欧州投資銀行 有価証券報告書 第62期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年7月1日
【事業年度】 第62期(自 平成 31年1月1日 至 令和元年 12月31日)
【発行者の名称】 欧州投資銀行
(European Investment Bank)
【代表者の役職氏名】 Richard Teichmeister
(資本市場部ヘッド・オブ・ディビジョン )
Xavier Leroy
(資本市場部キャピタル・マーケッツ・オフィサー )
【事務連絡者氏名】 弁護士 黒 丸 博 善
【住所】 東京都港区六本木六丁目 10番1号
六本木ヒルズ森タワー 23階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03) 6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当なし
(注)1. 本書中、「発行者」「 EIB 」または「当行」とは、欧州投資銀行を意味する。
2.本書中、「ユーロ」または「 EUR 」と表示される金額は、欧州単一通貨を意味する。 2020 年5月 29日現在、株
式会社三菱UFJ銀行により公表されたユーロに対する日本円の対顧客電信直物売買相場の中値は1ユーロに
つき 119.13 円であった。
3. EIB の会計年度は暦年である。
4.本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
会計年度末の 上場証券取引所名又
募集債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
未償還額 は登録証券業協会名
第1回 欧州投資銀行
0
円金利差額型変動利付
16,300,000,000 16,300,000,000
2004 年11月 該当なし
(1)
円 円
(当初固定利付 )
円
円貨債券 (2004)
60,000,000,000
第16回 欧州投資銀行
60,000,000,000
0円
2010 年6月 該当なし
(2)
円
円貨債券 (2010)
円
第12回 欧州投資銀行
20,000,000,000
米ドル・円金利差額型
20,000,000,000
0円
2010 年6月 該当なし
(3)
円
変動利付 (当初固定利付 )
円
円貨債券 (2010)
第17回 欧州投資銀行
40,000,000,000 40,000,000,000
0円
2010 年7月 該当なし
円 円
円貨債券 (2010)
第1回 欧州投資銀行
豪ドル・円金利差額型
5,000,000,000 5,000,000,000
0円
2014 年3月 該当なし
円 円
変動利付 (当初固定利付 )
円貨債券 (2014)
注(1) 本債券は 2009 年12月12日に 5,000,000,000 円、 2012 年12月4日に 3,000,000,000 円、および満期日の 2019 年11月12
日に 8,300,000,000 円が償還された。
注(2) 本債権は満期日の 2020 年6月5日に全額償還された。
注(3) 本債権は満期日の 2040 年6月 29日に先立ち、 2020 年6月 29日に全額償還された。
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会計年度末の 上場証券取引所名又
売出債券の名称 発行年月 券面総額 償還額
未償還額 は登録証券業協会名
欧州投資銀行
2027 年9月 21日満期
1,082,000,000 1,082,000,000
0円
2007 年9月 該当なし
期限前償還条項付
円 円
円建・円/ユーロ為替連
動債券
欧州投資銀行
24,850,000 24,850,000
0豪ドル
2020 年12月18日満期 2008 年12月 該当なし
豪ドル 豪ドル
豪ドル建債券
欧州投資銀行
44,100,000 44,100,000 0
2019 年1月満期 2014 年1月 該当なし
豪ドル 豪ドル 豪ドル
豪ドル建債券
欧州投資銀行
2023 年3月満期 40,500,000
2020 年3月 - - 該当なし
メキシコペソ
メキシコペソ建債券
(環境貢献債)
欧州投資銀行
2023 年3月満期
20,360,000
ブラジルレアル建債券 2020 年3月 - - 該当なし
ブラジルレアル
(円貨決済型)
(環境貢献債)
欧州投資銀行
2023 年3月満期
1,078,400,000
インドルピー建債券
2020 年3月 - - 該当なし
インドルピー
(円貨決済型)
(環境貢献債)
2019 年度中、 EIB の経済的健全性および EIB が業務を行う法的枠組みについて、本債券所有者の権利に重
要かつ悪影響を与えるような変更はなかった。
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第2 【外国為替相場の推移】
米ドル、豪ドル、ユーロ、ブラジルレアル、メキシコペソおよびインドルピーについては、そのそれぞ
れと円との間の為替相場が、日本国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に最近5
年間の会計年度において掲載されているため、記載を省略する。
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当なし
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当なし
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第3 【発行者の概況】
1 【発行者が国である場合】
該当事項なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の根拠、設立年月日および沿革
欧州投資銀行(「 EIB 」)は、欧州連合(「 EU」)の機関として設立され、 EU機能条約(随時改正、
補足済)(「 TFEU 」)第 308 条により完全な法人格を与えられている。 EIB は独自の統治機関、収益源
および財務運営を備える。 EIB は自己の債務についてのみ責任を負う。
EIB のガバナンスは、 EU条約(「 TEU 」)および TFEU (合わせて「両条約」)の第5付属議定書であ
り両条約の不可欠な一部である EIB 定款により定められる。 EIB は両条約、 EIB 定款ならびに EUの特権お
よび免責に係る第7議定書(「 PPI 」)をはじめとする両条約のその他すべての関連議定書の規定によ
り統治される。
TFEU 第308 条および定款の規定に従い、 EIB の構成員は EU加盟国(「加盟国」)である。 EIB の資本金
は、 EIB 定款第 4.1 条が定めるとおり、各加盟国によって応募される。 EIB はこれまで EIB が発行した有
価証券のいかなる元利金の支払も怠ったことがない。 TFEU 第309 条および定款第 16条に従い、 EIB は、
自身の資金源および資本市場からの借入を利用し、投資に対して特に貸付金および保証の形で資金を
供給する。 EIB は、 98-100, boulevard Konrad Adenauer, L-2950 Luxembourg, Grand Duchy of
Luxembourg に所在する。
EIB は欧州投資基金(「 EIF 」)の過半数の株式を所有し、 EIF はEIB 、欧州委員会および金融機関の
三者による株式所有構成となっている。 EIB グループは EIB および EIF で構成され、それぞれが法人格お
よび法的自立性を備えた別個の法人を形成している。
② 目的
TFEU 第309 条に基づき、 EIB は、主に資本市場にアクセスを有することにより、加盟国間の共同市場
における安定的かつ均衡のとれた発展に貢献することを目的としている。その実現に向け、 EIB は非営
利で営業し、 EU内の発展が充分でない地域を開発するプロジェクト、および、以下のプロジェクトが
個々の加盟国内で利用可能な財源からの資金提供ではすべてが賄えない規模と性質のものである場合
は、事業を現代化もしくは開発するまたは新たな活動を開発するプロジェクト、または複数の加盟国
に共通の利益となるプロジェクトに貸付および保証を行うことを要求されている。さらに、定款の規
定に従い、 EIB はEU域外のプロジェクトに対しても通常、 EUと非加盟国との合意の枠内において、貸付
および保証を行う。
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③ 法的地位、特権および免責特権
EIB は法人格を有し、各加盟国内においては当該各加盟国の法律のもとで法人に与えられる最も広範
な法的資格を有する。 EIB は自らの名において財産の取得および譲渡を行うことができ、また訴訟当事
者能力を有する。
PPI に従い、 EIB ならびにその資産、収入およびその他の財産は、加盟国のあらゆる直接税を免除さ
れる。 EIB はまた、 EIB が所在する加盟国内における、応募済資本金および払込済資本金の増額に伴う
あらゆる課税その他の賦課ならびに当該増額に伴うあらゆる法的手続を免除される。定款に基づき行
われる EIB の活動は、加盟国内におけるいかなる取引高税の対象にもならない。
定款に基づく加盟国の義務の履行ならびに総務会および理事会によって採られた措置の法的有効性
に関する一定の訴訟については、 TFEU により、欧州連合司法裁判所(「司法裁判所」)が専属的管轄
権を有する。当該専属的管轄権に属するものを除き、加盟国の行なった保証に基づく請求を含む、 EIB
とその債権者または債務者との間の訴訟については、その基礎をなす契約関係の定めに従いそれぞれ
の国内管轄裁判所において行うことができる。 PPI に基づき、加盟国内の EIB の財産および資産は、裁
判所の判決を受けかつ司法裁判所がそれを承認した場合を除き、強制執行による差押えまたは押収の
対象とはならない。
④ 日本との関係
該当なし
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(2) 【資本構成】
① 資本構成および準備金
表示日現在の EIB の資本構成および準備金は次のとおりである。
2019 年
12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資本金:
-応募済資本金 243,284,155
-221,585,020
-払込未請求資本金
-払込請求済資本金
21,699,135
準備金および当期利益:
準備基金:
-期首残高 24,328,415
-期末残高 24,328,415
その他準備金:
-期首残高
10,595,340
(1)
1,753,954
-前年度利益処分
-期末残高
12,349,294
特別活動準備金:
-期首残高 9,626,707
(1)
1,150,968
-前年度利益処分
-期末残高
10,777,675
一般貸倒準備金:
-期首残高 2,736,047
(1)
₋565,870
-前年度利益処分
-期末残高
2,170,177
当期利益 2,363,586
自己資本合計 73,688,282
注(1) 2019 年4月 24日、総務会は、 2018 年12月31日終了年度の EIB の当期純利益 2,339,052,000 ユーロをその他
準備金、特別活動準備金および一般貸倒準備金に繰り入れることを決定した。一般貸倒準備金または特
別活動準備金からの取崩し/への繰入れが事実として生じているが、これは基礎的業務のリスクの動き
に伴うものである。
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② 応募済資本金
2019 年12月31日現在、 EIB の構成員は、加盟国 28か国である。
2012 年12月31日、 EIB の株主は全会一致で、払込済資本金の 100 億ユーロの増強を承認した。資本増
強に応じた順次の現金の払込みにより、 EIB の払込済資本金は 217 億ユーロに増加した。さらに、 EIB に
は応募済だが未払いの資本金、すなわち払込未請求資本金があり、その額は 2,216 億ユーロにのぼる。
下表は 2019 年12月31日の EIB の応募済資本金に関する各加盟国の分担である。
金 額
加 盟 国
(単位: ユーロ )
ドイツ 39,195,022,000
フランス 39,195,022,000
イタリア 39,195,022,000
(*)
39,195,022,000
英 国
スペイン 23,517,013,500
オランダ 10,864,587,500
ベルギー 10,864,587,500
スウェーデン 7,207,577,000
デンマーク 5,501,052,500
オーストリア 5,393,232,000
(*)
5,017,144,500
ポーランド
フィンランド 3,098,617,500
ギリシャ 2,946,995,500
ポルトガル 1,899,171,000
チェコ共和国 1,851,369,500
ハンガリー 1,751,480,000
アイルランド 1,375,262,000
(*)
1,270,021,000
ルーマニア
クロアチア 891,165,500
スロバキア 630,206,000
スロベニア 585,089,500
ブルガリア 427,869,500
リトアニア 367,127,000
ルクセンブルク 275,054,500
キプロス 269,710,500
ラトビア 224,048,000
エストニア 173,020,000
102,665,000
マルタ
計 243,284,154,500
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注(*)英国の脱退が成立した後の EIB の資本構成については、下記「- (4) 業務の概況-① 業務-ニ )業績
-1.3. 英国と EIB の関係」を参照のこと。 EIB の応募済資本金の変更後における EU加盟国の分担金は以
下のとおりである。
金 額
加 盟 国
(単位: ユーロ )
ドイツ 46,722,369,149
フランス 46,722,369,149
イタリア 46,722,369,149
スペイン 28,033,421,847
ベルギー 12,951,115,777
オランダ 12,951,115,777
スウェーデン 11,366,679,827
デンマーク 8,591,781,713
オーストリア 6,557,521,657
ポーランド 6,428,994,386
フィンランド 3,693,702,498
ギリシャ 3,512,961,713
ポルトガル 2,263,904,037
チェコ共和国 2,206,922,328
ハンガリー 2,087,849,195
アイルランド 1,639,379,073
ルーマニア 1,639,379,073
クロアチア 1,062,312,542
スロバキア 751,236,149
スロベニア 697,455,090
ブルガリア 510,041,217
リトアニア 437,633,208
ルクセンブルグ 327,878,318
キプロス 321,508,011
ラトビア 267,076,094
エストニア 206,248,240
マルタ 122,381,664
計 248,795,606,881
EIB の理事会は、 EIB の債務を賄うために EIB が必要とする限度において、応募済資本金の残額の払込
を要求することができる。各加盟国はそれぞれの応募済資本金の分担に比例して、かかる払込を行
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う。 EIB 定款に EIB からの脱退について明確な規定はないが、 TFEU 第308 条は、 EIB の構成員は加盟国で
(1)
ある旨を明記している 。
注(1) したがって、 2020 年2月1日の英国の EUからの離脱に伴い英国は EIB の構成員ではなくなった。離脱
の手順は、 2020 年1月 24日付の「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および
欧州原子力共同体からの離脱協定」において合意および記載されている。
(3) 【組織】
EIB は、総務会、理事会および経営委員会によって指揮および管理される。総務会は各加盟国より任命
された国務大臣(通常は財務大臣)をもって構成される。 2019 年12月31日現在、理事会は、加盟国およ
び欧州委員会の指名に基づき、総務会により選任された理事 29名および理事代理 19名をもって構成され
ている。理事会にはさらに6名の議決権のない専門家が選任される。経営委員会は、理事会の提案に基
づき総務会により6年任期で選任される総裁および副総裁をもって構成されている。
① 総務会
総務会は、各加盟国より1名ずつ任命された国務大臣(通常は財務大臣)をもって構成され、定款
に規定された特定の機能を有している。これらの機能は、理事会および経営委員の任免、経営委員の
定数の変更、ならびに理事会の年次報告書、年次貸借対照表および損益計算書の承認を含む。年次報
告書が承認されない場合、定款に従い、理事会は全員辞任しなければならない。 EIB 定款に別段の記載
がない限り、総務会の決議は応募済資本金の少なくとも 50%を代表する多数決をもって行われる。特
別多数決では 18票および応募済資本金の 68%の賛成が必要となる。
② 理事会
2019 年12月31日現在、理事会は、加盟国および欧州委員会の指名に基づき、5年任期で総務会によ
り選任された理事 29名および理事代理 19名をもって構成する。
また、理事会はまた、理事会構成員として3名、理事代理として3名の、6名の議決権のない専門
家を選任する。
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以下は別段の表示のない限り、 2020 年6月 26日現在の EIB の理事、理事代理、および議決権のない専
(1)
門家の一覧表である 。
注(1) 2020 年2月1日に効力を生じた EIB の定款の変更を受け、理事会は現在、理事 28名および理事代理 31
名で構成されている。下記「- (4) 業務の概況-① 業務-ニ )業績- 1.3. 英国と EIB の関係」を参
照のこと。
理 事
Thomas WESTPHAL Emmanuel MASSÉ
Gelsomina VIGLIOTTI Carla DĺAZ ÁLVAREZ de TOLEDO
Filipe CARTAXO Marc DESCHEEMAECKER
Arsène JACOBY Mickie SCHOCH
Julie SONNE Des CARVILLE
Konstantin J. ANDREOPOULOS Attila GYÖRGY
Andres KUNINGAS Armands EBERHARDS
Migl ė TUSKIEN Ė Karin RYSAVY
Kristina SARJO Eva HAGHANIPOUR
Marinela PETROVA Petr PAVELEK
Silvija BELAJEC Kyriacos KAKOURIS
László BARANYAY Paul DEBATTISTA
Piotr NOWAK Andrej KAV ČIČ
Ivan LESAY Markus SCHULTE
議決権のない専門家
Joes LEOPOLD Laurence BRETON
Giorgio GOBBI
理事代理
Rudolf LEPERS Carole GOSTNER
Stéphane TABARIÉ Francesca MERCUSA
Stefano SCALERA Francisco Javier MARTÍN
Rosa CAETANO Lisette Florence Hélène STEINS
Ludivine HALBRECQ Rasmus RØNNE-AHM
Boni Florinela CUCU Des O’LEARY
Aija ZITCERE Theresia LINDBERG
Darius TRAKELIS Radek HŘEBĺK
Eleni PITTA Ana ZORI Ć
Martin POLÓNYI Maciej TABACZAR
Gergana BEREMSKA Paulanne MAMO
Saila VALTONEN
(8つの理事代理席が空席である。)
議決権のない代理専門家
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Ingrid HENGSTER Birgitte Nygaard MARKUSSEN
Antonio OPORTO
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理事会は、 EIB が適切に運営され、両条約(随時改正、補足済)および定款の規定ならびに総務会の
一般的指示に従って管理されることを確保する責任を負う。理事会は、融資の供与、特に貸付金(加
盟国域外への貸付を除く。)および保証の形によるものに関し、その貸付金利および保証手数料の設
定および EIB による借入の承認を決定する。また特定多数の決定に基づき、その権限を一部経営委員会
に委任することができる。
定款は、理事会の構成員は EIB に対してのみ責任を負う旨を規定している。各理事は、1議決権を有
し、いつでも、 EIB の手続規定に従ってその議決権を委任することができる。定款に別段の定めある場
合を除き、理事会の決定は、少なくとも応募済資本金の 50%以上を代表する議決権を有する3分の1
以上の構成員によりなされなければならない。特別多数決は、賛成が 18票以上入り、かつそれが応募
済資本金の 68%を代表していることを要する。
③ 経営委員会
EIB の経営委員会は、現在のところ、理事会の推薦に基づき総務会により6年任期で選任される EIB
の総裁1名および副総裁8名をもって構成されている。 2020 年6月 26日現在の経営委員およびその EIB
における役職は、次のとおりである。
経営委員 EIB での役職
Werner HOYER
総裁
Dario SCANNAPIECO
副総裁
Ambroise FAYOLLE
副総裁
Andrew McDOWELL
副総裁
Emma NAVARRO 副総裁
Lilyana PAVLOV 副総裁
Thomas ÖSTROS 副総裁
Teresa Tatiana CZERWI ŃSKA 副総裁
(1つの経営委員席が空席である。)
経営委員会は、総裁の権限および理事会の監督のもと EIB の現行事業の管理につき責任を負う。経営
委員会は、多数決により、貸付および保証の供与ならびに借入につき理事会に対し提案を行う。総
裁、または総裁が不在の場合は副総裁のうち1名が、議決権を持たない理事会の議長となる。総裁、
もしくは総裁に支障のある場合には副総裁1名が、裁判その他の事項について EIB を代表する。定款
は、経営委員会および EIB の職員は、 EIB に対してのみ責任を負い、その職務の遂行について完全に独
立であるべき旨を規定している。
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④ 監査委員会
監査委員会は、総務会により選任される6名の委員からなる。監査委員会は毎年、 EIB の業務が適切
に管理され、かつ帳簿が適切に記録されている旨を検査する。また監査委員会は、理事会によって作
成された財務書類および年次報告に含まれるその他の財務情報が、当該事業年度の資産および負債に
関する EIB の財務状況、ならびにその業績およびキャッシュ・フローについて正確かつ公正に表示して
いる旨の確認を行う。
2020 年6月 26日現在の監査委員は次のとおりである。
László BALOGH
議長
Vasile IUGA
委員
Pierre KRIER
委員
Nuno GRACIAS FERNANDES
委員
(2つの監査委員席が空席である。)
オブサーバー
John SUTHERLAND
(1つのオブザーバー席が空席である。)
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(4) 【業務の概況】
① 業 務
イ)EU域内における貸付政策
EIB は、加盟国において実施される投資について、加盟国ならびに官・民の事業に対し、これらの
借手が他の方法によっては資金を妥当な条件で調達できない範囲で、特に貸付金および保証の形で
資金を供給する。定款は、このような事業が経済一般の生産性を高めることに寄与し、共同市場の
実現を促進するものでなければならない旨を規定している。
加盟国以外の企業または団体に対して貸付を行う場合には、 EIB は、投資の実施予定地を領土とす
る加盟国による保証もしくはその他の適切な担保、または債務者自体の財務信用力のいずれかが得
られることをかかる貸付の条件としなければならない。さらに借手が生産部門に従事する者である
場合は、定款は、貸付に関する利息および分割償還金の支払が当該事業の予想営業利益によって賄
いうる場合についてのみ、 EIB が貸付および保証を供与することを認めている。
EIB により給付される貸付金および保証の残高の合計は、いかなる時点においても、応募済資本
金、準備金、未割当引当金、および損益計算書の当期純利益の 250 %を超えることができない。 EIB
による資本参加の場合、後者の合計額から(払込済みか否かにかかわらず)応募済金額相当額が控
除される。これは連結および非連結ベースにおいて適用される。 EIB による貸付および保証は対象プ
ロジェクトの費用の一部のみを賄うもので、これは当該借手の自己資金や当該借手が他から調達し
た資金を補完するものでしかない。すなわち、一般的に EIB は対象プロジェクトの総費用の 50%を上
回る額の貸付は行わない。
EIB の貸付内容は多様化されており、1つの産業、経済部門もしくは国に偏在していない。 EIB の
貸付金は加盟国のすべてを通じて広範囲な企業の資金調達に供せられている。
ロ)EU域外への貸付
1960 年代から、 EIB はおよそ 150 の国々において EUが推進している協力政策に積極的に参加してい
る。 EIB による協力活動の付託条件は、通常、複数年のマンデートとなっており、 EUにより EIB に割
当てられる。
定款第 16条第1項第2号に従い、総務会は理事会の提案に基づき、特別多数決により、加盟国の
域外において全体または一部が実施される予定の投資についての融資も決定することができる。か
かる貸付は、その他の点においては、上述した加盟国内部の貸付に関する定款の各規定に沿って行
われる。
EIB は、このような貸付を、多くの場合 EUと他国家間の協力協定の融資関係議定書に基づき行って
きた。域外貸付においてほとんどの場合、 EIB は、他の担保に加えて加盟国または EUの保証を得てい
る。
ハ)資金借入
EIB は、いかなる通貨であれ、 EIB にとって最も有利と思われる通貨で、また EIB が活動する資本市
場においてその時の最も有利な条件で借入を行う。
EIB はいかなる借入金の元利金の支払に関しても、その履行を怠ったことはない。
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ニ) 業績
2019 年の動向ハイライト
(1)
概 要
2019 年に EIB は、社会経済的な団結の促進および EUの競争力の改善、ならびに気候対策の支援およ
(2)
び次世代の生活の向上という使命に沿って EUの政策を実行し、その目標を十分に達成した 。
注(1) このセクションでは欧州投資銀行の活動および財務情報に触れる。表示される数額は、(別段の記載が
ない限り) EU会計指令に準拠して作成された EIB の法定財務書類とあわせて読まれる必要がある。
注(2) EIB のコーポレート・ガバナンス・レポート(英文)は EIB のウェブサイトで入手可能である。
後者については 2019 年に、欧州理事会および欧州委員会からの要請を受け、 EUの気候対策銀行と
して EIB の野心的な気候対策を飛躍的に前進させた。この新しい野心的な気候対策戦略は、排出削減
が見込めない化石燃料プロジェクトへの融資を 2021 年末以降停止する旨の EIB の新たなエネルギー貸
付方針の承認と一体的に、主に以下3点に重点を置いて推進される。
・ EIB グループは、危機の 10年にあたる 2021 年から 2030 年まで、気候対策および環境サステナ
ビリティへの1兆ユーロの投資を支援していく。
・ EIB は、気候対策および環境サステナビリティを支える融資の比率を段階的に増やし、 2025
年以降は対象事業の 50%を占めるようにする。
・ EIB グループは、 2020 年末までにすべての融資活動をパリ協定の原則および目標に適合 させ
る。
当年中に EUの持続可能な成長へのファイナンス行動計画の最優先項目である EUサステナビリ
ティ・タクソノミ(持続可能事業の分類、 EUST )の協議が進展するにつれ、その影響が次第にサス
テナビリティ投資に関する議論に及ぶようになった。 EIB は、 EUST に記載が予定される EUの政策目標
へのダイレクト・リンクを張るなど、サステナビリティ資金調達商品の文書に当該分野の EU法制の
今後の改正を織り込んだ初の発行体となった。
2019 年4月、 EIB の総務会は、英国が欧州連合から離脱した場合の資本再構成計画を承認した。採
用された手法は、 EIB 株主の力強い支援、および EIB グループの使命や成果が一加盟国の離脱で損な
われることのないよう取り組む姿勢を反映している。資本の差替えは 2020 年2月1日に EIB の準備金
35億ユーロ(すなわち、英国の払込済資本金と同額)を払込済資本金に組み替えることで実施さ
れ、これを受けて、英国の 357 億ユーロの分担金(すなわち、英国の払込未請求資本金と同額)の減
少を埋めるため各加盟国の払込請求済資本金が按分で増額された。また、 EU理事会は、 EIB への関与
をEU経済に占める比率に応じたものとするため、ポーランドおよびルーマニアの応募済資本をそれ
ぞれ追加で 53億8,600 万ユーロおよび1億 2,500 万ユーロ増額することを承認( 2020 年3月1日に発
効)した。
(3)
2019 年、 EIB の貸付契約は 633 億ユーロ (このうち 619 億ユーロは EIB の自己資金源)で 2019 年の
(4)
業務計画 の設定目標( 630 億ユーロ、プラス/マイナス 10%)に即したものとなり、 2018 年の貸
付高( 556 億ユーロ、このうち 543 億ユーロは EIB の自己資金源)を大きく上回った。 2019 年の実行済
(5)
総額は、 2018 年の 526 億ユーロ(このうち 518 億ユーロは EIB の自己資本源)に対して 481 億ユーロ
(このうち 475 億ユーロは EIB の自己資本源)であった。
注(3) 貸付金、株式および保証のすべての財源を含む。
注(4) 年次業務計画は業績指針を含み、また EIB グループの主な優先課題および活動を詳細に記述する。
注(5) 貸付金、株式および保証のすべての財源を含む。
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また 2019 年に EIB は、 2015 年から運用され、強固で具体的かつ持続的な利益を欧州経済にもたらし
成果をあげている欧州戦略投資基金( EFSI )のモデルをベースとした、多年次財政枠組み( 2021 年
-2027 年)に基づく欧州委員会の提案、すなわちインベスト EU(InvestEU )を始動させる計画を好
意的に受けとめた。
EFSI における EIB の役割上より高リスクの貸付を増やしているにもかかわらず、 EIB の貸付金ポー
トフォリオの質は極めて高く維持されている。 EFSI の体制に基づき、欧州委員会が信用補完を提供
しており、これらの対象事業の残余リスクを大幅に軽減することができている。貸付金ポートフォ
(6)
リオ は引き続き全体として概ね安定的であり、減損が生じている貸付金は 2019 年末で 0.4 %
(2018 年末: 0.3 %)にすぎなかった。 90日を超える支払延滞額は僅少に維持され、 2019 年末現在で
1億 4,600 万ユーロ( 2018 年末:1億 7,640 万ユーロ)であり、リスク・ポートフォリオの 0.04 %を
占めるにすぎない。貸付金に係る個別引当金は 2018 年末現在の5億 3,690 万ユーロから4億 8,690 万
ユーロに減少した。厳格なリスク管理方針により、また対象プロジェクトのデュー・デリジェンス
を通じて、 EIB の高い信用状態が支えられている。
注(6) 本「概要」で提供される貸付金ポートフォリオの情報は、(別段の記載がない限り)自己資金源による
貸付金ポートフォリオに対応しており、これには「リスク・ポートフォリオ」および EUまたは加盟国か
らのグローバル保証により利益を受ける EU域外のポートフォリオ部分が含まれる(詳細は法定財務書類
の注記 Uを参照のこと。)。
EIB は、 2018 年の 23億ユーロに対して 2019 年は 24億ユーロの当期純利益を計上し、良好な財務実績
を確保した(詳細は以下「-1. EIB は健全な財務業績を実現」を参照のこと。)。当期純利益は全
額留保され、これが EIB の自己資金を形成し長期的な資金供給能力を支えている。 CET 1(コア資本
Tier 1)比率が 2018 年末の 35.1 %から 2019 年末には 32.9 %に低下したが、これは主に 2019 年中に契
約した新規事業、既存ポートフォリオの伸展およびモデルの修正の実施によるものであった。レバ
(7)
レッジ比率 は、借入高の微減および自己資金の増加により改善して 2019 年中に 627 %( 2018 年
末: 652 %)となった。
注(7) レバレッジ比率は、(長期および短期の)債務総額を、調整後の株主持分(自己資金から EIF の資本金
に対する EIB の参加分を控除したもの)で除することにより算出される。
2019 年の資金調達プログラムは予定どおりに完了した。当年を通じて、 EIB は、貸付業務およびそ
の他のキャッシュ・フロー需要に資金を充当するため、国際資本市場で 503 億ユーロを調達した。
EIB は有力な発行体であり、資本市場の変革に継続的に貢献している。借入およびコマーシャル・
ペーパーの合計残高は、 2018 年末現在の 4,554 億ユーロから 61億ユーロ( 1.3 %)減少して 2019 年末
現在は 4,493 億ユーロであった。
EIB は、流動的かつきわめて質の高い投資に集中することで、流動性管理に対して慎重な姿勢を
とっている。自己勘定取引資産は 2019 年末現在で総額 809 億ユーロ( 2018 年末: 806 億ユーロ)で
あった。 EIB の流動性比率は制限値の範囲内で良好に維持されており、流動性資産が 2020 年の予想純
キャッシュ・アウトフローに占める割合は( 2018 年の 97.4 %に対して) 88.6 %であった。極端な流
動性ストレス状況において、 EIB のユーロシステム再融資枠へのアクセスが補完的な保護を提供する
点は重要である。
形態や次元の異なる数々の危機に直面する中でもサービスの鮮度と同時代性を維持するため 60年
以上にわたり不断の努力を重ねたことで、 EIB は実際的な影響力を伴って加盟国全域に金融および助
言サービスを提供する独自のポジションを確立した。特に気候対策と環境サステナビリティの喫緊
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の必要につき、かつてないスピードでマクロ経済および地政学レベルの変動が進む状況下でも、 EIB
は構造変換的な対応を提供すべく他の EU機関と密に連携する準備ができている。今後、 EIB は、より
良いレガシーを将来世代に渡すための支援を一段と強化していく。
COVID-19 に関する EIB グループのアップデート
新型コロナウィルス感染症( COVID-19 )の原因である SARS-CoV-2 ウィルスの流行拡大を受け、
2020 年3月 16日、 EIB グループは中小企業( SME )および中堅公開企業( mid-cap )部門を支援するた
め総合緊急対応パッケージを提案し、これには (i) SME に有利な銀行向け保証スキーム、 (ii) SME
および mid-cap のために追加の運転資金支援を確保するための銀行向け流動性枠、ならびに (iii)
銀行が対 SME 融資ポートフォリオのリスクを移転できるようにする資産担保証券( ABS )の買入れプ
ログラムが含まれた。 2020 年4月3日、 EIB 理事会は、緊急対応パッケージ案の実施の一環として、
全EU加盟国を対象とする上限 50億ユーロの多数受益者プログラム貸付を承認した。このプログラム
貸付は、多数受益者向けの仲介融資の他、資産担保証券やカバード・ボンドの買入などの一部の代
替的融資を通じて実施される可能性がある。
また 2020 年4月3日、 EIB 理事会は、 EIB グループが COVID-19 のパンデミックによる経済的影響へ
の対策を拡充できるよう、汎ヨーロッパ保証基金を創設する案を検討した。当該基金の条項の詳細
は、 SME への金融支援を重視する想定のもと、現在策定中である。同基金は、その参加者である EU加
盟国および EU機関から主に保証の形で拠出される 250 億ユーロにより工面される予定である。また、
このスキームで承認された対象事業の実施において EIB グループに生じる一切の損失および関連費用
は、同基金でカバーされる予定である。かかる損失は、同基金への参加の度合いに応じて上限が設
けられる各拠出者の損失分担に従い、同基金の全拠出者によって負担される予定である。
2020 年4月8日、 EIB グループはまた、 EU域外での COVID-19 のパンデミック対策の取組みを対象と
する EU予算による保証付きの上限 52億ユーロの融資を発表し、医療および民間部門に絞って資金を
投じていく。
さらに EIB グループは、医療部門および医療分野のイノベーションに対し、現在進めている約 50億
ユーロの一連のプロジェクトを足掛かりとして引き続き支援を続けていく。 EIB グループは、急な申
入れであっても、治療施設やワクチン開発・製造施設に資金を配分し、また、特に医療部門のイン
フラおよび施設の需要に関して EU加盟国が採用する緊急措置を支援することができる。
EIB グループは現在すべての事業を維持し、通常業務で営業を続けている。予防的措置として、
EIB グループは、ガバナンスおよび事業承認スケジュールの潜在的な中断を回避するための手続を整
備している。また EIB グループは、事態が正常化するまでの出張制限、公開イベントの日程変更や
バーチャル形式での開催、および職員へのテレワークの要請を含め、従業員の健康および安全を確
保するための堅実な手法を採用しており、状況を注視し続けている。
COVID-19 のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわら
ず、 EIB は、主に流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、現在も引き続き強固な流動性
ポジションおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。さらに、 EIB が十分な
水準の担保および保証に基づくリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条項にも依拠
していることから、 EIB の貸付金ポートフォリオの質は現在も高く維持されている。 COVID-19 のパン
デミックの EIB に対する最終的な影響を現段階で予測することは困難である。 EIB は状況を注視し、
パンデミックに対応したその他の支援策およびプログラムを検討し続けていく。
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1. EIB は健全な財務業績を実現
EIBは低いマージンで多額の貸付金を供与することにより当期純利益を生み出しており、設立以降
(8)
は毎年、年次の法定 財務書類にこれを計上している。 2019 事業年度の当期純利益は 23億6,360 万
ユーロであり、 2018 年の当期純利益( 23億3,910 万ユーロ)から微増となった。 2019 年の財務実績に
影響を与えた主な要素は次のとおりである。
(9)
・ EIB により計上された正味受取利息 が、 2018 年の 31億6,760 万ユーロに対して 30億3,170
万ユーロとなった。受取利息および支払利息のさらなる詳細は、法定財務書類の注 Nに記載さ
れている。
・ 一般管理費が前年比で 1,770 万ユーロ増加した。この変動は主に、職員に関する費用の増加
(当該期間中に平均職員数が 3,343 人から 3,440 人に増加したことに関連する。)により生じ
た。さらなる詳細は、法定財務書類の注 Rに記載されている。
・ 貸付金および保証に係る個別引当金について前年比で1億 7,000 万ユーロのプラスの変動が
生じた。法定財務書類に計上された貸付金および保証に係る引当金が専ら個別の対象事業に
関係している点には留意すべきである。
EIB の貸借 対照表 総額は、 2018 年末現在の 5,558 億ユーロに対して 2019 年末現在は 5,536 億ユーロ
(22億ユーロの減少)であった。
注(8) EU会計指令に従って作成されている。
注(9) 受取利息および類似収益から支払利息および類似費用を差し引いたもの。
純損益および総資産の推移 (単位:百万ユーロ )
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1.1. 強固な資本構成
純利益は EIB の業務を支えるために留保されることから、 EIB の着実な収益性は、長年にわたり十
分な準備金の積上げをもたらしてきた。自己資金は、当期純利益の充当を受けて 2018 年末現在の 713
億ユーロから 2019 年末現在の 737 億ユーロに増加した。
2019 年12月31日現在の自己資金構成
自己資金
2019 年 2018 年
(単位:千ユーロ)
12月31日 12月31日
資本金
‐応募済
243,284,155 243,284,155
-221,585,020 -221,585,020
‐払込未請求
21,699,135 21,699,135
準備金
a) 準備基金
24,328,415 24,328,415
b) その他準備金
12,349,294 10,595,340
c) 特別活動準備金
10,777,675 9,626,707
d) 一般貸倒準備金
2,170,177 2,736,047
49,625,561 47,286,509
2,363,586 2,339,052
当期純利益
自己資金合計
73,688,282 71,324,696
当期純利益については、以下の処理が提案された。
(ⅰ) 準 備 基 金: 該当なし
(ⅱ) その他準備金: 14億3,870 万ユーロ
(ⅲ) 特別活動準備金: 9億 5,920 万ユーロ
(ⅳ) 一般貸倒準備金: - 3,430 万ユーロ
1.2. EIB の払込未請求資本金は十分な緩衝(バッファー)を提供
EIB はEU加盟国により所有されている。 2012 年に承認された直近の 100 億ユーロの増資により EIB の
払込済資本金は 217 億ユーロとなり、応募済だが払込みが未了の資本金、すなわち払込未請求資本金
は2,216 億ユーロである。 EIB の加盟国には、 EIB がその債務を履行するために必要とする場合、必要
(10)
な払込未請求資本金の各々の分担割合分を、 EIB の定款の規定 に従い、 EIB の理事会の請求によ
り払い込むべき法的な義務がある。この法的義務は国法に優先する EUの条約に由来しており、この
ことは EIB の際立った特徴となっている。払込未請求資本金(自己資金の勘定に含まれず、また
CRR/CRD IV(第4次自己資本規制・指令)の自己資本充足目的にもならない。)は、 EIB の借入金の
概ね半分に相当するバッファーを構成する。
注(10) EIB の定款第5条 (3) :「理事会は、 EIB の債務を履行するために EIB が必要とする限度において、応募
済資本金の残額の払込みを求めることができる。」
1.3. 英国と EIB の関係
2017 年3月 29日、英国は、 TEU 第50条に従って EUから離脱する決定を欧州理事会に通知した。英国
は、 TEU 第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の欧州連合および欧州原子
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力共同体からの離脱協定」(「離脱協定」)に基づき、 2020 年2月1日をもって加盟国でなくなっ
た。 EUからの離脱により、英国は自動的に EIB の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了し
た。
2020 年2月1日より、 EIB の応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りの加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替えは、 EIB における英国の応募済資
本金の払込部分に加え、未請求部分も対象とするものであった。払込部分の差替えは、 EIB の準備金
を払込応募済資本金に振り替えることで賄われた。増資の結果、残りの各加盟国において、 EIB の応
募済資本金の未請求(請求可能)持分が按分で増加した。
また、ポーランドおよびルーマニアの EIB に対する応募済資本金が、それぞれ 5,386,000,000 ユー
ロおよび 125,452,381 ユーロ引き上げられた。この増資は、英国の EU離脱から1か月後の 2020 年3月
1日に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、 EIB の応募済資本金の増加分の払込部分につき支
払を行うものとし、 10回の均等分割により半年ごとに EIB の準備金に拠出を行っていく。
なお、英国の EU離脱に伴う EIB 定款の数多くの変更が効力を生じている。 EIB 定款変更の第一群
は、 2020 年2月1日に効力を生じた。英国が EIB の構成員でなくなったことを反映するこれらの法定
の変更には、 EIB 定款における英国への言及の削除が含まれた。ガバナンス条項のいくつかの変更も
同時に効力を生じ、かかる変更には、 EIB 理事会の代理メンバーの増員、ならびに EIB の業務計画、
手続規則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。 EIB 定款変
更の第二群は、ポーランドおよびルーマニアの増資ならびに関連するガバナンスの変更に関するも
のであり、 2020 年3月1日に効力を生じた。
英国が EIB の構成員でなくなった結果として、離脱協定には、 EIB に関する財務決済を定めるいく
つかの規定が盛り込まれた。離脱協定第 150 条に定める条項に従い、英国は、 EIB に対する応募済資
本金の従前の分担に従い、 EU離脱前の EIB のエクスポージャーについて引き続き責任を負う。英国
は、その他の EIB のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責任を
負う。また、 EIB は、離脱協定第 150 条に定める条項に従い、 EUに代わって、 EIB の払込資本金に対す
る英国の分担金相当額を 12回の分割により毎年英国に支払う。英国の払込資本金の払戻しを除き、
EIB は、英国が EIB の構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定める英国の
一部債務の留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務を負わな
いものとする。
英国の EUの離脱、およびその結果としての EIB の構成員でなくなること、ならびに当該離脱および
EIB の構成員でなくなるための準備は、 EIB の2019 年12月31日現在および同日に終了した事業年度の
個別および連結の財務書類に重要な影響は与えなかった。
1.4. 将来の見通し
(11)
2020 年の業務計画 がEIB の理事会により 2019 年12月12日に承認され、 2020 年1月 30日に公表さ
れた。この計画に基づき、 EIB は、生産性の高い投資を支援し市場の隙間を狙いつつ、インパクトお
よび追加性に対する精力的な取組みを維持する。また EIB は、 EUの気候対策銀行としての役割に応
え、気候対策および環境サステナビリティへの注力をより一層高めていく。
注(11) 年次業務計画は業績指針を含み、また EIB グループの主な優先課題および活動を詳細に記述する。
EIB は2020 年の契約組成の指針を 630 億ユーロに置いている。 EIB は、政治経済環境の継続的な不透
明性および市場の需要動向を考慮するため、また資源の最適な調整および現実経済に与えうるイン
パクトの最大化を確保するために、財務および信用の長期的な強度を維持することに引き続き注意
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を払いつつ、通年で貸出および関連業務の見直しを続けていく。 2020 年の業務計画はまた、 2021 年
および 2022 年の暫定的な指標を提供しているが、これは多次財政枠組み( MFF )の協議が終わるまで
確定するものではない。
EIB の貸付は、 EUの社会経済的な団結および気候行動に関する2つの包括的政策目標に加え、 EIB
の公共政策上の目標、とりわけイノベーション、 SME および mid-cap 向け金融、インフラストラク
チャーおよび環境に重点を置き続けている。
これらの目標に沿って、 EIB は、雇用創出およびグローバル競争力に貢献し、気候、安全保障およ
び移民の課題に取り組み、欧州の価値を向上させ、ならびに EU全域における生活水準および繁栄の
格差を継続的に縮小させるようなプロジェクトのために利用可能な長期金融を実施している。こう
した活動を通じて、 EIB はこれまで国連の持続可能な開発目標( SDG )の達成に向けた重要な役割を
担ってきており、今後も継続的に担い続ける。
業務計画における資金調達プログラムの予測は、業務目標を達成するために必要と想定される借
入を反映している。理事会は 2020 年について、グローバル借入承認案件の上限を 650 億ユーロとする
ことを承認し、また EIB は600 億ユーロの資金調達プログラムを想定している旨を公表した。
EIB の良好な信用格付は、そのビジネス・モデルの要諦である。そのため EIB は、そのリスク選好
および公的使命に合致する信用リスク、市場リスクおよび流動性リスクのみを受け入れることとし
ている。収益を安定させ自己資金の価値を保存することで、 EIB は長期的な成長のための資金を自給
できるよう努めている。
2.貸付業務 - プロジェクト評価を通じた安定的な貸付高
EUの銀行としての EIB の使命は、 TFEU 第309 条に規定されているとおり、 EUの政策目的を実施する
ための実現可能なプロジェクトに投資することである。資金供与先のプロジェクトは、厳格な経
済、技術、環境および社会的基準をみたす必要があり、入念なデュー・デリジェンスおよびリスク
管理の実施対象となる。
(12)
2019 年12月31日現在、 EIB の実行済貸付金のポートフォリオは 4,475 億ユーロ であり、これに
(13)
対して 2018 年末は 4,509 億ユーロであった。契約済貸付金の残高は 5,603 億ユーロ (2018 年末:
5,568 億ユーロ)と概ね安定的であり、そのうち 88.4 %( 2018 年: 88.6 %)が EU域内プロジェクト向
けであった。
注(12) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
注(13) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
2.1. 新規契約
(14)
2019 年の新規契約のフローは 633 億ユーロ であり、このうち 619 億ユーロが EIB の自己資金源に
よるものであった( 2018 年: 556 億ユーロ、うち 543 億ユーロが自己資金源によるもの)。新規契約
の87.5 %( 2018 年: 86.0 %)が EU加盟国のプロジェクトを資金供与先とするものである(地理的分
布の詳細は以下の表を参照のこと)。
注(14) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
国別または地域別の契約実績
2019 年 合計比 2018 年 合計比
契約先
(百万ユーロ ) (%) (百万ユーロ ) (%)
イタリア 9,696 15% 7,424 13%
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スペイン 8,094 13% 7,430 13%
フランス 6,929 11% 6,082 11%
ドイツ 5,339 9% 4,644 8%
ポーランド 4,394 7% 3,890 7%
オランダ 2,477 4% 1,947 3%
ギリシャ 2,031 3% 1,566 3%
スウェーデン 1,871 3% 1,372 2%
ベルギー 1,730 3% 1,541 3%
フィンランド 1,713 3% 1,785 3%
オーストリア 1,554 2% 1,196 2%
ポルトガル 1,379 2% 1,522 3%
チェコ共和国 1,308 2% 443 1%
アイルランド 960 2% 807 2%
デンマーク 839 1% 432 1%
ルーマニア 766 1% 981 2%
(
注)
EFTA 113 0% 190 0%
*
他の EU加盟国 4,270 7% 4,770 9%
候補国および
潜在的候補国 649 1% 1,552 3%
7,138 6,066
その他諸国 11% 11%
63,250 55,640
(*) ブルガリア2億 1,000 万ユーロ、クロアチア4億 6,600 万ユーロ、キプロス2億 3,000 万ユーロ、エストニ
ア2億 3,600 万ユーロ、ハンガリー7億 200 万ユーロ、ラトビア2億 4,600 万ユーロ、リトアニア 4,700 万
ユーロ、ルクセンブルク2億 1,500 万ユーロ、マルタ 7,800 万ユーロ、スロバキア2億 400 万ユーロ、ス
ロベニア1億 8,400 万ユーロ、英国4億 5,600 万ユーロ、多国間契約9億 9,600 万ユーロ。
(注) EFTA :欧州自由貿易連合
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2.2. 野心的な新気候対策戦略およびエネルギー貸付方針を EIB が発表
EIB は旧来よりヨーロッパの気候対策銀行である。 2012 年以降、 EIB は排ガス削減プロジェクトや
気候変動のインパクトに適応する国家支援プロジェクトに対する 5,500 億ユーロの投資を支えるた
め、 1,500 億ユーロの資金を供給してきた。これにより、 EIB はかかる目的を支援するプロジェクト
向けの世界最大手の多国籍金融プロバイダのひとつとなっている。
2019 年に EIB は、欧州理事会および欧州委員会の両者から要請を受け、また EIB の株主(すなわち
EU加盟国)の支持のもと、その野心を飛躍的に前進させることを決めた。 EIB は、排出削減が見込め
ない化石燃料に係る融資を停止し、またどこの公的金融機関よりも野心的な気候対策投資戦略に着
手した。 EIB はまた、その重要な柱のひとつを EIB が担う「欧州グリーンディール」に関する欧州委
員会の 2019 年12月11日付の発表を好意的に受けとめた。
EIB の新しい気候対策および環境サステナビリティ戦略には、以下の3つの重点要素が含まれる。
・ EIB グループは、危機の 10年にあたる 2021 年から 2030 年まで、気候対策および環境サステナ
ビリティへの1兆ユーロの投資を支援していく。
・ EIB は、気候対策および環境サステナビリティを支える融資の比率を段階的に増やし、 2025
年以降は対象事業の 50%を占めるようにする。
・ EIB グループは、 2020 年末までにすべての融資活動をパリ協定の原則および目標に適合させ
る。近い将来、これを補完すべく、より影響の大きい地域や国における漏れのない適切な移
行に向けて EIB の融資が確実に貢献していくための措置をとっていく。
これまで EIB が主催したうちもっとも包括的な意見公募を経て、 EIB 理事会は 2019 年11月に、 EIB の
新しい野心的なエネルギー貸付方針を承認した。 2019 年1月以降の利害関係人の精力的な関与によ
り、関係する組織および個人から 149 通の提出書面、ならびに 30,000 人超の署名入りの請願書が集
まった。
エネルギー貸付方針の改定の承認を受け、 EIB は2021 年末以降、排出削減が見込めない化石燃料プ
ロジェクトへの新規融資を検討しない。また EIB は、現行のキロワット時あたり二酸化炭素 550 グラ
ムの基準を差し替えるものとして、キロワット時あたり二酸化炭素 250 グラムという新たな排出性能
基準を設定した。過去の 2013 年のエネルギー貸付の見直しをもって EIB はすでに、厳格な排出性能基
準の採用を通じて、石炭および亜炭による発電への融資を事実上終了させた初の国際金融機関に
なっていたといいうる。
新しい方針は、 EIB の将来的なエネルギー部門への関わり方を規律する5つの原則を定めている。
・ EUエネルギー効率指令に基づく EUの新たな目標に沿うようにエネルギー効率の優先度を上
げる。
・ 低炭または無炭技術への支援を増やすことでエネルギーの脱炭化を図り、 2030 年までに EU
全域で再生可能エネルギーの比率が 32%に達することを目標とする。
・ 分散型のエネルギー生産、革新的なエネルギー貯蔵および電動移動手段に対する融資を増
やす。
・ 風力や太陽光などの新たな間欠性エネルギー源に不可欠な送電網の投資を確保し、また国
際的な相互接続を強化する。
・ EU域外において、エネルギー構造変換支援の投資効果を高める。
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2.3. EFSI の進捗
欧州理事会および欧州議会は 2017 年、 EFSI の成功を前提として、 EFSI の投資目標額およびデュ
レーションを拡張して 2020 年末までに 5,000 億ユーロとすることに合意した。現状、 EIB グループも
2020 年末に向けて 5,000 億ユーロという新たな目標額を超過達成する見通しである。
EIB の経済部門と欧州委員会の共同研究センターが 2019 年10月に発表した研究により、ヨーロッパ
経済に対する EFSI の具体的かつ持続的な利益が示された。同研究は、 EFSI が支援する投資が 2019 年
6月末までに基礎シナリオに対して EUのGDP を0.9 %押し上げ、 110 万件の雇用を追加すると試算し
た。その影響は 2022 年までに EUのGDP を1.8 %増加させ、 170 万件の雇用を追加するとされている。さ
らに EFSI は、 EUに対して長期のマクロ経済的な影響も有し、同研究は 2037 年に向けて EFSI が支援す
る対象事業が 100 万件の雇用および EUのGDP の1.2 %増加をもたらすと試算している。
(15)
2019 年末現在、 EIB グループは 1,269 件の対象事業に対する総額 842 億ユーロ について承認済み
であり、実施する投資は 4,580 億ユーロと見込んでいる。この額は、拡張後の EFSI を原資とする
5,000 億ユーロの投資の 92%を占める。
注(15) この金額は、グローバル承認案件や全部解約された事業を除いたアクティブな事業を参照している。
2019 年12月31日現在、総額 604 億ユーロの資金供給を伴うインフラストラクチャーおよびイノ
ベーション・ウィンドウ( IIW )の 602 件の対象事業が承認されており、 492 億ユーロはすでに契約済
みである。このうち 276 億ユーロは実行済みであり、その内訳は 255 億ユーロがデット・タイプ・オ
ペレーション(負債型取引)および 21億ユーロがエクイティ・タイプ・オペレーション(持分型取
引)であった。
SME ウィンドウ( SMEW )のもとで、 138 億ユーロにのぼる 390 件の金融保証取引が承認された。
2019 年末現在、 EFSI の支援の恩恵を受ける保証取引について 118 億ユーロが契約済みであった。
EIF はまた、 SMEW の持分およびリスク資金源受託業務を通じて、 100 億ユーロ相当の投資基金を用
いた 277 件の取引を承認しており、 2019 年12月31日現在における契約額は 82億ユーロとなった。
インフラストラクチャーおよびイ
(*)
合計 2019 事業年度
ノベーション・ウィンドウ( IIW )
承認済み事業件数
602 130
2019 年12月31日現在の
承認済み事業( 100 万ユーロ) 60,449 11,606
うち持分型取引 6,739 1,240
うち負債型取引 53,710 10,366
契約済み事業件数 532 152
2019 年12月31日現在の
契約済み事業( 100 万ユーロ) 49,179 10,990
うち持分型取引 6,173 1,461
うち負債型取引 43,006 9,529
2019 年12月31日現在の
実行済み事業( 100 万ユーロ) 27,644 8,797
うち持分型取引 2,111 1,050
うち負債型取引 25,533 7,747
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(*) 前年と同様、金額は 2019 年中に解約された事業を控除している。
SME ウィンドウ( SMEW ) 合計 2019 事業年度
承認済みプロジェクト件数
667 308
2019 年12月31日現在の
承認済み事業(百万ユーロ) 23,799 6,393
契約済みプロジェクト件数 617 242
2019 年12月31日現在の
契約済み事業(百万ユーロ) 19,982 5,447
2019 年12月31日現在の
実行済み事業(百万ユーロ) 10,594 3,663
EIB グループが新たな EU投資プログラム( 2021 年- 2017 年)の中心的パートナーであることをイン
ベスト EUの合意で確認
2019 年3月に EIB は、多年次財政枠組み( 2021 年- 2027 年)におけるヨーロッパの民・官投資促
進プログラム案であるインベスト EU暫定合意を好意的に受けとめた。 EIB グループがインベスト EUの
75%を実施することが欧州理事会、欧州議会および欧州委員会で確認され、この合意に至った。ま
た、 EUの銀行として、すべての実施パートナーの利益となるよう必要なバンキングの専門知識を提
供し、プログラム全体のリスク管理機能を担っていく。
インベスト EUは、 EIB グループにより管理および実施される EFSI ならびに CEF (コネクティング・
ヨーロッパ・ファシリティ)、 InnovFin (イノベーターのための EUファイナンス)および COSME (企
業と中小企業の競争力のためのプログラム)などその他の既存金融商品の成功の上に設定される。
EU予算からの 380 億ユーロの保証を基礎として、社会的で、環境に優しく、競争力のある EUを維持す
るための約 6,500 億ユーロの投資を動員することを目指す。
2.4. EU域外の事業
EU域外に貸付金を供給することにより、 EIB はEUの対外的政策目標を積極的に推進している。 EIB
はEU域外で 50年以上にわたり活動しており、 2019 年末現在で 648 億ユーロ(うち 2019 年に契約したも
のは 79億ユーロ)の貸付金を 106 か国に付与してきた。 EU外の活動の大部分は、 EUからの保証(対外
貸付マンデート)または EIB の構成員からの保証(コトヌゥー協定)により、包括保証または政治リ
スク保証の形でカバーされている。
この活動領域において、 EIB は、欧州の開発金融アーキテクチャに関して 2019 年10月に賢人会幹部
グループから出された報告書を好意的に受けとめており、そこでは EU域外における EU政策の実施を
担う EIB グループの重要な役割が確認されている。同報告書は、 EIB に開発子会社を設置すること
が、ヨーロッパの開発金融アーキテクチャの制度的なギャップに対処するための選択肢として政治
的かつ財政的にもっとも実行可能性が高い点を強調している。
ロシア
EIB は、欧州理事会により 2014 年に採択された対ロシア制裁措置を引き続き適用している。ロシア
連邦内の借手に対する EIB の実行済エクスポージャーの総額は、 2019 年末現在で 2,260 万ユーロ
(2018 年:1億ユーロ)であり、このうち EIB の自己リスクによるものはなかった( 2018 年: 7,470
万ユーロ)。
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ウクライナ
ウクライナにおける実行済エクスポージャーの総額は、 2019 年末現在で 12億8,430 万ユーロ( 2018
年: 11億5,180 万ユーロ)であった。このうち 10億6,330 万ユーロ( 2018 年:9億 9,630 万ユーロ)は
EU域外貸付マンデートの保証でカバーされるが、それ以外は EIB の自己リスクによる。さらに、未実
行であるが契約済みの事業において 38億ユーロが確約されており、このうち1億 6,570 万ユーロにつ
いて EIB が自己リスクを負うと見込まれている。
トルコ
トルコにおける実行済みエクスポージャーの総額は、 2019 年末現在で 123 億ユーロ( 2018 年: 140
億ユーロ)であった。このうち 65億ユーロ( 2018 年: 70億ユーロ)は EU域外貸付マンデートの保証
でカバーされるが、 58億ユーロ( 2018 年: 70億ユーロ)は EIB の自己リスクによる。さらに、未実行
であるが契約済みの事業において8億ユーロが確約されており、このうち1億ユーロについて EIB が
自己リスクを負うと見込まれている。
2.5. 綿密なデュー・デリジェンスおよび厳格な選別基準
EIB のデュー・デリジェンス手続( EFSI の対象事業を含め、すべての事業に適用される。)は、す
べてのプロジェクトに厳格な適格基準を適用することで貸付金の優良性を確保している。プロジェ
クトの評価手続には、貸付担当役員、エコノミスト、エンジニアおよびその他の分野の専門家、リ
スク管理者および法律家による査定が含まれる。プロジェクトの実現可能性は、4つの角度(経
済、技術、環境/社会および財務)から検討される。
プロジェクトの選定時から、プロジェクトの残存期間を通じてリスク方針が適用される。 EIB は、
早期介入を可能とするため契約後の監視を行っており、当初の状態からの悪化または契約条項への
違背の有無を注意深く捕捉している。プロジェクトの審査および事前評価の厳守は、定期的な事後
検証と相まって、 EIB の貸付金ポートフォリオの質を支えている。
気候の観点は、全プロジェクトの調査およびモニタリングを通じて考慮される。 EIB は、直接に資
金供給を行ったプロジェクトで重大な排出を伴うものすべてに関し、二酸化炭素排出量を絶対値と
相対値で計算および報告する。さらに、二酸化炭素の経済的価値を環境外部経済性の会計処理に含
めている。
2.6. 高度 に担保された優良な貸付金ポートフォリオ
EIB が従う保守的な貸付方針は、融資対象プロジェクトの性質および強固な担保の設定と相まっ
て、よりリスクの高い貸付に向かう EIB の最近の動きにもかかわらず優良な貸付金ポートフォリオの
維持を可能としている。貸付金ポートフォリオが高格付であることは、 EIB の減損率の低さおよび債
務不履行が現在に至るまで低水準であったことに反映されている。
・ EIB の貸付金ポートフォリオの圧倒的多数は、信用補完もしくは欧州委員会( EC)へのリコー
スまたは EU加盟国の保証(この場合 EIB は、優先債権者としての地位( PCS )および EIB の定款に
より与えられる保護に基づき利益を享受する。)により手当てされている。信用補完の多く
は、 EUソブリン保証、欧州連合予算による保証、投資適格を有する銀行および企業による保
証、ならびに質の高い金融担保および権利または質権の設定という形をとっている。銀行およ
(16)
び企業に対する無担保の貸付金は、合計で 1,367 億ユーロ (2018 年: 1,325 億ユーロ)であ
り、 2019 年12月31日現在のリスク・ポートフォリオ全体の 26.6 %( 2018 年末: 25.8 %)を占め
た。
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注(16) 自己資金源、貸付金および代替貸付金を含む。
・ 貸付エクスポージャーに関する予想損失は、専用の一般貸倒準備金( GLR )に割り当てられ
る。
・ EIB のリスク・ポートフォリオの資産の質は極めて優良な水準で維持されている。 2019 年末現
(17)
在の EIB のリスク・ポートフォリオのうち、内部格付上の投資適格水準 をみたす最善の借手
または保証人を相手先とするものが 84.4 %( 2018 年: 83.9 %)を占めた。
注(17) Baa3 を上回る格付。
(18)
・ 2019 年末の貸付業務を通じた EIB の実行済ソブリン・エクスポージャー は452 億ユーロ
(19)
(2018 年: 454 億ユーロ)であり、ソブリンによる保証が付された契約済エクスポージャー
は797 億ユーロ( 2018 年: 796 億ユーロ)であった。 EIB は保有する EUソブリン・エクスポー
ジャーおよび EUソブリン保証エクスポージャーに関していかなる減損も計上しなかった。 EIB の
優先債権者としての地位および定款に基づいて与えられる保護により、 EIB のソブリン資産の全
額回復が保証されると考えられている。
注(18) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含む。
注(19) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含む。
・ 2019 年末現在、実行済みのエクスポージャーの総額において、 16億ユーロ( 2018 年: 15億
ユーロ)の 57件の貸付契約( 2018 年: 36件の貸付契約)で減損が生じた。このような取引は貸
付金ポートフォリオ全体の 0.4 %( 2018 年: 0.3 %)であり、そのために EIB はエクスポージャー
の総額(実行済エクスポージャー、経過利息および延滞エクスポージャー)に対して総額4億
8,690 万ユーロ( 2018 年:5億 3,690 万ユーロ)の個別引当金を計上している。
(20)
・ 欧州連合または加盟国のグローバル/包括保証により担保されていない貸付金 で、 90日
を超えて延滞しているものは、 2019 年末現在で1億 4,600 万ユーロ( 2018 年:1億 7,640 万ユー
ロ)であった。
注(20) 貸付金ポートフォリオのうち 90日を超えて延滞しているものの詳細は、法定財務書類の注 Uを参照
のこと。
・ EIB の通常の活動よりも高いリスクを伴う事業は、「特別活動」と呼ばれる。 2019 年に締結さ
(21)
れた新規の特別活動の規模 は150 億ユーロ( 2018 年: 160 億ユーロ)で、そのうち 15億ユー
ロ( 2018 年: 15億ユーロ)は EIB の自己リスクで実行されており、残りの 135 億ユーロ( 2018
年: 145 億ユーロ)はポートフォリオの信用リスク低減措置の対象となっている。自己資金源に
(22)
よる特別活動 の累積残高は、 2019 年中の新規契約締結の進捗を理由に 199 億ユーロ( 2018
年: 185 億ユーロ)に増加し、貸付金残高の償還および信用の質の改善はこれを部分的に相殺す
るにとどまった。
注(21) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含むが、 EIB のEIF に対するマンデートは除く。
注(22) 自己資金源による貸付金および代替貸付金を含むが、 EIB のEIF に対するマンデートは除く。
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自己資金源による特別活動は、現在はリスク・ポートフォリオ全体の約 3.9 %( 2018 年: 3.5 %)
となっており、これらは EUまたは加盟国の包括保証の対象になっていない。
・ EIB の自己リスクによる特別活動に関する非予想損失は、専用の特別活動準備金( SAR )に配
分され、その額は 2019 年末現在で 66億ユーロ( 2018 年: 59億ユーロ)であった。さらに、 EIB に
代わって EIF が運営するエクイティ・ファンド活動に対して 51億ユーロ( 2018 年: 49億ユーロ)
が配分されている。 2019 年の損益処理案を加味した特別活動準備金は 117 億ユーロとなる。
・ 貸付金格付に基づく要注意リストは、まだ一般的に債務は履行されているが、入念なモニタ
リングが必要と考えられる貸付対象事業により構成される。貸付対象事業は、内部貸付金格付
の引下げを受けて、または重大な信用事象が発生した後に、貸付金格付に基づく要注意リスト
に入れられる。一部の特定国のエクスポージャーに関するリスクの把握を強化したことから、
内部貸付金格付に基づく要注意リストの金額は 60億ユーロ( 2018 年: 61億ユーロ)に減少し、
リスク・ポートフォリオの 1.1 %( 2018 年: 1.1 %)を占めた。
3. 資金調達業務
EIB は、国際資本市場での債券発行を通じて長期資金を調達することにより、貸付の需要に対応し
ている。資金調達活動は、決められた目標額を、 EIB の資産負債管理に適した満期設定により達成
し、コストを持続可能な範囲で最適化することを目指す。 EIB は、主力通貨建の大規模かつ流動性が
高い債券(「ベンチマーク債」)と、対象を絞って個別に設定するその他の複数通貨建債券の発行
を組み合わせることで、この目標を達成する。資金調達の源泉および設定期間の多様化が EIB の資金
調達の柔軟性を支えている。
2019 年の資金調達プログラムは予定どおりに完了した。 EIB は、公表済みのプログラムに従い 503
(23)
億ユーロ相当額 を調達した。 2019 年の資金調達目標額が 2018 年( 600 億ユーロ)と比べて低いの
は、銀行の貸付目標の引下げ、債務の返済および関連事業の前提の変遷を考慮したためである。
2019 年に、 EIB は17通貨(そのうち4つはシンセティック形式)建で債券を発行した。また、 10月に
EIB により初めてユーロ STR 連動型ベンチマーク債が発行されるなど、 2019 年は EIB が資本市場に変革
をもたらすという役割を引き続き果たした年にもなった。
3.1. EIB の資金調達の満期構成
・ 2019 年の資金調達の平均満期は、 2018 年( 7.7 年)から大きく変わらず 7.2 年であった。
・ ユーロ建の発行では通常、 EIB の主力通貨の中で最も長い平均満期が設けられる。 2019 年の
ユーロ建資金調達の平均満期は 10.1 年( 2018 年: 11.0 年)であった。これを支えたのは、ユー
ロ建長期債のイールドカーブを構成する 30億ユーロのユーロ・エリア・リファレンス・ノート
(EARN 債)( 15年物)および5億ユーロの新規ユーロコオペレーション債( ECoop 債)( 18年
物)の発行、ならびに 2047 年9月満期の Ecoop 債の増枠であった。
・ 全体で見たその他の通貨(ユーロ、英ポンドおよび米ドル以外)建の発行の平均満期は 5.9 年
で、昨年と同等であった。
注(23) ユーロ相当額は、取引日の実勢為替レートで換算されている。
平均満期 (単位:年 )
通貨 2019 年 2018 年
ユーロ
10.1 11.0
英ポンド 4.8 5.4
米ドル 4.5 4.8
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その他 5.9 5.9
全体
7.2 7.7
3.2. 地理別ハイライト
・ 2019 年の全体的な投資家の分布は 2018 年と比べて大きな変化はなかった。欧州は、引き続き
投資家需要の主要な源泉と位置付けられており、その比率は昨年と比べて微減の 67%( 2018
年: 70%)であった。
・ アジアの投資家の関心は、ユーロ建債および米ドル建債のどちらについてもやや上向き、そ
の比率は 2018 年の 17%から 2019 年は 21%となった。米州の投資家の比率は、米ドル建債の発行
の減少がユーロ建債および英ポンド建債への関心の高まりによって一部補われた結果、 2018 年
の12%から微減の 10%となった。
・ 通貨間の地理的な偏差は依然として大きく、欧州域外の需要の大部分が米ドル建債に集中し
ている。このチャネルは欧州域外の資金を EU経済に呼び込むのに一役かっている。
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3.3. 投資家の種別
・ 銀行の自己勘定取引が需要の大部分を占め、その比率は 37%( 2018 年: 45%)に微減した。
ユーロ建債については銀行の自己勘定取引の比重が減っており、過去数年の 50-55 %から 2019 年
は35%になった。米ドル建の発行でも同じ傾向が見られたが、英ポンド建債は銀行の自己勘定
取引が 14%ポイント増えて 65%を占め、その支配的役割が強まった。
・ EIB の債券でもっとも大きい投資家区分は依然として銀行の自己勘定取引であるが、ここ数年
は投資元が中央銀行および政府系機関に若干シフトしている。この変化は主に、 (i) 米ドル建
およびユーロ建のベンチマーク債の発行に対する中央銀行(大半がヨーロッパ以外)の関心の
高まり、および (ii) 銀行の自己勘定取引に係る適格流動資産( HQLA )のバッファー構築圧力
の緩和が牽引した。
・ 需要における中央銀行の比率は、ユーロ建で増加し( 2019 年は9%ポイント増の 27%)、ま
た米ドル建はそれ以上の大幅な増加( 2019 年は 17%ポイント増の 59%)となったが、一方で
ファンドマネージャー、保健会社および年金基金などの大口投資家は 25%のまま横ばいであっ
た。
・ その他の投資家(法人およびリテール投資家を含む。)から生じる需要の比率は、 EIB の非中
核通貨建の発行を中心に微増し、 2018 年の4%から 2019 年は6%となった。
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3.4. EIB の主要通貨による資金調達
ユーロ、米ドルおよび英ポンドの主力通貨建の発行は、合わせて 2019 年の調達総額の 85%( 2018
年: 86%)を占めた。英ポンド建および米ドル建のベンチマーク債形式による発行が総額に占める
比率は、前年と同率の 59%であった。
・ ユーロ建 : ユーロ建では、 EIB はEARN 債形式でベンチマーク債(典型的には幅 30億- 50億
ユーロ)の発行を実施しており、 ECoop 債形式の発行がこれを補完している。 EIB は2019 年に 227
億ユーロをユーロ建で調達し、これは調達総額の 45.1 %を占めた( 2018 年: 257 億ユーロ、
43%)。 EARN 債の発行は、満期が5年から 15年の5件の新規ベンチマーク債( 170 億ユーロ)を
通じて滞りなく実施され、マイナス金利の環境下でも投資家にプラスの発行時利回りを提供し
た。当年の第1四半期に記録的な需要を積み上げたものを含め、すべての起債が順調に応募超
過となった。1月には、 50億ユーロの 10年物 EARN 債で過去最大のオーダーブック( 160 億ユー
ロ)が組まれ、 300 超の取引先による記録的な参加があった。2月初旬には、 30億ユーロの5年
物EARN 債で 168 億ユーロに達する最大のオーダーブックが組まれ、 EIB の新記録を再更新した。
固定利付形式への需要が ECoop 債の発行を支え、 2023 年から 2047 年満期の枠による総額 34億ユー
ロの 12件の起債を行った。さらに 2019 年10月に、 EIB は、 10億ユーロの3年物で、新しいユーロ
翌日物基準金利であるユーロ短期金利(ユーロ STR )およびユーロ無リスク金利に連動するベン
チマーク債を起債した。
・ 米ドル建 : EIB は、総額で 138 億ユーロ相当の米ドル建債を発行し( 2018 年: 204 億ユー
ロ)、調達総額比は 27.5 %であった。 EIB は米ドル建の有力な発行体であり、 2019 年には新規4
件のグローバル債形式により 130 億米ドル( 115 億ユーロに相当)および 10年満期の気候問題の
認識を高めるための債券( CAB )形式により 10億米ドルを調達した。 EARN 債の起債と同様に、
2019 年の第1四半期には EIB 史上最大( 95億米ドル)の米ドル建のオーダーブックが組まれた。
さらに EIB は、米ドル建 SOFR 連動変動利付形式で 15億米ドル( 13億ユーロに相当)の発行を実施
した。
・ 英ポンド建 : EIB は引き続き英ポンド建の有力な発行体であり、 2019 年に同通貨建で 55億英
ポンド( 62億ユーロに相当)を調達し、 2018 年の発行額の 45億英ポンド( 51億ユーロ)から増
加した。適切に配列された英ポンド建固定金利債のイールドカーブにより、 EIB は既存枠の流動
性を強化した。( CAB の発行を除いた)固定利付債市場において、 EIB は3年物から8年物の4
つの異なる期間設定で総額 24億英ポンドの6件の起債を行った。
また、 2019 年7月に EIB は、8億英ポンドの新規5年物 CAB を発行した。さらに EIB は、 SONIA
連動変動利付形式で 23億英ポンドの発行を実施した。
ユーロ相当額 (単位:十億ユーロ)
通貨 2019 年 2018 年
ユーロ 22.7 25.7
米ドル 13.8 20.4
英ポンド 6.2 5.1
その他 7.6 8.8
合計
50.3 60.0
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3.5. EIB のその他の通貨による資金調達
EIB の通貨多角化の方針は資金調達の柔軟性を強化するものであり、 EIB が費用優位性を獲得し、
現地通貨による実行の需要に応え、資金調達の満期プロファイルを細かく調整することを可能にし
ている。 2019 年に、 EIB はユーロ、米ドルおよび英ポンド以外の 14の通貨(そのうち4つはシンセ
ティック形式)建で債券を発行した( 2018 年: 18のその他の通貨、そのうち3つはシンセティック
形式)。その他の通貨建の発行額は 88億ユーロから 2019 年には 76億ユーロへとやや減少し、当期の
調達総額の 15%( 2018 年: 15%)を占めた。
・ 2019 年に、 EIB はノルウェー・クローネ建債で過去最高の発行高( 190 億クローネ、 19億ユー
ロに相当)を記録し、ノルウェー・クローネは初めて EIB で年額第4位の資金調達通貨となっ
た。 EIB のノルウェー・クローネ建の発行は、国内外で適正かつ一様に支持された。 EIB は政府
系機関( SSA )として当年第2位のノルウェー・クローネ債の発行体となった。
・ EIB は依然として国際機関として世界最大のポーランド・ズロチ建債の発行体であり、総額 58
億ポーランド・ズロチ( 13億ユーロ)の6件の起債を行った。 EIB は新規 10年7か月物のベンチ
マーク債 発行枠 および 10億ポーランド・ズロチ(2億 3,200 万ユーロ)の新規 10年5か月物 CAB
により、ポーランド・ズロチ建ベンチマーク債のイールドカーブを充実させた。
・ EIB は6件の個別の起債を通じて 18億豪ドル( 11億ユーロ、 CAB および CAB 以外の形式)の発行
を行った。 CAB の発行を除き、 EIB は当年前半に3つの異なる満期設定で総額9億 5,000 万豪ドル
のタップ発行(分割発行方式)を行い、また7月には3億豪ドルの 2024 年1月満期債の設定を
発表した。
・ EIB のカナダ・ドル建の 2019 年の発行総額は 13億カナダ・ドル(9億ユーロ)で、その内訳は
5億カナダ・ドルの 2022 年9月満期債および8億カナダ・ドルの 2024 年7月満期債であった。
どちらの起債もオーダーブックは十分な支持を受け、その大部分は現地銀行の自己勘定取引お
よび政府系機関からの需要であった。
・ EIB は2019 年に 67億スウェーデン・クローナ(6億 3,100 万ユーロ)の発行を行い、 2018 年の
発行額の 88億スウェーデン・クローナからやや減らしたが、5年間の平均額と同水準であっ
た。
・ 上記の通貨に加え、 EIB は、 18件の起債による 99億南アフリカ・ランド(6億 2,100 万ユー
ロ)、 10年ぶりに復帰したデンマーク・クローネ市場で初の CAB による 30億デンマーク・クロー
ネ(4億 200 万ユーロ)、2件の人民元建債による総額 13億人民元(1億 6,700 万ユーロ)、6
本のメキシコ・ペソ建債による総額 21億メキシコ・ペソ( 9,400 万ユーロ)、2本のロシア・
ルーブル建債による総額 25億ロシア・ルーブル( 3,400 万ユーロ)の発行を行った。
・ 仕組債の発行高は6億ユーロ( 2018 年:9億ユーロ)と大きくなく、調達総額の1%( 2018
年:1%)を占めた。
・ EIB はアルゼンチン・ペソ建、ブラジル・レアル建、インドネシア・ルピア建およびエジプ
ト・ポンド建で総額4億ユーロ( 2018 年:6億ユーロ)の数多くのシンセティック通貨形式に
よる起債を実施した。
ユーロ相当額 (単位:十億ユーロ)
通貨 2019 年
ノルウェー・クローネ 1.94
ポーランド・ズロチ 1.34
オーストラリア・ドル 1.13
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カナダ・ドル 0.89
スウェーデン・クローナ 0.63
南アフリカ・ランド 0.62
デンマーク・クローネ 0.40
ブラジル・レアル 0.17
人民元 0.17
インドネシア・ルピア 0.13
メキシコ・ペソ 0.10
ロシア・ルーブル 0.04
エジプト・ポンド 0.03
アルゼンチン・ペソ 0.02
合計
7.61
3.6. 無リスク金利
EIB は、新しい無リスク金利のフィールドで最近3年にわたって実施してきた市場開発の作業を続
けている。これにより、 EIB はLibor からの移行を図る市場参加者を支援しつつ、通貨間の基準の平
準化に貢献している。
(24)
・ SONIA : 2019 年3月に EIB は、銀行の自己勘定取引需要に促され、5億英ポンド(5億
8,200 万ユーロ)の 7年物 SONIA 債を発行した。この発行は、 SSA 市場で既発の SONIA 債のうち最
長の設定であり、また英ポンド建および無リスク金利のフィールドにおける EIB の知名度および
市場浸透度のひとつの証となった。 EIB のSONIA 債のイールドカーブにおける指標性を補強して
投資家の需要に応えるために、 2019 年に EIB は新規発行とタップ発行からなる総額 22億5,000 万
英ポンドの発行を行った。
(25)
・ SOFR : 2019 年6月に、 EIB は革新的で好調な SOFR 債の起債を発表した。この市場におけ
る前進は、 EIB が、これまでに発行された SOFR 債の満期より格段に長い3年物の設定で 15億米ド
ル( 13億ユーロ)を発行できたことによっても別途証明された。
(26)
・ ユーロ STR : ECB によるユーロ STR (ユーロ圏無担保翌日物平均金利( EONIA )に代わる新
しいユーロ翌日物指標であるユーロ無リスク金利)の 2019 年10月の公表を受け、 EIB は滞りなく
10億ユーロの3年物ユーロ STR 連動ベンチマーク債の起債を公表した。この起債は、既存のユー
ロ建固定 利付債 のイールドカーブに沿って値付けされ、適度に分散されたオーダーを呼び込ん
だ。新しい債券は、 EIB がすでに英ポンド市場および米ドル市場で用いていたテンプレートに
沿って設計され、投資家に流動性のある有価証券を提供するための複利方式や過去データ参照
(バックワード・ルッキング)アプローチを取り入れており、これにより市場に適切な基準を
提供している。
注(24) SONIA :英ポンド翌日物平均金利
注(25) SOFR :担保付き翌日物資金調達金利
注(26) ユーロ STR :ユーロ短期金利
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3.7. サステナビリティ資金調達
EIB は2007 年にグリーンボンドおよびサステナビリティ・ボンド市場に初めて参加し、国際発行体
としてかかる債券の世界最大手となっている。 2019 年に EIB は11回の起債を通じて 41億ユーロ相当
(2018 年: 45億ユーロ)の気候変動への認識を高めるための債券( CAB )および持続可能性(サステ
ナビリティ)への認識を高めるための債券( SAB )を7通貨建(このうち(デンマーク・クローネお
よびポーランド・ズロチの)2通貨は、 EIB のサステナブル資金調達における新たな進出先となっ
た。)で発行した。その他のハイライトには、5億ユーロの 2042 年満期 CAB 、4億豪ドルの 2024 年満
期CAB 、8億英ポンドの 2024 年満期 CAB および 10億米ドルの 2029 年満期 CAB (米国市場登録形式)が含
まれる。秋口には、スカンジナビア諸国の特定の投資家との直接対話を経て、 20億スウェーデン・
クローナの 2026 年満期 SAB につきその資金配分先を水供給から医療や教育のプロジェクトにまで広
げ、また初めての 2026 年満期 SAB 発行枠を5億ユーロ増額して 10億ユーロのベンチマーク規模に拡張
した。
6月 27日、 EIB と日本の年金積立金管理運用独立法人( GPIF )は、サステナブル・ファイナンス分
野におけるパートナーシップに関する発表を行った。この協力関係は、 GPIF の資産運用会社が、環
境・社会・ガバナンス( ESG )を総合的に配慮する幅広い取組みの一環で CAB および SAB を注視してい
くことを受けてのものである。
CAB SAB
2019 年中に EIB は34億ユーロの CAB を発行し 2019 年中に EIB は6億 9,500 万ユーロの SAB を
た。当年中に、 33億ユーロの実行が CAB の発行 発行した。当年中に、8億 7,600 万ユーロの
手取金からの配分適格をみたすと認定され、 実行が SAB の発行手取金からの配分適格をみ
33億ユーロの CAB の発行手取金が EIB の配分手 たすと認定され、8億 7,200 万ユーロの SAB の
続を経てかかる実行に配分された。自己保有 発行手取金が EIB の配分手続を経てかかる実
(27)
CAB の未使用の CAB 手取金残高は、年初で 18億
行に配分された 。自己保有 SAB ポートフォ
ユーロおよび年末で 19億ユーロであった。
リオの未使用の SAB 手取金残高は、年初で3
億7,100 万ユーロおよび年末で1億 9,400 万
ユーロであった。
注(27) 適格な実行のうち総額 400 万ユーロの2件については、自己保有 SAB ポートフォリオの未使用の SAB 手取
金の残高がゼロであった時期( 2019 年8月8日から 2019 年9月 12日まで)に行われたため、配分するこ
とができなかった。
EUサステナビリティ・タクソノミおよびグリーンボンド基準の技術専門家グループ案の 公表
2019 年6月 18日、欧州委員会のサステナビリティ・ファイナンスに関する技術専門家グルー
プ( TEG )が新たな報告書を公表し、欧州委員会の持続可能な成長へのファイナンス行動計画に
向けた重要な一歩を刻んだ。 TEG は2018 年7月に作業を開始し、市民団体、学会、ビジネスおよ
び金融業界からの 35人のメンバーならびに EUや国際公的機関( EIB を含む。)からの追加メン
バーおよびオブザーバーにより構成される。同報告書は、投資対象への投資家の認識をさらに
高め、持続的に投資を実施していくためのより良いツールを投資家に与えることで、持続可能
な開発に対する民間部門投資のインセンティブおよびチャネルを追加することを目的とする。
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EIB は特に、 EUサステナビリティ・タクソノミ(持続可能事業の分類、 EUST )の報告および EUグ
リーンボンド基準の報告に貢献した。
これらの2つの報告は、 EIB の資金調達および貸付活動と直接関係する。環境的に持続可能な
活動の EUST 報告では、6つの環境課題のうち冒頭の2つ(気候変動の緩和および気候変動への
適応 )に対して大きく貢献する経済活動を特定するための方法論、指導原則および技術的審査
基準を概説している。 EUグリーンボンド基準報告では、グリーンボンド市場に明確性と信頼性
をもたらすため、適格プロジェクト( EUST との明確な関連性)および発行体による報告の検証
に関して、 EUグリーンボンド基準の充実に向けた提言をしている。
サステナビリティ・タクソノミに沿ってサステナビリティ資金調達文書を作成した初の発行
体は EIB
EIB は、 EUグリーンボンド基準への確実な遵守に向けて、( CAB とSAB の両方の)債券文書の記
載要項を策定中の EUサステナビリティ・タクソノミに合わせた最初の発行体となった。サステ
ナブル・ファイナンスに係る EU法制の今後の改正に即して、 CAB 手取金は気候変動の緩和に貢献
するプロジェクトへの EIB の貸付に配分され、また SAB 手取金は気候にとどまらず環境・社会目
的に貢献するプロジェクトに充てられる。
採択された場合、 EUST は、サステナブル投資(例:グリーンローンやグリーンボンド)に関
する一貫した基準一式を策定するため、サステナビリティの中核事項の共通定義を定める。そ
の結果、 CAB および SAB の文書の記載により、 EU法制の今後の改正に即して融資適格を段階的に
拡張することができる。こうした拡張は、適格基準の漸進的な適合および所要の手続や ITイン
フラの確立を通じて達成される。
4. 自己勘定取引活動
4.1. 高品質の資産
自己勘定取引管理は、財務コミットメントを継続的に履行する能力を EIB に確実に備えさせ、およ
びEIB の資産負債方針を実践するという2つの役割を果たしている。資金は、多様化における低リス
ク戦略に基づく所定の基準に従って定まるポートフォリオに投資される。 EIB のポートフォリオ管理
は常に、 EIB の統治機関が設定したガイドライン、健全性に係る制限および指標に準拠していなけれ
ばならない。
2019 年末現在、自己勘定取引の対象には以下のポートフォリオが含まれる。
・ 短期自己勘定取引ポーオフォリオ( TMP ):日々の流動性管理のために設定される。
・ 有価証券流動性ポートフォリオ( SLP ):ユーロ、英ポンドおよび米ドルの通貨に投資して自
己勘定取引資産のリターンを向上させるとともに、多様性を提供することを目指す。欧州中央
銀行( ECB )の適格担保資産の 75%保有が課される中での運用となり、 SLP もまた流動性の補完
ルートとして機能する。
・ 長期ヘッジ・ポートフォリオ( LTHP ):高品質ユーロ建資産を対象とした資産負債管理
(ALM )ツールとして機能する。
当期末現在、これらの資産の大部分( 93%)は満期1年未満の短期商品に投資される自己勘定取
引金融ポートフォリオとして保有されていた。自己勘定取引ポートフォリオの信用エクスポー
ジャーの内訳については、 EIB の法定財務書類の注記を参照のこと。
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4.2. 慎重 な流動性管理
自己勘定取引活動は、投資される資本を保護し、かつ EIB が確実に全額について期限弁済できるこ
とを第一目標に据えて実施されている。流動性は一貫して、 EIB の業務環境に対応して設定される健
全性に係る限度内で維持されている。
2019 年末現在の総自己勘定取引資産は 809 億ユーロ( 2018 年: 806 億ユーロ)であり、また EIB の総
(28)
流動性比率は 88.6 %( 2018 年: 97.4 %)と、最低流動性要件の 25% を十分に上回った。流動性
カバレッジ比率は当期末現在で 483.4 %( 2018 年: 182 %)であった。
注(28) 最低流動性比率は、翌 12か月に関する予想純キャッシュ・アウトフローの 25%である。
ユーロシステムの金融政策オペレーションの適格取引当事者として、 EIB は欧州中央銀行の金融政
策オペレーションへのアクセスも有している。このアクセスは、その恒常的なオペレーションの維
持を確保するために、たとえ低水準であっても定期的に活用されている。オペレーションは、 EIB が
最低準備金要件をカバーするための預け金をルクセンブルク中央銀行に維持している場合は、ルク
センブルク中央銀行を通じて遂行される。欧州中央銀行適格担保をレポする能力は、 EIB の流動性
バッファーを大幅に増加させる。
EIB は現在、流動性リスクへの耐性を高めることを目的とする担保管理システムを導入しており、
多様な担保原資を動的かつ総合的に管理できるようになっている。この分野で EIB は競合他社の先を
行く。担保の流動性を評価することで、流動性プロファイルが向上する。
4.3. 2019 年の自己勘定取引金融損益
ユーロの中短期のマイナス金利が依然として市場環境を規定しており、すなわち、期間、信用の
質および流動性の要件をみたす投資機会を見出すことは困難であった。 ECB の姿勢が招いた超短期
ユーロ金利の一層の引下げという特徴的な市場環境において、当期の自己勘定取引ポートフォリオ
からの金融収益は2億 7,400 万ユーロ( 2018 年:3億 4,300 万ユーロ)となり、 EIB の自己勘定に係る
総合平均リターン率は 0.4 %( 2018 年: 0.6 %)であった。
4.4. 資産 負債管理
EIB の資産および負債に係る金利、為替および基礎的リスクのポジションは、所定の制限の範囲内
で管理されている。この中で、管理対象リスク・ファクターの対象エクスポージャーを実現するた
めに、標準的なデリバティブ商品を用いて多様なリスクプロファイルを調整している。資産負債管
理( ALM )方針は、 EIB の事業の自立的な持続可能性および自己資金の増強を確保することを目標と
している。
5.最良の銀行業の慣行に従った保守的なリスク管理
EIB はそのリスク管理を最良の銀行業の慣行(ベスト・バンキング・プラクティス)に合わせるよ
う心掛けており、こうした慣行の厳守は、総務会に直接に報告を行う独立機関たる監査委員会によ
り監視されている。年次の業務目標および方向性を決定するための手法は、堅固な信用状態、貸付
事業の長期性向およびポートフォリオの粒度を維持するという EIB の目的を考慮に入れている。 EIB
は、その活動に付随する信用リスク、流動性リスク、市場リスクおよびオペレーショナル・リスク
を監視する一式の指標を定めている。この指標には、最低自己資本要件、 EIB の貸付金ポートフォリ
オの信用状態の分布、リスク集中措置および流動性措置が特に含まれる。
EIB の貸付方針は、貸付対象事業に係る債務者および保証人の双方に最低信用水準を設定してお
り、受入れ可能とみなされる有価証券の種類を特定している。リスク分析において、 EIB は貸付に関
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して内部格付制度を適用しており、カウンターパーティーに内部格付を付与している。さらに、カ
ウンターパーティーおよび部門に係る制限の制度を通じて、信用方針は貸付金ポートフォリオの十
分な分散を確保している。 EIB はその 10の主要産業に関して部門ごとの制限を設定し、またその他の
関連産業についてエクスポージャーの総額をモニタリングしている。制限は、ストレス下の資金需
要、すなわちある産業が低迷に陥った場合のエクスポージャーの総額に基づき設定される。
EIB グループの事業活動から生じる主なリスク・カテゴリーは次のとおりである。
・ 信用リスク : 決済リスク等のあらゆる形式の信用エクスポージャーに基づき、顧客またはカ
ウンターパーティーのデフォルトから生じる損失のリスク。
・ 市場リスク : 金利、為替および株価のような市場変数に対するエクスポージャーから生じる
リスク。
・ 流動性および資金調達リスク : EIB グループが合理的な価格により、あるいは極端な状況下
ではいかなる価格によっても、資産調達の資金繰りおよび義務の履行ができなくなるリスク。
・ オペレーショナル・リスク : 内部プロセス、人員およびシステムの不備または過誤、あるい
は外部事象の結果として生じるおそれのある損失。
財務リスク管理の詳細については、法定財務書類の注 Uおよび EIB のウェブサイト上のリスク管理
開示報告書(英文)を参照のこと。
2018 年10月3日に EIB は、 EIB の総務会の事前承認を経て、「欧州投資銀行のベスト・バンキン
グ・プラクティス( BBP )の指針的原則」 (英文 )をウェブサイト上で公表した。 BBP の指針的原則は
上級経営陣向けの文書であり、原則の全体像および銀行業規則の一般的範囲ならびに BBP として EIB
に適用される指針を定めている。同文書はさらに、関連する規則を特定するための評価基準を定
め、また一般的調整を通じて EIB のビジネス・モデルの特殊性を考慮している。同文書は EIB の統治
機関により定期的に見直される。
6.企業の社会的責任
サステナビリティは EIB の活動および手続に織り込まれている。デュー・デリジェンスの観点か
ら、 EIB は、資金提供先となる投資プロジェクトを一定の基準に基づいて評価および選定しており、
これには環境、社会およびガバナンスの側面などサステナビリティに係る適格性が含まれる。一部
の活動は EIB の融資対象から完全に排除されている。適格な活動については、すべての投資プロジェ
クトが EIB の環境・社会に係る規範および基準を遵守している必要がある。さらに EIB は、社会に対
する投資プロジェクトのコストおよび貢献を全体的に評価するための経済的評価を実施する。全体
として社会に利益をもたらし、かつ EIB の環境・社会に係る規範および基準に則ったプロジェクトに
対してのみ資金が提供されうる。
知的で持続可能で包摂的な成長を支援するという EIB の目標と関連があるような EIB の業務および
影響力についての概要を提供するため、 EIB は毎年、持続可能性報告書を発行している。この報告書
は、グローバル・レポーティング・イニシアチブ( GRI )による基準の「包括」オプションに従って
作成され、外部監査人による限定的な確認審査を受けている。これは、毎年公表される持続可能性
報告開示書類と併せて読まれるべきである。どちらの書類(英文)とも EIB のウェブサイトで入手可
能である。
(29)
7. EIB グループの財務実績
EIB グループは EIB とEIF で構成される。
注(29) このセクションでは、 EU会計指令および国際会計基準( IFRS )に基づいて作成された EIB グループの連
結財務書類に触れる。
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7.1 EU会計指令に基づく EIB の連結財務書類
EU会計指令に基づく 2019 年の連結当期損益は 24億1,880 万ユーロで、これに対して 2018 年の当期純
利益は 23億9,280 万ユーロであった(すなわち、前期比の差額はプラス 2,600 万ユーロまたはプラス
1.1 %)。 EU会計指令に基づく連結損益はそのほぼすべてが EIB 単体の損益からなるため、この結果
は法定財務書類の当期純利益と密接に連動する。
2019 年12月31日現在の EIB グループの貸借対照表金額は、 2018 年12月31日現在に対して 21億ユーロ
の減少を示し、 5,552 億ユーロとなった。
7.2 IFRS (国際会計基準)に基づく EIB の連結財務書類
IFRS に基づく 2019 年の連結当期損益は、 2018 年に確認された同損益が 33億6,030 万ユーロであった
のに対して 29億5,760 万ユーロであった(すなわち、前期比の差額はマイナス4億 270 万ユーロ)。
IFRS に基づく同損益に関するその他の情報は、 EIB グループの IFRS に基づく連結財務書類の注記で提
供される。
② 業務上の重要な協約
該当なし
③ 日本との関係
日本の資本市場における EIB の活動は 1970 年代まで遡り、その中には1兆円を上回る規模の 60を超え
る案件(シンジケート・ローン、公募および私募債券発行)が含まれる。
EIB は日本および日本の居住者に対して貸付を行ったことがない。
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(5) 【経理の状況】
以下の和文財務書類は、英文財務書類を原本として作成されている。英文財務書類はそれぞれ EIB の監
査人である KPMG ルクセンブルクによる監査を受けている。
①【IFRSに基づく連結財務書類】
当有価証券報告書の本項に記載されている EIB グループの 2019 年12月31日現在の連結貸借対照表な
らびに同日に終了した事業年度の連結損益計算書、連結純損益およびその他の包括利益計算書、連
結持分変動計算書および連結キャッシュ・フロー計算書( 「IFRS に基づく連結財務書類」)は、欧
州連合によって採用された 国際財務報告基準(「 IFRS 」)に 準拠して作成されている。
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連結貸借対照表
2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2019 年12月31日 2018 年12月31日
1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
(注 B.1 ) 947,155 141,830
2. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他
短期証券 (注 B.2 ) 34,569,333 33,860,192
3. 金融機関貸付金および預け金
a)要求払 544,317 944,692
b)その他の貸付金および預け金(注 C ) 53,854,954 51,401,120
c)貸付金(注 D.1 ) 111,858,695 117,125,782
d)貸付金および預け金の減損(戻入れ控除
-159,046 -206,273
後)(注 D.2 )
166,098,920 169,265,321
4. 対顧客貸付金および預け金
a)その他の貸付金および預け金(注 C ) 964,239 452,699
b)貸付金(注 D.1 ) 339,352,049 332,971,984
c)貸付金および預け金の減損
-597,140 -661,810
(戻入れ控除後)(注 D.2 )
339,719,148 332,762,873
5. 確定利付証券を含む負債証券 (注 B.2 )
a)公共機関による発行 3,921,585 3,924,922
8,598,121 12,372,822
b)その他による発行
12,519,706 16,297,744
6. 株式およびその他の変動利回証券
(注 B.3 ) 11,599,562 8,990,738
7. デリバティブ資産 (注 Q) 49,788,848 42,738,221
8. 有形固定資産 (注E) 403,863 256,568
9. 無形資産 (注 E) 25,655 23,798
10. その他の資産 (注 G.1 )
82,267 68,009
261,206 209,830
11. 前払金
616,015,663 604,615,124
資産合計
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結貸借対照表(続き)
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債および資本 2019 年12月31日 2018 年12月31日
負債
1. 金融機関に対する債務 (注 H.1 )
a)要求払 6,284,469 4,121,680
1,184,732 93,459
b)期日払または通知払
7,469,201 4,215,139
2. 顧客に対する債務 (注 H.2 )
a)要求払 1,594,508 1,791,083
15,540 10,976
b)期日払または通知払
1,610,048 1,802,059
3. 債務証書借入 (注I)
a)負債証券 476,380,419 473,902,448
16,946,697 16,129,401
b)その他
493,327,116 490,031,849
4. デリバティブ負債 (注 Q) 32,525,648 31,162,762
5. その他の負債 (注 G.2 ) 2,098,163 1,738,632
6. 繰延収益 (注 F) 373,072 383,231
7. 引当金
a)年金制度および健康保険制度(注 J) 7,892,289 5,703,104
74,091 91,294
b)保証および契約債務引当金(注 D)
7,966,380 5,794,398
545,369,628 535,128,070
負債合計
資本
8. 資本金 (注 W)
a)応募済資本金 243,284,155 243,284,155
-221,585,020 -221,585,020
b)払込未請求資本金
21,699,135 21,699,135
9. 連結準備金
a)準備基金 24,328,415 24,328,415
b)その他準備金 8,000,597 6,964,454
c)公正価値準備金 712,446 771,949
d)特別活動準備金 10,777,675 9,626,707
2,170,177 2,736,047
e)一般貸倒準備金
45,989,310 44,427,572
2,957,590 3,360,347
10. 当期純利益 (注K)
70,646,035 69,487,054
EIB 株主に帰属する資本合計
70,646,035 69,487,054
資本合計
616,015,663 604,615,124
負債および資本合計
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有価証券報告書
連結損益計算書
2019年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(1)
1. 受取利息および類似収益 (注 L) 24,469,730 24,722,164
2. 支払利息および類似費用 (注 L) -21,550,415 -21,613,039
3. 株式およびその他の変動利回証券からの収益 278,533 421,381
4. 受取手数料 (注O) 440,593 374,541
5. 支払手数料 (注O) -252,282 -180,975
(2)
6. 金融業務損益 (注M) 701,493 1,070,989
7. その他の業務収益 (注 N) 5,925 6,324
8. 貸付金および預け金の減損ならびに保証引当
金の変動(戻入れ控除後) (注 D.2 、D.4 ) 95,472 -190,924
9. 固定金融資産として保有される
譲渡可能有価証券、株式およびその他の変動
利回証券の減損の変動(戻入れ控除後) -1,193 -15,312
10. 一般管理費 (注J、P)
a)人件費(注J) -899,305 -907,415
-247,821 -283,920
b)その他の管理費
-1,147,126 -1,191,335
11. 減価償却費および償却費:有形固定資産
および無形資産 (注 E)
a)有形固定資産 -67,543 -30,526
-15,597 -12,347
b)無形資産
-83,140 -42,873
2,957,590 3,360,941
12. 当期純利益
帰属先:
0 594
非支配持分
2,957,590 3,360,347
EIB株主
(1) 2019 年12月31日終了年度の受取利息および類似収益には、償却原価で保有される資産について実効金利法を用いて計
算された 7,390,859 千ユーロ( 2018 年: 7,503,690 千ユーロ)が含まれる。
(2) 2019 年12月31日終了年度の金融業務損益には、償却原価で測定される金融資産の認識中止による純利益 8,327 千ユー
ロ( 2018 年:ゼロ)が含まれる。
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有価証券報告書
連結純損益およびその他の包括利益計算書
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
当期純利益 2,957,590 3,360,941
その他包括損益
その後に純損益に振替えられることのない項目:
確定給付債務の再測定(注 J) -1,736,097 230,240
FVO に指定された金融負債の自己信用リスクの変
動に起因する公正価値の変動-公正価値準備金
(注 R) -215,857 345,547
FVOCI での測定に指定された資本性金融商品に対
する投資の純利益/損失(注 B.3 ) 3,163 22,123
その後に純損益に振替えられる項目:
ヘッジ・デリバティブの通貨ベーシス・スプレッ
ドに起因する公正価値の変動-公正価値準備金
(注 Q) 153,190 94,307
-1,795,601 692,217
その他包括損益合計
1,161,989 4,053,158
包括損益合計
帰属先:
0 594
非支配持分
1,161,989 4,052,564
EIB株主
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連結持分変動計算書
2019年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
応募済 払込未請求 準備 その他 公正価値
資本金 資本金 基金 準備金 準備金
243,284,155 -221,585,020 24,328,415 5,593,430 309,972
2018 年1月1日現在の残高
包括損益
当期純利益 0 0 0 0 0
その他包括損益 0 0 0 230,240 461,977
包括損益合計 0 0 0 230,240 461,977
前年度利益処分額 0 0 0 1,159,871 0
その他 0 0 0 -19,087 0
株主との取引
子会社の支配権喪失に伴う
非支配持分の変動 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
株主との取引合計
243,284,155 -221,585,020 24,328,415 6,964,454 771,949
2018 年12月31日現在の残高
包括損益
当期純利益 0 0 0 0 0
その他包括損益 0 0 0 -1,736,097 -59,504
包括損益合計 0 0 0 -1,736,097 -59,504
前年度利益処分額 0 0 0 2,775,249 0
その他 0 0 0 -3,009 1
株主との取引
子会社の非支配持分の変動 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0
株主との取引合計
243,284,155 -221,585,020 24,328,415 8,000,597 712,446
2019 年12月31日現在の残高
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有価証券報告書
連結持分変動計算書(続き)
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
特別活動 一般貸倒 利益処分前 非支配 連結自己
準備金 準備金 当期純利益 合計 持分 資本合計
7,504,091 2,700,556 3,317,978 65,453,577 67,435 65,521,012
2018 年1月1日現在の残高
包括損益
当期純利益 0 0 3,360,347 3,360,347 594 3,360,941
その他包括損益 0 0 0 692,217 0 692,217
包括損益合計 0 0 3,360,347 4,052,564 594 4,053,158
前年度利益処分額 2,122,616 35,491 -3,317,978 0 0 0
その他 0 0 0 -19,087 0 -19,087
株主との取引
子会社の支配権喪失に伴う
非支配持分の変動 0 0 0 0 -68,029 -68,029
0 0 0 0 -68,029 -68,029
株主との取引合計
9,626,707 2,736,047 3,360,347 69,487,054 069,487,054
2018 年12月31日現在の残高
包括損益
当期純利益 0 0 2,957,590 2,957,590 0 2,957,590
その他包括損益 0 0 0 -1,795,601 0-1,795,601
包括損益合計 0 0 2,957,590 1,161,989 0 1,161,989
前年度利益処分額 1,150,968 -565,870 -3,360,347 0 0 0
その他 0 0 0 -3,008 0 -3,008
株主との取引
子会社の非支配持分の変動 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0
株主との取引合計
10,777,675 2,170,177 2,957,590 70,646,035 070,646,035
2019 年12月31日現在の残高
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
A. 営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 2,957,590 3,360,941
調整額:
貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金の変動 -95,472 190,924
有形固定資産および無形資産の減価償却費および償却費ならびに償却 83,870 42,873
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、株式および
その他の変動利回証券の減損の変動 1,193 15,312
負債証券の公正価値調整の変動額 -135,173 28,152
貸付金および関連するスワップの IFRS に基づく調整 -2,233 556,820
借入金および関連するスワップの IFRS に基づく調整 -129,812 -717,756
その他デリバティブの IFRS に基づく調整 579,069 -376,083
正味受取利息 -2,919,315 -3,109,125
-1,615 -4,919
為替調整額
338,102 -12,861
営業活動による利益(損失)
金融機関および対顧客貸付金および預け金の実行額 -43,583,030 -46,720,967
金融機関および対顧客貸付金および預け金の返済額 46,502,444 50,762,627
中央銀行預け金の変動額 30,808 20,650
財務ポートフォリオの変動額 5,387,180 -1,109,604
金融機関および顧客に対する債務の変動額 3,064,416 -923,707
年金制度および健康保険制度の引当金の変動額 550,344 359,377
保証および契約債務引当金の変動額 -10,199 -25,359
現金および現金同等物に係る経過利息の変動額 22,554 76,519
その他の資産およびその他の負債の変動額 188,761 153,974
利息受取額 22,872,120 23,417,469
-20,379,662 -20,056,165
利息支払額
14,983,838 5,941,953
営業活動による/(で使用した)正味現金
2019 年 2018 年
B. 投資活動によるキャッシュ・フロー:
期中に購入した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 -720,000 -524,088
期中に満期が到来した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 139,600 16,800
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金および EIF の
ABS ポートフォリオの購入 -3,889,925 -3,709,716
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金および EIF の
ABS ポートフォリオの償還額 3,830,869 3,081,888
株式およびその他の変動利回証券取得額 -2,350,011 -2,264,355
株式およびその他の変動利回証券売却額 680,031 1,017,072
-37,999 -36,637
有形固定資産および無形資産購入額
-2,347,435 -2,419,036
投資活動による/(で使用した)正味現金
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連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
C. 財務活動によるキャッシュ・フロー:
債務証書借入の発行 141,610,413 102,838,534
債務証書借入の償還 -152,891,158 -100,519,723
加盟国の拠出 0 25,983
EIF 株式購入 0 -4,758
EIF 株式売却 2,201 1,298
EUMPF の資本払戻し 0 33,923
非支配持分に対する配当金の支払 -4,331 -4,519
-39,150 0
リース負債の返済
-11,322,025 2,370,738
財務活動による/(で使用した)正味現金
2019 年 2018 年
キャッシュ・フローの要約表:
現金および現金同等物期首残高 58,342,332 51,760,118
以下による正味現金:
営業活動 14,983,838 5,941,953
投資活動 -2,347,435 -2,419,036
財務活動 -11,322,025 2,370,738
578,658 688,559
保有現金に係る為替調整
60,235,368 58,342,332
現金および現金同等物期末残高
現金および現金同等物の内訳:
現金、中央銀行および郵便局預け金(ルクセンブルク中央銀行の最低預金
準備率を充足するための預け金を除く)(注 B.1 ) 836,165 32
3ヵ月内満期の短期金融市場証券(注 B.2 ) 10,817,964 9,575,785
金融機関および対顧客貸付金および預け金:
要求払 544,317 944,701
48,036,922 47,821,814
その他の貸付金および預け金(注 C )
60,235,368 58,342,332
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
現金を伴わない変動
金融負債の
公正価値
キャッシュ・ その他の
2018 年 2019 年
為替差額
フロー
調整および
変動額
未払利息
長期借入 479,939,798 -12,273,599 5,205,343 9,357,580 0 482,229,122
*
リース負債 190,460 -39,150 110 530 4,562 156,512
10,092,051 992,854 13,089 0 0 11,097,994
短期借入
490,222,309 -11,319,895 5,218,542 9,358,110 4,562 493,483,628
財務活動による負債合計
*リース負債の期首残高調整。詳細については、注記 A.5 移行に関する開示- IFRS 第16号を参照のこと。
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
欧州投資銀行グループ
連結財務書類に対する注記
2019 年12月31日現在
欧州投資銀行(「 EIB 」)は、 1958 年にローマ条約により、欧州連合(「 EU」)の長期貸付銀行として設立
された。 EIB の任務は、 EU加盟国の統合、均衡の取れた発展、経済的および社会的な結束に貢献することであ
る。 EIB は、資本市場で多額の資金を調達し、それらの資金を EU政策目標を促進するプロジェクトに有利な条
件で貸し付けている。 EIB は継続的に、その業務を EU政策の展開に適合させている。
登記上の事務所所在地は、 98-100, boulevard Konrad Adenauer, Luxembourg である。
EIB と子会社を合わせて「グループ」と総称する。
EIB の子会社については、注 B.4.1. に開示されている。
注A:重要な会計方針
A.1. 作成基準
A.1.1. 基準等への準拠
欧州投資銀行グループの連結財務書類(「本財務書類」)は、欧州連合により採択された国際財務
報告基準(「 IFRS 」)に準拠して継続企業を前提として作成されている。
経営委員会の提案を受け、理事会は 2020 年3月 18日に本財務書類を採択し、 2020 年4月 24日までに
これを総務会に提出して承認を求めることを承認した。
A.1.2. 測定基準
本連結財務書類は、デリバティブ金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融
資産、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産および金融負債、強制的に純損益を通
じた公正価値で測定される金融商品ならびに、当初認識額から IFRS 第15号に基づく償却額(該当する
場合)を控除した金額と IFRS 第9号に準拠して決定された損失引当金のいずれか高い金額で測定され
ている金融保証を除き、償却原価に基づいて作成されている。受取レグは、 IFRS 第9号に従い、将来
キャッシュ・フローを割り引くことによって、純損益を通じて公正価値で測定されている。
適格公正価値ヘッジ関係におけるヘッジ対象に指定された金融資産および金融負債の償却原価
(「 AC」)は、ヘッジ損益に関して調整されている。
確定給付債務に関する負債は、同債務の現在価値に未認識の保険数理利益を加算した値から未認識
過去勤務費用または未認識の保険数理損失を差し引いた金額で認識される。
また、別途明記されていない限り、本財務書類は千ユーロ単位に四捨五入して表示されている。
A.1.3. EIB の英国に対するエクスポージャーおよび EIB の英国との関係
2017 年3月 29日、英国は、欧州連合条約(「 TEU 」)第 50条に従って欧州連合(「 EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、 TEU 第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定(「離脱協定」)に基づき、 2020 年2月
1日をもって EU加盟国でなくなった。英国の EUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「 EIB 」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
2020 年2月1日より、 EIB の応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りの EU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替えは、 EIB における英国の応募済資本
金の払込部分に加え、未請求部分も対象とするものであった。 EIB の準備金を払込応募済資本金に振り
替えることで賄われた。増資の結果、残りの各 EU加盟国において、 EIB の応募済資本金の未請求(請求
可能)持分が按分で増加した。
また、ポーランドおよびルーマニアの EIB に対する応募済資本金が、それぞれ 5,386,000,000 ユーロ
および 125,452,381 ユーロ引き上げられた。この増資は、英国の EU離脱から1ヵ月後の 2020 年3月1日
に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、 EIB の応募済資本金の増加分の払込部分につき支払いを
行うものとし、 10回の均等分割により半年ごとに EIB の準備金に拠出を行っていく。
なお、英国の EU離脱に伴う EIB 定款の数多くの変更がすでに効力を生じた。 EIB 定款変更の第一群
は、 2020 年2月1日に効力を生じた。 英国が EIB の構成員でなくなったことを反映する これらの法定の
変更には、 EIB 定款における英国への言及の削除が含まれた。 ガバナンス条項のいくつかの変更も同時
に効力を生じ、かかる変更には、 EIB 理事会の代理 メンバーの増員 、ならびに EIB の業務計画、手続規
則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。 EIB 定款変更の第二
群は、 ポーランドおよびルーマニアからの増資 ならびに関連するガバナンスの変更 に関するものであ
り、 2020 年3月1日に効力を生じた。
英国が EIB の構成員でなくなった結果として、離脱協定には、 EIB に関する財務決済を定めるいくつ
かの規定が盛り込まれている。離脱協定第 150 条に定める条項に従い、英国は、 EIB に対する応募済資
本金の従前の分担に従い、 EU離脱前の EIB のエクスポージャーについて引き続き責任を負う。英国は、
EIB のその他のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責任を負う。
また、 EIB は、離脱協定第 150 条に定める条項に従い、 EUに代わって、 EIB の払込済資本金に対する英国
の分担金相当額を 12回の分割により毎年英国に支払う。英国の払込済資本金の払戻しを除き、 EIB は、
英国が EIB の構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定める英国の一部債務の
留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務を負わないものとす
る。
英国の EU離脱およびその結果としての EIB の構成員でなくなること、ならびに当該離脱および EIB の
構成員でなくなるための準備は、 EIB の2019 年12月31日現在および同日に終了した事業年度の連結財務
書類に重要な影響は与えなかった。
A.2. 重要な会計上の判断および見積り
本連結財務書類を作成するにあたり、経営委員会は報告されている収益、費用、資産、負債ならび
に偶発資産および偶発債務の開示に影響する見積りおよび仮定を立てることが求められている。入手
可能な情報の使用、および判断の適用は、見積りに特有のものである。将来の実際の結果は、これら
の見積りとは異なる場合があり、これらの差異は本財務書類に対して重要なものとなる可能性があ
る。
最も重要な判断および見積りは、次のとおりである。
金融商品の公正価値
連結貸借対照表に計上する金融商品の公正価値は、活発な市場から入手できない場合は、数学的モ
デルの使用も含め、様々な評価技法を用いて算定する。これらのモデルに使用するデータは、可能で
あれば観察可能な市場から入手するが、不可能な場合は、時価の設定に際しある程度の判断を要す
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る。こうした判断には、流動性や長期デリバティブの相関性やボラティリティ等のモデルへの入力
データの検討が含まれる(注 A.4.6 )。
金融商品の減損
予想信用損失(「 ECL 」)の測定には、特に当初認識時からの大幅な信用リスクの増加の評価、将来
を考慮した情報の組入れ、さらに、減損損失の算定の際の将来キャッシュ・フローの金額と発生時期
および担保価値の予測において、経営陣は重要な判断を下すことが求められる。これらの見積りは多
くの要因によって決定され、その要因は認識される貸倒引当金の発生時期と金額を著しく変動させる
結果をもたらし得る(注 A.4.4 )。
非上場持分投資の評価
非上場持分投資の評価は、通常、次のいずれかに基づいて行われる。
- 最近の第三者間市場取引
- 実質的に同様な他の金融商品の時価
- 予想キャッシュ・フローを、条件とリスク特性が類似した項目に適用される現行の割引率で割
り引いた値、または
- その他の評価モデル
非上場持分投資のキャッシュ・フローおよび割引係数を決定するにあたっては、重要な見積りを要
する。グループでは評価技法を定期的に調整しており、同じ金融商品で観察可能な現行の市場取引の
価格か、入手および観察可能な他の市場データの価格のどちらかを用いて、妥当性をテストしている
(注 A.4.6 )。
年金および他の退職給付
確定給付年金制度および他の退職後医療費給付に係る費用は、数理計算上の評価を用いて算定す
る。数理計算上の評価に際しては、割引率、死亡率、ならびに将来の給与および年金の増加に関する
仮定を行う。これらの制度は長期にわたるため、こうした見積りは重要な不確実性を伴う(注
A.4.14 )。
グループが持分を保有する事業体の連結
グループは、当年度末現在でグループが持分を保有するいずれの事業体(欧州投資基金(「 EIF 」)
を除く)も支配していないという重要な判断を行った。これは、かかる事業体のすべてにおいて、ゼ
ネラル・パートナーもしくはファンド・マネージャーまたは理事会が当該パートナーシップの活動お
よび業務の管理および統制の責任を単独で担い、投資および方針のガイドラインを遵守して当該パー
トナーシップの目的および目標を遂行するために必要なすべての事項を実行する権限を有している事
実による(注 B.4 )。
A.3. 会計方針の変更
下記の変更を除き、グループは注 A.4. に記載した会計方針を、本連結財務書類において表示されて
いる期間について継続的に適用している。グループは、以下の新基準および基準の改訂を適用した。
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適用された基準
以下の解釈指針ならびに既存の基準の改訂および修正が、 2019 年1月1日付でグループの連結財務
書類に対して有効となった。
IFRS 第16号 「リース」
グループは、 2019 年1月1日より IFRS 第16号を適用した。グループは初度適用日に修正遡及アプ
ローチを用いてこの基準をグループのリースに適用することを選択した。したがって、比較情報は修
正再表示されず、引き続き IAS 第17号および IFRIC 第4号に基づいて報告されている。 EIB の自己資本に
計上されるべき移行の影響はなかった。また、 IFRS 第16号の開示要件は、比較情報には適用されてい
ない(注 A.4.18 および A.5 )。
負の補償を伴う期限前償還要素- IFRS 第9号の修正
この修正は、金融資産は、契約の早期解約を引き起こす事象または状況とは無関係に、そしてどち
らの当事者が契約の早期解約について合理的な補償を支払うかまたは受け取るかを問わず、「元本と
元本残高に対する利息のみの支払」(「 SPPI 」)基準に適合することを明確化している。この IFRS 第
9号の修正の結論の基礎は、早期解約が契約条件、または契約の早期解約をもたらす法改正または規
制の変更などの契約の当事者の支配が及ばない事象から発生する可能性があることを明確化してい
る。
この修正の適用がグループの連結財務書類に与えた重要な影響はなかった。
関連会社および共同支配企業における長期持分( IAS 第28号の修正)
この修正は、企業は持分法が適用されていないが関連会社または共同支配企業に対する純投資(長
期持分)の一部を実質的に構成する関連会社または共同支配企業における長期持分に、 IFRS 第9号を
適用することを明確化している。この明確化は、このような長期持分に IFRS 第9号における予想信用
損失モデルが適用されることを意味するため重要である。
この修正はまた、 IFRS 第9号を適用する際、企業は IAS 第28号「関連会社および共同支配企業に対す
る投資」の適用から発生する関連会社または共同支配企業への純投資の修正として認識される、関連
会社または共同支配企業の損失も、当該純投資の減損損失も考慮しないことを明確化している。
この修正がグループの連結財務書類に与えた重要な影響はなかった。
制度改訂、縮小または清算( IAS 第19号の修正)
この修正は、制度改訂、縮小または清算が年次報告期間中に発生した場合、企業は以下を義務付け
られることを規定している。
- 制度改訂、縮小または清算後の残りの期間について、当該事象後に当該制度および制度資産の
下で提供される給付を反映した確定給付負債純額の再測定に使用された保険数理上の仮定を使
用して当期勤務費用を決定すること。
- 制度改訂、縮小または清算後の残りの期間について、当該事象後に当該制度および制度資産の
下で提供される給付を反映した確定給付負債純額、ならびにその確定給付負債純額の再測定に
使用された割引率を用いて利息純額を決定すること。
この修正がグループの連結財務書類に与えた影響はなかった。
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IFRS の年次改善 2015 年 -2017 年サイクル( IFRS 第3号および IFRS 第11号の修正)
これらの修正がグループの連結財務書類に与えた重要な影響はなかった。
公表済みではあるものの未適用の基準
「重要性がある」の定義- 2020 年1月1日以降に開始される年次報告期間より発効する IAS 第1号
「財務諸表の表示」および IAS 第8号「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」の修正
この修正は、「重要性がある」の定義を明確化し、概念フレームワークと基準そのもので使用され
ている定義を合致させている。
修正された定義では、「情報は、それを省略したり誤表示したり覆い隠したりしたときに、特定の
報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸表の主要な利用者が当該財務諸表に基づいて行う意思
決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には、重要性がある。」とされている。 この修正はま
た、財務諸表における「一般目的財務諸表の主要な利用者」の意味を、必要とする財務情報の多くを
一般目的財務諸表に依拠しなければならない「既存および潜在的な投資家、融資者およびその他の債
権者」として定義することによって明確化している。
この修正は、 2020 年1月1日以降に開始する年次報告期間から有効となる。グループは、これらの
修正の早期適用を行わず、またこの基準の適用によるグループの連結財務書類への重要な影響はない
と見込んでいる。
金利指標改革- IFRS 第9号、 IAS 第39号および IFRS 第7号の修正
2019 年9月、 IASB は、 IFRS 第9号、 IAS 第39号および IFRS 第7号の修正を公表した。これらの修正
は、既存の金利指標を実質的に無リスクの代替的金利(「 RFR 」)に置き換えるまでの不確実性の期間
中にヘッジ会計の継続を可能にする一時的な救済を提供する。
IFRS 第9号の修正はいくつかの救済措置が含まれており、これらは金利指標改革によって直接的に
影響を受けるすべてのヘッジ関係に適用される。最初の3つの救済措置は以下を規定している。
- 予定取引(またはその構成要素)の発生する可能性が非常に高いかどうかの評価
- キャッシュフロー・ヘッジ剰余金の金額をいつ純損益に振り替えるかの評価
- ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の評価
これらの救済措置のそれぞれについて、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが基づいている指標が
