月18日に行われた連邦選挙まで続いた。選挙の結果、自由党/国民党の連立改造政
権となった。ほぼ３年間、世論調査では一貫して連立が劣勢であったので、この結果は番狂わせと見られ
た。2001年以来初めて、オーストラリアの連邦政府が、３期連続の任期を獲得した。
2020年９月７日現在の連邦議会の議席の内訳は以下のとおりである。
上 院 下 院
連立（政権） 36 オーストラリア・グリーンズ党 1
オーストラリア労働党 26 オーストラリア労働党 68
オーストラリア・グリーンズ党 9 センター・アライアンス 1
センター・アライアンス 1 無所属 3
無所属 1 カッター・オーストラリア党 1
ジャッキー・ランビー・ネット
1 クイーンズランド自由国民党 22
ワーク
ポーリン・ハンソンのワン・ネー
2 オーストラリア自由党 44
ション
国民党 10
合 計 76 合 計 150
出典：オーストラリア議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所並びに州及び特別地域
の裁判所に付与されている。一定の限定された事項に関して、高等裁判所は第一審裁判管轄権を有してい
る。高等裁判所はまた、連邦裁判所並びに各州及び特別地域の上級裁判所からの上訴につき管轄権を有す
る。
(b) 外交関係
オーストラリアの外交政策の基本は、自由で民主的な国家として繁栄し、オーストラリア並びに諸外国に
とって平和で繁栄的な環境の形成を助けることにある。オーストラリア政府は、他国との関係において体制
の違いは無視できないが、逆にそれだけがオーストラリアの政策を決定するものではないと考えている。共
通の価値観並びに思考があれば協調は容易であるが、それがないからといっても共通の利害関係さえあれば
協調できないという訳ではない。
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したがって、オーストラリアは、すべての諸外国、なかんずく、オーストラリアと目的を同じくする諸国
と友好的、協調的な関係を樹立し、世界の緊張緩和を目指す国際的な動きを全面的に支援するのをいとわな
い。国際連合、英連邦、その他の国際機関への加盟もオーストラリアの外交政策の重要な柱となっている。
上記諸機関並びに二国間関係においては、オーストラリアは近隣諸国との協調、世界の一般的緊張緩和及び
国際平和並びに安全保障の促進を通じて安全保障の推進と発展を目指している。
次の表は2018年11月現在オーストラリアが加盟している主な国際機関を示す。
主な金融機関
加盟年
・世界銀行グループ
- 国際復興開発銀行
1947
- 国際金融公社
1956
- 国際開発協会
1960
- 投資紛争解決国際センター
1991
- 多数国間投資保証機関
1999
・国際通貨基金（IMF） 1947
・アジア開発銀行 1966
・欧州復興開発銀行 1991
・アジアインフラ投資銀行 2015
主な非金融機関
加盟年
・国際連合
1945
・関税及び貿易に関する一般協定 1948
・イギリス連邦 1931
・経済協力開発機構 1971
・アジア太平洋経済協力（APEC） 1989
・ASEAN地域フォーラム 1994
・世界貿易機関 1995
・アジア太平洋フォーラム 1996
・環インド洋連合 1997
・G20 2008
・MIKTA（メキシコ、インドネシア、韓国、トルコ
2013
及びオーストラリア）
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２ 経済
(1)
(a) 国の経済見通し
オーストラリア経済は、COVID-19のパンデミックにより著しく影響を受け、2019/20年中0.2％縮小した。
オーストラリアの経済及び医療の結果は、多くの他の諸国の経済及び医療と比較して良好ではあったもの
の、ウィルスの蔓延及びウィルスの封じ込めのために実施された制限により、経済活動及び雇用は2020年上
半期に歴史的な落込みとなった。
西オーストラリア州同様、オーストラリア経済は成長が予想される。2020/21年の1.5％の縮小の後、封じ
込め施策が更に緩和され、企業及び消費者の心理が改善するとともに、オーストラリアは2021/22年に実質
ベースで4.75％の成長が見込まれる。経済活動はまた、支出及び投資を支える2020/21年予算で発表された
新施策を含む、政府の経済支援により大きく支えられるであろう。
国全体の家計消費は予測期間に回復が予測される。連邦大蔵省は、消費は短期的に急速に上昇するが、
COVID-19に伴う制限の継続、不確実性の増大、消費者マインドの落ち込み及び家計の勤労所得の低下を反映
し、2021年末まではCOVID-19以前の水準以下を維持すると予想する。家計消費は2020/21年に1.5％減少し、
その後2021/22年に7％上昇すると予想する。
全国の住宅投資は短期的には弱含みと予想され、2020/21年には11％減と予測されている。2020年６月四
半期の急激な縮小は主に前から存在した減速を反映する。着工が引き続き減り、メルボルンにおけるステー
