スペイン開発金融公庫 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | スペイン開発金融公庫 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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スペイン開発金融公庫(E06100)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年6月 29日
【事業年度】 自 平成 31年1月1日 至 令和元年 12月31日
【発行者の名称】 スペイン開発金融公庫
(Instituto de Crédito Oficial, E.P.E)
【代表者の役職氏名】 アントニオ・コルデロ
資金調達・財務部長
(Antonio Cordero, Head of Funding and Treasury)
【事務連絡者氏名】 弁護士 田 中 収
同 井 上 貴美子
同 宮 崎 太 郎
同 鳥 居 奈 那
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1553
【縦覧に供する場所】 該当なし
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第1 【募集(売出)債券の状況】
該当なし
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第2 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当なし
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当なし
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第3 【発行者の概況】
注記 (1) 本書中、「発行者」、「 ICO 」、「当公庫」または「親会社」とあるのはスペイン開発金融公庫( Instituto
de Crédito Oficial, E.P.E )を指すものとし、「スペイン」とあるのはスペイン王国を指すものとする。
(2) 別段の表示のない限り、本書中の「ユーロ」とは欧州連合ユーロを指すものとする。本書中では、すべての金
額は、別段の定めのない限り、ユーロで表示される。参考までに、 2020 年6月1日現在の株式会社三菱UFJ
銀行により発表されたユーロの日本円に対する対顧客電信直物売買相場の仲値は1ユーロ当たり 119.82 円で
あった。
(3) 発行者およびスペイン王国の会計年度は、暦年と一致している。
(4) 本書中、表中の数字が四捨五入されている場合、合計は数字の総和と必ずしも一致しない。
(5) 本書中、表中の数字で ( )で囲まれた数字は負の値である。
1 【発行者が国である場合】
該当なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
スペイン開発金融公庫( Instituto de Crédito Oficial, E.P.E )(「発行者」、「 ICO 」、「当公庫」
または「親会社」)は、スペイン王国の政府金融機関の組織および管理に関する 1971 年法律第 13号( Ley
13/1971 Sobre Organización yRégimen del Crédito Oficial )に基づき独立した金融機関として 1971 年
6月 19日に設立された。当該法律により、当公庫独占的職務は政府信用供与の管理、政府金融機関の調整
および管理ならびに政府金融機関を介して行うスペイン経済の特定部門に対する中・長期の融資の提供と
して明確にされていた。
1988 年一般国家予算に関する 1987 年法律第 33号( Ley 33/1987 de Presupuestos Generales del Estado
para 1988 )(「 1988 年予算法」)に従い、当公庫の法的地位は国が全額出資する国有法人( Sociedad
Estatal )に変更された。 1988 年予算法により、当公庫は金融機関規則および管理に関する 1988 年7月 29日
法律第 26号( Ley de Disiciplina eIntervención de las Entidades de Crédito )が(金融機関の組織、
監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号( Ley 10/2014, de 26 de junio, de ordenación,
supervisión ysolvencia de entidades de crédito )に替わるまで)適用された「金融機関」として区分
されていた。同様に 1988 年予算法に従い当公庫は、政府金融機関( OCI )であるバンコ・デ・クレディト・
アグリコラ・エセ・アー、バンコ・デ・クレディト・ロカル・デ・エスパーニャ・エセ・アー、バンコ・
デ・クレディト・インダストリアル・エセ・アーおよびバンコ・ヒポテカリオ・デ・エスパーニャ・エ
セ・アーの全株を保有する持株会社になった。
国有金融機関の新組織を定める 1991 年5月3日勅令法第3号( por la que se establece una nueva
organización de las entidades de crédito de capital público estatal )に従い、当公庫は OCI ならび
にその他の営利企業の株式を国家に譲渡した。当該勅令法により、コーポラシオン・バンカリア・デ・エ
スパーニャ(事業上の名称:アルヘンタリア)が OCI の株式を保有する目的で設立された。
1995 年に、予算、租税および財政に係る緊急措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号( Real Decreto-
Ley 12/1995 )(「 1995 年勅令法」)が制定され、 1996 年1月1日に発効した。 1995 年勅令法により、当公
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庫の法的地位は金融機関の法的性質を有する国有法人として確認され、その目的は以下に述べる通り、国
家の財務代理人として特定されている。
2015 年に、公共部門の法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号( Ley de Régimen Jurídico del
Sector Público )(「 2015 年法」)が、国家経済政策および国家一般行政に従い運営される公的機関
(Sector Público Institucional Estatal )に適用される一般条項を規定するために制定された。 2015 年
法に基づき公的機関は、(ⅰ)自治機関および(ⅱ)公共の利益のために事業活動を行い、サービスを提
供する公共事業体からなる。 1999 年4月 30日勅令第 706 号(「 1999 年勅令」)により、スペイン開発金融公
庫を 2015 年法に適合させ、当公庫の定款を承認した。 ICO は2015 年法の第 84条第1項 a)2に基づく公共事業
体である。
現在、発行者は(ⅰ) 2015 年法、(ⅱ) 1995 年勅令法、(ⅲ)一定事項に関し適用される 2003 年11月26
日法第 47号により承認された一般財政法、(ⅳ) 1999 年勅令( 2015 年勅令第 1149 号により改正)により承
認された ICO の定款および(ⅴ)上記(ⅰ)から(ⅳ)の規則によって規制されない事項で、金融機関に適
用される特定の規則ならびに民法、商法および労働法上の一般的な規則に服している。
スペイン政府との関係
スペイン王国の保証が、 ICO の定款を承認し、当公庫を 2015 年法へ適合させた 1995 年勅令法および 1999 年
勅令に基づき供与される。 ICO の定款第 24条に基づき当公庫の債務は、第三者についてスペイン王国の法定
保証を享受する。スペイン王国の保証は、直接、明示的、取消不能および無条件の保証である。
ICO は国家金融機関としてみなされており、経済・デジタル変革省に帰属し、報告義務を負っている。
ICO の計算書類はインターベンシオン・ヘネラル・デ・ラ・アドミニストラシオン・デル・エスタド(国
家の一般会計監査院)によって監査されなければならない。トリビュナル・デ・クエンタス(財務裁判
所)はその後それらに関する報告書をスペインの議会に提出しなければならない。
金融機関の組織、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号に基づき、 ICO はスペイン中央
銀行によって監督され、金融機関としてその職務を遂行している。
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目的および業務
ICO の目的は経済を成長させて、国家の富をより公平に分配し、とりわけ社会、文化、技術革新または環
境の面から価値ある開発を行うことに貢献するために、経済活動を支援、促進することである。そのため
ICO は財政均衡の原則および目的達成手段の適合性を常時厳格に遵守する。
さらに、 ICO の役割は以下の通りである。
(a)内閣または政府経済問題委員会の適切な指図に従い、深刻な経済危機、自然災害またはこれに類似の
状況により生じる経済に対する影響を緩和するように支援すること。
(b)ICO の理事会が採択した規則および決議に従い、内閣または政府経済問題委員会もしくは経済・デジ
タル変革省の定める基本的な方針を遵守して、経済政策を実施する機関として行為すること。
発行者は相互金利調整契約(「 CARI 」)および法人国際化基金(「 FIEM 」)により輸出取引に融資す
る。 CARI は、プログラムに参加している金融機関による固定レートの輸出信用に関し最低収益率を保証す
る輸出援助プログラムである。 FIEM は2010 年6月に、スペイン企業の国際化を支え、スペインの輸出およ
び外国への直接投資を促進するため設立された。 FIEM は政府貿易事務局を通じてスペインの産業・貿易・
観光省により管理されている。発行者は国家の財務代理人として行為し、 FIEM の定型化、運営および計算
書の提出を任されている。発行者はかかる取引に関して、スペイン政府の代理人として行為している。か
かる取引は発行者の他の事業部門から独立して、契約、管理および計算が行われている。
発行者は、国家の財務代理人として行為し、開発プロモーション基金(「 FONPRODE 」)ならびに水およ
び汚物処理協力基金(「 FCAS 」)の定型化、運営および計算書の提出を任されている。 FONPRODE は協力の
手段として 2010 年10月に設立された。 FONPRODE は、国際協力担当大臣およびスペイン国際開発協力機構
(「 AECID 」)を通じて、外務・欧州連合・協力省により管理されている。その主な目的は貧困の根絶、社
会的平等の獲得、人権の擁護および発展途上国における人間の発達を促すことである。 FACS は、協力の手
段として 2008 年に設立された。その主な目的は、水にアクセスするための人権の保証および当該問題に関
するミレニアム目標を達成することである。
スペイン王国の財務代理人としての ICO の主な目的は、中長期資金の分配によるスペインの経済および社
会の発展ならびにスペインの地域経済を促進することである。
ICO のほとんどの貸付は中小企業に対し、直接または仲介貸付のいずれかにより行われる。
日本との関係
特記すべき事項はない。
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(2) 【資本構成】
以下の表は、 2019 年12月31日現在の ICO の資本構成である。 (1)
(単位:千ユーロ )
純資産および準備金
資本金 (2) 4,314,033
準備金 970,663
当期損益 109,378
評価調整額 (20,493)
資本合計 5,373,581
負債
中央銀行による預金合計 499,902
信用機関による預金合計 8,477,599
顧客による預金 699,313
ICO の債券、約束手形およびその他証券 15,734,424
その他の金融負債 401,952
償却原価で評価した金融負債 25,813,190
総合計 31,186,771
(1) 監査済みの数値である。また、 2019 年12月31日以降、 ICO の資本構成に重大な変更はない。
(2) ICO の資本金は国が全額出資している。
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(3) 【組織】
ICO の理事会は、理事長およびその他 10名の理事により構成され、全員が経済・デジタル変革省の推薦に
従い、内閣によって任命される。
理事会は当公庫の統制上および運営上の最高機関である。理事会の理事の指名(指名の取消を含む。)
は経済・デジタル変革大臣の提案により、契約を通じて、内閣が対応している。当該理事は、スペイン開
発金融公庫の活動分野において定評があり、専門的能力を有する人物から選出される。その理事のうち4
名は、公共部門の業務に携わる従業員ではないという意味で、社外の者であるものとする。また、理事の
うち6名は公共部門の業務に携わる非常に有能な従業員から選出されるものとする。 ICO の事業の金融資産
および金融負債の取引に関連する議案の決議においては、社外の理事はそれぞれ二票の投票権を持つ。
理事会の主要な権限は、内閣、政府経済委員会または経済・デジタル変革省が定める基本的な指針に従
い、一定の経済政策を実施するための規則および決定の承認、 ICO の年次財務書類、財務書類注記および経
営陣報告書の承認、 ICO とスペインおよび欧州連合の異なる行政組織に属するその他の機関または事業体、
ならびにその他の公的機関または民営機関、国内または外国の機関と締結されなければならない協力協定
の承認である。
運営委員会は当公庫の日々の運営管理の責任を負っており、その性質により同委員会の範疇にある業務
のすべてについて理事会に従う。 ICO の理事長の下で、運営委員会は最高で 15名の委員で構成され、委員は
当公庫の者(必ず ICO の業務執行役員を含む。)から理事長により任命される。
業務執行役員の選任および解任は ICO の理事長が対応する。 ICO の理事長はスペイン開発金融公庫の内部
レベルでの副部長とともにその他の部門部長の任命、ならびに労働体制の変更および決定にも携わる。
理事会の 2018 年12月31日現在の理事(理事は理事長を除き ICO の業務執行役員ではない。)は以下の通り
である。
氏名 役職
ホセ・カルロス・ガルシア・デ・ケベード 理事長
M・デル・カルメン・ガルシア・フランケロ 公共事業・交通省経済計画・予算局長
ハイメ・イグレシアス・キンタナ 財務省予算局長
ルイス・マルティ・アルヴァレス 経済・企業省経済政策局長
パブロ・デ・ラモン-ラカ・クラウセン 経済・企業省融資・債務管理副局長
セサー・ヴェロソ・パルマ 財務省首相官邸参与
産業・貿易・観光省国際貿易・投資局長支援部
オスカー・ヴィア・オサジャ
隊長
シルヴィア・イランゾ・グティエルレス 社外理事
クララ・ガルシア・フェルナンデス-ムロ 社外理事
マリア・テレサ・サンテロ・キンティジャ 社外理事
ホセ・マヌエル・レジェロ・ガルシア 社外理事
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理事会の有価証券報告書提出日現在の理事は、理事長および 10名の理事である。
氏名 役職
ホセ・カルロス・ガルシア・デ・ケベード 理事長
運輸・モビリティ・都市問題省経済計画・予算
M・デル・カルメン・ガルシア・フランケロ
局長
ハイメ・イグレシアス・キンタナ 経済・デジタル変革省スペイン財務省予算局長
エレナ・アパリチ・ヴァスケス・デ・パルガ 経済・デジタル変革省経済政策局長
経済・デジタル変革省スペイン財務省公債管理
ロサ・マリア・モラル・ベテレ
副局長
セサー・ヴェロソ・パルマ 経済・デジタル変革省内閣閣僚
産業・貿易・観光省国際貿易・投資局長支援部
オスカー・ヴィア・オサジャ
隊長
シルヴィア・イランゾ・グティエルレス 社外理事
クララ・ガルシア・フェルナンデス-ムロ 社外理事
マリア・テレサ・サンテロ・キンティジャ 社外理事
ホセ・マヌエル・レジェロ・ガルシア 社外理事
理事会の社外理事の任期は3年間で、その後一度は再任が可能である。
ICO の2018 年12月31日現在の業務執行役員は以下の通りである。
氏名 役職
ホセ・カルロス・ガルシア・デ・ケベード 理事長
イグナシオ・ヴィセンテ 最高財務責任者
ロサリオ・カセロ 最高投資責任者
ヘラルド・ヒメノ 最高リスク管理責任者
ホセ・アントニオ・マルティン 最高人事責任者
ICO の有価証券報告書提出日現在の業務執行役員は以下の通りである。
氏名 役職
ホセ・カルロス・ガルシア・デ・ケベード 理事長
イグナシオ・ヴィセンテ 最高財務責任者
ロサリオ・カセロ 最高投資責任者
ヘラルド・ヒメノ 最高リスク管理責任者
ホセ・アントニオ・マルティン 最高人事責任者
従業員
ICO の使命を遂行するための要素はその高度に熟練した労働力にある。当公庫の人的資本は、国有金融機
関としてのその目的を効果的に成就するための重要な要素となっている。 2019 年12月31日現在、 ICO は320
名の従業員を雇用しており、 2018 年末と比較して 11名上回る。
雇用に関する事項は、労働法( Estatuto de los Trabajadores )による実体法上の規制を受けている。
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(4) 【業務の概況】
A. 業務を行う上での経済的状況
スペイン経済は引続き欧州平均より高い成長率で成長している。
2019 年において、スペイン経済は、欧州およびユーロ圏の平均を上回る年間成長率で成長した。より具
体的には、 2019 年の GDP 成長率は 2.0 %で、 2016 年に始まった減速が続き、 2018 年に記録されたもの
(2.4 %)を 0.4 %下回った。この成長は、内需および外国部門の両方のプラスの寄与によるものだった。
より具体的には、内需の寄与度は、外国部門の寄与度が 2018 年より 0.7 ポイント上昇して 0.4 ポイントだっ
たのに対し、前年より 1.1 ポイント低下して 1.5 ポイントだった。この動向は、輸出のわずかな増加と合わ
せて、民間消費および投資の減速により説明される。
ユーロ圏においては、経済成長率は 2018 年の 1.9 %から 2019 年には 1.2 %に低下したが、これはスペイン
で記録したものよりも一層顕著な減速を示している。これは、製造部門および世界の他の地域向けの輸出
の弱さによって説明される。さらに、経済の減速は、ブレグジットおよび他の地政学的リスクによる先行
き不透明感の外的要因により特に影響を受けた。
ECB は金利を維持し、金融政策の新たな戦略の概要を示す。
全体的な観点から、欧州中央銀行( ECB )の金融政策は、ユーロ圏の経済情勢に対応して、クリスティー
ヌ・ラガルド氏の総裁任命後も含め、 2019 年の拡大政策を維持している。実際に、資産購入の終了により
2019 年と予想されていた出口戦略の開始は3月に取消され、四半期毎に目標を設定した長期借換事業の新
ラウンド( TLTRO- Ⅲ)が発表され、1ヶ月当たり 20百万ユーロでの資産買入れが 11月に再開した。この金
融緩和政策は引続き政策金利に示され、政策金利は依然同じかまたはわずかに引下げられた。金利は、主
要な借換事業について0%、限界貸付ファシリティーについて 0.25 %、預金ファシリティーについてマイ
ナス 0.5 %としたが、これらは9月に 0.1 %引下げられた。ラガルド総裁の発表の主要部は欧州中央銀行の
戦略見直しについてであった。
スペインにおける家計向けおよび企業向け貸付金利は引続き低下し、史上最低水準に達している。
拡大金融政策は引続き、低金利での貸付に拍車をかけた。銀行の家計向けおよび企業向け新規貸付に適
用される金利は既に最低水準だったが、引続きわずかに低下した。実際には、スペインにおいて1百万
ユーロ未満の取引に対して企業に適用される金利は、中小企業向け貸付における金利の近似値として用い
られているが、下降傾向が続き、 12月には史上最低の 1.76 %に達した。ドイツにおける同様の貸付との金
利差は、一年を通してスペインに有利であり、 12月には金利差が最大で 30ベーシス・ポイントとなった。
一方で、 250,000 ユーロを上限とするより少額の貸付において、金利は特に当年度下半期において下降
し、年度末には 1.87 %となった。これは、ユーロ圏における同様の貸付の平均( 2.09 %)およびドイツに
おける同様の貸付の平均( 2.35 %)より低かった。
この金利の引下げとともに、 2019 年において、スペインでは中小企業が典型的に要求する額の新規貸付
取引件数が若干減少した。1百万ユーロ未満の取引は 2018 年と比較して 2019 年には 0.8 %減少したのに対
し、 250 百万ユーロ未満の新規取引は大幅な減少(マイナス 1.8 %)となった。
債務不履行は引続きわずかに低い比率で減少している。
スペインの信用機関の不良債権比率は、過年度と同様に引続き低下している。より具体的には、この比
率は 2018 年12月の 5.8 %から 2019 年12月には 4.79 %に低下し、 2010 年以降最低となった。貸付総額はやや減
少したものの、貸倒懸念債権の減少が際立った。
B. エグゼクティブ・サマリー
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戦略的業務分野
スペイン開発金融公庫に加えて、 ICO グループは、ベンチャー・キャピタル企業である AXIS およびファン
ダシオン ICO からもなる。 2019 年中、当グループの業務は、以下の 2019 年から 2021 年の「 ICO 戦略的再編」
において構築された戦略軸に基づいて行われた。
・ 経済成長および事業活動を目的とする国有開発銀行として ICO を発展させること。
・ 様々な省庁のイニシアチブを実施し、地方自治体と官民提携スキームを策定し、インベスト EU
(Invest EU)プログラムにおける公認の機関として ICO を位置づけることにより、経済政策を実施す
る金融機関として ICO を強化すること。
・ 政府金融機関として経営を改善し、 ICO の業務のシナジーを創出すること。
・ ICO の業務の中核となる柱として、またそのすべての面において、持続可能性、企業の社会的責任およ
び組織運営の改善を促進すること。
この指針に従って実行されたアクションから得られた結果は、 2019 年に ICO が供与した貸付および保証の
合計フローが 9,613 百万ユーロとなったことを示し、 63,648 件の取引に分配され、その種類別の取引の内訳
は以下の通りである。
政府系開発銀行の貸付(単位:百万ユーロ)
2018 年 2019 年
金額 取引件数 顧客数 金額 取引件数 顧客数
企業向け貸付および保証 3,370 41,517 27,606 6,463 63,645 46,069
その他の融資業務 (*) 1,310 1 1 3,150 3 3
政府系開発銀行 4,680 41,518 27,607 9,613 63,648 46,072
(*) 事業性のない機関に付与される一回限りの金融取引に対する準備金
企業への融資の基準事業体としての ICO 。2019 年の業務
2019 年において、あらゆる分野のすべての企業、特に中小企業、自営業者および起業家に対して、スペ
インおよび海外市場の両方における業務および投資に融資するために ICO が提供する与信へのアクセスおよ
びその条件が改善された。 2019 年の ICO の与信および保証業務の引当金総額は、 2018 年と比較してほぼ倍増
し、 92%の平均成長率を記録した。
前年には、 6,463 百万ユーロの企業への融資のフローが達成されたが、その内訳は 46,000 を超える様々な
顧客に付与された 63,645 件の貸付だった。このダイナミズムは、 ICO の融資目録全体における共通のテーマ
である。
2019 年における企業への貸付および保証(貸付方法別)(単位:百万ユーロおよび取引件数)
融資枠設定 融資実行
金額 取引件数 金額 取引件数
仲介貸付 5,055 63,522 4,788 63,524
直接貸付 2,476 88 1,675 121
合計 7,531 63,610 6,463 63,645
年末時点で、株式ベースでの ICO の貸方残高は、スペインの金融セクターが企業に付与した1年を超える
期間のすべての融資の 5.1 %を占めた。新規取引のフローという点では、 ICO が企業に提供した融資は、
2019 年のシステムの総額の2%弱を占めた。
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ICO の仲介ファシリティーは自営業者および極めて小規模な企業に重点を置いている。
2019 年、金融機関を通じた ICO の仲介ファシリティーは 4,788 百万ユーロの融資実行に至った。取引の
65%は従業員 10人未満の企業および自営業者と行われ、従業員数 50人以下の中小企業を含めるとその比率
は90%に増加する。
2019 年に ICO の仲介ファシリティーに導入された変更により、より多くの付加価値を与える融資が可能と
なっている。すなわち、取引の 76%は中期または長期の融資枠が設定され、 ICO が付与した融資の 40%は5
年以上の期間のものだった。さらに、初めて半数超( 52%)に固定金利が適用された。最終顧客に適用さ
れる実効金利( APR )は 2019 年には約2%だった。
一方、 ICO の仲介ファシリティーにより融資実行された金額は、生産、雇用および投資、ならびに輸出力
の改善に寄与するプラスの影響を及ぼす。仲介ファシリティーを通じた ICO の2019 年の業務による影響の見
積額は GDP との関係で、 16,426 百万ユーロであり、これは GDP の1.3 %に相当する。一方、創出されたかつ/
または維持された雇用への影響は、 271,000 超の雇用と見積もられ、これは雇用のフルタイム当量合計の
1.5 %に相当する。
大規模投資プロジェクト向けの直接融資業務
一方、 ICO が実施する直接金融取引は、企業に対する融資、与信および保証の供与または企業が発行する
社債の購入により、スペイン国内外両方の大規模な長期投資プロジェクトの展開を促進することを目的と
している。 2019 年にこの方法により実行された融資額は 1,675 百万ユーロとなり、 2018 年から 94%の増加で
あった。
2019 年に ICO の直接融資業務により創出された経済活動への影響の見積額は、 GDP との関係で 9,108 百万
ユーロで GDP の0.7 %に相当した。これらの直接融資業務の結果として 156,000 の雇用が創出されているか
つ/または維持されていると見積もられており、これは雇用のフルタイム当量合計の 0.9 %に相当する。
この直接的業務の分野で、 ICO は、ユンケル・プランに付随する欧州戦略投資基金( EFSI )に基づくプロ
ジェクトの融資を促進することに大きな重点を置いている。この基金は戦略的インフラ(デジタルおよび
交通)、研究および技術革新、教育、再生可能エネルギーの開発ならびに資源効率の部門における大企
業、中堅企業および中小企業のプロジェクトに資金を提供するために設立された。 2019 年末現在、 EFSI 保
証のある金融商品への ICO の参加総額は 1,818 百万ユーロとなった。
第三市場におけるスペイン企業の国際化の促進
スペイン企業の国際活動を活発化させることは、近年の ICO の特徴である。このコミットメントは、引続
き現在の戦略の不可欠な要素である。
企業の国際投資を促進するために利用される貸付および保証の引当金は、累計で約 2,200 百万ユーロとな
り、 2019 年の引当金合計の 34%を占めた。これらのフローは、他の大陸でも発生する一回限りの業務に関
して、主に EUならびにラテンアメリカ、米国およびカナダの第三市場におけるスペイン企業の輸出および
投資活動への融資として使われた。
2019 年における企業への貸付および保証(投資目的別分類)(単位:百万ユーロおよび取引件数)
融資枠設定 融資実行
金額 % 金額 %
対内投資 4,552 60.4 4,272 66.1
対外投資 2,980 39.6 2,191 33.9
合計 7,531 100 6,463 100
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融資枠設定額では、 2019 年の国際事業の割合は、対企業業務の 40%を占め累計 2,980 百万ユーロとなっ
た。このうち 1,117 百万ユーロは直接融資取引に相当したが、残りの 1,793 百万ユーロは ICO の仲介ファシリ
ティー からのものだった。
補完的な融資チャネルを強化する。
ICO グループは、ベンチャー・キャピタルの子会社である AXIS を通じて引続き補完的な融資チャネルを強
化した。 AXIS は、当該部門においてスペインにおける最も活発な運用会社の一つである。 AXIS は、スペイ
ン証券市場委員会( CNMV )に登録されている三つのベンチャー・キャピタル・ファンド( FOND-ICO グロー
バル、 FOND-ICO パイムおよび FOND-ICO インフラストラクチュラスⅡ)を通じて 2,650 百万ユーロを運用して
いる。
2019 年末までに決定された 11件のコールにより、 FOND-ICO グローバルは、 82の民間ファンドに 1,734 百万
ユーロの投資を承認したが、これは重要な乗数効果を有しており、スペイン企業への最低 6,757 百万ユーロ
の投資を生む。公的資金が1ユーロ投資される毎に、民間ファンドは最低 3.9 ユーロの投資を約束してい
る。
FOND-ICO グローバルが参加した民間ファンドは、 155,000 名を超える従業員を有し、様々な部門および異
なる成長段階にあるスペイン企業への 552 件の投資をした。資金を受領している企業の 82%が中小企業であ
る。
持続可能性およびソーシャル・インパクト・ファンドへの投資イニシアチブの一環として、 2019 年に
FOND-ICO パイムは、成長段階にある社会的企業の支援に役立つスペイン初の機関投資家向けインパクト投
資ファンドであるクレアス・インパクトに5百万ユーロを投資した。
一方、 FOND-ICO インフラストラクチュラスⅡは、スペイン国内外における持続可能な(交通、社会、エ
ネルギーおよび環境の)インフラの支援を目指している。 2019 年において、同ファンドはカセレスの太陽
光発電所の建設に投資し、同発電所はスペイン最大の発電所の一つとなり、気候変動との闘いに貢献す
る。
持続可能な排出量のための財源の調達
ICO はその活動を実施するため、 2019 年に中期および長期に 5,887 百万ユーロを調達した。このうち、
73.7 %は資本市場で発行された証券により取得したものであり、残りの 26.3 %は欧州の様々な国際機関か
ら当公庫に付与された貸付によるものであった。
2019 年、 ICO はサステナブル・ボンドの参照発行体としての役割を強化した。4月には、環境保全および
気候変動との闘いに貢献するスペイン企業の事業、投資およびプロジェクトに融資するため、 500 百万ユー
ロの初のグリーン・ボンド発行をローンチした。
ICO が草分け的存在であったソーシャル・ボンドについては、 2019 年に 500 百万ユーロの新規発行が行わ
れ、この種の取引で初めてマイナス金利で資金調達された。これらの財源により、 ICO は1人当たり GDP が
スペイン平均よりも低い自治州の企業のプロジェクトに融資している。
優先事項としての持続可能性
ICO は、その使命および目的との関係が深まっていることを考慮して、環境・社会・ガバナンス( ESG )
の持続可能性を自らの活動の基盤とした。このため、当公庫は、新たな商品、基準、方針およびイニシア
チブの指標および推進者として主導的かつ先導的な役割を果たし、 360 °横断的な持続可能性モデルの実現
を目指している。このようにして、 ICO は、 2030 アジェンダの持続可能な開発目標の達成ならびにパリ協定
および欧州グリーン・ディールに関連するコミットメントに貢献しようとしている。
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持続可能性の分野では、 2019 年において、 ICO グループは、環境面でかつ社会的に持続可能なプロジェク
トにおいて、 1,080 百万ユーロ超(当該ファンドを通じての AXIS による 37百万ユーロの資本拠出を含む。)
を承認した。 FOND-ICO パイムには現在、社会的影響を有し5百万ユーロをクレアス・ファンドに最初に拠
出した企業に投資する専門ファンドのための5- 10百万ユーロの手段を有する新たな 50百万ユーロの「持
続可能性および社会的影響」イニシアチブが含まれる。
ICO は、マドリッドで開催された COP25 の会議に積極的に参加し、スペインの金融セクター全体がポート
フォリオの二酸化炭素排出量を削減し、パリ協定および SDG の目標に沿うことを目的としたクライメイト・
アクションに係る共同誓約に署名した。
デジタル変革および技術革新の支援も、企業の競争力を向上させる方法として、また事業活動および生
産プロセスを効率化する能力のおかげで持続可能性に間接的なプラスの影響を及ぼす要素として、 ICO の優
先事項である。
国家資金の管理者としての ICO
2019 年の ICO の業務のエグゼクティブ・サマリーを完成させるために、当公庫の国家の財務代理人として
の役割を記載しなければならない。以下の公的基金、すなわち、 FIEM 、CARI 、FONPRODE 、フォンド・デ・
コオペラシオン・パラ・イェ・エル・アグア・イエル・サネアミエント、フォンド・デ・フィナンシアシ
オン・ア・ CCAA およびフォンド・デ・フィナンシアシオン・ア・エンティダデス・ロカレスが管理され
た。
この活動領域では、 ICO は、国家のためにかつ国家を代理して行動し、前述の基金の業務に融資枠を設定
し、管理し、運営する責任を負う。会計記録は当公庫の会計記録とは別に作成されるため、それらの収支
はICO の財務書類には含まれていない。
2019 年末には、国家資金により付与され、 ICO により運営および管理された貸付ポートフォリオの未払残
高は 194,093 百万ユーロとなった。
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管理指標
2019 年において、管理指標は依然として好調であった。以下の表は、当会計年度における ICO の業務に関
する単体の主要な数値および管理指標を示している。
2019 年の ICO の主要な数値
(単位:百万ユーロおよび% )単体の数値
残高
資産合計 31,823
純資産 5,344
損益勘定
税引前利益 149
比率
支払能力 41.1 %
不履行 4.7 %
カバレッジ 168 %
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C. 2019 年における ICO の貸付業務
C.1. 仲介ファシリティーを通じて分配される融資枠
2019 年において、 ICO は、投資、輸出を行い、または流動性ニーズを満たす必要のある特に中小企業およ
び自営業者等の企業に対する融資業務または保証業務を 提供 する金融仲介機関として行為する民間金融機
関との協働により、開発銀行としての役割を追求し続けた。これらの仲介ファシリティーを通じて、当公
庫は、幅広い商品を提供し、契約を締結した金融機関の商業上のネットワークにより資金を提供する。 ICO
は、当該商品の主な特性、受取先、目的および財務上の条件を決定し、協力関係にある金融機関とともに
リスクを負う。これに対して、事業体側は、取引の処理、検証および承認に対して責任を負い、資金調達
の最終受取先の信用リスクを負う。
2019 年において、 ICO の仲介ファシリティーは、長期生産的融資および国際市場におけるスペイン企業の活
動の強化を促進した。
ICO は、 2019 年を通じて、企業ネットワークへの付加価値の提供およびスペイン企業の外国への参入のた
めの支援を継続した。当会計年度において、 ICO は、仲介ファシリティーを通じて 4,788 百万ユーロを提供
したが、これは 63,524 件の融資取引件数に相当し、 46,000 を超える企業により利用された。融資枠設定額
は、 5,000 百万ユーロ超となった。
当公庫が提供する仲介ファシリティーは、企業および起業家ならびに国際化という二つの大きな戦略的
分野 に分類され る。
2019 会計年度の仲介ファシリティー
事業分野別の分布(単位:百万ユーロおよび取引件数)
融資枠設定 融資実行
金額 取引件数 金額 取引件数
企業および起業家の分野 3,262 51,863 3,262 51,863
国際分野 1,793 11,659 1,526 11,661
合計 5,055 63,522 4,788 63,524
企業および起業家の戦略的分野 その目的は、スペインにおける事業活動および投資計画のための資金
供与を行うことである。 2019 年において、 44,700 を超える企業が、下記のファシリティーを通じて、
51,863 件( 金額にして 3,262 百万ユーロ)の融資枠設定および融資実行を行った。
2019 会計年度に融資枠設定および融資実行が行われた仲介ファシリティー(単位:百万ユーロおよび取引件数)
金額 取引件数
企業および起業家の分野 3,262 51,863
ICO の企業および起業家向け融資枠 3,192 50,133
ICO の商業融資枠 64 1,663
ICO のSGR/SAECA 保証融資枠 6 67
・ ICO の企業および起業家向け融資枠:流動性ニーズならびに住宅所有者の団体および個人が行う住居お
よび建物の改修プロジェクトへの融資に加えて、スペイン国内での投資に最大 100 %を融資することを
目的としている。
・ ICO の商業融資枠:短期商業業務により生じた請求額の前払およびスペインで販売することのできる商
品またはサービスの生産段階への融資を通じて、企業に流動性を提供する。
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・ ICO のSGR/SAECA 保証融資枠:相互保証会社( SGR )または農業保証政府機関( SAECA )により承認され
た企業に融資することを目的としている。 ICO は、企業ネットワークへの融資における SGR の優位性だ
けでなく ICO の商品の認知度を高めるための様々な活動を同時に促進しつつ、かかる部門と緊密に協力
している。
国際化の戦略的分野 過去数年間において、当公庫は、スペイン企業のすべての 資金需要 を満たすこと
を目的として、スペイン企業による海外市場への参入を促進する目的で考案された一連の商品を開発して
きた。 2019 年において、 1,500 を超える企業が、この事業分野において 11,659 件(累計 1,793 百万ユーロ)
の融資枠を設定した。融資が実行された金額に関しては、累計 1,526 百万ユーロとなった。
以下の表は、当会計年度における ICO の仲介ファシリティー別の業務を示したものである。
2019 会計年度に融資枠設定および融資実行が行われた仲介ファシリティー(単位:百万ユーロおよび取引件数)
融資枠設定 融資実行
金額 取引件数 金額 取引件数
国際分野 1,793 11,659 1,526 11,661
ICO の輸出業者向け融資枠 1,063 11,195 1,063 11,195
ICO の国際局融資枠 641 6 373 8
ICO の国際融資枠 90 458 90 458
・ ICO の輸出業者向け融資枠:輸出用製品の製造費用を賄うために流動性ニーズを満たすことだけでな
く、短期の輸出業務により生じる請求額の前払により輸出業者に対して流動性を提供することを目的
とする。
・ ICO の国際融資枠:この融資枠を通じて、スペイン企業に対して、スペイン国外への投資を行い、流動
性ニーズを満たし、中長期の輸出業務を促進するための資金提供が行われる。
・ ICO の国際局融資枠:この商品は、第三市場におけるスペイン企業の活動を活性化する ICO の一連の商
品に価値を付加する。仲介業者として行為する国際金融機関との 協働 スキームに基づき、投資プロ
ジェクトおよび外国における流動性ニーズに係る資金調達手段をスペイン企業に提供して おり、現在
はラテンアメリカ・カリブ地域に重点を置い ている。 ICO は、当該モデルを使用して、スペイン企業が
商業的なプレゼンスを有し、またはより活発に投資を行う国際市場で事業を行っている新たな取引相
手に対して資金提供を広げ、当該企業の国際化を支援している。 市場に対するより深い知識を用い
て、 地域の銀行システムを支え ることで 、企業はより容易に貨幣や取引条件に関する各国固有の解決
策を講じることができる。
当公庫の事業における当該商品の重要性は高まっている。 2019 年、 6件の新たな取引が 同数の銀行およ
び国際機関との間で締結され、その金額は 641 百万ユーロであった。 2015 年の導入以降、 2019 年末までの当
該商品の累計額は、以下の表の通りである。
ICO の国際局融資枠- 2019 年時点の過去の活動累計(単位:百万ユーロおよび取引件数)
融資枠設定 融資実行
金額 取引件数 金額 取引件数
活動合計 1,752 17 815 13
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現在までに受取先機関から受けた報告によると、 ICO の資金は 13ヶ国における 43件のプロジェクトに対す
る融資を可能とし、これには 33のスペイン企業が参加していた。電気通信ネットワーク(全報告の
32%)、高速道路および道路( 28%)、発電および/または配電、ガスおよび水道( 27%)ならびに水力
事業(6%) に関連した建設プロジェクト が突出する結果となった。
資金提供を受けた事業の国別の割合は、以下の図の通りである。
ICO の仲介ファシリティーの分配における零細企業率は高い。
融資を受けている企業の規模別で、 2019 年には融資が実行された取引の 64.6 %が零細企業(1名から9
名の従業員を擁する)に対するものであり、 49名以下の労働者を擁する小規模企業を含めると、かかる割
合は 90.3 %に増加する。
2019 年に融資が実行された仲介ファシリティー
(従業員数に基づく)最終受取先企業規模別の取引の分布
2019 年
貸付額合計に 取引件数合計に
貸付額
占める割合 取引件数 占める割合
(百万ユーロ )
(%) (%)
1名から9名(零細企業) 1,645 37.3 41,037 64.6
10名から 49名(小規模企業) 1,321 29.9 16,328 25.7
50名から 249 名(中規模企業) 884 20.0 5,115 8.1
250 名以上(その他の企業) 565 12.8 1,036 1.6
合計 4,414 100.0 63,516 100.0
ICO の国際局融資枠からの融資実行( 373 百万ユーロ)を除く。
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貸付額別の分布によれば、融資が実行された取引の 47.9 %は 25,000 ユーロ以下の金額であり、 81%超は
75,000 ユーロを超えなかった。 2019 年における仲介ファシリティーの平均額は、 69,500 ユーロであった。
顧客毎の貸付の平均額は、通常一つの借入人が1件を超える取引を行 うことを前提 とすると、 2019 年にお
いて 96,041 ユーロであった。
2019 会計年度に融資が実行された仲介ファシリティー
貸付額別の取引の分布
2019 年
貸付額合計に 取引件数合計に
貸付額
占める割合 取引件数 占める割合
(百万ユーロ )
(%) (%)
25,000 ユーロ以下 416 9.4 30,399 47.9
25,000 ユーロ超 75,000 ユーロ以下 912 20.7 21,099 33.2
75,000 ユーロ超 150,000 ユーロ以下 747 16.9 7,031 11.1
150,000 ユーロ超 1,000,000 ユーロ以下 1,548 35.1 4,614 7.3
1,000,000 ユーロ超 792 17.9 373 0.6
合計 4,414 100.0 63,516 100.0
ICO の国際局融資枠からの融資実行( 373 百万ユーロ)を除く。
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会社の規模および貸付額に関するこれらの指標は、零細企業の高い比率を浮き彫りにするものであり、
これにより仲介ファシリティーの分配について、その融資のほとんどが、より小規模な取引を対象として
おり、零細企業および自営業者に対して行われるものであることが明らかとなっている。
最終的な受取先の種類別では、 2019 年における取引の 72.2 %が法人(その圧倒的多数が有限責任会社)
に対して行われたものであり、 26%が自営業者による融資枠設定、残りの 1.9 %が住宅所有者の団体、市民
社会組織または消費者団体等、法人格を有さない事業体に関するものであった。
経済発展への貢献に関しては、 2019 年において ICO の仲介ファシリティーを通じて提供された金額の
55.1 %は、1人当たり GDP がスペイン国内平均を下回る自治体 (1) にある企業を対象としたものであり、
37.3 %は平均失業率を上回る自治体にある受取先を対象としたものであった。
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このようにして、 ICO の融資業務は、最大の課題を抱える地理的地域にある企業の経済発展にも貢献して
いる。
2019 会計年度の仲介貸付
地域発展への貢献 (単位:百万ユーロおよび% )
金額 合計に占める割合
1人当たり GDP が平均を下回る地域 (1) に対するもの 2,432 55.1
失業率が平均を上回る地域に対するもの 1,648 37.3
(1) 1人当たり GDP が国内平均( 25,727 ユーロ)を下回る地域(出所: INE (国家統計局))。
卸売業および食品- ICO の仲介ファシリティーにおける主要部門
2019 年に ICO の仲介ファシリティーを通じて行われた融資は、当会計年度の総取引量の 55%超が4つの部
門グループに関するものではあるものの、広い部門分布を示した。
2019 会計年度 に融資枠が設定され、かつ融資が実行された 仲介ファシリティー (単位:百万ユーロおよび% )
金額 全体 に占める割合
卸売業 681 15.4
食品 653 14.8
製造業 597 13.5
運輸および貯蔵 505 11.4
建設業および不動産業 431 9.8
企業向けサービス 370 8.4
化学および製紙 247 5.6
小売業 246 5.6
ホスピタリティー 199 4.5
情報および通信技術 137 3.1
保健および教育 126 2.9
繊維およびファッション 118 2.7
その他のサービス 53 1.2
エネルギーおよび天然資源 52 1.2
合計 4,414 100.0
ICO の国際局融資枠の事業を除く。
ICO は、長期生産的融資への貢献度を高めている。
2019 年において、仲介ファシリティーを介して中小企業および自営業者との間で締結された取引の期間
の平均( 4.3 年)は、 2018 年の平均( 3.5 年)を上回った。同様に、 2019 年の仲介ファシリティーにおいて
実行された融資額のうち 76%超は期間が1年以上の取引、 44%は期間が5年以上の取引によるものであっ
た。
以下のグラフは、 2018 年から 2019 年における、 ICO の仲介ファシリティーで最も需要の高い期間別の数値
の推移および上述した期間の長期化を示すものである。かかる要素のプラスの変化は、経済的な重荷を軽
減し、その結果としてより短期間での新たな投資の実施を可能にしており、企業の発展を促進している。
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ICO の仲介ファシリティーのスペイン経済への影響。経済発展への貢献。
ICO は、その融資業務のマクロ経済上の影響を定量化する分析を開発した。この分析は、統計および計量
経済学の手法と併用して国家会計の産業連関表を用いた方法に基づき、スペインの金融部門における ICO の
重要な役割が、経済に顕著な影響を及ぼし、 GDP 、輸出、投資または雇用等の特定のマクロ経済上の変数に
大きく貢献したことを示している。
仲介ファシリティーを通じて ICO が行った融資による 2019 年の経済活動への 推測される 影響は、 GDP の観
点からは、 GDP の1.3 %に相当する 16,426 百万ユーロである。同様に、この融資業務がもたらした影響は、
投資において 3,023 百万ユーロであり、これは 2019 年のスペインにおける総固定資本形成( GFCF )の 1.22 %
を占める。
輸出に関して、 ICO の融資がもたらした影響は、 4,012 百万ユーロと推計され、スペインの輸出合計額の
0.9 %を占めた。
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一方、仲介ファシリティーによる 2019 年の ICO の業務の結果創出された、かつ/または維持された雇用へ
の影響は、 271,000 名超分の職と見積もられ、これはフルタイム当量雇用の合計の 1.5 %に相当する。
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C.2. ICO によって直接融資枠が設定された取引
当公庫は、小規模企業を主な対象とした仲介 ファシリティー を通じ た信用供与活動 を補完するものとし
て、様々な貸付および保証のソリューションも直接実行しており、スペイン国内の大規模な投資プロジェ
クトまたはスペイン企業が参加し、外国で実施される大規模な投資プロジェクトの促進を図っている。こ
のシステムを通じて融資枠が設定される取引において、当公庫は、最終的な借り手の信用リスクを負って
いる。
ICO は、直接取引、長期取引における資金供与、ならびに数多くの場面における相補性の原則および補完
性の原則に基づく民間金融機関と の協働において、豊富な経験を有して いる。当公庫において優先度が高
い活動部門 は、インフラストラクチャー、エネルギー、巨大産業、環境および観光に関連した部門であ
る。
直接融資取引は、以下の商品群に分類されるが、指針であってこれらに限定されない。これらの商品
は、用途が広く、成長および国際化を目指す事業の必要性に合わせて調整される。
・ 企業向け貸付および信用供与
・ シンジケート・ローン
・ クラブ・ディール
・ プロジェクト・ファイナンス
・ 融資保証
ICO は、これらの取引に参加することにより、特に融資期間が比較的長いトランシェにおいて付加価値を
提供することを目指している。また、 ICO が参加していることにより、アクセスの難しい諸国において、国
際プロジェクトへの融資を現地通貨建てで行うことが可能となり、取引のクロージングが円滑化される。
この関連で、 ICO は国際的な長期の投資プロジェクトにおける現地通貨建ての外部融資の先駆者であり、現
地の開発銀行と民間の金融仲介機関とによる官民協働の仕組みに貢献してきたことは注目に値する。
最後に、当公庫は 2019 年、望ましくは 支払 能力の証明を受けたスペイン企業またはサステナビリティ・
インデックスに掲載されるスペイン企業が発行した社債その他の負債性証券の取得により構成される直接
融資プログラムを開始し、環境に関する行動を改善している企業の活動およびプロジェクトを後押しして
いる ことを指摘する 。
2019 年の直接融資業務は、長期的なインフラストラクチャー・プロジェクトおよびスペインの事業の国際
化に重点を置いた。
インフラストラクチャー・プロジェクトのための長期融資およびスペインの事業の国際化を促進するプ
ロジェクトは、当公庫の優先事項の一つであり、スペインの大企業傘下の中小企業の国際化に対して、持
ち越し効果を有するプロジェクトおよび業務に特別な注意を払っている。
2019 年において、 ICO が融資枠を設定した直接取引による貸付および信用供与、社債の取得ならびに企業
向け保証は 2,476 百万ユーロにのぼり、そのうち 1,186 百万ユーロ(総額の 48%)が外国でのプロジェクト
に割り当てられた。融資実行額に関しては、直接融資方式による 2019 年の累計額は 1,675 百万ユーロとな
り、このうち 40%が国際プロジェクト向けであった。
企業向け直接融資‐ 2019 年度の貸付および信用供与、社債ならびに保証
投資先別の地理的分布 (単位:百万ユーロ )
融資枠設定額 融資実行額
国内投資 1,290 1,010
国外投資 1,186 665
合計 2,476 1,675
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部門別では、エネルギー・天然資源分野で事業を営む企業への活動の累計比率が 2019 年度において最も
高く、融資枠設定額および融資実行額ともに合計に占める割合は 38%であった。
企業向け直接融資 ‐2019 年度の 貸付および信用供与、社債ならびに保証
業務部門別の分布 (単位:百万ユーロ )
融資枠設定 融資実行
合計に占める 合計に占める
金額 金額
割合 (%) 割合 (%)
エネルギー・天然資源 940 38.0 632 37.8
ビジネスサービス 395 15.9 296 17.7
建設・不動産事業 269 10.9 208 12.4
化学・製紙 248 10.0 129 7.7
情報通信技術 216 8.7 106 6.3
輸送・保管 150 6.1 198 11.8
小売 142 5.7 0.3 0.0
製造業 45 1.8 35 2.1
その他のサービス 36 0.0 36 2.2
接客業 30 1.2 30 1.8
健康・教育 4 0.0 3 0.2
合計 2,476 100.0 1,675 100.0
ICO の直接融資のスペイン経済への影響
2019 年において ICO の直接融資事業により生じた GDP への影響の推計額は 9,108 百万ユーロであり、 GDP の
0.7 %に相当する。
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同様に、かかる直接融資事業は、投資において 1,989 百万ユーロとなり、これは 2019 年にスペインにおい
て実施された総固定資本形成( GFCF )合計の 0.8 %を占め、また輸出には 1,053 百万ユーロと見積もられる
影響を生じさせ、これはスペインの輸出合計額の 0.2 %を占めている。
創出および/または維持された雇用は、 156,000 名超分の職に相当し、これはフルタイム当量雇用の合計
の0.9 %に相当する。
D. 補完的融資チャネル AXIS の推進
ICO グループの戦略的な柱の一つは、企業の融資資源の多様化を促進するベンチャー・キャピタル業務を
強化することである。かかる関連において、 2019 年、当公庫は、そのベンチャー・キャピタル子会社であ
るAXIS を通じて運用するファンドを推進することによって、スペイン事業向けの融資を行う銀行に対する
代替的および補完 的融資 を引続き強化した。
AXIS は、 1986 年に設立されたスペイン証券市場委員会に登録された初のベンチャー・キャピタル運用会
社である。設立以降、 AXIS はスペイン企業への銀行融資に対する融資の補完手段としてベンチャー・キャ
ピタルを推進し、その資本化の改善ならびに革新、起業家および国際化を牽引している。その主な目的
は、 30年超にわたって、運用されるファンドの継続性を確保するために当該ファンドの財政均衡を維持す
ることであった。
AXIS は、スペイン国内のベンチャー・キャピタル分野において最も活発な運用会社の一つであり、投資
の初期段階から始まりスタートアップ、成長および債務という投資サイクルのすべての段階を通じて企業
および/またはプロジェクトに投資する FOND-ICO グローバル、 FOND-ICO パイムおよび FOND-ICO インフラス
トラクチュラスⅡという3つのファンドを通じて 2,650 百万ユーロを運用している。 ICO は、これらのファ
ンドの単独株主である。
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FOND-ICO グローバル
FOND-ICO グローバルは、スペイン企業(特に中小企業)のノンバンクの融資資源を開発および多様化さ
せる目的の下、 2013 年に設立された。 FOND-ICO グローバルは、初めてのスペインの公的資本によるファン
ド・オブ・ファンズであり、ベンチャー・キャピタル部門の主な需要の一つである、公共部門による、事
業へのノンバンク融資へのさらなる関与に対処するため設立された。
FOND-ICO グローバルの目標は、異なる事業部門ならびに初期段階における技術移転および元手資金から
拡大および国際化を推進するための開発資本といったその全段階においてスペイン企業への投資を行う民
間で運用されるベンチャー・キャピタル・ファンドの設立を支援することである。
当該ファンドは、スペイン国内で組成されたか、またはその他の OECD 諸国に所在するその他のベン
チャー・キャピタル企業に出資している。このことから、当該ファンドは、スペイン所在の民間運用会社
が運用する新たなベンチャー・キャピタル・ファンドの設立の原動力となっている。
AXIS のファンドの選定プロセスは、広告、同時並行性、平等および透明性というその公開入札の基本原
則に基づいている。これを実施するため、公開の入札募集が行われ、関心を持ったファンドが応札する。
2019 年度末現在、実施された入札募集は 11件となっており、 12件目が投資約定額を 284 百万ユーロとして発
表されている。
FOND-ICO グローバルが投資するベンチャー・キャピタル・ファンドは、その大部分が民間資本により構
成されていなければならない。各参加ファンドに対しての投資金額は、当該ファンドの投資時の段階およ
び規模により決まる。これらを踏まえた上で、 FOND-ICO グローバルは、民間による資源の運用を基本とし
て、ノンバンク融資を強化し、企業の資本化を促し、その国際化、成長、デジタル化および技術革新を促
進することを目標としている。
2019 年度の入札募集においては、技術革新およびデジタル化が事業に含まれるすべてのセクターの企業
に対する投資が、無制限の評価基準として含められた。デジタル化は、事業活動および製造過程に効率を
もたらすことができるため、持続性にプラスの影響を及ぼす。次回の入札募集では、環境に関する持続可
能性の観点も選定基準に含める予定である。
FOND-ICO グローバルは、 1,200 百万ユーロの当初の割当金額により運用を開始した。当該ファンドの好調
な発展、多数の競合する候補者、およびスペインのベンチャー・キャピタル部門の活性化への多大な貢献
を考慮して、その資産は、 2015 年に 1,500 百万ユーロに増加した。 2018 年5月、これをさらに 500 百万ユー
ロ増加させる旨決定された。かかる増加により、当該ファンドの資産は、 2,000 百万ユーロに増加し、これ
により当該商品の継続性が確保された。
FOND-ICO グローバルは、スペイン企業に投資を行うため 6,700 百万ユーロ超を動員する。
実施済みの 11件の入札募集につき、 82本の民間ファンドに対する合計 1,734 百万ユーロの投資が承認され
た。かかる金額は、重要な乗数効果を有しており、スペイン企業に対する最低でも 6,757 百万ユーロの投資
をもたらす。つまり、 FOND-ICO グローバルにより投資された公的資本の1ユーロにつき、民間ファンド
は、最低でも 3.9 ユーロの投資を約定した。
FOND-ICO グローバル (単位 :百万ユーロ )
スペインにおける
スペインにおける FOND-ICO グローバルの
入札募集 対象ファンド
対象投資額 コミットメント
投資の乗数
2013 年12月 685 660 189 3.5x
2014 年5月 3,785 665 248 2.7x
2014 年11月 4,125 668 194 3.4x
2015 年3月 756 573 124 4.6x
2015 年11月 671 606 121 5.0x
2016 年6月 668 272 71 3.8x
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2016 年10月 727 659 157 4.2x
2017 年5月 1,041 625 161 3.9x
2017 年11月 7,594 818 159 5.1x
2018 年7月 1,287 535 145 3.7x
2019 年5月 830 676 166 4.1x
合計 22,169 6,757 1,734 3.9x
2019 年12月31日現在、選定されたファンドの区分別の分布は、 28本が設備投資資本、 29本がベン
チャー・キャピタル、 20本が技術移転および企業支援ならびに5本が債務であった。 29%のファンドが国
際的なファンドであり、スペインに対する外国資本の誘致において当該手段が重要であることを示してい
る。
入手できる最新のデータによると、 FOND-ICO グローバルが参加している民間ファンドは、 552 件の、多様
な分野および異なる成長段階にある従業員数が合計 155,000 名超となるスペイン企業への投資を行った。受
取先企業のうち 82%は、中小企業であった。
資金の分野別の投資額の分布は、下図の通りであり、ベンチャー・キャピタルが投資金額合計の 46%を
占めている。
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FOND-ICO パイム( FCR )
FOND-ICO パイム・ベンチャー・キャピタル・ファンドは、 1993 年に設立され、最大限に利用可能な資金
250 百万ユーロを保有しており、 2022 年に満期を迎える予定である。当該ファンドは多目的ファンドであ
り、ある程度成熟しておりさらなる拡大過程、技術開発、成長および/または国際化のための資金を必要
としている企業、また、より程度は少ないが第一の段階を乗り切って引続き発展していくための資金を必
要としている初期段階にいる企業を主に対象としている。
FOND-ICO パイムは、設立時から企業ネットワークの発展、雇用創出および経済の回復のため企業の成長
計画を支援してきた。 FOND-ICO パイムはまた、民間部門の資源を可能な限り最大限に動員することを目指
している。当該ファンドの資源は、効率性を高めるために二つの異なる方法で使用されている。一方で
は、経営に関与している起業家または経営陣を置き換えることなく、財務的な手法により、その市場セグ
メントのトップ企業および主に合弁企業の長期的成長を促進させるために直接投資を行っている。他方で
は、資源の分配における零細企業率の上昇を達成するために、他のベンチャー・キャピタル・ファンドに
参加している。
設立以来、当該ファンドは 80社超の企業および 20本超のファンドへの 280 百万ユーロを超える金額の資本
への拠出および資本性貸付を行ってきた。
一方、 AXIS はまた、 FOND-ICO パイムを通じて、スペインにおける欧州レベルのノンバンク融資に関する
様々なイニシアチブの立ち上げに取り組んできた。
・ ベンチャーの初期段階をカバーするために、 FOND-ICO パイムは、欧州投資ファンド( EIF )および
NEOTEC の主導の下、 ビジネス・エンジェルズ による投資を支援するために、 フォンド・イザベル・
ラ・カトリカ-ヨーロピアン・エンジェルズ・ファンド を組成した。このファンドは、 30百万ユー
ロの当初金額で設立され、 EIF により運用されており、プロジェクトの当初段階において、プロの投
資家または「ビジネス・エンジェルズ」の参加を通じ起業家を支援することを目的としている。
2019 年度末現在、かかるイニシアチブは、 23百万ユーロの投資コミットメントを実行し、すでに約
100 社の企業に投資した 14の「ビジネス・エンジェルズ」との合弁事業契約を締結した。
・ 第一のファンドの成功を考慮して、第二のファンドである EUビジネス・エンジェルズ・ファンド・
スペイン が40百万ユーロで組成されており、その 50%は EIF 、50%は FOND-ICO パイムにより拠出され
た。
・ NEOTEC は2006 年に設立され、 EIF により運用されているファンド・オブ・ファンズである。 NEOTEC の
事業は、成長の早期段階にある、革新的かつ高度な技術を有する企業に重点を置いている。 NEOTEC
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の183 百万ユーロの投資コミットメントは、 14本のファンド(うち2本は合弁企業形態)の直接持分
を通じて提供される。
持続可能性に関連して、スペインで最初の機関投資ファンドであり、目標規模を 30百万ユーロとし、成
長段階にある社会的企業への支援を提供するクレアス・インパクト( Creas Impacto )に AXIS が5百万ユー
ロ参加することは、注目に値する。このファンドは、参加先の企業において、持続可能性戦略に積極的に
働きかけることを目指している。 AXIS の投資は、中小規模の企業で健康および福祉、環境の持続可能性、
教育ならびに社会的技術革新に重点的に取り組み、その事業がある程度の社会的影響力を持つものを対象
としている。
同じ分野において、 AXIS は2019 年6月、フォーラム・インパクト( Forum Impacto )・プラットフォーム
に参加した。このプラットフォームは、社会インパクト投資を促進する 18ヶ国で構成される国際組織であ
るグローバル・スティアリング・グループ・オン・インパクト・インベストメント (GSG )へのスペインの
加入を可能にするため、すべてのインパクト投資を行うエージェントを統括することを目的とする。
最後に、 2019 年、 AXIS は、単独または他の投資家もしくはプラットフォームとのジョイント・ベン
チャーにより 中小企業への負債性手段による投資を 増加させているベンチャー・キャピタル企業を対象と
する、金額 50百万ユーロの新しいイニシアチブの開始を承認した。このイニシアチブ内において、 オク
トーバー SME IVファンドへの参加が承認された。
当年度末現在の FOND-ICO パイム投資のポートフォリオ残高は、以下の通りである。
FOND-ICO パイム( FCR )
融資枠設定済み投資ポートフォリオ残高 (2019 年12月の残高 )
(単位:百万ユーロ )
金額
その他のベンチャー・キャピタル企業への投資 79
資本投資 (株式および持分 ) 28
資本性貸付 7
合計 114
FOND-ICO インフラストラクチュラスⅠ( FICC )
FOND-ICO インフラストラクチュラスⅠ( FICC )は、 250 百万ユーロの最大限に利用可能な財源をもって
2011 年に設立され、 2019 年12月、すべての資産および負債を FOND-ICO インフラストラクチュラスⅡ
(FICC )に譲渡して終了した。
FOND-ICO インフラストラクチュラスⅠ( FICC )は、主にスペイン国内外で行われているグリーンフィー
ルド運輸、社会、エネルギーおよび環境のためのインフラストラクチャー・プロジェクトに投資した、ノ
ンバンク融資の手段であった。
当該ファンドは、インフラストラクチャー・プロジェクトの組成および共同管理の支援に寄与すること
を目標とし、官民パートナーシップ構想にその活動の焦点を置いた。そのため、当該ファンドは、インフ
ラストラクチャー管理会社に対する少数資本または擬似資本とともにプロジェクトへの資本の提供を行っ
た。
その設立以来、 FOND-ICO インフラストラクチュラスⅠ( FICC )は、最大 85百万ユーロを約定し、合計
1,000 百万ユーロ近くの投資に貢献した。部門別では、投資の 43%が運輸プロジェクト、 40%が社会インフ
ラストラクチャー、残りの 17%がエネルギーに対するものであった。
FOND-ICO インフラストラクチュラスⅡ( FICC )
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2018 年12月、 FOND-ICO インフラストラクチュラスⅡ( FICC )という新規ファンドが、 400 百万ユーロでス
ペイン証券市場委員会( CNMV )に登録された。このファンドは、スペイン国内と スペイン企業とともにス
ペイン国 外において、直接またはその他の投資ファンドを通じて、持続可能なインフラストラクチャー・
プロジェクトへの投資を行うことを目的としている。当該ファンドの持続期間は 22年間であり、運用会社
の決定によりさらに5年間延長できる。当該ファンドは、 2019 年に活動を開始しており、輸送、エネル
ギーおよび環境ならびに社会インフラストラクチャーへの投資を行う。その他の投資の中でも、とりわけ
モーターウェイ、道路、線路ネットワーク、港、空港、エネルギー分配ネットワーク、持続可能な発電ま
たは再生可能エネルギー、病院ならびに教育および法的サービスのインフラストラクチャーへの投資がな
される。
2019 年12月31日現在の FOND-ICO インフラストラクチュアスⅡ( FICC )投資のポートフォリオ残高は、以
下の通りである。
FOND-ICO インフラストラクチュラスⅡ( FICC )
融資枠設定済み投資ポートフォリオ残高 (2019 年12月の残高 )(単位:百万ユーロ )
金額
その他のベンチャー・キャピタル企業への投資(引受済み) 100
貸付 23
資本投資 (株式および持分 ) 9
合計 132
E. 企業の国際化の促進
企業の資金調達のための国立の開発銀行、経済政策の金融手段、および国家の財務代理人という3つの
役割を担う ICO グループにとって、スペイン企業の国際化は、業務の実行にあたっての重要な存在意義およ
び戦略目標である。
2012 年、当公庫は、輸出企業の支援を目的とする特定の仲介 ファシリティー を統合することにより、商
品の一覧を拡張し、その後、新規の仲介 ファシリティー および直接融資商品により補充された。国外で事
業を開始するスペイン企業の支援、ならびにかかる企業の国際的拡大および成長のための金融手段の提供
を目的として設計されたこれらの商品は、融資設定額のデータを含む以下のグラフに示されるように、当
公庫の融資および保証の業務における国際化の比重を増やすことに貢献してきた。
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2019 年、国際化を促進する目的の下に融資枠設定が行われた融資および保証の金額は、 2018 年から 20%
増の 2,980 百万ユーロに上り、当年度に融資枠設定が行われた貸付額合計の約 40%を占めた。
融資の実行額に関しては、国際化を目的とする ICO の活動は合計 2,191 百万ユーロとなり、全体の 34%を
占めた。
ICO の仲介ファシリティー: 2019 年の ICO の仲介ファシリティーによる融資の実行額合計のうち 32%
(1,526 百万ユーロ、取引数 11,661 件超、供与を受けた顧客数 1,500 超)は、外国への投資の資金供給およ
びスペイン企業によるおよそ 140 ヶ国もの異なる国々への輸出活動の促進を目的としたものであった。
2019 会計年度に実行された仲介ファシリティー
被投資国別の投資の分布 (単位:百万ユーロ )
合計に占める割合
金額
(%)
フランス 258
16.9 %
イタリア 118
7.7 %
ポルトガル 93
6.1 %
ドイツ 92
6.0 %
米国 86
5.6 %
英国 49
3.2 %
ベルギー 39
2.5 %
オランダ 38
2.5 %
中華人民共和国 28
1.8 %
モロッコ 26
1.7 %
オーストリア 16
1.0 %
チリ 16
1.0 %
メキシコ 16
1.0 %
日本 15
1.0 %
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ポーランド 15
1.0 %
14
ロシア連邦
0.9 %
13
チェコ共和国
0.8 %
12
スイス
0.8 %
スウェーデン 12
0.8 %
デンマーク 11
0.7 %
サウジアラビア 10
0.7 %
アラブ首長国連邦 9
0.6 %
トルコ 9
0.6 %
ペルー 9
0.6 %
アルジェリア 8
0.5 %
その他 (*) 516
33.8 %
合計 1,526 100.0 %
(*)112 ヶ国向けの取引および ICO の国際局融資枠を通じて融資実行された取引( 373 百万ユーロ)を含む。
ICO の国際的な仲介ファシリティー業務は、 ICO 国際局を通じて行われ、 2019 年は、中南米地域を適用範
囲とする融資の実行額が 373 百万ユーロを超え、多大な貢献があった。上記の通り、この商品は国際金融機
関との協働で行われ、現地市場におけるスペイン企業のために、融資へのアクセスを支援し、その結果、
これらの企業の国際化に寄与するものである。
ICO の直接融資: 2019 年に融資枠設定が行われた直接貸付および信用供与、保証ならびに社債買入取引
は、合計 2,476 百万ユーロとなり、このうち全体の約 48%に相当する 1,186 百万ユーロが国外のプロジェク
トに割り当てられた。当会計年度中、スペイン企業の第三市場における事業を促進するための融資の実行
額は、 665 百万ユーロに達した。
以下の表は、融資先所在地が外国となる融資枠設定の国別分布を示している。
2019 会計年度の直接融資業務
被投資国別の投資の分布(単位:百万ユーロ)
融資枠設定
合計に占める割合
金額
(%)
ポルトガル 400
33.7 %
コロンビア 111
9.3 %
英国 108
9.1 %
その他の国々 (*) 106
9.0 %
フランス 95
8.0 %
バーレーン 90
7.6 %
米国 60
5.1 %
チリ 42
3.6 %
イタリア 37
3.1 %
オマーン 37
3.1 %
アルバニア 30
2.5 %
アラブ首長国連邦-ドバイ 30
2.5 %
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パラグアイ 24
2.0 %
ペルー 16
1.3 %
合計 1,186 100.0 %
(*) 投資先が地理的地域または複数の国にまたがる取引を含む。
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F. ICO グループの持続可能性
資産と負債両方の運用および組織の内部管理における持続可能性は、 ICO の法令第2条に従い、またガバ
ナンスおよび企業の社会的責任( ESG-CSR )の観点からも ICO グループの活動の基本的な指針である。した
がって、それは組織とその活動のすべての領域を含み、公的銀行および開発銀行としての使命を果たすこ
とを可能にする経営の基盤として機能する。
そのため、 ICO はすべての活動に持続可能性基準を導入している。負債に関しては、環境保護および気候
変動との闘いに貢献するスペインの企業の活動、投資およびプロジェクトに融資するための 500 百万ユーロ
の最初のグリーン・ボンドを発行し、グリーン・ボンド市場での地位を確固たるものとした。 2019 年に、
500 百万ユーロの新たなソーシャル・ボンドが発行された。これは、 2015 年以降の5件の取引と合わせて、
合計 3,050 百万ユーロに上る。 ICO がICMA のグリーン・ボンド原則諮問委員会の新メンバーとして任命され
たことで、サステナブル・ボンド市場の発展へのコミットメントが認められた。
ICO は貸付取引において、強固で競争力のある持続可能な事業構造を促進し、人々、気候および環境に好
影響を与える事業活動を促進し、優先している。
これと並行して、持続可能性基準が組織、そのガバナンスおよび企業の社会的責任方針に確実に浸透す
るように、様々な内部行動が取られている。この例としては、欧州委員会の構造改革支援サービス
(SRSS )と連携した、持続可能な融資行動計画の実現のためのコンサルタント業務の実施、持続可能性方
針の定義、この領域における ICO の活動を特定および監視するための、有効、迅速かつ厳密な手法を提案す
る持続可能性評価マニュアルの開発等がある。
同様に、他の欧州の政府系開発銀行と連携して、当公庫は、 EUにおける循環型経済プロジェクトおよび
プログラムの開発および実施を支援する、循環型経済に関する共同イニシアチブ( JICE )の立ち上げに参
加した。また、気候変動の影響を緩和し、海洋の汚染と闘うのに役立つ持続可能なモデルを効率的に実行
することを目的としたクリーン・オーシャン・イニシアチブにも加盟した。
さらに、 ICO は、欧州企業が開発した持続可能な交通および輸送に関するプロジェクトの資金と助成金を
集めて管理できるようにする、コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティー( CEF )に関して、欧州委員
会から認定されている。
また、与信ポートフォリオの二酸化炭素排出量を削減することを目的とするスペインの金融セクターと
のコンプロミソ・コレクティボ・パラ・ラ・アクシオン・ポル・エル・クリマ( CCAC- 気候変動対策に関す
る共同誓約)への ICO の署名は特筆すべきである。 ICO は、持続可能な融資に関するいくつかのフォーラム
やその他のイニシアチブで、気候変動対策に関する COP25 にも積極的に参加し、持続可能性へのコミットメ
ントを強化した。
持続可能性を重視した資産運用
ICO は、事業のための政府系開発銀行として、国内外の直接融資事業における持続可能性に実際に測定可
能な影響を与えるプロジェクトの特定と融資を優先している。 ICO は、再生可能エネルギー、持続可能な交
通、エネルギー効率、水および固形都市廃棄物の管理および処理、森林再生ならびに社会インフラストラ
クチャー等、気候変動の緩和および適応に関連するプロジェクトに特別な注意を払っている。
特に、 2019 年に付与された融資の目的に目を向けると、再生可能エネルギープロジェクトへの融資(融
資枠合計の 23%)または電気インフラの建設もしくは改善( 16%)を目的とする、スペイン企業が推進ま
たは関与するスペイン国内または国外のプロジェクトへの融資が特に顕著である。
2019 会計年度の直接貸付業務
プロジェクトの目的別 (単位:百万ユーロ )
融資枠
合計に占める割合
金額
(%)
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有形投資(再生可能エネルギー) 560 22.6 %
有形投資(電気インフラ) 405 16.4 %
有形投資(ガスおよび炭化水素インフラ、
368 14.8 %
その他)
有形投資(輸送インフラ) 320 12.9 %
企業の買収 178 7.2 %
有形投資(その他) 165 6.7 %
有形投資(通信) 145 5.9 %
企業の需要一般 110 4.4 %
無形投資( R+D+i ) 100 4.0 %
有形投資(水インフラ、水の供給および処
70 2.8 %
理)
有形投資(観光およびレジャー、ホテル) 40 1.6 %
有形投資(視聴覚製品および展示) 13 0.5 %
債務の再編 1 0.1 %
合計 2,476 100.0 %
ICO は直接貸付を通じて、資産運用における企業の持続可能性およびデジタル変革へのコミットメントを
続けている。
G. EUにおける ICO
ICO は他の多国間、地域の投資銀行および開発銀行ならびに EUの取引先企業と協力して、スペイン企業の
プロジェクトまたは第三市場におけるスペインにとって利益のあるプロジェクトに融資を行う。この活動
分野においては、ユンケル・プランの実施における、またスペインにおける現在および将来の EUの資金お
よびイニシアチブのチャネルとしての欧州投資銀行( EIB )、欧州投資ファンド( EIF )との協力に言及す
る必要がある。
このプランの中核は、戦略的なインフラ(デジタルおよび交通)、研究およびイノベーション、教育、
再生可能エネルギーの発展ならびにエネルギー効率に関する分野において、大規模企業体、中規模資本企
業ならびに中小企業のプロジェクトに融資を行うものとして設立された欧州戦略的投資ファンド( EFSI )
である。
ICO は、 EIB グループに対し、直接融資プログラムおよびベンチャー・キャピタル・ファンドを通じた、
インフラプロジェクトへの融資を促進する新たなストラクチャーの提案に尽力してきた。プログラムが
2019 年末に開始して以来、 ICO のEFSI による保証を有する金融商品に対する投資は、 1,818 百万ユーロに達
し、そのうち 1,683 百万ユーロがスペインで行われたプロジェクトに相当する。
同時期において、 EFSI のスペインにおける融資は合計 10,447 百万ユーロに達し、 49,751 百万ユーロの投
資資金が合計 142 件のプロジェクトに対して動員される予定である。したがって、 ICO が提供する融資は、
スペインにおいて承認された総額の 16%に相当する。
さらに、 ICO は、 EIB および KFW (ドイツ)、 CDP (イタリア)、 CDC (フランス)、 BGK (ポーランド)等
の他の政府系開発銀行と連携して、持続可能性の分野でプロジェクトに融資するための資金を動員する。
この活動の枠組みには、7月の循環型経済に関する共同イニシアチブ( JICE )の立ち上げおよび 10月の海
洋のプラスチック汚染を削減するためのクリーン・オーシャン・イニシアチブ( COI )への加盟が含まれ
た。
戦略軸として EU資金のチャネルとしての ICO の地位を高める。
2019 年に、 ICO は、 EUの2021 年から 2027 年に係る多年次財政枠組みプログラムの新たな枠組みの中でのベ
ンチマークとしての地位の確立に重点的に取り組んだ。
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新たな EU予算を定義および採択するプロセスは、 EUの投資、成長および雇用を促進するために強化され
た商品であるインベスト EU(Invest EU)の作成につながった。これは、単一のプログラムで EUへの投資を
促進する既存の 14の個別の金融商品を統合したものである。
このプログラムの主な新機能は、欧州保証額の 25%を EIB 以外の機関が管理できるようにすることであ
る。このようにして、 ICO のような政府系開発銀行は実施パートナーとなり、これらの保証を管理すること
ができる。これは ICO にとって素晴らしい機会であり、その戦略の新たな軸である。
実施パートナーとなるための要件として、欧州委員会は、欧州の資金を管理するための適切な機能を備
えていることを確認するための、申請者の技術的、管理的、組織的特性を評価する適合性検査(柱となる
評価)の合格を要求している。
2019 年に、当公庫は、認定の必要条件である適性検査の通過を容易にする申請手続を開始した。した
がって、欧州委員会は、構造改革支援サービス( SRSS )を通じて、柱となる評価に合格するための ICO への
技術支援の提供を承認した。
ICO が2021 年1月1日から保証の管理を開始する準備が完全に整うように、当公庫は 2020 年半ばまでに認
証評価プロセスを通過し、欧州委員会との契約を締結する予定である。
H. 資金調達
当公庫は、資本市場における債券の発行および多国間金融機関からの借入により、その活動資金を調達
している。 ICO は一般国家予算を通じて資金を調達することも、個人からの預金を受け入れることもない。
2019 年の間、 ICO は、中期および長期基金により合計 5,887 百万ユーロの資金を調達した。このうち、
73.7 %は、債券の発行により調達され、残りの 26.3 %は、欧州の機関(欧州投資銀行、欧州評議会開発銀
行および欧州中央銀行)からの相対貸付により調達された。
ICO は、欧州における欧州投資銀行の主要パートナーの一つであることから、 2015 年7月の欧州委員会に
よる公式報告において、政府系開発銀行と EIB の協調および補完性の要件に関して、数ある目標の中でも、
特に中小企業に対するより良い財務状況の構築について対処法を提供した。
2019 年における資金調達
種類別の分布 (単位:百万ユーロおよび合計に占める割合% )
金額 %
資本市場 4,338 73.7 %
相対貸付 1,549 26.3 %
合計 5,887 100 %
2019 年に、 ICO は、公募債および仕組み私募債の発行により資本市場において総額 4,338 百万ユーロの資
金を調達した。当公庫は、国庫に続き、債券の発行において2番目の規模を有するスペインの公的機関で
あり、資金調達により ICO が契約する負債およびその他の債務は、スペイン政府により保証されている。
ICO は欧州市場におけるサステナブル・ボンド・セクターの参照発行体である。
ICO はソーシャル・ボンド市場の先駆者であった。 2019 年には、 500 百万ユーロに上る新規発行が行わ
れ、 2015 年以降の5回の発行と合わせて、合計で 3,050 百万ユーロに上る。これらの発行を通じて、当公庫
は調達した資金を、一人あたりの GDP がスペイン国内の平均を下回る自治州に所在する企業のプロジェクト
への融資に取り組み、包括的な経済成長および収益分配の改善を目指している。
2019 年の当該発行は、当公庫のソーシャル・ボンドを専門市場でのモデルとして再認識した投資家に好
評であった。当該債券発行の投資家タイプ別の分布は以下の通りである。
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地域別の分布については外国投資家が 86%を占めた。
2019 年、 ICO は、 2018 年に行われた 500 百万ユーロに上る発行の影響について投資家に通知した。これら
の資金は、対象地域における極めて小規模な企業および中小企業での 7,177 を超えるプロジェクトへ融資さ
れ、 61,800 の雇用を創出または維持したと見込まれている。
2019 年、 ICO は最初のグリーン・ボンドを発行した。
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当該発行は4月に行われ、 500 百万ユーロに上る。この資金は、環境保護および気候変動との闘いに貢献
するスペイン企業が行ったプロジェクトに融資される。
当該発行は好評で、発行額の6倍の需要が認められ、 84%を外国投資家が取得した。
投資家タイプ別の分布は、以下の通りである。
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当該発行は、 2019 年末までに行われた6回のソーシャル・ボンドの発行とともに、 ICO をサステナブル・
ボンド・セクターの参照発行体として位置づけた。
サステナブル・ボンド市場を構築し、より幅広く深く提供する ICO の取り組みにおける積極性は、部門で
最も重要な国際協会である ICMA (国際資本市場協会)から認められた。 ICMA は、グリーン・ボンド原則お
よびソーシャル・ボンド原則の執行委員会における ICMA の諮問委員会の新たなメンバーとして当公庫を任
命している。 ICO はこの諮問委員会に参加している唯一のスペインの機関であり、唯一の欧州の政府系開発
銀行である。
多国間機関との相対貸付の実行、優遇条件下での融資へのアクセス
近年、当公庫は、国際金融機関および多国間機関からの借入れを促し、資本市場での資金調達を補完す
る代替源を探すことに一層力を入れている。優先的価格条件、時間枠および可用性がもたらすこれらの運
用は、 ICO による資金調達のコスト削減を可能にし、その結果、スペイン企業に対してより良い融資条件を
提供することができる。
2019 年、 ICO は欧州投資銀行( 899 百万ユーロ)、欧州評議会開発銀行( 150 百万ユーロ)および欧州中央
銀行( 500 百万ユーロ)から付与された貸付により 1,549 百万ユーロの融資実行を行った。これらの国際金
融機関および多国間機関から調達した資金は一般に、使途が確定しているため、調達した資金は、特定の
経済的目的を有する活動または部門もしくは、該当する場合は、従業員数、年間取引高または貸借対照表
の規模において、特定の条件を満たす企業に対して融資されるべきものとなっている。
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I. 国家を代理して扱われている業務
ICO は、政府財務代理人として、国家の名においてかつ国家の代理として、ⅰ )スペインの企業に支援を
提供すること(法人国際化基金( Fondo para la Internacionalización de la Empresa )( FIEM )および
相互金利調整契約( Contato de Adjuste Reciproco de Intereses )( CARI )で、双方とも産業・商業・観
光省の代理として)、ⅱ )開発に関する金融協力を促進すること(開発プロモーション基金( Fondo para
la Promoción del Desarrollo )( FONPRODE )および水および衛生協力基金( Fondo de Cooperación para
Agua y Saneamiento )( FCAS )で、双方ともスペイン国際開発協力機構( Agencia Española de
Cooperación Internacional para el Desarrollo )( AECID )の代理として)、およびⅲ )自治体および地
方自治体の持続可能性を促進すること(州融資基金( Fondos de Financiación de Comunidades
Autónomas )( FFCCAA )および地方自治体融資基金( Fondo de Financiación de Entidades Locales )
(FFEELL )で、双方とも財務省の代理として)という異なる目的で創出された様々な公的基金を運用す
る。これらの基金の財務代理人としての当公庫の役割は、国家の名においてかつ国家の代理として行為
し、その活動を実行、運用および管理することである。会計帳簿は別個に作成されるため、残高は ICO の財
務書類の一部を形成しない。
これらのファンドの運用を改善し、これらの活動に関連してシナジー効果を生み出し、価値貢献を増加
させることは、 ICO の戦略軸の一つである。
2019 年、当公庫は、国家を代理して管理する貸付ポートフォリオの額を引続き増加させた。 2019 年末に
は、管理資金は前年度末比で 0.3 %超の 194,093 百万ユーロとなった。 ICO が国家を代理として管理する未払
残高は、 2012 年以降でほぼ4倍に増加した。
国家を代理して管理する貸付ポートフォリオ (単位:百万ユーロ )
12月31日現在の残高
2019 年
州融資基金 (FFCCAA) 180,170
地方自治体融資基金 (FFEELL) 6,308
法人国際化基金 (FIEM) 4,263
相互金利調整契約 (CARI) 2,904
開発プロモーション基金 (FONPRODE) 439
水および衛生協力基金 (FCAS) 9
合計 194,093
州融資基金( Fondo de Financiación de Comunidades Autónomas )( FFCCAA )
自治体および地方自治体の金融持続可能性の確保に関する 2014 年勅令法第 17号により、これら行政に対
し流動性を提供することを目的とし、州融資基金( FFCCAA )が設立された。権利義務に関して、当基金
は、廃止された自治区流動性基金( Fondo de Liquidez Autonómico )( FLA )および供給者支払のための融
資基金( Financiación del Pago aProveedores )( FFPP )を引継ぎ、上記基金の資産を引き受けている。
ICO は当基金の財務管理者に任命された。その職務には、自治体との金融業務の実行ならびに技術器具、
会計、現金出納係、支払代理人、統制サービスおよび当基金の下で承認された業務に関するすべてのかか
る金融サービスの提供が含まれる。
2019 年において FFCCAA により実行された取引額は 25,980 百万ユーロとなった。 2019 年12月31日現在の当
基金の未払残高は、 180,170 百万ユーロであった。
地方自治体融資基金( Fondo de Financiación de Entidades Locales )( FFEELL )
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前述の 2014 年勅令法第 17号に従い、流動性を提供し、地方自治体の資金ニーズに対応することにより金
融持続可能性を確保するための地方自治体融資基金( FFEELL )も設立された。廃止された FFPP の資産は、
その一部は地方自治体に対応するものだが、この新たな基金に譲渡された。 ICO はまた、当基金の財務代理
人に任命され、当基金が FFCCAA のために担うものと同様の職務を行う。
2019 年中に FFEELL により実行された取引額は 273 百万ユーロとなり、年度末現在の未払額は 6,308 百万
ユーロであった。
FFCCAA および FFEELL の両基金を通じ、 104,600 百万ユーロ超の流動性が経済に直接注入された。これは、
13百万件を超える請求書の支払によって可能となり、 364,000 社を超える企業が恩恵を受けた。当基金はま
た、 146,000 百万ユーロの地方行政の金融負債を処理した。
法人国際化基金( Fondo para la Internacionalización de la Empresa )( FIEM )
法人国際化基金( FIEM )は、民間市場の補完基金であるという使命の下、スペイン経済の国際化の支援
および促進を目的としている。 FIEM は、 2010 年6月 28日法律第 11号により、スペインの事業の国際化の公
的支援融資のための基金として設定された。当基金は、スペイン企業の輸出業務および外国におけるスペ
インの直接投資の促進を目的としている。この目的を達成するため、当基金は、スペインの商品および
サービスの獲得またはスペインもしくは国益にかなう投資プロジェクトの実行に関連する譲許的または市
場に合わせた返済可能資金調達プロジェクトを実施している。
当基金は、貿易担当大臣により運用されており、産業・貿易・観光省に報告を行うが、同大臣は、融資
予定プロジェクトの選定、統計データの作成およびそれらの分析に対して必要である実行可能性の調査、
融資案の評価ならびにこれらの実行および評価の監視に責任を負う。
その責務として、 ICO は、財務代理人として行為し、スペイン政府の名においてかつこれを代理して、ま
た国家を代理して、 FIEM に関連した該当する信用協定、貸付または補助金協定を実行する。当公庫はま
た、技術器具、会計、現金出納係、支払代理人、および統制サービスならびに一般に FIEM の下で承認され
た業務に関連する金融の性格を有するすべてのサービスを提供する。
また、当基金の運営に関する特定の面について、 ICO はパリクラブ、欧州評議会の公的支援を有する輸出
信用グループおよび OECD 加盟国といった国際フォーラムで、産業・貿易・観光省に対し助言している。
2019 年において、 FIEM の下で実行された業務は 374 百万ユーロであり、実行された貸付額は 105 百万ユー
ロあった。
法人国際化基金 (FIEM)
当会計年度に承認および実行された業務 (単位:百万ユーロ )
2019 年
貸付承認額 374
実行された貸付額 105
FIEM は、自らをスペイン企業の海外市場への参入の支援を提供する重要な公的機関として強化してい
る。 2019 年12月31日現在の貸付ポートフォリオの未払残高は、 4,263 百万ユーロに増加し、その地理別の分
布は下図の通りである。
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相互金利調整契約( Contrato de Adjuste Reciproco de Intereses )( CARI )
CARI は、スペインの輸出を促進し、金融機関が長期固定金利貸付を付与するよう動機付けることを目的
とした、特定の種類の金利と類似している金融商品である。
相互金利調整契約は、貸手が当該システムを通じて回収された各貸付の未払額に係る特定の金融利鞘を
利用することを保証しており、貸付の固定金利と資金調達源に係る通常の費用との差額により生じるリス
クを排除する。当該金融商品は、 CESCE の保証が付けられていることに加え、組成期間、供与額および返済
計画に合わせて順応できるため、銀行および輸出業者に対し柔軟性を提供する。
当該システムの利用資格を得るための必須要件の一つは、業務において貸手が設定した金利が経済協力
開発機構( OECD )の合意に記載されたものでなければならないことである。
CARI の活動はここ数年で著しく拡大した。 2019 年において 1,411 百万ユーロに上る業務が承認された。
相互金利調整契約 (CARI)
当会計年度に承認および実行された業務 (単位:百万ユーロ )
2019 年
貸付承認額 1,411
実行された貸付額 265
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2019 年12月31日現在の CARI の未払貸付ポートフォリオ残高は 2,904 百万ユーロとなり、その地理別の分
布は以下の通りである。
相互金利調整契約 (CARI)
2019 年12月31日現在の貸付ポートフォリオ残高の地域別の分布
(単位:合計に占める割合% )
米州 68%
アフリカ 12%
欧州 2%
アジア 18%
合計 100 %
開発プロモーション基金( Fondo para la Promoción del Desarrollo )( FONPRODE )
開発プロモーション基金( FONPRODE )は、スペイン協力機構の主要な金融機関の一つであり、当基金の
管理に責任を負う機関であるスペイン国際開発協力機構( AECID )を通じて、外務・ EU・国際協力局により
運用されている。
FONPRODE の主要な目標は、貧困の根絶、社会的不平等ならびに個人および地域における不平等の削減、
男女平等の促進、人権の保護ならびに発展途上国における持続可能な開発である。 FONPRODE は、払戻不可
能な業務(多国間機関および国際金融開発機関に対する寄付、拠出および寄付金)ならびに払戻可能な業
務(多国間機関への払戻可能な拠出、地方の小規模金融機関への貸付および国家への信用貸付)の両方を
行っている。最後に、当基金はまた、投資ファンドへの出資を行うことができる。
ICO は、スペイン政府の名においてかつこれを代理して、また国家の代理として、受益者との該当する合
意を実行する。 ICO はまた、技術器具、会計、現金出納係、支払代理人および統制サービスならびに一般的
に、 FONPRODE の下で承認された取引に関する金融の性格を有するすべてのサービスを提供する。 2019 年に
は、 23百万ユーロに上る業務が実行された。
以下の業務の種類別内訳によれば、 2019 年末現在の貸付ポートフォリオには 439 百万ユーロの未払残高が
ある。
開発プロモーション基金 (FONPRODE)
2019 年12月31日現在の貸付ポートフォリオ残高 (単位:百万ユーロおよび割合% )
ポートフォリオ合計に占める
2019 年
割合(%)
多国間機関への払戻可能な拠出 326 74.3 %
小口融資プログラム 89 20.3 %
国家への信用貸付 23 5.4 %
ポートフォリオ合計 439 100.0 %
水および衛生協力基金( Fondo de Cooperación para Agua ySaneamiento )( FCAS )
2008 年一般国家予算に関する 2007 年12月26日法律第 51号に従い、国際開発協力機構の方針に基づき、金
融活動を目的とした手段として、ラテンアメリカ諸国の国民が水および衛生設備にアクセスすることがで
きるために考案された、水および衛生協力基金 (FCAS) が設立された。
当基金は、外務・ EU・国際協力局の下で、スペイン国際開発協力機構( AECID )により運用されている。
当基金は、払戻不要援助や、該当する場合には、超国家的組織または民間機関を含む受益国の国家当局
との共同融資制度に基づく貸出金を付与する。 ICO は、スペイン政府の名においてかつその代理として、ま
た国家の代理として該当する FCAS 融資契約を実行し、承認された業務に関するすべての金融サービスを提
供する。
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設立以来、 2008 年には当基金からの支出は 842 百万ユーロ超となり、うち全額が払戻不可能なプログラム
に該当する。
J. 企業およびファンドへの投資
2019 年において、 ICO は、下記の法人の株主集団に参加していた。
・1986 年に設立されたベンチャー・キャピタル・ファンドの運用会社である AXIS パルティシパシオネ
ス・エムプレサリアレス SGEIC, S.A. S.M.E. (AXIS )(Axis Participaciones Empresariales SGEIC,
S.A. S.M.E. )。 ICO は株式資本の 100 %を保有している。
・コンパーニャ・エスパニョーラ・デ・レアフィアンツァミエント S.A. (CERSA )(Compañía Española
de Reafianzamiento, S.A. )の株式資本の 24.3 %。当該法人は、経済・デジタル変革省の下で 1993 年
に創設された政府出資の商事会社である。同法人目的は、中小企業および自営業者、特にスタート
アップ企業および小規模企業が、すべての種類の融資を容易に受けられるよう計らうことである。
CERSA は、 CERSA 自体、保証会社 20社および農業保証政府機関( SAECA )で構成されたスペインの相互保
証制度( Sistema de Garantía Recíprocas )への資金補完を通じて支援を提供する。
・コンパーニャ・エスパニョーラ・デ・フィナンシアシオン・デル・デサロージョ S.A., S.M.E.
(COFIDES )(Compañía Española de Financiación del Desarrollo, S.A. )の株式資本の 20.3 %。当
該企業は、産業・貿易・観光省に属する政府出資の商事会社である。同企業は、収益性の指標に基づ
き、投資を受ける国々の発展ならびに経済およびスペイン企業の国際化の両方に関して支援を行う上
でスペインにとって何らかの利益が認められる、国外における実行可能な民間投資プロジェクトへの
中長期の融資を行うことを目的としている。
・欧州投資ファンド( EIF )。ICO は、 1994 年の EIF 設立以来のパートナーであり、現在同資本の 0.7 %を
保有している。大株主は EIB であり、 EIF の基本目的は、インフラへの融資を提供し、中小企業に対す
る保証を提供することである。 1997 年、 EIF はベンチャー・キャピタル業務も行い始めた。
・ヨーロピアン・データウェアハウス GmbHG (ED)(European DataWarehouse, GmbHG )の株式の
3.57 %。 EDは、分析において投資家およびその他の市場参加者により利用される、証券化ポートフォ
リオを構成する貸付に関するデータを収集する欧州の集中証券化リポジトリである。 EDのデータを通
じて、利用者は、裏付けとなるポートフォリオを分析し、ポートフォリオを体系的に比較することが
できる。
・国際銀行間通信協会( SWIFT )(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication,
SCRL ))。 ICO は、 2008 年以来、1株保有している。同協会は、ベルギーの法律に従い、 1986 年に設立
された共同機関であり、その目的は、世界各国の金融機関が金融取引に関する情報を送受できるよう
に安全なネットワークを提供することである。同ソサエティは、世界中で 2,400 超のパートナーを擁し
ており、そのうちの 31はスペインの金融機関である。この参加により、 ICO が安全で、標準的かつ信頼
できる環境において金融取引を実行するためにこのプラットフォームを利用できるようになってい
る。
・FC2E ヘスティオン S.L. (FC2E Gestión, S.L. )の株式資本の 50%を ICO が保有していた。この法人は、
スペイン企業向けカーボン・ファンド( Fondo de Carbono para la Empresa Española )( FC2E )の資
産運用を行う会社である。当該ファンドおよび運用会社はともに 2019 年7月に清算された。
ICO が参加しているファンド
2019 年において、当公庫は、各種拠出により、様々な会社により運用される下記のファンドに参加して
いた。
・ フォン・メディテラニア・キャピタル (Fons Mediterrània Capital ) これは、カタルーニャ・ファ
イナンス・インスティテュート( Institut Catalá de Finances )( ICF )および EIB とともに、総額
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62.5 百万ユーロで、スペインの法律に従い、 ICO により設立および考案されたベンチャー・キャピタ
ル・ファンドである。当該ファンドは、マグレブ(モロッコ、チュニジアおよびアルジェリア)の地
中海地域でプロジェクトを展開している企業に対する投資のための万能型かつ多角的な投資目標を掲
げている。運用会社はリヴァ・イェ・ガルシア・ヘスティオン SGIIC SA(Riva yGarcía Gestión,
SGIIC SA)である。 ICO の参加額は 15百万ユーロ( 24%)に上る。
当該ファンドは、現在売却過程にあるが、今後実施予定の5件のプロジェクトが残存している。
・ マーガレット・ファンド (Marguerite Fund ) これは、 ICO および欧州投資銀行、欧州委員会、ドイ
ツ復興金融公庫、イタリア預託貸付公庫、フランス預金供託公庫および PKO バンク・ポルスキ S.A. とい
う他の公的な事業体により考案された欧州のキャピタル・ファンドである。当該ファンドの目的は、
EUの政策において設定された目標に寄与するインフラストラクチャー(輸送、エネルギーおよび再生
可能エネルギー)のセクターにおけるプロジェクトおよび企業に投資を行うことである。運用会社は
マーガレット・アドバイザー・エスエーである。 ICO は、現在の経済・デジタル変革省から供与された
100 百万ユーロで、このファンドに参加しており、その拠出は資本の 14.08 %にあたる。当該ファンド
は、現在売却過程にあり、 2019 年末現在で 10件のプロジェクトが残存している。
・ エンタープライズ・サポート・ファンド( AFS FUND )(Fondo de Apoyo aEmpresas ) 当該ファンド
の目的は、期間を定めず 2013 年に設定されたもので、スペイン輸出信用機関( Compañía Española de
Créditos ala Exportación )( CESCE )が保証するコマーシャルインボイスを割り引くことによっ
て、企業にノンバンク融資を行うことである。運用会社は、民間有限責任会社である AFS エス・エー・
アール・エル( AFS, S.à.r.l. )である。 ICO は、主要投資家である CESCE とともに、 10百万ユーロを投
資して、 2018 年以降このファンドに参加している。
・ スペイン企業向けカーボン・ファンド (Fondo de Carbono para la empresa española ) 当該ファン
ドは、新興国または先進国に移行している経済圏におけるクリーンエネルギープロジェクトのための
排出枠の達成を目的として、 2006 年に設立された。 ICO の資本参加は 32.7 %である。 2019 年に、当該
ファンドは、その運用会社である FC2E ヘスティオン S.L. とともに解散し終了した。
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(5) 【経理の状況】
以下に掲げる 2018 年12月31日に終了した会計年度および 2019 年12月31日に終了した会計年度の単体財務
書類は当公庫の会計記録に基づき作成されたものであり、また、 2018 年12月31日に終了した会計年度およ
び2019 年12月31日に終了した会計年度の連結財務書類は当公庫および当グループを構成する企業の会計記
録に基づき作成されたものであり、したがって、その資本および財政状態ならびに終了した会計年度にお
ける経営成績およびキャッシュフローの概観を、すべての重要な側面に関して真実かつ公正に表示してい
る。両会計年度の単体財務書類および連結財務書類は、スペインにおいて有効な規制上の監査基準および
財務情報に関する適用ある会計規則、また特にその中で定められている会計の原則および基準に基づき作
成されている。
両会計年度の単体財務書類および連結財務書類については独立公認会計士であるマザーズ監査人 S.L.P.
