株式會社ケーティー(KT Corporation) 有価証券報告書 第38期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
提出書類 | 有価証券報告書-第38期(平成31年1月1日-令和1年12月31日) |
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提出者 | 株式會社ケーティー(KT Corporation) |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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株式會社ケーティー(KT Corporation)(E05898)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年6月30日
【事業年度】 第38期(自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日)
株式會社ケーティー(KT Corporation)
【会社名】
【代表者の役職氏名】 具 鉉謨 (Hyeon-Mo Ku)
代表理事兼最高経営責任者(Representative Director and Chief
Executive Officer)
【本店の所在の場所】 大韓民国京畿道城南市盆唐區佛亭路90
(90, Buljeong-ro, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do, 13606
Republic of Korea)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 松添 聖史
【代理人の住所又は所在地】 ベーカー&マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
東京都港区六本木1丁目9番10号 アークヒルズ仙石山森タワー
【電話番号】 (03)6271-9900
【事務連絡者氏名】 弁護士 渡邊 大貴
【連絡場所】 ベーカー&マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
東京都港区六本木1丁目9番10号 アークヒルズ仙石山森タワー
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
(注)1.別段の記載のある場合を除き、本書において下記の用語は下記の意味を有するものとする。
「当社」又は「KT」………………………株式會社ケーティー(KT Corporation)及び、文脈によりその連結子会
社を含む。なお、本書において、「株式會社ケーティー」を「株式会社
ケーティー」と記載することがある。
「韓国」……………………………………大韓民国
「政府」……………………………………大韓民国政府
2.別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ウォン」は韓国の通貨を指すものとする。
本書において記載されている日本円への換算は、別段の記載がある場合を除き、 10.6347 ウォン=1円(2019
年12月31日現在のソウル為替仲介株式会社による公示基準レート)の換算率により換算されている。
3.当社の会計年度は暦年である。
4.本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
5.別段の記載のある場合を除き、本書に記載の市場占有率(シェア)のデータは、科学技術情報通信部
(「MSIT」)、韓国放送通信委員会(「KCC」)又は韓国通信事業者連合会が公表した加入者数に基づいてい
る。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社に適用される基本的な法的枠組は、韓国「商法」の第3編「会社」の第4章「株式会社」である。以下
は、当社のような韓国取引所に株式が上場されている株式会社に適用される、韓国商法並びに金融投資業及び資
本市場に関する法律など、関連法規の主要な規定の概略である。
設立
株式会社の設立については、次のような基本的な要件がある。(ⅰ)1人以上の発起人が必要である。発起人
の資格には制限がないので、自然人だけでなく法人も発起人になることができる。発起人は、1株以上の株式を
引受けて会社に出資しなければならない。(ⅱ)発起人は、定款を作成して全員が記名捺印あるいは署名しなけ
ればならない。定款は、公証人の認証を受けることによって効力を生じる(ただし、資本金総額が10億ウォン未
満の発起人により設立される会社の場合は、公証人を必要としない)。(ⅲ)定款を作成した後、出資者を確定
してからその払い込みを受ける。資本を拠出する方法としては、発起設立と募集設立の2つの方法があるが、前
者は、発起人だけが設立時に発行された株式を全額引受ける方法であり、後者は、発起人と発起人でない者が一
緒に株式を引受ける方法である。(ⅳ)会社は、設立登記によって成立する。会社設立の無効は、会社設立日か
ら2年以内に訴えによってのみこれを主張することができる。
商法が定款の有効要件として定めた事項については、これを欠如したりその内容が違法である時は定款が無効
となる。会社設立の無効事由となる定款の絶対的記載事項は、(1)目的、(2)商号、(3)会社が発行する株
式の総数、(4)株式の額面金額(一定の額面金額を持つ株式が発行される場合)、(5)会社の設立に際して発
行する株式の総数、(6)本店の所在地、(7)会社が行う公告の方法及び(8)発起人の氏名、住民登録番号と
住所である。
株式
株式会社の資本は、これを株式に分割しなければならず、一定の額面金額を持つ株式が発行される場合、1株
の額面金額は、100ウォン以上で均一にしなければならない。株式は、譲渡につき定款により理事会の承認が定
められていない限り、自由に譲渡できる(現在、当社の定款は、株式の譲渡についてこのような制限をしていな
い。)。詳細については、「(3)提出会社の株式に関する情報」を参照のこと。
株主及び株主総会
株主の責任は、当該株主の有する株式の引受価額を限度とする。株主は、法律や定款に別段の定めがない場合
は、当該株主の有する株式の数に応じて新株の割当を受ける権利がある。現在有効な金融投資業及び資本市場に
関する法律に基づき、上場法人が同法に従い株式を募集又は売出す場合に、当該法人の従業員持株会に加入した
従業員は、募集又は売出す株式の総数の100分の20を超過しない範囲で優先的に新株の割当を受ける権利があ
る。ただし、従業員持株会の会員が所有する株式数が、新規に発行される株式と既に発行された株式の総数の
100分の20を超過する場合は、これを適用しない。
株主総会は、法律又は定款に定められた事項を決議する株式会社の最高意思決定機関である。定時総会は、毎
年1回一定の時期に招集しなければならず、年2回以上の決算期を定めている会社は、毎期に総会を招集しなけ
ればならない。臨時総会は、必要に応じて随時招集することができる。株主総会の招集は、原則として理事会が
これを決定する。しかし、6か月前から継続して発行済株式の総数の100分の3以上に当たる株式を有する株主
又は上場会社の議決権のある発行済株式総数の1千分の15以上に該当する株式を一定の要件により保有した株主
は臨時総会の招集を理事会に請求することができ、もしも理事会がこれに応じない時は、当該株主は裁判所の許
可を得て総会を直接招集することができる。監事又は監査委員会も臨時総会の招集を理事会に請求することがで
き、もしも理事会がこれに応じない時は、裁判所の許可を得て総会を直接招集することができる。
株主は、直接株主総会に出席して議決権を行使し、また代理人にその議決権を行使させることができる。議決
権は、原則として1株につき1票である。しかし、会社が議決権のないもしくは議決権が制限された種類株式を
発行する場合は、議決権のない株式に関する規定及び適用ある場合は議決権の限定もしくは制限に従う種類株式
に関する議決権の行使に関する具体的な規定、並びに議決権の回復が認められる場合適用される条件を定款に記
載する必要がある。会社が自己の株式を有する場合、その他一定の例外的な株式には、議決権が認められない。
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理事、理事会及び監事又は監査委員会
理事は、株主総会で選任し、選任される理事は最低3人以上でなければならない。ただし、資本の総額が10億
ウォンに満たない会社の場合、理事の人数は1人以上とすることもできる。理事会は、会社の業務執行に関する
意思決定のために理事全員で構成される株式会社の必須的常設機関である。理事会の決議は、理事の過半数の出
席と出席理事の過半数により行わなければならないが、定款でこの比率を高めることができる。定款により株主
総会で代表理事を選任する旨を定める場合を除き、理事会の決議により理事の中から代表理事を選任しなければ
ならない。なお、理事会は、定款の関連規定に従い、委員会を設置することができ、一定の事項を除いては理事
会の権限を委員会に委任することができる。
会社の業務監査のために、監事又は監査委員会を置かなければならない。しかし、資産総額が2兆ウォン以上
である上場会社(「大会社」)は、監査委員会を置かなければならない。監事は株主総会で選任される。監事の
選任においては、特別関係者とあわせて、議決権のない株式を除いた発行済株式の総数の100分の3を超える数
の株式を有する上場会社の大株主は、その超過する株式については、監事の選任にあたり議決権を行使すること
ができない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
当社の会社制度は(既に法律により規定されていることに加えて)、 2020 年3月 30 日付けで最終改正された当
社の定款によっても規定されている。当社定款の一部規定の抜粋を下記に示す。
株式
当社の授権株式数は、10億株である。株式は記名式普通株式又は記名式優先株式とし、 各 株式1株の金額は
5,000ウォンとする。優先株式は議決権がなく、従って優先株式の株主は普通株式の株主に優先した配当を受領
する権利がある。当社の株式についての詳細は、下記「(3)提出会社の株式に関する情報」を参照のこと。
株主総会
定時株主総会は、毎決算期終了後3か月以内に開催し、株主は、代理人にその議決権を行使させることができ
る。株主総会の決議は、 韓国の 法令又は定款に別段の規定がある場合を除いて、出席した株主の議決権の過半数
により行うが、発行済株式総数の4分の1以上の数でなければならない。
当社の事業年度は、毎年1月1日から12月31日までである。毎決算期後に財務書類を理事会及び定時株主総会
に提出しなければならない。定時株主総会から承認を得たときには遅滞なく貸借対照表及びそれについての独立
監査人による監査報告書を公告しなければならない。
理事、理事会及び監事又は監査委員会
当社の理事会は当社の経営について最終的な責任を負う。当社の定款によれば、当社の理事会は、
・ 代表理事 を含め3名以内の社内理事、及び
・ 8名以内の社外理事
から構成される。
すべての理事が株主総会で選任される。大会社の場合(当社は大会社に該当する。)、商法に基づきかかる大
会社は最低3名の社外理事を置き、また理事総数の過半数は社外理事であることを求められている。従って、当
社の定款は3名以内の社内理事及び8名以内の社外理事をもって理事会を構成するよう定める。 当社の定款に基
づき、社内理事の任期は3年以内である。2020年3月の当社定款の改正により、社外理事の任期は10年以内から
6年以内に変更されたが、この変更は韓国商法施行令の改正を反映するために行われた。しかし社内理事及び社
外理事共に、その 任期の最終年度に関しては定時株主総会の終了まで延長される。 ある理事につきその任期が満
了せず定時株主総会の終了前に終了し、新理事が後任として指名された場合、かかる代替新理事の任期は前任者
の満了しなかった残りの任期に一致する。
商法の下で、当社のような大会社は、理事会の中に社外理事候補を推薦する委員会(「社外理事推薦委員
会」)を設置しなければならず、また社外理事が社外理事推薦委員会の構成員の過半数を占めなければならな
い。
当社の定款によれば、社外理事推薦委員会は社内理事1名及び社外理事全員で構成される。 ただし、任期満了
による社外理事の選任を除き、この場合その任期が満了する当該社外理事は社外理事推薦委員会のメンバーにな
ることができない。 当社の社外理事推薦委員会は社外理事候補を株主総会に推薦する。
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社外理事はその3分の1ずつ、定められた年に選任されなければならない。いずれかの理事の要求あるときは
(理事会が特定の理事のみにかかる要求を行う権限を別途与えない限りにおいて) 、理事会の会合が招集され
る。理事会議長は理事会の決議により社外理事の中から選任される。議長の任期は1年である。
2020年3月、当社の定款は「代表理事会長(会長)」の役職名を「代表理事」へと改定する改正が行われた。
当社の 「代表理事」 は当社の事業に関するすべての裁判上及び裁判外の行動をする権限が与えられている。 代表
理事 の候補者はかかる目的のために組織される委員会(「 代表理事 推薦委員会」)により推薦される。 代表理事
推薦委員会は、
・ 社外理事全員、及び
・ 候補者でない社内理事1名
から構成される。
当社定款にもとづき、 理事会 は、当社の経営目標を記載した、当社と 代表理事 候補との間の経営契約の草案を
候補者推薦時の株主総会に提出しなければならない。経営契約案が株主総会で承認された場合、当社はかかる経
営契約を 代表理事 候補者と締結する。この場合、 理事会議長 は、当社 を代理 して経営契約に署名する。 2020年3
月、当社定款は、経営目標は中長期の経営計画に基づくのではなく、代表理事の任期中に達成されうる目標に基
づき設定されるよう改定された。
理事会は新 代表理事 が上記の経営契約に基づく職務を遂行しているかを決定するため業績検討協議を行うこと
ができ、またかかる目的で専門的な評価機関を雇うことができる。
代表理事の 業績検討の結果、経営目標に対して、 代表理事の遂行結果が不十分であると 理事会が判断した場
合、理事会は株主総会において 代表理事 解任の提案を行うことができる。
当社の定款は当社が社内理事を含み執行役員を置くことが出来る旨を規定している。当社の執行役員は、副社
長、専務、常務及び常務補により構成される。社内理事以外の執行役員は 代表理事 により選任され、3年の任期
である。
商法にもとづき、社内の常勤監事を任命する代わりに、大会社は理事会の中に3名以上の理事(そのうち3分
の2以上は社外理事とする。)より構成される監査委員会を設置しなければならない。当社の総資産は2002年12
月31日現在2兆ウォンを超過していたため、当社は2003年3月14日に監査委員会を設置した。
当社定款は監査委員会を3名以上の社外理事で構成 し、社外理事は監査委員会の少なくとも3分の2を占める
旨を定める。定款のもとでは、監査委員会の職務は当社の業務事項及び会計の検討である。
理事は利害のある提案、取決め又は契約について議決権行使を禁止されている。理事の報酬は、理事会が決定
し、報酬委員会(社外理事4名で構成される。)により検討される報酬の基準及び方法に基づき決定され、定款
に従い理事会で承認される。株主総会で任命される理事は、従業員福利基金の受益者又は参加者であってはなら
ず、これには借入も含む。理事の退任若しくは継続に関する明白な年齢制限は存在しない。理事の資格を決定す
る目的で、株式の数は要求されない。
(3)【提出会社の株式に関する情報】
概要
現在、当社の授権資本株式数は10億株で、これは1株5,000ウォンの額面普通株式(「普通株式」)及び1株
5,000ウォンの無議決権優先株式(「無議決権株式」)から成る。普通株式、無議決権株式は共に、「株式」と
総称する。当社の定款に基づき、当社は無議決権株式を発行することができ、現在、当社の発行済資本株式総数
の4分の1までとなっている。201 9 年12月31日現在、261,111,808株の普通株式が発行されており、このうち
15,870,258 株(個別ベース)が自己株式ファンド又は自己株式として当社により保有されている。当社は無議決
権株式を発行したことはない。発行済普通株式は、全額払込済みで、記名式である。
配当金
当社は当社の株主に対して、その所有株式の割合に応じて配当金を分配している。当社が保有する株式及び自
己株式ファンドに関しては配当が分配されない。ADSで表章される普通株式は、他の普通株式と同様に配当金に
対する権利を有する。
無議決権株式の株主は、その発行の際に理事会にて決定されたとおり、普通株式の株主に優先して、無議決権
株式の額面の9%以上の配当金を受領する権利を有する。ただし、普通株式の配当金が無議決権株式の配当金を
超過する場合、無議決権株式は普通株式と同じ割合でかかる超過配当分配に参加できる。配当金に利用できる金
額がかかる配当金の最低金額を下回る場合には、無議決権株式の株主は翌事業年度に支払われる配当から普通株
式の株主に先立ちかかる未払い配当受けることができる。
当社は、事業年度末から3か月以内に開催される定時株主総会にて毎年、配当金についての宣言を行う。当社
は前事業年度末時点で登録されている株主に対して定時株主総会終了後速やかに1年分の配当金を支払う。当社
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は年間配当を現金又は株式にて分配することができる。ただし株式による配当は額面価格でなされなければなら
ない。株式の市場価格がその額面価格を割込む場合には、株式による配当は年間配当の2分の1を超えてはなら
な い。当社の定款によれば、当社は、理事会決議により、各事業年度の6月30日現在の株主名簿に記載されてい
る株主又は登録質権者に中間配当を現金で支払うことができる。当社は、支払期日から5年間請求されていない
年間配当金については支払う義務はない。
商法に基づき、当社は(1)当社の表示資本 及び (2)当該配当期間末までに累積した資本剰余金と利益剰余金
の合計額(「法定準備金」)の合計を超過する、当社の個別ベースの純資産の超過分からのみ配当を行うことが
できる。さらに、当社は配当金の現金部分の少なくとも10%に相当する額を利益剰余金として積み立て、また当
社表示資本の2分の1以上の利益剰余金が累積しない限り、配当を支払わない。当社は法定準備金を現金配当に
利用してはならないが、それらを資本へ組入れるか、欠損の補填に利用することはできる。
無償交付
剰余金又は当期利益からの株式についての配当金支払いに加え、当社は法定準備金から表示資本金に繰入れた
金額を株式の無償交付の方式により、当社株主に分配することができる。当社はかかる無償交付を全ての株主に
対してその株式持分に比例して分配しなくてはならない。
新株引受権及び追加株式の発行
当社は授権されているが未発行の株式を随時、商法に別段の定めがない限り、当社の理事会が決定する条件に
基づいて発行することができる。下記「株式保有に関する制限」に記載される制限に従い、当社の全株主は一般
にその株式持分の割合に応じて新しく発行された株式の引受けを行う権利を有する。当社は新株引受権を有し、
関連する基準日時点で株主名簿に記載されている全ての株主に対して同一の条件に基づき新株式を発行しなくて
はならない。商法に基づき、当社は、株主の同意なく各種の株式について付されるこれら新株引受権の条件を変
更することができる。当社は関連する基準日の遅くとも2週間前に新株式に関する新株引受権及びその譲渡性に
ついて新株引受権を行使する資格のある者全員に対して通知を行わなければならない。当社の理事会は新株引受
権が行使されていない株式の分配方法又は端株が生じる場合について決定することができる。
商法においては、新株式、転換社債又は新株引受権付社債は、経営上の目標を達成する目的でのみ既存株主以
外に発行されることが要求されている。
当社の定款に基づき、当社は理事会決議に従い、既存株主である者以外で、本条件において新株引受権を有す
ることのない者に対し、新株式を発行することができる。ただし新株式が以下のとおりであることを条件とす
る。
・ 金融投資業及び資本市場に関する法律第4条及び第119条に従い公募される場合、
・ 金融投資業及び資本市場に関する法律第165-7条に従い、従業員持株会の会員に対して発行される場合、
・ 預託証書で表章される場合、
・ 当社の役員及び社員に付与されたストック・オプションの行使により発行される場合、
・ 金融投資業及び資本市場に関する法律第165-6条に従い募集により一般投資家に対して発行される場合
で、その金額が発行済株式の10%以下である場合、
・ 戦略的提携、外資又は新技術の導入、金融構造の改善又はその他資金調達需要等の特定の需要を満たすた
め発行される場合、又は
・ 緊急事態で資金調達のために必要な際、国内又は海外の金融機関に発行される場合。
さらに、当社は既存株主以外の者に対して、上記の場合、2兆ウォンの元本総額を上限として転換社債又は新
株引受権付社債を発行することができる。
従業員持株会の会員は、当社の株主であると否とを問わず、通常、金融投資業及び資本市場に関する法律に
従って公募された株式のうち20%までを引受ける新株引受権を有している。この権利は、当社の従業員持株会の
会員が前述のとおり取得又は保有している株式の合計数が、その時点で発行済株式の合計数(かかる合計には以
下の(ⅰ)と(ⅱ)を含む:(ⅰ)新株引受権が行使される時の発行済株式総数、及び(ⅱ)かかる新株引受権
が行使されるのに関連し適用ある株式発行取引において新たに発行される全株式)の20%を超えない場合に限
り、行使することができる。201 9 年12月31日現在、発行済株式の 0.4 %が当社の従業員持株会会員により保有さ
れていた。
株式保有に関する制限
電気通信事業法は外国人株主による当社の持分の合計を議決権付発行済株式(預託証券及びその他特定の株式
持分などの、議決権のある株式同等の証券を含む。)の49%に制限する。上記の目的では、ある株主が(1)外国
人である、(2)外国政府である、又は(3)筆頭株主が外国人(その「特別関係人」( 金融投資業及び資本市場に関
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する法律に基づき決定される。 )を含む。)又は外国政府であ る会社で 、 (ⅰ) かかる外国人又は外国政府が合
計で当該会社の議決権付株式総数の15%以上を保有し、かつかかる外国人又は外国政府が筆頭株主である場合、
及 び(ⅱ)当該会社が当社の議決権付発行済株式の1.0%以上を保有する場合、 かかる株主は「外国人株主」で
ある。 疑義を避けるために、上記(3)中の(ⅰ)及び(ⅱ)の両条件は、かかる会社を電気通信事業法の下での
外国人株主の49.0%保有の基準の目的で「外国人株主」として数えるためにある。 さらに、電気通信事業法は、
外国人株主が当社の議決権付株式の5.0%以上を所有する場合、当社の筆頭株主になることを禁止する。この制
限の目的において、議決権行使につき協力する契約を締結した2名以上の外国人又は外国政府を合計で数え、当
社の議決権付株式の5%以上を合わせて所有する場合、当社の筆頭株主になることを禁止する。 外国投資促進法
に基づくこの制限の目的で、「外国人株主」は、上記の電気通信事業法に基づく外国人株主の制限に関する上記
の方法と同じ方法で定義されている。しかし、外国投資促進法の制限の下では当社普通株式の1.0%未満を所有
する会社について例外はない(本段落上記(3)(ⅱ)を参照のこと。) 上記の制限を超えて当社株式を取得した外
国人は、かかる制限を超える株式につき議決権を行使できず、MSITは保有制限に従うよう是正措置を求めること
ができる。
株主総会
当社は、各事業年度末日から3か月以内に定時株主総会を開催する。理事会決議又は裁判所の承認を得て、以
下の場合に当社は臨時株主総会を開催することができる。
・ 必要に応じて、
・ 発行済普通株式の3%以上にあたる株主から請求がある場合、
・ 発行済株式の1.5%にあたる株式を少なくとも6か月間有する株主から請求がある場合、又は
・ 当社の監査委員会から請求がある場合。
当社は、株主総会の少なくとも2週間前までに総会の日付、場所及び議題を記載した書面による通知を株主に
対して行わなければならない。しかし、発行済普通株式の合計数1%未満を所有する株主に対しては、遅くとも
総会の2週間前までに最低2紙の日刊新聞に少なくとも2回の公告掲載をもって代えることができる。現在、当
社は、この目的でソウルにおいて発行されるソウル新聞、毎日経済新聞及び韓国経済新聞に掲載している。基準
日の時点で株主名簿に記載されていない株主は、株主総会招集通知を受領し、総会に出席又は議決権を行使する
権利を付されていない。無議決権株式の株主は、株主総会招集通知を受領する権利を有さないが、かかる総会に
出席することはできる。
当社株主総会はソウル市にある当社の事務所で開催され、また必要ある場合他の場所でも開催することができ
る。
議決権
普通株式の株主は各普通株式につき1票の議決権を付与されているが、当社又は当社が直接又は間接的に10%
以上を保有している法人株主が保有する普通株式についての議決権は行使することができない。商法により累積
投票が認められているが、この投票方法により各株主は、選任されるべき理事の人数と同じ数の複数の議決権を
有することになり、理事1名を選任するために累積的に議決権を行使することができる。当社の定款は、株主総
会において累積投票を認めている。商法のもとでは、発行済株式総数の100分の1以上に相当する株式を所有す
る株主は、理事を累積投票の方法で選任することを当社に申込むことができる。
当社の株主は、総会において出席又は代理された議決権付株式の過半数の賛成票により、株主総会にて決議を
採択することができるが、この場合、賛成票がその時点で発行済議決権付株式合計の少なくとも4分の1を表章
しているものとする。しかし、商法に基づき、下記の事項については総会に出席又は代理される議決権付株式の
少なくとも3分の2の株主の承認が必要であり、この場合、賛成票はその時点で当社の発行済議決権付株式合計
の少なくとも3分の1を表章しているものとする。
・ 当社の定款の修正、
・ 理事の解任、
・ 減資、
・ 当社の解散、合併又は統合、
・ 当社の事業の全て又は重要な部分の譲渡、
・ 他社の全事業の取得、もしくは当社の事業に大きく影響を与える他社事業の一部取得、又は
・ 額面価格を下回る価格での新株式の発行。
通常、無議決権株式の株主は、いかなる決議についての議決権も株主総会招集通知を受領する権利も有してい
ない。しかしながら、当社定款の修正、当社の合併もしくは統合、又は無議決権株式の権利もしくは利益に影響
するその他の場合には、無議決権株式の株主の承認が必要となる。無議決権株式の株主の種類株主総会において
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少なくとも3分の2の無議決権株式の出席又は株券の呈示により株主決議を得ることができ、この場合、発行済
無議決権株式合計の少なくとも3分の1にあたる賛成が必要である。
株主は代理人を通じてその議決権を行使することができる。代理人は株主総会開会前に適切な委任を証明する
書類を呈示しなければならない。さらに、株主は署名済みの書込み投票用紙を提出することにより、欠席でもそ
の議決権を行使できる。株主が書込み投票ベースで投票を進めるために、当社は株主宛てに配布される株主総会
の招集通知に、適切な書込み投票用紙及び関連する参考資料を添付する必要がある。書込み投票ベースで投票を
行いたい当社株主は、当該株主総会開催日の1日前までに記入し、署名した書込み投票用紙を当社宛てに提出し
なければならない。
米国預託証券(「ADR」)の所持人はADR預託機関を通じてのみその議決権を行使することができるが、ADR預
託機関の代理人は、基礎となる普通株式の登録所持人である。預託契約の定めに従い、ADRの所持人は、ADR預託
機関に対してそのADSの裏付けとなる普通株式をどのように投票するか指示する権利を与えられている。
反対株主の株式買取請求権
当社の事業の全て又は重要な部分の譲渡及び他の会社との合併又は統合を含むいくつかの限定された状況にお
いて、反対株主は当社に対してその株式の買取りを要求することができる。この権利を行使するには、株主は株
主総会前に異議ある旨の書面による通知を提出しなければならない。総会における関連決議から20日以内に、反
対株主は書面にてその株式を買い取るよう当社に請求しなければならない。20日間の期限終了後1か月以内に、
当社は反対株主の株式を買い取る義務を負う。株式の買取価格は反対株主と当社の間の交渉により決定される。
当社が交渉による価格に同意できない場合、買取価格は、(1)関連する理事会決議採択の日より前2か月間の
韓国取引所有価証券(KOSPI)市場における毎日の株価の加重平均、(2)関連する理事会決議採択の日より前1
か月間の韓国取引所有価証券市場における毎日の株価の加重平均、及び(3)関連する理事会決議採択の日より
前1週間の韓国取引所有価証券市場における毎日の株価の加重平均、の平均価格とする。ただし、当社又はいず
れかの反対株主が上記の方法で計算された買取価格を承諾しない場合、反対当事者は裁判所に買取価格の決定を
請求することができる。ADSの所持人は、裏付けとなる普通株式を引出し、当社の直接の株主とならない限り、
株式買取請求権を行使することはできない。
株主名簿及び基準日
当社の 口座管理機関 である、国民銀行は韓国ソウル市 の事務所 に当社株主 の電子的 名簿を保有する。当社の 口
座管理機関 は、「韓国株式、債券等の電子的登録に関する法(「電子的登録法」)」に基づく係る譲渡の電子的
登録によってのみ、 電子的 株主名簿上の株式 の 譲渡を有効にする。
年次配当の基準日は、12月31日である。当社の定款によると年次配当の資格を有する株主を特定するため、株
主名簿は基準日の翌日から翌年の1月31日まで閉鎖される。さらに株式に付随するその他の権利に対する資格を
有する株主を特定するため、当社は、少なくとも2週間前の公告をもって、基準日を設定し、最長3か月株主名
簿を閉鎖することができる。株式取引及び株券の交付は株主名簿が閉鎖されている間も継続して行うことができ
る。
年次報告書
定時株主総会の少なくとも1週間前までに、当社はその営業報告書及び監査済連結財務報告書を作成し、当社
の主たる事務所及び全ての支店にて縦覧に供さなければならない。加えて、営業報告書、監査済連結財務報告書
及び株主総会にて採択された決議の写しは、当社の株主の縦覧に供される。
金融投資業及び資本市場に関する法律に基づき、当社は金融委員会(「FSC」)及び韓国取引所有価証券市場
に対し(1)当社事業年度終了後90日以内に年次有価証券報告書、及び(2)各事業年度の期初から3か月、6か
月及び9か月終了後45暦日以内に各期間についての四半期報告書を提出しなければならない。これらの報告書の
写しは、金融委員会及び韓国取引所有価証券市場において公の縦覧に供される。
株式譲渡
電子的登録法 のもと、株式の譲渡は、電子的登録法に基づく 電子的株主名簿上の 係る譲渡の電子的登録によっ
てのみ、効力を生ずる。同法に基づき、株式及び債券並びにそれらの譲渡は電子的登録が要求される。当社に対
する株主の権利を主張するため、譲受人は当社 の電子的 株主名簿にその氏名及び住所を登録されねばならない。
この目的のため、株主は 口座間の譲渡の電子的登録を申請する ことが求められる。上記の要件はADSの所持人に
は適用されない。
現在の韓国の規制においては、韓国の証券会社及び銀行(免許を与えられている韓国以外の証券会社及び銀行
の各支店を含む。)、投資運用会社、先物取引会社、国際的に認知されている外国のカストディアン並びに韓国
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預託決済院は、代理人として行為し、外国株主に対して関連サービスを提供することができる。一定の外国為替
管理及び証券に関する規制は、非居住者又は韓国人以外の者による株式の譲渡に適用される。下記「2 外国為
替 管理制度」を参照。
当社の 口座管理機関 は、 韓国 永登浦区国際金融路8-gil、26に所在する国民銀行である。
当社による株式の取得
商法のもと、当社は以下の方法により、自己株式を取得することができる:(ⅰ)韓国取引所(KRX)有価証券
(KOSPI)市場での購入、又は(ⅱ)各株主が保有する株式数に従い、比例計算による株主からの購入。株式の買
取価格の総額は、前事業年度末の配当可能利益の総額を超えないものとする。さらに、当社は株式買取請求権を
行使する反対株主から自己株式を取得しなければならない。
金融投資業及び資本市場に関する法律に基づき、当社は、(ⅰ)韓国取引所有価証券市場での購入、(ⅱ)各
株主が保有する株式数に従い、比例計算による株主からの購入、又は(ⅲ)上記いずれかの方法により株式を取
得した受託会社との信託契約の解除又は終了により当社に戻される株式の受領 、 によってのみ、当社株式を取得
することができる。株式の買取価格の総額は、前事業年度末の配当可能利益の総額を超えないものとする。
一般的に、当社が50%以上の株式持分を有する企業は当社の株式を取得することができない。
20 19 年12月31日現在、当社は自己株式として 15,870,258 株(個別ベース)を保有していた(自己株式ファンド
による所有分を含む。)。
清算における権利
当社清算の場合には、債務、清算費用及び税金の全てを支払った後に、当社残余資産は、株主に対してその株
式保有の割合に応じて分配される。無議決権株式の株主は、清算において優先権を有しない。
2【外国為替管理制度】
概要
外国為替取引法及び大統領令並びにこれらに基づき公布された関連規則(以下「外国為替取引法」と総称する。)
は、非居住者による韓国の有価証券に対する投資及び韓国の会社による韓国国外における有価証券の発行について規
制している。外国為替取引法のもとにおいて、非居住者は、かかる法律の条項に従いかつ当該法律によって特に認め
られる場合、又はその他企画財政部(「MOEF」)によって許可された場合に限り、韓国の有価証券に投資することが
できる。金融委員会もまた、金融投資業及び資本市場に関する法律に基づくその権限に従い、非居住者による韓国の
有価証券に対する投資を規制し、また韓国の会社による韓国国外における有価証券の発行を制限する規則を採択して
いる。
外国為替取引法により、自然災害、戦争又は突然かつ激烈な国内外の経済的変化の発生(ただしこれらに限られな
い。)などの緊急事態が発生することが見込まれると政府がみなした場合には、MOEFは外国為替取引法が適用される
取引を一時的に停止し、又は特定の韓国政府機関又は金融機関に資金を預託もしくは売却する義務を負わせることが
できる。さらに金融政策、為替政策及びその他マクロ経済政策を遂行するのに深刻な障害をもたらす韓国と諸外国間
の資本移動の重大な困難に直面している、もしくはその可能性が高いと考える場合、MOEFは取引を行う者はかかる資
金を特定の韓国政府機関もしくは金融機関に預託するよう求める措置を取ることができる。
ADS発行に関する政府の審査
当社がADSにより表章される株式を発行する場合には、事前報告書の提出日の前1年間に発行された外貨建ての証
券及び借入金の総額が3,000万米ドルを超過する場合、当社は発行に関する事前報告書を MOEF に提出することを要求
される。上記の他、ADSの当初発行及び募集について、韓国政府の承認は必要ない。
韓国の現行の法令の下では、預託の請求がなされた原株式の数が(1)ADSの発行のために当社により、もしくは当社
の同意を得て預託された原株式(ADSの当初及びその後の全てのオファリング並びにADSにかかる株式配当その他の分
配に関して預託された原株式を含む。)の総数と(2)上記請求にかかる預託の時に預託機関に預託されている原株式
の数との差を上回る場合には、預託機関は当社の事前の承認を得なければならない。当社の承諾が必要とされる場
合、当社はかかる承諾を行うことについて何らの保証もできない。従って、原株式を引き出すためにADRを提出した
ADRの所持人は、後からかかる株式を預託してADRを取得することが認められない場合がある。
大量保有者の報告義務
株式(株式又はADS、株式引受権を表章する証券及び転換社債・新株引受権付社債を含むエクイティ関連債務証券
等のいずれであるかを問わない。以下「エクイティ証券」という。)の直接又は実質所有割合(一定の利害関係者又
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は提携先が保有するエクイティ証券を含む。)が、発行済エクイティ証券の総額の5%を超過した者は、所有割合が
5%に達してから5営業日以内に所有状況を金融委員会及び韓国取引所有価証券市場に報告しなければならない。さ
ら に、当初の報告後、所有割合が発行済エクイティ証券の総額の1%以上変動した場合は、かかる変動の日から5営
業日以内に所有状況を金融委員会及び韓国取引所有価証券市場に報告しなければならない。かかる株式持分の取得が
投資目的の取得とは対照的に、当社の経営に影響力を行使する目的である場合、5%報告に記載するよう求められる
情報が異なる可能性がある。上記の要件に従い、発行済エクイティ証券総額の5.0%以上の保有を報告する者、及び
発行済エクイティ証券総額の1.0%以上の所有割合の変動を報告する者は、かかる報告の写しを当社にも提出しなけ
ればならない。
上記の報告義務の違反については、罰金・禁固等の刑事罰が課せられ、5%を超過する未報告のエクイティ証券の
持分について議決権が停止する。さらに、金融委員会は、報告のないエクイティ証券について処分命令を行うことが
できる。
ADSに適用される制限
韓国外の流通市場におけるADSの売買又はADSの原株の引出し及び韓国内における引出しにかかる株式の交付につい
ては韓国政府の承認はいらない。ただし、株式を取得しようとする外国人は後述のとおり、投資登録証を金融監督院
から取得しなければならない。外国人による株式の取得は一般的に、当該外国人又はその韓国における常任代理人か
ら直ちに金融監督院長に報告されなければならない。ただし、ADS(又はその他預託証書)の所有者としてその権利
行使を通じて外国人が株式を取得する場合、当該外国人は、かかる金融監督院長への報告の届出を韓国預託決済院を
通じて行わなければならない。
ADS の原株引出しにより株式を取得した者は、さらに政府の承認を受けることなく、新株引受権を行使し、無償交
付に参加しまた配当を受領することができる。
株式に適用される制限
1992年1月からの株式市場の開放に関連して採用された外国為替取引法及び金融委員会規則(併せて「投資規則」
という。)の改正の結果、外国人は、個別の法律により禁止されている場合を除き、ごく限られた例外と手続の遵守
を条件として、韓国取引所有価証券市場又は韓国取引所KOSDAQ市場に上場されているか否かを問わず、全ての韓国企
業の株式に投資することができる。外国人投資家は、限定的な状況(下記を含むがこれらに限定されない。)を除
き、韓国取引所有価証券市場又は韓国取引所KOSDAQ市場に上場されている株式を、韓国取引所有価証券市場又は韓国
取引所KOSDAQ市場を通じてのみ売買することができる。
・ 端株の売買
・ ワラントの行使、転換社債の転換又は韓国国外で韓国企業により発行された預託証券の原株引出しによる株式
(「転換済株式」)の取得
・ 相続、寄付、遺贈又は新株引受、無償交付又は配当受領などの株主権の行使の結果としての株式の取得
・ 下記に説明される外国人による株式取得規制の上限枠に達し、又は超過した種類株式の外国人による店頭売買
・ 外国投資促進法に定義される外国直接投資により取得する株式
・ 反対株主の株式買取請求権の行使に従った株式の処分
・ 公開買付けに関連する株式の処分
・ 預託証券の発行に関連する外国預託機関による株式の取得
・ かかる株式が韓国取引所有価証券 (KRX KOSPI) 市場又は韓国取引所KOSDAQ (KRX KOSDAQ) 市場及び外国証券
取引所に同時に上場されている場合、かかる外国証券取引所を通じての株式の取得及び処分
・ 代替取引システム(ATS)を通じた株式の取得及び処分
・ 外国人間の独立当事者間の取引、ただし、かかる外国人が全員、同一人に経営される1つの投資グループに属
する場合に限る。
韓国取引所有価証券市場又は韓国取引所KOSDAQ市場外における外国人の間でなされる株式の店頭売買で、外国人に
よる所有制限枠に達し、又は超過した株式については、韓国で免許を持つ投資ブローカーが仲介業者として関与しな
