チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッド 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッド |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッド(E05931)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年6月 26 日
【事業年度】 自 2019 年1月1日 至 2019 年 12 月 31 日
【会社名】 チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッド
(Chunghwa Telecom Co., Ltd.)
【代表者の役職氏名】 社長兼最高財務責任者
(President and Chief Financial Officer)
シュイ・イー・クオ
(Shui-Yi Kuo)
【本店の所在の場所】 中華民国台湾台北市信義路1段 21- 3号
( 21- 3 Hsinyi Road, Section 1 , Taipei, Taiwan,
Republic of China )
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 梅 津 立
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビル
ディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 中 林 憲 一
弁護士 樫 村 智 記
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビル
ディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッド(E05931)
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第一部【企業情報】
注 ( 1 ) 本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の語は以下の意味を有するものとする。
「発行会社」、「当社」、「チョンホア・テレコム」または「中華電信股 份 有限公司」
:文脈上別段に解される場合を除き、チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッドおよびその連
結子会社
「本預託証券」または「 ADR 」
:当社が売出した預託証券
「 ADS 」 :本預託証券が表章する米国預託株式
「普通株式」
:チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッドの普通株式
注 ( 2 ) 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「新台湾ドル」、「 NT $」は台湾の法定通貨を指す。本書におい
て便宜上記載されている日本円への換算は、別段の記載のある場合を除き、1新台湾ドル= 3.59 円の換算率
( 2020 年5月 29 日現在の株式会社みずほ銀行の中心値(参考相場価格))により計算されている。
注 ( 3 ) チョンホア・テレコムの決算期は、毎年 12 月 31 日をもって終了する1年間である。本書では 2019 年 12 月 31 日に
終了した会計年度を「 2019 年度」といい、他の会計年度についてもこれに準ずる。
注 ( 4 ) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社、チョンホア・テレコム・カンパニー・リミテッドは改正前台湾電信法( Telecommunication Act )第 30 条に基づ
き、台湾交通部( Ministry of Transportation and Communications )により設立された。会社の設立は電信法および台
湾会社法( Company Act )(以下「会社法」という。)の規定に従いなされる。
当社は、会社法、電信法、証券取引法 、 関連する諸規則および当社定款を遵守しなければならない。
当社の所在する台湾における会社制度
会社法において「会社」とは、営利を目的とし、会社法によって組織され、登記され、設立された社団法人をいう。
会社法の定める会社の形態としては、株式会社、合名会社、合資会社および有限会社の4つが定められている。
当社は、台湾において株式会社として設立されている。
以下は、当社を含む株式会社に適用がある会社法の主な規定の概略である。
設立
株式会社は、2人以上、または1つの政府あるいは1社の法人の発起人により設立されなければならず、会社の資本
は、株式の形に分割され、株主はその引き受けた株式に相当する金額のみについて会社に対して責任を負う。ただし株主
が当社の法人としての立場を濫用したことを原因として、会社が特定の負債を負い、かかる負債を支払うことが一見困難
となった場合で、かつかかる濫用の情状が深刻なものであり必要であった場合、株主は、当該負債を弁済する責任を負わ
なければならない。
株式
株式会社の資本は株式に分割され、各株式の額面金額は均一とする。株式は、その一部を特殊な(優先または劣後)株
式とすることができる。株式の種類は定款で定められる。
株式は、これを数回に分けて発行することができる。
会社の株式の譲渡は、会社法に別段の定めがある場合を除き、定款によりこれを禁止または制限することはできない。
ただし、会社設立登記後でなければ株式を譲渡することはできない。
株式の譲渡は、譲受人の氏名または名称および住所または居所が株主名簿に記載されていない限り、当該株式の譲渡を
会社に対して対抗できない。
株主総会
株主総会には次の2種類がある。
i. 少なくとも年1回開催される年次株主総会
ii. 必要に応じて開催される臨時株主総会
株主総会における決議は、法律に別段の定めのない限り、発行済株式総数の過半数に当たる株式を保有する株主が出席
し、かかる出席株主の議決権の過半数をもって可決する。
株主総会は、取締役会の作成した書類および会計記録ならびに監査役の報告書を審査し、利益分配および 損失処理 に関
して決議することができる。株主総会は上記審査作業を執行させる検査役を選任することができる。各会計年度の終了の
後、取締役会は営業報告書、財務諸表、利益分配または損失処理に関する議案等の文書を作成しなければならず、 年次株
主総会の開催日の 30 日前に 監査役の審査 に回付し た後、年次株主総会に おいて 承認を受ける。
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会社は、発行済株式総数の3分の2以上に当たる株式を保有する株主が出席する株主総会において出席株主の過半数に
よる決議を経ずには、下記のことを行ってはならない。
i. 定款の変更
ii. 業務の全部の賃貸借にかかる契約、業務委託にかかる契約または共同事業にかかる契約の締結、修正または終了
iii. 会社の事業または資産の全部または重要部分の譲渡
iv. 当社の事業の運営に多大な影響をもたらす他社の事業または資産の全部の譲受
v. 解散、合併および分割、あるいは
vi. 取締役または監査役の解任
株式公開発行会社(取締役会決議に基づき、台湾金融監督管理委員会に対して株式の公開発行手続を申請し、証券主務
官庁の承認を得たかあるいは証券主務官庁からすべての申請書類の受領後 12 営業日以内に異議が出されなかった会社)に
ついては、発行済株式総数の過半数に当たる株式を保有する株主が出席し、かかる出席株主の議決権の3分の2以上に当
たる株式を保有する株主の同意を得た場合には上記のことを行う旨の決議ができる。
株主総会において、取締役および監査役の選任は、累積投票の方法によって行う。取締役の選任の投票は、監査役の選
任の投票とは別個に行われる。取締役および監査役の候補者は選任の投票を行う株主総会において指名することができ
る。
会社の取締役選任について、候補者指名制度を採用する場合、定款に明記しなければならず、株主は、取締役候補者名
簿の中から選任しなければならない。
候補者指名制度を採用する会社は、その取締役会および発行済株式総数の1%以上を保有する株主は会社に対して書面
によって候補者名簿を提出でき、指名人数は選任すべき取締役人数を超えてはならない。
株式公開発行会社は各候補者の情報を定時株主総会の 40 日前までに、もしくは臨時株主総会の 25 日前までに公表しなけ
ればならない。さらに台湾金融監督管理委員会が規定する適用のある規則により、 2021 年1月1日から、 全ての 上場会社
または店頭登録会社の 取締役 及び監査役 の選任に 、 候補者指名制度を採用すること が 義務付けられている。
取締役および取締役会
会社の取締役会には、取締役を3名以上置く ( 株式公開発行会社の取締役会には、取締役を5名以上置く。 ) 。取締役
は、株主総会において選任され、法定の適格性を満たす者でなければならない。
取締役の任期は3年以内とするが、再任することができる。
会社業務の執行に関わる事柄は、法律または定款により株主総会での決議が義務づけられている事柄を除き、すべて取
締役会の決議をもって決定することとする。
法律に別段の定めのない限り、取締役会の決議は、取締役の過半数が出席した取締役会において出席取締役の過半数に
より可決される。
会社に執行取締役の役職を置かない場合、取締役会は、3分の2以上の取締役が出席した取締役会において過半数を
もって取締役の中から取締役会長1名を選任するものとし、また定款の規定に従って、同様の方法で取締役副会長1名を
選任することができる。
会社に執行取締役の役職を置く場合、執行取締役は、前段落に記載する方法により取締役の中から選任される。執行取
締役の最小人数は3名以上、最大人数は取締役総数の3分の1以下とする。取締役会長または取締役副会長は、前段落に
記載する方法と同じ方法により執行取締役の中から選任される。
取締役会長は、内部的には株主総会、取締役会および執行取締役会の議長を務め、対外的には会社を代表する。
取締役会の休会期間中、執行取締役は、法令、定款ならびに株主総会の決議および取締役会の決議に従い、集会の方法
で常に取締役会の職能を執行し、取締役会長は随時召集し、執行取締役の過半数が出席し、かつ、出席する執行取締役の
過半数によって可決される決議をもって行う。
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台湾証券取引法および台湾金融監督管理委員会が規定する適用すべき規則の下では、台湾証券取引法に基づいて株式を
発行した 金融ホールディングカンパニー 、銀行、手形金融会社、保険会社、証券投資信託事業、総合証券業者および上場
または店頭登録した先物取引業者および非金融業の上場会社または店頭登録会社はいずれも、定款の定めにより社外取締
役 を設置しなければならず、その人数は2名を下回ってはならず、かつ、取締役の定員数の5分の1を下回ってはならな
い。
監査役および監査委員会
会社の監査役は、株主総会により選任される。そのうち、1名以上が台湾国内に住所を有しなければならない。株式公
開発行会社においては、監査役が2名以上いなくてはならない。
監査役の任期は3年以内とするが、再任することができる。
監査役は、会社業務の執行を監督すべき他、会社の業務および財務状況を調査し、帳簿および書類を審査、謄写又は複
製し、これらに関する報告を取締役会または経理担当者に対して要求することができる。
取締役会または取締役が業務を執行する際に、法令、定款または株主総会の決議に違反する行為を行った場合、監査役
は、直ちに取締役会または取締役にかかる行為を停止するよう通知する。
台湾証券取引法および台湾金融監督管理委員会が規定する適用すべき規則の下では、台湾証券取引法に基づいて株式を
発行した会社は監査委員会または監査役のいずれかを設置しなければならないと定めている。ただし、同法により株式を
発行する金融ホールディングカンパニー、銀行、手形金融会社、保険会社、証券投資信託事業、総合証券業者、上場また
は店頭登録した先物取引業者および非金融業の上場会社または店頭登録会社は監査役の代わりに監査委員会を設けなけれ
ばならない。上記金融業において、金融ホールディングカンパニーがその発行した全株式を保有する場合、監査委員会ま
たは監査役のいずれかを設置することができる。
監査委員会は社外取締役全員により構成されるものとする。その人数は3人を下回ってはならない。そのうち、1人は
召集者とし、かつ少なくとももう1人は会計または財務の専門知識を具備する必要がある。
監査委員会を設けた会社にとって、法律上別途規定がない限り、証券取引法、会社法およびその他の法規における監査
役の規定は監査委員会に準用されるものとされる。
会計
各会計年度末において、取締役会は下記の書類および記録を作成し、審査のために、年次株主総会開催予定日の 30 日前
に監査役に提出する。
i. 営業報告書
ii. 財務書類
iii. 利益分配または損失処理の議案
取締役会は、作成した書類の承認を得るため、年次株主総会にこれを提出する。
会社が利益を配当する場合においては、一切の税金を完納し、繰り越された欠損を填補するのに十分な積立てを行った
後の利益の 10 %を法定準備金として積み立てなければならない。ただし、法定準備金の積立額が払込済資本金に達してい
る場合は、この限りでない。
会社は、適用ある法律、定款の定めまたは株主総会の決議に基づき、特定目的のための特別準備金を積み立てることが
できる。会社は、利益のないときは、配当を支給することはできない。
定款に別の定めのない限り、利息および利益の配当は、各株主に保有されている株式数の割合に応じて支払われる。
会社は定款において当年度の利益状況による定額または一定割合を、従業員の報酬として配分することを明確に定めな
ければならない。ただし、会社になお累計損失がある場合、当該損失を補填しなければならない。従業員の報酬を株式ま
たは現金で配分する場合、3分の2以上の取締役が出席することにより定足数を満たした取締役会において、出席取締役
総数の過半数により可決され、株主総会に報告しなければならない。
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会社は、損失が発生していない場合は、株主総会決議をもって、法定準備金および株式発行剰余金ならびに受取寄附金
による収入の全部または一部によって、株主に保有されている株式の割合により普通株式または現金を追加分配すること
が 許されている。法定準備金が新株発行または現金により分配される場合は、払込資本金の 25 %を超える部分に限定し
て、分配を行うことができる。
社債
会社は、取締役会の決議によって、社債の募集を行うことができる。ただし、かかる募集の理由およびその他の関連事
項を株主総会において報告する。
上記の決議は、3分の2以上の取締役が出席することにより定足数を満たした取締役会において、出席取締役総数の過
半数により可決される。
株式公開発行会社の社債総額は、会社の全流動資産から全負債を控除した後の残額を超えてはならない。
無担保社債の総額は、上記の残額の半分を超えてはならない。
以下の事由が存在する場合には、会社は社債を発行することができない。
1 . 以前に発行した社債その他債務につき、元本、利息の支払を遅滞した事実があり、かつ、現在も続いている場合、
または
2 . 最近3年内または開業後3年未満の場合の開業年度に課税された後の平均純利益が、会社が発行する社債の負担す
べき年利総額の 100 %に達しない場合。ただし、銀行の保証を得て発行する社債についてはこの限りではない。
以下の事由が存在している場合には、会社は無担保社債を発行することができない。
1 . 以前に発行した社債その他の債務につき、支払日から3年以内に、元本、利息の支払を遅滞した事実があった場
