中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation) 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出者 | 中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation) |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation)(E06021)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年8月4日
【事業年度】 自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日
【発行者の名称】 中国中信集団有限公司
CITIC Group Corporation
【代表者の役職氏名】 朱 鶴新
(中国中信集団有限公司 董事長)
【事務連絡者氏名】 彭 金輝
(中国中信集団有限公司 駐日本代表処 代表)
【住所】 東京都港区赤坂1丁目14番5号 アークヒルズエグゼクティブ
タワー N311
【電話番号】 (03)3584-2635
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がない限り、「人民元」と表示される全ての金額は中華人民共和国の法定通貨である人民元を
意味する。本書中、別段の記載がない限り、便宜上記載されている人民元から日本円への換算は、100円につき
6.5808人民元(2020年6月30日付で中国人民銀行が公表した人民元の日本円に対する為替相場)の換算率により行
われている。
(2) 中国中信集団有限公司及び中華人民共和国の会計年度は暦年である。
(3) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第1【募集(売出)債券の状況】
上場金融商品取
会計年度(又は
引所名又は登録
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 事業年度)末
認可金融商品取
の未償還額
引業協会名
第9回中国中信集団有限
2016年10月 28,200,000,000円 28,200,000,000円 ― ―
公司円貨債券(2016)
第10回中国中信集団有限
2016年10月 46,800,000,000円 ― 46,800,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
第11回中国中信集団有限
2016年10月 20,000,000,000円 ― 20,000,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
第12回中国中信集団有限
2016年10月 5,000,000,000円 ― 5,000,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
本会計年度中において本債券の所有者の権利に重要且つ不利な影響を与えるような出来事は発生しなかっ
た。
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第2【外国為替相場の推移】
(1)【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2)【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3)【最近日の為替相場】
該当事項なし。
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
該当事項なし。
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし。
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1)【設立】
(1)設立の目的・根拠等
中華人民共和国政府(以下「中国政府」という。)は、1978年12月に、政策の重点を近代化、改革・開放に
移行することを決定した。国務院は1979年2月に、外国資本の誘致、外国技術の導入及び中国の近代化の取組み
の加速を目的として、元・国家副主席の栄毅仁氏に中国国際信託投資公司(China International Trust and
Investment Corporation)(以下「CITIC」という。)の設立を授権した。同年6月にCITICの設立は認可され
た。
1979年7月、全国人民代表大会は、「中外合資経営企業法」を公布した。同年10月、国務院はCITICの章程
(定款)を承認し、CITICは第1回の董事会を開きCITICの成立を正式に公布した。1984年に採択された国務院の
特別指令によって、CITICは、「国務院の直属の省と同水準の企業」に関する中国法に基づく地位を取得した。
1986年及び1987年それぞれの組織変更の後、CITICは、その子会社を通じて主な事業を行う持株会社となり、
2004年には、その名称を中国国際信託投資公司から中国中信集団公司に変更した。2011年、国務院の承認を得
た後、中国中信集団公司はグループ再編を行い、その名称を中国中信集団有限公司(CITIC Group
Corporation)(以下「CITIC Group」という。)に変更した。2014年8月、CITIC Groupは大部分の資産を香港
の上場子会社である中信泰富有限公司(CITIC Pacific Limited)(以下「中信泰富」という。)へ注入し、そ
の後中信泰富は中国中信股份有限公司(CITIC Limited)(以下「中信股份」という。)と社名変更した。
CITIC Groupの定款によれば、CITIC Groupは、幅広い活動に従事する権限を有する。事業の内容は次に掲げ
る通りである。
① 中国国内外の銀行、証券、保険、信託、資産運用、先物取引、リース、ファンド、クレジットカード等を
含む金融類企業及び関連する産業を含む金融業への投資及びこれらの管理、
② 非金融業(Ⅰ エネルギー、交通等のインフラ、Ⅱ 鉱産、森林等の資源開発及び原材料工業(例:鉱産及
び森林)、Ⅲ 機械製造、Ⅳ 不動産開発、Ⅴ 情報産業:情報インフラ、基礎電信及び付加価値電信業務;イン
ターネット情報サービス業務(新聞、出版、教育、保健医療、薬品、医療器械を除く。)、Ⅵ 商業取引サービ
ス及びその他の産業:環境保護;医薬、バイオエンジニアリング及び新素材;航空、運輸、倉庫保管、ホテ
ル、旅行業;国際取引及び中国国内取引、輸出入業務、商業;教育、出版、メディア、文化及びスポーツ;コ
ンサルティングサービス)への投資及びこれらの管理、
③ 中国国外の子会社向け親子ローンの貸付;資本運営;資産管理;中国国内外の工事設計、建設、請負及び
下請け並びに労務提供;並びに認可を受けたその他の業務
(2)法的地位及び中国政府との関係
CITIC Groupの前身であるCITICは、国務院の特別指令に従い1979年に設立された。定款に基づき、CITIC
Groupは、国務院のために財政部(MOF)が持分を所有する国有企業である。持株会社として、一連の関係企業
(完全子会社、関連会社等)をもって、CITIC Groupを組成する。本店を北京に設置し、業務の発展と需要によ
り、中国国内外で関係企業、代表処を設立することができる。CITIC Group及び各子会社は全て企業法人であ
る。
政府の所有
その定款と中国の法律に従い、CITIC Groupは中国政府により所有されている。CITIC Groupの設立出資金の
全額が中国の財政部から支払われた。2018年12月31日に終了した年度中、「国有資本により社会保障基金を充
足する実行計画の発布に関する国務院通達」に従い、財政部は、CITIC Groupに対する10%の持分を全国社会保
障基金(以下「社保基金」という。)に無償譲渡することをCITIC Groupに通知した。2019年12月31日現在、財
政部はCITIC Groupに対する100%の持分を保有している。
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政府の管理
CITIC Groupは、中国の最高行政当局である国務院を代理する財政部の管理と監督下にある。CITIC Groupの
董事長及び副董事長は、財政部が董事会から任命する。CITIC Groupの董事は財政部から選任され、従業員代表
董事1名は従業員により選出される。CITIC Groupの定款は財政部の承認によってのみ変更が可能である。
CITIC Groupの定款に従い、財政部は、国務院のためにCITIC Groupの株主を務め、経営方針及び投資計画の
決定、非従業員董事及び監事の選任及び交代並びにかかる董事及び監事の報酬の決定、董事会の報告の審議及
び承認、監事会の報告の審議及び承認、年度財務予算及び財務決算の審議及び承認、利益配当案及び損失補填
案の審議及び承認、登録資本金の増加又は減少についての決議の採択、社債発行についての決議の採択、合
併、分割、会社再編、解散及び清算等の事項についての決議の採択、定款の修正、並びに法律及び行政法規に
定められるその他の職務及び権限の遂行及び行使を行う。
また、CITIC Groupの定款に従い、財政部の負う義務は次の通りである。法律、行政法規及び定款を遵守し、
法に従って出資人としての権利を行使する。定款に定められた資本金を全額期日通りに出資する。なおCITIC
Group設立後に資本逃避をしてはならない。引受済みの資本出資額の限度でCITIC Groupに対して責任を負う。
そして、法律及び行政法規に定められるその他の義務を負う。
政府の目的
1978年以来、中国は世界の国々に中国の経済を開放し、経済に市場要因を導入する政策を支持してきた。
CITIC Groupの前身であるCITICは、かかる中国政府の経済政策の実行を促進するために設立された。
CITIC Groupは中国政府の直接の管理のもとにあるが、特別又は臨時の法律、規則、その他の政府の取決めに
より、CITIC Groupの債務を中国政府が直接保証しているわけではない。
CITICは、1982年に日本で円債を発行したが、当該円債は、1949年に中国が建国されて以来初めての対外借入
れとなった。
政府の援助
CITIC Groupは、1980年代の中国の対外開放政策の窓口や、国営企業改革のパイオニアを務めてきた。中国政
府の支援を受けて、CITIC Groupの数々の事業及び功績を実現してきた。
国営企業改革の動向
中国は、経済を開放・拡大させ、革新的な政策を実行し、混合所有経済を積極的に発展させ、国有企業の改
革を深化させるための包括的な改革のさなかにある。CITIC Groupの上場子会社である中信股份は、中国の国有
企業の混合所有改革の最初の例となったものの、CITIC Groupは2019年12月31日現在、国家に100%所有されて
いる。
(3)日本との関係
CITIC Groupは、設立以来、金融、経済、貿易及び技術導入に関し日本との関係を重視している。日本との関
係を強化するため、CITIC Groupは、1983年5月に東京に代表処を設立した。
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(2)【資本構成】
2019年12月31日現在
(単位:千人民元) (単位:千円)
銀行及びその他借入金
銀行借入金 133,501,019 2,028,644,223
2,499,475 37,981,324
その他の借入金
小計 136,000,494 2,066,625,547
発行済債務証書
1年以内又は随時発行 543,319,936 8,256,138,099
1年超2年以内 21,318,415 323,948,684
2年超5年以内 48,237,092 732,997,386
126,698,128 1,925,269,390
5年超
小計 739,573,571 11,238,353,559
所有者持分
払込資本金 205,311,476 3,119,855,884
資本準備金 (5,660,066) (86,008,783)
その他の包括利益 5,131,387 77,975,125
剰余積立金 6,555,507 99,615,655
別途積立金 34,422,180 523,069,840
利益剰余金 117,600,675 1,787,027,033
363,361,159 5,521,534,753
会社所有者に帰属する所有者持分の合計
非支配持分 493,934,096 7,505,684,658
所有者持分合計 857,295,255 13,027,219,411
1,732,869,320 26,332,198,517
総資本
(注) 総資本は、借入総額及び所有者持分合計を表す。
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(3)【組織】
(1)董事会
CITIC Groupは8名からなる董事会を設けている。董事会は、董事長1名、副董事長1名、従業員代表董事1名及
び他5名の董事により構成される。従業員代表董事は従業員により選出され、CITIC Groupの董事長及び副董事
長を含む非従業員董事は国務院により任免される。
董事会は、以下の職権を行使する。
① CITIC Groupの経営方針及び投資計画の立案
② CITIC Groupの経営計画及び投資プログラムの決定
③ CITIC Groupの年度財務予算案及び決算案の作成
④ CITIC Groupの利益配当案及び損失補填案の作成
⑤ CITIC Groupの登録資本金の増加又は減少案及び社債発行案の作成
⑥ CITIC Groupの合併案、分割案、解散案又は会社形態の変更案の作成
⑦ CITIC Groupの定款の修正案の作成
⑧ CITIC Groupの総経理及びその他の高級管理人員の任免
⑨ 総経理の業務報告の審議及び承認
⑩ CITIC Groupの管理責任者の報酬制度の審議及び決定
⑪ CITIC Groupの内部管理機構の設置の決定
⑫ CITIC Groupの基本的管理制度の制定
⑬ CITIC Groupの外部監査を行う会計士事務所の任免
⑭ 国務院が付与したその他の職務及び権限の遂行及び行使
CITIC Groupの董事会の2019年12月31日における構成員は次の通りである。
常振明(董事長)
執行董事:
王炯(副董事長)
李慶萍
非執行董事: 宋康楽
厳淑琴
劉祝余
彭艶祥
従業員代表董事: 王斌
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初代董事長の榮毅仁氏は1993年3月に、全国人民代表大会において国家副主席に選出されて、CITIC Groupの
董事長職を退任した。その後任董事長の魏鳴一氏は1995年4月17日に董事長を退任し、同日王軍氏が董事長に就
任した。王軍氏は2006年7月27日に退任し、同日孔丹氏が董事長に就任した。2010年12月末、国務院は、CITIC
Groupの董事会の構成員の変更を監督した。常振明氏が董事長に任命され、孔丹氏は董事長を退任した。2020年
3月20日に常振明氏は退任し、同日朱鶴新氏が董事長に就任した。
(2)経営管理機構構成員
CITIC Groupには董事会により任命される総経理1名がいる。2019年12月31日現在、CITIC Groupの総経理は王
炯氏である。
総経理は、CITIC Groupの経営管理業務を統括し、董事会の決議の実施を取りまとめ、年度経営計画及び投資
案の実施を取りまとめ、内部管理機構の設置案の立案、基本的管理制度の立案、従業員の給与案及び賞罰案の
制定、個別的規則の制定、董事会が任免すべき者以外の責任者の任免、並びに董事会から付与されるその他の
職務及び権限の遂行及び行使を行う。総経理は、董事会会議に列席するものとする。
(3)監事会
定款に従い、CITIC Groupは、5名乃至7名により構成される監事会を設けており、そのうち3分の1超の監事が
従業員により選出された従業員代表監事でなければならない。監事会主席は、監事会の構成員の中から財政部
により指名される。董事及び経営管理者が監事に任命されることはない。監事会は、CITIC Groupの財務を検査
し、董事及び高級管理人員の職務遂行時の行為を監督し、法律、行政法規、CITIC Groupの定款又は財政部の決
定に違反している董事又は高級管理人員の罷免を提議し、董事又は高級管理人員がCITIC Groupの利益に損害を
与える場合に、董事又は高級管理人員に対して、その是正を要求し、法律、行政法規及び定款により付与され
るその他の職務及び権限を遂行及び行使する。
(4)各部署の責任及び役割
① 弁公庁
会議を調整し、CITIC Groupの重要文書の準備及び検討を行い、各種ライセンスの毎年の見直しを担当し、日
常事務を処理し、情報提供をし、CITIC Groupの財務の方針及び政策原則を検討し、中国国内外の連絡及び秘書
総務を行い、渉外事務を指導し、労働上の安全の問題を管理する。
② 董事会室
日常事務の処理に関する董事会構成員の秘書役の補佐をし、董事会会議及び株主総会の開催・準備をし、情
報開示の計画・調整をし、中国国内外の法令等を分析し、CITIC Groupの資本市場での活動を監視及び分析し、
投資家との関係調整等を行う。
③ 監事会室
関連する監事会規則、業務計画書、監事会の業務報告書その他の資料を立案し、監事会及び監事長室会議の
文書、議事録及び報告書等の準備をする。
④ 戦略開発部
CITIC Groupの資産状況の評価と管理をし、中長期開発計画に関する研究をし、組織再編を計画し、戦略全般
を実行し、子会社の年度経営目標を設定する。
⑤ 財務部
財務を管理し、CITIC Groupの財務計画を立案し、財務諸表を作成し、CITIC Groupの資産を管理し、会計業
務を管理する。
⑥ 資金部
グループの資金システムを確立し、CITIC Groupの資金調達計画及び様々な資金政策を実行し、子会社の資金
調達計画の指導及び監督を行い、資金面におけるリスク管理、金融市場取引、資金情報の管理等について責任
を負う。
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⑦ 人事部
CITIC Groupの人事管理制度を確立し、CITIC Group及びその海外子会社の全ての機能部門の人事管理を担当
し、子会社の人事業務を指導及び監督し、上級スタッフの雇用を取り計らう。退職した従業員に関する全国方
針を実行し、CITIC Group及びその子会社の退職した従業員の管理を行う。
⑧ 業務調整部
調整方針、調整メカニズム、CITIC Group、大企業及び地方政府の間の各段階における戦略的協力関係を展開
し、金融子会社と非金融子会社間の調整業務を指導及び管理する。
⑨ リーガル・コンプライアンス部
内部統制及びリスク管理に責任を負い、CITIC Group及びその子会社のために法律関連の業務及び支援を行
い、CITIC Groupの仲裁及び訴訟を指導し、CITIC Groupの商標の維持及び管理を取り計らい、外部の弁護士及
び専門家を起用し、業務における法令順守を確保する。
⑩ 内部監査部
内部監査、審議を確立し、リスク管理及び内部統制の方法を評価及び改善し、CITIC Groupの子会社のリスク
管理及び内部統制の方法を監督する。
⑪ 経営情報センター
CITIC Group及びその子会社の実施計画を立案し、技術的援助を行い、情報技術問題を取り扱う。また、中国
国内外の企業及び機関と連絡し、意見を交換し、情報の収集、分析を行う。
⑫ 企業文化部
CITIC Groupの党委員会の中核業務に軸を置き、党委員会の概要、原則及び方針を公表し、党委員会の組織的
利益を蓄積し、先進的な企業風土を構築し、従業員の調和及び安定性を維持する。また、企業の中核的な競争
力を強化するため及びCITIC Groupの包括的、協調的かつ持続可能な発展を促進するために、観念的、組織的、
誠実かつ文化的な支援を提供する。
⑬ 党委員会巡視室
巡視チームの年次業務計画を起草し、巡視チームからリーダーに提出された報告書の検討及び修正をし、事
業の経営及び運営の監督において巡視チームと協力し、巡視チームと関連部署間の調整を行う。
⑭ 労働組合
労働者の利益を代表し、労働者のための文化活動及びスポーツ活動をとりまとめ、女性労働者委員会等を指
導する。
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(4)【業務の概況】
(1)業務の内容
① CITIC Groupの戦略
CITIC Groupは、戦略主導で革新的且つ高い付加価値のある成長を追及することで中国最大の一流の国際コン
グロマリットとなることに最大限の努力を投じる。CITIC Groupは、(ⅰ)何年にもわたる事業経営に起因し蓄積
した全体的な強みを更に強化し、(ⅱ)中国経済及び中国経済のグローバル化の進化によってもたらされる機会
を掴み、(ⅲ)「革新的、強調的、環境への配慮、公平及び共有」を向上概念として着実に実行し、(iv)市場主
導及び顧客中心の事業モデルを導入することで企業価値を最大化する。
CITIC Groupの活動方針は以下の通りである。
・新しい視点をもって既存事業を向上させる
CITIC Groupプラットフォームの利益を最大化することを目指す。
市場の需要を予測することにより、革新を通じて付加価値の高い製品及びサービスを開発する。
グループのシナジーを最大にするために同種の事業を統合する。
質と競争力を高め、生産性を高め、コストを削減する。
金融事業と非金融事業の安定した開発に向けて努力する。
・中国の発展方向に連動する分野への新規投資に注力し、国際投資を継続する
CITIC Groupの事業相互の間に更なる統合とつながりをもたらす機会を探る。
合併及び買収を通じた中国における統合の機会を見極めるために、強力な競争優位性を更に強化する。
中国の将来の発展方向と連動させるために、消費セクター、環境及び新経済産業への注力を高める。
統合された形でCITIC Groupの事業を促進するために、国際投資を継続する。
・長期的に株主価値を高めるために、引き続き規範的な資本配分を行い、優良なクレジットヒストリーを維
持する
資本計画及び資本配分に向け規律ある取組みを導入し、事業ポートフォリオを引き続き最適化する。
資本効率及びキャッシュ・フローを改善する。
資金調達力を強化し、優良なクレジットヒストリーを維持する。
CITIC Group全体の価値の最大化及び継続的な成長を実現するために、引き続き厳格な資本配分規則を実
行する。
・株主持分を守るために、中信股份のコーポレート・ガバナンスにかかる国際基準をCITIC Groupにまで拡張
させ、コーポレート・ガバナンスの枠組みを向上させる
中信股份のコーポレート・ガバナンスの国際基準は、CITIC Groupに及ぶ。
CITIC Groupは、より大きな価値の創造に向け事業を導くために明確な戦略を提供し、中信股份全体の管
理を強化する。
CITIC Groupは、全ての利害関係者の権利を尊重することを保証する。
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② CITIC Groupの財務概要
2016年
2015年 2017年 2018年 2019年
(百万人民元) (再表示)
営業収益 351,538 351,114 414,412 467,387 518,931
減:営業費用合計 295,412 302,049 360,343 405,979 449,226
営業支出 150,788 157,875 205,310 238,518 258,244
営業税金及び附加税 12,992 6,451 2,967 3,790 3,627
販売及び流通費 5,894 6,401 11,260 19,043 20,039
一般及び管理費 53,635 57,968 61,652 65,411 68,621
金融費用 8,532 8,009 9,745 8,362 8,806
減損損失 63,571 65,344 69,109 N/A (6,400)
増:公正価値の変化
595 731 (732) 347 (16)
からの利益
投資収益 5,119 21,437 17,621 19,419 12,555
営業利益 61,839 71,233 71,388 82,684 83,071
増:営業外収益 3,584 2,935 2,465 3,358 2,896
減:営業外支出 1,441 1,645 550 804 1,027
企業所得税前利益 63,982 72,958 73,303 85,238 84,940
減:企業所得税 17,103 19,109 16,804 17,263 18,456
純利益 46,879 53,850 56,499 67,975 66,484
親会社の株主に帰属
23,651 21,500 21,794 30,203 25,194
する純利益
少数株主持分利益に
23,228 32,350 34,705 37,772 41,290
帰属する純利益
資産合計 5,743,130 6,520,444 6,334,564 6,771,619 7,486,778
固定資産合計 125,753 134,228 136,516 139,566 135,805
投資資産 24,290 28,650 28,136 28,955 37,249
負債合計 5,149,319 5,855,587 5,628,133 6,010,205 6,629,483
少数株主持分 325,266 374,477 401,523 426,592 493,934
所有者持分合計 593,811 664,857 706,431 761,414 857,295
債務の所有者持分に対する比率(1)
1.56 1.92 2.05 2.26 1.89
(x)
債務の所有者持分に対する比率(2)
8.67 8.81 7.97 8.51 7.73
(x)
注 (1) 借入金合計は顧客関連の預金を除く。
(2) 借入金合計は顧客関連の預金を含む。
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(2)事業セグメント
CITIC Groupは、中国本土、香港特別行政区、マカオ特別行政区、米国、オーストラリア及びカザフスタン等
を含む様々な国と地域において複数の子会社、ジョイント・ベンチャー及び関連会社を運営し、代表処を東
京、ニューヨーク及びカザフスタンに有している。
① 事業セグメントの構成図
CITIC Groupは持株会社であり、その子会社を通じて事業を行っている。以下は、CITIC Groupの主な事業組
織及び/又は部門を示す事業セグメント構成図である。
2019年12月31日現在
財政部
100%
非上場資産
CITIC Group
(注)
中信股份
(58.13%)
資源及び
金融 製造 技術契約 不動産 その他
エネルギー
中信銀行 中信資源 中信泰富特鋼 中信建設 中信城市開発 中信国際電訊
(65.97%) (59.50%) (83.85%) (100%) 運営(100%) (58.19%)
中信信託 中信鉱業国際 中信重工 中信工程設計 中信泰富地産 大昌行
(100%) (100%) (67.27%) (100%) (100%) (100%)
信誠人寿 中信金属グループ 中信戴卡 中信興業
(50%) (100%) (42.11%) (100%)
中信証券 新力能源 中信環境
(16.50%) (100%) (100%)
注 (1) 中信股份、中信資源控股有限公司(CITIC Resources Holdings Limited)(以下「中信資源」という。)、中信国
際電訊集団有限公司(CITIC Telecom International Holdings Ltd.)(以下「中信国際電訊」という。)及び大
昌行集団有限公司(Dah Chong Hong Holdings Limited)(以下「大昌行」という。)は香港証券取引所に、中信
重工機械股份有限公司(CITIC Heavy Industries Co., Ltd.)(以下「中信重工」という。)は上海証券取引所
に、中信銀行股份有限公司(China CITIC Bank Corporation Limited)(以下「中信銀行」という。)及び中信証
券股份有限公司(CITIC Securities Co., Ltd.)(以下「中信証券」という。)は香港証券取引所及び上海証券取
引所双方に、それぞれその株式が上場されている。
(2) 中信股份の完全子会社である中国中信有限公司(CITIC Corporation Limited)(以下「中信有限」という。)
が、2019年12月31日現在、中信銀行の持分を65.37%、中信証券の持分を16.50%、中信保誠人寿保険有限公司
(CITIC-Prudential Life Insurance Co., Ltd.)(以下「信誠人寿」という。)の持分を50%保有している。
(3) 2016年6月以降、CITIC Groupの不動産事業は、主に、中信泰富地産(CITIC Pacific Properties)(中信泰富地産
は、複数の企業からなる企業グループの名称である。)及び中信城市開発運営有限責任公司(CITIC Urban
Development & Operation)を通じて行われる予定である。
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非上場資産
CITIC Groupの非上場資産の主な事業部門
CITIC Group
中信数字媒体罔絡
中信資産管理 中信裕聯控股 中信鉱業科技発展 中信置業有限公司 中信云罔有限公司
有限公司
(100%) (100%) (70%) (71%) (100%)
(100%)
中信医療健康産業 中信国際合作 北京中信企業管理 中信渤海金呂業控股 中信机電制造公司
その他
(100%) (100%) (100%) (100%) (100%)
② 事業セグメントの概要
(a)金融
CITIC Groupは、銀行、証券、信託、保険等の種々のセクターで金融事業を展開している。CITIC Groupは、
中信銀行及びその子会社を通じて中国内外の銀行業務を、中信証券を通じて証券業務を、中信信託有限責任公
司(CITIC Trust Co., Ltd.)(以下「中信信託」という。)を通じて信託業務を、信誠人寿を通じて生命保険
業務を提供している。
(b)資源及びエネルギー
CITIC Groupの資源及びエネルギー事業は、エネルギー商品及び鉱物資源の探査、採鉱、加工及び交易並びに
発電に携わる広範な世界規模の事業である。CITIC Groupは、主に、中信資源、中信泰富礦業管理有限公司
(CITIC Pacific Mining Management Pty Ltd)(以下「中信鉱業国際」という。)、中信金属グループ有限公
司(CITIC Metal Group Co., Ltd.)(以下「中信金属」という。)及び新力能源開発有限公司(Sunburst
Energy Development Co., Ltd.)(以下「新力能源」という。)を通じて資源及びエネルギー業務を展開して
いる。
中信股份は、中信泰富礦業管理有限公司(CITIC Pacific Mining Management Pty Ltd)(以下「中信泰富鉱
業」という。)により管理されている中信鉱業国際を通じて、中豪鉄鋼プロジェクト(Sino Iron Project)
(「(6)その他 - (4)メタラジカル・コーポレーション・オブ・チャイナ(Metallurgical Corporation of
China)(以下「MCC」という。)の請求」において定義される。)を完全所有している。同プロジェクトは、
世界で開発されている最大規模の磁鉄鉱山の一つである。これは、西オーストラリアのピルバラ地域のカラー
サから南西に100キロメートル離れたケープ・プレストンにある。既に6つの生産ライン全てが稼働している。
生産された磁鉄鉱精鉱は、中信股份の特別鉄鋼事業部門(以下「中信泰富特鋼」という。)が運営している製
鋼所に出荷される。
(c)製造
CITIC Groupの製造事業は、主に、特殊鋼、重機、電力電子設備、自動車用アルミニウム・ホイール及び自動
車用アルミニウム鋳物から成る。
CITIC Groupは、4つの操業中の製鋼所─江陰興澄特種鋼鉄、湖北新冶鋼、青島特殊鋼及び靖江特殊鋼─を擁
して中国で特殊鋼生産に従事する最大の製造業者である中信泰富特鋼(中信泰富特鋼は、複数の企業からなる
企業グループの名称である。)を通じて特殊鋼の製造を行っている。同社の主な製造品には、棒鋼、鋼板、継
目無鋼管、鋼線、鍛鋼及び鋳造用ビレットが含まれている。これらは、自動車部品、機械製造、発電、石油及
び石油化学並びに工業セクターを含む様々な産業で広く使用されている。
CITIC Groupは、子会社である中信重工を通じて重機、電力電子設備の製造及び契約業務を行い、また、子会
社である中信戴卡股份有限公司(CITIC Dicastal Co., Ltd.)(以下「中信戴卡」という。)を通じて自動車
用アルミ・ホイール及び自動車用アルミニウム鋳物の製造を行っている。
(d)技術契約
CITIC Groupの技術契約事業は、主に、インフラ、住宅、産業建設及び地方自治体向け工学技術プロジェクト
の分野における業務の請負から成る。建設事業は、中信建設有限責任公司(CITIC Construction Co., Ltd.)