ければならない。韓国取引所有価証券市場又はKOSDAQ市場外における端株の取引は、韓国で免許を有する投資トレー
ダーを相手方としなければならない。外国人投資家は、外国人所有制限のある株式について証券会社から株式を借り
て裁定取引を行うことはできない。
投資規則により、韓国取引所有価証券市場又は韓国取引所KOSDAQ市場における株式(転換済株式を含む。)への投
資を行おうとする外国人投資家は、金融監督院に事前に身元を登録する必要がある。ただし、転換済株式を取得の日
から3か月以内に売却する目的で取得する外国人投資家又は株式の取得又は処分が外国投資促進法に定義される外国
直接投資である店頭取引で株式を取得もしくは処分する外国投資家には、登録義務がない。登録により、金融監督院
は、外国人投資家に投資登録証を発行し、外国人投資家は、金融投資事業会社に取引口座を開設するごとに投資登録
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証を提示しなければならない。投資登録証の取得資格を有する外国人投資家には、外国に6か月以上居住している外
国籍の個人、外国政府、外国地方当局、外国公共事業体、外国法に基づき設立された会社、金融投資業及び資本市場
に 関する法律に基づき定義される国際機関、基金及び団体が含まれる。外国企業の韓国内の営業所は、一体として、
当該企業の韓国国外の営業所と別個の法人として取り扱われる。しかしながら、外国企業又は預託証券を発行してい
る預託機関(銀行)は、関連規則において定められる一定の状況において、複数の投資登録証を自らの名義で取得する
ことができる。
韓国取引所有価証券市場又は韓国取引所KOSDAQ市場を通した株式の外国人投資家による購入に際しては、投資登録
証制度によりコンピュータによる外国投資の管理及び監督が行われるため、投資家による別途報告は要求されない。
しかしながら、外国人投資家による韓国取引所有価証券市場もしくは韓国取引所KOSDAQ市場外における株式の売買
は、当該外国人投資家又はその常任代理人から各売買の時点で金融監督院長に報告されなければならない。ただし、
ADS(又はその他預託証書)の所有者としてその権利行使を通じて外国人が株式を取得する場合、当該外国人は、か
かる金融監督院長への報告の届出を韓国預託決済院を通じて行わなければならない。またさらに、外国人投資家は、
公開買付、端株の売買又は外国人による所有制限枠に達し又は超過した種類株式の売買等の場合における韓国取引所
有価証券市場もしくは韓国取引所KOSDAQ市場外での株式の取得又は売却を、かかる取引の執行に従事した投資トレー
ダー、投資ブローカー、韓国証券預託決済院又は金融証券会社が金融監督院長に対して報告するように万全をつくさ
なければならない。外国人投資家は、金融投資業及び資本市場に関する法律に基づく要件をすべて満足する、一人又
は数人の常任代理人を韓国証券預託決済院、外国銀行の韓国支店を含む外国為替公認銀行、投資トレーダー、投資ブ
ローカー、 韓国預託決済院、金融保証会社 及び国際的に認知されたカストディアンの中から選任することができる。
韓国企業の株式を証する株券は、韓国の資格あるカストディアンに保護預かりとしなければならない。金融投資業
及び資本市場に関する法律に基づく関連要件を満足する、韓国預託決済院、外国銀行の韓国支店を含む外国為替公認
銀行、投資トレーダー、投資ブローカー、共同投資事業会社及び国際的に認知されたカストディアンのみが非居住者
又は外国人投資家の株式に関するカストディアンとなる資格を有する。外国人投資家はそのカストディアンが、韓国
証券預託機関に株式を預託するよう万全を尽くさなければならない。ただし、この預託義務は、その遵守が外国投資
家の母国法に違反する場合など実務上困難である場合には、金融監督院長の承認により外国人投資家について免除さ
れることがある。
投資規則により、一定の例外を除けば、外国人投資家は外国投資枠の制限なく韓国企業の株式を取得することがで
きる。かかる例外の一つとして、指定公開企業は、 自社の 定款により外国人による株式の取得について40%の上限規
制 及び 一人の 外国人投資家 による株式の取得についての上限規制を設けることができる。現在、韓国電力公社がかか
る上限規制を設けている唯一の指定公開企業である。さらに外国人投資家による韓国企業の発行済議決権付株式の
10%以上への投資は外 国投 資促進法により直接外国投資と定義され、一般的に 産業通商資源 部への報告及びその受理
を条件とする。韓国企業のそれぞれの事業を規制する特別法に、外国人株式保有規制が規定されている場合、外国人
投資家による韓国企業の株式の取得はその規制に服する。当社の普通株式を上記の制限を超えて取得した外国人投資
家は、かかる上限を超過した普通株式につき議決権を行使できない。
外国為替取引法により、株式を取得しようとする外国人は、株式投資専用の外貨口座及びウォン口座を開設する外
国為替銀行を指定しなければならない。外貨資金を韓国に送金し外貨口座に預金することについては何らの承認も要
求されていない。外貨資金は、外貨口座から投資ブローカー又は投資トレーダーに開設されたウォン口座に、株式売
買取引の証拠金の支払又は売買代金の決済が要求される時点において振り替えることができる。外貨口座の外貨資金
は政府の承認なく海外送金できる。
株式に関する配当金はウォンで支払われる。韓国内で支払われ、受領されそして保有される株式についての外国人
投資家による配当金又はウォン建ての売却手取金の受領については、なんらの政府の承認も要求されない。韓国の非
居住者が保有する株式についての配当又は売却手取金は、投資家の投資ブローカー又は投資トレーダーのウォン口座
又はその投資家自身のウォン口座に預金されなければならない。投資家のウォン口座の資金はその投資家の外貨口座
に振込むか又は韓国における生活費として一定の 制限まで 引き出すことができる。ウォン口座の資金は将来の株式投
資又は新株引受権の行使により取得した新株の払込金に使用することもできる。
投資ブローカー 及び 投資トレーダーは外国人投資家の韓国における株式投資のため専用の外貨口座を外国為替銀行
に開設することが認められている。かかる口座を通して、投資ブローカー 及び 投資トレーダーは、外国人投資家の相
手方又は代理として外貨資金とウォン資金の転換などの外国為替取引を限定された範囲内において、外国人投資家が
彼自身の口座を外国為替銀行に開設する必要なく、行うことができる。
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3【課税上の取扱い】
下記のコメントは、本書の日付現在有効な韓国又はアメリカ合衆国の税法以外のいかなる法律の説明も意図するも
のではない。
(1)【韓国の税制】
(イ)株式又はADS
以下の韓国の租税上の考察事項概要は、次に該当しない投資家に適用される。
・ 韓国の居住者
・ 韓国法に基づき設立された企業
・ 恒久的施設又は固定拠点を通じて韓国で取引又は事業に携わる者
普通株式又はADSの配当
適用ある租税条約が別途定める場合を除き、 当社は投資家に支払われる 現金又は株式による 配当から22.0%
(地方所得税を含む。)の韓国の源泉徴収税を控除する。投資家が韓国と租税条約を締結している国の居住者で
ある場合、かかる条約に基づき韓国源泉徴収税 の軽減税 率の対象となり得る。例えば、投資家が日本、韓国間の
租税条約の 目的で適格な 日本居住者 であり、配当の受益所有者である 場合は、 株式所有数に応じて15%又は5%
の 軽減 源泉徴収税率(地方 所得 税を含む。) が適用される 。投資家が配当につき実質所有者でない場合は、租税
条約の恩恵につき請求する資格はない。
租税条約に基づく軽減源泉徴収税率の恩恵を受けるためには、配当金支払日より前に軽減税率の権利付与の申
請を当社に提出しなければならない。投資家がADSを保有し、預託機関を通じて配当を受領する場合は、軽減税
率の権利付与の申請を提出する必要がない。資産の買収、処分又はその他投資により投資勧誘を通じて集めた資
金を運用し、そこからの収益を投資家に分配する、韓国以外の法域において設立された組織と定義される海外投
資会社(「OIV」)である場合、OIVの報告書及び実質所有者のリストを軽減税率の権利付与の申請(OIVが各実
質所有者から集める。)とともに当社に提出しなければならない。源泉徴収超過税額は、投資家が後により低い
税率の源泉徴収を受けることができたとの十分な証明を提出した場合、還付される可能性がある。
当社が投資家に対して一定の資本準備金又は資産評価準備金の払込資本への組入れを表章する無償株式を分配
する場合、かかる分配は韓国の課税対象である みなし 配当となり得る。
キャピタルゲイン課税
売却 の年及びそれに先立つ5暦年間に、一定の関係当事者とともに当社の全発行済株式の25%未満を保有し、
かつ韓国取引所有価証券市場を通じて売却を行い、かつ韓国国内に恒久的施設を持たない場合は、普通株式売却
によるキャピタルゲインは 一般に 韓国の租税を免除され得る。韓国の非居住者が、韓国国外でADSの売却により
得たキャピタルゲインは、韓国特別税制管理法(「STTCL」)に基づき、韓国の課税から免除される。ただし、
ADSの発行はSTTCLに基づく海外発行であるとみなされる。
投資家がADS又は引換えの結果取得した普通株式の売却 からの キャピタルゲインへの韓国の課税対象となった
場合、かかる所得は普通株式を表章するADSの買取価格を基に算定されるが、この件に関する特別の韓国の租税
規定もしくは通達は存在しない。キャピタルゲインに対する課税を免除する租税条約の適用が無い場合、かかる
キャピタルゲインに対する韓国の課税額は、総実現手取金の11 .0 %(地方所得税を含む。)又はキャピタルゲイ
ン純額の22.0%(地方所得税を含む。)( ADSの 買取価格及び取引コストを示す十分な証拠の提出を条件とす
る。)のいずれか少ない方の金額となる。
投資家がADS又は引換えの結果取得した普通株式の売却によるキャピタルゲインへの韓国の課税対象であり、
保有する普通株式又はADSを売却する場合、購入者又は(韓国取引所有価証券市場においてもしくは免許を保有
する韓国の証券会社を通じて普通株式を売却する場合は)免許を保有する証券会社は、総実現手取金の11%(地
方所得税を含む。)に相当する金額の韓国の租税を売却価格から控除し、かかる金額を韓国の課税当局に支払わ
なければならない。ただし、かかる投資家が適用ある租税条約に基づく税の免除の権利を証明する場合又は 普通
株式若しくは ADSの買取価格及び取引コストに関する十分な証明を提出する場合はこの限りでない。租税条約に
従って税免除の恩恵を受けるためには、投資家は購入相手又は証券会社に対し ( 又は場合によっては預託機関を
通じて )、最初の 支払前に、居住国の権限ある当局が発行した税務上の居住証明書とともに、免除申請を提出し
なければならない。OIVである場合は、OIVの報告書及び実質所有者のリストを除外の申請(OIVが各実質所有者
から集める。)とともに提出しなければならない。源泉徴収の義務者は、当該所得の最初の支払日の翌月の9日
までに管轄税務署に申請書及び報告書を提出しなければならない。この要求は韓国の税法上の免除には適用され
ない。源泉徴収された超過税額は、投資家が後に低い税率の源泉徴収を受けることができたとの十分な証明を提
出した場合、還付される可能性がある。
韓国が締結した租税条約の大半は、普通株式の売却によるキャピタルゲインに対するキャピタルゲイン税の免
除を規定している。しかし、日本、オーストリア、スペイン、その他のいくつかの国との韓国の租税条約では、
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このようなキャピタルゲインからの免税は規定されていない。例えば、韓国の日本との租税条約第13条は、ある
課税年度の会社の発行済株式総数の25%以上(納税者の関係者が保有する株式を含む。)を所有する納税者が、
同 一の課税年度に同一会社の発行済株式総数の5%以上(納税者の関係者が売却する株式を含む。)を売却する
場合、会社が所在する国においてかかる納税者に対して課税が行われることがある。
相続税及び贈与税
韓国の相続税は、(a)被相続人が死亡の時韓国に居住していた場合又は死亡の直前に183日以上韓国に居住して
いた場合は、被相続人の全財産(その所在地を問わない。)及び(b)死亡時に韓国内にある全財産(被相続人の
居住地を問わない。)に対して課せられる。贈与税は上記類似の状況で課せられる。当該財産の価値が特定の上
限を超える場合、関係者の性質により変わるが、現在の税率は10%から50%の率で課せられる。
韓国の相続・贈与税法の下では、韓国企業が発行した株式はそれが物理的にどこに所在するか、誰に所有され
るかにかかわらず、韓国内に所在するものとみなされる。韓国の相続・贈与税法の目的からは、ADSの所有者で
ある非居住者はADSの原株式の所有者として扱われるか否かは 依然として 不明確である。かかる非居住者が株式
所有者として取扱われた場合、係る非居住者(又は場合により贈与者である非居住者)の相続人又は受贈者は、
上記記載と同率で韓国の相続・贈与税の対象となる。
有価証券取引税
投資家が、韓国取引所有価証券(KRX KOSPI)市場において普通株式を譲渡する場合、税率0.1 0 %の有価証券
取引税及び税率0.15%の農業・漁業特別税の対象とな り、株式売却価格を基準として計算され る。 投資家が普通
株式を譲渡するがその 譲渡が韓国取引所有価証券市場において行われない場合、一般に投資家は 、2020年4月1
日より前の譲渡は税率0.50%、2020年4月1日以降の譲渡は 税率 0.45 %の有価証券取引税の対象とな り、一般に
は 農業・漁業特別税の対象とはならない。
ADSの譲渡に関して、韓国課税当局により2004年に発行された税務決定においては、預託証券(ADS等)は有価
証券取引税の対象となる株券であると思われる。2007年5月、ソウル行政裁判所は預託証券は有価証券取引税の
対象となる株券ではないと決定した。2008年にソウル行政裁判所の決定はソウル高等裁判所により支持され、さ
らに最高裁判所により支持された。しかしながら、この一連の決定の後、 証券取引税法 は、預託証券が有価証券
取引税の対象となる株券の様式を構成すると明白に定める改正がなされた。しかし ニューヨーク証券取引所、ナ
スダック・ナショナル市場又はその他適格な外国証券取引所に上場されている預託証書の譲渡から得るADSの売
却価格は、有価証券取引税を免除される。
( ロ)社債
以下の概要は、本書提出日現在有効な韓国税法以外の法律について説明することを意図したものではない。以
下の韓国の税務上の考慮事項の概要は、次のいずれにも該当しない場合、発行会社の社債の所有者に適用され
る。
・ 韓国の居住者
・ 韓国内に所在する登録本店もしくは主要事務所を有する法人又は韓国で有効な管理が行われている法人
・ 関連所得がそれに帰せられるか又は関連所得がそれに実質的な関連を有する恒久的施設又は固定的施設(以
下「恒久的施設」という。)を通じて韓国国内における取引又は事業に従事している者
韓国の居住者ではない個人又は外国法人(以下「非居住者」という。)に対する課税は、当該非居住者が、韓
国国内に恒久的施設を有している又は取得しているか否かにより異なる。韓国国内に恒久的施設を有さず、また
取得していない非居住者に対する課税については、以下に記載される。韓国国内に恒久的施設を有する非居住者
に対する課税には、別の規則が適用される。
韓国の租税特例制限法(以下「租税特例制限法」という。)では、発行会社が発行し、非居住者が保有する韓
国国外の外貨建社債に係る利息及び一定の手数料に対する所得税及び法人税は免除される。韓国の税当局は、韓
国税法のもとでは、社債の償還に係るプレミアムは、一定の状況下では利息収入とみなされるべきであるとの公
式見解を発表した。
韓国税法のもとでは、韓国国内に恒久的施設を有しない非居住者による別の非居住者に対する外貨建社債の譲
渡(かかる非居住者の韓国国内の恒久的施設に対するものである場合を除く。)による所得は、韓国の課税対象
とはならない。さらに、韓国国外で行われた社債の譲渡により非居住者が得た所得も、かかる社債の発行が租税
特例制限法上の海外発行とみなされる場合には、租税特例制限法に基づき現在は課税対象とならない。
将来の法律の変更により、租税特例制限法に定める免税が廃止された場合は、上記の利息の支払い及び譲渡所
得には、韓国の源泉徴収税が課せられる可能性がある。所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防
止のための日本と韓国との間の条約(以下「日韓租税条約」という。)では、日本の居住者に対して発行会社が
支払う利息及び前述の追加的な支払い(利息収入とみなされる場合)には、10%を上限とする税率で源泉徴収税
が課せられる。 適用される租税条約に基づき利用可能な軽減税率の恩恵を受けるために、非居住者は関連する利
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子の支払を受ける前に、源泉徴収義務のある者に対し、非居住者の居住国の権限のある当局が発行する非居住者
の税務上の居住証明を添えて、軽減税率の申告書(当該申告の内容に変更がない場合には、その後3年以内に再
度 当該申告を行うことを要しない。)を提出しなければならない。
有価証券の譲渡所得に関する免税条件が満たされなかった場合には、韓国の所得税法又は法人税法により、譲
渡価格の11%(地方所得税を含む。)又は譲渡所得の22%(地方所得税を含む。)(取得価額及び取引に係る一
定の直接費用の満足のいく証拠の提出を要する。)のいずれか低い方に相当する金額に対して、所得税又は法人
税が課せられる。また、日韓租税条約によれば、社債の譲渡所得に係る租税は、譲渡人が居住する国においての
み課せられる。
日韓租税条約に基づく免除を受けるためには、非居住者である譲渡人は、譲渡代金の受領前に譲渡人の居住国
の管轄税当局により発行された居住に関する証明書を添付した免税申請書を提出しなければならない。かかる申
請書は、譲渡代金の最初の支払日の翌月の9日までに管轄税務署に提出しなければならない。ただし、かかる証
明は、上記の租税特例制限法を含む韓国税法に基づく免除には適用されない。
相続税は、相続の発生時に被相続人が韓国国内に居住しているか、又は韓国国内に相続財産を有している場合
に課せられる。贈与税は、一般的に贈与時に受贈者が韓国国内に居住している場合、又は贈与により韓国国内に
所在する財産を取得する場合に課せられる。相続税及び贈与税は、相続財産又は贈与財産の価値が一定の上限を
超えている場合に課せられ、その税率は、とりわけ、相続財産又は贈与財産の価値及び当事者に応じて決定され
る。
韓国の相続税及び贈与税を決定する際に、韓国において設立された法人が発行した社債は、その実際の所在地
又は所有者にかかわらず、韓国国内に所在する財産とみなされる。
(2)【合衆国の税制】
以下の検討は、本書日付現在、当社のADS又は普通株式の所有の結果生じる重要な米国連邦所得税について記
載したものである。本検討は、合衆国株主(以下に定義する。)が資本資産として保有するADS又は普通株式の
みを扱う。さらに以下に記載する検討は、(ⅰ)現在の米韓租税条約の目的上、合衆国の居住者である、(ⅱ)
そのADS又は普通株式が、米韓租税条約上、韓国内の恒久施設に実際上関連していない、及び(ⅲ)その他米韓
租税条約の完全な恩恵の資格がある、合衆国株主のみに適用される。
本書で使用する「合衆国株主」は、当社のADS又は普通株式の実質所有者であり、下記のいずれかに該当する
場合である。
・ 合衆国国民又は居住者
・ 合衆国国内の法人
・ かかるADS又は普通株式について純利益ベースで米国連邦所得税の対象となる者
本検討は、本書日付現在の1986年内国歳入法(改正済)(「内国歳入法」)の規定並びにそれに基づく規制、
規則及び裁判所の決定、並びに米韓租税条約に基づいている。これらの根拠は(場合により遡及的に)変更さ
れ、その結果米国連邦所得税の結論は下記の要約とは異なることになる可能性がある。加えて、この検討は預託
機関により当社に対してなされた表明に一部基づき、預託契約及びその他の関連する契約はそれらの条項に従っ
て履行されていることを仮定する。
本検討は、米国連邦所得税に基づく特別取扱いの対象である下記の場合に適用される米国連邦所得税法の結論
の詳細な記述ではない。
・ 証券又は通貨のディーラー、
・ 金融機関、
・ 規制を受ける投資会社、
・ 不動産投資トラスト、
・ 保険会社、
・ 免税団体、
・ ヘッジ目的、統合もしくは交換取引、擬制売却又はストラドル取引の一部としてADS又は普通株式を所持
する者、
・ 取扱いの証券について時価評価の会計方法を選択した証券のトレーダー、
・ 代替ミニマム税の納税義務者、
・ 当社の株式のうち10%以上(議決権又は金額)を所有する、又は所有するとみなされる者、
・ 米国連邦所得税上のパートナーシップ又はその他パススルー主体、又は
・ 機能通貨が米ドルでない者。
パートナーシップ(又は米国連邦所得税上、パートナーシップとして取扱われるその他の事業体)が当社の
ADS又は普通株式を保有する場合、パートナーの課税の取扱いは一般的にパートナーの地位及びパートナーシッ
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プの活動に依拠する。ADS又は普通株式を保有するパートナーシップのパートナーである場合、自身の税務顧問
に相談していただきたい。
本検討は、自身の固有の状況を踏まえて自身に関連する可能性があるすべての米国連邦所得税の結論の詳細な
記述を含まず、純投資収入に対するメディケア拠出税又は州及び地方税又は合衆国以外の税の効果を対象としな
い。当社のADS又は普通株式の購入を考えている者は、普通株式又はADSの購入、所有及び処分につき自身に生じ
る特定の米国連邦所得税の結論、並びにその他の米国連邦税法及び他の課税法域の法律に基づき自身に生じる結
論について、自身の税金に関する顧問に相談していただきたい。
ADS
一般的に、投資家がADSを所有する場合には、投資家は、米国連邦所得税の目的上、これらADSにより表章され
る普通株式の所持人として扱われる。従って、投資家がADSに対する普通株式を預託又は引出すことは米国連邦
所得税の対象とならない。以下の説明について、「普通株式」とは、別段注記されない限り、ADSも含むものと
解される。
配当課税
普通株式(韓国源泉税を反映するために源泉徴収された金額を含む。)に関する現金又は資産の分配の総額
は、米国連邦所得税の課税原則に定めるとおり、当期のもしくは累積の所得又は利益から支払われる限度におい
て、配当として課税される。当社は所得及び利益を米国連邦所得税の課税原則に基づき決定する予定はないの
で、分配は一般的に米国連邦所得税の目的で配当として取り扱われる予定である。
受領する配当金(源泉徴収税を含む。)は、(普通株式の場合)投資家が、又は(ADSの場合)預託機関が、
実際又は解釈上受領した日の通常所得として総所得に含めることができる。かかる配当は米国歳入法に基づき法
人に認められた受取配当金の控除について適格ではない。非法人の合衆国投資家に関して、適格な外国会社から
受領した一定の配当は、優遇税率の適用を受けることができる。適格な外国会社には、合衆国財務省がこれらの
目的で満足できると決定し、情報条項の交換を含む、合衆国との包括所得税条約の恩恵を受ける資格のある外国
会社を含む。合衆国財務省が、合衆国と韓国の現行の所得税条約はこれらの要件を満たすと決定したので、当社
はかかる条約の恩恵を受ける資格があると考える。
非法人合衆国株主は、当社が配当の支払われる課税年度又はその前課税年度において受動的外国投資会社であ
る場合、当社からの当該受取配当について軽減税率の適用を受ける資格がない(以下の「受動的外国投資会社」
を参照のこと。)。
ウォンで支払われる配当の金額は、普通株式の場合には株主が配当金を受領する日(ADSの場合には預託機関
が受領する日)に有効な為替レートを参考にして、かかる支払いが実際に米ドルに転換されたか否かは問わずに
計算したウォンの受取額の米ドル価値に等しい。配当として受領するウォンが受領した日に米ドルに転換される
場合、投資家は配当所得に関する為替損益につき認識する必要はない。配当として受領したウォンが受領日に米
ドルに転換されない場合、受領日の米ドル価値と等しいウォンを課税基準とする。ウォンのその後の転換又はそ
の他処分により実現する損益は、合衆国源泉の通常の損益として取扱われる。
一定の条件及び制限(最低保有期間の要件を含む。)に従い、配当に対する韓国源泉徴収税は、米国連邦所得
税債務の税額控除に適格な外国課税として取扱われる可能性がある。外国税額控除の計算上、普通株式に対する
配当支払いは合衆国外の源泉からの所得として取扱われ、一般的に受動的な種類の所得を構成する。外国税額控
除の規則は複雑である。自身の固有の条件の下で、外国税額控除の利用可能性については、自身の税金に関する
顧問に是非相談していただきたい。
受動的外国投資会社
当社の過去及び予測される所得及び資産の構成並びに当社の資産の評価に基づき、当社は直近の課税年度 又は
前課税年度 について当社が受動的外国投資会社(「PFIC」)であったとは考えず、また確証はないものの、当課
税年度又は予測可能な将来においてPFICになると予想していない。
一般的に、ある課税年度について以下である場合、当社はPFICとなる:
・当社の総所得の少なくとも75%が受動的所得である。
・当社資産価値(四半期平均ベースで決定される。)の少なくとも50%が、受動的所得を生み出す又は受動的
所得の創出のために保有される資産に帰属する。
この目的で、受動的所得は一般に配当、利子、ロイヤルティ及び地代(商取引若しくは事業活動によりもたら
される、関連当事者からではない、ロイヤルティ及び地代以外)を含む。当社が他の会社の株式の25%(価値
ベースで)以上を所有する場合、当社がPFICであるか否かを決定する目的では、当社は他社の資産の比例的割合
を所有し、かつ他社の利益の比例的割合を受領しているものとして扱われる。
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当社がPFICであるか否かの決定は 、その時点における事実及び状況に基づいて 毎年行われる。 その内の一部
は、当社の所得額及びその構成、並びに当社の普通株式の市場価格により示唆される、のれん及びその他の無形
資 産を含む当社の資産の評価及び構成など、当社の支配を超える可能性がある。最近の株式市場の変動は、この
ような考慮事項を悪化させる可能性がある。「第3 事業の状況-2.事業等のリスク-当社の業務に関連する
リスク-進行中の新型コロナウィルス(以下「COVID-19」という。)の世界的な大流行及びその他の種類の広範な
感染症の再発可能性は、当社の事業、財政状態又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと 。
したがって、現在の課税年度又は将来のいずれかの課税年度においてPFIC でないことは確実ではない 。投資家が
当社普通株式を保有するある課税年度に当社がPFICである場合、投資家は以下に説明する特別な課税規則の対象
となる。
投資家が当社普通株式を保有するある課税年度に当社がPFICであり、投資家が以下に記載の時価会計を適時に
選択しない場合、投資家は普通株式の売却若しくはその他処分(担保を含む。)により受領した「超過分配」及
び実現した利益に関して特別課税規則の対象となる。ある課税年度に受領した分配が、直近3課税年度又は投資
家が普通株式を保有する期間のどちらか短い期間に受領した平均の年間分配の125%を超える場合、超過分配と
して扱われる。
・超過分配又は利益は投資家の普通株式の保有期間中、比例的に配分される。
・当課税年度及び当社が最初にPFICとなった課税年度より前の課税年度に配分される金額は、通常所得として
扱われる。
・その他の各年度に配分される金額は、当該年度に有効な最高税率による課税対象となり、税金の支払い不足
に一般的に適用される利息は、各年度に帰属する税金に対して課される。
当社がPFICであるかの決定は毎年行われるものの、投資家が普通株式を保有するある課税年度に当社がPFICで
ある場合、当該投資家は一般にその年度及び普通株式を保有するその各後続年度(たとえ当社がかかる後続年度
についてPFICに該当しなくても)について上記の特別課税規則の対象となる。しかし、当社がPFICでなくなった
場合、投資家は特別な選択を行うことによりPFIC規則の継続的影響を回避することができる。これは、当社が
PFICであった最後の課税年度の最終日に普通株式が売却されたものとして利益を認識するものである。投資家は
この選択について自身の税務顧問に相談をされたい。
上記の特別税務規則に従う代わりに、投資家は当該株式が「市場性のある株式」として取り扱われる場合、自
身の普通株式に関して、時価会計を選択することができる。普通株式は一般的に、(適用ある米国財務省規則の
意味における)「適格な取引所又はその他市場」で定期的に取引される場合、市場性のある株式として取り扱わ
れる。
投資家が有効な時価会計を選択する場合、当社がPFICである各課税年度について、投資家は、年度末現在の普
通株式の公正市場価値が普通株式の調整後課税ベースを上回る超過分を経常利益に含めることができる。投資家
は、普通株式の調整済み課税ベースが年度末現在の公正市場価値を上回る超過分を、各年度の経常損失として控
除することができる。ただし、時価会計を選んだ結果、以前に利益に含まれた正味金額を限度とする。普通株式
の調整済み課税ベースは、時価会計規則に基づき利益に含まれる金額により増加し、控除額により減少する。さ
らに、当社がPFICである年度中の普通株式の売却又はその他処分の際に、利益は経常利益として、損失は経常損
失として扱われるが、時価会計の結果以前に含まれた利益の正味金額を限度とする。
時価会計を選択する場合、選択をした課税年度及びその後の課税年度について時価会計は有効である。ただ
し、普通株式が適格取引所若しくはその他市場において定期的に取引されなくなる場合、又は米国歳入庁
(「IRS」)が当該選択の取消しに同意する場合を除く。投資家は自身の税務顧問に時価会計の利用可能性及び
その選択をすることが自身の固有の状況に望ましいかについて相談されたい。
もう1つの方法として、投資家はPFICを、内国歳入法第1295条に基づく「適格選択ファンド」として扱うこと
により、上記の特別税務規則を回避することもできる。しかし、投資家にこの選択を認めるために必要な要件を
当社が満たす予定がないことから、この選択肢は利用できない。
投資家が当社普通株式を保有する課税年度について当社がPFICであり、かついずれかの非米国子会社もPFICで
ある場合、投資家はPFIC規則の適用の目的で、低い階層のPFICの株式の比例的金額(価格による)を所有すると
みなされる。投資家は自身の税務顧問にいずれかの当社子会社に対するPFIC規則の適用について相談されたい。
投資家は、当社がPFICに分類された年度に当社普通株式を保有する場合、一般的に、 IRS の様式8621を提出す
る必要がある。当社がある課税年度にPFICであるとみなされる場合には、当社株式を保有することによる合衆国
連邦所得税の結果に関して、自身の税務顧問に相談されたい。
キャピタルゲイン課税
米国連邦所得税上、普通株式について実現した金額と普通株式の課税基準との差に相当する金額で、普通株式
の売却又は交換による課税損益を認識する。かかる損益は通常、キャピタルゲイン又はロスであり、普通株式が
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1年以上保有されていた場合、長期のキャピタルゲイン又はロスとなる。非法人の合衆国株主(個人を含む。)
の長期キャピタルゲインは、軽減税率に適格である。キャピタルロスの控除可能性は制限を受ける。計上された
損 益は一般的に合衆国源泉の損益として取扱われる。
韓国の有価証券取引税 又は農業・漁業特別税 は、米国連邦所得税法上、控除可能な外国税として扱われない。
ただし、内国歳入法に基づく適用制限に従い、かかる税の控除の資格がある可能性がある。外国税額控除の規則
が普通株式への投資及び処分に適用されるかについては、自身の税務顧問に相談していただきたい。
外国金融資産の報告
課税年度の最終日時点で 総額50,000米ドルを超える 又は課税年度のいずれかの時点で75,000米ドルを超える
「特定外国金融資産」を保有する一部の合衆国株主は、一般に、現在IRSの様式8938による税務申告書と共に係
る資産に関する情報陳述書を提出する必要がある。「特定外国金融資産」は、合衆国以外の金融機関が維持する
金融口座、並びに合衆国以外の発行体により発行された金融機関が維持する口座に保有しない証券を含む。
5,000米ドルを超える「特定外国金融資産」に起因する収入についての低評価は、税務申告書に関する時効を税
務申告書の提出から6年間に延長する。必要とされる情報の報告を怠った合衆国株主は、実質的な刑罰の対象と
なる可能性がある。これらの規則が自身の固有の状況に適用されるかを含めて、これらの規則の適用可能性につ
いて、自身の税務顧問に相談していただきたい。
合衆国情報報告及び予備源泉徴収規則
一般的に、合衆国内で(場合により、合衆国外で)支払われた、当社の普通株式に関する配当及び当社の普通
株式の売却、交換又はその他処分による手取金には、合衆国の税金の情報報告規則が適用される。ただし、免除
された受益者を除く。かかる支払いに対しては、納税者認識番号もしくは免除状況の証明書を提出しない、又は
配当金及び受取利息の全額を報告しない場合、予備源泉徴収が適用される可能性がある。
予備源泉徴収は追加的な課税ではなく、予備源泉徴収規則により源泉徴収された税額は、必要な情報が IRS に
適時に提出されるならば、自身の米国連邦所得税債務の還付又は控除として認められる。
4【法律意見】
当社の韓国における法律顧問であるBae, Kim & Lee LLC (法務法人(有限)太平洋)より、下記の趣旨の法律意見
書が提出されている。
有価証券報告書に記載されている韓国法に関する事項はすべての重要な点で真実かつ正確に記述されている。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
連結財務情報
(単位:十億ウォン(十億円)、1株当たりの金額を除く。)
2015 年12月31日 2016 年12月31日 2017 年12月31日
2018 年12月31日 2019 年12月31日
終了年度 終了年度 終了年度
終了年度 終了年度
韓国採用 韓国採用 韓国採用
韓国採用 韓国採用
国際会計基準 国際会計基準 国際会計基準
国際会計基準 国際会計基準
(1)(2) (1)(2) (1)(2)
継続事業:
営業収益 22,296 22,787 23,387 23,460 24,342
(2,097) (2,143) (2,199) (2,206) (2,289)
営業費用 20,988 21,304 22,012 22,199 23,191
(1,974) (2,003) (2,070) (2,087) (2,181)
営業利益 1,308 1,483 1,375 1,262 1,151
(123) (139) (129) (119) (108)
734 1,170 837 1,091 980
継続事業税引前純利益
(69) (110) (79) (103) (92)
法人税費用 233 336 276 328 310
(22) (32) (26) (31) (29)
501 835 562 762 669
継続事業からの当期純利益
(47) (79) (53) (72) (63)
中断事業:
141 - - - -
中断事業からの利益
(13) - - -
-
当期純利益 642 835 562 762 669
(60) (79) (53) (72) (63)
当期純利益の帰属:
支配会社の株主 564 748 477 688 619
(53) (70) (45) (65) (58)
非支配持分 78 87 85 74 50
(7) (8) (8) (7) (5)
支配会社の株主持分に対する
1株当たり当期利益(ウォ
ン):
2,304 3,054 1,946 2,809 2,526
基本1株当たり利益(ウォン
(円)) (217) (287) (183) (264) (238)
潜在株式調整後(希薄化後)
2,304 3,052 1,945 2,809 2,524
1株当たり利益(ウォン
(217) (287) (183) (264) (237)
(円))
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2016 年12月31日
2015 年12月31日 2017 年12月31日
2018 年12月31日 2019 年12月31日
現在/終了年度
現在/終了年度 現在/終了年度
現在/終了年度 現在/終了年度
韓国採用
韓国採用 韓国採用国際会
韓国採用 韓国採用
国際会計基準
国際会計基準
計基準
国際会計基準 国際会計基準
(1) (2) (1)(2)
(1)(2)
流動資産 8,689 9,794 9,672 11,894 11,898
(817) (921) (909) (1,118) (1,119)
非流動資産 20,753 20,944 20,058 20,295 22,163
(1,951) (1,969) (1,886) (1,908) (2,084)
資産合計 29,442 30,738 29,731 32,189 34,061
(2,768) (2,890) (2,796) (3,027) (3,203)
流動負債 8,643 9,482 9,474 9,388 10,111
(813) (892) (891) (883) (951)
非流動負債 8,536 8,327 7,046 8,070 8,763
(803) (783) (663) (759) (824)
負債合計 17,179 17,809 16,520 17,458 18,874
(1,615) (1,675) (1,553) (1,642) (1,775)
支配会社の株主持分 10,943 11,576 11,819 13,203 13,667
(1,029) (1,089) (1,111) (1,242) (1,285)
非支配持分
1,320 1,353 1,392 1,529 1,520
(124) (127) (131) (144) (143)
12,263 12,929 13,211 14,731 15,187
資本合計
(1,153) (1,216) (1,242) (1,385) (1,428)
4,230 4,771 3,878 4,010 3,745
営業活動によるキャッシュフロー
(398) (449) (365) (377) (352)
投資活動に使用されたキャッシュ (2,402) (3,485) (3,483) (2,704) (3,887)
フロー ((226)) ((328)) ((328)) ((254)) ((366))
財務活動に使用されたキャッシュ (1,164) (943) (1,363) (532) (250)
フロー ((109)) ((89)) ((128)) ((50)) ((24))
(3)
23,607 24,858 24,343 23,660 23,315
設置回線数(千本)
(3)
12,440 11,871 11,220 10,655 10,068
稼動回線数(千本)
(3)
24.6 23.0 21.7 20.6 19.6
住民100人当たり稼動回線数
携帯電話加入者数(千人) 18,038 18,892 20,015 21,120 21,922
ブロードバンド・インターネット
8,328 8,516 8,758 8,729 8,962
加入者数(千人)
注:(1)当社は、請求システムから財務システムへのデータの移行の漏れによる収益の過少記載に関連する誤りを訂正す
るために、過年度の財務書類を修正した。したがって、上表の一部の数字は修正されており、過年度の有価証券
報告書において開示された数字と異なる。
(2 )当社は2018年1月1日からK-IFRS第1115号を適用している。K-IFRS第1115号の移行規定に従い、比較の数字
(2015年から2017年)は修正されていない。
(3 )公衆電話を含む。
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個別財務情報
(単位:十億ウォン(十億円)、 1株当たりの金額を除く。)
2017 年 12 月31日
2015 年 12 月31日 2016 年 12 月31日
2018 年 12 月31日 2019 年 12 月31日
現在/終了年度
