株式会社ファミリーマート 意見表明報告書

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提出日
提出者 株式会社ファミリーマート
カテゴリ 意見表明報告書

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                   株式会社ファミリーマート(E03125)
                      意見表明報告書
  【表紙】
  【提出書類】       意見表明報告書

  【提出先】       関東財務局長
  【提出日】       2020年7月9日
  【報告者の名称】       株式会社ファミリーマート
  【報告者の所在地】       東京都港区芝浦三丁目1番21号
  【最寄りの連絡場所】       東京都港区芝浦三丁目1番21号
  【電話番号】       (03)6436-7659(代表)
  【事務連絡者氏名】       取締役CFO(兼)経理財務本部長  西脇 幹雄
  【縦覧に供する場所】       株式会社東京証券取引所
         (東京都中央区日本橋兜町2番1号)
   (注1) 本書中の「当社」とは、株式会社ファミリーマートをいいます。

   (注2) 本書中の「公開買付者」とは、リテールインベストメントカンパニー合同会社をいいます。
   (注3) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
   (注4) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和
    と必ずしも一致しません。
   (注5) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
   (注6) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みま
    す。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
   (注7) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
    は日時を指すものとします。
   (注8) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、法で定められた手続及び情報開示
    基準に従い実施されるものですが、これらの手続及び基準は、米国における手続及び情報開示基準とは必ず
    しも同じではありません。本書に含まれる全ての財務情報は日本の会計基準に基づいており、米国の会計基
    準に基づくものではなく、米国の財務情報と同等の内容とは限りません。また、公開買付者及び当社は米国
    外で設立された法人であり、その役員及び取締役も米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠とし
    て主張しうる権利又は要求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反
    を根拠として、米国外の法人並びにその役員及び取締役に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始
    することができない可能性があります。さらに、米国外の法人並びに当該法人の子会社及び関連会社に米国
    の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
   (注9) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものとします。
    本公開買付けに関する書類の全部又は一部は英語により作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類と
    の間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものとします。
   (注10) 本書中の記載には、「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はそ
    の他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく
    異なることがあります。公開買付者又はその関連会社は、「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に
    示された予測等が結果的に正しくなることを何ら約束するものではありません。本書中の「将来に関する記
    述」は、本書提出日の時点で公開買付者が有する情報を基に作成されたものであり、法令又は金融商品取引
    所規則で義務付けられている場合を除き、公開買付者又はその関連会社は、将来の事象や状況を反映するた
    めに、その記述を更新又は修正する義務を負うものではありません。
   (注11) 公開買付者、公開買付者及び当社の各ファイナンシャル・アドバイザー並びに公開買付代理人(これらの関
    連者を含みます。)は、日本の金融商品取引関連法規制及びその他適用ある法令上許容される範囲で、米国
    1934年証券取引所法規則14e-5(b)の要件に従い、当社株式を自己又は顧客の勘定で、本公開買付けの開始
    前、又は本公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に本公開買付けによらず
    買付け等又はそれに向けた行為を行う可能性があります。そのような買付け等に関する情報が日本で開示さ
    れた場合には、当該買付け等を行った者のウェブサイト(又はその他の開示方法)においても英文で開示が
    行われます。
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  1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
   名称   リテールインベストメントカンパニー合同会社
   所在地  東京都港区北青山二丁目5番1号
  2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

   普通株式
  3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

  (1)本公開買付けに関する意見の内容
    当社は、2020年7月8日開催の当社取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」
   に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募する
   か否かについては、株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。なお、当社は、昨今、当社の属する小売
   業界を取り巻く競争環境が激化するなか、当社が変化に機動的に対応し厳しい競争に勝ち残っていくためには、伊
   藤忠商事と当社の経営資源等の相互活用をより一層促進し、かつ伊藤忠商事と当社がグループ一体となって迅速に
   意思決定を進めていくことが不可欠であるとの認識を伊藤忠商事と当社が共有したことから、賛同する旨の意見を
   表明しておりますが、本公開買付けの買付け等の価格である2,300円は、当社の一般株主に投資回収機会を提供す
   る観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないものの、一般株主に対し本公開買付けへの応
   募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないことから、株主の皆様に対して本公開買付
   けへの応募を推奨することまではできず、本公開買付けに応募するか否かは株主の皆様のご判断に委ねることとし
   ております。
    なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
   ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全
   員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
  (2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

    本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた
   説明に基づいております。
   ① 本公開買付けの概要
    公開買付者は、本公開買付けを通じて当社の株券等を取得及び所有することを主な目的として、2020年3月18
   日に設立された、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)及び東京センチュリー株式会社(以
   下「東京センチュリー」といいます。)がそれぞれ99%、1%を出資する合同会社です。本書提出日現在、公開
   買付者は株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部(以下「東証一部」とい
   います。)に上場している当社の株式(以下「当社株式」といいます。)を所有しておりませんが、公開買付者
   の親会社である伊藤忠商事は、本書提出日現在、当社株式210,029,184株(所有割合:41.50%)を、また、伊藤
   忠商事の完全子会社である伊藤忠リテールインベストメント合同会社(以下「IRI」といい、伊藤忠商事と併
   せて「伊藤忠商事ら」といいます。)は、本書提出日現在、当社株式43,521,600株(所有割合:8.60%)を所有
   しており、伊藤忠商事らは当社株式を合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)所有し、伊藤忠商事は当社を
   連結子会社としております。また、東京センチュリーは、本書提出日現在、当社株式を22,792株(所有割合:
   0.00%)所有しております。
   (注1) 「所有割合」とは、当社が2020年5月29日に提出した第39期有価証券報告書(以下「当社有価証券報

     告書」といいます。)に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から、
     同日現在の当社が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に対する割
     合をいいます。
    公開買付者は、当社株式(伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全

   てを取得するため、本公開買付価格を当社株式1株当たり2,300円として、本公開買付けを実施することを決定
   したとのことです。本公開買付けは、以下に記載のとおり、当社の株主を伊藤忠商事及び公開買付者の全部又は
   一部のみとする非公開化を目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として実施されるとの
   ことです。なお、IRIは、IRIと伊藤忠商事との間の2020年7月8日付の出資の払戻し等に関する契約(以
   下「本出資払戻契約」といいます。)に従い、2020年7月21日、伊藤忠商事からIRIに対する出資の一部(注
   2)の払戻しにより、所有する当社株式の全て(43,521,600株(所有割合:8.60%))を伊藤忠商事に交付する
   予定とのことです(スキーム概要は下記「本取引のスキーム図」をご参照ください。)(注3)・(注4)。公
   開買付者が、本公開買付けにより当社株式(伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除
   きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再
   編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の当社の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとする
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   ための一連の手続を実施することを予定しており、当該手続が実行された場合には、全国農業協同組合連合会
   (以下「全農」といいます。)及び農林中央金庫(以下「農中」といいます。)(注5)と当社、東京センチュ
   リー と当社の関係性を強化すべく、下記「③ 本公開買付け後の経営方針」の「I 全農・農中株式譲渡」に記
   載の取引(以下「全農・農中株式譲渡」といいます。)及び「Ⅱ 東京センチュリー直接所有化取引」に記載の
   取引(以下「東京センチュリー直接所有化取引」といい、「全農・農中株式譲渡」と併せて、以下「本取引後当
   社株式譲渡等」といいます。)を行うことが予定されており、本取引後当社株式譲渡等が行われた後に各当事者
   が所有する当社株式の割合は、伊藤忠商事及び公開買付者が合計で約94.70%、全農及び農中が合計で4.90%
   (注5)、東京センチュリーが約0.40%となる予定とのことです(本取引のスキーム概要は下記「本取引のス
   キーム図」をご参照ください。)。
    なお、本公開買付けに際して、公開買付者は、伊藤忠商事らより、その所有する当社株式の全てについて本公
   開買付けに応募しない旨の表明を、東京センチュリーより、その所有する当社株式の全てについて本公開買付け
   に応募する旨の表明を、それぞれ受けているとのことです。
   (注2) 具体的には、IRIから伊藤忠商事に対して、当社株式43,521,600株を交付いたしますが、当該交付

     を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払わないとのことです。な
     お、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法(平成17年法
     律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)上、剰余金額又は出資の価額の減少額の
     いずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは当社株式43,521,600株の伊藤
     忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事の出資の
     価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)におけ
     る伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価額
     について同じとします。)を119,970百万円(百万円未満を四捨五入。以下、伊藤忠商事の出資の価
     額の減少額について同じとします。)を減少させることにより、31百万円に減少させます。かかる伊
     藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IRIが
     所有する当社株式43,521,600株の同社における本日現在の帳簿価額と同額としているものであり、本
     日現在における当社株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係とのこ
     とです。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付されることになる当社
     株式43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入)となるとのことです
     が、そもそも出資の価額は、伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過
     ぎず、当該数値を減少させることは、伊藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したこ
     とを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らかの財産的価値を放棄したことも意味しないとのこ
     とです。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出資の価額の減少によって、伊藤忠商事
     のIRIに対する持分割合が減少することもないとのことです。このように、出資の価額の減少額
     は、当社株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対して交付する財
     産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎな
     いため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付されることになる当社株式
     43,521,600株で除した金額が本公開買付けと合致しないことは、公開買付価格の均一性(法第27条の
     2第3項)の趣旨に反するものではないとのことです。詳細は、下記「(7)本公開買付けに係る重要
     な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」をご参照ください。
   (注3) 公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式以外
     の当社株式の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の
     組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を伊藤忠商事
     及び公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを予定しているとのことですが、当該手
     続の時点でIRIが当社株式を所有している場合、当該手続において、会社法第180条に基づく株式
     の併合(以下「株式併合」といいます。)の結果、IRIが所有する当社株式が1株未満となってし
     まい、売却を強制される可能性があり、その場合には、会計・税務上の影響が伊藤忠商事又はIRI
     に生じる可能性があるとのことです(帳簿価額より高い価格の場合には、IRIに会計・税務上の益
     が生じる可能性があり、伊藤忠商事における当社株式の会計上・税務上の簿価は高くなる可能性があ
     るとのことです。帳簿価額より低い価格の場合にはIRIに会計・税務上の損が生じる可能性があ
     り、伊藤忠商事における当社株式の会計上・税務上の簿価が低くなる可能性があるとのことです)。
     しかし、以下に述べるとおり、本取引及び本取引後当社株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商
     事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)
     を所有するという実態には変更がないにもかかわらず、会計・税務上の影響が伊藤忠商事又はIRI
     に生じるという事態は避ける必要があることから、IRIから伊藤忠商事に対する当社株式
     43,521,600株の交付を行うとのことです。本取引及び本取引後当社株式譲渡等の実行の前後を通じ
     て、伊藤忠商事及び伊藤忠商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割
     合:50.10%)を所有するという実態に変更がないことを、具体的に説明すると以下のとおりとのこ
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     とです。すなわち、(ⅰ)本書提出日現在、公開買付者らが所有する当社株式(253,550,784株)に係
     る所有割合は50.10%であるところ、(ⅱ)(a)本取引及び本取引後当社株式譲渡等の実施後における伊
     藤忠商事及び公開買付者(本取引後当社株式譲渡等の実行後においては、伊藤忠商事が公開買付者の
     持分の全てを所有)が所有することとなる当社株式の割合(約94.70%)から、(b)本取引によって伊
     藤忠商事が追加的に直接又は間接に取得することとなる当社株式の割合約44.60%を控除すると約
     50.10%となり、本取引及び本取引後当社株式譲渡等の実行の前後を通じて、伊藤忠商事及び伊藤忠
     商事がその持分の全てを所有するIRIが合計で253,550,784株(所有割合:50.10%)を所有すると
     いう実態に変更はないとのことです。なお、上記(b)における、本取引によって伊藤忠商事が追加的
     に直接又は間接に取得する当社株式の割合(約44.60%)は、本公開買付けにおける買付予定数
     (252,557,288株)に係る所有割合(49.90%)から、全農・農中株式譲渡により譲渡する当社株式の
     割合(4.90%)及び東京センチュリー直接所有化取引において東京センチュリーが所有することとな
     る当社株式の割合(約0.40%)を減じて計算しているとのことです。
   (注4) 伊藤忠商事は、2019年7月21日の前日以前からIRIの全ての持分を所有しており、IRIは1年以
     上継続して伊藤忠商事の形式的特別関係者であるため(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その
     後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第27条の2第7項第1号及び発行者以外の者による
     株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。
     以下「府令」といいます。)第3条第1項)、法第27条の2第1項柱書き但書き及び府令第3条第1
     項に基づき、伊藤忠商事は、公開買付けによらずに、IRIから、2020年7月21日、当社株式
     43,521,600株の交付を受けることができるとのことです。また、伊藤忠商事は、2020年7月8日、I
     RIとの間で本出資払戻契約を締結し、公開買付けによらないで、伊藤忠商事が、IRIから、2020
     年7月21日、当社株式43,521,600株の交付を受ける旨合意しているため、法第27条の5但書き及び同
     条第1号に基づき、伊藤忠商事は、法第27条の5本文の適用を受けることなく、IRIから、2020年
     7月21日、当社株式43,521,600株の交付を受けることができるとのことです。詳細は、下記「(7)本
     公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本出資払戻契約」をご参照ください。
   (注5) 全農及び農中は、本書提出日現在、当社株式を所有していないとのことです。
   (注6) 下記「③ 本公開買付け後の経営方針」の「I 全農・農中株式譲渡」に記載のとおり、全農及び農
     中がそれぞれ譲り受ける当社株式の内訳は、全農及び農中が決定し(なお、全農及び農中のいずれか
     が譲り受ける当社株式数がゼロとならないように決定されるとのことです。)、伊藤忠商事に対して
     通知することとされており、本書提出日現在、決定していないとのことです。
    公開買付者は、上記のとおり、当社の非公開化を目的として本公開買付けを実施するとのことですが、それぞ

   れ以下の理由により、本公開買付けにおいて、買付予定数の上限を設定せず、また、買付予定数の下限を
   50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定しているとのことです。そのため、本公開買付けに応募された株券等
   (以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付
   け等を行わず、他方、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行
   うとのことです。
    なお、買付予定数の下限は、本公開買付けが成立した場合に伊藤忠商事及び公開買付者の所有割合が60%以上
   となるよう設定したものとのことです。
   ① 買付予定数の上限を設定していない理由

     公開買付者は、当社を非公開化することを目的として、当社株式(伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当
    社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するために本公開買付けを実施するため、本公開買付けに
    おいて買付予定数の上限は設定していないとのことです。
   ② 買付予定数の下限を50,114,060株と設定している理由

     公開買付者は、上記のとおり、当社を非公開化することを目的として本公開買付けを実施するとのことで
    す。もっとも、公開買付者は以下に述べる理由により、当社の非公開化という本公開買付けの目的を達成する
    可能性を最大化しつつ、当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重するため、本公開買付けが成立した
    場合に伊藤忠商事及び公開買付者の所有割合が60%以上となるように、買付予定数の下限を設定することとし
    たとのことです。
     公開買付者は、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において
    「特に近年の我が国の資本市場の動向としてパッシブ・インデックス運用ファンド(注7)の規模が拡大して
    いるところ、その中には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない投資家も
    存在する」と指摘されているとおり、当社株式を所有するETF(上場投資信託)やその他のパッシブ・イン
    デックス運用ファンドの中には公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けにへの応募を行
    わない方針の者が存在しているものと考えているとのことです。そして、公開買付者は、株価指数等の指数
    (インデックス)との連動を目指して運用されるETFのうち東京証券取引所に上場しているETF(以下
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    「東証上場ETF」といいます。)が当社株式の約20.19%(注8)を所有していることを確認しており、東
    証上場ETFについては、その性質上、インデックスへの連動性を重視していることから、取引条件の適否に
    かかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないことを基本方針としているものと推測しているとのこ
    とです。また、東証上場ETF以外にも当社株式を所有するパッシブ・インデックス運用ファンド(以下「東
    証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンド」といいます。)も存在しているとのことです。東
    証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する直近の当社株式の合計数は公開情報から
    は把握することができないとのことです。そこで、公開買付者は、公開買付者の親会社である伊藤忠商事の
    ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)に対し、東証上
    場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有する当社株式数がどの程度と見込まれるかを、公
    表情報及び金融市場等の各種データ提供サービスを行う情報ベンダーによるデータベース情報を踏まえて推計
    することを依頼したところ、正確な把握は不可能であり、また厳密な推計は困難であるものの、当社株式の約
    10%程度を東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有している可能性があるとの試算
    が示されたとのことです。そして、公開買付者においては、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運
    用ファンドも、パッシブ・インデックス運用ファンドである以上、基本的にはインデックスへの連動性を重視
    して運用されるものと推測しており、したがって、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの
    応募を行わない方針をとるものが多いものと推測しているとのことです。
     以上を踏まえ、公開買付者としては、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わ
    ないおそれのある投資家が当社株式の約30%程度を所有しているおそれがあると分析しているとのことです。
    そのため、公開買付者は、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公開
    買付けに応募するか否かを決定する当社の株主(伊藤忠商事ら及び公開買付者を含みません。)が所有する当
    社株式は、100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた約50%から、上記約30%を減じた約20%程度に
    留まると考えており、そのような中で、伊藤忠商事ら及び公開買付者の所有割合が3分の2となるような下限
    を設定すると、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であると判断する当社の株主(伊藤忠商事ら及
    び公開買付者を含みます。)の所有割合が3分の2を超える場合であっても、結果として本取引が成立せずに
    当社の株主の皆様に合理的な売却機会を提供することとなる本取引が阻害されてしまう可能性が十分にあると
    判断しているとのことです。
     他方、公開買付者は、上記の分析をもとに、公開買付者が、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切
    であるか否かの判断に従って本公開買付けに応募するか否かを決定する当社株主が所有していると推測してい
    る約20%の当社株式のうちの半数程度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数
    の下限を設定することで、当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重することが望ましいと考えるに
    至ったとのことです。
     以上のような考えの下、公開買付者は、当社の非公開化という本公開買付けの目的を達成する可能性を最大
    化しつつ、当社の一般株主の応募判断の結果を一定程度尊重するため、本公開買付けにおいて買付予定数の下
    限を50,114,060株と設定することとしたとのことです。なお、50,114,060株の応募があった場合、本公開買付
    け後における伊藤忠商事及び公開買付者が所有する当社株式数は合計303,664,844株(所有割合:60.00%)と
    なるとのことです。
    (注7) パッシブ・インデックス運用ファンドとは、株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマー

     クとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用すること
     により、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンドを意味するとのことです。
    (注8) 当社有価証券報告書に記載された2020年2月29日現在の発行済株式総数(506,849,252株)から、
     同日現在の当社が所有する自己株式数(741,180株)を控除した株式数(506,108,072株)に対す
     る、2020年7月6日現在における東証上場ETFが所有する当社株式(102,183千株(千株未満を
     四捨五入。)の割合に基づいているとのことです。
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    (本取引のスキーム図)
    ■ 現状
     伊藤忠商事とIRIは、本書提出日現在、当社株式をそれぞれ210,029,184株(所有割合:41.50%)、
    43,521,600株(所有割合:8.60%)所有しています。また、東京センチュリーは、本書提出日現在、当社
    株式を22,792株(所有割合:0.00%)所有しています。なお、東京センチュリーは伊藤忠商事の持分法適
    用関連会社(伊藤忠商事は2020年7月7日現在、東京センチュリーの普通株式を35,733,900株(東京セン
    チュリーの総株主の議決権に対する割合:29.30%(小数点以下第三位を四捨五入。以下総株主の議決権
    の数に対する割合の計算において同じとします。))所有しているとのことです。)。
    ■ 公開買付者の設立及び本公開買付けの実施






     伊藤忠商事及び東京センチュリーがそれぞれ99%、1%を出資して2020年3月18日付で設立した公開買
    付者が、当社株式(伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全て
    を取得するため、本公開買付けを実施するとのことです。
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    ■ IRIから伊藤忠商事に対する出資の払戻し
     IRIは、IRIと伊藤忠商事との間の2020年7月8日付の本出資払戻契約に従い、2020年7月21日、
    伊藤忠商事からIRIに対する出資の一部の払戻しによりIRIが所有する当社株式43,521,600株(所有
    割合:8.60%)を伊藤忠商事に交付するとのことです。
    ■ 本公開買付けの決済並びに当社の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための手続(公開買付者





     が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式以外の当社株式の
     全てを取得できなかった場合)
     本公開買付けの成立後、本公開買付けの決済開始日までの間に、本公開買付けの決済資金として、公開
    買付者は(ⅰ)伊藤忠商事からの出資、(ⅱ)伊藤忠商事の完全子会社である伊藤忠トレジャリー株式会社か
    らの融資、(ⅲ)東京センチュリーからの出資、(ⅳ)農中からの融資により資金調達を実施するとのことで
    す。
     また、公開買付者が本公開買付けにより伊藤忠商事らが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式
    以外の当社株式の全てを取得できなかった場合、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、
    当社の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするために、当社株式につき株式併合を行うこと及び株式
    併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時
    株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、
    当社に請求する予定とのことです。また、公開買付者は、かかる請求の後遅滞なく招集の手続が行われる
    と見込まれない場合には、会社法第297条第4項第1号に基づき、株主総会の招集の許可を得るため裁判
    所に対して申立てを行う予定とのことです。なお、当社は、本書提出日現在において、上記請求及び要請
    を受けた場合、公開買付者からの本臨時株主総会の招集請求及び株式併合議案の株主提案に応じて本臨時
    株主総会の招集の手続を実施することを予定しております。
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     本臨時株主総会における当該議案が可決された場合、当該株式併合に伴う任意売却(1株に満たない端
    数の合計数に相当する当社株式の買取り)後における当社の資本構成等は下記のとおりとなる予定とのこ
    とです。
    ■ 戦略パートナーへの当社株式の譲渡