IBOR 改革の結果として変更されないことが想定されている。
4番目の救済措置は、契約により規定されていないリスク要素は、継続的ではなく、当初のヘッジ
指定時のみ独立して識別可能である必要がある旨を規定している。
救済措置の適用は強制的であり、救済措置はこの修正で記述されているいずれかの事象が発生して
いない場合は、無期限に継続する。この修正はまた、救済措置が適用されたヘッジ関係について特定
の開示要件を導入している。この修正は、 2020 年1月1日以降に開始する年次報告期間から有効とな
る。グループは、これらの修正を早期適用せず、影響を評価し、移行を管理するために組織横断的な
IBOR 作業グループを設置した。
IFRS 基準における概念フレームワークへの参照の改訂- 2020 年1月1日より発効
改訂後の概念フレームワークは、財務報告、基準設定、首尾一貫した会計方針を策定するための作
成者向けガイダンスならびにその他の者の会計基準の理解および解釈のための取組みに対する包括的
な概念を示している。
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改訂後の財務報告のための概念フレームワークは基準ではなく、いずれの概念も会計基準または会
計基準における要求事項に優先するものではなく、主として国際会計基準審議会による基準の策定を
支援すること、適用する会計基準がない場合に作成者による首尾一貫した会計方針の策定を支援する
こと、ならびにすべての関係者による基準の理解および解釈を支援することを目的としている。
概念フレームワークは、いくつかの新しい概念を含み、資産および負債の最新の定義および認識基
準を提供し、いくつかの重要な概念を明確化している。概念フレームワークは、 2020 年1月1日以降
に開始する年次報告期間から有効となる。グループは、改正後の概念フレームワークの早期適用を行
わず、またこの基準の適用によるグループの連結財務書類への重要な影響はないと見込んでいる。
A.4. 重要な会計方針の要旨
A.4.1. 連結基準
子会社
子会社とは、グループによって直接的または間接的に支配されているすべての企業である。グルー
プが企業を支配するとは、グループが当該企業への関与から生じる変動リターンにさらされている
か、または変動リターンに対する権利を有しており、かつ、こうしたリターンに対して当該企業への
権限を通じて影響を及ぼす能力を有している場合である。
すべての重要な子会社は IFRS に基づき連結財務書類に含まれているが、グループにとって重要性の
ない企業は連結の範囲から除外されている。あらゆる子会社の財務書類は、支配を開始した日から、
支配を停止した日まで、連結財務書類に含められている。
本連結財務書類は、欧州投資銀行(「 EIB 」)ならびにその子会社である欧州投資基金(「 EIF 」)
の財務書類により構成される。子会社の財務書類は、 EIB と同じ報告年度について作成され、 EIB と一
貫した会計方針に基づいている。
EIB は、 EIF の応募済資本金の 58.53 %( 2018 年: 58.64 %)を保有しているため、連結財務書類を作
成するにあたり、 IFRS 第10号で規定されている会計原則を適用した。したがってグループは、資産、
負債、資本、収益、費用の類似項目を合算し、 EIB および EIF の財務書類を科目ごとに連結している。
EIB が保有していた元子会社である EUマイクロファイナンス・プラットフォーム FCP-FIS
(「 EUMPF 」)の 2018 年に行われた全発行済優先受益証券の償還により、 EUMPF は2018 年度および 2019
年度の EIB グループ連結財務書類上、連結の範囲には含まれなくなった。
第三者投資家が保有する EIF 株式に係るコミットメント
EIF の非支配株主が保有する 1,866 株( 2018 年: 1,861 株)に関するリプレースメント・シェア・パー
チェス・アンダーテイキング(「 RSPU 」)の条件に従い、 EIB はこれらの株式の買付けの募集を毎年
行っている。権利行使価格は EIF の監査済年次財務書類に基づいて算定されるが、これは EIF 払込請求
済資本金に資本剰余金勘定、法定準備金、留保利益、公正価値準備金、当期純利益を加えて、 EIF 株主
総会で決議された配当を差し引いた値における各株式相当分に対応する(注 G も参照のこと)。
IFRS の下では、 RSPU は少数株主から EIF 株式を購入するために将来現金を支払う契約上の義務を反映
した、非支配持分に対する売建プットオプションとみなされる。 IAS 第32号に従い、たとえその現金支
払が所有者によるオプションの行使を条件とするものであっても、かかる取決めは償還金額の現在価
値について金融負債を生じさせる。
したがって、 IFRS の下では、このコミットメントは非支配持分から組み替えられ、対応する金融負
債がオプションの行使価格(年毎に設定される合意価格に相当する)の公正価値で「その他負債」に
認識され、親会社の株主に帰属する。その後、この金融負債は IFRS 第9号に従って測定され、すなわ
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ち、取得日後に金融負債の公正価値に生じた変動は、連結損益計算書の「支払利息および類似費用」
に計上される。非支配持分の合意価格に対する超過額または不足額は、「連結準備金」に組み替えら
れる。
関連会社および共同支配企業における持分
グループの被投資会社における持分は、関連会社および共同支配企業における持分で構成される。
関連会社は、グループが財務および業務上の方針に対して重要な影響力を持つが、支配力または共同
支配力は持たない企業である。共同支配企業は、グループが共同支配力を持ち、それによってグルー
プが当該事業体の資産に対する権利および負債に対する債務ではなく、純資産に対する権利を有する
事業体である。
関連会社および共同支配企業に係る会計上の取扱いは注 A.4.8.6 で詳述されている。
連結上消去される取引
貸借対照表および損益計算書上の勘定を合算した後、グループ内取引から生じたグループ内の残高
ならびに取引、収益および費用をすべて相殺消去している。
A.4.2. 外国通貨の換算
本連結財務書類は、グループの機能通貨、ならびに構成員の資本勘定の測定単位とされているユー
ロ(「 EUR 」)建てで、表示されている。
グループは、ユーロ、欧州連合加盟国の他の通貨および非 EU通貨で業務を運営している。 EIB の財源
は様々な通貨建ての出資、借入および利益剰余金によって調達される。
外貨建取引は、取引日の実勢為替レートで換算される。
ユーロ以外の通貨建ての貨幣性資産および負債は、貸借対照表日の実勢換算レートに基づきユーロ
に換算される。これらの換算から生じた損益は、連結損益計算書に計上される。
外貨建ての取得原価で測定される非貨幣性項目は、当初の取引日の為替レートで換算されている。
外貨建ての公正価値で測定される非貨幣性項目は、公正価値算定日の為替レートで換算されている。
非貨幣性金融資産の為替差損益は、公正価値変動に含まれる。非貨幣性金融資産の分類に応じて、
為替差損益は連結損益計算書か連結貸借対照表の資本の中の準備金のどちらかで認識される。
取引日の為替レートと決済日の為替レートの差異により発生する為替差損益、および未決済の外貨
建貨幣性資産および負債に関する未実現為替差損益は、連結損益計算書で認識されている。
A.4.3. 分類および測定
金融資産および金融負債
当初測定時に、グループは金融資産または金融負債を、純損益を通じた公正価値(「 FVTPL 」)で測
定する項目以外については、公正価値にその取得または発行に直接的に起因する取引費用を加算また
は減算して測定する。当初認識時の公正価値は、通常取得原価である。
金融資産は、当初認識時に償却原価(「 AC」)での測定、その他の包括利益を通じた公正価値
(「 FVOCI 」)での測定、または FVTPL での測定に分類され、金融負債は ACまたは FVTPL での測定に分類
される。
IFRS 第9号の下では、分類は、当該金融資産が負債性金融商品または資本性金融商品とみなされる
かの判定から開始される。 IFRS 第9号「金融商品」は、 IAS 第32号「金融商品:表示」における定義を
参照している。
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負債性金融商品は、貸付金、政府債、社債など、 IAS 第32号に従って、発行体の観点から金融負債の
定義に適合する金融商品である。
負債性金融商品は、以下の両方の条件を満たし、純損益を通じた公正価値での測定に指定されてい
ない場合に、償却原価での測定に分類される。
- 当該資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的として
いるビジネスモデルで保有されている。
- 金融資産の契約条件により、元本と元本残高に対する利息のみの支払( SPPI 基準)である
キャッシュ・フローが特定の日に発生する。
負債性金融商品は、以下の両方の条件を満たし、純損益を通じた公正価値での測定に指定されてい
ない場合にのみ、その他の包括利益を通じた公正価値での測定に分類される。
- 当該資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方により目的が達成さ
れるビジネスモデルで保有されている。
- 金融資産の契約条件により、 SPPI 基準に適合するキャッシュ・フローが特定の日に発生する。
上記要件は、たとえ金融資産に組込デリバティブが含まれている場合でも、金融資産全体に適用さ
れる。
資本性金融商品は、 IAS 第32号に従って、発行体の観点から持分の定義に適合する金融商品、すなわ
ち、契約上の支払義務を含まず、発行体の純資産の残存持分の証拠となる金融商品である。
売買目的保有ではない持分投資の当初認識時に、グループはその後の変動をその他包括損益に表示
することを取消不能で選択することができる。この選択は、投資ごとに行われる。
他のすべての金融資産は、純損益を通じた公正価値での測定に分類される。
金融負債は、以下のものを除き、償却原価で測定される。
- 売買目的保有の定義に適合する(例えば、デリバティブ負債)。
- 純損益を通じた公正価値での測定に指定されている。
また、当初認識時に、グループは償却原価測定の要件に適合する金融資産または金融負債を、純損
益を通じた公正価値での測定に指定することによって、指定しない場合に発生する会計上のミスマッ
チが解消されるまたは大幅に削減される場合、または当該金融資産および金融負債が公正価値で管理
され、その運用成績が公正価値に基づいて評価される場合に、純損益を通じた公正価値での測定に取
消不能で指定することができる(いわゆる「公正価値オプション」、「 FVO 」)。 FVO に指定されてい
る主な金融商品は、ヘッジ対象貸付金およびヘッジ会計適格ではない証書によって表される債務であ
る。
開示要件目的上、グループは特性の類似性に基づいて金融商品の区分を定義している。
ビジネスモデル評価
EIB グループは、負債性金融商品が保有されるビジネスモデルの目的の評価をポートフォリオ・レベ
ルで行う。これは、事業が管理され、経営陣に情報が提供される方法を最も良く反映しているためで
ある。検討される情報には以下が含まれる。
- ポートフォリオの定められた方針および目的、ならびに実際におけるその方針の運用。特に、
経営陣の戦略が、契約上の金利収益の稼得、特定の金利プロファイルの維持、金融資産のデュ
レーションとその資産向けの資金調達のための負債のデュレーションの一致、または資産の売
却を通じてのキャッシュ・フローの実現に焦点を当てているか。
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- ポートフォリオの運用成績がどのように評価され、グループの経営陣に報告されているか。
- ビジネスモデル(およびそのビジネスモデルで保有されている金融資産)の運用成績に影響を
及ぼすリスク、ならびにそれらのリスクがどのように管理されているか。
- 過去の期間における売却の頻度、金額および時期、その売却の理由ならびに将来の売却活動に
ついての見込。
しかし、売却活動に関する情報は切り離して考慮されるのではなく、グループの金融資産の管理の
定められた目的がどのように達成され、キャッシュ・フローがどのように実現しているかについての
全体的な評価の一環として検討される。
元本と元本残高に対する利息のみの支払(「 SPPI 」)基準
この評価の目的上、「元本」とは、負債性金融商品の当初認識時の公正価値と定義される。「利
息」とは、貨幣の時間価値および特定の期間中の元本金額に伴う信用リスク、その他の基本的な貸付
リスクおよびコスト(例えば、流動性リスクおよび管理費用)の対価、ならびに利益マージンと定義
される。
契約上のキャッシュ・フローが元本と利息のみの支払であるかを評価する際に、 EIB グループは当該
商品の契約条件を検討する。これには、当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの発生時期ま
たは金額を変更する契約条件を含んでおり、この基準を満たさなくなる可能性があるか否かの評価が
含まれる。
認識中止
グループは、金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利が失効した場合、または
金融資産の所有に伴うリスクと経済価値を実質的にすべて移転する取引、もしくはグループが所有に
伴う実質的にすべてのリスクと経済価値を移転も留保もせず、当該金融資産に対する支配を留保しな
い取引で契約上のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡した場合、同金融資産の認識を中止す
る。
グループは、契約上の義務が履行された場合、取り消された場合、または失効した場合に金融負債
の認識を中止している。
金融資産または金融負債の認識中止時に、資産または負債の帳簿価額(または認識が中止された資
産または負債の部分に配分された帳簿価額)と、 (i) 受け払いされた対価および (ii) その他の包括利
益で認識された累積利益または損失の合計額の差異は、純損益で認識されるが、処分時に損益計算書
ではなくその他準備金に振り替えられる、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される持分投資
についてその他の包括利益で認識された累積利益または損失を除く。
組替
金融資産は、当初認識後は、グループが金融資産を管理するビジネスモデルを変更した後の期間を
除き、組み替えられない。
条件変更
償却原価で測定される金融資産は、その契約上のキャッシュ・フローが再交渉またはその他の方法
で修正された場合、条件変更されたとみなされる。再交渉または条件変更は、既存の金融商品の認識
を中止し、新たな金融商品を認識することに至る場合も至らない場合もあり得る。
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償却原価で測定される金融資産のキャッシュ・フローの重要な契約上の条件変更の結果、当該金融
資産が認識中止となる場合は、新たな金融資産を公正価値で認識し、条件変更に係る損益の影響額を
連結損益計算書上の「金融業務損益」で計上する。
相殺
グループは、金融資産と金融負債が、 IAS 第32号の下での対応する基準を満たす場合、それらをグ
ループの連結貸借対照表上で相殺している。また、金融資産および金融負債は、グループの連結貸借
対照表上で相殺されているか否かを問わず、法的に強制力のあるマスター・ネッティング契約または
類似した金融商品を対象とした類似契約の適用を受ける場合がある。類似契約にはグローバル・マス
ター・リパーチェス契約が含まれる。類似した金融商品には、リパーチェス契約およびリバース・リ
パーチェス契約が含まれる。
A.4.4. 減損
IFRS 第9号は、将来を見越した「予想信用損失」(「 ECL 」)モデルに基づいている。これは、経済
的要因の変化が予想信用損失にどのように影響するかについての判断を要求するものであり、この判
断は確率加重に基づいて行われている。
グループ内では、この IFRS 第9号の減損モデルは償却原価で測定される金融資産だけでなく、オ
フ・バランスシートのコミットメントにも適用されている。
IFRS 第9号の下では、損失引当金は次の何れかに基づいて測定されている。
- 12ヵ月 ECL :これらは、報告日後 12ヵ月以内に発生する可能性のあるデフォルト事象による ECL
である。
- 全期間 ECL :これらは、金融商品の全期間にわたって発生する可能性のあるデフォルト事象によ
るECL である。
IFRS 第9号は、減損について、当初認識以来の信用度の変動に基づいた「3ステージ」モデルを提
示している。金融商品は、当初認識以降に信用リスクの著しい増加(「 SICR 」)が特定された金融商
品を除き、ステージ1に分類される。これには、将来を考慮した情報を含む定量的および定性的の両
方の情報、ならびにグループの専門知識に基づいた分析が含まれる。信用リスク方針に関する詳細
は、注 S.2 で詳述されている。
グループによる信用リスクの著しい増加の評価は、特に要注意先リスト、内部格付および延滞(延
滞30日)を取り扱っている信用リスク・ガイドライン(「 CRG 」)ならびに財務モニタリング・ガイド
ラインおよび手続き(「 FMG 」)に記載された方針と一貫性のある、カウンターパーティーまたは商品
固有の情報を使用した逐次的アプローチに基づいている。
信用リスクの著しい増加が発生した場合、当該金融商品はステージ2に移動されるが、まだ信用毀
損があるとはみなされない。金融商品に信用毀損がある場合は、当該金融商品はステージ3に移動さ
れる。
ステージ3のエクスポージャーを特定するために、 EIB は信用デフォルト事象の客観的証拠が存在す
るか否かを判定する。この目的のために、グループは、グループが償還請求を行うことなく、借手に
よるグループに対する信用債務の完済の可能性が低い場合、または借手がグループに対する重要な信
用債務で 90日超延滞している場合に、金融資産がデフォルト状態にあるとみなしている。
この点において、グループが原契約条件に従って全額または同等額を回収することができない可能
性が高いと EIB が判断したときは、金融資産は信用減損したものとみなされる。個々の相手先に対する
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与信エクスポージャーは、借手の性質、総括的な財政および資金状況、返済履歴、財政的に信用でき
る保証人からの援助の可能性、また該当する場合は担保の実現可能価額に基づき評価される。
すべての減損された債権は最低半期ごとに検討および分析される。それまでの見積りと比較した将
来の予想キャッシュ・フローの金額や時期にその後生じた変化は貸倒引当金に反映され、連結損益計
算書に費用計上または貸方計上される。信用の質が改善し債権契約書の原契約条件どおり元本および
利息が適時に回収されるという合理的保証が得られた場合のみ、貸倒引当金は戻入される。債権の全
部または一部について、回収不能と認めるか、または債権を放棄する場合は、貸倒損失として処理さ
れる。貸倒損失は、以前に設定された貸倒引当金を取崩す形で、または当該債権元本を減額し直接連
結損益計算書に費用計上される。貸倒償却処理された債権の一部または全部の回収については、連結
損益計算書上で貸方計上される。
ECL の測定-インプット、仮定および技法
全期間 ECL の測定は、ステージ2およびステージ3の資産に適用され、 12ヵ月 ECL はステージ1の資
産に適用される。
予想信用損失の測定は、次の信用リスク・パラメーターに基づいて実施される。
- デフォルト確率(「 PD」)
- デフォルト時損失率(「 LGD 」)
- デフォルト時エクスポージャー(「 EAD 」)
デフォルト確率は、カウンターパーティーが、今後 12ヵ月間または当該債務の残りの全期間のいず
れかでデフォルトする確率を表す。 PDは、特定の日における見積りであり、統計的格付モデルに基づ
いて算出され、様々なカテゴリーのカウンターパーティーおよびエクスポージャーに合わせた格付
ツールを使用して評価される。
格付は、エクスポージャーに関するデフォルト確率の期間構造の決定のための主たるインプットで
ある。グループは、グループの信用リスク・エクスポージャーについて、履行とデフォルトに関する
情報を収集している。収集されたデータは業種別、地域別に分類される。信用状況およびマクロ経済
環境の変動に同質の方法で反応する異なる業種および地域は、合わせて分析される。
グループは、複数期間にわたるデフォルト確率を見積るために、マクロ経済予測を組み込んだ統計
モデルを採用している。
デフォルト時損失率は、カウンターパーティーのデフォルトによるエクスポージャーに係る損失
の、デフォルト時の残高に対する比率についての予想を表す。デフォルト時損失率は、「1-回収
率」としても定義される。 LGD の見積値は、主に地域別、そしてソブリン、公共機関、金融機関、企業
およびプロジェクト・ファイナンスの5つの主要なクラスのカウンターパーティーの種類別に決定さ
れる。 LGD の値は、エクスポージャーの商品および契約固有の特徴に基づいて、さらに調整される可能
性がある。
グループは、商品の当初認識時から信用リスクが大幅に増加したかの評価、および予想信用損失の
測定の両方に将来を考慮した情報を組み入れている。
ECL の測定については、グループは以下を含めた PDの期間構造を計算するために条件付きモデル化手
法を開発した。
- 経済的に合理的な信用サイクルとマクロ経済変数の間のリンク関数の定義
- 複数年の GDP の潜在的な達成およびそれらに関連する確率を備えた3種のマクロ経済シナリオ
(1つのベースライン・シナリオおよび景気の拡大と後退を反映した2つのシナリオ)
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マクロ経済シナリオを作成するために、 EIB は国別ブロックと共に世界経済のマクロ的な半構造的複
数国かつ高次方程式モデルを使用している。セントラル/ベースライン・シナリオは、最新の欧州委
員会(「 EC」)予測と整合するよう設計されている。上昇および下降シナリオは、セントラル・シナ
リオに関して、複数国/高次方程式モデルの展開により設計されている。これらのシナリオは、経済
活動の主要尺度である GDP にショックを与えることで得られる。実質 GDP に対するショックは、過去の
変数のボラティリティを複製するためにその水準が調整される。また、 GDP に対するショックの規模お
よび持続期間を精緻化するために、適切な場合は専門家による判断が適用される。その結果、ショッ
クは減衰関数と共に決定され、経時的なショックの影響額が算定される。各シナリオに割り当てられ
る確率は、市場(ボラティリティ)指標および不確実性を捕捉するために長期にわたって一貫して使
用された内部開発の指標/トラッカーを反映して決められる。
EAD は、デフォルト時の予想エクスポージャーを表し、現在の当該カウンターパーティーに対するエ
クスポージャーおよび現在契約で認められている金額の、分割返済を含む潜在的な変動に基づく。金
融資産の EAD は、帳簿価額総額である。貸付コミットメントおよび金融保証については、 EAD には使用
済金額に加えて、契約下で引き出される可能性がある潜在的な将来の金額が含まれる。
優先債権者の地位(「 PCS 」)
EU一次法優位の原則および、 EIB 定款に定められている EIB の財産があらゆる形の接収および収用か
ら免除されるものとする旨の原則は、満期時における欧州連合加盟国のソブリン・エクスポージャー
の全額回収を保証するとみなされる。この財務保護および優先債権者としての地位により、欧州連合
加盟国のソブリン・エクスポージャーまたは欧州連合加盟国の保証についての信用リスクも減損も発
生しない。しかし、他の債権者と同様に、 EIB は欧州連合加盟国ソブリン発行体の負債性金融商品に含
まれる集団行動条項(「 CAC 」)に基づいた多数による決定事項に拘束される。
A.4.5. デリバティブおよびヘッジ活動
グループは主に借入・貸付取引に係る市場のエクスポージャーをヘッジするため、またその資産お
よび負債の管理活動の一環としてデリバティブ商品を利用しており、それにより、予定取引に伴うエ
クスポージャーを含む、金利および為替リスクを管理している。
グループのすべてのデリバティブ商品は純損益を通じた公正価値で測定され、デリバティブ資産ま
たは負債として計上される。デリバティブに伴い発生する未収利息は、計上される公正価値の一部と
なる。公正価値は、市場インプット、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルおよびオプショ
ン・モデルにより入手される。オプション・モデルでは、現在の市況および原資産の契約価額と同様
に、時間的価値、イールドカーブおよび原資産のボラティリティが考慮される。デリバティブの公正
価値変動は、「金融業務損益」に含まれている。
グループのヘッジ活動は、資産および負債の両方について、金利リスク・プロファイルを標準的な
変動金利リスクに変換するスワップを用いて金利リスクおよび通貨リスクを軽減することを目的とし
ている。グループがミクロ・ヘッジを締結する場合、各ヘッジ関係には、全部または部分的にヘッジ
される、1つまたは複数のヘッジ対象が含まれる。
ヘッジ手段次第で、ヘッジ対象のヘッジ対象リスクは以下のように決定される。
- 金利スワップを使用する場合、ヘッジ対象のベンチマーク金利カーブに関する金利リスクのみ
がヘッジされる。
- 通貨スワップを使用する場合、ヘッジ対象のベンチマーク金利カーブに関する金利リスクおよ
びベンチマーク通貨に関連する通貨リスクがヘッジされる。
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IFRS 第9号で認識されている3種類のヘッジ関係のうち、グループは現在公正価値ヘッジ会計のみ
を適用している。公正価値ヘッジは、認識された資産もしくは負債、または未認識の確定契約債務、
またはこうした項目の一構成部分の、特定のリスクに起因し、損益に影響を及ぼす可能性がある公正
価値の変動に関連するリスクを軽減するヘッジの取決めである。ヘッジ会計の目的は、損益に影響を
及ぼすおそれのある特定のリスクから発生するエクスポージャーを管理するために、ミクロベースで
金融商品を使用したグループのリスク管理活動の効果を財務書類において表すことである。
グループはまた、金利リスクおよびベーシスリスクを資産負債管理の一環として、ヘッジ会計を適
用せずにマクロベースでヘッジしている。
ヘッジ会計適格であるためには、ヘッジ関係は適格ヘッジ手段と適格ヘッジ対象で構成されていな
ければならない。
純損益を通じた公正価値で測定されるデリバティブは、ヘッジ手段として指定することができる。
グループは次の適格ヘッジ手段とその組み合わせを用いている。
- 金利スワップ
- 通貨スワップ
適格ヘッジ手段は、ヘッジ指定から分離し除外されている通貨スワップの場合の外貨ベーシス・ス
プレッドを除き、そのすべてがヘッジ手段に指定されている。
ヘッジ対象は、認識されている資産もしくは負債、または未認識の確定契約債務がなり得る。ヘッ
ジ対象は、単一の項目もしくは項目のグループがなり得、またそのような単一の項目もしくは項目の
グループの構成部分がなり得る。次の適格ヘッジ対象がグループによって指定されている。
- 借入金
- 代替貸付金
- 貸付金
グループはまた、前述の適格金融資産および金融負債の額面金額の構成部分をヘッジ対象または
ヘッジ手段として指定する場合がある。
ヘッジ関係の当初指定時に、グループはヘッジ手段とヘッジ対象の間の関係を文書化し、これに
は、リスク管理目的およびヘッジの実行戦略に加えて、ヘッジ関係の有効性を継続的に評価するため
に使用される方法が含まれる。
ヘッジ関係が以下の有効性要件のすべてを満たしている場合に、ヘッジ会計適格となる。
- ヘッジ対象とヘッジ手段の間に経済的関係がある。
- 信用リスクの影響が、当該経済的関係から発生する価値変動を支配していない。
- ヘッジ関係のヘッジ比率が、グループが実際にヘッジしているヘッジ対象の数量と、当該ヘッ
ジ対象の数量をヘッジするためにグループが実際に用いるヘッジ手段の数量による比率と同一
である。
ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係を示すために、グループはヘッジ手段とヘッジ対象の重
要な条件が一致しているまたは密接に整合されており、その場合ヘッジ関係の有効性が高いとみなす
ことができるかを評価することによって、定性分析を実施している。
信用リスクによる公正価値変動が、公正価値変動全体に対して支配していないことを示すために、
グループはヘッジ対象とヘッジ手段両方にとってのすべての環境を検討して、信用度を総合的に評価
している。
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経済的ヘッジ関係が IFRS 第9号に従ったヘッジ関係として適格ではない場合、グループは、潜在的
な会計上のミスマッチを低減するために、取引開始日にヘッジ対象を取消不能で公正価値オプション
(「 FVO 」)に指定する。すなわち、ヘッジ対象はその後に純損益を通じた公正価値(「 FVTPL 」)で
測定される。
グループが金融負債を公正価値オプション(「 FVO 」)に指定する際、「自行信用リスク調整」
(「 OCA 」)と呼ばれる信用リスクの変動に起因する公正価値の変動額は、その他の包括利益の「公正
価値準備金」に表示される(注 R)。
公正価値ヘッジが上記適格基準を満たしている限り、ヘッジ関係は以下のように会計処理されるも
のされる。
- ヘッジ手段に係る公正価値損益は、連結貸借対照表および連結損益計算書で認識される。
- ヘッジ対象に係る公正価値損益は、(該当する場合)ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、連結損
益計算書で認識される(いわゆる、「ベーシス調整」)。ヘッジ対象が未認識の確定契約債務
の場合、指定後のヘッジ対象の公正価値の累積的変動は、資産または負債として認識され(対
顧客貸付金および預け金などのそれぞれの連結貸借対照表科目で認識される)、対応する利益
または損失は連結損益計算書で認識される。ヘッジ関係の指定およびヘッジ対象の公正価値の
計算は、取引日に開始される。
IFRS 第9号で認められているように、グループは外貨ベーシス・スプレッド(「 CBS 」)をヘッジ手
段(「 CCIRS 」)から分離し、ヘッジ対象と相互関係を持つ範囲で、ヘッジコスト・アプローチとして
知られている特別な取扱いを適用する。指定日に測定され繰り延べられたヘッジ手段の当初 CBS は、
ヘッジの残りの全期間にわたり直線的に償却される。 CBS のその後の公正価値の変動は、その他の包括
利益の独立科目で直接的に認識される。 CBS の公正価値は、満期日でゼロに収束し、したがってその他
の包括利益に計上された金額が連結損益計算書に振り替えられる必要はなくなる。
ヘッジ関係の(部分的な)指定解除の代表的な理由は、ヘッジの有効性基準の違反をもたらすヘッ
ジ対象のおよび/またはヘッジ手段の契約条件の変更、部分的な期限前償還/買戻し/早期期限満
了、ならびにヘッジ対象またはヘッジ手段の信用リスクに起因する部分が支配的となる信用リスクの
増加である。ヘッジ対象の全額の期限前償還/全額の買戻し、またはヘッジ対象の連結貸借対照表か
らの除外を引き起こすその他の事象の場合に、ヘッジ関係の中止が起こり得る。
ヘッジの非有効性は、ヘッジ手段とヘッジ対象のヘッジ利益またはヘッジ損失の差異と定義され
る。非有効性の考え得る源泉は以下のとおりである。
- スワップの CVA /DVA /CollVA が金利変動に起因するヘッジ対象の公正価値に反映されていな
い。
- ヘッジ手段とヘッジ対象の評価に異なった割引率およびフォワードカーブが使用されている。
- 重要な条件の重要性のない乖離(許容される閾値の範囲内)。
ヘッジ会計の損益実績は連結損益計算書の「金融業務損益」で認識されているが、これは、ヘッジ
コスト・アプローチによる当初 CBS の償却による影響も受けている。連結損益計算書のこの科目には、
グループがマクロベースでの金利リスクのヘッジに使用しているが、ヘッジ会計を適用していないデ
リバティブに起因する損益も含まれる。
A.4.6. 金融商品の公正価値
デリバティブ金融商品は、取引日基準により計上される。デリバティブ以外の金融商品は決済日基
準により計上される。
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金融商品の公正価値
公正価値は、グループが測定日時点で利用することができる主要な市場、またはその市場が存在し
ない場合は最も有利な市場における、測定日の市場参加者間の秩序だった取引において、資産の売却
により受領する、あるいは負債の移転で支払う価格である。負債の公正価値には、不履行リスクが反
映されている。
該当する場合には、グループは商品の公正価値を当該商品の活発な市場における公表価格を使用し
て測定する。当該資産または負債について、継続的に価格情報を提供するために十分な頻度と量の取
引が行われる場合、市場は活発とみなされる。
連結貸借対照表に計上する金融資産および金融負債の公正価値は、活発な市場から入手できない場
合は、数学的モデルの使用も含め、評価技法を用いて算定する。これらのモデルに使用するデータ
は、可能であれば観察可能な市場から入手するが、不可能な場合は、時価の設定に際しある程度の判
断を要する。選択された評価技法には、市場参加者が取引の価格決定の際に考慮すると考えられるす
べての要素が組み込まれる。
グループがその市場リスクまたは信用リスクのいずれかについて正味エクスポージャー・ベースで
管理している市場リスクまたは信用リスクのある金融資産または金融負債のポートフォリオは、特定
のリスク・エクスポージャーについてその正味ロング・ポジションを売却する際に受け取る価格また
は正味ショート・ポジションを移転するために支払う価格に基づいて測定される。これらのポート
フォリオ・レベルでの調整は、個別の資産および負債にポートフォリオ内の個別の商品それぞれの相
対的リスク調整に基づいて配分される。
グループは公正価値での測定に使用されるインプットの重要性を反映した以下のヒエラルキーを用
いて公正価値を測定する。
- レベル1:グループが利用可能な同一の商品の活発な市場における未修正の公表市場価格であ
るインプット
- レベル2:レベル1に含まれる公表市場価格以外の、直接的(価格等)あるいは間接的(価格
から導出された値等)に観察可能なインプット。このカテゴリーには、類似した商品について
の活発な市場における公表市場価格、同一または類似した商品についての活発ではない市場に
おける公表市場価格、またはすべての重要なインプットが直接的または間接的に市場データか
ら観察可能なその他の評価技法を使用して評価される商品が含まれる。
- レベル3:観察不能なインプット。このカテゴリーには、評価技法に観察可能なデータに基づ
いていないインプットが含まれ、観察不能なデータが当該商品の評価額に重要な影響を持つす
べての商品が含まれる。このカテゴリーには、類似した商品の公表市場価格に基づいて評価さ
れ、商品間の相違を反映するために重要な観察不能な修正または仮定が必要とされる商品が含
まれる。
グループは、公正価値ヒエラルキーのレベル間の移動を、変更が起きた報告期間の期末時点で認識
している。
A.4.7. 受取手数料
グループは様々な種類のサービスを顧客に提供することにより、受取手数料を得ており、これらの
受取手数料は IFRS 第15号に従って会計処理されている。グループは、約束されたサービスの支配を顧
客に移転することによって履行義務が充足された際に、収益を認識する。原則として、顧客はその
サービスを直接利用する能力、またはそのサービスからの実質的にすべての利益を得る能力を得た時
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点で支配を獲得する。一部の状況では、支配が移転した時点を判定するために、判断が必要となり得
る。
受取手数料は、以下に基づいて大きく2種類に分けられる。
- 一定期間:一定期間にわたって、グループが履行義務を充足し、その結果、支配を移転する。
- 一時点(ポイント・イン・タイム):グループが履行義務を充足し、一定時点で顧客に支配を
移転する。
グループは様々な種類のサービスを顧客に提供することにより、受取手数料を得ており、これらの
受取手数料は IFRS 第15号に従って会計処理されている。受取手数料の主要な源泉は、保証、貸付金お
よび第三者マンデートによるサービスである。
受け取った受取手数料の金額は、確約された EUの拠出のパーセンテージなどの様々な構成要素に応
じた、または単一の履行義務に関連付けられた特定の基準に基づいて、固定されている場合もあれば
変動する場合もある。対価が変動金額を含む場合、グループは顧客へのサービスの移転と引き換えに
受け取る権利を有する対価の金額を見積る。
変動対価は、契約開始時に見積られ、変動対価に関する不確実性が後に解消された際に、認識した
収益の累計額において重要な収益の戻入れが発生しない可能性が非常に高い範囲に制限される。
一定期間にわたって充足される収益による受取手数料は、サービスの提供期間にわたって発生主義
により計上される。一時点でのサービスの提供または履行からの受取手数料は、サービスの提供が完
了した際に計上される。
一定期間にわたって充足される履行義務に関して、グループは、当該履行義務の充足に対するグ
ループの努力またはインプットを基準として収益を認識するために、「インプット法」を使用し、手
数料を時間の経過と共に認識している。
履行義務に関しては、管理手数料の最大金額または「キャップ」が特定のマンデートに適用され
る。これが適用される場合、通常は 15年から 25年のマンデートが終了する前に管理手数料を受け取ら
なくなる可能性が高く、管理手数料はマンデートの最初の数年など、限られた期間に支払われること
になり、したがって、履行したサービスおよびグループで発生する費用と相関しなくなる。
この事項に対処するために、グループは繰延収益方針(「契約負債メカニズム」とも呼ばれる)を
使用している。契約負債メカニズムは、マンデートに関連してグループで発生する総費用に基づいて
おり、すべての新しいマンデートについてその承認プロセスの一環として事前金融モデルを使用す
る。この繰延方針は、持続可能な業務および契約の進捗度に基づいた収益認識を確実にする。それぞ
れの調整は、連結貸借対照表の「繰延収益」に計上される。
A.4.8. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券、確定利付証券を含む負債証券、ならびに株
式およびその他の変動利付証券
連結貸借対照表科目「中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券」および「確定利付証券を
含む負債証券」には以下が含まれる。
- 償却原価で測定される負債証券
- 強制的に純損益を通じた公正価値で測定される負債証券
- 純損益を通じた公正価値での測定に指定された負債証券
A.4.8.1. 短期財務ポートフォリオ
グループの短期財務ポートフォリオ(「 TMP 」)は、以下の目的で保有されている。
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- EIB の主たる流動性バッファーとして、 EIB が資金活動を実施したあらゆる通貨で、必要とされ
る現金を適時に提供する。
- 金融市場の状況およびグループにおける適切な水準の流動性維持という以前の包括的な目的と
矛盾なく、適切な振替価格を取り扱い、また、短期国庫証券および公共機関や金融機関が発行
した譲渡可能負債証券等の、満期が 12ヵ月以下の短期金融市場商品によって構成されている。
これらの有価証券は、当初、公正価値に直接帰属する取引費用を加えた値で計上される。有価証券
の帳簿価額と償還金額との差額は、保有する有価証券の残存期間にわたり実効金利法により償却され
る。
このポートフォリオにおける有価証券は、契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有され
ており、償却原価での測定に分類されている。このビジネスモデルの一環として、売却の頻度は低
い、あるいは売却額には重要性がないとみなされる。
A.4.8.2. 有価証券流動性ポートフォリオ
有価証券流動性ポートフォリオ(「 SLP 」)は、金融機関により発行または保証されている上場負債
証券で構成されている。このポートフォリオのビジネスモデルは、資産クラスの配分を変更すること
によるデュレーションの迅速な再調整および信用リスクの軽減を可能にするためにデリバティブを使
用し、長期資産を売却するグループの能動的な運用により動かされているため、このポートフォリオ
における有価証券は強制的に純損益を通じた公正価値で測定されている。
売却または償還により実現された損益および公正価値変動による未実現損益は、「金融業務損益」
として計上される。 SLP の資産からの受取利息は、「受取利息および類似収益」に含められている。
SLP の資産の公正価値は、場合に応じて、活発な市場における市場価格、業者相場、プライシング・
モデル(市況および経済状況に基づく予測を使用する)または経営陣による見積り等に基づき決定さ
れる。
A.4.8.3. 長期ヘッジ・ポートフォリオ
長期ヘッジ・ポートフォリオ(「 LTHP 」)は、2つの主要な目的を果たす。
- 適用される資産負債管理(「 ALM 」)戦略に沿って、 EIB の金利リスクのポジションを管理す
る。
- EIB のための流動性準備金であるために、高格付の流動性の高い債券で構成される。
このポートフォリオは、下記の機関が発行または保証している有価証券で構成されている。
- 欧州連合加盟国政府、 G10 諸国、およびそれらの政府機関
- 多国籍開発銀行を含む国際公的機関
これらの有価証券は、満期まで保有して契約上のキャッシュ・フローを回収する目的で保有されて
おり、そのため、償却原価での測定に分類されている。このビジネスモデルの一環として、売却の頻
度は低い、あるいは売却額には重要性がないとみなされる。
A.4.8.4. EIF 運用ポートフォリオ
EIF 運用ポートフォリオは、以下の2つの目的を持つ。
- 投資の長期的性質に見合ったリターンを提供する。
- 副次的な流動性としての役割を果たす。
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債券、ノート、その他の債務などの長期負債性金融商品に対する投資で構成される。
このポートフォリオにおける有価証券は、満期まで保有して契約上のキャッシュ・フローを回収す
る目的で保有されており、そのため、償却原価での測定に分類されている。このビジネスモデルの一
環として、売却の頻度は低い、あるいは売却額には重要性がないとみなされる。
A.4.8.5. 代替貸付金ポートフォリオおよび ABS ポートフォリオ・ EIF
代替貸付金ポートフォリオおよび ABS ポートフォリオ・ EIF は、満期まで保有して契約上のキャッ
シュ・フローを回収する目的の、主に特別目的事業体(「 SPV 」)または信託事業体が発行した債券、
ノートあるいは証書の形の債務で構成されている。
代替貸付金は、契約上関連している商品または単一トランシェの商品の形をとり得る。このポート
フォリオへの投資が SPPI 基準に適合する場合、償却原価での測定に分類される。ただし、投資が代替
固定金利貸付金の性質を持ち、ヘッジ会計適格であるため(注 A.4.5 )、ヘッジ関係に指定され、償却
原価がヘッジ対象のリスクに起因する公正価値について調整される場合は除く。
ヘッジの公正価値測定は、割引キャッシュ・フロー技法に基づく。
経済的にヘッジされたがヘッジ会計に含めることができない代替貸付金は、ヘッジ手段が純損益を
通じた公正価値での測定に分類されることから生じる会計上のミスマッチを低減するために、取消不
能で公正価値オプションに指定される。
代替貸付金ポートフォリオに含まれる、 SPPI 基準を満たさない契約上関連しているまたは単一トラ
ンシェの商品は、純損益を通じて公正価値で測定される。
代替貸付金のフロントエンド・フィーは繰り延べられ、実効利回りの調整として認識されて、関連
する代替貸付金の実行から返済までの期間にわたって連結損益計算書に計上される。フロントエン
ド・フィーは繰り延べられ、原代替貸付金の残存期間にわたり、損益計算書上の「受取利息および類
似収益」で認識される。
代替貸付金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
負債証券の減損
グループは、財務ポートフォリオに係る信用リスクは、その固有の信用リスクの低さから、当初認
識時から大幅に増加していないとみなしている。財務ポートフォリオの負債証券(有価証券、コマー
シャル・ペーパー等)に関連する信用リスクは、内部方針に従って、当初の最低格付を投資適格以上
として、健全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。また、各
財務報告日時点で、財務ポートフォリオの資産が低信用リスク基準に適合することを確実にするため
に、定期的な評価が実施されている(注 S.2.4 を参照)。
その結果、償却原価で測定される財務ポートフォリオ資産に関連する貸倒引当金は、 12ヵ月 ECL に相
当する金額で算定される。代替貸付金については、貸付金および預け金に適用される ECL の減損モデル
が代替貸付金ポートフォリオ内の償却原価で測定される商品に加え、関連する未実行のコミットメン
トにも同様に適用される。
IFRS 第9号に基づくそれぞれの貸倒引当金は、注 A.4.4 で説明されている減損モデルに従って、 12ヵ
月ECL または全期間 ECL のいずれかに基づいて算出される。
A.4.8.6. 株式およびその他の変動利付証券
この連結貸借対照表科目には、以下が含まれる。
- 強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融商品
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- その他の包括利益を通じた公正価値での測定に指定された金融商品
グループの株式ポートフォリオは、主にベンチャー・キャピタル事業、投資基金および EBRD 参加持
分で構成され、公正価値で計上されている。
ベンチャー・キャピタルおよび投資基金
ベンチャー・キャピタル(「 VC」)事業および投資基金は、強制的に損益を通じた公正価値で測定
されており、公正価値の変動は「金融業務損益」に計上される。
これらの投資の未実行だが確約した部分は、名目値で連結オフバランスシート・コミットメントに
計上される。
公正価値は、合計純資産価額(「 NAV 」)法を適用して測定される(可読性が確認可能な市場価値は
欠如しているが、 NAV が公正価値の最良見積とみなす)。
この評価方法では、組み入れられたファンドの NAV (年度末のファンド・マネージャーの報告書より
前の最新の利用可能な情報に基づく)が IFRS 第13号に準拠して算定された公正価値の最良見積と考え
られる場合には、全ファンドの NAV 合計も同じように算定された公正価値に相当すると暗黙的に仮定し
ている。公正価値は、最新の報告書に反映されたキャッシュ・フローについて調整済みの純資産価額
に対する当該事業体におけるグループの所有持分比率、または入手可能な場合は各ファンド・マネー
ジャーが提出した同日の正確な受益証券価値を適用することにより算定される。
最新の利用可能な NAV と年度末報告時の NAV との間隔を埋めるために、後発事象のレビュー手続きが
実施され、差異に重要性がある場合、報告された NAV は調整される。
NAV が容易には決定できない特定の投資に関しては、他の指針(例えば欧州プライベート・エクイ
ティ・ベンチャー・キャピタル協会(「 EVCA 」)が公表したプライベート・エクイティおよびベン
チャー・キャピタルの国際評価指針であるインターナショナル・プライベート・エクイティ・ベン
チャー・キャピタル評価(「 IPEV 」)ガイドライン等)が使用されることもあり、その場合はより綿
密な監視と検証が必要とされる。この方法に従い、ファンドは内部的に次の3種類に分類される。
- カテゴリー IIFRS 第13号または IPEV ガイドラインの公正価値要件を適用しており、 NAV が信頼性
の高い公正価値の見積りであることを確認するため特定の検証が実施されているファンド。
- カテゴリー II IFRS 第13号に沿ったものと考えることができる他の評価ガイドライン(旧 EVCA の
2001 年版ガイドライン等)または評価基準を適用しており、 NAV が信頼性の高い公正価値の見積
りであることを確認するために特定の検証が実施されているファンド。
- カテゴリー III IFRS 第13号またはそれに沿った他の評価ガイドラインの公正価値要件を適用し
ていないファンド。
セカンダリーセール
ベンチャー・キャピタル・ファンドおよび投資ファンドに係るセカンダリーセール取引により、原
資産の認識が中止される。
セカンダリーセールからの損益は「金融業務損益」に計上され、売却手取額と正味帳簿価額の差異
として算出される。
共同支配企業および関連会社における持分
グループは、プライベート・エクイティおよび同様の事業体に関する IAS 第28号および IFRS 第11号の
適用除外を使用する条件を充足しており、共同支配企業への投資に対して持分法や比例連結を(もし
あったとしても)使用しない。当初の認識時に、共同支配企業や関連会社に対する持分は純損益を通
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じた公正価値での測定の区分に指定されており、以後は IFRS 第9号に従って公正価値で測定されて、
公正価値の変動はその変動があった期の連結損益計算書上で認識されている。
共同支配企業は、グループと他の当事者が共同支配の対象となる経済活動の実施を約束した契約合
意である。共同支配とは契約により合意された経済活動に対する支配の共有で、活動に関する戦略
上、財務上または業務上の決定が支配を共有する当事者(合弁参加者)全員の同意を必要とする時に
のみ存在する。一般的に、グループが自己勘定で、または委任者に代わって取得する参加権は、プラ
イベート・エクイティまたはベンチャー・キャピタル・ファンドへの投資である。業界の慣行によれ
ば、そのような投資は概して多数の投資家が共同で応募する投資であり、どの投資家も当該ファンド
の日々の運営および投資活動に対し、個人的に影響力を行使することはできない。結果として、ある
投資家がそのようなファンドの統治機関のメンバーになったとしても、原則的には、それにより当該
投資家がそのファンドの日々の運営に影響を与える権利を手にするものではない。さらに、プライ
ベート・エクイティやベンチャー・キャピタル・ファンドに対する個別投資家は、配当その他の分配
に関する方針等、ファンドの方針を決定することがない。一般的にそのような決定は、ファンドの経
営陣と全株主の権利および義務を規定した株主契約に基づき、ファンドの経営陣が行っている。また
一般的に株主間の合意は、個別投資家がファンドとの間で実質的な取引を行ったり、役員を相互に交
換したり、重要な専門情報にアクセスする特権を得たりすることも防止している。グループが自己勘
定で、または委任者に代わって行う投資は、上記の業界慣行に沿って執行される。加えて、グループ
はこれらの投資からのリターンの変動性にさらされている。したがって、支配を有しているかどうか
を検討する際に、グループはこれらの投資リターンに最も著しく影響を及ぼす主要な決定を管理して
いるかどうかを検討する。その結果、そして IFRS 第10号に従って、グループはこれらの事業体を支配
していないと結論した。
EBRD 参加持分
グループはまた、 EBRD への参加持分を保有しているが、この投資は長期戦略的目的で行われたた
め、取消不能でその他の包括利益を通じた公正価値での測定に指定することをグループの経営陣は選
択した。
当初認識時に、グループはこの参加持分を公正価値に取引費用を加算した値で測定している。その
後、外貨換算損益を含む公正価値変動による損益はその他の包括利益で認識され、当該損益はたとえ
処分時であっても純損益に組み替えられることはない。
グループにより応募済であるが EBRD への投資について払込未請求の資本は、連結オフ・バランス
シートのコミットメントとして記録されている。
A.4.9. 金融機関および対顧客貸付金および預け金
金融機関および対顧客貸付金および預け金には、直接借手に資金が提供される貸付金が含まれる。
貸付金および預け金は、現金が借手に渡った時に認識される。それらは当初原価(正味実行額)、
すなわち貸付金の公正価値に付随費用を含めたもので計上され、その後は実効金利法により償却され
る。貸付金の未実行部分は、名目値で連結オフ・バランスシートのコミットメントに記録される。
貸付金がヘッジ会計の適格性基準(注 A.4.5 )に適合する場合、当該貸付金に係る公正価値ヘッジ損
益は、貸付金の帳簿価額を修正し、連結損益計算書の「金融業務損益」で認識される。
貸付金が公正価値オプションの基準に適合するか、あるいは償却原価もしくはその他の包括利益を
通じて公正価値で測定に分類される基準(注 A.4.3 )に適合しない場合、当該貸付金は、当初の認識時
に連結損益計算書を通じた公正価値での測定に指定され、その公正価値で測定される。この場合、割
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引キャッシュ・フローを公正価値の見積り方法として採用する。公正価値評価に指定された貸付金
は、連結貸借対照表に公正価値で計上される。公正価値の変動は「金融業務損益」に計上される。
A.4.9.1. 貸付金利息
グループによる貸付金の利息は、実効金利法によって連結損益計算書では「受取利息および類似収
益」に、連結貸借対照表では「貸付金および預け金」に計上される。
A.4.9.2. リバース・リパーチェス取引(リバース・レポ)
リバース・リパーチェス取引は、担保有価証券を提供する金融機関に対してグループが流動資金を
貸出す取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶこ
とになる。
この取引は、支払引替渡しの原則に基づき行われる。すなわち流動資金の借手は、契約価額での決
済と引き換えに、グループの保管業者に有価証券を引き渡すのである。これによってグループに金融
市場と連動したリターンが発生する。
こうした種類の業務は、グループの目的から、保証された金利が付加された貸付とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、提供または受領した現金額に未収
(経過)利息を加えた金額で計上されている。リバース・レポは、連結貸借対照表の資産側の「金融
機関貸付金および預け金: b) その他の貸付金および預け金」に計上される。
リバース・リパーチェス契約に基づいて受け取った有価証券は、有価証券に含まれる契約上の権利
を支配できない限り、連結貸借対照表において認識されない。グループは、これらの受け取った有価
証券の市場価格を日々管理しており、原契約に従い追加担保を要求する。
リバース・リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり受取利息または支払利
息として計上される。
A.4.9.3. 貸付金手数料
貸付金のフロントエンド・フィーは、融資枠の発生および維持に関連する直接費用と共に繰り延べ
られ、実効利回りの調整として関連する貸付金の実行から返済までの期間にわたり連結損益計算書に
計上される。融資が実行されることなく融資枠の期間が満了した場合の手数料は、満了時に一括して
認識される。フロントエンド・フィーは繰り延べられ、原貸付金の残存期間にわたり、損益計算書上
の「受取利息および類似収益」で認識される。
A.4.9.4. 利子補助金
前受利子補助金(注 F)は繰り延べられ、実効利回りの調整として認識されて、補助金支給対象貸付
金の実行から返済までの期間にわたって連結損益計算書に計上される。
A.4.10. 貸付金および預け金の減損
グループ内では、予想信用損失減損モデルは償却原価で測定される貸付金および預け金だけでな
く、連結オフ・バランスシートのコミットメントにも適用されている。 IFRS 第9号に基づく貸倒引当
金は、注 A.4.4 で分析されている減損モデルに従って、 12ヵ月 ECL または全期間 ECL のいずれかに基づい
て測定される。
A.4.11. 金融保証
金融保証契約は、特定の債務者が、負債性金融商品の条件に従って支払期日に支払いを履行できな
い場合に、グループに、その商品の保有者に損失を補填するための所定の支払いを義務付ける。
発行済の金融保証は通常、オフ・バランスシート項目として会計処理され開示される。
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金融保証は当初総額アプローチを使用して会計処理され、受取レッグと支払レッグは相殺されて連
結貸借対照表に公正価値で認識される。
EIB グループの金融保証契約は単独の独立企業間取引として非関連当事者に対して発行されるため、
契約開始時におけるその公正価値は受取プレミアムと同額とみなされる。当初認識時において、支払
義務は、予想プレミアムの正味現在価値(「 NPV 」)または当初予想損失に対応する。
その後、金融保証は総額アプローチを使用して会計処理され、将来の受取プレミアムは金融資産と
して独立して計上され公正価値で測定される一方で、金融負債は、以下のうち高いほうの金額で測定
される。
- IFRS 第9号の下で算定される損失引当金の額。
- 当初認識額、すなわち、 NPV から、適切な場合に、 IFRS 第15号の原則に従って認識された累積償
却額を控除した金額。
適合する場合、予想プレミアムの正味現在価値(「 NPV 」)および予想支払義務の金額は相殺され
る。
企業は、 IAS 第32号に従って、以下の場合に限り、金融資産と金融負債とを相殺し(純額表示)、純
額を財政状態計算書に表示しなければならない。
- 認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している。
- 純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している。
金融保証契約の測定の結果として正味資産ポジションとなった場合、それぞれの保証は「その他の
資産」として連結貸借対照表に表示される。
金融保証契約の測定の結果として正味負債ポジションとなった場合、それぞれの業務は連結貸借対
照表に以下のように表示される。
- 償却後の当初 NPV が12ヵ月 ECL または全期間 ECL よりも高い契約については、「その他の負債」
- 信用減損があり、したがって全期間 ECL に基づいた損失引当金が認識されている契約について
は、「保証および契約債務引当金」
金融保証が純額表示の対象ではない場合、資産サイドと負債サイドはグループの貸借対照表上で、
別々に表示される。
金融保証に関連する「その他の資産」または「その他の負債」の増加または減少は、連結損益計算
書の「金融業務損益」に認識される。
保証履行請求に対する決済以外の金融保証に伴う「保証および契約債務引当金」の増加または減少
は、連結損益計算書の「貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金の変動(戻入れ控除後)」に
認識される。
受取プレミアムは、連結損益計算書の「受取手数料」で認識される。前受手数料は連結貸借対照表
の「繰延収益」で認識され、金融保証期間にわたって定額法で連結損益計算書において償却される。
A.4.12. 有形固定資産
有形固定資産には、土地、グループが使用している不動産ならびにその他機械および設備が含まれ
る。
有形固定資産については、定期的に減損の検討が行われている。
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土地は、取得原価で計上されており、建物は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額で計上
されている。ルクセンブルクのキルヒベルクに所在する本店の建物、ならびに同国のワイマールショ
フの建物の取得原価は、以下のように定額法で減価償却されている。
恒久使用の設備および備品、家具、事務機器ならびに自動車は、取得価額から減価償却累計額を控
除した金額で連結貸借対照表に計上される。
減価償却費は購入品目ごとに、以下に示されている見積耐用年数の期間にわたって定額法で計算さ
れている。
- キルヒベルクおよびワイマールショフの建物: 30年
- 恒久使用の設備および備品: 10年
- 家具:5年
- 事務機器および自動車:3年
A.4.13. 無形資産
無形資産には、コンピューター・ソフトウェアが含まれている。ソフトウェア開発費は、識別可能
性、企業への将来の経済的便益の流入可能性、取得原価測定の信頼性に関する特定の基準を満たした
場合に資産計上される。
無形資産は資産として認識され、見積経済耐用年数にわたり定額法で償却される。無形資産は、連
結貸借対照表日ごとに減損または将来の予測便益の変化の兆候について検討されている。もし、その
ような兆候が存在する場合は、帳簿価額が全額回収可能かどうかを評価する分析が行われる。帳簿価
額が回収可能額を超える場合は、減損を行う。
これらの基準に適合する自社開発のソフトウェアは、償却累計額(完成から3年にわたり定額法で
計算)控除後の取得原価で計上されている。
A.4.14 年金制度および健康保険制度
グループは、すべての職員に退職給付を提供するため、確定給付年金制度を運営している。また、
グループは EIB の元職員に対して、特定の追加的な退職後医療費給付も行っている。これらの退職給付
はIAS 第19号の定義による非積立型の年金制度である。年金給付に要するそれぞれの年金制度の費用
は、予測単位積立数理評価方式により決定される。確定給付年金制度に関する連結損益計算書上の費
用は、資格を有する外部の保険数理士により確定された当期の勤務費用および利息費用に基づき計上
される。
A.4.14.1. 職員年金制度
EIB の主な年金制度は職員と EIB の拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全 EIB 職員が対象とされ
ている。
退職給付債務は、適正な債務水準となるように予測単位積立方式を用いて、少なくとも年に1度は
評価を受ける。直近の評価は 2019 年9月 30日付で実施され、これに基づく推定を用いて 2019 年12月31
日付で更新された。保険数理士が用いた主な保険数理上の仮定については、注 Jを参照。
数理計算上の積立過不足累計額は、全額が「その他包括損益」で認識される。純利息費用は、連結
損益計算書の「支払利息および類似費用」で認識される。
EIF の主要な年金制度は、職員と EIF の拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全 EIF 職員が対象と
されている。この制度は、従来の確定拠出年金制度に代わり、 2003 年3月に実施された。
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A.4.14.2. 健康保険制度
EIB は職員のため、 EIB および職員の拠出金を原資とする独自の健康保険制度を設けている。これ
は、確定給付制度として会計処理される非積立型の制度である。定年退職年齢にある職員について
は、特定の引当金が連結貸借対照表の負債側に計上される。 EIF は定年退職年齢に達した職員の福利厚
生のため保険会社の健康保険制度に加入しており、 EIF とその職員からの拠出金を原資としている。
これらの給付の受給資格は、定年退職年齢まで職員が勤めあげること、および最低勤続年数を満た
していることである。この給付の見積給付費用は、確定給付年金制度と同じような方法を用いて、雇
用期間にわたり発生する。健康保険債務は、年金制度と同日に行われる保険数理計算に基づいて算定
される。
A.4.14.3. 経営委員会委員年金制度
グループ連結貸借対照表の「負債」に表示されている関連する引当金は、すべての制度がそうであ
るように、 IAS 第19号に準拠して算定されたものである。給付額は、勤続年数と当該制度で定義されて
いる最終年の総基本給に対する一定の比率に基づいて決定される。経営委員会委員に対する年金制度
は、職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処理されている(注 A.4.14.1 )。
A.4.14.4. 任意補足年金制度
任意補足年金制度とは、職員の任意拠出金および使用者の拠出金を原資とする確定拠出年金制度で
ある。これは職員および使用者の拠出金に基づいて会計処理され、対応する負債は「その他の負債」
に計上されている。
A.4.15. 金融機関および顧客に対する債務
金融機関および顧客に対する債務は、当初の時点においては原価で計上され、連結財務書類におい
て償却原価で表示される。金融機関および顧客に対する債務の利息は、実効金利法を用いて「支払利
息および類似費用」または金利がマイナスの場合には「受取利息および類似収益」として連結損益計
算書に計上される。
A.4.15.1. リパーチェス取引(レポ)
リパーチェス取引は、金融機関からグループが流動資金を借り入れ、代わりに担保有価証券を提供
する取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶこと
になる。この取引は 支払引替渡し の原則に基づいており、これは注 A4.9.2 に記載されている。
こうした種類の業務は、グループの目的から、合意された金利が付加された借入とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、借入金額に経過利息を加えた金額で
計上されている。レポは連結貸借対照表上、「金融機関に対する債務- b) 期日払または通知払」の下
で負債側に計上される。
リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり支払利息または受取利息として計
上される。
A.4.16. 債務証書借入
債務証書借入は、当初、受取額の公正価値である原価で測定される。取引費用および正味のプレミ
アム(ディスカウント)は当初測定額に含まれる。その後は、償却原価で測定され、純受取額と償還
額との差額は借入期間にわたって実効金利法を用いて償却される。
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借入金は、 IFRS 第9号の下でヘッジ会計適格の場合にヘッジ関係に指定され(注 A.4.5 )、その償却
原価はその後にヘッジ対象のリスクに起因する公正価値について調整される。
決済日が将来の借入金における確定契約債務も、ヘッジされヘッジ会計に指定することができる。
借入金のヘッジの公正価値は、割引キャッシュ・フロー法に基づいて算出される。借入金がヘッジ
会計に含まれず、公正価値オプションの適格基準を満たし、当初の認識時にそのように指定された場
合、当該借入金は純損益を通じた公正価値で測定される。流動市場価格が無い場合、採用される公正
価値測定手法は、カレント・イールドカーブを用いた割引キャッシュ・フローである。
グループが借入金を純損益を通じた公正価値での測定に指定する際、「自行信用リスク調整」
(「 OCA 」)と呼ばれる信用リスクの変動に起因する公正価値の変動額は、その他の包括利益に表示さ
れる。金融負債の当初認識時に、グループは自行信用リスク調整の変動額をその他の包括利益に表示
することにより、損益における会計上のミスマッチを発生させる、または拡大することになるかを評
価する。
この評価は、以下を比較することによって行われる。
- 自行信用リスク調整の変動に関連する借入金の公正価値の予想変動額
- 関連する金融商品の公正価値の予想変動額の損益影響額
その他の包括利益に表示される金額は、その後も純損益に振り替えられない。これらの金融商品の
認識が中止される際、関連するその他の包括利益での累積額はグループのその他準備金に振り替えら
れる。外国為替相場または指数に係る複合負債性金融商品は、ストラクチャード商品とみなされる。
組込デリバティブを含むすべての負債性金融商品について、グループはリスクを完全にヘッジするた
めにスワップを行っている。
負債性金融商品の支払利息は、原負債性金融商品が計上されている連結貸借対照表の負債項目に計
上されている。
A.4.17. 前払金 -繰延収益
これらの項目は、以下のものから構成される。
- 前払金:当期の支出であるが翌期に関連する費用。
- 繰延収益:貸借対照日以前に支払いを受けるが翌期に関連する収益。
A.4.18. リース
2019 年1月1日以降適用の会計方針
契約開始時に、グループは契約がリースであるか、すなわち、契約が特定された資産の使用を支配
する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するかを評価する。開始日後に、グループは使用権資
産とリース負債を認識する。
リース負債は、契約上の将来の固定および変動リース料、残価保証に基づく支払い、購入オプショ
ンの行使価格、ならびに解約ペナルティで構成されるリース料の現在価値で測定される。リース負債
はグループの追加借入利子率を使用して割り引かれる。その後、リース負債は実効金利法を使用して
償却原価で測定され、リース料およびリース負債に係る割引の巻戻しによる利息を反映して修正さ
れ、再評価またはリースの条件変更を反映するために再測定が行われる。
使用権資産は、上記のリース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト、リース開始
日以前に支払ったリース料から受け取ったリース・インセンティブを控除したものおよび解体費用
(該当する場合、リース終了日時点で)で測定される。 EIB グループは、原資産のクラスごとに、非
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リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分と関連する非リース構成部分を単
一のリース構成部分として会計処理することを選択した。
その後、グループは使用権資産を、原価モデルを適用して計上して、使用権資産をリース開始日か
らリース契約の終了まで減価償却し、 IAS 第36号に準拠して年次で減損の評価を行っている。
借手として、グループは IFRS 第16号のリース会計の範囲でリース資産を、 a)不動産(商業用建物と
住宅の両方)と b)車両の2つの資産クラスにグループ分けを行った。このグループ分けは、特性、性
質および EIB のグループ業務における用途に類似性を持つ原資産に基づいて行われた。
グループは、財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」そして対応するリース負債
を「その他の負債」で表示している。
短期リースおよび少額資産のリース
グループは少額資産のリースおよび短期リース(例えば、 IT機器および事務機器)について、使用
権資産およびリース負債を認識しないことを選択した。グループは、これらのリースに伴う支払リー
ス料をリース期間にわたって定額法で費用として認識している。
2019 年1月1日より前に適用されていた会計方針
2019 年1月1日より前に締結された契約について、グループは、取決めがリースであるか、または
リースを含んでいるかを IAS 第17号に基づいて判定した。比較対象期間においては、グループは借手と
して、所有に係るリスクおよび経済価値の実質的にすべてを移転するリースをファイナンス・リース
に分類した。また、リース資産は当初、公正価値または最低リース料総額の現在価値のいずれか低い
金額で測定された。当初認識後は、リース資産は当該資産に適用される会計方針に従って会計処理さ
れた。
オペレーティング・リースはグループの財政状態計算書上では認識されていなかった。オペレー
ティング・リースによる支払いは、リース期間にわたって定額法で純損益に認識された。受け取った
リース・インセンティブはリース費用総額の一部として、リース期間にわたって認識された。
A.4.19. 準備金
A.4.19.1. 準備基金
定款第 22(-1) 条で規定されているように、 EIB の留保利益より「応募済資本金の 10%を上限に、準備
基金に段階的に組み入れるものとする」。
A.4.19.2. その他準備金
その他準備金には、グループの残りの留保利益が含まれている。
A.4.19.3. 公正価値準備金
公正価値準備金には公正価値オプションに指定された金融負債の自行信用リスク調整の変動に起因
する公正価値、通貨ベーシス・スプレッドの公正価値、およびその他の包括利益を通じた公正価値評
価に指定された持分投資に起因する公正価値変動が含まれる。
A.4.19.4. 特別活動準備金
定款第 16(-5) 条で規定されているように、「 EIB の特別活動 (中略 )には個別に準備金を配分する」。
特別活動準備金は、 EIB が一般的に受け入れているものよりもリスクの高い活動によって生じる予想外
の損失をカバーするために割り当てられた専用準備金であり、ベンチャー・キャピタル業務がこれに
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含まれる。この準備金は各業務の資本配分に基づき、 EIB の法定利益の処分を通じて年次で調整され
る。
A.4.19.5. 一般貸倒準備金
2009 年、 EIB の方針ガイドラインにより、 EIB の貸付金および保証ポートフォリオの予想損失に対
し、「一般貸倒準備金」が導入された。この準備金は原資産の推移に応じて、 EIB の法定利益の処分を
通じて年次で調整される。また、 IFRS 第9号の導入により、予想信用損失引当金はグループの償却原
価で測定される金融資産だけでなく、グループの連結オフ・バランスシートのコミットメントについ
ても会計処理される。後者は、連結損益計算書に影響し、自己資本の中での想定配分であり、 EIB が供
与する貸付および保証業務に関連する一般貸倒準備金とは区別されなければならない。
A.4.20. 租税
欧州連合に関する条約および欧州連合の機能に関する条約に付属する欧州連合の特権および免除に
関する議定書は、欧州連合機関の資産、収益およびその他の財産について、あらゆる直接税を免除す
ると定めている。
A.4.21. 受取利息および支払利息
受取利息および支払利息は、すべての利付商品に関して、実際の購入価額(直接取引費用を含む)
に基づき、実効金利法により発生主義で連結損益計算書に認識される。これは、金融商品の償却原価
を計算し、当該期間にわたり受取利息を配分するという方法である。実効利率は、当該金融商品の見
積保有期間を通して将来受け取る金額の見積りを同金融商品の純帳簿価額に割り引く際の割引率にあ
たる。
この科目には、貸付金・預け金利息および手数料、有価証券ポートフォリオからのその他の収益の
他、貸付金の期限前返済に関してグループが受け取った債務者による補償金支払いが含まれている。
貸付金の期限前返済に関して受け取った補償金は、同貸付金の認識中止時に直ちに連結損益計算書
に計上される。
IAS 第32号「金融商品:表示」に準拠して、リプレースメント・シェア・パーチェス・アンダーテイ
キング(注 A.4.1 参照)の結果取得した EIF のプットオプションの公正価値の変動は、「支払利息およ
び類似費用」に表示される。
A.4.22. 株式およびその他の変動利付証券からの収益
「株式およびその他の変動利付証券からの収益」は、主に元本を超える当期売却額で構成されてい
る。
A.4.23. 現金および現金同等物
現金および現金同等物は連結キャッシュ・フロー計算書で開示されており、手許現金、非拘束性の
中央銀行預け金残高、要求払い預金、流動性の高い短期金融市場証券または価値の変動リスクに重要
性がなく、容易に現金化が可能でグループが短期コミットメントの管理に用いている定期預金で構成
される。現金および現金同等物に属する項目は、連結財務書類において償却原価で計上されている。
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A.5. 移行に関する開示- IFRS 第16号
リースの定義
IFRS 第16号への移行時に、グループは IAS 第17号を適用するリースとして以前に識別されたどの取引
がIFRS 第16号に従ったリース契約とみなされるかの評価を免除する、実務上の簡便法の適用を選択し
た。 2019 年1月1日より後に締結されたすべてのリースについて、グループは現在、注 A.4.18 で説明
したように、契約がリースであるかまたはリースを含んでいるかを評価している。
借手として
新基準の下で、 IFRS 第16号の適用範囲に該当するリースについて、グループは使用権資産および
リース負債を認識している。移行時に、これらのリース負債は残存リース料を 2019 年1月1日時点で
のグループの追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定された。使用権資産は、リース負債に等し
い金額で測定された。これらのリースについて、初度適用日の直前の財政状態計算書上でリース料の
前払も未払も認識されていなかったため、留保利益の修正は認識されなかった。
移行期間に、グループは従前 IAS 第17号の下でオペレーティング・リースに分類していたリースに対
して以下のとおり、実務上の簡便法を使用した。
- 少額資産のリースおよび 12ヵ月未満の短期リース(例えば、 IT機器および事務機器)につい
て、使用権資産および負債を認識しなかった。
- 当初直接コストを初度適用日時点の使用権資産の測定から除外し、リース期間の決定に事後的
判断を使用した。
- グループが非リース構成部分と区別せずに、リース構成部分と関連する非リース構成部分を単
一のリース構成部分として会計処理することを選択した。
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移行の影響は以下に要約されている。
(単位:千ユーロ)
2019 年1月1日
使用権資産-有形固定資産 190,460
リース負債-その他の負債 (190,460)
オペレーティング・リースとして分類されたリースについてリース負債を測定する際、グループは支払リース料を 2019 年
1月1日時点の追加借入利子率を使用して割引を行った。適用された加重平均利率は 0.27 %である。
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注B:現金、中央銀行および郵便局預け金、負債証券ポートフォリオ、株式およびその他の変動利付証
券ならびに他の事業体に対する持分(単位:千ユーロ)
B.1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
現金、中央銀行および郵便局預け金は、 2019 年12月31日現在 947,155 千ユーロ( 2018 年: 141,830 千
ユーロ)である。
EIB は、ユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティーであること
から、 EIB も欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加するようになった。 EIB は、最低預金準備
率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策オペレーションを
実施する。この預け金残高は、 2019 年12月31日現在 110,990 千ユーロ( 2018 年: 141,798 千ユーロ)で
ある。
B.2. 負債証券ポートフォリオ
各ポートフォリオの 2019 年および 2018 年12月31日現在の詳細は、以下のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券
34,569,333 33,860,192
12,519,706 16,297,744
確定利付証券を含む負債証券
(*)
47,089,039 50,157,936
負債証券合計
(*) うち非上場分は、 2019 年12月31日現在 8,768,486 千ユーロ( 2018 年: 8,929,369 千ユーロ)であった。
分類 帳簿価額 公正価値
2019 年12月31日現在
LTHP
AC 1,736,672 1,847,092
TMP
-短期金融市場証券
AC 19,323,516 19,322,597
SLP
-P1:固定利付ポートフォリオ 強制的に FVTPL 3,536,999 3,536,999
-P2:変動利付ポートフォリオ
強制的に FVTPL 389,065 389,065
運用ポートフォリオ- EIF
AC 1,237,900 1,251,369
資産担保証券ポートフォリオ EIF
252,106 252,106
強制的に FVTPL
代替貸付金ポートフォリオ (注 D)
AC 19,883,269 20,095,884
代替貸付金ポートフォリオ (注 D) 強制的に FVTPL 528,927 528,927
代替貸付金ポートフォリオ (注 D) 200,585 200,585
FVTPL に指定
(1)
負債証券合計
47,089,039 47,424,624
(1) うち現金および現金同等物 10,817,964 千ユーロ
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分類 帳簿価額 公正価値
2018 年12月31日現在
LTHP AC 1,083,939 1,185,060
TMP
-短期金融市場証券
AC 21,373,285 21,369,205
SLP
-P1:固定利付ポートフォリオ
強制的に FVTPL 4,328,493 4,328,493
-P2:変動利付ポートフォリオ
強制的に FVTPL 1,490,405 1,490,405
運用ポートフォリオ- EIF
AC 1,221,949 1,238,132
資産担保証券ポートフォリオ EIF
200,397 200,397
強制的に FVTPL
代替貸付金ポートフォリオ (注 D)
AC 20,003,807 20,069,670
代替貸付金ポートフォリオ (注 D)
強制的に FVTPL 205,630 205,630
代替貸付金ポートフォリオ (注 D)
250,031 250,031
FVTPL に指定
(1)
負債証券合計
50,157,936 50,337,023
(1) うち現金および現金同等物 9,618,029 千ユーロ
代替貸付金は、証券化取引に関連する貸付金または債権のプールにおける持分の取得を表してお
り、貸付金総額(注 D)の一部とみなされる。こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の
救済措置を付加した上で組成されているため、追加的な償還請求手段が備わっている。 2019 年12月31
日現在、このポートフォリオにおける代替貸付金の1つは、再構築の一環として組成されたものであ
る( 2018 年:なし)。
欧州連合加盟国ソブリン債に対するエクスポージャー
EIB および EIF の優先債権者の地位および EIB 定款による保護を考慮し、また公正価値修正要件の詳細
な見直しの結果、グループは、期末現在の満期保有目的 EU加盟国ソブリン債および EU加盟国ソブリン
保証債のエクスポージャーに関して、 2019 年度および 2018 年度には減損を計上しなかった。
次の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在のグループの負債証券ポートフォリオにおける、 EU加
盟国またはその政府機関が発行または保証する負債証券に対するエクスポージャーを示したものであ
る。
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帳簿価額 公正価値
2019 年12月31日現在
EU加盟国ソブリン債
オーストリア 210,870 211,646
ベルギー 51,169 51,232
チェコ共和国 557,918 568,163
クロアチア 23,442 23,445
キプロス 2,092 2,092
エストニア 15,016 15,008
フィンランド 40,652 40,652
フランス 2,340,127 2,344,992
ドイツ 917,581 981,242
ハンガリー 160,210 160,525
アイルランド 411,275 411,154
イタリア 155,606 181,834
ラトビア 9,917 9,905
リトアニア 98,520 98,752
ルクセンブルク 5,111 5,176
オランダ 396,393 408,430
ポーランド 102,126 102,282
ポルトガル 287,603 287,508
ルーマニア 52,895 52,872
スロバキア 14,559 14,905
スロベニア 5,192 5,204
スペイン 2,111,612 2,112,324
54,777 54,777
スウェーデン
8,024,663 8,144,120
39,064,376 39,280,504
EU加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
47,089,039 47,424,624
合計
(1) 経過利息を含めた公正価値
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(1)
2018 年12月31日現在
帳簿価額 公正価値
EU加盟国ソブリン債
オーストリア
55,789 57,028
ベルギー
407,068 407,159
チェコ共和国
554,317 558,423
デンマーク
171,746 171,744
フィンランド
17,450 17,450
フランス
2,201,746 2,205,847
ドイツ
584,218 648,051
ギリシャ
5,131 5,274
ハンガリー
350,950 351,889
アイルランド
81,953 81,956
イタリア
278,467 297,257
ルクセンブルク
5,127 5,376
オランダ
226,893 238,407
ポーランド
83,413 85,049
ポルトガル
1,749,569 1,750,487
ルーマニア
51,705 51,690
スロバキア
22,007 22,898
スロベニア
26,263 26,377
スペイン
1,519,306 1,520,732
8,393,118 8,503,094
EU加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
41,764,818 41,833,929
合計
50,157,936 50,337,023
(1) 経過利息を含めた公正価値
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負債証券ポートフォリオ-貸倒引当金
次の表は、 IFRS 第9号の ECL モデルに基づく、負債証券ポートフォリオの貸倒引当金の期首残高と期
末残高の間の調整を示している。
2019 年
信用減損のない 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
全期間 ECL 全期間 ECL
(単位:千ユーロ)
ACで測定される負債証券
1月1日現在の残高 3,494 14,364 0 17,858
12ヵ月 ECL へ振替 2 -17 0 -15
信用減損のない全期間 ECL への振替 -298 4,667 0 4,369
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 0 0 0
貸倒引当金の純額の再測定 -327 -1,908 0 -2,235
組成または購入された新規金融資産 1,652 0 0 1,652
-2,225 -5,309 0 -7,534
認識が中止された金融資産
2,298 11,797 0 14,095
12月31日現在の残高
2018 年
信用減損のない 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
全期間 ECL 全期間 ECL
(単位:千ユーロ)
ACで測定される負債証券
1月1日現在の残高 1,947 463 0 2,410
12ヵ月 ECL へ振替 0 0 0 0
信用減損のない全期間 ECL への振替 -132 14,243 0 14,111
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 0 0 0
貸倒引当金の純額の再測定 504 -361 0 143
組成または購入された新規金融資産 2,264 22 0 2,286
-1,089 -3 0 -1,092
認識が中止された金融資産
3,494 14,364 0 17,858
12月31日現在の残高
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B.3. 株式およびその他の変動利付証券
残高の内訳は以下のとおりである。
株式およびその他の変動利付証券
ベンチャー・
その他の
(2)
キャピタル
EBRD 持分 投資基金
合計
持分投資
事業
取得原価:
2019 年1月1日現在 5,506,369 157,500 1,376,701 0 7,040,570
当期取得額 1,455,834 0 895,080 266 2,351,180
-467,637 0 -212,395 0 -680,032
当期除却額
(1)
6,494,566 157,500 2,059,386 266 8,711,718
2019 年12月31日現在
未実現利益/損失
2019 年1月1日現在 1,456,270 332,094 161,804 0 1,950,168
未実現利益 1,568,473 3,163 82,651 562 1,654,849
-693,065 0 -24,108 0 -717,173
未実現損失
2,331,678 335,257 220,347 562 2,887,844
2019 年12月31日現在
純帳簿価額:
8,826,244 492,757 2,279,733 828 11,599,562
2019 年12月31日現在
6,962,639 489,594 1,538,505 0 8,990,738
2018 年12月31日現在
(1) 157,500 千ユーロ( 2018 年: 157,500 千ユーロ)は、欧州復興開発銀行(「 EBRD 」)の資本金に対するグループの応
募額 900,440 千ユーロに係る 2019 年12月31日現在のグループの払込資本である。 2019 年12月31日現在、グループは、
EBRD の応募済資本金の 3.03 %( 2018 年: 3.03 %)を所有している。
(2) 合計額は、株式およびその他の変動利付証券のみを含む。
グループが EBRD への投資をその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとしての指定した理
由は、この投資が戦略的目的で長期間の保有が見込まれ、短期的にも中期的にもこの投資を処分する
計画がないためである。 2019 年12月31日現在の公正価値は、計上されている正味帳簿価額に対応す
る。 2019 年度中に認識された配当金はなく、また、この投資に関連して資本の部の中で振り替えられ
た累積損益もなかった。
B.4. 他の事業体に対する持分
B.4.1. グループの構成
欧州投資基金(「 EIF 」)は、 1994 年6月 14日にルクセンブルクで国際金融機関として設立された。
登記上の事務所所在地は、 37B, avenue J.F. Kennedy, L-2968 Luxembourg である。 EIF は現在、 EIB
の唯一の子会社である。
EIB は、 EIF の応募済資本金 45億ユーロ( 2018 年: 45億ユーロ)の 58.53 %( 2018 年: 58.64 %)を保
有している。
EIF の主要任務は、適切なレベルの資本利益を創出しつつ、以下を通じて欧州連合の目的の追求に貢
献することである。
- 金融機関に対する中小企業(「 SME 」)向け融資保証の提供
- 持分投資の取得、保有、運用および処分
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- 第三者から受託した特別財源の管理
- 関連業務
EIF の株式資本は普通株式のみで構成され、 EIB はEIF の普通株式を直接的に保有しており、保有する
所有持分割合は、 EIB が保有する議決権に等しい。 EIF の設立国または登記国は、主たる事業所の所在
地でもある。
B.4.2. 非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
ストラクチャード・エンティティの定義
ストラクチャード・エンティティは、議決権または類似した権利が、誰が事業体を支配しているか
を決定する際の支配的な要因とならないように設計された事業体である。 IFRS 第12号では、ストラク
チャード・エンティティが次の特徴の一部または全部を備えていることが多いとしている。
- 制限された活動
- 限定され、明確に定義された目的。例えば、節税効果のあるリースの実行、研究開発活動の実
施、企業への資本もしくは資金源の提供、または当該ストラクチャード・エンティティの資産
に付随するリスクおよび利益を投資家に移転することによる投資家への投資機会の提供等
- 不十分な資本。ストラクチャード・エンティティが業務活動資金の調達を可能にするためには
劣後的な財務支援が必要
- トランシェ。信用リスクまたはその他のリスクの集中を発生させる、複数の契約上関連してい
る投資家向け商品の資金調達
非連結ストラクチャード・エンティティ
「非連結ストラクチャード・エンティティ」という用語は、グループによって支配されていないす
べてのストラクチャード・エンティティを指し、連結されていないストラクチャード・エンティティ
における持分を含む。
ストラクチャード・エンティティにおける持分の定義
IFRS 第12号は、「持分」を広義に定義しており、エンティティの業績から生じるリターンの変動に
報告企業がさらされるような、契約上または契約に拠らない関与を含むものとしている。このような
持分の例には、株式持分または資金の提供、流動性支援、信用補完、他のエンティティに対するコ
ミットメントおよび保証等のその他の形での関与が含まれる。 IFRS 第12号は、通常の顧客・サプライ
ヤーの関係だけでは、報告企業が他のエンティティの持分を持つことにはならないと述べている。
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ストラクチャード・ グループが保有する
性質および目的
エンティティの種類 持分
プロジェクト・ファ プロジェクト・ファイナンス取引( PF業務)は、債務者からの債務 正味実行済金額
イナンス:特別目的 の返済が、当該債務者の唯一または主要な収益源に依存する取引で
受取利息
事業体(「 SPV 」) あり、その収益源は、当該借入によって資金調達された資産または
への貸付 当該プロジェクトに契約によって関係づけられたその他の既存の資
産などの単一または限定的な数の資産から生じる。 PF業務は SPV を通
じて資金調達されることが多い。
ベンチャー・キャピ グループは、ベンチャー・キャピタルおよび投資基金に資金提供し ベンチャー・キャピ
タルおよび投資基金 ている。ベンチャー・キャピタルおよび投資基金は、優れた成長潜 タルおよび投資基金
在性を備えた中小企業におけるプライベート・エクイティ持分やイ が発行する受益証
ンフラストラクチャー・プロジェクトへの投資を望む投資家からの 券/株式への投資
資金をプールし、管理する。
受取配当として受領
した配当金
SPV が発行する資産 SPV が発行する債券へのグループによる投資は、プロジェクトのプロ SPV が発行した債券へ
担保証券 モーターまたは仲介者への資金提供の代替的な手段である。資産担 の投資
保証券は、分離された SPV によって発行され、金融機関またはその他
受取利息
の機関によって組成された資産プールによって裏付けられる。グ
ループは、かかる SPV のスポンサー/プロモーターとしての機能は果
たさないことに留意するべきである。
第三者 SPV が供与し グループは、金融機関、公共団体または SPV に供与されうる保証およ 保証エクスポー
た貸付金に対する保 び資金を拠出しない証券取引を行う。 ジャー
証の付与
保証料
マンデート管理 グループは、第三者の代理でマンデートの管理を行い、外部資金の サービスに対する管
管理を受託し、関連する事務管理および会計サービスを提供する。 理報酬
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以下の表は、グループが報告日現在で持分を有する非連結ストラクチャード・エンティティの帳簿
価額、およびこれらのエンティティに関する信用リスクの最大エクスポージャーを示している。信用
リスクの最大エクスポージャーには、帳簿価額および関連する未実行コミットメントが含まれる。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
信用リスクの 信用リスクの
(単位:百万ユーロ ) 項目
帳簿価額 最大エクス 帳簿価額 最大エクス
ポージャー ポージャー
プロジェクト・ファイナン 対顧客貸付金およ
ス: SPV への貸付 び預け金 14,104 14,649 14,193 15,129
ベンチャー・キャピタルおよ 株式およびその他
び投資基金(注 B.3 参照) の変動利付証券 11,106 20,105 8,501 17,563
代替貸付金: SPV およびその
他のストラクチャード・エン
ティティが発行する資産担保 確定利付証券を含
証券への投資 む負債証券 5,907 6,082 6,039 6,039
第三者 SPV が供与した貸付金
に対する保証の付与(注
S2.5.3 参照) 保証引当金 20 10,889 30 8,623
合計 31,137 51,725 28,763 47,354
EIB グループから仕組事業体に対しては、それぞれへの資金供与以上の支援は提供されていない。
注 C :金融機関および対顧客貸付金および預け金 -その他の貸付金および預け金(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
定期預金 29,003,153 41,138,636
要求払預金 238,000 237,949
リバース・レポ 24,613,801 10,024,535
金融機関貸付金および預け金 53,854,954 51,401,120
964,239 452,699
対顧客貸付金および預け金
54,819,193 51,853,819
その他の貸付金および預け金合計
うち現金および現金同等物 48,036,922 47,821,814
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注D:貸付金明細表(単位:千ユーロ)
D.1. 貸付金総額
貸付金総額は貸付金の実行済金額と未実行金額で構成されている。分析は以下のとおりである。
金融仲介機関に 最終受益者に
2019年 2018年
対して実行され 直接実行され
12月31日 12月31日
る貸付金 る貸付金
実行済金額 111,855,269 339,183,958 451,039,227 449,887,869
29,652,661 82,918,317 112,570,978 105,569,748
未実行金額
141,507,930 422,102,275 563,610,205 555,457,617
貸付金総額
3,426 168,091 171,517 209,897
分割貸付債権
(1)
20,788,129 20,739,468
代替貸付金ポートフォリオ
584,569,851 576,406,982
代替貸付金ポートフォリオを含む貸付金総額
(1) 2019 年度に 175,348 千ユーロ( 2018 年: 280,000 千ユーロ)が未実行金額として計上された。 2019 年度に対応する損
失引当金 14千ユーロ( 2018 年: 28千ユーロ)が「 保証および契約債務引当金 」に計上された。
D.2. 貸付金および預け金の減損-貸倒引当金
次の表は、 IFRS 第9号の ECL モデルに基づく、実行済貸付金および預け金ならびに未実行貸付金(貸
付コミットメント)の貸倒引当金の期首残高と期末残高の間の調整を示している。
2019 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
償却原価で測定される金融機関貸付金およ
び預け金
2019 年1月1日現在の残高 26,794 88,099 91,380 206,273
12ヵ月 ECL へ振替 239 -2,155 0 -1,916
信用減損のない全期間 ECL への振替 -1,557 10,119 0 8,562
信用減損のある全期間 ECL への振替 -3,294 -162 21,107 17,651
貸倒引当金の純額の測定 -5,722 -29,712 -18,950 -54,384
組成または購入された新規金融資産 5,946 3,922 0 9,868
認識が中止された金融資産 -4,543 -1,597 -13,442 -19,582
貸倒償却 0 0 -7,426 -7,426
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
17,863 68,514 72,669 159,046
2019 年12月31日現在の残高
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金融機関貸付金および預け金に係る貸倒引当金の変動は、主に次の理由による。
- 12ヵ月 ECL 、信用減損のない全期間 ECL および信用減損のある全期間 ECL の純変動による増加
24,297 千ユーロ。
- 組成または購入された新規金融資産の増加による 9,868 千ユーロ。
- 同一ステージレベル内での既存の事業の貸倒引当金の純額の測定の影響による減少 54,384 千
ユーロ。
- 金融資産の認識中止による減少 19,582 千ユーロ。
- 貸付業務1件の再編成完了による減少 7,426 千ユーロ
2018 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
償却原価で測定される金融機関貸付金およ
び預け金
2018 年1月1日現在の残高 20,303 62,378 0 82,681
12ヵ月 ECL へ振替 17 -2,402 0 -2,385
信用減損のない全期間 ECL への振替 -3,034 37,643 0 34,609
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 -6,007 91,380 85,373
貸倒引当金の純額の測定 5,027 2,351 0 7,378
組成または購入された新規金融資産 7,138 7,270 0 14,408
認識が中止された金融資産 -2,657 -13,134 0 -15,791
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
26,794 88,099 91,380 206,273
2018 年12月31日現在の残高
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2019 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
償却原価で測定される対顧客貸付金および
預け金
2019 年1月1日現在の残高 57,413 157,752 446,645 661,810
12ヵ月 ECL へ振替 1,054 -37,025 0 -35,971
信用減損のない全期間 ECL への振替 -3,661 24,018 -2,720 17,637
信用減損のある全期間 ECL への振替 -216 0 52,618 52,402
貸倒引当金の純額の測定 -7,051 -3,973 -89,207 -100,231
組成または購入された新規金融資産 6,835 21,796 240 28,871
認識が中止された金融資産 -5,136 -222 -22,020 -27,378
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
49,238 162,346 385,556 597,140
2019 年12月31日現在の残高
対顧客貸付金および預け金に係る貸倒引当金の変動は、主に次の理由による。
- 12ヵ月 ECL 、信用減損のない全期間 ECL および信用減損のある全期間 ECL の純変動による増加
34,068 千ユーロ。
- 組成または購入された新規金融資産の増加による 28,871 千ユーロ。
- 金融資産の認識中止による減少 27,378 千ユーロ。
- 同一ステージレベル内での既存の事業の貸倒引当金の純額の測定の影響による減少 100,231 千
ユーロ。
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有価証券報告書
2018 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
償却原価で測定される対顧客貸付金および
預け金
2018 年1月1日現在の残高 39,741 183,263 409,348 632,352
12ヵ月 ECL へ振替 1,857 -12,049 0 -10,192
信用減損のない全期間 ECL への振替 -374 16,735 -3,110 13,251
信用減損のある全期間 ECL への振替 -14 -17,754 96,764 78,996
貸倒引当金の純額の測定 11,807 -21,612 -50,167 -59,972
組成または購入された新規金融資産 7,075 35,798 2,803 45,676
認識が中止された金融資産 -2,679 -26,629 -8,993 -38,301
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
57,413 157,752 446,645 661,810
2018 年12月31日現在の残高
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2019 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
償却原価で測定される貸付コミットメント
2019 年1月1日現在の残高 12,301 46,174 2,778 61,253
12ヵ月 ECL へ振替 65 -8,236 0 -8,171
信用減損のない全期間 ECL への振替 -2,309 17,299 0 14,990
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 0 0 0
貸倒引当金の純額の測定 -609 -7,566 0 -8,175
組成または購入された新規金融資産 5,108 11,083 0 16,191
認識が中止された金融資産 -5,381 -6,201 -2,778 -14,360
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
9,175 52,553 0 61,728
2019 年12月31日現在の残高
貸付コミットメントに係る貸倒引当金の変動は、主に次の理由による。
- 12ヵ月 ECL 、信用減損のない全期間 ECL および信用減損のある全期間 ECL の純変動による増加
6,819 千ユーロ。
- 組成または購入された新規金融資産の増加による 16,191 千ユーロ。
- 金融資産の認識中止による減少 14,360 千ユーロ。
- 同一ステージレベル内での既存の事業の貸倒引当金の純額の測定の影響による減少 8,175 千ユー
ロ。
2018 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
償却原価で測定される貸付コミットメント
2018 年1月1日現在の残高 11,444 4,743 0 16,187
12ヵ月 ECL へ振替 11 -110 0 -99
信用減損のない全期間 ECL への振替 -522 26,361 0 25,839
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 0 0 0
貸倒引当金の純額の測定 606 14,032 2,778 17,416
組成または購入された新規金融資産 5,231 3,388 0 8,619
認識が中止された金融資産 -4,469 -2,240 0 -6,709
貸倒償却 0 0 0 0
0 0 0 0
貸倒償却処理された債権の回収
12,301 46,174 2,778 61,253
2018 年12月31日現在の残高
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D.3. プロジェクトが実施されている国別に表示した貸付金の地域別内訳
欧州連合内のプロジェクトに対する貸付金:
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが
実施されている 貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
スペイン 91,412,239 84,331,196 7,081,043 15.64% 16.05%
イタリア 64,497,291 51,839,979 12,657,312 11.04% 11.18%
フランス 58,981,635 46,008,665 12,972,970 10.09% 9.97%
ドイツ 45,735,881 35,912,768 9,823,113 7.83% 7.59%
ポーランド 43,978,486 34,299,373 9,679,113 7.53% 7.61%
イギリス 46,393,268 44,152,229 2,241,039 7.94% 8.11%
ギリシャ 20,849,677 18,298,804 2,550,873 3.57% 3.46%
ポルトガル 17,638,772 15,510,696 2,128,076 3.02% 3.19%
オランダ 16,398,645 12,351,421 4,047,224 2.81% 2.69%
オーストリア 16,186,443 14,438,771 1,747,672 2.77% 2.80%
ベルギー 14,522,555 11,306,369 3,216,186 2.49% 2.35%
スウェーデン 11,768,678 8,654,933 3,113,745 2.01% 1.96%
フィンランド 11,334,131 8,656,862 2,677,269 1.94% 1.86%
ハンガリー 10,135,915 7,996,872 2,139,043 1.73% 1.76%
アイルランド 7,360,753 5,883,291 1,477,462 1.26% 1.19%
チェコ共和国 7,200,594 5,855,622 1,344,972 1.23% 1.18%
ルーマニア 6,795,813 3,881,877 2,913,936 1.16% 1.24%
スロバキア 5,286,038 3,852,341 1,433,697 0.90% 0.91%
クロアチア 4,547,527 3,185,752 1,361,775 0.78% 0.78%
スロベニア 3,435,138 2,814,071 621,067 0.59% 0.60%
デンマーク 3,100,968 2,724,808 376,160 0.53% 0.44%
キプロス 2,699,182 2,081,917 617,265 0.46% 0.50%
ブルガリア 2,356,748 1,779,433 577,315 0.40% 0.41%
リトアニア 1,987,574 1,859,495 128,079 0.34% 0.37%
エストニア 1,418,997 1,115,579 303,418 0.24% 0.23%
ラトビア 1,229,701 774,385 455,316 0.21% 0.22%
ルクセンブルク 911,032 459,034 451,998 0.16% 0.13%
マルタ 492,983 325,341 167,642 0.08% 0.09%
小計 518,656,664 430,351,884 88,304,780 88.75% 88.87%
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欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金:
プロジェクトが 2019 年貸付金 2018 年貸付金
実施されている 貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域 対する割合 対する割合
候補国 18,993,059 16,905,735 2,087,324 3.25% 3.66%
地中海沿岸諸国 17,448,166 11,119,309 6,328,857 2.99% 2.90%
ロシア、東欧諸国、南
コーカサス諸国 8,355,785 2,521,740 5,834,045 1.43% 1.28%
アジア 7,301,783 2,944,953 4,356,830 1.25% 1.10%
ラテンアメリカ諸国 4,693,732 2,533,757 2,159,975 0.80% 0.71%
アフリカ、カリブ海およ
び太平洋( ACP )諸国 4,433,291 1,700,970 2,732,321 0.76% 0.70%
欧州自由貿易連合
(EFTA)加盟国 1,771,433 1,515,057 256,376 0.30% 0.31%
潜在的候補国 1,708,503 1,173,175 535,328 0.29% 0.30%
南アフリカ 1,002,975 859,985 142,990 0.17% 0.16%
加盟国の属国および属領
(OCT) 32,943 25,443 7,500 0.01% 0.01%
小計 65,741,670 41,300,124 24,441,546 11.25% 11.13%
(*)
2019 年の合計 584,398,334 471,652,008 112,746,326 100.00%
(*)
2018 年の合計 576,197,085 470,347,337 105,849,748 100.00%
(*) 代替貸付金を含み、分割貸付債権( 2019 年: 172 百万ユーロ、 2018 年: 210 百万ユーロ)を除く貸付金総額
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D.4. 保証業務における変動
次の表は、金融保証の期首残高と期末残高の間の調整を示している。 2018 年の比較対象金額は下に
開示されている。
2019 年
その他の負債 引当金
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
金融保証
1月1日現在の残高 11,552 3,803 14,659 30,014
12ヵ月 ECL へ振替 482 -1,364 0 -882
信用減損のない全期間 ECL への振替 0 -153 0 -153
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 0 74 74
再測定純額 -346 -859 -3,256 -4,461
引当金の使用 0 0 1,022 1,022
供与または購入された新規保証 -517 282 0 -235
-4,704 -710 -150 -5,564
認識が中止された保証
6,467 999 12,349 19,815
12月31日現在の残高
2018 年
信用減損のな 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
い全期間 ECL 全期間 ECL
金融保証
1月1日現在の残高 13,526 8,481 18,426 40,433
12ヵ月 ECL へ振替 0 0 0 0
信用減損のない全期間 ECL への振替 -219 38 0 -181
信用減損のある全期間 ECL への振替 0 0 182 182
再測定純額 -7,628 -5,736 -3,949 -17,313
供与または購入された新規保証 2,088 1,020 0 3,108
3,785 0 0 3,785
認識が中止された保証
11,552 3,803 14,659 30,014
12月31日現在の残高
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注E:有形固定資産および無形資産(単位:千ユーロ)
ルクセン
家具備品 有形資産 無形資産
(2)
ブルクの
土地
使用権資産
および設備 合計 合計
(1)
建物
2019 年1月1日現在取
得原価 20,145 387,943 88,317 0 496,405 36,919
IFRS 第16号初度適用時
の使用権資産の認識 0 0 0 190,460 190,460 0
2019 年1月1日現在調
整後取得原価 20,145 387,943 88,317 190,460 686,865 36,919
当期取得額 0 9,939 9,876 5,147 24,962 18,184
0 0 -26,067 -696 -26,763 -11,737
当期除却額
20,145 397,882 72,126 194,911 685,064 43,366
2019 年12月31日現在
減価償却/償却累計額
2019 年1月1日現在 0 -186,758 -53,079 0 -239,837 -13,121
減価償却/償却 0 -9,792 -19,193 -38,558 -67,543 -15,597
0 0 26,067 112 26,179 11,007
当期除却額
0 -196,550 -46,205 -38,446 -281,201 -17,711
2019 年12月31日現在
純帳簿価額:
20,145 201,332 25,921 156,465 403,863 25,655
2019 年12月31日現在
20,145 201,185 35,238 0 256,568 23,798
2018 年12月31日現在
(1) 土地および建物はすべて、グループが自身の活動のために使用している。グループは事後測定用には、 IAS 第16号の
「原価モデル」を採用している。ルクセンブルクの建物には、新棟の建設に係る原価 55,153 千ユーロ( 2018 年:
45,214 千ユーロ)が含まれており、新棟は、 2023 年に完成予定である。
(2) 使用権資産は、不動産(商業用不動産および住宅用不動産)および車両の2つの資産クラスで構成される。
不動産 車両 合計
2019 年度の減価償却費 38,382 176 38,558
156,181 284 156,465
2019 年12月31日現在の帳簿価額
注F:繰延収益(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
前受利子補助金 99,890 103,385
前受および繰延運用報酬 203,750 177,725
貸付金に係る繰延収益 58,567 78,729
10,865 23,392
その他
373,072 383,231
合計
注 G :その他の資産およびその他の負債(単位:千ユーロ)
G.1. その他の資産
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2019 年12月31日 2018 年12月31日
金融保証契約による資産純額 27,181 0
未収金およびその他債権 25,828 23,813
保証履行請求債権 25,633 21,775
(1)
職員住宅ローンおよび預け金 1,038 1,552
ベンチャー・キャピタル事業売却代金未収金 0 16,573
2,587 4,296
その他
82,267 68,009
合計
(1) 上記残高は、過年度に EIB が職員に供与した職員住宅ローンに関連するものである。 1999 年以降、こうした住宅ロー
ンに代わり、常勤職員によるグループ職員規程に準拠した職員住宅ローン利用を可能にする外部金融機関との取決
めが導入された。該当職員全員に対して、同一の利率と条件が適用される。
G.2. その他の負債
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(1)
EIF の非支配持分の購入コミットメント
821,272 816,824
任意補足年金制度
643,232 585,017
リース負債
156,512 315
ファースト・ロス一部負担金
132,676 52,575
未払人件費
105,706 117,579
未払金およびその他債務
48,674 51,268
重債務貧困国( HIPC )イニシアチブに係る未払費用
13,596 13,596
金融保証契約による負債純額(注 D.4. )
7,466 0
西バルカン諸国のインフラ基金
393 393
その他
168,636 101,065
合計
2,098,163 1,738,632
(1) 2019 年12月31日現在、連結貸借対照表上の EIF の非支配持分は 821 百万ユーロ( 2018 年: 817 百万ユーロ)、連結純損
益(注 L)の非支配持分はマイナス 67百万ユーロ( 2018 年:マイナス 31百万ユーロ)であった。
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注H:金融機関および顧客に対する債務(単位:千ユーロ)
H.1. 金融機関に対する債務
2019 年12月31日 2018 年12月31日
要求払 6,284,469 4,121,680
-翌日物預金 6,284,469 4,121,680
期日払または通知払 1,184,732 93,459
-短期預かり金 2,761 93,459
1,181,971 0
-金融機関とのレポ取引
7,469,201 4,215,139
合計
H.2. 顧客に対する債務
2019 年12月31日 2018 年12月31日
要求払 1,594,508 1,791,083
-翌日物預金 4,013 7,665
-欧州連合および加盟国口座
-特別部門業務および関連未決済金額に係るもの 397,313 374,376
-預金口座 1,193,182 1,409,042
期日払または通知払 15,540 10,976
15,540 10,976
-短期預かり金
1,610,048 1,802,059
合計
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注I:債務証書借入(単位:千ユーロ)
財務活動におけるグループの目標の1つとして、その資金調達戦略を貸付金供与に要する資金と合
致させることが挙げられる。「債務証書借入」の項には、「負債証券」(一般投資家に対して公募し
た有価証券)および「その他」(私募)が含まれる。次の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の
債務残高の通貨別内訳、ならびに平均利率と満期日をまとめたものである。
債務証書借入(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
平均利率 平均利率
支払通貨 12月31日現在 満期日 12月31日現在
(*) (*)
2019 年 2018 年
残高 残高
ユーロ 242,241,423 1.73 2020/2057 242,302,683 1.88
米ドル 111,884,458 2.20 2020/2058 118,381,750 2.14
英ポンド 45,613,342 2.61 2020/2054 45,514,776 2.67
オーストラリア・ドル 9,947,726 3.77 2020/2042 11,158,821 4.40
スウェーデン・クローナ 5,873,569 2.28 2020/2040 5,871,397 2.45
ノルウェー・クローネ 5,739,674 1.98 2020/2037 4,092,659 1.97
スイス・フラン 5,430,993 2.09 2020/2036 6,543,349 2.10
カナダ・ドル 5,313,621 2.02 2020/2045 4,753,954 2.10
ポーランド・ズロチ 4,994,362 2.48 2021/2029 3,605,803 2.38
日本円 3,282,503 1.12 2020/2053 3,768,843 1.02
南アフリカ・ランド 2,774,494 8.16 2020/2032 3,059,007 7.66
トルコ・リラ 2,266,647 8.76 2020/2027 2,937,200 8.94
メキシコ・ペソ 1,887,353 5.66 2020/2027 1,689,482 5.63
デンマーク・クローネ 525,216 0.82 2024/2031 123,760 3.46
ニュージーランド・ドル 388,435 2.49 2020/2023 469,043 3.37
チェコ・コルナ 347,462 2.45 2021/2034 379,935 2.57
ハンガリー・フォリント 272,895 0.22 2020/2021 281,014 0.18
人民元 230,164 2.80 2020/2022 63,491 3.88
ロシア・ルーブル 164,388 6.16 2020/2022 213,259 6.71
香港ドル 105,175 2.14 2020/2021 116,152 2.47
37,633 2.87 2020/2020 57,468 2.66
ルーマニア・レイ
449,321,533 455,383,846
合計
2019 年
2018 年
12月31日現在
12月31日現在
残高
残高
(**)
449,321,533 455,383,846
合計(名目値)
44,005,583 34,648,003
借入金の IFRS に基づく調整
493,327,116 490,031,849
債務証書借入の合計
(*) 貸借対照表日現在の加重平均利率
(**) 2019 年12月31日現在、ヘッジ会計目的で保有されている債務証書借入の名目値は 3,571 億ユーロ( 2018 年: 3,677 億
ユーロ)、純損益を通じた公正価値で測定される債務証書借入の名目値は 262 億ユーロ( 2018 年: 245 億ユーロ)、
償却原価で評価される債務証書借入の名目値は 660 億ユーロ( 2018 年: 632 億ユーロ)である。
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注J:年金制度および健康保険制度(単位:千ユーロ)
グループは3種類の確定給付年金制度を運営している。また、グループは EIB の元職員に対して、特
定の退職後の医療費給付も行っている。これらの給付は、 IAS 第19号の定義による非積立型の年金制度
であり、制度は規制対象外である。年金給付に要するそれぞれの年金制度の費用は、予測単位積立数
理評価方式により決定される。保険数理評価は 2019 年9月 30日に行われ、 2019 年12月31日時点への
ロール・フォワードを行うことにより数値を算出している。
これらの制度により、概してグループは金利リスク、長寿リスク、インフレリスクおよび昇給リス
クなどの保険数理リスクを負う。もう一つのリスクは、制度加入者の扶養家族(遺族配偶者および遺
児給付)に対する支払に伴うリスクである。
金利リスク 確定給付債務の現在価値は、高格付の社債利回りを参照して決定される割引率を使
用して算出される。社債利率が低下することにより、年金債務は増加する。
長寿リスク 確定給付制度債務の現在価値は、制度加入者の雇用期間中および退職後の両方の死
亡率の最善見積りを参照して算出される。制度加入者の平均寿命が延びることによ
り、制度の債務は増加する。
インフレリスク 確定給付制度債務の現在価値は、ルクセンブルクのインフレ率に連動した将来の年
金の増加を参照して算出される。ルクセンブルクのインフレ率の上昇は、制度の債
務を増加させる。
昇給リスク 確定給付制度債務の現在価値は、制度加入者の将来の給与を参照して算出される。
制度加入者の昇給により、制度債務は増加する。
次の表には、追加的制度である任意補足年金制度(確定拠出年金制度)は算入されていない。それ
に対応する債務 643 百万ユーロ( 2018 年: 585 百万ユーロ)は、「その他の負債」(注 G )に分類されて
いる。
グループの制度における年金および退職給付債務の決定に当たって使用された主要な仮定は以下の
とおりである。
2019 年 2018 年
(単位:%)
年金制度の割引率 1.30 2.18
健康保険制度の割引率 1.30 2.18
将来昇給率(インフレーションを含む) 3.50 3.50
将来年金給付上昇率 1.75 1.75
医療費上昇率 3.75 3.75
現受給者の 60歳時の平均余命(年) 26.70 25.20
現従業員の 60歳時の平均余命(年) 29.20 26.90
ICSLT 2018 ICSLT 2013
保険数理表
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感応度分析:
確定給付債務の算定のための重要な保険数理上の仮定は、割引率、予想昇給率および死亡率であ
る。以下の感応度分析は、それぞれの仮定の合理的に可能性のある変動が報告期間末において発生
し、他のすべての仮定は変動しないとの前提に基づいて算定された。
EIB 年金:
- 割引率が 0.5 %上昇(低下)した場合、確定給付債務は 11%減少( 13%増加)する。
- 予想昇給率が1%上昇(低下)した場合、確定給付債務は6%増加(5%減少)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は4%増加(4%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想年金が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は 21%増加( 16%
減少)する。
EIF 年金:
- 割引率が 0.5 %上昇(低下)した場合、確定給付債務は 14%減少( 17%増加)する。
- 予想昇給率が1%上昇(低下)した場合、確定給付債務は 11%増加(9%減少)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は3%増加(3%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想年金が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は 24%増加( 18%
減少)する。
経営委員会年金:
- 割引率が 0.5 %上昇(低下)した場合、確定給付債務は8%減少(9%増加)する。
- 予想昇給率が1%上昇(低下)した場合、確定給付債務は2%増加(1%減少)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は4%増加(4%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想年金が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は 16%増加( 13%
減少)する。
EIB の健康保険制度:
- 割引率が 0.5 %上昇(低下)した場合、確定給付債務は 13%減少( 16%増加)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は5%増加(5%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想医療費が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は 35%増加
(25%減少)する。
EIF の健康保険制度:
- 割引率が 0.5 %上昇(低下)した場合、確定給付債務は 16%減少( 20%増加)する。
- 男女について平均寿命が1年延伸(短縮)した場合、確定給付債務は5%増加(5%減少)す
る。
- インフレにより将来の予想医療費が1%増加(減少)した場合、確定給付債務は 44%増加
(30%減少)する。
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一部の仮定は相関している可能性があり、仮定の変動が互いに独立して発生する可能性は少ないた
め、上記で示された感応度分析は、確定給付債務の実際の増減を示さない場合がある。
さらに、上記の感応度分析の表示において、確定給付債務の現在価値は、報告期間末時点において
予測単位積立方式を使用して算出されており、連結貸借対照表における確定給付債務に関する負債の
計算に適用された方式と同一である。
感応度分析の作成に使用された方法および仮定は、従来1%であった割引率の感応度で 0.5 %を使用
したことを除き、前年度から変更はなかった。
次の表は、各種制度の保険数理(利益)/損失実績および確定給付債務の合計を示している。
経営委員会 確定給付
EIB 年金 EIF年金 健康保険 合計
年金 債務合計
2019年 -3,987 -2,545 1,420 -29,060 -34,172 7,892,289
2018年 81,333 5,268 13,494 -14,616 85,479 5,703,104
2017年 267,349 2,409 24,013 -39,610 254 ,161 5,565,841
-67,192 -772 -3,163 -17,963 -89,090 4,715,296
2016年
次の表は、確定給付債務の 2019 年および 2018 年中の変動の内訳を示している。
2019 年の
経営委員会
EIB 年金 EIF 年金 健康保険
年金
合計
期首債務 4,697,008 62,755 342,571 600,770 5,703,104
a) 当期勤務費用
190,537 2,146 24,048 60,453 277,184
b) 利息費用
101,735 1,344 7,487 13,030 123,596
c) 過去勤務費用 3,082 0 50 0 3,132
295,354 3,490 31,585 73,483 403,912
純損益合計
a) 保険数理 (利益 )/損失実績
-3,987 -2,545 1,420 -29,060 -34,172
b) 人口統計上の仮定の変更
279,541 4,296 20,938 35,449 340,224
c) 財務上の仮定の変更 1,144,047 9,658 122,292 222,948 1,498,945
(*)
1,419,601 11,409 144,650 229,337 1,804,997
OCI 合計
a) 従業員による拠出金
40,578 0 4,849 1,807 47,234
b) 支払給付金 -60,484 -2,153 1,777 -6,098 -66,958
-19,906 -2,153 6,626 -4,291 -19,724
その他合計
6,392,057 75,501 525,432 899,299 7,892,289
2019 年12月31日現在の給付債務
(*) EIB 株主帰属( 1,736,097 千ユーロ)および非支配持分帰属( 68,900 千ユーロ)。
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2018 年の
経営委員会
EIB 年金 EIF 年金 健康保険
年金
合計
期首債務 4,402,825 57,002 300,372 805,642 5,565,841
a) 当期勤務費用
175,523 2,472 22,731 84,361 285,087
b) 利息費用
91,322 1,170 6,263 16,775 115,530
c) 過去勤務費用 2,304 0 19 0 2,323
269,149 3,642 29,013 101,136 402,940
純損益合計
a) 保険数理 (利益 )/損失実績
81,333 5,268 13,494 -14,616 85,479
b) 人口統計上の仮定の変更
61,232 630 5,773 -233,841 -166,206
c) 財務上の仮定の変更 -91,138 -1,705 -9,130 -53,269 -155,242
(*)
51,427 4,193 10,137 -301,726 -235,969
OCI 合計
a) 従業員による拠出金
40,326 0 4,456 1,731 46,513
b) 支払給付金 -66,719 -2,082 -1,407 -6,013 -76,221
-26,393 -2,082 3,049 -4,282 -29,708
その他合計
4,697,008 62,755 342,571 600,770 5,703,104
2018 年12月31日現在の給付債務
(*) EIB 株主帰属(マイナス 230,240 千ユーロ)および非支配持分帰属(マイナス 5,729 千ユーロ)。
EIB の従業員は一定の比率の拠出金を支払い、その比率は5年ごとに見直される。 2019 年1月1日か
ら2023 年12月31日までの期間の従業員の拠出金は年金算定基礎給与の 11.3 %である。残りの拠出金
(バックサービス支払を含む)はグループによって支払われる。グループおよびその職員の全拠出額
がグループの資産へ投資されている。積立要件は、現地の保険数理測定の枠組みに基づいている。こ
の枠組みにおいては、割引率は無リスク金利に設定されている。さらに、プレミアムが現在の給与に
基づいて算定される。グループは確定給付制度から生じるすべての年金支払に対して責任を負う。
2019 年12月31日現在の給付債務の平均デュレーションは、以下のとおりに分かれている。
EIB年金:
- 現従業員: 27.59 年( 2018 年: 25.34 年)
(*)
- 待機者 :27.85 年( 2018 年: 26.85 年)
- 受給者: 13.64 年( 2018 年: 11.91 年)
EIF年金:
- 現従業員: 31.43 年( 2018 年: 29.43 年)
(*)
- 待機者 :29.13 年( 2018 年: 28.92 年)
- 受給者: 18.46 年( 2018 年: 16.35 年)
経営委員会年金:
- 現従業員: 23.03 年( 2018 年: 20.22 年)
(*)
- 待機者 :19.59 年( 2018 年: 21.85 年)
- 受給者: 11.85 年( 2018 年: 10.53 年)
EIB の健康保険制度:
- 現従業員: 32.17 年( 2018 年: 30.00 年)
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(*)
- 待機者 :15.51 年( 2018 年: 22.14 年)
- 受給者: 16.96 年( 2018 年: 14.96 年)
EIF の健康保険制度:
- 現従業員: 36.45 年( 2018 年: 34.44 年)
(*)
- 待機者 :28.67 年( 2018 年: 29.19 年)
- 受給者: 21.24 年( 2018 年: 19.95 年)
グループが確定給付制度について翌事業年度に純損益に認識すると見込んでいる金額は、 500,976 千
ユーロである。
(*) 通常退職年齢前にグループを離職し、繰延年金に対する権利を有する元職員。
注K:当期損益
2019 年12月31日終了事業年度の EIB 個別財務書類(欧州連合会計指令に基づいて作成)に計上された