現在/終了年度 現在/終了年度
現在/終了年度 現在/終了年度
韓国採用国際会
韓国採用 韓国採用
韓国採用国際会 韓国採用国際会
計基準
国際会計基準 国際会計基準
計基準 計基準
(1)(2) (1)(2)
(1)(2)
16,957 17,072 17,341 17,357 18,205
営業収益
(1,594) (1,605) (1,631) (1,632) (1,712)
営業利益 879 1,103 952 952 739
(83) (104) (90) (90) (69)
782 846 463 561 432
当期純利益
(74) (80) (44) (53) (41)
1,564 1,564 1,564 1,564 1,564
資本金
(147) (147) (147) (147) (147)
発行済み株式総数(株) 261,111,808 261,111,808 261,111,808 261,111,808 261,111,808
10,481 11,219 11,445 12,712 12,897
資本合計
(986) (1,055) (1,076) (1,195) (1,213)
24,323 24,851 23,485 26,011 27,734
資産合計
(2,287) (2,337) (2,208) (2,446) (2,608)
1株当たり資本合計(ウォ 40,142 42,965 43,833 48,683 49,391
ン(円)) (3,775) (4,040) (4,122) (4,578) (4,644)
基本1株当たり純利益 3, 192 3,455 1,891 2,290 1,761
(ウォン(円)) (300) (325) (178) (215) (166)
潜在株式調整後(希薄化
3, 192 3,454 1,890 2,290 1,761
後)1株当たり利益(ウォ
(300) (325) (178) (215) (166)
ン(円))
配当性向(%) 15.7 23.2 52.9 48.0 62.5
従業員数(人) 23,646 23,670 23,925 23,835 23,372
注:(1)当社は、請求システムから財務システムへのデータの移行の漏れによる収益の過少記載に関連する誤りを訂正す
るために、過年度の財務書類を修正した。したがって、上表の一部の数字は修正されており、過年度の有価証券
報告書において開示された数字と異なる。
(2 )当社は2018年1月1日からK-IFRS第1115号を適用している。K-IFRS第1115号の移行規定に従い、比較の数字
(2015年から2017年)は修正されていない。
2【沿革】
1981年、韓国政府は韓国電気通信公社法に基づき、それ以前は政府が直接行ってきた電気通信事業を運営するため
に、当社を設立した。「韓国電気通信公社法」及び「公企業経営基本法」に基づき、韓国政府は当社の事業及び諸事
項を実質的に支配していた。1997年10月1日付で、韓国電気通信公社法は廃止され、公企業経営基本法は当社に適用
されなくなった。その結果、当社は商法に基づく株式会社となり、当社の会社組織及び株主の権利は政府の民営化諸
法及び商法の適用を受けた。とりわけ当社は年次予算の決定及び電気通信産業への投資についてより大きな自律性を
行使するようになり、以前は韓国電気通信公社法に基づき韓国政府が任命していた当社理事を、当社株主が選任する
ようになった。
1993 年より前は、韓国政府が当社のすべての発行済普通株式を保有していた。政府は1993年から2002年5月までに
当社の株式持分を全て処分し、2002年8月に民営化諸法は当社に適用されなくなった。当社は2002年3月に、正式社
名を「韓国電気通信公社」から「株式會社ケーティー(KT Corporation)」に変更した。
1991年12月以前は、当社が韓国における市内、市外及び国際電話サービスの唯一の提供者であった。韓国政府は
1990年代初頭より通信業界に競争原理を導入した。その結果、当社を含め、韓国内には現在、市内サービス会社が3
社、市外会社が5社、国際会社(ボイス・リセラーを含む。)が多数存在する。さらに、政府は、携帯電話やデー
タ・ネットワーク・サービスなどのその他の通信事業分野において競争を促進するため、サービス・プロバイダー数
社にも免許を付与した。2009年6月、当社の固定回線と携帯電話業務の経営効率を最大化するとともに電気通信業界
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のコンバージェンス(収斂)傾向により効果的に対応するために、携帯電話サービスを提供する子会社であるKTフ
リーテル株式会社(「KTF」)はKTに合併された(KTが合併存続会社である。)。下記「第3 事業の状況-1.経
営 方針、経営環境及び対処すべき課題等-競争状況」を参照のこと。
当社は韓国法に基づき設立された有限責任会社であり、当社の正式な会社名は、「KT Corporation」である。当社
の登記簿上の正式な登録住所は、大韓民国13606京畿道城南市盆唐區佛亭路90であるが、当社の主たる本社事務所
は、大韓民国03155ソウル特別市鍾路區鍾路3-gil、33、KT光化門ビル東に所在し、電話番号は、+82-31-727-0114で
あり、当社のウェブサイト(英文)のアドレスは、https://corp.kt.com/eng/である。
3【事業の内容】
当社は、韓国有数の総合通信サービス会社であり、アジアにおいても最先端の通信会社の1つである。当社の主な
サービスには、次のようなものがある。
・ 5G、4G LTE(ロング・ターム・エボリューション)及び3G W-CDMA(広帯域符号分割多元接続)技術に基づ
く、携帯の音声及びデータ通信サービス。
・ 固定回線サービス、以下を含む。
- (ⅰ)市内、市外及び国際電話を含む、固定回線電話サービス、(ⅱ)ボイス・オーバー・インターネッ
トプロトコル(「VoIP」)電話サービス(すなわち、固定回線公衆交換電話ネットワーク(「PSTN」)上
ではなく、インターネット上での通信サービスの提供)並びに(ⅲ)他の電気通信会社との相互接続サー
ビス。
- ブロードバンド・インターネット接続サービス。
- データ通信サービス(大企業顧客向けの固定回線及び衛星による専用回線サービス及び専用ブロードバン
ド・インターネット接続サービスを含む。)。
・ メディア及びコンテンツ・サービス(インターネット・プロトコル・テレビ(「IPTV」)、衛星テレビ、テレ
ビ・ホームショッピング、デジタル・コンテンツの配信、情報通信技術(「ICT」)プラットフォームのコン
サルティング、デジタル音楽ストリーミング及びダウンローディング並びにオンライン広告を含む。)。
・ 主にBCカード株式会社(「BCカード」)を通じて提供される、クレジットカード・プロセシング及びその他金
融サービス。
・ 情報技術及びネットワーク・サービス、衛星サービス並びに株式会社KTエステート(「KTエステート」)によ
る不動産賃貸業を含む、電気通信サービス及び金融サービスを超えて広がる各種事業活動。
・ 物品販売、主に当社の携帯電話サービスに関連する携帯電話機及び様々な電気通信機器の販売、並びにKTエス
テートが開発した住宅ユニット及び商業不動産の販売。
当社の固定回線電話サービス市場での支配的地位及び韓国における確立された顧客基盤を活用して、当社は新たな
成長機会を追求するのに成功し、主要な各事業系列において市場での強固な地位を獲得してきた。特に、以下が挙げ
られる。
・ 携帯電話サービス市場において、当社は2019年12月31日現在でおよそ2,190万人の加入者を有しており、
31.8%の市場占有率を達成した。
・ 固定回線及びVoIP電話サービスにおいて、当社は2019年12月31日現在、PSTN加入者1,100万人及びVoIP加入者
310万人から成る、約1,410万人の加入者を有していた。同日現在、当社の固定回線市内電話及びVoIPサービス
の市場占有率は57.2%であった。
・ 当社は、2019年12月31日現在、約900万人の加入者を有する韓国最大のブロードバンド・インターネット接続
業者であり、40.9%の市場占有率を誇っている。
2019 年12月31日終了年度、韓国 採用国際会計基準に基づいた 連結ベースによる当社の営業収益は23兆3,420億ウォ
ン、当期純利益は6,690億ウォン、基本1株当たり利益は2,526ウォンであった。2019年12月31日現在、当社の資産合
計は34兆610億ウォン、負債合計は18兆8,740億ウォン及び資本合計は15兆1,870億ウォンであった。
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当社サービス
以下の表は、2018年及び2019年の主要な製品区分ごとの営業収益及び営業収益合計に占めるそれぞれの割合を示
す。
12 月31日終了年度
製品及びサービス 2018 年 2019 年
(単位:十億 (単位:十億
(単位:%) (単位:%)
ウォン) ウォン)
携帯電話サービス
6,828 29.1 6,795 27.9
固定回線サービス
固定回線及びVoIP電話サービス 1,708 7.3 1,579 6.5
ブロードバンド・インターネッ
2,113 9.0 2,177 8.9
ト接続サービス
1,048 4.5 1,111 4.6
データ通信サービス
小計 4,869 20.8 4,867 20.0
メディア及びコンテンツ
2,262 9.6 2,516 10.3
金融サービス 3,445 14.7 3,642 15.0
その他 2,527 10.8 2,626 10.8
(1)
3,529 15.0 3,896 16.0
物品販売
営業収益合計 23,460 100.0 24,342 100.0
注:(1)主に、当社の携帯電話サービス向けの携帯電話機及び各種通信機器、並びにKTエステートが開発し
た住宅ユニット及び商業不動産の販売に関連する。
携帯電話サービス
当社は、5G、4GのLTE技術及び3GのW-CDMA技術に基づき携帯電話サービスを提供する。当社は、先進技術の開発を
継続し、向上した速度、待ち時間及び接続性を備えた様々な新携帯電話サービスを提供するために、幅広く努力を
行ってきた。当社は2019年4月に、当初はソウル大都市地域、その他6大都市、通信の多い商業地域及び大学のキャ
ンパス並びに主要な交通インフラ(高速道路、鉄道及び空港等)を中心として、最高通信速度1.5Gbpsの当社の次世
代5G携帯電話サービスの発売を開始した。当社はさらに対象地域を全国に拡大し、当社の5Gサービスの通信速度を上
げる計画である。当社は、5Gネットワークのより速いデータ通信速度及びより少ない接続待機時間により、マルチメ
ディア・コンテンツへのより速いアクセスを備えた著しく向上した無線データ通信を提供できると考える。当社は
2012年1月、ソウル大都市地域において4G LTEサービスの提供を開始し、2012年10月に対象地域の全国への拡大を完
了した。4G LTE技術により、3G W-CDMA技術よりもデータを早く送信することが可能となり、一般に10MHzにつき約
50Mbpsのダウンロード速度を提供する。当社の4G LTEサービスの発売以後、当社はLTEサービスの品質をさらに向上
させることができるように、追加の帯域幅の免許を取得してきた。
携帯電話サービスに関する収益は、2019年の当社営業収益の27.9%を占めた。下記の表は、以下の年度における当
社のネットワーク利用、及び以下の各年度の期末現在における当社の携帯電話加入者数に関する情報の抜粋である。
12 月31日現在又は同日終了の各年度
2018 年 2019 年
(1)
加入者1人当たり平均月次収益 (単位:ウォ
32,021 31,625
ン)
携帯電話加入者数(単位:千人) 21,120 21,922
LTE加入者 16,971 17,153
W-CDMA加入者 4,149 3,350
5G 加入者
- 1,419
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注:(1)加入者1人当たり平均月次収益は、当該年度の月次料金、使用料、相互接続料及び付加価値サービス料の合計
を、加入者(モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレータ(「MVNO」)加入者を除く。)の加重平均数で
除 して得られた商を、さらに当該年度の月数で除して算出する。
当社は、当社より長い歴史を持つ携帯電話サービス会社であるSK Telecom Co., Ltd.(「SKテレコム」)及びKTF
とほぼ同時期にサービスを開始したLG ユープラス・コーポレーション(「LG U+」)と競争関係にある。2019年12月
31日現在において、当社の加入者数は約2,190万人、また市場占有率は31.8%であったが、これは携帯電話サービス
会社3社間において2番目であった。
当社は、当社の携帯電話サービスを、韓国全域に散在する独立専属特約店を通じて主に販売する。2019年12月31日
現在、当社の独立専属ディーラーが経営する2,537の店舗があった。新規加入者の携帯電話サービスの利用及び電話
機の購入を手助けすることに加え、正規の特約店は、当社のデータベースに接続されており、アカウントをもって顧
客を手助けできる。これらの特約店の大部分は、当社の製品及びサービスのみを販売しているが、専属特約店が雇う
下請販売店は、他の携帯電話サービス会社が提供する製品及びサービスを販売できる。正規の特約店は、登録した新
規加入者ごとに手数料を受取り、さらに、当初5年間は、当該加入者の月次料金、使用料及び加入期間に基づき継続
的な手数料を受取る権利を有する。当社が特約店に販売した電話機は欠陥がある場合を除き当社に返品はできない。
電話機に欠陥がある場合、購入日から14日以内に新しい端末と交換することができる。
当社の顧客の要望の多様化及びその一層の高度化に対応して、当社はまた、ここ数年当社の社内販売経路を拡張す
るための機会に選択的に関与する。2019年12月31日現在、当社は、携帯電話サービスの販売活動に従事し、当社が提
供する幅広いその他サービス及び商品のワンストップ・ショップを提供する、188か所の顧客プラザを運営する。当
社はまた、一般の人々、特にインターネットにより馴染んでいる若い顧客向けに、当社商品及びサービスの販売促進
及び広告を行うウェブサイトも運営する。
当社は新規加入者の審査手続を細心の注意をもって行う。加入申込者は、携帯電話サービスを利用する以前に、最
低限の信用基準のすべてをみたさなければならない。この手続には、全国情報信用評価組合等、銀行及び信用調査機
関から入手した不払いの経歴及び信用情報の確認が含まれる。最低基準をみたさない申込者は、プリペイド・カード
を使用する場合を除いて、携帯電話サービスに加入することができない。
固定回線サービス
当社は、各種電話サービス、ブロードバンド・インターネット接続並びにデータ通信サービスを含む、さまざまな
固定回線サービスを提供する。
固定回線及びVoIP電話サービス
当社は、市内、市外、国際電話サービス及び地上-携帯接続サービスから構成される固定回線電話サービスを提供
するために広範囲に渡る全国的電話ネットワークを利用している。当社の固定回線電話ネットワークは、交換機、長
距離伝送設備、光ファイバー・ケーブル及び銅線ケーブルを包含している。当社はまた、ブロードバンドの接続を備
えたVoIP電話機器により国内国際通話が可能なVoIP電話サービスも提供する。これら固定回線及びVoIP電話サービス
は2019年の当社営業収益の6.5%を占めた。近年、携帯電話の著しい普及及びますます低下する無線価格プラン(そ
の中には無制限の音声通話分数を含む。)が利用できることにより、当社の市外通話分数及び市内通話パルスの大幅
な減少につながった。以下の表は、表示期間末現在当社の固定回線電話ネットワークに関する情報並びにPSTN及び
VoIP加入者数、並びに同期間中の関与水準を示す。
12 月31日現在又は同日終了の各年度
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2018 年
(1)
51,529 51,696 51,799 51,826 51,850
韓国総人口(単位:千人)
稼働中のPSTN及びVoIP回線数(単位:千) 16,682 16,266 15,610 14,992 14,185
稼動PSTN回線数 13,268 12,791 12,201 11,637 11,052
稼働市内回線数 12,409 11,869 11,222 10,654 10,076
稼働グループ回線数 859 921 979 983 976
稼動VoIP回線数 3,413 3,436 3,409 3,355 3,133
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光ファイバー・ケーブル(単位:キロメート
695,546 732,873 764,802 784,088 847,497
ル)
(2)
2,113 1,507 1,126 892 744
市外通話時間(分)(単位:百万)
(2)
3,034 2,161 1,285 974 804
市内通話パルス(単位:百万)
注:(1)韓国行政安全部公表の登録居住者数に基づく。
(2 )公衆電話からの通話を除く。
当社の市外ケーブル・ネットワークはすべて、光ファイバー・ケーブルで構成されており、音声、データをいずれ
も伝送することができる。同軸ケーブル等の従来型の素材に比べ、光ファイバー・ケーブルは、相当程度大きい伝送
容量を信号磨耗の少ない状態で提供するものであり、必要な周波数増幅を減少させている。当社回線はすべて、デジ
タル信号技術の処理を可能とする交換機に接続している。旧来のアナログ回線における主たる制約は、文字及びコン
ピュータ・データの伝送等、音声通信以外のアプリケーションの場合に、別個のネットワーク又は転換機器を必要と
することである。デジタル・システムによって、音声、文字及びデータのアプリケーションすべてを、同一のネット
ワーク上で同時に伝送することが可能となる。
通話時間(分)で測定された2019年の当社の国際通話量の最大割合は、日本、中国及び米国が占めた。近年、当社
の着信通話量が発信通話量を上回っている。適用される正味決済額を決定するために、通話時間数に対して合意され
た決済レートが適用される。下記の表には、2019年12月31日に終了する5年間の各年における指定区分において当社
及び当社の国際電話ネットワークを利用するネットワーク・サービス・プロバイダーが記録した、国際通話の通話分
数が示される。
12 月31日終了の各年度
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
(単位:百万請求分)
国際通話着信数 390.5 352.3 286.4 221.1 189.6
179.0 155.1 125.9 101.1 78.8
国際通話発信数
合計 569.5 507.4 412.3 322.2 268.4
電気通信事業法に基づき、当社は、他のサービス・プロバイダーに対して当社の固定回線ネットワークへの相互接
続を許可するよう要求されている。現時点では、この相互接続の主たるユーザーには、SK テレコム及びLG U+の関連
会社(市内、市外及び国際サービスを提供並びにそれぞれの携帯電話ネットワークとの通話の伝送)が含まれる。当
社は、地上回線利用者から徴収した使用料金全額を地上-携帯電話接続収益として計上しており、携帯電話サービス
会社に支払った接続料金を費用として認識する。
ブロードバンド・インターネット接続サービス
当社の847,497キロメートルの光ファイバー・ケーブルの全国的ネットワークを活用することにより、当社は韓国
のブロードバンド・インターネット接続市場において主導的地位を占めるに至った。当社は、他のブロードバンド・
インターネット接続サービス・プロバイダーよりも競争上優位にあると思われる。なぜならば、他の競合会社と異な
り、当社は、ブロードバンド・インターネット接続サービスを提供するために、既存の全国的なネットワークを利用
できるからである。当社の主要なインターネット接続サービスは、「KTインターネット」及び「KT GiGaインター
ネット」のブランド名で提供される。当社はまた、「KT WiFi」のブランド名でWiFiサービスを提供する。これは、
ホットスポット・ゾーンでラップトップ及びスマートフォンに高速無線インターネット接続を、また固定回線環境に
おいてKTインターネット・サービスを提供することにより、固定回線と無線サービスを統合するよう設計されてい
る。当社のブロードバンド・インターネット接続サービスは2019年の当社の営業収益の8.9%を占めた。
2019 年12月31日現在、当社は約900万人のブロードバンド・インターネット加入者を有していた。これには最高速
度10.0Gbpsの向上したデータ通信速度を備えるKT GiGAインターネット・サービスの加入者およそ550万人を含む。さ
らに、同日現在、当社のKT WiFi加入者はおよそ470万人であった。当社は2019年12月31日現在、無線接続のために全
国およそ130,000か所のホットスポット・ゾーンに出資した。
当社のKTインターネット・サービスは主にADSL技術を利用する。ADSLは、らせん状の一対の銅線から成る従来の電
話回線を、マルチメディア及び高速データ通信用のアクセス経路に転換する技術である。ADSLは、既存の公共電話
ネットワークを、音声、テキスト及び低解像度の画像に限定されたネットワークから、回線を新設することなく加入
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者の建物にマルチメディアを導入できるシステムへと変える。この非対称的な設計において、インターネットから情
報をダウンロードする際の下り速度を最大にすることにより、帯域幅を最大限に活用している。当社は、ファイ
バー・ トゥー・ホーム(「FTTH」)への接続がより良くなるように当社のブロードバンド・ネットワークの改良を継
続しており、これによりデータ通信速度及び接続品質がさらに向上する。FTTHは、通信事業会社の交換機から家庭又
はオフィスの境界まで伸びる光ファイバー・ケーブルにより通信経路が提供される電気通信構造である。FTTHは光
ファイバー・ケーブルを利用するので、劣化することなくより長い距離について高帯域幅信号を通信することができ
る。FTTHにより、当社は高帯域幅を必要とする高度なサービス(例えば、IPTV及びより高い安定性のその他のデジタ
ル・メディア・コンテンツ)の配信が可能になる。
データ通信サービス
当社のデータ通信サービスには、専有回線を提供して、地理的に隔離した2つ以上の地点間において、音声及び
データ通信のポイント・トゥー・ポイント接続を可能とすることを含む。2019年12月31日現在、当社が国内及び国際
企業に対しリースした回線は268,373回線であった。当社は「Kornet」のブランド名で、法人顧客に専用の安全なブ
ロードバンド・インターネット接続サービスを提供する。当社はインターネット基幹ネットワークへの高速接続を提
供し、あわせて信頼性の高いインターネット接続及びセキュリティの向上を確保するために必要なルーターを顧客に
賃貸し設置する。当社は、中小企業、インターネット接続サービスを営む企業及び政府機関を含む適格顧客には、割
引料率を提供する。データ通信サービスは、2019年の当社営業収益の4.6%を占めた。
当社の完全所有子会社である株式会社KTサットを通じて、当社はまた、当社が定期的に打上げる衛星を通じた中継
装置のリース、放送、ビデオ配信及びデータ通信サービスを提供する。当社は、国内外の顧客向けに衛星サービスを
提供するために衛星の容量を他の衛星オペレーターから賃借もする。
メディア及びコンテンツ・サービス
当社は様々なメディア及びコンテンツ・サービスを提供する。これには、IPTV、衛星テレビ、テレビ・ホーム
ショッピング、デジタル・コンテンツの配信、ICTプラットフォームのコンサルティング、デジタル音楽ストリーミ
ング及びダウンローディング並びにオンライン広告を含む。メディア及びコンテンツ・サービスは2019年の当社営業
収益の10.3%を占めた。
IPTV
当社は「olleh TV」というブランド名で高解像度のビデオ・オン・デマンド及びリアルタイム放送のIPTVサービス
を、並びに「olleh GiGA UHD テレビ」のブランド名で、超高解像度(「UHD」)IPTVサービスを提供する。当社の
IPTVサービスは、定額の月次料金又は「ペイ・パー・ビュー方式」で一連のデジタル・メディア・コンテンツ(映
画、スポーツ、ニュース、教育プログラム及びテレビの再放送を含む。)へのアクセスを提供する。当社が顧客へ貸
し出すデジタル・セットトップボックスを通じて、当社顧客はデジタル・メディア・コンテンツの目録を閲覧し、選
択したメディア・ストリームを自身のテレビで見ることができる。セットトップボックスはIPネットワークにおいて
2方向の通信を提供し、ビデオ・ストリーミング・データをデコードする。2019年12月31日現在の当社のIPTVの加入
者数は約840万人であった。
衛星テレビ
当社は、当社が49.99%の持分を所有する株式会社KTスカイライフ(「KTスカイライフ」)を通じ、IPTVサービス
に類似した機能を持つ衛星テレビサービスを提供する。2019年12月31日現在、olleh TVスカイライフとの組合せサー
ビスを含めて、当社の衛星テレビ加入者数は約420万人であった。
KTH
当社はテレビ・ホームショッピング、デジタル・コンテンツの配信及び情報通信技術プラットフォームのコンサル
ティング・サービスをKTH株式会社(連結ベースで当社が67.10%の持分を所有する。)を通じて提供する。当社は、
IPTV及び衛星テレビのプラットフォーム上で様々な消費者向け商品及び食料品を提供する。当社はまた、映画、アニ
メーション及びテレビ番組などのデジタル・エンターテインメントのコンテンツに対する権利を確保し、これらのコ
ンテンツを他のメディア・プラットフォームに配信する。さらに、当社は情報及び通信技術プラットフォームの構築
に関連する広範囲のコンサルティング・サービスも提供する。
デジタル音楽サービス
当社は、当社が35.97%の持分を保有する子会社である株式会社 ジニミュージック を通じて、当社の音楽コンテン
ツのプラットフォーム並びにオンライン音楽ストリーミング及びダウンロードディング・サービスへのサブスクリプ
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ション(定額)方式のアクセスである「Genie」を運営する。2019年12月31日現在、Genieは加入者数で、韓国で第2
位の音楽ストリーミング及びダウンローディング・サービスのプロバイダーであった。Genieは、ストリーミング及
び ダウンローディングの形式での韓国及び海外の音楽の幅広い選択肢、並びに利用者の経験を向上させるよう設計さ
れた様々な機能を提供する。当社は、Genieのサービスを、携帯電話及びその他通信機器、PC及びテレビ向けに個別
に設計された各種の形態で提供する。
オンライン広告コンサルティング
当社は、子会社である株式会社ナスメディア(「ナスメディア」、当社が42.75%の持分を保有する。)を通じ
て、オンラインの広告業界に対して、戦略的な広告コンサルティング・サービスを提供する。当社は広告会社、オン
ライン・メディア会社及びその顧客に対して、市場調査から広告キャンペーンの計画、さらにかかるキャンペーンの
効果の分析に至る様々なサービスを提供する。当社の独占的データ分析ツールにより、当社は顧客に対し具体的な広
告目標を明示し、最適な広告キャンペーン戦略を提供するために、各種マーケティング経路の効果を評価することが
できる。
金融サービス
当社の全体的な戦略の一環として、当社は選択的に、当社の電気通信事業を補完する金融部門における新事業機会
を追求する。2011年10月、当社は韓国における大手クレジットカードのソリューション・プロバイダーであるBCカー
ドの支配持分を取得した。当社は現在同社の69.54%を保有する。当社はまた、2017年4月に事業を開始したイン
ターネット専門銀行である、株式会社ケイバンク銀行(「Kバンク」)の普通株式10.00%も取得した。同社の持分は
持分法会計を使用して会計処理される。2020年4月、当社はこの持分をBCカードへ363億ウォンで譲渡することに合
意したが、当該譲渡は一定の条件を満たした場合にのみ行われる。当社の金融サービスからの収益は主にBCカードの
収益から成り、2019年の当社営業収益の15.0%を占めた。
BC カード
BC カードを通じて、当社は様々なクレジットカード・プロセッシング及び関連する金融サービスを提供する。当社
は取引高で計測すると、韓国最大の商業支払ネットワークを運営する。当社はまた、幅広い金融機関に対してクレ
ジットカード及びデビットカード事業の運営について外注サービスを提供する。これには、新クレジットカードの製
造及び交付、毎月の計算書の作成、業者の管理及びその他付随サービスを含む。近年では、当社は当社のサービスを
中国、インドネシア及びベトナム等のアジアの一部の国々への拡大に努めてきた。
BC カードの少数持分は韓国の様々な金融機関が所有する。その大部分は当社と共通ブランド契約を締結し、「BC
カード」のブランドでクレジットカード及びデビットカードを発行するメンバー会社である。共通ブランドのクレ
ジットカード又はデビットカードを発行する当社のメンバー会社には、ウリィカード、NHカード、韓国産業銀行及び
KB国民カードがある。当社は、当社の共通ブランド契約に基づき発行されるカードを推進するために、共同マーケ
ティング努力に従事する。しかし、当社は通常、カード所有者のカード利用についての支払不能に関連する信用リス
クは引受けない。これは通常、メンバー会社が負担する。20198年12月31日現在、約2,060万枚のクレジットカード及
び約3,430万枚のデビットカードが当社のメンバー会社により「BCカード」のブランド名で発行されていた。当社は
また、当社との共通ブランドカードを発行しない、その他の様々な銀行、証券会社及び金融機関に付随する外注サー
ビスを提供する。
当社はプロセッシング取引としてクレジットカード会社に対して業者により支払われた加盟店手数料について手数
料を請求する。加盟店手数料は業者の種類及び業者が生み出す取引の合計額により異なる。加盟店手数料に加えて、
当社は国際カード取引について売上交換手数料に関連する手数料、並びにクレジットカード事業を外注する金融機関
からのサービス手数料を受領する。
K バンク
当社は、韓国におけるインターネット専門銀行2行のうちの1つである、Kバンクの普通株式の10.00%を所有す
る。2020年4月、当社はこの持分をBCカードへ363億ウォンで譲渡することに合意したが、当該譲渡は一定の条件を
満たした場合にのみ行われる。インターネット専門銀行は一般に支店を持たずに業務を運営し、主に電子的手段を通
じて業務を行う。これにより費用を最小化でき、顧客により高い預金金利並びにより低い貸出金利を提供できる。
2019年12月31日現在、Kバンクの預金口座保有者は約120万であり、預金合計は2兆2,850億ウォン、貸付残高は1兆
4,150億ウォンであった。Kバンクの他の株主にはウリィ銀行、NHインベストメント&セキュリティーズ・カンパ
ニー・リミテッド、GSリテール・カンパニー・リミテッド及びハンワ生命保険株式会社がある。
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「インターネット専門銀行に関する特別法」に従い、2019年1月から総資産の50%を超えるICT資産を保有する会
社(当社等)は、インターネット専門銀行の持分を最大34.0%まで取得することができ、最大株主になるためには、
FSCの承認を取得する必要がある。
その他事業
当社は、情報技術及びネットワーク・サービス、不動産開発サービス並びに衛星サービスを含め、電気通信サービ
ス及び金融サービスの範囲を超えて多様な事業活動にも従事している。当社のその他事業は、2019年度の当社の営業
収益の10.8%を占めた。
情報技術及びネットワーク・サービス
当社は法人顧客に対して、広範な統合された情報技術及びネットワーク・サービスを提供する。当社のシステム統
合サービスの範囲は、公共部門及び民間部門の顧客一人一人のニーズを満足するシステム及び通信ネットワークのコ
ンサルティング、設計、構築及び保守を含む。当社はまた、韓国全土に所在するインターネット・データセンターも
運営し、サーバー、記憶装置及び専用回線を必要とする企業向けに幅広いコンピューティング・サービスを提供す
る。データ・センターはインターネット及びその他ネットワークのコンテンツを保存し配信するネットワーク・サー
バー・コンピュータの設置、保全及び保守のために利用される施設である。当社のデータ・センターは、国際規格を
満たして設計され、温度・湿度制御装置、管理された安定した電力供給、機械設備、火災探知もしくは消火設備、セ
キュリティ監視及びインターネットへの広帯域幅接続を装備する。当社のデータ・センターは、企業顧客に対して、
ネットワーク外注サービス、サーバー・オペレーション・サービス及びシステム支援サービスを提供する。
不動産開発
当社は韓国全土の様々な場所に土地及び不動産を所有する。技術の発展により通信設備の対象地域が拡大してお
り、これにより当社は既存の土地及びその他不動産保有をより有効利用することが可能となる。当社の完全所有子会
社であるKTエステートを通じて、当社は当社の使用していない土地に集合住宅及び商業ビルを計画及び開発してお
り、さらに当社の所有建物の賃貸に従事している。「Remark VILL」のブランド名で、当社はまた、ソウル及びプサ
ンなどの都市地域において当社が開発した集合住宅のユニットを賃貸する。
物品販売
当社は、物品販売に関連する収益を認識する。主に当社の携帯電話サービスの加入者に販売する携帯電話機に加え
て、ベンダー及び他の電気通信会社に販売される様々な電気通信機器並びにKTエステートが開発する住宅ユニット及
び商業不動産の販売である。当社は携帯電話機を主にサムスン電子、アップル及びLGエレクトロニクスから購入す
る。物品販売は、2019年度の当社の営業収益の16.0%を占めた。
当社の料金
当社は携帯電話、固定回線並びにメディア及びコンテンツ・サービス向けの各種サービス・プランを提供する。個
人顧客のために、当社は個人のニーズに対処することを目指す、具体的な顧客セグメントを対象とする料金プランを
提供する。当社はまた、当社サービスを組み合わせて加入する場合の割引を提供する一括販売料金プラン、並びに1
つの家庭で複数回線に加入する場合の割引を提供する家族プランも提供する。当社サービスの多くは、長い加入期間
を約束した顧客に対する追加割引を提供する。当社は、顧客のニーズに合わせたプランを顧客が選択する助けとなる
ように設計されたオンラインツールを提供する。当社のサービス料金は通常、月次ベースで請求され、支払期限は月
末である。当社の顧客はまた、10.0%の付加価値税(「VAT」)も課せられ、これは当社が顧客に請求する月次加入
料金に含まれている。
当社の法人顧客への料金は法人顧客の具体的なニーズに合わせて調整される。
携帯電話サービス
当社は、特にモバイル技術(5G、LTE又はW-CDMA)、モバイル機器(携帯電話、タブレット又はその他のWiFi機
器)及び年齢区分により異なる幅広い携帯電話サービス・プランを提供する。これに基づき、当社は音声通話、デー
タ通信及びテキスト・メッセージの使用量並びに追加の付加価値サービスに基づくプランを提供する。当社のプレミ
アム・パッケージは、無制限の音声通話、データ通信及びテキスト・メッセージ並びに追加のメディア・コンテンツ
を提供する。当社はまた、高齢者及び若年層向けに特別に設計されたプラン並びに身体障害者又は福祉制度受給者に
対する特別割引を提供する。当社は携帯電話サービスに対して、サービス開始料金を請求しない。
無制限の通信を提供する携帯電話サービス・プランについて、当社は通常、加入者が定められたデータ使用基準値
に達した後はデータ通信速度を減速する。使用に基づくデータ通信プランについては、当社の加入者は使用量が適用
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される割当量を超える場合、通常追加のデータ通信料金を請求される。しかし、当社の多くのプランについて、当社
は、加入者に当月の未使用データ通信割当量を翌月に繰り越す、又は当月の割当量を使い切った場合は翌月の割当量
か ら借りることを認めている。
当社はまた、所定のサービス期間中当社のサービスを使用することに同意し、分割払いで携帯電話機を購入する資
格を満たす加入者による携帯電話機の新規購入に対して、補助も行う。携帯電話機販売改革法に基づき、その立場に
関係なく誰でも、最近発売された携帯電話機の購入に関連する携帯電話機補助金、又は携帯電話サービスの加入料金
の割引を受けることができる。以前課されていた携帯電話機補助金の上限は、2017年10月に廃止されたが、MSITは携
帯電話サービス加入料金の追加割引を促進するために、政策ガイドラインを発表した。かかる政策ガイドラインに従
い、当社は携帯電話補助金を受けることを選ばなかった携帯電話加入者に適用される最大割引料率を、2017年9月よ
り20.0%から25.0%に引き上げた。
当社が現在提供する、当社の代表的な5G及びLTE携帯電話サービス・プランの条件の概要は、以下のとおりであ
る。
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月次料金
プラン 音声通話 ビデオ通話 データ通信 追加の特徴
( ウォン)
5G スーパー・プラ 130,000 無制限 300 分 無制限
・3Mbpsでの無制限のデー
ン・プレミアム
タローミング
・報奨ポイントを利用した
携帯電話機保険
・追加スマート・デバイス
の料金無料
5G スーパー・プラ 100,000 無制限 300 分 無制限
・00Kbpsに減速するが、無
ン・スペシャル
制限のデータローミング
・報奨ポイントを利用した
携帯電話機保険
・追加スマート・デバイス
の料金無料
5G スーパー・プラ 80,000 無制限 300 分 無制限
・100Kbpsに減速するが、
ン基本
無制限のデータローミン
グ
5G スリム 55,000 無制限 300 分 無制限、ただし
8GBを超過する
と1Mbpsに減速
する。
データ・オン・プ 89,000 無制限 300 分 無制限
・報奨ポイントを利用した
レミアム
携帯電話機保険
・追加スマート・デバイス
の料金無料
・音楽、ビデオ、ウェブ
トゥーン及び映画コンテ
ンツを提供するメディ
ア・パッケージ
データ・オン・ビ 69,000 無制限 300 分 無制限であるが
・1日当たり2GBまでのラ
デオ 100GBを超えると
イブ放送及びVODコンテ
5Mbpsに減速
ンツを提供する携帯TV
パッケージ
データ・オン・ 49,000 無制限 300 分 無制限であるが
・1日当たり2GBまでのラ
トーク 3GBを超えると
イブ放送及びVODコンテ
1Mbpsに減速
ンツを提供する携帯TV
パッケージ
LTE 基本 33,000 無制限 50 分 1.4GB 、翌月の利
用分から及び翌
月の利用分への
移行のオプショ
ン付き。
LTE 音声 18,700 100 分 なし なし
当社の携帯電話サービス・プランに加えて、当社は追加の月次料金でメディア・パッケージ、携帯TVパッケージ、
追加のデータ通信パッケージ、コーラーID、音楽サービス・パッケージ及び着信音サービス並びに利用報告サービス
等の定額制に追加できる付加価値サービスを提供する。当社はまた、世界中の様々な国でデータ・ローミングを提供
する固定料金の国際ローミング・プランも提供する。これは予め申請する、又は海外からのアクセス時に自動的に開
始することができる。
当社の携帯電話サービスはまた、相互接続料金及び費用も生み出す。当社の競合携帯電話会社の1社の加入者から
当社の携帯電話加入者にかけられた通話に関して、競合会社は自身の加入者から通常の料金を徴収し、携帯電話-携
帯電話相互接続料金を当社に送金する。さらに、当社の携帯電話加入者から競合携帯電話会社の1社の加入者に対し
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かけられた通話について、当社は当社の加入者から通常の料金を徴収し、携帯電話-携帯電話相互接続料金を競合会
社に送金する。
下記の表には、携帯電話から携帯電話の通話につき、当社の競合会社に対して当社が支払った1分当たりの接続料
金(VATを除く。)及び携帯電話事業者から受取った1分間あたりの料金(VATを除く。)を示す。
2017 年1月1日 2018 年1月1日 2019 年1月1日
より有効 より有効 より有効