     公開買付者は、当社の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみとするための一連の手続が実行された場
    合、全農及び農中に対し、当該時点における当社株式の総数の4.90%に相当する数の当社株式を譲渡(全
    農・農中株式譲渡)するとのことです。また、かかる場合、東京センチュリーが、当該時点において所有
    する公開買付者の持分に代えて、当該時点における当社株式の総数の約0.40%に相当する数の当社株式を
    取得するための取引(東京センチュリー直接所有化取引)を実行するとのことです。なお、全農は農中の
    会員(出資者)でありますが、その出資割合は2%未満、その所有する議決権割合は1%未満であり、全
    農と農中との間に支配関係は存在しないとのことです。
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   ② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
    公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、1950年7月に大阪証券取引所及び東京証券取引所に株式を上場して
   おります。伊藤忠商事は、伊藤忠商事並びに当社を含むその連結子会社202社及び持分法適用関連会社86社
   (2020年7月8日現在)から成る企業グループ(以下「伊藤忠商事グループ」といいます。)を構成しており、
   国内外のネットワークを通じて、繊維カンパニー、機械カンパニー、金属カンパニー、エネルギー・化学品カン
   パニー、食料カンパニー、住生活カンパニー、情報・金融カンパニー、第8カンパニーがそれぞれ人々の暮らし
   を支える様々な商品やサービスを提供するため、原料等の川上から川下のコンシューマービジネスまでを包括的
   に事業領域とし、多角的なビジネスを展開しているとのことです。伊藤忠商事は、2019年7月に「第8カンパ
   ニー」(注1)を新設し、コンビニエンスストア「ファミリーマート」を中心とした、生活消費分野に強みを持
   つ伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用しながら、異業種融合・カンパニー横断の取り組みを加速さ
   せ、市場や消費者のニーズに対応した「マーケットインの発想」による新たなビジネスの創出・客先開拓を行っ
   ているとのことです。
   (注1) カンパニーとは伊藤忠商事内にある事業部門を、独立性を高めた一つの会社とみなした組織のことで

     す。それぞれのカンパニーに経営資源と権限を委譲することで、カンパニーが責任を持って迅速かつ
     柔軟な経営を行い、それぞれの分野のニーズに対応した事業を展開しているとのことです。
    他方、当社(当時の商号は、株式会社ファミリーマート)は、1987年12月に東京証券取引所に株式を上場して

   おります。1978年3月に株式会社西友ストアー(現・合同会社西友)が、フランチャイズ・システムによるコン
   ビニエンスストア事業を開始し、1981年9月に株式会社ジョナスが、株式会社西友ストアーから営業と資産の譲
   渡を受け、商号を株式会社ファミリーマートに変更し事業を開始しました。当社は、1987年12月に東京証券取引
   所の市場第二部に株式上場し、1989年8月に東証一部銘柄に指定されました。当社(当時の商号は、株式会社
   ファミリーマート)は、2016年9月に、ユニーグループ・ホールディングス株式会社との間で、当社を存続会社
   とする吸収合併による経営統合(以下「本経営統合」といいます。)を行い、当社の子会社であった株式会社
   サークルKサンクス(当時の商号)との間で、当社(本経営統合に伴い、2016年9月に、ユニー・ファミリー
   マートホールディングス株式会社に商号変更)を吸収分割会社とする吸収分割(以下「本吸収分割」といいま
   す。)を行い、当社のコンビニエンスストア事業を株式会社サークルKサンクス(本吸収分割に伴い、2016年9
   月に、株式会社ファミリーマートに商号変更)に承継させたことにより、当社を持株会社とする純粋持株会社体
   制へ移行しました。ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社は、総合スーパー「アピタ」「ピア
   ゴ」を主力とした総合小売業と「ファミリーマート」「サークルKサンクス」のコンビニエンスストア事業を展
   開するとともに、2016年9月に株式会社名古屋証券取引所第一部に株式上場(2019年11月に上場廃止)しまし
   た。その後、当社は、2019年9月に、当社の子会社であった株式会社ファミリーマート(本吸収分割前の商号は
   株式会社サークルKサンクス)との間で、当社を存続会社とする吸収合併を行い、それに伴い当社は株式会社
   ファミリーマートに商号変更しております。現在の当社は、「ファミリーマート」を主力としたコンビニエンス
   ストア事業及びその周辺事業を展開しております。
    公開買付者の親会社である伊藤忠商事は、その連結子会社であったファミリーコーポレーション株式会社(以

   下「ファミリーコーポレーション」といいます。)(注2)が、1998年2月に本経営統合前の当社(当時の商号
   は株式会社ファミリーマート)の株式28,620,000株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:29.74%)を株
   式会社西友より取得して当社の筆頭株主となり、当社が伊藤忠商事の持分法適用関連会社となって以来、効率的
   な物流運営・商品開発等、様々な分野で当社との取り組みを推進してきたとのことです。ファミリーコーポレー
   ションは、その後、1999年3月に伊藤忠商事より871,200株(当時の総株主の議決権に対する割合:0.91%)
   を、2000年4月に市場取得の方法により450,000株(当時の総株主の議決権に対する割合:0.46%)を、それぞ
   れ取得したことにより当社株式29,941,200株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.46%)を所有する
   に至り、2009年9月には、伊藤忠商事が当社との連携を密にすることを目的として、ファミリーコーポレーショ
   ンより、ファミリーコーポレーションの所有する当社株式の全て(29,941,200株(当時の総株主の議決権の数に
   対する割合:31.46%))を取得し、当社株式を直接に所有することとし、その結果、伊藤忠商事が当社の筆頭
   株主となったとのことです。2009年9月時点で、伊藤忠商事及びその子会社(伊藤忠テクノソリューションズ株
   式会社(38,332株。当時の総株主の議決権に対する割合:0.04%)、株式会社日本アクセス(以下「日本アクセ
   ス」といいます。)(42,976株。当時の総株主の議決権に対する割合:0.05%)が所有する当社株式の合計は、
   30,022,508株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:31.55%)となったとのことです。その後も、伊藤忠
   商事は、主に市場買付けにより当社株式(2016年8月までの商号は株式会社ファミリーマート、2016年9月以降
   の商号はユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社)を取得し(注3)、2018年4月には、当社株式
   52,507,296株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:41.50%)を所有するに至ったとのことです。
    さらに、2018年8月には、我が国の小売業界における、総人口の減少による市場規模の縮小や、Eコマースの
   市場規模の拡大を含めた業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流における人手不
   足等の厳しい経営環境と、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向といった市場の変化に対応し、当社の持続的
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   成長を実現するために、経営の高度化により当社の事業基盤をより一層強化し、伊藤忠商事と当社がより強固か
   つ一体的な関係を構築し、両者の経営資源やノウハウをより緊密に相互補完・有効活用することを目的に、IR
   Iによる当社株式に対する公開買付け(1株当たりの公開買付価格は、11,000円。なお、下記の株式分割前の価
   格になります。)を実施し、当社株式10,880,400株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:8.60%)を取得
   しており、これに伴い伊藤忠商事は当社を連結子会社化したとのことです。
    なお、当社は、2019年2月に普通株式1株につき4株の割合での株式分割(以下「本株式分割」といいま
   す。)を実施しており、その結果、伊藤忠商事の所有する当社株式が210,029,184株(所有割合:41.50%)、I
   RIの所有する当社株式が43,521,600株(所有割合:8.60%)、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の所有
   する当社株式が153,328株(所有割合:0.03%)、日本アクセスの所有する当社株式が402,498株(所有割合:
   0.08%)、伊藤忠食品株式会社の所有する当社株式が370,636株(所有割合:0.07%)、伊藤忠リーテイルリン
   ク株式会社の所有する当社株式が5,182株(所有割合:0.00%)、株式会社ドルチェの所有する当社株式が
   42,939株(所有割合:0.01%)となり、現在に至っております。
   (注2) ファミリーコーポレーションは、当時伊藤忠商事の連結子会社であった西野商事株式会社(以下「西

     野商事」といいます。)の子会社として1988年3月31日に設立された食品関連の物流業務受託及びセ
     ンター運営業を営む会社であり、1998年2月に株式会社西友及びそのグループ会社から当社株式
     28,620,000株(当時の総株主の議決権の数に対する割合:29.74%)を相対譲渡により取得いたしま
     した。伊藤忠商事は、2002年9月18日付で、西野商事が所有していたファミリーコーポレーションの
     株式(同社の発行済株式総数の約95%)を取得し、同社を直接保有の子会社としております。ファミ
     リーコーポレーションは、上記のとおり1998年2月に当社株式(当時の商号は株式会社ファミリー
     マート)を取得して以降、伊藤忠商事の連結子会社として、当社(当時の商号は株式会社ファミリー
     マート)より物流業務を受託しておりましたが、2011年3月に、伊藤忠商事の連結子会社であった日
     本アクセスを吸収合併存続会社、ファミリーコーポレーションを吸収合併消滅会社とする吸収合併を
     行ったことにより解散しております。
   (注3) 伊藤忠商事は、2014年7月7日から同年12月19日の間に5,070,300株(当時の総株主の議決権に対す
     る割合:5.42%相当)、2016年2月5日から同年5月24日の間に6,400,000株(当時の総株主の議決
     権に対する割合:6.74%相当)、2016年10月20日から2017年5月25日の間に4,700,000株(当時の総
     株主の議決権に対する割合:3.72%相当)、2017年10月13日から2018年2月6日の間及び2018年2月
     7日から同年4月19日の間に5,430,900株(当時の総株主の議決権に対する割合:4.33%相当)、市
     場内で当社株式を取得しております。市場買付けによる取得の他、伊藤忠商事は、2016年9月に本経
     営統合に係る吸収合併に際して、ユニーグループ・ホールディングスの株主として、当社株式
     964,896株(2016年11月当時の所有割合0.76%)の割当てを受けております。なお、2016年11月当時
     の所有割合とは、当社が2017年1月13日に提出した四半期報告書に記載された2016年11月30日現在の
     発行済株式総数(126,712,313株)から、当社が2017年1月10日に公表した「平成29年2月期 第3
     四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2016年11月30日現在の当社が所有する自己株式
     数(68,506株)を控除した株式数(126,643,807株)に対する割合をいいます。
    また、当社は、再建の途上にあったGMS事業(注4)を営むユニー株式会社の株式の全てを2019年1月株式

   会社ドンキホーテホールディングス(現、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディング
   ス)に譲渡することで、経営資源をコンビニエンスストア事業に集中し、コンビニエンスストア事業を展開して
   いる株式会社セブン-イレブン・ジャパン(以下「セブンイレブン」といいます。)や株式会社ローソン(以下
   「ローソン」といいます。)のホームページにおいて公表されている資料によれば、2020年2月期末時点の国内
   店舗数、全店売上規模(セブンイレブン:20,955店(全店売上高:50,102億円)、ファミリーマート:16,611店
   (全店売上高:29,650億円)、ローソン:14,444店(全店売上高:25,069億円))において、コンビニエンスス
   トア業界2位となっており、その地位を盤石にするとともにさらなる成長を実現すべく様々な施策を実行して参
   りました。
   (注4) GMSとは、ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア(General             Merchandise  Store)の略で、日用的

     な食料品、衣料品、雑貨等を幅広く品揃えした大規模小売店・量販店を意味します。
    こうした中、伊藤忠商事は当社を連結子会社化した後も、引き続き当社株式の上場を維持することにより、当

   社の業界におけるステータスや中立的立場による商権維持、優秀な人材確保等の上場会社としてのメリットを享
   受し続けられるようにする一方で、伊藤忠商事からの人的支援や伊藤忠商事グループが保有するサプライチェー
   ンの機能を積極的に提供することにより、当社が多様化する消費者ニーズに対応し小売業界における厳しい競争
   に勝ち残り、持続的成長を実現するべく、伊藤忠商事グループと当社との事業シナジーの顕在化に向けた取り組
   みを進めてきたとのことです。
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    他方、伊藤忠商事は商社という業態の特性上、事業領域が多岐にわたり、必ずしもそれぞれの事業領域におい
   て当社と利益が一致するわけではなく、伊藤忠商事と当社がともに上場会社として独立した事業運営を行ってい
   る現状では、当社を除く伊藤忠商事グループ各社と当社との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補
   完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について当社の少数株主の利益をも考慮した慎
   重な検討を要することから、双方のコスト構造等の十分な情報共有や人的・物的な経営資源の再配分が行われな
   いこと等の一定の制約が生じ、伊藤忠商事グループ一体となって迅速な意思決定を推し進めていくことが十分に
   実行できていないと認識しているとのことです。具体的な事例の一つとして、伊藤忠商事の完全子会社である日
   本アクセスが当社取扱いの大部分を受託している物流業務の合理化とそれによる物流コスト削減の取り組みがあ
   るとのことです。
    伊藤忠商事は、当社事業のコスト構造において物流・製造というサプライチェーンの占める割合は極めて大き

   い一方、昨今のドライバー不足やEコマース需要拡大による人件費増等の上昇圧力により物流費が高騰・高止ま
   りしていると認識しているとのことです。伊藤忠商事は、この物流コストの問題は、当社及び伊藤忠商事グルー
   プが一体となって解決に向けて取り組むべき重要な経営課題と捉え、日本アクセスとともに物流効率の改善によ
   る物流コスト削減の取り組みを進めてきたとのことです。その過程において、伊藤忠商事は、当社の物流コスト
   を本質的に削減するには、原材料調達から製造、在庫、店舗への配送に至るまでの物流に関わる各段階におい
   て、無駄を排除するサプライチェーンの全体最適の実現が必要であり、そのためには、当社の発注情報や、物流
   製造各社のヒト・配送車のシフト、在庫情報等の取得が不可欠との認識を有しているとのことです。しかしなが
   ら、当社が上場会社である現状においては、上場会社としての「部分最適」と、当社を含む伊藤忠商事グループ
   の「全体最適」が緊張関係にあり、伊藤忠商事及び日本アクセスが当社から物流コスト等に関する充分な情報を
   取得するには制約があるため、同時に、伊藤忠商事が上場子会社である当社に対して、伊藤忠商事グループとし
   て事業ポートフォリオ戦略の実行や経営資源の再配分を行うことは、伊藤忠商事グループの資本コストを踏まえ
   た全体最適の観点に立てば、それによる利益の一部は伊藤忠商事グループ外に流出してしまうことになるといっ
   た問題が指摘される可能性があり、機動的・効率的なグループ経営を実現することで伊藤忠商事グループとして
   の企業価値の最大化を図ることが困難な状況にあるとのことです。結果として、伊藤忠商事は、当社における物
   流合理化とそれによる物流コスト削減の取り組みは、未だ十分な成果を出すには至っていないと考えているとの
   ことです。
    伊藤忠商事が当社を連結子会社化して以降現在までの間、国内のコンビニエンスストア業界を取り巻く環境

   は、下記Ⅰ及びⅡ記載のとおり変化しております。また、日本フランチャイズチェーン協会によれば、2019年12
   月末の全国のコンビニエンスストア店舗数は前年末差123店舗減り、比較可能な2005年以降初めて年末の店舗数
   が減少に転じました。コンビニエンスストア業界における売上高の上位3社による店舗の売上高でみると2011年
   度の全店平均日商(1店舗・1日当たりの売上高)はセブンイレブンで66万9,000円、ファミリーマートで53万
   1,000円、ローソンで54万7,000円であったのが、2018年度にはそれぞれ65万6,000円、53万円、53万1,000円に減
   少していることに加え、コンビニエンスストア業界における売上高の上位3社の2020年2月期末の店舗の純増数
   の合計が前期比45店増にとどまり、記録のある1980年2月期以降で最低となり、業界として厳しい状況に直面し
   ております。当社においてもサークルKサンクスとのブランド統合により想定していた店舗総数の増加や転換店
   の日商(コンビニエンスストア1店舗・1日当たりの売上高)向上効果は一定程度得られたものの、ますます厳
   しくなる小売業界で勝ち抜くためには、先んじて組織のスリム化・業務効率化を進め、チェーン全体の競争力を
   高める必要があると判断し、2019年11月には組織運営上支障のない範囲で早期希望退職者募集を行うこととし、
   2020年2月期末に当社の全社員の約7%に当たる1,025名の社員が早期退職することとなりました。
   Ⅰ.コンビニエンスストア事業のビジネスモデルの見直しが迫られていること

     これまで当社を含むコンビニエンスストア業界は新規出店とサービスの拡大により成長を持続し、国内の小
    売業界における勝ち組と称されてきました。しかしながら近年は、出店数を維持するために加盟店との契約形
    態は多様化し、サービスの拡大は店舗オペレーションをより一層複雑化いたしました。その結果、コンビニエ
    ンスストアの利便性は高まり、生活インフラとして欠かせない存在となる一方、チェーンを跨ぐ競争は激化し
    加盟店の負荷は相対的に増しました。こうした状況に長引くデフレや深刻な人手不足等が相まって、今日の24
    時間営業問題、フードロス問題、さらには加盟店従業員の社会保険未加入問題等コンビニエンスストアの抱え
    る様々な経営課題が、業界内だけにとどまらない社会問題としてクローズアップされることとなっており、コ
    ンビニエンスストア事業のビジネスモデルそのものが見直しを迫られている状態にあります。
     さらに、2020年1月中国湖北省武漢で発生しその後日本を含む世界中に感染が拡大した、伊藤忠商事の見立
    てとして未だ終息の見通しが立っていないと思われる新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生じた消費
    者の生活様式と購買に関わる行動変容は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が収まった後も完全に
    元に戻ることはなくある程度常態化することが推測されます。具体的には、テレワークの定着、非接触型の接
    客、及び目的別の購買チャネルの使い分け等です。こうした行動変容はコンビニエンスストア事業がこれまで
    前提としていた出店立地、決済手段、及び商品構成等の大幅な変更を迫ることにもなりつつあります。
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   Ⅱ.Eコマースの急拡大により事業領域が侵食されつつあること

     他方、Eコマースは着実に市場規模を拡大し、次々と新しいサービスを提供することでその利便性を増して
    おります。2019年は消費税増税のタイミングに合わせた国によるキャッシュレス決済導入推奨の施策もあり、
    様々な事業体がモバイルペイメントのサービスをスタートし、モバイルペイメントサービスであるPayPayや
    LINE Payが、それぞれヤフー株式会社及びLINE株式会社のWebサイトで公表されておりますとおり、100億円か
    ら300億円規模の販促費をかけたキャンペーンを行う等によりそのエコシステムに利用者の囲い込みを図る
    等、コンビニエンスストア業界を含む小売業界における競合はもはやリアルとデジタルの垣根を超え、当社の
    親会社の所有者に帰属する当期純利益(以下「連結純利益」といいます。)(2020年2月期435億円)に相当
    する投資も伴わなければ勝ち残りが容易でない程に熾烈さを増していると、伊藤忠商事は認識しているとのこ
    とです。さらに国外を見れば、アマゾン社に代表されるプラットフォーマーは、食品スーパー等のリアル店舗
    と次々に資本・業務提携を行い、幅広い取引先とEコマースにより得た顧客データ(例えば、アマゾン社の開
    示資料によれば、顧客数は、アマゾンプライム会員に限っても、2018年4月時点で全世界で1億人を超えてお
    り、Consumer  Intelligence  Research  Partners,  LLCの調査によれば、2019年12月末時点で、米国のみのアマ
    ゾンプライム会員は約1.12億人であると推計されているとのことです。)に基づくマーケティング戦略に惜し
    みなく経営資源を投入し、当社の事業領域を侵食しつつあります。また、こうしたプラットフォーマーと呼ば
    れるインターネット勢は、自社のプラットフォームを訪れた消費者に対し、その消費者の過去の閲覧履歴や購
    買履歴に基づき、「ターゲティング広告」と呼ばれる手法で、その消費者に向けたピンポイントの購買推奨を
    行うことで、消費者のいわゆる「ついで買い」を促しております。消費者は、インターネット勢のプラット
    フォームを活用することで、リアルの実店舗に足を運ぶことなく、気になった商品があればインターネット上
    で価格の比較を行ったり、遠方でしか手に入らない商品を購入すること等が可能となっております。伊藤忠商
    事としては、このようなプラットフォーマーと呼ばれるインターネット勢の取り組みは、1980年~2000年の間
    に生まれたいわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる最初のデジタル世代が消費者層の中心となること等による
    消費者の嗜好の多様化とも相まって、Eコマースの急拡大につながっているものと認識しているとのことで
    す。
    このように、消費者の嗜好や購買チャネルが多様化し、対面業界が過去に例を見ないスピードで変化する経営