当期純利益 2,363,586 千ユーロの処分案は、承認を受けるため 2020 年4月 24日までに総務会に提出され
る。当事業年度の EIB 剰余金の処分案の詳細については、 EIB の財務書類の前書きを参照のこと。
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注L:受取利息および類似収益ならびに支払利息および類似費用(単位:千ユーロ)
L.1. 正味受取利息
2019 年 2018 年
受取利息および類似収益:
デリバティブ 16,428,008 16,480,225
金融機関および対顧客貸付金および預け金 7,455,310 7,411,311
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに確定利付証券
を含む負債証券 548,132 805,186
EUからの利子補助金 20,146 19,475
有利子負債に係るマイナス金利 12,854 624
5,280 5,343
その他
24,469,730 24,722,164
合計
支払利息および類似費用:
デリバティブ -10,882,496 -10,416,623
債務証書借入 -10,050,267 -10,362,384
利付資産に係るマイナス金利 -371,024 -641,941
給付債務に係る利息費用 (注J) -123,596 -115,530
EIF の非支配持分の購入コミットメント(注 G.2 ) -67,017 -30,978
第三者委託に係る利息 -25,191 -22,264
金融機関および顧客に対する債務 -8,063 -28,799
(1)
-22,761 5,480
その他
-21,550,415 -21,613,039
合計
2,919,315 3,109,125
正味受取利息
(1) リース負債に係る支払利息は 530 千ユーロであった。
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次の表は、各種類の金融資産および金融負債に関する正味受取利息を示したものである。
2019 年 2018 年
受取利息および類似収益:
リスク管理のために保有するデリバティブ 16,428,008 16,480,225
ACで測定される金融資産 7,390,859 7,503,690
FVTPL での測定に指定された金融商品 551,212 625,691
強制的に FVTPL で測定される金融商品 81,513 106,618
18,138 5,940
その他
24,469,730 24,722,164
合計
支払利息および類似費用:
リスク管理のために保有するデリバティブ -10,882,496 -10,416,623
ACで測定される金融負債 -9,466,936 -9,769,894
FVTPL での測定に指定された金融商品 -616,585 -641,581
非金融負債 -212,844 -141,028
-371,554 -643,913
その他
-21,550,415 -21,613,039
合計
2,919,315 3,109,125
正味受取利息
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L.2. 受取利息および類似収益の国別分析
2019 年 2018 年
欧州連合加盟国:
イギリス 1,035,926 979,251
スペイン 933,249 972,906
ポーランド 584,905 571,235
イタリア 566,620 570,329
フランス 522,544 503,246
ギリシャ 501,055 515,074
ドイツ 327,105 408,495
オーストリア 272,891 269,685
ポルトガル 215,908 236,090
オランダ 172,525 163,915
ベルギー 163,215 174,288
ハンガリー 160,942 154,918
スウェーデン 128,531 75,015
アイルランド 89,693 79,558
ルーマニア 84,679 90,401
フィンランド 71,528 71,241
チェコ共和国 69,263 48,779
スロバキア 65,248 66,385
クロアチア 59,335 65,822
スロベニア 45,894 48,635
ブルガリア 42,119 44,158
リトアニア 33,812 44,605
デンマーク 26,505 23,416
ラトビア 15,077 15,137
キプロス 12,699 12,909
マルタ 9,960 10,571
エストニア 4,165 4,712
2,887 2,589
ルクセンブルク
6,218,280 6,223,365
欧州連合加盟国の合計
1,063,383 1,024,852
欧州連合域外
7,281,663 7,248,217
合計
(1)
17,188,067 17,473,947
国別分析の対象外の収益
24,469,730 24,722,164
受取利息および類似収益合計
(1) 国別分析の対象外の収益は以下のとおり:
-長期ヘッジ・ポートフォリオ、代替貸付金および EIF の
ABS ポートフォリオからの収益 207,740 220,322
-有価証券流動性ポートフォリオおよび EIF 運用ポートフォリオ
からの収益 83,495 105,642
-短期金融市場証券からの収益
256,883 479,222
-その他有価証券からの収益
14 0
-短期金融市場オペレーションからの収益
206,647 183,193
-デリバティブからの収益
16,428,008 16,480,225
-払込資本金および払込予定準備金の現在価値調整額による
受取利息の戻入れ 0 259
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-その他 5,280 5,084
17,188,067 17,473,947
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注M:金融業務損益(単位:千ユーロ)
M.1. 損益の性質別
2019 年 2018 年
(1)
デリバティブの純損益 -579,069 376,083
(2)
FVO に基づく貸付金および関連するスワップの純損益 66,413 -398,104
(3)
FVO に基づく借入金および関連するスワップの純損益 -27,629 7,575
(4)
貸付金および関連するスワップのヘッジ会計による純損益 -64,180 -158,716
(5)
157,441 710,181
借入金および関連するスワップのヘッジ会計による純損益
-447,024 537,019
外国為替損益 3,917 -959
スワップの解消に係る損益 11,215 -20,284
債務証書借入買戻 に係る 損益 0 -1,195
(6)
株式および変動利付証券に係る純損益 971,274 464,496
負債証券ポートフォリオの純損益(有価証券のみ) 12,054 -36,125
金融保証に係る純損益 10,298 0
FVTPL に基づく貸付金および代替貸付金の純損益 36,996 -44,180
ACに基づく貸付金および代替貸付金の純損益 9,175 0
93,588 172,217
当初 CBS の償却
701,493 1,070,989
金融業務損益
(1) デリバティブの純損益の大部分は、マクロ・ヘッジのスワップおよび財務資産スワップの公正価値であった。これ
らのスワップの効果は、 2018 年12月31日現在が 376,083 千ユーロのプラスであったのに対し、 2019 年12月31日現在は
579,069 千ユーロのマイナスであった。
(2) デリバティブでヘッジする貸付金および代替貸付金はヘッジ会計適格ではなく、公正価値オプションを適用してい
る。公正価値での測定に指定されている貸付金および代替貸付金の帳簿価額は、 2019 年12月31日現在、 200 億ユーロ
(2018 年: 200 億ユーロ)であった。貸付金および代替貸付金への公正価値オプションの適用による連結損益計算書
への複合効果として、 2019 年12月31日現在で連結損益計算書に 66,413 千ユーロの増加( 2018 年: 398,104 千ユーロの
減少)が計上されている。
(3) デリバティブでヘッジする借入金はヘッジ会計適格ではなく、公正価値オプションを適用している。公正価値での
測定に指定されている借入金の帳簿価額は、 2019 年12月31日現在、 300 億ユーロ( 2018 年: 270 億ユーロ)であっ
た。借入金への公正価値オプションの適用による連結損益計算書への複合効果として、 27,629 千ユーロの損益悪化
を生じている( 2018 年: 7,575 千ユーロの損益改善)。
(4) IFRS 第9号に基づくヘッジ会計基準に適合する適格貸付金および代替貸付金に対しては、ヘッジ会計が適用されて
いる。ヘッジ会計に指定されている貸付金および代替貸付金の帳簿価額は、 2019 年12月31日現在、 1,500 億ユーロ
(2018 年: 1,430 億ユーロ)であった。貸付金および代替貸付金ならびに関連するスワップへのヘッジ会計の適用に
よる連結損益計算書への複合効果として、 64,180 千ユーロの損益悪化( 2018 年: 158,716 千ユーロの損益悪化)を生
じている。
(5) IFRS 第9号に基づくヘッジ会計基準に適合する適格借入金に対しては、ヘッジ会計が適用されている。ヘッジ会計
に指定されている借入金の帳簿価額は、 2019 年12月31日現在、 3,970 億ユーロ( 2018 年: 3,990 億ユーロ)であっ
た。借入金ならびに関連するスワップへのヘッジ会計の適用による連結損益計算書への複合効果として、 157,441 千
ユーロの損益改善( 2018 年: 710,181 千ユーロの損益改善)を生じている。
(6) この項目は、主に資本性金融商品に係る未実現損益および実現損益で構成されている。損益改善 971,274 千ユーロ
は、主に 2019 年度に計上されたベンチャー・キャピタル事業および投資ファンドに係る未実現利益によるものであ
る。
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M.2. 資産および負債の分類別
2019 年 2018 年
強制的に FVTPL で測定される金融資産 (デリバティブ資産を除く ) 978,131 350,103
FVTPL での測定に指定された金融資産 (FVO) 528,885 -527,502
FVTPL での測定に指定された金融負債 (FVO) -522,920 439,677
ACで測定される金融資産 4,211,608 -908,520
ACで測定される金融負債 -8,539,246 3,577,385
ヘッジ手段として指定されたデリバティブ 4,443,582 -2,138,770
ヘッジ会計目的以外で、リスク管理目的のために保有するデリバティブ -505,414 107,358
(1)
106,867 171,258
その他
701,493 1,070,989
金融業務損益
(1) 当初 CBS の償却を含む。
注N:その他の業務収益(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
一般管理費の過年度未使用引当金の戻入れ 3,209 4,311
賃貸料収益 91 25
2,625 1,988
その他
5,925 6,324
その他の業務収益合計
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注O:受取手数料および支払手数料(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
保証手数料 151,031 115,991
インベストメント・ファシリティ「コトヌー」の手数料 52,748 49,993
Jaspers の手数料 33,538 34,994
EFSI の手数料 29,892 13,690
InnovFin の手数料 21,754 16,153
貸付金手数料収益 13,542 10,644
Jeremie/ESIF の手数料 12,022 12,341
Jessica の手数料 8,878 8,931
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティの手数料 5,412 1,754
近隣インベストメント・ファシリティの手数料 5,128 1,773
ヤウンデ/ロメ協定の手数料 1,888 2,027
104,760 106,250
その他の委託に係る手数料
受取手数料合計
440,593 374,541
(*)
支払手数料
-252,282 -180,975
(*) この項目における差異は、主に 2019 年に提供された信用補完におけるリスク報酬の増加に関連している。
注P:一般管理費(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(1)
給与および手当 -492,631 -471,252
福利厚生費およびその他人件費 -406,674 -436,163
人件費
-899,305 -907,415
その他の一般管理費 -247,821 -283,920
一般管理費合計
-1,147,126 -1,191,335
(1) このうち経営委員会委員に対する金額は、 2019 年12月31日現在が 2,706 千ユーロ、 2018 年12月31日現在は 2,927 千
ユーロである。グループの職員数は、 2019 年12月31日現在、 3,964 名( 2018 年12月31日現在は 3,899 名)であった。
注Q:デリバティブおよびヘッジ活動
Q.1. デリバティブ金融商品の利用
グループの資金調達活動において
グループは、主として調達資金の通貨・金利といった属性を貸付金のそれに一致させるため、およ
び資金調達費用を削減するために、資金調達戦略の一環としてデリバティブを利用している。また特
定の財務取引をヘッジするため、および資産負債管理のため、長期スワップを利用している。
長期デリバティブは、資金調達、貸付金および財務取引のヘッジ、ならびに市場リスク・エクス
ポージャーの低減に関連して利用される。
最も一般的に利用されているデリバティブは、以下のものである。
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通貨スワップ
通貨スワップは、2つのカテゴリーの金融商品で構成されている。
(i) クロス・カレンシー・スワップは、ある通貨の資金を別の通貨に交換することを合意し、それ
と同時に調達された資金を期日に返済できるよう、両通貨を将来において再度交換するための
先渡為替予約を締結する契約である。
(ii) クロス・カレンシー金利スワップは、外貨で変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行う
ことを合意する契約である。
金利スワップ
金利スワップは一般的に、変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行うことを合意する契約で
ある。
金利および通貨スワップの利用により、グループは、顧客からの要求に応えて借入ポートフォリオ
と他のポートフォリオの金利および通貨を変えることができるとともに、グループのある特定の資本
市場への有利なアクセス条件をスワップ・カウンターパーティーと交換することにより、資金調達コ
ストを削減することも可能となる。
グループの流動性管理において
グループは、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務ポートフォリオの通貨ポジションを調
整するため、また貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期の通貨スワップおよび為替予約を
行っている。
グループの資産負債管理(「 ALM 」)において
グループの ALM 方針は、グループの経済的価値のボラティリティを制限するだけでなく、高収益、安
定収益を維持することを目的としている。
したがってグループは、
- 安定した高収益を確保する自己資金投資プロファイルを採用し、
- この投資プロファイルに関連する残余金利リスクを管理している。
残余金利リスクを管理する目的で、グループは貸付金と借入金に関するナチュラル・ヘッジ、を活
用し、またはグローバル・ヘッジ・オペレーション(金利スワップ)を行っている。
資産負債管理の一環として用いるマクロ・ヘッジのスワップは、 IFRS 第9号に従い公正価値で評価
される。
リスク管理の詳細については、注 Sを参照のこと。
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Q.2. ヘッジ活動
金利リスクの公正価値ヘッジ
ヘッジ手段として指定された項目に関連する金額は、次の通りである(単位:百万ユーロ)。
2019 年
ヘッジの非有効性の
帳簿価額
連結貸借対照表に
想定元本 計算に使用された
おける科目
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ資産 /
金利スワップ
466,114 33,991 -17,477 3,782
デリバティブ負債
デリバティブ資産 /
(*)
62,142 6,962 -4,202 648
通貨スワップ
デリバティブ負債
合計 528,256 40,953 -21,679 4,430
(*) ヘッジされている主要な通貨は、米ドル、オーストラリア・ドルおよびカナダ・ドルである。
2018 年
ヘッジの非有効性の
帳簿価額
連結貸借対照表に
想定元本 計算に使用された
おける科目
資産 負債
公正価値の変動
デリバティブ資産 /
金利スワップ
464,146 28,024 -15,151 -1,475
デリバティブ負債
デリバティブ資産 /
(*)
73,086 6,719 -6,169 -644
通貨スワップ
デリバティブ負債
合計 537,232 34,743 -21,320 -2,119
(*) ヘッジされている主要な通貨は、米ドル、オーストラリア・ドルおよび英ポンドである。
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ヘッジ対象として指定された項目に関連する金額は、次の通りである(単位:百万ユーロ)。
2019 年
ヘッジ損益調整が中止
ヘッジの
されたヘッジ対象につ
帳簿価額
非有効性の
公正価値
いて連結貸借対照表
連結貸借対照表における
計算に使用
ヘッジ調整
に残存する
科目
の累計額
された価値の
公正価値ヘッジ調整の
資産 負債
変動
累計額
金融機関貸付金
貸付金および預け金
24,483 0 1,819 623 0
および預け金
対顧客貸付金
121,817 0 15,551 3,510 37
および預け金
中央銀行担保適格国庫
代替貸付金 1,904 0 62 証券およびその他短期 43 0
証券
負債証券- a) 公共機関
522 0 31 -14 0
による発行
負債証券- b) その他の
1,098 0 1 40 0
借手による発行
債務証書借入
債務証書借入 0 388,663 -32,938 -8,204 -36
-a) 負債証券
債務証書借入
0 8,234 -1,742 -335 0
-b) その他
合計 149,824 396,897 -17,216 -4,337 1
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2018 年
ヘッジ損益調整が中止
ヘッジの
されたヘッジ対象に
帳簿価額
非有効性の
公正価値
連結貸借対照表における
ついて連結貸借対照表
計算に使用
ヘッジ調整
に残存する
科目
の累計額
された価値の
公正価値ヘッジ調整の
資産 負債
変動
累計額
金融機関貸付金
貸付金および預け金
24,678 0 1,196 25 0
および預け金
対顧客貸付金
115,595 0 12,041 -903 26
および預け金
中央銀行担保適格国庫
代替貸付金 1,949 0 19 証券およびその他短期 18 0
証券
負債証券- a) 公共機関
535 0 45 -15 0
による発行
負債証券- b) その他の
430 0 -69 -34 0
借手による発行
債務証書借入
債務証書借入 0 390,519 -24,734 3,546 -31
-a) 負債証券
債務証書借入
0 8,592 -1,407 33 0
-b) その他
合計 143,187 399,111 -12,909 2,670 -5
連結損益計算書において認識されたヘッジの非有効性、すなわちヘッジ手段とヘッジ対象のヘッジ
に係る利得または損失の差額は 93百万ユーロ( 2018 年: 551 百万ユーロ)であり、「金融業務損益」に
含まれている。
次の表は、ヘッジ会計に関連して、資本の各構成部分の調整とその他の包括利益の内訳を示してい
る(単位:百万ユーロ)。
公正価値準備金-ヘッジコスト
2019 年 2018 年
1月1日現在の残高 -94 0
クロス・カレンシー・ベーシス・スプレッドの再評価 -156 -94
3 0
純損益に振替えられた金額
-247 -94
12月31日現在の残高
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Q.3. デリバティブ金融商品の公正価値
公正価値で測定されている金融資産については、以下の公正価値測定値ヒエラルキーのレベル別に
公正価値での測定を開示することが必要である。
・ レベル1 -活発な市場における同一資産または負債の(未修正の)時価。
・ レベル2 -レベル1に含まれる時価以外の、当該資産または負債に関して直接的(価格等)ある
いは間接的(価格から導出された値等)に観察可能なインプットを組入れた評価技
法。
・ レベル3 -観察可能な市場データに依拠していない当該資産または負債のインプット(観察不能
なインプット)を用いた評価技法。これらの金融商品の公正価値は、内部評価モデル
を用いて算定する。
評価技法には、正味現在価値・割引キャッシュ・フロー・モデル、金利モデルのハル・ホワイト・
モデルおよび Libor マーケット・モデル( LMM )、確率的ボラティリティを用いた LMM 、ならびにオプ
ション・モデルのブラック・ショールズ・モデルが含まれる。評価技法で用いる仮定およびインプッ
トとしては、無リスク金利、ベーシス・スワップ・スプレッド、通貨ベーシス・スワップ・スプレッ
ド、為替レートおよび先渡レート、株価および株価指数ならびにそれらの予想ボラティリティおよび
予想相関性、消費者物価指数ならびにその予想ボラティリティおよび予想相関性が挙げられる。評価
技法の目的は、独立第三者として行動する市場参加者が決定したであろう報告日現在の当該金融商品
の価格を反映した公正価値を算定することである。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向け
に一般に認められている経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因も
盛り込んでいる。デリバティブ取引の一部に関して市場インプットを直接入手できない場合に、主に
ある種の金利およびクロス・カレンシー・モデルにおける相関性の推定ならびに長期株価連動および
長期物価連動取引のボラティリティの推定に、グループ内の見積りや仮定が評価方法に取り入れられ
ることがある。
次の表は、資産または負債として計上されているデリバティブ金融商品の公正価値(市場価格に基
づく公正価値、評価モデルへのインプットがすべて市場で観察可能な評価技法に基づく公正価値、お
よび市場で観察不能なインプットを用いた評価技法に基づく公正価値)と想定元本をまとめたもので
ある。想定元本の値は期末時点で未決済の取引高を示すものであって、市場リスクや信用リスクを示
すものではない。
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評価方法別に示した 2019 年12月31日現在のデリバティブ(単位:百万ユーロ)
レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ資産
市場で観察可能な 市場で観察できな
2019 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ 0 0 336,835 38,104 1,834 106 338,669 38,210
通貨スワップ 0 0 115,297 10,868 474 109 115,771 10,977
短期為替契約 0 0 23,444 602 0 0 23,444 602
合計 0 0 475,576 49,574 2,308 215 477,884 49,789
レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ負債
市場で観察可能な 市場で観察できな
2019 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ
0 0 201,638 25,820 372 8 202,010 25,828
通貨スワップ
0 0 103,561 6,331 408 68 103,969 6,399
短期為替契約
0 0 12,717 194 0 0 12,717 194
その他
0 0 0 0 0 105 0 105
合計
0 0 317,916 32,345 780 181 318,696 32,526
評価方法別に示した 2018 年12月31日現在のデリバティブ(単位:百万ユーロ)
レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ資産
市場で観察可能な 市場で観察できな
2018 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ
0 0 272,254 31,049 4,006 121 276,260 31,170
通貨スワップ
0 0 115,933 11,188 519 76 116,452 11,264
短期為替契約
0 0 18,902 304 0 0 18,902 304
合計
0 0 407,089 42,541 4,525 197 411,614 42,738
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レベル1 レベル2 レベル3
デリバティブ負債
市場で観察可能な 市場で観察できな
2018 年の合計
いインプットを
公表市場価格
インプットを用いた
評価技法 用いた評価技法
想定 公正 想定 公正 想定 公正 想定 公正
元本 価値 元本 価値 元本 価値 元本 価値
金利スワップ
0 0 258,337 22,263 1,083 47 259,420 22,310
通貨スワップ
0 0 93,844 8,483 569 83 94,413 8,566
短期為替契約
0 0 22,798 270 0 0 22,798 270
その他
0 0 0 0 0 17 0 17
合計
0 0 374,979 31,016 1,652 147 376,631 31,163
EIB が行ったデリバティブ取引の大部分の時価は、市場では入手できない。そのような金融商品に関
しては、可能な限り貸借対照表日現在の観察可能な実勢市場データに基づき、評価技法や評価モデル
を用いて公正価値が見積られる。
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。
デリバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや
仮定が評価技法に取り入れられることもある。
次の表は、年度末において公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されるデリバティブ金融商品の
測定に使用された市場で観察できない重要なインプットについての情報を示している(単位:百万
ユーロ)。
レベル3の
2019 年12月31 観察不能な
スワップの
重要な観察不能な
日現在の
金融商品の種類 2019 年12月31 評価技法
インプットについて
インプット
日現在の
公正価値 の見積りの範囲
公正価値
平均回帰またはボラ
ボラティリティのボ
ティリティのボラ
確率論的金利
ラティリティまたは
金利スワップ 12,382 98 ティリティなどの確
平均回帰スピードの
モデル
率論的ボラティリ
10%増減
ティ
異なった相関観察窓
の使用およびより多
ボラティリティスマ
確率論的クロス・
くのボラティリティ
イルを使用したイー
カレンシー・
通貨スワップ 4,578 41 行使価格を捕捉する
ルドカーブと FXレー
ための局所ボラティ
モデル
ト間の相関
リティ・モデルの使
用
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レベル3の
2018 年12月31 観察不能な
スワップの
重要な観察不能な
日現在の
金融商品の種類 2018 年12月31 評価技法
インプットについて
インプット
日現在の
公正価値 の見積りの範囲
公正価値
パラメーター数2か
イールドカーブに関
ら3。
する複数のパラメー
隣接した金利の相関
確率論的金利
ター、フォワード
金利スワップ 8,860 74 60%から 100 %、ボ
レート間の相関およ
モデル
ラティリティのボラ
びボラティリティの
ティリティ 80%から
ボラティリティ
120 %
確率論的クロス・
イールドカーブと FX
カレンシー・
通貨スワップ 2,698 -7 相関は 30%から 50%
レート間の相関
モデル
重要な観察不能なインプットは、次のように策定される。
- 相関およびボラティリティは、観察可能なボラティリティ、最近の取引価格、他の市場参加者
による指値、コンセンサス価格サービスからのデータおよび最新の状況を反映して調整した過
去のデータより推計される。
- リスク調整後スプレッドは、利用可能な場合には CDS 市場、ならびに最新の状況を反映して調整
した過去のデフォルトおよび期限前返済の推移から導出される。
IFRS 第13号の適用により、 2019 年12月31日現在のデリバティブの公正価値評価には次の評価調整が
含まれている。
- カウンターパーティーのデリバティブ取引に係る信用リスクを反映した信用評価調整( CVA )マ
イナス 102.3 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 184.3 百万ユーロ)が以下のとおり計上されてい
る。
・ 貸付金および代替貸付金をヘッジしているスワップにマイナス 33.9 百万ユーロ( 2018 年:
マイナス 63.4 百万ユーロ)
・ 借入をヘッジしているスワップにマイナス 37.3 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 81.0 百万
ユーロ)
・ ALM スワップにマイナス 31.0 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 39.6 百万ユーロ)
・ 長期財務スワップに0百万ユーロ( 2018 年:マイナス 0.2 百万ユーロ)
・ 短期財務スワップ(通貨スワップおよび為替予約)にマイナス 0.1 百万ユーロ( 2018 年:マ
イナス 0.1 百万ユーロ)
・ 当年度中に、 EIB はCVA の計算、すなわちリスクのマージン期間を見直した。計算手法の変
更の結果として、 CVA が31.0 百万ユーロ減少し、これはデリバティブ資産およびデリバティ
ブ負債の公正価値の 0.04 %に相当する。
- デリバティブ取引に係る自行の信用リスクを反映した債務評価調整( DVA )189.1 百万ユーロ
(2018 年: 261.7 百万ユーロ)が以下のとおり計上されている。
・ 貸付金および代替貸付金をヘッジしているスワップに 76.2 百万ユーロ( 2018 年: 91.0 百万
ユーロ)
・ 借入をヘッジしているスワップに 72.9 百万ユーロ( 2018 年: 110.2 百万ユーロ)
・ ALM スワップに 39.6 百万ユーロ( 2018 年: 59.5 百万ユーロ)
・ 長期財務スワップに 0.1 百万ユーロ( 2018 年: 0.7 百万ユーロ)
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・ 短期財務スワップ(通貨スワップおよび為替予約)に 0.3 百万ユーロ( 2018 年: 0.3 百万
ユーロ)
・ 当年度中に、 EIB はDVA の計算、すなわちリスクのマージン期間を見直した。計算手法の変
更の結果として、 DVA が9.6 百万ユーロ増加し、これはデリバティブ資産およびデリバティ
ブ負債の公正価値の 0.01 %に相当する。
- 上記の CVA および DVA に加えて、 2019 年12月31日現在で、 EIB のカウンターパーティーがデリバ
ティブ取引に関して差し入れた担保に関連した特定のわずかな調整を反映した担保評価調整
(CollVA )がマイナス 33.8 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 29.2 百万ユーロ)あった。
デリバティブの大半については、 EIB のカウンターパーティーが差し入れた担保はすでに CVA の額に
含まれている。しかし、一部の僅かな場合においては、担保は直接的に考慮されず(特定の CSA 、現金
担保)、そのため、個別の CollVA 調整に分離される。
Q.4. レベル3の商品の公正価値の感応度
グループは、公正価値の見積りは適切であると確信しているが、異なる手法または仮定を使用する
ことにより公正価値の測定が異なる可能性がある。
観察不能なインプットにより、レベル3の商品の評価額にある程度の不確実性と変動が加わる可能
性がある。
EIB は、それを評価し定量化するために、観察不能なインプットに関する合理的に可能な仮定の範囲
を用いて、代替的な評価を実施している。
代替的な仮定は評価モデルに特化したものであり、個別に適用することができる。
レベル3のデリバティブは、原資産および評価モデルによって次の3種類のスワップにグループ分
けすることができる。
a. 仕組金利スワップ
b. クロス・カレンシー・スワップおよび為替連動スワップ
c. エクイティ・スワップ
仕組金利スワップは、多因子の Libor 市場モデル( LMM )のダイナミクスを使用してモデル化されて
おり、ボラティリティのボラティリティのパラメーターが外部によって指定されている場合には、ス
ワップションおよびスプレッド・オプションを使用して微調整されている。このカテゴリー (a) につい
て、ボラティリティのボラティリティの 10パーセント・ポイント引上げおよび 10パーセント・ポイン
ト引下げによって代替的な評価額が得られるが、これらはそれぞれ評価額の増加および減少をもたら
す。前者は評価額の増加 0.4 百万ユーロをもたらし、後者は 1.2 百万ユーロの減少をもたらす。
クロス・カレンシー・スワップおよび為替連動スワップは、金利についてはハル・ホワイトの1
ファクターモデル、為替レートについてはブラック・ショールズ・モデルに従って評価されている。
モデルは、金利、スワップションのボラティリティ、為替レート、為替オプションのボラティリティ
ならびに金利と為替レート間の相関関係を考慮して調整されている。金利と為替レートの間の相関
は、時系列から見積られる。これらのカテゴリーについて、代替的な評価額は、最初のシナリオの週
次ではなく毎日のデータからの相関を算出し、第2のシナリオにおけるボラティリティスマイルの考
慮を行うことによって算定される。このカテゴリー (b) については、最初のシナリオは悪影響をもたら
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すことが判明して、評価額は 0.6 百万ユーロ減少した。他方のシナリオは好影響を及ぼし、 2.3 百万
ユーロの増加をもたらした。
エクイティ・スワップは、ブラック・ショールズ・モデルを使用してモデル化され、ボラティリ
ティを市場から捕捉している。金利および配当も、市場相場から捕捉される。長期スワップについて
は、ボラティリティと配当は長期の満期にわたって推定される。このカテゴリーについて、代替的評
価額はボラティリティの 0.10 %低下および配当の 0.10 %増加によって算定される。他のシナリオは、
ボラティリティの 0.10 %上昇および配当の 0.10 %減少によって構築される。好影響シナリオは、評価
額の 0.5 百万ユーロの増加をもたらし、悪影響シナリオは 0.5 百万ユーロの減少をもたらした。
以下の表は、レベル3のデリバティブを金融商品の種類ごとに要約したものであり、代替的な仮定
により公正価値が変動する(単位:百万ユーロ)。
2019 年12月31日現在 有利な影響 不利な影響 評価技法 重要な観察不能なインプット
確率論的金利
確率論的ボラティリティ・パラ
仕組金利スワップ( OTC ) 0.4 -1.2
メーターの変更
モデル
金利と為替レートの相関関係お
確率論的クロス・
クロス・カレンシー・スワッ
2.3 -0.6 よびボラティリティスマイルの
プおよび為替連動スワップ
カレンシー・モデル
考慮
確率論的
エクイティ・スワップ 0.5 -0.5 ボラティリティと配当の変動
エクイティ・モデル
2018 年12月31日現在 有利な影響 不利な影響 評価技法 重要な観察不能なインプット
確率論的ボラティリティについ
確率論的金利
仕組金利スワップ( OTC ) 1.1 -0.9 てのボラティリティのボラティ
モデル
リティの変動
確率論的クロス・
クロス・カレンシー・スワッ
0.2 -0.5 金利と為替レートの相関関係
プおよび為替連動スワップ
カレンシー・モデル
確率論的
エクイティ・スワップ 0.2 -0.2 ボラティリティと配当の変動
エクイティ・モデル
注R:金融資産および金融負債の公正価値(単位:百万ユーロ)
次の表は、連結財務書類に計上されているグループの金融資産および金融負債の公正価値ヒエラル
キー別の公正価値と帳簿価額を比較したものである。ただし、金融資産以外および金融負債以外の公
正価値は記載していない。
公正価値
2019 年12月31日現在
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
公正価値で計上される資産:
FVTPL での測定に
指定された金融資産 0 7,669 12,853 20,522 20,522
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 7,468 12,358 19,826 19,826
株式およびその他の変動利付証券 0 0 495 495 495
代替貸付金ポートフォリオ 0 201 0 201 201
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公正価値
2019 年12月31日現在
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
強制的に FVTPL で測定される
金融資産 3,635 291 12,793 16,719 16,719
SLP 3,635 291 0 3,926 3,926
株式およびその他の変動利付証券 0 0 10,612 10,612 10,612
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 0 1,400 1,400 1,400
代替貸付金ポートフォリオ 0 0 529 529 529
資産担保証券ポートフォリオ EIF 0 0 252 252 252
FVOCI で測定される金融資産
(リサイクルなし ) 0 0 493 493 493
株式およびその他の変動利付証券 0 0 493 493 493
デリバティブ資産 0 49,574 215 49,789 49,789
合計 3,635 57,534 26,354 87,523 87,523
ACで計上される資産:
回収目的保有 13,350 469,717 54,966 538,033 527,720
LTHP 1,847 0 0 1,847 1,737
TMP 8,812 10,511 0 19,323 19,323
運用ポートフォリオ・ EIF 1,213 38 0 1,251 1,238
代替貸付金ポートフォリオ 531 11,150 8,415 20,096 19,883
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 448,018 46,551 494,569 484,592
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 0 0 947 947
合計 13,350 469,717 54,966 538,033 527,720
金融資産合計 16,985 527,251 81,320 625,556 615,243
公正価値で計上される負債
デリバティブ負債 0 32,345 181 32,526 32,526
FVTPL での測定に指定された金融負債 14,888 12,275 2,366 29,529 29,529
債務証書借入 14,888 12,275 2,366 29,529 29,529
合計 14,888 44,620 2,547 62,055 62,055
ACで計上される負債
ACで測定される負債 438,517 38,566 0 477,083 473,034
金融機関および顧客に対する債務 0 9,079 0 9,079 9,079
債務証書借入 438,517 29,330 0 467,847 463,798
リース負債 0 157 0 157 157
合計 438,517 38,566 0 477,083 473,034
金融負債合計 453,405 83,186 2,547 539,138 535,089
公正価値
2018 年12月31日
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
公正価値で計上される資産:
FVTPL での測定に
指定された金融資産 0 7,724 12,681 20,405 20,405
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 7,526 12,276 19,802 19,802
株式およびその他の変動利付証券 0 0 353 353 353
代替貸付金ポートフォリオ 0 198 52 250 250
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公正価値
2018 年12月31日
帳簿価額
レベル1 レベル2 レベル3 合計
強制的に FVTPL で測定される
金融資産 5,392 427 9,368 15,187 15,187
SLP 5,392 427 0 5,819 5,819
株式およびその他の変動利付証券 0 0 8,148 8,148 8,148
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 0 814 814 814
代替貸付金ポートフォリオ 0 0 206 206 206
資産担保証券ポートフォリオ EIF 0 0 200 200 200
FVOCI で測定される金融資産
(リサイクルなし ) 0 0 490 490 490
株式およびその他の変動利付証券 0 0 490 490 490
デリバティブ資産 0 42,541 197 42,738 42,738
合計 5,392 50,692 22,736 78,820 78,820
ACで計上される資産:
回収目的保有 12,540 466,132 51,307 529,979 525,237
LTHP 1,180 5 0 1,185 1,084
TMP 9,443 11,926 0 21,369 21,373
運用ポートフォリオ・ EIF 1,238 0 0 1,238 1,222
代替貸付金ポートフォリオ 537 12,513 7,020 20,070 20,004
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 0 441,688 44,287 485,975 481,412
現金、中央銀行および郵便局預け金 142 0 0 142 142
合計 12,540 466,132 51,307 529,979 525,237
金融資産合計 17,932 516,824 74,043 608,799 604,057
公正価値で計上される負債
デリバティブ負債 0 31,016 147 31,163 31,163
FVTPL での測定に
指定された金融負債 12,302 12,629 1,923 26,854 26,854
債務証書借入 12,302 12,629 1,923 26,854 26,854
合計 12,302 43,645 2,070 58,017 58,017
ACで計上される負債
ACで測定される負債 442,083 29,161 0 471,244 469,195
金融機関および顧客に対する債務 0 6,017 0 6,017 6,017
債務証書借入 442,083 23,144 0 465,227 463,178
合計 442,083 29,161 0 471,244 469,195
金融負債合計 454,385 72,806 2,070 529,261 527,212
以下、金融資産および金融負債の公正価値算定に用いる方法と仮定を記載する。
帳簿価額が公正価値に近似する資産
流動性が高い、あるいは満期が短い(3ヵ月未満)金融資産および金融負債の場合、帳簿価額と公
正価値は近似していると仮定される。
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公正価値で計上される資産および負債
金融商品の公正価値の算定に当たっては、まず、活発な市場の公表気配値が第一の情報源とされ
る。入手できる市場価格がない金融商品の場合は、可能な限り貸借対照表日現在の観察可能な実勢市
場データに基づき、評価技法や評価モデルを用いて公正価値が見積られる。
こうした金融商品の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引現在価値を導出する評価技法
を用いて算定される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づいている。評価技法
は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデルに至るまで、多
岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められている経済学的手法
と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。市場情報が直接入手
可能でない場合には、内部的な見積りおよび仮定が評価技法に用いられることもある。
IFRS 第13号の適用による、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債に係るグループ
自体の信用リスクを反映した自己信用調整(「 OCA 」)は、 2019 年12月31日現在で 129.7 百万ユーロ
(2018 年: 345.5 百万ユーロ)であった。
2019 年には、次の項目が公正価値ヒエラルキーのレベル1からレベル2に振替えられた。
- 65.9 百万ユーロの強制的に FVTPL で測定される金融資産( 2018 年: 277.0 百万ユーロ)
- 37.5 百万ユーロの償却原価で評価される金融資産( 2018 年: 149.0 百万ユーロ)
- 134.7 百万ユーロの純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債( 2018 年: 5,816.1
百万ユーロ)
当事業年度中、特定の有価証券についての市場環境の変化により、これらの有価証券の活発な市場
における公表価格は入手不可能になった。もっとも、これらの有価証券の公正価値を観察可能な市場
インプットに基づいて測定するために十分な情報は入手可能であり、その結果、レベル1からレベル
2へ振替えられた。
次の項目は、公正価値ヒエラルキーのレベル2からレベル1に振替えられた。
- 10.5 百万ユーロの強制的に FVTPL で測定される金融資産( 2018 年:0百万ユーロ)
- 0百万ユーロの償却原価で評価される金融資産( 2018 年: 0百万ユーロ)
- 483.6 百万ユーロの純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債( 2018 年: 37.0 百万
ユーロ)
当事業年度中、これらの有価証券の活発な市場における公表価格が入手可能となり、その結果、レ
ベル2からレベル1へ振替えられた。
次の表は、 2019 年12月31日終了事業年度におけるレベル3の金融商品の変動を示したものである
(単位:百万ユーロ)。
強制的に FVTPL 強制的に FVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定
FVTPL での測定
で測定される金 で測定される金
に指定された金 測定される
に指定された金
(*) (*)
融資産
融負債
金融資産
融資産 融負債
2019 年1月1日現在の残高 9,565 12,681 490 147 1,923
損益合計
-純損益に計上
1,184 323 0 42 100
-その他包括損益に計上
0 0 3 0 17
買付 3,143 96 0 0 0
売却 -133 0 0 0 0
発行 0 0 0 0 65
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決済 -712 -247 0 -5 -192
レベル3への移動合計 0 0 0 0 831
レベル3からの移動合計 -39 0 0 -3 -378
2019 年12月31日現在の残高 13,008 12,853 493 181 2,366
(*) デリバティブ残高は強制的に FVTPL で測定される金融資産または負債に含まれる。
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次の表は、 2018 年12月31日終了事業年度におけるレベル3の金融商品の変動を示したものである
(単位:百万ユーロ)。
強制的に FVTPL 強制的に FVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定 FVTPL での測定
で測定される で測定される
に指定された 測定される に指定された
(*) (*)
金融資産 金融負債
金融資産
金融資産 金融負債
2018 年1月1日現在の残高 7,568 12,074 467 170 1,741
損益合計
-純損益に計上
445 -432 0 1 32
-その他包括損益に計上
0 0 23 0 -35
買付 2,602 112 0 0 0
売却 -9 0 0 0 0
決済 -1,141 -159 0 -35 -179
レベル3への移動合計 100 1,188 0 11 364
レベル3からの移動合計 0 -102 0 0 0
2018 年12月31日現在の残高 9,565 12,681 490 147 1,923
(*) デリバティブ残高は強制的に FVTPL で測定される金融資産または負債に含まれる。
次の表におけるレベル3の商品に係る損益合計は、 2019 年12月31日終了事業年度の連結包括利益計
算書に以下のとおりに表示されている(単位:百万ユーロ )。
強制的に FVTPL 強制的に FVTPL
FVOCI で
FVTPL での測定 FVTPL での測定
で測定される金 で測定される金
に指定された金 測定される に指定された金
(*) (*)
融資産 融負債
金融資産
融資産 融負債
当期純損益に含まれた損益合計:
-金融業務損益
1184 323 0 42 100
その他包括損益に認識された損益
合計
-FVOCI で測定される金融資産お
よび OCA 0 0 3 0 17
2019 年12月31日現在に保有する資
産および負債に係る未実現損益の
変動に起因する純損益に含まれる
当期損益合計
-金融業務損益
1184 323 0 42 100
(*) デリバティブ残高は強制的に FVTPL で測定される金融資産または負債に含まれる。
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次の表におけるレベル3の商品に係る損益合計は、 2018 年12月31日終了事業年度の連結包括利益計
算書に以下のとおりに表示されている(単位:百万ユーロ )。
強制的に FVTPL 強制的に FVTPL
FVTPL での測定 FVTPL での測定
FVOCI で測定さ
で測定される で測定される
に指定された に指定された
れる金融資産
(*) (*)
金融資産 金融負債
金融資産 金融負債
当期純損益に含まれた損益合計:
-金融業務損益
445 -432 0 1 32
その他包括損益に認識された損益
合計
-FVOCI で測定される金融資産お
よび OCA 0 0 23 0 -35
2018 年12月31日現在に保有する資
産および負債に係る未実現損益の
変動に起因する純損益に含まれる
当期損益合計
-金融業務損益
445 -432 0 1 32
(*) デリバティブ残高は強制的に FVTPL で測定される金融資産または負債に含まれる。
市場で観察不能なインプットに基づく評価技法を用いた場合において、代替的な仮定を用いること
により、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融商品の公正価値に生じる変化
グループは、公正価値の見積りは適切であると確信しているが、異なる手法または仮定を使用する
ことにより公正価値の測定が異なる可能性がある。
市場で観察不能な仮定について合理的に代替可能なものを評価技法へのインプットとして使用し、
それに基づき損益を通じて公正価値で評価されるものに指定された金融商品の公正価値を算定した場
合の潜在的影響としては、 2019 年12月31日現在の公正価値は、最も不利となる仮定を用いた場合は約
2.3 百万ユーロ低くなり、最も有利となる仮定を用いた場合は約 3.3 百万ユーロ高くなるものと定量化
された。 2018 年12月31日現在の公正価値は、最も不利となる仮定を用いた場合は約 1.6 百万ユーロ低く
なり、最も有利となる仮定を用いた場合は約 1.5 百万ユーロ高くなるものと定量化された。
レベル3評価カテゴリーに属する借入金および貸付金の公正価値算出には、代替的な仮定が使用さ
れる。レベル3の借入金および貸付金の公正価値は、それらの借入金および貸付金をヘッジするデリ
バティブの価値から導出される。したがって代替的な仮定がまずレベル3デリバティブの評価に適用
され、次にその影響がレベル3の借入金および貸付金に適用される。レベル3のデリバティブは、原
資産および/または評価モデルによって次の3種類のスワップにグループ分けすることができる。
a. 仕組金利スワップ
b. クロス・カレンシー・スワップおよび為替連動スワップ
c. エクイティ・スワップ
仕組金利スワップは、多因子の Libor 市場モデル( LMM )のダイナミクスを使用してモデル化されて
おり、ボラティリティのボラティリティのパラメーターが外部によって指定されている場合には、ス
ワップションおよびスプレッド・オプションを使用して微調整されている。クロス・カレンシー・ス
ワップおよび為替連動スワップは、金利についてはハル・ホワイトの1ファクターモデル、為替レー
トについてはブラック・ショールズ・モデルに従って評価されている。モデルは、金利、スワップ
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ションのボラティリティ、為替レート、為替オプションのボラティリティならびに金利と為替レート
間の相関関係を考慮して調整されている。カテゴリー (c) は、エクイティ・スワップの金額の大きな
1ポジションで構成され、このエクイティ・スワップにはアジア型コール・オプションが埋め込まれ
ている。オプショナリティの価値は、配当とボラティリティに大きく影響され、代用指標を用いる必
要がある。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産
金利スワップや通貨スワップでヘッジされ、ヘッジ会計適格ではない貸付金および代替貸付金ポー
トフォリオは、純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産に含まれる。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された実行済の金融機関および対顧客貸付金および預け金
(代替貸付金を含む)の最大信用エクスポージャーは、 15,022 百万ユーロ( 2018 年: 15,643 百万ユー
ロ)であった。グループのカウンターパーティーの信用リスクの変動に起因する貸付金および代替貸
付金の公正価値の累積変動は、 191.0 百万ユーロの評価損( 2018 年: 161.9 百万ユーロの評価損)で
あった。純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産の公正価値の変動のうち、信用リス
クの変動に起因する部分は、かかる貸付金および代替貸付金の見積貸倒損失の変動を算定して計算さ
れている。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融資産の信用リスクヘッジのために締結されたク
レジット・デリバティブはない。
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債
純損益を通じた公正価値での測定に指定された金融負債はグループが発行した債務証書借入で、金
利スワップおよび通貨スワップでヘッジされているもので構成されている。
FVTPL での測定に指定された金融負債については、グループは当該負債の信用リスクの変動影響を、
その他の包括利益に表示するよう義務付けられている。
次の表は、 2019 年12月31日終了事業年度におけるかかる金融負債について要求される情報を示した
ものである。
信用リスクの
帳簿価額と、
変動に起因する 当期中の
当期中の認識中止に
(単位:百万ユーロ ) 約定の満期支払額と
よる実現額
公正価値の 資本科目間振替
の差額
累積的変動
FVTPL での測定に指定された
金融負債 130 0 0 2,584
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次の表は、 2018 年12月31日終了事業年度におけるかかる金融負債について要求される情報を示した
ものである。
信用リスクの
帳簿価額と、
変動に起因する 当期中の
当期中の認識中止に
(単位:百万ユーロ ) 約定の満期支払額と
よる実現額
公正価値の 資本科目間振替
の差額
累積的変動
FVTPL での測定に指定された
金融負債 346 0 0 1,569
グループは、 FVO に指定された借入金の信用リスク特性とヘッジ手段との間に直接の経済的関連性は
存在しないことから、自己信用リスクの変動額を OCI で表示することにより純損益における会計上のミ
スマッチを減らすことにした。
金融資産と金融負債の相殺
下の表で表示されている開示には、以下の金融資産および金融負債が含まれている。
- EIB グループの会計方針に従ってグループの連結貸借対照表上で相殺されているもの。
- 法的強制力を持ったマスター・ネッティング契約または類似した金融商品を対象とした類似契
約の適用を受けるもので、グループの連結貸借対照表上で相殺されているか否かは問わない。
類似契約にはグローバル・マスター・リパーチェス契約が含まれる。類似した金融商品には、リ
パーチェス契約およびリバース・リパーチェス契約が含まれる。貸付金および預金などの金融商品
は、連結貸借対照表上で相殺されていない限り、下表では表示されていない。
取引所で取引されていないグループのデリバティブ取引は、国際スワップ・デリバティブ協会
(ISDA )のマスター契約の下で行われている。通常、このような契約の下では、いずれの日において
も各当事者の同一の取引および同一の通貨に関する支払債務の金額は合算されて、一方の当事者から
他方の当事者に支払われるべき単一の純額となる。例えばデフォルトが発生するなどの特定の状況下
では、契約下のすべての未決済取引は解約され、解約価値が査定され、すべての取引の決済として単
一の純額が支払われるべき金額とされる。
グループのリパーチェス契約およびリバース・リパーチェス契約は、 ISDA マスター契約の相殺条項
と類似した相殺条項を備えたマスター契約による。
上記の ISDA および類似したマスター・ネッティングの取決めは、連結貸借対照表における相殺基準
を満たさない。これは、これらの契約によって発生する(認識された金額に対する)相殺権が、いず
れかの当事者の支払不能または破産を含むデフォルトを受けての未決済取引の解約後のみ強制可能と
なるためである。
グループは、次の取引に関連して現金または市場性のある有価証券の形で担保を受領し、預け入れ
ている。
- デリバティブ
- リパーチェス契約およびリバース・リパーチェス契約
デリバティブに関連して受領する担保は、 ISDA クレジット・サポート・アネックスの業界の標準的
条件の適用を受ける。このことは、担保として受領した有価証券は取引期間中に質権を設定しまたは
売却を行うことができるが、取引の満了時には返却しなければならないことを意味する。また、これ
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らの条件により、カウンターパーティーが担保の差入れを怠った場合に、グループは関連する取引を
終了する権利を与えられている。
相殺、法的に強制可能なマスター・ネッティング契約または類似した契約の適用を受ける金融資産
(単位:百万ユーロ)
認識された金 貸借対照表上で相殺されて
貸借対照表上
融負債のうち いない関連金額
認識された金 で表示されて
貸借対照表上 純額
融資産の総額 いる金融資産
で相殺されて
の純額
債券 受取現金担保
いる総額
2019 年12月31日現在
金融資産:
リスク管理のために保有する
デリバティブ資産 50,290 -501 49,789 14,817 6,287 28,685
リバース・レポ 24,614 0 24,614 18,544 0 6,070
657 -630 27 0 0 27
金融保証
75,561 -1,131 74,430 33,361 6,287 34,782
合計
認識された金 貸借対照表上で相殺されて
貸借対照表上
融負債のうち いない関連金額
認識された金 で表示されて
貸借対照表上 純額
融資産の総額 いる金融資産
で相殺されて
の純額
債券 受取現金担保
いる総額
2018 年12月31日
金融資産:
リスク管理のために保有する
デリバティブ資産 43,215 -477 42,738 11,051 4,123 27,564
10,025 0 10,025 8,786 0 1,239
リバース・レポ
53,240 -477 52,763 19,837 4,123 28,803
合計
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相殺、法的に強制可能なマスター・ネッティング契約または類似した契約の適用を受ける金融負債
(単位:百万ユーロ )
認識された金 貸借対照表上で相殺されて
貸借対照表上
融資産のうち いない関連金額
認識された金 で表示されて
貸借対照表上 純額
融負債の総額 いる金融負債
で相殺されて
の純額
金融商品 差入現金担保
いる総額
2019 年12月31日現在
金融負債:
リスク管理のために保有する
デリバティブ負債 32,555 -29 32,526 0 0 32,526
レポ契約 1,182 0 1,182 1,182 0 0
債務証書借入 449 -449 0 0 0 0
128 -108 20 0 0 20
金融保証
34,314 -586 33,728 1,182 0 32,546
合計
認識された金 貸借対照表上で相殺されて
貸借対照表上
融資産のうち いない関連金額
認識された金 で表示されて
貸借対照表上 純額
融負債の総額 いる金融負債
で相殺されて
の純額
金融担保 差入現金担保
いる総額
2018 年12月31日
金融負債:
リスク管理のために保有する
デリバティブ負債 31,188 -25 31,163 0 0 31,163
427 -427 0 0 0 0
債務証書借入
31,615 -452 31,163 0 0 31,163
合計
上表で開示されている貸借対照表に表示された金融資産および金融負債の総額および純額は、貸借
対照表上で以下に基づいて測定されている。
- デリバティブ資産および負債-公正価値
- セール・アンド・リパーチェス契約、リバース・セール・アンド・リパーチェス契約および証
券貸借により発生した資産および負債-償却原価
- 対顧客貸付金および預け金-償却原価または公正価値
- 顧客に対する債務-償却原価
- 金融保証契約(注 A.4.11. )
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上の表における貸借対照表上で相殺されている金額は、金融保証契約(注 A.4.11. )を除き、同じ基
準で測定されている。下の表は、上の表で表示された「貸借対照表上で表示されている金融資産およ
び金融負債の純額」と、貸借対照表で表示された科目との調整を示している(単位:百万ユーロ)。
連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
2019 年12月31日現在
の金額
の科目 範囲外の金融資産
金融資産:
リスク管理のために保有する
49,789 デリバティブ資産 49,789 0
デリバティブ資産
金融機関貸付金
リバース・レポ 24,614 166,099 141,485
および預け金
金融保証 27 その他の資産 27 0
連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
の金額
2019 年12月31日現在 の科目 範囲外の金融負債
金融負債:
リスク管理のために保有する
32,526 デリバティブ負債 32,526 0
デリバティブ負債
金融機関に
レポ契約 1,182 7,469 6,287
対する債務
債務証書借入 0 債務証書借入 493,327 493,327
保証および契約債務
金融保証 20 20 0
引当金/その他の負債
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連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
の金額
2018 年12月31日 の科目 範囲外の金融資産
金融資産:
リスク管理のために保有する
42,738 デリバティブ資産 42,738 0
デリバティブ資産
金融機関貸付金
リバース・レポ 10,025 169,265 159,240
および預け金
連結貸借対照表上 相殺の開示の対象
連結貸借対照表上
純額
の金額
2018 年12月31日 の科目 範囲外の金融負債
金融負債:
リスク管理のために保有する
31,163 デリバティブ負債 31,163 0
デリバティブ負債
金融機関に
レポ契約 0 4,215 4,215
対する債務
債務証書借入 0 債務証書借入 490,032 490,032
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注S:リスク管理
本注記は、グループのリスクに対するエクスポージャーならびにその管理および統制についての情
報を、特に金融商品の使用に関連した主なリスクについて記載している。それらは以下のとおりであ
る。
- 信用リスク-顧客またはカウンターパーティーのデフォルトにより発生する損失のリスクで、
あらゆる形式の信用エクスポージャーから発生する。
- 金利リスク-金利感応商品に影響を及ぼす金利の不利な変動から生じるグループの投資の利益
および経済価値の両方に対するリスクで、ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプション
リスクを含む。
- 流動性および資金調達リスク-グループが合理的な価格により、あるいは、極端な状況下では
いかなる価格によっても、資金調達または義務の履行ができないリスク。
- 為替レートリスク-為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションから得られる経
済価値または収益の変動性から生じるリスク。
- オペレーショナル・リスク-不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因
から発生する、外部事象による損失リスクで、法務リスクを含むが、戦略リスクおよび風評リ
スクは除かれる。
S.1. リスク管理組織
リスクの管理および統制は、グループ内の事業体がそれぞれ個別に遂行している。よって、本注記
に記載するリスク管理情報は、 EIB とEIF に分けることにする。
また、 EIB はリスク管理部門の中に、グループ全体のリスク管理を強化するために、規制および EIB
グループ・リスク部を設置した。規制および EIB グループ・リスク部は主に、リスク報告、健全性規制
の遵守および健全性あるベスト・バンキング・プラクティス(リスク選好の枠組み、自己資本充実度
評価プロセス(「 ICAAP 」)およびストレス・テストの枠組みを含む)ならびに内部モデル作成および
検証を担当する。 EIB の連結レベルでのリスク管理の概括的な原則は、グループ・リスク管理憲章に示
されている。グループ・リスク管理憲章は、グループのリスクのグループ全体からの見方およびリス
ク管理の統合的なアプローチを確保することを目指している。
グループは現在、グループ最高リスク責任者(「 GCRO 」)により機能されるグループ・リスク部門
を設置するプロセスを進めている。総裁および EIB 経営委員会のそれぞれの、法定責任が影響を受ける
ことなく、 GCRO はグループ・リスクについて、リスク担当の経営委員会委員の監督の下、 EIB 経営委員
会に報告するものとする。グループ・リスクに関連した主要なリスク方針の事項に関して、 GCRO はEIB
経営委員会および他の EIB の統治機関の関連するすべての会議に参加し、 EIF 取締役会の関連する会議
および EIF 経営陣との協議に招待されるものとする。 EIF は、 GCRO を通じてグループ・リスク事項を EIB
に報告するものとする。
S.1.1. EIB のリスク管理組織
EIB の目的は、その資産、財務的業績、ひいては自己資本を可能な限り最大限に守るため、リスクを
分析・管理することにある。 EIB は一般に EUの機関、機構および局によって発令または採択される商業
銀行に適用される法や指針(「 EU法および指針」)の適用を受けないが、 EIB は公表しているとおり、
その任意の決定により、そのベスト・バンキング・プラクティスの指針的原則で特定される EU法およ
び指針を遵守することとしている。
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EIB 内では、リスク管理部門(「 RM」)は、 EIB がさらされている信用リスク、市場リスク、流動性
および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクを独立した立場から特定、評価、モニタリングお
よび報告する。職務分掌を維持するために、 RMは、フロント・オフィスから独立した組織となってお
り、 リスクに関するすべての提案に対して、セカンド・オピニオンを提供する。 RM担当のディレク
ター・ジェネラルは、信用リスク、市場リスク、流動性および資金調達リスクならびにオペレーショ
ナル・リスクについて経営委員会に報告し、定期的に監査委員会と会合を持ち、これらのリスクに関
する議題を協議している。また、同ディレクター・ジェネラルは、経営委員会、リスク方針委員会お
よび理事会へのリスク報告についても監督の任にある。
契約締結後の貸付金の管理およびモニタリングは、ポートフォリオの重要な部分に関しては、 RMか
ら独立している部門である取引管理・再編部門(「 TMR 」)が担当する。 TMR は、よりリスクが高いカ
ウンターパーティー、および特定の形の担保のモニタリングに注力するとともに、特に注意を要する
取引の管理も行う。信用リスクの兆候に係る TMR の提言は、すべて RMによる独立した立場からのセカン
ド・オピニオンの対象となる。
以下の項では、 EIB が自己のリスク負担において実施する活動の中でさらされる信用リスク、市場リ
スク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクについて開示している。詳細につい
ては、 EIB グループ・リスク管理開示報告書を参照のこと。
S.1.1.1 リスクの測定および報告システム
EIB は、変化する経済情勢や進化する規制当局の基準に合わせて、リスク管理システムを調整してい
る。市場慣行が発達するにつれ、 EIB も継続的にそれらを適応させている。 EIB の業務に内在する主な
リスク、すなわち、信用リスク、市場リスク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リ
スクを統制し、報告するため、管理システムを導入している。
リスクは、 EIB の支払能力、流動性、利益および業務への影響を定量化することを目的として、通常
の環境下および起こり得るストレス状態下で、評価・測定される。リスク測定では、資本構成、利
益、流動性、市場に対するエクスポージャーおよびオペレーショナル・リスクの指標を組み合わせ
る。
信用リスク、 ALM リスク、流動性リスク、財務リスクおよびオペレーショナル・リスクに関する詳細
な情報は、経営委員会および理事会に対して毎月報告される。かかる情報は、経営委員会および理事
会のリスク方針委員会に対して定期的に報告・説明される。
S.1.1.2. EIB のリスク許容度
EIB は、リスク許容度を定めており、事業戦略の追求によって生じるリスクに関して慎重な限度額を
設定している。高水準の限度額を設定するにあたり、 EIB は、 EIB のリスク特性を事業戦略および利害
関係者の期待に適合させるようにしている。さらに、 EIB の戦略の長期的な資本の持続可能性は、これ
らの限度額との比較で評価および監視され、利用可能な資本が現在および大局的な事業目的および政
策目的を支えるために十分であることを確実にする。
EIB は公的金融機関として、リスクに対する投機的エクスポージャーにより収益を獲得することを目
指していない。その結果、それぞれに業績目標が定められていても、 EIB は財務活動や資金調達・提供
活動を利益の最大化を図る中心的業務とみなしていない。投資活動は、投資資本の保護という主目的
の範囲内で行われる。よって、 EIB の貸付業務や借入業務で生じるエクスポージャーに関しては、すべ
ての重要な市場リスクのヘッジを確保することが、 EIB の財務リスク管理方針の主要原則とされてい
る。
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オペレーショナル・リスクや財務リスクを招く新しい種類の取引はすべて、新商品委員会の承認を
受けた上で改めて経営委員会の承認を取得することが義務付けられており、その承認を受けた限度枠
の範囲内で管理されている。
S.1.1.3. 収益の持続可能性および自己資金力
EIB の資産負債管理方針は、 EIB の全体的な財務リスク管理で不可欠な部分を占めている。この方針
は、利益の安定性、自己資本の経済価値の保持、 EIB の長期成長資金の自力調達に関する、 EIB の主要
利害関係者の期待を反映した内容になっている。
これらの目標を達成するため、資産負債管理方針では、一段の収益安定と全体的なリターンの拡大
を目指して、自己資本投資に中・長期物価スライド方式を採用している。この物価スライドの方針
は、中・長期利回りに対するエクスポージャーを意味しており、金利の趨勢に関する短期的な見方に
左右されることはない。
EIB の自己資本の目標投資期間を 4.5 年から 5.5 年の間に設定することで、この方針は達成されてい
る。
資産負債委員会(「 ALCO 」)は、 EIB のALM 戦略、貸出金利設定原則および EIB の活動から生じる財務
リスクを検討するために上級経営陣による会議を開催する。
S.1.2. EIF のリスク管理組織
グループの両事業体のプライベート・エクイティ(「 PE」)業務、ベンチャー・キャピタル事業な
らびにポートフォリオ保証、証券化およびマイクロファイナンス(「 GSM 」)業務の大半は、 EIF が管
理・運営している。 EIF のマンデートは、欧州連合の中小企業(「 SME 」)育成目標の範囲内で、設
立、成長、発展を目的とする SME 向け融資を支援することである。
EIF も、変化する経済情勢に合わせて、リスク管理システムを調整している。 EIF の業務に内在する
主なリスクを統制し、報告するため、信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスクの管理シ
ステムを導入している。
リスク管理は、 EIF の企業文化に組み込まれており、 EIF のすべての事業機能およびプロセスに浸透
した、 (i) フロント・オフィス、 (ii) 独立したリスクおよびコンプライアンス部門および、 (iii) 監
査および保証の3つの防衛線モデルに基づいている。事務総局の長が委員長を務める投資およびリス
ク委員会(「 IRC 」)は、 CEO および副 CEO にあらゆる取引に関して助言を行う。最高リスク責任者が議
長を務める IRC の四半期ごとの会議はまた、 EIF ポートフォリオのリスクおよび投資関連の面、特に取
引格付の承認、減損および引当についての措置、関連する市場リスク事象および潜在的なストレスの
テストを監視する。最後に、 IRC は、ファンド・マネージャーとしての EIF の役割から生じる全社的リ
スクも監視する。リスクおよびポートフォリオ管理の措置は、 EIF の監査役会が統括する保証プロセス
の一部を構成する。
さらに、 EIB グループとの関連で見た場合、 EIF のリスク管理部門は、特に、グループ・リスク管理
憲章、ならびに保証・証券化業務、 EIB のリスク資本財源マンデート(「 RCR 」)に基づく PE業務、 EIB
グループ・リスク補完マンデート(「 EREM 」)に基づく EIB の様々な機会、および EIF の方針に関する
一般的な問題に関連するグループのリスク・エクスポージャーについて、 EIB のリスク管理部門と定期
的に連絡を取りながら業務を運営している。
EIF の財務管理は、両当事者が署名し、取引の選定、執行、決済および監視の実行を EIB の担当サー
ビス部署に委託する財務管理契約に基づき、全面的に EIB に委託されている。この管理は、契約に付属
する財務ガイドラインに従って行われるが、当該ガイドラインは EIB 自身の財務ガイドラインの関連箇
所を密接に反映するものになっている。
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S.1.2.1. リスク評価 プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティ業務では、 EIF は、ファンド・オブ・ファンズの手法を採っており、広範
囲の投資家からの出資契約を促すため、主として独立した立場のチームが運用するビジネス・エン
ジェル、ベンチャー・キャピタル、プライベート・エクイティ・ファンドおよびメザニン・ファンド
への少数持分参加を行っている。 EIF のPE業務には、シード・キャピタル投資やアーリーステージ・
キャピタル投資だけでなく、低いリスク特性を有すると一般的に言われているミッドステージ投資、
レイターステージ投資、またはメザニン投資を運用対象とする安定したファンドへの投資も含まれて
いる。
EIF は、 PE市場の動きに応じた PEファンド・ポートフォリオを設計し、運用し、モニタリングするた
めの一連のツールを、過去数年間かけて開発した。これらのツールはグループ内のモデルであるグ
レーディング・ベースト・エコノミック・モデル(「 GEM 」:格付に基づく経済モデル)に基づいてお
り、これを使用することにより、 EIF は各ファンドおよび各ファンド・ポートフォリオの評価、リス
ク、予想される将来のキャッシュ・フローとパフォーマンスの査定ならびに妥当性検査を改善するこ
とができる。 EIF では、取引チームが実施しリスク管理チームが審査した広範囲にわたるデューデリ
ジェンスの結果に基づき、格付を割り当ててから、 PEファンドと出資契約を交わしている。この格付
は、リスク水準に応じた頻度と厳格さで、ファンド残存期間にわたって定期的に審査される。
独自の ITシステムと(フロント・オフィスからバック・オフィスに至るまでの)統合ソフトウェア
の開発に下支えされたこうした取り組みによって、投資判断プロセスならびにポートフォリオの財務
リスクと流動性の管理も改善され、特に将来を見据えた、およびストレス・テストに基づいた意思決
定が可能となる。
S.1.2.2. リスク評価 保証
EIF は、中小企業向け融資に従事する金融仲介機関に対し、ポートフォリオ保証を提供し、中小企業
の証券化取引の信用補完を行っている。このようなリスクを取ることにより、 EIF は資金へのアクセス
を容易にすることで、中小企業の資金調達を支援している。
保証・証券化業務に関しても、 EIF は過去数年間をかけて一連のツールを開発した。これは、市場の
ベスト・プラクティスに従って、ポートフォリオ保証と仕組金融取引を分析するためのものである。
EIF は、信用リスク管理方針およびモデル審査指針に準拠して、自らリスクを負担する新規の保証取引
それぞれに内部格付を割り当ててから、法律上正式に保証取引を行っている。この格付は、定量パラ
メーターだけでなく定性面も考慮して、取引の信用の質(予想損失概念)を分析し集約するグループ
内のモデルに基づく。保証取引は、定期的に(少なくとも四半期ごとに)モニターし、その状況は、
EIF のIRC が定期的に見直している。その際、委員会は、業績次第で、内部格付を見直すことがある。
このプロセスではその全領域において、フロント・オフィスがアクションを起こしリスク管理部門が
レビューを行うという、「4つの目」の原則が適用されている。
保証ポートフォリオは、 IFRS 原則に基づき、「モデルに基づいた価格」手法によって評価される。
ポートフォリオの取引の評価に対する主な影響は、付与された格付(内部格付の場合もあれば、外部
格付の場合もある)とその後起こりうる格付の変更により生じる。
EIF のモニタリングは、潜在的な格付の悪化を監視し、適切な取引の管理の基礎を提供する。 EIF の
ストレス・テスト方法、すなわちポートフォリオの格下げおよび債務不履行、ならびにそれに伴う資
本配分、予想損失および損益計算書への影響に関するシナリオ分析は、取引の開始時およびポート
フォリオの期間全体にわたって適用される。
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S.2. 信用リスク
S.2.1. 信用リスク管理方針
信用リスクは主にグループの貸付業務に関するものであるが、程度の差はあるものの、投資ポート
フォリオや運用ポートフォリオで保有している確定利付証券、譲渡性預金、銀行間の定期預金等の財
務商品、ならびにグループのデリバティブ取引、および自己資金を原資とする EIF の保証取引に関する
ものも含まれている。
信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されている。こうした指針の
目的は、信用リスクの慎重な管理が確実に行われるようにする点にある。 EU加盟国業務と非 EU加盟国
業務ではリスク・プロファイルが異なる場合があり、 EU加盟国の活動と非 EU加盟国の活動には別々の
指針が設けられている。ある事業体が EIB の貸付業務のカウンターパーティーとして認められるか否か
は、定量的および定性的指標を用いた当該事業体の注意深い分析および評価に基づくだけでなく、経
験および専門家の判断にも依拠して決定される。同指針は、貸付業務の債務者、保証人双方について
最低限の信用の質の水準を定めており、許容範囲内とみなされる担保種類も特定している。また、 EIB
の地位が十分に保護されるように、主要な法的条項や他の契約条件の点で貸付契約が満たしていなけ
ればならない最低基準も、細かく定めている。加えて、カウンターパーティー別と業種別に限度枠を
設けるシステムを通じて、これらの指針は、グループが保有する貸付金ポートフォリオの許容可能な
分散の実現を図っている。複雑な貸付取引または仕組貸付取引に含まれる追加的なリスクの十分な分
析、計量および軽減が確実になされるように、特定の種類の業務に関して具体的で詳細な指針が策定
され、これが一般指針を補完している。また同指針は、デリバティブ取引および財務取引の相手の信
用の質に関する最低限の基準、ならびに取引種類ごとの契約の枠組みも規定している。
EIF は、法に基づく規定、および EIF 理事会の承認を受けた信用リスク運用指針、またはマンデート
に基づき定められた指針を受けた、保守的な方針の枠組み内で、エクスポージャーとリスクを管理し
ている。
信用リスク管理指針は、進化している業務環境を盛り込み、グループ株主からの新たなマンデート
に対応できるよう、定期的に調整されている。
信用リスクの管理は、カウンターパーティーに関する信用リスクの水準およびカウンターパー
ティーの支払不能に備えて EIB に供された担保の水準の評価に基づいている。
S.2.2. 最大信用リスク・エクスポージャー(担保およびその他の信用補完を考慮しない場合)
次の表は、デリバティブを含め、連結貸借対照表構成要素の最大信用リスク・エクスポージャーを
示したものである。最大エクスポージャーの値は、担保設定契約によってリスクを軽減した影響を考
慮する前の総額で表示している(注 S.2.3.4 )。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
最大エクスポージャー(単位:百万ユーロ)
金融資産:
ACで測定される金融資産 527,720 525,237
強制的に FVTPL で測定される金融資産 16,719 15,187
リスク管理のために保有するデリバティブ資産 49,789 42,738
FVTPL での測定に指定された金融資産 20,522 20,405
493 490
FVOCI での測定に指定された金融資産
615,243 604,057
合計
オフ・バランスシート項目:
偶発債務および保証 20,546 18,474
契約債務
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-未実行金額
112,571 105,570
-ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
5,412 5,700
-その他 4,597 4,355
143,126 134,099
合計
758,369 738,156
信用リスク・エクスポージャー合計
S.2.3. 貸付金の信用リスク
S.2.3.1. 金融機関および対顧客貸付金および預け金に関する信用リスクの測定
貸付業務に関しては、(予想損失法に基づく)内部貸付金格付システムが導入されている。同シス
テムは、貸付査定プロセスおよび信用リスク監視の重要な部分を占めており、それが適切な場合に
は、信用リスク価格決定の基準点でもある。
貸付金格付(「 LG」)システムは、貸付業務の信用リスク評価と予想損失見積りの計量をサポート
する方法、プロセス、データベースおよび ITシステムで構成されている。同システムは、貸付金の信
用リスクの相対的順位を決定するため、大量の情報を集約している。 LGは、存続期間における「予想
損失」見積りレベルの現在価値を反映しており、デフォルト確率、リスク対象貸付金エクスポー
ジャーおよびデフォルト時損失率の積の正味現在価値として計算される。 LGは、次の目的で用いられ
ている。
- 貸付金のリスク評価をより精密かつより定量化するための支援ツールとして
- モニタリングの取組みに優先順位付けをするための信用リスク変動の指標として
- 特定の日付における貸付金ポートフォリオの質を示すツールとして
- 一般貸倒準備金の年間追加分を算出するベンチマークとして
- リスク・プライシングの決定におけるインプットとして
LGの決定に当たっては、次の要素が使用される。
i) 債務者の信用度: RMが独自で債務者を審査し、グループ内の方法と外部データに基づきその
信用度を評価する。選択したバーゼル III の内部格付に基づく手法に従い、 EIB は債務者と保
証人の内部格付を決定する内部格付方法(「 IRM 」)を開発した。これは、定義されたカウン
ターパーティーの種類に応じた一連のスコア・シートに基づくものである。
ii) デフォルトの相関性:債務者と保証人の双方が、同時に資金繰りが苦しくなる可能性を計量
する。債務者と保証人のデフォルトの相関性が高いほど、保証の価値が減ずるため、 LGも低
くなる(悪化する)。
iii) 保証手段および有価証券の価値:これらの価値は、発行体の信用度と保証手段の種類とを考
え合わせて評価される。
iv) 適用される回収率:関連する取引相手ごとのデフォルト後の回収見込み額を、関連する貸付
金エクスポージャーに対する割合で表す。
v) 契約の枠組み:貸付金の質が高い上に、契約の枠組みが盤石であるならば、 LGも高くなる。
vi) 貸付期間または、より一般的には、貸付金のキャッシュ・フロー:他の要素がすべて等しい
ならば、貸付期間が長いほど、貸付金の返済で問題が生じるリスクが高くなる。
貸付金の予想損失は上述した6要素を組み合わせて計算され、改訂公正価値オプションの適格基準
に合致する貸付金で、当初損益を通じた公正価値評価に指定されたものの公正価値を算定する。この
予想損失の水準に応じて、貸付金は下に記載された LG種類のいずれかに割り当てられる。
「A」最高の質の貸付金:次の3つのサブ・カテゴリーが設けられている。
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「A0」は EU加盟国への貸付金または EU加盟国による保証が付加されている貸付金で構成され、予想
損失率は0%である(満期時に EIB の資産の全額の回収を保証しているとみなされる EIB の優先債
権者ステータスおよび法定の保護に基づく)。
「A+」は、貸付期間にわたり信用度が悪化しないと予想される EU加盟国を除く事業体に供与される
貸付金(またはかかる事業体による保証が付加されている貸付金)で構成される。
「A-」には、現在の状況の維持について幾分かの疑いはあるが、下方修正は限定的と見込まれる貸
付業務が含まれる。
「B」高い質の貸付金:将来若干悪化する可能性は排除できないものの、 EIB が不安はないと判断し
た資産クラスを示す。「 B+」および「 B-」はそのような悪化が生じる可能性の大小を示すのに用
いられる。
「 C 」良好な質の貸付金:一例が、手堅い銀行や企業への無担保貸付金であって、満期の期間が合理
的であり、十分な保護条項が定められているものである。
「D」容認可能な信用力の貸付金( D+として指定)と、これよりも劣るリスク特性を伴う貸付金( D-
として指定)との間の境界。 LGがD-以下の貸付は特別活動(後述のセクションを参照)に分類さ
れ、具体的な規模の制限、準備金の割当ておよびリスク値付け規則を含む固有の規則の適用を受
ける。
「E」は、高リスク特別活動貸付として明示的に承認された貸付金、または信用度が大幅に悪化し
て、損失を考慮しないことは不可能な貸付金で構成される。下位区分である「 E+」と「 E-」は、
貸付金のリスク特性をさらに識別するものであり、 E-格の貸付業務は、期日どおりの債務返済を
維持することができないために何らかの形での債務再構築を要する可能性があり、減損損失が生
じるおそれのあるものである。
「F」(失格)は、許容範囲以上のリスクを伴う貸付金を示す。「 F」格の貸付金が発生するのは、
完済されていない貸付取引が契約後に不測の異例で劇的な悪状況に見舞われた場合に限られる。
「F」格の取引には、固有の引当金が設定されている。
一般的に、内部格付が「 D-」格以下の貸付金は、内部貸付金格付に基づく要注意リストに掲載され
る。しかしながら、貸付金が当初「 D-」格以下のリスク特性で承認されていた場合、当該貸付金は、
重大な信用事象により承認時のものを下回る LG区分への悪化がもたらされた場合にのみ、要注意リス
トに入れられる。
グループによる IFRS 第9号のステージ評価は、カウンターパーティーまたは商品に固有の情報を用
いた段階的アプローチに基づいており、これは特に貸付金格付に基づく要注意先リスト、内部格付お
よび延滞をカバーする信用リスク・ガイドライン(「 CRG 」)ならびに財務モニタリング・ガイドライ
ンおよび手続き(「 FMG 」)に記載された方針と整合している。
各貸付金の案件ごとの分析に加えて、 EIB はEIB の経済資本の枠組みを用いて信用エクスポージャー
をポートフォリオ・レベルで閲覧できる機能を開発した。ここでは、様々な債務者が共通のリスク・
パラメーターに依存していることによって生じる集中と相関の影響が統合して表示される。ポート
フォリオの信用リスクの側面を付け加え、不測の損失(すなわち、一定の信頼レベルまでの範囲で予
想される損失を超えて発生する可能性のある損失)に焦点を当てることにより、 LGの取引ごとのアプ
ローチを補完することができ、その結果、 EIB の貸付残高の中の信用リスクをさらに厳密かつ総合的に
査定することが可能になる。
いずれの時点においても、 EIB が供与する貸付金および保証の総額は、定款で定められたギアリング
比率(定款第 16.5 条)で制限されている。この比率を算出するために、 EIB は欧州連合会計指令
(「 AD」)の枠組みによるデータを使用している。 2019 年度末時点で、 EIB の定款で定められたギアリ
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ング比率は、 EU指令に基づく EIB 単独の財務書類に基づくと 204.5 %、 EU指令に基づく連結財務書類に
基づくと 208.9 %であった(定款第 16.5 条に基づく上限は 250 %)。
S.2.3.2. 欧州連合または加盟国による保証で担保されている貸付金
欧州連合域外への貸付金( EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラスト
(*)
ラクチャー・パッケージ保証 に基づくものを除く)は、最終的には、欧州連合予算や加盟国( ACP
諸国および OCT への貸付金の場合)の保証により担保されている。こうした保証は、包括型(すべての
リスクが対象)か、または定義された政治リスク(送金の停止、収用、戦争または市民暴動、契約違
反時の裁判拒否)に限定されているかのいずれかである。
(*) EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、総務会によって決定された地理別またはテーマ別の貸付フレームワークである。 EIB の自己の
リスク負担のファシリティ群に基づく貸付およびコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、 EIB の自己資金での取引であり、 EIB は全額の自己リスクまたは信用補完による残余リスクを負
担する。
欧州連合および加盟国は、保証条件に従い、各ポートフォリオに組み入れられている一連の契約済
(1)
貸付業務の最大 65%、 70%、 75%および 100 %まで信用補完を提供している。グループは、個別貸
付金それぞれに伴う信用リスクが完全に保証されていると考えており、そのためこれらを注 S.2.3 (貸
(2)
付業務に係る信用リスク) の値に算入していない。
(1) 2007 年8月1日および 29日に欧州委員会との間で締結した保証契約の下で、 2007 年4月 17日以降に締
結された欧州連合保証の貸付は、「融資実行総額」の最大 65%を対象とするものとされる。信用補完
は、ファーストロス補償の形態で提供される。貸付に関連してグループが負担する残余リスクは、グ
ループの基礎的与信規則および手続きに従って管理される。
(2) 信用リスクが全額カバーされているとみなされる欧州連合または加盟国の保証に基づき契約されたエ
クスポージャーは、 46,113 百万ユーロ( 2018 年: 43,706 百万ユーロ)であった。
欧州連合または加盟国の保証により担保されている実行済貸付金の帳簿価額は 2019 年12月31日現在
29,859 百万ユーロ( 2018 年: 29,842 百万ユーロ)、 2019 年12月31日現在の未実行分は 20,223 百万ユー
ロ( 2018 年: 18,394 百万ユーロ)である。これらの値には、欧州連合加盟前に供与され、欧州連合ま
たは加盟国による保証が付されている欧州連合の現加盟国への貸付金も算入されている。
S.2.3.3. 貸付金による信用リスク・エクスポージャーの分析
次の表は、グループがリスクを負担するすべてのエクスポージャーについて、契約済・実行済貸付
金(金融機関貸付金および預け金の要求払とその他の貸付金および預け金は除く)の最大信用リス
ク・エクスポージャーと、一部の契約済であるものの未実行分の内訳を示したものである。よって、
欧州連合予算または加盟国により担保されている欧州連合予算域外の貸付金は、算入されていない
(注 S.2.3.2 参照)。
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保証人
2019 年
実行済分 契約済
(1)
無保証
(単位:百万ユーロ ) 合計 未実行分
企業 銀行 公共機関 国
企業 31,590 10,677 4,859 10,397 88,453 145,976 25,621
銀行 17,414 18,454 18,928 28,832 23,731 107,359 27,329
債務者
公共機関 190 210 20,801 31,662 69,804 122,667 27,610
0 0 0 0 48,148 48,148 12,787
国
(2)(3)(4)
実行済合計
49,194 29,341 44,588 70,891 230,136 424,150
(2)(3)
契約済未実行分
(4)
7,168 4,630 9,077 14,106 58,366 93,347
保証人
2018 年 実行済分 契約済
(1)
無保証
(単位:百万ユーロ ) 合計 未実行分
企業 銀行 公共機関 国
企業 31,471 12,990 7,290 10,591 83,965 146,307 24,825
銀行 20,197 20,290 17,884 30,327 24,423 113,121 23,066
債務者
公共機関 214 214 18,201 31,804 65,821 116,254 27,492
0 0 0 0 47,929 47,929 12,758
国
(2)(3)(4)
実行済合計
51,882 33,494 43,375 72,722 222,138 423,611
(2)(3)
契約済未実行分
(4)
8,754 3,158 7,861 11,017 57,351 88,141
(1) これらの金額には、債務者の支払能力自体が妥当な担保となっているため、債務者および貸付金自体以外の正式な
保証が不要な貸付金も含まれている。所定の事由が発生した場合には、適切な契約条項により、 EIB が独立した担保
を請求できる権利が確保されている。
(2) 2019 年12月31日現在のリスク・シェアリング業務(加盟国または政治リスク保証の形での EU予算により信用補完さ
れている)における貸付金は、 3,969 百万ユーロ( 2018 年: 4,530 百万ユーロ)であった。
(3) これらの金額には、代替貸付金( 2019 年: 20,788 百万ユーロ、 2018 年: 20,739 百万ユーロ)は算入されていない。
(4) これらの金額は、欧州連合への加盟前に供与され、欧州連合予算または加盟国の保証が付されている欧州連合の現
加盟国への貸付金を除いている。
貸付業務に関しては、 2019 年12月末現在の銀行セクターに対するグループの直接的エクスポー
(1)
ジャー は計 134,688 百万ユーロ( 2018 年: 136,187 百万ユーロ)であり、 2019 年12月31日現在の実
行済貸付金および未実行貸付金の合計 517,497 百万ユーロ( 2018 年: 511,752 百万ユーロ)の 26.0 %
(2018 年: 26.6 %)に相当する。
(1) 契約済未実行金額を含む。
(2)
2019 年12月末現在の企業への無担保貸付金は 108,247 百万ユーロ である( 2018 年: 103,424 百万
ユーロ)。法人顧客に対する無担保エクスポージャーは相対的な限度枠で統制されており、一般的に
は個別エクスポージャーの上限はグループの自己資本の5%相当とされている。グループは、様々な
業種別限度枠も導入している。
(2) 貸付金格付には、外部保証人によってポートフォリオ・ベースで提供された信用補完が反映されてい
る。
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EIB は、その貸付金エクスポージャーに対して提供される担保や保証に加え、リスク・シェアリン
グ・マンデートを対象に金融保証の形で欧州連合により提供される追加的な信用補完も享受してい
る。
S.2.3.3.1. 貸付金の信用の質
(2)
内部格付 が「 A」から「 D+」の貸付金は、 2019 年12月31日現在の貸付金ポートフォリオの 97.9 %
を占めた。この比率は、 2018 年12月31日現在では 97.7 %であった。内部格付が「 D-」以下の貸付金
(特別活動準備金の割当対象となるもの)の割合は、リスク・ポートフォリオのうちの 2.1 %( 2018
年: 2.3 %)で、金額では 108 億ユーロ( 2018 年: 115 億ユーロ)であった。
(2) 貸付金格付には、外部保証人によってポートフォリオ・ベースで提供された信用補完が反映されてい
る。
当年度中、貸付金ポートフォリオの信用の質は安定し、高度のモニタリングの対象となる内部貸付
金格付に基づく要注意リストの貸付金(契約時に D+以上であったものの D-以下に格付されたすべての
貸付金、および契約時に D-以下であったものの重大な信用事象が判明し LGが引き下げられた他のすべ
ての貸付金)は 5,942 百万ユーロとなった( 2018 年: 5,904 百万ユーロ)。
信用リスクを軽減するため、グループは次の手段等を用いている。
- 許容範囲内の信用の質に対する第三者による保証
- 金融担保
- 抵当、収益請求権等
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債務者の種類別の信用の質の分析
以下の表は、契約済貸付金(実行済および未実行の貸付金)のエクスポージャーに基づき、 2019 年
12月31日および 2018 年12月31日現在のグループの貸付金ポートフォリオの信用の質的分析を貸付金格
付別に分析したものである。
最低限
エクイティの
標準的
2019 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
(単位:百万ユーロ )
A0 Aから B- C D+ D-以下
実行済
ステージ1
貸付金 99,584 230,703 28,693 8,731 3,069 該当なし 370,780 63
ステージ2 8,655 13,215 3,825 1,684 2,982 該当なし 30,361 231
ステージ3 0 55 368 10 1,565 該当なし 1,998 458
3,281 10,360 3,766 1,187 1,148 1,269 21,011 該当なし
FVTPL 指定
2019 年の合計 111,520 254,333 36,652 11,612 8,764 1,269 424,150 752
最低限
エクイティの
標準的
2019 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
(単位:百万ユーロ )
A0 Aから B- C D+ D-以下
未実行 ステージ1
24,257 42,351 15,764 5,334 1,363 該当なし 89,069 9
金額 ステージ2
1,039 253 3 225 721 該当なし 2,241 53
ステージ3
0 10 0 0 0 該当なし 10 0
FVTPL 指定
0 225 94 0 0 1,708 2,027 該当なし
2019 年の合計 25,296 42,839 15,861 5,559 2,084 1,708 93,347 62
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最低限
エクイティの
標準的
2018 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
(単位:百万ユーロ )
A0 Aから B- C D+ D-以下
実行済
ステージ1
貸付金 93,573 231,046 28,105 7,138 3,231 該当なし 363,093 81
ステージ2 15,065 12,026 4,443 2,890 3,563 該当なし 37,987 246
ステージ3 105 109 0 376 1,534 該当なし 2,124 538
3,489 9,858 3,376 2,238 632 814 20,407 該当なし
FVTPL 指定
2018 年の合計 112,232 253,039 35,924 12,642 8,960 814 423,611 865
最低限
エクイティの
標準的
2018 年
種類に基づく
ソブリン 高格付 許容可能な 高リスク
格付
合計 ECL
リスク
リスク
(単位:百万ユーロ )
A0 Aから B- C D+ D-以下
未実行 ステージ1
20,570 44,750 12,009 5,158 1,697 該当なし 84,184 12
金額 ステージ2
1,014 268 30 89 838 該当なし 2,239 46
ステージ3
0 10 0 24 5 該当なし 39 3
FVTPL 指定
0 349 89 0 0 1,241 1,679 該当なし
2018 年の合計 21,584 45,377 12,128 5,271 2,540 1,241 88,141 61
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各内部リスク格付の信用リスク・エクスポージャー
グループはバーゼル III の内部格付手法に沿った内部格付法を使用している。グループの大部分のカ
ウンターパーティーには、この方法により内部格付が割り当てられている。次の表は、グループの貸
付金ポートフォリオの内訳を、債務者と保証人のいずれか内部格付の高い方の格付別に示したもので
ある。内部格付が決まっていない場合は、ここでの分析に外部の格付を用いた。
次の表は、限度枠管理に用いているグループ内の方法に基づき、契約済貸付金(実行済および未実
行の貸付金)の両方のエクスポージャーを示したものである。
2019 年
(単位:百万ユーロ )
信用減損の 信用減損の
12ヵ月 ECL FVTPL 合計
ない全期間 ある全期間
ECL ECL
償却原価で測定される金融機関および
対顧客貸付金および預け金
内部格付 1-最小信用リスク 4,696 17 0 9 4,722
内部格付 2-非常に低い信用リスク 65,591 498 66 2,415 68,570
内部格付 3-低信用リスク 134,295 1,209 270 4,458 140,232
内部格付 4-中程度の信用リスク 136,326 1,497 0 9,097 146,920
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 27,431 19,047 12 2,266 48,756
内部格付 6-高信用リスク 2,441 7,611 80 1,292 11,424
内部格付 7-非常に高い信用リスク 0 482 0 0 482
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 1,570 205 1,775
FVTPL で測定される金融機関および
該当なし 該当なし 該当なし 1,269 1,269
対顧客貸付金および預け金
370,780 30,361 1,998 21,011 424,150
帳簿価額
-63 -231 -458 該当なし -752
貸倒引当金
貸付コミットメント
内部格付 1-最小信用リスク 797 0 0 0 797
内部格付 2-非常に低い信用リスク 15,094 0 0 0 15,094
内部格付 3-低信用リスク 28,904 0 0 0 28,904
内部格付 4-中程度の信用リスク 30,920 114 0 94 31,128
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 12,115 1,173 0 178 13,466
内部格付 6-高信用リスク 1,202 832 0 47 2,081
内部格付 7-非常に高い信用リスク 37 122 0 0 159
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 10 0 10
該当なし 該当なし 該当なし 1,708 1,708
FVTPL
89,069 2,241 10 2,027 93,347
帳簿価額
-9 -53 0 該当なし -62
貸倒引当金
146/397
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有価証券報告書
2018 年
(単位:百万ユーロ )
信用減損の 信用減損の
12ヵ月 ECL FVTPL 合計
ない全期間 ある全期間
ECL ECL
償却原価で測定される金融機関および
対顧客貸付金および預け金
内部格付 1-最小信用リスク 4,624 4 0 11 4,639
内部格付 2-非常に低い信用リスク 63,385 524 66 2,270 66,245
内部格付 3-低信用リスク 134,378 1,552 312 4,391 140,633
内部格付 4-中程度の信用リスク 132,893 4,461 105 8,684 146,143
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 22,426 14,958 14 2,014 39,412
内部格付 6-高信用リスク 5,387 15,904 95 2,070 23,456
内部格付 7-非常に高い信用リスク 0 584 231 0 815
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 1,301 153 1,454
FVTPL で測定される金融機関および
該当なし 該当なし 該当なし 814 814
対顧客貸付金および預け金
363,093 37,987 2,124 20,407 423,611
帳簿価額
-81 -246 -538 該当なし -865
貸倒引当金
貸付コミットメント
内部格付 1-最小信用リスク 757 0 0 0 757
内部格付 2-非常に低い信用リスク 17,554 0 4 0 17,558
内部格付 3-低信用リスク 25,222 10 17 0 25,249
内部格付 4-中程度の信用リスク 26,928 198 0 89 27,215
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 11,720 624 0 179 12,523
内部格付 6-高信用リスク 2,003 1,345 3 170 3,521
内部格付 7-非常に高い信用リスク 0 62 0 0 62
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先 0 0 15 0 15
該当なし 該当なし 該当なし 1,241 1,241
FVTPL
84,184 2,239 39 1,679 88,141
帳簿価額
-12 -46 -3 該当なし -61
貸倒引当金
グループは債務者と保証人、特に銀行に影響を及ぼす事象を継続的に監視している。中でもグルー
プは、格下げされた場合の契約上の権利を個別に評価し、影響軽減策を模索している。また貸付金に
供与されている銀行保証の更新状況も綿密に追跡調査し、必要な場合には適時に保証が差し替えられ
ていること、あるいは措置が講じられていることを確認している。
EIB および EIF の優先債権者の地位および EIB 定款による保護は、満期時におけるグループ資産の全額
回収を保証すると思われるため、グループは期末現在、欧州連合加盟国ソブリン債および欧州連合加
盟国ソブリン保証債のエクスポージャーに関して、減損を計上しなかった。
保証を含むグループの貸付業務を通じた英国に所在している債務者に対する実行済のエクスポー
ジャーは、 2019 年12月31日現在、 378 億ユーロ( 2018 年: 377 億ユーロ)であり、英国の保証人が存在
する外国の債務者に対するエクスポージャーは、 13億ユーロ( 2018 年13億ユーロ)であった。 2019 年
12月31日および 2018 年12月31に日のいずれの時点でも、グループは、英国を債務者とする直接的なエ
クスポージャーを有しておらず、また英国が保証する実行済の貸付金は、 2019 年12月31日現在で 22億
ユーロ( 2018 年: 21億ユーロ)であった。
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以下の表は、 EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・
パッケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて欧州連合域内および欧州連合域外で供与
された貸付金に係るソブリン信用リスクに関する情報を開示している。
2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ )
保証人と 保証人と
債務者となっているもの 債務者となっているもの
なっている なっている
もの もの
国名 実行済金額 未実行金額 契約済金額 実行済金額 未実行金額 契約済金額
オーストリア 0 0 39 0 0 45
ベルギー 0 0 83 0 0 98
ブルガリア 966 300 110 913 350 0
クロアチア 630 300 3,077 650 300 2,909
キプロス 938 242 1,423 920 239 1,441
チェコ共和国 1,512 453 16 1,672 0 43
デンマーク 0 0 244 0 0 45
エストニア 597 0 106 454 215 114
フィンランド 11 0 70 20 0 83
フランス 0 0 3,005 0 0 2,924
ドイツ 0 0 1,415 0 0 1,477
ギリシャ 9,151 769 8,544 9,035 414 8,065
ハンガリー 6,062 1,381 977 6,098 1,040 1,231
アイルランド 1,318 370 1,330 1,209 470 1,195
イタリア 3,263 1,100 4,619 3,387 1,150 3,153
ラトビア 410 400 30 420 200 38
リトアニア 1,536 0 53 1,324 300 54
ルクセンブルク 302 0 254 301 0 66
マルタ 0 72 339 0 72 302
オランダ 0 0 80 0 0 80
ポーランド 8,263 540 18,819 9,137 852 17,935
ポルトガル 1,359 400 4,223 1,389 400 4,630
ルーマニア 1,600 2,130 0 1,756 2,130 0
スロバキア 2,306 989 50 2,191 1,140 51
スロベニア 618 400 1,850 613 400 1,820
スペイン 5,777 400 26,127 5,057 1,200 27,446
スウェーデン 0 0 45 0 0 44
イギリス 0 0 2,925 0 0 2,668
(1)
1,529 2,541 5,144 1,383 1,886 5,782
非EU加盟国
48,148 12,787 84,997 47,929 12,758 83,739
合計
(1) うち、 1,423 百万ユーロは、欧州連合域内業務に係る欧州連合加盟国政府債の担保である( 2018 年: 1,560 百万ユー
ロ)。
さらに注 S.2.3.2 に記載したとおり、欧州連合域外への貸付金( EIB の自己のリスク負担のファシリ
ティ群に基づく貸付またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保証に基づくものを除
く)は、最終的には、欧州連合や加盟国(アフリカ、カリブ海および太平洋諸国ならびに海外の属国
および属領への貸付金の場合)の保証により担保されている。このカテゴリーに該当する貸付金の
(1)
2019 年12月31日現在の契約済エクスポージャーは、計 50,082 百万ユーロ (2018 年: 48,236 百万ユー
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ロ)である。この 50,082 百万ユーロのうち、 45,813 百万ユーロ( 2018 年: 44,175 百万ユーロ)は欧州
連合の保証が付され、 4,269 百万ユーロ( 2018 年: 4,061 百万ユーロ)は加盟国により保証が付されて
いる。
(1) このうち 3,969 百万ユーロ( 2018 年: 4,530 百万ユーロ)は、リスク・シェアリング業務(加盟国保証
または政治リスク保証の形での EU予算により信用補完されている)による。
S.2.3.3.2. 貸付金の最大信用リスク・エクスポージャーにおけるリスク集中度
グループの貸付金ポートフォリオは、次の地域別に分析することができる(債務者の所在国に基づ
く)。
2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ )
契約済貸付金の 契約済貸付金の
エクスポージャー エクスポージャー
(1)
EU 499,596 493,165
そのうち
-ドイツ
43,468 42,234
-スペイン
78,673 80,107
-イタリア
59,665 60,173
-フランス
58,385 57,237
-イギリス
47,017 46,885
(2)
拡大国 6,702 7,830
(3)
11,199 10,757
パートナーシップ参加国
517,497 511,752
合計
(1) EIB 定款第 16条(旧第 18条)に従い総務会の承認を受けた欧州連合域外の貸付金、および EFTA 諸国の貸付金を含む。
(2) 2019 年末時点の拡大国は、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、北マケドニア、モンテネグロ、セル
ビア、トルコである。
(3) パートナーシップ参加国の貸付金は、地中海パートナーシップ・ファシリティ、加盟候補国向ファシリティ、リス
ク・シェアリングでの貸付金を含む。
リスク管理の重大な要素は、十分な信用エクスポージャー分散を徹底することである。グループ
は、景気サイクルに敏感に反応しうる業種、変動が激しくなりうる業種、または重大な変化に直面し
ている可能性がある業種に特に注意を払いながら、業種のリスクセクター別のグローバル・エクス
ポージャー(次の表に表示)を追跡調査している。
(債務者の業種に基づく)グループの貸付金ポートフォリオの業種別分析は、次のとおりである。
2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ )
契約済貸付金の 契約済貸付金の
エクスポージャー エクスポージャー
エネルギー 50,196 51,279
運輸 72,522 71,432
電気通信 11,004 10,737
上下水道施設 17,936 18,312
その他インフラ 3,025 2,597
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農業・林業・漁業 185 162
工業 27,708 27,197
(1)
サービス 322,788 318,654
12,133 11,382
医療・教育
517,497 511,752
合計
(1) 「サービス」には、銀行セクターの信用エクスポージャーも算入されている。 2019 年末現在、銀行セクターの貸付
先に対する直接的なエクスポージャーは、計 134,688 百万ユーロ( 2018 年末: 136,187 百万ユーロ)であった。貸付
先の銀行に対するエクスポージャーには、経営委員会の承認を受けた限度枠が設けられている。特定の場合には、
限度枠を一時的に停止、制限、あるいは取消した。グループは公表されるニュース、特に外部格付の変更を日々追
跡調査している。
グループでは、単一の債務者、債務者群または業種への貸付可能額に上限を設けている。加えて、
クレジット・バリュー・アット・リスク(「 CVaR 」)の概念に基づき、信用リスク集中度の動向を追
跡調査している。この追跡調査は、債務者の信用の質的変化に伴う債務価額の変動に起因するポート
フォリオ・リスクの評価ツールを用いて行っている。この方法はポートフォリオ全体のリスクを評価
すると同時に、債務者間の信用の質の変化の相関性も監視していることが重要である。これにより、
グループはポートフォリオの分散のメリットまたは過度の集中の可能性を直接算定できる。
次の表は、グループが追跡調査している集中度指標の 2019 年12月31日および 2018 年12月31日現在の
値を示したものである。
額面ベースおよびリスク加重ベースのグループの
2019 年 2018 年
(1)
12月31日 12月31日
エクスポージャー上位
額面ベースのエクスポージャー
(グループの貸付金ポートフォリオに対する割合)
上位3件 3.8% 4.0%
上位5件 5.5% 5.8%
上位 10件 9.1% 9.7%
エクスポージャー件数
(グループの自己資本に対する割合)
10%超 2 3
15%超 0 0
20%超 0 0
グループの自己資本の5%を超える SSSR の
1 2
(2)
エクスポージャー件数
大型のリスク加重エクスポージャー全件の合計
35.9% 43.3%
(3)
(グループの自己資本に対する割合)
(1) 財務業務の市場エクスポージャー純額も含む。
(2) 契約書の署名数に関係なく、グループが独立した第三者または他の形の自律的担保に対する実質的な請求権を持っ
ていない場合の貸付業務を示すため、「シングル・シグネチャー」かつ「シングル・リスク」(端的には「無担
保」あるいは「 SSSR 」)の貸付金という表現が用いられる。
(3) グループでは、大型の個別エクスポージャーを、リスク加重ベースで計算した場合にグループの自己資本比が5%
以上になる連結グループ・エクスポージャーと定義している。この定義は、加盟国への貸付金および加盟国による
明示的な保証が十分に付加されている貸付金を除く貸付における、債務者または保証人に適用される。
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S.2.3.3.3. 貸付金に係る延滞
延滞額の特定、監視、報告は、全行的な「財務的監視ガイドラインおよび手続き」に定義される手
続きに従って行われている。これらの延滞のフォローアップに関する手続きは、 EIB が管理しているす
べての貸付金に一貫して適用されている。
1. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されていない貸付金の延滞:
2019 年12月31日現在、自己資金源からの貸付金で 90日を超える延滞が生じ、欧州連合または加盟国
の包括保証により担保されていないものは、 146.0 百万ユーロ( 2018 年: 176.4 百万ユーロ)である。
2019 年12月31日現在のこれらの延滞が生じている貸付金に関連する元本額面金額は、 200.0 百万ユー
ロ( 2018 年: 214.5 百万ユーロ)である。これらの延滞が生じている貸付金は、減損引当金 164.9 百万
ユーロ( 2018 年: 177.6 百万ユーロ)によりカバーされている。
2019 年中、 88.6 百万ユーロ( 2018 年: 65.2 百万ユーロ)の請求払民間保証に基づく保証の履行請求
が行われた。
2a. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証(請求可能)により担保されている貸付金
の延滞:
このような貸付金については、期限を超過した場合に、該当する場合はまず第一次保証の履行の請
求が行われ、それ以外の場合は加盟国または欧州連合による保証の履行が正式に請求される。
2019 年12月31日現在、こうした 90日超の延滞が生じている額は 2.3 百万ユーロ( 2018 年: 2.3 百万
ユーロ)であった。
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2b. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されている貸付金の延滞につい
ての保証請求:
2019 年中、 54.8 百万ユーロの欧州連合による保証の履行の請求が行われ、加盟国保証の履行の請求
はなかった。 2018 年における対応する金額は、それぞれ 134.0 百万ユーロおよびゼロであった。
2019 年中、以前に欧州連合または加盟国による保証に基づく請求が行われた金額のうち、 0.1 百万
ユーロが返金された。 2018 年における対応する金額は、 4.9 百万ユーロであった。
(1)
2019 年12月31日現在、欧州連合または加盟国から受けている信用補完 の額面金額合計は、
28,083.9 百万ユーロ( 2018 年: 27,305.9 百万ユーロ)である。
(1) 最終的に欧州連合予算や加盟国の保証により担保されている欧州連合域外への貸付金を除く。
貸付金の再交渉と支払猶予
グループは、支払猶予措置がとられた貸付金を、支払猶予貸付金(すなわち、貸付金、負債証券お
よびローン・コミットメント)とみなしている。支払猶予措置はグループの「譲歩」によるもので、
財務困難により契約上の債務返済条項を遵守できないとみなされる債務者に対して、債務返済または
契約の全部もしくは一部の借換えができるようにするために、グループが決定するものである。エク
スポージャーは、 (i) 延滞の有無、 (ii) 当該エクスポージャーが減損に分類されているか否か、または
(iii) 当該エクスポージャーが債務不履行に分類されているか否かに関わらず、譲歩が行われた場合に
は支払猶予として取り扱う。債務者が財務困難に陥っていない場合には、当該エクスポージャーは支
払猶予として取り扱わない。
通常の事業の過程においては、再交渉の前に問題が生じている貸付金の貸付金格付( LG)は低下し
ており、貸付金は要注意リストに入れられ、減損の「3ステージ」モデルでステージ1からステージ
2に変更される。再交渉後に、 EIB は、当該貸付金を厳格に監視し続け、当該金融資産は信用減損があ
るとされ、ステージ3に変更される。その後に貸付金格付が十分に回復した場合には、 EIB の手続きに
沿って、当該貸付金はその段階で要注意リストから除かれる。
グループが報告期間中に着手した支払猶予措置および手続きには、返済期限の延期、元本返済のみ
の繰延、元利返済の繰延、重大な財務制限条項の破棄および延滞金の元本算入が含まれるが、これら
に限定されるわけではない。
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支払猶予措置の対象である貸付金は、以下の表のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(単位:百万ユーロ )
支払猶予措置の対象となった契約件数
74 61
帳簿価額(金利および延滞金額を含む) 3,716 3,054
認識された ECL 引当金 350 344
支払猶予された契約に係る受取利息 116 89
償却/認識中止されたエクスポージャー
28 67
(取引終了/貸付金売却後)
支払猶予措置
契約上の
重大な財務
2018 年 2019 年
返済期限の 元本および
返済および
(単位:百万ユーロ )
制限条項の その他
12月31日 12月31日
延期 利息の繰延
(1)
破棄
契約終了
公共機関 791 0 0 11 142 -87 857
銀行 135 0 0 179 6 -20 300
2,128 10 37 571 115 -302 2,559
企業
合計 3,054 10 37 761 263 -409 3,716
(1) 減少は、 (i) 元本、利息および延滞金額の返済 (ii) 2018 年12月31日現在で支払猶予貸付金とみなされていた取引
に関して当年度中に発生した償却、ならびに (iii) 当期中の契約終了による。
支払猶予措置
契約上の
重大な財務
2017 年 2018 年
返済期限の 元本および
(単位:百万ユーロ )
制限条項の その他
返済および
12月31日 延期 利息の繰延 12月31日
破棄
契約終了
公共機関 875 0 0 23 0 -107 791
銀行 6 0 0 130 0 -1 135
1,977 0 122 268 37 -276 2,128
企業
合計 2,858 0 122 421 37 -384 3,054
S.2.3.4. 貸付金に付する担保
グループは、その貸付金エクスポージャーに関して受領した保証(注 S.2.3.3 に記載)に加え、金融
有価証券質権も使用する。これらの質権は、関連する法域で執行可能な質権設定契約によって設定さ
れる。質権設定契約により受け取った担保のポートフォリオは、 2019 年末現在 19,298 百万ユーロ
(2018 年: 21,939 百万ユーロ)である。
グループが売却するまたは再担保とすることが認められている質権設定契約に基づき、グループが
受け取った担保のポートフォリオの公正価値は、 10,189 百万ユーロ( 2018 年: 10,815 百万ユーロ)で
ある。これらの担保のうち、第三者に売却された、または再担保として差し入れられたものはない。
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実行済貸付金に対する保管担保の公正価値は、次のとおりである。
2019
保管担保
エクスポー エクスポー
(単位:百万ユーロ ) ECL
ジャー総額 ジャー純額
債券 株式 現金 合計
ステージ1 390,531 13,740 0 77 13,817 376,714 63
ステージ2 36,469 4,694 0 177 4,871 31,598 231
ステージ3 2,814 221 0 0 221 2,593 458
FVTPL 指定 21,225 297 0 92 389 20,836 0
(*)
2019 年の合計 451,039 18,952 0 346 19,298 431,741 752
(*) 2019 年中にグループが上記の担保権を行使して所有権を取得したものはなかった。
2018
保管担保
エクスポー エクスポー
(単位:百万ユーロ ) ECL
ジャー総額 ジャー純額
債券 株式 現金 合計
ステージ1 384,959 15,714 0 100 15,814 369,145 81
ステージ2 41,662 5,514 0 50 5,564 36,098 246
ステージ3 2,650 225 0 0 225 2,425 538
FVTPL 指定 20,617 336 0 0 336 20,281 0
2018 年の合計 449,888 21,789 0 150 21,939 427,949 865
S.2.3.5. 将来の経済状況に対する ECL の感応度
ECL は、将来を見越したシナリオの形成に関しての判断および仮定に対する感応度が高い。グループ
は、重要な資産クラスについて認識された ECL の感応度分析を実施している。
将来の経済状況の予測(マクロ経済シナリオを介して)は、損失引当金の計算へのインプットであ
る条件付リスク・パラメーターを作成する予測モデルへのインプットである。
シナリオは、経済活動の主要尺度である GDP にショックを与えることで得られる。実質 GDP に対する
ショックは、過去の変数のボラティリティを複製するためにその水準が調整される。また、 GDP に対す
るショックの規模および持続期間を精緻化するために、適切な場合は専門家による判断が適用され
る。その結果、ショックは減衰関数と共に決定され、経時的なショックの影響が決定される。各シナ
リオに割り当てられる確率は、市場(ボラティリティ)指標および不確実性を捕捉するために長期に
わたって一貫して使用された内部開発の指標/トラッカーを反映して決められる。プラスおよびマイ
ナスのショックの加重は経済におけるリスクのバランスに左右され、平均でマイナス 0.61 からプラス
0.55 のマイナスおよびプラスのショックがそれぞれ、過去に実施された四半期ごとの予測に適用され
た。
以下の表は、金融機関および対顧客貸付金および預け金に係る損失引当金を示している。将来を見
越したシナリオのそれぞれ(例えば、ベースライン、楽観的、悲観的)は、3シナリオ全体にシナリ
オ確率加重を適用するのではなく、 100 %加重される。
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2019 年12月31日現在
楽観的 ベースライン 悲観的
(単位:百万ユーロ)
エクスポージャー総額
金融機関 109,346 109,346 109,346
303,460 303,460 303,460
対顧客
貸倒引当金
金融機関 153 155 157
590 596 602
対顧客
S.2.4. 財務取引および代替貸付金の信用リスク
S.2.4.1. 財務取引および代替貸付金の信用リスクの測定
財務投資は、 (i) 流動性維持を主な目的とした短期金融市場の財務資産、 (ii) 第二の流動性供給源と
しての運用債券ポートフォリオ、 (iii) 欧州連合のソブリン債で構成する長期ヘッジ・ポートフォリオ
(以前の投資ポートフォリオ)、の3つに分かれる。
代替貸付金ポートフォリオは、カバード・ボンドと資産担保証券(「 ABS 」)で構成されている。カ
バード・ボンドは発行体に対する全面的遡及権があるのに対して、 ABS は、原証券を裏付けに、特別目
的事業体が発行する。カバード・ボンドは大部分が住宅抵当のプールで裏付けられている一方、大半
のABS の仕組では SME 向け貸付金またはリースによって証券化されている。
こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の救済措置を付け加えて組成されており、追
加的な回収手段を提供する。
財務取引に関する信用リスク管理方針の遵守状況は、カウンターパーティーに対して設定されてい
る資金取引および債券取引の与信限度枠を通じて監視されている。各カウンターパーティーの加重エ
クスポージャーが承認を受けている限度枠を超えることは禁じられている。
代替貸付金について、規制や格付会社によって組み込まれた信用リスク軽減手段および要件は、発
行体に信用事象が生じた場合に発動される一次的な救済策となる。上記のとおり一部の ABS 取引では、
与信またはプロジェクト関連の救済策が用意されており二次的な救済策となる。2件の代替貸付金取
引は、 EIB の要注意リストに入れられている。
財務ポートフォリオ(有価証券、コマーシャル・ペーパー、定期預金等)関連の信用リスクは、健
全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。
有価証券ポートフォリオの構成割合および財務商品残高の限度額は、主として、内部格付および格
付会社がカウンターパーティーに付与した格付を基にして、経営陣が設定している(この限度枠は、
リスク管理部門により定期的に見直しが行われる)。
グループは、取引のカウンターパーティーが契約債務を履行できなかった場合に信用リスクにさら
される可能性のある有担保リバース・リパーチェスおよびリパーチェス契約取引を行っている。グ
ループは、カウンターパーティーの信用エクスポージャーおよび担保価値を日次でモニターし、必要
に応じて、グループに追加担保を差し入れるよう要求することで、これらの業務に関連した信用リス
クを統制している。
三者間リバース・レポは、第三者保管機関と共同で行われる。第三者保管機関は、枠組み契約に
従って特に以下に関する契約条件の遵守を保証する。
- 支払引替渡し
- 担保の検証
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- 貸手が要求する担保マージン。これは常に充分かつ充当可能であることが必要であり、保管機
関は、当該有価証券の時価を日々検証しなければならない。
- 契約要件をすべて満たす代替担保の組成
財務投資総額は、様々なポートフォリオおよび分散化された商品(預け金、有価証券およびデリバ
ティブ商品)に配分される。
同等のムーディーズ格付別の信用リスク・エクスポージャー(帳簿価額総額に基づく。)
2019 年
信用減損の 信用減損の
12ヵ月 ECL 合計
ない全期間 ECL ある全期間 ECL
(単位:百万ユーロ )
償却原価で測定される資金運用資産
および代替貸付金
Aaa 4,635 0 0 4,635
Aa1 から Aa3 50,992 471 0 51,463
A1から A3 36,795 0 0 36,795
Baa1 から Baa3 1,670 736 0 2,406
1,002 463 0 1,465
Baa3 未満
95,094 1,670 0 96,764
償却原価での帳簿価額総額
-7 -12 0 -19
貸倒引当金
95,087 1,658 0 96,745
償却原価での正味帳簿価額
2018 年
信用減損の 信用減損の
12ヵ月 ECL 合計
ない全期間 ECL ある全期間 ECL
(単位:百万ユーロ )
償却原価で測定される資金運用資産
および代替貸付金
Aaa 24,167 0 0 24,167
Aa1 から Aa3 34,068 494 0 34,562
A1から A3 30,456 0 0 30,456
Baa1 から Baa3 3,899 421 0 4,320
1,017 704 0 1,721
Baa3 未満
93,607 1,619 0 95,226
償却原価での帳簿価額総額
-7 -14 0 -21
貸倒引当金
93,600 1,605 0 95,205
償却原価での正味帳簿価額
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2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ )
FVTPL で測定される資金運用資産
および代替貸付金
Aaa 1,424 1,677
Aa1 から Aa3 1,477 2,175
A1から A3 1,181 2,112
Baa1 から Baa3 304 55
Baa3 未満 498 456
23 0
格付なし
4,907 6,475
FVTPL での帳簿価額
S.2.4.2. 財務取引に供する担保
受取担保
2019 年12月31日現在の名目残高 24,622 百万ユーロ( 2018 年: 10,023 百万ユーロ)のリバース・リ
パーチェス契約は財務取引に係る受取担保が伴う取引であり、グループはこのうち 18,008 百万ユーロ
(2018 年: 8,482 百万ユーロ)について財務担保、 6,614 百万ユーロ( 2018 年: 1,541 百万ユーロ)につ
いてコモディティを受領している。エクスポージャーは、全額が担保されており、追加担保請求は