(MAZARS Auditores S.L.P. )が監査している。
以下に掲げる当公庫の 2018 年12月31日に終了した会計年度および 2019 年12月31日に終了した会計年度の
単体財務書類は、 2017 年11月27日スペイン中央銀行通達第4号(その後の改正を含む。)ならびにスペイ
ン商法、資本企業法およびその他の適用ある法律に基づき作成されている。また、 2018 年12月31日に終了
した会計年度および 2019 年12月31日に終了した会計年度の連結財務書類は、 2017 年11月27日スペイン中央
銀行通達第4号(その後の改正を含む。)に含まれる、一般公衆用の財務報告基準および財務書類におけ
るモデルに関する原則および基準、ならびにスペイン商法、資本企業法またはその他の適用あるスペイン
の法律に基づき、欧州連合( EU)が採用した国際財務報告基準( IFRS )に従い表示されている。
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(訳 文)
連結年次財務書類に係る独立監査人の監査報告書
スペイン開発金融公庫理事会 殿
意見
我々は、 2019 年12月31日現在の連結貸借対照表ならびに同日に終了した年度の連結損益計算書、連結認
識損益計算書、株主持分変動計算書、連結キャッシュフロー計算書およびこれらの注記により構成され
る、 スペイン開発金融公庫 (「親会社または公庫」)およびその子会社(「グループ」)の連結年次財務
書類を監査した。
我々の意見において、添付の連結年次財務書類は、欧州連合が採用している国際財務報告基準(「 IFRS-
EU」)およびスペインにおける財務報告書規制枠組みのその他の規定に準拠して、すべての重要な点にお
いて、 2019 年12月31日現在のグループの連結資本および連結財務状態ならびに同日に終了した年度の連結
の経営成績および連結キャッシュフローについて公正に表示している(添付の連結年次財務書類の注記 1.2
に記載されている。)。
意見の基礎
我々は、スペインの現行の監査規制に準拠し、監査を行った。かかる規制に基づく我々の責任は、我々
の報告書の「 連結年次財務書類の監査に係る監査人の責任 」の項に詳述されている。
我々は、現行の監査規制に従い、スペインにおける連結年次財務書類の我々の監査と関係のある倫理基
準(独立性に関する要件を含む。)に則り、グループとは独立した立場にある。この関連で、我々は、年
次財務書類の監査以外のいかなるサービスも提供しておらず、また上記監査規制の下、我々の独立性を損
ねるような方法で要求される独立性に影響を与えうる事態または状況も生じさせていない。
我々は、我々が得た監査証拠は、我々の意見の根拠を提供するにあたり、十分かつ適切であると確信し
ている。
最も重要な監査上の問題
最も重要な監査上の問題は、我々の職業専門家としての判断にあたって、当期の連結年次財務書類の監
査において重大な虚偽記載がなされるという最も重大なリスクとして評価されている。これらのリスク
は、連結年次財務書類全体の監査の文脈および我々の意見の形成にあたって言及され、我々はこれらのリ
スクに関して個別に意見を述べてはいない。
貸付金ポートフォリオにおける減損損失の見積り
償却原価で評価した金融資産の減損の見積りは、添付の連結年次財務書類を作成する際の最も重要な見
積りの一つである。
信用リスクヘッジの見積りにおいて、 2017 年11月27日通達第4号およびスペイン中央銀行により承認さ
れたその他の必須基準が考慮されている。
一般的に、公庫は、最初の認識後、顧客に対する貸付金の将来のキャッシュフローにマイナスの影響を
及ぼす一つの事象または複数の事象の複合的影響が生じた際に、減損の客観的証拠を見積もっている。減
損の客観的証拠は、公庫が重要であると判断した債券については個別に、これ以外については総体的に決
定される。総体的評価において、公庫は、とりわけ元利金を返済する借り手の財務能力、商品の種類、借
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スペイン開発金融公庫(E06100)
有価証券報告書
り手の部門活動、保証の種類および返済期日超過日数を示す、同様のリスクの特徴を有する債券を包括す
る。
我々の監査方法は、減損額の計算に関して公庫が行った最も重要な統制の評価ならびに明細の試査およ
び実証性テストの実施を含んでいる。主な監査手順は、とりわけ以下を含む。
-適用ある規制要件に従った、異なる内部統制の方針および手順の検証
-使用した異なるデータベースの調査(信頼性の検討および計算に使用した情報源の統一性の検討)
-借り手の適切な分類、および存在する場合は減損を保証するための借り手の資料の検討に係る評価
-明細の試査に関し、個別の貸付金サンプルに係る借り手の適切な監査記録および分類、ならびに存在
する場合は対応する減損に対する我々の検討
-スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号により定められた代替手段に基づき評価され、標準または標準
警戒リストとして分類された貸付金に対する引当金の再計算
使用した評価基準およびこれらの項目に関する開示は、添付の連結財務書類の注記2および注記 10に含
まれている。
テクノロジ-・リスクに関する情報
公庫の活動および財務報告手続きの特徴は、情報システムに大きく依拠している。
財務報告手続きおよび監査記録に関連したかかる情報システムの一般的な内部統制枠組みは、我々の内
部統制評価において重要とみなされる。
これに関連して、我々は、 ITの一般統制の有効性を評価することが必要であると確信している。
我々の監査方法は、以下の手順を含んでいる。
-主要な手続きにおいて、公庫が実施した最も重要な一般統制の評価。主な手順は、主要アプリケー
ションに係る一般統制テストにおいて行われ、以下について評価している。
・経営の変更
・物理的および論理的セキュリティー
・バックアップおよび継続性
・情報システムの運用
-監査報告の発行プロセスにおいて主要アプリケーションの間で存在する相互作用の検討
その他の事項
一般予算法第 47/2003 号第 168 条により、公共部門の監査基準に従って、国家行政介入局(「 IGAE 」)が
スペイン開発金融公庫の連結年次財務書類の監査を行い、その後監査報告書が発行される。公庫の連結年
次財務書類の監査の実施において IGAE と協働するためにマザーズ監査人 S.L.P. (Mazars Auditores
S.L.P. )および税務・行政省との間で締結された契約は、スペインで効力を有する監査規制の適用におい
てそれらに規定されている通り、現在の監査報告書の発行を確立するものである。
その他の情報:連結経営報告書
その他の情報は、その作成が公庫の理事長の責任であり、連結年次財務書類の一部を構成しない、 2019
年会計年度の連結経営報告書のみを参照している。
連結年次財務書類に係る我々の監査意見は、連結経営報告書を対象としていない。スペインの現行の監
査規制に準拠して、連結経営報告書に係る我々の責任は、上記の連結年次財務書類の監査の際に我々が入
手したグループの情報(監査の過程で証拠として入手できなかった情報を含まない。)に基づき、連結経
営報告書と連結年次財務書類に含まれる情報の整合性について評価および報告することである。さらに、
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有価証券報告書
我々の責任は、連結経営報告書の内容および表示が適用ある規制に準拠しているかについて評価および報
告することである。我々が履行した職務に基づき、我々が重大な虚偽記載が存在すると判断した場合、
我々 にはその事実を報告する義務がある。
上記段落に記載の通り、履行した職務に基づき、連結経営報告書に含まれる情報は、 2019 年会計年度の
連結年次財務書類に記載された情報と一致しており、その内容および表示は適用ある規制に準拠している
ことを我々は確認した。
連結年次財務書類に係る公庫の理事長の責任
公庫の理事長は、 IFRS-EU およびスペインにおけるグループに適用される財務報告書規制枠組みのその他
の規定に準拠し、グループの連結資本、連結財務状態および連結経営成績に関し、真実かつ公正な意見を
表明できるよう添付の連結年次財務書類の作成を行うこと、また不正または過失によるかを問わず、当該
連結年次財務書類の作成にあたり、重要な虚偽記載をなくすことを可能にするために必要な内部統制を行
うことに責任を有する。
連結年次財務書類の作成において、公庫の理事長は、公庫の理事長がグループを清算する、もしくは事
業を停止する意向であるか、またはそうする以外に現実的な代替案を有さないような場合でない限り、
ゴーイングコンサーンとして継続するグループの能力を評価し、ゴーイングコンサーンに関連する事項
(存在する場合)を開示し、またゴーイングコンサーン基準を使用する責任を負う。
連結年次財務書類の監査に係る監査人の責任
我々の目的は、不正または過失によるかを問わず連結年次財務書類全体に重要な虚偽記載がないか合理
的な保証を得、我々の意見を含む監査報告書を発行することである。
合理的な保証は、高水準の保証ではあるが、重大な虚偽記載が存在する場合に、スペインの現行の監査
規制に準拠して行った監査が、常に当該重大な虚偽記載を発見するという保証を意味するものではない。
虚偽記載は、不正または過失に起因する可能性があり、これらの連結年次財務書類に基づきその利用者が
行った経済的意思決定に、個別または総体で影響を及ぼすと合理的に予想されうる場合に、重大とみなさ
れる。
スペインの現行の監査規制に準拠した監査の一環として、我々は、職業専門家としての判断を行い、監
査を通じて職業専門家としての懐疑的見方を維持する。我々は、以下のことも行う。
・連結年次財務書類に係る不正または過失であるかを問わない重大な虚偽記載のリスクを特定および評価
し、かかるリスクに対応する監査手順を策定および履行し、ならびに我々の意見の基礎の提供に十分か
つ適切な監査証拠を入手する。不正には共謀、偽造、意図的な不記載、虚偽表明または内部統制の無視
が含まれうるため、不正により生じた重要な虚偽記載を発見できないリスクは、過失により生じた重要
な虚偽記載を発見できないリスクよりも大きい。
・状況に応じた監査手続きを設計するため、監査に関連する内部統制の理解を得るが、これはグループの
内部統制の有効性に関し意見を表明する目的のためではない。
・使用されている会計方針の適切性ならびに公庫の理事長による会計上の見積りおよび関連する開示の妥
当性の評価。
・公庫の理事長による会計のゴーイングコンサーン基準の使用の適切性および、入手した監査証拠に基づ
き、ゴーイングコンサーンとして継続するグループの能力に対して重大な疑念を投げかける可能性のあ
る事象または状況に関連する重大な不確実性の存否について結論を示す。我々が重大な不確実性が存在
すると判断した場合、我々は、監査報告書において連結年次財務書類上の関連する開示に着目しなけれ
ばならず、またかかる開示が不適切な場合には、我々の意見を修正しなければならない。我々の結論
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は、監査報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象または状況
により、グループがゴーイングコンサーンとして継続できなくなる可能性がある。
・連結年次財務書類が公正な表示を実現する方法で基礎になる取引および事象を表示しているか否か、な
らびに連結年次財務書類の全体的な表示、構造および内容(開示を含む。)を評価する。
・連結年次財務書類に対する意見を表明するための、グループ内の事業体の財務情報または事業活動に関
する十分で適切な監査証拠を入手する。我々は、グループの監査の指示、監督および履行に責任を負
う。我々は、唯一我々の監査意見のみに責任を負う。
我々は、とりわけ、監査の予定された範囲および時期ならびに重要な監査結果(我々が監査において特
定した内部統制の重大な欠陥を含む。)に関して、公庫の理事長と連絡を行う。
公庫の理事長に連絡した重大なリスクから、我々は、当期の連結年次財務書類の監査において最も重大
なリスクを決定し、その結果これが最も重大と評価されたリスクとなる。
我々は、法律または規制により当該事項に関する公の開示が不可能でない限り、我々の監査報告書に当
該リスクを記載する。
2020 年4月 13日、マドリッド
カルロス・マーコス・コラル
ROAC 番号 17577
マザーズ監査人 S.L.P.
ROAC 番号 S1189
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有価証券報告書
(訳 文)
年次財務書類に係る独立監査人の監査報告書
スペイン開発金融公庫理事会 殿
意見
我々は、 2019 年12月31日現在の貸借対照表ならびに同日に終了した年度の損益計算書、認識損益計算
書、株主持分変動計算書、キャッシュフロー計算書およびこれらの注記により構成される、 スペイン開発
金融公庫 (「公庫」)の年次財務書類を監査した。
我々の意見において、添付の年次財務書類は、事業体に適用する財務報告書規制枠組み、とりわけかか
る枠組みに定められる会計原則および会計基準に準拠して、すべての重要な点において、 2019 年12月31日
現在の公庫の資本および財務状態ならびに同日に終了した年度の経営成績およびキャッシュフローについ
て公正に表示している(添付の年次財務書類の注記 1.2 に記載されている。)。
意見の基礎
我々は、スペインの現行の監査規制に準拠し、監査を行った。かかる規制に基づく我々の責任は、我々
の報告書の「 年次財務書類の監査に係る監査人の責任 」の項に詳述されている。
我々は、現行の監査規制に従い、スペインにおける年次財務書類の我々の監査と関係のある倫理基準
(独立性に関する要件を含む。)に則り、公庫とは独立した立場にある。この関連で、我々は、年次財務
書類の監査以外のいかなるサービスも提供しておらず、また上記監査規制の下、我々の独立性を損ねるよ
うな方法で要求される独立性に影響を与えうる事態または状況も生じさせていない。
我々は、我々が得た監査証拠は、我々の意見の根拠を提供するにあたり、十分かつ適切であると確信し
ている。
最も重要な監査上の問題
最も重要な監査上の問題は、我々の職業専門家としての判断にあたって、当期の年次財務書類の監査に
おいて重大な虚偽記載がなされるという最も重大なリスクとして評価されている。これらのリスクは、年
次財務書類全体の監査の文脈および我々の意見の形成にあたって言及され、我々はこれらのリスクに関し
て個別に意見を述べてはいない。
貸付金ポートフォリオにおける減損損失の見積り
償却原価で評価した金融資産の減損の見積りは、添付の年次財務書類を作成する際の最も重要な見積り
の一つである。
信用リスクヘッジの見積りにおいて、 2017 年11月27日通達第4号およびスペイン中央銀行により承認さ
れたその他の必須基準が考慮されている。
一般的に、公庫は、最初の認識後、顧客に対する貸付金の将来のキャッシュフローにマイナスの影響を
及ぼす一つの事象または複数の事象の複合的影響が生じた際に、減損の客観的証拠を見積もっている。減
損の客観的証拠は、公庫が重要であると判断した債券については個別に、これ以外については総体的に決
定される。総体的評価において、公庫は、とりわけ元利金を返済する借り手の財務能力、商品の種類、借
り手の部門活動、保証の種類および返済期日超過日数を示す、同様のリスクの特徴を有する債券を包括す
る。
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有価証券報告書
我々の監査方法は、減損額の計算に関して公庫が行った最も重要な統制の評価ならびに明細の試査およ
び実証性テストの実施を含んでいる。主な監査手順は、とりわけ以下を含む。
-適用ある規制要件に従った、異なる内部統制の方針および手順の検証
-使用した異なるデータベースの調査(信頼性の検討および計算に使用した情報源の統一性の検討)
-借り手の適切な分類、および存在する場合は減損を保証するための借り手の資料の検討に係る評価
-明細の試査に関し、個別の貸付金サンプルに係る借り手の適切な監査記録および分類、ならびに存在
する場合は対応する減損に対する我々の検討
-スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号により定められた代替手段に基づき評価され、標準または標準
警戒リストとして分類された貸付金に対する引当金の再計算
使用した評価基準およびこれらの項目に関する開示は、添付の財務書類の注記2および注記 10に含まれ
ている。
テクノロジ-・リスクに関する情報
公庫の活動および財務報告手続きの特徴は、情報システムに大きく依拠している。
財務報告手続きおよび監査記録に関連したかかる情報システムの一般的な内部統制枠組みは、我々の内
部統制評価において重要とみなされる。
これに関連して、我々は、 ITの一般統制の有効性を評価することが必要であると確信している。
我々の監査方法は、以下の手順を含んでいる。
-主要な手続きにおいて、公庫が実施した最も重要な一般統制の評価。主な手順は、主要アプリケー
ションに係る一般統制テストにおいて行われ、以下について評価している。
・経営の変更
・物理的および論理的セキュリティー
・バックアップおよび継続性
・情報システムの運用
-監査報告の発行プロセスにおいて主要アプリケーションの間で存在する相互作用の検討
その他の事項
一般予算法第 47/2003 号第 168 条により、公共部門の監査基準に従って、国家行政介入局(「 IGAE 」)が
スペイン開発金融公庫の年次財務書類の監査を行い、その後監査報告書が発行される。公庫の年次財務書
類の監査の実施において IGAE と協働するためにマザーズ監査人 S.L.P. (Mazars Auditores S.L.P. )および
税務・行政省との間で締結された契約は、スペインで効力を有する監査規制の適用においてそれらに規定
されている通り、現在の監査報告書の発行を確立するものである。
その他の情報:経営報告書
その他の情報は、その作成が公庫の理事長の責任であり、年次財務書類の一部を構成しない、 2019 年会
計年度の経営報告書のみを参照している。
年次財務書類に係る我々の監査意見は、経営報告書を対象としていない。スペインの現行の監査規制に
準拠して、経営報告書に係る我々の責任は、上記の年次財務書類の監査の際に我々が入手した公庫の情報
(監査の過程で証拠として入手できなかった情報を含まない。)に基づき、経営報告書と年次財務書類に
含まれる情報の整合性について評価および報告することである。さらに、我々の責任は、経営報告書の内
容および表示が適用ある規制に準拠しているかについて評価および報告することである。我々が履行した
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職務に基づき、我々が重大な虚偽記載が存在すると判断した場合、我々にはその事実を報告する義務があ
る。
上記段落に記載のとおり、履行した職務に基づき、経営報告書に含まれる情報は、 2019 年会計年度の年
次財務書類に記載された情報と一致しており、その内容および表示は適用ある規制に準拠していることを
我々は確認した。
年次財務書類に係る公庫の理事長の責任
公庫の理事長は、スペインにおける公庫に適用される財務報告書規制枠組みに準拠し、公庫の資本、財
務状態および経営成績に関し、真実かつ公正な意見を表明できるよう添付の年次財務書類の作成を行うこ
と、また不正または過失によるかを問わず、当該年次財務書類の作成にあたり、重要な虚偽記載をなくす
ことを可能にするために必要な内部統制を行うことに責任を有する。
年次財務書類の作成において、公庫の理事長は、公庫の理事長が公庫を清算する、もしくは事業を停止
する意向であるか、またはそうする以外に現実的な代替案を有さないような場合でない限り、ゴーイング
コンサーンとして継続する公庫の能力を評価し、ゴーイングコンサーンに関連する事項(存在する場合)
を開示し、またゴーイングコンサーン基準を使用する責任を負う。
年次財務書類の監査に係る監査人の責任
我々の目的は、不正または過失によるかを問わず年次財務書類全体に重要な虚偽記載がないか合理的な
保証を得、我々の意見を含む監査報告書を発行することである。
合理的な保証は、高水準の保証ではあるが、重大な虚偽記載が存在する場合に、スペインの現行の監査
規制に準拠して行った監査が、常に当該重大な虚偽記載を発見するという保証を意味するものではない。
虚偽記載は、不正または過失に起因する可能性があり、これらの年次財務書類に基づきその利用者が行っ
た経済的意思決定に、個別または総体で影響を及ぼすと合理的に予想されうる場合に、重大とみなされ
る。
スペインの現行の監査規制に準拠した監査の一環として、我々は、職業専門家としての判断を行い、監
査を通じて職業専門家としての懐疑的見方を維持する。我々は、以下のことも行う。
・年次財務書類に係る不正または過失であるかを問わない重大な虚偽記載のリスクを特定および評価し、
かかるリスクに対応する監査手順を策定および履行し、ならびに我々の意見の基礎の提供に十分かつ適
切な監査証拠を入手する。不正には共謀、偽造、意図的な不記載、虚偽表明または内部統制の無視が含
まれうるため、不正により生じた重要な虚偽記載を発見できないリスクは、過失により生じた重要な虚
偽記載を発見できないリスクよりも大きい。
・状況に応じた監査手続きを設計するため、監査に関連する内部統制の理解を得るが、これは公庫の内部
統制の有効性に関し意見を表明する目的のためではない。
・使用されている会計方針の適切性ならびに公庫の理事長による会計上の見積りおよび関連する開示の妥
当性の評価。
・公庫の理事長による会計のゴーイングコンサーン基準の使用の適切性および、入手した監査証拠に基づ
き、ゴーイングコンサーンとして継続する公庫の能力に対して重大な疑念を投げかける可能性のある事
象または状況に関連する重大な不確実性の存否について結論を示す。我々が重大な不確実性が存在する
と判断した場合、我々は、監査報告書において年次財務書類上の関連する開示に着目しなければなら
ず、またかかる開示が不適切な場合には、我々の意見を修正しなければならない。我々の結論は、監査
報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象または状況により、
公庫がゴーイングコンサーンとして継続できなくなる可能性がある。
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有価証券報告書
・年次財務書類が公正な表示を実現する方法で基礎になる取引および事象を表示しているか否か、ならび
に年次財務書類の全体的な表示、構造および内容(開示を含む。)を評価する。
我々は、とりわけ、監査の予定された範囲および時期ならびに重要な監査結果(我々が監査において特
定した内部統制の重大な欠陥を含む。)に関して、公庫の理事長と連絡を行う。
公庫の理事長に連絡した重大なリスクから、我々は、当期の年次財務書類の監査において最も重大なリ
スクを決定し、その結果これが最も重大と評価されたリスクとなる。
我々は、法律または規制により当該事項に関する公の開示が不可能でない限り、我々の監査報告書に当
該リスクを記載する。
2020 年4月 13日、マドリッド
カルロス・マーコス・コラル
ROAC 番号 17577
マザーズ監査人 S.L.P.
ROAC 番号 S1189
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有価証券報告書
(訳 文)
連結年次財務書類に係る独立監査人の監査報告書
スペイン開発金融公庫理事会 殿
意見
我々は、 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表ならびに同日に終了した年度の連結損益計算書、連結認
識損益計算書、連結資本変動表、連結キャッシュフロー計算書およびこれらの注記により構成される、 ス
ペイン開発金融公庫 (「親会社または公庫」)およびその子会社(「グループ」)の連結年次財務書類を
監査した。
我々の意見において、添付の連結年次財務書類は、欧州連合が採用している国際財務報告基準(「 IFRS-
EU」)およびスペインにおける財務報告書規制枠組みのその他の規定に準拠して、すべての重要な点にお
いて、 2018 年12月31日現在のグループの連結資本および連結財務状態ならびに同日に終了した年度の連結
の経営成績および連結キャッシュフローについて公正に表示している(添付の連結年次財務書類の注記 1.2
に記載されている。)。
意見の基礎
我々は、スペインの現行の監査規制に準拠し、監査を行った。かかる規制に基づく我々の責任は、我々
の報告書の「 連結年次財務書類の監査に係る監査人の責任 」の項に詳述されている。
我々は、現行の監査規制に従い、スペインにおける連結年次財務書類の我々の監査と関係のある倫理基
準(独立性に関する要件を含む。)に則り、グループとは独立した立場にある。この関連で、我々は、年
次財務書類の監査以外のいかなるサービスも提供しておらず、また上記監査規制の下、我々の独立性を損
ねるような方法で要求される独立性に影響を与えうる事態または状況も生じさせていない。
我々は、我々が得た監査証拠は、我々の意見の根拠を提供するにあたり、十分かつ適切であると確信し
ている。
最も重要な監査上の問題
最も重要な監査上の問題は、我々の職業専門家としての判断にあたって、当期の連結年次財務書類の監
査において重大な虚偽記載がなされるという最も重大なリスクとして評価されている。これらのリスク
は、連結年次財務書類全体の監査の文脈および我々の意見の形成にあたって言及され、我々はこれらのリ
スクに関して個別に意見を述べてはいない。
貸付金ポートフォリオにおける減損損失の見積り
償却原価で評価した金融資産の減損の見積りは、添付の連結年次財務書類を作成する際の最も重要な見
積りの一つである。
信用リスク引当金の見積りにおいて、 2017 年11月27日通達第4号およびスペイン中央銀行により承認さ
れたその他の必須基準が考慮されている。
一般的に、公庫は、最初の認識後、顧客に対する貸付金の将来のキャッシュフローにマイナスの影響を
及ぼす一つの事象または複数の事象の複合的影響が生じた際に、減損の客観的証拠を見積もっている。減
損の客観的証拠は、公庫が重要であると判断した債券については個別に、これ以外については総体的に決
定される。総体的評価において、公庫は、とりわけ元利金を返済する借り手の財務能力、商品の種類、借
56/590
EDINET提出書類
スペイン開発金融公庫(E06100)
有価証券報告書
り手の部門活動、保証の種類および返済期日超過日数を示す、同様のリスクの特徴を有する債券を包括す
る。
我々の監査方法は、減損額の計算に関して公庫が行った最も重要な統制の評価ならびに明細の試査およ
び実証性テストの実施を含んでいる。主な監査手順は、とりわけ以下を含む。
-適用ある規制要件に従った、異なる内部統制の方針および手順の検証
-使用した異なるデータベースの調査(信頼性の検討および計算に使用した情報源の統一性の検討)
-借り手の適切な分類、および存在する場合は減損を保証するための借り手の資料の検討に係る評価
-明細の試査に関し、個別の貸付金サンプルに係る借り手の適切な監査記録および分類、ならびに存在
する場合は対応する減損に対する我々の検討
-スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号により定められた代替手段に基づき評価され、標準または標準
警戒リストとして分類された貸付金に対する引当金の再計算
使用した評価基準およびこれらの項目に関する開示は、添付の連結財務書類の注記2および注記 10に含
まれている。
テクノロジ-・リスクに関する情報
公庫の活動および財務報告手続きの特徴は、情報システムに大きく依拠している。
財務報告手続きおよび監査記録に関連したかかる情報システムの一般的な内部統制枠組みは、我々の内
部統制評価において重要とみなされる。
これに関連して、我々は、 ITの一般統制の有効性を評価することが必要であると確信している。
我々の監査方法は、以下の手順を含んでいる。
-主要な手続きにおいて、公庫が実施した最も重要な一般統制の評価。主な手順は、主要アプリケー
ションに係る一般統制テストにおいて行われ、以下について評価している。
・経営の変更
・物理的および論理的セキュリティー
・バックアップおよび継続性
・情報システムの運用
-監査報告の発行プロセスにおいて主要アプリケーションの間で存在する相互作用の検討
その他の事項
一般予算法第 47/2003 号第 168 条により、公共部門の監査基準に従って、国家行政介入局(「 IGAE 」)が
スペイン開発金融公庫の連結年次財務書類の監査を行い、その後監査報告書が発行される。公庫の連結年
次財務書類の監査の実施において IGAE と協働するためにマザーズ監査人 S.L.P. (Mazars Auditores
S.L.P. )および税務・行政省との間で締結された契約は、スペインで効力を有する監査規制の適用におい
てそれらに規定されている通り、現在の監査報告書の発行を確立するものである。
その他の情報:連結経営報告書
その他の情報は、その作成が公庫の理事長の責任であり、連結年次財務書類の一部を構成しない、 2018
年会計年度の連結経営報告書のみを参照している。
連結年次財務書類に係る我々の監査意見は、連結経営報告書を対象としていない。スペインの現行の監
査規制に準拠して、連結経営報告書に係る我々の責任は、上記の連結年次財務書類の監査の際に我々が入
手したグループの情報(監査の過程で証拠として入手できなかった情報を含まない。)に基づき、連結経
営報告書と連結年次財務書類に含まれる情報の整合性について評価および報告することである。さらに、
57/590
EDINET提出書類
スペイン開発金融公庫(E06100)
有価証券報告書
我々の責任は、連結経営報告書の内容および表示が適用ある規制に準拠しているかについて評価および報
告することである。我々が履行した職務に基づき、我々が重大な虚偽記載が存在すると判断した場合、
我々 にはその事実を報告する義務がある。
上記段落に記載の通り、履行した職務に基づき、連結経営報告書に含まれる情報は、 2018 年会計年度の
連結年次財務書類に記載された情報と一致しており、その内容および表示は適用ある規制に準拠している
ことを我々は確認した。
連結年次財務書類に係る公庫の理事長の責任
公庫の理事長は、 IFRS-EU およびスペインにおけるグループに適用される財務報告書規制枠組みのその他
の規定に準拠し、グループの連結資本、連結財務状態および連結経営成績に関し、真実かつ公正な意見を
表明できるよう添付の連結年次財務書類の作成を行うこと、また不正または過失によるかを問わず、当該
連結年次財務書類の作成にあたり、重要な虚偽記載をなくすことを可能にするために必要な内部統制を行
うことに責任を有する。
連結年次財務書類の作成において、公庫の理事長は、公庫の理事長がグループを清算する、もしくは事
業を停止する意向であるか、またはそうする以外に現実的な代替案を有さないような場合でない限り、
ゴーイングコンサーンとして継続するグループの能力を評価し、ゴーイングコンサーンに関連する事項
(存在する場合)を開示し、またゴーイングコンサーン基準を使用する責任を負う。
連結年次財務書類の監査に係る監査人の責任
我々の目的は、不正または過失によるかを問わず連結年次財務書類全体に重要な虚偽記載がないか合理
的な保証を得、我々の意見を含む監査報告書を発行することである。
合理的な保証は、高水準の保証ではあるが、重大な虚偽記載が存在する場合に、スペインの現行の監査
規制に準拠して行った監査が、常に当該重大な虚偽記載を発見するという保証を意味するものではない。
虚偽記載は、不正または過失に起因する可能性があり、これらの連結年次財務書類に基づきその利用者が
行った経済的意思決定に、個別または総体で影響を及ぼすと合理的に予想されうる場合に、重大とみなさ
れる。
スペインの現行の監査規制に準拠した監査の一環として、我々は、職業専門家としての判断を行い、監
査を通じて職業専門家としての懐疑的見方を維持する。我々は、以下のことも行う。
・連結年次財務書類に係る不正または過失であるかを問わない重大な虚偽記載のリスクを特定および評価
し、かかるリスクに対応する監査手順を策定および履行し、ならびに我々の意見の基礎の提供に十分か
つ適切な監査証拠を入手する。不正には共謀、偽造、意図的な不記載、虚偽表明または内部統制の無視
が含まれうるため、不正により生じた重要な虚偽記載を発見できないリスクは、過失により生じた重要
な虚偽記載を発見できないリスクよりも大きい。
・状況に応じた監査手続きを設計するため、監査に関連する内部統制の理解を得るが、これはグループの
内部統制の有効性に関し意見を表明する目的のためではない。
・使用されている会計方針の適切性ならびに公庫の理事長による会計上の見積りおよび関連する開示の妥
当性の評価。
・公庫の理事長による会計のゴーイングコンサーン基準の使用の適切性および、入手した監査証拠に基づ
き、ゴーイングコンサーンとして継続するグループの能力に対して重大な疑念を投げかける可能性のあ
る事象または状況に関連する重大な不確実性の存否について結論を示す。我々が重大な不確実性が存在
すると判断した場合、我々は、監査報告書において連結年次財務書類上の関連する開示に着目しなけれ
ばならず、またかかる開示が不適切な場合には、我々の意見を修正しなければならない。我々の結論
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は、監査報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象または状況
により、グループがゴーイングコンサーンとして継続できなくなる可能性がある。
・連結年次財務書類が公正な表示を実現する方法で基礎になる取引および事象を表示しているか否か、な
らびに連結年次財務書類の全体的な表示、構造および内容(開示を含む。)を評価する。
・連結年次財務書類に対する意見を表明するための、グループ内の事業体の財務情報または事業活動に関
する十分で適切な監査証拠を入手する。我々は、グループの監査の指示、監督および履行に責任を負
う。我々は、唯一我々の監査意見のみに責任を負う。
我々は、とりわけ、監査の予定された範囲および時期ならびに重要な監査結果(我々が監査において特
定した内部統制の重大な欠陥を含む。)に関して、公庫の理事長と連絡を行う。
公庫の理事長に連絡した重大なリスクから、我々は、当期の連結年次財務書類の監査において最も重大
なリスクを決定し、その結果これが最も重大と評価されたリスクとなる。
我々は、法律または規制により当該事項に関する公の開示が不可能でない限り、我々の監査報告書に当
該リスクを記載する。
2019 年4月5日、マドリッド
カルロス・マーコス・コラル
ROAC 番号 17577
マザーズ監査人 S.L.P.
ROAC 番号 S1189
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(訳 文)
年次財務書類に係る独立監査人の監査報告書
スペイン開発金融公庫理事会 殿
意見
我々は、 2018 年12月31日現在の貸借対照表ならびに同日に終了した年度の損益計算書、認識損益計算
書、資本変動表、キャッシュフロー計算書およびこれらの注記により構成される、 スペイン開発金融公庫
(「公庫」)の年次財務書類を監査した。
我々の意見において、添付の年次財務書類は、事業体に適用する財務報告書規制枠組み、とりわけかか
る枠組みに定められる会計原則および会計基準に準拠して、すべての重要な点において、 2018 年12月31日
現在の公庫の資本および財務状態ならびに同日に終了した年度の経営成績およびキャッシュフローについ
て公正に表示している(添付の年次財務書類の注記 1.2 に記載されている。)。
意見の基礎
我々は、スペインの現行の監査規制に準拠し、監査を行った。かかる規制に基づく我々の責任は、我々
の報告書の「 年次財務書類の監査に係る監査人の責任 」の項に詳述されている。
我々は、現行の監査規制に従い、スペインにおける年次財務書類の我々の監査と関係のある倫理基準
(独立性に関する要件を含む。)に則り、公庫とは独立した立場にある。この関連で、我々は、年次財務
書類の監査以外のいかなるサービスも提供しておらず、また上記監査規制の下、我々の独立性を損ねるよ
うな方法で要求される独立性に影響を与えうる事態または状況も生じさせていない。
我々は、我々が得た監査証拠は、我々の意見の根拠を提供するにあたり、十分かつ適切であると確信し
ている。
最も重要な監査上の問題
最も重要な監査上の問題は、我々の職業専門家としての判断にあたって、当期の年次財務書類の監査に
おいて重大な虚偽記載がなされるという最も重大なリスクとして評価されている。これらのリスクは、年
次財務書類全体の監査の文脈および我々の意見の形成にあたって言及され、我々はこれらのリスクに関し
て個別に意見を述べてはいない。
貸付金ポートフォリオにおける減損損失の見積り
償却原価で評価した金融資産の減損の見積りは、添付の年次財務書類を作成する際の最も重要な見積り
の一つである。
信用リスク引当金の見積りにおいて、 2017 年11月27日通達第4号およびスペイン中央銀行により承認さ
れたその他の必須基準が考慮されている。
一般的に、公庫は、最初の認識後、顧客に対する貸付金の将来のキャッシュフローにマイナスの影響を
及ぼす一つの事象または複数の事象の複合的影響が生じた際に、減損の客観的証拠を見積もっている。減
損の客観的証拠は、公庫が重要であると判断した債券については個別に、これ以外については総体的に決
定される。総体的評価において、公庫は、とりわけ元利金を返済する借り手の財務能力、商品の種類、借
り手の部門活動、保証の種類および返済期日超過日数を示す、同様のリスクの特徴を有する債券を包括す
る。
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我々の監査方法は、減損額の計算に関して公庫が行った最も重要な統制の評価ならびに明細の試査およ
び実証性テストの実施を含んでいる。主な監査手順は、とりわけ以下を含む。
-適用ある規制要件に従った、異なる内部統制の方針および手順の検証
-使用した異なるデータベースの調査(信頼性の検討および計算に使用した情報源の統一性の検討)
-借り手の適切な分類、および存在する場合は減損を保証するための借り手の資料の検討に係る評価
-明細の試査に関し、個別の貸付金サンプルに係る借り手の適切な監査記録および分類、ならびに存
在する場合は対応する減損に対する我々の検討
-スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号により定められた代替手段に基づき評価され、標準または標
準警戒リストとして分類された貸付金に対する引当金の再計算
使用した評価基準およびこれらの項目に関する開示は、添付の財務書類の注記2および注記 10に含まれ
ている。
テクノロジ-・リスクに関する情報
公庫の活動および財務報告手続きの特徴は、情報システムに大きく依拠している。
財務報告手続きおよび監査記録に関連したかかる情報システムの一般的な内部統制枠組みは、我々の内
部統制評価において重要とみなされる。
これに関連して、我々は、 ITの一般統制の有効性を評価することが必要であると確信している。
我々の監査方法は、以下の手順を含んでいる。
-主要な手続きにおいて、公庫が実施した最も重要な一般統制の評価。主な手順は、主要アプリケー
ションに係る一般統制テストにおいて行われ、以下について評価している。
・経営の変更
・物理的および論理的セキュリティー
・バックアップおよび継続性
・情報システムの運用
-監査報告の発行プロセスにおいて主要アプリケーションの間で存在する相互作用の検討
その他の事項
一般予算法第 47/2003 号第 168 条により、公共部門の監査基準に従って、国家行政介入局(「 IGAE 」)が
スペイン開発金融公庫の年次財務書類の監査を行い、その後監査報告書が発行される。公庫の年次財務書
類の監査の実施において IGAE と協働するためにマザーズ監査人 S.L.P. (Mazars Auditores S.L.P. )および
税務・行政省との間で締結された契約は、スペインで効力を有する監査規制の適用においてそれらに規定
されている通り、現在の監査報告書の発行を確立するものである。
その他の情報:経営報告書
その他の情報は、その作成が公庫の理事長の責任であり、年次財務書類の一部を構成しない、 2018 年会
計年度の経営報告書のみを参照している。
年次財務書類に係る我々の監査意見は、経営報告書を対象としていない。スペインの現行の監査規制に
準拠して、経営報告書に係る我々の責任は、上記の年次財務書類の監査の際に我々が入手した公庫の情報
(監査の過程で証拠として入手できなかった情報を含まない。)に基づき、経営報告書と年次財務書類に
含まれる情報の整合性について評価および報告することである。さらに、我々の責任は、経営報告書の内
容および表示が適用ある規制に準拠しているかについて評価および報告することである。我々が履行した
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職務に基づき、我々が重大な虚偽記載が存在すると判断した場合、我々にはその事実を報告する義務があ
る。
上記段落に記載の通り、履行した職務に基づき、経営報告書に含まれる情報は、 2018 年会計年度の年次
財務書類に記載された情報と一致しており、その内容および表示は適用ある規制に準拠していることを
我々は確認した。
年次財務書類に係る公庫の理事長の責任
公庫の理事長は、スペインにおける公庫に適用される財務報告書規制枠組みに準拠し、公庫の資本、財
務状態および経営成績に関し、真実かつ公正な意見を表明できるよう添付の年次財務書類の作成を行うこ
と、また不正または過失によるかを問わず、当該年次財務書類の作成にあたり、重要な虚偽記載をなくす
ことを可能にするために必要な内部統制を行うことに責任を有する。
年次財務書類の作成において、公庫の理事長は、公庫の理事長が公庫を清算する、もしくは事業を停止
する意向であるか、またはそうする以外に現実的な代替案を有さないような場合でない限り、ゴーイング
コンサーンとして継続する公庫の能力を評価し、ゴーイングコンサーンに関連する事項(存在する場合)
を開示し、またゴーイングコンサーン基準を使用する責任を負う。
年次財務書類の監査に係る監査人の責任
我々の目的は、不正または過失によるかを問わず年次財務書類全体に重要な虚偽記載がないか合理的な
保証を得、我々の意見を含む監査報告書を発行することである。
合理的な保証は、高水準の保証ではあるが、重大な虚偽記載が存在する場合に、スペインの現行の監査
規制に準拠して行った監査が、常に当該重大な虚偽記載を発見するという保証を意味するものではない。
虚偽記載は、不正または過失に起因する可能性があり、これらの年次財務書類に基づきその利用者が行っ
た経済的意思決定に、個別または総体で影響を及ぼすと合理的に予想されうる場合に、重大とみなされ
る。
スペインの現行の監査規制に準拠した監査の一環として、我々は、職業専門家としての判断を行い、監
査を通じて職業専門家としての懐疑的見方を維持する。我々は、以下のことも行う。
・年次財務書類に係る不正または過失であるかを問わない重大な虚偽記載のリスクを特定および評価し、
かかるリスクに対応する監査手順を策定および履行し、ならびに我々の意見の基礎の提供に十分かつ適
切な監査証拠を入手する。不正には共謀、偽造、意図的な不記載、虚偽表明または内部統制の無視が含
まれうるため、不正により生じた重要な虚偽記載を発見できないリスクは、過失により生じた重要な虚
偽記載を発見できないリスクよりも大きい。
・状況に応じた監査手続きを設計するため、監査に関連する内部統制の理解を得るが、これは公庫の内部
統制の有効性に関し意見を表明する目的のためではない。
・使用されている会計方針の適切性ならびに公庫の理事長による会計上の見積りおよび関連する開示の妥
当性の評価。
・公庫の理事長による会計のゴーイングコンサーン基準の使用の適切性および、入手した監査証拠に基づ
き、ゴーイングコンサーンとして継続する公庫の能力に対して重大な疑念を投げかける可能性のある事
象または状況に関連する重大な不確実性の存否について結論を示す。我々が重大な不確実性が存在する
と判断した場合、我々は、監査報告書において年次財務書類上の関連する開示に着目しなければなら
ず、またかかる開示が不適切な場合には、我々の意見を修正しなければならない。我々の結論は、監査
報告書の日付までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象または状況により、
公庫がゴーイングコンサーンとして継続できなくなる可能性がある。
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・年次財務書類が公正な表示を実現する方法で基礎になる取引および事象を表示しているか否か、ならび
に年次財務書類の全体的な表示、構造および内容(開示を含む。)を評価する。
我々は、とりわけ、監査の予定された範囲および時期ならびに重要な監査結果(我々が監査において特
定した内部統制の重大な欠陥を含む。)に関して、公庫の理事長と連絡を行う。
公庫の理事長に連絡した重大なリスクから、我々は、当期の年次財務書類の監査において最も重大なリ
スクを決定し、その結果これが最も重大と評価されたリスクとなる。
我々は、法律または規制により当該事項に関する公の開示が不可能でない限り、我々の監査報告書に当
該リスクを記載する。
2019 年4月5日、マドリッド
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2019 年度連結財務書類
連結貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2019 年 2018 年
現金、中央銀行等への預金および要求払預金 6 784,604 1,669,486
69,407 109,154
売買目的保有の金融資産 7
デリバティブ
69,407 109,154
(備忘事項 )担保としての貸付または前払
損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でな
8 - 21,580
い金融資産
1,826,137 1,671,294
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
持分証券
827,551 642,090
負債性証券 998,586 1,029,204
貸付金
(備忘事項 )担保としての貸付または前払
28,469,446 32,001,853
償却原価で評価した金融資産 10
負債性証券
7,843,423 9,503,883
20,626,023 22,497,970
貸付金
信用機関
10,215,054 12,436,479
顧客 10,410,969 10,061,491
(備忘事項 )担保としての貸付または前払
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連結貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2019 年 2018 年
デリバティブヘッジ 11 393,353 485,855
65,059 60,858
合弁企業および関連企業への投資 12
合弁企業
- -
関連企業 65,059 60,858
86,973 88,109
有形固定資産 13
有形固定資産
自己使用目的 86,973 88,109
(備忘事項 )ファイナンスリースによる取得 - -
6,922 7,005
無形資産 14
その他の無形資産
6,922 7,005
103,610 100,986
税金資産 15
当期
8,557 2,985
繰延 95,053 98,001
その他の資産 16 36,143 34,865
売却目的保有の非流動資産および可処分要素グループ 17 - -
31,841,654 36,251,045
資産合計
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連結貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
負債 注記 2019 年 2018 年
69,313 104,885
売買目的保有の金融負債 7
デリバティブ
69,313 104,885
損益を通じて公正価額で評価した金融 負債 - -
25,813,190 30,295,171
償却原価で評価した金融負債 18
預金 9,676,814 10,435,829
中央銀行
499,902 -
信用機関 8,477,599 9,447,789
顧客 699,313 988,040
市場性を有する負債性証券 15,734,424 19,147,495
その他の金融負債 401,952 711,847
デリバティブヘッジ 11 240,245 253,805
303,540 280,195
引当金 19
年金および年金類似債務
579 919
税金およびその他の法的臨時費の引当金 - -
偶発債務および不確定約定額の引当金 7,778 1,442
その他の引当金 295,183 277,834
33,948 23,854
税金負債 15
当期
1,005 957
繰延 32,943 22,897
その他の負債 16 7,837 6,371
26,468,073 30,964,281
負債合計
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連結貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資本 注記 2019 年 2018 年
5,394,074 5,343,946
資本 20
資本金または寄付金
4,314,033 4,313,744
累積準備金
再評価準備金 20,858 23,591
その他の準備金 949,805 930,940
当期損益 109,378 75,671
配当金および分配金控除
(20,493) (57,182)
その他の累積包括利益 21
損益として再分類不可能な要素 36,916 6,369
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額持
36,916 6,369
分証券の変動
(57,409) (63,551)
損益として再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ
(60,186) (73,435)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額負
2,777 9,884
債性証券の変動
5,373,581 5,286,764
資本合計
31,841,654 36,251,045
資本および負債合計
備忘事項
449,279 475,124
付与された保証 22
3,531,853 3,212,563
付与された不確定約定額 22
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連結損益計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2019 年 2018 年
利息および類似収益 24 347,102 396,934
利息および類似費用 25 (375,158) (493,452)
(28,056) (96,518)
利息収益純額
配当金収益 26 - -
持分法適用会社の損益 27 2,266 1,915
受取手数料 28 55,507 57,323
支払手数料 28 (7,603) (8,846)
69,412 58,591
金融業務による損益 (純額 )
公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益
10,365 754
29
(純額 )
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
- 1,695
償却原価で評価した金融資産 10,365 -
償却原価で評価した金融負債 - (941)
売買目的保有の金融資産および金融負債による損益 (純額 ) 30 591 1,023
損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産による損
31 1,984 710
益(純額 )
ヘッジ会計から生じる損益 (純額 ) 32 56,472 56,104
為替差損益 (純額 ) 2.4 4,928 49,884
その他の営業収益および営業費用 33 1,820 1,137
98,274 63,486
売上総利益
(38,912) (39,112)
管理費
人件費 34
(21,546) (21,040)
その他の管理費 35 (17,366) (18,072)
(3,916) (5,113)
減価償却費
有形固定資産 13
(2,014) (2,091)
無形資産 14 (1,902) (3,022)
引当金経費または引当金の戻入 19 (5,904) (1,655)
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有価証券報告書
連結損益計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2019 年 2018 年
損益を通じて公正価額で評価されない金融資産の減損または減損
102,077 99,872
の戻入
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
(5,700) -
償却原価で評価した金融資産 10 107,777 99,872
(316) (148)
非金融資産の減損または減損の戻入
営業権およびその他の無形資産 14
- -
その他の資産 13、17 (316) (148)
廃止事業に分類されない売却目的保有の非流動資産に係る損益 17 2,910 -
継続事業税引前損益 154,213 117,330
継続事業法人税費用 (収益 ) 23 (44,835) (41,659)
継続事業税引後損益 109,378 75,671
109,378 75,671
当期連結損益
親会社による損益 109,378 75,671
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連結認識損益計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2019 年 2018 年
109,378 75,671
当期損益
36,689 73,698
その他の包括利益
30,547 12,654
損益計算書に再分類されない要素
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公
21
43,638 18,077
正価額持分証券の変動
ヘッジ会計損益 - -
損益に再分類されない要素の法人税 (13,091) (5,423)
6,142 61,044
損益に再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ、有効部分 21
18,927 77,331
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した負
21 (10,153) 9,874
債性証券
損益に再分類可能な要素の法人税 (2,632) (26,161)
146,067 149,369
認識損益合計 (包括損益 )
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連結資本変動表
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
2019 年12月31日現在 資本
準備金
持分法適用
その他の
親会社によ 配当金
資本 その他の
資本金/ 自己株式 資本 少数株主 資本
累積準備金 会社におけ
る当期損益 および 累積包
寄付金 控除 合計 持分 合計
剰余金 (損失) る準備金 資本性証券
分配金控除
括利益
(損失)
4,313,744 - 940,176 14,355 - - 75,671 - 5,343,946 (57,182) - 5,286,764
2018 年12月31日付期末残高
109,378 109,378 36,689 146,067
認識損益合計
289 12,225 3,907 (75,671) - (59,250) (59,250)
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
289 289 289
資本の減少
資本項目間移転 26,147 (75,671) 47,063 (2,461) (2,461)
その他の資本増減 (13,922) 3,907 (47,063) (57,078) (57,078)
4,314,033 952,401 18,262 109,378 - 5,395,074 (20,493) 5,373,581
2019 年12月31日付期末残高
資本
2018 年12月31日現在
準備金
持分法適用
その他の
親会社によ 配当金
資本 その他の
資本金/ 自己株式 資本 少数株主 資本
累積準備金 会社におけ
る当期損益 および 累積包
寄付金 控除 合計 持分 合計
剰余金 (損失) る準備金 資本性証券
分配金控除
括利益
(損失)
4,313,067 - 1,004,594 15,112 - 103,100 - 5,435,873 (130,880) - 5,304,993
2017 年12月31日付期末残高
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会計方針変更による影響額 - - (105,118) - - - - (105,118) - - (105,118)
調整期首残高 4,313,067 - 899,476 15,112 - - 103,100 - 5,330,755 (130,880) - 5,199,875
- - - - - - 75,671 - 75,671 73,698 - 149,369
認識損益合計
677 - 40,700 (757) - - (103,100) - (167,598) - (62,480)
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
677 677 677
資本の減少
資本項目間移転 40,700 (103,100) 61,154 (1,246) (1,246)
その他の資本増減 (757) (61,154) (61,911) - (61,911)
4,313,744 - 940,176 14,355 - - 75,671 - 5,343,946 (57,182) - 5,286,764
2018 年12月31日付期末残高
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連結キャッシュフロー計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2019 年 2018 年
A. 営業活動からのキャッシュフロー
(835,413) (1,175,163)
1. 当期連結損益
109,378 75,671
2. 営業上のキャッシュフローを得るための調整額 (72,474) (124,376)
減価償却費
3,916 5,113
その他の調整額 (76,390) (129,489)
3,629,795 4,827,231
3. 営業資産純増減額
取引ポートフォリオ
39,747 55,617
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産 21,580 (21,580)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 (154,843) (294,902)
償却原価で評価した金融資産( 2019 ) 3,634,484 4,870,954
その他の営業資産 88,827 217,142
(4,509,581) (5,933,118)
4. 営業負債純増減額
取引ポートフォリオ
(35,572) (56,112)
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融負債 - -
償却原価で評価した金融負債 (4,481,981) (5,751,853)
その他の営業負債 7,972 (125,153)
7,469 (20,571)
5. 法人税の回収および支払
B. 投資活動からのキャッシュフロー
(2,695) 598,715
6. 支払 (2,697) (6,480,679)
有形固定資産 13
(879) (223)
無形資産 14 (1,818) (2,084)
株式 12 - (2,424)
売却目的保有の非流動資産および負債 17 - -
償却原価で評価した負債性証券 10.1 - (6,475,948)
投資活動に関連するその他の支払 - -
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連結キャッシュフロー計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2019 年 2018 年
7. 回収 2 7,079,394
有形固定資産 13
- -
無形資産 14 - -
株式 12 2 -
売却目的保有の非流動資産および負債 17 - 22
償却原価で評価した負債性証券 10.1 - 7,079,372
投資活動に関連するその他の回収 - -
C. 金融活動からのキャッシュフロー
(46,774) (60,477)
8. 支払 (47,063) (61,154)
配当金
(47,063) (61,154)
劣後債務 - -
自己持分証券の償還 - -
自己持分証券の取得 - -
金融活動に関連するその他の支払 - -
9. 回収 289 677
劣後債務
- -
自己持分証券の発行 - -
自己持分証券の処分 - -
金融活動に関連するその他の回収 20 289 677
D. 為替レート変動影響額
- -
E. 現金および現金同等物の純増減額
(884,882) (636,925)
F. 現金および現金同等物の期首残高
1,669,486 2,306,411
G. 現金および現金同等物の期末残高
784,604 1,669,486
備忘事項 - -
当期末における現金および同等物部分 - -
現金 6 13 13
現金同等物の中央銀行等への残高 6 709,633 1,408,355
その他の金融残高 6 74,958 261,118
払戻し可能な当座借越し控除 - -
2019 年12月31日に終了した年度
の連結財務書類の注記
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注記1 概要、財務書類の作成方針およびその他の情報
1.1 当公庫の概要
当グループの親会社であるスペイン開発金融公庫 (「親会社」または「 ICO 」)は政府金融機関の組
織および管理に関する 1971 年6月 19日法律第 13号により設立され、予算、租税および財政に係る緊急
措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号が公表されるまで、 1988 年一般国家予算に関する 1987 年12
月30日法律第 33号第 127 条および 1971 年法律第 13号の廃止されなかった特定の条項により規制された。
当公庫の登録上の住所は、マドリッドのパセオ・デル・プラド4に所在し、すべての活動を同地で
行い、スペイン国内にその他の支店網を有していない。
当公庫は公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号第 103 条に定める形態の公共事業体であ
り、経済・企業支援担当大臣を通じて経済・デジタル変革省に属する。当公庫は法に基づく金融機関
であり、国家の財務代理人と考えられており、目的達成のための経営の独立性に加えて、法人格、資
産および財源を有している。
経済・企業支援担当大臣は当公庫の戦略的経営、ならびに当公庫の事業活動による業績の評価およ
び管理について責任を負う。
当公庫は、公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号の条項、予算、租税および財政に係
る緊急措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号追加条項第6条、 1998 年9月 23日勅令第 1091 号によ
り承認された一般予算法の適用条項、 1997 年4月 14日法律第6号への ICO の適合に関して 1999 年4月 30
日勅令第 706 号により承認された ICO の定款およびかかる定款の承認( 1999 年5月 13日政府官報第 114
号)、また上記の法規によって規定されていないその他の事項については、金融機関に適用される特
別の法規ならびに民法、商法および労働法に服している。
企業統治業務の改善策を導入するため、スペイン開発金融公庫( ICO )の定款に係るいくつかの条文
を修正する 2015 年12月18日勅令第 1149 号が 2015 年末に、内閣によって承認された。同年 10月に公共部
門法体制に関する法律が、これに基づき成立し、かかる法律により初めて政府金融機関に4人の社外
取締役が選出された。また、評判、経歴および不適合性等の対象の選出基準が設定され、任期は3年
間有効で、1回のみ追加で3年間更新することができることとされた。当公庫において財政問題が生
じた場合、社外取締役はそれぞれ2票投票することができ、よって理事会(理事会は、理事長と 10名
の理事(以前は9名)で構成される。)においては社外取締役が多数派となる。さらに、すべての理
事の任命および解任は経済・デジタル変革大臣の提案の下、内閣に委ねられることが決定された。
内閣によって承認された勅令は、これらの調整を発展させる。社外取締役として選任されるための
要件には、商業的かつ専門的な高い社会的評価、適切な知識および経験を有すこと、潜在的、永続的
な利益相反がないこと、また、自営または雇用された立場において、 ICO と競合になりうる活動を展開
しないことが含まれる。さらに、信用機関、金融信用機関、投資機関、集団投資スキームおよびベン
チャー・キャピタル企業またはこれらの子会社ならびにこれらが所属するグループに関連のない者で
あることが要件となっている。
理事会の理事は、常に ICO の利益のために行動しなくてはならず、またその業務を行う上で得た情
報、データ、レポートおよび機密のバックグラウンドを、かかる業務が終了した後も外部に漏らして
はならない。経済・デジタル変革大臣により辞職が承認された場合、社外役員の任期が終了した場
合、また、公共部門からの理事に関しては解約された場合は、解任されることがある。守秘義務の重
大な違反または利益相反等の場合と同様に、社外取締役の適性が予期せず欠如している場合には、解
任されることがある。
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当公庫の目的は国富の増大および分配の増進に寄与する経済活動、とりわけ社会、文化、技術革新
および環境の面から奨励に値する活動を支援、促進することである。
かかる目的を達成するために、当公庫は財政の均衡原則および手段と目的の一致を厳格に遵守す
る。
また当公庫の職務は以下の通り定められている。
a) 内閣または政府経済問題委員会の指図に従い、深刻な経済危機、自然災害またはこれに類似の状
況により生じる経済に対する影響を緩和するように貢献すること。
b) 当公庫の理事会により採択された規則および決定に従い、内閣、政府経済問題委員会または経
済・デジタル変革省の定める基本的な方針を遵守して、経済政策の諸措置を実施する主たる機関と
して行為すること。
かかる目的および職務の中に含まれる業務の種類は、以下の通りである。
1. 中小企業、住宅建設、通信、スペイン事業の国際化等の一定の部門および戦略的活動に対して金
融支援を行う直接的な貸付業務および仲介業務、ならびに 1993 年1月 15日閣議決定(「 RCM 」)に従
い、現在のバンコ・デ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア・エセ・アー(「 BBVA 」)に統合さ
れている国立銀行から移譲された業務。
2. 相互金利調整契約(スペイン語表記の頭文字をとって「 CARI 」)。かかる輸出援助システムは、
当該システムを利用するスペインまたは外国の金融機関のために良好な財務実績を保証する。当公
庫は仲介機関としてのみ行為し、各年度の一般国家予算法で許容されている通り管理費用は国家が
負担する。
関与した各銀行との金利調整純額は、各調整額が、受取残または支払残のいずれであるかによ
り、国家が支払うか、または当公庫を通じて支払われるかで、通常は相殺される。
3. 開発プロモーション基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FONPRODE 」)。かかる基金は 2010
年に 2010 年法律第 36号の下で設立された。その目的は国家から国家への補助金という形で発展途上
国の開発プロジェクトおよび開発計画に資金供給することである。当公庫はかかる取引に関して、
スペイン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫
が保有する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO
に対して管理費用が補填 され る。 2010 年12月現在、この特定の基金は、 1998 年以降 FONPRODE に統合
されるまで、同じく当公庫によって管理されている小口融資を供与するための基金を取得した。
4. 法人国際化基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FIEM 」)。かかる基金は 2010 年に 2010 年法
律第 11号の下で設立された。その活動は、利権または市場条件の下、スペインの財貨およびサービ
スの取得ならびにスペインの投資プロジェクトの遂行または国益の取得および遂行に結びつくプロ
ジェクトに対して、返済可能な資金供給を行うことである。当公庫はかかる取引に関して、スペイ
ン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫が保有
する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO に対し
て管理費用が補填される。
5. 水道および公衆衛生協力基金。当該基金は、 2008 年度一般国家予算に関する 2007 年12月26日法律
第51号追加条項第 61条に基づき設立された。その目的は、中南米諸国の国家機関との金融取り決め
の下、とりわけスペインとの協力を重視し、水道および公衆衛生プロジェクトに対して資金を提供
することである。
6. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、地方団体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは
自治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済
的持続性を保証するものである。当ファンドの自己資本は供給者支払のための融資基金( 2012 年勅
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令第4号および 2012 年勅令第7号により成立)の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利お
よび義務の下施行される。)により供給されたものである。 ICO は、取引業者の役割を担っている
が、 これらの業務はその会計帳簿には記録されていない。この業務により、当公庫には関連する取
引手数料が生じている。
7. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、自治体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは自
治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済的
持続性を確保するものである。当ファンドの自己資本は 2012 年勅令第 21号により設立された自治区
流動性基金の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利および義務の下施行される。)により
供給されたものである。さらに、自治体に関しては、供給者への支払に関する融資メカニズムの自
己資本部分に含まれている。 ICO は、取引業者の役割を担っているが、これらの業務はその会計帳簿
には記録されていない。この業務により、当公庫には取引手数料が生じている。
2.から 7.の業務は、それぞれに適用される法律に従って、当グループの勘定には含まれない。
1.2 連結年次財務書類の作成方針
当グループは、財務書類の公開および機密の報告基準およびモデルに関する、 2017 年11月27日スペ
イン中央銀行 通達第4号(「 2017 年通達第4号」)により設定された会計原則および基準に従い、欧
州連合に採用された国際財務報告基準(「 IFRS-EU 」)に基づいて連結年次財務書類を作成している。
当該 2017 年通達第4号は、スペイン金融機関の単体年次財務書類への適用が義務付けられている。
よって、本連結年次財務書類は、 2019 年12月31日現在の当グループの連結資本および連結財務状
態、ならびに当該年度に係る業績、連結資本変動および連結キャッシュフローに係る真実かつ公正な
見解を示すため、当グループ企業の会計記録に基づき、欧州連合が採用する国際財務報告基準
(IFRS )( IFRS-EU )およびスペイン中央銀行の 2017 年通達第4号(その後の改正を含む。)、ならび
に商法、資本企業法またはその他に適用されるスペインの規制に従って作成された。
これらの連結年次財務書類に記載される 2018 年に対応する情報は、 2019 年に関連する情報との比較
のみを目的として唯一かつ排他的に表示されており、したがって、当グループの 2018 年年次財務書類
を構成するものではない。
2018 年12月、財務情報の公開および保留に関する 2017 年通達第4号を修正する 2018 年12月21日スペ
イン中央銀行通達第2号が公布された。この基準は、 2019 年1月1日付で効力が発生し(当グループ
の2018 年の年次財務書類には影響しない)、これをリースに関する IFRS 第16号に適用させるため、
2017 年通達第4号を修正する。当グループの場合、そのリース契約はこの基準の客観的範囲に該当し
ないため、その施行がこれらの事業の計上に影響を及ぼすことはない。
2019 年1月1日から 12月31日の間の期間に発生した主な規制変更
期限の過ぎた債務の重要な閾値を(支払能力を目的として)定義するための 2013 年EU規則第 575 号に
より付与された権限の行使に関する 2019 年10月22日通達第3号
当該基準は、 2020 年12月1日より強制適用される予定である。しかしながら、 ICO は、当該決定につ
いて適切な時期および適切な形で規制当局との連絡を行っていたことから、当該規定を 2020 年1月1
日から適用する。設定される閾値は(絶対的および相対的な観点で)非常に規模の小さいデフォルト
を伴う事業にのみに影響し、このような事業は依然として ICO の現在の事業の範囲外であるため、一般
的に、当公庫が受ける基準の影響は最小限である。
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信用機関の支払能力に関する 2013 年EU規則第 575 号( CRR Ⅱ)を修正する、 2019 年5月 20日EU規則第
876 号
一般的に、当該規則は 2021 年6月 28日から効力が発生するが、一定の規定(適用範囲、監督権限、
定義、許容資本および負債ならびにレバレッジ比率の定義)については、 2019 年6月 27日付で効力が
発生した。当該規定が ICO にもたらす影響はない。
当グループの財務書類の作成日現在、公表されているが未施行の基準および解釈指針は下記に開示
されている。当グループは、該当する場合、これらの基準が施行され次第速やかに導入する予定であ
る。
-IFRIC 第23号-税務処理に関する不確実性( 2017 年6月に公表)。かかる解釈指針は、事業体が行
う特定の税務処理に対して、税務当局がそれを受容するか不確実である場合に、 IAS 第12号の登録
および測定規定の適用方法を明確化する。
-修正 IAS 第28号-関連企業および合併企業に対する投資( 2017 年11月に公表)。持分法を用いて登
録されていない関連企業および合併企業に対する投資の取扱いを明確化する。
-IFRS サイクル 2015-2017 の改善( 2017 年12月に公表)。一連の基準をわずかに修正する。
-IFRS 第17号-保険契約( 2017 年5月に公表)。これは IFRS 第4号に代替する。これには使用者が財
務書類に対する契約の影響を判断するために、事業体が関連する信頼できる情報を提供できるよ
う、保険契約の登録、測定、表示および開示の原則が含まれている( 2021 年1月1日以後に強制
適用される。)。
-IFRS 「サイクル 2015-2017 」の年次改善。これらの改善には IAS 第12号-「法人税」、 IAS 第23号-
「借入費用」および IAS 第28号-「関連企業および合併企業に対する投資」に係るわずかな修正が
包含されている。
-修正 IAS 第19号「制度改訂、縮小または清算」。かかる修正は、事業体が最新の保険数理上の仮定
を用いて、制度改訂、縮小または清算後の残存期間における当期サービス費用および利息純額を
測定し、これを過去サービス費用の一部として損益に計上するか、清算時に損益に計上するか、
または剰余金から差し引いて計上すること(資産の限度の影響により、かかる剰余金が以前計上
されていない場合を含む。)を義務付ける。
-修正 IFRS 第3号「企業結合」。これは事業の定義を改訂し、事業体が資産の取得と企業買収とを
区別するのを支援する。のれんは企業買収でのみ発生するため、かかる区別は重要となる( 2020
年1月1日以後に強制適用される。)。
-修正 IAS 第1号および IAS 第8号「重要性の定義」。企業が財務諸表に組み込む情報を決定するの
に伴う判断を支援するために「重要性」の新たな定義が確立された( 2020 年1月1日以後に強制
適用される。)。
注記2に記載している、本連結年次財務書類に適用される会計原則および基準の概要ならびに最も
重要な評価基準を含め、本財務書類の作成において、重大な影響を及ぼすすべての必須の会計原則お
よび基準が適用されている。本連結年次財務書類に含まれる情報については、当グループの親会社の
理事長が責任を負う。
当グループの 2019 年の連結年次財務書類は、 2020 年3月 30日付で親会社の理事長により作成され、
当公庫の理事会および当グループの親会社による承認を待っている状態ではあるが、重大な変更なく
承認される見込みである。本連結年次財務書類の単位は、別段の記載のない限り、千ユーロである。
1.3 情報および見積りに対する責任
2019 年12月31日に終了した年度の当グループの連結年次財務書類およびその連結注記に記載される
情報の作成責任は当公庫の理事長にある。これらの年次財務書類の作成にあたり、かかる財務書類に
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含まれる特定の資産、負債、収益、支出および約定額の数値化に当グループによる見積りが使われて
いる。これらの見積りは概ね以下の通りである。
-金融資産の減損(注記 2.7 )
-退職給付金に関する負債および約定額ならびにその他の従業員に対する長期約定額の保険数理上
の計算基礎(注記 2.10.2 )
-固定資産および無形資産の耐用年数(注記 2.12 および 2.13 )
-付与された不確定約定額から生じる将来の債務に関する損失(注記 2.14 )
-一部の簿外資産の公正価額(注記 2.2.3 )
-税金資産の回収(注記 2.11 )
これらの見積りは、分析された事実に関連して、 2019 年12月31日現在で入手可能な最良の情報に基
づいているが、当該年度の連結損益計算書における見積りの変動の影響を認識するために、今後数年
のうちに、将来の何らかの出来事により、予め見積りの(上方または下方の)大幅な修正がなされる
可能性がある。
1.4 旧アルヘンタリアからの資産および負債の譲受
今は存在しない会社であるが、アルヘンタリア、カハ・ポスタルおよびバンコ・イポテカリオ・エ
セ・アーは、コルポラシオン・バンカリア・デ・エスパーニャ・エセ・アー、バンコ・エクステル
ノ・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BEX )、カハ・ポスタル・エセ・アーおよびバンコ・イポテカリ
オ・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BHE )の合併の結果、 1998 年9月 30日付の合併証書で正式に設立
された。バンコ・デ・クレディト・アグリコラ・エセ・アー( BCA )はカハ・ポスタル・エセ・アーに
より吸収されており、バンコ・デ・クレディト・ロカル・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BCL )もま
た前記の法人(アルヘンタリア)に所属し法人格を維持している。
1993 年2月 15日の ACM の規定に従い、当公庫は、 1992 年12月31日、スペイン政府または当公庫が保証
している経済政策業務から生じる BCL 、BHE 、BCA および BEX の資産および負債を取得し、とりわけ転換
期にある企業(転換および産業再編改革法の適用を受けている)に対する信用供与および保証を取得
した。また、洪水の犠牲者に対する特別融資に加え、かかる事業体が上場株式会社になる前に供与し
た貸付、ならびにその他の資産、権利および企業持分も取得した。
また、 1993 年3月 25日に、譲渡された資産および負債に関する管理契約が関係銀行との間で調印さ
れた。同契約は、現行の銀行法に従う管理および正確な会計について定める。
2019 年1月、譲渡された資産および負債のマネジメントならびに管理および簿記を当公庫は引き受
けた。 2019 年12月31日現在、純資産の残高は 57千ユーロであり、また創出された利益は、 154 千ユーロ
(2018 年12月31日現在、純資産は 487 千ユーロであり利益は 262 千ユーロであった。)であった。
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1.5 単体年次財務書類の表示
スペイン商法第 42条に従い、当公庫は本連結年次財務書類と同日付で単体年次財務書類を作成し
た。
以下に、当グループの本連結年次財務書類に適用したものと同一の会計原則および基準ならびに評
価基準に従い作成された、 2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度の ICO の単体貸借対照表、単体
損益計算書、単体認識損益計算書、単体資本変動総額表および単体キャッシュフロー計算書の概要を
示す。
a) 2019 年および 2018 年12月31日現在の単体貸借対照表
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
現金、中央銀行等への預金および要求払預金
784,455 1,669,485
売買目的保有の金融資産 69,407 109,154
損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でな
- 21,580
い金融資産
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 1,826,137 1,671,294
償却原価で評価した金融資産 28,469,446 32,001,770
デリバティブヘッジ 393,353 485,855
子会社、合併企業および関連企業への投資 46,866 46,868
有形固定資産 86,966 88,099
無形資産 6,873 6,949
税金資産 103,608 100,984
その他の資産 35,714 34,543
売却目的保有の非流動資産 - -
31,822,825 36,236,581
資産合計
売買目的保有の金融負債
69,313 104,885
償却原価で評価した金融負債 25,824,723 30,307,204
デリバティブヘッジ 240,245 253,805
引当金 303,540 280,195
税金負債 33,948 23,854
その他の負債 7,277 4,926
26,479,046 30,974,869
負債合計
その他の累積包括利益
(20,493) (57,182)
5,364,272 5,318,894
資本 :
資本金または寄付金
4,314,033 4,313,744
準備金 943,298 931,940
当期損益 106,941 73,210
5,343,779 5,261,712
資本合計
負債および資本合計 31,822,825 36,236,581
付与された保証
449,279 475,124
付与された不確定約定額 3,531,853 3,212,563
3,981,132 3,687,687
備忘勘定合計
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b) 2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度の単体損益計算書
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
利息および類似収益
347,095 396,926
利息および類似費用 (375,158) (493,452)
(28,063) (96,526)
利息収益純額
配当金収益
7,394 5,339
受取手数料 42,654 45,722
支払手数料 (7,603) (8,846)
損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債の償
10,365 754
却による損益(純額)
売買目的保有の金融資産および金融負債による損益(純額) 591 1,023
損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産による損
1,984 710
益(純額)
ヘッジ会計から生じる損益(純額) 56,472 56,104
為替差損益(純額) 4,928 49,884
その他の営業収益 2,020 1,064
その他の営業費用 (211 ) -
90,531 55,228
売上総利益
管理費
(36,139) (35,288)
減価償却費 (3,906) (5,102)
引当金または引当金の戻入 (5, 904 ) (1, 655 )
損益を通じて公正価額で評価されない金融資産の減損 102,077 99,872
非金融資産の減損 (316) (148)
売却目的保有として分類された要素の非流動資産による損益 2,910 -
149,253 112,907
当期継続事業税引前損益
当期継続事業法人税
(42,312) (39,697)
106,941 73,210
当期継続事業損益
廃止事業による損益(純額)
- -
106,941 73,210
当期損益
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c) 資本変動表 2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度の資本に係る単体認識損益計算書
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
当期損益 : 106,941 73,210
その他の包括利益 : 36,689 73,698
損益計算書に再分類されない要素 30,547 12,654
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した資本要素の
43,638 18,077
公正価額の変動
損益に再分類されない要素の法人税 (13,091) (5,423)
6,142 61,044
損益に再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ、有効部分
18,927 77,331
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した債券 (10,153) 9,874
損益に再分類可能な要素の法人税 (2,632) (26,161)
143,630 146,908
当期認識損益合計(包括損益)
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d) 2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度の単体資本総変動表
(単位:千ユーロ)
資本
2019 年12月31日現在
その他の
配当金
資本
資本金/ 資本 その他の 自己株式 資本
累積包括
準備金 当期損益 および
合計
寄付金 剰余金 持分証券 控除 合計
利益
分配金控除
2018 年12月31日付期末残高 4,313,744 - 931,940 - - 73,210 - 5,318,894 (57,182) 5,261,712
認識損益合計 106,941 106,941 36,689 143,630
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加 289 289 289
資本項目間移転 26,147 (73,210) 47,063 - -
その他の資本増減 (14,789) (47,063) (61,852) (61,852)
289 - 11,358 - - (73,210) - (61,563) - (61,563)
その他の資本総変動合計
2019 年12月31日付期末残高 4,314,033 - 943,298 - - 106,941 - 5,364,272 (20,493) 5,343,779
(単位:千ユーロ)
資本
2018 年12月31日現在
その他の
配当金
資本
資本金/ 資本 その他の 自己株式 資本
累積包括
準備金 当期損益 および
合計
寄付金 剰余金 持分証券 控除 合計
利益
分配金控除
2017 年12月31日付期末残高 4,313,067 - 996,289 - - 101,923 - 5,411,279 (130,880) 5,280,399
会計方針変更による影響額 - - (105,118) - - - - (105,118) - (105,118)
調整後期首残高 4,313,067 - 891,171 - - 101,923 - 5,306,161 (130,880) 5,175,281
認識損益合計 - - - - - 73,210 - 73,210 73,698 146,908
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加 677 - - - - - - 677 - 677
資本項目間移転 - - 40,769 - - (101,923) 61,154 - -
その他の資本増減 - - - - - - (61,154) (61,154) - (61,154)
677 - 40,769 - - (101,923) - (165,595) (60,477)
その他の資本総変動合計
4,313,744 - 931,940 - - 73,210 - 5,318,894 (57,182) 5,261,712
2018 年12月31日付期末残高
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e) 2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度の単体キャッシュフロー計算書
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
営業活動からのキャッシュフロー
(835,561) (1,175,169)
当期損益 106,941 73,210
営業活動からのキャッシュフローの調整額 (70,367) (124,387)
営業資産純増減額 3,629,590 4,828,848
営業負債純増減額 (4,509,194) (5,932,269)
法人税の回収および支払 7,469 (20,571)
投資活動からのキャッシュフロー純額 (2, 695 ) 598,721
支払 (2,697) (6,480,678)
回収 2 7,079,399
金融活動からのキャッシュフロー (46,774) (60,477)
現金および現金同等物の為替レート変動影響額 - -
現金および現金同等物の純増減額 (885,030) (636,925)
現金および現金同等物の期首残高 1,669,485 2,306,410
784,455 1,669,485
現金および現金同等物の期末残高
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1.6 環境影響および温室効果ガス排出権
当グループの国際取引は、環境保護に関する法律に従っている。当公庫は、当公庫がこれらの法律
に実質的に準拠しており、その準拠を確保および奨励するよう設計された手続きを維持していると考
えている。
また、当グループは、適切な環境保護・改善措置が実施されており、環境影響が可能な限り最小化
され、これについての規則を遵守していると考えている。 2019 年および 2018 年、当グループは重大な
環境投資を実施しておらず、環境リスクおよび費用のための引当金を計上する必要はないと考えてい
る。また、当公庫は、環境保護・改善に関連する重大な偶発事象が存在するとは考えておらず、温室
効果ガス排出権を有していない。
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1.7 最低資本
1.7.1 最低自己資本比率
スペイン中央銀行は 2008 年5月 22日に、最低自己資本の識別および管理に関して、 2008 年通達第3
号を発布した。前記通達は、投資比率、自己資本および情報についての金融仲介機関の義務、ならび
に他の金融システムに関する 2007 年11月16日法律第 36号( 1985 年5月 25日法律第 13号を改正)により
発布された自己資本および連結ベースでの信用機関の監督に関する法制度等(信用機関自己資本に関
する 2008 年2月 15日勅令第 216 号を含む。)について、金融機関業界における最終的な展開を示してい
る。前記通達はまた、スペインの金融機関の法制度に、金融機関の事業に関する欧州議会および理事
会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 48号(改正後)、ならびに投資サービス会社および金融機
関の自己資本比率に関する欧州議会および理事会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 49号(改正
後)を適合させる過程を完了させるものでもあった。かかる二つの指令は、バーゼル銀行監督委員会
により採択された同様の規制(バーゼルⅡとして知られている。)を受けて、金融機関および金融機
関の連結グループが満たすべき最低資本要件について大幅に改正された。
従前の銀行業の健全性規制に関する法令( 1985 年5月 25日法律第 13号および 2008 年スペイン中央銀
行通達第3号)に替わり、 2014 年1月1日より、金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014
年6月 26日法律第 10号が施行された。これまで欧州連合は、その法制度として 2010 年12月よりバーゼ
ルⅢに移行しており、 2012 年EU規則第 648 号を修正する金融機関および投資サービス会社の健全性要件
に関する欧州議会および理事会による 2013 年6月 26日EU規則第 575 号、ならびに 2002 年EC指令第 87号を
修正する金融機関の活動ならびに金融機関および投資サービス会社の健全性監督に関する欧州議会お
よび理事会による 2013 年6月 26日EU指令第 36号を採用し、また欧州連合の監督および信用機関の支払
能力の基準にスペインの法律を適合させるための緊急措置として、 2013 年11月29日勅令法第 14号に当
公庫のシステムを置き換えることで、 2006 年EC指令第 48号および 2006 年EC指令第 49号を廃止した。
2014 年6月 26日法律第 10号の主な目的は、 2013 年6月 26日EU規則第 575 号( CRR )の規定を直接的に
組み込み、正式に 2013 年6月 26日EU指令第 36号( CRD )に移行することで、国際舞台および欧州連合に
課せられている規制変更にスペインの法律を適合させることであった。当該コミュニティ規制は、監
督体制、資本要件および罰則等の側面が大々的に修正されてきたことにより、金融機関に適用される
規則の実質的な変更をもたらした。
CRR および CRD は、欧州連合における資本要件を規制し、以下に記載するバーゼルⅢの資本規制の枠
組みまたは協定に定められた提案を含む。
-加盟国に直接適用される CRR は、金融機関の健全性要件を含み、とりわけ以下の事項を扱ってい
る。
-ハイブリッド商品が満たさなければならない要件を設定し、少数株主持分の適格性を制限す
る、適格自己資本の要素の定義。
-各資本区分における調整項目および控除項目の定義。この点において、規則はバーゼルⅡに新
たな控除項目(繰延税金資産、年金基金)を組み入れ、既存の控除項目の変更を導入する。一
方で、規則はその完全な実施までに、5年から 10年の段階的な予定を設定している。
-自己資本の三つの水準(普通株式等 Tier 1比率 4.5 %、 Tier 1比率6%および最低資本合計比率
8%)を定める最低要件の設定(第一の柱)。
-信用機関がレバレッジ比率( Tier 1をリスクに対して未調整の総エクスポージャーで除した値
として定義される。)を算定するための要件。開示要件は、 2016 年以降に適用され、最終的な
定義は監督者により 2017 年に設定された。
-加盟国が、それぞれの基準に従って、国内法令に組み込まなければならない CRD の意図および主た
る目的は、金融機関および投資会社の活動の透明性ならびにその統治および監督の枠組みについ
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て国内法令を調整することである。 CRD は、とりわけ、 CRR で設定された資本要件に加えて、 2019
年までに段階的に導入される資本要件を含んでいる。以下に従わないことは、利益の任意分配に
対する制限を伴う。
-バーゼルⅢの規制の枠組みを拡大する、金融規則の景気循環増幅効果を軽減するための資本保
全バッファーおよび反循環的な資本バッファー。すべての信用機関は、普通株式等 Tier 1に上
乗せする 2.5 %の資本保全バッファーおよび普通株式等 Tier 1に上乗せする、機関特有の反循
環的な資本バッファーを維持しなければならない。
-グローバルなシステム上重要な機関およびその他のシステム上重要な機関が、システミックリ
スクまたはマクロ健全性リスク(すなわち、特定の加盟国における金融システムおよび実体経
済に深刻な悪影響を与えうる、金融システムの混乱リスク)を軽減するためのシステミックリ
スクバッファー。
-さらに、 CRD は、監督責任の範囲内で、所轄官庁が、 CRR に記載の最低要件(第二の柱)を上回
る自己資本額の維持を金融機関に要求することが可能であると規定している。
金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号の追加条項第8条による
と、規則により規定されていない限り、スペイン開発金融公庫は、当該法律の第Ⅱ編(金融機関の支
払能力)、第Ⅲ編(監督)および第Ⅳ編(法的罰則)ならびに情報の守秘義務に関する規定を適用す
る。
2015 年から、スペイン中央銀行の 2014 年通達第2号に従い、この基準において設定された資本バッ
ファーが適用される。今日まで、今年度の銀行監督者によって特定の反循環的な資本バッファーの金
額は設定されていない。 ICO は、グローバルなシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字を
とって「 EISM 」)ではなく、またシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字をとって
「EIS 」)としてみなされることもない。
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2019 年および 2018 年12月31日現在の当グループの算出可能な資本は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
5,067,939 5,179,437
普通株式等 Tier 1(*)
-資本金
4,314,033 4,313,744
-準備金および調整項目 (**) 753,906 865,693
- -
Tier 2
-その他の準備金 (**)
- -
- -
-一般支払不能リスクヘッジ
5,067,939 5,179,437
算出可能資本合計
2,139,560 2,243,085
最低資本合計 (***)
(*) 当グループは追加の Tier 1を有していない。
(**) 当グループの算出可能資本の計算に用いる合計準備金は、資本の計算において、無形資産の修正および準備金の
修正が行われているため、連結貸借対照表の額とは異なる。
(***) 2019 年に当グループについてスペイン銀行により設定された、リスク加重資産( RWA )の 17.34 %( 2018 年は
17.625 %)として計算している。
2019 年および 2018 年12月31日現在の当グループの最低資本の最重要データは、以下の通りである
(単位:千ユーロ)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
Tier 1 5,067,939 5,179,437
12,338,868 12,726,723
リスク加重資産
41.07 % 40.70 %
Tier 1比率 (%)
5,067,939 5,179,437
算出可能資本合計
41.07 % 40.70 %
算出可能資本合計比率 (%)
17.34 % 17.625 %
最低算出可能資本比率 (%)(*)
(*) ICO グループの自己資本についてスペイン銀行により設定された 2019 年3月 16日以降の最低資本比率の合計は、
2013 年EU規則第 575 号により設定された要件(8%)、ならびに集中リスクおよび事業リスクならびに資本に関す
る自己評価報告書に記載されるその他のリスクをカバーするための追加の必要資本( 6.84 %)ならびに資本バッ
ファー( 2019 年1月1日以降 2.5 %)を考慮すると、 17.34 %である。
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2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループの算出可能資本は、連結ベースでは、適用ある規則
により規定されている最低要件をそれぞれ 2,928,379 千ユーロおよび 2,936,352 千ユーロ上回ってい
る。
1.7.2 最低支払準備率
当グループは最低支払準備率を満たすために、ユーロ圏の国の中央銀行に預けられている資金の最
低レベルを維持しなくてはならない。 2019 年12月31日現在、このレベルは算出可能な負債の2%で
あった。 2011 年11月24日に 2011 年EU規則第 1358 号が発効し、追加的な算出可能な負債(2年超の通知
期間を条件として引出可能な2年超の定期預金、現先取引による販売および2年超の満期を持つ株式
以外の証券)について1%が要求される。この修正は 2012 年1月 18日に開始した積立期間の後に適用
された。
2019 年および 2018 年12月現在、ならびに 2019 年および 2018 年中、 ICO は適用あるスペインの規制に基
づく最低比率を遵守した。
1.7.3 資本管理
当グループは、支払能力に関し適用される法制度( 2013 年EU規則第 575 号)に規制される算出可能な
Tier 1および Tier 2の管理を目的として、資本を検討している。
この意味において、常にスペイン銀行により企業について設定された下限を下回らない支払能力比
率を維持するための資本管理システムに、資本要件規制は直接的に盛り込まれている。この目標は、
適切な資本計画によって達成されている。
1.8 後発事象
上記 2006 年法律第 42号で修正された租税、行政および社会保障措置に関する 2001 年12月27日法律第
24号追加条項に従い、旧金融公庫と当公庫が付与した一定の与信および保証枠に基づき中央政府が ICO
から借入れた債務の返済によって回収される金額は、当公庫の資本の一部を構成する。 2019 年の見積
総額は 170 千ユーロであり、 2020 年に計上される。
2020 年、スペイン開発金融公庫は、国家財務当局の地位において政府の命令を受け、事業および個
人に対する新たな信用枠を打ち出した。当方針の目的は、スペインの信用制度に更なる流動化をもた
らし、組織的目標の枠組み内における他の需要に取り組むことである。承認を得た主な信用枠は、以
下の通りである。
-2020 年ICO の企業および起業家向け融資枠:この ICO の信用枠は、国内で投資を行い、かつ流動性
ニーズを満たす必要のある自営業者および企業に対して融資を行う。個人および家主団体も、住
宅の修復のためにこの信用枠を利用することができる。
-2020 年ICO のSGR/SAECA 保証融資枠:この ICO の信用枠は、相互保証会社(スペイン語表記の頭文字
をとって「 SGR 」)または国有企業である Caución Agraria (スペイン語表記の頭文字をとって
「SAECA 」)の範囲内で、スペインにおける資金を主とする自営業者およびスペイン企業または多
国籍企業に対して融資を行う。
-2020 年ICO の商業融資枠:この ICO の信用枠は、スペイン国内の営利事業による前払い金を通じて