(以下「中信建設」という。)を通じて営まれ、工学設計事業は中信工程設計建設有限公司(CITIC
Engineering Design and Construction Company Limited)(以下「中信工程設計」という。)を通じて営まれ
ている。
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中信建設は、中国内外で技術請負業務を提供し、また、インフラ、住宅及び産業建設プロジェクトに従事し
ており、同時に、資源、エネルギー、農業及び環境保護への関与もますます高まりつつある。中信工程設計の
主 要事業は、建築構造、地方自治体のインフラ及び環境保護に関するプロジェクトが含まれる、都市計画及び
環境保全に注力している。同社は、EPC業務及び施工サービスだけでなく、投資も行っている。
(e)不動産
CITIC Groupの不動産事業は、主に、商業用不動産の開発、販売及び管理並びに資産統合プロジェクトから成
る。CITIC Groupの不動産業は、主に、中信城市開発運営(CITIC Urban Development and Operation Co.,
Ltd.)、中信泰富有限公司(CITIC Pacific Limited)(以下「中信泰富地産」という。)及び中信和業投資有
限責任公司(CITIC Heye Investment Co., Ltd.)(以下「中信和業」という。)を通じて営まれている。2016
年、CITIC Groupは、2016年9月時点における中国海外発展有限公司(China Overseas Land and Investment
Limited)(以下「中国海外」という。)の株式資本の約10%を表章する中国海外から発行される株式及び中国
海外の商業用不動産の一部を受取る対価として、中国における住宅不動産プロジェクトの権益の一部を売却し
た(以下「中国海外に係る取引」という。)。
(f)その他
CITIC Groupのその他の事業には、特に、情報サービス、電気通信、一般商取引、インフラ投資及び管理、環
境保護、現代農業、出版並びに一般航空が含まれる。これらの事業は、中信国際電訊、亞洲衛星控股有限公司
(Asia Satellite Telecommunications Holdings Limited)(以下「亞洲衛星」という。)、大昌行、中信興
業投資集団有限公司(CITIC Industrial Investment Group Co., Ltd.)(以下「中信興業」という。)、新香
港隧道有限公司(New Hong Kong Tunnel Company Limited)(以下「新香港隧道」という。)、中信環境投資
集団有限公司(CITIC Environment Investment Group Co., Ltd.)(以下「中信環境」という。)、中信環境
技術有限公司(CITIC Environtech Ltd)(以下「中信環境技術」という。)、中信農業投資、中信出版集團股
份有限公司(CITIC Press Corporation)(以下「中信出版」という。)及び中信海洋直升機股份有限公司
(CITIC Offshore Helicopter Co., Ltd.)(以下「中信海直」という。)を通じて営まれている。
中信股份は、マクドナルドとの提携を通じて、引き続き消費者市場における事業を拡大していく。
③ 事業セグメントの業績
以下の表は、2019年12月31日に終了した年度及び2018年12月31日に終了した年度のCITIC Groupの各事業セグ
メントの営業収益及び普通株主に帰属する利益である。
営業収益
(百万人民元)
2018年 2019年
金融 174,343 199,202
資源及びエネルギー 69,426 85,694
製造 105,574 108,458
技術契約 17,031 22,022
不動産 7,600 5,252
その他 92,388 96,021
運営管理 1,026 2,282
合計 467,387 518,931
普通株主に帰属する利益
(百万人民元)
2018年 2019年
金融 18,559 20,987
資源及びエネルギー 1,397 1,750
製造 2,809 4,034
技術契約 1,115 963
不動産 2,376 2,228
その他 1,255 1,582
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運営管理 2,878 (6,267)
セグメント間相殺 (185) (83)
合計 30,203 25,193
(a)金融
CITIC Groupの金融事業は中国において市場の主導的地位にある。CITIC Groupは、銀行、証券、信託及び保
険等の様々な金融サービスを提供している。CITIC Groupの金融事業の総資産は、2019年12月31日時点では
6,909,608百万人民元でCITIC Groupの総資産の92.29%を占め、2018年12月31日時点では6,205,992百万人民元
でCITIC Groupの総資産の91.64%を占めていた。CITIC Groupの金融事業から生み出された営業収益は、2019年
12月31日に終了した年度では199,202百万人民元でCITIC Groupの総営業収益の38.39%を占め、2018年12月31日
に終了した年度では174,343百万人民元でCITIC Groupの総営業収益の37.3%を占めていた。CITIC Groupの金融
事業から生み出された普通株主に帰属する利益は、2019年12月31日に終了した年度では20,987百万人民元、
2018年12月31日に終了した年度では18,559百万人民元であった。
以下の表は、表示期間におけるCITIC Groupの金融事業の主たる運営組織の財務情報である。
12月31日に終了した年度
2018年 2019年
普通株主に 普通株主に
収益 収益
帰属する純利益 帰属する純利益
(百万人民元)
中信銀行(1) ................
165,766 44,513 187,881 48,015
中信信託 ...................
5,365 3,358 7,183 3,593
信誠人寿(2) ................
17,522 1,104 24,885 1,794
中信証券(3) ................
51,061 9,390 57,080 12,229
注 (1) 中信有限は、2019年12月31日現在、中信銀行の持分を65.37%保有していた。
(2) 中信有限は、2019年12月31日現在、信誠人寿の持分を50.00%保有していた。
(3) 中信有限は、2019年12月31日現在、中信証券の持分を16.50%保有し、同社の筆頭株主であった。
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ⅰ. 銀行業務
CITIC Groupは、中信銀行及びその子会社を通じて中国内外の銀行業務を行っている。
中信銀行は、1987年に設立された。中信銀行は、急成長及び強い総合競争力を特徴とする国立の株式商業銀
行である。中信銀行の主な業務には、コーポレート・ファイナンス、パーソナル・ファイナンス及び金融市場
が含まれる。
以下の表は、表示期間における中信銀行及びその子会社の主要な連結財務指標及び規制指標を示したもので
ある。
12月31日に終了した年度
主要な指標 2018年 2019年
(%で表示されているものを除き、
百万人民元)
資産合計 ....................................................
6,066,714 6,750,433
営業収益 ....................................................
165,766 187,881
税引前利益 ..................................................
54,326 56,545
中信銀行の普通株主に帰属する純利益 ..........................
44,513 48,015
ROAA(%)(1) .................................................
0.77 0.76
ROAE(%)(2) .................................................
11.36 11.07
費用対収益比率(%)(3) .......................................
30.71 27.70
純金利スプレッド(%)(4) .....................................
1.85 2.04
純金利マージン(%)(5) .......................................
1.94 2.12
注 (1) ROAA=中信銀行の純利益/[期首における総資産に期末における総資産を加えたもの/2]
(2) ROAE=中信銀行の普通株主に帰属する純利益/[期首における中信銀行の普通株主に帰属する所有者持分合計に期
末における中信銀行の普通株主に帰属する所有者持分合計を加えたもの/2]
(3) 費用対収益比率=(営業費用から事業税及び課徴金を差し引いたもの)/営業収益
(4) 純金利スプレッドは、利付資産総額の平均利回りと利付負債総額の平均費用率の差を表している。
(5) 純金利マージン=純金利収益/[(期首における利付資産総額の残高に期末における利付き資産総額の残高を加え
たもの)/2]
2019年において、中信銀行は収益、質及び規模のバランスのとれた発展を達成するための安定した成長を維
持した。営業収益の合計は187.9十億人民元を記録し、前年比13%増であった。普通株主に帰属する利益は8%
増加し、48.0十億人民元となった。純利息収入は、主に融資残高の増加及び純利息マージンの拡大によって成
長基調を取り戻し、13%増加し、127.3十億人民元となった。利息以外の収入は、主に強固な銀行カード事業及
び顧客サービスによって前年比15%の安定した成長を維持し、営業収益合計への寄与度は31.9%から32.3%へ
と継続して増加した。
以下は、中信銀行及びその子会社の連結営業収益(百万人民元)である。
営業収益 パーセント 営業収益 パーセント
(百万人民元) 2019年 2019年 2018年 2018年
コーポレート・バンキング業務 93,780 50% 87,184 53%
リテール・バンキング業務 71,284 38% 57,132 35%
金融市場業務 19,476 10% 18,057 11%
その他 3,331 2% 3,386 2%
コーポレート・バンキング業務
中信銀行のコーポレート・バンキング業務では、法人、政府機関及び非金融機関に対して様々な金融商品及
び金融サービスを提供する。当該商品及びサービスには、企業向け貸出金、預金引受事業、代理人サービス、
送金及び決済サービス並びに保証サービスが含まれる。中信銀行は、投資銀行業務、サプライチェーン・ファ
イナンス、キャッシュマネジメント、オンライン及びクロスボーダーの銀行サービスなどの業務を発展させ、
取引サービスのためのエコ財務クラウド・プラットフォームを立ち上げることにより、コーポレート・バンキ
ング業務の持続可能な発展を強化した。更に、中信銀行はデットファイナンスにおける中核的競争力及び融資
規模総額における市場主導的地位の強化を続けている。
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2019年12月31日及び2018年12月31日に終了した年度において、コーポレート・バンキング業務の営業収益
は、それぞれ93,780百万人民元及び87,184百万人民元となって7.57%減少し、中信銀行の営業収益の50%を占
め、 コーポレート・バンキング業務の利息以外の純収入は、それぞれ14,073百万人民元及び14,115百万人民元
となった。
リテール・バンキング業務
リテール・バンキング業務は近年、中信銀行において最も成長している分野の一つとなっている。中信銀行
は、個人向け預金及びローン、資産管理及びプライベート・バンキング、クレジットカード、オンライン・バ
ンキング及びインターネット金融を含む様々なサービスを小口融資の顧客に提供している。中信銀行は、ティ
ア1都市における支店ネットワークを最適化し、より優れたカスタマー・エクスペリエンスの創造を図ることに
よりリテール・バンキング業務の拡大に注力してきた。更に、中信銀行は、市場浸透率を高めるために、モバ
イルインターネットの急速な拡大を活かして、インターネット金融の充実化を進め、ウェブ販売チャネルを拡
大した。
中信銀行及び百度(Baidu)が共同で設立した中信百信銀行股份有限公司(CITIC AiBank Corporation
Limited)(以下「百信銀行」という。)は、支払サービス、融資サービス及び資産運用サービスを通じて小口
取引及び頻繁な取引を支援するオンライン・プラットフォームとして2017年11月に始動し、2018年には娯楽及
び金融サービスを統合したオンラインウォレットをローンチするためにアイチーイー(iQIYI)と提携した。オ
ンライン定期預金商品が百度と同時に導入され、中信出版(CITIC Press)と共同した幅広いサービスを提供す
る携帯電話アプリが開始した。2019年12月31日現在、百信銀行の資産合計は58.9十億人民元に達し、ユーザー
数の合計は32百万人を超えた。百新銀行は合計約120十億人民元の貸付を行った。
各店舗が提供するサービスを最適化する戦略及び各店舗固有の地元顧客のプロファイルに合わせて、中信銀
行は様々な設備で費用構造の改善及びセルフサービスを含む新たなサービスの導入を店舗ネットワーク横断的
に行った。
2019年12月31日及び2018年12月31日に終了した年度において、中信銀行のリテール・バンキング業務の営業
収益は、それぞれ71,284百万人民元及び57,132百万人民元であり、それぞれ中信銀行の営業収益の38%及び
35%を占め、利息以外の純収入はそれぞれ38,748百万人民元及び28,401百万人民元であり、36%の増加となっ
た。
2019年12月31日に終了した年度において、中信銀行は約102百万の小口顧客口座を有しており、そのうち約
890,000口座は、中信銀行が管理している最低でも500,000人民元の一日平均資産を保有する中位顧客から上位
顧客の口座で、前年と比較して、それぞれ約16%及び21%の増加となった。2019年12月31日現在、中信銀行
は、1,401の支店、1,750のセルフサービス銀行、6,243のセルフサービス端末及び9,063の現金自動預入支払機
を有していた。
金融市場業務
中信銀行の金融市場業務は、通貨市場、資本市場及び国際金融市場に注力している。主要な取引商品には、
外貨、債券、貴金属及びデリバティブが含まれる。取扱業務としては、金融市場業務は債券の値付け及び引受
け業務、ストラクチャードファイナンス、国際貿易融資、銀行手形並びに資産管理商品並びにその他の様々な
専門的な投資及び融資業務を行っている。
中信銀行は債券通(Bond Connect)に参加した最初のマーケットメーカー集団の一員であった。
フィンテック
中信銀行は、フィンテックの革新を推進するためにより多くの資源を割り当て、そのフィンテックの人材確
保を拡大することにより、デジタル改革を加速し続けた。当事業年度中、中信銀行は、4.9十億人民元をフィン
テックに投資した。中信銀行は、フィンテックを通じてその事業ラインを強化し、サービスの正確性および効
率性を向上させるための100を超えるAIソリューションを立ち上げることに成功した。過去2年間において、中
信銀行は、20を超える銀行を引き込んだ、2019年末の時点で累計100十億人民元を超える売上高を上げた、貿易
金融ブロックチェーンを継続して充実させてきた。
ⅱ. 信託業務
CITIC Groupは、完全所有する中信信託を通じて信託業務を行っており、本書の日付現在、中信信託の株式の
80%は中信有限が所有しており、20%は中信興業が所有している。中信興業信託投資(CITIC Xingye Trust
Investment Co., Ltd.から改称)は、1988年に設立された。
中信信託は、投資、融資及び資産管理業務に関して幅広い総合的ソリューションを提供している。中信信託
は独自の金融商品及びサービスを多数導入しており、デットファイナンス及び受託業務のほか、有価証券、プ
ライベートエクイティ・ファンド、資産流動化及びメザニンファンド等の多様な金融商品を活用する多岐にわ
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たる金融ソリューションに関して革新を行い続けている。中信信託は受託資金をいくつかの主要産業に分けて
配分しており、これにより、同社は変化する市場機会に合わせて投資ポートフォリオを調整することができて
い る。中信信託が現在投資対象としている主たる分野には、インフラ、不動産、エネルギー及び資源、製造、
農業並びに金融機関が含まれる。
中信信託の運用資産は、2019年12月31日現在で合計1,574.2十億人民元であった。
以下の表は、表示された期間における中信信託の主要な財務指標を示したものである。
終了した年度/12月31日時点
財務指標
2018年 2019年
(百万人民元)
資産合計 ..............................................
37,913 42,403
純資産 ................................................
25,213 30,853
営業収益 ..............................................
5,365 7,183
税引前利益 ............................................
4,540 4,767
CITIC Groupの普通株主に帰属する純利益 .................
3,358 3,593
信託運用資産残高....................................... 1,652,197 1,574,155
ⅲ. 保険業務
信誠人寿は2000年に設立された。中信有限とプルデンシャル生命(Prudential plc)がそれぞれ50%ずつ持
分を保有している。信誠人寿は、主に、生命保険、健康保険及び傷害保険並びにこれらの保険の再保険の提供
業務に従事している。
以下の表は、表示された期間における信誠人寿の主要な財務指標を示したものである。
12月31日に終了した年度
財務指標
2018年 2019年
(百万人民元)
資産合計 ...............................................
74,640 104,105
純資産 .................................................
6,509 9,181
総計上収入保険料........................................ 15,385 21,344
純利益 .................................................
1,104 1,794
・商品
信誠人寿の商品には主として生命保険、傷害保険及び健康保険があり、そのうち、生命保険が主たる営業
収益源である。以下は、信誠人寿の主要商品の一部に関する概要である。
・生命保険
生命保険商品には、従来型の生命保険、利益配当付生命保険、ユニバーサル生命保険及び投資連動保険が
あり、そのうち利益配当付生命保険商品が信誠人寿の総計上収入保険料の大半を生み出している。利益配当
付生命保険は、従来型の生命保険及び投資商品の特性を組み合わせており、保険、貯蓄及び投資に対する顧
客の要求を一つの商品で満足することができる。
・傷害保険
傷害保険商品には、事故又は保険契約に規定されているその他の事象による死亡、障害及び保険契約者の
保険契約に定められているその他の状態に対する補償金の給付が含まれている。
・健康保険
健康保険商品は、保険契約者に疾病及び医療に対する保険を提供し、短期健康保険と長期健康保険に分け
られている。
・販売
信誠人寿は、代理店及びバンカシュアランスという2つの主要な販売チャネルを有している。バンカシュア
ランス・チャネルが価値の増大並びに商品の組合せ及び構成の最適化を図るために再編された一方で、代理
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店の力は急速に増大している。バンカシュアランス・チャネルの事業変革は当年中効果的に進んだ。新たな
販売チャネルを確立するために、銀行との協力が強化された。
・保険ファンドの投資
保険ファンドの投資合計は、当年中、38%増加して91十億人民元となり、その一方、非投資関連勘定の投
資可能資産は29%増加して73.1十億人民元となった。一方で、投資ポートフォリオは引き続き最適化され、
長期的な投資収益のための堅実な基盤を提供している。柔軟な投資戦略の適用により、非投資関連勘定から
の総投資の利回りは、前年比46%増加の3.5十億人民元となった強力な投資収益を反映し、著しく増加した。
ⅳ. 証券業務
中信証券(SSE証券コード:600030、証券取引所証券コード:6030)は、1995年に設立された。
中信証券は、中国証券監督管理委員会(以下「中国証監会」という。)により承認された最初の総合証券会
社の一つである。中信証券の主要業務には、投資銀行業務、仲介業務、資産管理業務及び取引業務が含まれ
る。
以下の表は、表示された期間における中信証券の主要な財務指標及び規制指標を示したものである。
終了した年度/12月31日時点
財務指標
2018年 2019年
(百万人民元)
資産合計 ................................................
653,133 791,722
中信証券の株主に帰属する所有者持分の合計................. 153,141 161,625
総営業収益............................................... 51,061 57,080
企業所得税前利益 ........................................
12,466 16,995
中信証券の普通株主に帰属する純利益 ......................
9,390 12,229
12月31日時点
主要な規制指標 2018年 2019年
(%で表示されているものを除き、
百万人民元)
純資本................................................... 91,996 94,904
純資本/総リスク資本剰余金 (%) ..........................
183.92 166.90
純資本/純資産(%) .......................................
73.32 71.06
純資本/負債合計(%) .....................................
28.91 23.35
純資産/負債合計(%) .....................................
39.44 32.86
所有株式及び所有デリバティブの価値/純資本 (%)...........
28.91 48.40
所有債券の価値/純資本 (%)...............................
