中国建設銀行股イ分有限公司 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
---|---|
提出日 | |
提出者 | 中国建設銀行股イ分有限公司 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年6月29日
【事業年度】 自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日
【会社名】
中国建設銀行股 份 有限公司
(China Construction Bank Corporation)
【代表者の役職氏名】
取締役会会長 兼 業務執行取締役 田國立
( Tian Guoli, Chairman of the Board and Executive
Director )
【本店の所在の場所】
中華人民共和国北京市西城區金融大街 25 號 100033
(No.25, Financial Street, Xicheng District, Beijing
100033, People's Republic of China)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 神 田 英 一
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区丸の内一丁目1番1号パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6632-6600
【事務連絡者氏名】 弁護士 芦 澤 千 尋
【連絡場所】 東京都千代田区丸の内一丁目1番1号パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6632-6600
【縦覧に供する場所】 該当なし
1/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
( 注) 1 本書において、文脈上別意に解すべき場合を除いて、以下の用語および表現は、それぞれ以下の意味を有す
る。
「AI」 人工知能
「AML」 マネーローンダリング対策(Anti-money laundering)
「中国農業銀行」 中国農業銀行股份有限公司(Agricultural Bank of
China Limited)
「当行」 中国建設銀行
「 宝武鋼鉄グループ 」 中国宝武鋼鉄集団有限公司(China Baowu Steel Group
Corporation Limited)
「取締役会」 中国建設銀行取締役会
「中国銀行」 中国銀行股分有限公司 (Bank of China Limited)
「交通銀行」 交通 銀行股分有限公司 (Bank of Communications Co.,
Ltd.)
「CBIRC」 中国銀行保険監督管理委員会(China Banking and
Insurance Regulatory Commission)
「CBRC」 旧中国銀行業監督管理委員会
「CCBアジア」 中国建設銀行(亜洲)股份有限公司( China
Construction Bank (Asia) Corporation Limited )
「CCBブラジル」 中国建設銀行(巴西)股份有限公司( China
Construction Bank (Brasil) Banco Múltiplo S/A )
「CCBヨーロッパ」 中国建設銀行(欧州)有限公司(China Construction
Bank (Europe) S.A.)
「CCBファイナンシャル・リーシング」 建信金融租賃有限公司(CCB Financial Leasing Co.,
Ltd.)
「CCBフューチャーズ」 建信期貨有限責任公司(CCB Futures Co., Ltd.)
「CCB住宅」 建信住房服務有限責任公司(CCB Housing Services
Co., Ltd.)
「CCBインドネシア」 中国建設銀行(印度尼西亜)股份有限公司(PT Bank
China Construction Bank Indonesia Tbk)
「CCBインターナショナル」 建銀国際(控股)有限公司(CCB International
(Holdings) Limited)
「CCBインベストメント」 建信金融資 產 投資有限公司(CCB Financial Asset
Investment Co., Ltd.)
「CCB生命」 建信人寿保険股份有限公司(CCB Life Insurance Co.,
Ltd.)
「CCBロンドン」 中国建設銀行(倫敦)有限公司(China Construction
Bank (London) Limited)
「CCBマレーシア」 中国建設銀行(馬来西亜)有限公司(China
Construction Bank (Malaysia) Berhad)
「CCBニュージーランド」 中 国 建設銀行(紐西蘭)有限公司(China Construction
Bank (New Zealand) Limited)
「CCB年金」 建信養老金管理有限責任公司 (CCB Pension Management
Co., Ltd.)
「CCBプリンシパル・アセット・マネジメ 建信基金管理有限責任公司(CCB Principal Asset
ント」
Management Co., Ltd.)
「CCB損保」 建信財産保険有限公司(CCB Property & Casualty
Insurance Co., Ltd.)
「CCBロシア」 中国建設銀行(俄羅斯)有限責任公司(China
Construction Bank (Russia) Limited)
「CCB起業ステーション」 「金融+企業支援+産業+教育」を統合したオンライ
ンおよびオフラインのワンストップ総合サービス・プ
ラットフォームであり、当行が革新的な起業家のため
に構築したもの
「CCB信託」 建信信託有限責任公司(CCB Trust Co., Ltd.)
「CCBウェルス・マネジメント」 建信理財有限責任公司(CCB Wealth Management Co.,
Ltd.)
2/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
「CCB裕農通(Yunongtong)」 県レベルの農村地域を対象とした包括的なインクルーシ
ブ・ファイナンス・サービス・プラットフォーム
「中信銀行」 中信 銀行股分有限公司 (China CITIC Bank Corporation
Limited)
「クラウド・ペット」 当行のモバイル・バンキングに導入されている情報収集
のためのゲーム化されたクラウドソーシング・アプリ
ケーション
「会社法」 中国会社法(The Company Law of the People's
Republic of China)
「クロスボーダーe+」 クロスボーダー取引の全過程を支援するため当行が構築
した、ワンストップのクロスボーダー金融サービスのた
めの革新的なオンライン・プラットフォーム
「クロスボーダー迅速ローン」 小規模・零細のクロスボーダー取引企業のために当行が
提供するオンラインの無担保信用取引融資サービス
「CSRC」 中国証券監督管理委員会(China Securities
Regulatory Commission)
「金融知力の普及」 当行が立ち上げた非営利のプロジェクトであり、注目
を集めている社会問題や一般大衆が懸念している問題
点に関する教育的かつ実践的な金融研修を提供するも
の
Ⓡ
数多くの金融商品や金融ツールを組み込んだ当行の総
「FITS 」
合投資銀行ブランドである、ファイナンシャル・トー
タル・ソリューションズ
「当グループ」、「CCB」 中国建設銀行およびその子会社
「香港証券取引所」 香港証券取引所有限公司
「華夏銀行」 華夏銀行股分有限公司 (Hua Xia Bank Co., Ltd.)
「恵懂你(Huidongni)」 インターネット、ビッグデータ、生体認証技術を活用
して構築した、当行の小規模・零細企業向けワンス
トップ・サービス・プラットフォーム
「匯金公司」 中央匯金投資有限責任公司(Central Huijin
Investment Ltd.)
「恵市宝(Huishibao)」 ニッチ市場やサプライチェーンの中核企業の財務管理
ニーズに対応した、当行の高性能総合決済サービス・
プラットフォーム
「中国工商銀行」 中国工商銀行 股分有限公司 (Industrial and
Commercial Bank of China Limited)
「IFRS」 国際財務報告基準(International Financial
Reporting Standards)
「監管易(Jianguanyi)」 当行の企業資金管理サービス
「香港上場規則」 香港証券取引所有限公司による証券上場規則
「ロング・カード・クレジット(ロー 当行のモバイル・バンキングを通じ、仮想クレジット
ン)」 カードに申請したら直ちに承認を受けることができる
当行のクレジットカード・サービス
「ロング・ペイ」 当行のインターネット・ベースの企業向けモバイルデ
ジタル決済ブランドであり、包括的な統合支払い・決
済に関する一群の商品およびサービスを含む。
「龍易行(Longyixing)」 当行店舗の営業担当者のための、AI支援によるマーケ
ティングおよびオフィス用モバイル・プラットフォー
ム
「必須条款」 香港上場を希望する中国会社に関する必須条款
「メガ・アセット・マネジャー」 全商品および全資産を対象とし、あらゆるリスクをエ
ントツーエンドで管理する、当行の資産管理・投資
サービス・プラットフォーム
「MOF」、「財政部」 中華人民共和国 財政部(Ministry of Finance of the
People's Republic of China)
「NDRC」 中国国家発展改革委員会(National Development and
Reform Commission)
3/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
「新金融商品基準」または「IFRS第9号」 国際会計基準審議会が公表した 国際財務報告基準第9
号「金融商品」 (2018年1月1日に発効)
「PBC」、「PBOC」 中国人民銀行(People's Bank of China)
「中国GAAP」 中国財政部により、2006年2月15日以降に公布された
「事業会社の会計基準」およびその他の関連要件
「SAFE」 中国国家外為管理局(State Administration of
Foreign Exchange of the PRC)
「SFO」 証券および先物に関する規則(Securities and
Futures Ordinance)
「特別規則」 株式会社の株式の海外募集および上場に関する国務院
特別規則
「中徳住宅貯蓄銀行」 中徳住房儲蓄銀行有限 責任 公司 (Sino-German
Bausparkasse Co., Ltd.)
「国務院」 中華人民共和国 国務院( State Council of the
People's Republic of China )
「国家電網」 国家電網有限公司(State Grid China Co., Ltd.)
「WM商品」 ウェルスマネジメント商品
「長江電力」 中国長江電力股 份 有限公司(China Yangtze Power
Co., Limited)
「裕農迅速ローン」 農業の生産および経営データに基づき、当行が農業関
連企業に融資を提供するサービス
「5G+インテリジェント・バンキング」 5G 、モノのインターネット(IoE)、生体認証その他新
たな技術を使って当行が構築した銀行ストア。新たな
概念であって、将来のトレンドを示すもの
2 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「香港ドル」、「HKドル」および「HK$」は香港の法定通貨を指
す。本書において便宜上記載されている日本円への換算金額は、別段の記載のある場合を除き、1香港ドル
=13.71円の換算率(2020年5月7日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)で計算
されている。
3 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「RMB」、「人民元」および「元」は中華人民共和国の法定通貨
を指す。本書において便宜上記載されている日本円への換算金額は、別段の記載のある場合を除き、1人民
元=14.91円(2020年5月7日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)で計算されて
いる。
4 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「米ドル」、「USドル」および「US$」はアメリカ合衆国の法定
通貨を指す。本書において便宜上記載されている日本円への換算金額は、別段の記載のある場合を除き、1
米ドル=106.27円(2020年5月7日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)で計算さ
れている。
5 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「円」は日本の法定通貨を指す。
6 中国建設銀行股 份 有限公司の会計年度は、12月31日をもって終了する1年間である。本書では、2019年12月
31日に終了した会計年度を「2019年度」といい、他の会計年度についてもこれに準ずる。
7 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
4/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当行に適用される中国会社法、特別規則および必須条款の規定の概要を以下に述べる。
設立
有限会社は、2名以上200名以下の発起人により設立することができるが、発起人のうち少なくとも
半数は、中国国内に居住する者でなければならない。当行は有限会社として中国会社法に基づき設立
された。すなわち当行は法的組織であり、その登録資本は額面が同額の株式に分割される。当行の株
主の責任は株主が保有する株式の金額に限られ、当行はその資産すべての範囲で当該会社の債権者に
対し責任を負う。
株式の割当および発行
株式の発行はすべて、公正性および公平性の原則に基づき行われる。同一クラスの株式は同等の権
利を有さなければならない。当行株式の各発行につき、個別の株式の割当条件(引受価格を含む。)
は、同一クラスの他の当行株式と同等でなければならない。有限会社は、額面または額面以上の価格
で株式を発行することができるが、額面を下回る価格で株式を発行することはできない。
有限会社は、株式を海外で公募するには中国証券監督管理委員会の承認を得なければならない。特
別規則に基づき、当行は、 中国証券監督管理委員会の承認のもと、 外資株の発行に関する引受契約に
おいて、引受株式数の計上後における発行予定の外資株の総数の15%以下を保有することに同意する
ことができる。
記名式または無記名式
中国国内で公募する株式は、記名式または無記名式のいずれによっても発行することができる。
登録株式を発行する会社は、記名式で発行されたすべての株式について株主名簿を維持しなければ
ならない。株主名簿には、株主の詳細、各株主が保有する株式の金額および数ならびに当該株主が当
該株式の保有者となった日等の情報を記載しなければならない。
無記名株式を発行する会社は、無記名式で発行された株式の金額、各無記名式株主に付された番号
および各無記名式株式の発行日を記録しなければならない。
増資
登録株式を発行する会社の株式の新規発行には、関連する全ての管轄官庁および株主の承認が必要
である。公募により株式を発行するには、関連する証券監督管理当局の承認も得なければならない。
新規発行当行株式の引受けを完了した後、当該会社は国家工商行政管理局またはその地方支局に対し
てその登録資本の増資を登録しなければならない。
減資
会社は、以下の手続きに従って、その登録資本の減資を行うことができる。
・最新の貸借対照表および財産目録を作成すること。
・株主が株主総会において登録資本の減資を承認すること。
5/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・減資の承認を求める議案が採択された後、会社の債権者に対して10日以内に減資に関する通知を行
うとともに、30日以内に減資の新聞公告を行うこと。
・債権者が、法定の期間内に、会社に対してその債務の弁済または債務の保証の提供を要求すること
ができること。
・すべての関連する監督当局から必要な承認を得ること。
・会社が、工商行政管理局またはその地方支局に対して登録資本の減少を登録しなければならない。
株式の買戻し
有限会社は、(1)会社の登録株式資本の減資、(2)会社の株式を保有する他社との合併、(3)従業
員の持株制度または株式奨励制度の実施、(4)株主総会決議による会社の合併または分割に異議を有
する株主からの株式の買取請求があった場合、(5)会社が発行した転換社債の転換のために株式が使
用された場合、および(6)会社の企業価値を維持し、株主持分を保護するために株式の買戻しが必要
とされる場合を除き、株式を買い戻すことはできない。
上記(1)または(2)により会社が株式の買戻しを行う場合には、株主総会の決議が必要とされ、上
記(3)、(5)または(6)による株式の買戻しの場合には、会社の取締役会決議は、会社定款の規定に
従い、または株主総会の授権により、会議に出席する取締役の3分の2以上の多数決により行われる
ものとする。
会社は、上記(1)の場合、株式の買戻し後10日以内に、株式の買戻し分を消却するよう求められて
いる。上記(2)または(4)の場合には、株式の買戻し後6ヶ月以内に、株式の買戻し分を譲渡または
消却するよう求められている。上記(3) 、(5)または(6)の場合、買い戻す株式は発行済株式総数の
10%を超えてはならず、3年以内に譲渡または償却しなければならない。
有限会社は、株式の買戻しを行う場合、証券法の規定に従って情報開示を行わなければならない。
上記(3)、(5)または(6)による買戻しの場合には、会社は証券取引所を通じて株式の買戻しを行う
ものとする。
株式の譲渡
有限会社の株式は、関連法令に従って、譲渡することができる。
中国会社法において、株主が単独で保有できる株式の割合については、何らの制限も課されていな
い。
CBRC が2018年1月5日に公表した商業銀行の資本管理に関する暫定措置に従い、投資家、その関連
当事者および協調行動をとる当事者が、単独または共同で、商業銀行の株式総数の5%以上の株式を
初めてまたは累積的に保有する場合には、事前にCBRCまたはその支部の承認を取得するものとする。
投資家、その関連当事者および協調行動をとる当事者が、単独または共同で、商業銀行の株式総数の
1%超5%未満の株式を保有する場合には、取得日から10営業日以内にCBRCまたはその支部に報告す
るものとする。
上場会社の株主名簿の修正について、中国法による他の規定がない限り、株式の譲渡については、
株主総会開催日の前の30日間または配当金分配に係る基準日の前の5日間において、株主名簿に記録
することはできない。
株主
株主は以下の権限を有する。
・株主総会に本人として出席するか、または代理人を任命し、その保有する株式数に関して議決権を
行使すること。
6/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・保有する株式に関して配当金および他の形式により分配可能な利益を受領すること。
・定款、株主総会の議事録、取締役会および監査役会の決議、および財務報告書を閲覧し、会社の業
務について提案および質問を行うこと。
・適用法に従い、株式の譲渡を行うこと。
・株主総会または取締役会において採択された決議が、適用される法律もしくは行政規則に違反し、
または株主の合法的な権利および利益を侵害する場合、人民法院において法的手続を開始するこ
と。
・会社の解散の際に、その株式保有割合に応じて余剰資産を受領すること。
・会社の定款において規定されるその他の株主の権利。
株主の責任は、各株主が保有する当行株式の金額の範囲内に限られる。
株主総会
株主は、株主総会において以下の権限を行使することができる。
・会社の事業方針および投資計画を決定すること。
・取締役を選任または解任し、取締役の報酬を決定すること。
・株主代表監査役および外部監査役を選任または解任し、また、監査役の報酬に関する事項を決定す
ること。
・取締役会および監査役会の報告書を審議および承認すること。
・年次財務予算および最終決算についての提案を審議および承認すること。
・利益分配および欠損補填についての提案を審議および承認すること。
・株式資本の増資または減資を承認すること。
・社債発行を承認すること。
・合併、分割、解散、清算または会社の法人形態の変更を承認すること。
・定款の修正を承認すること。
・定款に記載されるその他の権限。
株主総会は、年次株主総会および臨時株主総会に区分される。年次株主総会は、毎年1回開催され
る。取締役会は、以下のいずれかの事由の発生後2ヶ月以内に臨時株主総会を開催しなければならな
い。
・取締役会における取締役の人数が、中国会社法において要求される最低人数、または定款において
要求される人数の3分の2を下回った場合。
・未補償の累積損失額が、会社の株式資本総額の3分の1に達した場合。
・株式の10%以上を有する株主の要求があった場合。
・取締役会または監査役会が必要と判断する場合。
・その他、定款に定める場合。
定款において他の規定のない限り、株主総会は、取締役会により招集され、会長がその議長を務め
る。特別規則および必須条款に従い、会社は総会の45日前までに株主総会の招集通知を送付しなけれ
ばならず、またかかる通知には、総会において検討される事項ならびに総会の日程および場所を記載
する。また、株主総会への出席を希望する株主は、総会の20日前までに、会社に対して出席確認書を
付与しなければならない。中国会社法に基づき、議決権のうち3%以上を有する株主は、株主総会に
おいて検討すべき事項として議案を書面により総会の日程の10日前に提出することができる。株主総
会において決定される議案はすべて、当該総会の議事録に記載しなければならない。
7/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
特別規則および必須条款の規定により、全株式に関する議決権のうち50%以上を保有する株主が、
総会の開催予定日の20日前までに、総会に出席する予定であることを書面により確認した場合、株主
総 会を開催することができる。また、50%の水準が達せられない場合においては、出席確認期限から
5日以内に、総会において検討すべき事項ならびに総会の日程および場所を会社が公示により株主に
通知した場合に限り、株主総会を開催することができる。
株主総会に出席する株主は、その保有する株式1株につき1議決権を有する。株主は、代理して株
主総会に出席し議決権を行使する代理人を選任することができる。株主総会に提起された通常決議
は、本人として、または代理人により出席する株主の議決権の過半数により採択される。ただし、特
別決議および以下に挙げる手続については、本人として、または代理人により出席する株主の議決権
の3分の2以上をもって採択される。
(ⅰ) 定款の修正
(ⅱ) 合併、分割、解散または会社の法人形態の変更
(ⅲ) 増資もしくは減資またはいずれかのクラスの株式、社債および有価証券の発行
(ⅳ) 会社に重大な影響を及ぼす可能性のあるものとして通常決議により株主総会において採択され、
特別決議により採択する必要のあるその他の事項
必須条款に基づき、特定のクラスの株主の権利について変更または廃止を行う場合には、種類株主
総会を開催しなければならない。内資株およびH株の株主は、異なるクラスの株主とみなされる。
取締役会
当行は、5名以上19名以内から成る取締役会を有するものとする。
取締役の在職期間は会社の定款により決定されるが、3年を超過してはならない。中国会社法に基
づき、取締役は、再選された場合、連続して任期を務めることができる。取締役会は、以下の権限を
行使することができる。
・株主総会を招集し、株主に対して報告を行うこと。
・株主総会において株主が承認した決議を実行すること。
・事業計画および投資計画を決定すること。
・年次予算案および最終決算書類を作成すること。
・利益分配および欠損補填についての提案を作成すること。
・合併、分割、解散または会社の法人形態の変更についての計画を立案すること。
・投資資本の増資もしくは減資または社債発行についての提案を作成すること。
・内部管理組織を決定すること。
・管理者を選任または解任し、管理者の推薦があれば副管理者および財務総監を任命または解任し、
その報酬額を決定すること。
・経営管理システムを決定すること。
・定款に記載するその他の権限。
さらに、必須条款は、取締役会が定款の修正についての提案を作成する責任を負うことを規定して
いる。
取締役会
中国会社法に基づき、取締役会は、定例会議を最低でも年に2度開催しなくてはならない。定例取
締役会の招集通知は、開催日の10日以上前に送付しなければならない。会社の取締役会は、臨時取締
役会の通知の期間および方法を別途決定することができる。
8/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
取締役会を招集するには過半数の取締役の出席が必要である。取締役は、直接取締役会に出席する
か、または他の取締役をその代理として任命することができる。取締役会の議案はすべて、取締役の
過 半数による賛成票をもって可決しなければならない。取締役会において可決されたすべての議案は
議事録に記録し、取締役会に出席した取締役が当該議事録に署名する。取締役会の決議が適用される
何らかの法令、行政規則または定款に違反し、その結果として会社に重大な損失が生じた場合、議案
の採択に参加した取締役(ただし、当該議案に対し反対票を投じた者で、かつ反対票を投じたことが
当該議事録に記録された者を除く。)は、会社に対して個人的に責任を負う。
会長
会長は、取締役会の決議により選任され、過半数の取締役による承認を得なければならない。会長
は、以下の権限を行使することができる。
・株主総会の議長を務め、取締役会を招集し、その議長を務めること。
・取締役会の決議の実行を検査すること。
取締役の資格
中国会社法の規定により、以下の者は取締役を務めることができない。
・民事責任を負うことができない、またはその能力が限定的である者
・汚職罪、収賄、資産横領または社会的経済秩序の破壊に関して有罪判決を受けた者であり、判決の
言い渡し完了後の経過期間が5年未満である者
・政治的権利を剥奪された者であり、剥奪完了後の経過期間が5年未満である者
・破産または清算した会社もしくは企業の取締役、工場長または管理者を務めたことがあり、かつ当
該会社もしくは企業の破産または清算の責任を個人的に負い、かつ会社または企業の清算完了後の
経過期間が3年未満である者
・違法な業務を行ったことにより営業許可証を取り消された企業の法律上の代表者を務めたことがあ
り、かつかかる取消しの責任を個人として負う者であり、取消日からの経過期間が3年未満である
者
・支払期限が到来した時点において履行されなかった、比較的多額の債務を負う者
その他取締役の欠格事由は、必須条款に記載のとおりである。
監査役会
有限会社は、3名以上の構成員により構成される監査役会を設置しなければならない。監査役会
は、以下の事項につき責任を負う。
・会社の財務を検査すること。
・取締役および幹部役員が、該当する法令および定款に従いその役務を遂行するよう、かかる者を監
督すること。
・取締役および幹部役員の行為が会社の利益に反するものである場合は、かかる行為の是正を要求す
ること。
・臨時株主総会の招集を提案すること。
・株主総会に議題を提出すること。
・取締役および幹部役員が、法令または定款に違反した場合に、これらの者に対して訴訟を提起する
こと。
・定款に規定されるその他の役務を履行すること。
9/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
監査役会の構成員には、従業員が選任する代表者および株主総会において株主が選任する代表者が
含まれる。取締役、および幹部役員は、監査役を務めることはできない。監査役の任期は3年とし、
再 選された場合、監査役は連続して任期を務めることができる。中国会社法および必須条款に基づく
取締役の欠格事由は、監査役についても適用される。
管理者および役員
会社は管理者をおかなければならず、かかる管理者は取締役会により選任または解任される。管理
者は、取締役会に対して報告義務を有し、以下の権限を行使することができる。
・会社の生産、事業および管理を監督し、取締役会の決議を実行すること。
・事業および投資に関する計画を実行すること。
・内部管理組織の設立に関する計画を作成すること。
・基本管理システムを構築すること。
・社内規則を策定すること。
・副管理者および財務総監の選任および解任について提言し、またその他の管理担当役員(取締役会
が選任または解任しなければならない者を除く。)を選任または解任すること。
・取締役会または定款により付与されるその他の権限を行使すること。
中国会社法および必須条款に基づく取締役の欠格事由は、管理者およびその他の幹部役員について
も適用される。
会社の定款は、会社の株主、取締役、監査役、管理者および他の業務執行役員に対して拘束力を有
する。かかる者は、会社の定款に従って、権利の行使、仲裁の申立ておよび法的手続きの申立てを行
う権限を有する。
取締役、監査役、管理者および役員の義務
取締役、監査役、管理者および役員は、中国会社法に基づき、関係法令および定款を遵守するこ
と、その義務を誠実に履行すること、ならびに利益を保護することが要求される。特別規則および必
須条款に基づき、取締役、監査役、管理者および役員は、会社に対して信認義務を負うとともに、そ
の義務を誠実に履行し、会社の利益を保護しなければならず、また自身の利益のためにその地位を濫
用してはならない。さらに取締役、監査役、管理者および役員は、機密保持義務を負い、適用される
法律もしくは規則または株主による要求のない限り、特定の情報の開示が禁じられている。
取締役、監査役、管理者または役員がその義務を履行するにあたり何らかの法律、規則または会社
の定款に違反し、その結果として会社が損失を蒙った場合、かかる者は当該損失につき、会社に対し
て個人的に責任を負う。
財務および会計
有限会社は、関係法令ならびに中国国務院財政部が定める規則に準拠する財務会計システムを構築
しなければならない。
また、有限会社は、各会計年度末に財務書類を作成しなくてはならず、年次株主総会の少なくとも
20日前までに、財務書類を株主による閲覧に供する。また、財務書類を公告の方法で公表しなければ
ならない。
中国会社法により、会社は、株主への利益分配の前に税引後利益をもって以下の積立てを行わなけ
ればならない。
10/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・税引後利益の10%を法定準備金に積み立てる(法定準備金の積立額が会社の登録資本の50%に達す
る場合には積立てを行う必要はない。)。
・株主総会において株主の承認を得ることを条件として、かつ必要な金額を法定準備金に積み立てた
後に、税引後利益のうち任意の金額を任意準備金に積み立てることができる。
法定準備金が前年度の当行の損失を補填するに足らない場合、当年度の利益は、法定準備金の積立
てがなされる前に、損失の補填に充当される。
準備金は、法定準備金、任意準備金および資本準備金により構成される。資本準備金は、会社の株
式の額面超過金により構成され、関連政府財務当局により要求されるその他の金額は、資本準備金と
して取り扱われる。
準備金は、以下に定める目的のために充当される。
・損失を補填するため。
・業務を拡大するため。
・登録資本金に変換し、これに組み込むため。
ただし、資本準備金は、会社の損失を補償するために使用することができない。また、法定準備金
が登録資本金に組み入れられる場合、組入れ後の法定準備金の残高は、組入れ前の登録資本金の25%
を下回らないものとする。
会計監査人の任命および退職
特別規則に基づき、会社の年次財務書類の監査およびその他の財務報告書の検討を担当する者とし
て、独立した中国の公認会計事務所を採用しなければならない。
会計監査人は、年次株主総会における任命時から翌年の年次株主総会の終了時までの期間につい
て、任命される。
特別規則に基づき、会社が会計監査人を解任し、または任期を更新しない場合、会計監査人は、株
主総会において、株主に対し建議を行うことができる。会計監査人が辞任する場合、かかる会計監査
人は、会社が不適切な取引を行ったか否かを株主に対して示さなければならない。会計監査人の任
命、解任または不再任は、株主により決定され、中国証券監督管理委員会に登録しなければならな
い。
利益分配
特別規則は、H株の株主に対して支払われる配当金およびその他の分配は、人民元により表示およ
び計算され、かつ外貨により支払われる旨を規定する。必須条款に基づき、株主に対する外貨による
配当金の支払いおよびその他の分配は、H株の株主のために会社が選任した受取代理人を介して行わ
れる。
定款の修正
定款は、株主総会において株主の3分の2以上の賛成票を得た場合に限って修正することができ
る。定款の修正は、関係規制および行政機関より必要な承認を得た後に初めて有効となる。定款の修
正が商業登記簿に記載された情報に影響を及ぼす場合には、会社は許可証の該当事項を変更するた
め、関係政府部局に申請を行わなければならない。
合併および分割
11/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
合併および分割は会社の株主の承認を受けなければならない。中国においては、吸収される会社の
解散を伴う吸収合併による方法、または合併当事会社の解散を伴う新たな法人の設立による方法のい
ずれかにより、合併が行われる。株主が合併案を承認した場合、会社は合併契約に署名し、会社の貸
借 対照表および資産目録を作成しなければならない。会社は、合併決議後10日以内に会社の債権者に
対して合併の通知を行うとともに、合併決議後30日以内に、合併に関する新聞公告を行う。債権者
は、特定の期間内に、会社に対し未払債務の履行または当該債務に係る保証の提供を求めることがで
きる。分割の場合、会社は同様に、貸借対照表および資産目録を作成するとともに、会社の債権者に
対し通知を行う。分割前に、分割前の会社および債権者により債務の清算に関して書面により別段に
規定されない限り、分割後の会社は、分割前の会社の負債について、連帯責任を負うものとする。
解散および清算
中国会社法および必須条款に基づき、以下のいずれかの事由が発生した場合、会社は解散および清
算する。
(ⅰ) 定款において定められた営業期間が満了した場合。
(ⅱ) 解散事由として定款に記載された事由が生じた場合。
(ⅲ) 株主総会において、株主が特別決議により解散に同意した場合。
(ⅳ) 合併または分割により、会社の解散が必要となった場合。
(ⅴ) 会社の営業許可が無効にされた場合、または会社が業務停止を命じられた、または法律により禁
じられた場合、もしくは
(ⅵ) 会社の事業運営に深刻な問題が生じ、会社の存続が株主の利益に重大な損失を与え、かつかかる
問題が他の方法で解決できない場合に、全議決権の10%以上を表章する株主の申立てにより人民
法院が解散を宣言したとき。
海外上場
会社の株式を海外で上場するには、会社は中国証券監督管理委員会の承認を得なければならず、会
社の株式の海外上場は、特別規則に準拠しなければならない。
特別規則および必須条款に従い、会社の取締役会は、中国証券監督管理委員会が申請を承認した後
15ヶ月以内に、H株および内資株を発行するための計画を実行しなければならない。
株券の紛失
株主は、内資株の記名式株券を盗難され、または紛失もしくは破損した場合、中国民事訴訟法の該
当する規定に従い、人民法院に対し、かかる株券の無効宣言を求めることができる。当該宣言がなさ
れた場合、株主は、会社に対し代替株券の発行を求めることができる。
必須条款は、H株の株券の紛失について、別段の手続き(当行の定款に組み込まれており、その概
要は「(2)提出会社の定款等に規定する制度」に記載される。)を規定している。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
取締役およびその他の業務執行役員
当行株式の割当および発行を行う権限
当行定款には、当行株式の割当および発行を行う権限を取締役に付与する条項はない。
当行資本の増資を行う場合、取締役会は、その計画を株主総会に提出して特別決議による承認を得
なければならない。
12/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当行または子会社の資産を処分する権限
取締役会は、株主総会に対して説明を行う義務を負う。
取締役会が固定資産を処分する際、処分を予定する固定資産の予想価格と、当該処分提案の直前
4ヶ月間に処分した固定資産により得た価額の合計額が、株主総会において提出された直近の貸借対
照表に示される固定資産価額の33%を超える場合、取締役会は株主総会の承認を得ずに当該固定資産
を処分し、または処分に同意してはならない。
当行による固定資産処分の有効性は、前段落の違反による影響を受けない。
当行定款において、「固定資産の処分」は特定の資産に対する権利の移転に関する行為を含むが、
担保として固定資産を提供する行為は含まない。
報酬、補償金または職位の喪失に対する支払金
当行は、株主総会における株主の事前の承認を得て、各取締役または各監査役と、それぞれの報酬
を定めた契約を書面により締結する。かかる報酬には、以下の各号が含まれる。
・ 当行の取締役、監査役または業務執行役員としての業務に対する報酬
・ 当行子会社の取締役、監査役または業務執行役員としての業務に対する報酬
・ 当行および当行子会社の事務管理に関するその他業務の提供に対する報酬
・ 職位の喪失に対する補償金または退職の対価もしくは退職に関する補償金としての支払金
上述の規定に従って締結された契約に基づく場合の他、取締役または監査役は、上記事項に関して
自らに支払われるべき利益につき、当行に対していかなる訴訟も提起しない。
報酬に関する当行と当行の取締役または監査役との間の契約には、当行が買収された場合、当行の
取締役または監査役が、株主総会における株主の事前の承認を得ることを条件として、その職位の喪
失または退職に関する補償金その他の支払金を受領する権利を有する旨が規定される。本項における
「買収」は、以下各号の意味を有する。
・ 何者かによる当行の全株主に対する買収申込
・ 何者かによる、当行定款に規定された意味における「支配株主」となることを目的とした買収申
込(下記「詐欺行為または強迫に関する少数株主の権利」参照。)
該当する取締役または監査役が上記規定に従わない場合、同人が上記に基づき受領した一切の金額
は、当該買収申込を受けて所有する株式を売却した株主に帰属する。かかる金額を当該株主に対して
按分比例により分配する上で生じた費用は、該当する取締役または監査役が負担し、当該金額からは
控除されない。
取締役、監査役、およびその他の役員に対する融資
当行は、当行およびその親会社ならびにそれらの関連会社の取締役、監査役、総裁またはその他の
業務執行役員に対して直接的もしくは間接的に融資を行わず、また融資に関連した保証の供与も行わ
ない。ただし、以下の場合を除く。
・ 当行による、当行の子会社に対する融資または融資の保証の供与
・ 株主総会において株主により承認された役務提供契約の条件にしたがって、当行のためまたは当
行の取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員が適正に業務執行を行うために生じたも
しくは生じることとなる金額を補填するため、当行の取締役、監査役、総裁およびその他の業務
執行役員に対して行われた融資、または融資もしくはその他の資金提供に関連した保証の供与
13/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 当行の通常の業務範囲が融資または保証の供与を含む場合に、当行が通常の業務において通常の
取引条件にて取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員もしくはそれぞれの関連当事者
に 対して融資を行うこと、または融資の提供に関連して保証を供与すること
当行が上記規定に違反して供与した融資が行われた場合、その条件にかかわらず融資の受領者は直
ちに受領金額を返済しなければならない。
当行が上記規定に違反して供与した保証は、当行に対してその履行を強制することができない。た
だし、以下の場合を除く。
・ 当行の取締役、監査役、管理者およびその他の業務執行役員に対して実行された融資に関して保
証が供与された場合で、当該融資の貸付人が融資実行時にかかる事情を知らなかった場合、また
は
・ 当行が提供した担保が既に貸付人により善意の購入者に対して適法に処分されている場合
当行および子会社の株式取得に対する資金援助
当行定款の例外規定に従う場合を除き、当行および当行の子会社は、いかなる時も、いかなる手段
によっても、当行株式を取得しようとしまたは取得を予定している者に対して、いかなる種類の資金
援助(以下に定義する。)も行わない。かかる当行株式の取得者には、当行株式を取得した結果、直
接的もしくは間接的に何らかの債務負担(以下に定義する。)を課せられることになる者も含む。当
行および当行の子会社は、いかなる時も、いかなる手段によっても、かかる取得者に対して、当該取
得者が負う債務を軽減または免除する目的での資金援助を一切行わない。
以下の行為は禁止行為とみなされない。
・ 当行の利益において誠実に行われ、その主たる目的が当行株式の取得にない場合、または当行の
主たるプロジェクトにおいて付随的な一部となっている場合の当行による資金援助
・ 配当の方法による当行の資産の分配
・ 配当としての株式の分配
・ 当行定款に基づいた当行の登録資本金の減資、当行株式の買戻しまたは当行の株式資本構成の再
編成
・ 事業の範囲内および通常の事業において当行が金銭を貸し付ける場合(ただし、当行の純資産が
これにより減少してはならず、または資産がこれにより減少する場合においては、資金援助は分
配可能利益から供与されなければならない。)。
・ 従業員持株制度に拠出するため当行が資金を供与する場合(ただし、当行の純資産がこれにより
減少してはならず、または資産がこれにより減少する場合においては、資金援助は分配可能利益
から供与されなければならない。)。
上記規定に関して、
・ 「資金援助」とは以下の意味を含む(これらに限定されない。)。
- 贈与
- 保証(債務者の債務の履行を担保するための保証人による債務負担または資産の提供を含
む。)、補償(当行自身の債務不履行に起因する補償を除く。)または権利の解除もしく
は放棄
- 融資の供与または当行が先履行義務を負う契約の締結、かかる融資もしくは契約の当事者の
変更、もしくはかかる融資または契約に基づく権利の更改または譲渡
14/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
- その他、当行が支払不能に陥ったときもしくは純資産を有さないとき、または当行の純資産
が著しく減少する結果となるときに当行によって付与される資金援助
・ 「債務負担」には、契約または取決めの締結(それらが執行可能か否か、およびそれらが債務者
の自己勘定または他者との共同の計算で負担されるものであるかを問わない。)もしくはその他
の方法により債務者の財務状態に変動を生じさせる債務負担を含む。
当行および子会社との契約における利害関係の開示
当行の取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員が、当行の契約、取引または取決め、も
しくは締結が予定されている契約、取引または取決め(ただし、当該取締役等自身に関する当行との
役務提供契約を除く。)につき、何らかの方法で、直接的もしくは間接的に重大な利害関係を有する
場合、かかる締結済みもしくは締結予定の契約、取引または取決めが通常の場合であれば取締役会の
承認が必要であるか否かにかかわらず、当該利害関係の性質および程度を可及的速やかに取締役会に
開示しなければならない。
利害関係を有する取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員が、当該利害関係を当行定款
に従い取締役会に対して開示しており、かつ当該契約、取引または取決めが、利害関係を有する取締
役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員が定足数に算入されず、かつ議決権を行使することが
できない形での取締役会において承認を受けた場合を除き、取締役、監査役、総裁およびその他の業
務執行役員が重大な利害関係を有するかかる契約、取引または取決めは取り消すことができる。ただ
し、利害関係を有する取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員の義務違反に気付かずに行
為した善意の当事者に対してはこの限りではない。
かかる規定との関係では、当行の取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員は、それぞれ
の関連当事者が利害関係を有する契約、取引または取り決めにおいて利害関係を持つものとみなされ
る。
当該契約、取引または取決めの締結が当行の取締役会により最初に検討される日よりも前に、当行
の取締役、監査役、総裁およびその他の業務執行役員が書面により、通知に明示された理由によっ
て、当行が締結する予定の契約、取引または取決めについて利害関係を持つ旨記載した通知を取締役
会へ付与する場合、かかる通知はその通知が明らかにする範囲内において、同人がそれにより本項に
定める利害関係の開示を行ったものとみなされる。
報酬
取締役の報酬については、株主総会において株主による承認を受けなければならない。上記「報
酬、補償金または職位の喪失に対する支払金」を参照。
任命、解任および退任
取締役会の会長およびその他の取締役の任期は3年とする。取締役の任期が満了し再選された場合
には、取締役は連続した任期を務めることができる。
取締役は株主総会において株主によって選任および解任される。通常、取締役の指名、選任および
任命は以下の手順に従い行われる。
・ 当行定款において他の規定のない限り、当行定款に規定される取締役の最大員数に従い、通常、
取締役会により取締役候補者が指名される。
・ 取締役候補者は、取締役会の承認を受けた後、書面に記載され、その選考が株主総会において行
われる。取締役会は、経歴等、取締役候補者に関する基本的な情報を株主に提供する。
15/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 株主総会は各候補者につき選任投票を行う。
当行の発行済み株式の3%以上を保有する株主は、株主総会において取締役に選任されるべき候補
者を指名することができる。監査役会は、独立非業務執行取締役の候補者を指名することができる。
他の者と共同で、または単独で、当行の発行済み株式の1%以上を保有している株主は、独立取締役
の候補者を推薦する権利を有する。推薦される候補者数は、当行定款の規定に従うものとし、欠員数
を上回ってはならない。
取締役会は、9名から17名の取締役により構成され、その3分の2以上は非業務執行取締役とし、
かつ独立非業務執行取締役の数は、関連する政府当局の要件に従うものとする。取締役会は、会長を
1名および副会長を1名置く。会長および副会長は、取締役全員の過半数により選任または解任され
る。取締役は、当行の株式を保有していなくてもよい。
以下の各号の状況に該当する者は、当行の取締役、監査役、総裁またはその他の執行役員を務める
ことができない。
・ 行為能力のない者または行為能力が制限されている者
・ 汚職、贈収賄、財産権の侵害、財産の横領もしくは社会経済的秩序を乱し、かかる行為により処
罰が下された者、または政治的権利が剥奪された者
・ 経営の失敗により破産し清算された会社の取締役、工場長または管理者を務め、かつかかる会社
もしくは企業の破産に個人的に責任のあった者
・ 法律違反により営業許可の取消を受けた会社もしくは企業の法定代表者を務め、かつかかる違反
に対して個人的に責任のあった者
・ 信認義務の履行を怠ったことにより、他の商業銀行または金融機関において解職された者
・ 相当程度の額、延滞債務を有する者
・ 刑法違反により司法当局の犯罪捜査下にあり、かつ当該捜査が終了していない者
・ 法律および行政規制により、企業の指導者として行為できない者
・ 自然人以外の者
・ 関連管轄当局により関連証券規則の規定に違反したとの裁定を受けた者で、かかる裁定が詐欺行
為または不誠実行為を含んでいる者
取締役、監査役、総裁または業務執行役員が善意の第三者に対して当行に代わってなす行為の有効
性は、その任期もしくは選任における規則違反または資格の欠如により影響を受けることはない。
借入権限
中国の法令を遵守する限りにおいて、当行は資金の借入れを行う権限を有する。かかる権限には、
社債の発行、当行の事業および資産の一部または全体の担保設定、および中国の法律および行政法規
により認められたその他の権利が含まれているが、これらに限定されない。当行定款には、(a)当行
による社債の発行を提案する権限を取締役に付与する条項および(b)社債の発行につき特別決議によ
る株主総会での株主の承認を要する旨を定める条項以外に、取締役が借入権限を行使する方法につい
ての明確な条項がなく、またかかる権限を変更できる方法について明確な条項がない。
中国共産党の組織
当行は、中国建設銀行中国共産党委員会(以下「党委員会」という。)を設置している。党委員会
には、党秘書役1名、副党秘書役1、2名及び複数名の委員会メンバーから構成される。取締役会会
長が、現在、党秘書役を務めており、党の建設活動を実施する党秘書役を補佐する副党秘書役が1名
16/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
指名されている。正規の党委員会メンバーは、法的手続を経て取締役会、監査役会および幹部役員会
に参加することができ、取締役会、監査役会および幹部役員会における正規の共産党メンバーは、関
連 規程および手続に従って党委員会に参加することができる。また、当行では定めに基づき規律検査
委員会も設置している。
党委員会は、当行における共産党の政策および国策の実施を確保し、銀行の健全な発展および共産
党上級組織の重要な労務上の取決めを推進するための中国共産党中央委員会および国務院の戦略的意
思決定を検討し、実施する。
党委員会は、近代的な企業システムと市場競争の要件を充たし、指導力ならびに有能な人材の採用
および雇用の管理を強化し、基準、手続、調査、勧告および監督に責任を負い、優秀な幹部および優
れたチームを育成するため、幹部役員を選任する取締役会と法に従い人材雇用の権限を行使する幹部
役員と共に、共産党が幹部を管理する方針と、共産党が優秀な人材を管理する方針を併せて実施す
る。
党委員会は、当行の改革、変革および発展、運営管理上の主要な問題ならびに従業員の直接的な利
害に関係する重要な問題を検討し、話し合い、これらについて意見を述べ、提案を行う。党委員会
は、株主総会、取締役会、監査役会および幹部役員による法に従った義務の履行に敬意を払い、これ
を支援し、株主総会および取締役会での決定の実施を幹部役員に指示し、奨励する。党委員会は、従
業員による従業員代表大会を支援する。
定款変更
当行定款は、株主総会における株主の特別決議により変更することができ、中国政府の関連当局に
よる承認に服する。
既存株式または種類株式の権利の変更
株主および種類株主の権利としていずれかの種類株主に対して付与された権利は、株主総会におけ
る株主の特別決議および当行定款に従い別途開催される種類株主総会における当該種類の株主による
承認がない限り、変更または廃止できない。
以下の各号の状況に該当する場合、種類株主の権利は変更または廃止されたとみなされる。
・ 当該種類株式の増減または当該種類の株式が享受するのと同等またはそれ以上の議決権、分配権
その他特別な権利を伴う種類株式の増減
・ 当該種類株式の全部もしくは一部のその他の種類株式への交換の実施、または別の種類株式の全
部もしくは一部の当該種類株式への転換もしくは転換権の付与
・ 当該種類株式に付される未払配当金または累積配当金に対する権利の解除または縮小
・ 当該種類株式に付される配当優先権または残余財産分配優先権の縮小または解除
・ 当該種類株式に付される転換権、オプション、議決権、譲渡権または引受権もしくは当行証券の
取得権の拡大、解除または縮小
・ 当該種類株式に付される、特定の通貨により当行から支払金を受領する権利の消滅または縮小
・ 当該種類株式が享受するのと同等またはそれ以上の議決権、分配権その他特別な権利が付される
新しい種類の株式の創出
・ 当該種類株式の譲渡もしくは所有に対する制限またはかかる制限の強化
・ 当該種類もしくは別種類の当行株式を引き受けまたは当該種類もしくは別種類の当行株式に転換
する権利の発行
・ 別の種類株式の権利または特別な権利の拡張
17/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 当行の組織再編のうち、異なる種類の株主に比率に相応しない責任を負担させる状況を作り出す
もの
・ 当行の定款に含まれる「種類株主総会の投票に関する特別手続」に関する規定の変更または廃止
利害関係を有する株主(以下に定義する。)は、種類株主総会における議決権を有さない。
ある種類の株主による決議は、当該株主総会において出席し、かつ種類株主総会において議決権を
有する種類株主の議決権総数の3分の2を超える賛成をもって可決される。
種類株主総会の招集通知は、当該種類の株主名簿に登録されているすべての株主に対して、当該種
類株主総会における議事、ならびに会日及び会場を通知するため、種類株主総会の会日の45日前まで
に書面により付与される。
種類株主総会の招集通知は、当該種類株主総会における議決権を有する株主に対してのみ送付すれ
ば足りる。
種類株主総会は、株主総会の方法と可能な限り同じ方法により運営される。当行定款上の株主総会
の運営方法に関する規定は、種類株主総会についても適用される。
内資株および海外上場株の所有者は、異なる種類株の株主とみなされる。
以下の各号のいずれかに該当する場合、種類株主総会における決議のための特別手続きは適用され
ない。
・ 総会において特別決議による株主の承認を受け、当行が、12ヶ月毎の間隔で個別または同時に発
行済内資株および海外上場株式それぞれの20%以下に相当する量を発行する場合
・ 内資株および海外上場株の発行計画が、中国国務院の証券当局による認可を受けた日から15ヶ月
以内に完了する場合
当行定款における種類株主の権利に関する規定上、「利害関係を有する株主」とは以下の各号の株
主をいう。
・ 当行定款に基づく、当行の全株主を対象とする按分比例による一斉買戻しまたは証券取引所にお
ける公開取引による当行株式の買戻しの状況においては、当行定款上の意味の範囲内での「支配
株主」を指す。
・ 当行定款に基づく相対取引による当行株式の買戻しの場合は、当該契約に関係する株式の保有者
を指す。
・ 当行の組織再編の場合は、再編案に基づき同種類の株主に課せられた義務よりも軽い義務を負う
株主、または同再編案において同種類の他の株主の一般的利害関係とは異なる利害関係を有する
株主を指す。
決議-過半数を要する
株主総会における決議は、普通決議と特別決議とに区分される。
普通決議は、当該総会に出席している株主(代理人を含む。)により表章される議決権の過半数の
賛成票により可決される。
特別決議は、当該総会に出席している株主(代理人を含む。)により表章される議決権の3分の2
以上の賛成票により可決される。
議決権(一般的な議決権、投票による採決および投票による採決を要求する権利)
当行の普通株主は、株主総会に出席する権利、または株主総会に出席する代理人を任命する権利を
有し、かつ当該株主総会で議決権を行使する権利を有する。株主(代理人を含む。)は株主総会にお
18/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
いて議決権を行使する場合、保有する議決権付株式の数に応じて議決権を行使することができ、各株
式には1つの議決権が表章される。ただし、当行が保有する当行の株式には議決権は付与されておら
ず、 かかる株式は株主総会に出席した議決権付き株式の総数には含まれない。
記名投票(Name poll)が、株主総会において採用される。
総会での投票による採決においては、2議決権以上有する株主(代理人を含む。)は、すべての票
を統一的に行使する必要はない。
年次株主総会の要求
当行取締役会は、前会計年度終了後6ヶ月以内に年次株主総会を招集する。
会計および監査
当行は、適用される法律、行政法規、中国国務院の金融業規制部門によって策定された中国の会計
基準および中国国務院の銀行業規制部門によって規定された関連規則に従い、財務会計システムおよ
び内部監査システムを確立する。
当行は、監査委員会を設置しており、それは、取締役会に対して報告を行うとともに責任を負う。
監査委員会は、取締役会が適宜決定した責任および権限を有し、その権限の範囲で行動する。
監査委員会は、取締役会により当行の取締役の中から任命され、5名以上の委員から構成される。
取締役会は、法律、行政法規および所轄の地方政府当局および中央政府当局が公布するその他の規
制当局文書により、当行に作成が義務付けられている財務報告書を、各年の年次株主総会において株
主に提出する。
当行の財務報告書は、年次株主総会の開催日の20日前に、当行において株主の縦覧に供される。い
ずれの株主も、財務報告書の写しを入手する権利を有する。
当行の財務書類は、当行株式が上場されている取引所の属する地域の証券規制当局が求める会計基
準ならびに法律、法規および規則に従って作成される。二種類の会計基準に従って作成された財務書
類間に重大な相違がある場合は、かかる相違についてそれらの財務書類の注記に記載する。当行が税
引後利益を分配する際には、かかる二つの財務書類に記載されたうち低い方の税引後利益が適用され
る。
当行が公表もしくは開示する中間決算または中間財務情報の作成および提示もまた、当行株式の上
場地の証券規制当局が求める会計基準ならびに法律、法規および規則に従って作成されなければなら
ない。
当行のA株が国内の証券取引所に上場された日より、当行は、CSRCおよび当行の株式が上場されて
いる証券取引所に、各会計年度終了後4ヶ月以内に年次財務諸表を提出し、各会計年度の上半期(6ヶ
月間)終了後2ヶ月以内に半期財務諸表を提出し、各会計年度の第1四半期終了後および第3四半期終
了後それぞれ1ヶ月以内に四半期財務諸表を提出し、当行の株式が上場されている場所の関連する規
則に従い、開示を行う。
株主総会の招集通知および総会における議題
株主総会は、年次株主総会と臨時株主総会とに分類される。定款に他の規定がない限り、株主総会
は、通常、取締役会により招集される。
以下の状況が発生した場合、取締役会は2ヶ月以内に臨時株主総会を招集する。
・ 取締役の人数が中国会社法に規定された人数を下回ったかまたは当行定款に規定された人数の3
分の2を下回った場合
19/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 当行の未補填損失額が当行資本金総額の3分の1に達した場合
・ 当行の発行済議決権付株式の10%以上を保有する株主が書面にて臨時株主総会の招集を要求した
場合
・ 取締役が必要と判断した場合または監査役会が要求した場合
・ 過半数の独立非業務執行取締役が臨時株主総会の招集を要求した場合
・ 中国国務院の銀行業監督管理機構により規定されるその他の場合
・ 当行株式が上場される地域の法律、規則、規制当局の通達が要求する場合、および当行定款に規
定されるその他の状況
当行が株主総会を招集するときは、当該総会の議事ならびに会日および会場を通知するため、会日
の45日前までに、書面による招集通知を株主名簿に記載された株主全員に対して付与する。総会に出
席する意思を有する株主は、会日の20日前までに、書面により当行に総会出席の旨を回答する。
個別または合同で当行の株式の3%以上を保有する株主は、取締役会に対し、株主総会の開催日の
20日前に、書面による中間提案を提示することができる。取締役会は、かかる中間提案を株主総会の
議事に含み、かかる提案が受領後に検討され、適格であると判断された場合、時宜を得た方法により
その他の株主に通知する。
臨時株主総会では、臨時株主総会の招集通知に記載されていない事項につき決議を行わない。
株主総会通知を出した後は株主総会を延期又は中止してはならず、総会通知に記載されている議案
は適切な理由なく取り消してはならない。延期又は中止する場合には、招集者は本来予定されていた
日の少なくとも2週間前には、理由を説明の上その旨を発表する。
当行は、株主総会会日の20日前までに株主より受領した書面による回答に基づき、当該総会に出席
する意思を有する株主により表章される議決権付株式数を算定する。総会に出席する意思を有する株
主により表章される議決権付株式数が、当行の議決権付株式総数の過半数に達する場合、当行は総会
を開催することができる。この条件が満たされない場合、当行は、会日の5日前までに、公告により
株主に対して当該総会の議事、会場および会日につき再度通知を行う。当行は、かかる通知の公告後
に総会を開催できる。
株主総会の招集通知は、以下の要件を満たしていなければならない。
・ 書面によること。
・ 総会の開催地、期日および時間を明記しなくてはならない。
・ 総会の議題が明記されており、かつ全ての考慮事項が十分に開示されており、さらに過去に可決
された株主総会決議の変更の必要がある事項については、当該変更内容だけでなく当該元の決議
の関係部分を開示しなければならない。
・ 提示された議案について、株主が十分な情報に基づき決定を下せるよう、必要な情報提供および
説明を行うこと。上記に加えて、当行による他社との合併、株式の買戻し、株式資本の再編また
はその他の方法による当行の組織再編に関して当該総会が開催される場合は、提案する取引の条
件の詳細を、契約案(もしあれば)の写しとともに提出しなければならず、かつ当該議案の理由
および効果を詳細に説明しなければならない。
・ 議題に関して取締役、監査役、総裁またはその他の業務執行役員が有する重要な利害関係の性質
および範囲(もしあれば)、ならびに、当該議題が株主としての取締役、監査役、総裁、他の業
務執行役員に及ぼす影響が同種類の株主の利害関係に及ぼす影響と異なる場合は、その影響の性
質および範囲(もしあれば)について開示すること。
・ 総会において提出される特別決議案の全文を記載すること。
20/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 総会に出席し議決権を行使することのできる株主は、自身に代わり総会に出席し議決権を行使す
る1名以上の代理人を指名する権利を有し、かつ代理人は株主である必要がないことを明示する
こと。
・ 当該総会に関する議決権行使委任状の提出時期および提出先を明示すること。
・ 総会に出席することのできる株主を確定する基準日を明示すること。
・ 総会についての連絡先担当者の氏名および電話番号を記載すること、および
・ 株主がインターネットまたはその他の手段を通じて株主総会に出席する場合、当行は、株主総会
の通知に、インターネットまたはその他の手段による投票の時間および手続を明確に記載するこ
と。
株主総会の招集通知は、手交または株主名簿に記載されている住所宛の料金支払済郵便により株主
(総会において議決権を行使する権利を有するか否かを問わない。)に交付される。国内上場株式の
保有者については、公告を掲載することにより総会の招集通知を行うことができる。
公告は、会日の45日前から50日前までの間に、中国国務院の証券当局により指定された1紙以上の
新聞に記載する。かかる公告の記載後、国内上場株式の保有者は、該当する株主総会の通知を受領し
たものとみなされる。総会の招集通知を受領する権利を有する株主に対し招集通知の付与が事故によ
り送達されなかったこと、または当該株主が通知を受領していないことにより、総会手続が無効とな
ることはない。
次の各号の事項は、株主総会において普通決議により決議される。
・ 当行の経営方針および投資計画
・ 取締役会および監査役会の業務報告
・ 取締役会により作成された利益処分案および損失処理案
・ 取締役会および監査役会の構成員の任命・解任、報酬、その支払方法および職業責任保険に関す
る事項
・ 当行の年次予算、最終決算および年次報告書
・ 重大な買収に関する事項(特別決議により、株主総会の承認を必要とするものを除く)
・ 当行の重大な株式投資、債券投資、資産の取得および処分、資産の償却、資産の担保設定ならび
にその他の非商業銀行業務に関する保証についての事項
・ 会計監査人の任命、解任および再任
・ 法律、規則、規制当局の通達、当行の株式が上場されている地域を管轄する証券管理監督機構の
関連要件もしくは当行定款にしたがって特別決議により承認されるべき事項以外の事項
次の各号の事項は、株主総会において特別決議により承認される。
・ 株式資本の増資または減資ならびにあらゆる種類の株式、ワラントおよびその他これらに準ずる
証券の発行
・ 当行株式の買戻し
・ 劣後債の発行
・ 当行社債の発行
・ 転換社債の発行
・ 当行の分割、合併、解散および清算
・ 当行定款ならびに株主総会、取締役会および監査役会の会議手続に関する行内規程の変更
21/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 重要な資産の取得および処分、ならびに当行の最新の監査済み総資産価額の30%を超える価値に
関して、当行が1年以内に担保を提供すること
・ 株式報奨制度(stock incentive schemes)
・ 利益分配方針への調整
・ 取締役、監査役、総裁及び幹部役員以外の者が行う契約の締結で、かかる者が銀行の全事業又は
重要な事業についての責任を負う場合。ただし、銀行が危機に陥っているなど特別な場合を除
く。
・ その他、総会において検討され、普通決議により決定される事項のうち、その性質上当行に重大
な影響を及ぼす可能性があり、特別決議により採択されるべき事項
株式譲渡
全ての払込済のH株は、当行の定款に従って自由に譲渡可能である。香港証券取引所に上場してい
るH株については、定款に規定されている要件が満たされない限り、取締役会は譲渡文書の受諾を拒
否することができ、かつかかる拒否について理由の説明を行う必要はない。
株主名簿のいかなる部分に対する修正または改正も、かかる株主名簿が保持されている場所の法律
に従って行われる。
当行自己株式買戻しに関する当行の権能
当行は当行定款に定める手続に従って得られた承認および政府の関係当局の承認に従って、以下の
状況において発行済株式の買戻しを行うことができる(ただし、買戻しが法律、行政法規および上場
規則を遵守していることを条件とする。)。
・ 当行資本の減少のための株式消却
・ 当行株式を所有する他社との合併
・ 従業員に対する報奨としての株式の付与
・ 株主総会において当行の合併または分割に関する決議に反対している株主が、当行に対してその
株式を買い取るよう要求する場合
・ その他法律および行政法規により認められた状況
上記の項目の最初の3つによる当行の株式の買戻しは、株主総会により決議される。上記の規定に
従って当行が株式を買戻した後、上記の第1の項目に定める状況における購入後10日以内に株式を消
却することができ、上記の第2または第4の項目に定める状況の場合、6ヶ月以内に株式を譲渡また
は消却することができる。消却された株式の総額面価額は、当行の登録資本金から控除される。当行
の株式の消却は、国務院の銀行業規制部門の承認を必要とし、関連する登録機関に登録資本金の変動
を登録しなければならない。
上記の第3の項目に従って当行が買い戻す当行株式は、当行の発行済み株式総数の合計の5%を超
えてはならず、買戻しは当行の税引き後利益を用いて行われ、このようにして買い戻された株式は1
年以内に従業員に譲渡されるものとする。
当行は政府関係当局の承認を受けて以下の方法のいずれかにより株式を買い戻すことができる。
・ 株主全員に対するその持分に応じた株式の買戻しの申出
・ 証券取引所における公開取引による株式の買戻し
・ 証券取引所外での相対取引による株式の買戻し
・ 法律および行政法規において規定されているまたは規制当局により承認されている他の方法
22/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当行が相対取引によって自己株式を買い戻す場合、当行の定款に従って、事前に株主総会の承認を
得なければならない。当行は、上記と同様に得られた株主の事前承認により、締結済みの買戻しに関
する契約について解除し、変更しまたは放棄することができる。
当行子会社が当行株式を所有する権限
当行定款に、当行子会社による当行株式の保有を制限する条項はない。
配当およびその他の利益分配方法
当行は、現金、株式または現金および株式の組み合わせにより配当を分配する。
当行による利益分配は、株主投資に対して合理的な利益をもたらすよう考慮する。当行の利益分配
方針は、継続性および安定性を維持しつつ、当行の長期的利益および当行の株主全体の利益の獲得な
らびに当行の持続的発展の達成が目標である。当行は、現金による配当を優先する。状況が許せば、
中間配当を行うことができる。
特別な場合を除き、当行が利益を達成し、かつ未分配のプラスの累積利益が存在する年において
は、現金配当を行うものとする。当行が1年間に分配する利益は、その年のグループの純利益のうち
当行の株主に帰属すべき利益の10%を下回らないものとする。上記にいう特別な場合には、以下の場
合が含まれる。(i)当行の一般規定または自己資本比率が、中国銀行業監督管理委員会等の規制当局の
要件を満たさない場合、(ii)中国銀行業監督管理委員会等の規制当局が、当行の利益分配を制限する
規制措置を取った場合、(iii)関連する法、法規、規則または当行が上場している地域の規制機関が、
配当の分配は不適切であるとした場合。
規制方針に重大な変更のあった場合、外部的な事業環境の変化により当行の事業運営に重大な影響
のあった場合または当行の事業運営の状況に重大な変化のあった場合には、当行は利益分配方針の調
整を行うことができる。利益分配方針の調整にあたっては、取締役会が 臨時取締役会会議を開催して
調整についての議論と調整理由の検討を行い、書面による報告書を作成する。独立取締役が自らの意
見を述べ、議案は株主総会の特別決議により承認されるものとする。株主が利益分配方針の調整につ
いての議論や承認を行うに際し、当行はオンラインによる投票も認めている。
当行が内資株の所有者への支払を宣言した配当金またはその他の支払は、人民元で宣言および計算
され、また人民元で支払われる。外資株の所有者に支払われる配当は、人民元で宣言および計算さ
れ、当該外資株が上場されている地域における現地通貨で支払われる。
当行は、H株の保有者の代理として受取代理人を任命し、かかる受取代理人は当該保有者の代理と
して、宣言された配当金および当行からH株に関して支払われるその他すべての金員を受領する。H
株の保有者の代理として任命された受取代理人は、「受託者条例」に基づく信託会社として登録され
た会社とする(香港法第29章)。
H株の保有者が長期にわたり配当を請求しなかった場合、当行は、かかる未請求の配当を回収する
ことができる。かかる権利の行使は中国の法律、法規および規則ならびに当行の株式上場地の証券規
制当局の関連規則に基づく規制の対象となり、またかかる権利が発生した場合であっても、中国法お
よび規則に基づく適用可能な期間の満期後までかかる権利を行使することはできない。
代理人
23/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当行の総会に出席しかつ議決権を行使できる株主は、自らに代わり出席しかつ議決権を行使する代
理人として1名以上の者(株主であると否とを問わない。)を指名する権利を有し、かつ前記のよう
に指名された代理人は、以下の各号の権利を有する。
・ 発言権。
・ 議決権を行使する権利。
代理人を指名する議決権委任状は、委任者もしくは書面により正式に権限を付与された委任者の代
理人の署名を付した書面により、または委任者が法人である場合、社印を押捺するか取締役もしくは
適法に授権された代理人が署名を行う。代理人を指名する議決権委任状、およびかかる議決権委任状
が別途の委任状により委任者から授権を受けた者その他の受任者により署名されていた場合には、か
かる別途の委任状またはその他の授権を証する書面の公証人による認証謄本を、代理人が委任を受け
た総会の開催時刻の24時間以上前に、または採決の予定時刻の24時間前に、当行の現住所、または当
該目的のために総会の招集通知に指定されたその他の場所に届け出なければならない。
指名者が法人である場合、当該法人の法定代表者、または当該法人の取締役会もしくはその他の経
営機関によりその代理人として行為する権限を付与された者は、指名者の代理人として当行の株主総
会に出席することができる。
当行の株主総会に出席し採決する代理人を指名するために取締役会が当該株主に対し発行する委任
状の書式は、当該株主が自身の意思にもとづき、代理人に対し株主総会での各議題に対する投票の賛
否または棄権の指示ができる記入用紙とする。かかる委任状用紙には、株主からの指示がなければ、
代理人が適当であると思料するとおりに賛否の意思を表示できる旨を記載する。
議決権委任状の条件に従い付与された議決権は、(i)委任者の死亡もしくは行為能力の喪失、(ii)議
決権委任状もしくは署名に関する委任状を作成した際の代理権の取消し、または(iii)議決権委任状の
付与の対象であった株式の譲渡にかかわらず、有効である。ただし、かかる代理権が行使される総会
の開始前に上記の死亡、行為能力喪失、取消しまたは譲渡についての書面による通知を、当行がその
現住所において受領していない場合に限る。
株式払込請求および失権手続
当行定款に、株式払込請求および失権手続に係る条項はない。
株主の権利(株主名簿閲覧の権利を含む)
当行の普通株主は、以下の権利を享受する。
・ 所有株式数に応じて配当その他利益分配を受領する権利
・ 株主総会に出席する権利または株主総会に出席し、投票する代理人を指名して、議決権を行使す
る権利
・ 当行の事業運営に関する管理監督の権利、および提案またはそれに関する質問を提起する権利
・ 法律、規則、規制当局の通達、当行が上場されている地域の規制当局に従った関連要件、ならび
に当行定款の条項に従い株式を譲渡、贈与、質入れ、またはその他の方法で処分する権利
・ 以下の権利を含み、当行定款の条項に従い関連情報を入手する権利
- 費用を支払うことによって、当行定款の写しを取得する権利
- 合理的な範囲の手数料を支払うことによって、以下の書類を閲覧し複写する権利
(a) 株主名簿の全部
(b) 当行の株式資本状況
24/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(c) 当行の発行する社債の控え張
(d) 前会計年度末以降当行が買戻した自己株式の種類ごとの額面総額、数、最高支払価格お