日々行われる。担保ポートフォリオの市場価格は監視されており、原契約に準拠して、必要に応じて
追加担保が請求される。担保として受け取った有価証券の時価は、 2019 年12月31日現在、 18,544 百万
ユーロ( 2018 年: 8,786 百万ユーロ)であった。
これらの受取担保のうち、 2019 度年および 2018 年度末時点で、グループが担保権を行使して所有権
を取得したものはなかった。グループが受領した担保は、当年度中、資金調達業務のために再利用さ
れた。
預託担保
二者間および三者間リパーチェス契約は、財務取引に係る担保差入れが伴う取引であり、その残高
は2019 年12月31日現在 1,182 百万ユーロ( 2018 年:ゼロ)であった。二者間および三者間リパーチェス
契約の下で差し入れられている担保(ルクセンブルク中央銀行への差入れを除く)の時価は、 2019 年
12月31日現在、 1,182 百万ユーロ( 2018 年:ゼロ)であった。
ユーロ制度の通貨政策の運用との関連で、グループは、 2019 年12月31日現在、時価 31億ユーロの有
価証券をルクセンブルク中央銀行に預託している( 2018 年: 31億ユーロ)。 2019 年12月31日現在、先
物取引について差し入れられている現金担保はなかった( 2018 年:ゼロ)。
S.2.4.3. 貸借対照表日現在で認識の中止がなかった譲渡資産
グループの資産のうち、譲渡されたが貸借対照表日現在で認識の中止がなかった資産はなかった。
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S.2.5. デリバティブの信用リスク
S.2.5.1. デリバティブの信用リスク管理方針
デリバティブ取引の信用リスク管理方針は、スワップ・カウンターパーティーの資格条件と格付制
限の定義に基づいている。信用エクスポージャーを削減するため、グループはほとんどの現行契約下
にあるスワップ・カウンターパーティーとクレジット・サポート・アネックスを交わしており、エク
スポージャーが契約で定義されている所定の信用極度額を上回った場合に担保を受け取る。
デリバティブに関する信用リスクは、カウンターパーティーが契約債務を履行できない場合にグ
ループが被りうる損失に関連する。
デリバティブ取引の特殊な性質および複雑さを考慮し、当該金融商品の利用から生ずる損失に対し
てEIB を保護するための一連の手続きが整備されている。
取引契約の枠組み
グループの長期デリバティブ取引はすべて、スワップ取引のマスター契約と、該当する場合にはエ
クスポージャーに対する担保差入条件が明記されているクレジット・サポート・アネックスの枠組み
の中で行われる。これらは一般的に採用され、実施されている契約の様式である。
カウンターパーティーの選択
取引開始時の格付は、 A3以上と定められている。格付がある一定のレベルを下回った場合には EIB は
期限前に契約を解除する権利を有する。
担保設定
- (限度枠を超過した)エクスポージャーに対しては、現金や債券の担保が差入れられるため、
スワップに係る信用リスクは一般的に軽減されている。
- 複雑で流動性の低い取引の場合は、現在の時価以上の担保が要求される。
- 個々のカウンターパーティーとのデリバティブ・ポートフォリオと受取担保は毎日モニターさ
れて評価され、それを受けて追加担保が請求されるか、担保の引出しが行われる。
担保所要額は、カウンターパーティーの信用リスクの評価によって決まる。担保および評価パラ
メーターの許容範囲に関する指針が、定められている。
ISDA 契約の一環として、グループは、売却または再担保とすることが認められている有価証券や現
金を受け取っている。そのような条件の下で受け取った有価証券の公正価値は、 2019 年12月31日現
在、 21,104 百万ユーロ( 2018 年: 15,174 百万ユーロ)で、担保の性質および格付に基づいた詳細は、
以下のとおりであった。
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スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券 現金
政府機関債、
2019 年の
同等のムーディーズ格付
国際機関債、
合計
政府債
ファンド
ブリーフ債
Aaa 1,509 2,765 0 4,274
Aa1 から Aa3 4,643 0 0 4,643
A1から A3 674 0 0 674
Baa1 から Baa3 4,605 0 0 4,605
Baa3 未満 621 0 0 621
0 0 6,287 6,287
格付なし
12,052 2,765 6,287 21,104
2019 年の合計
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券 現金
政府機関債、
2018 年の
同等のムーディーズ格付
国際機関債、
合計
政府債
ファンド
ブリーフ債
Aaa 1,870 1,628 0 3,498
Aa1 から Aa3 3,684 0 0 3,684
A1から A3 1,355 0 0 1,355
Baa1 から Baa3 2,046 0 0 2,046
Baa3 未満 468 0 0 468
0 0 4,123 4,123
格付なし
9,423 1,628 4,123 15,174
2018 年の合計
EIB は、 ITシステムである担保管理システム( CMS )の使用を開始した。 CMS の主な目的は、 EIB がレ
ポ目的で資産と有担保市場の受入担保のリアルタイムの一覧を確実に利用できるようにする点にあ
る。貸付金、デリバティブ、リバース・レポおよびレポに対する担保として受け入れた有価証券は、
市場価格サービス・プロバイダー(すなわち、ブルームバーグ)から提供された活発な市場の相場価
格を用いて、または相場価格が入手不可能な場合は市場ベースの評価額を使用して、 CMS で日次評価さ
れる。
S.2.5.2. デリバティブの信用リスクの測定
デリバティブ関連の信用リスクは様々なパラメーターにより変化し(例えば金利や為替レート)、
一般的に想定元本のごく一部に相当するに過ぎない。 BIS のバーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)の勧
告に従い、 EIB は、財務報告と限度枠のモニタリングにはカレント無担保エクスポージャーとポテン
シャル・フューチャー・エクスポージャーを使用し、資本配分には信用リスク相当額を使用して、ス
ワップ取引およびデリバティブ取引に関する信用リスク・エクスポージャーを測定している。
EIB は、カレント無担保エクスポージャーを、ゼロと、カウンターパーティーとのネッティング・
セットに含まれている取引ポートフォリオの時価から受入担保の価値を差し引いた数値のいずれか大
きな方の値で測定している。これは、カウンターパーティーが不履行を起こした場合に生ずる損失に
相当する金額で、受領した担保を相殺に充当し、取引の回収価値をゼロとした上で、すべての取引に
つき直ちにスワップ・カウンターパーティーの代替を行うことを想定している。 2019 年12月31日現在
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のカレント無担保エクスポージャーは 816 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在: 746 百万ユーロ)であっ
た。
さらに EIB は、リスクのマージン期間中(取引ポートフォリオにより 10日間から 20日間)にネッティ
ング・セットに生ずる可能性のあるエクスポージャーの増加を考慮した、ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーを計算している。 EIB は、保守的な見積りを出すため、ストレス下の市場パ
ラメーターに基づき、また信頼区間を 90%として、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャー
を計算している。これは、重要な市場参加者の不履行があった場合に生じるであろう状況を考慮する
ための規制当局の勧告に沿ったものである。 2019 年12月31日現在の初期ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーは 10,354 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在: 10,138 百万ユーロ)であっ
た。
限度枠
銀行向け限度枠システムは、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを3種の期間グルー
プ(1年未満、1年以上5年以下および5年超)と2種の格付シナリオ(現状維持および A3格未満へ
の格下げ)でカバーする。
デリバティブ・ポートフォリオは毎日評価され、限度枠との比較が行われる。 2019 年に導入された
この新しいポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーは、 2018 年まで報告されていたトータル
無担保エクスポージャーと起源を同じくする。
下表にあるように、デリバティブ・ポートフォリオの大部分は、 A3格以上に格付されたカウンター
パーティーに集中している。
カレント無担保 無担保
エクスポージャー エクスポージャー総額
額面価額割合
格付グループ
(単位:百万ユーロ ) (単位:百万ユーロ )
同等のムーディーズ格付 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
Aaa
0.48% 0.49% 448 61 994 61
Aa1 から Aa3 25.47% 24.13% 204 490 2,696 2,749
A1から A3 65.94% 65.41% 113 168 6,364 7,036
8.11% 9.97% 51 27 300 292
A3未満
合計 100.00% 100.00% 816 746 10,354 10,138
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次の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の主要デリバティブ・カウンターパーティーに対する
集中度を示したものである。
2019 年 2018 年
額面ベースのエクスポージャー
(グループのデリバティブ・ポートフォリオに対する割合):
上位3件 33.2% 32.9%
上位 10件 68.0% 65.2%
上位 25件 96.2% 95.3%
カレント無担保エクスポージャー:
上位3件 68.2% 36.5%
上位 10件 95.6% 84.7%
上位 25件 100.0% 100.0%
ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャー:
上位3件 33.9% 37.3%
上位 10件 66.6% 73.6%
上位 25件 96.1% 96.0%
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した通貨スワップ(ストラクチャード・ス
ワップを含み、短期通貨スワップを除く)の満期を示している。
1年超 5年超 2019 年の
2019 年12月31日現在の通貨スワップ
1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
40,347 116,134 39,584 23,675 219,740
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
-197 1,537 1,990 1,248 4,578
(*)
CollVA を含む割引価値(純額))
1年超 5年超 2018 年の
2018 年12月31日現在の通貨スワップ
1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
40,522 107,503 41,882 20,958 210,865
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
-617 -244 2,124 1,435 2,698
(*)
CollVA を含む割引価値(純額))
(*) 2019 年12月31日現在 1,350 百万ユーロ( 2018 年: 1,513 百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ通貨スワップの公
正価値を含む。
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した金利スワップ(ストラクチャード・ス
ワップを含む)の満期を示している。
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1年超 5年超 2019 年の
2019 年12月31日現在の金利スワップ
1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
65,329 215,856 125,751 133,743 540,679
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
231 5,260 5,683 1,208 12,382
(*)
CollVA を含む割引価値(純額))
1年超 5年超 2018 年の
2018 年12月31日現在の金利スワップ
1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本
58,521 207,711 137,869 131,579 535,680
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
248 3,110 5,350 152 8,860
(*)
CollVA を含む割引価値(純額))
(*) 2019 年12月31日現在マイナス 803 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 406 百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ金利
スワップの公正価値を含む。
グループは、通常そのリスクヘッジ方針に関連してオプション取引を行っていない。ただし、金融
市場でより低いコストで資金を調達するという戦略の一環として、 EIB は、その価額が各種の金利、為
替レート、インフレ率、株価指数、および IRボラティリティ等により変動する借入契約および貸付を
締結している。このようなストラクチャード借入金および貸付金は、関連する市場リスクをヘッジす
るためのスワップ契約により完全にカバーされている。組込オプション契約は、すべて店頭取引で行
われる。
上の表は、ストラクチャード・スワップの想定元本および公正価値を、クロス・カレンシー要素を
含んでいるか否かに基づいて示している。以下の表は、ストラクチャード・スワップの取引件数、公
正価値および想定元本の詳細を示している。
2019 年12月31日現在のストラク
特別なストラクチャーに
期限前解約が
チャード・スワップ
株価指数 基づくクーポンまたは
組み込まれているもの
類似するもの
(単位:百万ユーロ)
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
取引件数 138 156 1 1 264 266
想定元本(単位:百万ユーロ) 5,049 5,796 500 500 19,770 21,420
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA
および CollVA を含む割引価値
(純額))(単位:百万ユー
ロ) 681 376 17 -28 -2,627 -2,473
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。デ
リバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや仮定
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が評価技法に取り入れられることもある。一般的に、これらのスワップ取引に関する信用リスクは定
期的に監視されている担保により保全されていることから低減されている。
2019 年12月31日現在、未決済の先物契約も金利先渡契約もなかった( 2018 年も同じ)。
S.2.5.3. 保証の信用リスク
自己資金を原資とするグループの保証取引から生じる信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細
な行内指針に従って管理されている。
2019 年12月31日現在、契約済エクスポージャーは計 205 億ユーロ( 2018 年: 185 億ユーロ)であっ
た。グループにより保証された実行済貸付金に係るエクスポージャーは 87億ユーロ( 2018 年: 89億
ユーロ)であり、かかる保証について計上された負債および引当金は 19.8 百万ユーロ( 2018 年: 30.0
百万ユーロ)であった。
統治機関の承認を受けた詳細な行内指針により、グループが、商品範囲、対象地域、カウンター
パーティー別のエクスポージャー、債務者別のエクスポージャー、業種別の集中度という点で分散し
ている保証ポートフォリオを引き続き展開するよう徹底されている他、エクスポージャーの格付に基
づく資本配分規則も規定されている。
グループの取引が細分化していることから、集中リスクは限定的である。通常、組入れているポー
トフォリオは、単一の債務者への集中度、業種セクター、地域の多様化という点において高度に分散
化している。集中リスクに対処するため、グループは(資本配分に基づき)取引ごとに原債権者レベ
ルで厳格な限度額(原債権者(群)に対するエクスポージャー合計の上限)を設けている。
グループ自らリスクを負担する保証業務においては、当初から案件ごとに信用リスクを追跡管理す
る一方、組入れられているポートフォリオのグラニュラリティ(分散度)や同質度に応じて、異なる
モデル分析法を採用している。業種セクター別エクスポージャーは、グループが各取引または各トラ
ンシェに付与した格付に及ぼす影響を通じて、案件ごとに分析される。例えば、取引分析に使用され
る財務モデルによって、業種別エクスポージャーは黙示的な相関として反映され、あるいはモデルに
入力する主要変数としてのデフォルト率の変動性の仮定を通して間接的に捕捉することができる。
さらに、ポートフォリオ内で集中度が高い業種セクターの現状や予想等の定性指標を用いて、それ
ぞれの案件ごとに集中度に対するエクスポージャーを分析している。例外的に、一部の案件では、同
一の(広義の)業種セクターにエクスポージャーが集中している。その場合は、通常、グループに有
益な信用補完の強化(優先劣後構造設定等)によって対処する。信用補完という特性を有する案件
は、通常、単一の債務者に対するエクスポージャーの上限、債務者上位5者に対する合計エクスポー
ジャーの上限、業種別集中度の上限等、ポートフォリオ基準を設けている。グループ全体のポート
フォリオ分析の一環として、業種セクター別のエクスポージャーも検討している。
カウンターパーティー・リスクに関しては、グループのカウンターパーティー(通常は主要市場参
加者)の質に注意を払うことによって、リスクを軽減している。残存期間中の手続きやプロセスの遵
守状況を確認するため、監視目的の現地調査を別途行っている。また極端な場合の仮定を含めた保証
ポートフォリオ・ストレステストのシナリオで定期的にテストを実施し、悪影響に耐えうる資本基盤
であるかを判定している。
各内部格付の信用リスク・エクスポージャー(単位:百万ユーロ)
2019 年
信用減損のない 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
全期間 ECL 全期間 ECL
金融保証
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内部格付 1-最小信用リスク 51 0 0 51
内部格付 2-非常に低い信用リスク 4,508 0 0 4,508
内部格付 3-低信用リスク 1,673 0 0 1,673
内部格付 4-中程度の信用リスク 9,701 0 0 9,701
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 2,591 182 0 2,773
内部格付 6-高信用リスク 1,635 3 0 1,638
内部格付 7-非常に高い信用リスク 6 145 51 202
0 0 0 0
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先
信用リスク・エクスポージャー合計 20,165 330 51 20,546
帳簿価額 6 1 12 19
2018 年
信用減損のない 信用減損のある
12ヵ月 ECL 合計
全期間 ECL 全期間 ECL
金融保証
内部格付 1-最小信用リスク 164 0 0 164
内部格付 2-非常に低い信用リスク 3,393 7 0 3,400
内部格付 3-低信用リスク 1,856 0 0 1,856
内部格付 4-中程度の信用リスク 8,071 50 0 8,121
内部格付 5-財務的に脆弱な貸付先 2,668 70 0 2,738
内部格付 6-高信用リスク 1,693 165 13 1,871
内部格付 7-非常に高い信用リスク 0 269 11 280
0 0 45 45
内部格付 8-デフォルト状態の貸付先
信用リスク・エクスポージャー合計 17,845 561 69 18,475
帳簿価額 12 4 15 31
S.3. 流動性リスク
流動性リスクは、資産の増加に対応して資金を調達し、期限の到来した債務を弁済することを、受
入不能な損失を負担することなしに行うグループの能力に関するリスクである。それは、さらに資金
流動性リスクと市場流動性リスクに分けることができる。
資金流動性リスクとは、連結貸借対照表の資産を支え、容易に利用できる流動性リソースから期限
どおりに債務を全額返済することができなくなるリスクに関するものである。資金流動性リスクは、
支払義務の履行に関する差し迫ったリスクおよびこれに伴う不利な条件での借入を増加させうるた
め、グループのポジションの経済価値あるいはグループのポジションから生み出される収益の変動性
に影響を与える可能性がある。
市場流動性リスクとは、ポジション残高を相殺、解消、または削減するための取引を合理的な市場
価格で執行できないかもしれないという理由で、グループのポジションの経済価値の変動、または同
ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。取引を執行できないことにより、清算を避け
た方が良いと思われる場合でも好ましくない価格で早い段階に当該資産を清算せざるを得なくなるお
それがある。このリスクは、取引される証券の流動性と比較したポジションの規模、ならびに市場の
アベイラビリティおよび効率性の悪化と密接に関係している。
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S.3.1. 流動性リスク管理
EIB の流動性リスク管理
EIB の中核業務活動を妥当なコストで正常に機能させるため、流動性リスクは慎重に管理されてい
る。流動性リスク管理方針の主な目的は、 EIB が常に期限内に支払債務を満額履行できることの確保に
ある。商業銀行とは対照的に、 EIB は個人預金を保有しておらず、顧客に貸し付ける資金の調達を資本
市場に依存している。
EIB は慎重に流動性バッファーを維持するため、新規発行予定を管理している。流動性維持計画で
は、 EIB の債務の元利払いおよび貸付金の実行によるキャッシュ・アウトフローならびに貸付金ポート
フォリオからのキャッシュ・インフローを考慮している。また、流動性維持計画では、一般的に債務
者の要請に応じて実行される多額の契約済未実行貸付金も考慮している。
EIB は、短期流動資産を十分な水準に保つこと、および資金需要予測に応じて自行の募集有価証券の
償還日を分散することによって、流動性リスクの管理を一層確実にしている。流動性リスク管理方針
には、資金水準の下限も盛り込まれている。 EIB の全体的な流動性比率(見積年間ネット・キャッ
シュ・フローに対する目標比率と定義)は、常に翌年の見積年間ネット・キャッシュ・フローの 25%
を上回っていることが、義務付けられている。
EIB は非常時資金調達計画( CFP )を定めており、そこでは適切な意思決定手続とそれに対応する責
任分担が定められている。 CFP は定期的にバーゼル銀行監督委員会の原則およびその他の適切なベス
ト・プラクティスを基準にテストおよび評価されている。 CFP は理事会によって毎年承認される。
EIB の特定の事業モデルに合わせて策定された定期的なストレス・テスト分析は、流動性リスク・モ
ニタリングの一環として実施され、 EIB の流動性バッファーの規模を決定する。
2009 年7月8日にユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティー
となったことから、 EIB も欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加できることとなった。 EIB
は、最低預金準備率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策
オペレーションを実施する。
EIB は日次で流動性カバレッジ比率(「 LCR 」)を欧州連合 CRR 要件に沿って、機能通貨(ユーロ)だ
けでなく、他の重要な通貨についても計算している。 EIB は、過度の通貨のミスマッチを防止するため
に、流動性資産の通貨と正味流動性の流出の通貨の整合性を継続的にとることを確実にしている。
2019 年末現在、流動性カバレッジ比率は 483.4 %( 2018 年末は 182.4 %)であった。
EIF の流動性リスク管理
払込資本金の価値を損なうことなく、今後生じうる保証請求、プライベート・エクイティ・コミッ
トメント、および一般管理費の支出に対応する適切な水準の流動性を確保し、かつリスク最小化に配
慮しながら投資資産で合理的な収益を獲得できるような方法で、流動性リスクは管理されている。
S.3.2. 流動性リスクの測定
以下の表は、貸借対照表日から契約上の満期日(契約で定められている割引前キャッシュ・フロー
に基づく)までの残存期間別の、グループ金融負債残高を示している。契約によって定められた満期
日のない負債は、「満期日未確定」に区分されている。表の値は、利札を含めた割引前キャッシュ・
フローを示しているため、連結貸借対照表計上の数値と一致していない。
元本のキャッシュ・フローと利息は、契約上生じうる最初の返済日に対応する欄に算入されてい
る。したがってこれは予想シナリオではなくむしろ理論上のシナリオを表している。
借入金および関連するスワップの一部は、ヘッジ・スワップの契約相手に期限前解約条項もしくは
コール・オプションを認めており、グループにも関連債券を期限前償還する権利を与えている。その
場合、キャッシュ・フローは可能性のある最初の償還可能日に対応する欄に表示されている。しかし
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ながらこれは保守的措置であって、グループは契約により関連する任意償還条項付債券の期限前償還
を強制されておらず、現実的なシナリオとしては、そのようなすべての債券を最初の償還可能日に償
還する理由はない。
契約済未実行貸付金に関する流出額は、グループ内部の流動性ストレス・テスト法に従って表示さ
れている。大きなストレスがかかった場合に繰り上げて実行されうる最大貸付額は、初回満期日が該
当する欄に表示されている。
金利スワップおよび金利先渡契約については、キャッシュ・フロー純額で表示されている。他方、
総額で決済される金利デリバティブ(本質的にはクロス・カレンシー金利スワップ)および為替デリ
バティブ(為替先渡、為替スワップ等)は、満期分析ではキャッシュ・フロー総額で表示されてい
る。
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非デリバティブ金融負債の満期特性
(2019 年12月31日現在、 3ヵ月超 1年超 満期日未
流出総額
3ヵ月以内 5年超 帳簿価額
(名目値)
単位:百万ユーロ) 1年以内 5年以内 確定
金融機関および顧客に対す
る債務 9,083 0 0 0 0 9,083 9,079
コマーシャル・ペーパー 7,048 4,094 0 0 0 11,142 11,098
債務証書借入-初回償還日
の場合 26,514 53,973 233,002 187,757 0 501,246 482,229
リース負債 10 29 117 2 0 158 157
その他(供与済保証、株式
引受契約等) 0 821 0 0 30,267 31,088 0
契約済未実行貸付金に関す
13,698 1,975 6,412 683 89,978 112,746 0
る流出額
56,353 60,892 239,531 188,442 120,245 665,463 502,563
合計
非デリバティブ金融負債の満期特性
(2018 年12月31日現在、 3ヵ月超 1年超 満期日
流出総額
3ヵ月以内 5年超 帳簿価額
(名目値)
単位:百万ユーロ) 1年以内 5年以内 未確定
金融機関および顧客に対す
る債務 6,018 0 0 0 0 6,018 6,017
コマーシャル・ペーパー 9,750 359 0 0 0 10,109 10,092
債務証書借入-初回償還日
の場合 27,290 45,056 236,725 204,598 0 513,669 479,940
その他(供与済保証、株式
引受契約等) 0 817 0 0 28,256 29,073 0
契約済未実行貸付金に関す
13,094 1,506 5,138 485 85,347 105,570 0
る流出額
56,152 47,738 241,863 205,083 113,603 664,439 496,049
合計
デリバティブ金融負債の満期特性
3ヵ月超 1年超
流入/流出総
(2019 年12月31日現在、単位:百万ユーロ) 3ヵ月以内 5年超
額(名目値)
1年以内 5年以内
差金決済される金利デリバティブ 203 2,059 5,396 5,072 12,730
総額で決済される金利デリバティブ -流入額 12,320 30,246 123,092 71,100 236,758
総額で決済される金利デリバティブ -流出額 -11,924 -29,411 -117,622 -67,643 -226,600
為替デリバティブ -流入額 30,395 5,514 252 0 36,161
-29,937 -5,523 -270 0 -35,730
為替デリバティブ -流出額
1,057 2,885 10,848 8,529 23,319
合計
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デリバティブ金融負債の満期特性
3ヵ月超 1年超
流入/流出総
(2018 年12月31日現在、単位:百万ユーロ) 3ヵ月以内 5年超
額(名目値)
1年以内 5年以内
差金決済される金利デリバティブ 235 1,398 3,807 3,870 9,310
総額で決済される金利デリバティブ -流入額 19,010 24,926 117,309 73,260 234,505
総額で決済される金利デリバティブ -流出額 -17,955 -24,245 -112,400 -68,149 -222,749
為替デリバティブ -流入額 34,930 4,849 247 0 40,026
-34,831 -4,874 -262 0 -39,967
為替デリバティブ -流出額
1,389 2,054 8,701 8,981 21,125
合計
S.4. 市場リスク
市場リスクとは、金利、為替レート、株価等の市場の変動要因の変化が原因で金融商品の将来
キャッシュ・フローの正味現在価値が変動するリスクを指す。
S.4.1. 市場リスクの管理
EIB の市場リスク
EIB の信用リスク管理方針を通じて貸付業務で適用されている「4つの目」の原則と同様に、 EIB の
市場リスク管理方針も、リスク管理部門が、重大な市場リスクを伴うグループの全金融業務、および
財務ヘッジやデリバティブ取引業務等の信用リスクが生じうるすべての金融取引を監視するよう定め
ている。
市場リスクは、定期的に更新される「財務リスク・ガイドライン」(「 FRG 」)と呼ばれる一連の方
針と手続きに従って、特定され、測定され、管理され、報告される。これらの方針を下支えする一般
原則については、後述する。
ストレス・テストは、特に過去の市場動向を分析しても将来のリスクを評価するには不十分と思わ
れる場合に、将来実現しうるシナリオが EIB の利益や自己資金の経済価値に及ぼす影響を分析するため
に広く用いられている方法である。適用するシナリオは、市場レート(金利、為替レート、スプレッ
ド、株価等)の変動、流動性の状況、またはこれらに影響しうる最悪の場合、例えば突然マクロ経済
が悪化する、大口の債務者が一斉にデフォルトに陥る、広範囲にわたってシステムが故障する等の事
象に関係したシナリオのこともある。
ストレス・テストは定期的に実施されており、 EIB の経済価値や利益特性が変化した場合のテスト結
果は、 EIB の市場リスク測定プロセスの中で報告される。
EIF の市場リスク
EIF の市場リスク・エクスポージャーは、主として、現金および現金同等物のポジションならびに負
債証券投資に付随する金利リスクの形で発生する。 EIF は現在これらの保有資産のすべての平均期間を
最長5年とすることで、長期収益の大幅な変動に対して予防策を講じている。
S.4.2. 金利リスク
金利リスクとは、市場利回りや金利の期間構造の不利な動きによる、グループのポジションの経済
価値または同ポジションによる収益の予想変動率(ボラティリティ)を指す。異なる資産、負債、
ヘッジ商品の間で金利更改特性や満期特性に差異があると、金利リスク・エクスポージャーが生じ
る。
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グループの金利リスクの管理
金利リスクの測定および管理にあたり、グループはバーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)および欧
州銀行監督機構(「 EBA 」)の関連する主要原則を参考にしている。金利リスクの主要な源泉は、
ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスクである。グループに特に関係がある金利リ
スクはギャップリスクである。ギャップリスクとは、グループの金利感応商品の金利変動のタイミン
グの差異による、当該の金利感応商品の期間構造の経済価値または同商品からの収益の予想変動率
(ボラティリティ)を指す。
グループは、概念上の参考ポートフォリオに基づいて、グローバルの構造的金利ポジションを管理
している。同ポートフォリオ以外の他の業務に関する財務リスク指標および統制は、振替価格設定シ
ステムを通じて同ポートフォリオに振替えられないため各業務に残存するリスクに関係したものに限
られる。その一例が、ベンチャー・キャピタル事業の株価リスクや、主として利回り向上を目的に運
用されている財務ポートフォリオで負担する金利リスクや信用リスクである。
IBOR 改革:
IBOR をほぼ無リスクの代替品に置き換えるまたは刷新する主要金利指標の抜本的な改革への世界的
な取組みが行われている(「 IBOR 改革」または「金利指標改革」と呼ばれている)。この改革の結果
として、(ほぼ)新しい無リスク金利(「 RFR 」)が様々な通貨で出現してきている。一部の(既存
の)指標は次第に消滅するが、一部は刷新され、存続することもあり得る。
EIB は代替金利への移行を管理するために、クロスサービス IBOR 作業グループを設置した。 EIB の
ALCO が設定したこの作業グループの目的は、当行がエクスポージャーを持つ主要通貨における IBOR の
廃止および金利指標改革に関連した進展を注視し、 EIB に対するその影響を評価し、この変化に対する
最良の備えのための手段を提案することである。この作業グループは ALCO に報告する。作業グループ
は定期的な報告を提供し、 EIB 経営委員会に金利指標改革に関連する最新の動向を伝える。
商業活動および資金調達活動の一環として、 EIB は顧客への変動金利貸付金および EIB の活動に資金
提供するための発行債券に関して、 IBOR へのエクスポージャーを有している。変動金利付きの資産お
よび負債は、財務書類上取得原価で計上されている。加えて、 EIB は固定金利貸付金および借入取引の
マイクロヘッジのためにデリバティブ(主にスワップ)を利用している。また、全世界の IRおよび FX
ポジションをモニターするためにスワップの利用も行っている。金利および為替デリバティブ商品の
変動レッグは、各種の IBOR に連動している。 EIB のデリバティブ商品は、 2006 年ISDA 定義集に従ってい
る。
EIB は、最新の動向を積極的に把握し、中央銀行または専門家協会が開始した各種の作業グループに
継続的に関与している。加えて、 EIB はユーロ、米ドルおよび英ポンドにおける新しい無リスク金利指
標を参照した変動金利債券の発行の成功において先駆者的な役割を果たした。
S.4.2.1. グループの自己資金の経済価値に対する金利リスク
グループの ALM 戦略は、グループの経済価値のボラティリティを抑制しながら、バランスが良く持続
可能な収益特性を維持することを目指している。またグループ成長資金の自力調達という目標を踏ま
えて、こうした収益特性に明確な選好が定められている。かかる全体目標は、中長期投資特性に沿っ
たグループの自己資金投資によって達成されており、これは 4.5 ~5.5 年の範囲内での自己資金の投資
を意味する。
自己資金の期間目標とは別に、グループの連結貸借対照表上、通貨および金利特性に応じた資金調
達が図られるべきだとされている。しかしながら、運用上の理由から、若干の逸脱は認められてい
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る。このような若干の逸脱が残ることによって生じる残余ポジション純額は、市場リスクを最低限の
水準に維持するべく、既定の限度枠内に収めて管理されている。
(1)
グループレベルでの定期的なストレステストが EBA の標準化されたショックシナリオ に基づいて
実施されている。 2019 年12月31日現在、金利カーブに対する EBA の上方平行移動ショックの影響は、自
(2)
己資金の経済価値を 78.8 億ユーロ( 2018 年: 78.0 億ユーロ) 減少させる。
(1) EBA/GL/2018/02
(2) ストレステストは、保険数理プロバイダーの計算による年金債務( DBO )を含む、すべてのリスク感
応度の高い銀行勘定商品について実施されている。
グループのポートフォリオに組入れられている金融商品のうち、一部の取引(借入れおよび関連す
るスワップ)には償還オプションが規定されており、満期前に償還される場合があるため、最終満期
日については不確実性が組み込まれている。
キャッシュ・フロー・レベルでは、こうした借入金はすべてスワップで十分にヘッジされているた
め、 Libor または Euribor に連動する合成変動利付債とみなすことができる。
以下は、 2019 年12月31日現在および 2018 年12月31日現在のグループの任意償還条項付ポートフォリ
オの特性をまとめ、想定元本合計、平均の契約上の満期日、平均予想償還日(双方とも、当該取引の
想定元本で加重)を資金調達通貨別と関係する主要リスク・パラメーター別に表示したものである。
資金調達通貨別(スワップの影響考慮後):
支払通貨
2019 年12月31日
(*)
合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ 英ポンド 米ドル
ユーロ建想定元本 -2,263 -59 -2,360 -4,682
平均満期日 2046 年10月21日 2022 年6月 20日 2037 年8月4日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2028 年8月 25日 2021 年1月8日 2024 年10月6日 2026 年8月6日
(*) 2019 年に日本円はゼロであった。
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支払通貨
2018 年12月31日
(*)
合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ 日本円 米ドル
ユーロ建想定元本 -2,645 -23 -2,660 -5,328
平均満期日 2043 年8月6日 2032 年2月9日 2038 年2月5日 2040 年10月20日
平均予想償還日 2028 年4月 15日 2030 年11月26日 2027 年7月 30日 2027 年12月11日
(*) 2018 年に英ポンドはゼロであった。
関係するリスク・パラメーター別:
リスク・パラメーター
2019 年12月31日
合計
(単位:百万ユーロ ) 為替レートの水準 金利カーブの水準 金利カーブの勾配
ユーロ建想定元本
-533 -4,088 -61 -4,682
平均満期日 2037 年5月 21日 2042 年8月 10日 2030 年9月 16日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2027 年2月 20日 2026 年8月 12日 2020 年9月 16日 2026 年8月6日
リスク・パラメーター
2018 年12月31日
合計
(単位:百万ユーロ ) 為替レートの水準 金利カーブの水準 金利カーブの勾配
ユーロ建想定元本
-651 -4,538 -139 -5,328
平均満期日 2037 年11月1日 2041 年7月 15日 2030 年9月 16日 2040 年10月20日
平均予想償還日 2027 年11月9日 2028 年3月5日 2020 年10月4日 2027 年12月11日
S.4.2.2. グループの金利リスク管理(利益面)
利益の感応度は、金利カーブ全体が1パーセンテージ・ポイント上昇する場合、あるいは低下する
場合の向こう 12ヵ月間にわたるグループの正味受取利息の変動により定量化する。このようなエクス
ポージャーは、承認を受けた限度枠内でグループが容認する、資産と負債の間の金利更改期間、金額
または利率の不一致により生じる。
2019 年12月31日現在のポジションでは、金利が 100 ベーシス・ポイント上昇すると、利益が 76.4 百万
ユーロ( 2018 年: 123.3 百万ユーロ)増加し、金利が 100 ベーシス・ポイント低下すると、利益が 82.3
百万ユーロ( 2018 年: 118.7 百万ユーロ)減少する計算である。
グループは、案件ごとに利益のシミュレーションを実行する専用のソフトウェアで感応度指標を計
算している。利益の感応度は発生主義で測定され、分析対象期間にわたり、グループは業務計画の中
で予想されている新規貸付業務を実現し、承認を受けた限度枠内にエクスポージャーを維持し、資金
不足の補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引を執行するという「現行」の仮定に
基づいて算出される。利益に関して適時に行われる月次のシミュレーションは、固定利付項目の場合
には、すべて契約で定められた利率が維持され、変動利付項目の場合には、すべて、シミュレーショ
ンで適用された金利シナリオに応じて金利が更改されるという仮定に基づいて実施されている。資金
不足の補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引の利率は、シミュレーションで適用
された金利シナリオに応じた短期金融市場の実勢利率に等しいとされる。グループの現行実務に従
い、モデルでは、シミュレーション上の利益は株主には配分されず、グループ業務の資金補充に当て
られると仮定している。管理費は、業務計画の予想に応じて見積られる。
EIF の感応度は、グループが運用する EIF の財務および貸付金ポートフォリオに組入れられている全
ポジションの表面利率更改を考慮して、案件ごとに算出される。各固定利付財務資産は、その満期日
に、年度末における残存期間が従前資産と同じである新規資産に再投資されると仮定している。変動
利付財務資産のポジションの場合、四半期ごとに利率が更改されるとの仮定に基づいている。
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S.4.3. 為替リスク
為替(「 FX」)リスクは、為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションの経済価値の
変動、または同ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。資産と負債の間で通貨のミス
マッチがある場合に、グループは為替リスクにさらされる。
EIB は定款を遵守して、貸付業務を遂行するため、または EIB が供与する貸付金もしくは保証から発
生するコミットメントを履行するために、直接必要でない為替業務には従事しない。
グループの資産・負債構造における通貨のミスマッチは、厳しい限度額内に維持されている。
ユーロ以外の通貨で発生する金利マージンに内在する為替リスクは、通常ヘッジされている。ヘッ
ジ・プログラムは、今後3年間の米ドルおよび英ポンド建ての貸付金の金利マージンにローリング・
ベースで対応している。
S.4.3.1. 為替ポジション
ポジション(純額)(単位:百万ユーロ) 2019 年 2018 年
ユーロ( EUR ) -139 42
英ポンド( GBP ) 74 -27
米ドル( USD ) 19 -14
46 -1
その他の通貨
139 -42
ユーロ以外の通貨の合計
S.4.3.2. 為替リスク管理
定款に従い、 EIB は積極的に為替リスク・エクスポージャーをヘッジしている。
グループの為替リスク管理方針の主な目的は、為替ポジションを経営委員会の承認を受けた限度枠
内に維持し、為替レートの変動が連結損益計算書に及ぼす影響を最小限に抑えることにある。
S.4.4. 株価リスク
株価リスクは、株価指数の水準および個々の持分投資価値が低下した結果、持分の公正価値も低下
するリスクである。
2019 年12月31日現在の株価リスクは、理事会の承認を受けた戦略的業務( EIF がEIB に代わって自身
の財源で行うベンチャー・キャピタル投資、インフラストラクチャー・ファンド、特別活動として行
う株式類似商品への投資、 EBRD への出資)に限られていた。これらの業務は特別な監視体制のもとに
置かれ、当該エクスポージャーは十分な資本で裏付けされる。
継続的に監視し統制するために非上場持分ポジションの価額を入手するのは、容易ではない。この
ようなポジションの場合、入手できる最良の指標としては、類似資産の価格、該当する評価技法によ
る評価の結果が挙げられる。
他の変動要因がいずれも変わらない場合に、合理的に可能性のある株価指数の変動が原因で( 2019
年12月31日および 2018 年12月31日現在の持分投資の公正価値が増減した結果)グループの自己資本が
受ける影響は、次のとおりである。
2019 年 2018 年
自己資本が受ける 自己資本が受ける
株価の変動 株価の変動
影響 影響
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(単位:% ) (単位:千ユーロ ) (単位:% ) (単位:千ユーロ )
(1)
-7 -528,299 -7 -445,886
ベンチャー・キャピタル事業
EBRD 持分 -10 -49,276 -10 -48,959
投資基金 -10 -227,973 -10 -153,851
(1) ベンチャー・キャピタル事業の感応度は、公開市場のポジションの市場リスクに基づき、 EIF が計算する。
S.5. オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因か
ら発生する、または市場関連でも信用関連でもない外部事象による損失リスクで、法務リスクを含む
が、戦略リスクおよび風評リスクは除かれる。
オペレーショナル・リスクはグループの活動に内在しており、人的要因、不適切な従業員の行動、
サイバーおよびテクノロジー関連事象、不適切もしくは機能不全のプロセス、事業の中断もしくは保
全措置、情報システムの障害、第三者外部委託での障害または不正行為を含む様々な態様で現れる可
能性がある。オペレーショナル・リスクをグループの財務強度、事業の性格および業務を遂行する市
場の観点から最低水準に維持することが目標となる。
EIB のオペレーショナル・リスク部門(「 OPR 」)、 EIF のリスク管理および内部統制ならびに EIB の
財務統制におけるアサーション部門が、オペレーショナル・リスクの枠組みおよび関連する方針を決
定する責任を有し、その枠組みの実施責任はグループのすべての部署が担う。バーゼル銀行監督委員
会(「 BCBS 」)が勧告するベスト・バンキング・プラクティス(「 BBP 」)の枠組みの主要な要素は、
リスクの特定、評価、監視ならびにリスクの統制および軽減である。
グループでは、特に一連のオペレーショナル・リスク指標を通じて、内部損害履歴、シナリオ分析
ならびに事業・統制環境等、入手可能なあらゆる情報を考慮する評価方法を採用している。特に、 OPR
は、オペレーショナル・リスクに係る現実の損害につながるまたはつながりうる重要なオペレーショ
ナル・リスク事象および現れつつあるリスク分野を分析する。
EIB は、主要な事業プロセスごとにオペレーショナル・リスク・エクスポージャーおよび損害事象を
継続的に監視するために、統計的分析システム(「 SAS 」)を使用している。
オペレーショナル・リスク管理はグループのあらゆるレベルで実施され、すべての部署の職責とさ
れる。報告に関しては、 EIB ではオペレーショナル・リスク報告書は監査委員会、経営委員会および総
務会に提出される。加えて、 0.1 百万ユーロを超える損失は、即座に総裁に報告される。 EIF では、 OPR
は監査役会、 EIF 各種委員会および経営陣に定期報告を提供する。
注T:資産および負債の会計上の分類および公正価値(単位:百万ユーロ)
次の表は、グループの各種類、各区分の資産および負債の分類を示したものである。
FVOCI -
FVTPL での
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
注 AC 資本性金融
測定に指定
FVTPL で測定 負債以外 合計
(FVO)
2019 年12月31日現在 商品
現金、中央銀行および
郵便局預け金 B.1 947
0 0 0 0 947
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ B.2 42,181
201 4,707 0 0 47,089
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金融機関および対顧客貸付金
および預け金 C/D 484,592
19,826 1,400 0 0 505,818
株式およびその他の変動利付証券 B.3 0
495 10,612 493 0 11,600
デリバティブ資産 Q 0
0 49,789 0 0 49,789
有形固定資産 E 0
0 0 0 404 404
無形資産 E 0
0 0 0 26 26
その他の資産 G.1 0
0 0 0 82 82
前払金 0
0 0 0 261 261
合計
527,720 20,522 66,508 493 773 616,016
金融機関および顧客に対する債務 H 9,079
0 0 0 0 9,079
債務証書借入 I 463,798
29,529 0 0 0 493,327
デリバティブ負債 Q 0
0 32,526 0 0 32,526
その他の負債 G.2 157
0 0 0 1,942 2,099
繰延収益 F 0
0 0 0 373 373
引当金 J/D.4 0
0 0 0 7,966 7,966
合計
473,034 29,529 32,526 0 10,281 545,370
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FVOCI -
FVTPL での
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
注 AC 資本性金融
測定に指定
FVTPL で測定 負債以外 合計
(FVO)
2018 年12月31日現在 商品
現金、中央銀行および
郵便局預け金 B.1 142
0 0 0 0 142
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ B.2 43,683
250 6,225 0 0 50,158
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 C/D 481,412
19,802 814 0 0 502,028
株式およびその他の変動利付証券 B.3 0
353 8,148 490 0 8,991
デリバティブ資産 Q 0
0 42,738 0 0 42,738
有形固定資産 E 0
0 0 0 257 257
無形資産 E 0
0 0 0 24 24
その他の資産 G.1 0
0 0 0 68 68
前払金 0
0 0 0 209 209
合計
525,237 20,405 57,925 490 558 604,615
金融機関および顧客に対する債務 H 6,017
0 0 0 0 6,017
債務証書借入 I 463,178
26,854 0 0 0 490,032
デリバティブ負債 Q 0
0 31,163 0 0 31,163
その他の負債 G.2 0
0 0 0 1,739 1,739
繰延収益 F 0
0 0 0 383 383
引当金 J/D.4 0
0 0 0 5,794 5,794
合計
469,195 26,854 31,163 0 7,916 535,128
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次の表は、グループの各種類、各区分の資産および負債の公正価値を示したものである。
金融資産以外および金融負債以外の場合、帳簿価額を公正価値としている。
FVTPL での FVOCI -
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
AC 測定に指定 資本性金融
FVTPL で測定 負債以外 合計
(FVO) 商品
2019 年12月31日現在
現金、中央銀行および
郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ 42,517 201 4,707 0 0 47,425
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 494,569 19,826 1,400 0 0 515,795
株式およびその他の変動
利付証券 0 495 10,612 493 0 11,600
デリバティブ資産 0 0 49,789 0 0 49,789
有形固定資産 0 0 0 0 404 404
無形資産 0 0 0 0 26 26
その他の資産 0 0 0 0 82 82
前払金 0 0 0 0 261 261
合計 538,033 20,522 66,508 493 773 626,329
金融機関および顧客に
対する債務 9,079 0 0 0 0 9,079
債務証書借入 467,847 29,529 0 0 0 497,376
デリバティブ負債 0 0 32,526 0 0 32,526
その他の負債 157 0 0 0 1,942 2,099
繰延収益 0 0 0 0 373 373
引当金 0 0 0 0 7,966 7,966
合計 477,083 29,529 32,526 0 10,281 549,419
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FVTPL での FVOCI -
強制的に 金融資産/ 帳簿価額
AC 測定に指定 資本性金融
FVTPL で測定 負債以外 合計
(FVO) 商品
2018 年12月31日現在
現金、中央銀行および
郵便局預け金 142 0 0 0 0 142
短期国庫証券・負債証券
ポートフォリオ 43,862 250 6,225 0 0 50,337
金融機関および対顧客貸付金
および預け金 485,975 19,802 814 0 0 506,591
株式およびその他の変動
利付証券 0 353 8,148 490 0 8,991
デリバティブ資産 0 0 42,738 0 0 42,738
有形固定資産 0 0 0 0 257 257
無形資産 0 0 0 0 24 24
その他の資産 0 0 0 0 68 68
前払金 0 0 0 0 209 209
合計 529,979 20,405 57,925 490 558 609,357
金融機関および顧客に
対する債務 6,017 0 0 0 0 6,017
債務証書借入 465,227 26,854 0 0 0 492,081
デリバティブ負債 0 0 31,163 0 0 31,163
その他の負債 0 0 0 0 1,739 1,739
繰延収益 0 0 0 0 383 383
引当金 0 0 0 0 5,794 5,794
合計 471,244 26,854 31,163 0 7,916 537,177
注U:セグメント報告(単位:百万ユーロ)
この注記で開示するセグメント情報は IFRS 第8号により適用される「マネジメント・アプローチ」
に準拠して作成されたものであり、セグメントの定義とセグメント報告に用いる情報の作成は、いず
れもグループ内の経営判断用に作成された情報に基づいている。
EIB グループの報告セグメントは1つのみである。すなわち、欧州内外の貸付業務、借入業務、およ
び財務業務で構成される長期資金提供活動である。 EIB のベンチャー・キャピタル投資は、単独では
2019 年度に報告セグメントの決定のための量的基準のいずれも満たさず、そのため、 EIB の長期資金提
供活動と共に報告されている。経営委員会は、事業運営に関するグループの最高意思決定機関とし
て、 EIB の長期資金提供活動の業績を記した内部経営報告書を少なくとも四半期に1回検証する。
ベンチャー・キャピタル投資と保証供与を通じて EIF が行っている中小企業( SME )向け金融支援
は、 2019 年、 2018 年ともに報告セグメントの決定に係る量的基準のいずれも満たしておらず、報告セ
グメントの収益、損益ならびに資産および負債の調整では「その他」として開示されている。
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長期貸付業務
報告セグメントの情報
2019 年 2018 年
対外収益:
正味受取利息 2,978 3,117
正味株式収益 256 387
正味受取手数料 32 55
金融業務損益 643 1,045
5 5
その他の業務収益
セグメント収益合計
3,914 4,609
その他の重要な非現金項目:
81 -201
貸付金および株式の減損損失
81 -201
報告セグメントの利益 2,895 3,316
報告セグメントの資産 613,323 602,161
報告セグメントの負債 544,417 533,632
報告セグメントの収益、損益、資産および負債の調整
2019 年 2018 年
収益:
報告セグメントの収益合計 3,914 4,609
180 192
その他の収益
連結収益
4,094 4,801
損益:
報告セグメントの利益合計 2,895 3,316
63 45
その他の損益
連結損益
2,958 3,361
資産:
報告セグメントの資産合計 613,323 602,161
2,693 2,454
その他の資産
連結資産合計
616,016 604,615
負債:
報告セグメントの負債合計 544,417 533,632
953 1,496
その他の負債
連結負債合計 545,370 535,128
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注V:契約債務、偶発債務、担保差入資産およびその他の注記事項(単位:千ユーロ)
グループは顧客の財務上のニーズを満たすために貸付に関連する様々な金融商品を使用している。
グループは、融資枠、スタンドバイおよびその他の信用状、保証、レポ取引枠、ノート発行ファシリ
ティならびにリボルビング・アンダーライティング・ファシリティを提供している。保証は、一定条
件を満たすことを条件として、顧客が第三者に対して債務不履行を起こした場合にグループが弁済を
行うという取消不能の保証である。
これらの商品の契約額は、顧客が債務不履行を起こした場合におけるグループにとってのリスクの
最高額である。このリスクは、融資ファシリティを提供する際に伴うリスクに類似しており、同等の
リスク管理プロセスおよび特定の与信リスク管理方針により管理されている。
2019 年および 2018 年12月31日現在の契約債務、偶発債務、およびその他の注記事項は以下のとおり
である(額面価格、単位:千ユーロ)。
2019 年 2018 年
12月31日 12月31日
契約債務:
-EBRD払込未請求資本
712,630 712,630
-未実行貸付金(注D.1)
金融機関 29,652,661 24,719,169
対顧客 82,918,317 80,850,579
112,570,978 105,569,748
-ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
5,411,987 5,699,929
-未実行投資基金
3,587,184 3,362,284
-受取有価証券
122,000 0
-決済未了のローンチ済借入
223,950 223,950
-未実行代替貸付金
175,348 280,000
偶発債務および保証:
-第三者からの貸付金に係るもの
20,546,097 18,474,262
(*)
第三者に代わって保有している資産 :
-インベストメント・ファシリティ -コトヌー
3,407,481 3,127,175
-ギャランティー・ファンド
2,829,065 2,609,882
-NER300
2,004,715 2,054,311
-イノベーターのための EU資金提供( InnovFin )
1,310,055 1,106,574
-CEF
707,189 597,955
-ファンド・オブ・ファンズ(「 JESSICA II」)
652,115 517,813
-リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ
(RSFF )(リスク・シェアリング・インスツルメント
(RSI )を含む) 607,413 731,063
-JESSICA (保有基金)
585,587 594,262
-EUアフリカ・インフラ信託基金
534,457 573,012
-COSME 借入保証ファシリティ( LGF )および成長株式投
資ファシリティ( EFG ) 415,718 332,095
-欧州構造投資基金( ESIF )
401,579 351,494
-中小企業向け欧州共同財源( JEREMIE )
320,546 306,750
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2019 年 2018 年
12月31日 12月31日
-ルーマニア向け SME イニシアチブ
241,870 248,863
-特別部門
203,512 256,308
-イタリア向け SME イニシアチブ
171,409 176,399
-GF ギリシャ
161,243 310,120
-マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )エクイティ
133,582 138,516
-InnovFin 中小企業保証
132,006 145,374
-欧州近隣パートナーシップ枠組み( ENPI )
120,824 120,574
-資金パートナーシップ・プラットフォーム
105,351 91,123
-深化した包括的自由貿易協定地域( DCFTA )
102,840 105,949
-ブルガリア向け SME イニシアチブ
96,678 100,127
-InnovFin エクイティ
92,692 23,667
-REG
81,877 36,000
-GIF 2007
76,246 68,150
-NPI 証券化イニシアチブ( ENSI )
72,872 52,690
-フィンランド向け SME イニシアチブ
71,093 74,350
-SMEG 2007
70,735 82,721
-国際開発協力機構( AECID )
66,951 73,776
-雇用および社会イノベーション・プログラム( EaSI )
65,408 72,087
-西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリ
ティ( WB EDIF )
49,330 55,196
-近隣インベストメント・ファシリティ( NIF )信託基
金 44,025 44,857
-エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス商品
43,528 34,469
-欧州地中海投資パートナーシップ制度( FEMIP )信託
基金 37,713 42,757
-文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
36,134 28,266
-重債務貧困国( HIPC )イニシアチブ
35,348 35,378
-マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )ギャラン
ティー 32,323 32,189
-グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファシリ
ティ( GAGF ) 31,694 41,024
-加盟候補国向け支援制度( IPA )II
31,682 10,535
-近隣インベストメント・ファシリティ( NIF )リスク
資本ファシリティ 23,923 23,720
-マルタ向け SME イニシアチブ
21,157 20,654
-EPTA 信託基金
20,870 21,711
-欧州戦略投資基金( EFSI )-欧州投資アドバイザ
リー・ハブ( EIAH ) 20,029 16,674
-多地域保証プラットフォーム・イタリア( AGRI )
17,506 17,711
-NPI
14,763 14,779
-学生ローン保証ファシリティ
14,141 13,914
-自然環境保護資金調達ファシリティ
11,318 11,574
-ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ
(PGFF ) 5,227 6,660
-グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基
金( GEEREF ) 3,918 19,779
-連邦経済技術省
3,896 7,758
-欧州議会準備行動( EPPA )
3,320 1,968
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有価証券報告書
2019 年 2018 年
12月31日 12月31日
-BIF
3,293 4,723
-アルプス地域成長投資プラットフォーム( AlpGIP )
2,913 1,814
-中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ
1,999 2,050
-技術移転アクセラレーター( TTA )トルコ
1,425 499
-欧州技術ファシリティ
966 5,662
-スペイン向け SME イニシアチブ
944 2,796
-GEEREF 技術支援ファシリティ
727 801
-LfA-EIF ファシリティ
369 479
-ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド( MDD )
356 403
-技術移転パイロット・プロジェクト( TTP )
246 248
-G43 信託基金
31 0
-グリーン・フォー・グロース・ファンド( GGF )
12 12
-SME ギャランティー・ファシリティ
0 6,653
-研究・開発・イノベーション( RDI )アドバイザリー
0 2,847
-欧州地域のサポート計画に対する共同支援
0 1,720
(JASPERS )
16,358,235 15,611,460
その他の項目:
-金利スワップの想定元本(注 S.2.5.2 )
540,678,886 535,680,055
-通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注 S.2.5.2 )
219,739,726 210,865,395
-通貨スワップ契約(支払)の想定元本
218,941,502 211,111,136
-短期通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注 Q.3 )
35,632,792 41,160,710
-短期通貨スワップ契約(支払)の想定元本
35,156,452 41,088,252
-為替予約取引(注 Q.3 )
528,280 539,296
(**)
-借入債務支払に係る特別預け金
9,035 7,135
(*) 運用下の資産は、利用可能な最新の数値に基づいて、オフ・バランスシート項目として開示されている。比較対象
数値は、利用可能な最新の情報を反映して修正再表示されることがあり得る。
(**) この項目は、グループが支払代理人に支払ったが、グループが発行した債券の保有者による支払いのための提示が
なされていない、期日到来済みのクーポンおよび債券の金額に相当する。
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有価証券報告書
V.1. インベストメント・ファシリティ -コトヌー
EIB が管理するインベストメント・ファシリティは、アフリカ・カリブ海および太平洋地域諸国と欧
州連合および加盟国との間における協力・開発に関する 2000 年6月 23日付(その後改正済)のコト
ヌー協定に基づき設立されたものである。 EIB は、インベストメント・ファシリティの個別財務書類を
作成している。
V.2. ギャランティー・ファンド
域外活動のためのギャランティー・ファンドは、非加盟国に供与された貸付および貸付保証の債務
不履行をカバーするため、または非加盟国におけるプロジェクトのために、 1994 年に設立された。欧
州委員会( EC)は、 1994 年11月に二者間で締結された契約およびその後の当該契約の改訂に基づき、
ギャランティー・ファンドの財務管理を EIB に委託している。 EIB は、ギャランティー・ファンドの個
別財務書類を作成している。
V.3. NER300
EIB は、 NER300 イニシアチブ(炭素回収・貯蔵実証プロジェクト、および革新的再生可能エネルギー
技術のための資金調達プログラム)を遂行する際、エージェントとして ECをサポートする。当該ファ
シリティには、 i) EU の割当量単位( EUA )の収益化、 ii)EUA 収益化活動を通じて受け取る資金の管
理および支出、といった2つの活動が含まれる。 EIB は、 NER300 のために個別財務書類を作成してい
る。
V.4. イノベーターのための EU資金提供( InnovFin )
InnovFin または「 InnovFin -イノベーターのための EU資金提供」は、 EUの新規の 2014 年- 2020 年の
研究プログラムである「ホライズン 2020 」に基づく EIB 、EIF および欧州委員会の共同の取組みであ
る。 2013 年12月11日、研究およびイノベーションのための包括プログラム( 2014 年- 2020 年)である
ホライズン 2020 を確立し、決定事項 N1982/2006/EC を廃止する欧州議会および理事会規則( EU)
N1291/2013 (「ホライズン 2020 規則」)が採択された。 2014 年6月 12日、欧州委員会、 EIB および EIF
は、金融商品である InnovFin を設定する委任契約を締結した。 InnovFin は、 EIB グループによって提供
される一連の統合され、かつ補完的な金融ツールおよびアドバイザリー・サービスで構成され、零細
企業から巨大企業までの企業による投資を支援するために研究およびイノベーション(「 R&I 」)のバ
リュー・チェーン全体を対象としている。 EIB は、 InnovFin の個別財務書類を作成している。
V.5. コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「 CEF 」)
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「 CEF 」)は、運輸、電気通信およびエネルギーのイ
ンフラストラクチャー・セクターにおける共益プロジェクトを支援するために、欧州横断的なネット
ワークに欧州連合の財政支援を提供することを目的とした、 EIB と欧州委員会の間の共同協定である。
欧州委員会は、 CEF に基づく負債性金融商品の業務および管理を EIB に委託しており、これにより、欧
州横断交通網プロジェクト融資保証手段(「 LGTT 」)およびプロジェクト債券イニシアチブ
(「 PBI 」)の試験段階への連続性が確保される。 LGTT とPBI は、 CEF の下で 2016 年1月1日に統合され
た。 CEF 委任契約は、最新かつ共通のリスク・シェアリングの取決めを定めている。 EIB は、 CEF の個別
財務書類を作成している。
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V.6. ファンド・オブ・ファンズ(「 JESSICA II」)
ファンド・オブ・ファンズ(「 FoF 」)は、欧州構造投資基金(「 ESIF 」)が、 2014 年から 2020 年ま
での間に加盟国運用プログラムにより資金供給した地域金融商品( DFI )で構成されている。 FoF は、
選定された金融仲介機関と協力して、貸付、出資および保証の実行を通じて、最終受領者の資金調達
を促進している。
EIB は、ファンド・マネージャーとして、関係運営当局から資金供給(拠出)の取りまとめを行い、
拠出者と合意した投資戦略に従って、金融仲介機関を介して当該資金を投資している。 EIB は、各ファ
ンド・オブ・ファンズの個別財務書類を作成している。
V.7. リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ(「 RSFF 」)
RSFF は、欧州連合を代表する ECとEIB との間で締結され、 2007 年6月5日付で発効した協力協定に基
づき設立された。 RSFF は、研究、技術開発と実証プロジェクトおよび技術革新への投資を育成するこ
とを目的としている。 RSFF の一環として、 EIF は、技術革新および研究を中心とする中小企業( SME )
および中堅企業のためのリスク・シェアリング・インスツルメント(「 RSI 」)を用意した。 RSI は、
研究を推進する中小企業(「 SME 」)や中堅企業の借入やファイナンス・リースのため、銀行やリース
会社に保証を提供している。 EIB は、 RSI を含めた RSFF の連結財務書類を個別に作成している。
V.8. JESSICA (「保有基金」)
JESSICA (都市部への持続可能な投資に対する欧州共同支援)は、欧州委員会と EIB が欧州評議会開
発銀行と共同で策定したイニシアチブである。
JESSICA 保有基金は JESSICA イニシアチブに関連して使用される。新しい手続きに基づき、関係運営
当局は、持続可能な総合都市開発計画の一部を形成するプロジェクトへの有償投資を行うために、自
身の EU助成金の一部を使用する選択権を付与される。 EIB は、運用者として、関係運営当局から受領し
た資金を取りまとめ、拠出者と合意した投資ガイドラインに従って都市開発基金に投資している。 EIB
は、 JESSICA の個別財務書類を作成している。
V.9. EU-アフリカ・インフラ(「 EUAI 」)信託基金
EUAI 信託基金は、創設・援助組織としての欧州連合を代表する ECと、運用者としての EIB との間の、
信託基金協定に基づき創設され、創設後は、欧州連合加盟国もこの協定に資金提供者として参加でき
る。 2006 年2月9日、 ECとEIB は、 EU-アフリカ・インフラ・パートナーシップを共同で推進し、特に
それを支援する EU-アフリカ・インフラ信託基金を設立する旨の覚書を交わした。 EIB は、 EUAI 信託基
金の個別財務書類を作成している。
V.10. COSME 借入保証ファシリティ( LGF )および成長株式投資ファシリティ( EFG )
中小企業の資金調達の困難に対処するため、 COSME は、借入保証ファシリティ(「 LGF 」)および成
長株式投資ファシリティ(「 EFG 」)を設立している。 LGF および EFG は、中小企業が借入またはエクイ
ティの形での資金調達の利用可能性を向上させることを目的としている。当該金融商品にも、 SME イニ
シアチブに基づく EUの拠出制度が含まれている。 EFG は、域内企業の成長および研究・イノベーション
を支援する持分金融商品の形で組成されている。 LGF は、直接的または間接的な保証金融商品の形で組
成されている。 LGF の目的は、中小企業向けの資金調達市場の構造的な欠陥の軽減に貢献し、中小企業
向けのより多様な資金調達市場の創生を支援することである。直接的または間接的な保証を通じて、
LGF は、成長力のある中小企業が資金調達の際に直面するとりわけ困難な状況に対処するため、借入に
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よる資金調達時に保証を行うことを目的としている。さらに、適格かつ透明性の高い証券化取引のメ
ザニン・トランシェを保証することによって、 LGF は中小企業の資金調達に新たな手段を提供すること
を目指している。 EIF は、 COSME LGF および EFG の個別財務書類を作成している。
V.11. 欧州構造投資基金(「ESIF」)
欧州構造投資基金(「 ESIF 」)の下、 EIF は、加盟国により 2015 年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、 ESIF ファンドの管理・運営を行っている。 ESIF イニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。 EIF は、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件の ESIF 資金供
与契約を管理している。 EIF は、 ESIF の個別財務書類を作成している。
V.12. 中小企業向け欧州共同財源( JEREMIE )
JEREMIE (中小企業向け欧州共同財源)は、欧州委員会の地域政策総局( DG Regio )と EIB グループ
によるイニシアチブである。 EIF は、 JEREMIE の個別財務書類を作成している。
V.13 ルーマニア向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、ルーマニア向け SME イニシアチブの個別財務書類を作
成している。
V.14. 特別部門
特別部門は、総務会によって 1963 年5月 27日に設定された。 1977 年8月4日の決議に基づき、その
目的は見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて EIB が実行した金融業務を記録するためとさ
れた。特別部門には、 FED 、MED/FEMIP および欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティの保証部分
が含まれる。
V.15. イタリア向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、イタリア向け SME イニシアチブの個別財務書類を作成
している。
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V.16. GF ギリシャ
ファンドは、ギリシャ共和国、 ECおよび EIB による共同イニシアチブで、設立の目的は、ギリシャの
中小企業に対する融資を支援することである。ファンドは、ギリシャのために用意された構造基金の
未使用部分を使って設立されており、ギリシャのパートナー銀行経由で、 EIB の中小企業向けローンの
保証を行う。 EIB は、 GF ギリシャの個別財務書類を作成している。
V.17. マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )エクイティ
企業および起業のためのマルチ・アニュアル・プログラム( MAP )に基づき、 EIF は欧州委員会に代
わり欧州委員会のリスクにおいてリソースの管理を行っている。 EIF は、 MAP エクイティの個別財務書
類を作成している。
V.18. InnovFin 中小企業保証
ホライズン 2020 の「リスク・ファイナンスへのアクセス・プログラム」との関連で、このプログラ
ムは負債性金融商品および持分金融商品の設定を規定している。 InnovFin 中小企業保証と呼ばれるリ
スク・シェアリング・ファシリティは、保証の形で組成され、 EUの拠出金を一次的に不履行金額の補
てんに使用し、 EIF のリスク・テイク能力を二次的に不履行金額の補てんに使用する。この制度の目的
は、研究・開発およびイノベーションにおいて顕著な活動を行っている中小企業および中堅企業に、
金融仲介機関が貸付またはファイナンス・リースを提供する動機を与えることである。 EIF は、
InnovFin 中小企業保証の個別財務書類を作成している。
V.19. 欧州近隣パートナーシップ枠組み(「 ENPI 」)
欧州近隣政策の対象国における欧州連合の一般予算から資金調達される事業の実施について定めた
欧州連合と EIB との間の枠組み協定は、 ENPI を通じて実施される。 EIB は、 ENPI の個別財務書類を作成
している。
V.20 資金パートナーシップ・プラットフォーム(「 PPF 」)
PPF はEIB が運用する複数地域、複数拠出者、かつ複数セクターの、複数のファンドを組み込んだプ
ラットフォームであり、持続可能な発展のために金融の流れを増加させる必要性を考慮し、また欧州
投資銀行の成功体験を基礎として設立された。 PPF に基づく基金は、プラットフォーム規則に従って導
入された。 EIB は、 PPF の個別ベースの合算財務報告を作成している。
V.21. 深化した包括的自由貿易協定地域(「 DCFTA 」)
欧州投資銀行および欧州連合は、 2016 年12月19日に、深化した包括的自由貿易協定地域
(「 DCFTA 」)の委任契約に署名した。東部 DCFTA イニシアチブは、 EUと協力協定を締結した国である
ジョージア、モルドバおよびウクライナに対し、的を絞った金融および技術的支援を中小企業( SME )
向けに提供することによって、これら3国の経済発展を強化することを目的としている。 DCFTA の一環
として、 EIF は保証枠ウィンドウの実行および管理を行う。 EIF が実行および展開する保証枠ウィンド
ウは、各国の仲介銀行がより多くのリスクを取り、各国経済で十分なサービスを受けていないセグメ
ントに支援を差し伸べる動機を与えるための、 SME ポートフォリオ・ファースト・ロス保証で構成され
る。 EIB は、保証枠ウィンドウを含めた DCFTA の連結財務書類を個別に作成している。
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V.22. ブルガリア向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、ブルガリア向け SME イニシアチブの個別財務書類を作
成している。
V.23. InnovFin プライベート・エクイティ
ホライズン 2020 金融商品は、対象となる研究およびイノベーションを支援するために、最終受領者
がリスクを伴う資金調達を活用しやすくすることを目的としている。当該金融商品には、貸付、保
証、株式その他のリスク・ファイナンスの形が含まれる。また、ホライズン 2020 金融商品は、アー
リーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタル・ファンドの発展の促進、知的
財産に係る知識移転および市場の改善、ベンチャー・キャピタル市場への資金の呼び込み、ならびに
全体として、新しい製品およびサービスの構想、開発およびデモンストレーションから商品化につな
げるための支援も目的としている。ホライズン 2020 負債性金融商品にも、 SME イニシアチブに基づく EU
の拠出実施制度が含まれている。
アーリーステージ向け InnovFin エクイティ・ファシリティは、革新的な企業に対し、特にアーリー
ステージのベンチャー・キャピタルまたはメザニン・キャピタルの形によるエクイティ・ファイナン
スを提供することにより、アーリーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタ
ル・ファンドの発展を促進することを目的としている。 EIF は、 InnovFin プライベート・エクイティの
個別財務書類を作成している。
V.24. REG
これは、2つの地域マンデートであるマルタにおけるスマートビルディング向けスマートファイナ
ンス(「 SFSB 」)およびアイルランド経済構造安定性投資プラットフォーム(「アイルランド SME 」)
に対応している。アイルランド SME は、アイルランド政府と EIF の間で締結された、アイルランドの国
立産業振興銀行との間で、主に中期貸付およびすべての SME 向けに注力し、 SME イニシアチブと類似し
た構造によって裏付けられた上限を設けない当事者間債務・権利共通保証契約を結ぶためのマンデー
トである。国家資金がファースト・ロスを担当し、 EIB グループが中位リスク( EFSI を通じた EIB )お
よび優先リスク( EIB および潜在的に EIF )を担当する。
スマートビルディング向けスマートファイナンス(「 SFSB 」)は、世帯向けおよび事業向け両方の
建物に関連したエネルギー効率向上手段への投資を育成することを目的とした欧州委員会と EIB の共同
イニシアチブである。しかし、マルタの市場規模により、このマンデートの範囲は厳格には建物に関
連しないエネルギー効率向上手段、すなわち SFSB における焦点以外にも拡大される可能性がある。
V.25. GIF 2007
競争力および革新枠組みプログラムと技術移転パイロット・プロジェクトに基づく GIF 2007
(CIP/GIF 2007 )において、 EIF は、自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクに
おいて、投資の取得、管理および処分を行う権限を与えられている。 EIF は、 GIF 2007 の個別財務書類
を作成している。
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V.26. NPI 証券化イニシアチブ(「 ENSI 」)
EIF ならびに KfW 、フランス公的投資銀行( bpifrance )、 CDP 、マルタ開発銀行ワーキンググルー
プ、 IFD 、ICO および BBB を含めたいくつかの国家開発機関(「 NPI 」)は、中小企業(「 SME 」)への資
本市場を通じた資金提供の増加を目的とした協力およびリスク・シェアリング・プラットフォームで
ある EIF-NPI 証券化イニシアチブ(「 ENSI 」)を開始した。この SME 証券化取引における相互協力の目
的は、民間セクターからの資金を触媒として SME 証券化市場を活性化することによって、欧州の SME 向
けファイナンスの利用可能性を高める点にある。これは、より広範囲に SME の支援を行き渡らせようと
する欧州戦略投資基金の考えを反映したものである。
V.27. フィンランド向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、フィンランド向け SME イニシアチブの個別財務書類を
作成している。
V.28. SMEG 2007
競争力および革新枠組みプログラムに基づく SMEG 2007 (CIP/SMEG 2007 )において、 EIF は、自己の
名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクにおいて、保証を付与する権限を与えられて
いる。 EIF は、 SMEG 2007 の個別財務書類を作成している。
V.29. 国際開発協力機構(「AECID」)
このパートナーシップ契約は、スペイン王国(スペインの国際開発協力機構(「 AECID 」) )とEIB と
の間で調印されたもので、モーリタニアおよび FEMIP によってカバーされる諸国(「南地中海沿岸地
域」)の活動に投資するために設立された。地域の零細企業や中小企業に関してリスク資本を提供す
ること、および民間セクターの幅広い発展に従事することを主目的としている。 EIB は、 AECID の個別
財務書類を作成している。
V.30. 雇用および社会イノベーション・プログラム(「 EaSI 」)
EaSI 保証金融商品は、欧州プログレス・マイクロファイナンス・ファシリティ(「プログレス・マ
イクロファイナンス」)に基づくマイクロクレジット保証の後継制度である EaSI マイクロファイナン
ス保証を中心に構成されている。プログレス・マイクロファイナンスに基づきマイクロクレジット提
供者に対する支援が拡大される予定である。
また、 EaSI 保証金融商品は、 EaSI ソーシャル・アントレプレナーシップ保証で構成される。これは
新しい商品であり、社会的企業の資金調達を促進し、社会的投資市場の発展を支援していくものであ
る。 EIF は、 EaSI の個別財務書類を作成している。
V.31. 西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ( WB EDIF )
西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ(「 WB EDIF 」)は、 2012 年12月に EC拡大
総局(「 DG ELARG 」)、 EIB グループおよび欧州復興開発銀行(「 EBRD 」)の間で締結された共同イニ
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シアチブである。同イニシアチブは、加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)基金の展開を通じて、西バ
ルカン諸国の中小企業の資金へのアクセスの改善および同地域の経済発展を育成することを目的とし
ている。 WB EDIF において、 EIF はプラットフォーム・コーディネーター、企業拡大基金(「 ENEF 」)
における ECのトラスティー、企業育成基金(「 ENIF 」)における ECのトラスティーおよびギャラン
ティー・ファシリティの管理者としての役割を果たす。 EIF は、 WB EDIF の個別財務書類を作成してい
る。
V.32. 近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)信託基金
EIB が管理する NIF 信託基金は、欧州近隣政策(「 ENP 」)の戦略的目標を達成するために設立され
た。当基金は、 SME 向け、人的資源育成を含む社会セクター向け、および地方自治体のインフラストラ
クチャー開発向けの支援を通じて、より適切で持続可能性の高いエネルギーおよび輸送の相互接続性
を確立し、エネルギー効率の向上および再生可能エネルギー資源の利用促進を進め、気候変動および
より広い意味での環境への脅威に対処し、スマートで持続可能かつ包括的な成長を促進することに重
点を置いている。 EIB は、 NIF 信託基金の個別財務書類を作成している。
V.33. エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「 PF4EE 」)商品
エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「 PF4EE 」)商品は、エネルギー効率関連投資向
けの十分かつ低価格の商業金融の利用可能性が限定的であることに対処することを目的とした、 EIB と
欧州委員会の協定である。この商品は、 EU加盟国の国別エネルギー効率行動計画、またはその他のエ
ネルギー効率プログラムの実施を支援するプロジェクトを対象としている。 2014 年12月、欧州委員会
および EIB は、金融商品である PF4EE を設定する委任契約を締結した。 EIB は、 PF4EE の個別財務書類を
作成している。 EIF は、 PF4EE の個別財務書類を作成している。
V.34. 欧州地中海投資パートナーシップ制度( FEMIP )信託基金
EIB が管理する FEMIP (ユーロ地中海投資パートナーシップ・ファシリティ)信託基金は、多数の援
助国の支援を得て、地中海パートナーシップ・ファシリティ参加国における EIB の既存業務を強化する
ために設立された。当基金は、技術援助とリスク資本の提供を通じて、特定の優先分野の事業に資源
を投入することを目指している。 EIB は、 FEMIP 信託基金の個別財務書類を作成している。
V.35. 文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
この金融商品は、文化・クリエイティブ部門向けに力を注ぐ欧州連合の主要プログラムであるクリ
エイティブ・ヨーロッパの下で設定され、欧州連合に代わって EIF により運用される。このイニシアチ
ブは、 EIF が保証や念書を選定金融仲介機関に提供することを認め、これにより金融仲介機関が文化・
クリエイティブ分野の企業家に対するデット・ファイナンスの提供を増やすことを可能とする。生成
された貸付金により、 10,000 社を超えるオーディオビジュアル(映画、テレビ、アニメーション、ビ
デオゲーム、マルチメディアを含む)、フェスティバル、音楽、文学、建築、記録資料、図書館、博
物館、美術工芸、文化遺産、デザイン、芸能、出版、ラジオ、視覚芸術など、広範囲のセクターの SME
が支援を受けると予想される。 EIF は、文化・クリエイティブ部門保証ファシリティの個別財務書類を
作成している。
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V.36. 重債務貧困国(「 HIPC 」)イニシアチブ
HIPC イニシアチブ(「イニシアチブ」)とは、世界の最貧国に特別支援を供与する国際的な債務救
済制度である。世界銀行と国際通貨基金からの申入れを受けて、 1996 年に設立された。主な目的は、
貧困国の債務負担を維持可能な水準にまで削減することにある。 EIB は、同イニシアチブの個別財務書
類を作成している。
V.37. マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )ギャランティー
この原資は、プライベート・エクイティと保証商品に等分されている。 ESU 1998 (「 G&E 」)およ
びESU 2001 (「 MAP 」)と呼ばれるエクイティ部門は、 ETF の起業投資を取り扱っている。 SMEG 1998
G&E および SMEG 2001 MAP と呼ばれる保証部門は、受益者の事業に対して保証を提供する。 EIF は、 MAP
ギャランティーの個別財務書類を作成している。
V.38. グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファシリティ (「GAGF 」)
2010 年5月に調印された GAGF に基づき、 EIF は欧州連合およびトルコによって地域競争力戦略プログ
ラムに割り当てられた加盟候補国向け支援制度( IPA )の資金管理をしている。このファシリティは、
トルコで最も開発が遅れている地域の中小企業および零細企業に対し、トルコの大手銀行と連携して
実態に合わせた金融支援を提供するものである。 EIF は、 GAGF の個別財務書類を作成している。
V.39. 加盟候補国向け支援制度 II(「 IPA II」)
加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)に係る協定は、 EUが「拡大国」の改革を財政面および技術面で
援助する支援措置である。加盟候補国向け支援ファンドも、持続性のある経済回復、エネルギー供
給、運輸、自然環境および気候変動などに関する目標を EUが達成できるよう支援する。 IPA Iの後継制
度IPA IIは、すでに達成された成果を土台とし、 2014 年から 2020 年までの期間に 117 億ユーロを充当し
て構築される予定である。 IPA IIの最も重要な革新性は、戦略的焦点にある。フレームワーク・パー
トナーシップ契約は、 2015 年末に締結され、 EIB により履行される。様々な「特別供与契約」の締結に
より、 DG NEAR からの財源が配分される。 EIB は、 IPA IIの個別財務書類を作成している。
V.40. 近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)リスク資本ファシリティ
近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)リスク資本ファシリティは、欧州連合の一般予算
を財源とする。主な目標として、民間セクターの開発、包括的な成長および民間セクターの雇用創出
を支援するため、南方の近隣地域の SME にエクイティ・ファイナンスおよびデット・ファイナンスへの
アクセスを提供することに注力している。このファシリティは、エクイティ・ファイナンスおよび
デット・ファイナンスの手段から成る金融商品ウィンドウと、技術支援サービスから成る付加的任務
ウィンドウで構成される。 EIB は、金融商品ウィンドウの個別財務書類を作成している。
V.41. マルタ向け SME イニシアチブ
2015 年1月 19日、欧州委員会、 EIB および EIF は、 SME イニシアチブに対応する専用ウィンドウの一部
の条項に適用される諸条件および H2020 金融商品の当該専用ウィンドウに対する欧州連合の拠出につい
て定めたホライズン 2020 委任契約の修正に調印した。スペインおよびマルタ向けの SME イニシアチブ
は、前年に開始された。 EIF は、マルタ向け SME イニシアチブの個別財務書類を作成している。
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V.42. EPTA 信託基金
EPTA (東方パートナーシップ技術支援)信託基金は、技術支援のための多分野向けの多目的融資枠
を提供し、 EIB 東方パートナーシップ事業の質を高め、かつ開発効果を増幅させることに重点的に取り
組んでいる。同基金は、近隣インベストメント・ファシリティを補完する。 EIB は、 EPTA 信託基金の個
別財務書類を作成している。
V.43. 欧州戦略投資基金(「 EFSI 」)
適用される EFSI 規則に基づき、欧州委員会および EIB は、 EFSI の管理・運営、 EUの保証提供に関する
契約( EFSI 契約)、および欧州投資アドバイザリー・ハブ(「 EIAH 」)の実施に関する契約(「 EIAH
契約」)を締結した。
EFSI 契約に基づき、 ECは、 EFSI が支援するプロジェクトに関して、 EIB にEUの保証を提供した。 EUの
保証に充当する資産は、欧州委員会が直接管理する。 EFSI が支援するプロジェクトは、通常の EIB のプ
ロジェクトのサイクルおよびガバナンスに従う。また、 EFSI は自己専用のガバナンス構造を有してい
る。当該構造は、 EFSI の下で行う投資において、欧州に対する投資の妨げとなる市場のリスク負担の
失敗に対処するという特別の目的に、確実に重点が置かれ続けるようにするために設置されている。
EIAH は、プロジェクトおよび投資に対し、財務以外の支援を拡充することを目的としている。 EIAH
は3つの補完的な構成要素である a) 公共受益者および民間受益者向けの広範なアドバイザリー技術支
援プログラムおよびイニシアチブへの足掛かり、 b) パートナー機関の間での専門知識の活用、交換お
よび普及を目的とした協同プラットフォーム、および c) 既存のアドバイザリー・サービスの強化もし
くは拡大または未対処のニーズに対応する新規のサービスの創出、で構成される。 EIB は、 EIAH の個別
財務書類を作成している。
V.44. 多地域保証プラットフォーム・イタリア(「 AGRI 」)
イタリアの農業プラットフォームは、 EIF とイタリアの6地域(ヴェネト、エミリア・ロマーニャ、
ウンブリア、カンパニア、カラブリア、プーリア)との間の資金提供契約の締結で正式に開始され
た。イタリアにおける農業プラットフォームは、欧州農業農村振興基金(「 EARFD 」)からの構造基金
を使用して、各加盟農村開発プログラム(「 RDP 」)の財源を使用してファースト・ロスをカバーする
金融商品を展開している。このプラットフォームの目的は、地域レベルで新規事業を育成し、同時に
農民および農業関連事業への新規貸付けを支援するために、地域実行官庁を標準的商品の方向に導く
ことである。
V.45. 国家開発機関(「NPI」)
これは、 EIF とイタリアの預託貸付公庫( CDP )の間のパートナーシップの枠組みにおける CDP の社会
インパクト投資の2つ目のプログラムである。 2017 年11月29日に署名されたこのプログラムの焦点
は、イタリアにおける社会融資の領域である。これは仲介者への持分投資、直接の持分投資および負
債投資を含むそれぞれの条件に適合した複数商品の投資プログラムである。
V.46. 学生ローン保証ファシリティ(エラスムス計画)
欧州構造投資基金(「 ESIF 」)の下、 EIF は、加盟国により 2015 年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、 ESIF ファンドの管理・運営を行っている。 ESIF イニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。 EIF は、現在、加盟国・地域(バス
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=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件の ESIF 資金供
与契約を管理している。 EIF は、学生ローン保証の個別財務書類を作成している。
V.47. 自然環境保護資金調達ファシリティ(「 NCFF 」)
自然環境保護資金調達ファシリティ(「 NCFF 」)は、 EIB と欧州委員会との共同契約であり、自然環
境保護資金の保全のための収益創出またはコスト削減プロジェクト(気候変動適応プロジェクトを含
む)に係る市場の格差および障壁に対処することにより、生物多様性分野および気候変動への適応に
関する EUおよび加盟国の目標の達成に貢献することを目的としている。 EIB は、 NCFF の個別財務書類を
作成している。
V.48. ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「 PGFF 」)
2013 年4月に署名されたポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「 PGFF 」)は、パー
トナーシップとして組成されたファンド・オブ・ファンズであり、ポーランドに重点を置いてベン
チャー・キャピタルおよびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。同ファンドは、 EIB グ
ループと Bank Gospodarstwa Krajowego が共同出資している。 EIF は、 PGFF の個別財務書類を作成して
いる。
V.49. GEEREF (「基金および技術支援ファシリティ」)
GEEREF (グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金)は、 ECのイニシアチブで設定さ
れたファンド・オブ・ファンズである。その目的は、新興市場( ACP 、ALA および欧州近隣諸国)にお
ける再生可能エネルギーおよびエネルギー効率の分野を重点とするプライベート・エクイティ・ファ
ンドに投資することである。 EIF も、 GEEREF フロント・オフィスが実施する関連業務の対象となる技術
援助の提供を委任されている。
V.50. 連邦経済技術省
EIF は、ドイツ連邦経済技術省および欧州復興計画のために資金を管理している。
V.51. 欧州議会準備行動(「EPPA」)
2010 年、 EIF は、 DG Regio とEPPA に調印した。 EIF は、幾つかの選別されたマイクロファイナンス金
融機関が有意な規模に達し、事業継続の見通しを改善することができるよう支援するため、キャパシ
ティ・ビルディングのためのリスク資本と金融支援を提供している。 EIF は、 EPPA の個別財務書類を作
成している。
V.52. バルト諸国新規事業育成基金(「 BIF 」)
2012 年9月に署名されたバルト諸国新規事業育成基金(「 BIF 」)は、パートナーシップとして組成
されたファンド・オブ・ファンズであり、バルト海沿岸地域に重点を置いてベンチャー・キャピタル
およびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。この基金は、 EIB グループならびにエストニ
アの Fund KredEx 、ラトビアの Latvijas Garantiju Agentiira およびリトアニアの lnvesticiju ir
verslo garantijosin というバルト諸国の国家機関から共同出資を受けている。 EIF は、 BIF の個別財務
書類を作成している。
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V.53. アルプス地域成長投資プラットフォーム(「 AlpGIP 」)
2017 年9月、 EIF は革新的な、 EUのアルプス・マクロ・リージョンにおける最近のベンチャー・キャ
ピタルおよび成長セグメントを対象とした、地域持分投資プラットフォーム(非法人構造)を立ち上
げた。イタリアのロンバルディア、ピエモンテ、ヴァッレ・ダオスタ、アルト・アディジェ(ボル
ツァーノ地域)の各州は、すでにこのプラットフォームに投資しており、他の地域も後の段階での参
加が見込まれている。
V.54. 中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「 CEFoF 」)
中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「 CEFoF 」)は、オーストリア、チェコ共和国、スロ
バキア、ハンガリーおよびスロベニア( CE諸国)の政府および国家機関との緊密な協力の下で欧州投
資基金(「 EIF 」)によって創設されたファンド・オブ・ファンズ・イニシアチブであり、これらの地
域全体にわたって中小企業(「 SME 」)へのエクイティ投資を促進し、健全な市場に基づくリスク資金
調達インフラストラクチャーを確立し、事業投資における最良市場標準を導入し、中央ヨーロッパに
機関投資家および投資マネージャーを呼び込むことを目的としている。
V.55. 技術移転アクセラレーター( TTA )トルコ
TTA トルコは、 EIF が科学産業技術省(「 MoSIT 」)、トルコ科学研究審議会(「 TUBITAK 」)、駐ト
ルコ欧州連合代表部および欧州委員会地域政策ディレクター・ジェネラルと協力して計画したイニシ
アチブである。 TTA トルコは、加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)の資金に係る協定書の地域開発項
目に基づき、 EUとトルコ共和国が共同融資し、 EIF が管理している。 TTA トルコは、2つの目的を達成
すること、すなわち、大学および研究センターに限定されている科学的な研究開発(「 R&D 」)の事業
化の促進による、財務的に持続可能なファンドの設立、ならびに特にトルコの後進地域および発展途
上地域への波及効果に重点を置いた、トルコにおける技術移転市場の発展を促進することを目指して
いる。
V.56. 欧州技術ファシリティ(「 ETF 」)
ETF スタートアップ・ファシリティでは、 EIF は自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員
会のリスクにおいて、 ETF スタートアップ投資を取得、運用、処分する権限を与えられている。
V.57. スペイン向け SME イニシアチブ
2015 年1月 26日、スペイン王国と欧州投資基金との間で委任契約が締結された。 EIF は、適格な中小
企業向けデット・ファイナンスの新規ポートフォリオ、ならびに中小企業および従業員が 500 名未満の
その他の企業向けの既存のデット・ファイナンスの証券化および/または中小企業向けデット・ファ
イナンスの新規ポートフォリオの証券化に対して、上限を設けず保証を提供する予定である。スペイ
ン向け SME イニシアチブに対する EUの拠出は、 EIF が受領し、 EIB が実施する国庫資産運用の対象とな
る。当該運用については、欧州投資基金と欧州投資銀行との間で締結された資産運用サイド・レター
に準拠する。 EIF は、スペイン向け SME イニシアチブの個別財務書類を作成している。
V.58 グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金( GEEREF )
グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金(「 GEEREF 」)の下で、 EIF は2007 年12月よ
り投資アドバイザーの機能を果たしている。 GEEREF は、 EC、ドイツ連邦政府およびノルウェー王国の
支援を受けており、その目的は主に、エネルギー効率および再生可能エネルギーに関与し、開発途上
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国および市場経済移行国におけるクリーン・エネルギーの利用可能性を高めるプロジェクトおよび企
業を資産に持つ、地域のファンドに投資することである。 GEEREF 事業の開拓は、サブアドバイザリー
契約の下で、正式に EIB に委任されている。
V.59. LfA-EIF ファシリティ
LfA-EIF ファシリティは、 2009 年に調印されたもので、ドイツ・ババリア地方における技術志向の初
期および拡大段階にある企業を支援するために投資を提供する EIF および LfA フォルダーバンク・バイ
エルンの共同ベンチャーである。
V.60. ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド(「 MDD 」)
MDD は2013 年6月に調印された投資プログラムであり、ドイツの中堅企業に投資するハイブリッド債
および株式ファンドを引き受けるために、ドイツ連邦経済技術省(「 BMWi 」)および州の様々な機関
が資金を供出している。
V.61. 技術移転パイロット・プロジェクト(「 TTP 」)
欧州委員会の資金提供を受けて 2008 年11月に調印された TTP に基づき、 EIF はシード前およびシード
段階における資金提供を通じて技術移転体制を支援している。 EIF は、 TTP の個別財務書類を作成して
いる。
V.62. G43 信託基金
EIF は、 2012 年8月に署名された G43 アナトリア・ベンチャー・キャピタル・ファンドの下で、トル
コ・セントラル・ファイナンス・ユニット(「 CFCU 」)から委託を受けている。このファンドは、ト
ルコの南東アナトリア地方の中小企業への投資を専門にしている。 EIF は、 G43 の個別財務書類を作成
している。
V.63. グリーン・フォー・グロース・ファンド(「 GGF 」)
グリーン・フォー・グロース・ファンドは EIF によって 2009 年12月に設立され、トルコを含む欧州東
南部諸国のエネルギー効率改善に特化して資金提供を行っている。
V.64. SME ギャランティー・ファシリティ
EIF は、欧州連合を代理して欧州連合のリスクにおいて、欧州連合との間で締結した受託管理契約に
従って、自己の名義で、保証を付与する権限を与えられている。 EIF は、 SME ギャランティー・ファシ
リティの個別財務書類を作成している。
V.65. 研究・開発・イノベーション・アドバイザリー(「 RDI アドバイザリー」)
RDI アドバイザリーは、ホライズン 2020 に基づく InnovFin プログラムの一環として、 2014 年6月に締
結された7年間の包括協定に基づいて設立された欧州委員会とのパートナーシップである。 RDI アドバ
イザリーには2系統の活動があり、 (i) アドバイザリーに関連した立ち上げ段階のプロジェクト、お
よび (ii) RDI 投資の全体的な枠組みの状況の改善を取り扱う並列活動ならびにホライズン 2020 に基づ
く金融手段である。 EIB は、 RDI アドバイザリーの個別財務書類を作成している。
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V.66. 欧州地域のサポート計画に対する共同支援( JASPERS )
JASPERS (欧州地域のサポート計画に対する共同支援)は、 EIB 、欧州委員会および EBRD の間におけ
る技術支援ファシリティである。欧州構造投資基金に融資を申請する大型プロジェクトの質が向上す
るよう、 EUおよび候補国の多くを支援する。 JASPERS による支援には、 EUの融資に関する身分確認から
申請に至るプロジェクト準備支援、独立した立場でのプロジェクトの品質レビュー、均等な割り当
て、戦略支援、能力の構築(能力センターを含む)、実行支援が含まれることがある。 JASPERS の業務
は、7つの部門(道路、鉄道・航空・海事、水道・ごみ、エネルギー・固形廃棄物、スマート開発、
ネットワーキング能力センター、独立品質レビュー)に分かれている。運営期間の最初の 10年( 2005
年- 2015 年)において、 JASPERS は1,000 を超えるプロジェクトを支援してきた。 JASPERS が支援し、欧
州委員会が資金供与を承認したプロジェクトの投資価値は、 720 億ユーロ超である。 EIB は、 JASPERS の
個別財務書類を作成している。
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(1)
特別部門計算書
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
資産
地中海沿岸諸国
欧州連合の財源によるもの
実行済貸付残高 13,073 24,483
リスク資本業務
-未実行金額
21,614 29,260
-実行済金額
32,978 38,168
54,592 67,428
(2)
67,665 91,911
合計
アフリカ、カリブ海および太平洋地域諸国ならびに加盟国の属国および
属領
欧州連合の財源によるもの
-ヤウンデ協定
実行済貸付金 71 71
リスク資本による業務
-実行済金額 419 419
(3)
490 490
合計
-ロメ協定
リスク資本による業務
-実行済金額 135,357 163,907
(4)
135,357 163,907
合計
203,512 256,308
合計
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(1)
特別部門計算書 (続き)
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
負債
受託管理資金
欧州連合の委託によるもの
-地中海沿岸諸国金融議定書
46,051 62,651
-ヤウンデ協定
490 490
-ロメ協定 135,357 163,907
181,898 227,048
受託管理資金の合計
未実行金額
21,614 29,260
地中海沿岸諸国における貸付業務およびリスク資本業務
21,614 29,260
未実行金額の合計
203,512 256,308
合計
付記:
欧州連合の委託に基づき EIB が元利回収を引き受けた、欧州委員会提供の特別条件付貸付金の実行済・未返済残高合
計:
a) 2019 年12月31日現在における第1次、第2次および第3次ロメ協定に基づくもの: 256,081 千ユーロ( 2018
年: 277,143 千ユーロ)
b) 2019 年12月31日現在における地中海沿岸諸国との間で署名した金融議定書に基づくもの: 41,578 千ユーロ
(2018 年: 47,968 千ユーロ)
欧州連合-欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティとの関連において、保証部分の導入契約が 2014 年8月 20日
に締結された。 2019 年に受けた履行請求後の、 2019 年12月31日現在に発行済 EU保証の総額はゼロ( 2018 年: 4,280 千
ユーロ)であった。 EU保証の総額は、 2019 年12月31日現在で 38,920 千ユーロ( 2018 年: 38,920 千ユーロ)である。
注(1) : 特別部門は、総務会によって 1963 年5月 27日に設定された。 1977 年8月4日の決議に基づき、その目的が見直さ
れ、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて欧州投資銀行が実行した金融業務を記録するためとされた。ただ
し、コトヌー協定、欧州連合 -アフリカ・インフラ信託基金、近隣インベストメント・ファシリティ信託基金
(「 NIF 」)および FEMIP 信託基金に基づくインベストメント・ファシリティについては、個別財務書類に表示
されている。また、 EIB は2005 年より他の委託について異なる種類の財務書類を作成している。
特別部門計算書は、欧州連合および加盟国の委託に基づく実行済金額もしくは未実行金額から解約額および
返済額を控除した金額を示している。実行済金額および未実行金額ならびに受取済および受取予定資金は、額
面価額で計上されている。特別部門計算書では、これらの業務に付随するリスクを補填するために必要となり
うる引当金もしくは評価調整は、確定的な償却を除き、考慮されていない。外貨建ての金額は、 12月31日現在
の実勢為替レートで換算されている。
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注(2) : 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、マグレブおよびマシュレク諸
国、マルタ、キプロス、トルコならびにギリシャにおけるプロジェクト資金( 1981 年1月1日の欧州共同体加
盟前に 10百万ユーロ融資)のため締結された契約の実行時の金額:
実行時の金額: 840,457
減算: 為替差額 55,409
解約額 176,927
539,337
返済額
-771,673
68,784
注(3) : 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、連合アフリカ諸国、マダガスカ
ルおよびモーリシャスならびに加盟国の属国、属領および地区( AASMM-OCTD )におけるプロジェクト資金のた
め締結された契約の実行時の金額:
特別条件付貸付金 139,483
2,503
リスク資本形成拠出金
実行時の金額: 141,986
加算: 資産計上された利息 1,178
9,823
為替差額
11,001
減算: 解約額 3,310
149,187
返済額
-152,497
490
注(4) :欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、アフリカ・カリブ海および太平
洋諸国ならびに加盟国の属国および属領( ACP-OCT )におけるプロジェクト資金のため締結された契約の実行時
の金額:
リスク資本による貸付金:
条件付劣後貸付金 3,116,097
121,002
出資
実行時の金額: 3,237,099
加算: 資産計上された利息 9,548
減算: 解約額 741,842
返済額 2,313,728
55,720
為替差額
-3,111,290
135,357
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注W:資本金および準備金
W.1. 資本金および準備金
欧州連合の金融機関である EIB は、 1957 年3月 25日付のローマ条約に基づいて設立された。 EIB 構成
員は欧州連合加盟国であり、いずれもグループの資本金に対し応募済みである。 EIB の応募済資本金
は、 243,284,154,500 ユーロ( 2018 年12月31日現在では 243,284,154,500 ユーロ)であり、払込未請求
資本金は、 2019 年12月31日現在、 221,585,019,550 ユーロ( 2018 年12月31日現在では 221,585,019,550
ユーロ)である。
新規加盟国、または EIB 応募済資本金分担分を増額する加盟国は、払込請求を受けた資本金分担分に
準備金、準備金に相当する引当金および同様金額の分担分を加算した金額を、通常は数年間にわたり
均等に分割して払い込む。 EIB 資本金の新規加盟国分担金の算定(通常、欧州委員会統計局
(Eurostat )が公式に発表した各国の GDP に基づいて行われる)を含めた払込みの具体的な方法は、加
盟条約および/または総務会の EIB 増資決議により設定される。
EIB の総務会および理事会における議決権は、各加盟国の応募済資本金分担金だけでなく、 EIB 定款
の第8条と第 10条で定められている別の基準にも一部基づいて設定されているが、その適用は、具体
的な議決手続に応じて双方に基づく場合もあれば一方だけに基づく場合もある。
W.2. 自己資本管理
強固な自己資本ポジションの維持は、グループの主要な目的の一つである。自己資本の十分性確保
のためのグループの自己資金は、予想損失および引当金控除後の払込済資本および準備金で構成され
ている。グループの自己資本はすべて、コア資本 Tier 1の金融商品で構成されている。加えて、グ
ループは、必要が生じたときに EIB が払込請求できる引受済払込未了自己資本から恩恵を受けている。
グループは、法人業務計画およびリスク許容度に従い、将来の見通しに基づき、自己資本について計
画している。
規制当局の監督下に置かれていないものの、関連する銀行業に関する欧州連合指令および銀行業の
ベスト・プラクティスに従うことを目指している。特に、このことはバーゼル III の枠組みを EU法に変
換した自己資本要件指令( 2013 年6月 26日、 575/2013/EP )に該当する。グループは、規制上および経
済上の自己資本所要額の双方をモニタリングするとともに、ストレス・テストを実施して、マクロ経
済環境およびグループの業務の変化に対する自己資本所要額の感応度を評価している。
自己資本要件規則に従い、欧州連合会計指令に基づく EIB グループの連結財務書類に基づいて算出さ
れたグループのコア資本 Tier 1比率は、 2019 年12月31日現在で 32.5 %( 2018 年末は 32%)であった。
当該比率が前年に比べ上昇したのは、貸付金のリスクの変動、規制上の自己資本の着実な増加に加え
て、リスク加重資産を最適化するための継続的な取組が要因であり、グループのポートフォリオにお
ける新規事業のリスクの増加に伴うリスク加重資産の小幅の増加の影響を上回った。 2019 年12月31日
現在、法定財務書類に基づく EIB のコア資本 Tier 1比率は、 32.9 %( 2018 年末現在 35.1 %)であった。
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注X:換算レート
2019 年12月31日現在および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表の作成にあたり使用されている換
算レートは、以下のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
欧州連合加盟国のユーロ以外の通貨
ブルガリア・レフ( BGN ) 1.9558 1.9558
チェコ・コルナ( CZK ) 25.4080 25.7240
デンマーク・クローネ( DKK ) 7.4715 7.4673
英ポンド( GBP ) 0.8508 0.8945
クロアチア・クーナ( HRK ) 7.4395 7.4125
ハンガリー・フォリント( HUF ) 330.5300 320.9800
ポーランド・ズロチ( PLN ) 4.2568 4.3014
ルーマニア・レイ( RON ) 4.7830 4.6635
スウェーデン・クローナ( SEK ) 10.4468 10.2548
欧州連合加盟国以外の通貨
オーストラリア・ドル( AUD ) 1.5995 1.6220
アゼルバイジャン・マナト( AZN ) 1.9004 1.9358
カナダ・ドル( CAD ) 1.4598 1.5605
スイス・フラン( CHF ) 1.0854 1.1269
中国人民元( CNY ) 7.8205 7.8751
ドミニカ・ペソ( DOP ) 59.3644 57.4037
エジプト・ポンド( EGP ) 17.9584 20.4229
エチオピア・ブル( ETB ) 35.6810 31.9590
ジョージア・ラリ( GEL ) 3.1927 3.0417
香港ドル( HKD ) 8.7473 8.9675
アイスランド・クローナ( ISK ) 135.8000 133.0500
日本円( JPY ) 121.9400 125.8500
ケニア・シリング( KES ) 113.6300 116.2400
モロッコ・ディルハム( MAD ) 10.7263 10.9402
モルドバ・レウ( MDL ) 19.2000 19.4400
メキシコ・ペソ( MXN ) 21.2202 22.4921
ノルウェー・クローネ( NOK ) 9.8638 9.9483
ニュージーランド・ドル( NZD ) 1.6653 1.7056
ロシア・ルーブル( RUB ) 69.9563 79.7153
チュニジア・ディナール( TND ) 3.1122 3.4210
トルコ・リラ( TRY ) 6.6843 6.0588
台湾ドル( TWD ) 33.5463 34.9831
ウクライナ・グリブナ( UAH ) 26.5849 31.6750
米ドル( USD ) 1.1234 1.1450
中央アフリカ CFA フラン( XAF ) 655.9570 655.9570
西アフリカ CFA フラン( XOF ) 655.9570 655.9570
南アフリカ・ランド( ZAR ) 15.7773 16.4594
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注Y: 関連当事者取引- 主要経営者
グループは、理事会、監査委員会、経営委員会の委員および EIB の各種組織部門の責任者であるディ
レクター・ジェネラル、ならびに内部統制独立部署の責任者を主要経営陣とみなしている。
一般管理費(注 P)に算入されている主要経営者の当該報告期間の報酬は、次の表のとおりである。
(単位:千ユーロ) 2019 年 2018 年
(1)
短期給付 9,574 10,445
(2)
退職後給付 915 968
(3)
-1,504 720
退職手当
合計 8,985 12,133
(1) 短期従業員給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラルおよびその他ディレクターの給与および手当、賞
与、社会保障負担金、ならびに理事会および監査委員会の委員に支払われた給付である。
(2) 退職後給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラル、およびその他ディレクターに支払われた年金および
退職後健康保険費である。
(3) 2019 年度について、グループは過年度に関連する退職手当引当金の取り崩しを計上したことにより、純利益を計上
した。 2019 年度に費用計上された手当は 744 千ユーロであった。
主要経営陣に対して前渡金も信用供与行っておらず、またいかなる種類の保証の形態でも主要経営
陣の利益のための契約を締結していない。
2019 年12月31日現在の主要経営陣との間の未決済残高は、強制および任意の補足年金制度および健
康保険制度に関する負債、ならびに期末現在の未払残高で構成されている。
(単位:千ユーロ) 2019 年12月31日 2018 年12月31日
年金制度および健康保険(注 J) 110,113 96,290
その他の負債(注 G ) 16,095 20,161
注Z:後発事象
COVID-19 のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわらず、
EIB は、主に EIB の流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、現在も引き続き強固な流動性
ポジションおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。さらに、 EIB が十分な水
準の担保および保証に基づくリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条項に依拠してい
ることから、 EIB の貸付金ポートフォリオの質は現在も高くされている。 COVID-19 のパンデミックの
EIB に対する最終的な影響を現段階で予測することは困難である。 EIB は状況を注視し、パンデミック
に対応したその他の支援策およびプログラムを検討し続けていく。
上記の要因を除き、 2019 年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類における開示を要す
る、決算日後に発生した重要な事象はない。
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②【EU会計指令に基づく連結財務書類】
当有価証券報告書の本項に記載されている EIB グループの 2019 年12月31日現在の連結貸借対照表お
よび連結オフ・バランスシート、ならびに同日に終了した事業年度の連結損益計算書および連結
キャッシュ・フロー計算書( 以下「 EU会計指令に基づく連結財務書類」という。)は、 銀行および
その他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関する 1986 年12月8日付 欧州経済共同体理事
会指令( 86/635/EEC )の一般原則 (一部の銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結
財務書類に関して、 2001 年9月 27日付欧州共同体指令 2001/65/EC 、2003 年6月 18日付欧州共同体指
令2003/51/EC および 2006 年6月 14日付欧州共同体指令 2006/46/EC により改正済み) に準拠して作成
されている。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結貸借対照表
2019年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2019 年12月31日 2018 年12月31日
1. 現金、中央銀行および郵便局預け金 (注 B.1 ) 947,155 141,830
2. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証
券(注 B.2 ) 34,436,433 33,781,528
3. 金融機関貸付金および預け金
a)要求払 544,317 944,701
b)その他の貸付金および預け金(注 C ) 53,854,679 51,394,248
c)貸付金(注 D.1 ) 109,830,697 115,700,899
d)評価損益(注D.2) -64,413 -73,705
164,165,280 167,966,143
4. 対顧客貸付金および預け金
a)その他の貸付金および預け金(注 C ) 964,644 452,890
b)貸付金(注 D.1 ) 317,404,048 314,980,169
c)評価損益(注D.2) -415,346 -456,469
317,953,346 314,976,590
5. 確定利付証券を含む負債証券 (注 B.2 )
a)公共機関による発行 3,873,908 3,876,481
b)その他による発行 8,563,375 12,380,350
12,437,283 16,256,831
6. 株式およびその他の変動利回証券 (注 E.2 ) 7,939,126 6,269,704
7. 参加持分 (注 E.2 ) 336,845 271,111
8. 無形資産 (注 F) 25,655 23,798
9. 有形資産 (注 F) 247,398 256,568
10. その他の資産 (注 G ) 56,726 74,885
11. 前払金および未収収益 (注 I) 16,661,609 17,267,486
資産合計
555,206,856 557,286,474
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結貸借対照表(続き)
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債 2019 年12月31日 2018 年12月31日
1. 金融機関に対する債務 (注 J)
a)要求払 6,287,270 4,122,978
b)期日払または通知払 1,185,511 93,390
7,472,781 4,216,368
2. 顧客に対する債務 (注 J)
a)要求払 1,594,508 1,791,083
b)期日払または通知払 15,554 10,976
1,610,062 1,802,059
3. 債務証書借入 (注K)
a)負債証券 435,684,081 441,703,219
b)その他 13,637,452 13,680,627
449,321,533 455,383,846
4. その他の負債 (注 G ) 1,031,324 863,847
5. 未払金および繰延収益 (注 I) 17,244,752 19,272,180
6. 引当金
a)年金制度および健康保険制度(注 L) 3,409,064 3,081,729
b)保証業務に係る引当金(注 D.4 ) 19,815 30,014
3,428,879 3,111,743
7. 応募済資本金 (注H)
a)応募済資本金 243,284,155 243,284,155
b)払込未請求資本金 -221,585,020 -221,585,020
21,699,135 21,699,135
8. 準備金 (注H)
a)準備基金 24,328,415 24,328,415
b)その他準備金 12,792,307 10,995,618
c)特別活動準備金 10,777,675 9,626,707
d)一般貸倒準備金 2,170,177 2,736,047
50,068,574 47,686,787
9. 当期純利益 2,418,836 2,392,824
10. 少数株主に帰属する持分 (注 H) 910,980 857,685
負債合計
555,206,856 557,286,474
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結オフ・バランスシート
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
契約債務:
-未実行貸付金(注D.1)
-金融機関
29,652,661 24,719,169
-対顧客 82,918,317 80,850,579
112,570,978 105,569,748
-株式およびその他の変動利回証券への未実行額
-ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
(注 E.2 ) 4,754,819 5,095,491
-未実行投資基金(注E.2)
3,587,184 3,362,284
712,630 712,630
-EBRD払込未請求資本
9,054,633 9,170,405
-参加持分未実行額
-ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
657,168 604,438
(注 E.2 )
657,168 604,438
-受取有価証券
122,000 0
-決済未了のローンチ済借入
223,950 223,950
-未実行代替貸付金
175,348 280,000
偶発債務および保証:
-第三者からの貸付金に係るもの
20,546,097 18,474,262
(*)
第三者に代わって保有している資産 (注 Z):
-インベストメント・ファシリティ -コトヌー
3,407,481 3,127,175
-ギャランティー・ファンド
2,829,065 2,609,882
-NER300
2,004,715 2,054,311
-イノベーターのための EU資金提供( InnovFin )
1,310,055 1,106,574
-コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ
(CEF ) 707,189 597,955
-ファンド・オブ・ファンズ( JESSICA II)
652,115 517,813
-リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリ
ティ( RSFF )(リスク・シェアリング・インスツ
ルメント( RSI )を含む) 607,413 731,063
-JESSICA (保有基金)
585,587 594,262
-EU-アフリカ・インフラ信託基金
534,457 573,012
-COSME 借入保証ファシリティ( LGF )および成長株
式投資ファシリティ( EFG ) 415,718 332,095
-欧州構造投資基金( ESIF )
401,579 351,494
-中小企業向け欧州共同財源( JEREMIE )
320,546 306,750
-ルーマニア向け SME イニシアチブ
241,870 248,863
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結オフ・バランスシート(続き)
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
-特別部門
203,512 256,308
-イタリア向け SME イニシアチブ
171,409 176,399
-GF ギリシャ
161,243 310,120
-マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )エクイ