230.75 289.59
以下の表は、表示された期間における中信証券の様々な業務から得られた営業収益を示したものである。
12月31日に終了した年度
手数料収入
2018年 2019年
(百万人民元)
ウェルス・マネジメント................................... 10,382 9,554
投資銀行業務............................................. 2,968 4,308
証券取引................................................. 160 12,241
資産管理業務............................................. 6,146 7,375
その他................................................... 639 9,661
手数料経費............................................... 2,868 3,493
純手数料収入............................................. 17,427 39,646
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中信証券は、投資銀行業務、仲介業務、資産管理業務及び証券取引業務を行う中国最大手の証券会社であ
る。
投資銀行業務
エクイティファイナンス事業において、中信証券は、引き続き顧客基盤及び商品ラインナップを拡大する一
方で、新しいタイプの事業開発に重点を置いた。報告期間中、エクイティファイナンスチームは新しい科創板
(STAR Market)において9件のIPOを実行し、転換社債、市場志向型デット・エクイティ・スワップ及び国有企
業の一部民営化改革に関連する金融取引を含むその他の新たなビジネス機会の獲得において大きな進展を遂げ
た。2019年、同社は、総額279.8十億人民元にのぼる合計81件のA株の主幹事としての引受取引(私募を含
む。)を遂行した。かかる取引は市場シェアの18.2%を占め、中信証券は業界首位の地位を維持した。さらに
同社は、香港において17件のIPOを実行し、IPOスポンサーの総数につき第2位となった。
中信証券は、発行市場での債券発行の回復に伴い、引き続き統合ビジネス・プラットフォームを活用して、
デットファイナンス及びストラクチャードファイナンスにおける包括的なサービスを顧客に提供してきた。
2019年において、同社は合計1,981件の債券(転換社債及び交換可能債券を含む。)を引き受け、ストラク
チャードファイナンス取引の取引額は1,001.5十億人民元にのぼり、業界トップの地位を維持した。海外市場に
おいては、同社は中国本土、香港、シンガポール、フィリピン及びインドの顧客に対して、当年中に61件の
デット取引を遂行した。
中信証券は、A株企業の大型資産の再編において、163.3十億人民元の取引額で業界首位となった。また同社
は、20件のクロスボーダーの大型M&Aプロジェクトを実行した。
中信証券は主幹事として、中国の新たな店頭市場において20社の企業を監督し、6社が2つの店頭市場区分の
うち上位に入った。
ウェルス・マネジメント業務
中信証券は、報告期間において、より包括的な範囲の金融ソリューションを顧客に提供するため、仲介業務
の改革を行った。また同社は、顧客のニーズにより良く応えるため、引き続きウェルス・マネジメント・サー
ビス・プラットフォームを強化した。2019年末までに、株式及びファンドの合計取引高は15.5兆人民元に達し
業界首位であった一方、その他の金融商品の合計取引高は778.3十億人民元であった。個人顧客及び法人顧客の
数はそれぞれ8.7百万及び37,000であり、保管総資産は5.8兆人民元に達した。
資産管理業務
中信証券の資産管理業務は、機関投資家及びリテールの両顧客向けに事業を行っており、コーポレート部門
に重点を置いている。当年末の時点で同業務の総運用資産は1,394.8十億人民元であり、アクティブ運用されて
いるファンド合計は698.3十億人民元であり、どちらの基準でも業界首位となった。
報告期間末において、華夏基金(China AMC)の運用資産は1,032.1十億人民元であり、そのうち公的資金の
運用資産は2018年と比較して金額にして17%増加した。同社のエクイティファンドの運用資産は業界最大で、
機関投資家向け業務の運用資産は主導的地位を維持した。
証券取引業務
中信証券の証券取引業務には、売買差益を収益とする事業及び自己勘定事業の両方が含まれる。売買差益を
収益とする事業は、株式の売買、確定利付商品、コモディティ取引及び証券ファイナンスを含む金融サービス
を提供している。2019年、同社は、金利連動商品の合計売上高で市場を牽引する地位を維持した。
投資業務
中信証券の代替投資子会社である中信証券投資(CITIC Securities Investment)は、テクノロジー、高度製
造、革新的サービス及びヘルスケアを含む幅広い業界に対して投資を行っている。投資チームは、初期段階の
企業に対する投資に重点を置き、2019年において科創板への上場を狙う多くの技術革新的企業を支援した。
国際的には、中信証券投資のチームは、統合プラットフォームを活用し投資活動を強化している。プライ
ベートエクイティ・ファンドの資金調達及び管理に係る中信証券のプラットフォームである金石投資
(Goldstone Investment)は、2019年に15件のプライベートエクイティ・ファンドを運用した。報告期間中、
高度製造、ヘルスケア及び健康管理、ビッグデータ並びにクリーンエネルギー等の分野を対象とし、海外市場
において4十億人民元超を投資した。
(b)資源及びエネルギー
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CITIC Groupの資源及びエネルギー事業は、エネルギー製品及び鉱物資源の探査、採鉱、加工及び交易並びに
発電から成る。CITIC Groupは、中信資源、中信鉱業国際、中信金属グループ及び新力能源を通じて資源及びエ
ネ ルギー事業を行っている。
2019年、資源及びエネルギー事業は、2018年と比較して43%超増となる3,015百万香港ドルの利益を実現し
た。この増加は、主として、2019年における堅調な鉄鉱石の平均価格及び継続的な価格管理の恩恵を受けた中
豪鉄鋼(Sino Iron)(以下「Sino Iron」という。)の寄与によるものである。
2019年、鉄鉱石の価格は上昇した一方、原油、精錬アルミニウム及び石炭の価格は平均して2018年より下落
した。Sino Ironは2013年の業務開始以降初めて利益をあげた。中信資源は600百万香港ドルの株主に帰属する
利益をあげ、これは2018年から33.7%の減少であった。これは同年の大半における原油及び商品価格の下落を
反映したものであった。主として不安定な商品価格及び当年中に現地の道路の通行が複数回にわたり妨げら
れ、ラスバンバス銅山の製品の輸送及び販売が妨害されたことによる同銅山からの利益配分の減少のため、中
信金属の利益は43%減少して963百万香港ドルとなった。当年中に、中信金属は、カナダの企業であるアイバン
ホー・マインズの権益を26.3%に増加させた。中信股份の発電事業は、収益が5.5%減少した。
資源商品
・ 原油
2019年、中信資源の一日平均原油生産総量は48,320バレルであり、2018年と比較して2.2%減少した。月東油
田の伝統的な油井は、当年中自然枯渇を経験した。月東では、2019年第4四半期に新規開発中の油井の掘削を開
始したが、新規油井の貢献は伝統的油井の生産減少を部分的に相殺するにとどまった。セラム区画も既設井戸
の自然減少に直面している。しかし、2019年11月に新しい生産シェア契約が発効したばかりであったため、
2019年においてセラム区画では新規の油井の掘削は行われなかった。
カラジャンバス油田は、販売量の増加及び効率的な生産費用管理により、当年中堅実な実績をあげた。
・ 石炭
中信股份は、中信資源を通じて、オーストラリアのカッパーベラ・モアベール炭鉱合弁事業の権益及び多数
の石炭探査事業の権益を保有している。同社はまた、中国の山東省にある新巨龍炭鉱の権益の30%を中信泰富
能源投資(CITIC Pacific Energy Investment)を通じて保有している。
・ 発電
中信股份は、中信泰富能源投資を通じて、中国本土の石炭火力発電所(合計設備容量6,400メガワット超)に
投資し、経営管理している。これらの発電所のうち、江蘇省の利港発電所は、設備容量4,040メガワットを有す
る、中国最大の石炭火力発電所の一つである。2019年には、2018年よりもわずかに少ない、合計29.8十億キロ
ワットの電力が生み出され、2018年と同程度の20.04百万ギガジュールの火力が供給された。どちらも、主に利
港発電所の寄与によるものである。
金属及び鉱物
・ 磁鉄鉱
西オーストラリアのピルバラ地域のケープ・プレストンにおいて、CITIC Groupの中豪鉄鋼プロジェクトは、
オーストラリア最大の採鉱・加工事業である。Sino Ironは、取引量で中国に対する鉄鉱精鉱の最大の海上運輸
供給者でもある。
2019年、Sino Ironは、20百万ウェット・メトリック・トン超の精鉱をCITIC Groupの特殊鋼工場及びその他
の中国及びアジアの鉄鋼工場に供給した。同期間中、ケープ・プレストンで過去最大の179隻に船積みされた。
2013年後半にプロジェクトが開始して以降、2019年末までに74百万トン超の高品質の製品が出荷された。
生産増加及び6つの処理経路の業績改善にもかかわらず、営業の継続は、必要とされる承認及び期間を確保す
ることができないことにより、危ぶまれたままである。これらの問題の解決には、すべての関連当事者の緊急
の協力が必要となる。
Sino Ironは、2十億トンの磁鉄鉱を採掘する権利をもち、さらに1十億トンの磁鉄鉱を取得するオプションを
行使した。
・ 銅
2019年、中信金属が15%の権益を保有しているペルーのラスバンバス銅山プロジェクトは、2018年と同程度
の380,000メトリック・トンの銅を含む銅精鉱を生産した。
この提携を通じて、中信金属はまた、ラスバンバス銅山から採取された銅精鉱の約26%の販売権を確保し
た。2019年には、中信金属は、2018年の312,500メトリック・トンから減少して231,700メトリック・トンの銅
精鉱を流通させた。かかる減少は、銅山への道路の通行が3回妨害されたことによるものであり、いずれも銅精
鉱の輸送が停止し、販売に影響を与えた。
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・ フェロニオビウム
中信金属は、世界のフェロニオビウムの約80%を生産しているブラジルの鉱山業者であるCBMM社の権益の5%
を間接的に保有している。この提携を通じて、中信金属は、中国におけるかかる資源の独占販売権を有してい
る。同社は主に、高張力高性能の鋼の生産に使用されているフェロニオビウムを大中規模の鉄鋼工場に供給し
ている。2019年、中信金属のフェロニオビウムの取引量は33,500トン超に増加し、中国市場の80%超のシェア
を占め、売上高及び利益はともに過去最高を記録した。
・ マンガン
中信大金孟(CITIC Dameng)は、香港の上場会社で世界最大の垂直統合型マンガン生産会社の一つである。
同社は、電解金属マンガン及び電解二酸化マンガンの主要な供給者であり、マンガン系カソード用材料の製造
業者でもある。同社は、中国最大のマンガン鉱山を所有しており、また、この他に中国やガボン、西アフリカ
に所在する複数の鉱山の権益も保有している。
・ 貿易
中信股份の主な取引商品には鉄鉱石、フェロニオビウム、銅、アルミニウム、石炭、プラチナ及び鋼鉄が含
まれている。中信金属の鉄鉱石の取引量は、15%増加して2019年に52百万トンとなり、中国の業界における主
導的地位を強固にした。
(c)製造
中信股份の製造事業は、特殊鋼、軽量自動車部品及び先進装備の製造を含み、そのすべてが中国におけるそ
れぞれの部門の市場での主導的立場を享受している。
2019年、中信股份の製造事業は、119.3十億香港ドルの記録的な営業収益を計上した。普通株主に帰属する利
益は、2018年に既に達成した大幅な増益に重ね、26%増加した。CITIC Groupは、12月に中信戴卡の57.89%を
戦略的投資家に売却し、1.4十億香港ドルの税引後収益を計上した。
以下の表は、表示期間に関するCITIC Groupの製造業の主要経営主体の財務情報である。
12月31日に終了した年度
2018年 2019年
普通株主に 普通株主に
営業収益 営業収益
帰属する純利益 帰属する純利益
(百万香港ドル)
中信泰富特鋼 ............... 72,190 4,408 72,620 5,386
中信重工(1) ................ 5,201 106.2 5,240 116.9
中信戴卡 ................... 28,522 1,205 26,575 968
注 (1) 中信股份は、2018年及び2019年12月31日現在、中信重工の持分を67.27%保有していた。
当グループの製造事業の強さは世界中で証明された。中信泰富特鋼は引き続き、記録的な営業収益及び利益
を達成し、際立った業績を残した。同社は、増産及びコスト削減により、前年比で利益を大幅に改善した。
2019年、CITIC Groupは、深セン証券取引所における特殊鋼事業の再編を完了した。この取引により、特殊鋼部
門で生じる可能性のある機会を追求するために、当該事業をより適切に位置付ける資金調達オプションへのア
クセスを高めることができる。
世界的な自動車市場の縮小に対して、中信戴卡は、高品質な製品を提供し、付加価値の高いカスタマイズさ
れた完璧なサービスを提供することで、アルミ・ホイール及びアルミニウム鋳物の両方の販売増を実現した。
同社は、当年中、戦略的投資家を呼び込み、業界のリーダーとしての地位を確固たるものとし、中国及び世界
中で自動車製造用の最先端の軽量アルミニウム部品を生産した。
中信重工は、特に重機分野における最新の産業用機器及びソリューションを背景に、また同社の川下産業の
需要回復及びグローバル展開の拡大により、2019年に堅調な業績を達成した。利益は、前年比5.7%増であっ
た。同社は、環境保護及び国防、並びに他の多様な産業に適用可能なロボット技術などの分野において、革新
を優先した。
特殊鋼
中信泰富特鋼は、中国で最大の特殊鋼の専門製造業者であり、自動車部品、エネルギー、機械製造、石油・
石油化学、輸送、造船等の産業に属している顧客に向けて、棒鋼、鋼板、継目無鋼管、鍛鋼、鋼線及び鋳造用
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ビレットを生産している。その製品は中国及び、米国、日本、ヨーロッパ及び東南アジアを含む、60を超える
市場で販売されている。
中信泰富特鋼は、年間13百万トン超の生産能力を有し、現在、興澄特種鋼鉄、大冶特殊鋼、青島特殊鋼鉄及
び靖江特殊鋼の4つの主要な工場を操業している。さらに、同社は、銅陵に原料炭工場を1つ有しており、揚州
に鉄鉱石の処理工場を1つ有している。過去2年間において、中信泰富特鋼は、済南の泰富特鋼懸架(Pacific
Special Steel Suspension)及び紹興の浙江泰富無縫鋼管(Zhejiang Pacific Seamless Steel Tube)の2つの
処理工場を買収し、特殊鋼の川下製品及び補完製品へとその足跡を拡大した。
中信泰富特鋼は、2019年に、4つの工場における生産を大幅に増大させ、コストを効果的に削減したことによ
り、業界の傾向に反して、販売量及び純利益の両方において過去最高を記録した。同社の当年中の特殊鋼製品
の販売量は、2018年比10%増の13.27百万トンであった。普通株主に帰属する純利益は、22%増加して5.4十億
人民元となった。
当年中、中信泰富特鋼は、生産プロセス、技術、調達及び物流などの分野での継続的な取組みを通じて、コ
スト削減及び効率化を達成した。例えば、同社は、製鋼プロセスの最適化を図り、鋼の圧延効率を大幅に改善
した。同社はまた、鉄鉱石の需給調整を改善し、原材料の費用管理を強化した結果、調達コストが低下した。
競争力を維持するために、中信泰富特鋼は、引き続き、既存の製品ラインアップに代わる新製品を開発するこ
とにより、革新に取り組んだ。2019年において開発・販売された新製品は2.04百万トンで、総販売量の15%を
占め、2018年と比較して28%の増加であった。同社のハイエンド製品は、研究開発、品質向上及び製品認証に
より、総販売量の31%を超えた。
中信泰富特鋼の製品の過半数は、自動車部品、機械製造及びエネルギー産業の顧客向けに販売されている。
中国の自動車市場が縮小していることを前提として、自動車部品産業への販売量は2年連続で減少している。こ
のような状況に対して、同社は製品構成を最適化し、エネルギー及びその他の産業への販売をさらに拡大して
きた。風力、石油及び石油化学などのセクターにおける需要増に対応するため、同社は販売努力を強化し、こ
れらの分野において好業績を達成した。
中信泰富特鋼の顧客の大半は国内企業であるが、2019年の年間販売量の13%は海外で生じたもので、前年比
5%増の1.77百万トンとなった。一方、米国向け輸出は、総販売量の1%にも満たない。同社は、新規市場及び
新規顧客の開拓に取り組んでおり、2019年には77%増の221の新規顧客を獲得した。
重機
CITIC Groupは、中信重工を通じて、重機、完全なエンジニアリング・プロジェクト・マネジメント(現場評
価及び調査、設計、材料の調達、技術サービス、製造、設置、トレーニング及びプロジェクトの各段階に関す
るその他のサービスを含む、プロジェクト全体のための完全なエンジニアリング、資本設備の製造及びプロ
ジェクト管理サービスの提供)、ロボット・知的装置、省エネ・環境保護、新エネルギー電力設備及びその他
の分野において、大型の装置、完全な技術装置及び重要基本部品の設計、製造及び販売を行っている。2019年
12月31日現在、中信股份は中信重工の持分の67.27%を保有していた。中信重工(証券コード:601608)は上海
証券交易所に上場している。
中信重工は研究開発及びマーケティングサービスのバランスのとれた「主要製造業+総合サービス」として
のビジネスモデルを適用している。
中信重工はまた、中信重工開城智能有限公司(CITIC Heavy Industries Kaicheng Intelligence Equipment
Co., Ltd.)に社名を変更した唐山開城の持分の80%を所有している。中信重工開城智能有限公司は、石炭採掘
及び救助活動の分野において使用するロボット製品を製造する認可を受け、総合採掘自動化ソリューションを
提供している、中国本土における唯一の企業である。中信重工のロボット部門は2016年以降大幅に拡大した。
中信重工は5つのカテゴリー(トラック、潜水艦、検査、地中掘削及び穿孔)において、合計20の個別のロボッ
ト製品を提供している。これらの製品は、消火活動、公共インフラ、発電所、鉱業及び石油精製を含む、様々
な状況において広い適用性を持つ。
・製品及び製造
・中信重工の主要な製品は、以下を含む。
- 重機産業:統合された主要な知的設備であり、大型鍛鋼品、鋳物部品及び、様々なプロジェクトの運営に
必要とされる様々な種類の予備部品などの主要な部品だけでなく、ミル、粉砕機、ローラー式成形機、
竪型粉砕機、回転窯、巻き上げ機、トンネル掘進機及び金属溶解機・フライス盤を含む
- 完全なエンジニアリング・プロジェクト・マネジメント部門:現場評価及び調査、設計、材料の調達、技
術サービス、製造、設置、トレーニング並びに、建設業、鉱業及び冶金などの様々な部門における顧客
のプロジェクトの各段階に関するその他のサービスを含む、プロジェクト全体のための完全なエンジニ
アリング、資本設備製造及びプロジェクト管理サービスの提供
- ロボット・知的設備産業:ロボット製品、知能制御機械及び関連するサービス
- 省エネ及び環境保護産業:廃熱・廃圧利用、廃棄物処理、固液分離処理、選炭及び高効率利用などの機能
を有する省エネ及び環境保護設備
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・研究開発
中信重工の主な競争上の優位性は、商品開発及び独自技術における強さである。同社が中国本土に有する技
術センターは、国内で最も包括的な採掘装置研究施設であり、オーストラリアの研究開発施設においては、国
際的な顧客と密接に連携し地域における新製品を開発している。中信重工は、採鉱設備のための国内初の重点
研究所並びに新たな採鉱設備及び原材料のための分析・試験研究所を設立した。
・新事業
中信重工は、検問所における業務用の特殊ロボット工学、コーンビームCT(CBCT)及びCT、グリーン電力設
備並びにトンネル掘削機で構成されるハイエンド製品の製造に重点を置いている。同社は、2019年に、新たな
インテリジェント・ロボティックス・ハイテクパークを洛陽に建設したが、これは中国初の先進ロボット工学
向けのスマート・ファクトリーで、将来の開業に向けたマスターデザインに指定されている。その知的システ
ムにより、生産性が30%向上した。
当年中、中信重工は、輸送、税関・出入国管理、郵便物流及び保安検査に広く使用されているCT機器を顧客
に提供した。中信重工は、新しいグリーン電力発電機も提供を開始した。当該発電機は、セメント製造で排出
される廃熱など、副産物である熱及び圧力を利用して発電を行う。2019年、中国で最高の流量効率を誇る初の
高温・超高圧・高速タービンである耐性タービン(30MW未満)が市場に導入された。
・顧客、販売及びマーケティング
中信重工は中国本土における国内企業の一つであり、欧州連合(EU)と米国の基準に従ったセメント及び発
掘装置の設計並びに製造法を有する。中信重工は石炭及び採鉱産業、金属産業、建設資材産業、発電産業、非
鉄金属産業、電力電子産業並びに節電及び環境保全産業における上位顧客からなる60社を超える顧客数を有し
ている。前述の顧客には、特にBHPビリトン、ヴァーレ、中国神華能源股份有限公司、中国華能集団、中国黄金
集団公司、安徽海螺水泥股份、ラファージュ(Lafarge S.A.)、ホルシム(Holcim Ltd.)、セメックス
(Cemex SAB de CV)、ハイデルベルグセメント(HeidelbergCement AG)、及びイタルチェメンティ・グルー
プ(Italcementi Group)等が含まれる。
中信重工の販売は中国本土の国内市場に集中しており、また海外市場への販売によって補完されている。中
国の国内市場においては、中信重工は直販モデルを使用しており、入札及び交渉に参入することにより、受注
を勝ち取っている。中信重工の販売チームは、それぞれの商品のターゲット層に応じて、全国的に各々の産業
部門に対して商品の営業を行っている。国際市場における販売においては、同社の状況及び市場の需要を鑑み
て、直販、代理販売、業務委託及び大口顧客との提携を含む様々なビジネスモデルを適用し、中信重工は多様
な国及び地域をターゲットとしている。
中信重工は設計、調達及び建設(以下「EPC」という。)プロジェクトに関する海外市場及び国内市場の開拓
を継続している。
アルミ・ホイール及びアルミニウム鋳物
中信戴卡は世界最大の自動車用アルミ・ホイールの製造者且つ輸出者である。また、同社はKSM鋳造集団にお
いて自動車のパワートレイン、鋳造及び車体に使用される軽量アルミニウム鋳物の幅広い部品も製造してい
る。世界中に設計、研究及び製造チームを備え、中信戴卡は現在、未来の自動車輸送を推進する軽量化部品及
び統合プロセスの開発の発展に注力している。
中信股份の完全子会社である中信戴卡は、その本部を中国北部の河北省にある秦皇島に構え、中国、北米及
びヨーロッパにおいて26の施設を有している。年間総生産量はアルミ・ホイールにおいて69百万個、アルミニ
ウム鋳物においては90,000トンである。
主要な市場においてエンジニアリング、研究及び製造のチームを有し、中信戴卡は、自動車業界及びその範
囲を超えて、輸送の将来を担う統合軽量化ソリューション及び新素材の商業用への適用の研究開発の加速に焦
点を当てている。増加する国内及び国外の需要に応えるため、中信戴卡は2017年においても生産能力の拡大へ
の投資を継続する。
2019年、世界の主要な自動車市場は引き続き減速した。中国汽車工業協会によると、中国においても乗用車
の販売台数が前年比で9.6%減少した。しかしながら、中信戴卡は、アルミ・ホイールの販売を維持することが
でき、また鋳物製品の販売は6%増加し、販売量はそれぞれ54.6百万個及び81,662トンとなった。これは、同社
の顧客の嗜好の傾向を把握する能力が高く、顧客に最高品質の製品及びサービスを提供することに継続的に注
力してきた結果である。
それにもかかわらず、中信戴卡の業績は、その製品に対する値下げ圧力の影響を受けた。2019年の営業収益
は、2018年比6.8%減の26.6十億人民元であった。純利益は、米国が課した輸入関税の影響により968百万人民
元となり、19.6%の大幅な減少となった。
2019年において、CITIC Groupは、株式公開により、中信戴卡の57.89%の持分を5.5十億人民元の対価で戦略
的投資家に売却した。2020年1月、CITIC Groupは再編を終了し、これにより中信戴卡はより多くの資源及び専
門知識を獲得しながらその価値を確定させることができる。
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モロッコにある中信戴卡の3百万ユニットの生産能力を有する工場(第一段階)は、2019年6月より稼働して
おり、設備稼働率は100%に近づいている。建設の第二段階は2019年11月に開始され、2020年下半期に完了する
予定である。プロジェクトの第二段階では、モロッコにおける総生産能力を6百万ユニットに倍増させる予定で
あ る。海外の生産施設により、中信戴卡は、米国又はヨーロッパ/北アフリカからの海外顧客に対して戦略的
にサービスを提供することができる。
2019年7月以降、無錫においても鋳物の新製品ラインが稼働を開始し、当初の年間生産能力は3,000トンであ
る。
当年中、中信戴卡は、日本最大のアルミニウム製造業者であるUACJグループ、及び中信渤海金呂業控股と契
約を締結した。三者は、川下製品の共同開発について合意した。
顧客
中信戴卡のアルミ・ホイールの主要顧客には、6社の主要な中国の自動車メーカーだけでなく12社の世界的な
主要自動車メーカーも含まれる。中信戴卡はまた、多数の主要自動車ブランドの国際戦略的パートナー及び、
F1レースにおけるマグネシウムホイールを供給する唯一の中国企業でもある。これは、同社の自動車エンジニ
アリングの技術が世界レベルであることを証明している。軽量アルミニウム鋳物部品の主要顧客は、ダイム
ラー、フォルクスワーゲン並びにTRW、ZF及びボッシュといった部品製造会社を含む。2019年、中信戴卡の上位
10顧客は、総売上高の34.8%超を占めた。
研究開発
軽量自動車が主流になりつつあることを考慮して、中信戴卡は現在、年間50件を超える研究開発プロジェク
トを実施しており、そのほとんどが最先端の軽量化技術に注力している。当年中の飛躍的な進展は、アルミニ
ウムのサブフレーム及びEVバッテリーボックスに関するものが主となった。
また、中信戴卡は、将来的に自動車用鋳物の原材料としてアルミニウムに代わる可能性のある新素材(特に
炭素繊維複合材)の研究も行っている。
鋳物に関しては、アルミニウム材の浸透率は急速に上昇している。1990年代からアルミ・ホイールが使われ
るようになったように、アルミニウムは、鋳物の主な原材料である鋼鉄に代わるものとして期待されている。
アルミニウム鋳物は急成長している市場で、中信戴卡は、特に2011年にドイツの鋳物メーカーであるKSMを買収
することで競合他社よりもずっと早くこの市場に参入した。現在、中信戴卡の鋳物の顧客は、国内OEMのみなら
ず、ドイツのダイムラー、BMW、アウディ及びフォルクスワーゲン、並びに米国のGM、フォード及びテスラにも
及んでいる。この戦略的地位は、同社の将来の見通しをよく示している。
(d)技術契約
CITIC Groupの技術契約事業は、実行可能性の調査、設計、計画、探査及び資金調達から設計、調達及び建設
(EPC)に至るサービスにより、顧客の包括的なニーズに応えることを目的としている。実施されたプロジェク
トには、インフラ、住宅、公共施設及び産業施設、並びに中国市場及び海外市場の両方における環境保護の取
組みが含まれている。CITIC Groupの技術契約会社はいずれも、業界で世界的に権威のあるエンジニアリング・
ニュース・レコード(ENR)誌より数年連続で業界トップの評価を受けている。同誌は、中信建設を世界の建設
請負会社上位250社(Top 250 International Contractors)に、中信工程を中国の設計会社上位60社(Top 60
Chinese Design Firms)に選定した。
建設
中信建設は、総合的な技術的建設業務提供業者である。同社の主要な市場はアフリカ、ラテンアメリカ及び
「一帯一路」沿いの国々であり、同社は現在英国などの先進国海外市場に業務を拡大し、特にパブリック・プ
ライベート・パートナーシップ(PPP)プロジェクトを通じて、中国本土における事業を成長させている。イン
フラ、住宅及び産業建設において確立した地位に加えて、同社は、資源、エネルギー、農業及び環境保護の分
野に業務を展開しようとしている。