よび最低支払価格、ならびにかかる目的のために当行が負担した総額を示す書類
(e) 株主総会議事録、取締役会および監査役会の決議
(f) 当行の取締役会および監査役会による監査済財務諸表および監査報告書
(g) 国家工商行政管理機構またはその他関連当局にすでに提出された最新の年間収益表の写
し
当行は上記の各文書を、公衆および株主に無償での閲覧および合理的な範囲の手数料を徴収し
て写しを交付するために、当行の所在地および香港における現住所に備え置く。
・ 当行の解散または清算される場合、所有する株式数に応じて当行の残余財産の分配に参加する権
利
・ 法律、規則、規制当局の通達、当行が上場されている地域の規制当局に従った関連する要件、な
らびに当行定款により付与されたその他の権利
株主総会および別個の種類株主総会の定足数
当行は、総会への出席資格を有しまたその意思のある株主からの回答書をかかる総会の20日前に受
領し、かつ当該株主の所有する議決権が当行の議決権付株式総数の過半数となった場合、株主総会ま
たは種類株主総会を開催することができる。また上記以外の場合は、総会の会日の5日前までに株主
に対して総会の議題、会場および会日を通知する公告を行うことによって、当行は場合によって総会
または種類株主総会を開催することができる。
詐欺行為または不正流用に関する少数株主の権利
支配株主は、法律、行政法規、または当行株式が上場している地域の規制当局の要件により課され
る義務に加え、当行の他の株主の全部または一部の利益を侵害する方法で下記の事柄に関する議決権
を行使してはならない。
・ 取締役または監査役を、当行の最善の利益の下に誠実に行為しなければならないという義務から
免除すること。
・ 行為の形式を問わず(当行にとって利益となる機会を含むがこれに限らない。)、取締役または
監査役が、本人の利益のためまたは他者の利益のために、当行資産を奪取することを承認するこ
と。
・ 取締役または監査役が、本人の利益のためまたは他者の利益のために、他の株主の個々の権利を
剥奪することを承認すること。かかる権利には分配の権利および議決権を含むがこれに限らない
(ただし、当行定款に従って株主総会において承認のために提出された当行の組織再編案に基づ
く場合を除く)。
上記規定の適用において、「支配株主」とは以下の条件のいずれかを満たす者を意味する。
・ 単独でまたは他者と共同で、取締役の過半数を選任する権利を有する者
・ 単独でまたは他者と共同で、当行の議決権の30%以上を行使する権能またはかかる行使を支配す
る権能を有する者
・ 単独でまたは他者と共同で、当行の発行済株式の30%以上を所有する者
・ 単独でまたは他者と共同で、その他の方法で当行を事実上支配する者
25/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
清算手続
当行は、以下のいずれかの事由が発生した場合、解散し、清算される。
・ 株主総会において解散決議が可決された場合
・ 当行の合併または分割に伴い解散が必要となった場合
・ 当行が、支払期限の到来した債務を弁済できず法律上の破産宣告を受けた場合
・ 当行が、法律または行政法規違反により閉鎖を命じられた場合
当行の解散は、国務院の銀行業規制部門により、承認されなくてはならない。
取締役会が支払不能の宣言以外の理由により当行の清算を提案する場合、当該提案を審議するため
に招集される株主総会の通知に、当行の業務を精査した結果、取締役会は当行が清算開始から12ヶ月
以内にその負債を全額弁済できると判断している旨の記述を記載する。
当行の清算決議が株主総会により採択されたときに、当行の取締役会のすべての職務および権限は
直ちに停止する。
清算委員会は、株主総会の指示に従い、毎年最低1回株主総会に対し、清算委員会の収支、当行の
事業および清算の進捗状況について報告し、かつ、清算結了に際し株主総会に対し最終報告を提出し
なければならない。
当行および当行株主にとって重要なその他の条項
総則
株主総会において採択された当行定款の改正は、国務院の銀行業規制部門の承認を得た日から効力
が生じる。当行定款が効力を生じた日より、当行定款は当行の組織および活動、ならびに当行と各株
主の間の権利および義務、さらに株主間の権利および義務を規制する法的に拘束力を有する文書とな
る。
当行はその業務上・開発上の必要性に基づき、かつ当行定款の関連する規定に従い、株式資本の増
加を承認することができる。
当行は以下の方法により増資することができる。
・ 不特定の投資家に対する新株式の募集
・ 特定の投資家に対する新株の募集
・ 既存株主に対する新株式の割当発行
・ 既存株主に対する株式配当
・ 資本準備金の資本への繰入による増資
・ 法律および行政法規により認められたその他の方法
当行の新株式発行による増資は、当行定款の条項に従い承認された後、関連ある法律および行政法
規に規定される手続に従って行われる。
当行の普通株式の株主は、以下の各号を含む義務を負う。
・ 当行定款および株主総会において承認された決議を遵守すること。
・ 引受株式数および引受けの方法に応じて払込金額を支払うこと。
・ 法律および規則により許可されている状況以外での株式の払戻をしないこと。
・ 当行の自己資本比率が法定基準に満たない場合に、当行取締役会が提案した自己資本比率増加の
方針を支持すること。
・ 当行 又は他の株主の利益を害する目的で、株主の権利を濫用すること。株主の権利を濫用するこ
とで 当行 又は他の株主に損害を与えた株主は、法に従い賠償責任を負うものとする。
26/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 当行 の債権者の利益を害する目的で、 当行 の法人としての独立的な地位や株主の有限責任を濫用
しないこと。 当行 の法人としての独立的な地位や株主の有限責任を濫用することで、負債の支払
義 務を免れ、 当行 の債権者の利益を著しく害した株主は、 当行 のかかる負債について連帯責任を
負うものとする。
・ 法律、行政法規および当行定款により課されるその他の義務。
株主は当行の株式引受時に当該株式の引受人が合意した場合を除いて、株式資本にさらに拠出する
義務は負わない。
監査役会
当行は監査役会を有する。取締役および幹部役員は監査役を兼任してはならない。監査役会は、7
名から9名の監査役から構成される。監査役会の構成員のうち、1名が議長を務める。各監査役の任
期は3年とし、再選および再任により更新することができる。監査役会の議長の選任または解任は、
投票で監査役会構成員の2分の1以上により決定され、任期の満了に際して再任されることができ
る。監査役会の決議は、監査役会構成委員の2分の1以上により通過する。
監査役会は、株主の代表、当行従業員の代表、および社外監査役により構成される。株主代表監査
役および社外監査役は、株主総会において選出および解任され、従業員代表監査役は、当行の幹部お
よび職員を従業員代表機構により、民主的に選出および解任される。
監査役会は、株主総会に対して責任を有し、法律に従って以下の各号の権限を行使する。
・ 取締役会、幹部役員およびその構成員の職務の履行を監督する。
・ 当行の利益に反して行為する取締役および幹部役員に対して、かかる行為を是正するよう要求す
る。
・ 必要に応じて、辞職する役員および業務執行役員に対する監査を行う。
・ 当行の財務活動を調査・監督する。
・ 取締役会が株主総会に提出する財務報告、営業報告、および利益の分配計画等の財務資料を精査
し、疑念があれば、当行の名義で、当行の公認会計士および監査人に、再調査を委託する。
・ 業務上の意思決定、リスク管理、および内部統制の監査、ならびに内部監査に対しての指導提
供。
・ 取締役会の決議事項に対して質疑又は提案を行う。
・ 取締役および幹部役員に対して、質疑を行う。
・ 臨時株主総会の招集を提案し、会社法に従い、取締役会が株主総会を招集し、議長を務めること
ができない場合に株主総会を招集し、議長を務める。
・ 株主総会に対して提案を行う。
・ 当行を代表して取締役および幹部役員と交渉し、または取締役および幹部役員に対して訴訟を提
起する。
・ 監査役会の議事手続に関する規程の改正案を制定し、また関連する監査役会の手順、規則、およ
び実施規程を策定する。
・ 従業員代表監査役ではない監査役(外部監査役を含む)および独立非業務執行役員候補を任命す
る。
・ 取締役および幹部役員の職務の履行を監督し、法律、規則、当行定款または株主総会の決議に違
反する取締役および幹部役員の解任を提案する。
・ 法律、規則、規制当局の通達、関係する規制当局の関連する要件および当行定款に規定される、
監査役会が行使すべき権限その他の権限を行使する。
27/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
監査役会の構成員は、取締役会会議に出席し、かかる会議において決議される事柄について質疑ま
たは提案を行わなければならない。監査役会が必要と認めた場合には、監査役会は、議決権なき参加
者 として監査役を派遣して、取締役会の特別委員会または総裁の執務室での会議に出席させることが
出来る。
当行株式の5%超を保有する取締役、監査役、幹部役員または株主の保有する株式
当行株式の5%超を保有する取締役、監査役、幹部役員または株主が、購入日から6ヶ月以内に株
式を売却し、又は株式の売却から6ヶ月以内に株式を購入する場合、これによる利益は当社に帰属
し、当行取締役会がかかる利益を回収する。ただし、市場での売出し後に残存する株式を引受けたこ
とにより証券会社が5%超の株式を保有する場合には、かかる株式の売却は上記の6ヶ月制限の対象
とはならない。
総裁
総裁は、取締役会に対して責任を有し、以下の各号の権限を行使する。
・ 当行の日常業務および経営の責任者となり、取締役会の決議案を実施する。
・ 当行の年間事業計画および投資案を取締役会に提出し、取締役会の承認を得た後、それを実施す
る。
・ 当行の内部組織構造の設立案を起草する。
・ 当行の基本的な運営システムを起草する。
・ 当行の具体的な管理システムを策定する。
・ 当行の副総裁および業務執行役員(ただし取締役会秘書役および主席会計士を除く)の任命また
は解任を取締役会に提案する。
・ 取締役会による任命または解任が要求される者以外の当行内の部署・支店の経営幹部の任命また
は解任を行う。
・ 業務執行役員(ただし取締役会秘書役および主席会計士を除く)、各内部事業部門ならびに事業
活動に従事する全支店の業務執行役員に権限を付与する。
・ 総裁による問責制度を設置し、すべての事業および職能別部門の管理者ならびに全支店の支店長
に対して審査を行う。
・ 臨時取締役会会議の招集を提案する。
・ 銀行取り付け騒ぎ等重大な突発的事件の発生に際して、緊急措置を取り、国務院の銀行業規制部
門等を含む関連する政府当局ならびに取締役会および監査役会に直ちに報告する。
・ 上記各号のほか法律、法規、規制当局の通達、および当行定款により付与された権限ならびに株
主総会および取締役会議において総裁が行使できる旨決議された権限を行使する。
28/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
総裁は、取締役会会議に出席しなくてはならない。しかしながら、総裁は取締役を兼任していない
限り、同会合において議決権を有さない。
総裁は、その職務の遂行および権限の行使において、法律、法規、規則、当行の株式が上場されて
いる地域の規制当局の要求、ならびに当行定款に従って誠実にかつ真摯に職務を行わなくてはならな
い。
取締役会
取締役会は、株主総会に対して責任を負い、以下の各号の権限を行使する。
・ 株主総会を招集する責任を負い、株主総会において自らの業務について報告する。
・ 株主総会において可決された決議を執行する。
・ 当行の開発戦略を決定し、かかる開発戦略の実施を監視する。
・ 当行の事業計画、投資計画およびリスク・キャピタル分配計画を決定する。
・ 当行の年次暫定予算案および最終予算を編成する。
・ 当行の利益分配案および損失補填案を策定する。
・ 当行の登録資本の増減、転換社債、劣後社債、社債および他の有価証券の発行に係る案ならびに
上場計画を策定する。
・ 当行の重大な買収もしくは当行株式の買戻し案を策定する。
・ 当行の合併、分割、解散および清算の計画を起草する。
・ 株主総会から授権された範囲内において、株式への投資および債券への投資、資産の獲得および
処分、資産の償却、資産の担保差入れその他非商業銀行業務についての保証ならびに外部への寄
付に関する事項について決定する。
・ 当行の内部管理機構の設立を決定する。
・ 当行の中国国内における第1レベル支店、海外支店および国内外の子会社の設置を決定する。
・ 当行の総裁、主席会計士、ならびに取締役会秘書役を任命または解任し、その報酬および罰則に
関する事項を決定する。
・ 総裁の指名に基づいて、副総裁またはその他の業務執行役員(主席会計士および取締役会秘書役
を除く)を任命または解任し、その報酬および罰則に関する事項を決定する。
・ 当行の基本的な運営システムを策定し、その実施状況を監視する。
・ リスク管理方針および内部統制方針を決定し、 リスク管理システムおよび内部管理システムを策
定し、それらの実施情況を監督する 。
・ 株主総会において、会計事務所の任命、解任、または再任を提案する。
・ 株主総会において、関連取引 管理制度の実施状況および関連取引の 状況に関する事柄について報
告する。
・ 幹部役員の業務報告を精査し、その業務を監視、調査および評価し、かつ幹部役員に対する問責
制度を施行する。
・ 幹部役員の業績を評価し、査定する。
・ 主席会計士および当行監査部門担当役員の業務報告を精査し、また内部監査業務を調査、監視、
検証および査定する。
・ 当行のコーポレート・ガバナンスを定期的に評価し、継続的な向上を図り、 取締役会の実績につ
いての定期的な自己評価を行う 。
・ 当行定款の改正、株主総会手続規則、取締役会手続規則を策定し、取締役会に関するその他のシ
ステム、規則および方法を策定する。
29/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
・ 資本計画及び関連する自己資本比率の評価管理システムを策定し、かかるシステムの実施状況を
監督する。
・ 当行 及び関連会社の連結決算管理システムを策定し、かかるシステムの実施状況を監督する。
・ 当行 の情報開示を管理する。
・ グリーン・クレジットの開発戦略ならびに消費者の権利・利益の保護に関する戦略、方針および
目的を決定し、幹部役員が策定したグリーン・クレジットの目的および幹部役員が提出したグ
リーン・クレジット・レポートを承認し、グリーン・クレジットに関する当行の開発戦略の実施
を監督し、評価する。
・ 法律、法規、規則および関連する規制当局の定める関連する規定、ならびに当行定款および株主
総会決議により授権されるその他の権限を行使する。
取締役会定例会議は、毎年6回以上開催されなければならず、取締役会会長により招集される。す
べての取締役および監査役に対し、定例会議開催14日前までに会議の通知がなされなければならな
い。緊急の場合には、臨時取締役会を開催することができる。
取締役会会議は、取締役の過半数が出席する場合に限り開催される。各取締役は1議決権を有す
る。ある決議に対する賛成票と反対票が同数である場合には、取締役会会長が決定投票権を有する。
紛争解決
H株の株主と当行の間、H株の株主と当行の取締役、監査役、総裁もしくはその他の幹部業務執行
役員またはH株の株主と内資株の株主の間において、当行定款または中国会社法もしくは当行の業務
に係るその他の関連ある法律、規則および規制当局の通達により付与されまたは課される権利義務に
基づいて、紛争または請求が発生した場合には、関連当事者が直ちにかかる紛争もしくは請求の解決
を仲裁機関に委ねなくてはならない。
申立人は、その仲裁を、中国国際経済貿易仲裁委員会においてその仲裁規則に従い実施するか、ま
たは香港国際仲裁センターにおいてその証券仲裁規則に従い実施するかを選択することができる。申
立人が紛争または請求を仲裁に付した後は、被申立人は申立人が選択した仲裁機関で仲裁を行わなけ
ればならない。
申立人が香港国際仲裁センターにおける仲裁を選択した場合、当該紛争または請求に係るいずれの
当事者も、香港国際仲裁センターの証券仲裁規則に従い当該仲裁の審理を深 圳 で行われるべきことを
申請することができる。
紛争または権利の請求が仲裁に付される場合、法律および関連行政法規に別段の定めがない限り、
中国法が適用される。
紛争または権利の請求が仲裁に付された場合、当該請求または紛争の全部が仲裁に付されなければ
ならない。また、当該紛争または請求を発生させた同一の事実に基づく請求原因を有する者または当
該紛争もしくは請求の解決のためにその参加が必要となる者であって、当行または当行の株主、取締
役、監査役、総裁もしくはその他の幹部業務執行役員である者は、仲裁に従わなければならない。株
主の確定に関する紛争および株主名簿に関する紛争は、仲裁の方式によらずに解決することが出来
る。
仲裁機関の裁定は、終局的かつ確定的であり全当事者を拘束する。
優先株式に関する特別規定
優先株式の管理
30/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
法、行政法規、部門規則、当行株式上場地の証券監督管理機関の規定および本章に別途定める場合
を除き、優先株主の権利義務および優先株式の管理は、関連する当行定款の普通株式に関する規定に
従うものとする。
優先株式の発行規模の制限
当行が発行する優先株式の数は、当行の普通株式総数の50%を超えてはならず、優先株式の発行手
取金は、当該発行前の当行純資産の50%を超えないものとする。買い戻されたまたは普通株式に転換
された優先株式は、計算を行うに際して優先株式の範疇には含まれない。
強制転換
資本規制ルールに従い、優先株式が普通株式に強制転換される条件、すなわち、トリガー事由が発
生した場合に、当行が、優先株式発行時に決定された転換価格および転換数量に従い優先株式を普通
株式に転換する条件を、当行は定めるものとする。優先株式を普通株式に転換する事由が発生した場
合、当行は、国務院管轄下の銀行業規制当局に報告を行い、その承認と決定を求めるものとする。
再売却および買い戻し
当行が発行した優先株式は売戻しを行うことはできない。優先株式の発行完了から5年経過後は、
国務院管轄下の銀行業規制当局の承認および関連要件の充足を条件に、当行は、優先株式の全部また
は一部を償還することができる。優先株式の償還期間は、優先株式発行時に決定された償還開始日に
始まり、すべての優先株式の償還または転換が完了した日に終了する。
当行による優先株式の償還権の行使は、以下の条件のいずれかの充足を条件とする。
(1)当行は、償還される優先株式を同一またはそれより質の高い資本と交換し、かつ、資本の交換
は当行の収益力維持を条件に行うこと。
(2)当行の資本基盤は、償還権の行使後も国務院管轄下の銀行業規制当局の自己資本比率規制を十
分に上回ること。
中国国内市場で発行された優先株式の償還価格は、額面価額と当該配当期間に関して宣言された未
払配当金との合計に等しい金額とする。
中国国外市場で発行された優先株式の償還価格は、発行価格と当該配当期間に関して宣言された未
払配当金の合計と等しい金額とする。
優先株主の権利
当行の優先株主は、以下の権利を享受する。
・ 普通株主よりも優先的に配当金の支払いを受ける権利
・ 当行の清算時に、普通株主よりも優先的に当行の残余財産の分配を受ける権利
・ 当行定款第304条に定める事由が発生した場合に、当行の株主総会に出席して投票を行うこと
・ 当行定款第305条に定める事由が発生した場合に、同条に定める方法により議決権を復権させるこ
と
・ 当行の事業運営について助言または問い合わせを行うこと
・ 当行の定款、株主名簿、当行が発行した社債の社債原簿、株主総会の議事録、取締役会決議、監
査役会決議および財務会計報告書の閲覧
・ 法、行政法規、規則および当行定款により、優先株主に付与されたその他の権利
31/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
議決権の計算
以下の事由の期間中の保有株式割合の算出については、普通株式および議決権が復権された優先株
式のみが集計の対象となる。
・ 臨時株主総会招集の請求
・ 株主総会の招集およびその議長を務めること
・ 株主総会または臨時株主総会への提案の提出
・ 取締役および当行の非従業員代表監査役の候補者の提案
・ 当行定款第58条に従い「支配株主」を特定すること
・ 当行定款第151条に従い、当行の独立取締役への就任が制限される場合を特定すること
・ 証券法の規定に従い、当行の大株主10名およびその所有する株式数ならびに当行に対し5%超の
持分を保有する株主を特定すること
・ その他、法、行政法規、規則および当行定款に規定されている場合
上記のいずれかに該当する場合、優先株主には、当行定款に定められる普通株主に適用される通知
手続に従って、株主総会の招集が通知されるものとする。優先株主は、上記事項については普通株主
とは別個に投票を行い、保有する優先株式1株につき一個の議決権を有するものとする。ただし、当
行は、自身で保有する優先株式については議決権を行使できない。
上記事項に関する決議は、株主総会に出席した普通株主(議決権が復権された優先株主を含む。)
が保有する議決権の3分の2超および優先株主(議決権が復権された優先株主を除く。)が保有する
議決権の3分の2超の決議により可決される。当行が、優先株式の発行に関する事項で株主総会を招
集する場合、当行は株主に対しオンライン投票による方法を提供するものとする。
議決権の制限
以下の場合を除き、当行の優先株主は当行の株主総会に出席してはならず、その保有株式に議決権
は付与されない。
・ 当行定款の優先株式に関する条項の変更
・ 当行の登記済み資本金に対する10%(個別にまたは合計して)を上回る減資
・ 当行の合併、分割、解散またはその法人形態の変更
・ 優先株式の発行
・ その他定款に規定されている事由で、優先株主の権利の変更または無効に関するもの
議決権の復権
上記事項に関する決議は、株主総会に出席した普通株主(議決権が復権された優先株主を含む。)
が保有する議決権の3分の2超および優先株主(議決権が復権された優先株主を除く。)が保有する
議決権の3分の2超の決議により可決される。当行が、優先株式の発行に関する事項で株主総会を招
集する場合、当行は株主に対しオンライン投票による方法を提供するものとする。
優先株主が行使する議決権は、以下の方法に従い算出される。
議決権が復権される中国国外優先株式の普通株式議決権は、以下の計算式により算出される。
R* = W*/ E* × 転換為替レート(議決権が復権される株式数の端数は、最寄りの整数に切捨て)
上記計算式において、「R*」とは、各中国国外優先株主の有する中国国外優先株式から復権可能な
H普通株式の議決権、「W*」とは各中国国外優先株主が保有する中国国外優先株式の価額、「転換価
格E*」とは中国国外優先株式の発行計画に関する取締役会決議公告日の直前の20取引日における当行
のH普通株式の平均取引価格、また転換為替レートは、中国国外優先株式の発行計画に関する取締役
32/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
会決議公告日の直前の取引日に中国外貨取引システムが公表する、香港ドルと中国国外優先株式の表
示通貨である外国通貨との人民元の為替レートの仲値を基準とする。
議決権が復権される中国国内優先株式の普通株式議決権は、以下の計算式により算出される。
R = W / E(議決権が復権される株式数の端数は、最寄りの整数に切捨て)
上記計算式において、「R」とは、各中国国内優先株主の有する中国国内優先株式から復権可能なA
普通株式の議決権、「W」とは各中国国内優先株主が保有する中国国内優先株式の価額、また「転換価
格E」とは、中国国内優先株式の発行計画に関する取締役会決議公告日の直前の20取引日における当行
のA普通株式の平均取引価格を意味する。
その他、株主の議決権に対する特別制限が当行定款に規定されている場合には、かかる特別制限が
優先される。
優先的な利益分配
当行の発行した残存する優先株式の利率は、段階的に調整が行われる場合がある。配当利回りは、
指標金利と固定金利マージンの合計に等しい。すなわち、配当利回りは優先株式発行後の一定期間は
調整を行わないものの、その後は定期的に指標金利の調整が行われ、各調整期間中の配当利回りは一
定とする。
優先株式は、当行の利益配当への参加に関しては、所定の配当利回りと利益分配条項に従って普通
株式より優先される。優先株主への配当金は当行が現金で支払うものとする。当行は、優先株式への
所定の配当金を宣言し、株主総会決議に従い任意余剰積立金への積立てを行うまでは、当行定款第242
条に従い、普通株主に対する利益分配を行ってはならない。
当行のTier1資本補充のため発行された優先株式の所持人は、所定の配当利回りに基づく配当金の
分配に参加した後は、普通株主と同様、当行の残余利益の分配に参加することはできない。商業銀行
の自己資本規制に基づき、当行は、優先株式の配当金の支払いの全部または一部を取り消すことがで
きるが、これは債務不履行事由を構成しない。当行の優先株主に対する未払配当金は、翌配当年度に
累積されない。
残余財産の優先的分配
当行が解散または破産して清算が生じた場合、法、規則および当行定款に従い清算が行われた後の
当行の残余財産は、まず優先株式の額面金額および支払われるべき未払いの残存する配当金の支払い
に充当されるものとする。残余財産が上記の額面金額および配当金の支払いに不十分な場合には、按
分の上、中国国内優先株主および中国国外優先株主に対して支払われるものとする。
2【外国為替管理制度】
中国の法定通貨は人民元であり、外国為替管理の対象となっているため、外国為替に自由に交換するこ
とができない。中国人民銀行の権限下にある外国為替管理局は、外国為替管理規則の執行を含む、外国為
替に関連する一切の事項を管理する機能を付与されている。
1994 年、経常勘定項目における人民元の条件付交換が実施され、また、人民元の公式交換レートおよび
人民元の市場交換レートが統一された。1996年1月29日、中国国務院は、1996年4月1日に発効した新し
い「中華人民共和国外国為替管理規則」(「外国為替管理規則」)を公布した。外国為替管理規則は、す
べての国際的支払および移転を経常勘定項目および資本勘定項目に分類する。資本勘定項目とは異なり、
33/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ほとんどの経常勘定項目の取引は、もはや外国為替管理局の承認を得る必要はない。続いて外国為替管理
規則が、1997年1月14日に改正された。この最新の修正により、中国は国際的な経常勘定の支払いおよび
移 転を制限してはならないことが明確になった。
1996 年6月20日、中国人民銀行は、1996年7月1日発効の「外国為替決済、売却および支払業務取扱管
理規則」(「決済規則」)を公表した。決済規則は、経常勘定項目に関する外国為替の交換について残存
する規制を廃止した。ただし、資本勘定項目に関する外国為替取引については、継続して既存の制限がな
される。
1994 年1月1日より、人民元についての従来の二重為替相場制は廃止され、需要および供給により決定
される統制変動相場制となった。中国人民銀行は、毎日、人民元対米ドルの為替レートを設定し、かつ公
表する。この為替レートは、前日の銀行間外国為替市場における人民元および米ドルの取引価格を参照し
て決定される。中国人民銀行はまた、国際外国為替市場の交換レートを参照して、他の主要通貨に対する
人民元の交換レートを公表する。外国為替取引において、指定外国為替銀行は、特定の範囲内において、
中国人民銀行が公表した交換レートに従い、適用交換レートを自由に決定することができる。
2005 年7月21日より、中国は市場の需給に基づき、かつ通貨バスケットを参照した管理変動相場制を導
入している。人民元の為替レートはこれにより、米ドルのみにペッグされたものではなくなった。中国人
民銀行は、各営業日ごとに、人民元に対して、銀行間外国為替市場で取引された外国通貨の終値を発表
し、当該金額が翌営業日の人民元に対する取引の中心レートとされる。
中国企業(外資系企業を含む)は、経常勘定取引から生じる外国為替による収入を留保し、指定外国為
替銀行の外国為替口座に預託することができる。
経常勘定項目に関する取引のため外国為替を必要とする中国の企業(外資系企業を含む。)は、外国為
替管理局の承認を得ることなく、有効な受領の呈示および取引の証明により、指定外国為替銀行における
外国為替口座からの支払いをすることができる。株主に対する利益配当のために外国為替を必要とする外
資系企業および規則に基づき株主に対して外国為替による配当を行うことが要求される中国の企業(当行
を含む。)は、利益配当に関する当該中国企業の有効な決議に基づき、その外国為替口座からの支払い、
または指定外国為替銀行における支払いのための人民元から他の通貨への交換を行うことができる。
SAFE が2016年6月15日に発表した資本勘定外為決済に係る管理規定の改革および標準化に関する通知
(匯発[2016年]第16号)に従い、資本勘定に基づく任意外為決済に関する関連方針に基づき、国内機関
は、自らの裁量により外国為替収入の決済を行うことが認められる。資本勘定における決済(外国為替登
録勘定、外貨建て債務、海外上場での調達による還流資金等を含む。)は、国内機関の実際的なビジネス
ニーズに応じて銀行での取り扱いが可能である。SAFEは任意決済割合の上限を暫定的に100%に設定した
が、国際収支の状況によってはSAFEによる調整が行われる。
SAFE が発表し、2015年2月13日と2015年6月1日にそれぞれ実施された「直接投資外貨管理政策の更な
る簡素化と改善に関する通知」(匯発[2015]第13号)に従い、主として中国国内直接投資における外貨
の登録認可および中国国外直接投資における外貨の登録認可という2つの行政認可が取り消された。直接
投資外国為替事業の手続が、部分的にさらに簡素化された。
2017 年1月26日にSAFEが発表した「外国為替管理の一層の推進に向けた真実性と合法性の確認改善に関
する通知」(匯発[2017]第3号)は、外国為替管理改革をさらに推し進めるものである。債務者は、域
内に向けた貸出、株式投資またはその他の手段により、保証付き資金を直接または間接に域内還流させる
ことができる。銀行は、域外貸付の保証を履行する場合、関連の為替決済と売上げを銀行自身の為替決済
管理に入れることが許される。
H株の配当は、人民元建てで確定されるが、香港ドルにより支払われる。
34/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
3【課税上の取扱い】
H株の保有者の所得に対する課税およびキャピタルゲインに対する課税は中国および当該保有者の居住
する法域における法律および実務の適用を受け、課税の対象となる。以下は、現行の法律および実務に基
づく一定の関連する税務上の取扱いを要約したものであるが、変更される可能性があり、法律意見および
税務意見となるものではない。以下の議論はH株への投資に関連して発生しうるあらゆる税務上の取扱い
を網羅したものではない。従って、投資家は、H株への投資の税務上の取扱いについて税務顧問と相談す
る必要がある。以下の議論は本書作成日時点において効力を有する法律および関連する解釈に基づいてお
り、いずれも変更される可能性がある。
(1) 中国における課税
以下は、2005年度の当行における株式の最初のグローバル・オファリング(グローバル・オファリン
グ)に関連してH株を購入し、これを資本資産として保有する投資家による当該H株の保有および処分に
関連した中華人民共和国における一定の税務上の取扱いの概要である。当該概要は、H株を保有すること
による重大な税務上の取扱いすべてを扱うことを企図するものではなく、また特定の投資家個々の状況を
考慮していない。本概要は、本書作成日現在効力を有している中国の税法に基づく。これらはすべて、今
後変更される(または解釈が変更される)可能性があり、かかる変更は遡及的効力を有することがある。
本議論は、所得税、資本課税、印紙税および遺産税以外の中国の課税制度の側面について扱うものでは
ない。投資家になろうとする者は、H株の保有および処分による中国、香港およびその他の税務上の取扱
いについて、税務顧問に相談されたい。
配当に対する課税およびキャピタル・ゲイン
個人投資家
「中国個人所得税法」に基づき、中国籍の企業により支払われる配当は、通常、一律20%の税率で
賦課される中国源泉所得税の課税対象となる。中国に居住していない外国人については、中国におけ
る企業から受領した配当は、適用法または適用される租税条約により軽減されなければ、通常20%の
源泉所得税の課税対象となる。現在は、中国国家税務総局(「SAT」)が2011年6月28日に出した通達
に従い、外資系企業から中国に居住しないH株の個人所有者に支払われる配当は、中国と当該株主が
居住する法域間に適用される租税条約で決定される税率で、個人所得税(通常は5%から20%)が課
されている。また、中国非居住者であり、租税条約に調印していない法域に居住するH株の個人所有
者に対して外資系企業が支払う配当は、20%の個人所得税の対象となる。
企業投資家
中国内に事務所または不動産を有していない、または中国内に事務所または不動産を有している
が、その所得がかかる事務所または不動産と関連のない外国企業については、2007年3月16日に開催
された中国第10期全国人民大会第5回会議において採択され、2008年1月1日に発効し、2017年2月
24日および2018年12月29日に改正された新たな中国法人所得税法(the new PRC Enterprise Income
Tax Law、「新EIT法」)に基づき、H株の売却またはその他の処分に際して当行が支払う配当および
当該外国企業が実現する利益は、通常、中国においては20%の所得税が課税される。新EIT法の実施規
則は、かかる税率は、中国と関連する外国企業の所在地の法域との間の特別な措置または適用可能な
合意により、さらに10%まで低減することができる旨規定している。 2008 年11月6日に SAT により公布
された通知により、H株発行会社は、非居住者である企業株主に対して配当を支払った場合には、株
主のために 10 %の率にて法人所得税を差し引かなければならない。また、中国の税法、規制および規
35/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
則も、随時変更される可能性がある。新EIT法において規定される税率および関連する実施規則が改正
された場合には、当行のH株への投資の価値は、重大な影響を受ける。
租税条約
中国内に居住しておらず、中国との間に二重課税の防止に関する租税条約を締結している国に居住
している投資家は、配当の支払につき課税される源泉所得税の軽減を受ける場合がある。中国は現
在、多くの外国と二重課税の防止に関する租税条約を締結しているが、これには以下の国々が含まれ
る。
・オーストラリア
・カナダ
・フランス
・ドイツ
・日本
・マレーシア
・オランダ
・シンガポール
・英国
・米国
中国のその他の税務上の取扱い
中国印紙税
暫定規定に基づき中国の株式公開企業の株式譲渡に課される中国印紙税は、「印紙税に関する中国
暫定規定」(1988年10月1日施行)により、中国人以外の投資家による中国国外でのH株の取得・処
分については適用されない。中国印紙税は、中国国内において作成または受領され、中国において法
的拘束力を有し、かつ同国の法律の保護を受ける文書に対してのみ課税される旨規定している。
遺産税
中国の法律に基づく遺産税の納税義務は、中国人でないH株保有者については発生しない。
(2) 日本における課税
「第8 2 H株購入者に対する株式事務 税金」を参照。
4【法律意見】
当行の社外法律顧問である通商 律師 事務所(Commerce & Finance Law Offices)により、概要以下の趣
旨を含む法律意見が提出されている。
(1) 当行は、中国会社法に基づき適法に設立されており、また中国の法律に基づき、存続期限の定めのな
い有限株式会社として有効に存続している。
(2) 当職らが知り、かつ信じる限り、「本国における法制等の概要」における記載は、当該記載が中国法
の概要を構成しているとする限りにおいて、概要とされる事項を正しく反映しており、あらゆる重要
な点において真実かつ正確である。
36/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
本有価証券報告書に記載されている財務情報は、別途明記されている場合を除き、連結ベースで国際財務報
告基準(IFRS)に従って作成されており、金額の単位は人民元である。
(単位:百万人民元、別途明
2019 年 2018 年 増減(%) 2017 年 2016 年 2015 年
記されているものは除く)
12 月31日に終了した年
正味受取利息 510,680 486,278 5.02 452,456 417,799 457,752
正味受入手数料 137,284 123,035 11.58 117,798 118,509 113,530
その他営業収益 30,037 24,459 22.81 23,777 23,552 15,405
営業収益 678,001 633,772 6.98 594,031 559,860 586,687
営業費用 (188,132) (174,764) 7.65 (167,043) (171,515) (194,826)
信用減損損失 (163,000) (151,109) 7.87 N/A N/A N/A
その他の減損損失 (521) 121 N/A N/A N/A N/A
税引前当期利益 326,597 308,160 5.98 299,787 295,210 298,497
当期純利益 269,222 255,626 5.32 243,615 232,389 228,886
当行株主に帰属する純利益 266,733 254,655 4.74 242,264 231,460 228,145
当行普通株主に帰属する純利 262,771 250,719 4.81 241,219 230,393 228,145
益
12 月31日現在
顧客に対する貸出金純額 14,540,667 13,365,430 8.79 12,574,473 11,488,355 10,234,523
資産合計 25,436,261 23,222,693 9.53 22,124,383 20,963,705 18,349,489
顧客からの預金 18,366,293 17,108,678 7.35 16,363,754 15,402,915 13,668,533
負債合計 23,201,134 21,231,099 9.28 20,328,556 19,374,051 16,904,406
資本合計 2,235,127 1,991,594 12.23 1,795,827 1,589,654 1,445,083
当行株主帰属持分合計 2,216,257 1,976,463 12.13 1,779,760 1,576,500 1,434,020
株式資本 250,011 250,011 - 250,011 250,011 250,011
控除後の普通株式等ティア1
1
2,089,976 1,889,390 10.62 1,691,332 1,549,834 1,408,127
自己資本
1
控除後のティア1自己資本 119,716 79,720 50.17 79,788 19,741 19,720
1
控除後のティア2自己資本 427,896 379,536 12.74 231,952 214,340 222,326
1
2,637,588 2,348,646 12.30 2,003,072 1,783,915 1,650,173
控除後の総自己資本
1
15,053,291 13,659,497 10.20 12,919,980 11,937,774 10,722,082
リスク加重資産
1株当たり
(単位:人民元)
基本および希薄化後1株
当たり当期利益 1.05 1.00 5.00 0.96 0.92 0.91
報告対象期間後に発表された
最終現金配当案 0.320 0.306 4.58 0.291 0.278 0.274
当行普通株主に帰属する1株 8.39 7.59 10.54 6.80 6.23 5.66
当たり純資産価値
37/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
1. 「商業銀行の資本規則(仮)」の関連規則、先進的資本計測手法および移行期間中の適用規則に従って算出されて
いる。
2019 年 2018 年 変動 +/ (-) 2017 年 2016 年
財務比率(%) 2015 年
収益性指標
1 1.11 1.13 (0.02) 1.13 1.18 1.30
平均資産収益率
平均資本収益率 13.18 14.04 (0.86) 14.80 15.44 17.27
正味金利スプレッド 2.12 2.18 (0.06) 2.10 2.06 2.46
正味金利マージン 2.26 2.31 (0.05) 2.21 2.20 2.63
正味受入手数料の対営業収
益率 20.25 19.41 0.84 19.83 21.17 19.35
2
26.75 26.61 0.14 27.15 27.51 27.02
営業収支率
自己資本指標
3
13.88 13.83 0.05 13.09 12.98 13.13
普通株式等ティア1比率
3
14.68 14.42 0.26 13.71 13.15 13.32
ティア1比率
3
17.52 17.19 0.33 15.50 14.94 15.39
総自己資本比率
株主資本比率 8.79 8.58 0.21 8.12 7.58 7.88
資産内容指標
不良債権比率 1.42 1.46 (0.04) 1.49 1.52 1.58
不良債権に対する
▶
227.69 208.37 19.32 171.08 150.36 150.99
引当金比率
貸出金総額に対する
5
0.19 2.55 2.29 2.39
3.23 3.04
引当金比率
1. 純利益を、年始総資産および年末総資産の平均で除して計算
2. 営業費用(事業税および追加税控除後)を営業収益で除した値
3. 「商業銀行の資本規則(仮)」の関連規則、先進的資本計測手法および移行期間中の適用規則に従って算出されて
いる。
4. 貸出金に係る減損引当金は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される割引手形に係る減損引当金が含ま
れ、不良債権は未収利息が含まれない。CBIRCが設定した2019年の規制上の目標は、150%である。
5. 貸出金に係る減損引当金は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される割引手形に係る減損引当金が含ま
れ、貸出金総額は未収利息が含まれない。CBIRCが設定した2019年の規制上の目標は、2%である。
2【沿革】
本書第6「1.財務書類」の注記1の第1段落を参照のこと。
3【事業の内容】
本書第6「1.財務書類」の注記1の第3段落を参照のこと。
38/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
4【関係会社の状況】
(1) 親会社
本報告期間末現在、匯金公司は、当行株式の57.11%を所有する当行の支配株主であり、またその子会
社である中央匯金資産管理有限責任公司(Central Huijin Asset Management Ltd.)を通じて、当行株
式の0.20%を間接的に所有している。匯金公司は、中国国務院の許可を得て、2003年12月16日に中国会
社法に従って設立された完全国有会社である。その登録資本および払込済資本は、ともに828,209百万人
民元であり、法律上の代表者は彭純氏である。匯金公司は、国務院の承認を得て主要な国有金融機関に
株式投資しており、国有の金融資産を保護し、その価値を向上させるために、国に代わり、かかる金融
機関への出資者としての権利と義務を出資額を限度として行使する。匯金公司は、他の商業活動には従
事しておらず、支配株式を有する主要国有金融機関の日常業務に干渉することはない。
(2) 子会社
本書第6「1.財務書類」の注記27を参照のこと。
5【従業員の状況】
人事および組織管理
2019 年末現在の当行の従業員数は347,156名で、2018年から0.34%増加した(人材派遣会社から派遣され
た職員3,774名(2018年から4.14%減少)は含まない。)。学士以上の学歴を持つ従業員は242,408名で、
全体の69.83%を占めているほか、海外の企業体で現地採用している従業員は817名であった。さらに、当
行は退職者78,886名の費用を負担した。
当行の年齢、学歴および職務別の従業員数は次のとおりである。
性別 従業員数 全体に対する割合(%)
男性
158,306 45.60
女性
188,850 54.40
年齢 従業員数 全体に対する割合(%)
30 歳以下
74,583 21.48
31 ~40歳
93,704 26.99
41 ~50歳
117,718 33.91
51 ~59歳
60,952 17.56
60 歳以上
199 0.06
学歴 従業員数 全体に対する割合(%)
博士号
464 0.13
修士号
29,766 8.57
学士号
212,178 61.12
準学士
84,735 24.41
高等教育
10,222 2.95
高等学校以下
9,791 2.82
職務 従業員数 全体に対する割合(%)
営業店舗および統合窓口
181,386 52.25
39/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
法人向け銀行業務
33,903 9.77
個人向け銀行業務
40,579 11.69
金融市場業務
644 0.18
財務会計
7,094 2.04
経営
11,822 3.40
リスク管理、内部監査、法務
およびコンプライアンス
20,058 5.78
情報技術の開発および運営
27,727 7.99
その他
23,943 6.90
40/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
本項に含まれている将来に関する記述は、本書提出日現在の当行の考え、見通し、目的、予想および見
積りに基づいている。
取締役会会長 田國立氏からの報告
新年の到来に続き、今や季節は春である。2019年度の年間業績を株主と共有できることは喜ばしい。こ
の1年、当行は、継続的に改革を行いながら戦略の実施を敢行することで、高まるリスクと数多くの課題
を抱える国内外の複雑な環境に冷静に対応し、事業を発展させ業績向上を導いた。質の高い発展の成果を
反映して、当グループの主要指標は引き続き安定的でバランスのとれたものとなった。当グループの総資
産と純利益はそれぞれ25.44兆人民元、269,222百万人民元であり、前年度からそれぞれ9.53%、5.32%増
加した。また、平均資産収益率は1.11%、平均資本収益率は13.18%となり、国際的に活躍する同業者の中
でもトップの収益を達成した。不良債権比率は1.42%、延滞債権比率は1.15%と、資産内容は着実に改善
している。総自己資本比率は17.52%と前年度から0.33ポイント増加し、成長基盤は継続的に強化された。
これらの好調な業績に基づき、取締役会は、年次株主総会での審議と承認を条件に、1株当たり0.320人民
元(税込)の年間現金配当を行うことを提案した。
2019 年、中華人民共和国は建国70周年を迎えた。国家の繁栄、社会の進歩および経済の発展を推し進め
ながらも常に当初の理念に忠実に、当行は力強く前進し、より良い未来を母国と共有し、顧客と共に成長
しながら時代とともに発展、繁栄してきた。65年間の発展の中で、当行は改革の恩恵により世界有数の商
業銀行となり、発展の基礎を固めた。これらはいずれも、母国への愛と、慎重さと活力を兼ね備えた改革
への意欲から生まれたものである。経済の変革、産業の高度化および技術革新の中で、様々な状況に積極
的に対応してきた。当行は、「3つの能力」と「3つの主要戦略」を基本に「第2の発展曲線」を目指し
て、政府、企業および顧客に対するサービスを充実させてきた。人々のより豊かな生活を追求したいとい
う想いに着目し、当行は、新たな金融行動により経済と社会の発展ニーズに積極的に貢献し、金融サプラ
イサイドの構造改革を推進することで、質の高い成長を促してきた。
2019 年中、当行は当初の使命を堅持し、実体経済に貢献するにあたり「3つの能力」を強化した。
主要国家戦略プロジェクトへの対応を強化するため、北京・天津・河北地域、広東・香港・マカオ大湾
区、長江経済ベルトの開発促進に率先して取り組んだ。既存資産の再構築、漸増資産の最適化、成長の原
動力の変革など、金融サプライサイドの構造改革を加速させた。インフラ・セクターにおける中長期信用
の伝統的な優位性を強化した基盤の上に、当行は、先進的製造業、グリーン・ファイナンス、技術革新、
国民の暮らしに関わるサービスを含め、主要分野における信用支援を拡大した。当グループが持つ利点を
活用して、市場 志向 型のデット・エクイティ・スワップ、信託、債券、リース、アセット・マネジメント
といったマルチチャネルを通じて信用支援を開始した。輸送ネットワークへの支援の効率性は向上し、ETC
事業は市場をリードする飛躍的な発展を遂げた。
金融リスクの未然防止に向け、当行は引き続き、総合的、先見的かつスマートなリスク管理体制の強
化、リスク管理体制の構築・最適化の推進、デジタル、スマートかつ集中的なリスク管理統制の向上およ
び信用リスク管理の一層の強化を図った。資産内容は依然として堅調に推移し、リスク補償能力は徐々に
向上した。当行は流動性管理の基盤を整備し、市場の安定化に向け中枢的な役割を果たすことで、金融市
41/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
場の安定的な運営を支援した。また、ITリスク、コンプライアンス・リスク、オペレーショナル・リスク
およびカントリー・リスク全般およびプロセス全体の管理を強化し、統合リスク管理の新たなエコシステ
ム を創出するため、先進的なリスク管理技術やツールの共有を推進した。
国際競争力を強化するため、当行は海外発展の設計図をさらに拡大した。カザフスタンのアスタナ支
店、マレーシアのラブアン支店を開設し、当行は今や世界30の国と地域に進出している。海外での法令に
則った着実な事業展開を推進するため、当行は「一行一策」の分散方針を実施した。一帯一路構想への支
援を広げ、その沿線の国々では150を超える主要プロジェクトに金融支援を行った。さらに、ブロック
チェーンやビッグデータなどの最先端技術を活用し、中国企業の国際展開を支援し、革新的なクロスボー
ダー金融サービスを拡大した。中国国際貿易の「単一窓口」に直接リンクする最初の企業の一社として、
当行は、小規模・零細企業向けのオンライン商品「クロスボーダー迅速ローン」シリーズを立ち上げ、ブ
ロックチェーン貿易金融プラットフォームの構築を主導した。
2019 年中、当行は「3つの主要戦略」を推進し、的確かつ効果的な取り組みにより社会の発展を支え
た。
賃貸住宅事業の「連鎖反応」は拡大し、賃貸住宅プラットフォームのオンライン・チャネルは次第に確
立されてきており、掲載物件総数は2,000万件を超えた。「デジタル不動産」システムは、住宅建設分野に
おける経営の高度化に貢献し、また中国国内40以上の都市に広がっている。「住宅受託」事業は遊休住宅
資源の再生を加速させ、契約アパート累積件数は80万戸を突破した。さらに、長期賃貸の建融マンション
や市街地の新築住宅など住宅を追加供給することで、さらに多くの人々の「定住のための家を持つ」とい
う夢の実現を後押しした。
また、当行は、インクルーシブ・ファイナンス・サービスを広範囲にわたって推進した。当行のインク
ルーシブ・ローンの1.3百万人を超える顧客のローン残高は総額1兆人民元に近づきつつあり、引き続き市
場をリードした。「デジタル、プラットフォーム、エコシステム、権限付与」という開発コンセプトに基
づき、当行は、 「恵懂你(Huidongni)」 、「恵助你(Huizhuni)」および「恵點通(Huidiantong)」と
いうサービス・プラットフォームと、「三恵一体型」のインクルーシブ・ファイナンス運営管理プラット
フォームを推進し、「小規模・零細企業向け迅速ローン」のシリーズ商品を拡充した。継続的にインク
ルーシブ・ファイナンスの範囲を拡大し、「CCB裕農通(Yunongtong)」によるインクルーシブ・ファイナ
ンス・サービスの店舗拡大を敢行し、今では基本的に 全国の行政村 をカバーしている。また、ブロック
チェーンとビッグデータを応用した革新的プラットフォーム「民工恵(Mingonghui)」を立ち上げ、4百
万人以上の顧客にサービスを提供している。
さらに、当行はフィンテック・ソリューションの有効性についての開発を一段と進めた。当行はフィン
テックの強固な基盤を有しており、AI、ブロックチェーン、モノのインターネットを含め、フィンテック
をベースとしたプラットフォームの開発を積極的に推進した。行内用のデジタル運営管理能力をさらに強
化するため、協調型スマート・ファイナンスのソリューションを開発している。また、新世代中核バンキ
ング・システムの統合による利点を活かし、法人顧客の統一的なビューを開発した。当行は、「マルチ・
タッチポイントで一体型」のスマートチャネルの開発を加速させ、「5G+インテリジェント・バンキング」
を立ち上げた。解放性と共有をコンセプトに外部パートナーに権限を付与するべく、政府、企業および顧
客コミュニティ向けの新たなエコシステムを構築した。さらに、政府関連業務スマート・サービス・プ
ラットフォームを構築し、モバイルアプリ、PC端末、店舗のスマート現金預払機、「CCB裕農通
(Yunongtong)」および政府関連業務ロビーから成る「5サービス一体型」のサービスモデルを確立し
た。
42/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年中、当行は国民の生活に関わるサービスに注力し、一般大衆にサービスを提供する責任を遂行し
た。 当行は、貧困緩和に的を絞った支援措置を講じ、貧困緩和金融行動計画として「2020年への飛躍」を
実施し、融資を通じた貧困緩和支援を継続した。さらに、金融に的を絞った貧困緩和と農村振興の調整を
効果的に実施する取組みを先導し、産業発展、消費者支出の方向付けおよび教育支援を通じた貧困緩和を
含む内部モデルや持続可能モデルを開発、推進した。また、「労働者の港」プロジェクトを立ち上げた
が、合計14,300のサービス店舗における労働者に対するサービス提供は100百万回を超えた。中華全国総工
会と共同で設立されたこのプロジェクトは、社会的連帯を示す「屋外労働者のためのサービス・ステー
ション」としての最初のブランドとなった。CCB大学の設立パートナーを招聘し、「産業・教育融合および
学校・企業連携」プラットフォームを提供して、新たな金融人材のための産業教育融合連合を設立した。
これまでのところ、86,000人以上の従業員に現場研修を、また322,000人の従業員にオンライン研修を行っ
た。「金融知力の推進」プロジェクトによって開催された外部研修会の出席人数は総計1.35百万人にのぼ
り、金融知力の促進および金融の専門知識の共有を行っている。また、当行は「10千人の学生のための農
村地域における夏季実習」を組織した。これは、大学生が農村地域に親しみ、金融を理解し、さらなる教
養を身につけるためのシナリオを設定するだけでなく、体験学習プログラムに参加する機会を学生に提供
するものである。
2019 年中、当行は全関係者の相互利益の達成のため一丸となって取り組み、全関係者が調和的に共存す
るための価値を創造した。 当行は、顧客へのより良いサービスの提供、株主のためのより高い価値の創
造、従業員のための広範な開発プラットフォームの構築、さらに企業市民として全責任を担うための取組
みを行っている。また、「顧客本位」のコンセプトに基づき、フィンテックを活用した利便性の高いサー
ビスを顧客に提供し、商品・サービスの拡充を継続的に推進することにより、消費者の権利保護を完全に
事業展開の中に組み込んだ。安定的な経営と革新的な発展の理念を堅持しつつ、質が高く、持続的成長が
可能な株主の長期的利益を守り、長期にわたって安定的かつ堅固な配当利回りをもたらすバランスのとれ
た良好な業績を上げ、着実に増配を行うことで、投資家に大きな利益をもたらした。また、「人間本位」
のコンセプトに基づき、人材育成戦略の徹底、市場志向型メカニズムを通じたフィンテック人材のチーム
力の強化、国際人材チームの育成強化、従業員一人ひとりの活躍と創造性の向上を図り、従業員と当行相
互の成長と発展を実現した。
2019 年中、当行は先駆者となって、効率的かつ科学的な意思決定メカニズムを通じてコーポレート・ガ
バナンスを改善した。 標準化された効率的なコーポレート・ガバナンスは、金融機関が効果的に自主規制
を行い、良好な市場イメージを確立し、健全で持続可能な発展を達成するための強固な基盤である。コー
ポレート・ガバナンスにおけるベストプラクティスを目標とし、コーポレート・ガバナンス体制を改善す
るべくガバナンスの実務と今後の方策を模索した。当行は、関係法令および当行株式を上場している証券
取引所の上場規則を遵守し、コーポレート・ガバナンス体制の改善を図るとともに体制の整備を強化し、
優れたコーポレート・ガバナンスを維持している。内外の環境は複雑に変化しているが、取締役会メン
バーは勤勉で責任感があり、その高度な専門性、豊富な実務経験および優れた職務執行能力により、取締
役会の効率的な運営と科学的な意思決定は確保された。
金融は水のようなものであり、善意と優れたガバナンスがなければ、生活世界の物事に利益をもたらす
ことはできない。当行は、伝統的な金融の利点を踏まえた新たな金融を強化しつつ、金融の価値指向と機
能を最新のものにするべく努めた。経済の発達様式の変化、経済の新常態の到来および産業構造の調整に
伴い、金融サービスに対する市場の需要も根本的に変化している。技術は、単なる基盤インフラから改革
43/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
の最前線へと移行しつつあり、事業プロセスの抜本的な見直し、組織改革および銀行業務の戦略的変革を
推し進めている。当行は、伝統的な発展経路から抜け出すため新たな金融行動の傾向を探り、新たなコン
セ プト、新たな要素、新たな枠組み、新たなエコシステム、新たなシステムを備えた新しい発展様式と経
営領域を見い出した。2年以上にわたる模索を続けた後、当行は、新たな金融行動と、国策、市場動向お
よび当行の実情とを整合させることで「第二の発展曲線」の堅調な上昇トレンドを牽引し、事業の発展を
推進し、予想を上回る業績の向上を実現した。当行は、新たな金融行動の道を着実に進むことができるよ
う、新たな時代の新たな開発ニーズに対応している。
2020 年、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの突然の発生は、経済と社会に前例のない課題
をもたらしている。習国家主席の指令や中央政府の対応要請に真摯に取り組み、大手銀行としての責任を
積極的に果たし、この尋常ならざる戦いでの努力を惜しまなかった。当行は、パンデミックの発生後直ち
に、金融サービスに関する「10の措置」と、パンデミックを防止し、店舗の職員を守るための「20のルー
ル」を実施した。貸付承認のための「グリーン・チャネル」を構築し、小規模・零細企業を支援する「8
つの措置」を実施し、感染拡大の防止・制御に取り組む企業に対して90十億元を上回る融資を行った。ま
た、パンデミック対策および開発の安定化のための5十億人民元の基金の設立に着手した。さらに、湖北
省などの被災地に総額298百万人民元を寄付するとともに、感染拡大と戦う最前線にいる医療従事者に無料
保険を提供した。当行は、感染拡大の防止・制御の管理を支援する「スマート・コミュニティ管理プラッ
トフォーム」を推進した。これには、マルチチャネルによるパンデミックに関する問合せやオンライン相
談など、感染拡大防止機能が装備されている。また、インターネットを通じて各種金融商品やサービスを
顧客に提供したほか、関連する電子商取引プラットフォームと提携して「オンライン野菜バスケット」を
拡充し、人々に野菜や食料品の配送サービスを提供した。業務のデジタル化の勢いと、オンラインおよび
オフライン・チャネルを通じた包括的な支援・サービスにより、当行は国民と一体となって困難に打ち勝
ち、共に勝利の朝を迎えるであろう。
今回の感染の大流行は、当行のフィンテック戦略にとっての総合的なストレス・テストであるといえ
る。フィンテック・システム等の支援により、職員は在宅で企業対応や与信承認を行うことができるた
め、日々の業務は確保されており、顧客に対しては、各種金融商品やサービスのオンラインでの提供や、
ソリューションやターゲットを絞った支援の提供が可能である。また、行政や社会に対しても、スマー
ト・コミュニティの運営を支援することで、商品・物品の配送サービスや通販サービスの提供を可能にし
ている。これにより、当行のフィンテック戦略をさらに深化させ、業務のデジタル化をより速いペースで
推し進める自信と決意を強めた。
3月以降、世界中でパンデミックの拡大が加速している。多くの国々や地域が、このパンデミックに共
同で立ち向かうための様々な対策を講じている。本社の統一的な戦略展開に沿って、当行の海外機関は機
敏に行動し、パンデミックやウイルスに対抗するための物資を、これらを緊急に必要としている地方自治
体や医療機関に寄付した。また一方で、これらの海外機関は、その能力の範囲内で支援やサービスを積極
的に提供している。まさに、あらゆる国々の人々が運命の繋がりを共有し、この危機的な時期に共同でパ
ンデミックに立ち向かい、人類が共有する未来のコミュニティを実際に構築しているのである。
パンデミックは中国をはじめとする世界経済に大打撃を与え、銀行業界に新たなリスクと課題をもたら
すであろう。現在、海外における感染拡大状況は深刻化している。中国においては、感染病の防止・制御
が積極的に実施される傾向にある。業務や生産の再開が加速している。経済社会の発展は徐々に回復して
いる。中国経済の高い回復力と潜在能力により、長期的に続く好調な勢いに変化はないと考えている。今
後、積極的な財政政策はさらに積極性を増し、その効果はより大きなものとなる一方、慎重な金融政策は
より柔軟かつ緩やかになり、経済発展の回復を強力に支援して、銀行業界の発展に新たな機会をもたらす
であろう。同時に、新型コロナウイルスの感染拡大により、石油価格が暴落したほか、国際経済活動、貿
44/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
易活動、世界的な産業バリューチェーンが混乱に陥ったことにも留意すべきである。この混乱は、国際金
融市場に重大な影響を及ぼし、世界的な景気後退の可能性を高め、各国政府による数々の刺激的な政策対
応 や金融市場の混乱をもたらした。このような情勢の変化に伴う不確実性やリスクに注意する必要があ
る。
2020 年は、中国の発展および当行の「3つの主要戦略」の実施徹底のための節目の年である。パンデ
ミックがもたらす国内外の複雑な情勢や様々な不確実性に直面する中で、当行は戦略的な立ち位置を変え
ず、当行の「3つの能力」を強化する。「新たな金融+ハイテク」の開発設計に従って、「農業、農民、
農村地域」のためのインクルーシブ・ファイナンスや金融サービス、コミュニティ・ファイナンス、住宅
賃貸、フィンテックのサービス範囲をさらに拡大し、新たな金融行動の拡大を推進する。さらに、当行の
使命を達成するべく日々を最大限に活用し、情熱をもって邁進し、設立当初からの願望を胸に力を温存す
る。引き続き、新型コロナウイルス感染拡大との戦いにおいては全面的な支援を行う一方で、経済および
社会の発展に大手銀行としての貢献を行う。3つの厳しい戦いにおいては適正な貢献を行い、新たな金融
行動による「第二の発展曲線」を描き、当行の質の高い発展をさらに推し進める。また、「第13次5ヶ年
計画」を成功させ、あらゆる面で適度に豊かな社会作りに積極的に貢献していく所存である。
取締役会副会長、業務執行取締役 兼 総裁 劉桂平氏からの報告
2019 年、複雑かつ進化する事業環境の中、当グループは、国家建設、金融リスクの防止および国際競争
への参加に向けた「3つの能力」の効果的な強化を図り、住宅賃貸、インクルーシブ・ファイナンス、
フィンテックという「3つの主要戦略」において着実な進歩を遂げた。また、金融セクターにおける供給
サイドの構造改革を引き続き深化させ、自己の責任を積極的に担いつつ効果的な措置を講じ、着実でバラ
ンスのとれた持続可能な発展と素晴らしい成果を達成した。
堅調な業績
勢いのあるバランスのとれた中核指標 2019年末、当グループの資産総額は2018年から9.53%増の25.44
兆人民元に達し、そのうち、顧客に対する貸付金純額は8.79%増の14.54兆人民元となった。負債総額は
9.28%増の23.20兆人民元となったが、そのうち顧客からの預金は18.37兆人民元で、7.35%の増加となっ
た。純利益は269,222百万人民元となり、2018年から5.32%増加、0.39ポイントの上昇となった。正味受取
利息は5.02%の増加であり、正味金利マージンは2.26%および正味受入手数料は11.58%の増加となった。
また、平均資産収益率は1.11%、平均資本収益率は13.18%、総自己資本比率は17.52%となり、同業他社
の中でトップの地位を維持している。
新規開発理念の実現 当グループは、業務運営の改革を強化した。新世代中核バンキング・システムの
全体的な構造を踏まえ、顧客に対する全社統一の視点をあらかじめ設定し、マルチチャネルによるネット
ワーク・アクセスを改善し、全業務ラインの一体的な開発を推進した。また、デジタル経済時代に対応し
た店舗・業務支援システムを構築し、法人向け銀行業務と個人向け銀行業務の統合、人民元業務と外貨業
務の統合、オンライン・サービスとオフライン・サービスの統合という「3つの統合」を深化させた。さ
らに、資産管理システムの刷新を進めるとともに、全体調整、共同作業および共有を中核機能とする実践
的かつ革新的な資産管理の仕組みとモデルを構築した。当グループが供与したグリーン・クレジットの規
模は拡大し、グリーン・ローンが前年度から12.81%増加したほか、海外市場では気候変動に対処するため
®
グリーン・ボンドが発行された。当グループは、先導して投資家提携プラットフォーム「FITS e+」を立
ち上げ、資金とソリューションの両方を提供する、共有と権限付与が可能な新たなインテリジェント金融
45/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
商品取引エコシステムを構築した。また、業界で初めてCCB金融市場電子取引プラットフォームを立ち上げ
た。これは、債券の流通、顧客ベースの為替レート取引、金利取引、コモディティ取引の機能を統合した
も ので、金融市場ビジネスのために構築された中小の機関や企業にサービスを提供する取引エコシステム
である。
「3つの能力」の大幅強化
国家建設のための能力の大幅な向上 当グループは、信用資源を的確に配分するため、主要分野と、新
たなインフラ、先進的な製造業、科学技術革新、民間企業、小規模・零細企業など脆弱な分野の双方への
支援を強化した。2019年末のインフラ部門への貸出は6.49%増の3.68兆人民元、戦略的新興産業への貸出
は38.38%増の533,551百万人民元、民間企業への貸出は14.21%増の2.66兆人民元、地方政府債への投資の
増加は400十億人民元を超え、国家建設と実体経済の発展を強力に支援した。デット・エクイティ・スワッ
プの実際の投資額は159.4十億人民元増加し、同業他社の中で第1位となった。
金融リスクの防止能力の大幅な強化 当グループは、引き続き、「着実、慎重、包括的かつ積極的な」
リスク文化の育成、主要分野や新興事業における実質的なリスクの管理強化を行い、資源配分および構造
調整のプラットフォームとして包括的な信用供与の役割を十分に果たした。高度なリスク管理システムを
構築し、「手動管理」から「機械管理+インテリジェント管理」への変革を加速させた。顧客選択、経営
の意思決定およびリスク管理のための測定ツールの支援を強化し、オンライン事業においてはリスク・ス
キャン&検知システムを導入した。特定資産の運用および処分の量、質および効率性はすべて向上した。
2019年末現在、当グループの不良債権比率は1.42%(2018年から0.04ポイント減)、不良債権に対する引
当金比率は227.69%(2018年から19.32ポイント増)であった。当グループは、長期的な市場リスク管理の
仕組みを改善し、為替、債券および株式市場の変動に積極的に対応し、外部からのリスクやリスク間の伝
播を効果的に防止した。また、流動性リスク管理における健全性と慎重の原則を堅持し、内部および外部
の資金調達状況の変化を踏まえ、流動性リスク管理の高度化を全体的に改善したほか、包商銀行の安定的
かつ秩序的な業務運営を行うよう委託を受けた。当グループは、オペレーショナル・リスクの評価とモニ
タリングの実施、方針とプロセスの適時改良、システムの最適化、潜在リスクの排除およびオペレーショ
ナル・リスクの早期警戒能力の強化を行った。さらに、レピュテーショナル・リスク管理体制の整備を継
続し、レピュテーショナル・リスクの管理能力を強化した。また、コンプライアンス管理の基盤を整備
し、とりわけマネーローンダリング、テロ資金供与および脱税阻止に関する規制要件を厳格に実施した。
国際競争への参加能力の大幅な強化 中国の単一国際貿易窓口に直接リンクしている最初の銀行団の一
員として、当グループは10を超えるオンライン金融サービス機能を立ち上げ、同業他社をリードしてい
る。総合金融サービス・プラットフォームである「クロスボーダーe+」の契約件数は150,000件(2018年
から173.60%増)となった。また、「クロスボーダー迅速ローン」シリーズの開発では先導的な役割を果
たし、小規模・零細企業にオンライン金融サービスを提供し、融資累計額は約4十億人民元となった。当
グループは、ブロックチェーン貿易金融プラットフォームにおいて、国内信用状、フォーフェイティン
グ、国際ファクタリング、リファクタリングなどの機能を開始し、取引累計額は400十億人民元を超えた。
また、一帯一路構想の実施を支援し、広東・香港・マカオ大湾区における国境を越えた金融協力を深め、
自由貿易地域ビジネスでの主導権を握った。さらに、当グループがサービスを提供したグローバル国内顧
客および中国に投資している海外顧客の数は、過去最高の6.67百万人にのぼった。また、海外ネットワー
46/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
クの拡充を進め、2019年9月にはカザフスタンにアスタナ支店を、2019年10月にはマレーシアにラブアン
支店を開設した。英国、スイスおよびチリにある人民元清算機関の運営は円滑に行われた。
「3つの主要戦略」の着実な進展
住宅賃貸事業の総合展開 当グループは、総合住宅賃貸サービス・プラットフォームを構築し、「デジ
タル不動産」システムを先行的に完成させた。2019年末までに、総合住宅賃貸サービス・プラットフォー
ムは全国324の地区以上のレベルの行政区域で開始され、いずれも累計ベースでアパート件数は20百万戸、
登録者数は21百万人を超えた。当グループは住宅賃貸の業界団体を組成し、標準的なリフォームや専門性
の高いサービスを提供することにより、より良い賃貸経験を居住者に提供するとともに、 オープンで効率
性の高い新たな住宅賃貸共有エコシステム を構築した。さらに、革新的な住宅受託事業を導入し、賃貸市
場により多くの遊休物件を誘致した結果、 累計契約戸数は800,000戸を超えた 。
インクルーシブ・ファイナンスの量と質の両面での改善 当グループは、インクルーシブ・ファイナン
スについてはプラットフォーム・ベースの運営を行っているが、そのサービスの対象範囲、利用可能性お
よび満足度を全面的に改善するため、様々なシナリオにおけるインクルーシブ・ファイナンスの新たなス
マート・モードの探求を継続した。2019年末現在、当行のインクルーシブ・ファイナンスによる貸出は、
2018年から353,081百万人民元増加して963,155百万人民元となった。インクルーシブ・ファイナンスの借
入人数は、2018年から310,000人近く増加して約1.33百万人となった。 「小規模・零細企業向け迅速ロー
ン」に代表される新様式の商品は 、累計で1.7兆人民元を超える規模となり、1.03百万近くの小規模・零細
企業に貢献した。また、 農村振興のための革新的な総合サービス・プラットフォーム 「CCB裕農通
(Yunongtong)」 を構築し、さらに多くのインクルーシブ・ファイナンス・サービスを農村地域に提供し
た。
フィンテックによる権限付与の加速 当グループは、人工知能、ブロックチェーン、モノのインター
ネットなどのサービス・プラットフォームを積極的に構築し、「5G+インテリジェント・バンキング」の
サービス機能向上を図り、金融業界およびコミュニティの双方に権限を付与した。新世代中核バンキン
グ・システムの適用を当グループの海外29拠点にも拡大し、中核システムの銀行機能をグループ内の機
関、顧客、商品、サービスおよびチャネルと共有する能力を向上させた。当グループは顧客本位のリテー
ル・モデルを構築し、解放性と共有、ウィンウィンの価値創造、デジタル相互接続を推進したほか、取引
ビジネスと新興ビジネスのシームレスな統合を特徴とする新たなコーポレート・バンキング・モデルや、
インテリジェント、効率的および厳格なリスク管理を特徴とするインクルーシブ・ファイナンス・サービ
スを構築した。また、産業登記、商業登記、税務、社会保障、訴訟に関する131セットの外部データを導入
し、これをリスクの防止・管理といった40以上のビジネス・シナリオやクレジットカード管理に組み込
み、データ活用の継続的な拡大を図った。
2020 年の見通し
努力を続ければ、長く辛い道程であっても目的地に辿り着く。2020年においては、国際的な経済情勢、
金融情勢はますます複雑かつ困難なものとなっており、中国の経済構造の変換と高度化は極めて重要な段
階にある。新型コロナウイルス感染症の突然の大流行は世界的な感染を加速させており、世界経済や金融
市場に大きな打撃を与えるだけでなく、中国経済にも一層の下方圧力をかけている。その結果、銀行業界
47/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
の運営においては不確実性が増大し、「不確実性の中で、どのようにして確実性を追求するのか」という
問題は、2020年に当グループが取り組むべき大きな難問となる可能性がある。最近のG20特別首脳会議、特
に 中国の習近平国家主席が行った4つの提案は、新型コロナウイルス感染症を克服し、世界経済と金融市
場の安定化のためのG20諸国の協力というプラスのシグナルを送るものであり、安心材料である。グローバ
ルなシステム上重要な銀行として、当行は意識的に大手銀行としての責務を担い、新型コロナウイルス感
染症の予防と管理を効果的に支援し、実体経済に奉仕し、顧客と共にこの一時的な困難を克服する所存で
ある。さらに、「3つの能力」の向上、「3つの主要戦略」の実施の推進、政府、ビジネスおよび顧客コ
ミュニティの「3つのコミュニティ」の可能性の追求、インフラ・ファイナンス、住宅金融および総合金