(単位:ウォン)
KT 14.6 13.1 11.6
SK テレコム 14.6 13.1 11.6
LG U+
14.6 13.1 11.6
固定回線サービス
固定回線電話サービス
市内及び市外電話サービス 当社の標準利用を基準とする固定回線電話サービス・プランは、5,720ウォンの月
次基本料金及び市内・市外通話の利用料金、並びにVoIP電話及び携帯電話への通話から成る。当社は市内通話につい
ては3分毎に42.9ウォン、市外通話については10秒毎に15.95ウォン、VoIP電話への通話については3分毎に53.9
ウォン及び携帯電話への通話については10秒毎に15.95ウォンを請求する。全ての利用基準の料金は、1日のうち利
用の少ない一部の時間帯及び休日については割引の対象である。市内通話について当社が請求する料金はMOEFとの協
議の後、MSITによる承認を条件とする。固定回線電話サービスを開始する当社の加入者について、当社は一回限りの
返還されないサービス開始料金60,000ウォンを請求するが、これは3年間の加入期間の誓約により免除される。
当社はまた、月次基本料金が12,100ウォン(又は3年間の加入期間の誓約により8,470ウォン)の定額料金の固定
回線電話サービス・プランを提供する。これは市内及び市外通話並びにVoIP電話への通話50時間を含む。携帯電話へ
の通話はこの無料の50時間に含まれず、当社はかかる通話につき10秒毎に14.50ウォンを請求する。月次基本料金が
16,500ウォン(又は3年間の加入期間の誓約により11,550ウォン)のプレミアム・プランについては、KTの携帯電話加
入者への通話は無料の50時間の一部に含まれる。
2001 年4月まで、当社は、固定回線電話サービスについて、サービス終了時に返還される電話サービス開始保証金
を徴収していた。2019年12月31日現在、当社の返還される電話サービス開始保証金残高は2,920億ウォンであり、保
証金制度の下で登録した加入者(各加入者は、保証金なしの制度に切替えて電話サービス開始保証金の返還(返還さ
れない電話サービス開始料を控除する。)を受ける資格がある。)は130万人であった。
国際電話サービス 当社の国際電話サービスについて、発信通話の料金は、相手国及び利用者が国際電話サービ
ス・プランに加入しているか否かに基づき異なる。このプランは通信機器の種類(携帯又は固定回線)、通話相手国
及びその他顧客の好みに基づきカスタマイズすることができる。利用は1秒毎に計測される。当社は該当する外国通
信業者との双務的契約に基づき、かかる通話について海外通信業者への決済料金を支払う。当社は着信通話(自国直
通ダイヤルサービスを使う韓国からの外国通信業者の顧客による通話)につき、該当する双務的契約の下で定められ
た適用決済レートで、関連する外国通信事業者からの決済額を受取る。
地上-携帯電話相互接続 当社は、携帯電話事業者及び他の固定回線事業者を含む、外部の電気通信サービ
ス・プロバイダーに、当社の固定回線ネットワークへの相互接続を提供している。当社は、地上回線の利用者から携
帯電話サービスの加入者に対して開始された通話に関して、地上回線の利用者から、地上-携帯電話の使用料金を徴
収し、地上-携帯電話相互接続料金を携帯電話サービス会社に支払っている。当社は、地上回線の利用者から徴収し
た使用料金の全額を地上-携帯電話相互接続による収益として認識し、携帯電話サービス会社に対して支払った相互
接続料金の金額を費用として認識している。MSITは定期的に、携帯電話サービス会社との相互接続に適用される相互
接続料金の算定方法の設定に関する指示を発行する。MSITは、技術開発及び将来の予想コストを考慮して携帯電話
サービス会社の長期逓増コストを算定することにより、地上-携帯電話相互接続料金を決定する。
下記の表には、携帯電話事業者に対して、地上回線から携帯電話への通話に関して当社が支払った1分当たりの接
続料金(VATを除く。)を示す。
2017 年1月1日 2018 年1月1日 2019 年1月1日
より有効 より有効 より有効
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(単位:ウォン)
SK テレコム 14.6 13.1 11.6
LG U+
14.6 13.1 11.6
地上-地上相互接続及び携帯電話-地上相互接続 当社の競合他社の地上回線加入者が当社の固定回線利用者に
対して開始した通話に関して、地上回線サービス会社は自社の顧客に対して通常料金を請求し、当社に地上-地上相
互接続料金を送金する。加えて、携帯電話サービス加入者が当社の地上回線利用者に対してかけた通話に対しては、
携帯電話サービス会社は自社の加入者から通常料金を徴収し、当社に携帯電話-地上相互接続料金を送金する。
下記の表は、MSITが決定した、通話の種類別のかけた通話につき徴収される1分当たりの相互接続料金を示す。
2017 年1月1日 2018 年1月1日 2019 年1月1日
より有効 より有効 より有効
(単位:ウォン)
(1)
9.7 8.7 7.8
市内相互接続
(2)
10.9 10.0 9.2
シングル・トール接続
(3)
14.8 12.7 12.2
ダブル・トール接続
資料出所:MSIT
注:(1) 市内交換所及び市内接続回線間の相互接続。
(2) 単数の長距離交換所への接続から成る相互接続。
(3) 2つの長距離交換所への接続から成る相互接続。
VoIP 電話サービス
当社のVoIP電話サービスは、一般的に当社の固定回線電話サービスと比較して低い、月次基本料金及び利用ベース
料金を請求する料金プランを提供する。VoIP電話サービスを開始する加入者に対して、当社は1回限りの返還しない
サービス開始料金(11,000ウォン)を請求するが、1年の加入期間の誓約によりこれは免除される。
ブロードバンド・インターネット・サービス
当社は、データ通信速度及びデータの利用基準値に基づき様々なブロードバンド・インターネット接続サービス・
プランを提供し、また最長4年の期間に適用される誓約期間に基づく割引を提供する。当社のプランの大半はWiFi
ルーターも含み、これにより当社の加入者は自身の住居でWiFi環境を創出することが可能となる。当社は、顧客に対
して、1サイトにつき一度の設置料金27,500ウォンを請求する。当社はまた、1年間当たり4,400ウォンから22,000
ウォンのモデム賃貸料も請求している。これはサービス・プランに必要なモデルの種類に依拠して異なり、また加入
誓約期間の長さに基づき割引及び免除の対象となる。
以下は、当社が現在提供する、代表的なブロードバンド・インターネット接続サービスのプランの条件を概説した
ものである。
1日当たり
期間3年の
月次料金
の最大速度
プラン 料率 最大速度 追加の機能
( ウォン)
(1)
( ウォン)
の上限
WiFi ルーター2台を
10 GiGA Max 10G
110,000 88,000 10Gbps 1000GB
含む。
WiFi ルーター2台を
10 GiGA Max 5G
82,500 60,500 5Gbps 500GB
含む。
WiFi ルーター1台の
10 GiGA Max 2.5G
60,500 44,000 2.5Gbps 250GB
レンタルを割引
GiGA インターネット
55,000 38,500 1.0Gbps 150GB
Max 1G
インターネットMax
39,600 22,000 100Mbps なし
100M
注:(1) データ利用が、所定最大速度の1日の限度を超える場合、データ通信速度は100Mbpsに減速される。
メディア及びコンテンツ・サービス
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当社のIPTV及び衛星テレビサービスのプランは、提供されるメディア・チャンネルのパッケージ、UHDチャンネル
の利用可能性及びその他付加価値サービスを含むかに基づき異なる。月次加入者料金に加えて、当社は1セットトッ
プ・ボックスにつき1回限りの設置料金27,500ウォン、及びサービスプランに必要なセットトップ・ボックスの種類
に より異なる、年間で7,700ウォンから9,900ウォンのデジタル・セットトップ・ボックスのレンタル料金を請求す
る。これはまた、加入誓約期間の長さに基づき割引及び免除の対象でもある。当社は有料で、ストリーミング及びダ
ウンローディング用の各種ビデオ・オン・デマンドのコンテンツも提供する。家庭でのテレビ視聴並びにモバイル機
器上のアクセスが可能となるサービス・プラン提供に加えて、当社は携帯機器向けに特別に設計された低い料率の独
立した携帯電話テレビ・プランを提供する。
以下の表は、当社が現在提供する、代表的なIPTV及び衛星テレビサービスプランの条件を概説する。
期間3年の
月次料金 チャンネル
料率
プラン 追加の機能
( ウォン) (UHD)
( ウォン)
Olleh TV ライブ 270
・28,000を超えるビデ
55,000 44,000
TV 映画プラス
オ・オン・デマンドの
コンテンツにアクセス
できるプライム映画
パッケージ
・最新の人気の高い映画
及びドラマ専用の
キャッチオン&プラス
のチャンネル
・オンラインTVホーム
ショッピングの購入に
ついての割引
・ビデオ・オン・デマン
ド用の10,000ウォンの
毎月のクーポンに加え
すべてのコンテンツに
対する25%の割引
TV スリム 16,500 13,200 238
Olleh TV スカイライフ
・ビデオ・オン・デマン
TV エンターテインメント 31,020 24,816 225
ド用の毎月10,000ウォ
ンのクーポン
TV スリム 16,500 13,200 206
一括料金プラン
当社の顧客に付加価値を提供し、当社の各種サービスを抱合せで販売する努力を一層進めるために、当社は、1つ
の家庭における複数回線加入に対する割引を提供する家族プランとともに当社サービスの組合せ加入についての割引
を提供する一括料金プランを顧客に提供する。2019年12月31日現在、当社加入者の大多数が当社の一括料金プランに
加入していた。
固定回線パッケージ
当社は、固定回線電話、VoIP電話、ブロードバンド・インターネット接続、IPTV及び衛星テレビサービスから成
る、2以上の当社の固定回線及びテレビサービスに加入する顧客に対して実質的な割引を提供する。当社の一括料金
プランに従い徴収される定額支払いは、各サービスに割当てられる。
携帯電話サービス・パッケージ
当社の携帯電話サービスについて、携帯電話加入毎に毎月最大11,000ウォンの割引を提供する家族プランを提供す
る。1家庭につき最大5人まで家族プランに参加できる。
固定回線及び携帯電話組合せパッケージ
当社はまた、家庭及び単身の加入者の両方に対して、固定回線とテレビサービスを携帯電話サービスと組合わせ
る、様々な一括料金プランを提供する。ブロードネット・インターネット接続並びに携帯電話サービスに加入する家
庭に対して、当社のプレミアム家族プランは、ブロードバンド・インターネット接続の加入並びに追加の各家族構成
員(追加人数は4人まで)の携帯電話サービスに対して、約50%の割引を提供する。
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規制
2013 年3月のMSIPの設置により、以前はKCCが担っていた規制責任の多くが、MSIPに移管された。2017年7月26
日、MSIPは科学技術情報通信部(MSIT)に名称が変更された。電気通信基本法及び電気通信事業法に基づき、MSIT
は、電気通信業界及びすべてのネットワーク・サービス・プロバイダーに対する包括的な規制権限を引き続き有す
る。
前身であるMSIPの創設以来、MSITは以下のような事項について主要な政策及び規制責任を継承した:(ⅰ)ネット
ワーク・サービス・プロバイダーの登録及び限定サービスの免許供与(MSITはIPTVサービス・プロバイダーへの免許
供与を認可し、KCCの同意をもって衛星放送会社の免許供与を認可する。)、(ⅱ)吸収合併の規制並びにネット
ワーク・サービス・プロバイダーの免許の停止及び終了、(ⅲ)ネットワーク・サービス・プロバイダーの外国人に
よる所有比率の監督、及び(ⅳ)公共の利益に関連する電気通信に関する事項の検討及び付随的な電気通信事業活動
の承認。さらに、MSITは広い範囲の他の政策及び規制事項を管轄し、それには電気通信会社による規制上の報告の管
理及び監督、業界の会計及び事業経営慣行の検査及び分析、電気通信サービス料金を定める方針の設定及び運営、付
加価値サービス・プロバイダー及びネットワーク・サービス・プロバイダー並びに標準的な通信サービス/ユーザー
契約の報告要件の監督を含む。
KCCの総合的な政策的役割は、放送及び電気通信市場でのサービス利用者の保護を目指した規制業務において主要
な役割を果たすことであり、また電気通信会社による違反行為に関する調査及び制裁、並びにサービス・プロバイ
ダーと利用者間の争いを仲裁する責任を引続き持つ。KCCは韓国大統領直属に創設され、5名の常任委員で構成され
る。KCCの委員は大統領が任命し、委員長の任命は韓国国会(国民議会)の指名承認公聴会において承認されなけれ
ばならない。
「情報通信ネットワーク利用促進及び情報保護に関する法」に基づき、電気通信サービス会社もまた、顧客の個人
情報の保護を求められている。一般的に、電気通信サービス会社が顧客の個人情報を収集又は利用しようとする場
合、かかる電気通信会社は、一定の例外を除き、収集の目的、収集した個人情報の使用、収集された個人情報の種類
並びに個人情報が所有及び利用される期間について通知を行い、顧客の同意を受領しなければならない。韓国の電気
通信会社は顧客が同意した目的以外のいかなる目的でも顧客の個人情報を使用してはならない。加えて、電気通信会
社の顧客の個人情報を収集及び処理するために電気通信会社に設置が義務付けられている各種社内プロセスもある。
「情報通信ネットワーク利用促進及び情報保護に関する法」及び「個人情報保護法」の改正に従い、個人情報に関す
るかかる規制は2020年8月5日施行の個人情報保護法のもとで強化される予定である。
MSIT が、IPTVサービスを含む、有料テレビ・マーケットを規制する権限を持つ。インターネット・マルチメディア
放送事業法に基づき、インターネット・マルチメディア放送事業に従事する意思のある者は誰でも、MSITから免許を
取得しなければならない。新聞、ニュース会社及び外国人によるインターネット・マルチメディア放送会社の株式の
所有は制限されている。さらに、インターネット・マルチメディア放送事業法に基づき、IPTVサービス・プロバイ
ダーは、IPTVサービスを提供する関係会社とあわせて、韓国内の有料放送加入者全体(IPTV、ケーブル・テレビ及び
衛星テレビ加入者)の3分の1を超える市場占有率を占めることを制限されている。
料金
電気通信事業法の下で施行される現在の規制に基づき、ネットワーク・サービス・プロバイダーは、自らの裁量で
料金を設定することができるが、自らが提供するネットワーク・サービスの種類ごとに料金及び全般的な条件をMSIT
に報告しなければならない。しかし、ネットワーク・サービス・プロバイダーが特定の種類のサービスについて市場
占有率が最大で、しかも前年度にそのサービスから発生した収益がMSITの定める一定の金額を超える場合、そのサー
ビスの料金及び全般的な条件についてはMSITから事前に承認を得る必要がある。MSITは、料金及び全般的な条件につ
いてMSITの承認が必要なサービス・プロバイダー及びサービスの種類を毎年指定する。1997年、MSIPは、市内電話
サービスについて当社を、そして携帯電話サービスについてSKテレコムを指定し、これは現在も有効である。MSIT
は、MOEFとの協議により、(ⅰ)提出された料金案が適切、公正、妥当であり、かつ(ⅱ)料金の算定方法が適切で透明
性が確保されている場合は、ネットワーク・サービス・プロバイダーが提出した料金案を承認するよう求められてい
る。市内電話サービスを提供する当社の約款の様式及び他のサービス・プロバイダーとの各相互接続契約も、MSITに
報告をしなければならない。
政府はまた、携帯電話機補助金の金額を制限する規制を加えた。これは、高額の携帯電話機補助金を見返りとして
携帯電話加入者により高額な月次プランに加入させる可能性があり、又は携帯電話機のベンダーに消費者の年齢、居
住地及び特に加入プランに基づき差別的な補助金を提供させる可能性がある。2014年10月、携帯電話機販売改革法が
施行され、その第1の目的は、消費者に対して全般的な携帯電話サービスの費用を低減させ、携帯電話機製造業者に
小売価格を低減させるのを促し、差別的な補助金の慣行を制限することである。携帯電話機販売改革法に基づき、そ
の地位に関わらず誰でも、最近発売された携帯電話の購入に関連する携帯電話補助金、又は携帯電話サービス加入料
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有価証券報告書
金の割引のいずれかを受ける資格がある。以前は課されていた携帯電話補助金の上限は、2017年10月に廃止された
が、携帯電話サービス加入料金の追加割引を促進するために、MSITは政策ガイドラインを発表した。かかる政策ガイ
ド ラインに従い、携帯電話会社は携帯電話補助金を受けることを選ばなかった携帯電話加入者に適用される最大割引
料率を2017年9月より、20.0%から25.0%に引上げた。MSITは定期的に、電気通信会社が考慮することを推奨される
追加の政策ガイドラインを発表する可能性がある。近年、MSITは電気通信サービス料金を引下げ、電気通信サービ
ス・プロバイダーの意思決定の透明性を向上させる目的で、政策ガイドラインを発表している。具体的な政策ガイド
ラインには、一部低所得の加入者に適用される月次料金の引下げを含む。これは2017年12月に携帯電話サービス・プ
ロバイダーにより実施された。
その他の事業活動
当社を含むネットワーク・サービス・プロバイダーは、下記に際してMSITの許可を得る必要がある。
・ 事業免許を変更する。
・ 免許を交付されている事業の全部又は一部を廃止、停止又は分離(スピンオフ)する。
・ 他のネットワーク・サービス・プロバイダーの事業につき、その全部又は一部を譲渡又は取得する。
・ 他のネットワーク・サービス・プロバイダーと合併する。
ネットワーク・サービス・プロバイダーは、MSITに報告書を提出して、異なる電気通信サービス・プロバイダーに
より顧客へサービスを提供する取決めを締結することができ、またそれに関連してその電気通信サービスをかかる他
の電気通信サービス・プロバイダーに提供する、又はかかる他の電気通信サービス・プロバイダーによる電気通信設
備の全部もしくは一部の利用を許可することができる。当社が電気通信事業法に基づくMSITの規制に従わない場合、
MSITは、当社に事業免許の取消し又は何らかの事業停止の命令を行うことができる。
MSIT の責任には、次のものがある。
・ 通信技術開発計画を策定及び実施する。
・ 通信関連の研究を行う機関及び団体を育成し、指針を与える。
・ ネットワーク・サービス・プロバイダーに対し、研究開発に投資し、また韓国の電気通信研究所に資金を拠出
するよう勧告する。
さらに、すべてのネットワーク・サービス・プロバイダー(地域ページング(ポケットベル)会社は除く。)は、
韓国内の「ユニバーサル」通信サービスの供給に向けて出資するよう義務付けられた。MSITから「ユニバーサル通信
会社」として指定された通信会社は、市内通信、市内公衆電話、ブロードバンド・サービス、障害者及び特定低所得
者向け割引サービス、離島向け遠距離通信サービス及び船舶無線通信サービスなどのユニバーサル通信サービスを提
供することが求められる。当社は、ユニバーサル通信会社に指定されている。ユニバーサル通信サービスの提供に関
連してユニバーサル通信会社が計上した経費及び損失は、障害者及び特定の低所得者向け割引サービスを除き、年次
ベースで、MSITが定める計算式に従って計算される各社の年間正味収益に基づく比率で、当社を含むすべてのネット
ワーク・サービス・プロバイダー(地域ページング会社は除く。)が分担する。障害者及び特定の低所得者向け割引
サービスの提供に関連してユニバーサル通信会社が計上した経費及び損失については、そのユニバーサル通信会社が
負担する。
2018年4月以前は、当社は基本的インフラストラクチャーを所有していたというMSITの決定に従い、当社は他の固
定電話サービス・プロバイダーに対して、当該固定電話サービス・プロバイダーによる要請により、当社の固定電話
回線インフラの共同使用を認めるよう要求されていた。2018年4月、5G携帯電話サービスのインフラストラクチャー
の適切な設定を促進するために、政府は共同使用制度を以下のように改定する施策を発表した。(ⅰ)当社は固定電
話サービス・プロバイダーだけでなく、携帯電話サービス・プロバイダー(SKテレコム及びLG U+など)に対しても
5G携帯電話サービスの提供に必要な当社の通信インフラストラクチャーの共同使用を許可する、(ⅱ)政府は、当
社、SKテレコム、SK Broadband Co., Ltd.(「SKブロードバンド」)及びLG U+は建物へのケーブルの入り口及び建
物内の最初の接続地点の間の区間に関して基本的なインフラストラクチャーを所有していると決定し、当該三社は相
互に韓国中の建物全てのかかるインフラストラクチャーを共同使用することを求めた、及び(ⅲ)固定電話サービ
ス・プロバイダー及び携帯電話サービス・プロバイダーは今後の固定回線及び携帯電話ネットワーク構造の建設につ
いての共通の努力に参加することを求められた。当社の携帯電話ネットワーク構造についての詳細な情報は、「第
4 設備の状況-2 主要な設備の状況-携帯電話ネットワーク」を参照のこと。
加えて、当社は加入者を当社ネットワークに接続する当社の固定回線を他社へリースするよう求められている。こ
のシステムは、ローカル・ループ切離しと呼ばれ、ローカル・ループへの過度な投資を防止する目的である。このシ
ステムは、当社の余剰能力である銅線の一部を当社原価を基準に(適切な収益率も考慮して)MSITが決定する料金
で、他社が音声及びブロードバンド・サービスを提供できるようにその要請により他社へリースすることを求める。
ローカル・ループ切離しからの収益は(もしあれば)その他事業からの収益として認識される。
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外国からの投資
電気通信事業法では、外国人株主によるネットワーク・サービス・プロバイダーの所有及び支配を制限している。
外国人、外国政府及び「外国人が投資する企業」は、当社を含むネットワーク・サービス・プロバイダーの議決権付
発行済株式を合計で49.0%を超えて所有することができない。電気通信事業法の目的上、「外国人が投資する企業」
とは、外国人又は外国政府が筆頭株主であり、当該企業の議決権付株式の15.0%を超えて保有する企業をいう。ただ
し、(1)かかる会社が当社の議決権付発行済株式総数の1.0%未満を所有する場合、又は(2)かかる会社の最大株
主が、MSITにより公表されるとおり、韓国の自由貿易協定の相手国の政府又は外国法人であり、MSITが、かかる外国
政府又は法人がかかる会社の15.0%以上の株式を保有する事実が公共の利益を害するリスクを与えないと決定する場
合、49.0%の制限の目的からは外国人株主として算入されない。ただし、上記の49%の上限の計算は(x)ネット
ワーク・サービス・プロバイダー又はその株主と重要な経営関連契約を締結している外国法人、及び(y)国際電気
通信サービスの処理に関連する料金決済に関する契約を締結している外国法人、には適用される。2019年12月31日現
在、当社普通株式の46.6%が外国人投資家により所有されていた。ネットワーク・サービス・プロバイダーが株式保
有制限に抵触する場合、この外国人株主は、上記の限度を超えて自らの株式の議決権を行使することができず、MSIT
は、所有制限を遵守するための是正措置が講じられるよう求めることができる。
上記の49.0%の制限に加えて、電気通信事業法に基づき、当社株式総数の5.0%以上を所有する外国人株主は、当
社の筆頭株主になることを禁じられている。しかし、2004年5月9日以前に当社株式総数の5.0%以上を所有しかつ
最大株主であった外国人株主は、この規制を免除されている。ただし、かかる外国人株主は当社株式をこれ以上取得
することができない。さらに、電気通信事業法では、MSITが実質的な公共の利益を維持するのに必要とみなす場合、
MSITは外国人株主が当社の筆頭株主になることを禁じることができる。いずれかの外国人又は外国政府が上記の規定
に違反して当社株式を取得する場合、電気通信事業法は当該基準を超過する普通株式についてかかる外国人株主がそ
の議決権を行使するのを制限する。MSITはまた、当社又は外国人株主に対して6か月以内に超過株式に関する是正措
置をとることを命ずることができる。
顧客及び顧客への料金請求
当社は、通常、個人加入者と法人加入者に対して、同じサービス料金を請求する。ケース・バイ・ケースで、当社
は通信量の多い一部の法人加入者に対して、割引料金も提供する。当社は、毎月、顧客全員に料金を請求する。当社
の顧客は、地域の郵便局、銀行もしくは当社の営業所などの支払場所において、加入者の指定する銀行口座から毎月
の支払額を自動的に控除する直接引落としサービスを通じて、又は加入者の指定するクレジットカード口座へ毎月の
支払額を自動的に請求する直接チャージを通じて料金を支払う。2019年12月31日現在、当社の加入者のおよそ86.6%
が、直接引落としサービスを通じて支払っている。当社の請求を支払わない加入者の口座は、集金代行業者に移管さ
れ、集金代行業者が支払通知を送付する。その通知後も支払が行われない場合、当社は、加入サービスの種類によっ
て決定される一定期間の経過後、発信サービスの提供を停止する。発信サービスの停止後2、3か月間もかかる請求
が支払われない場合、当社は当該加入者への全サービスを停止する。サービス停止後、集金代行会社により回収され
なかった未収料金は償却される。
クレジットカード事業
当行が69.54%を保有するBCカードを通じて、当社は様々なクレジットカード・プロセッシング及び関連する金融
サービスを提供する。BCカードは、韓国専門クレジット金融事業法(「SCFBA」)に基づき定義される、「専門クレ
ジット金融事業(「SCFB」)」として規制及び監督を受ける。SCFBAはSCFB会社に免許取得(クレジットカード事業
のため)及び登録(リース、分割金融又は新技術金融事業のため)の要件を受けさせ、自己資本規制、流動性比率、
主要株主への貸付、報告及びSCFB会社の監督に関連するその他事項に関するガイダンス及び制限を与える。SCFBAは
SCFB会社に対する規制権限をFSC及びFSSに委任する。FSCは、SCFBAに基づく一定の規則に従わないことを理由として
SCFB会社の業務運営を6ヶ月間停止し、行政命令を発行する権限をもつ。FSCもまた、SCFB会社が特定のSCFBA規則又
はFSCの行政命令(停止命令を含む。)に従わない場合、免許又は登録を取り消す権限をもつ。
SCFBA 及びそれに基づく規則は、SCFB会社に以下の金額の最低払込済み資本金をみたすことを求める:(ⅰ)SCFB会
社が2種類以下の中核事業に従事する場合、200億ウォン、(ⅱ)SCFB会社(BCカード等)が3種類以上の中核事業
に従事する場合、400億ウォン。クレジットカード事業に従事するSCFBは、Tier 1 及びTier 2自己資本比率の合計
(調整後株式資本を調整後総資産で除す。)を8%以上に維持しなければならない。さらに、SCFB会社は1ヶ月以上
の延滞債権率(延滞債権を債権合計で除す。)を10%未満に維持しなければならない。
SCFBA 及びそれに基づく規則の下で、SCFB会社はウォンの流動性比率(ウォン建ての流動資産をウォン建ての流動
負債で除す。)を100%以上に維持することを求められる。さらに、SCFB会社がMOEFに外為事業金融機関として登録
される場合、かかるSCFB会社は以下を維持しなければならない:(1)80%以上の外貨流動性比率(3ヶ月以内に期限
を迎える外貨建て流動性資産を3ヶ月以内に期限を迎える外貨建て負債で除す。)、(2)7日以内に期限を迎える外
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貨建流動資産から7日以内に期限を迎える外貨建負債を差引き、外貨建資産合計で除した比率を0%以上、及び(3)
1ヶ月以内に期限を迎える外貨建流動資産から1ヶ月以内に期限を迎える外貨流動負債を差引き、外貨資産合計で除
し た比率をマイナス10%以上とする。
SCFBA 及びそれに基づく規則の下で、SCFB会社は合計で自己資本の50%を超える貸付けを主要株主(その特別関係
者を含む。)に供与してはならない。
SCFBA 及びそれに基づく規則に従い、SCFB会社は、とりわけ財務書類、経営実績及び資産の健全性に関する事業報
告書をFSCに提出する必要がある。SCFB会社はまた、以下を含む具体的な事項に関する情報も提供することを求めら
れている:(ⅰ)各四半期末現在、主要株主に供与した貸付けの金額、(ⅱ) 各四半期のかかる貸付けの合計金額の推
移及び信用供与取引の条件、(ⅲ)各四半期末現在、主要株主が取得した株式の金額、及び(ⅳ) 各四半期の保有株式
の合計金額の推移及び株式取得価格。いずれの場合も各四半期末から1ヶ月以内に提出する。さらに、SCFB会社は以
下を含む特定事象の発生時にFSCに報告を提出する必要がある:(ⅰ)名称変更、(ⅱ)筆頭株主の変更、又は(ⅲ)主要
株主及びかかる主要株主の特別関係者が保有する議決権付株式の所有の1%以上の増減。いずれの場合も発生時から
7日以内に報告する。
保険
当社は、全ての重要な建物及び自動車の損失又は損害に対して、保険に加入している。当社は、衛星及びデータ・
センターを対象にした保険を除き、保険料が非常に高く、物理的な損失又は損害のリスクがそれほど大きくないこと
から、社外の施設又は設備への損失を対象にした保険には加入していない。当社は、そのような損失又は損害に対す
る準備金又は引当金を有していない。当社は事業中断保険(休業保険)に加入していない。
当社はコ・ロケーション及びサーバー・ホスティング・サービスを含む多岐に渡る付加価値サービスを、その事業
が当社のサーバー上又は当社のデータ・センター内にあるそれら会社のサーバー上で運用される重要なデータに大き
く依存している多数の会社に提供する。コミュニケーション接続における混乱、中断、物理的もしくは電子的なデー
タ損失、遅延又は減速は、当社のサービスを信頼している当社顧客の事業中断に関連する損害賠償の可能性に当社を
さらすものである。
情報技術(IT)及びオペレーショナル・システム
当社の情報技術及びオペレーショナル・システムの強化並びにかかるシステムの有効利用は当社の中核となる戦略
を効果的に進めるために重要である。当社は引続き当社の情報技術システムへの投資及び強化に力を注ぎ、これは当
社の事業の多くの側面を支援する。変化する事業環境により効率的に対応するために、エンタープライズ・リソー
ス・プラニング・システム(「ERPシステム」)が2012年7月に実施された。当社は継続的に情報技術システムへ投
資を行い、改善することに尽力する。これは当社事業の多方面への支援となる。2017年6月、KTワン・システム
(「KOS」)という名称の事業支援システムが実施された。KOSは、以前は別々であった有線/無線のワークフロー、
構造及びシステムを統一する、当社の有線/無線システムの統合プログラムである。KOSは、当社の事業プロセス及び
制御システムの様々な面の向上に貢献してきた。
特許及びライセンス技術
最新の電気通信技術の知的財産権を取得及び保護する能力は、当社の事業に重要である。当社は、国内外で様々な
特許及び商標のライセンスを所有又は保持しており、また韓国及び米国、ヨーロッパ、中国及び日本などのその他選
択した国において審査中の特許申請がある。韓国及び海外で登録された当社の特許の大半は、無線及び固定の電気通
信、メディア及びモノのインターネット(「IoT」)技術に関するものである。加えて、「第3 事業の状況-5
研究開発活動」に記載のとおり、当社は最新の技術及び追加プラットフォームの開発のために、研究開発
(「R&D」)研究所を数か所運営する。当社は当社の知的財産権を、定期的な特許権使用料の支払いを見返りとして
第三者に供与する。当社は現在、重要な技術又は特許を第三者から供与されていない。
事業の季節性
当社の主たる事業は、全般的に大きな季節性がない。
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4【関係会社の状況】
(1)国内連結子会社
(2019年12月31日現在)
議決権の所有
資本金
割合(%)
名称 所在地 (単位:百万 業種 備考
(1)
ウォン)
無線電話(Trunk
(2)
ソウル 86,647 44.8
KT パワーテル㈱
Radio System)事業
公衆電話機の維持管
KT リンカース㈱ ソウル 17,612 92.4
理
海底ケーブルの建設
(2) (4)
プサン 21,900 39.3
㈱KTサブマリン
及び維持補修業務
KT telecop ㈱
ソウル 35,683 施設警備 86.8
KT ハイテル㈱ ソウル 35,715 データ通信 67.1
固定回線開設サービ
㈱KTサービス北部 ソウル 3,536 67.3
ス
固定回線開設サービ
㈱KTサービス南部 大田 3,477 77.3
ス
電子商取引
KT コマース㈱ ソウル 7,000 (B2C,B2B)及び関 100.0
連付加サービス
KT 戦略投資組合2号 ソウル 19,000 投資ファンド 100.0
KT 戦略投資組合3号 ソウル 5,200 投資ファンド 100.0
KT 戦略投資組合4号 ソウル 20,000 投資ファンド 100.0
KT 戦略投資組合5号 ソウル 6,250 投資ファンド 100.0
BC-VP 戦略投資組合1号 ソウル 10,000 投資ファンド 100.0
クレジットカード事
BC カード㈱ ソウル 44,000 69.5
業
クレジットカード等
VP ㈱ ソウル 3,703 の支払セキュリ 50.9
ティ・サービス
金融部門のコールセ
㈱H&Cネットワーク ソウル 4,448 100.0
ンター
インターネットバン
キングASP及びセ
(4)
ソウル 9,895 58.2
イニテック㈱
キュリティのソ
リューション
VAN( 付加価値ネット
㈱スマートロ ソウル 6,241 64.5
ワーク)事業
システムの統合及び
(4)
ソウル 1 3 , 179 95.5
㈱KTディーエス
維持保守
モバイルマーケティ
㈱KT エムハウス ソウル 5,000 90.0
ング
㈱ KT エムアンドエス 果川 237,000 携帯電話端末機販売 100.0
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㈱ジニミュージック(旧:
オンライン音楽制作
ソウル 29,058 36.0
(2)
及び販売
㈱KTミュージック)
(4)
ソウル 2,535 通信施設維持補修 100.0
㈱KT MOS北部
大田(テ
(4)
1,665 通信施設維持補修 98.4
㈱KT MOS南部
ジョン)
(4)
ソウル 119,555 衛星放送事業 50.3
㈱KTスカイライフ
テレビのコンテンツ
㈱スカイライフTV ソウル 20,205 92.6
供給
住居用建物開発及び
㈱KTエステート ソウル 79,244 100.0
供給
資産管理及びコンサ
㈱KTエーエムシー ソウル 7,000 ルティング・サービ 100.0
ス
クラウド・システム
㈱ネクスアール ソウル 2,073 100.0
の実施
KT ジーディーエイチ㈱
データ・センター開
(KTSBデータサービス 金海 37,000 100.0
発及び関連サービス
㈱)
㈱KTサット ソウル 50,000 衛星通信事業 100.0
インターネット広告
(3) (4)
ソウル 4,558 ソリューション及び 44.0
㈱ナスメディア
IPTV広告
㈱KTスポーツ 城南 15,000 スポーツ団の管理 100.0
KT 音楽コンテンツ投資組 音源及びコンテンツ
ソウル 9,000 80.0
合1号 投資事業
KT 音楽コンテンツ投資組 音源及びコンテンツ
ソウル 7,500 100.0
合2号 投資事業
KT- ミシガングローバルコ
ソウル 17,600 コンテンツ投資事業 88.6
ンテンツファンド
情報通信関連サービ
㈱オートピオン ソウル 2,000 100.0
ス業務
データベース及びオ
(2) (4)
大田 23,843 ンライン情報プロバ 30.9
㈱KTシーエス
イダー
データベース及びオ
(2) (4)
ソウル 17,401 ンライン情報プロバ 30.1
㈱ケーティス
イダー
特殊分野通信事業及
㈱KT M mobile
ソウル 200,000 100.0
び通信機器の販売
㈱KTインベストメント ソウル 20,000 技術融資 100.0
㈱フーフーアンドカンパ ソフトウェア開発及
ソウル 1,000 100.0
ニー びサプライ
プレイディー㈱(旧:エ
ヌ・サーチ・マーケティ 京畿道 4,514 広告代理業 100.0
ング㈱)
居住用建物開発及び
ネクストコネクトPFV㈱ ソウル 384,895 100.0
供給
㈱KT希望ジウム 果川 1,500 製造業 100.0
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㈱ジーイープレミア第1号
不動産投資及び賃貸
企業構造調整不動産投資 ソウル 5,530 63.5
業
会社
㈱ケーリアルティ賃貸住 不動産業(居住用建
ソウル 5,000 100.0
宅3号 物)
注(1) 当社及び子会社により保有されている持分を合算した持分率である。
(2) 当社がこの子会社に保有する持分率は50%を超えていないが、過去の株主総会での議決権行使状況等を考慮して、
当社が意思決定過程で常に過半数の議決権を行使できるため、当該会社は連結子会社に含めている。
(3) 当社がこの子会社に保有する持分率は50%を超えていないが、当社が他の投資家との約定により過半数の議決権を
保有するため、この会社は連結子会社に含めている。
(4) 議決権の所有割合を計算する際には、子会社の自己株式数を株式総数から控除している。
(2)海外連結子会社
(2019年12月31日現在)
議決権の所有
資本金
割合(%)
名称 所在地 (単位:百万 業 種 備考
(1)
ウォン)
Korea Telecom America,
米国 5 海外電気通信事業 100.0
Inc.
Korea Telecom Japan,
日本 888 海外電気通信事業 100.0
Co., Ltd.
ポーラン
KBTO sp.zo.o.
15,416 電気通信事業 97.2
ド
Korea Telecom China,
中国 1,370 海外電気通信事業 100.0
Co., Ltd.
ソフトウェア開発
BC Card China Co., Ltd.
中国 1,968 及びデータ・プロ 100.0
セッシング
インドネ
PT. KT Indonesia
132 海外電気通信事業 99.0
シア
インドネ ソフトウェア開発
PT. BC Card Asia Pacific
26,013 99.9
シア 及び供給
KT Dutch B.V. が
ウズベキ 無線超高速イン
Super iMax LLC
6,837 100.0
スタン ターネット事業
100.0%を保有
ウズベキ KT Dutch B.V. が
East Telecom LLC
4,008 有線電話事業 91.0
スタン
91.0%を保有
Super iMax 及び
KT Dutch B.V.
オランダ 39,815 East Telecomの経 100.0
営
ネットワーク構築
KT Rwanda Networks Ltd.
ルワンダ 102,909 51.0
及び 管理
システム統合及び
AOS Ltd.
ルワンダ 16,620 51.0
補修
KT Belgium
ベルギー 93,840 海外投資事業 100.0
KT ORS Belgium
ベルギー 7,213 海外投資事業 100.0
KT Hongkong
Telecommunications Co., 香港 467 有線電話事業 100.0
Ltd.
Korea Telecom Singapore
シンガ
0 海外投資事業 100.0
(2)
ポール
Pte.Ltd.
ウズベキ 有線インターネッ
Texnoprosistem LLP.
42 100.0
スタン ト事業
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Nasmedia Thailand Co 。
インターネット広
タイ 500 99.9
告ソリューション
Ltd.