   環境の下、従来からの企業主体で商品の企画・開発・提供を行い、「良いものであれば売れる」の発想で、自社
   の強みや技術を活かした商品展開を行う「プロダクトアウト」による商品・縦割り組織だけでは適切な対応が困
   難との判断から、伊藤忠商事は、2019年7月に「第8カンパニー」を新設し、生活消費分野に強みを有する伊藤
   忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用して市場や消費者のニーズに応える「マーケットインの発想」によ
   り、新たなビジネスへの転換を図ってきたとのことです。具体的には、訪日中国人富裕層をターゲットとしたイ
   ンバウンド観光事業に関連する業務提携、ゲームAI(ファイナルファンタジー、マジモン等のトップゲームの
   開発メンバーが所属)・ブロックチェーン(日本人チーム初の「Ethereum」世界大会世界トップ10に選出)・画
   像認識AI(Facebook主催の画像認識コンペで世界3位受賞)において世界最高レベルの技術を結集した人型A
   Iエージェントを手掛けるクーガー株式会社(以下「クーガー社」といいます。)への出資等を行いましたが、
   従来の「プロダクトアウト」型商社ビジネスを大きく転換していくにはまだまだスピード感が足りないと考えて
   いるとのことです。
    今後、業態を超えた小売りビジネスの大きな変化はさらに加速するものと思われ、将来予測がますます困難と

   なってきております。
    他方、当社の属する小売業界を取り巻く環境は、業態を超えた競争環境の激化や根強い節約志向による消費マ

   インドの低下及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等によって、先行きは依然として不透明な状況が
   続くものと見込まれ、消費者ニーズも多様化しており、新たな発想による商品・サービスの創造が求められてい
   ることに加え、安全で安心な食の提供や環境問題への対応等、企業の社会的責任が増大していることから、こう
   した難局を乗り越えて厳しい競争環境を勝ち抜くため、当社グループの経営資源を結集し、独自の価値を提供す
   ることで成長の機会を模索しておりました。具体的には、当社グループにおいては、「加盟店支援の着実な実
   行」「収益力の強化」「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」「金融・デジタル戦略の推進」「株式会社パ
   ン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの協業推進」の各取り組みについて実行していると
   ころです。このように、当社の属する小売業では限られた市場の中で質を高めるビジネスモデルに変わってきて
   おり、環境の変化に対して大胆かつスピード感を持って対応することが求められるようになってきている中、当
   社は、当社の既存の事業領域に加えて、管理部門、デジタル、海外展開の分野に関して、伊藤忠商事グループを
   はじめ、当社グループ外の企業との連携により、多様な経営資源等を活用することが当社の成長の源泉になると
   考えております。そのような中で、当社と伊藤忠商事がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現
   状では、当社を除く伊藤忠商事グループ各社と当社との間における、経営資源やノウハウの緊密な相互補完・有
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   効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について当社の少数株主の利益をも考慮した慎重な検
   討を要することから、迅速な意思決定を行うことが困難な状況にあり、また、双方のコスト構造等の情報の共有
   に一定の制約がある中での意思決定となることから、人的・物的な経営資源の再配分による最適化が達成されな
   い可能性があるとの認識を持っておりました。
    また、伊藤忠商事は、経済産業省が2019年6月28日付で公表した「グループ・ガバナンス・システムに関する

   実務指針」も踏まえ、その保有する各上場子会社につき、上場子会社として維持することが最適なものであるか
   否かを取締役を含めた全社の重要会議の際に検討するとともに、グループ全体の企業統治の健全性・公正性担保
   に向けて真摯に取り組んでいるとのことです。そのような取り組みの中で、伊藤忠商事は、当社に関する上記の
   ような事業環境に鑑み、当社が熾烈な競争を勝ち残り持続的な成長を実現するには、当社を上場子会社として維
   持するのではなく、今こそ当社に伊藤忠商事グループの経営資源をさらに再配分し、当社と伊藤忠商事とがより
   一体となった上で、従来のビジネスモデルの継続にとどまらず新たなビジネスモデルへの転換にも果敢に挑み、
   市場環境の急激な変化に機動的かつ迅速に対応していくことが不可欠であり、同時に、伊藤忠商事グループの生
   活消費分野最大の消費者接点を持つ当社の全国に広がる16,500店の店舗網と1日当たり約1,500万人の来店客を
   元にデジタルプラットフォームを作り、新たなサービスの提供やビジネスモデルの確立をするとともに、強みで
   ある消費者接点をさらに活用すべく、伊藤忠商事グループの次世代・新技術導入の実践の場として2019年7月に
   新設した「第8カンパニー」を通じ、伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用し、当社のサプライチェー
   ンの最適化・効率化、電子決済に代表されるITを駆使した次世代化に取り組み、当社を中心に伊藤忠商事グ
   ループの生活消費分野ビジネスのいわゆるデジタルトランスフォーメーションを実現することが、伊藤忠商事の
   強みとしてきた生活消費分野をより強固なものにすると考えているとのことです。またこのような考えは、上記
   のとおり当社における課題認識とも一致しており、当社及び当社を含む伊藤忠商事グループ全体としての中長期
   的な企業価値向上にとって最適な選択であると考えるに至ったとのことです。もっとも、伊藤忠商事としては、
   中長期的な成長の観点にたてば、伊藤忠商事グループの経営資源を当社にさらに再配分し、当社のビジネスモデ
   ルの果敢な転換を図ることは、当社を含む伊藤忠商事グループ全体の企業価値向上に資するものと考えるもの
   の、短期的には、当社のビジネスモデル転換に伴う当社の負担が、当社の既存ビジネスから得られる収益を大き
   く圧迫することにもなりかねず、当社の一般株主の皆様の利益にそぐわない可能性があると考えているとのこと
   です。
    そのため、伊藤忠商事としては、2019年9月上旬に、当社を非公開化することで、当社の一般株主の皆様に対

   して適切かつ合理的な当社株式の売却機会を提供することにより、こうした抜本的な施策により当社の一般株主
   の皆様の利益が損なわれないようにする一方、伊藤忠商事と当社が現在の親会社と上場子会社としての相互に独
   立した経営体制を超えて、グループ一体となって両者の経営資源やノウハウの相互活用を一層促進し、迅速に意
   思決定を進めていくことで、当社の短期的利益に直結せずとも当社を含む伊藤忠商事グループ全体を中長期的に
   成長させることにつながる抜本的な施策を行い、より大きく踏み込んだ提携関係を構築することが、当社を含め
   た伊藤忠商事グループ全体の企業価値の向上のために必要であると考えるに至り、当社の非公開化の初期的検討
   を開始したとのことです。2020年1月上旬には、当社から独立した第三者評価機関としてファイナンシャル・ア
   ドバイザーである野村證券を、当社から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任
   し、当社の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築した上で、2020年2月上旬、当社に対し、当社の非公開
   化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を行ったとのことです。その後、伊藤忠商事は、2020年2月上旬
   以降、想定されるシナジーに関する検討を進め、2020年2月17日、当社に対し、伊藤忠商事が本取引を申し入れ
   た背景や非公開化後に実現したいと考える事業戦略等を記載した本取引に関する初期的提案書を提出しました。
   2020年2月上旬の初期的打診及び同年2月17日の初期的提案の際は伊藤忠商事グループのみが株主となる選択肢
   も含めて検討を行った上で、伊藤忠商事は、当社とのビジネスを通じた企業価値の向上に資するスキームとし
   て、伊藤忠商事のみが出資し、又は状況に応じて当社とのビジネス関係を構築できる伊藤忠商事グループ外の者
   が少数株主として出資する可能性のあるSPCが当社株式の公開買付けを実行した後、株式併合によるスクイー
   ズ・アウト手続により当社を非公開化するスキームを提案しておりました。なお、当該提案に際し、伊藤忠商事
   は、当社に対し、伊藤忠商事グループ外の第三者が少数株主として当該SPCに出資する可能性があり、第三者
   の出資により当社の非公開化のための伊藤忠商事の資金負担を抑制できる一方で、非公開化後における伊藤忠商
   事グループの当社株式の所有割合が低くなること等の伊藤忠商事にとってのメリット及びデメリット、第三者の
   出資及びそれに伴う提携等により当社の企業価値の向上に資するかどうか等も踏まえて、伊藤忠商事が第三者と
   協議し、伊藤忠商事及び第三者の意向が合致した場合には、第三者が少数株主として当該SPCに出資すること
   を前提とした提案を再度行うことも、併せて伝えました。伊藤忠商事は、当社に対してかかる提案を行う一方
   で、並行して、非公開化後の当社における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で必要な戦略パートナーと
   して当社と既存の取引関係があり、かつシナジー創出の蓋然性が高いという観点において全農及び農中並びに東
   京センチュリーと接触し、これら3者と本公開買付けのスキーム及び非公開化後の当社における経営方針につい
   て協議してきたとのことです。
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    伊藤忠商事並びに全農及び農中は、営業面では全農及び伊藤忠商事が食料カンパニーにおける北米穀物集荷の
   共同事業(CGB   Enterprises,  Inc.)を行っているほか、当社の中食・惣菜の原材料を含め伊藤忠商事グループ
   と多岐に渡って協業関係にあり、ファイナンス面では農中が伊藤忠商事グループの親密な取引金融機関の1社で
   あるという関係にあるとのことです。こうした従来からの取り組みを背景に、伊藤忠商事が当社の非公開化の検
   討を開始した後、2020年1月下旬に、同じグループ内に食料カンパニーとの取引関係にある全農を持ち、商品供
   給等で当社のビジネス面でのシナジーを創出できる戦略パートナーに発展する可能性を目論み、まずは本取引に
   要する資金に係る資金提供の可能性について農中に打診をしたところ、全農を含める形で、ファイナンシャルス
   ポンサーとしてではなく、戦略パートナーとして当社に資本参加することにより当社の非公開化に参画したいと
   いう旨の意向を示されたとのことです。全農及び農中のかかる意向を踏まえ、伊藤忠商事は、2020年2月上旬、
   全農及び農中が戦略パートナーとして当社に資本参加することの可否及び方法について検討並びに全農及び農中
   との協議を開始したとのことです。かかる検討及び協議を通じて、2020年2月下旬までに、伊藤忠商事並びに全
   農及び農中は、全農及び農中が当社に戦略パートナーとして資本参加することにより、①商品供給、②地域活
   性、及び③海外戦略の面において当社とのシナジー創出が可能であると考えるに至ったとのことです。そのた
   め、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、全農及び農中が、当社株式の公開買付けを行う伊藤忠商事のSPCに出
   資する方法により、当社に資本参加するスキームを第1候補として、当社に対して、当社の非公開化に関する提
   案を改めて行うこととし、当該提案以降も、最終的な出資比率等の条件や、資本提携によるシナジーに関して、
   継続して検討及び協議を行うこととしたとのことです。
    東京センチュリーは、当社の店舗や付帯設備に対するリース等の取引を通じて、伊藤忠商事が当社を持分法適

   用関連会社とした1998年2月当時より当社を重要な事業パートナーと位置づけ、伊藤忠商事グループとの取引の
   拡大や伊藤忠商事の国内及び海外ネットワークを活用した協業等の取り組みを行ってきたとのことです。伊藤忠
   商事は、伊藤忠商事グループと東京センチュリーとの間に取引及び資本関係があり、伊藤忠商事グループの国内
   及び海外ネットワークを活用した協業を伊藤忠商事グループと東京センチュリーの間で行っていることに加え、
   東京センチュリーが提供する情報通信機器を筆頭とする国内リース事業分野、法人・個人向けオートリースにレ
   ンタカーを加えた国内オート事業分野等、多岐にわたる事業領域と金融の枠を超えた「金融×サービス×事業」
   の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが、本取引の実行後に当社のビジネスモデル
   を転換する各施策において重要な役割を果たすとの考えから、2020年2月中旬に東京センチュリーの経営陣に当
   社の非公開化にあたり伊藤忠商事が既に当社との取引関係があり、かつ将来的に東京センチュリーの「金融×
   サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわれない多様なサービスが当社におけるビジネス強
   化につながることの説明を行ったところ、伊藤忠商事の考えに賛同いただき、当社に資本参加することにより当
   社の非公開化に参画したい旨の意向を示されましたので、2020年2月中旬、伊藤忠商事及び東京センチュリー
   は、東京センチュリーが当社に資本参加することについての検討及び協議を開始したとのことです。東京セン
   チュリーは、リース事業に限らず、様々な新しい金融サービスの提供により、パートナー企業とともに「循環型
   経済社会の実現への貢献」を目指しており、伊藤忠商事としては、地域社会において欠かせない「インフラ」と
   なっている当社が目指す、地域から必要とされ、かつ人や地域に寄り添うことで進化し続ける地域密着型の事業
   において、東京センチュリーが店舗ごとにおける付帯設備の最適配分を行う仕組みを構築する等の様々なソ
   リューションをもたらすことにより、コストの削減を含めた新しい価値を生み出すシナジーが期待できると考え
   ているとのことです。
    以上のとおり、伊藤忠商事は、2020年2月下旬、全農及び農中は国産のサプライソースを活かした生鮮品の供

   給を可能とし、東京センチュリーが、当社の店舗付帯設備の配分を最適化する事によるコスト削減等を行うこと
   を可能とするため、全農及び農中並びに東京センチュリーが非公開化後の当社における事業戦略を速やかにかつ
   着実に実現する上で必要な戦略パートナーとして適切であると考えるに至り、また資本提携を行うことで、全農
   及び農中並びに東京センチュリーがより踏み込んだ形で当社に対して人的リソース等の経営資源の投入を図り、
   シナジーの実現を図れるものと考えているとのことです。なお、全農及び農中が当社に資本参加することで、全
   農及び農中におけるそれぞれの所有割合の大小にかかわらず、全農は主に商品供給面、農中は金融サービスの提
   供等で当社と踏み込んだ形で戦略的なビジネス構築ができるものと考えているとのことです。なお、伊藤忠商
   事、全農及び農中並びに東京センチュリーは、①公開買付けの手続コストを抑制し、②公開買付け後のスクイー
   ズ・アウト手続において全農、農中又は東京センチュリーがスクイーズ・アウト手続の対象となる可能性を小さ
   くするため、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーが共同でSPCに出資し、SPCが直接の公開
   買付けの主体となるスキームを第1候補として検討していたとのことです。
    伊藤忠商事は、このような全農及び農中並びに東京センチュリーとの間での検討及び協議の結果を踏まえて、

   本取引の諸条件についてさらに具体的な検討を進め、2020年3月2日、当社の非公開化に関する正式提案書(当
   該提案書に基づく正式提案を以下「3月2日付正式提案」といいます。)を当社に対して提出し、本公開買付価
   格を2,600円とすること、本公開買付けの期間を2020年4月13日から2020年5月26日とすることを当社に対して
   提案しました。なお、3月2日付正式提案においては、当社株式の本公開買付けを行う伊藤忠商事のSPCに全
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   農及び農中が出資する方法により全農及び農中が当社に資本参加するスキームを前提としておりましたが、当該
   時点においては東京センチュリーとの検討及び協議を開始したばかりであり、東京センチュリーが当社に資本参
   加することの確度が高くなかったため、東京センチュリーが当社に資本参加することは前提としていなかったと
   のことです。
    伊藤忠商事は、3月2日付正式提案以降も、全農及び農中との間で、全農及び農中が当社に資本参加する方法

   及び条件や資本提携によるシナジー等について検討及び協議を行っておりましたが、2020年3月上旬、全農及び
   農中から、①当社の非公開化後における全農及び農中の当社に対する出資割合を5%未満とすること、②全農に
   おける正式機関決定後(注5)に当社に資本参加するために、全農及び農中は、当社の非公開化が完了する前に
   伊藤忠商事のSPCに出資は行わず、非公開化が完了した後に当社株式を譲り受けるスキームとすること、③全
   農及び農中の最終的な出資割合に相当する金銭を農中から伊藤忠商事のSPCへ融資することが可能であること
   についての意向表明を受けたとのことです。また、伊藤忠商事は、3月2日付正式提案以降も、東京センチュ
   リーとの間で、東京センチュリーが当社に資本参加することについて引き続き検討及び協議を行っておりました
   が、東京センチュリーが、リース事業に限らず、様々な新しい金融サービスの提供により、パートナー企業とと
   もに「循環型経済社会の実現への貢献」を目指していることも踏まえ、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、地
   域社会において欠かせない「インフラ」となっている当社が目指す事業においても、東京センチュリーが様々な
   ソリューションをもたらすことにより、当社への資本参加を行うことで単なる取引関係から踏み込んだ、当社と
   一体となった新たなサービスの創造等、新しい価値を生み出すシナジーが期待できると考えるに至ったとのこと
   です。その後、伊藤忠商事は、2020年3月上旬、東京センチュリーから、①当社の非公開化のために投資可能な
   資金は50億円であること、②当社への資本参加の方法として伊藤忠商事のSPCに対して出資することでよいこ
   と、③非公開化後においては当社株式の直接所有を希望することを内容とする意向の表明を受けたとのことで
   す。
   (注5) 全農は、2020年7月8日、経営管理委員会を開催し、伊藤忠商事並びに全農及び農中との間で締結し

     ている2020年7月8日付「基本契約書」(以下「本基本契約」といいます。)の締結について承認し
     ており、本日現在、全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)を除き、全農・農中株式
     譲渡について正式な機関決定を行っているとのことです。また、全農は、2020年7月29日、総代会を
     開催し、全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)を決議する予定とのことです。な
     お、総代会において、全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)が決議されなかった場
     合であっても、全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)に対応する対価の額が、全農
     の経営管理委員会に対して権限委譲されている100億円以下の範囲内となるように、全農の経営管理
     委員会において全農・農中株式譲渡における全農の譲受け比率(内訳)を決議することにより全農・
     農中株式譲渡は実行可能とのことです。
   (注6) なお、農中は、2020年7月6日、理事会を開催し、全農の総代会において全農・農中株式譲渡におけ
     る全農の譲受け比率(内訳)が決議された場合、それに応じて全農・農中株式譲渡における農中の譲
     受け比率(内訳)を決定する旨決議しており、全農・農中株式譲渡について正式な機関決定を行って
     いるとのことです。
    このような全農及び農中の意向並びに東京センチュリーの意向も踏まえ、伊藤忠商事は、全農及び農中並びに

   東京センチュリーとの間で、全農及び農中並びに東京センチュリーが当社に資本参加する方法及び条件や、当社
   との資本提携によるシナジーについて検討及び協議を行い、伊藤忠商事は、2020年3月中旬、全農及び農中並び
   に東京センチュリーによる資本参加が非公開化後の当社における事業戦略を速やかにかつ着実に実現する上で適
   切であるとの考えに至ったとのことです。すなわち、伊藤忠商事、全農及び農中並びに東京センチュリーは、当
   社と資本提携を行うことで、全農及び農中並びに東京センチュリーがより踏み込んだ形で人的リソース等の経営
   資源を当社に投入することが可能となる一方で、全農及び農中並びに東京センチュリーがビジネス面での当社と
   のシナジー創出を資本参加の主な目的としていることから、伊藤忠商事が主体性をもって当社との密な相互補
   完・有効活用を実現する上での情報共有や人的・物的な経営資源の再配分を行うことに注力することができ、ま
   た、全農及び農中がそれぞれの所有割合の大小にかかわらず、資本参加を行い当社との関係を強化することでシ
   ナジーの実現を図れるとの考えに至ったとのことです。そのため、伊藤忠商事は、前記「① 本公開買付けの概
   要」の「本取引のスキーム図」に記載の内容のスキームを当社に提案することとしたとのことです。なお、伊藤
   忠商事は、資金調達に関しては、東京センチュリーからの出資及び農中からの融資以外にもその他当社と資本関
   係を有することでビジネス面でのシナジー創出のポテンシャルを持つと見られる企業が他にいないか、市場調査
   を行う等、様々な選択肢を検討したとのことですが、当社に資本参加する戦略パートナーとしては、全農及び農
   中並びに東京センチュリーとの間でそれぞれ検討及び協議を開始した時点で、当社において扱っていない商品の
   サプライソースを確保している全農及び融資のみならず、当社と親和性があると見られる金融窓口サービス等を
   展開する農中並びに既に取引関係を有し、当社におけるビジネスの土台となる設備や車両をリースし、かつ新た
   な金融サービスを手掛ける東京センチュリーがそれぞれ適切であるのではないかという想定の下、全農及び農中
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   並びに東京センチュリーを第1候補としており、結果として合意に至ったため、全農及び農中並びに東京セン
   チュリー以外の伊藤忠商事グループ外の第三者との間で、戦略パートナーとしての当社への資本参加することに
   関し、協議等は行っていないとのことです。
    伊藤忠商事は、2020年3月17日、前記「① 本公開買付けの概要」の「本取引のスキーム図」に記載の内容の

   スキームに前提を変更することを内容とする提案書を当社に対して提出するとともに、当社が設置した特別委員
   会を通じて、2020年3月上旬から同年4月上旬にかけて、当社と協議を重ねる過程の中で全農及び農中との資本
   提携により、①商品供給、②地域活性、及び③海外戦略の面において当社とのシナジー創出が可能であり、また
   東京センチュリーの、金融の枠を超えた「金融×サービス×事業」の3軸融合による経験値と既成概念にとらわ
   れない多様なサービスが、当社のビジネスモデルを転換する各施策において重要な役割を果たすという伊藤忠商
   事、全農及び農中並びに東京センチュリーの考えを説明しました。
    そして2020年4月上旬には、伊藤忠商事及び公開買付者並びに当社は、本取引による伊藤忠商事グループ及び