流動性を得ようとする自営業者およびスペイン企業またはスペインにおいて設立された多国籍企
業に対して融資を行う。
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-2020 年ICO の国際融資枠:この ICO の信用枠は、外国で生産的な投資を行っており、かつ/または
流動性ニーズを満たす必要のある、スペインの資金を主とする自営業者およびスペイン企業また
は多国籍企業に対して融資を行う。
-2020 年ICO の輸出業者向け融資枠:この ICO の信用枠は、流動性を必要とする自営業者およびスペ
イン企業に対して融資を行い、輸出活動による前払い金を通じて彼らを支援する。
-2020 年ICO の国際局融資枠:自営業の専門家および企業の国際化の過程を支援するために融資を行
う。当該商品と、 ICO の国際融資枠および ICO の輸出業者向け融資枠の間の主たる違いは、貸付が
地方銀行に適用されるか、または投資プロジェクトもしくは輸出活動が行われている国に本部が
ある国際機関に適用されるかということである。
例年通り、 2020 年1月中、 ICO およびこれらの信用枠の申請書を提出した金融機関は、契約を作成お
よび書名した。
2020 年3月 11日、世界保健機関は、新型コロナウイルス感染症( COVID-19 )により生じた公衆衛生
上の緊急事態を世界的なパンデミックであると表明した。国内および国際的な規模での事態の展開の
速さならびに異常な状況は、明らかに重大かつ前例のない健康危機である。この難局に立ち向かうた
め、スペイン政府は 2020 年勅令法第 463 号の公布を通じて非常事態を宣言することが必要であるとみな
した。
また、スペイン政府ならびに欧州および国際機関により対策が講じられ、危機による社会的および
経済的影響を軽減するための景気刺激に関する追加的な措置を検討している。
目下のところ、当グループはすでに、技術力と従業員管理に関連して、その業務および事業の継続
性を確保するために必要な措置を講じており、従業員の安全とインテグリティに特に配慮した。作成
日現在、当グループは通常通り活動を継続している。
かかる事態は、スペインおよび国際マクロ経済環境に影響を与え、これは当グループの活動に重大
な影響を及ぼす可能性がある。年次財務書類作成日現在、かかる事態により生じる、活動に対して与
えうる影響の詳細な評価または定量化を実施するのは、その短期的、中期的および長期的な結果の不
確実性により時期尚早ではあるが、当グループは、これが活動の継続性を損なわない一時的な事態で
あり、その影響の見込みが計上されることになると考えている。最後に、当グループは、この事態の
展開について、必要な場合に当該評価におけるいかなる変化も報告するために、継続的なフォロー
アップを実施していることに留意されたい。
この点において、去る3月 18日、 COVID-19 の経済的および社会的影響に対する緊急臨時措置に関す
る2020 年勅令法第8号が官報( BOE )に掲載された。かかる基準の第 30条において、企業およびフリー
ランサーに対する ICO の信用枠の融資額を 10,000 百万ユーロに増額するために、当グループの親会社と
しての ICO の純負債限度額の拡大が規定された。当グループは、利用可能な資金調達の促進および拡
大、また企業の信用へのアクセス向上のために、意思決定機関を通じて必要な措置を採用し、付属定
款により規定される必要金融残高を保全する。
当該期末( 2019 年12月31日)から連結年次財務書類承認日( 2020 年3月 30日)までの間、前述以外
に重要な事実は発生していない。
1.9 事業セグメント別情報
当グループの活動は、信用枠の付与および直接貸付を行うことである。したがって、該当する法律
に従い、 ICO の事業についてセグメント別の情報は不要とみなされる。
また、当グループはスペイン領域内外で活動を行っており、すべての事業はスペインの利益に寄与
するものであると認められている。
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1.10 「 ICO ダイレクト」貸付業務
2010 年6月、 ICO は「 ICO ダイレクト」として、機械、家具、 IT製品および建物に新たに投資するた
め、自営業の個人、中小企業、およびスペインの非営利団体(1年を超えて活動している団体)に対
して融資を行うことを目的とした新しい事業セグメントを開始した。この事業セグメントは、信用機
関の仲介を通して行われる ICO の通常の貸付業務を補っており、中小企業および自営業の個人向けの金
融手段を広めるよう務めている。 ICO ダイレクトは、 2011 年および 2012 年に更新され、 2012 年6月に終
了した。
ICO ダイレクトにおける取引は、バンコ・サンタンデール( BS)およびバンコ・ビルバオ・ビスカ
ヤ・アルヘンタリア( BBVA )によって公的に処理および管理されていた。これらの信用機関はこの目
的において ICO に対し競争入札をしている。
2019 年12月31日現在の純資産合計の残高は 1,028 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 1,750 千ユーロ)
であった。 2019 年に生じた利益は 3,498 千ユーロ( 2018 年は 4,586 千ユーロ)であった。
1.11 2011 年の ICO の地方自治体向け貸付業務
2011 年ICO 地方自治体向け融資は、スペイン内閣により 2011 年7月に承認された公会計および社会的
保護の安定性を高めるための勅令法の結果として開始された。その目的は、低迷する経済を踏まえ、
地方自治体に提供する備品、労働およびサービスに係る請求権を決済する主要な問題に苦しむ多くの
自営専門職および小企業の問題を緩和することであった。
この信用枠は、 2011 年4月 30日まで未払いの請求書を決済するための流動性を地方自治体に提供す
ることを目的としていた。主として、証明書および書類の経過年数に基づき自営業の個人および中小
企業に対する債務の返済を支援することを目的としていた。
ICO 地方自治体向け融資は、 2011 年7月から 2011 年11月まで実施されていた。同期間中、当該融資に
より、スペイン全域にわたる 1,029 の地方、地域および島域間町議会が、 38,338 の自営業の個人および
中小企業により 2011 年中に提供された備品、建造物およびサービスに対する未払請求書 222,975 件(総
額967 百万ユーロ)を支払うことができた。 2011 年ICO 地方自治体向け融資業務の定式化および運営
は、当プロジェクトに追加されたいくつかの EECC を通じて実行されている。
2019 年12月31日現在、当該資産(不良資産として分類されている)の残高は 3,669 千ユーロ( 2018 年
12月31日現在は 4,294 千ユーロ)であった。
EELL の借入に関し、この信用枠は、国家収益の割当(スペイン語表記の頭文字をとって「 PTE 」)に
より、当公庫へ保証されている。 PTE の下、開始から 2019 年12月31日までにおける当該信用枠の残高の
減少は、 61.68 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在で 61百万ユーロ)である。 2019 年12月31日までの間
に、 1,029 の事業体のうち、合計で 409 の事業体が PTE を頼らなければならなくなった。 2019 年12月31日
現在、依然として9の EELL への PTE の削減が要求されており、その残高は 3.7 百万ユーロであった。
注記2 適用される会計原則、方針および評価基準
当グループの 2019 年12月31日に終了した年度の連結年次財務書類の作成において用いられた会計原
則、方針および評価基準は、以下の通りである。
a) 継続企業の原則
財務書類を作成するにあたり、当公庫の経営は当面継続していくと判断された。したがって、会
計基準の適用は、清算の場合における、全部もしくは一部の譲渡を目的とする純資産価値を算定す
るためのものではない。
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b) 発生主義原則
キャッシュフロー計算書に関連するものを除き、現在の年次財務書類は、支払日または回収日に
かかわらず、現在の物品およびサービスの発生に基づいて作成されている。
c) その他一般的な原則
年次財務書類は、取得原価法に基づき作成されているが、土地および建物( 2004 年1月1日まで
のものに限る。)(注記 13を参照のこと。)、売却可能金融資産ならびに金融資産および金融負債
(デリバティブを含む。)の公正価額でなされた再評価(もしあれば)により修正されている。
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2.1 株式
2.1.1 グループ企業
「子会社」とは、当公庫が支配権を有する企業である。企業が投資先との関与による変動利益にさ
らされるか、変動利益に対する権利を有する場合、かつ投資先に対する支配権を通じて、投資先の利
益に影響を及ぼす資格を有する場合に、企業は投資先を支配していると解釈される。
子会社としてみなされるためには、以下を必要とする。
-支配権:投資家は、関連活動(すなわち、投資先の利益に大きな影響を及ぼす活動)の管理を可
能にする既存の権利を有する場合に、投資先に対する支配権を有する。
-利益:投資家は、投資先との関与による利益が、投資先の実績によって変動する可能性がある場
合に、投資先との関与による変動利益にさらされるか、変動利益に対する権利を有する。投資家
の利益は、プラスのみ、マイナスのみ、またはプラスとマイナスの両方になることがある。
-支配権と利益のつながり:投資家は、投資先に対する支配権ならびに投資先との関与による変動
利益に対するエクスポージャーおよび権利を有するだけでなく、投資先との関与による投資家の
利益に影響を及ぼす支配権を行使する資格を有する場合に、投資先を支配する。
これらの子会社の年次財務書類は、規則に定める通り、完全連結法を用いて当公庫の年次財務書類
と連結される。したがって、この方法により連結された重要な企業間の取引から生じた残高は、連結
手続きに際して除外されている。当グループの親会社である当公庫は、その 99%を占めている。
さらに、第三者の株式(もしあれば)は、以下の通りとする。
・当グループの資本においては、連結貸借対照表の「少数株主持分」の項目に記載され、 2019 年お
よび 2018 年12月31日現在の残高はない。
・当期連結損益においては、連結損益計算書の「少数株主持分に帰属する損益」の項目に記載さ
れ、 2019 年および 2018 年12月31日現在の残高はない。
ある年度に取得した子会社から生じる損益の連結は、取得日から当該年度の末日までの期間に関す
る金額のみを考慮する。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。これらの企業の会計年度末は、すべて 12月31
日である。
2.1.2 関連企業
関連企業とは、当公庫とともに単一の意思決定機関を構成せず、また共同支配に服しないが、当公
庫が重大な影響力を及ぼす企業をいう。通常重大な影響力が、議決権の 20%以上の直接的または間接
的な持分に伴う。
関連企業の株式は連結年次財務書類において連結貸借対照表の「子会社、合弁企業および関連企業
への投資-関連企業」に減損調整後の取得原価で評価される。
関連企業とグループ企業間の営業活動から生じた損益は、当グループの関連企業における株式を示
す割合から控除される。
上記の控除の後、関連企業による当該年度に生じた損益により、連結年次財務書類の投資の価値は
増減する。当該損益は、連結損益計算書の「持分法適用会社の損益」の項目に計上される(注記 27を
参照のこと。)。
取得日後の関連企業の評価調整額は投資の価値の増減として計上される。これらの変動は連結資本
変動表の評価調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。
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2.2 金融商品
2.2.1 金融商品の当初の認識
金融商品は当初、当グループが該当する契約の当事者となった際に当該契約の条件に従い貸借対照
表において認識される。特に、貸付および現金預金等の債務証書は、現金を受領する権利または支払
う義務が発生する日現在でそれぞれ認識される。一般に金融デリバティブは契約日に認識される。
従来の契約を通じて行われる金融資産の売買は、すべての所有権に内在する利益、リスク、権利お
よび義務が取得者に移転した日に計上される。当事者の相互義務に基づくこれらの契約は、規制また
は市場慣行により設定された期間内に履行されなければならず、株式市場取引または通貨先物取引等
のように差額で決済することができない。購入または売却した金融資産の種類に応じて、契約日、決
済日または引渡日となる。特に、外国為替現金取引市場で行われた取引は、決済日に認識され、スペ
インの証券市場で取引される持分証券を用いて実施される取引は、契約日に計上され、スペインの証
券市場で取引される債務証書を用いて行われる取引は、決済日に認識される。
2.2.2 金融商品の譲渡および処分
金融商品の譲渡は、譲渡金融商品に係るリスクおよび利益を移転させる方法を考慮して記録され
る。それは、以下の基準に基づいて行われる。
-リスクおよび権利が実質的に第三者に移転された場合、譲渡金融商品は、その譲渡により留保ま
たは発生した権利または義務すべてを認識した上で、貸借対照表上から除外される。なお、この
譲渡に含まれるのは、無条件的売却、取得日における公正価額での売却および買戻、購入選択権
もしくは深刻な資産危機状態での売却権が伴う金融資産の売却、譲与者が劣後融資を留保しない
資産の証券化、または新たな保有者に対する信用補完等である。
-譲渡金融商品に係るリスクおよび利益が留保された場合、譲渡金融商品は貸借対照表上から除外
されず、移転前と同様の基準に従って測定される。なおこの留保に含まれるのは、現先取引がさ
れた金融資産の固定価格または利息付の売却額での売却、借方が同様または同等の価値の資産の
返済を求められるローン契約等である。しかし、受領対価と同額に係る金融負債は認識される。
その後、償却原価で評価され、認識はされないが、譲渡金融資産の収入および新たな金融負債額
になる。
-売買された購入選択権付き金融資産の売却(内部貨幣または外部貨幣での売却ではない。)、譲
与者が譲渡資産の株式に対する劣後融資または信用補完をすることを想定する証券化等、譲渡金
融商品に係るリスクおよび利益が、実質的に移転または留保されない場合には、以下の通り区別
される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保しない場合、貸借対照表上から除外され、その移転
により留保または発生した権利または義務は、すべて認識される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保する場合、起こりうる価値変動と同額のエクスポー
ジャーが貸借対照表上で認識され続け、受領対価と同額の金融負債が認識される。損益を通じ
て公正価額で評価した金融負債として分類されるための条件を満たさない限り、かかる負債
は、後に償却原価で評価される。金融負債額を計算するため、金融資産が移転された企業に対
する融資を構成する金融商品(資産担保証券および貸付金等)の価格は控除される。その控除
額は、かかる金融商品が、とりわけ譲渡資産を融資する際の価格とまったく同額である。譲渡
資産と関連負債との間の純額に関して、譲渡資産が償却原価にて評価された場合は、留保され
た権利および義務の減価償却額になる。また、譲渡資産が公正価額で評価された場合は、留保
された権利および義務の公正価額になる。
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以上の通り、金融資産が貸借対照表上から除外されるのは、発生したキャッシュフローが消滅した
場合または内在的なリスクおよび利益が第三者に移転した場合である。
同様に、金融負債が貸借対照表上から除外されるのは、発生した義務が消滅した場合またはこの金
融負債が取消もしくは交換の意図を持って購入された場合である。
2.2.3 金融商品の公正価額および償却原価
金融資産
金融商品のある日の公正価額は、知識を有するいくつかの当事者間の公正な取引において、同日に
取得または売却されると見込まれる金額として理解される。金融商品の公正価額として参照できる、
最も客観的で一般的な価格は、組織的で透明性が高く信用できる市場で支払われるであろう金額
(「見積価格」または「市場価格」)である。
特定の金融商品に市場価格がない場合、その公正価額は、類似の金融商品の最近の取引に基づき見
積もられ、それができない場合には、評価される金融商品の特性、特に金融商品に関連する様々な種
類のリスクを考慮して、国際的な会計協会により承認されている評価手法を用いる。
とりわけ、組織的で透明性が高く信用できる市場で取引されている売買目的保有のデリバティブ金
融商品の公正価額は、日々の市場価格と同じである。例外的な場合において、いずれかの日に価格を
設定することができない場合には、組織的な市場で取引されていないデリバティブに適用されるもの
と同様の手法を用いて測定される。
組織的な市場で取引されていないデリバティブまたは規模が小さいもしくは透明性に欠ける組織的
な市場で取引されているデリバティブの公正価額は、金融市場で認められる評価手法(「純現在価
値」( NPV )、オプション価格決定モデル等)を用いて当該商品から発生する将来のキャッシュフロー
の合計を測定日で割り引いたもの(「現在価値」または「理論値」)と同額である。
償却原価は、金融資産または負債の取得原価を元利金の返済、また該当する場合には、金融商品の
当初価格と返済価額の差異の一部(実効利率法を用いて損益計算書で認識される。)について(上方
または下方に)調整した額である。金融資産の償却原価には、発生したであろう減損調整も含まれ
る。
実効利率は、金融商品の当初価格を残存期間中に見積キャッシュフローの全額と一致させる割引利
率である。固定利付金融商品の場合、実効利率は、取得に際して決定した約定利率であり、 2017 年ス
ペイン中央銀行通達第4号の条項に従い実効利率の計算に含まなければならない手数料および取引費
用の調整がなされている。変動利付金融商品の実効利率は、固定利付金融商品と同様に見積もられ、
契約に定める各金利見直し日に商品の将来のキャッシュフローの変動を考慮して再計算される。
公正価額の客観的な評価が不可能なその他の企業の株式および金融デリバティブ(裏付資産のよう
な商品を保有し、交付により決済されるもの。)は、それが適切とされれば、発生した減損損失によ
り、価格調整される。
金融資産価格の変動は、通常、損益計算書内の対応項目とともに計上される。それは、損益計算書
の「金融資産および金融負債による損益」の項目で、純額で計上され、「利息および類似収益」で計
上される未収利息および類似項目に起因するものと、その他に起因するものとを差異化する。
しかし、為替差額から生起しない限り、その他の包括利益を通じて公正価額で評価される金融資産
のポートフォリオに含まれる商品価値の変動は、一時的に「その他の累積包括利益」の項目に計上さ
れる。評価の変動が損益計算書で決して再分類されない金融商品でない限り、これらが損益計算書に
計上された際、貸借対照表資産内の該当箇所から除外されるまでは、これらの金融商品の公正価額の
変動について「その他の累積包括利益」の項目に記載される金額は、資本純額の一部として残る。
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また、「売却目的保有の非流動資産」の項目に計上されるものの価格変動は、連結資本の価値調整
として「その他の累積包括利益」に計上される。
本年次財務書類における金融商品の公正価額での評価は、以下の公正価額レベルを用いて分類され
る。
ⅰ) レベルⅠ:活発な市場における同一の商品の市場価格(調整前)により得られた適正な額
ⅱ) レベルⅡ:活発な市場において類似の金融商品に用いられる評価手法、最近の取引において値
付けされた価額もしくは予測キャッシュフロー、またはすべての重要な投入資本が直接的にま
たは間接的に観察可能である市場データに基づくその他の評価手法により得られた公正価額
ⅲ) レベルⅢ:いくつかの重要な投入資本が、観察可能な市場データに基づいていない評価手法に
より得られた公正価額
ヘッジ対象およびヘッジ会計として指定された金融資産に関しては、その評価差額は以下の基準を
考慮して計上される。
-公正価額ヘッジに関して、ヘッジ・リスクの種類と関連してヘッジされたものおよびヘッジ対象
の中で生じた差異は、損益計算書で直接認識される。
-キャッシュフロー・ヘッジおよび純外国投資の非効率に関する評価差額は、損益計算書に直接計
上される。
-キャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時
的に資本純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
-純外国投資ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時的に資本
純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
最後の二つの事例に関しては、ヘッジ対象の損益が損益計算書に計上されるまで、またはヘッジ対
象の満期日まで、最終的に評価差額は損益に計上されない。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクの公正価額ヘッジに関して、ヘッジ商品を査定する際
に生じた損益は、損益計算書で直接認識される。その一方で、ヘッジ対象リスクに関しては、公正価
額の変動を補填する金額の損益は、マクロヘッジによる金融資産の調整として「その他の累積包括利
益」に計上される。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクのキャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ商品の
価値変動の有効な部分は、予定された取引がなされるまでは、一時的に資本純額の調整として「その
他の累積包括利益」に計上され、その後、損益計算書に計上される。ヘッジ・デリバティブの価値変
動の非有効部分は、損益計算書に直接計上される。
金融負債
前述の金融資産に関して定義されているように、金融負債は以下の場合を除いて、償却原価で計上
される。
-前述の金融資産に関して定義されているように、「売買目的保有の金融負債」および「損益を通
じて公正価額で評価した金融負債」の項目に含まれる金融負債は、公正価額で評価される。公正
価額ヘッジ取引により補填される金融負債については、ヘッジ取引で補填されるヘッジ対象リス
クに関連するこれら公正価額の変動が計上され、調整される。
-裏付資産が持分証券であり、公正価額を十分な客観性をもって決定できず、当契約書の交付に
よって決済される金融デリバティブは、原価で評価される。
金融負債額の変動は、通常、損益計算書上で相殺されて計上される。これは、「利息および類似 収
益」の項目で計上される未収利息および類似項目に起因するものと、他の要因(連結損益計算書の
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「公正価額で評価した金融資産および金融負債による損益」の項目で計上されるもの。)に起因する
ものを差異化する。
ヘッジ対象およびヘッジ会計差額として指定された金融負債は、前記注記に記載された金融資産に
関する、上記の基準を考慮した上で計上される。
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2.2.4 金融資産および金融負債の区分および評価
金融商品は当公庫の貸借対照表で以下の区分に分類される。
-中央銀行および信用機関に対する預金とは、現金残高ならびにスペイン中央銀行、その他の中央
銀行およびその他の信用機関が保有する金額である。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債は、取引ポートフォリオに分類される
金融商品ならびに損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産および金融負債により構成
される。
・金融資産とは、取引ポートフォリオに含まれる、短期間で現金化するために取得したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定される金融商品のポートフォリオの一
部を構成するものをいう。また、ヘッジ商品として指定されていないデリバティブ金融商品
は、この区分を構成するものとみなされ、適用ある会計規則に従いハイブリッド金融商品から
分離される商品を含むものとする。
・金融負債とは、取引ポートフォリオに含まれる、近い将来に買い戻すために発行したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定され、もしくは共同で運用される金融
商品のポートフォリオの一部を構成し、選択性でない現先取引に基づき取得した資産の売却か
ら生じる証券のショート・ポジションおよび証券の貸付ならびにヘッジ商品として指定されて
いないデリバティブ金融商品(ハイブリッド金融商品から分離される商品を含む。)をいう。
ある金融負債が資産取引に融資するために用いられるという事実自体は、この区分に含まれる
ことを意味しない。
・損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産または金融負債とは、以下のものをいう。
-ハイブリッド金融資産とみなされ、公正価額で評価される、取引ポートフォリオに含まれな
い金融資産。公正価額で評価される保険契約に基づく負債または公正価額の変動へのエクス
ポージャーを軽減する目的および効果を持つ金融デリバティブとともに運用されるもの。あ
るいは、金利リスクへの全体的なエクスポージャーを軽減する金融負債およびデリバティブ
とともに運用されるもの。
-事業体による当初の認識で指定された金融負債、または、認識時に以下の理由により、さら
なる関連情報が得られるもの。
-当該情報により、資産もしくは負債の評価、または損益の認識において生じる認識または
評価の不一致は、別の基準によって解消または大きく軽減される。
-金融負債または金融資産および金融負債両方のグループは管理され、その成績はリスク管
理または投資情報戦略に従い、公正価額に基づいて評価される。文書化されたグループの
情報もまた公正価額に基づいて、経営幹部に対して提出される。
-償却原価で評価される金融資産の区分には、以下のものが含まれる。
・固定満期であり、キャッシュフローが確定金額または確定可能な金額である負債性証券。本科
目に含まれる負債性証券は、当初、公正価額で評価され、直接金融資産の取得に帰属する取引
費用について調整され、 2018 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規則におい
て定義される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、実効利率に基づく償却原
価で評価される。
・貸付および受取債権。本科目には、当公庫が行う通常の信用供与および貸付活動から生じる第
三者への融資、ならびに資産の買主およびサービス利用者が被る負債が含まれる。また、事業
体が貸主として行為するファイナンスリース取引も含まれる。
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本区分に含まれる金融資産は、当初公正価額で計上され、直接金融資産の取得に帰属する手数
料および取引費用について調整され、 2018 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計
規則に基づく実効利率法を用いて損益計算書で認識しなければならない。取得後は、取得された
資産は償却原価で評価される。
割引で取得された資産は、支払額で計上され、返済額と当該支払価格との差額は、満期まで実
効利率法を適用し、金融収益として認識される。
本区分に含まれる資産の未収利息は、実効利率法を用いて計算され、損益計算書の「利息およ
び類似収益」の項目において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建て
の証券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。これらの証券の減損損
失は、注記 2.7 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる負債性証券は、注記 2.3 に記
載の通り計上される。
-その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産。本区分には、償却原価で評価した金融
商品または損益を通じて公正価額で評価した金融商品には分類されない当公庫が保有する負債性
証券、ならびに子会社、合弁企業または関連企業以外の当公庫の各事業体に保有される持分証券
であって損益を通じて公正価額で評価されるものに分類されないものが含まれる。
-本区分に含まれる金融商品は、当初公正価額で測定され、直接金融資産の取得に関連する取引費
用について調整され、満期まで、 2018 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規則
に定められる実効利率法を用いて損益計算書で認識される(ただし、金融資産の満期が固定され
ていない場合を除く。)。金融資産の満期が固定されていない場合には、減損が生じた時点で損
益計算書に計上されるか、または貸借対照表で損金処理される。その後、本区分に含まれる金融
資産は、公正価額で評価される。
-上記にかかわらず、十分に客観的な方法で公正価額を決定することができない持分証券は、注記
2.7 に記載の通り計算された減損を控除して、年次財務書類に取得原価で評価される。
-これらの金融資産から生じた利息または配当金に相当する収益は、対応項目とともに、損益計算
書の「利息および類似収益」(実効利率法を用いて計算する。)および「配当金収益」にそれぞ
れ計上される。これらの商品の減損損失は注記 2.7 に記載の通り計上される。ユーロ以外の外国通
貨建ての金融資産に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額ヘッ
ジでカバーされる金融資産の公正価額の変動は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
-残る金融資産の公正価額の買収による変動は、金融資産が償却されるまでの間、すなわちかかる
残高が損益計算書の「損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債の償却に係る損
益」に計上されるまでの間、評価調整額として、対応項目とともに、当公庫の資本の部の「その
他の累積包括利益」に計上される。
-償却原価で評価された金融負債。この区分の金融商品には、上記のいずれの区分にも含まれない
金融負債が含まれる。
本区分に含まれる金融負債は、当初公正価額で計上され、直接金融負債の発行に帰属する取引
費用について調整され、満期まで、適用ある会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に
規定される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、かかる金融負債は、適用ある
会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に規定される実効利率法を適用して計算される
償却原価で測定される。
実効利率法を用いて計算されるこれらの資産について発生する利息は、損益計算書の「利息お
よび類似費用」において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建ての証
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券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる金
融負債は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
上記にかかわらず、売却可能非流動資産に分類されるべき金融商品は、 2017 年スペイン中央銀行通
達第4号規則第 34条に基づき注記 2.16 に記載の通り年次財務書類に計上される。
財務書類におけるこうした区分への分類は、(ⅰ)当該事業体の金融資産管理の事業モデルおよび
(ⅱ)金融資産の契約上のキャッシュフローの特徴という2つの要素に基づき行われる。
・金融資産は、以下の2条件を満たす場合、償却原価で評価した金融資産のポートフォリオに分
類される。
(ⅰ)契約上のキャッシュフローを把握するために、金融資産の保有を目的とする事業モデル
で管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
・金融資産は、以下の2条件を満たす場合、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
資産のポートフォリオに分類される。
(ⅰ)金融資産の契約上のキャッシュフローおよび売上高の把握を併せて目的とする事業モデ
ルで管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
・金融資産は、当該事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴に
起因して当該金融資産を上記ポートフォリオのいずれにも分類することができない場合に限
り、売買目的保有の金融資産または損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産の
ポートフォリオに分類される。
上記にかかわらず、売買目的保有に分類すべきではなく損益を通じて義務的に公正価額で評
価された金融資産に分類可能な持分証券への投資につき、当該事業体は、当初認識において取
消不能の形で、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産のポートフォリオに含
めることを選択するものとする。この選択は、金融商品単位で実行される。
また、事業体は、損益を通じて公正価額で評価した金融資産に指定しなかったならば資産も
しくは負債の評価により、または利益もしくは損失の認識により生じたであろう評価または認
識の不一致が、かかる指定により解消するかまたは大幅に減少する場合(「会計上の非対称
性」とも呼ばれる。)、当初認識において取消不能の形で、損益を通じて公正価額で評価した
金融資産への指定を選択するものとする。会計上の非対称性がある場合、かかる選択は、当該
事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴がどのようであるか
にかかわらず実行される。
また、上記にかかわらず、事業体は、 2017 年通達第4号の定める要件が満たされる限り、あ
る金融資産を当初またはその後の認識において、損益を通じて公正価額で評価した金融資産の
ポートフォリオに属するものと指定することを選択するものとする。
金融商品ポートフォリオ間での再分類は、もっぱら以下の想定に基づいて行われる。
・事業体が金融資産の管理に関する事業モデルを変更する場合、事業体は、すべての金融資産を
以下の条項に従って再分類することになる。かかる再分類は、再分類日以降、将来を見越して
行われ、これに先立って認識された利益、損失または利息の修正再表示は必要とされない。一
般的に、事業モデルの変更は稀である。
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・事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオから損益を通じて公正価額で評価さ
れるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日における公正価額を
見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生じた利益また
は損失は、損益計算書において認識される。事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価
されるポートフォリオから償却原価で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該資
産の再分類日における公正価額が、かかる資産の新しい総帳簿価額となる。
・事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオからその他の包括利益を通じて公正
価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日におけ
る公正価額を見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生
じた損失または利益は、その他の包括利益において認識される。実効利率および予想貸倒損失
の見積りは、再分類の結果、調整されない。
・債務証券がその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから償却原価で評
価されるポートフォリオへと再分類される場合、当該金融資産は、再分類日の公正価額で再分
類される。資本の部のその他の累積包括利益における再分類日の累積損益は、再分類日におけ
る資産の簿価を対応項目として用いて消却される。したがって、かかる債務証券は、再分類日
においてあたかもそれまで償却原価で評価されてきたかのように評価される。実効利率および
予想貸倒損失の見積りは、再分類の結果、調整されない。
・事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオからその他の包括利益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価され、以前に計上された価額の変動の修正計上は行われない。
・事業体が債務証券をその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから損益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価される。資本の部の「その他の累積包括利益」におけるそれまでの累積損益は、
再分類日において、当該会計期間の損益に移転される。
・子会社、合弁企業または関連企業への投資がかかる分類でなくなる場合、留保された投資額
(もしあれば)は、再分類日における公正価額で評価され、再分類以前の簿価と損益またはそ
の他の包括利益(留保された投資のその後の評価法に基づきいずれか該当する方)におけるか
かる公正価額との差異により生じたすべての利益または損失が認識される。
・子会社、合弁企業または関連企業として適格となる以前の事業体への投資は、支配、共同支配
または重大な影響力を獲得する日まで、公正価額で評価される。この最終日において、事業体
は、以前の投資の公正価額を見積もらなければならず、これに伴い、再分類以前の簿価と損益
またはその他の包括利益(該当する方)におけるかかる公正価額との差異により生じたすべて
の利益または損失を認識する。該当する場合、資本の部のその他の累積包括利益における累積
損益は、当該投資額が貸借対照表から償却されるまで維持され、この時点で準備金項目に再分
類される。
・事業体は、金融負債については再分類を行わない。
・上記の条項において、以下の事情に起因する変更は、再分類とみなされない。
・以前は外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券と指定
され有効であった要素が、そのようにみなされるための要件に該当しなくなる場合。
・ある要素が外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券と
指定され有効となる場合。
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・金融商品が、損益を通じて公正価額で評価される指定を受けたためまたはかかる指定を解除
されたため、その評価が変更される場合。
2019 年における再分類はなかった。 2018 年において、当グループは、本年次財務書類の注記8およ
び注記9に記載されるポートフォリオ間の再分類を行った。
2.3 金融デリバティブ
金融デリバティブとは損益を提供する商品であり、特定の状況下では、取引および残高に関連する
信用リスクおよび/または市場リスクの総額または一部の補償を認める。その方法としては、金利お
よび特定の利率、個別の証券価格、為替レート・クロスカレンシーまたは同様のその他基準を裏付資
産として利用する。当公庫は、組織的な市場または組織的な市場に対応する相対市場(店頭)の両方
で取引される金融デリバティブを用いる。
当グループは、中でもとりわけ、金利リスク、為替レートおよび市場レートへのエクスポージャー
を軽減するための戦略の一環として金融デリバティブを利用する。これらの取引が 2017 年スペイン中
央銀行通達第4号規則第 31条および第 32条の特定要件を満たす場合には、かかる取引は「ヘッジ」と
みなされる。
当グループがある取引をヘッジとみなす場合には、ヘッジに含まれる取引または商品の開始時から
そのようにみなし、ヘッジは適切に文書化される。これらのヘッジ取引を文書化する際には、当グ
ループが補填しなければならないリスクを考慮の上で、ヘッジされる商品またはヘッジを行う商品を
適切に特定するとともに、補填しようとするリスクの性質、および当グループが有効期間中のヘッジ
の有効性を測定するために用いる基準または手法を特定する。
当グループは、その有効期間にわたり極めて効果的と考えられるヘッジについてのみ、ヘッジ会計
を適用する。ヘッジは、予定の期間中にヘッジで補填されたリスクに帰属する公正価額またはキャッ
シュフローの変動がそれぞれ、ヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で完全に相殺さ
れた場合に極めて効果的であるとみなされる。
前記のようなヘッジの有効性を測定するために、当グループは、所定のヘッジ期間の開始日から終
了日までに、ヘッジ対象のリスクに帰属するヘッジ項目の公正価額またはキャッシュフローのいずれ
か関連ある方の変動がヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で将来的にほぼ完全に相
殺されると見込まれるかどうか、および遡及的にヘッジの結果がヘッジ対象の数値結果の 80%から
125 %の測定範囲で変動するかどうかを分析する。
当グループが行うヘッジ取引は以下の科目に分類される。
-公正価額ヘッジは、連結損益計算書に影響を及ぼす金融資産および金融負債もしくは約定額また
は特定のリスクに関連するこれらの一部の公正価額の変動に関するリスクを補填する。
-キャッシュフロー・ヘッジは、特定のリスクに関連して、連結損益計算書に影響を及ぼす金融資
産もしくは負債または将来当公庫が行う可能性の非常に高い取引から生じるキャッシュフローの
変動を補填する。
測定値の差異は、ヘッジ項目および会計ヘッジとしてみなされた金融商品について特に言及する場
合、以下の条件に従って計上される。
-公正価額ヘッジは、金融資産および金融負債もしくは会社約定またはこれら資産、負債もしくは
約定のうち特定のリスクがある特定された部分の公正価額変動エクスポージャーを対象として、
これらが損益計算書に影響を及ぼす限りにおいて、補填するものである。
-キャッシュフロー・ヘッジについては、ヘッジ要素のうちヘッジの有効部分について生じる評価
額の差異は、ヘッジされたキャッシュフローに関する評価調整として、一時的に「その他の累積
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包括利益」に計上される。この種類のヘッジが行われた金融商品は、注記 2.2 に記載される判断基
準に従い、当該ヘッジが行われた金融商品とみなされたことによる調整を行うことなく計上され
る。
最後の場合には、測定値の差異は、ヘッジ項目の損益が損益計算書に計上されるまで、または満期
まで、損益として認識されない。
キャッシュフロー・ヘッジの非有効部分に対応するヘッジ証券の評価額の差異は、連結損益計算書
の「公正価額で評価した金融資産および金融負債による損益」において直接認識される。
当グループは、ヘッジ商品が満了もしくは売却された場合、ヘッジがヘッジ会計の基準を満たさな
くなった場合、または取引がヘッジと分類されなくなった場合にヘッジ会計を中止する。
上記の通り公正価額ヘッジ会計が中止され、ヘッジ項目が償却原価で計上される場合には、ヘッジ
会計のために行われた評価額調整は、中止日に再計算された実効利率を適用してヘッジ項目の満期日
まで損益計算書において認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止される状況においては、ヘッジからの累積損益は、貸借対照
表の「その他の累積包括利益」に計上され、予定されたヘッジ取引が行われるまでこの科目に留ま
り、実行された時点で連結損益計算書に移転される。また、キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止さ
れる状況で、ヘッジ要素が、金融資産または負債を計上することが予定された取引である場合には、
計上される資産または負債の取得原価は調整される。予定された取引が行われないと予測される場合
には、当該取引に関連する「その他の累積包括利益」の記載は直ちに損益計算書において認識され
る。
2.4 外貨建取引および機能通貨
当グループの機能通貨はユーロである。このため、すべてのユーロ以外の表示の残高および取引
は、外貨建てとみなされる。
以下は、 2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループの親会社である ICO が保有する外貨建金融資
産および負債を示したものである(単位:千ユーロ)。
2019 年 2018 年
資産 負債 資産 負債
英ポンド
194 ,026 183 ,298 193,781 182,125
米ドル 1,873 ,858 6,210 ,184 1,475,765 5,764,567
スイス・フラン 20 280 ,405 44 373,200
日本円 909 279 ,051 908 166,865
183 ,589 46,766 157,794 397,137
その他の通貨
2,252,402 6,999,704 1,828,292 6,883,894
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以下は、 2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫が記録した、種類別の外貨建資産および負債に
相当するユーロを示したものである(単位:千ユーロ)。
2019 年 2018 年
資産 負債 資産 負債
信用機関への貸付
793,094 - 448,477
顧客への貸付 1,458,254 - 1,378,756
その他の金融資産 1,053 - 1,059
信用機関への預金 - 1,667,163 - 1,173,697
負債性証券の発行 - 5,841,744 - 5,709,176
- 651 - 1,021
その他の金融負債
2,252,401 7,509,558 1,828,292 6,883,894
当初認識される際には、外貨建ての借方と貸方の残高は、認識日の直物為替レート(即時払い用の
為替レート)にて、機能通貨に換算される。当初の認識後は、外貨建ての残高を機能通貨に換算する
場合には以下の規則が適用される。
ⅰ)貨幣性資産および負債は、年度末の為替レート(年次財務書類に記載される日付現在の平均直
物為替レート)にて換算される。
ⅱ)取得原価で評価される非貨幣性項目は、取得日の為替レートで換算される。
ⅲ)公正価額で評価される非貨幣性項目は、公正価額が決定される日の為替レートで換算される。
ⅳ)収益および費用は、取引日の為替レートを適用して換算される。しかしながら、著しい変動が
ない限りは、期間の平均為替レートが当該期間中に実施されたすべての取引について適用され
る。減価償却費は当該資産に適用される為替レートで換算される。
外貨建ての借方と貸方の残高の換算により生じる為替損益は、通常、連結損益計算書に計上され
る。しかしながら、公正価額で評価される非貨幣性項目について生じる為替損益の場合は、公正価額
の調整が「その他の累積包括利益」に計上され、非貨幣性項目の再評価に関する為替レートの要素が
分類される。
当グループが事業を行う主要外貨建ての残高を換算する際に使用するのは、 2019 年および 2018 年12
月31日に欧州中央銀行が発表した市場レートである。
外貨建ての受取債権および支払債務の換算により生じる為替差損益の純額は、 2019 年12月31日現
在、 4,928 千ユーロの利益( 2018 年12月31日現在は 49,884 千ユーロの利益)にまで上った。
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2.5 収益および費用の認識
以下の要約は、収益と費用を認識する際に当グループが採用する最も重要な基準である。
2.5.1 受取利息、支払利息、配当金および類似項目
通常、受取利息および支払利息ならびにその類似項目は、会計の目的上、発生主義に基づき適用あ
る規則において定義される実効利率法を用いて認識される。他社より受領する配当金は、連結企業が
配当金を受領する権利が発生した時点で認識される。
2.5.2 手数料、報酬および類似項目
事業の実効利率の計算に含まれるべきでない、または金融資産もしくは負債の取得原価を構成しな
い手数料に関する収益および費用ならびに類似の報酬は、損益を通じて公正価額で評価したものを除
き、その性質に基づく様々な基準を用いて連結損益計算書で認識される。最も重要な項目は以下の通
りである。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債に関連する金額は、支払日に損益計算
書において認識される。
-長期取引または役務から生じる金額は、当該取引または役務の期間中に損益計算書において認識
される。
-一度限りの事象に関連する金額は、当該事象が発生した際に損益計算書において認識される。
2.5.3 金融外収益および費用
これらの金額は、発生主義に基づき認識される。
2.5.4 繰延回収および繰延支払
これらは、市場レートで予想キャッシュフローを更新して算定した金額で財務書類に認識される。
2.6 残高の相殺
取引により生じる借方および貸方の残高は、契約上または法律上、相殺が可能であり、会社に存在
し、純額で決済されるものまたは現金化と同時に支払われるものに限り、相殺され、連結貸借対照表
に純額で表示される。
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2.7 金融資産の減損
金融資産の簿価は、減損損失が生じたという客観的証拠がある場合には、一般に連結損益計算書に
ついて調整される。
-貸付および負債性証券等の債務証書については、当初の認識後、将来のキャッシュフローに悪影
響を及ぼす事象または様々な事象の複合的な効果が生じる場合
-持分証券については、当初の認識後、ある事象または様々な事象の複合的な効果により簿価を回
収できない場合
原則として、減損金融証書の価額修正は、当該減損が生じた期間の損益計算書に計上され、以前に
計上された減損損失の回収(もしあれば)は、損失が解消または軽減された期間の損益計算書におい
て認識される。減損について認識された金額の回収が不可能であると考えられる場合、かかる金額
は、貸借対照表上から削除される。しかし、制限期間の満了、消却その他の原因により当グループの
請求権が消滅するまで、当グループは、かかる金額の回収のために必要な措置を講じることはでき
る。
債務証書および偶発リスクポートフォリオは、その所有者、保証または仲介にかかわらず、当グ
ループが晒される信用リスクを決定し、価額の減損のヘッジ要件を見積もるために分析される。年次
財務書類の作成のため、当グループは、その起こりうる顧客および国の支払不能リスクを別々に分析
することにより信用リスクの観点から運用を分類する。
債務証書の将来キャッシュフロー見積額は、当グループが証書有効期間中に受領すると考えている
元本および利息である全額である。年次財務書類作成の時点で利用可能な関連情報のすべてが、この
見積りの際に考慮される。当該関連情報は、契約上のキャッシュフローの将来の回収の可能性につい
てのデータを提供するものである。また、証券の将来のキャッシュフローを含み証書を見積もる際、
保証の可能性にかかわらず、その取得およびその後の売却の費用の額を差引いて、その実現の結果と
なるキャッシュフローが考慮される。
見積将来キャッシュフローの額の現在価値の計算において、契約上の利率が固定金利の場合、証書
の当初の実効金利が更新利率として使用され、変動金利の場合、契約の財務条件に応じて決定される
財務書類が関係する日付の実効金利が使用される。
償却原価で評価する債務証書については、減損損失額は、簿価と見積将来キャッシュフローの現在
価値とのマイナス差額に等しく、見積将来キャッシュフローの現在価値は、固定金利の場合には当初
の実効金利、変動金利の場合には契約条件に従い計算される年次財務書類日現在の実効金利を用いて
計算される。上場債務証書の場合には、当グループが回収する価額を表すものと十分に信頼できるこ
とを条件として時価を代わりに用いることができる。
減損が生じたという客観的な証拠は、すべての重要な債務証書については個別に、個別に重要では
ない債務証書のグループについては個別にまたは集合的に決定される。特定の証券を類似のリスクを
有する資産グループに含めることができない場合には、減損が生じているかどうか個別に分析され、
生じている場合には減損損失額を見積もる。
金融資産のグループについては以下の通り集合的に見積減損損失額が評価される。
-債務証書は、契約条件に従い債務者が全額(元本および利息)を支払う能力を示す類似の信用リ
スクの特徴を有するグループに分類される。資産をグループ化する際に考慮する信用リスクの特
徴は、例えば証券の種類、債務者の業種、営業地域、保証の種類、支払遅延日数等将来キャッ
シュフローの見積りに関連するものである。
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-債務証書の各グループの将来キャッシュフローは、過去のデータを現在の市況に当てはめるため
の調整を施した上で、当グループについて各グループに類似の信用リスクを有する証券の過去の
損失の実績に基づき見積もられる。
-各グループの減損損失は、グループ全体の債務証書の簿価と見積将来キャッシュフローの現在価
値との差異である。
連結損益計算書の変動を通じて公正価額で評価されない債務証書、偶発リスクおよび約定額は、顧
客または取引に帰属する支払不能リスクに基づき、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の別紙Ⅸに定
められる科目に分類される。標準リスクに分類されない債務証書については、支払遅延日数、提供さ
れた保証、顧客の財務状況および適切な場合には保証人を考慮して、上記規制に定める基準に基づき
必要とされる特定の減損ヘッジについて見積りが行われる。
同様に、これらの金融商品は、カントリー・リスクから派生する信用リスク(通常の商業リスク以
外の状況により顧客が居住する国に関連するリスクであるとする。)を決定するために評価される。
上記の特定の減損ヘッジに加え、当グループは、連結損益計算書を通じて公正価額で評価しない債
務証書に内在する損失およびグループ・ヘッジを通じて標準リスクとして分類される偶発リスクに対
するヘッジを行う。当該グループ・ヘッジは、特定の取引に割り当てられていない統計手法を用いて
計算される、減損実績および年次財務書類日現在に発生した内在する損失に関連する評価時点におけ
るその他のよくある状況に基づき計算される。
この意味で、当グループは、スペイン中央銀行が業界における経験および情報に基づき設定したパ
ラメーターを使用し、債務証書に内在する減損損失および標準リスクとして分類される偶発リスクを
補填するための手法および金額を決定しており、当該パラメーターは、データに応じて定期的に変更
される。減損損失のヘッジを決定する手法は、適用される会計規則で定められる一定の割合に基づい
ており、これは適用される規制で定められる金融商品のリスクの分類に応じて異なる。当該の変化
は、上述の規制で定められる金融商品のリスクの分類によって決まる。
基本的に、債務証書の減損は、業務が属するリスクセグメントおよび満期日経過期間に基づき、下
記の割合を効果的な担保により回収される額でカバーされない未払いリスクに適用することで計算さ
れる。
90日超 6ヶ月超 9ヶ月超 1年超 15ヶ月超 18ヶ月超
21ヶ月超
6ヶ月以内 9ヶ月以内 1年以内 15ヶ月以内 18ヶ月以内 21ヶ月以内
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 60 70 80 85 90 100 100
建設土木工事 55 65 70 75 85 90 100
その他の特別融資 50 60 70 85 90 100 100
非特別融資
大企業 50 60 70 85 90 100 100
中小企業 55 65 70 80 85 90 100
個人起業家 30 40 50 60 75 90 100
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 40 45 55 65 75 90 100
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 40 45 55 65 75 90 100
別宅 40 45 55 65 75 90 100
消費者信用(クレジットカード負債を含む。) 50 60 70 80 90 95 100
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その他 50 60 70 80 90 95 100
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標準リスクとして分類される業務に対する一般的な引当金は、警戒リストにおける標準リスクに対
して計算されたものとは異なる。どちらも下記の割合を効果的な保証でカバーされない未払いエクス
ポージャーに適用することで計算される。
標準リスク 警戒リストにおける標準リスク
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 1.9 27.6
建設土木工事 1.9 18.8
その他の特別融資 0.5 7.5
非特別融資
大企業 0.5 7.5
中小企業 0.9 12.7
個人起業家 1.1 11.6
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 0.6 13.0
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 0.6 13.0
別宅 0.6 13.0
消費者信用 1.5 16.0
そのうち:クレジットカード負債 0.8 9.0
その他 1.5 16.0
ヘッジを計算するための効果的な担保の見積りには、以下の該当担保の基準値における推定割引が
適用される。
基準値における割引率(%)
実物保証の種類
抵当保証(第一順位)
建造物および完成建造物構成要素
住宅 30
オフィス、公共施設、倉庫 40
その他 45
注文された都市部における土地および開発可能用地 40
その他の不動産 45
金融機関の提示された担保
貨幣預金 0
その他の市場性のある金融機関 10
その他の市場性のない金融機関 20
その他の実物保証(例:二番抵当、動産) 50
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該当するヘッジの評価を目的とした負債の支払において 差し押さえたまたは受領し た不動産資産に
ついては、当該資産の基準値につき以下の割引が適用される。
基準値における割引率(%)
差押物件の種類
建造物および完成建造物構成要素
住宅 25
オフィス、公共施設、倉庫 27
その他 30
注文された都市部における土地および開発可能用地 30
その他の不動産 35
個別に有効なすべての債務証書および過去3ヶ月間に生じた価格の下落により計算された集合的な
減損損失に関し、契約条件に基づく未収利息は、連結損益計算書において認識されない。
他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産に含まれる負債性証券および持分証券の減損損
失額は、その取得原価(元本返済額調整後)と公正価額の差額から、すでに損益計算書で認識された
減損損失を控除した額に等しい。
公正価額の減少が減損によるものであるという客観的証拠がある場合には、純資本額の調整として
の「その他の累積包括利益」に直接認識された潜在的損失は、直ちに損益計算書に計上される。減損
損失の全部または一部が後に回収される場合、かかる回収額は、負債性証券の場合には回収期間の損
益計算書、持分証券の場合には純資本額の調整としての「その他の累積包括利益」において認識され
る。
売却目的保有の非流動資産として分類される負債性証券および持分証券については、資本に計上さ
れた損失は、実現したものとみなされ、分類が行われた日に損益計算書で認識される。
関連企業、合弁企業および子会社における株式については、当公庫は、回収可能額と簿価を比較し
て減損損失を見積もる。減損損失は、減損損失が生じた年度の損益計算書に計上され、その後の回収
は、回収期間の損益計算書に計上される。
減損等として計上される金額は、回収が不可能であると考えられる場合、貸借対照表から削除され
るが、当公庫は、終了、取消またはその他の理由によりかかる権利が恒久的に抹消されない限り、回
収を試みるのに必要な行動をとることが可能である。
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2.8 財務保証および関連引当金
財務保証契約とは、法律上の種類(とりわけ保証、財務保証保険契約、または信用デリバティブ)
を問わず、債務者が債務証書の当初のまたは修正された条件に基づく特定の支払義務の履行をしない
場合に、債権者が被った損失を返済するために特定の支払を行うことを発行者に要求する契約をい
う。
財務保証契約の発行者は、保険会社により発行された契約を除き、当該契約につき、公正価額に取
引費用(その発行に直接起因する。)を加えた額を「その他の金融負債」の項目に計上した。
当初は、相互独立条件における単独取引の範囲内で関係のない第三者に発行された財務保証契約の
公正価額は、受領されたプレミアムに受領されるキャッシュフローの現在価値を足した額であり、類
似の条件およびリスクで当グループが発行した金融資産と類似の金利を使用する。同時に、上記の金
利で受領される将来キャッシュフローの現在価値は受取債権として認識される。
当初の認識後、契約は以下の基準に従い扱われる。
ⅰ)受領する財務保証の手数料またはボーナス価額は、損益計算書に差異を金融収益として計上す
ることにより更新される。
ⅱ)不良と認められていない財務保証契約の価額は、保証の予定有効期間にわたり定額法で、また
はその他の基準により損益計算書に計上される部分を差引いた当初の認識額である。ただし、
これがより正確に保証の認識による経済リスクと利益を反映することを条件とする。
財務保証契約を不良と分類することは、「偶発債務および不確定約定額の引当金」の項目に含まれ
る関連するヘッジを意味する。
2.9 リース会計
2.9.1 ファイナンスリース
ファイナンスリースとは、リース対象資産が有する実質的にすべてのリスクおよび報酬を借主に転
嫁するものをいう。
当グループがファイナンスリース取引においてある資産の貸主として行為する場合には、借主が受
領する金額の現在価値と保証された残余価値の合計(通常はリースが終了する際の買取オプション価
格)は第三者に対して提供された融資として計上される。そのため、借主の性質に応じて連結貸借対
照表において、「貸付および受取債権」として計上される。
当グループがファイナンスリース取引において借主として行為する場合には、リース対象資産の費
用は当該資産の性質に応じて連結貸借対照表に計上され、同額の負債が計上され、その金額はリース
対象資産の公正価額および貸主に対して支払われる金額の現在価値と適切な場合には買取オプション
行使価格の合計のいずれか少ない方となる。これらの資産は、当グループの自己使用目的の有形固定
資産に適用されるもの(注記 2.12 を参照のこと。)と同率で減価償却される。
いずれの場合においても、ファイナンスリースにおける金融収益および金融費用はそれぞれ、期間
差異を見積もるためにリースについて実効利率法を適用して、適用ある規則に従って計算され、連結
損益計算書の「利息および類似収益」および「利息および類似費用」に計上される。
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2.9.2 オペレーティングリース
オペレーティングリースにおいて、リース対象資産の所有権ならびに実質的にすべての所有権に係
るリスクおよび報酬は貸主が保有する。
連結企業がオペレーティングリース取引において貸主として行為する場合には、リース対象資産の
取得原価は、当該資産の性質に応じて、「不動産投資」の「有形固定資産」または「オペレーティン
グリースにより譲渡されたその他の資産」に計上される。これらの資産は、類似の自己使用目的の有
形固定資産について採用された方針に基づき減価償却される。リース契約の収益は、定額法で連結損
益計算書の「その他の営業収益」において認識される。
当公庫がオペレーティングリース取引における借主として行為する場合には、リース負債は、契約
の当初評価額および原価で評価される使用権資産として、(固定、変動、コールオプションの行使お
よびその他の形で)予定される支払の現在価値で含まれる。
2.10 人件費
2.10.1 短期報酬
従業員への短期報酬とは、従業員が役務を提供した年度末後 12ヶ月以内に行われる支払をいう。報
酬は一般に、当期の人件費として、受領し、記録した役務について支払われる金額で、調整を行わず
に測定され、負債の見越勘定が費用の合計とすでに支払われた金額との差異について計上される。
2.10.2 退職後約定金
当公庫によって取得された年金契約に関して、当グループが従業員に関して締結したものは、有効
な団体賃金協約に反映されており、確定拠出契約に相当する。
当公庫の従業員は、政府が提供し、 2002 年11月29日勅令第1号により承認された年金制度および基
金規制法および 2004 年2月 20日勅令第 304 号により承認された同規則の規制を受ける共同従業員年金制
度に加入しており、同制度は、ヘスティオン・デ・プレビシオン・イ・ペンシオネス・エンティダ・
ヘストラ・デ・フォンドス・デ・ペンシオネスが運用し、 BBVA に預託される BBVA エンプレオ年金基金
に含まれる。
確定拠出契約として、当公庫は、キャリア公務員または暫定政府職員、契約社員、臨時社員または
上級管理職であるかにかかわらず、毎年5月1日現在勤続年数が2年を超える従業員のために年次拠
出を行う。年次拠出額を計算する際に以下のパラメーターが考慮される。
・従業員が帰属する専門集団
・勤続年数(契約にかかわらず、従業員が政府に勤務した3年間の数とする。)
拠出金額は、毎年一般国家予算で承認された金額である。 2019 年12月31日現在、当年度において連
結損益計算書の「人件費」として計上された費用はなく、 2018 年12月31日現在の過年度においてもな
かった。
2.10.3 死亡障害給付金および退職金
退職前に当公庫が従業員と締結した退職金および死亡障害給付金についての契約およびその他類似
の項目は、年次財務書類日現在の法定債務および潜在的債務の現在価値を計算し、保険数理上の損失
から保険数理上の利益を差し引いたもの、認識されていない過去の役務費用および約定額を保障する
資産(保険契約を含む。)の公正価額を控除して見積もられる。過去の役務費用および保険数理上の
利益または損失の全額は直ちに認識される。
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2019 年12月31日現在、退職後給付のための引当金 579 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 919 千ユー
ロ)が当グループにより計上されている。
2.10.4 退職手当
退職手当は、当グループが従業員または従業員グループを通常の退職日前に確実に解雇する場合、
または従業員の希望退職の奨励金として報酬を支払う場合に限り、連結損益計算書の「人件費」およ
び連結貸借対照表の「引当金」において「年金および年金類似債務引当金」に計上される。
2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループはこの項目について引当金を計上しておらず、当該
割当を要する制度または契約も存在しない。
2.11 法人税
法人税は、費用とみなされ、連結損益計算書の「法人税」の項目に計上される。
当期法人税費用は、当該年度の課税所得について支払うべき金額として計算され、当該年度の一時
差異から生じる資産および負債の残高の変動、税額控除および欠損金繰越について調整される(注記
23を参照のこと。)。
当グループは、資産または負債の簿価と課税標準額に差異がある場合には、一時差異があるとみな
す。税務上資産または負債に帰属する金額は課税標準とみなされる。課税対象一時差異とは、当グ
ループが将来政府に対する支払債務を負うことである。控除可能一時差異とは、当グループに対して
償還権が生じ、または将来政府に支払うべき金額が減少することをいう。
税額控除および欠損金繰越とは、活動が完了し、または結果が得られたとしても、税制に定める条
件が満たされるまで税務上確定申告には適用されない金額をいい、当公庫は、将来適用する可能性が
ある。
当期税金資産および負債とは、税金が認識された日から 12ヶ月以内に当公庫が該当する税務当局か
ら回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。繰延税金資産および負債とは、将来当公庫が
該当する税務当局から回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。
繰延税金負債は、すべての課税対象一時差異について認識される。上記にかかわらず、営業権の認
識に基づく繰延税金負債は計上されない。
当グループは、以下の条件を満たす場合に、控除可能一時差異、税額控除または欠損金繰越から生
じる繰延税金資産のみを認識する。
-繰延税金資産は、当グループが相殺するに十分な将来の課税所得が生じるとみなす場合に限り認
識される。
-欠損金から生じる繰延税金資産の場合には、今後繰り返して生じる可能性が低い理由により生じ
たものとする。
資産が当初認識される場合、企業結合から発生しない場合、かつ認識時に、帳簿または課税所得に
影響を及ぼさない場合には、繰延税金資産または負債は認識されない。
各決算時に、繰延税金資産および負債は有効であることを確認するために見直され、評価の結果に
基づき調整される。
2.12 有形固定資産
2.12.1 自己使用目的の有形固定資産
自己使用目的の有形固定資産には、当公庫が管理目的で現在または将来の自己使用のためまたは資
産の製造または供給のために保有する資産で、1会計年度を超えて使用する予定のファイナンスリー
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スに基づき所有または取得した資産が含まれる。とりわけ、この科目には当グループが第三者に対す
る債権を表章する金融資産の全部または一部の決済として受領する有形固定資産で、内部での継続的
な使用が見込まれるものが含まれる。
自己使用目的の有形固定資産は、貸借対照表に取得原価で計上され、取得原価は、支払われた対価
の公正価額に支払済みまたは支払予定の金銭を加え、累積減価償却費および(必要に応じて)各項目
の正味価格と対応する回収可能価格とを比較して決定される見積減損損失額を差引いた金額となる。
上記の目的において、当グループの自己使用目的の有形固定資産の一部を構成する担保実行資産の
取得原価は、担保実行と引き換えの金融資産の正味価格に類似している。
減価償却費は、定額法で、取得原価から残余価値を差引いて計算される。建物その他建造物が建っ
ている土地は、期間無制限であるため、減価償却されない。
有形固定資産の減価償却費への年間割当は連結損益計算書の「減価償却費-有形固定資産」に計上
され、該当資産の推定耐用平均年数に基づき計算される以下の減価償却率に相当する。
年率
建造物
2%
備品 4%から 15%
器具および事務機器 10%
コンピューター機器 25%
輸送機器 16%
各決算期において、当グループは、内部または外部で有形固定資産の正味価値が回収可能価格を超
える兆候があるか否かを判断する。兆候がある場合には、該当資産の簿価は回収可能価格に減額さ
れ、将来の減価償却費用は、新たな見積りを要する場合には調整後の簿価および新たな残余耐用年数
に比例的に調整される。自己使用目的の有形固定資産の簿価の減額は、必要に応じて連結損益計算書
の「非金融資産の減損または減損の戻入」に計上される。
同様に、有形固定資産の減損が回収されたことを示す場合には、当公庫は、過年度に計上された減
損損失の解消を連結損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」において認識し、将来の減
価償却費を調整する。いかなる場合においても、資産に関連する減損損失の解消は、過年度に減損損
失が認識されなかった場合に得たはずの簿価を上回らない。
また、自己使用目的の有形固定資産の推定耐用年数は、少なくとも年に一度大幅な変動がないか見
直される。変動がある場合には、新たな推定耐用年数に基づき将来連結損益計算書に計上する減価償
却費を訂正することで調整される。
自己使用目的の有形固定資産に関する維持管理費用は、かかる費用が発生した年度の連結損益計算
書の「その他の管理費」に計上される。自己使用目的の有形固定資産のための資金調達により発生し
た金融費用は、発生時に損益計算書に計上され、当該費用は取得原価に含まれない。
2.12.2 不動産投資
連結貸借対照表の「不動産投資」においては、賃貸用または将来の時価の上昇により売却益を得る
ために保有している土地、建物その他建造物の正味価値を認識する。
不動産投資の取得原価の認識について減価償却、それぞれの耐用年数の見積りおよび減損損失の記
録に適用される基準は、自己使用目的の有形固定資産に関するものと一致する(注記 2.12.1 を参照の
こと。)。
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2.13 無形資産
無形資産とは、物理的に存在せず、取引の結果生じ、または当グループが内部で開発した特定可能
な非貨幣性資産をいう。客観的に合理的な原価を見積もることができ、当公庫が将来財務的利益をも
たらすとみなす無形資産のみが会計上認識される。
営業権以外の無形資産は、取得原価または生産原価から累積減価償却費および減損損失を調整した
額で貸借対照表において認識される。
無形資産は、あらゆる要素について評価し、当公庫に対して純キャッシュフローを生じる期間に予
測可能な期限がない場合には、無期限の耐用年数を有するものとし、その他のあらゆる場合には期限
付耐用年数を有するものとする。
各決算期に、当グループは、無期限の継続を確認するために、それぞれの残存耐用年数を見直す
が、無期限の耐用年数を有する無形資産は償却されない。これ以外の場合には必要な措置を取る。
期限付耐用年数を有する無形資産は、有形固定資産に適用されるものと類似のいくつかの基準を用
いて償却される。これらの無形資産についての年次減価償却費は連結損益計算書の「減価償却費-無
形資産」に計上される。
耐用年数の期限の有無にかかわらず、当グループは、無形資産の減損を認識し、対応するものとし
て、連結損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」にそれらを計上する。これらの資産に
対する減損損失および適切な場合には過年度に認識された減損損失の解消の認識に適用される手法は
有形固定資産に適用されるものと同様である(注記 2.12.1 を参照のこと。)。
2.14 引当金および偶発債務
連結年次財務書類を作成するにあたり、当グループは、引当金と偶発債務を以下の通りに区別し
た。
-引当金とは、事業体に対して金融損失が生じる過去の事象から派生した貸借対照表日現在有効な
債務を対象とする貸方残高である。かかる損失が発生する可能性は高く、種類を特定できるが、
その金額または決済日を決定することはできない。
-偶発債務とは、過去の事象の結果として生じる可能性がある債務のうち、当グループの支配を超
える一つまたは複数の将来の事象を条件として存在するものである。
当グループの年次財務書類には発生の可能性がある債務に対するすべての重要な引当金が含まれ
る。偶発債務は、連結年次財務書類において認識されないが、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の
要件に基づき情報が開示される(注記 19を参照のこと。)。
引当金は、当該事象の状況に関して入手可能な最善の情報を用いて数量化され、年度末に再度見積
もられる。当該引当金は、当初認識した特定の債務を充足するために使用されるが、当該債務が消滅
または減少した場合には、全部または一部が繰り入れられる。
2019 年および 2018 年末、当グループに対して、通常の業務から生じる法的手続きおよび請求が多数
提起された。当グループの法律顧問および取締役は、これらの手続きおよび請求の終了により、これ
らが終了する年度の連結年次財務書類に必要に応じて開示されるもの以外に重大な影響を及ぼさない
と理解している。
前期の基準に従い必要とみなされる引当金は、連結損益計算書の「引当金経費または引当金の戻
入」に計上される。
2.15 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書において用いられる用語は、以下の意味を有する。
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-キャッシュフローとは、現金および現金同等物の流入および流出をいい、流動性が高く、価値の
変動リスクが低い短期投資をいう。
-営業活動とは、一般的な金融機関の活動および投資または金融活動に分類されないその他の活動
をいう。
-投資活動とは、非流動資産ならびに現金および現金同等物に含まれないその他の投資の取得、売
却またはその他の手段による処分をいう。
-金融活動とは、持分および負債の規模および構成を変更する活動のうち、営業活動を構成しない
ものをいう。
2.16 売却目的保有の非流動資産およびそれに関連する負債
連結貸借対照表の「売却目的保有の非流動資産」には、当該資産の現状で、年次財務書類日から1
年以内に売却される可能性が高い個別の項目の簿価が含まれる。
例外的に、1年を超える期間にわたって売却されることが予想される場合には、当グループは、連
結損益計算書の「廃止事業に分類されない売却目的保有の非流動資産に係る損益」の項目における時
間的価値の変動を加味し、最新の売却価格を算定する。
その結果、金融資産または金融外資産であるこれらの項目の簿価は、継続的な使用ではなく売却価
格を通じて回収される。
特に、債務者の当グループに対する支払義務の全部または一部の決済のために当グループが受領し
た不動産その他の非流動資産は、当グループがこれらの資産を継続して使用することを決定しない限
りは、売却目的保有の非流動資産とみなされる。
対称的に、「売却目的保有の非流動資産に関連する負債」は、グループに関連するまたは当グルー
プの業務の障害に関する貸方残高を含む。
売却目的保有の非流動資産は、一般に認識時の簿価と見積売却費用を調整した公正価額のいずれか
低い方で測定される。種類に応じて減価償却される有形固定資産および無形資産は、本科目に含まれ
る間は減価償却されない。
資産の簿価が売却費用を調整した公正価額を上回る場合には、当公庫は、資産の簿価を超過額分調
整し、対応するものとして、連結損益計算書の「廃止事業に分類されない売却目的保有の非流動資産
に係る損益」に計上する。資産の公正価額がその後増加する場合には、当グループは、すでに計上し
た損失を取り消し、減損前の価格を上限として簿価を増額し、連結損益計算書の「廃止事業に分類さ
れない売却目的保有の非流動資産に係る損益」に計上する。
売却目的で行われる保有の非流動資産の売却の結果については、連結損益計算書の「廃止事業に分
類されない売却目的保有の非流動資産に係る損益」に示されている。
ただし、中断されている事業の一部である、金融資産、従業員給与からの資産、繰延税金資産およ
び保険契約のための資産は、前段落に従うのではなく、この概念に適用される注記2の上記の段落に
説明のある原則および規則に従って評価される。
注記3 顧客支援サービス
2004 年7月 24日、 ECO734 法令が制定された。これは顧客支援サービス業務に関連するもので、顧客
支援サービスならびに銀行サービスおよび信用機関の擁護官の規制を目的としている。当グループ
は、顧客サービス部門の設置を義務付けられてはいないが、当公庫は、かかるサービスに関し、金融
機関として遂行する業務に関して受けるあらゆる要求および苦情に対処している。質の高いサービス
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を提供するため、 2006 年12月、当グループは ICO の貸付者、利用者および顧客からのあらゆる苦情およ
び提案を受付け、処理し、対応し、かつ返答する業務を集中的に行う部署の設置を決めた。
2019 年に受けた苦情の件数は 136 件であり( 2018 年は 93件)、平均 3.4 営業日以内に処理された
(2018 年を下回った )。全苦情の 88%が仲介業務( ICO ダイレクトおよび ICO SGR )における与信取引
関連であり、そのためこれらは該当する信用機関に引き渡された。その他3%の苦情は、 ICO ダイレク
ト業務の払戻しまたは決議に関するものであり、また3%の苦情は、その他の問題に関連するもの
で、当グループが扱う製品やサービスには関連しないものであった。
注記4 利益の分配
連結年次財務書類作成日現在での 2019 年における当グループの親会社の利益の分配については、経
済・デジタル変革省による決定はなされていない。かかる分配は、当公庫の定款の規定に従って行わ
れる。
注記5 当グループの親会社である当公庫に関するリスク・エクスポージャーおよびその他の情報
5.1 リスク-その全般的特徴
リスクは金融活動に内在するものである。リスクを正しく測定し、管理し、制御することにより、
顧客、投資家および従業員の信頼の基礎となる適切な利益率の達成と事業体の支払能力の維持が容易
になる。
金融機関が抱えるリスク を詳細に分類することを目的としなければ、流動性リスク、市場リスク、
信用リスクおよびオペレーション・リスクの4種類に分類することができる。
・ 流動性リスクとは、債務返済に見合うだけの十分な流動資産が欠如する結果生じるリスクをい
う。これは、不適切な資産および負債の満期構造または例外的な市場危機によって起こる。
・ 市場リスクとは、国内外通貨の金利、為替、株価のような金融変数の不利な変動により生じる
損益計算書および資本に影響を及ぼすリスクをいう。かかるリスクは、貸借対照表上または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオに関する市場リスクの二つに大別される。
・ 信用リスクとは、投資の推定期間内にかかる投資の元利金全額が回収できないリスクをいう。
かかるリスクは、銀行との関係における相手方リスクおよび投資活動における信用リスクの二
つに大別される。
・ オペレーション・リスクとは、予測不能な状況における管理上、社内手続上、会計上、 IT関
連、法的または外的な過誤の結果生じるリスクをいう。
金融機関として、 ICO はこれらの種類のリスクに晒されており、理事会が承認したリスク方針マニュ
アルに従って、これらを効果的に管理するよう、識別し、計量化し、監視しなければならない。かか
るマニュアルは、様々な方法、適用ある規制・手続きおよび組織構造を編集したものである。
5.2 リスク-組織構造
あらゆるリスクをカバーするため、当公庫は、( 2018 年8月 29日理事長通達第3号に基づき)管理
およびリスク・財務局長の管轄下のリスク局長の下に特別部署を設置した。
リスク局長の職務には、内部リスク方針ならびに当公庫の財務リスクおよび信用リスクの分析・管
理・監視方法の作成および提案、 ICO の信用リスクの許容性の評価ならびに国内的および国際的なリス
ク規制に ICO が適合しているかの監督、また同時にその権限の下にある部門の業務遂行の運営、調整お
よび監督等が含まれる。
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リスク専門の部署とは、リスク計量化技法および承認部、グローバル・リスク管理部、継続管理お
よび回収部、であり、それぞれが決められた職務を遂行している。
グローバル・リスク管理部の主な職務は以下の通りである。
・ 当公庫の金融リスクの計量化技法の作成、提案および管理。
・ 金融リスクの上限および承認済みのリスク方針の遵守の監督。
・ 借り手の信用枠の定期的な分析、監視および見直し、それらの分析ならびに貸付仲介業者と借
り手の水準の監視。
・ リスク計量化システム、バックテストおよびストレステストの定義および見直し。
・ 新規金融商品のための市場価額基準の提案、リスクの計量化および潜在的(追加)リスクに係
る技法の設定。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の法律の適用についての分析。
・ 新規商品の市場価格および構造ならびにその潜在的(追加)リスクの評価。
・ リスクに係る承認された技法の正確な適用の監督。
・ 流動性枠証券化ファンドの運営における信用リスクの分析。
・ 流動性、市場、信用度および新規商品に関する新たなリスク限度枠の提案。
・ 資産および負債に係る委員会、管理委員会、監視委員会および理事会に向けたリスクの状況の
報告および分析。
・ スペイン中央銀行に対する金利リスク、流動性比率、巨大リスクおよびバーゼル比率の状態の
報告。
・ リスク調整後リターンツール( RAR )の更新および維持管理。
・ リスク調整後資本利益率( RORAC )における ICO の価格統制ツールの更新および維持管理。
・ リスク・アペタイト・フレームワーク( MAR )。
・ 証券化に関する分析、検討および報告。
リスク計量化技法および政策地域を決する、リスク計量化技法および承認部は主として以下の機能
を含む。
・ 新規資産商品および自動化手続きに含まれていない直接信用供与のリスクが許容範囲内である
かどうかの評価。
・ 顧客および顧客の金融グループに関し、 ICO により承認された直接信用供与のリスク限度枠が適
切であるかどうかの分析。
・ すでに形成されており意思決定機関の承認が求められる事業の変更を ICO が実行する上でのリス
クの分析および評価。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会の調整。
・ 直接信用供与のリスク方針および/または適切である場合には ICO によりすでに承認された方針
の変更に関し、 ICO 内部の意思決定機関による承認の定義および提案。
・ 必要とされる財務業務に関するカントリー・リスク報告の作成および改訂。
・ リスク計量化技法の開発、応用マニュアルの作成およびプロジェクト融資の信用評価に関連す
る手段の継続。
卸売の監視部および回収部ならびに小売の監視部および回収部を下部組織とする、監視部および警
戒解除部は、以下に挙げる機能を有する。
卸売の監視部および警戒解除部:
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・ 直接融資業務のリスクのコントロールおよび追跡を行い、不良運用、破綻処理された取引およ
び損失処理された取引に起因する収支の回復を促進し、有効枠におけるポートフォリオの諸条
件の順守を監視すること。
・ 仲介貸付枠につき ICO の信用リスクの観点から分析および評価。
・ リスク・シェアリングの場合の、 ICO の仲介貸付枠に規定された非金融条件の遵守の管理・検
証。
・ ICO の直接的な顧客および顧客の金融グループに関する内部格付システム、カントリー・リスク
格付システム、運用リスク計量化技法および信用リスク制限技法の設定および維持。大規模な
リスク・エクスポージャーの統制および報告。
・ すべての必要な情報を用いた ICO のポートフォリオの質の確保。
・ ICO からの直接貸付ポートフォリオに関する監視委員会の調整。
・ 有効な規制に基づく引当金の分配/破棄の提案。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会への出席。
・ 該当する法務・事業分野と連携した、遅滞、決済および不履行となった金融取引に関する適切
な回収手続きの推進。
・ 規制機関(格付機関、内外の監査人、監査人の裁判所およびスペイン中央銀行等)からの要望
に対する応答。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
小売の監視および警戒解除部:
・ 小売業者に対する直接業務のリスクのコントロールおよび監視。
・ 目的区分に相当する借換運用の実現可能性の分析。
・ 当公庫から他企業へ管理が外注されている、 ICO が保有する貸付金の回収作業の監視およびコン
トロール。かかる作業は、中小企業、零細企業、自営業者および個人へのサービス提供契約を
通じて行われている。
・ 中小企業、零細企業、自営業者および個人に対して当公庫が直接的に経営管理を遂行してい
る、 ICO によって保有されている貸付金の回収管理。
・ 個々の分野の記録(決議提案、失敗、借換契約、取消、直接管理への業務移行等)に関する ICO
内部の意思決定機関への提案準備。
・ 監視委員会における、リテールリスクの貸付ポートフォリオの状況の作成および提示。
・ 事業体に移転される事由の対応と解決に関する金融業務および経済政策の法律顧問部門の調
整。かかる事業体には、係争回復のサービスの提供が委任されており、また裁判上の請求の過
程および倒産の手続きまたは同様の特性を有する事柄において、 ICO が様々な局面に置かれるこ
とが要求されるその他の行動が委任されている。
・ リテールポートフォリオのすべての貸付の保有者および/または保証人が顧客サービス部を通
じて受けた依頼の管理。
・ 重大な経済危機、自然災害またはその他類似の出来事の結果、政府取引される直接金融業務の
監視、承認および企画。その後における、当該状況および一定の借り手グループの活動範囲に
関連する政府機関への移転に対する取組みまたは行動提案の評価。
ICO は様々な種類のリスクに関する専門家集団を擁しており、それぞれが職務における責任を持って
かかるリスクについての原則、有効なリスク方針マニュアルおよび既存の内部手続きに従い任務を遂
行している。
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5.3 ICO における流動性リスク
スペインのコミュニティ法およびその発展は、本件に関しては事業体における流動性リスクの測
定、コントロールおよび管理のシステムに対する一般的な要件を規定するのみであるが、以下の規範
文書に含まれる。
-信用機関の活動へのアクセスならびに信用機関および投資会社の健全性監督に関する 2013 年6月
26日EU指令第 36号。
-金融機関および投資サービス会社の健全性要件に関する 2013 年6月 26日EU規則第 575 号第6部。
-2013 年規則第 575 号第7章、第7の2項および第7の3項に従い技術的施行規則を規定する、 2014
年4月 16日施行規則第 680 号。
-金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 28日法律第 10号第 41条、第 42条および
付則8。
-2014 年法律第 10号第 53条を発展させる 2015 年2月 13日勅令法第 84号。
-流動性ヘッジ要件( LCR )に関する 2013 年EU委任規則第 575 号を終了させた 2014 年10月10日以降の
2015 年EU委任規則第 61号。
-証券化ファンドの会計基準、年度会計、公的年次財務書類および積立統計情報を規定する、 2016
年2月2日通達第2号。これは、 2008 年5月 22日通達第3号(廃止)の規則 51、DT6および別紙
Ⅶに置き換わる。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、2月 16日からの委員会の 2016 年EU履行規則第 322 号。これ
は、流動性カバレッジ要件( LCR )の団体による監督目的のための情報の伝達に関連する技術履行
基準を規定するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、3月1日の委員会の 2016 年EU履行規則第 313 号。これは、流
動性に関する情報の目的のための付加的制御パラメーターに関するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、 2017 年11月9日 EU履行規則第 2114 号。これは、定型書式およ
び指示に関するものである。
-2017 年11月27日通達第4号、規則第 59条および第 60条。
一般的に、 2016 年通達第2号のリスクの取扱いに関する第6章の規則 51に含まれる、従うべき一連
の行動基準(質的要件)を超える流動性リスクに関する特定の資本要件は存在しない。かかる通達は
また、第5章に含まれる資本の自己評価の過程および監督上の見直しの過程において実行された行動
を報告する必要性にも言及しており、これはすべて、その内部資本がその現在および将来の活動を補
填するのに十分であるかどうかを評価するためのものである。
現在、更新版のバーゼルⅢの流動性および支払能力に関する文書「銀行および銀行システムを強化
するのための世界的な規制の枠組み」ならびに「バーゼルⅢ:計量に関する国際的な枠組み」の公表
に伴い、流動性リスクの基準および監視が、流動性の計量および管理のより効率的なパラメーターを
保証する指針となる新たな措置となっている。 2013 年1月1日、バーゼル委員会は、「流動性ヘッジ
比率および流動性リスク管理ツール」を公表し、これにより短期流動性比率の定義付けおよび監視が
前進した。また、これは 2014 年1月 12日における「市場に基づく流動性指標の監督ガイダンス」によ
り補足された。
かかる方面において、 2015 年1月 17日に流動性カバレッジ比率( LCR )に関し、欧州議会および欧州
理事会の 2013 年自己資本規制( CRR )第 575 号を修正する、 2015 年委任規則第 61号が公表され、 2015 年
10月1日から 60%、 2016 年1月1日から 70%、 2017 年1月1日から 80%、また 2018 年1月1日には完
全な適用( 100 %)となるよう義務付けられた。
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2014 年1月、長期流動性比率の定義および計算に関する協議書類「バーゼルⅢ:安定調達比率
(NSFR )」が公表され、 2014 年4月 11日までの協議段階を経て、 2014 年10月に最終文書が公表され
た。 これにより、安定調達比率の最低水準の計算が必要となっている。 2019 年規則第 876 号は 2019 年6
月に公表され、 2021 年6月末から同比率の報告に関する新たな雛形が公表されるまで適用される予定
である。
2013 年およびその翌年以降の活動中、当公庫は追加の流動性管理として、短期流動性比率および長
期流動性比率の計算を毎月行った。当公庫は、すべての期間において将来適用される制限の範囲内に
収まる結果を得た。
さらに、 2015 年およびその翌年以降を見越して、また 2014 年10月に BIS により公表された「バーゼル
Ⅲ:安定調達比率」ならびに各時点で有効な定義および基準に基づき、四半期毎にその結果が計算さ
れ、安定調達比率に関する1年後( 2020 年まで)の様々なシナリオを導入した ICO の残高が提供され
る。
ICO では、流動性リスクの報告、監視、管理を担当する組織構造が明確に定められている。
貸借対照表上の流動性リスクを監視するために用いられている計量化技法は、流動性ギャップであ
る。この流動性ギャップは、キャッシュフローを生じさせるすべてのオンバランス項目およびオフバ
ランス項目について実際の実行日の資金の流入と流出の差額に関する情報を、毎日、 12ヶ月を上限と
する期間において提供する。
流動性ギャップは1週間、1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の期間で計量化されている。それぞれの期
間において、当公庫の負債合計の次の割合を越えてはならない。1週間期間については 0.5 %以内、
1ヶ月期間については1%以内、3ヶ月期間については 2.5 %以内および6ヶ月期間については5%以
内である。
短期流動性の監視は、毎日行われる。限度額の監視および管理も1週間、1ヶ月、3ヶ月および
6ヶ月の単位で毎週および月末に行われる。
ICO は流動性の危機的水準の予測が可能となる計量化された限度額および警報システムを設定した。
また、流動性リスクを低減するために基本的な資金調達源を多角化する方針を採り、年次資金調達
計画の必要資金額および資金調達日についての情報を確立するために、新規事業活動の予定を含む流
動性を定期的に見直している。
同様に、ストレスシナリオにおいて財務資源を用いる際の参考として優先順位を規定する流動性コ
ンティンジェンシー・プランが、 2018 年2月 27日に理事会によって承認された。
ICO は通常、銀行間取引市場、レポおよび同時流動性ならびに大規模あるいは小口の負債性証券の発
行等、流動性を様々な方法で調達する。
アメリカのサブプライム市場不況に端を発する国際および国内市場に影響を与えた金融危機は、金
融市場に著しい低迷を引き起こし、国内外の金融法人の資金調達のための資源を著しく減少させた。
結果として、銀行間取引市場または負債性証券の発行を通じての資金調達にも深刻な影響を及ぼし
た。
この新たな状況のため、 ICO は、期日に間に合う正確な支払義務、また、戦略的な経営、投資および
成長目標を達成するための確実な流動性にするために、従前と同様に 2019 年を通してもこの新たな状
況に適応するための決断をした。これらの方策により、 2020 年においても ICO の流動性の欠乏は見込ま
れていない。
ユーロ建て取引およびデリバティブヘッジの満期分析
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以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の金融資産および金融負債として認識されるユーロ
建てデリバティブにおける契約満期(デリバティブ内蔵ハイブリッド金融商品を除く。)、および金
融デリバティブとみなされるローン契約(現金、またはその他の金融資産により調整の上、決済され
る契約であって、当公庫のキャッシュフローの見積りを理解するために満期を最も重要とするも
の。)を概念的に示したものである。
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
259,464 230,384 315,133 - - 804,981
-そのうち :デリバティブとして
みなす貸付承諾
4,525,140 6,413,078 1,008,134 241,004 18,623 12,205,979
デリバティブヘッジ
4,784,604 6,643,462 1,323,267 241,004 18,623 13,010,960
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
177,684 320,008 343,260 - - 840,952
-そのうち :デリバティブとして
みなす貸付承諾
5,514,585 3,540,420 955,153 275,711 2,552 10,288,421
デリバティブヘッジ
5,692,269 3,880,428 1,298,413 275,711 2,552 11,129,373
上記の表に記載された情報は、以下の点に注意を要する。
・支払時期を相手方が選択できる場合、当該デリバティブは当公庫への支払を要求される第1ピリ
オドに割り当てられる。
・上記の表に記載された金額は、値引きされていない契約額である。金利スワップは、差額による
決済の場合はその純額で、デリバティブとみなされるローン契約はその総額で、およびその他す
べての金融デリバティブは、差額により決済されず、その換算契約額で記載されている。
・インデックスの実績により決定される等の理由により報告日に契約額が明記されていないデリバ
ティブは、残存期日を分類することを目的とする上記の表においては、それぞれ 2019 年および
2018 年12月31日現在の主導的状況を基礎として決定された。
流動性 GAP による分析
流動性マネジメントの目的は、事業体が必要性をカバーするための適切な流動性水準を短期的にも
長期的にも維持し、損益計算書における費用の影響を最適化するよう確実にすることである。
収支上の流動性プロファイルは、少なくとも今後 12ヶ月間の統制、経営陣への情報提供および資金
需要の分析のために毎日監視されており、また当該期間に予測される活動をカバーするため、資金需
要の分析にシナリオを組み込んでいる。
上述のように、 ICO の流動性マネジメントは、収支における事業の契約上の満期により生じる流入と
流出との差異(流動性ギャップ)の分析を基盤としている。この分析は、事業体が利用可能な異なる
資金調達源を用いて、得る必要のある資金額に関する必要な情報を提供する。
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また、当公庫は、必要な場合には、欧州中央銀行に対する割引を通じて直ちに流動性を得られる質
の高い流動資産のバッファーを維持している。以下の2つの目的のため、当公庫が流動性準備金とし
て使用できる資産残高は、マイナスの流動性ギャップを十分にカバーできる。
-流動性ギャップをカバーするために必要な資金額およびかかる資金を得る時期を計画する際の柔
軟性に寄与する。
-市場の緊張または危機的状況の可能性に対処するための安全バッファー。
以下の表は、異なる満期の流動性の流入と流出を比較したものである(部分的流動性ギャップおよ
び累積流動性ギャップ)。外貨による流入および流出はその額に相当する当該通貨で表されている。
さらに、流動資産残高および流動性ギャップに対するカバレッジ水準の推移は、異なる期間につい
て組み込まれている。
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月 1~2年 2~5年 5年超
ユーロによる流入相当額
3,178,013 2,700,315 4,255,728 5,066,752 6,894,136 11,432,780 6,907,400
ユーロによる流出相当額 -3,684,756 -4,377,907 -4,139,032 -4,163,049 -7,417,998 -7,252,399 -2,844,975
部分的流動性ギャップ -506,743 -1,677,592 116,696 903,703 -523,862 4,180,381 4,062,425
-506,743 -2,184,335 -2,067,639 -1,163,936 -1,687,798 2,492,583 6,555,008
累積流動性ギャップ
流動性の高い資産のバッファー 6,025,462 6,107,588 6,110,296 5,532,135 4,011,824 111,532 -
流動資産のバッファーおよび累
5,518,719 3,923,253 4,042,657 4,368,199 2,324,026 2,381,051 6,555,008
積流動性ギャップの差異
マイナスの累積流動性ギャップ
に対する流動資産のバッファー 1189 % 280% 296% 475% 238% n.a. n.a.
のカバレッジ比率
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月 1~2年 2~5年 5年超
ユーロによる流入相当額
6,976,624 2,593,682 2,920,046 5,430,434 7,873,834 13,458,668 6,614,182
ユーロによる流出相当額 -7,346,182 -1,563,840 -5,552,088 -5,090,123 -6,638,710 -10,106,881 -3,101,153
部分的流動性ギャップ -369,558 1,029,842 -2,632,042 340,311 1,235,124 3,351,787 3,513,029
-369,558 660,284 -1,971,758 -1,631,447 -396,323 2,955,464 6,468,493
累積流動性ギャップ
流動性の高い資産のバッファー 7,405,589 8,180,089 8,495,880 8,529,226 6,025,420 281,222 -
流動資産のバッファーおよび累
7,036,031 8,840,373 6,524,122 6,897,779 5,629,097 3,236,686 6,468,493
積流動性ギャップの差異
マイナスの累積流動性ギャップ
に対する流動資産のバッファー 2004 % n.a. 431% 523% 1520 % n.a. n.a.