ティ 133,582 138,516
-InnovFin 中小企業保証
132,006 145,374
-欧州近隣パートナーシップ枠組み( ENPI )
120,824 120,574
-資金パートナーシップ・プラットフォーム
105,351 91,123
-深化した包括的自由貿易協定地域( DCFTA )
102,840 105,949
-ブルガリア向け SME イニシアチブ
96,678 100,127
-InnovFin エクイティ
92,692 23,667
-REG
81,877 36,000
-GIF 2007
76,246 68,150
-NPI 証券化イニシアチブ( ENSI )
72,872 52,690
-フィンランド向け SME イニシアチブ
71,093 74,350
-SMEG 2007
70,735 82,721
-国際開発協力機構( AECID )
66,951 73,776
-雇用および社会イノベーション・プログラム
(EaSI ) 65,408 72,087
-西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファ
シリティ( WB EDIF )
49,330 55,196
-近隣インベストメント・ファシリティ( NIF )信託
基金 44,025 44,857
-エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス
商品 43,528 34,469
-欧州地中海投資パートナーシップ制度( FEMIP )信
託基金 37,713 42,757
-文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
36,134 28,266
-重債務貧困国( HIPC )イニシアチブ
35,348 35,378
-マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )ギャラン
ティー 32,323 32,189
-グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファ
シリティ( GAGF ) 31,694 41,024
-加盟候補国向け支援制度( IPA )II
31,682 10,535
-近隣インベストメント・ファシリティ( NIF )リス
ク資本ファシリティ 23,923 23,720
-マルタ向け SME イニシアチブ
21,157 20,654
-EPTA 信託基金
20,870 21,711
-欧州戦略投資基金( EFSI )-欧州投資アドバイザ
リー・ハブ( EIAH ) 20,029 16,674
-多地域保証プラットフォーム・イタリア( AGRI )
17,506 17,711
-NPI
14,763 14,779
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結オフ・バランスシート(続き)
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
-学生ローン保証ファシリティ
14,141 13,914
-自然環境保護資金調達ファシリティ
11,318 11,574
-ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファン
ズ( PGFF ) 5,227 6,660
-グローバル・エネルギー効率・再生可能エネル
ギー基金( GEEREF ) 3,918 19,779
-連邦経済技術省
3,896 7,758
-欧州議会準備行動( EPPA )
3,320 1,968
-BIF
3,293 4,723
-アルプス地域成長投資プラットフォーム
(AlpGIP ) 2,913 1,814
-中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ
1,999 2,050
-技術移転アクセラレーター( TTA )トルコ
1,425 499
-欧州技術ファシリティ
966 5,662
-スペイン向け SME イニシアチブ
944 2,796
-GEEREF 技術支援ファシリティ
727 801
-LfA-EIF ファシリティ
369 479
-ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド
(MDD ) 356 403
-技術移転パイロット・プロジェクト( TTP )
246 248
-G43 信託基金
31 0
-グリーン・フォー・グロース・ファンド( GGF )
12 12
-SME ギャランティー・ファシリティ
0 6,653
-研究・開発・イノベーション( RDI )アドバイザ
リー 0 2,847
-欧州地域のサポート計画に対する共同支援
0 1,720
(JASPERS )
16,358,235 15,611,460
その他の項目:
-金利スワップ契約の想定元本(注 V.1.2 )
540,678,886 535,680,055
-通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注 V.1.1 )
219,739,726 210,865,395
-通貨スワップ契約(支払)の想定元本
218,941,502 211,111,136
-短期通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注
V.2 ) 35,632,792 41,160,710
-短期通貨スワップ契約(支払)の想定元本
35,156,452 41,088,252
-EIF の少数株主に付与されたプット・オプション
821,272 816,824
-為替予約取引(注 V.2 )
528,280 539,296
9,035 7,135
-借入債務支払に係る特別預け金(注 S)
(*) 運用資産は、利用可能な最新の数値に基づいて、オフ・バランスシート項目として開示されている。比較対象数値
は、利用可能な最新の情報を反映するために修正再表示されることがあり得る。
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結損益計算書
2019年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1. 受取利息および類似収益 (注 N) 24,519,884 24,729,733
2. 支払利息および類似費用 (注 N) -21,476,544 -21,538,862
3. 証券からの収益 278,533 421,381
4. 受取手数料 (注 O) 429,475 361,557
5. 支払手数料 (注 O) -252,282 -180,975
6. 金融業務損益 (注P) 112,550 -91,206
7. その他の業務収益 (注 Q) 5,925 7,305
8. 一般管理費 (注 R)
a)人件費(注 L) -860,217 -849,774
b)その他の管理費 -286,971 -283,921
-1,147,188 -1,133,695
9. 有形・無形資産に係る評価損益 (注 F)
a)有形資産 -28,985 -30,526
b)無形資産 -15,597 -12,347
-44,582 -42,873
10. 固定金融資産として保有される譲渡可能有価証
券および参加持分に係る(再)評価損益 -1,778 -9,270
11. 貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に
係る(再)評価損益 33,781 -111,712
12. 当期純利益 2,457,774 2,411,383
13. 少数株主に帰属する当期利益 38,938 18,559
14. EIB 株主に帰属する当期利益
2,418,836 2,392,824
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
A.営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 2,457,774 2,411,383
調整額:
貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益 -33,781 111,712
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および
参加持分に係る評価損益の変動額 1,778 9,270
有形・無形資産に係る評価損益および償却 45,312 42,873
株式およびその他の変動利回証券に係る(再)評価損益 -65,546 -3,559
正味受取利息 -3,043,340 -3,190,871
-1,615 -4,919
為替調整額
-639,418 -624,111
営業活動による利益/(損失)
金融機関および対顧客貸付金および預け金の実行額 -43,583,030 -46,720,967
金融機関および対顧客貸付金および預け金の返済額 46,502,444 50,762,627
中央銀行預け金の変動額 30,808 20,650
財務ポートフォリオの変動額 5,252,007 -1,081,452
金融機関および顧客に対する債務の変動額 3,064,416 -923,815
年金制度および健康保険制度の引当金の変動額 327,335 315,591
保証業務に係る引当金の変動額 -10,199 -25,359
短期国庫証券デリバティブの評価の変動額 9,902 -6,707
その他の資産およびその他の負債の変動額 175,734 194,262
前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益の変動額 776,163 1,582,123
利息受取額 23,418,188 22,505,276
-20,379,662 -20,056,165
利息支払額
14,944,688 5,941,953
営業活動による/(で使用した)正味現金
B.投資活動によるキャッシュ・フロー:
期中に購入した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 -720,000 -524,088
期中に満期が到来した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券 139,600 16,800
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金および EIF の
ABS ポートフォリオの購入 -3,889,925 -3,709,716
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金および EIF の
ABS ポートフォリオの償還 3,830,869 3,081,888
株式およびその他の変動利回証券取得額 -2,254,446 -2,188,620
株式およびその他の変動利回証券売却額 650,836 958,265
参加持分取得額 -95,565 -75,735
参加持分売却額 29,195 58,807
-37,999 -36,637
有形・無形資産の購入
-2,347,435 -2,419,036
投資活動による/(で使用した)正味現金
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書(続き)
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
C. 財務活動によるキャッシュ・フロー:
債務証書借入の発行 141,610,413 102,838,534
債務証書借入の償還 -152,891,158 -100,519,723
加盟国の拠出 0 25,983
EIF 株式購入 0 -4,758
EIF 株式売却 2,201 1,298
EUMPF の資本払戻し 0 33,923
-4,331 -4,519
EIF の少数株主に支払われた配当金
-11,282,875 2,370,738
財務活動による/(で使用した)正味現金
キャッシュ・フローの要約表:
58,342,332 51,760,118
現金および現金同等物期首残高
以下による正味現金:
営業活動 14,944,688 5,941,953
投資活動 -2,347,435 -2,419,036
財務活動 -11,282,875 2,370,738
578,658 688,559
保有現金に係る為替調整
60,235,368 58,342,332
現金および現金同等物期末残高
現金および現金同等物の内訳:
現金、中央銀行および郵便局預け金(ルクセンブルク中央銀行の最低
預金準備率を充足するための預け金を除く)(注 B.1 ) 836,165 32
3ヵ月内満期の短期金融市場証券 (注 B.2 ) 10,817,964 9,575,785
金融機関および対顧客貸付金および預け金:
要求払 544,317 944,701
48,036,922 47,821,814
その他の貸付金および預け金(注 C )
60,235,368 58,342,332
添付の注記は本連結財務書類に不可欠の部分である。
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欧州投資銀行(E06005)
有価証券報告書
欧州投資銀行グループ
連結財務書類に対する注記
2019 年12月31日現在
欧州投資銀行(「 EIB 」)は、 1958 年にローマ条約により、欧州連合(「 EU」)の長期貸付銀行として設立
された。 EIB の任務は、 EU加盟国の統合、均衡の取れた発展、経済的および社会的な結束に貢献することであ
る。 EIB は、資本市場で多額の資金を調達し、それらの資金を EU政策目標を促進するプロジェクトに有利な条
件で貸し付けている。 EIB は継続的に、その業務を EU政策の展開に適合させている。
登記上の事務所所在地は、 98-100, boulevard Konrad Adenauer, Luxembourg である。
EIB と子会社を合わせて「グループ」または「 EIB グループ」と総称する。
EIB の子会社については、注 E.1. で開示されている。
注A:重要な会計方針
A.1. 作成基準
A.1.1. 会計原則
欧州投資銀行の連結財務書類(「本財務書類」)は、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類
および連結財務書類に関する 1986 年12月8日付欧州共同体理事会 86/635/EEC 指令書(特定の業種の会
社、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関する 2001 年9月 27日付
2001/65/EC 指令書、 2003 年6月 18日付 2003/51/EC 指令書および 2006 年6月 14日付 2006/46/EC 指令書に
より改正済)(以下、「指令書」と総称する)の一般原則に準拠して作成されている。
経営委員会の提案を受け、理事会は 2020 年3月 18日に本財務書類を採択し、 2020 年4月 24日までに
これを総務会に提出して承認を求めることを承認した。
グループは、欧州連合が承認した国際財務報告基準( IFRS )に従って作成した連結財務書類も公表
している。
A.1.2. 重要な会計上の判断および見積り
本財務書類を作成するにあたり、経営委員会は報告されている収益、費用、資産、負債ならびに偶
発資産および偶発債務の開示に影響する見積りおよび仮定を立てることが求められている。入手可能
な情報の使用、および判断の適用は、見積りに特有のものである。将来の実際の結果は、これらの見
積りとは異なる場合があり、これらの差異は本財務書類に対して重要なものとなる可能性がある。
最も重要な判断および見積りは、次のとおりである。
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貸付金および預け金に係る評価損益
グループでは、報告日ごとに貸付金および預け金を検証し、評価調整に係る引当金を計上すべきか
否かを評価している。特に、引当金所要額を算定するにあたっては、将来キャッシュ・フローの金額
と発生時期の見積りにおいて経営陣の判断を要する。こうした見積りは多くの要素に関する仮定に基
づいており、実際の結果は見積りと異なることがあり、結果として、将来、引当金が変動する場合も
ある。個別に重要な貸付金および預け金に対する個別引当金の他に、個別引当金を計上する必要があ
ると具体的に特定されていないものの、貸付金または預け金のデフォルト・リスクが付与された当初
よりも高まっているエクスポージャーに対して、グループは集合的な引当金を計上するためのテスト
も実施している(注 A.2.7 を参照)。
保証業務に係る引当金
グループは、金融保証契約を、予想プレミアムの正味現在価値(「 NPV 」)または当初予想損失に対
応する公正価値で当初認識している。その後金融保証は、対応する損失引当金と、当初認識時の受取
プレミアムから認識済収益を控除した額のいずれか高い方の金額により、将来の予想プレミアムの正
味現在価値の不足額として測定される(注 A.2.14 を参照)。
年金および他の退職給付
確定給付年金制度および他の退職後医療費給付に係る費用は、数理計算上の評価を用いて算定す
る。数理計算上の評価に際しては、割引率、死亡率、ならびに将来の給与および年金の増加に関する
仮定を行う。これらの制度は長期にわたるため、こうした見積りは重要な不確実性を伴う(注 A.2.11
を参照)。
A.1.3. EIB の英国に対するエクスポージャーおよび EIB の英国との関係
2017 年3月 29日、英国は、欧州連合条約(「 TEU 」)第 50条に従って欧州連合(「 EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、 TEU 第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定(「離脱協定」)に基づき、 2020 年2月
1日をもって EU加盟国でなくなった。英国の EUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「 EIB 」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
2020 年2月1日より、 EIB の応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りの EU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替えは、 EIB における英国の応募済資本
金の払込部分に加え、未請求部分も対象とするものであった。 EIB の準備金を払込応募済資本金に振り
替えることで賄われた。増資の結果、残りの各 EU加盟国において、 EIB の応募済資本金の未請求(請求
可能)持分が按分で増加した。
また、ポーランドおよびルーマニアの EIB に対する応募済資本金が、それぞれ 5,386,000,000 ユーロ
および 125,452,381 ユーロ引き上げられた。この増資は、英国の EU離脱から1ヵ月後の 2020 年3月1日
に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、 EIB の応募済資本金の増加分の払込部分につき支払いを
行うものとし、 10回の均等分割により半年ごとに EIB の準備金に拠出を行っていく。
なお、英国の EU離脱に伴う EIB 定款の数多くの変更がすでに効力を生じた。 EIB 定款変更の第一群
は、 2020 年2月1日に効力を生じた。 英国が EIB の構成員でなくなったことを反映する これらの法定の
変更には、 EIB 定款における英国への言及の削除が含まれた。 ガバナンス条項のいくつかの変更も同時
に効力を生じ、かかる変更には、 EIB 理事会の代理 メンバーの増員 、ならびに EIB の業務計画、手続規
則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。 EIB 定款変更の第二
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群は、 ポーランドおよびルーマニアからの増資 ならびに関連するガバナンスの変更 に関するものであ
り、 2020 年3月1日に効力を生じた。
英国が EIB の構成員でなくなった結果として、離脱協定には、 EIB に関する財務決済を定めるいくつ
かの規定が盛り込まれている。離脱協定第 150 条に定める条項に従い、英国は、 EIB に対する応募済資
本金の従前の分担に従い、 EU離脱前の EIB のエクスポージャーについて引き続き責任を負う。英国は、
EIB のその他のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責任を負う。
また、 EIB は、離脱協定第 150 条に定める条項に従い、 EUに代わって、 EIB の払込済資本金に対する英国
の分担金相当額を 12回の分割により毎年英国に支払う。英国の払込済資本金の払戻しを除き、 EIB は、
英国が EIB の構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定める英国の一部債務の
留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務を負わないものとす
る。
英国の EU離脱およびその結果としての EIB の構成員でなくなること、ならびに当該離脱および EIB の
構成員でなくなるための準備は、 EIB の2019 年12月31日現在および同日に終了した事業年度の連結財務
書類に重要な影響は与えなかった。
A.2. 重要な会計方針の要旨
A.2.1. 外国通貨の換算
グループは、加盟国の資本勘定の測定単位として、そしてグループの財務書類の表示にユーロ
(「 EUR 」)を使用している。
グループは、各欧州連合加盟国の通貨、ユーロおよび非欧州連合通貨で業務を行っている。 EIB の財
源は様々な通貨建ての出資、借入および利益剰余金によって調達される。
外貨建取引は、取引日の実勢為替レートで換算される。グループのユーロ以外の通貨建ての貨幣性
資産および負債は、貸借対照表日の実勢為替レート(終値)に基づきユーロに換算される。これらの
換算から生じた損益は損益計算書に計上される。
A.2.2. 連結基準
子会社
子会社とは、グループによって直接的または間接的に支配されているすべての企業である。 EIB グ
ループは、グループが企業への関与から生じる変動リターンにさらされているか、または変動リター
ンに対する権利を有しており、かつ、こうしたリターンに対して当該企業への権限を通じて影響を及
ぼす能力を有している、その支配下の企業を連結することが義務付けられている。
すべての重要な子会社は連結財務書類に含まれているが、グループにとって重要性のない企業は連
結の範囲から除外されている。あらゆる子会社の財務書類は、支配を開始した日から、支配を停止し
た日まで、連結財務書類に含められている。
EIB グループの財務書類は、欧州投資銀行(「 EIB 」)およびその子会社である欧州投資基金
(「 EIF 」)の財務書類により構成される。子会社の財務書類は、 EIB と同じ報告年度について作成さ
れ、 EIB と一貫した会計方針に基づいている。
EIB が保有していた元子会社である EUマイクロファイナンス・プラットフォーム FCP-FIS
(「 EUMPF 」)の 2018 年に行われた全発行済優先受益証券の償還により、 EUMPF は2018 年度および 2019
年度の EIB グループ連結財務書類上、連結の範囲には含まれなくなった。
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少数株主持分
EIB の子会社における少数株主持分は、グループが直接的にも間接的にも所有していない損益および
純資産の部分を表し、連結貸借対照表上の「少数株主に帰属する持分」および連結損益計算書上の
「少 数株主に帰属する当期利益」で、それぞれ表示されている。
連結上消去される取引
貸借対照表および損益計算書上の勘定を合算した後、グループ内取引から生じたグループ内の残
高、取引、収益および費用をすべて相殺消去している。
代理人または受託者の資格で保有されている資産はグループの資産ではなく、注 Zに記載されてい
る。
A.2.3. デリバティブ
グループは、金利リスクおよび外貨リスクのエクスポージャーを管理するため、デリバティブ商品
(主に通貨スワップおよび金利スワップ)を資産負債管理(「 ALM 」)活動の一環として使用してい
る。すべてのデリバティブ取引は、想定元本により、取引日にオフ・バランス項目として計上されて
いる。
グループのスワップの大部分は、債券発行をヘッジする目的で締結されている。グループは、金利
スワップに加えて通貨スワップを締結し、これにより借入資金を当初別の通貨に交換し、満期時には
借入返済に必要な資金を元の通貨で入手する。
またグループは、貸付金のヘッジの一環として、またはグローバルな ALM ポジションのために通貨ス
ワップ、金利スワップおよびオーバーナイト・インデックス・スワップを行っている。これに関する
利息は、関連期間に対する比例配分で計上されている。
グループは、財務オペレーションの一部としての為替スワップを主とした短期デリバティブ金融商
品を使用するほか、売買目的ポートフォリオ(流動性証券ポートフォリオ)をヘッジする手段として
のデリバティブも利用している。
A.2.3.1. 売買目的ポートフォリオのデリバティブ
有価証券流動性ポートフォリオ(「 SLP 」)の一部として、売買目的のデリバティブが締結され、貸
借対照表に時価で計上される。すなわち、その時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の
値の場合には、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
時価は、市場の公表価格、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルおよびオプション価格モデ
ルにより入手している。オプション価格モデルには、現在の市況および原資産の契約価額と同様に、
時間的価値、イールドカーブおよび原資産のボラティリティが考慮される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。金利ス
ワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では
「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。通貨スワップの時価
が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上される。時
価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
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金利スワップ
金利スワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算
書では「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。金利スワップ
の時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上され
る。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
A.2.3.2. その他すべてのデリバティブ
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。通貨ス
ワップの先渡レッグは決済金額でオフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金
額と先渡金額の決済差額として生ずるプレミアム/ディスカウントは、損益計算書の「受取利息およ
び類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例配分で償却される。
金利スワップ
ヘッジ金利スワップは、再評価していない。金利スワップにおける受取利息および支払利息は関連
期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では「受取利息および類似収益」または「支払利息お
よび類似費用」に計上される。
金利先渡契約
金利先渡契約はヘッジ目的で締結され、取引日現在ではオフ・バランスシート項目とされる。契約
上の先渡金利と年度末金利の差異は、損益計算書の「受取利息および類似収益」または「支払利息お
よび類似費用」に計上される。
為替予約取引
為替予約取引は、将来の通貨ポジションを調整するために締結される。先渡レッグは、決済金額で
オフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金額と先渡金額の差額は、損益計算
書の「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例
配分で償却される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
A.2.4. 金融資産
金融資産は決済日基準で計上されている。
A.2.5. 現金および現金同等物
現金および現金同等物は連結キャッシュ・フロー計算書で開示されており、手許現金、非拘束性の
中央銀行預け金残高、要求払い預金、流動性の高い短期金融市場証券または価値の変動リスクに重要
性がなく、容易に現金化が可能でグループが短期コミットメントの管理に用いている定期預金で構成
される。
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A.2.6. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに確定利付証券を含む負債証券
A.2.6.1. 長期ヘッジ・ポートフォリオ(「 LTHP 」)
長期ヘッジ・ポートフォリオ(「 LTHP 」)は、満期日まで保有する目的で購入した有価証券で構成
されている。これらの有価証券は、下記の機関が発行または保証している。
- 欧州連合加盟国政府、 G10 諸国、およびそれらの政府機関
- 多国籍開発銀行を含む国際公的機関
これらの有価証券は、当初、購入価額で計上される。一時的でない評価損益は計上されている。購
入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利
息および類似収益」として計上される。
A.2.6.2. 運用ポートフォリオ
短期財務ポートフォリオ(「 TMP 」)
適切な水準の流動性を維持するため、 EIB は満期が 12ヵ月以内の短期金融商品、特に短期国庫証券お
よび公共機関や金融機関が発行した譲渡可能負債証券を購入している。短期財務ポートフォリオの有
価証券は、最終満期日まで保有されるもので、当初は購入価格で計上され、償却原価で本財務書類に
計上される。購入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例
配分で「受取利息および類似収益」として計上される。一時的でない評価損益は計上されている。
有価証券流動性ポートフォリオ P1および P2
P1「固定利付」および P2「変動利付」ポートフォリオは、政府、国際機関、金融機関および企業
が発行もしくは保証している債券で構成されている売買目的ポートフォリオである。これらのポート
フォリオの有価証券は、購入当初においては、取得原価で計上され、本財務書類には、時価で計上さ
れる。時価の変動は、損益計算書の「金融業務損益」に計上される。
「有価証券流動性ポートフォリオ」の時価は、第一情報源としての活発な市場における公表相場価
格に基づいている。入手できる公表相場価格がない金融商品については、市場参加者から提示価格、
および/または評価手法もしくはモデルを使用して、時価を決定している。評価手法もしくはモデル
は観察可能な貸借対照表日現在の実勢市場データに基づくことが可能である場合に用いられる。
EIF 運用ポートフォリオ
EIF 運用ポートフォリオは、残存期間が 10年以内の上場負債証券で構成されている。これらの有価証
券は償却原価で測定されている。
A.2.6.3. 代替貸付金および ABS ポートフォリオ・ EIF
代替貸付金および ABS ポートフォリオ・ EIF は、主に特別目的事業体(「 SPV 」)、信託事業体または
金融機関が発行した債券、ノートあるいは証書の形の債務で構成されている。これらの有価証券は満
期保有目的として分類されており、当初購入価格で計上された上、償却原価で評価されている。購入
価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利息
および類似収益」として計上される。一時的でない評価損益は計上されている。
代替貸付金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.6.4. 優先債権者の地位(「 PCS 」)
EU一次法優位の原則および、 EIB 定款に定められている EIB の財産があらゆる形の接収および収用か
ら免除されるものとする旨の原則は、満期時における欧州連合加盟国のソブリン・エクスポージャー
の全額回収を保証するとみなされる。この財務保護および優先債権者としての地位により、欧州連合
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加盟国のソブリン・エクスポージャーまたは欧州連合加盟国の保証についての信用リスクも減損も発
生しない。しかし、他の債権者と同様に、 EIB は欧州連合加盟国ソブリン発行体の負債 性金融 商品に含
まれる集団行動条項(「 CAC 」)に基づいた多数による決定事項に拘束される。
A.2.7. 金融機関および対顧客貸付金および預け金
A.2.7.1. 貸付金および預け金
貸付金および預け金は、正味実行額をもってグループの資産に計上される。会計年度終了時におけ
る貸付金および預け金残高について、その全額または一部の金額につき回収不能のリスクがある場
合、評価損益が計上されている。これらの評価損益は、関連資産と同じ通貨で把握される。評価損益
は「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益」として損益計算書に計上さ
れており、貸借対照表の対応する資産項目から減算されている。
貸付金および預け金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.7.2. 貸付金利息
貸付金利息は、発生主義で、すなわち貸付期間にわたって、損益計算書に計上される。未収利息
は、貸借対照表の資産の「前払金および未収収益」勘定に計上される。これらの貸付金利息の評価損
益は、グループの経営陣が個別に決定し、貸借対照表の適当な資産項目から控除される。
不良債権に関しては、評価損益が生じた場合、当初の契約条件に基づく未収利息の計上は停止され
る可能性がある。
A.2.7.3. リバース・リパーチェス取引(リバース・レポ)
リバース・リパーチェス取引は、担保有価証券を提供する金融機関に対してグループが流動資金を
貸し出す取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶ
ことになる。
この取引は、支払引替渡しの原則に基づき行われる。すなわち流動資金の借手は、契約価額での決
済と引き換えに、グループの保管業者に有価証券を引き渡すのである。これによってグループに金融
市場と連動したリターンが発生する。
こうした種類の業務は、グループの目的から、保証された金利が付加された貸付とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、提供または受領した現金額に未収
(経過)利息を加えた金額で計上されている。リバース・レポは、連結貸借対照表の資産側の「金融
機関貸付金および預け金: b) その他の貸付金および預け金」に計上される。
リバース・リパーチェス契約に基づいて受け取った有価証券は、有価証券に含まれる契約上の権利
を支配できない限り、連結貸借対照表において認識されない。グループは、これらの受け取った有価
証券の市場価格を日々管理しており、原契約に従い追加担保を要求する。
リバース・リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり受取利息または支払利
息として計上される。
A.2.7.4. 利子補助金
前受利子補助金(注 Iを参照)は繰り延べられ、補助金支給対象貸付金の実行から返済までの期間に
わたって、損益計算書で認識される。
A.2.8. 株式、その他の変動利付証券および参加持分
グループは、ベンチャー・キャピタル事業開始、インフラ基金設定または投資基金設定時に、株
式、その他の変動利付証券および参加持分を取得する。これらの投資は当初は取得原価で記録され、
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返済による資金の還流額が減額される。それらの帳簿価額は、その後の貸借対照表日における測定
で、取得原価と時価のいずれか低い方に調整される。
ファンド・マネージャーから受けた報告に基づき、投資ポートフォリオは、取得原価もしくはグ
ループに帰属する分の純資産価額(「 NAV 」)のどちらか低い方の値で個々に評価されるため、ポート
フォリオに含まれている可能性があるグループ帰属分の未実現利益は除外される。グループ帰属分の
NAV は、年度末前の最新の報告で示された NAV に当該事業体におけるグループの所有持分比率を乗じた
値、もしくは入手可能な場合は各ファンド・マネージャーが提出した同日の1株当たり価値に基づい
て、算定される。また、入手可能な直近の NAV の日付から貸借対照表日の間に発生した事象について調
整することが重要と思われる場合に限り、グループ帰属分の NAV に対してかかる調整を行う。貸借対照
表日現在、2年に満たないベンチャー・キャピタル、インフラ基金、投資基金の管理費や運用報酬だ
けに起因する未実現損失は、グループ帰属分の NAV を算定する際には考慮されない。
これらの投資の未実行だが確約した部分は、名目値でオフバランスシート・コミットメントに計上
される。
セカンダリーセール
ベンチャー・キャピタル・ファンドおよび投資ファンドに係るセカンダリーセール取引により、原
資産の認識が中止される。セカンダリーセールからの損益は「金融業務損益」に計上され、売却手取
額と正味帳簿価額の差異として算出される。
参加持分
EIB グループが自己勘定で取得した株式は、通常ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金および
投資基金への投資である。業界の慣行によれば、そのような投資は概して多数の投資家が応募する投
資であり、どの投資家も当該基金の日々の運営および投資活動に対し、個人的に影響力を行使するこ
とはできない。結果として、ある投資家がそのような基金の統治機関のメンバーになったとしても、
原則的には、それにより当該投資家がその基金の日々の運営に影響を与える権利を手にするものでは
ない。さらに、ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金または投資基金の個別投資家は、資本の
払戻しまたはその他の分配に関する分配方針等、基金の方針を決定することがない。一般的にそのよ
うな決定は、基金の経営陣と全株主の権利および義務を規定した株主契約に基づき、基金の経営陣が
行っている。また一般的に株主間の合意は、個別投資家が基金との間で実質的な取引を行ったり、役
員を相互に交換したり、重要な専門情報にアクセスする特権を得たりすることも防止している。 EIB
は、株式を取得したこうした事業体に対して重要な影響力または共同支配を有しているかを判定する
ために、判断を伴う包括的な分析を通じて上記の判定基準を評価している。当該事業体に対する重要
な影響力または共同支配が存在する場合、当該投資は、「参加持分」として開示される。
グループにより応募済であるが EBRD への投資について払込未請求の資本は、オフ・バランスシート
項目として記録されている。
A.2.9. 有形資産
有形資産には、土地、グループが使用している不動産、その他機械および設備が含まれる。
土地は、取得原価で計上されており、建物は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額で計上
されている。ルクセンブルクのキルヒベルクに所在する本店の建物、ならびに同国のワイマールショ
フの建物の取得原価は、以下のように定額法で減価償却されている。
恒久使用の設備および備品、家具事務機器ならびに自動車は、取得原価から減価償却累計額を控除
した金額で貸借対照表に計上されている。
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減価償却費は購入品目ごとに、以下に示されている見積耐用年数の期間にわたって定額法で計算さ
れている。
- キルヒベルクおよびワイマールショフの建物: 30年
- 恒久使用の設備および備品: 10年
- 家具:5年
- 事務機器および自動車:3年
A.2.10. 無形資産
無形資産には、コンピューター・ソフトウェアが含まれている。ソフトウェア開発費は、識別可能
性、企業への将来の経済的便益の流入可能性、取得原価測定の信頼性に関する特定の基準を満たした
場合に資産計上される。
これらの基準に適合する自社開発のソフトウェアは、償却累計額(完成から3年にわたり定額法で
計算)控除後の取得原価で計上されている。
A.2.11. 年金制度および健康保険制度
A.2.11.1. 職員年金制度
グループは、ほぼすべての職員に退職給付を提供するため、確定給付年金制度を運営している。
EIB の主な年金制度は職員と EIB の拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とされて
いる。 EIB およびその職員の全拠出額が EIB の資産へ投資されている。
EIF の主要な年金制度は、職員と EIF の拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とさ
れている。この制度は、従来の確定拠出年金制度に代わり、 2003 年3月に実施された。
退職給付債務は、適正な引当水準となるように予測単位積立方式を用いて、少なくとも年に1度は
評価を受ける。直近の評価は 2019 年9月 30日付で実施され、 2019 年度の最後の3ヵ月を推定し(ロー
ル・フォワード法)、 2019 年12月31日付で更新された。保険数理士が用いた主な仮定については、注 L
を参照。
退職給付債務の 10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額は、制度加入者の予想平均
残存勤続年数にわたって定額法で認識される。
A.2.11.2. 健康保険制度
グループは職員のため、グループおよび職員の拠出金を原資とする独自の健康保険制度を設けてい
る。この健康保険制度は、注 A.2.11.1. に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理さ
れ、会計処理されている。直近の評価は 2019 年9月 30日付で実施され、 2019 年度の最後の3ヵ月を推
定し(ロール・フォワード法)、 2019 年12月31日付で更新された。
A.2.11.3. 経営委員会年金制度
経営委員会年金制度は確定給付年金制度で、グループのみからの拠出金を原資とし、経営委員会委
員全員を対象としている。グループからの拠出金は全額グループの資産に投資される。この経営委員
会年金制度は、注 A.2.11.1. に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処
理されている。
A.2.11.4. 任意補足年金制度
任意補足年金制度とは、職員の任意拠出金および使用者の拠出金を原資とする確定拠出年金制度で
ある。対応する負債は「その他の負債」に計上されている。
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A.2.12. 金融機関および顧客に対する債務
金融機関および顧客に対する債務は、財務書類において償還額で表示される。金融機関および顧客
に対する負債の利息は、発生主義により、「支払利息および類似費用」または、マイナス金利の場合
には「受取利息および類似収益」として損益計算書に計上される。経過利息は、負債勘定の「未払金
および繰延収益」に含まれる。
A.2.12.1. リパーチェス取引(レポ)
リパーチェス取引は、金融機関からグループが流動資金を借り入れ、担保有価証券を提供する取引
である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶことになる。
この取引は支払引替渡しの原則に基づいており、これは注 A2.7.3 に記載されている。
こうした種類の業務は、グループの目的から、合意された金利が付加された借入とみなされる。こ
れらの取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、借入金額に経過利息を加えた金額で
計上されている。レポは連結貸借対照表上、「金融機関に対する債務- b) 期日払または通知払」の下
で負債側に計上される。
リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり支払利息または受取利息として計
上される。
A.2.13. 債務証書借入
債務証書借入は、償却原価で表示されるゼロ・クーポン債を除き、償還金額で表示されている。取
引費用およびプレミアム/ディスカウントは、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収
収益」を通じて債務の残存期間にわたって定額法により損益計算書で償却される。負債性金融商品の
支払利息は、連結損益計算書の「支払利息および類似費用」に計上されている。
A.2.14. 金融保証
金融保証契約は、特定の債務者が、負債性金融商品の当初条件または修正後条件に基づいて期日に
支払いを履行できない場合に、発行者に、その商品の保有者に発生した損失を補償するための所定の
支払を行うことを義務付ける契約である。
発行済の金融保証は通常、オフ・バランスシート項目として会計処理され開示される。
金融保証による負債純額は、貸借対照表上で「保証業務に係る引当金」に表示されている。保証引
当金は、金融仲介機関に対する EIB の保証業務または第三者が供与した貸付金に関する保証に内在する
リスクに対応するためのものである。
金融保証は、予想プレミアムの正味現在価値(「 NPV 」)または当初予想損失に対応する公正価値で
当初認識される。
当初認識後、金融保証は以下のうちの高い方の金額に対する、将来の予想プレミアムの正味現在価
値の不足額として測定される。
- 予想信用損失の額
- 当初認識された公正価値から、認識された収益/償却累計額を控除した額
将来の予想プレミアムの正味現在価値が予想支払義務を超過する額を表す未実現利益は、引き続き
認識されていない。
金融保証に関連する純負債の増加または減少は、損益計算書上、「貸付金および預け金ならびに偶
発債務引当金に係る(再)評価損益」で認識される。
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受取プレミアムは、損益計算書の「受取手数料」で認識される。前受手数料は貸借対照表の「未払
金および繰延収益」で認識され、金融保証期間にわたって定額法で損益計算書において償却される。
A.2.15. 契約債務引当金
この引当金は、貸付金、投資基金およびベンチャー・キャピタル事業に対するグループの契約済・
未実行契約債務に内在するリスクに対応するためのものである。
A.2.16. 準備金
A.2.16.1. 準備基金
定款第 22(-1) 条で規定されているように、 EIB の留保利益より「応募済資本金の 10%を上限に、準備
基金に段階的に組み入れるものとする」。
A.2.16.2. その他準備金
その他準備金には、グループの残りの留保利益が含まれている。
A.2.16.3. 特別活動準備金
定款第 16(-5) 条で規定されているように、「 EIB の特別活動(中略)には個別に準備金を配分す
る」。特別活動準備金は、 EIB が一般的に受け入れているものよりもリスクの高い活動によって生じる
予想外の損失をカバーするために割り当てられた専用準備金であり、ベンチャー・キャピタル業務が
これに含まれる。この準備金は各業務の資本配分に基づき、原資産の推移に応じて月次で計算され
る。
A.2.16.4. 一般貸倒準備金
2009 年、 EIB の方針ガイドラインにより、 EIB の貸付金および保証ポートフォリオから生じる可能性
のある損失に対し、「一般貸倒準備金」が導入された。この準備金は、原資産の推移に応じて月次で
計算される。
A.2.17. 前払金および未収収益
当期の支出であるが翌期に関わる費用、および原商品の満期日まで支払いがなされない収益。
A.2.18. 未払金および繰延収益
貸借対照表日以前に支払いを受けるが翌期に帰属する収益、および当期に関連するが翌期に支払う
費用。
A.2.19. 受取利息および類似収益
「受取利息および類似収益」には、主に金融機関および対顧客貸付金および預け金、財務項目およ
びデリバティブに係る利息が含まれる。
A.2.20. 支払利息および類似費用
「支払利息および類似費用」には、主に金融機関および顧客に対する負債の利息、ならびに負債性
金融商品およびデリバティブに係る支払利息が含まれる。
A.2.21. 証券からの収益
「証券からの収益」は、主に元本を超える当期売却額で構成されている。
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A.2.22. 租税
欧州連合に関する条約および欧州連合の機能に関する条約に付属する欧州連合の特権および免除に
関する議定書は、欧州連合機関の資産、収益およびその他の財産について、あらゆる直接税を免除す
ると定めている。
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注B:現金、中央銀行および郵便局預け金ならびに負債証券ポートフォリオ(単位:千ユーロ)
B.1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
現金、中央銀行および郵便局預け金は、 2019 年12月31日現在 947,155 千ユーロ( 2018 年: 141,830 千
ユーロ)である。
EIB は、ユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティーであること
から、 EIB も欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加するようになった。 EIB は、最低預金準備
率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策オペレーションを
実施する。この預け金残高は、 2019 年12月31日現在 110,990 千ユーロ( 2018 年: 141,798 千ユーロ)で
ある。
B.2. 負債証券ポートフォリオ(単位:千ユーロ)
これらポートフォリオの 2019 年および 2018 年12月31日現在の内訳と分類は、以下のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券 34,436,433 33,781,528
12,437,283 16,256,831
確定利付証券を含む負債証券
(*)
46,873,716 50,038,359
負債証券合計
(*) うち非上場分は、 2019 年12月31日現在 8,763,906 千ユーロ( 2018 年: 8,985,604 千ユーロ)であった。
未償却
プレミア
(**)
2019 年12月31日現在 購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
長期ヘッジ・ポートフォリオ 1,744,425 1,713,229 0 -92,241 1,620,988 1,823,635
TMP
-短期金融市場証券 19,311,479 19,280,195 0 -24,916 19,255,279 19,277,771
SLP
-P1:固定利付
ポートフォリオ 3,526,414 3,521,150 0 0 3,501,947 3,521,150
-P2:変動利付
ポートフォリオ 388,861 388,260 0 0 387,865 388,260
運用ポートフォリオ- EIF 1,244,522 1,230,307 0 -12,960 1,217,347 1,243,614
資産担保証券ポートフォリオ
364,284 251,567 0 0 251,567 251,958
-EIF
代替貸付金(注 D)
20,529,156 20,489,008 1,142 -15,152 20,474,998 20,812,673
(*)
47,109,141 46,873,716 1,142 -145,269 46,709,991 47,319,061
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物 10,817,964 千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
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未償却
プレミア
(**)
2018 年12月31日現在 購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
1,089,939 1,068,912 0 -28,324 1,040,588 1,170,026
長期ヘッジ・ポートフォリオ
TMP
-短期金融市場証券 21,358,424 21,312,716 0 -20,868 21,291,848 21,306,540
SLP
-P1:固定利付
ポートフォリオ 4,332,777 4,315,498 0 0 4,308,446 4,315,498
-P2:変動利付
ポートフォリオ 1,491,634 1,484,308 0 0 1,483,077 1,484,308
運用ポートフォリオ -EIF 1,235,569 1,211,929 0 -7,678 1,204,251 1,227,925
資産担保証券ポートフォリオ
302,986 200,091 0 0 200,091 200,177
-EIF
20,479,034 20,444,905 0 -23,428 20,421,477 20,504,695
代替貸付金(注 D)
(*)
50,290,363 50,038,359 0 -80,298 49,949,778 50,209,169
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物 9,575,785 千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
代替貸付金は、証券化取引に関連する貸付金または債権のプールにおける持分の取得を表してお
り、貸付金総額(注 D)の一部とみなされる。こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の
救済措置を付加した上で組成されているため、追加的な償還請求手段が備わっている。取引1件につ
いて、 2019 年12月31日現在で評価損益が計上されている( 2018 年:なし)。
債券保有における欧州連合加盟国ソブリン債に対するエクスポージャー
EIB および EIF の優先債権者の地位ならびに EIB 定款による保護を考慮し、また評価調整要件の詳細な
見直しの結果、グループは、期末現在の満期保有目的 EU加盟国ソブリン債および EU加盟国ソブリン保
証債のエクスポージャーに関して、 2018 年度および 2019 年度に評価損益を計上しなかった。
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次の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在のグループの負債証券ポートフォリオにおける、 EU加
盟国またはその政府機関が発行または保証する負債証券に対するエクスポージャーを示したものであ
る。
購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
2019 年12月31日現在
EU加盟国ソブリン債
オーストリア 212,258 209,854 206,600 210,632
ベルギー 51,202 50,938 50,873 51,000
チェコ共和国 552,405 513,116 496,193 556,695
クロアチア 23,011 22,762 22,254 22,765
キプロス 2,085 2,009 2,000 2,008
エストニア 15,034 15,016 15,000 15,008
フィンランド 41,510 40,652 40,000 40,652
フランス 2,340,660 2,332,787 2,319,329 2,337,655
ドイツ 912,098 908,248 876,259 971,908
ハンガリー 158,293 155,907 155,513 156,222
アイルランド 412,339 410,643 409,900 410,522
イタリア 159,705 154,017 152,050 180,244
ラトビア 9,770 9,791 9,792 9,778
リトアニア 99,294 95,954 95,161 96,185
ルクセンブルク 5,161 5,006 5,000 5,071
オランダ 402,096 391,972 374,023 404,009
ポーランド 101,743 99,685 96,531 99,842
ポルトガル 288,130 287,603 287,000 287,508
ルーマニア 52,861 52,232 50,463 52,209
スロバキア 13,919 14,159 14,120 14,504
スロベニア 4,994 5,000 5,000 5,012
スペイン 2,107,127 2,096,592 2,086,123 2,097,304
54,420 54,324 53,409 54,324
スウェーデン
8,020,115 7,928,267 7,822,593 8,081,057
39,089,026 38,945,449 38,887,398 39,238,004
EU加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
47,109,141 46,873,716 46,709,991 47,319,061
合計
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購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
2018 年12月31日現在
EU加盟国ソブリン債
オーストリア 57,000 55,553 55,000 56,791
ベルギー 408,282 407,068 407,000 407,159
チェコ共和国 529,612 495,950 474,767 547,591
デンマーク 172,023 171,746 171,548 171,744
フィンランド 17,782 17,354 17,467 17,354
フランス 2,210,979 2,196,740 2,190,154 2,200,842
ドイツ 577,725 578,347 573,804 642,180
ギリシャ 6,134 5,070 5,000 5,212
ハンガリー 346,004 342,851 342,856 343,789
アイルランド 82,972 81,355 78,800 81,358
イタリア 281,352 274,766 271,950 293,556
ルクセンブルク 5,161 5,022 5,000 5,271
オランダ 227,277 223,200 212,061 234,714
ポーランド 83,804 81,594 80,993 83,230
ポルトガル 1,751,201 1,742,097 1,734,500 1,743,014
ルーマニア 50,619 50,103 50,000 50,088
スロバキア 23,330 21,341 21,193 22,232
スロベニア 25,845 25,755 25,716 25,870
1,521,747 1,518,515 1,517,658 1,519,941
スペイン
8,378,849 8,294,427 8,235,467 8,451,936
41,911,514 41,743,932 41,714,311 41,757,233
EU加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
50,290,363 50,038,359 49,949,778 50,209,169
合計
注 C :金融機関および対顧客貸付金および預け金 -その他の貸付金および預け金(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
定期預金 28,994,453 41,133,177
要求払預金 238,000 238,000
リバース・レポ 24,622,226 10,023,071
金融機関貸付金および預け金 53,854,679 51,394,248
964,644 452,890
対顧客貸付金および預け金
54,819,323 51,847,138
その他の貸付金および預け金合計
うち現金および現金同等物 48,036,922 47,821,814
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注D:貸付金明細表
D.1. 貸付金総額(単位:千ユーロ)
貸付金総額は貸付金の実行済金額と未実行金額で構成されている。分析は以下のとおりである。
最終受益者に
金融仲介機関に
対して実行される 2019 年12月31日 2018 年12月31日
直接実行される
貸付金
貸付金
実行済金額 109,827,271 317,235,957 427,063,228 430,471,171
29,652,661 82,918,317 112,570,978 105,569,748
未実行金額
139,479,932 400,154,274 539,634,206 536,040,919
貸付金総額
分割貸付債権 3,426 168,091 171,517 209,897
(1)
20,665,498 20,724,905
代替貸付金ポートフォリオ
560,471,221 556,975,721
代替貸付金ポートフォリオを含む貸付金総額 (注 D.3 )
(1) 2019 年度に 175,348 千ユーロ( 2018 年: 280,000 千ユーロ)が未実行金額として計上された。
D.2. 貸付金に係る評価損益(単位:千ユーロ)
評価損益の推移の詳細は、以下のとおりである。
2019 年 2018 年
1月1日現在 530,174 465,507
当期取崩額 -148,421 -69,708
(1)
当期目的使用額 -31,212 -66,036
当期繰入額 123,213 197,117
6,005 3,294
為替調整額
(2)
479,759 530,174
12月31日現在
(1) 2019 年、グループは貸付金事業1件について、全額が引当済のリストラクチャリングを完了した。このリストラク
チャリングの結果、 7,426 千ユーロ( 2018 年: 66,036 千ユーロ)が既存の引当金から目的使用された。また、グルー
プは一部引当金が設定されている不良債権事業の売却取引を完了した。この結果、資産売却損 20,206 千ユーロに既
存の引当金が充当された。最後に、グループは貸付先企業の清算を受けて、貸付金事業1件におけるエクスポー
ジャーを償却し、この結果、清算時に 3,580 千ユーロが既存の引当金から目的使用された。
(2) 評価損益は、延滞を含む実行済貸付金のみに関連している。また、グループは追加的に「前払金および未収収益」
に計上されている未収利息について、総額 7,189 千ユーロ( 2018 年: 6,763 千ユーロ)の評価損益を計上している。
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D.3. プロジェクトが行われている国別に表示した貸付金の地域別内訳(単位:千ユーロ)
D.3.1. 欧州連合内のプロジェクトに対する貸付金
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
スペイン 87,792,660 80,711,617 7,081,043 15.67% 16.11%
イタリア 63,181,451 50,524,139 12,657,312 11.28% 11.37%
フランス 57,521,274 44,548,304 12,972,970 10.27% 10.14%
ドイツ 44,729,856 34,906,743 9,823,113 7.98% 7.75%
ポーランド 41,977,061 32,297,948 9,679,113 7.49% 7.59%
イギリス 39,230,726 36,989,687 2,241,039 7.00% 7.31%
ギリシャ 18,783,704 16,232,831 2,550,873 3.35% 3.25%
ポルトガル 17,280,892 15,152,816 2,128,076 3.08% 3.23%
オランダ 16,018,057 11,970,833 4,047,224 2.86% 2.72%
オーストリア 14,816,716 13,069,044 1,747,672 2.64% 2.70%
ベルギー 13,914,722 10,698,536 3,216,186 2.48% 2.34%
スウェーデン 11,545,691 8,431,946 3,113,745 2.06% 1.99%
フィンランド 11,281,849 8,604,580 2,677,269 2.01% 1.92%
ハンガリー 9,776,571 7,637,528 2,139,043 1.74% 1.77%
アイルランド 7,183,066 5,705,604 1,477,462 1.28% 1.20%
チェコ共和国 7,160,491 5,815,519 1,344,972 1.28% 1.22%
ルーマニア 6,703,627 3,789,691 2,913,936 1.20% 1.27%
スロバキア 4,864,974 3,431,277 1,433,697 0.87% 0.88%
クロアチア 4,496,703 3,134,928 1,361,775 0.80% 0.79%
スロベニア 3,297,725 2,676,658 621,067 0.59% 0.60%
デンマーク 3,074,128 2,697,968 376,160 0.55% 0.51%
キプロス 2,691,427 2,074,162 617,265 0.48% 0.46%
ブルガリア 2,244,675 1,667,360 577,315 0.40% 0.41%
リトアニア 1,980,495 1,852,416 128,079 0.35% 0.38%
エストニア 1,417,167 1,113,749 303,418 0.25% 0.23%
ラトビア 1,164,617 709,301 455,316 0.21% 0.21%
ルクセンブルク 902,218 450,220 451,998 0.16% 0.13%
473,550 305,908 167,642 0.08% 0.09%
マルタ
495,506,093 407,201,313 88,304,780 88.44% 88.60%
小計
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D.3.2. 欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金
D.3.2.1. 候補国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
13,881,361 13,067,608 813,753
トルコ
3,281,243 2,356,719 924,524
セルビア
586,425 422,724 163,701
モンテネグロ
405,535 262,689 142,846
北マケドニア
306,331 263,831 42,500
アルバニア
18,460,895 16,373,571 2,087,324 3.29% 3.73%
小計
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D.3.2.2. アフリカ、カリブ海および太平洋( ACP )諸国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
マダガスカル 447,210 231,525 215,685
ザンビア 437,884 115,767 322,117
ケニア 376,483 152,654 223,829
セネガル 364,169 117,391 246,778
ギニア 255,000 34,491 220,509
タンザニア連合共和国 197,143 66,169 130,974
レソト 175,016 93,016 82,000
マラウイ 171,025 34,342 136,683
ドミニカ共和国 165,407 46,482 118,925
コートジボワール 152,700 24,024 128,676
ニジェール 137,370 9,000 128,370
ベナン 134,276 44,960 89,316
ウガンダ 122,101 95,994 26,107
アンゴラ 100,000 0 100,000
西アフリカ地域 91,578 86,432 5,146
モザンビーク 87,421 71,276 16,145
ブルキナファソ 86,123 63,123 23,000
ブルンジ 70,000 36,500 33,500
フィジー 66,762 0 66,762
リベリア 66,355 46,355 20,000
カーボベルデ 61,218 48,049 13,169
カメルーン 58,192 53,192 5,000
ガンビア 57,000 0 57,000
パプア・ニューギニア 53,367 0 53,367
マリ 48,909 34,909 14,000
ガーナ 46,169 33,669 12,500
ルワンダ 45,000 0 45,000
シント・マールテン 44,228 0 44,228
エスワティニ王国 41,726 5,326 36,400
セーシェル 40,497 27,997 12,500
エチオピア 40,000 5,000 35,000
コンゴ民主共和国 35,585 35,585 0
モーリシャス 28,110 28,110 0
サントメ・プリンシペ 24,500 0 24,500
モーリタニア 18,760 3,760 15,000
ナミビア 17,401 17,401 0
トーゴ 13,775 2,405 11,370
カリブ海地域 12,976 12,976 0
コンゴ 12,585 12,585 0
ハイチ 12,000 0 12,000
ベリーズ 7,879 1,114 6,765
ドミニカ 3,414 3,414 0
ボツワナ 1,768 1,768 0
ジャマイカ 1,093 1,093 0
1,093 1,093 0
セント・ヴィンセント・グレナディン
4,431,268 1,698,947 2,732,321 0.79% 0.72%
小計
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D.3.2.3. アジア
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
2,551,182 1,352,936 1,198,246
インド
2,329,040 1,001,644 1,327,396
中国
385,000 109,833 275,167
バングラデシュ
384,107 153,107 231,000
ベトナム
326,705 0 326,705
カザフスタン
200,000 0 200,000
ウズベキスタン
186,534 29,964 156,570
ネパール
184,991 134,991 50,000
スリランカ
180,020 42,217 137,803
ラオス人民民主共和国
140,515 0 140,515
カンボジア
112,000 10,000 102,000
キルギス
109,028 17,700 91,328
タジキスタン
90,496 56,519 33,977
モンゴル
50,000 0 50,000
パキスタン
46,649 10,526 36,123
モルディブ
3,011 3,011 0
インドネシア
7,279,278 2,922,448 4,356,830 1.30% 1.13%
小計
D.3.2.4. 潜在的候補国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,573,165 1,152,837 420,328
ボスニア・ヘルツェゴビナ
132,000 17,000 115,000
コソボ
1,705,165 1,169,837 535,328 0.30% 0.31%
小計
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D.3.2.5. ラテンアメリカ諸国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,320,034 594,900 725,134
ブラジル
612,705 385,470 227,235
エクアドル
558,723 452,557 106,166
パナマ
438,202 115,085 323,117
ニカラグア
296,891 106,656 190,235
アルゼンチン
289,022 166,522 122,500
中央アメリカ地域
194,401 90,852 103,549
パラグアイ
190,115 78,879 111,236
ボリビア
184,280 908 183,372
コロンビア
162,480 162,480 0
メキシコ
133,523 133,523 0
ペルー
79,402 65,380 14,022
ホンジュラス
73,055 73,055 0
チリ
58,816 58,816 0
コスタリカ
53,409 0 53,409
ラテンアメリカ地域
4,645,058 2,485,083 2,159,975 0.83% 0.73%
小計
D.3.2.6. 欧州自由貿易連合( EFTA )加盟国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,141,970 941,420 200,550
ノルウェー
559,824 519,824 40,000
アイスランド
48,755 32,929 15,826
スイス
1,750,549 1,494,173 256,376 0.31% 0.32%
小計
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D.3.2.7. 地中海沿岸諸国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
5,466,111 3,263,992 2,202,119
エジプト
4,784,201 3,108,790 1,675,411
モロッコ
3,202,784 2,116,448 1,086,336
チュニジア
1,617,628 548,602 1,069,026
レバノン
826,688 826,688 0
イスラエル
615,012 391,972 223,040
ヨルダン
353,050 353,050 0
アルジェリア
160,821 160,821 0
シリア・アラブ共和国
99,987 38,964 61,023
ガザ・西岸地区
11,902 0 11,902
地中海沿岸地域
17,138,184 10,809,327 6,328,857 3.06% 2.96%
小計
D.3.2.8. 海外の属国および属領( OCT )
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
16,667 16,667 0
ニューカレドニア
16,295 8,795 7,500
仏領ポリネシア
32,962 25,462 7,500 0.01% 0.01%
小計
D.3.2.9. 東欧諸国、南コーカサス諸国およびロシア
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
5,080,573 1,284,260 3,796,313
ウクライナ
1,634,280 593,808 1,040,472
ジョージア
684,037 280,838 403,199
モルドバ共和国
530,000 75,000 455,000
ベラルーシ
339,279 200,218 139,061
アルメニア
74,950 74,950 0
ロシア連邦
6,275 6,275 0
アゼルバイジャン
8,349,394 2,515,349 5,834,045 1.49% 1.32%
小計
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D.3.2.10. 南アフリカ
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
1,000,858 857,868 142,990
南アフリカ
1,000,858 857,868 142,990 0.18% 0.17%
小計
欧州連合域外のプロジェクトに
64,793,611 40,352,065 24,441,546 11.56% 11.40%
対する貸付金合計
(1)
560,299,704 447,553,378 112,746,326 100.00%
2019 年貸付金合計
(1)
556,765,824 450,916,076 105,849,748 100.00%
2018 年貸付金合計
(1) 代替貸付金(注 B.2 および D.1 )を含み、分割貸付債権( 2019 年: 172 百万ユーロ、 2018 年: 210 百万ユーロ)を除く
貸付金総額。
D.4. 保証業務に係る引当金
グループが付与した保証に係る引当金は、受益者に対して支払義務を負うと見込まれる損失に対応
して認識されている。 2019 年12月31日現在、こうした引当金は 19,815 千ユーロにのぼる( 2018 年:
30,014 千ユーロ)。
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注E:グループの構成、株式、その他の変動利付証券および参加持分
E.1. グループの構成
E.1.1. 欧州投資基金
欧州投資基金(「 EIF 」)は、 1994 年6月 14日にルクセンブルクで国際金融機関として設立された。
登記上の事務所所在地は、 37B, avenue J.F. Kennedy, L-2968 Luxembourg である。
EIF の主要任務は、十分な自己資本利益率を提供しつつ、以下を通じて欧州連合の目的追求に貢献す
ることである。
- 金融機関に対する中小企業(「 SME 」)向け融資保証の提供
- 持分投資の取得、保有、運用および処分
- 第三者から受託した特別財源の管理
- 関連業務
EIB は、 EIF の応募済資本金の 58.53 %( 2018 年: 58.64 %)を保有している。
E.2. 株式、その他の変動利付証券および参加持分(単位:千ユーロ)
参加持分 株式およびその他の変動利付証券
ベンチャー・ ベンチャー・
その他の持
(2) (1) (3)
キャピタル キャピタル
EBRD 持分 投資基金 合計
分投資
(1) (1)
事業 事業
取得原価:
297,878 5,208,491 157,500 1,376,701 0 6,742,692
2019 年1月1日現在
96,468 1,359,366 0 895,080 266 2,254,712
当期取得額
-29,196 -438,441 0 -212,395 0 -650,836
当期売却額
365,150 6,129,416 157,500 2,059,386 266 8,346,568
2019 年12月31日現在
評価損益:
-26,767 -431,624 0 -41,364 0 -472,988
2019 年1月1日現在
-5,210 -71,764 0 -20,101 0 -91,865
当期取得額
3,672 148,211 0 9,200 0 157,411
当期減少額
-28,305 -355,177 0 -52,265 0 -407,442
2019 年12月31日現在
純帳簿価額:
336,845 5,774,239 157,500 2,007,121 266 7,939,126
2019 年12月31日現在
271,111 4,776,867 157,500 1,335,337 0 6,269,704
2018 年12月31日現在
(1) オフ・バランスシートで開示されている契約済の未実行額は、それぞれ次のとおりである。
株式およびその他の変動利付証券に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業: 4,754,819 千ユーロ( 2018 年: 5,095,491 千ユーロ)
・ 投資基金: 3,587,184 千ユーロ( 2018 年: 3,362,284 千ユーロ)
参加持分に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業: 657,168 千ユーロ( 2018 年: 604,438 千ユーロ)
(2) 157,500 千ユーロ( 2018 年: 157,500 千ユーロ)は、 EBRD (欧州復興開発銀行)の資本金に対する EIB の応募額
900,440 千ユーロに係る 2019 年12月31日現在の EIB の払込資本である。
(3) 合計額は、株式およびその他の変動利付証券のみを含む。
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2019 年12月31日現在、 EIB は、 EBRD の応募済資本金の 3.03 %を所有している。国際財務報告基準に準
拠して作成された EBRD の監査済 2018 年度財務書類に基づいた、 EBRD における EIB の正味資本持分は 493
百万ユーロ( 2018 年: 490 百万ユーロ)である。
持分比率(%) 自己資本合計 純損益合計 資産合計
(単位:百万ユーロ)
(*)
3.03 16,283 210 61,852
EBRD (2018 年12月31日)
(*) データは EBRD の最新の監査済財務書類に基づいている。
注F:無形・有形資産(単位:千ユーロ)
ルクセン 家具備品
土地 有形資産合計 無形資産合計
ブルクの建物 および設備
取得原価:
2019 年1月1日現在 20,145 387,943 88,317 496,405 36,919
当期取得額 0 9,939 9,876 19,815 18,184
0 0 -26,067 -26,067 -11,737
当期除却額
20,145 397,882 72,126 490,153 43,366
2019 年12月31日現在
減価償却/償却累計額
2019 年1月1日現在 0 -186,758 -53,079 -239,837 -13,121
当期減価償却/償却額 0 -9,792 -19,193 -28,985 -15,597
0 0 26,067 26,067 11,007
当期除却額
0 -196,550 -46,205 -242,755 -17,711
2019 年12月31日現在
純帳簿価額:
20,145 201,332 25,921 247,398 25,655
2019 年12月31日現在
20,145 201,185 35,238 256,568 23,798
2018 年12月31日現在
ルクセンブルクの建物には、新棟の建設に係る原価 55,153 千ユーロ( 2018 年: 45,214 千ユーロ)が
含まれており、新棟は、 2023 年に完成予定である。
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注 G :その他の資産およびその他の負債(単位:千ユーロ)
その他の資産 2019 年12月31日 2018 年12月31日
未収金およびその他債権 25,828 23,814
保証履行請求債権 25,633 21,775
デリバティブの公正価値 1,638 6,874
(*)
職員住宅ローンおよび預け金 1,038 1,552
保証に係る受取手数料 112 0
ベンチャー・キャピタル事業売却代金未収金 0 16,573
2,477 4,297
その他
56,726 74,885
合計
(*) 上記残高は、過年度に EIB がEIB 職員に供与した職員住宅ローンに関連するものである。 1999 年以降、こうした住宅
ローンに代わり、常勤職員によるグループ職員規程に準拠した職員住宅ローン利用を可能にする外部金融機関との
取決めが導入された。該当職員全員に対して、同一の利率と条件が適用される。
その他の負債 2019 年12月31日 2018 年12月31日
任意補足年金制度(注 L) 643,232 585,017
ファースト・ロス一部負担金 132,676 52,575
未払人件費 105,707 117,579
未払金およびその他債務 48,674 51,268
貸付金の未達勘定 15,105 13,750
重債務貧困国( HIPC )イニシアチブに係る未払費用 13,596 13,596
デリバティブの公正価値 8,094 3,428
西バルカン諸国のインフラ基金 393 393
63,847 26,241
その他
1,031,324 863,847
合計
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(1)
注H:応募済資本金、グループ自己資本および利益処分
連結自己資本変動計算書(単位:千ユーロ) 2019 年 2018 年
資本金:
-応募済資本金
243,284,155 243,284,155
-払込未請求資本金 -221,585,020 -221,585,020
-払込請求済資本金
21,699,135 21,699,135
準備金および当期純利益:
準備基金:
24,328,415 24,328,415
-期首残高
-期末残高
24,328,415 24,328,415
その他準備金:
-期首残高
10,995,618 10,312,322
(2,3)
-前年度利益処分額
1,807,726 700,540
(4)
-所有持分の変動 -11,037 -17,244
-期末残高
12,792,307 10,995,618
特別活動準備金:
-期首残高
9,626,707 7,504,091
(2)
-前年度利益処分額 1,150,968 2,122,616
-期末残高
10,777,675 9,626,707
一般貸倒準備金:
-期首残高
2,736,047 2,700,556
(2)
-前年度利益処分額 -565,870 35,491
-期末残高
2,170,177 2,736,047
2,418,836 2,392,824
EIB 株主に帰属する当期純利益
74,186,545 71,778,746
EIB 株主に帰属する連結自己資本合計
少数株主に帰属する持分(単位:千ユーロ) 2019 年 2018 年
-1月1日現在の残高
857,685 899,004
-準備金の変動
18,688 -55,359
-少数持分に対する配当金の支払
-4,331 -4,519
-当期損益処分 38,938 18,559
910,980 857,685
12月31日現在の少数株主に帰属する持分合計
(1) A.1.3. を参照のこと。
(2) 2019 年4月 24日、総務会は、 2018 年12月31日終了年度の EIB の当期純利益 2,339,052 千ユーロをその他準備金、特別
活動準備金および一般貸倒準備金に繰り入れることを決定した。一般貸倒準備金または特別活動準備金からの取崩
し/への繰入れが行われたということは、基本的な運用のリスクが変動したということの結果である。
(3) EIB の法定利益とグループの連結当期純利益との差額( 53,772 千ユーロ)は、「 EIB 株主に帰属するその他準備金」
に配分された。
(4) この差額は、 EIF 株式の購入および売却、ならびに 2018 年の EUMPF の連結除外に関連するものであった。
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注I:前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
前払金および未収収益
通貨スワップ契約に係る外国為替 8,262,158 8,652,346
未収利息および手数料 7,638,811 7,847,367
繰延借入費用 394,304 412,424
委託の受取手数料 208,495 189,716
(*)
スワップに係る未収償還プレミアム 154,804 154,285
3,037 11,348
その他
16,661,609 17,267,486
合計
2019 年12月31日 2018 年12月31日
未払金および繰延収益
未払利息および手数料 8,107,194 8,259,577
通貨スワップ契約に係る外国為替 7,127,931 9,014,183
(*)
スワップに係る未払償還プレミアム 816,284 788,671
繰延借入収益 686,322 718,796
貸付金に係る繰延収益 268,236 272,178
前受運用報酬 130,088 88,778
前受利子補助金 101,457 103,385
7,240 26,612
その他
17,244,752 19,272,180
合計
(*) スワップの未収および未払に係る償還プレミアムは、そのような特性が盛り込まれた契約に係る原スワップ契約の
最終支払額を示す。
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注J:金融機関および顧客に対する債務(単位:千ユーロ)
J.1. 金融機関に対する債務
2019 年12月31日 2018 年12月31日
要求払 6,287,270 4,122,978
短期預かり金 2,761 93,390
1,182,750 0
金融機関とのレポ取引
7,472,781 4,216,368
合計
J.2. 顧客に対する債務
2019 年12月31日 2018 年12月31日
翌日物預金 4,013 7,665
欧州連合および加盟国口座
-特別部門業務および関連未決済金額に係るもの
397,313 374,376
-預金口座
1,193,182 1,409,042
15,554 10,976
短期預かり金
1,610,062 1,802,059
合計
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注K:債務証書借入(単位:千ユーロ)
財務活動におけるグループの目標の1つとして、特に通貨に関し、その資金調達戦略を貸付金供与
に要する資金と合致させることが挙げられる。「債務証書借入」の項には、「負債証券」(一般投資
家に対して公募した有価証券)および「その他」(私募)が含まれる。次の表は、 2019 年および 2018
年12月31日現在の債務残高の通貨別内訳、ならびに平均利率と満期日をまとめたものである。
2019 年 2018 年
平均利率 平均利率
12月31日 満期日 12月31日現在
支払通貨
(*) (*)
2019 年 2018 年
現在残高 残高
ユーロ 242,241,423 1.73 2020/2057 242,302,683 1.88
米ドル 111,884,458 2.20 2020/2058 118,381,750 2.14
英ポンド 45,613,342 2.61 2020/2054 45,514,776 2.67
オーストラリア・ドル 9,947,726 3.77 2020/2042 11,158,821 4.40
スウェーデン・クローナ 5,873,569 2.28 2020/2040 5,871,397 2.45
ノルウェー・クローネ 5,739,674 1.98 2020/2037 4,092,659 1.97
スイス・フラン 5,430,993 2.09 2020/2036 6,543,349 2.10
カナダ・ドル 5,313,621 2.02 2020/2045 4,753,954 2.10
ポーランド・ズロチ 4,994,362 2.48 2021/2029 3,605,803 2.38
日本円 3,282,503 1.12 2020/2053 3,768,843 1.02
南アフリカ・ランド 2,774,494 8.16 2020/2032 3,059,007 7.66
トルコ・リラ 2,266,647 8.76 2020/2027 2,937,200 8.94
メキシコ・ペソ 1,887,353 5.66 2020/2027 1,689,482 5.63
デンマーク・クローネ 525,216 0.82 2024/2031 123,760 3.46
ニュージーランド・ドル 388,435 2.49 2020/2023 469,043 3.37
チェコ・コルナ 347,462 2.45 2021/2034 379,935 2.57
ハンガリー・フォリント 272,895 0.22 2020/2021 281,014 0.18
人民元 230,164 2.80 2020/2022 63,491 3.88
ロシア・ルーブル 164,388 6.16 2020/2022 213,259 6.71
香港ドル 105,175 2.14 2020/2021 116,152 2.47
37,633 2.87 2020/2020 57,468 2.66
ルーマニア・レイ
449,321,533 455,383,846
合計
(*) 貸借対照表日現在の加重平均利率
仕組借入の中には、その元本および利息が株価指数に連動しているものもある(実行時の価額:
2019 年は 500 百万ユーロ、 2018 年は 500 百万ユーロ)。借入金はすべて、仕組スワップ・オペレーショ
ンにより十分にヘッジされている。
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次の表は、 2019 年度および 2018 年度の債務証書借入(短期コマーシャル・ペーパーを含む)の変動
を示したものである。
2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ)
1月1日現在の残高 455,384 449,585
当期発行額 141,610 102,839
契約に基づく償還 -151,818 -99,771
期限前償還および買戻し -1,073 -749
5,219 3,480
為替差額
449,322 455,384
12月31日現在の残高
注L:引当金-年金制度および健康保険制度(単位:千ユーロ)
グループの主な年金制度は職員とグループからの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員
が対象とされている。グループおよびその職員の全拠出額がグループの資産へ投資されている。
年金制度および健康保険制度の引当金は、以下のとおりである。(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
職員年金制度:
1月1日現在の引当額 2,676,508 2,416,081
期中支給額 -87,460 -90,346
保険数理損失の認識 122,809 119,596
255,751 231,177
年間の拠出金および利息
2,967,608 2,676,508
職員年金制度小計
経営委員会年金制度
経営委員会年金制度 35,652 37,226
1,913 1,465
保険数理損失の認識
37,565 38,691
経営委員会年金制度小計
健康保険制度:
1月1日現在の引当額 366,530 312,083
期中支給額 -22,254 -19,836
保険数理損失の認識 11,589 25,337
48,026 48,946
年間の拠出金および利息
403,891 366,530
健康保険制度小計
3,409,064 3,081,729
12月31日現在引当金合計
上記金額は、任意補足年金制度(確定拠出年金制度)加入者への債務を含んでいない。それに対応
する債務 643 百万ユーロ( 2018 年: 585 百万ユーロ)は、「その他の負債」(注 G )に分類されている。
将来の退職給付および健康保険給付に対する引当金は、 2019 年9月 30日付で、独立した保険数理士
により、予測単位積立方式を用いて評価された。この保険数理評価は、 2019 年12月31日現在の実勢市
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場金利および以下の(職員年金制度および健康保険制度に関する)仮定に基づいて 2019 年度の最後の
3ヵ月を推定し(「ロール・フォワード」法)、 2019 年12月31日付で更新された。
・ 23.8 年( 2018 年: 21.9 年)の期間に対応する年金制度および健康保険制度 1.30 %( 2018 年: 2.18 %)
における未払給付の保険数理上の現在価値を算定するための割引率
・ 過去の経験を踏まえて、 EIB では、退職給付積立金からの予想支給総額は
「上記割引率+ 1.5 %( 2018 年: 1.5 %)」に設定されると見積っている。
・ 退職年齢 55~65歳での段階的退職
(2018 年と同じ)
・ 物価および賃金の平均的上昇率 3.5 %( 2018 年: 3.5 %)
・ 予想退職率 30%~0%で変動し、年齢と
ともに低下( 2018 年と同じ)
・ 年金調整率(年) 1.75 %( 2018 年と同じ)
・ ICSLT 生命表 2018 年度版を使用
(2018 年: ICSLT 生命表 2013 年
度版)
・ 医療費上昇率(年) 3.75 %( 2018 年: 3.75 %)
・ 年齢ごとの医療費プロファイルは、 2019 年に過去の実績に加えて
2020 年1月1日より適用される新しい払戻基準を反映して修正された。
このようなスキームのための引当金は、上記の表のとおり、保険数理評価に従って、必要に応じて
調整される(注 A.2.11) 。退職給付債務の 10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額は、
加入者の予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識される。
2018 年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、 2,621,374 千ユーロの未認識損失で
あった。 10%の回廊部分を超過した金額は 2,051,063 千ユーロで、 2019 年1月1日から制度加入者の
予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識された。これにより、 2019 年度に認識された純損失は、
136,311 千ユーロである。
2019 年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、 4,483,224 千ユーロの未認識損失で
あった。 10%の回廊部分を超過した金額は 3,693,994 千ユーロで、 2020 年度に認識される純損失は
248,189 千ユーロとなる。
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注M:当期純利益
2019 年12月31日終了年度の法定損益計算書に計上された当期純利益 2,363,586 千ユーロの処分案は、
承認を受けるため 2020 年4月 24日までに総務会に提出される。当事業年度の EIB 剰余金の処分案の詳細
については、 EIB の財務書類の前書きを参照のこと。
注N:受取利息および類似収益ならびに支払利息および類似費用
N.1. 正味受取利息(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
受取利息および類似収益:
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに負債証券
(確定利付証券を含む) 548,378 805,337
金融機関および対顧客貸付金および預け金 7,474,587 7,438,463
デリバティブ 16,478,785 16,480,225
有利子負債に係るマイナス金利 12,854 624
5,280 5,084
その他
24,519,884 24,729,733
合計
支払利息および類似費用:
金融機関および顧客に対する債務 -8,063 -28,799
債務証書借入 -10,042,103 -10,380,600
デリバティブ -10,902,103 -10,355,209
利付資産に係るマイナス金利 -371,024 -641,941
-153,251 -132,313
その他
-21,476,544 -21,538,862
合計
3,043,340 3,190,871
正味受取利息
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N.2. 「受取利息および類似収益」の国別分析(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
欧州連合加盟国
イギリス 1,036,312 981,885
スペイン 933,252 972,929
ポーランド 584,905 571,235
イタリア 566,622 570,335
フランス 522,539 503,253
ギリシャ 501,055 515,074
ドイツ 325,439 413,010
オーストリア 272,891 269,685
ポルトガル 216,107 236,249
オランダ 172,535 163,925
ベルギー 163,252 174,325
ハンガリー 160,942 154,918
スウェーデン 128,533 75,017
アイルランド 89,693 79,558
ルーマニア 84,679 90,401
フィンランド 71,528 71,241
チェコ共和国 69,263 48,779
スロバキア 65,378 66,514
クロアチア 59,335 65,822
スロベニア 45,894 48,635
ブルガリア 42,119 44,158
リトアニア 33,812 44,605
デンマーク 26,505 23,416
ラトビア 15,077 15,137
キプロス 12,699 12,909
マルタ 9,960 10,571
エストニア 4,165 4,712
2,887 2,589
ルクセンブルク
6,217,378 6,230,887
欧州連合加盟国の合計
1,063,416 1,025,007
欧州連合域外
7,280,794 7,255,894
合計
(1)
17,239,090 17,473,839
国別分析の対象外の収益
24,519,884 24,729,733
受取利息および類似収益の合計
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(1) 国別分析の対象外の収益は以下のとおり:
・ 長期ヘッジ・ポートフォリオ、代替貸付金および EIF のABS ポー
トフォリオからの収益 207,986 220,473
・ 有価証券流動性ポートフォリオおよび EIF 運用ポートフォリオ
からの収益 83,495 105,642
・ 短期金融市場証券からの収益 256,883 479,222
・ その他有価証券からの収益 14 0
・ 短期金融市場オペレーションからの収益 206,647 183,193
・ デリバティブからの収益 16,478,785 16,480,225
5,280 5,084
・ その他
17,239,090 17,473,839
注O:受取手数料および支払手数料(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
保証手数料 146,693 109,179
インベストメント・ファシリティ「コトヌー」の手数料 52,748 49,993
Jaspers 手数料 33,538 34,994
EFSI の手数料 29,892 27,559
InnovFin の手数料 16,330 12,367
貸付金手数料収益 13,542 10,644
Jeremie /ESIF の手数料 11,999 12,068
Jessica の手数料 8,878 8,931
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティの手数料 5,412 1,754
近隣インベストメント・ファシリティの手数料 5,128 1,773
ヤウンデ/ロメ協定の手数料 1,888 2,027
103,427 90,268
その他の委託に係る手数料
(*)
429,475 361,557
合計
(**)
-252,282 -180,975
支払手数料
(*) 2018 年度中に、グループは繰延収益のメカニズムを改正し、その結果、一定の委託の手数料の当年度の収益認識に
マイナス 11,118 千ユーロ( 2018 年:マイナス 12,984 千ユーロ)の影響があった。
(**) この項目における差異は、主に 2019 年に提供された信用補完におけるリスク対価の増加に関連している。
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注P:金融業務損益(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(*)
株式およびその他の変動利付証券に係る純損益 100,346 -9,081
貸借対照表上のポジションの換算に係る純損益 3,090 -959
債務証書借入買戻に係る純損益 0 -1,195
デリバティブの純損益 6,164 -14,823
負債証券ポートフォリオの純損益(有価証券のみ) 2,950 -65,148
112,550 -91,206
金融業務損益合計
(*) 2019 年、グループは投資基金3件における参加持分の流通市場における売却を完了した。この売却の結果、グルー
プは 102,576 千ユーロの売却益を計上した。
注Q:その他の業務収益(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
過年度未使用引当金の戻入れ 3,209 4,311
賃貸料収益 91 25
2,625 2,969
その他
5,925 7,305
合計
注R:一般管理費(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(*)
給与および手当 -492,631 -471,251
福利厚生費およびその他人件費 -367,586 -378,523
人件費 -860,217 -849,774
-286,971 -283,921
その他の一般管理費
-1,147,188 -1,133,695
一般管理費合計
(*) このうち経営委員会委員に対する金額は、 2019 年12月31日現在が 2,706 千ユーロ、 2018 年12月31日現在は 2,927 千
ユーロである。
グループの職員数は、 2019 年12月31日現在、 3,964 名( 2018 年12月31日現在は 3,899 名)であった。
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注S:オフ・バランスシートの借入債務支払に係る特別預け金
この項目は、グループが支払代理人に支払ったが、グループが発行した債券の保有者による支払い
のための提示がなされていない、期日到来済みのクーポンおよび債券の金額に相当する。
(*)
注T:金融商品の公正価値
グループは貸借対照表日において、(有価証券流動性ポートフォリオを除き)負債の場合は受領
額、資産の場合は取得のための支払額を示す外貨建ての取得原価に基づき、貸借対照表の金融商品を
計上している。次の表は、資産または負債に計上されている金融商品(主として貸付金、財務、有価
証券、借入)の公正価値と帳簿価額とを比較したものである。
(**)
帳簿価額
2019 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
公正価値
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 947
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 482,119 515,795
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ(代替貸付金を含む) 46,874 47,425
8,276 11,600
株式、その他の変動利付証券および参加持分
538,216 575,767
金融資産合計
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 9,083 9,079
449,322 497,376
債務証書借入
458,405 506,455
金融負債合計
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注 V.を参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
(**)
帳簿価額
2018 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
公正価値
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 142 142
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 482,943 506,591
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ(代替貸付金を含む) 50,038 50,337
株式、その他の変動利付証券および参加持分 6,541 8,991
金融資産合計
539,664 566,061
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 6,018 6,017
債務証書借入 455,384 492,081
金融負債合計
461,402 498,098
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注 V.を参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
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注U:リスク管理
本注記は、グループのリスクに対するエクスポージャーならびにその管理および統制についての情
報を、特に金融商品の使用に関連した主なリスクについて記載している。それらは以下のとおりであ
る。
- 信用リスク-決済リスク等、顧客またはカウンターパーティーのデフォルトにより発生する損
失のリスクで、あらゆる形式の信用エクスポージャーから発生する。
- 金利リスク-金利感応商品に影響を及ぼす金利の不利な変動から生じる EIB の投資の利益および
経済価値の両方に対するリスクで、ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスク
を含む。
- 流動性および資金調達リスク- EIB が合理的な価格により、あるいは、極端な状況下ではいかな
る価格によっても、資金調達または義務の履行ができないリスク。
- 為替レートリスク-為替レートの不利な変動が原因で、 EIB のポジションから得られる経済価値
または収益の変動性から生じるリスク。
- オペレーショナル・リスク-不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因
から発生する、外部事象による損失リスクで、法務リスクを含むが、戦略リスクおよび風評リ
スクは除かれる。
U.1. リスク管理組織
グループ内の各事業体は、独自のリスクの管理および統制を実行している。本注記に記載するリス
ク管理情報は EIB とEIF を分けて表示する。
また、 EIB はリスク管理部門の中に、グループ全体のリスク管理を強化するために、規制および EIB
グループ・リスク部を設置した。 EIB の連結レベルでのリスク管理の概括的な原則は、グループ・リス
ク管理憲章に示されている。グループ・リスク管理憲章は、グループのリスクのグループ全体からの
見方およびリスク管理の統合的なアプローチを規定することを目的としている。
グループは現在、グループ最高リスク責任者(「 GCRO 」)により機能されるグループ・リスク部門
を設置するプロセスを進めている。総裁および EIB 経営委員会のそれぞれの、法定責任が影響を受ける
ことなく、 GCRO はグループ・リスクについて、リスク担当の経営委員会委員の監督の下、 EIB 経営委員
会に報告するものとする。グループ・リスクに関連した主要なリスク方針の事項に関して、 GCRO はEIB
経営委員会および他の EIB の統治機関の関連するすべての会議に参加し、 EIF 取締役会の関連する会議
および EIF 経営陣との協議に招待されるものとする。 EIF は、 GCRO を通じてグループ・リスク事項を EIB
に報告するものとする。
U.1.1. EIB のリスク管理組織
EIB の目的は、その資産、財務的業績、ひいては自己資本を可能な限り最大限に守るため、リスクを
分析・管理することにある。 EIB は一般に EUの機関、機構および局によって発令または採択される商業
銀行に適用される法や指針(「 EU法および指針」)の適用を受けないが、 EIB は公表しているとおり、
その任意の決定により、そのベスト・バンキング・プラクティスの指針的原則で特定される EU法およ
び指針を遵守することとしている。
EIB 内では、リスク管理部門(「 RM」)は、 EIB がさらされている信用リスク、市場リスク、流動性
および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクを独立した立場から特定、評価、モニタリングお
よび報告する。職務分掌を維持するために、 RMは、フロント・オフィスから独立した組織となってお
り、リスクに関するすべての提案に対して、セカンド・オピニオンを提供する。 RM担当のディレク
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ター・ジェネラルは、信用リスク、金利リスク、流動性および資金調達リスク、為替レートリスクな
らびにオペレーショナル・リスクについて経営委員会に報告し、定期的に監査委員会と会合を持ち、
これらのリスクに関する議題を協議している。また、同ディレクター・ジェネラルは、経営委員会、
リスク方針委員会および理事会へのリスク報告についても監督の任にある。
契約締結後の貸付金の管理およびモニタリングは、ポートフォリオの重要な部分に関しては、 RMか
ら独立している部門である取引管理・再編部門(「 TMR 」)が担当する。 TMR は、よりリスクが高いカ
ウンターパーティー、および特定の形の担保のモニタリングに注力するとともに、特に注意を要する
取引の管理も行う。信用リスクの兆候に係る TMR の提言は、すべて RMによる独立した立場からのセカン
ド・オピニオンの対象となる。
以下の項では、 EIB が自己のリスク負担において実施する活動の中でさらされる信用リスク、市場リ
スク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクについて開示している。詳細につい
ては、 EIB グループ・リスク管理開示報告書を参照のこと。
U.1.1.1. リスクの測定および報告システム
EIB は、変化する経済情勢や進化する規制当局の基準に合わせて、リスク管理システムを調整してい
る。市場慣行が発達するにつれ、 EIB も継続的にそれらを適応させている。 EIB の業務に内在する主な
リスク、すなわち、信用リスク、金利リスク、流動性および資金調達リスク、為替レートリスクなら
びにオペレーショナル・リスクを統制し、報告するため、管理システムを導入している。
リスクは、 EIB の支払能力、流動性、利益および業務への影響を定量化することを目的として、通常
の環境下および起こり得るストレス状態下で、評価・測定される。リスク測定では、資本構成、利
益、流動性、市場に対するエクスポージャーおよびオペレーショナル・リスクの指標を組み合わせ
る。
信用リスク、 ALM リスク、流動性リスク、財務リスクおよびオペレーショナル・リスクに関する詳細
な情報は、経営委員会および理事会に対して毎月報告される。かかる情報は、経営委員会および理事
会のリスク方針委員会に対して定期的に報告・説明される。
U.1.1.2. EIB のリスク許容度
EIB は、リスク許容度を定めており、事業戦略の追求によって生じるリスクに関して慎重な限度額を
設定している。限度額を設定するにあたり、 EIB は、 EIB のリスク特性を事業戦略および利害関係者の
期待に適合させるようにしている。さらに、 EIB の戦略の長期的な資本の持続可能性は、これらの限度
額との比較で評価および監視され、利用可能な資本が現在および大局的な事業目的および政策目的を
支えるために十分であることを確実にする。
EIB は公的金融機関として、リスクに対する投機的エクスポージャーにより収益を獲得することを目
指していない。その結果、それぞれに業績目標が定められていても、 EIB は財務活動や資金調達・提供
活動を利益の最大化を図る中心的業務とみなしていない。投資活動は、投資資本の保護という主目的
の範囲内で行われる。よって、 EIB の貸付業務や借入業務で生じるエクスポージャーに関しては、すべ
ての重要な市場リスクのヘッジを確保することが、 EIB の財務リスク管理方針の主要原則とされてい
る。
オペレーショナル・リスクや財務リスクを招く新しい種類の取引はすべて、新商品委員会の承認を
受けた上で改めて経営委員会の承認を取得することが義務付けられており、その承認を受けた限度枠
の範囲内で管理されている。
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U.1.1.3. 収益の持続可能性および自己資金力
EIB の資産負債管理方針は、 EIB の全体的な財務リスク管理で不可欠な部分を占めている。この方針
は、利益の安定性、自己資本の経済価値の保持、 EIB の長期成長資金の自力調達に関する、 EIB の主要
利害関係者の期待を反映した内容になっている。
これらの目標を達成するため、資産負債管理方針では、一段の収益安定と全体的なリターンの拡大
を目指して、自己資本投資に中・長期物価スライド方式を採用している。この物価スライドの方針
は、中・長期利回りに対するエクスポージャーを意味しており、金利の趨勢に関する短期的な見方に
左右されることはない。
EIB の自己資本の目標投資期間を 4.5 年から 5.5 年の間に設定することで、この方針は達成されてい
る。
資産負債委員会(「 ALCO 」)は、 EIB のALM 戦略、貸出金利設定原則および EIB の活動から生じる財務
リスクを検討するために上級経営陣による会議を開催する。
U.1.2. EIF のリスク管理組織
EIF の使命は、基本的に欧州連合内で設立、成長および発展をするためのリスク・ファイナンスへの
アクセスを中小企業(「 SME 」)に提供することである。グループの両事業体のプライベート・エクイ
ティ(「 PE」)業務、ベンチャー・キャピタル事業ならびにポートフォリオ保証、証券化およびマイ
クロファイナンス(「 GSM 」)業務の大半は、 EIF が管理・運営している。
EIF も、変化する経済情勢に合わせて、リスク管理システムを調整している。そのため市場のベス
ト・プラクティスが発達するにつれ、 EIF も継続的にそれらを適応させている。 EIF の業務に内在する
主なリスクを統制し、報告するため、信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスクの管理シ
ステムを導入している。
リスク管理は、 EIF の企業文化に組み込まれており、 EIF のすべての事業機能およびプロセスに浸透
した、 (i) フロント・オフィス、 (ii) 独立したリスクおよびコンプライアンス部門および、 (iii) 監
査および保証の3つの防衛線モデルに基づいている。事務総局の長が委員長を務める投資およびリス
ク委員会(「 IRC 」)は、 CEO および副 CEO にあらゆる取引に関して助言を行う。最高リスク責任者が議
長を務める IRC の四半期ごとの会議はまた、 EIF ポートフォリオのリスクおよび投資関連の面、特に取
引格付の承認、減損および引当についての措置、関連する市場リスク事象および潜在的なストレスの
テストを監視する。最後に、 IRC は、ファンド・マネージャーとしての EIF の役割から生じる全社的リ
スクも監視する。リスクおよびポートフォリオ管理の措置は、 EIF の監査役会が統括する保証プロセス
の一部を構成する。
さらに、 EIB グループとの関連で見た場合、 EIF のリスク管理部門は、特に、グループ・リスク管理
憲章、ならびに保証・証券化業務、 EIB のリスク資本財源マンデート(「 RCR 」)に基づく PE業務、 EIB
グループ・リスク補完マンデート(「 EREM 」)に基づく EIB の様々な機会、および EIF の方針に関する
一般的な問題に関連するグループのリスク・エクスポージャーについて、 EIB のリスク管理部門と定期
的に連絡を取りながら業務を運営している。
EIF の財務管理は、両当事者が署名し、取引の選定、執行、決済および監視の実行を EIB の担当サー
ビス部署に委託する財務管理契約に基づき、大部分が EIB に委託されている。この管理は、契約に付属
する財務ガイドラインに従って行われるが、当該ガイドラインは EIB 自身の財務ガイドラインの関連箇
所を密接に反映するものになっている。
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U.1.2.1. リスク評価 プライベート・エクイティ
プライベート・エクイティ業務では、 EIF は、ファンド・オブ・ファンズの手法を採っており、広範
囲の投資家からの出資契約を促すため、主として独立した立場のチームが運用するベンチャー・キャ
ピタル、プライベート・エクイティ・ファンドおよびメザニン・ファンドへの少数持分参加を行う
か、 または共同投資契約に従って行動している。 EIF のPE業務には、シード・キャピタル投資やアー
リーステージ・キャピタル投資だけでなく、低いリスク特性を有すると一般的に言われているミッド
ステージ投資、レイターステージ投資、およびメザニン投資を運用対象とする安定したファンドへの
投資も含まれている。
EIF は、 PE市場の動きに応じた PEファンド・ポートフォリオを設計し、運用し、モニタリングするた
めの一連のツールを、過去数年間かけて開発した。これらのツールはグループ内のモデルであるグ
レーディング・ベースト・エコノミック・モデル(「 GEM 」:格付に基づく経済モデル)に基づいてお
り、これを使用することにより、 EIF は各ファンドおよび各ファンド・ポートフォリオの評価、リス
ク、予想される将来のキャッシュ・フローとパフォーマンスの査定ならびに妥当性検査を改善するこ
とができる。 EIF では、取引チームが実施しリスク管理チームが審査した広範囲にわたるデューデリ
ジェンスの結果に基づき、格付を割り当ててから、 PEファンドと出資契約を交わしている。この格付
は、リスク水準に応じた頻度と厳格さで、ファンド残存期間にわたって定期的に審査される。
独自の ITシステムと(フロント・オフィスからバック・オフィスに至るまでの)統合ソフトウェア
の開発に下支えされたこうした取り組みによって、投資判断プロセスならびにポートフォリオの財務
リスクと流動性の管理も改善され、特に将来を見据えた、およびストレス・テストに基づいた意思決
定が可能となる。
U.1.2.2. リスク評価 保証
EIF は、中小企業向け融資に従事する金融仲介機関に対し、ポートフォリオ保証を提供し、中小企業
の証券化取引の信用補完を行っている。このようなリスクを取ることにより、 EIF は資金へのアクセス
を容易にすることで、中小企業の資金調達を支援している。
保証・証券化業務に関しても、 EIF は過去数年間をかけて一連のツールを開発した。これは、市場の
ベスト・プラクティスに従って、ポートフォリオ保証と仕組金融取引を分析するためのものである。
EIF は、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針およびモデル審査指針に準拠して、自らリスクを負担
する新規の保証取引それぞれに内部格付を割り当ててから、法律上正式に保証取引を行っている。こ
の格付は、定量パラメーターだけでなく定性面も考慮して、取引の信用の質(予想損失概念)を分析
し集約するグループ内のモデルに基づく。保証取引は、定期的に(少なくとも四半期ごとに)モニ
ターし、その状況は、 EIF のIRC が定期的に見直している。その際、委員会は、業績次第で、内部格付
を見直すことがある。このプロセスではその全領域において、フロント・オフィスがアクションを起
こしリスク管理部門がレビューを行うという、「4つの目」の原則が適用されている。
保証ポートフォリオは、「モデルに基づいた価格」手法によって評価される。ポートフォリオの取
引の評価に対する主な影響は、付与された格付とその後起こりうる格付の変更により生じる。
EIF のモニタリングは、潜在的な格付の悪化を監視し、適切な取引の管理の基礎を提供する。 EIF の
ストレス・テスト方法、すなわちポートフォリオの格下げおよび債務不履行、ならびにそれに伴う資
本配分、予想損失および損益計算書への影響に関するシナリオ分析は、取引の開始時およびポート
フォリオの期間全体にわたって適用される。 PEの場合同様、保証ポートフォリオに関するストレス・
テストの結果は定期的に EIF の理事会に提出されている。
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U.2. 信用リスク
信用リスクは主にグループの貸付業務に関するものであるが、程度の差はあるものの、負債証券、
譲渡性預金、銀行間の定期預金等の財務商品ならびにグループのデリバティブおよび保証取引に関す
るものも含まれている。
デリバティブの使用に関する信用リスクについては、「デリバティブ」のセクション(注 V)で分析
する。
信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されている。こうした指針の
目的は、信用リスクの慎重な管理が確実に行われるようにする点にある。 EU加盟国業務と非 EU加盟国
業務ではリスク・プロファイルが異なる場合があり、 EU加盟国の活動と非 EU加盟国の活動には別々の
指針が設けられている。ある事業体が EIB の貸付業務のカウンターパーティーとして認められるか否か
は、定量的および定性的指標を用いた当該事業体の注意深い分析および評価に基づくだけでなく、経
験および専門家の判断にも依拠して決定される。同指針は、貸付業務の債務者、保証人双方について
最低限の信用の質の水準を定めており、許容範囲内とみなされる担保種類も特定している。また、 EIB
の地位が十分に保護されるように、主要な法的条項や他の契約条件の点で貸付契約が満たしていなけ
ればならない最低基準も、細かく定めている。加えて、カウンターパーティー別と業種別に限度枠を
設けるシステムを通じて、信用リスク管理指針は、貸付金ポートフォリオの許容可能な分散の実現を
図っている。複雑な貸付取引または仕組貸付取引に含まれる追加的なリスクの十分な分析、計量およ
び軽減が確実になされるように、特定の種類の業務に関して具体的で詳細な指針が策定され、これが
一般指針を補完している。また同指針は、デリバティブ取引および財務取引の相手の信用の質に関す
る最低限の基準、ならびに取引種類ごとの契約の枠組みも規定している。
EIF は、法に基づく規定、および EIF 理事会の承認を受けた信用リスク運用指針、またはマンデート
に基づき定められた指針を受けた、保守的な方針の枠組み内で、エクスポージャーとリスクを管理し
ている。
信用リスク管理指針は、進化している業務環境を盛り込み、グループ株主からの新たなマンデート
に対応できるよう、定期的に調整されている。
信用リスクの管理は、カウンターパーティーに関する信用リスクの水準およびカウンターパー
ティーの支払不能に備えてグループに供された担保の水準の評価に基づいている。
いずれの時点においても、 EIB が供与する貸付金および保証の総額は、定款で定められたギアリング
比率(定款第 16.5 条)で制限されている。この比率を算出するために、 EIB は欧州連合会計指令
(「 AD」)の枠組みによるデータを使用している。 2019 年度末時点で、 EIB の定款で定められたギアリ
ング比率は、 EU会計指令準拠の単独財務書類に基づくと 204.5 %、 EU会計指令準拠の連結財務書類に基
づくと 208.9 %であった(定款第 16.5 条に基づく上限は 250 %)。
U.2.1. 貸付金
貸付金に関する信用リスクを測定・管理するために、グループは一般に認められた基準に基づい
て、債務者および適当な場合は差し入れられた担保の質に応じて貸付業務の格付を行っている。
次の表は、未実行分も含め、 2019 年12月31日現在の貸付金ポートフォリオの債務者と保証人の構成
を分析したものである。
欧州連合域外への貸付金( EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラスト
(*)
ラクチャー・パッケージ保証 に基づくものを除く)は、最終的には、欧州連合予算や加盟国( ACP
諸国および OCT への貸付金の場合)の保証により担保されている。こうした保証は、包括型(すべての
リスクが対象)か、または定義された政治リスク(送金の停止、収用、戦争または市民暴動、契約違
反時の裁判拒否)に限定されているかのいずれかである。
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(*) EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、総務会によって決定された地理別またはテーマ別の貸付フレームワークである。 EIB の自己の
リスク負担のファシリティ群に基づく貸付およびコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、 EIB の自己資金での取引であり、 EIB は全額の自己リスクまたは信用補完による残余リスクを負
担する。
以下の表は、自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッ
ケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて供与された欧州連合域内および域外のプロ
ジェクトに対する契約済貸付金を示している(単位:百万ユーロ)。
保証人
2019 年の 2018 年の
(1)
国 公共機関 銀行 企業
無保証
合計 合計
債務者
国 0 0 0 0 57,489 57,489 57,688
公共機関 33,530 22,821 274 185 83,850 140,660 136,624
銀行 36,880 23,674 22,188 20,064 29,882 132,688 134,774
9,282 4,712 10,133 34,487 104,915 163,529 163,911
企業
(2)(3)(4)
79,692 51,207 32,595 54,736 276,136 494,366
2019 年の合計
(2)(3)(4)
79,597 49,260 35,375 59,134 269,631 492,997
2018 年の合計
(1) これらの金額には、債務者の支払能力自体が妥当な担保となっているため、債務者および貸付金自体以外の正式な
保証が不要な貸付金も含まれている。所定の事由が発生した場合には、適切な契約条項により、グループが独立し
た担保を請求できる権利が確保されている。
(2) 2019 年12月31日現在のリスク・シェアリング業務(加盟国保証または政治リスク保証の形での EU予算により信用補
完されている)における貸付金は、 3,965 百万ユーロ( 2018 年: 4,528 百万ユーロ)であった。
(3) この金額に、契約済代替貸付金( 2019 年: 20,665 百万ユーロ、 2018 年: 20,725 百万ユーロ)は算入されていない。
(4) これらの金額は、現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連
合予算または加盟国により保証されているものを除いている。
EIB および EIF の優先債権者の地位および EIB 定款による保護は、満期時におけるグループ資産の全額
回収を保証すると思われるため、グループは期末現在の欧州連合加盟国ソブリン債および欧州連合加
盟国ソブリン保証債のエクスポージャーに関して、 2018 年においても、 2019 年においても、評価損益
を計上しなかった。
保証を含むグループの貸付業務を通じた英国に所在している債務者に対する実行済のエクスポー
ジャーは、 2019 年12月31日現在、 378 億ユーロ( 2018 年: 377 億ユーロ)であり、英国の保証人が存在
する外国の債務者に対する実行済のエクスポージャーは、 13億ユーロ( 2018 年13億ユーロ)であっ
た。 2019 年12月31日および 2018 年12月31に日のいずれの時点でも、グループは、イギリスを債務者と
する直接的なエクスポージャーを有しておらず、またイギリスが保証する実行済の貸付金は、 2019 年
12月31日現在で 22億ユーロ( 2018 年: 21億ユーロ)であった。
以下の表は、 EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・
パッケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて欧州連合域内外で供与された貸付金に係
るソブリン信用リスクに関する情報を開示している。
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2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ )
保証人となっ 保証人となっ
債務者となっているもの 債務者となっているもの
ているもの ているもの
国名 実行済金額 未実行金額 契約済金額 実行済金額 未実行金額 契約済金額
オーストリア 0 0 39 0 0 45
ベルギー 0 0 75 0 0 90
ブルガリア 878 300 110 846 350 0
クロアチア 599 300 3,058 623 300 2,889
キプロス 931 242 1,423 915 239 1,440
チェコ共和国 1,515 453 16 1,679 0 43
デンマーク 0 0 244 0 0 45
エストニア 597 0 106 454 215 114
フィンランド 11 0 70 20 0 84
フランス 0 0 2,930 0 0 2,905
ドイツ 0 0 1,395 0 0 1,459
ギリシャ 7,640 769 7,978 7,714 414 7,571
ハンガリー 5,726 1,381 958 5,798 1,040 1,216
アイルランド 1,295 370 1,291 1,195 470 1,154
イタリア 2,957 1,100 4,543 3,108 1,150 3,075
ラトビア 345 400 30 349 200 38
リトアニア 1,529 0 53 1,289 300 54
ルクセンブルク 300 0 248 300 0 59
マルタ 0 72 319 0 72 285
オランダ 0 0 80 0 0 80
ポーランド 8,073 540 17,140 8,958 852 16,561
ポルトガル 1,229 400 4,129 1,264 400 4,520
ルーマニア 1,526 2,130 0 1,682 2,130 0
スロバキア 1,951 989 50 1,895 1,140 50
スロベニア 569 400 1,769 589 400 1,757
スペイン 5,506 400 24,302 4,873 1,200 26,159
スウェーデン 0 0 45 0 0 44
イギリス 0 0 2,174 0 0 2,068
(1)
1,525 2,541 5,117 1,379 1,886 5,792
非EU加盟国
44,702 12,787 79,692 44,930 12,758 79,597
合計
(1) うち、 1,419 百万ユーロは、欧州連合域内業務に係る欧州連合加盟国政府債の担保である( 2018 年: 1,560 百万ユー
ロ)。
以下の表は、欧州連合域外のプロジェクトに対する契約済貸付金を示している( EIB の自己のリスク
負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保証に基づいて供与さ
れた物を除く)(単位:百万ユーロ)。
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2019 年12月31日 2018 年12月31日
以下による保証:
加盟国 4,267 4,064
(1)
44,966 43,508
欧州連合予算
(2)(3)
49,233 47,572
合計
(1) このうち 3,965 百万ユーロ( 2018 年: 4,528 百万ユーロ)は、上記で説明したリスク・シェアリング業務(加盟国保
証または政治リスク保証の形での EU予算により信用補完されている)による。
(2) 現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連合予算または加盟
国により保証されている貸付金を含む。
(3) グループが供与した総額 462.9 百万ユーロ( 2018 年: 454.1 百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算
によって保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
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有価証券報告書
欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金 (単位:百万ユーロ)
(新規加盟国で加盟以前に実行された貸付金を含む。)
契約済貸付金の保証形態別内訳
2019 年12月31日 2018 年12月31日
協定
加盟国による 75%グローバル保証
-ACP/OCT 第4次ロメ協定-第2次財務議定書 36 58
36 58
加盟国による 75%グローバル保証合計
加盟国による 75%保証
-コトヌー・パートナーシップ協定
355 371
-第2次コトヌー・パートナーシップ協定