注(1) 当社及び子会社により保有されている持分を合算した持分率である。
(2) 2019年12月31日現在、 Korea Telecom Singapore Pte.Ltd. の資本金は100万ウォン未満であった。
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5【従業員の状況】
個別ベースで、2019年12月31日現在の当社(KT Corporation)の従業員は23,372人(23,372人には、正社員及び期
間従業員を含み、理事を除く。)であった。これに対して、2018年12月31日現在は23,835人、2017年12月31日現在は
23,925人であった。
2019年12月31日現在の従業員の平均年齢は、47歳であった。従業員の平均勤続年数は、2019年12月31日現在、21.2
年であった。
個別ベースで、2019年の年間給与総額は1兆9,000億ウォンであり、2019年の従業員1人当たりの平均年間給与は
8,500万ウォンであった。この計算には、2019年12月現在の従業員数23,372人ではなく、年間平均従業員数22,201人
を使用している。(1人当たり平均年間給与=年間給与総額÷年間平均従業員数)
労使関係
当社は、当社と従業員との現在の関係は良好であると考えている。しかし、過去においては、当社の非中核事業を
処分し、従業員数を削減することで当社の効率性と収益率を向上させる当社の再構築戦略は当社組合からの反対に
あった。
2019年12月31日現在、当社従業員の約77.7%はKT労働組合のメンバーであった。組合員を代表して、KT労働組合は
当社と2年毎に団体協約を話し合う。当社の現在の団体協約は、2021年6月16日まで有効である。現在の団体協約
は、ストライキの場合でも通信事業を運営するために最低人数の従業員は職務を継続することを規定している。
組合はまた、毎年当社と組合員の賃金について交渉する。労働者の参加及び協力促進法に基づき、経営陣及び各事
業部門、地域事務所の労働者の代表から構成される当社の労使協力委員会は、四半期毎に会合を持ち、従業員の不
満、労働条件及び従業員の提案によるサービス又は経営の改善の可能性について協議する。
労働組合及び労働関係調整法(「労働法」)は、1つの会社の中に複数の労働組合を結成することを認める。従っ
て、当社の従業員により追加の労働組合が結成される可能性がある。かかる改正に従い、当社の従業員は新しい労働
組合「KT新労組」を2011年7月に結成した。労働法はまた、かかる複数の組合は、組合員を代表して会社と交渉する
際は、1つの窓口に統合し、会社と1つの団体協約を締結することを求める。最近の労働組合の統合の結果、KT労働
組合が労働組合の交渉代表として選定された。交渉代表としての任期は、2021年12月31日に失効する。
従業員の株式保有及び福利厚生
当社は従業員持株会を設置しており、当該持株会はそのメンバーに代わり韓国において売出された当社株式を上限
20.0%まで購入することができる。従業員持株会は2019年12月31日現在、当社発行済株式の0.4%を保有していた。
韓国国民年金法に従い、当社は従業員の標準月額賃金の4.5%に等しい金額を、各従業員は自身の標準月額賃金の
4.5%を、各自の個人年金口座に拠出する。当社の従業員(執行役員並びに管理職でない従業員を含む。)は年金保
険制度の対象であり、これに基づき、当社は従業員の年金口座に毎月拠出を行い、退職時にかかる従業員には年金口
座から年金額が支払われる。2011年4月より前には、当社の管理職及び非管理職従業員は一括払いの退職給付制度の
対象であったが、これに基づき彼らは、自身の雇用終了時に勤務年数及び退職時の給与水準に基づき一括払いの退職
給付を受領する資格があった。2011年4月より、韓国従業員退職所得保険法に従い、当社はかかる一括払いの退職給
付制度を確定給付制度である当社の現在の年金保険制度に替え、また2012年12月に確定拠出制度も導入した。これら
には、2019年12月31日現在、あわせて総額約2兆1,270億ウォンの基金化されていない部分がある。現在の年金保険
制度の採用前に発生した一括払いの退職金額は、引続き支払われる。当社はまた、従業員に対して、住宅、住宅ロー
ン、会社提供の病院及び学校、会社が資金拠出する年金プログラム、従業員福利厚生基金、産業災害保険、文化・体
育施設、体育補助金、食事手当、健康診断及び教育訓練及び休暇センターを含む広範な福利厚生を提供する。
従業員の教育訓練
当社の訓練プログラムの目的は、当社の顧客に対して価値を創造する能力を持つ情報技術専門家を育成することで
ある。当社従業員のスキルを開発するために、当社は、個人評価に基づく個人に応じたカリキュラムを使用して、大
半の従業員に対して年間85時間の教育訓練を要求する。当社はまた、当社従業員にオンライン授業を提供するための
サイバー・アカデミーを運営し、さらに当社従業員に対して様々な外国語の授業を提供する。加えて当社は、韓国又
は海外の大学院課程を求める有望な従業員には授業料及び生活費の払戻しを行い、さらに職務に関係する職業上のラ
イセンスを目指す従業員又は就業後の学習課程に参加する従業員に財政的援助を提供する。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
韓国の通信産業
韓国の電気通信産業は、非常に発達しており、携帯電話及びブロードバンド・インターネット接続の2つの主要分
野から成る。両分野の市場規模は継続的に成長し、2019年12月31日現在、加入者数はそれぞれ6,890万人及び2,190万
人に達した。さらに、この産業は技術の絶え間ない前進及び改良をその特徴とする。携帯電話サービスは2001年の3G
ネットワーク、2011年の4Gネットワークの導入から発展している。前の世代より早い通信速度、少ない待ち時間及び
接続性の向上を提供することにより、5Gサービスが2019年4月に開始された。ブロードバンド・インターネット・
サービスは通信速度の面で時間をかけてさらに発展した。2014年、リアルタイムの高解像度が最高速度1Gbpsで利用
可能となった。わずか4年後に、KTは10Gbpsまで速度を向上させたインターネットサービスの提供を開始した。当社
は主にサービスの性能、品質及び信頼性、消費者の要求への対応能力並びに価格に基づき競争する。大手携帯電話会
社には、当社(KT Corporation)、SKテレコム及びLGU+がある。ブロードバンドについては、主たる市場参加者は、
当社、SKブロードバンド及びLGU+である。さらに、IPTV事業がメディア業界のもう一つの主要な分野になってきてい
る。コンテンツ及びサービスの差別化をもって、IPTVの加入者は2017年にケーブルテレビの加入者を超え、加入者数
の差は拡大している。IPTV加入者は、2019年12月31日に1,800万人であり、これに対してケーブルテレビの加入者数
は1,400万人であった。各事業セグメントの詳細については、「第2 企業の概況-3 事業の内容」を参照のこ
と。
携帯電話サービス市場
韓国の携帯電話市場はSKテレコム(旧:韓国モバイル・テレコム)が韓国で最初の携帯電話オペレーターとなった
1984年に正式に開設された。SKテレコムは新世紀通信がサービスを1994年に開始するまで、韓国で唯一の携帯電話
(セルラー)オペレーターであった。さらなる市場の発展と競争を奨励するため、韓国政府は1996年6月に3つの第
2世代の事業免許を付与した。KTFは、LG U+とハンソルエムドットコムと共に免許を付与された。第2世代の商業
サービスは1997年10月に始まった。
1997年に新規オペレーターが3社参入して以来、韓国の携帯電話市場は数件の統合化が進んでいる。SKテレコムに
よる新世紀通信の支配権の買収に続き、KTもまた2000年にハンソルエムドットコムの持分47.9%を取得し、同社をKT
エムドットコムと社名変更した。KTエムドットコムは2001年5月にKTFに吸収合併され、新世紀通信は2002年1月に
SKテレコムに吸収合併された。2009年6月にKTFはKTに吸収合併された(KTが合併存続会社)。
市場もまた、技術の絶え間ないイノベーションを通して、著しい成長を経験した。KT及びSKテレコムは、より大き
い帯域幅容量を利用する、第3世代の無線インターネット及びビデオ・マルチメディア通信サービスを提供する。よ
り早いデータ通信速度を提供するLTE技術に基づく第4世代の通信サービスの発売開始により、さらなる改善が行わ
れた。2011年7月、SKテレコム及びLG U+は、4Gの通信サービスの提供を開始し、KTは2012年1月に4G LTEサービス
を開始した。2013年9月、KTは、標準LTEサービスで提供される速度より2倍速い通信速度を可能とする、広帯域LTE
サービスを開始した。SKテレコムも2013年9月に広帯域LTEサービスの提供を開始し、LG U+は2014年1月にその後を
追った。当社の重要な顧客により向上したサービスを提供するために、通信速度をさらに高速化するために周波数帯
間キャリアアグリゲーション技術を利用したLTE-Aサービスが2014年3月に開始された。さらに2015年6月、GiGA
LTEサービスが商品化された。WiFiと広帯域LTE-Aネットワークをリンクすることにより、より速いWiFi接続が可能と
なった。KTはGiGA LTEサービスに関する各種の賞を受け、当社の技術をトルコの大手通信会社であるTurk Telekom
Groupに提供することに合意した。
韓国では、2019年4月に5Gサービスが発売された。KTは、サービス開始から1ヶ月以内で5G加入者数が10万人を超
え、市場で中心的役割を果たしている。電気通信オペレーターは5G料金プランを市場に導入し、KTは、「スーパープ
ラン」という名称の5G料金プランで業界初の無制限のデータを提供する。分割期間を最長48ヶ月まで延長する選択肢
により、当社の重要な顧客のために、より幅広い金銭的選択肢もまた利用できた。現在の5G市場の状況は比較的安定
しているが、大手電気通信会社の間で競争が激化する可能性があり、これは当社の経営成績に重大なマイナスの影響
を与える可能性がある。
下記の表は表示の期間中の携帯電話産業の加入と普及率に関する情報を示す。
12 月31日現在
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
(1)
51,529 51,696 51,779 51,826 51,850
韓国総人口(単位:千人)
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(2)
58,935 61,296 63,659 66,356 68,893
携帯電話加入者数(単位:千人)
携帯電話加入者成長率 2.9 % 4.0 % 3.9 % 4.2 % 3.8 %
(3)
114.4 % 118.6 % 122.9 % 128.0 % 132.9 %
携帯電話普及率
注:(1)韓国行政安全部公表の登録居住者数に基づく。
(2) KCC及びMSITが発表した情報に基づく。
(3) 携帯電話加入者数を韓国総人口で除して普及率を計算する。
ブロードバンド・インターネット接続市場
近年、ブロードバンド・インターネット接続サービス・プロバイダーはインターネット・サービスのデータ通信能
力の向上に重点を置いている。2014年、技術の発展により、最高速度1Gbpsのデータ通信が可能となった。このイノ
ベーションにより、サービス・プロバイダーはリアルタイム、高解像度の放送で、ビデオオンデマンドを提供するこ
とが可能になった。さらに、2018年、KTが業界の10GiGAのインターネット(最高速度10Gbps)を導入することで、通
信速度の向上が達成された。
ブロードバンド・インターネット市場はまた、ブロードバンド・インターネット加入者数の著しい増加も経験し
た。ブロードバンド・インターネット加入者数は、2015年の約1,980万人から2019年には2,190万人へと10.5%増加し
た。
下表は、表示の期間のブロードバンド・インターネット接続市場の加入情報を示す。
12 月31日現在
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
ブロードバンド加入者数(単位:千人)
(1)
19,818 20,349 20,989 21,286 21,906
注:(1) KCC及びMSITが発表した情報に基づく。
事業戦略
韓国における電気通信市場は、韓国の経済成長、消費者の新技術採用に対する前向きな姿勢、比較的高い所得及び
比較的層の厚い中間層により一定の成長分野が残っているにもかかわらず、ほぼ飽和状態であると当社は考える。当
社の競争力を維持するために、当社は既存事業の当社の強みを維持しつつ、他の分野での成長を追求する必要がある
と考える。2016年以降、当社の主たる戦略上の中心は、当社のolleh GiGA インターネット・サービス及びLTEモバイ
ル・サービス向けに設置された固定回線及び無線のインフラストラクチャーを利用して、情報・通信技術をエネル
ギー、セキュリティ、メディア、医療、輸送及び金融取引などのその他分野と収斂させるサービスの促進であった。
さらに、当社は人工知能及びビッグデータに重点を置き、革新的な収斂サービスを導入するためにIPTVやネットワー
ク資産などのプラットフォームを活用する計画である。例えば、当社はIPTVセットトップ・ボックスに基づき人工知
能を利用する「GiGA Genie」を開始した。これにより利用者はテレビ視聴、インターネット利用及びその他インター
ネット接続機器の制御のために音声命令の利用が可能となる。2017年、当社は「GiGAeyes」という商品名で双方向の
ビデオ・セキュリティ・サービスを開始した。これはビッグデータの分析システムに基づき、高度な監視サービスを
提供する。加えて、Kバンクという名称の韓国初のインターネット専門の銀行(当社は少数持分を所有する。)が
2017年4月に営業を開始し、Kバンクは運用についてモバイル機器及びインターネットを主にベースとするバーチャ
ル銀行としての営業を目指すが、他方コンソーシアムの他のメンバー1社のコンビニエンス店舗を通じてより多くの
利用者のアクセスも促進する。Kバンクはさらに、ビッグデータの利用及び競争力ある商品と金利を提供すること
で、従来からの銀行との差別化を計画する。
当社の収斂サービスの戦略的な重点は、「GiGAtopia」コーポレート構想を基礎とし、これは人類及びあらゆるも
のがコンバージェンス・サービス、産業発展及びイノベーションにより高度化した、超高速の「GiGA」インフラスト
ラクチャー及びICT(情報通信技術)エコ・システムにより結び付けられる1つの世界を構築する当社の目標を指
す。当社は2014年10月に1Gbpsの最大通信速度を提供するolleh GiGAインターネット・サービス(「olleh GiGA イ
ンターネット・サービス」)を開始した。2015年6月、当社はまた、「GiGA LTE」と呼ばれるモバイル・データ・
サービスを発表した。GiGA LTEはマルチパス・トランスミッション・コントロール・プロトコル(「MPTCP」)技術
を利用する。さらに、ダウンロード/アップロードの最大速度10Gbpsを可能とする、10GiGAインターネット・サービ
スが2018年11月に発売された。当社は、当初は大都市地域に重点を置き、さらに韓国内のその他の地域に拡大し、
GiGAの対象地域の拡大を継続する。当社のコンバージェンス・サービスを推進することにより、当社は現在の補助金
をベースとした韓国の電気通信市場の競争を革新的な技術、製品及び高度なサービスに基づく競争に変えるよう貢献
をすることを目指す。
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当社は、5G携帯電話サービスの開始が、ビッグデータの重要性が増すことによっても刺激され、将来のイノベー
ションへの主要な推進力となると考える。非常に高度な4G LTEサービスを提供する当社のリーダーシップをもって、
当 社は様々なさらに進んだ技術を開発し、提示するために幅広く努力をしている。2018年平昌(ピョンチャン)冬季
オリンピックにおいて、当社は世界初の5G試験サービスを発表した。当社は、向上させた速度、接続待機時間及び接
続性をもつ様々なサービス(例えば、360度のパノラマ・ビューを備えた選手の視点からの放送、又は多次元の視座
からの放送など)を展示した。2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの公式電気通信サービスパートナーと
して、当社は5Gの映像を実現し、オリンピックの真に記憶に残る瞬間をつかむために最大限の努力を行った。2018年
12月、当社はロボットを最初の5G加入者として世界初の5Gサービスを商品化した。
2018 年に当社は当社の(法務、会計及び投資家向け広報活動部門などの社内サポート事業と対照する)「顧客に対
応する」事業部門を5つの事業グループ、すなわち「マーケティング・グループ」、「顧客及びメディア・グルー
プ」、「企業事業グループ」、「未来プラットフォーム事業グループ」及び「グローバル事業グループ」に組織編成
し、当社の競争力を強化し新たな成長の機会を発見するとともに、当社がより高度なシナジーを達成し、顧客セグメ
ントの異なるニーズにさらに効率的に対処できるようにした。当社は当社の事業グループに関して以下の戦略を追求
することを目指す。
・マーケティング・グループ 当社のマーケティング・グループを通じて、当社は(ⅰ)当社の固定回線及び無
線電気通信市場の占有率拡大及び利用者1人当たりの平均収入増加、(ⅱ)電気通信及びコンバージェンスに具体
的に関連する事業戦略及び計画の発展、(ⅲ)製品、顧客サービス及びその他関連サービスの当社競争力の強化、
及び(ⅳ)効率的なマーケティング戦略の開発及び実行により当社の電気通信及びコンバージェンス業務を拡大す
ることを目標とする。当社はまた、スマートフォンのような高度無線データ通信機器を利用したブロードバンド・
インターネット接続の需要の伸びを満たすために、無線データ通信事業の拡大に重点を置く。当社は、固定回線と
携帯通信サービスのコンバージェンス(統合)を促進するよう設計されたスマートフォン及び携帯電話機の提供を
拡大し、またかかる携帯電話機の各種アプリケーションの開発を促進するために携帯電話機製造業者と密接に協働
する。
当社は、電気通信市場及びコンバージェンス市場がさらに発展するのに従い、より多くの顧客を引付けるために
当社の業界随一のネットワーク・インフラストラクチャーを利用する計画である。さらに、当社の強力なブラン
ド、全国的な販売網、競争力のあるデータ利用率、スマートフォン利用者専用のコールセンター、当社の潜在的顧
客のニーズに対応する創造的な販売戦略及び様々な携帯電話と固定回線サービスを組み合わせる能力を活用して、
携帯電話市場での当社の地位を一層向上させることを目指す。当社はまた、コンバージェンス市場における当社の
主導的地位を一段と強固にするために韓国及び海外のアプリケーション開発者と共同することにより、スマート
フォン利用者及び携帯データ利用者向けの当社のコンテンツ及びアプリケーションをさらに拡張する計画である。
2017 年、当社はスマートフォンの電力消費をLTE無線ネットワーク上で操作しつつ最小にする新技術を導入し
た。2018年、当社は、無制限のLTEデータを提供することにより利用者のデータニーズを対象とした「データ・オ
ン・プラン」を発売することにより、引き続き携帯市場を先導した。さらに2018年8月、GiGA Genieサービスにお
いて、AI IPTV STBの加入者が、2017年1月の発売からわずか18ヶ月で100万人に到達した。GiGA Genieの成長は、
当社が様々なICT事業部門からの提携の機会により、プラットフォーム事業を強化する助けとなる。
・顧客及びメディア・グループ 当社は顧客及びメディア・グループを通じて、(ⅰ)当社が提供する各製品の
戦略及び当社のマーケティング努力の計画策定及び実行、(ⅱ)マーケティング及び顧客サービス努力の強化によ
り市場占有率の拡大に貢献、(ⅲ)高品質の顧客サービスを提供することによる顧客満足度の最大化、及び(ⅳ)
サービスの自動化及び自己初期設定などの技術に基づく当社の顧客サービスの変革により、当社のすべての商品及
びサービスについて、マーケティング及び顧客サービスの努力を向上することを目標とする。IPTVメディア事業に
ついては、当社は2008年11月から当社のIPTVサービスでリアルタイムの放送サービスを提供しており、急速に成長
するIPTV業界で2018年に約790万人の加入者を有し業界トップの地位を維持する。次世代メディアの分野で、当社
は次世代メディア・コンテンツ及び新メディア技術の開発に貢献するよう努め、これにより韓国のメディア・コン
テンツの海外市場への拡大を支援する。この流れで、2018年に当社は、コンテンツ・プラットフォーム事業及び
2018年11月に開始された「GiGA Live TV」等の没入型メディア(AR/VR/MR)事業に主に重点を置くために、新メ
ディア事業センターを新設した。
・企業事業グループ 企業事業グループを通じて、当社の大企業、中小企業及び政府機関の顧客に、ワンストッ
プ・ソリューション・サービスを提供することを目指す。これには、データ通信・情報技術インフラの設計及びオ
ペレーションの効率性・コスト節減を達成する目的での日々の業務運営の監視、ならびに当社のグローバル業務の
事業計画の設定及び実行を含む。さらに、当社の未来プラットフォーム事業グループと協力して、当社はスマー
ト・エナジー、統一セキュリティ・システム及び大容量データ管理の分野で当社の業務拡大に努める。また、当社
は、来るべき5G時代において「スマート・ファクトリー」のような様々なB2Bを利用する事例に向けて準備する。
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・未来プラットフォーム事業グループ 韓国の電気通信市場の飽和状態及び従来からの電気通信サービス市場の
成長の限界のために、当社の未来コンバージェンス事業グループを通じて、当社は情報・通信技術をスマート・エ
ナジー、統一セキュリティ・システム、医療及びインテリジェント・トラフィック制御、コネクテッド・カーなど
の 他の分野と収斂させることにより、既存の事業能力を新たなシナジーの達成に集中させることを目指す。スマー
ト・エナジーの分野においては、「KTミクロ・エナジー・グリッド・システム」という名称の当社のコンバージェ
ンス・エネルギー最適化プロジェクトを通じて、当社はエネルギー効率性の増進の貢献に努める。統一セキュリ
ティ・システムの分野においては、当社は自然災害及びその他災害の全国応答システムの構築に貢献し、個人及び
法人のセキュリティの向上を目指す。例えば、2017年、「GiGAeyes」という名称で、監視ビデオを分析し、不審な
行動を自動的に検出する双方向のセキュリティ・システムを発売した。当社はまた、高度な医療を提供する個別の
治療システムの開発方法、ならびにトラフィックを減少させるためのインテリジェント・トラフィック制御の開発
にも努力する。当社はGiGA Koreaプロジェクト、済州島におけるC-ITS(協調型高度道路交通システム)等の各種
スマート・モビリティとの関連性を持つ計画である。
・グローバル事業グループ 当社のグローバル事業グループを通じて、当社は、飽和している国内市場を打開す
るためにグローバルな市場に当社の拠点を継続して作る。当社の定評あるGiGAネットワーク・ソリューション及び
エネルギー/セキュリティ・ソリューションが当社の核心をついたコンサルティング能力と組み合わさり、当社は
優先される市場の国々(主に発展途上国)に戦略的に集中する。例えば、当社は従来からの銅の電話回線で最高速
度1Gbpsのインターネットを可能とするGiGA有線ソリューションを提供し、これは当社が開発し、様々なグローバ
ル市場で採用された。そして、これは当社が保有する他のICTソリューションと組み合わせると、より多くの価値
が生み出される。2018年、当社は、情報及び通信技術に基づき、スエズ運河にスマート・インフラストラクチャー
を構築するために、「GiGA有線ソリューション」をエジプトに提供した。プロジェクトを実行するために、当社は
また、ビッグデータの分析能力及びデータセンターの運用スキル(KT-MEG、GiGA eyes及びGiGA IoTを含む。)を
利用する予定である。また、当社は金融部門の事業であるモンゴルにおける「CSS(クレジット・スコアリング・
システム)」及びオーストラリアにおいてスマート・コミュニティを構築するスマート・エネルギー・ソリュー
ション等のコンバージェンス・サービスの関連性を拡大した。
競争状況
当社は主要な事業分野のそれぞれにおいて厳しい競争に直面している。携帯電話サービス市場、固定回線サービス
市場並びにメディア及びコンテンツ・サービス市場において、当社は主にSKテレコム及びLG U+(それらの関係会社
を含む。)と競合する。過去20年間、電気通信業界はかなりの統合が進み、その結果、現在の競争状況は、電気通信
及びデータ通信サービスを幅広く提供するネットワーク・サービス・プロバイダー3社により構成されている。当社
の主たる競合会社はそれぞれ、有料テレビ市場での市場占有率を大幅に増やすために、韓国の大手ケーブルテレビ・
オペレーターを買収し、又は買収する計画を発表した。これにより競争がさらに激化すると当社は予想する。2019年
12月、LG U+はCJハロー株式会社の支配的持分の取得を完了し、同社はその後、LGハローヴィジョン株式会社となっ
た。2019年2月、SKテレコムは、t-broad株式会社(「t-broad」)との合併計画を発表し、これは2020年第2四半期
に完了する予定である。
規模は小さくなるが、当社はまた、電気通信基本法及び電気通信事業法に基づき分類される、様々な付加価値サー
ビス・プロバイダー及びネットワーク・サービス・プロバイダーとも競合する。これには携帯電話ネットワークを賃
借し、携帯電話サービスを提供するMVNO、インターネット電話サービスを提供するVoIPサービス・プロバイダー、
ケーブルテレビ業者、テキストメッセージ・サービス・プロバイダー(特にKakao Corp.(「カカオ」))並びにボ
イスリセラーを含み、これらの多くは競合するサービスをより低い価格で提供する。当社はまた、ネットフリックス
等のグローバルな巨大メディア・サービスの人気の高まりから生ずる、メディア及びコンテンツ・サービス市場の発
展状況の変化に直面している。
当社は第1にサービスの性能、品質及び信頼性、発展する消費者の需要を正確に特定し対応する能力並びに価格に
基づき競争する。次世代5G携帯電話サービスを2019年4月に発売したことで、ネットワーク・サービス・プロバイ
ダー3社の間で競争がさらに激化しており、この結果マーケティング費用の増加、並びに5G携帯電話サービスの実施
に関連する追加の資本投資をもたらした。携帯電話サービス・プロバイダーもまた、新機種を購入し、最低加入期間
に合意した加入者に補助金又は割引加入料金を提供し、当社もまたかかる金額に基づき競争する。当社及びSKテレコ
ムは、電気通信事業法に基づき、市内電話及び携帯電話市場のそれぞれにおいて市場支配企業として指定されてい
る。同法に基づき、市場支配企業は、他の企業の事業活動を不当に妨害したり、後発企業の参入を不正に阻害した
り、又は消費者の利益を損なうように競争を制限したりする等、優位性を濫用してはならない。加えて、当社の市内
電話料金及びSKテレコムの携帯電話料金の変更は、MSITによる事前の承認を必要とする。KCC(韓国放送通信委員
会)もまた、電気通信企業の公正な競争に関するガイドラインを発表した。
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金融サービス市場において、メンバー会社との共通ブランド契約に基づき「BCカード」のブランドで発行された当
社のクレジットカード及びデビットカードは、自身の商業支払ネットワークを所有する韓国の他の大手クレジット
カー ド会社(新韓カード、現代カード及びサムスンカード等)が発行するカードと主に競合する。共通ブランドのクレ
ジットカード又はデビットカードを発行する当社のメンバー会社には、ウリィカード、NHカード、韓国産業銀行及び
KB国民カードがある。当社はまたクレジットカード会社の事業運営に関連する外注サービスを提供するサービス・プ
ロバイダーとも競合する。韓国の既存のカード会社、消費者金融会社及びその他金融機関が、多額の投資を行い、自
身のクレジットカード及びデビットカード向けの積極的なマーケティング・キャンペーン及び販売促進に従事するた
め、さらに当社の外注サービスの必要性を減少させる可能性のある運用インフラストラクチャーへ投資を行うため、
クレジットカード及びデビットカード事業における競合は実質的に激化している。
以下の表は、表示の日付現在の加入者数からみた当社の主要市場における市場占有率を示したものである。
携帯電話サービス
(1)
市場占有率(%)
LG U+
KT SK テレコム
2017 年12月31日
31.4 47.9 20.7
2018 年12月31日 31.8 46.9 21.3
2019 年12月31日
31.8 46.0 22.1
資料出所:MSIT
注:(1)それぞれの携帯電話サービス会社の携帯電話ネットワークをリースする、MVNOの加入者を含む。
固定回線市内電話及びVoIPサービス
市場占有率(%)
LG U+
KT SK ブロードバンド
2017 年12月31日
65.2 15.1 12.5
2018 年12月31日 65.1 14.8 12.6
2019 年12月31日
64.9 14.6 12.7
資料出所:韓国通信事業者連合会
ブロードバンド・インターネット接続サービス
市場占有率(%)
LG U+
KT SK ブロードバンド その他
2017 年12月31日
41.4 25.7 18.0 14.9
2018 年12月31日 41.0 25.4 18.9 14.7
2019 年12月31日
40.9 25.6 19.6 13.9
資料出所:MSIT
有料テレビサービス
市場占有率(%)
(1)
LG U+
SK ブロードバンド
KT
2017 年12月31日
30.8 13.5 10.9
2018 年12月31日 31.2 14.1 12.0
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2019 年12月31日
31.6 15.0 12.9
資料出所:韓国通信事業者連合会
注:(1)KTスカイライフの市場占有率を含む。
2【事業等のリスク】
事業に関するリスク
当社の各主要事業分野における競争は熾烈である。
当社は主要な事業分野のそれぞれにおいて厳しい競争に直面している。携帯電話サービス市場、固定回線サービス
市場並びにメディア及びコンテンツ・サービス事業において、当社は主にSKテレコム及びLG U+(それらの関係会社
を含む。)と競合する。過去20年間で電気通信業界はかなりの統合が進み、その結果、現在の競争状況は、電気通信
及びデータ通信サービスを幅広く提供するネットワーク・サービス・プロバイダー3社により構成されている。当社
の主たる競合会社はそれぞれ、有料テレビ市場での市場占有率を大きく増やすために、韓国の大手ケーブルテレビ会
社を買収し、又は買収する計画を発表した。これにより競争がさらに激化すると当社は予想する。2019年12月、LG
U+はCJハロー株式会社の支配的持分を取得する計画を発表し、同社はその後、LGハローヴィジョン株式会社となっ
た。2019年2月、SKテレコムは、t-broadとの合併計画を発表し、これは2020年第2四半期中に完了する予定であ
る。
規模は小さくなるが、当社はまた、電気通信基本法及び電気通信事業法に基づき分類される、様々な付加価値サー
ビス・プロバイダー及びネットワーク・サービス・プロバイダーとも競合する。これには携帯電話ネットワークを賃
借し、携帯電話サービスを提供するMVNO、インターネット電話サービスを提供するVoIPサービス・プロバイダー、
ケーブルテレビ会社、テキストメッセージ・サービス・プロバイダー(特にカカオ)並びにボイスリセラーを含み、
これらの多くは競合するサービスをより低い価格で提供する。当社はまた、ネットフリックス等のグローバルな巨大
メディア・サービスの人気の高まりから生ずる、メディア及びコンテンツ・サービス市場の発展状況の変化に直面し
ている。新たなサービス・プロバイダーの携帯電話サービス、固定回線サービス並びにメディア及びコンテンツ・
サービス市場への参入は、競争を一層激化させ、さらに当社がサービスについて請求する料金への価格引下げ圧力の
原因となる可能性がある。主要市場における当社の市場占有率についての説明は、「1.経営方針、経営環境及び対
処すべき課題等-競争状況」を参照のこと。
当社は第1にサービスの性能、品質及び信頼性、変化し続ける消費者の需要を正確に特定し対応する能力、並びに
価格に基づき競争する。次世代5G携帯電話サービスを2019年4月に発売したことで、ネットワーク・サービス・プロ
バイダー3社の間で競争がさらに激化し、この結果マーケティング費用の増加、並びに5G携帯電話サービスの実施に
関連する追加の資本投資をもたらした。携帯電話サービス・プロバイダーもまた、新機種を購入し、最低加入期間に
合意した加入者に補助金又は割引加入料金を提供し、当社もまたかかる金額に基づき競争する。当社及びSKテレコム
は、電気通信事業法に基づき、それぞれ市内電話及び携帯電話市場において市場支配企業として指定されている。同
法に基づき、市場支配企業は、他の企業の事業活動を不当に妨害したり、後発企業の参入を不正に阻害したり、又は
消費者の利益を損なうように競争を制限したりする等、優位性を濫用してはならない。加えて、当社の市内電話料金
及びSKテレコムの携帯電話料金の変更は、MSITによる事前の承認を必要とする。KCCもまた、電気通信会社の公正な
競争に関するガイドラインを発表した。
金融サービス市場において、メンバー会社との共通ブランド契約に基づき「BCカード」のブランドで発行された当
社のクレジットカード及びデビットカードは、自身の商業支払ネットワークを所有する韓国の他の大手クレジット
カード会社(新韓カード、現代カード及びサムスンカード等)が発行するカードと主に競合する。共通ブランドのクレ
ジットカード又はデビットカードを発行する当社のメンバー会社には、ウリィカード、NHカード、韓国産業銀行及び
KB国民カードがある。当社はまた、クレジットカード会社の事業運営に関連する外注サービスを提供するサービス・
プロバイダーとも競合する。クレジットカード及びデビットカード事業における競合は、韓国の既存のカード会社、
消費者金融会社及びその他金融機関が、多額の投資を行い、自身のクレジットカード及びデビットカード向けの積極
的なマーケティング・キャンペーン及び販売促進に従事するため、さらに当社の外注サービスの必要性を減少させる
可能性のある運用インフラストラクチャーへ投資を行うため、実質的に激化している。
当社が競争状況の変化に適合できず、かつ当社の主要事業分野で競合会社と競合できない場合、当社の事業、財政
状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
既存の帯域幅免許の更新、十分な追加帯域幅免許の取得又は当社の帯域幅の効率的な利用の失敗は、当社の携帯通信
事業及び業績に悪影響を与える可能性がある。
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無線ネットワークの加入者容量に対する主たる制限の1つは、サービス・プロバイダーに割当てられた帯域幅の量
である。当社は幅広いサービスを提供するために帯域幅容量を確保する多数の免許を取得してきた。これに対して、
当社は通常、一時金を支払い、加えて免許期間中の利用料金を支払う。当社は、2017年に2,710億ウォン、2018年に
5,730 億ウォン及び2019年に3,890億ウォン、の帯域幅免許の支払を行った。2019年12月31日現在の当社の帯域幅免許
に関する未払いの支払義務については、「第3 事業の状況-3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析-概要-新たな帯域幅免許の取得及び利用料金」を参照のこと。当社の帯域幅免許に関す
る詳細については、「第4 設備の状況-2.主要な設備の状況-携帯電話ネットワーク」を参照のこと。
当社の携帯通信事業の成長及び無線データ送信サービスの利用増は、当社の帯域幅の利用を大きく増加させてき
た。なぜなら、無線データのアプリケーションは、一般に音声サービスより帯域幅が集中するからである。データ通
信利用が増加を続けるという現在の傾向及びマルチメディア・コンテンツの高度化は、携帯電話サービス・プロバイ
ダーの帯域幅容量に追加の負担を与えるであろう。当社が、既存の帯域幅免許の更新、帯域幅の追加割当ての受領、
又は当社の帯域幅利用の効率性を向上させるコスト効率の良い技術の実行により十分な帯域幅容量を維持できない場
合、当社の加入者は携帯通信サービスの質の全体的な低下に気づく可能性がある。帯域幅の制約が当社の携帯通信事
業の成長に悪影響を与えないという保証はない。さらに、当社は増大する帯域幅に対する需要に応える追加の帯域幅
容量を取得するためにかなりの支払を行うことを求められる可能性があり、これは当社の事業、財政状態及び業績に
悪影響を与える可能性がある。
進行中の新型コロナウイルス(以下「COVID-19」という。)の世界的な大流行及びその他の種類の広範な感染症の再発
可能性は、当社の事業、財政状態又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
2019 年末に人体への感染が報告された重症呼吸器系疾患コロナウィルス2による感染症「COVID-19」は、その後世
界的に広がり、ここ数か月間、当社の事業活動に重大な影響を与えるとともに、世界経済及び金融市場にも悪影響を
与えた。2020年3月、世界保健機関はCOVID-19をパンデミックと宣言した。政府の社会的距離(ソーシャル・ディス
タンス)に関する勧告に照らして、当社は、パンデミックの深刻な影響を受けた地域における実質的に全ての従業員
を含めて、一部の当社従業員に対しリモートワークの取扱いを2020年2月下旬に実施した。このような一時的な取扱
いが当社の事業に重大な悪影響を及ぼしているとは考えないが、長引くCOVID-19の大流行は、従業員にリモートワー
クを求める更なる勤務の取扱い及び/又は当社施設の一時的な閉鎖の実施など、当社の業務の正常な運営をさらに妨
げる結果となり、これは労働生産性の低下につながる可能性がある。
COVID-19 又は他の種類の広範な感染性疾患の長期にわたる蔓延に関連するその他のリスクには、以下が含まれる可
能性がある:
・支払義務を果たせない顧客の間での失業率の増加、その結果、当社の製品及びサービスに対する需要が減少す
る可能性がある。
・圧倒的多数の人々が同時に当社サービスにアクセスすることによる、容量の制約によるサービスの中断、機能
停止及びパフォーマンスの問題、
・当社のベンダーからの携帯電話機や通信機器の供給途絶、
・主要な外貨に対するウォンの価値低下により、当社の通信インフラの拡充及び強化に必要な輸入機器のコスト
が増大する可能性がある。
・パンデミックの悪影響を受ける可能性のある会社への投資の公正価値の減損。
現時点では、COVID-19による被害の持続期間や被害の大きさを推定することはできない。万一、COVID-19又は他の
種類の広範な感染症を効果的かつ適時に抑制できない場合、当社の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可
能性がある。
2019 年4月発売の5G携帯電話サービスを含む、当社の新規サービスの導入は当社に挑戦とリスクを与える。
電気通信業界は、通信技術の絶え間ない発展及び改良により特徴付けられ、当社は当社の競争力を維持するため
に、技術の改良及び追加の電気通信サービスを継続的に研究し、実施している。例えば、当社は5G技術に基づくより
先進的な携帯電話通信ネットワークを構築してきており、2019年4月にソウル大都市地域、その他6大都市、通信の
多い商業地域及び大学のキャンパス並びに主要な交通インフラ(高速道路、鉄道及び空港等)に当初重点をおいて、
最高通信速度1.5Gbpsの当社の5G携帯電話サービスの提供を開始した。当社はさらに対象地域を全国に拡大し、当社
の5Gサービス通信速度を上げる計画である。当社はネットワーク品質の改善、新サービスの導入及び加入者による
データ使用の増加に対応するために、SKテレコム及びLG U+ と引続き競合しているため、当社は追加の帯域幅免許を
取得するために多額の費用を負担し、当社のネットワークを構築し改善するために多額の資本支出を負う可能性があ
る。当社は先進技術の開発並びに向上した速度、待ち時間及び接続性を持った様々なサービスの提供に幅広く努力し
てきた。さらに、当社はまた、当社のブロードバンド・ネットワークをFTTHにより良く接続できるように改良を継続
しており、これにより、データ通信速度及び接続品質が向上する。FTTHは、電気通信業者の交換機から家庭又はオ
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フィスまで延びる光ファイバー・ケーブル上の通信路が提供される電気通信構造である。FTTHは、長距離でも劣化す
ることなしに高帯域信号を送ることが可能な光ファイバー・ケーブルを利用する。FTTHにより、当社は、安定した高
い 帯域幅を必要とする高度サービス(例えばIPTV並びにその他デジタル・メディア・サービス及びコンテンツ・サー
ビス等)の配信が可能となる。
かかるサービスを提供するために必要なライセンス料、設備投資及びその他投資を正当化できる収入をかかるサー
ビスから得ることができるほど当社の新サービスが市場に幅広く受け入れられるという保証はない。例えば、4G LTE
サービスの人気上昇を反映した近年の加入者数の段階的な減少を受け、当社は2018年第4四半期に無線ブロードバン
ド・インターネット接続(「WiBro」)サービスを中止した。当社の新サービスが幅広く市場に受け入れられない場
合、当社の事業、財務状態及び経営成績に悪影響を与える可能性がある。
当社の現在の事業を補完又は多角化する事業を買収し、共同企業に参加する当社の戦略をうまく遂行できない可能性
があり、また当社はかかる拡大活動の資金を賄うために追加債務を負担する必要性が生じる可能性がある。
当社全体の事業戦略の1つの重要な側面としては、当社の既存の事業を補完し多角化する事業の買収及び共同企業
への参加を必要とする。例えば、当社は過去10年間、魅力的な成長機会をもたらすと当社が考える金融部門の投資機
会を追求してきた。2011年10月、当社は韓国における大手クレジット・カードのソリューション・プロバイダーであ
るBCカードの支配持分を取得した。当社は現在同社の69.54%を保有する。当社はまた、2017年4月に営業を開始し
たインターネット専門銀行である、Kバンクの普通株式10.00%も取得した。同社の持分は持分法会計を使用して会計
処理される。2020年4月、当社はこの持分をBCカードへ363億ウォンで譲渡することに合意したが、当該譲渡は一定
の条件を満たした場合にのみ行われる。
当社は引続きその他の適切な買収及び共同企業への参加機会を探す計画であるが、当社がさらに魅力的な機会を見
出すことができる、又は経営上、技術上、政治上、財務上もしくはその他の困難なしに(又は全くなしに)、取引を
うまく完了するという保証を与えることはできない。たとえ当社が取引を首尾よく完了したとしても、買収又は共同
企業参加の成功は、被買収会社又は共同企業の事業と当社の現在の事業との統合から生ずる期待されたシナジー、コ
スト節減及び成長機会を達成する当社の能力に大きく依存する。取引からの期待された利益を当社が達成するという
保証はなく、これは当社の事業、財政状態及び業績に悪影響を与える可能性がある。買収又は共同企業取引の遂行は
また、巨額の資金を必要とし、当社は将来において更なる成長機会を追求するため、国際資本市場での借入金の負担
又は社債もしくはその他証券の発行を通じて、追加の資金を調達する必要性が生じ可能性がある。
韓国の電気通信産業及びインターネット関連産業は政府の包括的な規制下にあり、これら産業に関する政府の方針の
変更は当社の業績及び財政状態に重大な悪影響を与える可能性がある。
韓国政府は、主としてMSIT及びKCCを通じて、韓国の通信業界を規制する権限を有する。MSIT及びKCCはまた、韓国
放送事業法及びインターネット・マルチメディア放送事業法に基づき、有料テレビ産業を規制する権限を有する。こ
れらの法は、IPTVサービス並びにKTスカイライフ(当社が49.99%の持分を所有する。)を通じて提供される衛星テ
レビサービスを対象とする。「第2 企業の概況-3.事業の内容-規制」を参照のこと。MSITの方針は韓国電気通
信市場において活力ある競争者の台頭及び発展を妨げるような方法でマーケットパワーを行使する支配的なサービ
ス・プロバイダーを阻止することを目指した方策を通じて競争を促進するものである。かかる規制に基づき、ネット
ワーク・サービス・プロバイダーが特定の種類の電気通信サービスの最大市場占有率を占め、かつ前年度の当該サー
ビスからの収益がMSITが定める一定の収益額を超える場合、かかる会社は市場支配企業として指定される可能性があ
る。市場支配企業は、他の企業の事業活動を不当に妨害したり、後発企業の参入を不正に阻害したり、又は消費者の
利益を損なう競争を制限したりする等、優位性を濫用する行為をしてはならない。さらに、インターネット・マルチ
メディア放送事業法に基づき、IPTVサービス・プロバイダーはIPTVサービスを提供する関連会社と併せて、韓国にお
ける全ての有料放送加入者(IPTV、ケーブルテレビ及び衛星テレビの加入者で構成)の市場シェアの3分の1以上を
持つことを制限されている。2019年12月31日現在、KTスカイライフ及び当社は、合わせて、韓国の全有料放送加入者
の31.6%の市場占有率を占めた。KCCも、電気通信及びインターネット関連企業の公正な競争に関するガイドライン
を発表した。さらに、政府は無線周波数帯域幅の利用に関する方針を定め、無線電気通信に使用される帯域幅を入札
プロセス又は計画割当てによりに割当てる。
当社及びSKテレコムは、それぞれ市内電話及び携帯電話市場において市場支配企業として指定されてきた。MSIT
は、MOEFと協議して、現在、かかるサービスについて当社及びSKテレコムが徴収する料率を承認する。市内ネット
ワーク・サービスを提供する当社の約款及び他のサービス・プロバイダーとの各相互接続契約もまた、MSITに報告さ
れなければならない。当社は、市内通話について請求する料金を除き、当社の主要な電気通信サービス及びインター
ネット関連サービスの料金プランの面で他のネットワーク・サービス・プロバイダーと自由に競争するが、市内電話
サービスの料金を自由に定められないことは、当該事業からの収益性を損ない、当社の競争相手と効果的に競争出来
ない可能性がある。加えて、MSITは、電気通信及びインターネット関連事業において当社が考慮することを勧告され
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る可能性のある政策ガイドラインを定期的に発表することができる。近年、MSITは携帯電話サービス料金を引下げ、
電気通信サービス・プロバイダーの意思決定の透明性を向上させる目的で、政策ガイドラインを公表した。具体的な
政 策ガイドラインには、一部低所得加入者に適用される月次料金の引下げ並びに携帯電話機補助金の代わりの加入料
金の割引を含む。2017年12月から、当社は政府の福祉政策対象の低所得の携帯電話加入者に対して1ヶ月につき最大
11,000ウォンの料金割引の提供を開始した。当社はまた、携帯電話補助金を受けることを選ばなかった携帯電話加入
者に適用される最大割引料金を2017年9月より、20.0%から25.0%に引上げた。この割引により、当社の携帯電話
サービス加入者1人当たりの月次平均収益は2017年の34,444ウォンから2018年には32,021ウォン及び2019年には
31,625ウォンへと減少した。
政府は当社が競争する市場を規制する追加的手段を進める可能性がある。当社が、当社の加入者に請求する料金を
引下げる追加の方策、並びに当社の携帯電話機補助金への調整及び規制上の要件又は政府の政策ガイドラインを遵守
するため将来その他の方策を採用しないという保証はない。
当社がMSITの規則、規制及び是正命令(実質所有及び管理を制限する規則又は当社免許の条件の違反を含む。)に
従わない場合、MSITは当社の認可の取消し、又は当社事業のいずれかを停止することができる。代替措置として、当
社事業の停止の代わりに、MSITは過去3会計年度の平均年間収益の3.0%以下の課徴金を課すこともできる。時折、
当社はMSIT及びKCCにより課される規制の違反について過料を課されてきた。これには携帯電話機販売に関連する規
則に違反したとして、KCCにより2018年1月に課された125億ウォン及び2019年4月に課された9億ウォンの過料を含
む。当社が対象となっている、又は今後対象となる法令が、当社の事業、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を与
えないという保証はない。
朴槿恵(Geun-hye Park、パク・クネ)前大統領の親友である崔順実(Soon-sil Choi)氏が関与するスキャンダルに
関係した事項を含め、当社の慈善活動への寄付又は政治献金並びにその他 事件及び申立てが関係する訴訟は、当社の
事業、評判及び株価に重大な悪影響を与える可能性がある。
2014 年4月、ソウル中央地区検察庁は、KT Corporation前代表理事会長である李錫采(Suk-Chae Lee)氏を横領及
び信認義務違反で起訴した。KT Corporation前社長であった金溢榮(Il Yung Kim)氏は李氏による信認義務違反の
共謀者として起訴され、さらにKT Corporation前社長であったYu-yeol Seo氏は李氏の横領の共謀者として起訴され
た。2017年5月30日、韓国最高裁判所は、李氏及び金氏の信認義務違反については無罪を確認し、李氏及びSeo氏に
ついては控訴審判決(両被告が2009年から2013年の間に私的な使用のため簿外資金11億ウォンを作り、横領したとの
申立てに対して、執行猶予付き懲役18か月、執行猶予2年の判決を言い渡した。)を無効とし、この件をソウル高等
裁判所に差戻した。2018年4月26日、ソウル高等裁判所はかかる嫌疑につき李氏及びSeo氏に無罪判決を言い渡し
た。李氏、Seo氏及び金氏の起訴に関連して、当社又は当社の現在の執行役員若しくは従業員に対して、起訴又は不
正行為の嫌疑は、提起されなかった。
2017 年3月、韓国憲法裁判所は当社を含む多数の韓国企業が、朴前大統領の要請により、2つの非営利団体(ミル
財団及びK-スポーツ財団)に寄付を行っていたことを認定した。当社の寄付はミル財団に供与した総額486億ウォン
うちの11億ウォン及びK-スポーツ財団に供与された総額288億ウォンのうちの7億ウォンである。憲法裁判所はま
た、朴前大統領の補佐官は前大統領の指示により、数回にわたり当社の前代表理事会長に対して、2名の者(Dong-
Soo Lee氏及びHye-Sung Shin氏)を雇用し(後に職位を変更する)ことを依頼したことを認定した。Lee氏は雇用さ
れ、のちにマーケティングと広告キャンペーンを担当する事業ユニットのトップに指名され、Shin氏は同じ事業ユ
ニットの別の地位に雇用された。憲法裁判所によると、その後、同じ大統領補佐官はLee氏及び他の役員に、前大統
領の親友である崔順実氏が実質的に株式の70%を所有する広告会社であるPlayground Communications Co., Ltd.