合、または
2 . 最近3年内または開業後3年未満の場合の開業年度に課税された後の平均純利益が、会社が発行する社債の負担す
べき年利総額の 150 %に達しない場合
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下に記載するのは、当社の定款、台湾証券取引法、台湾会社法、および電信法の重要な規定の要約を含む当社の資本
の構造に関する情報である。この要約は網羅的なものではなく、当社の定款、台湾証券取引法、台湾会社法、および電信
法の全文を参照すべきものである。
会社の目的
当社定款第2条に規定された当社の事業目的は、( i )台湾電信法に従った第一種電気通信事業、第二種電気通信事
業、 (ii) 電気通信事業に用いられるコンピューター設備および無線周波装置の設置、( iii )電気通信設備の卸売、小売
および工学技術に関する事業、( iv )情報サービスソフトウェアおよび情報処理に関する事業の設計および運用、( • )
電化製品の取り付けおよび建設事業、( vi )テレビ番組制作、放送、および宣伝事業、( vii )衛星放送および宣伝事
業、( viii )第三者による支払事業、( ix )水道管建設事業、( x )機械および設備の製造事業、( xi )交通信号機の取
付・建設および交通標識の建設事業、( xii )医療機器の卸売および小売事業、ならびに( xiii )その他の事業(特別の
許可が必要な事業または法令の制限を受ける事業を除く。)である。
総則
当社定款によれば、当社の授権資本は、 120,000,000,000 新台湾ドルであり、1株当たり額面金額 10 新台湾ドルの普通
株式 12,000,000,000 株により構成される。当社は、将来の新株引受権 、 ワラント付優先株式 および ワラント債のいずれか
の発行による行使に備えるために、上記の普通株式から 200,000,000 株の普通株式を留保した。当社の払込資本金は
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77,574,465,450 新台湾ドルであり、普通株式 7,757,446,545 株により構成される。本書の日付時点で、優先株式、社債あ
るいはその他の当社の持分は、発行されていない。
交通部は台湾政府を代理して、 201 9 年 12 月 31 日時点で、約 35.29 %の当社発行済普通株式を保有していた。残りの当社
発行済株式は、一般株主および他の投資家が保有している。
取締役および監査委員会
当社の定款は、取締役会は7名から 15 名の取締役で構成され、かつ、かかる取締役の5分の1が業務分野の知識を有す
る専門家でなければならない旨を規定する。 台湾証券取引法に基づき、監査委員会を設置した会社については、法律に別
段の定めがある場合を除き、台湾証券取引法、台湾会社法およびその他の法令における監査役の規定は監査委員会に準用
される。
台湾の会社法に基づき、当社取締役は、当社の事業運営に当たって、法令、当社の定款および株主総会の決議に従って
行動すべき義務を負う。当社取締役会決議の内容が法令、当社の定款および株主総会の決議に違反し、それが原因となっ
て当社に損害が発生した場合、当該決議に参加した取締役の全員が当該損害を当社に賠償する責任を負う 。ただし、かか
る決議に反対である旨を議事録に付記ないし明示的に書面に記載した取締役はかかる責任を負わない。
当社取締役が決議により法律または当社の定款に違反する行為を行った場合、当社のいずれかの社外取締役または当社
株式を継続して1年以上保有している株主は当社取締役会に対してかかる行為の中止を要求することができる。違法行為
により当社が損害を被った場合、単独で、もしくは他の株主と共同で6ヶ月以上当社の発行済株式総数の1%以上を保有
している株主は、書面を送付することにより、取締役に対して当社を代理して訴訟を提起するよう社外取締役に請求する
ことができる。さらに、株主総会において取締役に対して訴訟を提起する旨が決議された場合、当社は、当該決議から 30
日以内に訴訟を提起しなければならない。当社と当社取締役との間の訴訟は、法律に別段の定めがある場合を除き、社外
取締役が当社を代理する。株主総会では、当社の代理人となるべきその他の者を指名することができる。
台湾会社法によれば、当社取締役は、当社に対して忠実義務を負う。取締役は、かかる忠実義務違反に基づき当社が
被った損害を賠償する責任を負う。また、取締役、その配偶者、二親等以内の血族又は取締役と支配的もしくは従属的な
関係を有する企業が取締役会の審議事項に個人的な利害関係を有する場合、当該取締役は、かかる利益相反を明示するも
のとする。利益相反が会社に損害を与える可能性がある場合、取締役は、かかる議題について議決権の行使を控えなけれ
ばならず、および別の取締役の代理人となって議決を行ってはならない。
当社の定款に従い、取締役の報酬は、当社の事業運営に対する各取締役の参加および貢献を基準にし、また同種の業界
におけるその他の企業の標準の基準を参照の上、取締役会が決定する。当社の定款は、取締役の強制退職年齢を定めてい
ない。さらに、当社の定款は各取締役の株式保有に関する適格要件を設けていない。当社の倫理規定によれば、当社は取
締役に対して貸付を行ってはならない。
配当および分配
当社取締役は、各年次株主総会において、当社の直前の会計年度純利益からの配当の分配その他の分配に対するすべて
の提案を、株主の承認を得るために提出しなければならない。基準日時点において発行済かつ全額が払込済のあらゆる普
通株式は、承認されたすべての配当およびその他の分配につき平等に参加する権利を有する。配当は、株主総会の決定に
従い、現金、普通株式の形式またはかかる両方の組合せで分配されなければならない。
当社は、純利益または未処分利益(準備金を除く。)の累計額を計上しない年は、株主に配当またはその他の分配を行
うことを禁じられている。台湾会社法も、累積法定準備金が当社の払込資本金と同額になるまで、 10 %の年間純利益(前
年までの損失および未払税金がもしあればこれらを差し引いた上で)を法定準備金として、引き当てることを求めてい
る。当社は、株主総会において決議された場合、別途特別準備金を引き当てることができる。さらに、当社の定款は、少
なくとも、純利益から累積損失、未払税金、法定準備金およびあらゆる特別準備金を差し引き、前年度からの利益剰余金
を加えた残りの額の 50 %が配当として株主に分配されなければならないと規定している。当社の定款に基づき、分配され
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た配当の総額の少なくとも 50 %は、現金でなければならないが、分配される現金配当が1株当たり 0.10 新台湾ドル未満の
場合、配当は、株式の形式でよい。実際の配当割合は当該事業年度の収益性、資金予算および財務状況を考慮し、株主総
会 決議を経て最終決定される。最新の当社定款によれば、毎事業年度、当社は当年度利益の 1.7 %から 4.3 %を従業員への
報酬として分配しなければならない。また、当年度利益の 0.17 %を超えて取締役への報酬として分配してはならず、累計
損失がある場合には、その損失の相殺に必要な額を留保しなければならない。
台湾会社法上、当社は、損失が発生していない場合は、法定準備金および株式発行剰余金ならびに受取寄附金による収
入によって、当社の株主に対して普通株式または現金を按分して追加分配することが許されている。当社は、法定準備金
が当社の払込資本金の 25 %を超えたときにのみ、当社の株主に対して上記の分配を法定準備金によって行うことが許され
ている。さらに、当社の定款によれば、かかる配当は、まず、新株の発行により得られた収入によりなされるべきであ
る。
株式資本の変更
台湾会社法によれば、当社の授権株式資本の変更には、当社の定款の改正を必要とし、株主総会の承認もまた必要とな
る。台湾の適用ある法律に従い、当社取締役会が決定するという条件で、授権株式枠のうち未発行の普通株式を発行する
ことができる。
新株引受権
台湾会社法および当社の定款に基づいて、当社が現金を得るために新株を発行する時、中央管轄官庁が別途承認しない
限り、当社の従業員は、新株発行の 10 %から 15 %の間で引き受ける権利を有し、また当社は、従業員が引き受ける株式
を、特定の期間(2年以内とする)中は譲渡させない権利を有する。台湾会社法に基づき留保される株式を除き、当社は
当社の既存の株主に対し、その各々の株式保有割合に比例して株式を追加で引き受ける権利について通知する義務を負
い、また、当該株主が所定の期間内に新株を引き受けることができない場合にはその新株引受権を喪失する旨を指摘する
義務を負う。既存の株主または当社の従業員がその新株引受権に基づき引き受けていない新株がある場合は、当社はその
他の投資家に対し、 公募または当社の指定する者との相対取引を通じて、当該株式を売り出すことができる。
さらに、台湾証券取引法に従い、現金取引で新株を売り出す意図を有する株式会社は、一定の制限を受ける状況を除
き、少なくとも 10 %の売り出される株式を、一般に売り出さなければならない。かかる割合は、会社法および当社の定款
に従い招集された株主総会で可決された決議によって、増加させることができ、既存の株主の新株引受権の対象となる新
株数を減少させることにもなりうる。
株主総会
台湾証券取引法に従い、当社は、上場企業として、各会計年度終了後6ヶ月以内に株主総会を開催しなければならず、
かかる総会の延期を求めることはできない。かかる総会は、通常、台湾の新北市で開催される。株主総会は、取締役会の
決議または3%以上の発行済株式を1年以上にわたって保有した株主もしくは 2018 年 11 月1日に施行された台湾会社法の
新たな改正に従い 50 %を超える発行済株式を3ヶ月以上にわたって保有した株主らによる取締役会に対する書面による請
求によって招集することができる。臨時株主総会は、社外取締役によっても招集することができる。開催場所、日時およ
び議題が記された株主総会の書面による通知は、定時株主総会の場合は少なくとも各開催日の 30 日以前に、臨時株主総会
の場合は少なくとも各開催日の 15 日以前に、各株主に発送されなければならない。以下に記載する一定の状況を除き、す
べての発行済普通株式保有者の過半数の株主総会の出席が株主総会の定足数を構成する。当社発行済株式総数の1%また
はそれ以上を有する株主は、台湾会社法に基づき、当社が指定した期間( 10 日以上前)に、毎年当社の年次株主総会にお
いて提案を提出する権利を有する。
議決権
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以前に台湾会社法によって求められたように、当社の定款は、普通株式保有者は、法律により他の定めがない限り各普
通株式当たり1議決権を有すると規定している。累積投票は、当社取締役の選任に適用される。 取締役および社外取締役
を選任する投票は個別に行われる一方、 選出は同時に行われるものとする。台湾保険法第 146 条の1に基づき、当社の株
式 を保有する保険会社は、当社の取締役を務めることはできず、当社の取締役を選任する投票を行うこともできない。
一般的に、決議は、発行済普通株式保有者の過半数が出席した株主総会で示された少なくとも半数の普通株式保有者に
よって、採択される。台湾会社法に基づいて、以下の記載を含む重要な会社の行為には、少なくとも定足数である3分の
2の発行済普通株式を保有する株主が出席し、少なくとも半数の普通株主による承認が求められている。
・ 当社の定款の改正
・ あらゆる事業の賃貸、運営の外部委託または共同経営に関するあらゆる契約の締結、修正または終了
・ 当社の事業または財産の相当な部分の譲渡
・ 当社の経営に重大な影響を与えるであろう他の企業の全事業または財産の買収
・ 株式配当の分配
・ 解散または新設合併
・ 吸収合併または会社分割
・ 取締役の解任
もう1つの方法として、台湾会社法は、当社のような公開会社の場合は、決議は、発行済普通株式保有者の少なくとも
半数が出席した株主総会で示された少なくとも3分の2の普通株式保有者によって、承認されることができる旨規定して
いる。
株主は、当社が印刷した有効な委任状の書類が定時株主総会または臨時株主総会開始の5日前に当社に送付された場
合、委任状によって定時株主総会または臨時株主総会に代理人を送ることができる。台湾金融監督管理委員会証券先物局
によって承認された信託企業または株式登録業者を除き、1人の代理人があわせて全発行済普通株式の3%以上を保有す
る2名以上の株主によって代理人として任命された場合、かかる株主の発行済普通株式の3%を超える株式保有者の議決
権の行使は計算に含まれない。もう1つの方法として、定時株主総会または臨時株主総会でその議決権の行使を希望する
株主本人が総会に出席することができない場合は、議決権を行使するかかる株主に対し、当社は電子投票メカニズムを設
定している。定時株主総会または臨時株主総会の少なくとも2日前までに付与された委任状(もしあれば)を株主が取り
消すことができない場合は、かかる株主は電子投票メカニズムを通じて議決権を行使することは許されない。
議決権の行使時において 、 公開会社の取締役が、自身が選任された時点で保有する株式数の過半数を質入れする場合、
取締役は、質入れした株式のうち半数超過分の 株式数に関する 議決権を行使することは許されないものと する。上記の規
定に従い議決権の行使が許されない株式の最大数は、かかる取締役がその選任された時点で保有するかかる公開会社の株
式数の過半数を超えることはできない。 また 上記の規定に従い議決権の行使が許されない株式は、かかる議決権の行使に
あたり出席数には算入されない が、出席定足数には算入される 。
株主総会において協議されており、その結果が当社の利益を損なう可能性のある事柄に関して個人的な利害関係を有す
る株主は、他の株主の代理人として投票することや、議決権を行使することができない。かかる株主が保有する株式は、
かかる議決権の行使にあたり出席数には算入されないが、 出席定足数に は 算入される。
当社の ADS の保有者は、一般的には ADS の原株式である普通株式にかかる議決権を個別に行使することはできない。
株主のその他の権利
台湾会社法ならびに企業合併・買収法に基づき、反対株主は事業の全部または一部の譲渡計画または当社による合併計
画といった特定の主要な会社の活動について、株式買取請求権を有している。 反対株主は、当社に対し、相互の合意に
より決定された公正価格または相互に合意できなかった場合には裁判所が決定する公正価格にて、当該株主が所有する全
株式を買い戻すよう要求することができる。例えば、当社が会社分割または別の企業との合併もしくは事業統合を提案し
た場合、株主は、関連する株主総会に先立ち、または株主総会中に、書面による通知を提出することにより、または口頭
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での反対意思の表明が記録されることにより、その株式買取請求権を行使することができる。さらに、株主は、その招集
手続または決議の採択方法が、法律または当社の定款に反する株主総会において採択された決議の取消を求めて、裁判所
に 対し訴えを提起する権利を有する。
当社は、取締役の選任に関して台湾会社法に規定された指名手続を採用した。この手続は、当社の発行済株式総数の
1%以上を保有する株主は、関連情報および関係書類とともに、独立取締役を含む取締役の候補者のリストを当社に対し
て提出することができる旨を規定する。
株主名簿および基準日
当社の株式登録機関であるユアンタ・セキュリティーズ・カンパニー・リミテッド( Yuanta Securities Co., Ltd. )
は、台湾、台北市の同社事務所において当社の株主名簿を保持する。台湾会社法に基づいて、一般に通知することによっ