融免許の「3つの強み」の最大限の活用、法人向け銀行業務、個人向け銀行業務および資産管理業務の
「3本の柱」の構築、新世代中核バンキング・システム、ビッグデータおよび非金融サービスの「3つの
ツール」の最大限の活用、北京・天津・河北地域、広東・香港・マカオ大湾区および長江経済ベルトの
「3つの地域」における事業展開の加速、リスクの防止・管理のための基本線の堅持ならびに安定的な金
融市場の維持のための取組みを強化した。さらに、「6つの能力」、すなわちガバナンスとビジネスの融
合の深化、開発追求の動向の把握、事業成長のための知識と経験の活用、運営のデジタル化の強化、経営
の高度化の実現、業務執行の高度な効率化の実現を図り、全事業の健全かつバランスのとれた質の高い発
展を推し進め、あらゆる点で適度に豊かな社会づくりに貢献する。
最後に、経営陣を代表して、当行取締役会および監査役会の多大な支援ならびに顧客の信頼および当行
職員の懸命な努力に対して感謝の意を表したい。
リスク管理
2019 年、当グループは、事業展開はリスク管理統制能力の範囲内に限定すべきであるという指針に基づ
き、包括的、積極的かつインテリジェントなリスクの防止・監視・管理体制を堅実に整備した。また、当
グループの資産内容は健全性を維持し、あらゆる種類のリスクは安定を維持した。当グループは金融リス
ク防止能力の一層の向上を図り、グループの安定的な運営と革新的な開発を強化した。
当グループは、「着実、慎重、包括的かつ積極的な」リスク文化の育成、あらゆるレベルの企業体なら
びにあらゆる種類のリスクおよび事業の管理向上の推進、戦略、経営、事業およびプロセスに対するリス
ク管理の積極的な統合、さらに潜在的リスクの防止と軽減に向けた積極的なリサーチを継続的に行った。
また、当グループはインテリジェントなリスク管理システムを構築した。「手動管理」から「機械管理+
インテリジェント管理」への変革を加速させるとともに、リスク管理のデジタル化、インテリジェント化
および集中化を向上させた。
リスク管理の構造
当行のリスク管理の組織構造は、取締役会およびその特別委員会、幹部役員およびその特別委員会、関
連するリスク管理部等で構成されている。基本的な構造は以下のとおりである。
48/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
取締役会は、当行の定款およびその他の関連する規制要件に従ってリスク管理責任を遂行する。取締役
会傘下のリスク管理委員会は、リスク管理戦略の策定、実施の監視および全体的なリスク・プロファイル
の評価を定期的に行う責任を負っている。取締役会は、リスク選好ステートメントを定期的に見直し、関
連方針を通じてリスク選好を伝える。監査役会は、総合リスク管理システムの構築に加え、取締役会およ
び幹部役員による総合リスク管理責任の履行を監視する。幹部役員は、取締役会が採用したリスク戦略を
実施する責任と、グループ全体における総合リスク管理活動の実施を組織する責任を負う。
当行の最高リスク責任者は、指定された責任の範囲内で、対応するリスク管理業務について総裁を補佐
する。リスク管理部は、当グループの総合リスク管理について責任を負う主導的な管理部門であり、その
下部組織である市場リスク管理部は、市場リスク管理を担当している。与信管理部は、全体的な信用リス
ク管理およびカントリー・リスク管理について責任を負う主導的な管理部門である。資産負債管理部は、
銀行勘定の流動性リスクおよび金利リスクの管理について責任を負う主導的な管理部門である。内部統
制・コンプライアンス部は、オペレーショナル・リスクおよび情報技術リスクの管理について責任を負う
主導的な管理部門である。レピュテーショナル・リスク管理については、広報・企業文化部が担当してい
る。戦略政策調整部は、戦略的リスク管理について責任を負う主導的な管理部門である。その他のそれぞ
れのリスクに関しては、各専門的部門が責任を担っている。
当行は、子会社のリスク管理を非常に重視しており、リスク選好の遵守状況を監視するとともに、子会
社の全体的なリスク評価を定期的に実施している。また、子会社のリスク管理に関する一元的な報告体制
を確立し、子会社のコーポレート・ガバナンスの継続的な改善を促した。子会社は、コーポレート・ガバ
ナンス体制を通じて親会社である銀行のリスク管理要件を実施するとともに、総合リスク管理システムを
構築、改善し、法令を遵守した業務やリスク管理における能力を強化した。
信用リスク管理
2019 年においては世界経済の成長鈍化が続き、国内経済への下押し圧力が高まった。複雑で厳しい外部
環境を背景に、当グループは包括的、積極的かつインテリジェントなリスクの防止・監視・管理システム
を構築、改善し、信用資産構造の最適化を継続した。その結果、資産内容は着実に改善し、堅調に推移し
た。
当グループは引き続き信用構造の調整を行った。リテール事業における優位性を高め、インクルーシ
ブ・ファイナンス事業を拡大し、グリーン・ファイナンス事業および住宅賃貸事業の持続可能な発展を促
49/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
し、インフラ・セクターにおける開発の優位性を強固なものにした。また、製造業の変革と高度化を強力
に支援し、市場対応へのスピードを加速させるとともに、主要分野や新興事業における実質的なリスク管
理 を強化した。当グループは、資源配分および構造調整のためのプラットフォームとしての包括的な与信
枠管理の十分な活用、顧客選別基準の強化および信用戦略の厳格な実施を行った。
また、与信プロセスと与信メカニズムを改善した。フィンテックを使用して融資前の審査を強化し、評
価、格付けおよび与信承認の規則と手続きを改善した。さらに、第一次支店での集中与信承認を推進し
た。当グループは、融資プロセスにおける融資審査と貸付実行の質の向上、融資後のフォローアップ会議
の体制や担保集中管理の推進、さらにリテール事業のためのスマート回収プラットフォームの構築を行っ
た。当グループ全体の集中信用リスク監視システムを改善し、モニタリングの多面性と鋭敏性を高めた。
当グループはリスク測定能力を強化した。また、顧客の選別、経営の意思決定およびリスク管理のため
の測定ツールの支援を強化し、オンライン事業のリスク・スキャン&検知システムの開発および適用、リ
テールの小規模・零細企業向けスコアカードの最適化を行い、リテール顧客のリスク制限モデルを立ち上
げ、個人顧客を対象としたリスク評価システムのマーケティングへの適用を推進した。市町村および地区
レベルの地方自治体を対象に格付・リスク制限モデルを開発、適用し、大手・中堅メーカーの格付モデル
を最適化し、財務諸表のインテリジェント認識と入力を実現した。また、リスク警戒・検知システムと高
度なモバイル・リスク管理アプリケーションの適用を進めた。さらに、経済資本測定モデルを最適化し、
リスクとリターンのバランスを取るよう支店を指導した。
当グループは特別資産の運用能力を強化した。不良資産の処分を進め、運用と処分の「量・質・効率
性」を相乗的に向上させた。不良資産を市場志向型のデット・エクイティ・スワップに積極的に転換し、
民間企業の信用リスクを効果的にヘッジした。また、フィンテックへの投資を増やし、オンライン製品の
リサーチを進め、特定資産処分のためのデジタルかつインテリジェントなプラットフォームを構築した。
5分類による貸出の内訳
以下の表は、表示日現在の当グループの貸出を5つの貸出区分に分類し、その内訳を示したものであ
る。なお、不良債権には、破綻懸念、実質破綻および破綻に分類された貸出が含まれている。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する
全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
正常 14,336,247 95.65 13,157,944 95.72
要注意 439,186 2.93 387,430 2.82
破綻懸念 105,633 0.71 81,432 0.59
実質破綻 82,569 0.55 93,270 0.68
破綻 24,271 0.16 26,179 0.19
貸出金総額(未収利息を除く。) 14,987,906 100.00 13,746,255 100.00
不良債権 212,473 200,881
不良債権比率 1.42 1.46
2019 年、当グループは、包括的、積極的かつインテリジェントなリスクの防止・監視・管理システムを
構築し、継続的に最適化を行った。与信管理能力を向上させることにより信用構造の調整を行い、プロセ
50/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ス管理および連結リスクベースの高度化を図った。その結果、資産内容は着実に改善し、堅調に推移し
た。2019年末の当グループの不良債権は、2018年から11,592百万人民元増の212,473百万人民元であった。
不 良債権比率は1.42%となり、2018年を0.04ポイント下回った。要注意の貸出が顧客に対する貸出金総額
(未収利息を除く。)に占める割合は2.93%となり、2018年から0.11ポイント上昇した。
貸出および不良債権の商品別内訳
以下の表は、表示日現在の当グループの貸出および不良債権を商品別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
不良債権 不良債権
(百万人民元、%を除く)
貸出 不良債権
貸出 不良債権
比率(%) 比率(%)
法人向け貸出 6,959,844 171,846 2.47 6,497,678 169,248 2.60
短期貸出 2,205,697 79,342 3.60 2,000,945 73,974 3.70
中・長期貸出 4,754,147 92,504 1.95 4,496,733 95,274 2.12
個人向け貸出 6,477,352 26,736 0.41 5,839,803 24,076 0.41
住宅ローン 5,305,095 12,484 0.24 4,753,595 11,414 0.24
クレジットカード・ローン 741,197 7,651 1.03 651,389 6,387 0.98
個人向け消費者ローン 189,588 2,643 1.39 210,125 2,302 1.10
個人向け事業ローン 44,918 1,184 2.64 37,287 1,391 3.73
その他のローン 196,554 2,774 1.41 187,407 2,582 1.38
割引手形 492,693 724 0.15 308,368 - -
海外業務および子会社 1,058,017 13,167 1.24 1,100,406 7,557 0.69
貸出金総額(未収利息を除
く。) 14,987,906 212,473 1.42 13,746,255 200,881 1.46
貸出および不良債権の産業別内訳
以下の表は、表示日現在の当グループの貸出および不良債権を産業別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に 全体に
不良債権 不良債権
対する割合 対する割合
(百万人民元、%を除く) 貸出 (%) 不良債権 比率(%) 貸出 (%) 不良債権 比率(%)
法人向け貸出 6,959,844 46.43 171,846 2.47 6,497,678 47.27 169,248 2.60
運輸、倉庫および郵政事業 1,398,515 9.33 23,305 1.67 1,307,712 9.51 16,033 1.23
製造 1,080,296 7.21 71,289 6.60 1,092,369 7.95 79,422 7.27
リースおよび商業サービス 1,058,276 7.06 8,927 0.84 962,465 7.00 4,647 0.48
1,038,417 6.93 8,518 0.82 928,327 6.75 4,338 0.47
- 商業サービス
電力、熱、ガス、水の生産
および供給 794,734 5.30 8,176 1.03 803,746 5.85 9,075 1.13
不動産 560,580 3.74 5,274 0.94 510,045 3.71 8,505 1.67
卸売業および小売業 494,876 3.30 25,954 5.24 373,246 2.72 26,064 6.98
水、環境、および公益事業
管理 423,191 2.82 3,912 0.92 390,220 2.84 2,390 0.61
建設 310,783 2.07 5,359 1.72 281,932 2.05 5,907 2.10
51/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
鉱業 205,966 1.38 8,685 4.22 222,771 1.62 11,281 5.06
- 石油および天然ガスの
開発 1,438 0.01 89 6.19 3,231 0.02 90 2.79
情報伝達、ソフトウェア
および情報技術サービス 72,430 0.48 874 1.21 53,230 0.39 410 0.77
- 電気通信、放送およびテ
レビ、衛星伝達サービス 27,716 0.18 34 0.12 26,382 0.19 38 0.14
教育 64,791 0.43 255 0.39 64,212 0.47 397 0.62
その他 495,406 3.31 9,836 1.99 435,730 3.16 5,117 1.17
個人向け貸出 6,477,352 43.22 26,736 0.41 5,839,803 42.48 24,076 0.41
割引手形 492,693 3.29 724 0.15 308,368 2.24 - -
海外業務および子会社 1,058,017 7.06 13,167 1.24 1,100,406 8.01 7,557 0.69
貸出金総額(未収利息を除
く。) 14,987,906 100.00 212,473 1.42 13,746,255 100.00 200,881 1.46
2019 年、当グループは、与信方針の最適化、顧客選別基準の精緻化、厳格な業界制限の維持および与信
構造の継続的な改善を行った。製造業の変革と高度化を積極的に支援し、実体経済を支えるための具体的
な取組みを行った。インフラ・セクターの不良債権比率は、相対的に低い水準に留まった。製造業ならび
に卸売業および小売業の不良債権比率は、ともに2018年を下回った。個人向け貸出の不良債権比率は横這
いであった
顧客に対する条件緩和貸出金
以下の表は、表示日現在の当グループの顧客に対する条件緩和貸出金を示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
貸出金総額(未収利息を 貸出金総額(未収利息を
除く。)に対する割合 除く。)に対する割合
(百万人民元、%を除く) 金額 (%) 金額 (%)
顧客に対する条件緩和貸出金 6,030 0.04 5,818 0.04
2019 年末現在の顧客に対する条件緩和貸出金は、2018年から212百万人民元増の6,030百万人民元とな
り、貸出金総額(未収利息を除く。)に対する割合は横這いであった。
顧客に対する期限経過貸出金
以下の表は、表示日現在の当グループの顧客に対する期限経過貸出金を延滞期間別に示したものであ
る。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
貸出金総額(未収利息を 貸出金総額(未収利息を
除く。)に対する割合 除く。)に対する割合
(百万人民元、%を除く) 金額 (%) 金額 (%)
3ヶ月間以内の延滞 48,567 0.32 55,045 0.40
3ヶ月超6ヶ月以内の延滞 23,125 0.15 27,131 0.20
6ヶ月超1年間以内の延滞 46,297 0.31 38,132 0.28
1年超3年間以内の延滞 42,843 0.29 45,970 0.33
52/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
3年超の延滞 12,051 0.08 9,443 0.07
顧客に対する期限経過貸出金合計 172,883 1.15
175,721 1.28
2019 年末現在の顧客に対する期限経過貸出金は、2018年から2,838百万人民元減の172,883百万人民元と
なり、貸出金総額(未収利息を除く。)に対する割合は0.13ポイント下回った。
貸出の移行率
(%) 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
正常貸出金の移行率 2.52 2.26 2.31
要注意貸出金の移行率 15.97 20.19 24.26
破綻懸念貸出金の移行率 50.11 66.44 71.14
実質破綻貸出金の移行率 20.60 16.39 14.12
1. 貸出金の移行率は、CBIRCの関連要件に従って連結ベースで算出されている。
大口エクスポージャーの管理
当グループは、大口エクスポージャー管理のシステム、基準及びプロセスを設定、改善し、大口エクス
ポージャーの管理措置と制限管理手続を確立した。また、ITシステムの構築を促進し、様々なシステムお
よび業務ラインにおける全商品の大口エクスポージャーのオンライン管理を強化した。
貸出の集中度
2019 年末現在、当グループの最大の単一融資先への貸出総額は、控除後の総自己資本の2.65%を占めた
一方、上位10位の融資先への貸出総額は、控除後の総自己資本の10.82%であった。
2019 年12月31日 2018 年12月31日 2017 年12月31日
集中度指標
現在 現在 現在
最大の単一融資先への貸出割合(%) 2.65 2.95 4.27
融資先上位10位の顧客への貸出割合(%) 10.82 13.05 13.90
以下の表は、表示日現在の当グループの融資先上位10位を示したものである。
2019 年12月31日現在
貸出総額(未収利息を
(百万人民元、 除く。)に対する割合
%を除く) 産業 金額 (%)
顧客A 運輸、倉庫および郵政事業 69,958 0.47
顧客B 運輸、倉庫および郵政事業 32,484 0.22
顧客C 運輸、倉庫および郵政事業 30,176 0.20
顧客D 運輸、倉庫および郵政事業 25,478 0.17
顧客E 金融業 23,299 0.15
顧客F 運輸、倉庫および郵政事業 22,838 0.15
顧客G 金融業 22,000 0.15
顧客H 運輸、倉庫および郵政事業 21,028 0.14
顧客I 金融業 19,299 0.13
53/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
顧客J 運輸、倉庫および郵政事業 18,805 0.12
合計 285,365 1.90
流動性リスク管理
取締役会は、流動性リスク管理に対する最終的な責任を担い、特別委員会には各関連職務を遂行する権
限を与えるとともに、流動性リスク戦略およびリスク選好の見直しおよび承認を行う。幹部役員は、取締
役会が設定した流動性リスク戦略を実行し、流動性リスク管理業務の実施を組織する。監査役会は、流動
性リスク管理における取締役会および幹部役員の職務遂行を監督し、評価する。資産負債管理部が中心と
なって、当行の日常的な流動性リスク管理を行うほか、事業管理部門や支店とともに、流動性リスク管理
の具体的職務を遂行する執行システムを構築する。子会社は、自らの流動性リスク管理について主たる責
任を負う。
当グループの流動性リスク管理の目的は、支払・決済の安全性を確保することであり、全体的な戦略
は、慎重さ、分権化、調整および分散化を特徴とする。流動性リスクが生じる主たる要因としては、流動
資産の大幅な流動性低下、ホールセール預金およびリテール預金の大量の流出、ホールセールおよびリ
テールの資金調達が困難になること、資金調達期間の短縮、資金調達コストの増大、市場流動性の著しい
悪化、当行の支払・決済システムの突然の機能停止などがある。本店は、規制要件、外部的なマクロ環境
および当行の事業発展を踏まえ、流動性リスクの特定、測定および監視手法の策定、リスク制限管理基準
の作成、日中流動性管理の実施、グループ・レベルでのストレス・テストの定期的な実施、緊急時対応策
の見直しおよび評価を行っている。
2019 年、当グループは、流動性リスク管理にあたり耐性と慎重さの原則を堅持し、内外の資金調達の変
化に応じた調整と対応、資金調達へのアクセスと資金使途の管理、金融政策の手段を調整するための積極
的な対応、さらに資産と負債の規模と構造の合理的な調整を行った。またフィンテックの活用により、流
動性リスク管理の基盤を強化した。親会社である銀行とその子会社の協調的な取組みにより、精緻化され
た流動性リスク管理の水準は十分に向上し、当行の支払・決済の安全性は確保された。
流動性リスクのストレス・テスト
当グループでは、実現性の低い極端なシナリオや当行に不利益なその他のシナリオにおけるリスク許容
度を測定するため、流動性リスクに関するストレス・テストを四半期毎に実施するとともに、規制上およ
び社内管理上の要件に基づき流動性リスクのストレス・テストの手法を改善した。ストレス・テストの結
果は、当グループの流動性リスクが、様々なストレス・シナリオにおいてコントロールされていることを
示している。
流動性リスク管理の指標
当グループは、流動性リスクの測定のために、流動性指標分析、残存期間分析および割引前キャッ
シュ・フロー分析を採用している。
以下の表は、表示日現在の当グループの流動性比率および預貸率を示したものである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日 2017 年12月31日
( 単位:%) 規制上の基準 現在 現在 現在
人民元 25 以上 51.87 47.69 43.53
(1)
流動性比率
外貨 25 以上 68.29 84.88 74.52
(2)
77.68 73.71
預貸率 人民元 70.73
54/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(1) CBIRCの要件に従い、流動資産を流動負債で除すことにより算出されている。
(2) CBRCの要件に従い、国内法人ベースで算出されている。
商業銀行の流動性リスク管理に関する管理方法の要件に基づき、流動性カバレッジ比率は、高品質な流
動性資産を将来的な30日間のキャッシュ・アウトフロー純額で除した値に等しい。当グループの高品質な
流動資産には、主に、ソブリンや中央銀行が保証または発行したリスク・ウェイトがゼロまたは20%の有
価証券や、ストレス状況下でも利用可能な中央銀行預け金が含まれている。当グループの2019年度第4四
半期の平均日次流動性カバレッジ比率は154.83%であり、規制要件を遵守していた。第4四半期の流動性
カバレッジ比率は、主に高品質な流動性資産、担保付貸出(リバース・レポおよび有価証券借入を含
む。)ならびに十分な稼働債権からの流入額の増加により、前四半期から16.00ポイント上昇した。
以下の表は、表示日現在の当グループの流動性カバレッジ比率を示したものである。
(単位:百万人民元、%を 2019 年 2019 年 2019 年 2019 年 2018 年
除く) 第4四半期 第3四半期 第2四半期 第1四半期 第4四半期
適格かつ高品質な流動資産 4,323,267 4,196,573 4,309,848 4,317,948 4,209,453
キャッシュ・アウトフロー
純額 2,806,467 3,027,574 2,996,749 2,938,487 2,991,869
流動性カバレッジ比率
(1)
(%) 154.83 138.83 143.88 147.12 140.78
(1) 本報告機関に適用される規制要件、定義および会計基準に従って計算されている。すべての数値は、四半期の各暦
日の値の単純算術平均を示している。
安定調達比率(以下「NSFR」という。)は、入手可能な安定調達額を所要安定調達額で除して計算され
る。これは、商業銀行が、各種資産の必要性やオフバランスシート上のリスク・エクスポージャーに対応
するための十分かつ安定的な資金調達源を有しているか否かの評価に使用される。本報告期間に適用され
る規制要件、定義および会計基準に従い、当グループの2019年12月31日現在のNSFRは129.12%であり、規
制要件を遵守している。9月30日現在から1.48ポイント低下したのは、稼働債権、有価証券その他の資産
における所要安定調達額の増加が主な要因である。6月30日現在から0.71ポイント上昇したのは、リテー
ル預金および小企業顧客からの預金ならびにホールセール資金調達において、入手可能な安定調達額が増
加したことによる。
以下の表は、表示日現在の当グループの NSFR を示したものである。
(単位:百万人民元、%を 2019 年 2019 年 2019 年 2019 年 2018 年
除く) 12 月31日現在 9月31日現在 6月30日現在 3月31日現在 12 月31日現在
入手可能な安定調達額 17,720,370 17,329,553 16,991,797 16,914,591 15,994,683
所要安定調達額 13,723,611 13,269,145 13,232,894 13,202,701 12,645,878
安定調達比率(%) 129.12 13 0.60 128.41 128.11 126.48
流動性カバレッジ比率と安定調達比率の詳細については、「Unaudited Supplementary Financial
Information」を参照のこと。
以下の表は、表示日現在の当グループの資産および負債のギャップを残存期間別に示したものである。
55/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
1ヶ月から 3ヶ月から 1年から
(単位:百万人民元) 期限なし 要求払 1ヶ月未満 3ヶ月 1年 5年 5年超 合計
2019 年12月31日現在の
正味ギャップ 2,700,022 (10,568,933) 37,627 (483,565) (183,339) 2,445,984 8,287,331 2,235,127
2018 年12月31日現在の
正味ギャップ 2,596,087 (10,147,155) (144,391) (585,977) (106,509) 3,181,995 7,197,544 1,991,594
当グループは、様々な事業の資産と負債の満期差異を定期的に監視し、異なる期間について流動性リス
ク評価を行っている。2019年12月31日現在、当グループの満期差異の累計ギャップは2,235,127百万人民元
であり、前年度から243,533百万人民元増加した。要求払による返済の負のギャップは、421,778百万人民
元増の10,568,933百万人民元となったが、これは主に、顧客基盤の拡大により預金残高が比較的急速に増
加したためである。当グループは、要求払預金の回転率が低く、預金が着実に増加していることから、今
後も安定的な資金源を確保し、健全な流動性ポジションを維持するものと予想される。
市場リスク管理
金利リスクと為替リスクが、当グループが直面している主な市場リスクである。
2019 年、当グループは為替市場、債券市場および株式市場の変動に積極的に対応し、国外から持ち込ま
れたリスクやリスク間連鎖を効果的に阻止した。また、商品、事業および顧客面での規則や方針の改善、
市場リスク管理の長期的メカニズムの改善、ITシステム構築の全面的な強化、さらに市場リスク管理の地
盤固めを行った。その結果、当グループの市場リスク管理能力は一段と向上した。
これに加え、主要市場の動向や関連リスクの監視の強化、重大なリスク事象への対応に関する調査の拡
大、市場リスクおよびトレーディング・投資業務に関する監視指標システムの構築を行ったほか、トレー
ディング顧客および投資顧客の統一的なリスク像を拡充した。エクスポージャー・リスクの高い顧客を追
跡し、早期に対策を講じるための仕組みを構築するとともに、オンライン・ツールを活用して早期警戒の
質と効率を改善した。投資・トレーディング業務における高度な管理・統制プラットフォームの構築の推
進、資産管理業務におけるリスク管理体制の整備を行い、債券引受リスク警戒システムや銀行間取引のた
めのリスク分類システムの稼働を開始するなど、金融市場取引業務の標準化を図った。資産管理業務の変
革を着実に進めたほか、移行期間におけるリスク管理を強化した。また、新商品のリスク評価とリスク防
止を強化した。さらに、事業アクセス基準、リスク審査、情報報告等の管理を強化し、金融機関、市場お
よび業種を越えた金融リスクの伝播を防止した。
バリュー・アット・リスク分析
当行は、オンバランスおよびオフバランスの資産と負債を、トレーディング勘定と銀行勘定に分けてい
る。また、市場金利や為替等の市場価格の変動により当行のリスク・ポジションに生じ得る潜在的な損失
を測定し、監視するために、トレーディング・ポートフォリオのVaR(予想最大損失額)分析を実施してい
る。当行では、人民元および外貨建てのトレーディング・ポートフォリオのVaRを日次で算出している(信
頼水準は99%、保有期間は1営業日) 。
貸借対照表日現在および各年度中の当行のトレーディング勘定のVaRの状況は、以下のとおりである。
2019 年 2018 年
12 月31日現 12 月31日現
平均 最大 最低 平均 最大 最低
(単位:百万人民元) 在 在
トレーディング・ポート
フォリオのリスク評価額 253 302 341 227
327 179 336 92
- 金利リスク 59 85 117 57
85 59 104 32
56/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
- 外国為替リスク 262 298 361 234
323 176 332 77
- 商品リスク ▶ 12 31
- - 6 39 -
金利リスク管理
当グループの金利リスクの主要な要因は、金利更改期間のミスマッチや、資産と負債の価格設定ベンチ
マークの不一致によるギャップ・リスクとベーシス・リスクである。
金利リスク管理の枠組みや管理システムを当グループの状況に照らして整備し、堅固で慎重な金利リス
ク管理戦略を実施した。金利リスク方針は、当グループの開発戦略、リスク選好およびリスク管理能力に
則しており、金利リスクと収益性との健全なバランス、金利変動に伴う正味受取利息と経済価値の変動の
最小化、さらに着実な利益成長と安定的な資本構成の確保を目的としている。当グループは、金利改定
ギャップ分析、正味受取利息や経済価値の感応度分析、デュレーション分析、ストレス・テスト、経済資
本分析など、銀行勘定の金利リスクを測定するための様々な測定方法を採用して分析を行った。当グルー
プは、貸借対照表の定量ツール、内外の価格決定ツール、計画および業績の評価ならびに内部資本評価を
含む様々な手段を組み合わせて金利リスクの管理と評価を行い、業務ライン、海外拠点および子会社の金
利リスクを効果的に管理し、銀行勘定の金利リスクを許容範囲内に確保した。
2019 年、当グループは外部金利環境の変化を注視し、動態的リスクの監視と予測を強化した。また、商
品ポートフォリオや資産と負債の期間構造の最適化を継続して行い、資産と負債の堅調な伸びを維持し
た。内外の価格決定戦略の柔軟な調整、資産と負債のデュレーション調整の強化、革新的な商品に伴う金
利リスクの効果的な管理を行い、正味受取利息の着実な増加を維持するとともに、正味金利マージンの安
定化を図った。さらに、金利自由化に関するPBCの要件を積極的に実施し、ローンのプライムレート改革の
円滑な移行を効果的に推進した。当グループは、海外拠点や子会社における金利リスク管理の有効性をさ
らに向上させ、海外支店や子会社の金利リスク制限管理の最適化を図った。最新の規制要件に従い、金利
リスク管理規則の一層の改善、金利リスク管理システムの構築の促進、さらにモデルおよびリスク測定の
改良を行うことにより、当グループの金利リスク管理の基盤を固めた。本報告期間中のストレス・テスト
の結果は、いずれの指標も制限枠内に収まっていることを示しており、当グループの銀行勘定の金利リス
クは全体的に低水準で推移した。
2017 年、英国の金融行為規制機構は、2021年末以降は、ロンドン銀行間取引金利(以下「LIBOR」とい
う。)のための金利の提示を要請または依頼しない旨を宣言した。当行は、代替参照金利の導入による影
響に積極的に対処するとともに、関連分野の定量分析を完了し、全体的な基準や方針を確認した。当行の
LIBORに基づく外貨建てビジネスが全体に占める割合は相対的に低く、代替参照レートへの移行に伴うリス
クは極めて限定的である。当行は、今後、各国における新たな指標金利の設定の進捗を注視し、LIBORから
の秩序ある移行を促すとともに、中国の金融監督体制の下で関連リスクを実質的に制御していく方針であ
る。
金利感応度ギャップ分析
以下の表は、表示日現在の当グループの資産および負債の金利感応度ギャップの分析を、次回の金利更
改予定日または満期日(いずれか早く到来する期日)別に示したものである。
3ヶ月から
(単位:百万人民元) 無利子 3ヶ月未満 1年 1年から5年 5年超 合計
2019 年金利感応度ギャップ分析 173,493 (1,696,225) 2,285,433 (712,910) 2,185,336 2,235,127
2019 年累積金利感応度ギャップ (1,696,225) 589,208 (123,702) 2,061,634
2018 年金利感応度ギャップ分析 52,746 (1,019,800) 1,308,199 (9,511) 1,659,960 1,991,594
2018 年累積金利感応度ギャップ (1,019,800) 288,399 278,888 1,938,848
57/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年末現在、当グループの満期1年未満の資産および負債の金利更改ギャップは、前年度から300,809
百万人民元増の589,208百万人民元となったが、これは、主に貸出金や金融市場からの資産の占める割合が
増加したためである。満期が1年超の資産および負債のギャップはプラス1,472,426百万人民元となり、主
に1年超の定期預金の割合の増加により前年度から178,023百万人民元減少した。
正味受取利息の感応度分析
正味受取利息の感応度分析は、2つのシナリオに基づいている。第1のシナリオでは、すべてのイール
ドカーブが並行に100ベーシスポイント上下する一方、PBCの預金金利は不変と仮定する。第2のシナリオ
では、PBCの預金金利と要求払預金金利は不変とする一方、他のイールドカーブは並行に100ベーシスポイ
ント上下すると仮定するものである。
以下の表は、表示日現在の異なるシナリオにおける当グループの正味受取利息の変動を示したものであ
る。
シナリオ2:PBCの預金金利と
シナリオ1:PBCの預金金利は不変
要求払預金金利は不変
100 ベーシス 100 ベーシス 100 ベーシス 100 ベーシス
(単位:百万人民元) ポイント上昇 ポイント下落 ポイント上昇 ポイント下落
2019 年12月31日現在 (35,183) 35,183 77,716 (77,716)
2018 年12月31日現在 (32,453) 32,453 69,138 (69,138)
為替リスク管理
当グループは、主に、人民元以外の通貨で保有する資産および負債の通貨のミスマッチ、ならびに金融
市場におけるマーケット・メーカーとして保有するポジションに起因する為替リスクに晒されている。為
替リスク・エクスポージャーやストレス・テスト等の手法を組み合わせて測定、分析を行い、資産と負債
のマッチング、限度額管理、ヘッジ等を行うことにより、為替リスクの軽減を図った。
2019 年、当グループは、国際経済の動向や国際金融市場の変化を注視し、米中貿易摩擦や英国のEU離脱
が主要為替レートに与える影響に注目し、新興市場の為替レートのリサーチの強化、複数通貨の為替リス
ク予測能力の向上を図り、市場ヘッジを効果的に実施した。また、為替リスク管理体制の構築強化、金の
リスク・エクスポージャーの測定方法の改善、為替リスク・システムのストレス・テスト機能の最適化を
行い、為替リスク測定の精度および自動化を向上させるべく海外法人を指導した。本報告期間中、当グ
ループの為替リスク・エクスポージャーは全般的に安定しており、CBIRCの規制要件を引き続き遵守してい
た。為替リスクのストレス・テストの結果は、リスクが全般的に管理されていたことを示している。
通貨の集中状況
以下の表は、表示日現在の当グループの通貨の集中状況を示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
米ドル 香港ドル その他 米ドル 香港ドル その他
(人民元 (人民元 (人民元 (人民元 (人民元 (人民元
(単位:百万人民元) 相当額) 相当額) 相当額) 合計 相当額) 相当額) 相当額) 合計
直物取引の資産 1,177,322 336,136 473,907 1,987,365 1,053,925 336,580 402,370 1,792,875
直物取引の負債 (1,280,135) (388,492) (324,861) (1,993,488) (1,029,400) (371,917) (291,300) (1,692,617)
先物取引(買い) 2,126,358 174,874 185,347 2,486,579 2,765,210 181,417 205,064 3,151,691
先物取引(売り) (1,988,021) (79,784) (309,671) (2,377,476) (2,760,568) (106,381) (296,062) (3,163,011)
58/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
正味オプション・
ポジション (14,714) - (10) (14,724) (13,216) 16 - (13,200)
正味ロング・
ポジション 20,810 42,734 24,712 88,256 15,951 39,715 20,072 75,738
2019 年末現在、当グループの為替リスクの純エクスポージャーは、外国通貨における利益の増加を主因
として、前年度から12,518百万人民元増の88,256百万人民元となった。
オペレーショナル・リスク管理
2019 年、当グループは、オペレーショナル・リスク管理に関する方針策定の強化、データの統計分析お
よびポジション管理の強化、管理ツールの活用推進ならびにオペレーショナル・リスクの管理能力の向上
を図った。また、事業継続管理の強化、事業影響分析の実施、緊急時対策の整備を行うことで、緊急時対
応能力を強化した。
さらに、オペレーショナル・リスク管理に関する方針決定システムの改善およびオペレーショナル・リ
スクの管理措置の見直しを行った。当グループは、規制上の罰則その他規制違反による損失を分析し、違
反による追加的な損失を未然に防止するべく結果の適用を強化し、新商品のオペレーショナル・リスク評
価の実施、オペレーショナル・リスクの事前管理の強化、オペレーショナル・リスクの自己評価を実施す
るための重点分野の選定、潜在リスクを軽減するための方針、プロセスおよびシステムの改訂を行ったほ
か、オペレーショナル・リスクの早期警戒能力向上のための主要リスク指標の定期的なモニタリング、互
換性のないポジションに関するマニュアルの再点検、重要なポジション・リストの作成、ポジション間の
バランスを強化するための実施状況の定期的な確認を行った。また、新たなビジネス・インパクト分析を
実施し、主要事業、主要資源、緊急時対応策などの優先順位の明確化を行うとともに、事業継続管理の関
連方針の発表および周知、緊急時対策制度の枠組みとテンプレートの整備、事業継続管理の自動化および
デジタル化向上のための新たな事業継続管理プラットフォームの構築を行った。
マネーローンダリング防止
2019 年、当グループは、AML、テロ資金供与および脱税の阻止に関する規制要件に加え、他の関連する規
制要件も厳格に実施した。リスク・ベースのアプローチに沿って、あらゆる法的義務を誠実に履行し、総
合的なリスク管理の枠組みの中でマネーローンダリング・リスク管理の健全な仕組みを構築し、顧客確認
管理、マネーローンダリング・リスクの評価および疑わしい取引の監視を強化し、AML管理の遵守および有
効性を改善した。
また、AMLのルール体系を改善し、グループ・レベルでのAML管理方針を策定した。AMLシステムの機能を
最適化し、マネーローンダリングのリスク分析、モニタリング、防止および管理能力を向上させた。当グ
ループは、顧客および取引の観点から金融制裁対象リストおよび関連する管理ルールを一元化し、制裁の
コンプライアンス・リスク管理を深化させた。また、グループ・レベルでのAML管理の向上のため、すべて
をカバーした多層的な研修システムを構築した。
レピュテーショナル・リスク管理
2019 年、当グループは、レピュテーショナル・リスク管理の体制および仕組みの改善に引き続き取り組
むとともに、レピュテーショナル・リスクの管理能力の向上に努めた。レピュテーショナル・リスクの経
済資本測定に基づき、国内の第一次支店、海外支店および子会社のレピュテーショナル・リスク管理の評
価に管理ツールを使用した。メディア・モニタリングの対象範囲を拡大し、緊急時対策を強化し、世論に
関して遅滞なく解決、対応ができる新たな方法を導入した。また、あらゆるレベルでのレピュテーショナ
ル・リスクの防止・管理の有効性を促進するため、職員の研修と教育も強化した。本報告期間中、当グ
59/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ループのレピュテーショナル・リスクの管理水準は着実に向上し、当グル-プの良好な企業イメージと評
判は効果的に保護された。
カントリー・リスク管理
規制要件の厳格な遵守の下、当グループは、カントリー・リスク管理を包括的なリスク管理システムに
組み込んだ。取締役会は、カントリー・リスク管理の有効性を監督する最終的な責任を負っており、幹部
役員は取締役会が承認したカントリー・リスクの管理方針を実施する。当グループは、評価および格付
け、リスク制限、エクスポージャー分析、引当金、ストレス・テスト、監視および早期警戒、緊急時対応
など、カントリー・リスク管理のための様々なツールを活用した。
2019 年、ますます複雑化している国際政治および経済情勢を背景に、当グループはカントリー・リスク
管理の強化を継続した。カントリー・リスク管理システムの構築を推進し、識別、測定、モニタリング、
規制および報告プロセスの管理を強化し、グループ・レベルでのカントリー・リスクの一元管理を強化し
た。当行のカントリー・リスク・エクスポージャーは、主にカントリー・リスクが「低い」か、または
「比較的低い」国々や地域に集中しており、全体的なカントリー・リスクは妥当な水準に維持された。
連結管理
2019 年、当グループのクロスボーダー・リスクや産業横断的な事業リスクを防止するため、当グループ
は連結管理に関する直近要件を積極的に実施するとともに、当グループの連結管理システムを改良し、企
画や調整の強化に努めた。
また、コーポレート・ガバナンスと連結管理体制を改善するとともに、当グループの株式資本の階層を
合理化し、子会社管理の透明化を進めた。子会社の戦略的管理を強化するため、3ヶ年事業計画を順次作
成した。また、コーポレート・ガバナンスにおける子会社取締役会の中心的な役割を明確にするため、子
会社に対する授権管理を強化した。
さらに、当グループは総合的なリスク管理を強化した。リスク選好の調整を進め、リスク管理のための
長期的な仕組みの構築を強化し、積極的なリスク管理能力を向上させた。さらに、市場リスク方針におけ
る制限スキームや業種別制限スキームの見直し、大口与信管理体制の確立、グループ全体での制限監視の
さらなる強化を行った。また、連結与信承認規則の最適化を図り、当グループ内での与信枠管理の一元化
を強化した。
当グループは、ITシステムの構築と適用を加速させ、引き続き、連結管理体制の最適化、子会社の一元
管理の構築、連結管理の自動化の向上、精緻化された管理能力の総体的な向上を図った。
内部監査
当行の内部監査部は、健全かつ効果的なリスク管理メカニズム、内部統制システムおよびコーポレー
ト・ガバナンス手続の促進を目的としている。内部統制システムやリスク管理メカニズムの有効性、コー
ポレート・ガバナンス手続きの効果、事業運営の収益性、関係者の経済的責任などを評価し、改善のため
の提言を行っている。当行の内部監査システムは垂直的に管理されており、比較的独立している。内部監
査人は、取締役会および監査委員会に対して責任を負い、これらに対して報告を行うほか、監査役会およ
び幹部役員に対しても報告を行う。本店の内部監査部のほかに、37の監査室が第一次支店に、また海外監
査センターが香港にある。
2019 年、当行の内部監査部では、経済情勢および金融情勢の変化を踏まえ、主要な業務分野におけるリ
スクの防止・管理に重点を置き、与信業務の動的監査、大・中規模与信顧客の総合的な資金調達リスクに
関する監査、クロス金融業務の動的監査、財務アドバイザリー業務の監査など、33分野における体系的な
60/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
監査プロジェクトを実施した。さらに、重要な内部統制上の不備や重大なリスク事象の監査フォローアッ
プに対する取組みを強化し、特定された問題についての根本原因を細かく分析し、関連部門や支店おける
管 理メカニズム、業務プロセスおよび内部管理の向上を推進し、当行の業務運営の安定的かつ健全な発展
を効果的に進めた。
上記に加え、本書第6「1.財務書類」の注記61を参照のこと。
資本管理
当グループは、堅実かつ慎重な資本管理戦略を堅持している。自己資本規制および資本の集約を強化
し、資本効率の継続的な向上のため集中的な資本管理を一層推進するとともに、外部からの資本補充によ
る内部資本の蓄積に依存した自律的な資本成長を目指している。当グループは、適切なセーフティ・マー
ジンとバッファー・ゾーンを備えた、規制要件を常に上回る自己資本比率の水準を維持している。
2019 年、当グループは、グループ全体を網羅する資本管理体制を整備し、自己資本規制の圧力の伝達を
促進し、資本と事業間、収益性とリスク間の効果的な連携を維持するとともに、実体経済の発展を支える
べく資本資源を利用した。また、引き続き資産構造の向上および最適化を図り、低資本・高リターンの事
業育成を推進した。当グループは、集中的な資本管理を推進し、ビッグデータやシステムを活用すること
により、非効率的またはあまり効率的ではない資本占有を削減し、リスク加重資産の適正な成長と自立的
な資本成長を実現した。さらに、それぞれに合わせた研修、Q&Aマニュアル、分析や通知を通じて、各レベ
ルの従業員や企業の資本管理に対する認識と能力の向上を図った。当グループは、1.85十億米ドルの海外
ティア2資本債および40十億人民元の国内その他ティア1資本永久債の発行に成功し、さらなる資本増強
を図った。
自己資本比率
2019 年12月31日現在、移行期間中の関連規則を勘案し、「商業銀行の資本規則(仮)」に基づき算出さ
れた当グループの総自己資本比率、ティア1比率および普通株式等ティア1比率は、それぞれ17.52%、
14.68%および13.88%であり、いずれも規制要件を遵守していた。また、総自己資本比率、ティア1比率
および普通株式等ティア1比率は、前年度末から、それぞれ0.33ポイント、0.26ポイントおよび0.05ポイ
ント上昇した。
当グループの自己資本比率が上昇した主な要因は、一方には、資本蓄積が引き続き好調に推移したこと
による。適度に外部からの資金調達を実施し、自立的な資本成長を達成した。2019年末現在、控除後の総
自己資本が12.30%増加したことから、自己資本比率は1.92ポイント向上した。また、内部留保を通じて内
部資本は急増し、資本商品の発行と外部資本の補充に成功した。他方、当グループは、実体経済の発展を
支援し、これに奉仕する国有銀行としての責任を果たし、リスク加重資産は適度に増加した。2019年の当
グループの資産と負債は急速な成長を維持し、貸出および債券投資は前年比で大幅に増加した。しかしな
がら、積極的かつ効果的な構造調整と集中管理により、リスク加重資産は資本成長を2.10ポイント下回る
10.20%の増加であった。
自己資本比率
以下の表は、表示日現在の当グループおよび当行の自己資本比率に関する情報を示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
(百万人民元、%を除く) 当グループ 当行 当グループ 当行
2,089,976 1,938,236 1,889,390 1,766,840
控除後の普通株式等ティア1自己資本
61/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2,209,692 2,046,546 1,969,110 1,838,956
控除後のティア1自己資本
2,637,588 2,468,041 2,348,646 2,215,308
控除後の総自己資本
13.88% 13.88% 13.83% 13.74%
普通株式等ティア1自己比率
14.68% 14.65% 14.42% 14.30%
ティア1比率
17.52% 17.67% 17.19% 17.22%
総自己資本比率
資本構成の詳細については、本書第6「1.財務書類」の注記「リスク管理-資本管理」を参照のこ
と。
リスク加重資産
当グループは、先進的な自己資本比率算定手法を採用している。規制要件を満たしている法人の信用リ
スク加重資産は、基礎的内部格付手法を用いて計算され、個人の信用リスク加重資産は内部格付手法を用
いて計算され、市場リスク加重資産は内部モデル手法を、またオペレーショナル・リスク加重資産は標準
的手法を用いて計算される。
以下の表は、当グループのリスク加重資産に関する情報を示したものである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(単位:百万人民元) 現在 現在
信用リスク加重資産 13,788,746 12,473,529
内部格付手法の対象 8,748,138 8,369,011
内部格付手法の対象外 5,040,608 4,104,518
市場リスク加重資産 123,700 120,524
内部モデル手法の対象 74,509 72,578
内部モデル手法の対象外 49,191 47,946
オペレーショナル・リスク加重資産 1,140,845 1,065,444
資本フロアの適用による追加的なリスク加重資産 - -
リスク加重資産合計 15,053,291 13,659,497
資本構成、資本の測定および管理の詳細については、当行が発行した「Capital Adequacy Ratio Report
2019」を参照のこと。
レバレッジ比率
2015 年第1四半期より、当グループは、CBRCが2015年1月に公表した「商業銀行のレバレッジ比率に関
する管理措置(改訂)」に基づきレバレッジ比率を算出している。レバレッジ比率は、控除後のティア1
自己資本を、控除後のオンバランス資産およびオフバランス資産で除して算出されている。商業銀行のレ
バレッジ比率は4%を下回ってはならない。2019年12月31日現在、当グループのレバレッジ比率は8.28%
と規制要件を満たしていた。
以下の表は、当グループのレバレッジ比率に関する一般的な情報を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除 2019 年 2019 年 2019 年 2019 年 2018 年
く) 12 月31日現在 9月30日現在 6月30日現在 3月31日現在 12 月31日現在
レバレッジ比率 8.28% 8.27% 7.98% 8.05% 8.05%
控除後のティア1自己資本 2,209,692 2,126,153 2,045,186 2,042,655 1,969,110
控除後のオンバランス資産
26,694,733 25,720,002 25,616,7 37 25,383,975 24,460,149
およびオフバランス資産
62/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
レバレッジ比率の詳細については、「Unaudited Supplementary Financial Information」を参照のこ
と。
主要な問題
重大な訴訟および仲裁
本報告期間中、当行が対象の重大な訴訟や仲裁はなかった。
支配株主その他の関連当事者による営業外資金の占有
本報告期間中、当行の支配株主またはその他の関連当事者が占有する営業外資金はなかった。
従業員株式奨励制度の進捗状況
2007 年7月、当行は初めて従業員株式奨励制度を実施したが、本報告期間中、新たな株式奨励制度の実
施は行わなかった。
重要な関連当事者取引
本報告期間中、当行にとって重要な関連当事者取引はなかった。当行の関連当事者取引はすべて、公
正、公平かつ開かれた方法により商業原則に基づき実施されており、その価格は、同様の取引において独
立した第三者に提供される価格よりも有利なものではなかった。
重大な契約およびその履行
2019 年5月24日、PBCとCBIRCは包商銀行の買収について共同発表を行った。買収チームは当行に包商銀
行の事業を委託し、委託は1年間継続すると発表した。当行は、買収チームの指導のもと、カストディ契
約に従って業務を実施した。現在、債権者の権利の大規模な買取り・譲渡の第1段階が成功裏に完了し、
資本の整理・検証の第2段階も基本的に完了している。これに基づき、市場志向の改革・再編を行う第3
段階が進められている。本件は、当行の業務運営や収益性に重大な影響を及ぼすものではなかった。詳細
については、当行が公表した2019年5月24日付の発表を参照のこと。このほか、本報告期間中、当行は、
他社資産について保護預かり、契約またはリースに関する重要な取決めを締結しておらず、また当行の資
産について他社との間でかかる契約を締結していない。
保証業務は当行の通常業務の過程で提供する簿外サービスであり、規制当局から認可された業務範囲内
の金融保証サービスを除き、当行が開示すべき重大な保証はない。本報告期間中、当行は開示が必要な他
の重要な契約を締結していない。
約束の履行
2004 年9月、匯金公司は「産業内での非競争」を約束した。すなわち、匯金公司が当行の何らかの株式
を保有し続けるか、または中華人民共和国の関連法もしくは当行の上場証券取引所の上場規則に従って、
当行の支配株主もしくはかかる支配株主の関連当事者と見なされる限り、匯金公司は、いかなる競合する
商業銀行業務(融資の供与、預金の受入れ、決済の提供、さらに資金の保管、銀行カードおよび両替の
サービスの提供を含むが、これらに限定されない。)にも従事せず、参加もしない。しかしながら、依然
として匯金公司は、他の商業銀行への投資を通じて、競争事業に従事または参加する可能性がある。した
がって、匯金公司は、(1)商業銀行への投資を公正に扱うこと、また当行の株主としての立場やかかる立
場ゆえに入手した情報を濫用して、当行に不利な決定を下して他の商業銀行を利することはないこと、さ
らに(2)株主の権利を当行の最善の利益のために行使することを約束した。
63/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2016 年4月6日、匯金公司は、当行の優先株式の発行により希薄化された当面の利益の補填措置が効果
的に実施されるよう、CSRC の関連規則に従って、当行の業務運営や経営には介入せず、当行の利益を流用
しないことを約束した。
2019 年12月31日現在、匯金公司は上記のいずれの約束にも違反していなかった。
処罰
本報告期間中、当行、取締役、監査役、幹部役員および実務の担当者はいずれも、関係当局による調
査、司法または懲戒検査部門による強制措置、司法当局への移管または刑事責任による訴追、捜査または
行政処分、市場へのアクセス制限、CSRCによる無資格認定、環境当局、安全監督当局、税務当局その他の
行政当局による重大な行政処分、証券取引所による公的処分を受けていない。
誠実さ
本報告期間中、裁判所の判決を履行しなかったものはなく、また当行や支配株主が満期時に支払わな
かった多額の未払債務はなかった。
重大な事象
2019 年10月の当行取締役会による検討および承認に基づき、当行が中国建設銀行(欧州)有限公司に対
して行った資本拠出は350百万ユーロの増資を目的としたものであり、かかる増資は規制当局の承認を条件
とする。詳細については、当行が公表した2019年10月30日付の発表を参照のこと。
2019 年6月、当行は国家融資担保基金有限責任公司に対する750百万人民元の第2回出資を完了したが、
総額3十億人民元の出資を、4年間にわたり毎年分割して行う予定である。詳細については、当行が公表
した2018年7月31日付の発表を参照のこと。
2019 年5月、当行は、CBIRCからCCBウェルス・マネジメントの業務開始についての承認を受けた。CCB
ウェルス・マネジメントは、15十億人民元の登録資本で正式に設立された。詳細については、当行が公表
した2019年5月27日付の発表を参照のこと。CCBウェルス・マネジメントは2019年6月に営業を開始した。
2019 年1月、CBIRCは、当行のCCB生命に対する3,060百万人民元の出資を承認し、これに続く出資手続が
現在進行中である。詳細については、当行が公表した2019年4月29日付の発表を参照のこと。
貧困緩和に関する責任の履行
貧困緩和に関する責任の履行状況については、当行のAnnual Report 2019の「Corporate Social
Responsibilities」を参照のこと。
2【事業等のリスク】
当行は主に、信用リスク、流動性リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスクおよび保険リスクに
さらされている。
信用リスク
信用リスクとは、債務者またはカウンターパーティが当グループに対する契約上の義務または約定を履
行できないことに起因する財務上の損失をいう。
市場リスク
市場リスクとは、金利、為替レート、商品価格、株価を含む市場レートの不利な変動により生じる、当
グループのオンバランスおよびオフバランス取引に関する損失リスクである。市場リスクは、トレーディ
64/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ング業務および非トレーディング業務の両方から生じる。トレーディング勘定は、トレーディング目的ま
たはトレーディング勘定の他の要素をヘッジする目的のいずれかで保有する金融商品およびコモディティ
の ポジションで構成される。非トレーディング勘定には、トレーディング勘定に含まれない金融商品およ
びコモディティを計上する。
流動性リスク
流動性リスクとは、当グループが、日常的な事業展開の中で、支払い期限到来時の債務の返済その他の
支払債務の履行またはその他の資金需要の充足のために必要な資金を、適時かつ合理的な費用で調達でき
ない場合に発生する種類のリスクである。流動性リスクが生じる主たる要因としては、流動資産の流動性
の大幅な低下、ホールセールまたはリテール預金の大量の流出、ホールセールまたはリテールの資金調達
へのアクセスの減少、資金調達期間の短縮、資金調達コストの増大、市場流動性における重大な事態の変
更、当行の支払・決済システムの停止などがある。
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、内部プロセス、人事、システムまたは外的事象が不十分であるか、ま
たはこれらの不備から生じるリスクである。
保険リスク
保険契約に基づくリスクとは、保険事故が発生する可能性と結果的に保険金請求額が生じる不確実性で
ある。保険契約に固有の特性によって、内在する保険リスクのランダム性や予測不可能性が定まる。保険
契約負債の金額決定や引当計上に確率論が適用される保険契約の場合、当グループが直面する主要なリス
クは、実際の保険金請求額および給付支払額が保険契約負債の帳簿価額を超過する可能性である。
レピュテーショナル・リスク
レピュテーショナル・リスクとは、商業銀行の業務上、管理上またはその他の言動もしくは事由のある
側面が、メディアの注目や報道を招いた場合に、当行の全体的なイメージ、評判およびブランド価値に、
潜在的または実際的な悪影響や損害が及ぶリスクである。
カントリー・リスク
カントリー・リスクとは、ある国や地域における経済的、政治的、社会的な変化や事由に起因して、か
かる国や地域における当グループの店舗、設備や施設が物理的その他の損失を被るリスク、またはかかる
国や地域における当グループへの債務の返済義務がある借入人もしくは債務者が支払不能に陥るか、支払
を拒否した結果、当行が損失を被るリスクをいう。
65/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本項に含まれている将来に関する記述は、本書提出日現在の当行の考え、見通し、目的、予想および見
積りに基づいている。
財務の状況
2019 年、世界経済の成長の勢いは鈍化した。米国の経済成長は減速したものの安定性を保ち、欧州経済
は底を打った後は安定し、欧州連合離脱プロセスが加速している英国は不確実性が解消され、また日本の
経済成長は景気回復後に減速した。程度は様々ではあるが、新興国の成長率は下落した。主要な中央銀行
は、世界の金融市場のボラティリティの増大、世界的に大きな債務負担および金融の脆弱性の増大を踏ま
えて、金融政策を緩和した。
中国経済は全体的に、経済構造の継続的な改善と質の高い発展により安定的に推移した。消費は経済成
長の牽引役としてより重要な役割を果たし、工業生産と投資は安定し、輸出入量は拡大した。中国のGDPと
消費者物価指数はそれぞれ前年度から6.1%および2.9%上昇し、貿易黒字は2,918十億人民元となった。
金融市場は全般的に安定的に推移した。短期金融市場は活況を呈し、各種債券の発行金利は低下し、債
券取引額と債券発行額は増加した。株式市場は取引量と調達資金の増加により回復した。保険料収入や資
産の成長率も加速した。
国内の規制当局は、金融リスクの防止・軽減、銀行部門の経営水準の向上および銀行システムの健全性
の強化を目的として、引き続き金融セクターにおける供給サイドの構造改革を推進した。銀行セクターの
総資産は、安定的な流動性および信用の質ならびに十分なリスク軽減能力を背景に、着実に増加した。
当グループは慎重な事業運営と改革主導の発展に努め、実体経済への貢献に注力し、着実な成果を上げ
るべくリスクに対する内部統制の強化を継続した。引き続き当グループの資産内容は着実に改善され、収
益性も安定的に推移したことから、資産と負債の健全かつバランスのとれた成長を実現した。また、資本
力やその他の主要指標においても同業他社を上回った。
包括利益計算書の分析
2019年、当グループの収益は着実な成長を遂げ、税引前当期利益は前年度から5.98%増の326,597百万人
民元、純利益は前年度から5.32%増の269,222百万人民元となった。当グループの収益に影響を及ぼす主な
要因は、以下のとおりである。第一に、利付資産の増加が、前年度から24,402百万人民元(5.02%)増と
いう正味受取利息の着実な増加につながった。第二に、正味受入手数料は、クレジットカード事業の手数
料と保険代理店手数料による収益が急速に伸びたことにも一部起因し、前年度から14,249百万人民元
(11.58%)増加した。第三に、営業費用は前年度から7.65%増加したが、これは主に戦略的事業への投資
が増加したためである。営業収支率は26.75%と前年度から0.14ポイント上昇し、依然として健全な水準を
保った。第四に、当グループは、慎重なアプローチに沿って貸出金の減損損失に十分な引当金を計上した
が、減損損失は前年度から8.30%増の総額163,521百万人民元となった。
以下の表は、当グループの包括利益計算書の構成および各期間における変動を示したものである。
(百万人民元、%を除く) 2019 年 2018 年 増減(%)
正味受取利息 510,680 486,278 5.02
正味非利息収入 167,321 147,494 13.44
- 正味受入手数料 137,284 123,035 11.58
営業収益 678,001 633,772 6.98
66/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
営業費用 (188,132) (174,764) 7.65
信用減損損失 (163,000) (151,109) 7.87
その他の減損損失 (521) 121 NA
関連会社および共同支配企業の利益
に対する持分 249 140 77.86
税引前当期利益 326,597 308,160 5.98
法人税等 (57,375) (52,534) 9.21
当期純利益 269,222 255,626 5.32
正味受取利息
2019 年、当グループの正味受取利息は510,680百万人民元であり、前年度から24,402百万人民元
(5.02%)の増加となった。なお、正味受取利息は営業収益の75.32%を占めている。
以下の表は、各期間の当グループの資産および負債の平均残高、関連する受取利息または支払利息、な
らびに平均利回りまたは平均コストを示したものである。
2019 年 2018 年
受取利息/ 平均利回り/ 受取利息/ 平均利回り/
平均残高 平均残高
(百万人民元、%を除く) 支払利息 コスト(%) 支払利息 コスト(%)
資産
顧客に対する貸出金総額 14,046,564 630,529 4.49 13,071,979 566,942 4.34
金融投資 5,234,318 189,465 3.62 4,595,289 172,147 3.75
中央銀行預け金 2,356,099 34,769 1.48 2,543,067 38,892 1.53
銀行および銀行以外の金融機関への
預け金および短期貸付金 793,187 20,079 2.53 717,699 23,996 3.34
売戻契約に基づいて保有する
352,397 8,657 316,993 9,049
金融資産 2.46 2.85
有利子資産合計 22,782,565 883,499 3.88 21,245,027 811,026 3.82
減損引当金合計 (455,382) (384,314)
2,148,955 2,037,521
無利子資産
24,476,138 883,499 22,898,234 811,026
資産合計
負債
顧客からの預金 17,860,809 280,934 1.57 16,711,441 232,877 1.39
銀行および銀行以外の金融機関から
の預金および短期借入金 1,927,842 46,592 2.42 1,840,607 50,125 2.72
発行済負債性証券 857,224 29,671 3.46 682,886 24,735 3.62
中央銀行からの借入金 438,312 14,326 3.27 488,340 15,671 3.21
買戻契約に基づいて売却された
44,876 1,296 46,654 1,340
金融資産 2.89 2.87
有利子負債合計 21,129,063 372,819 1.76 19,769,928 324,748 1.64
1,218,932 1,293,641
無利子負債
67/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
22,347,995 372,819 21,063,569 324,748
負債合計
510,680 486,278
正味受取利息
正味金利スプレッド 2.12 2.18
正味金利マージン 2.26 2.31
2019 年、厳しい市場競争のもとで、個人定期預金など金利の高い負債が負債合計に占める割合が増加
し、一般預金のコストの顕著な増加につながった。有利子負債のコストは、有利子資産の利回りを上回る
ペースで上昇した。その結果、正味金利スプレッドは前年度から6ベーシスポイント低下して2.12%、純
金利マージンは前年度から5ベーシスポイント低下して2.26%となった。
以下の表は、当グループの資産および負債の平均残高ならびに平均金利の変動が、受取利息および支払
利息の変化に及ぼした影響を2019年度と2018年度との比較で示したものである。
受取利息/
(1) (1)
(単位:百万人民元) 残高要因 金利要因 支払利息の変化
資産
顧客に対する貸出金総額 43,446 20,141 63,587
金融投資 23,426 (6,108) 17,318
中央銀行預け金 (2,854) (1,269) (4,123)
銀行および銀行以外の金融機関への
預け金および短期貸付金 2,332 (6,249) (3,917)
売戻契約に基づいて保有する金融資産 935 (1,327) (392)
受取利息の変化 67,285 5,188 72,473
負債
顧客からの預金 16,670 31,387 48,057
銀行および銀行以外の金融機関からの
預金および短期借入金 2,258 (5,791) (3,533)
発行済負債性証券 6,070 (1,134) 4,936
中央銀行からの借入金 (1,633) 288 (1,345)
買戻契約に基づいて売却された
金融資産 (53) 9 (44)
支払利息の変化 23,312 24,759 48,071
正味受取利息の変化 43,973 (19,571) 24,402
(1) 平均残高と平均金利の双方に起因する変化は、残高要因と金利要因のそれぞれの絶対値の割合に基づき、残高
要因と金利要因に割り当てられている。
正味受取利息は、前年度から24,402百万人民元の増加となった。このうち43,973百万人民元の増加は、
資産と負債の平均残高の変動によるものであり、19,571百万人民元の減少は、平均利回りまたは平均コス
トの変動によるものであった。
68/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
受取利息
2019年の当グループの受取利息は、前年度から72,473百万人民元(8.94%)増の883,499百万人民元と
なった。このうち、顧客に対する貸出金からの受取利息が71.37%、 金融 投資からの受取利息が21.44%、
中央銀行預け金からの受取利息が3.94%、銀行および銀行以外の金融機関への預け金からの受取利息が
2.27%、買戻契約に基づいて売却された金融資産からの受取利息が0.98%を占めた。
顧客に対する貸出金からの受取利息
以下の表は、各期間における当グループの顧客に対する貸出金の平均残高、受取利息および平均利回り
を種類別に示したものである。
2019 年 2018 年
平均利回り 平均利回り
平均残高 受取利息 平均残高 受取利息
(百万人民元、%を除く) (%) (%)
法人向け貸出 6,782,492 299,243 4.41 6,559,434 284,346 4.33
短期貸出 2,100,343 92,164 4.39 2,165,102 92,314 4.26
中・長期貸出 4,682,149 207,079 4.42 4,394,332 192,032 4.37
個人向け貸出 5,744,939 271,636 4.73 5,167,810 236,588 4.58
短期貸出 475,884 20,840 4.38 472,760 22,724 4.81
中・長期貸出 5,269,055 250,796 4.76 4,695,050 213,864 4.56
割引手形 438,401 13,948 3.18 137,720 4,972 3.61
海外業務および子会社 1,080,732 45,702 4.23 1,207,015 41,036 3.40
顧客に対する貸出金総額 14,046,564 630,529 4.49 13,071,979 566,942 4.34
顧客に対する貸出金からの受取利息は、前年度から63,587百万人民元(11.22%)増の630,529百万人民
元となった。これは主に、法人向け貸出および個人向け貸出の平均残高および平均利回りが増加したこと
による。
金融投資からの受取利息
金融投資からの受取利息は、前年度から17,318百万人民元増の189,465百万人民元となった。これは主
に、金融投資の平均残高が前年度から13.91%増加したためであり、平均利回りの低下の影響を相殺した。
中央銀行預け金からの受取利息
中央銀行預け金からの受取利息は34,769百万人民元となり、前年度から4,123百万人民元(10.60%)減
少した。これは主に、中央銀行預け金の平均残高が7.35%減少し、平均利回りが前年度から5ベーシスポ
イント低下したことによる。
銀行および銀行以外の金融機関への預け金および短期貸付金からの受取利息
銀行および銀行以外の金融機関への預け金および短期貸付金からの受取利息は20,079百万人民元とな
り、前年度から3,917百万人民元(16.32%)減少した。これは主に、銀行および銀行以外の金融機関への
預け金および短期貸付金の平均利回りが81ベーシスポイント低下し、平均残高の増加の影響を相殺したこ
とによる。
売戻契約に基づいて保有する金融資産からの受取利息
69/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
売戻契約に基づいて保有する金融資産からの受取利息は、前年度から392百万人民元(4.33%)減の
8,657百万人民元となった。これは主に、平均利回りが39ベーシスポイント低下し、平均残高の増加の影響
を 相殺したことによる。
支払利息
2019年の当グループの支払利息は372,819百万人民元であり、前年度から48,071百万人民元(14.80%)
の増加となった。このうち、顧客からの預金に対する支払利息が75.35%、銀行および銀行以外の金融機関
からの預金および短期借入金の支払利息が12.50%、発行済負債性証券の支払利息が7.96%、中央銀行から
の借入金の支払利息が3.84%、買戻契約に基づいて売却された金融資産の支払利息が0.35%を占めた。
顧客からの預金に対する支払利息
以下の表は、当グループの顧客からの預金の平均残高、支払利息および平均コストを種類別に示したも
のである。
2019 年 2018 年
平均コスト 平均コスト
平均残高 支払利息 平均残高 支払利息
(%) (%)
(百万人民元、%を除く)
8,940,187 124,459 1.39 8,728,970 111,300 1.28
法人預金
5,865,717 45,824 0.78 5,673,929 39,921 0.70
要求払預金
3,074,470 78,635 2.56 3,055,041 71,379 2.34
定期預金
8,424,052 145,910 1.73 7,459,776 111,147 1.49
個人預金
3,552,153 10,804 0.30 3,164,811 9,612 0.30
要求払預金
4,871,899 135,106 2.77 4,294,965 101,535 2.36
定期預金
496,570 10,565 2.13 522,695 10,430 2.00
海外業務および子会社
17,860,809 280,934 1.57 16,711,441 232,877 1.39
顧客からの預金合計
顧客からの預金に対する支払利息は280,934百万人民元であり、前年度から48,057百万人民元
(20.64%)の増加となった。これは主に、顧客からの預金の平均コストが前年度から18ベーシスポイント
上昇し、平均残高は6.88%増加したためである。国内の法人預金および個人預金の平均コストは、厳しい
市場競争により、それぞれ11ベーシスポイントおよび24ベーシスポイント上昇した。
銀行および銀行以外の金融機関からの預金および短期借入金の支払利息
銀行および銀行以外の金融機関からの預金および短期借入金の支払利息は、前年度から3,533百万人民元
(7.05%)減の46,592百万人民元となった。これは主に、銀行および銀行以外の金融機関からの預金およ
び短期借入金の平均コストが前年度から30ベーシスポイント低下し、平均残高の増加の影響を相殺したこ
とによる。
発行済負債性証券の支払利息
発行済負債性証券の支払利息は29,671百万人民元であり、前年度から4,936百万人民元(19.96%)増加
した。これは主に 、適格ティア2資本債券および譲渡性預金証書を含む発行済負債性証券の平均残高が、
前年度から25.53%増加し、平均コストの減少の影響を相殺したことによる 。
70/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
中央銀行からの借入金の支払利息
中央銀行からの借入金の支払利息は、前年度から1,345百万人民元(8.58%)減の14,326百万人民元と
なった。これは主に、中央銀行からの借入金の平均残高が前年度から10.24%減少し、平均コストの増加の
影響を相殺したことによる。
買戻契約に基づいて売却された金融資産の支払利息
買戻契約に基づいて売却された金融資産の支払利息は1,296百万人民元であり、前年度から44百万人民元
(3.28%)減少した。これは主に、買戻契約に基づいて売却された金融資産の平均残高が前年度から
3.81%減少し、平均コストの増加の影響を相殺したことによる。
正味非利息収入
以下の表は、当グループの正味非利息収入の内訳と各期間の変化を示したものである。
(百万人民元、%を除く) 2019 年 2018 年 増減(%)
155,262 138,017 12.49
受入手数料
(17,978) (14,982) 20.00
支払手数料
137,284 123,035 11.58
正味受入手数料
30,037 24,459 22.81
その他の正味非利息収入
167,321 147,494 13.44
正味非利息収入合計
2019年の当グループの正味非利息収入は、前年度から19,827百万人民元(13.44%)増の167,321百万人
民元となった。営業収益に対する正味非利息収入の割合は24.68%であった。
正味受入手数料
以下の表は、当グループの正味受入手数料の内訳と各期間の変化を示したものである。
(百万人民元、%を除く) 2019 年 2018 年 増減(%)
受入手数料 155,262 138,017 12.49
銀行カード手数料 52,620 46,192 13.92
電子銀行業務手数料 25,666 18,585 38.10
代行サービス手数料 16,894 16,044 5.30
信託業務報酬 14,194 12,748 11.34
ウェルス・マネジメント手数料 12,899 11,113 16.07
決済手数料 12,267 12,101 1.37
コンサルティングおよび
アドバイザー手数料 10,331 10,441 (1.05)
保証手数料 3,633 3,414 6.41
信用コミットメント手数料 1,449 1,573 (7.88)
その他 5,309 5,806 (8.56)
支払手数料 (17,978) (14,982) 20.00
71/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
正味受入手数料 137,284 123,035 11.58
2019 年、当グループは市場機会を活用し、商品の継続的な最適化、イノベーションの強化およびサービ
ス能力の向上により、顧客ニーズに応えるべき努めた。その結果、 正味受入手数料 は前年度から11.58%増
の137,284万人民元となった。営業収益に対する正味受入手数料の割合は20.25%となり、前年度から0.84
ポイント上昇した。
このうち、銀行カード手数料は13.92%増の52,620百万人民元となったが、これは主に、当グループがク
レジットカードの商品革新を加速させ、様々な顧客のための商品の品揃えを拡大し、クレジットカードの
発行枚数と取引量を着実に増加させたことによる。電子銀行業務手数料は38.10%増の25,666百万人民元と
なったが、これは主に、フィンテックの革新と適用を強化し、当グループのオンライン業務における強み
を遺憾なく発揮したことから、オンライン決済取引量が急速に伸びたことによる。代行サービス手数料は
5.30%増の16,894百万人民元となったが、これは主に、保険代理店業務および債券引受業務の成長による
ものである。信託業務報酬は11.34%増の14,194百万人民元となったが、これは主に、シンジケート・ロー
ンの貸付、アレンジおよび販売努力の向上による増加に加え、カストディ・サービス事業と受託住宅金融
事業の着実な成長によるものである。ウェルス・マネジメント手数料は16.07%増の12,899百万人民元と
なったが、これは主に、新商品の開発・販売努力の強化および資産の運用管理能力の向上により、前年度
に比べて商品量が安定し、商品の発行コストが減少したことによる。決済手数料は1.37%増の12,267百万
人民元、コンサルティングおよびアドバイザー手数料は1.05%減の10,331百万人民元となった。
その他の正味非利息収入
以下の表は、当グループのその他の正味非利息収入の内訳と各期間の変化を示したものである。
2019 年 2018 年 増減(%)
(百万人民元、%を除く)
トレーディング利益(正味) 9,120 12,614 (27.70)
投資有価証券の利益(正味) 9,093 3,444 164.02
償却原価で測定される金融資産の認識の中止
により発生する利益/(損失)(正味) 3,359 (2,241) NA
受取配当金 1,184 773 53.17
その他の正味営業収益 7,281 9,869 (26.22)
その他の正味非利息収入合計 30,037 24,459 22.81
当グループのその他の正味非利息収入合計は30,037百万人民元となり、前年度から5,578百万人民元
(22.81%)の増加であった。このうち、トレーディング利益(正味)が前年度から3,494百万人民元減の
9,120百万人民元となったのは、主に、リース量の減少に伴い貴金属リースからの収益が落ち込んだためで
ある。投資有価証券利益(正味)が前年度から5,649百万人民元増の9,093百万人民元となったのは、主
に、資本市場の回復の影響を受け、子会社の投資の公正価値の変更により前年度を上回る多額の利益が生
じたためである。償却原価で測定される金融資産の認識の中止により発生する利益(正味)が、前年度か
ら5,600百万人民元増の3,359百万人民元となったのは、主に、認識の中止により損失(正味)が発生した
2018年の低い数値に対し、証券化商品の発行後の認識中止により利益(正味)が発生したためである。そ
の他営業収益(正味)は前年度から2,588百万人民元減少して7,281百万人民元となったが、これは主に、
貴金属リースに関連するスワップ取引量の減少により、為替差益が前年度より大幅に減少したためであ
る。
営業費用
72/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
以下の表は、当グループの各期間の営業費用の内訳を示したものである。
2019 年 2018 年
(百万人民元、%を除く)
人件費 105,784 102,057
有形固定資産費用 33,675 32,390
租税および追加税 6,777 6,132
その他 41,896 34,185
営業費用合計 188,132 174,764
営業収支率(%) 26.75 26.61
2019年、当グループは、引き続きコスト管理の強化と費用構造の最適化を行った。営業収支率は、前年
度から0.14ポイント上昇して26.75%となった。営業費用は188,132百万人民元となり、前年度から13,368
百万人民元(7.65%)増加した。このうち、人件費は前年度から3,727百万人民元(3.65%)増の105,784
百万人民元、有形固定資産費用は前年度から1,285百万人民元(3.97%)増の33,675百万人民元、税金およ
び追加税は前年度から645百万人民元(10.52%)増の6,777百万人民元となった。その他の営業費用は前年
度から7,711百万人民元(22.56%)増の41,896百万人民元となったが、これは主に、道路通行料自動徴収
(以下「ETC」という。)事業の拡大、フィンテック投資およびマーケティングのデジタル化による支出の
増大によるものである。
減損損失
以下の表は、当グループの各期間の減損損失の内訳を示したものである。
(単位:百万人民元) 2019 年 2018 年
顧客に対する貸出金 148,942 143,045
金融 投資 7,286 1,088
償却原価で測定される金融資産 5,789 1,072
その他の 包括 利益を通じて公正価値で測定
される金融資産 1,497 16
その他 7,293 6,855
減損損失合計 163,521 150,988
2019年の当グループの減損損失は163,521百万人民元であり、前年度から12,533百万人民元(8.30%)の
増加となった。これは主に、当グループが慎重に減損損失引当金を計上したことと、顧客に対する貸出金
の減損損失が5,897百万人民元、 金融 投資の減損損失が6,198百万人民元、その他の減損損失が438百万人民
元それぞれ前年度より増加したことによる。
法人税費用
2019年の法人税等は57,375百万人民元となり、前年度から4,841百万人民元増加した。実効税率は
17.57%となり、法定税率の25%を下回った。これは主に、中国国債や地方政府債からの受取利息が税法上
非課税であったことによる。
73/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
財政状態計算書の分析
資産
以下の表は、表示日現在の当グループの資産合計の内訳を示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
顧客に対する貸出金 14,540,667 57.17 13,365,430 57.55 12,574,473 56.84
償却原価で測定される顧
客に対する貸出金 14,479,931 56.93 13,405,030 57.72 12,903,441 58.33
貸出金に係る減損引当金 (482,158) (1.90) (417,623) (1.80) (328,968) (1.49)
その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定される
顧客に対する貸出金の簿
価 492,693 1.94 308,368 1.33 NA NA
損益を通じて公正価値で
測定される顧客に対する
貸出金の簿価 15,282 0.06 32,857 0.14 NA NA
未収利息 34,919 0.14 36,798 0.16 NA NA
金融投資 6,213,241 24.43 5,714,909 24.61 5,181,648 23.42
償却原価で測定される金
融資産 3,740,296 14.70 3,272,514 14.09 NA NA
その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定される
金融資産 1,797,584 7.07 1,711,178 7.37 NA NA
損益を通じて公正価値で
測定される金融資産 675,361 2.66 731,217 3.15 578,436 2.61
満期保有投資 NA NA NA NA 2,586,722 11.69
売却可能金融資産 NA NA NA NA 1,550,680 7.01
受取債権に分類される投 NA NA NA NA 465,810 2.11
資
現金および中央銀行預け金 2,621,010 10.30 2,632,863 11.34 2,988,256 13.51
銀行および銀行以外の金融
機関への預け金および短期
貸付金 950,807 3.74 836,676 3.60 500,238 2.26
売戻契約に基づいて保有す
る金融資産 557,809 2.19 201,845 0.87 208,360 0.94
未収利息 NA NA NA NA 116,993 0.53
(1)
552,727 2.17 470,970 2.03 554,415 2.50
その他
資産合計 25,436,261 100.00 23,222,693 100.00 22,124,383 100.00
74/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(1) 貴金属、デリバティブの正の公正価値、長期株式投資、固定資産、土地使用権、無形資産、のれん、繰延税金
資産およびその他資産から構成されている。
2019 年末現在の当グループの資産合計は、前年度から2,213,568百万人民元(9.53%)増の25.44兆人民
元であった。実体経済の主要分野および脆弱な部分を積極的に支援する一方で、資金調達源と資金使途に
照らして資産の規模と構造をダイナミックに調整した。顧客に対する貸出金は前年度から1,175,237百万人
民元(8.79%)増加した。 金融 投資は、前年度から498,332百万人民元(8.72%)増加した。 PBCによる法
定準備率の引下げにより、現金および中央銀行預け金は前年度から11,853百万人民元(0.45%)減少し
た。銀行および銀行以外の金融機関への預け金および短期貸付金は、前年度から114,131百万人民元
(13.64%)増加した。売戻契約に基づいて保有する金融資産は、前年度から355,964百万人民元
(176.36%)増加した。この結果、資産合計に占める顧客に対する貸出金純額の割合は前年度から0.38ポ
イント低下して57.17%、 金融 投資 の割合は前年度から0.18ポイント低下して24.43%、現金および中央銀
行預け金の割合は前年度から1.04ポイント低下して10.30%、銀行および銀行以外の金融機関への預け金お
よび短期貸付金の割合は前年度から0.14ポイント上昇して3.74%、売戻契約に基づいて保有する金融資産
の割合は前年度から1.32ポイント上昇して2.19%となった。
顧客に対する貸出金
以下の表は、表示日現在の当グループの顧客に対する貸出金総額の内訳を示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
全体に 全体に 全体に
対する割合 対する割合 対する割合
(百万人民元、%を除く) 金額 (%) 金額 (%) 金額 (%)
法人向け貸出 6,959,844 46.33 6,497,678 47.14 6,443,524 49.94
短期貸出 2,205,697 14.68 2,000,945 14.52 2,050,273 15.89
中・長期貸出 4,754,147 31.65 4,496,733 32.62 4,393,251 34.05
個人向け貸出 6,477,352 43.12 5,839,803 42.37 5,193,853 40.25
住宅ローン 5,305,095 35.31 4,753,595 34.49 4,213,067 32.65
クレジットカード・ロー 741,197 4.94 651,389 4.73
ン 563,613 4.37
個人向け消費者ローン 189,588 1.26 210,125 1.52 192,652 1.49
個人向け事業ローン 44,918 0.30 37,287 0.27 36,376 0.28
(1)
196,554 1.31 187,407 1.36
その他のローン 188,145 1.46
割引手形 492,693 3.28 308,368 2.24 122,495 0.95
海外業務および子会社 1,058,017 7.04 1,100,406 7.98 1,143,569 8.86
未収利息 34,919 0.23 36,798 0.27 NA NA
顧客に対する貸出金総額 15,022,825 100.00 13,783,053 100.00 12,903,441 100.00
(1) 個人向け商業用不動産担保ローン、住宅担保ローンおよび教育ローンから構成されている。
75/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年末現在の当グループの顧客に対する貸出金総額は、主に国内貸出金の増加により、前年度から
1,239,772百万人民元(8.99%)増の15,022,825百万人民元となった。
法人向け貸出は、主にインフラセクター向けの貸出により前年度から462,166百万人民元(7.11%)増加
し、6,959,844百万人民元に達した。このうち、短期貸出は前年度から204,752百万人民元増加し、中・長
期貸出は前年度から257,414百万人民元増加した。
個人向け貸出は6,477,352百万人民元であり、前年度から637,549百万人民元(10.92%)の増加となっ
た。このうち、住宅ローンは551,500百万人民元(11.60%)増の5,305,095百万人民元、クレジットカー
ド・ローンは89,808百万人民元(13.79%)増の741,197百万人民元となった。個人向け貸出は20,537百万
人民元(9.77%)減の189,588百万人民元となった。
割引手形は、主に法人顧客の短期資金需要に応じたことにより、前年度から184,325百万人民元
(59.77%)増の492,693百万人民元に達した。
海外事業および子会社による貸出金は1,058,017百万人民元となり、前年度から42,389百万人民元
(3.85%)減少した。
貸出金の担保別内訳
以下の表は、表示日現在の貸出金の内訳を担保別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
無担保貸出金 4,959,932 33.02 4,301,972 31.21
保証付き貸出金 1,920,411 12.78 2,024,072 14.69
有形資産および不動産により担保された
貸出金 6,875,286 45.77 6,218,435 45.12
その他の担保付貸出金 1,232,277 8.20 1,201,776 8.72
未収利息 34,919 0.23 36,798 0.26
顧客に対する貸出金総額 15,022,825 100.00 13,783,053 100.00
顧客に対する貸出金に係る減損引当金
2019 年
(単位:百万人民元) ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2019 年1月1日現在 183,615 93,624 140,384 417,623
振替:
ステージ1への/(からの)振替 6,416 (6,061) (355) -
ステージ2への/(からの)振替 (7,197) 8,537 (1,340) -
ステージ3への/(からの)振替 (2,163) (18,815) 20,978 -
新たに組成または購入された金融資産 116,460 - - 116,460
振替(出)/返済 (76,030) (12,040) (50,416) (138,486)
再測定 18,926 27,635 81,082 127,643
償却 - - (49,078) (49,078)
償却済貸出金の回収 - - 7,996 7,996
76/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年12月31日現在 240,027 92,880 149,251 482,158
当グループは、新金融商品基準の要請に従い、信用資産の質の変化に応じた減損引当金の計上を行っ
た。2019年末現在、償却原価で測定される貸出金の減損引当金は482,158百万人民元であった。また、その
他の包括利益を通じて公正価値で測定される割引手形に係る減損引当金は、1,622百万人民元であった。
なお、貸出金に係る減損引当金の詳細については、本書第6「1.財務書類」の注記「顧客に対する貸
出金」を参照のこと。
金融投資
以下の表は、表示日現在の当グループの金融投資の内訳を性質別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
負債性証券投資 5,846,133 94.09 5,260,061 92.04
資本性商品およびファンド 184,739 2.97 104,270 1.82
その他の負債性証券 182,369 2.94 350,578 6.14
金融投資合計 6,213,241 100.00 5,714,909 100.00
2019年末現在、当グループの金融投資合計は6,213,241百万人民元となり、前年度から498,332百万人民
元(8.72%)の増加となった。このうち負債性証券投資は、前年度から586,072百万人民元(11.14%)増
加し、金融投資合計の94.09%(前年度から2.05ポイントの上昇)を占めた。資本性商品およびファンド
は、前年度から80,469百万人民元増加し、金融投資合計の2.97%(前年度から1.15ポイントの上昇)を占
めた。その他の負債性商品(主に、オンバランスの元本保証型WM商品の発行を通じて当行が保有する、銀
行および銀行以外の金融機関への預け金、負債性証券および信用資産を含む。)は、168,209百万人民元減
少し、金融投資合計に占める割合は2.94%となった。
なお、公正価値で測定される金融商品の詳細については、本書第6「1.財務書類」の注記「リスク管
理-金融商品の公正価値」を参照のこと。
負債性証券投資
以下の表は、表示日現在の当グループの負債性証券の内訳を通貨別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
人民元 5,572,754 95.32 5,008,914 95.22
米ドル 178,717 3.06 147,218 2.80
香港ドル 36,356 0.62 53,664 1.02
その他の外国通貨 58,306 1.00 50,265 0.96
負債性証券投資合計 5,846,133 100.00 5,260,061 100.00
77/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019年末現在、人民元建て負債性証券への投資総額は、前年度から563,840百万人民元(11.26%)増の
5,572,754百万人民元となった。外貨建て負債性証券への投資総額は、前年度から22,232百万人民元
(8.85%)増の273,379百万人民元となった。
以下の表は、表示日現在の当グループの負債性証券の内訳を発行体別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
政府 4,258,718 72.85 3,753,874 71.36
中央銀行 40,792 0.70 38,852 0.74
政策銀行 780,481 13.35 791,660 15.05
銀行および銀行以外の金融機関 339,230 5.80 227,713 4.33
その他 426,912 7.30 447,962 8.52
負債性証券投資合計 5,846,133 100.00 5,260,061 100.00
金融債
2019年末現在、当グループは、金融機関が発行した金融債を総額1,119,711百万人民元保有していた。こ
のうち、780,481百万人民元が政策銀行によって発行され、339,230百万人民元が銀行および銀行以外の金
融機関によって発行されたもので、それぞれ69.70%および30.30%を占めた。当グループは、慎重かつ合
理的な原則に基づき、新たな金融商品基準に従って償却原価で測定される金融債の減損引当金を計上して
おり、信用リスクの著しい増加はない。
以下の表は、本報告期間末現在、当グループが保有する金融債のうち額面金額の大きい上位10件を示し
たものである。
(百万人民元、%を除く)
額面金額 年利(%) 満期日 減損引当金
2019 年に発行された政策銀行債 17,540 3.75 2029 年1月25日 8.30
2019 年に発行された政策銀行債 13,725 3.48 2029 年1月8日 1.47
2019 年に発行された政策銀行債 13,110 3.86 2029 年5月20日 5.46
2018 年に発行された政策銀行債 12,850 4.00 2025 年11月12日 6.06
2018 年に発行された政策銀行債 11,659 3.76 2023 年8月14日 1.26
2014 年に発行された政策銀行債 11,540 5.67 2024 年4月8日 1.31
2014 年に発行された政策銀行債 11,340 5.79 2021 年1月14日 1.29
2018 年に発行された政策銀行債 11,120 4.15 2025 年10月26日 1.22
2018 年に発行された政策銀行債 10,641 4.89 2028 年3月26日 5.47
2014 年に発行された政策銀行債 10,630 5.61 2021 年4月8日 1.19
(1) 金融債とは、政策銀行、銀行、銀行以外の金融機関等、金融機関が発行する債券市場での譲渡が可
能な負債性証券をいう。
担保権実行資産
78/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当グループは、減損貸出金の回収努力の一環として、貸出金の貸倒れ損失および未収利息を補填するた
め、法的措置または借入人からの任意譲渡により担保権を取得することができる。2019年末現在、当グ
ループの担保権実行資産は2,580百万人民元であり、担保権実行資産に係る減損引当金残高は1,353百万人
民 元であった。詳細については、本書第6「1.財務書類」の注記「その他資産」を参照のこと。
負債
以下の表は、表示日現在の当グループの負債合計の内訳を示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く)
金額 割合(%) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
顧客からの預金 18,366,293 79.16 17,108,678 80.58 16,363,754 80.50
銀行および銀行以外の金融機
関からの預金および短期借入
金 2,194,251 9.46 1,847,697 8.70 1,720,634 8.46
発行済負債性証券 1,076,575 4.64 775,785 3.66 596,526 2.93
中央銀行からの借入金 549,433 2.37 554,392 2.61 547,287 2.69
買戻契約に基づいて売却され
た金融資産 114,658 0.49 30,765 0.15 74,279 0.37
(1)
その他の負債 899,924 3.88 913,782 4.30 1,026,076 5.05
負債合計 23,201,134 100.00 21,231,099 100.00 20,328,556 100.00
(1) 損益を通じて公正価値で測定される金融負債、公正価値がマイナスのデリバティブ、未払人件費、未払税金、
未払利息、引当金、繰延税金負債およびその他の負債から構成される。
2019年末現在、当グループの負債合計は23.20兆人民元であり、資金チャネルの拡大により資金調達源の
拡大を続けたことから、前年度から1,970,035百万人民元(9.28%)増加した。このうち、顧客からの預金
は、前年度から1,257,615百万人民元(7.35%)増加して18.37兆人民元となった。銀行および銀行以外の
金融機関からの預金および短期借入金は、前年度から346,554百万人民元(18.76%)増の2,194,251百万人
民元となった。発行済負債性証券は、主に譲渡性預金証書と適格ティア2資本の増加により前年度から
300,790百万人民元(38.77%)増の1,076,575百万人民元となった。中央銀行からの借入金は、前年度から
0.89%減の549,433百万人民元となった。結果的に、顧客からの預金は当グループの負債合計の79.16%を
占め、前年度から1.42ポイント低下した。銀行および銀行以外の金融機関からの預金および短期借入金は
負債合計の9.46%を占め、前年度から0.76ポイント上昇した。発行済負債性証券は負債合計の4.64%を占
め、前年度から0.98ポイント上昇した。中央銀行からの借入金は負債合計の2.37%を占め、前年度から
0.24ポイント低下した。
顧客からの預金
下の表は、表示日現在の当グループの顧客からの預金を商品種類別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く) 金額 割合(%) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
法人預金 8,941,848 48.69 8,667,322 50.66 8,700,872 53.17
要求払預金 5,927,636 32.28 5,854,542 34.22 5,723,939 34.98
79/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
定期預金 3,014,212 16.41 2,812,780 16.44 2,976,933 18.19
個人預金 8,706,031 47.40 7,771,165 45.42 7,105,813 43.43
要求払預金 4,100,088 22.32 3,271,246 19.12 3,169,395 19.37
定期預金 4,605,943 25.08 4,499,919 26.30 3,936,418 24.06
海外業務および子会社 510,907 2.78 492,942 2.88 557,069 3.40
未払利息 207,507 1.13 177,249 1.04 NA NA
顧客からの預金合計 18,366,293 100.00 17,108,678 100.00 16,363,754 100.00
2019年末現在、当行の国内法人預金は、前年度から274,526百万人民元(3.17%)増加して8,941,848百
万人民元となった。当行は法人向け事業と個人向け事業の連携を強化し、個人顧客の開拓を進めた。当行
の国内個人預金は、前年度から934,866百万人民元(12.03%)増加して8,706,031百万人民元となった。こ
れは国内の顧客からの預金の49.33%を占め、前年度から2.06ポイント上昇した。海外業務および子会社か
らの預金は、17,965百万人民元増加して510,907百万人民元となり、顧客からの預金合計の2.78%を占め
た。当行は体系的なネットワーク・ベースの戦略を着実に実行し、精力的に決済資金を集めた。当行の国
内要求払預金は、前年度から901,936百万人民元(9.88%)増加して10,027,724百万人民元となり、国内の
顧客からの預金の56.82%(前年度から1.31ポイントの上昇)を占めた。国内定期預金は、前年度から
307,456百万人民元(4.20%)増加して7,620,155百万人民元となり、国内の顧客からの預金の43.18%を占
めた。
発行済負債性証券
当行は、「有価証券の公募を行う会社の情報開示の内容および様式に関する基準 第2号-年次報告書の
内容および様式(2017年改訂)」ならびに「有価証券の募集を行う会社の情報開示の内容および様式に関
する基準 第38号-社債に関する年次報告書の内容および様式」に基づき、開示が要求される社債の発行を
行わなかった。詳細については、本書第6「1.財務書類」の注記「発行済負債性証券」を参照のこと。
株主資本
以下の表は、表示日現在の当グループの資本合計とその内訳を示したものである。
(単位:百万人民元) 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
資本金 250,011 250,011
その他の資本性商品 119,627 79,636
- 優先株式 79,636 79,636
- 永久債 39,991 -
資本準備金 134,537 134,537
その他の包括利益 31,986 18,451
剰余準備金 249,178 223,231
一般準備金 314,389 279,725
利益剰余金 1,116,529 990,872
当行株主帰属持分合計 2,216,257 1,976,463
80/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
非支配持分 18,870 15,131
資本合計 2,235,127 1,991,594
2019年末現在の当グループの資本は2,235,127百万人民元であり、主に利益剰余金が125,657百万人民元
増加したことにより、前年度から243,533百万人民元(12.23%)増加した。資本合計の増加率が資産の増
加率を上回ったことから、当グループの株主資本比率は8.79%となり、前年度から0.21ポイント上昇し
た。
簿外項目
当グループの簿外項目には、デリバティブ、契約債務および偶発債務が含まれる。デリバティブには、
主に金利契約、為替契約、貴金属契約、コモディティ契約等が含まれている。デリバティブの想定元本お
よび公正価値の詳細については、本書第6「1.財務書類」の注記「デリバティブおよびヘッジ会計」を
参照のこと。契約債務および偶発債務には、信用コミットメント、オペレーティング・リース契約、投資
契約、引受債務、国債の償還債務、未解決の訴訟および紛争が含まれる。これらのうち、信用コミットメ
ントが最大の構成要素であり、承認された契約済みの未使用の融資枠、未使用のクレジットカード限度
額、金融保証、信用状が含まれている。2019年末現在の信用コミットメント残高は3,085,807百万人民元で
あり、前年度から237,083百万人民元(8.32%)増加した。契約債務および偶発債務の詳細については、本
書第6「1.財務書類」の注記「契約債務および偶発債務」を参照のこと。
キャッシュ・フロー計算書の分析
営業活動から生じた資金
営業活動から生じた正味資金は、前年度から137,520百万人民元増の581,287百万人民元であった。これ
は主に、顧客からの預金ならびに銀行および銀行以外の金融機関からの預金の増加(純額)と、発行済み
の譲渡性預金証書の増加(純額)が、いずれも前年度を大幅に上回ったことによる。
投資活動に使用された資金
投資活動に使用された正味資金は、前年度から94,833百万人民元増の292,548百万人民元であった。これ
は主に、投資有価証券の購入が大幅に増加したことによる。
財務活動に使用された資金
財務活動に使用された正味資金は、前年度から130,762百万人民元増の101,841百万人民元であった。こ
れは主に、前年度において借入金の返済が増加したことに加え、債券発行代わり金が減少したことによ
る。
重要な会計上の見積り、判断および会計方針の変更
当グループの会計上の見積りおよび判断には、主に、金融資産の分類、予想信用損失の測定、金融商品
の公正価値、法人税等、従業員退職給付債務および連結の範囲が含まれる。会計上の見積りおよび判断に
ついては、本書第6「1.財務書類」の注記「重要な会計方針および会計上の見積り」を参照のこと。
当グループは、2016年1月に国際会計基準審議会により公表された国際財務報告基準第16号「リース」
を採用している。これは会計方針の変更を構成するもので、これに関連する金額の調整は財務諸表におい
て認識されている。本基準の移行条件に従い、比較対象期間の情報を修正再表示しないことを当グループ
は選択した。2019年1月1日、当グループは本基準を採用した。2018年12月31日現在の財務諸表と比べた
81/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
場合、当グループの2019年1月1日現在の資本合計と負債合計は、それぞれ19,944百万人民元増加してい
る。
中国GAAPに基づいて作成された財務諸表とIFRSに基づいて作成された財務書類との間の差異
中国GAAPに基づいて作成された当グループの連結財務諸表とIFRSに基づいて作成された連結財務諸表と
の間で、2019年度の純利益または2019年12月31日現在の資本合計に差異はない。
事業の状況
2019年の当グループの法人向け銀行業務の税引前利益は、前年度より1.99%減の72,694百万人民元であ
り、当グループの税引前当期利益の22.26%を占めた。個人向け銀行業務の税引前利益は、前年度より
6.37%増の148,642百万人民元に達し、当グループの税引前当期利益の45.51%(前年度から0.17%ポイン
トの上昇)を占めた。トレジャリー業務の税引前利益は、8.21%増の91,693百万人民元に達し、当グルー
プの税引前当期利益の28.08%(前年度から0.58%ポイントの上昇)を占めた。
当グループの主要な事業部門は、法人向け銀行業務、個人向け銀行業務、トレジャリー業務ならびに海
外業務および子会社を含むその他の業務である。
以下の表は、表示期間における各主要事業部門の税引前当期利益を示したものである。
2019 年 2018 年
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く)
金額 割合(%) 金額 割合(%)
法人向け銀行業務 72,694 22.26 74,168 24.07
個人向け銀行業務 148,642 45.51 139,734 45.34
トレジャリー業務 91,693 28.08 84,735 27.50
その他 13,568 4.15 9,523 3.09
税引前当期利益 326,597 100.00 308,160 100.00
3つの主要戦略の推進
住宅賃貸戦略
当グループは従来から有する優位性を活かし、「長期賃貸は長期的な住居であり、長期的な住居は定住
を意味する。」という考えを積極的に提唱し、新たな金融における住宅賃貸システムを構築し、住宅モデ
ルを作り上げた。また、 総合住宅賃貸サービス・プラットフォームを構築し、政府に対しては 市場を規制
するための効果的なツールを提供し、市場参加者に対しては公正かつ透明な取引環境とサービス保証を提
供している。2019年末までに、総合住宅賃貸サービス・プラットフォームは全国324の地区以上のレベルの
行政区域で開始され、いずれも累計ベースでアパート件数は20百万戸、登録者数は21百万人を超えた。当
グループは住宅賃貸の業界団体を組成し、標準的な大規模リフォームや専門性の高いサービスを提供する
ことにより、より良い賃貸経験を居住者に提供するとともに、 オープンで効率性の高い新たな住宅賃貸共
有エコシステム を構築した。さらに、賃貸不動産の委託を請け負う革新的な住宅受託事業を導入し、さら
に多くの遊休物件を賃貸市場に取り込んだ。大学、機関や企業に対しては質の高い物件や賃貸サービスを
提供し、中心市街地の大卒者や一般労働者に対しては快適で手頃なアパートを提供したほか、専門機関と
提携して介護サービス付住宅や観光客等向けの住宅を提供した。2019年末までに、当グループは800,000戸
の契約戸数を有していた。
82/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
インクルーシブ・ファイナンス戦略
当グループは、インクルーシブ・ファイナンスについてはプラットフォーム・ベースの運営を行ってい
るが、そのサービスの対象範囲、利用可能性および満足度を全面改良するため、インクルーシブ・ファイ
ナンスのための新しく、高度な、環境に配慮した様式を引き続き探求した。インクルーシブ・ファイナン
ス商品を増やし、サービス・システムを改善し、 「小規模・零細企業向け迅速ローン」に代表される新様
式の商品により、 1.03百万近くの小規模・零細企業に対して1.7兆人民元を上回る貸付を行った。 「恵懂你
(Huidongni)」のサービス・プラットフォームの最適化を継続し、 クレジット・サービスの顧客体験の向
上を図った 。また、 精密なデジタル・マーケティングを促進し、デジタル化されたエンドツーエンドの精
密なリスク管理を実施することにより、インクルーシブ・ファイナンス事業の質の高い発展を維持した。
さらに、グループとしての優位性を活用して、対象となる顧客グループに焦点を当てたインクルーシブ・
ファイナンス・エコシステムを構築した。当グループは、複数の大学と協力して「1百万人の企業家のた
めの研修プログラム」を立ち上げ、小規模・零細企業の事業主や個人事業主のための研修を行ったほか、
「CCB起業ステーション」を構築し、中小規模の科学技術イノベーション企業に対して完全なライフサイク
ル・サポートを提供した。2019年、当行のインクルーシブ・ファイナンス・ローンは353,081百万人民元増
の963,155百万人民元、インクルーシブ・ファイナンスの借入人数は前年度末から307.2千人増の1,325.1千
人となり、2019年の小規模・零細企業に対するインクルーシブ・ファイナンス・ローン(累積ベース)の
金利は4.95%であった。
農村地域に向けた金融サービスである「最後のワンマイル」への道を開拓するため、当グループは、 農
村振興のための革新的な総合サービス・プラットフォーム を構築した。このプラットフォームは、農村部
の顧客に対し、スマートな政府関連業務サービス、利便性の高いサービス、電子商取引サービス、金融
サービス等の総合サービスをワンストップで提供するものである。2019年末現在、 「CCB裕農通
(Yunongtong)」による インクルーシブ・ファイナンス・サービスの店舗は、全国の大半の 行政村 をカ
バーしており、何百万人もの農家に便利で手頃な取引サービスを提供した。
フィンテック戦略
当グループは、インテリジェント・プラットフォームの開発を強化した。全社的なネットワーク・情報
セキュリティ管理システムを構築し、災害復旧システムの構築を推進した。リアルタイムでの知覚、イン
テリジェントな意思決定、自動制御などの機能を備えたスマートなオペレーション・プラットフォームを
構築し、運用能力の向上を図った。また、画像認識、映像認識、自然言語処理など18の構成要素をサポー
トするAIプラットフォームを構築したが、381のビジネス・シナリオをカバーしている。IoTプラット
フォームが導入され、5G+インテリジェントバンキング、スマート金庫およびスマート・キャッシュボック
スの適用を支援している。さらに、ロボット型プロセス自動化プラットフォームが、チャネル運用やクレ
ジットカードその他の業務プロセスにおける反復作業を行ったことで、1日当たり500時間超の労働時間を
節約した。
当行は、フィンテックの強みを活かして事業展開を支援してきた。新たなリテール・バンキングについ
ては「シナリオ重視、個人向けかつインテリジェント」なモデルを構築したほか、「取引ビジネスと新興
ビジネスのシームレスな統合」を特徴とするコーポレート・バンキングと「インテリジェント、効率的か
つ厳格なリスク管理」を特徴とするインクルーシブ・ファイナンス・サービスを構築した。また、29の海
外事業体において 新世代中核バンキング・システム を展開し、「5G+インテリジェント・バンキング」の店
舗という新たな顧客体験を創出し、カスタマー・ジャーニーの最適化によりオンライン・プロセス管理能
力を構築したほか、「包括的・インテリジェント・対象を絞った・適時・予防的・予測」を特徴とするリ
83/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
スク管理システムを確立した。建設、住宅、社会保障等の分野への取組みを進め、政府機関、企業および
顧客と統合されたソリューションとをつないで、顧客の獲得能力と再活性化能力を高めた。
2019年末現在の当グループの技術系職員の人数は10,178名であり、全従業員の2.75%を占めた。2019年
のフィンテックへの投資額は17,633百万人民元であり、営業収益の2.60%を占めた。
法人向け銀行業務
法人預金
2019年、当行は継続して顧客と口座の基盤を強化し、政府機関や企業との提携を促進して法人預金の着
実な成長を維持した。2019年末現在の当行の国内法人預金は、前年度から274,526百万人民元(3.17%)増
の8,941,848百万人民元となった。このうち、要求払預金は1.25%の増加、定期預金は7.16%の増加であっ
た。
法人向け貸出
当行は、与信構造の最適化を継続して実体経済の発展を支援し、法人向け貸出の着実な成長と資産の質
の安定を維持した。2019年末現在の当行の国内法人向け貸出は、前年度末から462,166百万人民元
(7.11%)増の6,959,844百万人民元となった。法人向け貸出の不良債権比率は2.47%となり、前年度末か
ら若干0.13ポイント低下した。
インフラセクターへの融資は、前年度末から224,393百万人民元(6.49%)増の3,684,011百万人民元に
達し、法人向け貸出の52.93%を占め、不良債権比率は1.20%であった。民間企業への融資は、前年度末か
ら331,501百万人民元(14.21%)増の2.66兆人民元であった。戦略的新興産業への融資は、前年度末から
147,978百万人民元(38.38%)増の533,551百万人民元であった。農業関連融資は、前年度末から47,839百
万人民元増の1.81兆人民元となった。ネットワーク・サプライチェーン提携プラットフォームの数は2,659
に達し、総額879,927百万人民元のネットワーク・サプライチェーン・ファイナンスが65千社に提供され
た。不動産開発融資は、主に優良不動産の開発事業者や一般的な商業用住宅のためのプロジェクトを支援
したことにより、前年度末から30,648百万人民元増の396,303百万人民元となった。リストに基づく管理を
厳格に実施することにより、過剰設備の業界に対する融資は前年度末から5,513百万人民元減少して
114,596百万人民元となった。
公共機関向け業務
当行は、政府関連業務スマート・サービスを中心に、慈善的な宗務、高齢者介護、党および大衆サービ
ス、政治や法律のスマート・サービス、CCBスマート・キャンパス・アプリ、CCBの賢いヘルスケア・アプ
リ、政府料金のスマート支払いなど革新的な公共機関向けビジネスのプラットフォームを構築してきた
が、これまで取り扱ってきた事業は累計30百万件を超える。また、5年連続で、中国「インターネット・
プラス」大学生イノベーション&起業コンテストを支援して、10百万人近くの大学生に恩恵をもたらし
た。さらに当行は、退役軍人にサービスを提供する新たなモデルを積極的に模索し、 CCB 裕農通・退役軍人
向け 起業サービス・ステーションを設立し、CCB 裕農通・退役軍人 起業コンテストの資金を提供した。さら
に、農村振興戦略を推進するため、政府関連業務スマート・サービス戦略の効果的なコミュニティ・レベ
ルでのアプリとして、農村部の資金、資産および資源のためのプラットフォームを構築した。
国際業務
当行はイノベーション主導の開発を続け、国際競争力を継続的に向上させた。当行は、貿易の着実な拡
大を支えるとともに、中国の単一国際貿易窓口に直接リンクしている最初の銀行団の一員として、10を超
える金融サービス機能を立ち上げ、同業他社に先駆け優位性を維持してきた。また、総合金融サービス・
84/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
プラットフォーム「クロスボーダーe+」の契約件数は150,000件(前年度から173.60%増加)となったほ
か、小規模・零細企業向けにオンライン金融サービスを提供する「クロスボーダー迅速ローン」を新たに
シ リーズ化し、累計で4十億人民元近くを融資した。ブロックチェーン貿易金融プラットフォームは、国
内信用状、 フォーフェイティング、国際ファクタリング、リファクタリングなどの機能を開始し、取引累
計額は400十億人民元を超え、 50を超える銀行顧客を誘致した。また、 一帯一路構想の実施を支援し、広
東・香港・マカオ大湾区における国境を越えた金融協力を深め、自由貿易地域ビジネスでの 主導権を握っ
た。さらに、当行のグローバル・ファイナンスは「世界で最も革新的な貿易金融銀行」等、数多くの賞を
受賞した。
英国、スイスおよびチリにある当行の人民元決済銀行の営業は順調であった。CCBロンドン支店は、引き
続きアジア以外では最大の人民元決済銀行であり、累積決済額は42兆人民元を上回った。2019年における
当行の国際決済金額は1.09兆米ドルにのぼり、クロスボーダー人民元決済金額は1.68兆人民元であった。
カストディ業務
当行は、カストディ・サービスの強みを国家戦略の支援に積極的に活用し、事業改革の推進、リスク管
理の強化および資産管理事業の質の高い発展を実現した。当行は、 一帯一路構想による 国有資産管理プ
ラットフォームの建設プロジェクトのためにカストディ・サービスを提供し、四川省が所有する企業改革
のための上場投資信託(以下「ETF」という。)プロジェクトに積極的に従事したほか、幹線道路や橋梁な
どの重要な国家インフラ建設への保険資金の投資を促進した。当行が保管している株式市場「科創板」
(以下「STAR市場」という。)のファンド数と、中央政府が所有する企業向けの企業年金カストディ・
サービスの落札率においては、いずれも同業他社を上回った。また、グローバル預託証券のクロスボー
ダー転換ブローカーや日中ETFコネクティビティにおけるファンドに対し、カストディ・サービスを提供し
た最初の銀行の1行となった。2019年末現在の当行の保護預り資産は、前年度から912,255百万人民元
(7.47%)増の13.13兆人民元にのぼり、カストディ業務による手数料収入は、前年度末から137百万人民
元増の4,692百万人民元となった。
決済およびキャッシュ・マネジメント業務
決済およびキャッシュ・マネジメント業務は、順調に推移した。当行は、口座開設サービスの最適化を
目的としたPBCによる法人銀行口座の承認要件解除に関する作業を完了し、法人口座のサービスをさらに向
上させた。また、専門的な統合企業決済サービス・プラットフォームである「恵市宝(Huishibao)」を構
築することで、商人を支援し、新たなサービス・モデルを創出した。さらに、「監管易(Jianguanyi)」
を導入し、製造業やインフラ投資分野などの資金の監督を支援し、医療保険改革や人々の生活水準向上プ
ロジェクトを支えた。当行は、海外に投資する顧客にとって、グローバル口座にある資金を「見える化・
管理可能」なものとするために、グローバル・キャッシュ・マネジメント・サービスの改善を継続した。
2019年末現在の当行の法人向け人民元決済口座は、1,015.5千口座増の11,053.4千口座となった一方、
キャッシュ・マネジメントの稼働顧客は、810.3千人増の2,966.6千人であった。
個人向け銀行業務
パーソナル・ファイナンス
当行は新たな金融の概念の実践に努めるとともに、新たなリテール・バンキングの発展を積極的に推進
した。個人顧客については質と量のバランスのとれた成長を実現し、中核となるビジネス指標においても
同業他社の中でトップの地位を維持し、運営能力のさらなるデジタル化を進めた。
85/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当行は、市場の動向と資金状況を踏まえて革新的商品と統合プロセス管理の最適化を行い、個人預金の
急速な成長を達成した。2019年末の当行の国内個人預金は、前年度末から12.03%増の8,706,031百万人民
元となった。国のマクロ統制政策や不動産市場の長期的メカニズムに従い、新たな住宅ローンの価格決定
基 準のローン・プライム・レートへの移行を着実に進めるとともに、人々の合理的な住宅ニーズを支援す
るため、差別化された住宅与信方針を厳格に実施した。また、当行は消費の高度化の支援に加え、オンラ
イン・チャネル「CCB迅速ローン」を通じて15百万人を上回る顧客にセルフサービスで175.7十億人民元の
個人ローンを供与した。
受託住宅金融事業
当行は、受託住宅金融事業のサービス基準を積極的に強化し、低・中所得者の居住を目的とした住宅
ニーズを支援するため補償住宅ローン事業を着実に前進させた。2019年末の住宅資金預金は878,927百万人
民元、個人向け共済住宅基金ローン残高は総額2,399,273百万人民元であった。また、当行は、600,000近
くの低・中所得者世帯に累計115,971百万人民元の個人補償住宅ローンを提供した。
デビットカード事業
当行は、モバイル決済のイノベーションへの取組みを継続的に強化した。引き続き「ロング・ペイ」事
業の機能向上を図り、年間349百万件の取引により122百万人のユーザーを獲得したことで、ブランドの認
知度や事業規模において同業他社の中でトップクラスの存在となった。また、利便性の高いサービスを提
供するためPBCのモバイル決済モデル・プロジェクトを積極的に推進し、支払・決済エコシステムの高度化
と拡大を推進した。さらに、オープン・バンキングの開発を加速させ、第三者機関との協力を通じて、外
部シナリオにおける一括顧客獲得と金融サービスの提供を達成した。2019年末のデビットカードの使用枚
数は、金融系ICカード622百万枚を含め1,129百万枚となった。2019年のデビットカードの取扱高は、前年
度から10.42%増の23.19兆人民元となった。
クレジットカード事業
クレジットカード事業は、銀行が地域ごとに差別化された運営モデルを実践したことで、急速かつ健全
な発展を遂げた。当行は、若者、自動車所有者、海外で買い物をする消費者など、ターゲットを絞った顧
客層を対象に商品の革新を積極的に推進した。QQミュージック・カード、飛馳暢行ロング・カード、JOY
カードなどの幅広い商品を導入したほか、オンラインで即座に申請・発行が可能な仮想クレジットカード
「ロング・クレジットカード(ローン)」を2.2百万枚を上回る枚数発行した。積極的にETCのマーケティ
ングを展開し、20百万人を超えるクレジットカード顧客がETCサービスを契約した。クレジットカード・
ベースのモバイル決済と支払いについてイノベーションを強化し、インテリジェントなPOSプラットフォー
ムで100を超える革新的な業界アプリを開始することで、加盟店とのシナリオベースの展開を加速させた。
また、リスク管理およびコンプライアンス管理能力の徹底的な改善、リスク戦略の最適化、与信承認シス
テムの差別化、規制要件の厳格な実施、資金使途の管理の強化を行った。2019年末のクレジットカードの
累計発行枚数は、前年度末から12,759,300枚増加の133百万枚となり、クレジットカード取引金額は3.15兆
人民元であった。当行は資産内容において同業他社を上回っており、ローン残高は741,197百万人民元、不
良債権比率は1.03%であった。
プライベート・バンキング
当行は、プライベート・バンキングの「質の高いサービスと素晴らしい体験」という基本理念を堅持し
て、引き続き銀行業務の専門性の向上に努めた。
86/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
サービスの質は専門性によって確保される。当行は質の高い第三者と積極的に協力し、資産構成、法
務・税務サービスおよび資産配分における専門的な運営能力の継続的な向上、定期的な投資戦略や特別研
究 レポートの発行を行ったほか、家族財産フォーラムなどのハイレベルな集まりを開催し、家族信託助言
事業においては同業他社の中でもトップ地位を固めた。2019年末現在の運用資産は、28,605百万人民元に
達した。
配慮は顧客の信頼を勝ち取る。当行は、顧客のニーズを把握し、完全にこれに対応することにより顧客
の高い信頼を勝ち取るべく、精緻化されたサービス・モデルを専門家チームと共に推し進めた。オンライ
ン運営とオフライン運営を統合したプライベート・バンキング・モデルを構築するため、プライベート・
バンキング・センターの運営能力の強化、「CCB e-プライベート・バンキング」のモバイル版機能の向上
およびチャネルでの展開の最適化を行うことで、顧客体験を効果的に向上させた。
2019年末現在のプライベート・バンキング顧客の金融資産は1.51 兆人民元となり、前年度末から
160,823百万人民元(11.93%)増加した。また、プライベート・バンキングの顧客数は、前年度末から
15,528 人(12.21%)増の142,739人となった。
トレジャリー 業務
金融市場事業
当行の金融市場事業は内外の環境変化に積極的に対応し、引き続きトレーディング能力の向上、顧客基
盤の強化、チャネル・プラットフォームの拡充、中小金融機関の支援、リスク統制・管理の強化に努め
た。その結果、事業規模は順調に拡大し、主要経営指標ではトップの地位を維持するとともに、競争優位
性を着実に向上させた。
マネーマーケット業務
当行は、マネーマーケット・ツールを組み合わせて活用し、人民元と外貨の合理的な調達ポジションを
維持し、健全な流動性確保のための積極的な運営を強化した。人民元のマネーマーケット業務において
は、市場変動のパターンを十分に理解しながら金融政策を厳守して安定したポジションを維持し、資金の
リターンを最大化するべく先進的な研究を強化した。外貨のマネーマーケット・ポートフォリオについて
は、米国連邦準備制度理事会による方針変更、米中貿易摩擦、米ドル流動性に関するその他の要因が及ぼ
す影響に細心の注意を払い、流入・流出の満期を適切に調整することにより、外貨の流動性が年間を通じ
て合理的かつ適切な範囲に維持されるよう確保した。
負債性証券投資
当行は、負債性証券投資における流動性、安全性および投資リターンのバランスを確保した。人民元建
て負債性証券への投資に関しては、バリュー投資の原則を堅持し、ポートフォリオ構成の最適化を進め、
合理的なペースで投資を実施した。外貨建て負債性証券への投資に関しては、グローバル市場の金利動向
を注視し、ポートフォリオ構成を積極的に調整し、全体的な投資リターンを向上させるべくボラティリ
ティ・オペレーションを増やした。
顧客主導のトレーディング業務
当行は、顧客主導のトレーディング業務の質の高い発展を着実に推し進めた。顧客基盤の強化を図り、
顧客数は過去最高となった。また、 CCB 金融市場電子取引プラットフォームや フィンテックが支える金融デ
リバティブ・プライシング・システムを構築し、外国機関投資家のヘッジ需要に応えるためカウンター
パーティを拡充した。さらに、徹底した戦略調査を行って市場取引ブランドを構築した。顧客主導のト
レーディング業務の健全な発展のため、コンプライアンス管理を強化した。2019年の顧客主導のトレー
87/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ディング業務の取引金額は387.1十億米ドル、外国為替のマーケット・メイキング取引金額は3.20兆米ドル
に達した。当行は、銀行間外国為替マーケット・メーカー総合ランキングで第1位を維持した。
貴金属およびコモディティ
当行は、規制に則った貴金属およびコモディティ業務の健全な発展を実現した。顧客が多様化している
投資や取引ニーズに応えるため、PX、ナフサ、リンゴ等の新たな商品によるコモディティ・ヘッジ事業の
拡大を継続した。2019年における当行の貴金属の総取引金額は74,274トンに、また貴金属およびコモディ
ティ取引の個人顧客数は49.78百万人に達した。
資産管理業務
当行は、資産管理モデルの変革を加速させるため規制方針を厳格に遵守し、商品と資産構成を継続的に
最適化した。2019年末現在の当グループのWM商品は2,145,723百万人民元であった。このうち、当行が資産
管理を行った商品は2,061,897百万人民元、CCBウェルス・マネジメントによるものは83,826百万人民元で
あった。
2019年末現在の当行の純資産価額型商品は478,533百万人民元であった。当該事業年度中に285の純資産
価額型商品を発行したこともあり、前年度末から178,909百万人民元増加した。個人顧客向けWM商品は順調
に増加し、全体の78.80%を占める1,624,721百万人民元となった。資産構成の最適化をさらに進め、満期
の不一致は大幅に改善された。2019年末現在の当行のウェルス・マネジメント事業による直接および間接
投資は、総額で2,145,757百万人民元に達した。具体的には、現金、預金および銀行間譲渡性預金は
533,876百万人民元(全体の24.88%)、債券は679,460百万人民元(全体の31.67%)、非標準化負債資産
は721,420百万人民元(全体の33.62%)、その他の資産は211,001百万人民元(全体の9.83%)であった。
公開市場で取引可能な標準資産は47.06%を占めたが、前年度末から195,972百万人民元(24.08%)増の
1,009,782百万人民元であった。顧客の利益を守り、秩序ある方法でCCB子会社への商品移転を実施するべ
く、2019年12月、72,280百万人民元にのぼる「乾元-龍宝」(毎日)商品が子会社にスムーズに移転され
たが、この移転には250,000人近くの個人顧客を伴った。2019年、顧客の投資ニーズに効果的に対応するた
め、当行は、総額7,771,813百万人民元の様々なWM商品を独自に発行した。このうち、276の元本保証型WM
商品の発行金額は353,192百万人民元、8,019の非元本保証型WM商品の発行金額は7,418,621百万人民元で
あった。2019年には、総額518,123百万人民元にのぼる441の元本保証型WM商品と、7,380,095百万人民元に
のぼる8,614の非元本保証型WM商品が満期を迎えた。2019年末現在の当行のWM商品残高は、2,061,897百万
人民元であった。このうち、179の残りの元本保証型WM商品残高は、前年度末から164,932百万人民元減の
176,847百万人民元であり、4,003の残りの非元本保証型WM商品残高は、前年度末から38,526百万人民元増
の1,885,050百万人民元であった。
投資銀行業務
当行は、金融セクターにおける供給サイドの構造改革を深化させるために、主要な社会問題および経済
問題に焦点を当て、実体経済に積極的に貢献するとともに、資金とアイデアの両方を含む包括的な金融ソ
リューションを企業に提供した。2019年、債券引受業務が主導的な優位性を維持し、財務助言業務が力強
い成長の勢い示したことから、当行の投資銀行業務からの収益は5,536百万人民元に達した。非金融機関の
ための引受けを行った合計666のデット・ファイナンス証券は、478十億人民元であった。当行は、信用リ
スク軽減ワラント(CRMW)等の証券の採用により、22,580百万人民元にのぼるデット・ファイナンス証券
を引き受け、民間企業のために7,470百万人民元のアセットバック証券化プロジェクトを請け負った。さら
に、「イノベーション&起業」ビジネスのための3.7十億人民元のデット・ファイナンス証券プロジェク
ト、6.2十億人民元の貧困緩和証券、2,148百万人民元のインクルーシブ・ファイナンス信用資産アセット
バック証券化プロジェクトを請け負った。グリーン・ファイナンス分野での提携を推し進め、総額24十億
88/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
人民元にのぼるグリーン・ボンド・プロジェクトを引き受けた。当行が行った海外債務引受けは累計で
69,129百万米ドルに達し、デット・エクイティ・スワップやその他の統合されたレバレッジ解消ビジネス
へ の投資総額は217,922百万人民元となった。一方で、STAR市場への上場を検討している顧客に積極的に対
応し、顧客に合わせた金融サービス・ソリューションを提供した。
金融機関向け業務
当行は、金融機関向け業務でのフィンテック戦略の活用を強力に推進し、銀行間提携プラットフォーム
を構築したほか、リテール・バンキング向けのインテリジェントなリスク管理やビッグデータ・ガバナン
ス助言サービスなど21のサービスを開始し、顧客のコスト削減、リスクの防止・軽減および効率性の向上
に貢献した。2019年末現在の当行の他の国内金融機関に対する負債(保険預金を含む。)は1,528,007百万
人民元であり、前年度末から248,754百万人民元(19.45%)増加した。当行の他の国内金融機関への預託
資産は前年度末から81,662百万人民元減の684,009百万人民元であった。
海外における商業銀行業務
当グループは、海外業務および企業ネットワークを着実に拡大し、顧客サービス能力のグローバル化と
国際競争力を強化した。カザフスタンのアスタナ支店とマレーシアのラブアン支店が、2019年の9月と10
月にそれぞれ営業を開始した。2019年末までに当行が設置した海外拠点は30の国と地域に及んだ。また、
当グループは、CCBアジア、CCBロンドン、CCBロシア、CCBヨーロッパ、CCBニュージーランド、CCBブラジ
ル、CCBマレーシアなどの完全所有子会社を保有していたほか、CCBインドネシアの株式資本の60%を保有
していた。2019年の当グループの海外商業銀行の純利益は、前年度から11.84%増の8,946百万人民元で
あった。
CCB アジア
CCBアジア(中国建設銀行(亜洲)股份有限公司(China Construction Bank (Asia) Corporation
Limited))は、香港で登録された認可銀行であり、発行済み全額払込済み資本金は6,511百万香港ドル
(17,600百万人民元)である。
CCBアジアは、香港とマカオを中核拠点を置き、中国本土と東南アジアに広がる地域で幅広い事業に従事
する免許を有している。ホールセール事業の対象顧客には、地元のブルーチップ企業、大手のレッドチッ
プ企業や多国籍企業が含まれている一方で、地域の優良顧客に対してもトップクラスの金融サービスを提
供している。CCBアジアは、海外のシンジケート・ローンやストラクチャード・ファイナンスなどの専門的
な金融サービスの提供において豊富な経験と伝統的な優位性を有しており、国際決済、貿易金融、金融市
場取引、大口の仕組預金、財務助言サービスなど、法人向け金融サービスで急速な成長を遂げている。CCB
アジアは、当グループの香港のリテール・バンキングおよび中小企業向けのサービス・プラットフォーム
であり、46の支店と店舗(支店、ウェルス・マネジメント・センターおよび個人向けローン・センターを
含む。)を有している。2019年末現在のCCBアジアの総資産は405,231百万人民元、株主資本は62,814百万
人民元であった。2019年の純利益は3,246百万人民元であった。
CCB ロンドン
CCBロンドン(中国建設銀行(倫敦)有限公司(China Construction Bank (London) Limited))は当行
の完全所有子会社であり、2009年に英国で設立された。登録資本は200百万米ドル(1.5十億人民元)であ
る。
CCBロンドンは、英国で事業を営む中国系機関、中国への投資を行っている英国企業、および中国と英国
間の貿易に関与している企業へのサービス提供を専業としている。主に、法人預金および法人融資、国際
89/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
決済および貿易金融、金融市場取引商品などに従事している。2019年末現在の総資産は3,880百万人民元、
株主資本は3,677百万人民元であった。2019年の純利益は16百万人民元であった。
CCB ロシア
CCBロシア(中国建設銀行(俄羅斯)有限責任公司(China Construction Bank (Russia) Limited))は
当行の完全所有子会社であり、2013年にロシアで設立された。登録資本は4.2十億ルーブルである。CCBロ
シアは、ロシア連邦中央銀行が発行した包括的な銀行免許、貴金属取引免許および債券市場参加者免許を
有している。
CCBロシアは、一帯一路構想に基づくプロジェクトの建設ならびに中露二国間の取引および貿易を支援す
るための金融サービスの提供を専業としている。主に、法人預金および法人融資、国際決済および貿易金
融、金融市場取引、金融機関向け業務、清算業務などに従事している。2019年末現在のCCBロシアの総資産
は3,168百万人民元、株主資本は722百万人民元であった。2019年の純利益は18百万人民元であった。
CCB ヨーロッパ
CCBヨーロッパ(中国建設銀行(欧州)有限公司(China Construction Bank (Europe) S.A.))は当行
の完全所有子会社であり、2013年にルクセンブルグで設立された、登録資本は200百万ユーロである。CCB
ヨーロッパはルクセンブルグに拠点を置き、パリ、アムステルダム、バルセロナ、ミラノおよびワルシャ
ワに支店を開設している。
CCBヨーロッパは、主に欧州で事業を営む中国の大企業および中堅企業ならびに中国に進出している欧州
の多国籍企業向けにサービスを提供している。主に、法人預金および法人融資、国際決済および貿易金
融、クロスボーダー取引に従事している。2019年末現在ののCCBヨーロッパの総資産は10,427百万人民元、
株主資本は1,425百万人民元であった。2019年の純利益は15百万人民元であった。
CCB ニュージーランド
CCBニュージーランド(中国建設銀行(紐西蘭)有限公司(China Construction Bank (New Zealand)
Limited))は当行の完全所有子会社であり、2014年にニュージーランドで設立された。登録資本は199百
万ニュージーランド・ドルである。
CCBニュージーランドは、ホールセールおよびリテール業務の免許を保有しており、法人融資、貿易金
融、人民元決済、クロスボーダー取引など、総合的かつ質の高い金融サービスを提供している。2019年末
現在のCCBニュージーランドの総資産は8,686百万人民元、株主資本は1,063百万人民元であった。2019年の
純利益は52百万人民元であった。
CCB ブラジル
CCBブラジル(中国建設銀行(巴西)股份有限公司(China Construction Bank (Brasil) Banco
M ú ltiplo S/A))は、2014年にブラジルで当行が買収した完全所有子会社である。その前身であるバン
コ・インダストリアル・エ・コメルシアルS.A.(Banco Industrial e Comercial S.A.)は、2015年に上場
が廃止されて現在の名称に変更された。
CCBブラジルは、法人融資、トレーディングおよび個人向けローンなどの銀行サービスのほか、リースな
ど非銀行系の金融サービスも提供している。CCBブラジルは、ブラジル国内に8つの支店および出張所、ケ
イマンに1支店、完全所有子会社5社および合弁会社1社を保有している。これらの完全所有子会社が、
個人向けローン、クレジットカード、ファイナンス・リースなどのサービスを提供している一方、合弁会
社はファクタリングに焦点を当てている。2019年末現在のCCBブラジルの総資産は34,220百万人民元、株主
資本は2,705百万人民元であった。2019年の純利益は61百万人民元であった。
CCB マレーシア
90/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
CCBマレーシア(中国建設銀行(馬来西亜)有限公司(China Construction Bank (Malaysia)
Berhad))は当行の完全所有子会社であり、2016年にマレーシアで設立された。登録資本は822.6百万マ
レー シア・リンギットである。2019年8月、200百万米ドルに相当するティア2自己資本の増資を実施し
た。
CCBマレーシアは、認可を受けた商業銀行として、一帯一路構想に基づく主要プロジェクト、中国とマ
レーシアの二国間貿易に携わる企業およびマレーシア国内の大型現地インフラ・プロジェクトに対し、グ
ローバルな信用供与、貿易金融、サプライチェーン・ファイナンス、多数通貨の決済、クロスボーダーの
資金取引など、様々な金融サービスを提供することができる。2019年末現在のCCBマレーシアの総資産は
10,798百万人民元、株主資本は1,448百万人民元であった。2019年の純利益は27百万人民元であった。
CCB インドネシア
CCBインドネシア(中国建設銀行(印度尼西亜)股份有限公司(PT Bank China Construction Bank
Indonesia Tbk))は、インドネシア証券取引所に上場されている完全認可を受けた商業銀行であり、登録
資本は1.66兆インドネシア・ルピアである。CCBインドネシアはジャカルタに本店を置き、インドネシア国
内に87の支店と出張所を有している。当行は、2016年9月にPTバンク・ウィンドゥ・クンチャナ・イン
ターナショナルTbk(PT Bank Windu Kentjana International Tbk)の株式60%の取得を完了し、2017年2
月に現在の社名に変更された。
CCBインドネシアは、一帯一路構想への大規模な支援の提供を含む中国とインドネシア二国間の投資と貿
易の促進、インドネシアにおける地域開発の促進、インドネシアにおけるブルーチップ企業へのサービス
の提供に従事しており、法人向け業務、中小企業向け業務、貿易金融、インフラ金融等に焦点を当ててい
る。2019年末現在のCCBインドネシアの総資産は9,410百万人民元、株主資本は1,323百万人民元であった。
2019年の純利益は34百万人民元であった。
統合された業務子会社
当グループは、CCBプリンシパル・アセット・マネジメント、CCBファイナンシャル・リーシング、CCB信
託、CCB生命保険、中徳住宅貯蓄銀行、CCBフューチャーズ、CCB年金、CCB損害保険、CCBインベストメン
ト、CCBウェルス・マネジメント、CCBインターナショナルなど、多数の国内および海外子会社を所有して
いる。2019年、統合された業務子会社は事業も好調で、総じて順調に発展した。2019年末現在の統合され
た業務子会社の総資産は603,687百万人民元であった。2019年の純利益は3,809百万人民元であった。
CCB プリンシパル・アセット・マネジメント
CCBプリンシパル・アセット・マネジメント(建信基金管理有限責任公司(CCB Principal Asset
Management Co., Ltd.))は、2005年に設立され、200百万人民元の登録資本を有している。かかかる資本
のうち、当行が65%、プリンシパル・ファイナンシャル・サービシズ・インク(Principal Financial
Services, Inc.)と中国華電集団資本控股有限公司(China Huadian Capital Holdings Company
Limited)がそれぞれ25%と10%を出資している。CCBプリンシパル・アセット・マネジメントは、ファン
ドの募集・販売および資産運用に従事している。
CCBプリンシパル・アセット・マネジメントは、様々な事業指標においてトップの地位を維持した。2019
年末現在のCCBプリンシパル・アセット・マネジメントの総資産は1.62兆人民元であった。特に、ミュー
チュアル・ファンドは529,505百万人民元、分別管理口座は534,554百万人民元、さらに子会社であるCCBプ
リンシパル・キャピタル・マネジメント・カンパニー・リミテッド(CCB Principal Capital Management
Co., Ltd.)の運用資産は、553,427百万人民元に達した。2019年末現在のCCBプリンシパル・アセット・マ
ネジメントの総資産は6,996百万人民元、株主資本は5,880百万人民元であった。2019年の純利益は1,238百
万人民元であった。
91/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
CCB ファイナンシャル・リーシング
CCBファイナンシャル・リーシング(建信金融租賃有限公司(CCB Financial Leasing Co., Ltd.))
は、当行の完全所有子会社であり、2007年に設立された。登録資本は8十億人民元である。CCBファイナン
シャル・リーシングは、主にファイナンス・リース、ファイナンス・リース資産の譲渡および購入、確定
利付証券投資等に従事している。
CCBファイナンシャル・リーシングは実体経済に根付いており、交通インフラ、グリーン・エネルギー、
先端的製造業、生活サービスなどの事業部門を中心に、航空機リースおよび船舶リースの発展拡大、海外
事業の積極的かつ着実な発展、リスク管理と統制基盤の統合に努めた。これにより、業界では低水準の不
良債権比率を維持し、発展の質と業績が着実に改善された。2019年末現在の総資産は131,076百万人民元、
株主資本は16,013百万人民元であった。2019年の純利益は1,521百万人民元であった。
CCB 信託
CCB信託(建信信託有限責任公司(CCB Trust Co., Ltd.))は、2009年に当行が出資、支配した信託子
会社であり、登録資本は2,467百万人民元である。当行および合肥興泰金融控股(集団)有限公司(Hefei
Xingtai Financial Holding (Group) Co., Ltd.)が、それぞれ67%および33%を出資している。CCB信託
は、主に信託業務、投資銀行業務および自己勘定業務に従事している。
CCB信託は、業務におけるコンプライアンス改善の取組みを強化し、イノベーション主導の開発に積極的
に取り組み、堅調な業績を達成した。2019年末現在の運用信託資産は1,391,232百万人民元であった。CCB
信託の総資産は31,586百万人民元、株主資本は20,801百万人民元であった。2019年の純利益は2,218百万人
民元であった。
CCB 生命
CCB生命(建信人寿保険股份有限公司(CCB Life Insurance Co., Ltd.))は1998年に設立され、登録資
本は4,496百万人民元である。当行、中国人寿保険股份有限公司(台湾)(China Life Insurance Co.,
Ltd. (Taiwan))、全国社会保障基金理事会(the National Council for Social Security Fund)、中国
建銀投資有限責任公司(China Jianyin Investment Limited)、上海錦江国際投資管理有限公司
(Shanghai Jin Jiang International Investment and Management Company Limited)および上海華旭投
資有限公司(Shanghai China-Sunlight Investment Co., Ltd.)が、それぞれ51%、19.9%、14.27%、
5.08%、4.9%および4.85%を出資している。CCB生命は、主に生命保険、健康保険、傷害保険などの個人
保険やこれらの再保険に従事している。
CCB生命は事業変革を推し進め、業績は引き続き改善した。2019年末現在のCCB生命の総資産は177,197百
万人民元、株主資本は12,844百万人民元であった。2019年の純利益は757百万人民元であった。
中徳住宅貯蓄銀行
中徳住宅貯蓄銀行(中徳住房儲蓄銀行有限責任公司(Sino-German Bausparkasse Co., Ltd.))は2004
年に設立され、登録資本は2十億人民元である。当行とシュヴェービッシュ・ハル住宅金融金庫
(Bausparkasse Schwaebisch Hall AG)は、それぞれ75.10%と24.90%を出資している。中徳住宅貯蓄銀
行は、住宅金融セクターに特化した特殊商業銀行として、住宅貯蓄預金およびローン、住宅ローンならび
に国家政策に支えられた補償住宅のための不動産開発ローンに従事している。
2019年、中徳住宅貯蓄銀行は着実な事業発展を遂げ、住宅貯蓄商品の売上額は31,989百万人民元に達し
た。2019年末現在の中徳住宅貯蓄銀行の総資産は22,758百万人民元、株主資本は2,948百万人民元であっ
た。2019年の純利益は45百万人民元であった。
CCB フューチャーズ
92/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
CCBフューチャーズ(建信期貨有限責任公司(CCB Futures Co., Ltd.))は、2014年に当行が出資、支
配した先物子会社であり、登録資本は561百万人民元である。CCB信託および上海良友(集団)有限公司
(Shanghai Liangyou (Group) Co., Ltd.)が、それぞれ80%および20%を出資している。CCBフュー
チャーズは、主に商品先物取次業務、金融先物取次業務、資産運用業務および先物投資助言業務に従事し
ている。建信商貿有限責任公司(CCB Trading Company Limited)はCCBフューチャーズの完全所有子会社
であり、倉庫証券業務やプライシング業務といったCSRCの認可を受けた試験的リスク管理業務のほか、一
般貿易業務に従事している。
CCBフューチャーズは積極的に実体経済に奉仕し、すべての事業部門で安定的な発展を維持した。2019年
末現在のCCBフューチャーズの総資産は7,543百万人民元、株主資本は680百万人民元であった。2019年の純
利益は8百万人民元であった。
CCB 年金
CCB年金(建信養老金管理有限責任公司(CCB Pension Management Co., Ltd.))は2015年に設立され、
登録資本は2.3十億人民元である。当行および全国社会保障基金理事会が、それぞれ85%および15%を出資
している。CCB年金は、主に全国社会保障基金の運用管理、企業年金基金の管理関連業務、年金基金の受託
管理業務および上記の資産管理業務に係る年金助言業務に従事している。
CCB年金は、年金およびCCB年金のサービス・ブランドのための金融エコシステムの構築に努め、「年金
のための住宅預託」事業における初の契約締結に成功し、総合的な年金サービス・プラットフォームの最
適化を継続した。また、中央管理地域の職業年金プランの公募入札をすべて落札した。2019年末現在のCCB
年金の運用資産は541,701百万人民元であり、CCB年金の総資産は3,088百万人民元、株主資本は2,472百万
人民元であった。2019年の純利益は197百万人民元であった。
CCB 損保
CCB損保(建信財産保険有限公司(CCB Property & Casualty Insurance Co., Ltd.))は2016年に正式
に設立され、登録資本は1十億人民元である。CCB生命、寧夏交通投資集団有限公司(Ningxia
Communications Investment Group Co., Ltd.)および銀川通聯資本投資運営有限公司(Yinchuan
Tonglian Capital Investment Operation Co., Ltd.)が、それぞれ90.2%、4.9%および4.9%を出資して
いる。CCB損保は、主に自動車保険、企業財産保険、家財保険、建設工事保険、機械保険、賠償責任保険、
船体・貨物保険、短期傷害保険および上記保険の再保険に従事している。
CCB損保は着実な事業展開を見せた。2019年末現在のCCB損保の総資産は1,116百万人民元、株主資本は
545百万人民元であった。2019年の純利益は、98百万人民元のマイナスとなった。
CCB インベストメント
CCBインベストメント(建信金融資 產 投資有限公司(CCB Financial Asset Investment Co., Ltd.))は
当行の完全所有子会社であり、2017年に設立された。登録資本は12十億人民元である。主に、デット・エ
クイティ・スワップとその関連支援業務に従事している。
CCBインベストメントは、市場志向型であると同時に法令に基いたアプローチを採用し、デット・エクイ
ティ・スワップ事業においては市場トップの地位を獲得した。2019年末現在、包括契約に関する契約総額
は854,352百万人民元であり、実際の投資額は314,631百万人民元であった。2019年末現在のCCBインベスト
メントの総資産は102,680百万人民元、株主資本は12,417百万人民元であった。2019年の純利益は287百万
人民元であった。
CCB ウェルス・マネジメント
93/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
CCB ウェルス・マネジメント(建信理財有限責任公司(CCB Wealth Management Co., Ltd.))は、2019年
に設立され、登録資本は15十億人民元である。主に、WM商品の公募、投資家から委託された財産の投資運
用、資産管理の助言・コンサルティングなどの業務を行っている。
2019 年6月、中国で設立された商業銀行初のウェルス・マネジメント子会社として、CCBウェルス・マネジ
メントは正式に発足した。CCBウェルス・マネジメントの設立は、ウェルス・マネジメントおよび資産管理
事業における当グループの積極的な管理能力と専門性をさらに向上させ、実体経済と資本市場の着実な発
展を支えることになろう。 2019年末現在のCCB ウェルス・マネジメント の総資産は15,217百万人民元、株主
資本は15,060百万人民元であった。2019年の純利益は60百万人民元であった。
CCB インターナショナル
CCBインターナショナル(建銀国際(控股)有限公司(CCB International (Holdings) Limited))は、
601百万米ドルの登録資本で2004年に設立され、香港にある当行の完全所有子会社のひとつである。子会社
を通じて、公募のスポンサー業務および引受業務、企業の合併・買収およびリストラクチャリング、直接
投資、資産管理、証券仲介、市場調査などの投資銀行関連サービスを提供している。
景気の低迷と資本市場の変動の影響を受け、CCB インターナショナルは事業戦略とリスク選好を調整
し、資産を徐々に削減し、新規投資の増加を抑えた。2019年末現在のCCBインターナショナルの総資産は
75,727百万人民元、株主資本は7,433百万人民元であった。2019年の純利益は、マイナス2,515百万人民元
であった。
地域部門別の内訳
以下の表は、表示期間における当グループの税引前当期利益の内訳を地域部門別に示したものである。
2019 年 2018 年
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く)
金額 割合(%) 金額 割合(%)
揚子江デルタ 52,927 16.20 49,754 16.15
珠江デルタ 54,439 16.67 48,878 15.86
渤海地域 33,564 10.28 33,146 10.76
中央部 39,834 12.20 41,131 13.35
西部 34,420 10.54 42,631 13.83
北東部 8,505 2.60 782 0.25
本店 97,271 29.78 81,572 26.47
海外 5,637 1.73 10,266 3.33
税引前当期利益 326,597 100.00 308,160 100.00
以下の表は、表示日現在の当グループの資産の内訳を地域部門別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く)
金額 割合(%) 金額 割合(%)
揚子江デルタ 4,749,945 13.57 4,552,908 13.78
珠江デルタ 3,767,856 10.76 3,568,920 10.80
渤海地域 5,574,202 15.92 5,294,864 16.03
中央部 4,487,688 12.82 4,207,180 12.73
西部 3,670,832 10.49 3,448,750 10.44
北東部 1,286,929 3.68 1,179,534 3.57
94/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
本店 9,745,744 27.84 9,090,812 27.52
海外 1,722,884 4.92 1,694,519 5.13
(1)
35,006,080 100.00 33,037,487 100.00
資産合計
(1) 資産合計は除去資産と繰延税金資産を除く。
以下の表は、表示日現在の当グループの貸出金および不良債権の内訳を地域部門別に示したものであ
る。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
不良債権
全体に対 不良債権 全体に対
(百万人民元、%を除く) 比率
する割合 比率 する割合
貸出金総額 (%) 不良債権 (%) 貸出金総額 (%) 不良債権 (%)
揚子江デルタ 2,584,684 17.24 25,796 1.00 2,386,931 17.36 26,234 1.10
珠江デルタ 2,320,984 15.49 24,914 1.07 2,085,684 15.17 24,077 1.15
渤海地域 2,527,254 16.86 43,954 1.74 2,292,606 16.68 42,331 1.85
中央部 2,684,077 17.91 46,289 1.72 2,418,013 17.59 34,087 1.41
西部 2,480,840 16.55 40,008 1.61 2,277,666 16.57 36,092 1.58
北東部 738,388 4.93 20,384 2.76 712,310 5.18 25,850 3.63
本店 747,741 4.99 8,185 1.09 685,733 4.99 8,123 1.18
海外 903,938 6.03 2,943 0.33 887,312 6.46 4,087 0.46
貸出金総額(未収利息を
除く。 14,987,906 100.00 212,473 1.42 13,746,255 100.00 200,881 1.46
以下の表は、表示日現在の当グループの預金の内訳を地域部門別に示したものである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
全体に対する 全体に対する
(百万人民元、%を除く)
金額 割合(%) 金額 割合(%)
揚子江デルタ 3,141,230 17.10 2,933,998 17.15
珠江デルタ 2,830,395 15.41 2,514,306 14.70
渤海地域 3,368,554 18.34 3,106,230 18.16
中央部 3,624,357 19.73 3,498,480 20.44
西部 3,457,424 18.83 3,262,605 19.07
北東部 1,216,744 6.63 1,115,627 6.52
本店 9,175 0.05 7,241 0.04
海外 510,907 2.78 492,942 2.88
未払利息 207,507 1.13 177,249 1.04
顧客からの預金合計 18,366,293 100.00 17,108,678 100.00
支店網および経路の構築
当グループは、世界中の支店、出張所、セルフサービス施設、専門のサービス機関および電子バンキン
グ・サービス・プラットフォームを通じて、便利で質の高いサービスを顧客に提供している。2019年末現
在、当行は14,912ヶ所の営業拠点を有しており、その内訳は、国内拠点は本店、37の第一次支店、355の第
二次支店、14,184の出張所、301の店舗、本店レベルの専門クレジットカード・センター1ヶ所を含む
95/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
14,879ヶ所、また海外機関は33ヶ所であった。さらに、当行は19の主要子会社を有しており、これらは合
計561ヶ所の拠点(国内拠点383ヶ所および海外拠点178ヶ所)を有している。
物理的経路
当行は、オンライン・チャネルとオフライン・チャネルの統合を引き続き推進し、店舗を、オンライ
ン・プラットフォームと地域社会を結ぶ総合的なプラットフォームとして位置づけ、より良い生活に対す
る人々のニーズに応えてきた。
当行は、中核分野とインクルーシブ・ファイナンスのサービス提供範囲を拡大するため、合理的かつ適
切な店舗数と店舗構成を維持した。2019年に当行は店舗のレイアウトを改善し、278の店舗を移転したが、
そのうち55.04%の移転先は渤海地域、揚子江デルタおよび珠江デルタであった。インクルーシブ・ファイ
ナンスに関する国家開発要件を満たすため、小規模・零細企業、農業・農民・農村地域、大衆による起業
と革新、貧困の緩和を対象とした91の店舗を設立し、それまで出店していなかった9つの新たな県に範囲
を拡大し、県にある店舗数は4,341店舗と全体の29.34%を占めるまでになった。当行はまた、86,767の
ATM、27,126のセルフサービス銀行(行外の12,757のセルフサービス銀行を含む。)、50,135の スマート現
金預払機を所有し、法人向け銀行業務および個人向け銀行業務を全面的に支援した。さらに 、300近くのプ
ライベート・バンキング・センターを開設し、288の小規模事業運営センターと1,500を超える個人向け融
資センターを設置した。
当行は、店舗のインテリジェント化およびエコロジー化を推進するため、グループ・レベルでのインテ
リジェント・オペレーション・システムの構築を加速させた。また、ロボット型プロセス自動化(RPA)技
術の導入、中国初の企業レベルでのRPA管理運営プラットフォームの構築のほか、100個のビジネス・アプ
リケーション・シナリオに関する研究開発を迅速に実施し、手作業の自動化とリスク管理プロセスの機械
化を実現した。さらに、インテリジェントな識別能力を構築するためインキュベーション・ラボを開設
し、9種類のカウンター証票(小切手など)、企業の財務書類および事業許可に関するインテリジェント
情報の収集を実現し、手作業による情報収集量の最大28%までを代行した。当行はクラウドベースの生産
モデルを推進し、企業の外国為替方針の規制による見直しと承認審査のための運用ルールを標準化し、銀
行全体での共同運用を達成した。当行は、「5G+インテリジェント・バンキング」の設置により新たな概念
による銀行窓口を導入したほか、物理的経路において頻度の高い14種類のサービスに対し「顔認証」とい
う革新的な方法を導入した。また、オンライン業務とオフライン業務の連携を強化するとともに、「オン
ライン注文、集中処理、物流、訪問サービス」から成る総合金融サービスを顧客に提供するため、WeChat
ミニプログラム「CCBアット・ホーム」という新たなサービス・モデルを試験的に開始した。
当行は顧客により良いサービスを提供するため、店舗での金融以外のサービスを充実させた。一般大衆
向けに14,310ヶ所の「労働者の港」を開設し、オフラインによる約102百万人の訪問者にサービスを提供し
たほか、オンライン・ユーザーによる訪問回数は48.16百万回を超えた。また、労働組合や衛生会社など
316の機関と提携し、包括的な政府関連業務サービス、住民の日常生活に便利なサービス、貧困緩和、教
育・研修、技術・インテリジェンス、特殊グループのサービスなどを網羅した「労働者の港+」モデルを
推進した。当行は、33の第一次支店の10,015の店舗において46,000台の「 スマート現金預払機 」を対象に
「スマートな政府関連業務」キャンペーンを立ち上げ、税金、健康衛生、公的文書、年金、司法サービス
など166の公的サービスを提供したが、このうち95が「ワンストップ・サービス」であった。また、「サー
ビスの質向上年」活動を実施した。2019年、当行は、中国銀行協会の格付けによる高度化・標準化された
サービス店舗上位100および5つ星店舗の数において、銀行業界トップであった。
電子的経路
96/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年、当行はモバイル・ファースト戦略を堅持し、フィンテックの活用を強化し、オンライン金融セ
キュリティ・サービスの革新を推進するとともに、リスクの防止・管理のインテリジェント化を進め、す
べ ての顧客に質の高い安全な電子金融サービスを提供した。
モバイル・ファイナンス
個人向けのモバイル・バンキングの革新により、当行は、モバイル・バンキングのマイクロ・アプリ
ケーションのためのオープン・プラットフォームを構築し、スマート・ボイス・バンキングと画像認識に
よる送金サービスを開始し、銀行カードと電話番号をワンクリックで結び付けられるようにしたことで、
顧客による手作業での入力を軽減して顧客体験を向上させた。2019年末現在の個人向けモバイル・バンキ
ングの利用者数は、前年度から41.21百万人(13.31%)増の351百万人となり、取引件数は17,317百万件、
取引金額は58.93兆人民元にのぼった。当行は、法人向けモバイル・バンキングの機能とサービスを向上さ
せ、小規模・零細企業のための特別ゾーンを立ち上げた。法人向けモバイル・バンキングの利用者数は、
前年度から0.53百万社(49.40%)増の1.59百万社となり、取引件数は9.73百万件、取引金額は1.06兆人民
元にのぼった。当行のWeChatアカウントをフォローした利用者数は、前年度から12.78百万人(14.35%)
増の102百万人に達し、取引件数は11.65百万件、取引金額は28,814百万人民元となった。SMS金融サービス
の利用者数は、前年度から39百万人(9.10%)増の464百万人に達し、取引件数は0.13百万件、取引金額は
647百万人民元となった。
2019 年末現在の電子バンキングによる金融取引件数は、銀行全体の取引件数の94.77%を占めた。ファン
ド販売の74%、保険販売の53%、WM商品販売の43%、個人向け迅速ローン供与の88%が、個人向けモバイ
ル・バンキングにより行われた。モバイル・バンキングにおけるデータ通信量の多さは、当行のリテール
事業の発展を支える強固な基盤となった。
オンライン・バンキング
当行は、デジタル化されたマーケティングと顧客基盤に特化した戦略に基づき、個人向けオンライン・
バンキングの開発を推進し、投資商品やWM商品を充実させ、資産計画や資産分配等のサービスを提供し
た。2019年末現在の個人向けオンライン・バンキングの利用者数は、前年度から35.94百万人(11.78%)
増の341百万人となり、取引件数は31,165百万件、取引金額は31.09兆人民元となった。当行は、小規模・
零細企業や個人事業主による資金調達や信用補完を支援するため、法人向けオンライン・バンキングのた
めの信用レポート照会サービスを開始した。また、学校のための法人向けオンライン・バンキングも開始
し、学校が支払を行う場面のシナリオを拡充した。また、当行の海外拠点29ヶ所において法人向けオンラ
イン・バンキングが開始された。2019 年末の法人向けオンライン・バンキングの利用者数は、前年度から
1.52百万社(20.10%)増の9.09百万社となり、取引件数は2,038百万件、取引金額は208.68兆人民元と
なった。
オンライン決済
当行は、飲食店、スーパーマーケット、交通、物流、ヘルスケア等、様々な分野での利用を想定した、
ワンストップの資金決済・照合サービスを1回のアクセスで提供する革新的なカード・アクワイアリング
商品である「アグリゲート・ペイ」ブランドを開始した。2019年末現在、UnionPay、AlipayおよびWeChat
を通じて当行の集約決済サービスを利用した加盟店数は、前年度から4.94%増の3.22百万店となった。集
約支払取引額は前年度から261.78%増の1,093,073百万人民元、取引件数は308.70%増の4,572百万件に達
した。当行によるオンライン決済(返金や現金の引出しを含む。)金額は、前年度に比べ9.1%増の29.64
97/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
兆人民元にのぼった。取引件数は前年度から9.6%増の45,737百万件となり、オンライン決済において業界
をリードした。
E.ccb.com
当行は、E.ccb.comをベースとした電子商取引を通じて貧困緩和への取組みを強化し、地方政府や国有企
業と協力して貧困緩和のための様々な仮設建築物を設置した。2019年末までに、E.ccb.comは4,230の貧困
緩和加盟店を有しており、貧困に苦しむ925の県を対象とし、28の省の貧困緩和電子商取引マーケットをカ
バーしていた。E.ccb.comにおける貧困緩和取引量は、前年度から4,410百万人民元(44.07%)増の14,417
百万人民元となった。有効購入者数は前年度から0.83百万人(53.41%)増の2.39百万人、取引高は10,254
百万人民元(8.73%)増の127,680百万人民元となった。
リモート・インテリジェント・バンキング
当行はAIその他フィンテックの利用を拡大し、便利で効率的かつカスタマイズされ、いつでもどこでも
利用できる質の高いサービス体験を創出した。また、電話、WeChat、SMSなど複数のチャネルでアクセス可
能なマルチメディア・コンタクトセンター・プラットフォームを立ち上げた。顧客サービス・チェーンを
海外まで拡大し、「手動+インテリジェント」による包括的なサービス能力を大幅に強化した。2019年、
サービスを提供した全チャネルにおける顧客総数は1,688百万人に達した。手動で問合わせを行った人の
90.73%が、顧客サービス担当者への接続に成功した。当行は、様々な分野にAIロボットを配置した。
WeChat公式アカウント「CCBカスタマー・サービス」には5.97百万人のフォロワーがおり、累計ベースで28
百万人の顧客にサービスを提供した。
商品革新
2019年、当行は積極的に製品革新に取り組み、1,648の商品革新を完了し、2,435の商品を展開した。イ
ノベーションの量と質が同時に向上した。当行は、イノベーション・マラソン活動、革新量産プラット
フォームおよび商品ツリーの構築を積極的に実施することにより、全職員にとって革新的な環境を作り上
げ、管理メカニズムを最適化し、経営基盤を強化することに注力した。
当行は住宅賃貸に力を注ぎ、公共賃貸住宅の運営管理システムである「建融公共賃貸住宅」オンライ
ン・プラットフォームおよびインテリジェントな公共賃貸住宅商品を開始し、公共賃貸住宅コミュニティ
のスマート・エコシステムを構築した。また、インクルーシブ・ファイナンス・サービスを拡大し、広
東・香港・マカオ大湾区の若い起業家を対象とした「大衆起業家育成&革新」サービス計画を策定し、
「大衆起業家育成&革新」のための債務による資金調達ツールを発行し、創業を支援するクラウドローン
を開始したほか、貧困緩和ローンや技術受容ローンなど一連の起業・革新商品を開始した。当行は、「恵e
農(Hui e Nong)」迅速ローン、県地域での利便性の高いスマート・サービス、北京郊外の民泊ローン、
リンゴの受注保証サービスなどを展開し、農村の顧客に総合的なサービスを提供した。さらに、加盟店が
請求書の取得と決済を体系的かつ自動的に実施できるよう、インテリジェントな照合プラットフォームを
構築した。また、「無人店舗」プロジェクトを立ち上げ、「ロング・ペイ」を運用してセルフサービスで
のレジと回収を実現し、顧客のスマート・シティ体験を向上させた。
4【経営上の重要な契約等】
重要な契約およびその履行
2019年5月24日、PBCとCBIRCは包商銀行の買収について共同発表を行った。買収チームは当行に包商銀
行の事業を委託し、委託は1年間継続すると発表した。当行は、買収チームの指導のもと、カストディ契
98/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
約に従って業務を実施した。現在、債権者の権利の大規模な買取り・譲渡の第1段階が成功裏に完了し、
資本の整理・検証の第2段階も基本的に完了している。これに基づき、市場志向の改革・再編を行う第3
段 階が進められている。本件は、当行の業務運営や収益性に重大な影響を及ぼすものではなかった。詳細
については、2019年5月24日に当行が公表した発表を参照のこと。このほか、本報告期間中、当行は、他
社資産について保護預かり、契約またはリースに関する重要な取決めを締結しておらず、また当行の資産
について他社との間でかかる契約を締結していない。
保証業務は当行の通常業務の過程で提供する簿外サービスであり、規制当局から認可された業務範囲内
の金融保証サービスを除き、当行が開示すべき重大な保証はない。本報告期間中、当行は開示が必要な他
の重要な契約を締結していない。
5【研究開発活動】
上記第3「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における「事
業の状況-商品革新」を参照のこと。
99/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
本書第6 「1. 財務書類」 の注記29を 参照 のこと 。
2【主要な設備の状況】
上記第4「1.設備投資等の概要」を参照のこと。
3【設備の新設、除却等の計画】
当行の発展戦略に従い、主力部門の競争力および長期的価値の創造力の強化ならびに下降線を辿る大規
模な銀行サービスに対する国家政策要件の実施に基づき、当行経営陣は、外部的な事業環境や技術発展の
変化を総合的に勘案し、事業効率の向上を目指した2020年度固定資産投資予算を策定した。2020年度固定
資産投資予算の金額は、前年度と同様に総額19十億人民元である。予算編成は、「3つの能力」の向上、
「3つの主要戦略」の実施、店舗の総体的な競争力の向上ならびにフィンテックおよび業務形態の改革推
進に焦点を当てることにより「第2の発展曲線」に向けた財源を支援し、業務能力と効率性の向上に向け
た当行全体の生産インフラ建設に対する適切な準備、ならびに非生産的な業務上の購入やインフラ運営の
ための支出の厳格な管理を行うものである。
第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2019年12月31日現在)
(注)
授権株数 種類 発行済株式総数
未発行株式数
- 普通株式 250,010,977,486 株 -
- 中国国外優先株式 152,500,000 株 -
- 中国国内優先株式 600,000,000 株 -
(注)中国の会社法には授権株式の仕組みは存在しない。
②【発行済株式】
普通株式
(2019年12月31日現在)
記名・無記名の別
上場証券取引所名又
および 種類 発行数 詳細
は登録証券業協会名
額面・無額面の別
100/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
記名式額面 香港証券取引所
普通株式 240,417,319,880 株 H株
( 1.00 人民元) 有限公司
記名式額面
普通株式 9,593,657,606 株 上海 証券取引所 A株
( 1.00 人民元)
計 - 250,010,977,486 株 - -
中国国外優先株式
(2019年12月31日現在)
記名・無記名の別
上場証券取引所名又
および 種類 発行数 詳細
は登録証券業協会名
額面・無額面の別
記名式額面 香港証券取引所 中国国外優先株式(配
優先株式 152,500,000 株
( 100 .00 人民元) 有限公司 当率は年率4.65%)
中国国内優先株式
(2019年12月31日現在)
記名・無記名の別
上場証券取引所名又
および 種類 発行数 詳細
は登録証券業協会名
額面・無額面の別
記名式額面 中国国内優先株式(配
優先株式 600,000,000 株 上海 証券取引所
( 100 .00 人民元) 当率は年率4.75%)
中国国外優先株式および中国国内優先株式の詳細については、 本書第6 「1. 財務書類」 の注記48(1)を
参照 のこと 。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
普通株式
残存 発行済株式数
年月日 資本金残高 摘要
(全額払込済)
2010 年11月19日 23 ▶ , 282,741,606 株 23 ▶ , 282,741,606 人民元 A株10株に対して0.7の株主無償割当
2010 年12月16日 250,010,977,486 株 250,010,977,486 人民元 H株10株に対して0.7の株主無償割当
2019 年12月31日までの過去5年間にその他の変更はなかった 。
中国国外優先株式
残存発行済 株式数
年月日 資本金残高 摘要
(全額払込済)
2015 年12月16日 152,500,000 株 3,050,000,000 米ドル 中国国外優先株式の発行
2019 年12月31日までの過去5年間にその他の変更はなかった 。
中国国内優先株式
残存発行済 株式数
年月日 資本金残高 摘要
(全額払込済)
2017 年12月21日 600,000,000 株 60,000,000,000 人民元 中国国内優先株式の発行
101/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年12月31日までの過去5年間にその他の変更はなかった 。
(4)【所有者別状況】
下記(5)「大株主の状況」を参照のこと。
(5)【大株主の状況】
株主の数および株式保有の明細
本報告期間末現在の当行の普通株主は338,985名で、このうちH株の株主は42,497名、A株の株主は
296,488名であった。2020年2月29日現在の当行の普通株主は368,281名で、このうちH株の株主は42,338
名、A株の株主は325,943名であった。
(単位:株)
普通株主数合計 338,985 名(2019年12月31日現在のA株とH株の登録株主の総数)
上位10名の株主の株式保有の内訳
株式 担保権が設定
報告期間中の
株式保有の
株主の名称 株主の性質 保有割合 保有株式総数 または凍結
変動
(%) された株式数
57.03 - 142,590,494,651 (H株) なし
(1)
国
匯金公司
0.08 - 195,941,976 (A株) なし
香港中央結算(代理人)
外国法人 36.87 +206,985,167 92,179,073,035 (H株) 不明
(1) (2)
有限公司
中国証券金融股份有限公
国有法人 0.88 - 2,189,259,768 (A株) なし
司
(2)
国有法人 0.80 - 1,999,556,250 (H株) なし
宝武鋼鉄グループ
(2) (3)
国有法人 0.64 - 1,611,413,730 (H株) なし
国家電網
益嘉投資有限公司 外国法人 0.34 - 856,000,000 (H株) なし
(2)
国有法人 0.26 -216,620,000 648,993,000 (H株) なし
長江電力
(1)
外国法人 0.23 +91,017,029 579,849,435 (A株) なし
香港中央決算有限公司
中央匯金資産管理有限責
国有法人 0.20 - 496,639,800 (A株) なし
(1)
任公司
全国社保基金一零六組合 国 0.07 +65,384,258 168,118,506 (A株) なし
(1) 中央匯金資産管理有限責任公司は、匯金公司の完全所有子会社である。 香港中央結算(代理人)有限公司は、 香
港中央決算有限公司の完全所有子会社である。これを除き、当行は、上記株主間に存在するいかなる連結関係や
協調行為も認識していない。
(2) 2019年12月31日現在、国家電網と長江電力は、それぞれ当行のH株を1,611,413,730株および648,993,000株所有
していたが、これらはすべて香港中央結算(代理人)有限公司名義で保有されていた。 宝武鋼鉄グループは、当
行のH株を1,999,556,250株所有していたが、そのうち599,556,250株は 香港中央結算(代理人)有限公司名義で
保有されていた。国家電網と長江電力が所有する上記のH株および 宝武鋼鉄グループが所有する599,556,250株
のH株を除き、当行のH株92,179,073,035株が 香港中央結算(代理人)有限公司名義で保有されていたが、その
中には淡馬錫控股(私人)有限公司が所有する当行H株も含まれていた。
102/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(3) 2019年12月31日現在、国家電網がその完全所有子会社を通じて保有する当行のH株は以下のとおりである。国網
英大国際控股集団有限公司54,131,000株、国家電網国際発展有限公司1,315,282,730株、魯能集団有限公司
230,000,000株および深圳国能国際商貿有限公司12,000,000株。
(4) 上記の株主が保有している株式は、いずれも販売制限の対象ではなかった。
2【配当政策】
当行は、現行の定款に従い、現金、株式および現金と株式の組み合わせにより配当を分配することができ
る。特別の事情がない限り、当行が利益を計上し、未分配のプラスの累積利益を有する年においては現金配
当を行うものとする。当行が1年間に分配する現金配当は、連結ベースでその年の当行株主帰属純利益の
10%を下回らないものとする。利益分配方針の調整にあたっては、取締役会が調整についての議論と調整理
由の検証を行い、書面による報告書を作成する。独立非業務執行取締役が自らの意見を述べ、議案は株主総
会の特別決議により承認される。利益分配方針の調整についての議論や承認を行うにあたっては、当行はオ
ンライン投票チャネルを株主に提供する。
当行による利益分配方針の策定や実施は、定款の規定や株主総会決議の 要件を遵守して行われる 。当行
は、健全な方針決定のための手続や仕組みと、明確かつ厳密な配当基準と配当比率を有している。独立非業
務執行取締役がデューディリジェンスを実施し、利益 処分案 の意思決定過程において 真摯に その役割を果た
した。少数株主は自由に意見や要望を述べることができ、その正当な権利 と 利益は完全に保護されている。
2019 年度に関する現金配当の金額と当行純利益に対する現金配当の比率は、以下のとおりである。
2019 年
現金配当 80,004 人民元
1
30.0 %
純利益に対する現金配当比率
1 純利益とは連結ベースでの当行株主帰属純利益をいう。現金配当の詳細については、 本書第6 「 1. 財務書
類」 の注記「利益処分」を 参照 のこと 。
下記の2019年度利益処分案は、2020年6月19日に開催された2019年度年次株主総会において承認され
た。該当日に登録されているすべての株主に対し、現金配当が行われる。
( 1 ) 2019 年度の当行の税引後利益259,466百万人民元のうち10%の利益(25,947百万人民元)を、法定余
剰準備金として割り当てること。
( 2 )中国財政部の発行した「金融機関による準備金積立に関する管理措置」(財金[ 2012 ]第 20 号)に従
い、一般準備金として 33,824 百万 人民元を留保すること。
( 3 ) 2019 年度の現金配当として、1株当たり0.320人民元(税引前)が当行の全株主(2020年7月9日の
取引終了後の株主名簿への登録株主)に分配され、現金配当は合計で80,004百万人民元となること。
( ▶ ) 2019 年度は、資本準備金から株式資本への振替は行わないこと。
3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
当行は、高い水準のコーポレート・ガバナンスの維持に努めている。中国会社法、商業銀行法およびそ
の他の法規制ならびに上場証券取引所の上場規則を遵守しつつ、当行はコーポレート・ガバナンス体制を
最適化し、コーポレート・ガバナンスの実務に基づき関連規則を改善した。
103/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当行は、香港証券取引所の上場規則別紙14に定める「コーポレート・ガバナンス・コード」および
「コーポレート・ガバナンス報告書」の規範を遵守している。また、当該規範の中で推奨されているベス
ト・ プラクティスを概ね採用している。
株主総会
株主総会の権限
株主総会は当行の権限機関であり、主に以下の機能と権限を行使する。
・当行の事業戦略および投資計画の決定
・取締役および監査役(従業員代表監査役を除く。)の選任および変更ならびに当該取締役および監査役
の報酬の決定
・当行の年次財務予算、最終決算、利益配当案および損失回復案の検討および承認
・登録資本の増資または減資ならびに当行の合併、分割、解散および清算などの事項に関する決議の採択
・社債その他の市場性有価証券の発行および上場に関する決議の採択
・当行株式の重大な買収および買戻しに関する決議の採択
・公認会計士の選任、解任または解雇の決議の採択
・優先株式の発行の決定、当行の発行する優先株式に関する事項(買戻し、転換および配当等を含むが、
これらに限定されない。)の決定または当該決定権限の取締役会への付与
・当行の定款およびその他のコーポレート・ガバナンスに関する基本文書の改訂
開催された株主総会の内容
2019 年6月21日、当行は2018年度年次株主総会を開催した。総会では、2018年度の取締役会報告書、監
査役会報告書、最終財務書類、利益処分案、2019年度の固定資産投資予算、2017年度の取締役および監査
役の報酬配分決済案、業務執行取締役、非業務執行取締役、独立非業務執行取締役および外部監査役の選
任、2019年度の社外監査人の選任、元本減額条項付き永久資本債権の発行および元本減額条項付き適格
ティア2資本債券の発行などについて、審議および承認を行った。業務執行取締役として田國立氏、非業
務執行取締役として馮冰女史、朱海林氏、 吳 敏氏および張奇氏、独立非業務執行取締役としてマルコム・
クリストファー・マッカーシー卿、カール・ウォルター氏、鍾嘉年氏およびマリー・ホーン氏が総会に出
席した。取締役の出席率は75 %であった。当行の国内および国外の監査人も、総会に出席した。株主総会
は、関連する法定手続を遵守して開催された。総会決議の公告は、2019年6月21日に上海証券取引所およ
び香港証券取引所のホームページにおいて、また2019年6月22日に指定された新聞においてそれぞれ掲載
された。
2019 年10月30日に開催された2019年第1回臨時株主総会においては、独立非業務執行取締役および株主
代表監査役の選任、2018年度の取締役および監査役の報酬配分決済案、貧困緩和に関する寄付の追加的な
臨時限度額の承認などについて、審議および承認を行った。業務執行取締役として章更生氏、非業務執行
取締役として馮冰女史、朱海林氏、 吳 敏氏、張奇氏、田博氏および夏陽氏、独立非業務執行取締役として
馮婉眉女史、マルコム・クリストファー・マッカーシー卿、カール・ウォルター氏、鍾嘉年氏およびグレ
イム・ウィーラー氏が総会に出席した。取締役の出席率は86 %であった。株主総会は、関連する法定手続
を遵守して開催された。総会決議の公告は、2019年10月30日に上海証券取引所および香港証券取引所の
ホームページにおいて、また2019年10月31日に指定された新聞においてそれぞれ掲載された。
取締役会
取締役会の役割
104/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
取締役会は株主総会の執行機関であり、株主総会に対して責任を負い、関連法に従って以下の機能と職
務を遂行する。
・ 株主総会の開催および株主総会への報告
・株主総会の決議の執行
・当行の開発戦略の決定および開発戦略の実施状況の監督
・当行の事業計画、投資計画およびリスク・キャピタル配分計画の決定
・年次財務予算案、最終会計案、利益処分案および損失回収案の作成
・登録資本の増資および減資に関する計画、転換社債、劣後債、社債その他の市場性有価証券の発行およ
び上場に関する計画、ならびに当行の合併、分割、解散および清算に関する計画の作成
・当行株式の重大な取得および買戻しに関する計画の作成
・その他、当行の定款に基づく権限または株主総会から委任された権限の行使
取締役会による株主総会の決議の執行
2019 年、取締役会は、2018年度の利益処分案、2019年度の固定資産投資予算、2019年度の社外監査人の
選任ならびに取締役および監査役の選任などの株主総会で承認された議案を真摯に実施するなど、株主総
会決議および株主総会から取締役会に授権された事項を厳格に実施した。
取締役会の構成
2019 年末現在、取締役会は取締役13名で構成されていた。その内訳は、業務執行取締役は田國立氏、劉
桂平氏および章更生氏の3名、非業務執行取締役は馮冰女史、朱海林氏、 張奇氏、田博氏および夏陽氏の
5名、ならびに独立非業務執行取締役は馮婉眉女史、マルコム・クリストファー・マッカーシー卿、カー
ル・ウォルター氏、鍾嘉年氏およびグレイム・ウィーラー氏の5名であった。
2019 年第1回臨時株主総会における選任およびCBIRCの承認を受け、 ミシェル・マデレイン氏 が、2020年
1月より当行の非業務執行取締役としての職務を開始した。
当行の取締役の任期は3年であり、任期満了の際には再任が可能である。
取締役会の構成を多様化するため、2013年8月に「取締役会のダイバーシティ・ポリシー」を策定し
た。取締役の指名にあたっては、取締役会は、候補者の専門的な能力と倫理感の双方を考慮すると同時
に、取締役会の多様性に関する要件も考慮に入れる必要がある。候補者は、性別、年齢、文化的背景や学
歴、職歴、専門性、知識、勤務年数の面において様々であり、相互補完の観点から選任されるべきであ
る。最終的な決定は、候補者の総合的な能力と、取締役会への貢献の可能性に基づいて行われなければな
らない。指名・報酬委員会が、取締役会の「ダイバーシティ・ポリシー」の実施を監督する責任を負って
いる。
当行は、取締役会の専門性の継続的な向上と構造の合理性を重視し、取締役会メンバーの構成を当行の
開発戦略とって最適な組合わせとし、取締役会の効率的な運営と科学的な意思決定のための基盤を築いて
いる。現在、取締役会は、非業務執行取締役5名、業務執行取締役3名および独立非業務執行取締役6名
の計14名で構成されている。このうち、当行の業務執行取締役は、長年にわたる財務管理に関する豊富な
専門的経験と、市場、業界および規制の動向を把握する多層的な視点を有している。当行の非業務執行取
締役は、大手国有企業、主要な金融規制機関または政府部門において重要な地位に就いてきた豊富な経験
を有し、企業経営、財務、会計その他の専門分野における深い経験を有している。当行の独立非業務執行
取締役は、米国、ヨーロッパ、オーストラリア、香港など、世界各地の主要経済地域の出身者である。こ
れらの取締役はすべて、海外の重要な政府機関や金融機関での経験を有し、国際的な視野を持つ金融の専
門家や投資銀行家である。また、国内外の経済状況や金融業界の発展動向を深く理解しており、国際会計
基準や香港の資本市場規則に精通している。当行取締役会の監査委員会、リスク管理委員会、指名・報酬
委員会および関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会の委員長は、すべて独立非業務執行取締役
105/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
である。当行の多様性に富んだ取締役会構成は、取締役会に広い視野と高度な専門的経験をもたらしてい
ることに加え、取締役会内の独立性を適切に維持することで、当行の取締役会が重要な問題を検討、審議
す る際に、独立した判断と科学的決定を効果的に行うことができる。
取締役会会長および総裁
田國立氏が取締役会会長かつ当行の法律上の代表者であり、当行の事業戦略および当行全体の発展につ
いての責任を負う。
劉桂平氏が当行総裁であり、事業運営の日常的な管理についての責任を負う。総裁は、取締役会により
任命され、取締役会に対して説明責任を負い、当行の定款に従い、かつ取締役会の授権に基づきその職務
を遂行する。
取締役会会長と総裁の役割は別個のものであり、それぞれの職務は明確に定められている。
取締役会の活動
取締役会は、原則として年6回以上の定時取締役会を開催し、必要に応じて臨時取締役会を開催する。
取締役会は、現場会議または書面決議によって開催することができる。定時取締役会の議案は、各取締役
と協議の上で作成される。取締役会の書類や関連資料は、通常、取締役会開催日の14日前にすべての取締
役および監査役に回覧される。
取締役会は、定款に従って、当行のリスク管理方針および内部統制方針を決定するとともに、当行のリ
スク管理および内部管理についての関連システムを構築し、その実施状況を監督する。取締役会は、半年
ごとにグループ全体のリスク管理報告書を精査するとともに、当グループの内部統制評価報告書およびリ
スク選好報告書の精査を毎年実施し、グループ全体のリスクの状態と内部統制システムの有効性について
の評価を行う。評価を終えた取締役会の見解は、当グループ全体のリスクは安定性を維持しており、資産
内容の管理統制は期待どおりであり、コア・リスク指標は安定的に推移しているとのものであった。取締
役会はまた、当行は、企業の内部統制のための規則体系の要件およびその他の関連規則の要件に従って、
財務報告はすべての主要な側面をカバーしており、有効な内部統制を維持しているとの判断を下した。
すべての取締役は、取締役会手続および適用されるすべての法令を遵守すべく、取締役会秘書役や会社
秘書役と連絡を取り合っている。取締役会会議については詳細な議事録が作成され、取締役会秘書役がこ
れを保管し、取締役はいつでもこれを閲覧することができる。
取締役会、取締役および幹部役員の間では、連絡方法と報告方法が定められている。総裁は、その活動
を定期的に取締役会に報告し、取締役会がこれを監督する。関連する経営幹部は、適宜、取締役会への出
席が要請され、説明や質問への回答が求められる。
取締役は、取締役会において自由に意見を述べることができ、重要な決定は、必ず十分な議論を経た上
で行われる。取締役はまた、必要と認めた場合には、所定の手続を経て、当行の費用で独立した専門機関
に依頼し、専門家の助言を求めることができる。いずれかの取締役が、取締役会で検討される提案におい
て重大な利害関係を有する場合、当該取締役は、関連する提案についての討議および投票を控えなければ
ならず、関連する提案の定足数には算入されない。
2019 年、当行は全取締役を対象に役員責任保険に加入した。
取締役会会議
2019 年、取締役会は、1月17日、3月27日、4月29日、6月20日、8月28日、10月30日および12月10日
に計7回開催され、幹部役員の選任を行ったほか、定期報告書、利益処分、利益分配、資本充ツールの発
行、年間業務計画、固定資産投資予算、貧困緩和に関する寄付の追加的な臨時限度額、本店での農村振興
金融部の新設、海外機関の設立・調整、取締役、監査役および幹部役員の報酬決済案などについて審議を
行った。2019年度の取締役会における各取締役の出席状況は、以下のとおりである。
106/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
本人が出席した会議数/ 代理人が出席した会議数/任
取締役
任期中の会議数 期中の会議数
業務執行取締役
田國立氏 6/7 1/7
劉桂平氏 2/3 1/3
章更生氏 5/7 2/7
非業務執行取締役
馮冰女史 7/7 0/7
朱海林氏 6/7 1/7
張奇氏 7/7 0/7
田博氏 3/3 0/3
夏陽氏 3/3 0/3
独立非業務執行取締役
馮婉眉女史 6/7 1/7
マルコム・クリストファー・マッ
カーシー卿 7/7 0/7
カール・ウォルター氏 6/7 1/7
鍾嘉年氏 7/7 0/7
グレイム・ウィーラー氏 2/2 0/2
退任取締役
王祖継氏
0/1 1/1
李軍氏
3/3 0/3
呉敏氏
7/7 0/7
鍾瑞明氏
3/4 1/4
マリー・ホーン氏
5/5 0/5
独立非業務執行取締役の職務の遂行
2019 年末現在、当行の非業務執行取締役は5名であった。当行の取締役総数の38%を占め、当行の関連
法令および当行定款の規定を遵守していた。取締役会の下部機関である監査委員会、リスク管理委員会、
指名・報酬委員会、関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会は、すべて独立非業務執行取締役が
委員長を務めている。
当行の独立非業務執行取締役は、当行やその子会社との間に業務上または財務上の利害関係を有してお
らず、また当行を経営するポジションにも就いていない。当行の独立非業務執行取締役の独立性は、関連
する規制上の要件を遵守したものである。
2019 年、当行の非業務執行取締役は、取締役会および関連する特別委員会に積極的に出席し、業務状況
や経営状況についての報告を受けた。また、当行の発展や開発戦略の実施について特に注視し、経営陣と
適時に意思疎通を図るとともに、当行の運営や管理に関する調査や現地査察を積極的に行った。さらに、
当行の事業計画について先進的な考え方を堅持しつつ、当行の開発戦略、リスク管理、海外事業および子
会社の開発について建設的な提言を行い、取締役会の意思決定過程において重要な役割を果たした。本報
告期間中、当行の独立非業務執行取締役が、関連する取締役会の検討事項に異議を申し立てることはな
かった。
独立非業務執行取締役は、常に職務遂行能力を向上させるために、規制方針の変更を注視し、規制ガイ
ドラインについては常に注意を払い、コーポレート・ガバナンス、リスク管理、内部統制および遵守等に
関する研修には熱心に参加した。経営陣は、独立非業務執行取締役の業務を積極的に支援し、調整を行っ
た。
107/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
本報告期間中の独立非業務執行取締役の職務執行の詳細については、当行の2019年度年次報告書と同日
に開示された「Work Report of Independent Directors for the Year of 2019」を参照のこと。
当行が提供する外部保証に関して独立非業務執行取締が述べた特別な陳述および独立した意見
CSRC が発行した証監会公告[2003年]第56号の関連規定および要件に従い、当行の独立非業務執行取締
役(馮婉眉女史、マルコム・クリストファー・マッカーシー卿、カール・ウォルター氏、鍾嘉年氏、グレ
イム・ウィーラー氏およびミシェル・マデレイン氏)は、公平性・合法性・客観性の原則に基づいて、当
行が提供した外部保証に関して、以下の陳述を行った。
当行が提供する外部保証事業は規制当局の承認を受けており、当行の通常業務の一環である。外部保証
業務から生じるリスクについて、当行は、具体的な管理措置、業務プロセスおよび承認手続を策定し、こ
れに従い事業を実施した。当行の外部保証事業は、主に保証状形式によるものである。2019年12月31日現
在、当グループが発行した保証状残高は約1,187,338百万人民元であった。
財務報告書に関する取締役の説明責任
取締役は各会計期間の財務報告書の作成を監督し、当グループの財政状態、業績およびキャッシュ・フ
ローに関し、真実かつ公正な概要を提示する責任を負う。
本報告期間中、当行は、2018年度年次報告書、2019年度第1四半期報告書、2019年度半期報告書および
2019年度第3四半期報告書を、関連法令および上場証券取引所の上場規則に定められた期限内に公表し
た。
取締役の研修
2019 年、当行の取締役全員が、米国の銀行秘密法およびAML法に関する取締役のコンプライアンス研修に
参加した。また、田博氏 は 北京上場会社協会が主催した特別研修に参加したほか 、 田博氏と夏陽氏は CBIRC
が主催した銀行および保険業界に関する取締役および幹部役員のコーポレート・ガバナンスに関する特別
研修に 、馮婉眉女史は香港証券取引所が主催した取締役研修に、鍾嘉年氏はIAS第 17 号、AMLおよび金融犯
罪、リースの会計基準、リスク管理などに関する各研修に、 ミシェル・マデレイン氏は欧州連合の保険会
社等に関するソルベンシーⅡに関する研修に参加した。
会社秘書役の研修
2019 年、当行の会社秘書役である馬陳志氏は、香港勅許秘書協会、香港公認会計士協会、香港情状会社
会議所などが開催した、コーポレート・ガバナンス、サイバー・セキュリティ、個人情報(プライバ
シー)条例、企業の社会的責任、データ保護などに関する合計15時間以上の専門研修に参加し、香港上場
規則の要件を遵守している。
取締役による証券取引に関する模範規範の遵守
当行は、香港証券取引所の上場規則別紙10「上場発行体の取締役による証券取引に関する模範規範」の
定めにある、取締役および監査役による証券取引に関する実務規範を採用している。2019年12月31日に終
了した年度において、すべての取締役および監査役が当該規範の規定を遵守した。
当行の独立経営能力
当行は、業務、人材、資産、組織および財務に関し、その支配株主である匯金公司から独立している。
当行は、独立した不可欠な営業資産と独立した営業能力を有しており、自力で市場で生き残ることができ
る。
内部取引
108/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当行の内部取引には、当行と子会社間および子会社同士の与信、オフバランスの準与信、金融市場取引
およびデリバティブ取引、ウェルスマネジメントの取決め、資産移管、経営および役務委託の取決め、
サー ビス料ならびに委託取引が含まれている。当行の内部取引は規制上の要件を満たしており、当グルー
プの健全な経営に悪影響を及ぼすものではなかった。
取締役会委員会
取締役会の下には、戦略委員会、監査委員会、リスク管理委員会、指名・報酬委員会および社会的責
任・関連当事者取引委員会という5つの委員会がある。監査委員会、リスク管理委員会、指名・報酬委員
会、関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会の過半数のメンバーは、独立非業務執行取締役であ
る。
規制要件に従い、2020年1月17日に開催された取締役会での審議および承認に基づき、取締役会のかつ
ての社会的責任・関連当事者取引委員会は、取締役会の関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会
へと名称が変更され、同委員会の関連職務はこれに応じて調整および最適化された。
109/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
関連当事者取
引・社会的責
リスク管理 指名・報酬
取締役会委員会 戦略委員会 監査委員会 任・
委員会 委員会
消費者保護委員
会
業務執行取締役
田國立氏 ●
劉桂平氏 ○ ○
章更生氏 ○ ○
非業務執行取締役
馮冰女史 ○ ○
朱海林氏 ○ ○
張奇氏 ○ ○
田博氏 ○ ○
夏陽氏 ○ ○
独立非業務執行取締役
馮婉眉女史 ○ ○ ○
マルコム・クリスト
○ ○ ●
ファー・マッカーシー卿
カール・ウォルター氏 ○ ○ ● ○
鍾嘉年氏 ○ ● ○ ○
グレイム・ウィーラー氏 ○ ○ ○ ●
ミシェル・マデレイン氏 ○ ○ ○
● 委員長 ○ 委員
1. 2019年7月、劉桂平氏は取締役会副会長、業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員およびリスク管理委員会
の委員に就任した。
2. 2019年8月、田博氏は非業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員および監査委員会の委員に就任した。
3. 2019年8月、夏陽氏は非業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員およびリスク管理委員会の委員に就任し
た。
4. 2019年10月、 馮婉眉女史 は取締役会の監査委員会の委員を退任した。
5. 2019年8月、カール・ウォルター氏は取締役会のリスク管理委員会の委員に就任し、指名・報酬委員会の委員を退
任した。また、2019年9月、同氏は取締役会のリスク管理委員会の委員長に就任し、関連当事者取引・社会的責
任・消費者保護委員会の委員長を退任したが、同委員会の委員に就任している。
6. 2019年10月、 鍾嘉年氏 は取締役会の戦略委員会の委員に就任し、指名・報奨委員会の委員を退任した。また、2019
年6月から、同氏は取締役会の監査委員会の委員長に就任した。
7. 2019年10月、 グレイム・ウィーラー氏は 当行の独立非業務執行取締役、取締役会の監査委員会の委員、リスク管理
委員会の委員、指名・報酬委員会の委員および関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会の委員長に就任し
た。
8. 2020年1月、 ミシェル・マデレイン氏 は取締役会の監査委員会の委員、リスク管理委員会の委員および指名・報酬
委員会の委員に就任した。
9. 2019年3月、王祖継氏は取締役会副会長、業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員およびリスク管理委員会
の委員を退任した。
10. 2019 年5月、李軍氏は非業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員および監査委員会の委員を退任した。
11. 2019 年12月、呉敏氏は当行の非業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員およびリスク管理委員会の委員を退
任した。
12. 2019 年9月、マレー・ホーン氏は当行の独立非業務執行取締役、取締役会の戦略委員会の委員、監査委員会の委
員、リスク管理委員会の委員長、指名・報酬委員会の委員および関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会
の委員を退任した。
13. 2019 年6月、鍾瑞明氏は、独立非執行取締役、取締役会の監査委員会の委員長、リスク管理委員会の委員、指名・
報酬委員会の委員および関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会の委員を退任した。
110/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
戦略委員会
2019 年末現在、戦略委員会は12名の取締役で構成されていた。現在、当行の取締役会会長である田國立
氏が戦略委員会の委員長を務めている。委員には、劉桂平氏、章更生氏、馮冰女史、朱海林氏、張奇氏、
田博氏、夏陽氏、馮婉眉女史、マルコム・クリストファー・マッカーシー卿、 カール・ウォルター氏およ
び鍾嘉年氏が含まれる。そのうち3名が業務執行取締役、5名が非業務執行取締役、4名が独立非業務執
行取締役である 。
戦略委員会の主な責務には、次の事項が含まれる。
・戦略的開発計画の起草、その実施の監督および評価
・年間事業計画および固定資産投資予算の精査
・年間事業計画および固定資産投資予算の実施状況の精査
・各種事業の調和的発展の評価
・重要な再編計画および組織変更計画の精査
・当行の重要な投融資プロジェクトの精査
・株式投資権限の行使、IT計画、自己資本比率管理その他、取締役会から委任された権限の範囲内にある
事項の実施
・その他、取締役会から委任された責務の遂行および権限の行使
2019 年、戦略委員会は計7回開催された。精査や協議を行った主な議題には、総合事業計画および固定
資産予算の実施、本店部署の設置、海外機関および子会社の設立、国家製造業転換基金への拠出などが含
まれる。戦略委員会は、支店の設立、主要な投資計画、実体経済を支える金融サービス政策の実施、国家
開発戦略への取組み等について、意見や提案を行った。
監査委員会
2019 年末現在、当行の監査委員会は5名の取締役で構成されていた。現在、当行の独立非業務執行取締
役である鍾瑞明氏が監査委員会の委員長を務めている。委員には、朱海林氏、カール・ウォルター氏、田
博氏およびグレイム・ウィーラー氏が含まれる。そのうち2名は非業務執行取締役、3名は独立非業務執
行取締役である。監査委員会の構成は、コーポレート・ガバナンスおよび国内外の諸規則の要件を満たし
ている。
2020 年1月、ミシェル・マデレイン氏が当行の監査委員会の委員に就任した。
監査委員会の主な責務と権限には、次の事項が含まれる。
・当行の財務報告の監視、会計情報および重要事象の開示の精査
・当行の内部統制の監視モニタリングおよび評価
・当行の内部監査業務の監視および評価
・外部監査作業の監視および評価
・潜在的な不正行為に注意を払い、適切な対策を確保すること
・取締役会への業務報告
・その他、取締役会から委任された責務の遂行および権限の行使
2019 年、監査委員会は6回開催されたほか、社外監査人との会議が別途開催された。監査委員会は、
2018年度年次報告書、2019年度半期報告書および決算発表、2019年度第1四半期および第3四半期の財務
111/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
報告書の監督・精査、外部監査作業の監督・評価、内部監査の監督・指導、内部監査および外部監査で指
摘された問題点の是正の後押し、内部統制の監督・評価の強化等について、取締役会の意思決定過程の支
援 を行った。また、監査委員会は、上記事項に関して重要な意見の表明や提言を行った。
監査委員会は、CSRCの要求事項および当行取締役会の監査委員会の年次報告書作業規則に従って、当行
の年次財務報告を精査したほか、社外監査人が参加する前に経営陣と十分な意思疎通を図り、意見書を作
成した。社外監査人から提出された当初の監査意見を踏まえ、監査委員会は社外監査人との連絡を強化し
て、再度、当行の年次財務報告書を精査した。年次財務報告書の監査終了後、監査委員会は年次財務報告
書の審議と決議を行って、これを取締役会に付議した。
リスク管理委員会
2019 年末現在、リスク管理委員会は7名の取締役で構成されていた。現在、当行の非業務執行取締役で
あるカール・ウォルター氏がリスク管理委員会の委員長を務めている。委員には、劉桂平氏、馮婉眉女
史、マルコム・クリストファー・マッカーシー卿、鍾嘉年氏、夏陽氏およびグレイム・ウィーラー氏が含
まれる。そのうち1名は業務執行取締役、1名は非業務執行取締役、5名は独立非業務執行取締役であ
る。
2020 年1月、ミシェル・マデレイン氏が当行のリスク管理委員会の委員に就任した。
リスク管理委員会の主な責務には、次の事項が含まれる。
・当行の全体戦略に沿ったリスク管理方針の精査、リスク管理の実施状況および有効性の監視および評価
・当行のリスク管理体制の有効性の継続的な監督および検証
・リスク管理体制の構築に関する指導
・リスク管理部門の設置、組織構造、業務手順および有効性の監視および評価、改善のための提案
・リスク報告書の精査、リスク状況の定期的な評価、当行のリスク管理の改善に関する提言
・リスク管理を担当する当行の幹部役員の業績の評価
・当行の中核事業、経営システムおよび主要な業務活動によるコンプライアンス状況の監督
・米国のリスク管理委員会の責任も担うこと
・その他、取締役会から委任された責務の遂行および権限の行使
2019 年、リスク管理委員会は6回開催された。リスク管理委員会は、国内外の経済情勢や金融情勢が当
行に及ぼす影響を注視し、グループ全体のリスク管理を強化した。また、リスク管理基本方針の見直しの
指導、リスク管理選好の見直しおよび最適化の積極的な推進、問題点の把握および是正に向けた監督・審
査の指導、当行のグローバルなマネーローンダリング対策能力の評価・是正の継続的な向上、資本管理に
関する先進的手法の実施の継続的な推進、グローバルなシステム上重要な銀行に対する規制要件の包括的
な実施、レピュテーショナル・リスクおよび不動産事業、銀行間ビジネスリスクに関する特別調査の実
施、グリーン・クレジット事業およびインクルーシブ・ファイナンス事業の開発ならびにリスクの防止お
よび管理の追跡調査、グループ全体の包括的リスク状況の定期的な評価、連結管理の強化、内部取引、
国、情報技術等のリスク管理の継続的な強化、コンプライアンス違反の阻止および管理の強化、特に海外
機関を対象とした当グループのコンプライアンス・リスク管理の継続的な強化を行った。また、米国のリ
スク管理委員会の責任も担っており、米国においてリスクに関する特別会議を4回開催した。
リスク管理委員会は、全体的なリスク管理体制の枠組みに基づき、当行のリスク管理体制の有効性につ
いて引き続き監督と見直しを行った。当行の取締役会およびリスク管理委員会は、グループ全体のリスク
管理に関する特別報告を半年ごとに受けている。当行のリスク管理の詳細については、本書第3「1.経
営方針、経営環境及び対処すべき課題等-リスク管理」を参照のこと。
112/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
指名・報酬委員会
2019 年末現在、指名・報酬委員会は5名の取締役で構成されていた。現在、当行の非業務執行取締役で
あるマルコム・クリストファー・マッカーシー卿が、指名・報酬委員会の委員長を務めている。委員に
は、馮冰女史、馮婉眉女史、張奇氏およびグレイム・ウィーラー氏が含まれている。そのうち2名は非業
務執行取締役、3名は独立非業務執行取締役である。
2020 年1月、ミシェル・マデレイン氏が当行のリスク管理委員会の委員に就任した。
指名・報酬委員会の主な責務には、次の事項が含まれる。
・取締役および幹部役員の選定および任命に係る基準および手続の策定
・取締役、総裁、最高監査責任者、取締役会秘書役および取締役会委員の候補者の、取締役会およびその
下部機関である特別委員会委員への提案
・取締役会の構造、定員数および構成の評価(専門能力、知識、経験等を含む。)、ならびに当行の企業
戦略を実施するための取締役会の調整に関する提言
・取締役の業績評価
・総裁が指名する幹部役員候補者の評価
・幹部役員および主要な役職を支える人材の育成計画の策定
・総裁が提出する報酬管理制度の評価
・取締役および幹部役員の業績評価方法の策定、ならびに取締役会にこれを付議すること
・取締役および幹部役員の業績評価を組織し、かかる業績評価の結果と監査役会による業績評価に基づ
き、取締役および幹部役員の報酬計画についての提言を行い、取締役会にこれを付議すること
・監査役会による監査役の業績評価に基づく監査役の報酬計画について提言を行い、取締役会にこれを付
議すること
・当行の業績評価体制および報酬体系の実施の監視
・その他、取締役会から委任された責務の遂行および権限の行使
2019 年、指名・報酬委員会は計7回開催された。指名に関し、指名・報酬委員会は、業務執行取締役、
非業務執行取締役、独立非業務執行取締役、取締役会の下部機関である特別委員会の委員および幹部役員
の候補者を取締役会に提案したが、候補者は必ずそれぞれの地位に対して適任であり、法、行政規則、規
則及び当行定款を遵守し、当行において職務を厳正に遂行する者としている。指名・報酬委員会は、本報
告期間中、当行取締役会の構成は、取締役会のダイバーシティ・ポリシーの要件に合致していたと判断し
た。報酬および業績評価については、報酬に関する国内規制方針を調査し、当行の取締役、監査役および
幹部役員の2018年度の報酬に関する決済案を準備および策定したほか、2019年度の業務執行取締役および
幹部役員の業績評価計画の最適化および改善を行った。指名・報酬委員会は、バックアップのための主要
な有能な人材の育成・研修およびCCB大学の推進を特に重視し、従業員の報酬などの事項に注意を払った。
また、取締役の多様性の推進、業務執行取締役および幹部役員の業績評価計画の改善、報酬インセンティ
ブ制度の改善ならびに人材の育成・研修の強化に関し、意見や提言を行った。
関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会
2019 年末現在、関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会は4名の取締役で構成されていた。現
在、当行の非業務執行取締役であるグレイム・ウィーラー氏が、関連当事者取引・社会的責任・消費者保
護委員会の委員長を務めている。委員には、カール・ウォルター氏、鍾嘉年氏および章更生氏が含まれ
る。メンバーの1名は業務執行取締役、残りの3名は独立非業務執行取締役である。
113/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会の主な責務には、次の事項が含まれる。
・法令、規則およぎ当行定款の要件に従った、重大な関連当事者取引の基準、関連当事者取引の管理体制
および当行の社内承認・届出システムの策定および提案、ならびに上記の承認基準を取締役会に付議す
ること
・当行の関連当事者の特定ならびに取締役会および監査役会への報告、また同時に当行の関連従業員への
告知
・関連当事者取引全般に関する届出の受理または必要な状況においては関連当事者取引全般の承認
・重大な関連当事者取引の精査および取締役会への承認申請、また同時に監査役会への報告
・当行の社会的責任に関する戦略および方針についての調査、ならびにその策定
・当行の社会的責任の遂行の監視、検査および評価
・当行のグリーン・クレジット戦略の調査およびその策定、グリーン・クレジット戦略の実施状況の監督
および評価
・経営陣によるインクルーシブ・ファイナンス関連作業の推進状況の監視および指導
・消費者保護のための作業管理システムの構築および改善についての指導および監督、幹部役員による関
連業務の実施の監督、消費者保護業務に関する主要な情報開示の指導
・その他、取締役会から委任された責務の遂行および権限の行使
2019 年、関連当事者取引・社会的責任・消費者保護委員会は計4回開催された。同委員会は、関連当事
者取引の監督および管理の改善、消費者の権利および利益の保護の促進、インクルーシブ・ファイナンス
の監督および指導、グリーン・クレジットの推進、社会的責任に関する報告書の監督および検討、社会的
責任の実施の監督および指導などを行った。
監査役会
監査役会の責務
当行の監督機関である監査役会は、株主総会に対して説明責任を負い、関係法令に従って以下の機能と
職務を遂行する。
・取締役会、幹部役員およびこれらの構成員の活動を監督すること
・取締役および幹部役員が当行の利益を侵害する行為をした場合、当該行為の是正を求めること
・当行の財務活動を検査および監督すること
・取締役会が定時株主総会に提出する財務報告書、事業報告書、利益配分案などの財務情報を検証するこ
と
・当行の業務執行の決定、リスク管理、内部統制などを監督し、当行の内部監査業務を指導すること
・その他、株主総会および当行の定款により委任された権限を行使すること
監査役会の構成
2019 年末現在、当行の監査役会は7名の監査役で構成されていた。その内訳は、株主代表監査役は 王永
慶氏、 吳 建杭氏および方秋月氏の 3名 、従業員代表監査役は魯可貴氏、程遠國氏および王毅氏の 3名、 な
らびに外部監査役は 趙錫軍 氏の1名であった。
監事の任期は3年で、任期満了の際には再任が可能である。当行の株主代表監査役および外部監査役は
株主総会で選出され、当行の従業員代表監査役は従業員の代表機関によって選出される。
監査役会会長
114/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
王永慶氏 が当行の監査役会会長であり、監査役会の職務遂行のための組織についての責任を負う。
監査役会の運営
監査役会は年4回以上の定時監査役会を開催し、必要に応じて臨時監査役会を開催する。監査役会会議
は、現地会議または書面決議により開催することができる。監査役は、一般に監査役会会議の開催日の10
日前に書面で通知される。当該会議に関する事項は、通知書に記載されている。会議においては、監査役
は自由に各自の意見を述べることができ、重要事項の決定は、詳細な協議を経た上で行われる。
監査役会会議については、詳細な議事録が作成される。監査役会は、その職務の遂行に必要な場合に
は、外部の弁護士または公認会計士を雇用することができ、当行はこれに関する一切の費用を負担する。
当行は、監査役の知る権利を保証するために必要な措置や手段を講じ、関連規則に従って関係情報や資料
を提供する。
監査役会の構成員は、取締役会に議決権なき参加者として出席することができ、また、監査役会が適切
と認める場合には、取締役会委員会、年次作業部会、経営状況に関する分析会議、総裁重役会議などの当
行の会議に、議決権なき参加者として監査役を出席させることができる。当行の監査役会は、情報の検
閲・精査、現場外での監視・分析、現場での具体的な検査、訪問および討議、業績やデューデリジェンス
の評価等を行うことにより、監査作業を実施する。
2019 年、当行は全ての監査役のために監査役責任保険に加入した。
監査役会会議
2019 年度、監査役会は、3月27日、4月29日、6月24日、8月28日、10月30日および12月23日に計6回
開催され、うち1回は書面議案の回付により開催され、5回は現場会議が開催された。監査役会が精査、
承認した主な議案には、当行の定期報告書、利益処分案、監査役会の報告書、監督作業計画、内部統制に
関する評価報告書等が含まれている。関連法規および上場証券取引所の上場規制に従って、関連情報は開
示された。2019年度の監査役会における各監査役の出席状況は、以下のとおりである。
本人が出席した会議数/ 代理人が出席した会議数/
監査役会構成員
任期中の会議数 任期中の会議数
株主代表監査役
王永慶氏
2/2 0/2
吳 建杭氏 6/6 0/6
従業員代表監査役
6/6 0/6
魯可貴氏
6/6 0/6
程遠國氏
6/6 0/6
王毅氏
外部監査役
4/4 0/4
趙錫軍氏
退任監査役
6/6 0/6
方秋月氏
2/2 0/2
白建軍氏
外部監査役の職務の遂行
115/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年、当行の外部監査役である白建軍氏および趙錫軍氏は、監査役会とその特別委員会に積極的に出
席し、監査役会の主要事項の検討および意思決定に参加した。同氏は、取締役会、取締役会の下部機関で
ある特別委員会および運営管理に、議決権なき代表者として積極的に出席するとともに、監査役会が組織
し た特別調査にも参加して、専門性を踏まえた提言や意見表明を行った。外部監査役は職務を適切に遂行
し、監査役会が果たす監督という役割の実効性に貢献した。
監査役会委員会
監査役会の下に、業務およびデューデリジェンス監督委員会ならびに財務および内部統制監督委員会が
設置されている。
業務およびデューデリジェンス監督委員会
2019 年末現在、 業務およびデューデリジェンス監督委員会は 5名の監査役で構成されていた 。現在、監
査役会会長である 王永慶氏が、 業務およびデューデリジェンス監督委員会の委員長も兼務している。委員
には、 吳 建杭氏、方秋月氏、程遠國氏および趙錫軍氏が含まれる。
業務およびデューデリジェンス監督委員会の主な責務は、以下のとおりである。
・取締役会、幹部役員およびその構成員の活動および勤勉性の監督およびその審査に関する規則、作業計
画、議案および実施計画の策定、また監査役会による承認後の当該規則、計画および提案の実施および
実施の企画
・取締役会、幹部役員およびその構成員の職務執行に関する評価報告書の提出
・監査役の業績評価方法の策定およびかかる方法の実施の企画
2019 年、業務およびデューデリジェンス監督委員会は4回の現場会議を開催した。同委員会は、監査役
会による取締役会、幹部役員およびその構成員の業務に関する評価報告書の精査、監査役会および監査役
の業務に関する自己評価報告書の精査、2019年度の業績の監督および評価のための作業計画の検討および
策定、当行の株主代表監査役の業績評価計画に関する提案の検討を行ったほか、フィンテック戦略委、消
費者の権利および利益の保護に関する進捗状況、報酬体系の実施等に関して特別報告を受けた。業務およ
びデューデリジェンス監督委員会は、毎年行われる監査作業の実施を企画し、監査役会が取締役会、幹部
役員およびその構成員の監督および評価を行うとともに、自己評価を完遂できるよう監査役会を補佐し
た。
財務および内部統制監督委員会
2019 年末現在、財務および内部統制監督委員会は 5名の監査役で構成されていた 。現在、外部監査役で
ある 趙錫軍氏が 財務および内部統制監督委員会の 委員長を努めている。委員には、 吳 建杭氏、方秋月氏、
魯可貴氏および王毅氏が含まれる。
財務および内部統制監督委員会の主な機能および責務は、以下のとおりである。
・財務および内部統制に関する規則、作業計画および議案の策定、監査役会による承認後のかかる規則、
作業計画および議案の実施または実施の企画
・取締役会が作成した年次財務報告および利益処分案の精査ならびにこれらに関する監査役会への提
言
・当行の財務および内部統制に関する監督および検査の実施を企画するにあたり、必要に応じて監査役会
を補佐すること
116/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年、財務および内部統制監督委員会は計5回の現地会議を開催し、定例報告、利益処分案および内
部統制評価報告書等に関する議案を精査し、財務報告監査、内部統制およびコンプライアンス業務、内部
監査の結果および是正、信用資産の内容ならびに総合的リスク管理に関する業務報告を定期的に受けたほ
か、内部統制、重要資産の取得・処分、関連取引および収益の使途等について監督実施の計画立案を行っ
た。また、特別報告の聴取、面談、討議など様々な手段により、関連当事者取引の管理、新たなリース会
計基準の導入、デット・エクイティ・スワップの推進、インクルーシブ・ファイナンス事業の開発、海外
機関のコンプライアンス管理など多岐にわたる分野の監督を行ったことに加え、専門的な意見や提案を提
示し、監査役会による財務、リスクおよび内部統制の監督の実施を補佐した。
幹部役員
幹部役員の責務
当行の執行機関である幹部役員は、取締役会に対して説明責任を負い、監査役会による監督を受けてい
る。取締役会による幹部役員への授権は、当行定款などのコーポレート・ガバナンスに関する文書を厳格
に遵守している。当行の総裁は、当行の定款に従って以下の機能および権限を行使する。
・当行の事業運営および経営を統括し、取締役会決議を計画して、これを実施すること
・当行の業務計画と投資計画を取締役会に提出し、取締役会の承認を受けて計画の準備および実施を行う
こと
・当行の基本的な経営体制の草案を作成すること
・内部機能部門や支店の担当者に業務の遂行権限を付与すること
・総裁の説明責任体制を整備し、当行の各事業部門の管理者、各機能部門の管理者および各支店長に対す
る業績評価を実施すること
・臨時取締役会の招集を提案すること
・法令、規制、当行定款、株主総会および取締役会の決議に従い、総裁が行使すべきその他の機能および
権限を行使すること
・当行の副総裁およびその他の幹部役員は、総裁の職務を補佐すること
幹部役員の運営
当行定款などのコーポレート・ガバナンス文書や取締役会からの授権に基づき、幹部役員は、当行の業
務活動および経営活動を秩序をもって組織する。取締役会が決定した戦略上の方向性と目標に従い、包括
的な業務計画を策定し、戦略の実施や計画の進捗状況について定期的に取締役会に報告する。幹部役員
は、内外の環境を分析、調査および判断し、業務戦略や管理措置を立案するほか、適宜、市場の変化に応
じた調整を行う。また、取締役や監査役を重要な会議や主要な行事に招聘して助言や提案を求め、取締役
会や監査役会との緊密なコミュニケーションを維持することにより、当行の業務管理能力と業務効率の向
上を図る。
内部統制
当行の内部統制は、法令を遵守した業務運営と経営、資産の安全性および財務報告や関連情報の正確性
と完全性を合理的に確保し、業務の効率と効果の改善を図り、当行の発展戦略の実施を促進することを目
的としている。取締役会は、企業内部統制の標準体制についての要件に従い、健全かつ効果的な内部統制
を確立し、その有効性を評価し、内部統制体制の有効性を監督する。監査役会は、取締役会による内部統
制の確立および実施状況を監督する。幹部役員は、内部統制の日々の運用を計画および指揮する責任を
負っている。
117/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年、内部統制評価システムの確立とデジタル化を積極的に模索し、当行全体での通常評価の作業メ
カニズムを実施するなど、一定の成果を挙げた。当行の内部統制の評価作業の実施と発展モデルに基づ
き、 業界の先進的な経験を参考に、当行が独自に開発した内部統制評価システムが順調に開始され、内部
統制評価の管理対象と要件はより緻密になった。典型的な違反の特徴を踏まえ、対応するデータ分析方法
と検証方法はデータ分析モデルを形成するよう設計されたため、内部統制評価の関連性と有効性が向上し
た。業務プロセスにまで踏み込んだ評価を実施するとともに、あらゆるレベルの企業体に対し、内部統制
上の欠陥を適時に把握し、改善できるよう常日頃から自己評価と自己点検を行い、十分な評価を実施する
よう求めた。
取締役会および監査役会は、毎年、内部統制の有効性の評価および内部統制報告の精査を行っている。
2019年末現在、当行の財務報告の内部統制に重大な不備はなく、財務報告以外の内部統制についても重大
な不備は認められなかった。取締役会は、当行が、企業内部統制の標準体制についての要件およびその他
の関連規則に準拠して、すべての主要分野を対象に実効的な財務報告の内部統制を実施したと判断した。
当行は、安永華明會計師事務所( Ernst & Young Hua Ming LLP )に内部統制の監査を委託した。内部統
制に関する監査意見は、財務報告の内部統制の有効性に関する当行の評価の結論と一致した。内部統制の
監査報告書における財務報告以外の内部統制に関する重大な不備の開示は、当行の内部統制評価報告の開
示内容と一致していた。
内部統制に関する詳細な情報については、上海証券取引所のホームページ、香港証券取引所のHKEXnews
サイトおよび当行のホームページに掲載されている、当行の内部統制の評価報告書および監査報告書を参
照のこと。
118/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(2)【役員の状況】
① 取締役、監査役および幹部役員の詳細(本書提出日現在)
(性別ごとの取締役、監査役および幹部役員の人数:男性24名、女性2名(女性の割合:約8%))
当行取締役
氏名 役職 性別 年齢 任期
田國立 取締役会会長兼 男性 59 201 7 年 10 月~ 201 9 年度年次総会
( Tian Guoli ) 業務執行取締役
劉桂平 取締役会副会長兼 男性 53 2019 年7月~ 20 21 年度年次総会
(Liu Guiping) 業務執行取締役兼総裁
章更生 業務執行取締役兼 男性 59 2015 年8月~ 20 20 年度年次総会
(Zhang Gengsheng) 業務執行副総裁
馮冰 非業務執行取締役 女性 54 201 7 年 7 月~ 201 9 年度年次総会
(Feng Bing)
朱海林 非業務執行取締役 男性 54 201 7 年 7 月~ 201 9 年度年次総会
(Zhu Hailin)
張奇 非業務執行取締役 男性 47 201 7 年 7 月~ 201 9 年度年次総会
(Zhang Qi)
田博 非業務執行取締役 男性 48 2019 年8月~ 20 21 年度年次総会
(Tian Bo)
夏陽 非業務執行取締役 男性 51 2019 年8月~ 20 21 年度年次総会
(Xia Yang)
馮婉眉 独立非業務執行取締役 女性 59 2016 年 10 月~ 20 20 年度年次総会
( Anita Fung Yuen Mei )
マルコム・クリストファー・ 独立非業務執行取締役 男性 76 201 7 年 8 月~ 201 9 年度年次総会
マ ッ カ ー シ ー (Malcolm
Christopher McCarthy)
カール・ウォルター 独立非業務執行取締役 男性 72 2016 年 10 月~ 20 20 年度年次総会
( Carl Walter )
鍾嘉年 独立非業務執行取締役 男性 62 2018 年11月~2020年度年次総会
(Kenneth Patrick Chung)
グレイム・ウィーラー 独立非業務執行取締役 男性 68 2019 年10月~ 20 21 年度年次総会
(graeme wheeler)
ミシェル・マデレイン 独立非業務執行取締役 男性 64 2020 年1月~ 20 21 年度年次総会
(Michel Madelain)
退任取締役
取締役会副会長兼 男性 61 2015 年7月~ 201 9 年 3月
王祖継
業務執行取締役兼総裁
(Wang Zuji)
李軍 非業務執行取締役 男性 60 2015 年9月~ 201 9 年 5月
(Li Jun)
呉敏 非業務執行取締役 男性 52 201 7 年 7 月~ 201 9 年 12 月
(Wu Min)
鍾瑞明 独立非業務執行取締役 男性 68 2013 年 10 月~ 201 9 年 6月
( Chung Shui Ming Timpson )
マリー・ホーン 独立非業務執行取締役 男性 65 2013 年 12 月~ 201 9 年 9月
(Murray Horn)
当行監査役
氏名 役職 性別 年齢 任期
王永慶 監査役会会長兼 男性 56 2019 年10月~ 20 21 年度年次総会
(Wang Yongqing) 株主代表監査役
吳 建杭 株主代表監査役 男性 58 2018 年6月~ 2020 年度年次総会
(Wu Jianhang)
119/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
魯可貴 従業員代表監査役 男性 58 2018 年 5 月~ 2020 年度年次総会
(Lu Kegui)
程遠國 従業員代表監査役 男性 57 2018 年 5 月~ 2020 年度年次総会
(Cheng Yuanguo)
王毅 従業員代表監査役 男性 57 2018 年 5 月~ 2020 年度年次総会
(Wang Yi)
趙錫軍 外部監査役 男性 56 2019 年6月~ 20 21 年度年次総会
(Zhao Xijun)
退任監査役
方秋月 株主代表監査役 男性 60 2018 年6月~ 2020 年 4月
(Fang Qiuyue)
白建軍 外部監査役 男性 64 2013 年6月~ 2018 年度年次総会
(Bai Jianjun)
当行幹部役員
氏名 役職 性別 年齢 任期
劉桂平 総裁 男性 53 2019 年5月~
(Liu Guiping)
章更生 業務執行副総裁 男性 59 2013 年4月~
(Zhang Gengsheng)
紀志宏 業務執行副総裁 男性 51 2019 年8月~
(Ji Zhihong)
靳彦民 最高リスク責任者 男性 58 2019 年5月~
(Jin Yanmin)
胡昌苗 取締役会秘書役 男性 56 2019 年5月~
(Hu Changmiao)
退任幹部役員
王祖継 総裁 男性 61 20 15 年7月~ 2019 年3月
(Wang Zuji)
黃 毅 業務執行副総裁 男性 56 2014 年4月~ 2020 年4月
(Huang Yi)
張立林 業務執行副総裁 男性 49 2017 年9月~2019年8月
(Zhang Lilin)
廖林 業務執行副総裁 男性 54 2018 年9月~2019年11月
(Liao Lin)
最高リスク責任者 2017 年3月~2019年5月
黃志凌 取締役会秘書役 男性 59 2018 年2月~2019年5月
(Huang Zhiling)
許一鳴 最高財務責任者 男性 60 2014 年6月~ 2020 年4月
(Xu Yiming)
取締役、監査役および幹部役員による株式保有の詳細
報告対象期間中、当行の取締役、監査役および幹部役員の株式保有に変更はなかった。当行の取締役、
監査役および幹部役員の一部は、現職に就く前に当行の従業員株式奨励制度を通じて当行のH株を間接的
に保有していた。各H株保有数は、章更生氏が19,304株、呉建杭氏が20,966株、方秋月氏が21,927株、魯
可貴氏が18,989株、程遠國氏が15,863株、王毅氏が13,023株、靳 彥 民氏が 15,739 株、許一鳴氏が17,925株
および胡昌苗氏が17,709株であった。業務執行副総裁および最高リスク責任者を退任した廖林氏がH株式
を14,456株、また取締役会秘書役を退任した黃志凌氏がH株式を18,751株保有していた。上記のほか、そ
の他すべての取締役、監査役および幹部役員は、当行の株式を所有していなかった。
② 取締役、監査役および幹部役員の変更
2020 年6月19日に開催された当行の2019年度年次株主総会において、田國立氏が当行の業務執行取締役
に、また馮冰女史と張奇氏が当行の非業務執行取締役に再選された。これら3人の取締役の任期は、当行
の2022年度年次株主総会開催日までの3年である。
120/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2020 年6月19日に開催された当行の2019年度年次株主総会において、徐建東氏が当行の非業務執行取締
役に選任された。CBIRCの承認が下り次第その職務に就き、任期は、CBIRCの承認日から当行の2022年度年
次株主総会開催日までの3年である。
徐建東 (Xu Jiandong)氏(56歳)は中国国籍を有している。2015年2月から中国農業銀行股份有限
公司の非執行取締役を務めた。1986年7月から2015年4月まで、国家外貨管理局に勤務した。この
間、2012年6月から2015年4月まで管理検査部の副顧問、2011年4月から2012年6月まで吉林省財務
局副局長、2004年3月から2011年4月まで国際収支部の副顧問、2000年9月から2004年3月まで国際
収支部銀行管理課の課長、1994年9月から2000年9月まで国際収支部外国為替市場管理課の副課長を
歴任した。1986年に中央財経大学金融学科を卒業し、金融学の学士号を取得している。
2020 年6月19日に開催された当行の2019年度年次株主総会において、マルコム・クリストファー・マッ
カーシー卿が当行の独立非業務執行取締役に選任された。マッカーシー卿の任期は、当行の2022年度年次
株主総会開催日までの3年である。
2020 年6月19日に開催された当行の2019年度年次株主総会において、揚豊来氏が当行の株主代表監査役
に選任された。同氏の任期は、当行の2022年度年次株主総会開催日までの3年である。
楊豊来(Yang Fenglai)氏(57歳)は中国国籍を有している。2014年6月から当行四川省支店長を務
めている。2011年7月から2014年4月まで当行の業務管理部責任者、2005年1月から2011年7月まで
四川省支店副支店長、2003年10月から2005年1月まで当行四川省支店の支店長補佐(副支店長レベ
ル)、2003年3月から2003年10月まで当行の与信審査部の常任与信承認担当官(副部長レベル)、
2002年4月から2003年3月まで当行のリスク・内部統制管理委員会の与信審査室の常任与信承認担当
官(副部長レベル)、1994年11月から2002年4月にかけて当行四川省支店の審査部副主任、本店与信
管理部の副主任および主任、四川省支店の信用リスク管理部主任、信用業務部主任、法人事業部部長
を歴任した。上級エコノミストである。1983年に成都大学で企業管理の学士号を取得して卒業し、
2004年に西南財経大学において経済学修士号を取得している。
2020 年6月19日に開催された当行の2019年度年次株主総会において、劉桓氏が当行の外部監査役に選任
された。同氏の任期は、当行の2022年度年次株主総会開催日までの3年である。
劉桓(Liu Huan)氏(65歳)は中国国籍を有している。国務院の参事であり、中央財経大学財政・税
務学院の教授である。2006年から2016年まで中央財経大学税務学院副学院長、1997年から2006年にか
けて中央財経大学税務学部の副学部長、財政・公共管理学院の副学院長を歴任した。2004年から2005
年まで、出向により北京市西城区地方税務局の副局長および北京市地方税務局の局長補佐を務めた。
1982年から中央財政金融学院(現在の中央財経大学)に勤務し、1992年から1997年まで財政部の副部
長を務めた。現在、中国人民政治協商会議の北京市委員会の常任委員および同北京市委員会の経済委
員会副委員長を務めている。過去には、清華大学経済管理学院の客員教授、上海交通大学海外教育学
院の客員教授、中国社会科学院大学の税務学部修士課程の指導教官も兼任した。現在、遼寧禾豊牧業
集団公司の独立取締役でもある。公認会計士であり、1982年に中央財政金融学院において経済学の学
位を取得して卒業した。
2020 年6月19日に開催された当行の2019年度年次株主総会において、賁聖林氏が当行の外部監査役に選
任された。同氏の任期は、当行の2022年度年次株主総会開催日までの3年である。
121/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
賁聖林(Ben Shenglin)氏(54歳)は中国国籍を有している。2014年5月から浙江大学教授および博
士課程指導教官、2014年1月から中国人民大学国際通貨研究所の執行取締役、2018年7月から同研究
所の共同取締役を務めている。2015年4月から浙江大学インターネット・ファイナンス研究所の所
長、 2018年10月から浙江大学国際ビジネス学院の院長を務めた。2010年4月から2014年4月まで、JP
モルガン・チェース銀行(中国)の最高経営責任者および同行グローバル・コーポレート・バンクの
グローバル・リーダーシップ・グループのメンバーを務め、2005年2月から2010年3月まで、中国に
ある香港上海銀行(HSBC)において金融機関部の部長、産業商業銀行部の部長その他の役職を歴任し
た。1994年9月から2005年1月まで、中国にあるオランダ銀行の流動資金業務部の本部長を務めた。
現在、中国国際金融股份有限公司、物産中大集団股份有限公司および捷信グループの独立取締役、興
業銀行股份有限公司の外部監査役を務めている。また、中国人民政治協商会議の浙江省委員会の常任
委員、浙江省インターネット金融協会の共同会長などの社会的地位にもある。1987年に清華大学工学
部を卒業し、1990年に中国人民大学で企業管理修士号、1994年に米国パデュー大学で経済学博士号を
取得している。
③ 取締役、監査役、幹部役員の経歴
当行取締役
田國立(Tian Guoli)取締役会会長、業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2017 年10月から当行の取締役会会長 兼 業務執行 2013 年4月に中国銀行に入行し、2013年5月から2017
年8月まで同行の会長を務めた。この間、中銀香港
取締役
(控股)有限公司の会長 兼 非業務執行取締役も兼任
2018 年3月から中徳住宅貯蓄銀行の会長
した。2010年12月から2013年4月まで、中信グループ
中国銀行協会会長
の副会長 兼 ジェネラル・マネジャーを務めた。この
中国の経済・社会発展のための第14次5ヶ年計画
間、中信銀行の会長 兼 非業務執行取締役も兼任し
の専門家委員会のメンバー
た。1999年4月から2010年12月にかけて、中国信達資
産管理公司の副社長および社長、中国信達資産管理股
PBC の金融政策委員会のメンバー
份有限公司の会長を歴任した。1983年7月から1999年
アジア金融協力協会の会長
4月にかけて、中国建設銀行において支店長、副支店
シンガポール金融通貨庁の国際諮問委員会のメン
長、本社部門本部長および総裁補佐などの役職を歴任
バー
した。
学歴、資格および受賞歴
1983 年、湖北財経学院にて経済学学士号を取得
上級エコノミスト
劉桂平(Liu Guiping)取締役会副会長、業務執行取締役、総裁
主要な地位 過去の経歴
2019 年7月から当行の取締役会副会長、業務執行 2016 年6月から2019年3月まで重慶市副市長、2014年
取締役 5月から2016年6月まで中国投資有限責任公司の副統
括部長、2005年1月から2014年5月まで中国農業銀行
2019 年5月から当行総裁
の福建支店の副支店長および支店長、上海支店長、リ
学歴、資格および受賞歴
テール・バンキング部門(リテール商品部)の部長を
2002 年、中南財経政法大学の金融学部にて金融学 歴任した。1994年5月から2005年1月にかけて、中国
博士号を取得 農業銀行の広東支店事務局の主任補佐および副主任、
広東省にある肇慶支店、東莞支店および深圳支店の副
支店長を務めた。
章更生(Zhang Gengsheng)業務執行取締役、業務執行副総裁
122/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2015 年8月から当行の業務執行取締役 2013 年5月から2018年7月まで、CCB生命の会長を務め
た。2010年12月から2013年4月まで、当行の幹部役員
2013 年4月から当行の業務執行副総裁
を務めた。2006年10月から2010年12月まで当行のグ
2019 年12月からCCBアジアの会長
ループ顧客部門(銀行事業部門)本部長および北京支
中国支払決済協会の副会長 店副支店長、2004年3月から2006年10月まで当行本店
の銀行事業部門およびグループ顧客部門(銀行事業部
学歴、資格および受賞歴
門)の本部長、2000年6月から2004年3月まで当行本
1984 年、遼寧財経学院にてインフラ金融学および
店の銀行事業部門副部長(2003年3月から総合管理担
信用学の学士号を取得
当)、1998年9月から2000年6月まで当行三峡支店の
2010 年、北京大学にてEMBAを取得 支店長、1996年12月から1998年9月まで当行三峡支店
の副支店長を務めた。
上級エコノミスト
馮冰(Feng Bing)非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2017 年7月から当行取締役 2015 年9月から2017年8月まで、中国財政部国庫部門
決済センターの副局長(次長レベル)を務めた。1988
当行の主要株主である匯金公司の職員
年8月から2015年9月にかけて、財政部税政部門の副
学歴、資格および受賞歴
部長および部長等、数々の役職を歴任した。
1988 年、中国人民大学にて金融学の学士号を取得
2001 年、中国人民大学にて金融学の修士号を取得
朱海林(Zhu Hailin)非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2017 年7月から当行取締役 2012 年7月から2017年8月まで、財務省の国家会計士
評価・認証センターの副所長(次長レベル)を務め
当行の主要株主である匯金公司の職員
た。1992年8月から2012年6月にかけて、財政部会計
学歴、資格および受賞歴
部門の副部長、部長等、数々の役職を歴任した。
1992 年、江西財経大学にて会計学の修士号を取得
2000 年、財政部の財政科学研究所にて博士号を取
得
中国政府から特別助成金を支給されている専門家
公認会計士(開業していない。)
副研究員
博士課程の指導教員
張奇(Zhang Qi)非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2017 年7月から当行取締役 2011 年7月から2017年6月まで、中国銀行股份有限公
司の非業務執行取締役を務めた。2001年から2011年に
当行の主要株主である匯金公司の職員
かけて、中国財政部予算部門の中央歳出第1課および
学歴、資格および受賞歴
総合課、財政部事務局大臣室、さらに中国投資有限責
1995 年、1998年および2001年、東北財経大学の投 任公司の業務部に勤務し、副部長、部長、上級マネ
資学科および金融学科にて経済学の学士号、修士 ジャーを歴任した。
号および博士号をそれぞれ取得
東北財経大学博士課程の指導教官
田博(Tian Bo)非業務執行取締役
123/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2019 年8月から当行取締役 2019 年1月から8月まで、中国銀行グローバル・トラ
ンザクション・バンキング部の副次長を務めた。2006
当行の主要株主である匯金公司の職員
年3月に中国銀行に入行し、法人バンキング部の副部
学歴、資格および受賞歴
長、グローバル取引サービス部の副部長等、数々の役
1994 年、北京財貿学院にて金融学の学士号を取得 職を歴任した。また、2016年2月から2018年2月にか
2004年、首都経済貿易大学にて経営学の修士号を けて、広西チワン族自治区において中国共産党の防城
取得 港市党委員会の常務委員会委員と同市の副市長を兼務
した。
夏陽(Xia Yang)非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2019 年8月から当行取締役 2018 年1月から2019年9月まで、華夏銀行の資産管理
サービス部の部長を務めた。1997年8月に華夏銀行に
当行の主要株主である匯金公司の職員
入行し、済南支店長、合肥支店長等、数々の役職を歴
学歴、資格および受賞歴
任した。
1988 年、南京 大学にて 人間・動物生理学の学士号
を取得
2018 年、南京大学 にて 経営科学と経営工学の博士
号を取得
上級エコノミストおよび上級会計士
馮婉眉(Anita Fung Yuen Mei)独立非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2016 年10月から当行取締役 2008 年5月から2015年2月まで、HSBCホールディング
ス・ピーエルシーのグループ・ジェネラル・マネ
当行の主要株主である匯金公司の職員
ジャーを務めた。1996年9月から2015年2月にかけ
香港証券取引所および恒隆地産有限公司の独立非
て、香港上海銀行(HSBC)の香港通貨債券市場部門
業務執行取締役
ヘッド、アジア債券取引部門ヘッド、アジア太平洋地
香港科技大学顧問委員会に勤務 域取引部門ヘッド、アジア太平洋地域グローバル・
マーケット部門の財務部長 兼 共同ヘッド、アジア太
学歴、資格および受賞歴
平洋地域グローバル・マーケット部門の財務部長 兼
1995 年、オーストラリアのマッコーリー大学にて
ヘッド、アジア太平洋地域グローバル・バンキング&
応用ファイナンスの修士号を取得
マーケット部門ヘッドおよび香港地域担当CEOを歴任し
2013 年、香港特別行政区政府より銅紫荊勲章を授
た。2010年11月から2015年1月まで、交通銀行の非業
与
務執行取締役を務めた。2011年9月から2015年2月に
かけて、HSBCグローバル・アセット・マネジメント
2015 年、香港特別行政区政府より治安判事に任命
(香港)の取締役会長、HSBCバンク(中国)の非業務
執行取締役、HSBCマーケット(アジア)の取締役を含
む様々な役職を兼務した。2011年11月から2014年1月
まで、恒生銀行の非業務執行取締役を務めた。
マルコム・クリストファー・マッカーシー(Malcolm Christopher McCarthy)独立非業務執行取締役
124/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2017 年8月から当行取締役 2009 年12月から2016年10月まで、中国工商銀行の独立
非業務執行取締役を務めた。最初はエコノミストとし
学歴、資格および受賞歴
てインベストメント・カンパニー・インスティチュー
スタンフォード大学経営大学院にて修士号を取得
トに勤務し、その後、英国の貿易産業省において、経
オックスフォード大学マートン・カレッジにて史 済顧問から事務次官までの様々な役職を歴任した。そ
学修士号を取得 の後、ロンドン、日本および北米においてバークレイ
ズ銀行の上級業務執行役員を務めた。英国ガス電力市
スターリング大学にて経済学博士号を取得
場規制局(Ofgem)の会長兼最高経営責任者、英国金融
マートン大学名誉教授
サービス機構(FSA)の会長、英国財務省の非執行理
スターリング大学およびキャス・ビジネス・ス 事、J.C.フラワーズ・アンド・カンパニーUKリミテッ
クールの名誉博士 ド取締役会会長、NIBCホールディングN.V.、NIBCバン
クN.V.、ワンセービングス・バンクplc、キャッスル・
ロンドン市名誉市民
トラスト・キャピタルplcおよびインターコンチネンタ
ル取引所(ICE)の非業務執行取締役、オックスフォー
ド大学サイード・ビジネス・スクールの理事を歴任し
た。
カール・ウォルター(Carl Walter)独立非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2016 年10月から当行取締役 2001 年9月から2011年4月まで、JPモルガン・チェー
ス・アンド・カンパニーの中国のマネージング・ディ
独立コンサルタントであり、様々な国や金融機関
レクター兼最高業務執行責任者およびJPモルガン・
に戦略的なコンサルティング・アドバイスを提供
チェース・バンク(チャイナ)カンパニー・リミテッ
学歴、資格および受賞歴
ド(摩根大通銀行(中国))の最高経営責任者を務め
1970 年、プリンストン大学にて政治学とロシア語 た。1999年1月から2001年7月まで、モルガン・スタ
学の学士号を取得 ンレーから出向して、中国国際金融有限公司のマネー
ジング・ディレクター兼最高管理責任者を務めた。
1980 年、北京大学で経済学の上級修了証書を取得
1990年9月から1998年12月まで、クレディ・スイス・
1981 年、スタンフォード大学にて政治学の博士号
ファースト・ボストン(シンガポール)のアジア・ク
を取得
レジット・マネジメント・アンド・リサーチの副社長
2012 年、スタンフォード大学フリーマン・スポグ 兼ヘッドおよび中国投資銀行グループ(北京)の取締
リ国際研究所の客員研究員 兼 非常勤助教授 役兼ヘッドを兼務した。1981年1月から1990年8月に
かけて、ケミカル・バンクの台北支店副支店長や部長
を含む様々な職務を歴任した。
鍾嘉年(Kenneth Patrick Chung)独立非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2018 年11月から当行取締役 2009 年12月から2017年3月まで、中国工商銀行の独立
非業務執行取締役を務めた。1980年にデロイト・ハス
金沙中国有限公司の独立非業務執行取締役
キンズ・アンド・セルズのロンドン事務所に入所し、
傅德蔭基金有限公司の受託人
1992年にプライスウォーターハウスクーパースのパー
学歴、資格および受賞歴 トナーとなり、1996年以降はプライスウォーターハウ
スクーパース(香港および中国)の金融サービス・ス
ダラム大学にて経済学の学士号を取得
ペシャリストを務めた。それ以前は、プライスウォー
イングランド・ウェールズ勅許会計士協会の会員
ターハウスクーパース(香港)の人事担当パート
香港公認会計士協会の会員 ナー、プライスウォーターハウスクーパース(香港お
よび中国)の監査部担当パートナー、中国銀行担当監
マカオ公認会計士協会の会員
査チームのグローバル・リード・パートナー、香港公
益金の名誉会計官を歴任し、香港会計士協会において
倫理委員会、専門職賠償責任委員会、コミュニケー
ション委員会および調査パネルの委員も務めた。ま
た、中国銀行、中国銀行(香港)および交通銀行のリ
ストラクチャリングおよび新規株式公開の監査責任
者、ハーベスト・リアル・エステート・インベストメ
ンツ(ケイマン)リミテッドの監査委員会の委員長な
らびにプルデンシャル・コーポレーション・アジアの
非業務執行取締役も務めた。
グレイム・ウィーラー(Graeme Wheeler)独立非業務執行取締役
125/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2019 年10月から当行取締役 2017 年からティッセン=ボルネミッサ・グループの非
業務執行取締役を務めている。2012年から2017年まで
学歴、資格および受賞歴
ニュージーランド準備銀行の総裁、2010年から2012年
1972 年、オークランド大学にて経済学および商学
までティッセン・ボルネミッサ・グループの非業務執
修士号を取得
行取締役およびプライベタイゼイション・アナリシ
2018 年、ニュージーランド・メリット勲章のコン ス・アンド・コンサルティング・リミテッドの共同創
パニオンを授与 立者、2006年から2010年まで世界銀行の業務担当業務
執行取締役、2001年から2006年まで世界銀行の副総裁
兼 財務部長、1997年から2001年まで世界銀行の金融商
品サービス部長、1993年から1997年までニュージーラ
ンド債務管理局(NZDMO)の財務部長およびニュージー
ランド財務省の副長官、1990年から1993年までニュー
ジーランド財務省のマクロ経済政策部長、1984年から
1990年までパリにあるOECDのニュージーランド代表団
の経済財務担当顧問、1973年から1984年までニュー
ジーランド財務省のアドバイザーを務めた。
ミシェル・マデレイン(Michel Madelain)独立非業務執行取締役
主要な地位 過去の経歴
2020 年1月から当行取締役 2016 年6月から2018年12月まで、ムーディーズ・イン
ベスターズ・サービス(MIS)の副会長を務めると同時
2018 年1月からIFRSファウンデーション理事
に、複数の欧州委員会の委員長およびMIS米国委員会の
2018 年4月からフランスの郵便貯金銀行の監査役
メンバーを務めた。2008年5月から2016年6月までMIS
会メンバー
の社長 兼 最高執行責任者を務め、それ以前の1994年
学歴、資格および受賞歴
から2008年5月にかけては、欧州および米国において
数々のMISの役職を歴任した。1980年5月から1994年5
フランスのルーアン高等商業学校にて経営管理学
月まで、ベルギーおよびフランスのアーンスト・アン
の学士号を取得
ド・ヤングに勤務し、1989年にはパートナーに昇進し
米国のノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院
た。
にて経営学修士号を取得
フランスの公認会計士
当行監査役
王永慶(Wang Yongqing)監査役会会長、株主代表監査役
主要な地位 過去の経歴
2019 年10月から当行監査役会会長 2016 年12月から2019年7月まで、中国工商連盟の副会
長を務めた。2003年12月から2016年11月にかけて、中
学歴、資格および受賞歴
国共産党中央委員会の統一戦線工作部第5部隊の副隊
湖北財経学院を卒業
長(局長クラス)および隊長ならびに第6部隊の隊長
中国人民大学にて経済学修士号を取得 を歴任した。1998年12月から2003年12月にかけて、中
国国際工程諮詢公司の総務室副室長、総務室統括室長
北京交通大学にて経済学博士号を取得
補佐 兼 室長および会計主任を歴任した。1994年7月
上級会計士
に国家開発銀行に入行。1985年7月に中国鉄道部に就
職して働き始めた。
吳 建杭 (Wu Jianhang)株主代表監査役
126/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2018 年6月から当行監査役 2018 年12月から2019年11月まで、CCB大学の職員育成研
修センターの所長、2014年3月から2019年1月まで当
2019 年11月からCCB大学の人文科学教育研究学部の
行の戦略企画部長、2013年10月から2014年3月まで当
学部長
行の調査部長を務めた。2007年12月から2013年10月ま
2018 年8月からCCB研究所の副所長
で、CCBファイナンシャル・リーシングの社長を務め
学歴、資格および受賞歴 た。2004年10月から2007年12月まで当行広東支店の支
店長、2003年7月から2004年10月まで当行深圳支店の
1991 年、南開大学にて国際金融学の修士号を取得
支店長、1997年5月から2003年7月まで当行浙江支店
2003 年、同済大学にて技術経済学および経営学の
の副支店長を務めた。
博士号を取得
中国政府から特別助成金を支給されている上級会
計士
方秋月(Fang Qiuyue)株主代表監査役
主要な地位 過去の経歴
2018 年6月から2020年4月まで当行監査役 2015 年1月から2019年11月まで当行の財務経理部長、
2014年8月から2015年1月まで当行の財務経理部責任
2019 年11月から2020年4月までCCB大学の会計監査
者、2011年8月から2014年8月まで当行北京支店の副
研修センターの所長
支店長(部長レベル)、2000年8月から2011年8月ま
2017 年4月から2020年4月までCCBブラジルの非業
で当行北京支店の副支店長、1998年1月から2000年8
務執行取締役
月まで当行財務経理部の副部長を務めた。1997年12月
学歴、資格および受賞歴 から1998年1月まで、当行北京支店の副支店長を務め
た。
2010 年、清華大学にてEMBAを取得
魯可貴(Lu Kegui)従業員代表監査役
主要な地位 過去の経歴
2018 年5月から当行監査役 2018 年12月から2019年10月まで、CCB大学の資産管理・
ウェルスマネジメント研修センターの所長を務めた
2019 年10月からCCB大学の資産管理・投資バンキン
(その間、2018年12月から2019年4月までは兼務)。
グ学部の学部長
2017年4月から2019年4月まで当行の特別資産処理セ
学歴、資格および受賞歴
ンターの所長、2013年9月から2017年4月まで当行の
1982 年、湖北金融経済学院にてインフラ金融学と 天津監査部の部長、2011年4月から2013年9月まで当
信用学の学士号を取得 行黒龍江支店の支店長、2011年2月から2011年4月ま
で当行黒龍江支店の主任を務めた。さらに、2008年7
中国政府から特別助成金を支給されている上級会
月から2011年2月まで当行資金決済部の部長、2000年
計士
8月から2008年7月まで当行の経理部長、1998年1月
から2000年8月まで当行の企画財務部の副部長、1995
年9月から1998年1月まで当行の財務経理部の副部長
を務めた。
程遠國(Cheng Yuanguo)従業員代表監査役
主要な地位 過去の経歴
2018 年5月から当行監査役 2017 年8月から2018年7月までCCB信託の会長を務め
た。2014年8月から2017年2月まで、当行河北支店の
2017 年2月から当行の法人銀行業務部長
支店長、2011年3月から2014年7月まで、当行のグ
学歴、資格および受賞歴
ループ顧客部門(銀行業務部)の部門長を務め、2010
1986 年、東北財経大学にてインフラ金融学と信用 年9月から2015年10月までCCB インターナショナルの
学の学士号を取得
取締役を兼務した。2005年5月から2011年3月まで当
行のグループ顧客部門(銀行業務部)の副部門長を務
上級会計士
め、2001年9月から2005年5月まで当行銀行業務部の
副部長を務めた。
王毅(Wang Yi)従業員代表監査役
127/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2018 年5月から当行監査役 2018 年12月から2019年11月まで、CCB住宅の会長を務め
た。2009年11月から2013年11月まで、当行の個人貯
2013 年11月から当行の住宅金融・個人融資部長
蓄・投資部の次長(部長レベル)を務めた。2008年12
学歴、資格および受賞歴
月から2009年11月まで当行の個人貯蓄・投資部の副部
1984 年、山東大学にてコンピュータ数学の学士号 長を務め、2005年6月から2008年12月まで当行の個人
を取得 金融部の副部長を務めた。また、2001年7月から2005
年6月まで当行の個人向け銀行業務部の副部長を務め
2010 年、北京大学にてEMBAを取得
た。
上級エンジニア
趙錫軍(Zhao Xijun)外部監査役
主要な地位 過去の経歴
2019 年6月から当行監査役 2001 年から2005年まで中国人民大学の国際事務局長、
1995年から2001年まで中国人民大学 財政金融学院の金
2005 年から中国人民大学 財政金融学院の副院長
融学部長、1994年から1995年まで中国証券監督管理委
中国外貿金融租賃有限公司および一汽資本控股有
員会の国際部門研究員を務めた。2010年8月から2014
限公司の独立非業務執行取締役
年3月まで、当行の独立非業務執行取締役を務めた。
学歴、資格および受賞歴
1985 年、武漢大学にてフランス語学の学士号
1987 年、中国人民大学金融学部にて金融学の修士
号を取得
1999 年、中国人民大学 財政金融学院にて金融学の
博士号を取得
1989 年から1990年まで、カナダのシェルブルック
大学およびマギル大学の客員研究員
1995 年から1996年まで、オランダのナインロード
大学の客員研究員
当行幹部役員
王祖継(Wang Zuji)取締役会副会長、業務執行取締役、総裁
上記「取締役」を参照
章更生 (Zhang Gengsheng) 業務執行取締役、業務執行副総裁
上記「取締役」を参照
黃毅(Huang Yi)業務執行副総裁
主要な地位 過去の経歴
2014 年4月から2020年4月まで当行業務執行副総 2013 年12月から2014年4月まで当行の幹部役員を務め
裁 た。2010年1月から2013年12月までCBRC法務部門の部
門長を務め、2003年7月から2010年1月にかけて、
学歴、資格および受賞歴
CBRCの監督規則・規制部門の副部門長、部門長および
1997 年、北京大学にて法学博士号を取得
調査局責任者を歴任した。1999年4月から2003年7月
中国政府より特別助成金を支給 にかけて、PBCの法務部傘下の金融請求管理室の部長レ
ベルの職員および部長、法務部の検査官補(この期間
中に四川省財政部の副部長も兼務)、銀行業務管理部
の検査官補を歴任した。1997年8月から1999年4月ま
で華夏銀行の開発調査部の部長を務めた。
紀志宏(Ji Zhihong)業務執行副総裁
128/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
主要な地位 過去の経歴
2019 年8月から当行業務執行副総裁 2013 年8月から2019年5月までPBC金融市場部の統括部
長を務め、2013年8月から2016年5月にかけてPBC上海
学歴、資格および受賞歴
本店の金融市場管理部部長も兼務した。2012年9月か
1995 年、清華大学PBCスクール・オブ・ファイナン
ら2013年8月までPBCリサーチ局の局長、また2010年4
ス(旧中国人民銀行本店大学院)にて国際金融学
月から2012年9月までPBC通貨政策部の統括副部長を務
の修士号を取得
めた。2008年2月から2010年4月までPBC上海本店の公
2005 年、中国社会科学院にて経済学博士号を取得 開市場操作部の副部長(統括副部長レベル)を務め
た。
研究員
許一鳴(Xu Yiming)最高財務責任者
主要な地位 過去の経歴
2014 年6月から2020年4月まで当行の最高財務責 2005 年8月から2014年7月まで当行の資産負債管理部
任者 の部長、2003年3月から2005年8月まで当行の資産負
債管理部の副部長、2001年3月から2003年3月まで当
学歴、資格および受賞歴
行の資産負債管理委員会事務局の副局長を務めた。
1994 年、財政部の財政科学研究所にて経済学の博
士号を取得
上級会計士
靳彦民(Jin Yanmin)最高リスク責任者
主要な地位 過去の経歴
2019 年5月から当行の最高リスク責任者 2014 年11月から2019年5月まで、当行与信審査部長を
務めた。2011年2月から2014年11月まで当行広東支店
2015 年12月からCCBファイナンシャル・リーシング
の責任者および支店長、2009年3月から2011年2月ま
の監査役
で当行の法人銀行業務部長 兼 小企業金融業務部長、
2017 年11月からCCBインベストメントの非業務執行
2007年8月から2009年3月まで当行法人銀行業務部
取締役
長、2006年6月から2007年8月まで当行広東支店のリ
学歴、資格および受賞歴
スク管理主任、2001年3月から2006年6月まで当行法
人銀行業務部の副部長を務めた。
1983 年、遼寧財経学院にてインフラ金融学および
信用学の学士号を取得
2010 年、清華大学にてEMBAを取得
エコノミスト
胡昌苗(Hu Changmiao)取締役会秘書役
主要な地位 過去の経歴
2019 年5月から当行取締役会秘書役 2016 年8月から2018年12月までCCBファイナンシャル・
リーシングの会長、2012年2月から2016年8月まで当
2018 年12月から当行取締役会室長
行広西支店の支店長、2006年3月から2012年2月まで
学歴、資格および受賞歴
当行広報・企業文化部の部長、2005年6月から2006年
1986 年、北京大学にて経済地理学の修士号を取得 3月まで当行取締役会室の総括管理担当副部長を歴任
した。2004年12月から2005年6月まで当行事務局の副
上級エコノミスト
局長、2003年3月から2004年12月まで当行クレジット
カード・センター副局長、2001年7月から2003年3月
まで当行個人向け銀行業務部の副部長を務めた。
④ 取締役、監査役および幹部役員の報酬
取締役、監査役および幹部役員の2019年度の報酬
(単位:千人民元)
強制加入保険、
当行の関連当事
住宅手当などに対 合計 者から、報酬を
氏名 役員報酬 報酬支払額 する雇用者の拠出 ( 税引き前)(1) 受領したか否か
田國立( Tian Guoli ) - 579.0 169.1 748.1 受領しない
劉桂平(Liu Guiping) - 386.0 107.9 493.9 受領しない
章更生(Zhang Gengsheng) - 521.1 165.1 686.2 受領しない
129/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
馮冰(Feng Bing)(2) - - - - 受領した
朱海林(Zhu Hailin)(2) - - - - 受領した
張奇(Zhang Qi)(2) - - - - 受領した
田博(Tian Bo)(2) - - - - 受領した
夏陽(Xia Yang)(2) - - - - 受領した
馮婉眉(Anita Fung Yuen Mei) 415.0 - - 415.0 受領しない
マルコム・クリストファー・
410.0 410.0 受領しない
マッカーシー (Malcolm Christopher - -
McCarthy)
カール・ウォルター(Carl Walter) 441.7 - - 441.7 受領しない
鍾嘉年(Kenneth Patrick Chung) 430.0 - - 430.0 受領しない
グレイム・ウィーラー(graeme
110.0 - - 110.0 受領しない
wheeler)
ミシェル・マデレイン(Michel
- - - - 受領しない
Madelain)
王永慶(Wang Yongqing) - 241.3 65.6 306.9 受領しない
吳 建杭( Wu Jianhang ) - 660.0 196.1 856.1 受領しない
魯可貴(Lu Kegui)(3) 50.0 - - 50.0 受領しない
程遠國(Cheng Yuanguo)(3) 50.0 - - 50.0 受領しない
王毅(Wang Yi)(3) 50.0 - - 50.0 受領しない
趙錫軍(Zhao Xijun) 138.3 - - 138.3 受領しない
紀志宏(Ji Zhihong) - 304.0 91.4 395.4 受領しない
靳彦民(Jin Yanmin) - 459.9 118.1 578.0 受領しない
胡昌苗(Hu Changmiao) - 459.9 116.0 575.9 受領しない
退任取締役、
退任監査役および退任幹部役員
王祖継(Wang Zuji) - 136.5 45.9 182.4 受領しない
李軍(Li Jun)(2) - - - - 受領した
呉敏(Wu Min)(2) - - - - 受領した
鍾瑞明(Chung Shui Ming Timpson) 220.0 - - 220.0 受領しない
マリー・ホーン(Murray Horn) 352.5 - - 352.5 受領しない
方秋月(Fang Qiuyue) - 660.0 200.0 860.0 受領しない
白建軍(Bai Jianjun) 125.0 - - 125.0 受領しない
黃 毅 (Huang Yi) - 521.1 165.1 686.2 受領しない
張立林(Zhang Lilin) - 332.6 105.1 437.7 受領しない
廖林(Liao Lin) - 462.8 183.9 646.7 受領しない
黃志凌(Huang Zhiling) - 328.5 85.8 414.3 受領しない
許一鳴(Xu Yiming) - 788.4 204.1 992.5 受領しない
(1) 2015 年度以降、中央当局の管理下にある当行の指導者の報酬は、中央管理企業の報酬改革に関する国家政策に従っ
て支払われている。
(2) 当行の非業務執行取締役は、当行の株主である匯金公司から報酬を受領する。
(3) 当行の従業員代表監査役を務める対価として支給される報酬(税引き前)
(4) 当行の非業務執行取締役および外部監査役の一部は、他の法人または組織の取締役または幹部役員を兼務している
ため、かかる法人や組織は当行の関連当事者となる。これを除き、当行の取締役、監査役または幹部役員はいずれ
も、当行の関連当事者から報酬を受け取っていない。
(5) 2019 年12月31日に終了した年度に関する一部の取締役、監査役および幹部役員に対する全報酬パッケージは、中国
関連当局の規則に従い、まだ最終的に決定されていない。最終的な報酬総額は、決定され次第、別途公告により開示
する。
130/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
上記第5「3(1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照のこと。
② 内部監査の状況
内部統制および内部監査に関しては、上記第5「3(1) コーポレート・ガバナンスの概要」および第3
「2 事業等のリスク」を参照のこと。
③ 会計監査の状況
監査人に係る事項
外部監査人の選任
安永華明會計師事務所 (Ernst & Young Hua Ming LLP) が、 2019 年度の当行およびその国内子会社
の国内監査人に選任され、アーンスト・アンド・ヤングが2019年度の当行およびその海外子会社の国
際監査人に選任された。また、 安永華明會計師事務所は 2019 年度の当行の内部統制監査の監査人にも
選任された。本報告年度は、 安永華明會計師事務所と アーンスト・アンド・ヤングが当行に監査サー
ビスを提供した最初の年である。
監査業務に係る補助者の構成
王鵬程(Wang Pengcheng)(担当パートナー)、田志勇(Tian Zhiyong)、馮所騰(Feng
Suoteng)等の中国公認会計士が監査に携わった。監査チームは、補助者の合理的な通例の構成によ
る。
監査人の選定理由および選定方針
金融機関の監査人の最大継続監査年数に関する中国財政部の要件に従い、当行は、2019年6月21日に
開催された当行2018年度年次株主総会において、当行およびその国内子会社の2019年度の国内監査人と
して安永華明会計師事務所の選任と、当行およびその海外子会社の2019年度の国際監査人としてアーン
スト・アンド・ヤングの選任を提案した。
監査報酬
監査人に支払われた報酬
当グループの財務報告監査(内部統制監査を含む。)およびその他のサービスの対価として2019年
12月31日に終了した年度に 当グループ が、安永華明会計師事務所、アーンスト・アンド・ヤングおよ
びその他のメンバー監査法人に支払った監査報酬は、次のとおりである。
(1) (1)
(百万人民元) 2019 年
2018 年 2017 年
140.96 148.00 137.00
財務諸表監査報酬
6.04
5.63 13.14
その他のサービス料
(1) 2017 年度および2018年度は、普華永道中天会計師事務所有限公司および プライスウォーターハウスクー
パースが監査業務を行った。
131/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
その他の重要な報酬
該当なし。
監査人による非監査業務等
上記「監査人に支払われた報酬」を参照のこと。
監査報酬の決定方針
監査報酬は、2018年度年次株主総会によって決定されている。
(4)【役員の報酬等】
当行は、金融商品取引法第24条第1項第1号または第2項に定める有価証券の発行会社ではないた
め、本項の適用はない。
しかしながら、取締役の報酬は、上記第5「3(2)④ 取締役、監査役および幹部役員の報酬」に開
示されている。
(5)【株式の保有状況】
当行は、金融商品取引法第24条第1項第1号または第2項に定める有価証券の発行会社ではないた
め、本項の適用はない。
132/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
第6【経理の状況】
1. 本書記載の中国建設銀行股 份 有限公司および子会社(以下「当グループ」という。)の2019年12月31日に
終了した事業年度の財務書類の原文(英文)は、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が規定す
る適用可能なすべての国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)および解釈指針、ならびに香港 銀行
業 条例の開示要件に準拠して作成されている。また当財務書類は香港上場規則のうち該当する開示規則
にも準拠している。この財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38
年大蔵省令第59号)第131条第1項の規定の適用を受けている。和文はこれらの原文を翻訳したもので
ある。
2. 本書記載の当グループの2019年12月31日に終了した事業年度の財務書類は、外国監査法人等(「公認会
計士法」(昭和23年法律第103号)第1条の3第7項に規定されている外国監査法人等をいう。)であ
るアーンスト・アンド・ヤングから、「金融商品取引法」第193条の2第1項第1号に規定されている
監査証明に相当すると認められる証明を受けている。
3. 当行の採用した企業会計基準、会計処理手続および表示方法と、日本において一般に公正妥当と認めら
れている企業会計基準における会計処理手続および表示方法との間の主な相違点に関しては、下記
「4 国際財務報告基準と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」に説明されている。
4. 本書記載の当グループの財務書類の原文(英文)は、人民元で表示されている。「円」で表示されてい
る金額は、読者の便宜のために、1人民元=14.91円(2020年5月7日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対
顧客電信直物売買相場の仲値)により換算された金額である。金額は百万円単位で四捨五入して表示さ
れている。日本円に換算された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
5. 円換算額ならびに下記「2 主な資産・負債及び収支の内容」、「3 その他」および「4 国際財務
報告基準と日本における会計原則及び会計慣行の主要な相違」に関する記載は、原文の財務書類には含
まれておらず、独立監査人であるアーンスト・アンド・ヤングの監査の対象にもなっていない。
133/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
1【財務書類】
2019 年12月31日終了事業年度
連結包括利益計算書
12 月31日に終了した事業年度
2019 年 2018 年
注記
(百万人民元) (百万円) (百万人民元) (百万円)
受取利息
883,499 13,172,970 811,026 12,092,398
(372,819) (5,558,731) (324,748) (4,841,993)
支払利息
正味受取利息 6 510,680 7,614,239 486,278 7,250,405
受入手数料
155,262 2,314,956 138,017 2,057,833
(17,978) (268,052) (14,982) (223,382)
支払手数料
正味受入手数料 7 137,284 2,046,904 123,035 1,834,452
トレーディング利益(正味) 8
9,120 135,979 12,614 188,075
配当収入 9 1,184 17,653 773 11,525
投資有価証券利益/(損失)(正味) 10 9,093 135,577 3,444 51,350
償却原価で測定される金融資産の認識の
11 3,359 50,083 (2,241) (33,413)
中止に係る利益/(損失)(正味)
その他営業収益(正味):
-その他営業収益 36,127 538,654 35,918 535,537
(28,846) (430,094) (26,049) (388,391)
-その他営業費用
その他営業収益(正味) 12 7,281 108,560 9,869 147,147
営業収益
678,001 10,108,995 633,772 9,449,541
(188,132) (2,805,048) (174,764) (2,605,731)
営業費用 13
489,869 7,303,947 459,008 6,843,809
信用減損損失 14
(163,000) (2,430,330) (151,109) (2,253,035)
(521) (7,768) 121 1,804
その他の減損損失 15
関連会社および共同支配企業の利益に
249 3,713 140 2,087
対する持分
税引前当期利益
326,597 4,869,561 308,160 4,594,666
(57,375) (855,461) (52,534) (783,282)
法人税等 18
当期純利益 269,222 4,014,100 255,626 3,811,384
その他の包括利益:
(1) 純損益に振替えられないその他の包括利
益
退職後給付債務の再測定 199 2,967 (296) (4,413)
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定されるものとして指定された 444 6,620 120 1,789
資本性商品の変動
59 880 43 641
その他
小計 702 10,467 (133) (1,983)
(2) 今後純損益に振替えられる可能性のある
その他の包括利益
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,005 134,265 35,887 535,075
測定される負債性商品の公正価値の変
動
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される負債性商品に係る信用損失 1,624 24,214 303 4,518
引当金
純損益に含まれる処分による組替調整額 (175) (2,609) (149) (2,222)
キャッシュ・フロー・ヘッジによる正味
(292) (4,354) (267) (3,981)
(損失)
2,682 39,989 2,573 38,363
在外営業活動体の換算による外貨換算差額
小計 12,844 191,504 38,347 571,754
当期その他の包括利益(税引後) 13,546 201,971 38,214 569,771
当期包括利益合計 282,768 4,216,071 293,840 4,381,154
当期純利益の帰属:
当行株主 266,733 3,976,989 254,655 3,796,906
2,489 37,111 971 14,478
非支配持分
269,222 4,014,100 255,626 3,811,384
包括利益合計額の帰属:
当行株主 280,268 4,178,796 292,705 4,364,232
2,500 37,275 1,135 16,923
非支配持分
282,768 4,216,071 293,840 4,381,154
基本および希薄化後1株当たり当期利益
19 1.05 16 1.00 15
(単位:人民元/日本円)
157 頁から282頁(訳注:原文のページ数である。)に記載の注記はこれらの財務書類の一部である。
134/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
連結財政状態計算書
12 月31日現在
2019 年 2018 年
注記
(百万人民元) (百万円) (百万人民元) (百万円)
資産:
現金および中央銀行預け金 20 2,621,010 39,079,259 2,632,863 39,255,987
銀行および銀行以外の金融機関への預け金 21 419,661 6,257,146 486,949 7,260,410
貴金属 46,169 688,380 33,928 505,866
銀行および銀行以外の金融機関への
22 531,146 7,919,387 349,727 5,214,430
短期貸付金
デリバティブの正の公正価値 23 34,641 516,497 50,601 754,461
売戻契約に基づいて保有する金融資産 24 557,809 8,316,932 201,845 3,009,509
顧客に対する貸出金 25 14,540,667 216,801,345 13,365,430 199,278,561
金融投資 26
純損益を通じて公正価値で測定される
675,361 10,069,633 731,217 10,902,445
金融資産
償却原価で測定される金融資産 3,740,296 55,767,813 3,272,514 48,793,184
その他の包括利益を通じて公正価値で
1,797,584 26,801,977 1,711,178 25,513,664
測定される金融資産
長期資本性投資 27 11,353 169,273 8,002 119,310
固定資産 29 170,740 2,545,733 169,574 2,528,348
土地使用権 30 14,738 219,744 14,373 214,301
無形資産 31 4,502 67,125 3,622 54,004
のれん 32 2,809 41,882 2,766 41,241
繰延税金資産 33 72,314 1,078,202 58,730 875,664
その他資産 34 195,461 2,914,324 129,374 1,928,966
資産合計 25,436,261 379,254,652 23,222,693 346,250,353
負債:
中央銀行からの借入金 36 549,433 8,192,046 554,392 8,265,985
銀行および銀行以外の金融機関からの預金 37 1,672,698 24,939,927 1,427,476 21,283,667
銀行および銀行以外の金融機関からの
38 521,553 7,776,355 420,221 6,265,495
短期借入金
純損益を通じて公正価値で測定される
39 281,597 4,198,611 431,334 6,431,190
金融負債
デリバティブの負の公正価値 23 33,782 503,690 48,525 723,508
買戻契約に基づいて売却された金融資産 40 114,658 1,709,551 30,765 458,706
顧客からの預金 41 18,366,293 273,841,429 17,108,678 255,090,389
未払人件費 42 39,075 582,608 36,213 539,936
未払税金 43 86,635 1,291,728 77,883 1,161,236
引当金 44 42,943 640,280 37,928 565,506
発行済負債性証券 45 1,076,575 16,051,733 775,785 11,566,954
繰延税金負債 33 457 6,814 485 7,231
415,435 6,194,136 281,414 4,195,883
その他負債 46
負債合計 23,201,134 345,928,908 21,231,099 316,555,686
資本:
資本金 47 250,011 3,727,664 250,011 3,727,664
その他の資本性商品 48
優先株式 79,636 1,187,373 79,636 1,187,373
永久債 39,991 596,266 - -
資本準備金 49 134,537 2,005,947 134,537 2,005,947
その他の包括利益 50 31,986 476,911 18,451 275,104
剰余準備金 51 249,178 3,715,244 223,231 3,328,374
一般準備金 52 314,389 4,687,540 279,725 4,170,700
1,116,529 16,647,447 990,872 14,773,902
利益剰余金 53
当行株主帰属持分合計
2,216,257 33,044,392 1,976,463 29,469,063
18,870 281,352 15,131 225,603
非支配持分
資本合計 2,235,127 33,325,744 1,991,594 29,694,667
負債および資本合計 25,436,261 379,254,652 23,222,693 346,250,353
2020 年3月27日の取締役会において公表が承認された。
劉桂平 鍾嘉年 カール・ウォルター
取締役会副会長 兼 独立非業務執行取締役 独立非業務執行取締役
業務執行取締役 兼 総裁
157 頁から282頁(訳注:原文のページ数である。)に記載の注記はこれらの財務書類の一部である。
135/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
連結株主持分変動計算書
12 月31日に終了した事業年度
当行株主に帰属
その他の
資本性商品
その他の
資本 剰余 一般 利益 非支配 資本
資本金 優先株式 永久債 準備金 包括利益 準備金 準備金 剰余金 持分 合計
(百万人民元)
250,011 79,636 - 134,537 18,451 223,231 279,725 990,872 15,131 1,991,594
2019 年1月1日現在
- - 39,991 - 13,535 25,947 34,664 125,657 3,739 243,533
期中の変動
(1) 当期包括利益合計
- - - - 13,535 - - 266,733 2,500 282,768
(2) 資本金の変動
ⅰ その他の株主に
- - - - - - - - 1,980 1,980
よる資本注入
ⅱ その他の資本性
- - 39,991 - - - - - - 39,991
商品保有者によ
る資本注入
ⅲ 子会社株式の
- - - - - - - - (196) (196)
持株比率の変動
(3) 利益処分
ⅰ 剰余準備金への
- - - - - 25,947 - (25,947) - -
充当
ⅱ 一般準備金への
- - - - - - 34,664 (34,664) - -
充当
ⅲ 普通株主への配
- - - - - - - (76,503) - (76,503)
当金
ⅳ 優先株主への配
- - - - - - - (3,962) - (3,962)
当金
ⅴ 非支配株主への
- - - - - - - - (545) (545)
配当金
2019 年12月31日現在 250,011 79,636 39,991 134,537 31,986 249,178 314,389 1,116,529 18,870 2,235,127
12 月31日に終了した事業年度
当行株主に帰属
その他の
資本性
商品- 資本 その他の 剰余 一般 利益 非支配 資本
資本金 優先株式 準備金 包括利益 準備金 準備金 剰余金 持分 合計
(百万人民元)
250,011 79,636 134,537 (19,599) 198,613 259,680 857,569 15,929 1,776,376
2018 年1月1日現在
- - - 38,050 24,618 20,045 133,303 (798) 215,218
期中の変動
(1) 当期包括利益合計
- - - 38,050 - - 254,655 1,135 293,840
(2) 資本金の変動
ⅰ 子会社の取得
- - - - - - - (8) (8)
ⅱ 子会社株式の
- - - - - - - (138) (138)
持株比率の変動
ⅲ 子会社の処分
- - - - - - - (1,667) (1,667)
(3) 利益処分
ⅰ 剰余準備金への充
- - - - 24,618 - (24,618) - -
当
ⅱ 一般準備金への充
- - - - - 20,045 (20,045) - -
当
ⅲ 普通株主への配当
- - - - - - (72,753) - (72,753)
金
ⅳ 優先株主への配当
- - - - - - (3,936) - (3,936)
金
ⅴ 非支配株主への配
- - - - - - - (120) (120)
当金
2018 年12月31日現在 250,011 79,636 134,537 18,451 223,231 279,725 990,872 15,131 1,991,594
157 頁から282頁(訳注:原文のページ数である。)に記載の注記はこれらの財務書類の一部である。
136/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
12 月31日に終了した事業年度
当行株主に帰属
その他の
資本性商品
その他の
資本 剰余 一般 利益 非支配 資本
資本金 優先株式 永久債 準備金 包括利益 準備金 準備金 剰余金 持分 合計
(百万円)
2019 年1月1日現在 3,727,664 1,187,373 - 2,005,947 275,104 3,328,374 4,170,700 14,773,902 225,603 29,694,667
期中の変動 - - 596,266 - 201,807 386,870 516,840 1,873,546 55,748 3,631,077
- - - - 201,807 - - 3,976,989 37,275 4,216,071
(1) 当期包括利益合計
(2) 資本金の変動
ⅰ その他の株主による
- - - - - - - - 29,522 29,522
資本注入
ⅱ その他の資本性商品
- - 596,266 - - - - - - 596,266
保有者による資本注
入
ⅲ 子会社株式の
- - - - - - - - (2,922) (2,922)
持株比率の変動
(3) 利益処分
ⅰ 剰余準備金への充当
- - - - - 386,870 - (386,870) - -
ⅱ 一般準備金への充当
- - - - - - 516,840 (516,840) - -
ⅲ 普通株主への配当金
- - - - - - - (1,140,660) - (1,140,660)
ⅳ 優先株主への配当金 - - - - - - - (59,073) - (59,073)
ⅴ 非支配株主への配当
- - - - - - - - (8,126) (8,126)
金
3,727,664 1,187,373 596,266 2,005,947 476,911 3,715,244 4,687,540 16,647,447 281,352 33,325,744
2019 年12月31日現在
12 月31日に終了した事業年度
当行株主に帰属
その他の
資本性
商品- 資本 その他の 剰余 一般 利益 非支配 資本
資本金 優先株式 準備金 包括利益 準備金 準備金 剰余金 持分 合計
(百万円)
3,727,664 1,187,373 2,005,947 (292,221) 2,961,320 3,871,829 12,786,354 237,501 26,485,766
2018 年1月1日現在
- - - 567,326 367,054 298,871 1,987,548 (11,898) 3,208,900
期中の変動
(1) 当期包括利益合計
- - - 567,326 - - 3,796,906 16,923 4,381,154
(2) 資本金の変動
ⅰ 子会社の取得 - - - - - - - (119) (119)
ⅱ 子会社株式の
- - - - - - - (2,058) (2,058)
持株比率の変動
ⅲ 子会社の処分 - - - - - - - (24,855) (24,855)
(3) 利益処分
ⅰ 剰余準備金への
- - - - 367,054 - (367,054) - -
充当
ⅱ 一般準備金への
- - - - - 298,871 (298,871) - -
充当
ⅲ 普通株主への配
- - - - - - (1,084,747) - (1,084,747)
当金
ⅳ 優先株主への配
- - - - - - (58,686) - (58,686)
当金
ⅴ 非支配株主への
- - - - - - - (1,789) (1,789)
配当金
3,727,664 1,187,373 2,005,947 275,104 3,328,374 4,170,700 14,773,902 225,603 29,694,667
2018 年12月31日現在
157 頁から282頁(訳注:原文のページ数である。)に記載の注記はこれらの財務書類の一部である。
137/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
12 月31日に終了した事業年度
2019 年 2018 年
注記
(百万人民元) (百万円) (百万人民元) (百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前当期利益 326,597 4,869,561 308,160 4,594,666
調整:
-信用減損損失 14 163,000 2,430,330 151,109 2,253,035
-その他の減損損失 15 521 7,768 (121) (1,804)
-減価償却費および償却費 13 23,927 356,752 17,874 266,501
-減損した金融資産に係る受取利息 (3,092) (46,102) (3,312) (49,382)
-純損益を通じて公正価値で測定される金融商品の再評価益 (2,456) (36,619) (144) (2,147)
-関連会社および共同支配企業の利益に対する持分 (249) (3,713) (140) (2,087)
-配当収入 9 (1,184) (17,653) (773) (11,525)
-外国為替未実現損失/(利益) 2,548 37,991 (6,981) (104,087)
-発行済債券の支払利息 16,418 244,792 12,975 193,457
-投資有価証券からの受取利息および投資有価証券の正味処分益 (198,282) (2,956,385) (175,508) (2,616,824)
(42) (626) (135) (2,013)
-固定資産およびその他長期資産の正味処分益
327,706 4,886,096 303,004 4,517,790
営業資産の変動:
中央銀行ならびに銀行および銀行以外の金融機関への預け金の
183,478 2,735,657 367,756 5,483,242
正味減少
銀行および銀行以外の金融機関への短期貸付金の正味増加 (94,096) (1,402,971) (50,390) (751,315)
顧客に対する貸出金の正味増加 (1,297,965) (19,352,658) (852,702) (12,713,787)
売戻契約に基づいて保有する金融資産の正味(増加)/減少 (355,758) (5,304,352) 6,778 101,060
トレーディング目的で保有される金融資産の正味増加 (10,791) (160,894) (35,256) (525,667)
(75,045) (1,118,921) 47,322 705,571
その他営業資産の正味(増加)/減少
(1,650,177) (24,604,139) (516,492) (7,700,896)
営業負債の変動:
中央銀行からの借入金の正味減少 (2,132) (31,788) (3,121) (46,534)
銀行および銀行以外の金融機関からの短期借入金の正味増加 96,186 1,434,133 16,211 241,706
顧客ならびに銀行および銀行以外の金融機関からの預金の
1,461,277 21,787,640 602,520 8,983,573
正味増加
買戻契約に基づいて処分された金融資産の正味増加/(減少) 83,663 1,247,415 (44,616) (665,225)
譲渡性預金の正味増加 338,170 5,042,115 40,963 610,758
法人税支払額 (65,793) (980,974) (49,174) (733,184)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の正味(減少)/増加 (149,986) (2,236,291) 11,922 177,757
142,373 2,122,781 82,550 1,230,821
その他営業負債の正味増加
1,903,758 28,385,032 657,255 9,799,672
営業活動から生じた正味資金 581,287 8,666,989 443,767 6,616,566
投資活動によるキャッシュ・フロー
金融投資の売却による収入 1,504,300 22,429,113 1,198,833 17,874,600
金融投資の償還による現金受取額 192,870 2,875,692 176,475 2,631,242
固定資産およびその他長期資産の売却による収入 2,366 35,277 2,612 38,945
投資有価証券の購入 (1,963,872) (29,281,332) (1,553,492) (23,162,566)
固定資産およびその他長期資産の取得 (23,234) (346,419) (20,783) (309,875)
(4,978) (74,222) (1,360) (20,278)
子会社、関連会社および共同支配企業の取得
投資活動に使用された正味資金 (292,548) (4,361,891) (197,715) (2,947,931)
財務活動によるキャッシュ・フロー
債券の発行 42,106 627,800 123,524 1,841,743
永久債発行に係る現金受取額 39,991 596,266 - -
非支配株主による子会社への資本注入に係る現金受取額 1,980 29,522 - -
配当金支払額 (81,010) (1,207,859) (76,811) (1,145,252)
借入金の返済 (79,052) (1,178,665) (6,319) (94,216)
非支配株主の持分取得に係る子会社の現金支払額 (196) (2,922) (138) (2,058)
発行済債券に係る利息支払額 (18,051) (269,140) (11,335) (169,005)
(7,609) (113,450) - -
その他の財務活動に係る現金支払額
財務活動(に使用された)/から生じた正味資金 (101,841) (1,518,449) 28,921 431,212
為替レート変動による現金および現金同等物への影響 4,740 70,673 14,390 214,555
現金および現金同等物の正味増加
191,638 2,857,323 289,363 4,314,402
860,702 12,833,067 571,339 8,518,664
現金および現金同等物の1月1日現在残高 54
現金および現金同等物の12月31日現在残高 54 1,052,340 15,690,389 860,702 12,833,067
営業活動によるキャッシュ・フローは以下を含む:
695,047 10,363,151 653,845 9,748,829
利息受取額
利息支払額(発行済債券の支払利息を除く。) (337,478) (5,031,797) (308,323) (4,597,096)
157 頁から282頁(訳注:原文のページ数である。)に記載の注記はこれらの財務書類の一部である。
138/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
次へ
139/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
財務書類に対する注記
(特に記載がない限り百万人民元)
1 会社情報
中国建設銀行股份有限公司(以下、「当行」という。)の歴史は1954年まで遡り、設立当時は中国人民建
設銀行として知られていた。同行は、国の経済計画における建設およびインフラ関連プロジェクトを管理
し、政府資金の融資を実施した。中国人民建設銀行は、同行の政策融資業務の承継のために1994年に国家
開発銀行が設立された後、すべてのサービスを行う商業銀行に徐々に移行していった。1996年には、その
名称を中国人民建設銀行から中国建設銀行(以下、「CCB」という。)に改称した。2004年9月17日に、中国
建設銀行股份有限公司は、その前身である中国建設銀行によって実施された分割手続の結果、中華人民共
和国(以下、「中国」という。)にて株式制商業銀行として設立された。2005年10月および2007年9月に、
香港証券取引所(コード番号:939)においてH株式が、上海証券取引所(コード番号:601939)においてA株
式が、それぞれ上場された。2019年12月31日現在、当行は1株当たり額面金額1.00人民元の普通株式資本
合計250,011百万人民元を発行している。
当行は中国銀行業監督管理委員会(以下、「CBRC」という。)(2018年、中国銀行保険監督管理委員会に名
称を変更した。以下、「CBIRC」という。)より金融サービス許可書番号B0004H111000001を取得し、北京工
商行政管理局より統一社会信用コード番号911100001000044477を取得した。当行の登記上の所在地は中華
人民共和国北京市西城區金融大街25號である。
当行およびその子会社(以下、総称して「当グループ」という。)の主要業務は、法人向けおよび個人向
けの銀行サービスの提供、トレジャリー業務の運営、資産運用、信託、ファイナンス・リース、投資銀行
業務、保険およびその他の金融サービスの提供である。当グループは主に中国本土において業務を行って
おり、海外にも多数の支店および子会社を有している。当財務書類の目的上、中国本土とは中国の香港特
別行政区(以下、「香港」という。)、中国のマカオ特別行政区(以下、「マカオ」という。)および台湾を
除く中国のことである。海外とは、中国本土以外の国および地域のことである。
当行は、中華人民共和国国務院(以下、「国務院」という。)により権限を付与された銀行業規制当局の
監督下にある。海外における当行の金融業務は、各現地法域の監督下にある。中国投資有限責任公司(以
下、「CIC」という。)の完全子会社である中央匯金投資有限責任公司(以下、「匯金公司」という。)は、
中国政府の代理として投資家としての権利の行使および義務の履行を行っている。
当財務書類は、2020年3月27日に当行の取締役会によって公表が承認された。
140/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2 作成基準
当グループでは暦年を会計年度として使用しており、その期間は、1月1日から12月31日までである。
当財務書類は、当行およびその子会社ならびに関連会社および共同支配企業に対する当グループの持分
で構成されている。
(1) 測定基準
当財務書類は以下の場合を除き、取得原価を用いて作成されている。(ⅰ)純損益を通じて公正価値で測
定される金融商品は公正価値で測定されている。(ⅱ)デリバティブ金融商品は公正価値で測定されてい
る。(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は公正価値で測定されている。(ⅳ)特
定の非金融資産は再評価額で測定されている。主要な資産および負債の測定基準の詳細は、注記4に記載
されている。
(2) 機能通貨および表示通貨
当財務書類は人民元で表示されており、特に記載がない限り百万人民元単位で四捨五入されている。人
民元は当グループの国内業務における機能通貨である。海外支店および子会社の機能通貨は、それらが業
務を行っている主たる経済環境によって決定され、注記4(2)(b)に従い、財務書類作成のために人民元に
換算される。
(3) 見積りおよび判断の使用
財務書類の作成にあたり、経営陣は、適用する会計方針、ならびに資産・負債および収益・費用の報告
金額に影響を与える判断、見積りおよび仮定を行うことを要求される。実際の結果は、これらの見積りと
は異なる可能性がある。
見積りおよび関連する仮定は継続的に検証される。会計上の見積りの変更は、見積りが変更された期間
およびその影響を受ける将来の期間にわたって認識される。
財務書類に重要な影響を及ぼす判断および翌期以降に重大な調整を要する重要なリスクを伴う見積り
は、注記4(26)に記載されている。
3 準拠基準
当財務書類は、国際会計基準審議会(以下、「IASB」という。)が発行する国際財務報告基準(以下、
「IFRS」という。)に準拠して作成されている。また当財務書類は、香港公司条例(第622章)の開示要件お
よび香港証券取引所有限公司による証券上場規則のうち該当する開示規則にも準拠している。
当グループは当年度から強制適用となる以下の新しいまたは改訂されたIFRSおよび解釈指針を適用して
いる。2019年12月31日に終了した事業年度においてまだ強制適用とならない新しいIFRSおよび解釈指針の
早期適用はない。
141/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
IFRS 第16号 リース
IFRS 第9号の改訂 負の補償を伴う期限前償還要素
IFRIC 解釈指針第23号 法人所得税務処理に関する不確実性
IAS 第28号の改訂 関連会社または共同支配企業に対する長期持分
IAS 第19号の改訂 制度改訂、縮小または清算
IFRS 基準の年次改善 2015-2017 IFRS 第3号、IFRS第11号、IAS第12号及びIAS第23号の改訂
年サイクル
IFRIC 解釈指針第23号は、IAS第12号の適用に影響をもたらす不確実性が法人所得税の税務処理にみられ
る場合(「不確実なタックス・ポジション」と称されることが多い。)における法人所得税(当期税金お
よび繰延税金)の会計処理を取り扱ったものである。この解釈指針は、IAS第12号の適用範囲外である税金
や賦課金に適用されることはなく、不確実な税務処理に関連して生じる金利やペナルティに関する要件が
含まれているものでもない。この解釈指針は、特に、(i) 企業が不確実な税務処理を別個に検討すべきか
どうか、(ii) 税務当局による税務調査について想定すべきこと、(iii) 課税所得または税務上の欠損金、
税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除および税率を企業がどのように決定すべきか、(iv) 事実
と状況の変化を企業がどのように検討すべきか、を定めている。
本解釈指針の適用に際して、当グループは不確実な税務ポジションがあるかどうかを検討している。当
グループは税務コンプライアンスと移転価格の調査に基づき、当グループの税務処理(当グループ子会社
の税務処理を含む)が、税務当局に認められるものと判断している。この解釈指針が、当グループの連結
財務諸類に重要な影響を与えることはなかった。
注記4(27)で財務上の影響を詳細に説明しているIFRS第16号を除き、上述の基準、改訂および解釈指針
の適用が、当グループの連結財務諸類に重要な影響を与えることはなかった。
上述の記載を除き、当グループが年次財務諸類で採用した重要な会計方針は、2018年12月31日に終了し
た当グループの年次財務諸表の作成において用いた会計基準と一致している。
▶ 重要な会計方針および会計上の見積り
(1) 連結財務書類
(a) 企業結合
企業結合において、取得企業が引き渡す取得対価ならびに取得する識別可能資産、負担する負債およ
び偶発債務は、当初は取得日現在の各々の公正価値で測定される。取得原価基準による取得において、
当グループは被取得会社の非支配持分を公正価値、または被取得会社の純資産に応じた持分のいずれか
で認識する。
引き渡された取得対価、被取得会社の非支配持分、および被取得会社における従前の持分の取得日に
おける公正価値(の合計額)が、取得した識別可能な純資産の公正価値を上回る部分について、注記4
(10)で規定された会計方針に従い、のれんとして計上される。これが割安購入益(負ののれん)とし
142/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
て、当該金額が被取得会社の識別可能な純資産の公正価値を下回る際には、差額は純損益に認識され
る。
上記の取得日とは当グループが被取得会社の支配を実質的に獲得する日である。
(b) 子会社および非支配持分/株主
子会社とは、当行が支配しているすべての事業体(組成された事業体を含む。)のことである。当行が
事業体に対するパワーを有し、かつ事業体への関与により生じる変動リターンに対するエクスポー
ジャーまたは権利を有している場合で、その事業体に対するパワーを通じてこれらのリターンに影響を
与える能力を有している場合には、当行はその事業体を支配している。子会社は、当行に支配が移転し
た日から完全に連結され、支配が喪失した日から連結を中止される。
組成された事業体とは、誰が事業体を支配しているかを決定する際、議決権または類似の権利が決定
的な要因とならないように設計された事業体である。具体的には、議決権が管理業務にのみ関連してお
り、関連性のある活動が契約上の取決めによって指図される場合が挙げられる。
当行の個別財務書類の子会社投資は取得原価で会計処理される。当初認識時において子会社投資は、
企業結合により子会社を取得した場合には取得日における取得原価、または、当グループが設立した場
合には子会社への出資額で測定される。子会社投資に対する減損損失は注記4(12)に説明される会計方
針に従って会計処理される。
子会社の財務結果および業績は、支配が開始した日から支配が終了する日まで連結財務書類に含まれ
る。当行は、連結財務書類の作成時に、子会社の会計期間および会計方針に関する必要な調整を行っ
て、当行の会計期間および会計方針に準拠するようにしている。
グループ内残高および取引、ならびにグループ内取引から生じる損益は、連結財務書類作成時に全額
消去される。
当行が直接あるいは子会社を通して間接的にも所有していない持分に帰属する子会社の純資産の一部
は、非支配持分として会計処理され、連結財政状態計算書の資本合計の中の「非支配持分」に表示され
ている。当期の子会社純損益およびその他の包括利益のうち非支配株主に帰属する部分は、連結包括利
益計算書に、当グループの当期純利益およびその他の包括利益の構成要素として個別に表示されてい
る。
(c) 関連会社および共同支配の取決め
関連会社とは、当グループが重要な影響力を持つ企業のことである。重要な影響力とは、被投資会社
の財務上および経営上の方針決定へ参画する権限のことであるが、それらの方針決定を支配または共同
支配するものではない。
共同支配の取決めとは、二者またはそれ以上の当事者が共同支配を有する取決めのことである。共同
支配の取決めは、当該取決めに対する当事者の権利および義務に基づき共同支配事業または共同支配企
業に分類される。共同支配とは、経済活動に対する支配の共有を契約に基づき合意するもので、その活
動に関連する財務および経営上の戦略的な意思決定に際して、支配を共有する当事者全員の同意を必要
143/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
とする場合にのみ存在する。当グループは、当該共同支配の取決めの性質を評価し、共同支配企業であ
ると判断した。
関連会社または共同支配企業に対する投資は、連結財務書類上で持分法により会計処理され、当初は
取得原価で計上された後、関連会社または共同支配企業の純資産に対する当グループ持分の取得後の変
動に関して調整される。関連会社または共同支配企業の当該年度の取得後の業績(税引後)に対する当グ
ループ持分は、連結包括利益計算書に認識される。関連会社または共同支配企業に対する当グループ持
分は重要な影響または共同支配が開始する日から重要な影響または共同支配が終了する日まで含まれ
る。
当グループおよび関連会社または共同支配企業間の取引から生じた利益および損失は、当グループの
関連会社または共同支配企業に対する持分の範囲で相殺消去される。
当グループは、関連会社または共同支配企業の純損失の当社持分の認識を、関連会社または共同支配
企業に対する投資の帳簿価額と長期持分(実質的に当グループの関連会社または共同支配企業に対する純
投資の一部を構成する。)を合わせた金額がゼロまで減額された後に中止する(当グループが法的または
推定的な追加損失負担義務を負っている場合を除く。)。その後、関連会社または共同支配企業が純利益
を計上した場合、当グループはその利益の持分が未認識損失額に達した後に初めてその持分に対する利
益の認識を再開する。
(2) 外貨換算
(a) 外貨建取引の換算
外貨建取引は、当初認識時に取引日の直物為替レートで機能通貨に換算される。外貨建貨幣性項目
は、各報告期間末日に、同日の直物為替レートで機能通貨に換算される。結果として生じた換算差額
は、純損益に認識される。取得原価で評価される外貨建非貨幣性項目は、取引日の直物為替レートで機
能通貨に換算される。公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、公正価値が決定される日の直物為
替レートで換算される。換算差額は純損益に認識されるが、その他の包括利益を通じて公正価値で測定
するものとして指定された資本性商品の換算によって生じた差額は、その他の包括利益に計上される。
(b) 外貨建財務書類の換算
海外支店および子会社の外貨建財務書類は連結財務書類の作成のために人民元に換算される。外貨建
財務書類の資産および負債は各報告期間末日に、同日の直物為替レートで人民元に換算される。資本の
部の項目は、利益剰余金を除きすべて取引の初日の為替レートで換算される。包括利益計算書の収益お
よび費用は当該年度の加重平均為替レートで、海外事業によって生じる換算差額は、財政状態計算書の
資本の部の「その他の包括利益」として認識される。為替レート変動による現金への影響は、別途
キャッシュ・フロー計算書に表示される。
(3) 金融商品
(a) 分類
当グループは、金融資産の管理に使用した事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フロー特性または
負債が 発生 した目的に基づいて、金融商品を 異なるカテゴリー に分類している。カテゴリーは 、 償却原
価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値 ( 以下 、 「 FVOCI 」 という。 ) で測定される
144/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
金融資産、 純損益 を通じて公正価値 ( 以下 、 「 FVPL 」 という。 ) で測定される金融資産および金融負債 、
ならびにその 他の金融負債 である。
当グループの金融資産の管理における事業モデルとは、当グループがどのように金融資産を管理して
キャッシュ・フローを生成するかを指す。事業モデルでは、当グループが管理する金融資産のキャッ
シュ・フローが金融資産の契約上のキャッシュ・フロー、売却またはその両方に由来するかを決定す
る。金融資産グループの事業モデルを決定する際に当グループが考慮する要因には、これらの資産の
キャッシュ・フローがどのように回収されたか、資産の パフォーマンス がどのように評価され主要な経
営陣に報告されたか、リスクがどのように評価および管理されたか、また管理職がどのように報酬を受
けるかについての過去の 実績 が含まれる。
金融資産の契約上のキャッシュ・フロー特性 と は、当該金融資産の経済的特性を反映した金融商品契
約で合意されたキャッシュ・フロー属性 を指す。 すなわち、特定の日に当該金融資産が生み出す契約上
のキャッシュ・フローは、元本 および 元本残高に基づく利息の 支払 額のみを 対象 としている。このうち
元本 と は 、 当初認識時の金融資産の公正価値を指す。元本が当初認識時の金融資産の公正価値であ る場
合の基礎となる利息の支払 および その金額 は、 期限前返済 や その他の理由により金融資産の 全 期間 中に
変動する ことがある。これは、 利息には、貨幣の時間価値、一定期間の元本 残高 に関連する信用リス
ク、 ならびに その他の基本的な借入リスク、費用および利益の対価が含まれる ためである。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の条件 をいずれも 満た す 場合 に、 償却原価で測定される金融資産として分類され
る。 ( ⅰ) 当該資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする
事業モデルにて管理されていること 、 ( ⅱ ) 金融資産の契約条件 に基づき 、特定の日に、元本および元本
残高 に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フロー が 生じ る こと。
その他の包括利益を通じて公正価値 ( 以下 、 「 FVOCI 」という。 ) で測定される金融資産
FVOCI で測定される金融資産には、 FVOCI で測定される負債性商品および FVOCI で測定されるものとして
指定された資本性商品が含まれる。
金融資産は、以下の条件 をいずれも 満た す 場合 に 、 FVOCI で測定される金融資産として分類される。
( ⅰ) 当該資産が 、 契約上のキャッシュ・フローの 回収 および金融資産 の 売却によって目的が達成される
事業モデル内に管理されていること 、 ( ⅱ ) 金融資産の契約条件 に基づき 、特定の日に、元本および元本
残高 に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フロー が 生じ る こと。
当グループは、当初、トレーディング目的ではない資本性商品を FVOCI で測定される金融資産として指
定し、配当収入を注記 4 ( 20 ) (c) に記載される該当方針に従 って認識する ことができる 。指定 後の取り消
しは認められない 。
純損益を通じて公正価値 ( 以下 、 「 FVPL 」という。 ) で測定される金融資産および金融負債
当グループは、償却原価および FVOCI で測定される金融資産以外の金融資産を FVPL で測定される金融資
産として分類している。
145/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
FVPL で測定される金融資産には、トレーディング目的で保有する金融資産、 FVPL で測定されるものと
して指定された金融資産、元本および利息の支払いのみ ( 以下 、 「 SPPI 」という。 ) テストの要件を満た
さ ない金融資産ならびに FVOCI で測定されるものとして指定されていない残りの資本性投資が含まれる。
FVPL で測定される金融負債には、負の公正価値のデリバティブおよび FVPL で測定されるものとして指
定された金融負債が含まれる。
金融資産または金融負債は、以下のいずれかに該当する場合にトレーディング目的で保有するものと
して分類される。 ( ⅰ ) 短期間に売却または買戻しを行う目的で取得したかまたは発生した場合、 ( ⅱ ) ま
とめて管理され、かつ、最近における実際の短期的な利益獲得のパターンの証拠がある識別された金融
商品のポートフォリオの一部、 ( ⅲ ) デリバティブ ( 指定された有効なヘッジ手段であるデリバティブまた
は金融保証契約を除く。 ) 。
当グループは、指定により会計上のミスマッチを消去または大幅に削減できる場合、当初認識時に金
融資産を FVPL で測定される金融資産として指定することができる。指定後の取り消しは認められない。
金融負債は、以下のいずれかに該当する場合に当初認識時に FVPL で測定されるものとして指定され
る。 ( ⅰ ) 指定により会計上のミスマッチを消去または大幅に削減できる場合、 ( ⅱ ) 当グループのリスク
管理または投資戦略に関する正式文書において、金融負債ポートフォリオまたは金融資産および金融負
債のポートフォリオを公正価値に基づいて管理、評価し、主要な経営陣に報告するよう明確に定めてい
る場合。指定後の取り消しは認められない。
その他の金融負債
その他の金融負債とは、 FVPL で測定されるもの以外の金融負債をいい、主に中央銀行からの借入金、
銀行および銀行以外の金融機関からの預金および短期借入金、買戻契約に基づいて売却された金融資
産、顧客からの預金および発行済負債性証券から構成されている。
(b) デリバティブおよびヘッジ会計
当グループは、為替および金利リスクに対するエクスポージャーをヘッジするために、デリバティブ
を使用している。デリバティブは当初認識時に取引日の公正価値で認識され、その後公正価値で測定さ
れる。正の公正価値は資産として認識され、負の公正価値は負債として認識される。
公正価値測定の結果生じる損益の認識方法は、当該デリバティブがヘッジ手段として指定され、かつ
その要件を満たしているか否か、またヘッジ手段として指定され、かつその要件を満たしている場合に
は、当該ヘッジ対象項目の性質によって決まる。ヘッジ手段として指定されていない、またはその要件
を満たしていないデリバティブ ( 特定の金利および外国為替リスクの経済的ヘッジの有効性を提供するよ
うに意図されているが、ヘッジ会計を行う要件を満たしていないものを含む。 ) については、当該デリバ
ティブの公正価値の変動は連結包括利益計算書で認識される。
当グループは、開始時においてヘッジ手段とヘッジ対象項目との関連性、ならびにさまざまなヘッジ
取引の実施についてのリスク管理目的および戦略について文書化している。当グループはまた、ヘッジ
取引に使用したデリバティブがヘッジ対象項目の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺する
146/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
うえで 非常に有効であるか否かについての評価も文書化している。 当グループはヘッジ開始時および継
続的にヘッジの有効性を評価している。
(i) 公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとは、認識されている資産、負債、もしくは認識されていない確定約定、またはその
ような資産、負債もしくは確定約定の識別された一部分の、公正価値の変動に対するエクスポージャー
のうち、特定のリスクに起因しかつ損益に影響を及ぼしうるヘッジである。
公正価値ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすヘッジ手段の公正価値の変動は、ヘッジされ
たリスクに起因するヘッジ対象項目の公正価値の変動とともに 純 損益に計上される。当該正味差額は、
非有効なものとして 純 損益で認識される。
ヘッジがヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合には、実効金利法が使用されるヘッジ対象
項目の帳簿価額に対する調整は、満期までの期間にわたり償却して 純 損益に反映される。ヘッジ対象項
目の認識が中止される場合、未償却の帳簿価額への調整は、直ちに 純 損益で認識される。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーのう
ち、認識されている資産または負債に関連する特定のリスク ( 例えば、変動利付債券に係る将来の金利支
払の全部または一部 ) 、または可能性の非常に高い予定取引に起因し、かつ最終的に 純 損益に影響を及ぼ
しうるヘッジである。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、かつその要件を満たすヘッジ手段の公正価値の変動の
有効部分は、その他の包括利益で認識され、また資本における「その他の包括利益」で累積される。非
有効部分は直ちに 純 損益で認識される。
その他の包括利益 に累積された金額は、ヘッジ対象項目が 純 損益に影響を与える期と同一期間の 純 損
益に振替える。
ヘッジ手段が失効または売却、あるいはヘッジ指定が取り消された場合、もしくはヘッジがヘッジ会
計の要件をもはや満たさなくなった場合には、その時点で その他の包括利益 に計上されているヘッジ手
段の累積損益はそのまま その他の包括利益 に残し、予定取引が最終的に発生する場合には 純 損益に振替
える。予定取引の発生がもはや見込まれなくなった場合は、 その他の包括利益 に計上していた累積損益
は直ちに 純 損益に振替える。
147/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(c) 組込デリバティブ
組込デリバティブはデリバティブでない主契約をも含んだハイブリッド契約の構成部分である。ハイ
ブリッド契約に含まれる主契約が金融資産である場合、組込デリバティブは主契約と分離できず、まと
めて分類、測定される。
ハイブリッド契約に含まれる主契約が金融資産でない場合、組込デリバティブは主契約から分離さ
れ、デリバティブとして会計処理される。ただし、(ⅰ)組込デリバティブの経済的特徴およびリスクが
主契約の経済的特徴およびリスクと密接に関連していない場合、(ⅱ)組込デリバティブと同じ条件を有
する別個の商品がデリバティブの定義を満たす場合、ならびに(ⅲ)ハイブリッド契約が公正価値で測定
して公正価値変動を純損益に認識するものではない場合のみに限られる。当グループは分離されたデリ
バティブをFVPLで測定するか、ハイブリッド契約全体をFVPLで測定するものとして指定するかを選択す
ることができる。
(d) 認識および認識の中止
すべての金融資産および金融負債は、当グループが当該金融商品の契約当事者になった場合にのみ、
財政状態計算書に認識される。
当グループは、認識の中止を検討している部分が以下の条件のうち一つを満たす場合、金融資産の認
識を中止する。(ⅰ)金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が喪失する、 (ⅱ)金融資
産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が移転されており、当グループが金融資産の所有に係
る実質的にすべてのリスクおよび経済価値を移転しているかもしくは当グループが移転された信用資産
の所有に係る実質的にすべてのリスクおよび経済価値を移転も留保もしていないが、信用資産の支配力
を放棄している、または、(ⅲ)当グループは金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を
留保しているが、キャッシュ・フローの移転条件をすべて満たす契約において、最終受領者にキャッ
シュ・フローを支払う契約上の義務を負い、実質的に金融資産保有に伴うすべてのリスクと経済価値を
移転しているかもしくは当グループが譲渡された信用資産の所有に係る実質的にすべてのリスクおよび
経済価値を移転も留保もしていないが、信用資産の支配力を放棄している場合。
金融資産の認識が中止される場合、認識を中止する金融資産の帳簿価額と、受け取る対価および過去
に資本で認識した公正価値変動の累積額の差額は、その他の包括利益に認識される。
金融資産が移転される際、当グループが金融資産の所有に係る実質的にすべてのリスクおよび経済価
値を移転も留保もしないが、支配力を有している場合、当グループは、当該金融資産の継続的に関与す
る部分について、引き続き認識する。
金融負債は(ⅰ)契約上で特定された関連する現在の義務が解除、取消あるいは失効した場合、あるい
は(ⅱ)大幅に異なる条件で当初の金融負債を新規の金融負債に置き換える、当グループと既存の貸手と
の間の契約、または既存の金融負債の条件の大幅な変更が、当初の金融負債の消滅および新規の金融負
債の認識として会計処理される場合のみ認識が中止される。
認識が中止された金融負債の帳簿価額と支払対価の差額は、純損益に認識される。
148/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(e) 測定
金融商品は、当初は公正価値で測定され、純損益を通じて公正価値で測定されない金融商品の場合
は、金融商品の取得または発行に直接起因する取引費用を加算または減算する。純損益を通じて公正価
値で測定される金融商品の取引費用は、即時に費用計上される。
当初認識後、当グループは異なるカテゴリーの金融資産を、それぞれ償却原価、その他の包括利益を
通じて公正価値、または純損益を通じて公正価値で測定する。純損益を通じて公正価値で測定されるも
の以外の金融負債は、実効金利法を用いて償却原価で測定される。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動による利得および損失は、純損益に
認識される。
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
FVPL で測定される金融負債は公正価値で測定され、発生した利得および損失は純損益に認識される。
FVPLで測定されるものとして指定された金融負債については、以下の要件に従って会計処理される。
(ⅰ)当グループ自身の信用リスクの変動から生じる金融負債の公正価値の変動額は、その他の包括利益
に含めなければならない、(ⅱ)金融負債のその他の公正価値の変動は、当期の純損益に認識する。金融
負債の自己信用リスクの変動の影響を(ⅰ)に準拠して処理すると、純損益における会計上のミスマッチ
が生じるまたは拡大する場合、当グループは、金融負債のすべての利得および損失(自己信用リスクの変
動の影響額を含む。) を純損益に計上するものとする。純損益を通じて公正価値で測定されるものとし
て指定された金融負債の認識が中止された場合、過年度にその他の包括利益に認識されていた累積損益
は、その他の包括利益から利益剰余金に振替えられる。
FVOCI で測定される金融資産
FVOCI で測定される金融資産の減損損失、為替差損益および実効金利法を用いて計算された受取利息
は、純損益に認識される。また、帳簿価額のその他の変動はその他の包括利益に認識される。
FVOCI で測定される負債性商品が売却された場合、処分利得および損失は純損益に認識される。処分利
得および損失には、過年度にその他の包括利益に認識され、純損益に振替えられたものが含まれる。
FVOCIで測定されるものとして指定された資本性商品への投資については、一度指定を行うと、公正価値
の変動利得および損失はその他の包括利益に認識され、その後純損益に振替えられることはない(公正価
値の変動は、処分時に利益剰余金に認識される。)。配当は、当該投資によるリターンを表す場合、当グ
ループが配当の支払を受ける権利が確定した時点で、その他の利益として引き続き純損益に認識され
る。
償却原価で測定される金融資産
金融資産の償却原価は、当初認識時に以下を調整の上で測定する。(ⅰ)元本の返済を控除する、(ⅱ)
当初金額と満期金額との差額について、実効金利法を用いて償却累計額を加減する、(ⅲ)累計発生額に
対する損失評価引当金。
149/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
償却原価で測定される金融資産の利得および損失は、金融資産の認識を中止した場合または減損が生
じた場合、および償却プロセスを通じて純損益に認識される。
実効金利
実効金利とは、金融資産の予想全期間を通じて見積った将来の現金の支払または受取りを、金融資産
の帳簿価額(すなわち、損失評価引当金控除前の償却原価)まで正確に割り引く率をいう。この算定では
予想信用損失は考慮されないが、取引費用、プレミアムまたはディスカウント、ならびに授受される手
数料およびポイントのうち実効金利の不可分な一部であるものが含まれる。
当グループは、金融資産の帳簿価額総額に実効金利を乗じた金額に基づき受取利息を決定する。ただ
し以下を除く。(ⅰ)購入または組成した信用減損金融資産については、当初認識時から、金融資産の償
却原価および信用調整後の実効金利を用いて受取利息を計算する。(ⅱ)購入または組成した信用減損金
融資産ではないが、その後に信用減損金融資産となった金融資産については、金融資産の償却原価およ
び実効金利を用いて受取利息を決定する。その後の期間において、信用リスクの改善により信用減損金
融商品ではなくなり、その改善が上記引当金が適用された後に発生した事象に客観的に関連付けること
ができる場合には、金融資産の帳簿価額総額に実効金利を乗じることにより、受取利息を再計算しなく
てはならない。
信用調整後の実効金利とは、金融資産の予想全期間を通じて見積った将来の現金の支払または受取り
を、金融資産の償却原価(すなわち、購入または組成した信用減損金融資産)まで正確に割り引く率をい
う。信用調整後の実効金利の計算には、金融資産の全契約条件(返済、延長、コールや類似のオプション
など) および当初の予想信用損失を考慮した予想キャッシュ・フローが見積られる。
(f) 減損
当グループは、報告期間末において、償却原価およびFVOCIで測定される金融資産ならびにローン・コ
ミットメントおよび金融保証契約について、予想信用損失に基づき減損評価を実施している。
予想信用損失とは、債務不履行リスクでウェイト付けした金融商品の信用損失の加重平均をいう。信
用損失とは、すべての契約上のキャッシュ・フロー受取額と、受け取ると見込まれるすべてのキャッ
シュ・フローとの差額を当グループの当初の実質金利で割り引いたもの、すなわちすべてのキャッシュ
不足の現在価値である。このうち、当グループが購入または組成した信用減損金融資産は、金融資産の
信用調整後の実効金利で割り引かなくてはならない。
当グループにおける金融商品の予想信用損失の測定方法は、次の要素を反映している。(ⅰ)一定範囲
の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない加重平均確率、(ⅱ)貨幣の時間価値、
(ⅲ)過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、報告期間末日において追加コス
トや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報。
当グループは、各報告期間末に、異なるステージの金融商品の予想信用損失(以下、「ECL」という。)
を測定し、以下の場合には損失評価引当金およびその変動を認識する。当初認識後、金融商品の信用リ
スクが著しく増大していない場合、その商品はステージ1にあるとされ、当グループは今後12ヶ月の金
融商品の予想信用損失の金額に基づき損失評価引当金を測定する。当初認識後、金融商品の信用リスク
150/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
が著しく増大した場合、その商品はステージ2にあるとされ、当グループは、金融商品の全期間におけ
る予想信用損失の金額に基づき損失評価引当金を測定する。信用減損している場合、その商品はステー
ジ 3にあるとされ、当グループは、金融商品の全期間における予想信用損失の金額に基づき損失評価引
当金を測定する。当グループの信用損失の評価が単一の金融商品に基づくものか、または金融商品の組
み合わせに基づくものであるかにかかわらず、それによって生じた損失評価引当金の増加または戻入
は、減損損失または減損利得として当期の純損益に計上しなければならない。
FVOCI で測定される負債性商品について、当グループは、損失評価引当金をその他の包括利益に、また
減損損失または減損利得を純損益に認識するが、これにより財政状態計算書に計上される金融資産の帳
簿価額の修正は認められない。
過年度に、金融商品の全期間の予想信用損失額に相当する金額で測定した損失評価引当金について、
当報告期間末においてもはや金融商品の信用リスクが当初認識後から著しく増大していない場合、当グ
ループは今後12ヶ月の予想信用損失額に基づき損失評価引当金を測定し、それによって生じた損失評価
引当金の戻入は当報告期間の純損益に認識される。
購入または組成した信用減損金融資産について、当グループは報告期間末に、当初認識後の全期間の
予想信用損失の変動累計額のみを損失評価引当金として認識する。各報告期間末に、当グループは、全
期間の予想信用損失の変動額を減損損失または減損利得として当期の純損益に認識する。
(g) 直接償却
当グループが必要なすべての法的あるいはその他の手続を終了した後、当グループが当該貸出金には
回収の合理的な見込みがないことを決定した場合は、貸出金はその減損損失に対応する部分について損
失評価引当金に対して償却される。もしその後、償却した貸出金が回収された場合、回収金額は、減損
損失を通して純損益に認識される。
(h) 契約条件の変更
当グループと取引相手との間で契約の再交渉や条件変更により金融資産の認識の中止は生じないが、
契約上のキャッシュ・フローの変動が生じる場合、当グループは、変更後の条件に基づく報告期間末現
在の債務不履行リスクを、当初の条件に基づく当初認識日の債務不履行リスクと比較することにより、
信用リスクが著しく増大しているかどうか評価する。金融資産の帳簿価額総額は再計算され、関連する
利得または損失は純損益で認識される。金融資産の帳簿価額総額は、当該金融資産の当初の実効金利で
割り引かれ再交渉または条件変更された契約上のキャッシュ・フローの現在価値に基づき決定される。
(i) 公正価値測定
金融商品に対して活発な市場がある場合、金融商品の公正価値はその状況下において公正価値を最も
よく表す呼び値スプレッド内の価格を基準とし、売却あるいは処分の際に生じる可能性のある取引費用
は考慮しない。市場価格とは、取引所、ディーラー、企業グループあるいは値付けサービス機関から容
易にかつ定期的に価格情報を入手できる活発な市場から入手されるもので、当該価格情報とは実際かつ
定期的に秩序ある取引が行われているものを表す。
151/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
市場価格が入手不能な場合、金融商品の公正価値は評価技法を使用して見積られる。採用される評価
技法には、秩序ある取引において市場参加者が使用する価格、ほぼ同一の他の商品の公正価値の参照、
割引キャッシュ・フロー分析およびオプション価格モデルが含まれる。当グループは、商品の価格を決
定 するために市場参加者が一般的に受け入れている評価技法を選択しており、これらの方法は実際の市
場取引で入手された価格に関して信頼できる見積りを提供していることが実証されている。当グループ
は定期的に評価技法を見直し、その有効性をテストしている。
(j) 相殺
当グループが認識された金額を相殺するための法的に行使できる権利を持ち、取引を正味金額で決済
する意図がある場合、または資産の実現と同時に負債を決済することによって、金融資産および金融負
債は相殺され、正味金額が財政状態計算書に計上される。法的に強制可能な権利は、将来の事象に左右
されるものであってはならず、また会社や取引相手方の事業の通常の過程においても、債務不履行や倒
産あるいは破産に陥っている場合においても法的に強制可能である必要がある。
(k) 証券化
当グループは、特定のローンを証券化しているが、証券化は、これらの資産の組成された事業体への
売却を含み、組成された事業体は投資家に対して有価証券を発行している。証券化された金融資産に対
する持分は、信用補完、劣後トランシェあるいはその他の残存持分の形式(以下、「留保持分」とい
う。) で保持される場合がある。証券化に係る損益は、譲渡金融資産の帳簿価額と受取対価(留保持分を
含む。) 間の差額で純損益に認識される。
(l) 売戻契約に基づいて保有する金融資産および買戻契約に基づいて売却された金融資産
売戻契約に基づいて保有する金融資産とは、当グループが売戻契約に基づいて将来に既定価格で売戻
される金融資産を取得する場合の取引である。買戻契約に基づいて売却された金融資産は、当グループ
が買戻契約に基づいて将来に既定価格で買戻される金融資産を売却する場合の取引である。
現金支払額または受取額は、売戻契約に基づいて保有する金額または買戻契約に基づいて売却された
金額として財政状態計算書に認識される。売戻契約に基づいて保有する資産は認識されない。買戻契約
に基づいて売却された資産は財政状態計算書に引き続き認識される。
購入と売戻しの対価の差額、および売却と買戻しの対価の差額は、各取引期間にわたり実効金利法に
より償却され、それぞれ受取利息および支払利息に含まれる。
(4) 貴金属
貴金属は金およびその他の貴金属より構成される。当グループが主としてトレーディング目的で取得し
た貴金属は当初は公正価値で認識され、その後は売却費用控除後の公正価値で再評価される。売却費用控
除後の公正価値の変動は、純損益に認識される。当グループが主としてトレーディング目的で取得しな
かった貴金属は低価法による正味実現価額で計上される。
152/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(5) 固定資産
固定資産とは当グループが事業の運営のために保有し、1年超の利用が見込まれる資産である。建設仮
勘定は建設中の有形固定資産であり、その利用目的のために使用可能となった時点で、固定資産に計上さ
れる。
(a) 原価
固定資産は当初は原価で認識される。ただし、リストラクチャリング日に当行がCCBから取得し、原価
として再評価額で認識された固定資産および建設仮勘定は除く。購入された固定資産の原価は購入価
格、関連税金、資産をその利用目的の稼働状態にするための直接支出により構成される。自社建設の固
定資産の原価は、資産をその利用目的の稼働状態にするために必要な支出により構成される。
一つの固定資産の個別の構成部分の耐用年数が異なる場合、または異なった形式で当グループに便益
を提供しているために異なった減価償却率や方法を用いなければならない場合、個別の固定資産として
認識される。
固定資産の一部の取替費用を含む、取得後に発生する費用は、認識基準が満たされ、取替えられた部
分の帳簿価額の認識が中止された場合、当該項目の帳簿価額に認識される。固定資産の通常の整備に関
連する支出は純損益に認識される。
(b) 減価償却および減損
減価償却費は固定資産の見積残存価額控除後の原価を償却するよう計算され、見積耐用年数にわた
り、定額法で純損益に計上される。減損した固定資産は累積減損損失控除後に減価償却される。減価償
却は建設仮勘定には適用されない。
各固定資産の見積耐用年数、残存価額率および年間の減価償却率は以下のとおりである。
資産の種類 見積耐用年数 見積残存価額率(正味) 年間の減価償却率
銀行の建物設備 30 -35年 3% 2.8 %-3.2%
機器 3-8年 3% 12.1 %-32.3%
その他 4-11年 3% 8.8 %-24.3%
航空機および船舶は、当グループのオペレーティング・リース事業に使用されており、20~30年の見
積耐用年数(購入時点での稼働年数を差引後)にわたって定額法で減価償却されている。見積残存価額の
比率は2.9%~4.8%である。
当グループは、固定資産の見積耐用年数および見積残存価額率、ならびに適用した減価償却法を一会
計年度に少なくとも1度は見直している。
固定資産の減損損失は、注記4(12)に説明される会計方針に従って会計処理される。
153/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(c) 処分
固定資産の除却あるいは処分によって生じた損益は、正味処分代金と当該固定資産の帳簿価額との差
額として決定され、除却あるいは処分日に純損益に認識される。
(6) リース
リースの識別
契約時に、当グループは、当該契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを評価してい
る。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、
当該契約はリースであるかまたはリースを含んでいる。契約が特定された資産の使用を一定期間にわた
り支配する権利を移転するのかどうかを評価するため、当グループは使用期間全体を通じて、顧客が特
定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利、および特定された資産の使用を指
図する権利の双方を有しているかどうかを評価している。
リース期間の評価
リース期間は、当グループが原資産を使用する権利を有する解約不能期間である。当グループがリー
スを延長するオプションを有する場合、すなわち当グループがリースを延長する権利を有しており、同
時に当グループが当該オプションを行使することが合理的に確実である場合には、リースを延長するオ
プションの対象期間をリース期間に含める。当グループが当該リースを解約するオプションを有する場
合、すなわち、当グループがリースを解約する権利を有しており、同時に当該オプションを行使しない
ことが合理的に確実な場合には、リースを解約するオプションの対象期間をリース期間に含める。当グ
ループの統制の及ぶ範囲内にあり、かつ、当グループが過去にリース期間の決定に含めていなかったオ
プションを行使することが合理的に確実であるかどうかに影響を与える、重大な事象または状況の重大
な変化の発生時に、当グループは延長オプション、購入オプションを行使することまたは解約オプショ
ンを行使しないことが合理的に確実であるかどうかを見直している。
借手である場合
当グループの借手としてのリースの会計処理については、注記4(7)および注記4(14)を参照のこと。
リースの条件変更
リースの条件変更とは、例えば、1つもしくは複数の原資産を使用する権利の追加もしくは解約、ま
たは契約上のリース期間の延長または短縮など、リースの当初の契約条件の一部ではなかったリースの
範囲またはリースの対価の変更をいう。
当グループは、下記の場合には、リースの条件変更を独立したリースとして会計処理している。
(a) その条件変更が、1つまたは複数の原資産を使用する権利を追加することによって、リースの範
囲を増大させており、かつ、
(b) 当該リースの対価が、範囲の増大分に対する独立価格およびその特定の契約の状況を反映するた
めの当該独立価格の適切な修正に見合った金額だけ増加している。
リースの条件変更のうち独立したリースとして会計処理されないものについては、リースの条件変更
の発効日において、当グループは、改訂後のリース料を改訂後の割引率で割り引くことによって、リー
154/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ス負債を再測定する。改訂後の割引率は、リース期間の残り期間についてのリースの計算利子率または
条件変更の発効日現在の借手の追加借入利子率(リースの計算利子率が容易に算定できない場合)とし
て 決定される。
リースの条件変更のうち独立したリースとして会計処理されないものについては、当グループは次の
ことを行うことによってリース負債の再測定を会計処理している。
(a) リースの条件変更のうちリースの範囲または期間を縮小させるものについては、使用権資産の帳
簿価額をリースの部分的または全面的な解約を反映するように減額し、リースの部分的または全
面的な解約に係る利得または損失を純損益に認識する。
(b) 他のすべてのリースの条件変更については、使用権資産に対して対応する修正を行う。
借手の追加 借入 利子率
リースの計算利子率が容易に算定できない場合、当グループはリース負債を借手の追加借入利子率で
割り引いたリース料の現在価値で測定している。経済環境に応じて、当グループは観察可能な利子率
を、追加借入利子率を決定する上での参照基準としたうえで、当グループ独の状況や、原資産、リース
期間、リース負債の金額に基づき観察可能な利子率を調整し適用可能な追加借入利子率を算定してい
る。
短期リースおよび原資産が少額であるリース
当グループが資産を転貸しているかまたは資産を転貸することを見込んでいる場合には、ヘッドリー
スは少額資産のリースに該当しない。当グループは短期リースおよび少額資産のリースに関連したリー
ス料を、リース期間にわたり定額法により、関連資産の費用としてまたは純損益に認識する。
貸手である場合
リースが開始日にオペレーティング・リースとして分類される場合を除き、リースが原資産の所有に
伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、リースはファイナンス・リースに分類さ
れる。当グループは中間の貸手として、サブリースを、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して
分類する。
ファイナンス・リースの貸手 である場合
リース開始日に、当グループはファイナンス・リース債権を認識し、ファイナンス・リース資産の認
識を中止する。当グループは、当初測定の正味リース投資未回収額に等しい額でリース債権を表示す
る。正味リース投資未回収額は、開始日において、貸手に発生している無保証残存価値と、リースの計
算利子率で割り引いた、ファイナンス・リースにおいて貸手が受け取るべきリース料の合計である。
当グループは、正味リース投資未回収額に対する一定の期間リターン率を反映するパターンに基づい
て、リース期間にわたり金融収益を認識する。正味リース投資未回収額に含まれていない、当グループ
が受け取った変動リース料は、発生時に純損益に認識される。
当グループは、下記の場合には、ファイナンス・リースの条件変更を独立したリースとして計上して
いる。
155/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(a) その 条件変更が、1つまたは複数の原資産を使用する権利を追加することによって、リースの範
囲を拡大させており、かつ、
(b) 当該リースの対価が範囲の増大分に対する独立価格およびその特定の契約の状況を反映するため
の当該独立価格の適切な修正に見合った金額だけ増加している。
ファイナンス・リースの条件変更のうち独立したリースとして会計処理されないものについては、当
グループは当該条件変更を次のように会計処理している。
(a) 条件変更が契約日に有効であったとしたならばリースがオペレーティング・リースに分類されて
いたであろう場合には、 当グループはリースの条件変更を条件変更の発効日から新たなリースと
して会計処理し、原資産の帳簿価額をリースの条件変更の発効日直前の正味リース投資未回収額
として測定する。
(b) 条件変更が契約日に有効であったとしたならばリースがファイナンス・リースに分類されていた
であろう場合には、 当グループは契約の条件変更または再交渉に関する注記4(3)の要求事項に
従ってリースの条件変更を会計処理する。
オペレーティング・リースの貸手である場合
オペレーティング・リースによる賃貸収入は、リース期間にわたり、定額法で純損益に計上される。
リース債権の測定に含まれていない変動リース料は、発生時に純損益に計上される。当グループは、当
初のリースに係る前払または未払リース料を新たなリースに係るリース料の一部とみなし、オペレー
ティング・リースの条件変更を、当該条件変更の発効日から新たなリースとして会計処理している。
セール・アンド・リースバック取引
当グループは、資産の譲渡を当該資産の売却として会計処理すべきかどうかを評価し決定するため、
注記4(20)の要求事項を適用している。
貸手である場合
資産の譲渡が、資産の売却として会計処理するための要求事項を満たす場合には、貸手である当グ
ループは、資産の購入とリースを定められた会計処理の要求事項を適用して会計処理している。資産の
譲渡が資産の売却として会計処理するための要求事項を満たさない場合には、貸手である当グループ
は、譲渡された資産を認識せず、譲渡による収入額に等しい金融資産を認識する。当グループは注記4
(3)を適用して金融資産を会計処理している。
(7) 使用権資産
当グループの使用権資産は、主に建物およびその他の設備の使用権を含んでいる。
リースの開始日に、当グループは使用権資産を認識する。使用権資産の取得原価は次のもので構成され
る。(i)リース負債の当初測定の金額、(ii)リース開始日以前に支払ったリース料から、受け取ったリー
ス・インセンティブを控除したもの 、(iii) 発生した当初直接コスト、(iv) リースの契約条件で要求さ
れている原資産の解体および除去、原資産の敷地の原状回復または原資産の原状回復の際に借手に生じる
コストの見積り。使用権資産はその後、当グループにより定額法で減価償却される。原資産の所有権が
リース期間の終了時に当グループに移転されることが合理的に確実である場合には、当グループは、当該
156/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
資産をリース開始日から当該資産の耐用年数の終了時まで減価償却する。それ以外の場合には、当グルー
プは、当該資産をリース開始日から当該資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早
い 方まで減価償却する。
当グループはリース負債をリース料の変動の現在価値で再測定し、それに従って使用権資産の帳簿価額
を修正している。使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されていて、さらにリース負債の測定の減額があ
る場合は、当グループは再測定の残額を純損益に認識する。
(8) 土地使用権
土地使用権は当初は原価で認識される。当行がCCBより取得した土地使用権はリストラクチャリング日に
再評価額で計上された。土地使用権の原価は各々の認定された耐用年数にわたり定額法で償却され、純損
益に計上される。減損した土地使用権は、累積減損額を控除した後の金額が償却される。
土地使用権の減損は、注記4(12)に説明されている会計方針に従って会計処理される。
(9) 無形資産
ソフトウェアおよびその他の無形資産は当初は原価で認識される。無形資産の見積残存価額(存在する場
合)控除後の原価は耐用年数にわたり定額法で償却され、純損益に計上される。減損した無形資産は、累積
減損額を控除した後の金額が償却される。
無形資産の減損は、注記4(12)に説明されている会計方針に従って会計処理される。
(10) のれん
のれんとは、引き渡された対価、被取得会社に対する非支配持分、および被取得会社に対する過去の持
分の取得日現在の公正価値が、識別可能な純資産の公正価値を超過した部分を表す。のれんは償却されな
い。企業結合において取得されたのれんは結合の相乗効果から利益を得ることを予期される各現金生成単
位(以下、「CGU」という。)またはCGUグループに配分される。当グループは半期ごとにのれんの減損テス
トを実施している。
被取得会社の識別可能な純資産の正味公正価値に対する当グループ持分が、引き渡される対価、被取得
会社に対する非支配持分、および被取得会社に対する過去の持分の取得日現在の公正価値を超過した部分
は、直ちに純損益に認識される。
関連CGUまたはCGUグループの処分において、のれんの帰属する金額(損失評価引当金控除後)は、処分損
益の計算に含まれる。
のれんの減損損失は、注記4(12)に説明されている会計方針に従って会計処理される。
(11) 担保権実行資産
減損した貸出金の回収において、当グループは、法的手続または債務者による所有権の自主的引渡しを
通して、担保として保有された資産の担保権を実行できる。金融資産の形態としての担保権実行資産は、
当グループの事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フローの特性に基づき金融資産の適切な種類として
157/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
認識され表示され、金融資産以外の担保権実行資産は、当グループが減損した資産の秩序ある回収の実現
を目的とし、債務者からの追加返済を求めない場合、貸借対照表の「その他資産」に認識され表示され
る。
当グループが担保権実行資産を顧客向け貸出金および未収利息の損失を補填するために用いる場合、当
グループは、担保権実行資産を公正価値で測定する金融資産の形態で認識し、未払税金、訴訟費用の前払
金、延滞税、担保権実行資産の取得に際して発生したその他の取引費用について、金融資産の種類に応じ
て純損益に計上するかまたは当初の簿価でそれぞれ計上している。金融資産以外の担保実行資産は、当初
は債権者が放棄した権利の公正価値で認識され、当グループは未払税金、訴訟費用の前払金、延滞税、お
よび担保実行資産の取得に際して発生したその他の取引費用を、担保権実行資産の帳簿価額に計上してい
る。
金融資産以外の担保実行資産は、注記4(12)で規定された会計方針に従い測定された損失評価引当金を
控除した後の金額で認識される。
(12) 資産の損失評価引当金
当グループは以下の手法を用いて、繰延税金資産および金融資産の減損を除く資産の減損を決定する。
当グループは貸借対象日において、資産に減損の兆候が存在するか否かを評価している。資産に減損の
兆候が存在する場合、当グループは資産の回収可能価額を見積る。
資産に減損の兆候が存在し、個別資産の回収可能価額の見積りができない場合、当グループは資産が属
するCGUの回収可能価額を決める。
CGU は、大部分がその他の資産または資産グループからのキャッシュ・フローから独立したキャッシュ・
フローを生成する識別可能な最小の資産グループである。
資産(すなわちCGU、CGUグループ)の回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と見積将来キャッ
シュ・フローの現在価値の高い方である。当グループは将来のキャッシュ・フローの現在価値を見積る時
に、見積将来キャッシュ・フロー、耐用年数および割引率等すべての関連要因を考慮する。
(a) CGU ののれんの減損テスト
減損テストの目的のために、企業結合において取得されたのれんは結合の相乗効果から利益を得るこ
とを予期されるCGUまたはCGUグループに配分される。
のれんが割り当てられているCGUまたはCGUグループは、当グループにより半期ごとに、あるいはCGUま
たはCGUグループが減損しているという兆候がある場合はその都度減損テストが実施される。減損テスト
はのれんを含むCGUまたはCGUグループの帳簿価額とCGUまたはCGUグループの回収可能価額を比較するこ
とにより実施される。CGUまたはCGUグループの回収可能価額は見積将来キャッシュ・フローであり、貨
幣の時間的価値の現在の市場評価およびのれんが割り当てられたCGUまたはCGUグループに特有のリスク
を反映した割引率を使用して、現在価値に割り引かれている。
158/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
のれんが割り当てられているCGUまたはCGUグループの減損テストを行う際に、のれんが含まれるCGU内
の資産について減損の兆候が存在する場合がある。そのような状況においては、グループはまず当該資
産 に対する減損テストを行い、のれんが含まれるCGUまたはCGUグループの減損テストを行う前に当該資
産に対する減損損失を認識する。同様に、のれんが含まれるCGUグループ内の一つのCGUに減損の兆候が
存在する場合がある。そのような状況においては、事業体はまず当該CGUに対する減損テストを行い、の
れんが割り当てられているCGUグループに対する減損テストを行う前にそのCGUに対する減損損失を認識
する。
(b) 減損損失
資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、資産の帳簿価額は回収可能価額まで減額される。この
減額分は減損損失として認識され、純損益に計上される。
CGU またはCGUグループの減損損失額はまずCGUまたはCGUグループに割り当てられたのれんの帳簿価額
を減額し、次にCGUまたはCGUグループ内のその他の資産(のれん以外)の帳簿価額を各資産の帳簿価額に
比例して減額する。
(c) 減損損失の戻入れ
もしその後、のれんを除く非金融資産の減損金額が減少し、その減少が減損認識後に発生した事象に
客観的に関連づけられる場合、以前に認識した減損損失は、純損益を通じて戻入れられる。減損の戻入
れは、過年度に減損が認識されなかった場合の資産の帳簿価額を上限とする。
のれんに関して計上された減損は戻入れされない。
(13) 従業員給付
従業員給付は従業員が提供した勤務または雇用関係の終了の交換として当グループが負担したあらゆる
形態の対価および報酬である。従業員給付は、解雇給付を除き、関連する勤務が従業員によって提供され
た期間に対応する負債として認識され、関連資産の原価の増額分または純損益に費用として認識される。
支払いあるいは決済が繰り延べられ、その割引の影響が重要である場合、財政状態計算書上に現在価値で
計上される。
(a) 退職後給付
当グループは、退職後給付制度を確定拠出型制度と確定給付型制度に区分している。確定拠出型制度
は、当グループが一定の掛金を別個の事業体(基金)に支払い、追加拠出を行う法的または推定的債務を
有さない退職後給付制度である。確定給付型制度は、確定拠出型制度以外の制度である。確定拠出型制
度について、当グループは、報告期間中に従業員の基礎退職保険、年金制度および失業保険に掛金を支
払うが、確定給付型制度は主に補足的退職給付である。
確定拠出型退職年金制度
中国の関連する法律および規制に従って、中国本土の従業員は、地方自治体の労働社会保障当局によ
り手配されている従業員のための確定拠出型退職年金制度に加入している。当グループは、地方自治体
組織が規定する金額を基準に適用される料率で退職年金制度に拠出している。拠出は発生基準で純損益
159/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
に計上される。従業員が退職した場合、地方自治体の労働社会保障当局は、退職した従業員に対し基本
退職給付の支給責任がある。
年金拠出
当行の従業員は、法定の拠出に加えて、国営企業の年金規則に従って「CCBC年金制度」(以下、「制
度」という。)に基づいて当行が設立した年金制度に加入している。当行は従業員の総賃金に比例して年
金拠出を行っており、当該拠出は拠出時に純損益に費用計上される。
補足的退職給付
当グループは、法定保険制度に対して行った拠出に加えて、2003年12月31日以前に退職した中国本土
内の従業員に対して補足的退職給付を支払っている。当該補足的退職給付は、確定給付型年金である。
補足的退職給付に関する当グループの債務は、当グループがその従業員の退職後に支払うことになっ
ている将来の債務の金額を数理計算上の技法で見積ることによって計算される。当該債務は各報告期間
末日に同様の期限を有する国債の利回りで割り引かれる。補足的退職給付による勤務費用および正味利
息は純損益で認識され、またその再測定はその他の包括利益で認識される。
補足的退職給付に関して財政状態計算書に認識される負債は、報告期間末日現在の補足的退職給付債
務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額である。
(b) 解雇給付
当グループが従業員との契約終了時より前に従業員との雇用関係を終了する場合、または希望退職を
従業員に促す提案として報酬を提供する場合、雇用関係の終了から生じる報酬に対して引当金が認識さ
れ、同額が当期の純損益に計上される。事業体は、当該事業体がもはやかかる給付の提供を撤回できな
い時、または当該事業体が関連するリストラクチャリング費用を認識する時のいずれか早い時期に解雇
給付を認識する必要がある。
(c) 早期退職費用
当グループは、早期退職に合意した従業員に対する当グループの負債全額の現在価値を認識してい
る。当グループでは、早期退職日から規定された退職日まで、早期退職給付のための支払いを行ってい
る。当該負債の現在価値に関する仮定と見積りの変更によって生じた差額は、発生時に純損益に認識さ
れる。
(d) スタッフ・インセンティブ制度
取締役会で承認されたとおり、当グループは適格従業員の過去の勤務に対してインセンティブおよび
報酬を与えることを目的として、指定されたスタッフ委員会により独立して管理されているスタッフ・
インセンティブ制度を通じて、当該制度に参加している適格従業員に一定額のスタッフ報酬を支給して
いる。当グループは、そうした支払いを行うための法的あるいは実質的な債務が存在し、当該債務を確
実に見積ることができる場合、当該制度に対するグループの拠出額を認識する。
160/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(14) リース負債
リース開始日において、当グループは、短期リースおよび少額資産のリースを除き、リース負債を同日
現在で支払われていないリース料の現在価値で測定する。リース料の現在価値を算定する際、当グループ
はリースの計算利子率を割引率として用いる。当該利子率が容易に算定できない場合には、当グループは
借 手の追加借入利子率を用いる。当グループはリース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利費用
を、毎期一定の利子率を用いて算定し、必要に応じ関連資産の費用に係るものを除き、この金利費用を純
損益に計上する。リース負債の測定に含まれていない変動リース料は、必要に応じ関連資産の費用に係る
ものを除き、発生時点で純損益に計上される。
以下のいずれかに該当する場合、リース開始日以降、当グループは改訂後の割引率を用いて改訂後の
リース料を割引くことによって、リース負債を再測定する。(i) 実質上の固定リース料に変動がある場
合、(ii) 残価保証に基づいて支払われると見込まれる金額の変動がある場合、(iii) リース料の算定に用
いられる指数またはレートの変動による将来のリース料の変動がある場合、(iv) 購入オプションに関連し
て評価された、原資産の購入、延長、または解約オプションの評価に変更がある場合。
(15) 保険契約
保険契約の分類
保険会社が保険契約者と締結した契約に基づき、保険会社は保険リスクまたはその他のリスク、ある
いは保険リスクおよびその他のリスクの両方を引き受ける場合がある。
当グループが保険リスクおよびその他のリスクの両方を引き受け、かつ、当該保険リスクおよびその
他のリスクを区別し、個別に測定できる場合は、保険リスクを保険契約として別個に会計処理を行い、
その他のリスクを投資契約またはサービス契約のいずれかとして会計処理を行う。保険リスクおよびそ
の他のリスクを区別できない場合、あるいは区別はできるが個別に測定できない場合は、契約の当初認
識日に重要な保険リスクのテストを実施する。保険リスクが重要であれば、当該契約は保険契約として
分類され、それ以外の場合は、投資契約またはサービス契約として分類される。
保険収益の認識
保険料収入は、以下のすべての基準が満たされる場合に認識される。
(a) 保険契約が発行され、関連する保険リスクを当グループが引き受けた場合
(b) 関連する経済的便益が当グループに流入する可能性が高い場合
(c) 関連する収益を、信頼性をもって測定できる場合
保険契約負債
保険契約負債を測定する際、当グループは、類似の保険リスク特性を有する保険契約を一つの測定単
位として識別する。保険契約負債は、当グループが保険契約に従って関連債務を履行するために支払う
義務を負うものとして合理的に見積られた金額に基づき測定される。個別に販売できない仕組商品は、
一つの測定単位に分類される。
当グループは、各報告期間末日に負債十分性テストを実施している。数理計算上の技法により再計算
された保険契約負債が負債十分性テストの実施日現在の帳簿価額を上回る場合、当該差額を基に個々の
161/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
保険契約負債に対して引当金が追加計上される。帳簿価額を上回らない場合は、個々の保険契約負債に
調整は行われない。
(16) 引当金および偶発債務
当グループが過去の事象の結果として、確実に見積ることができる既存の法的あるいは実質的な債務を
有し、当該債務の決済のために経済的便益の流出が必要とされる可能性が高い場合、引当金が財政状態計
算書に認識される。引当金は当初、関連する既存の債務を決済するために必要な支出の最善の見積りとし
て測定される。最善の見積りを導き出す際に、リスク、不確実性および貨幣の時間的価値等の偶発的要因
がすべて考慮される。貨幣の時間的価値の影響が重要である場合、最善の見積りは、関連する将来の資金
流出額を割引くことによって決定される。
将来において不確実な事象が発生するまたは発生しないことによってのみその存在を確認することがで
きる過去の取引または事象から生じる潜在的な債務、あるいは過去の取引または事象から生じた既存の債
務で、債務を決済するために経済的便益の流出が必要となる可能性が低い、あるいは債務金額を確実に見
積ることができない債務については、経済的便益の流出の可能性がごくわずかな場合を除き、偶発債務と
して開示される。
(17) 資本性商品
資本性商品は、当グループの全負債控除後の資産に対する残余持分を証する契約である。発行済金融商
品は、以下の条件(ⅰ)および(ⅱ)の両方を満たす場合のみ、資本性商品とされる。すなわち(ⅰ)他の企業
へ現金またはその他の金融資産を引き渡す契約上の義務、あるいは当グループにとって潜在的に不利な条
件で他の企業と金融資産または金融負債を交換する契約上の義務が当該金融商品に含まれていないこと、
および(ⅱ)金融商品が当グループの資本性商品で決済される、または決済される可能性がある場合、当該
金融商品が、当グループが自己の資本性商品の可変数を引き渡す契約上の義務を含まない非デリバティブ
商品であること、あるいは当グループが自己の資本性商品の固定数を固定額の現金またはその他の金融資
産と交換することでのみ決済されるデリバティブであることである。
当グループが発行する資本性商品は、直接発行費用控除後の受取額の公正価値で計上される。
(18) 金融保証およびローン・コミットメント
金融保証は、負債性商品の支払期限が到来した際に、指定された債務者が約定返済を行えないことを理
由に、保有者の被った損失を弁済するために、発行者である当グループに所定の金額の支払いを要求する
契約である。
金融保証は当初、保証が提供された日の公正価値で認識される。当初認識後、かかる保証を受ける当グ
ループの負債は当初の金額から保証手数料の償却を差し引いた金額と、保証の設定に必要な予想信用損失
引当金の最善の見積りのいずれか高い方で測定される。保証関連の負債が増加する場合、連結損益計算書
に計上される。
当グループが提供するローン・コミットメントに係る損失評価引当金は、ECLによって測定される。当グ
ループは市場金利を下回る利率で、または現金で純額決済が可能な、またはその他の金融商品の引き渡し
や発行による融資のためにコミットメントを設定したことはない。
162/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
ローン・コミットメントおよび金融保証契約に関して、損失引当金は引当金として認識される。ただ
し、貸出金と未実行のコミットメントの両方を含む契約、および貸出金の部分に係るECLから未実行のコ
ミットメントの部分のものを分離して特定できない契約に関しては、未実行のコミットメントに係るECLは
貸出金の損失引当金と合わせて認識される。この合わせたECLが貸出金の帳簿価額総額を上回る範囲で、
ECLは引当金として認識される。
(19) 信託事業
当グループの信託事業は、当グループと有価証券投資ファンド、保険会社、年金制度およびその他の組
織との間で締結された保護預り契約に基づく顧客の資産管理業務のことである。当グループはこれらの契
約に従って信託義務を遂行し、関連する手数料を受領するが、管理資産に関連したリスクおよび経済価値
は引き受けないため、これらの資産はオフバランス項目として記録される。
当グループは顧客と委託貸付契約を締結している委託貸付業務を行っている。当該契約に基づき顧客が
当グループに資金(以下、「委託資金」という。)を提供して、当グループが顧客の指示に従い第三者に融
資(以下、「委託貸付」という。)を実行する業務である。当グループは委託貸付および対応する委託資金
に係るリスクおよび経済価値を引き受けないため、委託貸付および委託資金はその元本金額でオフバラン
ス項目として記録され、また当該委託貸付に関する減損評価は行われない。
(20) 収益の認識
財またはサービスの支配が、当グループが得ると見込んでいる対価を反映した金額で顧客へと移転した
場合、収益は、以下のように損益計算書に認識される。
(a) 受取利息
償却原価およびその他の包括利益を通じた公正価値で測定される利付負債性商品の受取利息は、実効
金利法に基づいて純損益に認識される。受取利息には、ディスカウントもしくはプレミアムまたは利付
商品の当初の帳簿価額と満期日における金額との差額の、実効金利基準で計算された償却が含まれる。
実効金利法とは、金融資産および負債の償却費用を計算し、受取利息および支払利息を関連年度にわた
り配分する方法である。
(b) 受入手数料
受入手数料は、履行義務が充足された時点で認識される。一定期間にわたって提供されるこれらの
サービスの受入手数料はサービスの契約条件に従って未収計上される。その他のサービスの受入手数料
は取引が終了した時点で認識される。
(c) 配当収入
非上場株式投資からの配当収入は、当グループが配当を受け取る権利が確定した時点で、純損益に認
識される。
(21) 法人所得税
当期法人所得税は、当期の課税所得に対する法人所得税の支払予定額で、各報告期間末日において有効
な、あるいは実質的に有効な税率を用いて計算された金額に、過年度に係る未払法人所得税に関する調整
163/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
を加えた金額である。繰延税金資産および負債はそれぞれ将来減算一時差異および将来加算一時差異から
生じるが、これは財務報告目的の資産および負債の帳簿価額とその課税基準額との差異である。また、繰
延 税金資産は未使用の税務上の欠損金および未使用の税額控除からも発生する。繰延税金資産は、将来減
算一時差異、税務上の欠損金の繰越控除および税額控除の繰越控除の利用対象となる課税所得が発生する
可能性が高い場合にのみ認識される。
当期法人所得税および繰延税金残高の変動分は純損益に認識されるが、その他の包括利益または資本の
部に直接認識される項目に対する法人所得税については、該当する税額がそれぞれその他の包括利益また
は資本の部に直接認識される。
繰延税金資産および繰延税金負債は、各報告期間末日において、税法の要件に従い資産が実現される、
または負債が決済される期間に適用されると予想される税率で測定される。当グループはまた、計算にお
いて繰延税金資産および繰延税金負債の実現可能性および決済を考慮している。
当グループが、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的強制力のある権利を有し、繰延税金資産お
よび負債が、同一課税主体に対し同じ税務当局から課税されている法人所得税に関連している場合、当期
税金資産と当期税金負債は相殺され、繰延税金資産と繰延税金負債は相殺される。そうでない場合には、
繰延税金資産残高と繰延税金負債残高、およびその変動は相殺されることなく、それぞれ個別に表示され
る。
(22) 現金同等物
現金同等物は、価格の変動リスクが非常に小さく、既知の現金金額に容易に交換可能な流動性の高い短
期投資(取得時において満期まで3ヶ月以内)である。
(23) 利益処分
各報告期間末日より後に宣言および承認された配当案は財政状態計算書に負債として認識されておら
ず、その代わりに各報告期間末日後の後発事象として財務書類に対する注記に開示されている。未払配当
金は、配当金が承認された事業年度において、負債として認識される。
(24) 関連当事者
当グループが直接的にあるいは間接的に他の当事者を支配する、共同支配する、または他の当事者に重
要な影響を行使する能力を有している場合、またはその逆、あるいは当グループと単独または複数の当事
者が他の当事者から共通支配または共同支配の対象となっている場合、これらの者は関連当事者とみなさ
れる。関連当事者は個人または企業である。当グループの関連当事者には以下が含まれるが、以下に限定
されるわけではない。
(a) 当行の親会社
(b) 当行の子会社
(c) 当行の親会社に支配されるその他の企業
(d) 当グループを共同支配する投資家
(e) 当グループに重要な影響を行使できる投資家
(f) 当グループの関連会社
(g) 当グループの共同支配会社
164/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(h) 当グループの主要な個人投資家およびその近親者(主要な個人投資家とは、直接的にあるいは間接
的に、他の当事者を支配する、共同支配する、または他の当事者に重要な影響を行使する能力を有
し ている個人投資家である。)
(i) 当グループの主要な経営陣およびその近親者(主要な経営陣とは、企業の取締役を含む、直接的に
あるいは間接的にその企業の活動を計画、指揮および管理する権限および責任を有する人物であ
る。)
(j) 当行の親会社の主要な経営陣およびその近親者
(k) 当グループの主要な個人投資家、主要な経営陣、またはその近親者が支配もしくは共同支配する他
の企業
(l) 当グループまたは当グループの関連当事者となっている事業体の従業員給付のための退職後給付制
度
(25) 事業セグメント
当グループの事業セグメントは、当グループの最高業務執行意思決定者がセグメントに経営資源を配分
し業績評価を行うために定期的にレビューしている内部資料に基づいて識別されている。当グループは事
業セグメントに基づき、商品およびサービス、地域、規制環境等、経営陣が組織編成にあたって選択した
複数の要因を組み合わせて報告セグメントを識別する。特定の基準を満たす事業セグメントは統合され、
定量基準を満たす事業セグメントは個別に報告されている。
各事業セグメントの報告金額は、セグメントに経営資源を配分し、業績評価を行うために最高業務執行
意思決定者へ報告される測定額である。セグメント情報は当グループが財務書類を作成し、表示するにあ
たって採用された会計方針に準拠して作成される。
(26) 重要な会計上の見積りおよび判断
(a) 金融資産の分類
当グループが金融資産を分類する上での重要な判断には、事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フ
ロー特性の分析が含まれる。
当グループはポートフォリオのレベルで金融資産を管理するための事業モデルを決定し、資産のパ
フォーマンスがどのように評価され主要な経営陣に報告されたか、金融資産のパフォーマンスに影響を
及ぼすリスクと金融資産がどのように管理されているか、また管理職がどのように報酬を受けるかなど
の要因を考慮する。
金融資産の契約上のキャッシュ・フローが基本融資契約と一致しているか否かを評価する上で、当グ
ループは以下の主要な判断を用いる。期限前返済などの理由から全期間中に満期の分布や金額が変更さ
れた結果、元本が変動する可能性があるか。利息には貨幣の時間価値、信用リスク、その他の基本的な
借入リスクならびに費用および利益の対価のみが含まれるのか。例えば、期限前に返済される額には、
未払いの元本、元本残高に基づく利息、さらに契約の繰上償還に支払われた合理的な対価のみが反映さ
れるのか。
165/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(b) 予想信用損失
償却原価で測定される金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性商品に
対する投資に係る予想信用損失に係る引当金の測定には、複雑なモデルの使用と、将来の経済状況およ
び信用動向(例えば、顧客がデフォルトに陥る可能性および結果として生じる損失)に関する重要な仮定
を 必要とする領域である。予想信用損失の測定に用いたインプット、仮定、見積り手法の説明は、注記
61(1)に詳述されている。
予想信用損失を測定するための会計上の要求事項を適用するにあたり、以下の多くの重要な判断が求
められる。
- 信用リスクの著しい増大の基準の判定
- 予想信用損失の測定に適したモデルと仮定の選択
- 製品/市場の種類および関連する予想信用損失ごとの将来予測的なシナリオの数と比重の確立
- 予想信用損失を測定する目的での、類似の金融資産のグループの確立
上記の領域における当グループの判断および見積りに関する詳細は、注記61(1)の信用リスクに記載さ
れている。
(c) 金融商品の公正価値
活発な市場で取引されている金融商品の公正価値は、評価日における活発な市場での市場価格に基づ
いている。市場価格とは、取引所またはディーラーの建値から容易にかつ定期的に価格情報を入手でき
る場合、および当該価格情報が実際かつ定期的に秩序ある取引が行われているものを表す場合の活発な
市場から入手される価格である。
その他すべての金融商品に関して、当グループは割引キャッシュ・フロー・モデルおよびその他の種
類の評価モデルを含む評価技法を用いて公正価値を決定している。評価技法に用いられた仮定および
データは無リスクおよび基準金利、為替レート、信用スプレッドおよび流動性プレミアムを含む。割引
キャッシュ・フロー法が使用される場合、見積キャッシュ・フローは経営陣の最善の見積りに基づくも
ので、使用する割引率は各報告期間末日現在において、類似した条件を有する商品に適用される市場金
利である。その他の価格モデルが使用される場合は、各報告期間末日現在の観察可能な市場データが入
力情報として最大限用いられるが、市場データが入手できない場合、当グループは、当該観察不能な市
場インプットについて最善の見積りを行う必要がある。
評価技法の目的は、秩序ある取引において市場参加者が決定したであろう報告日の金融商品の価格を
反映する公正価値を決めることである。
(d) 法人税等
法人税等繰入額を決定する際には、特定の取引に関する将来の税務処理についての判断を要する。当
グループは、各取引の税務上の影響を慎重に評価し、これに応じて法人税等繰入額を決定する。このよ
うな取引の税務処理は、税務法令の変更をすべて考慮に入れて、定期的に再検討される。繰延税金資産
は、未使用の税務上の欠損金および将来減算一時差異に対して認識されている。これらの繰延税金資産
は、未使用の税務控除の利用対象となる将来の課税所得が見込まれる場合にのみ認識されるため、将来
の課税所得の発生可能性を評価する際に経営陣の判断が必要となる。経営陣の判断は定期的に見直さ
166/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
れ、将来の課税所得によって繰延税金資産の回収が可能となる場合には、追加的な繰延税金資産が認識
される。
(e) 従業員の退職給付債務
当グループは特定の退職者に支払われる給付に関連して負債を設定している。従業員給付費用および
負債の金額はこれらの金額の計算時に用いられた仮定の影響を受ける。これらの仮定には割引率、年金
給付のインフレーション率、医療給付インフレーション率およびその他の要素が含まれる。経営陣は仮
定が適切であると考えているが、実際の結果による差異または仮定の変更は、当グループの従業員退職
給付債務に関するその他の包括利益と負債に影響を与える場合がある。
(f) 連結の範囲
当グループは、投資企業として、当グループが被投資企業を支配するか否かの評価においてすべての
事実および状況を考慮している。支配の定義には、以下の三要素が含まれる。(i) 被投資企業に対する
パワー、(ⅱ) 被投資企業への関与からの変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利、および
(ⅲ) 投資企業のリターンの金額に影響を与えるために被投資企業に対するパワーを利用する能力。当グ
ループは、事実および状況が上述の支配の三要素の一つまたはそれ以上の変更があることを示唆する場
合には、当グループは被投資企業を支配するか否かについて再評価する。
(27) 重要な会計方針の変更
当グループは、2016年1月に国際会計基準審議会(以下、「IASB」という。)が公表したIFRS第16号
「リース」(以下、IFRS第16号という。)を適用している。IFRS第16号の適用開始日は2019年1月1日で
あり、これにより、会計方針の変更および財務書類上の過年度認識額への調整が生じている。IFRS第16号
の経過措置で認められている通り、当グループは比較数値の修正再表示を行わないことを選択した。
当グループは、適用開始日前の既存の契約は再評価していないが、以下を含む複数の具体的な実務上の
便法を適用した。(a) 特性が合理的に類似したリースのポートフォリオに単一の割引率を適用すること、
(b) 適用開始日から12カ月以内にリース期間が終了するリースについて、短期リースと同じ方法で会計処
理すること、(c) 当初直接コストを適用開始日現在の使用権資産の測定から除外すること、および (d) 契
約にリースを延長または解約するオプションが含まれている場合のリース期間を決定する際等に、事後的
判断を使用すること。
当グループは、使用権資産について、前払リース料等を調整したリース負債と同額の金額で測定してい
る。2019年1月1日現在、当グループの総資産と総負債は2018年度末と比較して、それぞれ19,944百万人
民元増加した。当グループは、適用開始日において、土地使用権に加え、その他の使用権資産およびリー
ス負債をそれぞれ21,752百万人民元および19,914百万人民元認識した。2018年12月31日に終了した事業年
度に係る当グループの財務書類において開示されたオペレーティング・リースに関する将来最低支払リー
ス料と適用開始日における財政状態計算書に認識されたリース負債との差異は次の通りである。
2018 年12月31日時点のオペレーティング・リースに関する将来最低支払リース料 22,351
減算:認識を免除する最低リース料 (790)
加算:契約延長オプションを合理的に実行することにより発生する最低支払リース料 467
減算:2019年1月1日時点の追加借入利子率で割引いた影響 (2,114)
167/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年1月1日現在のリース負債 19,914
5 税金
当グループに主に適用される税および税率は、以下のとおりである。
付加価値税(以下、「VAT」という。)
中国財政部および国家税務総局が共同で発行した「営業税からVATへの移行パイロットプログラムの全面
実施に関する通達」(財税[2016]36号)に従い、当行および中国本土内の子会社の課税所得に課されていた
営業税は、2016年5月1日より、VATに替わった。主なVAT税率は6%である。
都市建設税
都市建設税はVATの1%から7%で算出される。
教育追加税
教育追加税はVATの3%で算出される。
地方教育追加税
地方教育追加税はVATの2%で算出される。
法人税等
当行および中国本土内の子会社に対して適用される法人所得税率は25%である。海外事業に関する税金
は、各国の税率を用いて費用計上されている。海外事業に対して支払われる税金は、中国の該当する法人
税法に基づいて認められる範囲において相殺される。
次へ
168/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
6 正味受取利息
2019 年 2018 年
以下から発生した受取利息:
中央銀行預け金 34,769 38,892
銀行および銀行以外の金融機関への預け金 9,027 12,231
銀行および銀行以外の金融機関への短期貸付金 11,052 11,765
売戻契約に基づいて保有する金融資産 8,657 9,049
投資有価証券 189,465 172,147
顧客に対する貸出金
-法人向け貸出金 341,616 322,082
-個人向け貸出金 274,965 239,888
13,948 4,972
-割引手形
合計 883,499 811,026
以下から発生した支払利息:
中央銀行からの借入金 (14,326) (15,671)
銀行および銀行以外の金融機関からの預金 (32,248) (36,441)
銀行および銀行以外の金融機関からの短期借入金 (14,344) (13,684)
買戻契約に基づいて売却された金融資産 (1,296) (1,340)
発行済負債性証券 (29,671) (24,735)
顧客からの預金
-法人預金 (130,879) (118,392)
(150,055) (114,485)
-個人預金
合計 (372,819) (324,748)
正味受取利息 510,680 486,278
(1) 減損金融資産からの受取利息は、以下のとおりである。
2019 年 2018 年
減損貸出金
2,816 3,229
276 83
その他の減損金融資産
合計 3,092 3,312
(2) 5年よりも後に満期が到来する金融負債の支払利息は、主に発行済負債性証券の支払利息を示す。
169/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
7 正味受入手数料
2019 年 2018 年
受入手数料
銀行カード手数料 52,620 46,192
電子銀行業務手数料 25,666 18,585
代行サービス手数料 16,894 16,044
信託業務報酬 14,194 12,748
運用業務手数料 12,899 11,113
決済手数料 12,267 12,101
コンサルティングおよびアドバイザリー手数料 10,331 10,441
保証手数料 3,633 3,414
信用コミットメント手数料 1,449 1,573
5,309 5,806
その他
合計 155,262 138,017
支払手数料
銀行カード取引手数料 (8,859) (8,000)
銀行間取引手数料 (1,277) (1,360)
(7,842) (5,622)
その他
合計 (17,978) (14,982)
正味受入手数料 137,284 123,035
8 トレーディング利益(正味)
2019 年 2018 年
負債性証券
8,384 11,496
デリバティブ 250 (66)
資本性投資 5 (450)
481 1,634
その他
合計 9,120 12,614
9 配当収入
2019 年 2018 年
純損益を通じて公正価値で測定される資本性投資からの配当収入
1,148 676
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性投資
36 97
からの配当収入
合計 1,184 773
170/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
10 投資有価証券正味利益
2019 年 2018 年
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された
8,699 15,567
金融資産に係る正味利益
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された
(9,399) (14,761)
金融負債に係る正味損失
純損益を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産及び負債
8,687 1,938
に係る正味利益
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る
711 499
正味利益
処分によりその他の包括利益から組み替えられた再評価正味
234 204
利益
161 (3)
その他
合計 9,093 3,444
11 償却原価で測定される金融資産の認識の中止に係る正味利益/(損失)
2019 年12月31日に終了した事業年度における、償却原価で測定される金融資産の認識の中止に係る正味
利益は、主に当グループが資産担保証券を発行したことに起因し、その結果、顧客に対する貸出金の認識
の中止による正味利益2,820百万人民元が発生した(2018年12月31日に終了した事業年度:正味損失2,507百
万人民元)。
12 その他営業収益(正味)
その他営業収益
2019 年 2018 年
保険関連収益
22,914 21,495
外国為替利益 4,617 6,153
賃貸収入 2,981 2,790
5,615 5,480
その他
合計 36,127 35,918
外国為替損益には、外貨建貨幣性資産および負債の換算に関連した損益、ならびに為替デリバティブ(外
貨建資産の買い持ちポジションを経済的にヘッジするために締結した為替スワップ、為替オプションおよ
び通貨スワップを含む。)に係る正味実現および未実現損益が含まれている。
その他営業費用
2019 年 2018 年
保険関連費用
22,354 20,714
6,492 5,335
その他
合計 28,846 26,049
171/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
13 営業費用
2019 年 2018 年
人件費
-給与、賞与、諸手当および補助金 70,342 66,788
-その他社会保険費および福利厚生費 11,673 11,187
-住宅手当 6,521 6,390
-組合運営費および従業員教育費 2,948 2,820
-確定拠出型制度 14,275 14,850
-早期退職費用 19 20
6 2
-雇用関係の終了に伴う従業員報酬
105,784 102,057
建物および設備費用
-減価償却費 21,304 15,447
-賃借料および不動産管理費用 4,952 9,926
-維持費 3,394 3,000
-光熱費 1,851 1,953
2,174 2,064
-その他
33,675 32,390
税および追加税
6,777 6,132
償却費 2,623 2,427
監査報酬 163 162
39,110 31,596
その他一般管理費
合計 188,132 174,764
14 信用減損損失
2019 年 2018 年
顧客に対する貸出金
148,942 143,045
金融投資
-償却原価で測定される金融資産 5,789 1,072
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 1,497 16
オフバランス事業 4,343 5,435
2,429 1,541
その他
合計 163,000 151,109
15 その他の減損損失
2019 年 2018 年
その他の減損損失 521 (121)
172/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
16 取締役および監査役の報酬
当事業年度に在任していた取締役および監査役の報酬の合計(所得税控除前)は、以下のとおりである。
2019 年
その他
確定拠出型
合計
手当 報酬支払額 現物給付
年金制度への
(注(ⅰ))
拠出額
(注(ⅴ))
( 千人民元)
業務執行取締役
田國立(注(ⅵ)) - 579 50 119 748
劉桂平(注(ⅱ)および(ⅵ)) - 386 31 77 494
章更生(注(ⅵ)) - 521 50 115 686
非業務執行取締役
馮冰(注(ⅲ)) - - - - -
朱海林(注(ⅲ)) - - - - -
張奇(注(ⅲ)) - - - - -
田博(注(ⅱ)および(ⅲ)) - - - - -
夏陽(注(ⅱ)および(ⅲ)) - - - - -
独立非業務執行取締役
馮婉眉 415 - - - 415
マルコム・クリストファー・
410 - - - 410
マッカーシー
カール・ウォルター 442 - - - 442
鍾嘉年 430 - - - 430
グレイム・ウィーラー(注(ⅱ)) 110 - - - 110
監査役
王永慶(注(ⅱ)および(ⅵ)) - 241 19 47 307
吳 建杭(注(ⅵ))
- 660 50 146 856
方秋月(注(ⅵ)) - 660 46 154 860
魯可貴(注(ⅳ)) 50 - - - 50
程遠國(注(ⅳ)) 50 - - - 50
王毅(注(ⅳ)) 50 - - - 50
趙錫軍(注(ⅱ)) 138 - - - 138
前業務執行取締役
王祖繼(注 ( ⅱ)および(ⅵ)) - 137 14 31 182
前非業務執行取締役
李軍(注(ⅱ)および(ⅲ)) - - - - -
呉敏(注(ⅱ)および(ⅲ)) - - - - -
前独立非業務執行取締役
鍾瑞明(注(ⅱ)) 220 - - - 220
マレイ・ホーン(注(ⅱ)) 353 - - - 353
前監査役
125 - - - 125
白建軍(注(ⅱ))
2,793 3,184 260 689 6,926
173/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
当事業年度に在任していた取締役および監査役の報酬の合計(所得税控除前)は、以下のとおりである。
(続き)
2018 年
社会保険、企業
年金、補足的医療
手当 保険および住宅 その他貨幣所得 合計
手当に関する当行
の支払額
( 千人民元)
業務執行取締役
田國立 793 165 - 958
王祖繼 793 165 - 958
章更生 713 162 - 875
非業務執行取締役
馮冰(注(ⅲ)) - - - -
朱海林(注(ⅲ)) - - - -
李軍(注(ⅱ)および(ⅲ)) - - - -
呉敏(注(ⅱ)および(ⅲ)) - - - -
張奇(注(ⅲ)) - - - -
独立非業務執行取締役
馮婉眉 413 - - 413
マルコム・クリストファー・
410 - - 410
マッカーシー
カール・ウォルター 440 - - 440
鍾瑞明(注(ⅱ)) 440 - - 440
鍾嘉年 70 - - 70
マレイ・ホーン(注(ⅱ)) 470 - - 470
監査役
吳 建杭
936 98 - 1,034
方秋月 936 103 - 1,039
魯可貴 29 - - 29
程遠國 29 - - 29
王毅 29 - - 29
白建軍(注(ⅱ)) 250 - - 250
前業務執行取締役
龐秀生 535 117 - 652
前非業務執行取締役
郝愛群 - - - -
前監査役
郭友 264 49 - 313
劉進 936 91 - 1,027
李曉玲 936 49 - 985
李秀昆 21 - - 21
靳 彥 民
21 - - 21
21 - - 21
李振宇
9,485 999 - 10,484
注:
(ⅰ) 取締役および監査役が提供したサービスに関する2019年12月31日に終了した事業年度の報酬額については、年次株
主総会の承認が必要である。
(ⅱ) 当行の2018年度年次株主総会での選任およびCBIRCの承認を受け、グレイム・ウィーラー氏は、2019年10月より当行
の独立非業務執行取締役としての職務を開始した。当行の2018年度年次株主総会での選任およびCBIRCの承認を受
け、田博氏および夏陽氏は、2019年8月より当行の非業務執行取締役としての職務を開始した。当行の2018年度年
次株主総会での選任およびCBIRCの承認を受け、劉桂平氏は、2019年7月より当行の業務執行取締役および取締役会
副会長としての職務を開始した。劉桂平氏は、取締役会での選任およびCBIRCの承認を受け、2019年5月より当行総
裁としての職務を開始した。
174/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年12月に、呉敏氏は転職のため当行の非業務執行取締役を辞任した。2019年9月に、マレイ・ホーン氏は転職
のため当行の独立非業務執行取締役を辞任した。2019年6月に、鍾瑞明氏は任期満了により当行の独立非業務執行
取締役を退任した。2019年5月に、李軍氏は引退を理由に当行の非業務執行取締役を退任した。2019年3月に、王
祖継氏は年齢を理由に当行の取締役会副会長兼業務執行取締役兼総裁を辞任した。
当行の2019年度第1回臨時株主総会および2019年度第5回監査役会会議での選任を受け、王永慶氏は、2019年10月
より当行の監査役会会長および株主代表監査役としての職務を開始した。当行の2018年度年次株主総会での選任を
受け、趙錫軍氏は2019年6月より当行の外部監査役としての職務を開始している。
2019 年6月、白建軍氏は任期満了により当行の外部監査役を退任した。
( ⅲ) 当行は、匯金公司が任命した非業務執行取締役が2019年度および2018年度に提供したサービスに対して報酬を支払
う必要はない。
(ⅳ) 当該金額には、監査役としてのサービスに対する報酬のみが含まれている。
(ⅴ) その他現物給付には、医療基金、住宅手当およびその他の社会保険に対する当行の拠出が含まれているが、これら
は政府当局が公表している規制要件に基づき、給与および手当の一定割合または所定の上限のいずれか低い方に基
づいて、労働社会保障当局に支払うものである。また、その他の給付には、(政府当局が公表した方針に従って設立
された。)当行独自の企業年金制度および補足的医療保険制度に対する当行の拠出も含まれている。
(ⅵ) 2019 年12月31日に終了した事業年度におけるこれらの取締役および監査役に対する総合報酬パッケージは、中国の
関連当局が定める規定に基づく確定はまだされていない。未払の報酬金額は当グループの2019年12月31日に終了し
た事業年度の財務書類に重要な影響を及ぼすことはないと予想される。最終的な報酬は、確定時に個別の公表によ
り開示される。
( ⅶ) 2018年12月31日に終了した事業年度における一部の取締役および監査役に対する総合報酬パッケージは、2018年度
の財務書類の公表日まで、中国の関連当局が定める規定に基づく確定がなされなかった。前述の、2018年12月31日
に終了した事業年度における各取締役および監査役に対する総合報酬パッケージの額が確定した。
(ⅷ) 2015 年度より、中央当局の管理下にある当行の経営陣の報酬は、中央報酬改革に関連する政策に準拠して支払われ
ている。
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度中に、勧誘または退職に対する補償を受け取った取締約および監
査役も、報酬を放棄した取締役および監査役もいない。
17 高額報酬者
高額報酬者上位5名には、注記16に報酬を開示された取締役または監査役は含まれていない。当事業年
度に上位5名に支払われた報酬の合計(所得税控除前)は、以下のとおりである。
2019 年 2018 年
( 千人民元) ( 千人民元)
給与および手当
15,644 15,861
変動報酬 32,370 34,352
確定拠出型退職年金制度への拠出 792 1,144
706 627
その他現物給付
49,512 51,984
以下の報酬範囲内(所得税控除前)に該当する人数は、以下のとおりである。
2019 年 2018 年
175/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
8,000,001 人民元-8,500,000人民元
- -
8,500,001 人民元-9,000,000人民元 1 -
9,000,001 人民元-9,500,000人民元 1 -
9,500,001 人民元-10,000,000人民元 - 1
10,000,001 人民元-10,500,000人民元 2 3
10,500,001 人民元-11,000,000人民元 - -
11,000,001 人民元-11,500,000人民元 1 1
11,500,001 人民元-12,000,000人民元 - -
これらの個人の中には、2019年および2018年12月31日に終了した事業年度に勧誘または退職に対する報
酬を受け取った者も、放棄した者もいない。
18 法人税等
(1) 法人税等
2019 年 2018 年
当期税額
74,013 72,531
-中国本土 71,045 69,949
-香港 1,340 1,444
- その他の国および地域 1,628 1,138
過年度調整額 498 (1,928)
(17,136) (18,069)
繰延税金
合計 57,375 52,534
報告期間の中国本土および香港における法人税等の引当金は、中国本土および香港における事業活動か
らの見積課税所得のそれぞれ25%および16.5%として算出されている。その他の海外事業に関する税金
は、各課税管轄区域で適用されている適切な当期税率を用いて費用計上されている。
(2) 法人税等と会計上の利益の間の調整
注 2019 年 2018 年
税引前利益 326,597 308,160
法定税率25%で算出された法人税等 81,649 77,040
外国で適用されている異なる税率の影響
(234) (740)
損金不算入費用 (ⅰ) 11,891 9,212
非課税所得 (ⅱ) (36,429) (31,050)
498 (1,928)
純損益に影響を与える法人税等の過年度調整額
法人税等 57,375 52,534
(ⅰ) 損金不算入費用には、主に貸出金の償却による損金不算入の損失、ならびに関連する中国税法下での損金算入額を
超過した項目(人件費および交際費等)が含まれる。
(ⅱ) 非課税所得には、主に中国国債および中国地方債からの受取利息が含まれる。
176/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
19 1株当たり当期利益
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度の基本的1株当たり当期利益は、当行の普通株主に帰
属する当期純利益を、各事業年度の流通普通株式の加重平均株式数で除して算出されている。
基本的1株当たり当期利益の計算上、当期に関して宣言される非累積型優先株式の配当は、当行の株主
に帰属する金額から控除する必要がある。
優先株式の転換条項は、条件付発行可能普通株式であるとみなされる。2019年および2018年12月31日に
終了した事業年度において、転換のトリガー事由は発生しておらず、したがって、優先株式の転換条項は
基本的および希薄化後1株当たり当期利益の算定に影響を及ぼしていない。
2019 年 2018 年
当行の株主に帰属する当期純利益
266,733 254,655
控除:当行の優先株主に帰属する利益 (3,962) (3,936)
当行の普通株主に帰属する当期純利益 262,771 250,719
加重平均株式数(百万株) 250,011 250,011
当行の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益(人民元) 1.05 1.00
1.05 1.00
当行の普通株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益(人民元)
20 現金および中央銀行預け金
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
現金 60,791 65,215
中央銀行預け金
-法定預託準備金 (1) 2,094,800 2,130,958
-余剰支払準備金 (2) 398,676 389,425
65,825 46,095
-財政預金およびその他
未収利息 918 1,170
合計 2,621,010 2,632,863
(1) 当グループは、中国人民銀行(以下、「PBOC」という。)ならびに営業を行っている海外の中央銀行に法定預託準備金
を預け入れている。法定預託準備金は、当グループの日常業務には使用できない。
報告期間末日現在、当行の中国本土における法定預託準備金の準備率は、以下のとおりである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
人民元建て預け金に対する準備率
11.50 % 13.00 %
5.00 % 5.00 %
外貨預金に対する準備率
当グループの国内子会社に適用される人民元建て法定預託準備金の準備率は、PBOCにより定められている。
海外の中央銀行に預け入れている法定預託準備金の金額は、現地法域により定められている。
(2) PBOC に積み立てている余剰支払準備金は、主に決済目的である。
177/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
21 銀行および銀行以外の金融機関への預け金
(1) 相手先別分析
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
銀行
406,202 468,564
12,605 15,703
銀行以外の金融機関
未収利息 1,072 2,912
総残高
419,879 487,179
(218) (230)
損失評価引当金(注記35)
正味残高 419,661 486,949
(2) 相手先の地理別セクター別分析
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
中国本土
371,963 451,606
46,844 32,661
海外
未収利息 1,072 2,912
総残高
419,879 487,179
(218) (230)
損失評価引当金(注記35)
正味残高 419,661 486,949
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度において、銀行および銀行以外の金融機関への預け金
の帳簿価額はステージ1である。帳簿価額および損失評価引当金は、ステージ間の振替に関連したもので
はない。
22 銀行および銀行以外の金融機関への短期貸付金
(1) 相手先別分析
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
銀行
387,211 240,418
141,822 107,285
銀行以外の金融機関
未収利息 2,338 2,138
総残高
531,371 349,841
(225) (114)
損失評価引当金(注記35)
正味残高 531,146 349,727
(2) 相手先の地理別セクター別分析
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
中国本土
339,185 187,065
189,848 160,638
海外
未収利息 2,338 2,138
総残高
531,371 349,841
(225) (114)
損失評価引当金 ( 注記 35 )
正味残高 531,146 349,727
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度において、銀行および銀行以外の金融機関への短期貸
付金の帳簿価額はステージ1である。帳簿価額および損失評価引当金は、ステージ間の振替に関連したも
のではない。
178/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
23 デリバティブおよびヘッジ会計
(1) 契約種類による分析
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
注
想定元本 資産 負債 想定元本 資産 負債
金利契約
535,745 1,187 2,088 302,322 1,998 1,902
為替レート契約 3,727,006 31,681 29,726 4,947,440 47,749 44,772
(a) 85,784 1,773 1,968 89,325 854 1,851
その他の契約
合計 4,348,535 34,641 33,782 5,339,087 50,601 48,525
(2) 契約相手の信用リスク加重資産による分析
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
契約相手の信用リスク加重資産
-金利契約 2,670 1,365
-為替レート契約 37,124 21,402
(a) 1,500 2,276
-その他の契約
小計
41,294 25,043
14,194 12,493
信用評価調整に係るリスク加重資産
合計 55,488 37,536
デリバティブの想定元本は、リスク資産の金額ではなく報告期間末日現在の未決済取引高のみを示して
いる。2013年1月1日から、当グループは「商業銀行資本管理弁法(試行)」およびその他の関連する方
針を適用している。CBIRCの規定に従って、契約相手の信用リスク加重資産には、契約相手の状況および満
期、ならびに顧客の指示に基づくバック・ツー・バックの取引を考慮した信用評価調整が含まれている。
当グループのデリバティブの契約相手の信用リスク加重資産は、2019年1月1日からデリバティブの契約
相手の信用リスク資産の測定に関する規則に従って算定されている。
(a) その他の契約は、主に貴金属及びコモディティ契約で構成されている。
(3) ヘッジ会計
上記に開示されているデリバティブには、以下の指定されたヘッジ手段が含まれている。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
想定元本 資産 負債 想定元本 資産 負債
公正価値ヘッジ
金利スワップ 39,801 83 (344) 46,452 559 (88)
通貨スワップ 35 - - 344 17 -
キャッシュ・フロー・
ヘッジ
為替スワップ 39,146 640 (193) 45,146 324 (330)
通貨スワップ - - - 4,007 238 (6)
13,608 25 (78) 17,156 37 (79)
金利スワップ
合計 92,590 748 (615) 113,105 1,175 (503)
(a) 公正価値ヘッジ
当グループは、金利および為替レートの変動から生じる、FVOCI金融資産の公正価値、発行済負債性証
券、顧客からの預金および顧客に対する貸出金の公正価値の変動に対するヘッジを目的として、金利ス
ワップおよび通貨スワップを利用している。
公正価値ヘッジによる正味(損失)/利益は以下のとおりである。
179/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年 2018 年
正味(損失)/利益
-ヘッジ手段 (664) 72
661 (69)
-ヘッジ対象
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度において、公正価値ヘッジの非有効部分から生じた
損益は僅少であった。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
当グループは、主に顧客からの預金、顧客に対する貸出金、発行済負債性証券、銀行および銀行以外
の金融機関からの短期借入金、ならびに銀行および銀行以外の金融機関への短期貸付金、FVPLで測定さ
れる金融資産およびFVOCIで測定される金融資産に伴う金利リスクおよび為替リスクから生じるキャッ
シュ・フローの変動へのエクスポージャーに対するヘッジを目的として、為替スワップ、通貨スワッ
プ、および金利スワップを利用している。ヘッジ手段およびヘッジ対象の満期はいずれも5年以内であ
る。
2019 年12月31日に終了した事業年度において、当グループは、キャッシュ・フロー・ヘッジによる正
味損失292百万人民元(2018年12月31日に終了した事業年度:キャッシュ・フロー・ヘッジによる正味損
失267百万人民元)をその他の包括利益に認識した。キャッシュ・フロー・ヘッジの非有効部分から生じ
た損益は僅少であった。
24 売戻契約に基づいて保有する金融資産
原資産別の売戻契約に基づいて保有する金融資産は、以下のとおりである。
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
負債性証券
-国債 189,501 62,775
-政策銀行、銀行および銀行以外の金融機関発行負債性証券 299,738 77,639
25 28
-社債
小計
489,264 140,442
割引手形 68,345 61,302
263 145
未収利息
総残高
557,872 201,889
損失評価引当金(注記35) (63) (44)
正味残高 557,809 201,845
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度 において、売戻契約に基づいて保有する金融資産の帳
簿価額はステージ1である。帳簿価額および損失評価引当金は、ステージ間の振替に関連したものではな
い。
180/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
25 顧客に対する貸出金
(1) 測定別分析
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
償却原価で測定される顧客に対する貸出金
14,479,931 13,405,030
(482,158) (417,623)
控除:損失評価引当金
償却原価で測定される顧客に対する貸出金の帳簿価額 (a) 13,997,773 12,987,407
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される顧客に対する
(b) 492,693 308,368
貸出金の帳簿価額
純損益を通じて公正価値で測定される顧客に対する貸出金の
(c) 15,282 32,857
帳簿価額
未収利息 34,919 36,798
顧客に対する貸出金の帳簿価額 14,540,667 13,365,430
(a) 償却原価で測定される顧客に対する貸出金
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
法人向け貸出金
-貸出金 7,789,682 7,309,538
137,769 136,071
-ファイナンス・リース
7,927,451 7,445,609
個人向け貸出金
-住宅ローン 5,355,724 4,844,440
-個人向け消費者ローン 199,007 214,783
-個人向けビジネス・ローン 44,918 37,287
-クレジットカード 745,137 655,190
207,694 205,845
-その他
6,552,480 5,957,545
割引手形 - 1,876
償却原価で測定される顧客に対する貸出金総額 14,479,931 13,405,030
ステージ1
(240,027) (183,615)
ステージ2 (92,880) (93,624)
(149,251) (140,384)
ステージ3
損失評価引当金(注記35) (482,158) (417,623)
償却原価で測定される顧客に対する貸出金純額 13,997,773 12,987,407
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される顧客に対する貸出金
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
割引手形 492,693 308,368
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される顧客に対する貸出金
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
法人向け貸出金 15,282 32,857
181/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(2) 予想信用損失の評価手法別分析
2019 年12月31日現在
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
償却原価で測定される顧客に対する
13,804,206 463,976 211,749 14,479,931
貸出金総額
(240,027) (92,880) (149,251) (482,158)
控除:損失評価引当金
償却原価で測定される顧客に対する
13,564,179 371,096 62,498 13,997,773
貸出金の帳簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で
490,545 1,424 724 492,693
測定される貸出金の帳簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定される顧客に対する貸出金に係る損 (958) (94) (570) (1,622)
失評価引当金
2018 年12月31日現在
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
償却原価で測定される顧客に対する
12,808,032 396,117 200,881 13,405,030
貸出金総額
(183,615) (93,624) (140,384) (417,623)
控除:損失評価引当金
償却原価で測定される顧客に対する
12,624,417 302,493 60,497 12,987,407
貸出金の帳簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で
308,346 22 - 308,368
測定される貸出金の帳簿価額
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定される顧客に対する貸出金に係る損 (944) (2) - (946)
失評価引当金
予想信用損失の金額を算定する際、ステージ1およびステージ2の顧客に対する貸出金、ならびにス
テージ3の個人向け貸出金については予想信用損失(ECL)モデルが使用され、ステージ3の法人向け貸出
金および割引手形には割引キャッシュ・フロー・モデルが使用されている。
前述の貸出金の分類は注記61(1)で定義されている。
182/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(3) 損失評価引当金の変動
2019 年
注
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2019 年1月1日現在
183,615 93,624 140,384 417,623
振替:
ステージ1への振替:入(出) 6,416 (6,061) (355) -
ステージ2への振替:入(出) (7,197) 8,537 (1,340) -
ステージ3への振替:入(出) (2,163) (18,815) 20,978 -
新たに組成または購入した金融資産 116,460 - - 116,460
振替:出/返済 ( ⅰ) (76,030) (12,040) (50,416) (138,486)
再測定 ( ⅱ) 18,926 27,635 81,082 127,643
償却 - - (49,078) (49,078)
- - 7,996 7,996
過年度に償却された貸出金の回収
2019 年12月31日現在 240,027 92,880 149,251 482,158
2018 年
注
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2018 年1月1日現在
149,249 65,887 128,666 343,802
振替:
ステージ1への振替:入(出) 3,153 (2,578) (575) -
ステージ2への振替:入(出) (4,241) 5,041 (800) -
ステージ3への振替:入(出) (1,476) (16,077) 17,553 -
新たに組成または購入した金融資産 88,574 - - 88,574
振替:出/返済 ( ⅰ) (60,428) (9,578) (40,718) (110,724)
再測定 ( ⅱ) 8,784 50,929 73,514 133,227
償却 - - (43,879) (43,879)
- - 6,623 6,623
過年度に償却された貸出金の回収
2018 年12月31日現在 183,615 93,624 140,384 417,623
( ⅰ) 振替:出/返済には債権者の権利の譲渡、資産の証券化、デットエクイティスワップ、ならびに差押えの結果として
の貸出金の返済が含まれる。
( ⅱ) 再測定には、デフォルト率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)またはデフォルト時エクスポージャー(EAD)における変
動の影響、モデルの仮定および手法の変更、ステージ間の振替による信用損失の変動、割引の巻き戻し、および為
替レートの変動による影響で構成される。
上記で開示されている損失評価引当金は、償却原価で測定される顧客に対する貸出金に対するものであ
る。
2019 年12月31日に終了した事業年度において、当グループの損失評価引当金に重要な影響を及ぼす、顧
客に対する貸出金の帳簿価額総額の変動は、主に次のような中国本土の与信業務によるものであった。
2019 年12月31日に終了した事業年度において、ステージ1からステージ2へ振り替えられた国内支店の
法人向け貸出金の帳簿価額総額は162,163百万人民元であった。ステージ2からステージ3へ振り替えられ
た貸出金の帳簿価額総額は53,519百万人民元であった。ステージ2からステージ1へ振り替えられた貸出
金の帳簿価額総額は27,999百万人民元であった。ステージ1からステージ3、およびステージ3からス
テージ1や2へ振り替えられた貸出金から生じる損失評価引当金の変動は重要ではなかった。2019年12月
31日に終了した事業年度において、国内支店の個人向け貸出金のステージ間の振替による損失評価引当金
の変動は重要ではなかった。
183/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
2019 年12月31日に終了した事業年度において、契約上のキャッシュ・フローの変更により損失評価引当
金がステージ3からステージ2、およびステージ3もしくはステージ2からステージ1へ振り替えられた
国内支店の貸出金のうち、認識の中止に至っていないものの帳簿価額総額は重要ではなかった。
(4) 延滞債権の延滞期間別分析
2019 年12月31日現在
3ヶ月超 1年超
3ヶ月以内 1年以内 3年以内 3年超の
の延滞 の延滞 の延滞 延滞 合計
無担保貸付金
17,134 14,363 4,829 757 37,083
保証付貸付金 8,490 24,773 17,813 5,593 56,669
建物およびその他の不動産を担保とする貸
20,387 25,982 17,080 5,507 68,956
付金
その他の担保付貸出金 2,556 4,304 3,121 194 10,175
合計 48,567 69,422 42,843 12,051 172,883
顧客に対する貸出金総額に対する割合 0.32 % 0.46 % 0.29 % 0.08 % 1.15 %
2018 年12月31日現在
3ヶ月超 1年超
3ヶ月以内 1年以内 3年以内 3年超の
の延滞 の延滞 の延滞 延滞 合計
無担保貸付金
13,719 12,734 4,547 825 31,825
保証付貸付金 13,461 27,875 21,495 3,206 66,037
建物およびその他の不動産を担保とする貸
25,407 22,671 19,243 5,188 72,509
付金
その他の担保付貸出金 2,458 1,983 685 224 5,350
合計 55,045 65,263 45,970 9,443 175,721
顧客に対する貸出金総額に対する割合 0.40 % 0.47 % 0.33 % 0.07 % 1.27 %
延滞債権は、元本または利息の全額または一部が1日以上延滞している債権を示す。
(5) 不良債権の一括売却
2019 年12月31日に終了した事業年度において、一括売却を通じて外部の資産管理会社に売却された不良
債権の合計額は、28,902百万人民元(2018年12月31日に終了した事業年度:36,136百万人民元)であった。
(6) 直接償却
当グループの償却方針に基づき、償却される不良債権についても継続して回収することが要求されてい
る。2019年12月31日に終了した事業年度において、当グループが償却したがまだ回収中の顧客に対する貸
出金の金額は29,128百万人民元(2018年12月31日に終了した事業年度:16,910百万人民元)であった。
184/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
26 金融投資
(1) 測定別分析
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
(a) 675,361 731,217
償却原価で測定される金融資産 (b) 3,740,296 3,272,514
1,797,584 1,711,178
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 (c)
合計 6,213,241 5,714,909
(a) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
性質別分析
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
トレーディング目的で保有される
-負債性証券 (i) 229,946 218,757
940 1,706
-資本性商品およびファンド ( ⅱ)
230,886 220,463
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された
金融資産
-負債性証券 ( ⅲ) 9,256 14,909
182,369 350,578
-その他の負債性商品 ( ⅳ)
191,625 365,487
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
その他
-クレジット投資 ( ⅴ) 6,161 14,257
-負債性証券 ( ⅵ) 68,921 31,740
177,768 99,270
-ファンドおよびその他 ( ⅶ)
252,850 145,267
合計 675,361 731,217
発行者別分析
トレーディング目的保有
( ⅰ) 負債性証券
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
政府
8,392 8,361
中央銀行 443 -
政策銀行 44,466 41,068
銀行および銀行以外の金融機関 59,224 52,288
117,421 117,040
企業
合計 229,946 218,757
上場(注) 229,503 218,757
-うち香港で上場 953 1,091
443 -
非上場
合計 229,946 218,757
( 注) 中国国内銀行間債券市場で売買される負債性証券は、「上場」として分類されている。
185/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
( ⅱ) 資本性商品およびファンド
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
銀行および銀行以外の金融機関
61 453
879 1,253
企業
合計 940 1,706
上場 940 1,677
-うち香港で上場 772 1,150
- 29
非上場
合計 940 1,706
純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定された金融資産
( ⅲ) 負債性証券
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
政府
470 -
企業 8,786 14,909
合計
9,256 14,909
上場 1,111 -
-うち香港で上場 355 -
8,145 14,909
非上場
合計 9,256 14,909
( ⅳ) その他の負債性商品
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
銀行および銀行以外の金融機関
122,285 257,813
60,084 92,765
企業
合計 182,369 350,578
その他の負債性商品は、主に銀行および銀行以外の金融機関への預け金、負債性証券、および元本保
証付き資産運用商品が投資した信用資産であった(注記28(2))。
信用リスクの変動に起因するこれらの金融資産の公正価値の変動額は、表示年度ならびに2019年およ
び2018年12月31日現在の累計額において、重要ではなかった。
その他
( ⅴ) クレジット投資
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
銀行および銀行以外の金融機関
1,706 14,257
4,455 -
企業
合計 6,161 14,257
6,161 14,257
非上場
合計 6,161 14,257
186/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
( ⅵ) 負債性証券
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
政策銀行
4,381 4,094
銀行および銀行以外の金融機関 64,538 27,646
2 -
企業
合計 68,921 31,740
上場(注) 68,801 31,279
120 461
非上場
合計 68,921 31,740
( 注) 中国国内銀行間債券市場で売買される負債性証券は、「上場」として分類されている。
( ⅶ) ファンドおよびその他
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
銀行および銀行以外の金融機関
83,946 62,156
93,822 37,114
企業
合計 177,768 99,270
上場 67,357 44,027
-うち香港で上場 1,957 1,143
110,411 55,243
非上場
合計 177,768 99,270
当グループがFVPLで測定される金融資産を処分することに関して、大きな制約はなかった。
187/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(b) 償却原価で測定される金融資産
発行者別分析
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
政府
3,024,534 2,623,081
中央銀行 463 447
政策銀行 361,084 372,422
銀行および銀行以外の金融機関 107,407 33,972
企業 157,683 152,404
49,200 49,200
特別国債
小計 3,700,371 3,231,526
未収利息 52,627 47,823
総残高 3,752,998 3,279,349
損失評価引当金
-ステージ1 (8,932) (5,171)
-ステージ2 (134) (509)
(3,636) (1,155)
-ステージ3
小計 (12,702) (6,835)
正味残高 3,740,296 3,272,514
上場(注) 3,553,837 3,121,678
-うち香港で上場 7,836 5,903
186,459 150,836
非上場
合計 3,740,296 3,272,514
上場債券の市場価値 3,629,398 3,124,407
( 注) 中国国内銀行間債券市場で売買される負債性証券は、「上場」として分類されている。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
性質別分析
注 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
負債性証券
(i) 1,791,553 1,707,884
(ii) 6,031 3,294
資本性商品
合計 1,797,584 1,711,178
188/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
発行者別分析
( ⅰ) 負債性証券
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
政府
1,103,764 1,015,579
中央銀行 39,844 38,483
政策銀行 346,478 351,329
銀行および銀行以外の金融機関 107,524 112,860
135,769 145,290
企業
その他の包括利益に計上された公正価値の変動累計額 33,000 19,900
小計
1,766,379 1,683,441
25,174 24,443
未収利息
合計 1,791,553 1,707,884
上場(注) 1,741,972 1,681,048
-うち香港で上場 56,100 65,938
49,581 26,836
非上場
合計 1,791,553 1,707,884
( 注) 中国国内銀行間債券市場で売買される負債性証券は、「上場」として分類されている。
( ⅱ) 資本性商品
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
公正価値 期中の配当収入 公正価値 期中の配当収入
資本性商品 6,031 36 3,294 97
2019 年および2018年12月31日に終了した事業年度において、当グループは上記のいずれの投資も売却
しておらず、累積純損益の資本間振替も行っていない。
189/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(2) 損失評価引当金の変動
(a) 償却原価で測定される金融資産
2019 年
注
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2019 年1月1日現在残高
5,171 509 1,155 6,835
振替:
ステージ1への振替:入/(出) - - - -
ステージ2への振替:入/(出) (15) 15 - -
ステージ3への振替:入/(出) (7) (407) 414 -
新たに組成または購入した金融資産 5,299 3 - 5,302
事業年度中に認識を中止した金融資産 (1,440) (20) - (1,460)
再測定 ( ⅰ) (125) 20 2,052 1,947
49 14 15 78
外国為替およびその他の変動
2019 年12月31日現在残高 8,932 134 3,636 12,702
2018 年
注
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2018 年1月1日現在残高
4,049 83 523 4,655
振替:
ステージ1への振替:入/(出) - - - -
ステージ2への振替:入/(出) (342) 342 - -
ステージ3への振替:入/(出) (345) - 345 -
新たに組成または購入した金融資産 1,166 - - 1,166
事業年度中に認識を中止した金融資産 (691) (64) (27) (782)
再測定 ( ⅰ) 359 77 252 688
975 71 62 1,108
外国為替およびその他の変動
2018 年12月31日現在残高 5,171 509 1,155 6,835
190/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
2019 年
注
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2019 年1月1日現在残高
2,090 - - 2,090
振替:
ステージ1への振替:入/(出) - - - -
ステージ2への振替:入/(出) - - - -
ステージ3への振替:入/(出) - - - -
新たに組成または購入した金融資産 2,117 - - 2,117
事業年度中に認識を中止した金融資産 (562) - - (562)
再測定 ( ⅰ) (58) - - (58)
(7) - - (7)
外国為替およびその他の変動
2019 年12月31日現在残高 3,580 - - 3,580
2018 年
注
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
2018 年1月1日現在残高
2,139 - - 2,139
振替:
ステージ1への振替:入/(出) - - - -
ステージ2への振替:入/(出) - - - -
ステージ3への振替:入/(出) - - - -
新たに組成または購入した金融資産 501 - - 501
事業年度中に認識を中止した金融資産 (182) - - (182)
再測定 ( ⅰ) (303) - - (303)
(65) - - (65)
外国為替およびその他の変動
2018 年12月31日現在残高 2,090 - - 2,090
( ⅰ) 再測定には、主にデフォルト率、デフォルト時損失率およびデフォルト時エクスポージャーにおける変動の影
響、ステージ間の振替による信用損失の変動の影響で構成されている。
2019 年12月31日現在、当グループの償却原価で測定される金融投資のうち、帳簿価額7,774百万人民元が減損し
ておりステージ3に分類され、帳簿価額1,271百万人民元(の償却原価で測定される金融投資)がステージ2に
分類された。その他の包括利益を通じて公正価値で測定されるすべての金融投資および償却原価で測定される
金融投資の残りはステージ1に分類された。
2019 年12月31日に終了した事業年度において、新たに組成又は購入した金融資産による当グループのステージ
1金融投資の増加は1,402,711百万人民元となり、認識の中止によるステージ1金融投資の減少は860,406百万
人民元となった。また、ステージ2およびステージ3に分類される金融投資の残高に重大な変動はなかった。
ステージ間で振り替えられた金融投資の金額および契約上のキャッシュ・フローが変更されたものの認識の中
止には至らない金融投資の金額は、ともに重要ではなかった。
191/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
27 長期資本性投資
(1) 子会社投資
(a) 投資原価
注 2019 年12月31日 2018 年12月31日
現在 現在
CCB 理財有限責任公司(以下、「CCB理財」という。)
( ⅰ) 15,000 -
建信金融資産投資有限公司(以下、「CCBインベストメント」という。) 12,000 12,000
CCB ブラジル・ファイナンシャル・ホールディング - Investimentos e
9,542 9,542
Participações Ltda
建信金融祖賃股份有限公司(以下、「CCBファイナンシャル・リーシン
8,163 8,163
グ」という。)
CCB 信託有限責任公司(以下、「CCB信託」という。) ( ⅱ) 7,429 3,409
建信人壽保険有限公司(以下、「CCB生命」という。) 3,902 3,902
中国建設銀行(倫敦)有限公司(以下、「CCBロンドン」という。) 2,861 2,861
建信養老金管理有限責任公司(以下、「CCB年金」という。) 1,955 1,955
中国建設銀行(欧州)有限公司(以下、「CCBヨーロッパ」という。) 1,629 1,629
中徳住房儲蓄銀行有限責任公司(以下、「中徳住宅貯蓄銀行」という。) 1,502 1,502
中國建設銀行(印度尼西亞)股份有限公司(以下、「CCBインドネシア」と
1,340 1,340
いう。)
中國建設銀行(馬來西亞)有限公司(以下、「CCBマレーシア」という。) 1,334 1,334
中国建設銀行(紐西蘭)有限公司(以下、「CCBニュージーランド」とい
976 976
う。)
中国建設銀行(俄羅斯)有限責任公司(以下、「CCBロシア」という。) 851 851
金泉融資有限公司(以下、「ゴールデン・ファウンテン」という。) 676 676
建信基金管理有限責任公司(以下、「CCBプリンシパル」という。) 130 130
- -
建銀國際集團控股有限公司(以下、「CCBIG」という。)
合計 69,290 50,270
(i) 2019 年5月に、当行は完全所有子会社であるCCB理財を設立した。2019年12月31日現在、当行はCCB理財の総資本の
100%を保有している。
(ii) 2019 年12月に、当行は段階的にCCB信託の登録資本を増資するため、株式保有比率に基づき、CCB信託の資本に4.02
十億人民元増資した。現在、手続きの一部が進行中である。
192/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(b) CCB インドネシアを除き、当グループの主な子会社は非上場企業である。子会社に対する投資の詳細
は以下のとおりである。
当行の 当行の 当行の
主たる
発行済および払込済
会社名 法人形態 主要業務 直接 間接 議決権 投資方法
資本の詳細
事務所
所有割合 所有割合 所有割合
CCB 理財 深圳市、 15,000 百万人民元 有限責任会社 資産管理 100 % - 100 % 設立
中国
CCB インベストメント 北京市、 12,000 百万人民元 有限責任会社 投資 100 % - 100 % 設立
中国
サンパウロ、 4,281 百万レアル 有限責任会社 投資 99.99 % 0.01 % 100 % 取得
CCB ブラジル・
ブラジル
ファイナンシャル・
ホールディング -
Investimentose
Participações
Ltda.
CCB ファイナンシャ 北京市、 8,000 百万人民元 有限責任会社 ファイナンス・ 100 % - 100 % 設立
ル・リーシング 中国 リース
CCB 生命 上海市、 4,496 百万人民元 株式有限責任 保険業 51 % - 51 % 取得
中国
会社
CCB 信託 安徽省、 2,467 百万人民元 有限責任会社 信託業務 67 % - 67 % 取得
中国
CCB ロンドン ロンドン、 200 百万米ドル 有限責任会社 商業銀行業務 100 % - 100 % 設立
英国 1,500 百万人民元
CCB 年金 北京市、 2,300 百万人民元 有限責任会社 養老金管理 85 % - 85 % 設立
中国
CCB ヨーロッパ ルクセンブルグ 200 百万ユーロ 有限責任会社 商業銀行業務 100 % - 100 % 設立
中徳住宅貯蓄銀行 天津市、 2,000 百万人民元 有限責任会社 家庭向貯蓄 75.10 % - 75.10 % 設立
中国
CCB インドネシア ジャカルタ、 1,663,146 百万 有限責任 商業銀行業務 60 % - 60 % 取得
インドネシア
インドネシア・ 株式会社
ルピア
CCB マレーシア クアラルンプー 823 百万 有限責任会社 商業銀行業務 100 % - 100 % 設立
ル、
マレーシア・
マレーシア
リンギット
CCB ニュージーランド オークランド、 199 百万 有限責任会社 商業銀行業務 100 % - 100 % 設立
ニュージーラン
ニュージーラン
ド
ドドル
CCB ロシア モスクワ、 4,200 百万 有限責任会社 商業銀行業務 100 % - 100 % 設立
ロシア
ルーブル
ゴールデン・ 英領ヴァージン 50,000 米ドル 有限責任会社 投資 100 % - 100 % 取得
諸島
ファウンテン
CCB プリンシパル基金 北京市、 200 百万人民元 有限責任会社 ファンドマネジ 65 % - 65 % 設立
管理 中国 メント業務
CCBIG 香港、 1香港ドル 有限責任会社 投資 100 % - 100 % 設立
中国
建銀國際(控股)有限公 香港、 601 百万米ドル 有限責任会社 投資 - 100 % 100 % 取得
司(以下、「CCBイ 中国
ンターナショナ
ル」という。)
中国建設銀行(亜洲)股 香港、 6,511 百万香港ドル 有限責任 商業銀行業務 - 100 % 100 % 取得
份有限公司(以下、 中国 17,600 百万人民元
株式会社
「CCBアジア」とい
う。)
中国建設銀行(巴西)股 サンパウロ、 2,957 百万レアル 有限責任 商業銀行業務 - 100 % 100 % 取得
份有限公司(以下、 ブラジル
株式会社
「CCBブラジル」と
いう。)
193/430
EDINET提出書類
中国建設銀行股イ分有限公司(E05972)
有価証券報告書
(c) 2019 年12月31日現在、子会社の非支配持分の金額は当グループに対して僅少である。
(2) 関連会社および共同支配企業に対する持分
(a) 関連会社および共同支配企業に対する当グループの持分の変動は以下のとおりである。
2019 年 2018 年
1月1日現在
8,002 7,067
期中の取得 4,978 1,352
期中の処分 (1,812) (252)
利益に対する持分 249 140
未収現金配当 (149) (202)
85 (103)
為替差額の影響およびその他
12 月31日現在 11,353 8,002
(b) 主な関連会社および共同支配企業に対する持分の詳細は以下のとおりである。
主たる 発行済および 当期
議決権 期末時の 期末時の 当期
会社名 主要業務 所有割合
所有割合 総資産 総負債 収益
事務所 払込済資本の詳細 純利益
国新建信股主張投資 成都市、 4,114 百万人民元 株式投資 50.00 % 50.00 % 4,102 - 47 (13)
基金(成都)有限公 中国
司
建信金投基金管理(天 天津市、 3,500 百万人民元 株式投資 48.57 % 40.00 % 3,563 - 63 63
津)有限公司 中国
華力達有限公司 香港、 10,000 香港ドル 不動産投資 50.00 % 50.00 % 1,740 1,615 247 101
中国
廣東國有企業 珠海、 720 百万人民元 投資運用および 49.67 % 33.00 % 731 - 20 14
中国 コ ン サ ル
重組發展基金
ティング
(有限合夥)