   当社の関係強化によって、以下のような取り組みや効果を期待することができ、当社の成長力と収益力のさらな
   る強化により一体となって取り組み、当社の中長期的な企業価値の向上を図ることが可能となるのみならず、伊
   藤忠商事グループの事業領域である生活消費分野における従来型のバリューチェーンに変革をもたらすことがで
   きる可能性があることから、伊藤忠商事グループの企業価値の向上をも図ることが可能であるとの認識を共有す
   るに至りました。なお、本公開買付けが成立した場合であっても、本臨時株主総会で株式併合議案が否決された
   ときには、当社の非公開化が達成されない可能性がございますが、伊藤忠商事及び公開買付者は、当社の一般株
   主の皆様においても、本取引による当社の非公開化が当社の中長期的な企業価値の向上をもたらすことをご理解
   いただき、その趣旨にご賛同いただけるものと考えているため、当社の非公開化がなされない場合の伊藤忠商事
   グループ及び当社が既存で取り組んでいるビジネス以外でのシナジー等に関する検討は行っていないとのことで
   す。
   Ⅰ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した当社のさらなる事業基盤の強化

     伊藤忠商事は従来、当社を伊藤忠商事の強みである生活消費分野における最重要基盤と位置づけ、伊藤忠商
    事グループのネットワーク、リソースの積極活用による当社の事業基盤強化に注力してきたとのことです。さ
    らには、当社を含む伊藤忠商事グループの全体最適の観点から、2019年7月に新設した「第8カンパニー」を
    通じ、伊藤忠商事の様々なビジネス基盤を最大限活用し、市場や消費者のニーズに応える「マーケットインの
    発想」により、当社の事業根幹であるサプライチェーンの最適化・効率化、電子決済に代表されるITを駆使
    した次世代化の取り組み等に、一層コミットし取り組んでいるとのことです。他方、24時間営業問題、深刻な
    人手不足、フードロス問題等、当社を取り巻く環境は厳しさを増し、それらへの対応は予断を許さない状況に
    あります。伊藤忠商事は従来の取り組みからさらに踏み込み、これまで以上に伊藤忠商事グループと当社のそ
    れぞれの経営資源等の相互活用を一層促進するとともに、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意思決定を
    進めていくことによって、先進的な次世代技術を取り入れた既存オペレーションの効率化や消費者接点の最大
    活用を実現し、社会問題化しつつあるこれらの課題ひとつひとつに伊藤忠商事グループ全体として真摯に向き
    合い解決を図るとのことです。さらに、2018年度より取り組んできた「ビジネスの次世代化」の一環として、
    伊藤忠商事グループの生活消費バリューチェーンのデジタル化とデータ活用を目的に構想し構築してきた伊藤
    忠商事グループ横断の「データ・マネージメント・プラットフォーム(DMP)」(注7)を活用し、当社の
    豊富な消費者接点から得られる様々なデータと、当社の収益において中心的な位置づけにある中食商品の製造
    から配送に至る各段階に関わるデータを有機的に統合することで、需要予測に基づく最適なサプライチェーン
    を再構築し、物流合理化による物流コストの削減や次世代技術の活用による当社のフランチャイズ加盟者のオ
    ペレーションの省力化等当社の既存のビジネスモデルをより高効率で収益性の高いものへと進化させていくと
    のことです。
    (注7) DMPとは、「Data     Management  Platform」の略称です。伊藤忠商事グループにおいては、サプラ
     イチェーンにおける発注・在庫・物流データ、顧客の購買データ・行動データなど、グループ企業
     が持つデータを横断的に連携・分析する仕組みを示す用語として用いているとのことです。また、
     具体的には、伊藤忠商事は、生活消費関連を中心に多数のグループ企業を抱え、サプライチェーン
     全体に関与する事業を展開しているため、DMPを構築・活用し、発注・在庫・物流の最適化、当
     社の店舗網を活用した広告・金融、次世代店舗などの消費者接点の強化といった領域でのグループ
     間のデータ連携を実現させていくとのことです。
   Ⅱ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した当社の新しいビジネスモデルの創出

     伊藤忠商事は、Eコマースの台頭、コンビニエンスストア市場の飽和等が謳われている中、当社が持つファ
    ミリーマート約16,500店舗に日々約1,500万人の消費者が訪れる消費者接点の強みに改めて着目し、当社のビ
    ジネスモデルを再定義すると同時に、非公開化により一体となることで伊藤忠商事の持つ経営資源や次世代技
    術を持つスタートアップを含めた企業とのネットワークを最大限に活用し、リアルとデジタルの融合による新
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    たなビジネスモデルを創出するとのことです。具体的には、伊藤忠商事が当社の一部店舗を実証実験の場と
    し、伊藤忠商事のネットワークの中からクーガー社が開発した人型AI技術等のAIやブロックチェーン等を
    活用した世界中の先進的次世代技術を積極的に取り入れた効率的かつ機動的を意味するリーン・アンド・ア
    ジャイルな検証を絶えず繰り返すことで、人型AIによる店舗接客等により店舗既存業務のさらなる合理化・
    効率化を図り加盟店負担を軽減しつつ、店舗での荷物受け取りロッカーや最寄りの店舗から消費者のもとへ商
    品を届けるラストワンマイル配送等消費者により利便性の高いサービスのご提供を実現するとのことです。1
    日に約1,500万人もの消費者が訪れる全国約16,500の店舗網には、Eコマースにはない地域に密着したリアル
    店舗ならではの購買に関わる消費者接点が存在いたします。このリアル店舗の強みと、デジタルプラット
    フォーマーが得意とするデジタルの汎用性を融合することで、店舗の枠を超えた新しいマーケットプレイスを
    提供していくとのことです。さらに、将来的には国内外の戦略パートナーと当社を含む「デジタルJV」を組
    成することで、従来の物販・サービスという枠に捉われない新たな付加価値を創造し、小売業界における従来
    の労働集約型ビジネスモデルからの大胆な転換を図っていく構想も検討していくとのことです。
   Ⅲ.伊藤忠商事グループの総合力を活用した当社の新たな海外事業展開

     伊藤忠商事は、当社が、従来の発想や常識に捉われず、国ごとの小売市場の成長過程に即してその国に適応
    するモデルを構築し導入する必要があるものと考えているとのことです。その実現のために、当社の経営資源
    やノウハウに加えて伊藤忠商事グループのネットワークの中から、小売といった枠組みに縛られずデジタルや
    新技術といった領域で強みを発揮するパートナーとも提携していくことが不可欠になってくるものと考えてい
    るとのことです。具体的には、伊藤忠商事の戦略提携先である海外パートナーを通じ、次の成長市場と当該市
    場における成長の鍵となるテクノロジーを見極め、各国においてそれぞれに適切なパートナーと提携できるよ
    うに支援することにより、海外での事業展開を当社の新たな成長のドライバーとすることが可能になると考え
    ているとのことです。当社の非公開化を行うことで伊藤忠商事グループの持つグローバルなネットワークを
    シームレスに当社と融合し、海外における先進的な技術を取り入れ、来店客の購買行動をデータ分析する事に
    より来店客一人一人の購買行動に合わせた商品プロモーションの展開、需要予測の精度向上によるロスの削
    減、新商品の開発等、新たな形態の小売業であるニューリテールの技術やテクノロジーを当社のビジネスに取
    り入れることが可能となるとのことです。
    また、伊藤忠商事は、上記の議論と並行して本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件や本取引のスキー

   ム、本公開買付けから非公開化までのスケジュールについても当社が設置した特別委員会を通じて複数回の協
   議・交渉を重ね、さらに、全農及び農中並びに東京センチュリーとも本取引の諸条件及び非公開化後の当社にお
   ける経営方針について引き続き協議してきたとのことです。
    具体的には、伊藤忠商事は、2020年3月6日、当社から事業計画を受領し、同日以降、その分析を行っていた
   とのことです。しかしながら、2020年3月2日には18人であった国内の新型コロナウイルス感染症の新規感染者
   (1日当たり)が、2020年3月20日には54人、2020年3月28日には202人になる等、3月下旬以降、新型コロナ
   ウイルス感染症の感染者数が急速に増加したことを受けて、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年3月28日、新
   型コロナウイルス感染症の感染拡大が当社の業績の短期的な悪化につながるのみならず中長期的にも当社の業績
   に悪影響を与え、当社の上記事業計画の達成可能性にも重大な影響を与える可能性があるため、本公開買付価格
   を含む取引条件を再検討する必要があると考えるに至ったとのことです。これらの結果を総合的に勘案した上
   で、2020年3月28日、伊藤忠商事及び公開買付者は、ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券を通じ
   て、当社に対し、本公開買付価格の水準を2,000円程度とする旨の提案(以下「3月28日付提案」といいま
   す。)を行いつつ、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大が当社の事業に与える影響の分析等を行った
   とのことです。3月28日付提案に対し、公開買付者は、当社から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響
   による株価の騰落は一時的なものである可能性もあり、そのような提案は承服できないとして、提案内容の再検
   討の要請を受け、その後も当社との間で協議を重ねました。しかしながら、その後も新型コロナウイルス感染症
   の感染域は拡大を続け、国内の感染者数も減少に転じる兆しが見えず、マクロ経済に関する様々な指標も悪化す
   る等、新型コロナウイルス感染症による事業への影響の規模やそれが及ぶ期間、ひいては当社の本源的価値にも
   たらすインパクトについての将来的な見通しが困難な状況となりました。また新型コロナウイルス感染症の感染
   拡大による本公開買付価格の前提となる当社の事業への影響、すなわち新型コロナウイルス感染症の影響が及ぶ
   期間や当社の店舗の売上にもたらすインパクト、及び在宅期間が長引くことによるコンビニエンスストアからE
   コマース等への消費者行動の構造的なシフトによる当社ビジネスモデルにもたらす影響等に関して、これが一時
   的な影響にすぎない可能性があるとする当社と、中長期的な影響を及ぼすおそれがあるとする伊藤忠商事及び公
   開買付者の双方の考え方に乖離があったことから、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年4月3日、3月2日付
   正式提案で提示した2020年4月13日に本公開買付けを開始することを見送り、協議を継続することを希望する
   旨、及びその後の協議において3月2日付正式提案で提示した本公開買付価格である2,600円の維持を前提とす
   ることが難しいことを当社へ通知いたしました。
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    その後、当社は2020年4月13日に2021年2月期の業績予想を発表しましたが、当該業績予想では、新型コロナ
   ウイルス感染症の感染拡大の影響について発表時点で想定し得る売上影響を織り込んでいるものの、その後の動
   向次第では大きく変動する可能性があるとされており、伊藤忠商事及び公開買付者は、その影響が十分に検討さ
   れたものではないと考えているとのことです。他方、2020年4月7日に新型コロナウイルス感染症の感染拡大に
   伴う緊急事態宣言が発令され、これに伴う外出自粛要請の影響もあり、当社の店舗における日商や来店客数が対
   前年比で大幅に下回る状況が継続し、当社の足下の業績への悪影響が確認されることとなりました。これらの事
   情も踏まえ、伊藤忠商事及び公開買付者としては、当社の2021年2月期の業績に悪影響が生じる可能性が高ま
   り、また新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響下において生じたコンビニエンスストアからEコマース等
   異業種への消費者のシフトが構造的なものであり、中長期的に当社における店舗売上の減少等、事業に悪影響を
   及ぼすおそれがあり、当社の企業価値が毀損する可能性があることも踏まえ、新型コロナウイルス感染症の感染
   拡大の影響が今後長期化するおそれもある中で、一刻も早い段階で本取引を実行し、伊藤忠商事グループ及び当
   社の関係強化によって、上記ⅠないしⅢで述べたような諸施策に早急に取り組む必要があると判断したとのこと
   です。また、新型コロナウイルス感染症の患者数の増加ペースも減少傾向となり、新型コロナウイルス感染症の
   感染拡大が当社の事業に与える短期的な影響のみならず、中長期的に与える影響についても従前よりは精緻に見
   込める状況となったため、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年5月14日、本公開買付価格を2,200円とするこ
   と、及び公開買付けの開始日を2020年6月の可能な限り早いタイミングとすることを当社との面談で提案(以下
   「5月14日付提案」といいます。)しました。これに対して、当社は、伊藤忠商事及び公開買付者に面談を要請
   し、2020年5月26日に伊藤忠商事及び公開買付者から主に新型コロナウイルス感染症の感染拡大が当社の事業に
   与える影響に関する伊藤忠商事及び公開買付者の考え方についてヒアリングを行い、その後当社は、2020年6月
   5日、ファイナンシャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議に加え、直近株価及び
   一定期間の平均株価に対するプレミアム水準及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出る前の株価水
   準等を総合的に勘案した結果、5月14日付提案における提案価格である2,200円は承服できず、本公開買付価格
   の引上げを要請するとの回答をいたしました。その後、時間の経過に伴い当社の業績に対する新型コロナウイル
   ス感染症の感染拡大の影響が顕在化したことを受け、当社において事業計画の更新の検討がなされ、2020年6月
   10日、当社は、伊藤忠商事及び公開買付者に対して新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を織り込んだ事
   業計画を提示いたしました。これを受け、伊藤忠商事及び公開買付者は、当該事業計画の妥当性及び実現可能性
   について改めて検証を行うとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が日商や来店客数等を通じて当社の
   事業に及ぼす影響の度合いやそれが及ぶ期間等に係る伊藤忠商事及び公開買付者としての独自の見通しを事業計
   画の数値に反映したとのことです。伊藤忠商事及び公開買付者は、それに基づいて改めて本公開買付価格の検討
   を行い、ファイナンシャル・アドバイザーからの当社の価値評価に関するアドバイス及びそれに関する議論も踏
   まえて、2020年6月26日、本公開買付価格を2,300円とすることを当社に対して提案(以下「6月26日付提案」
   といいます。)しました。なお、6月26日付提案においては、本公開買付けにおける買付予定数の下限を設定し
   ないことを前提としておりました。これに対して、当社は、2020年6月26日、当社及び特別委員会のファイナン
   シャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議等を踏まえ、引き続き本公開買付価格の
   引上げを要請するとともに、当時の伊藤忠商事及び公開買付者の提案は買付予定数の下限が付されていないもの
   であったところ、一般株主の意向を可能な限り反映するために、買付予定数の下限を「マジョリティ・オブ・マ
   イノリティ(majority    of minority)」の水準(100%から伊藤忠商事らの所有割合50.10%を減じた49.90%の
   半数である所有割合24.95%)に設定するよう要請しました。これに対して、伊藤忠商事及び公開買付者は、同
   日、上記「① 本公開買付けの概要」のとおり、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定
   することを当社に対して提案いたしました。当社は、2020年6月29日に、買付予定数の下限を50,114,060株(所
   有割合:9.90%)と設定する根拠について伊藤忠商事及び公開買付者から説明を受けましたが、当該下限の設定
   により、買収者と重要な利害関係を共通にしない株主の過半数が取引条件に満足しているかといういわゆる「マ
   ジョリティ・オブ・マイノリティ(majority        of minority)」の趣旨が反映されているといえるかに関して合理
   的に確信することができなかったため、2020年6月30日、引き続き公開買付価格の引上げ及び買付予定数の下限
   を伊藤忠グループの所有割合を含めて66.67%を超える水準に設定することを要請するとともに、伊藤忠商事及
   び公開買付者の提案する本公開買付価格及び買付予定数の下限の下では、当社として株主の皆様にスクイーズ・
   アウトの条件やその理由を合理的に説明することができないため、当社以外の者の請求又は要請なく、当社が、
   株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うこと
   を会社提案議案として付議する臨時株主総会を招集し、その他スクイーズ・アウトに必要な手続を実行すること
   は難しいことを伊藤忠商事及び公開買付者に対して連絡いたしました。その後も伊藤忠商事並びに公開買付者及
   び当社の間で協議・交渉を重ね、伊藤忠商事及び公開買付者は、2020年7月2日、本公開買付価格及び買付予定
   数の下限を引き上げず、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者が会社法第180条に基づき当社株式の株
   式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを
   付議議案に含む本臨時株主総会を招集することを、会社法第297条第1項に基づき、本公開買付けの決済の完了
   後速やかに当社の取締役に請求し、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日が本臨時株主総会の基準日とな
   るように、基準日設定公告を行うことを要請することを当社に対して最終的に提案(以下「最終提案」といいま
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   す。)しました。最終提案に対して、当社は、2020年7月3日、本取引により当社が非公開化されることによっ
   て、当社の企業価値が中長期的には向上すると考えているため本公開買付けに対しては賛同するが、2,300円と
   いう公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の東証一部におけ
   る当社株式の終値1,766円に対して30.24%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において
   同じとします。)、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平
   均値1,908円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対し20.55%、
   同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円に対して22.47%、同直近
   6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し11.22%のプレミアムが付
   されており、当社の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では当社株式の現在の市場価格に対して一定の
   プレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発
   表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準(平
   均値は、公表日の前営業日比36.9%、直近1ヶ月間の終値単純平均比39.2%、直近3ヶ月間の終値単純平均比
   39.0%、直近6ヶ月間の終値単純平均比36.8%)と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められない
   等、当社の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推奨することができる水準には達していないとの
   結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最
   終的に株主の皆様の判断に委ねるのが相当であると判断した旨回答いたしました。
    そこで、伊藤忠商事及び公開買付者は、本取引を早急に実行する必要がある点を考慮しつつ、当社による当社

   株主への応募推奨を得ていないものの、当社も本取引による当社の非公開化の意義に賛同している点を踏まえ、
   2020年7月8日開催の取締役会において、本公開買付けを含む本取引を実施することを決議したとのことです。
    従来、伊藤忠商事は「店舗オペレーションといった小売業の本質部分は商社の発想では難しい」という観点か

   ら、店舗オペレーションといった小売業の本質部分についてはファミリーマートという「小売業のプロフェッ
   ショナル」に任せ、経営の独立性を尊重する考え方を表明してきたとのことです。この考え方は根本的には変
   わっていないとのことですが、昨今の当社を含む国内コンビニエンスストア業界やEコマース等の小売業界全体
   におけるグローバルで非連続的な変化に対し、より多角的な観点で柔軟性と機動性を持ちつつ、時には人型AI
   技術や荷物受け取り等を当社の16,500店舗に導入する等の当社の連結純利益に相当する規模の先行投資を行うと
   いった痛みも伴う変革にも躊躇なく対応できるよう、本公開買付けによる当社の非公開化を実施することにより
   当社の経営により深くコミットしていくとのことです。また、財務指標等に関しては、全社ベース・ターゲット
   を遵守して管理していくとともに、グループ事業ポートフォリオの最適化と当社を中心とした生活消費事業のデ
   ジタルトランスフォーメーションに資する事業再編・資本政策等も検討していくとのことです。
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   ③ 本公開買付け後の経営方針
    伊藤忠商事は従前より伊藤忠商事の強みである非資源分野、特に生活消費分野の強化に取り組んできたとのこ
   とです。2020年度経営計画においても、「強みのある分野でのタイミングを捉えた戦略的投資と着実な資産入替
   の実行」を掲げ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、経済及び経営環境が激変し先が見通しづ
   らい状況下においても、将来の成長戦略に資する分野及び事業には競合他社に先駆けて、迅速に施策を実行して
   いく所存とのことです。
    伊藤忠商事グループにおいて、当社はその中でも中核をなす事業であり、本公開買付け後においてその重要性
   は高まるとのことですが、基本的に当社の現状の経営体制を尊重する方針とのことです。本書提出日現在、当社
   の取締役12名のうち伊藤忠商事出身の取締役が4名おりますが、伊藤忠商事は、伊藤忠商事のグループ経営に関
   する管理規程に則り、当社の経営執行の自主性を尊重しつつ、伊藤忠商事グループとして、当社の事業を支援し
   ていく予定とのことです。なお、非公開化後の具体的な体制は決まっていないものの、現状の経営体制を尊重す
   る前提で協議を行い、決定する方針とのことです。また、現時点では、戦略パートナーである全農及び農中並び
   に東京センチュリーから当社に役員を派遣する予定はないとのことです。
    具体的な方法は現在検討中ですが、伊藤忠商事及び公開買付者並びに当社は、以下の事項について合意してお
   ります。
    ⅰ 地域に根差した店舗づくりとサプライチェーン最適化による収益力強化

    ⅱ デジタルトランスフォーメーションの推進による新たな収益の具現化
    ⅲ 海外戦略の再構築による新たな市場開拓
    また、伊藤忠商事は、全農及び農中との間で、非公開化後の当社における経営方針について協議しており、伊