て、当社は、基準日を設定し、普通株式に関する権利を有する株主または質権者を特定するために、特定期間株主名簿を
閉鎖することができる。当該基準日から開始する(当該権利を有する株主または質権者を特定するための)特定期間は、
以下のとおり求められている。
・ 定時株主総会- 60 日間
・ 臨時株主総会- 30 日間
・ 配当またはその他の給付金の分配に関連する基準日-5日間
年次連結財務書類
少なくとも定時株主総会の 10 日前に、台湾 IFRS 、事業報告書、収益分配または損失相殺案に従って作成された当社の年
次連結財務書類は、株主が閲覧できるように、台湾台北市の当社本店において入手可能でなければならない。
普通株式の譲渡
当社定款に従って、現在、当社のすべての株式が現物の株券を発行する代わりに振替方式により発行され、また譲渡さ
れている。決算日後に、台湾集中保管結算所( TDCC )は決算日現在の株主の氏名および住所を、当社の株式登録機関であ
る、ユアンタ・セキュリティーズ・カンパニー・リミテッドに交付する。決算日現在の株主のみが、当社に対して株主の
権利を行使することができる。
当社の普通株式の取得
台湾会社法に基づいて、わずかな例外はあるが、当社は、自社株式を取得することができない。かかる例外に基づき、
当社によって取得された普通株式は、取得後6ヶ月間以内に市場価格にて売却されなければならない。
台湾証券取引法に基づいて、その株式が TWSE に上場し、または 台北証券取引所 (Taipei Exchange) (従来の台湾株式店
頭市場売買センター)で取引されている企業は、3分の2以上の取締役が出席した会議での過半数の同意によって採択さ
れた取締役会決議に従い、かつ、台湾金融監督管理委員会証券先物局が規定した手続に従って、 TWSE 、 台北証券取引所 ま
たは公開買付けによって、以下の目的で自社株式を購入することができる。
( i ) 当該企業の従業員への株式の譲渡、
( ii ) 当社が発行したワラント債、ワラント付優先株式、転換社債、転換可能優先株式またはワラント証書からの株式
への転換、および
( iii )購入された株式がその後消却されることを条件とし、信用および株主持分の維持のため。
当社による株式購入は、発行済株式総額の 10 %を超えてはならない。さらに、株式購入のための総額は、利益余剰金、
株式発行によるプレミアムおよび資本剰余金の現金化された部分の総額を超えない。
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上記 (i) および (ii) の項目に従って当社によって購入された株式は、購入後 5 年間以内に予定された譲受対象者に譲渡
されるか、または消却される。上記 (iii) の項目に従って消却される株式については、購入後6ヶ月間以内に、当社はか
かる消却による変更登記を完了する。
当社によって購入された株式は、質入および担保に供されない。さらに、当社は、かかる株式に付随するいかなる株主
の権利も行使することができない。台湾会社法に基づき、当社は当社の従業員に対し自社株を譲渡することができ、か
つ、2年を上限として株式の譲渡制限を課すことができる。
清算権
当社の清算の場合、あらゆる負債、清算費用および税金の支払後の残余財産は、台湾会社法の関連した規定に従って、
当社株主に分配される。
有力株主と譲渡の制約
台湾証券取引法は、公開会社に対し、 (i) 各取締役、監査役、支配人ならびにそれぞれの配偶者、未成年の子供および
名義人ならびに有力株主(配偶者、未成年の子供または名義人の株式を合わせて株式会社の発行済株式総数の 10 %を超え
る株式を保有する株主)は、自己の株式保有の状況のすべての変更を月次ベースで株式発行者に届け出ることおよび (ii)
毎日譲渡される株式数が 10,000 株式以下でない限り、かかる普通株式を6ヶ月間を超えて保有している各取締役、監査
役、支配人または有力株主は、 TWSE に上場または 台北証券取引所 (従来の台湾株式店頭市場売買センター)で取引されて
いる株式を譲渡する意思を台湾金融監督管理委員会証券先物局に対して予定された譲渡の少なくとも3日前までに届け出
ることを現在求めている。 ADS によって示される普通株式を含む当社発行済株式総数の 10 %を超える同株式を保有してい
る ADS の保有者は、上記の義務に従わなければならない。
さらに、上記の規制が適用される者によって TWSE または 台北証券取引所 (従来の台湾株式店頭市場売買センター)で売
却および譲渡される株式数は、いずれの日においても、以下を超えてはならない。
・ 企業の発行済株式数が 3,000 万株式以下の場合、発行済株式の 0.2 %、
・ 企業の発行済株式数が 3,000 万株式を超える場合、 3,000 万株式の 0.2 %に加えて 3,000 万株式を超える部分は発行済株
式総数の 0.1 %、または
・ いずれの場合においても、取締役、監査役、支配人もしくは有力株主またはそれぞれの配偶者、未成年の子供もしく
は名義人が、譲渡の意思を台湾証券先物局へ届け出た日以前の 10 日連続取引日の TWSE または 台北証券取引所 の1日平
均取引量(株式数)の5%
かかる規制は、入札、入札による購入、時間外取引または当社の ADS の売却もしくは譲渡には適用されない。しかしな
がら、かかる規制は、 ADS からの引き出された普通株式の売却には適用される。
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2【外国為替管理制度】
本章に提示された情報は、一般に公開された資料から引用したものである。中華人民共和国に設立された企業および中
華人民共和国国民は、本章に記載されていない台湾の法令の適用対象となることをご留意頂きたい 。
概略
従来、台湾の証券市場への外国からの投資に関しては規制が設けられていた。しかし 1983 年以降は、台湾証券市場への
外国からの投資を可能とするべく、台湾政府が適宜法令を制定、採択している。当初は、台湾に設立された適格の証券投
資信託会社による外国投資信託のみが台湾証券市場に投資することが許可されていた。 1991 年1月1日以降は、外国適格
機関投資家が台湾の上場証券市場に投資することが許可されている。 1996 年3月1日以降は、「一般外国投資家」と称さ
れる華僑、非居住者外国団体および個人投資家(外国適格機関投資家を除く。)が台湾の証券市場に直接投資することが
許可されている。
台湾の証券市場における外国人による投資
台湾政府の内閣である行政院( Executive Yuan )は、 1990 年 12 月 28 日、台湾証券先物管理委員会(台湾証券先物管理局
の前身機関)が起案したガイドラインを承認した。このガイドラインにより、 1991 年1月1日以降、適格外国機関投資家
が TWSE に上場された株式または台湾証券先物管理委員会が承認したその他の台湾企業の株式に直接投資をすることが認め
られるようになった。
適格機関投資家に加え、台湾証券先物管理委員会が定めた必要条件を満たす一般外国投資家およびその他の機関投資家
は、 TWSE に上場している会社、 台北証券取引所 (従来の台湾株式店頭市場売買センター)で取引される会社、新興市場会
社または台湾証券先物管理委員会が承認するその他の会社の株式に投資することができる。かかる投資は、事前に TWSE の
許可を得たうえで、機関投資家の場合は、5千万米ドル、個人投資家の場合は、5百万米ドルを上限として行うことがで
きる。
2003 年9月 30 日および 2004 年6月 15 日、台湾証券先物管理委員会は、「華僑および外国人による証券投資に関するガイ
ドライン」およびこれに関連する規則の改正を公表した。この規則等の中で、台湾証券先物管理委員会は一部の規制を強
化し、外国投資家が台湾の証券市場において投資を行うために必要な手続を簡略化した。かかる改正は、以下の諸点に重
点を置いている。
-「適格機関投資家」という概念が廃止され、外国投資家は、法人か自然人かおよびその実態が台湾国内に存在するか
否かという観点から「オフショア外国機関投資家」「オンショア外国機関投資家」「オフショア一般外国投資家」および
「オンショア一般外国投資家」に区分されることとなった。
-外国投資家が台湾の証券市場において投資をするためには、台湾証券先物管理委員会の承認に代えて TWSE への登録が
必要となる。外国投資家から提出された申請書類に虚偽の記載または不完全な記載がある場合もしくは関連する規則の違
反が存在する場合、 TWSE は、かかる登録を拒否しまたは登録を取り消すことができる。
-オフショア外国投資家は、預託証券の売出しにおいて、自己が保有する当該預託証券の原株式を提供し、売出株主と
して行為することができる。
-オフショア外国機関投資家は、投資対象会社の株主総会に出席する代理人または名義人を指名しなければならない。
現在、関連規則によって課された制限に服することを条件として、オフショア外国機関投資家は金額的な制約なく台湾
証券市場において投資を行うことができる。しかし、オフショアの中華人民共和国国民および外国個人投資家の投資金額
の上限は台湾中央銀行との協議のうえ台湾証券先物管理委員会が別途決定する。
外国人投資許可
・ 外国機関投資家
・ 外国個人投資家
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・ 外国転換社債および預託証券を扱う投資家
上記以外の外国投資家で、台湾会社の株式への直接投資を希望する者は、台湾経済部投資審議委員会( Investment
Commission of the Ministry of Economic Affairs of Taiwan )またはその他の政府当局に対して「外国人投資許可」申
請書を提出することにより、外国人投資条例( Statute for Investment for Foreign Nationals )に基づいて付与される
資格を満たすことができる。投資審議委員会またはその他の政府当局は、各外国投資許可申請書を検討し、その他の政府
機関と相談のうえ、かかる申請書の認可または不認可を決定する。外国投資許可を有する非台湾人は、認可された投資に
関する資本を送金し、認可された投資から得た年次純利益、純利子および配当金をかかる者の本国に送金することができ
る。かかる投資から得た株式配当、投資資本およびキャピタル・ゲインは、投資審議委員会またはその他の政府当局の許
可を得た上でかかる者の本国に送金することができる。
非台湾人が台湾企業へ対外直接投資する場合に設けられている一般的な規制に加えて、現在、非台湾人は、行政院が随
時発表するネガティブリストに記載される、台湾における禁止業種に投資することが禁止されている。ネガティブリスト
上の禁止業種に対する直接投資の禁止は、特定業種を外国人投資条例の適用から免除した結果であり、強行規定である。
さらに、同リストでは、その他の特定の産業にも一定の制限がある。これは、非台湾人が指定された水準以上の直接投資
を行うことを制限するため、かつ、かかる者が投資を行う際に、関連当局から特定の許可を得させるために実施されてい
るものである。通信業界は、ネガティブリストにおいて投資が制限されている業種である。
預託証券
1992 年4月、台湾証券先物管理委員会は、預託株式を表章する預託証券の発行および売却を促進させるために、台湾企
業に対し、台湾証券先物管理委員会からの事前許可を得ることができれば、当該企業の株式を TWSE へ上場させることにつ
き認めた。 1994 年 12 月、台湾財政部は、 台北証券取引所 (従来の台湾株式店頭市場売買センター)において株式が取引さ
れている企業に対し、当該企業の株式で表章される預託株式を表章する預託証券の発行および売却につき認めた。かかる
発行に対し許可を得ることは未だに必要とされている。
預託株式の発行直後(被預託株式が既存株式の場合)に、預託株式を表章する預託証券の保有者は、預託株式を発行す
る預託機関に対し、現物株を台湾で売却することおよびかかる株式の売却収入を預託証券の所有者に対し分配することま
たはかかる株式を引出し、預託証券の所有者に譲渡することを要求することができる。中華人民共和国国民は、当社の株
式を引出し、保有することはできない。
預託証券を保有しているオフショア外国機関投資家の場合、預託証券によって表章される株式の引出しが許可されるま
でに外国投資家として TWSE に登録しなければならない。 TWSE への登録を取得するためには、さらに( i )とりわけ現地の
証券会社における証券取引口座および銀行口座の開設、資金の送金、株主権の行使および ADS 保有者が指図する役割等を
行うために、適格現地代理人を任命し、( ii )有価証券および手取金の保管、確認作業、取引確認、取引決済ならびに関
連するすべての情報の報告および公表を行うために、株式の保管銀行を任命し、さらに( iii )預託証券を引出した保有
者の台湾国税の納税申告および支払義務を遂行する保証人として、納税保証者を任命しなければならない。外国投資家と
して TWSE に登録されていない預託証券保有者、または上記の必要な任命手続きを行っていない預託証券保有者は、預託機
構から引出した株券を保有することもその後に譲渡することもできない。
台湾証券先物管理委員会の明確な許可を得ずに、預託証券機関における株式の預託および預託金に対する預託株式の発
行を行ってはならない。ただし、以下の場合は、この限りではない。
(i) 株式配当
(ii) 株式の無償分配
(iii) 現金による増資の際に、預託証券保有者が新株引受権を行使した場合
(iv) 預託証券機関に預託するために行われた、投資家による直接購入、 TWSE もしくは 台北証券取引所 (従来の台湾株
式店頭市場売買センター)の預託機関を通じた株式の購入または投資家による株式の交付が引出された預託証券
の金額以内であり、預託契約および保管契約の規定上許可されている場合。かかる場合、発行後の発行済預託証
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券の総数は、台湾金融監督管理委員会証券先物局が売出しに関して事前に許可した数および上記 (i) 、 (ii) 、
(iii) に記載された事項に従い発行された米国預託株式の数の合計を超過してはならない。
米国預託株式の保有者または預託機関は、台湾中央銀行またはその他の政府当局もしくは台湾の政府機関からの事前の
承認を得ずに、以下のものを新台湾ドルから他の通貨(米ドルを含む。)へ転換することができない。
・ 米国預託株式によって表章される普通株式の売却手取金またはかかる普通株式に関し受領した株式配当で預託証券機
関に預託した額
・ 普通株式の現金配当金または分配金
さらに、預託機関は、追加の米国預託株式の発行に備えて、預託証券機関に預託するために使用される普通株式の購入
に充てるための受領金を新台湾ドルに転換することができる。米国預託株式の原資産となる普通株式を引出した者が、当
社の普通株式保有者になった場合、かかる保有者は、株主割当のために新株払込金を新台湾ドルに転換することができ
る。預託機関は、新規普通株式の新株引受権を売却したことにより得た収入金を支払ごとの基準で新台湾ドルから外貨に
転換する外貨支払許可を台湾中央銀行から得なければならない。台湾中央銀行は、機械的に許可を付与するものと思われ
るが、それが適時に行われるとは限らず、また、全く許可が下りない可能性もある。
為替管理
台湾外国為替管理法( Taiwan's Foreign Exchange Control Statute )および規則によると、すべての外国為替取引
は、台湾金融監督管理委員会および台湾中央銀行により外国為替取引の取扱いを指定された銀行によって執行されなけれ
ばならない。現在の規則では、貿易関連の外国為替取引に有利に働く。したがって、製品およびサービスの輸出により得
た外国通貨は、輸出業者によって留保され、自由に使用される。製品およびサービスの輸入に必要な外国通貨は、すべて
