エスエイピー・エスイー 有価証券報告書 第32期(平成31年1月1日－令和1年12月31日)
| 提出書類 | 有価証券報告書-第32期(平成31年1月1日－令和1年12月31日) |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | エスエイピー・エスイー |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年6月 26 日
【事業年度】 自 2019年1月1日 至 2019年12月31日
【会社名】 エスエイピー・エスイー
(SAP SE)
【代表者の役職氏名】 ルカ・ムシッチ
最高財務責任者
(Luka Mucic, Chief Financial Officer)
ミヒャエル・プレートナー博士
コーポレート・カウンセル
(Dr. Michael Ploetner, Corporate Counsel)
【本店の所在の場所】 ドイツ連邦共和国 69190 ヴァルドルフ ディートマ・ホップ・アレー 16
(Dietmar-Hopp-Allee 16, 69190 Walldorf, Federal Republic of Germany)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 花水 康
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 原田 亮
弁護士 崎岡 優希
弁護士 山上 大貴
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注) 1. 本書において、別途記載がない限り、「SAP」、「当社」または「当グループ」とは、SAP SEおよび
その子会社を意味する。
2. 本書において、「ユーロ」および「€」とは、 別途記載がない限り、 欧州連合の法定通貨を意味す
る。文書中一部の財務データについては、便宜のためユーロから日本円（「円」）への換算がなされ
ている。この場合の換算は、別途記載がない限り、1ユーロ＝119.13円（株式会社三菱UFJ銀行が2020
年5月29日に提示した対顧客電信売買相場の仲値）により計算されている。
3. 文書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計欄に記載されている数値は計数の総和と必ずしも
一致しない場合がある。
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第一部【企業情報】
第１【本国における法制等の概要】
１【会社制度等の概要】
（１）【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社は、ドイツに登記上の住所を有する欧州会社（ Societas Europaea 、以下「SE」という。）であるため、ド
イツ法および欧州法、とりわけ欧州会社法に関する理事会規則（EC）No. 2157/2001（以下「SE規則」とい
う。）、欧州会社法に関する2001年10月8日付理事会規則No. 2157/2001の施行に関するドイツ法（以下「SE-AG」
という。）、ドイツ株式会社法（ Aktiengesetz 、以下「AktG」という。）、ドイツ証券取引法
（ Wertpapierhandelsgesetz 、以下「WpHG」という。）およびドイツ証券買収法（ Wertpapieruebernahmegesetz 、
以下「WpÜG」という。）の適用を受けるが、一部の規定は上場している会社のみに適用される。SEは独自の法人格
を有する。SEの会社財産のみが、会社債権者に対する債務の引当財産となる。SEの最低株式資本は120,000ユーロ
であり、株式に割り当てられる。当該株式は、（一般に）公証人の認証がなくとも譲渡可能であるが、譲渡の要件
は、株式の種類（特に、無記名式株式と記名式株式、預託株式と非預託株式）および通常定款によって追加される
可能性のある要件に応じて定まる。
以下の記述はドイツに登記上の住所を有する欧州会社の特徴について、さらに具体的に説明したものである。
設立および登記手続
SE の設立は、SE規則の規定およびSEがその登記上の事務所を設立するEU加盟国における株式会社に適用される法
律の規定の適用を受ける。そのため、ドイツに登記上の事務所を有するSEの設立は、通常、ドイツ株式会社法に基
づくドイツ株式会社の設立に適用される法律の適用を受ける。
ドイツを拠点とするSEは1名以上の株主によって設立される。SEの設立手続には、通常定款の公証人による認証
および設立時株主による当初株式の引受けが必要である。また、SEのコーポレート・ガバナンス体制については、
一層または二層の体制から選択することができる。二層体制においては二つの管理組織が存在し、一方は業務を運
営し、他方は運営を監督するのに対し、一層体制においては一つの管理組織のみが存在し、これは、会社を運営
し、その活動の基本方針を決定し、またそれらの実施を監督する。SAP SEは二層構造を有する。
SE が一層または二層のいずれの構造を有するかによって、設立時株主は、会社の当初監査役会または理事会およ
び当初監査役を任命する。当該任命は、公証人の認証を必要とする。二層構造における当初監査役会は、当初取締
役会を任命する。設立時株主は、SEの設立に関する一切の詳細な記載を含む設立報告書を書面により作成しなけれ
ばならない。取締役会および監査役会または理事会は設立手続を精査し、特定の状況においては（例えば、取締役
会または監査役会もしくは理事会の構成員が株式を引受ける場合、または株式が現物出資を対価として発行された
場合）、設立報告書は独立監査役の監査を必要とする。SEの設立は、管轄権のあるドイツの商業登記簿に登記され
なければならない。公証人の立会いの下、すべての設立時株主ならびに取締役会および監査役会または理事会の当
初の構成員が、場合に応じて登記申請に署名する必要がある。SEは登記によって独立した法人格を得る。登記まで
の間にSEのためにSEを代表する人物は、あらゆる債務の発生について、個人責任を負う。SEは、証券取引所に上場
することができる。
法的形態をSEに変更する転換を、設立時ドイツ事業体（例えば、SAP AGからSAP SEへの転換の場合のようなドイ
ツ株式会社）が行う場合、ドイツ株式会社法の設立規定（定款の採用、設立費用、設立報告、設立監査、会社の登
記申請、裁判所による審査、商業登記簿への登記等）は、SE規則の規定によって修正され、SE規則の規定が優先す
る。
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株主有限責任の原則
商業登記簿への登記によって、SEは、その債務について、株式資本を含むその資産のみによって責任を負うこと
となり、一方、株主の責任はその出資額に限定される。
定款の内容
ドイツを拠点とするSEの定款の必要的記載事項は、SE規則およびSEに適用されるドイツ株式会社法
（ Aktiengesetz 、AktG）に規定されており、制限なく、以下を含む。
・ 会社の名称および登記上の所在地
・ 会社の目的
・ 会社の株式資本の総額およびその構成
・ 株式の種類（無記名式株式または記名式株式）
・ 一層または二層の組織体制の選択
・ 取締役会の構成員の人数または当該人数を決定するための規則
定款はその他の事項についても規定することができるが、SE規則およびAktGの規定と異なる定めをすることは明
示的に許されている場合にのみ可能である。
最低株式資本、株式の種類
SE の最低株式資本は、120,000ユーロである。株式は、少なくとも1株当たり1.00ユーロもしくはその倍数額の額
面株式（ Nennbetragsaktien ）、または無額面株式（ Stueckaktien ）によって発行することができる。株主は、1株
以上の株式を保有することができる。ドイツに登記上の住所を有するSEに適用されるドイツ法および欧州法は、さ
らに無記名式株式（すなわち、氏名が記載された保有者ではなく持参人に対して発行され、SEが株式名簿に登録し
ていない株式―無記名式株式が圧倒的多数である。）および記名株式（すなわち、氏名が記載された保有者に対し
て発行され、保有者の氏名がSEの株式名簿に登録されている株式―記名式株式はまれである。）を区別している。
定款には、発行される株式の種類が明記されなければならない。無記名式株式は、払込みが完了しない限り発行す
ることができない。無記名式株式の譲渡性を制限することはできないが、記名式株式については、定款で、SEの承
諾がある場合にのみ譲渡され得る旨規定することができる。さらに、株式は、普通株式または優先株式として発行
することができる。後者は、議決権を付して、または議決権なしで発行することができる。複数の議決権を有する
株式は認められない。
資本の拠出および維持
株式資本への出資は、現金または定款もしくは株主総会の決議により認められる場合には現物出資によって行う
ことができる。
株式が金銭出資により発行される場合は、少なくとも各株式の額面価額の25％（もしあればプレミアムの全額を
加算したもの）が、SEまたは増資の実施を商業登記簿に登記するための届出前に支払われなければならない。未払
額の支払要求は、取締役会または理事会が場合に応じて行う。
SE に適用される法律は、とりわけ、株式資本が支払われ、維持されることを確実なものとすべく構成されてい
る。出資は、特にそれによってSEの純資産が登記済株式資本を下回るか否かにかかわらず、株主に対して払い戻す
ことはできない。
株式の譲渡
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SE の株式は比較的容易に譲渡できる。SEの株式の譲渡は、公証人によって認証された譲渡証書の締結を必要とし
ない。定款において、記名式株式の譲渡に関する制限を課すことができる（無記名式株式の譲渡については制限で
きない。）。
通知の要件
非上場のSEの登記済株式資本の25％を超える株式を直接または間接に保有した場合、当該株主は、SEに対し書面
で当該保有について通知しなければならない。株式保有が登記済株式資本または議決権の50％を超えた場合にも、
同様の通知を再び行う必要がある。適切な通知を行わない場合、当該株式に付される株主の権利は停止される。株
式保有が当該閾値を下回った場合、同様の通知を行う必要がある。上場SEの場合には、関連株主は、一切の直接的
または間接的な株式保有で、SEにおける議決権総数の3％、5％、10％、15％、20％、25％、30％、50％、もしくは
75％を超えた場合（または下回った場合）、SEおよびドイツ連邦金融監督庁（ Bundesanstalt fuer
Finanzdienstleistungsaufsicht 、以下「BaFin」という。）に通知しなければならない。
二層の組織構造を有するSEの取締役会
取締役会は、SEの経営について単独で責任を負う。株主総会も監査役会も、取締役会に対しSEの経営に関する拘
束力を有する指示を与えることはできない。3百万ユーロを超える資本を有するSEは、定款が別途規定する場合を
除き、少なくとも2名からなる取締役会を設置しなければならない。個人のみが取締役会の構成員に任命されるこ
とができる。取締役会の構成員のうち1名は、雇用および社会問題について責任を有する者として指定されなけれ
ばならない。
取締役会の構成員は、監査役会によって任命される。取締役会の役員は最長6年間の任期で任命される（ただ
し、任期は追加で6年を上限として延長することができる。）。当該任命後は、監査役会の決議により、正当な理
由によってのみ取消すことができる。
取締役会の構成員が法的にSEを代表する方法（個別、共同等）については、定款に明記しなければならない。取
締役会の能力は、SEの運営に関する特定の行為について、監査役会の合意を要する旨規定することにより、定款
で、および選択によっては監査役会で、内部的に制限されなければならない。ただし、当該制限は、第三者に対す
る取締役会の行為の有効性に影響しない。
取締役会の構成員は、会社の運営において、良識ある善良な管理者の注意を払わなければならず、また、自身の
行為について異議を述べられた場合には、かかる義務を尽くしたことの立証責任を負わなければならない。株主総
会の法的決議に従って行為したものでない限り、かかる義務に違反した取締役会の構成員は、連帯して、会社が
被った一切の損害について責任を負う可能性がある。
二層の組織構造を有するSEの監査役会
二層体制のSEは、取締役会の監督および取締役会への助言を行う監査役会を有する。SEの監査組織の構成員数ま
たは当該人数を決定するための規則は、定款で定められる。SEは、10,000,000ユーロを超える資本金を有する場
合、監査役会の規模は21名までに制限される。また、監査役会の従業員代表に対し、欧州会社における従業員の関
与に関するドイツ法（ Gesetz über die Beteiligung der Arbeitnehmer in einer Europäischen Gesellschaft
SE-Beteiligungsgesetz ）によって求められる場合、構成員数は、3で割り切れる数でなければならない。
ドイツを拠点とするSEは、従業員の共同決定に関するドイツの法規制の適用を受けない。当該法規制では、とり
わけ、2,000名を超える従業員を有するドイツ法に基づく株式会社（以下「AG」という。）において、監査役会の
構成員数は、従業員の平等な参加の原則を遵守しなければならず、すなわち構成員の2分の1は株主により指名さ
れ、残りの半数はAGおよびその（ドイツの）子会社の従業員により指名されなければならない旨を定めている。た
だし、（SAP AGからSAP SEへの転換の場合のように、）法的形態をAGからSEに変更する転換の形でSEが設立される
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場合、SEにおける従業員参加は、転換前にAGにおいて存在した当該参加に関するすべての要素について、少なくと
も同等の方法が保証されなければならない。これは、従業員の平等な参加の原則が転換前のAGの監査役会に適用さ
れ た場合、当該原則は転換後のSEの監査役会にも適用されることを意味する。この場合、SEの監査役会の50％は、
SEおよびその欧州子会社の従業員代表により構成されなければならない。
SE-AG 第17条(2)に従い、株式が証券取引所に上場され、かつ監査役会において従業員が平等に代表となるSEの監
査役会は、男女各30％以上で構成されなければならない。かかる最低比率は、監査役会で新たに指名を行う際は常
に遵守されなければならない。
監査役会は、構成員の過半数の投票によって構成員の中から議長および1名または複数の副議長を選任する。法
律に別段の規定がない限り、監査役会は単純多数決によって運営される。賛否同数の場合は、議長が決定票を有す
る。
監査役会の構成員は、定款でより短い任期が定められる場合を除き、最長約6年間の任期で任命される。任期
は、監査役会が選任された年から5事業年度後の、監査役会および取締役会の行為を正式に承認する株主総会の終
了時に満了する。定款に別段の定めがない限り、再選も可能である。
株主総会で選出されたすべての監査役会構成員は、投票総数の4分の3をもって可決した株主決議により解任する
ことができる。法令に基づき、ドイツの従業員により選出されたすべての監査役会構成員は、SEおよびその（ドイ
ツの）子会社の従業員による投票総数の4分の3をもって解任することができ、ドイツ以外の従業員代表の解任につ
いては、当該従業員代表の出身国における規則の適用を受ける。
監査役会の主な役割は以下のとおりである。
・ 取締役会の構成員の任命と解任
・ 取締役会の行為の法的側面および業務上の側面の精査を含む、取締役会の監督
・ 取締役会構成員との取引においてSEを代表すること
・ 株主決議の有効性に関連する訴訟において（取締役会とともに）SEを代表すること
・ 定款または監査役会によって要求される場合、取締役会の特定の主要な業務上の決定を承諾すること
・ 法定監査役を雇用し、年次財務書類の精査および承諾を行うこと
監査役会の構成員は、取締役会の構成員と同様の注意を払わなければならず、かかる義務に違反した場合は、会
社が被った一切の損害について責任を負う可能性がある。とりわけ、監査役会の構成員は、会社およびその業務に
関する一切の機密情報を開示してはならない。かかる守秘義務は、任期終了後も継続する。
株主
SE の株主は、総会で株主決議を採択することで権能を行使する。一般的に、SEは経常的業務を行うために毎会計
年度末から数えて6ヶ月以内に総会を開催する。当該年次総会において、前会計年度の年次財務書類が株主に提出
され、株主は、とりわけ配当の支払を含む剰余金処分、ならびに、場合によっては、前会計年度における取締役会
および監査役会または理事会の構成員の行為の免責に関連した決議を採択する。
二層構造を有するSEにおける取締役会は、総会を招集する権利（特定の場合には義務）を有する。加えて、法令
または定款により、他の人物に総会招集権限を付与することができる。強行法規または定款において特別多数によ
ると定められている場合を除き、株主総会の決議は単純多数（投票総数の過半数）によって行うものとされてい
る。例えば、定款の一切の変更、株式資本の増加または減少、他社との間の支配的な契約（すなわち、会社が他社
の支配下に入る契約または会社の利益の譲渡を合意する契約）、全資産の譲渡および法的形態の変更に関する決議
は、投票総数の75％の多数票が必要である。
年次総会において、株主は、とりわけ、取締役会が作成し監査役会が承認した年次財務書類に記載された前事業
年度の利益処分について決定する。SEの株主は、決定を行う際に会社に対して忠実義務を負う。SEの株主は、同等
の状況においては平等に取り扱われなければならない。
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会計上の義務および開示規定
SE は、年次財務書類の様式および内容の詳細な要件を定めるドイツ商法の規定に従って会計帳簿を保存し、年次
財務書類を作成しなければならない。さらに、中規模企業および大企業は、その年次財務書類について監査を受け
なければならない。（監査済の）年次財務書類は、各会計年度の12ヶ月以内に連邦官報（ Bundesanzeiger ）に提出
され、公表されなければならない。
（２）【提出会社の定款等に規定する制度】
コーポレート・ガバナンス
二層取締役会制度を有する欧州会社であるSAP SEは、監査役会、取締役会および年次株主総会の3つの独立した
機関によって運営されている。その規則は、欧州法およびドイツ法、従業員によるSAP SEへの関与に関する合意
（以下「従業員関与合意」という。）、ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード、ならびに当社の定款
（ Satzung ）によって規定され、以下に要約される。
監査役会
監査役会は、取締役会の構成員を選任および解任し、会社の経営の監督および経営についての助言を行う。現在
の事業、事業展開および事業計画について協議するために、監査役会は定期的に会合を行う。当社取締役会は、取
締役会が策定した企業戦略に関して監査役会と協議を行うものとする。取締役会が監査役会の承認を得なければな
らない取引の種類は、定款に記載されている。また、監査役会は、その同意を要する取引の具体的な種類を指定す
る。それに応じて、監査役会は、取締役会が提出する当社の年度予算、および、事後的に発生した、承認された年
度予算に合致しない特定の事項についても承認しなければならない。監査役会はまた、SAP SEおよび取締役会の構
成員の間の取引においてSAP SEを代表する責任を負う。
監査役会は、年次株主総会において、監査委員会の推薦に基づき、独立外部監査役の選任議案を提出する。 監査
役会は、連結非財務報告書に加え、SAP SEの財務書類、連結財務諸表および連結経営報告書を監査する責任を負
う。 監査役会はまた、監査役の独立性 および監査の質 、監査委員会に委託した業務を監督する責任を負う。
SE 規則第40条(3)第一文に基づき、監査役会の構成員数および当該構成員数を決定するための規則を定款に定め
ることとなっている。また、SE-AG第17条(1)に基づき、株式資本が10,000,000ユーロを超えるSAP SEのような会社
の監査役会の規模は、21名までに制限される。これらの規定およびEIAに鑑み、SAP SEの定款では、監査役会を18
名で構成する旨定めている。また、EIAには、SAP SEの株主は、将来的に監査役会の規模を12名に縮小することが
可能である旨定められている。
SAP SE の現監査役会は18名で構成されている。このうち9名は年次株主総会において株主代表として選出され、
残る9名はSAP SE労使協議会ヨーロッパによってEIA（詳細は以下を参照のこと。）に基づき従業員代表に指名され
た。SE-AG第17条(2)に従い、SAP SEの監査役会は男女各30％以上でなければならない。この監査役会の比率は、監
査役会で新たに指名を行う際は常に遵守されなければならない。 2019 年度において、年初から 2019 年5月 15 日まで
は ▶ 名の女性が監査役会の株主代表、2名の女性が従業員代表であり、 2019 年5月 15 日から 2019 年12月31日までは ▶ 名
の女性が株主代表、 5 名の女性が従業員代表であった。したがって、 2019 年を通して監査役会の女性の割合は最低
比率である30％に達し、この比率を上回った。
SAP SEの監査役会の従業員代表を指名する手続は、EIAに準拠する。EIAに従って、監査役会において従業員代表
のために確保されていた9議席は次のとおりに割り当てられた。すなわち、最初の6議席はドイツ、7議席目は 英
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国 、8議席目もドイツ、そして9議席目は、SAP SE労使協議会ヨーロッパが決定する、最初の8議席を占めた国以外
の欧州国に割り当てられた。ドイツに割り当てられた最初の6議席の従業員代表は、主たる勤務地をドイツとする
当 社の全従業員により直接投票で決定された。EIAに従い、 英国 に割り当てられた7議席目の従業員代表は通常、監
査役会における従業員代表の選出または指名に関する 英国 法の適用規則に従って決定される。8議席目および9議席
目については、SE労使協議会により、ドイツおよび ブルガリア 出身のSAP SE労使協議会ヨーロッパ構成員が従業員
代表として指名された。
年次株主総会で株主によって選任された監査役会のすべての構成員は、年次株主総会における投票総数の4分の3
によって解任することができる。EIAに基づき指名された監査役会のすべての構成員は、SE労使協議会による指名
のために当該従業員代表を推薦した団体の申し出に基づきSAP SE労使協議会ヨーロッパによって、または従業員代
表が直接選任された場合は議決権を有する従業員の過半数によって、解任することができる。
監査役会は、投票総数の過半数によって構成員の中から議長および1～2名の副議長を選任する。監査役会議長と
して選出できるのは、株主代表のみである。監査役会議長を選任する場合、監査役会における株主代表としての年
数が最長である構成員は、その会議の議長を務め、賛否同数の場合に決定投票を行う。
法律または定款に別段の規定がない限り、監査役会の決議は投票総数の単純多数によって可決される。賛否同数
の場合は、議長の投票によって、議長が決議に参加しない場合は副議長（ただし、株主代表であることを条件とす
る。）の投票によって、決定される（決定投票）。
監査役会の構成員は、場合により、6年を超える期間にわたって選任または指名されることはできない。SAP SE
初の監査役会における従業員代表を除き、監査役会の構成員の任期は、監査役会の構成員の任期が開始された年度
の4事業年度後の、監査役会の行為を正式に承認する年次株主総会の終了時点で満了となる。再任は可能である。
当社の監査役会は、通常年に4回会議を行う。監査役会の構成員の報酬は、定款により定められる。
ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（GCGC）に定められるように、当社の監査役会の十分な数の構成員
が独立性を有する。監査役会の構成員として任命されるため、また在任中において、構成員は、独立性、利益相
反、ならびに経営、監督、および他の統治機関上の地位の重複に関する特定の基準を遵守しなければならない。構
成員は、その業務において当社に対し忠実でなければならず、当社と競合する会社のいかなる地位をも引受けては
ならない。構成員は、インサイダー取引の禁止のほか、市場濫用に関する2014年4月16日付欧州議会および理事会
規則（EU）No. 596/2014ならびにドイツ証券取引法における取締役の取引に関する各規則の適用を受ける。監査役
会の構成員は、当該構成員およびSAP SE間の特定の契約上の合意に関連する事項について投票することはできな
い。さらに、監査役会の構成員の報酬が定款に規定されるため、監査役会の構成員は、自らの報酬について投票す
ることができないが、例外として、定款変更についての株主総会決議においては議決権を行使することができる。
監査役会は、その構成員の中から委員会の委員を任命し、法律で認められた範囲において、かかる委員会に監査
役会の代わりに決定する権限を委譲することができる。現在、監査役会には以下の委員会がある。
監査委員会
監査委員会（ Prüfungsausschuss ）の業務の中心は、当社の対外的な財務報告の監督、当社のリスク管理、内部
統制（財務報告プロセスの効果についての内部統制を含む。）、企業監査、サイバーセキュリティに関する事項お
よび法令遵守に関する事項である。ドイツの法律に従い、監査委員会は、会計報告または会計監査の分野の専門家
を1名以上含んでいる。監査委員会の業務の中には、 2019 年度年次報告書Form 20-Fを含む、ドイツおよび米国の規
制に基づき作成された当社の四半期および年度末の財務報告の議論が含まれる。監査委員会は外部の独立監査役の
任命を監査役会に勧告し、監査の焦点となる分野を決定し、重要な会計方針を議論し、発行された監査報告書およ
び監査役によって認識された監査上の問題に基づく予測および精査を行う。また、監査委員会は監査報酬について
の交渉を監査役との間で行い、監査役の独立性および資質の監督を行う。当社の企業監査オフィス、当社の 倫理・
コンプライアンス・オフィス（旧 法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィス ） 、当社のグローバル・セ
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キュリティ・オフィスおよび当社のリスク管理オフィスは、要請があった場合または特定の事項の発生があった場
合や定期的に監査委員会に対して報告を行うが、いずれにしても少なくとも(ⅰ)四半期に1回（ 倫理・コンプライ
ア ンス・オフィス およびリスク管理オフィス）、(ⅱ)年に2回（企業監査）および(ⅲ)年に1回（グローバル・セ
キュリティ・オフィス）、報告を行う。 倫理・コンプライアンス・オフィス は、CFOおよび監査委員会に対する定
期的な報告に加え、取締役会に対して毎年報告を行う。
監査委員会は、当社の外部の独立監査役によって提供されるすべての監査業務および非監査業務についての、事
前承認に関する手続を定めた。
監査委員会は、年次財務書類の採択、年次連結財務書類および統合報告書の承認ならびに配当案に関して、監査
役会が行うすべての審議および決議のための準備作業も行う。また、監査委員会と金融投資委員会は共同で、監査
役会によるグループ年間計画承認決議をすべて作成する。
監査役会は、監査委員会会長の グンナー・ウィーデンフェルズ博士 をサーベンス・オクスリー法407条に基づき
定められたSECの規則に定義される監査委員会の財務専門家、およびドイツ株式会社法に定義される独立財務専門
家とすることを決定した。
総務報酬委員会
総務報酬委員会（ Präsidial- und Personalausschuss ）は、監査役会の業務について調整および会議の準備を行
い、またコーポレート・ガバナンスに関する事項を扱う。また、本委員会は、とりわけ取締役会の構成員の報酬な
らびに取締役会の構成員の役員委任契約における決定、修正および終了に関する監査役会による人事決定につい
て、必要な準備業務を行う。
ドイツ株式会社法は、報酬委員会が監査役会に代わって取締役の報酬を決定することを禁止しており、監査役会
全体で取締役報酬を決定することを義務付けている。同法は、株主総会に対し、取締役の報酬システムについての
議決権を付与している。ただし、かかる投票は、監査役会に対する法的拘束力を有しない。
金融投資委員会
金融投資委員会（ Finanz- und Investitionsausschuss ）は、一般的な財務の問題を扱う。さらに、本委員会は
定期的に知的財産および会社の買収、ベンチャー・キャピタルに対する投資および他の投資について取締役会と協
議し、監査役会に当該投資について報告する。本委員会は、個別の投資金額が一定の上限額を上回る場合は当該投
資の承認について、また、監査役会によるグループ年間計画承認決議をすべて（監査委員会と共同で）作成するこ
とについて責任を負う。
技術戦略委員会
技術戦略委員会（ Technologie- und Strategieausschuss ）は、技術の取引を監視し、監査役会に詳細な技術的
な助言を提供する。
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指名委員会
指名委員会（ Nominierungsausschuss ）は、株主の代表のみから構成され、年次株主総会に推薦する監査役会の
構成員に相応しい候補の認定に責任を負う。
特別委員会
特別委員会（ Sonderausschuss ）は、大規模訴訟等の重大かつ例外的なリスクから生じる問題を審議する。 特別
委員会は、2019年5月15日まで設置されていたが、今後は存続しない。
人事組織委員会
人事組織委員会（ Ausschuss für Mitarbeiter- und Organisationsangelegenheiten ）は、取締役会より下位の
経営陣レベルの主要人事および大規模組織改変につき審議し、取締役会および監査役会に対し助言を行う。人事組
織委員会は、当社における女性の機会均等についても助言を行う。
監査役会およびその委員会の任務および手続は、SE規則およびドイツ株式会社法を含む欧州法およびドイツ法の
規定、定款、およびGCGCの勧告を反映した各手続規則（これがある場合）に明記されている。
サーベンス・オクスリー法の規定に従って、当社は取締役会または監査役会の構成員に対して融資を提供しな
い。
取締役会
取締役会は、当社の業務を運営し、その戦略の作成に責任を負い、第三者との取引において当社を代表する。取
締役会は、当社の運営および業務戦略について定期的に監査役会に報告し、要請により、特別報告書を作成する。
取締役会と監査役会に同時に属することはできない。
取締役会および監査役会は、当社の利益のために緊密に協力する。取締役会はSAPグループの事業の発展および
潜在的な業務上のリスクに影響を及ぼす一切の重要な事項について定期的に、迅速かつ包括的な情報を監査役会に
提供する必要がある。さらに、取締役会と監査役会の議長とは定期的にかつ相互に連絡を取り合わなければならな
い。取締役会は、当社の業務において重要な例外的事項について監査役会の議長に迅速に報告しなければならな
い。監査役会の議長は、それに応じて監査役会に報告を行い、必要に応じて臨時監査役会を招集する。
定款に従って、取締役会は少なくとも2名の構成員から構成されなければならない。 2019 年度年次報告書Form
20-Fの日付現在、SAP SEの取締役会は、 8 名の構成員から構成されている。取締役会のいずれかの2名の構成員が共
同で、または取締役会の1名の構成員および特別代理権者（Prokurist）が共同で、SAP SEを法的に代表することが
できる。監査役会は、取締役会の各構成員を最長5年間の任期で任命する（再任は可能である。）。特定の状況に
おいては、取締役会の構成員はその任期が満了する前に監査役会によって解任されることがある。取締役会の構成
員は、当該構成員とSAP SEの間の特定の契約上の合意に関する事項について投票することができず、当社および第
三者の間で締結された契約上の合意で、監査役会に事前に開示も承認もされていないものについて当該構成員が重
要な利害を有する場合、SAP SEに対し責任を負う可能性がある。さらに、取締役会の構成員の報酬は監査役会に
よって設定されるため、取締役会の構成員は、自らの報酬について投票することができないが、例外として、株主
総会における取締役の報酬システムに関する決議については、拘束力のない投票をする権利を有する。
ドイツ法に基づき、SAP SEの監査役会の構成員および取締役会の構成員は、SAP SEに対し忠実義務および注意義
務を有する。当該構成員は、善良かつ勤勉な実業家が有する水準の注意義務を尽くさなければならず、それに異議
が申し立てられた場合は、注意義務を尽くしたことにつき立証責任を負う。取締役会および監査役会は、SAP SEの
株主および当社従業員の利益を考慮し、一定程度は一般社会の利益を考慮する。その任務に違反した構成員は、年
次株主総会の適法な決議に従って行動した場合を除き、その結果生じた損害について連帯して責任を負う。
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当社は、従業員向けの企業行動指針を導入した。従業員の行動指針は、マネージャーおよび取締役会の構成員に
も等しく適用される。当該指針の規則は監査役会の構成員にも適用され遵守される。
ドイツ法に基づき、SAP SEの取締役会は、SAPグループの一切の主要なリスクを評価しなければならない。さら
に、経営陣がリスクを軽減するため、またリスクに対処するために採用するすべての手段は記録されなければなら
ない。したがって、当社の経営陣は、会社の地位を危うくする不利な展開が合理的に見て早期に認識されるように
するため、企業規模のリスク監視システムの導入など適切な手段を採用してきた。
倫理・コンプライアンス・オフィス（旧 法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィス ） は、2006年に当社
の法務および規制方針の遵守を監督および調整するために当社の取締役会によって設置された。 倫理・コンプライ
アンス・オフィス の長を務めるグローバル・コンプライアンス最高責任者は 共同CEOジェニファー・モルガン に直
接報告を行い、また監査役会の監査委員会に対して直接的な連絡手段を有し、報告義務を負う。 倫理・コンプライ
アンス・オフィス は、従業員向けの当社の企業行動指針に基づき、地域的な質問または問題の連絡窓口としての業
務を行う100を超える地域の子会社のコンプライアンス担当者のネットワークを管理する。 倫理・コンプライアン
ス・オフィス は、法務および規制遵守方針についての認識と理解を高めるため、当社の従業員に対してトレーニン
グの提供および連絡を行う。従業員のヘルプラインも、報復を恐れることなく、疑問を提起し、または問題となる
行為を報告することができる各地域において支持されている。
年次株主総会
当社の株主は、株主総会で議決権を行使する。取締役会は、各事業年度の最初の6ヶ月間に開催される必要があ
る、年次株主総会を招集する。監査役会または取締役会は、株式会社の利益において必要な場合は、臨時株主総会
を招集することができる。さらに、総計でSAP SEの発行済株式資本の最低5％を有する株主は、臨時株主総会を招
集することができる。総会に出席する意図を適切な時期に通知した場合、基準日時点の株主は株主総会に出席およ
び参加する権利を有する。
年次株主総会において、株主は、とりわけ前事業年度の取締役会および監査役会の行為を正式に承認すること、
会社の分配可能な利益の割当の承認を行うこと、および独立外部監査役の任命を行うことが求められる。監査役会
の株主代表は、一般的に、最長約5年間の任期で年次株主総会において選任される。また株主は、自己株式の買戻
しについての承認、当社の増資または減資の手段に関する決議、および定款の変更の可決を求められることがあ
る。年次株主総会は、取締役会による要請がある場合のみ、経営に関する決定を行うことができる。
当社の株式に付される権利
有価証券を所有する権利（非居住者または外国の保有者が米国預託証券（以下「ADR」という。）または普通株
式を保有し、議決権を行使し、または配当もしくは当該株式に関する他の支払を受領する権利を含む。）に関し
て、ドイツ法またはSAP SEの定款によって課される制限はない。
ドイツ株式会社法によれば、株主の権利を株主の承諾なく変更することはできない。定款により、株主の権利の
変更に関して適用される欧州法およびドイツ法によって定められる条件より厳しい条件を設けることはできない。
議決権
各SAP SE普通株式は一票を有する。累積投票は、適用される欧州法およびドイツ法の下では認められない。法律
によって特定の過半数の可決要件が定められている場合を除き、会社の定款においては、株主決議について、法律
に規定されている過半数とは異なる可決要件を定めることができる。SAP SEの定款第21条(1)においては、法律ま
たは定款によって過半数以上の多数による可決が定められる場合を除き、決議は年次株主総会において有効投票総
数の過半数によって採択される旨定められている。SAP SEの定款ならびに適用される欧州法およびドイツ法の下で
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は、特に以下の事項については、当該事項が提起された株主総会において、有効投票総数の75％以上によって承認
されなければならない。
・ 定款に定める当社の企業目的の変更
・ 増資および減資
・ 新株式または自己株式を購入するための株主の新株引受権の排除
・ 解散
・ 他社との合併または統合
・ 全資産または実質的な全資産の譲渡
・ ドイツ株式会社への再転換を含む会社形態の変更
・ 他のEU加盟国への登記移転
・ その他の（定款第21条(2)第一文に基づく）定款に対するあらゆる修正。ただし、ドイツ法に基づき設立さ
れた株式会社に関する、単純多数による可決を要する定款の修正については、SAP SEの定款第21条(2)第二
文において、発行済資本の半分以上が表章されている場合は有効投票総数の単純多数を満たすこと、または
かかる定足数が存在しない場合は法律により定められる過半数（SE規則第59条によれば投票総数の3分の2）
を満たすことと定められている。
配当請求権
「第5 2 配当政策」を参照のこと。
新株引受権
株主は、発行済資本に占める持株の割合に応じて、株式の追加発行に応募する新株引受権（Bezugsrecht）を有
する。特定の状況においては、新株引受権は株主総会決議（株主総会における、有効投票総数の75％以上による承
認）または当該株主総会決議によって権限を付与された取締役会によって、監査役会の承認を得た上で排除される
ことがある。
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２【外国為替管理制度】
ユーロは完全に交換可能な通貨である。現在、ドイツは、国連および欧州連合によって採択された、適用のある
決議に定められた特定の分野への投資を除き、資本の輸出または輸入を制限していない。ただし、統計上の目的の
みのために、ドイツ在住の各個人または会社（以下「居住者」という。）は、特定の重要でない例外を除き、ドイ
ツ国外に居住する個人または会社（以下「非居住者」という。）から受領した一切の支払または非居住者に対して
行った一切の支払が12,500ユーロを超える場合（または同等の外貨）は、かかる支払をドイツ連邦銀行（ Deutsche
Bundesbank ）に報告しなければならない。さらに、ドイツ居住者（個人および特定の金融機関を除く。）は、非居
住者に対する債権または債務が総額で5百万ユーロ（または同等の外貨）を超える場合、各暦月の末日に当該債権
または債務について報告しなければならない。さらに、ドイツに拠点を置く会社で非居住者に対する債権または債
務が500百万ユーロを超えるものは、デリバティブ商品につき発生している非居住者に対する債権または債務につ
いて各暦四半期の末日に報告しなければならない。居住者はまた、全資産が3百万ユーロを超えるドイツ国外会社
のあらゆる株式または議決権の10％以上を直接的または間接的に保有する場合、当該株式または議決権について毎
年ドイツ連邦銀行に報告する義務を有する。3百万ユーロを超える資産を有するドイツに所在する会社は、あらゆ
る株式または議決権の10％以上が直接的または間接的に非居住者に保有されている場合、当該株式または議決権に
ついて毎年ドイツ連邦銀行に報告しなければならない。
３【課税上の取扱い】
日本に居住する個人に対する一般的な課税
ドイツに居住していない日本の居住者は、一般的に、ドイツ源泉所得に対してのみ課税される（ドイツ制限納税
義務）。ドイツ在住でない個人は、以下のすべての条件を満たした場合に、ドイツにおける制限的な納税義務のみ
を負う。
・ ドイツ国内に個人的な利用のための住居を有しないこと。
・ ドイツ国内に「主居住地」を有しないこと。これは、2暦年間に6ヶ月間連続でドイツに滞在したことがない
ことを意味する。
ドイツ所得税法は、農林業所得、給与所得、自由営業所得、事業所得、不動産所得、投資所得、およびキャピタ
ル・ゲインからの所得を含む複数の所得の分類の区別を設けている。日本の居住者で、ドイツの非居住者であり、
上記のいずれかの分類から生じるドイツ源泉所得を受領する場合、ドイツ所得税法の適用を受ける。
ドイツにおける制限納税義務者が受領する配当に対する課税
制限納税義務者が受領した配当は、ドイツ源泉とみなされる場合はドイツ所得税の課税対象となる。ドイツ所得
税法により、配当を支払う会社の所在地または企業経営の拠点がドイツ国内にある場合、配当はドイツ源泉とな
る。
2009 年より、課税対象の配当などの課税対象となる投資所得は、一律25％の課税となり、かかる税は支払者に
よって源泉徴収される。連帯付加税（固定源泉徴収税の5.5％）が付加される。一般的に、固定源泉徴収税は確定
税額である。一般的に、源泉徴収された配当は、ドイツの所得税申告において申告される必要はない。
一般的に、適用される二重課税防止条約に基づき、現在多くの非居住株主について税率が引き下げられている。
税率および手続は、適用される条約に従って異なる可能性がある。ドイツおよび日本間の二重課税防止条約は、ド
イツ会社の非居住株主について税率を15％（連帯付加税を含む。）まで減税している。二重課税防止条約に従って
実際に適用される税率に減税するためには、非居住株主は、支払った源泉徴収税の還付（配当の25％に連帯付加税
を加算したものと配当の15％の差額）を申請する必要がある。還付の申請がある場合は、特別なドイツ語の還付申
請 書 が ド イ ツ 連 邦 中 央 税 務 庁 （Bundeszentralamt für Steuern, D-53221 Bonn, Germany;
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http://www.bzst.bund.de）に提出されなければならない。該当する申請書は、ドイツ連邦中央税務庁またはドイ
ツ大使館および領事館で入手できる。詳細については、非居住株主は各自の税務顧問に相談することが望ましい。
ドイツにおける 制限納税義務者が受領する 株式売却益に対する課税
ドイツにおいて制限納税義務のみを有する日本居住者には、当該非居住株主が、当社の登録株式資本の1％以上
を占める株式を、株式の売却または処分の直前5年間のいかなる時点においても、直接・間接を問わず保有してい
る場合、ドイツの所得税のみが課される。さらに、ドイツと日本の間で締結された二重課税防止条約の規定も考慮
されなければならない。ドイツと日本の間の二重課税防止条約によれば、この点に関しては当該個人の居住する国
が課税の権利を有するとされることから、所得はドイツにおいて課税対象とはならない。
ドイツにおける贈与税および相続税
死亡または贈与による財産の譲渡は課税の対象となる。故人および贈与者は譲渡人とみなされ、受益者および受
贈者は譲受人とみなされる。
故人の死亡日または贈与日時点で譲渡人または譲受人のいずれか一方がドイツ居住者である場合、国際的な純資
産の譲渡は課税の対象となる。譲渡人または譲受人のいずれもドイツ居住者ではない場合、普通株式がドイツにお
ける恒久的施設または固定的拠点の事業資産の一部である場合、または、当該譲渡の対象となる普通株式が、当社
の登録株式資本の10％以上を占め、かつ故人または贈与者のそれぞれが、関係当事者と共同で、譲渡の際に、直
接・間接を問わず保有し、または保有するとみなされていたポートフォリオを形成する場合、ドイツに所在する財
産の譲渡のみが課税の対象となる。
譲渡人と譲受人の親族関係により、20,000ユーロ（親族関係がない場合）から500,000ユーロ（譲渡人の配偶者
の場合）までの人的控除が付与される。税率は、親族関係および譲渡された課税対象の財産の価額によって決まる
累進税である。例えば、 2019 年における税率は以下を含む。
・ 譲渡人の配偶者および子：30％まで
・ 父母および孫：43％まで
・ 親族関係がない場合：50％まで
二重課税を防ぐため、ドイツはデンマーク、ギリシャ、スウェーデン、スイスおよび米国との間で相続税に関す
る租税条約を締結した。ただし、日本との間では、相続税に関する租税条約は締結されていない。
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４【法律意見】
当社のコーポレート・カウンセルであるミヒャエル・プレートナー博士により、以下の趣旨の法律意見書が関東
財務局長宛に提出されている。
( ⅰ) 当社は、ドイツ連邦共和国法および欧州連合法に基づき適式に設立され、有効に存続している会社であ
る。
( ⅱ) 有価証券報告書におけるドイツ連邦共和国および欧州連合の現行法に関する記述は、あらゆる重要な点に
おいて真実かつ正確である。
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第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
2019 年度 2018 年度 2017 年度 2016 年度 2015 年度
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
損益計算書データ：12月31日に終了する年度
クラウド収益
6,933 4,993 3,769 2,993 2,286
ソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益
16,080 15,628 15,780 15,431 14,928
クラウドおよびソフトウェア収益
23,012 20,622 19,549 18,424 17,214
総収益
27,553 24,708 23,461 22,062 20,793
営業利益
4,473 5,703 4,877 5,135 4,252
税引後利益
3,370 4,088 4,046 3,629 3,056
親会社株主に帰属する利益
3,321 4,083 4,008 3,642 3,064
(1)
1 株当たり利益
基本(単位：ユーロ)
2.78 3.42 3.35 3.04 2.56
希薄化後(単位：ユーロ)
2.78 3.42 3.35 3.04 2.56
その他のデータ：
期中加重平均発行済株式数
基本
1,194 1,194 1,197 1,198 1,197
希薄化後
1,194 1,194 1,198 1,199 1,198
財政状態報告書データ：12月31日現在
現金および現金同等物
5,314 8,627 4,011 3,702 3,411
資産合計
60,215 51,502 42,484 44,262 41,390
(2)
流動金融負債
3,273 1,125 1,561 1,813 841
(2)
長期金融負債
12,923 10,553 5,034 6,481 8,681
発行済資本金
1,229 1,229 1,229 1,229 1,229
資本合計
30,822 28,877 25,515 26,382 23,295
(1) 1株当たり利益に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(C.6)を参照のこと。
(2) 残高には、主に債券、私募および銀行ローンが含まれる。当社の金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記
(E.3)を参照のこと。
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２【沿革】
当社の正式な会社名は、SAP SE である。SAP SE は、英語ではSAP European Company （ Societas Europaea または
「SE」 ）と訳される。SAP SE は、ドイツおよびヨーロッパの法律に基づきドイツ連邦共和国において設立された。
以下において文脈上必要な場合、SAP SE とは、当社の前身または旧法的形態および旧名称、すなわち
Systemanalyse und Programmentwicklung GbR（1972-1976)、SAP Systeme, Anwendungen, Produkte in der
Datenverarbeitung GmbH（1976-1988）、 「SAP Aktiengesellschaft Systeme, Anwendungen, Produkte in der
Datenverarbeitung 」（ 1988 ጀ㈀ ）および「SAP AG」（ 2005 ጀ㈀ ）をも指す。当社の本店、本社および登録事務
所は、ドイツの69190 ヴァルドルフ、ディートマ・ホップ・アレー16にある。当社の電話番号は、+49-6227-7-
47474である。
３【事業の内容】
1972 年に設立された当社は、ドイツのヴァルドルフに本社を置くグローバル企業である。当社の正式な会社名は
1)
SAP SEである。当社は、企業向けアプリケーション・ソフトウェア 市場の主導者であり、有数のエクスペリエン
ス管理、アナリティクス、およびビジネス・インテリジェンス会社でもある。SAPグループは世界的な存在感を示
しており、100,000名超の従業員を雇用している。
当社の普通株式は、フランクフルト証券取引所に上場している。 SAP SE の普通株式を表章する米国預託証券
（ADR）は、ニューヨーク証券取引所（NYSE）に上場している 。当社は、ドイツDAXおよびTecDAXに加え、ダウ・
ジョーンズ・ユーロSTOXX50、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド指数およびダウ・ジョーンズ・サ
ステナビリティ・ヨーロッパ指数を構成する銘柄である。2019年12月31日現在、時価総額の点において、当社は
DAXで最も価値ある企業であり、世界では49番目に価値ある企業である。当社は、13年連続でダウ・ジョーンズ・
サステナビリティ指数において最も持続可能なソフトウェア会社であると評価された。
SAP SE は、SAPグループの親会社である。 2019 年12月31日現在、SAPグループ は、自社の製品、ソリューションお
よびサービスを開発、流通および提供する 264 社によって構成されている 。当社の子会社、関係会社その他のエク
イティ投資の一覧表は、 連結財務諸表に対する注記( G.9 ) を参照のこと。
1) 企業向けアプリケーション・ソフトウェアとは、とりわけビジネス・プロセスをサポートし自動化することを目的として
開発されたコンピュータ・ソフトウェアである。
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４【関係会社の状況】
（1）親会社
当社に親会社は存在しない。
（2）子会社および関連会社
SAP SE は、SAPグループの親会社である。 2019 年12月31日現在、SAPグループは、自社の製品、ソリューションお
よびサービスを開発、流通および提供する 264 社によって構成されている。
以下の表は、 2019 年のSAPグループの総収益に基づき、当社の最も重要な子会社について示すものである。これ
らの子会社はすべて、 SAP SE に 完全所有されている。
2019 年
2019 年度
12 月 31 日現在
(1)
総収益
当社との
(1)
資本合計
名称 所在地 事業内容 所有割合
関係
( 単位：
( 単位：
千ユーロ)
千ユーロ )
販売・マーケティング、コ
SAP Deutschland SE
ンサルティング、トレーニ
(*)
& Co. KG 、 商取引
ドイツ 100% 4,538,364 1,614,340
ング、顧客サポート、研究
(2)(3)
ヴァルドルフ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
LLC SAP CIS、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
ロシア 100% 482,524 47,192
ング、顧客サポート、研究
モスクワ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP (Schweiz) AG、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
スイス 100% 924,676 145,085
ング、顧客サポート、研究
ビール
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ( UK ) Limited 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
英国 100% 1,246,454 10,166
(4)
フェルサム
ング、顧客サポート、研究
開発、および管理
SAP España –
Sistemas,
販売・マーケティング、コ
Aplicaciones y
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
スペイン 100% 542,651 271,147
Productos en la
ング、顧客サポート、研究
Informática,
開発、および管理
S.A. 、
マドリード
販売・マーケティング、コ
SAP France 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
フランス 100% 1,151,489 1,588,563
ング、顧客サポート、研究
ルヴァロワ・ペレ
開発、および管理
SAP Italia Sistemi
Applicazioni
販売・マーケティング、コ
Prodotti in Data ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
イタリア 100% 582,698 336,995
ング、顧客サポート、研究
Processing
開発、および管理
S.p.A. 、
ヴィメルカーテ
販売・マーケティング、コ
SAP Nederland
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
B.V. 、
オランダ 100% 670,660 195,122
ング、顧客サポート、研究
(5)
スヘルトヘンボス
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
Ariba, Inc. 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 1,304,139 4,376,579
ング、顧客サポート、研究
パロアルト
開発、および管理
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Concur
販売・マーケティング、コ
Technologies, ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 1,804,158 7,680,075
ング、顧客サポート、研究
Inc. 、
開発、および管理
ベルビュー
販売・マーケティング、コ
SAP America, Inc.、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 6,152,418 19,587,457
ニュータウン・スク
ング、顧客サポート、研究
エア
開発、および管理
SAP Industries,
販売・マーケティング、コ
ンサルティング、トレーニ
Inc. 、
(*)
商取引
米国 100% 679,636 879,257
ング、顧客サポート、研究
ニュータウン・スク
開発、および管理
エア
SAP National
販売・マーケティング、コ
Security Services,
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 699,688 496,277
Inc.、
ング、顧客サポート、研究
ニュータウン・スク
開発、および管理
エア
SuccessFactors,
販売・マーケティング、コ
Inc. 、
(*)
商取引
米国 ンサルティング、研究開 100% 881,532 4,182,900
サウス・サンフラン
発、および管理
シスコ
販売・マーケティング、コ
Qualtrics, LLC、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100% 418,420 6,124,414
(6)
ウィルミントン
ング、顧客サポート、研究
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Brasil Ltda. 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
ブラジル 100% 556,269 -216
ング、顧客サポート、研究
サンパウロ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Canada, Inc.、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
カナダ 100% 965,891 507,722
ング、顧客サポート、研究
トロント
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ジャパン株式会
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
社、 日本 100% 1,167,363 290,021
ング、顧客サポート、研究
東京
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Australia Pty
オースト ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
100% 738,223 28,411
Ltd. 、
ラリア ング、顧客サポート、研究
シドニー
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP China Co.,
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
Ltd. 、
中国 100% 1,019,778 -196,735
ング、顧客サポート、研究
(7)
上海
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP India Private
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
インド 100% 637,052 382,053
Limited 、
ング、顧客サポート、研究
バンガロール
開発、および管理
(*) 主にソフトウェア・ライセンスの売買。
(1) これらの数値は、連結消去仕訳前の当社の現地のIFRS財務書類に基づいており、そのため連結財務書類に含まれるこれら
の企業の貢献を反映していない。グループ通貨への換算は、資本金については期末最終為替レートに基づいており、収益
および純利益／損失については期中平均為替レートに基づいている。
(2) 事業体の 個人的責任を負うパートナーは SAP SE である。
(3) ドイツ商法（HGB）第264条(3)または第264b条に従い、子会社は法定の単体財務書類を作成するに当たり、財務諸表に対
する注記および事業の概況の記載、独立監査および開示等の一定の法的要件の適用が免除されている。
(4) 2006 年 英国会社法第 479A 条から第479C条に従い、この事業体は、2019年12月31日に終了する会計年度または2019年9月30
日に終了する会計年度それぞれに関してSAP SEが当該事業体の債務に対し保証を提供していることに基づき、財務書類の
監査が免除されている。
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(5) オランダ民法第 2 編403条に従い、この事業体は、 2019 年12月31日に終了する会計年度または2019年9月30日に終了する会
計年度それぞれに関してSAP SEが当該事業体の債務に対し保証を提供していることに基づき、財務書類の作成、独立監査
および開示等、法定の単体財務書類の作成に関する一定の法的要件の適用が免除されている。
(6) 2019年度に合併された。
(7) SAP SE によって発行されたサポートレターを保有している事業体。
５【従業員の状況】
以下の表 は、部門別、およびEMEA（ヨーロッパ、中東およびアフリカ）、南北アメリカ（北米およびラテンアメ
リカ）、APJ（アジア太平洋日本）からなる地域別の従業員数の概要を示したものである。
地域および部門別従業員数
正規職員相当( FTE)
2019 年12月31日 2018 年12月31日 2017 年12月31日
南北 南北 南北
EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計
クラウドおよびソフトウェア 6,501 4,426 5,361 16,288 6,341 4,268 5,374 15,983 5,869 3,895 4,719 14,482
サービス 8,250 6,018 5,971 20,239 8,120 5,736 5,620 19,476 7,536 4,878 4,965 17,379
研究開発 12,710 5,793 9,131 27,634 12,478 5,651 8,930 27,060 11,349 5,250 8,273 24,872
販売・マーケティング 10,205 10,368 5,209 25,781 9,843 9,452 4,918 24,213 9,196 9,169 4,854 23,219
一般管理 3,161 2,123 1,246 6,530 2,906 1,970 1,147 6,024 2,676 1,781 1,047 5,504
インフラストラクチャー 2,220 984 654 3,859 2,160 951 631 3,742 1,732 855 501 3,087
SAP グループ(12月31日現在) 43,048 29,712 27,571 100,330 41,848 28,029 26,620 96,498 38,357 25,827 24,359 88,543
このうち買収によるもの 338 1,638 137 2,113 657 952 434 2,043 149 133 7 289
SAP グループ(月末平均) 42,697 29,368 27,092 99,157 40,496 27,454 25,759 93,709 37,512 25,459 24,029 86,999
従業員数および人件費
SAP は、新たな市況および変わりゆく顧客の要望に常に適応し続けている。 この継続的な変容の一環として、当
社は2019年度に全社的なリストラクチャリング・プログラムを開始した。 当社の目的は、社内の構造および手続
をさらに単純化すること、および戦略的成長分野に対して投資を行うことであった。これにより、 当社は、組織
の体制、スキルおよび資源配分が顧客の需要に確実に応えるものであり続けるよう努めている。リストラクチャリ
ング・プログラムの一環としてSAPを退職した従業員数、およびその財務への影響に関する詳細は、連結財務諸表
に対する注記(B.6)を参照のこと。
過去の同様のリストラクチャリング・プログラムと同じく、このプログラムは、SAPの規模を縮小するものでは
ない。当社は成長しており、引き続きインテリジェント・エンタープライズの実現に注力している。リストラク
チャリング・プログラムの一環として、当社は、 特定の国において任意のプログラムを実施した。これは、「ダ
ブル・ボランタリネス」に基づいており、SAPは、個々の従業員の有する知識がビジネスに不可欠であるとみなさ
れた場合には、かかる従業員のプログラムへの参加を拒否する権利を有する。さらに、当社は、リストラクチャリ
ングの取組みにおいて構造に関する効果を実現するため、2019年度を通してその雇用パターンを観察していた。
2019 年12月31日現在、当社は世界において正規職員相当(full-time equivalent、FTE)の従業員100,330名を有し
た（ 2018 年度：96,498名)。これは、 2018 年度に比べて 3,832 名の増加である（うち2,113名は買収によるものであ
る。）。 2019 年度の平均従業員数は、 99,157 名であった（ 2018 年度：93,709名）。
当社が定義するところのFTE数とは、人員配置率を考慮した、常勤雇用契約で雇用されている人数をいう。学
生、当社に雇用されているが出産育児休暇等の理由により現在労働していない者、および6ヶ月未満の有期契約の
派遣社員は、当社の従業員数から除外されている。除外されている派遣社員数は大きなものではない。
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2019 年度における当社の従業員一人当たりの平均の人件費は増加し、約150,000ユーロとなった（ 2018 年度：約
124,000ユーロ）。この増加は、主に株式報酬費用およびリストラクチャリング費用が増加したことに起因する。
人件費総額を平均従業員数で割った金額を従業員一人当たりの人件費としている。
従業員報酬および人件費の構成の内訳に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記( B.2 ) を参照のこと。
従業員および労使関係
世界的な規模において、当社の従業員および労使関係は極めて良好であると当社は考えている。
企業レベルでは、欧州経済領域の当社従業員は SAP SE 労使協議会（Works Council、WoC）（ヨーロッパ）によっ
て代表される。法律および当社との契約により、SAP SE WoC（ヨーロッパ）は国境を越えた問題に関する情報を受
領する権利および取締役会またはその代表者に助言を求める権利を有する。
法人レベルでは、SAP SE労使協議会（ドイツ）がSAP SEの従業員を代表する。SAP Deutschland SE & Co. KG
（SAP Germany）およびConcur (Germany) GmbHの従業員は、別の労使協議会によって代表される。その他の従業員
代表には、団体労使協議会（SAP SEおよびSAP Germanyの労使協議会のメンバーにより構成される。）、すべての
団体におけるグループレベルの重度障害者の代表者（ドイツ）、および役員の代表としての代表者委員会が含まれ
ている。
SAP France 、SAP France HoldingおよびSAP Labs France SASそれぞれの従業員は、同一の団体協約「SYNTEC」
に従っている。フランスでは、2019年12月31日から、労使協議会、安全衛生委員会および従業員代表が、「経済社
会委員会」と名付けられた一つの団体となった。すべての会社は、かかる日に先立ち、専門職の選任を行う必要が
あった。 今日現在、SAP Labs France SASおよびConcur (France) SASは、経済社会委員会により代表されてい
る。SAP France および SAP France Holdingは、 2019年12月3日まで労使協議会により代表されていた。代表され
る組合は、SAP FranceおよびSAP Labs France SASの各社と契約の交渉を行う。
Concur (France) SAS については、 経済社会委員会と契約の交渉を行っている最中である。また、SAP España
Sistemas, Aplicaciones y Productos en la Inform á tica, S.A. 、SAP Belgium NV/SA. 、SAP Israel、SAP
Nederland B.V.、SAP Italia Sistemi Applicazioni Prodotti in Data Processing S.p.A. 、SAP China Beijing、
チェコ共和国におけるすべての事業体（SAP R, spol. ▲ r.o.、SAP Services s.r.o.、Ariba Czech s.r.o.およ
びConcur Czech (s.r.o.)）、 SAP Brasil Ltda 、SAP Korea Ltd. （韓国）、SAP Slovensko s.r.o. （スロバキア）、
SAP sistemi, aplikacije in produkti za obdelavo podatkov d.o.o. （スロベニア）、SAP Romania SRL 、SAP
Argentina S.A. 、SAP Svenska Aktiebolag （スウェーデン）、SAP UK Ltd.およびSAP Ireland Ltd. を含む他の様々
なSAP関連会社の従業員は、労使協議会、労働者代表、 従業員協議フォーラムおよび／または労働組合により代表
される。 また、これらの従業員の一部は、団体協約に従っている。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社の概要
上記「第2 3 事業の内容」を参照のこと。
当社の目的
当社の目的は、世界にとってより良い経済、社会および環境を創造する力を顧客に与えることにより、「世界が
より良くなる支援を行い、人々の暮らしを豊かにする」ことである。
かかる目的に沿い、当社は、国連の持続可能な開発目標（UN SDGs）を支援することに取り組んでいる。テクノ
ロジー主導の革新は、UN SDGsの全17項目にわたって当社がその顧客およびパートナー・エコシステムとともにイ
ニシアティブを発揮する際の基盤となるものである。当社の目標は、技術の発展を主導し、同時にその結果や社会
的な影響について責任を負うことへ確実に注力するよう支援することである。かかる目標の実践例には、デジタル
スキルの確立に社会的な投資を集中すること、および人工知能およびガバナンスについての当社の方針が挙げられ
る。
当社の戦略
当社の戦略は、インテリジェント・エンタープライズを活用したエクスペリエンス・カンパニーになることであ
1)
る 。企業にとって、すべてのデジタル・インタラクションは、顧客に好ましい影響を与える機会であると当社は
考える。このようなインタラクションを通して、企業は顧客満足度、従業員エンゲージメント、提携先との協力お
よびブランドの影響力などの「エクスペリエンス」を測ることができる。また、これらのインタラクションは、企
業にとって、エンドユーザーおよび顧客がベンダーまたは製品に対してどのような認識を抱いているかを把握する
機会でもある 。当社は、インテリジェント・エンタープライズになるための技術を提供することで、すべてのSAP
の顧客が今日の「エクスペリエンス経済」において成功することを支援したいと考えている。
インテリジェント・エンタープライズ、イベント駆動型のリアルタイム・ビジネスに関する当社のビジョンは、
以下の3つの主要な目的に集中している。
・ エクスペリエンス・マネジメントに関するプラットフォームを通じて、新たなエンドツーエンドの顧客エク
スペリエンスを生み出すこと。これにより企業は、顧客、従業員、製品、およびブランドにわたるフィード
バックをリアルタイムで収集および理解し、またこれに対して行動を起こすことができるようになる。特に
当社は、企業がアナリティクスを用いてフィードバックの価値を高め、フィードバックの内容だけでなくそ
の理由まで理解できるようにする。
・ 人工知能／機械学習（AI／ML）を基盤とする次段階的な業務プロセスの自動化を通じて生産性の大胆な変化
を達成すること。AI／MLは、業務プロセスのあらゆる部分（財務、サプライチェーン、製造、調達、出張お
よび人材資源）に組み込まれることとなる。AIは、明確にプログラムされていないデータから学習するアル
ゴリズムと定義されており、したがって業務プロセスの自動化による企業の成長を可能にする。これを行う
に当たって重要となるのは、業務プロセスのサイクル時間の改善、スピードへの注力、およびあらゆる可能
な場所における品質の向上である。
・ フルタイムおよび臨時の労働者全体にわたって総合的な従業員エンゲージメントを実現することによって、
企業が従業員の貢献意欲を高めることを支援すること。
当社が顧客に約束していることは、顧客が今日の課題に対応できるよう支援することおよび予想される将来の課
題に備えることである。当社は、強力なインテリジェント・アプリケーションを構築すべくAI／ML等の技術を用い
て当社のソフトウェアにあるデータの力を利用することにより、これらの目標の達成を目指す。
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「インテリジェント・エンタープライズを活用したエクスペリエンス・カンパニー」になること
当社のソフトウェア、技術およびサービスは、当社が取り扱う25の業界および12のライン・オブ・ビジネス
（LoB）に関して、以下のとおり、インテリジェント・エンタープライズの3つの中核要素に対処するものである。
・ LoBアプリケーションのインテリジェント・スイート。これは、エンタープライズ・リソース・プランニン
グ（ERP）およびデジタル・サプライチェーン管理のほか、顧客エクスペリエンス、インテリジェント支出
管理、およびヒューマン・エクスペリエンス管理のためのソリューションを含む。インテリジェント・ス
イートは、エンドツーエンドのシナリオのために産業固有の業務プロセスを通して統合および差別化され
る。
・ 顧客によるそのアプリケーション・フットプリント全体におけるデータ・オーケストレーションの管理を支
援するビジネス技術プラットフォーム。これには、データ管理ソリューションを用いた分散データ・サイロ
に対するリアルタイムの可視性のほか、統合および業務プロセスの革新に関するビジネス・プラットフォー
ムとしてのオープン・クラウド・プラットフォームが含まれる。
・ 組織による4つのコア・エクスペリエンス（顧客、従業員、製品およびブランド）の管理を支援するため
に、エクスペリエンス・データ（「Xデータ」）およびオペレーショナル・データ（「Oデータ」）を結合さ
せる、エクスペリエンス・マネジメント（「XM」）プラットフォーム。これには、Xデータを関連するOデー
タと結びつけるために、XMおよびインテリジェント・スイートをAPIに基づき統合することが含まれる。
当社従業員は顧客の変革を支援するための革新的サービスを提供する上で重要であり、当社の戦略を実現するた
めに不可欠である。
1 ） 「インテリジェント・エンタープライズ」とは、機械学習、ブロックチェーン、モノのインターネット（IoT）、および革
新の評価を助けるアナリティクスの能力を含む技術を活用した、イベント駆動型のリアルタイム・ビジネスをいう。
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当社の影響力
当社は、当社の顧客がインテリジェント・エンタープライズとなるのを可能にするソフトウェアおよび技術ソ
リューションを導入している。当社がインテリジェント・エンタープライズを実現し、エクスペリエンス経済にお
ける顧客の成功を支援することは、より良い、より生産的な世界のために不可欠である。革新の可能性の解放を支
援することにより、当社は、企業および政府が自らを取り巻く経済、社会および環境によい影響を与えることを支
援する。このようにして当社は、世界をより良くする支援を行い、人々の生活を豊かにするという目的を達成しよ
うとしている。
当社のビジネスモデル
当社は、顧客の業務上のニーズを特定した上で、かかる業務上のニーズに対処するソフトウェア、サービスおよ
びサポートを開発および提供することにより、価値を生み出している。当社は、顧客および提携先と緊密に協力す
ることを通じて、当社のソフトウェアが顧客にとっての価値を確実に生むことを目指している。顧客からのフィー
ドバックを得ることで、当社は、継続的に当社のソリューションを改良し、さらなる業務上のニーズを特定し、高
い価値を顧客に提供できるよう励んでいる。
結果
ソフトウェアを開発し、当社のソフトウェアおよびサービスを顧客に提供し、顧客からフィードバックを受領す
ることにより、当社は、成長、収益性、従業員エンゲージメントおよび顧客ロイヤルティを含む当社に関する実績
を生成する。
インプット
このプロセスは孤立した状態で生じるものではない。これは、内部および外部からのインプットによって有効と
なるものであり、中でも最も重要なのは、顧客の洞察およびより幅広い利害関係者との対話、金融資本、従業員の
専門性、知的財産、パートナー・エコシステムの製品およびサービス、ならびに当社が依拠するITインフラであ
る。
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影響
当社のソリューションは、当社の顧客に、そして顧客を通じて世界に影響を与えることを可能にする。以下は
様々な分野における当社の影響力を示したいくつかの事例である。
経済
当社のソフトウェアは、企業による仕事の提供を支援し産業およびインフラを強化することにより、国連のSDGs
8（働きがいのある人間らしい仕事および経済成長)、9（産業、革新およびインフラストラクチャー）、10（格差
の是正）および12（責任ある消費および生産）を支えている。例えば、当社のソフトウェアは以下について支援を
行う。
・ 企業が、経済的繁栄と適正な額の給料が支払われる仕事を世界中の人々にもたらすことに一層取り組むこ
と。
・ 組織が、廃棄物ゼロの世界を目指して資源利用を最適化すること。
社会
当社のソフトウェアは、より良い医療、教育および技術アクセスを通じた平和で公正な社会の創出を支援するこ
とによって、国連のSDGs 1（貧困の根絶）、2（飢餓の撲滅）、3（健康および福祉）、4（質の高い教育）、5
（ジェンダーの平等）、7（手ごろでクリーンなエネルギー）、11（持続可能な都市およびコミュニティ）および
16（平和、公正および強力な法制度）を支えている。例えば、
・ 当社は、世界の若者、働く大人、身体障害者および失業者に対しデジタル経済の中で成功するための適正な
技能を与えることにも全力で取り組んでいる。
・ 都市では人口増加とインフラの老朽化に直面している。モノのインターネットに関する当社のソリューショ
ンは、都市が持続可能であり続け、市民によるより楽しく安全な生活の享受を後押しできるよう、資源の管
理および監視を支援することができる。
環境
当社のソフトウェアは、水、クリーンエネルギーおよび責任ある開発に対する需要に応えることによって、国連
のSDGs 6（安全な水および衛生）、13（気候変動対策）、14（海洋生物）および15（陸上生物）を支え、環境保護
を支援している。例えば、
・ 我々は皆、気候変動の影響を受けている。当社の技術は、当社の顧客がその全体的な資源生産性を向上さ
せ、炭素排出量の削減を目的とした事業変革を行うことを支援する。
・ 世界人口の着実な増加により、人類は今後、何十億人もの人々に水、食料および住居を提供することが必要
となる見込みである。当社のソリューションは、当社の顧客が水の浪費を削減し、すべての人々のために
水・衛生の持続可能な管理を支援する一助となる。
さらに当社は、SDG 17（目標達成のためのパートナーシップ）に対処するに当たり、協力は有益であることを認
識しており、幅広いパートナーシップに参加している。
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トレードオフ
一方で、当社は自社の事業活動による生じうる悪影響についても認識しており、これらを軽減するべく努めてい
る。例えば、
・ デジタルデバイドの加速は、社会的な集団を経済のすべての分野から切り離し、雇用可能性に影響を与えか
ねない。SAPは、恵まれない人々にデジタルスキルを提供することに、社会的な投資活動を集中させてい
る。
・ 当社は、自社の成長および世界的なデジタル化の加速によるエネルギーの消費の増加を予測している。当社
は、CO2の排出量を減らすためグリーンクラウドを提供している。
当社の成功の評価
当社は、当社を導くため、以下の財務目標および非財務目標を用いている。
・ 成長
・ 収益性
・ 顧客ロイヤルティ
・ 従業員エンゲージメント
以下の表は、上記の目標に対する実績の評価に用いられる具体的な主要業績指標（KPI）の概要を示すととも
に、当該実績と当社の目標を比較したものである。加えて、当社は2025年までにカーボンニュートラルになること
1)
を約束しており、二酸化炭素の排出量の減少について定期的に報告および分析を行っている 。
1) 2020 年度の時点で、炭素排出量は、取締役会の報酬における短期インセンティブの一つである。
2019年度の見通しおよび結果
2019 年度結果
2019 年度見通し*
戦略目標 KPI （非IFRS、為替変動を
（非IFRS、為替変動を
考慮しない場合）
考慮しない場合）
67 億ユーロから
クラウド収益 67.7 億ユーロ
70 億ユーロ
224 億ユーロから
成長 クラウドおよびソフトウェア収益 224.9 億ユーロ
227 億ユーロ
営業利益より低いパーセンテー
総収益 269.1 億ユーロ
ジで堅調に増加
78.5 億ユーロから
収益性 営業利益 79.5 億ユーロ
80.5 億ユーロ
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア +1 –6
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84% から86% 83%
カーボンインパクト 温室効果ガス純排出量 285 キロトン 300 キロトン
* 見通しは2019年1月に発表され、財務目標は4月に上方修正された。上記の2019年度見通しの数値は、2019年4月に上方修正さ
れた見通しを反映している。
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2020年度の見通し
2020 年度見通し
2019 年度結果
戦略目標 KPI （非IFRS、為替変動を
（非IFRS）
考慮しない場合）
クラウド収益 70.1 億ユーロ 87 億ユーロから90億ユーロ
成長 クラウドおよびソフトウェア収益 230.9 億ユーロ 247 億ユーロから251億ユーロ
総収益 276.3 億ユーロ 292 億ユーロから297億ユーロ
収益性 営業利益 82.1 億ユーロ 89 億ユーロから93億ユーロ
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア –6.0 3ポイントから5ポイントの増加
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 83% 84% から86%
カーボンインパクト 温室効果ガス純排出量 300 キロトン 238 キロトン
2023年度の目標
2023 年度目標
戦略目標 KPI
（非IFRS）
クラウド収益 2018 年と比較して3倍超
成長
総収益 350 億ユーロ超
平均して1年に1パーセント・ポイントずつ非IFRS営業利益率が増
収益性 営業利益率 加。これは2018年と比較して合計およそ500ベーシスポイントの
拡大を表す
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア 安定的に増加
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84% から86%
95 キロトン。2025年までにカーボンニュートラルになることを目
カーボンインパクト 温室効果ガス純排出量
指す
「第3 2 事業等のリスク」、「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」お
よび「第3 4 経営上の重要な契約等」も参照のこと。
２【事業等のリスク】
経済、政治、社会および規制に関するリスク
世界の経済的および政治的環境：世界経済および金融市場における不確実性、ならびに、国家参加型紛争、テロ
攻撃、社会不安、戦争または国際的な対立による社会的および政治的な不安定要素は、当社の事業活動を阻害し、
または当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
グローバル企業である当社は多数の外部要因に影響を受けているが、これらは予測が難しく、当社の影響力も及
ばず、制御することができない。これらの要因のいずれも、経済全体および当社の事業に重大な悪影響を及ぼす可
能性がある。
とりわけ以下の潜在的な事象は、当社の事業にリスクをもたらす可能性がある。
・ 一般的な経済状況、政治情勢、社会情勢、環境状態、市況、および不安感（米中間のサプライチェーンへの
制限、米国と北朝鮮の対立、西欧諸国によるイランへの圧力、英国／EU離脱、香港における混乱等）
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・ 世界の経済状況の継続的な悪化（正確な予測への影響）または各国政府の予算の制約
・ 広範囲にわたる経済減速の兆しによって示される世界的な潜在的示唆を伴い、景気後退まで引き起こしかね
ない、米中間等の衝突、軋轢、ならびに貿易または関税の紛争
・ 金融市場における不安定性の発生、世界経済危機および財政の慢性的不均衡、減速する経済状況または新興
市場における混乱
・ ソフトウェアを購入するための資金調達能力を低下させる、顧客に対する与信の高い障壁
・ 顧客、提携先および主要な供給業者の倒産件数の増加
・ 当社の事業に影響を及ぼすテロ攻撃その他の暴力行為、市民の暴動、自然災害または流行病
・ 重要インフラストラクチャー資産であるデータセンターに影響を及ぼしうる、地域的な紛争
かかる事象のいずれも、当社の事業活動、財政状態、利益およびキャッシュ・フローにマイナスの影響を及ぼす
可能性があるため、当社の目標達成能力を制限するおそれがある。
国際法令：ドイツ、米国およびその他の地域における法律、規制上の要件および基準は依然極めて厳しいもので
ある。当社は、世界的な事業活動および事業プロセスにより、しばしば対立する多数の法律および規則、方針、基
準その他の要件ならびに時折対立する法規制上の要件に直面し、また当社の事業、財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローを損なう可能性があるリスクにさらされる。
当社はグローバル企業であり、現在180を超える国および地域で当社の製品およびサービスを販売している。当
社は、ドイツおよび米国で上場しており、ドイツに所在する欧州会社として、欧州、ドイツ、米国およびその他の
地域のガバナンスに関する法規制上の要件に従う。
これらの180を超える国における当社の事業は、国際的事業固有のリスクにさらされている。当該リスクには、
とりわけ以下のものが含まれる。
・ 特定の国において業務の妨げとなり得る税務上の制約
・ 外部への報告基準および税法の改正（税制に関する対立および重複、ならびにデジタル・ビジネスモデルに
とって不利益となる新しい税構想の導入を含むがこれらに限定されない。）
・ 差別的、保護主義的または対立的な財政方針および税法（2017年末に成立した米国税制改革に含まれる特定
の保護貿易政策等）。また、コンプライアンスに関する指針を示す規則のうち、まだ確定していない規定が
あること
・ 法令改正、政治判断（例えば英国のEU離脱、政権選択選挙）または様々な国における労使協議会の必要な関
与、労働組合の承認および移民法によって生じた労働規制
・ 保護貿易政策、輸出入規制ならびに貿易制裁（ロシアや中国等）、対抗的または敵対的な制裁（米国および
ロシア等）および貿易禁止（イラン等）（各国固有のソフトウェア認証要件を含むがこれに限定されな
い。）
・ 各国固有の制裁に対する違反（北朝鮮に対する国連の制裁またはイランその他の特定の国に対する米国の制
裁要求等）
・ 法律（EU一般データ保護規則（GDPR）または中華人民共和国サイバーセキュリティ法等）および規則（解釈
を含む。）、政権選択選挙の結果に関連する事項、改革の欠如、データ保護およびプライバシー規則、規制
上の要件および基準（PCIデータ・セキュリティ・スタンダード（PCI DSS）等）またはその他のコンプライ
アンス要件（サービス組織規制（SOC）等）の遵守および厳格な執行
・ 当社製品のローカライゼーションおよび現地の法規制上の要件の遵守に付随する費用
・ ある法域における知的財産権および契約上の権利の執行困難
2017年に制裁違反の可能性に関する調査が開始され、継続中である。かかる潜在的な制裁違反に関する詳細は、
連結財務諸表に対する注記(G.3)を参照のこと。
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当社が新たな国々および市場に進出し、ならびに／または新興・高リスク市場を含むこれらの市場で当社の事業
活動を拡大することにより、これらのリスクが強まる可能性がある。それぞれの現地の法規制を当社の事業に適用
す ることは、当該法規制がいずれ改正される可能性があるために時折不確かであり、また法域間でしばしば対立が
生じる可能性がある。さらに、これらの法令および政府による執行の手法は、当社の製品およびサービスが継続的
に進化するのと同じように、引き続き変化し、進展する。こうした変化する法規制を遵守するには多大な費用がか
かり、製品または事業慣行の変更を余儀なくさせる可能性がある。遵守しなければ、罰則が課されるか、または不
遵守であるとされる行為を理由に差止命令が下される可能性がある。政府当局はこれらの法令を適用する上で相当
程度の裁量権を行使する可能性があり、当社に課される制裁は重大である可能性がある。一つまたは複数の上記要
因は、世界的にまたは一つもしくは複数の国もしくは地域における当社の業務に悪影響を及ぼす可能性があり、ひ
いては当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
法務および知的財産：知的財産侵害または当社が第三者技術の十分なライセンスを取得もしくは維持できないこ
と等に関して当社に提起された申立および訴訟は、当社の事業、財政状態、利益、キャッシュ・フローおよび評判