   藤忠商事グループ、全農及び農中並びに当社の協力により、①商品供給、②地域活性、及び③海外戦略の面にお
   いて当社とのシナジー創出が可能と考えているとのことです。伊藤忠商事並びに全農及び農中は、現時点におい
   て、①全農及び農中が持つ国内の生産基盤を活かした当社店舗での産直農産品の販売、及び中食原材料の供給、
   ②金融等のJAサービス業務と当社の店舗サービスを組み合わせた相互送客、並びに③当社の海外店舗網を活用
   した全農及び農中の国産農畜産物の輸出促進等をシナジー創出のための施策として想定しており、これらの取り
   組みは、当社とフランチャイズ契約を結んでいる加盟店に対する政策発表会や当社のホームページ等において
   「地域異常密着」を掲げる当社と方向性が一致しているものと考えているとのことです。なお、下記「(7)本公
   開買付けに係る重要な合意に関する事項」に記載のとおり、本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並びに当社で
   具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農及び農中並びに当社との間でシナジー創出のための施策に関
   する契約(以下「本業務提携契約」といいます。)を締結する意向を伊藤忠商事並びに全農及び農中は有してい
   るとのことです。
    さらに、伊藤忠商事は、東京センチュリーとの間で、非公開化後の当社における経営方針について協議してお

   り、東京センチュリーと当社との間の既存の取引関係の効率化や、東京センチュリーの多岐にわたる事業領域と
   金融の枠を超えたクリエイティブな発想を持つ多様なサービスの活用により当社がリースしている店舗付帯設備
   を全体的に管理、運用を行うことができる仕組みを構築し、店舗ごとの設備の最適配分を図りコスト削減につな
   げる等当社のビジネスモデルの転換を推進し、当社とのシナジー創出が可能と考えているとのことです。
    なお、全農及び農中並びに東京センチュリーはいずれも、当社の非公開化後において、当社の経営そのものに

   は直接関与しない旨表明しており、当社の株主として契約上の拒否権も有しないとのことです。
    公開買付者は、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買

   収に関する事項)」に記載の一連の手続を実施することにより、当社の株主を伊藤忠商事及び公開買付者のみと
   することを予定しているとのことですが、かかる手続の完了後、全農及び農中並びに東京センチュリーと当社の
   関係性を強化すべく、以下の各取引を実行する予定とのことです。以下の各取引のいずれもが実行された場合、
   伊藤忠商事及び公開買付者、全農及び農中並びに東京センチュリーがそれぞれ所有する当社株式の割合は、約
   94.70%、4.90%、約0.40%となる予定とのことです。
   Ⅰ.全農・農中株式譲渡

     本基本契約に従い、当社の非公開化後、公開買付者から、全農及び農中に対し、合計で、当該時点における
    当社株式の総数の4.90%に相当する数の当社株式を約570億円で譲渡する予定とのことです(全農・農中株式
    譲渡)。当該譲渡の対価は、本書提出日現在の当社株式1株当たりに換算すると、当社株式24,799,296株(所
    有割合:4.90%)に本公開買付価格を乗じた額に、本取引のために必要な実費のうち全農及び農中にて負担す
    る金額として伊藤忠商事並びに全農及び農中との間で別途合意する金額を加えた額となる予定とのことです。
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     また、本基本契約において、全農及び農中が譲り受ける当社株式の内訳は、全農及び農中が決定し(なお、
    全農及び農中のいずれかかが譲り受ける当社株式数がゼロとならないように決定されるとのことです。)、伊
    藤忠商事に対して通知することとされているとのことです。
     なお、本基本契約の詳細は、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本基本契
    約」をご参照ください。
   Ⅱ.東京センチュリー直接所有化取引

     伊藤忠商事及び東京センチュリー間で締結している2020年3月31日付社員間契約書(以下「本社員間契約」
    といいます。)に従い、当社の非公開化後、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが、当該
    時点において所有する公開買付者の持分に代えて、当該時点における当社株式の総数の約0.40%に相当する数
    の当社株式を取得するための取引を実行する予定とのことです(東京センチュリー直接所有化取引)。当該取
    得のために東京センチュリーが支出する金額は、本書提出日現在の当社株式1株当たりに換算すると、(ⅰ)本
    公開買付価格に、(ⅱ)(a)本公開買付けの買付手数料(640,000,000円)とその他の本取引のために必要な費用
    として伊藤忠商事と東京センチュリーとの間で別途合意する額を本公開買付けにおける買付予定数
    (252,557,288株)で除した額に、(b)東京センチュリー直接所有化取引によって、東京センチュリーが取得す
    ることとなる当社株式数の当社株式総数に対する割合である約0.40%を乗じた額を加えた合計額となる予定と
    のことです。
     なお、本社員間契約の詳細は、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本社員間
    契約」をご参照ください。
   ④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

    我が国の小売業界においては、総人口の減少による市場規模の縮小、Eコマースの市場規模の拡大やドラッグ
   ストア等他業態との垣根の喪失による業態を超えた競争環境の激化、消費者の低価格志向の継続、店舗や物流に
   おける人手不足等の厳しい経営環境に加え、消費者ニーズの多様化や選別消費の傾向が一層進んでおり、当社を
   取り巻く環境は厳しさを増しております。このような状況において、当社は、既存店の質の向上を図るととも
   に、リアルの店舗網を活かして、店舗売上以外の新たな成長戦略の実行及び既存のビジネスモデルの転換を経営
   課題として認識しておりました。
    そのような中、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過
   程」に記載のとおり、2020年2月上旬、伊藤忠商事から、当社の非公開化のための本取引に関する検討を開始し
   たい旨の初期的な打診を受けました。これを受けて、当社は、当社が伊藤忠商事の連結子会社であり、本取引が
   構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題
   に対応し、本取引の公正性を担保するため、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所の助
   言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益
   の確保の観点から本取引に係る検討・交渉等を行う体制の構築を開始いたしました。
    具体的には、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するため
   の措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に
   記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2020年2月17日に伊藤忠商事から初期的提案書を受
   領した直後の同月19日付の当社取締役会の書面決議により、当社の社外取締役である伊澤正氏、髙岡美佳氏、関
   根近子氏の3名から構成される特別委員会(当該特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等につい
   ては、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開
   買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」をご参照くださ
   い。)を設置し、特別委員会に対し、①(a)当社の企業価値の向上に資するかという観点から、本取引の是非に
   ついて検討・判断するとともに、(b)当社の一般株主の皆様の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続
   の公正性について検討・判断した上で、本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社
   の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、
   並びに、②当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主の皆様にとって不利益なものでない
   かを検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下、「本諮問事項」と総称します。)を諮問し、これらの点
   についての意見を当社に提出することを委嘱いたしました。また、当社取締役会は、当社取締役会における本公
   開買付けに関する意思決定については、本公開買付けへの賛否を含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して
   行うこと、及び特別委員会が取引条件につき妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことと
   することを決議するとともに、特別委員会に対し、取引条件等について必要に応じて公開買付者と交渉を行うこ
   と、本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等のアドバイザーを選任する
   こと(この場合の費用は当社が負担するものとされております。)、並びに当社の役職員から本公開買付けの検
   討及び判断に必要な情報を受領することについて権限を付与することを決議しております。なお、特別委員会
   は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
   付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、上記
   の権限に基づき、独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、独自のファイナンシャ
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   ル・アドバイザー及び第三者評価機関としてPwCアドバイザリー合同会社(以下「PwC」といいます。)
   を、それぞれ選任しております。
    また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
   等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載の
   とおり、特別委員会において、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所及び当社のファイ
   ナンシャル・アドバイザーであるメリルリンチ日本証券株式会社(以下「メリルリンチ日本証券」といいま
   す。)について、伊藤忠商事、公開買付者、当社、全農及び農中並びに東京センチュリーからの独立性及び専門
   性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
    さらに、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措
   置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における独立した検討体制の構築」に記載の
   とおり、伊藤忠商事、公開買付者、当社、全農及び農中並びに東京センチュリーから独立した立場で、本取引に
   係る検討、交渉及び判断を行う体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務
   を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて
   特別委員会の承認を得ております。
    その上で、当社は、森・濱田松本法律事務所から本取引における手続の公正性を担保するための対応を含むガ
   イダンスその他法的助言を受けるとともに、メリルリンチ日本証券から当社株式の価値算定結果に関する株式価
   値算定書の提供その他の財務的見地からの助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性に
   ついて慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
    また、当社は、2020年3月2日、伊藤忠商事より、本公開買付価格を2,600円とすることを含む3月2日付正
   式提案を受領し、それ以降、伊藤忠商事との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件についても継続
   的に協議及び交渉を行ってまいりました。
    もっとも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、当社の株価を含む市場株価が急激に騰落し、
   また当社の2021年2月期の業績見通しも不透明となったため、伊藤忠商事及び公開買付者より、2020年3月28日
   に本公開買付価格を2,000円程度とする旨の提案を受領しました。それに対し、当社は、新型コロナウイルス感
   染症の感染拡大の影響による株価の騰落は一時的なものである可能性もあり、そのような提案は承服できないと
   して、提案内容の再検討を要請いたしました。その後も、当社並びに伊藤忠商事及び公開買付者の間で協議を重
   ねた結果、2020年4月3日、新型コロナウイルス感染症が当社の事業に与える影響等が判明した段階で再度本取
   引に関する検討・交渉を再開することといたしました。その後、緊急事態宣言発出後1か月が経過し、同宣言の
   解除の見通しが示され、新型コロナウイルス感染症の当社事業に与える影響も一定程度判明してきたため、2020
   年5月中旬、当社は、伊藤忠商事及び公開買付者との検討・交渉を再開いたしました。
    当社は、伊藤忠商事及び公開買付者より、2020年5月14日に本公開買付価格を2,200円とする旨の5月14日付
   提案を受領し、それ以降、伊藤忠商事及び公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に
   ついても継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。具体的には、2020年6月5日、当社は、伊藤忠商事及び
   公開買付者に対し、ファイナンシャル・アドバイザーによる財務的見地からの助言とそれに基づく協議に加え、
   直近株価及び一定期間の平均株価に対するプレミアム水準及び新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が出
   る前の株価水準等を総合的に勘案した結果、5月14日付提案における提案価格である2,200円は承服できず本公
   開買付価格を引き上げるよう要請するとともに、2020年6月10日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響
   を織り込んだ事業計画を提示しました。その後、2020年6月26日、当社は、伊藤忠商事及び公開買付者から公開
   買付価格を2,300円とする旨の6月26日付提案を受領しました。当社は6月26日付提案に対し、本公開買付価格
   の引上げ及び「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority           of minority)」の水準となる買付予定数の下限
   の設定を要請し、交渉を重ねましたが、2020年7月2日、伊藤忠商事及び公開買付者から本公開買付価格を引き
   上げることは難しい旨及び買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)とする旨の最終提案を受領し
   ました。
    以上のとおり、当社としては、当社から独立したリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイ
   ザーの助言を受け、特別委員会からも継続的に助言を受ける等意思決定の公正性及び透明性を担保した上で、伊
   藤忠商事から本取引の提案を受けて以来本公開買付価格の引上げを一貫して要請するとともに、本公開買付けの
   買付予定数の下限を合理的な株式数とするよう、当社の少数株主の利益のために継続的に交渉を続けてまいりま
   した。しかし、かかる最終提案を受け、本取引により当社の企業価値の向上が見込まれるという意味において本
   公開買付けに賛同する旨の意見を表明するものの、本公開買付価格及び本公開買付けの買付予定数の下限の株式
   数を勘案し、当社株式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えており、当社の一般株
   主に対し投資回収機会を提供する観点で合理性を欠く水準にあるとはいえないものの、2010年以降に発表された
   非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準と比較し十分
   なプレミアムが付されているとは認められない等、当社の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極的に推
   奨することができる水準には達していないとの結論に達したため、本公開買付けに応募することを推奨すること
   の是非については中立の立場をとることといたしました(交渉経緯の詳細については、上記「② 公開買付者が
   本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。)。
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    以上の検討・交渉過程において、当社は、随時、特別委員会に対して報告を行い、必要に応じて特別委員会の
   承認を得ております。具体的には、まず、本取引に係る交渉方針について、特別委員会に対して事前に説明を行
   い、特別委員会の承認を受けております。また、公開買付者に対して提示し、また、メリルリンチ日本証券及び
   PwCが当社株式の価値算定において基礎とする事業計画案を当社が作成するにあたり、事前に作成方針につい
   て特別委員会に対して説明を行い、また、その作成過程においても、特別委員会に対して複数回、作成中の事業
   計画案の内容、重要な前提条件及び進捗状況等について説明を行うとともに、最終的な事業計画の内容、重要な
   前提条件及び作成経緯等の合理性について特別委員会の確認を受け、特別委員会の承認を受けております。さら
   に、伊藤忠商事及び公開買付者より本公開買付価格についての提案や本公開買付けの条件についての提案を受領
   した際には、都度、特別委員会に対して報告を行い、対応方針及び伊藤忠商事及び公開買付者との交渉方針等に
   ついて特別委員会の指示や要請を受け、これに従って対応を行っております。
    そして、当社は、2020年7月8日、特別委員会から、①当社取締役会は、本公開買付けに賛同する旨の意見を
   表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かは当社株主の判断に委ねる旨の意見を表明することが妥当で
   あると考えられる旨、並びに②(a)当社取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、本公開買付けに応募す
   るか否かは当社株主の判断に委ねる旨の意見を決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものではない
   と考えられる旨、及び(b)当社取締役会が、本取引において予定されている方法によることを前提に、本公開買
   付け成立後の株式併合による当社の非公開化についての決定をすることは、当社の少数株主にとって不利益では
   ないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要について
   は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買
   付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」をご参照くださ
   い。)。なお、当社は、本答申書と併せて、特別委員会から、特別委員会が2020年7月7日付でPwCから提出
   を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(PwC)」といいま
   す。)の提出を受けております(本株式価値算定書(PwC)の概要については、下記「(3)算定に関する事
   項」の「② 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」をご参照くださ
   い。)。
    以上の経緯の下で、当社は、2020年7月8日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受け

   た法的助言、メリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言及び同日付で提出を受けた当社株式の価値
   算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)」といいます。)の内
   容、並びに特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の内容を踏まえつつ、本答申書におい
   て示された特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に
   資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び
   検討を行いました。
    その結果、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」
   に記載のとおり、当社としても、本取引による非公開化により、当社グループ(注)とその他伊藤忠商事グルー
   プ各社やその緊密関係先との間の密な連携・協働や外部ネットワークの相互乗り入れ等を円滑かつ効率的に実施
   することが可能になり、市場環境が急激に変化し業態を超えた競争が激化している小売業界において、従来のバ
   リューチェーンに変革をもたらす新しいビジネスモデルへの転換を追求することにより、当社グループ、当社グ
   ループを含めた伊藤忠商事グループ全体の双方について、さらなる企業価値向上が可能になるものとの結論に至
   りました。
   (注) 「当社グループ」とは、当社、子会社24社、関連会社及び共同支配企業20社の計45社(2020年2月29日

     現在)からなる企業グループをいいます。
    具体的には、当社は、本取引の結果、当社が非公開化されることにより、これまで以上に伊藤忠商事グループ

   と当社のそれぞれの経営資源等の相互活用を一層促進するとともに、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意
   思決定を進めていくことが可能になると説明を受けており、これにより、社会問題化しつつある24時間営業問
   題、深刻な人手不足問題、フードロス問題等課題のひとつひとつに真摯に向き合い解決を図ることが可能とな
   り、また、従来のバリューチェーン全体を見直し再構築することで、当社の既存のビジネスモデルをより高効率
   で収益性の高いものへと進化させることができると考えております。
    また、当社は、Eコマースの台頭、コンビニエンスストア市場の飽和等が謳われている中、約16,500店舗に
   日々約1,500万人もの消費者が訪れる消費者接点の強みに改めて着目し、当社のビジネスモデルを再定義するこ
   とで、リアルとデジタルの融合による新たなビジネスモデルを創出できると考えております。具体的には、当社
   は、伊藤忠商事のネットワークの中から世界中の先進的次世代技術を積極的に取り入れた検証を絶えず繰り返す
   ことで、店舗既存業務のさらなる合理化・効率化を図り加盟店負担を軽減しつつ、消費者により利便性の高い
   サービスのご提供を目指します。また、当社は、リアル店舗の強みと、デジタルプラットフォーマーが得意とす
   るデジタルの汎用性を融合すべく、将来的には国内外の戦略パートナーと当社を含む「デジタルJV」を組成す
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   ることで、従来の物販・サービスという枠に捉われない新たな付加価値を創造し、小売業界における従来の労働
   集約型ビジネスモデルからの大胆な転換を図っていく構想も検討する予定です。
    さらに、当社ではこれまで日本におけるコンビニエンスストア事業の成功体験を海外へ横展開することで、人
   口減により市場の伸びに限界を迎えつつある国内から、海外へと成長の軸足を移そうと試みて参りました。しか
   しながら、中国に代表されるように、海外の小売業態は日本とは全く異なった独自の進化を遂げております。具
   体的には、アリババに代表されるインターネットを駆使したプラットフォーマーの出現により、コンビニエンス
   ストアに代表される近代的小売業態が普及するよりも遥かに早いスピードで、消費者はどこに住んでいてもリア
   ル店舗に足を運ぶことなく商品を手にすることが出来るようになりました。こうした実情に鑑み、従来の発想や
   常識に捉われず、国ごとの小売市場の成長過程に即してその国に適応するモデルを構築し導入する必要がありま
   す。その実現のために、当社の経営資源やノウハウに加えて伊藤忠商事グループのネットワークの中から、小売
   といった枠組みに縛られずデジタルや新技術といった領域で強みを発揮するパートナーとも提携していくことが
   不可欠になってくるものと考えております。具体的には、伊藤忠商事の戦略提携先である海外パートナーを通
   じ、次の成長市場とそこにおける成長の鍵となるテクノロジーを見極め、各国においてそれぞれに適切なパート
   ナーと提携することにより、海外での事業展開を当社の新たな成長のドライバーとすることが可能となると考え
   ております。
    当社は、当社が置かれた厳しい競争環境の中で、当社の中長期的な企業価値の向上を図るためには、上記の各
   施策を早期に実施することが必要であると考えておりますが、上記の各施策の早期の実施のためには投資を先行
   する必要が生じるため、短期的には当社の業績が悪化する可能性があります。もっとも、当社が上場している間
   は、当社の株主の皆様の利益を追求する必要があることから、そのような可能性のある投資を同時にかつ迅速に
   実行することは難しい状況にあります。
    また、当社は、上記の各施策を含めた当社の中長期的な企業価値向上のための施策を実施するには、今まで以
   上に伊藤忠商事グループの経営資源を投入してもらうとともに、伊藤忠商事グループ全体として機動的な経営施
   策を実行していく必要があると考えておりますが、上記のとおり、伊藤忠商事より当社が上場している間は、当
   社の情報の取得や経営資源の投入に一定の制約が生じるとの説明を受けております。したがって、伊藤忠商事グ
   ループの経営資源の投入、また、全体としての機動的な経営施策の実行により、当社の企業価値を中長期的に向
   上させるためには、本取引を実施することにより、当社が非公開化されることが必要であると考えております。
   なお、当社は、現時点において、全農グループ及び東京センチュリーとの間で、本取引後の当社の在り方に対す
   る協議・検討を行っておりませんが、伊藤忠商事より受けている説明を前提とすれば、全農グループによる①商
   品供給、②地域活性、及び③海外戦略における各施策の実行を受けることは、当社の企業価値の向上につながる
   ものと考えており、また、東京センチュリーとの間でリースしている店舗付帯設備を全体的に管理、運用を行う
   ことができる仕組みが構築され、コスト削減が図られることは、同様に当社の企業価値の向上につながるものと
   考えております。また、当社は、本公開買付けには本公開買付け後の公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合が
   60%となる買付予定数の下限が付されており、本公開買付けが成立しても非公開化が行われない可能性があるも
   のの、伊藤忠商事が当社の親会社となって以降に開催された2019年2月期及び2020年2月期の当社の株主総会に
   おける議決権行使比率が、それぞれ91.85%及び93.67%であることを勘案すれば、所有割合が60%であっても実
   質的に出席株主の3分の2に近い議決権を保有しており、また、本公開買付けに応募しなかった株主が賛成の議
   決権行使をすることもあり得る(例えば、伊藤忠商事は、東証証上場ETや東証上場ETF以外のパッシブ・イ
   ンデックス運用ファンドは公開買付けに応募せずとも株式併合に係る株主総会議案には賛成する可能性があると
   見込んでいるとのことです。)ことを勘案すると、株式併合が可決されず、非公開化が行われない可能性は高く
   ないと考えております。なお、万が一株式併合が可決されず、非公開化が行われない場合であっても、引き続き
   親会社である伊藤忠商事との間で当社の企業価値の向上に向けた施策を、両社が独立した上場会社として実行可
   能な範囲で講じていく所存です。
    上記のとおり、当社は、本取引により当社が非公開化されることによって、当社の企業価値が中長期的には向
   上すると考えておりますが、他方、本公開買付価格である1株当たり2,300円は、(ⅰ)メリルリンチ日本証券か
   ら取得した本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の算定結果のレンジに入っており、また、(ⅱ)本公開買
   付けの実施についての公表日の前営業日である2020年7月7日の東証一部における当社株式の終値1,766円に対
   して30.24%、2020年7月7日から直近1ヶ月間(2020年6月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値
   1,908円に対し20.55%、同直近3ヶ月間(2020年4月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値1,878円
   に対して22.47%、同直近6ヶ月間(2020年1月8日から2020年7月7日まで)の終値単純平均値2,068円に対し
   11.22%のプレミアムが加算されたものであり、当社の一般株主に対し投資回収機会を提供する観点では当社株
   式の現在の市場価格に対して一定のプレミアムが付されていると考えられることから合理性を欠く水準にあると
   はいえないものの、(ⅲ)2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付
   けの事例におけるプレミアムの水準と比較し十分なプレミアムが付されているとは認められず、特別委員会の第
   三者評価機関であるPwCから取得した本株式価値算定書(PwC)に基づくPwCによる当社株式の価値算定
   結果のうち、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー方式(以下「DCF方式」といいます。)による算定結
   果のレンジの下限である2,472円を上回っていないため、当社の一般株主の皆様に本公開買付けへの応募を積極
   的に推奨することができる水準には達していないとの結論に達し、本公開買付けに応募することを推奨すること
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   の是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様の判断に委ねるのが相当であると判断いたしま
   した。
    以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであると判断し、2020年7月8日開催の当社