当該指定外国為替銀行から自由に購入することができる。
貿易関連の外国為替取引とは別に、台湾企業および台湾の住民は、各暦年において最高5千万米ドル(またはその同等
額)相当の外貨を台湾へ送金することが可能であり、また、最高5百万米ドル(またはその同等額)相当の外貨を台湾か
ら外国へ送金することができる。かかる制限は、新台湾ドルから米ドルまたはその他の外国通貨への換算が含まれる送金
に対して適用される。さらに、すべての民間企業は、そのすべての中期および長期外国債務を台湾中央銀行に登録するこ
とが義務づけられている。
加えて、外国人居住カードを有しない外国人または非承認外国企業は、台湾当局に必要書類を提出すれば、一回の送金
につき最高 10 万米ドル相当の外貨を台湾へまたは台湾から送金することができる。かかる制限は、新台湾ドルから米ドル
またはその他の外国通貨への転換が含まれる送金に対してのみ適用される。
3【課税上の取扱い】
( 1 ) 台湾の課税上の取扱い
以下は、普通株式を表章する米国預託株式および普通株式の所有および処分に関する台湾における主な税務上の取扱い
に関し論じたものである。本項の取扱いは以下の者に適用がある。
・ 台湾の国籍を有しない個人で、米国預託株式または普通株式保有者で、いかなる暦年において台湾国内に 183 日以上
の間滞在しない者
・ 台湾以外の準拠法において、営利目的のために設立された企業または非法人組織で、台湾国内において事業を行う一
定の場所またはその他の恒久的施設を有しない者
また、米国預託株式および普通株式の所有に関する台湾または関係するその他の法域における税制上の取扱いに関して
は、税務顧問に相談すべきである。
配当金
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当社により宣言し、配当された当社の利益剰余金の処分による配当金は、台湾が定める源泉徴収税の適用対象となる。
かかる税金の現在の税率は、台湾財政部により公布され 2018 年1月1日より施行された、様々な所得の源泉税率基準の改
正に従い、 現金配当による配当金の場合は、 当該配当金額の 21 %であり、株式配当による配当の場合は、普通株の額面価
額 の 2 1 %である。
高額な株式の発行により発生した当社の資本剰余金により支払われた株式または現金配当金は、台湾の源泉徴収税の適
用対象とはならない。台湾財政部が発行した規則 Ref. Tai-Tsai-Hsuei-Tzi-09504509440 に従い、会社がその株式資本の
減資を行い、資本剰余金の資本組入によって、会社の株主に対するその発行済み普通株式を現金で償還する場合、資産の
再評価、土地の売却および / またはその他の企業との合併による、資本に組入れられた資本剰余金に基づくこれらの剰余
金は、株主による資本投資における利益および株主の配当収益(または投資による営業収益)とみなされるものとし、台
湾が定める所得税の適用対象となるものとする。
台湾会社法の第 237 条に従い、会社の収益(税引後)から法定準備金が引き当てられているため、分配された法定準備
金の受領は、株主の配当収益(または投資による営業収益)とみなされるものとし、台湾と裁判管轄の間の租税条約上よ
り低い源泉税率が提示されている場合および非台湾人株主が居住者である場合を除き、分配時に現在は 21 %の源泉徴収課
税によって回収される、台湾が定める所得税の適用対象となるものとする。
キャピタル・ゲイン
台湾における財産の売却益は、台湾が定める所得税の適用対象となる。 2016 年1月1日以降、非居住者個人または非居
住事業体が受領する、普通株式の売却( ADS 機構から引き出された普通株式を含む。)におけるキャピタル・ゲインには
もはやキャピタル・ゲイン税が課されなくなり、さらに代替的最小課税制度(「 AMT 」)による免除を受ける。
米国預託証券の売却は、台湾国外に存在する財産に関する取引とみなされ、それゆえ、かかる売却によって生じる利益
は、台湾が定める所得税の適用対象とはならない。
新株引受権
台湾法に準拠した普通株式の法定新株引受権の割当ては、台湾が定めるいかなる税金の適用対象にもならない。有価証
券によって表章された法定新株引受権の売却により生じる利益に関しては、受領した総額の 0.3 %の有価証券取引税を支
払わなければならない。有価証券によって表章されない法定新株引受権の売却により生じた利益に関しては、売主が非居
住者である場合、非居住者個人であるか非居住者企業であるかにかかわらず、実現利益の 20 %の税率で譲渡所得税の適用
対象となる。
台湾法に従い、当社は、その独自の判断により、法定新株引受権が有価証券の発行により表章されるか否かを決定する
ことができる。
有価証券取引税
有価証券の売主によって支払われる総受取額の 0.3 %の有価証券取引税は、台湾において普通株式の売却時に徴収され
る。米国預託株式の譲渡は、台湾が定める有価証券取引税の適用対象とはならない。台湾財政部が 1996 年に発行した書簡
によると、預託証券機関からの普通株式の引出しは、台湾が定める有価証券取引税の適用対象とはならない。
遺産税および贈与税
台湾が定める遺産税は、非居住者である死亡者が所有する台湾国内の全財産について支払われるものとし、台湾が定め
る贈与税は、かかる者が贈与した台湾国内の全財産について支払われる。台湾が定める遺産税および贈与税によると、台
湾企業が発行する普通株式は、当該株式の所有者が台湾内に住所を有すると否とにかかわらず、当該株式は台湾に所在す
るものとみなされる。台湾が定める遺産税および贈与税上、米国預託株式が台湾に所在する財産とみなされるか否かは定
かではない。 2017 年5月 12 日から、遺産税は、5千万新台湾ドルに対する 10 %の税率から、1億新台湾ドルを超える金額
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に対する 20 %の税率の範囲で支払われる。また、贈与税は、 2.5 千万新台湾ドルに対する 10 %の税率から、5千万新台湾
ドルを超える金額に対する 20 %の税率の範囲で支払われる。
租税条約
台湾は、米国との間に所得税に関する租税条約を締結していない。他方で、台湾は、インドネシア、イスラエル、シン
ガポール、南アフリカ、オーストラリア、ベトナム、ニュージーランド、マレーシア、 北 マケドニア、エスワティニ、オ
ランダ、英国、ガンビア、セネガル、スウェーデン、ベルギー、デンマーク、パラグアイ、ハンガリー、フランス、イン
ド、スロバキア、ドイツ、タイ、スイス、ルクセンブルグ、キリバス、オーストリア、イタリア、日本、カナダおよび
ポーランドとの間には所得税に関する租税条約を締結している。同条約によって、台湾企業の普通株式に対して支払われ
る配当金に賦課される台湾の源泉徴収税が制限される。かかる条約上、米国預託株式を保有する者は、普通株式保有者と
みなされるのか否かは定かではない。したがって、関連する所得税に関する租税条約の他の利益を享受する者は、自身の
米国預託株式に関して利益を享受する資格を有するか否かを税務顧問に相談すべきである。
未処分利益課税
台湾の所得税法上、 1998 年1月1日以後に生じて翌年に分配されていない税引後の利益について 10 %の税率で未処分利
益税が会社に対して課されている。未処分利益税を支払うことにより将来の分配に充てられる利益剰余金はさらに減少す
る。 所得税法の改正により、台湾における未処分利益税率は、 2018 年1月1日以降に当社に生じた未処分利益に対して
10 %から5%に調整される。かかる改正は、 2019 年1月1日以降、当社の納税申告に適用される。
( 2 ) 日本の課税上の取扱い
ADR の保有または処分に伴う配当収入もしくは売買損益は、日本の税法上、その原資産となっている株式についての取
扱いと同様に取り扱われる 。
(a) 配当
当社から ADR の保有者に支払われる配当は、日本の税法上、配当所得として取扱われる。日本の居住者たる個人または
日本の法人に対して支払われる当社の配当金については、当該配当金額(台湾および米国における当該配当の支払の際に
台湾および米国またはそれぞれの地方公共団体の源泉徴収税が徴収される場合、当該控除後の金額)につき、当該配当の
支払を受けるべき期間に応じ、下表に記載された源泉徴収税率に相当する金額の日本の所得税・住民税が源泉徴収され
る。
配当課税の源泉徴収税率
配当を受けるべき期間 日本の法人 日本の居住者たる個人
2014 年1月1日~ 2037 年 12 月 31 日 所得税 15.315 % 所得税 15.315 %、住民税5%
2038 年1月1日~ 所得税 15 % 所得税 15 %、住民税5%
(注) 2013 年1月1日から 2037 年 12 月 31 日の期間について、上記に従い計算される各所得税額の 2.1 %が、「東日本大震
災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」に基づく「復興特別所得税」
として、追加的に課税される予定である。
日本の居住者たる個人は、当社から ADR 保有者に支払われる配当については、源泉徴収がなされた場合には確定申告を
する必要はなく、また当社から株主に支払われる当該配当については、配当金額の多寡に関係なく確定申告の対象となる
所得金額から除外することができる。なお、 2009 年1月1日以降に当社から ADR 保有者に支払われる配当については、日
本の居住者たる個人は、 申告分離課税を選択することが可能である。申告分離課税を選択した場合の確定申告の際の税率
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は、 2014 年1月1日から 2037 年 12 月 31 日までに当社から個別株主 に支払われる配当については 20.315 %(所得税
15.315 %、住民税5%) および 2 038 年1月1日以降に当社から ADR 保有者に支払われる配当については 20 %(所得税
15 %、 住民税5%)であるが、かかる配当所得の計算においては、 2009 年分以後における上場株式等の株式売買損を控除
することができ、また 2016 年分以降における上場株式等および一定の社債の売買損を控除することができる。
なお、配当控除(個人の場合)および受取配当益金不算入(法人の場合)の適用はない。
台湾および米国において課税された税額は、日本の税法の規定に従い、配当につき確定申告した場合には外国税額控除
の対象となりうる。
(b) 売買損益
1)居住者である当社 ADR の個人保有者の ADR の売買によって生じた売買損益の日本の税法上の取扱いは、原則として所得
税の対象となり、売買損は、他の売買益から控除することができる。また、 2009 年分以後における上場株式等の株式
売買損については、 ADR およびその他の上場株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る。)から
控除することができ、また 2016 年分以後における上場株式等の株式売買損についても、普通株式およびその他の上場
株式等の配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限る。)ならびに一定の社債だけでなく一定の社債の売買
損の利息収入の金額から控除することができる。
2)当社 ADR の内国法人保有者については、 ADR の売買損益は、課税所得の計算上益金に算入される。
(c) 相続税
日本の税法上日本の居住者である ADR の実質保有主が、米国で発行された ADR を相続または遺贈によって取得した場合、
日本の相続税法によって相続税が課されるが、国外で日本の相続税に相当する税が課される等、一定の要件を満たしてい
るときには、外国税額控除が認められることがある。
4【法律意見】
当社の社外法律顧問であるベーカー・アンド・マッケンジー(台北)により、以下の趣旨の法律意見が提出されてい
る。
( 1 ) 当社は台湾法に基づいて、適式に設立かつ有効に存続している。
( 2 ) 社外法律顧問の知る限り、本書第一部第1「1.会社制度等の概要」、「2.外国為替管理制度」および「3.課
税上の取扱い」中の台湾法に関する記述はすべての重要な点について真実かつ正確である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
下記に掲載されたものは、 2015 年 12 月 31 日、 2016 年 12 月 31 日、 2017 年 12 月 31 日、 2018 年 12 月 31 日および 2019 年 12 月
31 日に終了する各事業年度に関する主要総合損益計算書データおよびキャッシュ・フロー・データならびに貸借対照
表データである。これらのデータは本書に掲載されている当社の連結財務書類からの抜粋であり、当該連結財務書類
およびその注記と併せて読み、また全体としてこれらを参照する必要がある。なお、当該連結財務書類は、台湾金融
監督管理委員会により認可・公布施行された国際財務報告基準 (T-IFRs) に従って作成および公開されている。
(単位:千新台湾ドル、ただし、1株当たり利益を除く。 )
12 月 31 日に終了する年度
2019 2018 2017 2016 2015
新台湾ドル 新台湾ドル 新台湾ドル 新台湾ドル 新台湾ドル
連結総合損益計算書データ:
営業収益 207,520,061 215,483,158 227,514,183 229,991,428 231,795,104
営業総利益 71,567,521 75,937,701 80,676,700 82,439,634 83,668,891
営業利益 40,645,854 43,643,659 46,702,977 48,105,278 50,361,338
営業外収益および費用 1,103,938 1,335,045 1,294,085 1,277,269 1,606,875
税引前利益 41,749,792 44,978,704 47,997,062 49,382,547 51,968,213
当期純利益(損失) 33,763,943 36,456,171 40,042,601 41,229,985 43,664,345
当期のその他の包括利益 1,442,506 ( 1,014,453 ) (1,305,526) (2,056,206) (833,770)
(税引後純額)
当期包括利益合計 35,206,449 35,441,718 38,737,075 39,173,779 42,830,575
純利益の親会社の所有者へ 32,788,546 35,501,622 38,873,905 40,067,010 42,805,728
の帰属
純利益の非支配持分への帰 975,397 954,549 1,168,696 1,162,975 858,617
属
包括利益合計の親会社の所 34,225,076 34,496,742 37,590,365 38,068,095 41,973,659
有者への帰属
包括利益合計の非支配持分へ 981,373 944,976 1,146,710 1,105,684 856,916
の帰属
1株当たり利益 4.23 4.58 5.01 5.16 5.52
連結貸借対照表データ:
流動資産 94,072,062 91,688,336 79,334,002 81,620,175 76,206,844
有形固定資産 283,694,215 288,914,228 288,707,910 291,169,760 296,399,146
無形資産 47,046,525 50,943,682 54,883,268 47,353,424 50,446,778
その他の資産 52,645,436 35,722,458 28,197,942 26,989,146 29,968,324
資産総額 477,458,238 467,268,704 451,123,122 447,132,505 453,021,092