EPC業務に加え、中信建設は、CITIC Groupの莫大な資源及びネットワークを活用し、事業計画、設計、投
資、資金調達、経営、調達、運用及びメンテナンスを含む一連の付加価値業務も提供している。これらの幅広
い業務範囲は、同社に発展途上国において顕著な競争優位性をもたらした。
重要な大規模プロジェクトの成功を通して、同社は強固なブランド及び評判を確立した。同社は現在、大成
功を収めた中国の技術契約企業として広く認められている。
2019年、技術契約事業の普通株主に帰属する純利益は、1,867百万香港ドル(前年比9.1%減)であった。こ
れは、中国政府が海外事業所得に関する新たな税法を施行したことに伴い、2018年に1回限りの節税による利益
が計上されたことによるものであった。
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中国市場におけるプロジェクト及び海外市場におけるプロジェクトは、いずれも2019年の利益に寄与した。
主な海外プロジェクトとして、ベラルーシの農業・工業複合建設プロジェクト、アルジェリアの東西高速道路
の東側部分及びカザフスタンの高速道路整備プロジェクトなどが挙げられる。アンゴラでは、RED公営住宅プロ
ジェ クトにより2019年末までに28,000戸のアパートが供給されたが、これは同プロジェクトの総戸数の93%に
相当する。中国市場では、営業収益に寄与した主な要因として、2019年に開始された雲南省の臨清高速道路プ
ロジェクト、四川省の工業ニュータウン開発、並びに水質浄化プロジェクト、国家ネットワーク安全基地及び
主要道路の建設プロジェクトを含む、武漢における3つのEPCプロジェクトが挙げられる。
2019年に開始された国内外の主要なプロジェクトには、河南省安陽市の国有保安林の建設、及び北京で開催
された2020年平谷区世界レジャー会議に向けた道路・環境整備プロジェクトが含まれる。同年、中国の水質浄
化及び上下水道整備などの水関連事業、カザフスタンのKB高速道路の整備及びマレーシアのサンスリア本社の
開発が開始された。
工学
中信工程は、優秀な工学能力を有する、中国で有数の技術を基盤としたEPC(設計、調達及び建設)業務提供
業者である。その主な事業は、建物建設、公営インフラ及び環境保護に係るプロジェクトを含む都市計画及び
生態系保護のEPCプロジェクトに重点を置いている。
同社は、建築設計及び都市設計に関する多数の特許を保有している。同社は、様々な国家基準及び仕様の確
立を先導・促進し、全国のプロジェクトを管理している。
2019年、CITIC Groupの技術契約事業チームは、51.2十億人民元の新規契約を締結した。CITIC Groupは、国
内市場では、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)プロジェクトについて地方政府と緊密に連
携し、民間企業ファンドと協働しており、これらはその国内事業において重要性が増している。2019年、中信
建設は、雲南省の楚大高速道路プロジェクトや南京市の江北新区研究園区など、多数の大型PPP契約の獲得に成
功した。報告期間中、中信建設の国内事業拡大の取組みが成果をもたらし始め、営業収益の46%は中国本土に
よるもので、2年前のわずか6%と比べて大幅に増加した。
(e)不動産
CITIC Groupの不動産事業は、主に不動産の開発、販売及び投資から構成される。不動産事業は主に、中信城
市開発運営(CITIC Urban Development and Operation Co., Ltd.)、中信泰富地産及び中信和業を通じて運営
されている。
CITIC Groupは、2016年に不動産事業を中国海外に統合することにより、不動産事業を再編した。CITIC
Groupは、2016年の中国海外の取引完了日現在における中国海外の増資後資本金の約10%を占める株式を対価と
して、中国の住宅不動産プロジェクトの権益の一部を中国海外に売却し、中国海外が所有する商用不動産の
ポートフォリオを中信股份の完全子会社に譲渡した。
2019年、不動産業界の成長は鈍化し、多くのデベロッパーはその事業を多角化した。不動産事業の持続可能
性を維持するため、その資産プロジェクトの組み合わせを最適化し、不動産開発と財政及び都市開発の結合の
実現可能性を調査し、既存のプロジェクトの進展を促進した。
(f)その他の事業
情報サービス
中信股份は、中信国際電訊及び亞洲衛星という2つの子会社を通じて情報サービスを提供している。
中信国際電訊(以下「中信電訊」という。)は、香港証券取引所に上場しており、包括的な電気通信サービ
スを提供するインターネットを中心とした企業である。
中信電訊は、通信事業者、企業及び消費者という3つの主要な顧客層にサービスを提供している。その事業範
囲は、携帯電話、インターネット、国際電気通信及び企業向けソリューション並びに大中華圏、アジア太平洋
地域、ヨーロッパ及び北米にわたる固定電話サービスを網羅している。同社は、澳門電訊有限公司(Companhia
de Telecomunicacoes de Macau, S.A.R.L.)(以下「澳門電訊」という。)の99%の権益も保有している。澳
門電訊は、マカオの主要総合電気通信サービス提供業者の一つであり、唯一全ての電気通信サービスを提供す
る企業である。
2019年に中信電訊は、同社として初めて1十億香港ドル超の株主に帰属する利益を達成した。これは前年比で
5.4%の増加であり、主に同社のインターネット・サービス、企業向けサービス及びA2P(Application-to-
Person)SMS事業の堅調な伸びによるものであった。中信電訊は引き続き、マカオにおいて5Gネットワークを構
築し、より多くの商品及び販売チャネルを有するデータ・センター部門を拡張する予定である。
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亞洲衛星の事業は、衛星トランスポンダのリース及び販売、放送、通信並びにデータのアップロード及びダ
ウンロードのサービス等である。2019年9月、同社は私営化され、香港証券取引所への上場を廃止した。同社
は、現在CITIC Group及びカーライル・グループの50:50の出資による合弁企業である。
一般商取引
大昌行は、自動車及び関連サービスの流通及び販売、食品及び日用品の流通及び販売、ヘルスケア商品及び
電気製品の流通及び販売並びに物流サービスの提供に従事している。30を超える国と地域の1,000超ものブラン
ドにおける優先パートナーである同社は、アジア太平洋地域に確立されたネットワークを有し、幅広いサプラ
イチェーン・ソリューションを提供している。
2019年、大昌行の利益の寄与は、特定の非流動資産に係る減損損失引当金により大幅に減少した。2018年に
おける売却益等の一時項目を除くと、中国の日用品事業における損失の減少が自動車事業における苦境を相殺
したため、利益は2.9%の減少となった。
困難な市場情勢において発展を維持するため、同年中に大昌行は8つの新たな販売代理店を開設した。中国本
土部門からの利益は、「国6」排出基準の適用中に10.5%減少した。香港では、商用車及び乗用車双方への需要
が減少したことにより、利益が35.9%落ち込んだ。
事業再編の期間後、中国本土における損失が減少し、東南アジアにおける再編が成功したことで、日用品部
門は黒字転換した。香港では、社会不安が観光業及びケータリング業に影響を及ぼしたため、利益は17.8%減
少した。その一方で、ヘルスケア事業は引き続き、香港、シンガポール及びタイを含む主要な市場で拡大し、
市場シェアを獲得した。
インフラ
中信股份のインフラ事業には、中信興業を通じた中国の港及び港湾ターミナルへの投資及びその管理並びに
中国の地域開発がある。中信股份は香港の西區海底隧道の権益も保有する。
CITIC Groupのインフラ関連事業には、地域開発事業及び港湾ターミナル事業が含まれる。
当該地域開発事業とは、寧波にある西店ニュータウン・プロジェクトを指す。このプロジェクトには、海岸
干拓地の建設、土地整理、都市基盤整備並びに水道工学及び緑地開発といった支援プロジェクトの構築に関連
している。このプロジェクトの用地面積は約6,480ムー(4,320,000平方メートル)であり、計画されている総
床面積は約4百万平方メートルである。2019年、西店ニュータウン・プロジェクトの商業部分の第一段階は、売
却のための上場により首尾よく譲渡された。
港湾ターミナル事業は、主に、液化石油ターミナル及び倉庫への投資及びこれらの自主運営並びにコンテナ
バース等の他の種類のバースの運営から構成される。現在のところ、CITIC Groupは、合計最大処理容量約
45.15百万トン及び貯蔵容量約2.64百万立方メートルの長江デルタ及び長江経済圏における液化石油港の格子状
レイアウトを完了している。将来、CITIC Groupは、国内市場において液体バルクカーゴの主要なサプライ
チェーン業務のサプライヤーとなるため、液化石油に焦点を置いて珠江デルタ及び環渤海経済圏での投資プロ
ジェクトに進出する予定である。
環境保護
中信環境は、CITIC Groupの環境保護領域に特化した投資及び運営プラットフォームである。同社の事業は、
水処理、水、固形廃棄物の処理及び省エネサービスの3分野にわたっている。
中信環境技術の水処理事業は継続的に拡大しており、2019年末までに同社の水処理施設は6百万トンを超える
日間処理容量を有していた。また、中信環境技術の主要プロジェクトも同年中に着実に進展した。カザフスタ
ンでは、KBM水再生利用プロジェクトが装置導入段階に入り、北京-天津-河北地域では、雄安新区で初の生態管
理EPCプロジェクトを請け負った。湖北省孝感及び広東省雲浮では、農村地域の排水処理のための排水処理実証
プロジェクトが立ち上げられ、粤港澳大湾区では、総合汚染監視サービス及び熱・水供給サービスを含む汕頭
潮南印刷・染色工業団地のベンチマークリサイクルプロジェクトが開始された。
中信環境技術の膜技術事業は、同社の製造部門であり、チェーン全体をカバーする世界有数の膜製品の製
造・供給業者の一つであるMemstar Pte Ltdを通じて、引き続き高度な膜製品を提供した。2019年の膜製品販売
量は、同社の最高記録である6百万平方メートルに達した。同年中、広州北部の水処理施設における同社の限外
濾過(UF)膜設備が製造を開始し、水道業における膜技術及びMemstarの膜製品の大規模な活用に道を開いた。
中信環境が2番目の大株主である三豊環境は、同年中、その国内外の家庭ごみ焼却事業の拡大を継続した。
2019年末までに、同社は43件のプロジェクトに投資し、同社の技術・設備は、世界中で185件の廃棄物焼却プロ
ジェクトに適用された。このうち、18件のプロジェクトが1日当たり20,000トンを超える規模の日間処理能力を
有していた。
中信環境は、有害廃棄物処理業界にも参入した。2019年末までに、新疆、山東省及び江蘇省における11件の
有害廃棄物処理プロジェクトを、年間合計約1.5百万トンの処理能力をもって操業していた。中信環境は、東莞
市のプロジェクトにおいて回転窯及びプラズマ技術を備えた中国初の有害廃棄物処理システムも提供した。
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さらに、同社は同年中に、業界及び建築プロジェクト向けの知的燃焼エネルギー節約プロジェクトの提供を
含む省エネサービスの開発を進展させた。
中信環境技術は2020年1月に私有化され、シンガポール証券取引所への上場を廃止した。これにより、中信環
境技術に対するCITIC Groupの持分は、56.36%から72.78%に増加した。
現代農業
中信農業は、最も主要な種子会社を目指す戦略の一環として、農業科学技術に重点を置いている。当該部門
における中信股份の優位性を利用し、中信農業は、種子業界プラットフォームに重点を置く国際的に競争力の
ある農業技術会社となった。
2019年、アフリカ豚コレラ及び作物種子業界の低迷といった好ましくない要素があったにもかかわらず、中
信農業は、とりわけ企業戦略、構造調整及び経営に関する同社の専門知識を、同社が投資した会社に提供し
た。
隆平高科(深セン証券コード:000998)は、同年記録的な営業収益を達成し、中国で1番の種子会社の地位を
維持した。同社のコーン種子の市場シェアは、北京連創種業有限公司の取得後第1位となった。
出版
中信出版は、中国における大規模且つ影響力のある総合文化サービス提供業者であり、主に、書籍出版、デ
ジタル出版、教育・訓練、書店小売業及び他の文化活動への投資に従事している。また、同社は、顧客のため
に質の高いコンテンツと独創的なサービスを提供している。中信出版は、出版、流通及び小売業を行うために
必要な、国家新聞出版広電総局から発行される全てのライセンスを保有している。今日、中信出版は、定価で
の売上収益に関して、中国の書籍市場で第2位に位置している。
2019年、中信出版は、中国の書籍小売市場において書籍販売額で第2位となり、経済及び事業経営に関する書
籍並びに学術及び文化関連書籍において第1位となった。同社が出版した児童書の売上は、同年中に64%増加し
た。
一般航空
中信海直は中国において、フルサービスの一般航空事業を運営している。その主な事業は、海洋油田ヘリコ
プターサービス、一般航空サービス(航空写真、海洋巡回、極地調査業務、ハーバー・パイロット・サービ
ス、森林火災予防及び送電作業等)、一般航空メンテナンス並びに融資サービス及びレンタルサービスであ
る。同社の海洋油田ヘリコプターサービスは、市場シェアの観点で、当該産業では上位の位置を享受してい
る。同社は、ヘリコプターの操縦指導を営む唯一の一般航空企業であり、海底石油探査のための海外の機内
サービスを提供する唯一の一般航空企業である。
中信海直は拠点を深圳に置き、南シナ海、東シナ海、渤海、チベットを除く国内各地、南極及び北極に支店
を置いている。中信海直は、中国で空中客車直升機公司(Airbus Helicopters)のサービスセンターも運営し
ている。
(g)資産
CITIC Groupの本社は、中国北京市の朝陽区京城大厦新源南路6号、キャピタル・マンションに置かれてい
る。キャピタル・マンションはCITIC Groupが所有する52階建て、135,000平方メートルのビルである。子会社
や海外の代表処を含むCITIC Groupの事務所は、一般的にCITIC Groupが長期間賃借契約をするか又は所有して
いる敷地にある。また、海外の代表処は、東京及びニューヨークとカザフスタンに置かれている。
(h)CITIC Groupと日本との関係
CITIC Groupは、設立以来、特に金融、経済、貿易及び技術導入等の分野に関し日本との関係を重視してい
る。1982年1月には、中国企業として10十億円の円建私募債を発行した。1983年5月には、日本との関係を強め
るために、東京に代表処を設立した。1996年9月には、サムライ債を2トランシェ発行している。いずれのトラ
ンシェも、発行価格は10十億円であった。更に、2016年10月にCITIC Groupは、サムライ債を4トランシェ発行
しており、その発行総額は100十億円であった。
CITIC Groupは現在までに、外国の資本、先進技術、事業経験や技術を導入し、良好な実績を利用して、日本
及びその海外現地法人と合弁企業を設立している。
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(5)【経理の状況】
CITIC Groupの財務諸表は、2006年2月15日及びそれ以降の期間に財政部が公布した「企業会計準則―基本準
則」、具体的な会計準則の各項目及び関連規定に準拠して作成している。
CITIC Groupの年次の財務諸表は、財務決算終了後CITIC Groupの菫事会で承認された後で、国家の財政部に
対し提出される。
CITIC Groupの帳簿・会計書類は、CITIC Groupの内部検査機関である監査部による検査を受けている。ま
た、CITIC Groupの全ての財務活動は財政部の検査を随時受けている。
2018年12月31日及び2019年12月31日に終了した年度の財務書類は、普華永道中天会計士事務所により監査さ
れ、各年度の監査報告書がCITIC Group宛に提出されている。
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度12月31日連結貸借対照表
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
資産の部 注記 2019年12月31日 2018年12月31日
現金及び預け金 六(1) 669,302,959 732,864,820
インターバンク貸出金 六(2) 203,060,737 175,265,871
デリバティブ金融資産 六(3) 17,539,652 32,676,877
受取手形及び未収債権 六(4) 161,582,239 111,944,593
契約資産 六(5) 12,898,032 9,687,800
棚卸資産 六(6) 51,892,198 52,987,888
売戻条件付買入金融資産 六(7) 9,958,161 11,351,027
貸付金及び立替金 六(8) 3,914,434,280 3,529,055,805
金融投資 六(9)
売買目的金融資産 372,796,404 357,278,020
債権投資 937,567,016 794,482,231
その他債権投資 628,780,182 510,736,071
その他資本性金融商品投資 7,146,319 6,708,533
長期持分投資 六(10) 155,815,749 142,108,569
投資不動産 六(11) 37,248,519 28,954,993
固定資産 六(12) 135,804,642 139,566,159
建設仮勘定 六(13) 12,931,310 16,722,331
使用権資産 六(14) 24,922,081 適用なし
無形資産 六(15) 30,903,417 28,302,715
のれん 六(16) 19,718,048 19,950,824
繰延税金資産 六(17) 53,378,064 44,290,869
その他資産 29,098,272 26,683,162
資産の部総計 7,486,778,281 6,771,619,158
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度12月31日連結貸借対照表(続き)
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
負債及び所有者持分の部 注記 2019年12月31日 2018年12月31日
負債
中央銀行からの借入金 六(19) 240,298,225 287,068,437
インターバンク借入金 六(20) 96,207,188 113,172,370
売買目的金融負債 1,286,156 1,286,139
デリバティブ金融負債 六(3) 18,622,459 33,012,010
支払手形及び未払債務 六(21) 130,294,689 143,284,673
契約負債 六(5) 21,142,375 20,085,151
買戻条件付売却金融資産 六(22) 114,450,216 121,431,553
預り金及び受入預金 六(23) 5,007,248,615 4,415,281,505
未払賃金給与 六(24) 22,797,548 20,968,257
未払税金 四(3) 18,894,910 17,119,892
借入金 六(25) 136,647,024 132,110,206
発行済負債性金融商品 六(26) 744,958,132 661,171,450
リース負債 六(27) 24,972,722 適用なし
見積負債 六(28) 13,570,739 11,881,289
繰延税金負債 六(17) 15,424,596 10,621,075
その他負債 22,667,432 21,711,418
負債の部合計 6,629,483,026 6,010,205,425
所有者持分の部
払込資元本 六(29) 205,311,476 205,311,476
資本剰余金 六(30) (5,660,066) (7,077,962)
その他包括利益 六(31) 5,131,387 2,735,411
利益剰余金 六(32) 6,555,507 6,546,493
一般リスク準備金 六(33) 34,422,180 31,461,649
未処分利益 六(34) 117,600,675 95,844,208
親会社に帰属する所有者持分合計 363,361,159 334,821,275
少数株主持分 493,934,096 426,592,458
所有者持分の部合計 857,295,255 761,413,733
負債の部及び所有者持分の部総計 7,486,778,281 6,771,619,158
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有価証券報告書
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
13ページから209ページに記載する財務諸表注記は当財務諸表の一部である。
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2019年度12月31日個別貸借対照表
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
資産の部 注記 2019年12月31日 2018年12月31日
現金及び預け金 六(1) 6,381,415 294,126
受取手形及び未収債権 六(4) 6,192,338 11,570,748
貸付金及び立替金 六(8) 9,821,112 11,327,542
金融投資 六(9)
売買目的金融資産 8,163,746 8,122,207
その他資本性金融商品投資 783,597 640,758
長期持分投資 六(10) 207,749,347 204,202,139
固定資産 1,165 1,359
その他資産 3,908 -
資産の部総計 239,096,628 236,158,879
負債及び所有者持分の部
負債
支払手形及び未払債務 六(21) 435,119 479,989
未払税金 29,484 1,535,416
借入金 六(25) 5,004,529 -
発行済負債性金融商品 六(26) 5,628,341 6,188,029
見積負債 3,221,721 3,268,870
繰延税金負債 127,481 78,613
その他負債 12,280 12,288
負債の部合計 14,458,955 11,563,205
所有者持分の部
払込資元本 六(29) 205,311,476 205,311,476
資本剰余金 六(30) 9,906,386 9,906,386
その他包括利益 六(31) 166,391 214,530
利益剰余金 六(32) 6,555,507 6,546,493
未処分利益 六(34) 2,697,913 2,616,789
所有者持分の部合計 224,637,673 224,595,674
負債の部及び所有者持分の部総計 239,096,628 236,158,879
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有価証券報告書
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
13ページから209ページに記載する財務諸表注記は当財務諸表の一部である。
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中国中信集団有限公司
2019年度連結損益計算書
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
科目 注記 2019年 2018年
一、営業総収入 六(35) 518,931,137 467,387,425
内訳:非金融業営業収入 318,068,090 293,332,291
純利息収入 129,785,124 115,146,156
純手数料及びコミッション収入 51,207,155 42,565,515
その他金融業務営業収入 19,870,768 16,343,463
減算:営業総原価 六(37) 449,226,282 405,979,291
内訳:営業原価 六(36) 258,243,640 238,518,161
税金及び付加 3,626,964 3,789,726
販売費用 20,038,968 19,042,545
管理費用 68,620,713 65,411,490
研究開発費用 4,072,797 3,589,996
財務費用 六(38) 8,805,857 8,362,421
内訳:利息費用 10,752,680 10,755,370
受取利息 2,708,192 2,534,954
信用減損損失 六(39) 79,417,287 61,354,500
資産減損損失 六(40) 6,400,056 5,910,452
加算:公正価値変動(損失) /収益
六(41) (16,611) 347,074
投資収益 六(42) 12,554,959 19,419,091
内訳:関連会社及び共同支配企業からの投
資収益 8,397,580 7,045,678
資産処分収益 六(43) 4,337 576,448
その他収益 823,859 933,277
二、営業利益 83,071,399 82,684,024
加算:営業外収入 2,895,733 3,358,355
減算:営業外支出 1,027,117 804,141
三、利益総額 六(37) 84,940,015 85,238,238
減算:企業所得税費用 六(44) 18,455,841 17,262,990
四、純利益 66,484,174 67,975,248
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親会社所有者に帰属する純利益 25,193,834 30,202,758
少数株主損益 41,290,340 37,772,490
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度連結損益計算書(続き)
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
科目 注記 2019年 2018年
五、その他包括利益の税引後純額 六(45) 3,641,660 11,577,501
親会社所有者に帰属するその他包括利益の税引純
額 2,011,096 4,408,187
その後の期間に純損益に振り替えられるその他の
包括利益
1.持分法適用会社の将来的に損益に組み替えら
れるその他包括利益内の持分相当額 (104,857) (781,976)
2.その他債権投資公正価値変動 602,194 3,825,731
3.その他債権投資信用損失引当金 269,240 44,424
4.キャッシュ・フロー・ヘッジ損益の有効部分 (289,885) 165,202
5.自社用不動産から投資用不動産への振替によ
る評価益 570,701 51,942
6.外貨建財務諸表換算差額及びその他 915,629 2,083,229
その後の期間に純損益に振替えられることのな
いその他の包括 利益
1.その他資本性金融商品投資公正価値変動 48,074 (980,365)
少数株主に帰属するその他包括利益の税引後純額 1,630,564 7,169,314
六、包括利益総額 70,125,834 79,552,749
親会社所有者に帰属する包括利益総額 27,204,930 34,610,945
少数株主に帰属する包括利益総額 42,920,904 44,941,804
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
13ページから209ページに記載する財務諸表注記は当財務諸表の一部である。
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度個別損益計算書
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
科目 注記 2019年 2018年
一、営業総収入 六(35) 933,953 6,969,390
内訳:純利息収入 227,532 202,105
純手数料及びコミッション収入 3,538 7,972
その他金融業務営業収入 702,883 6,759,313
減算:営業総原価 788,822 2,231,059
内訳:税金及び付加 1,072 4,905
管理費用 143,246 260,794
財務費用 六(38) 198,977 5,995
内訳:利息費用 267,931 47,799
受取利息 141,898 48,441
信用減損損失 六(39) 445,527 761,366
資産減損損失 六(40) - 1,197,999
加算:その他収益 5 111
二、営業利益 145,136 4,738,442
加算:営業外収入 29 2,278
減算:営業外支出 12,385 9,901
三、利益総額 132,780 4,730,819
減算:企業所得税費用 六(44) 42,642 1,534,454
四、純利益 90,138 3,196,365
五、その他包括損失の税引後純額 六(45) (48,139) (471,493)
その後の期間に純損益に振り替えられるその他の
包括利益
1. 持分法適用会社の将来的に損益に組み替えら