(「プレイグラウンド社」)に広告契約を与えることも要求した。憲法裁判所はさらに、朴前大統領補佐官からの
「要求」とされるものを受けた会社は、その要求に従う強い圧力を感じたように見受けられ、容易にそれを拒否する
ことができなかったとした。プレイグラウンド社は7本の広告契約(2016年に総額約68億ウォンであり、これは2016
年の当社の年間広告費のおよそ3.7%にあたる。)を与えられた。2016年、プレイグラウンド社はこれらの活動から
約5億1,700万ウォンの所得を計上した。当社は2016年9月以降プレイグラウンド社に追加の広告契約を与えていな
い。Lee氏及びShin氏はそれぞれ2016年11月及び2016年5月に退社した。
2016 年11月、韓国の検察当局は朴前大統領に対する捜査を開始し、2017年4月、朴前大統領を特に収賄、強要及び
権力乱用の嫌疑で起訴した。2018年8月24日、ソウル高等裁判所は、上記の憲法裁判所の決定にあるのと同じ事柄に
関する強要の嫌疑を含め、多くの嫌疑について有罪を認め、前大統領に懲役25年及び罰金200億ウォンの判決を下し
た:すなわち、(ⅰ)Lee氏及びShin氏のKTへの雇用及び職位の変更、(ⅱ)プレイグラウンド社との広告契約の締
結、(ⅲ)当社及びその他韓国企業によるミル財団及びK-スポーツ財団への寄付である。検察当局は控訴裁判所の判
決に対し、韓国最高裁判所に控訴を行った。韓国最高裁判所は、2019年8月29日、前大統領の収賄に関連する嫌疑に
ついての控訴審判決を、判決の訴訟手続きにおける誤りを理由として無効とし、再審のためソウル高等裁判所に差し
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戻した。前大統領のかかる起訴に関連して、当社又は当社のいずれかの執行役員若しくは従業員に対して、起訴又は
不正行為の嫌疑は、提起されなかった。
2018 年1月18日、韓国検察当局は、国民議会の元議員であったByung-Hun Jun氏を特に収賄、汚職、強要の嫌疑で
起訴した。申立ての1つは、Jun氏が以前の国民議会の未来創造科学部の放送・通信委員会(現:科学技術情報通信
部の放送・通信委員会)の委員としての任期中、様々な企業(当社を含む。)から同氏が社長を務めていた組織への
寄付又は財政的支援を求めたというものであった。2019年2月、ソウル中央地区裁判所は判決を下し、Jun氏を収賄
の嫌疑は有罪、懲役5年及び罰金総額3億7,500万ウォンとし、また権限乱用の嫌疑で有罪、執行猶予付き懲役1年
執行猶予2年としたが、当社からの1億ウォンの財政的支援を求めたことに関連する嫌疑は無罪とした。Jun氏及び
韓国検察当局の双方が、この判決に控訴した。Jun氏の起訴に関連して当社又は当社の執行役員若しくは従業員に対
する起訴又は不正行為の嫌疑は提起されなかった。
2018 年1月、当社の現職及び元の執行役員及び従業員が会社の資金を使用して様々な立法者に一定の寄付又は贈与
を行うことにより「韓国政治資金法」に違反したとの申立てに関連して、韓国警察は捜査を開始した。この件は検察
当局により、現在捜査中である。
2019 年3月、KT新労働組合は、ソウル中央地区検察局に当社の前代表理事である黄昌圭氏に対する刑事告訴を提出
した。これは2014年11月以降当社及び一部の前公務員を含むその他の者との間で締結した経営コンサルティング(研
究及び調査)契約に関連して、信任義務の違反を含む嫌疑を申し立てている。調査は、検察局により現在も進行中で
ある。
2019 年4月、ソウル南部地区検察庁は、2012年下半期の大学卒業生の公募過程で、多数の不適切な雇用に関与した
との申立てに起因する事業の妨害の嫌疑で、李錫采氏とYu-yeol Seo氏を含む元執行役員4名を告訴した。ソウル南
部地区裁判所は、2019年10月、元執行役員の嫌疑が有罪であるとし、李氏を懲役1年、Seo氏を執行猶予付き懲役8
か月(執行猶予2年)と宣告した。検察当局及び前執行役員の双方が、裁判所の判決に控訴し、本件は現在ソウル高
等裁判所に係属中である。当社の元執行役員のかかる起訴に関連して、当社又は当社の現在の執行役員若しくは従業
員に対して起訴または不正行為の嫌疑は提起されていない。
また当社は、上記事項及び米国外国腐敗行為法の遵守に関するその他の関連する申立てに関連して、米国証券取引
委員会(以下「SEC」という。)による調査にも協力している。解決の可能性の時期又は条件、及び最終的な費用、救
済、支払い又はその他の刑事上若しくは民事上の責任が発生する可能性がある場合を含め、現時点で当該調査の結果
を決定することはできない。SEC又は他の規制機関が更なる規制上の問い合わせを行わない、又は更なる措置を追求
しないという確証はない。さらに、上記事項に関連する結果又は今後の展開(悪評を含む。)が、当社の事業、財政
成績、評判又は株価に悪影響を与えないという確証はない。
サイバーセキュリティの侵害は、当社を重大な法的及び財政的なエクスポージャー並びに当社の評判の毀損及び当社
顧客の信頼の喪失にさらす可能性がある。
当社の事業は加入者及びカード保有者の大量の機密情報の保管及び伝送を伴い、サイバーセキュリティの侵害は当
社をこの情報を失うリスクにさらし、これはかかる機密情報の不適切な使用又は開示、その後の賠償責任及び訴訟の
可能性をもたらす可能性があり、これらいずれも当社の評判を損ない、当社の事業に悪影響を与える可能性がある。
当社が個人情報を保護するのに必要と考えるすべての手段を取る努力をしても、当社が開発した、又は第三者から調
達したハードウェア、ソフトウェア又はアプリケーションは情報セキュリティを予想外に危険にさらす欠陥又は他の
問題を含む可能性がある。権限のない者もまた、不正行為、策略の利用又は当社従業員、請負業者及び臨時雇用者を
欺くなどの他の形態で当社のシステム又は設備にアクセスするために、当社のセキュリティ手段の回避を企てる可能
性がある。さらに、権限のないアクセスを得る又はシステムを妨害するために使用される技術は、しばしば変化し、
長い時間の間に発見が難しい可能性があるため、当社はこれらの技術を期待できず、又は十分な予防手段を実施でき
ない可能性がある。
過去において、当社は時折、様々なレベルのサイバー攻撃を受けている。これには、流出が当社による加入者個人
情報の管理に関連して起きたとする申立てを受け、当社に対する訴訟及び行政措置をもたらした、第三者による当社
加入者の個人情報の窃盗も含まれる。例えば、2012年7月、警察は、約870万人の当社の携帯電話加入者に関する個
人情報を盗んだとの申立てに関連して2人の第三者を逮捕した。問題となっている第三者は、2012年2月から当社の
携帯電話顧客情報システムへの連続したハッキングを通じて、個人情報を盗んだ。さらに2014年3月、警察は、約
980万人の当社の加入者に関する個人口座情報を盗んだとの申立てに関連して3人の第三者を逮捕した。問題となっ
ている第三者は、2014年2月から連続したハッキングを通じて、当社のメインのホームページに入り個人情報を盗ん
だ。当社がさらなる重大なサイバーセキュリティの侵害を経験し、又は重大なサイバーセキュリティの侵害の発見及
び適切な対応ができない場合、当社は将来において政府による追加の強制措置、規制上の制裁及び訴訟の対象となる
可能性がある。加えて、当社の加入者及びカード保有者は個人情報保護についての当社の能力への信頼をなくし、こ
れは彼らが当社のサービスの一切の利用を止める原因となりうる。さらに、かかる事項に関する不利な最終的な裁
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定、決定又は判決は、他の集団が当社に対する関連する請求及び訴訟を促す可能性がある。したがって、当社がサイ
バーセキュリティの侵害を阻止できない場合、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大かつ不利な影響を及ぼす可
能 性がある。
当社の事業及び業績は、当社のシステムの失敗若しくは変更による当社サービスの中断により、又は当社の技術及び
インフラストラクチャーを適時かつ効果的に拡張及び更新できないことにより、損害を被る可能性がある。
当社が加入者、カード保有者及びその他事業パートナーを引付け、維持し、サービスを提供するための当社の評判
及び能力は、当社のサービス及びその基礎となる技術的インフラストラクチャーの性能の信頼性に大部分依存する。
当社の電気通信ネットワーク・システム及び情報技術システムは、当社の事業に害を与える可能性のあるパフォーマ
ンスの遅延又は機能停止を避けるために必要な信頼性及び重複性を備えて十分に設計されていないかもしれない。当
社は、インフラストラクチャーの変更、ヒューマンエラー及びソフトウェアのエラー、ハードウェアの故障、非常に
多くの人が当社のサービスに同時にアクセスしたことによる容量制限、コンピュータ・ウィルス、停電、詐欺及びセ
キュリティ攻撃等の様々な要因によるサービスの中断、機能停止及び性能の問題を経験しており、将来経験するかも
しれない。当社の技術インフラストラクチャーはまた、自然及びその他災害(火災、地震、洪水及び台風等)並びに
テロ及びその他犯罪行為からの損害リスクに対して脆弱である。例えば、2018年11月、ソウル西部のアヒョンドン地
区にある当社施設の1つで火災が発生し、これにより同施設の対象である7地区の無線、固定回線及びIPTVサービス
が一時的に中断された。当社は大半のサービスを4日以内に、当社の固定回線PSTNを11日以内に復旧し、影響を受け
た加入者へ補償として1ヶ月から6ヶ月の加入料を払い戻した。さらに、当社は小企業オーナーからの財政援助の申
請を受け容れた。当社は火災からの復旧を支援するために適切な財政支援を提供した。
当社の加入者及びカード保有者の数が増加するのに伴い、かつ当社の顧客がメディア・コンテンツを益々大量にア
クセス、ダウンロード及び送信し、さらにより多額の金融取引を行うのに伴い、当社はサービスを引続き確実に提供
するために当社の技術及びインフラストラクチャーを拡張し、更新することを求められる可能性がある。当社が、利
用者の要求を適時に満たし、又は有利な経済条件で、その技術及びインフラストラクチャーを拡張及び更新できると
いう保証はできない。当社は電気通信ネットワーク機器及びその他の機器を少数の主要サプライヤーから購入してお
り、何らかの理由で当社の主要サプライヤーからの機器利用が中止又は中断する場合、当社の営業に悪影響を与える
可能性がある。当社の利用者が当社のサービスに簡単にアクセスできない、又はアクセスが中断される場合、利用者
は代わりに他のサービス・プロバイダーを探し、将来的に当社のサービスに戻ってこない又は当社のサービスを頻繁
に利用しない可能性がある。これは当社の加入者、カード保有者及び当社の事業パートナーを引き付ける能力及び当
社顧客の関与を増やす能力に悪影響を与える可能性がある。当社顧客ニーズの現実及び予想される変化に合わせるた
めに、当社が効果的に容量制限に対応し、必要とされる当社のシステムを更新し、又は継続的に当社の技術及びイン
フラストラクチャーを開発しない限り、当社の事業、財政状態及び経営成績は損害を被る可能性がある。
当社の知的財産権は重要であり、当社が知的財産権を保護できない場合、当社の製品、サービス及びブランドの価値
を低減させる可能性がある。
当社の企業秘密、商標、著作権、特許及びその他知的財産権は当社にとって重要な資産である。当社は、当社のブ
ランド及びその他知的財産権を保護するため、当社従業員、コンサルタント及び当社と関係がある第三者との秘密保
持契約とライセンス契約の組合わせ、さらに商標、トレードドレス、ドメイン名、著作権、企業秘密及び特許法に依
拠し、かつ継続的に依拠する予定である。しかし、当社が制御できない多数の事象が、当社の知的財産権、並びに当
社の製品、サービス及び技術に脅威を与える可能性がある。例えば、当社のサービスが利用可能な全ての国におい
て、有効な知的財産の保護を取得できない可能性、又、有効な知的財産権保護が利用できない可能性がある。また、
当社が知的財産権を保護するために行ってきた努力が十分ではない又は有効でないかもしれず、当社の知的財産権の
いずれかが異議を申し立てられるかもしれず、これにより知的財産権の範囲が狭められ、または無効又は法的強制力
がないと宣言される結果となる可能性がある。当社の知的財産権が、当社と実質的に類似し、当社の事業と競合する
サービスを提供する他社に対する保護について十分であるという保証は無い。
当社はまた、例えば企業秘密、機密情報、ノウハウ及び技術情報等の特許以外の機密情報及び技術に依存する。一
定の場合には、当社はかかる知的財産権の利用及び開示に制限を課す従業員及び第三者との契約を適切に維持するも
のの、これらの契約は破られる可能性があり、又はかかる知的財産権は別の方法で開示される若しくは当社の競合会
社に知られる可能性があり、かかる知的財産権からもたらされる競争上の優位性を当社が失う原因となる可能性があ
る。
当社はまた、韓国国内及び韓国外の一部の法域で商標及びドメイン名の登録を目指す。商標、ドメイン名及びその
他知的財産の有効な保護は、これらの権利を保護し、実施する費用に加えて、申請費用及び登録費用の両方の点で、
高額かつ維持が困難である。
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当社は、当社の一部技術について特許保護の取得に務め、当社は当社の知的財産権の一部の側面の保護のため韓国
内外で各種申請を提出してきており、現在複数の法域で多数の発行済み特許を保有する。当社は技術及びブランドに
ついて、特許又は商標保護を取得できない可能性があり、当社の既存特許及び商標並びに将来発行される可能性のあ
る 特許又は商標のいずれも、当社に競争上の優位性を提供し、又は当社の製品及サービスを競合会社のそれらから際
立させないかもしれない。加えて、特許及び商標は、異議を申し立てられ、回避され、又は法的強制力がない若しく
は無効と判断される可能性があり、当社は第三者がこれらを侵害し、希薄にし、その他違反することを阻止できない
可能性がある。当社の知的財産権に対する重大な侵害及び当社の知的財産権を他社に対して主張する当社の能力の制
限は、当社の競争する能力を害する可能性があり、当社の事業、財政状態及び経営成績に悪影響与える可能性があ
る。
当社は将来において、その防御につき費用も時間もかかる可能性のある知的財産権訴訟の当事者となる可能性があ
り、かかる訴訟が不利に解決した場合、当社の事業に重大な影響を与える可能性がある。
電気通信及び情報技術会社は多数の特許、著作権、商標、免許及び企業秘密を保有し、しばしば知的財産権又はそ
の他権利の侵害、不正流用又はその他違反に基づく訴訟に関与する。さらに、知的財産権を所有する様々な「特許不
実施主体」が当社のような企業から支払を引き出すためにしばしば攻撃的な主張の請求を試みる。時々、当社は、第
三者から、当社が第三者の知的財産権を侵害していると主張する請求を受領してきており、また将来にも受領する可
能性がある。さらに、随時、当社が現在競合しない分野を含めて、当社は新サービス又はコンテンツを導入又は取得
することができるが、これは競合会社又は非営業法人からの知的財産権の請求についての当社のエクスポージャーを
増加させる可能性がある。
当社が激しさを増す競争に直面するにつれて、当社に対する知的財産権訴訟の数と範囲は増加する可能性がある。
当社が知的財産権又はその他第三者の権利をメリットの有無にかかわらず侵害又はその他違反したと申し立てる請求
又は訴訟、並びに裁判外で解決したか否か又は当社に有利に決定したか否かは、その対応及び解決に時間と費用がか
かり、当社の経営陣及び技術者の時間を割き、注意をそらす可能性がある。いずれの訴訟の結果も本質的に不確実で
あり、有利な最終結果が得られるという保証は無い。加えて、原告はかかる訴訟の最中に仮命令又は仮処分を求め、
当社はそれに従うことになる可能性がある。これには当社の営業の一部又は全部を中止することを当社に要求する、
仮差し止め命令の可能性もある。
当社が当事者であるいずれかの訴訟が不利に解決した場合、当社は上訴において破棄されないかもしれない不利な
判決に従う可能性がある。かかる判決又は和解の条件は、当社の営業の一部又は全部を中止し、相手方にかなりの金
額を支払い、又はライセンス協定の締結を当社に求める可能性がある。当社がロイヤルティ又はライセンス協定の締
結を求められ又はそれを選ぶ場合、かかる協定は商業的に合理的な条件では利用できない又はそもそも利用できない
可能性がある。さらに、代替技術の開発又は調達は、かなりの努力と費用を必要とする可能性もあり、又は実現でき
ないかもしれない。したがって、知的財産権訴訟の不利な解決は当社の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与え
る可能性がある。
当社は主要な研究者、技術者及び経営陣に依存しており、これらの主要な人材の雇用を失う場合又はその代りとなる
人材の雇用及び維持ができない場合、当社の事業に悪影響を与える可能性がある。
当社の成功は、当社の研究開発及びエンジニア人材の継続的勤務、並びに適格な研究者及び技術者を継続して雇
用、維持及び引き付ける当社の能力にかなりの程度依存している。特に、新たな電気通信及びインターネット関連
サービスの導入で市場を先導する努力は、当社が先端技術の専門性を持つ技術者を積極的に雇用しなければならない
ことを意味してきた。さらに、当社が戦略を効果的に実行する能力は、当社の主要な経営陣の貢献に依存している。
当社の将来の成功は、この産業の重要な専門性と知識を持つ、主要な執行役員及びマネージャーの継続的勤務に依存
するであろう。限られた数の個人が、重要な事業パートナーとの関係を含め、当社の事業経営に主たる責任を持つ。
時折、当社の事業を中断する可能性がある当社経営陣チームの変更の可能性があり、当社は主要な代替人材を適時に
見つけることができない可能性がある。退職、競合他社への転職若しくは他の理由によるこれら個人の勤務を失うこ
と又は妨害されること、又はその他適格な新人材を雇用及び維持できない場合、当社が事業戦略を効果的に実行する
ことを妨げ、当社に重要な事業の関係を失わせ、又はその他当社の営業に重大な影響を与える可能性がある。
クレジットカード産業に対する政府の規制は、当社が69.54%の持分を保有するBCカードの営業に悪影響を与える可
能性がある。
クレジットカード市場の急速な成長及び韓国の消費者の債務水準の上昇のため、政府は最近10年間でクレジット
カード産業の規制のための監督を強化してきた。特に、FSC及びFSSはクレジットカード産業に適用される各種規制を
採用してきた。とりわけ、これらの規制は、最低自己資本比率、クレジットカード債権に適用される最低必要引当金
の水準及び厳しい貸出比率を課す。FSC及びFSSはまた、クレジットカード残高の評価及び報告、クレジットカードを
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受領できる個人を定める手続き並びに業者が支払う手数料に適用される規則を課す。例えば、FSC及びFSSは、クレ
ジットカード及びデビットカード取引のために業者が払う手数料について3年毎に定期的にガイドラインを発表す
る。 2018年11月、FSC及びFSSは、年間収益が5億ウォンから500億ウォンの業者が支払うクレジットカード手数料を
2.05%から2.17%の幅から1.4%から1.95%の修正幅に引下げるガイドラインを発表した。さらに、ガイドライン
は、年間収益が5億ウォンを超える業者が支払うデビットカードの手数料を1.56%から1.60%の幅から1.10%から
1.45%の修正幅へと引下げた。BCカードはかかる引下げを2019年2月から実施した。
国際決済銀行が設定した基準から導かれたFSSの自己資本規制ガイドラインに従い、韓国のクレジットカード会社
は連結ベースで最低8.0%の合計自己資本比率を維持することを求められている。クレジットカード会社がかかる比
率の維持が出来ない場合、韓国の監督当局は警告から免許の停止若しくは取消しまでのペナルティをかかる会社に課
すことができる。BCカードの自己資本比率は、2018年12月31日現在29.3%及び2019年12月31日現在33.7%であった。
かかる自己資本比率は、BCカードの資産基盤が規制上の資本の対応する増加に見合わない場合、低下する。さらに、
BCカードの資本ベース及び自己資本比率は、経営成績又は財政状態が悪化する場合、減少する可能性がある。した
がって、BCカードが最低要求水準を上回る自己資本比率を維持するために、将来追加の資本を調達する必要が無いと
いう確証はない。BCカードが将来に追加資本を必要とする場合、同社がかかる資本を有利な条件で調達できる、又は
そもそも調達できるかは保証できず、これはBCカードの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を与える可能性
がある。
政府は、クレジットカード産業に影響を与えるさらなる規制の変更を将来採用する可能性がある。その性質に依存
し、かかる変更は、BCカードの成長又はその範囲を制限し、BCカードをより厳しい要件及び制裁若しくはより激しい
競争の可能性を負わせ、収益性若しくはその他を抑制することにより、BCカードの営業に悪影響を与える可能性があ
る。
当社の労働組合との争議は当社の事業運営を停止させる可能性がある。
以前、非中核事業の処分及び当社従業員の削減により、当社の効率と収益性を向上させるという当社のリストラク
チャリング戦略は、当社の労働組合から反対を受けた。近年、当社においては深刻な労働争議又は不安を経験してい
ないが、当社が将来において、抗議行動及びストライキの拡大を含む労働争議又は不安を経験しないという保証はな
く、それは当社の事業運営を混乱させ、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社はまた、当社組合との間で団体協約を2年毎に、賃金協約を年次ベースで交渉する。当社の現在の団体協約
は、2021年6月16日まで有効である。近年において、当社は組合と団体協約及び賃金協約の合意に達することができ
ているが、将来において労働組合との不合意が原因となる労働争議及び不安を経験することはないという保証はな
い。
当社は韓国の独占規制及び公正取引に関する法律を含む、韓国及びその他法域の様々な法令に拘束される。
当社の事業運営ならびに当社の経営陣、従業員及びその他関係者の行為は韓国内外の様々な法令に拘束される。こ
れらの法律は複雑であり、時には対立することがあり、これらの法律を遵守する当社の努力は、当社が事業を行う費
用を増加させ、当社の事業活動を制限し、当社及び当社の従業員を法的制裁及び責任にさらす可能性がある。
独占規制及び公正取引に関する法律は、競争及び公正な取引を妨げる行為を禁止又は制限するために、韓国公正取
引委員会により実施される大企業グループに関する様々な規則及び制限を規定する。2002年4月1日に韓国公正取引
委員会は当社を独占規制及び公正取引に関する法律に基づく大企業グループと指定した。当社の子会社、関連会社及
びKTグループ内のその他会社との事業上の関係及び取引は、特にかかる関係及び取引が同じ事業グループ会社間の不
公正な財政上の支援とならないかに関して、公正取引委員会による継続的な監視を受ける。当社はまた同じグループ
の国内メンバー会社のための債務保証及び同じグループの国内メンバー会社間の株式持合いを制限する公正取引規
則、ならびにかかる株式持合いの状況の開示を求める公正取引規則に従わなければならない。さらに、当社は2014年
7月以降有効な、当社事業グループ内の3以上の法人間の株式持合いに対する禁止に拘束される。当社が公正取引法
令に違反する取引に関与しているという決定が今後韓国公正取引委員会によりなされた場合、罰金又はその他制裁措
置をもたらし、当社の評判及び事業に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
高周波放出は様々な健康問題につながる可能性があるという懸念は、当社の事業に悪影響を及ぼし、これらの健康問
題に関連する訴訟を受ける可能性がある。
過去において、重大な健康リスクが無線通信機器又はその他伝送機器の使用から生じた可能性があるという主張
が、米国の無線通信会社数社の株価に悪影響を与えた。2011年5月、国際癌研究機関(「IARC」)は、神経膠腫(悪
性の脳腫瘍)のリスク増加に基づき、無線(携帯)電話の使用に伴う無線周波数電磁界をヒトに対する発癌の可能性
があるものに分類したと発表した。IARCは世界保健機関の一部であり、ヒト癌の原因及び発癌メカニズムについての
研究を行い、癌制御のための科学的戦略を発展させることを目指す。当社はかかる健康上の懸念が当社の事業に悪影
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響を及ぼさないとは保証できない。いくつかの無線電話機製造会社及び通信会社に対して、数件の集団代表訴訟及び
人身傷害訴訟が米国において提起されており、製造物責任、保証不履行及びその他無線電話からの無線伝送に関連す
る 請求を主張している。当社は、法的責任を負う可能性があり、また当社のサービスにより、もしくはサービスの結
果危害を加えられたと主張する当社の加入者又はその他関係者によりもたらされる訴訟を防御する多額の費用を負担
する可能性がある。加えて、無線通信機器の実際のリスク又は考えられているリスクは、当社の加入者数又は加入者
一人当りの使用を減少させることにより、当社に悪影響を及ぼす可能性がある。
ウォンの米ドル又はその他主要通貨に対する下落は、当社の業績ならびに当社証券の価格に重大な悪影響を及ぼす可
能性がある。
当社の収入はほぼ全額ウォン建てである。ウォンの下落は当社の業績に大きく影響を与える。というのは、とりわ
け、当社の外貨建債務の元利金支払い、海外から購入する電気通信機器コスト、海外の通信業者に支払う決済純額な
らびに外貨リスクのヘッジ目的で締結したデリバティブ金融商品に関する一定の支払いに当社が必要とするウォン金
額の増加をもたらすからである。2019年12月31日現在未償還の債券及び借入金の簿価総額7兆2,990億ウォンの内、
2兆7,810億ウォンが外貨建であった。当社の通貨リスク・エクスポージャーを特定及び評価する際、当社は多様な
状況を考慮して、かかるリスクを軽減するためにデリバティブ金融商品を契約する。為替レートの変動の影響は過去
においてかかる戦略により部分的に緩和できたが、当社の業績はこれまで為替レートの変動により影響を受けてお
り、かかる戦略が将来においてかかる変動の悪影響を軽減又は除去するのに十分であるという確証はない。「3.経
営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-流動性及び資本の財源」及び「3.経営者に
よる財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-市場リスクに関する定量的及び定性的開示-為替リ
スク」を参照のこと。
ウォンとドルの為替レートの変動は、KRX KOSPI市場の当社普通株式のウォン価格のドル相当額にも影響を与え、
その結果、ADSの市場価格にも影響を与える。これらの変動はまた、ADSにより表章される普通株式に対してウォンで
支払われる現金配当(もしあれば)につきADR預託機関によるドルへの転換にも影響する。
韓国最高裁判所の普通賃金についての解釈から生じる未払い賃金について請求を受ける可能性にさらされ、かつ追加
の人件費を課される可能性がある。
労働基準法に基づき、被雇用者の「普通賃金」は、韓国における多くの法定給付及び資格を計算するために使用さ
れる主要な法的概念である。被雇用者の普通賃金に含まれる報酬額を増加又は減少させることは、「普通賃金」に基
づき計算される各種法的資格(例えば、超過勤務の割増支払い)の金額を増減させる効果を持つ。雇用労働部が以前
に発行したガイドラインに基づき、以下に記載する最高裁の決定以前は、被雇用者の普通賃金には基本給ならびに夜
間シフトと休日の超過勤務についての毎月一定の固定手当が含まれていた。以下に記載する最高裁の決定以前は、韓
国の会社は一般的に、毎月ベースで支払われる以外(すなわち2か月毎、四半期毎又は半年毎)の固定賞与を普通賃
金の範囲から除外してこれらのガイドラインを解釈していた。
2013 年12月、韓国最高裁判所は通常賞与(毎月ベース以外で支払われる賞与を含む。)は、これらの賞与が「固定
ベース」で「定期的」かつ「画一的」に支払われる場合、たとえ年功に基づき金額が異なっても、普通賃金とみなさ
れると判断した。この決定に基づき、かかる通常賞与を被雇用者の普通賃金から除外することを目指す団体協約又は
労務管理契約は、韓国法の強制条項を違反しているとして無効であるとみなされる。しかし、韓国最高裁判所は、さ
らに一定の限定的な状況では、普通賃金の範囲の拡大に基づく過去3年間の被雇用者の支払いが十分でないという請
求は、たとえ請求が法定の制限期間内に提起されるとしても、信義則から否定される可能性があると判断した。この
最高裁判所の決定の後、雇用労働部は2014年1月に雇用及び普通賃金に関する管理のガイドラインを発行した。「普
通賃金」の定義を「名称にかかわらず、被雇用者の定められた労働もしくは総労働の対価である賃金として雇用者よ
り被雇用者に提供されることが予め決定されていた金銭及び有価物」とする、労働基準法の改正法案が、現在議会の
小委員会で審議中である。
当社は今のところ、現在の従業員又は以前の従業員から支払不足の請求を受けていないが、最高裁判所の決定は、
普通賃金の範囲拡大により必要となる追加支払の形で、過去3年間に発生したもの及び将来発生するものの両方で、
当社に追加の人件費をもたらす可能性がある。このような追加の支払は当社の財政状態及び業績に悪影響を与える可
能性がある。
韓国に関するリスク
韓国の経済状況が悪化した場合、当社の現在の事業及び将来の成長に大きく悪影響を与える可能性がある。
当社は韓国で設立され、当社の営業収益の大部分は韓国内で生み出される。その結果、当社は韓国特有の経済、政
治、法律及び規制のリスクに影響を受ける。近年の韓国の経済指標は成長と不確実性の混在した兆候を示し、韓国経
済の今後の成長は世界経済の進展を含め、当社が制御できない多数の要因に支配される。不利な世界経済状況及びそ
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の他の結果、韓国経済がさらに悪化する場合、当社の事業、財政状態及び営業成績並びにADSの市場価格に悪影響を
与える可能性がある。
韓国の経済に悪影響を与える可能性のある動きとしては、以下がある。
・ 消費者の信頼感の低下及び消費者支出の低迷、
・ 韓国及びその貿易相手国又は同盟国との経済又は外交関係の悪化。領有権問題、貿易摩擦又は外交政策の不一
致に起因するそれらの悪化(継続中の日本との通商摩擦等)を含む。
・ 韓国の重要な輸出市場である諸国及び地域(例えば、中国、米国、ヨーロッパ及び日本)の経済、又はアジア
その他の新興市場における経済の悪条件又は悪化(米国及び中国間の経済及び通商関係の悪化の結果を含
む。)、並びに2020年1月31日付の英国の欧州連合から離脱により生ずる不確実性の上昇、
・ 韓国又は世界の他の地域における重大な感染症の発生(現在進行中のCOVID-19の世界的な大発生等)、
・ 韓国の不動産の市場価格の下落、
・ 外貨準備高、商品価格(石油価格を含む。)、為替レート(米ドル、ユーロ又は日本円との為替レートの変
動、又は人民元の再評価を含む。)、金利、インフレ率又は株式市場の悪方向への変化又は不安定性、
・ 一部の国におけるソブリン債務不履行リスクの増加及びその結果としての世界金融市場に対する悪影響、
・ 韓国の大企業グループ及びその経営陣について不正行為の可能性の捜査、
・ 家計の債務水準の継続的上昇並びに韓国国内の小売業者及び中小企業の資金の借り手の支払い延滞及び焦付き
の増加、
・ 社会不安、労働不安、
・ 継続中若しくは将来の自由貿易協定又は既存の自由貿易協定の変更の経済的影響、
・ 政府の財政赤字を増加させることになる、税収の減少又は財政刺激策、失業補償又はその他経済及び社会プロ
グラムによる政府支出の大幅な増加、
・ 韓国の企業グループ、その他問題のある大企業、それらのサプライヤー又は金融部門の財政問題又は事業再編
の進展の欠如、
・ 一部韓国企業における、会社の不正会計又はコーポレート・ガバナンス問題から生ずる投資家の信頼の喪失、
・ 韓国の老齢人口を支えるための社会的支出の増加又は韓国の人口減による経済生産性の低下、
・ 地政学的不安定及び全世界のテロリスト・グループからの更なる攻撃リスク、
・・ 韓国又はその主要な貿易相手国に重大な経済的又はその他の影響を与える自然又は人的災害、
・ 韓国の政党間又は政党内での政治的不安定又は争いの激化、
・ 韓国の法定最低賃金の上昇、コスト(失業率の上昇等)が利益(消費者マインドの上昇又は最低賃金を稼得す
る雇用者の支出水準の増加等)を上回る場合、
・ 中東(米国及びイラン間の戦争行為の激化の可能性を含む。)及び北アフリカの産油諸国が関与する戦争行為
又は政治的・社会的緊張並びに世界的な石油供給の中断又は石油価格の突然の上昇、
・ 外貨建債務を返済するための輸出に対する依存度の増加、これは韓国の貿易相手国との摩擦の原因となる可能
性がある、
・ コスト(輸出市場の競争又は外国投資及び韓国から中国への製造拠点の移転等)が利益(中国への輸出の増加
等)を上回る限度において、中国経済の継続的成長、
・ ロシアが関与する政治的社会的緊張及びその結果としての石油の世界供給又は世界の金融市場へ与える悪影
響、
・ 北朝鮮と韓国又は米国間の緊張レベルの上昇又は戦争行為の勃発。
北朝鮮との緊張状態の上昇は当社及び当社のADSの市場価格に悪影響を与える可能性がある。
韓国と北朝鮮の関係は、韓国の近代史において緊張したものであった。二国間の緊張状況は流動的であり、現在及
び将来の事象の結果として突然に高まる可能性がある。特に近年においては、北朝鮮の核兵器及び弾道ミサイル計画
ならびに韓国に対する敵対的軍事行動から生ずる安全保障上の懸念が高まっている。近年の重要な出来事のいくつか
は以下のとおりである。
・ 北朝鮮は2003年1月の核拡散防止条約を破棄し、2006年10月以来6回の核実験を行っている。これには、プル
トニウム爆弾より強力な水素爆弾と主張される爆発及び弾道ミサイルに取り付けられる弾頭を含む。ここ何年
も、北朝鮮は、一連の弾道ミサイルの実験も行ってきており、これには潜水艦からのミサイル発射及び米国本
土に到達すると主張する大陸間弾道ミサイルを含む。これに対応し、韓国政府は関連する国連安全保障理事会
決議に対する挑発行為及び目に余る違反行為を繰り返し非難した。2016年2月、政府は2016年1月の北朝鮮に
よる4回目の核実験に対応して、北朝鮮・韓国間の、開城(ケソン)工業団地(これに対して、閉鎖前に当社
は一定の電気通信サービスを供給していた。)を閉鎖した。国際的には、国連安全保障理事会は北朝鮮の行為
を非難し、北朝鮮に適用する制裁の範囲を著しく拡大する一連の決議を採択しており、直近では2017年11月の
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北朝鮮の大陸間弾道ミサイル実験に対応して2017年12月に採択した。ここ何年も、米国及び欧州連合は、北朝
鮮に適用する制裁も拡大してきた。
・ 2010年3月、韓国の海軍艦艇が水中爆発により破壊され、乗船していた乗組員の多数が死亡した。韓国政府は
沈没の原因として正式に北朝鮮を非難したが、北朝鮮は責任を否定した。さらに、2010年11月、北朝鮮は、朝
鮮半島西海岸の韓国と北朝鮮間の事実上の海上境界線として機能する、北限ライン近くの韓国延坪島を攻撃す
る100発以上の砲弾を発射し、これにより死傷者を出し、かなりの財産への損害をもたらした。韓国政府はこ
の攻撃につき北朝鮮を非難し、さらに挑発行為がある場合は、厳しく報復することを明言した。
北朝鮮は経済も非常な困難に直面しており、これは北朝鮮内の政治的、社会的圧力をさらに悪化させる可能性があ
る。
韓国及び北朝鮮間の二国間首脳会談が2018年4月、5月及び9月に、また米国及び北朝鮮間の二国間首脳会談が
2018年6月、2019年2月及び2019年6月に開催されたものの、朝鮮半島に影響を与える緊張レベルが将来上昇しない
という保証はない。例えば北朝鮮の指導者問題、韓国又は米国とのハイレベルの接触及び北朝鮮の崩壊又はさらなる
戦闘が発生する場合起こり得る緊張の増加は、韓国の経済並びに当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響
を与える可能性がある。
証券取引に関連する集団訴訟を認める韓国の法律制定は当社を追加的な訴訟リスクに晒す可能性がある。
2004 年1月に制定された韓国証券関連集団訴訟法は、KRX 有価証券(KOSPI)市場に上場されている会社(当社を
含む。)の株主により、以下から生じる、証券の売買及びその他の証券取引に関連して被った損失について、集団訴
訟を提起することを許容している:(1)登録書類、目論見書、事業報告書、監査報告書、半期もしくは四半期報告書
及び重要事項報告書に記載された虚偽もしくは不正確な記述ならびにかかる書類中の重要な情報の洩れ、(2)インサ
イダー取引、(3)市場操作及び(4)不公正な取引。同法は、合計で会社の株式の0.01%を保有する50人以上の株主に、
とりわけ発行体ならびにその取締役及び役員に対して集団訴訟を提起することを認める。この法が比較的最近に制定
されたため、裁判所が同法をどのように適用するかを予測する十分な判例がない。訴訟は時間を消費し、解決に費用
がかかり、経営陣の時間と注意を事業運営からそらす可能性がある。当社は係る訴訟が当社に対して起こされる根拠
について気づいておらず、係属中又はその恐れのある訴訟は無い。当社に対して提起されるかかる訴訟は当社の事
業、財政状態及び業績に著しい悪影響を与える可能性がある。
当社は通常、韓国のコーポレート・ガバナンス及び開示の基準に従うが、これは他の国における基準と重要な点にお
いて異なる。
韓国の会社は、当社を含め、韓国の上場会社に適用されるコーポレート・ガバナンス基準に従うが、これは他の国
(米国を含む。)で適用される基準といくつかの点で異なる。米国証券取引委員会に登録され、ニューヨーク証券取
引所に上場されている報告会社として、当社は一定のコーポレート・ガバナンス基準に従っており、今後も継続して
従う。しかし、外国の非上場会社は当社を含め、ニューヨーク証券取引所に基づき要求される一定のコーポレート・
ガバナンス基準を免除される。また、当社のような韓国の会社については、公表されている利用可能な情報が、他国
の上場もしくは非上場会社により通常利用可能である情報より少ない可能性がある。
証券に関するリスク
投資家が原株式を引出すためにADSを提出した場合、再度ADSを取得するために株式を預託することは認められない可
能性がある。
韓国法は現在、ADS及び当社株式の外国人による所有を制限している。さらに当社の預託契約によると、以下の場
合を除き、預託機関が株式の預託を引受けてこれらの株式を表章するADSを交付することはできない。(1)当社がか
かる預託を同意した場合、又は(2)韓国の法律顧問が預託機関に(1)に基づき必要とされる同意は韓国の法令上も
はや要求されないと助言した場合。現行の韓国の法令上、預託機関は(1)当社により、又は当社の同意により、ADS
の発行のために(ADSの当初の及びその後の募集に関連する預託ならびにADSに関する株式配当又はその他分配に関す
る預託を含む)預託された株式総数、及び(2)かかる預託の際に預託機関に預託されている株式数、の差を超える
予定された預託により預託される株式数につき当社の事前の同意を得る必要がある。預託機関は、適切と考える時期
に、預託機関が当社の同意なしに現行の韓国法令で認められる金額以下の株式の預託引受け及びかかる株式を表章す
るADSの交付を開始する予定であると当社に通知した。しかしその時まで、預託機関はかかる株式の預託及びADSの交