流動負債 分配前 64,351,545 61,387,021 59,990,359 60,105,595 58,526,087
分配後 - 96,132,624 97,195,073 98,442,120 101,077,233
非流動負債 26,712,928 19,309,363 17,553,183 15,827,240 20,486,002
負債総額 分配前 91,064,473 80,696,384 77,543,542 75,932,835 79,012,089
分配後 - 115,441,987 114,748,256 114,269,360 121,563,235
親会社の所有者に帰属する 376,110,243 376,562,372 364,881,985 364,703,748 368,739,928
持分
資本金 77,574,465 77,574,465 77,574,465 77,574,465 77,574,465
資本準備金 171,255,985 171,136,764 169,466,883 168,542,486 168,095,615
剰余金 分配前 126,591,245 127,391,229 117,457,971 118,592,201 122,801,129
分配後 - 92,645,626 80,253,257 80,255,676 80,249,983
その他の資本項目 688,548 459,914 382,666 (5,404) 268,719
非支配持分 10,283,522 10,009,948 8,697,595 6,495,922 5,269,075
資本合計 分配前 386,393,765 386,572,320 373,579,580 371,199,670 374,009,003
分配後 - 351,826,717 336,374,866 332,863,145 331,457,857
連結キャッシュ・フロー・データ:
営業活動によるキャッシュ 72,426,685 66,366,350 70,931,864 64,951,911 76,324,989
フロー
投資活動によるキャッシュ (27,126,294) (32,613,754) (36,720,526) (21,662,746) (30,453,432)
フロー
財務活動によるキャッシュ (38,934,216) (35,035,350) (36,607,843) (42,518,627) (39,185,631)
フロー
為替変動による現金および 38,688 102,599 121,098 58,381 25,894
現金同等物への影響
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現金および現金同等物の増 6,404,863 (1,180,155) (2,275,407) 828,919 6,711,820
加(または減少)
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2【沿革】
当社 は台湾の最大手電気通信(次の3つの事業内容において、「電信」という。)事業会社であり、また営業収益
でもアジア最大規模の事業会社の1社である。
年月 活動
1996 年7月 台湾政府は通信総局を交通部の監督の下で通信産業の規制当局とする立法を行った。通信総局の営業
機能と規制機能の分離の一環として、当社は 1996 年7月1日に設立され、 2000 年8月まで交通部によ
りすべての株式が保有されていた。
2000 年8月 交通部が当社の政府による保有株式を最終的には 50 %未満になるようにして民営化するという民営化
計画の下で、当社の普通株式が初めて台湾国内における競争入札により売り出された。
2000 年9月 当社の普通株式が台湾国内の公募により売り出された。
2000 年 10 月 当社の普通株式が上場され、 2000 年 10 月 27 日、台湾証券取引所において取引が開始された。
2001 年6月 当社の普通株式が台湾国内のアフターマーケット・オークションにより売り出された。
2002 年 12 月 当社の普通株式が台湾国内の一般競争入札により売り出された。
2003 年3月 当社の普通株式が台湾国内のアフターマーケット・オークションにより売り出された。
2003 年4月 当社の普通株式が台湾国内のアフターマーケット・オークションにより売り出された。
2003 年7月 当社の ADR が日本において売り出され(日本国内では未上場)、同時に台湾国内でもアフターマー
ケット・オークションにより売り出された。
2004 年3月 マルチメディア・オン・デマンド・サービスを開始した。
2005 年7月 3G (第三世代)移動通信サービスを開始した。
2005 年8月 交通部(「 MOTC 」)は普通株式 289,431,000 株を台湾国内で、また普通株式 1,350,682,000 株を米国預
託証券の募集にて売却した。 2005 年8月 12 日現在、 MOTC は当社株式の 47.84 %を所有しており、当社
の民営化計画は完了した。
2006 年7月 FTTB 専門型 20M/20M サービスを開放した。
2006 年9月 MOTC は普通株式 120,000,000 株を台湾国内で、また普通株式 505,388,900 株を米国預託証券の募集にて
売却した。 2006 年9月 28 日現在、 MOTC は当社株式の 35.64 %を所有している。
2007 年6月 データ支社は HiNet 光世代 50M/3M 、 100M/5M のインターネット・アクセス・サービスを市場に投入し
た。
2014 年5月 4G 移動ブロードバンド・サービスを開始した。
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3【事業の内容】
当社の主要事業
当社は、台湾最大の総合的な電信会社であり、その主要事業部門は、国内固定通信事業、移動通信事業、インターネッ
ト事業および国際固定通信事業である。
(1)家庭市場
● 国内固定通信事業
・ 市内電話:市内通話サービスおよび会話中の第三者電話の接続、指定転送、三者通話、短縮ダイヤル、定時モーニ
ングコール、障害防止、 CBT ( Call Back Tone )、着信制御、直通電話、 1288 情報調べおよび略号アプリケーショ
ン等付加価値サービスを含む。
・ 長距離電話 : 人工による長距離電話、長距離直接ダイヤル( STD )を含む。
・ インテリジェント・ネットワーク( IN ): 0800 多機能受話者料金払い電話( AFP )、 0203 大量放送( MA )、 099 個人
用ナンバー( PN )、 0204 料金払い音声情報( PRS )等のサービスを含む。
● 国内回線のリース事業
・ ADSL 事業:市内電話線またはユーザーの回路の両端に設備を据え付け、非対称デジタル加入者線( ADSL )技術によ
り、顧客のために、インターネット・アクセスおよび MOD/OTT 等のマルチメディア・サービスを提供している。
・ 光世代事業:各種の光ファイバーネットワーク設備を利用し、イーサネット( Ethernet )または VDSL (Very high
bitrate Digital Subscriber Line) 等の技術と組み合わせ、顧客のために、高速なブロードバンド・インターネッ
ト・アクセスおよび MOD/OTT 等のマルチメディアおよびデータ伝送サービスを提供している。
● インターネットおよび付加価値サービス
・ インターネットサービスプロバイダー( ISP ): Hinet は当社 ISP ブランドであり、主にブロードバンド( ADSL およ
び光世代)、固定電話およびダイアルアップサービスを提供している。
・ 付加価値サービス: 中華健康雲 、 i 宝貝 、サイバー攻撃規制、ポルノ規制、 インターネットアクセス時間管理、 モ
バイルヘルスインターネットアクセス、ゲームブースターなどの付加価値サービスを提供している。
● MOD/IPTV サービス
・ MOD とは、マルチメディア内容の転送プラットホーム・サービスを経営し、当社その他の電気通信事業のユーザー
に自由に選択できるビデオコンテンツおよびアプリケーションコンテンツ等のマルチメディアコンテンツサービス
ならびに運営者が経営するチャンネル番組内容(テレビチャンネル、ビデオオンデマンド VOD 、 HD 高解像度 /4K 超高
解像度 コンテンツおよびその他のアプリケーション等)をいう。
・ 固定通信、データ通信、移動通信の放送サービスを統合し、 Hami Video および MOD マルチスクリーン製品によりク
ロスドメイン視聴のマルチスクリーン放送サービスを提供している。
● 国際固定通信サービス
・ 国際電話:国際直通電話 009 、経済的な国際電話 019 を含む。
(2)個人市場
● 移動通信サービス
・ 4G 移動通信サービス: 4G LTE は次世代ブロードバンド通信技術であり、 4G LTE を通じて、アップロードもダウン
ロードもデータ通信速度が 3G よりもさらに高速である。ユーザーは動画や音楽を視聴したり、ウェブサイトを閲覧
したりする時に、遅れなしかつ鮮明な映像音楽コンテンツを享受できる。
・ 移動通信付加価値サービス:文字/マルチメディアメッセージサービス、 CBT ( Call Back Tone )、ビデオスト
リーミング( Video streaming )、映像電話、位置情報などの整合サービスのほか、 4G 移動通信サービスに合わせ
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て Hami Pass 、 Hami Video 、 KKBOX 、電子書籍、モバイル決済サービスなどのデジタルオーディオビデオコンテンツ
サービスなどを提供している。
・ OTT 統合サービス:データ通信と移動通信のマルチスクリーンコンテンツを統合した Hami Video マルチスクリーン
サービスを配信し、ライブチャンネルおよびオンデマンド動画(映画、ドラマ、アニメ、児童向け等)のビデオコ
ンテンツを提供し、 24 時間体制で異なる状況における視聴ニーズを満たしている。
● Wi-Fi 事業:公衆無線 LAN を利用したソフト・ハードウェアから HiNet 、 emome 、 CHT 会員等のアカウントの認証を通じ
て、 Wi-Fi によるインターネット接続を享受することができる。
● 国際固定通信サービス:国際直通電話 009 、経済的な国際電話 019 、国際電話プリペイドカード、 E-call カードを含む
国際電話。
(3)企業顧客市場
当社は、国内の企業顧客のニーズを満たし、企業の経営目標および戦略を達成することができるよう、企業顧客のため
に情報および通信整合性サービスを提供している。
● 企業顧客向け整合サービス:企業情報・通信 ( オーダーメイド ) 整合サービス、企業 e 化、クラウド SaaS サービス
( CRM 、 ERP 、 POS 等) 。
● 企業顧客向けモバイルサービス: MVPN 、企業ショート・メッセージ、 MDVPN データサービス、移動 DM 、災害の緊急対
応情報通報サービス、モバイル即時メッセージ( Qmi )、モバイル端末管理 MDMM 、モバイルテレビ会議、モノのイン
ターネット、データ通信支援サービス・プラットフォーム( Sponsored Data )および安全 e 點霊等 。
● 企業顧客向けデータサービス:データ回路業務、国内データ交換業務(データ交換および付加価値サービス)、
HiNet 企業インターネット・アクセス、メッセージ・アプリケーション(短信、電子メールおよびファクシミリ)、
企業情報の安全、企業 VPN および付加価値、 IDC およびクラウド・サービス(整合性データベースおよびブロードバン
ド・サービス、 hicloud CaaS 、 VPC 仮想プライベートクラウド、 クラウドコンピューティング版 仮想プライベートク
ラウド ( CaaS-based VPC 、 CVPC ) 、 Boxe 資料ストレージ、 S3 クラウドストレージ、 Desk クラウドデスク、マイクロソ
フトクラウドサービス)、デジタル・コンテンツ(ドメイン登録および安心放送)、プラットホームのリース(デー
タ音声、企業学習、 OTP 動態コンビネーションロック、企業ビデオプラットホーム等)、モノのインターネット( iEN
インテリジェント、 IVS スマートセキュリティ、 ITS スマート交通および eHome スマートファミリー等)、政府サービ
ス(政府による電子調達、地政サービス、公道モニタリング、鉄道チケット予約サービス)およびビッグデータ分析
アプリケーションサービス等。
● 企業顧客向け国際サービス:国際音声サービス(国際企業ホットライン 009 、国際音声再販売、コレクトコール、国
際会議電話、 IV R 国際音声相互接続サービス、国際電話ビジネスカード等)、国際データサービス( IPLC 国際専用回
線、 IPVPN 国際企業ネットワーク、 TWGate ネットワーク国際通、 IDC 国際ネットワーク資料センター、 MPLS VPN ネット
ワーク、 EZ VPN ネットワーク、 SSL VPN サービス、 Internet IP 交換サービス等)、国際付加価値サービス(国際隔地
バックアップ・サービス、国際ビデオ会議サービス、 ICT 国際情報通信整合契約確立保守サービス、 EZConference
HD 高解像度のマルチ・ポイント・ビデオ会議システム等)、国際衛星サービス(衛星トランスポンダのリース、衛星
付加価値サービス、衛星移動通信業務および国際企業顧客向け ICT 業務等)。
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4【関係会社の状況】
( 1 ) 親会社
当社に親会社はない。
ただし、交通部は台湾政府を代表して、 2020 年 3 月 31 日付で、当社の発行済株式の約 35.29 %を保有している。
( 2 ) 子会社
当社に重要な子会社はない。
( 3 ) 関連会社
2019 年 12 月 31 日時点で、当社は合計 16 社の会社 ( 非連結会社であるが 持分法が適用される。 ) に対する持分を有して
いる。
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5【従業員の状況】
従業員人数、平均勤務年数、平均年齢および学歴分布比率は以下のとおりである。
年度 2018 年度 2019 年度 2020 年度
(2020 年2月 29 日まで )
従業員人数 ( 国内外を含む ) 22,134( 注 ) 21,716( 注 ) 21,201( 注 )
平均年齢 51.28 50.84 50.7
平均勤務年数 26.39 25.25 25.24
博士 1.16 1.2 1.23
修士 26.98 29.03 29.61
学歴分布比率 ( % ) 高等専門学校 50.95 50.58 50.26
高校 19.07 17.64 17.40
中学 ( 含む ) 以下 1.84 1.55 1.50
注:従業員人数の計算は、証券取引所の規定に従い当社従業員 の資格を有しない 10 名の取締役を含む。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営方針、経営戦略等
「第3 3(1) 業績等の概要」及び「第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
を参照されたい。
(2)経営環境
「第3 2 事業等のリスク」及び「第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参
照されたい。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
「第2 3 事業の内容」及び「第3 2 事業等のリスク」を参照されたい。
2【事業等のリスク】
リスク管理フレームワークおよび運用