れるその他包括利益内の持分相当額 (154,769) 104,348
2.その他 (500) (16,710)
その後の期間に純損益に振替えられることのない
その他の包括 利益
1.その他資本性金融商品投資公正価値変動 107,130 (559,131)
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六、包括利益総額 41,999 2,724,872
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度連結キャッシュ・フロー計算書
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
科目 注記 2019年 2018年
一、営業活動によるキャッシュ・フロー
商品販売、役務提供による収入 306,321,371 287,363,488
同業及びその他金融機関への預け金の
純減少額 - 2,847,077
受入預金の純増加額 410,776,887 205,867,168
中央銀行預け金の純減少額 45,368,101 67,261,941
中央銀行からの借入金の純増加額 - 44,135,581
同業及びその他金融機関からの預り金の
純増加額 174,167,761 -
インターバンク借入金純増加額 - 33,747,285
受取利息、手数料及びコミッションによる現
金収入 334,640,671 301,459,488
インターバンク貸出金純減少額 - 42,973,647
売戻条件付買入金融資産の純減少額 1,339,304 43,277,229
売買目的金融負債純増加額 - 957,584
売買目的保有金融資産の純減少額 21,424,804 12,544,241
税金費用の還付収入 2,357,801 1,530,519
その他の営業収入 27,526,669 56,944,157
営業活動によるキャッシュ・インフロー小計 1,323,923,369 1,100,909,405
商品購入、役務受入による支出 (232,132,532) (212,253,194)
貸付金及び立替金純増加額 (448,240,537) (458,430,789)
同業及びその他金融機関からの預り金の
純減少額 - (19,990,116)
中央銀行からの借入金純減少額 (45,478,022) -
同業及びその他金融機関への預け金の
純増加額 (73,632,052) -
インターバンク貸出金純増加額 (17,918,574) -
インターバンク借入金純減少額 (17,400,302) -
買戻条件付売却金融資産純減少額 (6,970,359) (13,112,509)
売買目的金融負債純減少額 (242,701) -
支払利息、手数料及びコミッションによる現
金支出 (125,874,438) (105,000,192)
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従業員への支出及び従業員のための支出 (51,315,833) (46,836,053)
各種税金費用の支出 (36,901,034) (38,182,689)
その他の営業支出 (132,874,588) (82,192,185)
営業活動によるキャッシュ・アウトフロー小計 (1,188,980,972) (975,997,727)
営業活動によるキャッシュ・フロー純額 六(46)(a) 134,942,397 124,911,678
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
科目 注記 2019年 2018年
二、投資活動によるキャッシュ・フロー
投資の回収による現金収入 1,981,578,753 1,465,577,906
投資収益の取得による現金収入 5,786,582 4,996,168
固定資産、無形資産及びその他長期資産の処分による
収入純額 1,654,679 2,474,095
関連会社及び共同支配企業の処分による現金収入 1,187,342 3,183,404
子会社の処分による正味現金収入 六(46)(d) 1,309,757 10,209,834
投資活動に関係するその他の現金収入 2,277,167 5,312,092
投資活動によるキャッシュ・インフロー小計 1,993,794,280 1,491,753,499
固定資産、無形資産及びその他長期資産の取得による
支出 (17,858,603) (14,776,479)
投資による現金支出 (2,221,950,779) (1,596,768,850)
子会社の取得による正味現金支出 (1,897,394) (6,243,702)
関連会社及び共同支配企業の取得による現金支出 (5,333,341) (11,996,126)
投資活動に関係するその他の現金支出 (6,594,516) (12,378,385)
投資活動によるキャッシュ・アウトフロー小計 (2,253,634,633) (1,642,163,542)
投資活動によるキャッシュ・フロー純額 (259,840,353) (150,410,043)
三、財務活動によるキャッシュ・フロー
資本払込による収入 644,272 541,380
内訳:少数株主に対する子会社からの配当 644,272 541,380
借入による収入 118,651,045 111,773,586
債務性金融商品の発行による現金収入 582,406,932 936,321,448
子会社によるその他資本性金融商品の発行による現金
収入 41,060,053 3,343,009
少数株主との持分取引による現金収入 六(57) 434,838 2,414,797
その他の財務収入 3,143,731 2,498,497
財務活動によるキャッシュ・インフロー小計 746,340,871 1,056,892,717
借入金及び債務性金融商品の返済による現金支出 (612,057,049) (938,739,657)
リース負債元本及び利息返済による支出 (5,902,447) -
配当金・利益の分配又は利息の支払による支出 (45,181,082) (47,580,648)
(内訳:子会社からの少数株主持分に対する配当) (12,201,664) (11,967,612)
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財務活動に関係するその他の現金支出 (3,865,915) (4,605,100)
(内訳:永久債の償還) (1,825,100) (2,271,288)
財務活動によるキャッシュ・アウトフロー小計 (667,006,493) (990,925,405)
財務活動によるキャッシュ・フロー純額 79,334,378 65,967,312
四、為替レートの変動による現金及び現金同等物への影響
額 2,714,719 5,714,197
五、現金及び現金同等物純(減少)/増加額 六(46)(b) (42,848,859) 46,183,144
加算:期首現金及び現金同等物残高 六(46)(c) 460,380,845 414,197,701
六、期末現金及び現金同等物残高 六(46)(c) 417,531,986 460,380,845
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
13ページから209ページに記載する財務諸表注記は当財務諸表の一部である。
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度個別キャッシュ・フロー計算書
(特に注記しない限り、単位は千人民元)
科目 注記 2019年 2018年
一、営業活動によるキャッシュ・フロー
受取利息、手数料及びコミッションによる現
金収入 196,108 202,134
その他の営業収入 4,258,760 5,755,676
営業活動によるキャッシュ・インフロー小
計 4,454,868 5,957,810
各種税金費用の支出 (1,559,161) (413,750)
その他の営業支出 (1,393,257) (6,171,525)
営業活動によるキャッシュ・アウトフロー
小計 (2,952,418) (6,585,275)
営業活動によるキャッシュ・フロー純額 六(46)(a) 1,502,450 (627,465)
二、投資活動によるキャッシュ・フロー
投資回収による収入 9,316,381 27,117,098
投資活動によるキャッシュ・インフロー小
計 9,316,381 27,117,098
投資による支出 (12,511,658) (26,046,750)
投資活動によるキャッシュ・アウトフロー
小計 (12,511,658) (26,046,750)
投資活動によるキャッシュ・フロー純額 (3,195,277) 1,070,348
三、財務活動によるキャッシュ・フロー
債務性金融商品の発行による現金収入 1,000,000 -
借入による収入 5,300,000 -
財務活動によるキャッシュ・インフロー小
計 6,300,000 -
借入金及び債務性金融商品の返済による現金
-
支出 (2,136,551)
利息支払による支出 (185,410) (46,722)
配当金分配、利益配分による支出 - (2,179,425)
財務活動によるキャッシュ・アウトフロー
小計 (2,321,961) (2,226,147)
財務活動によるキャッシュ・フロー純額 3,978,039 (2,226,147)
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四、為替レートの変動による現金及び現金同等物
への影響額 66,340 4,590
五、現金及び現金同等物純増加/(減少)額 六(46)(b) 2,351,552 (1,778,674)
加算:期首現金及び現金同等物残高 六(46)(c) 228,206 2,006,880
六、期末現金及び現金同等物残高 六(46)(c) 2,579,758 228,206
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
13ページから209ページに記載する財務諸表注記は当財務諸表の一部である。
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中国中信集団有限公司
2019年度連結所有者持分変動計算書
(特に明記しない限り、金額単位は千人民元)
科目 注記 親会社に帰属する所有者持分
資本 その他 利益 一般リスク 少数株主 所有者持分の
払込資元本 剰余金 包括利益 剰余金 準備金 未処分利益 小計 持分 部合計
2018年12月31日残高 205,311,476 (7,077,962) 2,735,411 6,546,493 31,461,649 95,844,208 334,821,275 426,592,458 761,413,733
三(2)
会計方針の変更 (a) - - - - - (82,942) (82,942) (306,896) (389,838)
2019年1月1日残高 205,311,476 (7,077,962) 2,735,411 6,546,493 31,461,649 95,761,266 334,738,333 426,285,562 761,023,895
2019年度変動額
包括利益総額
純利益 - - - - - 25,193,834 25,193,834 41,290,340 66,484,174
その他包括利益 - - 2,011,096 - - - 2,011,096 1,630,564 3,641,660
包括利益総額合計 - - 2,011,096 - - 25,193,834 27,204,930 42,920,904 70,125,834
所有者出資及び資本の減少
1、株主の資本投下 - - - - - - - 644,272 644,272
2、子会社によるその他資本性
金融商品の発行 - - - - - - - 41,060,053 41,060,053
3、子会社によるその他資本性
金融商品の償還 - - - - - - - (1,825,100) (1,825,100)
4、少数株主との持分取引によ
る現金収入 六(57) - 1,123,171 - - - - 1,123,171 (3,308,293) (2,185,122)
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5、非全額出資子会社の新規取
得 - - - - - - - 65,003 65,003
六(46)
6、子会社の処分 (d) - - 55,354 - - (55,354) - (183,989) (183,989)
7、その他 - - - - - - - (18,000) (18,000)
利益処分
1、利益剰余金積立 六(32) - - - 9,014 - (9,014) - - -
2、一般リスク準備金の積立 六(33) - - - - 2,960,531 (2,960,531) - - -
3、株主への配当 - - - - - - - (12,009,790) (12,009,790)
所有者持分内部振替
- その他包括利益を通じて公正
価値で測定する持分投資の処
分 - - 329,526 - - (329,526) - - -
その他 - 294,725 - - - - 294,725 303,474 598,199
2019年12月31日残高 205,311,476 (5,660,066) 5,131,387 6,555,507 34,422,180 117,600,675 363,361,159 493,934,096 857,295,255
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
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2019年度連結所有者持分変動計算書(続き)
(特に明記しない限り、金額単位は千人民元)
親会社に帰属する所有者持分
その他 一般リスク 少数株主 所有者持分の
科目 注記 払込資元本 資本剰余金 包括利益 利益剰余金 準備金 未処分利益 小計 持分 部合計
2017年12月31日残高 205,311,476 (7,166,896) (3,120,467) 6,226,856 31,331,174 72,325,897 304,908,040 401,523,832 706,431,872
会計方針の変更 - - 1,447,691 - 6,800 (4,061,710) (2,607,219) (4,137,978) (6,745,197)
2018年1月1日残高 205,311,476 (7,166,896) (1,672,776) 6,226,856 31,337,974 68,264,187 302,300,821 397,385,854 699,686,675
2018年度変動額
包括利益総額
純利益 - - - - - 30,202,758 30,202,758 37,772,490 67,975,248
その他包括利益 - - 4,408,187 - - - 4,408,187 7,169,314 11,577,501
包括利益総額合計 - - 4,408,187 - - 30,202,758 34,610,945 44,941,804 79,552,749
所有者出資及び資本の減少
1、株主の資本投下 - - - - - - - 571,380 571,380
2、子会社によるその他資本性
金融商品の発行 - - - - - - - 3,343,009 3,343,009
3、子会社によるその他資本性
金融商品の償還 - - - - - - - (8,860,182) (8,860,182)
4、少数株主との持分取引によ
る現金収入 六(57) - 152,987 - - - - 152,987 2,261,810 2,414,797
六(46)
5、子会社の処分 (d) - - - - - - - (642,055) (642,055)
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利益処分
1、利益剰余金積立 六(32) - - - 319,637 - (319,637) - - -
2、一般リスク準備金の積立 六(33) - - - - 123,675 (123,675) - - -
3、株主への配当 - - - - - (2,179,425) (2,179,425) (12,270,721) (14,450,146)
その他 - (64,053) - - - - (64,053) (138,441) (202,494)
2018年12月31日残高 205,311,476 (7,077,962) 2,735,411 6,546,493 31,461,649 95,844,208 334,821,275 426,592,458 761,413,733
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中国中信集団有限公司
2019年度個別所有者持分変動計算書
(特に明記しない限り、金額単位は千人民元)
科目 注記 払込資元本 資本剰余金 その他包括利益 利益剰余金 未処分利益 所有者持分の部合計
2019年1月1日残高 205,311,476 9,906,386 214,530 6,546,493 2,616,789 224,595,674
2019年度変動額
包括利益総額 - - (48,139) - 90,138 41,999
利益処分
1、利益剰余金積立 六(32) - - - 9,014 (9,014) -
2019年12月31日残高 205,311,476 9,906,386 166,391 6,555,507 2,697,913 224,637,673
2017年12月31日残高 205,311,476 9,906,386 802,582 6,226,856 2,205,910 224,453,210
会計方針の変更 - - (116,559) - 115,956 (603)
2018年1月1日残高 205,311,476 9,906,386 686,023 6,226,856 2,321,866 224,452,607
2018年増減変動額
包括利益総額 - - (471,493) - 3,196,365 2,724,872
利益処分
1、利益剰余金積立 六(32) - - - 319,637 (319,637) -
2、所有者への分配 - - - - (2,179,425) (2,179,425)
その他 - - - - (402,380) (402,380)
2018年12月31日残高 205,311,476 9,906,386 214,530 6,546,493 2,616,789 224,595,674
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当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
企業責任者: 主管会計責任者: 会計組織責任者:
13ページから209ページに記載する財務諸表注記は当財務諸表の一部である。
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中国中信集団有限公司
財務諸表注記
2019年度
(特に明記しない限り、金額単位は千人民元)
一 会社の基本状況
中国中信集団公司は国務院の承認を経て設立された総合企業グループである。2011
年、中国中信集団公司は全社的な再編を行い、名称を中国中信集団有限公司(以下
「当社」)に改めた。財政部は、国務院を代表して出資者の職責を担い、当社の唯
一の株主としての地位を有する。2011年12月27日、当社は再編後の企業法人営業許
可証を取得し、その登録番号は100000000000895(4-4)、登記地は北京市朝陽区新源
南路6号である。当社の登録資本金は2,053億元である。
2018年度、財政部は「国務院による一部国有資本配分による社会保障基金充実実施
案公布に関する通知」の要求に基づき、当社に対し「財政部、人力資源社会保障部
による中国人民保険集団股份有限公司等、中央金融機関の一部国有資本配分に関連
する問題に関する通知」を通達し、財政部が保有する当社の10%の持分を無償で全国
社会保障基金理事会(以下「社保基金会」と略称する)に配分した。2020年6月30日現
在、関連手続きをとっている。
当社及び子会社(以下「当グループ」)は主に金融、資源エネルギー、製造、工事
請負、不動産等の業務に従事している。
当財務諸表は2020年6月30日に董事会の承認を得ている。
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二 財務諸表の作成基準
当財務諸表は、2006年2月15日及びそれ以降の期間に財政部が公布した
「企業会計準則―基本準則」、具体的な会計準則の各項目及び関連規定
(以下、「企業会計準則」と総称する)に準拠して作成している。
当財務諸表は継続企業の前提に基づいて作成している。
(1) 企業会計準則遵守声明
当社の財務諸表は企業会計準則の規定に準拠し、当社の2019年12月31日現
在の連結及び個別の財政状態、並びに2019年度の連結及び個別の経営成績
及びキャッシュ・フロー等の関連情報を適切且つ網羅的に反映している。
(2) 会計年度
当グループの会計年度は暦年の1月1日から12月31日までである。
(3) 記帳本位通貨及び財務諸表表示通貨
当社の記帳本位通貨は人民元であり、財務諸表の作成に採用する通貨も人
民元である。当社及び子会社が選択する記帳本位通貨の根拠は、主要業務
収支の計算及び決済通貨である。当社の一部の子会社は人民元以外の通貨
を記帳本位通貨として採用しており、財務諸表作成時に、これらの子会社
の外貨建財務諸表は注記三(4)に基づき人民元に換算している。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り
(1) 重要な会計方針の変更
財政部は2018年に改定後の「企業会計準則第21号-リース」(以下「新リース準則」と
いう)を公布し、2019年に「2019年度一般企業財務諸表書式変更公布に関する通知」
(財会[2019] 6号) 及び改定後の「企業会計準則第7号-非貨幣性資産交換」(以下「非
貨幣性資産交換準則」という)及び「企業会計準則第12号-債務再編」(以下「債務再
編準則」という)を公布し、当グループは上記の準則と通知に基づき2019年度財務諸
表を作成している。上記の財務諸表書式通知並びに改定後の非貨幣性資産交換準則及
び債務再編準則による当グループ及び当社財務諸表への顕著な影響はない。新リース
準則による影響の表示は以下の通りである:
(a) 新収益準則新リース準則
当グループ及び当社は2019年1月1日から新リース準則を適用している。
新リース準則による当社財務諸表への顕著な影響はない。
新リース準則の関連規定に基づき、当グループ及び当社は当該準則初度適用の累計影
響数値について2019年度期首留保利益及び財務諸表のその他関連項目の金額を調整
し、2018年度の比較財務諸表は修正再表示していない。
新リース準則初度適用の過程において、当グループは当該準則で適用が認められてい
る下記の簡便法を適用している:
・合理的に近似する特徴を有するリースポートフォリオに対し単一の割引率を適用す
る。
・初度適用日前に貸借対照表に計上する損失引当金額に基づき使用権資産を調整す
る。
・2019年1月1日現在の残存リース期間が12ヶ月より短いオペレーティング・リースを
短期リースとして処理する。
・初度適用日の使用権資産の測定には当初直接費用は含めなくともよい。及び
・初度適用日前のオプションの実際行使及びその他最新状況に基づきリース期間を確
定できる。
当期の新リース準則適用の具体的会計方針は注記三(10)を参照のこと。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(2) 重要な会計方針の変更による影響
(a) 新リース準則
(i) リース負債の測定
当グループ
2018年12月31日に開示したオペレーティング・リー
ス承諾 25,140,287
初度適用日に使用する借手の追加借入利子率による
割引(注) 23,981,440
加算:2018年12月31日に認識したファイナンス・
リース負債 239,490
減算:定額法で費用として認識した短期リース (209,917)
減算:定額法で費用として認識した少額リース (66)
減算:サービス部分として再評価されたリース契約
(415,690)
加算:延長オプション及び終了オプションに異なる
会計処理を採用したことによる調整
946,367
(249,434)
その他
24,292,190
2019年1月1日に認識したリース負債
注:
2019年1月1日、当グループはリース負債の測定時、近似する特徴を有するリース契
約に同一の割引率を適用しており、割引率として採用した追加借入利子率は3.10%か
ら6.00%である。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(2) 重要な会計方針の変更による影響(続き)
(a) 新収益準則(続き)新リース準則(続き)
(ii) 新リース準則適用による連結貸借対照表への影響
新リース準則
初度適用
2018年12月31日 の影響 2019年1月1日
使用権資産 適用なし 25,232,865 25,232,865
固定資産 139,566,159 (526,268) 139,039,891
受取手形及び未収債権 111,944,593 (1,480,678) 110,463,915
リース負債 適用なし 24,292,190 24,292,190
支払手形及び未払債務 143,284,673 (676,433) 142,608,240
未処分利益 95,844,208 (82,942) 95,761,266
少数株主持分 426,592,458 (306,896) 426,285,562
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(3) 企業結合及び連結財務諸表
(a) 共通支配下における企業結合
結合に関与する企業が結合の前後でいずれも同一当事者又は複数の最終支配者によ
り支配され、且つ当該支配が一時的でない場合、共通支配下の企業結合とする。結
合企業が企業結合において取得する資産と負債は、結合日における最終支配者の連
結財務諸表上の帳簿価額に基づき測定する。取得した純資産帳簿価額と支払った結
合の対価の帳簿価額(又は発行株式額面総額)の差額について、資本剰余金内の株
式資元本割増しを調整する。資本剰余金内の株式資元本割増しが相殺に不十分な場
合、未処分利益を調整する。企業結合のために発生した直接関連費用は、発生時に
当期損益に計上する。結合日は、結合企業が被結合企業の支配権を実際に取得した
日とする。
(b) 非共通支配下における企業結合
結合に関与する各当事者が結合の前後で同一当事者又は複数の最終支配者により支
配されない場合、非共通支配下の企業結合とする。当グループが取得企業として、
被取得企業の支配権を取得するために対価を支払った資産(取得日前に保有してい
た被取得企業の持分を含む)、発生又は負担する負債及び発行した持分証券は、取
得日の公正価値の合計から、結合において取得した被取得企業の識別可能純資産の
取得日における公正価値を差し引いた額であり、正の値であればのれんとして認識
し(注記三(12)を参照)、負の値であれば当期損益に計上する。当グループが企業
結合の対価として発行した持分証券又は負債証券の取引費用は、持分証券又は負債
証券の当初認識金額に計上する。当グループに企業結合のために発生した各種のそ
の他直接費用は、発生時に当期損益に計上する。対価を支払った資産、又は発生し
た若しくは引き受けた負債の公正価値とその帳簿価額との差額は、当期損益に計上
する。当グループは、取得した被取得企業の認識条件に合致する各種の識別可能資
産、負債及び偶発債務を取得日の公正価値で認識する。取得日は、取得企業が被取
得企業の支配権を実際に取得した日である。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(3) 企業結合及び連結財務諸表(続き)
(c) 連結財務諸表
連結財務諸表の連結範囲は支配の有無に基づき確定し、当社及び当社の子会
社を含む(構造化主体を含む)。支配とは、当グループが被投資会社に対して
有する権力を有し、被投資会社の関連活動に参画し、変動リターンを享受
し、被投資会社に対する権力を行使して、その投資リターンに影響を及ぼす
能力を有することを指す。当グループが被投資会社に対し権力を有するか否
かを判断する際、当グループは被投資会社と関連する実質的権利(当グルー
プ及びその他当事者が享受する実質的権利を含む)のみを考慮する。子会社
の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、支配の開始日から支配の
終了日までの期間について、連結財務諸表に含まれる。
共通支配下の企業結合を通じて取得した子会社については、当期連結財務諸
表作成時に、被結合子会社は、当社最終支配者による支配開始時に当社連結
範囲に組み入れられたとみなされ、連結財務諸表の期首数値及び前期比較財
務諸表に対し相応の調整が行われる。当社は連結財務諸表作成時に、当社最
終支配者による被結合子会社に対する支配開始時から、被結合子会社の各種
資産、負債の最終支配者財務諸表上の帳簿価額を当社連結貸借対照表に統合
し、被結合子会社の経営成績を当社連結損益計算書に組み入れる。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(3) 企業結合及び連結財務諸表(続き)
(c) 連結財務諸表(続き)
非共通支配下の企業結合を通じて取得した子会社については、連結当期財務
諸表作成時に、取得日に確定した被結合子会社の各種の識別可能資産、負債
の公正価値に基づき、取得日から起算して被結合子会社が当社連結範囲に組
み込まれることとする。複数の取引を通じて段階的に非共通支配下の企業結
合を実現した場合、取得日前に保有する被結合企業の持分について、当グ
ループは当該持分の取得日における公正価値に基づき改めて測定を行い、公
正価値とその帳簿価額との差額は当期投資収益に計上する。取得日前に保有
する被結合企業の持分が関係する、以降に損益に組み替えることができるそ
の他包括利益及び持分法の計算によるその他所有者持分変動(注記三(7)(b)
を参照)は、取得日に当期投資収益に繰り入れる。
当社は、少数持分の取得により、新たに取得する長期持分投資原価と、新た
に追加された持分比率に基づき、享受すべき子会社識別可能純資産の相当額
との差額を計算し、さらに支配権を喪失しない状況下において、子会社の持
分投資を一部処分することで取得する代金と、長期持分投資を処分すること
による相応の享受すべき子会社純資産との差額を計算し、これらを全て連結
貸借対照表上の資本剰余金(株式資元本割増し)に調整し、資本剰余金(株
式資元本割増し)が相殺に不十分な場合は、留保利益に調整する。
一部の持分投資の処分又はその他の原因で、従来から所有する子会社の支配
権を喪失した場合、当グループは当該子会社の関連資産、負債、少数株主持
分及び持分内のその他関連項目の認識を中止する。処分後の残りの持分投資
について、当グループはその支配権喪失日の公正価値に基づき改めて測定
し、それから生じるいかなる収益又は損失も、支配権を喪失した当期の投資
収益に計上する。
子会社の少数株主が占めるべき持分、損益及び包括利益総額はそれぞれ連結
貸借対照表の所有者持分、並びに連結損益計算書の純利益及び包括利益総額
項目の後に単独で表示する。
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当子会社が採用する会計期間又は会計方針が当社のそれと一致しない場合、
連結時に当社の会計期間又は会計方針に基づき、子会社財務諸表に対し必要
な調整を行っている。連結時、未実現内部取引損益を含む、全てのグループ
内部取引及び残高は、全て相殺消去されている。グループ内部取引で発生し
た未実現損失については、当該損失について関連資産の減損損失を示す証拠
があれば、全額を当該損失に認識する。
当グループを会計主体とした場合と、当社又は子会社を会計主体とした場合
の同一取引の認定が異なる場合、当グループの視点から当該取引を調整す
る。
子会社少数株主が分担する当期損失が、少数株主の当該子会社の期首所有者
持分にて享受する相当額を超過する場合、その残高は依然として少数株主持
分と相殺される。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
外貨換算
(4)
当グループの外貨取引は、当初認識時に取引発生日の直物為替レートに基づき本位
通貨に換算する。貸借対照表日にて、外貨建貨幣性項目は貸借対照表日の直物為替
レートを採用して換算し、換算差額は当期損益に計上する。取得原価で測定した外
貨建非貨幣性項目については、依然として当該取引発生日の直物為替レートにより
換算している。公正価値で測定する外貨建非貨幣性項目は公正価値確定日の直物為
替レートを採用して換算し、換算差額は当期損益に計上する。
当グループは連結財務諸表作成時に、子会社の外貨建財務諸表を人民元に換算す
る。外貨建財務諸表上の資産及び負債項目は、貸借対照表日の直物為替レートを採
用して換算する。所有者持分項目は「未処分利益」を除き、その他項目は発生時の
直物為替レートを採用し換算する。
損益計算書上の収入及び費用項目は、取引発生日の直物為替レート又は直物為替
レートの近似レートを採用し換算する。上記の原則により生じる外貨建財務諸表換
算差額は、連結貸借対照表上の所有者持分項目下のその他包括利益に表示する。為
替レートの変動による現金への影響額は、キャッシュ・フロー計算書上で個別に表
示している。
在外事業体を処分する場合、関連する外貨建財務諸表換算差額は所有者持分から当
期処分損益に繰り入れる。
(5)
現金及び現金同等物
現金及び現金同等物には現金、随時支払いに使用できる銀行預金及び満期が3ヶ月以
内のその他短期の流動性の高い投資が含まれる。当座借越は、当日弁済し、且つ当
グループの現金管理の重要な要素である場合、キャッシュ・フロー計算書の現金及
び現金同等物に含まれる。
棚卸資産
(6)
(a) 製造業、資源エネルギー業
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製造業、資源エネルギー業の棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいず
れか低い方で測定する。
取得原価には先入先出法、個別法又は加重平均法により計算する。棚卸資産の取得
原価には、購入原価、加工原価(規則的な方法により配分する製造費用を含む)及
び棚卸資産が現在の場所及び状態に到達するまでに発生したその他支出が含まれ
る。
正味実現可能価額は、見積販売価額から、正常な経営の過程において完成までに発
生する原価、見積販売費用、並びに関連する税金を差引いた金額を以って算定して
いる。
棚卸資産売却時に、これらの棚卸資産の帳簿価額を原価として、関連収入の認識期
間内に認識する。棚卸資産の価値が正味実現可能価額にまで低減した場合の減損部
分及び全ての棚卸資産の損失はいずれも費用とし、減損又は損失の発生期間内に認
識する。棚卸資産減損の繰戻しは繰戻発生期間の当期損益に計上する。
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(6) 棚卸資産(続き)
(b) 不動産業
不動産業項目下の不動産開発活動に関連する棚卸資産は原価と正味実現可能
価額のいずれか低い方で計算する。原価と正味実現可能価額は以下の方法で
確定する。
- 開発中の不動産
開発中の不動産の原価には土地購入原価、開発総原価、材料及び物資原価、
賃金給与及びその他直接費用、適当な比率の間接原価、並びに資産化に係る
借入費用の総額(注記三(23)を参照)が含まれる。正味実現可能価額は、見
積売却価格から見積工事完成原価及び不動産売上原価を差し引いた価額であ
る。
- 売却目的保有の完成不動産
当グループが開発する完成不動産について、その原価は、未売却不動産の開
発総原価のうち、当該開発プロジェクトに配分する原価に基づき確定する。
正味実現可能価額は、見積売却価格から不動産売上原価を差し引いた価額で
ある。
売却目的保有の完成不動産の原価には、仕入原価、開発原価及び不動産を使
用場所に移動させ、使用可能な状態に至るまでに発生したその他支出が含ま
れる。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(7) 長期持分投資
(a) 子会社への投資
子会社への長期持分投資の投資原価は以下の原則に基づき当初測定を行う。
・ 共通支配下の企業結合で形成された子会社への長期持分投資について、当社は
結合日に取得した被結合企業の所有者持分の最終支配者連結財務諸表上の帳簿
価額の相当額を長期持分投資の当初投資原価とする。長期持分投資の当初投資
原価と、対価として支払った帳簿価額との間の差額は、資本剰余金内の株式資
元本割増しに調整される。資本剰余金内の株式資元本割増しが相殺に不十分な
場合、未処分利益に調整する。
・ 非共通支配下の企業結合で形成された子会社への長期持分投資について、当社
は取得日に被結合企業の支配権を取得し対価を支払った資産、発生又は負担す
る負債及び発行した持分証券の公正価値に基づき、当該投資の当初投資原価と
する。複数の取引を通じて実現した非共通支配下の企業結合で形成された子会
社への長期持分投資については、その当初投資原価は当社が取得日前に保有し
ていた被結合企業の持分投資の帳簿価額と取得日に新たに追加された投資原価
との総額とする。
・ 企業結合以外のその他の方法で形成された子会社への長期持分投資について、
当初認識時に、現金支出により取得した長期持分投資については、当社は実際
に支払った購入価格を当初投資原価とする。持分証券を発行して取得した長期
持分投資については、当社は発行した持分証券の公正価値を当初投資原価とす
る。
個別財務諸表にて、当社は原価法を採用して子会社への長期持分投資に対し事後測
定を行い、投資取得時に実際に支払った価格又は対価に含まれる宣言済みだが、ま
だ支給していない現金配当又は利益を除き、当社が享受すべき、子会社が宣言し分
配する現金配当又は利益を当期投資収益に認識する。子会社への投資は、原価から
減損引当金(注記三(15)を参照)を差し引いた後の価額で貸借対照表上で表示す
る。
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(7) 長期持分投資(続き)
(b) 共同支配企業及び関連企業への投資
共同支配企業は、当グループが単独主体として、その他当事者と共同支配を実施する
ことに合意し、且つ法律、契約条項及びその他事実、状況に基づき、その純資産につ
いてのみ享受する権利を有する共同支配アレンジメントを指す。関連企業は、当グ
ループがその財務及び経営方針に対し重要な影響力を有する被投資企業を指す。
共同支配企業及び関連企業への投資時に、当社が当初投資原価を認識する原則は以下
の通りである。現金支出により取得した長期持分投資について、当グループは、実際
に支払われた購入価格を当初投資原価とし、持分証券を発行し取得する長期持分投資
については、当グループは発行した持分証券の公正価値を当初投資原価とする。
事後測定時に、共同支配企業及び関連企業への長期持分投資では、投資が売却目的保
有の条件に合致する場合を除き、持分法を採用して計算する(注記三(13)を参照)。
当グループが持分法を採用して計算する際の具体的な会計処理は以下の通りである。
・ 長期持分投資の当初投資原価が投資時に享受すべき被投資企業の識別可能純資
産の公正価値相当額を上回る場合、前者を長期持分投資の原価とする。長期持
分投資の当初投資原価が投資時に享受すべき被投資企業の識別可能純資産の公
正価値相当額を下回る場合は、後者を長期持分投資の原価とし、長期持分投資
の原価と当初投資原価との差額を当期損益に計上する。
・ 共同支配企業及び関連企業への投資後に取得する、当グループの享受又は分担
すべき被投資企業の実現純損益及びその他包括利益の相当額は、それぞれ投資
損益とその他包括利益に認識し、長期持分投資の帳簿価額に調整する。被投資
企業が分配を宣言する利益又は現金配当に基づき計算する分配金額は、長期持
分投資の帳簿価額を相応に減少させる。共同支配企業又は関連企業に対する純
損益、その他包括利益及び利益分配以外の所有者持分のその他の変動(以下、
「その他所有者持分変動」)について、当グループは享受又は分担すべき相応
額に基づき所有者持分を計上し、同時に長期持分投資の帳簿価額を調整する。
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・ 享受又は分担すべき被投資企業の実現純損益、その他包括利益及びその他所有
者持分変動の相当額を計算する際、当グループは投資取得時の被投資企業の識
別可能純資産の公正価値を基礎として、当グループの会計方針又は会計期間に
基づき必要な調整を実施してから、投資収益とその他包括利益等を認識する。
当グループにおいて、関連企業及び共同支配企業との間の内部取引から生じる
未実現損益は、享受すべき比率に基づき当グループ帰属部分を計算し、持分法
による計算時に相殺する。内部取引から生じる未実現損失は、当該損失が関連
資産の減損損失であることを示す証拠がある場合、全額を当該損失に認識す
る。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(7) 長期持分投資(続き)
(b) 共同支配企業及び関連企業への投資(続き)
・ 当グループにおける、共同支配企業又は関連企業に発生する純損失は、当グ
ループが追加の損失を負う義務がある場合を除き、長期持分投資の帳簿価額及
びその他実質的な共同支配企業又は関連企業の純投資の長期持分は、ゼロを限
度として減算する。共同支配企業又は関連企業が以降の期間において純利益を
実現する場合、当グループは収益を享受する相当額を以って未認識の損失額を
補填してから、収益相当額の回復を認識する。
当グループは、注記三(15)の原則に基づき、長期持分投資に対し減損引当金を計上
する。
当グループが関連企業に対する重要な影響を喪失する又は共同支配企業に対する共
同支配を喪失した場合、当グループが当該関連企業又は共同支配企業の保有する持
分を処分したとみなし、発生する利益又は損失を損益に計上する。従来の持分投資
において持分法を適用することに起因して認識するその他包括利益は、持分法適用
終了時に被投資会社の関連資産又は負債の直接処分と同様の基礎を適用して会計処
理を行う。残りの持分は重要な影響又は共同支配の権利を喪失した日に、公正価値
に基づき再測定し、当該公正価値はある金融資産の当初認識の原価とみなす。
投資不動産
(8)
当グループは、リース料の取得又は資本増加を目的として保有する、或いは両方の
目的を兼ねる建物及び/又は土地を、投資不動産に区分し、原価で当初測定する。オ
ペレーティング・リース下で保有する土地は、投資不動産の定義に合致する場合、
投資不動産として計算する。
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投資不動産の用途を自己使用に変更する場合、変更の日から、当該投資不動産を固
定資産又は無形資産に振り替え、振り替えた当日の投資不動産の公正価値に基づき
固定資産・無形資産の帳簿価額を確定し、公正価値と投資不動産の振替前の帳簿価
額との差額は当期損益に計上する。自己使用不動産の用途を賃貸収益又はキャピタ
ルゲイン目的に変更する場合、変更の日から、固定資産又は無形資産を投資不動産
に振り替え、振り替えた当日の公正価値を投資不動産の帳簿価額とし、振り替えた
当日の公正価値が固定資産・無形資産の振替前の帳簿価額を下回るならばその差額
を当期損益に計上し、上回るならばその差額をその他包括利益に計上する。
投資不動産は、貸借対照表日における公正価値で表示し、毎年レビューを行う。公
正価値の変動又は廃棄、処分から生じる利益又は損失は損益に計上する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(9) 固定資産及び建設仮勘定
固定資産は、当グループが商品生産、役務提供を目的として、リース又は経営管理
し、保有するものであり、耐用年数が一会計年度を超える有形資産を指す。
固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損引当金を差し引いた価額(注記
三(15)を参照)で貸借対照表に表示する。建設仮勘定は、取得原価から減損引当金
を差し引いた価額(注記三(15)を参照)で貸借対照表に表示する。
外部から購入した固定資産の当初原価には、購入価格、関連税金及び当該資産が予
定する利用可能な状態に達するまでに発生した当該資産に帰属する支出が含まれ
る。自社建造の固定資産の当初原価には工事用物資、直接人件費、資産化条件に合
致する借入費用(注記三(23)を参照)、並びに当該資産が予定する利用可能な状態
に達するまでに発生した必要支出が含まれる。当グループは、固定資産廃棄時に、
環境保護及び生態回復等の義務に関連する支出を負担し、これは関連固定資産の当
初原価に含まれる。
建設仮勘定は、予定する使用可能な状態に達した際に、固定資産に振り替える。建
設仮勘定には減価償却費を計上しない。
固定資産を構成する各要素が、それぞれ異なる耐用年数又は異なる方法で当グルー
プに経済的便益をもたらす場合、異なる減価償却率又は減価償却方法を採用し、当
グループは各構成要素を個別固定資産として認識する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(9) 固定資産及び建設仮勘定(続き)
固定資産の以降の支出には、固定資産のある構成部分の交換に関連する支出が含ま
れ、固定資産認識条件に合致する場合、固定資産原価に計上し、同時に交換される
部分の帳簿価額を控除する。固定資産の日常的なメンテナンスに関連する支出は発
生時に当期損益に計上する。
固定資産の廃棄又は処分で生じる損益は、処分利益の純額と固定資産の帳簿価格と
の間の差額であり、廃棄又は処分日に損益にて認識する。
当グループは、固定資産が売却目的保有の条件に合致する場合を除き、固定資産の
原価を、見積純残存価額と減損引当金累計額を控除した後、その耐用年数内の定額
法に基づき減価償却費を計上する(注記三(13)を参照)。
各種固定資産の耐用年数及び見積残存価額率は以下の通りである。
耐用年数 残存価額率
工場建物及び建築物 5-70年 5%
機械設備 3-33年 5%
オフィス設備及びその他設備、 2-33年 5%
運搬具
その他 2-33年 0-10%
当グループは、少なくとも毎年の年度終了時に固定資産の耐用年数、見積純残存価
額及び減価償却方法についてレビューを行っている。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(10) リース
上記の注記三(2)で記載する通り、当グループは借手としてのリース会計方針を変更
している。新方針は下記の通りであり、この会計方針の変更による影響については
注記三(2)を参照のこと。
2018年12月31日現在、当グループが借手として工場建物及び設備の所有権に関連す
るほぼ全てのリスク及び経済価値を負担するリースをファイナンス・リースとして
分類している。ファイナンス・リースはリース期間開始日にリース資産の公正価値
と、最低支払リース料の現在価値とのいずれか低い金額に基づき認識している。関
連するリース料支払義務は、金融費用を差し引いた後に、その他短期負債及び長期
未払金に計上する。各支払リース料は負債と金融費用との間で配分する。金融費用
はリース期間にわたり損益に計上し、固定周期利率及び各期間の負債残高に基づき
利息を計算する。当グループがリース期間満了時にファイナンス・リース工場建物
及び設備の所有権を取得できるか合理的に確定できない場合、資産の耐用年数又は
資産の耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたり減価償却費を計上する。
所有権に関連するリスクと経済価値の大部分が当グループ(借手として)に移転しな
いリースはオペレーティング・リースに分類する。オペレーティング・リースの支
払リース料(貸手が提供する全てのリースインセンティブを除く)はリース期間にわ
たり定額法で損益に計上する。
2019年1月1日から、当グループはリース期間開始日にリースを使用権資産と関連す
る負債に認識している。
契約にはリース構成部分と非リース構成部分を含む場合がある。当グループは各
リース構成部分と非リース構成部分の個別価格の関連する比率に基づき契約対価を
配分している。
(a) リース負債
リースによって生じる資産と負債は現在価値に基づき当初測定する。リース負債に
は下記の支払リース料の正味現在価値を含む:
・ 固定支払額(実質固定支払額を含む)。ただし、受け取るリースインセンティブ
を控除する。
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・ 指数又は比率に基づき確定する変動支払リース料は、リース期間開始日の指数
又は比率を適用して当初測定する。
・ 当グループは残存担保に基づき支払い金額を見積もる。
・ 当グループは行使する購入オプションの権利行使価格を合理的に確定する。及
び
・ リース期間において当グループがオプションを行使する状況下でのリース終了
による罰金額を反映させる。
当グループが延長オプションの行使を合理的に確定する時、支払リース料は負債の
測定に組み込む。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(10) リース(続き)
(a) リース負債 (続き)
支払リース料はリースに含まれる暗黙の利率で割り引く。当グループのリースに含
まれる暗黙の利率は通常、直接的には確定できない。このような状況下において、
借手の追加借入利子率、即ち借手が類似する経済環境下で使用権資産価値に近接す
る資産を取得し、類似する期間において類似する担保条件で借入資金を取得するの
に支払いが必須である利率を採用する。
追加借入利子率を確定するために、当グループは以下を行う:
・ 可能である場合、借手が直近で取得した第三者融資を起点として、第三者融資
取得以降の融資条件の変化を反映させるため、調整を行う。
・ 直近で第三者融資を取得しなかった当グループ保有リースについて、無リスク
利子率(リスクフリーレート)を起点とした累積法を適用し、リースの信用リ
スクに基づき調整する。また
・ リース期間、国、貨幣及び担保等特定事項に対して特定の調整を行う。
当グループは指数又は比率に基づき確定する変動支払リース料の増加のリスクに直
面する可能性があり、この部分の変動支払リース料は実際発生時にリース負債に組
み入れる。指数又は比率に基づき支払リー
ス料を調整する際、リース負債を再評価し、使用権資産を調整する。
各支払リース料はいずれも関連する負債と財務費用との間で配分する。財務費用は
リース期間にわたり損益に計上し、各期の負債残高に生じる利息率の一致を確保す
る。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(10) リース(続き)
(b) 使用権資産
使用権資産は原価で測定し、原価には以下の項目を含む:
・ リース負債の当初測定価額
・ リース期間開始日又はその前に支払った支払リース料。ただし、受領したリー
スインセンティブは控除する。
・ 全ての当初直接費用、及び
・ 原状回復コスト
使用権資産は一般的に資産の耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたり定
額法で減価償却費を計上する。当グループが購入権を行使すると合理的に確定でき
る場合、原資産の耐用年数期間にわたり使用権資産の減価償却費を計上する。
短期リースと少額資産リースに関連する支払額は定額法で損益の中で費用として認
識する。短期リースとは、リース期間が12ヶ月以下のリースを指す。少額資産には
IT設備等を含む。
当グループが貸手として受領するオペレーティング・リースによるリース料収入
は、リース期間内に定額法によって収益として認識している。オペレーティング・
リースに発生する当初直接費用は原資産の帳簿価額に計上しており、リース期間に
わたりリース料収入と同一の基礎に基づき費用として認識している。リース資産は
その性質に基づき貸借対照表に表示している。当グループは貸手としてファイナン
ス・リースで未収ファイナンス・リース料を認識し、償却原価法で測定する。当グ
ループは貸手として、新リース準則の適用を理由として、その保有する資産の会計
処理に対しいかなる調整もする必要はない。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
無形資産
(11)
当グループが購入する無形資産は、取得原価から償却累計額(見積耐用年数が有限
である場合に該当)及び減損損失(該当する場合のみ)を差し引いた価額を計上す
る(注記三(15)を参照)。
以下の耐用年数が有限である無形資産は、その予定する使用可能な状態に達した時
点から償却し、資産の見積使用年数にわたり規則的かつ合理的に償却し、損益に計
上する。主な無形資産の見積耐用年数は以下の通りである:
- 土地使用権 見積使用年数10~50年
- 採掘資産 埋蔵量法により見積もった使用年数
- フランチャイズ経営権 見積耐用年数20年
当グループは毎年、無形資産の耐用年数と償却方法についてレビューを行ってい
る。
無形資産の見積耐用年数が確定されていない場合は、償却は行わない。当グループ
は各会計期間に耐用年数が確定していない無形資産の耐用年数に対しレビューを行
い、実際状況に基づき当該資産の使用年数を不確定とすることの根拠の有無を判断
する。無形資産の耐用年数が有限であることを示す証拠がある場合は、その耐用年
数を見積もり、耐用年数変更の日から上記に基づき耐用年数が有限の無形資産の処
理を行う。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(12) のれん
当グループは取得企業として、被取得企業の支配権を取得するために対価を支払う
資産(取得日前に保有する被取得企業の持分を含む)、発生又は負担する負債及び
発行する持分証券の取得日の公正価値の総額から、企業結合において取得する被取
得企業の識別可能純資産の公正価値の相当額を差し引いた差額が、正の値であれば
のれんとして認識し、負の値であれば当期損益に計上する。
当グループがのれんに対し計上する減損損失は一旦認識されると、以降の期間に繰
り戻すことはできない。
(13) 売却目的保有及び非継続事業
以下の条件を同時に満たす非流動資産又は処分グループを売却目的保有とし
て区分する: (一) 類似の取引におけるこの種の資産又は処分グループの売
却の慣例に従い、現況下で即時に売却できること。 (二) 当グループが他者
と法的拘束力を有する売却契約を締結し、且つ関連する承認を取得してお
り、売却が1年以内に完了する見込みであること。
売却目的保有の条件を満たす非流動資産(金融資産、公正価値で測定する投資
不動産及び繰延税金資産を除く)は、帳簿価額と、公正価値から売却費用を差
し引いた純額のいずれか低い価額で測定する。公正価値から売却費用を差し
引いた純額が当初の帳簿価額を下回る金額は、資産減損損失として認識す
る。
売却目的保有に分類される非流動資産及び処分グループ中の資産及び負債
は、流動資産及び流動負債に分類し、かつ貸借対照表において個別に表示す
る。
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非継続事業は、当グループが以下の条件のうち1つを満たす、個別に区分でき
る構成部分で、且つ当該構成部分が既に処分された又は売却目的保有に分類
されたものを指す:
(一) 当該構成部分が個別の独立した主要業務又は個別の主要経営地区を代表
すること。
(二) 当該構成部分が、個別の独立した主要業務又は個別の主要経営地区に対
し処分を予定する関連計画の一部であること。
(三) 当該構成部分が専ら再販売のために取得する子会社であること。
損益計算書上に表示する非継続事業純利益には、その事業損益及び処分損益
が含まれる。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(14) 金融商品
金融商品とは、一方の企業にとっての金融資産と、他の企業にとっての金融
負債又は資本性金融商品の双方を生じさせる契約を指す。当グループは金融
商品契約当事者となった時点で関連する金融資産または金融負債を認識して
いる。
(a) 金融資産
(i)分類と測定
当グループは、金融資産管理の業務モデル及び金融資産の契約キャッシュ・
フローの特徴に基づき、金融資産を以下の通りに分類している:
- 償却原価で測定する金融資産
- その他包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
- 損益を通じて公正価値で測定する金融資産
金融資産は当初認識時に公正価値で測定している。損益を通じて公正価値で
測定する金融資産については、関連取引費用も当期損益に直接計上してお
り、それ以外の分類の金融資産の関連取引費用は、当初認識金額に含めて計
上する。製品の販売または役務の提供により発生する、重要な金融要素を含
まない若しくは考慮しない売掛金若しくは受取手形は、受け取る権利がある
と見込まれる対価金額を当初認識金額としている。
負債性金融商品
当グループの保有する負債性金融商品とは、発行者の観点から金融負債の定
義に該当する金融商品であり、それぞれ下記の三種類の方法で測定する。
- 償却原価による測定:
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当グループによる当該金融資産管理のビジネスモデルは、契約上のキャッ
シュ・フローを受け取ることを目標としており、且つ当該金融資産の契約上
のキャッシュ・フローの特性は基本的な融資の取決めと一致していて、特定
期日に発生するキャッシュ・フローは元本及び未返済の元本の利息のみと
なっている。同時に、当該資産は損益を通じて公正価値で測定する資産には
指定していない。当グループでは当該金融資産に対し、実効金利法により利
息収入を認識している。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(14) 金融商品(続き)
(a) 金融資産(続き)
(i)分類と測定(続き)
負債性金融商品(続き)
- その他包括利益を通じた公正価値での測定:
当グループによる当該金融資産管理のビジネスモデルは、契約上のキャッ
シュ・フローを受け取ること及びその売却を目標としており、且つ当該金融
資産の契約上のキャッシュ・フローの特性は基本的な貸借の取決めと一致し
ていて、特定期日に発生するキャッシュ・フローは元本及び未返済の元本の
利息のみとなっている。同時に当該資産は、損益を通じて公正価値で測定さ
れる資産には指定されていない。当該金融資産は公正価値をもって測定し且
つその変動をその他包括利益に計上しているが、減損損失若しくは利益、為
替差損益、及び実効金利法で計算する利息収入は当期損益に計上している。
- 損益を通じた公正価値での測定:
当グループが保有する償却原価で測定する負債性金融商品及びその他包括利
益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に区分しないものは、損益を
通じて公正価値で測定し、当初認識時に、当グループは会計上の不一致を取
り除く又は著しく減らすために、一部の金融資産を損益を通じて公正価値で
測定する金融資産に区分することができる。当該指定は一旦確定すると、撤
回できない。
資本性金融商品
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資本性金融商品は、当グループが全ての負債を控除した後の資産の中の残存
資本を有することを証明できる契約である。下記の全ての条件を満たす場
合、発行した金融商品は資本性金融商品に分類される:(1)当該金融商品に現
金又はその他金融資産を他者に引き渡す、又は不利な条件が潜在する中、他
者と金融資産又は金融負債を交換する契約義務が含まれないこと。(2)将来的
に自らの資本性金融商品を使用して当該金融商品の決済をしなければならな
い又は決済ができ、当該金融商品が非デリバティブである場合は、変動数量
の自らの資本性金融商品を引き渡して決済する契約義務を含まないこと。デ
リバティブである場合は、固定数量の自らの資本性金融商品を通じて固定金
額の現金又はその他金融資産と交換して当該金融商品を決済することしかで
きない。
当グループの資本性金融商品の投資は損益を通じて公正価値で測定するが、
経営者がその他包括利益を通じて公正価値で測定することを指定し、その指
定が解除できないものである場合はこの限りではない。指定後、公正価値の
変動をその他包括利益にて認識し、且つその後は損益に組み替えることはで
きない(処分時を含む)。投資リターンとしての配当金収入については、当グ
ループはその受領の権利確定時に認識している。
三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(14) 金融商品(続き)
(a) 金融資産(続き)
(ii)減損
当グループは、償却原価で測定する金融資産、その他包括利益を通じ公正価値
で測定する負債性金融商品、未収リース料、契約資産、貸付金承諾及び金融保
証契約等は、予想信用損失を基に損失引当金を認識している。
当グループは、関連する過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測等
の合理的且つ根拠のある情報を検討し、債務不履行リスクで重み付けし、契約
に基づき受け取るべきキャッシュフローと受け取ることが予想されていた
キャッシュフローとの差額の現在価値の、発生確率で加重平均した金額を計算
して予想信用損失を認識している。
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当グループは貸借対照表日ごとに、各段階の金融商品の予想損信用損失をそれ
ぞれ測定している。金融商品の信用リスクが当初認識以降に顕著に増加してい
ない場合、これを第一段階とする。金融商品の信用リスクが当初認識以降に顕
著に増加したものの信用減損は発生していない場合、これを第二段階とする。
当初認識以降に既に信用減損が発生している場合、これを第三段階とする。第
一段階の金融商品については、当グループが今後12ヶ月以内の予想信用損失に
基づき損失引当金を計上し、第二段階及び第三段階の金融商品については、当
グループは当該金融商品の全体的な存続期間における予想信用損失に基づき損
失引当金を計上する。貸借対照表日に信用リスクの低い金融商品については、
当グループは当該金融商品の信用リスクは当初認識以降に顕著に増加していな
いと仮定し、将来12ヶ月以内の予想信用損失に基づいて損失引当金を計上して
いる。
当グループは第一段階及び第二段階の金融商品に対し、損失引当金を差引かな
い帳簿価額及び実効金利に基づいて利息収入を計算している。第三段階の金融
商品については、その帳簿価額から損失引当金を差引いた償却原価及び実効金
利に基づいて利息収入を計算している。
当グループは計上した又は戻し入れた損失引当金を当期損益に計上している。
保有するその他包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について
は、当グループは減損損失又は利益を当期損益に計上し、同時にその他包括利
益を調整している。
受取手形、売掛金及び契約資産は、重要な融資部分を含むかを問わず、当グ
ループはいずれも全体の存続期間の予想信用損失に基づき損失引当金を測定す
る。
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(14) 金融商品(続き)
(a) 金融資産(続き)
(iii) 認識の中止
金融資産が下記の条件のいずれかを満たす場合、認識を中止する:
- 当該金融資産から受領するキャッシュ・フローの契約権利が終了するこ
と。
- 当該金融資産が既に移転し、且つ当グループが金融資産の所有権上のほぼ
全てのリスクと経済価値を買手に移転させること。
- 当該金融資産が既に移転し、当グループが金融資産の所有権上のほぼ全て
のリスクと経済価値を移転せず留保もしないが、当該金融資産に対する支
配を放棄すること。
当グループがその他包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の
認識を中止した場合、その帳簿価額と、受領した対価との間の差額を留保利
益に計上し、従前にその他包括利益に計上した累計利益又は損失はその他包
括利益から振り替え、留保利益に計上する。その他の金融資産の認識が中止
された場合、その帳簿価額と、受領した対価及び従前にその他包括利益に直
接計上した公正価値変動累計額との間の差額は当期損益に計上する。
経営活動の一部として、当グループは一部の信用貸付資産を証券化してお
り、一般的にこれらの資産をストラクチャード・エンティティに売却し、そ
してそれが投資者に証券を発行する。認識中止条件を満たす信用貸付資産証
券化の基礎資産について、当グループが従来の金融資産の認識を終了し、譲
渡過程で取得したストラクチャード・エンティティの持分を新たな金融資産
として認識する。認識中止条件を満たさない信用貸付資産の証券化につい
て、従来の金融資産を留保し、第三者投資者から募集した資金を融資金とし
て処理する。一部の認識中止条件を満たす信用貸付資産証券化の基礎資産に
ついて、当グループが当該基礎資産の支配権を放棄する場合、当グループは
認識を終了する。そうでない場合、当グループが金融資産を継続的に譲渡の
程度に基づき関連する金融資産を認識し、関連する負債を認識する。
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買戻条件に合致する金融資産の譲渡は、取引の経済的実質性に基づき認識を
中止するか否かを決定する。買戻しを予定する資産と譲渡する金融資産が同
一又は実質的に同一であり、買戻し価格が固定である又はもとの譲渡価格に
合理的なリターンが加算されている場合、当グループは譲渡する金融資産の
認識は中止しない。金融資産の譲渡後、優先的に公正価値に基づき当該金融
資産を買い戻す権利を留保する場合(譲受者が当該金融資産を売却する状況
下において)、当グループは譲渡する金融資産の認識を中止する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(14) 金融商品(続き)
(a) 金融資産(続き)
(iv) 金融資産契約の変更
当グループは時として顧客への貸付契約に関して約定の見直し又は変更を行
うため、契約のキャッシュ・フローに変化が生じる。このような状況が発生
した場合、当グループは変更後の契約条項に実質的な変更が生じたか否かを
評価する。当グループが評価実施時に考慮する要因には以下が含まれる:
- 契約変更により借手に財務上の困難が生じた場合、当該の変更は契約の
キャッシュ・フローを、借手が返済可能な金額に減少させるだけか否か。
- 実質的な条項が追加されたか否か。例えば、利益/持分に対する配当享受
の条項の追加により、契約のリスクの特徴に実質的な変化が生じたか否
か。
- 借手に財務上の困難が発生していない状況下で、借入期間が大幅に延長さ
れたか否か。
- 借入金利率に重大な変化が生じたか否か。
- 借入金の通貨に変更が生じたか否か。
- 担保又はその他信用補完の実施により、借入金の信用リスク水準に大幅な
変化が生じたか否か。
変更後の契約条項に実質的な変化が生じた場合、当グループはもとの金融資
産の認識を中止し、公正価値で新しい金融資産を測定し、且つ新しい資産は
新しい実効金利で計算する。このような状況下において、変更後の金融資産
に減損要求を適用する場合、信用リスクが顕著に増大したと確定する場合を
含み、当グループは上記の契約変更日を当初認識日とする。上記の新しく認
識する金融資産について、当グループはその当初認識時に信用減損が発生し
ていたか否かを評価し、特に契約変更により債務者が当初約定した返済義務
を履行できない場合についてこれを評価する。帳簿価額の変更は認識中止に
より生じる利益又は損失として損益に計上する。
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変更後の契約条項に実質的な変化が生じていない場合は、契約の変更は金融
資産の認識を中止させるものではない。当グループは変更後の契約のキャッ
シュ・フローに基づき金融資産の帳簿価額の総額を再計算し、変更による利
益又は損失を損益に計上する。新しい帳簿価額総額の計算時に、当初の実効
金利(又は信用減損が既に発生した金融資産の購入若しくは組成については、
信用調整を経た実効金利)を依然として適用し、変更後のキャッシュ・フロー
を現在価値に割り引く。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(14) 金融商品(続き)
(b) 金融負債
金融負債は当初認識時に、償却原価で測定する金融負債、及び損益を通じて
公正価値で測定する金融負債に分類している。
当グループの金融負債は主に償却原価で測定する金融負債であり、当該金融
負債は公正価値から取引費用を控除した金額により認識時の測定を行い、実
効金利法により認識後の測定を行っている。
金融負債の現在の義務が全て又は一部解除された時点で、当グループは当該
金融負債又は義務が解除された部分の認識を中止する。認識を中止した部分
の帳簿価額と、支払った対価との差額は、当期損益に計上する。
(c) 公正価値測定の原則
金融商品公正価値測定原則は注記三(16)を参照のこと。
(d) 相殺
当グループが、既に認識済みの金額を相殺する法的権利を有し、当グループ
が純額による決済又は当該金融資産の換金と当該金融負債の返済を同時に行
う予定である場合、当該金融資産と金融負債は相互に相殺した後の純額で貸
借対照表に表示する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(14) 金融商品(続き)
(e) デリバティブ
デリバティブは契約締結日に当初認識を行い、公正価値で当初及び事後の測定を行
う。デリバティブの公正価値は正の場合は資産を示し、負の場合は負債を示す。
一部のデリバティブは、転換社債における株式のような複合契約に組み込まれる場
合がある。主契約が金融資産である複合契約については、当グループはその全体に
対して分類と測定を行う。主契約が非金融資産である複合契約については、下記の
全ての条件を満たす場合、組込デリバティブを個別のデリバティブに分離して処理
する:
- 組込デリバティブと主契約の経済的特徴とリスクが密接に関係していないこ
と。
- 同一の条件を有する独立の金融商品であれば、デリバティブの定義を満たすこ
と。
- 混合金融商品が損益を通じて公正価値で測定されないこと。
当グループは、分離される組込デリバティブを損益を通じて公正価値で測定するこ
とを選択するか、若しくは混合契約を損益を通じて公正価値で測定すると指定する
ことを選択できる。
デリバティブの公正価値変動の認識方法は、当該のデリバティブがヘッジ手段とし
て指定され且つその要求を満たすか否か、及びヘッジ対象の性質により決定され
る。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(15) 非金融資産減損引当金
当グループは、貸借対照表日に、内部及び外部情報に基づき、以下の資産に減損の
兆候が有るか否かを判断する。
・ 固定資産
・ 建設仮勘定
・ 使用権資産
・ 無形資産
・ のれん
・ 長期持分投資等
当グループは、減損の兆候が存在する資産に対し減損テストを行い、資産の回収可
能価額を見積もる。
さらに、減損の兆候の有無にかかわらず、当グループは少なくとも毎年1回、使用可
能状態に達していない無形資産に対し、その回収可能価額を見積もり、毎年の年度
終了時点でのれん及び耐用年数が確定できない無形資産に対しその回収可能価額を
見積もる。当グループは、関連資産グループ又は資産グループのポートフォリオが
企業結合から得られる受益状況に基づき、のれんの帳簿価額を配分し、これをもと
にのれんの減損テストを行う。
資産グループは識別可能な最小の資産グループであり、それに生じるキャッシュ・
インフローが基本的にその他資産又は資産グループから独立しているものを指す。
資産グループは、キャッシュ・インフローをもたらす関連資産により構成される。
資産グループ識別時に、当該資産グループが独立してキャッシュ・インフローをも
たらすことができるか否かを主に考慮し、同時に経営者による経営活動管理及び資
産の使用又は処分方針等も考慮する。
回収可能価額は、資産(又は資産グループ、資産グループのポートフォリオ、以下
同様)の公正価値(注記三(16)を参照)から処分費用を差し引いた後の純額と、資
産の見積将来キャッシュ・フローの現在価値のいずれか高い方を指す。
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資産の見積将来キャッシュ・フローの現在価値は、資産の継続使用過程及び最終処
分時に生じる見積将来キャッシュ・フローに基づき、適切な税引前の割引率を選択
し、割引いた後の金額を以って確定する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(15) 非金融資産減損引当金(続き)
回収可能価額の見積結果が、資産の回収可能価額がその帳簿価額を下回るこ
とを示す場合、資産の帳簿価額は回収可能価額にまで減算され、減算される
金額は資産減損損失として認識され、当期損益に計上される。これと同時
に、相応の資産減損引当金を計上する。
資産グループ又は資産グループのポートフォリオに関連する減損損失は、先
に当該資産グループ又は資産グループのポートフォリオにおけるのれんの帳
簿価額に配分し、資産グループ又は資産グループのポートフォリオ内ののれ
んを除くその他の各種資産の帳簿価額の比率に基づき、その他各種資産の帳
簿価額を相殺する。ただし、相殺後の各資産の帳簿価額は、当該資産の公正
価値から処分費用を差し引いた後の純額(確定できる場合のみ)、又は当該
資産の見積将来キャッシュ・フローの現在価値(確定できる場合のみ)、或
いはゼロのうち、最も高い価額を下回らない。
資産減損損失は一旦認識されると、以降の会計期間において戻し入れること
はできない。
(16) 公正価値の測定
公正価値は、現行の市場条件下で、市場参加者が測定日において主要市場(又は最
も有利な市場)で発生する秩序立った取引において、ある資産を売却することで取
得する、又はある負債の移転で支払う必要がある価格(例えば、出口価格)を指
す。当該価格が、観察或いはその他評価技法の使用を通じて直接取得できるかは問
わない。
公開された取得可能な最新の取引価格が存在せず、株式取引所も存在しない公開市
場相場、或いは相場の無い非取引所において取引される金融商品又は活発な市場が
存在しない金融商品については、実際の市場取引にて確実な見積りが可能であると
証明された評価技法を使用してその公正価値を確定する。
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割引キャッシュ・フロー・モデルを使用する場合、見積将来キャッシュ・フローは
経営者の最善の見積により確定し、割引率は貸借対照表日の関連政府債券の収益率
曲線(イールド・カーブ)に基づき、適当な信用スプレッドを加算し確定する。そ
の他価格設定モデルを使用する場合、インプットは貸借対照表日の市場データに基
づき確定する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(17) 従業員の賃金給与
従業員給与は、当グループが従業員が提供するサービスを取得するため又は労働関
係を解除するために支給する各種形式による経済価値又は補償を指し、これには短
期従業員給与、退職後給付、解雇給付及びその他長期従業員福利等が含まれる。
(a) 短期従業員報酬
当グループは、従業員が役務を提供する会計期間において、実際に発生した従業員
給与、賞与、並びに規定に基づく基準と比率で従業員に代わり納付する医療保険
費、労災保険費及び出産保険費等の社会保険料並びに住宅積立金及び労働組合及び
教育経費等を負債として認識し、当期損益又は関連資産原価に計上する。
(b) 退職後給付-確定拠出制度
当グループが参加する確定拠出制度は、中国国内の関連法規に従い、当グループ
の従業員が参加する政府機関が設立管理する社会保障制度における基本養老保険
である。基本養老保険、失業保険の納付金額は国家規定に基づく基準と比率で計
算する。当グループは従業員が役務を提供する会計期間において、預け入れるべ
き金額を負債として認識し、当期損益又は関連資産原価に計上する。
当グループは、国家企業年金制度の関連方針に基づき設立された企業年金制度
(以下、「年金制度」)に依拠し、従業員給与総額の一定比率に基づき、年金制
度に拠出し、相応の支出を当期損益に計上する。
当グループは、海外子会社のために、確定拠出積立金制度及び強制積立金制度を
設立した。関連拠出金は、発生主義の原則に基づき当期損益に計上する。
(c) 退職後給付-確定給付制度
当グループの確定給付制度は、当グループが中国大陸の資格を有する従業員のた
めに設立した補充退職給付制度である。
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(d) 解雇給付
当グループが従業員に対し解雇給付を提供する場合、下記のいずれか早い日に解
雇給付により生じる従業員給与負債を認識し、当期損益に計上する:
・ 当グループが、労使関係の解除又は人員削減勧告を理由に、一方的に撤回す
ることができない解雇給付を支給する日
・ 当グループが、解雇給付の支払いに関連する組織再編関連の原価又は費用を
認識する日
三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(18) 企業所得税
当年度企業所得税には当期所得税及び繰延税金が含まれる。
繰延税金は、資産負債法を採用して、資産及び負債の課税基準とその帳簿価
額との差額を認識することで生じる一時差異である。しかし、取引(企業結
合を除く)において資産又は負債の当初認識に由来し、且つ取引発生時に会
計利益に影響せず、また課税所得額(又は繰越欠損金)に影響しない場合
は、当該取引において生じる一時差異について、繰延税金は認識しない。の
れんの当初認識により発生する一時差異についても、関連する繰延税金は認
識しない。当グループが繰戻しのタイミングをコントロールできる、子会社
投資に関係する一時差異について、一時差異に関係して将来期間において繰
戻しができない場合、関連する繰延税金は認識せず、一時差異に関係して将
来期間において繰戻しができる場合は、繰延税金を認識する。
クロスボーダー利益の分配により生じる源泉税は、当グループが利益分配を
行う意図を有する場合に相応の繰延税金負債を認識する。
繰延税金資産は、将来減算一時差異と相殺できる、獲得する可能性の高い課
税所得額を限度として認識している。投資性不動産の再評価で生じる繰延税
金は当該投資性不動産の帳簿価額に基づき販売を通じて実現し、販売が実現
した期間に適用する所得税率に基づき計算し認識する。
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当期繰延税金資産及び当期繰延税金負債は、相殺後の純額で表示する。繰延
税金資産及び繰延税金負債は、以下の条件を同時に満たす場合、相殺後の純
額で表示する:純額で決済する当期繰延税金資産及び当期繰延税金負債の法
定権利を有すること。繰延税金資産及び繰延税金負債が、同一税収管理部門
が同一納税主体から徴収する所得税に関連すること。又は、異なる納税主体
に関連し、純額で決済する意図があること。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(19) 発行済財務担保、見積負債及び偶発債務
(a) 発行済財務担保
財務担保契約は発行時に金融負債として認識する。金融負債は当初、公正価値で測
定し、以降は下記のいずれか高い価額で測定する:
・ 予想信用損失モデルに基づき確定する金額(注記三(29)(b)を参照)、及び
・ 当初認識金額から、新収益準則の原則に基づき認識する累計収益金額(該当する
場合のみ)
財務担保の公正価値は、負債性金融商品が規定する契約代金と、担保を提供しない
場合に支払う必要のある代金との間のキャッシュ・フローの差額の現在価値、又は
義務を履行する第三者に対して支払うべき金額に基づき確定する。
担保が、共同支配企業及び関連企業への貸付金又はその他未払金のために無償で提
供されるものである場合は、当該担保の公正価値は資本投下として会計処理し、投
資原価に計上する。
(b) 企業結合により生じる偶発債務
企業結合により生じる偶発債務は、結合日に現在債務を構成するものであり、その
公正価値が確実に測定できる場合、公正価値に基づき当初認識を行う。公正価値に
基づく当初認識後、偶発債務は以下の二者のうち、高い価額で事後測定を行う:(a)
当初認識金額から累計償却額(該当する場合のみ)を差し引いた価額、及び(b)注記
三(19)(c)に基づき確定する金額。企業結合により生じる偶発債務は、結合日のその
公正価値が確実に測定できない場合、又は現在債務を構成しない場合、注記三(19)
(c)の関連規定に基づき開示する。
(c) その他見積負債及び偶発債務
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当グループが過年度の事項につき法律又は推定される責務を負わねばならない場
合、当該義務の履行において経済的便益が当グループから流出する可能性が高く、
且つ関連金額が確実に測定できる場合、当グループは見積負債を認識する。当グ
ループが最善見積データを確定する際に、偶発事象に関連するリスク、不確実性及
び貨幣の時間的価値等の要因を総合的に考慮する。貨幣の時間的価値の影響が重要
である場合、見積負債は見積将来キャッシュ・アウトフローを割り引いた後の金額
により確定する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(19) 発行済財務担保、見積負債及び偶発債務(続き)
(c) その他見積負債及び偶発債務(続き)
経済的便益が当グループから流出する可能性が比較的低い、又は関連金額を
確実に見積もることができない場合は、偶発債務として開示する(経済的便
益の流出の可能性が極めて小さい場合を除く)。潜在的債務が最終的に現在
債務となるか否かは、いくつかの将来の不確定事項の発生の有無によって決
まる。このような状況下において、潜在的債務は偶発債務として開示しなけ
ればならない(経済的便益が当グループから流出する可能性が極めて小さい
場合を除く)。
(20) 収益の認識
当グループは契約の義務履行時、即ち顧客が関連商品の支配権を取得し、当該商品
の使用を主導し、これによりほぼ全ての経済的便益を獲得する時に収益を認識す
る。商品及びサービスの支配権が一定期間にわたり移転する場合、当グループは契
約期間全体において既に義務を履行した部分について収益を認識する。
当グループは支配権が既に移転した商品及び既に提供したサービスについて収益を
認識し、当グループが無条件で代金を受領する権利を得た部分については、売掛金
として認識し、残りの部分は契約資産として認識し、売掛金と契約資産に対する予
想信用損失をもとに損失引当金を認識する。当グループが既に受領した又は受領予
定の契約代金が義務履行済みの部分を超過する場合は、超過部分を契約負債として
認識する。当グループは同一契約下の契約資産と契約負債を純額で表示している。
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契約コストには、契約義務履行コスト及び契約獲得コストが含まれる。当グループ
がサービスを提供する過程で生じたコストは、契約義務履行コストとして認識し、
収益認識時に、サービス提供の進捗度に基づき売上原価に振り替える。契約獲得の
ために当グループに生じたコストの増加分は、契約獲得コストとして認識し、償却
期間が一年以下の契約獲得コストについては、その発生時に当期損益に計上する。
償却期間が一年を越える契約獲得コストについては、当グループは関連契約下の収
益認識と整合的で規則的な基礎に基づき償却し、損益に計上する。契約原価の帳簿
価額が、当該サービスの提供で取得が予期される剰余対価から見積原価を差し引い
た価額を上回る場合、当グループは超過した部分に減損引当金を計上し、資産減損
損失として認識する。貸借対照表日において、当グループは契約義務履行コストと
契約獲得コストについて、関連資産減損引当金を差し引いた純額で、その他資産と
して表示する。
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(20) 収益の認識(続き)
損益計算書上の各種収益は以下の方針に基づき認識している:
(a) 受取利息
利息収入関連方針は注記三(14)金融商品を参照のこと。
実効金利法は、金融資産又は金融負債の実効金利に基づきその償却原価及び利
息収入又は利息支出を計算する方法を指す。実効金利は、金融商品の予測存続
期間又は適用されるさらに短い期間内における将来キャッシュ・フローを、当
該金融商品の現在の帳簿価額に割り引くために使用する利率を指す。実効金利
の計算時に、当グループは金融商品(例えば、期限前の返済オプション、又は
類似のオプション等)の全ての契約条件を考慮して(ただし、将来の信用損失
は考慮せずに)将来キャッシュ・フローを見積もる。計算項目には、実効金利
の構成部分に属する契約当事者間で支払う又は徴収する各種の費用、取引費用
及び割増又は割引が含まれる。
(b) 手数料及びコミッション収入
手数料及びコミッション収入は、関連サービスの提供時に当期損益に計上す
る。
当グループは、金融資産の形成又は取得により徴収/支払う当初費用又はコ
ミットメント費用の収入/支出を繰り延べ、実効金利に対する調整とする。当
グループが貸付金コミットメント期限到来時に貸付金を提供していないと予想
する場合、関連費用の徴収は手数料及びコミッション収入として認識する。
(c) 商品販売収入
商品販売収入は、商品が顧客に引き渡され、顧客が受領を確認した時点で収益
を認識する。
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当グループが顧客に対し、販売数量に基づく販売割引を提供する場合、当グ
ループは過去の経験に基づき、期待値法により割引金額を確定し、契約対価か
ら見積割引金額を差し引いた純額で収益を認識する。
顧客が商品購入後、一定期間内に返品する権利を有する場合、当グループは製
品販売の過去の経験と資料に基づき、期待値法により見積販売返品の金額を確
定し、売上収益を減額する。当グループは、販売返品により予期される返金額
を見積負債として認識する。同時に、返品予定の製品の販売時の帳簿価額に基
づき、当該製品の回収で発生が見込まれる原価を差し引いた後の残額を、その
他資産として認識する。
当グループは特定商品に対し製品品質保証を提供し、製品品質保証の期間と条
項が特定商品に関連する法律の要求に基づき提供され、当グループがこれに対
しいかなる追加のサービス又は追加の品質保証も提供しない場合、当該製品品
質保証は個別の契約履行義務を構成しない。
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(20) 収益の認識(続き)
(d) サービス提供収入
当グループは対外的に建築サービスを提供し、工事の進捗度に基づき一定期
間内に収益を認識し、このうち、工事の進捗度は発生済みの原価が見積総原
価に占める比率により確定する。貸借対照表日において、当グループは契約
義務履行状況の変化を反映させるために、提供済みサービスの進捗度を再評
価する。
当グループが対外的に提供するその他サービスは、特定サービスの契約義務
履行の形式に基づき一定期間内にわたり又はサービス提供完了時点で収益を
認識する。一定期間内に提供済みのサービスの進捗度に基づき収益を認識す
る場合、関連する進捗度は発生済みの原価が見積総原価に占める比率により
確定する。貸借対照表日において、当グループは契約義務履行状況の変化を
反映させるために、提供済みサービスの進捗度を再評価する。
(e) リース料収入
リース料収入は新リース準則に基づき規範的に処理する。具体的会計方針は
注記三(10)を参照のこと。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(21) 政府補助金
政府補助金は、当グループが政府から無償で取得する貨幣性資産又は非貨幣
性資産であるが、政府が投資者としての立場で当グループに投じる資本は含
まれない。政府が交付する投資補助金等の専用交付金のうち、国家の関連文
書にて資本剰余金として処理することが規定されている場合も資本出資の性
質に該当し、政府補助金には該当しない。
政府補助金は、その支給条件を満たし受領可能となった時点で認識する。
政府補助金が貨幣性資産である場合、受領した又は受領すべき金額を以って
測定する。政府補助金が非貨幣性資産である場合、公正価値で測定する。
当グループが取得、建設又はその他の方法で形成する長期資産に対する政府
補助金は、資産に関連する政府補助金とする。当グループが取得する資産関
連補助金以外のその他政府補助金は、収益に関連する政府補助金とする。
資産に関連する政府補助金は、関連する資産の帳簿価額と相殺、又は繰延収
益として認識し、関連資産の耐用年数内で合理的且つ系統的な方法で配分し
損益に計上する。収益に関連する政府補助金は、将来期間における関連原価
費用又は損失を補填するために用いる場合、繰延収益として認識し、且つ関
連原価費用又は損失を認識する期間において当期損益に計上又は関連原価に
相殺し、発生した関連費用又は損失を補填するために用いる場合には、当期
損益に直接計上、又は関連原価に相殺する。当グループは、同類の政府補助
金に対し同一の表示方法を採用している。
日常活動に関連する政府補助金は営業利益に組み入れ、日常活動と無関係な
政府補助金は営業外収支に計上する。
当グループが受領する政策優遇利率貸付金は、実際に受領する借入金額を
以って記帳価額とし、借入金元本及び当該政策優遇利率に基づき関連する借
入費用を計算する。当グループが直接受領する財政補助金は、関連する借入
費用と相殺する。
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(22) 専用準備金
当グループが国家規定に従い積み立てる安全生産費は、関連製品の原価又は当期損
益に計上し、同時に専用準備金に積み立てる。当グループが専用準備金を使用する
場合、費用性支出に属するものは、専用準備金と直接相殺する。固定資産を取得す
る場合、関連資産が予定する使用可能な状態に達するまで待ってから固定資産とし
て認識し、同時に固定資産の取得原価に基づき専用準備金と相殺し、同一金額の減
価償却費を計上する。当該固定資産は以降の期間において減価償却費は計上しな
い。
(23) 借入費用
当グループに発生する、資産化条件に合致する資産に直接帰属することができる建
設又は製造の借入費用は、資産化し、関連資産の原価に計上する。
上記の借入費用を除き、その他借入費用は全て発生時に財務費用として認識する。
資産化期間内において、当グループは以下の方法に従い各会計期間の利息の資産化
金額を認識する(割引(ディスカウント)又は割増(プレミアム)の償却を含
む)。
・ 資産化条件に合致する資産の建設又は製造を目的に借り入れた専用借入金につ
いて、当グループは専用借入金の実効金利に基づき当期利息費用を計算し、未
使用の借入資金を銀行に預け入れることで取得する利息収入又は一時的な投資
により取得する投資収益を差し引いた金額により専用借入金を確定し、資産化
の利息金額とする。
・ 資産化条件に合致する資産の建設又は製造を目的とする一般借入金について、
当グループは累計資産支出額が専用借入金を超過する部分の資産支出額の加重
平均に基づき、使用する一般借入金の資産化率を乗し、一般借入金の資産化利
息金額を計算する。資産化率は、一般借入金の加重平均の実効金利に基づき計
算する。
実効金利とは、借入金の見積存続期間における見積将来キャッシュ・フローを、当
該借入金の償却原価に割り引くために使用する利率を指す。
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資産化期間内において、外貨専用借入金の元金及びその利息の為替差額は、資産化
し、資産化条件に合致する資産の原価に計上する。外貨専用借入金以外のその他外
貨借入金の元金及びその利息から生じる為替差額を財務費用とし、当期損益に計上
する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(23) 借入費用(続き)
資産化期間は、当グループが借入費用の資産化開始時点から資産化停止時点までの
期間を指し、借入費用の資産化が一時的に停止する期間はこれに含まれない。資本
支出及び借入費用が既に発生した、及び資産が予定使用可能状態又は売却可能状態
に達するまでに必要な建設又は製造活動が既に開始した時点で、借入費用の資産化
が開始する。資産化条件に合致する資産の建設又は製造が予定する使用可能な状態
又は売却可能な状態に達した際に、借入費用の資産化を停止する。資産化条件に合
致する資産の建設又は製造過程で異常な中断が発生し、且つその中断期間が連続で
3ヶ月間を超える場合、当グループは借入費用の資産化を一時的に停止する。
(24) ヘッジ
当グループは取引開始時にヘッジ手段とヘッジ対象の関係、並びにリスク管理目標
及び複数ヘッジ取引実行方針について文書を作成し記録しており、これをもとに
ヘッジ会計方針を運用している。ヘッジ会計の条件又はリスク管理目標を満たさな
くなった日から、当グループは将来に向かってヘッジ会計を中止する。ヘッジ会計
の中止には、ヘッジ手段の満期到来、売却、契約の終了又は権利行使済み等の状況
が含まれる。
(a) 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとは、認識済みの資産又は負債、未認識の確約、又は当該項目の構
成部分の公正価値変動リスク・エクスポージャーに対しヘッジを行うことを指し、
当該公正価値の変動は一部の特定リスクに起因し、且つ当グループの損益又はその
他包括利益に影響する。このうち、その他包括利益に影響する状況は、その他包括
利益を通じて公正価値で測定すると指定された非売買目的資本性金融商品投資に対
する公正価値変動リスク・エクスポージャーに対するヘッジに限定される。
ヘッジ手段から生じる利益又は損失は当期損益に計上する。ヘッジ手段が、その他
包括利益を通じて公正価値で測定することを選択した非売買目的資本性金融商品投
資(又はその構成部分)に対するヘッジである場合、ヘッジ手段から生じる利益又は
損失はその他包括利益に計上する。
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当グループは、ヘッジ対象について、ヘッジされたリスク・エクスポージャーから
生じた利益又は損失を当期損益に計上し、同時に公正価値で測定せず認識済みの
ヘッジ対象の帳簿価額を調整する。ヘッジ対象が、当グループがその他包括利益を
通じて公正価値で測定することを選択した非売買目的の資本性金融商品投資(又は
その構成部分)である場合、ヘッジされたリスク・エクスポージャーから生じた利
益又は損失をその他包括利益に計上する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(24) ヘッジ(続き)
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、キャッシュ・フロー変動リスク・エクス
ポージャーに対して行うヘッジを指し、当該キャッシュ・フローの変動は認
識済み資産又は負債、発生の可能性が非常に高い予想取引の全体又はその構
成部分に関連する一部の特定リスクに起因し、且つ当グループの損益に影響
する。
ヘッジ手段により生じる利益又は損失のうちヘッジ有効部分は、ヘッジ準備
として、その他包括利益に計上する。ヘッジ手段により生じる利益又は損失
のうちヘッジ無効部分は当期損益に計上する。
ヘッジ対象が予定取引のためであり、且つ当該予定取引に起因して当グルー
プがその後、非金融資産若しくは非金融負債を認識する場合、又は非金融資
産若しくは非金融負債の予定取引に起因して公正価値を適用するヘッジ会計
の確約が生じる場合、従来その他包括利益にて認識していたヘッジ準備金額
を振り替え、当該資産又は負債の当初認識金額に計上する。上記のキャッ
シュ・フロー・ヘッジに該当しないものについては、ヘッジ対象の予想
キャッシュ・フローが損益に影響する同一期間において、従来その他包括利
益にて認識していたヘッジ準備金額を振り替え、当期損益に計上する。
その他包括利益にて認識するヘッジ準備金額が損失であり、且つ当該損失の
全部又は一部が将来的な会計期間において補填できないと見込まれる場合、
補填不可能と見込まれる時に、補填不可能部分をその他包括利益から振り替
え、当期損益に計上する。
キャッシュ・フロー・ヘッジに対するヘッジ会計が中止された場合、所有者
持分内の累計利益又は損失は依然として所有者持分内で留保され、ヘッジ対
象が損益に影響する期間にわたり損益に認識する。予定取引が発生しない場
合、その他包括利益に認識済みの累計利益又は損失は直ちに損益に組み替え
る。
(c) 在外事業体に対する純投資ヘッジ
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在外事業体に対する純投資ヘッジとは、在外事業体に対する純投資の為替リ
スク・エクスポージャーに対するヘッジを指す。在外事業体に対する純投資
とは、当グループの在外事業体の純資産の持分相当額を指す。
在外事業体に対する純投資ヘッジは、類似のキャッシュ・フロー・ヘッジの
会計処理に基づき計算する。ヘッジ手段の利益又は損失におけるヘッジ有効
部分はその他包括利益に計上し、無効部分は損益に計上する。在外事業体が
処分された場合、所有者持分に認識された累計利益又は損失は処分利益又は
損失の一部として損益に計上する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(24) ヘッジ(続き)
(d) ヘッジ有効性テスト
ヘッジ会計適用条件を満たすために、当グループはヘッジ開始日及び以降の期間に
おいてヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たすか否か継続的に評価する。
ヘッジが下記の全ての条件を満たす場合、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満た
すと認定される:
- ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係が存在すること。
- 経済的関係により生じる価値の変動において、信用リスクによる影響が重要では
ないこと。
- ヘッジ関係のヘッジ比率が、実際にヘッジするヘッジ対象の数量及びそれに対し
実施するヘッジのヘッジ手段の実際数量との比率と同等であること。
(25) 受託業務
当グループは、受託業務にて、顧客の管理者、受託者又は代理人を務める。当グ
ループの貸借対照表には、受託業務を理由に保有する資産及び顧客への当該資産の
返還に関係するコミットメントは含まれないが、その理由は当該資産のリスク及び
収益は顧客が負担するからである。
委託貸付金業務は、当グループの主要な受託業務である。当グループは、複数の顧
客と委託貸付金合意を締結しており、合意の当事者である顧客は当グループに資金
(「委託基金」)を提供し、当グループが顧客の指示に基づき第三者に貸付金
(「委託貸付金」)を送金する。グループは、委託貸付金及び関連委託基金のリス
ク及びリターンを引き受けるものではないため、委託貸付金及び基金はその元金に
基づき貸借対照表外の項目として記録し、これらの委託貸付金についていかなる減
損の見積もりも実施していない。
(26) 利益処分
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貸借対照表日以降、審査・承認を経た利益分配案に基づき分配を予定する配当又は
利益は、貸借対照表日の負債としては認識せず、注記にて個別に開示する。
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(27) 関係会社
(a) 以下のいずれかに該当する者であれば、本人又はその近親者は当グループの関係者
であるとみなされる。
(i) 当グループを支配若しくは共同支配する者
(ii) 当グループに対し重要な影響力を有する者、又は
(iii) 当グループ若しくは当グループ親会社の主要経営陣
(b) 下記のいずれかの条件に合致する企業は、当グループの関係会社であるとみなされ
る。
(i) 当該企業が当グループとともに同一グループ(即ち、親会社、子会社及び
系列子会社との間で互いに関連性があるグループ)の指揮下にあること。
(ii) 当該企業が、当グループの関連企業又は共同支配企業(或いは当グループ
に属するグループの一構成企業の関連企業若しくは共同支配企業)である
こと。
(iii) 当該企業が当グループとともに、同一の関係会社の共同支配企業であるこ
と。
(iv) 当該企業が第三者の共同支配企業であり、且つ当グループが当該第三者の
関連企業であること(当該企業が第三者の関連企業であり、且つ当グルー
プが当該第三者の共同支配企業であること)。
(v) 当グループ又は当グループ関係会社に係る全ての事業体(エンティ
ティー)が、従業員福利のために設けている退職後給付制度。
(vi) 上記の(a)に該当する者が支配又は共同支配する企業。
(vii) 上記の(a)(i)に該当する、当該企業に対し重要な影響力を有する者又は当
該企業(或いは当該企業の親会社)の主要経営陣。
(viii) 当グループ又は当グループの親会社のために重要管理人員を派遣するサー
ビスを提供する事業体又は当該事業体が属するグループの全ての構成企
業。
個人の近親者とは、関連事業体と取引を行う際に当該個人に影響を及ぼす、又は当
該個人の影響を受ける家庭の構成員を指す。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(28) セグメント報告
当グループは内部組織構造、管理要求、内部報告制度に基づいて事業セグメントを
確定し、事業セグメントを基礎として、報告するセグメントを確定しセグメント情
報を開示する。事業セグメントとは、グループ内で以下の条件を同時に満たすセグ
メントを指す。
・ 当該セグメントが日常活動にて収入と費用をもたらすこと。
・ 当グループ経営陣が、当該セグメントへのリソース配分を決定し、業績を評価
するために、当該セグメントの経営成績を定期的に評価していること。
・ 当グループが、当該セグメントの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
等の会計関連情報を取得できること。
当グループは事業セグメントを確定する時、企業内部管理要求を勘案し、下記の要
因を考慮する。複数の事業セグメントが近似する長期財務業績を有し、同時に以下
の項目に関して同一性又は類似性を有する場合、一つの事業セグメントとしてまと
めることができる。
・ 各個別製品又は役務の性質
・ 生産過程の性質
・ 生産又は役務の顧客タイプ
・ 製品販売又は役務提供の方式
・ 製品生産及び役務提供に対する法律、行政法規の影響
当グループは、セグメント報告の作成時に、セグメント間取引の収入を実際取引価
格を基礎として測定する。セグメント報告の作成で採用する会計方針と、当グルー
プ財務諸表の作成で採用する会計方針は一致する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(29) 重要な会計上の見積り及び判断
会計上の見積り及び判断は、過去の経験及びその他の要素(当時の状況下における
将来の事象の合理的予測を含む)に基づき継続的に評価する。
財務諸表作成時、当グループ経営陣は見積りと仮定を利用する必要がある。関連す
る会計上の見積りには、将来の実際状況との差異が存在する可能性がある。グルー
プ経営陣は、見積りに係る主要な仮定と不確定要因の判断に対して継続的な評価を
行い、会計上の見積りの変更による影響について、変更の生じた期と将来期間との
間で認識する。
(a) 金融資産の分類
当グループが金融資産の分類を確定する時に関係する重要な判断には業務モデル及
び契約キャッシュ・フローの特徴の分析等が含まれる。
当グループは金融資産ポートフォリオのレベルで金融資産を管理する業務モデルを
確定し、考慮する要素には評価及び重要管理人員への金融資産業績報告の方式、金
融資産業績に影響するリスク及びその管理方式、並びに関連業務管理人員の経済価
値獲得方式等が含まれる。
当グループが金融資産の契約キャッシュ・フローが基本的な貸借の取決めと一致す
るかを評価する際、以下の主要な判断が存在する:元本が繰上返済等の原因で存続
期間内の時間分布又は金額に変動が発生したか。利息には貨幣の時間的価値、信用
リスク、その他基本貸借リスク及び原価と利益の対価のみが含まれるか。例えば、
繰上返済した金額が未払いの元本及び未払い元本の利息、及び契約の事前終了によ
り支払った合理的な補償のみを反映しているか。
(b) 予想信用損失の測定
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償却原価で測定する金融資産、及びその他包括利益を通じて公正価値で測定する金
融資産について、その予想信用損失の測定において複雑なモデルと多数の仮定を適
用している。これらのモデルと仮定には、将来的なマクロ経済状況及び借手の信用
行為(例えば、顧客の違約の可能性及び関連する損失)が関係する。注記六(48)(a)
にて、予想信用損失の測定において使用するパラメータ、仮定及び評価技法の詳細
を記載している。
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三 主重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(29) 重要な会計上の見積り及び判断(続き)
(b) 予想信用損失の測定(続き)
会計準則の要求に基づき予想信用損失の測定には、以下のような多数の重要な判断
を要する:
・ 信用リスクの著しい増大の判断基準
・ 予想信用損失の測定に適したモデルと仮定の選択
・ 異なる種類の製品に対する、予想信用測定時に適用が必要な将来予測的なシナ
リオの数及びウェートの確定
・ 予想信用損失測定のために金融資産のグループ分けを行い、類似する信用リス
クの特徴を有する項目を同一のグループに区分すること。
上記の判断及び見積の詳細は注記六48(a)を参照のこと。
(c) 棚卸資産評価引当金
注記三(6)で記述する通り、当グループは、各貸借対照表日に棚卸資産の正味実現
可能価額を見積り、棚卸資産取得原価が正味実現可能価額を上回る差額に基づき棚
卸資産評価損失を計上する。当グループは、棚卸資産の正味実現可能価額を見積も
る際、棚卸資産の市場価格及び当グループの過去の経験を見積りの基礎とする。棚
卸資産評価引当金の金額は、仮定の変更に従い変動する可能性がある。棚卸資産評
価引当金の調整は、見積りに変更があった当期の損益に影響する。
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三 重要な会計方針及び会計上の見積り(続き)
(29) 重要な会計上の見積り及び判断(続き)
(d) 非金融資産の減損
注記三(15)で記述する通り、当グループは、貸借対照表日において減損の兆候のあ
る固定資産及び無形資産、使用権資産、並びに関連会社及び共同支配企業の投資等
の資産に対してテスト及び評価を行い、資産の回収可能価額がその帳簿価額を下
回っているか否かを確定する。上記の資産の帳簿価額が全て回収できない可能性が
示される場合、関連資産には既に減損が生じたとみなされ、相応の減損損失を認識
する。
回収可能価額は、資産(又は資産グループ)の公正価値から処分に必要な費用を差
引いた金額と、資産(又は資産グループ)から生じる将来のキャッシュ・フローの
割引現在価値のいずれか高い方を指す。当グループが資産(又は資産グループ)の
公開市場価格を信頼性を以って取得できない場合、資産の公正価値を正確に見積も
ることはできない。使用価値の見積り時において、当該資産(又は資産グループ)
の製品生産量、販売価格、関連経営原価及び現在価値計算時に使用する割引率等に
対し、重要な判断を下す必要がある。当グループは、回収可能価額の見積り時にお
いて、取得可能な関連資料(合理的且つ妥当な仮定に基づく関連生産量、販売価格
及び関連経営原価の予測を含む)を採用する。
(e) 固定資産、無形資産等資産の減価償却及び償却
注記三(9)及び(11)で記述する通り、当グループは固定資産及び耐用年数が有限で
ある無形資産の残存価額を考慮し、耐用年数にわたり減価償却費及び償却費を計上
する。使用権資産は、資産の耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたり定
額法で減価償却費を計上する。
当グループは、関連資産の耐用年数を定期的にレビューし、各報告期間に計上する
減価償却費及び償却費の金額を決定する。資産の耐用年数は、当グループが、同類
資産の過去の経験と、予測される技術革新を併せて考慮し確定する。以前の見積り
に重要な変化が生じた場合、将来期間において減価償却費及び償却費を調整する。
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(f) 金融商品の公正価値
活発な市場が見当たらない金融商品について、当グループは、割引キャッ
シュ・フロー・モデル及びその他評価モデルを含む評価技法を用いてその公
正価値を確定する。評価技法の仮定及び入力変数には、無リスク利率、指標
利率、信用スプレッド及び為替レートが含まれる。割引キャッシュ・フ
ロー・モデルの使用時、キャッシュ・フローは経営陣の最善の見積りに基づ
き、割引率は貸借対照表日において市場で類似の条項及び条件を有する金融
商品の現在の利率である。その他評価モデルの使用時、入力パラメータは貸
借対照表日の観察可能な市場データである。観察可能な市場データを取得で
きない場合、経営陣は評価方法に含まれる重要な観察不可能な情報について
見積もる。仮定の変更は、金融商品の公正価値に影響する。
(g) 企業所得税
当グループは慎重に税務への影響を評価し、相応の企業所得税を計上する。
日常の経営過程において、当グループの各取引の最終的な税務上の影響には
不確実性が存在する。実際の最終税務影響と、さきに帳簿上で認識した金額
との間に差異が存在する場合、当グループは最終的な税務影響の確定時に当
期企業所得税及び繰延税金を調整する。
繰延税金資産は、控除可能な税務損失及び将来減算一時差異に基づき認識す
る。繰延税金資産は、将来期間において十分な課税所得額が取得できる可能
性が高く、一時差異の控除に用いる場合に初めて認識できるため、経営陣が
将来において十分な課税所得額を取得できる可能性について判断する必要が
ある。将来において、実際に取得できる課税所得額と、経営陣が判断する金
額との間には差異が生じる可能性がある。
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(h) 企業結合にて取得する資産/引き受ける負債
企業結合にて取得する資産及び/又は引き受ける負債は、公正価値の当初認識
に基づく。取得する資産/引き受ける負債の公正価値は、第三者評価機関の評
価方法及び技法に基づき、判断と仮定をもとに算出される評価価額に基づき
確定する。評価資産及び負債で用いる判断と仮定、並びにその耐用年数の仮
定は、当連結財務諸表に対し影響を及ぼす。
(i) 金融資産の認識の中止
日常業務にて、当グループの金融資産の譲渡には、貸付金譲渡、資産証券化
及び買戻条件付売却金融資産等が含まれ、譲渡される金融資産の全部又は一
部の認識を中止できるか否かを確定する過程にて、当グループは重要な評価
と判断を行う必要がある。
当グループは、ストラクチャード・エンティティを通じて金融資産の譲渡を
行い、当該ストラクチャード・エンティティの連結の必要性の有無を決定す
るために、当グループと当該ストラクチャード・エンティティの取引の実質
性を分析する必要がある。連結の判断で認識の中止を決定する分析は、連結
ストラクチャード・エンティティ・レベル又は金融資産を振り替える個別機
関レベルで実施する。
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(i) 金融資産の認識の中止(続き)
当グループは、金融資産譲渡契約のキャッシュ・フローの権利及び義務を分析し、
認識中止条件を満たすか否かを判断・確定する必要がある。
− 当該金融資産のキャッシュ・フローを取得する契約権利が既に移転したか否か。
又はキャッシュ・フローが「取扱」の要求を満たし、独立した第三者である最終
受益者に譲渡されるか否か。
− 合理的なモデルを用いた予測を通じて金融資産の所有権に関するリスクと報酬の
移転の程度を以って金融資産の認識中止条件が満たされているか否かを確定す
る。モデルで使用するパラメータ、採用する仮定、見積もる譲渡前後のキャッ
シュ・フローの確定において、現在の市場金利を基準とする割引率、変動要因及
び異なる状況に加重を配分し、当グループは重要な評価と判断を下す必要があ
る。
− ほぼ全てのリスクと報酬が移転も留保もされていない状況下において、当グルー
プは、譲渡された金融資産が留保した支配権及び当該金融資産の継続的な関連性
ついての分析を通じて、譲渡の事実により当該金融資産の認識を中止できるか否
かを判断する。
(j) ストラクチャード・エンティティの支配
当グループは、自らが当該ストラクチャード・エンティティを支配するか否かを評
価し、それが含まれる連結範囲について重要な判断を行う。評価・判断時におい
て、当グループは多方面の要因を総合的に考慮した。
− 取引構造の考慮、当グループの契約上の権利と義務についての判断、当グループ
のストラクチャード・エンティティに対する権力の分析
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− ストラクチャード・エンティティに由来する変動リターンに対し独立した分析と
テストを実施し、これには、徴収した手数料収入及び資産管理費収入、超過収益
の留保、並びにストラクチャード・エンティティに対する流動性提供の有無及び
その他根拠等を含むがこれらに限られたものではない。
− 当グループの意思決定範囲、獲得する報酬、その他持分、並びにその他関連当事
者の権利の分析を通じて、当グループの上記の活動における役割が代理人かそれ
とも主要責任者であるかを評価する。
(k) 訴訟及び紛争
当グループは若干の未解決訴訟に関与しており、これには中国冶金科工股份有限公
司が補償を求めたMineralogy Pty Ltdとの紛争が含まれ、当グループの連結財務諸
表に対する影響の詳細は注記六(40)及び(51)(d)を参照のこと。
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四 税金
(1) 当グループが適用する製品販売及びサービス提供に関係する税金には増値税、土地
増値税等がある。
税目 課税基準
増値税 税法規定に基づき計算する販売物品及び課税役務収入の3~16%
で売上税額を計算し、当期に控除可能な仕入税額を控除後、差
額部分を未払増値税とする。
土地増値税 不動産の譲渡により取得したキャピタルゲインと規定の税率に
より計算する。
(2) 2019年度、当社の法定所得税率は25% (2018年:25%)である。
優遇税制を享受する子会社を除き、当グループのその他の中国本土の子会社に適用
される、2019年12月31日までの12ヶ月間の法定所得税率は25% (2018年:25%) であ
る。
在外子会社は現地の適用税率に従い所得税を納付する。
(3) 未払税金
当グループ
2019年12月31日 2018年12月31日
未払所得税 13,015,783 11,783,936
未払増値税 4,886,146 4,538,463
992,981 797,493
その他
18,894,910 17,119,892
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五 子会社
(1) 2019年12月31日現在、当社連結財務諸表の範囲に含まれる主要子会社は以下の通り
である。
登録資本金
当社直接及び間
子会社名称 登記地 主要業務 (千元) 通貨 接持分比率
中国中信股份有限公司
(以下「中信股份」) 香港 投資持株会社 381,710,401 香港ドル 58.13%
中信資産管理有限公司 中国大陸 金融サービス業 1,480,000 人民元 100%
中信裕聯控股有限公司 香港 資源エネルギー業 409,535 香港ドル 100%
中信砿業科技発展有限公司 中国大陸 資源エネルギー業 300,000 人民元 70%
中信国際合作有限責任公司 中国大陸 工事請負業 500,000 人民元 100%
中信置業有限公司 中国大陸 不動産業 704,225 人民元 71%
中信医療健康産業集団有限公司 中国大陸 サービス業 658,000 人民元 100%
中信国際商貿有限公司 中国大陸 貿易業 150,000 人民元 100%
虹智投資有限公司 香港 投資持株会社 - 香港ドル 100%
北京中信企業管理有限公司 中国大陸 サービス業 200,000 人民元 100%
中信渤海