付につき当社の同意を得る必要があり、当社はこの同意を与えないかもしれない。従って、ある投資家が原株式を引
出すために自己のADSを提出した場合、再度ADSを取得するためにかかる株式を預託することを認められない可能性が
ある。「第1 本国における法制等の概要-2.外国為替管理制度」を参照のこと。
外国人投資家は一定の制限を超える普通株式に関して議決権を行使できない可能性がある。
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電気通信事業法に基づき、当社株式総数の5.0%以上を所有する外国人株主は当社の最大株主になることを禁じら
れている。しかし、当社株式総数の5.0%以上を所有する2004年5月9日以前に当社の最大株主であった外国人株主
は、 この制限を免除される。ただし、かかる外国人株主は当社株式をこれ以上取得できない。さらに、電気通信事業
法に基づき、MSITが実質的な公共の利益を維持するのに必要であるとみなした場合、MSITは外国人株主が当社最大株
主になることを禁止することができる。外国人又は外国政府が当社の株式を上記の規定に違反して取得する場合、か
かる外国人株主は基準値を超える普通株式に関する議決権を行使できない可能性がある。MSITはまた、当社又は外国
人株主に対して6ヶ月以内の指定期間内に超過株式に関して是正措置を取ることを命ずることができる。
さらに、電気通信事業法では、外国人株主によるネットワーク・サービス・プロバイダーの所有及び支配を制限す
る。外国人、外国政府及び「外国人が投資する企業」は、当社を含むネットワーク・サービス・プロバイダーの議決
権付発行済株式を合計で49.0%を超えて所有することができない。2019年12月31日現在、当社普通株式の46.6%が外
国人投資家により所有されていた。外国人又は外国政府が上記の規定に違反して当社の株式を取得する場合、かかる
外国人株主は、かかる限度基準を超える普通株式に関して、議決権を行使することができない。MSITはまた、当社又
は外国人株主に6ヶ月以内の所定期間内に、超過株式について是正措置を講じるよう命ずることができる。「第2
企業の概況 -3.事業の内容 - 規制 - 外国からの投資」及び「第1 本国における法制等の概要 - 1.会社
制度等の概要 - (3)提出会社の株式に関する情報」を参照のこと。
ADS 所有者は、原株式を引出し、当社の直接株主にならない限り、株式買取請求権を行使することができない。
当社の営業の全部もしくは重要な部分の譲渡、又は当社と他社との吸収合併もしくは新設合併等の一定の限定され
た場合には、反対株主は韓国法に基づき当社に対し当該株主の保有する株式を買取るよう請求する権利を有する。
ADSの所有者は原株式を引出し、当社の直接株主にならない限り、当社に対して株式買取請求権を行使することはで
きない。「第1 本国における法制等の概要-1.会社制度等の概要-(3)提出会社の株式に関する情報」を参照
のこと。
投資家は追加株式の新株引受権を行使することはできず、自己の所有する当社に対する持分が希薄化する可能性があ
る。
韓国の商法及び当社定款の下では、一定の例外はあるが、新株式が発行される際は必ず、既存株主に対して既所有
の株式の割合に応じて、新株式を引受ける権利を付与することを当社に求める。当社が追加の当社普通株式を引受け
る権利又はその他の性質の権利を付与する場合、預託機関は当社と協議の上、かかる権利をADSの所有者に利用可能
とするか、又はADS所有者に代わりその権利を処分し純手取金額をADS所有者に交付する合理的な努力を行うことがで
きる。しかしながら、預託機関は、そうすることが適法かつ実務上可能であり、かつ、以下の条件が満たされない限
り、追加的な株式を購入する権利をADS所有者に与える必要はない。
・ 1933年証券法(改正済)に基づき当社が提出する届出書がこれらの株式について効力を生じていること、又は
・ これらの株式の募集及び販売が、証券法に基づく登録義務を免除されているか、又はその適用を受けないこ
と。
当社はいかなる登録届出書も提出する義務を負わない。ADS所有者が新株引受権を行使するために登録届出書が必
要であるが、当社がこれを提出しない場合、ADS所有者は追加株式の新株引受権を行使できない。その結果、ADS所有
者の当社に対する持分が希薄化する可能性がある。
将来の予測に関する記述が不正確であると判明する可能性がある。
本書には、当社及び当社が営業を行う業界に関する当社の現在の予想、仮定、見積り及び予測に基づく「将来の予
測に関する記述」が含まれる。これらの将来の予測に関する記述は様々なリスクと不確実性にさらされている。これ
らの将来の予測に関する記述は、例えば「予想する」、「考える」、「継続する」、「予期する」、「推定する」、
「つもりである」、「見積もる」、「目指す」、「計画する」、「傾向にある」、「目標とする」、「企図する」、
「予測する」、「可能性のある」及び類似の表現などの用語、並びに将来又は条件付きを示す動詞(例えば、「予定
である」、「であろう」、「すべきである」、「あり得る」、「かもしれない」、「可能である」、「可能性があ
る」等)又は将来の予測に関する記述を識別する一般的な意図の類似表現を使用する記述を含むが、それらに限定さ
れない。これらの記述は、特に、当社の事業戦略ならびに当社の市場における地位、将来の事業、利益率、収益性、
流動性及び資金源に関する予想の説明を含む。将来の予測に関する記述を信頼することはリスクと不確実性があるこ
と、また当社の将来の予測に関する記述が基礎とする前提は合理的であると当社は確信するが、これら前提のいずれ
かが不正確であると判明し、その結果これらの前提に基づく将来の予測に関する記述は正確ではない可能性があるこ
とにご注意いただきたい。この点での不正確さは、上記のリスク要因において確認された不確実性を含むが、それら
に限定されない。これら及びその他の不確実性から照らして、将来に関する予測の記述において言及された計画及び
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目的又は予想される財務実績を必ず達成すると結論づけるべきではない。当社は将来の事態又は状況を反映させるた
めに、これらの将来に関する予測に関する記述の修正結果を発表することを約束しない。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下の説明及び分析は、韓国採用国際会計基準に従い作成されている連結財務書類に基づいている。
概要
当社は電気通信サービスの総合プロバイダーである。当社の主要な電気通信サービス及びインターネット関連サー
ビスには携帯電話の音声及びデータ通信サービス、固定回線サービス(固定電話、VoIP電話、ブロードバンド・イン
ターネット接続及びデータ通信サービスを含む。)並びにメディア及びコンテンツ・サービス(IPTV及び衛星テレビ
を含む。)を含む。これらのサービスからの当社の収益に影響する主な要素は、加入者数ならびにこれらサービスに
対する当社の料金及び利用量である。当社のサービスに対して当社が請求する料率についての情報は「第2 企業の
概況-3.事業の内容-当社の料金」を参照のこと。さらに、当社はクレジットカード・プロセッシング及び金融
サービス、物品販売(主に当社の携帯電話サービスに関連する携帯電話機及び各種電気通信機器、並びにKTエステー
トが開発する住宅ユニット及び商業不動産)、並びに情報技術及びネットワーク・サービス、不動産開発及び衛星
サービスを含む各種事業活動からも収入を得ている。
財務報告目的での当社の4つの営業セグメントの構成は以下のとおりである。
・ ICTセグメント。個人及び家庭の顧客並びに企業顧客への各種電気通信サービスの提供に主に従事する、独立
企業ベースの株式會社ケーティーから構成される。
・ 金融セグメント。クレジットカード・サービスのような様々な金融サービスの提供に従事する。
・ 衛星テレビ・セグメント。衛星テレビサービスに従事する。
・ その他セグメント。(ⅰ)セキュリティ・サービス、(ⅱ)衛星サービス、(ⅲ)情報通信及びネットワーク・サー
ビス、(ⅳ)多国籍又は国内の法人顧客及び電気通信会社にグローバルなネットワーク・サービスを提供する
グローバル事業サービス、(ⅴ)携帯電話機の販売、及び(ⅵ)不動産開発及び賃貸事業並びに当社子会社によ
るその他サービスを含む。
当社の将来の業績は少なくとも多少は韓国の全般的な経済成長と見通しに依存するであろう。当社の業績及び財務
状況に悪影響を与えてきた、又は引き続き与える可能性のある最近の動きの説明は、「第3 事業の状況-2.事業
等のリスク-韓国の経済状況が悪化した場合、当社の事業及び将来の成長に大きく悪影響を与える可能性がある。」
及び「進行中の新型コロナウイルス(以下「COVID-19」という。)の世界的な大流行及びその他の種類の広範な感染症
の再発可能性は、当社の事業、財政状態又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。多くのその
他の進展が当社の業績、財政状態及び資本支出に対し悪影響を与えてきており、今後も与えることが予想される。か
かる進展には下記のものがある。
・ 新たな帯域幅免許の取得及び利用料金
・ 技術改良及び付加的電気通信サービス(例えば5G技術)の研究及び実施
・ 当社の電気通信サービスに対する料金体系の変更
・ 子会社及び共同企業の株式の取得及び処分
・ マーケティング活動
これらの要因の結果、当社の過去の財務実績は、将来の結果もしくはこれらの結果の傾向を表示しない可能性があ
る。
新たな帯域幅免許の取得及び利用料金
無線ネットワークの加入者最大限度に対する主たる制約の1つは、サービス運営者に割当てられる帯域幅の量であ
る。当社の携帯通信事業の成長及び無線データ伝送サービスの利用増は、当社帯域幅の利用増の重要な要因となって
きた。なぜなら、無線データの利用は、一般に音声サービスより帯域幅に集中するからである。データ伝送利用の増
加という現在の傾向及びマルチメディア・コンテンツの高度化の増大は携帯電話サービス業者に帯域幅の容量に追加
の負担を与える可能性が高い。当社は当社の幅広いサービスを提供する追加の帯域幅容量を確保するために近年、数
多くの免許を取得している。このために、当社は通常、一時金及び免許期間中の利用料を支払う。
当社は、2017年に2,710億ウォン、2018年に5,730億ウォン及び2019年に3,890億ウォンの帯域幅免許の支払を行っ
た。以下の表は、2019年12月31日現在の当社の帯域幅免許に関連する未払いの支払債務を示す。
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一時金の
年間利用
支払総額 額
料金
スペクト ( 十億ウォ ( 十億 (十億 年間利用料
ラム 帯域幅 免許取得日 ン) ウォン) 支払開始年 ウォン) 支払期間
2012 年から
800 MHz 10 MHz
2012 年7月1日 261 65 2012 年 33
2020年
2011 年から
900 MHz 20 MHz
2011 年7月1日 251 126 2011 年 16
2021年
2011 年から
1.8 GHz 20 MHz
2011 年7月1日 194 97 2011 年 16
2021年
2013 年から
1.8 GHz 15 MHz
2013 年9月10日 878 219 2013 年 82
2021年
2016 年から
1.8 GHz 20 MHz
2016 年8月4日 470 117 2016 年 35
2026年
2016 年から
2.1 GHz 40 MHz
2016 年12月4日 569 142 2016 年 85
2021年
2018 年から
3.5 GHz 100 MHz
2018 年12月1日 968 242 2018 年 73
2028年
2018 年から
28 GHz 800 MHz
2018 年12月1日 208 52 2018 年 31
2023年
技術改良及び5G等の付加的電気通信サービスの研究及び実施
電気通信業界は、通信技術の絶え間ない発展及び改良により特徴付けられ、当社は当社の競争力を維持するため
に、継続的にネットワークの改良を研究、実施し、付加的電気通信サービスを発売している。近年当社は、マルチメ
ディア・コンテンツへのより速いアクセスを備えた、非常に向上した無線データ通信の提供を可能にする、向上した
速度、接続待機時間及び接続性を持つ携帯電話サービスの継続的な開発に、幅広く努力を行ってきた。当社は2019年
4月に、当初はソウル大都市地域、その他6大都市、通信の多い商業地域及び大学のキャンパス並びに主要な交通イ
ンフラ(高速道路、鉄道及び空港等)を中心として、最高通信速度1.5Gbpsの当社の次世代5G携帯電話サービスの発
売を開始した。当社はさらに対象地域を全国に拡大し、当社の5Gサービス通信速度を上げる計画である。
当社はまた、FTTHの接続を向上させるように当社のブロードバンド・ネットワークを継続的に改良する投資を行
い、これにより、データ通信速度及び接続品質をさらに向上させる。FTTHは、電気通信業者の交換機から家庭又はオ
フィスの境界まで延びる光ファイバー・ケーブル上の通信路が提供される電気通信構造である。FTTHは、長距離でも
劣化することなしに高帯域信号を運ぶことが可能な光ファイバー・ケーブルを利用する。FTTHにより、当社は、例え
ばIPTV及びその他デジタル・メディア・コンテンツなど、安定した高帯域を必要とする高度なサービスの配信が可能
となる。MSITはネットワーク・サービス・プロバイダーに対して、電気通信技術及び関連プロジェクトの国家的研究
開発に資金を提供するよう勧告する権限を持つ。かかる拠出には、研究開発に関する支出の合計(資本計上される支
出を含む。)として2017年に4,350億ウォン、2018年に2,730億ウォン及び2019年に2,540億ウォンが含まれた。当社
はネットワーク改善の研究及び実施への投資を継続する計画であり、これには追加の営業費用及び資本支出を伴う。
当社の電気通信サービスに対する割引料金及び料率改定
当社は、新規加入者を当社新サービスに誘引するために、当社の各種サービスの組み合せパッケージを割引で提供
する。当社は、当社の固定回線及びテレビサービス(固定回線電話、VoIP電話、ブロードバンド・インターネット接
続、IPTV及び衛星テレビサービスで構成される。)の2つ以上に加入する顧客に対して割引を提供する。携帯電話
サービス向けでは、当社は1携帯電話加入につき最大11,000ウォンの毎月の割引を提供する、家族プランを提供す
る。当社はまた、家族及び単身加入者の両方に、当社の固定回線及びテレビサービスを携帯電話サービスと組合わせ
る、各種の一括料金プランも提供する。「第2 企業の概況-3.事業の内容-当社の料金」を参照のこと。
MSIT はMOEFと協議のうえ、現在、市内電話サービスについて当社が請求する料率を承認する。市内ネットワーク・
サービスを提供する当社の約款及び他のサービス・プロバイダーとの各相互接続契約もまた、MSITに報告されなけれ
ばならない。当社は主要な電気通信及びインターネット関連サービスについて料金の面では(当社が市内通話につい
て請求する料金を除く。)他のネットワーク・サービス・プロバイダーと自由に競争するが、MSITは、当社が考慮す
ることを勧告される可能性のある政策ガイドラインを定期的に発表する可能性がある。近年、MSITは携帯電話サービ
ス料率を引下げ、電気通信サービス・プロバイダーの意思決定の透明性を向上させる目的で、政策ガイドラインを公
表した。具体的な政策ガイドラインには、一部低所得の加入者に適用される月次料金の引下げ並びに携帯電話機補助
金の代わりの割引加入料金を含む。2017年12月から、当社は政府の福祉政策対象である低所得携帯電話加入者に対し
て1ヶ月につき最大11,000ウォンの料金割引の提供を開始した。当社はまた、携帯電話補助金を受けることを選ばな
かった携帯電話加入者に適用される最大割引料金を2017年9月より、20.0%から25.0%に引上げた。この割引によ
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り、当社の携帯電話サービス加入者1人当たりの月次平均収益は2018年の32,021ウォンから2019年の31,625ウォンへ
と減少した。
政府は当社が競争する市場を規制する追加的手段を行う可能性がある。当社が当社の加入者に請求する料金を引き
下げる追加の方策、並びに当社の携帯電話機補助金への調整及び将来規制上の要件又は政府の政策ガイドラインを遵
守するためにその他方策を採用しないという保証はない。当社の料金構造の改定についての説明は、「第2 企業の
概況-3.事業の内容-当社の料金」を参照のこと。
子会社及び共同企業の株式の取得及び処分
当社全体の事業戦略の1つの重要側面は、当社の現在の事業を補完し多角化する事業の買収及び共同企業への参
加、ならびに随時かかる事業の処分又は終了を必要とする。例えば、当社は過去10年間、魅力的な成長機会をもたら
すと当社が考える金融部門の投資機会を追求してきた。2011年10月、当社は韓国における大手クレジットカードのソ
リューション・プロバイダーであるBCカードの支配持分を取得した。当社は現在同社の69.54%を保有する。当社は
また、2017年4月に営業を開始したインターネット専門銀行である、Kバンクの普通株式10.00%も取得した。2020年
4月、当社はかかる持分をBCカードに363億ウォンで譲渡することに合意した。この譲渡は一定の条件を満たす場合
に限り行われる。同社の持分は持分法会計を使用して会計処理される。当社の財政状態及び業績はかかる取得、処分
又は連結により影響を受ける可能性がある。さらに、買収、共同企業への参加及び一定の投資取引の遂行は、巨額の
資金も必要として、当社が将来一層の成長機会を求めるにつれて、国際資本市場において借入金の負担又は社債もし
くはその他証券の発行を通じて追加資金を調達する必要があるかもしれない。これは将来における債務水準及び債務
返済コストの増加につながる可能性がある。
マーケティング活動
当社は、当社の新規及び既存の商品及びサービスの販売を促進するために、かつ当社の独立専任ディーラー及びそ
の他第三者ディーラーのネットワークを通じてさらにマーケティングの努力を強化するために、マーケティング活動
に従事する。当社のマーケティング費用は販売手数料及び広告費用から成り、2018年に2兆1,010億ウォン及び2019
年に2兆4,660億ウォンであった。販売手数料は主に、携帯電話加入者の勧誘及び携帯電話機販売に関連する第三者
ディーラーへの販売手数料であり、当社の広告費用は主にテレビ・コマーシャル及びインターネットと携帯電話の広
告並びに販促イベントの利用に関連する。
当社は当社の大きな加入者基盤並びに当社商品及びサービスのブランド力が当社の成長の重要な牽引役であり続け
ると考える一方、当社は、特に、2019年4月に発売を開始した5G携帯電話サービスのような新製品及びサービスの発
売に関連して、マーケティング活動に多額の投資を継続するつもりである。当社のマーケティング費用は同時期の当
社の収益に直接対応しない可能性があり、過去において当社の四半期ベースのマーケティング費用は変動しており、
将来においても引続き変動すると予想される。
営業収益及び営業費用
営業収益
当社の営業収益は主に以下から構成される。
・ 当社の携帯電話サービスに関連する料金。月次料金、発信通話に対する利用料金、無線データ伝送の利用料金、
コンテンツ・ダウンロード料金、携帯-携帯相互接続収益及び付加価値月次サービス料金を含む。
・ 固定回線サービスからの料金。以下を含む。
- 固定回線電話及びVoIP電話サービスからの料金。以下を含む。
- 基本月次料金、1回又は定額月次料金であり、主に以下から成る:(ⅰ)返還されない電話サービス開始
料金、及び(ⅱ)市内電話サービスの基本月次料金(又は割引プランでの基本月次料金)。
- 月次使用料金、使用したサービス量に基づく使用料金であり、主に以下から成る:(ⅰ)市内及び市外電
話サービスの毎月の使用料金、(ⅱ)国際サービス収益(主に(a) 外国への発信通話に対し、当社が顧
客に請求する金額、(b) 受信通話に関し外国の電気通信業者の国内電話網への接続につき、適用ある決
済レートで当社が請求する金額、及び(c) 国際専用回線からの収益を含む、その他収益。)、(ⅲ)地
上-携帯電話及び地上-地上相互接続収益、(ⅳ)自社サービスの提供にあたり、当社の市内、市外及
び国際ネットワークを利用する、固定回線及び携帯電話サービス・プロバイダー及びボイスリセラーに
当社が請求する相互接続料金、及び
- その他収益。(ⅰ)付加価値サービス、市内電話番号案内、キャッチホン、番号通知制度、及び(ⅱ)公
衆電話からの市内、市外及び国際通話による。
- ブロードバンド・インターネット接続サービス収益。主に設置料金及び基本月次料金から成る。
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- データ通信サービス収益。主に、当社の固定回線及び衛星の専用回線サービス及びKornetインターネット接
続サービスの設置料金及び基本月次料金から成る。
・ メディア及びコンテンツ・サービスからの収益。主にIPTV及び衛星テレビサービスの設置料金及び基本月次料
金、並びにテレビ・ホームショッピング、デジタルコンテンツ配信、ICTプラットフォームコンサルティング、
デジタル音楽ストリーミング及びダウンローディング並びにオンライン広告からの収益から成る。
・ 金融サービス収益。主に、当社が69.54%の持分を保有する連結子会社であるBCカードが提供するクレジット
カード・サービスによる手数料から成る。
・ 電気通信及び金融サービスを超えて広がる、「その他」に分類されるその他様々な事業活動からの収益。情報技
術サービス、ネットワーク・サービス、及び不動産賃貸事業を含む。
・ 物品販売収益。主に当社の携帯電話サービスに関連する携帯電話機及び各種電気通信機器、並びにKTエステート
が開発した住宅ユニット及び商業不動産の販売。
営業費用
当社の営業費用は主に以下を含む。
・ 棚卸資産の購入。主に(ⅰ)携帯電話機の販売のために購入した棚卸資産、並びに(ⅱ)KTエステートによる販
売用不動産区画の開発費用並びに適用期間中の携帯電話機、電話機及び販売用不動産区画の棚卸資産の増減を反
映した棚卸資産の変動から成る。
・ 給与及び賃金。退職後給付、退職金(早期任意退職及び特別早期退職の退職給付を含む。)及び株式ベースの報
酬を含む。
・ カード・サービス費用。BCカードが提供するクレジットカード及びキャッシュ・カードのサービスに関連するコ
ストから成り、マーケティング費用として当社のネットワーク内のメンバーであるクレジットカード会社へ支払
う手数料を含む。
・ 減価償却費。主として当社の電気通信網設備に関連して発生する。
・ 販売手数料。主に、携帯電話加入者の獲得及び携帯電話機販売に関する第三者ディーラーへの販売手数料から成
る。
・ サービス・コスト。主にIPTV及び衛星テレビのコンテンツ・プロバイダーへの支払から成る。
・ 手数料。主に、特定の第三者への外注サービスの手数料ベースの支払い(外注したコールセンターのスタッフへ
の手数料を含む。)から成る。
・ 償却費。当社の無形資産に関連して主に発生する。
・ 相互接続料金。地上回線利用者及び当社の携帯電話サービス加入者から競合会社の加入者への通話に対する電気
通信サービス・プロバイダーへの相互接続の支払いである。
業績の分析-2018年と2019年の比較
以下の表は、2018年及び2019年の損益計算書のデータの抜粋及びそれらの増減を示す。
増減
12 月31日終了年度
2018 年対2019年
2018 年 2019 年 金額 (%)
(単位:十億ウォン)
営業収益 23,460 24,342 882 3.8
22,199 23,191 992
営業費用 4.5
営業利益 (8.8)
1,261 1,151 (110)
金融収益 374 424 50 13.4
金融費用 436 422 (14) (3.2)
関連会社及び共同支配企業の純
(5) (3) 2
(39.6)
(損)益持分
法人税費用差引前純利益 (10.2)
1,091 980 (111)
328 310 (18)
法人税費用 (5.5)
当期純利益 762 669 (93) (12.2)
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営業収益
以下の表は、2018年及び2019年の当社の営業収益の内訳及びそれらの増減を示す。
増減
12 月31日終了年度
2018 年対2019年
商品及びサービス 2018 年 2019 年 金額 (%)
(単位:十億ウォン)
携帯電話サービス 6,828 6,795 (33) (0.5)
固定回線サービス
固定電話及びVoIP電話サービス 1,708 1,579 (130) (7.6)
ブロードバンド・インターネッ
2,113 2,177 65 3.1
ト接続サービス
1,048 1,111 63
データ通信サービス 6.0
小計 4,869 4,867 (3) (0.1)
メディア及びコンテンツ 11.2
2,262 2,516 254
金融サービス 3,445 3,642 197 5.7
その他 2,527 2, 626 99 3.9
(1)
3,529 3,896 367
10.4
物品販売
営業収益合計 23,460 24,342 882 3.8
注:(1)主に、当社の携帯サービス向けの携帯電話機及び各種通信機器、並びにKTエステートが開発した住
宅ユニット及び商業不動産の販売に関連する。
営業収益合計は、2018年の23兆4,600億ウォンから2019年の24兆3,420億ウォンへと3.8%、8,820億ウォン増加し
た。これは主に、物品販売並びにメディア及びコンテンツからの収益の増加によるもので、これらの合計が固定回線
サービス及びVoIP電話サービスの収益の減少により一部相殺された。
携帯電話サービス
携帯電話サービス収益は、2018年の6兆8,280億ウォンから2019年の6兆7,950億ウォンへと0.5%、330億ウォン減
少した。これは主に、利用者1人当たりの平均収益の減少によるもので、この影響は当社の携帯電話加入者数の増加
により相殺された。
利用者1人当たりの平均収益は、2018年の32,021ウォンから2019年の31,625ウォンからへと減少したが、これは主
に以下による:(ⅰ)契約更新者のかなりの割合及び新規加入者が携帯電話機補助金の代わりに加入料金の割引を受
けることを選んだ(この割引は2017年9月に20.0%から25.0%へと引き上げたられた)こと、(ⅱ)2台目のデバイ
ス向けのより安いプランを選ぶこと、並びに(ⅲ)当社の収益認識方法の改定、これに従い、2019年第4四半期から
当社が報償ポイントの償還の関する営業費用を今後認識しないでそれに代わりかかる金額を営業収益から控除する。
これらの影響の合計は、当社5Gサービス加入者の増加により一部相殺された。5Gサービスは当社の他の携帯電話サー
ビスと比較して加入者料率が高い。
当社の携帯電話加入者数は、2018年12月31日現在の約2,110万人から2019年12月31日現在の約2,190万人(5Gサービ
スの加入者140万人を含む。)へと3.8%の増加を記録した。
固定回線サービス
当社の固定回線サービス収益合計は、2018年の4兆8,690億ウォンから2019年の4兆8,670億ウォンへと0.1%、30
億ウォン減少した。これは主に固定回線及びVoIP電話サービス収益の減少を反映するが、その影響の大半がブロード
バンド・インターネット接続サービス収益及びデータ・コミュニケーション・サービス収益の増加により相殺され
た。
固定回線及びVoIP電話サービス:当社の固定回線及びVoIP電話サービス収益は、2018年の1兆7,080億ウォンから
2019年の1兆5,790億ウォンへと、7.6%、1,300億ウォン減少した。これは主に、かかるサービスに対する需要の継
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続的減少を反映した加入者数の減少による。PSTN及びVoIPの稼働中の回線数は2018年12月31日現在の1,490万本から
2019年12月31日現在の1,410万本へと減少した。
ブロードバンド・インターネット接続サービス:当社のブロードバンド・インターネット接続サービス収益は、
2018年の2兆1,130億ウォンから2019年の2兆1,770億ウォンへと3.1%、650億ウォン増加した。これは主に当社のプ
レミアム・サービスの加入者数が増加したことによる。当社のKT GiGAインターネット・サービス加入者数は、2018
年12月31日現在の約490万人から2019年12月31日現在の約550万人へと増加した。
データ通信サービス:データ通信サービス収益は、2018年の1兆480億ウォンから2019年の1兆1,110億ウォンへと
6.0%、630億ウォン増加した。これは主に、企業顧客に提供されるコロケーション及びサーバー・リース・サービス
からの収益増加による。
メディア及びコンテンツ
当社のメディア及びコンテンツ収益は、2018年の2兆2,620億ウォンから2019年の2兆5,160億ウォンへと11.2%、
2,540億ウォン増加した。これは主にIPTV加入者数の2018年12月31日現在の約790万人から2019年12月31日現在の約
840万人への増加、並びにジニミュージック及びKTHからもたらされる収益の増加によ。
金融サービス
金融サービス収益は、2018年の3兆4,450億ウォンから2019年の3兆6,420億ウォンへと5.7%、1,970億ウォン増加
した。これは主にBCカードのマーチャント・ペイメント・ネットワークの拡大を反映し、同社からの手数料収入が増
加したことによる。
その他
その他営業収益は、2018年の2兆5,270億ウォンから2019年の2兆6,260億ウォンへと3.9%、990億ウォン増加し
た。これは主に、情報技術及びネットワーク・サービス(特にシステム統合サービス及びインターネット・データセ
ンターの運営)からの収益の増加による。
物品販売
物品販売は、2018年の3兆5,290億ウォンから2019年の3兆8,960億ウォンへと10.4%、3,670億ウォン増加した。
これは主に、2018年に比べて2019年の携帯電話機の販売が増加したことによる。2019年の携帯電話機の販売増は、主
に販売台数の増加及び少額であるが、プレミアム携帯電話機の1台当たりの価格上昇による。
営業費用
以下の表は、2018年及び2019年の当社の営業費用の内訳及びそれらの増減を示す。
増減
12 月31日終了年度
2018 年対2019年
2018 年 2019 年 金額 (%)
(単位:十億ウォン)
給与及び賃金 3,846 3,974 128 3.3
減価償却費 2,674 2,530 (144) (5.4)
使用権資産の減価償却 - 452 452 該当なし
無形資産の償却 608 657 49 8.1
手数料 1,080 1,115 35 3.3
相互接続料金 580 534 (46) (7.9)
国際相互接続料金 227 240 14 6.0
棚卸資産購入 4,224 4,718 494 11.7
棚卸資産変動 (243) 19 261 該当なし
販売手数料 1,943 2,316 373 19.2
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サービス・コスト 1,541 1,610 69 4.5
光熱費 323 333 9 2.9
税金 285 277 (8) (2.9)
レンタル費用 460 193 (267) (58.0)
保険料 74 82 9 11.9
設置料金 144 155 12 8.0
広告費 158 150 (8) (4.8)
研究開発費 177 165 (12) (6.6)
カード・サービス費用 3,113 3,067 (46) (1.5)
1,123 1,291 168
その他 15.0
営業費用合計 22,199 23,191 992 4.5
営業費用合計は、2018年の22兆1,990億ウォンから2019年の23兆1,910億ウォンへと4.5%、9,920億ウォン増加し
た。これは主に、棚卸資産の増減の影響、2019年開始の使用権資産の減価償却の認識並びに販売手数料、給与及び賃
金の増加によるが、これらが合わさった影響がレンタル費用及び減価償却費の減少により一部相殺された。
・ 棚卸資産変動は、期首の棚卸資産から期末の棚卸資産を差し引いて計算する期間中の棚卸資産の増減を反映
し、2018年にはマイナス2,430億ウォン及び2019年には190億ウォンであった。これは2018年に棚卸資産が
2,430億ウォン増加したが、2019年には棚卸資産が190億ウォン減少したことを示す。
・ 当社は使用権資産の減価償却を2019年に4,520億ウォン計上した。2019年1月1日開始のK-IFRS第1116号の採
用及び同日現在の9,000億ウォンの関連する資産の認識によるため、2018年にこの費用はなかった。使用権資
産は、資産の耐用年数及び定額法によるリース期間の短いほうの期間で償却される。
・ 販売手数料は2018年の1兆9,430億ウォンから2019年の2兆3,160億ウォンへと19.2%、3,730億ウォン増加し
た。これは主に、2019年4月に発売開始した5G携帯電話加入者の斡旋のために第三者であるディーラーに当社
が払った販売手数料が増加したことによる。
・ 給与及び賃金は、2018年の3兆8,460億ウォン2019年の3兆9,740億ウォンからへと3.3%、1,280億ウォン増加
した。これは主に賃金の上昇並びに当社が2018年第4四半期に支配持分を取得した一部子会社の給与の連結に
よる。
これらの要因は以下の要因で部分的に相殺された。
・ レンタル費用は 、20 18 年の4,600億ウォンから2019年の1,930億ウォンへと、58.0%、2,670億ウォン減少し
た。これは、主に2019年1月1日開始のK-IFRS第1116号の採用による。K-IFRS第1116号の採用に従い、当社は
以前は「オペレーティング・リース」と分類していたリースに関するリース債務の認識を開始した。これによ
り当社のレンタル費用は2019年に減少した。
・ 減価償却費は 、20 18 年の2兆6,740億ウォンから2019年の2兆5,300億ウォンへと、5.4%、1,440億ウォン減少
した。これは、当社のLTEサービスに関連する特定資産の償却の終了並びに2019年1月1日開始のK-IFRS第
1116号の採用時の有形固定資産の減少2,100億ウォンによる。
営業利益
上記の要因により、当社の営業利益は、2018年の1兆2,610億ウォンから2019年の1兆1,510億ウォンへと8.8%、
1,100億ウォンの減少であった。当社の営業利益率(営業収益に対する営業利益の割合)は、2018年は5.4%、2017年
は4.7%であった。
金融収益(費用)
以下の表は、2018年及び2019年の当社の金融収益及び費用の内訳及びそれらの増減を示す。
増減
12 月31日終了年度
2018 年対2019年
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2018 年 2019 年 金額 (%)
(単位:十億ウォン)
受取利息 245 283 38 15.5
為替取引益 17 25 7 43.2
外貨換算益 ▶ 18 14 387.1
デリバティブ決済益 28 9 (19) (67.7)
デリバティブ評価益 66 77 11 16.7
14 13 (2)
その他 (11.0)
金融収益合計 374 424 50 13.4
支払利息 (9.6)
297 268 (29)
為替取引損 49 30 (19) (38.4)
外貨換算損 73 94 21 29.4
デリバティブ決済損 - 0 0 該当なし
デリバティブ評価損 2 16 14 675.9
売掛金の処分損 14 11 (3) (18.2)
1 2 1
その他 102.4
金融費用合計 436 422 (14) (3.2)
当社の受取利息は2018年の2,450億ウォンから2019年の2,830億ウォンへと15.5%、380億ウォン増加した。これは
主に当社の機器分割プランに関連する受取利息の増加による。
当社の支払利息は2018年の2,970億ウォンから2019年の2,680億ウォンへと9.6%、290億ウォン減少した。これは主
に2018年と比較した2019年の借入の加重平均利率の全般的な減少による。
2018 年及び2019年にはドルに対してウォンが下落したため、為替取引損(純額)は2018年の320億ウォンから2019
年に60億ウォンへと82.3%、すなわち260億ウォン減少し、当社の外貨換算損(純額)は2018年の690億ウォンから
2019年の760億ウォンへと10.2%、すなわち70億ウォン増加した。ソウル為替仲介株式会社により公表された市場平
均為替レートでは、ウォンは2017年12月31日現在の1米ドルにつき1,071.4ウォンから2018年12月31日現在の1米ド
ルにつき1,118.1ウォンへと下落し、2019年12月31日現在の1米ドルにつき1,157.8ウォンへとさらに下落した。かか
る下落に対して、当社はデリバティブ決済益(純額)は2018年の280億ウォンから2019年の90億ウォンへと67.8%、
190億ウォン減少し、またデリバティブ評価益(純額)は2018年の640億ウォンから2019年の610億ウォンへと4.3%、
30億ウォン減少した。
関連会社及び共同支配企業の純損益持分
当社の関連会社及び共同支配企業の純損失持分は、2018年の50億ウォンから2019年の30億ウォンからへと39.6%、
20億ウォン減少した。2018年における当社の関連会社及び共同支配企業の純損失持分は、主にKバンクの損失の当社
持分200億ウォンから成り、これは韓国情報・技術ファンドからの利益の持分150億ウォンにより一部相殺された。
2019年における当社の関連会社及び共同支配企業の純損失持分は、主にKバンクの損失の当社持分290億ウォンである
が、韓国情報・技術ファンドからの利益の持分180億ウォンにより一部相殺された。
法人税費用
法人税費用は、2018年の3,280億ウォンから2019年の3,100億ウォンへと、5.5%、180億ウォン減少した。他方当社
の税引前利益は2018年の1兆910億ウォンから2019年の9,800億ウォンへと10.2%、1,110億ウォン減少した。当社の
実効税率は、2018年は30.1%及び2019年は31.7%であった。
当期純利益
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上記の要因により、当社の当期純利益は、2018年の7,620億ウォンから2019年の6,690億ウォンへと12.2%、930億
ウォン減少した。当社の純利益率(営業収益に対する当期純利益の割合)は、2018年に3.2%及び2019年に2.7%で
あった。
セグメントの業績-ICT
当社のICTセグメントの営業収益(セグメント間取引を調整前)は、2018年の17兆3,570億ウォンから2019年の18兆
2,050億ウォンへと4.9%、8,480億ウォン増加した。これは主に情報技術及びネットワーク・サービス並びにメディ
ア・コンテンツ・サービスからの収益の増加によるもので、この影響の総額が上記のとおり、個人及び家庭の顧客向
けの固定回線サービスからの収益減少により一部相殺された。
当社のICTセグメントの営業利益(セグメント間取引を調整前)は、セグメントの営業費用の1兆610億ウォンの増
加が営業収益の8,480億ウォンの増加を上回ったため、2018年の9,520億ウォンから2019年の7,390億ウォンへと
22.3%、2,120億ウォン減少した。このセグメントについて、営業利益率(営業収益(セグメント間売上調整前)の
合計に対する営業利益の割合)は2018年の5.5%から2019年の3.1%へと低下した。
ICT セグメントの減価償却費(セグメント間取引を調整前)は、2018年の2兆9,170億ウォンから2019年の3兆
2,390億ウォンへと11.0%、3,210億ウォン増加した。