   取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、本公開買付けに応募するか否かにつ
   いては、株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
    当該取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及
   び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害
   関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照くださ
   い。
  (3)算定に関する事項

   ① 当社における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
   (ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
     当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対
    する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャ
    ル・アドバイザー及び第三者評価機関であるメリルリンチ日本証券に対し、当社株式の株式価値の算定及び
    付随する財務分析を依頼し、2020年7月8日付で、下記(注)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、
    本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を取得しました。メリルリンチ日本証券は、公開買付者及び当
    社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しており
    ません。なお、当社は、メリルリンチ日本証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オ
    ピニオン)は取得しておりません。
     なお、本取引に係るメリルリンチ日本証券の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬及び
    本取引の完了を条件に支払われる成功報酬とされております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣
    行及び本取引が成立した場合又は不成立となった場合に当社が負担することとなる報酬の条件等も勘案の
    上、上記の報酬体系によりメリルリンチ日本証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価
    機関として選任いたしました。
   (ⅱ)算定の概要

     メリルリンチ日本証券は、当社の株式価値の各種評価手法を検討し、当社が継続企業であるとの前提の
    下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの判断に基づき、当社株式が東証一部に
    上場していることから市場株価分析を、当社に比較的類似性があると判断される上場会社が複数存在し、類
    似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較分析を、将来の事業活動の
    状況を算定に反映するためにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいま
    す。)を算定手法として用いて、下記(注)に記載の前提条件その他一定の条件の下に当社株式の株式価値
    分析を行っております。メリルリンチ日本証券によれば、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された
    当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。メリルリンチ日本証券による本株式
    価値算定書(メリルリンチ日本証券)の作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項等に
    ついては、下記(注)をご参照ください。
    市場株価分析  :1,766円から2,068円
    類似会社比較分析:1,824円から2,922円
    DCF分析   :2,054円から3,432円
     市場株価分析では、2020年7月7日を算定基準日として、東証一部における当社株式の基準日終値1,766
    円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,908円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,878円及び直近6ヶ月間の終
    値単純平均値2,068円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,766円から2,068円までと算定してお
    ります。
     類似会社比較分析では、完全に類似していないものの、分析の目的のために当社と比較的類似する事業を
    手がける複数の上場企業の市場株価と収益等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を分析しま
    した。時価総額及び事業規模、事業展開地域及び当社との事業構造の類似性等を総合的に勘案し、比較的類
    似性があると判断される類似上場会社として、株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社ローソ
    ン、株式会社ニトリホールディングス、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディング
    ス、ウエルシアホールディングス株式会社及び株式会社ツルハホールディングスを選定した上で、株式価値
    に対するPERを用いて算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,824円から2,922円までと算定して
    おります。
     DCF分析では、当社が作成した2021年2月期第2四半期から2025年2月期までの財務予測(フリー・
    キャッシュ・フローを含む。)をもとに、当該フリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割
    り戻して企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,054円から3,432円までと算
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    定しております。なお、割引率(加重平均資本コスト)については、株式価値評価実務において一般的に用
    いられているCAPM(資本資産価格モデル)理論に基づき分析を行っており、主要事業につき3.25%~
    4.00% を採用しており、台湾ファミリーマート事業につき3.25%~4.00%を採用しております。継続価値の
    算定については永久成長率法を採用し、当社との協議・確認を経て永久成長率を主要事業につき-0.25%~
    0.25%、台湾ファミリーマート事業につき1.50%~2.00%としております。
     メリルリンチ日本証券がDCF分析による分析の前提とした、当社が提供した事業計画に基づく連結財務
    予測(以下「本連結財務予測」といいます。)は、以下のとおりです。なお、本連結財務予測については、
    下記「(6)」本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開
    買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとお
    り、特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。なお、上記DC
    F分析の基礎とした事業計画については、大幅な増減益を見込んでおりません。また、本取引実行により実
    現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、本連結
    財務予測には加味されておりません。
                   (単位:億円)
        2021年

           2022年   2023年   2024年   2025年
        2月期
           2月期   2月期   2月期   2月期
       (9ヶ月)
  営業収益       3,482   4,830   5,283   5,562   5,619

  事業利益       480   688   724   724   779

  EBITDA       1,882   2,466   2,520   2,543   2,606

  フリー・キャッシュ・フロー       345   640   480   696   805

   (注) 上記の本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、当社の取締役会がその立場において本公開買付価格を
    財務的見地から検討することに関連し、かつ、かかる検討を目的として当社の取締役会に対してその便宜のた
    めに提出されたものです。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本取引に関連して関係当事者のい
    かなる種類の証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明す
    るものではありません。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、本公開買付価格の公正性又は本取引
    の条件その他の側面若しくは結果(本取引の形態若しくはストラクチャー又は本取引その他の点に関してなさ
    れた契約、取り決め若しくは合意その他に関する条件若しくは結果を含みますがこれらに限られません。)に
    ついて、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、当社にとり採用可能であるか若しくは実行する可
    能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本取引の相対的な利点又は本取引の推進若しくは実施に
    関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。また、本取引又はそれ
    に関連する事項について、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに応募すること又はしないこと、当社の株
    主の皆様がどのように議決権を行使し又は行動すべきかについて何ら意見を述べ又は推奨するものでもありま
    せん。また、メリルリンチ日本証券は、当社の同意に基づき、当社その他のエンティティ及び本取引(本取引
    により想定されている利益を含みます。)に関する法律、規制、会計、税務その他の類似の点についても何ら
    意見又は見解を表明しておらず、当社による評価に依拠しています。また、メリルリンチ日本証券は、当社の
    同意に基づき、当社が全家便利商店股份有限公司の株式の保有分の一部を売却することを予定している取引
    (以下「台湾ファミリーマート取引」といいます。)について何らの意見又は見解も表明しておらず、当社に
    よる評価に依拠しています。さらに、本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金
    額、性質その他の側面に関する、本公開買付価格その他の点との比較における公正性(財務的か否かを問いま
    せん。)について、何らの意見又は見解も表明するものではありません。本株式価値算定書(メリルリンチ日
    本証券)は、本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において当社株式が取引されるべき価格に
    関して何ら意見を述べるものでもありません。
    本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を作成し、その基礎となる評価分析を行うにあたり、メリルリン
    チ日本証券は、当社の事業及び財務に関する一定範囲の公開情報並びに当社の経営陣からメリルリンチ日本証
    券に対して提供され又は同社が当社経営陣と協議した当社の事業及び財務に関する当社社内情報(本連結財務
    予測を含みます。)について検討を行っていますが、メリルリンチ日本証券は、かかる情報その他の公開され
    ている又は同社に対して提供され若しくは同社が別途検討若しくは協議した財務その他の情報及びデータにつ
    いて独自の検証を行うことなく、それらが正確かつ完全であることを前提とし、かつその正確性及び完全性に
    依拠しており、また当該情報又はデータがいかなる重要な点においても不正確となる又は誤解を招くおそれの
    あるものとなるような事実又は状況を認識していないという当社の経営陣の表明に依拠しております。さら
    に、メリルリンチ日本証券は、本連結財務予測について、それが当社の将来の業績に関する当社の経営陣によ
    る現時点で入手可能な最善の予測と誠実な判断を反映し、合理的に作成されたものである旨の表明を当社より
    受けており、当社の了解を得た上で、そのことを前提としております。特に、台湾ファミリーマート取引に関
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    して、メリルリンチ日本証券は、当該分析を行うに際し、かかる取引が当社に及ぼす影響について当社から提
    供された情報に依拠しております。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)は、必然的に、(当該分析に
    別段の記載がある場合を除き)本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の日付現在の金融、経済、為替、
    市場その他の条件及び情勢を前提としており、かつ、同日現在においてメリルリンチ日本証券が入手可能な情
    報に基づいています。クレジット市場、金融市場及び株式市場は非常に不安定な状況が継続しておりますが、
    メリルリンチ日本証券は、かかる不安定な状況が当社、公開買付者又は本取引に与える潜在的影響について何
    ら意見又は見解を述べるものではありません。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の日付以降に発生
    する事象が本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容に影響を与える可能性がありますが、メリルリ
    ンチ日本証券は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を更新、改訂又は再確認する義務を負うもので
    ないことが了解されています。
    上述のとおり、上記のメリルリンチ日本証券による分析の記載は、同社が上記の本株式価値算定書(メリルリ
    ンチ日本証券)に関連して当社の取締役会に提示した主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書(メリ
    ルリンチ日本証券)に関連してメリルリンチ日本証券が行った全ての分析を網羅するものではありません。本
    株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関
    連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その
    一部の分析結果又は要約を記載することは必ずしも適切ではありません。メリルリンチ日本証券による分析は
    全体として考慮される必要があります。さらに、あらゆる分析及び考慮された要因又は分析に関する説明のた
    めの記載全てを考慮することなく一部の分析や要因のみを抽出したり表形式で記載された情報のみに着目する
    ことは、メリルリンチ日本証券による分析及び意見の基礎をなす過程についての誤解又は不完全な理解をもた
    らすおそれがあります。ある特定の分析が上記概要において言及されていることは、当該分析が同概要に記載
    の他の分析よりも重視されたことを意味するものではありません。
    メリルリンチ日本証券は、分析を行うにあたり、業界の業績、一般的な事業・経済の情勢及びその他の事項を
    考慮しておりますが、その多くは公開買付者及び当社により制御できないものです。メリルリンチ日本証券に
    よる分析の基礎をなす当社の将来の業績に関する予測は、必ずしも実際の価値や将来の結果を示すものではな
    く、実際の価値や将来の結果は、当該予測と比較して大幅に良好なものとなる又は悪化したものとなる可能性
    があります。メリルリンチ日本証券の分析は、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の分析の一環とし
    てなされたものであり、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の提出に関連して当社の取締役会に対し
    て提供されたものです。メリルリンチ日本証券の分析は、鑑定を意図したものではなく、企業が実際に売却さ
    れる場合の価格又は何らかの証券が取引された若しくは将来取引される可能性のある価格を示すものでもあり
    ません。したがって、上記の分析に使用された予測及び同分析から導かれる評価レンジには重大な不確実性が
    本質的に伴うものであり、それらが当社の実際の価値に関するメリルリンチ日本証券の見解を示すものと解釈
    されるべきではありません。
    本公開買付価格は、ファイナンシャル・アドバイザーではなく、公開買付者及び当社(又は特別委員会)の交
    渉により決定されたものであり、当社の取締役会により承認されたものです。本公開買付けに対し賛同意見の
    表明を実施することの決定は、もっぱら当社の取締役会によってなされたものであり、本株式価値算定書(メ
    リルリンチ日本証券)は、上述のとおり、当社の取締役会が本取引を検討するに際して考慮された多くの要因
    の一つにすぎず、当社の取締役会又は経営陣の本取引又は本公開買付価格についての見解を決定付ける要因と
    解釈されてはなりません。
    メリルリンチ日本証券は、当社又はその他のエンティティの資産又は負債(偶発的なものか否かを問いませ
    ん。)について独自の鑑定又は評価を行っておらず、また、かかる鑑定又は評価を提供されておりません。ま
    た、同社は、当社又はその他のエンティティの財産又は資産の実地の見分も行っておりません。メリルリンチ
    日本証券は、破産、支払不能又はこれらに類似する事項に関する州法、連邦法その他の法令の下でも、当社又
    はその他のエンティティの支払能力又は公正価値について評価を行っておりません。
    メリルリンチ日本証券は、本取引に関して当社のファイナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに
    対し手数料(その相当部分が、本取引の完了を条件としています。)を受領します。また、当社は、同社の関
    与に関してメリルリンチ日本証券が負担する費用及び同社の関与から発生する一定の責任について同社に補償
    することを合意しています。
    メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、フルサービスの証券会社かつ商業銀行であり、幅広い企業、政
    府機関及び個人に対して、投資銀行業務、コーポレート及びプライベート・バンキング業務、資産及び投資運
    用、資金調達及び財務アドバイザリー・サービス並びにその他商業サービス及び商品の提供を行うとともに、
    証券、商品及びデリバティブ取引、外国為替その他仲介業務、及び自己勘定投資に従事しています。メリルリ
    ンチ日本証券及び同社の関係会社は、その通常の業務の過程において、公開買付者及び当社並びにそれぞれの
    関係会社の株式、債券等の証券又はその他の金融商品(デリバティブ、銀行融資又はその他の債務を含みま
    す。)について、自己又は顧客の勘定において投資し、それらに投資するファンドを運用し、それらのロン
    グ・ポジション若しくはショート・ポジションを取得若しくは保有し、かかるポジションにつき資金を提供
    し、売買し、又はその他の方法で取引を実行することがあります。
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    メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、当社及びその関係会社に対して、投資銀行サービス、商業銀行
    サービスその他の金融サービスを過去において提供しており、また現在もそのようなサービスを提供し又は将
    来においても提供する可能性があり、かかるサービスの提供に対して手数料を受領しており、また将来におい
    ても手数料を受領する可能性があります。さらに、メリルリンチ日本証券及び同社の関係会社は、過去におい
    て公開買付者及びその関係会社に対して投資銀行サービス、商業銀行サービスその他の金融サービスを提供し
    ており、また現在もそのようなサービスを提供し又は将来においても提供する可能性があり、かかるサービス
    の提供に対して手数料を受領しており、また将来においても手数料を受領する可能性があります。
    メリルリンチ日本証券は、法律、会計又は税務に関連する助言は行っておりません。
   ② 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得

   (ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
     特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥
    当性を確保するために、公開買付者及び当社から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三
    者評価機関であるPwCに対し、当社株式の価値算定を依頼し、2020年7月7日付で、本株式価値算定書
    (PwC)を取得しました。
     なお、当社取締役会は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買
    付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2020年7月8日、特別委員会から本答
    申書の提出を受けた際、併せて本株式価値算定書(PwC)の提出を受けており、本株式価値算定書(Pw
    C)の内容も踏まえて、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
    ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取
    締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の決議を実施しておりま
    す。
     PwCは公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき
    重要な利害関係を有しておりません。なお、当社は、PwCから本公開買付価格の公正性に関する意見
    (フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
     下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開
    買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとお
    り、特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関の候補者の独立性及び専門
    性・実績等を検討の上、PwCを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関として選任し
    ております。また、本取引に係るPwCの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであ
    り、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
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   (ⅱ)算定の概要
     PwCは、当社株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣から事業の
    現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、下記(注)に記載の前提
    条件その他一定の条件の下で当社株式の価値算定を行っています。
     PwCは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の
    財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると
    考え、当社株式について市場株価が存在することから市場株価基準方式を、上場類似会社との比較による株
    式価値の類推が可能であることから類似会社比準方式を、また、将来の事業活動の状況を株式価値算定に反
    映するためにDCF方式を用いて当社株式の1株当たりの価値の算定を行いました。
     PwCが上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値はそれぞれ以下のとおりです。
    市場株価基準方式:1,766円から2,068円
    類似会社比準方式:1,694円から2,168円
    DCF方式   :2,472円から3,040円
     市場株価基準方式では、2020年7月7日を基準日として、東京証券取引所市場第一部における当社株式の
    基準日終値1,766円、並びに算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間における株価終値平均値
    (1ヶ月間:1,908円、3ヶ月間:1,878円、6ヶ月間:2,068円(小数点以下を四捨五入。))を分析した
    上で、当社株式の1株当たりの価値の範囲を、1,766円から2,068円までと算定しております。
     類似会社比準方式では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価と収益性等を示す財務指標
    との比較を通じて当社株式の株式価値を分析しました。当社と同様にコンビニエンスストア事業が主要事業
    である日本の上場企業のうち、株式時価総額、事業規模及び事業展開地域等との類似性を総合的に勘案し、
    比較的類似性があると判断される上場類似企業として株式会社セブン&アイ・ホールディングス及び株式会
    社ローソンを選定した上で、PERを用いて当社株式の1株当たりの価値の範囲を、1,694円から2,168円ま
    でと算定しております。
     DCF方式では、当社が作成した2021年2月期第2四半期から2025年2月期までの事業計画、当社へのイ
    ンタビュー、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2021年2月期第2四半期以降、将来生
    み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値
    を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を、2,472円から3,040円までと分析しております。割引率
    (加重平均資本コスト)は、3.31%~3.91%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長法を採
    用し、永久成長率を0%として算定しております。
     PwCがDCF方式による分析の前提とした、当社が提供した本連結財務予測の具体的な数値は上記
    「① 当社における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」に記載
    のとおりです。
    (注) PwCは、当社の株式価値の算定に際して、当社から提供を受けた情報及び一般に公開されている
     情報を原則としてそのまま採用し、それらの情報が全て正確かつ完全なものであること、当社の株
     式価値の算定に重要な影響を与える可能性がある事実でPwCに対して未公開の事実がないこと等
     の種々の前提を置いており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っておりません。また、
     当社及びその関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)につい
     ては、独自に評価、鑑定又は査定は行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も
     行っておりません。加えて、当社から提出された財務予測(事業計画及びその他の情報を含みま
     す。)については、現時点で得られる最善の予測と判断に基づき、当社の経営陣によって合理的に
     作成されたことを前提としています。PwCの算定結果は、2020年7月7日現在までの情報及び経
     済条件を反映したものです。
   ③ 公開買付者における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得

   (ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
     伊藤忠商事は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、伊藤忠商
    事のフィナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのこ
    とです。なお、伊藤忠商事は、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニ
    オン)を取得していないとのことです。また、野村證券は、公開買付者、伊藤忠商事及び当社の関連当事者
    には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
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   (ⅱ)算定の概要
     野村證券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価す
    ることが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、当社が
    継続企業であるとの前提の下、市場株価平均法、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フ
    ロー法(以下、「DCF法」といいます。)を用いて、当社株式の株式価値の算定を行い、伊藤忠商事は、
    野村證券から2020年7月7日に株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得
    したとのことです。
     野村證券により上記各手法において算定された当社株式の1株当たり株式価値の範囲は、それぞれ以下の
    とおりとのことです(注)。
    市場株価平均法:1,766円~2,068円

    類似会社比較法:946円~1,951円
    DCF法   :1,701円~2,749円
     市場株価平均法では、2020年7月7日を基準日として、東証一部における当社株式の基準日終値1,766

    円、直近5営業日の終値単純平均値1,777円(小数点以下を四捨五入。以下同じとします。)、直近1ヶ月
    間の終値単純平均値1,908円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,878円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値
    2,068円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,766円から2,068円までと分析しているとのこと
    です。
     類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標と
    の比較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲は、946円から1,951
    円までと分析しているとのことです。
     DCF法では、当社から提供され伊藤忠商事が確認した2021年2月期から2025年2月期までの事業計画、
    直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2021年2月期以降の当社の将来の収益
    予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に
    割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,701円から2,749
    円までと分析しているとのことです。
     なお、DCF法の前提とした当社の事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれて
    いないとのことです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行によ
    り実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるた
    め、当該事業計画には加味されていないとのことです。
    (注) 野村證券は、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正
     確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っ
     ていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負
     債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自
     に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのこ
     とです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、伊藤忠商事の経営陣
     により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを
     前提としているとのことです。野村證券の算定は、2020年7月7日までに野村證券が入手した情報
     及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、伊藤忠商事の取締役会が当
     社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
  (4)上場廃止となる見込み及びその事由