1,419 1,479
-コトヌー議定書3 -OR/ACP
2,396 2,138
-コトヌー議定書3 -OR/OCT 61 18
4,231 4,006
加盟国による 75%保証合計
4,267 4,064
加盟国による保証合計
欧州連合予算による 100 %保証
-ロシア- 100 百万・ 2001 年- 2005 年
22 25
163 179
-ロシア- 500 百万・ 2004 年- 2007 年
185 204
欧州連合予算による 100 %保証合計
欧州連合予算による 75%保証
-地中海議定書 14 28
14 28
欧州連合予算による 75%保証合計
欧州連合予算による 70%保証
-南アフリカ- 375 百万・ 1997 年1月 29日決定
20 22
-ALA II-900 百万
0 4
-ボスニア・ヘルツェゴビナ- 100 百万・ 1999 年/ 2001 年
25 32
-ユーロメッド( EIB )- 2,310 百万・ 1997 年1月 29日決定
36 56
-FYROM (マケドニア旧ユーゴスラビア共和国)- 150 百万・ 1998 年/
2000 年 16 19
-CEEC -3,520 百万- 1997 年1月 29日決定 167 223
264 356
欧州連合予算による 70%保証合計
欧州連合予算による 65%保証
-南アフリカ- 825 百万・ 2000 年7月- 2007 年7月
125 132
-南アフリカ- 2007 年2月- 2013 年12月決定
396 415
-ALA III -2,480 百万・ 2000 年2月- 2007 年7月
139 187
-ALA デシジョン- 2007 年2月- 2013 年12月
1,929 2,140
-ユーロメッド II-6,520 百万・ 2000 年2月- 2007 年1月
1,541 1,936
-南東近隣諸国- 9,185 百万・ 2000 年2月- 2007 年7月
3,172 3,548
-トルコ・スペシャル・アクション- 450 百万・ 2001 年- 2006 年
111 116
-トルコ- TERRA -600 百万・ 1999 年11月- 2002 年11月
282 300
-PEV EE/CAS/RUS 2007 年2月1日- 2013 年12月31日
2,096 2,291
-PEV MED 2007 年2月1日- 2013 年12月31日
6,347 6,847
-加盟候補国- 8,700 百万・ 2007 年- 2013 年
6,123 6,918
-気候変動マンデート・ 2011 年- 2013 年
1,210 1,353
-ELM アジア 2014 年- 2020 年
1,046 837
-ELM 中央アジア 2014 年- 2020 年
224 182
-ELM 東ロシア 2014 年- 2020 年
5,853 4,659
-ELM ラテンアメリカ諸国 2014 年- 2020 年
2,192 1,550
-ELM MED2014 年- 2020 年
5,847 5,818
-ELM加盟候補国201 4年-2020年
3,219 2,994
-ELM RSA2014 年- 2020 年
373 272
-ELM ERI 民間マンデート
1,077 325
-ELM ERI 公共機関マンデート 1,201 100
44,503 42,920
欧州連合予算による 65%保証合計
44,966 43,508
欧州連合予算による保証合計
(1)
49,233 47,572
合計
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有価証券報告書
(1) グループが供与した総額 462.9 百万ユーロ( 2018 年: 454.1 百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算
によって保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
貸付金に付する担保 (単位:百万ユーロ)
その他の信用リスク軽減手段の中のひとつとして、グループは、金融有価証券に質権を設定する手
法を使用している。これらの質権は、関連する法域で執行可能な質権設定契約によって設定される。
質権設定契約により受け取った担保のポートフォリオは 20,110 百万ユーロ( 2018 年: 22,969 百万ユー
ロ)であり、その内訳は以下の通りである。
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2019 年12月31日現在
債券
銀行債
担保付債券
同等のムーディーズ格付
現金 合計
国際 政府 資産担保
政府債 および
(カバード・
機関債 機関債 証券
ボンド)
社債
Aaa 450 5 1 136 303 0 0 895
Aa1 から Aa3 1,180 83 30 891 206 0 0 2,390
A1 81 0 0 1,121 51 0 0 1,253
A1未満 11,683 0 385 1,351 973 0 0 14,392
40 0 0 0 757 0 383 1,180
格付なし
13,434 88 416 3,499 2,290 0 383 20,110
合計
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2018 年12月31日現在
債券
銀行債
担保付債券
同等のムーディーズ格付
現金 合計
国際 政府 資産担保
政府債 および
(カバード・
機関債 機関債 証券
ボンド)
社債
Aaa 18 33 5 181 117 361 0 715
Aa1 から Aa3 1,225 89 4 962 164 0 0 2,444
A1 124 0 0 2,729 118 0 0 2,971
A1未満 14,476 0 412 32 824 0 0 15,744
38 0 0 0 732 0 325 1,095
格付なし
15,881 122 421 3,904 1,955 361 325 22,969
合計
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有価証券報告書
12月31日現在の実行済貸付残高の債務者の契約業種別明細(単位:百万ユーロ)は以下のとおりで
ある。
2019 年 2018 年
業種
運輸 128,786 131,009
(1)
グローバル・ローン 81,412 85,666
エネルギー 64,540 65,820
医療・教育 34,512 33,087
その他インフラ 29,425 28,505
上下水道施設 28,986 28,393
工業 26,501 26,477
サービス 17,491 16,413
電気通信 11,750 11,462
3,660 3,639
農業・漁業・林業
(2)
427,063 430,471
合計
(1) グローバル・ローンとは、金融仲介機関または銀行に提供する融資枠で、その後にそれらの機関または銀行が、自
らリスクを負担してその資金を官民が請け負う中小規模のプロジェクトに転貸するというものである。
(2) この金額に、実行済代替貸付金( 2019 年: 20,490 百万ユーロ、 2018 年: 20,445 百万ユーロ)は算入されていない。
貸付金に係る延滞
延滞額の特定、監視、報告は、全行的な「財務的監視ガイドラインおよび手続き」に定義される手
続きに従って行われている。これらの延滞のフォローアップに関する手続きは、 EIB が管理しているす
べての貸付金に一貫して適用されている。
1.欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されていない貸付金の延滞:
2019 年12月31日現在、自己資金源からの貸付金で 90日を超える延滞が生じ、欧州連合または加盟国
の包括保証により担保されていないものは、 146.0 百万ユーロ( 2018 年: 176.4 百万ユーロ)である。
2019 年12月31日現在のこれらの延滞が生じている貸付金に関連する元本金額は、 200.0 百万ユーロ
(2018 年: 214.5 百万ユーロ)である。これらの延滞が生じている貸付金は、貸倒引当金 164.9 百万
ユーロ( 2018 年: 177.6 百万ユーロ)によりカバーされている。
2a. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証(請求可能)により担保されている貸付金
の延滞:
このような貸付金については、期限が経過した場合に、可能であればまず第一次保証の履行の請求
が行われ、それ以外の場合は加盟国または欧州連合による保証の履行が正式に請求される。
2019 年12月31日現在、こうした 90日超の延滞が生じている額は 2.3 百万ユーロ( 2018 年: 2.3 百万
ユーロ)であった。
2b. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されている貸付金の延滞について
の保証請求:
2019 年中、 54.8 百万ユーロの欧州連合による保証の履行の請求が行われ、加盟国保証の履行の請求
はなかった。 2018 年における対応する金額は、それぞれ 134.0 百万ユーロおよびゼロであった。
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2019 年中、以前に欧州連合または加盟国による保証に基づく請求が行われた金額のうち、 0.1 百万
ユーロが返金された。 2018 年における対応する金額は、 4.9 百万ユーロであった。
貸付金の再交渉と支払猶予
グループは、支払猶予措置がとられた貸付金を、支払猶予貸付金(すなわち、貸付金、負債証券お
よびローン・コミットメント)とみなしている。支払猶予措置はグループの「譲歩」によるもので、
財務困難により契約上の債務返済条項を遵守できないとみなされる債務者に対して、債務返済または
契約の全部もしくは一部の借換えができるようにするために、グループが決定するものである。エク
スポージャーは、 (i) 延滞の有無、 (ii) 当該エクスポージャーが減損に分類されているか否か、または
(iii) 当該エクスポージャーが債務不履行に分類されているか否かに関わらず、譲歩が行われた場合に
は支払猶予として取り扱う。債務者が財務困難に陥っていない場合には、当該エクスポージャーは支
払猶予として取り扱わない。
通常の事業の過程においては、再交渉の前に問題が生じている貸付金の貸付金格付( LG)は低下し
ており、貸付金は要注意リストに入れられている。再交渉された場合、 EIB は、当該貸付金を厳格に監
視し続けることとなる。再交渉による支払条件では当初の簿価が回収できない場合、 EIB は損益計算書
に評価調整額を計上することを検討する。 LGが「 E-」まで低下した貸付金はすべて、定期的に評価損
計上の必要性が検討され、 LGが「 F」の貸付金は、すべて評価損計上の対象とされる。貸付金の LGが十
分に回復した場合には、 EIB の手続きに沿って、当該貸付金はその段階で要注意リストから除かれる。
グループが報告期間中に着手した支払猶予措置および手続きには、返済期限の延期、元本返済のみ
の繰延、元利返済の繰延、重大な財務制限条項の破棄および延滞金の元本算入が含まれるが、これら
に限定されるわけではない。
支払猶予措置の対象である貸付金は、以下の表のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(単位:百万ユーロ )
支払猶予措置の対象となった契約件数 74 61
帳簿価額(金利および延滞金額を含む) 3,570 3,030
うち評価調整の対象となった貸付金 1,218 1,008
認識された評価損益 379 393
支払猶予された契約に係る受取利息 119 95
償却されたエクスポージャー(取引終了/貸付金売却後) 28 66
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支払猶予措置
契約上の
重大な
2018 年 2019 年
返済期限の 元本および
返済および
(単位:百万ユーロ )
財務制限 その他
12月31日 12月31日
延期 利息の繰延
(1)
条項の破棄
契約終了
公共機関 957 0 0 10 133 -89 1,011
銀行 139 0 0 179 10 -20 308
1,934 10 36 455 113 -297 2,251
企業
3,030 10 36 644 256 -406 3,570
合計
(1) 減少は、 (i) 元本、利息および延滞金額の返済 (ii) 2018 年12月31日現在で支払猶予貸付金とみなされていた取引
に関して当年度中に発生した償却、ならびに (iii) 当期中の契約終了による。
U.2.2. 財務ポートフォリオ
財務ポートフォリオ(有価証券、コマーシャル・ペーパー、定期預金等)関連の信用リスクは、健
全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。
有価証券ポートフォリオおよび財務商品残高の構成割合につき、経営陣が限度枠を設定している。
この限度枠は、リスク管理部門により定期的に見直しが行われる。
グループは、取引のカウンターパーティーが契約債務を履行できなかった場合に信用リスクにさら
される可能性のある有担保リバース・リパーチェスおよびリパーチェス契約取引を行っている。グ
ループは、カウンターパーティーの信用リスクおよび担保の価値を日次でモニターし、必要とみなさ
れる場合には、グループに追加担保を差し入れるよう要求することで、これらの業務に関連した信用
リスクを統制している。
三者間レポおよびリバース・レポ取引は、第三者保管機関と共同で行われる。第三者保管機関は、
枠組み契約に従って特に以下に関する契約条件の遵守を保証する。
- 支払引替渡し
- 担保の検証
- 貸手が要求する担保マージン。これは常に充分かつ充当可能であることが必要であり、保管機
関は、当該有価証券の時価を日々検証しなければならない。
- 契約要件をすべて満たす代替担保の組成
以下の表は、財務ポートフォリオの有価証券および短期金融市場商品(預金およびリバース・レ
ポ)に係る信用リスク構成比を、カウンターパーティーおよび発行体の信用格付別に示したものであ
る。
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有価証券報告書
有価証券ポートフォリオ 短期金融市場商品
同等のムーディーズ格付
(単位:%) (単位:%)
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
Aaa 10 8 12 40
Aa1 から Aa3 36 29 34 22
A1から A3 50 53 54 36
4 10 0 2
A3未満
100 100 100 100
合計
財務取引に供する担保
受取担保
財務取引には、 24,622 百万ユーロ( 2018 年: 10,023 百万ユーロ)の二者間および三者間リバース・
リパーチェス契約が含まれており、グループはこのうち 18,008 百万ユーロ( 2018 年: 8,482 百万ユー
ロ)について財務担保、 6,614 百万ユーロ( 2018 年: 1,541 百万ユーロ)についてコモディティを受領
している。二者間および三者間リパーチェス契約は、 2019 年12月31日現在 1,183 百万ユーロ( 2018 年:
ゼロ)であった。この残高は全額について担保が供されており、原契約に従い、その後に追加担保の
請求または担保の返還が行われる。財務担保ポートフォリオの時価は、 2019 年12月31日現在、 18,544
百万ユーロ( 2018 年: 8,786 百万ユーロ)であり、以下のように分類される。
リバース・リパーチェス契約財務担保 (単位:百万ユーロ)
2019 年12月31日現在 債券
担保付債券
合計
政府機関
銀行債
同等のムーディーズ格付
政府債 国際機関債 資産担保証券
(カバード・
(*)
および社債
債
ボンド)
Aaa 995 136 267 5,879 1,851 417 9,545
Aa1 から Aa3 573 100 277 226 877 0 2,053
A1 419 0 44 0 329 0 792
A1未満 5,029 0 4 36 913 0 5,982
53 0 14 0 105 0 172
格付なし
7,069 236 606 6,141 4,075 417 18,544
合計
(*) 2019 年から開始された新しい担保債券のカテゴリー。
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リバース・リパーチェス契約財務担保 (単位:百万ユーロ)
2018 年12月31日現在 債券
担保付債券
合計
銀行債および
同等のムーディーズ格付
政府債 国際機関債 (カバード・ 資産担保証券
社債
ボンド)
Aaa 310 118 3,596 226 587 4,837
Aa1 から Aa3 561 170 0 368 0 1,099
A1 127 0 0 294 0 421
1,844 0 0 585 0 2,429
A1未満
2,842 288 3,596 1,473 587 8,786
合計
預託有価証券
ユーロ制度の通貨政策の運用との関連で、グループは、 2019 年12月31日現在、時価 31億ユーロの有
価証券をルクセンブルク中央銀行に預託している( 2018 年: 31億ユーロ)。
二者間および三者間リパーチェス契約の下で差し入れられている担保(ルクセンブルク中央銀行へ
の差入れを除く)の時価は、 2019 年12月31日現在、 1,182 百万ユーロ( 2018 年:ゼロ)であった。
U.2.3. 第三者が供与した貸付金に関してグループが付与した保証
自らの財源を原資とするグループの保証および証券化取引から生じる信用リスクは、定款および統
治機関の承認を受けた詳細な行内指針で定めるリスク管理方針によって管理されている。
2019 年末現在、グループにより保証された契約済エクスポージャーは 205 億ユーロ( 2018 年: 185 億
ユーロ)であり、このうち 87億ユーロ( 2018 年: 89億ユーロ)は保証された実行済貸付金に係るエク
スポージャーで、その保証引当金は 19.8 百万ユーロ( 2018 年: 30.0 百万ユーロ)であった。
統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されていることにより、グループが、商品範
囲、対象地域、カウンターパーティー別のエクスポージャー、債務者別のエクスポージャー、業種別
の集中度という点で分散している保証ポートフォリオを引き続き展開するよう徹底されている他、エ
クスポージャーの格付に基づく資本配分規則も規定されている。
グループの取引が細分化していることから、集中リスクは限定的である。通常、組入れているポー
トフォリオは、単一の債務者への集中度、業種セクター、地域の多様化という点において高度に分散
化している。集中リスクに対処するため、グループは(資本配分に基づき)取引ごとに原債権者レベ
ルで厳格な限度額(原債権者(群)に対するエクスポージャー合計の上限)を設けている。
グループの保証業務においては、当初から案件ごとに信用リスクを追跡管理する一方、組入れられ
ているポートフォリオのグラニュラリティ(分散度)や同質度に応じて、異なるモデル分析法を採用
している。業種セクター別エクスポージャーは、グループが各取引または各トランシェに付与した格
付に及ぼす影響を通じて、案件ごとに分析される。例えば、取引分析用の財務モデルによって、業種
別エクスポージャーは黙示的な相関として反映され、あるいはモデルに入力する主要変数としてのデ
フォルト率の変動性の仮定を通して間接的に捕捉することができる。
さらに、ポートフォリオ内で集中度が高い業種セクターの現状や予想等の定性指標を用いて、それ
ぞれの案件ごとに集中度に対するエクスポージャーを分析している。例外的に、一部の案件では、同
一の(広義の)業種セクターにエクスポージャーが集中している。その場合は、通常、グループに有
益な信用補完の強化(優先劣後構造設定等)によって対処する。信用補完という特性を有する案件
は、通常、単一の債務者に対するエクスポージャーの上限、債務者上位5者に対する合計エクスポー
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ジャーの上限、業種別集中度の上限等、ポートフォリオ基準を設けている。グループ全体のポート
フォリオ分析の一環として、業種セクター別のエクスポージャーも検討している。
カウンターパーティー・リスクに関しては、グループのカウンターパーティー(通常は主要市場参
加者)の質に注意を払うことによって、リスクを軽減している。残存期間中の手続きやプロセスの遵
守状況を確認するため、監視目的の現地調査を別途行っている。また極端な場合の仮定を含めた保証
ポートフォリオ・ストレステストのシナリオで定期的にテストを実施し、悪影響に耐えうる資本基盤
であるかを判定している。
U.3. 金利リスク
金利リスクとは、市場利回りや金利の期間構造の不利な動きによる、グループのポジションの経済
価値または同ポジションによる収益の予想変動率(ボラティリティ)を指す。異なる資産、負債、
ヘッジ商品の間で金利更改特性や満期特性に差異があると、金利リスク・エクスポージャーが生じ
る。
金利リスクの測定および管理にあたり、グループはバーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)および欧
州銀行監督機構(「 EBA 」)の関連する主要原則を参考にしている。金利リスクの主要な源泉は、
ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスクである。グループに特に関係がある金利リ
スクはギャップリスクである。ギャップリスクとは、グループの金利感応商品の金利変動のタイミン
グの差異による、当該の金利感応商品の期間構造の経済価値または同商品からの収益の予想変動率
(ボラティリティ)を指す。
グループは、概念上の参考ポートフォリオに基づいて、グローバルの構造的金利ポジションを管理
している。同ポートフォリオ以外の他の業務に関する財務リスク指標および統制は、振替価格設定シ
ステムを通じて同ポートフォリオに振替えられないため各業務に残存するリスクに関係したものに限
られる。その一例が、ベンチャー・キャピタル事業の株価リスクや、主として利回り向上を目的に運
用されている財務ポートフォリオで負担する金利リスクや信用リスクである。
U.3.1. グループの自己資金の経済価値に対する金利リスク
グループの ALM 戦略は、グループの経済価値のボラティリティを抑制しながら、バランスが良く持続
可能な収益特性を維持することを目指している。またグループ成長資金の自力調達という目標を踏ま
えて、こうした収益特性に明確な選好が定められている。かかる全体目標は、中長期投資特性に沿っ
たグループの自己資金投資によって達成されており、これは 4.5 ~5.5 年の範囲の自己資金の目標投資
期間を意味する。
自己資金の期間目標とは別に、グループの貸借対照表上、通貨および金利特性に応じた資金調達が
図られるべきだとされている。しかしながら、運用上の理由から、若干の逸脱は認められている。こ
のような若干の逸脱が残ることによって生じる残余ポジション純額は、市場リスクを最低限の水準に
維持するべく、既定の限度枠内に収めて管理されている。
(1)
グループレベルでの定期的なストレス・テストが EBA の標準化されたショックシナリオ に基づい
て実施されている。 2019 年12月31日現在、金利カーブに対する EBA の上方平行移動ショックの影響は、
(2)
自己資金の経済価値を 78.8 億ユーロ( 2018 年: 78.0 億ユーロ) 減少させる。
(1) EBA/GL/2018/02.
(2) ストレス・テストは、年金債務を含むすべてのリスク感応度の高い銀行勘定商品について実施されて
いる。
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グループのポートフォリオに組入れられている金融商品のうち、一部の取引(借入れおよび関連す
るスワップ)には償還オプションが規定されており、満期前に償還される場合があるため、最終満期
日については不確実性が組み込まれている。
キャッシュ・フロー・レベルでは、こうした借入金はすべてスワップで十分にヘッジされているた
め、 Libor または Euribor に連動する合成変動利付債とみなすことができる。
以下は、 2019 年12月31日現在および 2018 年12月31日現在のグループの任意償還条項付ポートフォリ
オの特性をまとめ、想定元本合計、平均の契約上の満期日、平均予想償還日(双方とも、当該取引の
想定元本で加重)を資金調達通貨別と関係する主要リスク・パラメーター別に表示したものである。
資金調達通貨別(スワップの影響考慮後):
2019 年12月31日
(*)
ユーロ 英ポンド 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -2,263 -59 -2,360 -4,682
平均満期日 2046 年10月21日 2022 年6月 20日 2037 年8月4日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2028 年8月 25日 2021 年1月8日 2024 年10月6日 2026 年8月6日
(*) 2019 年に日本円はゼロであった。
2018 年12月31日
(*)
ユーロ 日本円 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -2,645 -23 -2,660 -5,328
平均満期日 2043 年8月6日 2032 年2月9日 2038 年2月5日 2040 年10月20日
平均予想償還日 2028 年4月 15日 2030 年11月26日 2027 年7月 30日 2027 年12月11日
(*) 2018 年に英ポンドはゼロであった。
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有価証券報告書
関係するリスク・パラメーター別:
2019 年12月31日 リスク・パラメーター
為替レートの 金利カーブの 金利カーブの
水準 水準 勾配 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -533 -4,088 -61 -4,682
平均満期日 2037 年5月 21日 2042 年8月 10日 2030 年9月 16日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2027 年2月 20日 2026 年8月 12日 2020 年9月 16日 2026 年8月6日
2018 年12月31日 リスク・パラメーター
為替レートの 金利カーブの 金利カーブの
水準 水準 勾配 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -651 -4,538 -139 -5,328
平均満期日 2037 年11月1日 2041 年7月 15日 2030 年9月 16日 2040 年10月20日
平均予想償還日 2027 年11月9日 2028 年3月5日 2020 年10月4日 2027 年12月11日
U.3.2. グループの金利リスク管理(利益面)
利益の感応度は、金利カーブ全体が1パーセンテージ・ポイント上昇した場合、あるいは低下した
場合の向こう 12ヵ月間で変動しうる正味受取利息の金額を定量化する。このようなエクスポージャー
は、承認を受けた限度枠内でグループが容認する、資産と負債の間の金利更改期間、金額または利率
の不一致により生じる。
2019 年12月31日現在のポジションでは、金利が 100 ベーシス・ポイント上昇すると、利益が 76.4 百万
ユーロ( 2018 年: 123.3 百万ユーロ)増加し、金利が 100 ベーシス・ポイント低下すると、利益が 82.3
百万ユーロ( 2018 年: 118.7 百万ユーロ)減少する計算である。
グループは、案件ごとに利益のシミュレーションを実行する専用のソフトウェアで感応度指標を計
算している。利益の感応度は発生主義で測定され、分析対象期間にわたり、グループは業務計画の中
で予想されている新規貸付業務を実現し、承認を受けた限度枠内にエクスポージャーを維持し、資金
不足の補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引を執行するという「現行」の仮定に
基づいて算出される。利益に関して適時に行われる月次のシミュレーションは、固定利付項目の場合
には、すべて契約で定められた利率が維持され、変動利付項目の場合には、すべて、シミュレーショ
ンで適用された金利シナリオに応じて金利が更改されるという仮定に基づいて実施されている。資金
不足の補充または余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引の利率は、シミュレーションで適用
された金利シナリオに応じた短期金融市場の実勢利率に等しいとされる。現行実務に従い、モデルで
は、シミュレーション上の利益は株主には配分されず、グループ業務の資金補充に当てられると仮定
している。管理費は、業務計画の予想に応じて見積られる。
EIF の感応度は、グループが運用する EIF の財務および貸付金ポートフォリオに組入れられている全
ポジションを考慮して、案件ごとに算出される。各固定利付財務資産は、その満期日に、年度末にお
ける残存期間が従前資産と同じである新規資産に再投資されると仮定している。変動利付財務資産の
ポジションの場合、四半期ごとに利率が更改されるとの仮定に基づいている。
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U.4. 流動性および資金調達リスク
流動性リスクは、資産の増加に対応して資金を調達し、期限の到来した債務を弁済することを、受
入不能な損失を負担することなしに行うグループの能力に関するリスクである。それは、さらに資金
流動性リスクと市場流動性リスクに分けることができる。
資金流動性リスクとは、貸借対照表の資産を支え、容易に利用できる流動リソースから期限どおり
に債務を全額返済することができなくなるリスクに関するものである。資金流動性リスクは、支払義
務の履行に関する差し迫ったリスクおよびこれに伴う不利な条件での借入を増加させうるため、グ
ループのポジションの経済価値あるいはグループのポジションから生み出される収益の変動性に影響
を与える可能性がある。
市場流動性リスクとは、ポジション残高を相殺、解消、または削減するための取引を合理的な市場
価格で執行できないかもしれないという理由で、グループのポジションの経済価値の変動、または同
ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。取引を執行できないことにより、清算を避け
た方が良いと思われる場合でも好ましくない価格で早い段階に当該資産を清算せざるを得なくなるお
それがある。このリスクは、取引される証券の流動性と比較したポジションの規模、ならびに市場の
アベイラビリティおよび効率性の悪化と密接に関係している。
EIB の流動性リスク管理
EIB の中核業務活動を妥当なコストで正常に機能させるため、流動性リスクの管理が行われている。
流動性リスク管理方針の主な目的は、 EIB が常に期限内に支払債務を満額履行できることの確保にあ
る。商業銀行とは対照的に、 EIB は個人預金を保有しておらず、顧客に貸し付ける資金の調達を資本市
場に依存している。
EIB は慎重に流動性バッファーを維持するため、新規発行予定を管理している。流動性維持計画で
は、 EIB の債務返済上のニーズ、貸付金の実行、および貸付金ポートフォリオからのキャッシュ・イン
フローを考慮している。また、流動性維持計画では、一般的に債務者の要請に応じて実行される多額
の契約済未実行貸付金も考慮している。
EIB は、短期流動資産を十分な水準に保つこと、および資金需要予測に応じて自行の募集有価証券の
償還日を分散することによって、流動性リスクの管理を一層確実にしている。流動性リスク管理方針
には、資金水準の下限も盛り込まれている。 EIB の全体的な流動性比率(翌 12ヵ月間の見積ネット・
キャッシュ・フローに対する比率としての流動性)は、常に 25%を上回っていることが義務付けられ
ている。
EIB は非常時資金調達計画( CFP )を定めており、そこでは適切な意思決定手続とそれに対応する責
任分担が定められている。 CFP は定期的にバーゼル銀行監督委員会の原則およびその他の適切なベス
ト・プラクティスを基準にテストおよび評価されている。 CFP は理事会によって毎年承認される。
EIB の特定の事業モデルに合わせて策定された定期的なストレス・テスト分析は、流動性リスク・モ
ニタリングの一環として実施され、 EIB の流動性バッファーの規模を決定する。
2009 年7月8日にユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティー
となったことから、 EIB も欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加できることとなった。 EIB
は、最低預金準備率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策
オペレーションを実施する。
EIB は日次で流動性カバレッジ比率(「 LCR 」)を欧州連合 CRR 要件に沿って、機能通貨(ユーロ)だ
けでなく、他の重要な通貨についても計算している。 EIB は、過度の通貨のミスマッチを防止するため
に、流動性資産の通貨と正味流動性の流出の通貨の整合性を継続的にとることを確実にしている。
2019 年末現在、流動性カバレッジ比率は 483.4 %( 2018 年: 182.4 %)であった。
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EIF の流動性リスク管理
払込資本金の価値を損なうことなく、今後生じうる保証請求、プライベート・エクイティ・コミッ
トメント、および一般管理費の支出に対応する適切な水準の EIF の流動性を確保し、かつリスク最小化
に配慮しながら投資資産で合理的な収益を獲得できるような方法で、流動性リスクは管理されてい
る。
流動性リスクの測定
以下の表は、貸借対照表日から契約上の満期日までの残存期間別にグループの資産および負債を示
している。契約によって定められた満期日のない資産および負債は、「満期日未確定」に区分されて
いる。
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流動性リスク(単位:百万ユーロ)
3ヵ月 3ヵ月超 1年超 満期日 2019 年の
2019 年12月31日時点における満期 5年超
以内 1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証券およびそ
の他短期証券 7,118 9,159 11,361 6,799 0 34,437
その他の貸付金および預け金:
-当座預金
544 0 0 0 0 544
-金融機関
47,073 6,782 0 0 0 53,855
-対顧客 965 0 0 0 0 965
48,582 6,782 0 0 0 55,364
貸付金:
-金融機関
3,341 12,123 53,884 40,415 3 109,766
-対顧客 5,393 20,108 101,149 190,294 45 316,989
8,734 32,231 155,033 230,709 48 426,755
確定利付証券を含む負債証券 4,515 2,409 2,436 3,077 0 12,437
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 0 0 0 0 8,276 8,276
1,092 1,436 4,290 1,657 8,516 16,991
その他の資産
70,988 52,017 173,120 242,242 16,840 555,207
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,473 0 0 0 0 7,473
顧客に対する債務 1,610 0 0 0 0 1,610
債務証書借入 31,215 49,549 207,844 160,714 0 449,322
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 0 0 0 0 75,098 75,098
566 2,425 3,392 1,561 13,760 21,704
その他の負債
40,864 51,974 211,236 162,275 88,858 555,207
負債合計
借入金および関連するスワップの一部は、投資家あるいはヘッジ・スワップの契約相手に期限前解
約条項もしくはコール・オプションを認めており、 EIB にも関連債券を期限前償還する権利を与えてい
る。グループが債券に係るすべてのコール・オプションを契約で定められた次回権利行使日に行使し
た場合、 2020 年から 2022 年の期限前償還累計額は 31億ユーロとなる。
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流動性リスク(単位:百万ユーロ)
3ヵ月 3ヵ月超 1年超 満期日 2018 年の
2018 年12月31日時点における満期 5年超
以内 1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 142 0 0 0 0 142
中央銀行担保適格国庫証券およびそ
の他短期証券 6,654 8,065 12,154 6,909 0 33,782
その他の貸付金および預け金:
-当座預金
945 0 0 0 0 945
-金融機関
47,417 3,977 0 0 0 51,394
-対顧客 405 48 0 0 0 453
48,767 4,025 0 0 0 52,792
貸付金:
-金融機関
3,088 11,581 56,595 44,353 10 115,627
-対顧客 4,374 19,126 98,497 192,468 59 314,524
7,462 30,707 155,092 236,821 69 430,151
確定利付証券を含む負債証券 5,560 4,932 3,489 2,275 0 16,256
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 0 0 0 0 6,541 6,541
1,067 770 4,280 2,747 8,758 17,622
その他の資産
69,652 48,499 175,015 248,752 15,368 557,286
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 4,216 0 0 0 0 4,216
顧客に対する債務 1,802 0 0 0 0 1,802
債務証書借入 34,308 36,857 209,204 175,015 0 455,384
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 0 0 0 0 72,636 72,636
1,046 1,741 5,313 1,703 13,445 23,248
その他の負債
41,372 38,598 214,517 176,718 86,081 557,286
負債合計
U.5. 為替リスク
為替(「 FX」)リスクは、為替レートの不利な変動が原因で、グループのポジションの経済価値の
変動、または同ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。資産、負債およびヘッジ手段
の間で通貨のミスマッチがある場合に、グループは為替リスクにさらされる。
EIB は定款を遵守して、貸付業務を遂行するため、または EIB が供与する貸付金もしくは保証から発
生するコミットメントを履行するために、直接必要でない為替業務には従事しない。
グループの資産・負債構造における通貨のミスマッチは、厳しい限度額内に維持されている。
ユーロ以外の通貨で発生する金利マージンに内在する為替リスクは、通常ヘッジされている。ヘッ
ジ・プログラムは、今後3年間の米ドルおよび英ポンド建ての貸付金の金利マージンにローリング・
ベースで対応している。
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の ユーロ以外 2019 年の
2019 年12月31日現在の通貨 ユーロ 英ポンド 米ドル
通貨 の通貨合計 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証券およびその
他短期証券 26,830 3,227 4,380 0 7,607 34,437
その他の貸付金および預け金:
-当座預金
420 33 8 83 124 544
-金融機関
37,311 2,606 5,139 8,799 16,544 53,855
-対顧客 375 0 0 590 590 965
38,106 2,639 5,147 9,472 17,258 55,364
貸付金:
-金融機関
87,637 1,972 12,979 7,178 22,129 109,766
-対顧客 251,875 35,218 9,430 20,466 65,114 316,989
339,512 37,190 22,409 27,644 87,243 426,755
確定利付証券を含む負債証券 4,914 253 1,726 5,544 7,523 12,437
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 6,458 914 626 278 1,818 8,276
13,277 1,373 1,316 1,025 3,714 16,991
その他の資産
430,044 45,596 35,604 43,963 125,163 555,207
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,355 0 118 0 118 7,473
顧客に対する債務 1,474 2 58 76 136 1,610
債務証書借入:
-負債証券
233,518 45,599 111,047 45,520 202,166 435,684
-その他 8,725 15 838 4,060 4,913 13,638
242,243 45,614 111,885 49,580 207,079 449,322
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 75,098 0 0 0 0 75,098
17,244 1,912 1,362 1,186 4,460 21,704
その他の負債
343,414 47,528 113,423 50,842 211,793 555,207
負債合計
-86,769 2,006 77,838 6,925 86,769
オフ・バランスシートの通貨スワップ
-139 74 19 46 139
ポジション(純額)
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の ユーロ以外 2018 年の
2018 年12月31日現在の通貨 ユーロ 英ポンド 米ドル
通貨 の通貨合計 合計
資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 142 0 0 0 0 142
中央銀行担保適格国庫証券およびその
他短期証券 28,863 2,478 2,416 25 4,919 33,782
その他の貸付金および預け金:
-当座預金
861 44 7 33 84 945
-金融機関
38,245 616 5,249 7,284 13,149 51,394
-対顧客 409 0 0 44 44 453
39,515 660 5,256 7,361 13,277 52,792
貸付金:
-金融機関
93,864 2,024 12,174 7,565 21,763 115,627
250,342 35,263 9,269 19,650 64,182 314,524
-対顧客
344,206 37,287 21,443 27,215 85,945 430,151
確定利付証券を含む負債証券 4,101 1,966 2,771 7,418 12,155 16,256
株式、その他の変動利付証券
および参加持分 5,205 712 421 203 1,336 6,541
16,652 372 338 260 970 17,622
その他の資産
438,684 43,475 32,645 42,482 118,602 557,286
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 3,877 1 251 87 339 4,216
顧客に対する債務 1,671 4 70 57 131 1,802
債務証書借入:
-負債証券
234,328 45,409 117,355 44,611 207,375 441,703
7,974 106 1,027 4,574 5,707 13,681
-その他
242,302 45,515 118,382 49,185 213,082 455,384
資本金、準備金、利益および
少数株主持分 72,636 0 0 0 0 72,636
21,523 919 382 424 1,725 23,248
その他の負債
342,009 46,439 119,085 49,753 215,277 557,286
負債合計
-96,633 2,937 86,426 7,270 96,633
オフ・バランスシートの通貨スワップ
42 -27 -14 -1 -42
ポジション(純額)
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U.6. オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因か
ら発生する、または市場関連でも信用関連でもない外部事象による損失リスクで、法務リスクを含む
が、戦略リスクおよび風評リスクは除かれる。
オペレーショナル・リスクはグループの活動に内在しており、人的要因、不適切な従業員の行動、
サイバーおよびテクノロジー関連事象、不適切もしくは機能不全のプロセス、事業の中断もしくは保
全措置、情報システムの障害、第三者外部委託での障害または不正行為を含む様々な態様で現れる可
能性がある。オペレーショナル・リスクをグループの財務強度、事業の性格および業務を遂行する市
場の観点から最低水準に維持することが目標となる。
EIB のオペレーショナル・リスク部門(「 OPR 」)、 EIF のリスク管理および内部統制ならびに EIB の
財務統制におけるアサーション部門が、オペレーショナル・リスクの枠組みおよび関連する方針を決
定する責任を有し、その枠組みの実施責任はグループのすべての部署が担う。バーゼル銀行監督委員
会(「 BCBS 」)が勧告するベスト・バンキング・プラクティス(「 BBP 」)の枠組みの主要な要素は、
リスクの特定、評価、監視ならびにリスクの統制および軽減である。
グループでは、特に一連のオペレーショナル・リスク指標を通じて、内部損害履歴、シナリオ分析
ならびに事業・統制環境等、入手可能なあらゆる情報を考慮する評価方法を採用している。特に、 OPR
は、オペレーショナル・リスクに係る現実の損害につながるまたはつながりうる重要なオペレーショ
ナル・リスク事象および現れつつあるリスク分野を分析する。
EIB は、主要な事業プロセスごとにオペレーショナル・リスク・エクスポージャーおよび損害事象を
継続的に監視するために、統計的分析システム(「 SAS 」)を使用している。
オペレーショナル・リスク管理はグループのあらゆるレベルで実施され、すべての部署の職責とさ
れる。報告に関しては、 EIB ではオペレーショナル・リスク報告書は監査委員会、経営委員会および総
務会に提出される。加えて、 0.1 百万ユーロを超える損失は、即座に総裁に報告される。 EIF では、 OPR
は監査役会、 EIF 各種委員会および経営陣に定期報告を提供する。
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有価証券報告書
注V:デリバティブ
グループは、予定取引から発生するエクスポージャーを含む金利リスクおよび為替リスクへのエク
スポージャーを管理するため、デリバティブ商品を主に資産負債管理活動の一環として使用してい
る。デリバティブは契約金融商品であり、その価値は、原資産、利率、為替そして種々のインデック
ス動向により変動する。デリバティブ取引は売買目的で利用されるのではなく、資金調達関連の場合
および市場リスク・エクスポージャーを低減するためのみに限られている。
グループのスワップの大部分は、資金調達オペレーション(資金調達活動)の一環として、債券発
行をヘッジする目的で締結されている。借入ポートフォリオに関連したすべてのスワップは満期が関
連借入債務に対応しており、このため長期の性質を持つ。
またグループは、貸付金や財務のヘッジ・オペレーションの一環として、またはグローバルな資産
負債管理(「 ALM 」)ポジションのヘッジ( ALM ヘッジ活動)のために、スワップを行っている(注 V.1
を参照)。
グループは、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務の通貨ポジションを調整するため、ま
た貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップも行っている(注 V.2 を参照)。
先物契約(先物)は、一部の政府債投資から生ずるエクスポージャーをヘッジするため、財務活動
の一環として使用することができる。先物は、規制市場において取引される標準化されたデリバティ
ブであり、カウンターパーティー・リスクの測定と統制に関する一般方針の対象外となっている。
EIB は短期財務ポジションの金利リスクをヘッジするために、金利先渡契約を使用する。
V.1. 資金調達および ALM デリバティブ
資金調達および ALM ヘッジとの関連で使用されるデリバティブには以下のものがある。
通貨スワップ
金利スワップ
ストラクチャード・スワップ
V.1.1. 通貨スワップ
通貨スワップとは、調達されたある通貨の資金を別の通貨に交換することを合意し、それと同時に
調達された資金を期日に返済できるよう、両通貨を将来において再度交換するための為替予約を締結
する契約である。
グループは、主に資金調達業務の一環として、開始時に借入資金を別の通貨に交換し、その後借入
返済に必要な資金を元の通貨でグループが入手することとなる、通貨スワップを締結している。
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した通貨スワップ(ストラクチャード・ス
ワップ(注 V.1.3 を参照)を含み、短期通貨スワップ(注 V.2. を参照)を除く)の満期を示している。
想定元本はオフ・バランスシートにて開示されている。
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2019 年12月31日現在の通貨スワップ 1年超 5年超 2019 年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本(受取) 40,347 116,134 39,584 23,675 219,740
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
(*)
COLVA )を含む割引価値(純額)) -197 1,537 1,990 1,248 4,578
2018 年12月31日現在の通貨スワップ 1年超 5年超 2018 年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本(受取) 40,522 107,503 41,882 20,958 210,865
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
(*)
COLVA )を含む割引価値(純額)) -617 -244 2,124 1,435 2,698
(*) 2019 年12月31日現在 1,350 百万ユーロ( 2018 年: 1,513 百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ通貨スワップの公
正価値を含む。
V.1.2. 金利スワップ
金利スワップは一般的に、変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行うことを合意する契約で
ある。
金利スワップの利用により、グループは、顧客からの要求に応えて借入ポートフォリオと他のポー
トフォリオの金利構造を変えることができるとともに、グループのある特定の資本市場への有利なア
クセス条件をカウンターパーティーと交換することにより、資金調達コストを削減することも可能と
なる。
以下の表は、金利スワップ(ストラクチャード・スワップ(注 V.1.3 を参照)を含み、外貨建てで計
算された利息を合成的にユーロ建てに交換するシンセティック・スワップを含む)の満期を想定元本
および公正価値に細分して示したものである。想定元本はオフ・バランスシートにて開示されてい
る。
2019 年12月31日現在の金利スワップ 1年超 5年超 2019 年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本 65,329 215,856 125,751 133,743 540,679
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
(*)
COLVA )を含む割引価値(純額)) 231 5,260 5,683 1,208 12,382
2018 年12月31日現在の通貨スワップ 1年超 5年超 2018 年の
1年以内 10年超
(単位:百万ユーロ) 5年以内 10年以内 合計
想定元本 58,521 207,711 137,869 131,579 535,680
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA および
(*)
COLVA )を含む割引価値(純額)) 248 3,110 5,350 152 8,860
(*) 2019 年12月31日現在マイナス 803 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 406 百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ金利
スワップの公正価値を含む。
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V.1.3. ストラクチャード・スワップ
グループは、通常そのリスクヘッジ方針に関連してオプション取引を行っていない。ただし、金融
市場で、より低いコストで資金を調達するという戦略の一環として、グループは、主に金利オプショ
ンまたは株価指数オプションを含む借入契約および貸付を行う。このようなストラクチャード借入金
および貸付金は、関連する市場リスクをヘッジするためのスワップ契約により完全にカバーされてい
る。
以下の表は、ストラクチャード・スワップの取引件数、価額および想定元本の詳細を示している。
特別なストラクチャーに
期限前解約が
株価指数 基づくクーポンまたは
組み込まれているもの
類似するもの
2018 年
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年
取引件数 138 156 1 1 264 266
想定元本
(単位:百万ユーロ) 5,049 5,796 500 500 19,770 21,420
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA
および COLVA )を含む割引価値(純
額)) (単位:百万ユーロ) 681 376 17 -28 -2,627 -2,473
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。デ
リバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや仮定
が評価技法に取り入れられることもある。
借入れに組込まれている、もしくは借入れに関連するオプション契約は、すべて店頭取引で行われ
る。ストラクチャード・ディールとしては、金利、為替レート、インフレ率、株価指数、および金利
のボラティリティに左右される様々な取引がある。
V.1.4. デリバティブ取引における信用リスクの軽減方針
デリバティブに関する信用リスクは、カウンターパーティーが契約債務を履行できない場合にグ
ループが被りうる損失に関連する。
デリバティブ取引の特殊な性質および複雑さを考慮し、当該金融商品の利用から生ずる損失に対し
てグループを保護するための一連の手続きが整備されている。
・ 取引契約の枠組み
グループのデリバティブ取引はすべて、 ISDA スワップ取引契約と、該当する場合にはエクスポー
ジャーに対する担保差入条件が明記されているクレジット・サポート・アネックスの取引契約の枠組
みの中で行われる。これらは一般的に採用され、実施されている契約の様式である。
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・ カウンターパーティーの選択
取引開始時の格付は、 A3以上と定められている。格付がある一定のレベルを下回った場合には EIB は
期限前に契約を解除する権利を有する。
・ 担保設定
- (限度枠を超過した)エクスポージャーに対しては、現金および債券による担保が差入れられ
る。
- 複雑で流動性の低い取引の場合は、現在の時価以上の担保が要求される。
- 個々のカウンターパーティーとのデリバティブ・ポートフォリオと受取担保は定期的にモニ
ターされて評価され、それを受けて追加担保が請求されるか、担保の引出しが行われる。
スワップについて受け取った担保の時価は、 2019 年12月31日現在、 21,104 百万ユーロ( 2018 年:
15,174 百万ユーロ)で、担保の性質および同等のムーディーズの格付に基づいた詳細は、以下のとお
りであった。
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
同等のムーディーズ格付
現金 2019 年の合計
国際機関債、
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,509 2,765 0 4,274
Aa1 から Aa3 4,643 0 0 4,643
A1から A3 674 0 0 674
Baa1 から Baa3 4,605 0 0 4,605
Baa3 未満 621 0 0 621
0 0 6,287 6,287
格付なし
12,052 2,765 6,287 21,104
2019 年の合計
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
同等のムーディーズ格付
現金 2018 年の合計
国際機関債、
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,870 1,628 0 3,498
Aa1 から Aa3 3,684 0 0 3,684
A1から A3 1,355 0 0 1,355
Baa1 から Baa3 2,046 0 0 2,046
Baa3 未満 468 0 0 468
0 0 4,123 4,123
格付なし
9,423 1,628 4,123 15,174
2018 年の合計
・ デリバティブの信用リスクの測定
デリバティブ関連の信用リスクは様々なパラメーターにより変化し(例えば金利や為替レート)、
一般的に想定元本のごく一部に相当するに過ぎない。
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BIS のバーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)の勧告に従い、グループは、財務報告と限度枠のモニタ
リングにはカレント無担保エクスポージャーとポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを使
用し、資本配分には信用リスク相当額を使用して、スワップ取引およびデリバティブ取引に関する信
用リスク・エクスポージャーを測定している。
グループは、カレント無担保エクスポージャーを、ゼロと、カウンターパーティーとのネッティン
グ・セットに含まれている取引ポートフォリオの時価から受入担保の価値を差し引いた数値のいずれ
か大きな方の値で測定している。これは、カウンターパーティーが不履行を起こした場合に生ずる損
失に相当する金額で、受領した担保を相殺に充当し、破綻取引の回収価値をゼロとした上で、すべて
の取引につき直ちにスワップ・カウンターパーティーの代替を行うことを想定している。 2019 年12月
31日現在のカレント無担保エクスポージャーは 816 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在: 746 百万ユー
ロ)であった。
さらにグループは、リスクのマージン期間中(取引ポートフォリオにより 10日間から 20日間)に
ネッティング・セットに生ずる可能性のあるエクスポージャーの増加を考慮した、ポテンシャル・
フューチャー・エクスポージャーを計算している。 EIB は、保守的な見積りを出すため、ストレス下の
市場パラメーターに基づき、また信頼区間を 90%として、ポテンシャル・フューチャー・エクスポー
ジャーを計算している。これは、重要な市場参加者の不履行があった場合に生じるであろう状況を考
慮するための規制当局の勧告に沿ったものである。 2019 年12月31日現在の初期ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーは 10,354 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在: 10,137 百万ユーロ)であっ
た。
・ 限度枠
銀行向け限度枠システムは、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを3種の期間グルー
プ(1年未満、1年以上5年以下および5年超)と2種の格付シナリオ(現状維持および A3格未満へ
の格下げ)でカバーする。
デリバティブ・ポートフォリオは毎日評価され、限度枠との比較が行われる。
下記の表は、カウンターパーティーの内部格付別内訳を示している。
ポテンシャル・
カレント無担保
フューチャー・
エクスポージャー
格付グループ 額面価額割合
エクスポージャー
(単位:百万ユーロ ) (単位:百万ユーロ )
同等のムーディーズ格付 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
Aaa 0.48% 0.49% 448 61 994 61
Aa1 から Aa3 25.47% 24.13% 204 490 2,696 2,748
A1から A3 65.94% 65.41% 113 168 6,364 7,036
8.11% 9.97% 51 27 300 292
A3未満
100.00% 100.00% 816 746 10,354 10,137
合計
V.2. 流動性管理の一環として
グループはまた、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務ポートフォリオの通貨ポジション
を調整するため、また貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップを行っている。
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短期通貨スワップ(受取)の想定元本は、 2019 年12月31日現在で 35,633 百万ユーロであり、これに
対して 2018 年12月31日現在は 41,161 百万ユーロであった。短期通貨スワップの公正価値は、 2019 年12
月31日現在 445 百万ユーロ( 2018 年: 36百万ユーロ)であった。
短期為替予約取引の想定元本は、 2019 年12月31日現在 528 百万ユーロ( 2018 年: 539 百万ユーロ)で
あった。短期為替予約取引の公正価値は、 2019 年12月31日現在マイナス 37百万ユーロ( 2018 年:マイ
ナス2百万ユーロ)であった。
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注W:換算レート
2019 年12月31日現在および 2018 年12月31日現在の貸借対照表の作成にあたり使用されている換算
レートは、以下のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
欧州連合加盟国のユーロ以外の通貨
ブルガリア・レフ (BGN) 1.9558 1.9558
チェコ・コルナ (CZK) 25.4080 25.7240
デンマーク・クローネ (DKK) 7.4715 7.4673
英ポンド (GBP) 0.8508 0.8945
クロアチア・クーナ( HRK ) 7.4395 7.4125
ハンガリー・フォリント (HUF) 330.5300 320.9800
ポーランド・ズロチ (PLN) 4.2568 4.3014
ルーマニア・レイ (RON) 4.7830 4.6635
スウェーデン・クローナ (SEK) 10.4468 10.2548
欧州連合加盟国以外の通貨
オーストラリア・ドル (AUD) 1.5995 1.6220
アゼルバイジャン・マナト( AZN ) 1.9004 1.9358
カナダ・ドル (CAD) 1.4598 1.5605
スイス・フラン (CHF) 1.0854 1.1269
中国人民元 (CNY) 7.8205 7.8751
ドミニカ・ペソ (DOP) 59.3644 57.4037
エジプト・ポンド (EGP) 17.9584 20.4229
エチオピア・ブル( ETB ) 35.6810 31.9590
ジョージア・ラリ (GEL) 3.1927 3.0417
香港ドル (HKD) 8.7473 8.9675
アイスランド・クローナ (ISK) 135.8000 133.0500
日本円 (JPY) 121.9400 125.8500
ケニア・シリング (KES) 113.6300 116.2400
モロッコ・ディルハム (MAD) 10.7263 10.9402
モルドバ・レウ( MDL ) 19.2000 19.4400
メキシコ・ペソ (MXN) 21.2202 22.4921
ノルウェー・クローネ (NOK) 9.8638 9.9483
ニュージーランド・ドル (NZD) 1.6653 1.7056
ロシア・ルーブル (RUB) 69.9563 79.7153
チュニジア・ディナール (TND) 3.1122 3.4210
トルコ・リラ (TRY) 6.6843 6.0588
台湾ドル (TWD) 33.5463 34.9831
ウクライナ・グリブナ (UAH) 26.5849 31.6750
米ドル (USD) 1.1234 1.1450
中央アフリカ CFA フラン( XAF ) 655.9570 655.9570
西アフリカ CFA フラン( XOF ) 655.9570 655.9570
南アフリカ・ランド (ZAR) 15.7773 16.4594
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注X:関連当事者取引
X.1. 参加持分
以下に、連結財務書類に含まれる参加持分に関連する金額を表示している。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(単位:千ユーロ)
参加持分 336,845 271,111
参加持分からの損益 -636 -9,270
払込未請求参加持分 657,168 604,438
X.2. 主要経営陣
グループは、理事会、監査委員会、経営委員会の委員および EIB の各種組織部門の責任者であるディ
レクター・ジェネラル、ならびに内部統制独立部署の責任者を主要経営陣とみなしている。
一般管理費(注 R)に算入されている主要経営陣の当該報告期間の報酬は、次の表のとおりである。
2019 年 2018 年
(単位:千ユーロ)
(1)
短期給付 9,574 10,445
(2)
退職後給付 915 968
(3)
-1,504 720
退職手当
8,985 12,133
合計
(1) 短期従業員給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラルおよびその他ディレクターの給与および手当、賞
与、社会保障負担金、ならびに理事会および監査委員会の委員に支払われた給付である。
(2) 退職後給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラル、およびその他ディレクターに支払われた年金および
退職後健康保険費である。
(3) 2019 年度について、グループは過年度に関連する退職手当引当金の取り崩しを計上したことにより、純利益を計上
した。 2019 年度に費用計上された手当は 744 千ユーロであった。
主要経営陣に対して前渡金も信用供与行っておらず、またいかなる種類の保証の形態でも主要経営
陣の利益のための契約を締結していない。
2019 年12月31日現在の主要経営陣との間の未決済残高は、強制および任意の補足年金制度および健
康保険制度に関する負債、ならびに期末現在の未払残高で構成されている。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(単位:千ユーロ)
年金制度および健康保険制度(注 L) 60,727 68,383
その他の負債(注 G ) 16,095 20,161
注Y:後発事象
COVID-19 のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわらず、
EIB は、主に EIB の流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、現在も引き続き強固な流動性
ポジションおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。さらに、 EIB が十分な水
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準の担保および保証に基づくリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条項に依拠してい
ることから、 EIB の貸付金ポートフォリオの質は現在も高くされている。 COVID-19 のパンデミックの
EIB に対する最終的な影響を現段階で予測することは困難である。 EIB は状況を注視し、パンデミック
に対応したその他の支援策およびプログラムを検討し続けていく。
上記の要因を除き、 2019 年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類における開示を要す
る、決算日後に発生した重要な事象はない。
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注Z:第三者資金の管理
Z.1. インベストメント・ファシリティ -コトヌー
EIB が管理するインベストメント・ファシリティは、アフリカ・カリブ海および太平洋地域諸国と欧
州連合および加盟国との間における協力・開発に関する 2000 年6月 23日付(その後改正済)のコト
ヌー協定に基づき設立されたものである。 EIB は、インベストメント・ファシリティの個別財務書類を
作成している。
Z.2. ギャランティー・ファンド
域外活動のためのギャランティー・ファンドは、非加盟国に供与された貸付および貸付保証の債務
不履行をカバーするため、または非加盟国におけるプロジェクトのために、 1994 年に設立された。欧
州委員会( EC)は、 1994 年11月に二者間で締結された契約およびその後の当該契約の改訂に基づき、
ギャランティー・ファンドの財務管理を EIB に委託している。 EIB は、ギャランティー・ファンドの個
別財務書類を作成している。
Z.3. NER300
EIB は、 NER300 イニシアチブ(炭素回収・貯蔵実証プロジェクト、および革新的再生可能エネルギー
技術のための資金調達プログラム)を遂行する際、エージェントとして ECをサポートする。当該ファ
シリティには、 i) EU の割当量単位( EUA )の収益化、 ii)EUA 収益化活動を通じて受け取る資金の管
理および支出、といった2つの活動が含まれる。 EIB は、 NER300 のために個別財務書類を作成してい
る。
Z.4. イノベーターのための EU資金提供( InnovFin )
InnovFin または「 InnovFin -イノベーターのための EU資金提供」は、 EUの新規の 2014 年- 2020 年の
研究プログラムである「ホライズン 2020 」に基づく EIB 、EIF および欧州委員会の共同の取組みであ
る。 2013 年12月11日、研究およびイノベーションのための包括プログラム( 2014 年- 2020 年)である
ホライズン 2020 を確立し、決定事項 N1982/2006/EC を廃止する欧州議会および理事会規則( EU)
N1291/2013 (「ホライズン 2020 規則」)が採択された。 2014 年6月 12日、欧州委員会、 EIB および EIF
は、金融商品である InnovFin を設定する委任契約を締結した。 InnovFin は、 EIB グループによって提供
される一連の統合され、かつ補完的な金融ツールおよびアドバイザリー・サービスで構成され、零細
企業から巨大企業までの企業による投資を支援するために研究およびイノベーション(「 R&I 」)のバ
リュー・チェーン全体を対象としている。 EIB は、 InnovFin の個別財務書類を作成している。
Z.5. コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「 CEF 」)
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「 CEF 」)は、運輸、電気通信およびエネルギーのイ
ンフラストラクチャー・セクターにおける共益プロジェクトを支援するために、欧州横断的なネット
ワークに欧州連合の財政支援を提供することを目的とした、 EIB と欧州委員会の間の共同協定である。
欧州委員会は、 CEF に基づく負債性金融商品の業務および管理を EIB に委託しており、これにより、欧
州横断交通網プロジェクト融資保証手段(「 LGTT 」)およびプロジェクト債券イニシアチブ
(「 PBI 」)の試験段階への連続性が確保される。 LGTT とPBI は、 CEF の下で 2016 年1月1日に統合され
た。 CEF 委任契約は、最新かつ共通のリスク・シェアリングの取決めを定めている。 EIB は、 CEF の個別
財務書類を作成している。
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Z.6. ファンド・オブ・ファンズ(「 JESSICA II」)
ファンド・オブ・ファンズ(「 FoF 」)は、欧州構造投資基金(「 ESIF 」)が、 2014 年から 2020 年ま
での間に加盟国運用プログラムにより資金供給した地域金融商品(「 DFI 」)で構成されている。 FoF
は、選定された金融仲介機関と協力して、貸付、出資および保証の実行を通じて、最終受領者の資金
調達を促進している。
EIB は、ファンド・マネージャーとして、関係運営当局から資金供給(拠出)の取りまとめを行い、
拠出者と合意した投資戦略に従って、金融仲介機関を介して当該資金を投資している。 EIB は、各ファ
ンド・オブ・ファンズの個別財務書類を作成している。
Z.7. リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ(「 RSFF 」)
RSFF は、欧州連合を代表する ECとEIB との間で締結され、 2007 年6月5日付で発効した協力協定に基
づき設立された。 RSFF は、研究、技術開発と実証プロジェクトおよび技術革新への投資を育成するこ
とを目的としている。 RSFF の一環として、 EIF は、技術革新および研究を中心とする中小企業( SME )
および中堅企業のためのリスク・シェアリング・インスツルメント(「 RSI 」)を用意した。 RSI は、
研究を推進する中小企業(「 SME 」)や中堅企業の借入やファイナンス・リースのため、銀行やリース
会社に保証を提供している。 EIB は、 RSI を含めた RSFF の連結財務書類を個別に作成している。
Z.8. JESSICA (「保有基金」)
JESSICA (都市部への持続可能な投資に対する欧州共同支援)は、欧州委員会と EIB が欧州評議会開
発銀行と共同で策定したイニシアチブである。
JESSICA 保有基金は JESSICA イニシアチブに関連して使用される。新しい手続きに基づき、関係運営
当局は、持続可能な総合都市開発計画の一部を形成するプロジェクトへの有償投資を行うために、自
身の EU助成金の一部を使用する選択権を付与される。 EIB は、運用者として、関係運営当局から受領し
た資金を取りまとめ、拠出者と合意した投資ガイドラインに従って都市開発基金に投資している。 EIB
は、 JESSICA の個別財務書類を作成している。
Z.9. EU-アフリカ・インフラ(「 EUAI 」)信託基金
EUAI 信託基金は、創設・援助組織としての欧州連合を代表する ECと、運用者としての EIB との間の、
信託基金協定に基づき創設され、創設後は、欧州連合加盟国もこの協定に資金提供者として参加でき
る。 2006 年2月9日、 ECとEIB は、 EU-アフリカ・インフラ・パートナーシップを共同で推進し、特に
それを支援する EU-アフリカ・インフラ信託基金を設立する旨の覚書を交わした。 EIB は、 EUAI 信託基
金の個別財務書類を作成している。
Z.10. COSME 借入保証ファシリティ( LGF )および成長株式投資ファシリティ( EFG )
中小企業の資金調達の困難に対処するため、 COSME は、借入保証ファシリティ(「 LGF 」)および成
長株式投資ファシリティ(「 EFG 」)を設立している。 LGF および EFG は、中小企業が借入またはエクイ
ティの形での資金調達の利用可能性を向上させることを目的としている。当該金融商品にも、 SME イニ
シアチブに基づく EUの拠出制度が含まれている。 EFG は、域内企業の成長および研究・イノベーション
を支援する持分金融商品の形で組成されている。 LGF は、直接的または間接的な保証金融商品の形で組
成されている。 LGF の目的は、中小企業向けの資金調達市場の構造的な欠陥の軽減に貢献し、中小企業
向けのより多様な資金調達市場の創生を支援することである。直接的または間接的な保証を通じて、
LGF は、成長力のある中小企業が資金調達の際に直面するとりわけ困難な状況に対処するため、借入に
よる資金調達時に保証を行うことを目的としている。さらに、適格かつ透明性の高い証券化取引のメ
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ザニン・トランシェを保証することによって、 LGF は中小企業の資金調達に新たな手段を提供すること
を目指している。 EIF は、 COSME LGF および EFG の個別財務書類を作成している。
Z.11. 欧州構造投資基金(「ESIF」)
欧州構造投資基金(「 ESIF 」)の下、 EIF は、加盟国により 2015 年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、 ESIF ファンドの管理・運営を行っている。 ESIF イニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。 EIF は、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件の ESIF 資金供
与契約を管理している。 EIF は、 ESIF の個別財務書類を作成している。
Z.12. 中小企業向け欧州共同財源( JEREMIE )
JEREMIE (中小企業向け欧州共同財源)は、欧州委員会の地域政策総局( DG Regio )と EIB グループ
によるイニシアチブである。 EIF は、 JEREMIE の個別財務書類を作成している。
Z.13. ルーマニア向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、ルーマニア向け SME イニシアチブの個別財務書類を作
成している。
Z.14. 特別部門
特別部門は、総務会によって 1963 年5月 27日に設定された。 1977 年8月4日の決議に基づき、その
目的は見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて EIB が実行した金融業務を記録するためとさ
れた。特別部門には、 FED 、MED/FEMIP および欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティの保証部分
が含まれる。
Z.15. イタリア向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、イタリア向け SME イニシアチブの個別財務書類を作成
している。
Z.16. GF ギリシャ
ファンドは、ギリシャ共和国、 ECおよび EIB による共同イニシアチブで、設立の目的は、ギリシャの
中小企業に対する融資を支援することである。ファンドは、ギリシャのために用意された構造基金の
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未使用部分を使って設立されており、ギリシャのパートナー銀行経由で、 EIB の中小企業向けローンの
保証を行う。 EIB は、 GF ギリシャの個別財務書類を作成している。
Z.17. マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )エクイティ
企業および起業のためのマルチ・アニュアル・プログラム( MAP )に基づき、 EIF は欧州委員会に代
わり欧州委員会のリスクにおいてリソースの管理を行っている。 EIF は、 MAP エクイティの個別財務書
類を作成している。
Z.18. InnovFin 中小企業保証
ホライズン 2020 の「リスク・ファイナンスへのアクセス・プログラム」との関連で、このプログラ
ムは負債性金融商品および持分金融商品の設定を規定している。 InnovFin 中小企業保証と呼ばれるリ
スク・シェアリング・ファシリティは、保証の形で組成され、 EUの拠出金を一次的に不履行金額の補
てんに使用し、 EIF のリスク・テイク能力を二次的に不履行金額の補てんに使用する。この制度の目的
は、研究・開発およびイノベーションにおいて顕著な活動を行っている中小企業および中堅企業に、
金融仲介機関が貸付またはファイナンス・リースを提供する動機を与えることである。 EIF は、
InnovFin 中小企業保証の個別財務書類を作成している。
Z.19. 欧州近隣パートナーシップ枠組み(「 ENPI 」)
欧州近隣政策の対象国における欧州連合の一般予算から資金調達される事業の実施について定めた
欧州連合と EIB との間の枠組み協定は、 ENPI を通じて実施される。 EIB は、 ENPI の個別財務書類を作成
している。
Z.20. 資金パートナーシップ・プラットフォーム(「 PPF 」)
PPF はEIB が運用する複数地域、複数拠出者、かつ複数セクターの、複数のファンドを組み込んだプ
ラットフォームであり、持続可能な発展のために金融の流れを増加させる必要性を考慮し、また欧州
投資銀行の成功体験を基礎として設立された。 PPF に基づく基金は、プラットフォーム規則に従って導
入された。 EIB は、 PPF の個別ベースの合算財務報告を作成している。
Z.21. 深化した包括的自由貿易協定地域(「 DCFTA 」)
欧州投資銀行および欧州連合は、 2016 年12月19日に、深化した包括的自由貿易協定地域
(「 DCFTA 」)の委任契約に署名した。東部 DCFTA イニシアチブは、 EUと協力協定を締結した国である
ジョージア、モルドバおよびウクライナに対し、的を絞った金融および技術的支援を中小企業
(「 SME 」)向けに提供することによって、これら3国の経済発展を強化することを目的としている。
DCFTA の一環として、 EIF は保証枠ウィンドウの実行および管理を行う。 EIF が実行および展開する保証
枠ウィンドウは、各国の仲介銀行がより多くのリスクを取り、各国経済で十分なサービスを受けてい
ないセグメントに支援を差し伸べる動機を与えるための、 SME ポートフォリオ・ファースト・ロス保証
で構成される。 EIB は、保証枠ウィンドウを含めた DCFTA の連結財務書類を個別に作成している。
Z.22. ブルガリア向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
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適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、ブルガリア向け SME イニシアチブの個別財務書類を作
成している。
Z.23. InnovFin プライベート・エクイティ
ホライズン 2020 金融商品は、対象となる研究およびイノベーションを支援するために、最終受領者
がリスクを伴う資金調達を活用しやすくすることを目的としている。当該金融商品には、貸付、保
証、株式その他のリスク・ファイナンスの形が含まれる。また、ホライズン 2020 金融商品は、アー
リーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタル・ファンドの発展の促進、知的
財産に係る知識移転および市場の改善、ベンチャー・キャピタル市場への資金の呼び込み、ならびに
全体として、新しい製品およびサービスの構想、開発およびデモンストレーションから商品化につな
げるための支援も目的としている。ホライズン 2020 負債性金融商品にも、 SME イニシアチブに基づく EU
の拠出実施制度が含まれている。
アーリーステージ向け InnovFin エクイティ・ファシリティは、革新的な企業に対し、特にアーリー
ステージのベンチャー・キャピタルまたはメザニン・キャピタルの形によるエクイティ・ファイナン
スを提供することにより、アーリーステージ投資ならびに既存および新規のベンチャー・キャピタ
ル・ファンドの発展を促進することを目的としている。 EIF は、 InnovFin プライベート・エクイティの
個別財務書類を作成している。
Z.24. REG
これは、2つの地域マンデートであるマルタにおけるスマートビルディング向けスマートファイナ
ンス(「 SFSB 」)およびアイルランド経済構造安定性投資プラットフォーム(「アイルランド SME 」)
に対応している。アイルランド SME は、アイルランド政府と EIF の間で締結された、アイルランドの国
立産業振興銀行との間で、主に中期貸付およびすべての SME 向けに注力し、 SME イニシアチブと類似し
た構造によって裏付けられた上限を設けない当事者間債務・権利共通保証契約を結ぶためのマンデー
トである。国家資金がファースト・ロスを担当し、 EIB グループが中位リスク( EFSI を通じた EIB )お
よび優先リスク( EIB および潜在的に EIF )を担当する。
スマートビルディング向けスマートファイナンス(「 SFSB 」)は、世帯向けおよび事業向け両方の
建物に関連したエネルギー効率向上手段への投資を育成することを目的とした欧州委員会と EIB の共同
イニシアチブである。しかし、マルタの市場規模により、このマンデートの範囲は厳格には建物に関
連しないエネルギー効率向上手段、すなわち SFSB における焦点以外にも拡大される可能性がある。
Z.25. GIF 2007
競争力および革新枠組みプログラムと技術移転パイロット・プロジェクトに基づく GIF 2007
(CIP/GIF 2007 )において、 EIF は、自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクに
おいて、投資の取得、管理および処分を行う権限を与えられている。 EIF は、 GIF 2007 の個別財務書類
を作成している。
Z.26. NPI 証券化イニシアチブ(「 ENSI 」)
EIF ならびに KfW 、フランス公的投資銀行( bpifrance )、 CDP 、マルタ開発銀行ワーキンググルー
プ、 IFD 、ICO および BBB を含めたいくつかの国家開発機関(「 NPI 」)は、中小企業(「 SME 」)への資
本市場を通じた資金提供の増加を目的とした協力およびリスク・シェアリング・プラットフォームで
ある EIF-NPI 証券化イニシアチブ(「 ENSI 」)を開始した。この SME 証券化取引における相互協力の目
的は、民間セクターからの資金を触媒として SME 証券化市場を活性化することによって、欧州の SME 向
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けファイナンスの利用可能性を高める点にある。これは、より広範囲に SME の支援を行き渡らせようと
する欧州戦略投資基金の考えを反映したものである。
Z.27. フィンランド向け SME イニシアチブ
2016 年中に、 SME イニシアチブに関連して、 EIF とフィンランド、ブルガリア、ルーマニアおよびイ
タリアの運用当局は、 H2020 金融商品に基づくフィンランド、ブルガリア、ルーマニア向けおよび
COSME LGF との関係で結果的にイタリア向けとなる特定の配分に関して実施される専用ウィンドウの実
行および運営について、4件の個別の資金供与契約を締結した。これらの SME イニシアチブは、各国の
適格中小企業向け新規デット・ファイナンスのポートフォリオのために、 H2020 に関して上限を設けず
保証を提供することを目的としている。 EIF は、フィンランド向け SME イニシアチブの個別財務書類を
作成している。
Z.28. SMEG 2007
競争力および革新枠組みプログラムに基づく SMEG 2007 (CIP/SMEG 2007 )において、 EIF は、自己の
名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員会のリスクにおいて、保証を付与する権限を与えられて
いる。 EIF は、 SMEG 2007 の個別財務書類を作成している。
Z.29. 国際開発協力機構(「AECID」)
このパートナーシップ契約は、スペイン王国(スペインの国際開発協力機構(「 AECID 」))と EIB
との間で調印されたもので、モーリタニアおよび FEMIP によってカバーされる諸国(「南地中海沿岸地
域」)の活動に投資するために設立された。地域の零細企業や中小企業に関してリスク資本を提供す
ること、および民間セクターの幅広い発展に従事することを主目的としている。 EIB は、 AECID の個別
財務書類を作成している。
Z.30. 雇用および社会イノベーション・プログラム(「 EaSI 」)
EaSI 保証金融商品は、欧州プログレス・マイクロファイナンス・ファシリティ(「プログレス・マ
イクロファイナンス」)に基づくマイクロクレジット保証の後継制度である EaSI マイクロファイナン
ス保証を中心に構成されている。プログレス・マイクロファイナンスに基づきマイクロクレジット提
供者に対する支援が拡大される予定である。
また、 EaSI 保証金融商品は、 EaSI ソーシャル・アントレプレナーシップ保証で構成される。これは
新しい商品であり、社会的企業の資金調達を促進し、社会的投資市場の発展を支援していくものであ
る。 EIF は、 EaSI の個別財務書類を作成している。
Z.31. 西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ( WB EDIF )
西バルカン諸国企業開発および新規事業育成ファシリティ(「 WB EDIF 」)は、 2012 年12月に EC拡大
総局(「 DG ELARG 」)、 EIB グループおよび欧州復興開発銀行(「 EBRD 」)の間で締結された共同イニ
シアチブである。同イニシアチブは、加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)基金の展開を通じて、西バ
ルカン諸国の中小企業の資金へのアクセスの改善および同地域の経済発展を育成することを目的とし
ている。 WB EDIF において、 EIF はプラットフォーム・コーディネーター、企業拡大基金(「 ENEF 」)
における ECのトラスティー、企業育成基金(「 ENIF 」)における ECのトラスティーおよびギャラン
ティー・ファシリティの管理者としての役割を果たす。 EIF は、 WB EDIF の個別財務書類を作成してい
る。
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Z.32. 近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)信託基金
EIB が管理する NIF 信託基金は、欧州近隣政策(「 ENP 」)の戦略的目標を達成するために設立され
た。当基金は、 SME 向け、人的資源育成を含む社会セクター向け、および地方自治体のインフラストラ
クチャー開発向けの支援を通じて、より適切で持続可能性の高いエネルギーおよび輸送の相互接続性
を確立し、エネルギー効率の向上および再生可能エネルギー資源の利用促進を進め、気候変動および
より広い意味での環境への脅威に対処し、スマートで持続可能かつ包括的な成長を促進することに重
点を置いている。 EIB は、 NIF 信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.33. エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「 PF4EE 」)商品
エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「 PF4EE 」)商品は、エネルギー効率関連投資向
けの十分かつ低価格の商業金融の利用可能性が限定的であることに対処することを目的とした、 EIB と
欧州委員会の協定である。この商品は、 EU加盟国の国別エネルギー効率行動計画、またはその他のエ
ネルギー効率プログラムの実施を支援するプロジェクトを対象としている。 2014 年12月、欧州委員会
および EIB は、金融商品である PF4EE を設定する委任契約を締結した。 EIB は、 PF4EE の個別財務書類を
作成している。 EIF は、 PF4EE の個別財務書類を作成している。
Z.34. 欧州地中海投資パートナーシップ制度(「 FEMIP 」)信託基金
EIB が管理する FEMIP (ユーロ地中海投資パートナーシップ・ファシリティ)信託基金は、多数の援
助国の支援を得て、地中海パートナーシップ・ファシリティ参加国における EIB の既存業務を強化する
ために設立された。当基金は、技術援助とリスク資本の提供を通じて、特定の優先分野の事業に資源
を投入することを目指している。 EIB は、 FEMIP 信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.35. 文化・クリエイティブ部門保証ファシリティ
この金融商品は、文化・クリエイティブ部門向けに力を注ぐ欧州連合の主要プログラムであるクリ
エイティブ・ヨーロッパの下で設定され、欧州連合に代わって EIF により運用される。このイニシアチ
ブは、 EIF が保証や念書を選定金融仲介機関に提供することを認め、これにより金融仲介機関が文化・
クリエイティブ分野の企業家に対するデット・ファイナンスの提供を増やすことを可能とする。生成
された貸付金により、 10,000 社を超えるオーディオビジュアル(映画、テレビ、アニメーション、ビ
デオゲーム、マルチメディアを含む)、フェスティバル、音楽、文学、建築、記録資料、図書館、博
物館、美術工芸、文化遺産、デザイン、芸能、出版、ラジオ、視覚芸術など、広範囲のセクターの SME
が支援を受けると予想される。 EIF は、文化・クリエイティブ部門保証ファシリティの個別財務書類を
作成している。
Z.36. 重債務貧困国(「 HIPC 」)イニシアチブ
HIPC イニシアチブ(「イニシアチブ」)とは、世界の最貧国に特別支援を供与する国際的な債務救
済制度である。世界銀行と国際通貨基金からの申入れを受けて、 1996 年に設立された。主な目的は、
貧困国の債務負担を維持可能な水準にまで削減することにある。 EIB は、同イニシアチブの個別財務書
類を作成している。
Z.37. マルチ・アニュアル・プログラム( MAP )ギャランティー
この原資は、プライベート・エクイティと保証商品に等分されている。 ESU 1998 (「 G&E 」)およ
びESU 2001 (「 MAP 」)と呼ばれるエクイティ部門は、 ETF の起業投資を取り扱っている。 SMEG 1998
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G&E および SMEG 2001 MAP と呼ばれる保証部門は、受益者の事業に対して保証を提供する。 EIF は、 MAP
ギャランティーの個別財務書類を作成している。
Z.38. グレーター・アナトリア・ギャランティー・ファシリティ (「GAGF 」)
2010 年5月に調印された GAGF に基づき、 EIF は欧州連合およびトルコによって地域競争力戦略プログ
ラムに割り当てられた加盟候補国向け支援制度( IPA )の資金管理をしている。このファシリティは、
トルコで最も開発が遅れている地域の中小企業および零細企業に対し、トルコの大手銀行と連携して
実態に合わせた金融支援を提供するものである。 EIF は、 GAGF の個別財務書類を作成している。
Z.39. 加盟候補国向け支援制度 II(「 IPA II」)
加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)に係る協定は、 EUが「拡大国」の改革を財政面および技術面で
援助する支援措置である。加盟候補国向け支援ファンドも、持続性のある経済回復、エネルギー供
給、運輸、自然環境および気候変動などに関する目標を EUが達成できるよう支援する。 IPA Iの後継制
度IPA IIは、すでに達成された成果を土台とし、 2014 年から 2020 年までの期間に 117 億ユーロを充当し
て構築される予定である。 IPA IIの最も重要な革新性は、戦略的焦点にある。フレームワーク・パー
トナーシップ契約は、 2015 年末に締結され、 EIB により履行される。様々な「特別供与契約」の締結に
より、 DG NEAR からの財源が配分される。 EIB は、 IPA IIの個別財務書類を作成している。
Z.40. 近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)リスク資本ファシリティ
近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)リスク資本ファシリティは、欧州連合の一般予算
を財源とする。主な目標として、民間セクターの開発、包括的な成長および民間セクターの雇用創出
を支援するため、南方の近隣地域の SME にエクイティ・ファイナンスおよびデット・ファイナンスへの
アクセスを提供することに注力している。このファシリティは、エクイティ・ファイナンスおよび
デット・ファイナンスの手段から成る金融商品ウィンドウと、技術支援サービスから成る付加的任務
ウィンドウで構成される。 EIB は、金融商品ウィンドウの個別財務書類を作成している。
Z.41. マルタ向け SME イニシアチブ
2015 年1月 19日、欧州委員会、 EIB および EIF は、 SME イニシアチブに対応する専用ウィンドウの一部
の条項に適用される諸条件および H2020 金融商品の当該専用ウィンドウに対する欧州連合の拠出につい
て定めたホライズン 2020 委任契約の修正に調印した。スペインおよびマルタ向けの SME イニシアチブ
は、前年に開始された。 EIF は、マルタ向け SME イニシアチブの個別財務書類を作成している。
Z.42. EPTA 信託基金
EPTA (東方パートナーシップ技術支援)信託基金は、技術支援のための多分野向けの多目的融資枠
を提供し、 EIB 東方パートナーシップ事業の質を高め、かつ開発効果を増幅させることに重点的に取り
組んでいる。同基金は、近隣インベストメント・ファシリティを補完する。 EIB は、 EPTA 信託基金の個
別財務書類を作成している。
Z.43. 欧州戦略投資基金(「 EFSI 」)
適用される EFSI 規則に基づき、欧州委員会および EIB は、 EFSI の管理・運営、 EUの保証提供に関する
契約(「 EFSI 契約」)、および欧州投資アドバイザリー・ハブ(「 EIAH 」)の実施に関する契約
(「 EIAH 契約」)を締結した。
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EFSI 契約に基づき、 ECは、 EFSI が支援するプロジェクトに関して、 EIB にEUの保証を提供した。 EUの
保証に充当する資産は、欧州委員会が直接管理する。 EFSI が支援するプロジェクトは、通常の EIB のプ
ロジェクトのサイクルおよびガバナンスに従う。また、 EFSI は自己専用のガバナンス構造を有してい
る。 当該構造は、 EFSI の下で行う投資において、欧州に対する投資の妨げとなる市場のリスク負担の
失敗に対処するという特別の目的に、確実に重点が置かれ続けるようにするために設置されている。
EIAH は、プロジェクトおよび投資に対し、財務以外の支援を拡充することを目的としている。 EIAH
は3つの補完的な構成要素である a) 公共受益者および民間受益者向けの広範なアドバイザリー技術支
援プログラムおよびイニシアチブへの足掛かり、 b) パートナー機関の間での専門知識の活用、交換お
よび普及を目的とした協同プラットフォーム、および c) 既存のアドバイザリー・サービスの強化もし
くは拡大または未対処のニーズに対応する新規のサービスの創出、で構成される。 EIB は、 EIAH の個別
財務書類を作成している。
Z.44. 多地域保証プラットフォーム・イタリア(「 AGRI 」)
イタリアの農業プラットフォームは、 EIF とイタリアの6地域(ヴェネト、エミリア・ロマーニャ、
ウンブリア、カンパニア、カラブリア、プーリア)との間の資金提供契約の締結で正式に開始され
た。イタリアにおける農業プラットフォームは、欧州農業農村振興基金(「 EARFD 」)からの構造基金
を使用して、各加盟農村開発プログラム(「 RDP 」)の財源を使用してファースト・ロスをカバーする
金融商品を展開している。このプラットフォームの目的は、地域レベルで新規事業を育成し、同時に
農民および農業関連事業への新規貸付けを支援するために、地域実行官庁を標準的商品の方向に導く
ことである。
Z.45. 国家開発機関(「NPI」)
これは、 EIF とイタリアの預託貸付公庫( CDP )の間のパートナーシップの枠組みにおける CDP の社会
インパクト投資の2つ目のプログラムである。 2017 年11月29日に署名されたこのプログラムの焦点
は、イタリアにおける社会融資の領域である。これは仲介者への持分投資、直接の持分投資および負
債投資を含むそれぞれの条件に適合した複数商品の投資プログラムである。
Z.46. 学生ローン保証ファシリティ(エラスムス計画)
欧州構造投資基金(「 ESIF 」)の下、 EIF は、加盟国により 2015 年11月以降の保有基金管理運営者と
して任命され、 ESIF ファンドの管理・運営を行っている。 ESIF イニシアチブは、中小企業の資金調
達、ならびにプライベート・エクイティ・ファンド、ギャランティー・ファンドおよびローン・ファ
ンドなどの金融工学商品の利用を促進することを目的としている。 EIF は、現在、加盟国・地域(バス
=ノルマンディー地域圏およびラングドック=ルシヨン地域圏)との間で締結した2件の ESIF 資金供
与契約を管理している。 EIF は、学生ローン保証の個別財務書類を作成している。
Z.47. 自然環境保護資金調達ファシリティ(「 NCFF 」)
自然環境保護資金調達ファシリティ(「 NCFF 」)は、 EIB と欧州委員会との共同契約であり、自然環
境保護資金の保全のための収益創出またはコスト削減プロジェクト(気候変動適応プロジェクトを含
む)に係る市場の格差および障壁に対処することにより、生物多様性分野および気候変動への適応に
関する EUおよび加盟国の目標の達成に貢献することを目的としている。 EIB は、 NCFF の個別財務書類を
作成している。
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Z.48. ポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「 PGFF 」)
2013 年4月に署名されたポーランド・グロース・ファンド・オブ・ファンズ(「 PGFF 」)は、パー
トナーシップとして組成されたファンド・オブ・ファンズであり、ポーランドに重点を置いてベン
チャー・キャピタルおよびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。同ファンドは、 EIB グ
ルー プと Bank Gospodarstwa Krajowego が共同出資している。 EIF は、 PGFF の個別財務書類を作成して
いる。
Z.49. GEEREF (「基金および技術支援ファシリティ」)
GEEREF (グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金)は、 ECのイニシアチブで設定さ
れたファンド・オブ・ファンズである。その目的は、新興市場( ACP 、ALA および欧州近隣諸国)にお
ける再生可能エネルギーおよびエネルギー効率の分野を重点とするプライベート・エクイティ・ファ
ンドに投資することである。 EIF も、 GEEREF フロント・オフィスが実施する関連業務の対象となる技術
援助の提供を委任されている。
Z.50. 連邦経済技術省
EIF は、ドイツ連邦経済技術省および欧州復興計画のために資金を管理している。
Z.51. 欧州議会準備行動(「EPPA」)
2010 年、 EIF は、 DG Regio とEPPA に調印した。 EIF は、幾つかの選別されたマイクロファイナンス金
融機関が有意な規模に達し、事業継続の見通しを改善することができるよう支援するため、キャパシ
ティ・ビルディングのためのリスク資本と金融支援を提供している。 EIF は、 EPPA の個別財務書類を作
成している。
Z.52. バルト諸国新規事業育成基金(「 BIF 」)
2012 年9月に署名されたバルト諸国新規事業育成基金(「 BIF 」)は、パートナーシップとして組成
されたファンド・オブ・ファンズであり、バルト海沿岸地域に重点を置いてベンチャー・キャピタル
およびプライベート・エクイティ・ファンドに投資する。この基金は、 EIB グループならびにエストニ
アの Fund KredEx 、ラトビアの Latvijas Garantiju Agentiira およびリトアニアの lnvesticiju ir
verslo garantijosin というバルト諸国の国家機関から共同出資を受けている。 EIF は、 BIF の個別財務
書類を作成している。
Z.53. アルプス地域成長投資プラットフォーム(「 AlpGIP 」)
2017 年9月、 EIF は革新的な、 EUのアルプス・マクロ・リージョンにおける最近のベンチャー・キャ
ピタルおよび成長セグメントを対象とした、地域持分投資プラットフォーム(非法人構造)を立ち上
げた。イタリアのロンバルディア、ピエモンテ、ヴァッレ・ダオスタ、アルト・アディジェ(ボル
ツァーノ地域)の各州は、すでにこのプラットフォームに投資しており、他の地域も後の段階での参
加が見込まれている。
Z.54. 中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「 CEFoF 」)
中央ヨーロッパ・ファンド・オブ・ファンズ(「 CEFoF 」)は、オーストリア、チェコ共和国、スロ
バキア、ハンガリーおよびスロベニア( CE諸国)の政府および国家機関との緊密な協力の下で欧州投
資基金(「 EIF 」)によって創設されたファンド・オブ・ファンズ・イニシアチブであり、これらの地
域全体にわたって中小企業(「 SME 」)へのエクイティ投資を促進し、健全な市場に基づくリスク資金
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調達インフラストラクチャーを確立し、事業投資における最良市場標準を導入し、中央ヨーロッパに
機関投資家および投資マネージャーを呼び込むことを目的としている。
Z.55. 技術移転アクセラレーター( TTA )トルコ
TTA トルコは、 EIF が科学産業技術省(「 MoSIT 」)、トルコ科学研究審議会(「 TUBITAK 」)、駐ト
ルコ欧州連合代表部および欧州委員会地域政策ディレクター・ジェネラルと協力して計画したイニシ
アチブである。 TTA トルコは、加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)の資金に係る協定書の地域開発項
目に基づき、 EUとトルコ共和国が共同融資し、 EIF が管理している。 TTA トルコは、2つの目的を達成
すること、すなわち、大学および研究センターに限定されている科学的な研究開発(「 R&D 」)の事業
化の促進による、財務的に持続可能なファンドの設立、ならびに特にトルコの後進地域および発展途
上地域への波及効果に重点を置いた、トルコにおける技術移転市場の発展を促進することを目指して
いる。
Z.56. 欧州技術ファシリティ(「 ETF 」)
ETF スタートアップ・ファシリティでは、 EIF は自己の名義で、ただし欧州委員会に代わり欧州委員
会のリスクにおいて、 ETF スタートアップ投資を取得、運用、処分する権限を与えられている。
Z.57. スペイン向け SME イニシアチブ
2015 年1月 26日、スペイン王国と欧州投資基金との間で委任契約が締結された。 EIF は、適格な中小
企業向けデット・ファイナンスの新規ポートフォリオ、ならびに中小企業および従業員が 500 名未満の
その他の企業向けの既存のデット・ファイナンスの証券化および/または中小企業向けデット・ファ
イナンスの新規ポートフォリオの証券化に対して、上限を設けず保証を提供する予定である。スペイ
ン向け SME イニシアチブに対する EUの拠出は、 EIF が受領し、 EIB が実施する国庫資産運用の対象とな
る。当該運用については、欧州投資基金と欧州投資銀行との間で締結された資産運用サイド・レター
に準拠する。 EIF は、スペイン向け SME イニシアチブの個別財務書類を作成している。
Z.58. グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金( GEEREF )
グローバル・エネルギー効率・再生可能エネルギー基金(「 GEEREF 」)の下で、 EIF は2007 年12月よ
り投資アドバイザーの機能を果たしている。 GEEREF は、 EC、ドイツ連邦政府およびノルウェー王国の
支援を受けており、その目的は主に、エネルギー効率および再生可能エネルギーに関与し、開発途上
国および市場経済移行国におけるクリーン・エネルギーの利用可能性を高めるプロジェクトおよび企
業を資産に持つ、地域のファンドに投資することである。 GEEREF 事業の開拓は、サブアドバイザリー
契約の下で、正式に EIB に委任されている。
Z.59. LfA-EIF ファシリティ
LfA-EIF ファシリティは、 2009 年に調印されたもので、ドイツ・ババリア地方における技術志向の初
期および拡大段階にある企業を支援するために投資を提供する EIF および LfA フォルダーバンク・バイ
エルンの共同ベンチャーである。
Z.60. ドイツのためのメザニン・ダッハ・ファンド(「 MDD 」)
MDD は2013 年6月に調印された投資プログラムであり、ドイツの中堅企業に投資するハイブリッド債
および株式ファンドを引き受けるために、ドイツ連邦経済技術省(「 BMWi 」)および州の様々な機関
が資金を供出している。
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Z.61. 技術移転パイロット・プロジェクト(「 TTP 」)
欧州委員会の資金提供を受けて 2008 年11月に調印された TTP に基づき、 EIF はシード前およびシード
段階における資金提供を通じて技術移転体制を支援している。 EIF は、 TTP の個別財務書類を作成して
いる。
Z.62. G43 信託基金
EIF は、 2012 年8月に署名された G43 アナトリア・ベンチャー・キャピタル・ファンドの下で、トル
コ・セントラル・ファイナンス・ユニット(「 CFCU 」)から委託を受けている。このファンドは、ト
ルコの南東アナトリア地方の中小企業への投資を専門にしている。 EIF は、 G43 の個別財務書類を作成
している。
Z.63. グリーン・フォー・グロース・ファンド(「 GGF 」)
グリーン・フォー・グロース・ファンドは EIF によって 2009 年12月に設立され、トルコを含む欧州東
南部諸国のエネルギー効率改善に特化して資金提供を行っている。
Z.64. SME ギャランティー・ファシリティ
EIF は、欧州連合を代理して欧州連合のリスクにおいて、欧州連合との間で締結した受託管理契約に
従って、自己の名義で、保証を付与する権限を与えられている。 EIF は、 SME ギャランティー・ファシ
リティの個別財務書類を作成している。
Z.65. 研究・開発・イノベーション・アドバイザリー(「 RDI アドバイザリー」)
RDI アドバイザリーは、ホライズン 2020 に基づく InnovFin プログラムの一環として、 2014 年6月に締
結された7年間の包括協定に基づいて設立された欧州委員会とのパートナーシップである。 RDI アドバ
イザリーには2系統の活動があり、 (i) アドバイザリーに関連した立ち上げ段階のプロジェクト、お
よび (ii) RDI 投資の全体的な枠組みの状況の改善を取り扱う並列活動ならびにホライズン 2020 に基づ
く金融手段である。 EIB は、 RDI アドバイザリーの個別財務書類を作成している。
Z.66. 欧州地域のサポート計画に対する共同支援( JASPERS )
JASPERS (欧州地域のサポート計画に対する共同支援)は、 EIB 、欧州委員会および EBRD の間におけ
る技術支援ファシリティである。欧州構造投資基金の融資を申請する大型プロジェクトの質が向上す
るよう、 EUおよび候補国の多くを支援する。 JASPERS による支援には、 EUの融資に関する身分確認から
申請に至るプロジェクト準備支援、独立した立場でのプロジェクトの品質レビュー、均等な割り当
て、戦略支援、能力の構築(能力センターを含む)、実行支援が含まれることがある。 JASPERS の業務
は、7つの部門(道路、鉄道・航空・海事、水道・ごみ、エネルギー・固形廃棄物、スマート開発、
ネットワーキング能力センター、独立品質レビュー)に分かれている。運営期間の最初の 10年( 2005
年- 2015 年)において、 JASPERS は1,000 を超えるプロジェクトを支援してきた。 JASPERS が支援し、欧
州委員会が資金供与を承認したプロジェクトの投資価値は、 720 億ユーロ超である。 EIB は、 JASPERS の
個別財務書類を作成している。
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有価証券報告書
(1)
特別部門計算書
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2019 年12月31日 2018 年12月31日
地中海沿岸諸国
欧州連合の財源によるもの
実行済貸付残高 13,073 24,483
リスク資本業務
-未実行金額
21,614 29,260
-実行済金額 32,978 38,168
54,592 67,428
(2)
67,665 91,911
合計
アフリカ、カリブ海および太平洋地域諸国ならびに加盟国の属
国および属領
欧州連合の財源によるもの
-ヤウンデ協定
実行済貸付金 71 71
リスク資本による業務
-実行済金額 419 419
(3)
490 490
合計
-ロメ協定
リスク資本による業務
135,357 163,907
-実行済金額
(4)
135,357 163,907
合計
203,512 256,308
合計
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有価証券報告書
(1)
特別部門計算書 (続き)
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債 2019 年12月31日 2018 年12月31日
受託管理資金
欧州連合の委託によるもの
-地中海沿岸諸国金融議定書
46,051 62,651
-ヤウンデ協定
490 490
135,357 163,907
-ロメ協定
181,898 227,048
受託管理資金の合計
未実行金額
21,614 29,260
地中海沿岸諸国における貸付業務およびリスク資本業務
21,614 29,260
未実行金額の合計
203,512 256,308
合計
付記:
欧州連合の委託に基づき EIB が元利回収を引き受けた、欧州委員会提供の特別条件付貸付金の実行済・未返
済残高合計:
a) 2019 年12月31日現在における第1次、第2次および第3次ロメ協定に基づくもの: 256,081 千ユーロ
(2018 年: 277,143 千ユーロ)
b) 2019 年12月31日現在における地中海沿岸諸国との間で署名した金融議定書に基づくもの: 41,578 千
ユーロ( 2018 年: 47,968 千ユーロ)
欧州連合-欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティとの関連において、保証部分の導入契約が 2014 年
8月 20日に締結された。 2019 年に受けた履行請求後の、 2019 年12月31日現在に発行済 EU保証はゼロ( 2018
年: 4,280 千ユーロ)であった。 EU保証の総額は、 2019 年12月31日現在で 38,920 千ユーロ( 2018 年: 38,920 千
ユーロ)である。
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有価証券報告書
注(1) : 特別部門は、総務会によって 1963 年5月 27日に設定された。 1977 年8月4日の決議に基づき、その目的が
見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて欧州投資銀行が実行した金融業務を記録するためとさ
れた。ただし、コトヌー協定、欧州連合 -アフリカ・インフラ信託基金、近隣インベストメント・ファシリ
ティ信託基金(「 NIF 」)および FEMIP 信託基金に基づくインベストメント・ファシリティについては、個
別財務書類に表示されている。また、 EIB は2005 年より他の委託について異なる種類の財務書類を作成して
いる。
特別部門計算書は、欧州連合および加盟国の委託に基づく実行済金額もしくは未実行金額から解約額お
よび返済額を控除した金額を示している。実行済金額および未実行金額ならびに受取済および受取予定資
金は、額面価額で計上されている。特別部門計算書では、これらの業務に付随するリスクを補填するため
に必要となりうる引当金もしくは評価損益は、確定的な償却を除き、考慮されていない。外貨建ての金額
は、 12月31日現在の実勢為替レートで換算されている。
注(2) : 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、マグレブおよびマシュレ
ク諸国、マルタ、キプロス、トルコならびにギリシャにおけるプロジェクト資金( 1981 年1月1日の欧州
共同体加盟前に 10百万ユーロ融資)のため締結された契約の実行時の金額:
実行時の金額: 840,457
減算: 為替差額 55,409
解約額 176,927
539,337
返済額
-771,673
68,784
注(3) : 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、連合アフリカ諸国、マダ
ガスカルおよびモーリシャスならびに加盟国の属国、属領および地区( AASMM-OCTD )におけるプロジェク
ト資金のため締結された契約の実行時の金額:
特別条件付貸付金 139,483
2,503
リスク資本形成拠出金
実行時の金額: 141,986
加算: 資産計上された利息 1,178
9,823
為替差額
11,001
減算: 解約額 3,310
149,187
返済額
-152,497
490
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有価証券報告書
注(4) : 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、アフリカ・カリブ海およ
び太平洋諸国ならびに加盟国の属国および属領( ACP-OCT )におけるプロジェクト資金のため締結された契
約の実行時の金額:
リスク資本による貸付金:
条件付劣後貸付金 3,116,097
121,002
出資
実行時の金額: 3,237,099
加算: 資産計上された利息 9,548
減算: 解約額 741,842
返済額 2,313,728
55,720
為替差額
-3,111,290
135,357
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有価証券報告書
③【EU会計指令に基づく個別財務書類】
当有価証券報告書の本項に記載されている EIB の2019 年12月31日現在の貸借対照表およびオフ・バ
ランスシート、ならびに同日に終了した事業年度の損益計算書およびキャッシュ・フロー計算書
(以下「個別財務書類」という。)は、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財
務書類に関する 1986 年12月8日付 欧州経済共同体理事会 指令( 86/635/EEC )の一般原則 (一部の銀行
およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関して、 2001 年9月 27日付欧州共同
体指令 2001/65/EC 、2003 年6月 18日付欧州共同体指令 2003/51/EC および 2006 年6月 14日付欧州共同
体指令 2006/46/EC により改正済み) に準拠して作成されている。
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貸借対照表
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産
2019 年12月31日 2018 年12月31日
1. 現金、中央銀行および郵便局預け金 (注
B.1 )
947,155 141,830
2. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期
証券 (注 B.2 )
33,367,671 32,671,192
3. 金融機関貸付金および預け金
a) 要求払
361,613 709,023
b) その他の貸付金および預け金(注 C )
53,795,817 51,302,834
c) 貸付金(注D.1)
109,824,530 115,696,071
d) 評価損益(注D.2)
-64,413 -73,705
163,917,547 167,634,223
4. 対顧客貸付金および預け金
a) その他の貸付金および預け金(注 C )
964,644 452,890
b) 貸付金(注D.1)
317,404,048 314,980,169
c) 評価損益(注D.2)
-415,346 -456,469
317,953,346 314,976,590
5. 確定利付証券を含む負債証券 (注 B.2 )
a) 公共機関による発行
3,873,908 3,876,481
b) その他による発行
8,150,263 12,078,666
12,024,171 15,955,147
6. 株式およびその他の変動利回証券 (注 E.1 )
7,399,276 5,872,615
7. 参加持分 (注 E.1 )
312,191 248,918
8. 関係会社株式 (注E.2)
805,044 806,572
9. 無形資産 (注 F)
25,655 23,798
10. 有形資産 (注 F)
247,064 256,189
11. その他の資産 (注 G )
65,000 69,232
12. 前払金および未収収益 (注 I)
16,496,940 17,136,543
資産合計
553,561,060 555,792,849
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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貸借対照表(続き)
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債
2019 年12月31日 2018 年12月31日
1. 金融機関に対する債務 (注 J)
a) 要求払
6,287,270 4,122,978
b) 期日払または通知払
1,185,511 93,390
7,472,781 4,216,368
2. 顧客に対する債務 (注 J)
a) 要求払
1,595,557 1,791,001
b) 期日払または通知払
15,554 10,976
1,611,111 1,801,977
3. 債務証書借入 (注K)
a) 負債証券
435,684,081 441,703,219
b) その他
13,637,452 13,680,627
449,321,533 455,383,846
4. その他の負債 (注 G )
1,143,167 968,150
5. 未払金および繰延収益 (注 I)
17,124,002 19,177,059
6. 引当金
a) 年金制度および健康保険制度(注 L)
3,192,066 2,903,610
b) 保証業務に係る引当金 (注 D.4 )
8,118 17,143
3,200,184 2,920,753
7. 応募済資本金 (注H)
a) 応募済資本金
243,284,155 243,284,155
b) 払込未請求資本金
-221,585,020 -221,585,020
21,699,135 21,699,135
8. 準備金 (注 H)
a) 準備基金
24,328,415 24,328,415
b) その他準備金
12,349,294 10,595,340
c) 特別活動準備金
10,777,675 9,626,707
d) 一般貸倒準備金
2,170,177 2,736,047
49,625,561 47,286,509
2,363,586 2,339,052
9. 当期純利益 (注M)
負債合計
553,561,060 555,792,849
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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オフ・バランスシート
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
契約債務:
-EIF 払込未請求資本(注 E.2 および X.1 )
2,107,200 2,111,200
-未実行貸付金(注 D.1 )
-金融機関
29,629,661 24,716,642
-対顧客
82,918,317 80,850,579
112,547,978 105,567,221
-株式およびその他の変動利回証券への未実行
額
-ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
(注 E.1 )
4,162,444 4,568,044
-未実行投資基金(注 E.1 )
3,587,184 3,362,284
-EBRD 払込未請求資本
712,630 712,630
8,462,258 8,642,958
-参加持分未実行額
-ベンチャー・キャピタル事業への未実行額
605,346 565,274
(注 E.1 )
605,346 565,274
-受取有価証券
122,000 0
-決済未了のローンチ済借入
223,950 223,950
-未実行代替貸付金
175,348 280,000
偶発債務および保証:
-第三者からの貸付金に係るもの
9,998,967 9,937,563
(*)
第三者に代わって保有している資産 (注 Z):
-インベストメント・ファシリティ -コトヌー
3,407,481 3,127,175
-ギャランティー・ファンド
2,829,065 2,609,882
-NER300
2,004,715 2,054,311
-イノベーターのための EU資金提供
(InnovFin )
1,310,055 1,106,574
-EIF
1,238,605 1,220,176
-コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ
(CEF )
707,189 597,955
-ファンド・オブ・ファンズ( JESSICA II)
652,115 517,813
-リスク・シェアリング・ファイナンス・ファ
シリティ( RSFF )(リスク・シェアリング・
インスツルメント( RSI )を含む)
607,413 731,063
-JESSICA (保有基金)
585,587 594,262
-EU-アフリカ・インフラ信託基金
534,457 573,012
-特別部門
203,512 256,308
-GF ギリシャ
161,243 310,120
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有価証券報告書
オフ・バランスシート(続き)
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
-欧州近隣パートナーシップ枠組み( ENPI )
120,824 120,574
-資金パートナーシップ・プラットフォーム
105,351 91,123
-国際開発協力機構( AECID )
66,951 73,776
-深化した包括的自由貿易協定地域( DCFTA )
53,007 53,009
-近隣インベストメント・ファシリティ
(NIF )信託基金
44,025 44,857
-エネルギー効率関連プライベート・ファイナ
ンス商品
43,528 34,469
-欧州地中海投資パートナーシップ制度
(FEMIP )信託基金
37,713 42,757
-重債務貧困国( HIPC )イニシアチブ
35,348 35,378
-加盟候補国向け支援制度( IPA )II
31,682 10,535
-近隣インベストメント・ファシリティ
(NIF )リスク資本ファシリティ
23,923 23,720
-EPTA 信託基金
20,870 21,711
-欧州戦略投資基金( EFSI )-欧州投資アドバ
イザリー・ハブ( EIAH )
20,029 16,674
-自然環境保護資金調達ファシリティ
11,318 11,574
-研究・開発・イノベーション( RDI )アドバ
イザリー
0 2,847
-欧州地域のサポート計画に対する共同支援
0 1,720
(JASPERS )
14,856,006 14,283,375
その他の 項目 :
-金利スワップの想定元本(注 V.1.2 )
540,678,886 535,680,055
-通貨スワップ契約(受取)の想定元本(注
V.1.1 )
219,739,726 210,865,395
-通貨スワップ契約(支払)の想定元本
218,941,502 211,111,136
-短期通貨スワップ契約(受取)の想定元本
(注 V.2 )
35,632,792 41,160,710
-短期通貨スワップ契約(支払)の想定元本
35,156,452 41,088,252
-EIF の少数株主に付与されたプット・オプ
ション(注 E.2 )
821,272 816,824
-為替予約取引(注 V.2 )
528,280 539,296
-借入債務支払に係る特別預け金(注 S)
9,035 7,135
(*) 運用資産は、利用可能な最新の数値に基づいて、オフ・バランスシート項目として開示されている。比較対象数値
は、利用可能な最新の情報を反映するために修正再表示されることがあり得る。
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
損益計算書
2019年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1. 受取利息および類似収益 (注 N)
24,500,030 24,705,916
2. 支払利息および類似費用 (注 N)
-21,468,309 -21,538,269
3. 証券からの収益
a) 株式およびその他の変動利回証券からの収益
256,415 387,405
b) 関係会社株式からの収益
6,140 6,715
262,555 394,120
4. 受取手数料 (注O)
284,624 249,706
5. 支払手数料 (注O)
-317,840 -240,919
6. 金融業務損益( 注P)
117,699 -58,330
7. その他の業務収益( 注Q)
18,355 17,917
8. 一般管理費 (注R)
a) 人件費(注L)
-763,656 -748,077
b) その他の管理費
-256,518 -254,375
-1,020,174 -1,002,452
9. 有形・無形資産に係る評価損益 (注 F)
a) 有形資産
-28,940 -30,467
b) 無形資産
-15,597 -12,347
-44,537 -42,814
10. 固定金融資産として保有される譲渡可能有価
証券、参加持分および関係会社株式に係る
(再)評価損益
-1,671 -8,722
11. 貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金
32,854 -137,101
に係る(再)評価損益
12. 当期純利益 (注 M)
2,363,586 2,339,052
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
キャッシュ・フロー計算書
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
A.営業活動によるキャッシュ・フロー:
当期純利益 (注 M)
2,363,586 2,339,052
調整額:
貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益
-32,854 137,101
有形・無形資産に係る評価損益および償却
45,267 42,814
固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、株式、その他の
変動利回証券および参加持分に係る(再)評価損益
-56,846 1,800
正味受取利息
-3,031,721 -3,167,647
-1,862 -5,180
為替調整額
-714,430 -652,060
営業活動による利益/(損失)
金融機関および対顧客貸付金および預け金の実行額
-43,587,772 -46,725,519
金融機関および対顧客貸付金および預け金の返済額
46,502,444 50,692,010
中央銀行預け金の変動額
30,808 20,650
財務ポートフォリオの変動額
5,270,385 -1,105,370
金融機関および顧客に対する債務の変動額
3,065,547 -923,920
年金制度および健康保険制度の引当金の変動額
288,456 283,463
保証業務に係る引当金の変動額
-9,025 611
短期国庫証券デリバティブの評価の変動額
9,902 -6,707
その他の資産およびその他の負債の変動額
169,347 106,402
前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益の変動額
776,163 1,582,123
利息受取額
23,433,552 22,533,125
-20,379,119 -20,055,572
利息支払額
14,856,258 5,749,236
営業活動による/(で使用した)正味現金
B.投資活動によるキャッシュ・フロー:
EIF 株式購入
0 -4,758
EIF 株式売却
2,201 1,298
EUMPF に係る売却
0 33,923
期中に購入した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券
-720,000 -524,088
期中に満期が到来した長期ヘッジ・ポートフォリオの有価証券
139,600 16,800
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金の購入
-3,775,031 -3,637,981
負債証券ポートフォリオに含まれる代替貸付金の償還
3,767,452 3,010,924
株式およびその他の変動利回証券取得額
-2,034,051 -2,032,608
株式およびその他の変動利回証券売却額
566,173 882,637
参加持分取得額
-90,319 -70,362
参加持分売却額
26,517 51,208
-37,999 -36,637
有形・無形資産の購入
-2,155,457 -2,309,644
投資活動による/(で使用した)正味現金
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キャッシュ・フロー計算書(続き)
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
C. 財務活動によるキャッシュ・フロー:
債務証書借入の発行
141,610,413 102,838,534
債務証書借入の償還
-152,891,158 -100,519,723
0 25,983
加盟国の拠出
-11,280,745 2,344,794
財務活動による/(で使用した)正味現金
キャッシュ・フローの要約表:
57,923,146 51,450,201
現金および現金同等物期首残高
以下による正味現金:
営業活動
14,856,258 5,749,236
投資活動
-2,155,457 -2,309,644
財務活動
-11,280,745 2,344,794
578,658 688,559
保有現金に係る為替調整
59,921,860 57,923,146
現金および現金同等物期末残高
現金および現金同等物の内訳:
現金、中央銀行および郵便局預け金(ルクセンブルク中央銀行の
最低預金準備率を充足するための預け金を除く)(注 B.1 )
836,165 32
3ヵ月内満期の短期金融市場証券(注 B.2 )
10,746,022 9,477,609
金融機関および対顧客貸付金および預け金:
要求払
361,613 709,023
47,978,060 47,736,482
その他の貸付金および預け金(注 C )
59,921,860 57,923,146
添付の注記は本財務書類に不可欠の部分である。
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有価証券報告書
欧州投資銀行
財務書類に対する注記
2019 年12月31日現在
欧州投資銀行(「 EIB 」)は、 1958 年にローマ条約により、欧州連合(「 EU」)の長期貸付銀行として設立
された。 EIB の任務は、 EU加盟国の統合、均衡の取れた発展、経済的および社会的な結束に貢献することであ
る。 EIB は、資本市場で多額の資金を調達し、それらの資金を EU政策目標を促進するプロジェクトに有利な条
件で貸し付けている。 EIB は継続的に、その業務を EU政策の展開に適合させている。
登記上の事務所所在地は、 98-100, boulevard Konrad Adenauer, Luxembourg である。
注A:重要な会計方針
A.1. 作成基準
A.1.1. 会計原則
欧州投資銀行の個別財務書類(「本財務書類」)は、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類
および連結財務書類に関する 1986 年12月8日付欧州共同体理事会 86/635/EEC 指令書(特定の業種の会
社、銀行およびその他の金融機関の年次財務書類および連結財務書類に関する 2001 年9月 27日付
2001/65/EC 指令書、 2003 年6月 18日付 2003/51/EC 指令書および 2006 年6月 14日付 2006/46/EC 指令書に
より改正済)(以下、「指令書」と総称する)の一般原則に準拠して作成されている。
経営委員会の提案を受け、理事会は 2020 年3月 18日に本財務書類を採択し、 2020 年4月 24日までに
これを総務会に提出して承認を求めることを承認した。
EIB は、本年次財務書類と同日付の連結財務書類も公表している。
A.1.2. 重要な会計上の判断および見積り
本財務書類を作成するにあたり、経営委員会は報告されている収益、費用、資産、負債ならびに偶
発資産および偶発債務の開示に影響する見積りおよび仮定を立てることが求められている。入手可能
な情報の使用、および判断の適用は、見積りに特有のものである。将来の実際の結果は、これらの見
積りとは異なる場合があり、これらの差異は本財務書類に対して重要なものとなる可能性がある。
最も重要な判断および見積りは、次のとおりである。
貸付金および預け金に係る評価損益
EIB では、報告日ごとに貸付金および預け金を検証し、評価調整に係る引当金を計上すべきか否かを
評価している。特に、引当金所要額を算定するにあたっては、将来キャッシュ・フローの金額と発生
時期の見積りにおいて経営陣の判断を要する。こうした見積りは多くの要素に関する仮定に基づいて
おり、実際の結果は見積りと異なることがあり、結果として、将来、引当金が変動する場合もある。
個別に重要な貸付金および預け金に対する個別引当金の他に、個別引当金を計上する必要があると具
体的に特定されていないものの、貸付金または預け金のデフォルト・リスクが付与された当初よりも
高まっているエクスポージャーに対して、 EIB は集合的な引当金を計上するためのテストも実施してい
る(注 A.2.6 を参照)。
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保証業務に係る引当金
EIB は、金融保証契約を、予想プレミアムの正味現在価値(「 NPV 」)または当初予想損失に対応す
る公正価値で当初認識している。その後金融保証は、対応する損失引当金と、当初認識時の受取プレ
ミアムから認識済収益を控除した額のいずれか高い方の金額により、将来の予想プレミアムの正味現
在価値の不足額として測定される(注 A.2.13 を参照)。
年金および他の退職給付
確定給付年金制度および他の退職後医療費給付に係る費用は、数理計算上の評価を用いて算定す
る。数理計算上の評価に際しては、割引率、死亡率、ならびに将来の給与および年金の増加に関する
仮定を行う。これらの制度は長期にわたるため、こうした見積りは重要な不確実性を伴う(注 A.2.10
を参照)。
A.1.3. EIB の英国に対するエクスポージャーおよび EIB の英国との関係
2017 年3月 29日、英国は、欧州連合条約(「 TEU 」)第 50条に従って欧州連合(「 EU」)から離脱す
る決定を欧州理事会に通知した。英国は、 TEU 第50条および「グレートブリテンおよび北アイルランド
連合王国の欧州連合および欧州原子力共同体からの離脱協定(「離脱協定」)に基づき、 2020 年2月
1日をもって EU加盟国でなくなった。英国の EUからの離脱により、英国は自動的に欧州投資銀行
(「 EIB 」)の構成員でなくなり、応募済資本金の分担も終了した。
2020 年2月1日より、 EIB の応募済資本金における英国の分担金は、その全額につき、残りの EU加盟
国が按分負担する増資をもって差し替えられた。この資本の差替えは、 EIB における英国の応募済資本
金の払込部分に加え、未請求部分も対象とするものであった。 EIB の準備金を払込応募済資本金に振り
替えることで賄われた。増資の結果、残りの各 EU加盟国において、 EIB の応募済資本金の未請求(請求
可能)持分が按分で増加した。
また、ポーランドおよびルーマニアの EIB に対する応募済資本金が、それぞれ 5,386,000,000 ユーロ
および 125,452,381 ユーロ引き上げられた。この増資は、英国の EU離脱から1ヵ月後の 2020 年3月1日
に効力を生じた。ポーランドとルーマニアは、 EIB の応募済資本金の増加分の払込部分につき支払いを
行うものとし、 10回の均等分割により半年ごとに EIB の準備金に拠出を行っていく。
なお、英国の EU離脱に伴う EIB 定款の数多くの変更がすでに効力を生じた。 EIB 定款変更の第一群
は、 2020 年2月1日に効力を生じた。 英国が EIB の構成員でなくなったことを反映する これらの法定の
変更には、 EIB 定款における英国への言及の削除が含まれた。 ガバナンス条項のいくつかの変更も同時
に効力を生じ、かかる変更には、 EIB 理事会の代理 メンバーの増員 、ならびに EIB の業務計画、手続規
則および経営委員会の委員の任命の承認に係る特定多数決方式の導入が含まれた。 EIB 定款変更の第二
群は、 ポーランドおよびルーマニアからの増資 ならびに関連するガバナンスの変更 に関するものであ
り、 2020 年3月1日に効力を生じた。
英国が EIB の構成員でなくなった結果として、離脱協定には、 EIB に関する財務決済を定めるいくつ
かの規定が盛り込まれている。離脱協定第 150 条に定める条項に従い、英国は、 EIB に対する応募済資
本金の従前の分担に従い、 EU離脱前の EIB のエクスポージャーについて引き続き責任を負う。英国は、
EIB のその他のリスクについても、それが離脱後の融資に関するものでない限り引き続き責任を負う。
また、 EIB は、離脱協定第 150 条に定める条項に従い、 EUに代わって、 EIB の払込済資本金に対する英国
の分担金相当額を 12回の分割により毎年英国に支払う。英国の払込済資本金の払戻しを除き、 EIB は、
英国が EIB の構成員でなくなることに関連して、または離脱協定の関連条項に定める英国の一部債務の
留保を理由として、英国に対してその他の弁済、返金または報酬を支払う義務を負わないものとす
る。
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英国の EU離脱およびその結果としての EIB の構成員でなくなること、ならびに当該離脱および EIB の
構成員でなくなるための準備は、 EIB の2019 年12月31日現在および同日に終了した事業年度の連結財務
書類に重要な影響は与えなかった。
A.2. 重要な会計方針の要旨
A.2.1. 外国通貨の換算
EIB は、加盟国の資本勘定の測定単位として、そしてグループの財務書類の表示にユーロ
(「 EUR 」)を使用している。
EIB は、各欧州連合加盟国の通貨、ユーロおよび非欧州連合通貨で業務を行っている。
EIB の財源は様々な通貨建ての出資、借入および利益剰余金によって調達される。
外貨建取引は、取引日の実勢為替レートで換算される。 EIB のユーロ以外の通貨建ての貨幣性資産お
よび負債は、貸借対照表日の実勢為替レート(終値)に基づきユーロに換算される。これらの換算か
ら生じた損益は損益計算書に計上される。
A.2.2. デリバティブ
EIB は、金利リスクおよび外貨リスクのエクスポージャーを管理するため、デリバティブ商品(主に
通貨スワップおよび金利スワップ)を資産負債管理(「 ALM 」)活動の一環として使用している。すべ
てのデリバティブ取引は、想定元本により、取引日にオフ・バランス項目として計上されている。
EIB のスワップの大部分は、債券発行をヘッジする目的で締結されている。 EIB は、金利スワップに
加えて通貨スワップを締結し、これにより借入資金を当初別の通貨に交換し、満期時には借入返済に
必要な資金を元の通貨で入手する。
また EIB は、貸付金のヘッジの一環として、またはグローバルな ALM ポジションのために通貨スワッ
プ、金利スワップおよびオーバーナイト・インデックス・スワップを行っている。これに関する利息
は、関連期間に対する比例配分で計上されている。
EIB は、財務オペレーションの一部としての為替スワップを主とした短期デリバティブ金融商品を使
用するほか、売買目的ポートフォリオ(流動性証券ポートフォリオ)をヘッジする手段としてのデリ
バティブも利用している。
A.2.2.1. 売買目的ポートフォリオのデリバティブ
有価証券流動性ポートフォリオの一部として、売買目的のデリバティブが締結され、貸借対照表に
時価で計上される。すなわち、その時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合に
は、「その他の負債」に計上される。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。時価は、市
場の公表価格、ディスカウント・キャッシュ・フロー・モデルおよびオプション価格モデルにより入
手している。オプション価格モデルには、現在の市況および原資産の契約価額と同様に、時間的価
値、イールドカーブおよび原資産のボラティリティが考慮される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。金利ス
ワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では
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「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。通貨スワップの時価
が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上される。時
価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
金利スワップ
金利スワップにおける受取利息および支払利息は関連期間に対する比例配分で計上され、損益計算
書では「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」に計上される。金利スワップ
の時価が正の値の場合には、「その他の資産」に、負の値の場合には、「その他の負債」に計上され
る。時価の変動は、「金融業務損益」に含まれている。
A.2.2.2. その他すべてのデリバティブ
通貨スワップ
通貨スワップ契約は、通貨ポジションを調整するために締結される。通貨スワップの直物レッグの
再評価は、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収収益」で相殺されている。通貨ス
ワップの先渡レッグは決済金額でオフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金
額と先渡金額の決済差額として生ずるプレミアム/ディスカウントは、損益計算書の「受取利息およ
び類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例配分で償却される。
金利スワップ
ヘッジ金利スワップは、再評価していない。金利スワップにおける受取利息および支払利息は関連
期間に対する比例配分で計上され、損益計算書では「受取利息および類似収益」または「支払利息お
よび類似費用」に計上される。
金利先渡契約
金利先渡契約はヘッジ目的で締結され、取引日現在ではオフ・バランスシート項目とされる。契約
上の先渡金利と年度末金利の差異は、損益計算書の「受取利息および類似収益」または「支払利息お
よび類似費用」に計上される。
為替予約取引
為替予約取引は、将来の通貨ポジションを調整するために締結される。先渡レッグは、決済金額で
オフ・バランスシート処理されており再評価されていない。直物金額と先渡金額の差額は、損益計算
書の「受取利息および類似収益」または「支払利息および類似費用」を通じ、関連期間に対する比例
配分で償却される。
デリバティブ金融商品の金利は、関連期間に対する比例配分で「前払金および未収収益」または
「未払金および繰延収益」の勘定科目に計上される。
A.2.3. 金融資産
金融資産は決済日基準で計上されている。
A.2.4. 現金および現金同等物
現金および現金同等物はキャッシュ・フロー計算書で開示されており、手許現金、非拘束性の中央
銀行預け金残高、要求払い預金、流動性の高い短期金融市場証券または価値の変動リスクに重要性が
なく、容易に現金化が可能で EIB が短期コミットメントの管理に用いている定期預金で構成される。
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A.2.5. 中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに確定利付証券を含む負債証券
A.2.5.1. 長期ヘッジ・ポートフォリオ
長期ヘッジ・ポートフォリオは、満期日まで保有する目的で購入した有価証券で構成されている。
これらの有価証券は、下記の機関が発行または保証している。
- 欧州連合加盟国政府、 G10 諸国、およびそれらの政府機関
- 多国籍開発銀行を含む国際公的機関
これらの有価証券は、当初、購入価額で計上される。一時的でない評価損益は計上されている。購
入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利
息および類似収益」として計上される。
A.2.5.2. 運用ポートフォリオ
短期財務ポートフォリオ「 TMP 」
適切な水準の流動性を維持するため、 EIB は満期が 12ヵ月以内の短期金融商品、特に短期国庫証券お
よび公共機関や金融機関が発行した譲渡可能負債証券を購入している。短期財務ポートフォリオの有
価証券は、最終満期日まで保有されるもので、当初は購入価格で計上され、償却原価で本財務書類に
計上される。購入価格と償還価額との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例
配分で「受取利息および類似収益」として計上される。一時的でない評価損益は計上されている。
有価証券流動性ポートフォリオ P1および P2
P1「固定利付」および P2「変動利付」ポートフォリオは、政府、国際機関、金融機関および企業
が発行もしくは保証している債券で構成されている売買目的ポートフォリオである。これらのポート
フォリオの有価証券は、購入当初においては、取得原価で計上され、本財務書類には、時価で計上さ
れる。時価の変動は、損益計算書の「金融業務損益」に計上される。
時価は、第一情報源としての活発な市場における公表相場価格に基づいている。入手できる公表相
場価格がない金融商品については、市場参加者から提示価格、および/または評価手法もしくはモデ
ルを使用して、時価を決定している。評価手法もしくはモデルは観察可能な貸借対照表日現在の実勢
市場データに基づくことが可能である場合に用いられる。
A.2.5.3. 代替貸付金
代替貸付金ポートフォリオは、主に特別目的事業体(「 SPV 」)、信託事業体または金融機関が発行
した債券、ノートあるいは証書の形の債務で構成されている。これらの有価証券は満期保有目的とし
て分類されており、当初購入価格で計上された上、償却原価で評価されている。購入価格と償還価額
との差額は、有価証券の残存期間にわたり、関連期間に対する比例配分で「受取利息および類似収
益」として計上される。一時的でない評価損益は計上されている。
代替貸付金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.5.4. 優先債権者の地位(「 PCS 」)
EU一次法優位の原則および、 EIB 定款に定められている EIB の財産があらゆる形の接収および収用か
ら免除されるものとする旨の原則は、満期時における欧州連合加盟国のソブリン・エクスポージャー
の全額回収を保証するとみなされる。この財務保護および優先債権者としての地位により、欧州連合
加盟国のソブリン・エクスポージャーまたは欧州連合加盟国の保証についての信用リスクも減損も発
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生しない。しかし、他の債権者と同様に、 EIB は欧州連合加盟国ソブリン発行体の負債性金融商品に含
まれる集団行動条項(「 CAC 」)に基づいた多数による決定事項に拘束される。
A.2.6. 金融機関および対顧客貸付金および預け金
A.2.6.1. 貸付金および預け金
貸付金および預け金は、正味実行額をもって EIB の資産に計上される。会計年度終了時における貸付
金および預け金残高について、その全額または一部の金額につき回収不能のリスクがある場合、評価
損益が計上されている。これらの評価損益は、関連資産と同じ通貨で把握される。
評価損益は「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益」として損益計算
書に計上されており、貸借対照表の対応する資産項目から減算されている。
貸付金および預け金の未実行部分は、名目値でオフ・バランスシートに記録される。
A.2.6.2. 貸付金利息
貸付金利息は、発生主義で、すなわち貸付期間にわたって、損益計算書に計上される。未収利息
は、貸借対照表の資産の「前払金および未収収益」勘定に計上される。これらの貸付金利息の評価損
益は、 EIB の経営陣が個別に決定し、貸借対照表の適当な資産項目から控除される。
不良債権に関しては、評価損益が生じた場合、当初の契約条件に基づく未収利息の計上は停止され
る可能性がある。
A.2.6.3. リバース・リパーチェス取引(リバース・レポ)
リバース・リパーチェス取引は、担保有価証券を提供する金融機関に対して EIB が流動資金を貸し出
す取引である。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶことに
なる。
この取引は、支払引替渡しの原則に基づき行われる。すなわち流動資金の借手は、契約価額での決
済と引き換えに、 EIB の保管業者に有価証券を引き渡すのである。これによって EIB に金融市場と連動
したリターンが発生する。
こうした種類の業務は、 EIB の目的から、保証された金利が付加された貸付とみなされる。これらの
取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、提供または受領した現金額に未収(経過)
利息を加えた金額で計上されている。リバース・レポは、法定貸借対照表の資産側の「金融機関貸付
金および預け金: b) その他の貸付金および預け金」に計上される。
リバース・リパーチェス契約に基づいて受け取った有価証券は、有価証券に含まれる契約上の権利
を支配できない限り、法定貸借対照表において認識されない。 EIB は、これらの受け取った有価証券の
市場価格を日々管理しており、原契約に従い追加担保を要求する。
リバース・リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり受取利息または支払利
息として計上される。
A.2.6.4. 利子補助金
前受利子補助金(注 Iを参照)は繰り延べられ、補助金支給対象貸付金の実行から返済までの期間に
わたって、損益計算書で認識される。
A.2.7. 株式、その他の変動利付証券、参加持分および関係会社株式
A.2.7.1. 株式、その他の変動利付証券および参加持分
EIB は、ベンチャー・キャピタル事業開始、インフラ基金設定または投資基金設定時に、株式、その
他の変動利付証券および参加持分を取得する。これらの投資は当初は取得原価で記録され、返済によ
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る資金の還流額が減額される。それらの帳簿価額は、その後の貸借対照表日における測定で、取得原
価と時価のいずれか低い方に調整される。
ファンド・マネージャーから受けた報告に基づき、投資ポートフォリオは、取得原価もしくは EIB に
帰属する分の純資産価額(「 NAV 」)のどちらか低い方の値で個々に評価されるため、ポートフォリオ
に含まれている可能性がある EIB 帰属分の未実現利益は除外される。 EIB 帰属分の NAV は、年度末前の最
新の報告で示された NAV に当該事業体における EIB の所有持分比率を乗じた値、もしくは入手可能な場
合は各ファンド・マネージャーが提出した同日の1株当たり価値に基づいて、算定される。また、入
手可能な直近の NAV の日付から貸借対照表日の間に発生した事象について調整することが重要と思われ
る場合に限り、 EIB 帰属分の NAV に対してかかる調整を行う。貸借対照表日現在、2年に満たないベン
チャー・キャピタル、インフラ基金、投資基金の管理費や運用報酬だけに起因する未実現損失は、 EIB
帰属分の NAV を算定する際には考慮されない。
これらの投資の未実行だが確約した部分は、名目値でオフバランスシート・コミットメントに計上
される。
セカンダリーセール
ベンチャー・キャピタル・ファンドおよび投資ファンドに係るセカンダリーセール取引により、原
資産の認識が中止 される。セカンダリーセールからの損益は「金融業務損益」に計上され、売却手取
額と正味帳簿価額の差異として算出される。
参加持分
EIB が自己勘定で取得した株式は、通常ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金および投資基金
への投資である。業界の慣行によれば、そのような投資は概して多数の投資家が応募する投資であ
り、どの投資家も当該基金の日々の運営および投資活動に対し、個人的に影響力を行使することはで
きない。結果として、ある投資家がそのような基金の統治機関のメンバーになったとしても、原則的
には、それにより当該投資家がその基金の日々の運営に影響を与える権利を手にするものではない。
さらに、ベンチャー・キャピタル事業、インフラ基金または投資基金の個別投資家は、資本の払戻し
またはその他の分配に関する分配方針等、基金の方針を決定することがない。一般的にそのような決
定は、基金の経営陣と全株主の権利および義務を規定した株主契約に基づき、基金の経営陣が行って
いる。また一般的に株主間の合意は、個別投資家が基金との間で実質的な取引を行ったり、役員を相
互に交換したり、重要な専門情報にアクセスする特権を得たりすることも防止している。 EIB は、株式
を取得したこうした事業体に対して重要な影響力または共同支配を有しているかを判定するために、
判断を伴う包括的な分析を通じて上記の判定基準を評価している。当該事業体に対する重要な影響力
または共同支配が存在する場合、当該投資は、「参加持分」として開示される。
EIB により応募済であるが EBRD への投資について払込未請求の資本は、オフ・バランスシート項目と
して記録されている。
A.2.7.2. 関係会社株式
関係会社株式は、中長期投資に相当し、取得原価で計上されている。一時的でない評価損益は計上
されている。
A.2.8. 有形資産
有形資産には、土地、 EIB が使用している不動産、その他機械および設備が含まれる。
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土地は、取得原価で計上されており、建物は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額で計上
されている。ルクセンブルクのキルヒベルクに所在する本店の建物、ならびに同国のワイマールショ
フの建物の取得原価は、以下のように定額法で減価償却されている。
恒久使用の設備および備品、家具事務機器ならびに自動車は、取得原価から減価償却累計額を控除
した金額で貸借対照表に計上されている。
減価償却費は購入品目ごとに、以下に示されている見積耐用年数の期間にわたって定額法で計算さ
れている。
- キルヒベルクおよびワイマールショフの建物: 30年
- 恒久使用の設備および備品: 10年
- 家具:5年
- 事務機器および自動車:3年
A.2.9. 無形資産
無形資産には、コンピューター・ソフトウェアが含まれている。ソフトウェア開発費は、識別可能
性、企業への将来の経済的便益の流入可能性、取得原価測定の信頼性に関する特定の基準を満たした
場合に資産計上される。
これらの基準に適合する自社開発のソフトウェアは、償却累計額(完成から3年にわたり定額法で
計算)控除後の取得原価で計上されている。
A.2.10. 年金制度および健康保険制度
A.2.10.1. 職員年金制度
EIB は、ほぼすべての職員に退職給付を提供するため、確定給付年金制度を運営している。
EIB の主な年金制度は職員と EIB の拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とされて
いる。 EIB およびその職員の全拠出額が EIB の資産へ投資されている。
退職給付債務は、適正な引当水準となるように予測単位積立方式を用いて、少なくとも年に1度は
評価を受ける。直近の評価は 2019 年9月 30日付で実施され、 2019 年度の最後の3ヵ月を推定し(ロー
ル・フォワード法)、 2019 年12月31日付で更新された。保険数理士が用いた主な仮定については、注 L
を参照。
退職給付債務の 10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額は、制度加入者の予想平均
残存勤続年数にわたって定額法で認識される。
A.2.10.2. 健康保険制度
EIB は職員のため、 EIB および職員の拠出金を原資とする独自の健康保険制度を設けている。この健
康保険制度は、注 A.2.10.1. に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処
理されている。直近の評価は 2019 年9月 30日付で実施され、 2019 年度の最後の3ヵ月を推定し(ロー
ル・フォワード法)、 2019 年12月31日付で更新された。
A.2.10.3. 経営委員会年金制度
経営委員会年金制度は確定給付年金制度で、 EIB のみからの拠出金を原資とし、経営委員会委員全員
を対象としている。 EIB からの拠出金は全額 EIB の資産に投資される。この経営委員会年金制度は、注
A.2.10.1. に記載された職員に対する年金制度と同じ方針によって管理され、会計処理されている。
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A.2.10.4. 任意補足年金制度
任意補足年金制度とは、職員の任意拠出金および使用者の拠出金を原資とする確定拠出年金制度で
ある。対応する負債は「その他の負債」に計上されている。
A.2.11. 金融機関および顧客に対する債務
金融機関および顧客に対する債務は、財務書類において償還額で表示される。金融機関および顧客
に対する負債の利息は、発生主義により、「支払利息および類似費用」または、マイナス金利の場合
に「受取利息および類似収益」として損益計算書に計上される。経過利息は、負債勘定の「未払金お
よび繰延収益」に含まれる。
A.2.11.1. リパーチェス取引(レポ)
リパーチェス取引は、金融機関から EIB が流動資金を借り入れ、担保有価証券を提供する取引であ
る。双方の当事者は、確定日に確定金額で取引を行うという取消不能の契約を結ぶことになる。この
取引は支払引替渡しの原則に基づいており、これは注 A2.6.3 に記載されている。
こうした種類の業務は、 EIB の目的から、合意された金利が付加された借入とみなされる。これらの
取引は一般的に有担保金融取引として取り扱われるため、借入金額に経過利息を加えた金額で計上さ
れている。レポは連結貸借対照表上、「金融機関に対する債務- b) 期日払または通知払」の下で負債
側に計上される。
リパーチェス契約に係る利息は、それぞれの契約の期間にわたり支払利息または受取利息として計
上される。
A.2.12. 債務証書借入
債務証書借入は、償却原価で表示されるゼロ・クーポン債を除き、償還金額で表示されている。取
引費用およびプレミアム/ディスカウントは、「未払金および繰延収益」または「前払金および未収
収益」を通じて債務の残存期間にわたって定額法により損益計算書で償却される。 負債性金融商品 の
支払利息は、損益計算書の「支払利息および類似費用」に計上されている。
A.2.13. 金融保証
金融保証契約は、特定の債務者が、負債性金融商品の当初条件または修正後条件に基づいて期日に
支払いを履行できない場合に、発行者に、その商品の保有者に発生した損失を補償するための所定の
支払を行うことを義務付ける契約である。
発行済の金融保証は通常、オフ・バランスシート項目として会計処理され開示される。
金融保証による負債純額は、貸借対照表上で「保証業務に係る引当金」に表示されている。保証引
当金は、金融仲介機関に対する EIB の保証業務または第三者が供与した貸付金に関する保証に内在する
リスクに対応するためのものである。
金融保証は、予想プレミアムの正味現在価値(「 NPV 」)または当初予想損失に対応する公正価値で
当初認識される。
当初認識後、金融保証は以下のうちの高い方の金額に対する、将来の予想プレミアムの正味現在価
値の不足額として測定される。
- 予想信用損失の額
- 当初認識された公正価値から、認識された収益/償却累計額を控除した額
将来の予想プレミアムの正味現在価値が予想支払義務を超過する額を表す未実現利益は、引き続き
認識されていない。
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金融保証に関連する純負債の増加または減少は、損益計算書上、「貸付金および預け金ならびに偶
発債務引当金に係る(再)評価損益」で認識される。
受取プレミアムは、損益計算書の「受取手数料」で認識される。前受手数料は貸借対照表の「未払
金および繰延収益」で認識され、金融保証期間にわたって定額法で損益計算書において償却される。
A.2.14. 契約債務引当金
この引当金は、貸付金、投資基金およびベンチャー・キャピタル事業に対する EIB の契約済・未実行
契約債務に内在するリスクに対応するためのものである。
A.2.15. 準備金
A.2.15.1. 準備基金
定款第 22(-1) 条で規定されているように、 EIB の留保利益より「応募済資本金の 10%を上限に、準備
基金に段階的に組み入れるものとする」。
A.2.15.2. その他準備金
その他準備金には、 EIB の残りの留保利益が含まれている。
A.2.15.3. 特別活動準備金
定款第 16(-5) 条で規定されているように、「 EIB の特別活動(中略)には個別に準備金を配分す
る」。特別活動準備金は、 EIB が一般的に受け入れているものよりもリスクの高い活動によって生じる
予想外の損失をカバーするために割り当てられた専用準備金であり、ベンチャー・キャピタル業務が
これに含まれる。この準備金は各業務の資本配分に基づき、原資産の推移に応じて月次で計算され
る。
A.2.15.4. 一般貸倒準備金
2009 年、 EIB の方針ガイドラインにより、 EIB の貸付金および保証ポートフォリオから生じる可能性
のある損失に対し、「一般貸倒準備金」が導入された。この準備金は、原資産の推移に応じて月次で
計算される。
A.2.16. 前払金および未収収益
当期の支出であるが翌期に関わる費用、および原商品の満期日まで支払いがなされない収益。
A.2.17. 未払金および繰延収益
貸借対照表日以前に支払いを受けるが翌期に帰属する収益、および当期に関連するが翌期に支払う
費用。
A.2.18. 受取利息および類似収益
「受取利息および類似収益」には、主に金融機関および対顧客貸付金および預け金、財務項目およ
びデリバティブに係る利息が含まれる。
A.2.19. 支払利息および類似費用
「支払利息および類似費用」には、主に金融機関および顧客に対する負債の利息、ならびに負債性
金融商品およびデリバティブに係る支払利息が含まれる。
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A.2.20. 証券からの収益
「証券からの収益」は、主に元本を超える当期売却額で構成されている。
A.2.21. 租税
欧州連合に関する条約および欧州連合の機能に関する条約に付属する欧州連合の特権および免除に
関する議定書は、欧州連合機関の資産、収益およびその他の財産について、あらゆる直接税を免除す
ると定めている。
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注B:現金、中央銀行および郵便局預け金ならびに負債証券ポートフォリオ(単位:千ユーロ)
B.1. 現金、中央銀行および郵便局預け金
現金、中央銀行および郵便局預け金は、 2019 年12月31日現在 947,155 千ユーロ( 2018 年: 141,830 千
ユーロ)である。
EIB は、ユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティーであること
から、 EIB も欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加するようになった。 EIB は、最低預金準備
率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策オペレーションを
実施する。この預け金残高は、 2019 年12月31日現在 110,990 千ユーロ( 2018 年: 141,798 千ユーロ)で
ある。
B.2. 負債証券ポートフォリオ
負債証券ポートフォリオは、長期ヘッジ・ポートフォリオ(「 LTHP 」)、短期財務ポートフォリオ
(「 TMP 」)、有価証券流動性ポートフォリオ(「 SLP 」) P1および P2ならびに代替貸付金ポート
フォリオにより構成されている。
これらの負債証券ポートフォリオの 2019 年および 2018 年12月31日現在の内訳は、以下のとおりであ
る。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券
33,367,671 32,671,192
確定利付証券を含む負債証券
12,024,171 15,955,147
(*)
負債証券合計
45,391,842 48,626,339
(*) うち非上場分は、 2019 年12月31日現在 8,763,906 千ユーロ( 2018 年: 8,980,732 千ユーロ)であった。
未償却
プレミア
(**)
購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
2019 年12月31日現在
1,744,425 1,713,229 0 -92,241 1,620,988 1,823,635
LTHP
TMP
-短期金融市場証券
19,311,479 19,280,195 0 -24,916 19,255,279 19,277,771
SLP
-P1:固定利付ポートフォリオ
3,526,414 3,521,150 0 0 3,501,947 3,521,150
-P2:変動利付ポートフォリオ 388,861 388,260 0 0 387,865 388,260
20,529,156 20,489,008 1,142 -15,152 20,474,998 20,812,673
代替貸付金(注 D)
(*)
45,500,335 45,391,842 1,142 -132,309 45,241,077 45,823,489
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物 10,746,022 千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
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未償却
プレミア
(**)
購入価額 帳簿価額 評価損益 償還価値
時価
ム/ディス
カウント
2018 年12月31日現在
1,089,939 1,068,912 0 -28,324 1,040,588 1,170,026
LTHP
TMP
-短期金融市場証券
21,358,424 21,312,716 0 -20,868 21,291,848 21,306,540
SLP
-P1:固定利付ポートフォリオ
4,332,777 4,315,498 0 0 4,308,446 4,315,498
-P2:変動利付ポートフォリオ 1,491,634 1,484,308 0 0 1,483,077 1,484,308
20,479,034 20,444,905 0 -23,428 20,421,477 20,504,695
代替貸付金(注 D)
(*)
48,751,808 48,626,339 0 -72,620 48,545,436 48,781,067
負債証券合計
(*) うち現金および現金同等物 9,477,609 千ユーロ
(**) 時価には経過利息は含まれない。
代替貸付金は、証券化取引に関連する貸付金または債権のプールにおける持分の取得を表してお
り、貸付金総額(注 D)の一部とみなされる。こうした取引の一部は、与信またはプロジェクト関連の
救済措置を付加した上で組成されているため、追加的な償還請求手段が備わっている。取引1件につ
いて、 2019 年12月31日現在で評価損益が計上されている( 2018 年:なし)。
債券保有における欧州連合加盟国ソブリン債に対するエクスポージャー
EIB の優先債権者の地位および EIB 定款による保護を考慮し、また評価調整要件の詳細な見直しの結
果、 EIB は、期末現在の満期保有目的 EU加盟国ソブリン債および EU加盟国ソブリン保証債のエクスポー
ジャーに関して、 2018 年度および 2019 年度に評価損益を計上しなかった。
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次の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の EIB の負債証券ポートフォリオ(代替貸付金を含む)
における、 EU加盟国またはその政府機関が発行または保証する負債証券に対するエクスポージャーを
示したものである。
2019 年12月31日現在
購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
EU加盟国ソブリン債
オーストリア
186,004 184,668 181,600 184,754
ベルギー
51,202 50,938 50,873 51,000
チェコ共和国
552,405 513,116 496,193 556,695
クロアチア
23,011 22,762 22,254 22,765
キプロス
2,085 2,009 2,000 2,008
エストニア
15,034 15,016 15,000 15,008
フィンランド
41,510 40,652 40,000 40,652
フランス
2,322,708 2,314,826 2,301,329 2,319,312
ドイツ
884,561 880,296 848,259 943,353
ハンガリー
158,293 155,907 155,513 156,222
アイルランド
412,339 410,643 409,900 410,522
イタリア
77,849 74,041 72,500 99,155
ラトビア
9,770 9,791 9,792 9,778
リトアニア
93,206 89,900 89,461 90,057
オランダ
402,096 391,972 374,023 404,009
ポーランド
64,164 63,556 63,031 63,923
ポルトガル
288,130 287,603 287,000 287,508
ルーマニア
52,861 52,232 50,463 52,209
スロバキア
9,159 9,168 9,120 9,452
スペイン
2,056,000 2,045,500 2,036,123 2,045,427
スウェーデン
54,420 54,324 53,409 54,324
7,756,807 7,668,920 7,567,843 7,818,133
EU加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
37,743,528 37,722,922 37,673,234 38,005,356
合計
45,500,335 45,391,842 45,241,077 45,823,489
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2018 年12月31日現在
購入価額 帳簿価額 償還価値 時価
EU加盟国ソブリン債
オーストリア
30,746 30,199 30,000 30,198
ベルギー
408,282 407,068 407,000 407,159
チェコ共和国
529,612 495,950 474,767 547,591
デンマーク
172,023 171,746 171,548 171,744
フィンランド
17,782 17,354 17,467 17,354
フランス
2,147,250 2,133,689 2,127,154 2,137,186
ドイツ
542,981 543,435 538,804 606,113
ギリシャ
6,134 5,070 5,000 5,212
ハンガリー
346,004 342,851 342,856 343,789
アイルランド
82,972 81,355 78,800 81,358
イタリア
189,608 184,364 182,400 200,481
オランダ
227,277 223,200 212,061 234,714
ポーランド
61,911 61,326 60,993 62,647
ポルトガル
1,751,201 1,742,097 1,734,500 1,743,014
ルーマニア
50,619 50,103 50,000 50,088
スロバキア
4,867 4,980 5,000 5,504
スロベニア
20,851 20,756 20,716 20,620
スペイン
1,487,875 1,484,640 1,483,808 1,484,816
8,077,995 8,000,183 7,942,874 8,149,588
EU加盟国以外のソブリン債およびその他の債券
40,673,813 40,626,156 40,602,562 40,631,479
合計
48,751,808 48,626,339 48,545,436 48,781,067
注 C :金融機関および対顧客貸付金および預け金 -その他の貸付金および預け金(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
定期預金 28,935,591 41,041,763
要求払預金 238,000 238,000
リバース・レポ 24,622,226 10,023,071
その他の金融機関貸付金および預け金合計 53,795,817 51,302,834
964,644 452,890
その他の対顧客貸付金および預け金合計
54,760,461 51,755,724
その他の貸付金および預け金合計
うち現金および現金同等物 47,978,060 47,736,482
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注D: 貸付金明細表
D.1. 貸付金総額(単位:千ユーロ)
貸付金総額は貸付金の実行済金額と未実行金額で構成されている。分析は以下のとおりである。
金融仲介機関に対し 最終受益者に直接実
2019 年12月31日 2018 年12月31日
て実行される貸付金 行される貸付金
実行済金額
109,821,128 317,235,957 427,057,085 430,466,343
未実行金額
29,629,661 82,918,317 112,547,978 105,567,221
貸付金総額
139,450,789 400,154,274 539,605,063 536,033,564
分割貸付債権
3,402 168,091 171,493 209,897
(1)
代替貸付金ポートフォリオ
20,665,498 20,724,905
代替貸付金ポートフォリオを含む貸付金総額 (注 D.3 )
560,442,054 556,968,366
(1) 2019 年度に 175,348 千ユーロ( 2018 年: 280,000 千ユーロ)が未実行金額として計上された。
D.2. 貸付金に係る評価損益(単位:千ユーロ)
評価損益の推移の詳細は、以下のとおりである。
2019 年 2018 年
1月1日現在
530,174 457,603
当期取崩額
-148,421 -61,794
(1)
当期目的使用額
-31,212 -66,036
当期繰入額
123,213 197,117
為替調整額
6,005 3,284
(2)
12月31日現在
479,759 530,174
(1) 2019 年、 EIB は貸付金事業1件について、全額が引当済のリストラクチャリングを完了した。このリストラクチャリ
ングの結果、 7,426 千ユーロ( 2018 年: 66,036 千ユーロ)が既存の引当金から目的使用された。また、 EIB は一部引
当金が設定されている不良債権事業の売却取引を完了した。この結果、資産売却損 20,206 千ユーロに既存の引当金
が充当された。最後に、 EIB は貸付先企業の清算を受けて、貸付金事業1件におけるエクスポージャーを償却し、こ
の結果、清算時に 3,580 千ユーロが既存の引当金から目的使用された。
(2) 評価損益は、延滞を含む実行済貸付金のみに関連している。また、 EIB は追加的に「前払金および未収収益」に計上
されている未収利息について、総額 7,189 千ユーロ( 2018 年: 6,763 千ユーロ)の評価損益を計上している。
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D.3. プロジェクトが行われている国別に表示した貸付金の地域別内訳(単位:千ユーロ)
D.3.1. 欧州連合内のプロジェクトに対する貸付金
2019 年 2018 年
プロジェクトが実施されて 貸付金 貸付金
貸付金総額 実行済金額 未実行金額
いる国および地域 合計額に 合計額に
対する割合 対する割合
スペイン 87,792,660 80,711,617 7,081,043 15.68% 16.11%
イタリア 63,179,944 50,522,632 12,657,312 11.29% 11.38%
フランス 57,521,274 44,548,304 12,972,970 10.27% 10.16%
ドイツ 44,729,341 34,906,228 9,823,113 7.99% 7.75%
ポーランド 41,977,061 32,297,948 9,679,113 7.49% 7.59%
イギリス 39,230,726 36,989,687 2,241,039 7.00% 7.31%
ギリシャ 18,783,704 16,232,831 2,550,873 3.35% 3.25%
ポルトガル 17,280,892 15,152,816 2,128,076 3.08% 3.23%
オランダ 16,018,057 11,970,833 4,047,224 2.86% 2.72%
オーストリア 14,816,128 13,068,456 1,747,672 2.64% 2.70%
ベルギー 13,914,722 10,698,536 3,216,186 2.48% 2.34%
スウェーデン 11,545,103 8,431,358 3,113,745 2.06% 1.99%
フィンランド 11,281,849 8,604,580 2,677,269 2.01% 1.92%
ハンガリー 9,776,571 7,637,528 2,139,043 1.74% 1.77%
アイルランド 7,183,066 5,705,604 1,477,462 1.28% 1.20%
チェコ共和国 7,160,491 5,815,519 1,344,972 1.28% 1.22%
ルーマニア 6,702,644 3,788,708 2,913,936 1.20% 1.27%
スロバキア 4,864,974 3,431,277 1,433,697 0.87% 0.88%
クロアチア 4,496,703 3,134,928 1,361,775 0.80% 0.79%
スロベニア 3,297,725 2,676,658 621,067 0.59% 0.60%
デンマーク 3,074,128 2,697,968 376,160 0.55% 0.51%
キプロス 2,691,427 2,074,162 617,265 0.48% 0.46%
ブルガリア 2,244,675 1,667,360 577,315 0.40% 0.41%
リトアニア 1,979,956 1,851,877 128,079 0.35% 0.38%
エストニア 1,416,286 1,112,868 303,418 0.25% 0.23%
ラトビア 1,164,617 709,301 455,316 0.21% 0.21%
ルクセンブルク 879,218 450,220 428,998 0.16% 0.13%
473,008 305,366 167,642 0.08% 0.09%
マルタ
495,476,950 407,195,170 88,281,780 88.44% 88.60%
小計
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D.3.2. 欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金
D.3.2.1. 候補国
2019 年 2018 年
プロジェクトが実施されて 貸付金 貸付金
貸付金総額 実行済金額 未実行金額
いる国および地域 合計額に 合計額に
対する割合 対する割合
トルコ
13,881,361 13,067,608 813,753
セルビア
3,281,243 2,356,719 924,524
モンテネグロ
586,425 422,724 163,701
北マケドニア
405,535 262,689 142,846
アルバニア
306,331 263,831 42,500
小計
18,460,895 16,373,571 2,087,324 3.29% 3.73%
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D.3.2.2. アフリカ、カリブ海および太平洋( ACP )諸国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されている
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
国および地域
対する割合 対する割合
マダガスカル 447,210 231,525 215,685
ザンビア 437,884 115,767 322,117
ケニア 376,483 152,654 223,829
セネガル 364,169 117,391 246,778
ギニア 255,000 34,491 220,509
タンザニア連合共和国 197,143 66,169 130,974
レソト 175,016 93,016 82,000
マラウイ 171,025 34,342 136,683
ドミニカ共和国 165,407 46,482 118,925
コートジボワール 152,700 24,024 128,676
ニジェール 137,370 9,000 128,370
ベナン 134,276 44,960 89,316
ウガンダ 122,101 95,994 26,107
アンゴラ 100,000 0 100,000
西アフリカ地域 91,578 86,432 5,146
モザンビーク 87,421 71,276 16,145
ブルキナファソ 86,123 63,123 23,000
ブルンジ 70,000 36,500 33,500
フィジー 66,762 0 66,762
リベリア 66,355 46,355 20,000
カーボベルデ 61,218 48,049 13,169
カメルーン 58,192 53,192 5,000
ガンビア 57,000 0 57,000
パプア・ニューギニア 53,367 0 53,367
マリ 48,909 34,909 14,000
ガーナ 46,169 33,669 12,500
ルワンダ 45,000 0 45,000
シント・マールテン 44,228 0 44,228
エスワティニ王国 41,726 5,326 36,400
セーシェル 40,497 27,997 12,500
エチオピア 40,000 5,000 35,000
コンゴ民主共和国 35,585 35,585 0
モーリシャス 28,110 28,110 0
サントメ・プリンシペ 24,500 0 24,500
モーリタニア 18,760 3,760 15,000
ナミビア 17,401 17,401 0
トーゴ 13,775 2,405 11,370
カリブ海地域 12,976 12,976 0
コンゴ 12,585 12,585 0
ハイチ 12,000 0 12,000
ベリーズ 7,879 1,114 6,765
ドミニカ 3,414 3,414 0
ボツワナ 1,768 1,768 0
ジャマイカ 1,093 1,093 0
セント・ヴィンセント・
1,093 1,093 0
グレナディン
4,431,268 1,698,947 2,732,321 0.79% 0.72%
小計
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D.3.2.3. アジア
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
2,551,182 1,352,936 1,198,246
インド
2,329,040 1,001,644 1,327,396
中国
385,000 109,833 275,167
バングラデシュ
384,107 153,107 231,000
ベトナム
326,705 0 326,705
カザフスタン
200,000 0 200,000
ウズベキスタン
186,534 29,964 156,570
ネパール
184,991 134,991 50,000
スリランカ
180,020 42,217 137,803
ラオス人民民主共和国
140,515 0 140,515
カンボジア
112,000 10,000 102,000
キルギス
109,028 17,700 91,328
タジキスタン
90,496 56,519 33,977
モンゴル
50,000 0 50,000
パキスタン
46,649 10,526 36,123
モルディブ
3,011 3,011 0
インドネシア
7,279,278 2,922,448 4,356,830 1.30% 1.13%
小計
D.3.2.4. 潜在的候補国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,573,165 1,152,837 420,328
ボスニア・ヘルツェゴビナ
132,000 17,000 115,000
コソボ
1,705,165 1,169,837 535,328 0.30% 0.31%
小計
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D.3.2.5. ラテンアメリカ諸国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,320,034 594,900 725,134
ブラジル
612,705 385,470 227,235
エクアドル
558,723 452,557 106,166
パナマ
438,202 115,085 323,117
ニカラグア
296,891 106,656 190,235
アルゼンチン
289,022 166,522 122,500
中央アメリカ地域
194,401 90,852 103,549
パラグアイ
190,115 78,879 111,236
ボリビア
184,280 908 183,372
コロンビア
162,480 162,480 0
メキシコ
133,523 133,523 0
ペルー
79,402 65,380 14,022
ホンジュラス
73,055 73,055 0
チリ
58,816 58,816 0
コスタリカ
53,409 0 53,409
ラテンアメリカ地域
4,645,058 2,485,083 2,159,975 0.83% 0.73%
小計
D.3.2.6. 欧州自由貿易連合( EFTA )加盟国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,141,970 941,420 200,550
ノルウェー
559,824 519,824 40,000
アイスランド
48,755 32,929 15,826
スイス
1,750,549 1,494,173 256,376 0.31% 0.32%
小計
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D.3.2.7. 地中海沿岸諸国
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
5,466,111 3,263,992 2,202,119
エジプト
4,784,201 3,108,790 1,675,411
モロッコ
3,202,784 2,116,448 1,086,336
チュニジア
1,617,628 548,602 1,069,026
レバノン
826,688 826,688 0
イスラエル
615,012 391,972 223,040
ヨルダン
353,050 353,050 0
アルジェリア
160,821 160,821 0
シリア・アラブ共和国
99,987 38,964 61,023
ガザ・西岸地区
11,902 0 11,902
地中海沿岸地域
17,138,184 10,809,327 6,328,857 3.06% 2.96%
小計
D.3.2.8. 海外の属国および属領( OCT )
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
16,667 16,667 0
ニューカレドニア
16,295 8,795 7,500
仏領ポリネシア
32,962 25,462 7,500 0.01% 0.01%
小計
D.3.2.9. 東欧諸国、南コーカサス諸国およびロシア
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
5,080,573 1,284,260 3,796,313
ウクライナ
1,634,280 593,808 1,040,472
ジョージア
684,037 280,838 403,199
モルドバ共和国
530,000 75,000 455,000
ベラルーシ
339,279 200,218 139,061
アルメニア
74,950 74,950 0
ロシア連邦
6,275 6,275 0
アゼルバイジャン
8,349,394 2,515,349 5,834,045 1.49% 1.32%
小計
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D.3.2.10. 南アフリカ
2019 年貸付金 2018 年貸付金
プロジェクトが実施されて
貸付金総額 実行済金額 未実行金額 合計額に 合計額に
いる国および地域
対する割合 対する割合
1,000,858 857,868 142,990
南アフリカ
1,000,858 857,868 142,990 0.18% 0.17%
小計
欧州連合域外のプロジェクト
64,793,611 40,352,065 24,441,546 11.56% 11.40%
に対する貸付金合計
(1)
560,270,561 447,547,235 112,723,326 100.00%
2019 年貸付金合計
(1)
556,758,469 450,911,248 105,847,221 100.00%
2018 年貸付金合計
(1) 代替貸付金(注 B.2 および D.1 )を含み、分割貸付債権( 2019 年: 171 百万ユーロ、 2018 年: 210 百万ユーロ)を除く
貸付金総額
D.4. 保証業務に係る引当金
EIB が付与した保証に係る引当金は、受益者に対して支払義務を負うと見込まれる損失に対応して認
識されている。 2019 年12月31日現在、こうした引当金は 8,118 千ユーロにのぼる( 2018 年: 17,143 千
ユーロ)。
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注E:株式およびその他の変動利付証券、参加持分ならびに関係会社株式(単位:千ユーロ)
E.1. 株式、その他の変動利付証券および参加持分
参加持分 株式およびその他の変動利付証券
ベン ベン
その他
チャー・ チャー・
EBRD 持分 投資基金
(3)
の持分
合計
キャピタル キャピタル
(2) (1)
投資
(1) (1)
事業 事業
取得原価:
2019 年1月1日現在 275,137 4,774,714 157,500 1,376,701 0 6,308,915
当期取得額 90,319 1,138,971 0 895,080 266 2,034,317
-26,517 -353,778 0 -212,395 0 -566,173
当期売却額
338,939 5,559,907 157,500 2,059,386 266 7,777,059
2019 年12月31日現在
評価損益:
2019 年1月1日現在 -26,219 -394,936 0 -41,364 0 -436,300
当期取得額 -4,045 -64,900 0 -20,101 0 -85,001
3,516 134,318 0 9,200 0 143,518
当期減少額
-26,748 -325,518 0 -52,265 0 -377,783
2019 年12月31日現在
純帳簿価額:
312,191 5,234,389 157,500 2,007,121 266 7,399,276
2019 年12月31日現在
248,918 4,379,778 157,500 1,335,337 0 5,872,615
2018 年12月31日現在
(1) オフ・バランスシートで開示されている契約済の未実行額は、それぞれ次のとおりである。
株式およびその他の変動利付証券に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業: 4,162,444 千ユーロ( 2018 年: 4,568,044 千ユーロ)
・ 投資基金: 3,587,184 千ユーロ( 2018 年: 3,362,284 千ユーロ)
参加持分に関連して:
・ ベンチャー・キャピタル事業: 605,346 千ユーロ( 2018 年: 565,274 千ユーロ)
(2) 157,500 千ユーロ( 2018 年: 157,500 千ユーロ)は、欧州復興開発銀行(「 EBRD 」)の資本金に対する EIB の応募額
900,440 千ユーロに係る 2019 年12月31日現在の EIB の払込資本である。
(3) 合計額は、株式およびその他の変動利付証券のみを含む。
2019 年12月31日現在、 EIB は、 EBRD の応募済資本金の 3.03 %を所有している。国際財務報告基準に準拠して作成され
たEBRD の監査済 2018 年度財務書類に基づいた、 EBRD における EIB の正味資本持分は 492.8 百万ユーロ( 2018 年: 489.6 百万
ユーロ)である。
(単位:百万ユーロ)
持分比率(%) 自己資本合計 純損益合計 資産合計
(*)
EBRD (2018 年12月31日) 3.03 16,283 210 61,852
(*) データは EBRD の最新の監査済財務書類に基づいている。
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E.2. 関係会社株式
欧州投資基金
残高 805,044 千ユーロ( 2018 年: 806,572 千ユーロ)は、登記上の事務所所在地がルクセンブルクに
ある欧州投資基金(「 EIF 」)の資本金に対する EIB の応募額 2,634,000 千ユーロ( 2018 年: 2,639,000
千ユーロ)に係る EIB の払込済額に相当する。
EIB は、 EIF の応募済資本金 45億ユーロ( 2018 年: 45億ユーロ)の 58.53 %( 2018 年: 58.64 %)を保
有している。
他の EIF 投資家が引き受けた EIF 株式 1,866 株について、 EIB は、株式交換購入保証に基づき、これら
の株式を1株当たり 440,124.21 ユーロで随時買い取る旨申し入れている。この価格は、 EIF 払込請求済
資本金に、資本剰余金勘定、法定準備金、留保利益、公正価値準備金および当期純利益を加えた値に
当期配当金を調整した値の1株当たり金額に相当する。合意された算式が、オプションが行使される
会計年度の EIF の承認済かつ監査済年次財務書類に適用されている。
2019 年12月31日現在の EIF の応募済資本金は、 45億ユーロである。 2019 年度中に、 EIB はEIF 株式5株
を他の投資家に売却した。この結果、 EIB が保有する EIF の株数は 2019 年1月1日時点の 2,639 株から、
2019 年12月31日時点では 2,634 株へと減少した。
オフ・バランスシートに表示されている EIF の少数株主に付与されたプット・オプションの名目金額
821,272 千ユーロ( 2018 年: 816,824 千ユーロ)は、国際財務報告基準に準拠して作成された 2018 年度
のEIF に監査済法定決算書に基づいて計算されている。
(単位:千ユーロ)
持分比率(%) 自己資本合計 純損益合計 資産合計
(*)
EIF (2018 年12月31日) 58.64 1,991,030 127,561 2,664,667
(**)
EIF (2019 年12月31日) 58.53 1,814,403 161,615 2,951,185
(*) データは EIF の最新の監査済財務書類に基づいている。
(**) データは EIF の未監査財務書類の速報に基づいている。
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注F:無形・有形資産(単位:千ユーロ)
ルクセン 家具備品 有形資産 無形資産
土地
ブルクの建物 および設備 合計 合計
取得原価:
2019 年1月1日現在
20,145 387,943 80,862 488,950 36,919
当期取得額
0 9,939 9,876 19,815 18,184
当期除却額
0 0 -26,067 -26,067 -11,737
2019 年12月31日現在
20,145 397,882 64,671 482,698 43,366
減価償却/償却累計額
2019 年1月1日現在
0 -186,758 -46,003 -232,761 -13,121
当期減価償却/償却額
0 -9,792 -19,148 -28,940 -15,597
当期除却額
0 0 26,067 26,067 11,007
2019 年12月31日現在
0 -196,550 -39,084 -235,634 -17,711
純帳簿価額:
2019 年12月31日現在
20,145 201,332 25,587 247,064 25,655
2018 年12月31日現在
20,145 201,185 34,859 256,189 23,798
ルクセンブルクの建物には、新棟の建設に係る原価 55,153 千ユーロ( 2018 年: 45,214 千ユーロ)が
含まれており、新棟は、 2023 年に完成予定である。
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注 G :その他の資産およびその他の負債(単位:千ユーロ)
その他の資産 2019 年12月31日 2018 年12月31日
未収金およびその他債権 33,627 21,382
保証履行請求債権 25,633 21,775
デリバティブの公正価値 1,638 6,874
前払給与および手当 1,077 1,312
(*)
職員住宅ローンおよび預け金 1,038 1,552
保証に係る受取手数料 112 171
ベンチャー・キャピタル事業売却代金未収金 0 13,181
1,875 2,985
その他
65,000 69,232
合計
(*) 上記残高は、過年度に EIB がEIB 職員に供与した職員住宅ローンに関連するものである。 1999 年以降、こうした住宅
ローンに代わり、常勤職員による EIB 職員規程に準拠した職員住宅ローン利用を可能にする外部金融機関との取決め
が導入された。該当職員全員に対して、同一の利率と条件が適用される。
その他の負債 2019 年12月31日 2018 年12月31日
任意補足年金制度(注 L) 580,741 536,879
EIF 年金制度 193,135 163,674
ファースト・ロス一部負担金 132,676 52,575
未払金およびその他債務 56,284 51,268
未払人件費 82,978 87,777
貸付金の未達勘定 15,093 13,750
重債務貧困国( HIPC )イニシアチブに係る未払費用 13,596 13,596
デリバティブの公正価値 8,094 3,428
西バルカン諸国のインフラ基金 393 393
60,177 44,810
その他
1,143,167 968,150
合計
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注H:EIB 応募済資本金、自己資本および利益処分
H.1. EIB応募済資本金明細表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:ユーロ)
(*)
応募済資本金 払込請求済資本金
加盟国
払込未請求資本金
ドイツ
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
フランス
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
イタリア
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
(**)
イギリス
39,195,022,000 35,699,118,050 3,495,903,950
スペイン
23,517,013,500 21,419,470,925 2,097,542,575
オランダ
10,864,587,500 9,895,547,225 969,040,275
ベルギー
10,864,587,500 9,895,547,225 969,040,275
スウェーデン
7,207,577,000 6,564,714,700 642,862,300
デンマーク
5,501,052,500 5,010,399,750 490,652,750
オーストリア
5,393,232,000 4,912,195,875 481,036,125
ポーランド
5,017,144,500 4,569,652,475 447,492,025
フィンランド
3,098,617,500 2,822,243,850 276,373,650
ギリシャ
2,946,995,500 2,684,145,675 262,849,825
ポルトガル
1,899,171,000 1,729,779,000 169,392,000
チェコ共和国
1,851,369,500 1,686,240,975 165,128,525
ハンガリー
1,751,480,000 1,595,260,900 156,219,100
アイルランド
1,375,262,000 1,252,598,750 122,663,250
ルーマニア
1,270,021,000 1,156,744,700 113,276,300
クロアチア
891,165,500 811,680,000 79,485,500
スロバキア
630,206,000 573,996,175 56,209,825
スロベニア
585,089,500 532,903,925 52,185,575
ブルガリア
427,869,500 389,706,625 38,162,875
リトアニア
367,127,000 334,381,950 32,745,050
ルクセンブルク
275,054,500 250,521,650 24,532,850
キプロス
269,710,500 245,654,325 24,056,175
ラトビア
224,048,000 204,064,750 19,983,250
エストニア
173,020,000 157,587,900 15,432,100
マルタ
102,665,000 93,508,025 9,156,975
合計
243,284,154,500 221,585,019,550 21,699,134,950
(*) 理事会の決議により、 EIB の債務弁済に必要な金額の範囲内で、請求が行われうる。
(**) A.1.3. を参照のこと。
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H.2. 自己資本および利益処分
自己資本変動計算書 (単位:千ユーロ) 2019 年 2018 年
資本金:
-応募済資本金
243,284,155 243,284,155
-払込未請求資本金 -221,585,020 -221,585,020
-払込請求済資本金
21,699,135 21,699,135
準備金および当期純利益:
準備基金:
-期首残高
24,328,415 24,328,415
-期末残高
24,328,415 24,328,415
その他準備金:
-期首残高
10,595,340 9,947,736
(1)
-前年度利益処分額 1,753,954 647,604
-期末残高
12,349,294 10,595,340
特別活動準備金:
-期首残高
9,626,707 7,504,091
(1)
-前年度利益処分額 1,150,968 2,122,616
-期末残高
10,777,675 9,626,707
一般貸倒準備金:
-期首残高
2,736,047 2,700,556
(1)
-565,870 35,491
-前年度利益処分額
-期末残高
2,170,177 2,736,047
2,363,586 2,339,052
当期純利益
73,688,282 71,324,696
自己資本合計
(1) 2019 年4月 24日、総務会は、 2018 年12月31日終了年度の EIB の当期純利益 2,339,052 千ユーロをその他準備金、特別
活動準備金および一般貸倒準備金に繰り入れることを決定した。一般貸倒準備金または特別活動準備金からの取崩
し/への繰入れが行われたということは、基本的な運用のリスクが変動したということの結果である。
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注I:前払金および未収収益ならびに未払金および繰延収益(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
前払金および未収収益
通貨スワップ契約に係る外国為替の中立化 8,262,158 8,652,346
未収利息および手数料 7,602,672 7,836,993
(*)
スワップに係る未収償還プレミアム 154,804 154,285
繰延借入費用 394,304 412,424
委託の受取手数料 79,962 69,146
3,040 11,349
その他
16,496,940 17,136,543
合計
2019 年12月31日 2018 年12月31日
未払金および繰延収益
未払利息および手数料 8,107,194 8,259,577
通貨スワップ契約に係る外国為替の中立化 7,127,931 9,014,183
(*)
スワップに係る未払償還プレミアム 816,284 788,671
繰延借入収益 686,322 718,796
貸付金に係る繰延収益 268,236 272,178
前受利子補助金 101,457 103,385
前受運用報酬 9,338 11,958
7,240 8,311
その他
17,124,002 19,177,059
合計
(*) スワップの未収および未払に係る償還プレミアムは、そのような特性が盛り込まれた契約に係る原スワップ契約の
最終支払額を示す。
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注J:金融機関および顧客に対する債務(単位:千ユーロ)
J.1. 金融機関に対する債務
2019 年12月31日 2018 年12月31日
要求払 6,287,270 4,122,978
短期預かり金 2,761 93,390
1,182,750 0
金融機関とのレポ取引
7,472,781 4,216,368
合計
J.2. 顧客に対する債務
2019 年12月31日 2018 年12月31日
翌日物預金 4,013 7,665
欧州連合および加盟国口座
-特別部門業務および関連未決済金額に係るもの
397,313 374,376
-預金口座
1,194,231 1,408,960
15,554 10,976
短期預かり金
1,611,111 1,801,977
合計
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注K:債務証書借入(単位:千ユーロ)
財務活動における EIB の目標の1つとして、特に通貨に関し、その資金調達戦略を貸付金供与に要す
る資金と合致させることが挙げられる。「債務証書借入」の項には、「負債証券」(一般投資家に対
して公募した有価証券)および「その他」(私募)が含まれる。次の表は、 2019 年および 2018 年12月
31日現在の債務残高の通貨別内訳、ならびに平均利率と満期日をまとめたものである。
2019 年 2018 年
平均利率 平均利率
支払通貨 12月31日 満期日 12月31日
(*) (*)
2019 年 2018 年
現在残高 現在残高
ユーロ
242,241,423 1.73 2020/2057 242,302,683 1.88
米ドル
111,884,458 2.20 2020/2058 118,381,750 2.14
英ポンド
45,613,342 2.61 2020/2054 45,514,776 2.67
オーストラリア・ドル
9,947,726 3.77 2020/2042 11,158,821 4.40
スウェーデン・クローナ
5,873,569 2.28 2020/2040 5,871,397 2.45
ノルウェー・クローネ
5,739,674 1.98 2020/2037 4,092,659 1.97
スイス・フラン
5,430,993 2.09 2020/2036 6,543,349 2.10
カナダ・ドル
5,313,621 2.02 2020/2045 4,753,954 2.10
ポーランド・ズロチ
4,994,362 2.48 2021/2029 3,605,803 2.38
日本円
3,282,503 1.12 2020/2053 3,768,843 1.02
南アフリカ・ランド
2,774,494 8.16 2020/2032 3,059,007 7.66
トルコ・リラ
2,266,647 8.76 2020/2027 2,937,200 8.94
メキシコ・ペソ
1,887,353 5.66 2020/2027 1,689,482 5.63
デンマーク・クローネ
525,216 0.82 2024/2031 123,760 3.46
ニュージーランド・ドル
388,435 2.49 2020/2023 469,043 3.37
チェコ・コルナ
347,462 2.45 2021/2034 379,935 2.57
ハンガリー・フォリント
272,895 0.22 2020/2021 281,014 0.18
人民元
230,164 2.80 2020/2022 63,491 3.88
ロシア・ルーブル
164,388 6.16 2020/2022 213,259 6.71
香港ドル
105,175 2.14 2020/2021 116,152 2.47
ルーマニア・レイ
37,633 2.87 2020/2020 57,468 2.66
合計
449,321,533 455,383,846
(*) 貸借対照表日現在の加重平均利率
仕組借入の中には、その元本および利息が株価指数に連動しているものもある(実行時の価額:
2019 年は 500 百万ユーロ、 2018 年は 500 百万ユーロ)。借入金はすべて、仕組スワップ・オペレーショ
ンにより十分にヘッジされている。
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次の表は、 2019 年度および 2018 年度の債務証書借入(短期コマーシャル・ペーパーを含む)の変動
を示したものである。
2019 年 2018 年
(単位:百万ユーロ)
1月1日現在の残高
455,384 449,585
当期発行額
141,610 102,839
契約に基づく償還
-151,818 -99,771
期限前償還および買戻し
-1,073 -749
為替差額
5,219 3,480
449,322 455,384
12月31日現在の残高
注L:引当金-年金制度および健康保険制度(単位:千ユーロ)
EIB の主な年金制度は職員と EIB からの拠出金を原資とする確定給付年金制度で、全職員が対象とさ
れている。 EIB およびその職員の全拠出額が EIB の資産へ投資されている。
年金制度および健康保険制度の引当金は、以下のとおりである。(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
職員年金制度:
1月1日現在の引当額
2,534,865 2,293,753
期中支給額
-90,303 -86,483
保険数理損失の認識
112,829 110,516
年間の拠出金および利息
237,937 217,079
職員年金制度小計 2,795,328 2,534,865
経営委員会年金制度
経営委員会年金制度
35,652 37,226
保険数理損失の認識
1,913 1,465
経営委員会年金制度小計 37,565 38,691
健康保険制度
1月1日現在の引当額
330,054 288,420
期中支給額
-22,238 -19,821
保険数理損失の認識
11,396 23,645
年間の拠出金および利息
39,961 37,810
359,173 330,054
健康保険制度小計
3,192,066 2,903,610
12月31日現在引当金合計
上記金額は、任意補足年金制度(確定拠出年金制度)加入者への債務を含んでいない。それに対応
する債務 581 百万ユーロ( 2018 年: 537 百万ユーロ)は、「その他の負債」(注 G )に分類されている。
将来の退職給付および健康保険給付に対する引当金は、 2019 年9月 30日付で、独立した保険数理士
により、予測単位積立方式を用いて評価された。この保険数理評価は、 2019 年12月31日現在の実勢市
場金利および以下の(職員年金制度および健康保険制度に関する)仮定に基づいて 2019 年度の最後の
3ヵ月を推定し(「ロール・フォワード」法)、 2019 年12月31日付で更新された。
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1.30 %( 2018 年: 2.18 %)
・ 23.8 年( 2018 年: 21.9 年)の期間に対応する年金制度および健康
保険制度における未払給付の保険数理上の現在価値を算定するた
めの割引率
・ 過去の経験を踏まえて、 EIB では、退職給付積立金からの予想支給
総額は「上記割引率+ 1.5 %( 2018 年: 1.5 %)」に設定されると
見積っている。
55~65歳での段階的退職
・ 退職年齢
(2018 年と同じ)
3.5 %( 2018 年: 3.5 %)
・ 物価および賃金の平均的上昇率
26%~0%( 2018 年: 30%~
・ 予想退職率
0%)で変動し、年齢ととも
に低下
1.75 %( 2018 年と同じ)
・ 年金調整率(年)
2018 年度版を使用( 2018 年:
・ ICSLT 生命表
ICSLT 生命表 2013 年度版)
3.75 %( 2018 年: 3.75 %)
・ 医療費上昇率(年)
・ 年齢ごとの医療費 プロファイルは、 2019 年に過去の実績に加えて
2020 年1月1日より適用される新しい払戻基準を反映して修正さ
れた。
このようなスキームのための引当金は、上記の表のとおり、保険数理評価に従って、必要に応じて
調整される(注 A.2.10.1) 。退職給付債務の 10%を超過する過年度の数理計算上の積立過不足累計額
は、加入者の予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識される。
2018 年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、 2,412,799 千ユーロの未認識損失で
あった。 10%の回廊部分を超過した金額は 1,881,158 千ユーロで、 2019 年1月1日から制度加入者の
予想平均残存勤続年数にわたり定額法で認識された。これにより、 2019 年度に認識された純損失は、
126,137 千ユーロである。
2019 年、年金制度および健康保険制度に関する保険数理評価は、 4,101,107 千ユーロの未認識損失で
あった。 10%の回廊部分を超過した金額は 3,371,789 千ユーロで、 2020 年度に認識される純損失は
228,779 千ユーロとなる。
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注M:当期純利益
2019 年12月31日終了年度の当期純利益 2,363,586 千ユーロの処分案は、承認を受けるため 2020 年4月
24日までに総務会に提出される。当事業年度の剰余金の処分案は以下のとおりである。
- 準備基金 ゼロ
- その他準備金 1,438.7 百万ユーロ
- 特別活動準備金 959.2 百万ユーロ
- 一般貸倒準備金 -34.3 百万ユーロ
注N:受取利息および類似収益ならびに支払利息および類似費用
N.1. 正味受取利息(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
受取利息および類似収益:
中央銀行担保適格国庫証券およびその他短期証券ならびに負債証券
(確定利付証券を含む)
534,941 789,320
金融機関および対顧客貸付金および預け金
7,473,450 7,435,747
デリバティブ
16,478,785 16,480,225
有利子負債に係るマイナス金利
12,854 624
合計
24,500,030 24,705,916
支払利息および類似費用:
金融機関および顧客に対する債務
-8,063 -28,799
債務証書借入
-10,042,103 -10,380,600
デリバティブ
-10,902,103 -10,355,209
利付資産に係るマイナス金利
-370,732 -641,732
その他
-145,308 -131,929
合計
-21,468,309 -21,538,269
正味受取利息
3,031,721 3,167,647
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N.2. 「受取利息および類似収益」の国別分析(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
欧州連合加盟国
イギリス
1,036,312 981,864
スペイン
933,252 972,751
ポーランド
584,905 571,210
イタリア
566,604 570,219
フランス
522,539 503,229
ギリシャ
501,055 515,074
ドイツ
325,436 413,007
オーストリア
272,889 269,683
ポルトガル
216,107 236,005
オランダ
172,535 163,925
ベルギー
163,252 174,325
ハンガリー
160,942 154,906
スウェーデン
128,531 75,015
アイルランド
89,693 79,558
ルーマニア
84,662 90,239
フィンランド
71,528 71,241
チェコ共和国
69,263 48,779
スロバキア
65,378 66,514
クロアチア
59,335 65,796
スロベニア
45,894 48,378
ブルガリア
42,119 44,085
リトアニア
33,808 44,513
デンマーク
26,505 23,416
ラトビア
15,077 15,004
キプロス
12,699 12,909
マルタ
9,956 10,567
エストニア
4,159 4,662
ルクセンブルク
2,887 2,589
欧州連合加盟国の合計
6,217,322 6,229,463
欧州連合域外
1,063,416 1,025,007
合計
7,280,738 7,254,470
(1)
国別分析の対象外の収益
17,219,292 17,451,446
受取利息および類似収益の合計
24,500,030 24,705,916
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(1) 国別分析の対象外の収益は以下のとおり:
・ 長期ヘッジ・ポートフォリオおよび代替貸付金
ポートフォリオからの収益 206,131 218,838
・ 有価証券流動性ポートフォリオからの収益 71,913 91,260
・ 短期金融市場証券からの収益 256,883 479,222
・ その他有価証券からの収益 14 0
・ 短期金融市場オペレーションからの収益 205,566 181,901
16,478,785 16,480,225
・ デリバティブからの収益
17,219,292 17,451,446
注O:受取手数料および支払手数料(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
受取手数料:
保証手数料 90,080 64,519
インベストメント・ファシリティ「コトヌー」の手数料 52,748 49,993
Jaspers 手数料 33,538 34,994
EFSI の手数料 14,461 13,690
InnovFin の手数料 13,725 5,755
貸付金手数料収益 13,542 10,644
Jessica の手数料 8,878 8,931
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティの手数料 5,412 1,754
近隣インベストメント・ファシリティの手数料 5,128 1,773
ヤウンデ/ロメ協定の手数料 1,888 2,027
45,224 55,626
その他の委託に係る手数料
284,624 249,706
受取手数料合計
(*)
-317,840 -240,919
支払手数料
(*) この項目における差異は、主に 2019 年に提供された信用補完におけるリスク対価の増加に関連している。
注P:金融業務損益(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(*)
株式およびその他の変動利付証券に係る純損益 109,582 -6,327
貸借対照表上のポジションの換算に係る純損益 -997 -1,899
債務証書借入買戻に係る純損益 0 -1,195
デリバティブの純損益 6,164 -14,823
2,950 -34,086
負債証券ポートフォリオの純損益(有価証券のみ)
117,699 -58,330
金融業務損益合計
(*) 2019 年、 EIB は投資基金3件における参加持分の流通市場における売却を完了した。この売却の結果、 EIB は102,576
千ユーロの売却益を計上した。
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注Q:その他の業務収益(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
賃貸料収益 12,591 11,551
過年度未使用引当金の戻入れ 3,209 4,311
EIF 株式売却(注 E.2 ) 672 381
1,883 1,674
その他
18,355 17,917
合計
注R:一般管理費(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(*)
給与および手当 -441,465 -422,056
福利厚生費およびその他人件費 -322,191 -326,021
人件費
-763,656 -748,077
その他の一般管理費
-256,518 -254,375
一般管理費合計
-1,020,174 -1,002,452
(*) このうち経営委員会委員に対する金額は、 2019 年12月31日現在が 2,706 千ユーロ、 2018 年12月31日現在は 2,927 千
ユーロである。
EIB の職員数は、 2019 年12月31日現在、 3,439 名( 2018 年12月31日現在は 3,410 名)であった。
注S:オフ・バランスシートの借入債務支払に係る特別預け金
この項目は、 EIB が支払代理人に支払ったが、 EIB が発行した債券の保有者による支払いのための呈
示がなされていない期日の到来したクーポンおよび債券の金額に相当する。
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(*)
注T:金融商品の公正価値
EIB は貸借対照表日において、(有価証券流動性ポートフォリオを除き)負債の場合は受領額、資産
の場合は取得のための支払額を示す外貨建ての取得原価に基づき、貸借対照表の金融商品を計上して
いる。次の表は、資産または負債に計上されている金融商品(主として貸付金、財務、有価証券、借
入)の公正価値と帳簿価額とを比較したものである。
(**)
帳簿価額
公正価値
2019 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 947 947
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 481,871 515,548
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ
(代替貸付金を含む) 45,392 45,921
7,711 10,826
株式、その他の変動利付証券および参加持分
535,921 573,242
金融資産合計
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 9,084 9,080
449,322 497,376
債務証書借入
458,406 506,456
金融負債合計
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注 V.を参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
(**)
帳簿価額
公正価値
2018 年12月31日現在(単位:百万ユーロ)
金融資産:
現金、中央銀行および郵便局預け金 142 142
金融機関および対顧客貸付金および預け金(代替貸付金を除く) 482,611 506,259
短期国庫証券および負債証券ポートフォリオ
(代替貸付金を含む) 48,626 48,898
6,122 8,673
株式、その他の変動利付証券および参加持分
537,501 563,972
金融資産合計
金融負債:
金融機関および顧客に対する債務 6,018 6,017
455,384 492,081
債務証書借入
461,402 498,098
金融負債合計
(*) デリバティブはこの表には含まれていない。注 V.を参照のこと。
(**) 経過利息を含めた公正価値
注U:リスク管理
本注記は、 EIB のリスクに対するエクスポージャーならびにその管理および統制についての情報を、
特に金融商品の使用に関連した主なリスクについて記載している。それらは以下のとおりである。
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- 信用リスク-決済リスク等、顧客またはカウンターパーティーのデフォルトにより発生する損
失のリスクで、あらゆる形式の信用エクスポージャーから発生する。
- 金利リスク-金利感応商品に影響を及ぼす金利の不利な変動から生じる EIB の投資の利益および
経済価値の両方に対するリスクで、ギャップリスク、ベーシスリスクおよびオプションリスク
を含む。
- 流動性および資金調達リスク- EIB が合理的な価格により、あるいは、極端な状況下ではいかな
る価格によっても、資金調達または義務の履行ができないリスク。
- 為替レートリスク-為替レートの不利な変動が原因で、 EIB のポジションから得られる経済価値
または収益の変動性から生じるリスク。
- オペレーショナル・リスク-不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因
から発生する、または外部事象による損失リスクで、法務リスクを含むが、戦略リスクおよび
風評リスクは除かれる。
リスク管理組織
EIB の目的は、その資産、財務的業績、ひいては自己資本を可能な限り最大限に守るため、リスクを
分析・管理することにある。 EIB は概して EUの機関、機構および局によって発行または採択される商業
銀行に適用される法や指針の適用は受けないが、 EIB が公表しているベスト・バンキング・プラクティ
スの指針的原則で特定されている範囲において、任意でこれらの EU法および指針を遵守することを決
定している。
リスク管理部門(「 RM」)は、 EIB がさらされている信用リスク、市場リスク、流動性および資金調
達リスクならびにオペレーショナル・リスクを独立した立場から特定、評価、モニタリングおよび報
告する。職務分掌を維持するために、 RMは、フロント・オフィスから独立した組織となっており、リ
スクに関するすべての提案に対して、セカンド・オピニオンを提供する。 RM担当のディレクター・
ジェネラルは、信用リスク、金利リスク、流動性および資金調達リスク、為替レートリスクならびに
オペレーショナル・リスクについて経営委員会に報告し、定期的に監査委員会と会合を持ち、これら
のリスクに関する議題を協議している。また、同ディレクター・ジェネラルは、経営委員会、リスク
方針委員会および理事会へのリスク報告についても監督の任にある。
契約締結後の貸付金の管理およびモニタリングは、ポートフォリオの重要な部分に関しては、 RMか
ら独立している部門である取引管理・再編部門(「 TMR 」)が担当する。 TMR は、よりリスクが高いカ
ウンターパーティー、および特定の形の担保のモニタリングに注力するとともに、特に注意を要する
取引の管理も行う。信用リスクの兆候に係る TMR の提言は、すべて RMによる独立した立場からのセカン
ド・オピニオンの対象となる。
以下の項では、 EIB が自己のリスク負担において実施する活動の中でさらされる信用リスク、市場リ
スク、流動性および資金調達リスク、オペレーショナル・リスクについて開示している。詳細につい
ては、 EIB グループ・リスク管理開示報告書を参照のこと。
リスクの測定および報告システム
EIB は、変化する経済情勢や進化する規制当局の基準に合わせて、リスク管理システムを調整してい
る。市場慣行が発達するにつれ、 EIB も継続的にそれらを適応させている。 EIB の業務に内在する主な
リスク、すなわち、信用リスク、金利リスク、流動性および資金調達リスク、為替レートリスクなら
びにオペレーショナル・リスクを統制し、報告するため、管理システムを導入している。
リスクは、 EIB の支払能力、流動性、利益および業務への影響を定量化することを目的として、通常
の環境下および起こり得るストレス状態下で、評価・測定される。リスク測定では、資本構成、利
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益、流動性、市場に対するエクスポージャーおよびオペレーショナル・リスクの指標を組み合わせ
る。
信用リスク、 ALM リスク、流動性リスク、財務リスクおよびオペレーショナル・リスクに関する詳細
な情報は、経営委員会および理事会に対して毎月報告される。かかる情報は、経営委員会および理事
会のリスク方針委員会に対して定期的に報告・説明される。
EIB のリスク許容度
EIB は、リスク許容度を定めており、事業戦略の追求によって生じるリスクに関して慎重な限度額を
設定している。限度額を設定するにあたり、 EIB は、 EIB のリスク特性を事業戦略および利害関係者の
期待に適合させるようにしている。さらに、 EIB の戦略の長期的な資本の持続可能性は、これらの限度
額との比較で評価および監視され、利用可能な資本が現在および大局的な事業目的および政策目的を
支えるために十分であることを確実にする。
EIB は公的金融機関として、リスクに対する投機的エクスポージャーにより収益を獲得することを目
指していない。その結果、それぞれに業績目標が定められていても、 EIB は財務活動や資金調達・提供
活動を利益の最大化を図る中心的業務とみなしていない。投資活動は、投資資本の保護という主目的
の範囲内で行われる。よって、 EIB の貸付業務や借入業務で生じるエクスポージャーに関しては、すべ
ての重要な市場リスクのヘッジを確保することが、 EIB の財務リスク管理方針の主要原則とされてい
る。
オペレーショナル・リスクや財務リスクを招く新しい種類の取引はすべて、新商品委員会の承認を
受けた上で改めて経営委員会の承認を取得することが義務付けられており、その承認を受けた限度枠
の範囲内で管理されている。
収益の持続可能性および自己資金力
EIB の資産負債管理方針は、 EIB の全体的な財務リスク管理で不可欠な部分を占めている。この方針
は、利益の安定性、自己資本の経済価値の保持、 EIB の長期成長資金の自力調達に関する、 EIB の主要
利害関係者の期待を反映した内容になっている。
これらの目標を達成するため、資産負債管理方針では、一段の収益安定と全体的なリターンの拡大
を目指して、自己資本投資に中・長期物価スライド方式を採用している。この物価スライドの方針
は、中・長期利回りに対するエクスポージャーを意味しており、金利の趨勢に関する短期的な見方に
左右されることはない。
EIB の自己資本の目標投資期間を 4.5 年から 5.5 年の間に設定することで、この方針は達成されてい
る。
資産負債委員会(「 ALCO 」)は、 EIB のALM 戦略、貸出金利設定原則および EIB の活動から生じる財務
リスクを検討するために上級経営陣による会議を開催する。
U.1. 信用リスク
信用リスクは主に EIB の貸付業務に関するものであるが、程度の差はあるものの、デリバティブ取引
ならびに負債証券、譲渡性預金、銀行間の定期預金等の財務商品に関するものも含まれている。デリ
バティブの使用に関する信用リスクについては、注 Vで分析する。
信用リスクは、統治機関の承認を受けた詳細な行内指針に沿って管理されている。こうした指針の
目的は、信用リスクの慎重な管理が確実に行われるようにする点にある。 EU加盟国業務と非 EU加盟国
業務ではリスク・プロファイルが異なる場合があり、 EU加盟国の活動と非 EU加盟国の活動には別々の
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指針が設けられている。ある事業体が EIB の貸付業務のカウンターパーティーとして認められるか否か
は、定量的および定性的指標を用いた当該事業体の注意深い分析および評価に基づくだけでなく、経
験および専門家の判断にも依拠して決定される。同指針は、貸付業務の債務者、保証人双方について
最低限の信用の質の水準を定めており、許容範囲内とみなされる担保種類も特定している。また、 EIB
の地位が十分に保護されるように、主要な法的条項や他の契約条件の点で貸付契約が満たしていなけ
ればならない最低基準も、細かく定めている。加えて、カウンターパーティー別と業種別に限度枠を
設けるシステムを通じて、これらの指針は、 EIB が保有する貸付金ポートフォリオの許容可能な分散の
実現を図っている。複雑な貸付取引または仕組貸付取引に含まれる追加的なリスクの十分な分析、計
量および軽減が確実になされるように、特定の種類の業務に関して具体的で詳細な指針が策定され、
これが一般指針を補完している。また同指針は、デリバティブ取引および財務取引の相手の信用の質
に関する最低限の基準、ならびに取引種類ごとの契約の枠組みも規定している。
信用リスク管理指針は、進化している業務環境を盛り込み、 EIB が受領する新たなマンデートに対応
できるよう、定期的に調整されている。
信用リスクの管理は、カウンターパーティーに関する信用リスクの水準およびカウンターパー
ティーの支払不能に備えて EIB に供された担保の水準の評価に基づいている。
いずれの時点においても、 EIB が供与する貸付金および保証の総額は、定款で定められたギアリング
比率(定款第 16.5 条)で制限されている。この比率を算出するために、 EIB は欧州連合会計指令
(「 AD」)の枠組みによるデータを使用している。 2019 年度末時点で、 EIB の定款で定められたギアリ
ング比率は、 EU会計指令準拠の単独財務書類に基づくと 204.5 %、 EU会計指令準拠の連結財務書類に基
づくと 208.9 %であった(定款第 16.5 条に基づく上限は 250 %)。
U.1.1. 貸付金
貸付金に関する信用リスクを測定・管理するために、 EIB は一般に認められた基準に基づいて、債務
者および適当な場合は提供された担保の質に応じて貸付業務の格付を行っている。
次の表は、未実行分も含め、 2019 年12月31日現在の貸付金ポートフォリオの債務者と保証人の構成
を分析したものである。
欧州連合域外への貸付金( EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラスト
(*)
ラクチャー・パッケージ保証 に基づくものを除く)は、最終的には、欧州連合予算や加盟国( ACP
諸国および OCT への貸付金の場合)の保証により担保されている。こうした保証は、包括型(すべての
リスクが対象)か、または定義された政治リスク(送金の停止、収用、戦争または市民暴動、契約違
反時の裁判拒否)に限定されているかのいずれかである。
(*) EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、総務会によって決定された地理別またはテーマ別の貸付フレームワークである。 EIB の自己の
リスク負担のファシリティ群に基づく貸付およびコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保
証は、 EIB の自己資金での取引であり、 EIB は全額の自己リスクまたは信用補完による残余リスクを負
担する。
以下の表は、自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッ
ケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて供与された欧州連合域内および域外のプロ
ジェクトに対する契約済貸付金を示している(単位:百万ユーロ)。
保証人 2019 年の 2018 年の
(1)
国 公共機関 銀行 企業
無保証
債務者
合計 合計
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有価証券報告書
国 0 0 0 0 57,489 57,489 57,688
公共機関 33,530 22,821 274 185 83,850 140,660 136,624
銀行 36,880 23,674 22,188 20,064 29,853 132,659 134,767
9,282 4,712 10,133 34,487 104,915 163,529 163,911
企業
(2)(3)(4)
79,692 51,207 32,595 54,736 276,107 494,337
2019 年の合計
(2)(3)(4)
79,597 49,260 35,375 59,134 269,624 492,990
2018 年の合計
(1) これらの金額には、債務者の支払能力自体が妥当な担保となっているため、債務者および貸付金自体以外の正式な
保証が不要な貸付金も含まれている。所定の事由が発生した場合には、適切な契約条項により、 EIB が独立した担保
を請求できる権利が確保されている。
(2) 2019 年12月31日現在のリスク・シェアリング業務(加盟国保証または政治リスク保証の形での EU予算により信用補
完されている)における貸付金は、 3,965 百万ユーロ( 2018 年: 4,528 百万ユーロ)であった。
(3) この金額に、契約済代替貸付金( 2019 年: 20,665 百万ユーロ、 2018 年: 20,725 百万ユーロ)は算入されていない。
(4) これらの金額は、現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連
合予算または加盟国により保証されているものを除いている。
EIB の優先債権者の地位および EIB 定款による保護は、満期時における EIB 資産の全額回収を保証する
と思われるため、 EIB は、期末現在の欧州連合加盟国ソブリン債および欧州連合加盟国ソブリン保証債
のエクスポージャーに関して、 2018 年においても、 2019 年においても、評価損益を計上しなかった。
保証を含む EIB の貸付業務を通じた英国に所在している債務者に対する実行済のエクスポージャー
は、 2019 年12月31日現在、 377 億ユーロ( 2018 年: 374 億ユーロ)であり、英国の保証人が存在する外
国の債務者に対する実行済のエクスポージャーは、 13億ユーロ( 2018 年13億ユーロ)であった。 2019
年12月31日および 2018 年12月31日のいずれの時点でも、 EIB は、英国を債務者とする直接的なエクス
ポージャーを有しておらず、また英国が保証する実行済の貸付金は、 2019 年12月31日現在で 22億ユー
ロ( 2018 年: 21億ユーロ)であった。
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欧州投資銀行(E06005)
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以下の表は、 EIB の自己のリスク負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・
パッケージ保証およびリスク・シェアリング業務に基づいて欧州連合域内外で供与された貸付金に係
るソブリン信用リスクに関する情報を開示している。
(単位:百万ユーロ )
2019 年 2018 年
保証人となって 保証人となって
債務者となっているもの 債務者となっているもの
いるもの いるもの
国名
実行済金額 未実行金額 契約済金額 実行済金額 未実行金額 契約済金額
オーストリア
0 0 39 0 0 45
ベルギー
0 0 75 0 0 90
ブルガリア
878 300 110 846 350 0
クロアチア
599 300 3,058 623 300 2,889
キプロス
931 242 1,423 915 239 1,440
チェコ共和国
1,515 453 16 1,679 0 43
デンマーク
0 0 244 0 0 45
エストニア
597 0 106 454 215 114
フィンランド
11 0 70 20 0 84
フランス
0 0 2,930 0 0 2,905
ドイツ
0 0 1,395 0 0 1,459
ギリシャ
7,640 769 7,978 7,714 414 7,571
ハンガリー
5,726 1,381 958 5,798 1,040 1,216
アイルランド
1,295 370 1,291 1,195 470 1,154
イタリア
2,957 1,100 4,543 3,108 1,150 3,075
ラトビア
345 400 30 349 200 38
リトアニア
1,529 0 53 1,289 300 54
ルクセンブルク
300 0 248 300 0 59
マルタ
0 72 319 0 72 285
オランダ
0 0 80 0 0 80
ポーランド
8,073 540 17,140 8,958 852 16,561
ポルトガル
1,229 400 4,129 1,264 400 4,520
ルーマニア
1,526 2,130 0 1,682 2,130 0
スロバキア
1,951 989 50 1,895 1,140 50
スロベニア
569 400 1,769 589 400 1,757
スペイン
5,506 400 24,302 4,873 1,200 26,159
スウェーデン
0 0 45 0 0 44
英国
0 0 2,174 0 0 2,068
(1)
非EU加盟国
1,525 2,541 5,117 1,379 1,886 5,792
合計
44,702 12,787 79,692 44,930 12,758 79,597
(1) うち、 1,419 百万ユーロは、欧州連合域内業務に係る欧州連合加盟国政府債の担保である( 2018 年: 1,560 百万ユー
ロ)。
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以下の表は、欧州連合域外のプロジェクトに対する契約済貸付金を示している( EIB の自己のリスク
負担のファシリティ群またはコトヌー・インフラストラクチャー・パッケージ保証に基づいて供与さ
れた物を除く)(単位:百万ユーロ)。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
以下による保証:
加盟国
4,267 4,064
(1)
欧州連合予算
44,966 43,508
(2)(3)
合計
49,233 47,572
(1) このうち 3,965 百万ユーロ( 2018 年: 4,528 百万ユーロ)は、上記で説明したリスク・シェアリング業務(加盟国保
証または政治リスク保証の形での EU予算により信用補完されている)による。
(2) 現在の欧州連合加盟国が欧州連合への加盟を認定される前に供与された貸付金であって、欧州連合予算または加盟
国により保証されている貸付金を含む。
(3) EIB が供与した総額 462.9 百万ユーロ( 2018 年: 454.1 百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算によっ
て保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
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欧州連合域外のプロジェクトに対する貸付金 (単位:百万ユーロ)
(新規加盟国で加盟以前に実行された貸付金を含む。)
契約済貸付金の保証形態別内訳
2019 年12月31日 2018 年12月31日
協定
加盟国による 75%グローバル保証
36 58
-ACP/OCT 第4次ロメ協定-第2次財務議定書
36 58
加盟国による 75%グローバル保証合計
加盟国による75%保証
-コトヌー・パートナーシップ協定
355 371
-第2次コトヌー・パートナーシップ協定
1,419 1,479
-コトヌー議定書3 -OR/ACP
2,396 2,138
61 18
-コトヌー議定書3 -OR/OCT
4,231 4,006
加盟国による 75%保証合計
4,267 4,064
加盟国による保証合計
欧州連合予算による 100 %保証
-ロシア- 100 百万・ 2001 年- 2005 年
22 25
-ロシア- 500 百万・ 2004 年- 2007 年 163 179
185 204
欧州連合予算による 100 %保証合計
欧州連合予算による 75%保証
14 28
-地中海議定書
14 28
欧州連合予算による 75%保証合計
欧州連合予算による 70%保証
-南アフリカ- 375 百万・ 1997 年1月 29日決定
20 22
-ALA II-900 百万
0 4
-ボスニア・ヘルツェゴビナ- 100 百万・ 1999 年/ 2001 年
25 32
-ユーロメッド( EIB )- 2,310 百万・ 1997 年1月 29日決定
36 56
-FYROM (マケドニア旧ユーゴスラビア共和国)- 150 百万・
1998 年/ 2000 年 16 19
-CEEC -3,520 百万- 1997 年1月 29日決定 167 223
264 356
欧州連合予算による 70%保証合計
欧州連合予算による 65%保証
-南アフリカ- 825 百万・ 2000 年7月- 2007 年7月
125 132
-南アフリカ- 2007 年2月- 2013 年12月決定
396 415
-ALA III -2,480 百万・ 2000 年2月- 2007 年7月
139 187
-ALA デシジョン- 2007 年2月- 2013 年12月
1,929 2,140
-ユーロメッド II-6,520 百万・ 2000 年2月- 2007 年1月
1,541 1,936
-南東近隣諸国- 9,185 百万・ 2000 年2月- 2007 年7月
3,172 3,548
-トルコ・スペシャル・アクション- 450 百万・ 2001 年- 2006
年 111 116
-トルコ- TERRA -600 百万・ 1999 年11月- 2002 年11月
282 300
-PEV EE/CAS/RUS 2007 年2月1日- 2013 年12月31日
2,096 2,291
-PEV MED 2007 年2月1日- 2013 年12月31日
6,347 6,847
-加盟候補国- 8,700 百万・ 2007 年- 2013 年
6,123 6,918
-気候変動マンデート・ 2011 年- 2013 年
1,210 1,353
-ELM アジア 2014 年- 2020 年
1,046 837
-ELM 中央アジア 2014 年- 2020 年
224 182
-ELM 東ロシア 2014 年- 2020 年
5,853 4,659
-ELM ラテンアメリカ諸国 2014 年- 2020 年
2,192 1,550
-ELM MED2014 年- 2020 年
5,847 5,818
-ELM 加盟候補国 2014 年- 2020 年
3,219 2,994
-ELM RSA 2014 年-2020 年
373 272
-ELM ERI 民間マンデート
1,077 325
1,201 100
-ELM ERI 公共機関マンデート
44,503 42,920
欧州連合予算による 65%保証合計
44,966 43,508
欧州連合予算による保証合計
(1)
49,233 47,572
合計
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(1) EIB が供与した総額 462.9 百万ユーロ( 2018 年: 454.1 百万ユーロ)の金融保証は、加盟国または欧州連合予算によっ
て保証されている。上記の保証は上記の表に示されている内訳には含まれていない。
貸付金に付する担保 (単位:百万ユーロ)
その他の信用リスク軽減手段の中のひとつとして、 EIB は、金融有価証券に質権を設定する手法を使
用している。これらの質権は、関連する法域で執行可能な質権設定契約によって設定される。質権設
定契約により受け取った担保のポートフォリオは 20,110 百万ユーロ( 2018 年: 22,969 百万ユーロ)で
あり、その内訳は以下の通りである。
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2019 年12月31日現在
債券
担保付債券
同等の ムーディーズ 格付
現金 合計
国際 政府 銀行債 資産担保
政府債 (カバード・
機関債 機関債 および社債 証券
ボンド)
Aaa 450 5 1 136 303 0 0 895
Aa1 から Aa3 1,180 83 30 891 206 0 0 2,390
A1 81 0 0 1,121 51 0 0 1,253
A1未満 11,683 0 385 1,351 973 0 0 14,392
40 0 0 0 757 0 383 1,180
格付なし
13,434 88 416 3,499 2,290 0 383 20,110
合計
貸付金融担保(単位:百万ユーロ)
2018 年12月31日現在
債券
担保付債券
同等のムーディーズ格付
現金 合計
国際 政府 銀行債 資産担保
政府債 (カバード・
機関債 機関債 および社債 証券
ボンド)
Aaa 18 33 5 181 117 361 0 715
Aa1 から Aa3 1,225 89 4 962 164 0 0 2,444
A1 124 0 0 2,729 118 0 0 2,971
A1未満 14,476 0 412 32 824 0 0 15,744
38 0 0 0 732 0 325 1,095
格付なし
15,881 122 421 3,904 1,955 361 325 22,969
合計
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有価証券報告書
12月31日現在の実行済貸付残高の債務者の契約業種別明細(単位:百万ユーロ)は以下のとおりで
ある。
2019 年 2018 年
業種
運輸
128,786 131,009
(1)
グローバル・ローン
81,406 85,661
エネルギー
64,540 65,820
医療・教育
34,512 33,087
その他インフラ
29,425 28,505
上下水道施設
28,986 28,393
工業
26,501 26,477
サービス
17,491 16,413
電気通信
11,750 11,462
農業・漁業・林業
3,660 3,639
(2)
合計
427,057 430,466
(1) グローバル・ローンとは、金融仲介機関または銀行に提供する融資枠で、その後にそれらの機関または銀行が、自
らリスクを負担してその資金を官民が請け負う中小規模のプロジェクトに転貸するというものである。
(2) この金額に、実行済代替貸付金( 2019 年: 20,490 百万ユーロ、 2018 年: 20,445 百万ユーロ)は算入されていない。
貸付金に係る延滞
延滞額の特定、監視、報告は、全行的な「財務的監視ガイドラインおよび手続き」に定義される手
続きに従って行われている。これらの延滞のフォローアップに関する手続きは、 EIB が管理しているす
べての貸付金に一貫して適用されている。
1.欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されていない貸付金の延滞:
2019 年12月31日現在、自己資金源からの貸付金で 90日を超える延滞が生じ、欧州連合または加盟国
の包括保証により担保されていないものは、 146.0 百万ユーロ( 2018 年: 176.4 百万ユーロ)である。
2019 年12月31日現在のこれらの延滞が生じている貸付金に関連する元本金額は、 200.0 百万ユーロ
(2018 年: 214.5 百万ユーロ)である。これらの延滞が生じている貸付金は、貸倒引当金 164.9 百万
ユーロ( 2018 年: 177.6 百万ユーロ)によりカバーされている。
2a. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証(請求可能)により担保されている貸付金
の延滞:
このような貸付金については、期限が経過した場合に、可能であればまず第一次保証の履行の請求
が行われ、それ以外の場合は加盟国または欧州連合による保証の履行が正式に請求される。
2019 年12月31日現在、こうした 90日超の延滞が生じている額は 2.3 百万ユーロ( 2018 年: 2.3 百万
ユーロ)であった。
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2b. 欧州連合または加盟国によるグローバル/包括保証により担保されている貸付金の延滞につい
ての保証請求:
2019 年中、 54.8 百万ユーロの欧州連合による保証の履行の請求が行われ、加盟国保証の履行の請求
はなかった。 2018 年における対応する金額は、それぞれ 134.0 百万ユーロおよびゼロであった。
2019 年中、以前に欧州連合または加盟国による保証に基づく請求が行われた金額のうち、 0.1 百万
ユーロが返金された。 2018 年における対応する金額は、 4.9 百万ユーロであった。
貸付金の再交渉と支払猶予
EIB は、支払猶予措置がとられた貸付金を、支払猶予貸付金(すなわち、貸付金、負債証券および
ローン・コミットメント)とみなしている。支払猶予措置は EIB の「譲歩」によるもので、財務困難に
より契約上の債務返済条項を遵守できないとみなされる債務者に対して、債務返済または契約の全部
もしくは一部の借換えができるようにするために、 EIB が決定するものである。エクスポージャーは、
(i) 延滞の有無、 (ii) 当該エクスポージャーが減損に分類されているか否か、または (iii) 当該エクス
ポージャーが債務不履行に分類されているか否かに関わらず、譲歩が行われた場合には支払猶予とし
て取り扱う。債務者が財務困難に陥っていない場合には、当該エクスポージャーは支払猶予として取
り扱わない。
通常の事業の過程においては、再交渉の前に問題が生じている貸付金の貸付金格付( LG)は低下し
ており、貸付金は要注意リストに入れられている。再交渉された場合、 EIB は、当該貸付金を厳格に監
視し続けることとなる。再交渉による支払条件では当初の簿価が回収できない場合、 EIB は損益計算書
に評価調整額を計上することを検討する。 LGが「 E-」まで低下した貸付金はすべて、定期的に評価損
計上の必要性が検討され、 LGが「 F」の貸付金は、すべて評価損計上の対象とされる。貸付金格付が十
分に回復した場合には、 EIB の手続きに沿って、当該貸付金はその段階で要注意リストから除かれる。
EIB の再編チームが報告期間中に着手した支払猶予措置および手続きには、返済期限の延期、元本返
済のみの繰延、元利返済の繰延、重大な財務制限条項の破棄および延滞金の元本算入が含まれるが、
これらに限定されるわけではない。
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支払猶予措置の対象である貸付金は、以下の表のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
(単位:百万ユーロ )
支払猶予措置の対象となった契約件数 74 61
帳簿価額(金利および延滞金額を含む) 3,570 3,030
うち評価調整の対象となった貸付金 1,218 1,008
認識された評価損益 379 393
支払猶予された契約に係る受取利息 119 95
償却されたエクスポージャー
(取引終了/貸付金売却後) 28 66
支払猶予措置
契約上の
重大な財務
2018 年 2019 年
返済期限の 元本および
返済および
(単位:百万ユーロ )
制限条項の その他
12月31日 延期 利息の繰延 12月31日
(1)
破棄
契約終了
公共機関 957 0 0 10 133 -89 1,011
銀行 139 0 0 179 10 -20 308
1,934 10 36 455 113 -297 2,251
企業
3,030 10 36 644 256 -406 3,570
合計
(1) 減少は、 2018 年12月31日現在で支払猶予貸付金とみなされていた取引に関して当年度中に発生した元本、利息およ
び延滞金額の返済ならびに償却、ならびに当期中の契約終了による。
U.1.2. 財務ポートフォリオ
財務ポートフォリオ(有価証券、コマーシャル・ペーパー、定期預金等)関連の信用リスクは、健
全なカウンターパーティーおよび発行体を選択することにより管理されている。
有価証券ポートフォリオの構成および財務商品残高に適用される限度枠は、経営陣が設定してい
る。この限度枠は、リスク管理部門により定期的に見直しが行われる。
EIB は、取引のカウンターパーティーが契約債務を履行できなかった場合に信用リスクにさらされる
可能性のある有担保リバース・リパーチェスおよびリパーチェス契約取引を行っている。 EIB は、カウ
ンターパーティーの信用リスクおよび担保の価値を日次でモニターし、必要とみなされる場合には、
EIB に追加担保を差し入れるよう要求することで、これらの業務に関連した信用リスクを統制してい
る。
三者間レポおよびリバース・レポ取引は、第三者保管機関と共同で行われる。第三者保管機関は、
枠組み契約に従って特に以下に関する契約条件の遵守を保証する。
- 支払引替渡し
- 担保の検証
- 貸手が要求する担保マージン。これは常に充分かつ充当可能であることが必要であり、保管機
関は、当該有価証券の時価を日々検証しなければならない。
- 契約要件をすべて満たす代替担保の組成
以下の表は、財務ポートフォリオの有価証券および短期金融市場商品(預金およびリバース・レ
ポ)に係る信用リスク構成比を、カウンターパーティーおよび発行体の信用格付別に示したものであ
る。
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有価証券ポートフォリオ 短期金融市場商品
同等のムーディーズ格付
(単位:%) (単位:%)
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
Aaa 10 7 12 40
Aa1 から Aa3 37 29 34 22
A1から A3 50 54 54 36
3 10 0 2
A3未満
100 100 100 100
合計
財務取引に供する担保
受取担保
財務取引には、 24,622 百万ユーロ( 2018 年: 10,023 百万ユーロ)の二者間および三者間リバース・
リパーチェス契約が含まれており、 EIB はこのうち 18,008 百万ユーロ( 2018 年: 8,482 百万ユーロ)に
ついて財務担保、 6,614 百万ユーロ( 2018 年: 1,541 百万ユーロ)についてコモディティを受領してい
る。二者間および三者間リパーチェス契約は、 2019 年12月31日現在 1,183 百万ユーロ( 2018 年:ゼロ)
であった。この残高は全額について担保が供されており、原契約に従い、その後に追加担保の請求ま
たは担保の返還が行われる。財務担保ポートフォリオの時価は、 2019 年12月31日現在、 18,544 百万
ユーロ( 2018 年: 8,786 百万ユーロ)であり、以下のように分類される。
リバース・リパーチェス契約財務担保 (単位:百万ユーロ)
債券
2019 年12月31日現在
担保付債券
合計
政府機関債
銀行債および
同等のムーディーズ格付
政府債 国際機関債 (カバード・ 資産担保証券
(*)
社債
ボンド)
Aaa 995 136 267 5,879 1,851 417 9,545
Aa1 から Aa3 573 100 277 226 877 0 2,053
A1 419 0 44 0 329 0 792
A1未満 5,029 0 4 36 913 0 5,982
53 0 14 0 105 0 172
格付なし
7,069 236 606 6,141 4,075 417 18,544
合計
(*) 2019 年から開始された新しい担保債券のカテゴリー。
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リバース・リパーチェス契約財務担保(単位:百万ユーロ)
2018 年12月31日現在 債券
担保付債券
合計
銀行債および
同等のムーディーズ格付
政府債 国際機関債 (カバード・ 資産担保証券
社債
ボンド)
Aaa 310 118 3,596 226 587 4,837
Aa1 から Aa3 561 170 0 368 0 1,099
A1 127 0 0 294 0 421
1,844 0 0 585 0 2,429
A1未満
2,842 288 3,596 1,473 587 8,786
合計
預託有価証券
ユーロ制度の通貨政策の運用との関連で、 EIB は、 2019 年12月31日現在、時価 31億ユーロの有価証券
をルクセンブルク中央銀行に預託している( 2018 年: 31億ユーロ)。
二者間および三者間リパーチェス契約の下で差し入れられている担保(ルクセンブルク中央銀行へ
の差入れを除く)の時価は、 2019 年12月31日現在、 1,182 百万ユーロ( 2018 年:ゼロ)であった。
U.1.3. 第三者が供与した貸付金に関して EIB が付与した保証
自己資金を原資とする EIB の保証取引および証券化取引から生じる信用リスクは、統治機関の承認を
受けた詳細な行内指針に従って管理されている。
2019 年末現在、 EIB により保証された契約済エクスポージャーは 100 億ユーロ( 2018 年: 99億ユー
ロ)であり、このうち 51億ユーロ( 2018 年: 39億ユーロ)は保証された実行済貸付金に係るエクス
ポージャーで、その保証引当金は 8.1 百万ユーロ( 2018 年: 17.1 百万ユーロ)であった。
統治機関の承認を受けた行内指針により、 EIB が、商品範囲、対象地域、カウンターパーティー別の
エクスポージャー、債務者別のエクスポージャー、業種別の集中度という点で分散している保証ポー
トフォリオを引き続き展開するよう徹底されている他、エクスポージャーの格付に基づく資本配分規
則も規定されている。
EIB の取引が細分化していることから、集中リスクは限定的である。通常、組入れているポートフォ
リオは、単一の債務者への集中度、業種セクター、地域の多様化という点において高度に分散化して
いる。集中リスクに対処するため、 EIB は(資本配分に基づき)取引ごとに原債権者レベルで厳格な限
度額(原債権者および原債権者銀行に対するエクスポージャー合計の上限)を設けている。
EIB の保証業務においては、当初から案件ごとに信用リスクを追跡管理する一方、組入れられている
ポートフォリオのグラニュラリティ(分散度)や同質度に応じて、異なるモデル分析法を採用してい
る。業種セクター別エクスポージャーは、 EIB が各取引または各トランシェに付与した格付に及ぼす影
響を通じて、案件ごとに分析される。例えば、取引分析用の財務モデルによって、業種別エクスポー
ジャーは黙示的な相関として反映され、あるいはモデルに入力する主要変数としてのデフォルト率の
変動性の仮定を通して間接的に捕捉することができる。
さらに、ポートフォリオ内で集中度が高い業種セクターの現状や予想等の定性指標を用いて、それ
ぞれの案件ごとに集中度に対するエクスポージャーを分析している。例外的に、一部の案件では、同
一の(広義の)業種セクターにエクスポージャーが集中している。その場合は、通常、 EIB に有益な信
用補完の強化(優先劣後構造設定等)によって対処する。信用補完という特性を有する案件は、通
常、単一の債務者に対するエクスポージャーの上限、債務者上位5者に対する合計エクスポージャー
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の上限、業種別集中度の上限等、ポートフォリオ基準を設けている。 EIB 全体のポートフォリオ分析の
一環として、業種セクター別のエクスポージャーも検討している。
カウンターパーティー・リスクに関しては、 EIB のカウンターパーティー(通常は主要市場参加者)
の質に注意を払うことによって、リスクを軽減している。残存期間中の手続きやプロセスの遵守状況
を確認するため、監視目的の現地調査を別途行っている。また極端な場合の仮定を含めた保証ポート
フォリオ・ストレステストのシナリオで定期的にテストを実施し、悪影響に耐えうる資本基盤である
かを判定している。
U.2. 金利リスク
金利リスクとは、市場利回りや金利の期間構造の不利な動きによる、 EIB のポジションの経済価値ま
たは同ポジションによる収益の予想変動率(ボラティリティ)を指す。異なる資産、負債、ヘッジ商
品の間で金利更改特性や満期特性に差異があると、金利リスク・エクスポージャーが生じる。
金利リスクの測定および管理にあたり、 EIB はバーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)および欧州銀行
監督機構(「 EBA 」)の関連する主要原則を参考にしている。金利リスクの主要な源泉は、ギャップリ
スク、ベーシスリスクおよびオプションリスクである。 EIB に特に関係がある金利リスクはギャップリ
スクである。ギャップリスクとは、 EIB の金利感応商品の金利変動のタイミングの差異による、当該の
金利感応商品の期間構造の経済価値または同商品からの収益の予想変動率(ボラティリティ)を指
す。
EIB は、概念上の参考ポートフォリオに基づいて、グローバルの構造的金利ポジションを管理してい
る。
U.2.1. 自己資金の経済価値に対する金利リスク
EIB のALM 戦略は、 EIB の経済価値のボラティリティを抑制しながら、バランスが良く持続可能な収益
特性を維持することを目指している。また、 EIB 成長資金の自力調達という目標を踏まえて、こうした
収益特性に明確な選好が定められている。かかる全体目標は、中長期投資特性に沿った EIB の自己資金
投資によって達成されており、これは 4.5 ~5.5 年の範囲の自己資金の目標投資期間を意味する。
自己資金の期間目標とは別に、 EIB の貸借対照表上、通貨および金利特性に応じた資金調達が図られ
るべきだとされている。しかしながら、運用上の理由から、若干の逸脱は認められている。このよう
な若干の逸脱が残ることによって生じる残余ポジション純額は、市場リスクを最低限の水準に維持す
るべく、既定の限度枠内に収めて管理されている。
(1)
EIB は、 EBA の標準化されたショックシナリオ に基づいて定期的なストレステストを実施してい
る。 2019 年12月31日現在、金利カーブに対する EBA の上方平行移動ショックの影響は、自己資金の経済
(2)
価値を 79.8 億ユーロ( 2018 年: 77.5 億ユーロ) 減少させる。
(1) EBA/GL/2018/02.
(2) ストレステストは、保険数理プロバイダーの計算による年金債務( DBO )を含む、すべてのリスク感
応度の高い銀行勘定商品について実施されている。
EIB のポートフォリオに組入れられている金融商品のうち、一部の取引(借入れおよび関連するス
ワップ)には償還オプションが規定されており、満期前に償還される場合があるため、最終満期日に
ついては不確実性が組み込まれている。
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キャッシュ・フロー・レベルでは、こうした借入金はすべてスワップで十分にヘッジされているた
め、 Libor または Euribor に連動する合成変動利付債とみなすことができる。
以下は、 2019 年12月31日現在および 2018 年12月31日現在の EIB の任意償還条項付ポートフォリオの特
性をまとめ、想定元本合計、平均の契約上の満期日、平均予想償還日(双方とも、当該取引の想定元
本で加重)を資金調達通貨別と関係する主要リスク・パラメーター別に表示したものである。
資金調達通貨別(スワップの影響考慮後):
2019 年12月31日
(*)
ユーロ 英ポンド 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -2,263 -59 -2,360 -4,682
平均満期日 2046 年10月21日 2022 年6月 20日 2037 年8月4日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2028 年8月 25日 2021 年1月8日 2024 年10月6日 2026 年8月6日
(*) 2019 年に日本円はゼロであった。
2018 年12月31日
(*)
ユーロ 日本円 米ドル 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -2,645 -23 -2,660 -5,328
平均満期日 2043 年8月6日 2032 年2月9日 2038 年2月5日 2040 年10月20日
平均予想償還日 2028 年4月 15日 2030 年11月26日 2027 年7月 30日 2027 年12月11日
(*) 2018 年に英ポンドはゼロであった。
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関係するリスク・パラメーター別:
2019 年12月31日 リスク・パラメーター
為替レートの 金利カーブの 金利カーブの
水準 水準 勾配 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -533 -4,088 -61 -4,682
平均満期日 2037 年5月 21日 2042 年8月 10日 2030 年9月 16日 2041 年11月8日
平均予想償還日 2027 年2月 20日 2026 年8月 12日 2020 年9月 16日 2026 年8月6日
2018 年12月31日 リスク・パラメーター
為替レートの 金利カーブの 金利カーブの
水準 水準 勾配 合計
(単位:百万ユーロ )
ユーロ建想定元本 -651 -4,538 -139 -5,328
平均満期日 2037 年11月1日 2041 年7月 15日 2030 年9月 16日 2040 年10月20日
平均予想償還日 2027 年11月9日 2028 年3月5日 2020 年10月4日 2027 年12月11日
U.2.2. 金利リスク管理(利益面)
利益の感応度は、金利カーブ全体が1パーセンテージ・ポイント上昇した場合、あるいは低下した
場合の向こう 12ヵ月間で変動しうる正味受取利息の金額を定量化する。このようなエクスポージャー
は、承認を受けた限度枠内で EIB が容認する、資産と負債の間の金利更改期間、金額または利率の不一
致により生じる。
2019 年12月31日現在のポジションでは、金利が 100 ベーシス・ポイント上昇すると、利益が 75.1 百万
ユーロ( 2018 年: 121.6 百万ユーロ)増加し、金利が 100 ベーシス・ポイント低下すると、利益が 81.0
百万ユーロ( 2018 年: 117 百万ユーロ)減少する計算である。
EIB は、案件ごとに利益のシミュレーションを実行する専用のソフトウェアで感応度指標を計算して
いる。利益の感応度は発生主義で測定され、分析対象期間にわたり、 EIB は業務計画の中で予想されて
いる新規貸付業務を実現し、承認を受けた限度枠内にエクスポージャーを維持し、資金不足の補充ま
たは余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引を執行するという「現行」の仮定に基づいて算出
される。利益に関して適時に行われる月次のシミュレーションは、固定利付項目の場合には、すべて
契約で定められた利率が維持され、変動利付項目の場合には、すべて、シミュレーションで適用され
た金利シナリオに応じて金利が更改されるという仮定に基づいて実施されている。資金不足の補充ま
たは余剰現金の投資を目的とする短期金融市場取引の利率は、シミュレーションで適用された金利シ
ナリオに応じた短期金融市場の実勢利率に等しいとされる。 EIB の現行実務に従い、モデルでは、シ
ミュレーション上の利益は株主には配分されず、 EIB 業務の資金補充に当てられると仮定している。管
理費は、業務計画の予想に応じて見積られる。
U.3. 流動性および資金調達リスク
流動性リスクは、資産の増加に対応して資金を調達し、期限の到来した債務を弁済することを、受
入不能な損失を負担することなしに行う EIB の能力に関するリスクである。それは、さらに資金流動性
リスクと市場流動性リスクに分けることができる。
資金流動性リスクとは、貸借対照表の資産を支え、容易に利用できる流動リソースから期限どおり
に債務を全額返済することができなくなるリスクに関するものである。資金流動性リスクは、支払義
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務の履行に関する差し迫ったリスクおよびそれに伴う不利な条件での借入を増加させうるため、 EIB の
ポジションの経済価値あるいは EIB のポジションから生み出される収益の変動性に影響を与える可能性
がある。
市場流動性リスクとは、ポジション残高を相殺、解消、または削減するための取引を合理的な市場
価格で執行できないかもしれないという理由で、 EIB のポジションの経済価値の変動、または同ポジ
ションによる収益の変動が激しくなることを指す。取引を執行できないことにより、清算を避けた方
が良いと思われる場合でも好ましくない価格で早い段階に当該資産を清算せざるを得なくなるおそれ
がある。このリスクは、取引される証券の流動性と比較したポジションの規模、ならびに市場のアベ
イラビリティおよび効率性の悪化と密接に関係している。
EIB の中核業務活動を妥当なコストで正常に機能させるため、流動性リスクの管理が行われている。
流動性リスク管理方針の主な目的は、 EIB が常に期限内に支払債務を満額履行できることの確保にあ
る。商業銀行とは対照的に、 EIB は個人預金を保有しておらず、顧客に貸し付ける資金の調達を資本市
場に依存している。
EIB は慎重に流動性バッファーを維持するため、新規発行予定を管理している。流動性維持計画で
は、 EIB の債務返済上のニーズ、貸付金の実行、および貸付金ポートフォリオからのキャッシュ・イン
フローを考慮している。また、流動性維持計画では、一般的に債務者の要請に応じて実行される多額
の契約済未実行貸付金も考慮している。
EIB は、短期流動資産を十分な水準に保つこと、および資金需要予測に応じて自行の募集有価証券の
償還日を分散することによって、流動性リスクの管理を一層確実にしている。流動性リスク管理方針
には、資金水準の下限も盛り込まれている。 EIB の全体的な流動性比率(翌 12ヵ月間の見積ネット・
キャッシュ・フローに対する比率としての流動性)は、常に 25%を上回っていることが義務付けられ
ている。
EIB は非常時資金調達計画( CFP )を定めており、そこでは適切な意思決定手続とそれに対応する責
任分担が定められている。 CFP は定期的にバーゼル銀行監督委員会の原則およびその他の適切なベス
ト・プラクティスを基準にテストおよび評価されている。 CFP は理事会によって毎年承認される。
EIB の特定の事業モデルに合わせて策定された定期的なストレス・テスト分析は、流動性リスク・モ
ニタリングの一環として実施される。
2009 年7月8日にユーロ・システムの金融政策オペレーションにおける適格カウンターパーティー
となったことから、 EIB も欧州中央銀行の金融政策オペレーションに参加できることとなった。 EIB
は、最低預金準備率を充足するために預け金を置いているルクセンブルク中央銀行を通じて金融政策
オペレーションを実施する。
EIB は日次で流動性カバレッジ比率(「 LCR 」)を欧州連合 CRR 要件に沿って、機能通貨(ユーロ)だ
けでなく、他の重要な通貨についても計算している。 EIB は、過度の通貨のミスマッチを防止するため
に、流動性資産の通貨と正味流動性の流出の通貨の整合性を継続的にとることを確実にしている。
2019 年末現在、流動性カバレッジ比率は 483.4 %( 2018 年末は 182.4 %)であった。
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以下の表は、貸借対照表日から契約上の満期日までの残存期間別に EIB の資産および負債を示してい
る。契約によって定められた満期日のない資産および負債は、「満期日未確定」に区分されている。
流動性リスク(単位:百万ユーロ)
3ヵ月超 1年超 満期日 2019 年の
2019 年12月31日時点におけ
3ヵ月以内 5年超
る満期
1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証券
およびその他短期証券 7,048 8,936 10,794 6,590 0 33,368
その他の貸付金および
預け金:
-当座預金
362 0 0 0 0 362
-金融機関
47,014 6,782 0 0 0 53,796
-対顧客 965 0 0 0 0 965
48,341 6,782 0 0 0 55,123
貸付金:
-金融機関
3,341 12,123 53,880 40,413 3 109,760
-対顧客 5,393 20,108 101,149 190,294 45 316,989
8,734 32,231 155,029 230,707 48 426,749
確定利付証券を含む
負債証券 4,513 2,384 2,209 2,918 0 12,024
株式、その他の変動利回
証券および参加持分 0 0 0 0 7,711 7,711
関係会社株式 0 0 0 0 805 805
1,092 1,436 4,290 1,657 8,359 16,834
その他の資産
70,675 51,769 172,322 241,872 16,923 553,561
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,473 0 0 0 0 7,473
顧客に対する債務 1,611 0 0 0 0 1,611
債務証書借入 31,215 49,549 207,844 160,714 0 449,322
資本金、準備金および利益 0 0 0 0 73,689 73,689
566 2,425 3,392 1,561 13,522 21,466
その他の負債
40,865 51,974 211,236 162,275 87,211 553,561
負債合計
借入金および関連するスワップの一部は、投資家あるいはヘッジ・スワップの契約相手に期限前解
約条項もしくはコール・オプションを認めており、 EIB にも関連債券を期限前償還する権利を与えてい
る。 EIB が債券に係るすべてのコール・オプションを契約で定められた次回権利行使日に行使した場
合、 2020 年から 2022 年の期限前償還累計額は 31億ユーロとなる。
3ヵ月超 1年超 満期日 2018 年の
2018 年12月31日時点におけ
3ヵ月以内 5年超
る満期 1年以内 5年以内 未確定 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 142 0 0 0 0 142
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中央銀行担保適格国庫証券
およびその他短期証券 6,556 7,908 11,401 6,806 0 32,671
その他の貸付金および
預け金:
-当座預金
709 0 0 0 0 709
-金融機関
47,332 3,971 0 0 0 51,303
-対顧客 405 48 0 0 0 453
48,446 4,019 0 0 0 52,465
貸付金:
-金融機関
3,088 11,580 56,593 44,351 10 115,622
-対顧客 4,374 19,126 98,497 192,468 59 314,524
7,462 30,706 155,090 236,819 69 430,146
確定利付証券を含む
負債証券 5,560 4,896 3,281 2,218 0 15,955
株式、その他の変動利回
証券および参加持分 0 0 0 0 6,122 6,122
関係会社株式 0 0 0 0 807 807
1,067 770 4,280 2,747 8,621 17,485
その他の資産
69,233 48,299 174,052 248,590 15,619 555,793
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 4,216 0 0 0 0 4,216
顧客に対する債務 1,802 0 0 0 0 1,802
債務証書借入 34,308 36,857 209,204 175,015 0 455,384
資本金、準備金および利益 0 0 0 0 71,325 71,325
1,046 1,741 5,313 1,703 13,263 23,066
その他の負債
41,372 38,598 214,517 176,718 84,588 555,793
負債合計
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U.4. 為替リスク
為替(「 FX」)リスクは、為替レートの不利な変動が原因で、 EIB のポジションの経済価値の変動、
または同ポジションによる収益の変動が激しくなることを指す。資産、負債およびヘッジ手段の間で
通貨のミスマッチがある場合に、 EIB は為替リスクにさらされる。
EIB は定款を遵守して、貸付業務を遂行するため、または EIB が供与する貸付金もしくは保証から発
生するコミットメントを履行するために、直接必要でない為替業務には従事しない。
EIB の資産・負債構造における通貨のミスマッチは、厳しい限度額内に維持されている。
ユーロ以外の通貨で発生する金利マージンに内在する為替リスクは、通常ヘッジされている。ヘッ
ジ・プログラムは、今後3年間の米ドルおよび英ポンド建ての貸付金の金利マージンにローリング・
ベースで対応している。
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の 2019 年の
2019 年12月31日現在の通 ユーロ以外
ユーロ 英ポンド 米ドル
貨 の通貨合計
通貨 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 947 0 0 0 0 947
中央銀行担保適格国庫証
券およびその他短期証券 25,761 3,227 4,380 0 7,607 33,368
その他の貸付金および
預け金:
-当座預金
246 30 7 79 116 362
-金融機関
37,257 2,606 5,134 8,799 16,539 53,796
-対顧客 375 0 0 590 590 965
37,878 2,636 5,141 9,468 17,245 55,123
貸付金:
-金融機関
87,631 1,972 12,979 7,178 22,129 109,760
-対顧客 251,875 35,218 9,430 20,466 65,114 316,989
339,506 37,190 22,409 27,644 87,243 426,749
確定利付証券を含む
負債証券 4,501 253 1,726 5,544 7,523 12,024
株式、その他の変動利付
証券および参加持分 6,008 864 586 253 1,703 7,711
関係会社株式 805 0 0 0 0 805
13,120 1,373 1,316 1,025 3,714 16,834
その他の資産
428,526 45,543 35,558 43,934 125,035 553,561
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 7,355 0 118 0 118 7,473
顧客に対する債務 1,475 2 58 76 136 1,611
債務証書借入:
-負債証券
233,518 45,599 111,047 45,520 202,166 435,684
8,725 15 838 4,060 4,913 13,638
-その他
242,243 45,614 111,885 49,580 207,079 449,322
資本金、準備金および
利益 73,689 0 0 0 0 73,689
17,006 1,912 1,362 1,186 4,460 21,466
その他の負債
341,768 47,528 113,423 50,842 211,793 553,561
負債合計
オフ・バランスシートの
-86,769 2,006 77,838 6,925 86,769
通貨スワップ
-11 21 -27 17 11
ポジション(純額)
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為替ポジション(単位:百万ユーロ)
その他の 2018 年の
2018 年12月31日現在の通 ユーロ以外
ユーロ 英ポンド 米ドル
貨 の通貨合計
通貨 合計
資産:
現金、中央銀行および
郵便局預け金 142 0 0 0 0 142
中央銀行担保適格国庫証
券およびその他短期証券 27,752 2,478 2,416 25 4,919 32,671
その他の貸付金および
預け金:
-当座預金
629 41 6 33 80 709
-金融機関
38,173 616 5,230 7,284 13,130 51,303
-対顧客 409 0 0 44 44 453
39,211 657 5,236 7,361 13,254 52,465
貸付金:
-金融機関
93,859 2,024 12,174 7,565 21,763 115,622
-対顧客 250,342 35,263 9,269 19,650 64,182 314,524
344,201 37,287 21,443 27,215 85,945 430,146
確定利付証券を含む
負債証券 3,800 1,966 2,771 7,418 12,155 15,955
株式、その他の変動利付
証券および参加持分 4,786 712 421 203 1,336 6,122
関係会社株式 807 0 0 0 0 807
16,530 365 337 253 955 17,485
その他の資産
437,229 43,465 32,624 42,475 118,564 555,793
資産合計
負債:
金融機関に対する債務 3,877 1 251 87 339 4,216
顧客に対する債務 1,671 4 70 57 131 1,802
債務証書借入:
-負債証券
234,328 45,409 117,355 44,611 207,375 441,703
-その他 7,974 106 1,027 4,574 5,707 13,681
242,302 45,515 118,382 49,185 213,082 455,384
資本金、準備金および
利益 71,325 0 0 0 0 71,325
21,407 890 362 407 1,659 23,066
その他の負債
340,582 46,410 119,065 49,736 215,211 555,793
負債合計
オフ・バランスシートの
-96,633 2,937 86,426 7,270 96,633
通貨スワップ
14 -8 -15 9 -14
ポジション(純額)
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U.5. オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、不適切もしくは機能不全のプロセスもしくはシステム、人的要因か
ら発生する、または市場関連でも信用関連でもない外部事象による損失リスクで、法務リスクを含む
が、戦略リスクおよび風評リスクは除かれる。
オペレーショナル・リスクは EIB の活動に内在しており、人的要因、不適切な従業員の行動、サイ
バーおよびテクノロジー関連事象、不適切もしくは機能不全のプロセス、事業の中断もしくは保全措
置、情報システムの障害、第三者外部委託での障害または不正行為を含む様々な態様で現れる可能性
がある。オペレーショナル・リスクを EIB の財務強度、事業の性格および業務を遂行する市場の観点か
ら最低水準に維持することが目標となる。
リスク管理および内部統制のオペレーショナル・リスク部門(「 OPR 」)、ならび財務統制における
アサーション部門が、オペレーショナル・リスクの枠組みおよび関連する方針を決定する責任を有
し、その枠組みの実施責任は EIB の部署が担う。バーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)が勧告するベス
ト・バンキング・プラクティス(「 BBP 」)の枠組みの主要な要素は、リスクの特定、評価、監視なら
びにリスクの統制および軽減である。
EIB では、スコアカードにまとめられた一連のオペレーショナル・リスク指標を通じて、内部損害履
歴、シナリオ分析ならびに事業・統制環境等、入手可能なあらゆる情報を考慮する評価方法を採用し
ている。特に、オペレーショナル・リスクは、オペレーショナル・リスクに係る現実の損害につなが
るまたはつながりうる重要なオペレーショナル・リスク事象および現れつつあるリスク分野の監視を
提供する。 EIB は、主要な事業プロセスごとにオペレーショナル・リスク・エクスポージャーおよび損
害事象を継続的に監視するために、統計的分析システム(「 SAS 」)を使用している。
オペレーショナル・リスク管理は組織のあらゆるレベルで実施され、 EIB の各種部署すべての職責と
される。
報告に関しては、オペレーショナル・リスク報告書は監査委員会、経営委員会および総務会に提出
される。加えて、 0.1 百万ユーロを超える損失は、即座に総裁に報告される。
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注V:デリバティブ
EIB は、予定取引から発生するエクスポージャーを含む金利リスクおよび為替リスクへのエクスポー
ジャーを管理するため、デリバティブ商品を主に資産負債管理活動の一環として使用している。デリ
バティブは契約金融商品であり、その価値は、原資産、利率、為替そして種々のインデックス動向に
より変動する。デリバティブ取引は売買目的で利用されるのではなく、資金調達関連の場合および市
場リスク・エクスポージャーを低減するためのみに限られている。
EIB のスワップの大部分は、資金調達オペレーション(資金調達活動)の一環として、債券発行を
ヘッジする目的で締結されている。借入ポートフォリオに関連したすべてのスワップは満期が関連借
入債務に対応しており、このため長期の性質を持つ。
また EIB は、貸付金や財務のヘッジ・オペレーションの一環として、またはグローバルな資産負債管
理(「 ALM 」)ポジションのヘッジ( ALM ヘッジ活動)のために、スワップを行っている(注 V.1 を参
照)。
EIB は、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務の通貨ポジションを調整するため、また貸付
実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップも行っている(注 V.2 を参照)。
先物契約(先物)は、一部の政府債投資から生ずるエクスポージャーをヘッジするため、財務活動
の一環として使用することができる。先物は、規制市場において取引される標準化されたデリバティ
ブであり、カウンターパーティー・リスクの測定と統制に関する一般方針の対象外となっている。
EIB は短期財務ポジションの金利リスクをヘッジするために、金利先渡契約を使用する。
V.1. 資金調達および資産負債管理(「 ALM 」)デリバティブ
資金調達および ALM ヘッジとの関連で使用されるデリバティブには以下のものがある。
- 通貨スワップ
- 金利スワップ
- ストラクチャード・スワップ
V.1.1. 通貨スワップ
通貨スワップとは、調達されたある通貨の資金を別の通貨に交換することを合意し、それと同時に
調達された資金を期日に返済できるよう、両通貨を将来において再度交換するための為替予約を締結
する契約である。
EIB は、主に資金調達業務の一環として、開始時に借入資金を別の通貨に交換し、その後借入返済に
必要な資金を元の通貨で EIB が入手することとなる、通貨スワップを締結している。
以下の表は、想定元本および公正価値に基づいて分類した通貨スワップ(ストラクチャード・ス
ワップ(注 V.1.3 を参照)を含み、短期通貨スワップ(注 V.2. を参照)を除く)の満期を示している。
想定元本はオフ・バランスシートにて開示されている。
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2019 年12月31日現在の
1年超 5年超 2019 年の
通貨スワップ 1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
40,347 116,134 39,584 23,675 219,740
想定元本(受取)
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA お
よび COLVA を含む割引価値(純
(*)
額)) -197 1,537 1,990 1,248 4,578
2018 年12月31日現在の
1年超 5年超 2018 年の
通貨スワップ 1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
40,522 107,503 41,882 20,958 210,865
想定元本(受取)
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA お
よび COLVA を含む割引価値(純
(*)
額)) -617 -244 2,124 1,435 2,698
(*) 2019 年12月31日現在 1,350 百万ユーロ( 2018 年: 1,513 百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ通貨スワップの公
正価値を含む。
V.1.2. 金利スワップ
金利スワップは一般的に、変動金利を固定金利に交換するか、その逆を行うことを合意する契約で
ある。
金利スワップの利用により、 EIB は、顧客からの要求に応えて借入ポートフォリオと他のポートフォ
リオの金利構造を変えることができるとともに、グループのある特定の資本市場への有利なアクセス
条件をカウンターパーティーと交換することにより、資金調達コストを削減することも可能となる。
以下の表は、金利スワップ(ストラクチャード・スワップ(注 V.1.3 を参照)を含み、外貨建てで計
算された利息を合成的にユーロ建てに交換するシンセティック・スワップを含む)の満期を想定元本
および公正価値に細分して示したものである。想定元本はオフ・バランスシートにて開示されてい
る。
2019 年12月31日現在の
1年超 5年超 2019 年の
金利スワップ 1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
想定元本 65,329 215,856 125,751 133,743 540,679
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA お
よび COLVA を含む割引価値(純
(*)
額)) 231 5,260 5,683 1,208 12,382
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2018 年12月31日現在の
1年超 5年超 2018 年の
通貨スワップ 1年以内 10年超
5年以内 10年以内 合計
(単位:百万ユーロ)
58,521 207,711 137,869 131,579 535,680
想定元本
公正価値(すなわち、 CVA 、DVA お
よび COLVA を含む割引価値(純
(*)
額)) 248 3,110 5,350 152 8,860
(*) 2019 年12月31日現在マイナス 803 百万ユーロ( 2018 年:マイナス 406 百万ユーロ)となっているマクロ・ヘッジ金利
スワップの公正価値を含む。
V.1.3. ストラクチャード・スワップ
EIB は、通常そのリスクヘッジ方針に関連してオプション取引を行っていない。ただし、金融市場
で、より低いコストで資金を調達するという戦略の一環として、 EIB は主に金利オプションまたは株価
指数オプションを含む借入契約および貸付を行う。このようなストラクチャード借入金および貸付金
は、関連する市場リスクをヘッジするためのスワップ契約により完全にカバーされている。
以下の表は、ストラクチャード・スワップの取引件数、価額および想定元本の詳細を示している。
特別なストラクチャーに
期限前解約が組み込まれて
株価指数 基づくクーポンまたは
いるもの
類似するもの
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
取引件数 138 156 1 1 264 266
想定元本
(単位:百万ユーロ) 5,049 5,796 500 500 19,770 21,420
公正価値(すなわち、 CVA 、
DVA および COLVA を含む割引
価値(純額))
(単位:百万ユーロ) 681 376 17 -28 -2,627 -2,473
スワップ取引の公正価値は、将来のキャッシュ・フローから割引後現在価値を導出する評価技法を
適用する収益還元法により算出される。公正価値の見積りは将来価値に対する市場の期待値に基づい
ている。評価技法は、既知のキャッシュ・フローを割り引く単純なものから複雑なオプション・モデ
ルに至るまで、多岐にわたる。適用した評価モデルは、金融商品の価格設定向けに一般に認められて
いる経済学的手法と整合しており、市場参加者が価格設定時に考慮する諸要因を盛り込んでいる。デ
リバティブ取引の一部に関しては、市場インプットを直接入手できない場合には、内部見積りや仮定
が評価技法に取り入れられることもある。
借入れに組込まれている、もしくは借入れに関連するオプション契約は、すべて店頭取引で行われ
る。ストラクチャード・ディールとしては、金利、為替レート、インフレ率、株価指数、および金利
のボラティリティに左右される様々な取引がある。
V.1.4. デリバティブ取引における信用リスクの軽減方針
デリバティブに関する信用リスクは、カウンターパーティーが契約債務を履行できない場合に EIB が
被りうる損失に関連する。
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デリバティブ取引の特殊な性質および複雑さを考慮し、当該金融商品の利用から生ずる損失に対し
てEIB を保護するための一連の手続きが整備されている。
・ 取引契約の枠組み
EIB のデリバティブ取引はすべて、 ISDA スワップ取引契約と、該当する場合にはエクスポージャーに
対する担保差入条件が明記されているクレジット・サポート・アネックスの取引契約の枠組みの中で
行われる。これらは一般的に採用され、実施されている契約の様式である。
・ カウンターパーティーの選択
取引開始時の格付は、 A3以上と定められている。格付がある一定のレベルを下回った場合には EIB は
期限前に契約を解除する権利を有する。
・ 担保設定
- (限度枠を超過した)エクスポージャーに対しては、現金および債券による担保が差入れられ
る。
- 複雑で流動性の低い取引の場合は、現在の時価以上の担保が要求される。
- 個々のカウンターパーティーとのデリバティブ・ポートフォリオと受取担保は定期的にモニ
ターされて評価され、それを受けて追加担保が請求されるか、担保の引出しが行われる。
スワップについて受け取った担保の時価は、 2019 年12月31日現在、 21,104 百万ユーロ( 2018 年:
15,174 百万ユーロ)で、担保の性質および同等のムーディーズの格付に基づいた詳細は、以下のとお
りであった。
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
2019 年の
同等のムーディーズ格付
現金
国際機関債、
合計
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,509 2,765 0 4,274
Aa1 から Aa3 4,643 0 0 4,643
A1から A3 674 0 0 674
Baa1 から Baa3 4,605 0 0 4,605
Baa3 未満 621 0 0 621
0 0 6,287 6,287
格付なし
12,052 2,765 6,287 21,104
2019 年の合計
スワップ担保(単位:百万ユーロ)
債券
政府機関債、
2018 年の
同等のムーディーズ格付
現金
国際機関債、
合計
政府債
カバード・
ボンド
Aaa 1,870 1,628 0 3,498
Aa1 から Aa3 3,684 0 0 3,684
A1から A3 1,355 0 0 1,355
Baa1 から Baa3 2,046 0 0 2,046
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Baa3 未満 468 0 0 468
0 0 4,123 4,123
格付なし
9,423 1,628 4,123 15,174
2018 年の合計
・ デリバティブの信用リスクの測定
デリバティブ関連の信用リスクは様々なパラメーターにより変化し(例えば金利や為替レート)、
一般的に想定元本のごく一部に相当するに過ぎない。
BIS のバーゼル銀行監督委員会(「 BCBS 」)の勧告に従い、 EIB は、財務報告と限度枠のモニタリン
グにはカレント無担保エクスポージャーとポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを使用
し、資本配分には信用リスク相当額を使用して、スワップ取引およびデリバティブ取引に関する信用
リスク・エクスポージャーを測定している。
EIB は、カレント無担保エクスポージャーを、ゼロと、カウンターパーティーとのネッティング・
セットに含まれている取引ポートフォリオの時価から受入担保の価値を差し引いた数値のいずれか大
きな方の値で測定している。これは、カウンターパーティーが不履行を起こした場合に生ずる損失に
相当する金額で、受領した担保を相殺に充当し、破綻取引の回収価値をゼロとした上で、すべての取
引につき直ちにスワップ・カウンターパーティーの代替を行うことを想定している。 2019 年12月31日
現在のカレント無担保エクスポージャーは 816 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在: 746 百万ユーロ)で
あった。
さらに EIB は、リスクのマージン期間中(取引ポートフォリオにより 10日間から 20日間)にネッティ
ング・セットに生ずる可能性のあるエクスポージャーの増加を考慮した、ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーを計算している。 EIB は、保守的な見積りを出すため、ストレス下の市場パ
ラメーターに基づき、また信頼区間を 90%として、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャー
を計算している。これは、重要な市場参加者の不履行があった場合に生じるであろう状況を考慮する
ための規制当局の勧告に沿ったものである。 2019 年12月31日現在の初期ポテンシャル・フュー
チャー・エクスポージャーは 10,354 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在: 10,137 百万ユーロ)であっ
た。
・ 限度枠
銀行向け限度枠システムは、ポテンシャル・フューチャー・エクスポージャーを3種の期間グルー
プ(1年未満、1年以上5年以下および5年超)と2種の格付シナリオ(現状維持および A3格未満へ
の格下げ)でカバーする。
デリバティブ・ポートフォリオは毎日評価され、限度枠との比較が行われる。
下記の表は、カウンターパーティーの内部格付別内訳を示している。
ポテンシャル・
カレント無担保
フューチャー・
エクスポージャー
格付グループ 額面価額割合
エクスポージャー
(単位:百万ユーロ ) (単位:百万ユーロ )
同等のムーディーズ格付 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
Aaa 0.48% 0.49% 448 61 994 61
Aa1 から Aa3 25.47% 24.13% 204 490 2,696 2,748
A1から A3 65.94% 65.41% 113 168 6,364 7,036
8.11% 9.97% 51 27 300 292
A3未満
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100.00% 100.00% 816 746 10,354 10,137
合計
V.2. 流動性管理の一環として
EIB はまた、基本通貨であるユーロに関連してその運用財務ポートフォリオの通貨ポジションを調整
するため、また貸付実行に伴う通貨需要を満たすために、短期通貨スワップを行っている。
短期通貨スワップ(受取)の想定元本は、 2019 年12月31日現在で 35,633 百万ユーロであり、これに
対して 2018 年12月31日現在は 41,161 百万ユーロであった。短期通貨スワップの公正価値は、 2019 年12
月31日現在 445 百万ユーロ( 2018 年: 36百万ユーロ)であった。
短期為替予約取引の想定元本は、 2019 年12月31日現在 528 百万ユーロ( 2018 年: 539 百万ユーロ)で
あった。短期為替予約取引の公正価値は、 2019 年12月31日現在マイナス 37百万ユーロ( 2018 年:マイ
ナス2百万ユーロ)であった。
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注W:換算レート
2019 年12月31日現在および 2018 年12月31日現在の貸借対照表の作成にあたり使用されている換算
レートは、以下のとおりである。
2019 年12月31日 2018 年12月31日
欧州連合加盟国のユーロ以外の通貨
ブルガリア・レフ (BGN)
1.9558 1.9558
チェコ・コルナ (CZK)
25.4080 25.7240
デンマーク・クローネ (DKK)
7.4715 7.4673
英ポンド (GBP)
0.8508 0.8945
クロアチア・クーナ (HRK)
7.4395 7.4125
ハンガリー・フォリント (HUF)
330.5300 320.9800
ポーランド・ズロチ (PLN)
4.2568 4.3014
ルーマニア・レイ (RON)
4.7830 4.6635
スウェーデン・クローナ (SEK)
10.4468 10.2548
欧州連合加盟国以外の通貨
オーストラリア・ドル (AUD)
1.5995 1.6220
アゼルバイジャン・マナト (AZN)
1.9004 1.9358
カナダ・ドル (CAD)
1.4598 1.5605
スイス・フラン (CHF)
1.0854 1.1269
中国人民元 (CNY)
7.8205 7.8751
ドミニカ・ペソ (DOP)
59.3644 57.4037
エジプト・ポンド (EGP)
17.9584 20.4229
エチオピア・ブル (ETB)
35.6810 31.9590
ジョージア・ラリ (GEL)
3.1927 3.0417
香港ドル (HKD)
8.7473 8.9675
アイスランド・クローナ (ISK)
135.8000 133.0500
日本円 (JPY)
121.9400 125.8500
ケニア・シリング (KES)
113.6300 116.2400
モロッコ・ディルハム (MAD)
10.7263 10.9402
モルドバ・レウ (MDL)
19.2000 19.4400
メキシコ・ペソ (MXN)
21.2202 22.4921
ノルウェー・クローネ (NOK)
9.8638 9.9483
ニュージーランド・ドル (NZD)
1.6653 1.7056
ロシア・ルーブル (RUB)
69.9563 79.7153
チュニジア・ディナール (TND)
3.1122 3.4210
トルコ・リラ (TRY)
6.6843 6.0588
台湾ドル (TWD)
33.5463 34.9831
ウクライナ・グリブナ (UAH)
26.5849 31.6750
米ドル (USD)
1.1234 1.1450
中央アフリカ CFA フラン (XAF)
655.9570 655.9570
西アフリカ CFA フラン (XOF)
655.9570 655.9570
南アフリカ・ランド (ZAR)
15.7773 16.4594
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注X:関連当事者取引
X.1. 関係会社株式および参加持分
欧州投資基金(「 EIF 」)との関連当事者取引は、主として、 EIF に代わって EIB がその財務、 IT、年
金基金、その他の役務を管理・運営することに関する取引である。一方 EIF は、 EIB のベンチャー・
キャピタル事業(参加持分を含む)を管理・運営している。
EIB の関連当事者取引に関連して、本財務書類に計上されている金額は、次のとおりである。
(単位:千ユーロ )
2019 年12月31日 2018 年12月31日
資産:
関係会社株式 805,044 806,572
参加持分 312,191 248,918
前払金および未収収益 5,212 3,039
12,076 3,272
その他の資産
1,134,523 1,061,801
資産合計
負債:
顧客に対する債務 -1,049 82
-258,739 -203,965
その他の負債
-259,788 -203,883
負債合計
損益計算書:
関係会社株式からの収益 6,140 6,715
参加持分からの損益 -529 -8,722
受取手数料 725 13,272
支払手数料 -65,558 -59,971
その他の業務収益 12,478 11,527
219 757
一般管理費
-46,525 -36,422
損益計算書計上額合計
オフ・バランスシート:
EIF払込未請求資本 2,107,200 2,111,200
EIF 資金の管理 1,238,605 1,220,176
EIF の少数株主に付与されたプット・オプション 821,272 816,824
払込未請求参加持分 605,346 565,274
4,982,193 4,246,929
EIF に供与された保証
9,754,616 8,960,403
オフ・バランスシート項目合計
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X.2. 主要経営陣
EIB は、理事会、監査委員会、経営委員会の委員および EIB の各種組織部門の責任者であるディレク
ター・ジェネラル、ならびに内部統制独立部署の責任者を主要経営陣とみなしている。
一般管理費(注 R)に算入されている主要経営陣の当該報告期間の報酬は、次の表のとおりである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
(1)
短期給付 9,574 10,445
(2)
退職後給付 915 968
(3)
-1,504 720
退職手当
8,985 12,133
合計
(1) 短期従業員給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラルおよびその他ディレクターの給与および手当、賞
与、社会保障負担金、ならびに理事会および監査委員会の委員に支払われた給付である。
(2) 退職後給付は、経営委員会委員、ディレクター・ジェネラル、およびその他ディレクターに支払われた年金および
退職後健康保険費である。
(3) 2019 年度について、 EIB は過年度に関連する退職手当引当金の取り崩しを計上したことにより、純利益を計上した。
2019 年度に費用計上された手当は 744 千ユーロであった。
主要経営陣に対して前渡金も信用供与行っておらず、またいかなる種類の保証の形態でも主要経営
陣の利益のための契約を締結していない。
2019 年12月31日現在の主要経営陣との間の未決済残高は、強制および任意の補足年金制度および健
康保険制度に関する負債、ならびに期末現在の未払残高で構成されている。
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
年金制度および健康保険制度(注 L) 60,727 68,383
その他の負債(注 G ) 16,095 20,161
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注Y:後発事象
COVID-19 のパンデミックに伴いグローバル金融市場の一般的情勢が不確実であるにもかかわらず、
EIB は、主に EIB の流動性管理に対する慎重なアプローチの結果として、現在も引き続き強固な流動性
ポジションおよび必要な流動性リソースへの柔軟なアクセスを維持している。さらに、 EIB が十分な水
準の担保および保証に基づくリスク管理戦略や貸付金契約に含まれる標準的な保護条項に依拠してい
ることから、 EIB の貸付金ポートフォリオの質は現在も高くされている。 COVID-19 のパンデミックの
EIB に対する最終的な影響を現段階で予測することは困難である。 EIB は状況を注視し、パンデミック
に対応したその他の支援策およびプログラムを検討し続けていく。
上記の要因を除き、 2019 年12月31日現在の本財務書類の調整または本財務書類における開示を要す
る、決算日後に発生した重要な事象はない。
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注Z:第三者資金の管理
Z.1. インベストメント・ファシリティ -コトヌー
EIB が管理するインベストメント・ファシリティは、アフリカ・カリブ海および太平洋地域諸国と欧
州連合および加盟国との間における協力・開発に関する 2000 年6月 23日付(その後改正済)のコト
ヌー協定に基づき設立されたものである。 EIB は、インベストメント・ファシリティの個別財務書類を
作成している。
Z.2. ギャランティー・ファンド
域外活動のためのギャランティー・ファンドは、非加盟国に供与された貸付および貸付保証の債務
不履行をカバーするため、または非加盟国におけるプロジェクトのために、 1994 年に設立された。欧
州委員会( EC)は、 1994 年11月に二者間で締結された契約およびその後の当該契約の改訂に基づき、
ギャランティー・ファンドの財務管理を EIB に委託している。 EIB は、ギャランティー・ファンドの個
別財務書類を作成している。
Z.3. NER300
EIB は、 NER300 イニシアチブ(炭素回収・貯蔵実証プロジェクト、および革新的再生可能エネルギー
技術のための資金調達プログラム)を遂行する際、エージェントとして ECをサポートする。当該ファ
シリティには、 i) EU の割当量単位( EUA )の収益化、 ii)EUA 収益化活動を通じて受け取る資金の管
理および支出、といった2つの活動が含まれる。 EIB は、 NER300 のために個別財務書類を作成してい
る。
Z.4. イノベーターのための EU資金提供( InnovFin )
InnovFin または「 InnovFin -イノベーターのための EU資金提供」は、 EUの新規の 2014 年- 2020 年の
研究プログラムである「ホライズン 2020 」に基づく EIB 、EIF および欧州委員会の共同の取組みであ
る。 2013 年12月11日、研究およびイノベーションのための包括プログラム( 2014 年- 2020 年)である
ホライズン 2020 を確立し、決定事項 N1982/2006/EC を廃止する欧州議会および理事会規則( EU)
N1291/2013 (「ホライズン 2020 規則」)が採択された。 2014 年6月 12日、欧州委員会、 EIB および EIF
は、金融商品である InnovFin を設定する委任契約を締結した。 InnovFin は、 EIB グループによって提供
される一連の統合され、かつ補完的な金融ツールおよびアドバイザリー・サービスで構成され、零細
企業から巨大企業までの企業による投資を支援するために研究およびイノベーション(「 R&I 」)のバ
リュー・チェーン全体を対象としている。 EIB は、 InnovFin の個別財務書類を作成している。
Z.5. EIF 資金
EIF 資金は、 EIB とEIF との間で 2000 年12月に締結された資金管理契約に従い、 EIB によって管理され
ている。
Z.6. コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「 CEF 」)
コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(「 CEF 」)は、運輸、電気通信およびエネルギーのイ
ンフラストラクチャー・セクターにおける共益プロジェクトを支援するために、欧州横断的なネット
ワークに欧州連合の財政支援を提供することを目的とした、 EIB と欧州委員会の間の共同協定である。
欧州委員会は、 CEF に基づく負債性金融商品の業務および管理を EIB に委託しており、これにより、欧
州横断交通網プロジェクト融資保証手段(「 LGTT 」)およびプロジェクト債券イニシアチブ
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(「 PBI 」)の試験段階への連続性が確保される。 LGTT とPBI は、 CEF の下で 2016 年1月1日に統合され
た。 CEF 委任契約は、最新かつ共通のリスク・シェアリングの取決めを定めている。 EIB は、 CEF の個別
財務書類を作成している。
Z.7. ファンド・オブ・ファンズ(「 JESSICA II」)
ファンド・オブ・ファンズ(「 FoF 」)は、欧州構造投資基金(「 ESIF 」)が、 2014 年から 2020 年ま
での間に加盟国運用プログラムにより資金供給した地域金融商品(「 DFI 」)で構成されている。 FoF
は、選定された金融仲介機関と協力して、貸付、出資および保証の実行を通じて、最終受領者の資金
調達を促進している。
EIB は、ファンド・マネージャーとして、関係運営当局から資金供給(拠出)の取りまとめを行い、
拠出者と合意した投資戦略に従って、金融仲介機関を介して当該資金を投資している。 EIB は、各ファ
ンド・オブ・ファンズの個別財務書類を作成している。
Z.8. リスク・シェアリング・ファイナンス・ファシリティ(「 RSFF 」)
RSFF は、欧州連合を代表する ECとEIB との間で締結され、 2007 年6月5日付で発効した協力協定に基
づき設立された。 RSFF は、研究、技術開発と実証プロジェクトおよび技術革新への投資を育成するこ
とを目的としている。 RSFF の一環として、 EIF は、技術革新および研究を中心とする中小企業( SME )
および中堅企業のためのリスク・シェアリング・インスツルメント(「 RSI 」)を用意した。 RSI は、
研究を推進する中小企業(「 SME 」)や中堅企業の借入やファイナンス・リースのため、銀行やリース
会社に保証を提供している。 EIB は、 RSI を含めた RSFF の連結財務書類を個別に作成している。
Z.9. JESSICA (保有基金)
JESSICA (都市部への持続可能な投資に対する欧州共同支援)は、欧州委員会と EIB が欧州評議会開
発銀行と共同で策定したイニシアチブである。
JESSICA 保有基金は JESSICA イニシアチブに関連して使用される。新しい手続きに基づき、関係運営
当局は、持続可能な総合都市開発計画の一部を形成するプロジェクトへの有償投資を行うために、自
身の EU助成金の一部を使用する選択権を付与される。 EIB は、運用者として、関係運営当局から受領し
た資金を取りまとめ、拠出者と合意した投資ガイドラインに従って都市開発基金に投資している。
EIB は、 JESSICA の個別財務書類を作成している。
Z.10. EU-アフリカ・インフラ(「 EUAI 」)信託基金
EUAI 信託基金は、創設・援助組織としての欧州連合を代表する ECと、運用者としての EIB との間の、
信託基金協定に基づき創設され、創設後は、欧州連合加盟国もこの協定に資金提供者として参加でき
る。 2006 年2月9日、 ECとEIB は、 EU-アフリカ・インフラ・パートナーシップを共同で推進し、特に
それを支援する EU-アフリカ・インフラ信託基金を設立する旨の覚書を交わした。 EIB は、 EUAI 信託基
金の個別財務書類を作成している。
Z.11. 特別部門
特別部門は、総務会によって 1963 年5月 27日に設定された。 1977 年8月4日の決議に基づき、その
目的は見直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて EIB が実行した金融業務を記録するためとさ
れた。特別部門には、 FED 、MED/FEMIP および欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティの保証部分
が含まれる。
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Z.12. GF ギリシャ
ファンドは、ギリシャ共和国、 ECおよび EIB による共同イニシアチブで、設立の目的は、ギリシャの
中小企業に対する融資を支援することである。ファンドは、ギリシャのために用意された構造基金の
未使用部分を使って設立されており、ギリシャのパートナー銀行経由で、 EIB の中小企業向けローンの
保証を行う。 EIB は、 GF ギリシャの個別財務書類を作成している。
Z.13. 欧州近隣パートナーシップ枠組み(「 ENPI 」)
欧州近隣政策の対象国における欧州連合の一般予算から資金調達される事業の実施について定めた
欧州連合と EIB との間の枠組み協定は、 ENPI を通じて実施される。 EIB は、 ENPI の個別財務書類を作成
している。
Z.14. 資金パートナーシップ・プラットフォーム(「 PPF 」)
PPF はEIB が運用する複数地域、複数拠出者、かつ複数セクターの、複数のファンドを組み込んだプ
ラットフォームであり、持続可能な発展のために金融の流れを増加させる必要性を考慮し、また欧州
投資銀行の成功体験を基礎として設立された。 PPF に基づく基金は、プラットフォーム規則に従って導
入された。 EIB は、 PPF の個別ベースの合算財務報告を作成している。
Z.15. 国際開発協力機構(「AECID」)
このパートナーシップ契約は、スペイン王国(スペインの国際開発協力機構(「 AECID 」))と EIB
との間で調印されたもので、モーリタニアおよび FEMIP によってカバーされる諸国(「南地中海沿岸地
域」)の活動に投資するために設立された。地域の零細企業や中小企業に関してリスク資本を提供す
ること、および民間セクターの幅広い発展に従事することを主目的としている。 EIB は、 AECID の個別
財務書類を作成している。
Z.16. 深化した包括的自由貿易協定地域(「 DCFTA 」)
欧州投資銀行および欧州連合は、 2016 年12月19日に、深化した包括的自由貿易協定地域
(「 DCFTA 」)の委任契約に署名した。東部 DCFTA イニシアチブは、 EUと協力協定を締結した国である
ジョージア、モルドバおよびウクライナに対し、的を絞った金融および技術的支援を中小企業
(「 SME 」)向けに提供することによって、これら3国の経済発展を強化することを目的としている。
DCFTA の一環として、 EIF は保証枠ウィンドウの実行および管理を行う。 EIB は、保証枠ウィンドウを含
めた DCFTA の連結財務書類を個別に作成している。
Z.17. 近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)信託基金
EIB が管理する NIF 信託基金は、欧州近隣政策(「 ENP 」)の戦略的目標を達成するために設立され
た。当基金は、 SME 向け、人的資源育成を含む社会セクター向け、および地方自治体のインフラストラ
クチャー開発向けの支援を通じて、より適切で持続可能性の高いエネルギーおよび輸送の相互接続性
を確立し、エネルギー効率の向上および再生可能エネルギー資源の利用促進を進め、気候変動および
より広い意味での環境への脅威に対処し、スマートで持続可能かつ包括的な成長を促進することに重
点を置いている。 EIB は、 NIF 信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.18. エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「 PF4EE 」)商品
エネルギー効率関連プライベート・ファイナンス(「 PF4EE 」)商品は、エネルギー効率関連投資向
けの十分かつ低価格の商業金融の利用可能性が限定的であることに対処することを目的とした、 EIB と
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欧州委員会の協定である。この商品は、 EU加盟国の国別エネルギー効率行動計画、またはその他のエ
ネルギー効率プログラムの実施を支援するプロジェクトを対象としている。 2014 年12月、欧州委員会
および EIB は、金融商品である PF4EE を設定する委任契約を締結した。 EIB は、 PF4EE の個別財務書類を
作成している。
Z.19. 欧州地中海投資パートナーシップ制度(「 FEMIP 」)信託基金
EIB が管理する FEMIP (ユーロ地中海投資パートナーシップ・ファシリティ)信託基金は、多数の援
助国の支援を得て、地中海パートナーシップ・ファシリティ参加国における EIB の既存業務を強化する
ために設立された。当基金は、技術援助とリスク資本の提供を通じて、特定の優先分野の事業に資源
を投入することを目指している。 EIB は、 FEMIP 信託基金の個別財務書類を作成している。
Z.20. 重債務貧困国(「 HIPC 」)イニシアチブ
HIPC イニシアチブ(「イニシアチブ」)とは、世界の最貧国に特別支援を供与する国際的な債務救
済制度である。世界銀行と国際通貨基金からの申入れを受けて、 1996 年に設立された。主な目的は、
貧困国の債務負担を維持可能な水準にまで削減することにある。 EIB は、同イニシアチブの個別財務書
類を作成している。
Z.21. 加盟候補国向け支援制度 II(「 IPA II」)
加盟候補国向け支援制度(「 IPA 」)に係る協定は、 EUが「拡大国」の改革を財政面および技術面で
援助する支援措置である。加盟候補国向け支援ファンドも、持続性のある経済回復、エネルギー供
給、運輸、自然環境および気候変動などに関する目標を EUが達成できるよう支援する。 IPA Iの後継制
度IPA IIは、すでに達成された成果を土台とし、 2014 年から 2020 年までの期間に 117 億ユーロを充当し
て構築される予定である。 IPA IIの最も重要な革新性は、戦略的焦点にある。フレームワーク・パー
トナーシップ契約は、 2015 年末に締結され、 EIB により履行される。様々な「特別供与契約」の締結に
より、 DG NEAR からの財源が配分される。 EIB は、 IPA IIの個別財務書類を作成している。
Z.22. 近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)リスク資本ファシリティ
近隣インベストメント・ファシリティ(「 NIF 」)リスク資本ファシリティは、欧州連合の一般予算
を財源とする。主な目標として、民間セクターの開発、包括的な成長および民間セクターの雇用創出
を支援するため、南方の近隣地域の SME にエクイティ・ファイナンスおよびデット・ファイナンスへの
アクセスを提供することに注力している。このファシリティは、エクイティ・ファイナンスおよび
デット・ファイナンスの手段から成る金融商品ウィンドウと、技術支援サービスから成る付加的任務
ウィンドウで構成される。 EIB は、金融商品ウィンドウの個別財務書類を作成している。
Z.23. EPTA 信託基金
EPTA (東方パートナーシップ技術支援)信託基金は、技術支援のための多分野向けの多目的融資枠
を提供し、 EIB 東方パートナーシップ事業の質を高め、かつ開発効果を増幅させることに重点的に取り
組んでいる。同基金は、近隣インベストメント・ファシリティを補完する。 EIB は、 EPTA 信託基金の個
別財務書類を作成している。
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Z.24. 欧州戦略投資基金(「 EFSI 」)
適用される EFSI 規則に基づき、欧州委員会および EIB は、 EFSI の管理・運営、 EUの保証提供に関する
契約(「 EFSI 契約」)、および欧州投資アドバイザリー・ハブ(「 EIAH 」)の実施に関する契約
(「 EIAH 契約」)を締結した。
EFSI 契約に基づき、 ECは、 EFSI が支援するプロジェクトに関して、 EIB にEUの保証を提供した。 EUの
保証に充当する資産は、欧州委員会が直接管理する。 EFSI が支援するプロジェクトは、通常の EIB のプ
ロジェクトのサイクルおよびガバナンスに従う。また、 EFSI は自己専用のガバナンス構造を有してい
る。当該構造は、 EFSI の下で行う投資において、欧州に対する投資の妨げとなる市場のリスク負担の
失敗に対処するという特別の目的に、確実に重点が置かれ続けるようにするために設置されている。
承認を受けたプロジェクトおよび EIB のエクスポージャーに関する詳細な情報については、注 D.1 を参
照のこと。
EIAH は、プロジェクトおよび投資に対し、財務以外の支援を拡充することを目的としている。 EIAH
は3つの補完的な構成要素である a) 公共受益者および民間受益者向けの広範なアドバイザリー技術支
援プログラムおよびイニシアチブへの足掛かり、 b) パートナー機関の間での専門知識の活用、交換お
よび普及を目的とした協同プラットフォーム、および c) 既存のアドバイザリー・サービスの強化もし
くは拡大または未対処のニーズに対応する新規のサービスの創出、で構成される。 EIB は、 EIAH の個別
財務書類を作成している。
Z.25. 自然環境保護資金調達ファシリティ(「 NCFF 」)
自然環境保護資金調達ファシリティ(「 NCFF 」)は、 EIB と欧州委員会との共同契約であり、自然環
境保護資金の保全のための収益創出またはコスト削減プロジェクト(気候変動適応プロジェクトを含
む)に係る市場の格差および障壁に対処することにより、生物多様性分野および気候変動への適応に
関する EUおよび加盟国の目標の達成に貢献することを目的としている。 EIB は、 NCFF の個別財務書類を
作成している。
Z.26. 研究・開発・イノベーション・アドバイザリー(「 RDI アドバイザリー」)
RDI アドバイザリーは、ホライズン 2020 に基づく InnovFin プログラムの一環として、 2014 年6月に締
結された7年間の包括協定に基づいて設立された欧州委員会とのパートナーシップである。 RDI アドバ
イザリーには2系統の活動があり、 (i) アドバイザリーに関連した立ち上げ段階のプロジェクト、お
よび (ii) RDI 投資の全体的な枠組みの状況の改善を取り扱う並列活動ならびにホライズン 2020 に基づ
く金融手段である。 EIB は、 RDI アドバイザリーの個別財務書類を作成している。
Z.27. 欧州地域のサポート計画に対する共同支援( JASPERS )
JASPERS (欧州地域のサポート計画に対する共同支援)は、 EIB 、欧州委員会および EBRD の間におけ
る技術支援ファシリティである。欧州構造投資基金の融資を申請する大型プロジェクトの質が向上す
るよう、 EUおよび候補国の多くを支援する。 JASPERS による支援には、 EUからの資金供与に係る申請の
把握から提出まで、プロジェクトの準備の支援、独立した立場でのプロジェクトの品質レビュー、均
等な割り当て、戦略支援、能力の構築(能力センターを含む)、実行支援が含まれることがある。
JASPERS の業務は、7つの部門(道路、鉄道・航空・海事、水道・ごみ、エネルギー・固形廃棄物、ス
マート開発、ネットワーキング能力センター、独立品質レビュー)に分かれている。運営期間の最初
の10年( 2005 年- 2015 年)において、 JASPERS は1,000 を超えるプロジェクトを支援してきた。 JASPERS
が支援し、欧州委員会が資金供与を承認したプロジェクトの投資価値は、 720 億ユーロ超である。 EIB
は、 JASPERS の個別財務書類を作成している。
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(1)
特別部門計算書
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
資産 2019 年12月31日 2018 年12月31日
地中海沿岸諸国
欧州連合の財源によるもの
実行済貸付残高 13,073 24,483
リスク資本業務
-未実行金額
21,614 29,260
-実行済金額 32,978 38,168
54,592 67,428
(2)
67,665 91,911
合計
アフリカ、カリブ海および太平洋地域諸国ならびに加盟国の属国およ
び属領
欧州連合の財源によるもの
-ヤウンデ協定
実行済貸付金 71 71
リスク資本による業務
-実行済金額 419 419
(3)
490 490
合計
-ロメ協定
リスク資本による業務
135,357 163,907
-実行済金額
(4)
135,357 163,907
合計
203,512 256,308
合計
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(1)
特別部門計算書 (続き)
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
負債 2019 年12月31日 2018 年12月31日
受託管理資金
欧州連合の委託によるもの
-地中海沿岸諸国金融議定書
46,051 62,651
-ヤウンデ協定
490 490
-ロメ協定 135,357 163,907
181,898 227,048
受託管理資金の合計
未実行金額
21,614 29,260
地中海沿岸諸国における貸付業務およびリスク資本業務
21,614 29,260
未実行金額の合計
203,512 256,308
合計
付記:
欧州連合の委託に基づき EIB が元利回収を引き受けた、欧州委員会提供の特別条件付貸付金の実行済・未返
済残高合計:
a)2019 年12月31日現在における第1次、第2次および第3次ロメ協定に基づくもの: 256,081 千ユーロ
(2018 年: 277,143 千ユーロ)
b)2019 年12月31日現在における地中海沿岸諸国との間で署名した金融議定書に基づくもの: 41,578 千
ユーロ( 2018 年: 47,968 千ユーロ)
欧州連合-欧州開発金融機関民間部門開発ファシリティとの関連において、保証部分の導入契約が 2014 年
8月 20日に締結された。 2019 年に受けた履行請求後の、 2019 年12月31日現在に発行済 EU保証はゼロ( 2018
年: 4,280 千ユーロ)であった。 EU保証の総額は、 2019 年12月31日現在で 38,920 千ユーロ( 2018 年: 38,920 千
ユーロ)である。
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注(1) 特別部門は、総務会によって 1963 年5月 27日に設定された。 1977 年8月4日の決議に基づき、その目的が見
直され、第三者の勘定で第三者の委託に基づいて欧州投資銀行が実行した金融業務を記録するためとされ
た。ただし、コトヌー協定、欧州連合 -アフリカ・インフラ信託基金、近隣インベストメント・ファシリ
ティ信託基金(「 NIF 」)および FEMIP 信託基金に基づくインベストメント・ファシリティについては、個別
財務書類に表示されている。また、 EIB は2005 年より他の委託について異なる種類の財務書類を作成してい
る。
特別部門計算書は、欧州連合および加盟国の委託に基づく実行済金額もしくは未実行金額から解約額およ
び返済額を控除した金額を示している。実行済金額および未実行金額ならびに受取済および受取予定資金
は、額面価額で計上されている。特別部門計算書では、これらの業務に付随するリスクを補填するために必
要となりうる引当金もしくは評価損益は、確定的な償却を除き、考慮されていない。外貨建ての金額は、 12
月31日現在の実勢為替レートで換算されている。
注(2) 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、マグレブおよびマシュレク
諸国、マルタ、キプロス、トルコならびにギリシャにおけるプロジェクト資金( 1981 年1月1日の欧州共同
体加盟前に 10百万ユーロ融資)のため締結された契約の実行時の金額:
実行時の金額: 840,457
減算: 為替差額 55,409
解約額 176,927
539,337
返済額
-771,673
68,784
注(3) 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、連合アフリカ諸国、マダガ
スカルおよびモーリシャスならびに加盟国の属国、属領および地区( AASMM-OCTD )におけるプロジェクト資
金のため締結された契約の実行時の金額:
特別条件付貸付金 139,483
2,503
リスク資本形成拠出金
実行時の金額: 141,986
加算: 資産計上された利息 1,178
9,823
為替差額
11,001
減算: 解約額 3,310
149,187
返済額
-152,497
490
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注(4) 欧州連合の委託に基づき、欧州連合の勘定により、またそのリスク負担の下に、アフリカ・カリブ海および
太平洋諸国ならびに加盟国の属国および属領(「 ACP-OCT 」)におけるプロジェクト資金のため締結された
契約の実行時の金額:
リスク資本による貸付金:
条件付劣後貸付金 3,116,097
121,002
出資
実行時の金額: 3,237,099
加算: 資産計上された利息 9,548
減算: 解約額 741,842
返済額 2,313,728
55,720
為替差額
-3,111,290
135,357
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④【EU会計指令に基づく連結財務書類とIFRSに基づくものとの差異】
EU会計指令に基づき作成された EIB グループの 2019 年12月31日現在の連結貸借対照表および 2019 年12月31日終
了年度の損益計算書ならびに IFRS に基づき作成されたそれらとの間における差異
連結 貸借対照表
2019 年12月31日現在
(単位:千 ユーロ )
EU会計指令 調整 IFRS
参照
資産
1 現金、中央銀行および郵便局預け金 947,155 0 947,155
2 中央銀行担保適格国庫証券およびそ
A.1, B.1, C
の他短期証券 34,436,433 132,900 34,569,333
3 金融機関貸付金および預け金
a)要求払 544,317 0 544,317
A.2, B.4
b)その他の貸付金および預け金 53,854,679 275 53,854,954
A.2, B.4
c)貸付金 109,830,697 2,027,998 111,858,695
d)貸付金 および預け金の減損(戻
-64,413 -159,046
入れ控除後) -94,633 C
164,165,280 166,098,920
4 対顧客貸付金および預け金
A.2, B.4
a) その他の貸付金および 預け 金 964,644 -405 964,239
A.2, B.4
b)貸付金 317,404,048 21,948,001 339,352,049
c)貸付金および 預け 金の減損(戻
-415,346 -597,140
入れ控除後) -181,794 C
317,953,346 339,719,148
5 確定利付証券を含む負債証券
A.1, B.1, C
a)公共機関による発行 3,873,908 47,677 3,921,585
8,563,375 8,598,121
A.1, B.1, C
b)その他による発行 34,746
12,437,283 12,519,706
B.2, B.3
6 株式およびその他の変動利回証券 7,939,126 3,660,436 11,599,562
7 参加持分 336,845 -336,845 B.3 0
8デリバティブ資産 0 49,788,848 B.5 49,788,848
9 有形固定資産 247,398 156,465 G 403,863
10 無形資産 25,655 0 25,655
B.5, H
11 その他の資産 56,726 25,541 82,267
A.1, A.2, A.4,
16,661,609 261,206
B.1, B.4, B.5
12 前払金 -16,400,403
555,206,856 616,015,663
資産合計
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連結 貸借対照表
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
EU会計指令 調整 IFRS
参照
負債および資本
1 金融機関に対する債務
a)要求払 6,287,270 -2,801 A.3 6,284,469
1,185,511 1,184,732
b)期日払または通知払 -779 A.3
7,472,781 7,469,201
2 顧客に対する債務
a)要求払 1,594,508 0 1,594,508
15,554 15,540
b)期日払または通知払 -14 A.3
1,610,062 1,610,048
3 債務証書借入
a)負債証券 435,684,081 40,696,338 A.4 476,380,419
13,637,452 16,946,697
b)その他 3,309,245 A.4
449,321,533 493,327,116
4 デリバティブ負債 0 32,525,648 B.5 32,525,648
A.2, B.5, E,G,
5 その他の負債 1,031,324 1,066,839 H 2,098,163
A.1, A.2, A.3,
A.4, B.1, B.4,
B.5, F
6 繰延収益 17,244,752 -16,871,680 373,072
7 引当金
a)年金制度および健康保険制度 3,409,064 4,483,225 D 7,892,289
19,815 74,091
b)保証引当金 54,276 C
3,428,879 7,966,380
負債合計 480,109,331 545,369,628
8 資本金
a)応募済資本金 243,284,155 0 243,284,155
-221,585,020 -221,585,020
b)払込未請求資本金 0
21,699,135 21,699,135
9 連結準備金
a)準備基金 24,328,415 0 24,328,415
b)その他準備金 12,792,307 -4,791,710 A-H 8,000,597
A.4 B.2, B.5
c)公正価値準備金 0 712,446 712,446
d)特別活動準備金 10,777,675 0 10,777,675
2,170,177 2,170,177
e)一般貸倒準備金 0
50,068,574 45,989,310
10 当期純利益 2,418,836 538,754 A-H 2,957,590
910,980 0
11非支配持分に帰属する資本
-910,980 E
75,097,525 70,646,035
資本合計
555,206,856 616,015,663
負債および資本合計
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連結 損益計算書
2019 年12月31日終了事業年度
(単位:千 ユーロ )
EU会計指令 調整 IFRS
参照
A.1, A.2,
B.1, B.4
1 受取利息および類似収益 24,519,884 -50,154 24,469,730
A.4, B.5, D,
E, G
2 支払利息および類似費用 -21,476,544 -73,871 -21,550,415
3 株式およびその他の変動利回証券からの収益 278,533 0 278,533
4 受取手数料 429,475 11,118 F 440,593
5 支払手数料 -252,282 0 -252,282
A.1, A.2,
A.4, B.1,
B.2, B.3,
B.4, B.5, G
6 金融業務損益 112,550 588,943 701,493
7 その他の業務収益 5,925 0 5,925
8 貸付金および預け金の減損ならびに保証引当
C,H
金の変動(戻入れ控除後) 33,781 61,691 95,472
9固定金融資産として保有される譲渡可能有価証
券、株式およびその他の変動利回証券の減損
C,B.3
の変動(戻入れ控除後) -1,778 585 -1,193
10 一般管理費
a) 人件費 -860,217 -39,088 D -899,305
-286,971 -247,821
b) その他の管理費 39,150 G
-1,147,188 -1,147,126
11 減価償却費および償却費:有形固定資産およ
び無形資産
a) 有形固定資産 -28,985 -38,558 G -67,543
-15,597 -15,597
b) 無形資産 0
-44,582 -83,140
12 当期純利益 2,457,774 2,957,590
38,938 0
少数株主に帰属する当期利益 -38,938 E
2,418,836 2,957,590
EIB 株主に帰属する当期利益
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評価および収益認識における IFRS および EU会計指令の間の差異
A 損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたまたは償却原価で計上される金融資産および負債
(ヘッジ会計を含む。)
1 負債証券ポートフォリオ
EU会計指令において、負債証券ポートフォリオは、購入価格で計上され償却原価で測定される。経過
利息は、貸借対照表の「前払金および未収収益」の項目に計上される。未収割戻金は、貸借対照表の
「未払金および繰延収益」の項目に計上される。
IFRS に基づき、グループは、適格なヘッジ対象の負債証券にヘッジ会計を適用している。これらの有
価証券の帳簿価額は、ヘッジの対象となるリスクに起因する公正価値について調整される。ヘッジ会計
に含めることのできない経済的ヘッジ対象の負債証券は、当初認識時に取消不能で公正価値オプション
に指定され、損益を通じて公正価値で測定される。
経過利息および未収割戻金は、貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
ヘッジ対象負債証券の公正価値変動およびヘッジの公正価値は、損益計算書の「金融業務損益」に認
識される。
2 貸付金および預け金
EU会計指令において、すべての貸付金および預け金は、償却原価で計上されている。経過利息は貸借
対照表の「前払金および未収収益」または「未払金および繰延収益」の項目に計上される。貸付金に係
るアップフロント・フィーは償却され、損益計算書の「受取利息および類似収益」に認識される。
IFRS においては、グループは、適格なヘッジ対象の貸付金にヘッジ会計を適用している。これらの貸
付金の帳簿価額は、ヘッジの対象となるリスクに起因する公正価値について調整される。ヘッジ会計に
含めることのできない経済的ヘッジ対象の貸付金は、当初認識時に取消不能で公正価値オプションに指
定され、損益を通じて公正価値で測定される。
貸付金の公正価値変動およびヘッジの公正価値は、損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
経過利息は、貸借対照表上で関連する資産の残高として報告される。
信用減損している貸付金および預け金に係る経過利息は、「受取利息および類似収益」に戻入れがな
される。
IFRS においては、貸付金に係るアップフロント・フィーは、
・ 公正価値オプションに指定された貸付金に関して損益計算書上の「金融業務損益」の項目で即時
認識される。
・ 貸付金の満期までの期間にわたり償却され、ヘッジ会計および/または償却原価で測定に指定さ
れた貸付金については、貸借対照表の「金融機関および対顧客貸付金および預け金」の項目で認
識される。
IFRS においては、償却原価で測定される金融資産のキャッシュ・フローについて大幅な契約の変更が
なされた場合、条件変更に係る損益の影響額を連結損益計算書の「金融業務損益」に計上する。
貸付金の仮勘定は、「その他の負債」から当該貸付金仮勘定が関連する貸付金残高に再分類される。
3 金融機関および顧客に対する債務
EU会計指令において、「金融機関に対する債務」は、財務書類において償還額で表示される。
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金融機関および顧客に対する債務の利息は、発生主義により、損益計算書の「支払利息および類似費
用」または利息がマイナスの場合には「受取利息および類似収益」に計上される。経過利息は、「未払
金および繰延収益」に含められる。
IFRS においては、「金融機関に対する債務」および「顧客に対する債務」は、当初は取得原価で計上
され、財務書類では償却原価で表示される。
金融機関および顧客に対する債務の利息は、実効金利法を用いて損益計算書の「支払利息および類似
費用」または「受取利息および類似収益」に計上される。
経過利息は、貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
4 債務証書借入
EU会計指令において、債務証書借入は償却原価で計上される。経過利息は貸借対照表の「未払金およ
び繰延収益」の項目に計上される。「前払金および未収収益」または「未払金および繰延収益」におけ
る発行手数料および償還プレミアムまたはディスカウントは定額法で償却され、その後損益計算書の
「支払利息および類似費用」の項目に認識される。
IFRS においては、グループは、適格である場合は常にそのヘッジ対象の発行債務の大部分にヘッジ会
計を適用する。これらの債務証書借入の帳簿価額は、ヘッジの対象となるリスクに起因する公正価値に
ついて調整される。ヘッジ会計に含めることのできない経済的ヘッジ対象の債務証書借入は、当初認識
時に取消不能で公正価値オプションに指定され、損益を通じて公正価値で測定される。
債務証書借入の公正価値変動およびヘッジの公正価値は、損益計算書の「金融業務損益」に認識され
る。
経過利息は、貸借対照表上で関連する負債性金融商品の残高として報告される。
発行手数料および償還プレミアムまたはディスカウントは、貸借対照表で関連する金融商品の項目に
おいて報告され、関連する債務証書借入の満期までの期間にわたって償却される。ただし、債務証書借
入が損益を通じて公正価値で測定され、償却はされず、手数料が損益計算書の「金融業務損益」に即時
認識される場合を除く。
公正価値オプションに指定された債務証書借入については、 IFRS 第13号に従い自己信用リスクを反映
した自己信用調整(「 OCA 」)が「公正価値準備金」として OCI に計上される。
IFRS において、グループは金融資産および金融負債の相殺基準を充たす1件の取引を有している。
B 強制的に損益を通じて公正価値で分類される金融資産
1 負債証券ポートフォリオ
EU会計指令においては、有価証券流動性ポートフォリオを除く負債証券ポートフォリオは、購入価格で
計上され、償却原価で測定される。経過利息は、貸借対照表の「前払金および未収収益」の項目に計上さ
れる。
IFRS においては、一部の負債証券は償却原価で測定することができないため公正価値で計上しなければ
ならず、公正価値変動は直接損益に反映される。
これらの負債証券の公正価値変動は、損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
経過利息は、貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告されるが、関連手数料は、損益計算書
の「金融業務損益」に即時認識される。
2 株式およびその他の変動利回証券
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EU会計指令においては、株式およびその他の変動利回証券は、当初は取得原価で計上され、返済による
資金の還流額が減額される。これらの帳簿価額は、その後取得原価または各貸借対照表日現在の時価のい
ずれか低い方の額に調整される。
個々の評価損益は「金融業務損益」に計上される。
IFRS においては、株式およびその他の変動利回証券は公正価値で計上され、公正価値変動は損益計算書
の「金融業務損益」に直接反映される。ただし、公正価値変動が「公正価値準備金」として OCI に反映され
ている欧州復興開発銀行(「 EBRD 」)に対する投資を除く。
3 参加持分
EU会計指令においては、「参加持分」は、グループの会計方針と一致した手法に基づき、 EU会計指令に
定める持分法を用いて会計処理されている。個々の評価損益は、「固定金融資産として保有される譲渡可
能有価証券および参加持分に係る(再)評価損益」に計上される。
IFRS においては、参加持分は「株式およびその他の変動利回証券」に含められ、個々の公正価値調整は
「金融業務損益」に計上される。
4 貸付金および預け金
EU会計指令においては、すべての貸付金および預け金は償却原価で計上される。経過利息は、貸借対照
表の「前払金および未収収益」または「未払金および繰延収益」の項目に計上される。貸付金に係るアッ
プフロント・フィーは償却され、損益計算書の「受取利息および類似収益」に認識される。
IFRS においては、償却原価での測定に適格でない貸付金は、損益を通じて公正価値で測定に分類され
る。これらの貸付金に係るアップフロント・フィーは、契約時に損益計算書の「金融業務損益」に認識さ
れる。
貸付金の公正価値変動は、損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
5 デリバティブ資産および負債
a財務デリバティブ
EU会計指令において、売買目的ポートフォリオに含まれるデリバティブ金融商品は、時価で評価さ
れ、「その他の資産」または「その他の負債」に計上される。
アップフロント・フィーは、「金融業務損益」および「支払利息および類似費用」に表示される。
IFRS においては、すべてのデリバティブ資産および負債は貸借対照表で認識され、損益を通じて公
正価値で測定される。
経過利息は、貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
信用評価調整(「 CVA 」)、債務評価調整(「 DVA 」)および担保評価調整(「 CollVA 」)は、デリ
バティブの公正価値評価に含まれている。
デリバティブの公正価値変動は損益計算書の「金融業務損益」に認識される。
bデリバティブおよびヘッジ活動
EU会計指令において、ヘッジ・デリバティブ金融商品は貸借対照表で認識されない。これらはオ
フ・バランスシートにおいて額面価額で報告される。
デリバティブ金融商品について発生する利息は、「前払金および未収収益」または「未払金および
繰延収益」に表示される。
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アップフロント・フィー、償還プレミアムまたはプレミアム/ディスカウントは、「支払利息およ
び類似費用」として、関連するデリバティブの満期までの期間にわたり償却される。
IFRS においては、すべてのデリバティブ資産および負債は貸借対照表で認識され、損益を通じて公
正価値で測定される。
経過利息は、貸借対照表上で関連する金融商品の残高として報告される。
CVA 、DVA および CollVA は、デリバティブの公正価値評価に含まれている。
為替スワップおよび外国為替予約のプレミアムおよびディスカウントの償却は、「金融業務損益」
に計上される。
ヘッジ会計におけるデリバティブについては、ヘッジ手段に指定された部分の利得または損失が損
益計算書に認識される。加えて、グループは、通貨ベーシス・スプレッド(「 CBS 」)の公正価値を
ヘッジ手段指定から分離し、特定の会計処理を適用している。当初ヘッジ手段の指定日に測定された
CBS の金額は「その他の包括利益」(「 OCI 」)に計上され、損益計算書においてヘッジ期間にわたり
定額法で償却される。 CBS のその後の公正価値変動は、 OCI に直接認識される。
ヘッジ会計におけるデリバティブのアップフロント・フィーまたは償却プレミアムは、関連するデ
リバティブの満期までの期間にわたり償却される。ただし、これらのデリバティブがヘッジ会計に指
定されておらず、「金融業務損益」に即時認識される場合を除く。
IFRS により、グループは、金融資産および金融負債の相殺基準を充たす2件の取引を有している。
C 償却原価で測定される金融資産および貸付コミットメントの減損
EU会計指令において、貸付金および預け金の評価損益は、それらの金額のすべてまたは一部が回収でき
ないリスクが存在する場合にのみ計上される。これらの評価損益は、損益計算書の「貸付金および預け金
ならびに偶発債務引当金に係る(再)評価損益」として会計処理され、貸借対照表上の適切な資産項目か
ら控除される。
負債証券の評価損益は、それが一時的でない場合に計上される。これらの評価損益は、損益計算書の
「固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券および参加持分に係る(再)評価損益」として会計処
理され、貸借対照表上の適切な資産項目から控除される
IFRS により、グループは、償却原価で測定されるすべての貸付金および負債証券の損失引当金に加え、
オフ・バランスシートの貸付コミットメントの損失引当金を認識することが要求されている。この引当金
は、当初認識以降に信用リスクが著しく増大した場合、または当該金融商品が信用減損していると判断さ
れた場合は全期間予想信用損失(「 ECL 」)に基づき、そうでない場合は 12ヵ月 ECL に基づき計上される。
金融商品の性質に応じて、 ECL 引当金は、貸借対照表の適切な資産項目から控除される。オフ・バランス
シート項目については、貸倒引当金は「引当金 b) 保証および契約債務引当金 」の項目で報告される。
ECL 引当金の変動は、損益計算書の以下のいずれかの項目に計上される。
・ 貸付金および貸付コミットメントについては、「貸付金および預け金の減損ならびに保証引当金
の変動(戻入れ控除後)」
・ 負債証券については、「固定金融資産として保有される譲渡可能有価証券、株式およびその他の
変動利回証券の減損の変動(戻入れ控除後)」
D 年金基金
EU会計指令においては、 10%回廊方式が採用されており、退職給付債務の 10%を超過する過年度の数理
計算上の差異の累積額は、制度加入者の予想平均残存勤続年数にわたり定額法で「一般管理費 a)人件費
」に認識される。
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IFRS において、グループは、退職後確定給付制度に関連する収益または費用を決定するために改訂され
たIAS 第19号を適用している。
数理計算上の差異の累積額は、全額が「その他準備金」として「その他の包括利益」で認識される。人
件費の調整は、損益計算書の「一般管理費 a)人件費」で、利息費用の調整は「支払利息および類似費用」
で認識される。
E 非支配持分の調整
EIB 」および欧州投資基金(「 EIF 」)は総称して「グループ」と定義されている。
EIB はその子会社の1つである EIF の少数株主の全所有株式を対象としてプット・オプションを付与し
た。
EU会計指令において、非支配持分は連結貸借対照表上、別の項目として計上される。プット・オプショ
ンは、グループのオフ・バランスシートに計上される。
IFRS においては、非支配持分は組み替えられ、対応する金融負債がオプションの行使価格の公正価値に
より「その他の負債」に認識されて親会社の株主に帰属する。その後、当該金融負債は IFRS 第9号に従っ
て測定される。すなわち、取得日後の金融負債の公正価値変動は、連結損益計算書の「支払利息および類
似費用」に認識される。非支配持分の合意価格に対する超過額または不足額は「連結準備金」に戻入れが
なされる。
F 受取手数料
グループは、 EU会計指令および IFRS に基づき、一定期間にわたり履行義務が充足される収益からの受取
手数料を、サービス期間にわたり発生主義で認識している。一時点でのサービスの提供またはその履行に
より稼得した受取手数料(例えば業績連動)は、サービスが完了した時点で認識される。
グループは、一定のマンデートについて、収入を受領する時期と各マンデートの全期間にグループにお
いてサービス/コストが発生する時期との間のずれに対応するために、繰延収益方針を確立している。対
応する調整が「受取手数料」に対して貸借対照表の「繰延収益」に計上される。
EU会計指令において、一定の期間にわたりこの繰延メカニズムを将来に向かって適用し当会計年度の繰
延収益を認識したが、 IFRS においては、グループは修正遡及アプローチを使用し、 IFRS 第15号への移行時
に累積的影響額を資本に認識した。この結果、繰延収益とそれに対応する個々の年度に計上される収益に
差異が生じた。
G リース
EU会計指令に基づき、賃借料は「一般管理費 b)その他の管理費」に計上される。
グループは従前、リース取引により原資産の所有に付随して発生するリスクおよび経済価値がグループ
に移転するか否かの評価に基づき、リースをオペレーティングリースに分類した。 IFRS 第16号の適用によ
り、グループは、従前 IAS 第17号および IFRIC 第4号を適用してリースと識別していた契約の使用権資産お
よびリース負債をオンバランス処理する。ただし、免除規定の対象となるもの(短期リース資産および新
規の取得原価を基準とした少額リース)を除く。
グループは、 2019 年1月より IFRS 第16号を適用し修正遡及アプローチを用いている。適用開始日には、
新基準適用による累積的影響額を認識し、使用権資産をリース負債と同額として計上した。適用開始日直
前に財政状態計算書において、当該リースに係る前払または未払リース料は認識されなかったため、認識
された留保利益の調整はなかった。上記の使用権資産は「有形固定資産」に認識され、対応するリース負
債は「その他の負債」に認識された。
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事後測定においては、グループは、原価モデルを適用して使用権資産を計上し、使用権資産を開始日か
らリース契約終了時まで減価償却するとともに毎年減損評価を行う。使用権資産の減価償却は、「減価償
却費および償却費:有形固定資産および無形資産 a)有形固定資産」に計上される。リース負債の帳簿価額
は、リース料およびリース負債に係る割引の巻戻しによる利息を反映して調整され、再評価またはリース
の条件変更を反映するため再測定が行われる。リース負債に係る割引の巻戻しによる利息は、損益計算書
の「支払利息および類似費用」に計上される。再評価の金額は、損益計算書の「金融業務損益」に計上さ
れる。
H 金融保証契約
EU会計指令に基づき、金融保証による負債純額は、貸借対照表の「引当金 b)保証業務に係る引当金」に
表示されている。将来の予想プレミアムの正味現在価値が予想支払義務を超過する額を表す未実現利益
は、引き続き認識されていない。
純負債の増加または減少は、損益計算書の「貸付金および預け金ならびに偶発債務引当金に係る(再)
評価損益」で認識される。
IFRS において、金融保証による未実現利益は、金融保証契約の測定の結果として正味資産ポジションと
なった場合、貸借対照表の「その他の資産」に計上される。金融保証契約の測定の結果として正味負債ポ
ジションとなった場合、償却後の当初 NPV が12ヵ月 ECL または全期間 ECL よりも高い契約については、「その
他の負債」に表示される。信用減損があり、全期間 ECL に基づいた損失引当金が認識されている保証契約に
ついては、「保証および契約債務引当金」に表示される。金融保証に関連する「その他の資産」または
「その他の負債」の増加または減少は、損益計算書の「金融業務損益」に認識される。保証履行請求に対
する決済以外の金融保証に伴う「保証および契約債務引当金」の増加または減少は、損益計算書の「貸付
金および預け金の減損ならびに保証引当金の変動(戻入れ控除後)」に認識される。
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(6) 【その他】
当会計年度の末日後、本有価証券報告書提出日までに生じた重要な事実はない。
(7) 【発行者の属する国等の概況】
該当なし
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