「中華電信リスク管理規則」は、 COSO ERM フレームワークに則り、戦略目標、運営目標、財務報告および法規遵守等の4
大目標に基づき立案され、8大要素を参照して制定されており、 2006 年に取締役会において可決された。 2016 年にリスク
管理委員会を設立し、リスク管理およびリスク意識をより一層強化し、必要に応じて監査委員会 / 取締役会に対して関連
する執行状況を報告する。
当社のリスク管理業務は、意識 構築 、目標設定、事件識別、リスク分析、リスク評価、リスク対応、制御作業、情報およ
びコミュニケーション、リスク監視 等の手続 に従い追跡・管理が行われ、経営部門がこれに基づき業務を推進しており、
会社の各業務の執行と管理の実施要点および方法にリスク評価 および対応が 組み込まれている。
リスク管理の政策、範囲および組織の権利 責任に関する 説明は以下の通りである。
● 政策
コーポレート・ガバナンスを強化し、リスク管理戦略を策定し、健全なリスク管理業務を確立し、リスクを識別し て 管理
を行い、当社の運営目標の達成を合理的に確保する。
● 範囲
戦略目標、運営目標、財務報告および法規遵守等の4大管理目標を達成するため、当社は内外の環境変数に基づきリスク
源を分析し、リスクマトリックスを用いて当社が立脚する経営環境における機会およびリスクを識別・分析し、経営部門
がこれに基づき戦略および目標を設定し、リスク管理を行う。
最近の重要なリスクには、 5G 運営リスク、新型肺炎リスク、情報安全と個人情報保護リスクおよび気候変動リスク等が含
まれ、重要なリスクについては委員会が管理対象リストに追加して追跡を行い、利害関係者のリスクに対する懸念を軽減
する。
● 組織の権利責任
当社のリスク管理の組織構造は以下のとおりである。
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・リスク管理委員会:社長が 招集者を務める。
本店の執行副社長および各部の主管からなる。リスク管理の改善を監督・指導する。各種リスクの優先順位を識別およ
び認定する。
・監査部門:監査部
監査部が単独でリスク管理事項を再確認する。定期的に監査委員会に監査報告を提出する。
・リスク管理 制御部門 :本店の各部
リスクを識別および評価する。各機構のリスク管理計画を審査する。各機構によるリスク管理の実施効果を追跡・管理
する。
・リスク管理執行部門:主要8機構(所属部門を含む。)
リスク管理計画を策定・提出および実施する。リスク管理の実施結果を報告し、改善する。
・執行秘書部:本店の経営企画部
リスク管理メカニズムおよび業務改善に関する事項を推進する。リスク管理委員会開催に関する事項を処理する。全体
的なリスク管理の実施結果をまとめ、報告する。
情報安全リスク管理フレームワークおよびリスク評価分析
● 情報安全および個人情報のリスク管理メカニズム
当社は、重要な情報通信資産の機密性、完全性および可用性を継続的に改善および保護し、当社の「情報通信システ
ム」および「基幹インフラ」の安全を確保するため、 NIST Cybersecurity Framework ( CSF )のセキュリティフレーム
ワークを参考にし、かつ国内外の基準および法規(情報通信安全管理法、個人情報保護法、 GDPR 、 BS10012 、 ISO27001 、
ISO27011 等を含む。)に基づき、「情報安全および個人情報リスク管理フレームワーク」を確立した。当社の 業務執行監
督 ・指導 副社長が「 情報通信安全長( CSO ) 」 および 「情報保護長( DPO )」を務め、情報通信安全管理 専任部門を設置
し、法規および新事業の技術発展に照らして、情報通信安全政策全体を統括し、規定および編纂を規範化し、情報通信設
備の安全を情報安全 監視 および共同保護に集中し、もって企業の情報安全リスクを低減し、会社の新興事業の発展を促進
し、顧客に対して安全かつ信頼できるデジタル環境を提供する。
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当社は、リスク管理を指針とし、情報セキュリティガバナンスの成熟度を評価し、毎年、外部環境および内部リスクの評
価結果に基づき、本店の情報通信安全政策および規範を修正し、情報安全および個人情報保護管理を継続的に展開および
改善し、全従業員に対して認知・啓発を行い、全従業員の業績評価項目に組み込み、かつ定期的に内外の監査を実施し、
主 管機関および第三者による認証( ISO27001/ISO27011/BS10012/CSA STAR Certification 等)を取得して、消費者に対し
てより適切な情報安全および個人情報保護を提供する。
● 情報安全リスクの評価分析
2019 年の運営の過程で発生する可能性のある情報安全および個人情報のリスクならびに対応措置は以下のとおりであ
る。
可能性のあるリスクおよびその影響 対応措置
行政院の「情報通信安全管理法」が 「情報通信安全管理法」および関連子法の実施に対
2018 年第三読会にて可決され、 2019 応するため、当社は、既に国内外の法令、法規の要
年1月1日に施行された。 求を遵守しており、当社の情報通信安全政策および
規範を修正し、情報安全および個人情報保護措置を
改善し、全従業員に対して認知・啓発を行い、 かつ
全従業員の業績評価項目に組み込み、もって全体的
な保護能力を継続的に高める。
新興技術 / 事業の増加およびハッ 当社は、モノのインターネット、クラウドコン
カー攻撃の手口の不断の巧妙化によ ピューティング、ビッグデータ等の新興技術の応用
り、安全保護の境界 が曖昧で開放的 に伴い、戦略、管理および技術の3大側面から、 最
になっており、リスクに晒される局 小権限の 原則に則り、ネットワーク層、システム
面が拡大し ているので、情報安全事 層、アプリケーション層およびデータ層から保護を
故又は個人情報の漏えいが発生した 行い、多層的かつ深層的な防御および検出メカニズ
場合、顧客の権益を損ない、会社は ム等を設けることにより全体的な安全保護能力を絶
処罰に直面し、財務的損害を被る。 えず向上させる。
情報安全および個人情報のリスク管理状況については、当社のリスク管理委員会が毎月追跡・管理しており、重要なリ
スクに関する議題がある場合は取締役会監査委員会に提出・報告され、または取締役会に直接報告される。当社は、 2019
年度において情報安全または個人情報の外部への漏えいにより当社の事業に影響を与えておらず、また処罰を受けていな
い。
金利、為替変動、インフレの当社損益に対する影響および将来の対応措置
会社の損益に対する影響
項目 2019 年度 ( 千新台湾ドル、% )
正味金利収支 146,645
為替 ( 損失 ) 利益純額 15,823
営業収益 207,520,061
税引前利益 41,749,792
正味金利収支の営業収益に占める割合 0.07 %
正味金利収支の税引前利益に占める割合 0.35 %
正味為替損益の営業収益に占める割合 0.01 %
正味為替損益の税引前利益に占める割合 0.04 %
注:上記データは当社の連結財務諸表に従い、作成されたものである。
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2019 年 12 月 31 日まで、当社子会社の銀行に対する借入金合計 16.9 億新台湾ドルを除き、親会社は現在如何なる債券も発
行しておらず、借入もしていないため、金利の変動が当社に与える影響は大きくない。
為替レートにおいて、当社の 2019 年の為替レートのリスク回避は、フォワード為替取引( Forward )を主とし、為替
レートのリスクを低下させるため、リスク回避のフレキシブルな割合を維持した。当社は、インフレの影響について、当
社は引き続きインフレについて密接に注意し、近いうちに損益に重大な影響がないと予測している。
ハイリスク、ハイレバレッジ投資、資金の他人への貸付、裏書保証およびデリバティブ商品取引の政策、利益獲得または
欠損の主な原因および将来の対応措置
2019 年度において、当社は資金を他人に貸し付けたことがない。当社および子会社が他人のために裏書保証する状況に
ついて、 2019 年連結財務諸表別紙一を参照されたい。
当社は、デリバティブ商品の操作について保守または謹厳な原則を採っており、またリスクの高い商品の経営を避けて
いる。当社は、将来の金融商品取引のベースとなる、財政政策、リスク回避政策、金融商品取引の授権、作業要領および
標準作業手順等の制度を確立している。
今後の研究開発計画および投入予定の研究開発費用
今後の研究開発計画計 10 項目は下表の通りであり、 2020 年度の研究開発費用は 31.71 億新台湾ドルを投入予定である。
研究開発計画名 計画説明
1 . 無線通信技術 (1) 5G アクセスネットワークおよび Wi-Fi 技術の研究開発
(2)モバイルコアネットワーク技術の研究開発
(3) 5G ネットワーク管理 ・メンテナンス システム技術の研究開発
(4) 5G ワイヤレスネットワーク技術の研究開発
(5)国家時間周波数標準技術の研究
2 . ブロードバンド・ネットワーク技術 (1) IMS 仮想化および通信ネットワークの応用と管理制御技術の研究開
発
(2)光伝送およびアクセスネットワーク技術の研究開発
(3) SDN/NFV 技術およびブロードバンドサービスネットワーク技術の研
究開発
(4)アクセスネットワークの構築およびテスト技術の研究開発
3 . クラウドコンピューティング技術 (1) SDDC ソフトウェア・デファインド・データ・センター技術の研究開
発
(2)クラウド DevOps およびマイクロサービス応用プラットフォーム技術
の研究開発
(3) パブリック クラウドサービス管理技術の研究開発
4 . ネットワーク管理技術 (1)モバイル・固定融合サービスの提供・設置および診断システムの研
究開発
(2)新型サイバーフィジカルネットワークの統合監視制御およびサービ
スインテリジェンス品質保証システムの研究開発
(4)企業クラウドネットワーク 側 単一品質保証システムの研究開発
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5 . 情報通信安全技術 (1)身元認証技術
(2)ブロックチェーン技術
(3) 5G/ クラウドネットワーク融合情報安全技術
(4)情報安全脅威検出技術
6 . 感知・理解およびスマート分析技術 (1)データ分析およびプラットフォーム技術の研究開発
(2)スマート音声制御プラットフォーム技術の研究開発
(3) AI 感知・理解技術の研究開発
7 . スマートビジネス技術 (1)全流通販売およびサービスサイバーフィジカル統合技術の研究開発
(2)製品割引管理技術の研究開発
(3)発注・会計処理技術の研究開発
(4) BSS テスト・検証技術の研究開発
(5)企業顧客関係管理技術の研究開発
(6)顧客相互関係管理技術の研究開発
8 . コンバージェンス・サービス技術 (1)通信コンバージェンス技術および応用
(2)メッセージおよびコンテンツコンバージェンス技術および応用
(3)サイバーフィジカル統合ビデオサービス技術および応用
(4)ビデオコンバージェンス技術および応用
(5)決済プラットフォーム
(6)多様化する決済アプリケーション応用技術
(7)モバイル決済金融統合プラットフォーム
9 . インテリジェントネットワーク技術 (1)スマート省エネ
(2)スマートレール
(3)スマートライフ
(4)スマート看護サービスおよび応用
(5) AIoT プラットフォーム
(6)スマート端末等の技術の研究開発
10. 交通および安全保護技術 (1)ネットワーク配車サービス技術の研究開発
(2)先進交通管理技術の研究開発
(3)スマートセキュリティソリューション
(4)スマート映像識別および分析技術
(5)スマート港湾構想技術の研究開発
国内外の重要な政策および法改正・立法による当社の財務事業への影響および対応措置
● デジタルコンバージェンス法の立法
立法院交通委員会は、 2018 年5月 24 日および 2019 年3月 14 日にそれぞれ「デジタル通信伝播法」草案および「電信管理
法」草案の審査を完了した。「デジタル通信伝播法」草案は第9期立法委員の任期満了により、議決が完了していない法
案は次期においても継続審議されなかった。「電信管理法」は 2019 年5月 31 日に立法院第三読会にて可決され、同年6月
26 日に総統が公布・制定を命じた。施行日は行政院が別途定める。現在、 NCC は規制フレームワークを整備するために関
連法の策定を行っている。「電信管理法」の立法のポイントは、電信事業の経営を特許 / 許可制から登録 制に改め、電信
市場参入のハードルを下げること、一般の業者は最低限必要な一般的な義務を負うだけでよく、主管機関により市場で顕
著な地位にあると公告された者は、非対称規制措置を採ること、国内ローミングおよび周波数譲渡、レンタル、貸与又は
共用等のメカニズムを開放すること、現行電信法により協力が得られる電気通信建設の範囲を縮小することである。「デ
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ジタル通信伝播法」草案のポイントは、インターネットガバナンス原則を導入し、自律および公私協力をインターネット
規制の主要管理原則とすることである。
当社への影響:電信管理法により電信市場参入のハードルが下がるとともに、国内ローミングおよび周波数の柔軟な使
用が開放され、業者間での資源の共有が可能となり、電信市場の競争が更に激しさを増し、かつ一般の業者に対する既存
の 規制 フレームワークおよび負担義務が大幅に緩和されるのに比べ、当社は特定電信サービス市場において主務機関に市
場で顕著な地位にあると改めて認められる可能性が高いため、依然として規制の程度が比較的高い特別義務を負うことが
想定される。なお、 現行の電信法により協力が得られる電気通信建設の範囲が縮小され、電信ネットワーク建設の難度が
高くなることが予想される。
当社の対応措置:当社は現在、戦略転換を加速させており、多角的かつ長期的な配備を行っている。サービスを差別化
し、新たなサービスを展開することにより市場における競争の優位性を強化する。
● モバイルブロードバンド事業における 5G 免許割り当て
NCC は、 2019 年8月 28 日に 5G 第一波の免許割り当てに関する公告を行った。 1800MHz 、 28000MHz および 3500MHz の 周波数 帯
域の計 2790MHz の 周波数 を割り当て、 5G 事業の使用に供する。入札は 2019 年 12 月 10 日に開始され、 2020 年2月 21 日に終了
した。 3500MHz の周波数帯域については、当社、遠伝電信、台湾大哥大および台湾之星が落札し、当社は 3420MHz ~
3510MHz のブロックを取得した。 28000MHz の周波数帯域については、当社、遠伝電信、台湾大哥大および亜太電信が落札
し、当社は 27900MHz ~ 28500MHz のブロックを取得した。 1800MHz の周波数帯域についてはいずれの業者も落札しなかっ
た。
当社への影響: 5G 周波数の価格競争は熾烈であり、業者の経営コストが増加する。
当社の対応措置:当社は、最大帯域幅および当社にとって最も有利な周波数の位置を取得し、積極的にモバイルブロー
ドバンドネットワーク建設に取り組み、ネットワークの品質を継続的に強化し、顧客に対してより良質なモバイルブロー
ドバンドによるインターネットアクセス体験を提供し、かつ各種の 5G 応用 サービスの発展に尽力する。
● NCC が公告した電気通信事業料金調整係数 X 値
NCC は 2017 年3月8日、新たな 電気通信事業料金 調整係数 ( X 値 )の修正を公告し、市内ネットワーク事業、長距離ネッ
トワーク事業の市場主導者が提供する xDSL 回線の 月当たりのレンタル料( FTTH 、 FTTB 、 ADSL および 上下速度が 100Mbps を