    当社株式は、本書提出日現在、東証一部に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付けを
   行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基
   準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点で
   は当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(い
   わゆる二段階買収に関する事項)」に記載の手続を実行されることとなった場合には、上場廃止基準に該当し、当
   社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所において取引
   することができなくなります。
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  (5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
    公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載の
   とおり、本公開買付けにおいて伊藤忠商事及び公開買付者が、当社の株式の全てを取得できなかった場合には、本
   公開買付け成立後、以下の方法により、当社の株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定している
   とのことです。
    本公開買付けの成立後、公開買付者は、会社法第180条に基づき当社株式の株式併合を行うこと及び株式併合の
   効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会を招
   集することを、会社法第297条第1項に基づき、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社の取締役に請求する予
   定とのことです。公開買付者は、かかる請求の後遅滞なく招集の手続が行われると見込まれない場合には、会社法
   第297条第4項第1号に基づき、株主総会の招集の許可を得るため裁判所に対して申立てを行う予定とのことで
   す。さらに、公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期(本書提出日現在
   において、2020年10月下旬頃を予定しているとのことです。)に開催することが望ましいと考えており、本公開買
   付けの決済の開始日後の近接する日が本臨時株主総会の基準日(本書提出日現在において、2020年9月上旬から中
   旬を予定しているとのことです。)となるように、基準日設定公告を行うことを要請する予定とのことです。公開
   買付者は、本公開買付け後に伊藤忠商事及び公開買付者が所有する当社の議決権が当社の総議決権の3分の2を下
   回る場合であっても、これらの請求及び要請を行うことを予定しているとのことです。なお、伊藤忠商事及び公開
   買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
    当社は、本公開買付けの公開買付価格及び買付予定数の下限の下では、当社として株主の皆様にスクイーズ・ア
   ウトの条件やその理由を合理的に説明することができないため当社主導でのスクイーズ・アウト手続の実行は行わ
   ないこととしております。一方で、当社は本取引の実施が当社の企業価値の向上に資するものと考えていること、
   本臨時株主総会の招集を裁判所の決定に委ねる場合には時間と費用を要するためかえって当社の少数株主の利益に
   反するおそれがあることから、当社は、本書提出日現在において、本公開買付けが成立し、本公開買付け後に公開
   買付者より当該請求及び要請を受けた場合、本公開買付けの成立後速やかに株主に判断機会を提供するという観点
   から、公開買付者からの当該株主総会の招集請求及び株式併合議案の株主提案に応じて本臨時株主総会の招集の手
   続を実施することを予定しております。
    本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日

   において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所
   有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当社の株主に
   対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない
   端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する当社株式を当社又は伊藤忠
   商事若しくは公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当
   該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社
   の株主に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一と
   なるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。ま
   た、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、伊藤忠商事及び公開買付者の全部又は一部の
   みが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募し
   なかった当社の株主(伊藤忠商事及び公開買付者並びに当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満た
   ない端数となるように決定される予定とのことです。
    株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、
   会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する
   株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判
   所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。
    なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の一般株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとの
   ことです。
    上記の手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要
   し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、伊藤忠商事及び公開買付者
   は、本公開買付け後、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(伊藤忠商事及び公開買付者並びに当社を除きま
   す。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用されるよう対応する予定であり、その場合に当該当社の株
   主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格
   と同一になるよう算定するよう対応する予定とのことです。もっとも、株式併合についての株式買取請求に関する
   価格の決定の申立てがなされた場合において、株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することにな
   ります。
    以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、公開買付者によって決定
   次第、公開買付者若しくは伊藤忠商事又は当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上
   記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の一般株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認いた
   だきますようお願いいたします。
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    なお、本臨時株主総会において株式併合の議案が否決された場合でも、伊藤忠商事としては、再度当社に対する
   公開買付けを実施する、当社株式を引き受ける等何らかの形で引き続き当社の非公開化の可能性を目指す意向はあ
   るとのことですが、当社株式の追加取得等を進めるか否か及び進める場合の具体的な方法は、本公開買付けにおけ
   る応募状況やその後の市場株価の動向、本臨時株主総会における株式併合の議案への賛否の程度、改めて当社の賛
   同を得ることができるか等を勘案の上、検討していくことになるものと考えており、現時点においては、伊藤忠商
   事及び公開買付者が当社株式を追加で取得する具体的な予定はないとのことです。
  (6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を

   担保するための措置
    当社は、当社が公開買付者の親会社である伊藤忠商事の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的
   な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応
   し、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するため、以下の措置を講じております。
    以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくもので
   す。
   ① 当社における独立した特別委員会の設置

   (ⅰ)設置等の経緯
     上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った
    意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2020年2月19日付の取締役会の書面決議により、特別
    委員会を設置いたしましたが、かかる特別委員会の設置に先立ち、当社は、2020年2月17日に伊藤忠商事か
    ら当社の非公開化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を受けた後、直ちに、公開買付者から独立し
    た立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討・交
    渉等を行う体制を構築するため、森・濱田松本法律事務所の助言も得つつ、その時点の当社の独立社外取締
    役の全員に対して、伊藤忠商事から上記打診を受けた旨、及び本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の
    非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、特
    別委員会の設置をはじめとする本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置
    を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明いたしました。また、当社は、同年2月25日には、その時点の
    当社の独立社外取締役の全員である伊澤正氏(当社社外取締役、一般財団法人日中経済協会理事長)、髙岡
    美佳氏(当社社外取締役、立教大学経営学部教授)及び関根近子氏(当社社外取締役、株式会社Bマインド
    代表取締役)による会合を開催し、改めて、伊藤忠商事から上記打診を受けた旨を説明するとともに、森・
    濱田松本法律事務所より、本取引においては構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応する
    ために手続の公正性を十分に担保する必要がある旨、並びに特別委員会の役割等についての説明が行われ、
    質疑応答を行っております。また、当社は、並行して、森・濱田松本法律事務所の助言を得つつ、特別委員
    会の委員の候補となる当社の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上
    で、当社は、伊藤忠商事からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる
    重要な利害関係を有していないことを確認した上で、上記会合に出席したその時点の当社の独立社外取締役
    と協議し、また、森・濱田松本法律事務所の助言を得て、伊澤正氏、髙岡美佳氏及び関根近子氏の3名を特
    別委員会の委員の候補として選定いたしました。
     その上で、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付け
    に賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2020年2月17日に伊藤忠商事から初期的提
    案書を受領した直後である同月19日付の臨時取締役会の書面決議により特別委員会を設置するとともに、特
    別委員会に対し、本諮問事項を諮問し、本諮問事項についての意見を当社に提出することを委嘱いたしまし
    た。また、当社取締役会は、当社取締役会における本公開買付けに関する意思決定については、本公開買付
    けへの賛否を含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び特別委員会が取引条件が妥当で
    ないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、特別委員会に対
    し、取引条件等について必要に応じて公開買付者と交渉を行うこと、本諮問事項に関する答申を行うに際
    し、必要に応じ、自らの財務又は法務等のアドバイザーを選任すること(この場合の費用は当社が負担する
    ものとされております。)、並びに当社の役職員から本公開買付けの検討及び判断に必要な情報を受領する
    ことについて権限を付与することを決議しております。
     なお、特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を
    支払うものとされております。
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   (ⅱ)検討の経緯
     特別委員会は、2020年2月25日より同年7月8日までの間に合計27回、合計約28時間にわたって開催され
    たほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮
    問事項についての協議及び検討を行いました。
     具体的には、特別委員会は、まず、複数のリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイ
    ザー及び第三者評価機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、公開買付者、伊藤忠商事、東京
    センチュリー、全農、農中及び当社から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法
    律事務所を、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社から独立した独自のファイナンシャル・
    アドバイザー及び第三者評価機関としてPwCを選任いたしました。特別委員会は、中村・角田・松本法律
    事務所と伊藤忠商事、東京センチュリー、全農及び当社との間には過去3年間において取引関係はなく、農
    中との間には過去3年間において取引関係はあるが取引金額が多額でないことを確認しております。また、
    PwCと伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中又は当社との間に過去3年間において取引関係はある
    が取引金額が多額でないこと及び社内の情報遮断に対する体制を構築していることを確認しております。
     また、特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立
    性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、また、独立性及び専門性を検討の
    上、当社のファイナンシャル・アドバイザーとしてメリルリンチ日本証券の選任を承認しました。さらに、
    特別委員会は、西脇幹雄取締役が伊藤忠商事出身者であるものの、当社の経理財務本部長の役職にあり、当
    社における定量面での検討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に
    不可欠であるため、その他の公正性を担保するための措置が講じられていることを前提に、伊藤忠商事との
    直接の交渉は控え、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与するという形で、伊藤忠商事との交渉における
    西脇幹雄取締役の役割を可能な限り限定的とすること、その他当社が社内に構築した本取引の検討体制(本
    取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点
    から問題がないことについて確認の上、承認をしております。
     その上で、特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び森・濱田松本法律事務所
    から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を担保するために講ずるべき措置について審議・
    検討を行っております。
     また、特別委員会は、伊藤忠商事に対して、伊藤忠商事における小売業の位置付けと将来のビジョン、そ
    の中における当社の役割、本取引によるシナジーの内容及び現状の資本構成ではなく非公開化が必要な理
    由、本取引後の当社の経営方針及び中期経営計画についての考え方、この時期を選択した理由及び本公開買
    付価格についての考え方、本取引後の人事政策及びガバナンスについての考え方、上場廃止のデメリットに
    ついての考え方、本取引の手続・条件等について、書面による質問を行い、伊藤忠商事から回答を受領する
    とともに、これらの事項について、伊藤忠商事の第8カンパニープレジデントその他担当者からも直接説明
    を受け、質疑応答を行っております。
     また、特別委員会は、当社の代表取締役会長である髙柳浩二及び代表取締役社長である澤田貴司は本取引
    の検討には参加していないものの、情報収集の観点から両氏に対して特別委員会への出席を求め、当社グ
    ループにおける小売業の将来ビジョンと本取引の関係、当社を非公開化することが必要な理由及び本取引に
    よるシナジー、この時期に本取引が実施されることについての考え方、上場廃止のデメリット、本取引以外
    の他の選択肢の有無・内容等について当社経営陣としての意見及び関連する情報を聴取するとともに、これ
    らの事項について質疑応答及び審議・検討を行っております。
     また、特別委員会は、当社が本取引のために事業計画を作成するにあたり、事前に当社から作成方針につ
    いて説明を受け、また、その作成過程においても、複数回、事業計画案の内容、重要な前提条件及び進捗状
    況等について説明を受けるとともに、PwCから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、最終的な事業
    計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認し、承認をしております。その上で、上
    記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」
    及び「② 特別委員会における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、P
    wC及びメリルリンチ日本証券は、当社が作成した2021年2月期第2四半期から2025年2月期の事業計画を
    前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、特別委員会は、PwCからPwCが実施した当社株
    式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提
    条件(DCF分析又はDCF方式における割引率の計算根拠及び類似会社比較分析又は類似会社比準方式に
    おける類似会社の選定理由を含みます。)(以下「算定方法等」と総称します。)について説明を受け、ま
    た、特別委員会からの要請に基づく当社の依頼によりメリルリンチ日本証券から受けたメリルリンチ日本証
    券が実施した当社株式の価値算定に係る算定方法等についての説明も踏まえて、質疑応答及び審議・検討を
    行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
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     また、特別委員会は、当社がメリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて決定し
    た、公開買付者からできる限り有利な取引条件を引き出すために、相互に独立した当事者間のM&Aで行わ
    れる一般的な交渉プロセスに即して十分な交渉を実施することを含む本取引に係る交渉方針について、当社
    から事前に説明を受け、また、PwCから受けた財務的見地からの助言も踏まえ、その内容を審議・検討し
    た上で、承認を行うとともに、2020年3月2日に伊藤忠商事より本公開買付価格を1株当たり2,600円とす
    る最初の提案を受領して以降、当社が伊藤忠商事から価格提案を受領する都度、当社から適時にその内容に
    ついて報告を受け、当社がメリルリンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえた当社の見解を
    聴取するとともに、PwCから受けた財務的見地からの助言も踏まえてその内容を審議・検討した上で、伊
    藤忠商事に対して本公開買付価格のさらなる引上げを要請すべき旨、その際、本取引によるシナジーを十分
    に反映した価格を提示するよう要請すべき旨を当社に指示・要請する等、当社と伊藤忠商事との間の本公開
    買付価格に関する協議・交渉過程において中心的な位置付けで関与し、その結果、当社は7月2日に公開買
    付者より本公開買付価格を1株当たり2,300円とすることを含む最終提案を受けるに至っております。
     さらに、特別委員会は、森・濱田松本法律事務所から、複数回、当社が開示又は提出予定の本公開買付け
    に係る本プレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフトの内容について説明を受け、中村・角田・松本法
    律事務所から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
   (ⅲ)判断内容

     特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、並びにPwCから
    受けた財務的見地からの助言、2020年7月7日付でPwCから提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の
    内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対
    し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
    (a)答申内容

    ⅰ 当社取締役会は、本公開買付けについて賛同するとともに、本公開買付けに応募するか否かは当社株
     主の判断に委ねる旨の意見を表明することが妥当であると考えられる。
    ⅱ 当社取締役会が、本公開買付けについて賛同するとともに、本公開買付けに応募するか否かは当社株
     主の判断に委ねる旨の意見を決定することは、当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。
     また、当社取締役会が、本取引において予定されている方法によることを前提に、本公開買付け成立後
     の株式併合による当社の非公開化についての決定をすることは、当社の少数株主にとって不利益ではな
     いと考えられる。
    (b)検討

    ⅰ 以下の点より、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると考える。
     ・当社の属する小売業界を取り巻く環境は、業態を超えた競争環境の激化や根強い節約志向による消費
     マインドの低下及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響等から、先行きは依然として不透明な状況
     が続くものと見込まれる。また、消費者ニーズも多様化しており、新たな発想による商品・サービス
     の創造が求められていることに加え、安全で安心な食の提供や環境問題への対応等、企業の社会的責
     任が増大している。
     ・こうした難局を乗り越えて厳しい競争環境を勝ち抜くため、当社グループは、経営資源を結集し、独
     自の価値を提供することで成長の機会を模索している。具体的には、当社グループにおいては、「加
     盟店支援の着実な実行」「収益力の強化」「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」「金融・デジ
     タル戦略の推進」「株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスとの協業推
     進」の各取り組みについて実行しているところである。
     ・伊藤忠商事から受けた本取引後の各施策については、当社は既に伊藤忠商事の子会社であり、現在の
     資本構成の下でも実施可能なのではないかとの点が問題となり得るが、伊藤忠商事によれば、同社の
     商社という業態特性上、事業領域が多岐にわたり、必ずしもそれぞれの事業領域において当社と利益
     が一致するわけではなく、伊藤忠商事と当社がともに上場会社として独立した事業運営を行っている
     現状では、当社を除く伊藤忠商事グループ各社と当社との間における、経営資源やノウハウの緊密な
     相互補完・有効活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について当社の少数株主の利
     益をも考慮した慎重な検討を要することから、双方のコスト構造等の十分な情報共有や人的・物的な
     経営資源の再配分が行われない等の一定の制約が生じており、本取引を通じて非公開化することによ
     り、両者の経営資源やノウハウの相互活用を一層促進し、伊藤忠商事グループ一体となって迅速に意
     思決定を進めていくことで、当社の短期的利益に直結せずとも当社を含む伊藤忠商事グループ全体を
     中長期的に成長させることにつながる抜本的な施策を行い、より大きく踏み込んだ提携関係を構築す
     ることが可能となるとのことである。
     ・また、新型コロナウイルス感染症の影響が必ずしも完全に明らかになっているわけではないこの時期
     に本取引を実施する理由については、もともと伊藤忠商事としては、新型コロナウイルス感染症の問
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     題が生じる前から、コンビニエンスストア事業はビジネスモデルの見直しが迫られており、Eコマー
     スの急拡大により事業領域が侵食されつつあるとの認識を有していたところ、新型コロナウイルス感
     染症の影響から当社がV字回復するためには伊藤忠商事の支援が必要であり、伊藤忠商事が提案する
     「デジタルJV構想」も、新型コロナウイルス感染症の影響が客観的に明確になるまで待っていたの
     では手遅れであり、今こそ本取引を実現することが必要であると考えているとのことである。
     ・伊藤忠商事からの提案に対し、当社の経営陣からは、①小売業については限られた市場の中で質を高
     めるビジネスモデルに変わってきており、本取引による非公開化により、管理部門やデジタル、海外
     展開の分野に関して伊藤忠商事の豊富な人材・リソースが投入され、当社の人材・リソースが多様化
     することは当社の成長の源泉になること、②本取引により非公開化されれば意思決定のスピードが上
     がること、③伊藤忠商事から提案された各施策の一部は、既に現在の資本構成の下においても着手し
     ているものであるが、本取引による非公開化により、経営の意思決定の自由度が高まり、よりスピー
     ド感をもって各施策を進めることが可能となること等から、本取引による非公開化及びその後の施策
     は、当社の企業価値の向上に資するものと考えているとの見解が示された。
     ・他方、本取引のデメリットとしては、本取引による非公開化により従業員や加盟店のモチベーション
     が低下すること等も抽象的には懸念されるところ、当社の経営陣によれば、従業員や加盟店が本取引
     をどのように受け止めるかについては考慮が必要であり、従業員や加盟店との間で十分なコミュニ
     ケーションをとり、本取引の意義を説明する必要があると考えているとのことであるが、それ以外に
     具体的なデメリットは特段想定されないとのことである。
     ・このように、当社の経営陣からは、本取引及びその後の施策は当社の企業価値の向上に資するとの見
     解が示されているところ、これらの見解に特に不合理な点はなく、特別委員会としても、本取引に関
     して伊藤忠商事から提案された具体的な施策は、当社グループのデジタル戦略の推進や、海外、特に
     中国への展開に資するものであり、当社の企業価値の向上に資するものであると考える。
    ⅱ 本取引においては、①当社において独立した特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められ

     ること、②特別委員会及び当社は、外部専門家の独立した専門的助言を取得しているものと認められる
     こと、③特別委員会及び当社は、本取引についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者
     評価機関からの株式価値算定報告書の取得をしているものと認められること、④当社においては、利害
     関係を有する取締役等を可能な限り本取引の検討・交渉過程から除外し、伊藤忠商事から独立した立場
     で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されていたものと認められること、⑤本公開買付けにお
     いてはいわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められること、⑥本公開買付け
     においては一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる
     こと、⑦本取引においては、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関す
     る指針」において望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認め
     られることから、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されているものと認められる。
      また、本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority              of minority)条件
     の設定はなされていないものの、本公開買付けが成立した場合に公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合
     が60%以上となるように買付予定数の下限が設定されている。かかる下限は、相当程度の一般株主の応
     募がなければ本公開買付けが成立しないという意味において、一定程度の公正性担保措置として機能す
     ると考えられるものの、当該下限の株式数に関して合理的な根拠が確認できない点がある点で、マジョ
     リティ・オブ・マイノリティ(majority       of minority)の趣旨に鑑みた下限の設定として十分なものと
     は言えないと考えられる。もっとも、本取引においては、他に十分な公正性担保措置が講じられている
     ことからすれば、マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority           of minority)が設定されておらず、
     その趣旨に鑑みた下限の設定として十分なものとは言えないとしても、それのみにより本取引における
     手続の公正性が損なわれるものではないと考えられる。
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    ⅲ 本取引の取引条件の妥当性について、以下の点より、本取引における買収方法及び買収対価の種類は
     合理性があると認められるが、本公開買付価格は、当社の一般株主に投資回収機会を提供する観点では
     一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないものの、一般株主に対し本公開買付けへの応
     募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められない。
     ・本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式併合を行う
     方法は、本取引のような非公開化の取引においては一般的に採用されている方法である。また、買収
     対価の種類については、伊藤忠商事と当社の事業が異なること及び伊藤忠商事の株価が下落するリス
     クを負うことを回避できることから、当社の一般株主にとっては伊藤忠商事の株式を対価とする一段
     階取引ではなく、一段階目として現金を対価とする公開買付けを行い、二段階目として現金による端
     数処理を行う株式併合の方法によることにも合理性があると考えられる。
     ・本株式価値算定書(PwC)におけるDCF方式、本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)にお
     けるDCF分析による算定の基礎とされている当社の事業計画の策定目的、策定手続及び内容につき
     特に不合理な点はないと認められる。
     ・本株式価値算定書(PwC)について、算定の方法及び内容のいずれにおいても不合理な点は認めら
     れず、信用できるものと判断するところ、本公開買付価格は、本株式価値算定書(PwC)の市場株
     価基準方式及び類似会社比準方式による算定結果のレンジの上限を上回るものの、DCF方式による
     算定結果のレンジの下限を下回る価格であることが認められる。
     ・本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容は、算定の方法及び内容のいずれにおいても恣意
     性は認められず、信用できるものと判断するところ、本公開買付価格は、本株式価値算定書(メリル
     リンチ日本証券)の市場株価分析による算定結果のレンジの上限を上回り、類似会社比較分析及びD
     CF分析による算定結果のレンジの範囲内の価格であると認められる。
     ・本公開買付価格は市場価格に一定のプレミアムが付されたものではあるが、当該プレミアムは、類似
     事例(2010年以降に発表された非公開化を目的とした買付規模が500億円以上の他の公開買付けの事
     例)の平均値及び中央値をいずれも下回っており、類似事例に比べて十分なプレミアムが付されてい
     るとまでは認められない。
     ・特別委員会は、当社と伊藤忠商事との間の公開買付価格等の本取引の取引条件に関する協議・交渉過
     程において、実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われ
     ることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視し得る状況が確保
     された上で、真摯な交渉が実施されたものの、最終的に伊藤忠商事との間で公開買付価格についての
     合意には至らなかった。
     ・本公開買付価格は、当社株式の市場株価に対して一定のプレミアムが付されているという意味におい
     て少数株主にとって不利益ではないと考えられる。また、それに加えて、特別委員会において、当社
     から独立した第三者評価機関として承認したメリルリンチ日本証券により作成され、かつ、特別委員
     会において、上記のとおり算定方法及び算定内容に特に不合理な点は認められず、信用できるものと
     判断した本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券のDCF分析による算定結果のレンジの範囲内に
     入っていること等からすれば、当社の一般株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があ
     り、妥当性を欠くものとは認められない。もっとも、本公開買付価格は、本株式価値算定書(Pw
     C)のDCF方式の算定結果のレンジの下限を下回る価格であること、類似案件に比べて当社株式の
     市場株価に対して十分なプレミアムが付されているとまでは認められないこと等からすれば、本公開
     買付価格は、一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達していると
     までは認められない。
    ⅳ 上記ⅰのとおり、本公開買付けを含む本取引及びその後の施策は当社の企業価値の向上に資するもの