セグメントの業績-金融
当社の金融セグメントからの営業収益(セグメント間取引を調整前)は、2018年の3兆5,600億ウォンから2019年
の3兆5,570億ウォンへと0.1%、40億ウォンとわずかに減少した。
当社の金融セグメントの営業利益(セグメント間取引を調整前)は、セグメントの営業費用の160億ウォンの減少
が営業収益の40億ウォンの減少を上回ったため、2018年の1,450億ウォンから2019年の1,580億ウォンへと8.5%、120
億ウォン増加した。このセグメントの営業利益率は2018年の4.1%から2019年の4.4%へと上昇した。
金融セグメントの減価償却費(セグメント間取引を調整前)は、2018年の230億ウォンから2019年の270億ウォンか
らへと18.8%、40億ウォン増加した。
セグメントの業績-衛星テレビ
当社の衛星テレビ・セグメントからの営業収益(セグメント間取引を調整前)は、2018年の6,910億ウォンから
2019年の6,950億ウォンへと、0.6%、40億ウォン増加した。
当社の衛星テレビ・セグメントの営業利益(セグメント間取引を調整前)は、2018年の670億ウォンから2019年の
690億ウォンへと3.9%、30億ウォン増加した。これは同セグメントの営業収益の40億ウォンの増加が営業費用の10億
ウォンの増加を上回ったためである。このセグメントの営業利益率は2018年の9.7%から2019年の10.0%へと上昇し
た。
衛星テレビ・セグメントの減価償却費(セグメント間取引を調整前)は、2018年の980億ウォンから2019年の950億
ウォンへと3.4%、30億ウォン減少した。
セグメントの業績-その他
当社のその他セグメントからの営業収益(セグメント間取引を調整前)は、2018年の5兆5,890億ウォンから2019
年の5兆7,710億ウォンへと3.3%、1,820億ウォン増加した。これは主に端末販売からの収益増加並びに情報及び技
術サービス及びネットワーク・サービスからの収益増加によるものである。
その他セグメントの営業利益(セグメント間取引を調整前)は、2018年の1,500億ウォンから2019年の2,030億ウォ
ンへと35.2%、530億ウォン増加した。これはこのセグメントの営業収益の1,820億ウォンの増加が営業費用の1,290
億ウォンの増加を上回ったためである。このセグメントの営業利益率は、2018年の2.7%から2019年の3.5%へと上昇
した。
このセグメントの減価償却費(セグメント間取引を調整前)は、2018年の2,370億ウォンから2019年の3,580億ウォ
ンへと51.4%、1,220億ウォン増加した。
流動性及び資本の財源
下記の表は表示年度の当社のキャッシュ・フローの要約を示している。
12 月31日終了年度
2018 年 2019 年
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(単位:十億ウォン)
営業活動によるキャッシュ・フロー純額 4,010 3,745
投資活動によるキャッシュ・フロー純額 (2,704) (3,887)
財務活動によるキャッシュ・フロー純額 (532) (250 )
期首の現金及び現金性資産 1,928 2,703
期末の現金及び現金性資産 2,703 2,306
現金及び現金性資産の純増(減) 775 (398)
必要資本
伝統的に、当社の必要資本は、主に有形固定資産及びその他資産の購入ならびに借入金の返済から構成されてい
た。投資活動において、当社は有形固定資産及び投資資産の取得のために、2018年に2兆2,610億ウォン及び2019年
に3兆2,630億ウォンの現金を使用した。財務活動において、当社は借入金及び社債の返済のために、2018年に1兆
6,130億ウォン及び2019年に1兆3,770億ウォンの現金を使用した。当社は随時、買収(関連会社株式を含む。)及び
戦略的提携に関係した投資のためにも資本を必要とする可能性がある。
株主及び非支配持分に支払われた当社の現金配当は、2018年には2,990億ウォン、2019年は3,050億ウォンであっ
た。
当社は資本支出及び未払いの契約上の債務及び約定額の返済が、来る数年間の最も重要な資金使途となるものと予
想している。当社はまた、関連会社株式の買入れならびに買収及び戦略的関係を伴う投資のために資金が必要になる
可能性がある。当社は急速に発展している韓国の電気通信及びインターネット関連市場で主に競争している。近年、
5G携帯電話サービスを商品化するために当社、SKテレコム及びLG U+間の競争は激化しており、当社は5G携帯電話
サービスの能力及び技術を拡大するために資本支出を行ってきており、今後も継続して行う予定である。当社は急速
に発展する通信技術の予想できない発展に遅れずについていくために追加的な資本支出を負担しなければならない可
能性がある。当社が適切な時期に金融機関その他の資金源から当社の予期せぬ資金需要のために十分な額の資金を満
足できる条件で調達できるかについては保証できない。
契約上の債務及び約定額の支払もかなりの財源を必要とする。当社の通常の営業過程において、当社は保守修理を
含む当社業務の様々な局面で日常的に契約を締結する。当社はまた、当社の関連会社に対して保証も提供している。
下記の表は、2019年12月31日現在の将来支払をなすべき当社の契約上の債務に関する抜粋情報である。
期間別支払時期
(1)
総額 1年未満 1-3年 4-5年 5年以降
契約上の債務
( 単位:十億ウォン)
長期債務(1年以内返済長期
7,236
債務を含む。) 1,103 2,707 1,326 2,100
781
リース債務(利息を含む。) 353 313 65 50
5,198
退職金債務 (2)
241 542 565 3,850
14
資産除去債務 2 ▶ ▶ ▶
1,395
339 448 247 361
長期未払金-その他
14,624 2,038 4,014 2,207 6,365
合計
2019 年12月31日現在有効な契
932 126 224 182 400
約金利に基づく利払いの概算
注:(1) 契約上の債務は、支払予定が確定していない、返還可能な電話設置保証金及び顧客の通話ボーナスポイントの発
生分を除いた貸借対照表日現在の契約債務を表す。
(2) この金額は2019年12月31日現在の割引前の年金給付を示す。
資本の財源
当社は伝統的に、当社の運転資金及びその他の資金需要を、主として営業活動より得られた現金で賄い、残りの必
要額を主に長期借入金で調達してきた。
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当社の主要な現金の源泉は、営業活動による純現金(当期純利益を含む。)、減価償却等の現金の支払いを伴わな
い費用ならびに社債発行及び借入金による手取金である。当社はこれらの資金源が将来も現金の主な財源であり続け
る と予想する。上記で説明したとおり、2018年には当期純利益7,620億ウォン及び2019年には当期純利益6,690億ウォ
ンを計上した。無形資産の減価償却費及び使用権資産の減価償却費によるキャッシュ・フロー表中の非現金支出調整
は、主に近年の当社の資本投資活動(当社業務のための帯域幅免許の購入、ネットワーク・インフラストラクチャー
への投資及び不動産の取得を含む。)を反映して、2018年は3兆3,650億ウォン及び2019年は3兆6,810億ウォンに達
した。借入金及び社債による現金手取金は、2018年は1兆4,730億ウォン及び2019年は1兆9,520億ウォンであった。
2019年12月31日現在、当社は自己株式15,870,258株を保有していた。
2012 年以降、当社は、当社の現金及び資産管理を改善する努力の一環として、携帯電話機販売に関連する売掛金の
一部をいくつかの特別目的会社へ売却してきた。当社はまた、これらの特別目的会社各社との資産運用契約を締結
し、これらの会社から運用手数料を受領していく。
当社は現在の必要額に対して十分な運転資金を保有しており、また営業活動からもたらされる資金により賄いきれ
ない資金需要を満たすためには、社債の発行及びウォン建又は各種外貨建の銀行借入れなど様々な代替手段が利用可
能であると考える。例えば、(ⅰ)2017年8月に2022年満期2.625%利付米ドル建社債(4億米ドル)、(ⅱ)2018
年8月に2020年満期LIBOR(3ヶ月)プラス0.450%利付米ドル建社債(2億米ドル)、(ⅲ)2018年8月に2023年満
期LIBOR(3ヶ月)プラス0.900%利付米ドル建社債(1億米ドル)、(ⅳ)2018年11月に2020年満期0.300%利付円
建社債(300億円)、(ⅴ)2019年11月に2024年満期LIBOR(3ヶ月)プラス0.980%利付米ドル建社債(3億5,000万
米ドル)、(ⅵ)2019年7月に2022年満期0.220%利付円建社債(296億円)、及び(ⅶ)2019年7月に2024年満期
0.330%利付円建社債(4億円)を発行した。しかしこれら代替手段のいくつかに頼る当社の能力は、韓国及び世界
の金融市場の流動性、一般的な利率、当社の格付け、ウォン建及び外貨建借入れに関する韓国政府の方針などの要因
により影響を受ける。将来において当社の流動性に悪影響を与えるその他の要因としては、資本支出の予期しない増
加及び当社サービスに対する需要の激減に起因する営業からもたらされる現金の減少がある。当社はまた、予期しな
い投資及び買収の資金調達のために、当社が予想するより早く追加資金の調達を必要とする可能性がある。
韓国採用国際会計基準に基づく当社の資本合計は、2018年12月31日現在14兆7,310億ウォン及び2019年12月31日現
在15兆1,870億ウォンであった。
流動性
当社の運転資金(流動資産から流動負債を差引く。)は、2018年12月31日現在2兆7,640億ウォンの黒字及び2019
年12月31日現在1兆8,650億ウォンの黒字であった。下記の表は、表示年度の当社の重要な流動資産の概要を示す。
12 月31日現在
2018 年 2019 年
(単位:十億ウォン)
現金及び現金性資産 2,703 2,306
売上債権及びその他債権(純額) 5,807 5, 906
棚卸資産(純額) 684 665
その他金融資産 995 868
当社の現金及び現金性資産(ほぼ全てウォンである。)の総額は、2018年12月31日現在で2兆7,030億ウォン及び
2019年12月31日現在で2兆3,060億ウォンに上った。韓国会計基準審議会(KASB)が発行する韓国採用国際会計基準
の下では、銀行通知預金及びその他すべての期間3ヶ月以内の非常に流動性の高い一時的金融商品は現金性資産とみ
なされる。その他短期金融資産は主に金融商品、売却可能証券及びヘッジに使用されるデリバティブ資産から成る。
下記の表は、表示期間の当社の重要な流動負債の概要を示す。
12 月31日現在
2018 年 2019 年
(単位:十億ウォン)
仕入債務及びその他債務 6,948 7,597
借入金 1,368 1,186
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当社の収益のほぼすべてがウォン建てである。ウォンの評価減は、特に外貨建て債務の元利金支払いに当社が必要
とするウォンの金額、当社が海外の調達元から購入する通信機器のコスト、外国通信会社への正味決済金額の支払
い、及び外貨リスクヘッジ目的で締結したデリバティブ商品に関する一定の支払いを増加させるため、当社の営業成
績に悪影響を与える可能性がある。2019年12月31日現在、当社は、総額2兆6,490億ウォン及び2億1,500万米ドルの
金融機関との各種約定を締結していた。このうち、2,090億ウォン及び9,100万米ドルが使用されていた。2019年12月
31日現在未償還の社債及び借入金の帳簿価格の総額7兆2,990億ウォンのうち、2兆7,810億ウォンが外貨建てであっ
た。通貨リスク・エクスポージャーを特定及び評価の上、当社は様々な状況を考慮して、かかるリスクを管理するた
めにデリバティブ締結した。下記の「市場リスクに関する定量的及び定性的開示-為替レートリスク及び金利リス
ク」を参照のこと。当社は、当社の現在の必要額を満たすために十分な短期資金調達を得るのが困難であったことは
なく、また今後も困難があるとは予想しない。
インフレーション
当社は韓国におけるインフレーションがここ数年において当社の営業成績に重大な影響を与えているとは考えな
い。韓国銀行の公表データによると、韓国における年間インフレーション率は、2017年に1.9%、2018年に1.5%及び
2019年に0.4%であった。「2.事業等のリスク-韓国の経済状況が悪化した場合、当社の現在の事業及び将来の成
長に大きく悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。
市場リスクに関する定量的及び定性的開示
当社は主として内在する負債に関連して外国為替レート及び金利のリスクに、またエクイティ証券への投資の結果
として株価リスクにさらされている。当社の長期的な財務方針は、毎年当社理事会に報告され、当社の財務部門が財
務リスクの管理及び評価を行う。当社のリスク・エクスポージャーを特定及び評価した上で、当社は、さまざまな状
況を考慮し、かかるリスクの一部を管理する試みとしてデリバティブ金融商品契約を締結する。これらの契約は大手
金融機関と締結されるものであり、それによって信用損失のリスクは最小にされる。当社の財務部門の活動は外為及
び金利リスク管理委員会によって承認された方針に従っている。これらの方針は相手方の承認、限度額の設定及び過
剰流動性投資を含むデリバブティブ金融商品の利用に向けられている。当社の一般的方針は、主にヘッジ目的のため
にデリバティブ金融商品を保有しかつ発行することである。
当社のヘッジ目的デリバティブ契約について、当社は、2018年に評価益660億ウォン、評価損20億ウォン及び累積
その他包括利益220億ウォンを、2019年には評価益770億ウォン、評価損160億ウォン及び累積その他包括利益920億
ウォンを認識した。
為替レートリスク
当社のキャッシュ・フローの大半がウォンで表示されている。当社は外貨建負債及び予想されている外国為替支払
いに関連する外国為替リスクにさらされている。予想される外国為替(大部分が米ドル建)支払いは、主として外貨
建債務の支払い、外国電気通信事業者に支払われる差金決済支払金及び外国供給業者から購入された設備に対する支
払いに関するものである。当社は外貨リスクをヘッジするために、数件の通貨スワップ契約、金利・通貨スワップ契
約の組み合わせ及び為替先物予約を締結している。
以下の表は、2018年及び2019年12月31日現在の外貨建ての当社資産及び負債を示す。
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2018 年12月31日現在 2019 年12月31日現在
(外貨1,000単位)
金融資産 金融負債 金融資産 金融負債
米ドル 279,327 1,893,782 209,163 2,551,289
特別引出権(SDR) 267 730 255 729
日本円 66,078 50,000,000 24,930 80,000,000
英ポンド - 256 - 56
ユーロ 2 6 1 6
アルジェリア・ディナール 618 - - -
中国人民元 16,315 271 2,438,626 14,137
ウズベキスタン・スム 121,053 - - -
ルワンダ・フラン 857 - 706 -
タイ・バーツ 1,685 1,685 6,143 3,079
インドネシア・ルピア 64,240,286 41,510,330 10,657,194 2,034,151
ミャンマー・チャット 84 - 84 -
タンザニア・シリング - 2,876 6,919 -
ボツワナ・プラ 897 - 911 -
香港ドル - - - 268
バングラデシュ・タカ 39,494 - 18,897 -
ポーランド・ズロチ 26 - - -
ベトナム・ドン 467,272 - 271,563 -
中央アフリカ・フラン(CFA) 666 - 97,411 -
スイス・フラン - - - -
2018年12月31日現在、ウォンとすべての外貨との為替レートが10%上昇し、その他の変数が一定である場合、当社
の税引前利益は20億ウォン減少し、資本合計は6億ウォン増加したであろう。また為替レートが10%減少した場合、
当社の税引前利益は30億ウォン、資本合計は6,000万ウォン減少したであろう。2019年12月31日現在、ウォンとすべ
ての外貨との為替レートが10%上昇し、その他の変数が一定である場合、当社の税引前利益は520億ウォン、また資
本合計は440億ウォン減少したであろう。為替レートが10%減少した場合は反対の効果をもたらすであろう。上記の
感応度分析は為替レート以外のすべての変数が一定であると仮定しており、従って、為替レートとその他変数の間の
相関関係も、またリスクを低減する当社の決定も反映していない。
金利リスク
当社はまた、金利の変動から生じる市場リスクにさらされている。金利の低下は、主として固定金利で成り立って
いる当社の債務ポートフォリオの公正価額を増大させるものである。当社は、一部の当社債務に関する金利の変動性
を軽減し、変動及び固定金利のバランスのとれた債務構成を達成することで支払利息を管理するために、限定的な範
囲で、金利スワップ契約及び金利・通貨スワップ契約の組み合わせを利用する。当社は、一定期間の変動金利支払い
と固定金利支払いを交換する数本の金利スワップ契約を締結し、また当社の金利リスクをヘッジするために金利・通
貨スワップ契約の組み合わせも締結した。
下記の表は、2019年12月31日現在の為替レート及び/又は金利に敏感な当社の短期及び長期負債の元本金額、公正
価額、満期日別元本キャッシュ・フロー及び加重平均利率を示す。情報は当社の報告通貨であるウォンで表示されて
いる。
2019 年12月31日
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2020 年 2021 年 2022 年 2023 年 以後
合計 公正価額
(単位:利率を除き百万ウォン)
ウォン貨
固定利付
543,993 1,065,493 566,493 340,000 1,981,976 4,497,955 5,736,443
加重平均利率(1)
3.23 % 3.90 % 1.76 % 2.86 % 2.69 % 2.94 % -
変動利付
- - - - - - -
加重平均利率(1) - - - - - - -
小計
543,993 1,065,493 566,493 340,000 1,981,976 4,497,955 5,736,443
外貨
固定利付
361,580 200,163 777,907 - 583,154 1,922,804 1,911,271
加重平均利率(1)
0.30 % 0.78 % 1.65 % - 3.28 % 1.80 % -
変動利付
235,033 - - 115,780 405,230 756,043 758,349
加重平均利率(1) 2.31 % - - 2.81 % 2.89 % 2.70 % -
小計
596,613 200,163 777,907 115,780 988,384 2,678,847 2,669,620
総計
1,140,606 1,265,656 1,344,400 455,780 2,970,360 7,176,802 8,406,063
注:(1)年度末のポートフォリオの加重平均利率。
市場金利が100ベーシス・ポイント上昇し、その他の変数が一定である場合、当社の税引前利益はそれぞれ、2018
年及び2019年12月31日現在では10ウォン及び4億ウォン増加したであろう。かかる上昇により、その他の変数が一定
である場合、資本合計はそれぞれ、2018年及び2019年12月31日現在100億ウォン及び150億ウォン増加したであろう。
市場金利が100ベーシス・ポイント低下し、その他の変数が一定である場合、当社の税引前利益は、それぞれ2018
年12月31日現在20億ウォン減少し、2019年12月31日現在5億ウォン減少したであろう。2018年12月31日及び2019年12
月31日現在、市場金利が100ベーシス・ポイント減少し、その他の変数が一定である場合、資本合計はそれぞれ100億
ウォン及び190億ウォン減少したであろう。上記の感応度分析は市場金利以外のすべての変数が一定であると仮定し
ており、従って、市場金利とその他変数の間の相関関係も、またリスクを低減する当社の決定も反映していないが、
分析を実行した時のデリバティブ契約の効果を反映している。
株価リス ク
当社はまた、当社の株式ポートフォリオの公正価額に影響を与える、株式市場の変動から生じる市場リスクにさら
されている。2018年及び2019年12月31日現在、当社のエクイティ証券が上場されている市場の株価指数が10%上昇
し、その他の変数が一定である場合、当社の資本合計はそれぞれ9億ウォン及び7億ウォン増加し、また株価指数が
10%下落した場合は反対の効果をもつであろう。上記の感応度分析は株価指数以外のすべての変数が一定であり、か
つ当社の市場性のあるエクイティ商品はこれまでの指数との相関関係に従って動いてきたと仮定しており、従って、
株価指数とその他変数の間の相関関係を反映していない。
4【経営上の重要な契約等】
該当なし。
5【研究開発活動】
収斂されつつある電気通信事業環境において当社のリーダーシップを維持し、さらなるプラットフォーム、サービ
ス及びアプリケーションを開発するために、当社は様々な事業ユニットにおいて研究開発(「R&D」)活動に従事
し、また以下のR&D研究所を運営する。
・ インフラストラクチャーR&D研究所
・ 人工知能R&D研究所
・ プラットフォームR&D研究所
2019年12月31日現在、KTは国内で4,386件の登録特許を、また国際的には1,331件の登録特許を保有していた。
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MSIT はネットワーク・サービス・プロバイダーに対して、電気通信技術及び関連プロジェクトの国家的研究開発の
ために資金を提供するよう勧告する権限がある。かかる拠出額を含めた、研究開発にかかる支出総額(資本計上され
る費用を含む。)は、2017年に4,350億ウォン、2018年に2,730億ウォン及び2019年に2,540億ウォンであった。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
以下は、韓国採用国際会計基準に基づき作成されている、当社連結財務諸表に基づく説明及び分析である。
当社は有形固定資産及び投資不動産の取得のために、連結ベースで2018年は2兆2,610億ウォン及び2019年は3兆
2,630億ウォンの現金を使用した。当社は現在、20209年の有形固定資産及び投資物件の取得のための資本支出を、単
体ベースで2019年の3兆3,000億ウォンと比較して3兆1,000億ウォンへと減額する予定である。しかし実際の金額
は、依然として市場状況、当社の経営成績及び5G携帯電話通信ネットワークの構築計画の変更により調整される可能
性がある。
2【主要な設備の状況】
当社の主な固定資産は、当社の統合通信ネットワークである。さらに、当社は韓国全土に建物その他不動産を所有
する。2019年12月31日現在、当社の固定資産の帳簿価格は13兆7,850億ウォンであり、そのうち3兆4,240億ウォンが
当社の土地、建物及び構造物の正味帳簿価格であった。2019年12月31日現在、投資資産の正味帳簿価格は当社の固定
資産とは分けて計上されており1兆3,870億ウォンであった。本書の記載がある場合以外に、リースされている当社
の資産の金額は大きくない。以下の固定資産を含む当社の資産に対する重要な担保はない。
当社の固定回線機器のメーカー及び携帯電話の供給者は、三星電子、エリクソン、ノキア、ジュニパー及びシス
コ・システムズなどの知名度の高い国際及び国内の供給者である。
携帯電話ネットワーク
当社の携帯電話ネットワーク構造には以下のものが含まれる。
・ セル域内で加入者の携帯電話機を使い無線チャネルを通じて通信するために使用される、送受信基地及びその
他の機器の無線ユニットが配備された物理的な所在地であるセルサイト
・ 送受信基地のベースバンド・ユニットを備えた物理的な所在地である集中センター
・ 送受信基地に接続して制御し、他のネットワーク及びサービスへのゲートウェイとなるコアネットワーク
・ モバイル交換センター、基地局の制御装置、送受信基地及び公共交換電話ネットワークを繋ぐ伝送回線
無線ネットワークの加入者の容量に対する主な制限の1つは、サービス・プロバイダーに割当てられる帯域幅の量
である。当社は幅広い範囲のサービスを提供するために追加の帯域幅容量を確保する帯域幅免許を多数取得してき
た。これに対して当社は通常、一時金並びに免許期間中に利用料金を支払う。「第3 事業の状況-3.経営者によ
る財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-概要-新たな帯域幅免許の取得及び利用料金」を参照
のこと。
交換機
交換機には市内交換機及び市内交換機と市外伝送設備を繋ぐ「トール」交換機がある。2019年12月31日現在、当社
は市内交換機に接続されている回線約2,330万本及び「トール」交換機に接続されている回線220万本を保有してい
た。
当社のすべての交換機は、より高速かつ大容量のサービスを提供するために、完全デジタル化及び自動化されてい
る。さらに、トール交換機に接続されている当社回線の全てがIPプラットフォームと互換性があった。
インターネットバックボーン
当社のインターネットバックボーンネットワークは、「KORNET」と呼ばれ、2019年12月31日現在、いつでも最高
17.4Tbpsで当社のブロードバンド・インターネット接続加入者、データセンター及びインターネット交換機の総トラ
フィックを処理する能力を有している。当社はインターネット接続サービスの信頼性に影響を与える様々な事態に対
して備える予防的計画を設けている。当社のIPプレミアム・ネットワークは、IPTV、VoIP及び他のIP関連サービスを
より信頼性を増してサポートすることが可能とする。2019年12月31日現在、当社のIPプレミアム・ネットワークは、
モバイル・データ・サービスを提供するために3,122本の回線、IPTVサービスを提供するための1,546本の回線及び最
高3.3TbpsのIPTV、音声、モバイルデータ及びバーチャル・プライベート・ネットワーク(「VPN」)サービスの通信
量を処理できる容量を設置していた。
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接続線
2019 年12月31日現在、当社は2,240万本の接続線を設置しており、これにより当社は実質上すべての韓国の家庭及
び事業所に到達することができる。当社のブロードバンド展開戦略の一環として、当社は当社の大半の接続線にFTTH
技術を使用したブロードバンド機能を備え付け、その能力を向上させた。2019年12月31日現在、当社はおよそ2,220
万本のブロードバンド回線(最低速度50Mビット/秒)を有しており、当社の顧客に対して高速インターネット接続及
びマルチメディア・コンテンツを提供することができる。
伝送ネットワーク
当社の国内光ファイバーケーブル・ネットワークは、2019年12月31日現在、847,497キロメートルを超える光ファ
イバー・ケーブルにより構成され、そのうち129,546キロメートルの光ファイバー・ケーブルは当社の基幹ネット
ワークを接続するのに使用され、717,951キロメートルは基幹ネットワークを当社顧客へ接続するのに使用されてい
る。当社の基幹ネットワークは、都市間の接続に、64Tbpの再構成可能な長距離光アドドロップマルチプレクサ
(「ROADM」)技術を利用する。ROADM技術は、1つのケーブル内の1ファイバー・ストランドに複数の信号からの
データを伝送することを可能として、各信号を独立した波長で送信することにより、帯域幅の効率性を向上させる。
韓国国内の主要都市を結ぶ当社の伝送基幹ネットワークは、パケット光伝送ネットワーク(「POTN」)を利用し、当
社はマルチ・サービス・プロビジョニング・プラットフォーム(「MSPP」)構造を通じてかかるネットワークに接続
する。
当社の広範囲にわたる市外ネットワークは、2019年12月31日現在、53か所の中継基地から構成される当社の完全に
デジタル化された国内マイクロ波ネットワークにより補完されていた。
国際ネットワーク
当社の国際ネットワーク・インフラストラクチャーは、釜山及び 巨濟 にある海底ケーブル地上局2箇所及び 群山 に
ある衛星通信拠点1箇所を含む、海底ケーブル及び衛星による伝送システムにより構成されている。国際通信は海底
ケーブル及び通信衛星により処理される。海底ケーブルを敷設するための費用が高額であるために、通常は複数の通
信会社が共同で新しいケーブルを発注し、その費用と容量を分担する。当社は、いくつかの国際光ファイバー海底
ケーブル・ネットワークに資本参加する。当社はまた、当社が定期的に打ち上げる衛星を運用し、さらに他の衛星オ
ペレーターから衛星の容量をリースする。国際専用回線、IP及び超小型地上局などのデータ・サービスは、海底ケー
ブル及び衛星通信を通じて供給される。当社の最終顧客に高品質のサービスを保証するために、当社の海底ケーブル
及び衛星伝送システムは、米国、アジア及びヨーロッパの様々な拠点に接続している。さらに、2019年12月31日現
在、当社の国際通信ネットワークは海外諸地点にある252の通信サービス業者に直接接続しており、ソウル、大田及
び釜山の当社の3つの国際交換センターを経由して送られる。
2019年12月31日現在、当社の約2,220Gbpsの容量をもつ国際基幹回線は、 惠化、 九老及び釜山の3箇所の国際ゲー
トウェイを通じて約300の国際サービス・プロバイダーに接続している。さらに、当社は、韓国から世界の他地域へ
放送信号を伝送する1.1Gbpsの容量を持つ放送基幹回線を運用している。
3【設備の新設、除却等の計画】
設備の新設については、上記「1.設備投資等の概要」を参照。設備の除却については該当なし。
資金調達方法については、上記「第3 事業の状況-3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フ
ローの状況の分析-資本の財源」を参照。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2019年12月31日現在)
授権株数(株) 発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
(1) (2)
1,000,000,000株
261,111,808株 687,100,233株
注:(1)自己株式(自己株式ファンドにより所有される自己株式を含む)として15,870,258株(個別ベース)が保有され
ていた。
(2)「未発行株式数には自己株式の利益消却によって減少した株式数は算入しない。」との韓国金融監督院の解釈に
より、韓国金融監督院に提出した2004年事業報告書からは未発行株式数を687,100,233株(授権株数から既発行
済株式312,899,767株を差引いた数)と記載することになった。
②【発行済株式】
(2019年12月31日現在)
上場金融商品取引所名又
記名・無記名の別及び額
種類 発行数(株) は登録認可金融商品取引 内容
面・無額面の別
業協会名
記名式額面株式 韓国取引所有価証券市場
普通株式 261,111,808株 -
(額面金額5,000ウォン) ニューヨーク証券取引所
計 - 261,111,808株 - -
(注)ニューヨーク証券取引所においては、米国預託証券(ADR)の形式で上場されている。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
発行済株式総数 資本金(単位:千ウォン(千円))
年月日 摘要
増減数(株) 残高(株) 増減額 残高
1,560,998,295 自己株式の利益
2009年4月22日 (-)13,124,000 260,411,700 -
(146,783,482) 償却
3,500,540 1,564,498,835 KTFとの合併に伴
2009年6月23日 (+)700,108 261,111,808
(329,162) (147,112,644) う新規発行株式
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(4)【所有者別状況】
(2019年12月31日現在)
総株主数に対する 発行済株式数に対す
区分 株主数 株式数
割合(%) る割合(%)
金融機関 109 0.07 3,223,070 1.23
証券会社 38 0.03 3,469,385 1.33
その他会社 1,428 0.95 69,534,169 26.63
外国投資家 562 0.37 121,681,903 46.60
個人その他 148,642 98.58 63,203,281 24.21
合計 150,779 100.00 261,111,808 100.00
(注)割合は四捨五入されている。
(5)【大株主の状況】
(2019年12月31日現在)
発行済株式総数に
氏名又は名称 住所 所有株式数(株) 対する所有株式数
の割合(%)
国民年金公団 大韓民国全羅北道全州市徳津區Giji路180 32,836,553 12.58
株式会社エヌ・ティ・ティ・
日本国東京都千代田区永田町2丁目11番
14,257,813 5.46
ドコモ (NTT Docomo, Inc.)
1号 山王パークタワー
シルケスター・インターナ
英国W1J 6TL、ロンドン、ワンブルトンス
ショナル・インベスターズ 13,588,760 5.20
トリート、5階、タイム&ライフビル
LLP
計 60,683,126 23.24
(注)上記の株主は、発行済株式総数の1%以上を所有する2019年12月31日現在の上位3位までの株主である。
1993年10月以前は、韓国政府が当社株式をすべて保有していた。1993年以来、韓国政府は段階的にその持株比率を
低下させ、2002年5月に所有する当社全株式の処分を完了した。
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2【配当政策】
下記の表は表示の各年12月31日現在の発行済普通株式の名簿上の株主に対する年間配当及び各年6月30日現在の発
行済普通株式の名簿上の株主に対する中間配当を表す。
12月31日終了年度 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
1株当たり年間配当額 500 800 1,000 1,100 1,100
(単位:ウォン(円)) (47円) (75円) (94円) (103円) (103円)
1株当たり中間配当額 - - - - -
(単位:ウォン(円)) (-円) (-円) (-円) (-円) (-円)
1株当たり配当総額 500 800 1,000 1,100 1,100
(単位:ウォン(円)) (47円) (75円) (94円) (103円) (103円)
公表配当総額
122.4 196.0 245.1 269.7 269.8
(単位:十億ウォン(十億
(11.5十億円) (18.4十億円) (23.0十億円) (25.4十億円) (25.4十億円)
円))
十分な利益が利用可能な場合、当社理事会は発行済普通株式に対する年間配当を提案することができる。これにつ
いては、当社株主の定時株主総会での承認が必要である。定時株主総会は通常、翌年3月に開催され、かかる定時株
主総会において当社株主が年間配当を承認した場合、当社はかかる配当を当該決議日から1ヶ月以内に支払わなけれ
ばならない。通常、当社はかかる配当を総会の直後に支払う。年間配当決議は当社株主の投票に任されており、その
ため、普通株式1株当たり配当金額及び配当金が支払われるかについての保証はない。現金で支払われる中間配当は
理事会決議により宣言される。「第1 本国における法制等の概要-1.会社制度等の概要-(3)提出会社の株式
に関する情報-配当金」を参照のこと。
商法は、ある会社の同種の株式は等しい取扱いを受けなければならないと規定する。しかし、大株主は少数株主よ
りも低い率での配当分配を受けることに同意できる。
ADSの形態で保有されている株式に対する現金配当は預託機関にウォンにて支払われる。預託契約は、例外的な状
況を除いて、預託機関が受領した配当金は預託機関により米ドルに転換され、源泉徴収税、その他公租公課及び預託
機関の手数料・費用を控除してADRの所有者に分配される旨を規定する。「第1 本国における法制等の概要-2.
外国為替管理制度-株式に適用される制限」及び「-3.課税上の取扱い-(1)韓国の税制」を参照のこと。
3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
2020年4月1日現在、当社又は当社の子会社との間で雇用終了時に手当を受ける理事請負契約を保持している当社
の社内理事又は社外理事はいない。
コーポレート・ガバナンス委員会
コーポレート・ガバナンス委員会は4名の社外理事及び1名の社内理事(李康哲、金大猷、柳熙烈、表鉉明及び朴
鐘旭)により構成される。委員長は、李康哲である。同委員会は、当社のコーポレート・ガバナンスの実効性を監視
するために、コーポレート・ガバナンス指針及びかかる指針に基づく当社の業績に関する事項の検討に責任をもつ。
同委員会はまた社内及び社外の代表理事候補者群の詳細な審査及び構成の承認並びに当社理事会により決定された審
査基準に従い、代表理事候補者を選任(さらに「代表理事候補者審査委員会」により調査される。)する責任があ
る。同委員会の委員は定時株主総会の終了後に理事会により選任され、その任期は1年である。
代表理事候補者審査委員会
代表理事候補者審査委員会は、社内理事1名及び社外理事全員で構成される。委員会のメンバーは委員会の在任中
は代表理事職の候補者になることはできない。同委員会の職務は、当社理事会により決定された審査基準に基づき選
任された代表理事候補者群の審査、かかる基準に基づく代表理事候補者の選任及び審査結果の理事会への報告が含ま
れる。
社外理事候補推薦委員会
社外理事候補推薦委員会は、社内理事1名及び社外理事全員で構成される。ただし、任期満了に伴う社外理事の選
任の場合を除き、その場合は任期満了の当該社外理事は社外理事候補推薦委員会の委員になることができない。同委
員会の職務には、見込みのある候補者の資格を検討し、定時株主総会において株主に対して候補者の当社理事会の社
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外理事への就任を提案することを含む。同委員会の委員の任期は、社外理事が選任された株主総会の散会後、直ちに
終了する。
評価及び報 酬委員会
評価及び報酬委員会は現在、4名の社外理事(柳熙烈、李康哲、表鉉明及び 朴贊熹)で構成されている。委員長
は柳熙烈である。同委員会の職務は、代表理事の経営目標の事前の検討、代表理事の経営契約に含むことが提案され
る条件(代表理事が経営目標を達成したかの決定を含むが、それに限定されない。)並びに代表理事及び社内理事の
報酬決定を含む。同委員会の委員は定時株主総会終了後に理事会より選任され、その任期は1年間である。
経営委員会
経営委員会は現在、具鉉謨、朴胤永及び朴鐘旭で構成されている。委員長は具鉉謨である。同委員会の職務には支
店の設立及び運営の承認、当社子会社株式の処分及び売却(市場価格150億ウォンから300億ウォン。ただし、支配権
の変更を伴う市場価格100億ウォン以上の株式売却を除く。)、150億ウォンから300億ウォンまでの投資の実行及び
保証の供与、時価150億ウォンから300億ウォンまでの不動産の取得及び処分及び特定の債券の発行が含まれる。
関係者取引委員会
関係者取引委員会は現在、4名の社外理事(柳熙烈、姜忠求、朴贊熹及び余垠