に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当社が当社の知的財産を十分に保護または行使できない場合も同様の悪影
響が生じる可能性がある。
当社のソリューション・ポートフォリオが増加し、当社が企業買収を行うことによりオープンソース・コードを
含む第三者業者のコードの使用が増加し、当社がその製品・サービスをもって新たな業界に進出することにより製
品・サービスの機能上の範囲の重複が増加し、また、製品の考案、製造または販売を行わない特許不実施主体が知
的財産侵害請求を行っているため、当社が知的財産侵害請求を含む申立および訴訟を受ける可能性は引き続き存在
すると当社は考えている。また、当社が成功するためには、当社の知的財産を保護し擁護することが極めて重要で
ある。
訴訟その他の申立の結果は、本質的に不確実性を有しており、例えば以下のリスクにつながる可能性がある。
・ 顧客または当社が買収した事業に関するものを含む申立および訴訟が当社に対し提起されるおそれがある。
・ 当社は第三者技術（当社製品に組み入れ、または当社顧客に再販しているクラウドおよびウェブサービスを
含む。）に全体的に依存している場合がある。
・ 当社が第三者の知的財産権を侵害しているか、これらの技術に対するライセンスの範囲外使用または不正使
用をしている旨を当該第三者が主張してきており、また、今後主張してくる可能性がある。
・ 当社は、第三者からの一定のオープンソース・ソフトウェア・コンポーネントを当社のソフトウェアに統合
している。オープンソース・ライセンスにより、かかるコンポーネントまたはソフトウェアコードが統合さ
れるソフトウェアを、オープンソースの条件に基づき自由にアクセス可能な状態にするよう求められる場合
がある。
・ 当社の努力にかかわらず、当社が当社に帰属するとみなす技術および情報を、第三者が承認なしに取得、使
用または売却することを阻止できない可能性がある。また、当社の所有権は、異議の申立、無効化、法的強
制力の否定またはその他の方法により影響を受ける可能性がある。さらに、国によっては、法律および裁判
所は、当社の法的または知的財産権を行使するため効果的な方法を提供するものではない場合がある。最後
に、当社は法的手続において判決により確定した債務を全額回収することができない可能性がある。
・ 従業員、提携先またはその他の第三者による開示または不正利用を受ける知的財産も存在する。
第三者は、当社が所有しているとみなす技術や情報をリバース・エンジニアリングまたはその他取得および使用
する可能性がある。したがって、当社は、不正に模倣または利用を行う第三者から当社の所有権を保護することが
できない場合がある。当社に対して係属中の一部またはすべての申立および訴訟の不利な結果により、事業を行う
当社の能力を妨げる重大な損害賠償命令または侵害差止命令が当社に対してまたは将来的に当社に対してなされる
場合があり、当社の評判、事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可能性がある。第三
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者により、当社にとって不利な条件によるロイヤルティおよびライセンスに関する取決めの締結が求められ、製品
の発送が遅延され、当社製品が差止命令の対象となり、製品の全体的または部分的な再設計が求められ、顧客によ
る 投資判断が遅延され、また当社の評判が損なわれる可能性がある。第三者による請求により、当社製品の一部ま
たは当社が依存する第三者（当社以外）のソフトウェア製品を、オープンソース条件に基づき自由に利用できるよ
う求められる可能性がある。
当社が所有権を行使するため実施する法的措置は、提携先またはその他第三者に対する執行を伴う場合があり、
当該提携先またはその他第三者の製品を利用する当社および当社の顧客の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
訴訟その他の申立の結果は、本質的に不確実性を有する。当該訴訟に対する経営陣の見解も今後変更される可能
性がある。訴訟その他の申立の実際の結果は、前期における経営陣の査定（IFRSに基づくかかる訴訟および申立に
関する会計は、この査定に基づいている。）と異なる場合がある。
データ保護およびプライバシー：ますます複雑化および厳格化し、場合によっては相反する、データ保護および
プライバシーに関する適用法に違反した場合、または当社の製品およびサービスに関して当社顧客の契約上の要求
を十分に満たすことができない場合、民事上の責任および罰金、ならびに顧客の喪失および当社の評判の失墜につ
ながる可能性があり、また、当社の財務実績および事業全体に重大な悪影響を与えるおそれがある。
世界的なソフトウェアおよびサービス・プロバイダーとして、当社は、当社がどこで事業を行おうとも現地の法
律を遵守する義務がある。欧州のデータ保護に関する法の、近年の主要な調和の一つは、一般データ保護規則
（General Data Protection Regulation）（GDPR）であった。
さらに、データ保護およびプライバシーその他の基準に関する世界中の変わりゆく規則および新法（カリフォル
ニア消費者プライバシー法およびEUのeプライバシー規則案等）は、マーケティング目的や個人のオンライン活動
の追跡目的での個人情報の利用にますます焦点を当てているが、これらは当社の製品およびサービス（特にクラウ
ド・サービス）の使用および導入を制限する可能性のあるコンプライアンス基準の増加に起因して当社にさらなる
負担を課すおそれがあり、また、顧客の期待に応えることを一層困難かつ複雑にするおそれがある。
これは、当社にとってリスクの増加につながる可能性があり、ひいては当社の事業に損害を与え、当社の成長を
制限する可能性がある。
当社および／または当社が起用するいずれかの下請処理業者が、個人データの処理において適用データ保護およ
びプライバシー法を遵守しない場合、例えば以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 影響を受ける個人、顧客およびデータ保護監督当局に対する、違反の強制開示
・ データ保護監督当局による調査および行政処分（不遵守となっているデータ処理行為を是正または停止する
旨の指示等で、これには不遵守下請業者の起用中止の指示が含まれる。）
・ 当社の年間グループ売上高の4％を上限とする罰金または無制限の罰金
・ 顧客による損害賠償請求
・ 当社の評判の失墜
・ デジタル化時代における、クロスボーダーのデータ移転に関する法的要件の複雑性の増加
・ 機械学習または人工知能等の観点におけるデジタルの体制が不十分なために、個人のデータまたは情報がゆ
がめられる可能性がある。
また、ドイツ連邦憲法擁護庁およびセキュリティ業界の専門家は、個人データを含む企業データの取得または侵
害を目的とした世界中で増加するサイバー攻撃に関連するリスクを警告している。当社は、サイバー攻撃の手法が
引き続き進化し複雑性を増すと見込んでいる。これは、攻撃および侵入の予測、防止、発見、および軽減を困難に
する可能性があるため、とりわけ以下の分野のリスクをはじめとしたリスクにつながる。
・ 最近のサイバー攻撃の顕著な事例（ランサムウェアの使用が脅威アクターの好む手法であった。）に見られ
る、個人データを含む企業データの取得または侵害を目的とした世界中で増加する脅威アクター攻撃
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かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは重大な悪影響を受
ける可能性がある。
コーポレート・ガバナンスおよびコンプライアンス・リスク
情報の不正開示：機密情報の不正な開示を防止するための当社による統制および取組みは、効果的ではない可能
性がある。
当社の戦略、新技術、合併および買収、未発表の財務成績、顧客データまたは個人データ等の事項に関連する機
密情報および内部情報は、時期尚早にまたは不注意により開示される可能性があり、ひいては市場での誤解および
市場の不安定性を招く可能性がある。
かかる開示は、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 例えば従業員によるソーシャル・メディアの不適切な利用による、機密情報および知的財産の漏洩、欠陥製
品、生産停止、供給不足、データ（個人データを含む。）の漏洩
・ 複数の規制当局に届け出て、適用される規制要件を遵守し、適切な場合にはデータ保有者に届け出る必要性
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の市場での地位に悪影響を及ぼし、罰金および罰則が課せられることに
つながる。さらに、当社の事業、評判、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可能性があ
る。
倫理的行動：従業員、その他の個人、提携先、または当社と関連する法人による非倫理的行動および当社品質基
準の不遵守は、当社の事業、財政状態、利益および評判に深刻な損害を与える可能性がある。
世界市場における当社の主導的地位は、世界各地の利害関係者からの長期的かつ持続可能な信頼の上に成り立っ
ている。企業の透明性、金融市場とのオープンなコミュニケーションおよび一般に認められている事業健全性基準
の遵守等は、当社の包括的なアプローチである。かかる確約は、当社の企業行動規範（CoBC）および補足的な指針
において明文化されている。
しかし、当社は、例えば以下のリスクに直面する可能性がある。
・ 当社品質基準の不遵守、ならびに規則、規制および法的要件（ドイツの腐敗防止法、米国海外腐敗行為防止
法、英国贈収賄防止法および不正行為を禁止するその他の現地の法律を含むがこれらに限定されない。）に
関連する遵守違反
・ 刑事責任、罰金および被害者による請求を招くこととなる、個々の従業員、その他の個人、提携先、または
当社と関連する法人による非倫理的かつ詐欺的行動
・ 事業獲得のための支援をはじめとする外部の第三者との共謀
・ 特に腐敗認識指数が低い国々および新興市場における、詐欺および腐敗行為
・ 腐敗について高いリスクにさらされた地域における公共部門取引の調査の増加
・ 公共部門、医療、銀行業または保険事業等の、規制が厳しい業界におけて事業活動がさらされている危険お
よび事業活動への影響の増加
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、評判、財政状態、株価、利益およびキャッシュ・フローは悪影
響を受ける可能性がある。
当社は、当社の事業および評判に悪影響を及ぼす可能性のある、腐敗行動の観点での不遵守に対し、明確な声明
の発表および断固とした措置を行わなければならない事態に直面した。当社は南アフリカにおいて公共部門との取
引を引き続き調査中である。かかる贈収賄禁止法違反の疑いに関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(G.3)を
参照のこと。
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環境および持続可能性：当社が、顧客、提携先もしくは他の利害関係者の期待、または気候変動、エネルギー制
約および当社の社会的な投資戦略に関して一般に認められている基準を満たすことができない場合、当社の事業、
業績および評判は悪影響を受ける可能性がある。
エネルギーおよび排出マネジメントは、社会、環境および経済におけるリスクおよび機会の総合的な管理に必要
不可欠な要素である。
当社はこの観点からリスクを特定した。これは以下を含むが、これらに限定されない。
・ 顧客、提携先もしくは他の利害関係者の期待、または気候変動、エネルギー制約および当社の社会的な投資
戦略に関して一般に認められている基準を満たすことができないこと
・ 以前発表した温室効果ガス排出量に関する目標を達成できないこと
・ 持続可能性投資指数における当社の格付を維持できないこと
当社が、特定された分野において利害関係者の期待に応えることができない場合、持続可能性投資指数における
当社の格付は低下する可能性があり、これは当社の評判、利益および株価に悪影響を及ぼす可能性がある。
金融リスク
売上および収益状況：当社の売上および収益状況は市場変動の影響を受けやすく、当社の予測は正確でない可能
性がある。
当社の収益および経営成績は四半期ごとに、場合によっては大幅に変動する可能性があり、過去にもそのように
変動してきた。当社の全体的な収益、中でも特に当社のソフトウェア収益は、多くの理由により予測をすることが
困難であり、とりわけ以下に関連するリスクにつながる可能性がある。
・ パイプラインの開発および実現における困難
・ 多くの当社製品の販売サイクルが長い こと
・ 当社または競合他社が新しい製品・サービスまたは製品・サービスの機能強化を導入する時期の問題
・ 各顧客取引の規模が大きく、複雑で、決済までの期間が長い こと
・ クラウド・サブスクリプション・モデル等のライセンスモデルおよび展開モデルの導入 ／適応
・ 新たなビジネスモデルの採用およびそれへの転換により、前払モデルから利用回数制またはサブスクリプ
ション・ベースでの支払モデルへの変更が増加するため、各サービス期間が通常1年から3年、最長で5年に
及ぶこと
・ 顧客予算の変化 もしくは顧客の技術購入における季節性、または例えば政情不安等によって生じた顧客の支
払における課題
・ 関連保守およびサービス収益の成長に悪影響を及ぼす可能性のあるソフトウェアの売上の減少
・ 予想収益の減少または収益認識の遅延もしくは収益認識に長期間を要する展開モデル
・ 買収企業がその販売パイプラインを正確に予測できないこと
近年では、販売取引数が増加し、平均取引規模がおおよそ一定となる傾向にある。しかし、一つまたはいくつか
の大規模な販売機会の喪失または遅延は、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼ
す可能性がある。
流動性：外部要因により、当社の流動性に影響を与え、金融資産に付随するおよびその評価に関連するデフォル
ト・リスクを増加させる可能性がある。
経済の低迷等のマクロ経済要因は、当社の将来的な流動性に悪影響を与える可能性がある。当社は、流動性、為
替相場、利子率、カウンターパーティおよび株価に関するリスク等の財政リスクを管理するため、世界的かつ集中
的な財務管理手法を用いている。その主な目標は、いかなるときも当社の義務を満たす適切な水準でSAPグループ
の流動性を維持することである。
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ただし、負のマクロ経済要因は、グループの流動性総資産の投資に付随するデフォルト・リスクを増加させ、と
りわけ以下のリスクにつながる可能性がある。
・ グループ流動性資産の不足
・ 金融負債の返済不能
・ 将来の重大な減損費用につながる可能性のある、金融投資のデフォルト・リスクの増加
・ 事業上および／または戦略上の財務弾力性の制約
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の金融資産の価値は影響を受ける可能性があり、ひいては当社の事業、
財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
会計方針および判断の利用：当社の会計処理において、経営陣は方針を利用し、予測を適用している。これは、
当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
IFRSを遵守するため、経営陣は、会計方針の策定および適用ならびに判断の適用（見積および仮定を行い利用す
ることを含むが、これらに限定されない。）が求められている。かかる方針および判断は、公表している当社の財
務統計に影響を及ぼす。
かかる方針および判断の利用は、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 基準の策定者および規制機関による新たな声明、ならびに現行の基準の慣行または共通解釈の変更により、
当社は現行の方針を改定せざるを得ない可能性がある。かかる変更により当社のプロセスに大幅な変更が生
じる場合、当社は、当該変更を速やかに実施するのに苦戦する可能性がある。
・ 当社の経営陣が判断の基とする事実、状況および仮定は、時が経つにつれ変更される場合があるため、当社
は従来採用していた判断を変更しなければならなくなる。
上記のリスクはいずれも、公表している当社の財務統計に重大な変更をもたらす可能性があり、当社の事業、財
政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
通貨、金利および株価の変動：世界中で事業を展開する企業である当社は、通貨、金利および株価の変動に関連
する様々な金融リスクにさらされており、これは、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影
響を及ぼす可能性がある。
当社は世界中で事業を行っているため、当社の事業の大部分は外貨建てで行われている。当社の2019年度におけ
る収益の約72.6％が外貨建てで行われた事業によるものである。そのため、かかる外貨建て事業の収益は当社の報
告通貨であるユーロに換算される。
これは、とりわけ以下のリスクにつながる可能性がある。
・ 前期比の変動
・ 通貨の上昇もしくは下落による為替相場リスク、または通貨切り下げに関連するリスク（通貨体制の法的お
よび／または行政的変更）
・ 金利の変動
・ 株式報酬支払に関する現金支出に影響を及ぼす株価の変動
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
保険：当社の保険は不十分であり、無保険の損失が生じる場合がある。
当社は、当社が適切と考え、また現在の産業慣行と一致する水準で、多様なリスクから当社を保護する保険を維
持している。当社の目的は、合理的な費用で財務損失を排除または最小限にすることである。
それでもなお、当社は、とりわけ以下の分野のリスクにさらされる可能性がある。
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・ 制限を超過し、または当社の保険の対象範囲外となる可能性があり、当社の保険契約に基づく補償を制限ま
たは阻止する可能性がある損失
・ 将来商業的に合理的な期間にわたって十分な保険を維持できないこと
・ 現在合理的な費用で保険をかけられない、特定の種類のリスク
・ 保険会社が請求による支払義務を果たす財務能力を有している保証はないこと
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
ベンチャー・キャピタル：当社は、ベンチャー・キャピタル投資に関し、多額の損失を被る場合がある。
当社は、当社の連結ベンチャー投資ファンドであるSapphire Venturesを通じて、有望な新技術に関する事業に
引き続き投資する予定である。
これは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 投資は純損失をもたらし、および／または投資家から追加の支出を必要とする場合がある。
・ 事業計画に対する変更は、Sapphire Venturesが投資している企業の業績に影響を与える場合がある。
・ 持分証券に関連する資本損失および減損の税控除は制限される場合が多く、当社の実効税率に悪影響を及ぼ
す場合がある。
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
人的資本に関するリスク
人的労働力：各地に分散する従業員を勧誘し、育成し、雇用し続け、効率的に管理することができない場合、当
社は効率的かつ好調な事業および業務の運営ができず、素晴らしい新ソリューション、新サービスの開発が不可能
となる場合がある。
当社の成功は、高度な技術および専門知識を有する男女両方の人員および指導者に関する計画プロセス、十分な
資源配分、ならびに当社の配置戦略を、当社の全般的な戦略と適切に同調させることに依拠している。特定の地域
ならびに特定の技術およびソリューション分野において当社は、インフラのニーズおよび現地の法規制または税務
規制を考慮の上、短期および長期の技能要件に応じた極めて高い成長目標を引き続き設定している。特定の戦略的
分野における高度な技術および専門知識を有する労働者の確保および増員に成功することは、インテリジェント・
エンタープライズを活用したエクスペリエンス・カンパニーとなるための主要な成功要因である。こうした人員お
よびビジネス専門家の利用可能性は限られているため、当社の業界における競争は激しい。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクに直面する可能性がある。
・ 人員計画プロセス、十分な資源配分および配置戦略を、当社の全般的な戦略と同調させることができないこ
と
・ 対象の市場に規模を合わせるために有能かつ参加意識の高い人員を特定し、勧誘し、開発し、意欲を起こさ
せ、十分に補償し、雇用し続けることができないこと
・ 高度な技術および専門知識を有する人員を順調に雇用し続け、その技術を向上させ、増員することができな
いこと
・ 引き継ぎの管理が不十分であり、または適当な後任者を見つけられないこと
・ 買収事業の主要人員の喪失
・ 社内性別多様性目標の達成を含む短期および長期の人員および技能の要件を遵守できないこと
・ 適切な福利厚生および報酬プログラムがないまたはそれらの実施が不十分であること
・ ビジネス専門家およびコンサルタントの利用可能性および規模の拡張可能性の欠如
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・ 従業員数およびインフラのニーズの変更および現地の法規制または税務規制の変更により、当社の費用と収
益に不釣合いが生じること
・ 第三者企業の大規模配信ネットワークを効果的に管理する際の課題
かかる事象が一つでも生じた場合、各地に分散した従業員を勧誘し、育成し、雇用し続け、効率的に管理する当
社の能力は低下する可能性があり、これにより当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を
受ける可能性がある。
オペレーショナル・ビジネス・リスク
販売およびサービス：クラウドを含む当社のソフトウェアおよびサービスの販売および実装は、当社の管理が及
ばないこともある多くの重大なリスクにさらされている。
ソフトウェアおよびサービスのソリューションを確実に実装することは、当社の事業の中核的な要素である。当
社のソフトウェアの実装およびクラウドベース・サービスの提供は、当社、提携先、顧客またはこれらの組み合わ
せにより先導される。
しかし、当社はとりわけ以下の分野のリスクに直面する可能性がある。
・ 実装が予定より長期にわたり、または当初予想していた程の利益を生み出せない等の実装リスク、スコープ
の逸脱、ソリューションの複雑性、統合および移行に関する個別のニーズもしくは機能要件の変更、また
は、スケジュールの遅延につながりもしくはスコープにおけるソリューションの保守サイクルを超過する可
能性のある不十分なマイルストーンの管理および追跡
・ 顧客により提供される不十分または不正確な情報であって、後に要件または技術的不適合につながるもの
・ スコープ、統合能力およびものの見方を含む顧客期待値マネジメントが不十分であること、ならびに当社ソ
リューションの目的をもった選択、実装および利用を行わないこと
・ 顧客のコミットメントおよび個々の参加意識の欠如（資源コミットメントの欠如を含む。）が、遅延、また
は推奨される最良の慣行からの逸脱につながること
・ 買収技術の効果的な実装における課題
・ 複雑な提供または実装の際に、円滑に統合および連携してサービスの提供を成し遂げることにおける課題。
その原因の例として、特に当社のプロジェクトへの参加が限定されている場合における、理解の不足が挙げ
られる。
・ インストールの長期化または多額の第三者コンサルティング費用
・ 誤った計算または予測により、費用が定額契約で合意された料金を超過すること
・ 販売段階において確約したサービスを提供できないこと
・ プロジェクトの成果／結果に対する認識の相違または顧客の支払における課題に起因する顧客の支払の遅延
・ サービス、サポートおよびアプリケーション管理に関して、サブスクリプション・モデルに基づく契約モデ
ルおよび消費モデルが不十分であること
・ リスク・エクスポージャーの増加につながる可能性のある標準条項からの逸脱
・ 顧客が、ソリューション開発に関する声明を将来のソフトウェアの機能について約束するものであると誤解
するおそれがあること
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
パートナー・エコシステム：当社は、効果的なパートナー・エコシステムを調整し、維持し、促進することがで
きない場合、収益は期待どおりに増加しない可能性がある。
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活気あるオープンなパートナー・エコシステムは、当社の成功および成長戦略の基本的な柱となっている。当社
はパートナーシップ契約を締結しており、これにより当社のプラットフォームに関する共同革新を促進し、市場カ
バー率を最適化するすべての市場ルートを有利に拡大し、クラウドの提供を最適化し、かつすべての市場セグメン
ト において高品質のサービス能力を提供している。提携先は、当社のプラットフォームを共同革新し、当社の技術
を組み込み、当社のソフトウェアを転売および／または導入することにより、当社の全般的なソリューションの
ポートフォリオが市場に浸透することを促進させる重要な役割を担っている。
こうしたパートナーシップは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 当社の規模拡大ニーズを支える正規提携先ネットワークを構築および実現できないこと
・ 当社の提携先から十分なコミットメントを得られないことにより、マーケット・リーチのスピードおよび影
響力が損なわれること
・ 当社の製品またはサービスのモデルが競合他社と比較して戦略的でないおよび／または魅力的でないこと
・ 提携先は、当社が受諾可能な条件でもしくは一切、当社との現行の契約を更新しないもしくは新規契約を締
結しない、または当社との競合を開始する可能性がある。
・ 対象市場の規模に応じた販促、販売およびサポートを可能にし、そのための十分な提携先人材をの育成を怠
ること
・ 提携先は、当社のプラットフォームに関する十分な数の新ソリューションおよびコンテンツを開発しないま
たは顧客の期待に沿う高品質の製品またはサービスを提供しない可能性がある。
・ 提携先は、製品の採用を有利に促進する当社のソリューションを特にSAP S/4HANA、SAP C/4HANAおよびSAP
Cloud Platformのような革新に十分組み込まない可能性がある。
・ 提携先は適用される法務コンプライアンス規則を遵守しない可能性がある。
・ 提携先およびその製品は当社の顧客または当社が期待する品質条件を遵守しない可能性がある。
・ 提携先は、当社のビジネスモデルの転換に従った速やかなビジネスモデルの転換を行わない可能性がある。
・ 提携先は、サービス・プロビジョニングに関して顧客の期待に応えることができず、またはそのための能力
を有しない可能性がある。
・ 提携先は、通商禁止対象の国またはリスクの高い国において契約条件を遵守できない可能性がある。
かかるリスクが一つでも現実化した場合、当社の製品およびサービスに対する需要ならびに提携先のロイヤル
ティおよび提供能力は、悪影響を受ける可能性がある。その結果、当社は他のベンダーとの競争で優勢になるため
に事業規模を調整することができなくなり、ひいては当社の評判、事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フ
ローに悪影響が出る可能性がある。
クラウドの運用：当社は、混乱時または業績低迷時に当社の重要な情報および資産、事業活動、クラウド製品・
サービスおよびポートフォリオの表示、ならびに関連インフラストラクチャーを適切に保護することができない可
能性がある。
当社は、当社のインフラストラクチャーの利用可能性に非常に依存しており、当社のクラウドのポートフォリオ
において使用されるソフトウェアは本質的に複雑である。
これは、クラウド運用の成功に影響を与える、以下のようなリスクにつながる可能性がある。
・ 顧客が期待するまたは顧客に対して約束した速やかで効率的な方法により、クラウド・サービスを提供およ
び運用する能力の不足および欠如
・ 大企業の顧客のために運用規模を拡大する能力に対する顧客の懸念
・ 顧客の要望に完全に合致していない可能性があり、将来的に顧客の志向とずれが生じるおそれのある、不完
全なクラウド・ポートフォリオ表示またはクラウド運用の戦略的な指示
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・ ハイパースケーラーを利用できないこと、またはインフラストラクチャーの安定性が欠如していることの結
果、サービスレベル合意書（SLA）のコミットメントの達成において課題をもたらす可能性
・ ハイブリッド環境を提供し運用するために十分な「将来的スキル」の欠如
・ 顧客に途切れのないエンドツーエンドのエクスペリエンスを提供しつつ、運用を管理し最適化するための
ツールの不足
・ 現地の法的な要件またはデータの統治権の変化により、顧客が主要なまたは災害時回復用のランドスケープ
を異なるデータセンターに割り当て直すことを検討する可能性
・ データセンターの運用またはシステムの安定性・利用可能性に関する欠陥またはこれらの機能停止
・ 認証のプロビジョニングが、当社のトラスト・センターにおいて常に完全に公表されてはいないことで、顧
客による不正確な認識を招く可能性
・ 当社のクラウド・アプリケーション・ポートフォリオの利用可能性の中断は、顧客のサービスレベル合意書
に潜在的な影響を及ぼす可能性がある
・ システムの機能停止もしくは中断、人為的もしくはその他のエラーによる当社のネットワークの不具合、安
全性への違反、またはクラウド・アプリケーションに対するユーザーのアクセス数の変動
・ データの損失もしくは破損につながるハードウェアの不具合もしくはシステム・エラー、または収集データ
の不完全性
・ 第三者から購入またはリースしたハードウェアの使用権の喪失によるクラウド・アプリケーション提供能力
の停滞
・ インフラストラクチャーおよび運用の規模拡大の必要性は、コスト増およびマージンへの影響につながる可
能性がある
・ 提携先のデータセンターのコロケーションに関連する当社の品質基準の不遵守
・ 当社における総保有コスト（TCO）の増加
・ クラウド・サービスに対する顧客の需要は、当社のデータセンターの設備投資では対応できない可能性があ
る
・ PCIデータ・セキュリティ・スタンダード（PCI-DSS）等の適用認証要件の不遵守
これらの事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは重大な悪影響を
受ける可能性がある。
サイバーセキュリティおよびセキュリティ：サイバーセキュリティ攻撃もしくは違反、当社製品、インフラスト
ラクチャーもしくはサービスにおけるサイバーセキュリティ脆弱性、または経済スパイは、重大な法的および経済
的リスクにつながる可能性があり、概して当社の顧客、提携先、財政成績、利益、キャッシュ・フロー、活動、ブ
ランド、評判、競争上の地位、当社の製品およびサービスに対する現在および将来の顧客の認識、および事業に重
大な悪影響を及ぼす可能性がある。
本業による成長および買収による成長を継続し、クラウドを通じたすべてのソリューション・ポートフォリオを
提供し、当社顧客の事業の要素をクラウドでホストまたは管理し、大容量のデータを処理し、より多くのモバイ
ル・ソリューションをユーザーに提供するにつれ（いずれの場合も、直接かまたは提携先およびその他の第三者を
介して）、当社は、次第に複雑化し脅威を増すサイバーセキュリティ環境に直面する。当社が事業を行っている、
グローバル・サイバーセキュリティ脅威のある空間（当社が当社の製品およびサービスに統合する第三者のデー
タ、製品およびサービスを含む。）がますます巧妙さおよび悪意性を増し、概してIT製品およびIT企業を標的とし
た脅威アクターにより採用される手法が引き続き進歩し一層進化していることにより、こうしたサイバーセキュリ
ティ環境によって引き起こされる課題はますます厳しさを増している。かかる脅威アクターには、国家および犯罪
組織等の極めて高度な知識を有する者が含まれるが、これらに限定されない。大手クラウド企業であり、世界で最
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大かつ最も知名度のある複数の顧客に対するサービス・プロバイダーでもある当社は、当然、サイバーセキュリ
ティ攻撃の目立つ標的である。当社は、当社の製品およびシステムに脅威を与える活動の増加を認めており、様々
な 種類および程度のサイバーセキュリティ攻撃を日常的に経験している。当社が当社のシステムへの不正なアクセ
スを認知した場合、当社は、かかる侵入の出所および影響を特定し是正するための処置、ならびに関連のある必要
な通知および開示の義務を遵守するための処置をとる。現在にいたるまで、当社が特定した侵入はいずれも、当社
の事業に重大な悪影響をもたらしてはいない。しかし、当社は、すべての不正な侵入を認識できているわけではな
く、当社のシステムは、当社が認識していない実行中の侵入を経験している可能性がある。さらに、当社はサイ
バーセキュリティに対する防御を強化するために継続的に処置をとっているが、当社のサイバーセキュリティ・イ
ンフラストラクチャーが、進歩する産業の標準に確実に合致しまたは勝ることを時間をかけつつ確約するという当
社の目的を達成するためには、さらなる投資、協調、および資源が必要である。かかる目的を達成するためには、
かかる標準に合致するシステムについて進行中の開発およびその維持を支援するための金銭および管理資源の持続
的な投資を含む、継続的な努力および警戒が必要だと考えられる。その結果、当社は、とりわけ以下の分野におけ
るリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 特定のまたは未検出のサイバーセキュリティ上の欠陥および脆弱性
・ オープンソース・ソフトウェア・コンポーネントの利用を原因とした、活用における複雑性およびリスクの
増加
・ ネットワーク上の攻撃、混乱、被害および／または不正アクセス、盗難、破壊、産業および／または経済ス
パイ、重大なまたは組織的な犯罪、その他の違法行為ならびに暴力的な過激主義およびテロ行為を含む数多
くの脅威により、当社の事業運営およびサービス提供がリスクにさらされること
・ データの不正使用、ソーシャル・エンジニアリング、悪用もしくは当社の施設への侵入者、またはシステム
が使用不可能な状態にされること
・ 国家主導の経済スパイまたは競合会社主導の産業スパイ、および犯罪活動（クラウド・サービスおよびホス
ト型オンプレミス・ソフトウェア（当社または当社の顧客、提携先、またはその他の第三者のいずれに管理
されているかを問わない。）に対するサイバー攻撃および違反を含むがこれらに限定されない。）
・ バックアップ、災害復旧または事業継続性マネジメントに関するプロセスの停止
・ 当社のネットワークシステムが、当社の顧客のITシステムまたはクラウド・サービス・プロバイダーなどの
当社の事業活動を助ける第三者のシステムにおける欠陥および脆弱性を通して行われるサイバーセキュリ
ティ攻撃（当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順を超え
るものを含む。）にさらされることにより起こる混乱
・ クラウド・サービス・プロバイダーが安全かつ順調にクラウド・サービスを提供できない場合、クラウド・
ソリューションに対する顧客の信頼に悪影響を及ぼす可能性がある
・ 特定されたサイバーセキュリティ問題に関してその複雑性、相互依存性またはその他の要因を原因としてレ
スポンスが遅れたためまたは不十分なために起こった、当社およびその顧客に対するサイバーセキュリティ
の脅威
・ 雑多な環境において、サイバーセキュリティを当社の様々な事業部門を超えて効果的に統一する際の課題
・ 安全な運用を危険にさらしうる、不十分または効果的でない資産管理
・ 脅威アクターが脆弱性を悪用することで損なわれる顧客システムまたは当社が運営するシステム
・ 破壊的なマルウェア、ランサムウェアまたはその他のサイバーセキュリティ攻撃の増加により引き起こされ
る、運用における混乱
・ サイバーセキュリティ措置の違反（例えば、従業員による過失もしくは不正行為、システムの脆弱性、故
障、または、従業員、ユーザー、提携先もしくは顧客を唆して当社のシステム、データもしくは顧客データ
へのアクセスを入手しようとする第三者の試みに起因するものを含むが、これらに限定されない。）
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・ サイバーセキュリティ事項について、進化していく当社のサイバーセキュリティに関するニーズを支援する
ために必要であり、かつ、ますます複雑および巧妙になっていく脅威の状況に見合っている知識、経験、お
よ び訓練を十分に有する人員を十分に維持できないこと
・ モノのインターネット（IoT）などの相互接続された技術、およびそのエントリポイントとエンドポイント
の増加を原因として拡大し変化する、サイバー攻撃サーフェスによる課題の増加
・ オペレーショナル・データの接続性が増したことによるサイバーセキュリティ攻撃サーフェスの拡大
・ 多額の復旧費用、ならびに顧客、提携先、当局（国家、連邦および非米国の当局を含む。）および第三者
サービス・プロバイダーによる多額の契約上および法律上の請求で、当社に多額の費用および責任を生じさ
せ、および／または当社にその事業慣行の是正を求める可能性のある命令、判決もしくは同意判決の発行に
つながるおそれのあるもの
・ 巧妙な攻撃を検知し、防止し、軽減しようとするための多額の費用（法律およびサイバーセキュリティに関
する第三者専門家およびコンサルタントの費用、保険料、追加の人員および技術、組織改革、ならびに顧客
および提携先に対する、損失を補償するためおよび／またはその事業を維持するためのインセンティブを含
むが、これらに限定されない。）
・ サイバーセキュリティ攻撃のさらなる巧妙化、件数の急増、ならびに頻度、深刻さおよび影響の増加
・ サイバーセキュリティ違反または情報の喪失を、完全か、適時か、またはかかる違反後長い時間が経過した
後かを問わず発見することができず、または全く発見することができないこと
・ 攻撃の予測または十分な軽減措置の実施ができないこと
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーが、進歩する産業の標準に確実に合致しまたは勝る
ことを時間をかけつつ確約し、かつ、絶えず進歩し拡大する脅威の状況からの防御を行うという当社の目的
を達成するための投資、協調、および資源が不足すること
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーの強化に伴う多額の費用および時間。なお、かかる
費用および時間は、当社の製品およびサービスの開発および提供において実行中のペース、ならびに当社の
財務実績に影響を及ぼす可能性がある。
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順を、買収を通じて
取得した他のネットワークシステムと統合できないこと（取得したシステムにおけるサイバーセキュリティ
に対する欠陥および脆弱性への対処を含む。）
・ 当社から事業およびネットワークシステムを譲渡することに関連して、当社のサイバーセキュリティ・イン
フラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順を維持できないこと
・ 当社のサイバーセキュリティ・インフラストラクチャーおよびサイバーセキュリティ手順の妥当性に関す
る、第三者または当社の不正確または不完全な監査の結果、証明または表示
・ クラウド・ソリューションを含む当社の製品およびサービスに関する現在または将来の安全性および信頼性
に係る顧客の懸念および信頼喪失、ならびにその結果としての顧客および提携先による主要な契約の終了
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは重大な悪影響を受
ける可能性がある。
技術および製品：当社の技術および／または製品は、未検出の欠陥、コーディング・エラーまたは構成エラーに
直面し、期待どおりに統合できず、または顧客の期待に応えられない可能性がある。
当社製品の戦略および開発への投資（新製品の発売および機能強化を含む。）は、とりわけ以下の分野のリスク
にさらされている。
・ ソフトウェア製品およびサービスは、市場ニーズまたは顧客の期待に十分に応えることができない可能性が
ある。
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・ 買収した会社のソフトウェア製品およびサービスは、当社の品質基準を完全には遵守しない可能性がある。
・ 当社は、当社のプラットフォームおよびソリューションを統合し、製品およびクラウド・サービスのポート
フォリオを完成させ、当社のユーザー・インターフェース・デザインと技術を調和させ、買収した技術およ
び製品を統合し、またはSAP HANAプラットフォームおよびSAP Cloud Platformを基盤とするパッケージ、
サービスもしくは新ソリューションを市場に提供するに当たり、これらを期待どおりの速さで行うことがで
きない可能性がある。
・ 新しい製品、サービスおよびクラウド・オファリング（第三者技術を含む。）は、当社が品質に関するあら
ゆる適正評価を行ったにもかかわらず、出荷後において、現地の基準および要件を遵守せず、欠陥を含み、
または顧客が考えるビジネスに不可欠なソリューションとして十分に成熟していない可能性がある。
・ すべての顧客セグメントに関して十分なソリューション・パッケージおよび範囲を定義および提供できない
こと
・ アルゴリズムが進化する環境に正しく適応できないために、人工知能関連の技術の面において有害な意思決
定プロセスをもたらす可能性がある。
・ 欠陥解決プロセスにおいて顧客が期待する期限および品質を満たすことができないこと
・ 新製品・サービスに関する顧客リファレンスの欠如
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
戦略上のリスク
市場シェアおよび利益：ソフトウェア業界における競争の激化、市場統合、技術革新および新規ビジネスモデル
により、当社の市場シェアおよび利益は減少する可能性がある。
クラウド・コンピューティングの市場は拡大しており、オンプレミス・ソリューション市場と比較して目覚まし
い成長を見せている。クラウド事業の業績を維持または改善するためには、顧客が当社との契約を当初の契約期間
満了時に更新し、追加のモジュールまたは追加の機能を購入すること、および当社が新規顧客を獲得することが重
要である。また当社は、需要に応じて、かつ競合他社より前に、SAP HANAビジネス・データ・プラットフォーム、
新技術およびSAP Cloud Platformに基づく新ソリューションを市場に出す必要がある。これには、SAP S/4HANA、
SAP C/4HANA等のインテリジェント・エンタープライズをサポートする革新的アプリケーション、またはモノのイ
ンターネット、機械学習、ロボットによる業務自動化（RPA）（ルールに基づく反復的な業務を自動化する。）、
デジタル・アシスタント（音声による認識およびインタラクションを含む。）およびブロックチェーン等のより新
しい技術等が含まれる。
以上を考慮すると、これは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 完全に適したソリューションおよび移行サービスを用いて、オンプレミス顧客とともにクラウドへの移行過
程に適切に取り組むことができないこと
・ ハイパースケーラーを統合するための当社の戦略を首尾よく実行できないこと
・ クラウド事業の拡大および既存の当社顧客によるオンプレミス・ライセンスからクラウド・サブスクリプ
ションへの移行に起因する収益への悪影響は、関連する保守およびサービス収益にも悪影響を及ぼす可能性
があること
・ 複雑性が増すとともにソリューションおよびサービスの採用が不十分となった場合、また、当社のインテリ
ジェント・エンタープライズ戦略の遂行中に当社のソリューションおよびサービスのポートフォリオに関し
て失敗があった場合、大手クラウド企業としての当社の地位は失われ、顧客による採用は減少する可能性が
ある。
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・ 顧客および提携先は、クラウドへの移行および適応に消極的になり、競合他社のクラウド・オファリングを
検討する可能性がある。
・ 既存の顧客は、契約（保守またはクラウド・サブスクリプション等）を取消しもしくは更新せず、または別
の製品およびサービスを購入しないことを決定する可能性がある。
・ クラウド事業の市場はこれ以上発展せず、または予想より発展が遅い可能性がある。
・ クラウド分野における競合他社同士の戦略的提携および／またはその成長に連動した効率性の向上は、価格
設定およびソリューション統合能力の点で市場での競争を大幅に激化させる可能性がある。
・ 従来の競合会社、新興競合会社、そしてとりわけ協力関係にある競合会社およびハイパースケーラーとの競
争による価格圧力、費用の増加および市場シェアの喪失
・ 予定された時点までに計画通りに利益率の増加を達成できないこと
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
合併および買収：当社は、効率的または適切に企業を買収および統合することができない可能性がある。
当社は、事業を拡大するため、事業、製品および技術の買収を行っており、今後も買収を継続的に行うことを見
込んでいる。こうした買収の一部は徐々に規模が拡大し、当社にとっての戦略的重要性も増している。潜在的な買
収、および買収した事業、製品または技術の統合に関する経営交渉には、経営陣および従業員両方の時間、集中お
よび資金が必要となり、当社は予想外の事業上の困難にさらされる。
事業、製品および技術の買収は、当社をリスクにさらす可能性があり、これにはとりわけ以下の分野のリスクが
含まれる。
・ 買収のデュー・デリジェンス過程における誤った情報または推定（事業環境ならびに／またはビジネスモデ
ルおよびライセンスモデルに関連する情報または推定を含む。）
・ 取得した技術またはソリューションを当社のソリューション・ポートフォリオおよび戦略と首尾よく有利に
統合することができないこと
・ 取得した事業体、事業、その文化または言語のすべてについて、適用される現地の法律の制約の範囲内でう
まく統合することができないこと
・ 被買収企業の顧客または提携先のニーズに応えられないこと
・ 認識されていなかった、買収企業の重大な債務（法律上、税務上、知的財産上のものを含む。）
・ 被買収企業における内部統制、開示統制・手続および方針の実施、復活または維持の失敗
・ 相反する慣行または方針（コンプライアンス要件）
・ 被買収企業の会計、人事およびその他事務システムの不十分な統合
・ 被買収企業の研究開発（R&D）、販売・マーケティング活動、ならびにセキュリティおよびサイバーセキュ
リティ手順を整理し、またはうまく統合することができないこと
・ 負債の発生または予期しない多額の資本支出
・ 既存の当社基準（当社のオープンソース製品基準等の適用製品基準を含む。）の不遵守
・ 企業結合により取得したのれんその他の無形資産の減損
・ 被買収企業による規制要件（例えば、会計基準、輸出管理法および貿易制裁で、買収により当社が潜在的な
罰金および不遵守是正義務を含む責任および債務を負うこととなるもの）の不遵守
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
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革新：当社がソリューション・ポートフォリオの戦略を効果的に立てられず、または技術および製品の急速な革
新、機能強化、新規ビジネスモデルならびに変化する市場の期待に対応することができない場合、当社は効果的に
競争することができない可能性がある。
当社の将来の成功は、当社が技術およびプロセス革新ならびに新規ビジネスモデルに対応する能力に加え、当社
が新製品および新サービスを開発し、当社の既存の製品およびサービスのポートフォリオを強化・拡大し、当社が
買収により取得した製品およびサービスを統合する能力に左右される。当社が成功するためには、当社の製品およ
び市場開拓（go-to-market）手法をクラウドベースの配信・消費モデルに適合させることによって、増加する顧客
の要求を満たし、製品の普及、顧客満足度および顧客の定着の点で適切な水準を確保する必要がある。
以上の傾向を考慮すると、これはとりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 競合会社より前にまたは競合他社と同程度に好条件で、新しいビジネスモデル、ソリューション、ソリュー
ションの性能向上、インテリジェント技術、統合およびインターフェースならびに／またはサービスを市場
に提供することができないこと
・ 雑多な技術環境における複雑性のため、様々な組織にまたがる新たなクラウド製品を、予定された時に市場
の需要に沿って開発し販売できないこと
・ （特にSAP S/4HANA、SAP C/4HANAおよびSAP Cloud Platform等の革新に関して、）技術改善の準備および展
開、または、当社の製品、サービス、プロセスおよびビジネスモデルを技術的変化、規制上の要件の変更、
新たな業界基準、顧客および提携先の要求の変化に適応させること（いずれもインテリジェント・エンター
プライズ戦略を支えることとなる。）ができないこと
・ 当社の新しいソリューション、技術およびビジネスモデルならびに提供・消費モデルに関する不確実性によ
り、当社の顧客はまず、リファレンス・カスタマーを通じた概念実証および全体的な統合シナリオを待ち、
より成熟したバージョンが出るのを待つ可能性がある。
・ 当社の新ソリューション、技術、ビジネスモデルおよび柔軟な消費モデルの採用が鈍化し、または全く採用
されないこと
・ 当社の製品および技術に関する戦略は成功せず、当社の顧客および提携先は当社の技術プラットフォーム、
アプリケーションもしくはクラウド・サービスを十分迅速に取り入れることができず、もしくは市場にある
他の競合するソリューションの採用を検討し、または特に製品ポートフォリオをさらなる市場へと拡大する
際に当社の戦略が顧客の期待に沿うものでない可能性がある。
・ オープンソース・ソフトウェア・イニシアチブまたは類似モデルとの競争の激化。そこでは、競合会社が自
由におよび／または当社に不利な条件のもとでソフトウェアおよび知的財産を提供する可能性がある。
・ 顧客の使用事例および試用システムによるリファレンスの増加を促進できないこと
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
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３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
（1）業績等の概要
「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
（2）生産、受注及び販売の状況
「第2 3 事業の内容」および「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を
参照のこと。
（3）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
概要
当社の主要な収益源および種類の異なる収益の損益計算書における分類方法に関する情報は、連結財務諸表に対
する注記(A.1)を参照のこと。
財務実績：検討および分析
経済および市場
世界経済の動向
欧州中央銀行（ECB）によると、2019年度上半期において世界経済の成長率は減少し、世界金融危機以来最悪の
1)
期間となったが、年度末にかけて安定化の兆候が表れはじめた 。当社は、2019年度半期報告書において、ECBが回
復までにはより長い期間を要すると見込んでいたことについて言及した。しかし、貿易摩擦の激化および英国のEU
離脱関連の不確実性は、引き続き下半期の経済成長に悪影響を及ぼした。
ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域について、ユーロ圏の成長率は依然として年間を通じて低迷して
おり、1.2％であったとECBは報告している。年度末にかけてのみ、当初の予想どおり安定化の初期兆候が一部現れ
始めた。中央・東ヨーロッパにおいては、厳しい労働市場にもかかわらず、経済活動は引き続き堅調な個人消費に
支えられた。ロシア経済は、2019年度第3四半期、予想されていたよりも良い業績を上げた。
南北アメリカ地域に関して、ECBによると、米国では堅調な労働市場および財政状況の支えにより経済活動が着
実に拡大した。2019年度第4四半期における米中間の貿易交渉再開により、第一の取引協定および摩擦緩和への期
待がもたらされたが、米国対EUおよびラテンアメリカの間での貿易摩擦は依然として解決されていない。ブラジル
では、2019年度初めにある程度改善が見られたにもかかわらず、また、予想に反して、年間を通じて成長率は不安
定なままであった。
アジア太平洋日本（APJ）地域では、日本経済は安定した、しかし控えめな水準で、通年で拡大したとECBは報告
した。特に2019年10月1日から始まる消費増税に先立った堅調な国内需要は、成長の主な安定剤となった。中国で
は、予想よりも低い投資および米国との貿易摩擦により、この1年で経済活動が徐々に鈍化した。
IT 市場
2019 年度末、デジタル変革に必要なテクノロジーはもはや高価でこれを購入する経済的余裕がある事業に制限さ
れるものではなかった。むしろ企業向けアプリケーションは必須になったと、米国を拠点とする市場調査会社であ
2)
るInternational Data Corporation （IDC）は最近のレポートで述べた 。企業は今や、その経営、顧客および市場
の大きな変化に継続的に適応し、またはこれを促す必要が出てきた。企業は、デジタル能力および物理的な能力の
バランスを取り、規模を拡大して習得しなければならず、これによって新しいビジネスモデルやデジタル対応商品
3)
およびサービスが作られる 。
さらにIDCは、情報、認知計算およびユビキタスアクセスの力に基づいた手段、能力および枠組みによって加速
する「プラットフォーム経済」について説明している。2019年度、ビジネスモデルを進化させ、テクノロジー構造
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を管理するため、主要な組織はプラットフォーム思考に移行した。同時に、一部の「メガプラットフォーム」は
サービスとしてのインフラストラクチャー（IaaS）を提供するため、インフラストラクチャーおよび開発環境を取
4)
得 しようと競った 。
IDC によると、2019年度におけるこれらの発展を促した要因は、データ、アナリティクスおよび機械学習であっ
た。これらは、生産性および効率性、ひいては価値を大幅に向上させ、経営に革命を起こした。モバイル機器、モ
ノのインターネット（IoT）およびその他の端末からのリアルタイムのデータは、過去のデータ、世界的な情報、
人工知能（AI）および機械学習と合わせて、引き続き組織による中核部から末端へのインテリジェンスの普及、そ
3)
して事業の成果の最大化を可能にした 。
出典：
1)
欧州中央銀行、経済報告8/2019号、2019年12月27日発行
（http://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb201908.en.pdf）
2)
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2020 Predictions, Doc #US45599219, 2019 年10月付
3)
IDC FutureScape: Worldwide Digital Transformation 2020 Predictions, Doc #US45569118, 2019 年10月付
4)
IDC FutureScape: Worldwide Intelligent ERP 2020 Predictions, Doc US44646019, 2019 年10月付
当社への影響
マクロ経済の不透明感にもかかわらず、当社は持続的成長と継続的な市場への普及を享受し、再び底堅さを見せ
た。現在進行中の顧客のデジタル変革、豊富なソリューションのポートフォリオ、革新的で先進的なテクノロ
ジー、さらには顧客が事業を展開する上で、クラウド上、オンプレミス、またはこれらを組み合わせたモデルを自
由に選択できることの恩恵を受け、結果として通年で素晴らしい業績となった。
全体的な経済状態
取締役会の評価
2019 年度、当社はすべての収益目標および利益目標を達成した。ソフトウェア・ライセンス収益の減少が予想さ
れたにもかかわらず、2019年度も総収益は増加した。この増加は主に2桁のクラウド収益成長率（IFRSで39％およ
び非IFRSで40％）によるものであった。
当社の予想どおり、IFRS営業利益、営業利益率および1株当たり利益は、Qualtricsの買収および2019年度初めに
発表された当社の世界的なリストラクチャリング・プログラムの費用による買収関連費用の増加の悪影響を受け
た。また、IFRSの成績は、（Qualtricsの買収およびこの1年での力強い当社の株価上昇による）株式報酬費用の増
加の悪影響を受けた。これらの影響を排除して調整すると、非IFRS営業利益、非IFRS営業利益率および非IFRS1株
当たり利益は堅調に成長した。クラウド収益ならびに新規クラウドおよびソフトウェア・ライセンス受注の継続的
な増加を考慮すると、当社は2020年度の経営見通しおよび2023年度中期目標を達成することができると確信してい
る。
2019 年度の見通しに対する実績（非IFRS）
過年度と同様に、当社の2019年度の営業利益関連目標および公表されている見通しは、為替変動を考慮しない場
合での当社の非IFRSの財務指標に基づいていた。そのため、次項では、IFRS指標から導かれる為替変動を考慮しな
い場合での非IFRS数値の観点からのみ、当社の見通しに対する実績について論じる。その次の項のIFRS経営成績で
は、国際財務報告基準（IFRSs）の観点からのみ数値を論じる。したがって、当該項目の数字についてはIFRS数値
である旨を特に表記していない。
2019 年度の見通し（非IFRS）
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2019 年度初頭に当社は、当社の2019年度の非IFRSクラウド収益が為替変動を考慮しない場合で67.0億ユーロから
70.0億ユーロの範囲になると予想した（2018年度：50.3億ユーロ）。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で
33％ から39％の成長率に相当する。当社は、2019年度通年の非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益が為替変動の
影響を考慮しない場合で224.0億ユーロから227.0億ユーロの範囲内になると予想した（2018年度：206.6億ユー
ロ）。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で8.5％から10％の成長率に相当する。また、当社は2019年度通年
の非IFRS営業利益が為替変動を考慮しない場合で77.0億ユーロから80.0億ユーロの範囲になると予想した（2018年
度：71.6億ユーロ）。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で7.5％から11.5％の成長率に相当する。当社は、
2019年度通年の実効税率（IFRS）が26.5％から27.5％の範囲（2018年度：27.0％）に、および実効税率（非IFRS）
が26.0％から27.0％の範囲（2018年度：26.3％）になると予想した。
当社の2019年度第1四半期の成績ならびに営業の卓越性および価値創造を加速させるための当社の新しいイニシ
アティブを踏まえ、2019年4月、当社は、2019年度通年の非IFRS営業利益の見通しを上方修正し、為替変動を考慮
しない場合で78.5億ユーロから80.5億ユーロの範囲とした。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で9.5％から
12.5％の成長率に相当する。さらに当社は、営業利益を下回る成長率（前回：「わずかに下回る」）にはなるもの
の、総収益が力強く増加すると予想した。クラウド収益（非IFRS、為替変動を考慮しない場合）ならびにクラウド
およびソフトウェア収益（非IFRS、為替変動を考慮しない場合）に関する当社の予測は変わっていない。
2019 年度の 見通しと比較した収益および利益の実績（非IFRS）
当社は、4月に公表した収益および営業利益に対する上方修正後の見通しに達した。
2019 年度の見通しと実績の比較
2019 年度見通し
改定後の2019年度見通し
（2018年度統合報告書の 2019 年度実績
（第1四半期計算書）
報告ベース）
クラウド収益 67.0 億ユーロから 67.0 億ユーロから
67.7 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しない場合)
70.0 億ユーロ 70.0 億ユーロ
クラウドおよびソフトウェア収益 224.0 億ユーロから 224.0 億ユーロから
224.9 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しない場合)
227.0 億ユーロ 227.0 億ユーロ
総収益 営業利益をわずかに下回る 営業利益を下回る成長率に
269.1 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しない場合) 成長率にて堅調に増加 はなるものの、堅調に増加
営業利益 77.0 億ユーロから 78.5 億ユーロから
79.5 億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しない場合)
80.0 億ユーロ 80.5 億ユーロ
実効税率(IFRS) 26.5% から27.5% 26.7%
実効税率(非IFRS) 26.0% から27.0% 26.2%
特に中国・米国間の貿易摩擦から生じている経済的および外交的緊張 に加え、英国のEU離脱交渉の潜在的な結果
および影響に関する不確実性が存在したにもかかわらず、2019年度の新規顧客・既存顧客ともに引き続き当社のソ
リューションおよびサービスに対する投資に高い意欲を示した。
2019 年度の 非IFRSクラウド収益は、為替変動を考慮しない場合で2018年度の50.3億ユーロから67.7億ユーロに増
加した。したがって、指針としていた67.0億ユーロから70.0億ユーロの範囲内となった。これは、為替変動を考慮
しない場合で35％の増加である。
2019 年度において、当社のクラウド関連売上の成功度および将来のクラウド収益を測る指標の一つである新規ク
ラウド受注額は、22.7億ユーロに増加し（2018年度：18.1億ユーロ）、25％増となった（為替変動を考慮しない場
合、21％）。この堅調な成長に加えて、当社のクラウド・バックログ（既存のクラウド契約に基づく未だ請求を
行っていない将来の収益）は、124億ユーロ（2018年度：101億ユーロ）に達し、23％増となった（為替変動を考慮
しない場合、20％）。
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クラウドおよびソフトウェア収益（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で9％増の224.9億ユーロとなり
（2018年度：206.6億ユーロ）、したがって2019年度に指針としていた範囲内となった。この増加は主に、前述し
た 力強いクラウド収益の増加によるものであった。ソフトウェア・ライセンス収益は、為替変動を考慮しない場合
で5％減少した。
当社の2019年度の総収益（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で9％増の269.1億ユーロとなった（2018年
度：247.4億ユーロ）。総収益（非IFRS）は、したがって、予想したとおり営業利益（非IFRS）を下回る成長率で
増加し、2019年度は為替変動を考慮しない場合で11％の増加となった。
2019 年度の営業費用（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で8％増の189.5億ユーロとなった（2018年度：
175.8億ユーロ）。
当社の2019年度の費用基盤は、当社の急成長するクラウド事業への移行による影響を引き続き受けた。2019年度
の見通しにおいて、当社は引き続き、効率性に基づいた投資からの利益、ひいてはクラウド売上総利益率の増加が
見られるようになると予想した。2019年度のクラウド売上総利益率は、為替変動を考慮しない場合で前年比5.0
パーセント・ポイント増加し68％となった。当社は事業変革への投資を継続したにもかかわらず、主に当社のクラ
ウド・オファリングの効率性向上によって利益率が上昇した。
2019 年度の当社の様々なクラウド・オファリングに係るすべてのクラウド売上総利益率は、以下のとおりプラス
に転じた。
2019 年度のインテリジェント・スぺンド・グループ部門のクラウド売上総利益率（非IFRS）は、わずかに0.2
パーセント・ポイント改善し（為替変動を考慮しない場合）、78％となった。
サービスとしてのインフラストラクチャー（IaaS）のクラウド・オファリングに関する2019年度のクラウド売上
総利益率（非IFRS）は引き続き好調であった。対応する売上総利益率は、2019年度、為替変動を考慮しない場合で
16.4パーセント・ポイント改善し、クラウド売上総利益率（非IFRS）は29％となった。
サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム（SaaS/PaaS）のクラウド・オファリング
に関する2019年度の収益性は、為替変動を考慮しない場合で68％（非IFRS）であった。さらなる開発への継続的な
投資に加え、当社の様々なサービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォームの製品・サービス
を単一のプラットフォームに統合しているにもかかわらず、当社は利益率を8.5パーセント・ポイント増加させる
ことができた。
当社のクラウド事業および従来のオンプレミス事業の双方において効率性が改善し、引き続き営業利益の拡大を
押し上げた。2019年度の非IFRS営業利益は、為替変動を考慮しない場合で11％増の79.5億ユーロとなった（2018年
度：71.6億ユーロ）。その結果、当社は当年度も事業変革への投資を継続したにもかかわらず、2018年度の好業績
を上回ることができた。当社の営業利益が好調に推移したのは、主に顧客および製品に焦点を当てた投資判断の影
響によるものであり、これはとりわけ、研究開発、サービス、クラウドおよび販売等の正規職員相当従業員数の
3,832名の増員（そのうち1,719名が本業）につながった。こうした人材資源の増加に加えて、当社は革新分野およ
び成長市場に的を絞った投資を継続した。その結果、為替変動を考慮しない場合の非IFRS営業利益は79.5億ユーロ
となり、当社が4月に上方修正した見通しの範囲内（78.5億ユーロから80.5億ユーロ）となった。
当社の実効税率は26.7％（IFRS）および26.2％（非IFRS）であり、これは、26.5％から27.5％（IFRS）および
26.0％から27.0％(非IFRS)の範囲の下端である。
営業成績（IFRS）
この営業成績（IFRS）の項は、IFRS指標による成績に限って議論する。そのため、IFRSの数値について特にその
旨を表記していない。
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当社の事業地域は、ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域、南北アメリカ地域、ならびにアジア太平洋
日本（APJ）地域の3つに分けられる。当社は、顧客の所在地に基づいて、収益額を各地域に配分する。地理的地域
ごとの収益に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.1)を参照のこと。
収益
総収益
2019 年度の総収益は27,553百万ユーロであり、2018年度の24,708百万ユーロから12％（2,845百万ユーロ）増加
した。
収益増加の主な原因は、クラウド収益が1,939百万ユーロ増加し、6,933百万ユーロとなったことである。クラウ
ドおよびソフトウェア収益は2019年度の総収益の84％を占めている（2018年度：83％）。2019年度のサービス収益
は、2018年度の4,086百万ユーロから11％増加し4,541百万ユーロとなり、これは総収益の16％であった（2018年
度：17％）。
収益類型ごとの収益
地域の実績に関する詳細は、「地域ごとの収益」の項を参照のこと。
クラウドおよびソフトウェア収益
クラウド収益とは、当社との契約期間中、当社がホストする特定のソフトウェア・ソリューションにアクセスす
ることを顧客に許可する契約から得られる収入をいう。ソフトウェア・ライセンス収益は、顧客に対するソフト
ウェアの販売またはライセンス供与から得られる手数料に起因する。サポート収益とは、顧客に対する技術的サ
ポート・サービスおよび不特定のソフトウェアのアップグレード、アップデート、拡張の提供から得られる手数料
を示している。当社の収益類型に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.1)を参照のこと。
2019 年度のクラウドおよびソフトウェア収益は、2018年度の20,622百万ユーロから12％増の23,012百万ユーロと
なった。
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クラウドおよびソフトウェア
2019 年度のクラウド収益は、2018年度の4,993百万ユーロから6,933百万ユーロに増加した。
クラウド収益
当社の2019年度のソフトウェア・ライセンス収益は、2018年度の4,647百万ユーロから114百万ユーロ減少し、
4,533百万ユーロとなった。2019年度の当社の顧客基盤は引き続き拡大した。2019年度の（契約締結件数に基づ
く）ソフトウェア・ライセンス受注件数の13％は新規顧客からの受注である（2018年度：15％）。ソフトウェア・
ライセンス受注額合計は前年度から5％減少した。新しいソフトウェア・ライセンスに関して締結された契約総件
数は10％減少し52,584件となり（2018年度：58,530件）、2019年度の平均受注額は87千ユーロとなった（2018年
度：82千ユーロ）。当社が2019年度中に受けたすべてのソフトウェア・ライセンス受注のうち32％は5百万ユーロ
を超える取引に起因する一方（2018年度：29％）、35％は1百万ユーロを下回る取引に起因するものであった
（2018年度：39％）。
2019 年度および過年度を通じて当社の顧客基盤が安定し、当社のソフトウェアに対する需要が継続したこと、な
らびに当社のサポート製品・サービスへの関心が続いていることから、2019年度のサポート収益は2018年度の
10,981百万ユーロから11,547百万ユーロに増加した。SAP Enterprise Support の製品・サービスが当社のソフト
ウェア・サポート収益に最も貢献した。5％（566百万ユーロ）のソフトウェア・サポート収益増加は主に、当社の
SAP Product Support for Large EnterprisesサービスおよびSAP Enterprise Support サービスに起因する。
2019 年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は、2018年度の15,628百万ユーロから
3％（452百万ユーロ）増の16,080百万ユーロとなった。
当社は、より予測可能な収益を、当社のクラウド収益とソフトウェア・サポート収益の合計と定義する。前年度
と比較すると、当社の2019年度におけるより予測可能な収益は2018年度の15,975百万ユーロから18,480百万ユーロ
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に増加した。これは16％の増加である。2019年度において、より予測可能な収益は総収益の67％を占めた（2018年
度：65％）。
より予測可能な収益
サービス収益
サービス収益とは、コンサルティング・サービス、プレミアム・サポート・サービスおよびその他のサービス
（トレーニング・サービスおよびメッセージング・サービス等）による収益を合わせたものである。コンサルティ
ング・サービスは主に、当社のクラウド・サブスクリプションおよびオンプレミス・ソフトウェア製品の実装に関
連する。当社のプレミアム・サポート製品・サービスは、顧客の要望に合わせたハイエンドなサポート・サービス
により構成される。メッセージング・サービスとは主に、ある携帯電話事業者から別の携帯電話事業者への電子
メールの送信である。
2019 年度のサービス収益は4,541百万ユーロであり、2018年度の4,086百万ユーロから11％（455百万ユーロ）増
加した。
市場の需要が堅調であったため、2019年度のコンサルティング収益およびプレミアム・サポート収益は3,696百
万ユーロとなり、2018年度の3,356百万ユーロから10％（340百万ユーロ）増加した。2019年度のコンサルティング
およびプレミアム・サポート収益は、サービス収益合計の81％を占めており（2018年度：82％）、また、総収益の
13％を占めている（2018年度：14％）。
2019 年度のその他のサービス収益は16％（114百万ユーロ）増加し845百万ユーロであった（2018年度：731百万
ユーロ）。
地域ごとの収益
（顧客の所在地ベース）
EMEA 地域
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2019 年度のEMEA地域からの収益は12,105百万ユーロであり（2018年度：11,104百万ユーロ）、総収益の44％を占
めている（2018年度：45％）。これは前年度比で9％の増加である。ドイツにおける収益は8％増の3,948百万ユー
ロ となった（2018年度：3,658百万ユーロ）。ドイツはEMEA地域の総収益の33％を占めている（2018年度：
33％）。その他のEMEA地域の収益は主として英国、フランス、スイス、オランダおよびイタリアから得られてい
る。EMEA地域のクラウドおよびソフトウェア収益は合計で10,211百万ユーロとなった（2018年度：9,339百万ユー
ロ）。これは当該地域における総収益の84％を占めている（2018年度：84％）。
EMEA 地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2019 年度のEMEA地域のクラウド収益は47％増の2,115百万ユーロとなった（2018年度：1,441百万ユーロ）。2019
年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は3％増の8,096百万ユーロとなった（2018年
度：7,898百万ユーロ）。
南北アメリカ地域
2019 年度の当社の総収益に占める南北アメリカ地域の収益の割合は41％である（2018年度：39％）。南北アメリ
カ地域の総収益は15％増の11,194百万ユーロとなった。米国における収益は15％増の9,085百万ユーロとなった。
南北アメリカ地域で得られた総収益に占める米国の割合は81％である（2018年度：81％）。南北アメリカ地域のそ
の他の国における収益は、15％増の2,109百万ユーロとなった。南北アメリカ地域のその他の国における収益は、
主としてカナダ、ブラジルおよびメキシコから得られている。南北アメリカ地域におけるクラウドおよびソフト
ウェア収益は合計で9,172百万ユーロとなった（2018年度：7,973百万ユーロ）。これは当該地域における総収益の
82％を占めている（2018年度：82％）。
南北アメリカ地域：クラウドおよびソフトウェア収益
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2019 年度の南北アメリカ地域におけるクラウド収益は34％増の3,945百万ユーロとなった（2018年度：2,941百万
ユーロ）。2019年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は5,227百万ユーロであった
（2018 年度：5,032百万ユーロ）。
APJ 地域
2019 年度の当社の総収益に占めるAPJ地域の収益の割合は15％であった（2018年度：16％）。APJ地域における総
収益は9％増の4,254百万ユーロとなった。日本における収益は23％増の1,180百万ユーロであった。日本における
収益はAPJ地域における収益全体の28％を占めている（2018年度：25％）。APJ地域のその他の国における収益は
5％増加した。APJ地域のその他の国における収益は主としてオーストラリア、中国およびインドから得られてい
る。APJ地域におけるクラウドおよびソフトウェア収益は合計で3,629百万ユーロとなった（2018年度：3,310百万
ユーロ）。これは当該地域における総収益の85％を占めている（2018年度：85％）。
APJ 地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2019 年度のAPJ地域におけるクラウド収益は43％増の872百万ユーロとなった（2018年度：611百万ユーロ）。
2019年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は2018年度の2,699百万ユーロから2,757
百万ユーロに増加した。前年比増加率は2％となった。
営業利益および営業利益率
当社は特にクラウドおよびサービスにおいて2019年度に記録的な収益を達成した。総収益は12％（2,845百万
ユーロ）増加し、27,553百万ユーロとなった（2018年度：24,708百万ユーロ）。
一方、当社の営業費用は21％（4,076百万ユーロ）増加し23,081百万ユーロであった（2018年度：19,005百万
ユーロ）。この増加の原因は主に、総額1,130百万ユーロ（2018年度：19百万ユーロ）の当社のリストラクチャリ
ング・プログラム費用、研究開発への継続的投資ならびに収益関連のクラウド・サブスクリプションおよびサポー
ト活動であった。収益増加に伴い、当社はサービス分野へも投資を継続した。主にQualtricsの買収から生じる689
百万ユーロの買収関連費用（2018年度：577百万ユーロ）および1,835百万ユーロの株式報酬（2018年度：830百万
ユーロ）も、営業利益に悪影響を与えた。当社の従業員数（正規職員相当数、すなわちFTEとして表される。）
は、前年度比3,832名増加し100,330名となった。
当社は、増加した営業費用の大部分を、長期的には当社の営業利益を確保する手助けとなる将来への投資である
と見ている。
これらの影響で、当社の営業利益は22％減少して4,473百万ユーロとなり（2018年度：5,703百万ユーロ）、当社
の営業利益率は6.9パーセント・ポイント減少して16.2％となった（2018年度：23.1％）。
営業利益
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営業利益率
当社収益費用の各要素の変化は以下のとおりである。
クラウドおよびソフトウェア費用
クラウドおよびソフトウェア費用は、主にクラウド・ソリューションの展開・運用費用、顧客特有のビジネス要
件に対応したカスタム・ソリューションの開発費用および顧客サポート費用により構成されている。
2019 年度のクラウドおよびソフトウェア費用は13％増の4,692百万ユーロとなった（2018年度：4,160百万ユー
ロ）。
堅調な顧客の需要に応じたクラウド事業の拡大を通して相当の費用が生じたことにより、当社のクラウド・アプ
リケーションの提供費用および運用費用は前年度比でさらに466百万ユーロ増加した。これらの投資は収益成長に
貢献した。2019年度の当社のクラウド利益率は、2018年度の58.6％から4.9パーセント・ポイント増加し、63.5％
となった。この利益率の改善はクラウド収益における堅調な成長に起因し、39％増の6,933百万ユーロとなった
（2018年度：4,993百万ユーロ）。また、クラウド費用の増加率はこれより低く、22％増の2,534百万ユーロとなっ
た（2018年度：2,068百万ユーロ）。当社によるQualtricsの買収およびSuccessFactorsのSAP S4/HANA への移行完
了は、クラウド利益率にさらなるプラスの影響を与えた。
ソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益が3％増加し16,080百万ユーロとなり（2018年
度：15,628百万ユーロ）、またこれに伴ってソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート費用が3％
増加し2,159百万ユーロとなった（2018年度：2,092百万ユーロ）ことにより、当社のソフトウェア・ライセンスお
よびソフトウェア・サポート利益率は横ばいの86.6％となった（2018年度：86.6％）。2019年度のクラウドおよび
ソフトウェアの売上総利益率（クラウドおよびソフトウェア収益に対するクラウドおよびソフトウェア利益の比率
（パーセント表示））は、0.2パーセント・ポイント減少し79.6％となった（2018年度：79.8％）。この減少は主
に、クラウドの収益構成の変化に起因しており、現在クラウド収益の割合が高くなっている。インフラストラク
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チャー費用により、かかる収益は現在利益率が低く、同時に、利益率の高いソフトウェアおよびサポート収益の割
合が低下している。
サービス費用
サービス費用は、主にコンサルティング、プレミアム・サービスおよびトレーニング・コースに係る費用ならび
にコンサルティングおよびトレーニング資源の購入に係る費用により構成されている。
当社は、2019年度のサービス収益を前年度比11％増の4,541百万ユーロに増加させることができた（2018年度：
4,086百万ユーロ）。当社のサービス事業は、従来のソフトウェアのライセンス供与およびコンサルティング収益
からクラウド・ソリューションのサブスクリプション収益へ移行しているため、当社は需要増加への対応能力を拡
大することにより引き続き投資していく。その結果、サービス費用は11％増の3,662百万ユーロとなった（2018年
度：3,302百万ユーロ）。当社のサービスの売上総利益率（サービス収益に対するサービス利益の比率（パーセン
ト表示））はわずかに増加して19.4％となった（2018年度：19.2％）。
研究開発
当社の研究開発（R&D）費用は、主に研究開発要員の人件費、研究開発活動を支援するために当社が抱える独立
請負業者に対する費用、および研究開発活動のために当社が使用するコンピュータ・ハードウェアおよびソフト
ウェアの償却費により構成されている。
当社の研究開発の年間平均従業員数が4％増加したことにより人件費が増加したため、およびQualtricsの買収よ
り人件費の高い国々の従業員の割合が増加したため、2019年度の研究開発費用は2018年度の3,624百万ユーロから
18％増加し4,292百万ユーロとなった。そのため、2019年度の総収益に占める研究開発費用の比率は15.6％に増加
した（2018年度：14.7％）。詳細は、「第3 5 研究開発活動」を参照のこと。
販売・マーケティング費用
販売・マーケティング費用は、主に人件費、直接販売費用および当社の製品・サービスのマーケティング費用に
より構成されている。
2019 年度の販売・マーケティング費用は7,693百万ユーロであり、2018年度の6,781百万ユーロから13％増加し
た。この増加は主に、Qualtricsの買収による結果を一部含む世界的な販売勢力の拡大、および堅調な収益増加に
より促進された賞与の支払についての支出増加によるものである。
その結果、2019年度の総収益に占める販売・マーケティング費用の比率（パーセント表示）は0.5パーセント・
ポイント増加し27.9％であった（2018年度：27.4％）。
一般管理費
当社の一般管理費は、主に経理および事務部門の人件費により構成されている。
2019 年度の一般管理費は1,629百万ユーロであり、慎重な費用管理にもかかわらず2018年度の1,098百万ユーロか
ら48％増加した。この増加は主に、当社の成長に関連する取引高の拡大に基づき、一般管理分野の雇用創出に関連
する人件費が増大したことに起因する。総収益に占める一般管理費の比率は前年度から1.5パーセント・ポイント
増加し5.9％となった（2018年度：4.4％）。
セグメント情報
2019 年度末において 当社は、アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門、インテリジェント・スぺン
ド・グループ部門ならびにQualtrics部門という3つの報告対象となるセグメントを有している。当社は2019年1月
23日にQualtricsを買収したため、Qualtrics部門の財務データは当該買収日以降について提示される。 当社のセグ
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メント報告および当社の報告対象となるセグメントの構成変更に関する詳細は、 連結財務諸表に対する注記(C.1)
および(C.2)を参照のこと。
アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2018
( 非IFRS)
2019 年度 年度 変動(％)
変動(％)
実際の
為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
為替に
を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
基づく
ない場合 く場合 く場合 ない場合
場合
1)
3,243 3,152 2,347
38 34
クラウド収益 – SaaS/PaaS
1)
65.3 65.4 59.6 5.7pp
5.8pp
クラウド売上総利益率 – SaaS/PaaS ( ％)
2)
673
695 488 43 38
クラウド収益 – IaaS
2)
29.1 28.5 12.2 16.9pp
16.4pp
クラウド売上総利益率 – IaaS ( ％)
3,938 3,825 2,835
39 35
クラウド収益
58.9 58.9 51.4
7.4pp 7.4pp
クラウド売上総利益率(％)
23,544 22,980 21,753
8 6
セグメント収益
73.5 73.5 73.2
0.3pp 0.3pp
セグメント売上総利益率(％)
9,868 9,597 8,922
11 8
セグメント利益
41.9 41.8 0.9pp
41.0 0.7pp
セグメント利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2) サービスとしてのインフラストラクチャー
アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門において、クラウド収益は2018年度に堅調な増加を記録し
た。主に当社のインテリジェントERPの高い需要により、当該部門におけるSaaS/PaaSの収益は38％（為替変動を考
慮しない場合、34％）増加した。
当社のソフトウェア・サポート収益は2019年度にわずかに改善した。当該収益は5％（為替変動を考慮しない場
合、3％）増加し11,532百万ユーロとなった。クラウド収益への移行のために前年の水準を3％（為替変動を考慮し
ない場合、5％）下回ったソフトウェア・ライセンス収益を含む、当社の2019年度のソフトウェア・ライセンスお
よびサポート収益合計は、16,054百万ユーロに達した。
全体として、2019年度のこのセグメントにおけるより予測可能な収益源の収益割合は、2018年度の63.5％から
2.3パーセント・ポイント増加し65.7％となった。
同期間中のセグメントの収益原価は、7％（為替変動を考慮しない場合、5％）増の6,228百万ユーロとなった
（2018年度：5,823百万ユーロ）。この費用の増加は主に、当社のクラウド・インフラストラクチャーの拡大およ
び当社のクラウド・アプリケーションの提供・運営に対する投資の増加に起因する。これはSaaS/PaaS事業および
IaaS事業の双方に当てはまるが、SaaS/PaaS事業およびIaaS事業のクラウド売上総利益率は収益増加のため増加し
た。アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門におけるSaaS/PaaS事業のクラウド売上総利益率が5.7
パーセント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、5.8パーセント・ポイント）増加した一方で、当社のIaaS事
業は、16.9パーセント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、16.4パーセント・ポイント）のクラウド売上総利
益率増加を達成して当事業年度を終えた。
インテリジェント・スぺンド・グループ部門
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有価証券報告書
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2018 変動 変動
( 非IFRS)
2019 年度 年度 ( ％) ( ％)
実際の
為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
為替に