     と認められることから、当社取締役会は、本公開買付けについて賛同することが妥当であると考えられ
     る。もっとも、本取引においては、上記ⅱのとおり、一般株主利益を確保するための公正な手続が実施
     されており、上記ⅲのとおり、本取引の買収方法及び買収対価の種類は合理性があると認められるとと
     もに、本公開買付価格は当社の一般株主に投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当
     性を欠くものとは認められないが、本公開買付価格が一般株主に対し本公開買付けへの応募を積極的に
     推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないことから、当社取締役会として当社株主に対
     して本公開買付けへの応募を推奨することまではできず、本公開買付けに応募するか否かは当社株主の
     判断に委ねることが妥当であると考えられる。
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    ⅴ 上記ⅰのとおり、本取引及びその後の施策は、当社の企業価値の向上に資するものと認められること
     から、当社取締役会が本公開買付けについて賛同する旨の意見を表明する旨を決定することは、当社の
     少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。また、上記ⅱのとおり、本取引においては一般
     株主の利益を確保するために公正な手続が実施されており、上記ⅲのとおり、本取引の取引条件につい
     ては、買収方法及び買収対価の種類は合理性があると認められる。本公開買付価格は、一般株主に対し
     本公開買付けへの応募を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないが、当社の
     一般株主に対して投資回収機会を提供する観点では一定の合理性があり、妥当性を欠くとまでは認めら
     れないことからすれば、当社取締役会が当社株主に対して本公開買付けへの応募を積極的に推奨するの
     ではなく、その根拠も開示した上で本公開買付けに応募するか否かは当社株主の判断に委ねる旨を決定
     することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。また、本公開買付けが成立
     した後における当社の非公開化は、本公開買付けの成立後、公開買付者が株式併合を行うこと等を付議
     議案として臨時株主総会の招集請求等を行い、当該臨時株主総会において株式併合議案が承認された場
     合には、伊藤忠商事及び公開買付者以外の株主に対して、1株当たり本公開買付価格と同額の金銭が交
     付されることによって行われる予定であるところ、当社は、公開買付者から臨時株主総会の招集請求等
     を受けた場合には、それに応じて株式併合議案を株主提案として付議する臨時株主総会の招集を実施す
     ることを予定している。このように、本公開買付け後の当社の非公開化が公開買付者の主導で行われ、
     当社の役割が限定されていること等を前提とすれば、上記ⅰのとおり、本取引及びその後の施策は当社
     の企業価値の向上に資すると考えられること、株式併合に際して株主に交付される予定の金銭の額も本
     公開買付価格と同額であることからすれば、当社の一般株主に対して投資回収機会を提供する観点では
     一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないこと、当社が公開買付者による臨時株主総会
     の招集請求等に応じず、臨時株主総会の招集を裁判所の決定に委ねる場合には、時間と費用を要するた
     めかえって当社の少数株主の利益に反するおそれがあること、及び、株式併合に反対する株主は当社に
     対して株式の買取請求を行い、裁判所に対して株式の価格決定の申立てを行うことができること等か
     ら、当社取締役会が、本取引における本公開買付け成立後の株式併合による当社の非公開化についての
     決定をすることは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。なお、本公開買付け
     には本公開買付け後の公開買付者及び伊藤忠商事の所有割合が60%となるような買付予定数の下限が付
     されており、本公開買付けが成立しても非公開化が行われない可能性もある。この点については、過去
     の当社株主総会における出席率等を勘案すれば、60%であっても実質的に出席株主の3分の2に近い割
     合であり、本公開買付けに応募しなかった株主が賛成の議決権行使をすることもあり得る(例えば、伊
     藤忠商事は、公開買付けに応募せずとも株式併合に係る株主総会議案には賛成する東証上場ETFや東
     証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが存在すると見込んでいるとのことであ
     る。)ことを勘案すると、株式併合が可決されず、非公開化が行われない可能性はそれほど高くないと
     認められる。したがって、当社株主を著しく不安定な立場に置くものとまでは言えないものと考えられ
     る。
   ② 特別委員会における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得

    特別委員会は、手続の公正性に関する専門的助言を得るため、上記「① 当社における独立した特別委員会の
   設置」に記載のとおり、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社から独立した独自のリーガル・ア
   ドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を担保するために講じる
   べき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的
   助言を受けております。
    なお、中村・角田・松本法律事務所は、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社の関連当事者に
   は該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。その他、中村・角田・
   松本法律事務所の独立性については、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。
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   ③ 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取
   得
    特別委員会は、企業価値評価及び価格交渉等に関する専門的助言及び補助を得るため、上記「① 当社におけ
   る独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社から独立
   した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関としてPwCを選任し伊藤忠商事との交渉方針
   を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2020年7月7日付で本株式価値算定書(PwC)を取得してお
   ります。本株式価値算定書(PwC)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会に
   おける独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
    なお、PwCは、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社の関連当事者には該当せ
   ず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。その他、PwCの独立性につい
   ては、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。
   ④ 当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得

    当社は、手続の公正性に関する専門的助言を得るため、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」
   に記載のとおり、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社から独立したリーガル・ア
   ドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を担保するために講じるべき
   措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を
   受けております。
    なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社の関連
   当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
   ⑤ 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得

    当社は、企業価値評価及び価格交渉等に関する専門的助言及び補助を得るため、上記「① 当社における独立
   した特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社か
   ら独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者評価機関としてメリルリンチ日本証券を選任し、財務的
   見地からの助言を受けるとともに、2020年7月8日付で本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)を取得して
   おります。本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の
   「① 当社における独立した第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
    なお、メリルリンチ日本証券は、公開買付者、伊藤忠商事、東京センチュリー、全農、農中及び当社の関連当
   事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
   ⑥ 当社における独立した検討体制の構築

    上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思
   決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び
   判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2020年2月17日に伊藤忠商事から当社
   の非公開化に関する検討を開始したい旨の初期的な打診を受けた後直ちに、当社と伊藤忠商事との間の本公開買
   付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過
   程においては、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、伊藤忠商事出身者である西脇幹雄取締役及び事業
   計画の作成過程に必須であった伊藤忠商事からの出向者数名の関与を除き、現に伊藤忠商事グループ各社の役職
   員を兼任する当社の役職員のみならず、過去に伊藤忠商事グループ各社の役職員であった当社の役職員も関与し
   ないこととし、また、事業計画の策定に関与していた伊藤忠商事からの出向者についても、本取引に係る取引条
   件に関する交渉過程においては、関与させないこととしており、かかる取扱いを継続しております。具体的に
   は、本取引に係る検討に際しては、伊藤忠商事グループから独立している加藤利夫取締役、塚本直吉取締役、髙
   橋順取締役に加え、伊藤忠商事グループから2年以上前に転籍している西脇幹雄取締役が、交渉担当取締役とし
   て関与することとしております。また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取
   引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題が
   ないことについては、特別委員会の承認を得ております。
    なお、当社の取締役のうち、西脇幹雄取締役は、1982年の伊藤忠商事への入社時から2018年まで伊藤忠商事に
   在籍しておりましたが、西脇幹雄取締役は現在当社の経理財務本部長の役職にあり、当社における定量面での検
   討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の算定に不可欠であることから、独立
   した特別委員会を設置し、公正性を担保するための措置を講じることを踏まえ、伊藤忠商事との直接の交渉は控
   え、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与するという形で、伊藤忠商事との交渉における西脇幹雄取締役の役
   割を可能な限り限定的とするよう、交渉担当役員の相互牽制や特別委員会からのモニタリングにおいて最大限留
   意することを条件として、特別委員会への出席を含め、本取引に係る検討に参加しております。
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   ⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
    当社取締役会は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同
   するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、メリル
   リンチ日本証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書(メリルリンチ日本証券)の内容、並び
   に特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(PwC)の内容を踏まえつつ、本答申書において示され
   た特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか
   否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討いた
   しました。
    その結果、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛
   同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値
   の向上に資するものの、(ⅱ)本公開買付価格である2,300円は、当社の一般株主に投資回収機会を提供する観
   点では一定の合理性があり、妥当性を欠くものとは認められないものの、一般株主に対し本公開買付けへの応募
   を積極的に推奨できる水準の価格に達しているとまでは認められないと判断し、2020年7月8日開催の当社取締
   役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明する
   とともに、株主の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねることを
   決議いたしました。
    上記2020年7月8日開催の当社取締役会においては、当社の取締役12名のうち、髙柳浩二取締役、久保勲取締
   役、西脇幹雄取締役は伊藤忠商事の出身者であり、澤田貴司取締役は伊藤忠商事在籍時より20年以上が経過して
   いるものの、伊藤忠商事の従業員の地位を過去有していたことから、本取引における構造的な利益相反の問題に
   よる影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、髙柳浩二取締役、久保勲取締役、西脇幹雄取締役及び
   澤田貴司取締役を除く8名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。
    また、上記の取締役会に出席した監査役(監査役4名中、出席監査役3名(うち社外監査役2名))の全員が
   上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。
    なお、当社の取締役のうち、髙柳浩二取締役、久保勲取締役、西脇幹雄取締役及び澤田貴司取締役の4名は、
   本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記2020年
   7月8日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、西脇
   幹雄氏を除き、当社の立場で本取引の検討、本取引に係る伊藤忠商事との協議及び交渉に参加しておりません。
   なお、西脇幹雄取締役については、上記「⑥ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、1982年
   の伊藤忠商事への入社時から2018年まで伊藤忠商事に在籍しておりましたが、現在当社の経理財務本部長の役職
   にあり、当社における定量面での検討に精通しており、当社の事業計画の策定やこれに基づく当社の企業価値の
   算定に不可欠であることから、独立した特別委員会を設置し、公正性を担保するための措置を講じることを踏ま
   え、伊藤忠商事との直接の交渉を控え、交渉に必要な事業計画の策定にのみ関与するという形で、伊藤忠商事と
   の交渉における西脇幹雄取締役の役割を可能な限り限定的とするよう交渉担当役員の相互牽制や特別委員会から
   のモニタリングにおいて最大限留意することを条件として、本取引に係る検討に参加しております。
    また、当社の監査役である中出邦弘氏は、伊藤忠商事の出身者であるため、上記の取締役会の審議には一切参
   加しておらず、上記の取締役会の決議に対して意見を述べることを差し控えております。
   ⑧ 買付予定数の下限の設定

    公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を50,114,060株(所有割合:9.90%)と設定してお
   り、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないと
   のことです。公開買付者は、以下の理由により下限を設定しているとのことです。すなわち、公開買付者は、
   (ⅰ)東証上場ETFだけで当社株式の約20.19%を所有していることを確認しており、東証上場ETFについて
   は、その性質上、インデックスへの連動性を重視していることから、取引条件の適否にかかわらず、原則として
   公開買付けへの応募を行わないことを基本方針としているものと推測していること、また、(ⅱ)公開買付者の
   ファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対し、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用
   ファンドが所有する当社株式数がどの程度と見込まれるかを、公表情報及び野村證券が利用可能な非公開のデー
   タベースの情報を踏まえて推計することを依頼したところ、正確な把握は不可能であり、また厳密な推計は困難
   であるものの、当社株式の約1割程度を東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドが所有して
   いる可能性があるとの試算が示され、東証上場ETF以外のパッシブ・インデックス運用ファンドも、パッシ
   ブ・インデックス運用ファンドである以上、基本的にはインデックスへの連動性を重視して運用されるものと推
   測しており、したがって、基本的には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わな
   い方針をとる者が多いものと推測しているとのことです。そのため、公開買付者は、取引条件の適否にかかわら
   ず、原則として公開買付けに対する応募を行わないおそれのある投資者が当社株式の約3割程度を所有している
   おそれがあると分析しており、本公開買付けの条件を含む本取引の条件が適切であるか否かの判断に従って本公
   開買付けに応募するか否かを決定する当社株主が所有していると推測している約2割の当社株式のうちの半数程
   度の応募があった場合にのみ、本公開買付けが成立するような買付予定数の下限を設定することで、当社の一般
   株主の応募判断の結果を一定程度尊重することが望ましいと考えるに至り、かかる買付予定数の下限を設定した
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   とのことです。なお、当社としては、本公開買付けにおける買付予定数の下限の株式数については必ずしも合理
   性があるとは考えていないものの、下限の設定自体は当社の一般株主の応募結果を尊重するものとして本公開買
   付けの公正性を一定程度担保するものと考えております。
   ⑨ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

    公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間で
   ある30営業日としているとのことです。公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に
   本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を
   行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを企図しているとのことです。さらに、公開
   買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対
   抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買
   付期間の設定と合わせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保にも配
   慮しているとのことです。
  (7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

   ① 本基本契約
    伊藤忠商事は、全農及び農中との間で、本取引及び全農・農中株式譲渡に関し、本基本契約を締結していると
   のことです。
    本基本契約において、伊藤忠商事並びに全農及び農中は、(1)農中が公開買付者に対し、本農中融資契約に従
   い、融資を実行すること(以下「本農中融資」といいます。)、(2)本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並び
   に当社で具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農及び農中並びに当社間で本業務提携契約を締結する
   こと、(3)①伊藤忠商事並びに全農及び農中と当社との間で本業務提携契約が締結されていること、②本農中融
   資が完済されることが合理的に見込まれていること等を条件として、全農・農中株式譲渡を実行すること、及び
   (4)全農及び農中は、伊藤忠商事の承認を得ない限り、第三者に対して、その所有する当社株式の譲渡その他一
   切の処分を行うことができないことについて合意しているとのことです。
   ② 本社員間契約

    伊藤忠商事は、東京センチュリーとの間で、本社員間契約を締結し、本取引及び東京センチュリー直接所有化
   取引を実施すること、東京センチュリー直接所有化取引の完了までの間、公開買付者が同取引に不必要な利益配
   当を行わないことを合意しているとのことです。
    なお、本社員間契約において、伊藤忠商事及び東京センチュリーは、東京センチュリーが所有する当社株式に
   ついて、本公開買付けへの応募又は不応募について合意しておりませんが、公開買付者は、東京センチュリーか
   ら、東京センチュリーが所有する当社株式について、本公開買付けへ応募する旨の表明を受けているとのことで
   す。
   ③ 本出資払戻契約

    伊藤忠商事は、IRIとの間で、2020年7月8日、本出資払戻契約を締結し、当該契約に基づき、出資の払戻
   しの時点(2020年7月21日)における伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させ、IRI
   から伊藤忠商事に対して、当社株式43,521,600株を交付することを合意しているとのことです。伊藤忠商事が、
   IRIから当該交付を受けることに対して、伊藤忠商事はIRIに対していかなる対価も支払わないとのことで
   す。なお、合同会社が出資の払戻しにより社員に対して交付する金銭等の帳簿価額は、会社法上、剰余金額又は
   出資の価額の減少額のいずれか少ない額を超えてはならないものとされているため、IRIは当社株式
   43,521,600株の伊藤忠商事への交付に際して、当該株式の帳簿価額以上の金額に相当する額について伊藤忠商事
   の出資の価額を減少させる必要があることを踏まえ、IRIは出資の払戻しの時点(2020年7月21日)における
   伊藤忠商事の出資の価額120,001百万円を119,970百万円減少させることにより、31百万円に減少させるとのこと
   です。かかる伊藤忠商事の出資の価額の減少額(119,970百万円)は、上記の会社法上の規制を踏まえて、IR
   Iが所有する当社株式43,521,600株の同社における2020年7月8日現在の帳簿価額と同額としているものであ
   り、本書提出日現在における当社株式の価値を勘案して決定された額ではなく、本公開買付価格とは無関係との
   ことです。なお、この出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付されることになる当社株式
   43,521,600株で除した金額は、2,756.56円(小数点以下第三位を四捨五入。)ですが、そもそも出資の価額は、
   伊藤忠商事がIRIに過去に払い込んだ金銭等の額を意味する数値に過ぎず、当該数値を減少させることは、伊
   藤忠商事がIRIに対して何らかの財産的価値を交付したことを意味せず、伊藤忠商事がIRIに対する何らか
   の財産的価値を放棄したことも意味しないとのことです。IRIの社員は伊藤忠商事のみであるため、上記の出
   資の価額の減少によって、伊藤忠商事のIRIに対する持分割合が減少することもないとのことです。このよう
   に、出資の価額の減少額は、当社株式43,521,600株の交付を受けることの対価として伊藤忠商事がIRIに対し
   て交付する財産的価値を意味するものではなく、上記の会社法上の規制を遵守するために決定される数値に過ぎ
   ないため、出資の価額の減少額をIRIから伊藤忠商事に対して交付されることになる当社株式43,521,600株で
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   除した金額が本公開買付けと合致しないことは、公開買付価格の均一性の趣旨(法第27条の2第3項)に反する
   ものではありません。
    なお、本取引後、伊藤忠商事、全農及び農中並びに当社で具体的な内容に関して協議の上、伊藤忠商事、全農

   及び農中並びに当社間で本業務提携契約を締結する意向を伊藤忠商事、全農及び農中は有しているとのことで
   す。
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  4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
              所有株式数(株)    議決権の数(個)
   氏名    役名    職名
         -        0    0
  髙柳 浩二   代表取締役会長
         -       18,000     180
  澤田 貴司   代表取締役社長
         副社長執行役員
         社長補佐、(兼)東日本店
                12,500     125
  加藤 利夫   取締役
         舗再生本部管掌、西日本店
         舗再生本部管掌
         専務執行役員
                 0    0
  久保 勲   取締役    CSO、(兼)経営企画本
         部長
         専務執行役員
                6,180     61
  塚本 直吉   取締役    CIO、(兼)システム本
         部長
         常務執行役員
         エリアサポート本部長、
                4,600     46
  井上 淳   取締役
         (兼)お客様相談室管掌、
         加盟店相談室管掌
         常務執行役員
                9,424     94
  髙橋 順   取締役
         新規事業開発本部長
         常務執行役員
         CFO、(兼)経理財務本
                 600     6
  西脇 幹雄   取締役
         部長、(兼)ガバナンス委
         員長
                 0    0
  伊澤 正   取締役    報酬委員長
         -        0    0
  高岡 美佳   取締役
         -        0    0
  関根 近子   取締役
     監査役
                 0    0
  青沼 隆之       リスクマネジメント委員長
     (常勤)
     監査役
         -       2,000     20
  中出 邦弘
     (常勤)
         -       4,824     48
  佐藤 勝次   監査役
         -        52    0
  内島 一郎   監査役
         -        0    0
  白田 佳子   監査役
       -    -     58,180     580
   計
   (注1) 役名及び職名は本書提出日現在、所有株式数及び議決権の数は2020年2月29日現在のものになります。
   (注2) 取締役伊澤正氏、高岡美佳氏、関根近子市氏及び青沼隆之氏は、社外取締役であります。
   (注3) 監査役内島一郎氏及び白田佳子氏は、社外監査役であります。
   (注4) 所有株式数及び議決権の数には、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそ
    れらに係る議決権の数を含めております。
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  5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
   該当事項はありません。
  6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

   該当事項はありません。
  7【公開買付者に対する質問】

   該当事項はありません。
  8【公開買付期間の延長請求】

   該当事項はありません。
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今日注目の企業・投資家

お知らせ

2024年4月16日

2024年4月よりデータの更新が停止しております。
他のより便利なサービスが多々出てきた現在、弊サイトは役割を終えたと考えております。改修はせずこのままサービス終了する予定です。2008年よりの長きにわたりご利用いただきましてありがとうございました。登録いただいたメールアドレスなどの情報はサービス終了時点で全て破棄させていただきます。

2023年2月15日

2023年1月より一部報告書の通知、表示が旧社名で通知、表示される現象が発生しておりました。対応を行い現在は解消しております。

2023年2月15日

メール通知設定可能件数を15件から25件に変更しました。

2023年1月7日

2023年分の情報が更新されない問題、解消しました。

2023年1月6日

2023年分より情報が更新されない状態となっております。原因調査中です。

2022年4月25日

社名の変更履歴が表示されるようになりました

2020年12月21日

新規上場の通知機能を追加しました。Myページにて通知の設定が行えます。

2020年9月22日

企業・投資家の個別ページに掲載情報を追加しました。また、併せて細かい改修を行いました。

2019年3月22日

2019年4月より、5年より前の報告書については登録会員さまのみへのご提供と変更させていただきます。

2017年10月31日

キーワードに関する報告書の検出処理を改善いたしました。これまで表示されていなかった一部の報告書にも「増加」「減少」が表示されるようになっりました。

2017年2月12日

キーワードに関する報告書のRSS配信を開始いたしました。

2017年1月23日

キーワードに関する報告書が一覧で閲覧できるようになりました。