のカバレッジ比率
これらの表から分かるように、マイナスの累積流動性ギャップは、利用可能な流動資産のバッ
ファーによりカバーされている。
また、 ECB の方針上、割引により非常に短期的に流動性が確保できる別の種類の適格担保資産があ
る。取得できる潜在的な流動性は、 2019 年および 2018 年12月時点でそれぞれ 1,234,136 千ユーロおよび
829,631 千ユーロであった。
5.4 ICO における市場リスク
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上述のように、市場リスクは二つの大きなグループに分類することができる。貸借対照表または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオ・リスクである。 ICO は内部方針として、現在のところ取引
ポートフォリオの最小化を図っており、現行の会計法規の適用によりヘッジまたは投資に分類するこ
とができないものだけを保有している。したがって、当公庫の市場リスクはほぼすべて通常の業務か
ら生じるものとなっている。
(1)標準的基準
金利および為替の変動へのエクスポージャーが具体化される標準的基準は、利益率と支払能力
の二つからなる。
利益率 : ICO においては、主に損益計算書に基づき計算され、関連する変数は利息または金融
業務の利ざやである。
支払能力:当公庫の資本はその借り手にとっては主たる保証といえる。資本または株式資本の
価額は支払能力を測定するための重要な基準である。
以上を考慮の上、下記が存在する場合、 ICO は、a)年間の利ざや感応度、b)純資本価値の感
応度、およびc)仮想取引ポートフォリオの「想定最大損失額」の計算という3本柱に基づき市
場リスク計量化システムを実行する。
(2)計量化技法
利ざやに関するリスク残を計量化するために、 2015 年より前までは加重平均返済期限分離
ギャップ法が使用されていた。これは資産額と負債額の差額および 12ヶ月以内に返済期限が到来
するかまたは更新される金利の付されたオフバランス取引を、それらが利ざやに影響を及ぼす期
間で加重平均して計算される。
資本の感応度を計量化するために、 2015 年より前まではデュレーション・ギャップ法が使用さ
れていた。デュレーション・ギャップは資産および負債の残存期間の差異として得ることがで
き、差異が求められると感応度ギャップの計算が可能となる。
両方法は、 2014 年半ばに利息収益および純資産に基づく他のシミュレーションに変更された。
想定最大損失額については、ポートフォリオの種類によってその計量化の方法が決定され、パ
ラメトリック法、ヒストリカルシミュレーション法およびモンテカルロ法に基づくことができ
る。
(3)リスクの程度
ICO が負うリスクの程度の決定は、リスク会計局長の提案に基づき上級経営陣がその責任を負
い、 ICO 独自の特徴に応じて許容限度を設定する。かかる許容限度は定期的に見直される。
利ざや感応度の限度を評価するため、市場カーブに基づき算出されたインプリシット・レート
および低下シナリオでは -1%のフロアを採用し± 200 ベーシス・ポイントの増減を採用するレー
トに基づき推定する。両計算の差異の絶対値は推定感応度となり、かかる値は -35 百万ユーロを超
えてシミュレーションされた利ざやの減少を示すことはできない。
ユーロ/米ドルおよびユーロ/英ポンドの為替変動に対する利ざや感応度を決定するため、
±10%の変動率が想定される。
為替リスクは、いかなる場合も利ざやについて設定された世界的な限度である 25%を超えては
ならない。
かかる金利変動に伴う± 200 ベーシス・ポイントの変動を採用した結果、 2019 年12月31日現在に
おける ICO の利ざやの感応度は、合計 -11.61 百万ユーロであり、このうちユーロにおける収支は -
6.82 百万ユーロ、米ドルにおける収支は -2,673 千ユーロ、英ポンドにおける収支は -45 千ユーロで
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あった。為替感応度(米ドル/ユーロおよび英ポンド/ユーロにおいて変動率± 10%)は、米ド
ルが -1,961 千ユーロ、英ポンドが -114 千ユーロであった。
純資産価値感応度の限度を設定するため、残高の現在価値は、市場カーブおよび直近の満期つ
いては金利の低下シナリオで -1%をフロアとし( 20年以上の満期については、フロアは0%に達
するまで毎年5ベーシス・ポイント上昇する。)、± 200 ベーシス・ポイントの増減を採用する別
のカーブを通じて算出される。かかる絶対値フロアは変動する。双方の価値の差異は、絶対値に
おける残高の純資産価値感応度と見なされる。純資産価値に占めるこの変動の割合(%)は、想
定純資産価値の 10%を超えて減少することはない。
ユーロ/米ドルおよびユーロ/英ポンドの為替変動に対する純資産価値感応度を決定するた
め、± 10%の変動率が想定される。
2019 年12月31日現在、 ICO の純資産の感応度は、合計 -5.22 %に達し、このうちユーロ金利が -
4.68 %、米ドル金利が -0.24 %、英ポンド金利が -0.03 %であった。為替感応度は、米ドルが -
0.22 %、英ポンドが -0.05 %であった。
(4)リスクの修正
効果的なリスク管理の最後の手段として、満期およびデュレーション・ギャップをその時々に
求められるリスク価値に当てはめて修正する方法がある。その結果、オンバランスおよびオフバ
ランスの金融商品は、市況に基づき、同目的上付与された権限の範囲内での経営陣の判断ならび
に収支管理部、金融および戦略統括管理、または事業委員会に従い、使用される。
当公庫が 2019 年12月31日現在の貸借対照表で使用した主要通貨はユーロ、米ドルおよび英ポン
ドであり、かかる通貨建ての取引が負債全体の 95.1 %を占め、そのうちユーロ建てが約 72%、米
ドル建てが 23%超となっている。
貸借対照表の資産を見ると、ユーロが全体の約 92.7 %と集中しており、米ドルは 5.7 %超であ
る。一方、他の通貨は、残りに分配される。
当公庫が利用するユーロおよび米ドル以外の通貨について、その残高は実質的に金利リスクまたは
為替リスクを排除しているが、これは、当該通貨建てで資金調達を行い為替変動を完全にカバーする
デリバティブを用いてユーロ建てに転換するため、または、特定の資産の資金調達が当該リスクを回
避するよう企図されているためである。
リスク限度、リスクの監視および定期的な遵守の管理の設定に加え、 ICO は、関連ある金融変数の動
きの異なるシナリオが利ざやまたは純資本価値に及ぼす影響を精査するために、リスクの計量化、管
理および制御のために適用する統一システムを確立している。したがって、 ICO は、例えば、市場にお
ける金利カーブまたはストレスの状況が平行移動しない場合に ICO の分析サービスにより提供される将
来見積りを用いる等、複数のシナリオにおいて制御された変数が被る変化を定期的に監視する。
5.5 ICO における信用リスク
すでに述べている通り、当公庫では信用リスクを二つの大きなグループに分類している。相手方リ
スクとカントリー・リスクである。
相手方リスクには、オンバランスまたはオフバランスで行われる信用機関との取引が含まれる。取
引の管理と取引により発生するリスクの管理とをリアルタイムで統合するシステムにより、モニタリ
ング活動が行われ、担当者にいつでも利用可能な相手方信用枠について最新の情報を提供している。
ICO 内の管轄機関は、市場価格による取引の評価額に将来のリスクまたは追加リスク(取引の額面価
額に対する割合として計量化され、取引期間中の信頼水準 95%の潜在的最大損失として計算され
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る。)を加えた数値に基づいて相手方信用枠を使用する手法を定めて、これを承認した。この手法は
定期的に見直され、最低半期に一度の頻度で追加リスクが調整される。
また、 ICO の理事会は、相手方信用枠の設定に関する基本基準を半年毎に承認し、各相手方信用枠の
個別分析をする。かかる相手方信用枠は、 ICO の取引の特徴により、現金取引のための相手方信用枠と
仲介取引のための相手方信用枠という二つのグループに大別される。仲介取引では、 ICO は例えば事業
枠および起業家枠または国際化枠のよう に異なる事業体が締結した貸付枠の契約を通じて異なる投資
プロジェクトに貸付けている。
ICO が契約したデリバティブを伴う取引の相手方は信用度が高く、そのうちの約 100 %もの相手方が
格付機関より投資適格の格付を取得している。これらの相手方金融機関はスペイン内外で営業を行っ
ている。
仲介および直接融資の分野における ICO の信用機関との活動は、カウンターパーティー(うち約 95%
が投資適格の格付を保有している。)と行われている。
コーポレート信用リスクについて、 ICO は承認、監視および警戒解除という別々の評価および管理体
制を有している。
「承認」プロセスでは、当公庫は、継続事業評価に基づき企業および事業を分析し、リスクおよび
潜在的な顧客についての意見書を発行するために保証を分析するが、これらは事業委員会または理事
会による適切な意思決定の基礎となる。
「監視」プロセスは、当公庫の貸付ポートフォリオが最高の品質を有していること、すなわち、貸
付が合意された日に決められた通りに返済されることの実現を目的としている。取引に影響を及ぼす
事由は顧客およびそのグループの格付にも影響を及ぼすため、基本的な監視対象は取引ではなく顧客
である。この監視プロセスは、経済的および財政的な状態の定期的な見直しならびに意思決定のため
の支援ツールの更新の継続を用いた恒久的な管理により実現される。そしてそれは、警告の兆候を見
つけることも、供与された資金の返済を最大にするために問題のあるリスクに対する行動計画を促進
することも可能にする。
最後に、「監視およびリテールの警戒解除」分野の警戒解除の役割の重点は、電話、郵便または E
メールを通じて、債務不履行となった業務の債権回収をすることにある。また、かかる業務が訴訟の
段階に入った場合における支払合意の交渉および債権者の入札における当公庫の票を確立するための
入札にかけられた業務の調査にも焦点をあてている。
信用リスクについては、カントリー・リスクとして知られるリスクについて特記しなければならな
い。カントリー・リスクは、地理的、政治的および法的に「国家」として定義される地域に帰属して
いることを特徴とした相手方すべての支払能力に関するものである。
これに関連して、 ICO は、現行の規則に沿ったカントリー・リスク計量化技法を承認している。これ
は、複数の基準に基づいてリスク・グループ別に国を評価するという目的に沿ったものである。これ
により、カントリー・リスクのための引当を行う際の明確な基準が得られ、直接信用供与を評価し、
非居住者貸付のポートフォリオを分別する。国家をリスク・グループに分類するに当たっては、格付
機関と経済協力開発機構( OECD )およびスペイン輸出信用機関( CESCE )の評価をその情報源として使
用している。
5.6 ICO におけるオペレーション・リスク
特に新自己資本比率規制(バーゼルⅢ)を考慮した場合、オペレーション・リスクの計量化および
管理がよりいっそう重要となる。このリスクには、業務を実際に行う過程で生じる不適切な処理、不
正確な記録、システムの不具合等に起因するリスク、法的リスクおよび損失リスクが含まれる。
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この領域においては、オペレーション・リスクの取扱いを容易にする一定の手段が開発されてお
り、管理委員会および活動指標の毎月の監視方針、プロセスおよび内部手続きの開発、顧客および事
業を監視する方針の定義、事故の内部管理ならびに既存の危機管理計画が特筆される。また、内外の
監査人により実行される監査手続きおよび監査業務の定期的な管理も強調されるべき点である。
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5.7 企業に関する既存の信用リスク
5.7.1 産業別の分類
(*)
産業別の分類によると、既存のリスク の分布は以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2019 年 2018 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
不動産投資 561 5 703 6
公共販売住宅の建設 7 0 9 0
公共賃貸住宅の建設 379 3 433 4
土地の取得および開発 175 2 231 2
その他 - - 30 0
有形固定資産投資 8,042 73 7,085 67
再生可能エネルギー 1,545 14 1,015 9
水道インフラ 172 2 200 2
電力インフラ 958 9 657 6
ガスおよび化石燃料インフラ 855 8 589 6
輸送インフラ 3,520 32 3,965 38
観光・娯楽産業 35 0 20 0
医療/保健事業インフラ 112 1 141 1
電気通信事業 50 0 0 0
オーディオ機器の生産および展示 22 0 17 0
産業地区その他の建設 10 0 4 0
その他 745 7 371 4
調査開発の物資に対する投資 18 0 16 0
ICO 融資ライン 自治体 代理店
- - 90 1
企業買収 340 3 104 1
一般的企業ニーズ 132 1 707 6
債務の再編 1,150 10 768 7
一般国家予算 840 8 1,174 11
- - 186 2
金融仲介サービス
11,065 100 10,727 100
(*) 評価調整または減損損失(「その他の金融資産」を除く。)を除く顧客への貸付金を含む。また、顧客に対する金融
保証ならびに貸付金および未収金として公的機関が分類した居住者の負債性証券を含む。
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2019 年および 2018 年12月31日現在の総エクスポージャーは、主に三つの分野に集中している。「有
形固定資産投資」が全リスクに対して占める割合は、 2019 年は 73%( 2018 年は 67%)であり、「債務
の再編」分野は、 2019 年は全リスクの 10%( 2018 年は7%)、「一般国家予算」は8%( 2018 年は
11%)であった。
「有形固定資産投資」分野において、 2019 年のリスクの 32%( 2018 年は 38%)を占めた「輸送イン
フラ」による影響は強調すべき点である。
5.7.2 金融投資の地域別の分類
2019 年12月31日現在の全リスクは、 79%が 8,796 百万ユーロとなったスペイン国内における投資活動
への融資に関するものであり( 2018 年現在は 8,811 百万ユーロであり、 82%)、 21%がその他の国にお
ける投資プロジェクトへの融資に関するものであった。
2019 年の自治体毎の国土における投資計画のリスク分布については、アンダルシア州およびバレン
シア州が7%、マドリッド州が6%、カタルーニャ州が5%ならびにエストレマドラ州が4%( 2018
年は、それぞれ8%、7%、7%、7%および2%)となった。
国際市場で行われた取引の 2019 年および 2018 年12月31日現在の分布は、国外の既存リスクに従い、
以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2019 年 2018 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
欧州経済共同体 (EEC)
588 26 406 21
中南米 628 28 589 31
米国 122 5 152 8
EU加盟国以外の欧州諸国 30 1 - -
901 40 769 40
その他
2,269 100 1,916 100
5.8 供給者に対する支払遅延に関する情報
スペイン会計士協会( ICAC )の 2018 年1月 29日決議が、年次財務書類の注記に含められるべき商取
引における供給者に対する支払遅延に係る情報に関して制定し、商取引における支払遅延に対する措
置を定めた 2010 年7月5日法律第 15号( 2004 年12月29日法律第3号を修正するもの。)に従い、当公
庫は下記の点を指摘しなければならない。
・ICO の中核事業(金融活動)の内容を踏まえ、本注記に記載されている支払遅延に関する情報は、
ICO にサービスを提供している業者に対する支払ならびに ICO の証券の預託者および保有者を除く民
間供給者に対する支払のみに関連するものとなっている。後者に関しては、要求があり次第支払期
日が到来する債務および繰延払債務のいずれの支払も、その契約上および法律上の支払期限までに
適式に行われた。営業債権者とみなされない固定資産の供給者等、供給者に対する支払に関して提
供される一切の情報についても、前述の ICAC 決議の規定に従うかかる義務的な開示の範囲から除外
されない。
・2010 年7月5日法律第 15号により義務付けられている、以下に示される当公庫の民間供給者および
サービス提供業者に関する情報に関して、 2018 年1月 29日ICAC 決議の第6条に含まれるものを勘案
し、前段落に定義される範囲で、かかる規制により情報が要求されている。
2019 年 2018 年
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(単位:日)
支払事業の比率 7 7
未払事業の比率 3.5 3.5
供給者に対する平均支払期間 6.75 6.75
(単位:千ユーロ)
支払額合計 22,575 25,303
未払額合計 701 1,298
上記の情報を詳細に述べると、当グループ会社間の債権・債務に係る支払は、上記のデータから除
かれている。
5.9 リスクの集中および ICO のその他の特定の規制
2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループは、当公庫の定款の規定に従い、適用される規制
(2013 年EU規則第 575 号第4部および 2008 年スペイン中央銀行通達第3号)に定められた大規模エクス
ポージャーの制限を免除されている。
2012 年3月 31日勅令第 12号は、 EU加盟国に所在する信用機関のエクスポージャーの当公庫における
取扱いを確立した。
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5.10 建設および不動産開発のための融資に関する情報および関連する担保実行資産
不動産リスクポートフォリオの方針および戦略に関して、当公庫はかかる種類の商品につきいくつ
かの方針(例えば経験豊富な開発者、認定販売の割合、独立した専門家による賃貸需要のデータ)か
らなる承認プロセスを有し、プロジェクトの経済的および財政的実現可能性を評価している。
認証された仕事に対する支払は後に有効化および管理され、建設経過は監督され、販売は管理され
ている。
さらに、取引を首尾よく完了させることのできる解決策を提案する目的の下、現在未払いがある顧
客の支払を困難にしている理由を発見するために調査がなされてきた。
以下の表は、建設および不動産開発に対する融資について詳述したものである。
建設および不動産開発ならびに関連するヘッジのために提供された融資
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
担保 担保
総額 特定の引当金 総額 特定の引当金
超過分 超過分
不動産融資:
544,338 230,547 595,603 - 256,430
-そのうち:破綻懸念先 120,529 118,200 142,710 - 136,871
備忘事項:
債務不履行貸付 - - - - - -
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
備忘事項 :
地方自治政府を除く顧客への貸付金合計 7,569,310 7,196,965
資産合計 31,822,825 36,236,581
標準リスク引当金合計 31,190 29,805
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2019 年12月31日現在の建設および不動産開発のための合計融資は、貸借対照表合計の 1.71 %( 2018
年12月31日現在は 1.64 %)を占めている。
-建設および不動産開発のための融資(総額)
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1.不動産担保なし
157,454 180,691
2.不動産担保付 386,884 414,912
376,739 404,128
2.1 完成された建物
2.1.1 住宅
376,739 404,128
2.1.2 その他 - -
10,145 10,784
2.2 建築中の建物
2.2.1 住宅
10,145 10,784
2.2.2 その他 - -
- -
2.3 土地
2.3.1 開発済みの土地
- -
2.3.2 その他の土地 - -
544,338 595,603
合計
-住宅購入ローン
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
そのうち: そのうち:
総額 総額
破綻懸念先 破綻懸念先
住宅ローン
13,727 - 14,333 -
不動産担保なし 13,123 - 12,757 -
不動産担保付 604 - 1,576 -
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-不動産担保付の住宅購入ローン(最新の入手可能な査定額のリスクの割合( LTV ))
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
453 55 96 - -
そのうち:破綻懸念先
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
1,018 338 220 - -
そのうち:破綻懸念先
-不動産建設および開発債務の清算において受領した担保実行資産
当公庫の貸借対照表(注記 17を参照のこと。)記載の担保実行資産はいずれも、建設会社および不
動産開発業者に対して提供された融資または住宅購入のために一般家庭に対して提供されたモーゲー
ジローンに起因するものではなく、当該資産を保有する非連結企業の株式、かかる会社への投資また
は融資で構成されるものでもない。
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5.11 当公庫の借換済業務および再構築済業務に関する情報
2013 年スペイン中央銀行通達第6号において公開および留保された金融情報に関するルールについ
て要求されている通り、次の表に 2019 年および 2018 年12月31日現在の借換済業務および再構築済業務
に関する詳細な情報(総額)が記載されている。
2019 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 1,473 183,605 185,078 73,987
不良
- 43,738 43,738 43,738
金融 企業(金融資産)
不良
738,996 101,341 840,337 291,075
非金融企業および産業事業
不良
275,580 19,718 295,298 265,949
通常 7,789 - 7,789 4,613
不良不動産 3,529 - 3,529 3,437
459 6 465 -
その他個人
740,928 284,952 1,025,880 365,062
合計
2018 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 5,211 322,399 327,610 84,213
不良
792 45,275 46,067 46,067
21,845 10,396 32,241 19,211
金融 企業(金融資産)
不良
21,845 - 21,845 19,211
984,303 261,953 1,246,256 427,270
非金融企業および産業事業
不良
317,955 89,819 407,774 380,656
通常 8,007 - 8,007 4,816
不良不動産 3,538 - 3,538 1,216
701 57 758 -
その他個人
1,012,060 594,805 1,606,865 530,694
合計
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注記6 現金、中央銀行等への預金および要求払預金
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の内容は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
手元の現金 13 13
709,633 1,408 ,355
スペイン中央銀行にある現金
法定預金準備金 709,633 1,408,355
74,958 261,118
その他の要求払預金
784,604 1,669,486
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注記7 売買目的保有の金融資産および金融負債
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の残高総額は、デリバティブ取引か
らなる。
デリバティブ取引を伴う取引は、当公庫が貸借対照表上のポジションを包括的に管理するが、ヘッ
ジ商品に指定されるための規範的要件を満たしておらず、そのため取引ポートフォリオに分類される
商品を主に対象としている。
以下は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の当グループのデリバティブ取引の公正価額およびその
名目元本(当該デリバティブに係る将来の支払額および回収額のベースとなる金額)をデリバティブ
の種類毎に示したものである。
(単位:千ユーロ)
名目元本 資 産 負 債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
市場別:
組織的市場 - - - - - -
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
非組織的市場
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
商品別:
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
スワップ
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
相手方別:
信用機関 532,075 508,091 - 1,678 69,313 104,885
その他の信用機関 - - - - - -
272,906 331,803 69,407 107,476 - -
その他の部門
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
リスク別:
為替リスク 753,346 784,629 65,526 104,555 65,550 100,437
51,635 55,265 3,881 4,599 3,763 4,448
金利リスク
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
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公正価額は、 2019 年および 2018 年を 100 %として計算されており、貨幣市場および公債のインプリ
シット・カーブを参照している。
2019 年および 2018 年12月31日現在、公正価額で評価し、注記 2.2.3 記載の公正価額レベルを考慮した
取引ポートフォリオの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
売買目的保有デリバティブの資産
- 69,407 - - 109,154 -
- 69,313 - - 104,885 -
売買目的保有デリバティブの負債
以下の表は、 2019 年および 2018 年における、当公庫の未実現の利益および損失に関連する取引ポー
トフォリオに含まれる金融資産の公正価額の変動について、損益計算書に計上されている額を示す
(注記 30を参照のこと。)。公正価値が活発な市場において公表された文献リストとして考慮して評
価された金融資産(レベル1)、変動が市場において観察可能なデータから取得された評価手法によ
り計算される金融資産(レベル2)、そしてその他(レベル3)と区別される。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
利益 損失 純額 利益 損失 純額
レベル1
- - - - - -
レベル2 110,436 109,845 591 116,613 115,590 1,023
- - - - - -
レベル3
2019 年および 2018 年におけるレベル2に分類されたデリバティブの公正価額の変動は、もっぱらレ
ベル間の再分類を行わない評価手法の適用による売買および公正価額の変動が原因であった。
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注記8 損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でない金融資産
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目に含まれる貸借対照表上の金額の内訳は、以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
持分証券
- 21,580
負債性証券 - -
2019 年12月31日現在、本項目は、 100 %の会計ヘッジ( 40,167 千ユーロ)を有する懸念リスクとして
分類された負債性証券を含む。
2019 年、利益は損益計算書において 1,984 千ユーロの公正価額での評価で計上された( 2018 年は 710
千ユーロの利益)(注記 31を参照のこと。)。
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注記9 その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の残高の商品別の内容は、以下の通
りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
持分証券 :
FONDICO PYME(1)
82,159 78,324
FONDICO インフラストラクチュラスⅡ (2) 74,222 165
フォンディコ・グローバル (3) 570,688 453,899
フォンス・メディテラネア・フォンド・デ・カピタル・リエスゴ (4) 9,345 6,641
フォンド・マーガレット・ MEH(5) 67,716 53,936
フォンド・カルボノ・エムプレサス・エスパニョラス (6) - -
FEI 、フォンド・エウロペオ・デ・インベルシオネス (7) 13,141 12,316
SWIFT(8) 4 4
EDW(9) 238 222
フォンド・マーガレットⅡ・ ICO(10) - 26,583
FONDO AFS CESCE(11)
10,038 10,000
- -
パルティシパシオネス・グルーポ・カビト (12)
827,551 642,090
負債性証券 (13) 998,586 1,029,204
1,826,137 1,671,294
2019 年および 2018 年12月31日における、これらの金融商品の公正価額の変動である「その他の累積
包括利益」項目の残高、純税効果額は、以下の通りである(注記 21を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
負債性証券
2,777 9,884
36,916 6,369
持分証券
39,693 16,253
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2019 年および 2018 年中のその他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産の変動は、以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 1,671,294 1,376,391
追加購入
203,780 188,504
売上および償却 (66,677) (900,709)
公正価額の変動 (注記 21) 23,440 19,566
引当金減損割当 (5,700) -
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 持分証券 - (28,859)
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 負債性証券 - 1,015,831
- 1,200
減損損失の変動 (適用後 )
1,826,137 1,671,294
期末残高
(1) FONDICO Pyme 。ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 1993 年5月に設立され、当公庫が唯一の出資者であ
り、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2018 年12月31日現在において
ICO によって拠出された金額は 127,866 千ユーロであった。 2019 年および 2018 年中に拠出金または返金に関連
する変動はなかった。
(2) FONDICO インフラストラクチュラス Ⅱ。ニュー・ ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2019 年に設立され、
当公庫が 100 %の割合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されて
いる。 2019 年、当公庫による拠出金は 74,763 千ユーロ( 2018 年は 165 千ユーロ)であった。
(3) フォンディコ・グローバル。 ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2014 年に設立され、当公庫が 100 %の割
合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2019 年、当公
庫による拠出金は 120,000 千ユーロ( 2018 年は 150,000 千ユーロ)であった。 2019 年、ファンドは、拠出金の
返金を通じて 25,000 千ユーロ( 2018 年は 50,000 千ユーロ)持分が減少した。 ICO によって拠出された金額お
よび払い戻される金額は、 2019 年12月31日において、 528,000 千ユーロであった。
(4) フォンス・メディテラネア。ファンドは 2005 年10月に設立され、当公庫ならびに公的および民間事業体がそ
の出資者である。このファンドはスペインの会社がアフリカン・マグレブで展開するプロジェクトに投資す
るために設立された。このファンドへの割当は、 2019 年12月31日現在 1,270 千ユーロとなった実質資本合計
(公正価額の変動は含まない。)の 30%のヘッジ引当金を有している( 2018 年12月31日現在は 1,270 千ユー
ロ)。
(5) フォンド・マーガレット・ MEH 。主導的な欧州の公的信用機関が参加しており、これは、市場政策に基づく
投資家へのリターンの原則と公共政策が定めた目標を同時に実現する目的で、気候変動と闘う欧州連合の主
要政策を実施するための、インフラに対する投資促進を目指す欧州の株式ファンドである。最終的な清算に
よる最終業績は、ファンドへの資金調達を行っているスペイン税務省により完全に保証されているため当公
庫の損益計算書に影響を及ぼさないにもかかわらず、当該ファンドは ICO によって管理されている。 2019
年、新たな拠出金は 3,317 千ユーロ行われた( 2018 年は新たな拠出金はなし)。 2019 年の資本参加の返金は
1,268 千ユーロ( 2018 年は 15,044 千ユーロ)として計上された。
(6) フォンド・カルボノ・エンプレサス・エスパニョラス・ FC2E 。2011 年より運営を開始したファンドであり、
当公庫が 32.68 %の持分を保有している。かかるファンドは 2019 年に清算された( 2018 年12月31日現在正味
価格は0ユーロ)。かかる清算は 14,789 千ユーロの準備金の計上(資本に計上された累積損失)を意味した
(注記 20を参照のこと。)。
(7)FEI 。2019 年12月31日現在、欧州投資ファンドの総額の 0.72 %に相当する出資を行っている( 2018 年12月31
日現在では 0.72 %)。 2019 年または 2018 年において、拠出金はなかった。 2019 年12月31日現在、支出額
24,000 千ユーロが未払いのままである。
(8)SWIFT 。2008 年よりかかる事業体の正式メンバーである当公庫は、かかる事業体に1株式出資している。
(9) EDW 。2012 年3月からのデータウェアハウス( EDW )企業への参加による 3.70 %。
(10) フォンド・マーガレットⅡ・ ICO 。フォンド・マーガレットⅡへの資本参加は 2018 年に設立された。 ICO の当
該ファンドへの参加は、マーガレットⅠとは異なり、 ICO 自身のためのものであり、自らの出資によるもの
であった。株式保有率は 13.42 %である。 2018 年、当公庫の拠出金は 26,931 千ユーロであった。 2019 年、こ
のファンドは、清算したファンドから投資を獲得した FONDICO インフラストラクチュラス Ⅱの設立後、清算
された。
(11)FONDO AFS CESCE 。主な活動が CESCE の保証付きで商業送り状を値引きすることである FONDO AFS Sicav への
13.16 %の資本参加。 2019 年、当公庫の拠出金はなかった( 2018 年は 10,000 千ユーロ)。
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(12) パルティシパシオネス・グルーポ・カビト。 2019 年、いくつかの融資業務への支払として、 ICO はQUABIT グ
ループの株式数株を 5,700 千ユーロの額で処分した。これらの株式はすべて会計規定の対象であるため、そ
の正味価値は0である。
(13)ICO は、流動性マネジメント政策および事業モデルの一環として、その他の包括利益を通じて公正価額で評
価した金融資産に分類される負債性証券に投資することができる。一般に、これらは、スペインの信用機関
が発行する固定利付証券および公債である。
かかる資産の満期別内訳は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内満期
998,586 1,029,204
1年から2年満期 -
2年から3年満期 -
-
3年超満期
998,586 1,029,204
2019 年および 2018 年12月31日現在、注記 2.2.3 に記載される公正価額レベルを考慮したその他の包括
利益を通じて公正価額で評価した金融資産の分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
負債性証券
998,586 1,029,204
827,551 642,090
持分証券
2019 年中、当公庫は、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産の償却による利益
(2018 年には 1,695 千ユーロの利益)を、持分証券の売却結果として損益計算書に計上しなかった(注
記29を参照のこと。)。
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注記 10 償却原価で評価した金融資産
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表上の本項目の構成は以下の通りである(減損損
失およびその他評価調整額を含む。)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
負債性証券 (注記 10.1)
7,843,423 9,503,883
20,626,023 22,497,970
貸付金
信用機関 (注記 10.2)
10,215,054 12,436,479
10,410,969 10,061,491
顧客 (注記 10.3)
28,469,446 32,001,853
以下は、信用リスクを補填するために計上された減損損失の変動ならびに金融資産(負債性証券)
ポートフォリオにおける 2019 年および 2018 年の期首および期末現在の当該減損の累積額を表してい
る。
(単位:千ユーロ)
特別監視に基づ
カントリー・ く懸念リスクお
標準リスク引当金 合計
リスクのリスク よび標準リスク
の引当金
19,205 1,072,370 18,680 1,110,255
2018 年1月1日現在の残高
収益に課せられる割当
- - 5,116 5,116
回収額 (6,539) (94,679) - (101,218)
資金の充当 - (286,406) - (286,406)
2017 年通達第4号の初回適用の変動 (9,697) 124,373 7,285 121, 961
その他の変動 - 2,469 - 2,469
為替差額の調整 (81) 33 6 (42)
2,888 818,160 31,087 852,135
2018 年12月31日現在の残高
収益に課せられる割当
1,765 15,173 2,304 19,242
回収額 (265) (107,950) (2,194) (110,409)
資金の充当 - (108,895) - (108,895)
その他の変動 - - - -
為替差額の調整 35 (314) (7) (286)
4,423 616,174 31,190 651,787
2019 年12月31日現在の残高
以下の表は、懸念リスクおよび決定基準に基づいた警戒リストにおける標準リスクにかかる引当金
の詳細を表している。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
懸念リスクの引当金: 438,868 597,041
不履行
108,867 239,525
不履行以外 330,001 357,516
177,306 221,119
警戒リストにおける履行リスクの引当金
616,174 818,160
合計
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警戒リストにおける履行リスクの 引当金は、 2019 年12月31日現在の 1,202,721 千ユーロの信用資産に
相当する( 2018 年12月31日現在は 1,703,499 千ユーロ)。
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の信用リスクによって減損とみなされる貸付および
受取債権に分類される金融資産につき、相手方別ならびに当該日付の未払金額別およびリスク年限か
らの経過期間別の内訳を示している。政府が保証する減損認識資産については注記 10.3 を参照のこ
と。
2019 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
378,815 - - - - 21,410 730 86,727 487,682
非金融企業
2018 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
396,431 1,622 - - 371 - 2,004 236,469 636,897
非金融企業
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2019 年12月31日現在、カントリー・リスクによる減損資産残高は 212,406 千ユーロであり、カント
リー・リスク別のヘッジは 4,423 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 192,528 千ユーロ、ヘッジは 2,888 千
ユーロ)である。
2019 年および 2018 年の期限経過非減損資産はそれぞれ 16,967 千ユーロおよび 3,163 千ユーロとなり、
これらの資産の両年度における経過期間は1ヶ月ないし3ヶ月である。
回収の可能性が低い(または回収できない)とみなされた場合、資産と計上されない減損金融資産
の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 1,661,991 1,370,450
追加: 69,708 325,615
回収の可能性が低い
66,707 268,200
その他の事由 3,001 57,415
(54,266) (35,682)
回収:
借換えまたはリストラクチャリング
(766)
追加融資なしに回収した現金 (3,770)
資産の割当 (53,500) (31,912)
- -
最終償却:その他の事由
為替差額の変動の純額 683 1,608
期末残高 1,678,116 1,661,991
回収の可能性が低い(または回収できない)資産の変動の結果として 2019 年および 2018 年の損益計
算書に含まれる純額は、それぞれ 16,610 千ユーロおよび 3,770 千ユーロの利益であった(「損益を通じ
て公正価額で評価されない金融資産の減損または減損の戻入」および「償却原価で評価した金融資産
(注記 10)」の項目を参照のこと。)。
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10.1 負債性証券
「負債性証券」の項目には、償却原価で評価された金融資産、取引可または取引不可の固定利付証
券が含まれる。
「負債性証券」の本項目には、取引不可の金融資産が含まれており、 2012 年末には「顧客信用- 居
住者公的機関 」の項目に含まれ、 2013 年中に当公庫から「供給者支払のための融資基金」のための シ
ンジケート・ローンに転換された。
一方で、 2013 年後半には、当公庫の業務委員会は 2015 年の ICO 信用枠の事業体により作られた、貸付
金を債券へ転換する転換業務の対象となる条件および業務を規制するため、 2015 年の ICO の仲介貸付枠
契約に関する枠組みに含まれている別紙5の書類を承認した。かかる承認には、転換される与信枠、
金額、利息額、適格な事業体、スケジュールおよび信用機関の報酬額に関する一般的な仕様も含まれ
ている。また、仲介貸付の転換により生じた負債性証券は、「負債性証券」の項目にも記載されてい
る。
連結貸借対照表に記載される 2019 年および 2018 年12月31日現在のかかる項目の相手方別の構成は以
下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
居住者公的機関 7,115,605 7,850,053
居住者信用機関 320,883 1,340,473
その他の居住者部門 346,254 283,429
60,681 29,928
その他の非居住者部門
7,843,423 9,503,883
2019 年および 2018 年12月31日現在、満期別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
満期別:
1年以内 1,930,549 1,831,729
1年超2年以内 1,757,506 1,569,088
2年超3年以内 2,761,383 2,003,845
3年超4年以内 981,509 3,059,888
4年超5年以内 240,687 978,832
171,789 60,501
5年超
7,843,423 9,503,883
2019 年12月31日現在のかかる資産からの利息は年利 0.51 %( 2018 年12月31日現在は 0.51 %)であっ
た。
2019 年および 2018 年における、かかる資産からの利益はそれぞれ 43,640 千ユーロおよび 45,590 千
ユーロであり、連結損益計算書の「利息および類似収益」の欄に計上されている(注記 24を参照のこ
と。)。
当公庫はこれらの資産について、 2,039 千ユーロの信用リスク(標準リスク)を補填している( 2018
年12月31日現在は 299 千ユーロ)。
2019 年および 2018 年中に発生した負債性証券の項目の変動は以下の通りである。
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(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 9,503,883 10,107,611
追加購入
3,470,279 6,475,948
減損損失の変動 (1,740) (299)
(5,128,999) (7,079,377)
償却および売上
7,843,423 9,503,883
期末残高
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10.2 信用機関に対する貸付金
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表上の本項の構成は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
内容別:
信用機関への預金 (注記 10.2.1) 44,509 1,995,000
仲介貸付 (注記 10.2.2) 9,431,246 9,980,934
752,240 486,437
信用機関へのその他の貸付 (注記 10.2.3)
10,227,995 12,462,371
(減損損失 ) (4,170) (4,168)
(8,771) (21,724)
その他の評価調整額 (*)
10,215,054 12,436,479
(*) 評価調整額は、主に利息および類似収益の発生額ならびに手数料調整額に相当する。
10.2.1 信用機関への預金
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の「信用機関への預金」項目の満期別の残高の詳細
を表している。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
44,509 1,995,000
1年超2年以内 - -
2年超3年以内 - -
3年超4年以内 - -
4年超5年以内 - -
- -
5年超
44,509 1,995,000
2019 年中、「信用機関への預金」項目は、年利 0.21 %( 2018 年中はマイナス 0.25 %)の平均利息を
得た。 2019 年および 2018 年12月31日現在のかかる預金は、すべて定期預金である。
これらの貸付金について 2019 年および 2018 年に発生した(マイナス)金利はそれぞれ (3,968) 千ユー
ロおよび (7,273) 千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似費用」の項目に含まれている(注記
25を参照のこと。)。
10.2.2 仲介貸付
1993 年2月 26日の閣議決定に従い、中小企業に対する融資を援助するための仲介貸付枠が、当グ
ループの親会社である当公庫に設けられた。かかる仲介貸付枠は、当公庫が様々な信用機関に供与し
た貸付を通じて行われ、当該信用機関が各企業に対する正式な貸付を行った。かかる方針は後年も継
続され 、常にスペインの中小企業に焦点を当てながら、毎年様々な金額および目的に沿った 枠が承認
された。
1997 年12月31日までに付与された仲介貸付に区分される業務において、当公庫は資金を受領する事
業体の最終的な借り手に対する信用リスクの一定割合を引き受ける。それ以降は、 ICO は2009 年から
2012 年の一定の流動性資産枠を除き、最終的な借り手に関する不良債権リスクを引き受けていない。
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2009 年から 2012 年に設けられた内部の仲介貸付枠( 2019 年12月31日現在はエクスポージャーなし、
2018 年12月31日現在は 33百万ユーロ)は、中小企業のための、流動性リスクを伴う一定の ICO 信用枠で
ある。かかる枠につき、 ICO は、仲介に失敗した信用機関による全般的および総合的なリスクを引き受
けている。 2009 年および 2010 年に供与されたかかる枠につき、かかるリスクは当該枠の引当金額の
5%を上限とした。一方で、 2011 年および 2012 年に供与された枠については、不動産金融取引を除く
金融機関部門の平均不履行率が最大想定リスクとされている。 2019 年および 2018 年において、当公庫
が引き受けたリスクにつき、新たな枠は承認されていない。
2019 年12月31日現在、当公庫は ICO のリスクに係るすべての仲介貸付枠のために 92,477 千ユーロ
(2018 年12月31日現在は 90,752 千ユーロ)の引当金を設定した(注記 19を参照のこと。)。かかる引
当金は、当初は当該仲介枠により当公庫に対して発生する受取利息を参照できるが、期待された成長
が見られなかった場合は例外的に ICO によって調整される。最終的に認識された引当金がかかる不履行
をカバーするのに不十分な場合、かかる差額は直接 1995 年勅令付法第 12号に基づき設定された RDL ファ
ンドに請求され、 ICO における損失は一切発生しない。
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2019 年および 2018 年12月31日現在における仲介貸付残高の満期年限別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
3,103,269 3,652,112
1年超2年以内 2,134,945 2,143,451
2年超3年以内 1,454,810 1,462,990
3年超4年以内 907,508 881,817
4年超5年以内 587,615 568,285
1,243,099 1,272,279
5年超
9,431,246 9,980,934
2019 年および 2018 年12月31日現在の仲介貸付の平均年利はそれぞれ 1.18 %および 1.32 %であった。
仲介貸付により生じた利息は 2019 年および 2018 年には、それぞれ 97,846 千ユーロおよび 148,773 千
ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれている(注記 24を参照のこ
と。)。
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10.2.3 信用機関へのその他の貸付
本項目は、信用機関に対する直接貸付取引の残高を含む(仲介貸付なし)。
2019 年および 2018 年12月31日現在のこれらの貸付残高の満期別の詳細は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
73,357 89,904
1年超2年以内 137,285 36,785
2年超3年以内 123,983 110,441
3年超4年以内 84,465 48,808
4年超5年以内 81,588 45,384
251,562 155,115
5年超
752,240 486,437
2019 年および 2018 年12月31日現在の信用機関に対する貸付の平均年利はそれぞれマイナス 0.21 %お
よびマイナス 0.25 %発生した。
これらの貸付金について 2019 年および 2018 年中に発生した金利は、それぞれ 22,211 千ユーロおよび
12,085 千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれる(注記 24を参照のこ
と。)。
本項目には、貸倒リスク(信用リスクおよびカントリー・リスク)として減損損失合計 4,170 千ユー
ロが含まれる( 2018 年12月31日現在は 4,168 千ユーロ)(注記 10を参照のこと。)。
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10.3 顧客向貸付金
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表において、本項目の残高の相手方別の詳細は以
下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
居住者公的機関 2,772,946 2,675,697
非居住者公的機関 158,943 110,935
その他の居住者部門 6,978,818 6,886,746
その他の非居住者部門 995,302 920,908
28,909 262,982
その他の金融資産
10,934,918 10,857,268
(減損損失 ) (645,578) (847,666)
121,629 51,889
その他の評価調整額 (*)
10,410,969 10,061,491
(*) 評価調整額は、主に利息および類似収益ならびに手数料調整額に対応する金額である。
経済利益グループにおける投資の取引帳簿価額( 2019 年12月31日現在では 1,002 千ユーロおよび 2018
年12月31日現在では 926 千ユーロ)は、当該投資が利益保証型であることを考慮し、「その他の居住者
部門」に含まれている。これらの機関のマイナスの課税標準が当公庫の課税標準に含まれているた
め、当該株式の収益率は会計財務要素を含んでいる。投資に対する最終利益の確定に伴い会計財務利
益を調整するために連結損益計算書の所得税に対して引当金が毎年計上されている(注記 19および注
記23を参照のこと。)。
2019 年および 2018 年にこれらの貸付に対して発生した利息は、それぞれ 158,866 千ユーロおよび
161,087 千ユーロであり、損益計算書の「受取利息」の項目に含まれている(注記 24を参照のこと。)
。
以下は、上記の相手方別残高のうち、公的に保証されている取引( 2019 年および 2018 年12月31日現
在の「顧客向貸付金」の項目に分類される「その他の居住者部門」および「居住者公的機関」の項目
に含まれる。)を相手方別および商品別に記載したものである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
「居住者公的機関」に含まれる残高:
中央政府に対する貸付 1,547,921 947,393
地方自治政府に対する貸付 1,225,025 1,728,304
(119,451) (181,644)
評価調整額
2,653,496 2,494,053
「その他の居住者部門」に含まれる残高:
不良資産 23,159 25,810
その他の公共機関に対する貸付 2,329,563 2,222,743
199,263 169,975
国家により保証されているその他の部門に対する貸付
2,551,985 2,418,528
5,205,481 4,912,581
国家により保証されている取引合計
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2019 年および 2018 年12月31日現在の「中央政府に対する貸付」(評価額調整は含まない。)の内訳
は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
国家およびその自治機関に対する貸付
1,545,772 943,181
2,149 4,212
国庫からの受取勘定
1,547,921 947,393
「国庫からの受取勘定」は、当公庫が国庫に支払った金額を含み、仲介貸付の金利差を調整するた
めの助成金として有効に返戻されていない金額である。これらの金額の残高は額面価格で表示され、
利息は一切付されない。
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2019 年および 2018 年における公共部門機関による損益に寄与した利息および類似収益は以下の通り
である(注記 24を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
中央政府
4,408 6,032
地方自治政府 11,550 13,980
20,805 20,303
その他の公共部門機関
36,763 40,315
2019 年および 2018 年12月31日現在、「顧客向貸付金」に分類される貸付元本(評価調整額を含
む。)の満期別詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
満期別:
1年以内 1,192,265 1,531,496
1年超2年以内 824,422 1,010,704
2年超3年以内 1,659,035 1,130,047
3年超4年以内 1,145,859 1,489,899
4年超5年以内 1,082,018 1,104,905
5,152,948 4,642,105
5年超
11,056,547 10,909,156
2019 年および 2018 年12月31日現在の顧客向貸付金の平均年利はそれぞれ 1.45 %および 1.39 %発生し
た。
2019 年12月31日現在、当公庫の損益計算書には、「貸付および受取債権」の項目に含まれる資産の
償却から生じる金融取引につき損益は計上されなかった( 2018 年12月31日現在も計上されなかっ
た。)(注記 29を参照のこと。)。
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注記 11 デリバティブヘッジ
添付の連結貸借対照表のこの項目には、注記 2.3 記載の説明に従った公正価額でのヘッジ商品が計上
されている。
契約済みのデリバティブ取引およびヘッジ項目は、基本的には以下の通りである。
-主にグループが発行する Euribor 以外のレートで計算される金融商品をヘッジする金利スワップ
-複数の金融商品に関連する公正価額とキャッシュフローの変動をカバーする為替ヘッジ
デリバティブの公正価額を決定するために使用する評価方法は、金利デリバティブや為替リスク・
デリバティブを評価する割引キャッシュフロー法である。
2019 年および 2018 年12月31日現在「デリバティブヘッジ」の項目に記載されている金融デリバティ
ブの名目価値および公正価額は、相手方別およびリスク別(すべて非組織店頭市場において契約され
た。)で以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
名目価値 資 産 負 債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
ヘッジ別:
公正価額ヘッジ 8,835,564 7,296,142 363,635 460,472 197,810 123,514
キャッシュフロー・ヘッ
3,370,415 2,992,279 29,718 25,383 42,435 130,291
ジ
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
商品別:
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
スワップ
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
相手方別:
信用機関 12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
その他の信用機関 - - - - - -
- - - - - -
その他の部門
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
リスク別:
為替リスク 5,699,100 5,551,535 225,919 263,298 197,810 152,389
6,506,879 4,736,886 167,434 222,558 42,435 101,416
金利リスク
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
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2019 年および 2018 年12月31日現在、注記 2.2.3 で規定されるレベルに基づき公正価額で評価されるデ
リバティブヘッジの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
資産デリバティブ
- 393,353 - - 485,855 -
- 240,245 - - 253,805 -
負債デリバティブ
これらの項目の公正価額は、 2019 年および 2018 年を 100 %として計算されており、貨幣のインプリ
シット・カーブを参照している。
2013 年1月1日付で IFRS 第13号が効力発生したことにより、当公庫は相手方および当公庫によるデ
リバティブ金融商品評価額、リスク評価調整額を含んでいる(注記7および注記 30を参照のこ
と。)。
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注記 12 合弁企業および関連企業への投資
2019 年および 2018 年中の連結貸借対照表における本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
関連企業
2018 年1月1日現在残高
58,860
追加額 2,422
引出額 -
その他の変動 (424 )
-
減損
60,858
2018 年12月31日現在残高
追加額
引出額 (2)
その他の変動 4,203
減損
65,059
2019 年12月31日現在残高
2019 年および 2018 年12月31日現在投資および関連する主要な情報は、別紙Ⅰに記載されている。
本項目の「その他の変動」は、連結調整を含んでいる。 2019 年において、被投資会社に対する投資
が減少した( 2018 年において、当グループの被投資会社の一つにおける株式が増加した)。
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注記 13 有形固定資産
2019 年および 2018 年の有形固定資産の変動およびこれに関連する累積償却額は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
設備、車両
自己使用の建物 不動産投資 合計
その他の固定資産
費用
114,071 15,970 - 130,041
2019 年1月1日現在の残高
追加額
515 363 878
- (233) (233)
処分額その他の償却額
2019 年12月31日現在の残高 114,586 16,100 130,686
累積償却額
33,147 8,134 - 41,281
2019 年1月1日現在の残高
割当
1,815 199 2,014
(233) (233)
移転額その他の変動額
2019 年12月31日現在の残高 34,962 8,100 43,062
減損損失
651 651
2019 年12月31日現在
有形固定資産純額
79,624 7,359 86,973
2019 年12月31日現在の残高
費用
113,980 15,838 - 129,818
2018 年1月1日現在の残高
追加額
91 132 - 223
- - - -
処分額その他の償却額
2018 年12月31日現在の残高 114,071 15,970 - 130,041
累積償却額
31,374 7,816 - 39,190
2018 年1月1日現在の残高
割当
1,773 318 2,091
- - - -
移転額その他の変動額
2018 年12月31日現在の残高 33,147 8,134 - 41,281
減損損失
- 651 - 651
2018 年12月31日現在
有形固定資産純額
80,924 7,185 - 88,109
2018 年12月31日現在の残高
2019 年12月31日現在、総額約 18,489 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 16,912 千ユーロ)で全額償却
された自己使用目的の有形固定資産があった。
当グループの親会社である当公庫の方針に従い、すべての有形固定資産は 2019 年および 2018 年12月
31日現在、保険が付保されている。
2004 年スペイン中央銀行通達第4号の暫定規則第1、 B)6項によれば、有形固定資産の公正価額に
よる評価が認められている。この評価調整を実行するため、当グループは運用資産について関連する
評価を実施し、それにより当グループの有形固定資産の価値は 53,106 千ユーロ増加した。租税効果控
除後のこれらのキャピタルゲインに対し再評価準備金が設定された。再評価された簿価はその時点で
帰属費用として充当される。
2019 年12月31日現在、再評価準備金は 20,858 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 23,591 千ユーロ)で
あった(注記 20を参照のこと。)。
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下記の表は 2019 年および 2018 年12月31日現在の当グループの一部の有形固定資産の公正価額を当時
の簿価とともに区分毎に表したものである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
簿価 公正価額 簿価 公正価額
自己使用目的の有形固定資産 86,973 108,474 88,109 113,981
建造物
79,624 101,164 80,924 106,796
その他 7,359 7,310 7,185 7,185
不動産投資 - - - -
- - - -
建設中不動産
上記の有形固定資産の公正価額は、下記に従って見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格による評価の更新がされなかった資産については、事業体により類
似した資産の価格傾向の市場データに基づき公正価額が見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格による評価の更新がなされた資産については、 2003 年省令第 805 号の
評価方法に従い公正価額が見積もられた。
すべての自己使用目的不動産は、 2019 年および 2018 年12月31日付で、承認された鑑定人であるスペ
イン中央銀行により比較方法を用いて評価された。
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注記 14 無形資産
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における無形資産は、もっぱら「その他の無形
資産」の項目に分類される。
(単位:千ユーロ)
推定耐用年数
2019 年 2018 年
耐用年数 (無期限 )
- - -
43,790 41,971
耐用年数 (期限付 ) 3年から 10年
43,790 41,971
総計
内訳:
内部開発 3年 38,341 36,597
その他 10年 5,449 5,374
累積償却額 (34,731) (32,829)
(2,137) (2,137)
減損損失
6,922 7,005
2019 年および 2018 年12月31日現在のすべての無形資産はコンピューターのソフトウェアに関連する
ものである。 2019 年12月31日現在の全額償却された無形資産は 31,002 千ユーロ( 2018 年12月31日現在
は26,574 千ユーロ)であった。
注記 15 税金資産および 税金負債
2019 年および 2018 年12月31日現在の税金資産および負債の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
当期税金: 8,557 2,985 1,005 957
法人税 (注記 23)
8,510 2,737 - -
VAT 47 248 183 33
個人所得税 (源泉 ) - - 479 462
社会保障負担 - - 343 462
95,053 98,001 32,943 22,897
繰延税金:
信用供与、貸付および割引
69,259 66,529 - -
に係る減損損失
キャッシュフロー・ヘッジの
25,794 31,472 - -
評価 (注記 21)
資産の再評価 - - 15,932 15,932
売却目的保有の金融資産の再評価
- - 17,011 6,965
(注記 21)
103,610 100,986 33,948 23,854
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2019 年および 2018 年の繰延税金資産および負債の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
期首残高 98,001 134,319 22,897 14,512
信用供与、貸付および割引に係る
2,730 (13,119) - -
減損損失
キャッシュフロー・ヘッジ評価額
(5,678) (23,199) - -
(注記 21)
資産の再評価 - - - -
売却目的保有の金融資産の再評価
- - 10,046 8,385
(注記 21)
95,053 98,001 32,943 22,897
期末残高
注記 16 その他の資産および負債
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
その他の資産
2019 年 2018 年
その他の資産
5,344 3,346
30,799 31,519
付加利子
36,143 34,865
「付加利 子」の項目には、供給者支払のための融資基金、自治区流動性基金および自治体向け融資
基金の業務管理についての当グループの親会社である当公庫の受取手数料およびその他が含まれてい
る(注記 1.1 を参照のこと。)。 2019 年において、 ICO の受取手数料総額は年間 25百万ユーロ( 2018 年
12月31日現在も 25百万ユーロ)であり、これらの金額は損益計算書の「手数料収入」にも計上されて
いる(注記 28を参照のこと。)。
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表の「その他の負債」の項目の残高は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
その他の負債
2019 年 2018 年
その他の負債
560 1,445
7,277 4,926
付加利子
7,837 6,371
「付加利 子」の項目には、「 2019 年ラペル仲介融資枠」の 3,206 千ユーロ( 2018 年は 1,500 千ユー
ロ)に基づき信用機関に支払われる未収の受取手数料が含まれている。
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注記 17 売却目的保有の非流動資産
「売却目的保有の非流動資産」の総額は、担保権実行資産を含む。 2019 年12月31日現在および 2018
年12月31日現在本項目に記載されている担保権実行資産のうち、不動産開発およびその他の不動産開
発事業に関連した資金調達に起因するものはない。
2019 年および 2018 年の貸借対照表に記載される本項目の残高の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
費用 減損 合計
72,443 (72,421) 22
2018 年1月1日現在残高
追加額
125 (147) (22)
引出額/使用額 (245) 245 -
- - -
移転額
72,323 (72,323) -
2018 年12月31日現在残高
追加額
934 - 934
引出額/使用額 (5,572) (4,638) (934)
- - -
移転額
67,685 (67,685) -
2019 年12月31日現在残高
2019 年および 2018 年12月31日現在の「売却目的保有の非流動資産」の総額のうち 48,678 千ユーロ
は、完全に引当金を計上した単一の資産と対応する。
2019 年には、これらの非金融資産に対し、 316 千ユーロ( 2018 年は 148 千ユーロ)の減損の割当が計
上されている。
2019 年には、売却目的保有の非流動資産の売却益として 2,910 千ユーロが計上されている( 2018 年の
売却益はなし)。
当公庫の取締役会はこれらの資産に対して投資の引上げ計画を毎年承認している。
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の規則 60記載の通り、売却目的保有の非流動資産は、居住用、
産業用および商業用別に、都市部における土地および都市化から分断された未開地ならびに建物と幅
広く分類される。以下の表は、評価会社、資産評価の方法および会社/代理店の評価額が示されてい
る。
産業用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
2,296
GESVALT 費用および比較
2,296
居住用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
429 比較
5 VALTECNIC 比較
410 EUROVAL 比較
12 TINSA 比較
109 JUDICIAL 比較
ALIA TASACIONES
85 費用および比較
194 GRUPO TASVALOR
費用および 比較
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1,244
第三次利用建造物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
809 EUROVAL 比較
GRUPO TASVALOR
11 比較
GRUPO TASVALOR
90 費用
44 GRUPO TASVALOR
動的残余
954
未開地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
54 比較
ALIA TASACIONES
42 比較
1 EUROVAL 比較
8 JUDICIAL 比較
GRUPO TASVALOR
25 費用および比較
59 EUROVAL 賃貸料の更新
GRUPO TASVALOR
57 賃貸料の更新
GRUPO TASVALOR
6 その他
177
JUDICIAL その他
429
都市部における土地および開発可能用地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
862 比較
GRUPO TASVALOR
20 静的残余
GRUPO TASVALOR
9,173 動的残余
6 EUROVAL 動的残余
31 GESVALT 動的残余
50 GRUPO TASVALOR
その他
10,142
合計 15,065
注記 18 償却原価 で評価した 金融負債
連結貸借対照表の本項目の残高を構成する項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
中央銀行への預金 (注記 18.1) 499,902 -
信用機関への預金 (注記 18.2) 8,477,599 9,447,789
顧客による預金 (注記 18.3) 699,313 988,040
発行済債券 (注記 18.4) 15,734,424 19,147,495
401,952 711,847
その他の金融負債 (注記 18.5)
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25,813,190 30,295,171
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18.1 中央銀行への 預金
2019 年において、 ICO は欧州中央銀行の TLTRO Ⅲを採用した。本項目の金額はかかる運用に対応して
いる( 2018 年の残高はなし)。
18.2 信用機関への 預金
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
種類別:
欧州投資銀行からの借入金 7,295,224 8,196,933
銀行間借入金 89,463 152,200
その他の信用機関からの借入金 1,020,921 1,025,509
71,991 73,147
評価調整額-付加利子
8,477,599 9,447,789
銀行間預金は、 2019 年および 2018 年12月31日現在から起算して1年未満以内にそれぞれ期限が到来
する。
欧州投資銀行からの借入金の最終償還期限は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
1,863,362 1,819,950
1年超2年以内 1,815,493 1,857,299
2年超3年以内 1,379,171 1,814,061
3年超4年以内 606,633 1,177,833
4年超5年以内 581,375 583,326
1,049,190 944,464
5年超
7,295,224 8,196,933
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「その他の信用機関からの借入金」の償還期限の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
193,410 193,395
1年超2年以内 322,914 186,616
2年超3年以内 142,490 339,168
3年超4年以内 78,824 140,783
4年超5年以内 78,824 48,912
204,459 116,635
5年超
1,020,921 1,025,509
18.3 顧客 による 預金
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
公的機関 626,974 917,067
その他の居住者部門 (1) 72,329 70,534
その他の非居住者部門 - -
10 439
評価調整額 -付加利子
699,313 988,040
(1) うち、 2019 年および 2018 年12月31日現在、 58,699 千ユーロおよび 66,403 千ユーロはそれぞれ要求払預金であった。
2019 年および 2018 年12月31日現在、「公的機関」の項目に記載された残高の種類別の詳細は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相互金利調整契約 (C.A.R.I.)
3,563 2,920
623,411 914,147
公的機関の経常勘定およびその他の項目
626,974 917,067
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18.4 発行済債券
2019 年および 2018 年12月31日現在の本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
発行済債券
15,499,902 18,724,473
234,522 423,022
評価調整額 (*)
15,734,424 19,147,495
(*) ヘッジ会計に対する取引費用および価格調整を含む。
2019 年および 2018 年中の本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 18,724,473 22,124,860
発行数
23,787,604 37,621,464
減価償却費 (27,071,203) (41,277,094)
59,028 255 ,243
為替差損益
期末残高 15,499,902 18,724,473
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の未払発行済債券の主な特徴を、通貨、利率および
最終償還期日で示したものである。
発行数 (単位:千ユーロ)
通貨 償還期日 年利率
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
ノルウェー・
1 3 2021 年 4.28 %- 5.36 % 50,690 119,668
クローネ
1 1 カナダ・ドル 2020 年 4.53 %- 5.00 % 171,256 160,205
52 43 米ドル 2021 年 複数 4,895,865 4,904,683
55 78 ユーロ 2026 年 複数 9,717,570 13,065,734
2 3 スイス・フラン 2024 年 2%- 3.25 % 276,373 266,195
2 1 豪ドル 2023 年 1.95 % 236,053 58,237
スウェーデン・
1 1 2022 年 0.963 % 47,862 48,758
クローネ
104,233 100,993
3 4 円 2030 年 0.52 %- 2.9 %
15,499,902 18,724,473
各発行の内容は、当グループの親会社である当公庫公式サイト( www.ico.es )の「投資-発行債券
情報」のページで参照することができる。
2019 年にユーロ建ておよびその他通貨建ての債券の金融費用の総額は損益計算書の「利息および類
似費用」の項目に計上されており、金額は 544,513 千ユーロであり、その平均年利は 2.63 %(会計ヘッ
ジを考慮すると 1.31 %)であった。 2018 年の金融費用は 660,524 千ユーロであり、その平均年利は
3.48 %(会計ヘッジを考慮すると 1.49 %)であった(注記 25を参照のこと。)。
2019 年現在、一定の償却原価で評価した金融負債( ICO により発行された債券)の買戻しから生じる
金融取引につき、損益は計上されなかった。 2018 年に同様の事項に基づき計上された損失は、 941 千
ユーロであり(かかる金額は、かかる排出を補填するために買戻しに関連したデリバティブの消却の
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結果を含む。)、これは「公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益」の項目に計
上されている(注記 29を参照のこと。)。
18.5 その他の金融負債
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
国庫準備金
368,533 444,479
33,419 267,368
その他
401,952 711,847
「国庫準備金」には、当グループが受領し、各項目に適用される条件に従い返済する資金が含まれ
る。これらの各資金に関連する与信枠の詳細については、当公庫のウェブサイト( www.ico.es )を参
照のこと。
最も重要な与信枠に関連する資金は以下のものである。
-「 Línea FOMIT 」- Renove Turisumo (FOMIT -観光与信枠):かかる与信枠は、インフラおよび観
光地の修復および近代化を目指す金融計画への資金援助を提供する。
-「 Línea Avanza 」:かかる与信枠は、 ICO とともに、市民および企業による新情報技術(ブロード
バンドおよびそれに必要な技術的サポート)の利用のための支援および資金を供給する。かかる
対象に応じて、 TIC 向貸付金(中小企業)、若者および大学生向貸付金(特定グループ)ならびに
デジタル顧客向貸付金(一般的な市民)が実施される。
-「 Línea Préstamos Renta Universidad 」:かかる与信枠は、 2011 年から 2012 年までの博士号また
は修士号の大学院過程における将来所得を保証する。
-「 Línea Futur E」:かかる与信枠は、エネルギーの合理的使用、再生可能エネルギーの使用、水
の使用量の削減および廃棄物管理の観点に立ちスペインにおけるツーリズムの基盤を固めるた
め、持続可能な観光を支えるためのプロジェクトに対する動機を提供し、持続可能性および環境
へ配慮からの観点から現在のツーリズムを再構築する手助けをし、環境および持続的発展に関連
した要素に着眼するものである。
ICO による市場資金調達を通して資金供給される他の当グループの仲介枠とは異なり、これらの業務
に指定された財政資金は、関連省庁の代理で当公庫が開設した勘定に、国家より直接資金供給され
る。これらの資金残高は、(上記与信枠の残高を反映する。)関連する経常収支の金額および残高が
与信枠供給のために当公庫が受領する金額と常に同額であるために、「 貸付および受取債権」 (純
額、未償却)としても記載される公式の取引により供給される金額と常に一致する。
2019 年および 2018 年12月31日現在のこれらの資金の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
FOMIT -Renove Turismo
118,485 169,545
Avanza - 439
Préstamos Renta Universidad
120,585 142,325
Futur E
18,074 43,334
144,808 88,836
その他
401,952 444,479
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「その他」の項目には、 ICO および ERDF からの資金を含む中小企業および自営業に対する特定の仲介
貸付枠への融資のための ICO ・イノベーション・ファンド 2013-2015 年の設立に相当する金額( 2018 年
12月31日現在において 248,607 千ユーロ)が含まれる。このテクノロジカル・ファンドは清算の対象と
なり、 2019 年において 2,595 千ユーロの利益が生じ、損益計算書の「受取手数料」の項目に計上されて
いる。
注記 19 引当金
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
年金および年金類似債務引当金
579 919
偶発リスクおよび 不確定約定額の 引当金 7,778 1,442
295,183 277,834
その他の引当金
303,540 280,195
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2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における「その他の引当金」の項目の内訳は以
下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1995 年勅令法第 12号に基づく基金
182,610 175,583
流動性特別貸付金に係る引当金(注記 10.2.2 ) 92,477 90,752
BBVA からの回収額のための資金 218 284
プレステージ船事故補償資金 8,934 9,031
AIE の株式損益補償のための資金(注記 10.3 ) 9,515 890
1,429 1,294
その他の資金
295,183 277,834
1995 年勅令法第 12号に基づく基金
1995 年12月28日勅令法第 12号( 1995 年12月30日の官報( BOE )に掲載され、 1996 年1月1日より効力
が生じる。)は、信用機関に関して現在有効な規則に従い、閣僚会議決議( 1987 年12月11日)のセク
ション 4.1 で言及される国家借入金から得られる資金を充当することにより、注記1に記載する業務か
ら将来履行が疑わしいまたは貸倒れの発生する可能性のある貸付金に関し、引当金に繰入れるため
に、 ICO が最大で総額 150,253 千ユーロのファンドを設定することを規定した。租税、行政および社会
秩序措置に関する 1997 年12月30日法律第 66号追加条項第4条は、これらの規則の適用にかかわらず、
一般国家予算における特定の補償を受けないことを条件として、閣僚会議または CDGAE が、通常の業務
において発生する債務不履行に、 1995 年勅令法第 12号に基づき設定される特別引当金ファンドを充当
する権限を ICO に付与することを規定した。当該ファンドは、「その他の引当金」の項目で 1996 年に設
立された。
取引条件に基づき当該ファンドへの充当を要するこれらの貸付金および取引は、当該ファンドの費
用の形で計上されている。したがって、当公庫の損益計算書に影響はない。
当該ファンドで補填される貸付金は、同ファンドによりすでに引当が行われているため、一般およ
び特別貸倒引当金の計算には算入されない。
当該ファンドは、初回の割当に加え、 ICO が得た利益や国による損失の引受や補填の実行または承認
による利益から、または信用に影響を与える適切な制度取引を通しての、将来の割当をも期して設定
されている。同様に、当該ファンドは、引当金が計上されているかまたは不履行が宣言され、当該
ファンドに対して請求される借入金から得られる回収額( 2019 年は 4,388 千ユーロ、 2018 年は 3,084 千
ユーロであった。)ならびに当該ファンドに割り当てられる資金の運用からの収益( 2019 年はマイナ
ス377 千ユーロ、 2018 年はマイナス 468 千ユーロであった。)で設定されている。
一般国家予算に関する 1996 年12月30日法律第 12号の規定に従い、 1997 年に追加の 150,253 千ユーロが
一般国家借入金を充当することにより当該ファンドに割り当てられた。
2004 年、総額 249,500 千ユーロの割当が 2004 年7月 30日の閣僚会議決議に従って ICO に付与された国
家借入金に対して充当された。
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の引当金」の項目に計上された資
金の 2019 年および 2018 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
177,926
2018 年1月1日現在の残高
利息の資本組入れ
(468)
国による拠出金 -
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2017 年の ICO による使用結果 -
貸付金の回収 (元本および利息 ) 3,084
(4,959)
使用額
175,583
2018 年12月31日現在の残高
利息の資本組入れ
(377)
国による拠出金 -
2018 年の ICO による使用結果 3,136
貸付金の回収 (元本および利息 ) 4,388
(120)
使用額
182,610
2019 年12月31日現在の残高
2019 年においては、 2018 年の ICO の純利益の一部として、特別拠出金 3,136 千ユーロが計上された。
BBVA からの回収額のための資金
当グループの親会社である当公庫は、「 BBVA からの回収額のための資金」の項目に関し、 2001 年と
2002 年に租税、行政および社会秩序措置に関する 2001 年12月27日法律第 24号追加条項第 11条を適用し
た。これにより、旧政府金融機関が付与し、政府が保証した一定の貸付および保証によって国が当公
庫に対して負担することとなった金額を消却するために当公庫の株式の一部を割り当てた。
しかし、 ICO は、この消却処理による影響を受けた業務管理によりかかる貸付に関する回収金を引続
き受領することとなったが、慎重な会計原則に従い、当該回収金は通常、損益計算書の利益として認
識されない。 2019 年に利益として計上されたものについては、 218 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は
284 千ユーロ)の引当金がある。
プレステージ船事故補償資金
プレステージ船事故補償資金は、 2002 年11月22日勅令第7号に基づいており、かかる特別引当金
ファンドに従い、プレステージ船事故補償貸付金による不良債権額に、 1995 年勅令法第 12号に基づく
特別引当金ファンドを充当する権限を与えるものである。
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AIE の株式損益補償のための資金
AIE の株式損益補償のための資金の項目には、経済利益グループを介して行われた取引による利益を
運用成績に対して調整する引当金が含まれる(注記 10.3 を参照のこと。)。この引当金は、利益勘定
の法人税の項目として認識され、 2019 年および 2018 年において、それぞれ 8,626 千ユーロおよび 7,848
千ユーロとなった(注記 23を参照のこと。)。
本項目の引当金の 2019 年および 2018 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
年金および年 リスクおよび
その他の
税金引当金 金類似債務の 不確定約定額の 合計
引当金
基金 引当金
2018 年1月1日現在の
- 423 1,197 303,045 304,665
残高
割当 (1)
- 496 1,263 1,759
回収 - - (104) - (104)
資金の使用 - - (17,248) (17,248)
2017 年通達第4号の初回適
- - 349 - 349
用
移転およびその他の変動 (2) - - - (9,226) (9,226)
- - - - -
為替差損益
2018 年12月31日現在の
- 919 1,442 277,834 280,195
残高
割当 (1)
- - 6,963 281 7,244
回収 - (340) (623) (377) (1,340)
資金の使用 - - - (87) (87)
移転およびその他の変動 (2) - - - 17,532 17,532
- - (4) - (4)
為替差損益
2019 年12月31日現在の
- 579 7,778 295,183 303,540
残高
(1) 2019 年の損益計算書に計上された回収額には、当該ファンド自身の報酬に関して発生する利息の資本組入れのため
の特別引当金ファンド( 1995 年勅令法第 12号に基づく基金)への支払に関連して、 377 千ユーロ( 2018 年は 468 千
ユーロ)が含まれる。割当には、 148 千ユーロ( 2018 年は 1,412 千ユーロ)に上る ICO のリスク(注記 10.2.2 を参照
のこと。)に伴う当公庫の流動性枠のための引当金が含まれる。
(2) 2019 年12月31日現在の移転およびその他の変動には、主に ICO のリスクに係る仲介貸付枠からの回収( 1,577 千ユー
ロ)(注記 10.2.2 を参照のこと。)、拠出金および回収に係る 1995 年勅令法第 12号に基づく基金への貸付( 7,425
千ユーロ)(注記 19を参照のこと。)ならびに AIE における投資からの利益報酬に対するファンドのための引当金
(8,625 千ユーロ)(注記 23を参照のこと。)が含まれる。
2018 年12月31日現在の本項目は、 AIE における投資からの利益報酬に対するファンドの法人税費用の回収( 7,848 千
ユーロ)(注記 23を参照のこと。)および準備金に計上される偶発債務積立資金の回収( 10,000 千ユーロ)(注記
20を参照のこと。)を主に含んでいる。
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注記 20 資本
連結貸借対照表の「資本」の項目の 2019 年および 2018 年の期首および期末の簿価の調整は以下の通
りである。
(単位:千ユーロ)
その他の
資本 再評価準備金 損益 合計
準備金
4,313,067 23,591 996,115 103,100 5,435,873
2018 年1月1日現在の残高
利益の分配
- - 41,946 (103,100) (61,154)
その他の準備金の変動 - - (105,118) - (105,118)
当期損益 - - - 75,671 75,671
677 - (2,003) - (1,326)
その他の変動
4,313,744 23,591 930,940 75,671 5,343,946
2018 年12月31日現在の残高
利益の分配
- - 28,608 (75,671) (47,063)
その他の準備金の変動 - (2,733) (9,743) - (12,476)
当期損益 - - - 109,378 109,378
289 - - - 289
その他の変動
4,314,033 20,858 949,805 109,378 5,394,074
2019 年12月31日現在の残高
2019 年12月31日現在、「その他の準備金の変動」の項目には、 2018 年の利益分配の一部として、
3,136 千ユーロの 1995 年勅令法第 12号に基づく基金への拠出金が含まれる(注記 19を参照のこと。)。
当該項目には、マイナス 14,789 千ユーロの金融資産(持分証券)の清算による損益も含まれる(注記
9を参照のこと。)。
2001 年12月27日法律第 24号に基づき、「その他の変動」の項目には、 2019 年の 289 千ユーロ( 2018 年
は677 千ユーロ)の資本への年間拠出額が主に含まれる。当該法律の追加条項第 11条に従い、旧政府金
融機関および当公庫によって供与された、一定の貸付および保証の結果、 ICO とともに国家が負担する
債務の取消により回復した当該資金は、当公庫の資本の一部となる。
20.1 完全または比例連結企業における準備金
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における「資本-準備金-累積準備金」の項目
における残高の連結企業別の内訳は以下の通りである。そのうち一部は、連結時に発生し、再評価準
備金を除く、連結財務書類において完全または比例連結企業別の残高である。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
AXIS パルティシパシオネス・エムプレサリアレス S.A.
9,103 8,236
922,440 908,349
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931,543 916,585
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20.2 持分法適用会社における準備金
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表における「資本-準備金-持分法適用会社の準
備金」の項目における残高の連結企業別の内訳は以下の通りである。そのうち一部は、連結時に発生
し、連結財務書類において持分法適用会社別の残高である。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
コンパーニャ・エスパニョーラ・デ・フィナンシアシ
18,208 16,641
オン・デル・デサロージョ S.A.(COFIDES)
コンパーニャ・エスパニョーラ・デ・レアフィアン
54 (2,311)
ツァミエント S.A.(CERSA)
- 25
その他の企業
18,262 14,355
注記 21 その他の累積包括利益(評価調整額)
本項目の総額および租税効果の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
租税効果 租税効果
総額 純額 総額 純額
(注記 15) (注記 15)
その他の包括利益を通じて
公正価額で評価した金融資
56,704 (17,011) 39,693 23,219 (6,966) 16,253
産(注記9 )
資産および負債のキャッ
(85,980) 25,794 (60,186) (104,907) 31,472 (73,435)
シュフロー・ヘッジ
(29,276) 8,783 (20,493) (81,688) 24,506 (57,182)
合計
本項目の残高は、連結貸借対照表における「売却可能金融資産」および「評価額-キャッシュフ
ロー・ヘッジ・デリバティブ」の勘定に関連するものである。一つ目の勘定では、注記 2.2.4 に従い、
当グループの資本の一部に含まなければならない、売却可能と分類される資産の公正価額の変動額
(純額)を計上する。二つ目の勘定では、キャッシュフロー・ヘッジ商品の公正価額の変動額(純
額)を計上する。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 (57,182) (130,880)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
23,440 16,177
資産の公正価額の変動 (注記9 )
損益を通じて公正価額で評価した金融資産への再分
- 3,594
類
13,249 53,927
キャッシュフロー・ヘッジ
(20,493) (57,182)
期末残高
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注記 22 付与された保証および不確定約定額
貸借対照表上の本項目は、通常の業務における約定額(付与された保証)および第三者が使用可能
な額(不確定約定額)に応じて、支払義務を負う第三者が支払わなかった場合、当該第三者に代わり
当グループが支払うべき金額を記載している。
以下は 2019 年および 2018 年12月31日現在の本項目の内訳である。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
付与された保証
449,279 475,124
金融保証
449,279 475,124
付与された不確定約定額
第三者向け :
信用機関 269,436 513
公的機関部門 2,038,054 2,000,198
その他の居住者部門 348,401 349,694
非居住者部門 222,881 268,656
その他の不確定約定額 101,081 89,502
552,000 504,000
引受済未払支出額 :
3,531,853 3,212,563
3,981,132 3,687,687
保証商品(保証およびその他の担保)からの収益は、連結損益計算書の「受取手数料」の項目に計
上され、契約で定められた利率を保証の額面価額に適用することによって算出される。
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注記 23 租税
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表の「税金負債」の項目には、当公庫に適用され
る税金に関する負債が含まれている。
予算、租税、財政および雇用に係る緊急措置に関する 1993 年2月 26日勅令法第3号の規定に従い、
当グループの親会社である当公庫は 1993 年から 1996 年まで法人税の支払を免除されていた。当公庫
は、法人税に関する 1995 年12月27日法律第 43号暫定条項第 13条に従い、 1997 年および 1998 年に関して
も同税を免除され、 1999 年からは一般法人税が課税されている。
法人税上の課税標準に対する 2019 年および 2018 年の当グループの親会社としての当公庫の会計利益
の調整は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
税引前簿価利益
149,253 112,907
永久差異
支払外国税 704 478
帰属不能な会計利益/費用 3,233 5,102
被投資会社により生じる税務上の欠損金の繰越 (37,109) 41,259
- -
過年度からの損金算入
116,081 159,746
一時差異:
減損および控除不能引当金 37,598 28,237
(35,116) (71,964)
他年度発生一時差異の反転
2,482 (43,727)
過年度の税務評価の補償 - (16,691)
118,563 99,328
税務評価
税金総額 (30 %)
35,569 29,798
控除および引当金 (577) (379)
(43,502) (32,156)
源泉徴収税および中間納付
(8,510) (2,737)
支払税額 (注記 15)
法人税費用
34,248 47,545
割当被投資会社ベースの法人税費用の調整額
8,626 (7,848)
(注記 19)
(562) -
その他の調整額
42,312 39,697
当期法人税費用
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当該年度において、 ICO が様々な割合で出資している経済利益グループからの税務上の欠損金の繰越
が組み込まれた( 2019 年12月現在は 37,109 千ユーロ( 2018 年12月現在は 41,259 千ユーロの税務上の剰
余金配分))。欠損金は、各グループ会社が提供した情報に基づき割り当てられた。これらの項目
は、経済利益グループの貸借対照表の期末と同年度に認識されることになっている。
2019 年度末現在、相殺可能な税務上の欠損金の繰越はなかった。
2019 年および 2018 年に適用された税制優遇措置の控除はなかった。国際二重課税(支払税額)の控
除額はそれぞれ 577 千ユーロおよび 379 千ユーロに上った。 2019 年度末現在、国際二重課税に対する控
除はない。
特別事由による固定資産の減価償却方法に変更はなかった。
当公庫の確定申告およびその他の税金債務は、直近4年間税務当局による閲覧が可能である。
基本的に法人税の免除期間後に新たに発生する法人税負債に関し、一定の取引に適用される税規則
の解釈によっては一定の偶発税金負債が存在する場合がある。ただし、当公庫の税務担当者の判断で
は、かかる負債が発生する可能性は少なく、いかなる場合においてもこれにより生じる税金債務が添
付の年次財務書類を大幅に影響することはないものと見込まれる。
注記 24 利息および類似収益
構成する項目に基づく 2019 年および 2018 年の利息および類似収益の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
6,579 8,189
融資産
償却原価で評価した金融資産 329,924 373,639
デリバティブ、ヘッジ会計 (9,470) (11,634)
その他の資産 22 820
20,047 25,920
負債からの利息および類似収益
347,102 396,934
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注記 25 利息および類似費用
2019 年および 2018 年の損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
償却原価で評価した金融負債
670,126 798,172
デリバティブ、ヘッジ会計 (302,175) (323,553)
その他の負債 - -
7,207 18,833
資産からの利息および類似費用
375,158 493,452
注記 26 配当金収益
本概念による収益はすべて変動収益ポートフォリオに対応しており、 2019 年における当該収益は存
在しない( 2018 年もなし)。
注記 27 持分法適用会社の損益
連結損益計算書の本項目に含まれた持分法適用会社利益の合計額は、 2019 年および 2018 年において
それぞれ 2,266 千ユーロおよび 1,915 千ユーロに上昇した。別紙Ⅰには、株式についての詳細ならびに
2019 年および 2018 年12月31日現在の最も関連性の高いデータが含まれている。
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注記 28 受取手数料および支払手数料
連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
受取手数料
偶発リスク 2,015 1,599
受取可能手数料 962 2,608
52,530 53,116
その他の手数料
55,507 57,323
支払手数料
署名リスク (700) (678)
(6,903) (8,168)
その他の手数料
(7,603) (8,846)
手数料純額 47,904 48,477
2019 年12月31日現在、手数料収入の「その他の手数料」の項目は、 FFPP および FLA の管理手数料に関
連する 25,000 千ユーロ( 2018 年12月31日現在も 25,000 千ユーロ)を含む(注記 16を参照のこと。)。
注記 29 損益を通じて公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
- 1,695
融資産 (注記9 )
償却原価で評価した金融資産、貸付および受取債
- -
権(注記 10.3)
償却原価で評価した金融資産、負債性証券 (注記
10,365 -
10.1)
- (941)
償却原価で評価した金融負債 (注記 18.4)
10,365 754
2019 年において、当グループは、ユーロ残高においてよりバランスのとれた満期構造および金利の
更改を実現するため、当グループの事業モデルに基づき(また当該モデルにおいて設定された制限に
従い)償却原価で評価した金融資産(公債)を売却した。処分された金融資産の額面価額は 368 百万
ユーロであり、 10,365 千ユーロの売却益が生じた。
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注記 30 売買目的保有の金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
売買目的保有のデリバティブ (注記7 ) 591 1,023
591 1,023
IFRS 第13号の施行後( 2013 年1月1日)、当グループはデリバティブ証券の評価につき、相手方の
リスクおよび資本信用リスク( CVA-DVA )に対応する調整を組み込まなかった。 2019 年12月31日現在、
本項目において行われた調整(この項目を含む。)は、プラス 4,030 千ユーロに上った( 2018 年12月31
日現在ではマイナス 195 千ユーロ)。
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注記 31 損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産および金融負債による損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
損益を通じて公正価額で評価した持分証券 (注記
1,984 710
8)
1,984 710
注記 32 ヘッジ会計から生じる損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
ヘッジデリバティブ (注記 11) 56,472 56,104
56,472 56,104
本項目は、ヘッジする要素およびヘッジされた要素の公正価額の変動からの利益を含んでいる。
注記 33 その他の営業収益およびその他の営業費用
連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
その他の営業収益
2019 年 2018 年
不動産開発による収益
750 910
1,281 230
その他 (*)
2,031 1,140
(*)主に備品の返品により回収された費用および BBVA による資産管理に対して支払われた前払金が含まれている。
(単位:千ユーロ)
その他の営業費用
2019 年 2018 年
その他 (211) (3)
(211) (3)
注記 34 人件費
2019 年および 2018 年の連結損益計算書における本項目の構成は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
賃金および給与
16,208 15,911
従業員福利厚生費 3,746 3,657
1,592 1,472
その他の費用
21,546 21,040
2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループの職務別および男女別の従業員数は以下の通りであ
る。
従業員の分布
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男性 女性
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
経営陣
15 11 14 4
管理職および技術者 113 108 140 144
8 8 48 52
事務職員
136 127 202 200
2019 年および 2018 年における当グループの職務別および男女別の従業員数の平均は以下の通りであ
る。
従業員の平均分布
男性 女性
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
経営陣
15 11 14 4
管理職および技術者 105 109 137 148
8 8 49 52
事務職員
128 128 200 204
注:第5団体協約( 2008 年10月24日の官報に掲載された。)の調印以降、一般業務職員は専務職員として分類されてい
る。
2019 年において、 33%を超える障害を持つ 当グループの平均従業員数は3名である( 2018 年におい
ても同様)。
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理事会の報酬およびその他の給付金
当グループの親会社である当公庫は、理事会のメンバーが受領する報酬について、賃金、手当およ
びその他の報酬として、 2019 年に 137 千ユーロおよび 2018 年に 92千ユーロを連結損益計算書(「その他
の管理費」の項目)に計上した。これらの報酬は、理事会のメンバーを行政府の上級職と考慮した場
合に、適用ある規制法に従って国庫に支払われた。
当グループの親会社である当公庫の代表取締役および同様の役割を遂行している他の者が、 2019 年
および 2018 年中に受け取った報酬は以下の通りである(単位:千ユーロ)。
2019 年:
給与および賃金
従業員数 その他の賃金 合計
固定 変動
5 583 65 2 650
2018 年:
給与および賃金
従業員数 その他の賃金 合計
固定 変動
5 550 76 2 628
2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫の理事会役員に付与された貸付金はなかった。 2019 年12
月31日現在、従業員への貸付に関する内部規制に基づき付与された貸付金は、残存金額 14,574 千ユー
ロとなり、平均金利は 2.51 %( 2018 年12月31日現在で 15,023 千ユーロとなり、平均金利は 2.51 %)で
あった。
さらに、 2019 年12月31日現在、理事会の過去または現在の理事は年金または生命保険に関する義務
を負っていない。
注記 35 その他の管理費
連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
建物、設備および資材
946 794
コンピューター 3,485 3,450
通信 2,157 2,020
宣伝および広告 1,344 1,113
金利および租税 1,604 1,320
7,830 9,375
その他の一般管理費
17,366 18,072
監査費用
年度会計監査は、国家行政介入局(スペイン語表記の頭文字をとって「 IGAE 」)により行われた。
したがって、監査人の役割は(財務・行政省による)一般的介入により担われるため、この概念にお
ける監査人に対する報酬は存在しない。
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当グループの関連企業である CERSA に対する、当グループの連結に起因した 2019 年および 2018 年の監
査費用(つまり、当グループの CERSA における所有持分の割合に対する未払費用)について、マザーズ
監査人 S.L.P (Mazars Auditores S.L.P )が請求する金額は、毎年5千ユーロである。
マザーズ( 2018 年の年次財務書類の監査業務において協力的なサービスを提供するために IGAE と締
結した契約により、 ICO および当グループの連結年次財務書類の監査を行った。)グループの企業が
2019 年に行った監査業務以外のサービスについて請求した金額(税込)は、 39.5 千ユーロであった
(2018 年は 15千ユーロであった。)。
注記 36 公正価額
その市場価額を確実に見積もることができない貸付、受取債権および持分証券を除き、上記の通
り、金融資産は連結貸借対照表において公正価額で計上される。
同様に、取引ポートフォリオに含まれるものを除き、金融負債は連結貸借対照表において償却原価
で計上される。
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表の「貸付および受取債権」に基づき計上された
資産および「償却原価で評価した金融負債」の項目に基づき計上された負債の一部は、年次金利改訂
を伴う変動金利で計上されており、利率の動向の結果としての公正価額は、連結貸借対照表において
計上されるものと有意差があるとはいえない。これらの公正価額は、割引フローを使用し公正価額の
計算を進める加重平均残存月数および加重平均レートを使用して得たものである。 2019 年および 2018
年12月31日現在、当該運用のために計算された価値は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
簿価 公正価額
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
資産
償却原価で評価した金融資産 28,469,446 32,001,853 28,697,087 32,001,852
負債
償却原価で評価した金融負債 25,813,190 30,295,171 26,077,492 30,317,147
2019 年および 2018 年には、貨幣市場および公債市場のインプリシット・カーブを参照した、全分類
に関する公正価額が計算された。
注記 37 子会社、合弁会社および関連企業の運用
合弁会社 および関連企業 に関連する企業の 2019 年および 2018 年12月における残高は以下の通りであ
る。
CERSA
- 顧客への預金(償却原価で評価した金融負債) :2019 年12月31日現在では 13,995 千ユーロ( 2018
年12月31日現在では 4,198 千ユーロ)
注記 38 英語への翻訳のために追加された説明
これらの連結財務書類は、当グループに適用される財務報告に係る規制上の枠組みに基づき表示さ
れている(注記 1.2 を参照のこと。)。規制上の枠組みに適合し、当グループに適用される特定の会計
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上の慣行は、その他の一般に認められている会計原則および規則と適合しない可能性がある。矛盾が
生じる場合、スペイン語版が優先する。
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別紙Ⅰ
2019 年12月31日および 2018 年12月31日現在の投資
(当グループの親会社としての ICO の直接所有株式および間接所有株式)
2019 年および 2018 年12月31日現在の関連企業および子会社への投資に関連する情報は以下の通りである。
2019 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパ パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ニョーラ・デ・レアフィア カステジャーナ・ 24.26 % - 24.26 % 36,461 - 36,461 445,572 307,385 -
た保証事業の保証支援
ンツァミエント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパ 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ニョーラ・デ・フィナンシ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % - 20.31 % 8,465 - 8,465 146,198 140,582 1,871
アシオン・デル・デサロー ペイン企業の持分での金
ドリッド
ジョ S.A.(COFIDES) 融支援
44,926 - 44,926
子会社
AXIS パルティシパシオネ
ス・エムプレサリアレス・
ロス・マドラソ・
ソシエダ・ヘストラ・デ・ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 12,169 11,609 7,565
38-マドリッド
エンティダデス・デ・キャ
ピタル・リエスゴ S.A.
46,866 - 46,866
2019 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
2018 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値 (*)
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパニョー パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ラ・デ・レアフィアンツァミ カステジャーナ・ 24.26 % - 24.26 % 36,461 - 36,461 426,267 280,854 -
た保証事業の保証支援
エント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパニョー 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ラ・デ・フィナンシアシオ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % - 20.31 % 8,465 - 8,465 136,117 131,469 7,821
ン・デル・デサロージョ S.A. ペイン企業の持分での金
ドリッド
(COFIDES) 融支援
パセオ・デル・プ
EFC2Eヘスティオン S.L. ラド・4 -マド アセットマネジメント 50.00 % - 50.00 % 2 - 2 36 28 (24)
リッド
44,928 - 44,928
子会社
AXIS パルティシパシオネス・
エムプレサリアレス・ソシエ
ロス・マドラソ・
ダ・ヘストラ・デ・エンティ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 12,507 11,061 5,884
38-マドリッド
ダデス・デ・キャピタル・リ
エスゴ S.A.
46,868 - 46,868
(*)2018 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
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別紙Ⅱ
年次銀行報告書
本年次銀行報告書は、信用機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号第 87条に
準じて作成されたものである。当該条項に従い、 2016 年1月1日より、信用機関は、スペイン中央銀行に対
し、監査に係る規制に従い、かかる信用機関が事業所を有する国別に内訳を出した監査済財務書類の別紙と
して、以下に関する連結ベースの情報を提出し、毎年開示しなければならない。
a) 名称、事業活動の性質および地理的所在地
b) 収益
c) フルタイム当量 従業員数
d) 税引前 総損 益
e) 法人税
f) 受領した公的補助金および援助
2019 年および 2018 年に係る年次銀行報告書の作成に用いられた基準は以下の通りである。
a) 名称、事業活動の性質および地理的所在地
この情報は当グループの連結財務書類の注記1において記載されている。スペイン開発金融公庫の場合、
当グループによって展開された主要な事業活動は、直接融資および仲介信用供与活動であり、同活動の展開
は、 ICO が国外に事業所も子会社も有していないため、スペインの法域内のみに限定されている。
b) 収益
本報告書において、収益は、当グループの連結年次財務書類の一部を構成する連結損益計算書において定
義および示される、営業利益純額の合計である。
c) フルタイム当量従業員数
フルタイム当量従業員についてのデータは、当グループの平均従業員数から得られたものである。
d) 税引前総損益
本報告書において、税引前総損益は、当グループの連結損益計算書において定義および示される税引前損
益である。
e) 法人税
連結損益計算書において、未収の税金は法人税の項目に含まれ、計上されている。
f) 受領した公的補助金および援助
現行の法律で要求される情報に関し、受領した公的補助金および援助は、国庫補助に関する欧州委員会の
ガイドラインに基づく援助および補助金をいう。この点について、当グループの企業は、 2019 年または 2018
年のいずれにおいても公的な補助金または援助を受けていない。
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2019 年および 2018 年における数値の詳細は、以下の通りである(単位:千ユーロ)。
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
地域 収益 平均従業員数 税引前総損益 法人税
スペイン
98,274 338 154,213 44,835
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
地域 収益 平均従業員数 税引前 総損 益 法人税
スペイン
63,486 332 117,330 41,659
2019 年12月31日現在、当グループの資産利益率( ROA )(連結純利益を資産合計の平均で除した値。)は、
0.45 %と見積もられた。
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有価証券報告書
スペイン開発金融公庫
2019 年12月31日現在の連結財務書類の承認
現行の法律に従い、議長は、このページより前の書類で構成され、スペイン語原文で 153 ページにおよぶ
2019 年に関する当公庫および従属事業体の連結財務書類ならびに連結経営報告書を承認する。
マドリッド、 2020 年3月 30日
D.ホセ・カルロス・ガーシア・デ・ケベード・ルイズ
理事長
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2019 年度財務書類
貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2019 年 2018 年
現金、中央銀行等への預金および要求払預金 6 784,455 1,669,485
69,407 109,154
売買目的保有の金融資産 7
デリバティブ
69,407 109,154
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 - -
損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でな
8 - 21,580
い金融資産
1,826,137 1,671,294
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
持分証券
827,551 642,090
負債性証券 998,586 1,029,204
貸付金 - -
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 - -
28,469,446 32,001,770
償却原価で評価した金融資産 10
負債性証券
7,843,423 9,503,883
20,626,023 22,497,887
貸付金
信用機関
10,215,054 12,436,396
顧客 10,410,969 10,061,491
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 -
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貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2019 年 2018 年
デリバティブヘッジ 11 393,353 485,855
46,866 46,868
子会社、合弁企業および関連企業への投資 12
子会社
1,940 1,940
合弁企業 - -
関連企業 44,926 44,928
86,966 88,099
有形固定資産 13
有形固定資産
自己使用目的 86,966 88,099
(備忘事項 )ファイナンスリースによる取得 - -
6,873 6,949
無形資産 14
その他の無形資産
6,873 6,949
103,608 100,984
税金資産 15
当期
8,557 2,985
繰延 95,051 97,999
その他の資産 16 35,714 34,543
売却目的保有の非流動資産および可処分要素グループ 17 - -
31,822,825 36,236,581
資産合計
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貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
負債 注記 2019 年 2018 年
69,313 104,885
売買目的保有の金融負債 7
デリバティブ
69,313 104,885
損益を通じて公正価額で評価した金融 負債 - -
25,824,723 30,307,204
償却原価で評価した金融負債 18
預金 9,688,347 10,447,862
中央銀行からの預金
499,902 -
信用機関 8,489,132 9,459,822
顧客 699,313 988,040
市場性を有する負債性証券 15,734,424 19,147,495
その他の金融負債 401,952 711,847
(備忘事項)劣後債 - -
デリバティブヘッジ 11 240,245 253,805
303,540 280,195
引当金 19
年金および年金類似債務
579 919
税金およびその他の法的臨時費の引当金 - -
偶発債務および不確定約定額の引当金 7,778 1,442
その他の引当金 295,183 277,834
33,948 23,854
税金負債 15
当期
1,005 957
繰延 32,943 22,897
その他の負債 16 7,277 4,926
26,479,046 30,974,869
負債合計
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貸借対照表
2019 年および 2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資本 注記 2019 年 2018 年
5,364,272 5,318,894
自己資本 20
資本金または寄付金
4,314,033 4,313,744
累積準備金 - -
再評価準備金 20,858 23,591
その他の準備金 922,440 908,349
当期損益 106,941 73,210
配当金および分配金控除 - -
(20,493) (57,182)
その他の累積包括利益 21
損益として再分類不可能な要素 36,916 6,369
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額持
36,916 6,369
分証券の変動
(57,409) (63,551)
損益として再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ
(60,186) (73,435)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額負
2,777 9,884
債性証券の変動
5,343,779 5,261,712
資本合計
31,822,825 36,236,581
資本および負債合計
備忘事項
449,279 475,124
付与された保証 22
3,531,853 3,212,563
付与された不確定約定額 22
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損益計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2019 年 2018 年
利息および類似収益 24 347,095 396,926
利息および類似費用 25 (375,158) (493,452)
(28,063) (96,526)
利息収益純額
配当金収益 26 7,394 5,339
受取手数料 27 42,654 45,722
支払手数料 27 (7,603) (8,846)
69,412 58,591
金融業務による損益 (純額 )
公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益
10,365 754
28
(純額 )
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
- 1,695
償却原価で評価した金融資産 10,365 -
償却原価で評価した金融負債 - (941)
売買目的保有の金融資産および金融負債による損益 (純額 ) 29 591 1,023
損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産による損
30 1,984 710
益(純額 )
ヘッジ会計から生じる損益 (純額 ) 31 56,472 56,104
為替差損益 (純額 ) 2.4 4,928 49,884
その他の営業収益 32 2,020 1,064
その他の営業費用 32 (211) -
90,531 55,228
売上総利益
(36,139) (35,288)
管理費
人件費 33
(20,202) (19,724 )
その他の管理費 34 (15,937) (15,564)
(3,906) (5,102)
減価償却費
有形固定資産 13
(2,012) (2,087)
無形資産 14 (1,894) (3,015)
引当金経費または引当金の戻入 19 (5,904) (1,655)
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損益計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2019 年 2018 年
損益を通じて公正価額で評価されない金融資産の減損または減損
102,077 99,872
の戻入
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
(5,700) -
償却原価で評価した金融資産 10 107,777 99,872
(316) (148)
非金融資産の減損または減損の戻入
営業権およびその他の無形資産 14
- -
その他の資産 13、17 (316) (148)
廃止事業に分類されない売却目的保有の非流動資産に係る損益 17 2,910 -
継続事業税引前損益 149,253 112,907
継続事業法人税費用 (収益 ) 23 (42,312 ) (39,697 )
継続事業税引後損益 106,941 73,210
廃止事業税引後損益 - -
106,941 73,210
当期損益
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資本変動表
I. 認識損益計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2019 年 2018 年
106,941 73,210
当期損益
36,689 73,698
その他の包括利益
30,547 12,654
損益計算書に再分類されない要素
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公
21
43,638 18,077
正価額持分証券の変動
ヘッジ会計損益 - -
損益に再分類されない要素の法人税 (13,091) (5,423)
6,142 61,044
損益に再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ、有効部分 21
18,927 77,331
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した負
21 (10,153) 9,874
債性証券
損益に再分類可能な要素の法人税 (2,632) (26,161)
143,630 146,908
認識損益合計 (包括損益 )
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資本変動表
Ⅱ.資本変動総額表
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
自己資本
2019 年12月31日現在
その他の
配当金
資本
資本 その他の
資本金/ 自己株式 資本
準備金 当期損益 および 累積
合計
寄付金 控除 合計
剰余金 資本性証券
分配金控除
包括利益
2018 年12月31日付期末残高 4,313,744 - 931,940 - - 73,210 - 5,318,894 (57,182) 5,261,712
106,941 106,941 36,689 143,630
認識損益合計
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
289 289 289
資本項目間移転 26,147 (73,210) 47,063 - -
その他の資本増減 (14,789) (47,063) (61,852) (61,852)
その他の資本変動合計 289 11,358 (73,210) (61,563) (61,563)
4,314,033 - 943,298 - - 106,941 - 5,364,272 (20,493) 5,343,779
2019 年12月31日付期末残高
自己資本
2018 年12月31日現在
その他の
配当金
資本 その他の 資本
資本金/ 自己株式 資本
累積
準備金 および
合計
寄付金 控除 当期損益 合計
剰余金 資本性証券
分配金控除
包括利益
2017 年12月31日付期末残高 4,313,067 - 996,289 - - 101,923 - 5,411,279 (130,880) 5,280,399
会計方針変更による影響額 - - (105,118) - - - - (105,118) - (105,118)
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調整期首残高 4,313,067 - 891,171 - - 101,923 - 5,306,161 (130,880) 5,175,281
- - - - - 73,210 - 73,210 73,698 146,908
認識損益合計
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
677 - - - - - - 677 - 677
資本項目間移転 - - 40,769 - - (101,923) 61,154 - -