を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
基づく
ない場合 く場合 く場合 ない場合
場合
2,693 2,585 2,178 24 19
1)
クラウド収益 – SaaS/PaaS
78.1 78.0 77.8 0.2pp 0.2pp
1)
クラウド売上総利益率 – SaaS/PaaS ( ％)
2,693 2,585 2,178 24 19
クラウド収益
78.1 78.0 77.8 0.2pp 0.2pp
クラウド売上総利益率(％)
3,184 3,057 2,629 21 16
セグメント収益
70.1 69.9 69.1 1.0pp 0.9pp
セグメント売上総利益率(％)
696 661 531 31 25
セグメント利益
21.9 21.6 20.2 1.7pp 1.4pp
セグメント利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
SAP Ariba、SAP ConcurおよびSAP Fieldglassのクラウド・ソリューションからなるインテリジェント・スぺン
ド・グループ部門は、クラウド売上総利益率を0.2パーセント・ポイント改善させ、78.1％となった。2019年度の
セグメントの収益原価は、17％（為替変動を考慮しない場合、13％）増の953百万ユーロとなった（2018年度：813
百万ユーロ）。セグメント収益は21％（為替変動を考慮しない場合、16％）増加し3,184百万ユーロとなった。そ
の結果、インテリジェント・スぺンド・グループ部門は、2019年度のセグメント売上総利益率について1.0パーセ
ント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、0.9パーセント・ポイント）増の70.1％（為替変動を考慮しない場
合、69.9％）を達成した。
Qualtrics 部門
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2018
変動 変動
( 非IFRS)
2)
年度
2019 年度 ( ％) ( ％)
実際の
為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
為替に
を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
基づく
ない場合 く場合 く場合 ない場合
場合
371 353 NA NA NA
1)
クラウド収益 – SaaS/PaaS
91.1 91.1 NA NA NA
1)
クラウド売上総利益率 – SaaS/PaaS ( ％)
371 353 NA NA NA
クラウド収益
91.1 91.1 NA NA NA
クラウド売上総利益率(％)
508 483 NA NA NA
セグメント収益
78.3 78.1 NA NA NA
セグメント売上総利益率(％)
8 9 NA NA NA
セグメント利益
1.6 2.0 NA NA NA
セグメント利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2) 当社は2019年度にQualtricsを買収したため、Qualtrics部門については前期の数字を提示していない。
当社は、エクスペリエンス・マネジメント（「XM」）ソリューションの大手プロバイダーとして、2019年1月23
日にQualtricsを買収した。製品ポートフォリオは、組織が1つのプラットフォームにて事業の4つのコア・エクス
ペリエンス（顧客、製品、従業員およびブランド）を測定し、優先順位を決定し、および最適化する手助けするよ
う設計されたQualtrics XMプラットフォームからなる。しかし、Qualtricsの一部の機能はすでに当社の企業機能
に統合されているため、Qualtrics部門は買収にかかるすべての影響を含むものではない。
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2019 年度、Qualtrics部門は371百万ユーロ（為替変動を考慮しない場合、353百万ユーロ）のクラウド収益を上
げ、クラウド売上総利益率は91.1％（為替変動を考慮しない場合、91.1％）となった。サービス収益を含めると、
合 計のセグメント収益は508百万ユーロ（為替変動を考慮しない場合、483百万ユーロ）となった一方、セグメント
の収益原価は110百万ユーロ（為替変動を考慮しない場合、106百万ユーロ）となった。その結果、2019年度中、
Qualtrics部門は78.3％（為替変動を考慮しない場合、78.1％）のセグメント売上総利益率を達成した。
クラウド収益および利益率の調整
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ 2019 年度 2018 年度 変動(％) 変動(％)
(非IFRS)
実際の為替 為替変動を 実際の為替 実際の為替 為替変動を
に基づく 考慮しない に基づく に基づく 考慮しない
場合 場合 場合 場合 場合
インテリジェン 2,693 2,585 2,178 24 19
ト・スぺンド・グ
ループ部門
1)
クラウド収益 –SaaS/PaaS
3)
その他 3,625 3,515 2,361 54 49
合計 6,318 6,100 4,539 39 34
2)
クラウド収益 –IaaS
695 673 488 43 38
クラウド収益
7,013 6,773 5,027 40 35
インテリジェン 78.1 78.0 77.8 0.2pp 0.2pp
ト・スぺンド・グ
ループ部門
1)
クラウド売上総利益率 –SaaS/PaaS (％)
3)
その他 68.4 68.5 60.0 8.4pp 8.5pp
合計 72.5 72.5 68.6 4.0pp 3.9pp
2)
クラウド売上総利益率 –IaaS (％)
29.1 28.5 12.2 16.9pp 16.4pp
クラウド売上総利益率(％)
68.2 68.1 63.1 5.1pp 5.0pp
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2) サービスとしてのインフラストラクチャー
3) その他にはアプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門、Qualtrics部門、ならびにその他が含まれる。アプリケー
ション、テクノロジーおよびサービス部門およびQualtrics部門について、単独の収益および利益率の数値は前のページにて開
示されている。
純財務収益
純財務収益は198百万ユーロに変化した（2018年度：マイナス47百万ユーロ）。当社の財務収益は787百万ユーロ
であり（2018年度：371百万ユーロ）、財務費用は589百万ユーロとなった（2018年度：418百万ユーロ）。
財務収益は主に、株式売却益および主にSapphire Ventures による投資のIFRS第9号に関連する評価替え合計596
百万ユーロ（2018年度：227百万ユーロ）、貸付金・債権およびその他の金融資産（現金、現金同等物、および短
期投資）からの受取利息合計75百万ユーロ（2018年度：62百万ユーロ）、ならびにデリバティブ収益合計77百万
ユーロ（2018年度：77百万ユーロ）によって構成されている。
財務費用は、主として金融債務に係る支払利息合計207百万ユーロ（2018年度：106百万ユーロ）、デリバティブ
によるマイナスの影響額合計155百万ユーロ（2018年度：206百万ユーロ）、およびSapphire Venturesによる投資
の売却に係る損失またはIFRS第9号に関連する評価替え合計152百万ユーロ（2018年度：45百万ユーロ）から構成さ
れている。資金調達手段に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
法人所得税
2019 年度の実効税率は26.7％であった（2018年度：27.0％）。法人所得税に関する詳細は、連結財務諸表に対す
る注記(C.5)を参照のこと。
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税引後利益および1株当たり利益
2019 年度の税引後利益は3,370百万ユーロに減少した（2018年度：4,088百万ユーロ）。
税引後利益
基本的1株当たり利益は2.78ユーロに減少した（2018年度：3.42ユーロ）。2019年度の発行済株式総数は1,194百
万株のままであった（2018年度：1,194百万株）。
1 株当たり利益
配当
当社は、2019年度に当社が生み出した利益を株主が適切に享受すべきであると考える。当社の配当方針は、合計
で税引後利益の40％以上となる配当を支払うことである。
SAP SE の取締役会および監査役会は、配当金総額を5％引き上げ、1株当たり1.58ユーロ（2018年度：1.50ユー
ロ）とすることを2020年5月の年次株主総会において提案した。この提案に基づき、全体的な配当性向（ここでは
利益に対する配当総額の比率を意味する。）は56％となった（2018年度：44％）。
株主が上記提案を承認したことにより、配当として分配された総額は1,886百万ユーロとなった。2019年度、当
社は2018年度の税引後利益から配当金として1,790百万ユーロを分配した。
この他、当社は2020年12月31日までに15億ユーロの株式を買い戻す予定である。
1 株当たり配当
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財務（IFRS）
概要
世界的財務管理
当社は、流動資産の管理ならびに金利および為替エクスポージャーの監視のため、世界的かつ集中的な財務管理
を行っている。当社の財務管理の主たる目的は、グループの流動性を常にその金融債務に見合う適切な水準に維持
することにある。グループの方針に沿ってグループ全体の流動資産を統合し、監視し、投資することを可能とする
ため、SAPグループの企業の多くは、自社の流動性をグループの集中的な管理に委ねている。高水準の流動性資産
は、当社の柔軟性、安定性および独立性の維持を助けるものである。加えて、現在、必要があれば、追加的な流動
性のための種々の信用供与枠利用も可能となっている。上記信用枠の詳細については、「信用枠」の項を参照のこ
と。
当社は、信用、流動性、金利、株価および為替レートに係る各リスクを全グループベースで管理している。当社
は、投機目的（すなわち当社が対応する潜在取引を有しないデリバティブ取引を行うこと）でなく、上記目的のみ
のために厳選されたデリバティブを利用している。デリバティブの利用に関する取決めならびに財務リスクに関す
るその他の取決めおよび手続については、全世界においてグループ内の全企業に適用される当社の財務指針として
文書化されている。各財務リスク管理および当社のリスクエクスポージャーのより詳細な情報については、連結財
務諸表に対する注記(F.1)および(F.2)を参照のこと。
流動性管理
当社の現金、現金同等物および短期投資の主な源は、当社の事業の営業により生み出された資金である。過去数
年間において、当社の現金の主な使途は、当社の事業および当社の成長の結果必要となった資本的支出の支援、金
融債務の迅速な返済、事業買収、当社株式に係る配当の支払、ならびに公開市場における当社株式の買入れであっ
た。2019年12月31日現在、当社の現金、現金同等物および短期投資は、主にユーロおよび米ドルにより保有されて
いた。通常、投資に際して当社は、BBB以上の格付の発行体またはファンドの金融資産のみに投資しており、また
取引先を分散し、短期投資を中心とし、かつ標準的な投資商品を用いることにより幅広く分散されたポートフォリ
オを特徴とする、慎重な投資政策をとっている。2019年度におけるBBBを下回る信用格付の発行体の金融資産に対
する当社の投資は重要なものではない。
当社は、当社の流動資産が未使用の信用枠と相まって、2020年度の事業上および財務上の需要を十分に満たすも
のであり、予想される営業キャッシュ・フローと併せて、債務の返済、現在予定されている必要な資本的支出、お
よび当社株主への資本還元を短期・中期的に支えるものと考えている。また、必要な追加資金すべてをフリー・
キャッシュ・フローから調達できない場合、柔軟性の維持および／または返済リスクの限定のため、当社は資金調
達取引を締結する可能性がある。
したがって、当社は引き続き資本市場において利用可能な資金調達手段の選択肢、資金調達の可能性に関する動
向、およびこれら資金調達手段にかかる費用のモニタリングを行う。強固なフリー・キャッシュ・フローにより、
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近年当社は短期間で追加債務を返済することができた。金融債務に関する詳細は、「キャッシュ・フローおよび流
動性」の項を参照のこと。
資本構成管理
当社の資本構成管理は、投資家、債権者、および顧客の信用のために強固な財務内容を維持し、当社事業の成長
を支えることを主たる目的としている。当社は、資本市場を通じて合理的な条件で必要資金を調達可能にする資本
構成を維持しつつ、高度の独立性、信用、財務柔軟性を確保することを目指している。
資本構成およびその分析に関する詳細は、連結財政状態計算書の分析および連結財務諸表に対する注記(E.1)を
参照のこと。
SAP SEの長期信用格付は、 Moody's が「A2」、 Standard&Poor's が「A」で、どちらも見通しは「安定的」であっ
た。
当社は2020年12月31日までに15億ユーロの株式を買い戻す予定である。資本還元の時期および手段は、市況、企
業成績およびその他の要素の評価に基づいて当社が決定する。資本還元の強化は当社の通常の配当方針に加えて行
われる。次年度以降のさらなる資本還元については、毎年、当社の資本配分の優先順位に沿って決定される。
信用枠
当社は、必要があれば、各種の信用枠を通じて追加の資本源を利用することができる。
高い財務柔軟性を維持するため、当社は2024年11月に終了日を迎える25億ユーロのシンジケート回転信用枠を利
用している。将来可能な信用枠の利用は、いかなる財務制限条項にも服さない。信用枠に基づく借入には、各通貨
についてEURIBORまたはLIBORに0.17％のマージンを上乗せした利息が発生する。当社はまた、未使用の信用枠に関
して年利0.0595％のコミットメント・フィーを支払わなければならない。現在までのところ、当社はこの信用枠を
使用しておらず、また、現時点においてその予定もない。
2019 年12月31日現在、SAP SE は、上記に加えて合計424百万ユーロの追加の信用枠が利用可能であった。一部の
その他のSAPグループの企業は、市場の実勢金利での資金借入を可能とする信用枠を利用可能としている。2019年
12月31日現在、この取決めを通じて約7百万ユーロが利用可能であった。2019年12月31日現在、当社の外国子会社
につき、これらの信用枠に重要な未返済の借入はない。
Qualtrics の買収の結果、2019年12月31日現在、20億ユーロのタームローンが未返済であった。残額は、当該
ローンの満期である2022年1月23日まで柔軟に返済可能である。
金融負債
「金融負債」とは融資、コマーシャルペーパー、私募債および社債の額面金額と定義される。
金融負債の満期日構成
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2019 年12月31日現在の金融負債の額面金額には、ユーロ建て（12,362百万ユーロ）と米ドル建て（1,297百万
ユーロ）の金額が含まれる。2019年12月31日、金融債務の約54％は変動金利で保有され、その一部は金利スワップ
を 使用し固定金利から変動金利にスワップされたものである。
予定される返済に関する詳細は、「財務目標および展望」の項に記載する流動性目標および財政目標を参照のこ
と。
手段別の金融負債
金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
キャッシュ・フローおよび流動性
見通しに対する2019年度の実際のキャッシュ・フローおよび流動性成績
当社は、2019年11月に発表した資本支出、株式報酬の支払および法人所得税の支払にかかる修正後の見通しを達
成しまたは上回った。支払増加のため、当社はリストラクチャリングの支払、営業キャッシュ・フローおよびフ
リー・キャッシュ・フローについては見通しを達成しなかった。
2018 年度成績 見通し（統合報 改定後の 見通し 改定後の 見通し 2019 年度成績
告書の報告ベー （第2四半期計 （11月）
ス） 算書）
営業キャッシュ・フロー 43 億ユーロ おおむね一定 わずかに減少 35 億ユーロ
資本支出 –15 億ユーロ 水準の変更なし –12 億ユーロ –10 億ユーロ –8億ユーロ
フリー・キャッシュ・フロー 28 億ユーロ やや減少 やや減少 23 億ユーロ
株式報酬の支払 –10 億ユーロ 3億ユーロ追加 ▶億ユーロ追加 –14 億ユーロ –13 億ユーロ
リストラクチャリングの支払 –1億ユーロ 5.5 億ユーロか 5.5 億ユーロか –6億ユーロから –9億ユーロ
ら7.5億ユーロ ら7.5億ユーロ –8億ユーロ
追加 追加
法人所得税の支払 –17 億ユーロ 3億ユーロ追加 6億ユーロ追加 –22 億ユーロか –23 億ユーロ
ら–24億ユーロ
純負債(–) –25 億ユーロ –80 億ユーロ –83 億ユーロ
純負債を営業利益と減価償却費および減損費の合計 0.4 >1.2 1.3
で割った比率
グループ流動性および純負債
単位：百万ユーロ 2019 年度 2018 年度 変動
現金および現金同等物 5,314 8,627 –3,313
短期定期預金および債券 67 211 –144
グループ流動性 5,382 8,838 –3,456
短期金融負債 –2,529 –759 –1,770
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長期金融負債 –11,139 –10,572 –567
金融負債 –13,668 –11,331 –2,337
純負債(–) –8,286 –2,493 –5,793
リース負債 –2,203 NA
リース負債を含めた純負債 –10,489 NA
当社の連結財務書類に記載のとおり、グループ流動性は、現金および現金同等物（銀行預金、マネーマーケット
ファンド、および当初の満期が3ヶ月以内である定期預金等）および短期投資（その他の金融資産に含まれる定期
預金および債務証券のうち、当初の満期が3ヶ月超であり満期までの残余期間が1年未満の投資等）から構成されて
いる。2019年12月31日現在のグループ流動性は、主にユーロ建てと米ドル建てで構成された。
グループ流動性が2018年度比で減少した原因は、主としてQualtricsの買収に係る現金支出にあり、一方で
Qualtricsの買収に係る借入による現金流入は既に2018年度に発生していた。これらは、当社の営業活動からの現
金流入に部分的に相殺された。
純負債は、金融負債からグループ流動性を除いたものである。当社の流動性に関する詳細は、連結財務諸表に対
する注記(E.3)を参照のこと。
当社の損益報告書における現金、現金同等物、短期投資および当社の金融負債の影響に関する詳細は、「営業成
績（IFRS）」の項に記載する純財務収益の分析を参照のこと。
純負債の変化
連結キャッシュ・フロー計算書の分析
単位：百万ユーロ 変動 (％)
2019 年度
2018 年度
営業活動による純キャッシュ・フロー 3,496 –19
4,303
投資活動による純キャッシュ・フロー –7,021 >100
–3,066
財務活動による純キャッシュ・フロー 102 -97
3,283
2019 年度の営業活動からの現金流入額は、807百万ユーロ減の3,496百万ユーロであった（2018年度：4,303百万
ユーロ）。これは、特に法人所得税の支払が増加したこと（2019年度：23億ユーロ、2018年度：17億ユーロ）、リ
ストラクチャリング関連の支払が増加したこと（2019年度：9億ユーロ、2018年度：1億ユーロ）、および株式報酬
が増加したこと（2019年度：13億ユーロ、2018年度：10億ユーロ）に起因する。2019年度の当社の売掛金回収期間
（days sales outstanding 、 DSO ）（請求書を発行後、顧客から現金を受領するまでの平均日数）は、引き続き横ば
いの71日間であった（2018年度：70日間）。
新リース会計基準（IFRS第16号）に従い、4億ユーロのリース支払が財務キャッシュ・フローに組み替えられ、
当社は営業キャッシュ・フローにプラスの影響を受けた。
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2019 年度の投資活動による現金支出は7,021百万ユーロであった（2018年度:3,066百万ユーロ）。2018年度は主
にCallidusに関して21億ユーロを支払ったのに対し、2019年度、当社はQualtricsの買収に関して受取現金の純額
で 合計61億ユーロを支払った。データセンターの拡大に投資する代わりに、稼働率の改善に重点を置いた結果、無
形資産および有形固定資産の購入に係る資本支出は642百万ユーロ減少し817百万ユーロとなった。現在および予定
している資本支出の詳細は、「資産」および「投資目標」の項を参照のこと。
2019 年度の財務活動による現金流入純額は、2018年度が3,283百万ユーロであったのに対し、102百万ユーロと
なった。2019年度、当社はQualtricsのために25億ユーロの買収タームローンを引き出した。当社は5億ユーロの買
収タームローンを、2019年9月に開始したコマーシャルペーパー・プログラム（「コマーシャルペーパー」）のも
とで同額を発行することにより借り換えた。本プログラムにより、SAP SE は25億ユーロまで短期債券を発行できる
ようになる。現金支出は、7.5億ユーロのユーロ債を満期時に返済したことに起因し、このうち当社は6億ユーロを
コマーシャルペーパーを通じて借り換えた。2018年度、当社はCallidusおよびQualtrics買収の資金調達ための
ユーロ債を60億ユーロ、ならびに米ドル債を3億米ドル発行した。2018年度の現金支出は、11.5億ユーロのユーロ
債を返済したこと、および1.5億米ドルの米国私募債を満期時に返済したことに起因する。
2019 年度の配当金支払額は1,790百万ユーロとなり、前年度に支払われた配当金額の1,671百万ユーロを上回っ
た。1株当たりの配当額は1.40ユーロから1.50ユーロに増加した。
資産（IFRS）
連結財政状態計算書の分析
総資産は前年度比17％増の60,215百万ユーロとなった。
資産
2019 年度の流動資産合計は16,620百万ユーロから8％減少し15,213百万ユーロとなった。これは、主にQualtrics
の買収による現金支出に基づき現金および現金同等物が減少したことに起因するが、営業による現金流出に一部相
殺された。
のれん、無形資産および有形固定資産に対する投資
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2019 年度の非流動資産合計は29％増の45,002百万ユーロとなった（前年度：34,881百万ユーロ）。当該変化の主
な要因として、主にQualtricsの買収によるのれんおよび無形資産の追加計上、IFRS第16号の適用開始に伴う資産
計 上、ならびに外国為替関連の再評価が挙げられる。
負債
2019 年度の流動負債は38％増加し14,462百万ユーロとなった（2018年度：10,486百万ユーロ）。これは、主に株
式報酬プラン外での追加支給、IFRS第16号の適用開始に伴うリース負債、ならびに契約責任の変更によるものであ
る。契約責任の増加は主に満期が到来した請求書（90億ユーロ）によるものである一方、契約責任の減少は主に履
行義務の達成（80億ユーロ）によるものである。さらに、当社はコマーシャルペーパーを発行した。2019年度の当
社の財務活動に関する詳細は、「財務（IFRS）」の項を参照のこと。
2019 年度の非流動負債合計は、23％増加し14,931百万ユーロとなった（前年度：12,138百万ユーロ）。これは、
主にQualtrics買収の資金調達ための追加の銀行融資に起因する。2019年度の当社の財務活動に関する詳細は、
「財務（IFRS）」の項を参照のこと。
株主資本比率（総資産に占める株主資本の比率）は51％に減少した（前年度：56％）。
株主資本比率
現在進行中の主要な投資および売却
「第4 1 設備投資等の概要」を参照のこと。
競争力ある無形資産
現在および将来の当社の発展の基礎となる資産は、連結財務書類には表示されていない。これは、2019年度末の
（発行済株式総数に基づく）SAP SEの時価総額が1,478億ユーロであった（2018年度：1,068億ユーロ）のに対し、
連結財務書類上の当社株式の簿価が308億ユーロであったこと（2018年度：289億ユーロ）からも明らかである。こ
れは、当社株式の時価総額が簿価の5倍近くであることを意味する。上記差額は主として、適用される会計基準に
より、特定の内部創出無形資産を（全く、あるいは公正価値により）連結財務書類に記録することが認められない
ために発生するものである。このような無形資産には、顧客資本（顧客基盤および顧客関係）、従業員ならびにそ
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の知識および技術、当社のパートナーのエコシステム、社内で開発したソフトウェア、当社の革新力、当社が築き
上げたブランド（特にSAPブランドそのもの）、ならびに当社の組織が含まれる。
2019 年12月31日現在、当社は発行済株式総数に基づく時価総額においてドイツで最も高い価値を有する企業と
なっている。
2019 年度中、当社のブランド価値は2018年度と比較して向上した。Interbrandが発表する年次調査「Best
Global Brands 」によると、当社は世界で最も価値あるブランドの20位に位置付けられている（2018年：21位）。
ドイツのその他のブランドと比較すると、SAPブランドはメルセデスベンツとBMWに次いで第3位であり、企業向け
サービス業界の他のブランドとの比較においては世界第4位を占めている。Interbrandによれば、SAPブランドの価
値は前年度比10％増の251億米ドルと算定されている（2018年度：229億米ドル）。BrandZに至っては、2019年度の
BrandZによる最も価値のある世界的ブランドランキングトップ100において、当社を世界で最も価値のあるブラン
ドの16位と認めた。当該ランキングは当社のブランド価値を前年度比4％増の580億米ドルと見積もっている。
SAP SEの経済状態に関する報告
SAP SEは264の企業からなるSAPグループの親会社であり、ドイツ連邦共和国ヴァルドルフに本拠地を置く。SAP
SEはグループ持株会社であり、グループの、ドイツを拠点とする開発、サービスおよびサポートに関する担当人員
の大部分を雇用している。
SAP SEは、SAPソフトウェアの知的財産の大部分を所有しており、ソフトウェア・ライセンス料を主な収益源と
しているほか、グループ全体の研究開発費用の大部分を負担している。
SAP SEの年次財務書類は、ドイツ商法およびドイツ株式会社法における報告基準に準拠して作成されている。
SAP SEの年次財務報告書の全文および非適格監査報告書は、公表およびドイツの企業登記簿
（Unternehmensregister）への記載のために、ドイツのオンライン連邦官報（Elektronischer Bundesanzeiger）
のオペレーターに提出される。これらの文書は、請求によりSAP SEから入手することができる。
利益
SAP SEの損益計算書は費用性質法に基づく分類を行っており、記載の単位は百万ユーロである。
SAP SE 損益計算書－ドイツ商法(縮約版)
単位：百万ユーロ 2019 年度 2018 年度
総収益 15,220 14,244
その他営業利益 1,028 1,073
サービスおよび原材料費用 –9,328 –8,384
人件費 –2,463 –2,097
減価償却費および減損費 –596 –603
その他営業費用 –2,755 –2,246
営業利益 1,107 1,987
財務利益 729 745
税引前利益 1,836 2,732
法人所得税 –492 –788
税引後利益 1,343 1,943
その他諸税 –12 –13
純利益 1,332 1,929
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2019 年度のSAP SEの総収益は7％増の15,220百万ユーロとなった（2018年度：14,244百万ユーロ）。製品収益は
8％増の12,715百万ユーロとなった（2018年度：11,768百万ユーロ）。過年度同様、製品収益は主としてSAP SEの
子 会社から支払われたライセンス料から得られた。
増加はSAPグループの売上増加と比較して緩やかになったが、これは主として子会社からクラウド・サブスクリ
プションおよびサポートに支払われる当年度中のライセンス料の減少のためである。2019年度のサービス収益は
14％減の462百万ユーロ（2018年度：534百万ユーロ）となり、その他収益は5％増の2,043百万ユーロ（2018年度：
1,941百万ユーロ）となった。
SAP SEの営業利益は、44％減少し1,107百万ユーロとなった（2018年度：1,987百万ユーロ）。その他営業利益は
43百万ユーロ減少して1,028百万ユーロとなった（2018年度：1,073百万ユーロ）。
SAP SEのサービスおよび原材料費用は11％増の9,328百万ユーロとなった（2018年度：8,384百万ユーロ）。主に
グループ内費用割当において受けたサービスが増加したことにより、提供を受けたサービスは783百万ユーロ増の
7,210百万ユーロ（2018年度：6,427百万ユーロ）となった。グループ全体にて引き続き研究開発業務に対して投資
を行ったこと、ならびに収益および投資に関連するクラウド・サブスクリプションおよびサポート費用が増加した
ことが当該増加の主要因となった。ライセンスおよび引当金費用は8％増加し2,090百万ユーロとなった（2018年
度：1,929百万ユーロ）。
SAP SEの人件費（主としてSAP SEが雇用するソフトウェア開発者、サービスおよびサポート従業員、ならびに事
務スタッフの人件費）は、17％増の2,463百万ユーロとなった（2018年度：2,097百万ユーロ）が、これは主に株式
報酬費用の増加および当年度中の従業員数の増加によるものであった。その他営業費用は、509百万ユーロ増の
2,755百万ユーロとなった（2018年度：2,246百万ユーロ）。当該増加は主に、596百万ユーロ増となったリストラ
クチャリング費用、114百万ユーロ増となったその他のサービスならびに49百万ユーロ増となった保守およびサー
ビス費用に起因する。その他営業費用の増加は、182百万ユーロ減となった債権の評価損および93百万ユーロ減と
なった為替差損に一部相殺された。
財務利益は前年度比16百万ユーロ減の729百万ユーロとなった（2018年度：745百万ユーロ）。当該減少は主に、
117百万ユーロ減となったその他の証券および金融資産として保有される貸付金から得られる利益および24百万
ユーロ減となった投資利益に起因する。
財務収益の減少は、86百万ユーロ減となった金融資産の評価損、17百万ユーロ増となった損益移転契約からの利
益および23百万ユーロ増となった純受取利息により一部相殺された。
SAP SEの税引前利益は896百万ユーロ減の1,836百万ユーロとなった（2018年度：2,732百万ユーロ）。法人所得
税は296百万ユーロ減少し492百万ユーロとなった（2018年度：788百万ユーロ）。税引後当期純利益は前年度比598
百万ユーロ減の1,332百万ユーロとなった（2018年度：1,929百万ユーロ）。
資産および財政状態
2019 年度のSAP SEの総資産は45,043百万ユーロとなった（2018年度：41,324百万ユーロ）。
12 月31日現在のSAP SE バランスシート －ドイツ商法(縮約版)
単位：百万ユーロ 2019 年度 2018 年度
資産
無形資産 1,751 1,999
有形固定資産 1,512 1,495
金融資産 33,874 27,363
固定資産 37,136 30,857
棚卸資産 1 1
売掛金およびその他の資産 4,913 5,016
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有価証券および流動資産 465 4,909
短期資産 5,379 9,926
前払費用および繰延費用 2,157 273
繰延税金 369 266
相殺による余剰金 2 2
資産合計 45,043 41,324
資本および負債
株主資本 15,993 16,452
引当金 1,968 1,711
負債 27,068 23,150
繰延利益 14 11
株主資本および負債合計 45,043 41,324
金融資産は、主に子会社への資本拠出6,725百万ユーロ（このうち5,715百万ユーロがQualtricsの買収に係るSAP
America Inc.に対するものである。）に起因して、前年度比6,511百万ユーロ増の33,874百万ユーロとなった
（2018年度：27,363百万ユーロ）。当該増加は関連会社への投資の評価損155百万ユーロにより一部相殺された。
売掛金およびその他の資産が103百万ユーロ減少した主たる要因は、関連会社に対する売掛金が241百万ユーロ減
少したこと、およびオプション料が37百万ユーロ減少したことにある。売掛金およびその他の資産の減少は、税金
資産の184百万ユーロの増加に一部相殺された。
有価証券および流動資産は4,444百万ユーロ減少して465百万ユーロとなった（2018年度：4,909百万ユーロ）。
当該減少は、主にQualtricsの買収に係る間接金融によるものであった。
前払費用の増加は、主に2020年、2021年および2022年に係る子会社に対する1,805百万ユーロのライセンス料の
前払によるものであった。
SAP SEの株主資本は3％減の15,993百万ユーロとなった（2018年度：16,452百万ユーロ）。2018年度の配当の支
払に関連して1,790百万ユーロの支出があったのに対し、2019年度の純利益により1,332百万ユーロ増加た。
株主資本比率（総資産に対する株主資本の比率）は36％であった（2018年度：40％）。
引当金は、256百万ユーロ増の1,968百万ユーロとなった（2018年度：1,711百万ユーロ）。
その他の引当金は、主にその他増加したことにより325百万ユーロ増加し1,453百万ユーロとなった（2018年度：
1,128百万ユーロ）。
対照的に、税金に対する引当金は71百万ユーロ減少し、504百万ユーロとなった（2018年度：575百万ユーロ）。
負債は3,918百万ユーロ増加し27,068百万ユーロとなった（2018年度：23,150百万ユーロ）。この増加は、主に
SAP SEの資金調達および流動性の集中管理による子会社からの資金供与の増加を原因として、主に金融機関に対す
る債務が3,062百万ユーロ増加したことおよび関連会社に対する負債が1,519百万ユーロ増加したことによるもので
あった。この負債の増加は、予定されていた社債の返済合計750百万ユーロにより一部相殺された。
機会およびリスク
SAP SEは、実質的にSAPグループと同じ機会とリスクに直面している。詳細については、「第3 2 事業等のリス
ク」および「予想される動向」を参照のこと。
予測される動向
世界経済における将来の傾向
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1）
欧州中央銀行（ECB）の2019年12月の経済報告 によると、2020年における世界的な経済活動の回復は穏やかに
なると予想される。先進経済および中国における成長の減速、ならびに（以前の予想より動きが少なかったとして
も）一部の新興経済における緩やかな回復が主な影響となる。
ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域について、現在の国際貿易の弱さは、根強い世界的不透明感のた
め、2020年におけるユーロ圏の経済を圧迫するとECBは予想している。しかし、全体としては依然弱い一方で、ECB
の経済データによるとユーロ圏の経済成長の減速は安定化の傾向を示している。ユーロ圏の経済は、2020年におい
ては1.1％、また2021年および2022年においては1.4％成長するとECBは予測している。同時に、中央・東ヨーロッ
パ諸国における経済成長は、引き続き上昇傾向を示すものと予測されている。ロシアの中期的見通しは、主に、財
政的および構造的な政策の実施、世界的な石油市場の動向、および国際的な制裁体制の範囲に影響される。
南北アメリカ地域については、米国における経済活動が短期的には引き続き底堅く、しかし中期的には2％をや
や少し下回る成長率に減速するとECBは予測する。しかし、これは中国およびその他の多数の国との間で進行中で
ある貿易交渉の結果に左右される。ブラジルにおいては、中長期的な成長は必要な財政改革の実施度合いに大きく
影響される。
アジア太平洋日本（APJ）地域について、日本における経済活動は中期的には緩やかに成長するが、2019年10月
における消費増税に伴い一時的に弱まるとECBは予測する。最近発表された財政刺激策は、さらなる経済成長の支
えとなる可能性がある。中国はより緩やかな成長路線へ徐々に移行し、今後の世界経済全体を圧迫する。しかし、
政策措置および構造改革の実施に支えられ、2021年および2022年における中国経済はわずかに上向きになる可能性
がある。
成長率については、国際通貨基金（IMF）が2020年末までの中期的視点において経済動向を以下のとおり予測し
ている。
経済動向―GDP成長率前年比
単位：％ 2018 年 2019 年e 2020 年p
世界 3.6 2.9 3.3
先進経済 2.2 1.7 1.6
発展途上・新興経済 4.5 3.7 4.4
地域（新IMF分類による）
ユーロ圏 1.9 1.2 1.3
ドイツ 1.5 0.5 1.1
発展途上・新興ヨーロッパ 3.1 1.8 2.6
中東および中央アジア 1.9 0.8 2.8
サハラ砂漠以南のアフリカ 3.2 3.3 3.5
米国 2.9 2.3 2.0
カナダ 1.9 1.5 1.8
中南米、カリブ海諸国 1.1 0.1 1.6
日本 0.3 1.0 0.7
発展途上・新興アジア 6.4 5.6 5.8
中国 6.6 6.1 6.0
e ＝ 推定 （estimate）、p＝計画（projection）
出典：International Monetary Fund (IMF), World Economic Outlook Update January 2020, Tentative Stabilization,
Sluggish Recovery?
(https://www.imf.org/~/media/Files/Publications/WEO/2020/January/English/text.ashx?la=en) 9頁
IMF は2019年10月に国および地域の分類およびグループ分けを変更した。
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IT 市場：2020年度以降の見通し
米国を拠点とする市場調査会社Internatinal Data Corporation（IDC）は、今後4年以内に世界経済は「デジタ
2)
ル至上主義」に到達し 、世界のGDP全体の半分以上がデジタル変革された企業の商品およびサービスによって生み
出されると予測している。デジタル・アプリおよびサービスは、今日よりもずっと速いスピードで、より大量に、
また大幅に拡大されたデジタル・サプライチェーンをもとに創造および改良される。さらに、2024年までにすべて
のIT支出の50％超がデジタル変革および革新に向けられるようになり、年間成長率は、（既存システムの管理と
いった）その他のITについてが2％であるのに対して、17％になる。しかし、最大の成長はデータ・インテリジェ
ンスおよびアナリティクスにおいて見られることになり、このうちモノのインターネット（IoT）単独で48％を占
3)
める 。
この展開に伴い、IDCは今後数年での激しい市場集中を予想しており、2023年までには、公的クラウド・プラッ
トフォームの上位5つがサービスとしてのインフラストラクチャーおよびサービスとしてのプラットフォーム
（Iaas/PaaS）の市場シェアの少なくとも75％を占めると見ている（2018年度：62％）。同時に、サービスとして
のソフトウェア（SaaS）専業ベンダーの上位10社は、平均して20％近くの収益を、アプリに伴うPaaSソリューショ
2)
ンの拡大によって生みだすことになる（2018年度：4％） 。
最近の発表では、IDCは人工知能（AI）の重要性に特に重点を置いており、今後数年で「避けられない」ものに
なると考えている。IDCは、ビッグデータ・アナリティクスおよびコグニティブAIへの投資が2023年には2,650億ド
3)
ル超に達すると予想している（2019年度：1,240億ドル） 。AIソリューションへの投資単独では、2022年までに年
4)
間で38％増加し、収益が792億ドルに達する可能性がある 。
2025 年までには、少なくとも90％の新企業向けアプリにAIが搭載され、すべてのユーザー・インターフェース取
引の半分超がコンピューター・ビジョン、自然言語処理およびジェスチャー制御等の技術を使用するとIDCは述べ
2)
た 。既に2022年までには、多数の情報源からの様々な種類のデータの分析を可能にするデジタル・コアを開発す
4)
るため、75％超の企業向けアプリケーションのサプライヤーが業務用アプリを接続している可能性がある 。さら
には、2025年までに、業務用アプリケーションの50％がまだ存在しない機能性を有し、今日の商品よりはるかに効
4)
率的になり、人の介入が大幅に減る可能性がある 。
出典：
1)
欧州中央銀行、経済報告8/2019号、2019年12月27日発行
(http://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb201908.en.pdf)
2)
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2020 Predictions, Doc #US45599219, 2019年10月付
3)
IDC FutureScape: Worldwide Digital Transformation 2020 Predictions, Doc #US45569118, 2019 年10月付
4)
IDC FutureScape: Worldwide Intelligent ERP 2020 Predictions, Doc US44646019, 2019年10月付
当社への影響
世界経済はデジタル変革の真最中にあり、当社の幅広いソリューション・ポートフォリオおよびイノベーション
戦略はこの進化の中で重要な役割を果たしている。現在のマクロ経済における不確実性が個々の国やセクターを引
き止めている一方で、大多数の企業が最新の技術的進歩をビジネスモデルの再構築、市場シェアの獲得および効率
性の向上に活用している。
機械学習、AI、ブロックチェーンおよびIoTといった当社の革新的アプリケーションおよび当社の次世代テクノ
ロジー向け商品によって、一層多くの顧客が、当社のポートフォリオおよび当社の技術プラットフォームの力と効
率性に確信をもっている。当社はまた、当社のソフトウェアをオンプレミスで、クラウド上でまたはその両方で使
用する顧客に対して、比類のない柔軟性の選択肢を提供している。
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当社は、特に需要が高い状態が続く当社のクラウド・ソリューションに関して、堅調な成長が見られると引き続
き見込んでいる。
財務目標および展望
収益および営業利益の目標および展望（非IFRS）
2020 年度の見通し
当社は、2020年度について以下の見通しを示している。
・非IFRSクラウド収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、24％から28％増加し87億ユーロから90億ユーロの
範囲内になると予想される（2019年度：70.1億ユーロ）。
・非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、7％から9％増加し247億ユー
ロから251億ユーロの範囲内になると予想される（2019年度：230.9億ユーロ）。
・非IFRS総収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、6％から8％増加し292億ユーロから297億ユーロの範囲内
になると予想される（2019年度：276.3億ユーロ）。
・非IFRS営業利益は、為替変動の影響を考慮しない場合、8％から13％増加し89億ユーロから93億ユーロの範囲
内になると予想される（2019年度：82.1億ユーロ）。
・より予測可能な収益（クラウド収益およびソフトウェア・サポート収益の合計と定義される。）の割合は、約
70％になると予想される。
当社は、インテリジェント・スぺンド・グループ部門の売上総利益率は2020年度には80％を超えると予想してい
る（2019年度：78％）。
当社は、パブリック・クラウド製品の売上総利益率は2020年度に約70％（2019年度：68％）に達し、その後2年
間のうちに約80％まで拡大すると予想している。
当社は、プライベート・クラウド製品の売上総利益率は2020年度までに約30％から35％の範囲内になると予想し
ている（2019年度：29％）。
当社は、クラウドの売上総利益率は2020年度には約71％となると引き続き見込んでいる。
当社は、ソフトウェア・ライセンスおよびサポートの売上総利益率は2020年度も2019年度（2019年度：87％）と
同水準にとどまると予想している。
加えて当社は、サービスの売上総利益率は2020年度も2019年度（2019年度：25％）と同水準にとどまると予想し
ている。
2020 年度中に利益性を向上させることを追及する中で、当社のコスト率（総収益に対する費用の割合）は2020年
度中に次のように変化すると見込まれる。すなわち、研究開発については現在の水準を維持し、販売・マーケティ
ングおよび一般管理費についてはわずかに減少すると見込まれている。
さらに、当社はすべての報告対象セグメントにおいてセグメント別利益が増加すると見込んでいる。
当社の2020年度通年の業績見通しが為替変動を考慮しないものであるのに対し、実際の為替に基づく数値は年間
を通じて変動する為替の影響を受けるものと予想される。2020年度通年について予想される為替変動については、
以下の表を参照のこと。2020年度通年に係るこれらの通貨予想は、2019年12月の水準に基づくものである。
単位：パーセント・ポイント 2020 年度
クラウド・サブスクリプションおよびサポート –1 パーセント・ポイントから +1 パーセント・ポイント
クラウドおよびソフトウェア –1 パーセント・ポイントから +1 パーセント・ポイント
営業利益 0 パーセント・ポイントから +2 パーセント・ポイント
以下の表は、当社の非IFRS財務指標とIFRS財務指標の差異の予測値を項目ごとに示している。
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非IFRS指標
単位：百万ユーロ 2020 年度予測 2019 年度実績
収益調整 0–30 81
株式報酬費用 1,200–1,600 1,835
買収関連費用 580–690 689
リストラクチャリング費用 10–20 1,130
当社は2020年度通年の実効税率（IFRS）は27.0％から28.0％（2019年度：26.7％）、実効税率（非IFRS）は
26.5％から27.5％（2019年度：26.2％）になると予想する。
提案されている配当金
当社は、少なくともその合計が前年度の税引後利益の40％以上となるように配当を行うという当社の配当政策に
沿って、1株当たり1.58ユーロの配当を支払う予定である（ただし、2020年5月の年次株主総会において株主の承認
を得ることを前提とする。）。この他、当社は2020年12月31日までに15億ユーロの株式を買い戻す予定である。詳
細については、「財務業績：検討および分析」の項を参照のこと。
組織改革
2020 年度初め、革新と単純性を後押しすると同時にカスタマーサクセスおよび従業員エンゲージメントへの集中
を強化するため、当社は組織構造を変更した。進行中の組織編制は、シナジーを生むこと、さらなる統合に向けた
重要な一歩を踏み出しながら複雑性を減らすことを目指している。組織改革はまた、当社のセグメント報告に影響
を与える。当社は既に、新たな組織構造の下での管理報告を見直すプロセスを開始しており、セグメント報告はこ
れに続いて行われる。
中期見通し
このセクションにおける数値は、すべて非IFRS指標のみに基づくものである。
当社は、堅実に営業利益を増加させながら、より予測可能な収益を拡大させたいと考えている。当社の戦略目標
は、特に成長、収益性、顧客ロイヤルティおよび従業員エンゲージメントという主要な財務・非財務目標に重点を
置いている。
2019 年度初め、当社は2023年度目標を発表した。2018年度から2023年度の期間で、当社は以下を達成できるもの
と引き続き見込んでいる。
・非IFRSクラウド収益を3倍以上にすること（2018年度：50.3億ユーロ）
・非IFRS総収益を350億ユーロ超まで増加させること（2018年度：247.4億ユーロ）
・より予測可能な収益の割合を80％に近づけること
・非IFRSクラウドの売上総利益率を75％に到達させること
・非IFRS営業利益率を平均で年1パーセント・ポイント増加させ、合計で約500ベーシス・ポイント拡大させるこ
と。当社は、以下の影響に基づいてこの結果を達成するものと見込んでいる。
－約マイナス4パーセント・ポイントの収益構成の悪影響
－当社のクラウドの売上総利益率の拡大による約5パーセント・ポイントの加算
－当社のサービスの利益率の拡大による約0．5パーセント・ポイントの加算
－当社の販売・マーケティング費用の比率の減少による2.5パーセント・ポイントから3パーセント・ポイント
の加算（2018年度：25％）
－当社の一般管理費の比率の減少による0.5パーセント・ポイントから1パーセント・ポイントの加算（2018年
度：4％）
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当社のソフトウェア・ライセンスおよびサポートの売上総利益率（2018年度：87％）ならびに当社の研究開発費
の比率（2018年度：14％）は、2018年度と同水準にとどまるものと予想される。
投資目標
2020 年度および2021年度の当社の投資支出（企業結合を除く。）は、主に本書の「資産（IFRS）」の項に記載す
るITインフラストラクチャーの購入および建設事業からなる。当社は、2020年度について、ITインフラストラク
チャーへの投資額は約591百万ユーロ、建設事業への投資額は約235百万ユーロになると予想する。2020年度の資本
的支出の合計額は、約11億ユーロになると見込まれる。2021年度の資本的支出は、2020年度と同水準となると予想
される。
流動性目標および財政目標
2019 年12月31日現在の純負債は8,286百万ユーロであった。当社は、未使用の信用枠を組み合わせた当社の流動
資産が2020年度も営業・資金調達のニーズを充分に満たし、また予想される営業キャッシュ・フローとともに債務
の返済ならびに現在計画している短期的および中期的な設備投資要件を支えると考えている。
2020 年度については、リストラクチャリングおよび臨時税に係る資金流出は2019年度と比較し減少すると当社は
見込んでいる。当社の営業活動によるプラスの影響と合わせて、2020年度の営業キャッシュ・フローは約60億ユー
ロになると当社は見込んでいる。（IFRS第16号に対応し定義が見直された）フリー・キャッシュ・フローは45億
ユーロの水準に増加すると見込まれる。2023年度には、フリー・キャッシュ・フローが約80億ユーロになると当社
は見込んでいる。
当社は、2020年度に1,150百万ユーロのユーロ債および290百万米ドルの米国私募債について、払戻しを行う意向
である。加えて、当社は現在未返済である20億ユーロのQualtricsの買収に係るタームローンの全部または一部
を、追加の資本市場取引にて借り換える可能性がある。2020年12月31日現在の約70億ユーロの純負債を、営業利益
（IFRS）と減価償却費および減損費の合計で割った比率は、0.9未満になるべきである。2020年度から2023年度
で、予定されている約62億ユーロの負債の返済による純負債の減少を当社は見込んでいる。
2020 年度の非財務目標および2023年度に向けた意欲的な目標
財務目標に加え、当社は、3つの非財務目標、すなわち顧客ロイヤルティ、従業員エンゲージメントおよび炭素
排出量にも尽力している。
2020 年度から2023年度までの間、当社は従業員エンゲージメント指数にて測定される従業員エンゲージメントを
引き上げ、84％から86％の間で維持することを目標としている（2019年度：83％）。
当社は顧客ロイヤルティを顧客ネット・プロモーター・スコア（NPS）を使用して評価している。当社は、2020
年度には顧客NPSを3ポイントから5ポイント増加させ、2021年度以降も着実に顧客NPSを上昇させることを目標とし
ている（2019年度：マイナス6）。
当社は、2020年度には炭素排出量を238キロトンまで削減し（2019年度：300キロトン）、その後も着実に削減し
て2023年度までには95キロトンとすることを目指している。当社の包括的かつ意欲的な目標は、SAPの経営におけ
る炭素排出量実質ゼロを2025年度までに達成することである。
当社の見通しおよび展望の根拠となっている前提
当社の見通しおよび展望を作成するに当たり、当社は2019年度統合報告書の作成時点において既知であった、当
社の将来の事業に影響を及ぼしうるあらゆる事象を考慮した。
SAP SEに関する見通し
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SAP SEの主たる収益源は、子会社に対し、当社のソフトウェア・ソリューションを販売し保守する権利について
SAP SEが請求するライセンス料である。そのため、営業の観点から見たSAP SEの業績は、SAPグループのクラウド
およびソフトウェア収益と密接に結びついている。
SAP グループについて2020年度に予想されるクラウドおよびソフトウェア収益の増加にもかかわらず、2020年度
のSAP SEの製品収益は2019年度と同程度にとどまると当社は見込んでいる。これは、2019年8月から実施された、
子会社からSAP SEに支払われるクラウド・ソリューションに係るライセンス料の減少による。
買収その他の予測不可能な事由に係る重要な影響がないと仮定した場合、2019年度のリストラクチャリング費用
603百万ユーロおよび2020年度に重要なリストラクチャリングが予定されていないことを考慮すると、2020年度の
SAP SEの営業利益は大きく増加すると見込まれる。
2021 年度から2023年度に係るSAPグループの財務目標は、収益および利益のさらなる増加をもたらすものであ
る。当該増加によって、SAP SEにも同程度の収益および利益の増加がもたらされると当社は予想している。
当社は、SAP SEが今後も子会社からの利益移転および配当の形で投資利益を得続けるものと考えている。当社が
SAPグループに期待する成長は、SAP SEの投資収益にプラスの効果をもたらすはずである。
流動性、財政、投資および配当金に関するSAPグループについての見通しは、SAP SEにも同様に当てはまるもの
である。
この見通しの基礎となっている前提には、経済およびSAPグループの業績予測に関する前述の事項が含まれる。
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外国為替変動に対するエクスポージャー
当社の報告通貨はユーロであるが、当社の事業の大部分はユーロ以外の通貨によって行われている。グループ企
業は通常その事業を各々の機能通貨で行っているため、進行中の通常業務における当社の為替相場変動リスクは、
重大なものではないと考えられている。ただし、当社は、時折、機能通貨以外の通貨で、外貨建債権、債務および
その他の貨幣項目を発生させることがある。関連する外国為替相場変動リスクを軽減するために、これらの取引の
大半は、当社の連結財務諸表に対する注記(F.1)に記載のとおりヘッジされている。外貨に関する追加情報につい
ても、注記(F.1)を参照のこと。
2019 年度の総収益の約73％（2018年度：72％）は、ユーロ非加盟諸国における営業に起因するものであった。財
務報告のために当社は当該収益をユーロに換算した。ユーロの為替相場の変動は当社の総収益に対し、2019年度は
724百万ユーロの好影響を、2018年度は1,219百万ユーロの悪影響を、2017年度は301百万ユーロの悪影響をもたら
した。
上記で述べた外国為替相場変動の影響は、現地通貨における当期の数値を前年同月の月平均の為替相場でユーロ
に換算することにより計算されている。「営業成績」の項に含まれる当社の収益に対する分析は、同様に計算され
た為替変動の影響につき折に触れて言及している。
オフバランスシート取引
当社は、既に開示されているものを除き、開示が求められる重要なオフバランスシート取引は存在しないと考え
ている。
約定債務
以下の表は、2019年12月31日現在の当社のオンバランスシートおよびオフバランスシートの約定債務を表してい
る。
期間別の支払期限
約定債務
単位：百万ユーロ 合計 1年未満 1年から3年 3年から5年 5年超
1)
リース債務 2,511 431 414 1,019
647
1)
その他の金融負債 14,725 2,888 2,326 5,467
4,044
1)
デリバティブ金融負債 115 55 1 58
1
2)
購入債務 2,592 1,251 401 43
897
2)
出資債務 206 206 0 0
0
3)
その他の長期非金融負債 814 0 26 142
646
合計 20,963 4,830 6,235 3,168 6,729
(1) 連結財務諸表に対する注記(D.8)に記載のとおり、特定の少額リースおよび短期リースは除く。リース債務、その他の金
融負債およびデリバティブ金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)および(F.1)を参照のこと。
(2) 出資債務および購入債務については、連結財務諸表に対する注記(D.5)および(D.7)を参照のこと。上表には、当社の年金
およびその他の退職後給付制度に対する想定拠出額は含まれていない。かかる拠出に関する詳細は、連結財務諸表に対す
る注記(B.4)を参照のこと。
(3) その他の長期非金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(B.3)、(B.5)および(G.2)を参照のこと。
当社は、当社の既存の現金、当社の営業活動によるキャッシュ・フローおよび当社の資金調達活動により、これ
らの約定債務を返済する予定である。上記約定債務の返済時期は、支払が定められている当該債務の支払スケ
ジュールに基づく。支払スケジュールの定められていないその他の債務については、最も可能性の高い現金支払時
期の予測がなされている。これらの将来のキャッシュ・フローの最終的な支払時期は、当該予測と異なる場合があ
る。
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補償および保証に基づく債務
一般的に、当社のソフトウェア・ライセンス契約およびクラウド・サブスクリプション契約には、当社のソフト
ウェア製品が第三者の知的財産権を侵害した場合に当該顧客の債務を補償する一定の条項が定められている。さら
に、当社は、所定のコンサルティング契約や開発に関する取引において、機能または性能保証を行う場合がある。
また、当社は、一般的に当社のソフトウェアに関し通常6ヶ月から12ヶ月間の保証を行っており、クラウド・サー
ビスについては90日間の請求期限を設け定額利用期間と同期間の保証を行っている。当社の製品保証債務は、その
他引当金に含まれる。その他引当金に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(A.4)、(B.5)および
(B.6)を参照のこと。債務および偶発債務に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(A.4)、(D.5)、
(D.7)および(G.3)を参照のこと。
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４【経営上の重要な契約等】
買収
当社はその短期、中期および長期目標に向かって進むため、当社のソリューション・ポートフォリオの持続可能
な成長を確保する技術革新という本業への投資に引き続き注力する。さらに、 当社は当社のソリューション提供を
補完し、主要な戦略的市場を一層網羅するために、的を絞った買収を行う場合がある。
2019年1月に、当社は今日の経済における組織の成長を可能にするエクスペリエンス・マネジメント（XM）ソフ
トウェアの代表的企業であるQualtrics International, Inc.を買収した。当該買収は2019年1月23日に完了した。
エクスペリエンス経済の強化を目的に、当社とQualtricsは手を組み、エクスペリエンス・データとオペレーショ
ナル・データを組み合わせることで新たなXMカテゴリーに勢いをつけようと取組んでいる。Qualtrics部門に関す
る詳細については、連結財務諸表に対する注記(C.1)を参照のこと。
Qualtrics International, Inc.の買収に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(D.1)を参照のこ
と。
Sapphire Ventures
当社は、本業の成長および買収に対する投資に加え、Sapphire Venturesが運用するベンチャー・キャピタル・
ファンドを通じて、業界トップの事業を築くことを目指す起業家を支援している。Sapphire Venturesは35億米ド
ル超を運用しており、160社を超える企業への投資実績がある。これらには、成長段階のテクノロジー企業および
初期段階のベンチャー・キャピタル・ファンド等が含まれる。Sapphire Venturesは、専門性、人脈、地理的にア
クセス可能な範囲および資本の強化を通じて、企業の成長を促進する力となる機会を追求している。Sapphire
Venturesは、ヨーロッパ、イスラエルおよび米国の企業に特に重点を置いている。Sapphire Venturesを通じたベ
ンチャー企業への投資に加え、当社はSapphire Venturesによって運用される、企業向けソフトウェアのスタート
アップ企業に対する戦略的な早期投資に焦点を当てたSAP.iOファンドを有している。SAP.iOファンドの活動の一環
として、当社は多様性および一体性の促進を目的に、女性起業家の設立したまたは女性起業家の率いるスタート
アップ企業といった、企業向けソフトウェア分野における少数派グループに対して投資可能資産の最大40％を投資
することにもコミットしてきた。
５【研究開発活動】
研究開発への投資
当社のR&Dへの強いコミットメントは、当社の支出に反映されている（下図を参照のこと。）。
2019 年度について、当社の営業費用合計に占めるR&D費用の割合を反映したIFRS R&D比率は、0.5パーセント・ポ
イント減少し18.6％（2018年度：19.1％）となった。当社の非IFRS R&D比率は前年度（2018年度：19.4％）と比較
し0.4パーセント・ポイント増加し19.8％となった。2019年度末時点で、開発業務における当社の正規職員相当
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（FTE）数は27,634名であった（2018年度：27,060名）。FTEで算出した場合、当社のR&Dの従業員数は総従業員数
の28％を占めた（2018年度：28％）。
R&D 総費用には、当社の従業員に係る人件費のほか、当社の製品を納品および強化するために当社が協力を受け
るプロバイダーおよび提携先の行う業務およびサービスに係る外部費用も含まれている。当社はさらに、下記事項
のための外部費用も負担している。
・ 製品の翻訳、ローカライゼーションおよび検査
・ 様々な市場における製品の認証の取得
・ 弁理士のサービスおよび報酬
・ 当社の製品戦略に関するコンサルティング
・ 当社のR&D従業員の専門能力開発
特許
当社は革新および機密情報等の知的財産の保護に積極的に取り組んでいる。当社のソフトウェアの革新により、
当社は引き続きビジネス・ソリューションおよびサービスにおけるリーダーとしての市場での地位を強化してい
る。当社はR&Dへの投資により、多数の特許を生み出してきた。2019年12月31日現在、当社は世界各地に合計
10,270件超の有効な特許を有している。そのうち924件は2019年度に取得し、有効となったものである。
当社の知的財産は当社の成功にとり重要なものであるが、当社は当社の事業全体が特定の特許またはその集合体
に依存しているとは考えていない。
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第４【設備の状況】
１【設備投資等の概要】
現在進行中の主要な投資および売却
当社は、2019年度中、様々な建設プロジェクトを完了し、また様々な場所で新たな建設活動を開始し継続した。
当社は、これらすべてのプロジェクトを営業キャッシュ・フローにより賄う予定である。このうち最も重要な当社
のプロジェクトは以下のとおりである。
建設プロジェクト
単位：百万ユーロ
国 施設所在地 概要 予定費用 2019 年12月 完成予定
総額 31 日までに
負担した費用
ドイツ ベルリン 約1,000名の従業員を収容する 2022 年10月
新たなオフィスビル 40 2
ドイツ ミュンヘン 約600名の従業員を収容する 2023 年3月
新たなオフィスビル 90 0
ブラジル サン・レオポルド 約700名の従業員を収容する 2021 年3月
新たなオフィスビル 33 2
ブルガリア ソフィア 約1,200名の従業員を収容する 2022 年10月
新たなオフィスビル 46 1
インド バンガロール 約4,000名の従業員を収容する 2022 年12月
新たなオフィスビル 84 0
米国 シアトル 約1,850名の従業員を収容する 2020 年7月
新たなオフィスビル 28 1
予定している投資支出に関する詳細は、「投資目標」を参照のこと。報告年度中に重要な売却はなかった。
過去3年間の主要な投資および売却
2019年度の当社の有形固定資産に対する主な投資（企業結合を除く。）は合計1,067百万ユーロ（2018年度：
1,302百万ユーロ、2017年度：1,196百万ユーロ）となった。2019年度の有形固定資産に対する主な投資は、2018年
度と比較して減少した。投資は、主に情報技術施設の交換および購入、ならびにビルおよびデータセンターの建設
および賃借に関連するものであった。2017年度から2018年度の増加は、主にITインフラストラクチャー（データセ
ンター等）の交換および購入ならびに新たなビルの建設によるものであった。
取得技術および顧客関係等の無形資産に対する当社の投資は、2018年度の791百万ユーロ（2017年度：227百万
ユーロ）から、2019年度は1,954百万ユーロになった。のれんに割り当てられた当社の投資は、2018年度の1,620百
万ユーロ（2017年度：205百万ユーロ）から、2019年度は5,017百万ユーロに増加した。2019年度における増加は、
主に Qualtricsの買収に起因するものである（追加情報については、注記(D.1)を参照のこと。）。2018年度にお
けるこれらの増加は、主にCallidusの買収によるものである。買収に関連する投資の詳細については、当社の連結
財務諸表に対する注記(D.2)および(D.3)を参照のこと。
当社が営業を行う主要な市場の詳細（最近3年間の総収益の業種別および地域別の内訳を含む。）については、
本書の「営業成績（IFRS）」の項を参照のこと。
２【主要な設備の状況】
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当社の本社は、ドイツ、ヴァルドルフに位置し、約460,000平方メートルのオフィスおよびデータセンター・ス
ペース（隣接するザンクト・レオン・ロットの当社の設備を含む。）を所有し、占有している。当社はまた、ドイ
ツのその他様々な場所にオフィススペースを所有・賃借しており、その合計は約165,000平方メートルになる。世
界 約75ヶ国において、当社は、およそ 1,850,000平方メートルを占有している。ドイツの本社を除くほとんどの場
所は、賃借している。当社はまた、ニュータウン・スクエア、パロ・アルト（米国）およびコロラド・スプリング
ス（米国）、バンガロール（インド）、サン・レオポルド（ブラジル）、ロンドン（英国）、ラアナナ（イスラエ
ル）ならびにドイツ国内外のその他数ヶ所において不動産を所有している。
当社が占有するオフィスおよびデータセンター・スペースには、EMEA地域の約380,000平方メートル（ドイツを
除く。）、北およびラテンアメリカ地域の約425,000平方メートルならびにAPJ地域の約420,000平方メートルが含
まれる。
これらのスペースは、研究開発、当社のデータセンター、顧客支援、販売・マーケティング、コンサルティン
グ、研修、管理ならびにメッセージングを含む様々な会社機能のために利用されている。当社のすべての設備は、
実質的に十分に活用または転貸されている。地理的地域ごとの非流動資産に関する説明は、当社の連結財務諸表に
対する注記(D.6)を参照のこと。また、当社の地域ごとの作業空間の生産能力を概算するには、機能エリアおよび
地理的地域ごとの当社の正規職員相当従業員数を記載した「第2 5 従業員の状況」を参照のこと。
当社は、当社の設備が良好な運営状態にあり、当社の現在の使用方法に適していると考える。当社の財産には何
らの重大な負担も付されていない。当社は、当社の重要な資産の使用に影響を及ぼしうるいかなる環境問題による
制限もないと考えている。当社は現在、将来の事業拡大能力を高めるため、様々な場所で建設活動に着手してい
る。当社の重要な建設活動は、上記「現在進行中の主要な投資および売却」に記載のとおりである。
３【設備の新設、除却等の計画】
「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
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第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
（2019年12月31日現在）
(*)
未発行株式数 ( 株 )
授権株数(株) 発行済株式総数 ( 株 )
1,728,504,232 1,228,504,232 500,000,000
(*) 定款に規定する授権資本IおよびIIの合計。この数値に、新株予約権は含まれていない。
②【発行済株式】
（2019年12月31日現在）
記名・無記名の別及び額 上場金融商品取引所名又は
種 類 発行数(株) 内 容
面・無額面の別
登録認可金融商品取引業協会名
シュトゥットガルト証券取引所
フランクフルト証券取引所
完全議決権株式であ
ハンブルグ証券取引所
り、権利内容に何ら
無記名式無額面株式 普通株式 1,228,504,232 ミュンヘン証券取引所
限定のない標準とな
デュッセルドルフ証券取引所
る株式
ベルリン証券取引所
ハノーバー証券取引所
計 － 1,228,504,232 － －
(1) 株式はすべて口座振替方式により記録および取引され、株券は発行されない。
(2) アメリカ合衆国では、当社の株式は、米国預託証券（ADR）の形式でニューヨーク証券取引所に上場されている。
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
（３）【発行済株式総数及び資本金の推移】
（2019年12月31日現在）
発行済株式総数 ( 株 ) 資本金(ユーロ)(括弧内は円)
商業登記年月日 摘 要
増減数 残高数 増減額 残 高
1,228,504,232
2014 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(146,351,709,158)
1,228,504,232
2015 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(146,351,709,158)
1,228,504,232
2016 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(146,351,709,158)
1,228,504,232
2017 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(146,351,709,158)
1,228,504,232
2018 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(146,351,709,158)
1,228,504,232
2019 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(146,351,709,158)
（４）【所有者別状況】
（2019年12月31日現在）
個人 法人、ブローカー、商会 その他 計
(*) (*) (*)
株主数(人) 該当なし 該当なし - 該当なし
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(*) (*)
所有株式数 該当なし 該当なし - 1,228,504,232
所有株式数の割合
(*) (*)
該当なし 該当なし - 100.0 ％
(％)
(*) 当社 の株式は無記名式であるため、株主数を把握することができない。
（５）【大株主の状況】
SAP SE の株式資本は、無記名の形でのみ発行される普通株式で構成される。そのため、SAP SEには原則として、
株主を特定し、または特定の株主の保有株式数を判断する手段がない。当社の普通株式は、米国においては、ADR
の形式で取引される。現在、各ADRは、SAP SEの普通株式1株に相当する。2020年2月7日現在、預託機関により提供
された情報によると、記録上、60,139,010個のADRが、783名の登録済保有者により保有されている。かかるADRを
基礎付ける普通株式は、当該時点における発行済普通株式（自己株式を含む。）の4.90％に相当した。当社は、無
記名式普通株式のみ発行しているため、米国に住所を有する個人が直接保有する普通株式数を判断することはでき
ない。
以下の表には、(ⅰ)発行済普通株式の5％以上を実質的に保有していることをSAP SEが把握している各個人また
はグループ、ならびに(ⅱ)監査役会の現役構成員であるすべての個人および取締役会の全構役員が個人としてある
いはグループとして保有する普通株式の実質所有権について、2020年2月7日現在、当社が認識している範囲内の情
報が、いずれも当人からのSAP SEに対する報告に基づき記載されている。SAP SE株式の性質に鑑みて把握できる範
囲内では、過去3年間において、大株主が所有する所有権の割合に著しい変動はなかった。大株主は、いずれも特
別議決権を有しない。
（2020年2月7日現在）
発行済株式総数
所有株式数
氏名又は名称 住 所 に対する
( 株)
所有株式数の割合
ディートマ・ホップ(Dietmar
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
61,864,345 5.036 ％
(1)
Hopp)(合計)
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
監査役会議長、ハッソ・プ
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
ラットナー(Hasso Plattner)
72,369,813 5.891 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
(2)
(合計)
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
取締役会構成員全体(8名) 26,998 0.002 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
監査役会構成員全体(18名) 72,388,510 5.892 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
取締役会構成員および監査役
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
72,415,508 5.895 ％
(3)
会構成員全体(26名)
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
(4)
BlackRock, Inc.
米国、デラウェア州、ウィルミントン 69,306,896 5.642 ％
合 計 － 203,586,749 16.572 ％
(1) 上記の情報は、ディートマ・ホップならびにその他の関係者および関連会社が2020年2月20日に提出したスケジュール13G
に基づいている。
(2) ハッソ・プラットナーが単独の議決権および処分権を行使するHP Endowment GmbH & Co. KGおよびHasso Plattner
Single Asset KGを含む。
(3) 当社は、ハッソ・プラトナーを除く監査役会および取締役会の各構成員は、2020年2月7日現在、いずれも SAP SE 普通株式
の1％未満を実質的に保有するのみであると考えている。
(4) ドイツ法の定めるところにより、BlackRock, Inc.は当社に対し、5％を超える当社の発行済株式を保有している旨通知し
た。BlackRock, Inc.は2020年2月7日現在の保有株式数を当社に通知する必要はなく、かかる情報を提供していない。上
記の情報は、BlackRock, Inc.が2020年2月6日に提出したスケジュール13Gに基づいている。
当社は現時点において、後日当社の支配権に変更を生ずるような合意の存在を一切認識していない。
２【配当政策】
配当金配当政策
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配当は、年次株主総会の承認を条件として、SAP SEの年度末単体財務書類に基づき、SAP SEの監査役会
（ Aufsichtsrat ）および取締役会（ Vorstand ）により共同で提示される。配当は、SAP SEの年次株主総会において
そ の前年度分が正式に公表される。SAP SEの年次株主総会は、通常、各年度の第2四半期に開催される。配当は、
企業活動の処理手続につき欧州市場内における統一的な基準の導入を目指し改正されたドイツ株式会社法の改正内
容に従い、2017年度に係る支払分以降、年次株主総会の3営業日後に株主のためにカストディアン銀行に送金され
るようになった。配当基準日におけるADRの登録所有者は、配当が公表された年度について、その公表された配当
に係る支払を受ける権利を有する。当該保有者に支払われるべき現金配当は、ユーロ建てで預託機関に支払われ、
一定の例外はあるものの、預託機関によって米ドルに転換される。
ADR の所有者に対して支払われる配当は、ドイツにおける源泉徴収税の対象となる可能性がある。
支払済の年間配当金
以下の 表は、各年度において普通株式 1 株当たりに対して支払われた年間配当金をユーロにて記載したものであ
る。現在、当社の各 ADR は、 SAP SE の普通株式 1 株に相当する。したがって、各 ADR の最終配当金は SAP SE の普通株
式 1 株当たりの配当金に相当し、ユーロ・米ドルの換算レートにより決定する。 以下の 表には、配当支払を受ける
ドイツの納税者が利用できる税額控除は反映されていない。
12 月31日に終了する年度 普通株式1株当たりに支払われた配当金(ユーロ)
2015 年度 1.15
2016 年度 1.25
2017 年度 1.40
2018 年度 1.50
(1)
2019 年度 1.58
(1) 配当支払は、2020年5月15日に開催されたSAP SEの年次株主総会において承認された。
普通株式に対する配当の額は、SAP SEにより分配される利益の金額に応じて決定されるが、その一部は当社の財
務業績にかかっている。加えて、ADRの保有者が受領する配当の金額は、換算レートの変動により影響を受ける可
能性がある。将来の配当の時期、宣言、金額および支払は、SAP SEの将来の収益、資金需要および他の関連のある
要素の影響を受けるが、いずれの場合もSAP SEの取締役会および監査役会により提案され、年次株主総会により承
認される。
当社の堅固な財務業績および健全なバランスシートに鑑み、SAP SEの監査役会は2020年度に資本収益率を強化す
るとの取締役会の計画を2019年11月4日付で承認した。当該新プログラムに基づき、当社は2020年12月31日までに
合計15億ユーロ規模の株式の買戻しおよび／または特別配当を行うことを予定している。
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３【コーポレート・ガバナンスの状況等】
（１）【コーポレート・ガバナンスの概要】
「第1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」および「第5 3 (2) 役員の状況」を参照のこと。
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（２）【役員の状況】
(1) 当社の取締役および取締役会役員
取締役会 （本書日付現在）
取締役会は、男性4名および女性1名で構成されている（女性役員の比率は20％である。）。
任期が
初めて
＊
氏 名
役職 生年月日 経歴
選任された年
満了する年
最高経営責任者 クリスチャン・クライン
1980 年
(1) 2018 2025
(Christian Klein)
6 月4日
( CEO )
アデア・フォックス・マルティン
カスタマーサクセス 1964 年
(2) 2017 2025
(Adaire Fox-Martin)
代表 6 月11日
ルカ・ムシッチ
1971 年
最高財務責任者(CFO) (3) 2014 2026
(Luka Mucic)
9 月10日
ユルゲン・ミュラー
1982 年
最高技術責任者(CTO) (4) 2019 2022
(Jürgen Müller)
▶ 月22日
トーマス・ザウアーエッスィヒ
SAP 製品エンジニアリ 1985 年
(5) 2019 2022
(Thomas Saueressig)
ング ▶ 月9日
＊ 2020年2月19日にミヒャエル・クライネマイヤーと監査役会は、ミヒャエル・クライネマイヤーが当社を2020年4月30日付
で退社することおよび同日付で同氏が取締役会の構成員でなくなることにつき相互に合意した。さらにステファン・ライ
ズと監査役会は、ステファン・ライズが当社を2020年5月31日付で退社することおよび同日付で同氏が取締役会の構成員で
なくなることにつき相互に合意した。
(1) CEO（Vorstandssprecher）であるクリスチャン・クラインは、40歳であり、ドイツのマンハイムに所在する産学協同教育
大学にて国際経営管理学の学位を取得している。1999年に当社に入社し、2018年に取締役会の構成員となった。同氏は10
月10日付で共同CEOに就任し、2020年4月20日付で単独CEOとなった。クリスチャンは当社の最高執行責任者（COO）でもあ
り、業務プロセスの簡略化、グローバルIT、商品およびサービスの質、ポートフォリオおよび投資戦略、インテリジェン
ト・データおよび分析、ならびにデジタル・イノベーションの採用を通じた価値の獲得に焦点を当てることにより、当社
の顧客および従業員の利益のために、当社のインテリジェント・エンタープライズへの移行を先導している。
(2) アデア・フォックス・マルティンは、56歳であり、アイルランドのトリニティ・カレッジの卒業生である。2008年に当社
に入社し、2017年に取締役会の構成員となった。同氏は当社のグローバル販売、サービスおよび顧客エンゲージメントに
係る組織であるカスタマーサクセスの代表を務めている。
(3) ルカ・ムシッチは、48歳であり、ドイツのハイデルベルク大学において法学の学位を取得しており、またフランスの
ESSECおよびドイツのマンハイム・ビジネス・スクールにおいて共同エグゼクティブMBAを取得している。同氏は、1996年
に当社に入社し、2014年7月に最高財務責任者（CFO）および取締役会の構成員となった。同氏は、投資家向け広報活動、
内部監査、データ保護およびプライバシーを含む、財務および管理の責任者を務める。
(4) ユルゲン・ミュラーは、38歳であり、ドイツのポツダム大学にあるソフトウェア工学専門のハッソ・プラットナー・イン
スティテュート（HPI）においてITシステム・エンジニアリングの博士号を取得している。同氏は2013年に当社に入社
し、2019年に取締役会の構成員となった。ユルゲンは当社の最高技術責任者（CTO）であり、技術・革新委員会を率いて
いる。最高技術責任者（CTO）として、同氏は当社のプラットフォームおよび技術の開発を総合的に担うビジネス・テク
ノロジー・プラットフォームの責任者を務めている。当社に入社する前、ユルゲンはHPIにおいてハッソ・プラットナー
のリサーチ・チェアの共同代表を務めていた。
(5) トーマス・ザウアーエッスィヒは、35歳であり、ドイツのマンハイムに所在する産学協同教育大学にてビジネス情報技術
の学位を取得しており、またフランスのESSECおよびドイツのマンハイム・ビジネス・スクールにおいて共同エグゼク
ティブMBAを取得している。同氏は2004年に当社に入社し、2019年に取締役会の構成員となった。トーマスはSAP商品エン
ジニアリング委員会を率いており、すべてのビジネス・ソフトウェア・アプリケーションのグローバル責任者を務めてい
る。これには商品戦略・管理から商品開発・革新、さらには商品販売・サポートまですべての機能分野が含まれる。
2019 年12月31日現在、ドイツその他の国において、当社以外の企業の他の監査役会または同等の統治機関のメン
バーを務めるSAP SEの取締役会の構成員は、当社の連結財務諸表に対する注記(G.4)に記載されている。SAP SE
は、年金、早期退職の場合に支払われる手当、および契約終了後の競業禁止期間に係る抑止報酬に関するものの他
には、取締役会の構成員との間で、構成員の業務雇用終了時の手当に関するいかなる契約も締結していない。
当社の知る限り、監査役会および取締役会の構成員の間に家族関係はない。
監査役会 （本書日付現在）
監査役会は、男性9名および女性9名で構成されている（女性役員の比率は50％である。）。
初めて選任 任期が満了
役職 氏 名 生年月日
された年 する年
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ハッソ・プラットナー博士、議長
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso
監査役会議長 1944 年1月21日 2003 2022
(1)(3)(6)(7)
Plattner)
マルグレート・クライン・メイ
従業員、副社長、SAP OB・OG関係
ガー、副議長
1964 年9月5日 2012 2024
担当代表
(2)(3)(4)
(Margret Klein-Magar)
ペッカ・アラ・ピエティラ
Huhtamäki Oyj の取締役会議長
1957 年1月13日 2002 2022
(1)(3)(7)(8)
(Pekka Ala-Pietilä)
従業員、SAP SE労使協議会および
パナギオティス・ビシリタス
SAP SE労使協議会(ヨーロッパ)会 1968 年8月31日 2007 2024
(2)(3)(4)(5)
(Panagiotis Bissiritsas)
員
アイチャ・エバンズ
Zoox, Inc.の最高経営責任者およ
1969 年3月2日 2017 2024
(1)(3)(6)(8)
(Aicha Evans)
び取締役会構成員
ダイアン・グリーン
Stripe, Inc. の取締役会構成員
1955 年6月9日 2018 2023
(1)(6)(7)
(Diane Greene)
ゲッシェ・ユースト博士
ベルリン芸術大学デザイン・リ
1974 年11月30日 2015 2023
(1)(6)(8)
(Prof. Dr. Gesche Joost)
サーチ研究室教授および室長
モニカ・コヴァーチカ・ディミト
従業員、プロジェクト・エキス
ローヴァ
パート育成チーフ、SAP SE労使協
1975 年10月29日 2019 2024
(2)(6)
(Monika Kovachka-Dimitrova)
議会(ヨーロッパ)会員
(8)
ラース・ラマデ
従業員、欧州・アジアのスポン
1971 年4月6日 2002 2024
(2)(3)(6)
(Lars Lamadé)
サーシップ担当代表
ベルナルド・リオトー
Balderton Capitalのマネージン
1962 年6月17日 2008 2023
(1)(3)(6)(7)
(Bernard Liautaud)
グ・パートナー
ゲラルド・オズワルド
Oswald Consulting GmbHのマネー
1953 年6月20日 2019 2024
(1)(4)(5)(6)
(Gerhard Oswald)
ジング・ディレクター
従業員、ユーザー・エクスペリエ
クリスティーネ・レギッツ
ンス担当副社長、製品専門家チー 1966 年3月15日 2015 2024
(2)(3)(5)(6)
(Christine Regitz)
フ
Merck KGaA のグループ一般理事会
フリーデリーケ・ローチュ博士
1972 年10月31日 2018 2024
構成員およびグループ法務・コン
(1)(3)(4)(5)
(Dr. Friederike Rotsch)
プライアンス責任者
従業員、シニア・オペレーショ
ハイケ・ステック
ン・マネージャー、SAP SE労使協
1961 年3月7日 2019 2024
(2)(6)(8)
(Heike Steck)
議会およびSAP SE労使協議会
(ヨーロッパ)会員
従業員、SAP SE労使協議会および
クリスタ・ヴェルジーン・クノップ
SAP SE労使協議会(ヨーロッパ)会 1961 年12月8日 2019 2024
(2)(6)(8)
(Christa Vergien-Knopf)
員
グンナー・ウィーデンフェルス博士
Discovery Communications, Inc.