超える回線を 除く。)に対して、 X 値 を 3.19 %と決定した。データ回線の月当たりのレンタル料 、インターネット事業相
互接続周波数帯域双方相互接続費等の卸売り5項目の X 値 を 5.1749 %とし、連続して3年値下げした。市場主導者のその
他の 主要な料金項目について、 X 値はΔ CPI と決定され、値上げをしてはならない。次の X 値について、 NCC 委員会は、 2020
年2月 26 日に審議・可決し、3月に公告する予定である。適用期間は 2020 年4月1日から 2024 年3月 31 日までであり、市
内インターネット事業、長距離インターネット事業の市場主導者が提供する xDSL および FTTx 回線の月あたりのレンタル料
( ADSL 、下り速度 12Mbps 以下および下り速度 300Mbps 以上の回線を除く。)に対して X 値を 2.15 %と決定した。データ回線
の月あたりのレンタル料、 インターネット事業相互接続周波数帯域双方相互接続費等の卸売り5項目の X 値 を 7.48 %と
し、市場主導者のその他の 主要な料金項目について、 X 値はΔ CPI と決定され、値上げをしてはならない。
当社への影響:連続して一部の固定ネットワーク 料金が値下げされるため 当社の営業収益に影響を及ぼすと当社は予測
している。
当社の対応措置:積極的に革新しかつ付加価値サービス事業を革新し、市場におけるビジネスチャンスを開拓し、これ
により X 値が当社の営業収益に与える衝撃を低下させることを望んでいる。
● NCC が公告した携帯電話接続料
NCC は 2017 年 11 月1日に「電気通信事業ネットワーク相互接続管理方法」第 14 条および第 17 条を修正・公布し、かつ、
同年 11 月8日に「第三世代移動通信事業者およびモバイルブロードバンド事業者による接続費の上限」を公告し、国際電
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話移動通信ネットワークの通信料 ( 接続料を含む ) は双方の業者が協議して決定することを維持するが、その他の接続料の
比率は、 2017 年 11 月1日から、以前の1分間 1.15 新台湾ドルから、 2020 年までに徐々に1分間 0.571 新台湾ドルの価格区
間 まで値下げし、実施期間は 2017 年1月1日から次回の NCC による実施公告日までである。
当社への影響: 2017 年から 2020 年までの間、接続料率の値下げとともに、当社の接続料の収入および支出が減少し、モ
バイル事業における市場価格の競争態勢が活発化することが予想される。
当社の対応措置:当社は法令に従い対応する。
● NCC が承認した当社の固定ネットワーク接続料
NCC は、 2018 年9月 26 日、当社の固定ネットワーク接続料の承認を可決した。市内電話および長距離通信はこれまでの
接続料が維持される。モバイルネットワークから市内電話を掛ける際の接続料は値下げされ、これまでの通常時間帯にお
ける毎分 0.4851 新台湾ドルが 0.4383 新台湾ドルに値下げされ、割安時間帯における毎分 0.2531 新台湾ドルが 0.2148 新台湾
ドルに値下げされた。実施期間は 2019 年1月1日から 2022 年 12 月 31 日までである。
当社への影響:当社の市内電話の市場シェアは高く、固定ネットワーク接続料が値下げされた場合、当社の固定ネット
ワーク接続料の収入が減少する。
当社の対応措置:当社は法令に従い対応する。
科学技術の改善および産業の変化による当社の財務事業への影響および対応措置
● 光ファイバー接続および伝送ネットワーク技術
映像およびスマートファミリーライフサービス市場の発展、 Cable 等の競業する 500M ~ 1Gbps ブロードバンド市場の競
争、ならびに 政府 DIGI+ 方案超高速ブロードバンド「 2020 年 1Gbps カバー率 90 %達成、 2025 年 2Gbps カバー率 90 %達成」と
いう 政策目標に対応するため、当社は、 2019 年から継続してブロードバンドの高速化により事業を拡大し、既存設備の使
用率を高め、光ファイバー未カバー地域において光ファイバーを積極的に構築し、カバレッジを拡大し、 XGS-PON および
NG - PON2 等の新技術を研究・導入し、もって一般家庭の顧客に最高 1Gbps 、企業顧客に 1Gbps 以上の超高速ブロードバンド
インターネットアクセスサービスを提供し、 当社の ブロードバンド競争の優位性を強化し、 Cable 等の競業する帯域幅に
おける リードを拡大し、高速ブロードバンド サービスの営業収益および利益を生みだした。また、 ブロードバンドユー
ザーおよび企業顧客の通信量の急激な増加に対応するため、基幹伝送ネットワーク ( Optical Transport Network 、 OTN)
の 1 波長 100Gbps を引き続き 200Gbps にグレードアップし、将来的には 400Gbps 以上にグレードアップする。このほか、積
極的に光世代高速ユーザーが家庭用 Wi-Fi を賃借する製品を市場に投入し、かつ、マルチ・クラウド・デジタル・コン
バージェンス・サービス( MOD 、 Hami+ 、 hichannel 等)、 KKBOX および e-Home 等ブロードバンド付加価値製品のパッケージ
と組み合わせ、光世代製品の差別化と魅力を高め、ブロードバンド付加価値サービスの営業収益の向上を生み出した。
2019 年の 4G LTE 基地局拡大建設の需要に対応し、企業顧客向け市場における 4G LTE backhaul 回線および超高速データ
業務のビジネスチャンスを獲得し、かつ都心部の収集整理機械室の通信量を緩和するため、 PTN ( Packet Transport
Network )システムを建設し、これを 100Gbps にグレードアップし、もって当社の超高速データ回線事業の競争力を高め
た。また、当社の国際通信事業の成長および競争力を高めるため、引き続き台湾・澎湖列島・金門間、アジア太平洋間、
台湾米国間、台湾ヨーロッパ間等の国際海底ケーブル帯域幅の拡充を推進し、新太平洋横断ケーブル( New Cross
Pacific Cable 、 NCP )に投資し、かつこれを建設し、東南アジア-日本2号( Southeset Japan Cable2 、 SJC2 )海底ケー
ブル等に投資し、当社の海底ケーブルネットワークを強化し、もって高品質なネットワークの優位性により国際新興市場
におけるビジネスチャンスを勝ち取り、経営全体の優位性を高め、収益を増加させた。
● SDN/NFV ネットワーク技術
開放性、プログラミング性、仮想化といったネットワーク技術の方向に移行し、世界的な主な通信業者はソフトウェ
ア・デファインド・ネットワーキング (Software Defined Networking 、 SDN)/ ネットワーク機能仮想化 (Network
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Function Virtualization 、 NFV) ネットワーク技術の発展に重点を置いている。当社は既に情報通信ネットワーク( ICT
Infra )サービス案の研究開発に成功し、完全な SDN 制御、ソフトウェア・デファインド・データ・センター (Software
Defined Data Center 、 SDDC) 、ネットワーク機能仮想化管理フレームワーク( MANagement and Organization 、 MANO )、
および end-to-end 統合オーケストレータ( Orchestrator )等のクラウドネットワーク融合技術を確立している。 ICT
Infra サービス案は企業ネットワークに応用することができ、 2018 年8月に当社本店の工業団地ビルが先行使用し、国内
において大型 SDN ネットワークおよびソフトウェア・デファインド・データ・センターの展開に成功した最初の電気通信
業者となった。その 90 %を超える SDN 設備は国内ネットワーク通信製造業者が製造したものであり、これは国産の SDN 設備
の技術が既に成熟していることを示す。将来的には、 5G モバイルネットワーク、固定ネットワークおよびデータネット
ワークも続々と SDN およびびクラウドネットワーク融合フレームワークを導入する。なお、当社は、国内業者と協力して
より先進的なスマート化情報通信サービスを提供し、企業ネットワーク、キャンパスネットワーク、モノのインターネッ
ト等の多数の分野においてビジネスチャンスも切り開いた。
当社は、 2019 年5月に VMware と提携して SD-WAN を用いて全世界を股にかけた Hybrid ネットワーク融合サービスを展開し、
スマートサービスの導入を 契機に 企業ネットワークサービスアーキテクチャを電気通信 レベル ネットワーク統合管理モデ
ルに アップグレード し、もって多国籍企業の高品質国際ネットワークサービスに対するニーズを満たした。
● 無線新技術
無線新技術の発展は目まぐるしく、当社は長期にわたり先進技術開発に取り組んでおり、国内外の 4G/5G 組織による規
格の制定および研究に参加しており、 3GPP 、 NGMN などを含む次世代の移動通信新技術の発展を高度に把握すると同時に、
世界初である LWA ( LTE-WLAN Aggregation ) 4G+Wi-Fi によるネットサーフサービス、 VoLTE のハイビジョン通話サービス、
独自の 5CA ( Carrier Aggregation )搬送波集合技術、自主開発 IoT プラットフォームを含む 4G LTE 技術の発展を引き続き
牽引・推進し、 NB-IoT および Cat M1 モノのインターネットサービスを推進した。国際標準化機構 3GPP は、 2019 年6月、 5G
の第一段階での標準を完了し、 2020 年末には完全な標準を制定する見込みである。当社は、積極的に 5G を配備し、 2018 年
1月に「台湾 5G 産業発展聯盟 - 中華電信領航隊」を発足し、既に国内外の産官学による約 70 の機構および企業と協力して
おり、共同で隅から隅まで 5G 産業チェーンを構築し、革新的アプリケーションを試験し、かつ 2020 年における台湾 5G の試
行前の商業化実現を目標とし、国内の 5G サービス及び産業発展の推進を加速させ、引き続き国内通信サービスの進歩を牽
引する。
NCC は、 2020 年2月 21 日に 5G 第一波の免許割り当ての入札を実施し、 3.5GHz 周波数帯域における 270MHz および 28GHz 周波
数帯域における 1600MHz を割り当てた。当社は、 3.5GHz および 28GHz の周波数帯域についていずれも最大帯域幅を取得して
おり、積極的に 5G ネットワーク建設を展開し、 2020 年第3四半期に 5G サービスの提供を開始する予定であり、これにより
市場の地位を固め、ユーザー体験を向上させ、応用サービスを刷新し、垂直統合により、モバイルブロードバンドサービ
ス の 発展における長期的 優位性 を築く。
● IPTV 技術
OTT およびスマートテレビの台頭により、 IPTV プラットフォーム新技術は開放・閉鎖・融合に向けて発展し、 MOD プラッ
トフォームは上々に閉鎖式から半開放式経営にモデル転換し、マルチクラウドサービスの能力を強化し、ブランドの端末
設備業者およびテレビメーカーと提携し、消費者の立場から、よりヒューマナイズした UX/UI および新機能を提供し、
ビックデータを応用して、的確にユーザー好みの動画をおすすめし、かつ、マルチ設備と整合し、理想的な家庭メディア
使用環境を実現させ、自由な視聴体験を提供し、全面的なコンバージェンス・サービスを作り上げた。また、 帯域幅高速
化の価値を発揮させるため、 MOD/OTT サービスプラットフォームは良質なデジタルコンテンツによって 超高解像度 4K のビ
デオオンデマンド、ライブビデオ 、インタラクティブ動画サービスを提供 し、 国内動画および ソフトウェア業者 とともに
新サービスを研究開発・創造し、新たなビジネスチャンスを開拓する 。
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MOD アプリケーションサービスは TV Apps に発展し、インターネットの既存の技術的な強みに合わせる予定であり、例
えば、 OTT ネット・メディア、コンサートライブ放送、 SMS でのシェア、クラウドゲーム、 AR 応用 、 関連する動画のおすす
め、広告、マルチ・インタラクティブ等の各種の付加価値サービスを導入し、今後さらに開放式仕組および標準化プラッ
ト フォームとなり、同時にブランドを有する端末業者と提携し、マルチ装置 ( 例えば、タブレット PC 、スマートフォン、
OTTbox 、スマートグラス等 ) を整合させ、マルチ・インタラクティブのユーザー体験環境を作る。 2019 年、当社は健康管
理および看護、スマート音声制御、ホームオートメーション、安全センサーおよび保護等を継続的に推進し、将来のホー
ムスマートライフおよびエンターテインメントに対するニーズを満たし、かつブロードバンドの速度向上、固定ブロード
バンドの最後の競争上の優位性の強化および収益の増加を促進した。
● クラウドコンピューティング技術
クラウド事業は既に 3000 社を超える各種企業および個人の顧客が使用しており、 2019 年も引き続き hicloud サービスを
普及させ、マルチクラウドサービス、 GPU コンピューティング、ハイブリッドクラウド、ソフトウェア・デファインド・
データ・センター( SDDC )等のサービスを展開し、 AWS 、 Azure 、 VMware Cloud Provider Plan の提携パートナー資格を取
得して新興市場におけるビジネスチャンスを開拓した。企業および政府による市場推進においては、 2019 年に hicloud お
よび AWS/Azure/Google Cloud Platform ( GCP )国際パブリッククラウド事業者戦略提携を通じて、政府・教育機関、情報
通信産業および中小企業が速やかにクラウドにアップロードできるよう協力した。 2020 年は AI 、ビッグデータ、コンテナ
化されたサービスおよびマルチクラウドプラットフォームの統合 に重点を置き 、また、クラウドに情報をアップロードで
きない 顧客 がソフトウェア・デファインド・データ・センター( SDDC )のサービスを介して自らプライベートクラウドの
構築ができるよう積極的に協力し、情報 の格納場所に対するニーズを満たした 。当社は、経済部工業局による 2019 年にお
ける共同供給契約のクラウドサービス評価選考に参加し、クラウド仮想化資源カテゴリーにおいて既に5年連続で業者第
1位となる評価を得て政府機関が購入する第1位に選ばれた。また、 2019 年には認証を経て ISO 27001 、 ISO 27011 、 ISO
27017 および ISO 27018 の4つの国際情報安全認証を取得し、かつ GDPR 情報保護規範の適法性審査の導入を完了しており、
情報安全リスクを効果的に低減することができる。
● モノのインターネット技術
当社は 10 年を超えてモノのインターネット分野において従事しており、クラウド、情報安全、ビッグデータ、 AI および
AR 等の基幹技術を組み合わせて AIoT ビッグプラットフォームを自社で開発したことに加え、分野を越えた産・学連携およ
び応用を導入し、さらにスマートファミリー / 建築、スマートエネルギー、スマート交通、スマートシティおよびスマー
ト看護等の応用分野における生態系を積極的に発展させ、デジタル新時代の幕開けを告げる。
当社は現段階において既に行き届いたモノのインターネットサービスを有しており、顧客のニーズを満たし、 NB-IoT 、
CatM1 および固定ネットワークブロードバンド伝送技術を提供し、もって各種業界の異なる応用ニーズを満たし、かつ毎