その他の資本増減 - - - - - - (61,154) (61,154) - (61,154 )
677 - 40,769 - - (101,923) - (165,595) (60,477 )
その他の資本変動合計
4,313,744 - 931,940 - - 73,210 - 5,318,894 (57,182) 5,261,712
2018 年12月31日付期末残高
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キャッシュフロー計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2019 年 2018 年
A. 営業活動からのキャッシュフロー
(835,561) (1,175,169)
1. 当期損益
106,941 73,210
2. 営業上のキャッシュフローを得るための調整額 (70,367) (124,387)
減価償却費
3,906 5,102
その他の調整額 (74,273) (129,489)
3,629,590 4,828,848
3. 営業資産純増減額
取引ポートフォリオ
39,747 55,617
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産 21,580 (21,580)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 (154,843) (294,902)
償却原価で評価した金融資産( 2019 ) 3,634,401 4,870,908
その他の営業資産 88,705 218,805
(4,509,194) (5,932,269)
4. 営業負債純増減額
取引ポートフォリオ
(35,573) (56,122)
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融負債 - -
償却原価で評価した金融負債 (4,482,481) (5,750,766 )
その他の営業負債 8,860 (125,381)
7,469 (20,571)
5. 法人税の回収および支払
B. 投資活動からのキャッシュフロー
(2,695) 598,721
6. 支払 (2,697) (6,480,678)
有形固定資産 13
(879) (222)
無形資産 14 (1,818) (2,084)
株式 12 - (2,424)
売却目的保有の非流動資産および負債 17 - -
償却原価で評価した負債性証券( 2008 ) - (6,475,948)
投資活動に関連するその他の支払 - -
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キャッシュフロー計算書
2019 年および 2018 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2019 年 2018 年
7. 回収 2 7,079,399
有形固定資産 13
- -
無形資産 14 - -
株式 12 2 -
売却目的保有の非流動資産および負債 17 - 22
償却原価で評価した負債性証券( 2008 ) - 7,079,377
投資活動に関連するその他の回収 - -
C. 金融活動からのキャッシュフロー
(46,774) (60,477)
8. 支払 (47,063) (61,154)
配当金
(47,063) (61,154)
劣後債務 - -
自己持分証券の償還 - -
自己持分証券の取得 - -
金融活動に関連するその他の支払 - -
9. 回収 289 677
劣後債務
- -
自己持分証券の発行 - -
自己持分証券の処分 - -
金融活動に関連するその他の回収 20 289 677
D. 為替レート変動影響額
- -
E. 現金および現金同等物の純増減額
(885,030) (636,925)
F. 現金および現金同等物の期首残高
1,669,485 2,306,410
G. 現金および現金同等物の期末残高
784,455 1,669,485
備忘事項
当期末における現金および同等物部分
現金 6 12 12
現金同等物の中央銀行等への残高 6 709,633 1,408,355
その他の金融残高 6 74,810 261,118
払戻し可能な当座借越し控除 - -
2019 年12月31日に終了した年度
の年次財務書類の注記
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注記1 概要、財務書類の作成方針およびその他の情報
1.1 当公庫の概要
スペイン開発金融公庫 (「当公庫」または「 ICO 」)は政府金融機関の組織および管理に関する 1971
年6月 19日法律第 13号により設立され、予算、租税および財政に係る緊急措置に関する 1995 年12月28
日勅令法第 12号が公表されるまで、 1988 年一般国家予算に関する 1987 年12月30日法律第 33号第 127 条お
よび 1971 年法律第 13号の廃止されなかったいくつかの条項により規制された。
当公庫は、マドリッドのパセオ・デル・プラド4に所在し、すべての活動を同地で行い、スペイン
国内にその他の支店網を有していない。
当公庫は公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号第 103 条に定める形態の公共事業体であ
り、経済・企業支援担当大臣を通じて経済・デジタル変革省に属する。当公庫は法に基づく金融機関
であり、国家の財務代理人と考えられており、目的達成のための経営の独立性に加えて、法人格、資
産および財源を有している。
経済・企業支援担当大臣は当公庫の戦略的経営、ならびに当公庫の事業活動による業績の評価およ
び管理について責任を負う。
当公庫は、公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号の条項、予算、租税および財政に係
る緊急措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号追加条項第6条、 1998 年9月 23日勅令第 1091 号によ
り承認された一般予算法の適用条項、 1997 年4月 14日法律第6号への ICO の適合に関して 1999 年4月 30
日勅令第 706 号により承認された ICO の定款およびかかる定款の承認( 1999 年5月 13日政府官報第 114
号)、また上記の法規によって規定されていないその他の事項については、金融機関に適用される特
別の法規ならびに民法、商法および労働法に服している。
企業統治業務の改善策を導入するため、スペイン開発金融公庫( ICO )の定款に係るいくつかの条文
を修正する 2015 年12月18日勅令第 1149 号が 2015 年末に、内閣によって承認された。同年 10月に公共部
門法体制に関する法律が、これに基づき成立し、かかる法律により初めて政府金融機関に4人の社外
取締役が選出された。また、評判、経歴および不適合性等の対象の選出基準が設定され、任期は3年
間有効で、1回のみ追加で3年間更新することができることとされた。当公庫において財政問題が生
じた場合、社外取締役はそれぞれ2票投票することができ、よって理事会(理事会は、理事長と 10名
の理事(以前は9名)で構成される。)においては社外取締役が多数派となる。さらに、すべての理
事の任命および解任は経済・デジタル変革大臣の提案の下、内閣に委ねられることが決定された。
内閣によって承認された勅令は、これらの調整を発展させる。社外取締役として選任されるための
要件には、商業的かつ専門的な高い社会的評価、適切な知識および経験を有すこと、潜在的、永続的
な利益相反がないこと、また、自営または雇用された立場において、 ICO と競合になりうる活動を展開
しないことが含まれる。さらに、信用機関、金融信用機関、投資機関、集団投資スキームおよびリス
ク・キャピタル企業またはこれらの子会社ならびにこれらが所属するグループに関連のない者である
ことが要件となっている。
理事会の理事は、常に ICO の利益のために行動しなくてはならず、またその業務を行う上で得た情
報、データ、レポートおよび機密のバックグラウンドを、かかる業務が終了した後も外部に漏らして
はならない。経済・デジタル変革大臣により辞職が承認された場合、社外役員の任期が終了した場
合、また、公共部門からの理事に関しては解約された場合は、解任されることがある。守秘義務の重
大な違反または利益相反等の場合と同様に、社外取締役の適性が予期せず欠如している場合には、解
任されることがある。
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当公庫の目的は国富の増大および分配の増進に寄与する経済活動、とりわけ社会、文化、技術革新
および環境の面から奨励に値する活動を支援、促進することである。
かかる目的を達成するために、当公庫は財政の均衡原則および手段と目的の一致を厳格に遵守す
る。
また当公庫の職務は以下の通り定められている。
a) 内閣または政府経済問題委員会の指図に従い、深刻な経済危機、自然災害またはこれに類似の状
況により生じる経済に対する影響を緩和するように貢献すること。
b) 当公庫の理事会により採択された規則および決定に従い、内閣、政府経済問題委員会または経
済・デジタル変革省の定める基本的な方針を遵守して、経済政策の諸措置を実施する主たる機関と
して行為すること。
かかる目的および職務の中に含まれる業務の種類は、以下の通りである。
1. 中小企業、住宅建設、通信、スペイン事業の国際化等の一定の部門および戦略的活動に対して金
融支援を行う直接的な貸付業務および仲介業務、ならびに 1993 年1月 15日閣議決定(「 RCM 」)に従
い、現在のバンコ・デ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア・エセ・アー(「 BBVA 」)に統合さ
れている国立銀行から移譲された業務。
2. 相互金利調整契約(スペイン語表記の頭文字をとって「 CARI 」)。かかる輸出援助システムは、
当該システムを利用するスペインまたは外国の金融機関のために良好な財務実績を保証する。当公
庫は仲介機関としてのみ行為し、各年度の一般国家予算法で許容されている通り管理費用は国家が
負担する。
関与した各銀行との金利調整純額は、各調整額が、受取残または支払残のいずれであるかによ
り、国家が支払うか、または当公庫を通じて支払われるかで、通常は相殺される。
3. 開発プロモーション基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FONPRODE 」)。かかる基金は 2010
年に 2010 年法律第 36号の下で設立された。その目的は国家から国家への補助金という形で発展途上
国の開発プロジェクトおよび開発計画に資金供給することである。当公庫はかかる取引に関して、
スペイン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫
が保有する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO
に対して管理費用が補填 され る。 2010 年12月現在、この特定の基金は、 1998 年以降 FONPRODE に統合
されるまで、同じく当公庫によって管理されている小口融資を供与するための基金を取得した。
4. 法人国際化基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FIEM 」)。かかる基金は 2010 年に 2010 年法
律第 11号の下で設立された。その活動は、利権または市場条件の下、スペインの財貨およびサービ
スの取得ならびにスペインの投資プロジェクトの遂行または国益の取得および遂行に結びつくプロ
ジェクトに対して、返済可能な資金供給を行うことである。当公庫はかかる取引に関して、スペイ
ン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫が保有
する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO に対し
て管理費用が補填される。
5. 水道および公衆衛生協力基金。当該基金は、 2008 年度一般国家予算に関する 2007 年12月26日法律
第51号追加条項第 61条に基づき設立された。その目的は、中南米諸国の国家機関との金融取り決め
の下、とりわけスペインとの協力を重視し、水道および公衆衛生プロジェクトに対して資金を提供
することである。
6. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、地方団体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは
自治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済
的持続性を保証するものである。当ファンドの自己資本は供給者支払のための融資基金( 2012 年勅
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令第4号および 2012 年勅令第7号により成立)の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利お
よび義務の下施行される。)により供給されたものである。 ICO は、取引業者の役割を担っている
が、 これらの業務はその会計帳簿には記録されていない。この業務により、当公庫には関連する取
引手数料が生じている。
7. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、自治体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは自
治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済的
持続性を確保するものである。当ファンドの自己資本は 2012 年勅令第 21号により設立された自治区
流動性基金の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利および義務の下施行される。)により
供給されたものである。さらに、自治体に関しては、供給者への支払に関する融資メカニズムの自
己資本部分に含まれている。 ICO は、取引業者の役割を担っているが、これらの業務はその会計帳簿
には記録されていない。この業務により、当公庫には取引手数料が生じている。
2.から 7.の業務は、それぞれに適用される法律に従って、当公庫の勘定には含まれない。
1.2 年次財務書類の作成方針
2019 年12月31日に終了した年度の当公庫の年次財務書類は、信用機関の公開および機密の金融報告
基準およびフォーマットに関する、 2017 年11月27日スペイン中央銀行 通達第4号(「 2017 年通達第4
号」)(その後の改正を含む。)の条項に従って作成されている。かかる通達は、国際会計基準に関
する欧州議会および理事会による 2002 年7月 19日の 2002 年EC規則第 1606 号に基づき、スペインの信用
機関に、欧州連合に採用された国際財務報告基準(「 IFRS-EU 」)を実施し、適用させるものである。
その他の一般的なスペインの事業および会計基準ならびにその他の該当するスペイン銀行の通達およ
び基準もまた、これらの年次財務書類の作成に使用されている(適切な場合には、年次財務書類に対
するこれらの注記における基準において必要とされる開示を含む。)。
当公庫の 2019 年12月31日に終了した年度の年次財務書類は、すべての会計原則および基準ならび
に、 2019 年12月31日における当公庫の資本および財政状態、ならびに前述の適用ある財政状態報告枠
組みおよび特にそのうちの会計原則および基準に従い、その後に終了した会計年度における運営およ
びキャッシュフローの結果について、すべての重要な点において、真実かつ公正な見解を与えるため
に適用される必須の測定基準に従い、作成された。
これらの年次財務書類に記載される 2018 年の情報は、 2019 年に関連する情報との比較のみを目的と
して表示されており、したがって、 ICO の2018 年年次財務書類を構成するものではない。
2019 年12月31日に終了した年度における当公庫の年次財務書類の作成に適用された主要な会計方針
および測定基準は注記2に要約されている。
2018 年12月、財務情報の公開および保留に関する 2017 年通達第4号を修正する 2018 年12月21日スペ
イン中央銀行通達第2号が公布された。この基準は、 2019 年1月1日付で効力が発生し(当グループ
の2018 年の年次財務書類には影響しない)、これをリースに関する IFRS 第16号に適用させるため、
2017 年通達第4号を修正する。当公庫の場合、そのリース契約はこの基準の客観的範囲に該当しない
ため、その施行がこれらの事業の計上に影響を及ぼすことはない。
2019 年1月1日から 12月31日の間の期間に発生した主な規制変更
期限の過ぎた債務の重要な閾値を(支払能力を目的として)定義するための 2013 年EU規則第 575 号に
より付与された権限の行使に関する 2019 年10月22日通達第3号
当該基準は、 2020 年12月1日より強制適用される予定である。しかしながら、 ICO は、当該決定につ
いて適切な時期および適切な形で規制当局との連絡を行っていたことから、当該規定を 2020 年1月1
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日から適用する。設定される閾値は(絶対的および相対的な観点で)非常に規模の小さいデフォルト
を伴う事業にのみに影響し、このような事業は依然として ICO の現在の事業の範囲外であるため、一般
的に、当公庫が受ける基準の影響は最小限である。
信用機関の支払能力に関する 2013 年EU規則第 575 号( CRR Ⅱ)を修正する、 2019 年5月 20日EU規則第
876 号
一般的に、当該規則は 2021 年6月 28日から効力が発生するが、一定の規定(適用範囲、監督権限、
定義、許容資本および負債ならびにレバレッジ比率の定義)については、 2019 年6月 27日付で効力が
発生した。当該規定が ICO にもたらす影響はない。
当公庫の 2019 年の年次財務書類は、 2020 年3月 30日付で理事長により作成され、当公庫の理事会お
よび当グループの親会社による承認を待っている。本年次財務書類の単位は、別段の記載のない限
り、千ユーロである。
1.3 情報および見積りに対する責任
2019 年12月31日に終了した年度の年次財務書類およびそれらの年次財務書類に関する注記に記載さ
れる情報の作成責任は理事長にある。これらの年次財務書類の作成中に、かかる財務書類に含まれる
特定の資産、負債、収益、支出および約定額の数値化に ICO による見積りが使われている。これらの見
積りは概ね以下の通りである。
-特定の資産の減損(注記 2.7 )
-退職給付金に関する負債および約定額ならびにその他の従業員に対する長期約定額の保険数理上
の計算基礎(注記 2.10.2 )
-固定資産および無形資産の耐用年数(注記 2.12 および 2.13 )
-付与された不確定約定額から生じる将来の債務に関する損失(注記 2.14 )
-一部の簿外資産の公正価額(注記 2.2.3 )
-税金資産の回収(注記 2.11 )
これらの見積りは、分析された事実に関連して、 2019 年12月31日現在で入手可能な最良の情報に基
づいているが、当該年度の損益計算書における見積りの変動の影響を認識するために、今後数年のう
ちに、将来の何らかの出来事により、予め見積りの(上方または下方の)大幅な修正がなされる可能
性がある。
1.4 旧アルヘンタリアからの資産および負債の譲受
今は存在しない会社であるが、アルヘンタリア、カハ・ポスタルおよびバンコ・イポテカリオ・エ
セ・アーは、コルポラシオン・バンカリア・デ・エスパーニャ・エセ・アー、バンコ・エクステル
ノ・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BEX )、カハ・ポスタル・エセ・アーおよびバンコ・イポテカリ
オ・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BHE )の合併の結果、 1998 年9月 30日付の合併証書で正式に設立
された。バンコ・デ・クレディト・アグリコラ・エセ・アー( BCA )はカハ・ポスタル・エセ・アーに
より吸収されており、バンコ・デ・クレディト・ロカル・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BCL )もま
た前記の法人(アルヘンタリア)に所属し法人格を維持している。
1993 年2月 15日の ACM の規定に従い、当公庫は、 1992 年12月31日、スペイン政府または当公庫が保証
している経済政策業務から生じる BCL 、BHE 、BCA および BEX の資産および負債を取得し、とりわけ転換
期にある企業(転換および産業再編改革法の適用を受けている)に対する信用供与および保証を取得
した。また、洪水の犠牲者に対する特別融資に加え、かかる事業体が上場株式会社になる前に供与し
た貸付、ならびにその他の資産、権利および企業持分も取得した。
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また、 1993 年3月 25日に、譲渡された資産および負債に関する管理契約が関係銀行との間で調印さ
れた。同契約は、現行の銀行法に従う管理および正確な会計について定める。
2019 年1月、譲渡された資産および負債のマネジメントならびに管理および簿記を当公庫は引き受
けた。 2019 年12月31日現在、純資産の残高は 57千ユーロであり、また当年中に創出された利益は、 154
千ユーロ( 2018 年12月31日現在、純資産は 487 千ユーロであり利益は 262 千ユーロであった。)であっ
た。
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1.5 連結年次財務書類の表示
さらに、当公庫が直接管理している業務について、 ICO は、様々な活動を行い ICO とともに ICO グルー
プ全体を構成する、従属的企業から構成されるグループのリーダーである。結果として、当公庫は、
その年次財務書類とは別に、合弁企業および関連会社の保有に関する現行の法律に従って、 ICO グルー
プの連結財務書類を作成している。
スペイン商法第 42条に従い、当公庫は本年次財務書類と同日付で連結年次財務書類を作成した。
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表、損益計算書、資本変動総額表および認識損益計算書
の連結の結果は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
単体 連結 単体 連結
資産
31,822,825 31,841,654 36,236,581 36,251,045
資本 5,343,779 5,373,581 5,261,712 5,286,764
当期損益 106,941 109,378 73,210 75,671
資本における認識損
143,630 146,067 146,908 149,369
益合計
現金または現金同等
(885,030) (884,882) (636,925) (636,925)
物における損益純額
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1.6 環境影響および温室効果ガス排出権
ICO の国際取引は、環境保護に関する法律に従っている。当公庫は、当公庫がこれらの法律に実質的
に準拠しており、その準拠を確保および奨励するよう設計された手続きを維持していると考えてい
る。
また、当公庫は、適切な環境保護・改善措置を実施しており、環境影響を可能な限り最小化するた
め、これについての規則を遵守していると考えている。 2019 年および 2018 年、当公庫は重大な環境投
資を実施しておらず、環境リスクおよび費用のための引当金を計上する必要はないと考えている。ま
た、当公庫は、環境保護・改善に関連する重大な偶発事象が存在するとは考えておらず、温室効果ガ
ス排出権を有していない。
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1.7 最低資本
1.7.1 最低自己資本比率
スペイン中央銀行は 2008 年5月 22日に、最低自己資本の識別および管理に関して、 2008 年通達第3
号を発布した。前記通達は、投資比率、自己資本および情報についての金融仲介機関の義務、ならび
に他の金融システムに関する 2007 年11月16日法律第 36号( 1985 年5月 25日法律第 13号を改正)により
発布された自己資本および連結ベースでの信用機関の監督に関する法制度等(信用機関自己資本に関
する 2008 年2月 15日勅令第 216 号を含む。)について、金融機関業界における最終的な展開を示してい
る。前記通達はまた、スペインの金融機関の法制度に、金融機関の事業に関する欧州議会および理事
会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 48号(改正後)、ならびに投資サービス会社および金融機
関の自己資本比率に関する欧州議会および理事会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 49号(改正
後)を適合させる過程を完了させるものでもあった。かかる二つの指令は、バーゼル銀行監督委員会
により採択された同様の規制(バーゼルⅡとして知られている。)を受けて、金融機関および金融機
関の連結グループが満たすべき最低資本要件について大幅に改正された。
従前の銀行業の健全性規制に関する法令( 1985 年5月 25日法律第 13号および 2008 年スペイン中央銀
行通達第3号)に替わり、 2014 年1月1日より、金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014
年6月 26日法律第 10号が施行された。これまで欧州連合は、その法制度として 2010 年12月よりバーゼ
ルⅢに移行しており、 2012 年EU規則第 648 号を修正する金融機関および投資サービス会社の健全性要件
に関する欧州議会および理事会による 2013 年6月 26日EU規則第 575 号、ならびに 2002 年EC指令第 87号を
修正する金融機関の活動ならびに金融機関および投資サービス会社の健全性監督に関する欧州議会お
よび理事会による 2013 年6月 26日EU指令第 36号を採用し、また欧州連合の監督および信用機関の支払
能力の基準にスペインの法律を適合させるための緊急措置として、 2013 年11月29日勅令法第 14号に当
公庫のシステムを置き換えることで、 2006 年EC指令第 48号および 2006 年EC指令第 49号を廃止した。
2014 年6月 26日法律第 10号の主な目的は、 2013 年6月 26日EU規則第 575 号( CRR )の規定を直接的に
組み込み、正式に 2013 年6月 26日EU指令第 36号( CRD )に移行することで、国際舞台および欧州連合に
課せられている規制変更にスペインの法律を適合させることである。当該コミュニティ規制は、監督
体制、資本要件および罰則等の側面が大々的に修正されてきたことにより、金融機関に適用される規
則の実質的な変更をもたらした。
CRR および CRD は、欧州連合における資本要件を規制し、以下に記載するバーゼルⅢの資本規制の枠
組みまたは協定に定められた提案を含む。
-加盟国に直接適用される CRR は、金融機関の健全性要件を含み、とりわけ以下の事項を扱ってい
る。
-ハイブリッド商品が満たさなければならない要件を設定し、少数株主持分の適格性を制限す
る、適格自己資本の要素の定義。
-各資本区分における調整項目および控除項目の定義。この点において、規則はバーゼルⅡに新
たな控除項目(繰延税金資産、年金基金)を組み入れ、既存の控除項目の変更を導入する。一
方で、規則はその完全な実施までに、5年から 10年の段階的な予定を設定している。
-自己資本の三つの水準(普通株式等 Tier 1比率 4.5 %、 Tier 1比率6%および最低資本合計比率
8%)を定める最低要件の設定(第一の柱)。
-信用機関がレバレッジ比率( Tier 1をリスクに対して未調整の総エクスポージャーで除した値
として定義される。)を算定するための要件。開示要件は、 2016 年以降に適用され、最終的な
定義は監督者により 2017 年に設定された。
-加盟国が、それぞれの基準に従って、国内法令に組み込まなければならない CRD の意図および主た
る目的は、金融機関および投資会社の活動の透明性ならびにその統治および監督の枠組みについ
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て国内法令を調整することである。 CRD は、とりわけ、 CRR で設定された資本要件に加えて、 2019
年までに段階的に導入される資本要件を含んでいる。以下に従わないことは、利益の任意分配に
対する制限を伴う。
-バーゼルⅢの規制の枠組みを拡大する、金融規則の景気循環増幅効果を軽減するための資本保
全バッファーおよび反循環的な資本バッファー。すべての信用機関は、普通株式等 Tier 1に上
乗せする 2.5 %の資本保全バッファーおよび普通株式等 Tier 1に上乗せする、機関特有の反循
環的な資本バッファーを維持しなければならない。
-グローバルなシステム上重要な機関およびその他のシステム上重要な機関が、システミックリ
スクまたはマクロ健全性リスク(すなわち、特定の加盟国における金融システムおよび実体経
済に深刻な悪影響を与えうる、金融システムの混乱リスク)を軽減するためのシステミックリ
スクバッファー。
-さらに、 CRD は、監督責任の範囲内で、所轄官庁が、 CRR に記載の最低要件(第二の柱)を上回
る自己資本額の維持を金融機関に要求することが可能であると規定している。
金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号の追加条項第8条による
と、規則により規定されていない限り、スペイン開発金融公庫は、当該法律の第Ⅱ編(金融機関の支
払能力)、第Ⅲ編(監督)および第Ⅳ編(法的罰則)ならびに情報の守秘義務に関する規定を適用す
る。
2015 年から、スペイン中央銀行の 2014 年通達第2号に従い、この基準において設定された資本バッ
ファーが適用される。今日まで、今年度の銀行監督者によって特定の反循環的な資本バッファーの金
額は設定されていない。 ICO は、グローバルなシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字を
とって「 EISM 」)ではなく、またシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字をとって
「EIS 」)としてみなされることもない。
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2019 年および 2018 年12月31日現在の ICO グループの算出可能な資本は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
5,067,939 5,179,437
普通株式等 Tier 1(*)
-資本金
4,314,033 4,313,744
-準備金および調整項目 (**) 753,906 865,693
- -
Tier 2
-その他の準備金 (**)
- -
- -
-一般支払不能リスクヘッジ
5,067,939 5,179,437
算出可能資本合計
2,139,560 2,243,085
最低資本合計 (***)
(*) 当グループは追加の Tier 1を有していない。
(**) 当グループの算出可能資本の計算に用いる合計準備金は、資本の計算において、無形資産の修正および準備金の
修正が行われているため、連結貸借対照表の額とは異なる。
(***) 2019 年に当グループについてスペイン銀行により設定された、リスク加重資産( RWA )の 17.34 %( 2018 年は
17.625 %)として計算している。
2019 年および 2018 年12月31日現在の当グループの最低資本の最重要データは、以下の通りである
(単位:千ユーロ)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
Tier 1 5,067,939 5,179,437
12,338,868 12,726,723
リスク加重資産
41.07 % 40.70 %
Tier 1比率 (%)
5,067,939 5,179,437
算出可能資本合計
41.07 % 40.70 %
算出可能資本合計比率 (%)
17.34 % 17.625 %
最低算出可能資本比率 (%)(*)
(*) ICO グループの自己資本についてスペイン銀行により設定された 2019 年3月 16日以降の最低資本比率の合計は、
2013 年EU規則第 575 号により設定された要件(8%)、ならびに集中リスクおよび事業リスクならびに資本に関す
る自己評価報告書に記載されるその他のリスクをカバーするための追加の必要資本( 6.84 %)ならびに資本バッ
ファー( 2019 年1月1日以降 2.5 %)を考慮すると、 17.34 %である。
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2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループの算出可能資本は、当公庫により規定されている最
低要件をそれぞれ 2,928,379 千ユーロおよび 2,936,352 千ユーロ上回っている。
1.7.2 最低支払準備率
当公庫は最低支払準備率を満たすために、ユーロ圏の国の中央銀行に預けられている資金の最低レ
ベルを維持しなくてはならない。 2019 年12月31日現在、このレベルは算出可能な負債の2%であっ
た。 2011 年11月24日に 2011 年EU規則第 1358 号が発効し、追加的な算出可能な負債(2年超の通知期間
を条件として引出可能な2年超の定期預金、現先取引による販売および2年超の満期を持つ株式以外
の証券)について1%が要求される。この修正は 2012 年1月 18日に開始した積立期間の後に適用され
た。
2019 年および 2018 年12月現在、ならびに 2019 年および 2018 年中、 ICO は適用あるスペインの規制に基
づく最低比率を遵守した。
1.7.3 資本管理
当公庫は、支払能力に関し適用される法制度( 2013 年EU規則第 575 号)に規制される算出可能な Tier
1および Tier 2の管理を目的として、資本を検討している。
この意味において、常にスペイン銀行により企業について設定された下限を上回る支払能力比率を
維持するための資本管理システムに、資本要件規制は直接的に盛り込まれている。この目標は、適切
な資本計画によって達成されている。
1.8 後発事象
上記 2006 年法律第 42号で修正された租税、行政および社会保障措置に関する 2001 年12月27日法律第
24号追加条項に従い、旧金融公庫と当公庫が付与した一定の与信および保証枠に基づき中央政府が ICO
から借入れた債務の返済によって回収される金額は、当公庫の資本の一部を構成する。 2019 年の見積
総額は 170 千ユーロであり、 2020 年に計上される。
2020 年、スペイン開発金融公庫は、国家財務当局の地位において政府の命令を受け、事業および個
人に対する新たな信用枠を打ち出した。当方針の目的は、スペインの信用制度に更なる流動化をもた
らし、組織的目標の枠組み内における他の需要に取り組むことである。承認を得た主な信用枠は、以
下の通りである。
-2020 年ICO の企業および起業家向け融資枠:この ICO の信用枠は、国内で投資を行い、かつ流動性
ニーズを満たす必要のある自営業者および企業に対して融資を行う。個人および家主団体も、住
宅の修復のためにこの信用枠を利用することができる。
-2020 年ICO のSGR/SAECA 保証融資枠:この ICO の信用枠は、相互保証会社(スペイン語表記の頭文字
をとって「 SGR 」)または国有企業である Caución Agraria (スペイン語表記の頭文字をとって
「SAECA 」)の範囲内で、スペインにおける資金を主とする自営業者およびスペイン企業または多
国籍企業に対して融資を行う。
-2020 年ICO の商業融資枠:この ICO の信用枠は、スペイン国内の営利事業による前払い金を通じて
流動性を得ようとする自営業者およびスペイン企業またはスペインにおいて設立された多国籍企
業に対して融資を行う。
-2020 年ICO の国際融資枠:この ICO の信用枠は、外国で生産的な投資を行っており、かつ/または
流動性ニーズを満たす必要のある、スペインの資金を主とする自営業者およびスペイン企業また
は多国籍企業に対して融資を行う。
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-2020 年ICO の輸出業者向け融資枠:この ICO の信用枠は、流動性を必要とする自営業者およびスペ
イン企業に対して融資を行い、輸出活動による前払い金を通じて彼らを支援する。
-2020 年ICO の国際局融資枠:自営業の専門家および企業の国際化の過程を支援するために融資を行
う。当該商品と、 ICO の国際融資枠および ICO の輸出業者向け融資枠の間の主たる違いは、貸付が
地方銀行に適用されるか、または投資プロジェクトもしくは輸出活動が行われている国に本部が
ある国際機関に適用されるかということである。
例年通り、 2020 年1月中、 ICO およびこれらの信用枠の申請書を提出した金融機関は、契約を作成お
よび書名した。
2020 年3月 11日、世界保健機関は、 COVID-19 により生じた公衆衛生上の緊急事態を世界的なパンデ
ミックであると表明した。国内および国際的な規模での事態の展開の速さならびに異常な状況は、明
らかに重大かつ前例のない健康危機である。この難局に立ち向かうため、スペイン政府は 2020 年勅令
法第 463 号の公布を通じて非常事態を宣言することが必要であるとみなした。
また、スペイン政府ならびに欧州および国際機関により対策が講じられ、危機による社会的および
経済的影響を軽減するための景気刺激に関する追加的な措置を検討している。
目下のところ、当公庫はすでに、技術力と従業員管理に関連して、その業務および事業の継続性を
確保するために必要な措置を講じており、従業員の安全とインテグリティに特に配慮した。作成日現
在、当公庫は通常通り活動を継続している。
かかる事態は、スペインおよび国際マクロ経済環境に影響を与え、これは当公庫の活動に重大な影
響を及ぼす可能性がある。年次財務書類作成日現在、かかる事態により生じる、活動に対して与えう
る影響の詳細な評価または定量化を実施するのは、その短期的、中期的および長期的な結果の不確実
性により時期尚早ではあるが、当公庫は、これが活動の継続性を損なわない一時的な事態であり、そ
の影響の見込みが計上されることになると考えている。最後に、当公庫は、この事態の展開につい
て、必要な場合に当該評価におけるいかなる変化も報告するために、継続的なフォローアップを実施
していることに留意されたい。
この点において、去る3月 18日、 COVID-19 の経済的および社会的影響に対する緊急臨時措置に関す
る2020 年勅令法第8号が官報( BOE )に掲載された。かかる基準の第 30条において、企業およびフリー
ランサーに対する ICO の信用枠の融資額を 10,000 百万ユーロに増額するために、 ICO の純負債限度額の
拡大が規定された。当 ICO は、利用可能な資金調達の促進および拡大、また企業の信用へのアクセス向
上のために、意思決定機関を通じて必要な措置を採用し、付属定款により規定される必要金融残高を
保全する。
当該期末( 2019 年12月31日)から年次財務書類承認日( 2020 年3月 30日)までの間、前述以外に重
要な事実は発生していない。
1.9 事業セグメント別情報
当公庫の主要な活動は、信用枠の付与および直接貸付を行うことである。したがって、該当する法
律に従い、 ICO の事業についてセグメント別の情報は不要とみなされる。
また、 ICO はスペイン領域内外で活動を行っており、すべての事業はスペインの利益に寄与するもの
であると認められている。
1.10 「 ICO ダイレクト」貸付業務
2010 年6月、 ICO は「 ICO ダイレクト」として、機械、家具、 IT製品および建物に新たに投資するた
め、自営業の個人、中小企業、およびスペインの非営利団体(1年を超えて活動している団体)に対
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して融資を行うことを目的とした新しい事業セグメントを開始した。この事業セグメントは、信用機
関の仲介を通して行われる ICO の通常の貸付業務を補っており、中小企業および自営業の個人向けの金
融手段を広めるよう務めている。 ICO ダイレクトは、 2011 年および 2012 年に更新され、 2012 年6月に終
了した。
ICO ダイレクトにおける取引は、バンコ・サンタンデール( BS)およびバンコ・ビルバオ・ビスカ
ヤ・アルヘンタリア( BBVA )によって公的に処理および管理されていた。これらの信用機関はこの目
的において ICO に対し競争入札をしている。
2019 年12月31日現在の純資産合計の残高は 1,028 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 1,750 千ユーロ)
であった。 2019 年に生じた利益は 3,498 千ユーロ( 2018 年は 4,586 千ユーロ)であった。
1.11 2011 年の ICO の地方自治体向け貸付業務
2011 年ICO 地方自治体向け融資は、スペイン内閣により 2011 年7月に承認された公会計および社会的
保護の安定性を高めるための勅令法の結果として開始された。その目的は、低迷する経済を踏まえ、
地方自治体に提供する備品、労働およびサービスに係る請求権を決済する主要な問題に苦しむ多くの
自営専門職および小企業の問題を緩和することであった。
この信用枠は、 2011 年4月 30日まで未払いの請求書を決済するための流動性を地方自治体に提供す
ることを目的としていた。主として、証明書および書類の経過年数に基づき自営業の個人および中小
企業に対する債務の返済を支援することを目的としていた。
ICO 地方自治体向け融資は、 2011 年7月から 2011 年11月まで実施されていた。同期間中、当該融資に
より、スペイン全域にわたる 1,029 の地方、地域および島域間町議会が、 38,338 の自営業の個人および
中小企業により 2011 年中に提供された備品、建造物およびサービスに対する未払請求書 222,975 件(総
額967 百万ユーロ)を支払うことができた。 2011 年ICO 地方自治体向け融資業務の定式化および運営
は、当プロジェクトに追加されたいくつかの EECC を通じて実行されている。
2019 年12月31日現在、当該資産(不良資産として分類されている)の残高は 3,669 千ユーロ( 2018 年
12月31日現在は 4,294 千ユーロ)であった。
EELL の借入に関し、この信用枠は、国家収益の割当(スペイン語表記の頭文字をとって「 PTE 」)に
より、当公庫へ保証されている。 PTE の下、開始から 2019 年12月31日までにおける当該信用枠の残高の
減少は、 61.68 百万ユーロ( 2018 年12月31日現在で 61百万ユーロ)である。 2019 年12月31日までの間
に、 1,029 の事業体のうち、合計で 409 の事業体が PTE を頼らなければならなくなった。 2019 年12月31日
現在、依然として9の EELL への PTE の削減が要求されており、その残高は 3.7 百万ユーロであった。
注記2 適用される会計原則、方針および評価基準
ICO の2019 年12月31日に終了した年度の年次財務書類の作成において用いられた会計原則、方針およ
び評価基準は、以下の通りである。
a) 継続企業の原則
財務書類を作成するにあたり、当公庫の経営は当面継続していくと判断された。したがって、会
計基準の適用は、清算の場合における、全部もしくは一部の譲渡を目的とする純資産価値を算定す
るためのものではない。
b) 発生主義原則
キャッシュフロー計算書に関連するものを除き、年次財務書類は、支払日または回収日にかかわ
らず、実際の物品およびサービスの発生に基づいて作成されている。
c) その他一般的な原則
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年次財務書類は、取得原価法に基づき作成されているが、土地および建物( 2004 年1月1日まで
のものに限る。)(注記 13を参照のこと。)、売却可能金融資産ならびに金融資産および金融負債
(デ リバティブを含む。)の公正価額でなされた再評価(もしあれば)により修正されている。
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2.1 株式
2.1.1 グループ企業
「子会社」とは、当公庫が支配権を有する企業である。企業が投資先との関与による変動利益にさ
らされるか、変動利益に対する権利を有する場合、かつ投資先に対する支配権を通じて、投資先の利
益に影響を及ぼす資格を有する場合に、企業は投資先を支配していると解釈される。
子会社としてみなされるためには、以下を必要とする。
-支配権:投資家は、関連活動(すなわち、投資先の利益に大きな影響を及ぼす活動)の管理を可
能にする既存の権利を有する場合に、投資先に対する支配権を有する。
-利益:投資家は、投資先との関与による利益が、投資先の実績によって変動する可能性がある場
合に、投資先との関与による変動利益にさらされるか、変動利益に対する権利を有する。投資家
の利益は、プラスのみ、マイナスのみ、またはプラスとマイナスの両方になることがある。
-支配権と利益のつながり:投資家は、投資先に対する支配権ならびに投資先との関与による変動
利益に対するエクスポージャーおよび権利を有するだけでなく、投資先との関与による投資家の
利益に影響を及ぼす支配権を行使する資格を有する場合に、投資先を支配する。
これらの株式は、年次財務書類において貸借対照表の「子会社、合弁企業および関連企業への投
資」という見出しの下表示され、取得費用において評価され、これらが経験してきたであろう減損の
ために割引される。
スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号の規定に従い、これらの株式が減損された証拠がある場合に
は、減損額は、その回収可能額(株式の公正価値から必要な売却費用を差し引いたものまたは使用価
値を差し引いたもののうち大きい方として計算され、配当として株式から受け取ると予想される
キャッシュフローの現在価値、およびそれらの処分またはその他の使用に関連するもの)およびその
簿価の差額であると推定される。これらの株式に影響を及ぼす減損損失およびかかる損失の回収は、
損益計算書において「金融資産および金融負債による損益」という見出しの下にそれぞれ計上され
る。
これらの株式に対する当年中の未払配当金については、損益計算書の「配当金収益」の見出しの下
に記載されている(注記 26を参照のこと。)。
注記 12には、かかる見出しに関する 2019 年および 2018 年12月31日の会計データに関する情報を記載
する。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。これらの企業の会計年度末は、すべて 12月31
日である。
2.1.2 関連企業
関連企業とは、当公庫とともに単一の意思決定機関を構成せず、また共同支配に服しないが、当公
庫が重大な影響力を及ぼす企業をいう。通常重大な影響力が、議決権の 20%以上の直接的または間接
的な持分に伴う。
新しい規制の規則に従い、支配とは、業務活動から利益を得ることを目的として企業の業務上およ
び財政上の方針を管理する権限を意味する。
「関連企業」の株式は年次財務書類において貸借対照表の「子会社、合弁企業および関連企業への
投資-関連企業」に減損調整後の取得原価で評価される。
スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号の規定に従い、これらの株式が減損された証拠がある場合に
は、減損額は、その回収可能額(株式の公正価値から必要な売却費用を差し引いたものまたは使用価
値を差し引いたもののうち大きい方として計算され、配当として株式から受け取ると予想される
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キャッシュフローの現在価値、およびそれらの処分またはその他の使用に関連するもの)およびその
簿価の差額であると推定される。これらの株式に影響を及ぼす減損損失およびかかる損失の回収は、
損益計算書において「金融資産および金融負債による損益」という見出しの下にそれぞれ計上され
る。
これらの株式に対する当年中の未払配当金については、損益計算書の「配当金収益」の見出しの下
に記載されている(注記 26を参照のこと。)。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。
2.2 金融商品
2.2.1 金融商品の当初の認識
金融商品は当初、当公庫が該当する契約の当事者となった際に当該契約の条件に従い貸借対照表に
おいて認識される。特に、貸付および現金預金等の債務証書は、現金を受領する権利または支払う義
務が発生する日現在でそれぞれ認識される。一般に金融デリバティブは契約日に認識される。
従来の契約を通じて行われる金融資産の売買は、すべての所有権に内在する利益、リスク、権利お
よび義務が取得者に移転した日に計上される。当事者の相互義務に基づくこれらの契約は、規制また
は市場慣行により設定された期間内に履行されなければならず、株式市場取引または通貨先物取引等
のように差額で決済することができない。購入または売却した金融資産の種類に応じて、契約日、決
済日または引渡日となる。特に、外国為替現金取引市場で行われた取引は、決済日に認識され、スペ
インの証券市場で取引される持分証券を用いて実施される取引は、契約日に計上され、スペインの証
券市場で取引される債務証書を用いて行われる取引は、決済日に認識される。
2.2.2 金融商品の譲渡および処分
金融商品の譲渡は、譲渡金融商品に係るリスクおよび利益を移転させる方法を考慮して記録され
る。それは、以下の基準に基づいて行われる。
-リスクおよび権利が実質的に第三者に移転された場合、譲渡金融商品は、その譲渡により留保ま
たは発生した権利または義務すべてを認識した上で、貸借対照表上から除外される。なお、この
譲渡に含まれるのは、無条件的売却、取得日における公正価額での売却および買戻、購入選択権
もしくは深刻な資産危機状態での売却権が伴う金融資産の売却、譲与者が劣後融資を留保しない
資産の証券化、または新たな保有者に対する信用補完等である。
-譲渡金融商品に係るリスクおよび利益が留保された場合、譲渡金融商品は貸借対照表上から除外
されず、移転前と同様の基準に従って測定される。なおこの留保に含まれるのは、現先取引がさ
れた金融資産の固定価格または利息付の売却額での売却、借方が同様または同等の価値の資産の
返済を求められるローン契約等である。しかし、受領対価と同額に係る金融負債は認識される。
その後、償却原価で評価され、認識はされないが、譲渡金融資産の収入および新たな金融負債額
になる。
-売買された購入選択権付き金融資産の売却(内部貨幣または外部貨幣での売却ではない。)、譲
与者が譲渡資産の株式に対する劣後融資または信用補完をすることを想定する証券化等、譲渡金
融商品に係るリスクおよび利益が、実質的に移転または留保されない場合には、以下の通り区別
される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保しない場合、貸借対照表上から除外され、その移転
により留保または発生した権利または義務は、すべて認識される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保する場合、起こりうる価値変動と同額のエクスポー
ジャーが貸借対照表上で認識され続け、受領対価と同額の金融負債が認識される。損益を通じ
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て公正価額で評価した金融負債として分類されるための条件を満たさない限り、かかる負債
は、後に償却原価で評価される。かかる金融負債額を計算するため、金融資産が移転された企
業に対する融資を構成する金融商品(資産担保証券および貸付金等)の価格は控除される。そ
の控除額は、かかる金融商品が、とりわけ譲渡資産を融資する際の価格とまったく同額であ
る。譲渡資産およびこれらに関連する負債との間の純額に関して、譲渡資産が償却原価にて評
価された場合は、留保された権利および義務の減価償却額になる。また、譲渡資産が公正価額
で評価された場合は、留保された権利および義務の公正価額になる。
以上の通り、金融資産が貸借対照表上から除外されるのは、発生したキャッシュフローが消滅した
場合または内在的なリスクおよび利益が第三者に移転した場合である。
同様に、金融負債が貸借対照表上から除外されるのは、発生した義務が消滅した場合またはこの金
融負債が取消もしくは交換の意図を持って購入された場合である。
2.2.3 金融商品の公正価額および償却原価
金融資産
金融商品のある日の公正価額は、知識を有するいくつかの当事者間の公正な取引において、同日に
取得または売却されると見込まれる金額として理解される。金融商品の公正価額として参照できる、
最も客観的で一般的な価格は、組織的で透明性が高く信用できる市場で支払われるであろう金額
(「見積価格」または「市場価格」)である。
特定の金融商品に市場価格がない場合、その公正価額は、類似の金融商品の最近の取引に基づき見
積もられ、それができない場合には、評価される金融商品の特性、特に金融商品に関連する様々な種
類のリスクを考慮して、国際的な会計協会により承認されている評価手法を用いる。
とりわけ、組織的で透明性が高く信用できる市場で取引されている売買目的保有のデリバティブ金
融商品の公正価額は、日々の市場価格と同じである。例外的な場合において、いずれかの日に価格を
設定することができない場合には、組織的な市場で取引されていないデリバティブに適用されるもの
と同様の手法を用いて測定される。
組織的な市場で取引されていないデリバティブまたは規模が小さいもしくは透明性に欠ける組織的
な市場で取引されているデリバティブの公正価額は、金融市場で認められる評価手法(「純現在価
値」( NPV )、オプション価格決定モデル等)を用いて当該商品から発生する将来のキャッシュフロー
の合計を測定日で割り引いたもの(「現在価値」または「理論値」)と同額である。
償却原価は、金融資産または負債の取得原価を元利金の返済、また該当する場合には、金融商品の
当初価格と返済価額の差異の一部(実効利率法を用いて損益計算書で認識される。)について(上方
または下方に)調整した額である。金融資産の償却原価には、発生したであろう減損調整も含まれ
る。
実効利率は、金融商品の当初価格を残存期間中に見積キャッシュフローの全額と一致させる割引利
率である。固定利付金融商品の場合、実効利率は、取得に際して決定した約定利率であり、 2017 年ス
ペイン中央銀行通達第4号の条項に従い実効利率の計算に含まなければならない手数料および取引費
用の調整がなされている。変動利付金融商品の実効利率は、固定利付金融商品と同様に見積もられ、
契約に定める各金利見直し日に商品の将来のキャッシュフローの変動を考慮して再計算される。
公正価額の客観的な評価が不可能なその他の企業の株式および金融デリバティブ(裏付資産のよう
な商品を保有し、交付により決済されるもの。)は、それが適切とされれば、発生した減損損失によ
り、価格調整される。
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子会社、合弁会社および関連会社の株式は、それが適切とされれば、発生した減損損失により、価
格調整された額で計上される。
金融資産価格の変動は、通常、損益計算書内の対応項目とともに計上される。それは、損益計算書
の「金融資産および金融負債による損益」の項目で、純額で計上され、「利息および類似収益」で計
上される未収利息および類似項目に起因するものと、その他に起因するものとを差異化する。
しかし、為替差額から生起しない限り、その他の包括利益を通じて公正価額で評価される金融資産
のポートフォリオに含まれる商品価値の変動は、一時的に「その他の累積包括利益」の項目に計上さ
れる。評価の変動が損益計算書で決して再分類されない金融商品でない限り、これらが損益計算書に
計上された際、貸借対照表資産内の該当箇所から除外されるまでは、これらの金融商品の公正価額の
変動について「その他の累積包括利益」の項目に記載される金額は、資本純額の一部として残る。
また、「売却目的保有の非流動資産」の項目に計上されるものの価格変動は、資本純額の価値調整
として「その他の累積包括利益」に計上される。
本年次財務書類における金融商品の公正価額での評価は、以下の公正価額レベルを用いて分類され
る。
ⅰ) レベルⅠ:活発な市場における同一の商品の市場価格(調整前)により得られた適正な額
ⅱ) レベルⅡ:活発な市場において類似の金融商品に用いられる評価手法、最近の取引において値
付けされた価額もしくは予測キャッシュフロー、またはすべての重要な投入資本が直接的にま
たは間接的に観察可能である市場データに基づくその他の評価手法により得られた公正価額
ⅲ) レベルⅢ:いくつかの重要な投入資本が、観察可能な市場データに基づいていない評価手法に
より得られた公正価額
ヘッジ対象およびヘッジ会計として指定された金融資産に関しては、その評価差額は以下の基準を
考慮して計上される。
-公正価額ヘッジに関して、ヘッジ・リスクの種類と関連してヘッジされたものおよびヘッジ対象
の中で生じた差異は、損益計算書で直接認識される。
-キャッシュフロー・ヘッジおよび純外国投資の非効率に関する評価差額は、損益計算書に直接計
上される。
-キャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時
的に資本純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
-純外国投資ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時的に資本
純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
最後の二つの事例に関しては、ヘッジ対象の損益が損益計算書に計上されるまで、またはヘッジ対
象の満期日まで、最終的に評価差額は損益に計上されない。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクの公正価額ヘッジに関して、ヘッジ商品を査定する際
に生じた損益は、損益計算書で直接認識される。その一方で、ヘッジ対象リスクに関しては、公正価
額の変動を補填する金額の損益は、マクロヘッジによる金融資産の調整として「その他の累積包括利
益」に計上される。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクのキャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ商品の
価値変動の有効な部分は、予定された取引がなされるまでは、一時的に資本純額の調整として「その
他の累積包括利益」に計上され、その後、損益計算書に計上される。ヘッジ・デリバティブの価値変
動の非有効部分は、損益計算書に直接計上される。
金融負債
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金融資産に関して定義されているように、金融負債は以下の場合を除いて、償却原価で計上され
る。
-金融資産に関して定義されているように、「売買目的保有の金融負債」および「損益を通じて公
正価額で評価した金融負債」の項目に含まれる金融負債は、公正価額で評価される。公正価額
ヘッジ取引により補填される金融負債については、ヘッジ取引で補填されるヘッジ対象リスクに
関連するこれら公正価額の変動が計上され、調整される。
-裏付資産が持分証券であり、公正価額を十分な客観性をもって決定できず、当契約書の交付に
よって決済される金融デリバティブは、原価で評価される。
金融負債額の変動は、通常、損益計算書上で相殺されて計上される。これは、「利息および類似費
用」の項目で計上される未収利息および類似項目に起因するものと、他の要因(「公正価額で評価し
た金融資産および金融負債による損益」の項目で計上されるもの。)に起因するものを差異化する。
ヘッジ対象およびヘッジ会計差額として指定された金融負債は、前記注記に記載された金融資産に
関する、上記の基準を考慮した上で計上される。
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2.2.4 金融資産および金融負債の区分および測定
金融商品は当公庫の貸借対照表で以下の区分に分類される。
-中央銀行および信用機関に対する預金とは、現金残高ならびにスペイン中央銀行、その他の中央
銀行およびその他の信用機関が保有する金額である。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債は、取引ポートフォリオに分類される
金融商品ならびに損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産および金融負債により構成
される。
・金融資産とは、取引ポートフォリオに含まれる、短期間で現金化するために取得したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定される金融商品のポートフォリオの一
部を構成するものをいう。また、ヘッジ商品として指定されていないデリバティブ金融商品
は、この区分を構成するものとみなされ、適用ある会計規則に従いハイブリッド金融商品から
分離される商品を含むものとする。
・金融負債とは、取引ポートフォリオに含まれる、近い将来に買い戻すために発行したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定され、もしくは共同で運用される金融
商品のポートフォリオの一部を構成し、選択性でない現先取引に基づき取得した資産の売却か
ら生じる証券のショート・ポジションおよび証券の貸付ならびにヘッジ商品として指定されて
いないデリバティブ金融商品(ハイブリッド金融商品から分離される商品を含む。)をいう。
ある金融負債が資産取引に融資するために用いられるという事実自体は、この区分に含まれる
ことを意味しない。
・損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産または金融負債とは、以下のものをいう。
-ハイブリッド金融資産とみなされ、公正価額で評価される、取引ポートフォリオに含まれな
い金融資産。公正価額で評価される保険契約に基づく負債または公正価額の変動へのエクス
ポージャーを軽減する目的および効果を持つ金融デリバティブとともに運用されるもの。あ
るいは、金利リスクへの全体的なエクスポージャーを軽減する金融負債およびデリバティブ
とともに運用されるもの。
-事業体による当初の認識で指定された金融負債、または、認識時に以下の理由により、さら
なる関連情報が得られるもの。
-当該情報により、資産もしくは負債の評価、または損益の認識において生じる認識または
評価の不一致は、別の基準によって解消または大きく軽減される。
-金融負債または金融資産および金融負債両方のグループは管理され、その成績はリスク管
理または投資情報戦略に従い、公正価額に基づいて評価される。文書化されたグループの
情報もまた公正価額に基づいて、経営幹部に対して提出される。
-償却原価で評価される金融資産の区分には、以下のものが含まれる。
・固定満期であり、キャッシュフローが確定金額または確定可能な金額である負債性証券。本科
目に含まれる負債性証券は、当初、公正価額で評価され、直接金融資産の取得に帰属する取引
費用について調整され、 2018 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規則におい
て定義される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、実効利率に基づく償却原
価で評価される。
・貸付および受取債権。本科目には、当公庫が行う通常の信用供与および貸付活動から生じる第
三者への融資、ならびに資産の買主およびサービス利用者が被る負債が含まれる。また、事業
体が貸主として行為するファイナンスリース取引も含まれる。
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本区分に含まれる金融資産は、当初公正価額で計上され、直接金融資産の取得に帰属する手数
料および取引費用について調整され、 2018 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計
規則に基づく実効利率法を用いて損益計算書で認識しなければならない。取得後は、取得された
資産は償却原価で評価される。
割引で取得された資産は、支払額で計上され、返済額と当該支払価格との差額は、満期まで実
効利率法を適用し、金融収益として認識される。
本区分に含まれる資産の未収利息は、実効利率法を用いて計算され、損益計算書の「利息およ
び類似収益」の項目において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建て
の証券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。これらの証券の減損損
失は、注記 2.7 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる負債性証券は、注記 2.3 に記
載の通り計上される。
-その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産。本区分には、償却原価で評価した金融
商品または損益を通じて公正価額で評価した金融商品には分類されない当公庫が保有する負債性
証券、ならびに子会社、合弁企業または関連企業以外の当公庫の各事業体に保有される持分証券
であって損益を通じて公正価額で評価されるものに分類されないものが含まれる。
本区分に含まれる金融商品は、当初公正価額で測定され、直接金融資産の取得に関連する取引
費用について調整され、満期まで、 2018 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規
則に定められる実効利率法を用いて損益計算書で認識される(ただし、金融資産の満期が固定さ
れていない場合を除く。)。金融資産の満期が固定されていない場合には、減損が生じた時点で
損益計算書に計上されるか、または貸借対照表で損金処理される。その後、本区分に含まれる金
融資産は、公正価額で評価される。
上記にかかわらず、十分に客観的な方法で公正価額を決定することができない持分証券は、注
記2.7 に記載の通り計算された減損を控除して、年次財務書類に取得原価で評価される。
これらの金融資産から生じた利息または配当金に相当する収益は、対応項目とともに、損益計
算書の「利息および類似収益」(実効利率法を用いて計算する。)および「配当金収益」にそれ
ぞれ計上される。これらの商品の減損損失は注記 2.7 に記載の通り計上される。ユーロ以外の外
国通貨建ての金融資産に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価
額ヘッジでカバーされる金融資産の公正価額の変動は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
残る金融資産の公正価額の買収による変動は、金融資産が償却されるまでの間、すなわちかか
る残高が損益計算書の「損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債の償却に係る
損益」に計上されるまでの間、評価調整額として、対応項目とともに、当公庫の資本の部の「そ
の他の累積包括利益」に計上される。
-償却原価で評価された金融負債。この区分の金融商品には、上記のいずれの区分にも含まれない
金融負債が含まれる。
本区分に含まれる金融負債は、当初公正価額で計上され、直接金融負債の発行に帰属する取引
費用について調整され、満期まで、適用ある会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に
規定される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、かかる金融負債は、適用ある
会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に規定される実効利率法を適用して計算される
償却原価で測定される。
実効利率法を用いて計算されるこれらの資産について発生する利息は、損益計算書の「利息お
よび類似費用」において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建ての証
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券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる金
融負債は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
上記にかかわらず、売却可能非流動資産に分類されるべき金融商品は、 2017 年スペイン中央銀行通
達第4号規則第 34条に基づき注記 2.16 に記載の通り年次財務書類に計上される。
財務書類におけるこうした区分への分類は、(ⅰ)当該事業体の金融資産管理の事業モデルおよび
(ⅱ)金融資産の契約上のキャッシュフローの特徴という2つの要素に基づき行われる。
・金融資産は、以下の2条件を満たす場合、償却原価で評価した金融資産のポートフォリオに分
類される。
(ⅰ)契約上のキャッシュフローを把握するために、金融資産の保有を目的とする事業モデル
で管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
・金融資産は、以下の2条件を満たす場合、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
資産のポートフォリオに分類される。
(ⅰ)金融資産の契約上のキャッシュフローおよび売上高の把握を併せて目的とする事業モデ
ルで管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
・金融資産は、当該事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴に
起因して当該金融資産を上記ポートフォリオのいずれにも分類することができない場合に限
り、売買目的保有の金融資産または損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産の
ポートフォリオに分類される。
上記にかかわらず、売買目的保有に分類すべきではなく損益を通じて義務的に公正価額で評
価された金融資産に分類可能な持分証券への投資につき、当該事業体は、当初認識において取
消不能の形で、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産のポートフォリオに含
めることを選択するものとする。この選択は、金融商品単位で実行される。
また、事業体は、損益を通じて公正価額で評価した金融資産に指定しなかったならば資産も
しくは負債の評価により、または利益もしくは損失の認識により生じたであろう評価または認
識の不一致が、かかる指定により解消するかまたは大幅に減少する場合(「会計上の非対称
性」とも呼ばれる。)、当初認識において取消不能の形で、損益を通じて公正価額で評価した
金融資産への指定を選択するものとする。会計上の非対称性がある場合、かかる選択は、当該
事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴がどのようであるか
にかかわらず実行される。
また、上記にかかわらず、事業体は、 2017 年通達第4号の定める要件が満たされる限り、あ
る金融資産を当初またはその後の認識において、損益を通じて公正価額で評価した金融資産の
ポートフォリオに属するものと指定することを選択するものとする。
金融商品ポートフォリオ間での再分類は、もっぱら以下の想定に基づいて行われる。
・事業体が金融資産の管理に関する事業モデルを変更する場合、事業体は、すべての金融資産を
以下の条項に従って再分類することになる。かかる再分類は、再分類日以降、将来を見越して
行われ、これに先立って認識された利益、損失または利息の修正再表示は必要とされない。一
般的に、事業モデルの変更は稀である。
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・事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオから損益を通じて公正価額で評価さ
れるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日における公正価額を
見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生じた利益また
は損失は、損益計算書において認識される。事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価
されるポートフォリオから償却原価で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該資
産の再分類日における公正価額が、かかる資産の新しい総帳簿価額となる。
・事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオからその他の包括利益を通じて公正
価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日におけ
る公正価額を見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生
じた損失または利益は、その他の包括利益において認識される。実効利率および予想貸倒損失
の見積りは、再分類の結果、調整されない。
・債務証券がその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから償却原価で評
価されるポートフォリオへと再分類される場合、当該金融資産は、再分類日の公正価額で再分
類される。資本の部のその他の累積包括利益における再分類日の累積損益は、再分類日におけ
る資産の簿価を対応項目として用いて消却される。したがって、かかる債務証券は、再分類日
においてあたかもそれまで償却原価で評価されてきたかのように評価される。実効利率および
予想貸倒損失の見積りは、再分類の結果、調整されない。
・事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオからその他の包括利益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価され、以前に計上された価額の変動の修正計上は行われない。
・事業体が債務証券をその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから損益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価される。資本の部の「その他の累積包括利益」におけるそれまでの累積損益は、
再分類日において、当該会計期間の損益に移転される。
・子会社、合弁企業または関連企業への投資がかかる分類でなくなる場合、留保された投資額
(もしあれば)は、再分類日における公正価額で評価され、再分類以前の簿価と損益またはそ
の他の包括利益(留保された投資のその後の評価法に基づきいずれか該当する方)におけるか
かる公正価額との差異により生じたすべての利益または損失が認識される。
・子会社、合弁企業または関連企業として適格となる以前の事業体への投資は、支配、共同支配
または重大な影響力を獲得する日まで、公正価額で評価される。この最終日において、事業体
は、以前の投資の公正価額を見積もらなければならず、これに伴い、再分類以前の簿価と損益
またはその他の包括利益(該当する方)におけるかかる公正価額との差異により生じたすべて
の利益または損失を認識する。該当する場合、資本の部のその他の累積包括利益における累積
損益は、当該投資額が貸借対照表から償却されるまで維持され、この時点で準備金項目に再分
類される。
・事業体は、金融負債については再分類を行わない。
上記の条項において、以下の事情に起因する変更は、再分類とみなされない。
a)以前は外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券と指定され
有効であった要素が、そのようにみなされるための要件に該当しなくなる場合。
b)ある要素が外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券と指定
され有効となる場合。
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c)金融商品が、損益を通じて公正価額で評価される指定を受けたためまたはかかる指定を解除され
たため、その評価が変更される場合。
2019 年における再分類はなかった。 2018 年において、 ICO は、注記8および注記9に記載されるポー
トフォリオ間の再分類を行った。
2.3 金融デリバティブ
金融デリバティブとは損益を提供する商品であり、特定の状況下では、取引および残高に関連する
信用リスクおよび/または市場リスクの総額または一部の補償を認める。その方法としては、金利お
よび特定の利率、個別の証券価格、為替レート・クロスカレンシーまたは同様のその他基準を裏付資
産として利用する。当公庫は、組織的な市場または組織的な市場に対応する相対市場(店頭)の両方
で取引される金融デリバティブを用いる。
当公庫は、中でもとりわけ、金利リスク、為替レートおよび市場レートへのエクスポージャーを軽
減するための戦略の一環として金融デリバティブを利用する。これらの取引が 2017 年スペイン中央銀
行通達第4号規則第 31条および第 32条の特定要件を満たす場合には、かかる取引は「ヘッジ」とみな
される。
当公庫がある取引をヘッジとみなす場合には、ヘッジに含まれる取引または商品の開始時からその
ようにみなし、ヘッジは適切に文書化される。これらのヘッジ取引を文書化する際には、当グループ
が補填しなければならないリスクを考慮の上で、ヘッジされる商品またはヘッジを行う商品を適切に
特定するとともに、補填しようとするリスクの性質、および当グループが有効期間中のヘッジの有効
性を測定するために用いる基準または手法を特定する。
当公庫は、その有効期間にわたり極めて効果的と考えられるヘッジについてのみ、ヘッジ会計を適
用する。ヘッジは、予定の期間中にヘッジで補填されたリスクに帰属する公正価額またはキャッシュ
フローの変動がそれぞれ、ヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で完全に相殺された
場合に極めて効果的であるとみなされる。
前記のようなヘッジの有効性を測定するために、当公庫は、所定のヘッジ期間の開始日から終了日
までに、ヘッジ対象のリスクに帰属するヘッジ項目の公正価額またはキャッシュフローのいずれか関
連ある方の変動がヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で将来的にほぼ完全に相殺さ
れると見込まれるかどうか、および遡及的にヘッジの結果がヘッジ対象の数値結果の 80%から 125 %の
測定範囲で変動するかどうかを分析する。
当公庫が行うヘッジ取引は以下の科目に分類される。
-公正価額ヘッジは、損益計算書に影響を及ぼす金融資産および金融負債もしくは約定額または特
定のリスクに関連するこれらの一部の公正価額の変動に関するリスクを補填する。
-キャッシュフロー・ヘッジは、特定のリスクに関連して、損益計算書に影響を及ぼす金融資産も
しくは負債または将来当公庫が行う可能性の非常に高い取引から生じるキャッシュフローの変動
を補填する。
測定値の差異は、ヘッジ項目および会計ヘッジとしてみなされた金融商品について特に言及する場
合、以下の条件に従って計上される。
-公正価額ヘッジについては、ヘッジされたリスクの種類に関して、ヘッジおよびヘッジされる要
素の両方の公正価値の差異が損益計算書において直接認識される。
-キャッシュフロー・ヘッジについては、ヘッジの補償の有効部分について生じる評価額の差異
は、一時的に「その他の累積包括利益」に計上される。この種類のヘッジが行われた金融商品
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は、注記 2.2 に記載される判断基準に従って行われ、当該補償が行われた金融商品とみなされたこ
とによる調整は行われない。
最後の場合には、測定値の差異は、ヘッジ項目の損益が損益計算書に計上されるまで、または満期
まで、損益として認識されない。
キャッシュフロー・ヘッジの非有効部分に対応するヘッジ証券の評価額の差異は、損益計算書の
「公正価額で評価した金融資産および金融負債による損益」において直接認識される。
当公庫は、ヘッジ商品が満了もしくは売却された場合、ヘッジがヘッジ会計の基準を満たさなく
なった場合、または取引がヘッジと分類されなくなった場合にヘッジ会計を中止する。
上記の通り公正価額ヘッジ会計が中止され、ヘッジ項目が償却原価で計上される場合には、ヘッジ
会計のために行われた評価額調整は、中止日に再計算された実効利率を適用してヘッジ項目の満期日
まで損益計算書において認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止される状況においては、ヘッジからの累積損益は、貸借対照
表の「その他の累積包括利益」に計上され、予定されたヘッジ取引が行われるまでこの科目に留ま
り、実行された時点で損益計算書に移転される。また、キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止される
状況で、ヘッジ要素が、金融資産または負債を計上することが予定された取引である場合には、計上
される資産または負債の取得原価は調整される。予定された取引が行われないと予測される場合に
は、当該取引に関連する「その他の累積包括利益」の記載は直ちに損益計算書において認識される。
2.4 外貨建取引および機能通貨
当公庫の機能通貨はユーロである。このため、すべてのユーロ以外の表示の残高および取引は、外
貨建てとみなされる。
以下は、 2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫が保有する外貨建金融資産および負債を示した
ものである(単位:千ユーロ)。
2019 年 2018 年
資産 負債 資産 負債
英ポンド
194 ,026 183 ,298 193,781 182,125
米ドル 1,873 ,858 6,210 ,184 1,475,765 5,764,567
スイス・フラン 20 280 ,405 44 373,200
日本円 909 279 ,051 908 166,865
183 ,589 46,766 157,794 397,137
その他の通貨
2,252,402 6,999,704 1,828,292 6,883,894
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以下は、 2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫が記録した、種類別の外貨建資産および負債に
相当するユーロを示したものである(単位:千ユーロ)。
2019 年 2018 年
資産 負債 資産 負債
信用機関への貸付
793,094 - 448,477 -
顧客への貸付 1,458,254 - 1,378,756 -
その他の金融資産 1,053 - 1,059 -
信用機関への預金 - 1,667,163 - 1,173,697
負債性証券の発行 - 5,841,744 - 5,709,176
- 651 - 1,021
その他の金融負債
2,252,401 7,509,558 1,828,292 6,883,894
当初認識される際には、外貨建ての借方と貸方の残高は、認識日の直物為替レート(即時払い用の
為替レート)にて、機能通貨に換算される。当初の認識後は、外貨建ての残高を機能通貨に換算する
場合には以下の規則が適用される。
ⅰ)貨幣性資産および負債は、年度末の為替レート(年次財務書類に記載される日付現在の平均直
物為替レート)にて換算される。
ⅱ)取得原価で評価される非貨幣性項目は、取得日の為替レートで換算される。
ⅲ)公正価額で評価される非貨幣性項目は、公正価額が決定される日の為替レートで換算される。
ⅳ)収益および費用は、取引日の為替レートを適用して換算される。しかしながら、著しい変動が
ない限りは、期間の平均為替レートが当該期間中に実施されたすべての取引について適用され
る。減価償却費は当該資産に適用される為替レートで換算される。
外貨建ての借方と貸方の残高の換算により生じる為替損益は、通常、損益計算書に計上される。し
かしながら、公正価額で評価される非貨幣性項目について生じる為替損益の場合は、公正価額の調整
が「その他の累積包括利益」に計上され、非貨幣性項目の再評価に関する為替レートの要素が分類さ
れる。
当公庫が事業を行う主要外貨建ての残高を換算する際に使用するのは、 2019 年および 2018 年12月31
日に欧州中央銀行が発表した市場レートである。
外貨建ての受取債権および支払債務の換算により生じる為替差損益の純額は、 2019 年12月31日現
在、 4,928 千ユーロの利益( 2018 年12月31日現在は 49,884 千ユーロの利益)にまで上った。
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2.5 収益および費用の認識
以下の要約は、収益と費用を認識する際に当公庫が採用する最も重要な基準である。
2.5.1 受取利息、支払利息、配当金および類似項目
通常、受取利息および支払利息ならびにその類似項目は、会計の目的上、発生主義に基づき適用あ
る会計規則であるスペイン中央銀行の 2017 年通達第4号において定義される実効利率法を用いて当公
庫の損益計算書において認識される。他社より受領する配当金は、当公庫が配当金を受領する権利が
発生した時点で認識される。
2.5.2 手数料、報酬および類似項目
事業の実効利率の計算に含まれるべきでない、または金融資産もしくは負債の取得原価を構成しな
い手数料に関する収益および費用ならびに類似の報酬は、損益を通じて公正価額で評価したものを除
き、その性質に基づく様々な基準を用いて損益計算書で認識される。最も重要な項目は以下の通りで
ある。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債に関連する金額は、支払日に損益計算
書において認識される。
-長期取引または役務から生じる金額は、当該取引または役務の期間中に損益計算書において認識
される。
-一度限りの事象に関連する金額は、当該事象が発生した際に損益計算書において認識される。
2.5.3 金融外収益および費用
これらの金額は、発生主義に基づき認識される。
2.5.4 繰延回収および繰延支払
繰延回収および繰延支払は、市場レートで予想キャッシュフローを割り引いて得られる金額で認識
される。
2.6 残高の相殺
取引により生じる借方および貸方の残高は、契約上または法律上、相殺が可能であり、会社に存在
し、純額で決済されるものまたは現金化と同時に支払われるものに限り、相殺され、貸借対照表に純
額で表示される。
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2.7 金融資産の減損
金融資産の簿価は、減損損失が生じたという客観的証拠がある場合には、一般に損益計算書につい
て調整される。
-貸付および負債性証券等の債務証書については、当初の認識後、将来のキャッシュフローに悪影
響を及ぼす事象または様々な事象の複合的な効果が生じる場合
-持分証券については、当初の認識後、ある事象または様々な事象の複合的な効果により簿価を回
収できない場合
原則として、減損金融証書の価額修正は、当該減損が生じた期間の損益計算書に計上され、以前に
計上された減損損失の回収(もしあれば)は、損失が解消または軽減された期間の損益計算書におい
て認識される。減損について認識された金額の回収が不可能であると考えられる場合、かかる金額
は、貸借対照表上から削除される。しかし、制限期間の満了、消却その他の原因により当公庫の請求
権が消滅するまで、当公庫は、かかる金額の回収のために必要な措置を講じることはできる。債務証
書および偶発リスクポートフォリオは、その所有者、保証または仲介にかかわらず、当公庫が晒され
る信用リスクを決定し、価額の減損のヘッジ要件を見積もるために分析される。年次財務書類の作成
のため、当公庫は、その起こりうる顧客および国の支払不能リスクを別々に分析することにより信用
リスクの観点から運用を分類する。
債務証書の将来キャッシュフロー見積額は、当公庫が証書有効期間中に受領すると考えている元本
および利息である全額である。年次財務書類作成の時点で利用可能な関連情報のすべてが、この見積
りの際に考慮される。当該関連情報は、契約上のキャッシュフローの将来の回収の可能性についての
データを提供するものである。また、証券の将来のキャッシュフローを含み証書を見積もる際、保証
の可能性にかかわらず、その取得およびその後の売却の費用の額を差引いて、その実現の結果となる
キャッシュフローが考慮される。
見積将来キャッシュフローの額の現在価値の計算において、契約上の利率が固定金利の場合、証書
の当初の実効金利が更新利率として使用され、変動金利の場合、契約の財務条件に応じて決定される
財務書類が関係する日付の実効金利が使用される。
償却原価で評価する債務証書については、減損損失額は、簿価と見積将来キャッシュフローの現在
価値とのマイナス差額に等しく、見積将来キャッシュフローの現在価値は、固定金利の場合には当初
の実効金利、変動金利の場合には契約条件に従い計算される年次財務書類日現在の実効金利を用いて
計算される。上場債務証書の場合には、当公庫が回収する価額を表すものと十分に信頼できることを
条件として時価を代わりに用いることができる。
減損が生じたという客観的な証拠は、すべての重要な債務証書については個別に、個別に重要では
ない債務証書のグループについては個別にまたは集合的に決定される。特定の証券を類似のリスクを
有する資産グループに含めることができない場合には、減損が生じているかどうか個別に分析され、
生じている場合には減損損失額を見積もる。
金融資産のグループについては以下の通り集合的に見積減損損失額が評価される。
-債務証書は、契約条件に従い債務者が全額(元本および利息)を支払う能力を示す類似の信用リ
スクの特徴を有するグループに分類される。資産をグループ化する際に考慮する信用リスクの特
徴は、例えば証券の種類、債務者の業種、営業地域、保証の種類、支払遅延日数等将来キャッ
シュフローの見積りに関連するものである。
-債務証書の各グループの将来キャッシュフローは、過去のデータを現在の市況に当てはめるため
の調整を施した上で、当公庫について各グループに類似の信用リスクを有する証券の過去の損失
の実績に基づき見積もられる。
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-各グループの減損損失は、グループ全体の債務証書の簿価と見積将来キャッシュフローの現在価
値との差異である。
損益計算書の変動を通じて公正価額で評価されない債務証書、偶発リスクおよび約定額は、顧客ま
たは取引に帰属する支払不能リスクに基づき、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の別紙Ⅸに定めら
れる科目に分類される。標準リスクに分類されない債務証書については、支払遅延日数、提供された
保証、顧客の財務状況および適切な場合には保証人を考慮して、上記通達に定める基準に基づき必要
とされる特定の減損ヘッジについて見積りが行われる。
同様に、これらの金融商品は、カントリー・リスクから派生する信用リスク(通常の商業リスク以
外の状況により顧客が居住する国に関連するリスクであるとする。)を決定するために評価される。
上記の特定の減損ヘッジに加え、当公庫は、損益計算書を通じて公正価額で評価しない債務証書に
内在する損失およびグループ・ヘッジを通じて標準リスクとして分類される偶発リスクに対するヘッ
ジを行う。当該グループ・ヘッジは、特定の取引に割り当てられていない統計手法を用いて計算され
る、減損実績および年次財務書類日現在に発生した内在する損失に関連する評価時点におけるその他
のよくある状況に基づき計算される。
当公庫は、スペイン中央銀行が業界における経験および情報に基づき設定したパラメーターを使用
し、債務証書に内在する減損損失および標準リスクとして分類される偶発リスクを補填するための手
法および金額を決定しており、当該パラメーターは、データに応じて定期的に変更される。減損損失
のヘッジを決定する手法は、適用される会計規則で定められる一定の割合に基づいており、これは
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の別紙Ⅸに定められる金融商品のリスクの分類に応じて異なる。
当該の変化は、記載の別紙で定められる金融商品のリスクの分類によって決まる。
基本的に、債務証書の減損は、業務が属するリスクセグメントおよび満期日経過期間に基づき、下
記の割合を効果的な担保により回収される額でカバーされない未払いリスクに適用することで計算さ
れる。
90日超 6ヶ月超 9ヶ月超 1年超 15ヶ月超 18ヶ月超
21ヶ月超
6ヶ月以内 9ヶ月以内 1年以内 15ヶ月以内 18ヶ月以内 21ヶ月以内
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 60 70 80 85 90 100 100
建設土木工事 55 65 70 75 85 90 100
その他の特別融資 50 60 70 85 90 100 100
非特別融資
大企業 50 60 70 85 90 100 100
中小企業 55 65 70 80 85 90 100
個人起業家 30 40 50 60 75 90 100
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 40 45 55 65 75 90 100
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 40 45 55 65 75 90 100
別宅 40 45 55 65 75 90 100
消費者信用(クレジットカード負債を含む。) 50 60 70 80 90 95 100
その他 50 60 70 80 90 95 100
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標準リスクとして分類される業務に対する一般的な引当金は、警戒リストにおける標準リスクに対
して計算されたものとは異なる。どちらも下記の割合を効果的な保証でカバーされない未払いエクス
ポージャーに適用することで計算される。
標準リスク 警戒リストにおける標準リスク
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 1.9 27.6
建設土木工事 1.9 18.8
その他の特別融資 0.5 7.5
非特別融資
大企業 0.5 7.5
中小企業 0.9 12.7
個人起業家 1.1 11.6
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 0.6 13.0
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 0.6 13.0
別宅 0.6 13.0
消費者信用 1.5 16.0
そのうち:クレジットカード負債 0.8 9.0
その他 1.5 16.0
ヘッジを計算するための効果的な担保の見積りには、以下の該当担保の基準値における推定割引が
適用される。
基準値における割引率(%)
実物保証の種類
抵当保証(第一順位)
建造物および完成建造物構成要素
住宅 30
オフィス、公共施設、倉庫 40
その他 45
注文された都市部における土地および開発可能用地 40
その他の不動産 45
金融機関の提示された担保
貨幣預金 0
その他の市場性のある金融機関 10
その他の市場性のない金融機関 20
その他の実物保証(例:二番抵当、動産) 50
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該当するヘッジの評価を目的とした負債の支払において 差し押さえたまたは受領し た不動産資産に
ついては、当該資産の基準値につき以下の割引が適用される。
基準値における割引率(%)
差押物件の種類
建造物および完成建造物構成要素
住宅 25
オフィス、公共施設、倉庫 27
その他 30
注文された都市部における土地および開発可能用地 30
その他の不動産 35
個別に有効なすべての債務証書および過去3ヶ月間に生じた価格の下落により計算された集合的な
減損損失に関し、契約条件に基づく未収利息は、損益計算書において認識されない。
他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産に含まれる負債性証券および持分証券の減損損
失額は、その取得原価(元本返済額調整後)と公正価額の差額から、すでに損益計算書で認識された
減損損失を控除した額に等しい。
公正価額の減少が減損によるものであるという客観的証拠がある場合には、純資本額の調整として
の「その他の累積包括利益」に直接認識された潜在的損失は、直ちに損益計算書に計上される。減損
損失の全部または一部が後に回収される場合、かかる回収額は、負債性証券の場合には回収期間の損
益計算書、持分証券の場合には純資本額の調整としての「その他の累積包括利益」において認識され
る。
売却目的保有の非流動資産として分類される負債性証券および持分証券については、資本に計上さ
れた損失は、実現したものとみなされ、分類が行われた日に損益計算書で認識される。
関連企業、合弁企業および子会社における株式については、当公庫は、回収可能額と簿価を比較し
て減損損失を見積もる。減損損失は、減損損失が生じた年度の損益計算書に計上され、その後の回収
は、回収期間の損益計算書に計上される。
減損等として計上される金額は、回収が不可能であると考えられる場合、貸借対照表から削除され
るが、当公庫は、終了、取消またはその他の理由によりかかる権利が恒久的に抹消されない限り、回
収を試みるのに必要な行動をとることが可能である。
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2.8 財務保証および関連引当金
財務保証契約とは、法律上の種類(とりわけ保証、財務保証保険契約、または信用デリバティブ)
を問わず、債務者が債務証書の当初のまたは修正された条件に基づく特定の支払義務の履行をしない
場合に、債権者が被った損失を返済するために特定の支払を行うことを発行者に要求する契約をい
う。
財務保証契約の発行者は、保険会社により発行された契約を除き、当該契約につき、公正価額に取
引費用(その発行に直接起因する。)を加えた額を「その他の金融負債」の項目に計上した。
当初は、相互独立条件における単独取引の範囲内で関係のない第三者に発行された財務保証契約の
公正価額は、受領されたプレミアムに受領されるキャッシュフローの現在価値を足した額であり、類
似の条件およびリスクで当公庫が発行した金融資産と類似の金利を使用する。同時に、上記の金利で
受領される将来キャッシュフローの現在価値は受取債権として認識される。
当初の認識後、契約は以下の基準に従い扱われる。
ⅰ)受領する財務保証の手数料またはボーナス価額は、損益計算書に差異を金融収益として計上す
ることにより更新される。
ⅱ)不良と認められていない財務保証契約の価額は、保証の予定有効期間にわたり定額法で、また
はその他の基準により損益計算書に計上される部分を差引いた当初の認識額である。ただし、
これがより正確に保証の認識による経済リスクと利益を反映することを条件とする。
財務保証契約を不良と分類することは、「偶発債務および不確定約定額の引当金」の項目に含まれ
る関連するヘッジを意味する。
2.9 リース会計
2.9.1 ファイナンスリース
ファイナンスリースとは、リース対象資産が有する実質的にすべてのリスクおよび報酬を借主に転
嫁するものをいう。
当公庫がファイナンスリース取引においてある資産の貸主として行為する場合には、借主が受領す
る金額の現在価値と保証された残余価値の合計(通常はリースが終了する際の買取オプション価格)
は第三者に対して提供された融資として計上される。そのため、借主の性質に応じて貸借対照表にお
いて、「貸付および受取債権」として計上される。
当公庫がファイナンスリース取引において借主として行為する場合には、リース対象資産の費用は
当該資産の性質に応じて貸借対照表に計上され、同額の負債が計上され、その金額はリース対象資産
の公正価額および貸主に対して支払われる金額の現在価値と適切な場合には買取オプション行使価格
の合計のいずれか少ない方となる。これらの資産は、当公庫の自己使用目的の有形固定資産に適用さ
れるもの(注記 2.12 を参照のこと。)と同率で減価償却される。
いずれの場合においても、ファイナンスリースにおける金融収益および金融費用はそれぞれ、その
発生を見積もるためにリースについて実効利率法を適用して、現行のスペインの法律( 2017 年スペイ
ン中央銀行通達第4号)に従って計算され、損益計算書の「利息および類似収益」および「利息およ
び類似費用」に計上される。
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2.9.2 オペレーティングリース
オペレーティングリースにおいて、リース対象資産の所有権ならびに実質的にすべての所有権に係
るリスクおよび報酬は貸主が保有する。
当公庫がオペレーティングリース取引において貸主として行為する場合には、リース対象資産の取
得原価は、当該資産の性質に応じて、「不動産投資」の「有形固定資産」または「オペレーティング
リースにより譲渡されたその他の資産」に計上される。これらの資産は、類似の自己使用目的の有形
固定資産について採用された方針に基づき減価償却される。リース契約の収益は、定額法で損益計算
書の「その他の営業収益」において認識される。
当公庫がオペレーティングリース取引における借主として行為する場合には、リース負債は、契約
の当初評価額および原価で評価される使用権資産として、(固定、変動、コールオプションの行使お
よびその他の形で)予定される支払の現在価値で認識される。
2.10 人件費
2.10.1 短期報酬
従業員への短期報酬とは、従業員が役務を提供した年度末後 12ヶ月以内に行われる支払をいう。報
酬は一般に、当期の人件費として、受領し、記録した役務について支払われる金額で、調整を行わず
に測定され、負債の見越勘定が費用の合計とすでに支払われた金額との差異について計上される。
2.10.2 退職後約定金
当公庫が従業員に関して締結した年金契約は、有効な団体賃金協約に反映されており、確定拠出契
約に相当する。
当公庫の従業員は、政府が提供し、 2002 年11月29日勅令第1号により承認された年金制度および基
金規制法および 2004 年2月 20日勅令第 304 号により承認された同規則の規制を受ける共同従業員年金制
度に加入しており、同制度は、ヘスティオン・デ・プレビシオン・イ・ペンシオネス・エンティダ・
ヘストラ・デ・フォンドス・デ・ペンシオネスが運用し、 BBVA に預託される BBVA エンプレオ年金基金
に含まれる。
確定拠出契約として、当公庫は、キャリア公務員または暫定政府職員、契約社員、臨時社員または
上級管理職であるかにかかわらず、毎年5月1日現在勤続年数が2年を超える従業員のために年次拠
出を行う。年次拠出額を計算する際に以下のパラメーターが考慮される。
・従業員が帰属する専門集団
・勤続年数(契約にかかわらず、従業員が政府に勤務した3年間の数とする。)
拠出金額は、毎年一般国家予算で承認された金額である。 2019 年12月31日現在、当年度において
「人件費」として計上された費用はなく、 2018 年12月31日現在の過年度においてもなかった。
2.10.3 死亡障害給付金および退職金
退職前に当公庫が従業員と締結した退職金および死亡障害給付金についての契約およびその他類似
の項目は、年次財務書類日現在の法定債務および潜在的債務の現在価値を計算し、保険数理上の損失
から保険数理上の利益を差し引いたもの、認識されていない過去の役務費用および約定額を保障する
資産(保険契約を含む。)の公正価額を控除して見積もられる。過去の役務費用および保険数理上の
利益または損失の全額は直ちに認識される。
2019 年12月31日現在、退職後給付のための引当金 579 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 919 千ユー
ロ)が計上されている。
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2.10.4 退職手当
退職手当は、当公庫が従業員または従業員グループを通常の退職日前に確実に解雇する場合、また
は従業員の希望退職の奨励金として報酬を支払う場合に限り、損益計算書の「人件費」および貸借対
照表の「引当金」において「年金および年金類似債務引当金」に計上される。
2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫はこの項目について引当金を計上しておらず、当該割当
を要する制度または契約も存在しない。
2.11 法人税
法人税は、費用とみなされ、一般に損益計算書の「法人税」の項目に計上される。
当期法人税費用は、当該年度の課税所得について支払うべき金額として計算され、当該年度の一時
差異から生じる資産および負債の残高の変動、税額控除および欠損金繰越について調整される(注記
23を参照のこと。)。
当公庫は、資産または負債の簿価と課税標準額に差異がある場合には、一時差異があるとみなす。
税務上資産または負債に帰属する金額は課税標準とみなされる。課税対象一時差異とは、当公庫が将
来政府に対する支払債務を負うことである。控除可能一時差異とは、当公庫に対して償還権が生じ、
または将来政府に支払うべき金額が減少することをいう。
税額控除および欠損金繰越とは、活動が完了し、または結果が得られたとしても、税制に定める条
件が満たされるまで税務上確定申告には適用されない金額をいい、当公庫は、将来適用する可能性が
ある。
当期税金資産および負債とは、税金が認識された日から 12ヶ月以内に当公庫が該当する税務当局か
ら回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。繰延税金資産および負債とは、将来当公庫が
該当する税務当局から回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。
繰延税金負債は、すべての課税対象一時差異について認識される。上記にかかわらず、営業権の認
識に基づく繰延税金負債は計上されない。
当公庫は、以下の条件を満たす場合に、控除可能一時差異、税額控除または欠損金繰越から生じる
繰延税金資産のみを認識する。
-繰延税金資産は、当公庫が相殺するに十分な将来の課税所得が生じるとみなす場合に限り認識さ
れる。
-欠損金から生じる繰延税金資産の場合には、今後繰り返して生じる可能性が低い理由により生じ
たものとする。
資産が当初認識される場合、企業結合から発生しない場合、かつ認識時に、帳簿または課税所得に
影響を及ぼさない場合には、繰延税金資産または負債は認識されない。
各決算時に、繰延税金資産および負債は有効であることを確認するために見直され、評価の結果に
基づき調整される。
2.12 有形固定資産
2.12.1 自己使用目的の有形固定資産
自己使用目的の有形固定資産には、当公庫が管理目的で現在または将来の自己使用のためまたは資
産の製造または供給のために保有する資産で、1会計年度を超えて使用する予定のファイナンスリー
スに基づき所有または取得した資産が含まれる。とりわけ、この科目には当公庫が第三者に対する債
権を表章する金融資産の全部または一部の決済として受領する有形固定資産で、内部での継続的な使
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用が見込まれるものが含まれる。自己使用目的の有形固定資産は、貸借対照表に取得原価で計上さ
れ、取得原価は、支払われた対価の公正価額に支払済みまたは支払予定の金銭を加え、累積減価償却
費および(必要に応じて)各項目の正味価格と対応する回収可能価格とを比較して決定される見積減
損損失額を差引いた金額となる。
上記の目的において、当公庫の自己使用目的の有形固定資産の一部を構成する担保実行資産の取得
原価は、担保実行と引き換えの金融資産の正味価格に類似している。
減価償却費は、定額法で、取得原価から残余価値を差引いて計算される。建物その他建造物が建っ
ている土地は、期間無制限であるため、減価償却されない。
有形固定資産の減価償却費への年間割当は損益計算書の「減価償却費-有形固定資産」に計上さ
れ、該当資産の推定耐用平均年数に基づき計算される以下の減価償却率に相当する。
年率
建造物
2%
備品 4%から 15%
器具および事務機器 10%
コンピューター機器 25%
輸送機器 16%
各決算期において、当公庫は、内部または外部で有形固定資産の正味価値が回収可能価格を超える
兆候があるか否かを判断する。兆候がある場合には、該当資産の簿価は回収可能価格に減額され、将
来の減価償却費用は、新たな見積りを要する場合には調整後の簿価および新たな残余耐用年数に比例
的に調整される。自己使用目的の有形固定資産の簿価の減額は、必要に応じて損益計算書の「非金融
資産の減損または減損の戻入」に計上される。
同様に、有形固定資産の減損が回収されたことを示す場合には、当公庫は、過年度に計上された減
損損失の解消を損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」において認識し、将来の減価償
却費を調整する。いかなる場合においても、資産に関連する減損損失の解消は、過年度に減損損失が
認識されなかった場合に得たはずの簿価を上回らない。
また、自己使用目的の有形固定資産の推定耐用年数は、少なくとも年に一度大幅な変動がないか見
直される。変動がある場合には、新たな推定耐用年数に基づき将来損益計算書に計上する減価償却費
を訂正することで調整される。
自己使用目的の有形固定資産に関する維持管理費用は、かかる費用が発生した年度の損益計算書の
「その他の管理費」に計上される。自己使用目的の有形固定資産のための資金調達により発生した金
融費用は、発生時に損益計算書に計上され、当該費用は取得原価に含まれない。
2.12.2 不動産投資
貸借対照表の「不動産投資」においては、賃貸用または将来の時価の上昇により売却益を得るため
に保有している土地、建物その他建造物の正味価値を認識する。
不動産投資の取得原価の認識について減価償却、それぞれの耐用年数の見積りおよび減損損失の記
録に適用される基準は、自己使用目的の有形固定資産に関するものと一致する(注記 2.12.1 を参照の
こと。)。
2.13 無形資産
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無形資産とは、物理的に存在せず、取引の結果生じ、または当公庫が内部で開発した特定可能な非
貨幣性資産をいう。客観的に合理的な原価を見積もることができ、当公庫が将来財務的利益をもたら
すとみなす無形資産のみが会計上認識される。
営業権以外の無形資産は、取得原価または生産原価から累積減価償却費および減損損失を調整した
額で貸借対照表において認識される。
無形資産は、あらゆる要素について評価し、当公庫に対して純キャッシュフローを生じる期間に予
測可能な期限がない場合には、無期限の耐用年数を有するものとし、その他のあらゆる場合には期限
付耐用年数を有するものとする。
各決算期に、当公庫は、無期限の継続を確認するために、それぞれの残存耐用年数を見直すが、無
期限の耐用年数を有する無形資産は償却されない。これ以外の場合には必要な措置を取る。
期限付耐用年数を有する無形資産は、有形固定資産に適用されるものと類似のいくつかの基準を用
いて償却される。これらの無形資産についての年次減価償却費は損益計算書の「減価償却費-無形資
産」に計上される。
耐用年数の期限の有無にかかわらず、当公庫は、無形資産の減損を認識し、対応するものとして、
損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」にそれらを計上する。これらの資産に対する減
損損失および適切な場合には過年度に認識された減損損失の解消の認識に適用される手法は有形固定
資産に適用されるものと同様である(注記 2.12.1 を参照のこと。)。
2.14 引当金および偶発債務
年次財務書類を作成するにあたり、当公庫は、引当金と偶発債務を以下の通りに区別した。
-引当金とは、事業体に対して金融損失が生じる過去の事象から派生した貸借対照表日現在有効な
債務を対象とする貸方残高である。かかる損失が発生する可能性は高く、種類を特定できるが、
その金額または決済日を決定することはできない。
-偶発債務とは、過去の事象の結果として生じる可能性がある債務のうち、当公庫の支配を超える
一つまたは複数の将来の事象を条件として存在するものである。
当公庫の年次財務書類には発生の可能性がある債務に対するすべての重要な引当金が含まれる。偶
発債務は、年次財務書類において認識されないが、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の要件に基づ
き情報が開示される(注記 19を参照のこと。)。
引当金は、当該事象の状況に関して入手可能な最善の情報を用いて数量化され、年度末に再度見積
もられる。当該引当金は、当初認識した特定の債務を充足するために使用されるが、当該債務が消滅
または減少した場合には、全部または一部が繰り入れられる。
2019 年および 2018 年末、当公庫に対して、通常の業務から生じる法的手続きおよび請求が多数提起
された。 ICO の法律顧問および取締役は、これらの手続きおよび請求の終了により、これらが終了する
年度の年次財務書類に必要に応じて開示されるもの以外に重大な影響を及ぼさないと理解している。
前期の基準に従い必要とみなされる引当金は、損益計算書の「引当金経費または引当金の戻入」に
計上される。
2.15 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書において用いられる用語は、以下の意味を有する。
-キャッシュフローとは、現金および現金同等物の流入および流出をいい、流動性が高く、価値の
変動リスクが低い短期投資をいう。
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-営業活動とは、一般的な金融機関の活動および投資または金融活動に分類されないその他の活動
をいう。
-投資活動とは、非流動資産ならびに現金および現金同等物に含まれないその他の投資の取得、売
却またはその他の手段による処分をいう。
-金融活動とは、持分および負債の規模および構成を変更する活動のうち、営業活動を構成しない
ものをいう。
2.16 売却目的保有の非流動資産および売却目的保有の非流動資産に関連する負債
貸借対照表の「売却目的保有の非流動資産」には、年次財務書類日から1年以内に現状有姿で売却
される可能性が高い個別の項目の簿価が計上される。
例外的に、1年を超える期間にわたって売却されることが予想される場合には、当公庫は、損益計
算書の「廃止事業に分類されない売却目的保有の非流動資産に係る損益」の項目における時間的価値
の変動を加味し、最新の売却価格を算定する。
その結果、金融資産または金融外資産であるこれらの項目の簿価は、継続的な使用ではなく売却価
格を通じて回収される。
特に、債務者の当公庫に対する支払義務の全部または一部の決済のために当公庫が受領した不動産
その他の非流動資産は、当公庫がこれらの資産を継続して使用することを決定しない限りは、売却目
的保有の非流動資産とみなされる。
対称的に、「売却目的保有の非流動資産に関連する負債」は、グループに関連するまたは当公庫の
業務の障害に関する貸方残高を含む。
売却目的保有の非流動資産は、一般に認識時の簿価と見積売却費用を調整した公正価額のいずれか
低い方で測定される。種類に応じて減価償却される有形固定資産および無形資産は、本科目に含まれ
る間は減価償却されない。
資産の簿価が売却費用を調整した公正価額を上回る場合には、当公庫は、資産の簿価を超過額分調
整し、対応するものとして、損益計算書の「廃止事業に分類されない売却目的保有の非流動資産に係
る損益」に計上する。資産の公正価額がその後増加する場合には、当公庫は、すでに計上した損失を
取り消し、減損前の価格を上限として簿価を増額し、損益計算書の「廃止事業に分類されない売却目
的保有の非流動資産に係る損益」に計上する。
売却目的で行われる保有の非流動資産の売却の結果については、損益計算書の「廃止事業に分類さ
れない売却目的保有の非流動資産に係る損益」に示されている。
ただし、中断されている事業の一部である、金融資産、従業員給与からの資産、繰延税金資産およ
び保険契約のための資産は、前段落に従うのではなく、この概念に適用される注記2の上記の段落に
説明のある原則および規則に従って評価される。
2.17 企業結合
一企業の買収をその最終的な実績に含む、取得された企業が当公庫から独立した法律上の地位を維
持する企業結合は、年次財務書類の貸借対照表の「株式-子会社」に計上される(注記 2.1 を参照のこ
と。)。
注記3 顧客支援サービス
2004 年7月 24日、 ECO734 法令が制定された。これは顧客支援サービス業務に関連するもので、顧客
支援サービスならびに銀行サービスおよび信用機関の擁護官の規制を目的としている。 ICO は、顧客
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サービス部門の設置を義務付けられてはいないが、当公庫は、かかるサービスに関し、金融機関とし
て遂行する業務に関して受けるあらゆる要求および苦情に対処している。質の高いサービスを提供す
るため、 2006 年12月、当公庫は ICO の貸付者、利用者および顧客からのあらゆる苦情および提案を受付
け、処理し、対応し、かつ返答する業務を集中的に行う部署の設置を決めた。
2019 年に受けた苦情の件数は 136 件であり( 2018 年は 93件)、平均 3.4 営業日以内に処理された
(2018 年を下回った )。全苦情の 88%が仲介業務( ICO ダイレクトおよび ICO SGR )における与信取引
関連であり、そのためこれらは該当する信用機関に引き渡された。3%の苦情は、 ICO ダイレクト業務
の払戻しまたは決議に関するものであり、また3%の苦情は、その他の問題に関連するもので、 ICO が
扱う製品やサービスには関連しないものであった。
注記4 利益の分配
2019 年における利益は 106,941 千ユーロであり、年次財務書類作成日現在、その分配について、経
済・デジタル変革省による決定はまだなされていない。かかる分配は、当公庫の定款の規定に従って
行われる。
注記5 リスク・エクスポージャーおよびその他の情報
5.1 リスク-その全般的特徴
リスクは金融活動に内在するものである。リスクを正しく測定し、管理し、制御することにより、
顧客、投資家および従業員の信頼の基礎となる適切な利益率の達成と事業体の支払能力の維持が容易
になる。
金融機関が抱えるリスク を詳細に分類することを目的としなければ、流動性リスク、市場リスク、
信用リスクおよびオペレーション・リスクの4種類に分類することができる。
・ 流動性リスクとは、債務返済に見合うだけの十分な流動資産が欠如する結果生じるリスクをい
う。これは、不適切な資産および負債の満期構造または例外的な市場危機によって起こる。
・ 市場リスクとは、国内外通貨の金利、為替、株価のような金融変数の不利な変動により生じる
損益計算書および資本に影響を及ぼすリスクをいう。かかるリスクは、貸借対照表上または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオに関する市場リスクの二つに大別される。
・ 信用リスクとは、投資の推定期間内にかかる投資の元利金全額が回収できないリスクをいう。
かかるリスクは、銀行との関係における相手方リスクおよび投資活動における信用リスクの二
つに大別される。
・ オペレーション・リスクとは、予測不能な状況における管理上、社内手続上、会計上、 IT関
連、法的または外的な過誤の結果生じるリスクをいう。
金融機関として、 ICO はこれらの種類のリスクに晒されており、理事会が承認したリスク方針マニュ
アルに従って、これらを効果的に管理するよう、識別し、計量化し、監視しなければならない。かか
るマニュアルは、様々な方法、適用ある規制・手続きおよび組織構造を編集したものである。
5.2 リスク-組織構造
あらゆるリスクをカバーするため、当公庫は、( 2018 年8月 29日理事長通達第3号に基づき)管理
およびリスク・財務局長の管轄下のリスク局長の下に特別部署を設置した。
リスク局長の職務には、内部リスク方針ならびに当公庫の財務リスクおよび信用リスクの分析・管
理・監視方法の作成および提案、 ICO の信用リスクの許容性の評価ならびに国内的および国際的なリス
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ク規制に ICO が適合しているかの監督、また同時にその権限の下にある部門の業務遂行の運営、調整お
よび監督等が含まれる。
リスク専門の部署とは、リスク計量化技法および承認部、グローバル・リスク管理部、継続管理お
よび回収部、であり、それぞれが決められた職務を遂行している。
グローバル・リスク管理部の主な職務は以下の通りである。
・ 当公庫の金融リスクの計量化技法の作成、提案および管理。
・ 金融リスクの上限および承認済みのリスク方針の遵守の監督。
・ 借り手の信用枠の定期的な分析、監視および見直し、それらの分析ならびに貸付仲介業者と借
り手の水準の監視。
・ リスク計量化システム、バックテストおよびストレステストの定義および見直し。
・ 新規金融商品のための市場価額基準の提案、リスクの計量化および潜在的(追加)リスクに係
る技法の設定。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の法律の適用についての分析。
・ 新規商品の市場価格および構造ならびにその潜在的(追加)リスクの評価。
・ リスクに係る承認された技法の正確な適用の監督。
・ 流動性枠証券化ファンドの運営における信用リスクの分析。
・ 流動性、市場、信用度および新規商品に関する新たなリスク限度枠の提案。
・ 資産および負債に係る委員会、管理委員会、監視委員会および理事会に向けたリスクの状況の
報告および分析。
・ スペイン中央銀行に対する金利リスク、流動性比率、巨大リスクおよびバーゼル比率の状態の
報告。
・ リスク調整後リターンツール( RAR )の更新および維持管理。
・ リスク調整後資本利益率( RORAC )における ICO の価格統制ツールの更新および維持管理。
・ リスク・アペタイト・フレームワーク( MAR )。
・ 証券化に関する分析、検討および報告。
リスク計量化技法および政策地域を決する、リスク計量化技法および承認部は主として以下の機能
を含む。
・ 新規資産商品および自動化手続きに含まれていない直接信用供与のリスクが許容範囲内である
かどうかの評価。
・ 顧客および顧客の金融グループに関し、 ICO により承認された直接信用供与のリスク限度枠が適
切であるかどうかの分析。
・ すでに形成されており意思決定機関の承認が求められる事業の変更を ICO が実行する上でのリス
クの分析および評価。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会の調整。
・ 直接信用供与のリスク方針および/または適切である場合には ICO によりすでに承認された方針
の変更に関し、 ICO 内部の意思決定機関による承認の定義および提案。
・ 必要とされる財務業務に関するカントリー・リスク報告の作成および改訂。
・ リスク計量化技法の開発、応用マニュアルの作成およびプロジェクト融資の信用評価に関連す
る手段の継続。
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卸売の監視部および回収部ならびに小売の監視部および回収部を下部組織とする、監視部および警
戒解除部は、以下に挙げる機能を有する。
卸売の監視部および警戒解除部:
・ 直接融資業務のリスクのコントロールおよび追跡を行い、不良運用、破綻処理された取引およ
び損失処理された取引に起因する収支の回復を促進し、有効枠におけるポートフォリオの諸条
件の順守を監視すること。
・ 仲介貸付枠につき ICO の信用リスクの観点から分析および評価。
・ リスク・シェアリングの場合の、 ICO の仲介貸付枠に規定された非金融条件の遵守の管理・検
証。
・ ICO の直接的な顧客および顧客の金融グループに関する内部格付システム、カントリー・リスク
格付システム、運用リスク計量化技法および信用リスク制限技法の設定および維持。大規模な
リスク・エクスポージャーの統制および報告。
・ すべての必要な情報を用いた ICO のポートフォリオの質の確保。
・ ICO からの直接貸付ポートフォリオに関する監視委員会の調整。
・ 有効な規制に基づく引当金の分配/破棄の提案。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会への出席。
・ 該当する法務・事業分野と連携した、遅滞、決済および不履行となった金融取引に関する適切
な回収手続きの推進。
・ 規制機関(格付機関、内外の監査人、監査人の裁判所およびスペイン中央銀行等)からの要望
に対する応答。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
小売の監視および警戒解除部:
・ 小売業者に対する直接業務のリスクのコントロールおよび監視。
・ 目的区分に相当する借換運用の実現可能性の分析。
・ 当公庫から他企業へ管理が外注されている、 ICO が保有する貸付金の回収作業の監視およびコン
トロール。かかる作業は、中小企業、零細企業、自営業者および個人へのサービス提供契約を
通じて行われている。
・ 中小企業、零細企業、自営業者および個人に対して当公庫が直接的に経営管理を遂行してい
る、 ICO によって保有されている貸付金の回収管理。
・ 個々の分野の記録(決議提案、失敗、借換契約、取消、直接管理への業務移行等)に関する ICO
内部の意思決定機関への提案準備。
・ 監視委員会における、リテールリスクの貸付ポートフォリオの状況の作成および提示。
・ 事業体に移転される事由の対応と解決に関する金融業務および経済政策の法律顧問部門の調
整。かかる事業体には、係争回復のサービスの提供が委任されており、また裁判上の請求の過
程および倒産の手続きまたは同様の特性を有する事柄において、 ICO が様々な局面に置かれるこ
とが要求されるその他の行動が委任されている。
・ リテールポートフォリオのすべての貸付の保有者および/または保証人が顧客サービス部を通
じて受けた依頼の管理。
・ 重大な経済危機、自然災害またはその他類似の出来事の結果、政府取引される直接金融業務の
監視、承認および企画。その後における、当該状況および一定の借り手グループの活動範囲に
関連する政府機関への移転に対する取組みまたは行動提案の評価。
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ICO は様々な種類のリスクに関する専門家集団を擁しており、それぞれが職務における責任を持って
かかるリスクについての原則、有効なリスク方針マニュアルおよび既存の内部手続きに従い任務を遂
行している。
5.3 ICO における流動性リスク
スペインのコミュニティ法およびその発展は、本件に関しては事業体における流動性リスクの測
定、コントロールおよび管理のシステムに対する一般的な要件を規定するのみであるが、以下の規範
文書に含まれる。
-信用機関の活動へのアクセスならびに信用機関および投資会社の健全性監督に関する 2013 年6月
26日EU指令第 36号。
-金融機関および投資サービス会社の健全性要件に関する 2013 年6月 26日EU規則第 575 号第6部。
-2013 年規則第 575 号第7章、第7の2項および第7の3項に従い技術的施行規則を規定する、 2014
年4月 16日施行規則第 680 号。
-金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 28日法律第 10号第 41条、第 42条および
付則8。
-2014 年法律第 10号第 53条を発展させる 2015 年2月 13日勅令法第 84号。
-流動性ヘッジ要件( LCR )に関する 2013 年EU委任規則第 575 号を終了させた 2014 年10月10日以降の
2015 年EU委任規則第 61号。
-証券化ファンドの会計基準、年度会計、公的年次財務書類および積立統計情報を規定する、 2016
年2月2日通達第2号。これは、 2008 年5月 22日通達第3号(廃止)の規則 51、DT6および別紙
Ⅶに置き換わる。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、2月 16日からの委員会の 2016 年EU履行規則第 322 号。これ
は、流動性カバレッジ要件( LCR )の団体による監督目的のための情報の伝達に関連する技術履行
基準を規定するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、3月1日の委員会の 2016 年EU履行規則第 313 号。これは、流
動性に関する情報の目的のための付加的制御パラメーターに関するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、 2017 年11月9日 EU履行規則第 2114 号。これは、定型書式およ
び指示に関するものである。
-2017 年11月27日通達第4号、規則第 59条および第 60条。
一般的に、 2016 年通達第2号のリスクの取扱いに関する第6章の規則 51に含まれる、従うべき一連
の行動基準(質的要件)を超える流動性リスクに関する特定の資本要件は存在しない。かかる通達は
また、第5章に含まれる資本の自己評価の過程および監督上の見直しの過程において実行された行動
を報告する必要性にも言及しており、これはすべて、その内部資本がその現在および将来の活動を補
填するのに十分であるかどうかを評価するためのものである。
現在、更新版のバーゼルⅢの流動性および支払能力に関する文書「銀行および銀行システムを強化
するのための世界的な規制の枠組み」ならびに「バーゼルⅢ:計量に関する国際的な枠組み」の公表
に伴い、流動性リスクの基準および監視が、流動性の計量および管理のより効率的なパラメーターを
保証する指針となる新たな措置となっている。 2013 年1月1日、バーゼル委員会は、「流動性ヘッジ
比率および流動性リスク管理ツール」を公表し、これにより短期流動性比率の定義付けおよび監視が
前進した。また、これは 2014 年1月 12日における「市場に基づく流動性指標の監督ガイダンス」によ
り補足された。
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かかる方面において、 2015 年1月 17日に流動性カバレッジ比率( LCR )に関し、欧州議会および欧州
理事会の 2013 年自己資本規制( CRR )第 575 号を修正する、 2015 年委任規則第 61号が公表され、 2015 年
10月1日から 60%、 2016 年1月1日から 70%、 2017 年1月1日から 80%、また 2018 年1月1日には完
全な適用( 100 %)となるよう義務付けられた。
2014 年1月、長期流動性比率の定義および計算に関する協議書類「バーゼルⅢ:安定調達比率
(NSFR )」が公表され、 2014 年4月 11日までの協議段階を経て、 2014 年10月に最終文書が公表され
た。これにより、安定調達比率の最低水準の計算が必要となっている。 2019 年6月に 2019 年規則第 876
号が公表された後、 2021 年6月末から同比率の報告に関する新たな雛形の公表まで適用される予定で
ある。
2013 年およびその翌年以降の活動中、当公庫は追加の流動性管理として、短期流動性比率および長
期流動性比率の計算を毎月行った。当公庫は、すべての期間において将来適用される制限の範囲内に
収まる結果を得た。
さらに、 2015 年およびその翌年以降を見越して、また 2014 年10月に BIS により公表された「バーゼル
Ⅲ:安定調達比率」ならびに各時点で有効な定義および基準に基づき、四半期毎にその結果が計算さ
れ、安定調達比率に関する1年後( 2020 年まで)の様々なシナリオを導入した ICO の残高が提供され
る。
ICO では、流動性リスクの報告、監視、管理を担当する組織構造が明確に定められている。
貸借対照表上の流動性リスクを監視するために用いられている計量化技法は、流動性ギャップであ
る。この流動性ギャップは、キャッシュフローを生じさせるすべてのオンバランス項目およびオフバ
ランス項目について実際の実行日の資金の流入と流出の差額に関する情報を、毎日、 12ヶ月を上限と
する期間において提供する。
流動性ギャップは1週間、1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の期間で計量化されている。それぞれの期
間において、当公庫の負債合計の次の割合を越えてはならない。1週間期間については 0.5 %以内、
1ヶ月期間については1%以内、3ヶ月期間については 2.5 %以内および6ヶ月期間については5%以
内である。
短期流動性の監視は、毎日行われる。限度額の監視および管理も1週間、1ヶ月、3ヶ月および
6ヶ月の単位で毎週および月末に行われる。
ICO は流動性の危機的水準の予測が可能となる計量化された限度額および警報システムを設定した。
また、流動性リスクを低減するために基本的な資金調達源を多角化する方針を採り、年次資金調達
計画の必要資金額および資金調達日についての情報を確立するために、新規事業活動の予定を含む流
動性を定期的に見直している。
同様に、ストレスシナリオにおいて財務資源を用いる際の参考として優先順位を規定する流動性コ
ンティンジェンシー・プランが、 2018 年2月 27日に理事会によって承認された。
ICO は通常、銀行間取引市場、レポおよび同時流動性ならびに大規模あるいは小口の負債性証券の発
行等、流動性を様々な方法で調達する。
アメリカのサブプライム市場不況に端を発する国際および国内市場に影響を与えた金融危機は、金
融市場に著しい低迷を引き起こし、国内外の金融法人の資金調達のための資源を著しく減少させた。
結果として、銀行間取引市場または負債性証券の発行を通じての資金調達にも深刻な影響を及ぼし
た。
この新たな状況のため、 ICO は、期日に間に合う正確な支払義務、また、戦略的な経営、投資および
成長目標を達成するための確実な流動性にするために、従前と同様に 2019 年を通してもこの新たな状
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況に適応するための決断をした。これらの方策により、 2020 年においても ICO の流動性の欠乏は見込ま
れていない。
ユーロ建て取引およびデリバティブヘッジの満期分析
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の金融資産および金融負債として認識されるユーロ
建てデリバティブにおける契約満期(デリバティブ内蔵ハイブリッド金融商品を除く。)、および金
融デリバティブとみなされるローン契約(現金、またはその他の金融資産により調整の上、決済され
る契約であって、当公庫のキャッシュフローの見積りを理解するために満期を最も重要とするも
の。)を概念的に示したものである。
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
259,464 230,384 315,133 - - 804,981
-そのうち :デリバティブとして
みなす貸付承諾
4,525,140 6,413,078 1,008,134 241,004 18,623 12,205,979
デリバティブヘッジ
4,784,604 6,643,462 1,323,267 241,004 18,623 13,010,960
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
177,684 320,008 343,260 - - 840,952
-そのうち :デリバティブとして
みなす貸付承諾
5,514,585 3,540,420 955,153 275,711 2,552 10,288,421
デリバティブヘッジ
5,692,269 3,880,428 1,298,413 275,711 2,552 11,129,373
上記の表に記載された情報は、以下の点に注意を要する。
・支払時期を相手方が選択できる場合、当該デリバティブは当公庫への支払を要求される第1ピリ
オドに割り当てられる。
・上記の表に記載された金額は、値引きされていない契約額である。金利スワップは、差額による
決済の場合はその純額で、デリバティブとみなされるローン契約はその総額で、およびその他す
べての金融デリバティブは、差額により決済されず、その換算契約額で記載されている。
・インデックスの実績により決定される等の理由により報告日に契約額が明記されていないデリバ
ティブは、残存期日を分類することを目的とする上記の表においては、それぞれ 2019 年および
2018 年12月31日現在の主導的状況を基礎として決定された。
流動性 GAP による分析
流動性マネジメントの目的は、事業体が必要性をカバーするための適切な流動性水準を短期的にも
長期的にも維持し、損益計算書における費用の影響を最適化するよう確実にすることである。
収支上の流動性プロファイルは、少なくとも今後 12ヶ月間の統制、経営陣への情報提供および資金
需要の分析のために毎日監視されており、また当該期間に予測される活動をカバーするため、資金需
要の分析にシナリオを組み込んでいる。
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上述のように、 ICO の流動性マネジメントは、収支における事業の契約上の満期により生じる流入と
流出との差異(流動性ギャップ)の分析を基盤としている。この分析は、事業体が利用可能な異なる
資金調達源を用いて、得る必要のある資金額に関する必要な情報を提供する。
また、当公庫は、必要な場合には、欧州中央銀行に対する割引を通じて直ちに流動性を得られる質
の高い流動資産のバッファーを維持している。以下の2つの目的のため、当公庫が流動性準備金とし
て使用できる資産残高は、マイナスの流動性ギャップを十分にカバーできる。
-流動性ギャップをカバーするために必要な資金額およびかかる資金を得る時期を計画する際の柔
軟性に寄与する。
-市場の緊張または危機的状況の可能性に対処するための安全バッファー。
以下の表は、異なる満期の流動性の流入と流出を比較したものである(部分的流動性ギャップおよ
び累積流動性ギャップ)。外貨による流入および流出はその額に相当する当該通貨で表されている。
さらに、流動資産残高および流動性ギャップに対するカバレッジ水準の推移は、異なる期間につい
て組み込まれている。
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月 1~2年 2~5年 5年超
ユーロによる流入相当額
3,178,013 2,700,315 4,255,728 5,066,752 6,894,136 11,432,780 6,907,400
ユーロによる流出相当額 -3,684,756 -4,377,907 -4,139,032 -4,163,049 -7,417,998 -7,252,399 -2,844,975
部分的流動性ギャップ -506,743 -1,677,592 116,696 903,703 -523,862 4,180,381 4,062,425
-506,743 -2,184,335 -2,067,639 -1,163,936 -1,687,798 2,492,583 6,555,008
累積流動性ギャップ
流動性の高い資産のバッファー 6,025,462 6,107,588 6,110,296 5,532,135 4,011,824 111,532 -
流動資産のバッファーおよび累
5,518,719 3,923,253 4,042,657 4,368,199 2,324,026 2,381,051 6,555,008
積流動性ギャップの差異
マイナスの累積流動性ギャップ
に対する流動資産のバッファー 1189 % 280% 296% 475% 238% n.a. n.a.
のカバレッジ比率
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月 1~2年 2~5年 5年超
ユーロによる流入相当額
6,976,624 2,593,682 2,920,046 5,430,434 7,873,834 13,458,668 6,614,182
ユーロによる流出相当額 -7,346,182 -1,563,840 -5,552,088 -5,090,123 -6,638,710 -10,106,881 -3,101,153
部分的流動性ギャップ -369,558 1,029,842 -2,632,042 340,311 1,235,124 3,351,787 3,513,029
-369,558 660,284 -1,971,758 -1,631,447 -396,323 2,955,464 6,468,493
累積流動性ギャップ
流動性の高い資産のバッファー 7,405,589 8,180,089 8,495,880 8,529,226 6,025,420 281,222 -
流動資産のバッファーおよび累
7,036,031 8,840,373 6,524,122 6,897,779 5,629,097 3,236,686 6,468,493
積流動性ギャップの差異
マイナスの累積流動性ギャップ
に対する流動資産のバッファー 2004 % n.a. 431% 523% 1520 % n.a. n.a.
のカバレッジ比率
これらの表から分かるように、マイナスの累積流動性ギャップは、利用可能な流動資産のバッ
ファーによりカバーされている。
また、 ECB の方針上、割引により非常に短期的に流動性が確保できる別の種類の適格担保資産があ
る。取得できる潜在的な流動性は、 2019 年および 2018 年12月時点でそれぞれ 1,234,136 千ユーロおよび
829,631 千ユーロであった。
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5.4 ICO における市場リスク
上述のように、市場リスクは二つの大きなグループに分類することができる。貸借対照表または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオ・リスクである。 ICO は内部方針として、現在のところ取引
ポートフォリオの最小化を図っており、現行の会計法規の適用によりヘッジまたは投資に分類するこ
とができないものだけを保有している。したがって、当公庫の市場リスクはほぼすべて通常の業務か
ら生じるものとなっている。
(1)標準的基準
金利および為替の変動へのエクスポージャーが具体化される標準的基準は、利益率と支払能力
の二つからなる。
利益率 : ICO においては、主に損益計算書に基づき計算され、関連する変数は利息または金融
業務の利ざやである。
支払能力:当公庫の資本はその借り手にとっては主たる保証といえる。資本または株式資本の
価額は支払能力を測定するための重要な基準である。
以上を考慮の上、下記が存在する場合、 ICO は、a)年間の利ざや感応度、b)純資本価値の感
応度、およびc)仮想取引ポートフォリオの「想定最大損失額」の計算という3本柱に基づき市
場リスク計量化システムを実行する。
(2)計量化技法
利ざやに関するリスク残を計量化するために、 2015 年より前までは加重平均返済期限分離
ギャップ法が使用されていた。これは資産額と負債額の差額および 12ヶ月以内に返済期限が到来
するかまたは更新される金利の付されたオフバランス取引を、それらが利ざやに影響を及ぼす期
間で加重平均して計算される。
資本の感応度を計量化するために、 2015 年より前まではデュレーション・ギャップ法が使用さ
れていた。デュレーション・ギャップは資産および負債の残存期間の差異として得ることがで
き、差異が求められると感応度ギャップの計算が可能となる。
両方法は、 2014 年半ばに利息収益および純資産に基づく他のシミュレーションに変更された。
想定最大損失額については、ポートフォリオの種類によってその計量化の方法が決定され、パ
ラメトリック法、ヒストリカルシミュレーション法およびモンテカルロ法に基づくことができ
る。
(3)リスクの程度
ICO が負うリスクの程度の決定は、リスク会計局長の提案に基づき上級経営陣がその責任を負
い、 ICO 独自の特徴に応じて許容限度を設定する。かかる許容限度は定期的に見直される。
利ざや感応度の限度を評価するため、市場カーブに基づき算出されたインプリシット・レート
および低下シナリオでは -1%のフロアを採用し± 200 ベーシス・ポイントの増減を採用するレー
トに基づき推定する。両計算の差異の絶対値は推定感応度となり、かかる値は -35 百万ユーロを超
えてシミュレーションされた利ざやの減少を示すことはできない。
ユーロ/米ドルおよびユーロ/英ポンドの為替変動に対する利ざや感応度を決定するため、
±10%の変動率が想定される。
為替リスクは、いかなる場合も利ざやについて設定された世界的な限度である 25%を超えては
ならない。
かかる金利変動に伴う± 200 ベーシス・ポイントの変動を採用した結果、 2019 年12月31日現在に
おける ICO の利ざやの感応度は、合計 -11.61 百万ユーロであり、このうちユーロにおける収支は -
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6.82 百万ユーロ、米ドルにおける収支は -2,673 千ユーロ、英ポンドにおける収支は -45 千ユーロで
あった。為替感応度(米ドル/ユーロおよび英ポンド/ユーロにおいて変動率± 10%)は、米ド
ルが-1,961 千ユーロ、英ポンドが -114 千ユーロであった。
純資産価値感応度の限度を設定するため、残高の現在価値は、市場カーブおよび直近の満期つ
いては金利の低下シナリオで -1%をフロアとし( 20年以上の満期については、フロアは0%に達
するまで毎年5ベーシス・ポイント上昇する。)、± 200 ベーシス・ポイントの増減を採用する別
のカーブを通じて算出される。かかる絶対値フロアは変動する。双方の価値の差異は、絶対値に
おける残高の純資産価値感応度と見なされる。純資産価値に占めるこの変動の割合(%)は、想
定純資産価値の 10%を超えて減少することはない。
ユーロ/米ドルおよびユーロ/英ポンドの為替変動に対する純資産価値感応度を決定するた
め、± 10%の変動率が想定される。
2019 年12月31日現在、 ICO の純資産の感応度は、合計 -5.22 %に達し、このうちユーロ金利が -
4.68 %、米ドル金利が -0.24 %、英ポンド金利が -0.03 %であった。為替感応度は、米ドルが -
0.22 %、英ポンドが -0.05 %であった。
(4)リスクの修正
効果的なリスク管理の最後の手段として、満期およびデュレーション・ギャップをその時々に
求められるリスク価値に当てはめて修正する方法がある。その結果、オンバランスおよびオフバ
ランスの金融商品は、市況に基づき、同目的上付与された権限の範囲内での経営陣の判断ならび
に収支管理部、統括的金融および戦略管理、または事業委員会に従い、使用される。
当公庫が 2019 年12月31日現在の貸借対照表で使用した主要通貨はユーロ、米ドルおよび英ポン
ドであり、かかる通貨建ての取引が負債全体の 95.1 %を占め、そのうちユーロ建てが約 72%、米
ドル建てが 23%超となっている。
貸借対照表の資産を見ると、ユーロが全体の約 92.7 %と集中しており、米ドルは 5.7 %超であ
る。一方、他の通貨は、残りに分配される。
当公庫が利用するユーロおよび米ドル以外の通貨について、その残高は実質的に金利リスクまたは
為替リスクを排除しているが、これは、当該通貨建てで資金調達を行い為替変動を完全にカバーする
デリバティブを用いてユーロ建てに転換するため、または、特定の資産の資金調達が当該リスクを回
避するよう企図されているためである。
リスク限度、リスクの監視および定期的な遵守の管理の設定に加え、 ICO は、関連ある金融変数の動
きの異なるシナリオが利ざやまたは純資本価値に及ぼす影響を精査するために、リスクの計量化、管
理および制御のために適用する統一システムを確立している。したがって、 ICO は、例えば、市場にお
ける金利カーブまたはストレスの状況が平行移動しない場合に ICO の分析サービスにより提供される将
来見積りを用いる等、複数のシナリオにおいて制御された変数が被る変化を定期的に監視する。
5.5 ICO における信用リスク
すでに述べている通り、当公庫では信用リスクを二つの大きなグループに分類している。相手方リ
スクとカントリー・リスクである。
相手方リスクには、オンバランスまたはオフバランスで行われる信用機関との取引が含まれる。取
引の管理と取引により発生するリスクの管理とをリアルタイムで統合するシステムにより、モニタリ
ング活動が行われ、担当者にいつでも利用可能な相手方信用枠について最新の情報を提供している。
ICO 内の管轄機関は、市場価格による取引の評価額に将来のリスクまたは追加リスク(取引の額面価
額に対する割合として計量化され、取引期間中の信頼水準 95%の潜在的最大損失として計算され
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る。)を加えた数値に基づいて相手方信用枠を使用する手法を定めて、これを承認した。この手法は
定期的に見直され、最低半期に一度の頻度で追加リスクが調整される。
また、 ICO の理事会は、相手方信用枠の設定に関する基本基準を半年毎に承認し、各相手方信用枠の
個別分析をする。かかる相手方信用枠は、 ICO の取引の特徴により、現金取引のための相手方信用枠と
仲介取引のための相手方信用枠という二つのグループに大別される。仲介取引では、 ICO は例えば事業
枠および起業家枠または国際化枠のよう に異なる事業体が締結した貸付枠の契約を通じて異なる投資
プロジェクトに貸付けている。
ICO が契約したデリバティブを伴う取引の相手方は信用度が高く、そのうちの約 100 %もの相手方が
格付機関より投資適格の格付を取得している。これらの相手方金融機関はスペイン内外で営業を行っ
ている。
仲介および直接融資の分野における ICO の信用機関との活動は、カウンターパーティー(うち約 95%
が投資適格の格付を保有している。)と行われている。
コーポレート信用リスクについて、 ICO は承認、監視および警戒解除という別々の評価および管理体
制を有している。
「承認」プロセスでは、当公庫は、継続事業評価に基づき企業および事業を分析し、リスクおよび
潜在的な顧客についての意見書を発行するために保証を分析するが、これらは事業委員会または理事
会による適切な意思決定の基礎となる。
「監視」プロセスは、当公庫の貸付ポートフォリオが最高の品質を有していること、すなわち、貸
付が合意された日に決められた通りに返済されることの実現を目的としている。取引に影響を及ぼす
事由は顧客およびそのグループの格付にも影響を及ぼすため、基本的な監視対象は取引ではなく顧客
である。この監視プロセスは、経済的および財政的な状態の定期的な見直しならびに意思決定のため
の支援ツールの更新の継続を用いた恒久的な管理により実現される。そしてそれは、警告の兆候を見
つけることも、供与された資金の返済を最大にするために問題のあるリスクに対する行動計画を促進
することも可能にする。
最後に、「監視およびリテールの警戒解除」分野の警戒解除の役割の重点は、電話、郵便または E
メールを通じて、債務不履行となった業務の債権回収をすることにある。また、かかる業務が訴訟の
段階に入った場合における支払合意の交渉および債権者の入札における当公庫の票を確立するための
入札にかけられた業務の調査にも焦点をあてている。
信用リスクについては、カントリー・リスクとして知られるリスクについて特記しなければならな
い。カントリー・リスクは、地理的、政治的および法的に「国家」として定義される地域に帰属して
いることを特徴とした相手方すべての支払能力に関するものである。
これに関連して、 ICO は、現行の規則に沿ったカントリー・リスク計量化技法を承認している。これ
は、複数の基準に基づいてリスク・グループ別に国を評価するという目的に沿ったものである。これ
により、カントリー・リスクのための引当を行う際の明確な基準が得られ、直接信用供与を評価し、
非居住者貸付のポートフォリオを分別する。国家をリスク・グループに分類するに当たっては、格付
機関と経済協力開発機構( OECD )およびスペイン輸出信用機関( CESCE )の評価をその情報源として使
用している。
5.6 ICO におけるオペレーション・リスク
特に新自己資本比率規制(バーゼルⅢ)を考慮した場合、オペレーション・リスクの計量化および
管理がよりいっそう重要となる。このリスクには、業務を実際に行う過程で生じる不適切な処理、不
正確な記録、システムの不具合等に起因するリスク、法的リスクおよび損失リスクが含まれる。
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この領域においては、オペレーション・リスクの取扱いを容易にする一定の手段が開発されてお
り、管理委員会および活動指標の毎月の監視方針、プロセスおよび内部手続きの開発、顧客および事
業を監視する方針の定義、事故の内部管理ならびに既存の危機管理計画が特筆される。また、内外の
監査人により実行される監査手続きおよび監査業務の定期的な管理も強調されるべき点である。
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5.7 企業に関する既存の信用リスク
5.7.1 産業別の分類
(*)
産業別の分類によると、既存のリスク の分布は以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2019 年 2018 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
不動産投資 561 5 703 6
公共販売住宅の建設 7 0 9 0
公共賃貸住宅の建設 379 3 433 4
土地の取得および開発 175 2 231 2
その他 - - 30 0
有形固定資産投資 8,042 73 7,085 67
再生可能エネルギー 1,545 14 1,015 9
水道インフラ 172 2 200 2
電力インフラ 958 9 657 6
ガスおよび化石燃料インフラ 855 8 589 6
輸送インフラ 3,520 32 3,965 38
観光・娯楽産業 35 0 20 0
医療/保健事業インフラ 112 1 141 1
電気通信事業 50 0 0 0
オーディオ機器の生産および展示 22 0 17 0
産業地区その他の建設 10 0 4 0
その他 745 7 371 4
調査開発の物資に対する投資 18 0 16 0
ICO 融資ライン 自治体 代理店
- - 90 1
企業買収 340 3 104 1
一般的企業ニーズ 132 1 707 6
債務の再編 1,150 10 768 7
一般国家予算 840 8 1,174 11
- - 186 2
金融仲介サービス
11,065 100 10,727 100
(*) 評価調整または減損損失(「その他の金融資産」を除く。)を除く顧客への貸付金を含む。また、顧客に対する金融
保証ならびに貸付金および未収金として公的機関が分類した居住者の負債性証券を含む。
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2019 年および 2018 年12月31日現在の総エクスポージャーは、主に三つの分野に集中している。「有
形固定資産投資」が全リスクに対して占める割合は、 2019 年は 73%( 2018 年は 67%)であり、「債務
の再編」分野は、 2019 年は全リスクの 10%( 2018 年は7%)、「一般国家予算」は8%( 2018 年は
11%)であった。
「有形固定資産投資」分野において、 2019 年のリスクの 32%( 2018 年は 38%)を占めた「輸送イン
フラ」による影響は強調すべき点である。
5.7.2 金融投資の地域別の分類
2019 年12月31日現在の全リスクは、 79%が 8,796 百万ユーロとなったスペイン国内における投資活動
への融資に関するものであり( 2018 年現在は 8,811 百万ユーロであり、 82%)、 21%がその他の国にお
ける投資プロジェクトへの融資に関するものであった。
2019 年の自治体毎の国土における投資計画のリスク分布については、アンダルシア州およびバレン
シア州が7%、マドリッド州が6%、カタルーニャ州が5%ならびにエストレマドラ州が4%( 2018
年は、それぞれ8%、7%、7%、7%および2%)となった。
国際市場で行われた取引の 2019 年および 2018 年12月31日現在の分布は、国外の既存リスクに従い、
以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2019 年 2018 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
欧州経済共同体 (EEC)
588 26 406 21
中南米 628 28 589 31
米国 122 5 152 8
EU加盟国以外の欧州諸国 30 1 - -
901 40 769 40
その他
2,269 100 1,916 100
5.8 供給者に対する支払遅延に関する情報
スペイン会計士協会( ICAC )の 2018 年1月 29日決議が、年次財務書類の注記に含められるべき商取
引における供給者に対する支払遅延に係る情報に関して制定し、商取引における支払遅延に対する措
置を定めた 2010 年7月5日法律第 15号( 2004 年12月29日法律第3号を修正するもの。)に従い、当公
庫は下記の点を指摘しなければならない。
・ICO の中核事業(金融活動)の内容を踏まえ、本注記に記載されている支払遅延に関する情報は、
ICO にサービスを提供している業者に対する支払ならびに ICO の証券の預託者および保有者を除く民
間供給者に対する支払のみに関連するものとなっている。後者に関しては、要求があり次第支払期
日が到来する債務および繰延払債務のいずれの支払も、その契約上および法律上の支払期限までに
適式に行われた。営業債権者とみなされない固定資産の供給者等、供給者に対する支払に関して提
供される一切の情報についても、前述の ICAC 決議の規定に従うかかる義務的な開示の範囲から除外
されない。
・2010 年7月5日法律第 15号により義務付けられている、以下に示される当公庫の民間供給者および
サービス提供業者に関する情報に関して、 2018 年1月 29日ICAC 決議の第6条に含まれるものを勘案
し、前段落に定義される範囲で、かかる規制により情報が要求されている。
2019 年 2018 年
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(単位:日)
支払事業の比率 7 7
未払事業の比率 3.5 3.5
供給者に対する平均支払期間 6.75 6.75
(単位:千ユーロ)
支払額合計 22,575 25,303
未払額合計 701 1,298
上記の情報を詳細に述べると、会社間の債権・債務に係る支払は、上記のデータから除かれてい
る。
5.9 リスクの集中および ICO のその他の特定の規制
2019 年および 2018 年12月31日現在、当グループは、当公庫の定款の規定に従い、適用される規制
(2013 年EU規則第 575 号第4部および 2008 年スペイン中央銀行通達第3号)に定められた大規模エクス
ポージャーの制限を免除されている。
2012 年3月 31日勅令第 12号は、 EU加盟国に所在する信用機関のエクスポージャーの取扱いを確立し
た。
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5.10 建設および不動産開発のための融資に関する情報および関連する担保実行資産
不動産リスクポートフォリオの方針および戦略に関して、当公庫はかかる種類の商品につきいくつ
かの方針(例えば経験豊富な開発者、認定販売の割合、独立した専門家による賃貸需要のデータ)か
らなる承認プロセスを有し、プロジェクトの経済的および財政的実現可能性を評価している。
認証された仕事に対する支払は後に有効化および管理され、建設経過は監督され、販売は管理され
ている。
さらに、取引を首尾よく完了させることのできる解決策を提案する目的の下、現在未払いがある顧
客の支払を困難にしている理由を発見するために調査がなされてきた。
以下の表は、建設および不動産開発に対する融資について詳述したものである。
-建設および不動産開発ならびに関連するヘッジのために提供された融資
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
担保 担保
総額 特定の引当金 総額 特定の引当金
超過分 超過分
不動産融資:
544,338 230,547 595,603 - 256,430
-そのうち:破綻懸念先 120,529 118,200 142,710 - 136,871
備忘事項:
債務不履行貸付 - - - - - -
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
備忘事項 :
地方自治政府を除く顧客への貸付金合計 7,569,310 7,196,965
資産合計 31,822,825 36,236,581
標準リスクに対する一般引当金合計 31,190 29,805
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2019 年12月31日現在の建設および不動産開発のための合計融資は、貸借対照表合計の 1.71 %( 2018
年12月31日現在は 1.64 %)を占めている。
-建設および不動産開発のための融資(総額)
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1.不動産担保なし
157,454 180,691
2.不動産担保付 386,884 414,912
376,739 404,128
2.1 完成された建物
2.1.1 住宅
376,739 404,128
2.1.2 その他 - -
10,145 10,784
2.2 建築中の建物
2.2.1 住宅
10,145 10,784
2.2.2 その他 - -
- -
2.3 土地
2.3.1 開発済みの土地
- -
2.3.2 その他の土地 - -
544,338 595,603
合計
-住宅購入ローン
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
そのうち: そのうち:
総額 総額
破綻懸念先 破綻懸念先
住宅ローン
13,727 - 14,333 -
不動産担保なし 13,123 - 12,757 -
不動産担保付 604 - 1,576 -
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-不動産担保付の住宅購入ローン(最新の入手可能な査定額のリスクの割合( LTV ))
2019 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
453 55 96 - -
そのうち:破綻懸念先
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
1,018 338 220 - -
そのうち:破綻懸念先
-不動産建設および開発債務の清算において受領した担保実行資産
当公庫の貸借対照表(注記 17を参照のこと。)記載の担保実行資産はいずれも、建設会社および不
動産開発業者に対して提供された融資または住宅購入のために一般家庭に対して提供されたモーゲー
ジローンに起因するものではなく、当該資産を保有する非連結企業の株式、かかる会社への投資また
は融資で構成されるものでもない。
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5.11 当公庫の借換済業務および再構築済業務に関する情報
2013 年スペイン中央銀行通達第6号において公開および留保された金融情報に関するルールについ
て要求されている通り、次の表に 2019 年および 2018 年12月31日現在の借換済業務および再構築済業務
に関する詳細な情報(総額)が記載されている。
2019 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 1,473 183,605 185,078 73,987
不良
- 43,738 43,738 43,738
金融企業(金融資産)
不良
738,996 101,341 840,337 291,075
非金融企業および産業事業
不良
275,580 19,718 295,298 265,949
通常 7,789 - 7,789 4,613
不良不動産 3,529 - 3,529 3,437
459 6 465 -
その他個人
740,928 284,952 1,025,880 365,062
合計
2018 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 5,211 322,399 327,610 84,213
不良
792 45,275 46,067 46,067
21,845 10,396 32,241 19,211
金融企業(金融資産)
不良
21,845 - 21,845 19,211
984,303 261,953 1,246,256 427,270
非金融企業および産業事業
不良
317,955 89,819 407,774 380,656
通常 8,007 - 8,007 4,816
不良不動産 3,538 - 3,538 1,216
701 57 758 -
その他個人
1,012,060 594,805 1,606,865 530,694
合計
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注記6 現金、中央銀行等への預金および要求払預金
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の内容は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
手元の現金 12 12
709,633 1,408 ,355
スペイン中央銀行にある現金
法定預金準備金 709,633 1,408,355
74,810 261,118
その他の要求払預金
784,455 1,669,485
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注記7 売買目的保有の金融資産および金融負債
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の残高総額は、デリバティブ取引からな
る。
デリバティブ取引を伴う取引は、当公庫が貸借対照表上のポジションを包括的に管理するが、ヘッ
ジ商品に指定されるための規範的要件を満たしておらず、そのため取引ポートフォリオに分類される
商品を主に対象としている。
以下は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の当公庫のデリバティブ取引の公正価額およびその名目
元本(当該デリバティブに係る将来の支払額および回収額のベースとなる金額)をデリバティブの種
類毎に示したものである。
(単位:千ユーロ)
名目元本 資 産 負 債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
市場別:
組織的市場 - - - - - -
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
非組織的市場
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
商品別:
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
スワップ
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
相手方別:
信用機関 532,075 508,091 - 1,678 69,313 104,885
その他の信用機関 - - - - - -
272,906 331,803 69,407 107,476 - -
その他の部門
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
リスク別:
為替リスク 753,346 784,629 65,526 104,555 65,550 100,437
51,635 55,265 3,881 4,599 3,763 4,448
金利リスク
804,981 839,894 69,407 109,154 69,313 104,885
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公正価額は、 2019 年および 2018 年を 100 %として計算されており、貨幣市場および公債のインプリ
シット・カーブを参照している。
2019 年および 2018 年12月31日現在、公正価額で評価し、注記 2.2.3 記載の公正価額レベルを考慮した
取引ポートフォリオの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
売買目的保有デリバティブの資産
- 69,407 - - 109,154 -
- 69,313 - - 104,885 -
売買目的保有デリバティブの負債
以下の表は、 2019 年および 2018 年における、当公庫の未実現の利益および損失に関連する売買目的
保有資産のポートフォリオに含まれる金融資産の公正価額の変動について、損益計算書に計上されて
いる額を示す(注記 29を参照のこと。)。公正価値が活発な市場において公表された文献リストとし
て考慮して評価された金融資産(レベル1)、変動が市場において観察可能なデータから取得された
評価手法により計算される金融資産(レベル2)、そしてその他(レベル3)と区別される。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
利益 損失 純額 利益 損失 純額
レベル1
- - - - - -
レベル2 110,436 109,845 591 116,613 115,590 1,023
- - - - - -
レベル3
2019 年および 2018 年におけるレベル2に分類されたデリバティブの公正価額の変動は、もっぱらレ
ベル間の再分類を行わない評価手法の適用による売買および公正価額の変動が原因であった。
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注記8 損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でない金融資産
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目に含まれる貸借対照表上の投資の金額の内訳は、以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
持分証券
- 21,580
負債性証券 - -
2019 年12月31日現在、本項目は、 100 %の会計ヘッジ( 40,167 千ユーロ)を有する懸念リスクとして
分類された負債性証券を含む。
2019 年、利益は損益計算書において 1,984 千ユーロの公正価額での評価で計上された( 2018 年は 710
千ユーロの利益)(注記 30を参照のこと。)。
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注記9 その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
2019 年および 2018 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の残高の商品別の内容は、以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
持分証券 :
FONDICO PYME(1)
82,159 78,324
FONDICO インフラストラクチュラスⅡ (2) 74,222 165
フォンディコ・グローバル (3) 570,688 453,899
フォンス・メディテラネア・フォンド・デ・カピタル・リエスゴ (4) 9,345 6,641
フォンド・マーガレット・ MEH(5) 67,716 53,936
フォンド・カルボノ・エムプレサス・エスパニョラス (6) - -
FEI 、フォンド・エウロペオ・デ・インベルシオネス (7) 13,141 12,316
SWIFT(8) 4 4
EDW(9) 238 222
フォンド・マーガレットⅡ・ ICO(10) - 26,583
FONDO AFS CESCE(11)
10,038 10,000
- -
パルティシパシオネス・グルーポ・カビト (12)
827,551 642,090
負債性証券 (13) 998,586 1,029,204
1,826,137 1,671,294
2019 年および 2018 年12月31日における、これらの金融商品の公正価額の変動である「その他の累積
包括利益」項目の残高、純税効果額は、以下の通りである(注記 21を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
負債性証券
2,777 9,884
36,916 6,369
持分証券
39,693 16,253
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2019 年および 2018 年中のその他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産の変動は、以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 1,671,294 1,376,391
追加購入
203,780 188,504
売上および償却 (66,677) (900,709)
公正価額の変動 (注記 21) 23,440 19,566
引当金減損割当 (5,700) -
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 持分証券 - (28,859)
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 負債性証券 - 1,015,831
- 1,200
減損損失の変動 (適用後 )
1,826,137 1,671,294
期末残高
(1) FONDICO Pyme 。ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 1993 年5月に設立され、当公庫が唯一の出資者であ
り、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2018 年12月31日現在において
ICO によって拠出された金額は 127,866 千ユーロであった。 2019 年および 2018 年中に拠出金または返金に関連
する変動はなかった。
(2) FONDICO インフラストラクチュラス Ⅱ。ニュー・ ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2019 年に設立され、
当公庫が 100 %の割合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されて
いる。 2019 年、当公庫による拠出金は 74,763 千ユーロ( 2018 年は 165 千ユーロ)であった。
(3) フォンディコ・グローバル。 ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2014 年に設立され、当公庫が 100 %の割
合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2019 年、当公
庫による拠出金は 120,000 千ユーロ( 2018 年は 150,000 千ユーロ)であった。 2019 年、ファンドは、拠出金の
返金を通じて 25,000 千ユーロ( 2018 年は 50,000 千ユーロ)持分が減少した。 ICO によって拠出された金額お
よび払い戻される金額は、 2019 年12月31日において、 528,000 千ユーロであった。
(4) フォンス・メディテラネア。ファンドは 2005 年10月に設立され、当公庫ならびに公的および民間事業体がそ
の出資者である。このファンドはスペインの会社がアフリカン・マグレブで展開するプロジェクトに投資す
るために設立された。このファンドへの割当は、 2019 年12月31日現在 1,270 千ユーロとなった実質資本合計
(公正価額の変動は含まない。)の 30%のヘッジ引当金を有している( 2018 年12月31日現在は 1,270 千ユー
ロ)。
(5) フォンド・マーガレット・ MEH 。主導的な欧州の公的信用機関が参加しており、これは、市場政策に基づく
投資家へのリターンの原則と公共政策が定めた目標を同時に実現する目的で、気候変動と闘う欧州連合の主
要政策を実施するための、インフラに対する投資促進を目指す欧州の株式ファンドである。最終的な清算に
よる最終業績は、ファンドへの資金調達を行っているスペイン税務省により完全に保証されているため当公
庫の損益計算書に影響を及ぼさないにもかかわらず、当該ファンドは ICO によって管理されている。 2019
年、新たな拠出金は 3,317 千ユーロであった( 2018 年は新たな拠出金はなし)。 2019 年の資本参加の返金は
1,268 千ユーロ( 2018 年は 15,044 千ユーロ)として計上された。
(6) フォンド・カルボノ・エンプレサス・エスパニョラス・ FC2E 。2011 年より運営を開始したファンドであり、
ICO が32.68 %の持分を保有している。かかるファンドは 2019 年に清算された( 2018 年12月31日現在正味価格
は0ユーロ)。かかる清算は 14,789 千ユーロの準備金の計上(資本に計上された累積損失)を意味した(注
記20を参照のこと。)。
(7)FEI 。2019 年12月31日現在、欧州投資ファンドの総額の 0.72 %に相当する出資を行っている( 2018 年12月31
日現在では 0.72 %)。 2019 年または 2018 年において、拠出金はなかった。 2019 年12月31日現在、支出額
24,000 千ユーロが未払いのままである。
(8)SWIFT 。2008 年よりかかる事業体の正式メンバーである当公庫は、かかる事業体に1株式出資している。
(9) EDW 。2012 年3月からのデータウェアハウス( EDW )企業への参加による 3.70 %。
(10) フォンド・マーガレットⅡ・ ICO 。フォンド・マーガレットⅡへの資本参加は 2018 年に設立された。 ICO の当
該ファンドへの参加は、マーガレットⅠとは異なり、 ICO 自身のためのものであり、自らの出資によるもの
であった。株式保有率は 13.42 %である。 2018 年、当公庫の拠出金は 26,931 千ユーロであった。 2019 年、こ
のファンドは、清算したファンドから投資を獲得した FONDICO インフラストラクチュラス Ⅱの設立後、清算
された。
(11)FONDO AFS CESCE 。主な活動が CESCE の保証付きで商業送り状を値引きすることである FONDO AFS Sicav への
13.16 %の資本参加。 2019 年、当公庫の拠出金はなかった( 2018 年は 10,000 千ユーロ)。
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(12) パルティシパシオネス・グルーポ・カビト。 2019 年、いくつかの融資業務への支払として、 ICO はQUABIT グ
ループの株式数株を 5,700 千ユーロの額で処分した。これらの株式はすべて会計規定の対象であるため、そ
の正味価値は0である。
(13)ICO は、流動性マネジメント政策および事業モデルの一環として、その他の包括利益を通じて公正価額で評
価した金融資産に分類される負債性証券に投資することができる。一般に、これらは、スペインの信用機関
が発行する固定利付証券および公債である。
かかる資産の満期別内訳は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内満期
998,586 1,029,204
-
1年から2年満期 -
-
2年から3年満期 -
-
-
3年超満期
998,586 1,029,204
2019 年および 2018 年12月31日現在、注記 2.2.3 に記載される公正価額レベルを考慮したその他の包括
利益を通じて公正価額で評価した金融資産の分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
負債性証券
998,586 1,029,204
827,551 642,090
持分証券
2019 年中、当公庫は、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産の償却による利益
(2018 年には 1,695 千ユーロの利益)を、持分証券の売却結果として損益計算書に計上しなかった(注
記28を参照のこと。)。
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注記 10 償却原価で評価した金融資産
2019 年および 2018 年12月31日現在の、資産の減損による価値変動に応じて調整された貸付および受
取債権の種類別および相手方別の内訳は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
負債性証券 (注記 10.1)
7,843,423 9,503,883
20,626,023 22,497,887
貸付金
信用機関 (注記 10.2)
10,215,054 12,436,396
10,410,969 10,061,491
顧客 (注記 10.3)
28,469,446 32,001,770
以下は、 2019 年および 2018 年における、信用リスクを補填するために計上された減損損失の変動な
らびに金融資産ポートフォリオにおける期首および期末現在の償却原価で評価した当該減損の累積額
を表している。
(単位:千ユーロ)
警戒リストにお
カントリー・ ける懸念リスク
標準リスク引当金 合計
リスク引当金 および標準リス
クの引当金
19,205 1,072,370 18,680 1,110,255
2018 年1月1日現在の残高
収益に課せられる割当
- - 5,116 5,116
収益に対する回収額 (6,539) (94,679) - (101,218)
資金の充当 - (286,406) - (286,406)
2017 年通達第4号の初回適用の変動 (9,697) 124,373 7,285 121, 961
その他の変動 - 2,469 - 2,469
為替差額の調整 (81) 33 6 (42)
2,888 818,160 31,087 852,135
2018 年12月31日現在の残高
収益に課せられる割当
1,765 15,173 2,304 19,242
収益に対する回収額 (265) (107,950) (2,194) (110,409)
資金の充当 - (108,895) - (108,895)
その他の変動 - - - -
35 (314) (7) (286)
為替差額の調整
2019 年12月31日現在の残高 4,423 616,174 31,190 651,787
以下の表は、懸念リスクおよび決定基準に基づいた警戒リストにおける標準リスクにかかる引当金
の詳細を表している。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
懸念リスクの引当金 (不履行を含む ): 438,868 597,041
不履行
108,867 239,525
不履行以外 330,001 357,516
177,306 221,119
警戒リストにおける標準リスクの引当金
616,174 818,160
合計
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警戒リストにおける標準リスクの 引当金は、 2019 年12月31日現在の 1,202,721 千ユーロの信用資産に
相当する( 2018 年12月31日現在は 1,703,799 千ユーロ)。
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の信用リスクによって減損とみなされる貸付および
受取債権に分類される金融資産につき、相手方別ならびに当該日付の未払金額別およびリスク年限か
らの経過期間別の内訳を示している。政府が保証する減損認識資産については注記 10.3 を参照のこ
と。
2019 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
378,815 - - - - 21,410 730 86,727 487,682
非金融企業
2018 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
396,431 1,622 - - 371 - 2,004 236,469 636,897
非金融企業
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2019 年12月31日現在、カントリー・リスクによる減損資産残高は 212,406 千ユーロであり、カント
リー・リスク別のヘッジは 4,423 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 192,528 千ユーロ、ヘッジは 2,888 千
ユーロ)である。
2019 年および 2018 年の期限経過非減損資産はそれぞれ 16,967 千ユーロおよび 3,163 千ユーロとなり、
これらの資産の両年度における経過期間は1ヶ月ないし3ヶ月である。
回収の可能性が低い(または回収できない)とみなされた場合、資産と計上されない減損金融資産
の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 1,661,991 1,370,450
追加: 69,708 325,615
回収の可能性が低い
66,707 268,200
その他の事由 3,001 57,415
(54,266) (35,682)
回収:
追加融資なしに回収した現金
(766) (3,770)
資産の割当 -
その他 (53,500) (31,912)
- -
最終償却:その他の事由 :
為替差額の変動の純額 683 1,608
期末残高 1,678,116 1,661,991
回収の可能性が低い(または回収できない)資産の変動の結果として 2019 年および 2018 年の損益計
算書に含まれる純額は、それぞれ 16,610 千ユーロおよび 3,770 千ユーロの利益であった(「損益を通じ
て公正価額で評価されない金融資産の減損または減損の戻入」および「償却原価で評価した金融資産
(注記 10)」の項目を参照のこと。)。
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10.1 負債性証券
「負債性証券」の項目には、償却原価で評価された金融資産、取引可または取引不可の固定利付証
券が含まれる。
当該項目には、取引不可の金融資産が含まれており、 2012 年末には「顧客信用- 居住者公的機関 」
の項目に含まれ、 2013 年中に当公庫から「供給者支払のための融資基金」のための シンジケート・
ローンに転換された。
一方で、 2013 年後半には、当公庫の業務委員会は 2015 年の ICO 信用枠の事業体により作られた、貸付
金を債券へ転換する転換業務の対象となる条件および業務を規制するため、 2015 年の ICO の仲介貸付枠
契約に関する枠組みに含まれている別紙5の書類を承認した。かかる承認には、転換される与信枠、
金額、利息額、適格な事業体、スケジュールおよび信用機関の報酬額に関する一般的な仕様も含まれ
ている。また、仲介貸付の転換により生じた負債性証券は、「負債性証券」の項目にも記載されてい
る。
貸借対照表に記載される 2019 年および 2018 年12月31日現在のかかる項目の相手方別の構成は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
居住者公的機関 7,115,605 7,850,053
居住者信用機関 320,883 1,340,473
その他の居住者部門 346,254 283,429
60,681 29,928
その他の非居住者部門
7,843,423 9,503,883
2019 年および 2018 年12月31日現在、満期別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
満期別:
1年以内 1,930,549 1,831,729
1年超2年以内 1,757,506 1,569,088
2年超3年以内 2,761,383 2,003,845
3年超4年以内 981,509 3,059,888
4年超5年以内 240,687 978,832
171,789 60,501
5年超
7,843,423 9,503,883
2019 年12月31日現在のかかる資産からの利息は年利 0.51 %( 2018 年12月31日現在は 0.51 %)であっ
た。
2019 年および 2018 年における、かかる資産からの利益はそれぞれ 43,670 千ユーロおよび 45,590 千
ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の欄に計上されている(注記 24を参照のこ
と。)。
当公庫はこれらの資産について、 2,039 千ユーロの信用リスク(標準リスク)を補填している( 2018
年12月31日現在は 299 千ユーロ)。
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2019 年および 2018 年中に発生した償却原価で評価した負債性証券の項目の変動は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 9,503,883 10,107,611
追加購入
3,470,279 6,475,948
減損損失の変動 (1,740) (299)
(5,128,999) (7,079,377)
償却および売上
7,843,423 9,503,883
期末残高
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10.2 信用機関に対する貸付金
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表上の本項の構成は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
内容別:
信用機関への預金 (注記 10.2.1) 44,509 1,995,000
仲介貸付 (注記 10.2.2) 9,431,246 9,980,934
752,240 486,354
信用機関へのその他の貸付 (注記 10.2.3)
10,227,995 12,462,288
減損損失 (4,170) (4,168)
(8,771) (21,724)
その他の評価調整額 (*)
10,215,054 12,436,396
(*) 評価調整額は、主に利息および類似収益の発生額ならびに手数料調整額に相当する。
10.2.1 信用機関への預金
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の「信用機関への預金」項目の満期別の残高の詳細
を表している。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
44,509 1,995,000
1年超2年以内 - -
2年超3年以内 - -
3年超4年以内 - -
4年超5年以内 - -
- -
5年超
44,509 1,995,000
2019 年中、「信用機関への預金」項目は、年利マイナス 0.21 %( 2018 年中はマイナス 0.25 %)の平
均利息を得た。 2019 年および 2018 年12月31日現在のかかる預金は、すべて定期預金である。
これらの貸付金について 2019 年および 2018 年に発生した(マイナス)金利はそれぞれ (3,968) 千ユー
ロおよび (7,273) 千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似費用」の項目に含まれている(注記
25を参照のこと。)。
10.2.2 仲介貸付
1993 年2月 26日の閣議決定に従い、中小企業に対する融資を援助するための仲介貸付枠が、当公庫
に設けられた。かかる仲介貸付枠は、当公庫が様々な信用機関に供与した貸付を通じて行われ、当該
信用機関が各企業に対する正式な貸付を行った。かかる方針は後年も継続され 、常にスペインの中小
企業に焦点を当てながら、毎年様々な金額および目的に沿った 枠が承認された。
1997 年12月31日までに付与された仲介貸付に区分される業務において、当公庫は資金を受領する事
業体の最終的な借り手に対する信用リスクの一定割合を引き受ける。それ以降は、 ICO は2009 年から
2012 年の一定の流動性資産枠を除き、最終的な借り手に関する不良債権リスクを引き受けていない。
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2009 年から 2012 年に設けられた内部の仲介貸付枠( 2019 年12月31日現在はエクスポージャーなし、
2018 年12月31日現在は 33百万ユーロ)は、中小企業のための、流動性リスクを伴う一定の ICO 信用枠で
ある。かかる枠につき、 ICO は、仲介に失敗した信用機関による全般的および総合的なリスクを引き受
けている。 2009 年および 2010 年に供与されたかかる枠につき、かかるリスクは当該枠の引当金額の
5%を上限とした。一方で、 2011 年および 2012 年に供与された枠については、不動産金融取引を除く
金融機関部門の平均不履行率が最大想定リスクとされている。 2019 年および 2018 年において、当公庫
が引き受けたリスクにつき、新たな枠は承認されていない。
2019 年12月31日現在、当公庫は ICO のリスクに係るすべての仲介貸付枠のために 92,477 千ユーロ
(2018 年12月31日現在は 90,752 千ユーロ)の引当金を設定した(注記 19を参照のこと。)。かかる引
当金は、当初は当該仲介枠により当公庫に対して発生する受取利息を参照できるが、期待された成長
が見られなかった場合は例外的に ICO によって調整される。最終的に認識された引当金がかかる不履行
をカバーするのに不十分な場合、かかる差額は直接 1995 年勅令付法第 12号に基づき設定された RDL ファ
ンドに請求され、 ICO における損失は一切発生しない。
2019 年および 2018 年12月31日現在における仲介貸付残高の満期年限別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
3,103,269 3,652,112
1年超2年以内 2,134,945 2,143,451
2年超3年以内 1,454,810 1,462,990
3年超4年以内 907,508 881,817
4年超5年以内 587,615 568,285
1,243,099 1,272,279
5年超
9,431,246 9,980,934
2019 年および 2018 年12月31日現在の仲介貸付の平均年利はそれぞれ 1.18 %および 1.32 %であった。
仲介貸付により生じた利息は 2019 年および 2018 年には、それぞれ 97,846 千ユーロおよび 148,773 千
ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれている(注記 24を参照のこ
と。)。
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10.2.3 信用機関へのその他の貸付
本項目は、信用機関、居住者および非居住者に対する直接貸付取引の残高を含む(仲介貸付な
し)。
2019 年および 2018 年12月31日現在のこれらの貸付残高の満期別の詳細は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
73,357 89,821
1年超2年以内 137,285 36,785
2年超3年以内 123,983 110,441
3年超4年以内 84,465 48,808
4年超5年以内 81,588 45,384
251,562 155,115
5年超
752,240 486,354
2019 年および 2018 年12月31日現在の信用機関に対する貸付の平均年利はそれぞれマイナス 0.21 %お
よびマイナス 0.25 %発生した。
これらの貸付金について 2019 年および 2018 年中に発生した金利は、それぞれ 22,211 千ユーロおよび
12,085 千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれる(注記 24を参照のこ
と。)。
本項目には、貸倒リスク(通常信用リスクおよびカントリー・リスク)として減損損失合計 4,170 千
ユーロが含まれる( 2018 年12月31日現在は 4,168 千ユーロ)(注記 10を参照のこと。)。
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10.3 顧客向貸付金
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表において、本項目の残高の相手方別の詳細は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
居住者公的機関 2,772,946 2,675,697
非居住者公的機関 158,943 110,935
その他の居住者部門 6,978,818 6,886,746
その他の非居住者部門 995,302 920,908
28,909 262,982
その他の金融資産
10,934,918 10,857,268
減損損失 (645,578) (847,666)
121,629 51,889
その他の評価調整額 (*)
10,410,969 10,061,491
(*) 評価調整額は、主に利息および類似収益ならびに金融手数料調整額に対応する金額である。
経済利益グループにおける投資の価額( 2019 年12月31日現在では 1,002 千ユーロおよび 2018 年12月31
日現在では 926 千ユーロ)は、当該投資が利益保証型であることを考慮し、「その他の居住者部門」に
含まれている。これらの機関のマイナスの課税標準が当公庫の課税標準に含まれているため、当該株
式の収益率は会計財務要素を含んでいる。投資に対する最終利益の確定に伴い会計財務利益を調整す
るために損益計算書の所得税に対して引当金が毎年計上されている(注記 19および注記 23を参照のこ
と。)。
2019 年および 2018 年にこれらの貸付に対して発生した利息は、それぞれ 158,866 千ユーロおよび
161,087 千ユーロであり、損益計算書の「受取利息」の項目に含まれている(注記 24を参照のこと。)
。
以下は、上記の残高のうち、公共部門に保証されている取引( 2019 年および 2018 年12月31日現在の
「顧客向貸付金」の項目に分類される「その他の居住者部門」および「居住者公的機関」の項目に含
まれる。)を相手方別および商品別に記載したものである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
「居住者公的機関」に含まれる残高:
中央政府に対する貸付 1,547,921 947,393
地方自治政府に対する貸付 1,225,025 1,728,304
(119,451) (181,644)
評価調整額
2,653,496 2,494,053
「その他の居住者部門」に含まれる残高:
不良資産 23,159 25,810
その他の公共機関に対する貸付 2,329,563 2,222,743
199,263 169,975
その他の部門に対する貸付
2,551,985 2,418,528
5,205,481 4,912,581
国家により保証されている取引合計
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2019 年および 2018 年12月31日現在の「中央政府に対する貸付」(評価額調整は含まない。)の内訳
は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
国家およびその自治機関に対する貸付
1,545,772 943,181
2,149 4,212
国庫からの受取勘定
1,547,921 947,393
「国庫からの受取勘定」は、当公庫が国庫に支払った金額を含み、仲介貸付の金利差を調整するた
めの助成金として有効に返戻されていない金額である。これらの金額の残高は額面価格で表示され、
利息は一切付されない。
2019 年および 2018 年における公共部門機関による損益に寄与した利息および類似収益は以下の通り
である(注記 24を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
中央政府
4,408 6,032
地方自治政府 11,550 13,980
20,805 20,303
その他の公共部門機関
36,763 40,315
2019 年および 2018 年12月31日現在、「顧客向貸付金」に分類される貸付元本(評価調整額を含
む。)の満期別詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
満期別:
1年以内 1,192,265 1,531,496
1年超2年以内 824,422 1,010,704
2年超3年以内 1,659,035 1,130,047
3年超4年以内 1,145,859 1,489,899
4年超5年以内 1,082,018 1,104,905
5,152,948 4,642,105
5年超
11,056,547 10,909,156
2019 年および 2018 年12月31日現在の顧客向貸付金の平均年利はそれぞれ 1.45 %および 1.39 %発生し
た。
2019 年12月31日現在、当公庫の損益計算書には、「貸付および受取債権」の項目に含まれる資産の
償却から生じる金融取引につき損益は計上されなかった( 2018 年12月31日現在も計上されなかっ
た。)(注記 28を参照のこと。)。
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注記 11 デリバティブヘッジ
添付の貸借対照表のこの項目には、注記 2.3 記載の説明に従った公正価額でのヘッジ商品が計上され
ている。
契約済みのデリバティブ取引およびヘッジ項目は、基本的には以下の通りである。
-主にグループが発行する Euribor 以外のレートで計算される金融商品をヘッジする金利スワップ
-複数の金融商品に関連する公正価額とキャッシュフローの変動をカバーする為替ヘッジ
デリバティブの公正価額を決定するために使用する評価方法は、金利デリバティブや為替リスク・
デリバティブを評価する割引キャッシュフロー法である。
2019 年および 2018 年12月31日現在「デリバティブヘッジ」の項目に記載されている金融デリバティ
ブの名目価値の総額および公正価額の総額は、ヘッジ別、相手方別およびリスク別(すべて非組織店
頭市場において契約された。)で以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
名目価値 資 産 負 債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
ヘッジ別:
公正価額ヘッジ 8,835,564 7,296,142 363,635 460,472 197,810 123,514
キャッシュフロー・ヘッ
3,370,415 2,992,279 29,718 25,383 42,435 130,291
ジ
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
商品別:
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
スワップ
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
相手方別:
信用機関 12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
その他の信用機関 - - - - - -
- - - - - -
その他の部門
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
リスク別:
為替リスク 5,699,100 5,551,535 225,919 263,298 197,810 152,389
6,506,879 4,736,886 167,434 222,558 42,435 101,416
金利リスク
12,205,979 10,288,421 393,353 485,855 240,245 253,805
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2019 年および 2018 年12月31日現在、注記 2.2.3 で規定されるレベルに基づき公正価額で評価されるデ
リバティブヘッジの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
資産ヘッジデリバティブ
- 393,353 - - 485,855 -
- 240,245 - - 253,805 -
負債ヘッジデリバティブ
これらの項目の公正価額は、 2019 年および 2018 年を 100 %として計算されており、貨幣のインプリ
シット・カーブを参照している。
2013 年1月1日付で IFRS 第13号が効力発生したことにより、当公庫は相手方および当公庫によるデ
リバティブ金融商品評価額、リスク評価調整額を含んでいる(注記7および注記 29を参照のこ
と。)。
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注記 12 子会社、合弁企業および関連企業への投資
2019 年および 2018 年中の貸借対照表における本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
グループ企業 合弁企業 関連企業 合計
2018 年1月1日現在残高
1,940 - 42,504 44,444
追加額 - - 2,424 2,424
引出額 - - - -
その他の変動 - - - -
- - - -
減損
1,940 - 44,928 46,868
2018 年12月31日現在残高
追加額
引出額 (2) (2)
その他の変動
減損
1,940 44,926 46,866
2019 年12月31日現在残高
2019 年および 2018 年12月31日現在の投資および関連する主要な情報は、別紙Ⅰに記載されている。
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注記 13 有形固定資産
2019 年および 2018 年の有形固定資産の変動およびこれに関連する累積償却額は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
設備、車両
自己使用の建物 不動産投資 合計
その他の固定資産
費用
114,067 15,379 - 129,446
2019 年1月1日現在の残高
追加額
515 364 879
(233) (233)
処分額その他の償却額
2019 年12月31日現在の残高 114,582 15,510 130,092
累積償却額
33,111 7,585 40,696
2019 年1月1日現在の残高
割当
1,815 197 2,012
(233) (233)
移転額その他の変動額
2019 年12月31日現在の残高 34,926 7,549 42,475
減損損失
651 651
2019 年12月31日現在
有形固定資産純額
79,656 7,310 86,966
2019 年12月31日現在の残高
費用
113,976 15,248 - 129,224
2018 年1月1日現在の残高
追加額
91 131 - 222
- - - -
処分額その他の償却額
2018 年12月31日現在の残高 114,067 15,379 - 129,446
累積償却額
31,339 7,269 - 38,608
2018 年1月1日現在の残高
割当
1,772 316 2,088
- - - -
移転額その他の変動額
2018 年12月31日現在の残高 33,111 7,585 40,696
減損損失
- 651 - 651
2018 年12月31日現在
有形固定資産純額
80,956 7,143 - 88,099
2018 年12月31日現在の残高
2019 年12月31日現在、総額約 18,489 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 16,912 千ユーロ)で全額償却
された自己使用目的の有形固定資産があった。
当公庫の方針に従い、すべての有形固定資産は 2019 年および 2018 年12月31日現在、保険が付保され
ている。
2004 年スペイン中央銀行通達第4号の暫定規則第1、 B)6項によれば、有形固定資産の公正価額に
よる評価が認められている。この評価調整を実行するため、当グループは運用資産について関連する
評価を実施し、それにより当グループの有形固定資産の価値は 53,106 千ユーロ増加した。租税効果控
除後のこれらのキャピタルゲインに対し再評価準備金が設定された。再評価された簿価はその時点で
帰属費用として充当される。
2019 年12月31日現在、再評価準備金は 20,858 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は 23,591 千ユーロ)で
あった(注記 20を参照のこと。)。
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下記の表は 2019 年および 2018 年12月31日現在の当グループの一部の有形固定資産の公正価額を当時
の簿価とともに区分毎に表したものである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
簿価 公正価額 簿価 公正価額
自己使用目的の有形固定資産 86,966 108,474 88,099 113,939
建造物
79,656 101,164 80,956 106,796
その他 7,310 7,310 7,143 7,143
不動産投資 - - - -
- - - -
建設中不動産
上記の有形固定資産の公正価額は、下記に従って見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格による評価の更新がされなかった資産については、事業体により類
似した資産の価格傾向の市場データに基づき公正価額が見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格による評価の更新がなされた資産については、 2003 年省令第 805 号の
評価方法に従い公正価額が見積もられた。
すべての自己使用目的不動産は、 2019 年および 2018 年12月31日付で、承認された鑑定人であるスペ
イン中央銀行により比較方法を用いて評価された。
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注記 14 無形資産
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における無形資産は、もっぱら「その他の無形資
産」の項目に分類される。
(単位:千ユーロ)
推定耐用年数
2019 年 2018 年
耐用年数 (無期限 )
- - -
43,726 41,908
耐用年数 (期限付 ) 3年から 10年
43,726 41,908
総計
内訳:
内部開発 3年 38,341 36,597
その他 10年 5,385 5,311
累積償却額 (34,716) (32,822)
(2,137) (2,137)
減損損失
6,873 6,949
2019 年および 2018 年12月31日現在のすべての無形資産はコンピューターのソフトウェアに関連する
ものである。 2019 年12月31日現在の全額償却された無形資産は 31,002 千ユーロ( 2018 年12月31日現在
は26,574 千ユーロ)であった。
注記 15 税金資産および 税金負債
2019 年および 2018 年12月31日現在の税金資産および負債の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
当期税金: 8,557 2,985 1,005 957
法人税 (注記 23)
8,510 2,737 - -
VAT 47 248 183 33
個人所得税 (源泉 ) - - 479 462
社会保障負担 - - 343 462
95,051 97,999 32,943 22,897
繰延税金:
信用供与、貸付および割引
69,257 66,527 - -
に係る減損損失
キャッシュフロー・ヘッジの
25,794 31,472 - -
評価 (注記 21)
資産の再評価 - - 15,932 15,932
OCI を通じた公正価値による金融
- - 17,011 6,965
資産の再評価 (注記 21)
103,608 100,984 33,948 23,854
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2019 年および 2018 年の繰延税金資産および負債の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
期首残高 97,999 134,316 22,897 14,512
信用供与、貸付および割引に係る
2,730 (13,118) - -
減損損失
キャッシュフロー・ヘッジ評価額
(5,678) (23,199) - -
(注記 21)
資産の再評価 - - - -
OCI を通じた公正価値による金融資
- - 10,046 8,385
産の再評価 (注記 21)
95,051 97,999 32,943 22,897
期末残高
注記 16 その他の資産および負債
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表の「その他の資産」の項目の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
その他の資産
2019 年 2018 年
その他の資産
4,915 3,327
30,799 31,216
付加利子
35,714 34,543
「付加利 子」の項目には、供給者支払のための融資基金、自治区流動性基金および自治体向け融資
基金の業務管理についての当公庫の受取手数料およびその他が含まれている(注記 1.1 を参照のこ
と。)。 2019 年において、 ICO の受取手数料総額は年間 25百万ユーロ( 2018 年12月31日現在も 25百万
ユーロ)であり、これらの金額は損益計算書の「手数料収入」にも計上されている(注記 27を参照の
こと。)。
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表の「その他の負債」の項目の残高は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
その他の負債
2019 年 2018 年
その他の負債
- -
7,277 4,926
付加利子
7,277 4,926
「付加利 子」の項目には、「 2019 年ラペル仲介融資枠」の 3,206 千ユーロ( 2018 年は 1,500 千ユー
ロ)に基づき信用機関に支払われる未収の受取手数料が含まれている。
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注記 17 売却目的保有の非流動資産
「売却目的保有の非流動資産」の総額は、担保権実行資産を含む。 2019 年12月31日現在および 2018
年12月31日現在本項目に記載されている担保権実行資産のうち、不動産開発およびその他の不動産開
発事業に関連した資金調達に起因するものはない。
2019 年および 2018 年の貸借対照表に記載される本項目の残高の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
費用 減損 合計
72,443 (72,421) 22
2018 年1月1日現在残高
追加額
126 (148) (22)
引出額/使用額 (246) 246 -
- - -
移転額
72,323 (72,323) -
2018 年12月31日現在残高
追加額
934 - 934
引出額/使用額 (5,572) (4,638) (934)
- - -
移転額
67,685 (67,685) -
2019 年12月31日現在残高
2019 年および 2018 年12月31日現在の「売却目的保有の非流動資産」の総額のうち 48,678 千ユーロ
は、完全に引当金を計上した単一の資産と対応する。
2019 年には、これらの非金融資産に対し、 316 千ユーロ( 2018 年は 148 千ユーロ)の減損の割当が計
上されている。
2019 年には、売却目的保有の非流動資産の売却益として 2,910 千ユーロが計上されている( 2018 年の
売却益はなし)。
当公庫の取締役会はこれらの資産に対して投資の引上げ計画を毎年承認している。
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の規則 60記載の通り、売却目的保有の非流動資産は、居住用、
産業用および商業用別に、都市部における土地および都市化から分断された未開地ならびに建物と幅
広く分類される。以下の表は、評価会社、資産評価の方法および会社/代理店の評価額が示されてい
る。
産業用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
2,296
GESVALT 費用および比較
2,296
居住用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
429 比較
5 VALTECNIC 比較
410 EUROVAL 比較
12 TINSA 比較
109 JUDICIAL 比較
ALIA TASACIONES
85 費用および比較
194 GRUPO TASVALOR
費用および 比較
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1,244
第三次利用建造物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
809 EUROVAL 比較
GRUPO TASVALOR
11 比較
GRUPO TASVALOR
90 費用
44 GRUPO TASVALOR
動的残余
954
未開地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
54 比較
ALIA TASACIONES
42 比較
1 EUROVAL 比較
8 JUDICIAL 比較
GRUPO TASVALOR
25 費用および比較
59 EUROVAL 賃貸料の更新
GRUPO TASVALOR
57 賃貸料の更新
GRUPO TASVALOR
6 その他
177
JUDICIAL その他
429
都市部における土地および開発可能用地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
862 比較
GRUPO TASVALOR
20 静的残余
GRUPO TASVALOR
9,173 動的残余
6 EUROVAL 動的残余
31 GESVALT 動的残余
50 GRUPO TASVALOR
その他
10,142
合計 15,065
注記 18 償却原価 で評価した 金融負債
貸借対照表の本項目の残高を構成する項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
中央銀行への預金 (注記 18.1) 499,902 -
信用機関への預金 (注記 18.2) 8,489,132 9,459,822
顧客による預金 (注記 18.3) 699,313 988,040
発行済債券 (注記 18.4) 15,734,424 19,147,495
401,952 711,847
その他の金融負債 (注記 18.5)
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25,824,723 30,307,204
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18.1 中央銀行への 預金
2019 年において、 ICO は欧州中央銀行の TLTRO Ⅲを採用した。本項目の金額はかかる運用に対応して
いる( 2018 年の残高はなし)。
18.2 信用機関への 預金
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
種類別:
欧州投資銀行からの借入金 7,295,224 8,196,933
銀行間借入金 89,463 152,200
その他の信用機関からの借入金 1,032,454 1,037,542
71,991 73,147
評価調整額-付加利子
8,489,132 9,459,822
銀行間預金は、 2019 年および 2018 年12月31日現在から起算して1年未満以内にそれぞれ期限が到来
する。
欧州投資銀行からの借入金の最終償還期限は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
1,863,362 1,819,950
1年超2年以内 1,815,493 1,857,299
2年超3年以内 1,379,171 1,814,061
3年超4年以内 606,633 1,177,833
4年超5年以内 581,375 583,326
1,049,190 944,464
5年超
7,295,224 8,196,933
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「その他の信用機関からの借入金」の償還期限の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1年以内
204,943 205,428
1年超2年以内 322,914 186,616
2年超3年以内 142,490 339,168
3年超4年以内 78,824 140,783
4年超5年以内 78,824 48,912
204,459 116,635
5年超
1,032,454 1,037,542
18.3 顧客 による 預金
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相手方別:
公的機関 626,974 917,067
その他の居住者部門 (1) 72,329 70,534
その他の非居住者部門 - -
10 439
評価調整額 -付加利子
699,313 988,040
(1) うち、 2019 年および 2018 年12月31日現在、 58,699 千ユーロおよび 66,403 千ユーロはそれぞれ要求払預金であった。
2019 年および 2018 年12月31日現在、「公的機関」の項目に記載された残高の種類別の詳細は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
相互金利調整契約 (C.A.R.I.)
3,563 2,920
623,411 914,147
公的機関の経常勘定およびその他の項目
626,974 917,067
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18.4 発行済債券
2019 年および 2018 年12月31日現在の本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
発行済債券
15,499,902 18,724,473
234,522 423,022
評価調整額 (*)
15,734,424 19,147,495
(*) ヘッジ会計に対する取引費用および価格調整を含む。
2019 年および 2018 年中の本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
期首残高 18,724,473 22,124,860
発行数
23,787,604 37,621,464
減価償却費 (27,071,203) (41,277,094)
59,028 255 ,243
為替差損益
期末残高 15,499,902 18,724,473
以下の表は、 2019 年および 2018 年12月31日現在の未払発行済債券の主な特徴を、通貨、利率および
最終償還期日で示したものである。
発行数 (単位:千ユーロ)
通貨 償還期日 年利率
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
ノルウェー・
1 3 2021 年 4.28 %- 5.36 % 50,690 119,668
クローネ
1 1 カナダ・ドル 2020 年 4.53 %- 5.00 % 171,256 160,205
52 37 米ドル 2021 年 複数 4,895,865 4,904,683
55 65 ユーロ 2026 年 複数 9,717,570 13,065,734
2 2 スイス・フラン 2024 年 2%- 3.25 % 276,373 266,195
2 1 豪ドル 2023 年 1.95 % 236,053 58,237
スウェーデン・
1 1 2022 年 0.963 % 47,862 48,758
クローネ
104,233 100,993
3 3 円 2030 年 0.52 %- 2.9 %
15,499,902 18,724,473
各発行の内容は、当グループの親会社である当公庫公式サイト( www.ico.es )の「投資-発行債券
情報」のページで参照することができる。
2019 年にユーロ建ておよびその他通貨建ての債券の金融費用の総額は損益計算書の「利息および類
似費用」の項目に計上されており、金額は 544,513 千ユーロであり、その平均年利は 2.63 %(会計ヘッ
ジを考慮すると 1.31 %)であった。 2018 年の金融費用は 660,524 千ユーロであり、その平均年利は
3.48 %(会計ヘッジを考慮すると 1.49 %)であった(注記 25を参照のこと。)。
2019 年現在、当公庫は、一定の償却原価で評価した金融負債( ICO により発行された債券)の買戻し
から生じる金融取引につき、損益を計上しなかった。 2018 年に同様の事項に基づき計上された損失
は、 941 千ユーロであり(かかる金額は、かかる買戻された排出に関連したヘッジデリバティブの消却
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の結果を含む。)、これは「公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益」の項目に
計上されている(注記 28を参照のこと。)。
18.5 その他の金融負債
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
国庫準備金
368,533 444,479
33,419 267,368
その他
401,952 711,847
「国庫準備金」には、当グループが受領し、各項目に適用される条件に従い返済する資金が含まれ
る。これらの各資金に関連する与信枠の詳細については、当公庫のウェブサイト( www.ico.es )を参
照のこと。
最も重要な与信枠に関連する資金は以下のものである。
-「 Línea FOMIT 」- Renove Turisumo (FOMIT -観光与信枠):かかる与信枠は、インフラおよび観
光地の修復および近代化を目指す金融計画への資金援助を提供する。
-「 Línea Avanza 」:かかる与信枠は、 ICO とともに、市民および企業による新情報技術(ブロード
バンドおよびそれに必要な技術的サポート)の利用のための支援および資金を供給する。かかる
対象に応じて、 TIC 向貸付金(中小企業)、若者および大学生向貸付金(特定グループ)ならびに
デジタル顧客向貸付金(一般的な市民)が実施される。
-「 Línea Préstamos Renta Universidad 」:かかる与信枠は、 2011 年から 2012 年までの博士号また
は修士号の大学院過程における将来所得を保証する。
-「 Línea Futur E」:かかる与信枠は、エネルギーの合理的使用、再生可能エネルギーの使用、水
の使用量の削減および廃棄物管理の観点に立ちスペインにおけるツーリズムの基盤を固めるた
め、持続可能な観光を支えるためのプロジェクトに対する動機を提供し、持続可能性および環境
へ配慮からの観点から現在のツーリズムを再構築する手助けをし、環境および持続的発展に関連
した要素に着眼するものである。
ICO による市場資金調達を通して資金供給される他の当公庫の仲介枠とは異なり、これらの業務に指
定された財政資金は、関連省庁の代理で当公庫が開設した勘定に、国家より直接資金供給される。こ
れらの資金残高は、(上記与信枠の残高を反映する。)関連する経常収支の金額および残高が与信枠
供給のために当公庫が受領する金額と常に同額であるために、「 貸付および受取債権」 (純額、未償
却)としても記載される公式の取引により供給される金額と常に一致する。
2019 年および 2018 年12月31日現在のこれらの資金の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
FOMIT -Renove Turismo
118,485 169,545
Avanza - 439
Préstamos Renta Universidad
120,585 142,325
Futur E
18,074 43,334
144,808 88,836
その他
401,952 444,479
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「その他」の項目には、 ICO および ERDF からの資金を含む中小企業および自営業に対する特定の仲介
貸付枠への融資のための ICO ・イノベーション・ファンド 2013-2015 年の設立に相当する金額( 2018 年
12月31日現在において 248,607 千ユーロ)が含まれる。このテクノロジカル・ファンドは清算の対象と
なり、 2019 年において 2,595 千ユーロの利益が生じ、損益計算書の「受取手数料」の項目に計上されて
いる。
注記 19 引当金
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
年金および年金類似債務引当金
579 919
偶発エクスポージャーおよび 不確定約定額の 引当金 7,778 1,442
295,183 277,834
その他の引当金
303,540 280,195
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2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の引当金」の項目の内訳は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
1995 年勅令法第 12号に基づく基金
182,610 175,583
流動性特別貸付金に係る引当金(注記 10.2.2 ) 92,477 90,752
BBVA からの回収額のための資金 218 284
プレステージ船事故補償資金 8,934 9,031
AIE の株式損益補償のための資金(注記 10.3 ) 9,515 890
1,429 1,294
その他の資金
295,183 277,834
1995 年勅令法第 12号
1995 年12月28日勅令法第 12号( 1995 年12月30日の官報( BOE )に掲載され、 1996 年1月1日より効力
が生じる。)は、信用機関に関して現在有効な規則に従い、閣僚会議決議( 1987 年12月11日)のセク
ション 4.1 で言及される国家借入金から得られる資金を充当することにより、注記1に記載する業務か
ら将来履行が疑わしいまたは貸倒れの発生する可能性のある貸付金に関し、引当金に繰入れるため
に、 ICO が最大で総額 150,253 千ユーロのファンドを設定することを規定した。租税、行政および社会
秩序措置に関する 1997 年12月30日法律第 66号追加条項第4条は、これらの規則の適用にかかわらず、
一般国家予算における特定の補償を受けないことを条件として、閣僚会議または CDGAE が、通常の業務
において発生する債務不履行に、 1995 年勅令法第 12号に基づき設定される特別引当金ファンドを充当
する権限を ICO に付与することを規定した。当該ファンドは、「その他の引当金」の項目で 1996 年に設
立された。
取引条件に基づき当該ファンドへの充当を要するこれらの貸付金および取引は、当該ファンドの費
用の形で計上されている。したがって、当公庫の損益計算書に影響はない。
当該ファンドで補填される貸付金は、同ファンドによりすでに引当が行われているため、一般およ
び特別貸倒引当金の計算には算入されない。
当該ファンドは、初回の割当に加え、 ICO が得た利益や国による損失の引受や補填の実行または承認
による利益から、または信用に影響を与える適切な制度取引を通しての、将来の割当をも期して設定
されている。同様に、当該ファンドは、引当金が計上されているかまたは不履行が宣言され、当該
ファンドに対して請求される借入金から得られる回収額( 2019 年は 4,388 千ユーロ、 2018 年は 3,084 千
ユーロであった。)ならびに当該ファンドに割り当てられる資金の運用からの収益( 2019 年はマイナ
ス377 千ユーロ、 2018 年はマイナス 468 千ユーロであった。)で設定されている。
一般国家予算に関する 1996 年12月30日法律第 12号の規定に従い、 1997 年に追加の 150,253 千ユーロが
一般国家借入金を充当することにより当該ファンドに割り当てられた。
2004 年、総額 249,500 千ユーロの割当が 2004 年7月 30日の閣僚会議決議に従って ICO に付与された国
家借入金に対して充当された。
2019 年および 2018 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の引当金」の項目に計上された資
金の 2019 年および 2018 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
177,926
2018 年1月1日現在の残高
利息の資本組入れ
(468)
国の拠出金 -
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2017 年の ICO による使用結果 -
貸付金の回収 (元本および利息 ) 3,084
(4,959)
使用額
175,583
2018 年12月31日現在の残高
利息の資本組入れ
(377)
国の拠出金 -
2018 年の ICO による使用結果 3,136
貸付金の回収 (元本および利息 ) 4,388
(120)
使用額
182,610
2019 年12月31日現在の残高
2019 年においては、 2018 年に ICO により分配された純利益の一部として、特別拠出金 3,136 千ユーロ
が計上された。
BBVA からの回収額のための資金
当グループの親会社である当公庫は、「 BBVA からの回収額のための資金」の項目に関し、 2001 年と
2002 年に租税、行政および社会秩序措置に関する 2001 年12月27日法律第 24号追加条項第 11条を適用し
た。これにより、旧政府金融機関が付与し、政府が保証した一定の貸付および保証によって国が当公
庫に対して負担することとなった金額を消却するために当公庫の株式の一部を割り当てた。
しかし、 ICO は、この消却処理による影響を受けた業務管理によりかかる貸付に関する回収金を引続
き受領することとなったが、慎重な会計原則に従い、当該回収金は通常、損益計算書の利益として認
識されない。 2019 年に利益として計上されたものについては、 218 千ユーロ( 2018 年12月31日現在は
284 千ユーロ)の引当金がある。
プレステージ船事故補償資金
プレステージ船事故補償資金は、 2002 年11月22日勅令第7号に基づいており、かかる特別引当金
ファンドに従い、プレステージ船事故補償貸付金による不良債権額に、 1995 年勅令法第 12号に基づく
特別引当金ファンドを充当する権限を与えるものである。
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AIE の株式損益補償のための資金
AIE の株式損益補償のための資金の項目には、経済利益グループを介して行われた取引による利益を
運用成績に対して調整する引当金が含まれる(注記 10.3 を参照のこと。)。この引当金は、利益勘定
の法人税の項目として認識され、 2019 年および 2018 年において、それぞれ 8,626 千ユーロおよび 7,848
千ユーロとなった(注記 23を参照のこと。)。
本項目の引当金の 2019 年および 2018 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
年金および年 リスクおよび
その他の
税金引当金 金類似債務の 不確定約定額の 合計
引当金
基金 引当金
2018 年1月1日現在の
- 423 1,197 303,045 304,665
残高
割当 (1)
- 496 1,263 1,759
回収 - - (104) - (104)
資金の使用 - - (17,248) (17,248)
2017 年通達第4号の初回適
- - 349 - 349
用
移転およびその他の変動 (2) - - - (9,226) (9,226)
- - - - -
為替差損益
2018 年12月31日現在の
- 919 1,442 277,834 280,195
残高
純割当 (1)
- - 6,963 281 7,244
回収 - (340) (623) (377) (1,340)
資金の使用 - - - (87) (87)
移転およびその他の変動 (2) - - - 17,532 17,532
- - (4) - (4)
為替差損益
2019 年12月31日現在の
- 579 7,778 295,183 303,540
残高
(1) 2019 年の損益計算書に計上された回収額には、当該ファンド自身の報酬に関して発生する利息の資本組入れのため
の特別引当金ファンド( 1995 年勅令法第 12号に基づく基金)への支払に関連して、 377 千ユーロ( 2018 年は 468 千
ユーロ)が含まれる。割当には、 148 千ユーロ( 2018 年は 1,412 千ユーロ)に上る ICO のリスク(注記 10.2.2 を参照
のこと。)に伴う当公庫の流動性枠のための引当金が含まれる。
(2) 2019 年12月31日現在の移転およびその他の変動には、主に ICO のリスクに係る仲介貸付枠からの回収( 1,577 千ユー
ロ)(注記 10.2.2 を参照のこと。)、拠出金および回収に係る 1995 年勅令法第 12号に基づく基金への貸付( 7,425
千ユーロ)(注記 19を参照のこと。)ならびに AIE における投資からの利益報酬に対するファンドのための引当金
(8,625 千ユーロ)(注記 23を参照のこと。)が含まれる。
2018 年12月31日現在の本項目は、 AIE における投資からの利益報酬に対するファンドの法人税費用の回収( 7,848 千
ユーロ)(注記 23を参照のこと。)および準備金に計上される偶発債務積立資金の回収( 10,000 千ユーロ)(注記
20を参照のこと。)を主に含んでいる。
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注記 20 自己資本
貸借対照表の「資本」の項目の 2019 年および 2018 年の期首および期末の簿価の調整は以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
その他の
資本 再評価準備金 損益 合計
準備金
4,313,067 23,591 972,698 101,923 5,411,279
2018 年1月1日現在の残高
利益の分配
- - 40,769 (101,923) (61,154)
その他の準備金の変動 - - (105,118) - (105,118)
当期損益 - - - 73,210 73,210
677 - - - 677
その他の変動
4,313,744 23,591 908,349 73,210 5,318,894
2018 年12月31日現在の残高
利益の分配
- - 26,147 (73,210) (47,063)
その他の準備金の変動 - (2,733) (12,056) - (14,789)
当期損益 - - - 106,941 106,941
その他の変動 289 - - - 289
4,314,033 20,858 922,440 106,941 5,364,272
2019 年12月31日現在の残高
2019 年12月31日現在、「その他の準備金の変動」の項目には、 2018 年の利益分配の一部として、
3,136 千ユーロの 1995 年勅令法第 12号に基づく基金への拠出金が含まれる(注記 19を参照のこと。)。
当該項目には、マイナス 14,789 千ユーロの金融資産(持分証券)の清算による損益も含まれる(注記
9を参照のこと。)。
2001 年12月27日法律第 24号に基づき、「その他の変動」の項目には、 2019 年の 289 千ユーロ( 2018 年
は677 千ユーロ)の資本への年間拠出額が主に含まれる。当該法律の追加条項第 11条に従い、旧政府金
融機関および当公庫によって供与された、一定の貸付および保証の結果、 ICO とともに国家が負担する
債務の取消により回復した当該資金は、当公庫の資本の一部となる。
注記 21 その他の累積包括利益(評価調整額)
本項目の総額および租税効果の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
租税効果 租税効果
総額 純額 総額 純額
(注記 15) (注記 15)
その他の包括利益を通じて
公正価額で評価した金融資
56,704 (17,011) 39,693 23,219 (6,966) 16,253
産(注記9 )
資産および負債のキャッ
(85,980) 25,794 (60,186) (104,907) 31,472 (73,435)
シュフロー・ヘッジ
(29,276) 8,783 (20,493) (81,688) 24,506 (57,182)
合計
本項目の残高は、貸借対照表における「売却可能金融資産」および「評価額-キャッシュフロー・
ヘッジ・デリバティブ」の勘定に関連するものである。一つ目の勘定では、注記 2.2.4 に従い、当グ
ループの資本の一部に含まなければならない、売却可能と分類される資産の公正価額の変動額(純
額)を計上する。二つ目の勘定では、キャッシュフロー・ヘッジ商品の公正価額の変動額(純額)を
計上する。
(単位:千ユーロ)
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2019 年 2018 年
期首残高 (57,182) (130,880)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
23,440 16,177
資産の公正価額の変動 (注記9 )
損益を通じて公正価額で評価した金融資産への再分
- 3,594
類
13,249 53,927
キャッシュフロー・ヘッジ
(20,493) (57,182)
期末残高
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注記 22 付与された保証および不確定約定額
貸借対照表上の本項目は、通常の業務における約定額(付与された保証)および第三者が使用可能
な額(不確定約定額)に応じて、支払義務を負う第三者が支払わなかった場合、当該第三者に代わり
ICO が支払うべき金額を記載している。
以下は 2019 年および 2018 年12月31日現在の本項目の内訳である。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
付与された保証
449,279 475,124
金融保証
449,279 475,124
付与された不確定約定額
第三者向け :
信用機関 269,436 513
公的機関部門 2,038,054 2,000,198
その他の居住者部門 348,401 349,694
非居住者部門 222,881 268,656
その他の不確定約定額 101,081 89,502
552,000 504,000
引受済未払支出額 :
3,531,853 3,212,563
3,981,132 3,687,687
保証商品(保証およびその他の担保)からの収益は、連結損益計算書の「受取手数料」の項目に計
上され、契約で定められた利率を保証の額面価額に適用することによって算出される。
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注記 23 租税
予算、租税、財政および雇用に係る緊急措置に関する 1993 年2月 26日勅令法第3号の規定に従い、
当公庫は 1993 年から 1996 年まで法人税の支払を免除されていた。当公庫は、法人税に関する 1995 年12
月27日法律第 43号暫定条項第 13条に従い、 1997 年および 1998 年に関しても同税を免除され、 1999 年か
らは一般法人税が課税されている。
法人税上の課税標準に対する 2019 年および 2018 年の当グループの親会社としての当公庫の会計利益
の調整は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
税引前簿価利益
149,253 112,907
永久差異
支払外国税 704 478
計算不能な会計利益 /費用 3,233 5,102
被投資会社により生じる税務上の欠損金の繰越 (37,109) 41,259
- -
過年度からの損金算入
116,081 159,746
一時差異:
減損および控除不能引当金 37,598 28,237
(35,116) (71,964)
他年度発生一時差異の反転
2,482 (43,727)
過年度の税務評価の補償 - (16,691)
118,563 99,328
税務評価
税金総額 (30 %)
35,569 29,798
控除および引当金 (577) (379)
(43,502) (32,156)
源泉徴収税および中間納付
(8,510) (2,737)
支払税額 (注記 15)
法人税
34,248 47,545
割当被投資会社ベースの法人税費用の調整額
8,626 (7,848)
(注記 19)
(562) -
その他の調整額
42,312 39,697
法人税費用
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当該年度において、 ICO が様々な割合で出資している AIE の税務上の欠損金の繰越が組み込まれた
(2019 年は 37,109 千ユーロ( 2018 年は 41,259 千ユーロの税務上の剰余金配分))。割当の基準は、各
グループ会社が提供した情報に基づいていた。これらのコンセプトは、 AIE の貸借対照表の期末と同年
度に割り当てられるものとされた。
2019 年度末現在、税務上の欠損金の繰越はなかった。
2019 年および 2018 年に適用された税制優遇措置の控除はなかった。国際二重課税(支払税額)の控
除額はそれぞれ 577 千ユーロおよび 379 千ユーロに上った。 2019 年度末現在、国際二重課税に対する控
除はない。
特別事由による固定資産の減価償却方法に変更はなかった。
当公庫の確定申告およびその他の税金債務は、直近4年間税務当局による閲覧が可能である。
基本的に法人税の免除期間後に新たに発生する法人税負債に関し、一定の取引に適用される税規則
の解釈によっては一定の偶発税金負債が存在する場合がある。ただし、当公庫の税務担当者の判断で
は、かかる負債が発生する可能性は少なく、いかなる場合においてもこれにより生じる税金債務が添
付の年次財務書類を大幅に影響することはないものと見込まれる。
注記 24 利息および類似収益
構成する項目に基づく 2019 年および 2018 年の利息および類似収益の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
6,579 8,189
融資産
償却原価で評価した金融資産 329,917 373,639
デリバティブ、ヘッジ会計 (9,470) (11,634)
その他の資産 22 812
20,047 25,920
負債からの利息および類似収益
347,095 396,926
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注記 25 利息および類似費用
2019 年および 2018 年の損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
償却原価で評価した金融負債
670,126 798,172
デリバティブ、ヘッジ会計 (302,175) (323,553)
その他の負債 - -
7,207 18,833
資産からの利息および類似費用
375,158 493,452
注記 26 配当金収益
本概念による収益はすべて変動収益ポートフォリオに対応しており、 2019 年および 2018 年において
それぞれ 7,394 千ユーロおよび 5,339 千ユーロであった。
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注記 27 受取手数料および支払手数料
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
受取手数料
偶発リスク 2,015 1,599
受取可能手数料 962 2,608
39,677 41,515
その他の手数料
42,654 45,722
支払手数料
署名リスク (700) (678)
(6,903) (8,168)
その他の手数料
(7,603) (8,846)
手数料純額 35,051 36,876
2019 年12月31日現在、手数料収入の「その他の手数料」の項目は、 FFPP および FLA の管理手数料に関
連する 25,000 千ユーロ( 2018 年12月31日現在も 25,000 千ユーロ)を含む(注記 16を参照のこと。)。
注記 28 損益を通じて公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
- 1,695
融資産 (注記9 )
償却原価で評価した金融資産、貸付および受取債
- -
権(注記 10.3)
償却原価で評価した金融資産、負債性証券 (注記
10,365 -
10.1)
- (941)
償却原価で評価した金融負債 (注記 18.4)
10,365 754
2019 年において、当公庫は、ユーロ残高においてよりバランスのとれた満期構造および金利の更改
を実現するため、当グループの事業モデルに基づき(また当該モデルにおいて設定された制限に従
い)償却原価で評価した金融資産(公債)を売却した。処分された金融資産の額面価額は 368 百万ユー
ロであり、 10,365 千ユーロの売却益が生じた。
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注記 29 売買目的保有の金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
売買目的保有のデリバティブ (注記7 ) 591 1,023
591 1,023
IFRS 第13号の施行後( 2013 年1月1日)、当グループはデリバティブ証券の評価につき、相手方の
リスクおよび資本信用リスク( CVA-DVA )に対応する調整を組み込まなかった。 2019 年12月31日現在、
本項目において行われた調整(この項目を含む。)は、プラス 4,030 千ユーロに上った( 2018 年12月31
日現在ではマイナス 195 千ユーロ)。
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注記 30 損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産および金融負債による損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
損益を通じて公正価額で評価した持分証券 (注記
1,984 710
8)
1,984 710
注記 31 ヘッジ会計から生じる損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
ヘッジデリバティブ (注記 11) 56,472 56,104
56,472 56,104
本項目は、ヘッジする要素およびヘッジされた要素の公正価額の変動からの利益を含んでいる。
注記 32 その他の営業収益およびその他の営業費用
損益計算書の「その他の営業収益」および「その他の営業費用」の項目における収支バランスの内
訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
その他の営業収益
2019 年 2018 年
不動産開発による収益
750 910
1,270 154
その他 (*)
2,020 1,064
(*)主に備品の返品により回収された費用および BBVA による資産管理に対して支払われた前払金が含まれている。
(単位:千ユーロ)
その他の営業費用
2019 年 2018 年
その他 (211) -
(211) -
注記 33 人件費
2019 年および 2018 年の損益計算書における本項目の構成は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
賃金および給与
14,937 14,595
従業員福利厚生費 3,746 3,657
1,519 1,472
その他の費用
20,202 19,724
2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫の職務別および男女別の従業員数は以下の通りである。
従業員の分布
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男性 女性
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
経営陣
10 10 4 4
管理職および技術者 113 103 138 135
7 7 48 50
事務職員
130 120 190 189
2019 年および 2018 年における当公庫の職務別および男女別の従業員数の平均は以下の通りである。
従業員の平均分布
男性 女性
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
経営陣
10 10 4 4
管理職および技術者 105 104 135 139
7 7 49 50
事務職員
122 121 188 193
注:第5団体協約( 2008 年10月24日の官報に掲載された。)の調印以降、一般業務職員は専務職員として分類されてい
る。
2019 年において、 33%を超える障害を持つ 当公庫の平均従業員数は3名である( 2018 年においても
3名)。
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理事会の報酬およびその他の給付金
当公庫は、理事会のメンバーが受領する報酬について、賃金、手当およびその他の報酬として、
2019 年に 137 千ユーロおよび 2018 年に 92千ユーロを損益計算書(「その他の管理費」の項目)に計上し
た。これらの報酬は、理事会のメンバーを行政府の上級職と考慮した場合に、適用ある規制法に従っ
て国庫に支払われた。
当公庫の代表取締役および同様の役割を遂行している他の者が、 2019 年および 2018 年中に受け取っ
た報酬は以下の通りである(単位:千ユーロ)。
2019 年:
給与および賃金
従業員数 その他の報酬 合計
固定 変動
5 583 65 2 650
2018 年:
給与および賃金
従業員数 その他の報酬 合計
固定 変動
5 550 76 2 628
2019 年および 2018 年12月31日現在、当公庫の理事会役員に付与された貸付金はなかった。 2019 年12
月31日現在、従業員への貸付に関する内部規制に基づき付与された貸付金は、残存金額 14,574 千ユー
ロとなり、平均金利は 2.51 %( 2018 年12月31日現在で 15,023 千ユーロとなり、平均金利は 2.51 %)で
あった。
さらに、 2019 年12月31日現在、理事会の過去または現在の理事は年金または生命保険に関する義務
を負っていない。
注記 34 その他の管理費
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2019 年 2018 年
建物、設備および資材
755 794
コンピューター 3,449 3,450
通信 2,157 2,020
宣伝および広告 1,278 1,113
金利および租税 1,604 1,320
6,694 6,867
その他の一般管理費
15,937 15,564
監査費用
年度会計監査は、国家行政介入局(スペイン語表記の頭文字をとって「 IGAE 」)により行われた。
したがって、監査人の役割は(財務・行政省による)一般的介入により担われるため、この概念にお
ける監査人に対する報酬は存在しない。
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マザーズ( 2018 年および 2019 年の年次財務書類の監査業務において協力的なサービスを提供するた
めに IGAE と締結した契約により監査を行った。)グループの企業が 2019 年に行った監査業務以外の
サービスについて請求した金額(税込)は、 39.5 千ユーロ( 2018 年は 15千ユーロ)であった。
注記 35 公正価額
その市場価額を確実に見積もることができない貸付、受取債権および持分証券を除き、上記の通
り、金融資産は貸借対照表において公正価額で計上される。
同様に、取引ポートフォリオに含まれるものを除き、金融負債は貸借対照表において償却原価で計
上される。
2019 年および 2018 年12月31日現在の連結貸借対照表の「貸付および受取債権」に基づき計上された
資産および「償却原価で評価した金融負債」の項目に基づき計上された負債の一部は、年次金利改訂
を伴う変動金利で計上されており、利率の動向の結果としての公正価額は、連結貸借対照表において
計上されるものと有意差があるとはいえない。これらの公正価額は、割引フローを使用し公正価額の
計算を進める加重平均残存月数および加重平均レートを使用して得たものである。 2019 年および 2018
年12月31日現在、当該運用のために計算された価値は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
簿価 公正価額
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
資産
償却原価で評価した金融資産 28,469,446 32,001,770 28,697,087 32,001,852
負債
償却原価で評価した金融負債 25,824,723 30,307,204 26,077,492 30,317,147
2019 年および 2018 年には、貨幣市場および公債市場のインプリシット・カーブを参照した、全分類
に関する公正価額が計算された。
注記 36 子会社、合弁会社および関連企業の運用
子会社、合弁会社 および関連企業 に関連する企業の 2019 年および 2018 年12月における残高は以下の
通りである。
AXIS
- 顧客への預金(償却原価で評価した金融負債) :2019 年12月31日現在では 11,533 千ユーロ( 2018
年12月31日現在では 12,033 千ユーロ)
CERSA
- 顧客への預金(償却原価で評価した金融負債) :2019 年12月31日現在では 13,995 千ユーロ( 2018
年12月31日現在では 4,198 千ユーロ)
注記 37 英語への翻訳のために追加された説明
これらの財務書類は、当公庫に適用される財務報告に係る規制上の枠組みに基づき表示されている
(注記 1.2 を参照のこと。)。規制上の枠組みに適合し、当公庫に適用される特定の会計上の慣行は、
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その他の一般に認められている会計原則および規則と適合しない可能性がある。矛盾が生じる場合、
スペイン語版が優先する。
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別紙Ⅰ
2019 年12月31日および 2018 年12月31日現在の投資
(当グループの親会社としての ICO の直接所有株式および間接所有株式)
2019 年および 2018 年12月31日現在の関連企業および子会社への投資に関連する情報は以下の通りである。
2019 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパ パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ニョーラ・デ・レアフィア カステジャーナ・ 24.26 % - 24.26 % 36,461 - 36,461 445,572 307,385 -
た保証事業の保証支援
ンツァミエント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパ 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ニョーラ・デ・フィナンシ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % - 20.31 % 8,465 - 8,465 146,198 140,582 1,871
アシオン・デル・デサロー ペイン企業の持分での金
ドリッド
ジョ S.A.(COFIDES) 融支援
44,926 - 44,926
子会社
AXIS パルティシパシオネ
ス・エムプレサリアレス・
ロス・マドラソ・
ソシエダ・ヘストラ・デ・ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 12,169 11,609 7,565
38-マドリッド
エンティダデス・デ・キャ
ピタル・リエスゴ S.A.
46,866 - 46,866
2019 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
2018 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値 (*)
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパニョー パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ラ・デ・レアフィアンツァミ カステジャーナ・ 24.26 % - 24.26 % 36,461 - 36,461 426,267 280,854 -
た保証事業の保証支援
エント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパニョー 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ラ・デ・フィナンシアシオ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % - 20.31 % 8,465 - 8,465 136,117 131,469 7,821
ン・デル・デサロージョ S.A. ペイン企業の持分での金
ドリッド
(COFIDES) 融支援
パセオ・デル・プ
EFC2Eヘスティオン S.L. ラド・4 -マド アセットマネジメント 50.00 % - 50.00 % 2 - 2 36 28 (24)
リッド
44,928 - 44,928
子会社
AXIS パルティシパシオネス・
エムプレサリアレス・ソシエ
ロス・マドラソ・
ダ・ヘストラ・デ・エンティ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 12,507 11,061 5,884
38-マドリッド
ダデス・デ・キャピタル・リ
エスゴ S.A.
46,868 - 46,868
(*)2018 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
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2019 年12月31日現在の財務書類の承認
現行の法律に従い、議長は、このページより前の書類で構成され、スペイン語原文で 143 ページにおよぶ
2019 年に関する当公庫の財務書類および経営報告書を承認する。
マドリッド、 2020 年3月 30日
D.ホセ・カルロス・ガーシア・デ・ケベード・ルイズ
理事長
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2018 年度連結財務書類
連結貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2018 年 2017 年
現金、中央銀行等への預金および要求払預金 6 1,669,486 2,306,411
109,154 164,770
売買目的保有の金融資産 7
デリバティブ
109,154 164,770
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 -
損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でな
8 21,580 -
い金融資産
1,671,294 1,376,391
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
持分証券
642,090 521,429
負債性証券 1,029,204 854,962
貸付金 -
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 -
32,001,853 37,376,663
償却原価で評価した金融資産 10
負債性証券
9,503,883 10,107,611
22,497,970 27,269,052
貸付金
信用機関
12,436,479 16,077,669
顧客 10,061,491 11,191,383
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 - -
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連結貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2018 年 2017 年
デリバティブヘッジ 11 485,855 517,145
60,858 58,860
合弁企業および関連企業への投資 12
合弁企業
- -
関連企業 60,858 58,860
88,109 89,977
有形固定資産 13
有形固定資産
自己使用目的 88,109 89,977
(備忘事項 )ファイナンスリースによる取得 - -
7,005 7,944
無形資産 14
その他の無形資産
7,005 7,944
100,986 264,512
税金資産 15
当期
2,985 130,193
繰延 98,001 134,319
その他の資産 16 34,865 38,052
売却目的保有の非流動資産および可処分要素グループ 17 - 22
36,251,045 42,200,747
資産合計
307/590
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連結貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
負債 注記 2018 年 2017 年
104,885 161,007
売買目的保有の金融負債 7
デリバティブ
104,885 161,007
損益を通じて公正価額で評価した金融 負債 - -
30,295,171 36,047,024
償却原価で評価した金融負債 18
預金 10,435,829 12,343,870
信用機関
9,447,789 11,495,137
顧客 988,040 848,733
市場性を有する負債性証券 19,147,495 22,845,774
その他の金融負債 711,847 857,380
デリバティブヘッジ 11 253,805 363,492
280,195 304,665
引当金 19
年金および年金類似債務
919 423
税金およびその他の法的臨時費の引当金 - -
偶発債務および不確定約定額の引当金 1,442 1,197
その他の引当金 277,834 303,045
23,854 15,447
税金負債 15
当期
957 935
繰延 22,897 14,512
その他の負債 16 6,371 4,119
30,964,281 36,895,754
負債合計
308/590
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連結貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資本 注記 2018 年 2017 年
5,343,946 5,435,873
資本 20
資本金または寄付金
4,313,744 4,313,067
累積準備金 -
再評価準備金 23,591 23,591
その他の準備金 930,940 996,115
当期損益 75,671 103,100
配当金および分配金控除 -
(57,182) (130,880)
その他の累積包括利益 21
損益として再分類不可能な要素 6,369 (6,285)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額持
6,369 (6,285)
分証券の変動
(63,551) (124,595)
損益として再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ
(73,435) (127,567)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額負
9,884 2,972
債性証券の変動
5,286,764 5,304,993
資本合計
36,251,045 42,200,747
資本および負債合計
備忘事項
475,124 605,138
付与された保証 22
3,212,563 3,225,921
付与された不確定約定額 22
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連結損益計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2018 年 2017 年
利息および類似収益 24 396,934 522,590
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 8,189 39,163
償却原価で評価した金融資産 373,647 480,382
利息ヘッジ (11,634) (10,040)
その他の資産 812 130
負債利子による収益 25,920 12,955
利息および類似費用 25 (493,452) (591,697)
(96,518) (69,107)
利息収益純額
配当金収益 26 - 173
持分法適用会社の損益 27 1,915 1,245
受取手数料 28 57,323 56,494
支払手数料 28 (8,846) (3,388)
金融業務による損益 (純額 ) 58,591 7,706
公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益
754 (3,620)
29
(純額 )
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
1,695 5,146
償却原価で評価した金融負債 (941) (8,766)
売買目的保有の金融資産および金融負債による損益 (純額 ) 30 1,023 11,326
損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産による損
31 710 -
益(純額 )
ヘッジ会計から生じる損益 (純額 ) 32 56,104 -
為替差損益 (純額 ) 2.4 49,884 24,553
その他の営業収益および営業費用 33 1,137 4,865
63,486 22,541
売上総利益
(39,112) (38,140)
管理費
人件費 34
(21,040) (20,641)
その他の管理費 35 (18,072) (17,499)
(5,113) (6,040)
減価償却費
有形固定資産 13
(2,091) (2,501)
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無形資産 14 (3,022) (3,539)
引当金経費または引当金の戻入 19 (1,655) 3,843
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連結損益計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2018 年 2017 年
損益を通じて公正価額で評価されない金融資産の減損または減損
99,872 156,547
の戻入
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
- 446
償却原価で評価した金融資産 10 99,872 156,101
(148) 9,876
非金融資産の減損または減損の戻入
営業権およびその他の無形資産 14
- -
その他の資産 13、17 (148) 9,876
廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグループおよび非
17 - 182
流動資産に係る損益
継続事業税引前損益 117,330 148,809
継続事業法人税費用 (収益 ) 23 (41,659) (45,709)
継続事業税引後損益 75,671 103,100
75,671 103,100
当期連結損益
親会社による損益 75,671 103,100
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連結認識損益計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2018 年 2017 年
75,671 103,100
当期損益
73,698 (247,613)
その他の包括利益
12,654 3,314
損益計算書に再分類されない要素
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公
21
18,077 4,734
正価額持分証券の変動
ヘッジ会計損益 - -
損益に再分類されない要素の法人税 (5,423) (1,420)
61,044 (250,927)
損益に再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ、有効部分 21
77,331 (349,589)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した負
21 9,874 (8,878)
債性証券
損益に再分類可能な要素の法人税 (26,161) 107,540
149,369 (144,513)
認識損益合計 (包括損益 )
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資本変動表
連結資本変動表
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
資本
2018 年12月31日現在
準備金
持分法適用
その他の
親会社によ 配当金
資本 その他の
資本金/ 自己株式 資本 少数株主 資本
累積準備金 会社におけ
る当期損益 および 累積包
寄付金 控除 合計 持分 合計
剰余金 (損失) るの準備金 資本性証券
分配金控除
括利益
(損失)
4,313,067 - 1,004,594 15,112 - 103,100 - 5,435,873 (130,880) - 5,304,993
2017 年12月31日付期末残高
会計方針変更による影響額 - - (105,118) - - - - (105,118) - - (105,118)
調整期首残高 4,313,067 - 899,476 15,112 - - 103,100 - 5,330,755 (130,880) - 5,199,875
- - - - - - 75,671 - 75,671 73,698 - 149,369
認識損益合計
677 - 40,700 (757) - - (103,100) - (167,598) - (62,480)
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
677 677 677
資本の減少
資本項目間移転 40,700 (103,100) 61,154 (1,246) (1,246)
(757) (61,154) (61,911) - (61,911)
その他の資本増減
4,313,744 - 940,176 14,355 - - 75,671 - 5,343,946 (57,182) - 5,286,764
2018 年12月31日付期末残高
資本
2017 年12月31日現在
準備金
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持分法適用
その他の
配当金
資本
資本金/ その他の 自己株式 親会社によ 資本 少数株主 資本
累積準備金 会社におけ
および 累積包括
寄付金 資本性証券 控除 る当期損益 合計 持分 合計
剰余金 (損失) るの準備金
分配金控除
利益
(損失)
4,312,585 - 937,172 13,667 - - 317,019 - 5,580,443 116,733 - 5,697,176
2016 年12月31日付期末残高
- - - - - - 103,100 - 103,100 (247,613) - (144,513)
認識損益合計
482 - 67,422 1,445 - - (317,019) - (247,670) - - (247,670)
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
482 - - - - - - - 482 - - 482
資本の減少 - - - - - - - - - - - -
資本項目間移転 - - 67,422 1,445 - - (317,019) 248,000 (152) - - (152)
- - - - - - - (248,000) (248,000) - - (248,000)
その他の資本増減
4,313,067 - 1,004,594 15,112 - - 103,100 - 5,435,873 (130,880) - 5,304,993
2017 年12月31日付期末残高
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連結キャッシュフロー計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2018 年 2017 年
A. 営業活動からのキャッシュフロー
(1,175,163) 1,393,397
1. 当期連結損益
75,671 103,100
2. 営業上のキャッシュフローを得るための調整額 (124,376) (108,633)
減価償却費
5,113 6,040
その他の調整額 (129,489) (114,673)
4,827,231 7,919,418
3. 営業資産純増減額
取引ポートフォリオ
55,617 89,619
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産 (21,580) -
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 (294,902) 424,139
償却原価で評価した貸付および受取債権 4,870,954 6,701,986
その他の営業資産 217,142 703,674
(5,933,118) (6,427,133)
4. 営業負債純増減額
取引ポートフォリオ
(56,112) (88,851)
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融負債 - -
償却原価で評価した金融負債 (5,751,853) (6,338,337)
その他の営業負債 (125,153) 55
(20,571) (93,355)
5. 法人税の回収および支払
B. 投資活動からのキャッシュフロー
598,715 660,706
6. 支払 (6,480,679) (6,185,624)
有形固定資産 13
(223) (383)
無形資産 14 (2,084) (2,334)
株式 12 (2,424) -
売却目的保有の非流動資産および負債 17 - (22)
償却原価で評価した負債性証券 10.1 (6,475,948) (6,182,885)
投資活動に関連するその他の支払 - -
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連結キャッシュフロー計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2018 年 2017 年
7. 回収 7,079,394 6,846,330
有形固定資産 13
- 73
無形資産 14 - -
株式 12 - -
売却目的保有の非流動資産および負債 17 22 -
償却原価で評価した負債性証券 10.1 7,079,372 6,846,257
投資活動に関連するその他の回収 - -
C. 金融活動からのキャッシュフロー
(60,477) (185,518)
8. 支払 (61,154) (186,000)
配当金
(61,154) (186,000)
劣後債務 - -
自己持分証券の償還 - -
自己持分証券の取得 - -
金融活動に関連するその他の支払 - -
9. 回収 677 482
劣後債務
- -
自己持分証券の発行 - -
自己持分証券の処分 - -
金融活動に関連するその他の回収 20 677 482
D. 為替レート変動影響額
- -
E. 現金および現金同等物の純増減額
(636,925) 1,868,585
F. 現金および現金同等物の期首残高
2,306,411 437,826
G. 現金および現金同等物の期末残高
1,669,486 2,306,411
備忘事項 - -
当期末における現金および同等物部分 - -
現金 6 13 10
現金同等物の中央銀行等への残高 6 1,408,355 2,027,159
その他の金融残高 6 261,118 279,242
払戻し可能な当座借越し控除 - -
2018 年12月31日に終了した年度
の連結財務書類の注記
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注記1 概要、財務書類の作成方針およびその他の情報
1.1 当公庫の概要
当グループの親会社であるスペイン開発金融公庫 (「親会社」または「 ICO 」)は政府金融機関の組
織および管理に関する 1971 年6月 19日法律第 13号により設立され、予算、租税および財政に係る緊急
措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号が公表されるまで、 1988 年一般国家予算に関する 1987 年12
月30日法律第 33号第 127 条および 1971 年法律第 13号の廃止されなかった特定の条項により規制された。
当公庫の登録上の住所は、マドリッドのパセオ・デル・プラド4に所在し、すべての活動を同地で
行い、スペイン国内にその他の支店網を有していない。
当公庫は公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号第 103 条に定める形態の公共事業体であ
り、経済・企業支援担当大臣を通じて経済・企業省に属する。当公庫は法に基づく金融機関であり、
国家の財務代理人と考えられており、目的達成のための経営の独立性に加えて、法人格、資産および
財源を有している。
経済・企業支援担当大臣は当公庫の戦略的経営、ならびに当公庫の事業活動による業績の評価およ
び管理について責任を負う。
当公庫は、公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号の条項、予算、租税および財政に係
る緊急措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号追加条項第6条、 1998 年9月 23日勅令第 1091 号によ
り承認された一般予算法の適用条項、 1997 年4月 14日法律第6号への ICO の適合に関して 1999 年4月 30
日勅令第 706 号により承認された ICO の定款およびかかる定款の承認( 1999 年5月 13日政府官報第 114
号)、また上記の法規によって規定されていないその他の事項については、金融機関に適用される特
別の法規ならびに民法、商法および労働法に服している。
企業統治業務の改善策を導入するため、スペイン開発金融公庫( ICO )の定款に係るいくつかの条文
を修正する 2015 年12月18日勅令第 1149 号が 2015 年末に、内閣によって承認された。同年 10月に公共部
門法体制に関する法律が、これに基づき成立し、かかる法律により初めて政府金融機関に4人の社外
取締役が選出された。また、評判、経歴および不適合性等の対象の選出基準が設定され、任期は3年
間有効で、1回のみ追加で3年間更新することができることとされた。当公庫において財政問題が生
じた場合、社外取締役はそれぞれ2票投票することができ、よって理事会(理事会は、理事長と 10名
の理事(以前は9名)で構成される。)においては社外取締役が多数派となる。さらに、すべての理
事の任命および解任は経済・企業大臣の提案の下、内閣に委ねられることが決定された。
内閣によって承認された勅令は、これらの調整を発展させる。社外取締役として選任されるための
要件には、商業的かつ専門的な高い社会的評価、適切な知識および経験を有すこと、潜在的、永続的
な利益相反がないこと、また、自営または雇用された立場において、 ICO と競合になりうる活動を展開
しないことが含まれる。さらに、信用機関、金融信用機関、投資機関、集団投資スキームおよびベン
チャー・キャピタル企業またはこれらの子会社ならびにこれらが所属するグループに関連のない者で
あることが要件となっている。
理事会の理事は、常に ICO の利益のために行動しなくてはならず、またその業務を行う上で得た情
報、データ、レポートおよび機密のバックグラウンドを、かかる業務が終了した後も外部に漏らして
はならない。経済・企業大臣により辞職が承認された場合、社外役員の任期が終了した場合、また、
公共部門からの理事に関しては解約された場合は、解任されることがある。守秘義務の重大な違反ま
たは利益相反等の場合と同様に、社外取締役の適性が予期せず欠如している場合には、解任されるこ
とがある。
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当公庫の目的は国富の増大および分配の増進に寄与する経済活動、とりわけ社会、文化、技術革新
および環境の面から奨励に値する活動を支援、促進することである。
かかる目的を達成するために、当公庫は財政の均衡原則および手段と目的の一致を厳格に遵守す
る。
また当公庫の職務は以下の通り定められている。
a) 内閣または政府経済問題委員会の指図に従い、深刻な経済危機、自然災害またはこれに類似の状
況により生じる経済に対する影響を緩和するように貢献すること。
b) 当公庫の理事会により採択された規則および決定に従い、内閣、政府経済問題委員会または経
済・企業省の定める基本的な方針を遵守して、経済政策の諸措置を実施する主たる機関として行為
すること。
かかる目的および職務の中に含まれる業務の種類は、以下の通りである。
1. 中小企業、住宅建設、通信、スペイン事業の国際化等の一定の部門および戦略的活動に対して金
融支援を行う直接的な貸付業務および仲介業務、ならびに 1993 年1月 15日閣議決定(「 RCM 」)に従
い、現在のバンコ・デ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア・エセ・アー(「 BBVA 」)に統合さ
れている国立銀行から移譲された業務。
2. 相互金利調整契約(スペイン語表記の頭文字をとって「 CARI 」)。かかる輸出援助システムは、
当該システムを利用するスペインまたは外国の金融機関のために良好な財務実績を保証する。当公
庫は仲介機関としてのみ行為し、各年度の一般国家予算法で許容されている通り管理費用は国家が
負担する。
関与した各銀行との金利調整純額は、各調整額が、受取残または支払残のいずれであるかによ
り、国家が支払うか、または当公庫を通じて支払われるかで、通常は相殺される。
3. 開発プロモーション基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FONPRODE 」)。かかる基金は 2010
年に 2010 年法律第 36号の下で設立された。その目的は国家から国家への補助金という形で発展途上
国の開発プロジェクトおよび開発計画に資金供給することである。当公庫はかかる取引に関して、
スペイン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫
が保有する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO
に対して管理費用が補填 され る。 2010 年12月現在、この特定の基金は、 1998 年以降 FONPRODE に統合
されるまで、同じく当公庫によって管理されている小口融資を供与するための基金を取得した。
4. 法人国際化基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FIEM 」)。かかる基金は 2010 年に 2010 年法
律第 11号の下で設立された。その活動は、利権または市場条件の下、スペインの財貨およびサービ
スの取得ならびにスペインの投資プロジェクトの遂行または国益の取得および遂行に結びつくプロ
ジェクトに対して、返済可能な資金供給を行うことである。当公庫はかかる取引に関して、スペイ
ン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫が保有
する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO に対し
て管理費用が補填される。
5. 水道および公衆衛生協力基金。当該基金は、 2008 年度一般国家予算に関する 2007 年12月26日法律
第51号追加条項第 61条に基づき設立された。その目的は、中南米諸国の国家機関との金融取り決め
の下、とりわけスペインとの協力を重視し、水道および公衆衛生プロジェクトに対して資金を提供
することである。
6. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、地方団体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは
自治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済
的持続性を保証するものである。当ファンドの自己資本は供給者支払のための融資基金( 2012 年勅
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令第4号および 2012 年勅令第7号により成立)の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利お
よび義務の下施行される。)により供給されたもある。 ICO は、取引業者の役割を担っているが、こ
れらの業務はその会計帳簿には記録されていない。この業務により、当公庫には関連する取引手数
料が生じている。
7. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、自治体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは自
治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済的
持続性を確保するものである。当ファンドの自己資本は 2012 年勅令第 21号により設立された自治区
流動性基金の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利および義務の下施行される。)により
供給されたものである。さらに、自治体に関しては、供給者への支払に関する融資メカニズムの自
己資本部分に含まれている。 ICO は、取引業者の役割を担っているが、これらの業務はその会計帳簿
には記録されていない。この業務により、当公庫には取引手数料が生じている。
2.から 7.の業務は、それぞれに適用される法律に従って、当グループの勘定には含まれない。
1.2 連結年次財務書類の作成方針
当グループは、財務書類の公開および機密の報告基準およびモデルに関する、 2017 年11月27日スペ
イン中央銀行 通達第4号(「 2017 年通達第4号」)により設定された会計原則および基準に従い、欧
州連合に採用された国際財務報告基準(「 IFRS-EU 」)に基づいて連結年次財務書類を作成している。
当該 2017 年通達第4号は、スペイン金融機関の単体年次財務書類への適用が義務付けられている。
よって、本連結年次財務書類は、 2018 年12月31日現在の当グループの連結資本および連結財務状
態、ならびに当該年度に係る業績、連結資本変動および連結キャッシュフローに係る真実かつ公正な
見解を示すため、当グループ企業の会計記録に基づき、欧州連合が採用する国際財務報告基準
(IFRS )( IFRS-EU )およびスペイン中央銀行の 2017 年通達第4号(その後の改正を含む。)、ならび
に商法、資本企業法またはその他に適用されるスペインの規制に従って作成された。
かかる目的のため、 2017 年の情報は、 2017 年12月31日に終了した年度の財務書類の作成時とは異な
り、 2018 年12月31日に終了した年度に適用される財務書類に適応されている。しかしながら、かかる
適応は、これらの開示において重大な変更を伴う表題間の再分類を意味するものではない。
これらの連結年次財務書類に記載される 2017 年に対応する情報は、 2018 年に関連する情報との比較
のみを目的として唯一かつ排他的に表示されており、したがって、当グループの 2017 年年次財務書類
を構成するものではない。
2018 年1月1日から 12月31日の間の期間に発生した主な規制変更
信用機関向けの財務書類の公開および機密の報告基準およびモデルに関する 2017 年11月27日通達第4
号
2018 年1月1日、スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号は、信用機関向けの新たな会計の規制上の
枠組みとして発効し、そのため同通達は ICO にも適用される。信用機関向けの公開および機密の報告基
準および財務書類のモデルに関する 2017 年11月27日通達第4号は、 2018 年1月1日から IFRS 第15号お
よび IFRS 第9号という2つの新たな国際財務報告基準を適用した結果として、信用機関向けのスペイ
ンの会計制度を欧州の会計規則の変更に適応させることを目的としている。これらの基準により、顧
客との契約および金融商品からの収益の会計基準がそれぞれ修正される。
新規則の効果は、特に以下の事項に関連して 2018 年の当グループの会計に影響を及ぼした。
-信用リスク引当金の調整。同規則により、減損モデルの変更が規定され、同モデルはもはや既発
生損失に基づかず、予想損失に基づくことになる。その結果、( ICO が適用した) 2016 年スペイン
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中央銀行通達第4号に規定される代替ソリューションの計上比率は、標準エクスポージャー、標
準の警戒リストエクスポージャーおよび遅滞による回収不確実エクスポージャーのそれぞれにつ
いて更新されている。カントリー・リスク引当金も、同様に修正されている。これらの調整の適
用は遡及的であり、その結果、当年度の利益(損失)ではなく準備金に対して直接計上される。
これらの調整の効果の影響は、 122,310 千ユーロの準備金の減少であり、 2018 年1月に計上された。
-測定目的で金融資産が計上されるポートフォリオの変更。金融資産のポートフォリオは一般に、
償却原価で評価した金融資産、その他の包括利益により公正価額で評価された金融資産および損
益を通じて公正価額で評価された金融資産として分類される。同通達は、関連基準が発効した場
合の特定項目の遡及的再分類を規定している。当グループへの影響の概要は、以下の通りであ
る。
2018 年1月、当公庫の運営機関は、同通達が規定した変更を反映する事業モデルを承認した。一般
に、関連資産は、そうするための要件を満たした以降は、同等のポートフォリオに分類されることを
考慮すると、これまで適用されていたのと同じ基準を用いて測定される。
さらに、同月において、 ICO は、債券から構成される金融資産ポートフォリオ全体が SPPI テスト(元
本および利息の支払のみ)を遵守しているかを検証するための特別な分析を完了した。その結論は、
2018 年1月1日現在の貸借対照表における売却可能および満期保有ポートフォリオが、かかるテスト
を遵守しているというものであった。
同通達に従って、 ICO は、特定の金融資産(債券)を償却原価ポートフォリオ(従来は満期保有ポー
トフォリオ)からその他の包括利益による公正価額で評価された金融資産に再分類することに同意し
ている。再分類額は 970 百万ユーロであり、包括利益への影響額は 19百万ユーロ(税引前)であった。
さらに、 ICO は、従来は包括利益による公正価額で評価された特定の持分証券を損益を通じて公正価
額で評価された金融資産に再分類することに同意した。この基準の遡及的適用により、準備金が5百
万ユーロに増加した。
最後に、上記基準が定めた会計ヘッジの規制上の変更は、同通達により許可された通り、 ICO がマク
ロヘッジに国際基準を適用することが必要となるまで、これまで有効なモデルを引続き適用すること
を選択したため、 ICO に影響は及ばなかった。
当グループの財務書類の作成日現在、公表されているが未施行の基準および解釈指針は下記に開示
されている。当グループは、該当する場合、これらの基準が施行され次第速やかに導入する予定であ
る。
-IFRS 第16号-リース( 2016 年1月に公表)。これは IAS 第17号および関連する解釈指針を代替す
る。主な変更として、新基準では現行のファイナンスリース(資産は、使用権のために償却さ
れ、負債の償却原価として金融費用で償却されなければならない。)と同様の影響あるすべての
リース(限られた例外を除く)を貸借対照表に含めるという、借手の単一の会計モデルを提案す
る。
-IFRIC 第23号-税務処理に関する不確実性( 2017 年6月に公表)。かかる解釈指針は、事業体が行
う特定の税務処理に対して、税務当局がそれを受容するか不確実である場合に、 IAS 第12号の登録
および測定規定の適用方法を明確化する。
-修正 IAS 第28号-関連企業および合併企業に対する投資( 2017 年11月に公表)。持分法を用いて登
録されていない関連企業および合併企業に対する投資の取扱いを明確化する。
-IFRS サイクル 2015-2017 の改善( 2017 年12月に公表)。一連の基準をわずかに修正する。
-IFRS 第17号-保険契約( 2017 年5月に公表)。これは IFRS 第4号に代替する。これには使用者が財
務書類に対する契約の影響を判断するために、事業体が関連する信頼できる情報を提供できるよ
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う、保険契約の登録、測定、表示および開示の原則が含まれている( 2021 年1月1日以後に強制
適用される。)。
-IFRS 「サイクル 2015-2017 」の年次改善。これらの改善には IAS 第12号-「法人税」、 IAS 第23号-
「借入費用」および IAS 第28号-「関連企業および合併企業に対する投資」に係るわずかな修正が
包含されている。
-修正 IAS 第19号「制度改訂、縮小または清算」。かかる修正は、事業体が最新の保険数理上の仮定
を用いて、制度改訂、縮小または清算後の残存期間における当期サービス費用および利息純額を
測定し、これを過去サービス費用の一部として損益に計上するか、清算時に損益に計上するか、
または余剰金から差し引いて計上すること(資産の限度の影響により、かかる余剰金が以前計上
されていない場合を含む。)を義務付ける。
-修正 IFRS 第3号「企業結合」。これは事業の定義を改訂し、事業体が資産の取得と企業買収とを
区別するのを支援する。のれんは企業買収でのみ発生するため、かかる区別は重要となる( 2020
年1月1日以後に強制適用される。)。
-修正 IAS 第1号および IAS 第8号「重要性の定義」。企業が財務諸表に組み込む情報を決定するの
に伴う判断を支援するために「重要性」の新たな定義が確立された( 2020 年1月1日以後に強制
適用される。)。
注記2に記載している、本連結年次財務書類に適用される会計原則および基準の概要ならびに最も
重要な評価基準を含め、本財務書類の作成において、重大な影響を及ぼすすべての必須の会計原則お
よび基準が適用されている。本連結年次財務書類に含まれる情報については、当グループの親会社の
理事長が責任を負う。
当グループの 2018 年の連結年次財務書類は、 2019 年3月 28日付で親会社の理事長により作成され、
当公庫の理事会および当グループの親会社による承認を待っている状態ではあるが、重大な変更なく
承認される見込みである。本連結年次財務書類の単位は、別段の記載のない限り、千ユーロである。
1.3 情報および見積りに対する責任
2018 年12月31日に終了した年度の当グループの連結年次財務書類およびその連結注記に記載される
情報の作成責任は当公庫の理事長にある。これらの年次財務書類の作成にあたり、かかる財務書類に
含まれる特定の資産、負債、収益、支出および約定額の数値化に当グループによる見積りが使われて
いる。これらの見積りは概ね以下の通りである。
-金融資産の減損(注記 2.7 )
-退職給付金に関する負債および約定額ならびにその他の従業員に対する長期約定額の保険数理上
の計算基礎(注記 2.10.2 )
-固定資産および無形資産の耐用年数(注記 2.12 および 2.13 )
-付与された不確定約定額から生じる将来の債務に関する損失(注記 2.14 )
-一部の簿外資産の公正価額(注記 2.2.3 )
-税金資産の回収(注記 2.11 )
これらの見積りは、分析された事実に関連して、 2018 年12月31日現在で入手可能な最良の情報に基
づいているが、当該年度の連結損益計算書における見積りの変動の影響を認識するために、今後数年
のうちに、将来の何らかの出来事により、予め見積りの(上方または下方の)大幅な修正がなされる
可能性がある。
1.4 旧アルヘンタリアからの資産および負債の譲受
今は存在しない会社であるが、アルヘンタリア、カハ・ポスタルおよびバンコ・イポテカリオ・エ
セ・アーは、コルポラシオン・バンカリア・デ・エスパーニャ・エセ・アー、バンコ・エクステリ
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アー・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BEX )、カハ・ポスタル・エセ・アーおよびバンコ・イポテカ
リオ・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BHE )の合併の結果、 1998 年9月 30日付の合併証書で正式に設
立された。その後、バンコ・デ・クレディト・アグリコラ・エセ・アー( BCA )はカハ・ポスタル・エ
セ・アーにより吸収され、バンコ・デ・クレディト・ロカル・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BCL )
は前記の法人に所属し法人格を維持している。
1993 年2月 15日の ACM の規定に従い、当公庫は、 1992 年12月31日、スペイン政府または当公庫が保証
している経済政策業務から生じる BCL 、BHE 、BCA および BEX の資産および負債を取得し、とりわけ転換
期にある企業(転換および産業再編改革法の適用を受けている)に対する信用供与および保証を取得
した。また、洪水の犠牲者に対する特別融資に加え、かかる事業体が上場株式会社になる前に供与し
た貸付、ならびにその他の資産、権利および企業持分も取得した。
また、 1993 年3月 25日に、譲渡された資産および負債に関する管理契約が関係銀行との間で調印さ
れた。同契約は、現行の銀行法に従う管理および正確な会計について定める。管理手数料は、 2018 年
および 2017 年のそれぞれにおいて合計 390 千ユーロおよび 397 千ユーロであった。
以下は 2018 年および 2017 年12月31日現在の内容別による譲渡された資産および負債である。当該日
現在、その管理は BBVA (上記すべての統合により設立された会社)により行われている。
(単位:千ユーロ)
BBVA により管理される資産および負債の残高
2018 年 2017 年
信用機関 - 9
スペイン公的機関に対する貸付金 109 159
その他の居住者部門に対する貸付金 - 3
不良資産 (*) - 1,855
固定資産 378 383
- 191
雑勘定
487 2,600
資産合計
雑勘定 - 215
ICO との合同勘定 225 2,295
262 90
当期利益
負債合計 487 2,600
(*) 2017 年の総額は引当金勘定として 100 %計上されている。 2018 年にこれらは収支の不均衡による破綻に再分類されて
いる。
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1.5 単体年次財務書類の表示
スペイン商法第 42条に従い、当公庫は本連結年次財務書類と同日付で単体年次財務書類を作成し
た。
以下に、当グループの本連結年次財務書類に適用したものと同一の会計原則および基準ならびに評
価基準に従い作成された、 2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度の ICO の単体貸借対照表、単体
損益計算書、単体認識損益計算書、単体資本変動総額表および単体キャッシュフロー計算書の概要を
示す。
a) 2018 年および 2017 年12月31日現在の単体貸借対照表
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
現金、中央銀行等への預金および要求払預金
1,669,485 2,306,410
売買目的保有の金融資産 109,154 164,770
損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有で
21,580 -
ない金融資産
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 1,671,294 1,376,391
償却原価で評価した金融資産 32,001,770 37,376,534
デリバティブヘッジ 485,855 517,145
子会社、合併企業および関連企業への投資 46,868 44,444
有形固定資産 88,099 89,965
無形資産 6,949 7,880
税金資産 100,984 264,509
その他の資産 34,543 37,812
売却目的保有の非流動資産 - 22
36,236,581 42,185,882
資産合計
売買目的保有の金融負債
104,885 161,007
償却原価で評価した金融負債 30,307,204 36,057,970
デリバティブヘッジ 253,805 363,492
引当金 280,195 304,665
税金負債 23,854 15,447
その他の負債 4,926 2,902
30,974,869 36,905,483
負債合計
その他の累積包括利益
(57,182) (130,880)
5,318,894 5,411,279
資本 :
資本金または寄付金
4,313,744 4,313,067
準備金 931,940 996,289
当期損益 73,210 101,923
5,261,712 5,280,399
資本合計
負債および資本合計 36,236,581 42,185,882
付与された保証
475,124 605,138
付与された不確定約定額 3,212,563 3,225,921
3,687,687 3,831,059
備忘勘定合計
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b) 2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度の単体損益計算書
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
利息および類似収益
396,926 522,586
利息および類似費用 (493,452) (591,697)
(96,526) (69, 111 )
利息収益純額
配当金収益
5,339 5,173
受取手数料 45,722 46,197
支払手数料 (8,846) (3,388)
損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債の償
754 (3,620)
却による損益(純額)
売買目的保有の金融資産および金融負債による損益(純額) 1,023 11,326
損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産による損
710 -
益(純額)
ヘッジ会計から生じる損益(純額) 56,104 -
為替差損益(純額) 49,884 24,553
その他の営業収益 1,064 4,794
その他の営業費用 - -
55,228 15, 924
売上総利益
管理費
(35,288) (34,354)
減価償却費 (5,102) (6,031)
引当金または引当金の戻入 (1,655) 3,843
損益を通じて公正価額で評価されない金融資産の減損 99,872 156,547
非金融資産の減損 (148) 9,876
売却目的保有として分類された要素の非流動資産による損益 - 182
112,907 145,987
当期継続事業税引前損益
当期継続事業法人税
(39,697) (44,064)
73,210 101,923
当期継続事業損益
廃止事業による損益(純額)
- -
73,210 101,923
当期損益
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c) 資本変動表 2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度の資本に係る単体認識損益計算書
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
当期損益 : 73,210 101,923
その他の包括利益 : 73,698 (247,613)
損益計算書に再分類されない要素 12,654 3,314
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した資本要素の
18,077 4,734
公正価額の変動
損益に再分類されない要素の法人税 (5,423) (1,420)
61,044 (250,927)
損益に再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ、有効部分
77,331 (349,589)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した債券 9,874 (8,878)
損益に再分類可能な要素の法人税 (26,161) 107,540
146,908 (145, 690 )
当期認識損益合計(包括損益)
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d) 2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度の単体資本総変動表
(単位:千ユーロ)
資本
2018 年12月31日現在
その他の
配当金
資本
資本金/ 資本 その他の 自己株式 資本
累積包括
準備金 当期損益 および
合計
寄付金 剰余金 持分証券 控除 合計
利益
分配金控除
2017 年12月31日付期末残高 4,313,067 - 996,289 - - 101,923 - 5,411,279 (130,880) 5,280,399
会計方針変更による影響額 - - (105,118) - - - - (105,118) - (105,118)
調整後期首残高 4,313,067 - 891,171 - - 101,923 - 5,306,161 (130,880) 5,175,281
認識損益合計 - - - - - 73,210 - 73,210 73,698 146,908
その他の資本変動:
資本金 /寄付金の増加 677 - - - - - - 677 - 677
資本項目間移転 - - 40,769 - - (101,923) 61,154 - -
- - - - - - (61,154) (61,154) - (61,154)
その他の資本増減
その他の資本総変動合計 677 - 40,769 - - (101,923) - (165,595) (60,477)
4,313,744 - 931,940 - - 73,210 - 5,318,894 (57,182) 5,261,712
2018 年12月31日付期末残高
(単位:千ユーロ)
資本
2017 年12月31日現在
その他の
配当金
資本
資本金/ 資本 その他の 自己株式 資本
累積包括
準備金 当期損益 および
合計
寄付金 剰余金 持分証券 控除 合計
利益
分配金控除
2016 年12月31日付期末残高 4,312,585 - 928,945 - - 315,344 - 5,556,874 116,733 5,673,607
認識損益合計 - - - - - 101,923 - 101,923 (247,613) (145,690)
その他の資本変動:
資本金 /寄付金の増加 482 - - - - - - 482 - 482
資本項目間移転 - - 67,344 - - (315,344) 248,000 - - -
- - - - - - (248,000) (248,000) - (248,000)
その他の資本増減
その他の資本総変動合計 482 - 67,344 - - (315,344) - (247,518) - (247,518)
4,313,067 - 996,289 - - 101,923 - 5,411,279 (130,880) 5,280,399
2017 年12月31日付期末残高
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e) 2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度の単体キャッシュフロー計算書
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
営業活動からのキャッシュフロー
(1,175,169) 1,393,395
当期損益 73,210 101,923
営業活動からのキャッシュフローの調整額 (124,387) (115,286)
営業資産純増減額 4,828,848 7,919,351
営業負債純増減額 (5,932,269) (6,419,238)
法人税の回収および支払 (20,571) (93,355)
投資活動からのキャッシュフロー純額 598,721 660,708
支払 (6,480,678) (6,185,624)
回収 7,079,399 6,846,332
金融活動からのキャッシュフロー (60,477) (185,518)
現金および現金同等物の為替レート変動影響額 - -
現金および現金同等物の純増減額 (636,925) 1,868,585
現金および現金同等物の期首残高 2,306,410 437,825
1,669,485 2,306,410
現金および現金同等物の期末残高
1.6 環境影響および温室効果ガス排出権
当グループの国際取引は、環境保護に関する法律に従っている。当公庫は、当公庫がこれらの法律
に実質的に準拠しており、その準拠を確保および奨励するよう設計された手続きを維持していると考
えている。
また、当グループは、適切な環境保護・改善措置が実施されており、環境影響が可能な限り最小化
され、これについての規則を遵守していると考えている。 2018 年および 2017 年、当グループは重大な
環境投資を実施しておらず、環境リスクおよび費用のための引当金を計上する必要はないと考えてい
る。また、当公庫は、環境保護・改善に関連する重大な偶発事象が存在するとは考えておらず、温室
効果ガス排出権を有していない。
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1.7 最低資本
1.7.1 最低自己資本比率
スペイン中央銀行は 2008 年5月 22日に、最低自己資本の識別および管理に関して、 2008 年通達第3
号を発布した。前記通達は、投資比率、自己資本および情報についての金融仲介機関の義務、ならび
に他の金融システムに関する 2007 年11月16日法律第 36号( 1985 年5月 25日法律第 13号を改正)により
発布された自己資本および連結ベースでの信用機関の監督に関する法制度等(信用機関自己資本に関
する 2008 年2月 15日勅令第 216 号を含む。)について、金融機関業界における最終的な展開を示してい
る。前記通達はまた、スペインの金融機関の法制度に、金融機関の事業に関する欧州議会および理事
会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 48号(改正後)、ならびに投資サービス会社および金融機
関の自己資本比率に関する欧州議会および理事会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 49号(改正
後)を適合させる過程を完了させるものでもあった。かかる二つの指令は、バーゼル銀行監督委員会
により採択された同様の規制(バーゼルⅡとして知られている。)を受けて、金融機関および金融機
関の連結グループが満たすべき最低資本要件について大幅に改正された。
従前の銀行業の健全性規制に関する法令( 1985 年5月 25日法律第 13号および 2008 年スペイン中央銀
行通達第3号)に替わり、 2014 年1月1日より、金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014
年6月 26日法律第 10号が施行された。これまで欧州連合は、その法制度として 2010 年12月付のバーゼ
ルⅢに移行しており、 2012 年EU規則第 648 号を修正する金融機関および投資サービス会社の健全性要件
に関する欧州議会および理事会による6月 26日の 2013 年EU規則第 575 号、ならびに 2002 年EC指令第 87号
を修正する金融機関の活動ならびに金融機関および投資サービス会社の健全性監督に関する欧州議会
および理事会による6月 26日の 2013 年EU指令第 36号を採用し、また欧州連合の監督および信用機関の
支払能力の基準にスペインの法律を適合させるための緊急措置として、 11月29日の 2013 年勅令法第 14
号に当公庫のシステムを置き換えることで、 2006 年EC指令第 48号および 2006 年EC指令第 49号を廃止し
た。
2014 年6月 26日法律第 10号の主な目的は、 2013 年6月 26日EU規則第 575 号( CRR )の規定を直接的に
組み込み、正式に 2013 年6月 26日EU指令第 36号( CRD )に移行することで、国際舞台および欧州連合に
課せられている規制変更にスペインの法律を適合させることであった。当該コミュニティ規制は、監
督体制、資本要件および罰則等の側面が大々的に修正されてきたことにより、金融機関に適用される
規則の実質的な変更をもたらした。
CRR および CRD は、欧州連合における資本要件を規制し、以下に記載するバーゼルⅢの資本規制の枠
組みまたは協定に定められた提案を含む。
-加盟国に直接適用される CRR は、金融機関の健全性要件を含み、とりわけ以下の事項を扱ってい
る。
-ハイブリッド商品が満たさなければならない要件を設定し、少数株主持分の適格性を制限す
る、適格自己資本の要素の定義。
-各資本区分における調整項目および控除項目の定義。この点において、規則はバーゼルⅡに新
たな控除項目(繰延税金資産、年金基金)を組み入れ、既存の控除項目の変更を導入する。一
方で、規則はその完全な実施までに、5年から 10年の段階的な予定を設定している。
-自己資本の三つの水準(普通株式等 Tier 1比率 4.5 %、 Tier 1比率6%および最低資本合計比率
8%)を定める最低要件の設定(第一の柱)。
-信用機関がレバレッジ比率( Tier 1をリスクに対して未調整の総エクスポージャーで除した値
として定義される。)を算定するための要件。開示要件は、 2016 年以降に適用され、最終的な
定義は監督者により 2017 年に設定された。
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-加盟国が、それぞれの基準に従って、国内法令に組み込まなければならない CRD の意図および主た
る目的は、金融機関および投資会社の活動の透明性ならびにその統治および監督の枠組みについ
て国内法令を調整することである。 CRD は、とりわけ、 CRR で設定された資本要件に加えて、 2019
年までに段階的に導入される資本要件を含んでいる。以下に従わないことは、利益の任意分配に
対する制限を伴う。
-バーゼルⅢの規制の枠組みを拡大する、金融規則の景気循環増幅効果を軽減するための資本保
全バッファーおよび反循環的な資本バッファー。すべての信用機関は、普通株式等 Tier 1に上
乗せする 2.5 %の資本保全バッファーおよび普通株式等 Tier 1に上乗せする、機関特有の反循
環的な資本バッファーを維持しなければならない。
-グローバルなシステム上重要な機関およびその他のシステム上重要な機関が、システミックリ
スクまたはマクロ健全性リスク(すなわち、特定の加盟国における金融システムおよび実体経
済に深刻な悪影響を与えうる、金融システムの混乱リスク)を軽減するためのシステミックリ
スクバッファー。
-さらに、 CRD は、監督責任の範囲内で、所轄官庁が、 CRR に記載の最低要件(第二の柱)を上回
る自己資本額の維持を金融機関に要求することが可能であると規定している。
金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号の追加条項第8条による
と、規則により規定されていない限り、スペイン開発金融公庫は、当該法律のタイトルⅡ(金融機関
の支払能力)、タイトルⅢ(監督)およびタイトルⅣ(法的罰則)ならびに情報の守秘義務に関する
規定を適用する。
2015 年から、スペイン中央銀行の 2014 年通達第2号に従い、この基準において設定された資本バッ
ファーが適用される。今日まで、今年度の銀行監督者によって特定の反循環的な資本バッファーの金
額は設定されていない。 ICO は、グローバルなシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字を
とって「 EISM 」)ではなく、またシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字をとって
「EIS 」)としてみなされることもない。
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2018 年および 2017 年12月31日現在の当グループの算出可能な資本は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
5,179,437 5,277,868
普通株式等 Tier 1(*)
-資本金
4,313,744 4,313,068
-準備金および調整項目 (**) 865,693 964,800
- 19,854
Tier 2
-その他の準備金 (**)
- -
- 19,854
-一般支払不能リスクヘッジ
5,179,437 5,297,722
算出可能資本合計
2,243,085 1,289,525
最低資本合計 (***)
(*) 当グループは追加の Tier 1を有していない。
(**) 当グループの算出可能資本の計算に用いる合計準備金は、資本の計算において、無形資産の修正および準備金の
修正が行われているため、連結貸借対照表の額とは異なる。
(***) リスク加重資産( RWA )を当グループについてスペイン銀行により設定された 17.625 %として計算している。
2018 年および 2017 年12月31日現在の当グループの最低資本の最重要データは、以下の通りである
(単位:千ユーロ)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
Tier 1 5,179,437 5,277,868
12,726,723 16,119,064
リスク加重資産
40.70 % 32.74 %
Tier 1比率 (%)
5,179,437 5,297,722
算出可能資本合計
40.70 % 32.87 %
算出可能資本合計比率 (%)
17.625 % 10.5 %
最低算出可能資本比率 (%)(*)
(*) 当グループ企業の自己資本についてスペイン銀行により設定された 2018 年4月 23日以降の最低資本比率の合計
は、 2013 年EU規則第 575 号により設定された要件(8%)、ならびに集中リスクおよび事業リスクならびに資本に
関する自己評価報告書に記載されるその他のリスクをカバーするための追加の必要資本( 7.75 %)ならびに資本
バッファー( 2018 年1月1日以降 1.875 %)を考慮すると、 17.625 %である。
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2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループの算出可能資本は、連結ベースでは、適用ある規則
により規定されている最低要件をそれぞれ 2,936,352 千ユーロおよび 4,008,197 千ユーロ上回ってい
る。
1.7.2 最低支払準備率
当グループは最低支払準備率を満たすために、ユーロ圏の国の中央銀行に預けられている資金の最
低レベルを維持しなくてはならない。 2018 年12月31日現在、このレベルは算出可能な負債の2%で
あった。 2011 年11月24日に 2011 年EU規則第 1358 号が発効し、追加的な算出可能な負債(2年超の通知
期間を条件として引出可能な2年超の定期預金、現先取引による販売および2年超の満期を持つ株式
以外の証券)について1%が要求される。この修正は 2012 年1月 18日に開始した積立期間の後に適用
された。
2018 年および 2017 年12月現在、ならびに 2018 年および 2017 年中、 ICO は適用あるスペインの規制に基
づく最低比率を遵守した。
1.7.3 資本管理
当グループは、支払能力に関し適用される法制度( 2013 年EU規則第 575 号)に規制される算出可能な
Tier 1および Tier 2の管理を目的として、資本を検討している。
この意味において、常に 10.5 %を超える支払能力比率を維持するための資本管理システムに、資本
要件規制は直接的に盛り込まれている。この目標は、適切な資本計画によって達成されている。
1.8 後発事象
上記 2006 年法律第 42号で修正された租税、行政および社会保障措置に関する 2001 年12月27日法律第
24号追加条項に従い、旧金融公庫と当公庫が付与した一定の与信および保証枠に基づき中央政府が ICO
から借入れた債務の返済によって回収される金額は、当公庫の資本の一部を構成する。 2018 年の見積
総額は 500 千ユーロであり、 2019 年に計上される。
2019 年、スペイン開発金融公庫は、国家財務当局の地位において政府の命令を受け、事業および個
人に対する新たな信用枠を打ち出した。当方針の目的は、スペインの信用制度に更なる流動化をもた
らし、組織的目標の枠組み内における他の需要に取り組むことである。承認を得た主な信用枠は、以
下の通りである。
-Línea ICO Empresas yEmprendedores 2019 :この ICO の信用枠は、国内で投資を行い、かつ流動
性ニーズを満たす必要のある自営業者および企業に対して融資を行う。個人および家主団体も、
住宅の修復のためにこの信用枠を利用することができる。
-Línea ICO Garantía SGR/SAECA 2019 :この ICO の信用枠は、相互保証会社(スペイン語表記の頭
文字をとって「 SGR 」)または国有企業である Caución Agraria (スペイン語表記の頭文字をとっ
て「 SAECA 」)の範囲内で、スペインにおける資金を主とする自営業者およびスペイン企業または
多国籍企業に対して融資を行う。
-Línea ICO Crédito Comercial 2019 :この ICO の信用枠は、スペイン国内の営利事業による前払い
金を通じて流動性を得ようとする自営業者およびスペイン企業またはスペインにおいて設立され
た多国籍企業に対して融資を行う。
-Línea ICO Internacional 2019 :この ICO の信用枠は、外国で生産的な投資を行っており、かつ/
または流動性ニーズを満たす必要のある、スペインの資金を主とする自営業者およびスペイン企
業または多国籍企業に対して融資を行う。
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-Línea ICO Exportadores 2019 :この ICO の信用枠は、流動性を必要とする自営業者およびスペイ
ン企業に対して融資を行い、輸出活動による前払い金を通じて彼らを支援する。
-Línea ICO 国際チャネル・ファシリティー 2019 :自営業の専門家および企業の国際化の過程を支援
するために融資を行う。当該商品と、 Línea ICO Internacional および Línea ICO Exportadores の
間の主たる違いは、貸付が地方銀行に適用されるか、または投資プロジェクトもしくは輸出活動
が行われている国に本部がある国際機関に適用されるかということである。
これらの信用枠の合計額は、 3,100 百万ユーロに達する。 2019 年1月中、 ICO およびこれらの信用枠
の申請書を提出した金融機関は、契約を作成および書名した。
2018 年12月、情報の公開および保留のルールに関する 2017 年通達第4号を修正する 2018 年12月21日
スペイン中央銀行通達第2号が公布された。この基準は、 2019 年1月1日付で効力が発生している
(当グループの 2018 年の年次財務書類には影響しない)。これにより、スペイン銀行は、これをリー
スに関する IFRS 第16号に適用させるため、 2017 年通達第4号を修正する。当グループの場合、その
リース契約はこの基準の客観的範囲に該当しないため、その施行がこれらの事業の計上に影響を及ぼ
すことはない。
当該期末( 2018 年12月31日)から連結年次財務書類承認日( 2019 年3月 28日)までの間、前述以外
に重要な事実は発生していない。
1.9 事業セグメント別情報
当グループの活動は、信用枠の付与および直接貸付を行うことである。したがって、該当する法律
に従い、 ICO の事業についてセグメント別の情報は不要とみなされる。
また、当グループはスペイン領域内外で活動を行っており、すべての事業はスペインの利益に寄与
するものであると認められている。
1.10 「 ICO ダイレクト」貸付業務
2010 年6月、 ICO は「 ICO ダイレクト」として、機械、家具、 IT製品および建物に新たに投資するた
め、自営業の個人、中小企業、およびスペインの非営利団体(1年を超えて活動している団体)に対
して融資を行うことを目的とした新しい事業セグメントを開始した。この事業セグメントは、信用機
関の仲介を通して行われる ICO の通常の貸付業務を補っており、中小企業および自営業の個人向けの金
融手段を広めるよう務めている。 ICO ダイレクトは、 2011 年および 2012 年に更新され、 2012 年6月に終
了した。
ICO ダイレクトにおける取引は、バンコ・サンタンデール( BS)およびバンコ・ビルバオ・ビスカ
ヤ・アルヘンタリア( BBVA )によって公的に処理および管理されていた。これらの信用機関はこの目
的において ICO に対し競争入札をしている。
ICO ダイレクトの 2018 年および 2017 年12月31日現在の経営事業体毎の資産および負債の性質別の内訳
は以下の通りである。
(単位:千ユーロ )
2018 年 2017 年
BBVA BS BBVA BS
ICO ダイレクトの資産および負債
その他の居住者部門に対する貸付金 (引当金控除後 )
814 936 6,215 5,764
- - - -
不良資産 (引当金控除後 )
814 936 6,215 5,764
資産合計
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当公庫との合同勘定 (1,085) (1,751) 1,679 2,892
1,899 2,687 4,536 2,872
当期利益
負債合計 814 936 6,215 5,764
1.11 2011 年の ICO の地方自治体向け貸付業務
2011 年ICO 地方自治体向け融資は、スペイン内閣により 2011 年7月に承認された公会計および社会的
保護の安定性を高めるための勅令法の結果として開始された。その目的は、低迷する経済を踏まえ、
地方自治体に提供する備品、労働およびサービスに係る請求権を決済する主要な問題に苦しむ多くの
自営専門職および小企業の問題を緩和することであった。
この信用枠は、 2011 年4月 30日まで未払いの請求書を決済するための流動性を地方自治体に提供す
ることを目的としていた。主として、証明書および書類の経過年数に基づき自営業の個人および中小
企業に対する債務の返済を支援することを目的としていた。
ICO 地方自治体向け融資は、 2011 年7月から 2011 年11月まで実施されていた。同期間中、当該融資に
より、スペイン全域にわたる 1,029 の地方、地域および島域間町議会が、 38,338 の自営業の個人および
中小企業により 2011 年中に提供された備品、建造物およびサービスに対する未払請求書 222,975 件(総
額967 百万ユーロ)を支払うことができた。
2011 年ICO 地方自治体向け融資業務の定式化および運営は、当プロジェクトに追加されたいくつかの
EECC を通じて実行されている。
2011 年ICO 地方自治体向け融資に関連する 2018 年12月31日および 2017 年12月31日現在の経営事業体毎
の資産および負債の性質別の内訳は下記の通りである。
(単位:千ユーロ)
2011 年ICO のEELL 向け融資資産および負債 2018 年 2017 年
スペイン行政 に対する貸付金
- -
不良資産 4,294 5,202
- -
その他勘定
資産合計 4,294 5,202
当公庫との合同勘定 4,294 5,202
- -
当期利益
負債合計 4,294 5,202
EELL の借入に関し、この信用枠は、国家収益の割当(スペイン語表記の頭文字をとって「 PTE 」)に
より、当公庫へ保証されている。 PTE の下、開始から 2018 年12月31日までにおける当該信用枠の残高の
減少は、 61百万ユーロ( 2017 年12月31日現在で 60.1 百万ユーロ)である。 2018 年12月31日までの間
に、 1,029 の事業体のうち、合計で 409 の事業体が PTE を頼らなければならなくなった。 2018 年12月31日
現在、依然として 12のEELL への PTE の削減が要求されており、その残高は 4.3 百万ユーロであった。
注記2 適用される会計原則、方針および評価基準
当グループの 2018 年12月31日に終了した年度の連結年次財務書類の作成において用いられた会計原
則、方針および評価基準は、以下の通りである。
a) 継続企業の原則
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財務書類を作成するにあたり、当公庫の経営は当面継続していくと判断された。したがって、会
計基準の適用は、清算の場合における、全部もしくは一部の譲渡を目的とする純資産価値を算定す
るためのものではない。
b) 発生主義原則
キャッシュフロー計算書に関連するものを除き、現在の年次財務書類は、支払日または回収日に
かかわらず、現在の物品およびサービスの発生に基づいて作成されている。
c) その他一般的な原則
年次財務書類は、取得原価法に基づき作成されているが、土地および建物( 2004 年1月1日まで
のものに限る。)(注記 13を参照のこと。)、売却可能金融資産ならびに金融資産および金融負債
(デリバティブを含む。)の公正価額でなされた再評価(もしあれば)により修正されている。
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2.1 株式
2.1.1 グループ企業
「子会社」とは、当公庫が支配権を有する企業である。企業が投資先との関与による変動利益にさ
らされるか、変動利益に対する権利を有する場合、かつ投資先に対する支配権を通じて、投資先の利
益に影響を及ぼす資格を有する場合に、企業は投資先を支配していると解釈される。
子会社としてみなされるためには、以下を必要とする。
-支配権:投資家は、関連活動(すなわち、投資先の利益に大きな影響を及ぼす活動)の管理を可
能にする既存の権利を有する場合に、投資先に対する支配権を有する。
-利益:投資家は、投資先との関与による利益が、投資先の実績によって変動する可能性がある場
合に、投資先との関与による変動利益にさらされるか、変動利益に対する権利を有する。投資家
の利益は、プラスのみ、マイナスのみ、またはプラスとマイナスの両方になることがある。
-支配権と利益のつながり:投資家は、投資先に対する支配権ならびに投資先との関与による変動
利益に対するエクスポージャーおよび権利を有するだけでなく、投資先との関与による投資家の
利益に影響を及ぼす支配権を行使する資格を有する場合に、投資先を支配する。
これらの子会社の年次財務書類は、規則に定める通り、完全連結法を用いて当公庫の年次財務書類
と連結される。したがって、この方法により連結された重要な企業間の取引から生じた残高は、連結
手続きに際して除外されている。当グループの親会社である当公庫は、その 99%を占めている。
さらに、第三者の株式(もしあれば)は、以下の通りとする。
・当グループの資本においては、連結貸借対照表の「少数株主持分」の項目に記載され、 2018 年お
よび 2017 年12月31日現在の残高はない。
・当期連結損益においては、連結損益計算書の「少数株主持分に帰属する損益」の項目に記載さ
れ、 2018 年および 2017 年12月31日現在の残高はない。
当該年度に取得した子会社から生じる損益の連結は、取得日から当該年度の末日までの期間に関す
る金額のみを考慮する。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。これらの企業の会計年度末は、すべて 12月31
日である。
2.1.2 関連企業
関連企業とは、当公庫とともに単一の意思決定機関を構成せず、また共同支配に服しないが、当公
庫が重大な影響力を及ぼす企業をいう。通常重大な影響力が、議決権の 20%以上の直接的または間接
的な持分に伴う。
関連企業の株式は連結年次財務書類において連結貸借対照表の「子会社、合弁企業および関連企業
への投資-関連企業」に減損調整後の取得原価で評価される。
関連企業とグループ企業間の営業活動から生じた損益は、当グループの関連企業における株式を示
す割合から控除される。
上記の控除の後、関連企業による当該年度に生じた損益により、連結年次財務書類の投資の価値は
増減する。当該損益は、連結損益計算書の「持分法適用会社の損益」の項目に計上される(注記 27を
参照のこと。)。
取得日後の関連企業の評価調整額は投資の価値の増減として計上される。これらの変動は連結資本
変動表の評価調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。
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2.2 金融商品
2.2.1 金融商品の当初の認識
金融商品は当初、当グループが該当する契約の当事者となった際に当該契約の条件に従い貸借対照
表において認識される。特に、貸付および現金預金等の債務証書は、現金を受領する権利または支払
う義務が発生する日現在でそれぞれ認識される。一般に金融デリバティブは契約日に認識される。
従来の契約を通じて行われる金融資産の売買は、すべての所有権に内在する利益、リスク、権利お
よび義務が取得者に移転した日に計上される。当事者の相互義務に基づくこれらの契約は、規制また
は市場慣行により設定された期間内に履行されなければならず、株式市場取引または通貨先物取引等
のように差額で決済することができない。購入または売却した金融資産の種類に応じて、契約日、決
済日または引渡日となる。特に、外国為替現金取引市場で行われた取引は、決済日に認識され、スペ
インの証券市場で取引される持分証券を用いて実施される取引は、契約日に計上され、スペインの証
券市場で取引される債務証書を用いて行われる取引は、決済日に認識される。
2.2.2 金融商品の譲渡および処分
金融商品の譲渡は、譲渡金融商品に係るリスクおよび利益を移転させる方法を考慮して記録され
る。それは、以下の基準に基づいて行われる。
-リスクおよび権利が実質的に第三者に移転された場合、譲渡金融商品は、その譲渡により留保ま
たは発生した権利または義務すべてを認識した上で、貸借対照表上から除外される。なお、この
譲渡に含まれるのは、無条件的売却、取得日における公正価額での売却および買戻、購入選択権
もしくは深刻な資産危機状態での売却権が伴う金融資産の売却、譲与者が劣後融資を留保しない
資産の証券化、または新たな保有者に対する信用補完等である。
-譲渡金融商品に係るリスクおよび利益が留保された場合、譲渡金融商品は貸借対照表上から除外
されず、移転前と同様の基準に従って測定される。なおこの留保に含まれるのは、現先取引がさ
れた金融資産の固定価格または利息付の売却額での売却、借方が同様または同等の価値の資産の
返済を求められるローン契約等である。しかし、受領対価と同額に係る金融負債は認識される。
その後、償却原価で評価され、認識はされないが、譲渡金融資産の収入および新たな金融負債額
になる。
-売買された購入選択権付き金融資産の売却(内部貨幣または外部貨幣での売却ではない。)、譲
与者が譲渡資産の株式に対する劣後融資または信用補完をすることを想定する証券化等、譲渡金
融商品に係るリスクおよび利益が、実質的に移転または留保されない場合には、以下の通り区別
される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保しない場合、貸借対照表上から除外され、その移転
により留保または発生した権利または義務は、すべて認識される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保する場合、起こりうる価値変動と同額のエクスポー
ジャーが貸借対照表上で認識され続け、受領対価と同額の金融負債が認識される。損益を通じ
て公正価額で評価した金融負債として分類されるための条件を満たさない限り、かかる負債
は、後に償却原価で評価される。金融負債額を計算するため、金融資産が移転された企業に対
する融資を構成する金融商品(資産担保証券および貸付金等)の価格は控除される。その控除
額は、かかる金融商品が、とりわけ譲渡資産を融資する際の価格とまったく同額である。譲渡
資産と関連負債との間の純額に関して、譲渡資産が償却原価にて評価された場合は、留保され
た権利および義務の減価償却額になる。また、譲渡資産が公正価額で評価された場合は、留保
された権利および義務の公正価額になる。
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以上の通り、金融資産が貸借対照表上から除外されるのは、発生したキャッシュフローが消滅した
場合または内在的なリスクおよび利益が第三者に移転した場合である。
同様に、金融負債が貸借対照表上から除外されるのは、発生した義務が消滅した場合またはこの金
融負債が取消もしくは交換の意図を持って購入された場合である。
2.2.3 金融商品の公正価額および償却原価
金融資産
金融商品のある日の公正価額は、知識を有するいくつかの当事者間の公正な取引において、同日に
取得または売却されると見込まれる金額として理解される。金融商品の公正価額として参照できる、
最も客観的で一般的な価格は、組織的で透明性が高く信用できる市場で支払われるであろう金額
(「見積価格」または「市場価格」)である。
特定の金融商品に市場価格がない場合、その公正価額は、類似の金融商品の最近の取引に基づき見
積もられ、それができない場合には、評価される金融商品の特性、特に金融商品に関連する様々な種
類のリスクを考慮して、国際的な会計協会により承認されている評価手法を用いる。
とりわけ、組織的で透明性が高く信用できる市場で取引されている売買目的保有のデリバティブ金
融商品の公正価額は、日々の市場価格と同じである。例外的な場合において、いずれかの日に価格を
設定することができない場合には、組織的な市場で取引されていないデリバティブに適用されるもの
と同様の手法を用いて測定される。
組織的な市場で取引されていないデリバティブまたは規模が小さいもしくは透明性に欠ける組織的
な市場で取引されているデリバティブの公正価額は、金融市場で認められる評価手法(「純現在価
値」( NPV )、オプション価格決定モデル等)を用いて当該商品から発生する将来のキャッシュフロー
の合計を測定日で割り引いたもの(「現在価値」または「理論値」)と同額である。
償却原価は、金融資産または負債の取得原価を元利金の返済、また該当する場合には、金融商品の
当初価格と返済価額の差異の一部(実効利率法を用いて損益計算書で認識される。)について(上方
または下方に)調整した額である。金融資産の償却原価には、発生したであろう減損調整も含まれ
る。
実効利率は、金融商品の当初価格を残存期間中に見積キャッシュフローの全額と一致させる割引利
率である。固定利付金融商品の場合、実効利率は、取得に際して決定した約定利率であり、 2017 年ス
ペイン中央銀行通達第4号の条項に従い実効利率の計算に含まなければならない手数料および取引費
用の調整がなされている。変動利付金融商品の実効利率は、固定利付金融商品と同様に見積もられ、
契約に定める各金利見直し日に商品の将来のキャッシュフローの変動を考慮して再計算される。
公正価額の客観的な評価が不可能なその他の企業の株式および金融デリバティブ(裏付資産のよう
な商品を保有し、交付により決済されるもの。)は、それが適切とされれば、発生した減損損失によ
り、価格調整される。
金融資産価格の変動は、通常、損益計算書内の対応項目とともに計上される。それは、損益計算書
の「金融資産および金融負債による損益」の項目で、純額で計上され、「利息および類似収益」で計
上される未収利息および類似項目に起因するものと、その他に起因するものとを差異化する。
しかし、為替差額から生起しない限り、その他の包括利益を通じて公正価額で評価される金融資産
のポートフォリオに含まれる商品価値の変動は、一時的に「その他の累積包括利益」の項目に計上さ
れる。評価の変動が損益計算書で決して再分類されない金融商品でない限り、これらが損益計算書に
計上された際、貸借対照表資産内の該当箇所から除外されるまでは、これらの金融商品の公正価額の
変動について「その他の累積包括利益」の項目に記載される金額は、資本純額の一部として残る。
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また、「売却目的保有の非流動資産」の項目に計上されるものの価格変動は、連結資本の価値調整
として「その他の累積包括利益」に計上される。
本年次財務書類における金融商品の公正価額での評価は、以下の公正価額レベルを用いて分類され
る。
ⅰ) レベルⅠ:活発な市場における同一の商品の市場価格(調整前)により得られた適正な額
ⅱ) レベルⅡ:活発な市場において類似の金融商品に用いられる評価手法、最近の取引において値
付けされた価額もしくは予測キャッシュフロー、またはすべての重要な投入資本が直接的にま
たは間接的に観察可能である市場データに基づくその他の評価手法により得られた公正価額
ⅲ) レベルⅢ:いくつかの重要な投入資本が、観察可能な市場データに基づいていない評価手法に
より得られた公正価額
ヘッジ対象およびヘッジ会計として指定された金融資産に関しては、その評価差額は以下の基準を
考慮して計上される。
-公正価額ヘッジに関して、ヘッジ・リスクの種類と関連してヘッジされたものおよびヘッジ対象
の中で生じた差異は、損益計算書で直接認識される。
-キャッシュフロー・ヘッジおよび純外国投資の非効率に関する評価差額は、損益計算書に直接計
上される。
-キャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時
的に資本純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
-純外国投資ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時的に資本
純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
最後の二つの事例に関しては、ヘッジ対象の損益が損益計算書に計上されるまで、またはヘッジ対
象の満期日まで、最終的に評価差額は損益に計上されない。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクの公正価額ヘッジに関して、ヘッジ商品を査定する際
に生じた損益は、損益計算書で直接認識される。その一方で、ヘッジ対象リスクに関しては、公正価
額の変動を補填する金額の損益は、マクロヘッジによる金融資産の調整として「その他の累積包括利
益」に計上される。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクのキャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ商品の
価値変動の有効な部分は、予定された取引がなされるまでは、一時的に資本純額の調整として「その
他の累積包括利益」に計上され、その後、損益計算書に計上される。ヘッジ・デリバティブの価値変
動の非有効部分は、損益計算書に直接計上される。
金融負債
前述の金融資産に関して定義されているように、金融負債は以下の場合を除いて、償却原価で計上
される。
-前述の金融資産に関して定義されているように、「売買目的保有の金融負債」および「損益を通
じて公正価額で評価した金融負債」の項目に含まれる金融負債は、公正価額で評価される。公正
価額ヘッジ取引により補填される金融負債については、ヘッジ取引で補填されるヘッジ対象リス
クに関連するこれら公正価額の変動が計上され、調整される。
-裏付資産が持分証券であり、公正価額を十分な客観性をもって決定できず、当契約書の交付に
よって決済される金融デリバティブは、原価で評価される。
金融負債額の変動は、通常、損益計算書上で相殺されて計上される。これは、「利息および類似 収
益」の項目で計上される未収利息および類似項目に起因するものと、他の要因(連結損益計算書の
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「公正価額で評価した金融資産および金融負債による損益」の項目で計上されるもの。)に起因する
ものを差異化する。
ヘッジ対象およびヘッジ会計差額として指定された金融負債は、前記注記に記載された金融資産に
関する、上記の基準を考慮した上で計上される。
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2.2.4 金融資産および金融負債の区分および評価
金融商品は当公庫の貸借対照表で以下の区分に分類される。
-中央銀行および信用機関に対する預金とは、現金残高ならびにスペイン中央銀行、その他の中央
銀行およびその他の信用機関が保有する金額である。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債は、取引ポートフォリオに分類される
金融商品ならびに損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産および金融負債により構成
される。
・金融資産とは、取引ポートフォリオに含まれる、短期間で現金化するために取得したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定される金融商品のポートフォリオの一
部を構成するものをいう。また、ヘッジ商品として指定されていないデリバティブ金融商品
は、この区分を構成するものとみなされ、適用ある会計規則に従いハイブリッド金融商品から
分離される商品を含むものとする。
・金融負債とは、取引ポートフォリオに含まれる、近い将来に買い戻すために発行したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定され、もしくは共同で運用される金融
商品のポートフォリオの一部を構成し、選択性でない現先取引に基づき取得した資産の売却か
ら生じる証券のショート・ポジションおよび証券の貸付ならびにヘッジ商品として指定されて
いないデリバティブ金融商品(ハイブリッド金融商品から分離される商品を含む。)をいう。
ある金融負債が資産取引に融資するために用いられるという事実自体は、この区分に含まれる
ことを意味しない。
・損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産または金融負債とは、以下のものをいう。
-ハイブリッド金融資産とみなされ、公正価額で評価される、取引ポートフォリオに含まれな
い金融資産。公正価額で評価される保険契約に基づく負債または公正価額の変動へのエクス
ポージャーを軽減する目的および効果を持つ金融デリバティブとともに運用されるもの。あ
るいは、金利リスクへの全体的なエクスポージャーを軽減する金融負債およびデリバティブ
とともに運用されるもの。
-事業体による当初の認識で指定された金融負債、または、認識時に以下の理由により、さら
なる関連情報が得られるもの。
-当該情報により、資産もしくは負債の評価、または損益の認識において生じる認識または
評価の不一致は、別の基準によって解消または大きく軽減される。
-金融負債または金融資産および金融負債両方のグループは管理され、その成績はリスク管
理または投資情報戦略に従い、公正価額に基づいて評価される。文書化されたグループの
情報もまた公正価額に基づいて、経営幹部に対して提出される。
-償却原価で評価される金融資産の区分には、以下のものが含まれる。
・固定満期であり、キャッシュフローが確定金額または確定可能な金額である負債性証券。本科
目に含まれる負債性証券は、当初、公正価額で評価され、直接金融資産の取得に帰属する取引
費用について調整され、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規則におい
て定義される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、実効利率に基づく償却原
価で評価される。
・貸付および受取債権。本科目には、当公庫が行う通常の信用供与および貸付活動から生じる第
三者への融資、ならびに資産の買主およびサービス利用者が被る負債が含まれる。また、事業
体が貸主として行為するファイナンスリース取引も含まれる。
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本区分に含まれる金融資産は、当初公正価額で計上され、直接金融資産の取得に帰属する手数
料および取引費用について調整され、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計
規則に基づく実効利率法を用いて損益計算書で認識しなければならない。取得後は、取得された
資産は償却原価で評価される。
割引で取得された資産は、支払額で計上され、返済額と当該支払価格との差額は、満期まで実
効利率法を適用し、金融収益として認識される。
本区分に含まれる資産の未収利息は、実効利率法を用いて計算され、損益計算書の「利息およ
び類似収益」の項目において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建て
の証券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。これらの証券の減損損
失は、注記 2.7 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる負債性証券は、注記 2.3 に記
載の通り計上される。
-その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産。本区分には、償却原価で評価した金融
商品または損益を通じて公正価額で評価した金融商品には分類されない当公庫が保有する負債性
証券、ならびに子会社、合弁企業または関連企業以外の当公庫の各事業体に保有される持分証券
であって損益を通じて公正価額で評価されるものに分類されないものが含まれる。
本区分に含まれる金融商品は、当初公正価額で測定され、直接金融資産の取得に関連する取引
費用について調整され、満期まで、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規
則に定められる実効利率法を用いて損益計算書で認識される(ただし、金融資産の満期が固定さ
れていない場合を除く。)。金融資産の満期が固定されていない場合には、減損が生じた時点で
損益計算書に計上されるか、または貸借対照表で損金処理される。その後、本区分に含まれる金
融資産は、公正価額で評価される。
上記にかかわらず、十分に客観的な方法で公正価額を決定することができない持分証券は、注
記2.7 に記載の通り計算された減損を控除して、年次財務書類に取得原価で評価される。
これらの金融資産から生じた利息または配当金に相当する収益は、対応項目とともに、損益計
算書の「利息および類似収益」(実効利率法を用いて計算する。)および「配当金収益」にそれ
ぞれ計上される。これらの商品の減損損失は注記 2.7 に記載の通り計上される。ユーロ以外の外国
通貨建ての金融資産に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額
ヘッジでカバーされる金融資産の公正価額の変動は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
残る金融資産の公正価額の買収による変動は、金融資産が償却されるまでの間、すなわちかか
る残高が損益計算書の「損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債の償却に係る
損益」に計上されるまでの間、評価調整額として、対応項目とともに、当公庫の資本の部の「そ
の他の累積包括利益」に計上される。
-償却原価で評価された金融負債。この区分の金融商品には、上記のいずれの区分にも含まれない
金融負債が含まれる。
本区分に含まれる金融負債は、当初公正価額で計上され、直接金融負債の発行に帰属する取引
費用について調整され、満期まで、適用ある会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に
規定される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、かかる金融負債は、適用ある
会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に規定される実効利率法を適用して計算される
償却原価で測定される。
実効利率法を用いて計算されるこれらの資産について発生する利息は、損益計算書の「利息お
よび類似費用」において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建ての証
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券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる金
融負債は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
上記にかかわらず、売却可能非流動資産に分類されるべき金融商品は、 2017 年スペイン中央銀行通
達第4号規則第 34条に基づき注記 2.16 に記載の通り年次財務書類に計上される。
財務書類におけるこうした区分への分類は、(ⅰ)当該事業体の金融資産管理の事業モデルおよび
(ⅱ)金融資産の契約上のキャッシュフローの特徴という2つの要素に基づき行われる。
-金融資産は、以下の2条件を満たす場合、償却原価で評価した金融資産のポートフォリオに分
類される。
(ⅰ)契約上のキャッシュフローを把握するために、金融資産の保有を目的とする事業モデル
で管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
-金融資産は、以下の2条件を満たす場合、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
資産のポートフォリオに分類される。
(ⅰ)金融資産の契約上のキャッシュフローおよび売上高の把握を併せて目的とする事業モデ
ルで管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
-金融資産は、当該事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴に
起因して当該金融資産を上記ポートフォリオのいずれにも分類することができない場合に限
り、売買目的保有の金融資産または損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産の
ポートフォリオに分類される。
上記にかかわらず、売買目的保有に分類すべきではなく損益を通じて義務的に公正価額で評
価された金融資産に分類可能な持分証券への投資につき、当該事業体は、当初認識において取
消不能の形で、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産のポートフォリオに含
めることを選択するものとする。この選択は、金融商品単位で実行される。
また、事業体は、損益を通じて公正価額で評価した金融資産に指定しなかったならば資産も
しくは負債の評価により、または利益もしくは損失の認識により生じたであろう評価または認
識の不一致が、かかる指定により解消するかまたは大幅に減少する場合(「会計上の非対称
性」とも呼ばれる。)、当初認識において取消不能の形で、損益を通じて公正価額で評価した
金融資産への指定を選択するものとする。会計上の非対称性がある場合、かかる選択は、当該
事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴がどのようであるか
にかかわらず実行される。
また、上記にかかわらず、事業体は、 2017 年通達第4号の定める要件が満たされる限り、あ
る金融資産を当初またはその後の認識において、損益を通じて公正価額で評価した金融資産の
ポートフォリオに属するものと指定することを選択するものとする。
金融商品ポートフォリオ間での再分類は、もっぱら以下の想定に基づいて行われる。
・事業体が金融資産の管理に関する事業モデルを変更する場合、事業体は、すべての金融資産を
以下の条項に従って再分類することになる。かかる再分類は、再分類日以降、将来を見越して
行われ、これに先立って認識された利益、損失または利息の修正再表示は必要とされない。一
般的に、事業モデルの変更は稀である。
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・事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオから損益を通じて公正価額で評価さ
れるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日における公正価額を
見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生じた利益また
は損失は、損益計算書において認識される。事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価
されるポートフォリオから償却原価で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該資
産の再分類日における公正価額が、かかる資産の新しい総帳簿価額となる。
・事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオからその他の包括利益を通じて公正
価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日におけ
る公正価額を見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生
じた損失または利益は、その他の包括利益において認識される。実効利率および予想貸倒損失
の見積りは、再分類の結果、調整されない。
・債務証券がその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから償却原価で評
価されるポートフォリオへと再分類される場合、当該金融資産は、再分類日の公正価額で再分
類される。資本の部のその他の累積包括利益における再分類日の累積損益は、再分類日におけ
る資産の簿価を対応項目として用いて消却される。したがって、かかる債務証券は、再分類日
においてあたかもそれまで償却原価で評価されてきたかのように評価される。実効利率および
予想貸倒損失の見積りは、再分類の結果、調整されない。
・事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオからその他の包括利益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価され、以前に計上された価額の変動の修正計上は行われない。
・事業体が債務証券をその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから損益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価される。資本の部の「その他の累積包括利益」におけるそれまでの累積損益は、
再分類日において、当該会計期間の損益に移転される。
・子会社、合弁企業または関連企業への投資がかかる分類でなくなる場合、留保された投資額
(もしあれば)は、再分類日における公正価額で評価され、再分類以前の簿価と損益またはそ
の他の包括利益(留保された投資のその後の評価法に基づきいずれか該当する方)におけるか
かる公正価額との差異により生じたすべての利益または損失が認識される。
・子会社、合弁企業または関連企業として適格となる以前の事業体への投資は、支配、共同支配
または重大な影響力を獲得する日まで、公正価額で評価される。この最終日において、事業体
は、以前の投資の公正価額を見積もらなければならず、これに伴い、再分類以前の簿価と損益
またはその他の包括利益(該当する方)におけるかかる公正価額との差異により生じたすべて
の利益または損失を認識する。該当する場合、資本の部のその他の累積包括利益における累積
損益は、当該投資額が貸借対照表から償却されるまで維持され、この時点で準備金項目に再分
類される。
・事業体は、金融負債については再分類を行わない。
・上記の条項において、以下の事情に起因する変更は、再分類とみなされない。
a)以前は外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券と指
定され有効であった要素が、そのようにみなされるための要件に該当しなくなる場合。
b)ある要素が外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券
と指定され有効となる場合。
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c)金融商品が、損益を通じて公正価額で評価される指定を受けたためまたはかかる指定を解
除されたため、その評価が変更される場合。
2018 年度において、当グループは、本年次財務書類の注記8および9に記載される再分類を行っ
た。 2017 年度における再分類はなかった。
2.3 金融デリバティブ
金融デリバティブとは損益を提供する商品であり、特定の状況下では、取引および残高に関連する
信用リスクおよび/または市場リスクの総額または一部の補償を認める。その方法としては、金利お
よび特定の利率、個別の証券価格、為替レート・クロスカレンシーまたは同様のその他基準を裏付資
産として利用する。当公庫は、組織的な市場または組織的な市場に対応する相対市場(店頭)の両方
で取引される金融デリバティブを用いる。
当グループは、中でもとりわけ、金利リスク、為替レートおよび市場レートへのエクスポージャー
を軽減するための戦略の一環として金融デリバティブを利用する。これらの取引が 2017 年スペイン中
央銀行通達第4号規則第 31条および第 32条の特定要件を満たす場合には、かかる取引は「ヘッジ」と
みなされる。
当グループがある取引をヘッジとみなす場合には、ヘッジに含まれる取引または商品の開始時から
そのようにみなし、ヘッジは適切に文書化される。これらのヘッジ取引を文書化する際には、当グ
ループが補填しなければならないリスクを考慮の上で、ヘッジされる商品またはヘッジを行う商品を
適切に特定するとともに、補填しようとするリスクの性質、および当グループが有効期間中のヘッジ
の有効性を測定するために用いる基準または手法を特定する。
当グループは、その有効期間にわたり極めて効果的と考えられるヘッジについてのみ、ヘッジ会計
を適用する。ヘッジは、予定の期間中にヘッジで補填されたリスクに帰属する公正価額またはキャッ
シュフローの変動がそれぞれ、ヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で完全に相殺さ
れた場合に極めて効果的であるとみなされる。
前記のようなヘッジの有効性を測定するために、当グループは、所定のヘッジ期間の開始日から終
了日までに、ヘッジ対象のリスクに帰属するヘッジ項目の公正価額またはキャッシュフローのいずれ
か関連ある方の変動がヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で将来的にほぼ完全に相
殺されると見込まれるかどうか、および遡及的にヘッジの結果がヘッジ対象の数値結果の 80%から
125 %の測定範囲で変動するかどうかを分析する。
当グループが行うヘッジ取引は以下の科目に分類される。
-公正価額ヘッジは、連結損益計算書に影響を及ぼす金融資産および金融負債もしくは約定額また
は特定のリスクに関連するこれらの一部の公正価額の変動に関するリスクを補填する。
-キャッシュフロー・ヘッジは、特定のリスクに関連して、連結損益計算書に影響を及ぼす金融資
産もしくは負債または将来当公庫が行う可能性の非常に高い取引から生じるキャッシュフローの
変動を補填する。
測定値の差異は、ヘッジ項目および会計ヘッジとしてみなされた金融商品について特に言及する場
合、以下の条件に従って計上される。
-公正価額ヘッジは、金融資産および金融負債もしくは会社約定またはこれら資産、負債もしくは
約定のうち特定のリスクがある特定された部分の公正価額変動エクスポージャーを対象として、
これらが損益計算書に影響を及ぼす限りにおいて、補填するものである。
-キャッシュフロー・ヘッジについては、ヘッジ要素のうちヘッジの有効部分について生じる評価
額の差異は、ヘッジされたキャッシュフローに関する評価調整として、一時的に「その他の累積
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包括利益」に計上される。この種類のヘッジが行われた金融商品は、注記 2.2 に記載される判断基
準に従い、当該ヘッジが行われた金融商品とみなされたことによる調整を行うことなく計上され
る。
最後の場合には、測定値の差異は、ヘッジ項目の損益が損益計算書に計上されるまで、または満期
まで、損益として認識されない。
キャッシュフロー・ヘッジの非有効部分に対応するヘッジ証券の評価額の差異は、連結損益計算書
の「公正価額で評価した金融資産および金融負債による損益」において直接認識される。
当グループは、ヘッジ商品が満了もしくは売却された場合、ヘッジがヘッジ会計の基準を満たさな
くなった場合、または取引がヘッジと分類されなくなった場合にヘッジ会計を中止する。
上記の通り公正価額ヘッジ会計が中止され、ヘッジ項目が償却原価で計上される場合には、ヘッジ
会計のために行われた評価額調整は、中止日に再計算された実効利率を適用してヘッジ項目の満期日
まで損益計算書において認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止される状況においては、ヘッジからの累積損益は、貸借対照
表の「その他の累積包括利益」に計上され、予定されたヘッジ取引が行われるまでこの科目に留ま
り、実行された時点で連結損益計算書に移転される。また、キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止さ
れる状況で、ヘッジ要素が、金融資産または負債を計上することが予定された取引である場合には、
計上される資産または負債の取得原価は調整される。予定された取引が行われないと予測される場合
には、当該取引に関連する「その他の累積包括利益」の記載は直ちに損益計算書において認識され
る。
2.4 外貨建取引および機能通貨
当グループの機能通貨はユーロである。このため、すべてのユーロ以外の表示の残高および取引
は、外貨建てとみなされる。
以下は、 2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループの親会社である ICO が保有する外貨建金融資
産および負債を示したものである(単位:千ユーロ)。
2018 年 2017 年
資産 負債 資産 負債
英ポンド
193,781 182,125 205,384 -
米ドル 1,475,765 5,764,567 1,012,169 6,133,819
スイス・フラン 44 373,200 66 462,475
日本円 908 166,865 851 192,578
157,794 397,137 203,325 663,300
その他の通貨
1,828,292 6,883,894 1,421,795 7,452,172
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以下は、 2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫が記録した、種類別の外貨建資産および負債に
相当するユーロを示したものである(単位:千ユーロ)。
2018 年 2017 年
資産 負債 資産 負債
信用機関への貸付
448,477 341,976
顧客への貸付 1,378,756 1,078,164
その他の金融資産 1,059 1,655
信用機関への預金 - 1,173,697 - 772,813
負債性証券の発行 - 5,709,176 - 6,677,695
- 1,021 - 1,664
その他の金融負債
1,828,292 6,883,894 1,421,795 7,452,172
当初認識される際には、外貨建ての借方と貸方の残高は、認識日の直物為替レート(即時払い用の
為替レート)にて、機能通貨に換算される。当初の認識後は、外貨建ての残高を機能通貨に換算する
場合には以下の規則が適用される。
ⅰ)貨幣性資産および負債は、年度末の為替レート(年次財務書類に記載される日付現在の平均直
物為替レート)にて換算される。
ⅱ)取得原価で評価される非貨幣性項目は、取得日の為替レートで換算される。
ⅲ)公正価額で評価される非貨幣性項目は、公正価額が決定される日の為替レートで換算される。
ⅳ)収益および費用は、取引日の為替レートを適用して換算される。しかしながら、著しい変動が
ない限りは、期間の平均為替レートが当該期間中に実施されたすべての取引について適用され
る。減価償却費は当該資産に適用される為替レートで換算される。
外貨建ての借方と貸方の残高の換算により生じる為替損益は、通常、連結損益計算書に計上され
る。しかしながら、公正価額で評価される非貨幣性項目について生じる為替損益の場合は、公正価額
の調整が「その他の累積包括利益」に計上され、非貨幣性項目の再評価に関する為替レートの要素が
分類される。
当グループが事業を行う主要外貨建ての残高を換算する際に使用するのは、 2018 年および 2017 年12
月31日に欧州中央銀行が発表した市場レートである。
外貨建ての受取債権および支払債務の換算により生じる為替差損益の純額は、 2018 年12月31日現
在、 49,884 千ユーロの利益( 2017 年12月31日現在は 24,553 千ユーロの利益)にまで上った。
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2.5 収益および費用の認識
以下の要約は、収益と費用を認識する際に当グループが採用する最も重要な基準である。
2.5.1 受取利息、支払利息、配当金および類似項目
通常、受取利息および支払利息ならびにその類似項目は、会計の目的上、発生主義に基づき適用あ
る規則において定義される実効利率法を用いて認識される。他社より受領する配当金は、連結企業が
配当金を受領する権利が発生した時点で認識される。
2.5.2 手数料、報酬および類似項目
事業の実効利率の計算に含まれるべきでない、または金融資産もしくは負債の取得原価を構成しな
い手数料に関する収益および費用ならびに類似の報酬は、損益を通じて公正価額で評価したものを除
き、その性質に基づく様々な基準を用いて連結損益計算書で認識される。最も重要な項目は以下の通
りである。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債に関連する金額は、支払日に損益計算
書において認識される。
-長期取引または役務から生じる金額は、当該取引または役務の期間中に損益計算書において認識
される。
-一度限りの事象に関連する金額は、当該事象が発生した際に損益計算書において認識される。
2.5.3 金融外収益および費用
これらの金額は、発生主義に基づき認識される。
2.5.4 繰延回収および繰延支払
繰延回収および繰延支払は、発生した会計期間を基準として、市場レートで予想キャッシュフロー
を更新して算定した金額で財務書類に認識される。
2.6 残高の相殺
取引により生じる借方および貸方の残高は、契約上または法律上、相殺が可能であり、会社に存在
し、純額で決済されるものまたは現金化と同時に支払われるものに限り、相殺され、連結貸借対照表
に純額で表示される。
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2.7 金融資産の減損
金融資産の簿価は、減損損失が生じたという客観的証拠がある場合には、一般に連結損益計算書に
ついて調整される。
-貸付および負債性証券等の債務証書については、当初の認識後、将来のキャッシュフローに悪影
響を及ぼす事象または様々な事象の複合的な効果が生じる場合
-持分証券については、当初の認識後、ある事象または様々な事象の複合的な効果により簿価を回
収できない場合
原則として、減損金融証書の価額修正は、当該減損が生じた期間の損益計算書に計上され、以前に
計上された減損損失の回収(もしあれば)は、損失が解消または軽減された期間の損益計算書におい
て認識される。減損について認識された金額の回収が不可能であると考えられる場合、かかる金額
は、貸借対照表上から削除される。しかし、制限期間の満了、消却その他の原因により当グループの
請求権が消滅するまで、当グループは、かかる金額の回収のために必要な措置を講じることはでき
る。
債務証書および偶発リスクポートフォリオは、その所有者、保証または仲介にかかわらず、当グ
ループが晒される信用リスクを決定し、価額の減損のヘッジ要件を見積もるために分析される。年次
財務書類の作成のため、当グループは、その起こりうる顧客および国の支払不能リスクを別々に分析
することにより信用リスクの観点から運用を分類する。
債務証書の将来キャッシュフロー見積額は、当グループが証書有効期間中に受領すると考えている
元本および利息である全額である。年次財務書類作成の時点で利用可能な関連情報のすべてが、この
見積りの際に考慮される。当該関連情報は、契約上のキャッシュフローの将来の回収の可能性につい
てのデータを提供するものである。また、証券の将来のキャッシュフローを含み証書を見積もる際、
保証の可能性にかかわらず、その取得およびその後の売却の費用の額を差引いて、その実現の結果と
なるキャッシュフローが考慮される。
見積将来キャッシュフローの額の現在価値の計算において、契約上の利率が固定金利の場合、証書
の当初の実効金利が更新利率として使用され、変動金利の場合、契約の財務条件に応じて決定される
財務書類が関係する日付の実効金利が使用される。
償却原価で評価する債務証書については、減損損失額は、簿価と見積将来キャッシュフローの現在
価値とのマイナス差額に等しく、見積将来キャッシュフローの現在価値は、固定金利の場合には当初
の実効金利、変動金利の場合には契約条件に従い計算される年次財務書類日現在の実効金利を用いて
計算される。上場債務証書の場合には、当グループが回収する価額を表すものと十分に信頼できるこ
とを条件として時価が用いられる。
減損が生じたという客観的な証拠は、すべての重要な債務証書については個別に、個別に重要では
ない債務証書のグループについては個別にまたは集合的に決定される。特定の証券を類似のリスクを
有する資産グループに含めることができない場合には、減損が生じているかどうか個別に分析され、
生じている場合には減損損失額を見積もる。
金融資産のグループについては以下の通り集合的に見積減損損失額が評価される。
-債務証書は、契約条件に従い債務者が全額(元本および利息)を支払う能力を示す類似の信用リ
スクの特徴を有するグループに分類される。資産をグループ化する際に考慮する信用リスクの特
徴は、例えば証券の種類、債務者の業種、営業地域、保証の種類、支払遅延日数等将来キャッ
シュフローの見積りに関連するものである。
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-債務証書の各グループの将来キャッシュフローは、過去のデータを現在の市況に当てはめるため
の調整を施した上で、当グループについて類似の信用リスクを有する証券の過去の損失の実績に
基づき見積もられる。
-各グループの減損損失は、グループ全体の債務証書の簿価と見積将来キャッシュフローの現在価
値との差異である。
連結損益計算書の変動を通じて公正価額で評価されない債務証書、偶発リスクおよび約定額は、顧
客または取引に帰属する支払不能リスクに基づき、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の別紙Ⅸに定
められる科目に分類される。標準リスクに分類されない債務証書については、支払遅延日数、提供さ
れた保証、顧客の財務状況および適切な場合には保証人を考慮して、上記規制に定める基準に基づき
必要とされる特定の減損ヘッジについて見積りが行われる。
同様に、これらの金融商品は、カントリー・リスクから派生する信用リスク(通常の商業リスク以
外の状況により顧客が居住する国に関連するリスクであるとする。)を決定するために評価される。
上記の特定の減損ヘッジに加え、当グループは、連結損益計算書を通じて公正価額で評価しない債
務証書に内在する損失およびグループ・ヘッジを通じて標準リスクとして分類される偶発リスクに対
するヘッジを行う。当該グループ・ヘッジは、特定の取引に割り当てられていない統計手法を用いて
計算される、減損実績および年次財務書類日現在に発生した内在する損失に関連する評価時点におけ
るその他のよくある状況に基づき計算される。
この意味で、当グループは、スペイン中央銀行が業界における経験および情報に基づき設定したパ
ラメーターを使用し、債務証書に内在する減損損失および標準リスクとして分類される偶発リスクを
補填するための手法および金額を決定しており、当該パラメーターは、データに応じて定期的に変更
される。減損損失のヘッジを決定する手法は、適用される会計規則で定められる一定の割合に基づい
ており、これは適用される規制で定められる金融商品のリスクの分類に応じて異なる。当該の変化
は、上述の規制で定められる金融商品のリスクの分類によって決まる。
基本的に、債務証書の減損は、業務が属するリスクセグメントおよび満期日経過期間に基づき、下
記の割合を効果的な担保により回収される額でカバーされない未払いリスクに適用することで計算さ
れる。
90日超 6ヶ月超 9ヶ月超 1年超 15ヶ月超 18ヶ月超
21ヶ月超
6ヶ月以内 9ヶ月以内 1年以内 15ヶ月以内 18ヶ月以内 21ヶ月以内
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 60 70 80 85 90 100 100
建設土木工事 55 65 70 75 85 90 100
その他の特別融資 50 60 70 85 90 100 100
非特別融資
大企業 50 60 70 85 90 100 100
中小企業 55 65 70 80 85 90 100
個人起業家 30 40 50 60 75 90 100
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 40 45 55 65 75 90 100
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 40 45 55 65 75 90 100
別宅 40 45 55 65 75 90 100
消費者信用(クレジットカード負債を含む。) 50 60 70 80 90 95 100
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その他 50 60 70 80 90 95 100
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標準リスクとして分類される業務に対する一般的な引当金は、警戒リストにおける標準リスクに対
して計算されたものとは異なる。どちらも下記の割合を効果的な保証でカバーされない未払いエクス
ポージャーに適用することで計算される。
標準リスク 警戒リストにおけるリスク
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 1.9 27.6
建設土木工事 1.9 18.8
その他の特別融資 0.5 7.5
非特別融資
大企業 0.5 7.5
中小企業 0.9 12.7
個人起業家 1.1 11.6
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 0.6 13.0
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 0.6 13.0
別宅 0.6 13.0
消費者信用 1.5 16.0
そのうち:クレジットカード負債 0.8 9.0
その他 1.5 16.0
ヘッジを計算するための効果的な担保の見積りには、以下の該当担保の基準値における推定割引が
適用される。
基準値における割引率(%)
実物保証の種類
抵当保証(第一順位)
建造物および完成建造物構成要素
住宅 30
オフィス、公共施設、倉庫 40
その他 45
注文された都市部における土地および開発可能用地 40
その他の不動産 45
金融機関の提示された担保
貨幣預金 0
その他の市場性のある金融機関 10
その他の市場性のない金融機関 20
その他の実物保証(例:二番抵当、動産) 50
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該当するヘッジの評価を目的とした負債の支払において 差し押さえたまたは受領し た不動産資産に
ついては、当該資産の基準値につき以下の割引が適用される。
基準値における割引率(%)
差押物件の種類
建造物および完成建造物構成要素
住宅 25
オフィス、公共施設、倉庫 27
その他 30
注文された都市部における土地および開発可能用地 30
その他の不動産 35
個別に有効なすべての債務証書および過去3ヶ月間に生じた価格の下落により計算された集合的な
減損損失に関し、契約条件に基づく未収利息は、連結損益計算書において認識されない。
他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産に含まれる負債性証券および持分証券の減損損
失額は、その取得原価(元本返済額調整後)と公正価額の差額から、すでに損益計算書で認識された
減損損失を控除した額に等しい。
公正価額の減少が減損によるものであるという客観的証拠がある場合には、純資本額の調整として
の「その他の累積包括利益」に直接認識された潜在的損失は、直ちに損益計算書に計上される。減損
損失の全部または一部が後に回収される場合、かかる回収額は、負債性証券の場合には回収期間の損
益計算書、持分証券の場合には純資本額の調整としての「その他の累積包括利益」において認識され
る。
売却目的保有の非流動資産として分類される負債性証券および持分証券については、資本に計上さ
れた損失は、実現したものとみなされ、分類が行われた日に損益計算書で認識される。
関連企業、合弁企業および子会社における株式については、当公庫は、回収可能額と簿価を比較し
て減損損失を見積もる。減損損失は、減損損失が生じた年度の損益計算書に計上され、その後の回収
は、回収期間の損益計算書に計上される。
減損等として計上される金額は、回収が不可能であると考えられる場合、貸借対照表から削除され
るが、当公庫は、終了、取消またはその他の理由によりかかる権利が恒久的に抹消されない限り、回
収を試みるのに必要な行動をとることが可能である。
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2.8 財務保証および関連引当金
財務保証契約とは、法律上の種類(とりわけ保証、財務保証保険契約、または信用デリバティブ)
を問わず、債務者が債務証書の当初のまたは修正された条件に基づく特定の支払義務の履行をしない
場合に、債権者が被った損失を返済するために特定の支払を行うことを発行者に要求する契約をい
う。
財務保証契約の発行者は、保険会社により発行された契約を除き、当該契約につき、公正価額に取
引費用(その発行に直接起因する。)を加えた額を「その他の金融負債」の項目に計上した。
当初は、相互独立条件における単独取引の範囲内で関係のない第三者に発行された財務保証契約の
公正価額は、受領されたプレミアムに受領されるキャッシュフローの現在価値を足した額であり、類
似の条件およびリスクで当グループが発行した金融資産と類似の金利を使用する。同時に、上記の金
利で受領される将来キャッシュフローの現在価値は受取債権として認識される。
当初の認識後、契約は以下の基準に従い扱われる。
ⅰ)受領する財務保証の手数料またはボーナス価額は、損益計算書に差異を金融収益として計上す
ることにより更新される。
ⅱ)不良と認められていない財務保証契約の価額は、保証の予定有効期間にわたり定額法で、また
はその他の基準により損益計算書に計上される部分を差引いた当初の認識額である。ただし、
これがより正確に保証の認識による経済リスクと利益を反映することを条件とする。
財務保証契約を不良と分類することは、「偶発債務および不確定約定額の引当金」の項目に含まれ
る関連するヘッジを意味する。
2.9 リース会計
2.9.1 ファイナンスリース
ファイナンスリースとは、リース対象資産が有する実質的にすべてのリスクおよび報酬を借主に転
嫁するものをいう。
当グループがファイナンスリース取引においてある資産の貸主として行為する場合には、借主が受
領する金額の現在価値と保証された残余価値の合計(通常はリースが終了する際の買取オプション価
格)は第三者に対して提供された融資として計上される。そのため、借主の性質に応じて連結貸借対
照表において、「貸付および受取債権」として計上される。
当グループがファイナンスリース取引において借主として行為する場合には、リース対象資産の費
用は当該資産の性質に応じて連結貸借対照表に計上され、同額の負債が計上され、その金額はリース
対象資産の公正価額および貸主に対して支払われる金額の現在価値と適切な場合には買取オプション
行使価格の合計のいずれか少ない方となる。これらの資産は、当グループの自己使用目的の有形固定
資産に適用されるもの(注記 2.12 を参照のこと。)と同率で減価償却される。
いずれの場合においても、ファイナンスリースにおける金融収益および金融費用はそれぞれ、期間
差異を見積もるためにリースについて実効利率法を適用して、適用ある規則に従って計算され、連結
損益計算書の「利息および類似収益」および「利息および類似費用」に計上される。
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2.9.2 オペレーティングリース
オペレーティングリースにおいて、リース対象資産の所有権ならびに実質的にすべての所有権に係
るリスクおよび報酬は貸主が保有する。
連結企業がオペレーティングリース取引において貸主として行為する場合には、リース対象資産の
取得原価は、当該資産の性質に応じて、「不動産投資」の「有形固定資産」または「オペレーティン
グリースにより譲渡されたその他の資産」に計上される。これらの資産は、類似の自己使用目的の有
形固定資産について採用された方針に基づき減価償却される。リース契約の収益は、定額法で連結損
益計算書の「その他の営業収益」において認識される。
当グループがオペレーティングリースにおける借主として行為する場合には、リースの費用(貸主
により付与される奨励金を含む。)は定額法で損益計算書の「その他の管理費」に計上される。
2.10 人件費
2.10.1 短期報酬
従業員への短期報酬とは、従業員が役務を提供した年度末後 12ヶ月以内に行われる支払をいう。報
酬は一般に、当期の人件費として、受領し、記録した役務について支払われる金額で、調整を行わず
に測定され、負債の見越勘定が費用の合計とすでに支払われた金額との差異について計上される。
2.10.2 退職後約定金
当公庫によって取得された年金契約に関して、当グループが従業員に関して締結したものは、有効
な団体賃金協約に反映されており、確定拠出契約に相当する。
当公庫の従業員は、政府が提供し、 2002 年11月29日勅令第1号により承認された年金制度および基
金規制法および 2004 年2月 20日勅令第 304 号により承認された同規則の規制を受ける共同従業員年金制
度に加入しており、同制度は、ヘスティオン・デ・プレビシオン・イ・ペンシオネス・エンティダ・
ヘストラ・デ・フォンドス・デ・ペンシオネスが運用し、 BBVA に預託される BBVA エンプレオ年金基金
に含まれる。
確定拠出契約として、当公庫は、キャリア公務員または暫定政府職員、契約社員、臨時社員または
上級管理職であるかにかかわらず、毎年5月1日現在勤続年数が2年を超える従業員のために年次拠
出を行う。年次拠出額を計算する際に以下のパラメーターが考慮される。
・従業員が帰属する専門集団
・勤続年数(契約にかかわらず、従業員が政府に勤務した3年間の数とする。)
拠出金額は、毎年一般国家予算で承認された金額である。 2018 年12月31日現在、当年度において連
結損益計算書の「人件費」として計上された費用はなく、 2017 年12月31日現在の過年度においてもな
かった。
2.10.3 死亡障害給付金および退職金
退職前に当公庫が従業員と締結した退職金および死亡障害給付金についての契約およびその他類似
の項目は、年次財務書類日現在の法定債務および潜在的債務の現在価値を計算し、保険数理上の損失
から保険数理上の利益を差し引いたもの、認識されていない過去の役務費用および約定額を保障する
資産(保険契約を含む。)の公正価額を控除して見積もられる。過去の役務費用および保険数理上の
利益または損失の全額は直ちに認識される。
2018 年12月31日現在、退職後給付のための引当金 919 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 423 千ユー
ロ)が当グループにより計上されている。
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2.10.4 退職手当
退職手当は、当グループが従業員または従業員グループを通常の退職日前に確実に解雇する場合、
または従業員の希望退職の奨励金として報酬を支払う場合に限り、連結損益計算書の「人件費」およ
び連結貸借対照表の「引当金」において「年金および年金類似債務引当金」に計上される。
2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループはこの項目について引当金を計上しておらず、当該
割当を要する制度または契約も存在しない。
2.11 法人税
法人税は、費用とみなされ、連結損益計算書の「法人税」の項目に計上される。
当期法人税費用は、当該年度の課税所得について支払うべき金額として計算され、当該年度の一時
差異から生じる資産および負債の残高の変動、税額控除および欠損金繰越について調整される(注記
23を参照のこと。)。
当グループは、資産または負債の簿価と課税標準額に差異がある場合には、一時差異があるとみな
す。税務上資産または負債に帰属する金額は課税標準とみなされる。課税対象一時差異とは、当グ
ループが将来政府に対する支払債務を負うことである。控除可能一時差異とは、当グループに対して
償還権が生じ、または将来政府に支払うべき金額が減少することをいう。
税額控除および欠損金繰越とは、活動が完了し、または結果が得られたとしても、税制に定める条
件が満たされるまで税務上確定申告には適用されない金額をいい、当公庫は、将来適用する可能性が
ある。
当期税金資産および負債とは、税金が認識された日から 12ヶ月以内に当公庫が該当する税務当局か
ら回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。繰延税金資産および負債とは、将来当公庫が
該当する税務当局から回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。
繰延税金負債は、すべての課税対象一時差異について認識される。上記にかかわらず、営業権の認
識に基づく繰延税金負債は計上されない。
当グループは、以下の条件を満たす場合に、控除可能一時差異、税額控除または欠損金繰越から生
じる繰延税金資産のみを認識する。
-繰延税金資産は、当グループが相殺するに十分な将来の課税所得が生じるとみなす場合に限り認
識される。
-欠損金から生じる繰延税金資産の場合には、今後繰り返して生じる可能性が低い理由により生じ
たものとする。
資産が当初認識される場合、企業結合から発生しない場合、かつ認識時に、帳簿または課税所得に
影響を及ぼさない場合には、繰延税金資産または負債は認識されない。
各決算時に、繰延税金資産および負債は有効であることを確認するために見直され、評価の結果に
基づき調整される。
2.12 有形固定資産
2.12.1 自己使用目的の有形固定資産
自己使用目的の有形固定資産には、当公庫が管理目的で現在または将来の自己使用のためまたは資
産の製造または供給のために保有する資産で、1会計年度を超えて使用する予定のファイナンスリー
スに基づき所有または取得した資産が含まれる。とりわけ、この科目には当グループが第三者に対す
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る債権を表章する金融資産の全部または一部の決済として受領する有形固定資産で、内部での継続的
な使用が見込まれるものが含まれる。
自己使用目的の有形固定資産は、貸借対照表に取得原価で計上され、取得原価は、支払われた対価
の公正価額に支払済みまたは支払予定の金銭を加え、累積減価償却費および(必要に応じて)各項目
の正味価格と対応する回収可能価格とを比較して決定される見積減損損失額を差引いた金額となる。
上記の目的において、当グループの自己使用目的の有形固定資産の一部を構成する担保実行資産の
取得原価は、担保実行と引き換えの金融資産の正味価格に類似している。
減価償却費は、定額法で、取得原価から残余価値を差引いて計算される。建物その他建造物が建っ
ている土地は、期間無制限であるため、減価償却されない。
有形固定資産の減価償却費は連結損益計算書の「減価償却費-有形固定資産」に計上され、該当資
産の推定耐用平均年数に基づき計算される以下の減価償却率に相当する。
年率
建造物
2%
備品 4%から 15%
器具および事務機器 10%
コンピューター機器 25%
輸送機器 16%
各決算期において、当グループは、内部または外部で有形固定資産の正味価値が回収可能価格を超
える兆候があるか否かを判断する。兆候がある場合には、該当資産の簿価は回収可能価格に減額さ
れ、将来の減価償却費用は、新たな見積りを要する場合には調整後の簿価および新たな残余耐用年数
に比例的に調整される。自己使用目的の有形固定資産の簿価の減額は、必要に応じて連結損益計算書
の「非金融資産の減損または減損の戻入」に計上される。
同様に、有形固定資産の減損が回収されたことを示す場合には、当公庫は、過年度に計上された減
損損失の解消を連結損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」において認識し、将来の減
価償却費を調整する。いかなる場合においても、資産に関連する減損損失の解消は、過年度に減損損
失が認識されなかった場合に得たはずの簿価を上回らない。
また、自己使用目的の有形固定資産の推定耐用年数は、少なくとも年に一度大幅な変動がないか見
直される。変動がある場合には、新たな推定耐用年数に基づき将来連結損益計算書に計上する減価償
却費を訂正することで調整される。
自己使用目的の有形固定資産に関する維持管理費用は、かかる費用が発生した年度の連結損益計算
書の「その他の管理費」に計上される。自己使用目的の有形固定資産のための資金調達により発生し
た金融費用は、発生時に損益計算書に計上され、当該費用は取得原価に含まれない。
2.12.2 不動産投資
連結貸借対照表の「不動産投資」においては、賃貸用または将来の時価の上昇により売却益を得る
ために保有している土地、建物その他建造物の正味価値を認識する。
不動産投資の取得原価の認識について減価償却、それぞれの耐用年数の見積りおよび減損損失の記
録に適用される基準は、自己使用目的の有形固定資産に関するものと一致する(注記 2.12.1 を参照の
こと。)。
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2.13 無形資産
無形資産とは、物理的に存在せず、取引の結果生じ、または当グループが内部で開発した特定可能
な非貨幣性資産をいう。客観的に合理的な原価を見積もることができ、当公庫が将来財務的利益をも
たらすとみなす無形資産のみが会計上認識される。
営業権以外の無形資産は、取得原価または生産原価から累積減価償却費および減損損失を調整した
額で貸借対照表において認識される。
無形資産は、あらゆる要素について評価し、当公庫に対して純キャッシュフローを生じる期間に予
測可能な期限がない場合には、無期限の耐用年数を有するものとし、その他のあらゆる場合には期限
付耐用年数を有するものとする。
各決算期に、当グループは、無期限の継続を確認するために、それぞれの残存耐用年数を見直す
が、無期限の耐用年数を有する無形資産は償却されない。これ以外の場合には必要な措置を取る。
期限付耐用年数を有する無形資産は、有形固定資産に適用されるものと類似のいくつかの基準を用
いて償却される。これらの無形資産についての年次減価償却費は連結損益計算書の「減価償却費-無
形資産」に計上される。
耐用年数の期限の有無にかかわらず、当グループは、無形資産の減損を認識し、対応するものとし
て、連結損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」にそれらを計上する。これらの資産に
対する減損損失および適切な場合には過年度に認識された減損損失の解消の認識に適用される手法は
有形固定資産に適用されるものと同様である。
2.14 引当金および偶発債務
連結年次財務書類を作成するにあたり、当グループは、引当金と偶発債務を以下の通りに区別し
た。
-引当金とは、事業体に対して金融損失が生じる過去の事象から派生した貸借対照表日現在有効な
債務を対象とする貸方残高である。かかる損失が発生する可能性は高く、種類を特定できるが、
その金額または決済日を決定することはできない。
-偶発債務とは、過去の事象の結果として生じる可能性がある債務のうち、当グループの支配を超
える一つまたは複数の将来の事象を条件として存在するものである。
当グループの年次財務書類には発生の可能性がある債務に対するすべての重要な引当金が含まれ