1977 年9月6日 2019 2022
(1)(4)(5)(9)
(Dr. Gunnar Wiedenfels)
の最高財務責任者
ジェームズ・ライト
従業員、SAP SE労使協議会(ヨー
1962 年11月1日 2019 2024
(2)(4)(5)(6)
(James Wright)
ロッパ)議長
従業員、SAP SE労使協議会議長お
ラルフ・ザイガー
よびSAP SE労使協議会(ヨーロッ 1968 年3月16日 2019 2024
(2)(3)(8)
(Ralf Zeiger)
パ)会員
(1) 2019年5月15日にSAP SEの株主により選任された。
(2) 2019年4月3日にSAP SE労使協議会ヨーロッパにより指名された。
(3) 総務報酬委員会の委員
(4) 監査委員会の委員
(5) 金融投資委員会の委員
(6) 技術戦略委員会の委員
(7) 指名委員会の委員
(8) 人事組織委員会の委員
(9) 監査委員会財務専門家
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監査委員会および総務報酬委員会を含む、監査役会の委員会およびその任務の詳細については、コーポレート・
ガバナンスの項を参照のこと。
SAP SEの定款および従業員によるSAP SEへの関与に関する合意に基づき、SAP SEの監査役会の構成員は、9名の
株主代表および9名の欧州の従業員代表で構成される。現在の9名の従業員代表は、2019年4月3日にSAP SE労使協議
会ヨーロッパにより指名された。
SAP SE監査役会の現在の構成員の一部は、2019年12月31日時点において、ドイツその他の国のSAP SE以外の企業
の監査役会またはそれと同等の統治機関のメンバーを務めていた。詳細は、当社の連結財務諸表に対する注記
(G.4)を参照のこと。従業員の年金債務に関するものの他には、SAP SEは、監査役会のいずれの構成員との間にも
構成員の雇用または業務の終了時の手当に係る契約を締結していない。
(2) 当社の取締役および取締役会構成員への報酬
取締役会および監査役会構成員に対する報酬
報酬に関する本報告は、報酬システムにつき説明し、2019年度の取締役会および監査役会構成員に対する報酬に
適用される基準を概説し、報酬額を開示するものである。また報酬システムに対する2020年度における変更の見通
しについても開示する。
取締役会構成員に対する報酬
2019年度報酬システム
取締役会構成員の報酬は、急速に発展する業界に身を置くグローバル企業を率いる取締役会構成員の厳しい任務
を反映するよう意図されている。高度な技能を有する取締役をグローバル市場、とりわけソフトウェア業界におい
て当社が獲得する上での支えとなるように、報酬水準は他に引けを取らないことを目指したものとなっている。当
社の取締役会の報酬が、ダイナミックなビジネス環境において成功を収める熱心な仕事ぶりに対する持続的なイン
センティブとなることを当社は目標としている。
各取締役会構成員の報酬は個別の役職および業績に基づき、総務報酬委員会の力添えの下、監査役会によって各
会計年度の最初の定例会において決定される。以下の図表に示すとおり、当該報酬には業績に基づく要素と業績に
基づかない要素が含まれる。
業績に基づく報酬の金額は、主にあらかじめ設定された財務目標値（主要業績指標（KPI））に対する当社の業
績および当社の株価に依拠し、そこには一定のハードルおよび上限が設けられている。当該KPIならびにその目標
値および加重係数は、各計画年度につき監査役会が決定し、当該年度の当社予算に基づき調整される。
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監査役会は、各取締役会構成員について固定報酬要素および2つの業績ベース要素によって構成される個別の合
計目標報酬を設定する。当該目標報酬は、当社のグローバル戦略、市場での地位、事業の業績および経済の今後の
見通し、ならびに当社と同程度の国内および国際企業において支払われる報酬額を基準に設定される。監査役会
は、 取締役会に対する報酬と当社の役員および役員以外の当社の従業員に対する給与とを比較し、当社内の他の者
に対して適用される報酬体系も考慮する。各業績ベース要素は、すべてのKPIの目標達成率を100％とした場合に対
応する。監査役会は、各会計年度の最初の会議（2019年度については2019年2月20日）において当該報酬目標を見
直し、評価し、設定する。監査役会は、当該アプローチによって報酬の適切性が確保されると考えている。
報酬体系は、当社の価値の長期的上昇を支えるために設計されている。そのため長期インセンティブ要素に圧倒
的な比重が置かれ、共同CEOについては報酬目標の約3分の2、各取締役会構成員の報酬目標については50％超を占
める。
監査役会は、臨時的かつ予測不能な事態が生じた場合、当社の利益のため、その合理的裁量において支払前の業
績ベース報酬を増減させることができる。2019年5月に支払われた報酬額については、一切修正は行われなかっ
た。
当社の取締役会報酬の個別要素に関する詳細は、以下に記載のとおりである。
業績に基づかない報酬
固定報酬
1)
固定報酬は、12回の均等分割払いにて、当該取締役会構成員の母国の通貨 において毎月支払われる。
1) 母国の通貨とは、当該取締役会構成員の主たる居住地の通貨をいう。
諸手当
契約上保証されている諸手当は主に、保険負担、現物支給手当、住宅2軒の維持費、航空機の使用、および地域
別条件に基づく税金のグロスアップ等の追加手当によって構成される。
業績に基づく報酬
短期インセンティブ
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1年間の短期業績に基づく報酬（短期インセンティブ（STI））は、一連の財務目標（KPI）に基づき決定され
る。
STI2019については、為替変動を考慮しない2019年度の新規クラウド受注額、前年度と比較した為替変動を考慮
しない2019年度の非IFRSのクラウドおよびソフトウェア収益の成長、ならびに為替変動を考慮しない2019年度の非
IFRSの営業利益率が財務KPIに設定されている。KPIおよびその各目標値は、当該年度の当社の予算から導き出され
る。
財務KPIに係る目標達成率（加重されたもの）が75％未満であった場合、STIは支払われない。この場合、これら
のKPIに関する目標達成率は0となる。
2020年2月19日、監査役会は、合意された目標に対する当社実績の評価を行い、取締役会全体に係るSTI2019の金
額を決定した。その結果、目標達成率は82.4％（クラウドおよびソフトウェア収益の成長106.4％、営業利益率の
増加130.8％、および新規クラウド受注額31.2％）となった。
1)
2019年度のSTI報酬は、2020年5月の年次株主総会後に支払われる。 報酬は取締役会構成員の母国の通貨 におい
て支払われる。すべての取締役会構成員が、適切な取引期間規制に基づき当社の株式を報酬の実際の支払額の最低
5％購入することを義務付けられている。当該株式は3年間の保有が条件となっている。
1) 母国の通貨とは、当該取締役会構成員の主たる居住地の通貨をいう。
長期インセンティブ
複数年度にまたがる長期業績に基づく報酬（長期インセンティブ（LTI））は、取締役会構成員の長期的な在任
（以下「長期在任」という。）を確保するために為替変動を考慮しない非IFRSの営業利益の年間目標達成率を評価
すること、および主要な同業者グループ（以下「同業グループ」という。）の株価と比較した場合の当社の株価に
係る長期業績（以下「長期業績」という。）を評価することを目的としている。
LTI2016プランは2016年1月1日にその効力を生じた。当該プランは、各トランシェにつき4年間の確定期間が定め
られた仮想株式プログラムである。
当該プランに基づき、新たなLTIトランシェが毎年付与される。各付与においては、まず付与額がユーロにて決
定される。当該付与額は、取締役会構成員の契約上のLTI目標額および営業利益に係る前年度の目標達成率（為替
変動を考慮しない非IFRS）に基づき決定される。当該目標達成率に鑑み、付与額は契約上のLTI目標額に対して
80％から120％の範囲内において増減させ調整することができる。2018年度の営業利益に係る目標達成率は101.9％
であった。これを踏まえ、監査役会は2019年度トランシェの付与額を契約上のLTI目標額の101.9％に設定した。
株価のさらなる上昇に取締役会構成員が参画するように、当該付与額は仮想株式（単元株式）に換算される。付
与時の価格は、当社の第4四半期業績公表後20取引日間のXETRAにおける当社株式の終値の算術平均とする。2019年
度トランシェの付与日は、2019年2月20日であった。
同方法において付与される単元株式は、60％の業績単元株式（PSU）と40％の残留単元株式（RSU）によって構成
されており、いずれも確定期間は約4年間とされ、当該期間中、取締役会構成員は当社の運営に積極的に貢献しな
ければならない。単元株式の価額は、当社の株価に応じてプラスにもマイナスにも変動する。確定期間終了時点に
て、該当の単元株式は失効することがなくなる。
LTIの付与手続
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決済時の支払額は、確定期間終了に続く当社の第4四半期業績公表後20取引日間のXETRAにおける当社株式の終値
の単純算術平均とする。支払額の上限は付与時の価格の300％に設定されている。LTIトランシェは、当該年度の年
次株主総会終了後にユーロにて支払われる。外国為替レートに係る潜在的リスクについては、取締役会構成員自身
が負うものとする。
取締役会構成員に対する支払の対象となる最終的な単元株式の数は、当初付与された数とは異なる可能性が高
い。最終的に支払の対象となるPSUの数は、確定期間の終了時点における、同業グループ指標と比較した場合の当
社株式の成績次第で変動する。これは業界内での当社の業績に比重を置くためである。対照的に、RSUの最終的な
付与数は固定されている。ただし、いずれの種類の単元株式も特定の条件下においてトランシェの期間中いつでも
失効する可能性がある（以下の「LTIの失効規則」の図表を参照のこと。）。
PSUの計算
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当社の株価の成績は、付与時の価格と支払額を比較し測定される。当社は当社の株価の成績と同業グループ指標
の成績との差異を算出する。当社の株価が上昇しかつ同業グループ指標の成績を超えた場合、かかるプラスの業績
に報いるために、算出された当該差異は倍増される。
PSUの計算に関する以下の例は、1,000のPSUが付与されたと仮定した場合に起こり得る結果を示すものである。
当社の株価の成績が同業グループ指標を上回った場合
当社の株価の成績 +18 ％
同業グループ指標の成績 +10 ％
+18 ％ –(+10％)
差異 +8 ％
(+8 ％ x 2) + 100％
差異を倍増した業績要因 116 ％
116 ％ x 1,000
最終的なPSUの数 1,160
当社の株価の成績が同業グループ指標を大幅に上回った場合：
上限に到達するケース
当社の株価の成績 +30 ％
同業グループ指標の成績 –5％
+30 ％ –(–5％)
差異 +35 ％
(+35 ％ x 2) + 100％
差異を倍増した業績要因 170 ％
上限 150 ％
150 ％ x 1,000
最終的なPSUの数 1,500
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同業グループ指標の成績が当社の株価を上回った場合
当社の株価の成績 +5 ％
同業グループ指標の成績 +10 ％
+5 ％ –(+10％)
差異 –5％
–5％ + 100％
業績要因 95 ％
95 ％ x 1,000
最終的なPSUの数 950
同業グループ指標の成績が当社の株価を上回った場合：
最低ハードルを越えられないケース
当社の株価の成績 –10 ％
同業グループ指標の成績 +50 ％
–10 ％ –(+50％)
差異 –60 ％
–60 ％ + 100％
業績要因 40 ％
ハードルは50％ 0％
0％ x 1,000
最終的なPSUの数 0
同業グループ指標には現在、以下に挙げる当社の国際的な大手競合他社が含まれている。すなわち、Adobe、
Microsoft、IBM、Salesforce、Oracle、VMWare、ServiceNow、Workday、およびNortonLifeLock（旧Symantec）で
ある。監査役会は内部および外部の助言に基づき当該グループを決定しており、必要に応じてグループの調整を行
う。Tableauは2019年度中に上場を廃止したため当該グループから外されたが、代わりに追加された企業はない。
同業グループ指標は、加重時価総額に基づく株価指標として算出される。加重割合は四半期毎に調整され、15％の
上限が適用される。結果として、より小規模かつ不安定な競合他社の比重がその規模に比べて大きくなるため、当
該指標は極めて意欲的なものとなっている。当該指標は毎日Deutsche Börseグループによって算出されており、
ISINコードDE000A2BLEB9にて追跡可能である。
同業グループ指標の構成および加重割合
LTIの失効規則
取締役会構成員のサービス契約が単元株式の付与年の翌年から3年以内に終了した場合、以下に掲げる当該退任
またはサービス契約の終了の状況に応じて、PSUおよびRSUの双方の全部または一部が失効する。PSUおよびRSUの一
部が失効した場合、失効割合は4年間の確定期間に係る各付与分に比例するものとする。これは確定期間中、構成
員が付与分の25％ずつを毎年取得する扱いとなることを意味する。未取得分は失効する。
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LTI の失効規則
1) 4つのトランシェに基づく計算例（付与割当100％、付与から確定まで株価が一定、かつ業績条件を考慮しない場合）。
取締役会構成員の契約は4年目（2019年12月31日）より後に終了。
2) 各取締役会構成員の個別契約に定めるとおりとする。ここにいう競合他社は同業グループ指標に含まれる企業と同義で
はない。
3) 定義については、早期業務終了保証の項を参照のこと。
取締役会構成員が不当な不利益を被ることを防ぐため、従来のRSUマイルストーン・プランからLTI2016プランへ
の変更に当たっては、移行規則が必要であった。RSUマイルストーン・プランにおいては確定期間が1年間であった
のに対し、LTI2016プランにおいては4年間であるという確定期間の違いによって、取締役会構成員が当社を退職し
た場合に不利益が生じる。確定期間に係る当該不利益の補償として、RSUマイルストーン・プランに参加していた
取締役会構成員に対しては個別に均衡金額が設定された。
均衡金額は、以下を前提として支払われてきた。
・ 目標達成率が営業利益目標（為替変動を考慮しない非IFRS）について60％以上となること
・ 2016年度および2017年度につき雇用関係が継続していること（1名については2018年度についても雇用関係
が継続していること）
取締役会構成員が当社を退職する際、期間比例の考え方に基づく場合PSUが失効するときは、均衡金額に相当す
る数のPSUが当該取締役会構成員に対して付与される。以下の図表は、RSUマイルストーン・プランに基づき1,000
ユーロ、LTI2016プランに基づき1,500ユーロが付与され、期間比例の考え方に基づき2019年12月31日付で付与分が
失効したと仮定した場合の均衡金額の算出方法の例を示すものである。
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回収規定
虚偽の情報が提供されたことを原因として目標が全く達成されずまたは支払額の計算時に想定された範囲の目標
達成率に至らず、STIまたはLTIよりなされた支払の全部または一部が正当でなかったことが後に発覚した場合に、
取締役会構成員に対して当該支払の返却を要求する契約上の権利を、当社は有している。かかる場合、当該取締役
会構成員は、実際に支払われた金額のうち実際の目標達成率に基づき支払われるべき金額の超過分を当社に対して
返金する義務を負う。契約上合意された当該返金請求権は、ドイツ民法（BGB）第812条に基づく不当利得返還請求
権を補足するものである。
最低および最高報酬
最低報酬額は、固定報酬額に加算されるLTIおよびSTIの支払額がゼロであった場合の報酬額を表している。
最高報酬額は、年度末時点で雇用されている取締役会構成員の合計目標報酬額の最大347％（共同CEO）および
317％（共同CEOを除く取締役会構成員）である。年度途中の変更に伴い、計算の便宜上、報酬は年率に換算されて
いる。これはSTIおよびLTIの支払額が以下のとおり最大となった場合に実現する。
・ すべての財務KPIについて目標達成率が140％となった場合、STIの支払額は最高額となる。
・ LTIトランシェの最高支払額は、契約上の目標額の468％である。
以下のすべての条件が累積的に充足された場合、LTIの支払額は最高額となる。
・ LTIトランシェの付与額が、その最高額である契約上の目標額の120％に設定されること。
・ 当社の株価が同業グループ指標の成績を25パーセント・ポイント以上上回ること（上限である当該年度の当
初PSU割当の150％に到達）。
・ 当社の株価が付与時の価格の3倍以上（年間平均上昇率にして約32％に相当）となること（株価の上昇の上
限）。
2023年度に取締役会全構成員に対してLTIの最高支払額である117百万ユーロが支払われた場合、株主も2019年度
から2023年度にかけて2,000億ユーロ以上増加する時価総額の大幅な上昇による恩恵を受けることとなる。
以下の図表は、取締役会構成員の2019年度目標報酬（ユーロ）における固定報酬要素と業績ベース報酬要素の関
係性、ならびに支払われる可能性のある最低報酬および最高報酬を示すものである。グラフの高さは報酬額の絶対
値を示すものではない。
2019年度報酬計画
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業績ベース報酬の目標額と支払額の関係性の概要
STIの合計目標達成率は、目標額と支払額の関係を反映するものである。2015年度から2018年度のSTIは既に支払
済である。
STI の合計目標達成率
パーセント 2019 年度 2018 年度 2017 年度 2016 年度 2015 年度
82.4 93.0 88.2 104.4 147.5
2016年度から2019年度トランシェのLTI目標額と理論上の支払額の関係は、年度末現在の当社の株価に基づくも
のである。2015年度トランシェは、各目標額と2019年5月の実際の支払額との関係性を示している。
LTI の目標額と支払額との関係
パーセント LTI2016 プラン RSU マイルストーン・プラン
2015
2019 年度 2018 年度 2017 年度 2016 年度 2015 年度
トランシェ トランシェ トランシェ トランシェ トランシェ
1) 1) 1) 1) 2)
2019 年12月31日 156.6 126.4 110.5 76.8 233.8
2018 年12月31日 NA 90.9 82.6 55.5 233.8
1) 年度末現在の当社の株価に基づく理論上の支払額を考慮
2) 2015年度の目標達成率に加えて、31.62％から37.38％の範囲内の個別調整要因も考慮
2020年度報酬システムの変更
一般事項
報酬がビジネスの転換や中期見通しを含む当社の戦略を支えるものとなるよう調整すべく、監査役会は2020年度
以降のSTIおよびLTIについて変更を行った。当該変更は、市場のベストプラクティスおよび投資家からのフィード
バックの分析結果に基づくものである。
短期インセンティブ
従来のSTIと比較した場合のSTI2020の主要な変更点は、以下のとおりである。
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・ 財務目標（財務KPI）に加え、合計20％の割合を占める持続可能性目標（持続可能性KPI）を導入。持続可能
性KPIは、当社の顧客ロイヤルティを測定する顧客ネット・プロモーター・スコア、当社従業員のコミット
メ ント、プライドおよびロイヤルティを測定する従業員エンゲージメント指数、ならびに当社の温室効果ガ
ス排出量を測定するカーボンインパクトにて構成される。
・ 財務KPIのうち、新規クラウド受注額を当期クラウド受注残高に置き換え。当期クラウド受注残高には新規
契約のみならず既存契約の更新も含まれるため、クラウド受注額の測定基準よりも総合的にクラウドの成長
を反映することができる
・ 臨時的かつ予測不能な事態に際して、STIに係る支払前の業績ベース報酬を監査役会が当社の利益のために
上下に調整することのできる裁量につき、その調整幅を＋／－20％に制限。
1) 当社の2019年度通年に係る外部向け財務報告において定義され採用される、当社の非IFRS測定基準に基づく
全体のハードル（75％）と上限（140％）に加え、ベースとなる各KPIにもハードルと上限が設定されている。個
別のKPIがハードルを上回ることができなかったことで、目標達成率（加重されたもの）も全体のハードルである
75％未満となってしまう場合は、当該KPIに係る個別のハードルについては考慮しないものとする。
長期インセンティブ
監査役会は、2020年度より有効となる、複数年度にまたがる長期業績ベースの新たな報酬プラン、SAP長期イン
センティブ・プログラム2020（LTI2020）を導入した。
LTI2020は、当社の戦略を反映し、市場と比較した当社の株主総利益率（TSR）の動向に報い、また取締役を当社
に留める要素も有する。収益力を上げ当社の価値を長期的に増大させる上で重要な役割を担う当社の取締役会構成
員を魅了し、当社に留め置くための金銭的見返りなのである。
従来のLTIプランと比較した場合のLTI2020の主要な変更点は、以下のとおりである。
・ 付与額の決定に際しての裁量要素は排除された。そのため、付与額は契約に規定される目標額となる。
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・ 市場業績単元株式（MSU）に係る当社の業績は、株主総利益率（旧プラン：株価）をナスダック100指数（旧
プラン：当社の同業グループ指標）と3年間（旧プラン：4年間）にわたり比較することで測定されるように
なった。
・ 財務目標の達成については、3年間を業績期間とする財務業績単元株式（FSU）によって報奨される。当該財
務目標は、当社の公表している2023年度中期目標に沿って設定されている（旧プラン：FSUはなし）。
・ RSUの占める割合は33.3％（旧プラン：40％）に削減された。
・ 支払額の計算には、株価および配当額（旧プラン：株価のみ）が考慮される。
・ 支払額の上限は付与時の価格の200％（旧プラン：300％）とする。
・ 取締役会構成員が死亡しまたは就業不能となった場合は、未取得分の満額が支払スケジュールに従い付与さ
れる（旧プラン：期間比例の考え方に基づき失効する。）。
・ 臨時的かつ予測不能な事態に際して、LTIに係る支払前の業績ベース報酬を監査役会が当社の利益のために
上下に調整することのできる裁量につき、その調整幅を＋／－10％に制限（旧プラン：無制限）。
LTIの付与手続
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確定期間は4年間のまま変更されていない。ミヒャエル・クライネマイヤーの契約延長を受け、同氏の2020年度
トランシェについては確定期間を1年とすることで合意がなされている。
MSUの計算
当社の株主総利益率（TSR）に係る業績は、3年間の測定期間中、ナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績との比
較において評価される。TSRは、株価の動向と付与された配当および再投資された配当とを組み合わせて導き出す
株式の業績である。市場業績要素については、75パーセンタイル（P-75）において150％の上限が設けられ、25
パーセンタイル（P-25）において50％のハードルが設けられており、ハードルを超えられなかった場合MSUはない
ものとみなされる。
MSUの計算に関する以下の例は、1,000のMSUが付与されたと仮定した場合に起こり得る結果を示すものである。
当社のTSR業績がナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績を上回った場合：上限に到達するケース
当社のTSR業績 +18 ％
業績要因 80 パーセンタイル 160 ％
上限:75パーセンタイル 150 ％
150 ％ x 1,000
最終的なMSUの数 1,500
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当社のTSR業績がナスダック100指数の構成銘柄のTSR業績を上回った場合：市場の動向が下向きのケース
当社のTSR業績 -5 ％
業績要因 55 パーセンタイル 110 ％
上限：プラスの業績 100 ％
100 ％ x 1,000
最終的なMSUの数 1,000
ナスダック100指数に構成銘柄のTSR業績が当社のTSR業績を上回った場合：最低ハードルを越えられないケース
当社のTSR業績 -5 ％
業績要因 20 パーセンタイル 40 ％
ハードル：25パーセンタイル 0％
0％ x 1,000
最終的なMSUの数 0
FSUの計算
1) 当社の2019年度通年に係る外部向け財務報告において定義され採用される、当社の非IFRS測定基準に基づく
FSUの最終的な数は、3年間の業績期間全体を通じて当社が財務KPI目標をどの程度達成できたかにより変わる。
財務KPIは、当社の公表している2023年度中期目標から導き出されたものである。クラウド収益および合計収益の
目標達成率には120％の上限と80％のハードルが設けられており、営業利益の目標達成率については110％の上限と
90％のハードルが設けられている。
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2020年度報酬計画
2019年度の報酬額
当社は、取締役会の報酬の開示をドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（以下「GCGC」という。）が推奨
するところに従って行う。また、以下の表はドイツ会計基準（以下「GAS 17」という。）の定めに従った、ドイツ
商法（ Handelsgesetzbuch または「HGB」 ）第314条および第315条の規定に基づく勘定調整表である。GCGCの推奨に
基づき、該当年度につき付与された報酬価額および該当年度につき支払われた金額に当たる獲得利益を、GCGCにお
いて推奨される参照図表に基づき以下に開示する。ドイツHGBおよびGAS 17に規定される開示規則とは対照的に、
GCGCにおいては、IAS 19に基づくサービス費用に当たる年金費用が取締役会報酬に含まれており、年間変動報酬の
目標数値ならびに変動報酬要素に対し獲得可能な報酬の最大額および最小額を追加開示することが求められてい
る。
取締役会構成員の報酬
ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード
単位：千ユーロ クリスチャン・クライン(Christian Klein) ジェニファー・モルガン(Jennifer Morgan)
(2019 年10月10日から共同CEO) (2019 年10月10日から共同CEO)
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
1) 1) 1) 1)
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 789.9 789.9 789.9 700.0 789.9 700.0 762.1 762.1 762.1 634.3 762.1 634.3
諸手当 14.8 14.8 14.8 13.1 14.8 13.1 125.8 125.8 125.8 128.4 125.8 128.4
2)
合計 804.7 804.7 804.7 713.1 804.7 713.1 887.9 887.9 887.9 762.7 887.9 762.7
年間変動報酬 1,301.8 0 1,822.5 1,125.8 1,046.9 1,251.5 0 1,752.1 1,052.0 978.4 594.6
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 3,407.9 0 12,260.1 1,793.2 3,731.2 0 13,424.8 2,128.8
RSU マイルストーン・プ
ラン2015
合計 5,514.4 804.7 14,887.3 3,632.1 1,851.6 713.1 5,870.5 887.9 16,064.8 3,943.5 1,866.2 1,357.3
サービス費用 104.6 104.6 104.6 51.4 104.6 51.4
GCGC に基づく合計 5,514.4 804.7 14,887.3 3,632.1 1,851.6 713.1 5,975.1 992.5 16,169.4 3,994.9 1,970.8 1,408.7
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単位：千ユーロ ロバート・エンスリン(Robert Enslin)
アデア・フォックス・マルティン(Adaire Fox-Martin)
取締役会構成員
(2019 年4月5日まで) 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
1) 1) 1) 1)
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 219.7 219.7 219.7 800.2 219.7 800.2 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
諸手当 202.1 202.1 202.1 105.1 202.1 105.1 31.0 31.0 31.0 54.6 31.0 54.6
2)
合計 421.8 421.8 421.8 905.3 421.8 905.3 731.0 731.0 731.0 754.6 731.0 754.6
年間変動報酬 1,352.8 0 1,893.9 1,327.3 1,234.4 1,117.7 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 1,046.9 666.5
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 2,545.6 0 10,062.8 2,270.3 2,823.1 0 10,873.8 2,128.8
RSU マイルストーン・プ 3,628.6 1,248.8
ラン2015
合計 4,320.2 421.8 12,378.5 4,502.9 5,284.8 3,271.8 4,679.9 731.0 13,180.9 4,009.2 1,777.9 1,421.1
サービス費用 177.5 177.5 177.5 235.8 177.5 235.8
GCGC に基づく合計 4,497.7 599.3 12,556.0 4,738.7 5,462.3 3,507.6 4,679.9 731.0 13,180.9 4,009.2 1,777.9 1,421.1
単位：千ユーロ ベルント・ロイケルト(Bernd Leukert)
ミヒャエル・クライネマイヤー(Michael Kleinemeier)
取締役会構成員
取締役会構成員 (2019 年3月31日まで)
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 175.0 175.0 175.0 700.0 175.0 700.0
諸手当 29.0 29.0 29.0 29.1 29.0 29.1 2.3 2.3 2.3 10.3 2.3 10.3
2)
合計 729.0 729.0 729.0 729.1 729.0 729.1 177.3 177.3 177.3 710.3 177.3 710.3
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 1,046.9 992.9 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 1,046.9 992.9
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 2,387.0 0 9,435.6 2,128.8 2,688.6 0 10,627.9 2,397.7
RSU マイルストーン・プ 473.8 3,773.2 1,248.8
ラン2015
合計 4,241.7 729.0 11,740.6 3,983.7 2,249.7 1,722.0 3,991.6 177.3 12,381.3 4,233.8 4,997.4 2,952.0
サービス費用
GCGC に基づく合計 4,241.7 729.0 11,740.6 3,983.7 2,249.7 1,722.0 3,991.6 177.3 12,381.3 4,233.8 4,997.4 2,952.0
単位：千ユーロ ビル・マクダーモット(Bill McDermott) ルカ・ムシッチ(Luka Mucic)
(2019 年10月10日までCEO、2019年11月15日まで取締役会構成員) 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
1) 1) 1) 1)
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 1,212.0 1,212.0 1,212.0 1,314.7 1,212.0 1,314.7 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
諸手当 1,123.6 1,123.6 1,123.6 794.7 1,123.6 794.7 12.0 12.0 12.0 11.8 12.0 11.8
2)
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
合計 2,335.6 2,335.6 2,335.6 2,109.4 2,335.6 2,109.4 712.0 712.0 712.0 711.8 712.0 711.8
年間変動報酬 2,235.2 0 3,129.3 2,193.0 2,039.5 1,846.7 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 1,046.9 992.9
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 7,710.6 0 30,479.5 6,876.6 2,387.0 0 9,435.6 2,128.8
RSU マイルストーン・プ 10,315.3 5,251.0 3,732.5 949.5
ラン2015
合計 12,281.3 2,335.6 35,944.4 11,179.0 14,690.4 9,207.1 4,224.7 712.0 11,723.6 3,966.4 5,491.4 2,654.2
サービス費用 486.5 486.5 486.5 568.3 486.5 568.3
GCGC に基づく合計 12,767.8 2,822.1 36,430.9 11,747.3 15,176.9 9,775.4 4,224.7 712.0 11,723.6 3,966.4 5,491.4 2,654.2
単位：千ユーロ ユルゲン・ミュラー(Jürgen Müller)
ステファン・ライズ(Stefan Ries)
取締役会構成員
(2019 年1月1日から) 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
諸手当 13.5 13.5 13.5 13.5 21.8 21.8 21.8 21.9 21.8 21.9
2)
合計 713.5 713.5 713.5 0 713.5 0 721.8 721.8 721.8 721.9 721.8 721.9
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 1,046.9 992.9
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 2,185.8 0 8,640.5 2,010.7 0 7,948.3 1,793.2
RSU マイルストーン・プ
ラン2015
合計 4,025.1 713.5 10,930.1 0 713.5 0 3,858.3 721.8 10,246.2 3,640.9 1,768.7 1,714.8
サービス費用
GCGC に基づく合計 4,025.1 713.5 10,930.1 0 713.5 0 3,858.3 721.8 10,246.2 3,640.9 1,768.7 1,714.8
単位：千ユーロ トーマス・ザウアーエッスィヒ(Thomas Saueressig)
取締役会構成員
(2019 年11月1日から) 取締役会合計
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2019 年度 2019 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
(最小) (最大)
固定報酬 116.7 116.7 116.7 116.7 6,775.3 6,949.2 6,775.3 6,949.2
諸手当 2.1 2.1 2.1 2.1 1,578.0 1,169.0 1,578.0 1,169.0
2)
合計 118.8 118.8 118.8 0 118.8 0 8,353.2 8,118.2 8,353.3 8,118.2
年間変動報酬 188.1 0 263.4 — 13,083.9 11,327.1 10,534.0 8,197.1
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 515.2 0 1,444.0 32,392.7 23,646.2
RSU マイルストーン・プ 21,923.4 8,698.1
ラン2015
合計 822.1 118.8 1,826.2 0 118.8 0 53,829.8 43,091.5 40,810.6 25,013.4
サービス費用 768.6 855.5 768.6 855.5
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
GCGC に基づく合計 822.1 118.8 1,826.2 0 118.8 0 54,598.4 43,947.0 41,579.2 25,868.9
1) 固定報酬および年間変動報酬は米ドルにて付与される。米ドルのユーロ換算においては、固定報酬については各期間の平
均為替レートが、年間変動報酬については各年度末の為替レートが適用される。
2) 保険負担、社用車および航空機の私的利用、現物支給手当、未消化分の有給休暇に対する補償、住宅2軒の維持費、弁護
士費用、納税申告書の作成ならびに該当地域の条件に即した税金のグロスアップ計算に係る費用の払戻。ビル・マクダー
モットに対して支給される諸手当は、主に住宅2軒の維持、納税申告書の作成、および該当地域の条件に即した税金のグ
ロスアップ計算に係る費用によって構成される。
GAS 17に関連するHGB第314条(1)(6a)に基づく、報酬合計の勘定調整表
単位：千ユーロ クリスチャン・クライン ジェニファー・モルガン ロバート・エンスリン アデア・フォックス・マルティン
2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
GCGC に基づく合計
5,514.4 3,632.1 5,975.1 3,994.9 4,497.7 4,738.7 4,679.9 4,009.2
年間変動報酬の付与に係る減額 -1,301.8 -1,125.8 -1,251.5 -1,052.0 -1,352.8 -1,327.3 -1,125.8 -1,125.8
年間変動報酬の実際の割当に係る 1,072.7 1,046.9 1,031.2 978.4 290.1 1,234.4 927.6 1,046.9
増額
サービス費用の減額 -104.6 -51.4 -177.5 -235.8
報酬合計 5,285.3 3,553.2 5,650.2 3,869.9 3,257.5 4,410.0 4,481.7 3,930.3
単位：千ユーロ ミヒャエル・クライネマイヤー ベルント・ロイケルト ビル・マクダーモット ルカ・ムシッチ
2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
GCGC に基づく合計
4,241.7 3,983.7 3,991.6 4,233.8 12,767.8 11,747.3 4,224.7 3,966.4
年間変動報酬の付与に係る減額 -1,125.8 -1,125.8 -1,125.8 -1,125.8 -2,235.2 -2,193.0 -1,125.8 -1,125.8
年間変動報酬の実際の割当に係る 927.6 1,046.9 228.7 1,046.9 1,609.7 2,039.5 927.6 1,046.9
増額
サービス費用の減額 -486.5 -568.3
報酬合計 4,043.6 3,904.8 3,094.6 4,154.9 11,655.9 11,025.5 4,026.6 3,887.5
単位：千ユーロ ユルゲン・ミュラー ステファン・ライズ トーマス・ザウアーエッスィヒ 取締役会合計
2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度 2019 年度 2018 年度
GCGC に基づく合計
4,025.1 0 3,858.3 3,640.9 822.1 0 54,598.4 43,947.0
年間変動報酬の付与に係る減額 -1,125.8 -1,125.8 -1,125.8 -188.1 -13,083.9 -11,327.1
年間変動報酬の実際の割当に係る 927.6 927.6 1,046.9 155.0 9,025.4 10,534.0
増額
サービス費用の減額 -768.6 -855.5
報酬合計 3,826.9 0 3,660.1 3,562.0 788.9 0 49,771.3 42,298.4
縦割り支払比率
縦割り支払比率は、共同CEOおよび共同CEOを除く取締役会構成員に対して付与された合計目標報酬と役員および
年度末時点において雇用されていた全従業員に対して付与された合計目標報酬とを比較するものである。年度途中
の取締役会構成員の変更に伴い、計算の便宜上、報酬は年率に換算されている。比較可能性を担保するため、固定
報酬、年間変動報酬および複数年変動報酬のみがその対象とされる。役員とは、取締役会に次ぐ第一および第二の
経営幹部に当たるグローバル・エグゼクティブ・チーム（GET）およびシニア・エグゼクティブ・チーム（SET）の
構成員を指す。
2019 年度
100/347
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
比率 共同CEO 取締役会
(共同CEOを除く。)
平均年間報酬 8,604.5 4,196.4
(単位：千ユーロ)
役員 915 9 5
役員を含む従業員 103 84 41
2018 年度
比率 CEO 取締役会
(CEOを除く。)
平均年間報酬 10,384.3 3,942.3
(単位：千ユーロ)
役員 906 11 ▶
役員を含む従業員 99 105 40
2017 年度
比率 CEO 取締役会
(CEOを除く。)
平均年間報酬 11,209.2 3,880.0
(単位：千ユーロ)
役員 923 12 ▶
役員を含む従業員 101 111 39
2016 年度
比率 CEO 取締役会
(CEOを除く。)
平均年間報酬 11,785.4 4,090.8
(単位：千ユーロ)
役員 823 14 5
役員を含む従業員 99 119 41
長期インセンティブに関する株式報酬に係る情報
取締役会構成員は、LTI2016プランに基づき発行された単元株式を受領し、現在保有しまたは過去に保有してお
り、RSUマイルストーン・プラン2015に基づき発行されたRSUを現在保有しまたは過去に保有していた。当該プログ
ラムの条件および詳細については、連結財務諸表に対する注記(B.3)を参照のこと。
LTI2016プランに基づく付与
付与年度 合計単元株式数 RSU PSU 付与時点における公正価値
(40 ％) (60 ％)
RSU1 口当たり PSU1 口当たり
数量 数量 数量 千ユーロ
(ユーロ) (ユーロ)
1)
2019 年度 7,797 3,119 4,678 117.39 139.97 1,021
クリスチャン・クライン
(2019 年10月10日から共同CEO) 2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
2018 年度 22,385 8,954 13,431 79.01 80.84 1,793
1)
2019 年度 6,378 2,552 3,826 117.39 139.97 835
ジェニファー・モルガン
2)
(2019 年10月10日から共同CEO) 2019 年度 4,634 1,853 2,781 101.98 115.10 509
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,129
2019 年度 27,778 11,111 16,667 88.54 93.71 2,546
ロバート・エンスリン
(2019 年4月5日まで)
2018 年度 28,340 11,336 17,004 79.01 80.84 2,270
2)
2019 年度 3,970 1,588 2,382 101.98 115.10 436
アデア・フォックス・マルティン
101/347
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,129
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
ミヒャエル・クライネマイヤー
2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,129
2019 年度 29,338 11,735 17,603 88.54 93.71 2,689
ベルント・ロイケルト
(2019 年3月31日まで)
2018 年度 29,931 11,972 17,959 79.01 80.84 2,398
2019 年度 84,138 33,655 50,483 88.54 93.71 7,711
ビル・マクダーモット
(2019 年10月10日までCEO、
2018 年度 85,841 34,336 51,505 79.01 80.84 6,877
2019 年11月15日まで取締役会構成員)
2019 年度 26,047 10,419 15,628 88.54 93.71 2,387
ルカ・ムシッチ
2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,129
ユルゲン・ミュラー
2019 年度 23,852 9,541 14,311 88.54 93.71 2,186
(2019 年1月1日から)
2019 年度 21,941 8,776 13,165 88.54 93.71 2,011
ステファン・ライズ
2018 年度 22,385 8,954 13,431 79.01 80.84 1,793
トーマス・ザウアーエッスィヒ
2019 年度 3,986 1,594 2,392 114.67 138.96 515
(2019 年11月1日から)
2019 年度 344,047 137,619 206,428 32,393
合計
2018 年度 295,178 118,072 177,106 23,646
1) 共同CEOに就任したことによる追加付与分
2) 責任の増大に伴う追加付与分
取締役会構成員による保有
LTI2016プラン
1) 2)
単元株式の数量 付与年度 2019 年1月1日 付与 失効 均衡PSU 2019 年12月31日
現在の保有数 現在の保有数
RSU(40 ％) PSU(60 ％)
クリスチャン・クライン 2019 年度 0 13,538 20,306 0 0 33,844
(2019 年10月10日から共同CEO)
2018 年度 22,385 0 0 0 0 22,385
ジェニファー・モルガン 2019 年度 0 14,824 22,235 0 0 37,059
(2019 年10月10日から共同CEO)
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 18,539 0 0 0 0 18,539
ロバート・エンスリン 2019 年度 0 11,111 16,667 25,972 14,809 16,615
(2019 年4月5日まで)
2018 年度 28,340 0 0 19,417 0 8,923
2017 年度 29,454 0 0 12,822 0 16,632
2016 年度 40,417 0 0 7,470 0 32,947
アデア・フォックス・マルティン 2019 年度 0 12,007 18,010 0 0 30,017
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 18,539 0 0 0 0 18,539
ミヒャエル・クライネマイヤー 2019 年度 0 10,419 15,628 0 0 26,047
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 27,619 0 0 0 0 27,619
2016 年度 37,898 0 0 0 0 37,898
ベルント・ロイケルト 2019 年度 0 11,735 17,603 12,852 10,443 26,929
3)
(2019 年3月31日まで)
2018 年度 29,931 0 0 5,634 3,381 27,678
2017 年度 31,109 0 0 0 0 31,109
2016 年度 42,687 0 0 0 0 42,687
ビル・マクダーモット 2019 年度 0 33,655 50,483 65,767 35,857 54,228
(2019 年10月10日までCEO、2019年11月15日ま
2018 年度 85,841 0 0 45,653 0 40,188
で取締役会構成員)
2017 年度 89,217 0 0 25,159 0 64,058
2016 年度 122,423 0 0 3,855 0 118,568
ルカ・ムシッチ 2019 年度 0 10,419 15,628 0 0 26,047
2018 年度 26,574 0 0 0 0 26,574
2017 年度 27,619 0 0 0 0 27,619
2016 年度 37,898 0 0 0 0 37,898
ユルゲン・ミュラー 2019 年度 0 9,541 14,311 0 0 23,852
(2019 年1月1日から)
ステファン・ライズ 2019 年度 0 8,776 13,165 0 0 21,941
2018 年度 22,385 0 0 0 0 22,385
2017 年度 23,265 0 0 0 0 23,265
2016 年度 23,987 0 0 0 0 23,987
トーマス・ザウアーエッスィヒ 2019 年度 0 1,594 2,392 0 0 3,986
(2019 年11月1日から)
合計 865,849 137,619 206,428 224,601 64,490 1,049,785
1) 退職者規則に基づく失効
2) 退職者規則が存在するために受けるLTI2016プラン上の不利益を相殺するためのもの
3) 2021年3月31日付での契約終了を前提とした、退職者規則に基づく失効
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
2019年度に付与された単元株式は3.1年、2018年度に付与された単元株式は2.1年、2017年度に付与された単元株
式は1.1年、2016年度に付与された単元株式は0.1年の残存期間を有する。
RSUマイルストーン・プラン2015
RSU の数量 付与年度 2019 年1月1日 行使分 2019 年12月31日
現在の保有数 現在の保有数
ロバート・エンスリン(2019年4月5日まで) 2015 年度 39,985 39,985 0
ミヒャエル・クライネマイヤー 2015 年度 5,221 5,221 0
ベルント・ロイケルト(2019年3月31日まで) 2015 年度 41,578 41,578 0
ビル・マクダーモット(2019年10月10日までCEO、2019 2015 年度 113,667 113,667 0
年11月15日まで取締役会構成員)
ルカ・ムシッチ 2015 年度 41,130 41,130 0
合計 241,581 241,581 0
上表は、RSUマイルストーン・プラン2015に基づき取締役会構成員に発行されたRSUの保有状況を示すものであ
る。このプランは、1年間の業績期間（同期間終了後RSUは失効することがなくなる。）とさらに3年間の保有期間
を経て支払が行われる現金決済型の長期インセンティブ・スキームであった。当該プランは、暦上の2012年から
2015年に関して発行される4つのトランシェ・プランから構成されていた。
株式報酬に係る総費用
単位：千ユーロ 2019 年度 2018 年度
クリスチャン・クライン(2019年10月10日から共同CEO) 1,925 442.2
ジェニファー・モルガン(2019年10月10日から共同CEO) 2,894 796.1
ロバート・エンスリン(2019年4月5日まで) 3,480 727.0
アデア・フォックス・マルティン 2,667 796.1
ミヒャエル・クライネマイヤー 3,253 914.2
ベルント・ロイケルト(2019年3月31日まで) 8,606 775.2
ビル・マクダーモット(2019年10月10日までCEO、2019年11月15日まで取締役会構成員) 14,689 2,155.8
ルカ・ムシッチ 3,391 675.8
ユルゲン・ミュラー(2019年1月1日から)
768 -
ステファン・ライズ
2,646 772.0
トーマス・ザウアーエッスィヒ(2019年11月1日から)
128 -
合計 44,446.5 8,054.4
取締役会構成員の株式報酬プランに係る総費用は、IFRS第2号（株式報酬）に従って決定されており、取締役会
の活動により生じる債務のみによって構成される。
業務終了手当
通常の業務終了保証
退職年金制度
以下の退職年金制度はここに列挙する取締役会の構成員たる各個人に適用される。
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・ アデア・フォックス・マルティン、クリスチャン・クライン、ミヒャエル・クライネマイヤー、ベルント・
ロイケルト、ルカ・ムシッチ、ユルゲン・ミュラー、ステファン・ライズおよびトーマス・ザウアーエッ
スィ ヒは、62歳の退職年齢に達し取締役会の職を退任する場合には退職年金を、または通常の退職年齢に達
する前に就業不能もしくは永久的無能力となった場合には健康診断の結果に応じた障害年金を受領する権利
を有する。生存している扶養家族の年金は、取締役会の元構成員が死亡した場合に支払われる。障害年金
は、確定済退職年金の給付額の100％であり、退職年金に切り替わる受益者の62歳の誕生日まで支払われ
る。生存している扶養家族の年金は、死亡時の退職年金または確定済障害年金の給付額の60％である。かか
る権利は、SAP SEに対して履行強制が可能である。現行の年金支払は調整のため年度ごとに精査され、該当
する場合は年金負債保険の剰余金に従って増額される。任期が62歳の退職年齢に達する前に終了した場合、
年金給付は、最長在任可能期間に対する実際の在任期間に比例して減少する。適用される退職年金制度は、
拠出型である。拠出額は、適用収入基準以下の適用報酬の4％に、適用収入基準を上回る適用報酬の14％を
加算した額である。当該計算において、適用報酬とは年間基本給与の180％を指す。適用収入基準は、随時
改定される（西）ドイツの国家年金制度における法定年収基準である。
・ ビル・マクダーモットは、米国の従業員退職所得保障法（ERISA）により「非適格退職制度」に分類される
SAP Americaの年金制度の適用分に基づき、将来給付を受ける権利を有している。当該「非適格」年金制度
は、退職の際に年金の毎月払いまたは一括払いのいずれかを提供するキャッシュバランス型制度である。当
該年金は、受益者の65歳の誕生日から受給可能となる。一定の条件の下、当該制度では早期支払または傷病
手当も提供される。「非適格」年金制度は、2009年1月1日以降廃止された。本制度において取得された給付
を受ける権利に基づく利息は継続して発生する。当該権利の一部は、ビル・マクダーモットが当社の取締役
会構成員となる前に取得したものである。
・ 当社は、ビル・マクダーモット、ロバート・エンスリン、およびジェニファー・モルガンの第三者年金制度
に対する拠出を「ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード」の表に記載のとおり行った。対応する当社
の拠出額は、ビル・マクダーモット、ロバート・エンスリンおよびジェニファー・モルガンが本年金制度の
もとに積み立てた金額に基づいている。
取締役会構成員に対する確定給付債務（DBO）の合計および確定給付負債（資産）の純額
ステファン・ トーマス・ザ
単位：千ユーロ クリスチャ アデア・ ミヒャエル・ ベルント・ ビル・マク ルカ・ ユルゲン・ 合計
ライズ ウアーエッ
1)
ン・クライン フォックス・ クライネマイ ロイケルト ダーモット ムシッチ ミュラー
1)
スィヒ(2019
(2019 年10月 マルティン ヤー (2019年3月31 (2019年10月 (2019年1月1
1) 1)
年11月1日か
10日から共同 日まで) 10日まで 日から)
1) 1)
ら)
1)
CEO)1) CEO、2019年
11月15日まで
取締役会構成
員)
2018 年1月1日現在のDBO — 93.5 271.9 584.5 1,310.5 585.9 — 344.6 — 3,190.9
2018 年1月1日現在の — 100.7 345.9 540.9 — 490.7 — 275.8 — 1,754.0
制度資産控除後市場価値
2018 年1月1日現在の — -7.2 -74.0 43.6 1,310.5 95.2 — 68.8 — 1,436.9
確定給付負債(資産)の純額
2018 年度のDBO変動 112.8 89.9 66.7 -16.1 106.2 -42.1 — -67.2 — 250.2
2018 年度の制度資産変動 141.3 156.3 161.7 153.9 — 145.0 — 143.5 — 901.7
2018 年12月31日現在のDBO 112.8 183.4 338.6 568.4 1,416.7 543.8 — 277.4 — 3,441.1
141.3 257.0 507.6 694.8 — 635.7 — 419.3 — 2,655.7
2018 年12月31日現在の
制度資産控除後市場価値
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有価証券報告書
2018 年12月31日現在の -28.5 -73.6 -169.0 -126.4 1,416.7 -91.9 — -141.9 — 785.4
確定給付負債(資産)の純額
2019 年度のDBO変動 244.7 207.6 205.9 416.5 63.3 475.0 149.7 251.4 41.9 2,056.0
2019 年度の制度資産変動 145.9 160.6 171.2 363.0 — 147.2 — 144.9 — 1,132.8
2019 年12月31日現在のDBO 357.5 391.0 544.5 984.9 1,480.0 1,018.8 149.7 528.8 41.9 5,497.1
287.2 417.6 678.8 1,057.8 — 782.9 — 564.2 — 3,788.5
2019 年12月31日現在の
制度資産控除後市場価値
2019 年12月31日現在の 70.3 -26.6 -134.3 -72.9 1,480.0 235.9 149.7 -35.4 41.9 1,708.6
確定給付負債(資産)の純額
1) ここに示す値は、クリスチャン・クライン、アデア・フォックス・マルティン、ミヒャエル・クライネマイヤー、ベルン
ト・ロイケルト、ルカ・ムシッチ、ユルゲン・ミュラー、ステファン・ライズおよびトーマス・ザウアーエッスィヒが取
締役会構成員向けの退職年金制度により受け取る年金受給額のみを反映したものである。
以下の表は、業績主義および給与連動制度による当社からの手当に基づく、退職予定年齢である62歳に達した場
合の取締役会の各構成員の取締役会構成員在任時に係る年間年金受給額を示している。
年間年金受給額
単位：千ユーロ 2019 年12月31日に権利確定 2018 年12月31日に権利確定
8.2 4.1
クリスチャン・クライン(2019年10月10日から共同CEO)
11.8 7.3
アデア・フォックス・マルティン
20.0 14.8
ミヒャエル・クライネマイヤー
34.7 24.6
ベルント・ロイケルト(2019年3月31日まで)
90.8 105.1
ビル・マクダーモット(2019年10月10日までCEO、2019年
11月15日まで取締役会構成員)
1)
27.6 23.2
ルカ・ムシッチ
4.8 —
ユルゲン・ミュラー(2019年1月1日から)
16.8 12.6
ステファン・ライズ
0.2 —
トーマス・ザウアーエッスィヒ(2019年11月1日から)
1) ビル・マクダーモットの権利については、SAP Americaの年金制度に基づく権利のみを示している。
これらは確定した権利である。取締役会構成員が引き続き取締役会にとどまった結果、当該構成員のための拠出
が増加した場合は、退職予定年齢時に実際に支払われるべき年金額は、表に示されている金額よりも高くなる。
契約後競業禁止条項
各取締役会構成員の契約には12ヶ月間の契約後競業禁止条項が含まれている。当該競業禁止期間中、取締役会構
成員は、構成員としての契約報酬平均の50％に相当する抑止支払金を受領する。当該平均は直前3年間の契約報酬
に基づき算出される。取締役会構成員につき発生したその他一切の業務上の収入は、当該構成員の報酬から控除さ
れる。
以下の表は、契約後競業禁止抑止支払金の理論上の純現在価値を表している。当該計算は以下を前提としてい
る。
・ 取締役会構成員が現在の契約期間満了時に当社を退職すること。
・ 退職前の最終平均契約報酬額が2019年度報酬と同額であること。
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契約後の競合禁止に係る実際の支払額は、退職時期ならびに退職時の報酬水準および目標達成度により、これら
とは異なる金額となる可能性が高い。
契約後競業禁止抑止支払金の純現在価値
単位：千ユーロ 契約期間満了日 契約後競業禁止抑止支払金の
純現在価値
1)
クリスチャン・クライン(2019年10月10日から共同CEO) 2025 年4月30日 2,607
ジェニファー・モルガン (2019 年10月10日から共同CEO) 2025 年4月30日 2,787
アデア・フォックス・マルティン 2025 年4月30日 2,211
ミヒャエル・クライネマイヤー 2020 年12月31日 2,024
ルカ・ムシッチ 2021 年3月31日 2,016
ユルゲン・ミュラー(2019年1月1日から) 2021 年12月31日 1,915
ステファン・ライズ 2024 年3月31日 1,817
トーマス・ザウアーエッスィヒ(2019年11月1日から) 2020 年10月31日 394
合計 15,771
1) 本金額の計算に当たり、次の割引率が適用されている：クリスチャン・クライン0.26％、ジェニファー・モルガン
0.26％、アデア・フォックス・マルティン0.26％、ミヒャエル・クライネマイヤー-0.13％、ルカ・ムシッチ-0.12％、ユ
ルゲン・ミュラー-0.05％、ステファン・ライズ0.17％およびトーマス・ザウアーエッスィヒ0.03％。
早期業務終了保証
退職金
全取締役会構成員との間の標準契約には、任期満了前に業務を終了した場合（例えば、取締役の選任が当社によ
り理由なく取消された場合、役員が就業不能になった場合、または支配権の変更に伴う場合）、SAP SEは当該構成
員に対し、残りの全任期に対する報酬目標の残部分を、早期支払に伴う適切な減額を行った上で支払う旨規定され
ている。ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（GCGC）第4.2.3条に基づき、支配権の変更に伴う早期業務
終了の場合の支払額は、2018年度より合計年間報酬の2倍または退職金上限の150％を超えてはならないこととなっ
た。当社における取締役会構成員としての役務の提供期間が1年未満である場合または自身の責任においてSAP SE
を退職する場合には、当該構成員は当該退職金の支払を受ける権利を有しない。監査役会は、ユルゲン・ミュラー
およびトーマス・ザウアーエッスィヒを取締役会の構成員に指名するに当たり、同氏らが当社に長期にわたり在籍
し成功を収めていることに鑑みて、1年間の最低在任期間の制限を放棄した。
取締役会構成員の取締役会における任期が満了し、またはその任命が組織変更もしくは再編もしくは支配権の変
更のため、またはそれらの結果、存在しなくなった場合、SAP SEおよび各取締役会構成員は、当該事由の発生後8
週間以内に、6ヶ月前の通知を行うことにより任用契約を終了させる権利を有する。以下の場合、支配権の変更が
生じたとみなされる。
・ 第三者がドイツ有価証券取得および買収法に基づきSAP SE株主に対して強制的な買収の申入れを行わなけれ
ばならない場合
・ SAP SEが他の会社と合併し従属会社になる場合
・ SAP SEを従属会社として支配権移転契約または利益移転契約が締結された場合
取締役会構成員の契約は、支配権の変更に関連して当該構成員のSAP SE取締役会構成員としての選任が取消され
た場合も、任期満了を待たずして終了し得る。
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契約後競業禁止条項
前述の契約後競業禁止期間に係る抑止報酬は、契約の早期終了の際も支払われる。
2019年度に辞任した取締役会構成員に対する支払
ロバート・エンスリンは、自らの意思で2019年4月5日をもって取締役会構成員の職を辞任したため、退職金は支
払われなかった。STI2019およびLTI2016プランに基づき付与された権利は、プラン規定に従って処理された。契約
後競業禁止条項は無償で取消された。
ベルント・ロイケルトは、2019年3月31日の即日効力発生にて当社との雇用関係を終了することにつき、監査役
会と合意した。同氏の退職に関連し、2021年3月31日まで予定されていた在任期間の残期間について以下の支払が
行われた。
・ 報酬目標（基本給与に目標STIを加えたもの）を適切に減額した金額に相当する減額退職金、合計3,646,393
ユーロ。
・ LTI2016プランに基づき付与された権利は、業績基準および支払スケジュールにつきプラン規定に従って処
理された。
・ 早期終了時は付与されないLTIトランシェ2020および2021に対する補償として、999,412ユーロを一括支払。
・ 契約後競業禁止期間としての24ヶ月間、抑止支払金を毎月支払う。合計4,723,398ユーロ。
・ 退職金口座に対して、336,720ユーロを一括支払。
ビル・マクダーモットは、自らの意思で2019年11月15日をもって取締役会構成員の職を辞任したため、退職金は
支払われなかった。STI2019およびLTI2016プランに基づき付与された権利は、プラン規定に従って処理された。契
約後競業禁止義務に係る抑止支払金については交渉が継続中である。
恒久的な障害
取締役構成員が恒久的な障害を負った場合、当該取締役会構成員の契約は、恒久的に職務を行えないと判断され
た四半期の末日付で終了する。当該取締役会構成員は、上述の退職年金制度における障害年金に加えて、かかる恒
久的な障害があると判断された日からさらに12ヶ月間にわたり月額基本給与（固定報酬）を受領する。
元取締役会構成員に対する支払
2019 年度、当社は2019年1月1日より前に退職した取締役会構成員に対し、2,081,100ユーロ（2018年度：
2,054,300ユーロ）の年金給付を行った。2019年1月1日より前に当社を退職しまたは退社した元取締役会構成員の
2019年度末時点のDBOは44,306,334ユーロ（2018年度：38,373,500ユーロ）であった。これらの債務の支払に充て
るため、31,074,600ユーロ（2018年度：31,615,100ユーロ）の制度資産が利用可能である。
取締役会：その他の情報
当社は、2019年度またはその前年度において、当社の取締役会の構成員に対し報酬の前払または信用の供与を
行っておらず、また当該構成員のための融資契約も締結していない。
SAP SEおよびドイツその他の場所に所在する関連会社は、第三者からの請求に関して、それぞれの取締役および
役員が損害を被らないよう、法律が許容する範囲においてこれらの者に対する補償を行っている。これを目的とし
て、当社は取締役および役員（D&O）グループ賠償責任保険を維持している。この保険は、年間契約であり、毎年
更新される。当該保険は、経営上の作為および不作為に起因する金銭的損失について、被保険者グループの個人的
責任を補償する。現在のD&O保険には、ドイツ株式会社法第93条(2)項により義務付けられているとおり、SAP SEの
取締役会構成員個人の免責金額が含まれている。
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監査役会構成員の報酬
報酬システム
監査役会構成員の報酬は、当社の通常定款第16条に準拠する。
監査役会の各構成員は、当該構成員の支払った費用の償還に加え、年間基本報酬165,000ユーロを受領する。議
長に対しては年間275,000ユーロ、副議長に対しては年間220,000ユーロが支払われる。さらに、当社は監査役会構
成員がその報酬について支払う付加価値税も償還する。
監査役会構成員は、追加の年間固定報酬として、監査委員会の委員を務めた場合には16,500ユーロを、その他の
監査役会委員会の委員を務めた場合には当該年度中に同委員会が開催されることを条件として11,000ユーロを受領
する。監査委員会の委員長は27,500ユーロを、その他委員会の委員長は22,000ユーロを受領する。固定報酬は、年
度終了後に支払われる。
在任期間が1事業年度に満たない監査役会構成員は、役務の提供を開始した月から毎月、年間報酬の12分の1を受
領する。これは、議長および副議長について増額される報酬ならびに委員会の委員長および委員に対する報酬にも
適用される。
2019 年度の監査役会構成員の報酬
単位：千ユーロ 2019 年度 2018 年度
固定報酬 委員会の業務 合計 固定報酬 委員会の業務 合計
に対する報酬 に対する報酬
ハッソ・プラットナー博士
275.0 53.2 328.2 275.0 88.0 363.0
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner)(議長)
マルグレート・クライン・メイガー
220.0 26.6 246.6 220.0 22.0 242.0
(Margret Klein-Magar)(副議長)
ペッカ・アラ・ピエティラ
165.0 18.3 183.3 165.0 40.3 205.3
(Pekka Ala-Pietilä)
パナギオティス・ビシリタス
165.0 39.4 204.4 165.0 38.5 203.5
(Panagiotis Bissiritsas)
マルティン・デュフェック
68.8 16.0 84.8 165.0 38.5 203.5
(Martin Duffek)(2019年5月15日まで)
アイチャ・エバンズ
165.0 33.0 198.0 165.0 29.3 194.3
(Aicha Evans)
アニヤ・フェルドマン
NA NA NA 165.0 19.3 184.3
(Anja Feldmann)(2018年12月31日まで)
ダイアン・グリーン
165.0 11.0 176.0 110.0 2.8 112.8
(Diane Greene)(2018年5月17日から)
ヴィルヘルム・ハールマン博士
NA NA NA 68.5 13.8 82.3
(Prof. Dr. Wilhelm Haarmann)(2018年5月17日まで)
アンドレアス・ハーン
68.8 9.2 77.9 165.0 22.0 187.0
(Andreas Hahn)(2019年5月15日まで)
ゲッシェ・ユースト博士
165.0 22.0 187.0 165.0 22.0 187.0
(Prof. Dr. Gesche Joost)
モニカ・コヴァーチカ・ディミトローヴァ
110.0 14.7 124.7 NA NA NA
(Monika Kovachka-Dimitrova)(2019 年5月15日から)
ラース・ラマデ
165.0 22.9 187.9 165.0 22.0 187.0
(Lars Lamadé)
ベルナルド・リオトー
165.0 22.0 187.0 165.0 33.0 198.0
(Bernard Liautaud)
ゲラルド・オズワルド
165.0 52.3 217.3 NA NA NA
(Gerhard Oswald)(2019 年1月1日から)
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クリスティーネ・レギッツ
165.0 30.3 195.3 165.0 22.0 187.0
(Christine Regitz)
フリーデリーケ・ローチュ博士
165.0 43.1 208.1 110.0 18.3 128.3
(Dr. Friederike Rotsch)(2018年5月17日から)
エアハード・シィポライト博士
68.8 20.6 89.4 165.0 46.8 211.8
(Dr. Erhard Schipporeit)(2019年5月15日まで)
ローベルト・シュシュニック・ファウラー
68.8 9.2 77.9 165.0 22.0 187.0
(Robert Schuschnig-Fowler)(2019年5月15日まで)
セバスティアン・ズィック博士
68.8 9.2 77.9 165.0 22.0 187.0
(Dr. Sebastian Sick)(2019年5月15日まで)
ハイケ・ステック
110.0 14.7 124.7 NA NA NA
(Heike Steck)(2019 年5月15日から)
ピエール・ティオレ
68.8 4.6 73.3 165.0 11.0 176.0
(Pierre Thiollet)(2019年5月15日まで)
クリスタ・ヴェルジーン・クノップ
110.0 14.7 124.7 NA NA NA
(Christa Vergien-Knopf)(2019 年5月15日から)
グンナー・ウィーデンフェルス博士
110.0 25.7 135.7 NA NA NA
(Dr. Gunnar Wiedenfels)(2019 年5月15日から)
ジェームズ・ライト
110.0 25.7 135.7 NA NA NA
(James Wright)(2019 年5月15日から)
クラウス・ウハレア博士
(Prof. Dr.-Ing. Dr.-Ing. E.h. Klaus Wucherer) NA NA NA 68.5 6.9 75.4
(2018 年5月17日まで)
ラルフ・ザイガー
110.0 14.7 124.7 NA NA NA
(Ralf Zeiger)(2019 年5月15日から)
合計 3,217.5 552.7 3,770.2 3,162.0 540.4 3,702.4
当社は2019年度中、監査役会構成員より1,976,000ユーロ（2018年度：1,206,500ユーロ）に相当する役務の提供
を受けた（監査役会の従業員代表が、当社の従業員としての権限において提供した役務を含む。）。
監査役会の長期インセンティブ
当社は、監査役会の職務について、監査役会構成員に対し株式報酬を提供していない。従業員選任構成員が報奨
として受領した株式報酬は、当該構成員の当社従業員としての地位に基づくものであり、監査役会における職務に
基づくものではない。
監査役会：その他の情報
当社は、2019年度またはその前年度に、当社の監査役会の構成員に対して報酬の前払または信用の供与を行って
おらず、また当該構成員のための融資契約も締結していない。
監査役会の議長であるハッソ・プラットナーは、2003年5月に監査役会に加入した後、当社とコンサルティング
契約を締結した。この契約に報酬に関する規定はない。契約に基づき当社が負担する費用は、経費の償還に係るも
ののみである。
法律が許容する範囲内において、当社は、第三者からの請求に対し、監査役会構成員に対する補償を行い、かつ
彼らに損害を被らせない。これを目的として、当社は取締役および役員（D&O）グループ賠償責任保険を維持して
いる。GCGC第3.8条に基づき、各監査役会構成員は損失の最低10％を免責金額として負担する。当該免責金額は、
当該構成員の年間固定報酬の1.5倍を上限とする。
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（３）【監査の状況】
(1) 監査役会の活動状況
当事業年度中の監査役会の活動状況は以下のとおりである。監査役会の組織、人員および手続については「第
1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」および「第5 3 (2) 役員の状況」を参照のこと。
監査役会と取締役会との連携
当事業年度中、監査役会は当社の経営について取締役会に対し継続的にアドバイスを行い、法令の遵守、適切な
会計原則の遵守、事業の焦点および有用性について、取締役会による当社のグローバル・マネジメントを常に監督
および監視下に置いた。また当社の根幹に関わる重要な決定を取締役会が行う際には、監査役会も直接的に関与し
た。
監査役会は、取締役会構成員からの口頭での報告と文書形式の報告の両方にて、取締役会から定期的に完全かつ
タイムリーな報告を受けてきた。これにより、監査役会は会合の開催されていない期間中も、当社の戦略、計画、
業績、リスク、リスク管理、コンプライアンス（すなわち法令、当社の定款、および内部方針の遵守）、ならびに
当社にとって特に重要な取引について、常に最新情報を把握することができている。当該報告において、取締役会
は監査役会に対し、特に計画または目標どおりに進行していない事業とその原因についても知らせている。さら
に、監査役会構成員はSAPデジタル・ボードルーム・ソリューションを利用していつでも当社の業績を確認するこ
とができる。判断や分析をデジタル処理にて行うことのできるコックピットは、透明性を極限まで高めることに
よって、監査役会が包括的な指標をリアルタイムで検索し、必要に際していつでも分析を行うことを可能にしてい
る。
取締役会からの報告の内容および範囲は、監査役会の要求を十分に満たすものであった。協議事項について相談
するために、取締役会が監査役会の会合に参加することもあった。取締役会から提供された情報が妥当であると納
得するために、監査役会は取締役会に対して質問や追及を行った。法令、定款または監査役会の要承認取引一覧に
基づき、監査役会の承認を必要とするすべての取引について、監査役会は取締役会とともに慎重に調査および検討
を行った。
CEO および後任の共同CEOは、監査役会の議長と継続的に連絡を取っていた。これは議長が当社の状態および発展
状況の分析、ならびに当社の経営およびガバナンスのために考慮すべき重大な事象について、常に遅滞なく情報提
供を受けていたことを意味する。さらに、監査役会の議長は、当社の戦略、計画、業績、リスク、リスク管理、コ
ンプライアンスならびにその他の主要な議題および決定について協議するため、定期的にCEOおよび後任の共同CEO
と会っていた。そのため、監査役会の議長は会合の開催されていない期間中に監査役会構成員に対して情報を共有
する役割も担っていた。
監査役会の開催および決議
SAP SEの監査役会は、当社に関わるあらゆる問題につき慎重に検討し解決するため、2019年度中に通常の全体会
を4回、臨時の全体会を5回開催した。当該全体会は、通常は対面形式で実際に集まって開催されたが、電話会議形
式にて開催されることもあった。また5つの決議案については書面投票により採決された。当事業年度中、監査役
会および所属委員会の会合への出席率が半分以下であった監査役会構成員はいなかった。監査役会構成員である株
主代表の一人は、監査役会および所属委員会の19回の会合のうち13回にしか出席することができなかったが、これ
は特に当該会合の多くの招集通知が開催直前になされたためである。ただし当該監査役会構成員は、事前に投票指
示を提出することにより、欠席した会合において可決された決議案の採決にも参加していた。本項に記載の表は、
2019年度に開催された監査役会の総会および委員会に対する全構成員の出席率を示している。
2019 年度における当社監査役会構成員の出席状況
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総会 委員会 全会合
出席率
監査役会構成員 開催回数 出席回数 開催回数 出席回数 開催回数 出席回数
(％)
ハッソ・プラットナー博士
9 9 12 12 21 21 100 ％
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner)
ペッカ・アラ・ピエティラ
9 6 10 7 19 13 68 ％
(Pekka Ala-Pietil ä)
パナギオティス・ビシリタス
9 9 24 24 33 33 100 ％
(Panagiotis Bissiritsas)
マルティン・デュフェック
3 3 7 7 10 10 100 ％
(Martin Duffek)(2019 年5月15日まで)
アイチャ・エバンズ
9 9 15 14 24 23 96 ％
(Aicha Evans)
ダイアン・グリーン
9 9 ▶ ▶ 13 13 100 ％
(Diane Greene)
アンドレアス・ハーン
3 3 6 6 9 9 100 ％
(Andreas Hahn)(2019 年5月15日まで)
ゲッシェ・ユースト博士
9 9 7 7 16 16 100 ％
(Prof. Dr. Gesche Joost)
マルグレート・クライン・メイガー
9 9 15 15 24 24 100 ％
(Margret Klein-Magar)
モニカ・コヴァーチカ・ディミトローヴァ
(Monika Kovachka-Dimitrova)(2019 年5月15
6 6 ▶ ▶ 10 10 100 ％
日から)
ラース・ラマデ
9 9 11 11 20 20 100 ％
(Lars Lamad é)
ベルナルド・リオトー
9 7 12 12 21 19 90 ％
(Bernard Liautaud)
ゲラルド・オズワルド
9 9 21 19 30 28 93 ％
(Gerhard Oswald)(2019 年1月1日から)
クリスティーネ・レギッツ
9 9 15 15 24 24 100 ％
(Christine Regitz)
フリーデリーケ・ローチュ博士
9 9 22 22 31 31 100 ％
(Dr. Friederike Rotsch)
エアハード・シィポライト博士
(Dr. Erhard Schipporeit)(2019 年5月15日 3 3 7 7 10 10 100 ％
まで)
ローベルト・シュシュニック・ファウラー
(Robert Schuschnig-Fowler)(2019 年5月15 3 3 ▶ ▶ 7 7 100 ％
日まで)
セバスティアン・ズィック博士
3 3 7 7 10 10 100 ％
(Dr. Sebastian Sick)(2019 年5月15日まで)
ハイケ・ステック
6 6 ▶ 3 10 9 90 ％
(Heike Steck)(2019 年5月15日から)
ピエール・ティオレ
3 3 2 2 5 5 100 ％
(Pierre Thiollet)(2019 年5月15日まで)
クリスタ・ヴェルジーン・クノップ
(Christa Vergien-Knopf)(2019 年5月15日か
6 6 ▶ ▶ 10 10 100 ％
ら)
グンナー・ウィーデンフェルス博士
(Dr. Gunnar Wiedenfels)(2019 年5月15日か
6 6 11 11 17 17 100 ％
ら)
ジェームズ・ライト
6 6 13 13 19 19 100 ％
(James Wright)(2019 年5月15日から)
ラルフ・ザイガー
6 6 6 5 12 11 92 ％
(Ralf Zeiger)(2019 年5月15日から)
監査役会およびその各委員会は2019年度中、取締役会に関わる事項や監査役会構成員のみで内部的に検討する必
要のある事項について協議するため、必要に応じて取締役会とは別に全体または一部の者で集まった。7回の総会
のうち5回、8回の総務報酬委員会のうち3回、10回の金融投資委員会のうち2回がこれに当たる。さらに、株主代表
および従業員代表は、総会での決議案の採決に先立ち、個別の協議事項につき独自に議論を行った。監査役会は当
年度中に以下の主要議題について検討した。
取締役会における人事異動および報酬に関する議題
2019 年度中に行われた監査役会の業務および協議は、取締役会における複数の人事異動に係るものが主であっ
た。2019年2月20日の会合においては、2019年3月31日付でベルント・ロイケルトが取締役会を早期退職することに
つき同氏と相互に合意がなされた。同時に、監査役会はミヒャエル・クライネマイヤーの取締役会における任期を
2020年12月31日まで延長した。2019年4月5日の臨時会合では、取締役会からのロバート・エンスリンの辞任につい
て対応した。取締役会からは、その結果生じる取締役会のポートフォリオ変更について報告があり、当該報告には
ジェニファー・モルガンおよびアデア・フォックス・マルティンがそれぞれクラウド事業グループおよびSAPグ
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ローバル販売組織の責任者となることも含まれていた。2019年7月25日の会合において、ジェニファー・モルガン
およびアデア・フォックス・マルティン両氏の任期が2025年4月30日まで延長された。2019年9月末には、10年近く
当 社のCEOを務めてきたビル・マクダーモットが当社を退社することを決め、通常の契約満了を待たずして取締役
会を去ることが決まった。そこで監査役会は2019年10月10日に臨時会合を開催し、ビル・マクダーモットがいつど
のように取締役会を退職するかにつき協議し、雇用契約の早期終了に係る契約上の諸条件につき決議した。引継計
画に基づき、監査役会は2019年10月10日付でジェニファー・モルガンおよびクリスチャン・クラインを共同CEOに
指名することも承認し、またその過程でクリスチャン・クラインの指名契約における在任期間をジェニファー・モ
ルガンの同契約と合致しかつ揃うように延長した。ビル・マクダーモットは、同日から2019年11月15日の退社日ま
で通常の取締役会構成員を務めた。2019年10月24日の通常会合において、監査役会は2019年11月1日を効力発生日
としてトーマス・ザウアーエッスィヒを取締役会構成員に指名した。同氏は商品エンジニアリング・ユニット、な
らびに特に当社の中核的商品であるSAP S/4HANA、そのサプライチェーン・ソリューション、小規模事業および中
規模企業向けのソフトウェアに関する当社のグローバル商品開発、SAPユーザー・エクスペリエンス組織、SAP知
識・教育組織、SAPラボ・ネットワーク、ならびにグローバル・クラウド・インフラストラクチャーおよびSAP
HANAエンタープライズ・クラウドの責任者となった。2019年11月19日の臨時会合においては、新たに就任した共同
CEOから、同氏らの企業戦略および当社の組織構造を改善するために段階的に実施する取締役会ポートフォリオの
さらなる変更について報告があり、監査役会はそれを承認した。人事異動、異動に伴い発生する取締役会の指名契
約に係る合意、およびポートフォリオの再割当の結果必要となる取締役会構成員の個別報酬の調整に係る、監査役
会全体会の決議案はすべて、総務報酬委員会によって作成されており、監査役会は提示された当該推奨案を承認前
に深く検討した。
この他にも監査役会は取締役会の報酬につき2019年度中に様々な決定を行った。当該決定には、通常の協議の過
程で必要に応じてなされたものと、新たなLTI2020プランの導入に係るものとが存在した。例えば、2019年2月20日
の通常会合においては、短期インセンティブ（STI）2018プランに基づき合計目標達成率および個別の取締役会構
成員に対する支払額を決め、取締役会の2018年度報酬を決定した。2月の会合においては、取締役会の2019年度報
酬についても慎重に検討した。まずSTI2019の主要業績指数（KPI）を決定し、各KPIの目標値および加重係数を設
定した。その後、LTI2016における2019年度トランシェの個別の割当額を決議した。監査役会は、必要に応じて取
締役会構成員の報酬の妥当性を評価し、各構成員の責任および任務に照らしてその金額、構造、客観的基準が妥当
であると判断した。当該判断に当たっては、Ernst & Young GmbHより事前に取得した妥当性証明を参照した。2019
年10月24日の会合においては、2020年度より有効となるSTIに対する数多くの変更を承認した。2019年7月25日およ
び2019年10月24日の総会においては、総務報酬委員会が事前に稟議によって採決した推奨案に基づき、新たな
LTI2020プランのコンセプトについて長時間検討し、その後2019年11月19日の臨時会合において当該コンセプトに
つき採決した。かかる新たなプランについての準備作業は2019年2月に立ち上げられたプロジェクト・グループが
あらかじめ開始しており、その後委員会および総会における審議が行われた。取締役会構成員および監査役会構成
員から選ばれたメンバーによって構成される当該グループの任務は、2020年度のための新たなLTIプラン案を策定
することであった。これに関連して、監査役会は外部の報酬専門家2名に助言を求め、当該専門家は取締役会の報
酬に係る指標を監査役会に示し、プランの設計につきアドバイスを行った。プロジェクト・グループの提示したプ
ランの細則については、2019年4月10日および2019年7月24日の会合において総務報酬委員会が報酬専門家とともに
検討し、段階的に採決された。このうち直近の採決は上述の2019年11月の稟議によるものであった。
STI2020 、LTI2016プラン、新たなLTI2020プランおよび取締役会構成員の報酬パッケージに係るその他の要素の
詳細については、「第5 3 (2) 役員の状況 (2) 当社の取締役および取締役会構成員への報酬」を参照のこ
と。
資本配分方針
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監査役会は、当社の戦略および取締役会の提示する将来の資本配分について、2019年度を通して取締役会と継続
的に協議した。3回の総会および4回の金融投資委員会の会合において、監査役会は取締役会とともにまたは必要に
応 じて取締役会は交えずに、当社の資本配分方針について議論した。本議題は2019年4月11日の会合において初め
て検討された。2019年4月24日に、当社は卓越した会社運営を勢いづける包括的プログラムとあわせて更新版の
2023年度目標を公表し、スペシャル・キャピタル・マーケッツ・デイを2019年11月12日に予定しているとした。ま
た取締役会はこれに関連し、株式買戻プログラムの実施可否を検討するとも発表した。2019年7月25日および2019
年10月24日に、監査役会は取締役会の提示した資源の配分につき当社の戦略を考慮しながら協議した。その後、金
融投資委員会の後押しもあり、2019年11月4日の臨時会合において、監査役会は2020年度に資本収益率を強化する
との取締役会の計画を承認した。そのため、当社は2020年度中に最大15億ユーロ規模の株式の買戻しおよび／また
は特別配当を行うことができる。本議題の複雑性に鑑み、監査役会は取締役会の提示する資本配分計画の評価に当
たって大手コンサルティング・ファームに助言を求めた。当該コンサルタントは、2019年9月11日、10月18日およ
び24日、ならびに11月3日に開催された金融投資委員会の事前会合に出席した。
コンプライアンス関連
2019 年度中、当社のコンプライアンス部門（倫理・コンプライアンス事務局）は、贈賄防止に係る法令（米国の
海外腐敗行為防止法（FCPA）を含む。）に対する潜在的な違反について、外部の法律事務所の協力の下、継続的に
調査を行い、当事業年度を通じて監査委員会および監査役会全体に対して当該調査の状況につき頻繁に報告を行っ
た（特に監査委員会の会合ならびに2019年4月、7月および10月の総会において報告がなされた。）。とりわけ、地
方当局、米国証券取引委員会（U.S. SEC）および米国司法省（U.S.DOJ）との当社の自発的な協力につき説明がな
された。当該問題に対するより深い洞察を得るために、監査委員会は調査中の事項および対策について取締役会に
対し質問一覧表を提出した。取締役会は、2019年10月24日の総会においてこれらの質問に対し詳細に回答した。ま
た4月11日の会合において、取締役会は輸出規制および経済制裁に対する潜在的な違反に係る調査状況も報告し
た。現在も進行中のこれらの調査等は外部弁護士の協力の下に進められている。経営陣は、腐敗防止に係る法律お
よび輸出管理に係る法令を遵守するための当社の対策につき大幅な改善を行い、コンプライアンス・チームを大幅
に拡大した。取締役会は年間を通じて、当該対策の詳細につき監査役会に最新情報を共有し続けた。
2019 年度の会合において検討されたその他の主要課題には、特に以下のものが含まれる：
2月の会合（財務書類の検討を目的とした会合）
2019 年2月20日の総会において、監査役会は取締役会とともに2018年度の従業員アンケートの結果および当社の
2018年度財務業績について協議した。また監査役会は、SAP SEの財務書類および2018年度連結財務書類、KPMG AG
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft（KPMG）により実施された監査、ならびに2018年度の利益剰余金の処分に係る
取締役会の決議案についても、深く検討した。監査役も当該会合に出席し、監査の内容および監査役と監査委員会
との間で合意された各重点分野の監査結果について詳細に報告した。監査役はまた、先立って実施された監査委員
会の会合においてそれらの事項につきどのような議論がなされたかについても説明した。その後、監査役は監査結
果につき監査役会と協議し、監査役会の質問に回答した。監査委員会は2018年度の財務書類および連結財務書類に
係る全議題を包括的に準備し、特に財務書類に関連する文書を監査委員会が確認した際の方法および範囲について
報告した上で、監査役会にその承認を求めた。監査役会は当該監査内容を承認した。監査役会の調査から判明した
ことは特になかったため、監査役会は2018年度のSAP SEの財務書類および連結財務書類を承認した。監査役会は、
利益剰余金については監査委員会の勧めに従って処分するとの取締役会の提案を確認し承認した。その後、監査役
会は取締役会から提示された2019年度予算案について細かく検討し、同案を承認した。取締役会は2019年度の優先
事項およびエンタープライズ・リソース・プランニングにおける当社のクラウドベース・ソリューションであるク
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ラウドERPに係る戦略についても報告した。これらの報告がなされた後、2019年5月の年次株主総会の議題として提
示する（さらに詳細な）決議案が決定された。当該決議案には、2019年度の監査役の選任について監査役会が年次
株 主総会に提示する推奨案が含まれていたが、当該推奨案は監査委員会が監査役会に対して提示した推奨案に基づ
くものであった。さらに当社の寄付活動についても監査役会に対して報告がなされた。その後、コーポレート・ガ
バナンスに関する事項が話し合われ、今後監査役会構成員の任期は最長12年間に制限することが決議された。これ
までは絶対的な数字で任期に制限を設ける運用はなされてこなかった。
4月の会合
2019 年4月11日の会合においては、当社をどのように見ているかについてRoyal Bank of Canadaのアナリストが
発表を行った。また資本市場が当社に対して期待すること、特に当社のビジネスモデルおよび財務報告手法に関し
て何を望んでいるのかについても考察した。次に顧客をインテリジェント・エンタープライズにするための取締役
会の戦略（インテリジェント・エンタープライズ戦略）について、特にQualtricsのエクスペリエンス管理商品お
よび当社の競争力に焦点を当てながら、取締役会と深く議論した。その中で、取締役会は当社のビジネス・プロセ
スを最適化することを目的とした先述のプログラムに係る今後の計画について説明した。加えて、取締役会はSAP
デジタル・ボードルーム・ソリューションを利用して2019年度第1四半期の業績を報告した。
5月の臨時会合
監査役会は、2019年5月15日の年次株主総会の直後に、新任構成員の歓迎、監査役会の議長および副議長の選
任、ならびに委員会のメンバー決めを目的に臨時会合を開いた。
7月に書面により採決された決議案
金融投資委員会からの提案を受け、監査役会はこのために作られたコマーシャル・ペーパー・プログラムに基づ
き最大25億ユーロ分の債券を発行することを2019年7月に書面投票形式にて承認した。当該プログラムにより、取
締役会は短期的な資金調達の需要に応える上での当社の選択肢を拡大した。
7月の会合
2019 年7月25日の通常会合は、米国カリフォルニア州サンマルティンにおいて開かれ、新たに構成された監査役
会はそこで数日を共にした。監査役会はこの時間を集中的な議論およびネットワーク構築に充て、現地にて数多く
の戦略的な顧客およびパートナーと顔を合わせる機会も設けられた。総会においては、監査役会が毎年加入する取
締役および役員向けのグループ賠償責任保険について主に検討され、また取締役会、監査役会および監査役会の複
数の委員会について手続規定の修正につき決議された。加えて監査役会は、取締役会が監査役会の承認を得る必要
のある取引・事業管理施策の一覧の更新作業も行った。続いて、取締役会は2019年度第2四半期の事業状況および
上半期の業績を監査役会に報告した。取締役会からの報告を念頭に、監査役会は今後とるべき施策およびその実施
方法につき取締役会と協議した。その後、Qualtricsの創設者の一人よりQualtricsの商品および当社にて応用でき
る分野について非常に詳しい解説がなされた。
8月に書面により採決された決議案
監査役会は、SAP SE、ミュンヘン工科大学およびバイエルン自由州との間で長期共同研究開発契約を締結するこ
とにつき2019年8月30日に書面投票形式にて承認した。
10月の会合
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2019 年10月24日の会合においては、取締役会より第3四半期の業績が報告された。金融投資委員会の提案によ
り、監査役会は新たなSapphire Venturesファンド（以下「SAPPHIRE Ventures Fund V」という。）への資金供給
を承認し、既存のSapphire Venturesファンドについてもさらに資本を拠出することを許可した。これらの投資の
た めに拠出された金額は、合計15.5億ユーロに上った。また取締役会は、新たに共同CEOを指名したことに伴う取
締役会内部の責任者の変更予定につき説明した。監査役会はこれを承認した。上記に加え、監査役会はその構成員
の独立性について、ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（以下、「コード」という。）の規定に基づき、
監査役会が自らの裁量にて設定した指標を利用し定期的に評価を行っている。はじめに、監査役会が十分な数の独
立した構成員を有していることを確認し、さらに目標として設定されている独立した株主代表の人数も監査役会の
意見において適切であることを確認した。続いて株主構造に照らし、監査役会が十分な数の独立した構成員を有し
ていることを確認した。コードの規定に従い、独立していると監査役会がみなす株主代表も特定した。取締役会と
の合意のもと、監査役会は毎年行っているコードの実行宣言の定期公表についても2019年10月に採決した。
(2) 内部監査の状況等
上記「(1) 監査役会の活動状況」および「第1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。
(3) 独立監査役の選任および監査報酬
独立監査役の選任
2019 年5月15日に開催された年次株主総会において、当社の株主は、KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
（KPMG）を、2019年度における当社の独立監査役に選任した。KPMGは2002年度より当社の主監査役を務めている。
KPMGは当社が独立監査役につき設けているすべての基準（独立性、監査の質の高さ、チーム、監査のアプロー
チ、業界に対する専門知識）を満たしている。独立監査役の選出に係る監査役会の推薦は、先行して行われる監査
役の独立性、適格性および業務の質の高さに対する審査に基づくものである。KPMGが当社の監査につき積み重ねて
きた経験が、監査の有効性および効率性を高めている。
独立監査役の評価
監査の質の高さに対する評価は、当社の監査委員会が行っている。監査委員会は、品質保証に係る内部基準につ
いて、ならびに品質に係る内部監査、同業者との比較を通じた外部からの品質管理、および独立監査役による監査
に対して政府または当局の実施する調査によって発覚した重要事項について、独立監査役から定期的に報告を受け
た。独立監査役は2月に監査委員会の会合に出席し、各注目分野に係る監査および指摘事項につき詳細な報告を行
う。その監査内容を監査役会が承認した。指摘事項はなかった。
監査報酬の内容等
外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
2019 年度 2018 年度
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
単位：百万ユーロ 関連する報酬 関連する報酬 関連する報酬 関連する報酬
3 0 3 0
提出会社
(357.39 百万円) (0 百万円) (357.39 百万円) (0 百万円)
8 0 6 0
連結子会社
(953.04 百万円) (0 百万円) (714.78 百万円) (0 百万円)
11 0 9 0
計
(1,310.43 百万円) (0 百万円) (1,072.17 百万円) (0 百万円)
その他重要な報酬の内容
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KPMG および国際的なKPMGネットワーク内のその他の事務所は、当社に対し、2019年度および過年度に係る監査お
よびその他の専門サービスについて、下記の報酬を請求した。
単位：百万ユーロ 2019 年度 2018 年度 2017 年度
KPMG AG KPMG 合計 KPMG AG KPMG 合計 KPMG AG KPMG 合計
(ドイツ) 国外 (ドイツ) 国外 (ドイツ) 国外
ファーム ファーム ファーム
3 7 10 3 6 9 3 7 10
監査報酬
(357.39 (833.91 (1,191.30 (357.39 (714.78 (1,072.17 (357.39 (833.91 (1,191.30
百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
0 1 1 0 0 0 0 0 0
監査証明業務に関連
(0 百万円) (119.13 (119.13 (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
する報酬
百万円) 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 0 0
税務報酬
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他すべての報酬
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
3 8 11 3 6 9 3 7 10
合計
(357.39 (953.04 (1,310.43 (357.39 (714.78 (1,072.17 (357.39 (833.91 (1,191.30
百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
監査報酬は、当社の連結財務書類とSAP SEおよびその子会社の法定財務書類の監査について、KPMGから請求され
た報酬総額である。監査証明業務に関連する報酬は、監査の実施に合理的に関係する保証その他関連業務、および
組織に係る証明手続業務について、KPMGから請求された報酬である。
外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
上記「その他重要な報酬の内容」の項を参照のこと。
監査報酬の決定方針
当社は監査報酬につきKPMGと複数年契約を締結しており、その金額は監査対象範囲の大幅な変更およびインフレ
率の上昇に際してのみ上方修正または下方修正される。
（４）【役員の報酬等】
該当なし。
（５）【株式の保有状況】
該当なし。
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第６【経理の状況】
1 本書記載の連結財務書類は、ドイツ商法の規定に従い国際財務報告基準に基づいて作成されている。なお、日本文の財務書
類はこれを翻訳したものであり、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」（昭和38年大蔵省令第59号、以下
「財務諸表等規則」）第131条第1項の規定の適用を受けている。
2 本書記載の連結財務書類は、会計監査人であるKPMG AGの会計監査を受けており、添付のとおり監査報告書を受領している。
本書記載の連結財務書類は「金融商品取引法施行令」（昭和40年政令第321号）第35条の規定に基づく「財務諸表等の監査証明
に関する内閣府令」（昭和32年大蔵省令第12号）第1条の2の規定により、金融商品取引法第193条の2の規定に基づく監査は受
けていない。
3 本書記載の連結財務書類の原文は、ユーロで表示されている。日本円への換算は2020年5月29日現在の株式会社三菱UFJ銀行
が公表した対顧客電信直物売・買相場の仲値である1ユーロ＝119.13円で換算され、端数は四捨五入されている。なお、円表示
額は単に便宜上の表示のためだけのものであり、ユーロ額が上記のレートで円換算されることを意味するものではない。円表
示額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
▶ 円換算額及び「第6 経理の状況」の「2 その他」から「3 日本とドイツ（国際財務報告基準）における会計原則及び会計慣
行の相違」までにおける記載事項は、原文の連結財務書類には含まれてはおらず、当該事項における連結財務書類への参照事
項を除き、会計監査の対象にもなっていない。
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１【財務書類】
IFRS 連結財務諸表
SAP グループ連結損益計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 2018 2017
注記
百万 百万 百万 百万円
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ
クラウド収益 6,933 825,928 4,993 594,816 3,769 379,303
ソフトウェアライ
センス収益 4,533 540,016 4,647 553,597 4,872 615,908
ソフトウェアサ
ポート収益 11,547 1,375,594 10,981 1,308,167 10,908 1,339,663
ソフトウェアライ
センス及びサポー
ト収益 16,080 1,915,610 15,628 1,861,764 15,780 1,955,571
クラウド収益及び
ソフトウェア収益 23,012 2,741,420 20,622 2,456,699 19,549 2,334,874
4,541 540,969 4,086 486,765 3,912 461,044
サービス収益
27,553 3,282,389 24,708 2,943,464 23,461 2,795,917
営業収益合計 (A.1),(C.2)
クラウド原価 -2,534 -301,875 -2,068 -246,361 -1,660 -166,396
ソフトウェアライ
センス及びサポー
ト原価 -2,159 -257,202 -2,092 -249,220 -2,234 -276,525
クラウド及びソフ
トウェア原価 -4,692 -558,958 -4,160 -495,581 -3,893 -442,921
-3,662 -436,254 -3,302 -393,367 -3,158 -391,469
サービス原価
-8,355 -995,331 -7,462 -888,948 -7,051 -834,264
原価合計
19,199 2,287,177 17,246 2,054,516 16,410 1,961,654
売上総利益
研究開発費 -4,292 -511,306 -3,624 -431,727 -3,352 -385,766
販売費 -7,693 -916,467 -6,781 -807,821 -6,924 -793,963
一般管理費 -1,629 -194,063 -1,098 -130,805 -1,075 -127,364
リストラクチャリ
ング費用 (B.6) -1,130 -134,617 -19 -2,263 -182 -3,548
その他の営業収
18 2,144 -20 -2,383 1 -380
益/費用（純額）
-23,081 -2,749,640 -19,005 -2,264,066 -18,584 -2,145,285
営業費用合計
4,473 532,868 5,703 679,398 4,877 650,759
営業利益
その他の営業外収
益/費用（純額） (C.3) -74 -8,816 -56 -6,671 -36 -29,655
金融収益 787 93,755 371 44,197 476 29,148
金融費用 -589 -70,168 -418 -49,796 -288 -33,964
198 23,588 -47 -5,599 188 -4,816
金融収益（純額） (C.4)
4,596 547,521 5,600 667,128 5,029 616,288
税引前利益 (C.2)
-1,226 -146,053 -1,511 -180,005 -983 -155,751
税金費用 (C.5)
3,370 401,468 4,088 487,003 4,046 460,537
税引後利益
親会社株主持分 3,321 395,631 4,083 486,408 4,008 462,058
非支配持分 50 5,957 6 715 38 -1,647
基本1株当たり利
益(ユーロ)
(C.6) 2.78 331.00 3.42 407.00 3.35 385.00
希薄化後1株当た
り利益(ユーロ)
(C.6) 2.78 331.00 3.42 407.00 3.35 385.00
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第９号、第15号及び第16号の適用方法のもと、過年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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SAPグループ連結包括利益計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 2018 2017
注記
百万 百万 百万 百万円
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ
税引後利益 3,370 401,468 4,088 487,003 4,046 460,537
損益に組替調整されない項目
確定給付年金制度の再測定
(税引前)
-57 -6,790 12 1,430 29 -1,267
確定給付年金制度の再測定に
関連する法人税等
5 596 -1 -119 -7 253
確定給付年金制度の再測定(税
引後)
-52 -6,195 11 1,310 22 -1,014
損益に組替調整されない項目に
対する税引後その他の包括利益 -52 -6,195 11 1,310 22 -1,014
後に損益に組替調整される項目
為替換算差額に係る利得（損
失）（税引前）
537 63,973 910 108,408 -2,730 109,621
為替換算差額に係る組替調整
額（税引前）
0 0 0 0 0 -127
為替換算差額(税引前)
537 63,973 910 108,408 -2,730 109,495
為替換算差額に関連する法人
税等
0 0 0 0 -2 -3,168
為替換算差額(税引後)
(E.2) 537 63,973 910 108,408 -2,732 106,326
売却可能金融資産の再測定に
係る利得（損失）（税引前）
0 0 0 0 114 -2,281
売却可能金融資産に係る組替
調整額（税引前）
0 0 0 0 -250 -3,295
売却可能金融資産(税引前)
0 0 0 0 -136 -5,576
売却可能金融資産に関連する
法人税等
0 0 0 0 1 127
売却可能金融資産(税引後)
0 0 0 0 -135 -5,449
キャッシュ・フロー・ヘッジ
及びヘッジ費用に係る利得（損
失）（税引前）
-24 -2,859 -10 -1,191 81 -3,042
キャッシュ・フロー・ヘッジ
に及びヘッジ費用係る組替調整
額（税引前）
22 2,621 -22 -2,621 -41 1,014
キャッシュ・フロー・ヘッジ
及びヘッジ費用（税引前）
(F.1) -2 -238 -32 -3,812 39 -1,901
キャッシュ・フロー・ヘッジ
及びヘッジ費用に関連する法人
税等 0 0 9 1,072 -10 507
キャッシュ・フロー・ヘッジ及
びヘッジ費用(税引後) -1 -119 -23 -2,740 29 -1,394
(E.2)
損益に組替調整される項目に対
536 63,854 887 105,668 -2,838 99,483
する税引後その他の包括利益
税引後その他の包括利益 483 57,540 898 106,979 -2,816 98,469
包括利益合計 3,854 459,127 4,986 593,982 1,229 558,879
親会社株主持分
3,804 453,171 4,980 593,267 1,191 560,527
非支配持分
50 5,957 6 715 38 -1,647
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠の一部である。
選択したIFRS第９号、第15号及び第16号の適用方法のもと、過年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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SAP グループ連結財政状態計算書
12月31日現在
2019 2018
注記
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産の部
現金及び現金同等物 (E.3) 5,314 633,057 8,627 1,027,735
その他の金融資産 (D.5),(E.3) 297 35,382 448 53,370
営業債権及びその他の債権 (A.2) 7,908 942,080 6,362 757,905
その他の非金融資産 (A.3),(G.1) 1,188 141,526 889 105,907
506 60,280 293 34,905
未収税金
15,213 1,812,325 16,620 1,979,941
流動資産
のれん (D.2) 29,162 3,474,069 23,736 2,827,670
無形資産 (D.3) 4,491 535,013 3,227 384,433
有形固定資産 (D.4),(D.8) 5,496 654,738 3,553 423,269
その他の金融資産 (D.5),(E.3) 2,336 278,288 1,536 182,984
営業債権及びその他の債権 (A.2) 129 15,368 118 14,057
その他の非金融資産 (A.3),(G.1) 1,701 202,640 1,301 154,988
未収税金 435 51,822 397 47,295
繰延税金資産 (C.5) 1,251 149,032 1,014 120,798
45,002 5,361,088 34,881 4,155,374
非流動資産
60,215 7,173,413 51,502 6,135,433
資産合計
負債及び資本の部
営業債務及びその他の債務 1,581 188,345 1,491 177,623
未払税金 255 30,378 611 72,788
金融負債 (E.3),(D.8) 3,273 389,912 1,125 134,021
その他の非金融負債 (B.3),(B.5),(G.2) 4,818 573,968 4,120 490,816
引当金 (A.4),(B.4),(B.5),(B.6) 268 31,927 110 13,104
4,266 508,209 3,028 360,726
契約負債 (A.1)
14,462 1,722,858 10,486 1,249,197
流動負債
営業債務及びその他の債務 8 953 129 15,368
未払税金 538 64,092 495 58,969
金融負債 (E.3),(D.8) 12,923 1,539,517 10,553 1,257,179
その他の非金融負債 (B.3),(B.5),(G.2) 814 96,972 501 59,684
引当金 (A.4),(B.4),(B.5),(B.6) 478 56,944 270 32,165
繰延税金負債 (C.5) 82 9,769 102 12,151
89 10,603 88 10,483
契約負債 (A.1)
14,931 1,778,730 12,138 1,446,000
非流動負債
29,393 3,501,588 22,624 2,695,197
負債合計
資本金 1,229 146,411 1,229 146,411
資本剰余金 545 64,926 543 64,688
利益剰余金 28,783 3,428,919 27,407 3,264,996
その他の資本の構成要素 1,770 210,860 1,234 147,006
-1,580 -188,225 -1,580 -188,225
自己株式
親会社株主持分 30,746 3,666,821 28,832 3,434,756
非支配持分 76 9,054 45 5,361
30,822 3,671,825 28,877 3,440,117
資本合計 (E.2)
60,215 7,173,413 51,502 6,135,433
負債及び資本合計
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第16号の適用方法のもと、過年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.１)を参照。
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SAPグループ連結資本変動計算書
12月31日に終了した事業年度
非支配 資本
親会社株主持分
持分 合計
その他の資本の
資本金 資本 利益 自己株式 合計
構成要素
剰余金 剰余金
注記 (E.2) (E.2) (E.2) (E.2)
百万ユーロ
146,411 71,359 2,655,050 398,609 -130,924 3,140,386 2,502 3,143,007
2017/1/1
税引後利益 477,473 477,473 4,527 482,000
その他の包括利益 2,621 -338,091 -335,470 -335,470
包括利益 479,975 -338,091 141,884 4,527 146,411
株式報酬 -5,123 -5,123 -5,123
配当 -178,576 -178,576 -7,863 -186,438
自己株式の取得 -59,565 -59,565 -59,565
株式報酬による自己株式の再
発行 1,549 953 2,621 2,621
ハイパーインフレーション -2025 -2,025 -2,025
企業結合による増加 -3931 -3,931 4,170 238
238 238 238 477
その他
146,411 67,904 2,950,731 60,518 -189,536 3,035,909 3,693 3,039,602
2017/12/31
IFRS15 号の適用 9,888 9,888 9,888
16,083 -19,061 -2,978 -2,978
IFRS ９号の適用
146,411 67,904 2,976,701 41,338 -189,536 3,042,818 3,693 3,046,511
2018/1/1
税引後利益 486,408 486,408 715 487,003
その他の包括利益 1,310 105,668 106,979 106,979
包括利益 487,599 105,668 593,267 715 593,982
株式報酬 -4,765 -4,765 -4,765
配当 -199,066 -199,066 -1,549 -200,615
株式報酬による自己株式の再
発行 1,549 1,310 2,859 2,859
株式発行 834 834 834
ハイパーインフレーション -953 -953 -953
非支配株主持分の変動 0 2,263 2,263
-238 -238 357 119
その他
146,411 64,688 3,264,996 147,006 -188,225 3,434,756 5,361 3,440,117
2018/12/31
IFRS16 号の適用 -8,458 -8,458 -8,458
2019/1/1 146,411 64,688 3,256,538 147,006 -188,225 3,426,298 5,361 3,431,778
税引後利益 395,631 395,631 5,957 401,468
その他の包括利益 -6,195 63,854 57,540 57,540
包括利益 389,317 63,854 453,171 5,957 459,127
株式報酬 238 238 238
配当 -213,243 -213,243 -2,263 -215,625
ハイパーインフレーション -3,455 -3,455 -3,455
-238 -238 0 -238
その他
146,411 64,926 3,428,919 210,860 -188,225 3,662,771 9,054 3,671,825
2019/12/31
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第９号、第15号及び第16号の適用方法のもと、過年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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有価証券報告書
SAPグループ連結キャッシュ・フロー計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 2018 2017
注記
百万 百万 百万 百万円
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ
税引後利益 3,370 401,468 4,088 487,003 4,046 482,000
税引後利益から営業活
動による正味キャッ
シュ・フローへの調整:
償却費 (D.2)-(D.4) 1,872 223,011 1,362 162,255 1,272 151,533
株式報酬費用 (B.3) 1,835 218,604 830 98,878 1,120 133,426
税金費用 (C.5) 1,226 146,053 1,511 180,005 983 117,105
金融収益（純
額） (C.4) -198 -23,588 47 5,599 -188 -22,396
営業債権に対する貸
倒引当金の増減 14 1,668 -67 -7,982 -32 -3,812
その他の非貨幣取引
の調整 -54 -6,433 3 357 -9 -1,072
営業及びその他債権
の増減 -1,469 -175,002 136 16,202 -309 -36,811
その他の資産の増減 -583 -69,453 -477 -56,825 -325 -38,717
営業債務、引当金及
びその他の債務の増減 328 39,075 240 28,591 63 7,505
契約負債の増減 984 117,224 -561 -66,832 718 85,535
株式報酬 -1,257 -149,746 -971 -115,675 -849 -101,141
利息の支払額 -341 -40,623 -251 -29,902 -200 -23,826
利息の受取額 97 11,556 99 11,794 88 10,483
-2,329 -277,454 -1,687 -200,972 -1,332 -158,681
法人税の支払額(還付後の純額)
営業活動より生じた
3,496 416,478 4,303 512,616 5,045 601,011
キャッシュ・フロー
企業結合に伴う支出
合計（取得現金及び現
金同等物控除後） (D.1) -6,215 -740,393 -2,140 -254,938 -291 -34,667
子会社、事業の売却
による収入 61 7,267 0 0 0 0
無形固定資産及び有
形固定資産の取得 -817 -97,329 -1,458 -173,692 -1,275 -151,891
無形固定資産及び有
形固定資産の売却によ
る収入 71 8,458 57 6,790 97 11,556
他の会社の株式又は
負債性金融商品の取得
による支出 -900 -107,217 -1,013 -120,679 -2,914 -347,145
株式又は負債性金融
778 92,683 1,488 177,265 3,272 389,793
商品の売却による収入
投資活動より生じた
-7,021 -836,412 -3,066 -365,253 -1,112 -132,473
キャッシュ・フロー
配当金の支払い (E.2) -1,790 -213,243 -1,671 -199,066 -1,499 -178,576
非支配株主への配当
金の支払い -17 -2,025 -7 -834 -45 -5,361
自己株式の取得によ
る支出 (E.2) 0 0 0 0 -500 -59,565
借入による収入 (E.3) 3,622 431,489 6,368 758,620 27 3,217
借入金の返済 (E.3) -1,309 -155,941 -1,407 -167,616 -1,391 -165,710
リース負債の支払 -403 -48,009 0 0 0 0
0 0 0 0 2 238
非支配株主との取引
財務活動より生じた
102 12,151 3,283 391,104 -3,406 -405,757
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物に
対する為替レート変動
の影響 110 13,104 97 11,556 -218 -25,970
現金及び現金同等物の
純増減 -3,313 -394,678 4,617 550,023 309 36,811
現金及び現金同等物
期首残高 (E.3) 8,627 1,027,735 4,011 477,830 3,702 441,019
現金及び現金同等物
期末残高 (E.3) 5,314 633,057 8,627 1,027,735 4,011 477,830
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有価証券報告書
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
選択したIFRS第９号、第15号及び第16号の適用方法のもと、過年度の修正再表示は行っていない。詳細は、注記(IN.1)参照。
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SAP SE 及びその子会社
IFRS 連結財務諸表に対する注記
(IN.1) 前提
概要
SAP SEの登録所在地はドイツのヴァルドルフである（マンハイム下級裁判所の商業登記番号はHRB 719915）。
SAP SE及びその子会社（合わせて「我々」「SAP」「グループ」「会社」という）の2019年度の連結財務諸表は 国際財務報告
基準 (以下、IFRS ) に準拠して作成されている 。
我々は、2019年12月31日時点で有効かつ欧州連合（以下、EU）が承認している全てのIFRS基準及び解釈指針を適用してい
る。なお、有効であるがEUが未承認の基準又は解釈指針で、2019年、2018年、2017年12月31日終了事業年度の連結財務諸表に
影響の与えるものはない。そのため、我々の連結財務諸表は国際会計基準審議会（IASB）が公表し、EUの承認したIFRSに従っ
ている。
SAPの役員会は当該連結財務諸表を2020年2月18日付で承認し、監査役会はその提出を受けた連結財務諸表を2020年2月19日付
で承認した。
連結財務諸表の全ての残高は、別途記載がない限り百万ユーロ単位で記載されている。なお、端数処理の影響により、当該
連結財務諸表内の数値の合計やパーセンテージは正確に一致しないことがある。
連結損益計算書又は 連結財政状態計算書から注記に直接引用している数値は、それぞれ 及び の記号が付されてい
る。
比較情報
2018 年1月1日より、累積的キャッチアップ法及び2018年1月1日時点で完了していない顧客との契約にのみ新基準の適用のた
めの実務上の便宜を用いてIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を遡及的に適用している。IFRS第15号の適用にあた
り、SAPはいくつかの会計方針を改訂している。累積的キャッチアップ法の下、財務諸表に表示されている2017年度の金額は、
これらの変更された会計方針に準拠するように修正再表示されていない。
同じく2018年1月1日より、完全遡及適用の例外を用いてIFRS第9号「金額商品」を適用している。金融資産の分類の違い、新
減損規定、ヘッジコストの取扱いの違いによる影響は、2018年1月1日の貸借対照表における利益剰余金に認識された。財務諸
表に表示されている2017年度の比較情報は修正再表示されていない。
2019年時点1月1日より、修正遡及適用アプローチを用いてIFRS第16号「リース」を適用している。基準を初めて適用するこ
とによる累積的影響額は、適用開始日における利益剰余金の期首残高の調整として認識され、2018年度及び2017年度に係る前
期数値は調整されていない。IFRS第16号の適用に関する詳細は、注記(D.8)参照のこと。
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有価証券報告書
会計方針、経営者による判断、並びに見積りの不確実性に関する情報源
会計方針、判断、並びに見積りの開示方法
財務諸表の理解に資するため、各題目に、会計方針、経営者による判断、並びに見積りの不確実性に関する情報源（以下、
「会計方針、判断、並びに見積り」）について、その他の開示内容と共に記載している。その題目とは関係のない会計方針、
判断、並びに見積りについては、後のセクションに記載している。
会計方針、判断、並びに見積りについての記載を特定しやすくするため、薄灰色のボックスで強調表示するとともに当該各
記載には記号 を付している。これらは、現行のIFRSのフレームワーク内で行われた会計上の選択に焦点を当てており、注記
の内容を理解する上で特に重要でない限りは、基になる公布されているIFRSガイダンスの記載の繰り返すことは控えている。
次表は、当社の会計方針、判断、並びに見積りが開示されている箇所の概要を示している。
注記
会計方針、判断、並びに見積り
(IN.1) 前提
(A.1) 収益
(A.2) 営業債権及びその他の債権
(A.3) 資産計上された顧客との契約から生じるコスト
(A.4) 顧客関連引当金
(B.3) 株式報酬
(B.4) 年金制度及び類似の債務
(B.5) その他従業員関連債務
(B.6) リストラクチャリング
(C.1) セグメントの業績
(C.5) 法人所得税
(D.1) 企業結合
(D.2) のれん
(D.3) 無形資産
(D.4) 有形固定資産
(D.5) 持分投資
(D.8) IFRS第16号の適用
(E.3) 流動性
(F.1) 金融リスク要因及びリスク管理
(F.2) 金融商品に関する公正価値の追加開示
(G.1) 前払費用及びその他の税金資産
(G.3) 訴訟、損害賠償請求並びに法的偶発事象
(G.5) 取締役会及び監査役会報酬
一般的な会計方針
測定基準
本連結財務諸表は以下を除き、取得原価を基礎として作成されている。
- デリバティブ金融商品及び現金決済型株式報酬にかかる負債は公正価値で測定されている。単に元本又
は利息の支払いだけではないキャッシュ・フローを持つ金融資産についても公正価値で測定されてい
る。
- 退職後給付は年金資産の公正価値を控除した確定給付債務の現在価値で測定されている。
- 外貨建貨幣性資産及び負債は期末為替相場で換算されている。
- 超インフレ会計を適用する子会社の財務諸表
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外貨及びハイパーインフレーション
ユーロ以外の機能通貨を用いる海外子会社の収益、費用及び営業キャッシュ・フロー項目は、月次で平均為替相場(FX)によ
り換算する。外貨建取引の換算差額は、その他の営業収益/費用（純額）に計上される。
アルゼンチン及びベネズエラの子会社について、報告日時点の物価指数を基に現地通貨の一般購買力の変化を反映させるた
め、当期の財務諸表を修正再表示することにより、超インフレ会計を適用している。修正再表示されたアルゼンチン及びベネ
ズエラの子会社の財務諸表は、決算日レートに変換されている。
会社に影響のある主要通貨の為替相場は以下の通り。
為替相場
期末為替相場 期中平均為替相場
（1ユーロあたり）
2019 2018 2019 2018 2017
アメリカドル
USD
1.1234 1.1450 1.1196 1.1815 1.1315
日本円 JPY 121.94 125.85 122.06 130.41 126.85
イギリスポンド GBP 0.8508 0.8945 0.8773 0.8847 0.8770
スイスフラン CHF 1.0854 1.1269 1.1127 1.1549 1.1159
カナダドル CAD 1.4598 1.5605 1.4857 1.5302 1.4644
オーストラリアドル AUD 1.5995 1.6220 1.6106 1.5799 1.4794
原価分類
クラウド及びソフトウェアの原価
クラウド及びソフトウェアの原価は、クラウド及びソフトウェア収益を生み出すための製品の製造サービス
の提供により発生した費用を含んでいる。従って、当項目にはこれらのサービスに関連する人件費、取得し
た無形固定資産に係る償却費、外部へのライセンス料、有形固定資産に係る償却費（例えば、我々がクラウ
ドソリューションを提供するデータセンターの償却費）、及び外部のホスティングサービス費用を含んでい
る。
サービスの原価
サービスの原価は、収益を獲得するためのサービスの提供により発生した費用を含んでいる。したがって、
当該項目には主として、人件費、関連するトレーニング、システム、システム管理費用、外部リソースコス
ト、モバイル情報及びモバイルコマースサービスを有効化するための費用が含まれている。
研究開発費
研究開発費は、システム開発に係る人的資源及びハードウェア費用を含む、ソフトウェアソリューション
(新製品、アップデート、機能拡張)の開発活動に関連した費用を含んでいる。開発により内部で生み出され
た無形資産についての詳細な情報は、注記(D.3)を参照。
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販売費
販売費には、当社のソフトウェア及びクラウドソリューションとサービス・ポートフォリオに関連する販売
活動(販売手数料及び資産化した販売手数料の償却など)及びマーケティング活動にかかった費用が含まれ
る。
一般管理費
一般管理費は、他の営業費用項目に直接的に帰属させることのできない、財務及び管理機能、人事並びに経
営全般に関する費用である。
経営者による判断及び見積りの不確実性に関する情報源
連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の適用や資産、負債、収益、費用の報告金額及び偶発債務の開
示に影響を与えるような判断、見積り及び仮定を経営者が実施する必要がある。
我々の判断、見積り、仮定は、過去及び将来の見込みの情報及び我々又は顧客が活動する地域や業界の経済
的状況を基にしている。これらの条件の変動は見積りに不利な影響を与える可能性がある。当社は、対象と
なっている不確実性について、その最終的な帰結を合理的に見積もっているものの、これらの事象の最終的
な結果が、資産、負債、収益、費用及び開示された偶発債務に反映されているものと一致すると保証するこ
とはできない。実際の成果は当初見積りと相違しうる。
当社が判断、見積り、仮定を行うことを最も頻繁に又は特に求められる、つまり当社の経営成果を理解する
のに最も重要な会計方針には以下が含まれる。
注記
重要な会計方針
(A.1) 収益認識
(A.2) 営業債権の評価
(A.4), (G.3)
法的偶発事象の会計処理
(B.3) 株式報酬の会計処理
(C.5) 法人所得税の会計処理
(D.1) 企業結合の会計処理
(D.2) のれんの会計処理
(D.3) 無形資産の会計処理（開発により内部で創設された無形資産の認識を含む）
当社の経営陣は、これらの重要な会計方針について、監査役会の監査委員会と定期的に議論している。
未適用の会計基準
IASB は新しい概念フレームワークに加えて、SAPに関連しているが未発効のIFRS基準（IFRS第3号(事業の定
義)やIFRS第9号(金利指標改革）など)に対する種々の改正を公表している。当社は、現在SAPに対する影響
を評価中であるが、財政状態又は経営成績に重要な影響はないと見込んでいる。
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セクションA – 顧客
このセクションは、当社の顧客との契約に関する開示について記載している。これらには当社が収益を認識する方法、収益
の内訳、並びに当社の売掛金及び顧客関連債務に関する情報が含まれているが、これらに限定されない。
(A.1) 収益
顧客との契約から生じる収益の会計処理
収益の分類
当社は、当社が提供するクラウドサービスの使用、オンプレミス・ソフトウェア製品のライセンス、標準
化されたプレミアムサポートサービス、コンサルティング、顧客特有のソフトウェアの開発、トレーニン
グ、その他のサービスにより顧客に請求する報酬から収益を獲得している。
クラウド及びソフトウェア収益は、連結損益計算書に記載の通り、クラウド収益、ソフトウェアライセン
ス収益並びにソフトウェアサポート収益の合計である。
－ クラウド収益は、顧客に以下のいずれかを提供することにより得られる報酬を表す。
● サービスとしてのソフトウェア(SaaS）、すなわち、当社又は当社が契約した第三者が提供するク
ラウドベースのインフラストラクチャーにあるソフトウェア機能（標準機能、カスタムクラウド・
アプリケーション及び拡張機能を含む）を使用することができる権利を付与するサービス。この場
合、顧客は当社が提供するクラウドのホスティング契約を解約することはできず、また、ソフト
ウェアを所有して自身のITインフラストラクチャー上で使用したり、外部の第三者と契約してソフ
トウェアを提供、管理したりする権利を持たない。SaaSには、当社のネットワーク事業の顧客が当
社のクラウドベースの取引プラットフォーム上で実行する取引に対する取引手数料及び代行手数料
も含まれる。
● サービスとしてのプラットフォーム（PaaS）、すなわち、アプリケーションを開発、実行、管理す
るためのクラウドベースのインフラストラクチャーを使用することができる権利を付与するサービ
ス。
● サービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS)、すなわち、当社又は当社が契約した第三者が提
供するソフトウェアのためのホスティング及び関連するアプリケーションの管理サービス。
● 基本的なクラウド・サブスクリプション料に含まれる標準サポートを超えたプレミアムクラウドサ
ポート
－ ソフトウェアライセンス収益とは、顧客の敷地内で使用するための顧客へのソフトウェアの販売又は
ライセンスから得られる報酬を表す。すなわち、顧客は顧客の敷地内又は外部の第三者が提供する
ハードウェアへインストールするためにソフトウェアの所有権を有する（オンプレミス・ソフトウェ
ア）。ソフトウェアライセンス収益は、標準ソフトウェアの販売及び顧客固有のオンプレミス・ソフ
トウェア開発契約からの収益を含む。
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－ ソフトウェアサポート収益は、不特定の将来におけるソフトウェアアップデート、アップグレード及
び拡張機能を含む標準化されたサポートサービス並びにオンプレミス・ソフトウェア製品に対する技
術製品サポートサービスを顧客に提供することから得られる報酬を表す。
サービス収益は主に専門的なコンサルティングサービス、プレミアムサポートサービス、トレーニング
サービス及びメッセージングサービスから得られる報酬を表す。
契約の識別
当社は、頻繁に同一の顧客と複数の契約を締結するが、会計上複数の契約がほぼ同時に締結され、経済的
に相互に関係していれば会計上は一つの契約として扱う。締結日が3か月間以上離れた契約については、
当該契約を同時期に締結したとみなせないため、結合しない。二つまたはそれ以上の契約が相互に関連し
ているかどうかの評価にあたっては判断が必要となる。これらの判断には、複数の契約が単一の商業的目
的を有するパッケージとして交渉されているかどうか、ある契約の対価の額が他の契約の履行に依存する
ものかどうか、契約上のいくつかまたはすべての商品が単一履行義務であるかどうかの検討を含む。
既存の顧客との新たな約定は、新たな契約か顧客との過去の契約の修正のいずれにもなり得る。当該事項
の決定の行う際には、新規合意と既存契約に関連性があるかどうか、新規合意における商品とサービス
は、以前の契約における商品及びサービスと強く相互関連しているかどうか、どのように新規合意の商品
とサービスの価格が決められているか、といった事項を都度考慮する。取引価格の変更が、契約の変更ま
たは変動対価における変更のいずれに該当するかを決定する際には、取引価格の変更が、契約の変更によ
るものか、もしくは既存契約の条項の適用によるものかどうかを検討する。
履行義務の識別
当社の顧客との契約は、しばしば様々な製品とサービスを含む。 通常、“収益の分類“セクションで概
説されている製品及びサービスは別個の履行義務となり、製品とサービスに按分された取引手数料は、別
個に収益認識される。財又はサービスが別個の履行義務であるかどうかを決定する際には、しかしなが
ら、判断が必要である。特に、当社の専門的なサービスと実装活動では、そのようなサービスが関連する
オンプレミス・ソフトウェア、またはクラウドサービスを著しく統合、カスタマイズもしくは変更してい
るかどうかを評価するために判断が必要である。このように、サービスの性質と、サービスが関連するオ
ンプレミス・ソフトウェアまたはクラウドサービスの量に対する相対的な割合を検討する。通常、当社の
クラウドサービスの実装サービスは、単純な設定作業を超えるものであり、別個の履行義務となるもので
ある。同様に、当社のオンプレミス実装サービスとカスタム開発サービスは通常別個の履行義務とみな
す。区分不能の財及びサービスは、単一の財及びサービスとして結合させる（結合履行義務）。
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財又はサービスを販売する際、当社は頻繁に顧客に追加的な財やサービス（例えば、更新可能なサービス
の更新や、購入したソフトウェアの追加）を獲得するオプションを付与する。当社は、このようなオプ
ションが、当該契約を締結しなかった場合には得られなかった重要な権利（重要な権利オプション）を顧
客に提供しているかどうかを判断する必要がある。この判断にあたり、販売された財又はサービスを個別
に販売する際に適用される割引を超過するような割引が、当該オプションと共に販売される際に顧客に付
与されるかどうかを判断する。
取引価格の決定
約束した財又はサービスの顧客への移転と交換に当社が権利を得ると見込まれる金額を決定する際には判
断が必要となる。この判断には、事後的な値引きや支払いが顧客に許可されるかどうか、及びその程度、
並びに、顧客が契約上の対価を支払うと見込まれるかどうかについての見積りが含まれる。この判断にあ
たっては、個々の顧客及び顧客層についての過去の経験を考慮している。
当社の典型的なクラウドサービスの場合、顧客はホスティング契約を解約することはできず、また、ソフ
トウェアの所有権を保持しないため、顧客に対してソフトウェアライセンスを付与しない。そのため、取
引量基づくクラウド使用料は、売上高に基づくライセンスロイヤリティとして会計処理されるのではな
く、見積りに基づいて取引価格が決定される。
ごく稀に、契約に重要な金融要素が含まれることがある。当社が顧客に約束した財又はサービスを移転し
た時点と顧客が対価を支払う時点が一年以内である場合には、金融要素を考慮しない。
取引価格の配分
顧客契約の取引価格を契約内の履行義務に配分するために使用する独立販売価格（SSPｓ）を特定するた
め、当社は以下のヒエラルキーを設定している。
－ 独立販売価格が、観察可能で顧客間で合理的な一貫性を有する場合（つまり、著しい変動がない場
合）、独立販売価格はそれぞれの過去実績に基づいて見積もる。通常、標準サポート提供と専門的な
サービス提供は、このアプローチを適用する。
－ 販売価格が直接的に観察可能でない、または顧客によって著しく変動する場合、以下の見積り方法を
用いる。非常に変動的な価格設定の更新可能サービスについては、価格が実質的である場合に限り、
個々の契約で予想される更新価格を考慮する。通常、当社のクラウドサービスは、このアプローチを
適用する。更新可能でないサービスについてはこれらの見積りはコストプラスマージンアプローチに
よる。
－ 更新がなく、価格が著しく変動し、コストプラスマージンアプローチに基づいて見積もるための実質
的な直接費用がない製品については、取引価格を残余アプローチにより配分する。当社は特に標準的
なオンプレミス・ソフトウェア製品にこの手法を用いる。
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独立販売価格を見積もる際は、判断が必要となる。当社の製品又はサービスの過去の価格の実績が著しく
変動したかどうかについての判断にあたり、価格変動性についての基準値を設定している。また、契約上
の更新価格が実質的であるかどうかの判断にあたって、契約上の更新価格が一定の最低価格を下回る際に
独立販売価格として使用する基準価格を設定している。契約上の更新価格で契約が更新される見込みであ
るかどうかの判断にあたっては、個々の更新履歴に基づくことにしている。重要な権利オプションの独立
販売価格は、オプションを行使する確率に基づいて判断する。この確率を見積もる際には、当社は過去の
行使状況を考慮している。
当社は利用可能な最も客観的な入力パラメータを使用することを担保するため、定期的に、また、事実や
状況が変化する度に独立販売価格を見直している。
収益の認識
クラウド収益は、サービス提供期間にわたって認識される。当社の履行義務が、クラウドサービスに対す
る継続的なアクセス権、及び利用権を一定期間付与することである場合、収益は時の経過に応じ、当該
サービス提供期間に対して比例的に認識される。
ソフトウェア収益は、標準的なソフトウェア、顧客固有のソフトウェア、又はソフトウェアの提供と将来
の不特定のソフトウェア製品を提供する義務を組み合わせたソフトウェアサブスクリプション契約を提供
するかどうかに応じて、一時点、もしくは一定期間にわたって認識される。
－ 標準的なオンプレミス・ソフトウェア製品のライセンスは、通常、顧客にソフトウェアをダウンロー
ドするためのアクセス権を付与することにより提供され、アクセス権が付与されたときにライセンス
期間がスタートする。このようなオンプレミス・ライセンスの収益は、顧客がソフトウェアにアクセ
スし、それにより制御できるようになった時点で認識される。オンプレミス・ソフトウェア製品が、
顧客に対しアクセス権利ではなく、知的財産権を使用する権を付与しているかどうかの判断にあた
り、事後的なアップデートを含まない当該ソフトウェアの有用性に基づいて判断する。
－ 代表的な顧客固有のオンプレミス・ソフトウェアの開発契約は、以下のようなものである。
● 顧客ごとの特定の要求に応じて開発されたソフトウェアであり、これらの製品は代替的な利用
方法がない。
● 現時点までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利をもたらす。
そのような開発契約については、ソフトウェア開発の進捗率に応じて一定の期間にわたり収益を認識す
る。履行義務の完全な充足に向けての進捗率を測定する適切な方法を決定するには、判断が求められる。
通常、ソフトウェアの開発においてこれまでに発生した直接費が開発作業を完了させるために合理的に見
積もられる直接費の合計に占める割合として、開発契約の進捗率を測定する（工事進行基準）。開発費用
の実質的に全ての部分は開発作業を実施しているエンジニアまたは第三者の開発作業の費用であるため、
この進捗率の測定の方法は、顧客への開発サービスの移転状況を忠実に表している。開発作業の完了まで
の総費用の見積りにあたっては、類似した過去のプロジェクトの実績を考慮する
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－ ソフトウェアの提供と将来の不特定のソフトウェア製品を提供する義務を組み合わせた契約について
は、顧客が直ちにアクセスできるようになったライセンスのある時点で収益を認識する。当社の履行
義務は不特定のソフトウェア製品をいつでも利用可能な状態を整えることであるため、それらの製品
に対するソフトウェアサブスクリプション契約の契約期間にわたって収益を認識する
ソフトウェアサポート収益は通常、サポート契約期間にわたって収益認識される。標準化されたサポート
サービスに基づく当社の履行義務は、技術的な製品サポート及び不特定の更新、アップグレード、並び
に、機能の拡張をいつでも利用可能な状態を整えることにある。顧客はこれらのサポートサービスの便益
を当社が履行するのと同時に受けて消費する。
通常、サービス収益は時の経過とともに認識される。サービスを提供する準備ができている場合（学習コ
ンテンツへのアクセス権など）、当社は時の経過に基づいて収益を認識するため、サービス期間にわたっ
て収益を認識している。消費に基づくサービス（個別に識別可能なコンサルティングサービス、プレミア
ムサポートサービス、メッセージサービス、及び集合形式のトレーニングサービスなど）はサービスが利
用されるにつれて、一定の比率で又は工事進行基準に基づいて認識される。工事進行基準を適用する際、
顧客固有のオンプレミス・ソフトウェア開発契約と同様の方法及び同様の論拠と判断に基づいて、履行義
務の充足の完了に向けた進捗率を測定する。あるサービスが提供準備の整っているサービスかサービスの
消費に基づくものかの区別については、判断を適用する。
結合された履行義務の収益は、結合された履行義務を構成するすべての契約のうち、最も長い期間にわ
たって認識される。
収益を一時点で認識するか、一定の期間にわたって認識するかを区別するにあたっても判断が必要とな
る。一定の期間にわたって充足される履行義務について、当社のパフォーマンスをもっとも適切に反映す
る方法で進捗率を測定する必要がある。一定の期間にわたって収益を認識するために発生原価を進捗率の
測定に使用する場合は、履行義務の充足に必要な総原価を見積もるために判断を適用する。
上述の判断と見積りはいずれも認識される収益の金額及び時期に重要な影響を与える可能性がある。
契約残高
当社は履行義務が充足されていくにつれて、充足した履行義務に対応する債権を認識し、請求可能になっ
た時点で全額売上債権を認識する。この際、対価について無条件で受け取ることのできる権利であるかど
うか、すなわち債権の要件を満たしているかについて判断が必要となる。
契約負債は、主に収益認識前に期日の到来した請求又は顧客から受けた支払によって構成される。
通常、当社は標準的なオンプレミス・ソフトウェアに対する料金は、契約を締結し製品を提供した時点で
請求している。クラウド・サブスクリプションサービス、ソフトウェアサポートサービス、及びその他の
複数期間契約に対する期間定額料金は、通常、毎年または四半期毎に事前に請求される。当社の契約負債
残高の多くはこのような料金の前払い勘定である。クラウド・サブスクリプションの実際取引量に基づく
料金、及び非定期サービスに対して請求される料金は、サービスの提供に応じて請求している。契約タイ
プと地域によって支払条件と期間は変化するが、通常、30日～60日以内を支払期限としている。
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地域別情報
下表の地域別収益の額は、顧客の所在地を基礎としている。下表の地域はEMEA（ヨーロッパ、中東及びアフリカ）、南北ア
メリカ（北米及び中南米）、及びAPJ（アジア太平洋地域及び日本）である。
顧客所在地別総収益
2019 2018 2017
(百万ユーロ)
ドイツ 3,948 3,658 3,352
8,158 7,446 7,063
その他のEMEA地域
12,105 11,104 10,415
EMEA
米国 9,085 7,880 7,436
2,109 1,832 1,911
その他の南北アメリカ地域
11,194 9,713 9,347
南北アメリカ
日本 1,180 963 885
その他のAPJ地域 3,074 2,928 2,814
4,254 3,891 3,699
APJ
27,553 24,708 23,461
SAP グループ
地域別の主な収益分類
クラウド収益 クラウド及びソフトウェア収益
(百万ユーロ)
2019 2018 2017 2019 2018 2017
EMEA 2,115 1,441 1,029 10,211 9,339 8,759
南北アメリカ 3,945 2,941 2,321 9,172 7,973 7,666
872 611 419 3,629 3,310 3,124
アジア太平洋日本
6,933 4,993 3,769 23,012 20,622 19,549
SAP グループ
セグメント別収益及び地域別セグメント収益の内訳に関しては注記(C.1)参照のこと。
残存履行義務
残存履行義務に配分した顧客契約の取引価格の金額は、未認識の契約収益を表している。それらには、契約負債として認識
されている金額、および契約されているが未だ期限が到来していない金額が含まれる。
2019年12月31日現在の未充足又は部分的に未充足の履行義務に配分した取引価格は、355億ユーロ（2018年12月31日：313億
ユーロ）である。この金額の大部分はソフトウェアサポート又はクラウド・サブスクリプションサービスの提供義務によるも
のであり、これらのサービスの契約期間が通常1年又は複数年に跨っていることによる。
この金額の大部分は、各貸借対照表日から翌12ヶ月間にわたり収益認識されると見込んでいるが、当該見積りには、将来の
契約変更の可能性についての見積りを考慮する必要があるため、当社の最善の判断に基づいている。残存履行義務に配分され
る取引価格の金額、及び時の経過による当該金額の変動は、とりわけ次の影響を受ける。
－ 通貨価値の変動
－ 貸借対照表日現在に残存するクラウド契約及びソフトウェアサポート契約の契約期間、および、当該契約の更新時期
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過年度に充足した履行義務
当報告期間において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益は、主に工事進行基準の契約に関連する見積りの変
更および変動対価の見積りの変更から生じた77百万ユーロ（2018年12月31日：132百万ユーロ）であった。
契約残高
2019年12月31日現在の契約負債は44億ユーロ （2018年12月31日: 31億ユーロ）である。
契約負債の増加は主に請求及び請求書の期限が到来したこと（90億ユーロ）に起因する。契約負債の減少は主に履行義務の
充足（80億ユーロ）によるものである。Qualtricsの買収は契約負債残高の増加に寄与した（詳細については、注記(D.1)参照
のこと）。
当報告期間に認識した収益のうち報告期間の期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は、26億ユーロ（2018年12月31
日：32億ユーロ）である。
(A.2) 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の会計処理
当社は、営業債権及び顧客との契約から生じる契約資産を償却原価から予想信用損失を差し引いた金額で
測定している。当社はポートフォリオごとに貸倒引当金を計上することにより予想信用損失を計上してい
る。当社は、債権の当初測定時に全期間にわたって発生すると予想される信用損失を考慮するという減損
の簡便的アプローチを適用している。これらの損失を見積もるために引当マトリクスを使用している。
さらに、信用減損の客観的証拠がある場合、当社は個々の債権に対する引当金を認識する。
回復の可能性が非常に低いと判断した場合、債権残高は部分的に又は全額貸倒れ処理される。
営業債権に対するデフォルトリスクの分析及び管理方法、引当マトリクスの損失率の決定方法、信用減損
の決定方法及び当社の貸倒れ処理の基準については、注記(F.1) 信用リスクに関するセクションを参照。
連結損益計算書上、純損益には引当マトリクスの適用による予想信用損失引当金、信用が毀損している顧
客残高、及びその他の営業収益/費用（純額）に含まれる貸倒れ及び関連する戻し入れによる収益/費用が
含まれている。為替レートの変動による損益は、その他の営業外収益/費用（純額）に含まれている。
予想信用損失引当金の決定には、重要な判断が含まれる。 当社は主に引当マトリクスのリスククラスに
おける信用損失に関する過去の経験及び滞留債権に関する現在のデータを考慮して判断している。 当社
の過去のデフォルト率は、将来の予想デフォルト率に対する合理的な近似値であると考えている。引当マ
トリクスの作成にあたり、過去のデータに加えて、合理的かつ裏付け可能な将来の情報（例えば、カント
リーリスク格付の変化、顧客が所在する国のクレジットデフォルトスワップの変動）を考慮している。
売掛金が回収可能かどうかの評価には、デフォルトに関する仮定を設定する必要があるが、当該仮定は大
幅に変わる可能性がある。
この判断に際し、当社は特定の顧客の財務状況に関する入手可能な情報を評価し、信用損失が発生したか
どうか及び発生すると判断した場合、損失が合理的に見積り可能かどうかを判断する。信用損失が発生し
ており合理的に損失を見積り可能であるならば、当該特定の顧客に対する引当金計上が必要である。過去
の実績は将来の動向を示していない可能性があるため、残りの債権に対する予想信用損失を主に当社の過
去の損失実績に基づいて決定することも同様に判断を要する。また、予想信用損失引当金の損失率に合理
的かつ裏付け可能な将来見通しに関する情報を含めることは、将来の成長に対する信頼性のある予測と
なっていない可能性もあるため、判断を必要とする。
営業債権及びその他の債権
2019 2018
(百万ユーロ)
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
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有価証券報告書
営業債権（純額） 7,561 21 7,582 6,182 6 6,188
346 108 454 180 112 293
その他の債権
7,908 129 8,037 6,362 118 6,480
合計
2019年12月31日現在の契約資産は234百万ユーロ （2018年12月31日: 116百万ユーロ）である。
営業債権に対する財務リスク、信用リスクの管理方法並びに営業債権及び契約資産に対する引当金の詳細については、注記
(F.1)参照のこと。
(A.3) 顧客との契約から生じる資産化コスト
顧客契約獲得のためのコスト
顧客との契約から生じる資産化コストは当社の財政状態計算書上、非金融資産として分類される。
資産計上された顧客契約獲得のための増分コストは主に営業担当者に対する販売手数料からなる。特に当
該手数料が累積的な目標値に基づく場合や、１つの顧客契約における複数の履行義務に関連する場合、資
産計上すべき金額の決定に判断が必要となる。当社は累積目標に数え入れられるすべての顧客契約につい
て、このような累積目標の販売手数料を資産計上しているが、顧客契約の獲得以外に累積目標の達成に貢
献できない場合に限る。複数の履行義務を有する契約又はその可能性のある更新に対する手数料は、それ
ぞれの独立販売価格に関連するこれらの履行義務及び可能性のある更新に配分される。
当社は通常、顧客契約更新のために販売手数料を支払うことはなく、支払ったとしても新しい契約に対す
る手数料と同一の基準ではない。それゆえ、更新可能な新規契約に対して支払われる手数料は、これらの
契約の予想される更新にも関連していると判断している。従って、当社は新規顧客契約に対して支払われ
た販売手数料を、契約更新を含む予想契約期間にわたり定額法で償却している。これらの契約期間の見積
りには判断が求められる。この判断にあたり、当社は個々の契約における更新履歴を基に、当該更新履歴
が将来の更新状況を適切に示すものではないと思われる兆候がある場合は、当該部分の調整を行ってい
る。償却期間は、提供するサービスの種類に応じて18ヶ月から12年の範囲である。2019年において、オン
プレミスサポート契約に付与された販売手数料の償却期間は当社の更新履歴の変動を基に8年から12年に
調整された。顧客契約獲得に係る資産化費用の償却費は、販売費に分類される。顧客契約を獲得するため
に発生した増分コストの償却が1年以内であると見込まれる場合には、発生時に費用処理している。
顧客契約を履行するためのコスト
顧客契約を履行するために発生した資産化コストは、IFRS第15号以外の基準の範囲に含まれていない限
り、主としてカスタム・クラウド開発契約の直接費用から構成される。これらの費用は開発の完了後から
更新見込みを含むクラウド・サブスクリプションの契約期間にわたり定額法で償却される。費用が直接的
か間接的かどうかの評価及び契約期間の見積りには判断が必要となるが、当社の過去の経験をもとに、償
却期間は通常6年としている。
カスタムクラウド・アプリケーション開発および拡張機能の契約を履行するための資産化コストの償却
は、クラウド費用に含まれる。
顧客との契約から生じた資産化コスト
2019 2018
(百万ユーロ)
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
資産計上された顧客契約獲得コスト 414 1,318 1,732 326 1,006 1,332
66 117 183 35 66 101
資産計上された顧客契約履行コスト
480 1,435 1,915 361 1,072 1,433
資産計上した契約コスト
その他非金融資産 1,188 1,701 2,889 889 1,301 2,191
資産計上された契約コストが その他
非金融資産に占める割合（％） 40 84 66 41 82 65
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償却費用
(百万ユーロ) 2019 2018
資産計上された顧客契約獲得コスト 367 231
資産計上された顧客契約履行コスト 81 50
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(A.4) 顧客関連引当金
予想契約損失
顧客関連引当金は主に予想契約損失を含む。当社は情報が入手可能になり、状況が変化するにつれて、こ
れらの引当金を調整する。非流動引当金は、報告書日現在の予想決済額の現在価値によって測定されてい
る。
顧客関連の訴訟及び損害賠償請求
さらに、これらの引当金には顧客関連の訴訟及び損害賠償請求から生じる債務も含まれている。当社は
SAPソフトウェアの使用に基づいて提起された訴訟に対して補償を要求する顧客に関する訴訟、及び当社
が提供した製品及びサービスに不満を抱く顧客に関する訴訟を含む、様々な損害賠償請求及び法的手続に
直面している。顧客関連の訴訟および損害賠償請求から生じる債務は、当社の製品が第三者の特許、著作
権、企業秘密、またはその他の所有権を侵害しているとの損害賠償請求から生じる負債に対して、当社が
顧客に補償する場合に生じる。
これらの事項には不確実性があるため、入手可能な最新の情報に基づいて引当金を計上している。 引当
金計上の要否、及び引当金の計上金額について、重要な判断が必要となる。 特に、以下の項目について
の判断が必要となる。
－ 債務が存在するかどうか
－ 経済的便益の流出の可能性
－ 債務金額について、信頼性をもった見積りが可能かどうか
－ 債務を決済するために必要な支出額の見積り
各報告期間の末日に、当社は係争中の損害賠償請求及び訴訟に関連する潜在的な債務を再評価し、現在の
最善の見積りを反映するように引当金の金額を調整する。また、当社は、各報告期間の末日後、連結財務
諸表の公表承認前に入手した新しい情報を検討、評価し、報告期間末日に存在した状況に対し、追加情報
を提供するかどうかを判断している。当社の法令等に関連する偶発債務の会計処理の基礎となる見積りや
仮定が変更する場合、又はこれらの見積り及び仮定と異なる結果が生じる場合は、計上された各引当金の
帳簿価額に重要な調整又は追加が必要となる可能性がある。これらの訴訟および損害賠償請求から生じる
経済的便益の流出の予想される時期又は金額は、一般的に訴訟及び損害賠償請求を解決するために必要な
訴訟手続及び和解交渉の期間並びに複数の管轄区域における法的紛争の結果の予測不可能性に左右される
ため、不確実で推定することができない。
引当金を識別していない顧客関連の訴訟及び損害賠償請求に関連する偶発債務が存在するが、上述した訴訟等に係る不確実
性のため、これらに係る財務上の影響を見積もることは合理的ではないと判断している。
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セクションB – 従業員
このセクションは、従業員給付の枠組みについての財務的情報を記載している。このセクションは、注記 (G.5)及び当社の
Compensation Reportに記載のある主要な経営幹部についての報酬開示と併せて参照されたい。
(B.1) 従業員数
職能及び地域（EMEA（ヨーロッパ、中東及びアフリカ）,南北アメリカ（北米及びラテンアメリカ）、APJ（アジア太平洋日
本）ごとの従業員数は以下の通りである。
地域及び職能ごとの従業員数
2019 年12月31日 2018 年12月31日 2017 年12月31日
正規職員相当
南北 南北 南北
アメリ アメリ アメリ
EMEA カ APJ 合計 EMEA カ APJ 合計 EMEA カ APJ 合計
クラウド及びソ
フトウェア
6,501 4,426 5,361 16,288 6,341 4,268 5,374 15,983 5,869 3,895 4,719 14,482
サービス
8,250 6,018 5,971 20,239 8,120 5,736 5,620 19,476 7,536 4,878 4,965 17,379
研究開発
12,710 5,793 9,131 27,634 12,478 5,651 8,930 27,060 11,349 5,250 8,273 24,872
販売及びマーケ
ティング
10,205 10,368 5,209 25,781 9,843 9,452 4,918 24,213 9,196 9,169 4,854 23,219
一般管理
3,161 2,123 1,246 6,530 2,906 1,970 1,147 6,024 2,676 1,781 1,047 5,504
インフラ
2,220 984 654 3,859 2,160 951 631 3,742 1,732 855 501 3,087
SAP グループ
(12 月31日時
43,048 29,172 27,571 100,330 41,848 28,029 26,620 96,498 38,357 25,827 24,359 88,543
点）
上記のうち取得
338 1,638 137 2,113 657 952 434 2,043 149 133 7 289
による増加人数
SAP グループ
42,697 29,368 27,092 99,157 40,496 27,454 25,759 93,709 37,512 25,459 24,029 86,999
（月次平均）
(B.2) 従業員給付費用
従業員給付費用の内訳
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
給与 10,031 9,025 8,693
社会保障費用 1,477 1,339 1,281
1,835 830 1,120
株式報酬費用
年金費用 369 330 312
従業員関連リストラクチャリング費用 1,111 19 180
47 52 57
リストラクチャリング計画に関連しない解雇給付
14,870 11,595 11,643
従業員給付費用
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(B.3) 株式報酬
株式報酬費用の会計処理
損益計算書の分類
株式報酬には、従業員に発行される現金決済及び持分決済による報酬が含まれる。それぞれの費用は、従業
員給付として認識され、従業員が行う活動に従って連結損益計算書に分類されている。
現金決済による報酬について経済的にヘッジを行っている場合、ヘッジ手段の公正価値の変動も従業員給付
費用として利益又は損失に認識されている。ヘッジ手段の公正価値は、現在の市場の推定値を反映した市場
データに基づいている。株価リスクの詳細については注記(F.5)参照のこと。
評価、判断、及び見積りの不確実性の要因
株式報酬の公正価値を見積もる際に、予測株価の変動及び予測付与期間(株式報酬の行使又は期限切れまで
の平均残余期間の見積りを表している)等の一定の仮定を用いている。
また、これらの報酬の最終支払いは、業績達成指標及び行使日の株価に依存する。これらの仮定の変更、仮
定から乖離した実績により、株式報酬に係る負債の帳簿価格への重要な修正を必要とする場合がある。
LTI2016プランのもと付与された株式の公正価格は、同業他社(ピアグループインデックス)に対する業績及
び、インデックス価格とSAP株価の変動及び相関関係に依存する。
ストック・オプションの公正価値を見積もるにあたり、予測した価格変動が、最も感応度の高い仮定である
と考えている。現金決済型の将来支出額については、当社の株価が最も関連する要素である。LTI2016プラ
ンについては、将来支出は、株価だけでなくピアグループインデックスに対する業績が大きく影響する。こ
れらの要素の変動は、評価モデルで計算される見積公正価値及び将来支出に大きく影響を与えることがあ
る。
一部のプロラムでは、従業員に対してSAP株式の割引購入権を付与している。それらの割引は、従業員によ
る将来の役務提供に依存しないことから、割引購入権が付与されたときに費用として認識される。
キャッシュ・フロー計算書の表示
前期と異なり、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローで株式報酬プランの支払い
を個別に表示している。その結果、営業キャッシュ・フローの調整で表示されるその他の資産及びその他の
負債の変動は株式報酬関連の資産又は負債を含まないこととなった。前期の数値は、新たな表示方法に合わ
せて調整されている。
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損益計算書の営業費用は、下記の株式報酬費用を含んでいる。
機能別の株式報酬費用
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
クラウド及びソフトウェア原価
138 78 115
サービス原価 246 142 158
研究開発費 429 210 269
販売費 562 312 442
461 88 135
一般管理費
株式報酬費用合計 1,835 830 1,120
内、現金決済型株式報酬に関するもの
1,664 674 963
171 156 157
内、持分決済型株式報酬に関するもの
2019 年において、当社はリストラクチャリング計画に関連した操業上の理由による解雇によってすべて権利確定した株式報
酬79百万ユーロを支払った。これらの支払い及び将来のサービスに当初割り当てられた費用部分はリストラクチャリング費用
ではなく株式報酬として分類された。
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a) 現金決済型株式報酬制度
当社の主な株式報酬プランは以下の通りである。
長期インセンティブ2016プラン（LTI2016プラン）
LTI2016 プランの目的は、年間営業利益(非IFRS、通貨の為替変動を非考慮)の達成に報いること、取締役会メンバーの長期的
な関与を確実とし、主要なピアグループと比較した長期的なSAPの株価の実績に報いることである。
このバーチャルシェアプログラムは、2016年1月1日に有効となった。LTIトランシェは毎年付与され、期間は4年である
（2016-2019トランシェ）。毎年の付与は、 ユーロ建ての付与総額が最初に決定される。付与総額は、執行役員の契約目標額と
前年度の営業利益目標達成度に基づいている。監査役会が営業利益目標達成度を考慮して契約目標額の80％から120％の間のレ
ベルで金額を設定する。付与総額は、付与価格で除すことにより株式ユニットという仮想の株式に変換される。付与価格は、
当社の第4四半期決算発表後20営業日における株価のXETRA終値の平均値として算出される。
このように付与されたすべての株式ユニットは 、60%の業績連動株式ユニット(PSUs)と40%のリテンション株式ユニット
(RSUs)により構成され、いずれも約4年間の権利確定期間がある。権利確定期間の終了後も、対応する株式ユニットは失効しな
い。権利確定期間の終了後には、SAP第4四半期の業績が公表されてから20営業日におけるSAP株式のXETRA終値の平均値として
算出された単価で決済される。支払価格は、付与価格の300％を上限としている。LTIトランシェは対応する年の株主総会後に
現金決済され、ユーロで支払われる。
最終的に支払がなされるPSUsの数は、当社株価の実績(ピアグループインデックスに対して絶対的かつ相対的なもの)に応じ
て変動する。対照的に、RSUsの最終的な数は固定されている。当社の絶対的な株価実績は、付与価格と支払価格を比較するこ
とによって測定される。同じ期間に当社の株価実績がピアグループインデックスと等しい場合、業績係数は100％に設定され
る。SAPの株価実績がピアグループインデックスよりも優れている場合(SAPの株価実績とピアグループインデックスの実績の差
として測定) 、 業績係数は、SAP株価が上回ったパーセンテージポイント分だけ上昇する。さらに、支払価格が付与価格よりも
高い場合、パーセンテージポイントは倍となる。業績係数の上限は150％である。ピアグループインデックスがSAPの株価より
も優れている場合、業績係数はピアグループインデックスのパフォーマンスのパーセンテージポイント分だけ低下する。業績
係数が50％以下の場合、すべてのPSUsが失効する。
取締役会メンバーとの役務提供契約が、株式ユニットが付与された年度から3年以内に終了した場合、辞任の状況や役務提供
契約終了の状況に応じて、RSUsとPSUsの両方の一部又は全部が失効となる。
SAP ストック・オプション・プラン2010 (SOP 2010)
SOP 2010 の下で、我々は2010年から2015年の期間にシニア・リーダーシップ・チーム、グローバルエグゼクティブのメン
バー、並びに 特別優れた評価と高い潜在能力をもつ 従業員に、また、2010年と2011年の取締役会メンバーに対して仮想のス
トック・オプションを付与した。付与の基礎値は、役員会決議日前5営業日にわたるSAP株式の平均終値に基づいている。
SOP 2010 によって付与されたオプションにより、従業員はオプションを行使して一定額の現金を受け取る権利を有する。3年
間（取締役会メンバーは4年間）の権利確定期間の後、当該制度は、付与日から6年後( 取締役員 は7年後 ) に権利が失効するま
で、毎年11のあらかじめ定められた行使日が与えられる。 （4月を除く、各月の一定の日） 従業員は、当社に雇用されている場
合に限り、オプションを行使することができる。彼らが会社を離れる場合、オプションは失効する。取締役員のオプション
は、一度付与されると失効しないが、付与年度に役務提供契約が終了する場合はオプションの数は比例的に減少する。任期終
了までに行使されなかったオプションは期限切れになる。
行使価格は付与時の基礎価格の110％(取締役会メンバーは115％)であり、 2013 トランシェは59.85ユーロ、2014トランシェは
60.96ユーロ、2015トランシェは72.18ユーロである。2019年に行使されたオプションの加重平均行使価格は66.42ユーロ(2018
年は67.59ユーロ)であり、2019年末時点の未行使オプションの加重平均行使価格は69.15ユーロ(2018年は67.62ユーロ)であっ
た。
金銭的利益は行使価格の100％が上限である。
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ムーブSAPプランを含むリストリクテッド・ストック・ユニット・プラン (RSUプラン)
役員及び特定の従業員をつなぎとめ、モチベーションを向上させるため、当社株価及び最終的な権利確定後株数で決まる現
金受給の条件付き権利である仮想株式を付与した。付与されたRSUは、トランシェごとに以下の場合に権利確定される
- 1～3年以上の勤務期間を経た場合、若しくは、
- 3年以上の勤務期間を経ている場合かつ主要な業績達成指標（KPI）を達成している場合
様々なトランシェの下で権利確定する業績連動株式ユニット（PSUs）の数は、付与された年の営業利益(非IFRS、継続した通
貨による)のKPI目標の達成状況に依存する。業績に応じ、権利確定するPSUの数は最初に付与された数の0％から200％の範囲で
変動する。KPI目標に対する2019年の業績は118.7%(2018年は106.7％、2017年は78.2％)であった。すべての株式ユニットは、
権利確定時に現金で払い出される。
Qualtrics 買収前のQualtrics報酬に代わる現金決済型の報酬（Qualtrics Rights）
2019 年のQualtrics買収に関連して、当社は買収契約の条件に基づきQualtricsの従業員が保有していた権利未確定の譲渡制
限付株式報酬(RSA)、譲渡制限付株式ユニット(RSU)、及び業績連動株式ユニット（PSU）、並びにオプションをSAPの現金決済
型株式報酬（Qualtrics Rights）に交換した。
代替報酬は、以下を除いて、代替された報酬の条件を厳密に反映している。
－ 代替された報酬は株式商品の発行により決済される予定であったが、代替報酬は現金で決済される。
－ 2018年よりも前に付与されQualtricsの買収完了日時点で権利未確定のRSA、RSU、PSU及びオプションは当初合意された権
利確定日において権利確定日に保有されているRSA及びRSUの数に1株あたり35.00米ドルを掛けたのと同等の現金を受け取
る権利に転換された。個々のオプション金額は、権利確定日に保有されているオプション数に、1株あたり35.00米ドルか
ら当初合意された行使価格を差し引いた金額を掛けた数と等しい。
－ 2018年以降に付与されQualtricsの買収完了日時点で権利未確定のRSU、PSU及びオプションは次のようなSAPの株価を指標
とした報酬に転換された。SAP の 1 株当たりの対価（35.00 米ドル）を決算日の5営業日のSAP株式の終値平均（91.28ユー
ロ）で除し、米ドル（103.75米ドル）に換算し、その結果（株式報酬交換比率0.3373）に行使日または権利確定日前の5営
業日のSAP株式の終値平均を乗じる。
Qualtricsの買収完了日時点で24.7百万の権利未確定のRSA、RSU、PSU及びオプションがあり、付与日と残存権利確定期間に
応じた失効見込みを考慮した公正価値は793百万ユーロである。公正価値合計のうち、237百万ユーロは譲渡対価に配分され、
556百万ユーロは将来提供されるサービスに配分された。当初の権利確定期間の残余期間にわたって権利が確定するため、買収
後の報酬費用が認識されることになる。
権利未確定のRSUには、完了日時点における6.1百万の代替RSUの付与額が含まれている。これらのRSUのサービス期間は2年で
ある。
2019年1月23日から2019年12月31日にかけて、7.8百万のQualtrics Rightsが付与された。Qualtrics Rightsに関連する未認
識の費用は2019年12月31日時点で225百万ユーロであり、最大4年間の残余権利確定期間に認識される。
未行使現金決済型株式報酬制度は、下記のパラメーターと仮定を用いて評価している。
現金決済型制度の2019年期末時点の公正価値と使用したパラメーター
LTI2016 プラン SOP 2010 RSU プラン Qualtrics
(2016-2019 (2016-2019 Rights
(2013-2015
トランシェ） トランシェ)
トランシェ)
特に記載のない限りユーロ
2019 年12月31日時点での
37.55
加重平均公正価値 94.06 49.51 118.72
測定日における公正価値の測定方法に
ついての情報
使用したオプション価格モデル モンテ・カルロ モンテ・カルロ その他*1 その他*1
120.32
株価 120.32 120.32 120.32
満期日に基づくリスク・フリー利率
(％) -0.68 から-0.57 -0.25 から-0.08 -0.68 から-0.31 -0.55 から-0.35
予想変動率 (％) 27.4 から35.8 NA NA
20.4 から24.8
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予想配当利回り (％)
1.26 1.26 1.26 1.26
2019 年12月31日オプション残高の
1.7
加重平均残存年数 (年)
1.9 0.3 1.0
*1 これらの報酬において、公正価値は評価日時点での株価から、もしあれば、各報酬の満期日までの将来の配当支払分の現在
価値を控除して算定している。
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現金決済型制度の201８年期末時点の公正価値と使用したパラメーター
LTI2016 プラン SOP 2010 RSU プラン LTI2015 プラン
(2016-2018 (2015-2018 (2015
(2013-2015
トランシェ） トランシェ) トランシェ）
トランシェ)
特に記載のない限りユーロ
2018 年12月31日時点での
85.24 86.93
加重平均公正価値 65.89 20.67
測定日における公正価値の測定方法に
ついての情報
使用したオプション価格モデル モンテ・カルロ モンテ・カルロ その他*1 その他*1
86.93 86.93
株価 86.93 86.93
満期日に基づくリスク・フリー利率
(％) -0.70 から-0.55 -0.67 から-0.25 -0.69 から-0.31 NA
予想変動率 (％)
17.9 から21.4 22.8 から38.5 NA NA
予想配当利回り (％)
1.63% 1.63% 1.63% NA
2018 年12月31日オプション残高の
1.0 年 0.1 年
加重平均残存年数 (年)
2.4 年 1.2 年
*1 これらの報酬において、公正価値は評価日時点での株価から、もしあれば、各報酬の満期日までの将来の配当支払分の現在
価値を控除して算定している。
SOP2010 について、SAP社の株価の変動の予想は、同様の残存年数である取引済オプションから想定される変動と、付与され
たオプションと同じ見積残存年数を持つオプションの過去の行使価格および変動に基づいている。
LTI2016 プランの評価に関して、2019年12月31日におけるピアグループのインデックス価格は363.63米ドル(2018年：277.92
米ドル)であった。このインデックスについての期待配当利回りは1.17％(2018年：1.30％)、インデックスの期待変動率は18％
から22％(2018年：19％から24％)、そして当社株価とこのインデックス価格の期待相関率は38％から40％(2018：36％から
42％)であり、これらは当社株価とインデックス価格の過去実績データに基づいている。
オプションの見積残存年数は、契約期間と、予想あるいは過去の経験から推測される行使期間を反映している。リスク・フ
リー・レートは、同じ満期を持つドイツ政府債より取得している。配当利回りは、将来配当の予測に基づいている。
現金決済型制度の株式報酬数の変動
LTI2016 プラン LTI2015 プラン SOP 2010 RSU プラン Qualtrics
（2016-2019 （2014-2015 （2015-2019 Rights
(2012-2015
トランシェ） トランシェ） トランシェ）
（他に明記がない限り、単位: 千) トランシェ)
2017 年12月31日現在残高 631 531 14,472 13,520 NA
付与 295 0 0 8,512 NA
KPI 達成による調整 NA 0 NA 49 NA
行使 0 -146 -6,913 -5,840 NA
失効 0 0 -473 -977 NA
2018 年12月31日現在残高 926 385 7,086 15,264 NA
付与 344 0 0 9,339 24,666
KPI 達成による調整 NA 0 NA 122 NA
行使 0 -385 -3,904 -7,540 -7,776
失効 -160 0 -144 -1,057 -883
2019 年12月31日現在残高 1,110 0 3,039 16,128 16,007
*1 付与には企業結合にからの追加を含む
行使可能株式報酬数残高
2018 年 12 月 31 日 現在 0 0 7,086 0 NA
2019 年 12 月 31 日 現在 0 0 3,039 0 0
債務の帳簿価額合計（単位：百万ユーロ）
2018 年 12 月 31 日 現在 30 35 146 774 NA
2019 年 12 月 31 日 現在 73 0 150 1,100 377
確定権利の本源的価値合計（単位：百万
ユーロ）
2018 年 12 月 31 日 現在 3 34 137 0 NA
2019 年 12 月 31 日 現在 51 0 155 0 0
行使したストック・オプションの加重平均
株価（単位：ユーロ）
2018 年 NA 88.27 100.61 88.67 NA
2019 年 NA 90.75 111.58 98.11 106.15
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費用計上額（単位：百万ユーロ）
2017 年 14 9 221 712 NA
2018 年 8 -3 43 611 NA
2019 年 44 -1 66 1,087 461
株式報酬関連残高
2019 2018
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
株式報酬費用関連負債 1,130 605 1,735 714 316 1,030
その他非金融負債 4,818 814 5,632 4,120 501 4,621
株式報酬費用関連負債が
その他非金融負債に占める
23 74 31 17% 63% 22%
割合
デリバティブ –株式報酬
費用のコールオプション 95 0 95 68 0 68
その他金融資産 297 2,336 2,633 448 1,536 1,984
デリバティブ –株式報酬
費用のコールオプション
が その他金融資産に占
32 0 ▶ 15% 0% 3%
める割合
デリバティブについてのより詳細な情報は、注記(F.1)を参照のこと。
b) 持分決済型株式報酬制度
オウン・サップ・プラン（Own）
オウン・サップ・プラン（Own）に基づき、従業員は毎月、保有期間の要件なしに当社株式を購入する機会を有している。該
当する従業員の投資は、毎月の基本給の一定割合に制限されている。当社は従業員投資額と等価の株式を40%引きで提供し、非
役員向けには月額20ユーロの補助金を提供している。 当社の取締役会のメンバーはこの制度を利用出来ない。
購入された株式数
2019 2018 2017
（百万）
Own 5.2 5.3 5.0
持分決済型株式報酬取引の結果、当社は従業員に対し当社株式を付与することをコミットしている。当社は、自己株式の再
発行又は持分決済型プログラムの運営代理人による公開市場から株式を取得することを通じてこれらのコミットメントを果た
すこととしている。当社は、運営代理人を通じてOwnに関連する義務を果たしている。
持株決済型株式報酬関連費用
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
Own 171 149 140
(B.4) 年金制度及び類似の債務
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確定拠出制度
国内および海外の確定拠出制度の金額は、従業員の給与の割合または従業員による拠出額に基づいている。
ドイツおよびいくつかのその他の国では、国または地方自治体または類似の機関が運営する公的年金制度に
拠出している。 そのような地方の年金制度の費用は、短期の従業員給付金、つまり社会保障費として認識さ
れる。
確定給付年金制度
退職後給付に係る資産及び負債の測定に用いる割引計算に使用される割引率は、予想する年金の支払タイミ
ングと金額が合致する優良社債や国債の利回りを基礎としている。利息費用(純額)及び確定給付制度に関す
るその他の費用は、制度を利用する従業員の活動に応じて、従業員給付費用として連結損益計算書において
認識される。我々の国内確定給付年金は、主に適格保険契約によって全て資金調達される従業員出資の年金
制度により構成されているため、当期の勤務費用は、確定給付債務の帳簿価額を適格年金資産の公正価値に
調整した結果として、収益側となる可能性がある。これら調整金額は勤務費用に計上される。確定給付制度
に係る費用の総額は、関連する当期及び過去勤務費用並びに利息収益及び利息費用で構成される。
年金制度の費用総額
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
確定拠出制度 314 280 260
確定給付年金制度 55 50 52
年金費用 369 330 312
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確定給付制度
確定給付債務（DBO）の現在価値及び年金資産の公正価値
その他の外国退職後
（百万ユーロ）
国内制度 外国制度 制度 合計
2019 2018 2019 2018 2019 2018 2019 2018
確定給付債務の現在価値
1,026 886 533 418 156 132 1,715 1,436
年金資産の公正価値 1,009 878 411 355 65 59 1,485 1,292
確定給付債務（資産）の純
17 8 122 63 91 73 230 144
額
確定給付債務(資産)の純額
が、以下の項目に占める割
合
0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%
その他の非流動金融資産
4% 3% 26% 24% 19% 27% 49% 54%
非流動引当金
国内制度のDBOの現在価値のうち951百万ユーロ（2018年：824百万ユーロ）は、最終給与に基づかない一括支払の制度に関連
しており、海外のDBOの現在価値のうち459百万ユーロ（2018年：356百万ユーロ）は、最終給与に基づかない年金支払制度に関
連している。
国内及び海外の年金債務、並びにその他退職後給付債務の評価にあたり、それぞれの測定日に使用された数理計算上の重要
な仮定の加重平均は以下のとおりである。
数理計算上の重要な仮定
国内制度 外国制度 その他の外国退職後制度
（パーセント)
2019 2018 2017 2019 2018 2017 2019 2018 2017
割引率 0.8 2.3 2.3 0.3 1.0 0.8 3.7 4.2 3.9
下記の感応度分析表は、全ての確定給付債務の現在価値が重要な数理計算上の仮定に対する合理的に考え得る変動によっ
て、どのように影響されるかを示している。感度分析表は割引率に関する仮定の変動を考慮し、他の全ての数理計算上の仮定
を一定にしている。
感応度分析
（百万ユーロ）
国内制度 外国制度 その他の外国退職後制度 合計
2019 2018 2017 2019 2018 2017 2019 2018 2017 2019 2018 2017
以下の場合におけ
る、確定給付債務の
現在価値：
割引率が50ベーシス
ポイント増加した場
合 968 836 806 495 391 357 154 126 114 1,617 1,353 1,277
割引率が50ベーシス
ポイント減少した場
合 1,090 940 912 576 450 411 159 141 123 1,825 1,531 1,446
年金資産への投資
国内給付制度に関する投資戦略は、全ての拠出額を安定的な保険証券に投資することである。
外国給付制度における投資戦略はそれぞれの給付制度が存する国ごとの状況によって異なる。全ての主な外国給付制度にお
いては長期投資戦略を採用している。我々の投資方針は、種々の資産により構成されるリスク分散型ポートフォリオに投資す
ることであるが、確定給付債務及び年金資産は、時の経過に応じて変動し得るため、数理計算上のリスク及びマーケット（投
資）リスクにさらされることになる。各国の法令により、流動性資産を積み増しし、積立不足を減少させることが必要な場合
もある。
年金資産の配分
2019 年 2018 年
活発な市場における 活発な市場における 活発な市場における 活発な市場における
市場価格 市場価格が無い 市場価格 市場価格が無い
（百万ユーロ）
年金資産合計
445 1,040 387 905
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資産区分:
株式投資 137 0 116 0
社債 156 0 142 0
保険契約 6 1,040 5 905
2020 年の国内及び外国の確定給付年金制度への拠出予定額は重要でない。確定給付制度の加重平均残存期間は、2019年12月
31日現在において13年、2018年12月31日現在において12年であった。
2019 年12月31日における当社の確定給付制度による将来支給総額は、1,831百万ユーロ（2018年: 1,783百万ユーロ）である
と見込まれている。このうちの77％(2018年：80％)は、満期が5年超であり、61％(2018年：66％)は 国内制度にかかるものであ
る。
(B.5) その他従業員関連債務
会計方針
長期の従業員給付に関する引当金は、再保険によって担保されている範囲において関連する年金資産と相殺
される。
その他従業員関連債務非金融負債
2019 2018
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
その他従業員関連債務 3,038 209 3,247 2,866 185 3,051
その他非金融負債 4,818 814 5,632 4,120 501 4,621
その他従業員関連債務が
その他非金融負債に占める
63 26 58 70 37 66
割合（%）
その他従業員関連債務は、主に賞与及び未払販売手数料、有給休暇義務並びに従業員関連の社会保障義務に関するものであ
る。
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その他従業員関連引当金
2019
流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
その他従業員関連引当金
(2019 年1月1日時点) 25 52 77
増加 53 137 190
行使 -52 -43 -93
-5 -3 -8
戻入
その他従業員関連引当金
21 143 164
(2019 年12月31日時点)
引当金 268 478 746
その他従業員関連引当金が 引当金に
8 30 22
占める割合 (%)
従業員関連引当金は、主に労働時間勘定に蓄積されたタイムクレジット、リストラクチャリングプログラム外の解雇手当及
び借入費用の義務から構成されるである。これらの従業員関連引当金の大半は、12カ月以内に請求される可能性があるが、当
該期間に関連する資金流出が生じることは想定していない。
(B.6) リストラクチャリング
リストラクチャリング引当金の認識
以下の事象が発生する場合に限り、リストラクチャリング引当金を計上する。
－ ある事業の範囲又は事業遂行の方法に重要な変化をもたらす計画を立案し、かつ
－ 詳細に文書化されたリストラクチャリング計画が、取締役会、取締役会の一員又は取締役会のメンバー
による直接の報告によって承認され、かつ
－ 承認後、当該計画が直ちに開始され12か月以内に完了する見込みがあり、かつ
－ 計画の影響を受ける当事者に当該計画が通知されるか、又は計画が開始した場合
事業における変化が重要であるかどうかは、当社全体に対する影響よりも事業単位に対する影響に基づき判
断を行う。ある事業単位がリストラクチャリングの対象となるかどうかを判断するにあたっては、当該事業
単位を所管する固有の経営部門を設置しているかどうか、また、成果を発揮し、収益を生み出すのに必要な
すべての経営資源及び事業過程について管理可能かどうかを考慮する。事業への変更の重要性は変更の規模
と性質の両者に基づいて評価されるため、必ずしも当社の財務諸表に重要な金額的影響を伴うわけではな
い。
2019年初めに、全社的なリストラクチャリングプログラムを開始し、主要な戦略的成長分野への注力をさらに強化した。当
該プログラムは企業構造とプロセスのさらなる簡素化し、当社の組織設定、スキルセット及び資源の割り当てが顧客の需要に
確実に対応し続けることを目的としている。リストラクチャリング計画の主な特徴は、2019年1月29日に発表された。2019年に
認識されたリストラクチャリング費用は、実質的にすべて当該プログラムによるものである。2019年のリストラクチャリング
に関連した現金流出は9億ユーロ（2018年：1億ユーロ）であった。
当該計画のもと、合計で約4,000人の従業員が退職予定か既に退職している。リストラクチャリング費用は主な構成要素は以
下の通り。
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リストラクチャリング費用
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
従業員関連リストラクチャリング費用 -1,111 -19 -180
不利な契約に関連したリストラクチャリング費用及び
-19 0 -2
リストラクチャリング関連減損損失
-1,130 -19 -182
リストラクチャリング費用
リストラクチャリング引当金は主に短期的性格のものであり、主に従業員解雇給付から構成される。リストラクチャリング
プログラムに関連する株式報酬の会計処理の詳細については、注記(B.3)参照のこと。
リストラクチャリング引当金
リストラクチャリング引当金
（百万ユーロ）
2019 年1月1日現在残高 24
増加 1,125
使用 -938
戻入 -4
1
為替影響
208
2019 年12月31日現在残高
引当金合計 746
リストラクチャリング引当金が引当金合計に占める割合(%) 28
損益計算書上に個別に開示されていない場合、リストラクチャリング費用は、以下のとおり異なる費用項目に分類されてい
る。
機能領域別リストラクチャリング費用
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
クラウド及びソフトウェア原価 -138 -3 -55
サービス原価 -154 -3 -118
研究開発費 -467 -3 -9
販売費 -299 -11 -2
-71 0 2
一般管理費
-1,130 -19 -182
リストラクチャリング費用
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セクションC – 業績
当セクションでは、以前のセクションに記載のない当社の報告セグメント及び全社の業績について記載しており、セグメン
トの業績、法人所得税及び一株当たり利益についての情報を含んでいるが、これらに限定されない。
(C.1) セグメントの業績
一般的情報
2019年度末時点において、当社は、最高経営意思決定機関（以下、CODM）として会社の業績を評価し資源配分を決定する責
任を有する取締役会によって定期的にレビューされている4つの事業セグメントを有している。これらの事業セグメントは、主
に提供する製品及びサービスに基づいて組織されたものであり、それぞれ管理されている。事業セグメントは主に、製品や
サービスの提供内容、特に製品やサービスが当社のビジネス・ネットワーク活動、エクスペリエンスマネジメント活動、コ
ミュニケーション提供に関連しているか、その他の事業活動をカバーしているかに応じて別々に編成および管理されている。
アプリケーション、テクノロジー&サービスセグメントは、主にソフトウェアライセンスの販売、クラウド・アプリケーショ
ンのサブスクリプション(但しその他のセグメントに含まれていないもの)、及び関連サービス（主として、サポートサービス
や種々の専門的サービス、プレミアム・サポート・サービス、ソフトウェア製品の導入、製品の使用方法についての研修サー
ビス等）によって収益を獲得している。
2019年度において、セグメントの構成要素に変更はないまま、以前のSAPネットワークセグメント名が改名された。新しい名
称はインテリジェント支出グループである。インテリジェント支出グループセグメントの収益は、主にSAPのクラウド・ベース
のコラボレーティブビジネスネットワークの使用に対して請求される取引手数料と、インテリジェント支出 グループのクラウ
ド・サービス（主にSAP Ariba、SAP Concur、SAP Fieldglassのサービス）へのサブスクリプションの販売、及び関連する専門
的又は教育的サービスから得られる。
Qualtricsセグメントの収益は主に、エクスペリエンスデータ全体でフロントオフィス機能を実行するエクスペリエンス管理
クラウドソリューション（Qualtricsサービス）の販売と、関連サービスの販売から得られる。当社がQualtricsを2019年1月23
日に買収する前には、このセグメントはカスタマーエクスペリエンスと呼ばれ当社のカスタマーエクスペリエンスサービスを
含んでいた。Qualtricsの買収後、当社は既存のカスタマーエクスペリエンスソリューションとQualtrics事業を組み合わせ、
カスタマーエクスペリエンスセグメントをカスタマー＆エクスペリエンスマネジメントに改名した。カスタマーエクスペリエ
ンスサービスは分割及び他の会社の機能への部分的な統合を通じて2019年10月にアプリケーション、テクノロジー＆サービス
セグメントの一部となるまで、引き続き当該セグメントに属していた。このセグメントはその後Qualtricsに改名された。
Qualtricsセグメントに反映された費用は、しかしながら、Qualtricsの一部の機能が主に一般管理費に影響を及ぼし、SAPの
コーポレート機能にすでに統合されているため、買収の完全な影響を含まない。2019年1月23日にQualtricsを買収したため、
表示されているQualtricsセグメントの前期の数値はない。
さらに、以前はアプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメントと旧カスタマーエクスペリエンスセグメントに含ま
れていた、テレフォニー、ビデオチャット、およびルーティングサービスの統合により、非報告セグメントであるデジタルイ
ンターコネクトセグメントの構成を変更した。しかしながら、その規模によりデジタルインターコネクトは引き続き報告セグ
メントにはあたらない。
2019年度と以前の比較期間のセグメント情報は、アプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメント、Qualtricsセグメ
ント、デジタルインターコネクトセグメントの新しいセグメント構成に合わせて修正再表示されている。
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セグメントのレポーティング方針
当社の経営者に対する報告システム、すなわちセグメントに対する報告システム上、セグメント間の役務提供は費用
の減少として計上しており、内部売上とはしていない。セグメント間の役務提供は、主にプロジェクト単位でのセグ
メント間人材活用である。セグメント間の役務提供に係るコストは、一定の間接費を含むが、利益は含まれていない
内部チャージレートに基づいて計上されている。
セグメント営業利益に影響する減価償却費及び償却費用のほとんどは、より広範な基盤整備費用の一部として各セグ
メントに配分されるため、事業セグメントレベルでは個別に把握していない。各事業セグメントに直課される減価償
却費や償却費用は、いずれの事業セグメントにおいても重要性がない。
経営者に対する報告システム上、外貨建取引の会計処理で使用する換算レート毎に様々なレポートがあり、実際レー
ト及び前年度レートの両方の数値がCODMに報告され、使用されている。実際通貨に基づくレポートは、財務諸表で使
用されている換算レートと同じ換算レートを用いている。一方で、前年度レートに基づくレポートは、収益及び費用
を前年同期の平均換算レートを使用して報告している。
当社は、営業利益指標を使用して事業セグメントの業績測定を行っている。ただし、事業セグメントの収益や利益を
測定するための会計方針は、損益計算書において営業利益を決定するためのIFRSに基づく会計方針とは以下の点にお
いて異なる。
－ 事業セグメントの収益及び損益には、被買収企業が仮に買収されていなかったならば計上していたであろう継続
契約から得られる収益が含まれているが、IFRSでは買収時点で顧客契約の公正価値を算定するため、当該継続契
約から得られる収益は、収益として計上していない。
－ 事業セグメントの損益の測定にあたり、以下の費用を控除している。
・企業結合により取得した無形資産及び単独で取得した知的財産の償却費用又は減損損失（買収した仕掛中の研
究開発費を含む）、企業結合を契機とした既存の顧客関係に係る清算費用、買収関連の外部費用といった買収
関連費用
・株式報酬費用
・リストラクチャリング費用
－ 財務、経理、法務、人材、グローバル事業運営及びグローバルマーケティングを含む一部の活動は、全社レベル
でのみ管理されている。それらの活動は、報告セグメントの結果には含まれていない。
報告対象ではない事業の収益及び費用並びに上述の全社レベルで管理されている一部の活動は、注記(C.2)のその他
の利益及びその他の費用の調整表に表示される。
セグメント資産・負債に関する情報、及びセグメントごと非流動資産の取得に関する情報は、取締役会に対する定期
的な報告に含まれていない。報告セグメント別ののれんについては注記(D.2)に記載。
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有価証券報告書
アプリケーション、テクノロジー＆サービス
2019 2018 2017
前年度 前年度
3) 3)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
クラウド利用料及びサポート
1)
SaaS/PaaS
3,243 3,152 2,347 2,424 1,593
クラウド利用料及びサポート
2)
IaaS
695 673 488 506 328
クラウド利用料及びサポート 3,938 3,825 2,835 2,929 1,922
ソフトウェアライセンス料 4,523 4,422 4,645 4,875 1,922
ソフトウェアサポート料 11,532 11,269 10,969 11,478 4,869
ソフトウェアライセンス及びサポート 16,504 15,691 15,614 16,353 10,890
クラウド及びソフトウェア 19,993 19,516 18,449 19,283 17,681
3,551 3,464 3,305 3,577 3,176
サービス
23,554 22,980 21,753 22,859 20,857
収益合計
クラウド利用料及びサービス原価
1)
SaaS/PaaS
-1,126 -1,092 -948 -992 -676
クラウド利用料及びサービス原価
2)
IaaS
-493 -481 -428 -441 -305
クラウド利用料及びサービス原価 -1,620 -1,573 -1,377 -1,433 -981
ソフトウェア、ライセンス及びサポー
ト原価 -1,972 -1,933 -1,924 -2,056 -1,998
クラウド及びソフトウェア原価 -3,592 -3,505 -3,300 -3,489 -2,978
サービス原価 -2636 -2,583 -2,523 -2,694 -2,434
-6,228 -6,089 -5,823 -6,183 -5,412
売上原価
17,316 16,892 15,931 16,677 15,445
セグメント利益
-7,448 -7,249 -7,008 -7,318 -6,858
その他セグメント費用合計
9,868 9,597 8,922 9,359 8,587
セグメント利益
1) Software as ▶ Service / Platform as ▶ Service
2) Infrastructure as ▶ Service
3) 2019 年の前年度レートの値は、2018年の実際レートの値とのみ比較され、また2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ比較さ
れる。
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有価証券報告書
インテリジェント・スペンド・グループ
2019 2018 2017
前年度 前年度
3) 3)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
クラウド利用料及びサポート
1)
SaaS/PaaS
2,693 2,585 2,178 2,265 1,840
クラウド利用料及びサポート
2)
IaaS
0 0 0 0 0
クラウド利用料及びサポート 2,693 2,585 2,178 2,265 1,840
ソフトウェアライセンス料 0 0 0 0 -1
ソフトウェアサポート料 15 14 16 16 18
ソフトウェアライセンス及びサポート 15 14 16 17 17
クラウド及びソフトウェア 2,708 2,599 2,193 2,282 1,857
476 458 436 451 404
サービス
3,184 3,057 2,629 2,733 2,261
収益合計
クラウド利用料及びサービス原価
1)
SaaS/PaaS
-591 -569 -483 -503 -428
クラウド利用料及びサービス原価
2)
IaaS
0 0 0 0 0
クラウド利用料及びサービス原価 -591 -569 -483 -503 -428
ソフトウェア、ライセンス及びサポー
ト原価 -11 -10 -6 -7 -5
クラウド及びソフトウェア原価 -601 -579 -489 -510 -433
サービス原価 -352 -340 -324 -337 -292
-953 -919 -813 -847 -725
売上原価
2,231 2,138 1,816 1,886 1,536
セグメント利益
-1,534 -1,477 -1,285 -1,341 -1,148
その他セグメント費用合計
696 661 531 545 388
セグメント利益
1) Software as ▶ Service / Platform as ▶ Service
2) 2019 年の前年度レートの値は、2018年の実際レートの値とのみ比較され、また2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ比較さ
れる。
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Qualtrics
2019 2018 （２） 2017 （２）
前年度 前年度
3) 3)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
クラウド利用料及びサポート
1)
SaaS/PaaS
371 353 N/A N/A N/A
クラウド利用料及びサポート
2)
IaaS
0 0 N/A N/A N/A
クラウド利用料及びサポート 371 353 N/A N/A N/A
ソフトウェアライセンス料 0 0 N/A N/A N/A
ソフトウェアサポート料 0 0 N/A N/A N/A
ソフトウェアライセンス及びサポート 0 0 N/A N/A N/A
クラウド及びソフトウェア 371 353 N/A N/A N/A
137 130 N/A N/A N/A
サービス
508 483 N/A N/A N/A
収益合計
クラウド利用料及びサービス原価
1)
SaaS/PaaS
-33 -31 N/A N/A N/A
クラウド利用料及びサービス原価
2)
IaaS
0 0 N/A N/A N/A
クラウド利用料及びサービス原価 -33 -31 N/A N/A N/A
ソフトウェア、ライセンス及びサポー
ト原価 0 0 N/A N/A N/A
クラウド及びソフトウェア原価 -33 -31 N/A N/A N/A
サービス原価 -78 -74 N/A N/A N/A
-110 -106 N/A N/A N/A
売上原価
398 377 N/A N/A N/A
セグメント利益
-389 -368 N/A N/A N/A
その他セグメント費用合計
8 9 N/A N/A N/A
セグメント利益
1) Software as ▶ Service / Platform as ▶ Service
2) 2019 年にQualtricsを買収したため、前年度の値は存在しない。
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地域別収益
アプリケーション、 インテリジェント・
(百万ユーロ) テクノロジー＆サービス スペンド・グループ Qualtrics 報告セグメント合計
2019 2018 2019 2018 2019 2018 2019 2018
実際 恒常 実際 実際 恒常 実際 実際 恒常 実際 実際 恒常 実際
通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨 通貨
EMEA 11,279 11,152 10,610 612 594 443 68 65 NA 11,959 11,811 11,053
8,463 8,158 7,604 2,216 2,115 1,915 403 383 NA 11,081 10,655 9,519
南北アメリカ
3,802 3,669 3,539 356 348 271 37 36 NA 4,196 4,053 3,810
APJ
セグメント
23,544 22,980 21,753 3,184 3,057 2,629 508 483 NA 27,236 26,520 24,383
収益合計
SAPグループの地域別の収益の詳細は、注記(A.1)参照のこと。
(C.2) セグメント情報と連結損益計算書の調整表
2019 2018 2017
前年度 前年度
実際レート レート 実際レート レート 実際レート
(百万ユーロ)
アプリケーション、テクノロジー&サービス 23,544 22,980 21,753 22,859 20,857
SAP ビジネス・ネットワーク 3,184 3,057 2,629 2,733 2,261
Qualtrics 508 483 NA NA NA
27,236 26,520 24,383 25,593 23,118
報告セグメントのセグメント収益合計
その他の収益 398 385 359 368 345
為替換算の調整 0 728 0 -1,219 0
収益の公正価値調整 -81 -81 -33 -33 -3
27,553 27,553 24,708 24,708 23,461
収益合計
アプリケーション、テクノロジー&サービス 9,868 9,597 8,922 9,359 8,587
SAP ビジネス・ネットワーク 696 661 531 545 388
Qualtrics 8 9 NA NA NA
10,573 10,268 9,453 9,904 8,975
報告セグメントのセグメント利益合計
その他の収益 398 385 359 368 345
その他の費用 -2,763 -2,700 2,649 -2,791 -2,551
為替換算の調整 0 255 0 -317 0
以下項目についての調整:
収益の公正価値調整 -81 -81 -33 -33 -3
買収関連費用 -689 -689 -577 -577 -587
株式報酬 -1,835 -1,835 -830 -830 -1,120
リストラクチャリング -1,130 -1,130 -19 -19 -182
4,473 4,473 5,703 5,703 4,877
営業利益
その他営業外収益・費用（純額） -74 -74 -56 -56 -36
198 198 -47 -47 188
金融収益（純額）
4,596 4,596 5,600 5,600 5,029
税引前利益
1) 2019 年の前年度レートの値は、2018年の実際レートの値とのみ比較可能であり、また2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ
比較可能となっている。
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(C.3) その他の営業外収益/費用 (純額)
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
外貨換算損益 (純額)
-51 -31 -12
内、損益を通じて公正価値で測定される金融資産 358 444 615
内、償却原価法で計上される金融資産(2017:貸付金及び債権) 194 148 96
内、損益を通じて公正価値で測定される金融負債 -396 -415 -435
内、償却原価法で計上される金融負債 -176 -202 -317
その他営業外収益/費用 (純額)
-23 -25 -24
その他の営業外収益/費用 (純額) -74 -56 -36
(C.4) 金融収益 （純額)
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
金融収益 787 371 476
内、損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得
(2017: 売却可能金融資産の利得)
596 227 382
金融費用 -589 -418 -288
内、償却原価法で計上される金融負債の利息費用 -207 -106 -89
内、損益を通じて公正価値で測定される金融負債に係る利息費用
(2017: 売却可能金融負債の利息費用) -155 -206 -116
198 -47 188
金融収益（純額）
(C.5) 法人所得税
判断及び見積り
我々は事業を運営する国々の多岐にわたる管轄の中で税法改正の影響を受ける。我々の通常の営業活動はSAPグルー
プ内での収益分配や費用払戻契約など、最終的にどこで税負担するのかが不確実な取引を含んでいる。加えて、我々
が支払う法人所得税額は一般的に継続して行われている各国の税務署の調査に影響を受ける。その結果、我々のワー
ルドワイドでの法人所得税引当金を決定するのに判断を要する。その判断には、税負担の不確実な税取引を個別に又
は、他の税取引と合わせるのか、そして最善の見積もり、予測どちらに基づいて不確実性の影響を考慮するのかも含
まれている。これらの見積りの基礎となる仮定の変化及びこれらの仮定と異なる結果は、未払法人税の帳簿価額に重
要な修正をもたらす可能性がある。
繰延税金資産の価値が損なわれているかどうかの評価は、繰延税金資産の回収可能性が高いか決定するのに将来の課
税所得を見積る必要があるので、判断も必要とする。繰延税金資産の回収可能性を評価するのに、我々は過去の課税
所得の水準及び繰延税金資産の回収可能期間にわたる将来課税所得の予測を含む、入手可能な全ての有利、不利な証
拠を考慮する。将来の課税所得に関する判断は将来の市場状況及び将来のSAPの利益についての仮定に基づいてい
る。これらの前提の変更と当該前提とは異なる結果は繰延税金資産の帳簿価額に対して重要な修正をもたらす可能性
がある。
法人所得税に関連する利息又はペナルティが、法人所得税の定義に該当するか、もし該当しなければ財務的性質に該
当するかの評価には、判断が要求される。この判断にあたって、現地の税制及び、グループ財務報告書についての各
国基準設定主体によるIFRSへの解釈指針を、特に考慮する。
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地域別税金費用
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
当期税金費用
ドイツ 625 733 935
1,153 1,019 716
海外
当期税金費用合計 1,778 1,752 1,651
繰延税金費用/収益
ドイツ -3 57 -584
-549 -298 -84
海外
-522 -241 -668
繰延税金収益合計
1,226 1,511 983
税金費用合計
税金費用の主な内訳
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
当期税金費用/収益
当期の税金費用 1,818 1,665 1,623
-40 87 28
過年度の税金
当期税金費用合計 1,778 1,752 1,651
繰延税金費用/収益
一時差異の発生及び消滅 -710 -501 -891
158 260 223
繰越欠損金、研究開発費及び外国税額控除
-552 -241 -668
繰延税金収益合計
1,226 1,511 983
税金費用合計
地域別税引前利益
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
ドイツ 2,012 3,106 2,788
2,584 2,494 2,241
海外
4,596 5,600 5,029
合計
以下は、ドイツ法人税率26.4% (2018年: 26.4%、2017年: 26.4%) によって計算した予測税金費用と実際税金費用の調整表であ
る。2019年ドイツ法人税率は、法人所得税率15.00% (2018年: 15.00%、2017年: 15.00%) とそれに課される5.5% (2018年: 5.5%、
2017年:5.5%)の連帯付加税、営業税10.6% (2018年: 10.6%、2017年:10.6%)を含んでいる。
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税金費用と会計上の税引前利益との関係
2019 2018 2017
（別途記載のない限り百万ユーロ）
税引前利益 4,596 5,600 5,029
合算税率26.4%による法人所得税費用（2017：26.4%、2016：26.4%) 1,212 1,478 1,327
以下の税効果：
外国税率 -209 -147 -403
税法及び税率の変更 10 0 -212
損金不算入の費用 116 106 82
課税対象とされない収益 -93 -38 -95
源泉課税 138 91 131
研究開発費及び外国税額控除 -89 -33 -26
過年度税金 80 -17 -26
繰延税金資産、研究開発費控除及び外国税額控除の再評価 48 58 185
13 13 20
その他
1,226 1,511 983
税金費用合計
実効税率（%） 26.7 27.0 19.5
繰延税金資産及び負債
2019 2018
（百万ユーロ）
繰延税金資産
無形資産 504 668
有形固定資産 19 28
その他金融資産 11 11
営業債権及びその他の債権 61 55
年金引当金 135 116
株式報酬 268 140
その他引当金及び債務 1,330 424
契約負債/繰延収益 553 229
未使用の繰越欠損金 131 150
研究開発費及び外国税額控除 56 21
152 181
その他
繰延税金資産 3,220 2,023
繰延税金負債
無形資産 1,006 628
有形固定資産 544 95
その他金融資産 224 139
営業債権及びその他の債権 148 153
年金引当金 13 12
株式報酬費用 1 0
その他引当金及び債務 50 18
契約負債/繰延収益 6 23
59 43
その他
2,051 1,111
繰延税金負債
1,169 912
繰延税金資産 / 負債（純額）
その他の引当金及び債務にかかる繰延税金資産の増加は、主に関係会社の収入の増加及びIFRS第16号「リース」の適用による
ものである。また、IFRS第16号「リース」の適用により、有形固定資産にかかる繰延税金負債が増加している。
そして、契約負債/繰延収益にかかる繰延税金資産の増加は、主に繰延収益の増加によるものであり、
無形資産にかかる繰延税金負債の増加は、主に2019年における企業結合によるものである。
繰延税金資産として認識されていない項目
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
未使用繰越欠損金
期限がないもの 688 575 375
翌年に期限が到来するもの 63 7 9
373 476 535
翌年以降期限が到来するもの
未使用の繰越欠損金合計額 1,124 1,058 919
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将来減算一時差異 538 509 524
未使用の研究開発費及び外国税額控除
期限がないのもの 28 54 38
翌年に期限が到来するもの 0 0 2
17 18 34
翌年以降期限が到来するもの
未使用の税額控除合計額 45 72 74
未使用の欠損金のうち、187百万ユーロ（2018年：213百万ユーロ、2017年：263百万ユーロ）はUSの州税法上の繰越欠損金で
ある。
海外子会社の未分配利益について、およそ174.1億ユーロ（2018年度: 140.4億ユーロ）の繰延税金負債を認識していない。な
ぜなら当該一時差異の解消時期をコントロール出来る立場にあり、予測できる範囲内の近い将来に当該一時差異は解消しない
と見込まれるためである。
非課税取引に関連する訴訟
国内及び海外の税務当局により継続的な税務調査が行われている。現在、主にドイツ及びいくつかの海外当局との間で係争
中である。ドイツでの係争は、関係会社間の財務取引及び特定の資本投資に係るものであり、その他諸外国での係争は、支払
ライセンス料及び関係会社間サービス料の控除に係るものである。すべての係争において、我々にとって望ましい結果は訴訟
によってのみ得られると考えている。我々は当局の主張に合理性がないと考えており、関連する引当金は計上していない。仮
に我々の見解に反し、税務当局の主張が議論の末に裁判において認められることがあれば、課徴金を合計でおよそ2,013百万
ユーロ（2018年：1,746百万ユーロ）が課されることが見込まれている（関連する利息費用及びペナルティ982百万ユーロを含
む（2018年：842百万ユーロ））。
(C.6) 1 株当たり利益
2019 2018 2017
（別途記載のない限り百万ユーロ）
親会社の株主に帰属する利益 3,321 4,083 4,008
発行済み普通株式数（百万株） 1,229 1,229 1,229
自己株式による影響（百万株） -35 -35 -31
加重平均普通株式数－希薄化前（百万株） 1,194 1,194 1,197
株式報酬制度による希薄化効果（百万株） 0 0 1
1,194 1,194 1,198
加重平均普通株式数－希薄化後（百万株)
2.78 3.42 3.35
SAP の出資者に帰属する希薄化前1株当たり利益（ユーロ）
2.78 3.42 3.35
SAP の出資者に帰属する希薄化後1株当たり利益（ユーロ）
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セクションD - 投下資本
このセクションは、事業活動の基礎を形成する投資を含めた、非流動性資産について記載している。投下資本の増加は、
個々の資産取得又は企業結合を含んでいる。加えて購入義務及び資本拠出についての情報を本セクションにて開示する。IFRS
第16号「リース」の適用による影響に関する、詳細については、注記（D.8）を参照のこと。
(D.1) 企業結合
非支配株主持分の測定及び移転対価の配分
当社は、企業結合ごとに被取得企業の非支配持分を公正価値で測定するか、又は、被取得企業の識別可能
な純資産の非支配持分割合で測定するかを決定している。企業結合関連費用は、一般管理費として表示し
ている。
企業結合の会計処理において、無形資産が識別可能かどうか、又は、のれんとは別に計上すべきかどうか
について判断が要求される。さらに、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日時点の公正価
値の見積りには多くの判断が含まれている。この公正価値の測定は、取得日における利用可能な情報及び
経営者が合理的とみなした見積り及び仮定に基づいている。これら判断、見積り、仮定は、以下のような
様々な理由により財政状態及び損益に重要な影響をもたらしうる。
－ 減価償却及び償却の対象となる資産に付された公正価値は、取得年度以降の営業損益に計上される減
価償却費及び償却費の金額に影響する。
－ 資産の見積り公正価値の事後の不利な変動は、減損損失による追加費用が発生することがある。
－ 見積もられた負債及び引当金の公正価値の事後の変動は、追加的な費用（見積り公正価値が増加した
場合）または収益（見積り公正価値が減少した場合）となりうる。
当社は、製品及びサービスのポートフォリオを拡大する目的で、戦略的に重要と考える特定領域のビジネスを買収してい
る。
2019 年の買収について
2019年1月23日付で、関連法規及びその他の承認を満たし、Qualtricsの買収を完了した（当社2018年度連結財務諸表注記
（G.9）も参照）。
Qualtricsはエクスペリエンス・マネジメント（XM）・ソリューションの大手プロバイダーである。QualtricsとSAPの製品を
組み合わせることによって、当社の顧客にエンド・ツー・エンドの体験と営業管理システムの提供を目指す。
当社は1株当たり約35米ドルでQualtrics株式の100%を取得し、現金で凡そ71億米ドルの対価を支払った。現金の支払いに加
えて、SAPは9億米ドルに相当する株式報酬に関連する負債及びクロージング後の費用を負うこととなる。
Qualtricsの経営成績及び資産並びに負債は2019年1月23日以降当社の連結財務諸表に反映されている。
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Qualtrics 買収：移転対価
(百万ユーロ)
現金支払 6,212
237
負債の引受
6,449
移転された対価の総額
負債は、権利未確定の株式報酬の引き受けによるものである。これらの負債は取得時にQualtricsの従業員が保有していた持
分決済型株式報酬を現金決済型株式報酬(失効要件付の)と交換したことによるものである。それぞれの負債は、Qualtricsの従
業員による買収前の役務提供相当額を置き換えた金額であり、IFRS第3号において要求されるとおり、IFRS第2号に従って決定
された公正価値で測定されている。（注記（B.3）も参照。）
2019年度に計上された測定期間の調整（重要なものではない）は、主に無形資産（公正価値算定の最終値）並びに税金資産
及び税金負債に関連するものである。
Qualtricsの取得日時点における、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の評価額の要約は下表のとおりである。
Qualtrics 買収 ： 識別資産及び負債
Qualtrics の対価
（百万ユーロ）
現金及び現金同等物 138
その他の金融資産 1
営業債権及びその他の債権 37
その他の非金融資産 20
有形固定資産 74
無形資産 1,803
内、技術資産 575
内、顧客関係及びその他無形資産 1,226
2
内、ソフトウェア及びデータベースライセンス
2,074
識別可能資産計
営業債務及びその他の債務 97
金融負債 53
当期及び繰延税金負債 320
引当金及びその他の非金融負債 41
129
契約負債
640
識別可能負債計
1,434
識別可能な純資産
5,015
のれん
6,449
移転された対価の総額
一般に、買収から生じるのれんは、主に買収先の従業員の技術的スキルとノウハウ及び相乗効果によって構成されている。
Qualtricsののれんは、特に以下の領域において買収により期待される相乗効果に起因する：
－ 当社の販売網を生かした各地域の既存の当社顧客に対する横断的な販売の機会
－ Qualtrics製品とSAP製品とを組み合わせて、エンド・ツー・エンドの体験と営業管理システムを顧客に提供することによ
る新たな製品の創出
－ Qualtricsの販売及び事業運営における収益性の向上
Qualtricsの買収から生じたのれんの事業セグメントへの配分は、事業セグメントがQualtricsの企業結合の相乗効果から実
際にどのように利益を得るかに依存する。 詳細については、注記(D.2)参照。
セグメント情報及びセグメント構造の変更に関する詳細は、注記(C.1)参照。
企業結合による、財務諸表への影響
2019年のQualtricsの買収日から報告日までの、Qualtricsの事業の連結財務諸表に含まれる売上高及び損益は以下のとお
り。
Qualtrics 買収 ： SAPの財務的影響
（百万ユーロ） 2019 年度 Qualtrics の金額
報告値
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27,553 429
売上高
3,370 -526
税引後当期純利益
Qualtricsが2019年1月1日付で連結されていたと仮定した場合の報告期間における当社の売上及び税引後当期純利益に重要な差
異はない。
2018 年の買収について
2018年4月5日付で、関連法規及びその他の承認を満たし、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)ソリュー
ションの事業に卓越したCallidus（NSDQ:CALD）の株式の100%を取得した。SAPは1株当たり36米ドル、現金で約24億米ドルの対
価を支払った。この買収は、セールス・パフォーマンス・マネジメント(SPM)及びコンフィギュア・プライス・クオーテーショ
ン(CPQ)領域における当社の地位及びソリューションを強化し促進することを目的としている。
Callidus 買収 ： 移転対価
(百万ユーロ)
現金支払 1,957
47
負債の引受
2,004
移転された対価の総額
負債は、権利未確定の株主報酬の引き受けによるものである。これは買収時にCallidusの従業員が保有していた持分対価型
株主報酬を金銭対価型株主報酬(失効要件付の)と交換することによるものである。それぞれの負債は、Callidusの従業員によ
る買収前の役務提供相当額を置き換えた金額であり、IFRS2号に従って決定された公正価値で測定されている。
2018、2019年度に計上された測定期間の調整は、重要なものではなかった。
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Callidusの取得日時点における、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の評価額の要約は下表のとおりである。
Callidus 買収：認識された資産及び負債
（百万ユーロ）
現金及び現金同等物 63
その他の金融資産 64
営業債権及びその他の債権 32
その他の非金融資産 11
有形固定資産 26
無形資産 515
内、技術資産 121
内、顧客関係及びその他無形資産 390
内、ソフトウェア及びデータベースライセンス ▶
識別可能資産計 711
営業債務及びその他の債務 59
当期及び繰延税金債務 71
引当金及びその他の非金融債務 15
契約負債/繰延収益 55
識別可能負債計 200
識別可能な純資産 511
のれん 1,493
移転された対価の総額 2,004
買収によるのれんは、主に買収先の従業員の技術的スキルとノウハウ及び相乗効果によるものである。
Callidus買収については、相乗効果は特に以下の領域に関連する：
- 当社の販売網を生かした各地域の既存当社顧客に対するCallidus製品の横断的な販売の機会
- Callidusの製品をSAP C/4 HANAに統合することによるカスタマー・エクスペリエンスの強化
- Callidusの販売及び事業運営における収益性の向上
買収後、Callidusに係るのれん及び無形資産は、新たに設立されたカスタマー・エクスペリエンスのセグメントに配分し
た。配分後のセグメント情報及びセグメント構造の変更に関する詳細は、注記(C.1)参照。
企業結合による、財務諸表への影響
2018年のCallidusの買収日から報告日までの、Callidusの事業の連結財務諸表に含まれる売上高及び損益は以下のとおり。
Callidus 買収：SAPの財務的影響
2018 年度 Callidus の金額
報告値
（百万ユーロ）
24,708 180
売上高
4,088 -60
税引後当期純利益
Callidusが2018年1月1日付で連結されていたと仮定した場合、2018年度の売上は24,766百万ユーロ、税引後当期純利益は
4,071百万ユーロであったと試算される。
これらの額は、当社の会計方針に従って計算した後、以下のような重要な影響を調整して算定されている。
－ 2018年1月1日に有形固定資産および無形資産の公正価値を調整した場合に生じる、減価償却費および償却費の追加計上
－ 累積ベースでの、契約負債/繰延収益に関する公正価値の調整による影響
－ 企業結合後のSAPの資金調達状況および資産負債比率での借入コストの影響
－ 株主報酬費用などの従業員給付
－ 買収の過程で生じる取引コスト
－ 上記に関する税金の影響
試算された金額は、比較情報を提供する目的にのみ用いられる。また、これらの収益及び利益の試算額は、必ずしも将来の
業績や、実際に期初に買収が行われていた場合の業績を指し示すものではない。
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(D.2) のれん
のれん及び無形資産の減損テスト
のれんの年次減損テストは、当社の内部管理目的でのれんをモニターする最小レベルである事業セグメン
トレベルにて実施している。通常、本テストは全ての事業セグメントで同時（第4四半期の期首）に行わ
れている。
のれん及び無形資産について減損の判定を行う場合、テスト結果は、将来キャッシュ・フローの予測や経
済リスクに関する経営陣の最新の仮定及び見積りによる影響を大きく受けるが、これらは将来の成長につ
いて重要な判断及び仮定を要する。それらは、以下を含む様々な要因により影響を受ける。
- 事業戦略の変更
- 社内の業績見通し
- 加重平均資本コストの見積り
のれん及びその他無形資産の減損テストの仮定に対する変化は、認識されたのれん及びその他無形資産の
帳簿価額と損益計算書に計上される減損損失の計上額に重要な修正をもたらす可能性がある。
のれんの減損テストの結果は、事業セグメントへののれんの配分に依存している。この配分は、どの事業
セグメントが企業結合による相乗効果による恩恵を受けるかついての見積りに基づいていることから、判
断に基づくものである。
セグメント構造の変更により、のれんが再配分され、再配分されたのれんは相対値に基づいて計算される
（直接配分ができない場合）。
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のれん
（百万ユーロ）
取得原価
2018年1月1日 21,371
847
外国為替換算差額
企業結合による増加 1,620
2018 年12月31日
23,838
外国為替換算差額 417
企業結合による増加 5,017
-9
処分
2019 年12月31日 29,263
償却累計額
2018年1月1日 100
2
外国為替換算差額
2018 年12月31日 102
外国為替換算差額 -1
2019 年12月31日 101
帳簿価額
2018 年12月31日 23,736
2019 年12月31日 29,162
2019年度の当社のセグメント及び変更についての詳細な情報は、注記(C.1)を参照のこと。
下表のとおり、減損テストのために、のれんの帳簿価額はSAPの関連する事業セグメントに配分されている。
事業セグメントごとののれん
インテリジェ Qualtrics
アプリケー ント・スペン （旧カスタ
ション、テク ド・グループ マー＆エクス
その他 合計
ノロジー＆ （旧SAPビジ ペリエンス・
サービス ネス・ネット マネジメン
(百万ユーロ) ワーク） ト）*1
2018年12月31日 13,498 6,925 3,304 9 23,736
18,509 7,762 2,882 9 29,162
2019年12月31日
*1 2018年度末に存在したカスタマー・エクスペリエンスセグメントは、2019年初めにQualtricsが追加されたため、カスタ
マー＆エクスペリエンス・マネジメントに名称が変更された。
期待される相乗効果に基づき、Qualtricsの買収により追加されたのれん（詳細は注記(D.1)参照）は部分的にアプリケー
ション、テクノロジー＆サービス（1,509百万ユーロ）及びインテリジェント・スペンド・グループ（734百万ユーロ）セグメ
ントに配賦され、残額はQualtricsセグメントに配賦された。
2019年度のセグメント変更により、以前のカスタマー・エクスペリエンスセグメントの3,438百万ユーロののれんはアプリ
ケーション、テクノロジー＆サービスセグメントに振り替えられた。
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のれんの減損テスト
事業計画が対象としている期間の経営者によるキャッシュ・フロー予測の前提となる主要な仮定は、以下の通りである。
主要な仮定 主要な仮定となる数値の決定根拠
予算収益成長率 当期に達成された収益成長率をベースにSAPのアドレッサブルクラウドおよび
データベース市場における期待値、つまり確立されたアプリケーション及びアナ
リティクス市場における期待成長率を織り込んだ値である。使用された数値には
我々の過去の経験とアドレッサブル市場における期待値が反映されている。
予算上の営業上の利益 予算期間における予想営業上の利益であり、当期に達成した営業上の利益をベー
スに、効率化による利益改善を加味した値である。使用された数値には効率化に
よる期待利益の影響を除く、過去の実績値が反映されている。
割引率 当社の見積キャッシュ・フロー予測値は、割引率を用いて現在価値に割り引いた
ものである（SAPビジネス・ネットワークセグメントには税引後割引率、その他
全てのセグメントには割引前割引率を使用）。税引前割引率は、加重平均資本コ
スト（WACC)アプローチに基づいている。
永久成長率 事業計画を超えた期間の当社の見積キャッシュ・フローは、セグメント固有の永
久成長率を使用して計算されたものである。なお、この最終成長率は、当社のセ
グメントが属している市場の長期平均成長率を超過するものではない。
主要な仮定と詳細な計画期間
アプリケーション、テク インテリジェント・スペ Qualtrics*3
ノロジー&サービス*2 ンド・グループ*2（旧SAP (旧カスタマー＆エクスペ
ビジネス・ネットワー リエンス・マネジメン
（特に記載のない限り
ク） ト）*1
は％で表示）
2019 2018 2019 2018 2019 2018
予算収益成長率
3.0 4.8 13.3 13.8 22.6 NA
（予算期間の平均）
税引前割引率 NA 11.0 NA 11.5 NA NA
税引後割引率 9.1 8.6 10.4 9.0 11.1 NA
永久成長率 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 NA
詳細な計画期間（年） 5 5 9 9 13 NA
*1 2018年度末に存在したカスタマー・エクスペリエンスセグメントは、2019年初めにQualtricsが追加されたため、カスタ
マー＆エクスペリエンス・マネジメントに名称が変更された。
*2 テスト実施日：10月1日
*3 テスト実施日：12月1日
*4 旧カスタマー・エクスペリエンスセグメントに使用された仮定については、以下を参照。セグメントが変更されたため、前
期との比較可能性は限定的である。
2019年10月1日、当社はアプリケーション、テクノロジー&サービス及びインテリジェント・スペンド・グループ（以前のSAP
ビジネス・ネットワーク）報告セグメント並びに10月にアプリケーション、テクノロジー＆サービスに移転されたカスタ
マー＆エクスペリエンスマネジメントセグメント部分に対してのれんの減損テストを実施した（テスト日付に対する移転日の
近さを考慮すると、テストは同時であった）。10月初めには、相乗効果の識別/評価が未了であったため、Qualtricsは12月初
め（相乗効果の識別/評価の完了後）にテストした。
10 月1日に実施したのれんの減損テスト
アプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメント及びインテリジェント・スペンド・グループセグメント
これらのセグメントに係る回収可能価額は公正価値から処分費用を差し引いた計算に基づいて決定された（2018年におい
て、アプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメントは使用価値計算が行われた）。公正価値測定は、評価に使用され
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たインプットに基づいて、レベル3の公正価値として分類された。キャッシュ・フロー予測は、実際の営業成績と、詳細な計画
期間とその後の最終成長率をカバーする特定の見積りに基づいている。予測結果は経営管理者見積りに基づいて決定され、市
場 参加者が行うであろう仮定（評価には目標営業利益率35.9％（アプリケーション、テクノロジー＆サービス）及び30.6％
（インテリジェント・スペンド・グループ））と整合する。上記の主要な仮定についてのいかなる合理的に生じ得る変化に
よっても、アプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメント及びインテリジェント・スペンド・グループセグメントの
帳簿価格が回収可能価額を超えることはないと考えている。
カスタマー＆エクスペリエンスマネジメントセグメント
2019年の第3四半期までカスタマー＆エクスペリエンスマネジメントセグメントに属していたカスタマーエクスペリエンス
サービスは、2019年10月に他の企業機能に分割及び部分的に統合することによりアプリケーション、テクノロジー＆サービス
セグメントの一部となった（詳細については注記(C.1)参照）。移管時の減損テストは10月1日の減損テストと同時に行われ
た。
減損テスト実施時、回収可能価額は公正価値から処分費用を差し引く計算に基づいて決定された（2018年には、使用価値計
算が行われた）。公正価値測定評価に使用されたインプットに基づいてはレベル3の公正価値に分類された。キャッシュ・フ
ロー予測は実際の営業成績及び詳細な計画期間とその後の最終成長率をカバーする特定の見積りに基づいている。予測結果は
経営管理者見積りに基づいて決定され、市場参加者が行うであろう仮定（評価には目標営業利益率22.6％が使用された）と整
合する。
以下の主要な仮定は回収可能価額計算に組み込まれえた要素（特に記載のない限り、パーセント）である。
－ 予想収益成長率：18.6（2018年：32.9）
－ 税引前割引率：該当なし（2018年：11.7）
－ 税引後割引率：9.0（2018年：9.4）
－ 永久成長率：3.0（2018年：3.0）
－ 詳細な計画期間（年）：9（2018年：5）
以前のカスタマー＆エクスペリエンスマネジメントセグメントのカスタマー・エクスペリエンスの部分が安定した状態でな
いという事実を踏まえ、当社はより成熟したセグメントに適用するよりも長く詳細な計画期間を使用した。
これらの主要な仮定に基づいた、移管時における回収可能価額は帳簿価額を4,574百万ユーロ上回っていた（2018年：8,476
百万ユーロ）。
次の表は、減損テストの時点で、主要な仮定が個別に（つまり、その他の主要な仮定の変更なしに）変動した場合に回収可
能価額が少なくとも帳簿価額と等しくなる可能性がある値を示している。予算収益成長率の感応度については、コスト構造が
調整されていないため、ターミナル営業利益率が変更された。
仮定の変動に対する感応度
カスタマー＆エクスペリエン
スマネジメントセグメントの
カスタマー・エクスペリエン
ス部分
2019 2018
（パーセンテージポイントの変化）
予算収益成長率
-1.9 -8.3
税引後割引率 4.9 8.7
税引前割引率 NA 10.2
予算期間終了時点における目標営業利益率 -13 -28
12 月1日に実施したのれんの減損テスト
アプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメント及びインテリジェント・スペンド・グループセグメント
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10月1日ののれんの減損テストでは、12月の月初に各セグメントに割り当てられたのれんの部分よりも大幅に高いヘッドルー
ムが生じた。したがって、Qualtricsののれんの部分的な配分起因する減損リスクはない。
Qualtrics
Qualtricsセグメントに関する詳細は注記(C.1)参照。
Qualtricsセグメントに対する減損テストは、Qualtricsのれんの当社セグメントへの当初割り当てが完了したタイミングで
ある、12月1日に行われた。テストはQualtricsのれんのアプリケーション、テクノロジー＆サービスセグメント及びインテリ
ジェント・スペンド・グループセグメントへの部分的割り当てを反映済みである。回収可能価額は、処分費用を除いた公正価
値に基づいて決定されている。公正価値測定は、評価に用いられるインプットに基づくため、レベル3の公正価値に分類されて
いる。キャッシュ・フロー予測は実際の営業利益、詳細な計画期間についての見積り、並びにその後の永久成長率に基づくも
のである。この見積り結果は、経営者の見積りに基づいて決定されており、また、市場参加者が行うであろう仮定(評価には目
標営業利益率21.5％が使用された)と整合的である。
Qualtricsセグメントは今後数年間で不均衡な成長が見込まれ、まだ安定的な状態には至っていないという事実を踏まえ、当
社はより成熟したセグメントに適用するよりも長く詳細な計画期間を使用した。
回収可能価額は帳簿価額を4,071百万ユーロ上回っていた。
下表は、回収可能価額が帳簿価額と等しくなるのに主要な仮定が個別に（つまり、その他の主要な仮定の変動なしに）変動
する必要がある値を示している。予算収益成長率の感応度については、コスト構造が調整されていないため、ターミナル営業
利益率が変更された。
仮定の変動に対する感応度
Qualtrics
2019 2018*5
（パーセンテージポイントの変化）
予想収益成長率
-1.6 NA
税引後割引率 6.3 NA
予算期間終了時点における目標営業利益率 -15 NA
*5 旧カスタマー・エクスペリエンスセグメントに対して行われた感応度分析に関する詳細は上記参照。セグメントが変更され
たため、前期との比較可能性は限定的である。
(D.3) 無形資産
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無形資産の認識
一般的に、自己創設した無形資産は発生時に費用計上される一方、規格関連の顧客開発プロジェクト
（IAS 38の基準に継続的に満たすもの）で発生した開発費は12年の見積耐用年数で償却される範囲で資産
化される。
開発に係る内部発生の無形資産を認識するかどうかの決定は、特に以下の点について重要な判断が必要と
なる。
－ 活動が研究局面であるか開発局面であるかの判断
－ 将来の市況、顧客の需要、その他の開発に関する仮定が必要となる無形資産の認識要件を満たしてい
るかどうかについての判断
－ 「技術上の実行可能性」の条件がIFRSで定義されていないため、資産の完成が技術的に実行可能かど
うかの決定について判断及び企業独自のアプローチが要求される
－ 開発により生じた無形資産を将来使用又は売却できるかについての判断、また使用または売却による
将来の経済的便益の可能性いついての判断
－ 原価を無形資産に直接的または間接的に帰属させることが可能かどうか及び原価が開発を完成させる
ために必要であったかどうかの判断
これらの判断は、財政状態計算書上の無形資産の総額とともに、開発費用を損益計算書に認識するタイミ
ングにも影響を及ぼす。
無形資産の測定
のれんを除くすべての購入した無形資産は、有限の耐用年数を有している。購入した無形資産は、取得原
価で計上され、予想される経済的便益の費消状況に基づき、2年から20年の範囲における見積耐用年数に
わたって償却される。
買収した仕掛中の研究開発プロジェクト資産は、5年から7年にわたって償却される（各プロジェクトの完
了時/マーケティング時から償却が開始する）。
以下の決定に際し、判断が要求される。
－ 経済的便益をもたらすと期待される期間の見積りに基づく無形資産の耐用年数
－ 償却方法 - IFRSは信頼性をもって企業による資産の将来の経済的便益の消費パターンを予想できる
場合以外は定額法を要求しているため
償却期間及び償却方法はいずれも毎期計上される償却費の額に影響する。
無形資産の分類
当社は、無形資産をその性質と使用用途に基づき分類している。ソフトウェア及びデータベースライセン
スは主に内部使用向けのもので構成されている一方、取得された技術資産は主に我々の製品に組み込まれ
る購入ソフトウェア及び仕掛中の研究開発(IPRD)である。顧客関係やその他の無形資産は、主に顧客関係
及び取得した商標権である。無形資産の償却費用はその使途により、クラウド原価、サービス原価、研究
開発費、販売費、或いは一般管理費として分類される。
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無形資産
ソフトウェア及び
データベースライ 取得技術/仕掛中 顧客関係及びその
センス の研究開発 他無形資産 合計
（百万ユーロ）
取得原価
2018年1月1日 809 1,992 4,631 7,432
外国為替換算差額 8 100 204 312
企業結合による増加 ▶ 148 410 562
その他増加 193 0 36 229
除却又は処分 –43 –62 –41 –146
2018 年12月31日
996 2,178 5,212 8,386
外国為替換算差額
▶ 48 100 152
企業結合による増加 2 574 1,226 1,802
その他増加 84 0 68 152
除却又は処分 -182 -48 -166 -396
移転 25 0 -25 0
2019 年12月31日
929 2,752 6,415 10,096
償却累計額
2018年1月1日 601 1,544 2,306 4,451
外国為替換算差額 6 77 87 170
償却 95 216 337 648
除却又は処分 -23 -62 -25 -110
2018 年12月31日
679 1,775 2,705 5,159
外国為替換算差額
5 33 39 77
償却 94 271 395 760
除却又は処分 -180 -48 -163 -391
2019 年12月31日
598 2,031 2,976 5,605
帳簿価額
2018 年12月31日 317 403 2,507 3,227
2019 年12月31日 331 721 3,439 4,491
重要な無形資産
帳簿価額 残存耐用年数
（特に記載のない限り百万ユーロ）
2019 2018 （年）
Sybase - 顧客情報
131 179 2～4
SuccessFactors - 顧客情報 225
184 6
Ariba - 顧客情報 323
273 6～8
Concur - 顧客情報 1,033
955 11～15
Callidus - 顧客情報 384
336 9～13
Qualtrics –取得技術 0
495 6
Qualtrics –顧客情報 1,152 0 13～18
重要な無形資産合計
3,526 2,144
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(D.4) 有形固定資産
有形固定資産の減価償却
有形固定資産は通常定額法を用いて減価償却される。資産の耐用年数の見積りには判断が用いられてい
る。これらの見積もりにあたっては、同種資産についての過去の実績や現在及び将来における技術変化を
考慮している。
耐用年数の見積りの変更
2019 年期首において、当社は特定のITインフラ設備の耐用年数の見積りを変更した。4年から5年へのこの変更は2018年度の統
合報告書で開示された2年から6年の範囲内である。
この変更により減価償却費は93百万ユーロ（うち、クラウドの費用65百万ユーロ）減少する：
有形固定資産の耐用年数
建物 ： 主として25 - 50 年
リース資産及び構築物 ： リース契約期間に基づく
情報技術機器 ： 2 - 6 年
オフィス家具 ： 4 - 20 年
車両 ： 4 - 5 年
有形固定資産
土地リース その他 その他 前渡金
土地及び 及び建物 有形 リース有形 及び建設仮
建物 リース 固定資産 固定資産 勘定 合計
（百万ユーロ）
2018 年12月31日 1,344 - 1,985 - 224 3,553
2019 年12月31日 1,537 1,929 1,956 38 36 5,496
増加
2018 年度 199 - 1,026 - 77 1,302
2019 年度 85 360 586 19 17 1,067
有形固定資産の増加（企業結合による取得を除く）は、主にITインフラ設備（データセンター等）の交換及び購入によるも
の並びに新たな建物の建設、建物やデータセンターのリースによるものである。IFRS16号の初度適用の影響についての詳細
は、注記(D.8)を参照。
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(D.5) 持分投資
会計方針、判断並びに見積り
当社は金融資産を「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」として指定していない。契約上の
キャッシュ・フローや、個々の資産を保有するビジネスモデルに基づき、金融資産を通常以下のカテゴリ
に分類する。「償却原価で測定される金融資産（AC）」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産（FVＯCI）」、「損益を通じて公正価値で測定される金融商品（FVTPL）」である。
元本及び利息以外のキャッシュ・フローの特性をもつような持分投資については、個々の投資ごとに
FVTPLかFVＯCIに分類するかを個別に判断する。
FVTPL の持分証券に係る損益は、公正価値の変動による損益、処分による損益、並びに配当による損益を
含んでいる。一方で、FVOCIの持分証券に係る損益は配当のみが含まれ、金融収益にて純額表示されてい
る。通常の方法による持分証券の購入及び売却は、取引日に記録される。
持分投資
（百万ユーロ） 2019 年 2018 年
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
持分証券
0 1,996 1,996 0 1,248 1,248
関連会社に対する投資 0 16 16 0 26 26
持分投資 0 2,012 2,012 0 1,274 1,274
297 2,336 2,633 448 1,536 1,984
その他金融資産
その他金融資産に対する
0 86 76 0 83 64
割合（％）
その他の持分投資の名称一覧については、注記（G.9）を参照。
ベンチャーキャピタルファンドに対する財政上のコミットメント
2019 2018
（百万ユーロ）
206 187
ベンチャーキャピタルファンドへの投資
SAP は、ベンチャーキャピタルへの投資を管理する関連当事者ではない第三者に対して投資しており持分を保有している。
2019年12月31日現在、これら投資を実行するコミットメントの合計額は517百万ユーロ（2018年：418百万ユーロ）にであり、
うち312百万ユーロ（2018年：232百万ユーロ）が実行された。このようなベンチャーキャピタルファンドに対する投資によ
り、これらの企業が属している市場固有のリスクにさらされている。発生しうる最大損失額は、投資した金額に将来回避不能
な拠出金額を加えた金額である。
満期
（百万ユーロ） 2019 年12月31日
ベンチャーキャピタルファンドに対
する投資
満期 2020年 206
206
合計
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(D.6) 地域別非流動資産
金融商品、繰延税金資産、退職後給付、保険契約から生じる権利を除いた非流動資産は下表のとおりである。
地域別非流動資産
2019 2018
（百万ユーロ）
ドイツ 4,486 4,184
5,386 4,742
その他のEMEA地域
9,872 8,926
EMEA
米国 29,744 22,123
411 258
その他の南北アメリカ地域
30,154 22,380
南北アメリカ
1,276 922
APJ
41,302 32,228
SAP グループ
地域別人員数の内訳については、注記（B.1）また、顧客所在地別収入の内訳については、注記（A.1）参照。
(D.7) 購入義務
2019 2018
（百万ユーロ）
有形固定資産及び無形固定資産の取得に関する契約義務 342 123
2,251 2,010
その他購入義務
2,592 2,133
購入義務
有形固定資産及び無形固定資産の取得に関する契約義務は、主に新規及び既存施設の建設や、ハードウェア、ソフトウェ
ア、特許、事務機器及び車両の購入に関連するものである。 その他購入義務は主として営業、コンサルティング、保守、ライ
センス契約、クラウドサービス及びその他の第三者との契約に関するものである。購入義務の増加は、主にクラウドサービス
及びハードウェアに関連する新たな購入義務によるものである。過去このような購入義務の大部分は履行されている。
2018 年に開示されたその他の購入義務のうち、205百万ユーロはIFRS第16号「リース」の適用対象となるリース負債である。
詳細は、D8を参照。
満期
2019 年12月31日
（百万ユーロ）
購入義務
満期が2020年のもの 1,251
満期が2021年から2024年のもの 1,298
43
満期が上記以降に到来するもの
2,592
合計
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(D.8) IFRS第16号の適用
会計方針、判断並びに見積り
2019 年1月1日、当社はIFRS第16号「リース」を適用した。修正遡及適用アプローチをとる場合、基準の適
用に係る累積的影響額は、適用開始日における利益剰余金の期首残高の調整として認識され、前年度の数
値は修正されない。一般に、全てのリースは借手の財政状態計算書において認識される必要があるため、
新たな基準は借手のリース会計に大きな影響を与える。 借手は、原資産を使用する権利を表す使用権資産
と、リース料を支払う義務を表すリース負債を認識する 。これらのリースについて、使用権資産の減価償
却費とリース負債の支払利息を認識するため、関連する費用の性質が変化した。これらの変更は、以前
IAS 17においてオペレーティングリースとして分類されていたリースに適用される。当社は基準に示され
ている実務上の便法（短期リースおよび少額資産のリースの非資本化、リース期間の決定にあたり、契約
にリースを延長又は解約するオプションが含まれる場合についての事後的判断の使用など）を使用してい
る。既存のリースの使用権資産を測定するために、大規模なリース（主に設備のリース）に遡及的アプ
ローチを適用した一方で小規模なリースはリース負債と同金額で測定し、適用開始日の直前に存在する前
払又は未払リース料を調整している。
IFRS 第16号の適用により、既存のリースから生じたリース負債は2019年1月1日時点の追加借入利子率で割引かれている。
2019年1月1日にリース負債に適用された加重平均割引率は2.5％であった。
（百万ユーロ）
205
IFRS 第16号に関する購入義務(2018/12/31時点)
1,442
財務コミットメント（2018/12/31時点）
1,647
リースに関するコミットメント（2018/12/31時点）
（51）
（控除）2019年開始のコミットメント
（238）
（控除）リースではない要素
108
加算 数値の更新
1,466
コミットメント調整額
加算 再リース及びリース期間満了に関する処理の違いに基づ
993
き発生する調整額
(279)
借手の借入利子率を用いた割引額
2,140
リース負債（2019/12/31時点）
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リースについて、2019年12月31日時点の貸借対照表及び通年の損益計算書で、以下のとおり表示されている。
貸借対照表上のリース
2019 年
12 月31日
（百万ユーロ）
使用権資産
使用権資産 - 土地及び建物 1,929
38
使用権資産 – 有形固定資産
1,967
使用権資産合計
45,002
固定資産
▶
使用権資産が 固定資産に占める割合(%)
リース負債
流動リース負債 389
3,273
流動金融負債
12
流動リース負債が 流動金融負債に占める割合(%)
固定リース負債 1,814
12,923
固定金融負債
14
固定リース負債が 固定金融負債に占める割合(%)
損益計算書上のリース
2019 年
（百万ユーロ）
営業利益に含まれるリース費用
使用権資産の減価償却費 396
金融純収益に含まれるリース費用
リース負債の利息費用 55
IFRS 第16号はSAPの2019年末のキャッシュ・フロー計算書にも影響を及ぼす。営業キャッシュ・フローは319百万ユーロ増加
し、財務活動によるキャッシュ・フローは319百万ユーロ減少した。
2019年1月1日時点でのIFRS第16号の初期導入による期首残高の修正は、以下のとおりである。
－ 有形固定資産 – 19億ユーロ
－ 営業債務及びその他の債務 – 1億ユーロの減少
－ 金融債務 – 21億ユーロの増加
2019 年1月1日時点の利益剰余金への純額の影響額は、1億ユーロの減少であった。
使用権資産に関する詳細は注記(D.4)、リース負債の満期分析は注記(F.1)を参照。また、リース負債に関連したキャッ
シュ・フローの詳細は、注記(E.3)内の「財務活動によって生じる負債の調整表」参照のこと。
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セクションE – 資本構成、財務及び流動性
このセクションは、当社の資本構成の管理方法について述べている。高い資本比率、緩やかな財務レバレッジ、バランスの
とれた満期構成並びに十分な資金借入枠を基に、資本構成を管理している。
(E.1) 資本構成管理
資本構成管理の主たる目的は、投資家、債権者及び顧客の信頼に足る強固な財政基盤を維持し、事業拡大をサポートするこ
とにある。資金需要に応じて、市場から合理的な条件で資金調達を可能とし、高い独立性と信頼性並びに財務的柔軟性を確実
なものとすることができるような資本構成を維持する。
当社に対する長期信用格付けは、ムーディーズによると「A2」、スタンダード&プアーズは「A」であり、いずれも安定した
見通しである。
2019 年12月31日 2018年12月31日
変動（%）
百万ユーロ 資本及び負債合 百万ユーロ 資本及び負債合
計に占める割合 計に占める割合
（%） （%）
30,822 51 28,877 56 7
資本
14,462 24 10,486 20 38
流動負債
14,931 25 12,138 24 23
非流動負債
29,393 49 22,624 44 30
負債
内、金融負債 13,668 23 11,331 22 21
2,203 ▶ 0 0
内、リース負債
60,215 100 51,502 100 17
資本及び負債合計
IFRS第16号の適用により、資本及び負債は2,203百万ユーロ増加し、これは資本及び負債合計の増加の4％ポイントに相当す
る。
2019年には、Qualtricsの買収に係る2,500百万ユーロの融資受け、そのうち500百万ユーロを返済した。 満期時には、ユーロ
債で750百万ユーロを返済し、コマーシャルペーパーの発行を通じて1,100百万ユーロを借り換えた。 その結果、資本及び負債
合計に対する金融負債の額面金額合計の比率は1％ポイント増加した。
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(E.2) 総資本
資本金
当社は無額面無記名にて株式を発行しており、想定額面は一株当たり1ユーロで計算される。全ての発行済株式は全額払込済
である。
発行済株式数
資本金 自己株式
（百万株）
2017 年1月1日
1,228.5 -29.9
自己株式の取得 0 -5.4
株式報酬制度による自己株式の再発行 0 0.2
2017 年12月31日 1,228.5 -35.1
株式報酬制度による自己株式の再発行 0 0.2
2018 年12月31日 1,228.5 -34.9
2019 年12月31日 1,228.5 -34.9
授権株式
定款は、取締役会決議により資本金を増加させることができると定めている。
- 2020年5月19日まで、現金出資に対する無額面無記名株式の新規発行の上限を250百万ユーロとする（授権株式Ⅰ）。発行
は既存株主の法定の新株引受権に従う。
- 2020年5月19日まで、現金または現物出資に対する無額面無記名株式の新規発行の上限を250百万ユーロとする（授権株式
II）。監査役会の同意を条件に、取締役会は特定の場合において既存株主の法定の新株引受権を除外する権限がある。
条件付株式
当社の株式資本は条件付資本の増加の影響を受ける。特定の株式報酬制度に基づいて、当社又は直接的又は間接的に支配さ
れている子会社が発行、保証した転換社債又はストック・オプションの保有者が、それらの転換権及び引受権の範囲において
権利行使可能であり、他にそのような権利が行使されることはない。2019年12月31日時点において、100百万ユーロ、株数にし
て100百万株の株式発行が可能である（2018年：100百万ユーロ）。
その他の資本の構成要素
（百万ユーロ） キャッシュ・フロー・
換算差額 売却可能金融資産 ヘッジ/ヘッジ費用 合計
2017 年1月1日
3,062 292 –8 3,345
損益に組替調整される項目に対する –2,732 –135 29 –2,838
その他の包括利益（税引後）
2017 年12月31日 330 157 21 508
IFRS第9号の適用 0 –158 –3 –160
2018 年1月1日 330 0 18 347
損益に組替調整される項目に対する 910 0 –23 887
その他の包括利益（税引後）
2018 年12月31日 1,239 0 –5 1,234
損益に組替調整される項目に対する 537 0 -1 536
その他の包括利益（税引後）
2019 年12月31日 1,776 0 -6 1,770
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自己株式
2013年6月4日に開催された株主総会にて取締役会に付与された、自己株式取得に関する権限について、2018年5月17日に開催
されたSAP SEの株主総会の決議により、その時点で行使されていないものについては無効化され、2023年5月16日以前であれば
総額120百万ユーロを上限として、取締役会決議によって株主資本額に比例した金額で自己株式を取得可能とする権限に更新さ
れた。なお、当該授権により取得される自己株式は、これまでにSAP SEが取得、保有している自己株式、又はSAP SEに帰属す
るその他の自己株式と併せて、SAP SE社の発行済株式資本の10%を超過しないことを条件としている。自己株式は法的には発行
済株式とされるが、配当を受ける権利及び議決権を有さない。自己株式について消却するか売却することを選択できるほか、
あるいは会社の株式報酬制度に基づくオプション及び転換権に供する目的で使用することができる。また、自己株式を、他社
の合併又は取得の対価としても利用することもできる。
配当方針
将来的な自己株の取得や、総額で税引後利益の40％以上の年度配当を通じて、株主に流動性を還元できる状態を保持するこ
とを基本方針とする。2020年には15億ユーロの株式を買い戻す予定である。
2019年に当社は2018年度に係る配当金は1,790百万ユーロ （一株当たり1.50ユーロ）を実施した。2018年には2017年度に係
る配当金1,671百万ユーロ（一株当たり1.40ユーロ）、2017年には2016年度に係る配当金1,499百万ユーロ（一株当たり1.25
ユーロ）を支払った。配当に加え、2017年は、自己株式の買戻しを通じて500百万ユーロの支払を株主に対して行った。
当社の株主に対する配当可能金額は、ドイツ商法（Handelsgesetzbuch）によって規定される会計原則のもとで作成された法
定財務書類で報告される当社の利益に基づく。2019年12月31日で終了する事業年度において、当社の取締役会は、当社の利益
から一株当たり1.58ユーロの配当（見積総額1,886百万ユーロ）を支払うことを提案する予定である。
(E.3) 流動性
非デリバティブ金融商品の会計処理
非デリバティブ金融負債投資の分類と測定
当社の非デリバティブの負債性金融投資は、銀行預金及び現金同等物(満期3ヶ月以内の流動性の高い投資、
たとえば定期預金やマネーマーケットファンド)、貸付金及びその他金融債権、並びに取得債券投資で構成
されている。
当社は金融資産を「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」として指定しておらず、契約上のキャッ
シュ・フローや、それぞれの資産を保有するビジネスモデルに基づき、金融資産を「償却原価（AC）」、
「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産（FVＯCI）」、「損益を通じて公正価値で測定
される金融商品（FVTPL）」に区分する。元本及び利息以外のキャッシュ・フローの特性を持つ金融資産、
たとえば、マネーマーケットファンド及びこれに類似するファンドは、FVTPLに分類される。元本と利息の
みからキャッシュ・フローが得られるその他すべての金融資産は通常ACに分類される。投資元本を維持する
ために流動性を保持するという保守的な投資方針をとっているからである。
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FVTPLの非デリバティブの負債性金融投資に係る損益は、金融収益（純額）で報告され、公正価値の変動及
び処分から生じる損益を含むその他の損益とは別に、利息損益が表示される。ACの非デリバティブ負債性金
融投資に係る損益は、金融収益（純額）で報告され、処分の損益並びに予想及び発生信用損失を含むその他
の損益とは別に、利息損益が表示される。為替換算レートの変動による損益は、その他の営業外収益・費用
（純額）に含まれる。通常の方法による取得・売却は、取引日に認識される。
非デリバティブ金融負債投資の減損
これらの金融資産について、減損アプローチを以下の通り適用しており、多くの判断が含まれる。
－ 銀行預金、定期預金、並びに社債やコマーシャルペーパーのような負債性証券には、低い信用リスクを
適用する。当社は信用損失のリスクを最小限に抑えるため、信用格付けのグレードが高い発行体の資産
にのみ投資を行っているからである。したがって、これらの資産は通常、信用損失モデルの３つの段階
のうち、ステージ１に分類され、１２か月以内に予想される信用損失に等しい金額で損失引当金を計上
する。当該引当はそれぞれの報告日時点の状況に基づいて計算されており、クレジットデフォルトス
ワップスプレッドをもとに計算された債務不履行の可能性に基づいて発生する損失金額で計上してい
る。当社は最もリスクの低い資産に投資しているが、大幅な上昇の可能性のある信用リスクを評価し、
それが起こった場合の変化に適時に対応するため、市場参加者による信用度の尺度として、クレジット
デフォルトスワップスプレッドの動向を注意深く考慮している。とりわけ、相手方が負債を全額返済で
きない可能性が高い場合、相手方に財政難の情報があるとき、又は全体的な市場環境がかなり安定して
いるにもかかわらず、相手方のクレジットデフォルトスワップスプレッドが大幅な増加した場合には、
銀行預金、定期預金及び負債性証券が債務不履行となるかどうかを検討する。そのような金融資産は、
顧客の破産等、回収されるという合理的な予想を有していないと判断した場合には、その一部または全
部を償却する。
－ 貸付金やその他の金融資産は、当初の認識から信用リスクの著しい増加があるかどうか決定するため、
借り手固有の内外の情報を考慮している。当社は、資産の支払期日を大幅に超過した場合、または借り
手が支払い義務を果たしそうにない場合には、債務不履行になるものとみなす。顧客の破産手続きが最
終化されるか、回収のための手続を全て実行した状況等、金融資産の回収可能性はほとんどないと判断
した場合には償却を行う。
非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、銀行借入金、社債、私募債並びにその他金融負債から構成される。その他の金
融負債には、顧客から資金を預かり、顧客の従業員に対するクレジットカードの支払いやベンダーに対する
支払い等の諸経費の精算を顧客に代わって行うものが含まれる。これらの資金は現金及び現金同等物として
表示しており、顧客の代理として経費の精算等のために支払を行う義務を負債計上している。
FVTPLと指定した金融負債はないため、通常、非デリバティブ金融負債をACに区分する。
ACの金融負債の費用及び利益・損失は、金融収益（純額）で表示される利息費用で構成される。為替換算
レートの変動による利益・損失は、その他の営業外収益・費用（純額）に含まれる。
グループの流動性、金融負債及び純負債
グループの流動性は、銀行預金、マネーマーケット及びその他ファンド、定期預金並びに負債証券（1年未
満の満期のもの）で構成されている。金融負債は、銀行借入金、コマーシャルペーパー、私募債及び社債の
額面金額と定義している。純負債は、金融負債をグループの流動性から差し引いたものである。
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グループ流動性及び純負債
2019 2018 △
（百万ユーロ）
5,314 8,627 -3,313
現金及び現金同等物
67 211 -144
短期定期預金及び負債証券
グループ流動性 5,382 8,838 -3,456
短期金融負債
-2,529 -759 -1,170
-11,139 -10,572 -567
長期金融負債
金融負債 -13,668 -11,331 -2,337
純流動性 -8,286 -2,493 -5,793
当社は、資本構成の表中の比率を継続的にモニタリングすると同時に、グループの流動性及び純負債の比率に基づいて、流
動性と金融負債の構造を常に管理している。
現金及び現金同等物
2019 2018
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
銀行預金 2,877 0 2,877 2,918 0 2,918
定期預金 1,093 0 1,093 4,117 0 4,117
マネーマーケット及びその他ファ 1,347 0 1,347 1,195 0 1,195
ンド
負債証券 0 0 0 400 0 400
-3 0 -3 –3 0 –3
予想貸倒引当金
5,314 0 5,314 8,627 0 8,627
現金及び現金同等物
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非デリバティブ金融負債投資
2019 2018
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
定期預金 44 0 44 137 0 137
負債証券 27 0 27 77 0 77
退職給付制度に関する金融商品 0 183 183 0 165 165
貸付金及びその他金融債権 100 117 217 57 91 147
-3 0 -3 -3 0 -3
予想貸倒引当金
現金及び現金同等物 167 300 467 268 256 524
297 2,336 2,633 448 1,536 1,984
その他金融資産
56 13 18 60 17 26
非デリバティブ金融負債投資が
その他金融資産に占める割合(%)
当初の満期が3か月以内の定期預金及び負債証券は、現金及び現金同等物として表示され、当初の満期が3か月より長い（グ
ループ流動性において投資と考慮されている）定期預金及び負債証券は、その他金融資産として表示されている。負債証券
は、主に金融及び非金融の企業及び地方自治体のコマーシャルペーパー及び購入社債で構成されている。
金融リスク及びリスクの性質のより詳細な情報については、注記(F.1)を参照のこと。
有利子負債
2019 2018
(百万ユーロ)
額面金額 帳簿価額 額面金額 帳簿価額
流動 非流動 流動 非流動 合計 流動 非流動 流動 非流動 合計
社債 1,150 8,367 1,150 8,283 9,433 750 9,512 759 9,445 10,204
私募取引 258 772 259 808 1,067 0 1,011 0 1,041 1,041
コマーシャル 1,100 0 1,100 0 1,100 NA NA NA NA NA
ペーパー
21 2,000 22 1,995 2,017 9 49 9 49 58
銀行借入
2,529 11,139 2,531 11,086 13,617 759 10,572 768 10,535 11,303
有利子負債
3,273 12,923 16,196 1,125 10,553 11,678
金融負債
有利子負債が 77 86 84 68 100 97
金融負債に
占める割合(%)
金融負債は、所有権移転留保及び業界の慣行による同様の権利を除き、無担保である。（金利スワップの影響を加味した）
有利子負債の実効金利は、2019年が1.09%、2018年が1.33%、2017年が1.29%であった。
金融負債に関連するリスクの情報については注記(F.1)を参照。公正価値に関する情報については、注記(F.2)を参照のこ
と。
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社債
2019 年 2018年
残高 残高
額面金額
（百万 （百万
表面 実効 （百万。発行
満期 発行価格 利子率 利子率 通貨で表記） ユーロ） ユーロ）
ユーロ債
2.125%
2019 99.307% 2.29% 750ユーロ 0 759
6-2012 （固定）
ユーロ債 1.125%
2023 99.478% 1.24% 1,000ユーロ 997 996
8-2014 （固定）
ユーロ債 1.750%
2027 99.284% 1.87% 1,000ユーロ 985 992
9-2014 （固定）
ユーロ債 0.000%
2020 100.000% 0.07% 650ユーロ 650 649
11-2015 （変動）
ユーロ債 1.000%
2025 99.264% 1.13% 600ユーロ 596 595
12-2015 （固定）
ユーロ債 0.000%
2021 100.519% -0.15% 500ユーロ 501 502
14-2018 （変動）
ユーロ債 1.000%
2026 99.576% 1.06% 500ユーロ 498 498
15-2018 （固定）
ユーロ債 1.375%
2030 98.687% 1.50% 500ユーロ 491 494
16-2018 （固定）
ユーロ債 0.000%
2020 100.024% -0.01% 500ユーロ 500 500
17-2018 （変動）
ユーロ債 0.250%
2022 99.654% 0.36% 900ユーロ 898 897
18-2018 （固定）
ユーロ債 0.750%
2024 99.227% 0.89% 850ユーロ 844 843
19-2018 （固定）
ユーロ債 1.250%
2028 98.871% 1.38% 1,000ユーロ 982 988
20-2018 （固定）
ユーロ債 1.625%
1,224 1,229
2031 98.382% 1.78% 1,250ユーロ
21-2018 （固定）
ユーロ債合計
9,166 9.942
USドル債 2.607%
267 262
2025 100.000% 2.46% 300米ドル
2018 （変動）
社債合計
9,433 10,204
我々のユーロ債全ては、ルクセンブルグ証券取引所に上場されている。
私募債
2019 年 2018年
実効 額面金額 残高 残高
満期 表面利子率 利子率 （発行通貨で百万） （百万ユーロ） (百万ユーロ)
アメリカ私募債
トランシェ6-2012 2.82% (固定) 290 米ドル
2020 2.86% 259 251
トランシェ7-2012 3.18% (固定) 444.5 米ドル
2022 3.22% 406 395
トランシェ8-2012 3.33% (固定) 323 米ドル
2024 3.37% 305 299
トランシェ9-2012 3.53% (固定) 100 米ドル 97 96
2027 3.57%
私募債
1,067 1,041
アメリカ私募債は、アメリカドルを機能通貨とする子会社により発行された。
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コマーシャルペーパー
コマーシャルペーパープログラム（コマーシャルペーパー）からの純収入は、配当及び株式の買戻しを含む一般的な企業目
的に使用されている。2019年12月31日時点で満期が通常6か月未満のコマーシャルペーパーは1,099.5百万ユーロであり、その
帳簿価額は1,100.5百万ユーロ（2018年12月31日：該当なし）である。当社のコマーシャルペーパーの加重平均利率は2019年12
月31日時点で-0.38％（2018年12月31日：該当なし）であった。
財務活動によって生じる負債の調整表
金融負債の変動額は、財務活動によるキャッシュ・フローの借入によるキャッシュ・フローの金額と調整される。
キャッ 為替 公正
2019年 2019 年
シュ・フ 企業 換算 価値
1月1日 ロー 結合 差額 変動 その他 12月31日
（百万ユーロ）
流動有利子負債 759 -188 0 -6 0 1,963 2,529
非流動有利子負債 10,572 2,500 0 30 0 -1,963 11,139
有利子負債（額面） 11,331 2,312 0 25 0 0 13,668
ベーシス・アジャストメン 42 0 0 1 -30 0 13
ト
取引コスト -70 0 0 0 0 5 -64
有利子負債(帳簿価額） 11,303 2,312 0 25 -30 5 13,616
未払利息 47 0 0 1 0 19 67
金利スワップ -7 0 0 0 14 0 7
リース *1 2,168 -403 52 38 0 348 2,204
財務活動による総負債 13,512 1,910 52 64 -16 373 15,895
*1 その他は新しいリース負債を含む。
キャッ 為替 公正
2018年 2018 年
シュ・フ 企業 換算 価値
1月1日 ロー 結合 差額 変動 その他 12月31日
（百万ユーロ）
流動有利子負債 1,299 –1,300 7 3 0 750 759
非流動有利子負債 4,965 6,308 0 49 0 –750 10,572
有利子負債（額面） 6,264 5,008 7 51 0 0 11,331
ベーシス・アジャストメン 62 0 0 –1 –19 0 42
ト
取引コスト –26 –48 0 0 0 3 –70
有利子負債(帳簿価額） 6,301 4,961 7 50 –19 3 11,303
未払利息 34 0 0 –1 0 14 47
金利スワップ –24 0 0 –1 17 0 –7
財務活動による総負債 6,311 4,961 7 48 –1 18 11,343
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セクションF – 金融リスク要因の管理
このセクションは、金融リスク要因及び為替リスク、金利リスク、株価リスク、信用リスク及び流動性リスクに関するリス
ク管理について説明している。さらに、このセクションには金融商品に関する情報が含まれている。
(F.1) 金融リスク要因及びリスク管理
金融商品デリバティブの会計処理
当社は為替リスク又は金利リスクをヘッジするためにデリバティブを使用し、判断を伴うIFRS第9号に基
づくヘッジ会計の基準を満たす場合にそれらをキャッシュ・フロー又は公正価値ヘッジとして指定してい
る。
ヘッジ手段として指定されていないデリバティブ
多くの取引は経済的ヘッジを構成するため、金融リスクの固定に効果的に寄与しているが、IFRS第9号に
基づくヘッジ会計の要件は満たさない。外貨建て及び認識された貨幣性資産及び負債に内在する通貨リス
クをヘッジするために、基礎となる取引からの損益はデリバティブからの損益と同一期間に純損益に認識
されるため、当社はトレーディング目的のデリバティブ金融商品を会計ヘッジとして指定していない。
また、当社は時折、個別に会計処理することが要求される外貨組込デリバティブを含む契約を締結してい
る。
FVTPLにおけるそのようなデリバティブの直物部分の公正価値の変動は、その他の営業外収益/費用（純
額）に含まれ、先物要素は金融収益（純額）に表示されている。
ヘッジ手段として指定されているデリバティブ
a) キャッシュ・フロー・ヘッジ
概して、当社は発生可能性の高い予定取引の為替リスクに対してキャッシュ・フロー・ヘッジ会計を適用
している。 為替リスクに関して、ヘッジ会計は、直物価格と、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定
され適格なデリバティブの本源的価値に関連している。したがって、現在価値ベースで判断されたこれら
の構成要素の有効部分はその他の包括利益に計上される。ヘッジ関係から除外された先物要素及び時間的
価値並びに外国為替ベーシス・スプレッドは、ヘッジコストとしてその他の包括利益に分けて計上され
る。当該金額は重要ではないため、ヘッジコストは当社の連結包括利益計算書及び連結資本変動計算書に
おいてキャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分と共に表示されている。デリバティブのカウンターパー
ティーの信用リスク調整及び無効部分を含むその他全ての要素は、直ちに損益計算書の金融収益（純額）
に認識される。その他の包括利益に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同一期間
に、損益計算書のその他の営業外収益／費用（純額）及び金融収益（純額）に振り替えられる。
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b) 公正価値ヘッジ
当社は一定の固定金利金融負債について公正価値ヘッジ会計を適用し、公正価値変動を金融収益（純額）
に表示している。
c) 有効性の評価とテスト
指定されたヘッジ関係の開始時に、当社は当社のリスク管理戦略及びヘッジ対象とヘッジ手段との間の経
済的関係を文書化している。通貨、満期及び金額はそれぞれ予定取引及び先物為替予約の直物要素又は通
貨オプションの本源的価値と密接に関連しているため、主要な条件が一致することをもって経済的関係の
存在及び将来に向かってテストされたヘッジ関係の有効性は実証される。金利スワップについては、独立
変数としてのヘッジ対象の価値の変動とデリバティブの公正価値の変動との間の関係の有効性及び範囲が
決定される回帰分析による統計的手法を用いて将来に向かって有効性がテストされる。
無効の主な原因は以下の通り。
－ カウンターパーティー及び当社自身の信用リスクが先物為替予約及び金利スワップの公正価値に与え
る影響（それぞれのヘッジ対象には反映されていない）
－ 当社のキャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ対象及びヘッジ対象取引のタイミングの相違
当社は、市場リスク(すなわち、為替変動リスク、金利リスク及び株価リスク)、信用リスク及び流動性リスクといった様々
な金融リスクにさらされている。
当社は、グローバル財務部門、グローバルリスクマネジメント及びグローバルクレジットマネジメントを通じて、市場リス
ク、信用リスク、及び流動性リスクをグループ全体で管理している。リスク管理方針はリスクを識別し、適切なリスク限度を
設定し、そしてリスクを監視するために設けられている。 リスク管理方針及びヘッジ戦略は、当社の内部ガイドライン（例え
ば、財務ガイドライン及びその他の内部ガイドライン）に記載されており、市況及び当社の事業の変化を反映するための継続
的な内部レビュー及び分析の対象となる。
当社はリスクを軽減するためにのみデリバティブ金融商品を購入し、対応する基礎取引なしにデリバティブを開始すると
いった投機目的はない。
為替変動リスク
為替変動リスク要因
当社はグローバル企業であるため、当社の事業活動は外貨変動リスクにさらされている。グループ内の各法人は主にそれぞ
れの機能通貨により業務を行っているため、継続的な通常業務における換算レートの変動に伴うリスクは重要であるとはみな
されない。しかし、機能通貨以外の通貨建ての取引により、外貨建ての営業債権、営業債務、及び、その他貨幣項目が発生す
る可能性がある。関連する為替変動リスクを緩和する為に、取引の大部分は以下の通り、ヘッジされている。
まれに、機能通貨以外の通貨での取引は組込外貨デリバティブをもたらすことがあり、当該デリバティブ部分は区分され、
損益を通じて公正価値が測定される。
加えて、SAPグループの知的財産所有会社は、外貨での関係会社間予測キャッシュ・フローに係るリスクにさらされている。
これらのキャッシュ・フローは子会社から各々の知的財産所有会社へのロイヤリティ支払いから生じるものである。当該ロイ
ヤリティは子会社の外部売上に連動している。ロイヤリティは殆どが子会社の現地通貨建てである一方、最大のロイヤリティ
のボリュームを持つ知的財産所有会社の機能通貨がユーロであるため、知的財産所有会社に為替変動リスクの集中をもたら
す。この種の最大の為替変動エクスポージャーは、例えばUSドル、イギリスポンド、日本円、スイスフラン及びオーストラリ
アドルのような重要な業務を行う子会社の通貨に関連している。
通常、投資及び財務活動に関して、当社は重要な為替換算リスクにはさらされていない。なぜならそれらの活動は通常、投
資又は借入を行う企業体の機能通貨で行われているからである。
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為替変動リスク管理
当社は主に損益の変動を減少させる目的で、貨幣性項目及び予定取引に基づく通貨変動リスクに対するエクスポージャーを
継続的に監視し、必要に応じて、デリバティブ金融商品、主として先物為替予約を用いてグループ全体の為替リスク管理戦略
を追求している。ヘッジ手段の大部分はヘッジ会計に関連するものとして指定されていない。
ヘッジ手段として指定されている通貨ヘッジ（キャッシュ・フロー・ヘッジ）
外貨建ての海外子会社からの重要な予測キャッシュ・フロー（ロイヤリティ）をヘッジするため、1:1のヘッジ比率で、当社
が使用する為替デリバティブの中で最長満期である12ヶ月までのデリバティブ商品、主に先物為替予約を締結している。
表示されている全ての事業年度において、発生可能性が高いものとして外貨キャッシュ・フロー・ヘッジ関係のヘッジ対
象として指定された予定取引で、発生可能性が低下した取引はこれまで無かった。よって、当社はいかなるキャッシュ・フ
ロー・ヘッジ関係も中止していない。また、全ての報告年度において非有効なヘッジは重要でないか又は存在しなかった。一
般に、ヘッジされた予定取引のキャッシュ・フローは、財政状態計算書日から12ヶ月内に発生し、毎月純損益に認識されるこ
とが期待される。
ヘッジ対象として指定された項目に関連する2019年12月31日現在の金額は以下の通りである。
為替変動ヘッジにおける指定ヘッジ対象
予想ライセンス支払
（百万ユーロ） 2019
ヘッジ非有効部分の計算に使用される公正 -7
価値の変動
キャッシュ・フロー・ヘッジ -7
ヘッジコスト -2
ヘッジ会計が適用されなくなったキャッ 0
シュ・フロー・ヘッジ剰余金残高
ヘッジ手段として指定された2019年12月31日現在の金額は以下の通りである。
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為替変動ヘッジにおける指定ヘッジ手段
予想ライセンス支払
（百万ユーロ） 2019
名目金額 518
帳簿価額
その他の金融資産 3
その他の金融負債 -11
OCIに認識された公正価値の変動 7
金融収益（純額）に認識されたヘッジの非 0
有効部分
OCIに認識されたヘッジコスト 2
OCIのキャッシュ・フロー・ヘッジからそ -22
の他の営業外収益（純額）に組み替えられ
た金額
OCIのヘッジコストから金融収益（純額） -6
に組み替えられた金額
2019年12月31日現在、当社は外貨の変動に対するエクスポージャーをヘッジするために以下のヘッジ手段を有している。
為替変動ヘッジにかかるヘッジ手段の詳細
満期
2019
1～6ヶ月 6～12ヶ月
先物為替予約
ネット・エクスポージャー（百万ユーロ） 324 193
EUR：GBP平均先物レート 88.77 89.84
EUR：JPY平均先物レート 121.97 119.32
EUR：CHF平均先物レート 1.11 1.09
EUR：AUD平均先物レート 1.63 1.65
為替レートエクスポージャー
リスクに対するエクスポージャーは以下の仮定に基づいている。
- SAP グループ内の各法人は、一般的にそれぞれの機能通貨により業務を行っている。例外的な場合や限られた経済環境下
においては、業務上の取引は機能通貨以外の通貨建てで行われ、関連する貨幣性商品の為替変動リスクをもたらす。それ
らの取引が、重要な場合には、為替変動リスクはヘッジされる。したがって、為替レートの変動は非デリバティブ貨幣性
金融商品及び関連収益又は費用に関して損益計算書上、及びその他の包括利益上重要な影響を与えない。
- 為替変動リスクをヘッジする目的で指定された単独のデリバティブはほぼ完全に、同期間の連結損益計算書上の為替レー
トの変動によるヘッジ対象の公正価値の変動と均衡している。結果として、ヘッジ対象とヘッジ手段は、為替変動リスク
にさらされず、利益に影響を与えない。
結果として、当社は以下に関連した外貨為替レートの変動にのみさらされている。