年 AIoT ハッカソン大会および革新応用大会を開催し、 CHT AIoT ビッグプラットフォームを普及させており、現在、 CHT
AIoT ビッグプラットフォームの顧客は約 6,000 であり、既に 60 万個の装置に 取り付けられている。これには 、スマート交
通、スマート観光、スマート農業、スマートセキュリティ、スマート環境、スマート建築およびスマートファミリーを含
む。
● 人工知能技術
人工知能は、サービス及び製品を更にスマート化し、更に人間化することができる。当社は、当該科学技術および産業
変化に対応するため、人工知能に積極的に投資し、内から外までスマートカスタマーサービス、スマートメンテナンス、
スマートセキュリティ、 AI セマンティッククラウド等の応用分野に着目し発展させた。 2019 年3月には対外的に文字によ
るカスタマーサービスロボットおよび AI セマンティッククラウドサービスをリリースしており、電気通信行動シグナル、
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クラウド映像ビッグデータおよび IoT モノのインターネット技術を組み合わせて、旅行時間予測、人波分析およびスマー
トシティ等を含む革新的な応用サービスを提供し、これにより新興事業の収益を増加させる。
企業イメージの変更が企業の危機管理に与える影響および対応措置
● 当社の直近年度の優良企業イメージは変わっていない。
● 当社は引き続きインフラおよび事業サービスを改善し、政府の法規を遵守し、企業統治を強化し、長い時間にわたり
既に利害関係者の心の中に品質が高く、信頼でき、かつ誠実で信用できる等のイメージを確立しており、 2019 年の信
頼、サービス、革新および社会責任等の面において、国内外において広く認知され、数多くの好評と褒賞を受けた。
買収を行うことに関する予想利益、可能性のあるリスクおよび対応措置
● 予想利益
再投資を通じて、資源の相互補充を求め、事業の範囲を拡大、会社に成長させ、業績の目標を達成させる。
● 可能性のあるリスク
投資・評価の情報の不足または誤りは、投資政策の正確性に影響した。再投資事業の経営に重大な相違が発生しまたは
その業績が振るわない。
● 対応措置
・ 投資評価の情報の不足または誤りの防止
謹厳な評価審査作業手続を確立し、かつ実務の需要に従い、適時に検討および修正を行う。
再投資前に現地調査および持分評価を行い、情報の充分さを高めるため、実況に応じて、弁護士、会計士および投資銀
行を招聘し、関連する法務、財務および株価の評価に協力させる。
・ 再投資事業の経営に重大な相違が発生しまたはその業績が振るわないことの防止
速やかに運営の概況および業績達成の可能性を把握するため、子会社はリスク管理システムを導入し、定期的に再投資
事業の経営業績および評価運営のリスクを分析することに協力する。
定期的に再投資事業の運営計画と実際の実行との間での相違を監視分析し、適時に改善を指導し、かつ対応措置を採
る。
当社と関連企業間の業務協調メカニズムを確立し、グループの総合的な効果を発揮するのに役立つ、そして再投資事業
の経営業績を改善させる。
工場建物の拡大に関する予期利益、可能性のあるリスクおよび対応措置
当社は、生産事業を行っていないため、適用しない。
貨物購入および貨物販売の集中に直面するリスクおよび対応措置
顧客の端末設備(携帯電話、タブレット PC 等)を購入し、その価格またはその他の要素により顧客のニーズに合わない
場合、端末設備の販売が予定目標に達成できず、在庫リスクが生じる可能性がある。対応措置は以下のとおりである。
● 端末設備の購入数量は協議の方法により行い、実際の注文量が価格、販売の状況および在庫レベルにより別途回数に
分けて注文を行う。注文していない余った枠は納品が取り消されたものとみなし、契約は自動的に終了し、携帯電話
の在庫数を有効に管理する。
● 在庫管理:定期的に仕入 / 販売 / 在庫報告書を作成し、商品の販売および在庫の回転状況を追跡する。
● 価格調整:既存の端末設備販売管理方法に従い、価格の管理・コントロールを行い、市場の供給と需要及び競争状況
を確認して販売価格を調整する。
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● 異なる業種との連盟による販売ルートの増加:その他の業種と提携して販売促進を行い、販売量を高める。
取締役、監査役または持分が 10 %以上の株主の持分の大量な移転または交換が会社に与える影響、リスクおよび対応措置
なし。
経営権の変化が会社に与える影響、リスクおよび対応措置
なし。
重大な訴訟、非訟または行政訴訟事件
以下「第6 3 その他」を参照されたい。
その他の重要なリスクおよび対応措置
2019 年には4月 18 日に花蓮地震、台風 Danas 、台風 Lekima 、台風 Bailu 、台風 Mitag が連続して発生した が、当社は災害
期間に緊急対応チームを設立し、各運営維持部門が人力と物資を手配することを指導監督し、積極的に災害の緊急救援お
よび電気回線の支援作業を行い、出来る限り早く顧客のために正常な通信を回復させた。
地震、台風、豪雨など自然災害によるインターネット運営の影響およびその対応措置:
● 潜在的なリスク
台湾は自然災害が頻繁に発生する地区に位置しており、各種の通信ネットワーク施設が極めて損害を受けやすいため、
被災地区の通信が比較的大きい規模の災害を受けた場合、顧客の通信および災害情報の中断が生じる可能性があり、ひい
ては通信孤島になり、災害の救助、生命・財産の安全と当社の営業収益に重大な損失を与える可能性がある。世界経済
フォーラムが公表した「グローバル・リスク・レポート 2020 」によると、インフラに対するサイバー攻撃は短期的リスク
の第5位に位置付けられている。当社は、国の重要インフラの提供者であり、一旦大規模なサイバー攻撃を受けると、国
内の通信サービスに影響を与え、ひいては国の安全、社会公共の利益、国民生活や経済活動にも影響を与える恐れがあ
る。
● 対応措置
・ 「自然災害緊急対応および補修作業規範」を制定する予定である。
当社は「自然災害緊急対応および補修作業規範」を完了しており、各級の運営維持部門による緊急対応および補修作業
の根拠として、災害全体の防止組織、災害防止・救済資源の整備および調整、緊急対応および補修作業の手順等につい
て、それぞれ関連する準則を作成しており、上記を通じて速やかに被災地区の基本通信を回復させ、急難救援の緊急連絡
を提供し、かつて通信サービスの中断時間を短縮した。
・ 固定ネット通信
当社は災害損失の拡大を防止するため、都会に遠く離れた地区の多ルート化中継伝送、無線バックアップ・ルート、予
備電力の容量の増加、国際海底ケービル・バックアップ等の措置を採っており、災害防止・抵抗の全体的な能力を上昇さ
せ、かつ、毎年ネットワークおよび設備の調整および補修訓練を行い、災害防止・救済の熟達度を増加し、災害損失を低
下させた。
・ 移動通信
自然災害の発生により移動通信が中断された場合、当社はマイクロ波や衛星(人力で背負うものまたはヘリコプターで
運送するもの)を通信の移動式基地台として乗用車型またはオフロード車型の基地局車を用意しており、被災地区の環境
状況に応じて、最短時間で外部と通信を行う移動基地局を速やかに設置することができる。
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また、蘇花、南回、阿里山道路等の単一出入口の重要な交通幹線では、沿線の基地局の建設や無線電波複式カバーを強
化するほか、定期的に防災訓練を行い、沿線の移動通信ネットワークの正常運転を確保した。当社の「災害緊急対応情報
通 報システム」は、特定のエリアに対し緊急速報を発信することができ、当該特定エリアへの住民の進入防止や早期避難
準備などを通知することにより、安全保障と生命・財産の保護することができるため、ユーザーから高い評価を得てい
る。公路総局は当システムを蘇花公路沿線に利用しており、また、各政府機関(県市政府、水利署、台湾電力会社および
消防局など)の防災訓練時にも採用されていることからも、効果が高く、政府や一般市民から高い評価を得ていることが
分かる。
・ 無線通信 ( マイクロ波通信システム )
現在、台湾対金門、台湾対馬祖の間には3本の光ケーブルを設置しており、良好な通信品質を提供し、さらにはマイク
ロ波および衛星による予備援助を提供している。
台湾対金門の間のマイクロ波について、既に9本の DS3 マイクロ波バックアップ・システムを設置しており、主に伝送
のバックアップとし、海底ケーブルの異常時に、自動的にマイクロ波バックアップ電気回線に切り替えて使用することが
できるため、当該地区の移動通信の信頼度を高め、また、金門の衛星局では、海底ケーブルおよびマイクロ波システムの
異常障害発生時に 2T1 音声電気回線を緊急使用することができる。
台湾対馬祖の間のマイクロ波について、現在、5本の STM-1 デジタルマイクロ波システムがあり、主に伝送バックアッ
プとし、そのうち1本の STM-1 は普段トラフィックを転送し監視を行い、システムの信頼度を確保している。また、馬祖
の衛星局では、海底ケーブルおよびマイクロ波システムの異常障害発生時に 4T1 音声電気回線を緊急使用することができ
る。
台湾本島の離島に対する通信の順調を維持することには重大な意味があり、電気回線の安定性は非常に重要であること
を考慮して、当社は、金門と馬祖を除き、台湾本島のそのほかの各離島に対する主要なマイクロ波ルートおよびバック
アップ・ルートの設置を持続的に強化した。通信の順調を確保するため、小琉球、蘭嶼、緑島の各離島の対外ブロードバ
ンドにはそれぞれ 5,900 、 1,395 、 1,395Mbps のブロードバンドを設置しており、もって各離島の通信ニーズに応える。
・ データ通信
当社の HiNet ネットワークはマルチ・ルートおよび高信頼性を有するネットワークバックアップメカニズムを採ってお
り、かつ、随時各ルートのトラフィック量を監視および疎通している。国際ルートの面において、単一ルートの障害時に
外部に連絡するトラフィックのビジーまたは不通を避けるため、複数の海底ケーブルシステムの分散式海底ケーブル・
ルートを使用し、同時に国外業者と提携して国際直接接続総合ブロードバンドを増加し、国際ネットワーク・アクセスの
通信品質を高めた。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
当社主要事業の直近3年間の事業比率は以下のとおりである。
12 月 31 日に終了する年度
2017 年 2018 年 201 9 年
営業収益
国内 固定通信事業 31.3 % 31.0 % 31.7 %
移動 通信事業 48.1 % 46.9 % 46.0 %
ネットワーク事業 12.6 % 13.8 % 14.5 %
国際固定通信事業 6.0 % 6.2 % 5.5 %
その他 2.0 % 2.1 % 2.3 %
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合計 100 % 100 % 100 %
2019 年度の事業比率に関して、 国内固定通信事業の 営業収益が音声事業の慢性的な衰退、ブロードバンド・ネットワー
クの価格引下げおよび競争の影響を受けたため、小幅ながら減少したものの、企業顧客向け専用スタンダード事業はス
マート建築およびスマート省エネの成長ならびに MOD 顧客の増加により営業収益が増加したので、国内固定通信の営業収
益に占める割合は 2018 年と比べ増加した。移動通信の営業収益に占める割合は引き続き市場競争および無料通信ソフト
ウェアの影響を受けたため 2018 年同期と比べ減少した。ネットワーク事業の営業収益に占める割合は応用付加価値および
政府サービス事業が伸びたので 2018 年同期と比べ増加した。
主要な事業内容については、「第2 3 事業の内容」を参照されたい。
(2)生産、受注及び販売の状況
直近2年間の生産量は以下のとおりである。
(設備数)
主要製品 2018 年 2019 年
国内 固定通信事業 市内ネットワーク 16,936,487 件 15,993,445 件
長距離ネットワーク 1,390,766 件 1,400,516 件
ブロードバンドインター 10,720,890 件 10,948,316 件
ネ ッ ト ア ク セ ス
(ADSL+FTTx)
MOD ネットワーク (STB) 2,565,800 件 2,691,313 件
(注)
移動通信 モバイルネットワーク 18,820,000 件 18,820,000 件
インターネット HiNet ブロードバンド・ 5,516,000 件 5,489,000 件
ネットワーク
国際固定通信 国際 インターネット 191,436 件 159,616 件
注: MOD 設備数の説明(オンライン使用数および在庫数) : 2018 年の合計購入数 2,565,800 件に 2019 年の購入数 500,000
( 2019 年度提出資料を基準とする。)件を加え、 374,487 件を交換したので、合計は 2,691,313 件となる。
直近2年間の販売量は以下のとおりである。
主要製品 201 8 年 2019 年
販売量 売上 販売量 売上
( 億新台湾ドル ) ( 億新台湾ドル )
国内固定通信事 市内 ネットワー 1,042.1 万世 帯 275.7 1,016.3 万世 帯 257.3
業 ク
長距離 ネット 2,087.3 百万分 24.3 1,804.8 百万分 22
ワーク
ブロードバンド 448.3 万世 帯 183.0 440.5 万世 帯 179.8
ア ク セ ス
(ADSL+FTTx)
MOD 201 万世 帯 32.6 208.2 万世 帯 36
移動通信事業 モバイルネット 1,059.4 万世 帯 639.1 1,064.9 万世 帯 587
ワーク
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インターネット HiNet ブロードバ 368.4 万世 帯 298.1 362.4 万世 帯 300.9
事業 ンド・ネット
ワークおよび付
加価値
国際固定通信事 国際インター 764.6 百万分 134.3 485 百万分 114.9
業 ネット ( 注) (注)
注:発信の通話時間のみを計算したものである。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
財務状態
直近2年度の連結財務状況の比較分析表
単位:千新台湾ドル
2019 年 12 月 31 日 2018 年 12 月 31 日
項目/年度 増(減)額 変動比率( % )
流動資産 94,072,062 91,688,336 2,383,726 3
有形固定資産 283,694,215 288,914,228 (5,220,013) ( 2 )
無形資産 47,046,525 50,943,682 (3,897,157) ( 8 )
その他の資産 52,645,436 35,722,458 16,922,978 47
資産合計 477,458,238 467,268,704 10,189,534 2
流動負債 64,351,545 61,387,021 2,964,524 5
非流動負債 26,712,928 19,309,363 7,403,565 38
負債合計 91,064,473 80,696,384 10,368,089 13
資本金 77,574,465 77,574,465 0 0
資本準備金 171,255,985 171,136,764 119,221 0
剰余金 126,591,245 127,391,229 (799,984) ( 1 )
その他の資本項目 688,548 459,914 228,634 50
非支配持分 10,283,522 10,009,948 273,574 3
資本合計 386,393,765 386,572,320 (178,555) 0
20 %を超える増減比率の変動分析: