株式会社加地テック 有価証券報告書 第87期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 近畿財務局長
【提出日】 2020年6月26日
【事業年度】 第87期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
【会社名】 株式会社加地テック
【英訳名】 KAJI TECHNOLOGY CORPORATION
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 鈴 木 博 士
【本店の所在の場所】 大阪府堺市美原区菩提6番地
【電話番号】 072(361)0881(代表)
【事務連絡者氏名】 常務取締役 上 田 成 樹
【最寄りの連絡場所】 大阪府堺市美原区菩提6番地
【電話番号】 072(361)0881(代表)
【事務連絡者氏名】 常務取締役 上 田 成 樹
【縦覧に供する場所】 株式会社加地テック東京支社
(東京都江戸川区臨海町三丁目6番4号 ヒューリック葛西臨海ビル4
階)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
1/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
回次 第83期 第84期 第85期 第86期 第87期
決算年月 2016年3月 2017年3月 2018年3月 2019年3月 2020年3月
売上高 (千円) 5,424,700 5,072,003 4,364,806 5,407,014 6,378,578
経常利益 (千円) 504,060 360,078 226,470 250,770 378,289
当期純利益 (千円) 319,279 251,576 158,258 158,877 253,995
持分法を適用した
(千円) ― ― ― ― ―
場合の投資利益
資本金 (千円) 1,440,000 1,440,000 1,440,000 1,440,000 1,440,000
発行済株式総数 (株) 17,180,000 17,180,000 1,718,000 1,718,000 1,718,000
純資産額 (千円) 5,638,496 5,785,459 5,842,321 5,902,196 6,089,795
総資産額 (千円) 8,260,108 7,928,123 7,889,029 8,273,937 8,783,804
1株当たり純資産額 (円) 340.49 3,494.11 3,529.33 3,565.56 3,679.31
1株当たり配当額
6.00 6.00 60.00 40.00 40.00
(円)
( ―) ( ―) ( ―) ( ―) ( ―)
(1株当たり中間配当額)
1株当たり当期純利益 (円) 19.28 151.93 95.59 95.98 153.45
潜在株式調整後
(円) ― ― ― ― ―
1株当たり当期純利益
自己資本比率 (%) 68.3 73.0 74.1 71.3 69.3
自己資本利益率 (%) 5.8 4.4 2.7 2.7 4.2
株価収益率 (倍) 19.2 19.1 29.5 26.8 10.8
配当性向 (%) 31.1 39.5 62.8 41.7 26.1
営業活動による
(千円) △ 23,392 45,300 541,483 43,108 11,039
キャッシュ・フロー
投資活動による
(千円) △ 1,682,740 △ 352,616 △ 340,783 111,896 446,986
キャッシュ・フロー
財務活動による
(千円) △ 34,476 △ 169,984 △ 170,124 △ 108,921 △ 106,704
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物
(千円) 956,515 479,215 509,790 555,874 907,196
の期末残高
従業員数 (名) 193 198 196 190 196
〔ほか、平均臨時雇用人員〕 〔 23 〕 〔 20 〕 〔 17 〕 〔 19 〕 〔 28 〕
株主総利回り (%) 84.3 67.6 67.1 62.4 42.8
(比較指標:配当込みTOPIX) ( 89.2 ) ( 102.3 ) ( 118.5 ) ( 112.5 ) ( 101.9 )
最高株価 (円) 463 404 3,340(329) 2,948 2,800
最低株価 (円) 307 239 2,739(272) 2,077 1,600
2/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
(注) 1 当社は、連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移について
は、記載しておりません。
2 売上高には、消費税等は含まれておりません。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4 持分法を適用した場合の投資利益については、対象となる関連会社がないため記載を省略しております。
5 普通株式について、2017年10月1日を効力発生日として10株を1株に株式併合しております。これに伴い、
1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益は、第84期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、算定
しております。なお、第84期の1株当たり配当額につきましては、当該株式併合前の実際の配当額を記載し
ております。
6 株主総利回りについては、当該株式併合による影響を考慮し、算定しております。
7 最高・最低株価は、東京証券取引所市場第二部におけるものであります。また、最高・最低株価の第85期に
つきましては、株式併合後の最高・最低株価を記載し、株式併合前の最高・最低株価は( )にて記載してお
ります。
3/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
2 【沿革】
1905年5月 加地弁二氏が繊維機械の製造を目的として、大阪市桜川町に加地鉄工所を設立しました。
1914年10月 堺市三宝町に移転しました。
1934年2月 事業の発展に伴い、株式会社加地鉄工所(資本金30万円)に改組すると共に、空気圧縮機を製造
品目に加えました。
1950年8月 丸紅株式会社の資本参加を得ました。
1958年10月 東京都千代田区に東京営業所(1989年4月東京支社に改称)を開設しました。
1962年7月 大阪証券取引所市場第二部に上場しました。
1962年9月 名古屋市中区に名古屋出張所(1991年10月名古屋支店に改称・2000年3月閉鎖)を開設しまし
た。
1963年3月 資本金を2億4千万円に増資しました。
1964年6月 美原工場(現本社・工場)を完成しました。
1964年12月 本社を現在地に移転しました。
1974年4月 資本金を3億円に増資しました。
1978年1月 資本金を4億円に増資しました。
1979年9月 資本金を5億円に増資しました。
1985年5月 資本金を8億7千万円に増資しました。
1988年3月 決算期を10月31日から3月31日に変更しました。
1990年9月 東京支社を東京都新宿区に移転しました。
1991年8月 資本金を14億4千万円に増資しました。
1991年10月 社名を株式会社加地鉄工所から株式会社加地テックに変更しました。
1994年7月 千葉県船橋市にサービスセンターを開設しました。
1997年1月 品質管理と品質保証の国際規格であるISO9001を認証取得しました。
2000年11月 大阪市中央区に大阪支店を開設しました。
2000年12月 環境マネジメントに関する国際規格であるISO14001を認証取得しました。
2003年4月 サービスセンターを千葉県習志野市に移転しました。
2003年8月 本社に天然ガススタンドである加地エコ・ステーションを開設しました。
2011年5月 大阪支店を大阪市浪速区に移転しました。
2015年1月 筆頭株主が丸紅株式会社から三井造船株式会社(現 株式会社三井E&Sホールディングス)とな
り、三井造船株式会社(現 株式会社三井E&Sホールディングス)との間で資本業務提携契約を締
結しました。
2015年3月 大阪支店を本社へ統合しました。
2017年3月 三井造船株式会社(現 株式会社三井E&Sホールディングス)が当社株式を公開買付けにより取得
し、当社の親会社になりました。
2019年5月 サービスセンターを東京支社へ統合するとともに、東京支社を東京都江戸川区に移転しまし
た。
4/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
3 【事業の内容】
当社は、圧縮機の製造販売を主たる事業としております。
当該事業においては、主力である空気及びガス圧縮機等の風水力機械、産業機械およびその他諸機械の製造販売、
空気及びガスの圧縮充填ならびに販売、機械器具設置工事、電気工事、とび・土工工事及び管工事の請負工事等を
行っております。
当社は、株式会社三井E&Sホールディングスの子会社であり、同社に対して資金取引を、同社の子会社である株式
会社三井E&Sマシナリー及びMES Technoservice Middle East W.L.L等に当社製品の販売を行っております。なお、
これら取引は当社の事業運営に影響を与えるものではありません。取引に関する事項は以下のとおりであります。
1. 取引にあたって当社の利益を害さないよう留意した事項
親会社及び同社の子会社との取引にあたって、販売取引については、価格その他の取引条件について一般の取引
先と同様であります。また、資金取引については、市場金利を勘案して基本契約に基づいた利率での資金の預託で
あり、当該取引が第三者との通常の取引と比べて著しく相違しないこと等に留意しております。何れも合理的な判
断に基づき、公正かつ適正に決定しております。
2. 当社の利益を害さないかどうかについての取締役会の判断及びその理由
事業運営に関しては、取締役会を中心とした当社独自の意思決定に基づき業務執行をしており、上場企業として
のお互いの立場を尊重しつつ経営の独立性を確保しながら適切に経営及び事業活動を行っております。
当社は、親会社からの独立性確保の観点も踏まえ、独立社外取締役からも当社経営に対する適切な意見を得なが
ら、取締役会において多面的な議論を経たうえで、当該取引の実施の可否を決定しており、当社の利益を害するも
のではないと判断しております。
3. 取締役会の判断が社外取締役の意見と異なる場合の当該意見
該当事項はありません。
5/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
4 【関係会社の状況】
議決権の所有
資本金 主要な事業
名称 住所 又は被所有 関係内容
(百万円) の内容
割合(%)
(親会社)
被所有
株式会社三井E&Sホー
東京都中央区 44,384 持株会社 51.30 資金取引
ルディングス(注)
(注) 有価証券報告書の提出会社であります。
5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況
2020年3月31日 現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
196 ( 28 ) 41.8 16.3 6,107
セグメントの名称 従業員数(名)
196
圧縮機事業
( 28 )
196
合計
( 28 )
(注) 1 従業員数は、就業人員であり、臨時従業員数(アルバイト、パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員
を含む)は、( )内に当事業年度の平均雇用人員を外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(2) 労働組合の状況
当社の労働組合は、JAMに属し、組合員数は147名であります。
なお、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
6/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、技術に立脚し社会が求める優れた商品及びサービスを提供することにより、全てのステークホルダーの
繁栄並びに経済・社会の発展に貢献すること、及び常に技術の研究開発に努め、グローバル化の時代に即した国際
競争力のある企業体質を涵養し、世界の企業として発展することを企業理念としております。
また、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードへの対応に伴い、更なる持続的な成長と企業価
値の向上を目指して全ステークホルダーとの協働を可能とするための行動基準を策定し実践しており、内部統制の
強化、内部監査機能の充実により法令遵守の徹底に努めております。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
前中期経営計画(2017年度~2020年度)の振り返り
当社は、中長期的・持続的成長を実現するため、2017年4月より4ヵ年の中期経営計画を3ヵ年に亘り遂行してきま
した。企業理念である「技術に立脚した製品の提供により社会に貢献し、研究開発に努め競争力ある企業として発
展する」に則り①「既存製品業界での地位を確立し海外市場への拡大」②「新規商品開発への取り組み」③「業容
を拡大し、“信頼できる機器メーカー” としての知名度と自覚の向上」の3つの基本方針のもと様々な施策を実施
してまいりました。FCV(燃料電池自動車)用水素ステーション向け超高圧圧縮機については、市場投入以来、順調
に販売台数を伸ばし、業界での地位を確固たるものにしつつあると自負しております。また、新規商品開発への取
り組みについても、FGSS(舶用エンジン燃料ガス供給設備)用ポンプや大型の水平対向型圧縮機等の開発など一定
の成果を上げることができました。
しかしながら、原材料等の資材調達価格の上昇、圧縮機事業の競争激化さらに労働人口の減少による採用環境の
悪化など、外部環境の変化に加え、工場再構築遅延による生産能力増強の遅れなどの内部事情もあり、2020年度計
数目標の達成は難しいと判断し、現在の事業環境に合った新たな中期経営計画の立案が必要との結論に至りまし
た。よって、当社は2020年度を初年度とする以下の新中期経営計画へ移行いたします。
新中期経営計画(2020年度~2022年度)の策定
当社は、混迷が深まる現在の経済環境に柔軟に対応し、中長期的・持続的成長を実現する為、2020年度から2022
年度までの3ヵ年の中期経営計画(「2020 中期経営計画」)を策定しました。前中期経営計画の実行で得た一定の
成果を踏まえ、企業理念である「技術に立脚した製品の提供により社会に貢献し、研究開発に努め競争力ある企業
として発展する」に則り、以下に掲げる2022年のありたい姿を実現するために、基本方針とそれらを実現するべく
策定した重点施策を着実に実行し、経営目標を達成してまいります。
1.2022年の当社のありたい姿と基本方針
当社が目指す3年後(2022年)のありたい姿は、次の3点です。
① 高圧圧縮をコア技術とした技術開発・高効率化・改善設計を継続的に進め、強化した「加地テックブラン
ド」により事業・サービス領域を拡大している
② 製品ライフサイクルサービスの事業モデルを確立し、営業活動を強力に推進し業績を伸ばしている
③ 社員1人ひとりが向上心を持って行動すると共に、新たな仕組みで技術技能伝承・人材育成に取組んで
いる
このありたい姿を2022年に実現するために、「2020 中期経営計画」における基本方針(戦略の柱)として、次の
3項目を掲げ、それぞれ柱ごとに重点施策を定めております。
① プラント市場・産業ガス市場での営業活動強化による受注拡大
② PETボトル成形用圧縮機市場での標準仕様機の販売拡大
③ 水素市場での新技術開発による市場優位性の維持向上
7/74
EDINET提出書類
株式会社加地テック(E01529)
有価証券報告書
2.重点施策
3つの戦略の柱ごとに、以下の重点施策を策定いたしました。これら施策を着実に実行することで、経営計画実現
を目指してまいります。
柱①重点施策 (プラント市場・産業ガス市場での営業活動強化による受注拡大)