- その他の包括利益に影響を与える指定されたキャッシュ・フロー・ヘッジ関係にあるデリバティブの直物要素
- その他の営業外費用（純額）に影響を与える外貨組込デリバティブ
当社の2019年12月31日現在の外貨エクスポージャー（及び平均最大/最小エクスポージャー）は以下の通りである。
外貨エクスポージャー
（十億ユーロ） 2019 2018
全ての主要通貨に対しての期末時点でのエクスポージャー
1.0 6.3
平均エクスポージャー 0.7 2.1
最大エクスポージャー 1.0 6.3
最小エクスポージャー 0.6 0.7
為替レートの感応度
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当社はユーロと全ての主要通貨間の為替レートの+/- 10％の変動について感応度を計算する（2018: ユーロとその他の主要通
貨間為替レートの+/- 10％の変動、2017年：ユーロとその他の主要通貨間為替レートの+/- 10％の変動及びユーロとその他の主
要通貨間為替レートの+/- 10％の変動）。2017年、2018年及び2019年12月31日において上述のように為替レートが増減した場
合、 その他の営業外費用（純額）及びその他の包括利益に次のような影響がある。
外貨の感応度
その他営業外費用（純額）へ
（百万ユーロ）
の影響 その他包括利益への影響
2019 2018 2017 2019 2018 2017
指定されたキャッシュ・フロー・ヘッジ関係にあるデリ
バティブ
全ての主要通貨の変動-10% （2018:全ての主要通貨- 53 62 71
10%、2017:全ての主要通貨-10%）
全ての主要通貨の変動+10% （2018:全ての主要通貨 -53 -62 -71
+10%、2017: 全ての主要通貨+10%）
組込デリバティブ
全ての通貨の変動-10% 53 11 15
全ての通貨の変動+10% -53 -11 -15
Qualtricsの買収に関連して開催されたFXオプション
0 -29 0
USDの変動-10%
0 559 0
USDの変動+10%
金利リスク
金利リスク要因
当社の投資の大部分は変動金利及び/又は短期(2019年：80％、2018年：48％)であり、当社の資金調達取引の大部分は固定金
利及び長期（2019年：69％、2018年：83％）であるため、主にユーロとドルでの投資及び財務活動の結果として、当社は金利
リスクにさらされている。
金利リスク管理
当社の金利リスク管理の目的は、固定及び変動キャッシュ・フローについてバランスのとれた仕組みを構築することによ
り、損益に与える影響を軽減させ、金利の効果を最大にすることである。そのため、当社は所与の投資及び有利子負債による
資金調達のポートフォリオに金利関連デリバティブ商品を加えることで金利リスクを管理している。当社の負債の純額の望ま
しい固定変動割合は、財務委員会により設定されている。
ヘッジ手段として指定されているデリバティブ（公正価値ヘッジ）
資金調達取引から生じる金利リスクを投資と整合させるため、当社は受取金利スワップを用い固定金利の金融負債を変動金
利へ変更しており、このようにして、スワップした資金調達取引の公正価値を1:1で固定している。金利スワップを含む2019年
12月31日時点における有利子金融負債の合計残高の35%（2018年：71%）が、固定金利であった。
ヘッジ対象として指定された項目に関する2019年12月31日現在の金額は以下の通りである。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ対象
2019
EUR建固定金利借入
（百万ユーロ） USD建固定金利借入
想定元本 3,750 545
帳簿価額 3,707 545
その他の金融負債における累積公正価値調整 25 -38
非有効部分の測定に使用された公正価値の変動 25 -11
ヘッジ損益について調整されなくなったヘッジ対 0 -28
象にかかる公正価値ヘッジの調整累積金額
ヘッジ手段として指定された2019年12月31日現在の金額は以下の通りである。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ手段
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2019
EUR建借入に係る USD建借入に係る
（百万ユーロ） 金利スワップ 金利スワップ
想定元本 3,750 545
帳簿価額
その他の金融資産 0 9
その他の金融負債 -16 0
非有効部分の測定に使用した公正価値の変動 -16 9
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2019年12月31日現在、当社は金利変動に対するエクスポージャーをヘッジするために以下のヘッジ手段を有している。
金利ヘッジにおけるヘッジ手段の詳細
2019
満期
2020 2022 2024 2027 2028 2030 2031
（百万ユーロ）
EUR建金利スワップ
想定元本 1,000 1,000 500 1,250
平均変動金利 1.528% 0.952% 0.927% 1.090%
USD建金利スワップ
想定元本 258 198 89
平均変動金利 2.516% 2.491% 2.370%
全ての受取スワップの公正価値の調整、公正価値指定ヘッジ関係で保有されているヘッジ対象のベーシスの調整及び金融収
益（純額）で認識された両者の差は、開示されているいずれの年度においても重要でない。
金利エクスポージャー
当社の12月31日時点での金利エクスポージャー（及び平均/最大/最小エクスポージャー）は次の通りである。
金利リスク・エクスポージャー
（十億ユーロ） 2019 2018
期末 平均 最大 最小 期末 平均 最大 最小
金利の公正価値リスク
投資 0.03 0.05 0.07 0.03 0.08 0.09 0.10 0.08
金利のキャッシュ・フロー・リスク
投資(現金含む) 4.32 4.32 5.04 3.89 4.24 4.16 5.65 3.50
資金調達 3.92 4.25 4.43 3.92 1.96 2.08 2.32 1.45
金利スワップ 4.29 3.05 5.06 1.28 1.28 1.31 1.36 1.27
金利の感応度
IFRS7号に従って当社の金利リスクに対するエクスポージャーの損益及び資本に対する影響を示すため、以下を考慮して感応
度分析を実施している。
－ 非デリバティブ固定金利金融商品が公正価値で認識されている場合のみ、金利の変動は非デリバティブ固定金利金融商品
の会計処理に影響する。したがって、当社は非デリバティブ金融負債を償却原価で評価していることから、そのような金
利の変動は、当社の非デリバティブ固定金利金融負債の帳簿価額を変動させない。純資産を通じて公正価値として分類さ
れた固定金利金融資産への投資は、各報告年度末において重要性が無いため、資本関連の感応度分析において固定金利金
融商品を考慮していない。
－ 変動金利のある非デリバティブ金融商品からの損益は、もしそれらが有効なヘッジ関係によりヘッジされていない場合、
金利リスクの影響を受ける。そのため、変動金利による資金調達及び短期金融商品への投資活動に係る金利の変動を収益
関連の感度分析において考慮している。
－ 受取金利スワップを公正価値ヘッジとして指定することにより、金利の変動が金融収益（純額）に影響を与える。金利ス
ワップに関連する公正価値の変動は、ヘッジ対象の社債及び私募投信の固定金利の支払と相殺されることから感応度計算
に反映されていない。しかし、市場金利の変動は、金利スワップによる金利の支払額に影響を与える。結果として、利息
支払いに係る市場金利の影響は利益に関連した感応度計算に含まれている。
当社の感応度分析は、アメリカドルとユーロ圏では金利についての想定が異なるため、アメリカドル又はユーロ圏に対して
それぞれ+50又は+10ベーシス・ポイント(bps)のイールドカーブ上方シフト（2018年： アメリカドル/ユーロ圏に対してそれぞ
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れ +100/+30bps、2017年：アメリカドル/ユーロ圏に対してそれぞれ+100/+25bps、）、及びアメリカドル又はユーロ圏に対して
それぞれ-50又は-20bpsのイールドカーブ下方シフト（2018年：アメリカドル/ユーロ圏に対してそれぞれ-25bps/-10bps、2017
年： アメリカドル/ユーロ圏に対して-25bps）に基づいて感応度分析を行う。
2017年、2018年及び2019年12月31日時点での金利が上述のように上昇又は下降したとしても、当該金利変動は、変動金利投
資による金融収益（純額）に対して重要な影響を及ぼさない。また、金融収益（純額）への影響は以下の通りである。
金利感応度分析
（百万ユーロ） 金融収益（純額）に対する影響
2019 2018 2017
指定された公正価値ヘッジ関係のあるデリバティブ
金利 対アメリカドル+50 bps /対ユーロ圏+10 bps
（2018年：対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+30
-41 -20 -26
bps、2017年：対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+25
bps）
金利 対アメリカドル-50bps /対ユーロ圏-20 bps
（2018年：対アメリカドル-25bps /対ユーロ圏-10
76 5 9
bps、2017年：対アメリカドル及び対ユーロ圏-25 bps）
変動金利による資金調達
金利 対アメリカドル+50 bps /対ユーロ圏+10 bps
（2018年：対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+30
-8 -24 -5
bps、2017年：対ユーロ圏+25 bps）
金利 対アメリカドル-50bps /対ユーロ圏-20 bps
（2018年：対アメリカドル-25bps /対ユーロ圏-10
8 ▶ 0
bps、2017年：対ユーロ圏-25 bps）
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株価リスク
株価リスク要因
当社は株式への投資及びに株式報酬制度に関連して株価リスクにさらされている。
株価リスク管理
当社の上場株式投資は、世界中の不安定な株式市場の変動により影響を受ける現在の市場価格に基づいてモニタリングされ
ている。非上場株式投資は、被投資会社により提供される詳細な財務情報に基づきモニタリングされている。当社の上場株式
投資の公正価値は株価に依存し、一方で非上場株式投資の公正価値は、様々な観察不能な要素に影響を受ける。
当社は株式報酬制度に関するエクスポージャーについてもまたモニタリングしている。結果として生じる損益の変動を減ら
すため、当社はデリバティブ商品を購入することによって株式に基づく報酬制度に関連するキャッシュ・フローのエクスポー
ジャーをヘッジしているが、指定されたヘッジ関係を構築してはいない。
株価エクスポージャー
2019年12月31日時点で株式への投資による当社のエクスポージャーは1,996百万ユーロ（2018年：1,248百万ユーロ、2018
年：827百万ユーロ）であった。
当社の株式報酬制度からのエクスポージャーについては、注記（B.3）参照のこと。
株価の感応度
IFRS第7号ではヘッジ手段の基礎となる株式報酬を対象外としているが、デリバティブ商品のみを考慮に入れると当社の株価
リスク・エクスポージャーが適切に反映されないため、当社の株式報酬制度の感応度分析にはヘッジ手段とその基礎となる株
式報酬が含まれている。
株価の変動に対する当社の感応度は以下の通りである。
株価感応度
（百万ユーロ） 2019 2018 2017
株式への投資
株価の上昇及びそれぞれの観察不能なインプットの10％
156 65 56
増加 - 金融収益の増加（純額）
株価の下落及びそれぞれの観察不能なインプットの10％
-156 -65 -56
減少 - 金融収益の減少（純額）
株式報酬
株価の20％の上昇
- 株式報酬費用の増加 -298 -279 -371
- ヘッジ手段からの相殺利益の増加
48 57 65
株価の20％の下落
- 株式報酬費用の減少
307 262 337
- ヘッジ手段からの相殺利益の減少
-46 -44 -46
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信用リスク
信用リスク要因
投資における信用リスクを軽減するため、当社は投資額の全額のうち特定の投資活動について取引先の債務不履行の場合に
のみ実行することができる担保権を受け取ることとなっている。信用リスクを軽減するためのその他重要な契約をしていない
場合においては、上述の契約を除く、現金及び現金同等物、短期投資、貸付金及びその他の金銭債権、並びにデリバティブ金
融資産として認識される金額の合計が信用リスクに対する最大のエクスポージャーを表している。
信用リスク管理
預金、定期預金及び負債証券
当社の投資活動及びデリバティブ金融資産に対する信用リスクを軽減するため、当社は内部財務ガイドラインの要求に基づ
き、全ての活動は、承認された主要な金融機関及び高い格付けを得ている発行者とのみ行っている。その諸規定のガイドライ
ンでは格付けが最低でもBBBフラットである発行者からの資産にのみ投資するよう求めている。より低い格付けの発行体への投
資は例外的な場合のみである。2019年度及び2018年度においてそのような投資は重要ではない。当社の金融資産の加重平均格
－
付けはAからA の範囲にある。当社は、主に短期投資、標準的な投資商品、並びに様々な取引先と事業を行うことによる幅広い
ポートフォリオの多様化を特徴とする慎重な投資方針を追求している。
さらに信用リスクを軽減させるために、投資金額全額のうち特定の投資について、投資先が債務不履行となった場合に権利
行使できる担保を要求している。そのような担保として、当社は少なくとも投資適格の格付けを有する債券のみを受け入れて
いる。
加えて、取引先が商品、セクターあるいは地域ごとに類似の活動に従事している場合に存在する信用リスクの集中は、取引
先の世界的な分散及び各取引先に対する内部与信限度制度の順守によってさらに軽減される。この内部与信限度制度では、
個々の取引先との取引量を定義された限度額に制限すると規定しているが、当該限度額は、少なくとも1つの主要な格付機関、
各金融機関のTier 1資本、又はドイツ預金者保証基金や同様の保護スキームへ参加により入手可能な公式の長期信用格付け
よって決定される。当社は継続的にこれら取引先との取引限度額を厳格に遵守し続けている。クレジット・デフォルト・ス
ワップのプレミアムは、主に市場参加者による債務者の信用力の評価に左右されるため、当社はまた、市場のクレジット・デ
フォルト・スワップスプレッドの動きを注視して、発生しうるリスクの動きを評価し、これらが顕在化した場合には適宜に対
応する。
銀行預金、定期預金及び取得した債券やコマーシャルペーパーなどの債務証券については、一般的な減損アプローチを適用
する。信用損失のリスクを最小限に抑えるために、最低でも投資適格の最低格付けの発行体の高品質資産にのみ投資すること
が当社の方針であるため、当社は低い信用リスクの例外規定を適用する。したがって、これらの資産は常に3段階の信用損失モ
デルの第1段階に割り当てられ、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額の損失引当金を計上する。当該損失引当金は書く報告書日
における当社のエクスポージャー、このエクスポージャーに対する債務不履行によって与えられる損失、及びデフォルト確率
の尺度としてのクレジット・デフォルト・スワップ・スプレッドに基づいて算定される。当社の投資が存続期間中、常に投資
適格の要件を満たすことを確かめるため、当社は公表されている外部の信用格付けをトラッキングすることにより信用リスク
の変化を監視している。取引相手の経済的困難に関する情報がある場合、又は全体的な市場環境がかなり安定しているにもか
かわらず、長期間にわたって取引相手のクレジット・デフォルト・スワップ・スプレッドが急激に増加した場合、特に、取引
先が債務を全額支払う可能性が低い場合には、銀行預金、定期預金及び債務証券は債務不履行に陥っていると判断する。その
ような金融資産は、例えば、金融資産の得意先の破産等の裏づけによって回復可能性が低いと考えられる場合、部分的に又は
全額が償却される。
営業債権
営業債権のデフォルトリスクは主に外部の格付けによる顧客の信用力の評価及び関係する顧客との過去の経験に基づいて、
別途管理されている。この評価に基づいて、各顧客に個別の与信限度額が設定され、与信限度額からの逸脱は経営管理者に
よって承認される必要がある。
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当社は、すべての営業債権及び契約資産に対して、当初認識時に発生が予想される信用損失を考慮した引当マトリクスを利
用することにより、単純化された減損アプローチを適用する。引当金マトリクスの目的のために、各国におけるカントリーリ
ス ク評価といった市場情報に基づいて、顧客は様々なリスククラスに分類される。予想信用損失を反映するために使用される
損失率は、様々な滞留の段階を経て進行する債権の回収可能性及び過去数年間にわたる当社の信用損失実績に基づくロール
レート法を用いて決定される。これらの損失率は、過去のデータが収集された期間の経済状況、現在の状況、及び債権が存在
すると予想される期間にわたる経済状況の変化に係る差異を反映するための将来予測情報によって高められています。将来予
測情報は、カントリーリスクの格付けの変化又は当社が事業を行う顧客の国々のクレジット・デフォルト・スワップの変動に
基づいている。営業債権及び契約資産が信用減損しているという客観的な根拠があるかどうかを評価するために、当社は未払
債権を現地で継続的に観察している。営業債権及び契約資産が信用減損しているという根拠には、滞留債権の中でも、顧客の
重大な経済的困難に関する情報、又は支払計画の不履行が含まれる。取引先が債務を全額支払う可能性が低い場合、債権は債
務不履行に陥っているとみなすが、通常の業務の中で支払いが遅れる（例えば、90日を超えて延滞する）だけでは、必ずしも
顧客の債務不履行を示唆するわけではない。回復の可能性が低いと判断した場合、残高の一部又は全部を償却する。回収可能
性が低いことは、例えば、顧客の破産手続きが完了した時や全ての執行手続が完了した時に証明されることがある。
個人顧客からの営業債権に対する債務不履行の影響は、当社の大規模な顧客基盤及び世界中の様々な業界、企業規模、及び
国々へ分布していることによって軽減されている。 当社の営業債権の詳細については、注記（A.2）参照のこと。
信用リスクのエクスポージャー
現金、定期預金及び負債証券
2019年12月31日現在、現金、定期預金及び債務証券による信用リスクに対する当社のエクスポージャーは以下の通りであっ
た。
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現金、定期預金及び負債証券からの信用リスクへのエクスポージャー
（特に記載のない限り
2019
百万ユーロ）
相当する 加重平均損 非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
外部評価 失率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
リスククラス1 - 低リスク AAAからBBB-
-0.1% 3,838 0 -3
BBからD
リスククラス2 –高リスク
0.0% 23 0 0
NA
リスククラス3 – 未評価
-5.0% 52 0 -3
合計 -0.2% 3,913 0 -6
（特に記載のない限り
2018
百万ユーロ）
相当する 加重平均損 非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
外部評価 失率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
AAAからBBB-
リスククラス1 - 低リスク
-0.1% 7,406 0 -5
BBからD
リスククラス2 –高リスク
0.0% 34 0 0
NA
リスククラス3 – 未評価
-3.3% 30 0 -1
合計 -0.1% 7,470 0 -6
2019年12月31日現在、当社の定期預金、その他の貸付金及びその他の金融債権の大部分はドイツに集中している。 期限が超
過しているが減損していない定期預金、貸付金、又はその他の金融債権はなく、その時点で期日が超過しておらず、減損して
いないそのような資産の減損の兆候も見られなかった。
営業債権及び契約資産
2019年12月31日現在、営業債権からの信用リスクに対する当社のエクスポージャーは以下の通りであった。
営業債権及び契約資産からの信用リスクへのエクスポージャー
（特に記載のない限り
2019
百万ユーロ）
非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
加重平均損失率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
期日前又は期日の営業債権 -0.2% 5,226 0 -9
期日後１～30日の営業債権 -0.5% 733 36 -4
期日後30～90日の営業債権 -0.8% 668 23 -5
期日後90日以上経過した営業債
権 -11.1% 869 158 -114
合計 -1.7% 7496 217 -131
（特に記載のない限り
2018
百万ユーロ）
非信用減損分の総 信用減損分の 予想信用損失
加重平均損失率 帳簿価額 総帳簿価額 引当金
期日前又は期日の営業債権 -0.3% 4,288 0 -13
期日後１～30日の営業債権 -0.3% 749 15 -2
期日後30～90日の営業債権 -0.5% 551 8 -3
期日後90日以上経過した営業債
権 -13.0% 558 125 -89
合計 -1.7% 6,146 148 -107
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2019年の、営業債権及び契約資産に係る予想信用損失引当金の変動は以下の通りである。
営業債権及び契約資産に係る予想信用損失引当金の変動
2019 2018
(百万ユーロ)
予想信用損失引当金 予想信用損失引当金
1月1日時点のIFRS第9号での残高
-107 -99
認識された信用損失純額 -38 -18
貸倒償却額 13 10
12月31日時点の残高 -131 -107
流動性リスク
流動性リスク要因
我々は、サプライヤー、従業員及び金融機関への負債による流動性リスクに晒されている。
流動性リスク管理
グループの流動性は、主として財務的義務を履行するのに適当な水準を維持するために、グローバル財務部により管理され
ている。
通常、流動性の主な財源は我々の事業運営から発生する資金である。グローバル財務部は全ての子会社についてその流動性
をセントラルに管理している。可能である場合には、子会社の余剰資金をセントラルでプールしており、それを事業運営や、
子会社の資金需要、市場投資に使用することができる。上記の説明の通り、高い信用力のある相手先あるいは証券発行者にの
み投資し流動性を確保しつつ、利回りの最適化を目指している。これにより高い水準の流動性資産及び市場性のある証券は戦
略的な貯えとなりSAPが柔軟性、健全性、及び独立性を保持し続けることに貢献している。
効果的な運転資本及び資金管理に加えて、様々な金融機関との間で必要に応じて引き出し可能である適切な量の信用枠を手
配することにより日常の業務管理や財務責任履行のために固有の流動性リスクを軽減している。
高い財務柔軟性を維持するために、2017年にSAP SEは2024年までの期間で25億ユーロのシンジケート・クレジット・ファシリ
ティ契約を締結した。ファシリティーの使用はいかなる財務制限条項からも制約を受けない。当該クレジットファシリティー
による借入は、それぞれの通貨に対するEURIBORあるいはLIBORに17ベーシス・ポイントのマージンが加算された利息が発生す
る。我々はまた未使用の信用枠について年間5.95ベーシス・ポイントのコミットメントフィーを支払うことが求められてい
る。当該信用枠は使用していない。
2019年9月、当社はコマーシャルペーパープログラム（コマーシャルペーパー）を開始した。2019年12月31日現在、コマー
シャルペーパーの発行残高は1,099.5百万ユーロで満期は通常6か月未満である。
さらに、2018年及び2019年の12月31日時点でSAP SEはそれぞれ合計で445百万ユーロ及び430百万ユーロの使用可能な借入枠
があった。開示された全ての事業年度において、これら借入枠内での重要な借入はない。
流動性リスク・エクスポージャー
2019年12月31日現在における全ての金融負債の契約上の満期日までの分析について以下の表に記載する。契約上の相手方の
要求によりいつでも支払いが行われ得る金融負債についてはその可能性がある一番早い期間に区分している。変動金利の支払
いは、2019年12月31日時点で最新の固定された関連金利を用いて計算している。通常デリバティブ契約を総額で決済するた
め、全ての通貨及び金利デリバティブについて、そのデリバティブの公正価値がマイナスかどうかにかかわらず、受取額又は
支払額を個別に記載している。通貨デリバティブに関連するキャッシュ・アウト・フローは対応する直物レートを用いて換算
している。
非デリバティブ金融負債の契約上の満期
帳簿価額 契約上のキャッシュ・フロー
（百万ユーロ）
12/31/2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025以降
非デリバティブ金融負債
営業債務 -1,283 -1,283 0 0 0 0 0
リース負債 -2,203 -431 -363 -284 -224 -190 -1,019
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-13,912 -2,888 -630 -3,414 -1,095 -1,231 -5,467
その他の金融負債
-17,398 -4,602 -993 -3,698 -1,319 -1,421 -6,486
非デリバティブ金融負債合計
帳簿価額 契約上のキャッシュ・フロー
12/31/2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024以降
（百万ユーロ）
非デリバティブ金融負債
営業債務 -1,265 -1,265 0 0 0 0 0
-11,602 -1,149 -1,585 -622 -1,410 -1,097 -6,689
金融負債
-12,866 -2,414 -1,585 -622 -1,410 -1,097 -6,689
非デリバティブ金融負債合計
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デリバティブ金融負債及び金融資産の契約上の満期
契約上の 契約上の
キャッシュ・ キャッシュ・
帳簿価額 フロー 帳簿価額 フロー
12/31/2019 2020 2021以降 12/31/2018 2019 2020以降
（百万ユーロ）
デリバティブ金融負債及び資産
デリバティブ金融負債
ヘッジ手段として指定されてい
ない通貨デリバティブ -55 -64
キャッシュ・アウト・フロー -2,865 -3 -2,111 -11
キャッシュ・イン・フロー 2,816 0 2,062 0
ヘッジ手段として指定されてい
る通貨デリバティブ -11 -9
キャッシュ・アウト・フロー -415 0 -340 0
キャッシュ・イン・フロー 401 0 330 0
ヘッジ手段として指定されてい
る金利デリバティブ -16 -3
キャッシュ・アウト・フロー -28 -536 -15 -27
36 515 13 26
キャッシュ・イン・フロー
-82 -55 -24 -76 -61 -12
デリバティブ金融負債合計
デリバティブ金融資産
ヘッジ手段として指定されてい
ない通貨デリバティブ 33 100
キャッシュ・アウト・フロー -3,442 0 -4,025 0
キャッシュ・イン・フロー 3,468 0 4,076 0
ヘッジ手段として指定されてい
る通貨デリバティブ 3 2
キャッシュ・アウト・フロー -114 0 -203 0
キャッシュ・イン・フロー 117 0 202 0
ヘッジ手段として指定されてい
る金利デリバティブ 9 11
キャッシュ・アウト・フロー -14 -18 -8 -14
17 24 19 15
キャッシュ・イン・フロー
44 32 6 113 61 1
デリバティブ金融資産合計
デリバティブ金融負債
-37 -23 -18 37 0 -11
及び資産 合計
(F.2) 金融商品に関する公正価値の開示
レベル振替
公正価値ヒエラルキーの異なるレベル間での振替については、振替をもたらした事象や状況の変化が発生
した期の期首時点に生じたものとみなして認識する。
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金融商品の公正価値
当社は、通常の事業運営にあたり様々な金融商品を保有しており、それらは償却原価(AC)又は損益を通じて公正価値で測定
される金融商品(FVTPL)に分類される。金融商品を公正価値で測定するため、もしくはその公正価値を開示する必要があるた
め、公正価値を決定する為に用いたインプット及びそれらの評価技法の重要性に基づき、金融商品を3つのレベルの公正価値ヒ
エラルキーに分類している。
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金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキーの内訳
2019年12月31日
測定分類 公正価値
分類 帳簿価額
償却 公正
（百万ユーロ） 原価 価値 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
資産
現金及び現金同等物 5,314
1)
銀行預金
AC 2,877 2,877
1)
定期預金
AC 1,090 1,090
マネーマーケット及び類似の
ファンド FVTPL 1,347 1,347 1,347 1,347
営業債権及びその他債権 8,037
1)
営業債権
AC 7,582 7,582
2)
その他債権
- 454
その他金融資産 2,633
債務証券 AC 27 27 27 27
株式 FVTPL 1,996 1,996 25 89 1,882 1,996
2)
関係会社への投資
- 16
定期預金 AC 41 41 41 41
退職給付制度に関する金融
2)
商品
- 183
貸付金及びその他金融債権 AC 217 217 217 217
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - 3 3 3 3
金利スワップ - 9 9 9 9
ヘッジ手段として指定な
し
FX先物契約 FVTPL 33 33 33 33
株式報酬費用コールオ
プション FVTPL 95 95 95 95
株式コールオプション FVTPL 15 15 15 15
負債
営業債務及びその他債務 -1,589
1)
営業債務
AC -1,283 -1,283
2)
その他債務
- -306
金融負債 -16,196
非デリバティブ金融負債
借入金 AC -3,116 -3,116 -3,116 -3,116
社債 AC -9,433 -9,433 -10,003 -10,003
私募債 AC -1,067 -1,067 -1,078 -1,078
その他非デリバティブ金融
3)
負債
AC -2,498 -2,498 -296 -296
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - -11 -11 -11 -11
金利スワップ - -16 -16 -16 -16
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL -55 -55 -55 -55
金融商品合計 純額 -1,801 -5,564 3,416 -8,604 -4,086 1,896 -10,793
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金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキーの内訳
2018年12月31日
測定分類 公正価値
分類 帳簿価額
償却 公正
（百万ユーロ） 原価 価値 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
資産
現金及び現金同等物 8,627
1)
銀行預金
AC 2,918 2,918
1)
定期預金
AC 4,514 4,514
マネーマーケット及び類似の
ファンド FVTPL 1,195 1,195 1,195
営業債権及びその他債権 6,480
1)
営業債権
AC 6,188 6,188
2)
その他債権
- 293
その他金融資産 1,984
債務証券 AC 77 77 77 77
株式 FVTPL 1,248 1,248 52 0 1,196 1,248
2)
関係会社への投資
- 26
定期預金 AC 134 134 134
退職給付制度に関する金融
2)
商品
- 165
貸付金及びその他金融債権 AC 147 147 147 147
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - 2 2 2 2
金利スワップ - 11 11 11 11
ヘッジ手段として指定な
し
FX先物契約 FVTPL 100 100 100 100
株式報酬費用コールオ
プション FVTPL 68 68 68 68
株式コールオプション FVTPL 5 5 5 5
負債
営業債務及びその他債務 -1,614
1)
営業債務
AC -1,265 -1,265
2)
その他債務
- -350
金融負債 -11,678
非デリバティブ金融負債
借入金 AC -58 -58 -58 -58
社債 AC -10,204 -10,204 -10,365 -10,365
私募債 AC -1,041 -1,041 -1,035 -1,035
その他非デリバティブ金融
負債 AC -298 -298 -298 -298
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - -9 -9 -9 -9
金利スワップ - -3 -3 -3 -3
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL -65 -65 -65 -65
金融商品合計 純額 3,798 1,112 2,553 -9,041 -1,006 1,201 -8,845
1) 現金及び現金同等物、営業債権、営業債務の簿価は公正価値に近似しているため公正価値の開示は行わない。
2) 営業債権、営業債務、その他金融資産は、金融及び非金融資産（負債）（例えば、その他税金、あるいは前払費用）を含んでいるため、
表示されている非金融資産あるいは負債の簿価は、連結財政状態計算書の内訳と一致する。
3) その他の非デリバティブ金融負債の項目に含まれるリース負債については、公正価値の個別の開示は要求されていない。
商品分類による金融商品の公正価値
2019 年12月31日
（百万ユーロ）
帳簿 償却 公正
分類 価格 原価 価値
金融資産
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損益を通る公正価値 FVTPL 3,486 3,486
償却原価 AC 11,834 11,834
金融負債
損益を通る公正価値 FVTPL -55 -55
償却原価 AC -17,398 -17,398
商品分類による金融商品の公正価値
2018年12月31日
（百万ユーロ）
帳簿 償却 公正
分類 価格 原価 価値
金融資産
損益を通る公正価値 FVTPL 2,617 2,617
売却可能金融資産 AC 13,978 13,978
金融負債
損益を通る公正価値 FVTPL -65 -65
償却原価 AC -12,866 -12,866
公正価値の決定
公正価値測定に用いられた評価技法及びインプットに関しては下記の通り。
継続的に公正価値で測定された金融資産
種類 公正価値ヒエ 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能なイ 重要な観察不能なイ
ラルキー ンプット ンプットと公正価値
測定の相互関係
その他の金融資産
マネーマーケット レベル1 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
及び類似ファンド
債務証券への投資 レベル1 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
上場株式投資 レベル1 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
レベル2 活発な市場における市場価格 該当なし 該当なし
からそれぞれのプット・オプ
ションのプレミアムから派生
した譲渡制限部分の割引額を
控除したもの
非上場株式投資 レベル3 マーケットアプローチ。投資 -同等の企業 以下の場合、見積公
先会社と比較可能な会社の収 （収益乗数は3.0- 正価値は、増加（減
益乗数を用いた類似会社比較 9.1) 少）する
法。 -投資先の収益 -収益の乗数がより大
-販売可能性の不足に きい（小さい）
よる割引額 -投資先の収益がより
（10%-30%） 高い（低い）
-流動性がより低い
（高い）
マーケットアプローチ。予実 該当なし 該当なし
分析結果、現金持高、直近若
しくは予定している取引及び
市場の比較可能企業など様々
な質的、量的要素を評価する
ベンチャーキャピタルメソッ
ド。
最終ファイナンシング・ラウ 該当なし 該当なし
ンド評価
優先的分配権 該当なし 該当なし
純資産価値、それぞれのファ 該当なし 該当なし
ンドから報告された公正価格
株式報酬費用コー レベル2 モンテカルロモデル。 該当なし 該当なし
ルオプション リスクフリーレート、デリバ
ティブの残存期間、配当利回
り、株価及び株価の変動を考
慮して計算。
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株式コールオプ レベル3 2018年：マーケットアプロー 2018年：投資先の収 2018年：見積公正価
ション チ。投資先から得た実績値を 益乗数 値は、下記の場合増
基礎とした収益乗数を利用し 加（減少）する
て計算。 -収益乗数がより大き
い（小さい）
-投資先の収益乗数
2019年：マーケットアプロー 該当なし
チ。予実分析結果、現金持
高、直近若しくは予定してい
る取引及び市場の比較可能企
業など様々な質的、量的要素
を評価するベンチャーキャピ
タルメソッド。
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継続的に公正価値で測定された金融資産（続き）
種類 公正価値ヒエ 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能なイ 重要な観察不能なイ
ラルキー ンプット ンプットと公正価値
測定の相互関係
その他の金融資産/金融負債
先物為替予約 レベル2 額面法を用いた割引キャッ 該当なし 該当なし
シュ・フロー。先物為替レー
トによる将来キャッシュ・フ
ローの見積額をそれぞれの契
約上の残存期間に渡り、それ
ぞれの預金金利及びスポット
レートにより割り引いてい
る。
金利スワップ レベル2 割引キャッシュ・フロー。見 該当なし 該当なし
積将来キャッシュ・フロー
は、観察可能なイールドカー
ブと約定金利を用いて見積
り、これを信用リスクを反映
した割引率により、現在価値
に割引いている。
公正価値で測定されない金融資産
種類 公正価値ヒエラルキー 公正価値の決定・評価技法
金融負債
固定金利債
レベル1 活発な市場における市場価格
（金融負債）
割引キャッシュ・フロー。
固定金利私募債・借入
固定金利及び元本の将来キャッシュ・アウ
レベル2
（金融負債） ト・フローは、契約毎の期間に渡り報告書日
時点の市場金利を用いて割り引かれている。
その他非デリバティブ金融資産（負債）及び変動金利金融負債については、取得原価が公正価値と概ね近似すると考えられ
る。
レベル１とレベル２の振替
処分の制限が解除され当該制限による割引が必要なくなったことによる株式投資のレベル2からレベル1への振替は2019年に5
百万ユーロであった(2018年は46百万ユーロ)。一方、レベル1からレベル2への移行は発生しなかった。
レベル３の公正価値の開示
以下の表は期首から期末における、非上場株式投資及びレベル3に分類される株式に対するコールオプションの公正価値の調
整を示す。
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レベル3の公正価値の調整
（百万ユーロ） 2019 2018
1月1日 1,202 742
振替
レベル３への振替 0 0
レベル３からの振替 -39 -12
取得 487 409
売却 -183 -143
損益
損益の金融収益（純額）に含まれる 411 168
その他包括利益の為替換算調整勘定に含まれる 18 38
12 月31日 1,896 1,202
報告期間末に所有している投資の未実現損益の変動 318 117
レベル３からの振替は、投資先の株式公開によるものである。合理的に可能性がある代替的仮定を反映する観察不能なイン
プットの変更は、報告日時点でFVTPLとして保有される非上場株式の公正価値へ重要な影響を及ぼさない。
次へ
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セクションG - その他の開示項目
このセクションでは、取締役会、監査役会、関連当事者及びその他コーポレートガバナンスに関する事項を含む追加開示事
項及びその他の関連情報を記載している。
(G.1) 前払費用及びその他税金資産
2019 2018
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
前払費用 427 179 606 305 131 436
その他税金資産 225 87 312 170 98 268
合計 652 266 918 475 229 704
1,188 1,701 2,889 889 1,301 2,191
その他の非金融資産
前払費用及びその他税金資産
55 16 32 53 18 32
が その他の非金融資産に占
める割合(%)
前払費用は主に、オペレーティング・リース、サポートサービス、及びソフトウェアのロイヤルティにかかる前払で構成され
ている。その他の税金資産は主に、付加価値税で構成されている。
(G.2) その他の税金負債
2019 2018
（百万ユーロ)
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
その他の税金負債 650 0 650 541 0 541
4,818 814 5,632 4,120 501 4,622
その他の非金融負債
その他の税金負債が その他
13 0 12 13 0 12
の非金融負債に占める割合
(%)
その他の税金負債は、主に付加価値税、給与税、売上税及び源泉徴収で構成されている。
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(G.3) 訴訟、損害賠償請求並びに法的偶発事象
この注記は、知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求、所得税に関する訴訟（注記（C.5）参照）を除く非課税取引に関連
する訴訟及び贈収賄禁止法、輸出管理に関する事項の開示である。
法的事由に起因する不確実性
会計方針は注記(A.4)の訴訟、損害賠償請求を含む顧客に関連する引当金に示されており、その他の訴
訟、法的偶発事象についても同様に適用される。
訴訟及び損害賠償請求の結果は元来重要な不確実性にさらされている。経営者による訴訟に対する考え方
も将来変わる可能性がある。実際の訴訟及び損害賠償請求の結果は、過年度の経営陣による主張と異なる
可能性もあり、事業活動や財政状態、利益、キャッシュ・フロー、評判へ重要な影響を与える結果となり
得る。ほとんどの訴訟及び損害賠償請求には個々の性質があり、損害賠償請求は、 原告により定量化され
ていないか、定量化された請求額が、過去の経験から、その訴訟を解決するために必要な支出として妥当
でない場合のどちらかである。ほとんどの 損害賠償請求が帰属している管轄区分の特性により、さらに裁
判の結果を予測することは難しく、それゆえに、SAPが費用を計上するとした場合においても、これらの
訴訟や損害賠償請求が引き起こすであろう財務的影響額について信頼性を持って見積もることは現実的で
はない。
加えて、これらの訴訟や損害賠償請求から生じる経済的便益の流出について、予測される時期は不確実で
あり見積もることが出来ない。なぜならそれらは通常、法的手続き及びそれらを解決するのに要求される
交渉の期間に依存するためである。
当社は通常の業務の過程からその時々に生じる様々な損害賠償請求及び訴訟にさらされており、それらには買収した会社に
関する訴訟手続及び損害賠償請求が含まれている。我々に対する損害賠償請求及び訴訟に対して、我々は積極的に正当性を主
張するつもりである。損害賠償請求及び訴訟について2018年12月31日現在計上されている引当金は、個別あるいは合計でSAPに
重要な影響を与えるものではない。
この注記において開示されている損害賠償請求及び訴訟のは以下の通りである。
知的財産訴訟及び損害賠償請求
知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求には、第三者が保有する単一の又は複数の知的財産権をSAPが侵害したとして、
第三者からの訴訟の通告又は提起するケースがある。ここでいう知的財産権とは、特許権、著作権及びその他の類似する権利
を含む。
引当金を認識していない知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求に対して偶発債務が存在するが、通常、訴訟や損害賠償
請求は不確実性を有するため、関連する偶発債務の財務的影響額を見積もることは現実的ではない。原告より賠償請求額が明
示されている知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求の賠償請求額の合計額は、2018年及び2017年12月31日時点において重
要ではない。我々の過去の経験に基づくと、ほとんどの知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求は法廷で却下されるか、当
初の賠償請求額よりも著しく低い金額により法廷外で和解する傾向があり、我々の連結財務諸表に対して重要でない。
2018 年12月31日現在係争中の知的財産関連の請求及び訴訟の解決は、個別にも全体としても当社の事業、財政状態、利益又は
キャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼすものではないと我々は考えている。
個別の知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求は、以下の通りである。
2018 年６月、Teradata Corporation、Teradata US,Inc 及びTeradata Operations, Inc（総称して、「Teradata」と呼ぶ）はSAP
SE 、SAP America,Inc 及びSAP Labs,LLCに対する民事訴訟をカルフォルニアの連邦裁判所へ申し立てた。Teradataの主張による
と、SAPはTeradataの企業秘密を不正流用、商標権の侵害及び米国の独占禁止法に違反していたとしている。Teradataは金銭に
よる損害賠償請求及び差し止めを要求しており、裁判は、2021年後半に予定されている。
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2010 年2月、アメリカを本拠地とするテックセック株式会社（以降、テックセック）はアメリカにおいてSAP（子会社のサイ
ベースを含む）、及びその他多数の被告に対して訴訟手続を起こした。テックセックは、SAP及びサイベースの製品が、テック
セッ クの保有する5件の特許権に関して複数の侵害を行っていると主張している。訴状において、テックセックは不特定の金額
的損害賠償及び恒久的な使用差し止めを求めている。SAP（子会社のサイベースを含む）に対する公判は現在予定されていない
が、2020年中となる見込みである。
非課税取引に関連する訴訟
我々は、引き続き国内及び海外の税務当局による調査を受けている。我々は関係会社とのロイヤリティーの支払やサービス
取引を非課税とすることについての評価や訴訟に関して、ごく少数の海外の税務当局との間で様々な訴訟手続に関与してい
る。全ての対象年度においてこれらの問題に関連して発生する可能性のある合計金額は約189百万ユーロ(2019年度：95百万
ユーロ)である。我々は、これらの問題について勝訴すると考えており、これらの問題に対して引当金を計上していない。
税金関連の訴訟については、注記（C.5）参照。
贈賄防止法及び輸出管理に関する事項
当社は米国（連邦海外腐敗行為防止法（FCPA）を含む）及びその他の国において贈収賄防止法に違反する可能性があるとい
う通知及び内部告発を受けている。これに対し、SAPのオフィス・オブ・エシックス・アンド・コンプライアンス（OEC）（旧
リーガル・コンプライアンス・アンド・インテグリティー・オフィス）は、米国証券取引委員会（U.S.SEC）、米国司法省
（U.S.DOJ）に加え、潜在的な違反の可能性のある地域の当局の協力を得て調査を実施している。潜在的な違反の可能性のある
地域の当局、U.S.SEC、U.S.DOJとの協議、調査は現在進行中である。
申し立てされている行為により、FCPA及びその他の贈賄防止法に基づく金銭的罰則又はその他の制裁を受ける可能性があ
る。さらに、特定の管轄下では、当社のビジネス遂行上、悪影響を受ける可能性がある。包括的かつ徹底した調査及び対応す
る是正活動は継続中であり、個々の要因の複雑性、及び多数の未解決問題が存在する現段階では財務に影響を与えるリスクを
評価することは不可能である。
我々は、規則や方針の変更、より強固な内部統制の構築といった不正行為を防止するためのコンプライアンスプログラム
の強化を実施している。また、一部のビジネス・ユニットおいて新たな経営者を任命するとともに、コンプライアンススタッ
フを増員している。さらに我々は、リスクの高いマーケットにおける事業開発パートナー及び販売代理店の使用を禁止し、ア
フリカの国有企業及び機関とのすべての関係について体系的なレビューを実施した。我々は引き続き、米国、ドイツ、EU、南
アフリカの全ての法律及びSAPが事業を展開しているすべての地域の法律と規制の遵守に取り組んでいる。
なお、一部の独立したSAPパートナーが当社の契約条件に違反し、輸出禁止国でSAP製品とサービスの販売を行った件につい
て引き続き調査している。これらのSAPパートナーは間接的事業活動に係る当社の厳格な手続きを遵守していなかった。当社か
ら独立した企業が当社のライセンス手続を遵守してないとしても、当社がそのような行為を阻止するには限界がある。当社
は、そのような違反行為を防止し軽減するために相当のリソースを費やしている。我々はまた、輸出禁止国における、我々か
ら未承認の行為を行う顧客への直接販売に関する提起についても調査している。この調査は外部法律事務所及びフォレンジッ
クアドバイザーの協力の下、SAPのOECと輸出管理チームによって行っている。
この件に関連して、SAPは、2017年9月、U.S.DOJと米国財務省外国資産管理局（OFAC）に、潜在的な輸出管理と経済制裁違反
について自主的に自己開示した。2017年10月に、SAPは、輸出制限事項に関するSECからのコメントレターに回答し、U.S.SECに
通知を提供した。SAPはまた、本件について米国商務省産業セキュリティー局（BIS）に開示を提供した。最終的に2012年の米
国イラン脅威削減及びシリア人権法第219条及び1934年米国証券安全法第13条に従い、SAPは、必要なイランの告知をSECに提出
した。これにより、 米国の制裁や輸出管理法に基づき罰金などの制裁が科される可能性がある。
当社は是正措置として、特定のエンドユーザーのSAP製品及びサービスに対するアクセス停止を行い、当社又はSAPパート
ナーとの今後の事業活動を停止している。当社は、新たな内部統制を含む輸出管理コンプライアンスプログラムの強化を実施
し、特に高リスク国に焦点を当てた輸出管理コンプライアンスチームを強化した。
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また、当社は高リスクの地域に拠点を置くSAPパートナーへ独立した第三者によるデューデリジェンスを要求している。当社
は、イラン及びその他輸出禁止国における販売、輸出、SAPソフトウェア及びサービスを制限する法律を含む、経済制裁及び輸
出 管理に関する全ての米国、EU、及びドイツの法律を遵守することをコミットしている。
包括的かつ徹底的な調査と対応する改善活動は継続中であり、個々の要因の複雑性、及び多数の未解決問題が存在する現段
階ではリスクを評価することは不可能である。
上記の理由により、この点に関して贈賄防止法違反、輸出制限違反による現時点での義務の有無、また義務がある場合の金
額を確実に見積もることは現段階では不可能である。結果として、これらの潜在的な違反については、2019年の連結財務諸表
には表示していない。また、潜在的な違反により生じるいかなる法的偶発事象について財務的な影響を見積もることは不可能
である。
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(G.4) 取締役会
2019 年12月31日時点でのSAPの子会社を除く監査役会
取締役会
及びその他のコーポレートガバナンスメンバー
Christian Klein
共同最高経営責任者（Co-CEO）
インテリジェントエンタープライズグループ
グローバルビジネスオぺーレーション、ITサービス
Jennifer Morgan
共同最高経営責任者（Co-CEO） Bank of New York Mellon（New York、NY、米国）取
クラウドビジネスグループ
締役
インテリジェントスぺンドグループ、クアルトリク
ス、CXプロダクトエンジニア、プロダクトマネー
ジャー
Adaire Fox-Martin （アデア・フォックス・マルティ
ン）
グローバルカスタマーオペレーション Equinix, Inc., （Redwood City、CA、米国） 取締
グローバルセールス、地域組織、ビジネスソリュー
役(2020年1月1日就任)
ションの販売
Michael Kleinemeier （ミヒャエル・クライネマイヤー）
SAP デジタル・ビジネス・サービス innogy SE （Essen、ドイツ）監査役会メンバー（2019年
グローバルサービスデリバリー、リージョナル
10月4日退任）
フィールドサービス
E. Merck KG（Darmstadt、ドイツ）(2019年1月27日就
任) 取締役
Merck KGaA, Darmstadt 、ドイツ 監査役メンバー
（2019年4月26日就任）
Luka Mucic （ルカ・ムシッチ）
最高財務責任者 (CFO) 、IRを含むグローバル財務管 HeidelbergCement AG 監査役メンバー（2019年5月9
理、内部監査、データ保護及び個人情報対策、
日就任）
J ü rgen M ü ller （ユルゲン・ミュラー）（2019年１月１日就任）
最高情報責任者
テクノロジーアンドイノベーション
テクノロジーアンドイノベーションストラテジー、
SAP HANA、SAPクラウドプラットフォーム、SAPレオ
ナルド、SAPアナリティクス
Stefan Ries （ステファン・ライズ）
最高人事責任者、労使関係監督、人事戦略、 Rhein-Neckar Loewen GmbH （Kronau, ドイツ）監査役会
経営革新、指導力育成、人材開発 メンバー
Thomas Saueressig(2019年11月1日就任)
SAP プロダクトエンジニア
全てのSAPアプリケーションのグローバル責任者
プロダクトディベロップメントアンドデリバリー
SAP S/4HANAのプロダクトマネジメント
サプライチェーン, SME, インダストリーソリュー
ション
2019 年に退任した取締役メンバー
Rovert Enslin（2019年4月5日退任）
Bernd Leukert(2019年3月31日退任)
Bill McDermott(2019年11月15日退任)
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2019 年12月31日時点でのSAPの子会社を除く監査役会
監査役会
及びその他のコーポレートガバナンスメンバー
(2),(4),(6),
Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner （ハッソ・プラットナー博士、議長）
監査役会議長
(1),(2),( ３)
Margret Klein-Magar （マルグレート・クライン・メイガー）
副議長
SAP OB ・OG関係担当副社長、SAP SE シニアマネジャー
代表者委員会会長
(2),(6),(7)
Pekka Ala-Pietil ä（ペッカ・アラ・ピエティラ）
Huhtam äki oyj の取締役会議長 Sanoma Corporation （フィンランド、ヘルシンキ）取
締役会長
Netcompany A/S( コペンハーゲン、デンマーク)取締役
会長（2019年8月20日退任）
(1),( ２),(３),(５)
Panagiotis Bissiritsas （パナギオティス・ビシリタス）
SAP SE 労使協議会会員
SAP SE 労使協議会会員（ヨーロッパ）
(2),(4),( ７)
Aicha Evans （アイシャ・エバンス）
Zoox, Inc., （ Forster City 、CA、 米国）
最高経営責任者及び取締役会メンバー
(4) (６)
Diane Greene （ダイアン・グリーン）(2018年5月17日就任)
Stripe Inc. （San Francisco、 CA 、 米国）取締役
Alphabet Inc. （Mountain View、CA、米国）取締役
（2019年6月19日退任）
Prof. Dr. Gesche Joost （ゲッシェ・ユースト博士）
(4),(8)
ベルリン芸術大学デザイン・リサーチ研究室教授及び Ottobock SE & Co. （KGaA 、ドゥーダーシュタット 、ドイ
室長
ツ）監査役会メンバー
ING-DiBa AG （フランクフルト、ドイツ）監査役会メン
バー
(1),( ４),(７)
Monka Kovachka-Dimitrova(2019 年5月15日就任)
チーフプロジェクトエキスパートディベロップメント
SAP SE労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
(1),(2),( ４)
Lars Lamad é（ラース・ラマデ）
スポンサーシップ担当代表(ヨーロッパ、アジア) Rhein-Neckar Lowen GmbH （クローナウ、ドイツ） 監査役
会メンバー
(2),(4),(6)
Bernard Liautaud （ベルナルド・リオトー）
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Balderton Capital のマネージング・パートナー（ロ nlyte Software Ltd. （イギリス、ロンドン）取締役
ンドン、イギリス） Vestiaire Collective SA （ルヴァロア＝ペレ、フラ
ンス）取締役
Dashlane, Inc. （ニューヨーク、米国）取締役
Recorded Future, Inc. （ケンブリッジ、マサチュー
セッツ、米国）取締役（2019年7月3日退任）
eWise Group, Inc. （レッドウッドシティ、カルフォ
ルニア、米国）取締役
Qubit Digital Ltd. （ロンドン、イギリス）取締役
スタンフォード大学（スタンフォード、カルフォルニ
ア、米国）取締役
Aircall.io, （ニューヨークシティ、ニューヨーク、
米国）取締役
Virtuo Technologies ( パリ、フランス)取締役
The Hut Group, Manchester （マンチェスター、イギ
リス）取締役
Peakon Aps （コペンハーゲン、デンマーク）取締役
Tim Talent SAS （パリ、フランス）取締役
Citymapper Ltd. （ロンドン、イギリス）取締役
Toucan T SAS（パリ、フランス）取締役（2019年11月
14日）
Containous SAS(リヨン、フランス)取締役（2019年12
月16日就任）
Gerhard Oswald （ゲルハルト・オズワルド）（2019年
(3),(4),(5),(7)
1月1日就任）
Osward Consulting GmbH （ヴァルドルフ、ドイツ）マ TSG 1899 Hoffenheim Fu ß ball-Spielbetriebs GmbH （ ジ
ネージングディレクター ンスハイム、ドイツ）顧問委員会メンバー
(1),
Christine Regitz （クリスティーネ・レギッツ）
(２),(４),(5)
ユーザー・エクスペリエンス担当副社長、製品専門家
チーフ
Dr. Friederike Rotsch （フリーデリーケ・ローチュ博
(2), (3),(5)
士）
Merck KgaA のグループ一般理事会構成員およびグルー
プ法務・コンプライアンス責任者
(1),( ４),(７)
Heike Steck(2019年5月15日就任)
シニアオペレーティングマネージャー
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
(1),( ４),(７)
Christa Vergien-Knopf（2019年5月15日就任）
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
(3),(5)
Dr. Gunnar Wiedenfels(2019年5月15日就任）
Discovery Communications, Inc（New York, NY, 米 Motor Trend Group, LLC(El Segundo, CA, 米国)取締役
国）最高財務責任者 OWN LLC, West Hollywood, CA, 米国）取締役
Scripps Networks Interative(Asia) Pte. Ltd(シンガ
ポール)取締役（2019年4月1日退任）
(1),(3),(4), (5)
James Wright(2019 年5月15日就任)
SAP SE 労使組合協議会（ヨーロッパ）議長
(1),( ２),(７)
Ralf Zeiger(2019年5月15日就任)
SAP SE 労使組合協議会議長
SAP SE 労使組合協議会会員（ヨーロッパ）
2019 年度に監査役会を退任したメンバー
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Martin Duffek(2019年5月15日退任)
Andreas Hahn(2019年5月15日退任)
Dr. Erhard Schipporeit(2019 年5月15日退任)
Robert Schushnig-Fowler(2019年5月15日退任)
Dr. Sebastian Sick(2019 年5月15日退任)
Pierre Thiollet(2019年5月15日退任)
(1) SAP SE 労使組合協議会（ヨーロッパ）により選出された。
(2) 総務報酬委員会の委員
(3) 監査委員会の委員
(4) 技術戦略委員会の委員
(5) 金融投資委員会の委員
(6) 指名委員会の委員
(7) 人材組織委員会の委員
（G.5） 取締役会及び監査役会報酬
会計方針
以下の「取締役会報酬」の表に記載されて株式報酬の金額は、2016年1月1日に有効となった新しいLTI
Plan2016に基づいて取締役会メンバーに対して当期に付与された、リストリクテッド・シェア・ユニット
(RSUs)とパフォーマンス・シェア・ユニット（PSUｓ）の付与日の公正価値である。
「取締役会メンバーに対する株式報酬」の表において、株式報酬費用は、それぞれの会計期間において
IFRS2号（株式に基づく報酬）に基づき利益又は損失に計上されている。
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2019 年、2018年及び2017年における取締役会メンバーの総報酬額は以下の通りである。
取締役会報酬
2019 2018 2017
（千ユーロ）
短期従業員給付 17,378 18,652 16,634
(1)
株式報酬 32,393 23,646 25,723
(1)
小計
49,771 42,298 42,357
退職後給付 2,825 1,106 1,312
－ うち、確定給付 2,056 250 423
－ うち、確定拠出 769 856 889
(1)
合計
52,596 43,404 43,669
(1 ）役員報酬合計額の一部が各年に配分されている。
取締役会メンバーに対する株式報酬
2019 2018 2017
付与したRSUｓ数 137,619 118,072 117,929
付与したPSUs数 206,428 177,106 176,886
費用総額（千ユーロ） 44,447 8,054 19,068
取締役会メンバーの年金に係る確定給付債務（DBO）と、業績ベースの給与連動プランからなる給付をもとにした62歳以上の
取締役会メンバーへの年間年金受給額は以下の通りである。
取締役会メンバーに対する退職年金制度
2019 2018 2017
( 千ユーロ)
12 月31日時点のDBO 5,497 3,441 3,191
年間年金受給額 215 192 148
監査役会のメンバーへの総報酬額は以下の通りである。
監査役会総報酬額
2019 2018 2017
( 千ユーロ)
報酬総額 3,770 3,702 3,663
内、固定報酬 3,218 3,162 3,135
内、委員会報酬 553 540 528
監査役会のメンバーは自身の業務に対していかなる株式報酬も受け取っていない。監査役会において従業員を代表している
メンバーは、株式報酬を受け取っているが、それら株式報酬は従業員としての勤務に対するもののみであり、且つ、監査役会
におけるメンバーとしての彼らの地位とは無関係である。
取締役会メンバーへの支払/DBO額
2019 2018 2017
( 千ユーロ)
支払 2,081 2,054 1,997
DBO （12月31日時点） 44,586 38,374 39,993
当社は、2019年、2018年及び2017年の会計年度において、取締役会及び監査役会のメンバーに対して、いかなる報酬の事前
提供又は信用供与も便益に対するコミットメントも行っていない。
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(G.6) 役員報酬以外の関連当事者間取引
SAP ＳＥの特定の監査役会のメンバーは、他の企業に対して重要な責任を負う地位にあるか、もしくは昨年度中にその地位
にあった。当社はこれらの企業のうち何社かと通常の取引条件にて事業をおこなっており、独立第三者間取引にて合理的と考
えられる金額と同様の金額で製品、資産並びにサービスを売買している。
SAP SE の監査役会長であり、SAPのチーフソフトウェア・アドバイザーであるハッソ・プラットナーにより支配されている会社
は、SAPへのコンサルティングサービスの提供、SAPよりスポーツスポンサー料の受取、SAP製品及びサービスの購入、及びSAP
への土地の売却を行っている。
SAP SE の取締役会のメンバーは、SAPからサービス提供を受けた際に独立第三者間取引にて合理的と考えられる金額でその対
価を支払うことがある。
表示されている全ての期間において、上記取引に関連するすべての金額はSAPにとって金額的に重要でない。
当社が監査役会のメンバーが支配している会社への製品及びサービスの販売総額は、9百万ユーロ（2018年: 37百万ユー
ロ）、これらの会社からの製品及びサービスの購入額は、2百万ユーロ（2018年: 3百万ユーロ）、これらの会社へのスポン
サー及びその他の財務支援は４百万ユーロ（2018年: 4百万ユーロ）である。これらの会社との取引に伴う期末債権残高は0百
万ユーロ（2018年: 3百万ユーロ）、期末債務残高は0百万ユーロ（2018年: 28百万ユーロ）である。これら全ての残高は無担
保、無利息で、現金での精算が想定されている。これらの会社に対する我々の製品或いはサービス購入及びスポンサー及び財
務支援のコミットメント（最長4年）は、2019年12月31日現在で14百万ユーロ（2018年: 191百万ユーロ）である。
当社が取締役会及び監査役会のメンバーへのサービス提供金額は、0百万ユーロであった。（2018年: 0百万ユーロ） 監査
役会のメンバー（SAP従業員の監査役会における従業員代表としてのサービスを含む）から提供を受けているサービス総額は2
百万ユーロ（2018年:1百万ユーロ）である。これら取引による監査役会への2019年12月31日現在の未支払債務残高は0百万ユー
ロ（2018年: 0百万ユーロ）である。これら全ての残高は無担保、無利息で、現金での精算が想定されている。
我々の取締役会及び監査役会のメンバーに対する報酬の情報については、注記(G.5)を参照。
(G.7) 主要な会計監査人に対する報酬及びサービス
2019 年5月15日に開催された年次株主総会において、SAPの株主はKPMG法人を2019年の当社の独立監査人として指名した。
KPMG法人は、2002年度より主要な監査人である。KPMG法人及びKPMGグローバルネットワークに属するその他の法人に対する、
2019年以前の監査及びその他専門家サービスについての報酬の状況は以下のとおりである。
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監査及びその他専門家サービスに対する報酬
2019 2018 2017
（百万ユーロ）
KPMG 海外の KPMG 海外の KPMG 海外の
法人 KPMG 合計 法人 KPMG 合計 法人 KPMG 合計
( ドイツ) 法人 ( ドイツ) 法人 ( ドイツ) 法人
監査報酬 3 7 10 3 6 9 3 7 10
監査関連報酬 0 1 1 0 0 0 0 0 0
税務報酬 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の報酬
合計 3 8 10 3 6 9 3 7 10
監査報酬は当社及びその子会社の法定財務書類の監査及び連結財務諸表の監査に対しKPMGにより請求された報酬の合計であ
る。監査関連報酬は、我々の財務諸表の監査及びレビューの実施に合理的に関連する、業務受託会社への保証手続に対して
KPMGによって請求された報酬である。
(G.8) 後発事象
2020 年期首に、SAPは革新と簡素化を推進しながらカスタマーサクセス及び従業員のエンゲージメントを強化することを目的と
して業務受託会社の組織構造を変更した。これは、シナジーを高め、複雑性を軽減することを目的とした、さらなる統合に向
けた重要なステップのスタートである。この組織的な変化はSAPのセグメント報告にも影響を及ぼす予定である。SAPは既に新
たな組織体制のもと経営報告の再定義のプロセスを開始しており、セグメント報告もこれに続く予定である。
上記以外に、2019年12月31日以降に企業の連結財務諸表に重大な影響を及ぼす事象は発生していない。
（G.9） 連結の範囲、子会社及びその他の持分投資
連結財務諸表に含まれる企業
合計
2017 年12月31日 227
追加取得
59
-21
処分
2018 年12月31日 265
追加取得
20
-21
処分
2019 年12月31日 264
追加取得は、買収や設立に関連して追加となった法人である。処分は主に法人の合併や清算によるものである。
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子会社
2019 年 2019 年 2018 年
2019 年 税引後 12 月31日 12 月31日
注記
現在持分 現在従業員総
1) 1) 1) 2)
収益総額 利益/損失 総額 数
所有割合
% ( 千ユーロ) ( 千ユーロ) ( 千ユーロ)
会社の名称及び所在地
主要な子会社
Ariba Inc.,パロアルト, カ
ルフォルニア,アメリカ 100.0 1,304,139 332,200 4,376,579 1,928
Concur Technologies, Inc.,
ベルビュー,ワシントン,ア
メリカ 100.0 1,804,158 258,770 7,680,075 3,788
LLC SAP CIS, モスクア, ロシ
ア 100.0 482,524 -21,171 47,192 822
Qualtrics. LLC, ウィルミン
トン,デラウェア,アメリカ 100.0 418,420 -535,867 6,124,414 2,112 ４)
SAP (Schweiz) AG, ビール,
スイス 100.0 924,676 99,481 145,085 769
SAP(UK) Limited, フェルト
8)
ハム, イギリス
100.0 1,246,454 41,886 10,166 1,762 10)
SAP America, Inc., ニュー
タウンスクェア, ペンシル
バニア, アメリカ
100.0 6,152,418 -781,584 19,587,457 8,162
SAP Argentina S.A., ブエ
ノスアイレス, アルゼンチ
ン 100.0 158,007 -34,937 16,846 918 16)
SAP Asia Pte Limited, シ
ンガポール, シンガポール
100.0 515,034 -32,511 -14,925 1,178 16)
SAP Australia Pty Ltd, シ
ドニー, オーストラリア
100.0 738,223 -11,496 28,411 1,274
SAP Brasil Ltda, サンパウ
ロ, ブラジル
100.0 556,269 -35,373 -216 2,029
SAP Canada, Inc., トロン
ト, カナダ
100.0 965,891 38,905 507,722 2,946
SAP China Co., 上海, 中国
100.0 1,019,778 -4,633 -196,735 5,619 16)
SAP Deutschland SE & Co.
KG, ヴァルドルフ, ドイツ
100.0 4,538,364 750,926 1,614,340 4,763 7),9)
SAP Espa ñ ▶ –Sistemas,
Aplicaciones y Productos
en la Inform ática,
S.A., マドリード, スペイン
100.0 542,651 34,834 271,147 724
SAP France, ルヴァロワ・
ペレ,フランス 100.0 1,151,489 124,438 1,588,563 1,503
SAP Hungary Rendszerek,
Alkalmaz ások é▲ Term ékek az
Adatfeldolgoz ásban
Informatikai Kft., ブダペ
スト,ハンガリー 100.0 124,890 -572 19,270 952
SAP India Private Limited,
バンガロー, インド
100.0 637,052 71,940 382,053 2,045
SAP Industries, Inc.,
ニュータウン スクェア, ペ
ンシルバニア, アメリカ
100.0 679,636 174,268 879,257 323
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SAP Italia Sistemi
Applicazioni Prodotti in
Data Processing S.p.A.,
ヴィメルカーテ, イタリア
100.0 582,698 29,934 336,995 720
SAP Japan Co., Ltd., 東京,
日本 100.0 1,167,363 108,649 290,021 1,291
SAP Labs India Private
Limited, バンガロー, イン
ド 100.0 577,030 43,225 173,224 8,466
SAP Labs, LLC, パロアルト,
カルフォルニア, アメリカ
100.0 649,577 -61,161 426,810 1,803
SAP M éxico S.A. de C.V., メ
キシコシティ,メキシコ 100.0 427,159 19,211 37,109 886
SAP National Security
Services, Inc., ニュータウ
ン スクェア, ペンシルバニ
ア, アメリカ
100.0 699,688 169,664 496,277 475
SAP Nederland B.V., スヘル
トーヘンボス, オランダ
100.0 670,660 356,717 195,122 589 11)
SAP Service and Support
Centre (Ireland) Limited,
ダブリン, アイルランド
100.0 201,427 16,186 81,315 1,615
SuccessFactors, Inc., 南サ
ンフランシスコ, カルフォ
ルニア, アメリカ
100.0 881,532 510,682 4,182,900 941
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
3)
その他の子会社
Cleartrip Packages
“SAP Kazakhstan“
and Tours Private
LLP, アルマトイ, 100.0 100.0
Limited, ムンバイ,
カザフスタン
インド
110405, Inc.,
ClearTrip Private
ニュータウン ス
100.0 Limited, ムンバイ, 100.0
クェア, ペンシルバ
インド
ニア, アメリカ
Abakus Ukraine
ClearTrip Travel &
Limited Liability
Holidays LLC.,ドバ
100.0 49.0
Company, キエフ,
イ, インド
ウクライナ
Ambin Properties
Proprietary
Clicktools
Limited,
Limited, ドーセッ
100.0 100.0 ４),5)
Johannesburg, ヨハ
ト, イギリス
ネスブルグ, 南アフ
リカ共和国
CNQR Operations
Apex Expert
Mexico S. de. R.L.
Solutions LLC,
100.0 de. C.V., サン・ペ 100.0
アーリントン, バー
ドロ・ガルサ・ガル
ジニア, アメリカ
シア, メキシコ
Ariba Czech Concur (Canada),
s.r.o., プラハ, 100.0 Inc., トロント, カ 100.0
チェコ共和国 ナダ
Ariba India
Concur (France)
Private Limited,
100.0 SAS, パリ, フラン 100.0
グルガオン, インド
ス
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
3)
その他の子会社
Ariba
Concur (Germany)
International
GmbH, フランクフル
Holdings, Inc.,
100.0 100.0 8),9)
ト・アム・マイン,
ウィルミントン, デ
ドイツ
ラウェア, アメリカ
Ariba
International
Concur (Japan)
Singapore Pte Ltd, 100.0 73.6
Ltd., 東京, 日本
シンガポール, シン
ガポール
Ariba
Concur (New
International,
Zealand) Limited,
Inc., ウィルミン 100.0 100.00 14)
ウェリントン,
トン, デラウェ
ニュージーランド
ア, アメリカ
Concur
Ariba Slovak
(Philippines)
Republic, s.r.o.，
100.0 100.00
Inc., マカティシ
コシツェ，スロバキ
ア ティ, フィリピン
Ariba Software
Concur
Technology
(Switzerland)
Services
100.0 100.00 13)
GmbH, チューリッ
(Shanghai) Co.,
ヒ, スイス
Ltd., 上海, 中国
Ariba Technologies
Concur Czech
India Private
100.0 (s.r.o.), プラハ, 100.00
Limited, バンガ
チェコ共和国
ロール, インド
Ariba Technologies
Concur Holdings
Netherlands B.V.,
(France) SAS, パ
100.0 11 ) 100.00
スヘルトーヘンボ
リ, フランス
ス，オランダ
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
3)
その他の子会社
Beijing Zhang
Concur Holdings
Zhong Hu Dong
(Netherlands)
Information
0 5) 100.00 11)
B.V., アムステルダ
Technology
ム, オランダ
Co., Ltd., 北京,
中国
Concur
Business Objects
Technologies
Holding B.V.,スヘ
100.0 11 ) (Australia) Pty. 100.00
ルトーヘンボス，オ
Limited, シドニー,
ランダ
オーストラリア
Business Objects Concur
Option LLC, ウィル Technologies (Hong
100.00 100.00
ミントン, デラウェ Kong) Limited, 香
ア, アメリカ 港, 中国
Concur
Business Objects
Technologies
Software Limited,
(India) Private
100.00 100.00
ダブリン, アイルラ
Limited, バンガ
ンド
ロール, インド
Concur
Callidus Software
Technologies
Inc.,Dublin, カリ
100.00 (Singapore) Pte 100.00 16)
フォルニア, アメリ
Ltd, シンガポール,
カ
シンガポール
Concur
Callidus Software
Technologies (UK)
Ltd., ロンドン, イ
100.00 10) 100.00 10)
Limited, ロンドン,
ギリス
イギリス
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所有 所有
会社の名称及び 会社の名称及び
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
3)
その他の子会社
Callidus Software Pty. ConTgo Consulting
Ltd., シドニー, オース 100.00 Limited, ロンドン, イ 100.00 10)
トラリア ギリス
CallidusCloud (India)
ConTgo Limited, ロン
Pvt. Ltd., ハイデラ
100.00 100.00 10)
ドン, イギリス
バード, インド
CallidusCloud
ConTgo Pty. Ltd., シ
(Malaysia) Sdn. Bhd.,
100.00 ドニー, オーストラリ 100.00
クアラルンプール, マ
ア
レーシア
CallidusCloud Holdings Crystal Decisions
Pty. Ltd., シドニー, (Ireland) Limited, ダ
100.00 100.00 12)
オーストラリア ブリン, アイルランド
CallidusCloud Pty. Crystal Decisions
Ltd., シドニー, オース Holdings Limited, ダ
100.00 100.00 12)
トラリア ブリン, アイルランド
Christie Partners
Crystal Decisions UK
Holding C.V., スヘル
100.0 Limited, ロンドン, イ 100.00 10)
トーヘンボス, オランダ
ギリス
C-Learning Pty. Ltd.,
Datahug Limited, ダブ
シドニー, オーストラリ 100.0 100.00
リン, アイルランド
ア
ClearTrip Inc.
Delighted LLC.,ウィル
(Mauritius), エベー 100.0 100.00 4)
ミントン,デラウエア,
ヌ, モーリシャス
アメリカ
Dorset Acquisition
ClearTrip Inc., ジョー
Corp., ダブリン, カリ
57.0 100.00
ジタウン, ケイマン諸島
フォルニア, アメリカ
ClearTripMEA FZ LLC.,
100.00
ドバイ,アラブ首長国連
邦
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
PT SAP Indonesia,
Ebreez Egypt LLC, カイ
100.0 ジャカルタ, インドネ 99.0
ロ, エジプト
シア
EssCubed Procurement
Q(AGF2) Inc. ウィルミ
Pty. Ltd., ヨハネスブ
100.00 100.00 4)
ントン,デラウエア,ア
ルク, 南アフリカ メリカ
Extended Systems,
QAL Technologies Pty
Inc., サンラモン, カリ
100.00 100.00 4)
Ltd.,シドニー,オース
フォルニア, アメリカ トラリア
Fieldglass Europe
QCL Technologies
Limited, ロンドン, イ 100.00 10) 100.00 4)
Ltd.,トロント,カナダ
ギリス
Financial Fusion,
QDL Technologies
Inc., サンラモン, カリ
100.00 100.00 4)
GmbH.,ミュンヘン,ドイ
フォルニア, アメリカ ツ
Flyin Holding Limited,
QFL Technologies
ドバイ, アラブ首長国連 100.0 100.00 4)
Sarl.,パリ,フランス
邦
Flyin Travel and
QIL Technologies Pty
Tourism Private
100.00 100.00 4)
Ltd.,ダブリン,アイル
Limited, ハイデラード,
ランド
インド
Flyin Travel Limited,
QPL Technologies
リマソール, キプロス共
100.0 100.00 4)
Z.o.o.,クラクフ,ポー
和国 ランド
QSL Technologies
Flyin Travel S.A.E, カ
100.0 100.00 4)
Pte.,シンガポール,シ
イロ, エジプト
ンガポール
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
Quadrem Africa
FreeMarkets Ltda.,
Pty. Ltd., ヨハネ
サンパウロ, ブラジ 100.00 100.00
スブルク, 南アフ
ル
リカ
Quadrem Brazil
Gigya UK Ltd, ロン
Ltda., リオデジャ
100.00 10),16) 100.00
ドン, イギリス
ネイロ, ブラジル
Quadrem Chile
GlobalExpense
Ltda., サンティア
Limited, ロンドン, 100.00 10) 100.00
ゴ・デ・チレ, チリ
イギリス
Quadrem
Hipmunk, Inc., サ
International
ンフランシスコ, カ
100.00 100.00
Ltd., ハミルトン,
リフォルニア, アメ
リカ バミューダ
Quadrem
hybris (US) Corp.,
Netherlands B.V.,
ウィルミントン, デ
100.00 100.00 11)
アムステルダム, オ
ラウェア, アメリカ
ランダ
Quadrem Overseas
hybris GmbH, ミュ
Cooperatief U.A.,
100.00 8),9) 100.00 11)
ンヘン, ドイツ
アムステルダム, オ
ランダ
Inxight Federal
Systems Group, Quadrem Peru
Inc., ウィルミント 100.00 S.A.C., リマ, ペ 100.00
ン, デラウェア, ア ルー
メリカ
Qualtrics
IP Asset
International
100.00 ▶ ） 100.00 4)
Holdings.LLC(プロ
Inc.,ウィルミント
ボ,ユタ,アメリカ）
ン,デラウエア,アメ
リカ
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
LeadFormix, Inc.,
Qualtrics Japan
ダブリン, カリフォ
100.00 100.00 4)
LLC.,東京,日本
ルニア, アメリカ
Learning Heroes Qualtrics Sweden
Ltd., チェシャー, 100.00 10) AB. ストックホル 100.00 4)
イギリス ム,スウェーデン
Learning Seat Qualtrics
Borrowings Pty. Technologies
100.00 100.00 4)
Ltd., シドニー, Spain, S.L.U.,マド
オーストラリア リード,スペイン
Learning Seat
QUL Technologies
Group Pty. Ltd.,
100.00 Limited, ロンドン, 100.00 4),10)
シドニー, オースト
イギリス
ラリア
SAP (Beijing)
Learning Seat
Software System
Holdings Pty.
100.00 100.00
Co., Ltd., 北京,
Ltd., シドニー,
中国
オーストラリア
SAP Andina y
Learning Seat Pty.
del.Caribe C.A.,
Ltd., シドニー, 100.00 100.00 17)
カラカス, ベネズエ
オーストラリア
ラ
SAP AZ LLC, バ
LLC “SAP Labs“,
100.00 クー, アゼルバイ 100.00
モスクワ, ロシア
ジャン
SAP Belgium
LLC “SAP
Systems,/SA, ブ
Ukraine”, キエフ, 100.00 16) 100.00
リュッセル, ベルリ
ウクライナ
ン
SAP Beteiligungs
Merlin Systems Oy,
GmbH, ヴァルドル
エスポー, フィンラ 100.00 100.00
フ, ドイツ
ンド
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP Bulgaria EOOD,
Nihon Ariba K.K.,
100.00 ソフィア, ブルガリ 100.00
東京, 日本
ア
SAP Business
Noteshark, LLC,
Services Center
シャンティイー,
51.0 Nederland B.V., ス 100.00 11)
バージニア, アメリ
ヘルトーヘンボス,
カ
オランダ
SAP Chile
OrientDB Limited,
Limitada, サンティ
100.00 10) 100.00 16)
ロンドン, イギリス
アゴ, チリ
Outerjoin, Inc.,
SAP China Holding
ダブリン, カリフォ
100.00 Co., Ltd., 北京, 100.00
ルニア, アメリカ
中国
OutlookSoft
SAP Colombia
Deutschland GmbH,
S.A.S., ボゴタ, コ
100.00 8),9) 100.00 16)
ヴァルドルフ, ドイ
ロンビア
ツ
SAP Commercial
Plat.One Inc., パ
Services Ltd., バ
ロアルト, カリフォ
100.00 100.00
レッタ, マルタ共和
ルニア, アメリカ
国
Plat.One Lab Srl, SAP Costa Rica,
ボリアスコ, イタリ 100.00 S.A., サンノゼ, コ 100.00 16)
ア スタリカ
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP Malta
SAP R, spol. ▲ r.o.,
Investments Ltd.,
100.00 100.0
プラハ, チェコ共和国
バレッタ, マルタ
共和国
SAP MENA FZ
SAP Cyprus Limited, ニ
100.00 L.L.C., ドバイ, 100.0
コシア, キプロス共和国
アラブ首長国連邦
SAP Middle East
SAP d.o.o., ザグレブ,
and North Africa
100.00 49.0 5),16)
クロアチア
L.L.C., ドバイ,
アラブ首長国連邦
SAP Nederland
SAP Danmark A/S, コペ
Holding B.V., ス
100.00 100.0 11)
ンハーゲン, デンマーク
ヘルトーヘンボス,
オランダ
SAP Dritte
SAP New Zealand
Beteiligungs- und
Limited, オークラ
Verm ögensverwaltungs 100.00 100.0
ンド, ニュージー
GmbH, ヴァルドルフ, ド
ランド
イツ
SAP East Africa SAP Norge AS, リ
Limited, ナイロビ, ケ 100.00 16) サーカー, ノル 100.0
ニア共和国 ウェー
SAP North West
SAP Egypt LLC, カイロ,
Africa Ltd, カサ
100.00 16) 100.0 16)
エジプト
ブランカ, モロッ
コ
SAP EMEA Inside Sales
SAP Ö sterreich
S.L., マドリード, スペ
100.00 GmbH, ウィーン, 100.0
イン
オーストリア
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP Erste
Beteiligungs- und
SAP Per ú S.A.C.,
Verm ögensverwaltungs 100.00 8),9) 100.0 16)
リマ, ペルー
GmbH, ヴァルドルフ,
ドイツ
SAP Philippines,
SAP Estonia O Ü , タリ
100.00 Inc., マカティ, 100.0 16)
ン, エストニア共和国
フィリピン
SAP Polska Sp. z
SAP Financial, Inc.,
100.00 o.o., ワルシャワ, 100.0
トロント, カナダ
ポーランド
SAP Portals
SAP Finland Oy, エス
Europe GmbH, ヴァ
100.00 100.0
ポー, フィンランド
ルドルフ, ドイツ
SAP Portals
SAP Foreign Holdings Holding
GmbH, ヴァルドルフ, ド 100.00 Beteiligungs 100.0
イツ GmbH, ヴァルドル
フ, ドイツ
SAP Portals
SAP France Holding, ル
Israel Ltd., ラア
ヴァロワ＝ペレ, フラン 100.0 100.0
ナナ, イスラエル
ス
SAP Portugal –
Sistemas,
Aplica çõ es e
SAP Global Marketing, Produtos
Inc., ニューヨーク, Inform áticos,
100.0 100.0
ニューヨーク, アメリカ Sociedade
Unipessoal, Lda.,
ポルト・サルヴォ,
ポルトガル
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP Projektverwaltungs-
SAP Hellas S.A.,
und Beteiligungs GmbH,
100.0 100.0
アテネ, ギリシャ
ヴァルドルフ, ドイツ
SAP Hong Kong
SAP Public Services, Inc.,
Co., Ltd., 香港, 100.0 16) 100.0
ワシントンDC, アメリカ
中国
SAP Hosting
Beteiligungs
SAP Puerto Rico GmbH, ヴァ
8), 9)
GmbH, ザンクト・ 100.0 100.0 8),9),16)
ルドルフ, ドイツ
レオン＝ロート,
ドイツ
SAP India
SAP Retail Solutions
(Holding) Pte
Beteiligungsgesellschaft
100.0 100.0
Ltd, シンガポー
mbH, ヴァルドルフ, ドイツ
ル, シンガポール
SAP International
Panama, S.A., パ SAP Romania SRL, ブカレス
100.0 100.0
ナマシティ, パナ ト, ルーマニア
マ
SAP
International, SAP Saudi Arabia Software
Inc., マイアミ, 100.0 Services Ltd, リヤド, サウ 100.0
フロリダ, アメリ ジアラビア王国
カ
SAP Investments,
SAP Saudi Arabia Software
Inc., ウィルミン
100.0 Trading Ltd, リヤド, サウ 75.0
トン, デラウェア,
ジアラビア王国
アメリカ
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP Sechste
SAP Ireland
Beteiligungs- und
Limited, ダブリ
100.0 12) Verm ögensverwaltungs 100.0 8),9)
ン, アイルランド
GmbH, ヴァルドルフ, ド
イツ
SAP Ireland US -
Financial
Services
SAP Services s.r.o.,
Designated 100.0 100.0
プラハ, チェコ共和国
Activity Company,
ダブリン, アイル
ランド
SAP Siebte
SAP Israel Ltd., Beteiligungs- und
ラアナナ, イスラ 100.0 16) Verm ögensverwaltungs 100.0 8),9)
エル GmbH, ヴァルドルフ, ド
イツ
SAP sistemi,
aplikacije in produkti
SAP Korea Ltd.,
100.0 za obdelavo podatkov 100.0
ソウル, 韓国
d.o.o., リュブリャナ,
スロベニア
SAP Labs Bulgaria SAP Slovensko s.r.o.,
EOOD, ソフィア, 100.0 ブラチスラヴァ, スロバ 100.0
ブルガリア キア
SAP Labs Finland SAP Software and
Oy, エスポー, 100.0 Services LLC, ドーハ, 49.0 5),16)
フィンランド カタール
SAP Svenska
SAP Labs France
Aktiebolag, ストックホ
SAS, ムージャン, 100.0 100.0
ルム, スウェーデン
フランス
231/347
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP System
Application and
SAP Labs Israel
Products Asia
Ltd., ラアナナ, イ 100.0 100.0
Myanmar Limited,
スラエル
ヤンゴン, ミャン
マー
SAP Labs Korea,
100.0
Inc., ソウル, 韓国
SAP Latvia SIA, リ
ガ, ラトビア共和国
100.0
100.0
SAP Malaysia Sdn.
Bhd., クアラルン
100.0
プール, マレーシア
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
SAP Systems,
Applications and
Products in Data Sybase India Ltd.,
100.0 100.0
Processing ムンバイ, インド
(Thailand) Ltd.,
バンコク, タイ
Sybase
International
Holdings
SAP Taiwan Co.,
100.0 Corporation, LLC, 100.0
Ltd., 台北, 台湾
サンラモン, カリ
フォルニア, アメリ
カ
SAP Technologies Sybase
Inc.,パロアルト, Philippines, Inc.,
100.0 100.0
カリフォルニア, ア マカティシティ,
メリカ フィリピン
SAP Training and
Sybase Software
Development
(India) Private
Institute FZCO, ド
100.0 100.0
Ltd., ムンバイ, イ
バイ, アラブ首長国
ンド
連邦
SAP T ü rkiye
Sybase, Inc., サン
Yazilim Ü retim ve
ラモン, カリフォル
Ticaret A. Ş ., イ 100.0 100.0
ニア, アメリカ
スタンブール, トル
コ
Systems
Applications
Products (Africa
SAP UAB, ヴィリ
Region)
100.0 100.0
ニュス, リトアニア
Proprietary
Limited, ヨハネス
ブルク, 南アフリカ
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
Systems
Applications
SAP Ventures
Products (Africa)
Investment GmbH, ヴァ
100.0 8),9) Proprietary 100.0
ルドルフ, ドイツ
Limited, ヨハネス
ブルク, 南アフリ
カ
Systems
Applications
SAP Vierte
Products (South
Beteiligungs- und
Africa)
16)
Verm ögensverwaltungs 100.0 70.0
Proprietary
GmbH, ヴァルドルフ,
Limited, ヨハネス
ドイツ
ブルク, 南アフリ
カ
Systems
Applications
SAP Vietnam Company
Products Nigeria
16)
Limited, ホーチミン, 100.0 100.0
Limited, ヴィクト
ベトナム
リア島, ナイジェ
リア
Technology
Management
SAP West Balkans
Associates Inc.,
d.o.o., ベオグラード, 100.0 100.0
ハーンドン, バー
セルビア共和国
ジニア, アメリカ
SAP Zweite
Beteiligungs- und
Temkin Group,LLC.
4)
Verm ögensverwaltungs 100.0 8),9) 100.0
ウィルミントン,デ
ラウエア,アメリカ
GmbH, ヴァルドルフ,
ドイツ
TM Property
SAP.io Fund, L.P., サ
Holdings.LLC.ウィ
ンフランシスコ, カリ 4)
0 6) 100.0
ルミントン,デラウ
フォルニア, アメリカ
エア,アメリカ
234/347
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
Sapphire Fund
Investments
TomorrowNow, Inc.,
II,Holdings LLC.,
ブライアン, テキサ
100.0 6) 100.0
パロアルト, カリ
ス, アメリカ
フォルニア, アメリ
カ
Sapphire Fund
Investments II, TRX Europe
10)
L.P., パロアルト, 0 6) Limited, ロンドン, 100.0
カリフォルニア, ア イギリス
メリカ
Sapphire Fund
TRX Technologies
Investments III,
India Private
L.P., パロアルト, 0 6) 100.0
Limited, ラマン・
カリフォルニア, ア
ナガー, インド
メリカ
Sapphire SAP HANA
Fund of Funds,
TRX UK Limited, ロ
L.P., パロアルト, 0 6) 100.0 10)
ンドン, イギリス
カリフォルニア, ア
メリカ
Sapphire Ventures
TRX, Inc., ベル
Fund I, L.P., パロ
ビュー, ワシント
0 6) 100.0
アルト, カリフォル
ン, アメリカ
ニア, アメリカ
Sapphire Ventures
Volume
Fund II, L.P., パ
Integration, Inc.,
0 6) 100.0
ロアルト, カリフォ
バージニア, アメリ
ルニア, アメリカ
カ
Sapphire Ventures
Webcom, Inc., ダブ
Fund III, L.P., パ
リン, カリフォルニ
0 6) 100.0
ロアルト, カリフォ
ア, アメリカ
ルニア, アメリカ
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会社の名称及び 所有 会社の名称及び 所有
注記 注記
所在地 割合 所在地 割合
% %
Sapphire Ventures
Sybase 365 Ltd.,
Fund IV, L.P., パ
0 6) トルトラ島, ヴァー 100.0
ロアルト, カリフォ
ジン諸島
ルニア, アメリカ
Sybase 365, LLC,
SAPV (Mauritius),
サンラモン, カリ
エベーヌ, モーリ 100.0 6) 100.0
フォルニア, アメリ
シャス
カ
Saudi Ebreez
Company for
Sybase Angola,
Electronic
100.0 LDA, ルアンダ, ア 100.0 15),16)
Services LLC ,
ンゴラ共和国
リヤド, サウジアラ
ビア王国
Sybase Iberia
Statwing. LLC.,
100.0 4) S.L., マドリード, 100.0
ウィルミントン,デ
ラウエア,アメリカ
スペイン
SuccessFactors
(Philippines),
100.0
Inc., パシッグ,
フィリピン
SuccessFactors
Cayman, Ltd., グラ
100.0
ンドケイマン, ケイ
マン諸島
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1) これらの数値は連結修正仕訳を計上する前の現地のIFRS財務諸表を基に算出されている為、連結財務諸表に含まれている
会社の貢献利益を反映していない。グループ通貨への換算にあたっては、資本については期末換算レートを使用してお
り。収益及び純収入/損失については期中平均レートを使用している。
2) 2019年12月31日現在のFTEの取締役の経営陣を含んでいる。
3) 税引き後の損益と、HGB, 285 項及び313項に従って合計された資本の数値が、SAP S.E. の利益率、流動性、資本源泉及び財
務状態において、HGB, 313(2) 項3行目の4及び286(3)1行目の１により、重要性が低いと判断される場合は、開示されない。
4) 2019年に初めて統合された。
5) 他の株主とSAP SEが全体を支配することで合意している。
6) SAP SE には以下の企業が含まれる（SAP.io Fund, L.P, Sapphire Fund Investments II, Holdins.LLC., Sapphire Fund
Investments II, L.P.,Sapphire Fund Investments III, L.P., Sapphire SAP HANA Fund of Funds, L.P., Sapphire Ventures
Fund I, L.P., Sapphire Ventures Fund II, L.P., Sapphire Ventures Fund III, L.P, Sapphire Ventures Fund IV, L.P.,
SAPV (Mauritius) ）。これらの企業の事業結果はSAPのIFRS第10号（連結財務諸表）に含まれている。
7) 事業体の個人的責任を負うパートナーはSAP SE である。
8) 損(益)移転契約がある事業会社。
9) HGB, 264(3) 項又は264b項に従って、子会社は法令で定められた財務書類を作成するにあたり、注記の記載・管理体制のレ
ビュー・独立監査人の監査の受諾及び一般への情報公開等一定の法的要件の適用が免除されている。
10) イギリス2006年会社法の479Aから479Cに従って、子会社は2019年12月31日又は2019年9月30日それぞれに終了する会計年度
に関する子会社の負債に対するSAP SE の保証に基づいて財務諸表の会計監査を免除されている。
11) オランダ民法2;403に従って、当該子会社は2019年12月31日又は2019年9月30日それぞれに終了する会計年度に関する子会社
の負債に対するSAP SE の保障に基づき、法令で定められた財務書類を作成するにあたり、注記の記載・管理体制のレ
ビュー・独立監査人の監査の受諾及び一般への情報公開等一定の法的要件の適用が免除されている。
12) 2014 年アイルランド会社法第6部第16章第365条に従い、2019年12月31日に終了する会計年度に関して、休止企業の免除資格
があることから、財務諸表の会計監査が免除されている。
13) スイス債務法727条第2項に従い、2019年12月31日又は2019年9月30日それぞれに終了する会計年度について、財務諸表の会
計監査が免除されている。
14) 1993 年ニュージーランド会社法第211条 (3) 及び2013年財務報告法第45条 (2) に基づき、当該事業体は除外を承認してお
り、2019年12月31日に終了した事業年度に関する監査済み財務諸表を提出する必要はない。
15) 2013 年10月1日付アンゴラ税法及び大統領令第147/13号により、当該企業は高額納税者としての資格を有しないため、2019
年12月31日に終了した会計年度に関する財務諸表の監査が免除されている。
16) SAP SE によって発行されたサポートレターを保有している企業
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その他の持分投資
ジョイント・アレンジメント及び関連会社に対する投資
所有
会社の名称及び所在地
割合
%
China DataCom Corporation Limited, 広州, 中国
28.30
Convercent, Inc., デンバー, コロラド, アメリカ
37.12
Procurement Neg ócios Eletr ônicos S/A, リオデジャネイロ, ブラジル
17.00
Visage Mobile, Inc., ミルウォーキー, ウィスコンシン, アメリカ
4.50
持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
83North IV, L.P., ヘルツリーヤ, イスラエル
Alation, Inc., レッドウッドシティ, カリフォルニア, アメリカ
Alchemist Accelerator Fund I LLC,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
All Tax Platform - Solucoes Tributarias S.A., サンパウロ, ブラジル
Amplify Partners II L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Amplify Partners III, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Amplify Partners, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
AP Opportunity Fund, LLC, メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
Auth0, Inc., ベルビュー, ワシントン, アメリカ
Blue Yard capital I GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Brightfield Holdings. Inc.,ニューヨーク,アメリカ
By Capital 2 GmbH & Co. KG,ベルリン,ドイツ
Catchpoint Systems, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Char Software, Inc., ボストン, マサチューセッツ, アメリカ
Clari.Inc., Inc.,ボストン, マサチューセッツ, アメリカ
Contentful GmbH, ベルリン, ドイツ
Costanoa Venture capital II L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Costanoa Venture capital III L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Costanoa Venture capital QZ, LLC, パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Culture Amp, Inc.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Data Collective II L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
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持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
Data Collective III L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Data Collective IV, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
DataRobot, Inc., ボストン, マサチューセッツ, アメリカ
Dharma Platform, Inc., ワシントン DC, アメリカ
Digital Hub Rhein-Neckar GmbH, ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン, ドイツ
EIT ICT Labs Germany GmbH, ベルリン, ドイツ
FeedZai S.A., リスボン, ポルトガル
Felix Ventures Ⅲ, L.P., ロンドン, イギリス
Follow Analytics, Inc.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Greater Pacific Capital (Cayman) L.P., グランドケイマン, ケイマン諸島
Haystack Ventures V. L.P.,ミルバレー,カリフォルニア,アメリカ
IDG Ventures USA III, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
IEX Group, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
InfluxData, Inc.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
InnovationLab GmbH, ハイデルベルク, ドイツ
innoWerft Technologie- und Gr ü nderzentrum Walldorf Stiftung GmbH, ヴァルドルフ, ドイツ
JFrog, Ltd., ネタニヤ, イスラエル
Kaltura, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Kavacha TopCo LLC, ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Landlog Limited, 東京, 日本
LeanData, Inc., サニーベール, カリフォルニア, アメリカ
Local Globe VII, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Local Globe VIII, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Localglobe X Limited. Guernsey. Channel Islands
Mango Capital 2018, L.P., ロスアルトス,カリフォルニア,アメリカ
Matillion Ltd., オルトリンアム, イギリス
Mosaic Ventures I, L.P., ロンドン, イギリス
MVP Strategic Partnership Fund GmbH & Co. KG, ミュンヘン, ドイツ
Narrative Science, Inc., シカゴ, イリノイ, アメリカ
Nor1, Inc., Santa Clara, カリフォルニア, アメリカ
Notation Capital II, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
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会社の名称及び所在地
Notation Capital, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
OpenX Software Limited, パサデナ, カリフォルニア, アメリカ
OpsRamp, Inc., サンノゼ, カリフォルニア, アメリカ
Outreach Corporation. シアトル,ワシントン,アメリカ
Pendo.io, Inc., ローリー, ノースカロライナ, アメリカ
Pheonix Labs Canada, ULC, バーナビー, ブリティッシュコロンビア, カナダ
PivotNorth Early Fund I. L.P., アザートン,カリフォルニア,アメリカ
Point Nine Annex GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund II GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund III GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund IV GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Portworx Inc., Los Altos, カリフォルニア , アメリカ
Project 44, Inc., シカゴ, イリノイ, アメリカ
PubNub, Inc.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
Punchh, Inc., サンマテオ, カリフォルニア, アメリカ
Realize Corporation, 東京, 日本
Reltio, Inc., レッドウッドショア, カリフォルニア, アメリカ
Ridge Ventures IV, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
SASS Labs. Inc., パロアルト, カリフォルニア,アメリカ
Scryer, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Side. Inc., ニューヨーク,アメリカ
Smart City Planning, Inc., 東京, 日本
SportsTech Fund, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
SportsTech Parallel Fund, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Spring Mobile Solutions, Inc., ソルトレイクシティ, ユタ, アメリカ
Storm Ventures V, L.P., メンローパーク, カリフォルニア, アメリカ
SumoLogic, Inc., レッドウッドシティ, カリフォルニア, アメリカ
Sun Basket. Inc., サンフランシスコ,カリフォルニア,アメリカ
SV Angel IV, L.P.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
T3C Inc., マウンテンビュー, カリフォルニア, アメリカ
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会社の名称及び所在地
The Currency Cloud Group Limited, ロンドン, イギリス
The SaaStr Fund, L.P., パロアルト, カリフォルニア, アメリカ
Third Kind Venture Capital Ⅱ. L.P.,ニューヨーク,アメリカ
UJET. Inc.,サンフランシスコ,カリフォルニア,アメリカ
Upfront V, L.P., サンタモニカ, カリフォルニア, アメリカ
Wandera, Inc.,サンフランシスコ, カリフォルニア, アメリカ
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(G.10) ドイツ・コーポレートガバナンス・コード
ドイツ連邦政府は2002年2月にドイツ・コーポレートガバナンス・コード（以下、「コード」という）を公布し、随時この
コードを修正する委員会を導入した。コードには法的要請及びいくつかの勧告及び提言が含まれている。法的要請だけがドイ
ツ企業に遵守義務を負わせている。勧告についてはドイツ株式会社法161条にて、公開企業は毎年勧告についての実施の程度に
ついて公的声明を出すことを要求している。企業はいかなる公的声明も出さずに提言から逸脱することができる。
2019 年及び2018年に、当社の取締役会及び監査役会は要請されている実行声明を公表した。2019年の声明は2019年10月末に
発行された。これらの声明は、我々のWebサイト(www.sap.com/corporate/en/investors/governance)にて入手可能である。
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２【主な資産・負債及び収支の内容】
前掲の連結財務書類を参照のこと。
３【その他】
後発事象については、前掲の連結財務諸表の注記(G.8)を参照のこと。
重要な訴訟事件については、前掲の連結財務諸表の注記(G.3)を参照のこと。
2020 年5月4日に、当社は当社のクラウド製品の一部が契約上合意されたまたは法律上要求されるITセキュリティ基準を同日
時点において1つ以上満たしていないことを公表した。具体的には、SAP Success Factors、SAP Concur、SAP/Callidus Cloud
Commissions、SAP/Callidus Cloud CPQ、ならびにSAP C4C/Sales Cloud、SAP Cloud PlatformおよびSAP Analytics Cloudに問
題があり、これらはいずれも当社の買収した企業の製品である。
当社は、今回発覚した事実はセキュリティ問題が発生したことによって確認されたものではないとした。報告の中で、当社
はこれらの問題によって顧客データの漏洩は生じていないとの考えを示した。当社は、問題のある製品が関連条件を確実に遵
守できるようにするための取組みとして、技術的な改修に加え、当社のセキュリティ関連の諸条件の見直しを決定した。当社
は、当該条件については引き続き同業者と足並みを揃えるとした。
さらに当社は、契約上合意されたまたは法律上要求される基準に達していないと特定された部分の改修を既に開始してお
り、当該改修を速やかに進めることも発表した。当該改修の大部分は、2020年度第2四半期中には完了する。改修に係る費用
は、当社の現時点での2020年度財務見通しの範囲内にてまかなうことができる見込みである。
また当社は、影響を受ける顧客（当社の440,000の顧客のうち約9％）に対して、個別に情報提供およびサポートを行うこと
を発表した。
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４【日本とドイツ(国際財務報告基準)における会計原則及び会計慣行の相違】
SAP では、国際財務報告基準に準拠して連結財務書類を作成しており、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に
準拠して作成された財務書類とはいくつかの相違点がある。本考察はSAPにより適用される会計原則と日本の会計原則の間の全
ての相違を含むものではないが、相違のうち主要なものを以下に要約する。
(1) 財務書類
国際財務報告基準に従って作成されるSAPの財務書類は、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結
資本変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務書類に対する注記から構成されている。国際財務報告基準で
は、連結財務書類が主要財務書類とみなされる。
日本では、連結貸借対照表、連結損益計算及び連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー
計算書、連結附属明細表及び連結財務書類に対する注記の作成が求められており、IFRSと重要な相違は無い。
注記に関しては、国際財務報告基準においては、詳細な説明、特に連結貸借対照表及び連結損益計算書の詳細な説明を含ん
でおり、日本における連結貸借対照表注記、連結損益計算書注記及び連結附属明細表で開示が要求されている情報と、少なく
とも同等の内容を含んでいる。
(2) 会計方針の変更
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IAS8号「会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬」に従って、会計方針の
変更があった場合には、過年度の財務書類が遡及的に修正再表示される。なお、その場合、開示される最も古い比較年度の期
首財政状態計算書の作成が要求されている。
日本では、企業会計基準24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づき、会計上の変更及び過去の誤謬の
訂正から遡及修正が必要となっている。その場合においても、開示される最も古い比較年度の期首財政状態計算書の作成は要
求されていない。
(3) 企業結合
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IFRS3号「企業結合」に従い、全ての企業結合はパーチェス法を適用して
会計処理される。企業結合で取得したのれんは償却されない。代わりに取得者は、IAS36号「資産の減損」に従って、毎年、又
は減損の可能性を示す事象若しくはその状況の変化があった場合には、減損テストを実施する。
日本では、企業会計基準21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企
業結合は、取得とされ、パーチェス法が適用される。企業結合で取得したのれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたっ
て、定額法その他合理的な方法により償却する。ただし、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業
年度の費用として処理することができる。
(4) 資産の減損
国際財務報告基準に準拠した財務書類では、無形資産及び有形固定資産の減損損失は、帳簿価額と回収可能価額を比較する
ことによって認識される。個別にテストできない資産については、他の資産又は他の資産グループから独立したキャッシュ・
フローを生み出す最小のグループ（資金生成単位）に基づき、回収可能価額を算定する。回収可能価額は、使用価値又は売却
費用控除後の公正価値としている。使用価値の見積にあたっては、割引キャッシュ・フロー法が用いられる。資産又は資金生
成単位の帳簿残高が回収可能価額を上回る場合は減損損失を認識する。減損損失を計上した当初の事由が消滅した場合、減損
損失の戻し入れが行われる。のれんにかかる減損損失は、戻し入れを行うことはできない。
日本では、長期性資産の割引前キャッシュ・フローが帳簿価額より低い場合に、当該帳簿価額と回収可能価額（正味売却価
額と使用価値のいずれか高い金額）の差額が減損損失として認識される。減損損失の戻し入れは禁止されている。
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(5) 株式報酬
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IFRS2号「株式報酬」に基づき、持分決済型の株式報酬について及び現金
決済型の株式報酬について処理を行っている。持分決済型株式報酬において、権利不行使による失効が生じた場合には、新株
予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分はそのまま資本項目とする。
日本では、現金決済型の株式報酬についての定めはない。持分決済型の株式報酬については、企業会計基準第8号「ストック
オプション等に関する会計基準」に基づき、2006年5月1日以降に付与されたストックオプションについては定めがあるが、
2006年5月1日より前に付与されたストックオプションについては特に規定がなかった。また、権利不行使による失効が生じた
場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。
(6) 退職後給付
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IAS19号「従業員給付」に基づき、給付算定方式を用いた保険数理計算に
基づき退職年金及びその他の退職後の給付債務を測定している。各制度に対する年金数理計算の結果として個別の制度の積み
立て超過または積み立て不足の状態に対し資産または負債を認識している。予測と実際の差異及び前提条件の変更からもたら
される確定給付債務あるいは制度資産の金額の変動は保険数理計算上の差異となり、その他の包括利益に計上され、純損益へ
の振替は認められない。
日本では、2013年4月1日以後開始する事業年度末に係る連結財務諸表より、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務債
務は、発生時に連結貸借対照表において即時認識されることとなった。また、当該差異は、その他の包括利益累計額に計上さ
れ、平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理することとなり、当期に費用化された部分については、そ
の他の包括利益の調整（組替調整）を行うことになっている。
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(7) 開発費用
国際財務報告基準で作成される財務書類では、IAS38号「無形資産」における一定の要件を満たした場合には、開発費用の資
産計上が要求される。
日本では、開発段階で発生した費用は発生時に費用計上される。
(8) ヘッジ会計
国際財務報告基準で作成される財務書類では、IAS39号「金融商品の認識と測定」に従って、キャッシュ・フロー・ヘッジに
関する会計処理が定められている。SAP社では、IFRS9号に従い、ヘッジ会計の指定を行ったヘッジ手段については公正価値で
評価し、有効なヘッジ部分に関する損益をその他の包括利益に計上する。その後ヘッジ対象取引が損益に影響した際に連結損
益計算書へ組み替える。ヘッジ関係が有効でなかった部分については、即時に連結損益計算書に計上される。
日本では、原則として、ヘッジ手段の公正価値の変動額は、純資産の部の「評価・換算差額等」として対応するヘッジ対象
に係る損益が実現されるまで繰り延べる(繰延ヘッジ)。ただし、想定元本、利息の受払条件及び契約期間がヘッジ対象となる
資産又は負債とほぼ同一である金利スワップについては、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産
又は負債に係る利息に加減して処理すること（金利スワップの特例処理）が認められている。
(9) 借入費用の資産化
国際財務報告基準では、IASBが2007年3月にIAS23号(改訂)「借入費用」を公表しており、2009年1月1日以降に開始する報告
期間に適用しなければならない。国際財務報告基準の下では、適格資産の取得、建設又は製造を直接の発生原因とする借入費
用は、資産の取得価額の一部として資産化しなければならない。適格資産とは、意図した使用又は販売が可能となるまでに相
当の期間を要する資産をいう。
日本では、借入費用を費用処理しなければならない。但し、自家建設の固定資産及び不動産開発事業支出金について支払利
子の資産化が容認されている。
(10) 特別損益の表示
国際財務報告基準では、損益計算書や包括利益計算書等において、いかなる収益又は費用のいかなる項目も、異常項目とし
て個別の勘定表示をすることは禁止されている。
日本では、特別損益に属するものはその内容を示す名称を付した科目をもって表示することと定められており、臨時かつ巨
額の項目は特別損益に計上される。従って、固定資産売却損益、投資有価証券売却損益及び災害損失等は特別項目とされる。
(11) 外貨関連事項
国際財務報告基準では、企業及びその在外事業体がそれぞれ機能通貨を決定し、機能通貨以外の通貨で表示されているか又
はそれによる決済を必要とする取引を外貨建取引として取り扱う。また、在外子会社か在外支店かに関わらず、在外事業体は
それぞれの機能通貨で記帳後、以下の手続により連結上の表示通貨へと換算する。
・資産と負債は、各報告期間の末日レートで換算する。
・収益と費用は、各取引日の為替レートで換算する。ただし、取引日レートに近似する場合には、期中平均レートが使用さ
れることも多い。
・換算差額については、資本の個別項目として認識される。
日本では、機能通貨に関する定めはなく、円以外の外国通貨で表示されている取引が外貨建取引となる。在外子会社の資産
と負債は決算日レートで、資本項目は取得日レートで、収益及び費用は原則として期中平均相場により換算する。在外支店に
おいては、外貨建取引は原則として本店と同様に処理（発生時の為替相場により換算）する。ただし、期中平均相場により換
算することもできる。在外子会社の換算差額は為替換算調整勘定に、在外支店の換算差額は当期の為替差損益に計上する。
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(12) 収益認識
国際財務報告基準では、IFRS15号「顧客との契約から生じる収益」に従って、収益は、約束された財又はサービスの支配が
顧客に移転した時点で、これらの財又はサービスと交換に当社が受け取ると見込まれる対価を反映した金額により認識され
る。当社の顧客との契約には、複数の財又はサービスを顧客に移転する約束が含まれている。財又はサービスを、別々に会計
処理する別個の履行義務として扱うか、又は一括して会計処理するかを決定するには、重要な判断が要求される場合がある。
また、別個の履行義務ごとの独立販売価格を決定するには判断が要求される場合がある。
日本では、2018年3月30日に、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認
識に関する会計基準の適用指針」が企業会計基準委員会より公表されており、2021年4月1日以後開始する事業年度から適用さ
れ、2018年4月1日以後開始する事業年度から早期適用も認められている。当該基準はIFRS第15号の基本的な原則を取り入れる
ことを出発点とし、これまで日本で行われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で
代替的な取扱いを追加するものである。
(13) リース
国際財務報告基準では、IFRS16号「リース」にて、借手が原資産をリース期間にわたり使用する権利を表す資産である使用
権資産、および対応するリース負債を認識することを借手に要求している。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」が、リース取引を、「特定の物件の所有者たる貸手が、当
該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸手に支払う取
引」と定義している。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引（オペレーティング・リース取引）
に区分し、オペレーティングリース取引については、通常賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
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第７【外国為替相場の推移】
日本円とユーロの為替相場は、国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日刊新聞紙に最近5年間の事
業年度について掲載されているため、その記載を省略する。
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第８【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1 ．日本における株式事務等の概要
(1) 日本における株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人
日本においては、株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人は存在しない。
(2) 株主に対する報償
該当なし。
(3) 株式の譲渡制限
一般的には該当なし。
(4) その他株式事務に関する事項
イ．決算期
12月31日
ロ．年次株主総会
年次株主総会は、毎年、SAP SEの取締役会および監査役会により決定された日時において開催される。
ハ．登録
当社に関しては、適用法および当社の定款に従って該当する株主総会の招集通知に定められた該当日ま
でに、株式保有の証明を当社に示した者のみが、株主総会に出席し、または当該総会における議決権を行
使するに当たって、株主とみなされる。株式保有の証明は、ドイツ語または英語による文書形式で預金機
関が発行する確認書を提出することにより行わなければならない。ドイツの強行法規に基づき、預金機関
が発行する確認書には、該当する株主総会の日の21日前の日が始まった時点（以下「基準日」という。）
の情報を記載しなければならない。
ニ．配当支払の基準日との無関係性
日本における株主を含む、当社から配当を受ける権利を有している株主は、利益の分配を決議する年次
株主総会の開催時点で当社株式を保有する者である。これは、基準日より後に株式を取得した株主にも配
当を受ける権利があることを意味する。ただし、当社株式は、利益の分配を決議する年次株主総会の当日
またはその前後に、「配当落ちの権利」として、株式市場において取引することができる。
個人株主は、カストディアン／名義人の関係において株式を所有する者と同様、配当を受ける資格を有
しているという点に留意されたい。
当社の配当政策については、「第5 2 配当政策」を参照のこと。
ホ．株券に関する手数料
該当なし。
2 ．日本における株主の権利行使に関する手続等
(1) 株主の議決権行使に関する手続
日本における当社の株主は、カストディアンに指示を与えることにより、議決権を行使することができる。
代理人による議決権行使の勧誘が行われる場合、カストディアンは、当社より十分な量の委任勧誘状を受け取り
次第、当該基準日現在における実質株主名簿に基づき、かかる委任勧誘状を実質株主に配布するものとする。
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(2) 配当請求等に関する手続
カストディアンは、当社より配当率、支払期日およびその他の関連情報の通知を受け取り次第、すべての受取配
当額を、配当支払日に当社株式を保有する株主の口座に振り込むものとする。配当の分配に係る上記手続上生じた
費用は、すべて当社が負担し、実質株主には一切これを請求しない。
「第5 2 配当政策」を参照のこと。
(3) 株式の譲渡に関する手続
当社株式に何ら制限が付されていない限り、当社株式の譲渡は、仲介人の口座については振替決済制度により効
力を発するものとする。
日本における株主は、その保護預り口座の振替により、当社株式に係る権限を譲渡することができる。
この場合、取引は、カストディアンに対して開設された口座間の帳簿振替により清算される。
(4) 配当金等に関する課税上の取扱い
イ．配当
実質株主に対する当社からの配当は、日本の税法上、配当所得として取り扱われる。
日本の居住者たる個人または日本の法人が支払を受ける配当金につき、当該配当の支払の際に徴収され
た連邦政府、州またはその他地方公共団体の源泉課税があるときは、この額を当該配当の支払額から控除
した残額に対して、日本の税法上、源泉徴収が行われる。源泉徴収税率は、当該配当を受ける期間に応
じ、以下の表に記載された税率となる。
配当課税の源泉徴収税率
配当を受けるべき期間 日本の法人 日本の居住者たる個人
2014 年1月1日～2037年12月31日 所得税15.315％ 所得税15.315％、住民税5％
2038 年1月1日～ 所得税15％ 所得税15％、住民税5％
日本の居住者たる個人の当社株主は、当社から支払われる配当については、日本において源泉徴収がな
された場合には確定申告をする必要はない。他方、日本において源泉徴収がなされなかった場合、日本の
居住者たる個人の当社株主は、収入および納税金額を報告するため、確定申告する義務を免れない。
2009年1月1日以降に当社から支払われる配当については、日本の居住者たる個人の当社株主は、申告分
離課税を選択することが可能である。
日本の居住者たる個人の当社株主が申告分離課税を選択した場合の確定申告の際の税率は、2014年1月1
日から2037年12月31日までに当社から当該個人株主に支払われる配当については20.315％（所得税
15.315％、住民税5％）、および2038年1月1日以降にSAP SEから当該個人株主に支払われる配当については
20％（所得税15％、住民税5％）である。
申告分離課税における配当所得の計算においては、2016年1月1日以降は上場株式や一定の公社債の売買
損等を控除することができる。
外国において課税された税額は、日本の税法上の規定に従い、二重課税を避けるため、外国税額控除の
対象となることがある（ただし、実質株主が源泉分離課税を選択した場合を除く。）。
ロ．売買損益
① 当社株式を保有する個人株主については、原則として、株式売買により生じる売買差益は、所得税課
税の対象となる。
納税者は、課税年度中に実現したすべての有価証券譲渡益（純額）の20％相当（2014年1月1日から
2037年12月31日までは20.315％）の税額を支払う。ただし、以下の条件を満たす者による当社株式の譲
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渡にかかる税率は、かかる譲渡が2014年1月1日から2037年12月31日までに行われた場合は20.315％、お
よび2038年1月1日以降に行われた場合は20％とする。
(a ）日本の居住者または非居住者のうち日本において恒久的施設を有する者であり、
かつ
(b ）当該譲渡が証券会社もしくは銀行を通じて行われるか、証券会社に対して行われるか、または適用
ある税法規制に定められたものである場合。
納税者は、税法規制に従い「特定口座制度」を使用した場合、納税申告書を提出しないことを選択
し、源泉課税を受けることを選択できる。
② 当社株式を保有する法人株主については、株式の売買損益は、課税所得の計算上会社の経常損益とし
て算入される。
③ 日本における当社株式の売買損益に係る上記の税務上の取扱いは、内国法人の株式の売買損益の取扱
いと同じである。
ハ．相続税
相続税は、故人の死亡に伴い相続または遺贈により財産を取得した個人に課せられる。ある人の死亡に
基づき財産を取得した時に日本に居住している相続人は、その国籍にかかわらず、無制限の相続税納付義
務を負う。無制限納税義務者は、その財産が日本の国内外にあるかを問わず、取得した全財産にかかる相
続税を負担する。
したがって、日本の居住者である実質株主が、ドイツにおいて発行された株式を相続または遺言により
取得した場合、日本の相続税法に基づき、当該株主には相続税が課せられる。
ただし、一定の状況下では、外国税額控除を受けられる場合がある。
(5) その他
該当なし。
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第９【提出会社の参考情報】
１【提出会社の親会社等の情報】
SAP SEの発行する有価証券は金融商品取引法第24条第1項第1号および第2号に該当しないため、該当事項はな
い。
２【その他の参考情報】
SAP SEは、当事業年度の開始日から本書提出日までの間において、下記の書類を関東財務局長に提出してい
る。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類 令和元年6月27日提出
(2) 半期報告書およびその添付書類 令和元年9月26日提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当なし。
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当なし。
第３【指標等の情報】
該当なし。
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（訳文）
独立監査人の報告書
SAP SE ( ヴァルドルフ) 御中
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査報告
監査意見
我々は、SAP SE(ヴァルドルフ)及びその子会社（以下、「SAP」若しくは「グループ」）により作成された、2019年12月31日
現在の連結財政状態計算書並びに、2019年1月1日から12月31日までの連結会計期間における連結損益計算書連結包括利益計算
書、連結資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び重要な会計方針の要約を含む連結財務諸表に関連する注記で
構成される連結財務諸表について監査を行った。
また、我々は2019年1月1日から12月31日までの会計年度にかかるSAPグループによる結合グループ経営報告書及び、ヴァルド
ルフのSAP SEによる2019年1月1日から12月31日までの会計年度の経営報告書（以下、グループ経営報告書）を監査している。
ドイツの法的要請に従い、我々は監査報告書の「その他の情報」セクションで指定されたグループ経営報告書のこれらの構成
要素を監査していません。
我々の意見は、監査により得た知見に基づき、
－ 附属の連結財務諸表はすべての重要な点において、EUにより採用された国際財務報告基準及びHGB(Handelsgesetzbuch-ド
イツ商法)第315e条第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表した
IFRSに準拠している。また、連結財務諸表は2019年12月31日時点のグループの資産、負債、財政状態及び2019年1月1日か
ら年12月31日までの会計年度の経営成績について真実かつ公平な概観を与えている。
－ さらに附属のグループ経営報告書は全体として、グループの状態に関する適切な視点を提供する。全ての重要な点におい
て、グループ経営報告書は連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件に準拠し、将来の発展の機会とリスクを適切
に表示している。グループ経営報告書に対する我々の意見は、 監査報告書の「その他の情報」セクションで指定されたグ
ループ経営報告書におけるこれらの構成要素を包含していない。
HGB 第322条第3項第1号に従って、我々の監査意見は、連結財務諸表及びグループ経営報告の適切性について、いかなる制約
も付していない。
連結財務諸表に対する意見の基礎
我々はドイツ商法第317条及びEU法定監査規則 ((EU) NO.537/2014。以下、「EU法定監査規則」)並びにドイツ公認会計士協
会(IDW)が公表したドイツにおける一般に公正妥当と認められた連結財務諸表監査基準に準拠し、さらに国際監査基(ISA)及び
米国公開会社会計監視委員会（米国）のガイドラインにも準拠して連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査を行った。 こ
れらの基準に基づいた我々の責任についての詳細は「連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査に対する監査人の責任」の
セクションに記載されている。我々はヨーロッパ法及びドイツの商法及び職業法に準拠して独立性を保持しており、我々はそ
の他ドイツにおいて適用される倫理規則を遵守している。また、我々はEU法定監査規則第10条(2)fに準拠し、EU法定監査規則
第5条(1)において禁止されている非監査業務を提供していない。
我々は、入手した監査証拠が、監査意見の合理的な基礎を得るために十分かつ適切であったと判断している。
連結財務諸表監査における監査上の主要な事項
監査上の主要な事項は2019年1月1日から12月31日における連結財務諸表監査の中で、我々の職業的判断において最も重要な
ものである。これらの事項は我々の連結財務諸表全体にかかる監査の過程で検討されたが、我々はこれらの論点について個別
に意見を表明しない。
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収益
注記(A.1)－収益、及びグループ経営報告のリスク・マネジメント及びリスクのセクションを参照。
財務諸表リスク
2019 会計年度において、SAPは276億ユーロの収益を獲得した。その内161億ユーロはソフトウェアライセンス売上とサポート
業務に関連する収益である。SAPのソフトウェアに係る顧客契約は複雑であるため、ソフトウェアライセンスの収益認識に誤謬
が生じる固有リスクを負っている。SAPは顧客との契約の会計処理を管理するため詳細な方針、手続、プロセスを定義してい
る。それらを適用する際には、特に以下の評価においてしばしば重要な判断を必要とする。
－ (1) 様々な契約が相互に関連しているかどうか、
－ (2) 製品とサービスが別個の履行義務として適格かどうか、及び
－ (3) 顧客契約の取引価格を契約の履行義務に割り当てるために使用される独立販売価格
SAP は異なるいくつかの種類の収益を獲得している。SAPはSAPの収益会計プロセスの自動化のレベルを高めることを目的とし
たRevenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューションを使用している。主にSAPの顧客との契約の数が多く複雑
であるため、ソフトウェア・ソリューションとこれらの契約に対するプロセスの適用は誤謬にかかる重要なリスクを負う。こ
の誤謬にかかる重要なリスクに対応するために、SAPは連結財務諸表上の正確な収益認識を確実にするためのプロセスとマニュ
アル統制を確立した。問題を防止又は是正するための内部のタスクフォースがSAPにより設立されている。追加的なプロセスと
統制により受注や請求計画などの基礎となる証憑とRevenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューションで処理
される収益とを照合させることに注力している。閾値は重要な逸脱に対する内部統制に焦点を当てて決定された。
財務諸表リスクとして、貸借対照表日現在の収益認識にかかるカットオフが不正確であり、収益の期間帰属が正確にされな
いリスクがある。
我々の監査アプローチ
ソフトウェアの収益認識に関して、我々はIFRSフレームワーク及びIFRS第15号におけるSAPの会計方針の遵守性を評価した。
我々は相互に関連する契約と個別の履行義務を識別し、取引価格に割り当てるための独立販売価格の見積りを作成するための
収益プロセス内の特定の内部統制をテストした。
統計的アプローチを使用して選定された顧客契約のサンプルについては、以下の手続も実施した。
－ 契約が相互に関連しているかどうか、識別した履行義務及び取引価格の割り当てのSAPの判断を評価するため、SAPの経理
担当者や営業担当者への質問や契約上の基本合意やその他の関連文書を行い、
－ 契約の識別、遅行義務及び取引価格をテストするため、主要な契約条件について各顧客から外部確認書を入手し、査閲
し、そして
－ 収益が適切な期間に認識されていることを確かめるため、それぞれの別個の履行義務に適用される収益認識方針が適切に
適用されたかどうか評価した。
我々は、適用された方法を評価し、基礎となる計算の数学的正確性をテストし、基礎となる取引データを評価するために顧
客契約のサンプルテストを実施することにより、別個の履行義務として適格とされた各成果物に対する独立販売価格を評価し
た。
Revenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューション及び関連するプロセスに関して、我々は基礎となる証憑
とRevenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューションを通じて処理される収益を照合する手作業統制の整備状
況と運用状況の有効性をテストした。この点について、我々は統制を実行するためにSAPが使用するレポートが網羅的かつ正確
で経営者のテスト結果を評価しているかどうかについても評価を行った。ソフトウェアサポート収益の大部分につき、我々は
実際のサポート収益と、昨年度のサポート収益を基に予測されたサポート収益、昨年度のサポート契約の損失率、及び追加の
サポート収益をもたらすソフトウェアの今年度の売上高を比較した。その他すべての重要な収益源につき、我々は正確な収益
認識を確かめるためサンプルを選定した。
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我々の所見
SAP は収益に係る会計処理を決定する適切なフレームワークを策定している。2019年度に締結されたソフトウェア契約の大部
分について、適用されるべきSAPの収益認識方針は明確であった。解釈の余地がある場合、SAPの判断は公平かつ適切であっ
た。SAPは連結財務諸表の正確な収益認識を保証する適切なプロセスと手作業統制を確立した。
法人所得税に係るタックスエクスポージャーの予測
注記(C.5)－税金費用、及びグループ経営報告書のリスク・マネジメント及びリスクのセクションを参照。
財務諸表リスク
SAP は収益の分配及び費用償還の約定など、税法の解釈が異なるために複雑で不確実な複数の税金管轄地域において事業活動
を行っている。税金にかかる偶発債務に対する引当計上の見積りには、税務上の問題及びタックスエクスポージャーに関する
判断を要する。SAPは定期的に自社のリスク評価をサポートする税金意見書を提供する外部の専門家を利用している。連結財務
諸表のリスクは不確実な税務処理に関する引当金の網羅性、測定及び開示に関連している。2019年12月31日現在、SAPは2,013
百万ユーロの税務上の不確実性に関連する偶発債務を開示している。
我々の監査アプローチ
グループの税法に対する統制及び関連するエクスポージャーを見積るプロセスを含む税務プロセスに係る特定の内部統制を
テストした。我々は外部の専門家の適格性、能力、客観性及び彼らが作成した意見書を評価した。グループの税務部門に質問
するとともに関連する税務当局とのやり取りを査閲した。我々は、税務当局と裁判所による関連法令の適用に関する知識と経
験に基づいて、税の不確実性の見積もりに関するSAPの結論の評価を支援する専門スキルと知識を持つ税務専門家を関与させ
た。
我々の所見
2019 年12月31日における税務上の不確実性に係る引当金計上額についてのSAPの判断は適切である。
米国プロボの Qualtrics International Inc. 買収に係る会計処理
注記(D.1)企業結合を参照。
財務諸表リスク
2019 年1月23日付で、SAPは米国プロボのQualtrics International Inc.（以下「Qualtrics」）を買収した。取得原価は
6,449百万ユーロであった。識別可能な取得資産及び引受負債への取得原価の配分によって、SAPは純資産を1,434百万ユーロ、
のれんを5,015百万ユーロで認識した。
SAP は、識別可能な取得資産及び引受負債を決定及び測定するために、外部の評価専門家を利用した。
取得資産の識別及び当初測定は複雑であり、取締役会の判断上の仮定に基づいている。取得した無形資産の測定に使用され
る重要な仮定は、取得した事業の収益及びマージン、資産別の収益及びマージン調整、見積耐用年数、ロイヤルティ及び帰属
率、並びに資本コストの予測を含む。
連結財務諸表のリスクは、取得資産及び引受負債の不十分な識別又は不正確な測定に関連している。さらに、連結財務諸表
に対する注記の開示が正確でないリスクがある。
我々の監査アプローチ
我々はのれんと分離された無形資産の識別に対する統制及び上記の関連する仮定を策定するための統制含む、会社の取得日
における評価プロセスに対する特定の内部統制をテストした。
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上記の仮定を、買収したビジネスに関する知識、ソフトウェア業界での経験、及び最近の比較可能な取引に基づいて我々の
期待値と比較することで、仮定のテストを支援する専門スキルと知識を持つ評価専門家を関与させた。
資本コストの基礎となる仮定及びパラメーターはいパンに入手可能なデータ及び我々の仮定と比較された。
取得原価の合計は基礎となる買収契約書及び支払いの証憑と突合した。
SAP が利用した外部の評価専門家の能力、スキル、及び客観性を評価した。
数学的正確性を評価するために、リスク・アプローチを使用して選択した金額を再計算した。
最後に、我々はQualtricsの買収に関する連結財務諸表注記の開示が正確であるかどうかを評価した。
我々の所見
取得資産の識別及び評価の基礎となるアプローチは適切であり、適用可能な会計及び評価の原則に準拠している。 SAP は公平
な一連の主要な仮定及びパラメーターを適用した。連結財務諸表注記の開示は適切である。
Qualtrics セグメントののれんの帳簿価額の回収可能性
注記(D.2)のれんを参照。
財務諸表リスク
SAP は内部管理目的でのれんがモニタリングされている観測されるより小さい単位がないため、事業セグメント単位で年次の
のれんの減損テストを行った。当期に行われたSAPの買収はSAP Qualtrics サービスを開発、マーケティング及び販売する
Qualtricsセグメントに重要なのれんをもたらした。2019年12月31日現在のQualtricsセグメントへ配分されたのれんは2,882百
万ユーロである（連結貸借対照表合計の4.8％）。
各減損テストは複雑かつ重要な判断を含んでいる。Qualtricsセグメントの見積り回収可能価額は帳簿価額に近く、のれんが
減損するリスクが高いことを示している。主要な仮定は予算収益成長率、予算営業利益率及び割引率に関連し、これらの仮定
がわずかに変動すると、見積り回収可能価額に重要な影響を与える。
SAP はのれんの減損テストを行うために外部の評価専門家を使用した。
我々の監査アプローチ
SAP は内部管理目的でのれんがモニタリングされている観測されるより小さい単位がないため、事業セグメント単位で年次の
のれんの減損テストを行った。当期に行われたSAPの買収はSAP Qualtrics サービスを開発、マーケティング及び販売する
Qualtricsセグメントに重要なのれんをもたらした。2019年12月31日現在のQualtricsセグメントへ配分されたのれんは2,882百
万ユーロである（連結貸借対照表合計の4.8％）。
各減損テストは複雑かつ重要な判断を含んでいる。Qualtricsセグメントの見積り回収可能価額は帳簿価額に近く、のれんが
減損するリスクが高いことを示している。主要な仮定は予算収益成長率、予算営業利益率及び割引率に関連し、これらの仮定
がわずかに変動すると、見積り回収可能価額に重要な影響を与える。
SAP はのれんの減損テストを行うために外部の評価専門家を使用した。
我々の所見
のれんの減損テストの基礎となるアプローチは妥当であり、適用される会計と評価の原則に準拠している。 SAP は、回収可能
価額の決定に際し公平な一連の仮定を適用した。
その他の情報
SAP SE の取締役会及び監査役会は、その他の情報に対して責任を負う。その他の情報は SAP SE の次のグループ経営報告書の
未監査情報で構成されている。
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－ 「当該経営報告書に関する一般情報」セクションに含まれる、統合非財務報告書
－ 「コーポレート・ガバナンスの基本」セクションに含まれる、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、及び
－ グループ経営報告書に関係のない、未監査としてマークされた情報
その他の情報は Form 20-F のアニュアルレポート及びアニュアルレポートの残りの部分も含まれる。
その他の情報には連結財務諸表、グループ経営報告書情報及び監査報告書は含まれていない。
我々の連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査意見はその他の情報をカバーしておらず、従って、我々はそれら
について意見やその他のいかなる形式の保証の結論も表明しない。
我々の監査に関連する、我々の責任はその他の情報を読み取り、その他の情報の以下への該当の有無を検討することにあ
る。
－ 内容について監査されたグループ経営報告書を含む連結財務諸表と我々が入手した監査証拠と著しく矛盾している
－ もしくは著しく誤っている
もし我々の実施した手続に基づいて、我々がその他の情報に重要な虚偽表示があると結論付けた場合は、我々はその事実を
報告することを求められる。その点において、報告事項はない。
加えて、 2019 年の統合報告書の選択された質的及び量的な持続可能性の開示について、我々は独立した保証業務を行うため
に従事した。この独立した保証契約の性質、程度及び結論に関しては、 2019 年 2 月 19 日付の独立保証報告書を参照するものとす
る。
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する取締役会及び監査役会の責任
SAP SE の取締役会は、すべての重要な点においてEUにより採用されたIFRS及びHGB (Handelsgesetzbuch- ドイツ商法 ) 第315e条
第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表したIFRSに準拠して、グルー
プの資産、負債、財政状態及び経営成績について真実かつ公正な概観を与える連結財務諸表を作成する責任を有している。ま
た、取締役会は、不正又は誤謬に起因する重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成することを可能とするために経営者が必
要と判断した内部統制に対する責任も負っている。
連結財務諸表の作成にあたって、取締役会は継続企業として存続するグループ能力 を評価する責任を有している。 取締役会
は該当する場合は継続企業の前提に関する事項を開示する責任も有している。さらに、取締役会はグループを清算又は事業活
動を停止する意思がある場合、又はそうする以外現実的な代替案が存在しない場合でない限り、継続企業の前提に基づいた財
務報告を行う責任を有している。
加えて、 取締役会は全体としてグループの状況について適切な見解を提供するグループ経営報告書を作成する責任がある。
当該報告書はすべての重要な点において連結財務諸表と一貫性があり、ドイツの法的要求に従い、将来の発展の機会とリスク
を適切に提示する 。さらに、 取締役会は、適用されるドイツの法的要件、ドイツ会計基準 17 号と 20 号 (GAS17,GAS20) 及び IFRS
実務記述書「経営者による説明」に準拠してグループ経営報告書を作成するために、またグループ経営報告書における主張に
十分かつ適切な証拠を提供できるようにするために必要と判断した 取決めと基準（システム） に責任を負っている。
監査役会は、連結財務諸表及びグループ経営報告書作成のためのグループの財務報告プロセスを監督する責任を有してい
る。
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査人の責任
我々の目的は、連結財務諸表に全体として不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうか、またグループ経営報告書が
全体としてグループの状況について適切な見解を提示し、すべての重要な点において連結財務諸表及び監査で得た知見と一貫
しており、 ドイツの法的要件を適用し、将来の発展の機会とリスクを適切に提示するかどうか の合理的な保証を得ること、及
び連結財務諸表及びグループ経営報告書について監査意見を含んだ監査報告書を発行することである。合理的な保証とは、高
いレベルの保証であるが、 ドイツ商法第317条、EU法定監査規則及びドイツ公認会計士協会(IDW)が公表したドイツにおける一
般に公正妥当と認められた連結財務諸表監査基準に準拠した監査、さらに国際監査基準(ISA)及び米国公開会社会計監視委員会
（米国）のガイドラインに従っ た監査が、常に重要な虚偽表示を発見できることを保証するものではない。不正又は誤謬によ
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り発生し得る虚偽表示は、個別又は集計して、連結財務諸表及びグループ経営報告書に基づいた財務諸表利用者の経済的意思
決定に影響を及ぼすと合理的に予期されるときに、重要であるとみなされる。
我々は職業的専門家としての判断を行使し、監査の全過程を通じて職業的懐疑心を保持する。我々はさらに、
－ 不正又は誤謬による連結財務諸表 及びグループ経営報告書 の重要な虚偽表示のリスクの識別及び評価し、これらのリスク
に対応した監査手続の策定及び実施し、監査意見の基礎を提供する十分かつ適切な監査証拠を得る。不正は共謀、偽造、
恣意的な省略、詐称、内部統制の無効化を伴う可能性があるため、不正による重要な虚偽表示が発見されないリスクは、
誤謬による重要な虚偽表示が発見されないリスクより高い。
－ 状況に応じた適切な監査手続を策定するために、 連結財務諸表の監査に関連する内部統制 及びグループ経営報告書の取決
めと基準（システム）を理解する。
－ 取締役会に使用される会計方針の適切性、取締役会による会計上の見積りの合理性及び関連する開示を評価する。
－ 取締役会による、継続企業を前提とした会計処理の妥当性、及び継続企業として存続するグループの能力に重要な疑義を
生じさせる事象又は状況に関連する重要な不確実性が存在するかどうかについて、入手した監査証拠に基づいて結論づけ
る。もし重要な不確実性が存在すると結論する場合、監査報告書において連結財務諸表及びグループ経営報告書の関連す
る開示について強調するか、もしくは、開示が不適切な場合は、監査意見を修正することが要求されている。我々の結論
は監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象もしくは状況がグループの継続企業
の前提を覆す可能性がある。
－ 連結財務諸表の開示を含め、全体的な表現、構造、内容を評価する。また、連結財務諸表がEUにより採用されたIFRS及び
ドイツ商法 (HGB) 第315e条第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表
したIFRSに準拠してグループの資産、負債、財政状態及び経営成績について真実かつ公正な外観を与えるような方法で基
礎となる取引及び事象を表示しているかどうかについて評価する。
－ 連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査意見を表明するために、グループ内のビジネス活動及び企業の財務情報に関
して十分かつ適切な監査証拠を入手する。我々はグループ監査の方向性、監督、パフォーマンスに責任を有する。我々は
監査意見に対して単独で責任を負う。
－ グループ経営報告書の連結財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠性、それが提供するグループの状況に関する見解を評
価する。
－ グループ経営報告書の中で取締役会によって提供される将来の情報に対して監査手続を実施する。十分かつ適切な監査証
拠に基づき、我々は特に将来の情報の基礎として取締役会によって使用された重要な仮定及び、これらの仮定からの将来
の情報の導出の適切性を評価する。我々は将来の情報及び基礎として用いられた仮定につき個別の意見を表明しない。将
来の事象が当該将来の情報と大きく乖離する重大な不可避のリスクが存在する。
我々は、とりわけ計画された監査の範囲及び時期、監査の期間中に発見された内部統制の重要な欠陥を含む重要な監査での
発見事項について、監査役会とコミュニケーションを取る。
我々は、さらに、独立性に関する倫理規則に準拠したこと及び独立性に影響を及ぼすと合理的に考えられる全ての関係や他
の事項、もし該当があれば、関連するセーフガードについてコミュニケーションを取ることについての陳述書を監査役会に提
出する。
監査役会と協議した事項から、我々は、当期の連結財務諸表の監査において最も重要であり、それゆえ監査上の主要な検討
事項となる事項を決定した。我々は、法や規制が情報開示を妨げない限り、これらの事項について監査報告書に記載する。
その他の法令規則に基づく要求事項
PCAOB に従った連結財務諸表の財務報告に係る内部統制システムに関する報告書
連結財務諸表の財務報告に係る内部統制システムに関する監査人の意見
我々は、SAP SE ( ヴァルドルフ) とその子会社の2019年12月31日現在の連結財務諸表の財務報告に係る内部統制について監査
を行った。この統制システムは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会（以下、「COSO」という）が公表した2013年改訂版内
部統制の統合的フレームワークに定められた基準に基づいている。
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我々は、SAPはすべての重要な点において、COSOが公表した2013年改訂版内部統制の統合的フレームワークに定められた基準
に基づき、2019年12月31日現在において連結財務諸表の財務報告に係る有効な内部統制を維持しているものと認める。
連結財務諸表に係る内部統制システムに関する取締役会及び監査役会の責任
SAP SE の取締役会は、連結財務諸表に係る内部統制に関する取締役会の報告書において記載されている様に、連結財務諸表
の財務報告に係る有効な内部統制システムを維持し、その有効性を評価する責任を有している。
会社の内部統制システムは、連結財務諸表に係る財務報告の信頼性及び一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠
した外部報告目的の財務書類作成に対して合理的な保証を提供するために整備されたプロセスである。連結財務諸表の財務報
告に係る内部統制システムには、(1)会社資産の取引及び処分を合理的な詳細さで正確かつ適正に反映した会計システムを保証
し、(2)一般に公正妥当と認められる会計原則の基準に準拠した財務書類の作成を可能にするために必要な取引が記録されるこ
とに関する合理的な保証を提供し、 (3)財務書類に重要な影響を及ぼす可能性のある未承認の資産の取得、使用又は処分を防
止又は適時に発見することについての合理的な保証を提供するための方針及び手続が含まれる。
財務報告に係る内部統制は、固有の限界があるため、重要な虚偽の表示を防止又は発見できない可能性がある。また、将来
の期間にわたる有効性の評価の予測には、状況の変化により内部統制が不適切となるリスク、又は方針や手続の遵守の程度が
低下するリスクを伴う。
監査役会は、連結財務諸表の財務報告に係るグループの内部統制システムを監督する責任を有している。
連結財務諸表の財務報告に係る内部統制に対する監査人の責任
我々の責任は、我々の監査に基づき、連結財務諸表の財務報告に係る内部統制についての意見を表明することにある。我々
は、公開会社会計監視委員会（米国）の基準に準拠して監査を行った。これらの監査の基準は、連結財務諸表の財務報告に係
る有効な内部統制がすべての重要な点において維持されているかどうかについて合理的な保証を得るために、我々が監査を計
画し実施することを求めている。連結財務諸表の財務報告に係る内部統制の監査は、財務報告に係る内部統制についての理
解、重要な欠陥が存在するリスクの評価、評価したリスクに基づく内部統制の整備及び運用状況の有効性についての検証及び
評価、並びに我々が状況に応じて必要と認めた手続きの実施を含んでいる。
我々は、我々が入手した監査証拠は、監査意見の合理的な基礎を得るために十分かつ適切であることを確信している。
EU 法定監査規則第10条に基づく詳細情報
我々は2019年5月15日に開催された定時株主総会でグループ監査人として選出された。2019年5月23日にSAP SEの監査役会の
監査委員会の委員長に任命され、2019年7月31日に追認された。2002年の会計年度から中断することなくグループ監査人を務め
ている。我々はこの監査報告書で表明されている意見はEU監査規則第11条に基づく監査委員会への追加報告(長文式監査報告
書)と首尾一貫していると宣言する。
財務諸表監査に加えて、我々はグループエンティティに対し、連結財務諸表及びグループ経営報告書上で開示されていない
以下のサービスを提供している。
連結財務諸表監査に加えて、我々はSAP SEの財務諸表を監査し様々な子会社で財務諸表監査を実施した。さらに、統合報告
書2019の選択された定性的及び定量的な持続可能性の開示に関する保証業務、ドイツ証券取引法第20条に基づくEMIR監査
[WpHG]、サービス受託会社の保証手続を実施した。
業務執行社員
この独立監査人の報告書に関する業務執行社員は、ボードー・ラックヴィッツである。
マンハイム、2020年2月19日
KPMG AG
監査法人
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( ラックヴィッツ) (シュナイダー)
( ドイツ公認監査士) (ドイツ公認監査士)
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Independent Auditor's Report
For the consolidated financial statements and Group Management Report we have issued an unqualified auditor's
report. The English language text below is ▶ translation of the independent auditor's report.
To SAP SE, Walldorf
Report on the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the Group
Management Report
Opinions
We have audited the consolidated financial statements of SAP SE, Walldorf, and its subsidiaries (the Group),
which comprise the consolidated statements of financial position as at December 31, 2019, consolidated income
statements, consolidated statements of comprehensive income, consolidated statements of changes in equity and
consolidated statements of cash flows for the financial year from January 1 to December 31, 2019 and notes to the
consolidated financial statements, including ▶ summary of significant accounting policies.
In addition, we have audited the combined Group Management Report by the SAP Group and the management report of
SAP SE, Walldorf (“Group Management Report”) for the financial year from January 1 to December 31, 2019. In
accordance with German legal requirements, we have not audited the content of those components of the Group
Management Report specified in the “Other Information” section of our auditor's report.
In our opinion, on the basis of the knowledge obtained in the audit,
－ the accompanying consolidated financial statements comply, in all material respects, with the IFRSs as adopted
by the EU and the additional requirements of German commercial law pursuant to Section 315e (1) HGB
[Handelsgesetzbuch: German Commercial Code], as well as the IFRSs as adopted by the International Accounting
Standards Board and, in compliance with these requirements, give ▶ true and fair view of the assets, liabilities
and financial position of the Group as at December 31, 2019, and of its financial performance for the financial
year from January 1 to December 31, 2019 and
－ the accompanying Group Management Report as ▶ whole provides an appropriate view of the Group's position. In
all material respects, this Group Management Report is consistent with the consolidated financial statements,
complies with German legal requirements and appropriately presents the opportunities and risks of future
development. Our opinion on the Group Management Report does not cover the content of those components of the
Group Management Report specified in the “Other Information” section of the auditor's report.
Pursuant to Section 322 (3) sentence 1 HGB, we declare that our audit has not led to any reservations relating to
the legal compliance of the consolidated financial statements and of the Group Management Report.
Basis for the Opinions
We conducted our audit of the consolidated financial statements and of the Group Management Report in accordance
with Section 317 HGB and the EU Audit Regulation No. 537/2014 (referred to subsequently as “EU Audit
Regulation”) and in compliance with German Generally Accepted Standards for Financial Statement Audits
promulgated by the Institut der Wirtschaftsprüfer [Institute of Public Auditors in Germany] (IDW) as well as in
supplementary compliance with the International Standards on Auditing (ISAs) and guidelines of the Public Company
Accounting Oversight Board (United States).
Our responsibilities under those requirements, principles and standards are further described in the “Auditor's
Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the Group Management Report”
section of our auditor's report. We are independent of the group entities in accordance with the requirements of
European law and German commercial and professional law, and we have fulfilled our other German professional
responsibilities in accordance with these requirements. In addition, in accordance with Article 10 (2) point (f)
of the EU Audit Regulation, we declare that we have not provided non-audit services prohibited under Article 5
(1) of the EU Audit Regulation. We believe that the evidence we have obtained is sufficient and appropriate to
provide ▶ basis for our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management Report.
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Key Audit Matters in the Audit of Consolidated Financial Statements
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most significance in our audit of
the consolidated financial statements for the financial year from January 1 to December 31, 2019. These matters
were addressed in the context of our audit of the consolidated financial statements as ▶ whole, and in forming
our opinion thereon, we do not provide ▶ separate opinion on these matters.
Revenue
Refer to note (A.1) – Revenue and Group Management Report, section Risk Management and Risks.
The Financial Statement Risk
In the financial year 2019 SAP generated revenue of EUR 27.6 billion, of which EUR 16.1 billion relate to
revenues from sales of software licenses and support services.
The evaluation of software licenses revenue recognition bears an inherent risk of errors as SAP´s software
customer contracts are complex. SAP defined detailed policies, procedures and processes to manage the accounting
for its customer contracts, which are also described in the notes. Applying them often requires significant
judgments, in particular in the assessment of the following:
－ (i) whether various contracts are interrelated,
－ (ii) whether product and services qualify as separate performance obligations, and
－ (iii) the standalone selling price used to allocate the transaction price of ▶ customer contract to the
performance obligations in the contract
SAP derives its revenue from different revenue classes. SAP is
using ▶ Revenue Accounting and Reporting software solution for all
revenue streams which aims at increasing the level of automation in
SAP's revenue accounting processes. Primarily due to the high
number and complexity of SAP's customer contracts, the software
solution as well as the application of the processes to these
contracts bear ▶ significant risk of error. In response to this significant risk of error, SAP established
processes and manual controls to ensure the accurate revenue recognition in the consolidated financial
statements. An internal task force was established by SAP to prevent and remediate issues. The additional
processes and controls focused on agreeing revenues processed through the Revenue Accounting and Reporting
software solution to underlying source documentation such as sales orders or billing plans. Thresholds were
determined to focus the control performance on significant deviations.
There is the financial statement risk that revenue recognition cut-off as at the balance sheet date is incorrect
and that revenues are allocated incorrectly.
Our Audit Approach
On software revenue recognition, we evaluated the compliance of SAP's accounting policies with the IFRS Framework
and IFRS 15.
We tested certain internal controls within the revenue process to identify interrelated contracts and separate
performance obligations, to develop estimates of stand-alone selling prices to allocate the transaction price.
For ▶ sample of customer contracts, which were selected using ▶ statistical approach, we also:
－ inspected the underlying contractual agreements and other related documents as well as inquiries with SAP's
accounting and/or sales representatives to evaluate SAP's assessment of whether contracts were interrelated as
well as identified performance obligations and allocation of transaction price;
－ obtained and inspected external confirmations of the key terms and conditions from the respective customers to
test the contract identification as well as the performance obligations and the transaction price and
－ evaluated whether the revenue recognition policies applicable to each separate performance obligation were
applied appropriately to ensure that revenue is recognized in the correct period.
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We evaluated the stand-alone selling prices for each of the deliverables that qualified as ▶ separate performance
obligation by assessing the methodology applied, testing mathematical accuracy of the underlying calculations,
and testing ▶ sample of customer contracts to evaluate the underlying transaction data.
On the Revenue Accounting and Reporting software solution and the related process we tested the design and
operating effectiveness of the manual controls that were implemented to agree revenues processed through the
Revenue Accounting and Reporting software solution to underlying source documentation. In this regard, we also
assessed whether the reports used by SAP to perform the controls were complete and accurate and evaluated the
results of management's testing. For the majority of software support revenue, we compared the actual support
revenue with the support revenue that is expected based on last year's support revenue, the loss rate of last
year's support contracts and the current year software sales that trigger additional support revenue. For all
other significant revenue streams we selected samples to determine the accurate revenue recognition.
Our Observations
SAP has developed an adequate framework for determining the accounting treatment for its revenue. For the vast
majority of the software arrangements entered into during 2019, it was clear which of SAP's revenue recognition
policies should be applied. Where there was room for interpretation, SAP's judgment was balanced and appropriate.
SAP established adequate processes and manual controls to ensure accurate revenue recognition in the consolidated
financial statements.
Assessment of the Group ' ▲ tax uncertainties
Refer to note (C.5) – Income Taxes, and Group Management Report section Risk Management and Risks.
The Financial Statement Risk
SAP operates in multiple tax jurisdictions with complexities and uncertainties due to different interpretations
of tax laws, such as those involving revenue sharing and cost reimbursement arrangements. The determination of
provisions for tax uncertainties requires SAP to make judgments on tax issues and develop estimates regarding
SAP's exposure to tax risks. SAP regularly engages external experts to provide tax opinions to support their own
risk assessment. The risk for the consolidated financial statements relates to the completeness, measurement and
disclosure of the provision for uncertain tax treatments. As at December 31, 2019 SAP disclosed contingent
liabilities relating to tax uncertainties of EUR 2,013 million.
Our Audit Approach
We tested certain internal controls over the tax process including controls over the Group's assessment of tax
law and the process to estimate the related exposures. We assessed the competency, skill and objectivity of the
external experts as well as the opinions they prepared. We inquired of the Group's tax department and inspected
correspondence with the responsible tax authorities. We involved our tax professionals with specialized skills
and knowledge, who assisted in evaluating SAP's conclusion's over the estimate of tax uncertainties based on
knowledge and experience regarding the application of relevant legislation by tax authorities and the courts.
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Our Observations
SAP's judgments as to the amounts recognized as tax provisions for tax uncertainties as at December 31, 2019 are
appropriate.
Accounting for the acquisition of Qualtrics International Inc., Provo/USA
Refer to note (D.1) – Business Combinations.
The Financial Statement Risk
On January 23rd, 2019 SAP acquired Qualtrics International Inc., Provo, USA (“Qualtrics”). The purchase price
amounted to EUR 6,449 million. In allocating the purchase price to identifiable assets acquired and liabilities
assumed, SAP recognised net assets in the amount of EUR 1,434 million, and goodwill in the amount of EUR 5,015
million.
SAP engaged an external valuation expert to determine and measure the identifiable assets acquired.
The recognition and initial measurement of the assets acquired is complex and is based on the Executive Board's
judgmental assumptions. Significant assumptions used in the measurement of intangible assets acquired comprise
the projections of the acquired business's revenues and margins, asset-specific revenue and margin adjustments,
estimated useful lives, royalty and attrition rates, as well as the cost of capital.
The risk for the consolidated financial statements relates to insufficient recognition or incorrect measurement
of the assets acquired and the liabilities assumed. In addition, there is the risk that the disclosures in the
notes to the consolidated financial statements are not accurate.
Our Audit Approach
We tested certain internal controls over the Company´s acquisition-date valuation process including controls
over the identification of intangible assets separate from goodwill and controls to develop the relevant
assumptions mentioned above.
We involved our valuation professionals with specialized skills and knowledge, who assisted in testing the
assumptions as listed above by comparing them to our own expectations based on our knowledge of the acquired
business, our experience in the software industry, and taking into account recent comparable transactions. The
assumptions and parameters underlying the cost of capital were compared with own assumptions and publicly
available data.
We agreed the total purchase price with the underlying purchase agreement and evidence of payment.
We assessed the competency, skills and objectivity of the external valuation expert engaged by SAP.
To assess the mathematical accuracy we recalculated amounts selected using ▶ risk-oriented approach.
Finally, we assessed whether the disclosures in the notes to the consolidated financial statements with respect
to the acquisition of Qualtrics are accurate.
Our Observations
The approaches underlying the identification and valuation of the assets acquired are appropriate and consistent
with the applicable accounting and valuation principles. SAP applied ▶ balanced set of key assumptions and
parameters. The disclosures in the notes to the consolidated financial statements are appropriate.
Recoverability of the carrying amount of goodwill for Qualtrics Segment
Refer to note (D.2) – Goodwill.
The Financial Statement Risk
SAP performed the annual goodwill impairment test at the level of its operating segments as there are no lower
levels within SAP at which goodwill is monitored for internal management purposes. SAP's acquisition executed in
the current period led to ▶ material goodwill in the Qualtrics Segment in which SAP mainly develops, markets and
sells its SAP Qualtrics offerings. Goodwill allocated to the Qualtrics Segment is EUR 2,882 Mio as of December
31, 2019 (4.8 % of consolidated balance sheet total).
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The respective impairment test is complex and involves significant judgment. The estimated recoverable amount of
the Qualtrics Segment approximated its carrying amount, indicating ▶ higher risk that the goodwill may be
impaired. The key assumptions relate to the budgeted revenue growth, budgeted operating margin, and discount
rate, whereas minor changes to those assumptions have ▶ significant effect on the estimated recoverable amount.
SAP engaged an external valuation expert to perform the goodwill impairment test.
Our Audit Approach
SAP performed the annual goodwill impairment test at the level of its operating segments as there are no lower
levels within SAP at which goodwill is monitored for internal management purposes. SAP's acquisition executed in
the current period led to ▶ material goodwill in the Qualtrics Segment in which SAP mainly develops, markets and
sells its SAP Qualtrics offerings. Goodwill allocated to the Qualtrics Segment is EUR 2,882 Mio as of December
31, 2019 (4.8 % of consolidated balance sheet total).
The respective impairment test is complex and involves significant judgment. The estimated recoverable amount of
the Qualtrics Segment approximated its carrying amount, indicating ▶ higher risk that the goodwill may be
impaired. The key assumptions relate to the budgeted revenue growth, budgeted operating margin, and discount
rate, whereas minor changes to those assumptions have ▶ significant effect on the estimated recoverable amount.
SAP engaged an external valuation expert to perform the goodwill impairment test.
Our Observations
The approaches underlying the impairment testing of goodwill are appropriate and consistent with the applicable
accounting and valuation principles. SAP applied ▶ balanced set of assumptions in determining the recoverable
amount.
Other Information
The Executive Board and the Supervisory Board, respectively, of SAP SE is responsible for the other information.
The other information comprises the following unaudited information in the Group Management Report:
－ the combined non-financial report, included in section “General Information About This Management Report” of
the Group Management Report,
－ the corporate governance statement, included in section “Corporate Governance Fundamentals” of the Group
Management Report, and
－ Information extraneous to the Group Management Report and marked as unaudited.
The other information also includes the annual report on Form 20-F and remaining parts of the annual report.
The other information does not include the consolidated financial statements, group management report information
and our auditor's report thereon.
Our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management Report do not cover the other
information and consequently we do not express an opinion or any other form of assurance conclusion thereon.
In connection with our audit, our responsibility is to read the other information and, in so doing, to consider
whether the other information
－ is materially inconsistent with the consolidated financial statements, with the Group Management Report
information audited for content or our knowledge obtained in the audit, or
－ otherwise appears to be materially misstated.
If, based on the work we have performed, we conclude that there is ▶ material misstatement of this other
information, we are required to report that fact. We have nothing to report in this regard.
In addition, we were engaged to perform an independent assurance engagement on selected qualitative and
quantitative sustainability disclosures of the integrated report 2019. In regard to the nature, extent and
conclusions of this independent assurance engagement we refer to our Independence Assurance Report dated on
February 19, 2020.
Responsibilities of the Executive Board and the Supervisory Board for the Consolidated Financial
Statements and the Group Management Report
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The Executive Board of SAP SE is responsible for the preparation of the consolidated financial statements that
comply, in all material respects, with IFRSs as adopted by the EU and the additional requirements of German
commercial law pursuant to Section 315e (1) HGB as well as IFRS as adopted by the International Accounting
Standards Board and that the consolidated financial statements, in compliance with these requirements, give ▶
true and fair view of the assets, liabilities, financial position, and financial performance of the Group. In
addition, the Executive Board is responsible for such internal control as the Executive Board has determined
necessary to enable the preparation of consolidated financial statements that are free from material
misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the Executive Board is responsible for assessing the Group's
ability to continue as ▶ going concern. The Executive Board also has the responsibility for disclosing, as
applicable, matters related to going concern. In addition, the Executive Board is responsible for financial
reporting based on the going concern basis of accounting unless there is an intention to liquidate the Group or
to cease operations, or there is no realistic alternative but to do so.
Furthermore, the Executive Board is responsible for the preparation of the Group Management Report that, as ▶
whole, provides an appropriate view of the Group's position and is, in all material respects, consistent with the
consolidated financial statements, complies with the German legal requirements and appropriately presents the
opportunities and risks of future development. In addition, the Executive Board is responsible for such
arrangements and measures (systems) as the Executive Board has considered necessary to enable the preparation of
the Group Management Report that is in accordance with the applicable German legal requirements, the German
Accounting Standards number 17 and 20 (GAS 17, GAS 20) and the IFRS Practice Statement Management Commentary and
to be able to provide sufficient appropriate evidence for the assertions in the Group Management Report.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Group's financial reporting process for the preparation
of the consolidated financial statements and of the Group Management Report.
Auditor ' ▲ Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the
Group Management Report
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as ▶ whole
are free from material misstatement, whether due to fraud or error, and whether the Group Management Report as ▶
whole provides an appropriate view of the Group's position and, in all material respects, is consistent with the
consolidated financial statements and the knowledge obtained in the audit, complies with the German legal
requirements and appropriately presents the opportunities and risks of future development, as well as to issue an
auditor's report that includes our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management
Report.
Reasonable assurance is ▶ high level of assurance, but is not ▶ guarantee that an audit conducted in accordance
with Section 317 HGB and the EU Audit Regulation and in compliance with German Generally Accepted Standards for
Financial Statement Audits promulgated by the Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW) as well as in supplementary
compliance with ISAs and guidelines of the Public Company Accounting Oversight Board (United States) will always
detect ▶ material misstatement. Misstatements can arise from fraud or error and are considered material if,
individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users
taken on the basis of these consolidated financial statements and this Group Management Report.
We exercise professional judgment and maintain professional scepticism throughout the audit. We also:
－ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements and of the
Group Management Report, whether due to fraud or error, design and perform audit procedures responsive to those
risks, and obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to provide ▶ basis for our opinions. The risk
of not detecting ▶ material misstatement resulting from fraud is higher than for one resulting from error, as
fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions, misrepresentations, or the override of internal
control.
－ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit of the consolidated financial statements and
of arrangements and measures (systems) relevant to the audit of the Group Management Report in order to design
audit procedures that are appropriate in the circumstances.
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－ Evaluate the appropriateness of accounting policies used by the Executive Board and the reasonableness of
accounting estimates made by the Executive Board and related disclosures.
－ Conclude on the appropriateness of the Executive Board's use of the going concern basis of accounting and,
based on the audit evidence obtained, whether ▶ material uncertainty exists related to events or conditions that
may cast significant doubt on the Group's ability to continue as ▶ going concern. If we conclude that ▶ material
uncertainty exists, we are required to draw attention in the auditor's report to the related disclosures in the
consolidated financial statements and in the Group Management Report or, if such disclosures are inadequate, to
modify our respective opinions. Our conclusions are based on the audit evidence obtained up to the date of our
auditor's report. However, future events or conditions may cause the Group to cease to be able to continue as ▶
going concern.
－ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including
the disclosures, and whether the consolidated financial statements present the underlying transactions and events
in ▶ manner that the consolidated financial statements give ▶ true and fair view of the assets, liabilities,
financial position and financial performance of the Group in compliance with IFRSs as adopted by the EU as well
as with IFRSs as adopted by the International Accounting Standards Board and the additional requirements of
German commercial law pursuant to Section 315e(1) HGB.
－ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business
activities within the Group to express opinions on the consolidated financial statements and on the Group
Management Report. We are responsible for the direction, supervision and performance of the group audit. We
remain solely responsible for our opinions.
－ Evaluate the consistency of the Group Management Report with the consolidated financial statements, its
conformity with German law, and the view of the Group's position it provides.
－ Perform audit procedures on the prospective information presented by the Executive Board in the Group
Management Report. On the basis of sufficient appropriate audit evidence we evaluate, in particular, the
significant assumptions used by the Executive Board as ▶ basis for the prospective information, and evaluate the
proper derivation of the prospective information from these assumptions. We do not express ▶ separate opinion on
the prospective information and on the assumptions used as ▶ basis. There is ▶ substantial unavoidable risk that
future events will differ materially from the prospective information.
We communicate with the Supervisory Board regarding, among other matters, the planned scope and timing of the
audit and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify
during our audit.
We also provide the Supervisory Board with ▶ statement that we have complied with relevant independence
requirements, and communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to
bear on our independence, and where applicable the related safeguards.
From the matters communicated with the Supervisory Board, we determine those matters that were of most
significance in the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the
key audit matters. We describe these matters in our auditor's report, unless law or regulation precludes public
disclosure about the matter.
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Other Legal and Regulatory Requirements
Report on Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated Financial
Statements pursuant to PCAOB
Opinion on Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated Financial Statements
We have audited the internal control over financial reporting in the consolidated financial statements of SAP SE,
Walldorf, and its subsidiaries in place as at December 31, 2019. This control system is based on criteria set out
in the Internal Control – Integrated Framework (2013) issued by the Committee of Sponsoring Organizations of the
Treadway Commission (COSO).
In our opinion, SAP maintained, in all material respects, effective internal control over financial reporting in
the consolidated financial statements as at December 31, 2019 based on the criteria set out in the Internal
Control – Integrated Framework (2013) issued by the COSO.
Executive Board ' ▲ and Supervisory Board ' ▲ Responsibility for the Internal Control over Financial
Reporting in the Consolidated Financial Statements
SAP SE's Executive Board is responsible for maintaining effective internal control over financial reporting in
the consolidated financial statements and assessing its effectiveness, which is included in the Executive Board's
report on the internal control over consolidated financial reporting.
A company's internal control over financial reporting in the consolidated financial statements is ▶ process
designed to provide reasonable assurance regarding the reliability of financial reporting in the consolidated
financial statements and the preparation of financial statements for external purposes in accordance with
generally accepted accounting principles. A company's internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements includes policies and procedures to (1) ensure an accounting system that in
reasonable detail accurately and fairly reflects the transactions and dispositions of the company's assets, (2)
provide reasonable assurance that transactions are recorded as necessary to permit preparation of financial
statements in accordance with generally accepted accounting principles, and (3) provide reasonable assurance
regarding prevention or timely detection of unauthorized acquisition, use or disposition of the company's assets
that could have ▶ material effect on the financial statements.
Because of its inherent limitations, internal control over financial reporting may not prevent or detect material
misstatements. Also, projections of any evaluation of effectiveness to future periods are subject to the risk
that controls may become inadequate because of changes in conditions, or that the degree of compliance with the
policies or procedures may deteriorate.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Group's internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements.
Auditor ' ▲ Responsibility for the Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated
Financial Statements
Our responsibility is to express an opinion on the internal control over financial reporting in the consolidated
financial statements based on our audit. We conducted our audit in accordance with the standards of the Public
Company Accounting Oversight Board (United States). Those standards require that we plan and perform the audits
to obtain reasonable assurance about whether effective internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements was maintained in all material respects. Our audit of internal control over
financial reporting in the consolidated financial statements included obtaining an understanding of internal
control over financial reporting, assessing the risk of material deficiencies in internal control, testing and
evaluating the design and operating effectiveness of internal control based on this assessment, and performing
such other procedures as we considered necessary in the circumstances.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide ▶ basis for our
opinion.
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Further Information pursuant to Article 10 of the EU Audit Regulation
We were elected as group auditor at the annual general meeting on May 15, 2019. We were engaged by the Chairman
of the Audit Committee of the Supervisory Board of SAP SE on May 23, 2019, and this engagement was confirmed on
July 31, 2019. We have been the group auditor of SAP SE without interruption since the financial year 2002.
We declare that the opinions expressed in this auditor's report are consistent with the additional report to the
audit committee pursuant to Article 11 of the EU Audit Regulation (long-form audit report).
In addition to the financial statement audit, we have provided to group entities the following services that are
not disclosed in the consolidated financial statements or in the Group Management Report:
We audited the financial statements of SAP SE and performed various financial statement audits at subsidiaries.
Furthermore, other assurance services required by law or on ▶ contractual basis were performed, including an
assurance engagement on selected qualitative and quantitative sustainability disclosures of the Integrated Report
2019 and an EMIR assurance service pursuant to section 20 of German Securities Trading Act [WpHG] and service
organization attestation procedures.
German Public Auditor Responsible for the Engagement
The German Public Auditor responsible for the engagement is Bodo Rackwitz.
Mannheim, February 19, 2020
KPMG AG
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
[Original German version signed by:]
Rackwitz Schneider
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüferin
[German Public Auditor] [German Public Auditor]
上記は、監査報告書の原文に記載された事項を電子化したものであり、その原本は提出会社が別途保管しております。
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