ジ４の制限が特に集合住宅開発事業地において活動レベルを低減するため、更なる減少が2020年９月四半期
に予想される。しかし、新規住宅建設需要の先行指標及び産業との関係は、ホームビルダー制度が他の住宅
政策及び低金利と共に、需要をけん引し、2020年後半から2021年にかけて活動を著しく支えることを示唆す
る。住宅投資は2021/22年に最大７％の増加が予想される。
オーストラリアの雇用は、COVID-19による仕事喪失の影響を反映し、2019年９月四半期と比較して2020年
９月四半期は2.6％の減少であった。雇用の伸びは2020/21年には2.75％に回復し、その後2021/22年には
1.75％へと低下すると予測される。失業率は2021年６月四半期には7.25％と予測されるが、その後2023/24
年までに徐々に5.5％まで低下すると予想される。短期的な労働市場環境の低調さを反映し、賃金の成長は
低迷が予想され、WPIは2020/21年に1.25％増加し、その後環境の改善に伴い2023/24年には2.25％の成長が
予想されている。
インフレ率は、2020年下半期の保育政策の巻き戻し及び管理価格の変更が要因となり、2020/21年に約
1.75％と予想される。しかし、経済の過剰能力を反映し、価格圧力は予測期間を通じて弱さが継続すると予
想される。したがって、CPIの成長は、予測推計の終わりまでRBAの目標幅である２％から３％の下限に戻る
とは予想されない。
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公的最終需要は、COVID-19パンデミックの影響を支援するために医療及びその他必須サービスに対する継
続的な支出が要因となり、2020/21年に5.75％及び2021/22年に2.5％の成長が見込まれる。さらに、「国家
障害保険制度」への支出の増加並びにインフラストラクチャー及び「全国ブロードバンドネットワーク」へ
の追加投資が2021/22年に経済活動を支援する。2020/21年予算で公表された重要な経済支援策を含む、多く
の他の政府方針による影響は、公的最終需要よりも、家計消費及び民間投資等の経済の他の分野で明白とな
る。
脚注：(1) この見通しは2020/21年連邦予算及び2019/20年最終予算結果 から抜粋したものである。
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(b) 産業構造及び主要産業の最近の状況
次の表は、2019/20年に終了した５年間の国内総生産を産業構成要素別に示したものである。
産業別粗付加価値国内総生産 － ６月30日終了年度(時価)
(単位：百万ドル)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
農業、林業、漁業 39,909 47,662 45,444 41,428 37,683
鉱業 96,776 133,705 151,061 192,965 206,796
製造業 100,933 102,223 106,979 110,217 113,561
電気、ガス、水道及び廃棄物 41,046 44,008 46,490 48,087 47,333
建設業 131,333 133,535 142,063 144,369 142,331
卸売業 66,463 68,783 70,232 71,848 75,152
小売業 73,530 75,474 76,971 79,558 81,473
宿泊及び飲食業 40,390 41,234 42,475 44,293 39,623
運輸、郵便及び倉庫業 80,141 83,205 85,444 89,584 89,284
情報メディア及び電気通信業 44,000 43,601 44,413 43,032 43,716
金融及び保険業 145,301 151,364 158,615 164,115 165,278
賃貸及び不動産業 50,156 53,215 54,567 55,989 53,685
専門家、科学技術サービス 109,011 118,255 126,052 133,329 141,431
管理及び支援サービス 53,469 56,416 62,167 66,700 66,184
行政及び安全 91,226 93,175 95,675 101,782 106,553
教育及び訓練 80,819 83,600 87,380 92,028 94,776
保健及び社会扶助 112,969 119,370 127,075 137,998 143,730
芸術及び娯楽サービス 13,809 14,070 15,044 15,781 15,270
その他サービス 29,891 31,229 32,502 34,168 30,485
住宅所有 142,722 148,335 153,513 159,154 164,547
全産業合計 1,543,894 1,642,459 1,724,162 1,826,425 1,858,892
全産業税金マイナス補助金合
116,820 119,912 124,398 126,255 125,276
計
全産業統計誤差合計 0 0 0 0 1,270
合計 1,660,714 1,762,371 1,848,560 1,952,680 1,985,438
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0、表10
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(c) 通貨・金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦政府に与えている。オーストラリア通貨の発行量に関する法
令上の制限は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させうる。オーストラリアの銀行券はオースト
ラリア準備銀行(「準備銀行」)によって５ドル、10ドル、20ドル、50ドル及び100ドルの券種で印刷及び
発行され、準備銀行の全支店における発券センターを通じて商業銀行に配付される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行(準備銀行)、商業銀行、貯蓄銀行及び特殊銀行で構成されてい
る。一般に、中央銀行である準備銀行の義務、権限、業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すな
わち紙幣の管理及び発行、通貨及び流動性の管理政策、連邦政府証券の市場操作、連邦のための金融並び
に国庫代理業務及び為替管理の運営等である。また、準備銀行は銀行預金者の利益を保護する義務があ
る。準備銀行のすべての負債の支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関及び資本市場
銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、生命保険・損害保険会社、年金基金、金融会社、恒久
住宅信用協会、信用組合、融資業者及び短期資金市場の公認ディーラーである。これらの金融機関はオー
ストラリアの金融部門の資産の過半を占める。1980年以来、キャッシュ・マネジメント・トラストが民間
部門における投資先として重要性を増してきている。これらの機関は共に広範囲な金融サービスを行い、
金融制度の発展並びにオーストラリア経済の発展に重要な貢献をしてきた。
３ 貿易及び国際収支
(a) 概況
オーストラリアの経済において、外国貿易は重要な役割を果たしている。2019/20年までの５会計年度に
おけるオーストラリアの貿易・サービス収支は次の表に示すとおりである。
貿易・サービス収支（時価）
(単位：百万ドル)
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
輸出 244,029 291,406 315,342 373,509 382,494
輸入 -271,563 -277,822 -302,677 -320,008 -311,086
純輸出 -27,534 13,584 12,665 53,501 71,408
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0、表１
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(b) 商品及び地域別輸出入
2019/20年までの５年間のオーストラリアの産業別輸出入の構成は次のとおりである。
主要商品別輸出 － ６月30日終了年度
(単位：百万ドル)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
輸出(FOB価格)
農業 14,333 16,975 15,535 14,004 13,178
農業に対するサービス 1,341 1,926 2,221 2,587 971
森林及び材木 450 632 651 666 607
商業漁業 422 377 457 421 520
石炭鉱業 34,543 54,237 60,380 69,595 54,623
原油及びガス採掘 22,309 28,090 38,211 59,272 57,718
金属鉱業 59,036 72,659 73,107 90,159 116,867
その他鉱業 982 1,219 2,093 2,070 1,683
食品、飲料及びタバコ製造 26,917 27,367 29,220 31,372 33,154
繊維、衣料、履物及び
2,281 2,044 2,143 2,068 1,758
皮革製造
木製品 1,342 1,354 1,555 1,800 1,441
印刷、出版及び記録メディ
310 300 315 305 284
ア
石油、石炭、化学及び
8,893 9,692 11,222 13,407 13,699
関連製品製造
非金属鉱産物製品製造 218 221 230 242 232
金属製品製造 34,203 37,528 40,877 45,521 45,855
機械及び機器製造 13,987 13,868 14,378 15,671 15,967
その他製造業 2,300 2,263 2,080 2,364 2,662
その他(上記以外) 19,556 20,128 19,804 21,097 20,547
輸出合計 243,423 290,880 314,479 372,621 381,766
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0、表32a及び表35a
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主要商品別輸入 － ６月30日終了年度
(単位：百万ドル)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
輸入(税関価格)
農業 1,604 1,677 1,666 1,808 2,013
農業に対するサービス 9 11 10 11 13
森林及び材木 127 120 152 153 120
商業漁業 163 167 175 178 175
石炭鉱業 26 39 71 60 73
原油及びガス採掘 7,882 8,861 12,028 13,776 9,679
金属鉱業 762 960 1,227 816 803
その他鉱業 323 251 247 251 241
食品、飲料及び
17,077 16,998 17,635 19,604 20,856
タバコ製造
繊維、衣料、履物及び
16,909 16,273 16,615 18,647 18,684
皮革製造
木製品 2,093 2,049 2,348 2,407 2,150
印刷、出版及び記録メディ
1,726 1,581 1,595 1,530 1,427
ア
石油、石炭、化学及び
52,105 53,740 59,212 65,419 65,287
関連製品製造
非金属鉱産物製品製造 3,243 3,160 3,369 3,498 3,444
金属製品製造 23,210 21,635 23,045 22,755 25,733
輸送機器製造 40,549 42,146 52,130 44,819 39,016
機械及び機器製造 77,414 74,030 84,319 91,308 90,811
その他製造業 9,757 9,413 9,809 10,652 10,482
その他(上記以外) 8,283 10,896 15,508 8,945 7,621
輸入合計 263,262 264,007 301,161 306,637 298,628
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0、表32a及び表35a
(注) オーストラリア統計局は、輸出を「本船渡し」(f.o.b.)ベース(商品が物理的にオーストラリアを離れるときの価格、
すなわち主なオーストラリアの輸出港におけるf.o.b.)で、輸入を「税関価格」で測定する。
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(1)
地域別貿易（輸出）の割合（％） － ６月30日終了年度
輸出 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
中国 30.8 32.7 33.6 36.0 39.4
日本 14.5 14.2 15.3 15.6 13.8
韓国 7.0 6.7 6.6 6.7 6.6
インド 3.9 5.2 5.1 4.3 2.8
台湾 2.5 2.8 2.9 3.3 3.1
アメリカ合衆国 5.4 4.1 3.7 3.8 4.6
香港 3.6 4.4 3.6 2.1 1.8
ニュージーランド 3.5 3.0 2.9 2.7 2.6
シンガポール 2.2 2.0 2.5 2.8 3.2
インドネシア 2.0 2.1 2.1 1.7 1.5
その他 24.5 22.8 21.6 20.9 20.6
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1)
地域別貿易（輸入）の割合（％） － ６月30日終了年度
輸入 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
中国 25.2 21.0 21.5 20.9 21.2
アメリカ合衆国 12.3 10.1 9.5 8.8 9.5
日本 7.9 7.1 7.0 5.9 5.0
韓国 5.4 3.8 6.9 3.3 2.7
タイ 6.0 4.8 4.8 3.9 3.8
ドイツ 5.4 4.6 4.7 4.0 3.6
マレーシア 4.0 3.5 3.7 3.3 2.6
シンガポール 3.1 2.8 3.0 2.9 2.4
ニュージーランド 3.2 2.6 2.5 2.1 2.0
英国 3.1 2.3 2.3 1.9 1.8
その他 24.4 37.2 34.3 42.9 45.4
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0、表14ａ及び表14ｂ
注:(1) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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(c) 日本との貿易
日本は、2019/20年にオーストラリアの輸出の13.8％を占める、オーストラリアにとり中国に続き２番目
に重要な輸出市場である。日本への輸出額は2019/20年に527億ドルであり、これは前年の581億ドルから減
少した。
日本は、2019/20年に５％のシェアを占めるオーストラリアの第３位の輸入元であった。2019/20年の日本
からの輸入額は191億ドルであった。
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(d) 国際収支
次の表は2019/20年までの５年間のオーストラリアの国際収支を示している。
国際収支 － ６月30日終了年度
(単位：百万ドル)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
経常取引
商品輸出 244,029 291,481 315,257 373,339 382,632
商品輸入 -271,563 -277,822 -302,404 -320,008 -312,097
貿易収支 -27,534 13,659 12,853 53,331 70,535
サービス受取 75,676 82,288 88,103 97,403 94,016
サービス支払 -85,932 -85,076 -93,241 -101,665 -87,138
サービス収支(純額) -10,256 -2,788 -5,138 -4,262 6,878
貿易・サービス収支 -37,790 10,871 7,715 49,069 77,413
所得・移転収支受取 61,061 63,691 67,648 80,420 78,896
所得・移転収支支払 -101,224 -113,372 -127,142 -143,593 -120,501
所得・移転収支(純額) -40,163 -49,681 -59,494 -63,173 -41,605
経常収支 -77,953 -38,811 -51,779 -14,103 35,808
資本及び金融勘定
資本移転 -695 -580 -849 -811 -751
非金融資産移転 26 141 169 41 -365
資本勘定 -669 -439 -680 -770 -1,116
直接投資 61,924 65,563 61,660 66,226 27,599
ポートフォリオ投資 -35,283 20,324 20,162 -86,122 -29,691
その他投資 55,111 -23,334 -14,557 46,164 -55,791
金融デリバティブ -4,211 -1,280 -15,519 -9,778 4,755
準備資産 2,394 -19,630 8,952 3,786 18,522
金融勘定 79,935 41,643 60,698 20,276 -34,607
誤差脱漏 -1,313 -2,393 -8,239 -5,403 -86
資本・金融勘定収支 79,266 41,204 60,018 19,506 -35,723
(注) 上記の表は、前述の表とは異なる情報源を利用しており、方法及び時期が異なるため数値は一致しない。
出典：オーストラリア統計局、目録5302.0、表30
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(e) 外貨準備
表示日現在におけるオーストラリアの公的外貨準備は、次のとおりである。
公的外貨準備 － ６月30日現在
(単位：百万ドル)
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
外貨 59,296 73,735 65,139 64,910 47,455
金 4,566 4,146 3,739 4,440 4,612
その他 5,771 6,197 6,912 8,120 9,441
合計 69,633 84,078 75,790 77,470 61,508
合計（米ドル相当額） 51,710 64,673 56,016 52,824 42,213
出典：オーストラリア準備銀行、統計リリース「公的準備資産」
(f) オーストラリア・ドルの為替レート
1983年12月の変動相場制移行後、オーストラリア・ドルは個々の通貨に対してかなり不安定な動きを見せ
たが、加重貿易指数においてはより安定的な水準の付近で取引された。1984年１月から2020年10月までの加
重貿易指数は、最低は2001年９月に記録された46.4、最高は1984年３月に記録された85.6で、平均61.6で
あった。
1983年末の変動制への移行後、豪ドルは米ドルに対して大きな幅で取引されたが、最高値は2011年７月の
1.11米ドル、最低値は2001年４月の0.48ドルであった。最近では、ここ10年間の低下の後、変動相場制移行
後の平均である約0.76米ドルよりわずかに低い米セントで取引されている。
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