る。偶発債務は、連結年次財務書類において認識されないが、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の
要件に基づき情報が開示される(注記 19を参照のこと。)。
引当金は、当該事象の状況に関して入手可能な最善の情報を用いて数量化され、年度末に再度見積
もられる。当該引当金は、当初認識した特定の債務を充足するために使用されるが、当該債務が消滅
または減少した場合には、全部または一部が繰り入れられる。
2018 年および 2017 年末、当グループに対して、通常の業務から生じる法的手続きおよび請求が多数
提起された。当グループの法律顧問および取締役は、これらの手続きおよび請求の終了により、これ
らが終了する年度の連結年次財務書類に必要に応じて開示されるもの以外に重大な影響を及ぼさない
と理解している。
前期の基準に従い必要とみなされる引当金は、連結損益計算書の「引当金経費または引当金の戻
入」に計上される。
2.15 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書において用いられる用語は、以下の意味を有する。
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-キャッシュフローとは、現金および現金同等物の流入および流出をいい、流動性が高く、価値の
変動リスクが低い短期投資をいう。
-営業活動とは、一般的な金融機関の活動および投資または金融活動に分類されないその他の活動
をいう。
-投資活動とは、非流動資産ならびに現金および現金同等物に含まれないその他の投資の取得、売
却またはその他の手段による処分をいう。
-金融活動とは、持分および負債の規模および構成を変更する活動のうち、営業活動を構成しない
ものをいう。
2.16 売却目的保有の非流動資産およびそれに関連する負債
連結貸借対照表の「売却目的保有の非流動資産」には、当該資産の現状で、年次財務書類日から1
年以内に売却される可能性が高い個別の項目の簿価が含まれる。
例外的に、1年を超える期間にわたって売却されることが予想される場合には、当グループは、連
結損益計算書の「廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグループおよび非流動資産に係る損
益」の項目における時間的価値の変動を加味し、最新の売却価格を算定する。
その結果、金融資産または金融外資産であるこれらの項目の簿価は、継続的な使用ではなく売却価
格を通じて回収される。
特に、債務者の当公庫に対する支払義務の全部または一部の決済のために当グループが受領した不
動産その他の非流動資産は、当グループがこれらの資産を継続して使用することを決定しない限り
は、売却目的保有の非流動資産とみなされる。
対称的に、「売却目的保有の非流動資産に関連する負債」は、グループに関連するまたは当グルー
プの業務の障害に関する貸方残高を含む。
売却目的保有の非流動資産は、一般に認識時の簿価と見積売却費用を調整した公正価額のいずれか
低い方で測定される。種類に応じて減価償却される有形固定資産および無形資産は、本科目に含まれ
る間は減価償却されない。
資産の簿価が売却費用を調整した公正価額を上回る場合には、当公庫は、資産の簿価を超過額分調
整し、対応するものとして、連結損益計算書の「廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグ
ループおよび非流動資産に係る損益」に計上する。資産の公正価額がその後増加する場合には、当グ
ループは、すでに計上した損失を取り消し、減損前の価格を上限として簿価を増額し、連結損益計算
書の「廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグループおよび非流動資産に係る損益」に計上
する。
売却目的で行われる保有の非流動資産の売却の結果については、連結損益計算書の「廃止事業に分
類されない要素の売却目的保有のグループおよび非流動資産に係る損益」に示されている。
ただし、中断されている事業の一部である、金融資産、従業員給与からの資産、繰延税金資産およ
び保険契約のための資産は、前段落に従うのではなく、この概念に適用される注記2の上記の段落に
説明のある原則および規則に従って評価される。
注記3 顧客支援サービス
2004 年7月 24日、 ECO734 法令が制定された。これは顧客支援サービス業務に関連するもので、顧客
支援サービスならびに銀行サービスおよび信用機関の擁護官の規制を目的としている。当グループ
は、顧客サービス部門の設置を義務付けられてはいないが、当公庫は、かかるサービスに関し、金融
機関として遂行する業務に関して受けるあらゆる要求および苦情に対処している。質の高いサービス
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を提供するため、 2006 年12月、当グループは ICO の貸付者、利用者および顧客からのあらゆる苦情およ
び提案を受付け、処理し、対応し、かつ返答する業務を集中的に行う部署の設置を決めた。
2018 年に受けた苦情の件数は 93件であり( 2017 年は 72件)、平均 4.6 営業日以内に処理された( 2017
年と同様 )。全苦情の 68%が仲介業務( ICO ダイレクトおよび ICO SGR )における与信取引関連であ
り、そのためこれらは該当する信用機関に引き渡された。その他9%の苦情は、 ICO ダイレクト業務の
払戻しまたは決議に関するものであり、また 23%の苦情は、その他の問題に関連するもので、当グ
ループが扱う製品やサービスには関連しないものであった。
注記4 利益の分配
連結年次財務書類作成日現在での 2018 年における親会社の利益の分配については、理事会による決
定はなされていない。かかる分配は、当公庫の定款の規定に従って行われる。
注記5 当グループの親会社である当公庫に関するリスク・エクスポージャーおよびその他の情報
5.1 リスク-その全般的特徴
リスクは金融活動に内在するものである。リスクを正しく測定し、管理し、制御することにより、
顧客、投資家および従業員の信頼の基礎となる適切な利益率の達成と事業体の支払能力の維持が容易
になる。
金融機関が抱えるリスク を詳細に分類することを目的としなければ、流動性リスク、市場リスク、
信用リスクおよびオペレーション・リスクの4種類に分類することができる。
・ 流動性リスクとは、債務返済に見合うだけの十分な流動資産が欠如する結果生じるリスクをい
う。これは、不適切な資産および負債の満期構造または例外的な市場危機によって起こる。
・ 市場リスクとは、国内外通貨の金利、為替、株価のような金融変数の不利な変動により生じる
損益計算書および資本に影響を及ぼすリスクをいう。かかるリスクは、貸借対照表上または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオに関する市場リスクの二つに大別される。
・ 信用リスクとは、投資の推定期間内にかかる投資の元利金全額が回収できないリスクをいう。
かかるリスクは、銀行との関係における相手方リスクおよび投資活動における信用リスクの二
つに大別される。
・ オペレーション・リスクとは、予測不能な状況における管理上、社内手続上、会計上、 IT関
連、法的または外的な過誤の結果生じるリスクをいう。
金融機関として、当グループの親会社である ICO は、これらの種類のリスクに晒されており、理事会
が承認したリスク方針マニュアルに従って、これらを効果的に管理するよう、識別し、計量化し、監
視しなければならない。かかるマニュアルは、様々な方法、適用ある規制・手続きおよび組織構造を
編集したものである。
5.2 リスク-組織構造
あらゆるリスクをカバーするため、当公庫は、( 2018 年8月 29日理事長通達第3号に基づき)管理
およびリスク・財務局長の管轄下のリスク局長の下に特別部署を設置した。
リスク局長の職務には、内部リスク方針ならびに当公庫の財務リスクおよび信用リスクの分析・管
理・監視方法の作成および提案、 ICO の信用リスクの許容性の評価ならびに国内的および国際的なリス
ク規制に ICO が適合しているかの監督、また同時にその権限の下にある部門の業務遂行の運営、調整お
よび監督等が含まれる。
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リスク専門の部署とは、リスク計量化技法および承認部、グローバル・リスク管理部、継続管理お
よび回収部、であり、それぞれが決められた職務を遂行している。
グローバル・リスク管理部の主な職務は以下の通りである。
・ 当公庫の金融リスクの計量化技法の作成、提案および管理。
・ 金融リスクの上限および承認済みのリスク方針の遵守の監督。
・ 借り手の信用枠の定期的な分析、監視および見直し、それらの分析ならびに貸付仲介業者と借
り手の水準の監視。
・ リスク計量化システム、バックテストおよびストレステストの定義および見直し。
・ 新規金融商品のための市場価額基準の提案、リスクの計量化および潜在的(追加)リスクに係
る技法の設定。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の法律の適用についての分析。
・ 新規商品の市場価格および構造ならびにその潜在的(追加)リスクの評価。
・ リスクに係る承認された技法の正確な適用の監督。
・ 流動性枠証券化ファンドの運営における信用リスクの分析。
・ 流動性、市場、信用度および新規商品に関する新たなリスク限度枠の提案。
・ 資産および負債に係る委員会、管理委員会、監視委員会および理事会に向けたリスクの状況の
報告および分析。
・ スペイン中央銀行に対する金利リスク、流動性比率、巨大リスクおよびバーゼル比率の状態の
報告。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関する EU指令およびスペイン国内の規則の採用についての
分析。
・ リスク調整後リターンツール( RAR )の更新および維持管理。
・ リスク調整後資本利益率( RORAC )における ICO の価格統制ツールの更新および維持管理。
・ リスク・アペタイト・フレームワーク( MAR )。
・ 証券化に関する分析、検討および報告。
リスク計量化技法および政策地域を決する、リスク計量化技法および承認部は主として以下の機能
を含む。
・ 新規資産商品および自動化手続きに含まれていない直接信用供与のリスクが許容範囲内である
かどうかの評価。
・ 顧客および顧客の金融グループに関し、 ICO により承認された直接信用供与のリスク限度枠が適
切であるかどうかの分析。
・ すでに形成されており意思決定機関の承認が求められる事業の変更を ICO が実行する上でのリス
クの分析および評価。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会の調整。
・ 直接信用供与のリスク方針および/または適切である場合には ICO によりすでに承認された方針
の変更に関し、 ICO 内部の意思決定機関による承認の定義および提案。
・ 必要とされる財務業務に関するカントリー・リスク報告の作成および改訂。
・ リスク計量化技法の開発、応用マニュアルの作成およびプロジェクト融資の信用評価に関連す
る手段の継続。
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卸売の監視部および回収部ならびに小売の監視部および回収部を下部組織とする、監視部および警
戒解除部は、以下に挙げる機能を有する。
卸売の監視部および警戒解除部:
・ 直接融資業務のリスクのコントロールおよび追跡を行い、不良運用、破綻処理された取引およ
び損失処理された取引に起因する収支の回復を促進し、有効枠におけるポートフォリオの諸条
件の順守を監視すること。
・ 仲介貸付枠につき ICO の信用リスクの観点から分析および評価。
・ リスク・シェアリングの場合の、 ICO の仲介貸付枠に規定された非金融条件の遵守の管理・検
証。
・ ICO の直接的な顧客および顧客の金融グループに関する内部格付システム、カントリー・リスク
格付システム、運用リスク計量化技法および信用リスク制限技法の設定および維持。大規模な
リスク・エクスポージャーの統制および報告。
・ すべての必要な情報を用いた ICO のポートフォリオの質の確保。
・ ICO からの直接貸付ポートフォリオに関する監視委員会の調整。
・ 有効な規制に基づく引当金の分配/破棄の提案。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会への出席。
・ 該当する法務・事業分野と連携した、遅滞、決済および不履行となった金融取引に関する適切
な回収手続きの推進。
・ 規制機関(格付機関、内外の監査人、監査人の裁判所およびスペイン中央銀行等)からの要望
に対する応答。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
小売の監視および警戒解除部:
・ 小売業者に対する直接業務のリスクのコントロールおよび監視。
・ 目的区分に相当する借換運用の実現可能性の分析。
・ 当公庫から他企業へ管理が外注されている、 ICO が保有する貸付金の回収作業の監視およびコン
トロール。かかる作業は、中小企業、零細企業、自営業者および個人へのサービス提供契約を
通じて行われている。
・ 中小企業、零細企業、自営業者および個人に対して当公庫が直接的に経営管理を遂行してい
る、 ICO によって保有されている貸付金の回収管理。
・ 個々の分野の記録(決議提案、失敗、借換契約、取消、直接管理への業務移行等)に関する ICO
内部の意思決定機関への提案準備。
・ 監視委員会における、リテールリスクの貸付ポートフォリオの状況の作成および提示。
・ 事業体に移転される事由の対応と解決に関する金融業務および経済政策の法律顧問部門の調
整。かかる事業体には、係争回復のサービスの提供が委任されており、また裁判上の請求の過
程および倒産の手続きまたは同様の特性を有する事柄において、 ICO が様々な局面に置かれるこ
とが要求されるその他の行動が委任されている。
・ リテールポートフォリオのすべての貸付の保有者および/または保証人が顧客サービス部を通
じて受けた依頼の管理。
・ 重大な経済危機、自然災害またはその他類似の出来事の結果、政府取引される直接金融業務の
監視、承認および企画。その後における、当該状況および一定の借り手グループの活動範囲に
関連する政府機関への移転に対する取組みまたは行動提案の評価。
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ICO は様々な種類のリスクに関する専門家集団を擁しており、それぞれが職務における責任を持って
かかるリスクについての原則、有効なリスク方針マニュアルおよび既存の内部手続きに従い任務を遂
行している。
5.3 ICO における流動性リスク
スペインのコミュニティ法およびその発展は、本件に関しては事業体における流動性リスクの測
定、コントロールおよび管理のシステムに対する一般的な要件を規定するのみであるが、以下の規範
文書に含まれる。
-信用機関の活動へのアクセスならびに信用機関および投資会社の健全性監督に関する 2013 年6月
26日EU指令第 36号。
-金融機関および投資サービス会社の健全性要件に関する 2013 年6月 26日EU規則第 575 号第6部。
-2013 年規則第 575 号第7章、第7の2項および第7の3項に従い技術的施行規則を規定する、 2014
年4月 16日施行規則第 680 号。
-金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 28日法律第 10号第 41条、第 42条および
付則8。
-2014 年法律第 10号第 53条を発展させる 2015 年2月 13日勅令法第 84号。
-流動性ヘッジ要件( LCR )に関する 2013 年EU委任規則第 575 号を終了させた 2014 年10月10日以降の
2015 年EU委任規則第 61号。
-証券化ファンドの会計基準、年度会計、公的年次財務書類および積立統計情報を規定する、 2016
年2月2日通達第2号。これは、 2008 年5月 22日通達第3号(廃止)の規則 51、DT6および別紙
Ⅶに置き換わる。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、2月 16日からの委員会の 2016 年EU履行規則第 322 号。これ
は、流動性カバレッジ要件( LCR )の団体による監督目的のための情報の伝達に関連する技術履行
基準を規定するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、3月1日の委員会の 2016 年EU履行規則第 313 号。これは、流
動性に関する情報の目的のための付加的制御パラメーターに関するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、 2017 年11月9日 EU履行規則第 2114 号。これは、定型書式およ
び指示に関するものである。
-2017 年11月27日通達第4号、規則第 59条および第 60条。
一般的に、 2016 年通達第2号のリスクの取扱いに関する第6章の規則 51に含まれる、従うべき一連
の行動基準(質的要件)を超える流動性リスクに関する特定の資本要件は存在しない。かかる通達は
また、第5章に含まれる資本の自己評価の過程および監督上の見直しの過程において実行された行動
を報告する必要性にも言及しており、これはすべて、その内部資本がその現在および将来の活動を補
填するのに十分であるかどうかを評価するためのものである。
現在、更新版のバーゼルⅢの流動性および支払能力に関する文書「銀行および銀行システムを強化
するのための世界的な規制の枠組み」ならびに「バーゼルⅢ:計量に関する国際的な枠組み」の公表
に伴い、流動性リスクの基準および監視が、流動性の計量および管理のより効率的なパラメーターを
保証する指針となる新たな措置となっている。 2013 年1月1日、バーゼル委員会は、「流動性ヘッジ
比率および流動性リスク管理ツール」を公表し、これにより短期流動性比率の定義付けおよび監視が
前進した。また、これは 2014 年1月 12日における「市場に基づく流動性指標の監督ガイダンス」によ
り補足された。
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かかる方面において、 2015 年1月 17日に流動性カバレッジ比率( LCR )に関し、欧州議会および欧州
理事会の 2013 年自己資本規制( CRR )第 575 号を修正する、 2015 年委任規則第 61号が公表され、 2015 年
10月1日から 60%以上、 2016 年1月1日から 70%以上、 2017 年1月1日から 80%以上、また 2018 年1
月1日には完全な適用( 100 %)となるよう義務付けられた。
2014 年1月、長期流動性比率の定義および計算に関する協議書類「バーゼルⅢ:安定調達比率
(NSFR )」が公表され、 2014 年4月 11日までの協議段階を経て、 2014 年10月に最終文書が公表され
た。これにより、 2018 年1月1日以降、安定調達比率の最低水準の計算が必要となっている。
2013 年およびその翌年以降の活動中、当公庫は追加の流動性管理として、短期流動性比率および長
期流動性比率の計算を毎月行った。当公庫は、すべての期間において将来適用される制限の範囲内に
収まる結果を得た。
さらに、 2015 年およびその翌年以降を見越して、また 2014 年10月に BIS により公表された「バーゼル
Ⅲ:安定調達比率」に基づき、四半期毎にその結果が計算され、安定調達比率に関する1年後( 2019
年まで)の様々なシナリオを導入した ICO の残高が提供される。
ICO では、流動性リスクの報告、監視、管理を担当する組織構造が明確に定められている。
貸借対照表上の流動性リスクを監視するために用いられている計量化技法は、流動性ギャップであ
る。この流動性ギャップは、キャッシュフローを生じさせるすべてのオンバランス項目およびオフバ
ランス項目について実際の実行日の資金の流入と流出の差額に関する情報を、毎日、 12ヶ月を上限と
する期間において提供する。
流動性ギャップは1週間、1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の期間で計量化されている。それぞれの期
間において、当公庫の負債合計の次の割合を越えてはならない。1週間期間については 0.5 %以内、
1ヶ月期間については1%以内、3ヶ月期間については 2.5 %以内および6ヶ月期間については5%以
内である。
短期流動性の監視は、毎日行われる。限度額の監視および管理も1週間、1ヶ月、3ヶ月および
6ヶ月の単位で毎週および月末に行われる。
ICO は流動性の危機的水準の予測が可能となる計量化された限度額および警報システムを設定した。
また、流動性リスクを低減するために基本的な資金調達源を多角化する方針を採り、年次資金調達
計画の必要資金額および資金調達日についての情報を確立するために、新規事業活動の予定を含む流
動性を定期的に見直している。
同様に、ストレスシナリオにおいて財務資源を用いる際の参考として優先順位を規定する流動性コ
ンティンジェンシー・プランが、 2018 年2月 27日に理事会によって承認された。
ICO は通常、銀行間取引市場、レポおよび同時流動性ならびに大規模あるいは小口の負債性証券の発
行等、流動性を様々な方法で調達する。
アメリカのサブプライム市場不況に端を発する国際および国内市場に影響を与えた金融危機は、金
融市場に著しい低迷を引き起こし、国内外の金融法人の資金調達のための資源を著しく減少させた。
結果として、銀行間取引市場または負債性証券の発行を通じての資金調達にも深刻な影響を及ぼし
た。
この新たな状況のため、 ICO は、期日に間に合う正確な支払義務、また、戦略的な経営、投資および
成長目標を達成するための確実な流動性にするために、従前と同様に 2018 年を通してもこの新たな状
況に適応するための決断をした。これらの方策により、 2019 年における ICO の流動性の欠乏は免れた。
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ユーロ建て取引およびデリバティブヘッジの満期分析
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の金融資産および金融負債として認識されるユーロ
建てデリバティブにおける契約満期(デリバティブ内蔵ハイブリッド金融商品を除く。)、および金
融デリバティブとみなされるローン契約(現金、またはその他の金融資産により調整の上、決済され
る契約であって、当公庫のキャッシュフローの見積りを理解するために満期を最も重要とするも
の。)を概念的に示したものである。
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
177,684 320,008 343,260 - - 840,952
-そのうち :デリバティブとして
- - - - - -
みなす貸付承諾
5,514,585 3,540,420 955,153 275,711 2,552 10,288,421
デリバティブヘッジ
5,692,269 3,880,428 1,298,413 275,711 2,552 11,129,373
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
- 3,333 57,446 - - 60,779
-そのうち :デリバティブとして
- - - - - -
みなす貸付承諾
6,210,519 3,740,974 1,166,643 303,764 - 11,421,900
デリバティブヘッジ
6,210,519 3,744,307 1,224,089 303,764 - 11,482,679
上記の表に記載された情報は、以下の点に注意を要する。
・支払時期を相手方が選択できる場合、当該デリバティブは当公庫への支払を要求される第1ピリ
オドに割り当てられる。
・上記の表に記載された金額は、値引きされていない契約額である。金利スワップは、差額による
決済の場合はその純額で、デリバティブとみなされるローン契約はその総額で、およびその他す
べての金融デリバティブは、差額により決済されず、その換算契約額で記載されている。
・インデックスの実績により決定される等の理由により報告日に契約額が明記されていないデリバ
ティブは、残存期日を分類することを目的とする上記の表においては、それぞれ 2018 年および
2017 年12月31日現在の主導的状況を基礎として決定された。
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流動性 GAP による分析
上述のように、 ICO の主な流動性マネジメントとしては、契約上の満期ではなく主に予測の満期を基
盤として、複数の金融資産および金融負債の満期の分析をすることを基本的な特徴とする。
ICO が上記の分析方法を用いる理由は、前例にも示される通り、かかる方法によることが、当公庫の
資産の流入および流出をより正確に表すからである。
以下の表は、 12ヶ月までの異なる満期の資産の流入と流出を比較したものである。外貨による流入
および流出はその額に相当するユーロで表されている。
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月
ユーロによる流入相当額
6,976,624 2,593,682 2,920,046 5,430,434
ユーロによる流出相当額 (7,346,182) (1,563,840) (5,552,088) (5,090,123)
GAP の一部 (369,558) 1,029,842 (2,632,042) 340,311
(369,558) 660,284 (1,971,758) (1,631,447)
GAP の累積
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月
ユーロによる流入相当額
6,900,224 4,404,361 3,620,626 6,557,284
ユーロによる流出相当額 (5,741,071) (5,040,388) (3,482,611) (7,960,132)
GAP の一部 1,159,153 (636,027) 138,015 (1,402,848)
1,159,153 523,126 661,141 (741,707)
GAP の累積
5.4 ICO における市場リスク
上述のように、市場リスクは二つの大きなグループに分類することができる。貸借対照表または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオ・リスクである。 ICO は内部方針として、現在のところ取引
ポートフォリオの最小化を図っており、現行の会計法規の適用によりヘッジまたは投資に分類するこ
とができないものだけを保有している。したがって、当公庫の市場リスクはほぼすべて通常の業務か
ら生じるものとなっている。
(1)標準的基準
金利および為替の変動へのエクスポージャーが具体化される標準的基準は、利益率と支払能力
の二つからなる。
利益率 : ICO においては、主に損益計算書に基づき計算され、関連する変数は利息または金融
業務の利ざやである。
支払能力:当公庫の資本はその借り手にとっては主たる保証といえる。資本または株式資本の
価額は支払能力を測定するための重要な基準である。
以上を考慮の上、下記が存在する場合、 ICO は、a)年間の利ざや感応度、b)純資本価値の感
応度、およびc)仮想取引ポートフォリオの「想定最大損失額」の計算という3本柱に基づき市
場リスク計量化システムを実行する。
(2)計量化技法
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利ざやに関するリスク残を計量化するために、 2015 年より前までは加重平均返済期限分離
ギャップ法が使用されていた。これは資産額と負債額の差額および 12ヶ月以内に返済期限が到来
するかまたは更新される金利の付されたオフバランス取引を、それらが利ざやに影響を及ぼす期
間で加重平均して計算される。
資本の感応度を計量化するために、 2015 年より前まではデュレーション・ギャップ法が使用さ
れていた。デュレーション・ギャップは資産および負債の残存期間の差異として得ることがで
き、差異が求められると感応度ギャップの計算が可能となる。
両方法は、 2014 年半ばに利息収益および純資産に基づく他のシミュレーションに変更された。
想定最大損失額については、ポートフォリオの種類によってその計量化の方法が決定され、パ
ラメトリック法、ヒストリカルシミュレーション法およびモンテカルロ法に基づくことができ
る。
(3)リスクの程度
ICO が負うリスクの程度の決定は、リスク会計局長の提案に基づき上級経営陣がその責任を負
い、 ICO 独自の特徴に応じて許容限度を設定する。かかる許容限度は定期的に見直される。
ICO は、カーブの下方シフト時の利ざや感応度を評価する目的で、当初のカーブシナリオにおけ
るマイナスの比率に対しては0%のフロアは採用せず、当初のシナリオ比率でトランシェがプラ
スである場合のみ0%のフロアを採用することを決定した。すなわち、運用上、下方シフトは、
当初のシナリオにおける比率がマイナスである場合には変更がないままとして、監視下における
トランシェのカーブにおいてプラスの比率である場合のみフロアを0%として引き下げるものと
する。以下は、かかる基準の適用結果を示している。
かかる金利変動に伴う± 200 ベーシス・ポイントの変動を採用した結果、 2018 年12月31日現在に
おける ICO の利ざやの感応度は、合計 4.953 百万ユーロであり、このうちユーロにおける収支は
0、米ドルにおける収支は -2.934 千ユーロ、英ポンドにおける収支は -90 千ユーロであった。為替
感応度(米ドル/ユーロおよび英ポンド/ユーロにおいて変動率± 10%)は、米ドルが -1.797 千
ユーロ、英ポンドが -192 千ユーロであった。
同様に、資本感応度の設定において、市場カーブの変動を、上記のような利ざやの感応度を得
るためのカーブの変動と同様の構造で、± 200 ベーシス・ポイントとした。すなわち、下方シフト
において、当初のシナリオにおける利率がプラスの場合にのみ0%のフロアが適用され、当初の
シナリオにおけるマイナスの比率は変更がないままとした。
2018 年12月31日現在、 ICO の純資産の感応度は、合計 -0.88 %に達し、このうちユーロ金利が -
0.45 %、米ドル金利が -0.20 %、英ポンド金利が -0.04 %であった。為替感応度は、米ドルが -
0.16 %、英ポンドが -0.04 %であった。
(4)リスクの修正
効果的なリスク管理の最後の手段として、満期およびデュレーション・ギャップをその時々に
求められるリスク価値に当てはめて修正する方法がある。その結果、オンバランスおよびオフバ
ランスの金融商品は、市況に基づき、同目的上付与された権限の範囲内での経営陣の判断ならび
に金融管理部、投資および金融統括管理、または事業委員会に従い、使用される。
当公庫が 2018 年12月31日現在の貸借対照表で使用した主要通貨はユーロ、米ドルおよび英ポン
ドであり、かかる通貨建ての取引が負債全体の 96.4 %を占め、そのうちユーロ建てが約 78%、米
ドル建てが 18%超となっている。
貸借対照表の資産を見ると、ユーロが全体の約 94.8 %と集中しており、米ドルは約4%であ
る。一方、他の通貨は、残りに分配される。
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当公庫が利用するユーロおよび米ドル以外の通貨について、その残高は金利リスクまたは為替
リスクを排除しているが、これは、当該通貨建てで資金調達を行い為替変動を完全にカバーする
デリバティブを用いてユーロ建てに転換するため、または、特定の資産の資金調達が当該リスク
を回避するよう企図されているためである。
リスク限度、リスクの監視および定期的な遵守の管理の設定に加え、 ICO は、関連ある金融変数
の動きの異なるシナリオが利ざやまたは純資本価値に及ぼす影響を精査するために、リスクの計
量化、管理および制御のために適用する統一システムを確立している。したがって、 ICO は、例え
ば、市場における金利カーブまたはストレスの状況が平行移動しない場合に ICO の分析サービスに
より提供される将来見積りを用いる等、複数のシナリオにおいて制御された変数が被る変化を定
期的に監視する。
5.5 ICO における信用リスク
すでに述べている通り、当公庫では信用リスクを二つの大きなグループに分類している。相手方リ
スクとカントリー・リスクである。
相手方リスクには、オンバランスまたはオフバランスで行われる信用機関との取引が含まれる。取
引の管理と取引により発生するリスクの管理とをリアルタイムで統合するシステムにより、モニタリ
ング活動が行われ、担当者にいつでも利用可能な相手方信用枠について最新の情報を提供している。
ICO 内の管轄機関は、市場価格による取引の評価額に将来のリスクまたは追加リスク(取引の額面価
額に対する割合として計量化され、取引期間中の信頼水準 95%の潜在的最大損失として計算され
る。)を加えた数値に基づいて相手方信用枠を使用する手法を定めて、これを承認した。この手法は
定期的に見直され、最低半期に一度の頻度で追加リスクが調整される。
また、 ICO の理事会は、相手方信用枠の設定に関する基本基準を半年毎に承認し、各相手方信用枠の
個別分析をする。かかる相手方信用枠は、 ICO の取引の特徴により、現金取引のための相手方信用枠と
仲介取引のための相手方信用枠という二つのグループに大別される。仲介取引では、 ICO は例えば事業
枠および起業家枠または国際化枠のよう にスペイン国内の異なる事業体が締結した貸付枠の契約を通
じて異なる投資プロジェクトに貸付けている。
ICO が契約したデリバティブを伴う取引の相手方は信用度が高く、そのうちの約 100 %もの相手方が
格付機関より投資適格の格付を取得している。これらの相手方金融機関はスペイン内外で営業を行っ
ている。
仲介および直接融資の分野における ICO の信用機関との活動は、カウンターパーティー(うち 95%超
が投資適格の格付を保有している。)と行われている。
コーポレート信用リスクについて、 ICO は承認、監視および警戒解除という別々の評価および管理体
制を有している。
「承認」プロセスでは、当公庫は、継続事業評価に基づき企業および事業を分析し、リスクおよび
潜在的な顧客についての意見書を発行するために保証を分析するが、これらは事業委員会または理事
会による適切な意思決定の基礎となる。
「監視」プロセスは、当公庫の貸付ポートフォリオが最高の品質を有していること、すなわち、貸
付が合意された日に決められた通りに返済されることの実現を目的としている。取引に影響を及ぼす
事由は顧客およびそのグループの格付にも影響を及ぼすため、基本的な監視対象は取引ではなく顧客
である。この監視プロセスは、経済的および財政的な状態の定期的な見直しならびに意思決定のため
の支援ツールの更新の継続を用いた恒久的な管理により実現される。そしてそれは、警告の兆候を見
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つけることも、供与された資金の返済を最大にするために問題のあるリスクに対する行動計画を促進
することも可能にする。
最後に、「監視およびリテールの警戒解除」分野の警戒解除の役割の重点は、電話、郵便または E
メールを通じて、債務不履行となった業務の債権回収をすることにある。また、かかる業務が訴訟の
段階に入った場合における支払合意の交渉および債権者の入札における当公庫の票を確立するための
入札にかけられた業務の調査にも焦点をあてている。
信用リスクについては、カントリー・リスクとして知られるリスクについて特記しなければならな
い。カントリー・リスクは、地理的、政治的および法的に「国家」として定義される地域に帰属して
いることを特徴とした相手方すべての支払能力に関するものである。
これに関連して、 ICO は、現行の規則に沿ったカントリー・リスク計量化技法を承認している。これ
は、複数の基準に基づいてリスク・グループ別に国を評価するという目的に沿ったものである。これ
により、カントリー・リスクのための引当を行う際の明確な基準が得られ、直接信用供与を評価し、
非居住者貸付のポートフォリオを分別する。国家をリスク・グループに分類するに当たっては、格付
機関と経済協力開発機構( OECD )およびスペイン輸出信用機関( CESCE )の評価をその情報源として使
用している。
5.6 ICO におけるオペレーション・リスク
特に新自己資本比率規制(バーゼルⅢ)を考慮した場合、オペレーション・リスクの計量化および
管理がよりいっそう重要となる。このリスクには、業務を実際に行う過程で生じる不適切な処理、不
正確な記録、システムの不具合等に起因するリスク、法的リスクおよび損失リスクが含まれる。
この領域においては、オペレーション・リスクの取扱いを容易にする一定の手段が開発されてお
り、管理委員会および活動指標の毎月の監視方針、プロセスおよび内部手続きの開発、顧客および事
業を監視する方針の定義、事故の内部管理ならびに既存の危機管理計画が特筆される。また、内外の
監査人により実行される監査手続きおよび監査業務の定期的な管理も強調されるべき点である。
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5.7 企業に関する既存の信用リスク
5.7.1 産業別の分類
(*)
産業別の分類によると、既存のリスク の分布は以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2018 年 2017 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
不動産投資 703 6 699 6
公共販売住宅の建設 9 0 12 0
公共賃貸住宅の建設 433 4 476 4
土地の取得および開発 231 2 193 2
その他 30 0 18 0
無形資産投資 - - - -
有形固定資産投資 7,085 67 8,529 70
再生可能エネルギー 1,015 9 1,222 10
水道インフラ 200 2 268 2
電力インフラ 657 6 629 5
ガスおよび化石燃料インフラ 589 6 715 6
輸送インフラ 3,965 38 4,500 37
観光・娯楽産業 20 0 38 0
医療/保健事業インフラ 141 1 158 2
電気通信事業 0 0 18 0
オーディオ機器の生産および展示 17 0 27 0
産業地区その他の建設 4 0 7 0
その他 371 4 701 6
調査開発の物資に対する投資 16 0 17 0
ICO 融資ライン 自治体 代理店
90 1 229 2
企業買収 104 1 246 2
一般的企業ニーズ 707 6 589 5
債務の再編 768 7 485 4
一般国家予算 1,174 11 1,548 13
186 2 75 0
金融仲介サービス
10,727 100 12,171 100
(*) 評価調整または減損損失(「その他の金融資産」を除く。)を除く顧客への貸付金を含む。また、顧客に対する金融
保証ならびに貸付金および未収金として公的機関が分類した居住者の負債性証券を含む。
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2018 年および 2017 年12月31日現在の総エクスポージャーは、主に三つの分野に集中している。「有
形固定資産投資」が全リスクに対して占める割合は、 2018 年は 67%( 2017 年は 70%)であり、「一般
国家予算」は 11%( 2017 年は 13%)、「不動産投資」分野は、 2018 年は全リスクの6%( 2017 年と同
比率)であった。
「有形固定資産投資」分野において、 2018 年のリスクの 38%( 2017 年は 37%)を占めた「輸送イン
フラ」による影響は強調すべき点である。
5.7.2 金融投資の地域別の分類
2018 年12月31日現在の全リスクは、 82%が 8,811 百万ユーロとなったスペイン国内における投資活動
への融資に関するものであり( 2017 年現在は 10,605 百万ユーロであり、 87%)、 18%がその他の国に
おける投資プロジェクトへの融資に関するものであった。
2018 年の自治体毎の国土における投資計画のリスク分布については、アンダルシア州が8%ならび
にバレンシア州、カタルーニャ州およびマドリッド州が7%( 2017 年は、それぞれ9%、8%、9%
および9%)となり、より高くリスクが集中した。
国際市場で行われた取引の 2018 年および 2017 年12月31日現在の分布は、国外の既存リスクに従い、
以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2018 年 2017 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
欧州経済共同体 (EEC)
406 21 407 26
中南米 589 31 475 30
米国 152 8 193 12
EU加盟国以外の欧州諸国 - - - -
769 40 489 32
その他
1,916 100 1,564 100
5.8 供給者に対する支払遅延に関する情報
スペイン会計士協会( ICAC )の 2017 年1月 29日決議が、年次財務書類の注記に含められるべき商取
引における供給者に対する支払遅延に係る情報に関して制定し、商取引における支払遅延に対する措
置を定めた 2010 年7月5日法律第 15号( 2004 年12月29日法律第3号を修正するもの。)に従い、当公
庫は下記の点を指摘しなければならない。
・ICO の中核事業(金融活動)の内容を踏まえ、本注記に記載されている支払遅延に関する情報は、
ICO にサービスを提供している業者に対する支払ならびに ICO の証券の預託者および保有者を除く民
間供給者に対する支払のみに関連するものとなっている。後者に関しては、要求があり次第支払期
日が到来する債務および繰延払債務のいずれの支払も、その契約上および法律上の支払期限までに
適式に行われた。営業債権者とみなされない固定資産の供給者等、供給者に対する支払に関して提
供される一切の情報についても、前述の ICAC 決議の規定に従うかかる義務的な開示の範囲から除外
されない。
・2010 年7月5日法律第 15号により義務付けられている、以下に示される当公庫の民間供給者および
サービス提供業者に関する情報に関して、 2017 年1月 29日ICAC 決議の第6条に含まれるものを勘案
し、前段落に定義される範囲で、かかる規制により情報が要求されている。
2018 年 2017 年
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(単位:日)
支払事業の比率 7 7
未払事業の比率 3.5 3.5
供給者に対する平均支払期間 6.75 6.75
(単位:千ユーロ)
支払額合計 25,303 23,272
1,298 946
未払金合計
上記の情報を詳細に述べると、スペインの当グループ会社間の債権・債務に係る支払は、上記の
データから除かれている。
5.9 リスクの集中および ICO のその他の特定の規制
2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループは、当公庫の定款の規定に従い、それぞれの場合に
適用される規制( 2013 年EU規則第 575 号第4部および 2008 年スペイン中央銀行通達第3号)に定められ
た大規模エクスポージャーの制限を免除されている。
2012 年3月 31日勅令第 12号は、 EU加盟国に所在する信用機関のエクスポージャーの取扱いを定め
た。
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5.10 建設および不動産開発のための融資に関する情報および関連する担保実行資産
不動産リスクポートフォリオの方針および戦略に関して、当公庫はかかる種類の商品につきいくつ
かの方針(例えば経験豊富な開発者、認定販売の割合、独立した専門家による賃貸需要のデータ)か
らなる承認プロセスを有し、プロジェクトの経済的および財政的実現可能性を評価している。
認証された仕事に対する支払は後に有効化および管理され、建設経過は監督され、販売は管理され
ている。
さらに、取引を首尾よく完了させることのできる解決策を提案する目的の下、現在未払いがある顧
客の支払を困難にしている理由を発見するために調査がなされてきた。
以下の表は、建設および不動産開発に対する融資について詳述したものである。
-建設および不動産開発ならびに関連するヘッジのために提供された融資
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
担保 担保
総額 特定の引当金 総額 特定の引当金
超過分 超過分
不動産融資:
595,603 - 256,430 652,302 633,753 235,707
-そのうち:破綻懸念先 142,710 - 136,871 169,852 474,717 160,132
備忘事項:
- - - - - -
債務不履行貸付
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
備忘事項 :
地方自治政府を除く顧客への貸付金合計 7,196,965 7,922,276
資産合計 36,236,581 42,185,882
29,805 18,680
一般引当金合計
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2018 年12月31日現在の建設および不動産開発のための合計融資は、貸借対照表合計の 1.64 %( 2017
年12月31日現在は 1.55 %)を占めている。
-建設および不動産開発のための融資(総額)
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1.不動産担保なし
180,691 203,993
2.不動産担保付 414,912 448,309
404,128 436,886
2.1 完成された建物
2.1.1 住宅
404,128 425,323
2.1.2 その他 - 11,563
10,784 11,423
2.2 建築中の建物
2.2.1 住宅
10,784 11,423
2.2.2 その他 - -
- -
2.3 土地
2.3.1 開発済みの土地
- -
- -
2.3.2 その他の土地
595,603 652,302
合計
-住宅購入ローン
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
そのうち: そのうち:
総額 総額
破綻懸念先 破綻懸念先
住宅ローン
14,333 - 15,031 -
不動産担保なし 12,757 - 14,043 -
1,576 - 988 -
不動産担保付
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-不動産担保付の住宅購入ローン(最新の入手可能な査定額のリスクの割合( LTV ))
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
1,018 338 220 - -
そのうち:破綻懸念先
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
779 209 - - -
そのうち:破綻懸念先
-不動産建設および開発債務の清算において受領した担保実行資産
当公庫の貸借対照表(注記 17を参照のこと。)記載の担保実行資産はいずれも、建設会社および不
動産開発業者に対して提供された融資または住宅購入のために一般家庭に対して提供されたモーゲー
ジローンに起因するものではなく、当該資産を保有する非連結企業の株式、かかる会社への投資また
は融資で構成されるものでもない。
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5.11 当公庫の借換済業務および再構築済業務に関する情報
2013 年スペイン中央銀行通達第6号において公開および留保された金融情報に関するルールについ
て要求されている通り、次の表に 2018 年および 2017 年12月31日現在の借換済業務および再構築済業務
に関する詳細な情報(総額)が記載されている。
2018 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 5,211 322,399 327,610 84,213
不良
792 45,275 46,067 46,067
21,845 10,396 32,241 19,211
融資企業(金融資産)
不良
21,845 - 21,845 19,211
984,303 261,953 1,246,256 427,270
企業および事業主
不良
317,955 89,819 407,774 380,656
通常 8,007 - 8,007 4,816
不良不動産 3,538 - 3,538 1,216
701 57 758 -
その他個人
1,012,060 594,805 1,606,865 530,694
合計
2017 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 8,217 383,422 391,639 97,235
不良
8,217 49,876 58,093
1,291,880 339,761 1,631,641 684,156
融資企業(金融資産)
不良
609,561 96,085 705,646
- - -
企業および事業主
不良
6,735 - 6,735 6,735
- - - -
通常
1,300,097 723,183 2,023,280 781,391
合計
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注記6 現金、中央銀行等への現金預金および要求払預金
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の内容は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
手元の現金 13 10
1,408,355 2,027,159
スペイン中央銀行にある現金
法定預金準備金 1,408,355 2,027,159
261,118 279,242
その他の要求払預金
1,669,486 2,306,411
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注記7 売買目的保有の金融資産および金融負債
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の残高総額は、デリバティブ取引か
らなる。
デリバティブ取引を伴う取引は、当公庫が貸借対照表上のポジションを包括的に管理するが、ヘッ
ジ商品に指定されるための規範的要件を満たしておらず、そのため取引ポートフォリオに分類される
商品を主に対象としている。
以下は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の当グループのデリバティブ取引の公正価額およびその
名目元本(当該デリバティブに係る将来の支払額および回収額のベースとなる金額)をデリバティブ
の種類毎に示したものである。
(単位:千ユーロ)
名目元本 資 産 負 債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
市場別:
組織的市場 - - - - - -
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
非組織的市場
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
商品別:
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
スワップ
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
相手方別:
信用機関 508,091 763,919 1,678 562 104,885 161,007
その他の信用機関 - - - - - -
331,803 374,889 107,476 164,208 - -
その他の部門
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
リスク別:
為替リスク 784,629 1,078,098 104,555 159,410 100,437 155,731
55,265 60,710 4,599 5,360 4,448 5,276
金利リスク
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
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公正価額は、 2018 年および 2017 年を 100 %として計算されており、貨幣市場および公債のインプリ
シット・カーブを参照している。
2018 年および 2017 年12月31日現在、公正価額で評価し、注記 2.2.3 記載の公正価額レベルを考慮した
取引ポートフォリオの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
売買目的保有デリバティブの資産
- 109,154 - - 164,770 -
- 104,885 - - 161,007 -
売買目的保有デリバティブの負債
以下の表は、 2018 年および 2017 年における、当公庫の未実現の利益および損失に関連する取引ポー
トフォリオに含まれる金融資産の公正価額の変動について、損益計算書に計上されている額を示す
(注記 30を参照のこと。)。公正価値が活発な市場において公表された文献リストとして考慮して評
価された金融資産(レベルⅠ)、変動が市場において観察可能なデータから取得された評価手法によ
り計算される金融資産(レベルⅡ)、そしてその他(レベルⅢ)と区別される。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
利益 損失 純額 利益 損失 純額
レベルⅠ
- - - - - -
レベルⅡ 116,613 115,590 1,023 1,907 ,134 1,895 ,808 11,326
- - - - - -
レベルⅢ
2018 年および 2017 年におけるレベルⅡに分類されたデリバティブの公正価額の変動は、もっぱらレ
ベル間の再分類を行わない評価手法の適用による売買および公正価額の変動が原因であった。
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注記8 損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でない金融資産
本項目は、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号が最初に適用された本分類において、事業体により
指定された株式投資における当グループの投資を含む。
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の残高の商品別の内容は、以下の通
りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
持分証券 :
FONDICO インフラストラクチュラス (*) 21,580 -
(*) 2017 年、本投資は、その他包括的利益を通じて公正価額で評価した金融資産として分類された(注記9を参
照のこと。)。
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注記9 その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の連結貸借対照表上の残高の商品別の内容は、以下の通
りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
持分証券 :
FONDICO PYME(1)
78,324 80,729
FONDICO インフラストラクチュラス (2)(*) - 28,612
フォンディコ・グローバル (3) 453,899 329,158
フォンス・メディテラネア・フォンド・デ・カピタル・リエスゴ (4) 6,641 5,480
フォンド・マーガレット・ MEH(5) 53,936 63,931
フォンド・カルボノ・エムプレサス・エスパニョラス (6) - -
FEI 、フォンド・エウロペオ・デ・インベルシオネス (7) 12,316 12,370
SWIFT(8) 4 4
EDW(9) 222 206
GAM ジェネラル・デ・アルキレル・イ・マキナリア (10) - 939
ヌエバ・ペスカノバ (11 ) - -
フォンド・マーガレットⅡ・ ICO(12) 26,583 -
FONDICO インフラストラクチュラスⅡ (13 ) 165 -
FONDO AFS CESCE(14)
10,000 -
642,090 521,429
1,029,204 854,962
負債性証券 (15)
1,671,294 1,376,391
(*) 2018 年において、かかる投資は損益を通じて義務的に公正価額で評価した金融資産に分類された(注記8を
参照のこと。)。かかる再分類は、 2018 年1月1日の 2017 年通達第4号の初回適用において実施された。
2018 年および 2017 年12月31日における、これらの金融商品の公正価額の変動である「その他の累積
包括利益」項目の残高、純税効果額は、以下の通りである(注記 21を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
負債性証券
9,884 2,972
6,369 (6,285)
持分証券
16,253 (3,313 )
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2018 年および 2017 年中のその他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産の変動は、以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 1,376,391 1,800,530
追加購入
188,504 299,485
売上および償却 (900,709) (718,527)
公正価額の変動 (注記 21) 19,566 (2,901)
引当金減損割当 - (446)
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 持分証券 (28,859) -
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 負債性証券 1,015,831 -
1,200 (1,750)
減損損失の変動 (適用後 )
1,671,294 1,376,391
期末残高
(1) FONDICO Pyme 。ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 1993 年5月に設立され、当公庫が唯一の出資者であ
り、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2018 年12月31日現在において
ICO によって拠出された金額は 127,866 千ユーロであった。 2018 年および 2017 年中に拠出金または返金に関連
する変動はなかった。
(2) FONDICO インフラストラクチュラス。 ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2012 年に設立され、当公庫が
100 %の割合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。
2018 年、当公庫による拠出金は 1,408 千ユーロ( 2017 年は 1,101 千ユーロ)であった。 2018 年、ファンドは、
拠出金の返金の持分が 10,045 千ユーロ( 2017 年は 51,267 千ユーロ)減少した。スペイン銀行の 2017 年通達第
4号の初回適用 に伴って、 2018 年1月1日にファンドの金額は、総額 28,612 千ユーロについて、損益を通じ
て公正価額 で評価した金融資産として再分類された。再分類は、 7,192 千ユーロの準備金の増加を示してお
り(注記 20を参照のこと。)、 3,594 千ユーロのその他の包括利益に影響を与えた(注記 21を参照のこ
と。)。 2018 年、総収益 710 千ユーロの 公正価額 で評価した変動による業績は、損益計算書に計上された
(注記 31を参照のこと。)。
(3) フォンディコ・グローバル。 ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2014 年に設立され、当公庫が 100 %の割
合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2018 年、当公
庫による拠出金は 150,000 千ユーロ( 2017 年は 180,000 千ユーロ)であった。 2018 年、ファンドは、拠出金の
返金を通じて 50,000 千ユーロ( 2017 年は 43,000 千ユーロ)持分が減少した。 ICO によって拠出された金額お
よび払い戻される金額は、 2018 年12月31日において、 480,000 千ユーロであった。
(4) フォンス・メディテラネア。ファンドは 2005 年10月に設立され、当公庫ならびに公的および民間事業体がそ
の出資者である。このファンドはスペインの会社がアフリカン・マグレブで展開するプロジェクトに投資す
るために設立された。このファンドへの割当は、 2018 年12月31日現在 1,270 千ユーロとなった実質資本合計
(公正価額の変動は含まない。)の 30%のヘッジ引当金を有している( 2017 年12月31日現在は 1,270 千ユー
ロ)。
(5) フォンド・マーガレット・ MEH 。主導的な欧州の公的信用機関が参加しており、これは、市場政策に基づく
投資家へのリターンの原則と公共政策が定めた目標を同時に実現する目的で、気候変動と闘う欧州連合の主
要政策を実施するための、インフラに対する投資促進を目指す欧州の株式ファンドである。最終的な清算に
よる最終業績は、ファンドへの資金調達を行っているスペイン税務省により完全に保証されているため当公
庫の損益計算書に影響を及ぼさないにもかかわらず、当該ファンドは ICO によって管理されている。 2018
年、新たな拠出金はなかった( 2017 年は 29,650 千ユーロ)。 2018 年の資本参加の返金は 15,044 千ユーロ
(2017 年は 34,408 千ユーロ)として計上された。
(6) フォンド・カルボノ・エンプレサス・エスパニョラス・ FC2E 。2011 年より運営を開始したファンドであり、
ICO が32.68 %の持分を保有している。かかるファンドの 2018 年および 2017 年12月31日現在正味価格は0ユー
ロであった。
(7)FEI 。2018 年12月31日現在、欧州投資ファンドの総額の 0.72 %に相当する出資を行っている( 2017 年12月31
日現在では 0.72 %)。 2018 年または 2017 年において、拠出金はなかった。 2018 年12月31日現在、支出額
24,000 千ユーロが未払いのままである。
(8)SWIFT 。2008 年よりかかる事業体の正式メンバーである当公庫は、かかる事業体に1株式出資している。
(9) EDW 。2012 年3月からのデータウェアハウス( EDW )企業への参加による 3.70 %。
(10)GAM 。当公庫の貸付事業の一部支払が裁決されたことにより、 2017 年までに取得された非金融企業 GAM の出資
証券。かかる資本参加は 2018 年に売却され、 45千ユーロの損失が生じた。
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(11) ヌエバ・ペスカノバ。当公庫からの借入に対する返済の一部として 2016 年に取得された非金融企業であるヌ
エバ・ペスカノバの出資証券。引当金として完全に計上された資本参加は、 2018 年に売却され、 1,740 千
ユー ロの利益をもたらした。
(12) フォンド・マーガレットⅡ・ ICO 。フォンド・マーガレットⅡへの資本参加は 2018 年に設立された。 ICO の当
該ファンドへの参加は、マーガレットⅠとは異なり、 ICO 自身のためのものであり、自らの出資によるもの
であった。株式保有率は 13.42 %である。 2018 年、当公庫の拠出金は 26,931 千ユーロであった。
(13)FONDICO インフラストラクチュラスⅡ。新規ファンドへの資本参加は 2018 年に設立され、 Axis パルティシパ
シオネス・エムプレサリアレスにより管理されており、 ICO が100 %の割合で出資している。 2018 年、当公庫
の拠出金は 165 千ユーロであった。
(14)FONDO AFS CESCE 。主な活動が CESCE の保証付きで商業送り状を値引きすることである FONDO AFS Sicav への
13.16 %の資本参加。 2018 年、当公庫の拠出金は 10,000 千ユーロであった。
(15)IC Oは、流動性マネジメント政策および事業モデルの一環として、その他の包括利益を通じて公正価額で評
価した金融資産に分類される負債性証券に投資することができる。一般に、これらは、スペインの信用機関
が発行する固定利付証券および公債である。
スペイン銀行の 2017 年通達第4号の初回適用において、当公庫は、償却原価で評価した金融資産に
よる総額 1,015,831 千ユーロを、その他の包括利益、負債性証券を通じて公正価額で評価した金融資産
の項目に再分類した。これによる準備金への影響はなかった。
かかる資産の満期別内訳は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内満期
1,029,204 854,962
1年から2年満期 - -
2年から3年満期 - -
- -
3年超満期
1,029,204 854,962
2018 年および 2017 年12月31日現在、注記 2.2.3 に記載される公正価額レベルを考慮したその他の包括
利益を通じて公正価額で評価した金融資産の分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
負債性証券
1,029,204 854 ,962 - -
642,090 - - 521,429
持分証券
2018 年中、当公庫は、 1,695 千ユーロ( 2017 年には 5,146 千ユーロの利益)のその他の包括利益を通
じて公正価額で評価した金融資産の償却のための純利益を、持分証券の売却結果として損益計算書に
計上した(注記 29を参照のこと。)。
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注記 10 償却原価で評価した金融資産
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表上の本項目の構成は以下の通りである(減損損
失およびその他評価調整額を含む。)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
負債性証券 (注記 10.1)
9,503,883 10,107,611
22,497,970 27,269,052
貸付金
信用機関 (注記 10.2)
12,436,479 16,077,669
10,061,491 11,191,383
顧客 (注記 10.3)
32,001,853 37,376,663
以下は、信用リスクを補填するために計上された減損損失の変動ならびに償却原価で評価した金融
資産ポートフォリオにおける 2018 年および 2017 年の期首および期末現在の当該減損の累積額を表して
いる。
(単位:千ユーロ)
カントリー・
個別引当金 集合引当金 合計
リスク
- 1,680,810 20,836 1,701,646
2017 年1月1日現在の残高
収益に課せられる割当
20,586 19,884 18,680 59,150
回収額 - (187,071) (20,836) (207,907)
資金の充当 - (441,002) - (441,002)
その他の変動 - - - -
(1,381) (251) - (1,632)
為替差額の調整
19,205 1,072,370 18,680 1,110,255
2017 年12月31日現在の残高
収益に課せられる割当
- - 5,116 5,116
回収額 (6,539) (94,679) - (101,218)
資金の充当 - (286,406) - (286,406)
2017 年通達第4号の初回適用の変動 (9,697) 124,373 7,285 121,961
その他の変動 - 2,469 - 2,469
(81) 33 6 (42)
為替差額の調整
2018 年12月31日現在の残高 2,888 818,160 31,087 852,135
以下の表は、懸念リスクおよび決定基準に基づいた警戒リストにおける標準リスクにかかる引当金
の詳細を表している。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
懸念リスクの引当金: 597,041 938,117
不履行
239,525 528,949
不履行以外 357,516 409,168
221,119 134,253
警戒リストにおける標準リスクの引当金
818,160 1,072,370
合計
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警戒リストにおける標準リスクの 引当金は、 2018 年12月31日現在の 1,703,799 千ユーロの信用資産に
相当する( 2017 年12月31日現在は 1,934,876 千ユーロ)。
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の信用リスクによって減損とみなされる貸付および
受取債権に分類される金融資産につき、相手方別ならびに当該日付の未払金額別およびリスク年限か
らの経過期間別の内訳を示している。政府が保証する減損認識資産については注記 10.3 を参照のこ
と。
2018 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
396,431 1,622 - - 371 - 2,004 236,469 636,897
非金融企業
2017 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
503,872 6,956 7,858 - 543 - 21,933 500,230 1,041,392
非金融企業
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2018 年12月31日現在、カントリー・リスクによる減損資産残高は 192,528 千ユーロであり、カント
リー・リスク別のヘッジは 2,888 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 190,144 千ユーロ、ヘッジは 19,205
千ユーロ)である。
2018 年および 2017 年の期限経過非減損資産はそれぞれ 3,163 千ユーロおよび 1,290 千ユーロとなり、
これらの資産の両年度における経過期間は1ヶ月ないし3ヶ月である。
回収の可能性が低い(または回収できない)とみなされた場合、資産と計上されない減損金融資産
の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 1,370,450 1,049,933
追加: 325,615 332,976
回収の可能性が低い
268,200 308,133
その他の事由 57,415 24,843
(35,682) (7,345)
回収:
借換えまたはリストラクチャリング
-
追加融資なしに回収した現金 (3,770) (7,345)
資産の割当 - -
その他 (31,912) -
- (467)
最終償却:
免除
- -
期間満了 - -
その他の事由 - (467)
1,608 (4,647)
為替差額の変動の純額
期末残高 1,661,991 1,370,450
回収の可能性が低い(または回収できない)資産の変動の結果として 2018 年および 2017 年の損益計
算書に含まれる純額は、それぞれ 3,770 千ユーロおよび 7,345 千ユーロであった。
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10.1 負債性証券
「負債性証券」の項目には、償却原価で評価された金融資産、取引不可の固定利付証券が含まれ
る。
2017 年の連結年間勘定がなされた際に、総額 9,840,836 千ユーロが 2017 年第4号以前の会計通達に基
づいて「満期保有金融資産」に分類され、「負債性証券-償却原価で評価した金融資産」の項目で再
表示されることはない。また、このことによる準備金への影響はない。
また、「負債性証券」の項目には、取引不可の金融資産が含まれており、 2012 年末には「顧客信用
-居住者公的機関 」の項目に含まれ、 2013 年中に当公庫から「供給者支払のための融資基金」のため
のシンジケート・ローンに転換された。
一方で、 2013 年後半には、当公庫の業務委員会は 2015 年の ICO 信用枠の事業体により作られた、貸付
金を債券へ転換する転換業務の対象となる条件および業務を規制するため、 2015 年の ICO の仲介貸付枠
契約に関する枠組みに含まれている別紙5の書類を承認した。かかる承認には、転換される与信枠、
金額、利息額、適格な事業体、スケジュールおよび信用機関の報酬額に関する一般的な仕様も含まれ
ている。また、仲介貸付の転換により生じた負債性証券は、「負債性証券」の項目にも記載されてい
る。
連結貸借対照表に記載される 2018 年および 2017 年12月31日現在のかかる項目の相手方別の構成は以
下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
居住者公的機関 7,850,053 9,037,899
居住者信用機関 1,340,473 1,035,759
その他の居住者部門 283,429 4,011
29,928 29,942
その他の非居住者部門
9,503,883 10,107,611
2018 年および 2017 年12月31日現在、満期別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
満期別:
1年以内 1,831,729 1,393,264
1年超2年以内 1,569,088 2,182,043
2年超3年以内 2,003,845 2,179,680
3年超4年以内 3,059,888 2,161,304
4年超5年以内 978,832 2,161,304
60,501 30,015
5年超
9,503,883 10,107,611
2018 年12月31日現在のかかる資産からの利息は年利 0.51 %( 2017 年12月31日現在は 0.60 %)であっ
た。
2018 年および 2017 年における、かかる資産からの利益はそれぞれ 45,590 千ユーロおよび 91,720 千
ユーロであり、連結損益計算書の「利息および類似収益」の欄に計上されている(注記 24を参照のこ
と。)。
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当公庫はこれらの資産について、 299 千ユーロの信用リスク(標準リスク)を補填している( 2017 年
12月31日現在は補填なし。)。
2018 年および 2017 年中に発生した負債性証券の項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高
10,107,611 12,179,395
追加購入 6,475,948 6,063,212
減損損失の変動 (299) -
(7,079,377) (8,134,996)
償却および売上
9,503,883 10,107,611
期末残高
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10.2 信用機関に対する貸付金
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表上の本項の構成は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
内容別:
信用機関への預金 (注記 10.2.1) 1,995,000 2,026,820
仲介貸付 (注記 10.2.2) 9,980,934 13,773,292
486,437 319,988
信用機関へのその他の貸付 (注記 10.2.3)
12,462,371 16,120,100
(減損損失 ) (4,168) (19,205)
(21,724) (23,226)
その他の評価調整額 (*)
12,436,479 16,077,669
(*) 評価調整額は、利息および類似収益の発生額ならびに手数料調整額に相当する。
10.2.1 信用機関における預金
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の「信用機関への預金」項目の満期別の残高の詳細
を表している。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
1,995,000 2,026,820
1年超2年以内 - -
2年超3年以内 - -
3年超4年以内 - -
4年超5年以内 - -
- -
5年超
1,995,000 2,026,820
2018 年中、「信用機関への預金」項目は、年利マイナス 0.25 %( 2017 年中は 0.31 %)の平均利息に
よる収益を得た。 2018 年および 2017 年12月31日現在のかかる預金は、すべて定期預金である。
これらの貸付金について 2018 年および 2017 年に発生した金利はそれぞれ 7,273 千ユーロおよび 1,954
千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれている(注記 24を参照のこ
と。)。
10.2.2 仲介貸付
1993 年2月 26日の閣議決定に従い、中小企業に対する融資を援助するための仲介貸付枠が、当グ
ループの親会社である当公庫に設けられた。かかる仲介貸付枠は、当公庫が様々な信用機関に供与し
た貸付を通じて行われ、当該信用機関が各企業に対する正式な貸付を行った。かかる方針は後年も継
続され 、常にスペインの中小企業に焦点を当てながら、毎年様々な金額および目的に沿った 枠が承認
された。
1997 年12月31日までに付与された仲介貸付に区分される業務において、当公庫は資金を受領する事
業体の最終的な借り手に対する信用リスクの一定割合を引き受ける。それ以降は、 ICO は2009 年から
2012 年の一定の流動性資産枠を除き、最終的な借り手に関する不良債権リスクを引き受けていない。
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2009 年から 2012 年に設けられ、また 2018 年12月31日現在に総エクスポージャー 33百万ユーロ( 2017
年12月31日現在は 156 百万ユーロ )である仲介貸付枠は、中小企業のための、流動性リスクを伴う一定
のICO 信用枠である。かかる枠につき、 ICO は、仲介に失敗した信用機関による全般的および総合的な
リスクを引き受けている。 2009 年および 2010 年に供与されたかかる枠につき、かかるリスクは当該枠
の引当金額の5%を上限とした。一方で、 2011 年および 2012 年に供与された枠については、不動産金
融取引を除く金融機関部門の平均不履行率が最大想定リスクとされている。 2018 年および 2017 年にお
いて、当公庫が引き受けたリスクにつき、新たな枠は承認されていない。
2018 年12月31日現在、当公庫は ICO のリスクに係るすべての仲介貸付枠のために 90,752 千ユーロ
(2017 年12月31日現在は 88,361 千ユーロ)の引当金を設定した(注記 19を参照のこと。)。かかる引
当金は、当初は当該仲介枠により当公庫に対して発生する受取利息を参照できるが、期待された成長
が見られなかった場合は例外的に ICO によって調整される。最終的に認識された引当金がかかる不履行
をカバーするのに不十分な場合、かかる差額は直接 1995 年勅令付法第 12号に基づき設定された RDL ファ
ンドに請求され、 ICO における損失は一切発生しない。
2018 年および 2017 年12月31日現在における仲介貸付残高の満期年限別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
3,652,112 4,884,065
1年超2年以内 2,143,451 3,179,600
2年超3年以内 1,462,990 1,968,496
3年超4年以内 881,817 1,288,504
4年超5年以内 568,285 747,317
1,272,279 1,705,310
5年超
9,980,934 13,773,292
2018 年および 2017 年12月31日現在の仲介貸付の平均年利はそれぞれ 1.32 %および 1.43 %であった。
仲介貸付により生じた利息は 2018 年および 2017 年には、それぞれ 148,773 千ユーロおよび 231,399 千
ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれている(注記 24を参照のこ
と。)。
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10.2.3 信用機関へのその他の貸付
本項目は、信用機関に対する直接貸付取引の残高を含む(仲介貸付なし)。
2018 年および 2017 年12月31日現在のこれらの貸付残高の満期別の詳細は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
89,904 -
1年超2年以内 36,785 24,614
2年超3年以内 110,441 24,614
3年超4年以内 48,808 24,614
4年超5年以内 45,384 24,614
155,115 221,532
5年超
486,437 319,988
2018 年および 2017 年12月31日現在の信用機関に対する貸付の平均年利はそれぞれマイナス 0.25 %お
よび 1.43 %発生した。
これらの貸付金について 2018 年および 2017 年中に発生した金利は、それぞれ 12,085 千ユーロおよび
8,219 千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれる(注記 24を参照のこ
と。)。
本項目には、貸倒リスク(信用リスクおよびカントリー・リスク)として減損損失合計 4,168 千ユー
ロが含まれる( 2017 年12月31日現在は 19,205 千ユーロ)(注記 10を参照のこと。)。
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10.3 顧客向貸付金
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表において、本項目の残高の相手方別の詳細は以
下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
居住者公的機関 2,675,697 3,111,759
非居住者公的機関 110,935 31,213
その他の居住者部門 6,886,746 7,993,874
その他の非居住者部門 920,908 813,264
262,982 266,129
その他の金融資産
10,857,268 12,216,239
(減損損失 ) (847,666) (1,091,050)
51,889 66,194
その他の評価調整額 (*)
10,061,491 11,191,383
(*) 評価調整額は、利息および類似収益ならびに手数料調整額に対応する金額である。
経済利益グループにおける投資の取引帳簿価額( 2018 年12月31日現在では 926 千ユーロおよび 2017 年
12月31日現在では 24,578 千ユーロ)は、当該投資が利益保証型であることを考慮し、「その他の居住
者部門」に含まれている。
これらの機関のマイナスの課税標準が当公庫の課税標準に含まれているため、当該株式の収益率は
会計財務要素を含んでいる。投資に対する最終利益の確定に伴い会計財務利益を調整するために連結
損益計算書の所得税に対して引当金が毎年計上されている(注記 19および注記 23を参照のこと。)。
以下は、上記の相手方別残高のうち、公的に保証されている取引( 2018 年および 2017 年12月31日現
在の「顧客向貸付金」の項目に分類される「その他の居住者部門」および「居住者公的機関」の項目
に含まれる。)を相手方別および商品別に記載したものである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
「居住者公的機関」に含まれる残高:
中央政府に対する貸付 947,393 992,349
地方自治政府に対する貸付 1,728,304 2,119,410
(181,644) (140,245)
評価調整額
2,494,053 2,971,514
「その他の居住者部門」に含まれる残高:
不良資産 25,810 59,962
その他の公共機関に対する貸付 2,222,743 2,465,207
169,975 162,187
国家により保証されているその他の部門に対する貸付
2,418,528 2,687,356
4,912,581 5,658,870
国家により保証されている取引合計
2018 年および 2017 年12月31日現在の「中央政府に対する貸付」(評価額調整は含まない。)の内訳
は以下の通りである。
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(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
国家およびその自治機関に対する貸付
943,181 990,301
4,212 2,048
国庫からの受取勘定
947,393 992,349
「国庫からの受取勘定」は、当公庫が国庫に支払った金額を含み、仲介貸付の金利差を調整するため
の助成金として有効に返戻されていない金額である。これらの金額の残高は額面価格で表示され、利
息は一切付されない。
2018 年および 2017 年における公共部門機関による損益に寄与した利息および類似収益は以下の通り
である(注記 24を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
中央政府
6,032 7,528
地方自治政府 13,980 20,540
20,303 27,782
その他の公共部門機関
40,315 55,850
2018 年および 2017 年12月31日現在、「顧客向貸付金」に分類される貸付元本(評価調整額を含
む。)の満期別詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
満期別:
1年以内 1,531,496 1,503,992
1年超2年以内 1,010,704 998,472
2年超3年以内 1,130,047 1,465,753
3年超4年以内 1,489,899 1,214,130
4年超5年以内 1,104,905 1,594,436
4,642,105 5,505,650
5年超
10,909,156 12,282,433
2018 年および 2017 年12月31日現在の顧客向貸付金の平均年利はそれぞれ 1.39 %および 1.46 %発生し
た。
2018 年12月31日現在、当公庫の損益計算書には、「貸付および受取債権」の項目に含まれる資産の
償却から生じる金融取引につき損益は計上されなかった( 2017 年12月31日現在も計上されなかっ
た。)(注記 29を参照のこと。)。
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注記 11 デリバティブヘッジ
添付の連結貸借対照表のこの項目には、注記 2.3 記載の説明に従った公正価額でのヘッジ商品が計上
されている。
契約済みのデリバティブ取引およびヘッジ項目は、基本的には以下の通りである。
-主にグループが発行する Euribor 以外のレートで計算される金融商品をヘッジする金利スワップ
-複数の金融商品に関連する公正価額とキャッシュフローの変動をカバーする為替ヘッジ
デリバティブの公正価額を決定するために使用する評価方法は、金利デリバティブや為替リスク・
デリバティブを評価する割引キャッシュフロー法である。
2018 年および 2017 年12月31日現在「デリバティブヘッジ」の項目に記載されている金融デリバティ
ブの名目価値および公正価額は、相手方別およびリスク別(すべて非組織店頭市場において契約され
た。)で以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
名目価値 資 産 負 債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
ヘッジ別:
公正価額ヘッジ 7,296,142 11,895,726 460,472 507,542 123,514 171,650
キャッシュフロー・ヘッ
2,992,279 4,478,702 25,383 9,603 130,291 191,842
ジ
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
商品別:
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
スワップ
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
相手方別:
信用機関 10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
その他の信用機関 - - - - - -
- - - - - -
その他の部門
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
リスク別:
為替リスク 5,551,535 8,510,605 263,298 226,224 152,389 277,773
4,736,886 7,863,823 222,558 290,921 101,416 85,719
金利リスク
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
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2018 年および 2017 年12月31日現在、注記 2.2.3 で規定されるレベルに基づき公正価額で評価されるデ
リバティブヘッジの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
資産デリバティブ
- 485,855 - - 517,145 -
- 253,805 - - 363,492 -
負債デリバティブ
これらの項目の公正価額は、 2018 年および 2017 年を 100 %として計算されており、貨幣のインプリ
シット・カーブを参照している。
2013 年1月1日付で IFRS 第13号が効力発生したことにより、当公庫は相手方および当公庫によるデ
リバティブ金融商品評価額、リスク評価調整額を含んでいる(注記7および注記 30を参照のこ
と。)。
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注記 12 合弁企業および関連企業への投資
2018 年および 2017 年中の連結貸借対照表における本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
関連企業
57,750
2017 年1月1日現在残高
追加額
-
引出額 -
その他の変動 1,110
-
減損
58,860
2017 年12月31日現在残高
追加額
2,422
引出額 -
その他の変動 (424)
-
減損
60,858
2018 年12月31日現在残高
2018 年および 2017 年12月31日現在の株式に係る情報は、別紙Ⅰに記載されている。
本項目の「その他の変動」は、連結調整を含んでいる。 2018 年において、当グループの被投資会社
の一つにおける株式が増加した。
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注記 13 有形固定資産
2018 年および 2017 年の有形固定資産の変動およびこれに関連する累積償却額は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
設備、車両
自己使用の建物 不動産投資 合計
その他の固定資産
費用
113,980 15,838 - 129,818
2018 年1月1日現在の残高
追加額
91 132 - 223
- - - -
処分額その他の償却額
2018 年12月31日現在の残高 114,071 15,970 - 130,041
累積償却額
31,374 7,816 - 39,190
2018 年1月1日現在の残高
割当
1,773 318 2,091
- - - -
移転額その他の変動額
2018 年12月31日現在の残高 33,147 8,134 - 41,281
減損損失
- 651 - 651
2018 年12月31日現在
有形固定資産純額
80,924 7,185 - 88,109
2018 年12月31日現在の残高
費用
113,785 15,723 - 129,508
2017 年1月1日現在の残高
追加額
195 188 383
- (73) - (73)
処分額その他の償却額
2017 年12月31日現在の残高 113,980 15,838 - 129,818
累積償却額
29,413 7,349 - 36,762
2017 年1月1日現在の残高
割当
1,961 540 2,501
(73) - (73)
移転額その他の変動額
2017 年12月31日現在の残高 31,374 7,816 - 39,190
減損損失
- 651 - 651
2017 年12月31日現在
有形固定資産純額
82,606 7,371 - 89,977
2017 年12月31日現在の残高
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2018 年12月31日現在、総額約 16,912 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 16,460 千ユーロ)で全額償却
された自己使用目的の有形固定資産があった。
当グループの親会社である当公庫の方針に従い、すべての有形固定資産は 2018 年および 2017 年12月
31日現在、保険が付保されている。
2004 年スペイン中央銀行通達第4号の暫定規則第1、 B)6項によれば、有形固定資産の公正価額に
よる評価が認められている。この評価調整を実行するため、当グループは運用資産について関連する
評価を実施し、それにより当グループの有形固定資産の価値は 53,106 千ユーロ増加した。租税効果控
除後のこれらのキャピタルゲインに対し再評価準備金が設定された。再評価された簿価はその時点で
帰属費用として充当される。
2018 年12月31日現在、再評価準備金は 23,591 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 23,591 千ユーロ)で
あった(注記 20を参照のこと。)。
下記の表は 2018 年および 2017 年12月31日現在の当グループの一部の有形固定資産の公正価額を当時
の簿価とともに区分毎に表したものである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
簿価 公正価額 簿価 公正価額
自己使用目的の有形固定資産
88,109 113,981 89,977 114,167
建造物 80,924 106,796 82,606 106,796
その他 7,185 7,185 7,371 7,371
不動産投資 - - - -
- - - -
建設中不動産
上記の有形固定資産の公正価額は、下記に従って見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格査定人による評価の更新がされなかった資産については、事業体に
より類似した資産の価格傾向の市場データに基づき公正価額が見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格査定人による評価の更新がなされた資産については、 2003 年省令第
805 号の評価方法に従い公正価額が見積もられた。
すべての自己使用目的不動産は、 2018 年および 2017 年12月31日付で、承認された鑑定人であるスペ
イン中央銀行により比較方法を用いて評価された。
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注記 14 無形資産
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における無形資産は、もっぱら「その他の無形
資産」の項目に分類される。
(単位:千ユーロ)
推定耐用年数
2018 年 2017 年
耐用年数 (無期限 )
- - -
41,971 39,942
耐用年数 (期限付 ) 3年から 10年
41,971 39,942
総計
内訳:
内部開発 3年 36,597 32,162
その他 10年 5,374 7,780
累積償却額 (32,829) (29,861)
(2,137) (2,137)
減損損失
7,005 7,944
2018 年および 2017 年12月31日現在のすべての無形資産はコンピューターのソフトウェアに関連する
ものである。 2018 年12月31日現在の全額償却された無形資産は 26,574 千ユーロ( 2017 年12月31日現在
は24,208 千ユーロであった。)。
注記 15 税金資産および 税金負債
2018 年および 2017 年12月31日現在の税金資産および負債の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
当期税金: 2,985 130,193 957 935
法人税 (注記 23)
2,737 130,170 - -
VAT 248 23 33 77
個人所得税 (源泉 ) - - 462 440
- - 462 418
社会保障負担
繰延税金: 98,001 134,319 22,897 14,512
信用供与、貸付および割引
66,529 79,648 - -
に係る減損損失
キャッシュフロー・ヘッジの
31,472 54,671 - -
評価 (注記 21)
資産の再評価 - - 15,932 15,932
売却目的保有の金融資産の再評価
- - 6,965 (1,420 )
(注記 21)
100,986 264,512 23,854 15,447
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2018 年および 2017 年の繰延税金資産および負債の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
期首残高 134,319 95,375 14,512 65,960
信用供与、貸付および割引に係る
(13,119) (15,727) - -
減損損失
キャッシュフロー・ヘッジ評価額
(23,199) 54,671 - (50,205)
(注記 21)
資産の再評価 - - - -
売却目的保有の金融資産の再評価
- - 8,385 (1,243)
(注記 21)
98,001 134,319 22,897 14,512
期末残高
注記 16 その他の資産および負債
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
その他の資産
2018 年 2017 年
その他の資産
3,346 7,828
31,519 30,224
付加利子
34,865 38,052
「付加利 子」の項目には、供給者支払のための融資基金、自治区流動性基金および自治体向け融資
基金の業務管理についての当グループの親会社である当公庫の受取手数料およびその他が含まれてい
る(注記 1.1 を参照のこと。)。 2018 年において、 ICO の受取手数料総額は年間 25百万ユーロ( 2017 年
12月31日現在も 25百万ユーロ)であり、これらの金額は損益計算書の「手数料収入」にも計上されて
いる(注記 28を参照のこと。)。
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表の「その他の負債」の項目の残高は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
その他の負債
2018 年 2017 年
その他の負債
1,445 1,432
4,926 2,687
付加利子
6,371 4,119
本項目「その他の負債」は、基本的に、今は存在しないアルヘンタリアからの資産および負債の譲
受に関連する当グループによる様々な支払義務に対応する(注記 1.4 を参照のこと。)。
「付加利 子」の項目には、「 2018 年ラペル仲介融資枠」の 1,500 千ユーロ( 2017 年は 750 千ユーロ)
に基づき信用機関に支払われる未収の受取手数料が含まれている。
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注記 17 売却目的保有の非流動資産
「売却目的保有の非流動資産」の総額は、担保権実行資産を含む。 2018 年12月31日現在および 2017
年12月31日現在本項目に記載されている担保権実行資産のうち、不動産開発およびその他の不動産開
発事業に関連した資金調達に起因するものはない。
2018 年および 2017 年の貸借対照表に記載される本項目の残高の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
費用 減損 合計
72,890 (72,890 ) -
2017 年1月1日現在残高
追加額
22 - 22
引出額/使用額 (469 ) 469 -
- - -
移転額
72,443 (72,421 ) 22
2017 年12月31日現在残高
追加額
125 (147) (22)
引出額/使用額 (245 ) 245 -
-
移転額
72,323 (72,323 ) -
2018 年12月31日現在残高
「売却目的保有の非流動資産」の金額は、 2018 年および 2017 年12月31日現在に完全に引当金を計上
した単一の資産 48,678 千ユーロと対応する。
2018 年において、当公庫の売却目的保有の非流動資産の売却益はなかった( 2017 年は 182 千ユーロの
利益)。
当公庫の取締役会はこれらの資産に対して投資の引上げ計画を毎年承認している。
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の規則 60記載の通り、売却目的保有の非流動資産は、居住用、
産業用および商業用別に、都市部における土地および都市化から分断された未開地ならびに建物と幅
広く分類される。以下の表は、評価会社、資産評価の方法および会社/代理店の評価額が示されてい
る。
産業用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
2,296
GESVALT 費用および比較
2,296
居住用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
109 JUDICIAL 比較
358 TASVALOR 比較
ALIA TASACIONES
131 費用および比較
GRUPO TASVALOR
239 費用および 比較
ALIA TASACIONES
3 動的残余
11 TASVALOR 静的残余
287
JUDICIAL その他
1,138
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第三次利用建造物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
75 比較
GRUPO TASVALOR
811 費用および比較
ALIA TASACIONES
6 費用および比較
5,131 EUROVAL 費用
GRUPO TASVALOR
90 費用
44 GRUPO TASVALOR
動的残余
6,157
未開地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
ALIA TASACIONES
51 比較
GRUPO TASVALOR
98 比較
GRUPO TASVALOR
27 費用および比較
GRUPO TASVALOR
83 賃貸料の更新
GRUPO TASVALOR
8 その他
8
JUDICIAL その他
275
都市部における土地および開発可能用地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
862 比較
218 EUROVAL 動的残余
31 GESVALT 動的残余
GRUPO TASVALOR
9,171 動的残余
ALIA TASACIONES
1 動的残余
ALIA TASACIONES
3 静的残余
GRUPO TASVALOR
20 静的残余
50 GRUPO TASVALOR
その他
10,356
合計 20,222
注記 18 償却原価 で評価した 金融負債
連結貸借対照表の本項目の残高を構成する項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
信用機関への預金 (注記 18.1) 9,447,789 11,495,137
顧客による預金 (注記 18.2) 988,040 848,733
発行済債券 (注記 18.3) 19,147,495 22,845,774
711,847 857,380
その他の金融負債 (注記 18.4)
30,295,171 36,047 ,024
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18.1 信用機関への 預金
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
種類別:
欧州投資銀行からの借入金 8,196,933 10,081,159
銀行間借入金 152,200 186,000
その他の信用機関からの借入金 1,025,509 1,164,578
73,147 63,400
評価調整額-付加利子
9,447,789 11,495 ,137
銀行間預金は、 2018 年および 2017 年12月31日現在から起算して1年未満以内にそれぞれ期限が到来
する。
欧州投資銀行からの借入金の最終償還期限は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
1,819,950 1,572,052
1年超2年以内 1,857,299 2,029,155
2年超3年以内 1,814,061 1,967,323
3年超4年以内 1,177,833 1,882,750
4年超5年以内 583,326 1,246,522
944,464 1,383,357
5年超
8,196,933 10,081 ,159
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「その他の信用機関からの借入金」の償還期限の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
193,395 104,750
1年超2年以内 186,616 186,000
2年超3年以内 339,168 204,750
3年超4年以内 140,783 234,750
4年超5年以内 48,912 76,750
116,635 357,578
5年超
1,025,509 1,164 ,578
18.2 顧客 による 預金
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
公的機関 917,067 804,913
その他の居住者部門 (1) 70,534 43,471
その他の非居住者部門 -
439 349
評価調整額 -付加利子
988,040 848 ,733
(1) うち、 2018 年および 2017 年12月31日現在、 66,403 千ユーロおよび 50,286 千ユーロはそれぞれ要求払預金であった。
2018 年および 2017 年12月31日現在、「公的機関」の項目に記載された残高の種類別の詳細は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相互金利調整契約 (C.A.R.I.)
2,920 6,756
914,147 798,157
公的機関の経常勘定およびその他の項目
917,067 804,913
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18.3 発行済債券
2018 年および 2017 年12月31日現在の本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
発行済債券
18,724,473 22,124,860
423,022 720,914
評価調整額 (*)
19,147,495 22,845,774
(*) ヘッジ会計に対する取引費用および価格調整を含む。
2018 年および 2017 年中の本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 22,124,860 26,109 ,430
発行数
37,621,464 27,509 ,063
減価償却費 (41,277,094) (31,023,445 )
255,243 (470,188)
為替差損益
期末残高 18,724,473 22,124,860
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の未払発行済債券の主な特徴を、通貨、利率および
最終償還期日で示したものである。
発行数 (単位:千ユーロ)
通貨 償還期日 年利率
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
ノルウェー・
3 3 2021 年 4.28 %- 5.36 % 119,668 120 ,981
クローネ
1 1 カナダ・ドル 2020 年 4.53 %- 5.00 % 160,205 166 ,234
37 43 米ドル 2020 年 複数 4,904,683 5,536 ,911
65 78 ユーロ 2026 年 複数 13,065,734 15,465 ,264
2 3 スイス・フラン 2024 年 2%- 3.25 % 266,195 358 ,892
1 1 豪ドル 2019 年 1.95 % 58,237 324 ,237
スウェーデン・
1 1 2022 年 0.963 % 48,758 50,793
クローネ
100,993 101,548
3 4 円 2030 年 0.52 %- 2.9 %
18,724,473 22,124,860
各発行の内容は、当グループの親会社である当公庫公式サイト( www.ico.es )の「投資-発行債券
情報」のページで参照することができる。
2018 年にユーロ建ておよびその他通貨建ての債券の金融費用の総額は損益計算書の「利息および類
似費用」の項目に計上されており、金額は 660,524 千ユーロであり、その平均年利は 3.48 %(会計ヘッ
ジを考慮すると 1.49 %)であった。 2017 年の金融費用は 876,354 千ユーロであり、その平均年利は
4.03 %(会計ヘッジを考慮すると 2.05 %)であった(注記 25を参照のこと。)。
2018 年現在、一定の償却原価で評価した金融負債( ICO により発行された債券)の買戻しの結果とし
て、 941 千ユーロの純営業損失が計上された(かかる金額は、かかる排出を補填するために買戻しに関
連したデリバティブの消却の結果を含む。)。 2017 年に同様の概念で計上された損失は、 8,766 千ユー
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ロであり、これは「公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益」に計上されている
(注記 29を参照のこと。)。
18.4 その他の金融負債
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
国庫準備金
444,479 586,853
267,368 270,527
その他
711,847 857,380
「国庫準備金」には、当グループが受領し、各項目に適用される条件に従い返済する資金が含まれ
る。これらの各資金に関連する与信枠の詳細については、当公庫のウェブサイト( www.ico.es )を参
照のこと。
最も重要な与信枠に関連する資金は以下のものである。
-「 Línea FOMIT 」- Renove Turisumo (FOMIT -観光与信枠):かかる与信枠は、インフラおよび観
光地の修復および近代化を目指す金融計画への資金援助を提供する。
-「 Línea Avanza 」:かかる与信枠は、 ICO とともに、市民および企業による新情報技術(ブロード
バンドおよびそれに必要な技術的サポート)の利用のための支援および資金を供給する。かかる
対象に応じて、 TIC 向貸付金(中小企業)、若者および大学生向貸付金(特定グループ)ならびに
デジタル顧客向貸付金(一般的な市民)が実施される。
-「 Línea Préstamos Renta Universidad 」:かかる与信枠は、 2011 年から 2012 年までの博士号また
は修士号の大学院過程における将来所得を保証する。
-「 Línea Futur E」:かかる与信枠は、エネルギーの合理的使用、再生可能エネルギーの使用、水
の使用量の削減および廃棄物管理の観点に立ちスペインにおけるツーリズムの基盤を固めるた
め、持続可能な観光を支えるためのプロジェクトに対する動機を提供し、持続可能性および環境
へ配慮からの観点から現在のツーリズムを再構築する手助けをし、環境および持続的発展に関連
した要素に着眼するものである。
ICO による市場資金調達を通して資金供給される他の当グループの仲介枠とは異なり、これらの業務
に指定された財政資金は、関連省庁の代理で当公庫が開設した勘定に、国家より直接資金供給され
る。これらの資金残高は、(上記与信枠の残高を反映する。)関連する経常収支の金額および残高が
与信枠供給のために当公庫が受領する金額と常に同額であるために、「 貸付および受取債権」 (純
額、未償却)としても記載される公式の取引により供給される金額と常に一致する。
2018 年および 2017 年12月31日現在のこれらの資金の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
FOMIT -Renove Turismo
169,545 205,200
Avanza 439 30,085
Préstamos Renta Universidad
142,325 142,355
Futur E
43,334 41,847
88,836 167,366
その他
444,479 586 ,853
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「その他」の項目には、 ICO および ERDF からの資金を含む中小企業および自営業に対する特定の仲介
貸付枠への融資のための ICO ・イノベーション・ファンド 2013-2015 年の設立に相当する金額( 2018 年
および 2017 年12月31日現在において 248,607 千ユーロ)が含まれる。
2013 年12月、 I+D+I のための FEDER 運営プログラムは、 C 決定( 2007 )6316 を通じて、テクノロジカ
ル・ファンド 2013-2016 年による企業の利益のために承認された。財務・行政省の共有資金総局は、ス
ペインにおける当該プログラムの管理に指名されている公的機関である。当該プログラムは、資金の
一部を管理するため、「 ICO ・イノベーション・テクノロジカル・ファンド 2013-2016 年」を含む金融
商品を利用する可能性を含む。当該金融商品「 ICO ・イノベーション・テクノロジカル・ファンド
2013-2016 年」により、革新的企業に対する融資へのアクセスの促進を目的とする構造基金( ERDF )と
の協調融資が開始される。
注記 19 引当金
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
年金および年金類似債務引当金
919 423
偶発リスクおよび 不確定約定額の 引当金 1,442 1,197
277,834 303,045
その他の引当金
280,195 304,665
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2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における「その他の引当金」の項目の内訳は以
下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1995 年勅令法第 12号に基づく基金
175,583 177,926
流動性特別貸付金にかかる引当金(注記 10.2.2 ) 90,752 88,361
BBVA からの回収額のための資金 284 357
プレステージ船事故補償資金 9,031 10,980
AIE の株式損益補償のための資金(注記 10.3 ) 890 14,401
偶発債務積立資金 - 10,000
1,294 1,020
その他の資金
277,834 303,045
1995 年勅令法第 12号
1995 年12月28日勅令法第 12号( 1995 年12月30日の官報( BOE )に掲載され、 1996 年1月1日より効力
が生じる。)は、信用機関に関して現在有効な規則に従い、閣僚会議決議( 1987 年12月11日)のセク
ション 4.1 で言及される国家借入金から得られる資金を充当することにより、注記1に記載する業務か
ら将来履行が疑わしいまたは貸倒れの発生する可能性のある貸付金に関し、引当金に繰入れるため
に、スペイン開発金融公庫が最大で総額 150,253 千ユーロのファンドを設定することを規定した。租
税、行政および社会秩序措置に関する 1997 年12月30日法律第 66号追加条項第4条は、これらの規則の
適用にかかわらず、一般国家予算における特定の補償を受けないことを条件として、閣僚会議または
CDGAE が、通常の業務において発生する債務不履行に、 1995 年勅令法第 12号に基づき設定される特別引
当金ファンドを充当する権限を ICO に付与することを規定した。当該ファンドは、「その他の引当金」
の項目で 1996 年に設立された。
取引条件に基づき当該ファンドへの充当を要するこれらの貸付金および取引は、当該ファンドの費
用の形で計上されている。したがって、当公庫の損益計算書に影響はない。
当該ファンドで補填される貸付金は、同ファンドによりすでに引当が行われているため、一般およ
び特別貸倒引当金の計算には算入されない。
前段落で記載される通り、当該ファンドは、初回の割当に加え、スペイン開発金融公庫が得た利益
や国による損失の引受や補填の実行または承認による利益から、または信用に影響を与える適切な制
度取引を通しての、将来の割当をも期して設定されている。同様に、当該ファンドは、引当金が計上
されているかまたは不履行が宣言され、当該ファンドに対して請求される借入金から得られる回収額
(2018 年は 3,084 千ユーロ、 2017 年は 7,724 千ユーロであった。)ならびに当該ファンドに割り当てら
れる資金の運用からの収益( 2018 年はマイナス 468 千ユーロ、 2017 年はマイナス 164 千ユーロであっ
た。)で設定されている。
一般国家予算に関する 1996 年12月30日法律第 12号の規定に従い、 1997 年に追加の 150,253 千ユーロが
一般国家借入金を充当することにより当該ファンドに割り当てられた。
2004 年、総額 249,500 千ユーロの割当が 2004 年7月 30日の閣僚会議決議に従って ICO に付与された国
家借入金に対して充当された。
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の引当金」の項目に計上された資
金の 2018 年および 2017 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
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107,428
2017 年1月1日現在の残高
利息の資本組入れ
(164)
国による拠出金 3,466
2016 年の ICO による使用結果 62,000
貸付金の回収 (元本および利息 ) 9,724
(4,528 )
使用額
2017 年12月31日現在の残高 177,926
利息の資本組入れ
(468)
国による拠出金 -
2017 年の ICO による使用結果 -
貸付金の回収 (元本および利息 ) 3,084
(4,959)
使用額
175,583
2018 年12月31日現在の残高
2017 年においては、 2016 年に ICO によって分配された純利益の一部として、特別拠出金 62,000 千ユー
ロが計上された。
BBVA からの回収額のための資金
当グループの親会社である当公庫は、「 BBVA からの回収額のための資金」の項目に関し、 2001 年と
2002 年に租税、行政および社会秩序措置に関する 2001 年12月27日法律第 24号追加条項第 11条を適用し
た。これにより、旧政府金融機関が付与し、政府が保証した一定の貸付および保証によって国が当公
庫に対して負担することとなった金額を消却するために当公庫の株式の一部を割り当てた。
しかし、 ICO は、この消却処理による影響を受けた業務管理によりかかる貸付に関する回収金を引続
き受領することとなったが、慎重な会計原則に従い、当該回収金は通常、損益計算書の利益として認
識されない。利益として計上されたものについては、関連する負債の引当金が、 2018 年および 2017 年
12月31日現在でそれぞれ 284 千ユーロおよび 357 千ユーロ計上され、 2001 年法律第 24号追加条項第 10.1
項( 2006 年法律第 42号による修正に従う。)に従い資本に組み入れられる。
プレステージ船事故補償資金
プレステージ船事故補償資金は、 2002 年11月22日勅令第7号に基づいており、かかる特別引当金
ファンドに従い、プレステージ船事故補償貸付金による不良債権額に、 1995 年勅令法第 12号に基づく
特別引当金ファンドを充当する権限を与えるものである。
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AIE の株式損益補償のための資金
AIE の株式損益補償のための資金の項目には、経済利益グループを介して行われた取引による利益を
運用成績に対して調整する引当金が含まれる(注記 10.3 を参照のこと。)。この引当金は、利益勘定
の法人税の項目として認識され、 2018 年および 2017 年において、それぞれ 7,848 千ユーロおよび 1,876
千ユーロとなった(注記 23を参照のこと。)。
2018 年において、日程表に従った AIE の解散に対し、関連する投資を除外するための総額 14,401 千
ユーロの適用が行われた( 2017 年においては、適用は行なわれていない。)。
偶発債務積立資金
この項目は、 2010 年に設定され、 2018 年12月31日現在の一般偶発債務(オペレーショナル・リスク
を含む。)に対する一般引当金の残高はなかった( 2017 年12月31日現在は 10,000 千ユーロであっ
た。)。 2017 年12月31日現在の残高は、貸出準備金によるものであった(注記 20を参照のこと。)。
本項目の引当金の 2018 年および 2017 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
年金および年 リスクおよび
その他の
税金引当金 金類似債務の 不確定約定額の 合計
引当金
基金 引当金
2017 年1月1日現在の
- 365 14 238,881 239,260
残高
割当 (純額 )(1)
- 58 1,183 4,948 6,189
回収 - - - (10,034 ) (10,034 )
資金の使用 - - - (622 ) (622 )
移転およびその他の変動 (2) - - - 69,872 69,872
- - - - -
為替差損益
2017 年12月31日現在の
- 423 1,197 303,045 304,665
残高
割当 (純額 )(1)
- 496 2,198 2,694
回収 - - (104) (104)
資金の使用 - - (18,183) (18,183)
2017 年通達第4号の初回適
- - 349 - 349
用
移転およびその他の変動 (2) - - - (9,226) (9,226)
- - - - -
為替差損益
2018 年12月31日現在の
- 919 1,442 277,834 280,195
残高
(1) 2018 年の利益および損失の純額には、当該ファンド自身の報酬に関して発生する利息の資本組入れのための特別引
当金ファンド( 1995 年勅令法第 12号に基づく基金)への支払に関連して、 468 千ユーロ( 2017 年は 164 千ユーロ)が
含まれる。また、 1,412 千ユーロ( 2017 年は 4,509 千ユーロ)に上る ICO のリスク(注記 10.2.2 を参照のこと。)に
伴う ICO の流動性枠のための引当金も含む。 2018 年において偶発債務積立資金の変動はなかった( 2017 年12月31日
現在の 10,000 千ユーロの回収)。
(2) 2018 年12月31日現在の移転およびその他の変動は、主に AIE の株式損益補償のための資金( 7,848 千ユーロ)(注記
23を参照のこと。)および 10,000 千ユーロの貸出準備金を伴う偶発債務の回収のための資金(注記 20を参照のこ
と。)に関連している。 2017 年12月31日現在の本項目は、 AIE における投資からの利益報酬に対するファンドの法
人税費用の回収( 1,876 千ユーロ)(注記 23を参照のこと。)および 2016 年の利益分配の一部である 62,000 千ユー
ロの 1995 年勅令付法第 12号に基づくファンドへの拠出金を主に含んでいる。
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注記 20 資本
連結貸借対照表の「資本」の項目の 2018 年および 2017 年の期首および期末の簿価の調整は以下の通
りである。
(単位:千ユーロ)
その他の
資本 再評価準備金 損益 合計
準備金
4,312,585 23,591 927,248 317,019 5,580,443
2017 年1月1日現在の残高
利益の分配
- - 69,019 (317,019 ) (248,000)
その他の準備金の変動 - - (152) - (152)
当期損益 - - - 103,100 103,100
482 - - - 482
その他の変動
4,313,067 23,591 996,115 103,100 5,435,873
2017 年12月31日現在の残高
利益の分配
- - 41,946 (103,100) (61,154)
その他の準備金の変動 - - (105,118) (105,118)
当期損益 - - 75,671 75,671
677 - (2,003) (1,326)
その他の変動
4,313,744 23,591 930,940 75,671 5,343,946
2018 年12月31日現在の残高
2018 年の当グループの損益の分配は、 61,154 千ユーロとなった( 2017 年は 248,000 千ユーロであり、
このうち 62,000 千ユーロは、 1995 年勅令法第 12号に基づくファンドへの割当てとして計上された。)
(注記 19を参照のこと。)。
2018 年の「その他の準備金の変動」の項目は、とりわけ以下の事項に対する 2017 年スペイン中央銀
行通達第4号の初回適用による影響を含む。
-2017 年スペイン中央銀行通達第4号の初回適用による持分証券の再分類( その他の 包括利益を通
じて公正価額で評価した金融資産から損益を通じて公正価額で評価した金融資産への再分類)
(注記9を参照のこと。)に対する 7,192 千ユーロの準備金への貸付
-2017 年スペイン中央銀行通達第4号の初回適用による(注記 10および注記 19を参照のこと。)信
用リスクの引当金残高(注記 10および注記 19を参照のこと。)の調整としての、マイナス 122,310
千ユーロの準備金の計上
-2017 年に割り当てられた偶発債務に対する引当金残高の使用額(注記 19を参照のこと。)とす
る、 10,000 千ユーロの通常準備金への貸付
2001 年12月27日法律第 24号に基づき、「その他の変動」は、 2018 年の 677 千ユーロ( 2017 年は 482 千
ユーロ)の資本への年間拠出額を主に含んでいる。当該法律の追加条項第 11条に従い、旧政府金融機
関および当公庫によって供与された、一定の貸付および保証の結果、 ICO とともに国家が負担する債務
の取消により回復した当該資金は、当公庫の資本の一部となる。
20.1 完全または比例連結企業における準備金
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における「資本-準備金-累積準備金」の項目
における残高の連結企業別の内訳は以下の通りである。そのうち一部は、連結時に発生し、再評価準
備金を除く、連結財務書類において完全または比例連結企業別の残高である。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
AXIS パルティシパシオネス・エムプレサリアレス S.A.
8,236 8,305
908,349 996 ,289
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916,585 1,004,594
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20.2 持分法適用会社における準備金
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表における「資本-準備金-持分法適用会社の準
備金」の項目における残高の連結企業別の内訳は以下の通りである。そのうち一部は、連結時に発生
し、連結財務書類において持分法適用会社別の残高である。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
コンパーニャ・エスパニョーラ・デ・フィナンシアシ
16,641 15,120
オン・デル・デサロージョ S.A.(COFIDES)
コンパーニャ・エスパニョーラ・デ・レアフィアン
(2,311) (44)
ツァミエント S.A.(CERSA)
25 36
その他の企業
14,355 15,112
注記 21 その他の累積包括利益(評価調整額)
本項目の総額および租税効果の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
租税効果 租税効果
総額 純額 総額 純額
(注記 15) (注記 15)
その他の包括利益を通じて
公正価額で評価した金融資
23,219 (6,966) 16,253 (4,733) 1,420 (3,313)
産(注記9 )
資産および負債のキャッ
(104,907) 31,472 (73,435) (182,239) 54,672 (127,567)
シュフロー・ヘッジ
(81,688) 24,506 (57,182) (186,972) 56,092 (130,880)
合計
本項目の残高は、連結貸借対照表における「その他の包括利益 を通じて 公正価額で評価した金融資
産」および「評価額-キャッシュフロー・ヘッジ・デリバティブ」の勘定に関連するものである。一
つ目の勘定では、注記 2.2.4 に従い、当グループの資本の一部に含まなければならない、売却可能と分
類される資産の公正価額の変動額(純額)を計上する。二つ目の勘定では、キャッシュフロー・ヘッ
ジ商品の公正価額の変動額(純額)を計上する。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 (130,880) 116,733
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
16,177 (2,901)
資産の公正価額の変動 (注記9 )
損益を通じて公正価額で評価した金融資産への再分
3,594 -
類
53,927 (244,712)
キャッシュフロー・ヘッジ
(57,182) (130,880)
期末残高
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注記 22 付与された保証および不確定約定額
貸借対照表上の本項目は、通常の業務における約定額(付与された保証)および第三者が使用可能
な額(不確定約定額)に応じて、支払義務を負う第三者が支払わなかった場合、当該第三者に代わり
当グループが支払うべき金額を記載している。
以下は 2018 年および 2017 年12月31日現在の本項目の内訳である。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
付与された保証
475,124 605,138
金融保証
475,124 605,138
付与された不確定約定額
第三者向け :
信用機関 513 260,434
公的機関部門 2,000,198 2,122,178
その他の居住者部門 349,694 640,621
非居住者部門 268,656 193,495
その他の不確定約定額 89,502 -
504,000 9,193
引受済未払支出額 :
3,212,563 3,225,921
3,687,687 3,831,059
保証商品(保証およびその他の担保)からの収益は、連結損益計算書の「受取手数料」の項目に計
上され、契約で定められた利率を保証の額面価額に適用することによって算出される。
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注記 23 租税
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表の「税金負債」の項目には、当公庫に適用され
る税金に関する負債が含まれている。
予算、租税、財政および雇用に係る緊急措置に関する 1993 年2月 26日勅令法第3号の規定に従い、
当グループの親会社である当公庫は 1993 年から 1996 年まで法人税の支払を免除されていた。当公庫
は、法人税に関する 1995 年12月27日法律第 43号暫定条項第 13条に従い、 1997 年および 1998 年に関して
も同税を免除され、 1999 年からは一般法人税が課税されている。
法人税上の課税標準に対する 2018 年および 2017 年の当グループの親会社としての当公庫の会計利益
の調整は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
税引前簿価利益
112,907 145,987
永久差異
支払外国税 478 581
帰属不能な会計利益 /費用 5,102 6,031
被投資会社により生じる税務上の欠損金の繰越 41,259 2,106
- -
過年度からの損金算入
159,746 154,705
一時差異:
減損および控除不能引当金 28,237 8,056
(71,964) (60,478)
他年度発生一時差異の反転
(43,727) (52,422)
過年度の税務評価の補償 (16,691) (25,571)
99,328 76,712
税務評価
税金総額 (30 %)
29,798 23,014
控除および引当金 (379) (1,380)
(32,156) (33,219)
源泉徴収税および中間納付
(2,737) (11,585)
支払税額 (注記 16)
法人税
47,544 45,940
為替差損益調整額 -
(7,848) (1,876)
その他の調整額 (注記 19)
39,696 44,064
法人税費用
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当該年度において、当グループの親会社である ICO が様々な割合で出資している経済利益グループか
らの欠損金が組み込まれた( 2018 年12月現在で 41,259 千ユーロ( 2017 年12月現在で 2,106 千ユー
ロ))。欠損金は、各グループ会社が提供した情報に基づき割り当てられた。これらの項目は、経済
利益グループの貸借対照表の期末と同年度に認識されることになっている。
2015 年からの 16,691 千ユーロの相殺可能な税務上の欠損金は、 2018 年に相殺された。 2017 年には、
25,571 千ユーロの当公庫の税務上の欠損金が相殺された。
2018 年および 2017 年に適用された税制優遇措置の控除はなかった。国際二重課税(支払税額)の控
除額はそれぞれ 379 千ユーロおよび 472 千ユーロに上った。 2018 年度末現在、国際二重課税に対する控
除はない。
特別事由による固定資産の減価償却方法に変更はなかった。
当公庫の確定申告およびその他の税金債務は、直近4年間税務当局による閲覧が可能である。
基本的に法人税の免除期間後に新たに発生する法人税負債に関し、一定の取引に適用される税規則
の解釈によっては一定の偶発税金負債が存在する場合がある。ただし、当公庫の税務担当者の判断で
は、かかる負債が発生する可能性は少なく、いかなる場合においてもこれにより生じる税金債務が添
付の年次財務書類を大幅に影響することはないものと見込まれる。
注記 24 利息および類似収益
構成する項目に基づく 2018 年および 2017 年の利息および類似収益の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
8,189 39,163
融資産
償却原価で評価した金融資産 373,639 480,378
デリバティブ、ヘッジ会計 (11,634) (10,040)
その他の資産 820 134
25,920 12,955
負債からの利息および類似収益
396,934 522,590
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注記 25 利息および類似費用
2018 年および 2017 年の損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
償却原価で評価した金融負債
798,172 1,004,826
デリバティブ、ヘッジ会計 (323,553) (418,396)
その他の負債 - 10
18,833 5,257
資産からの利息および類似費用
493,452 591,697
注記 26 配当金収益
本概念による収益はすべて変動収益ポートフォリオに対応しており、 2018 年における当該収益は存
在しない( 2017 年は 173 千ユーロ)。
注記 27 持分法適用会社の損益
連結損益計算書の本項目に含まれた持分法適用会社利益の合計額は、 2018 年および 2017 年において
それぞれ 1,915 千ユーロおよび 1,245 千ユーロに上昇した。別紙Ⅰには、株式ついての詳細ならびに
2018 年および 2017 年12月31日現在の最も関連性の高いデータが含まれている。
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注記 28 受取手数料および支払手数料
連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
受取手数料
偶発リスク 1,599 1,665
受取可能手数料 2,608 6,620
53,116 48,209
その他の手数料
57,323 56,494
支払手数料
署名リスク (678) (1,612)
(8,168) (1,776)
その他の手数料
(8,846) (3,388)
手数料純額 48,477 53,106
2018 年12月31日現在、手数料収入の「その他の手数料」の項目は、 FFPP および FLA の管理手数料に関
連する 25,000 千ユーロ( 2017 年12月31日現在では 25,000 千ユーロ)を含む(注記 16を参照のこ
と。)。
注記 29 損益を通じて公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
1,695 5,146
融資産 (注記9 )
貸付および受取債権 (注記 10.3) - -
(941) (8,766)
償却原価で評価した金融負債 (注記 18.3)
754 (3,620)
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注記 30 売買目的保有の金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
売買目的保有のデリバティブ (注記7 ) 1,023 11,326
1,023 11,326
IFRS 第13号の施行後( 2013 年1月1日)、当グループはデリバティブ証券の評価につき、相手方の
リスクおよび資本信用リスク( CVA-DVA )に対応する調整を組み込まなかった。 2018 年12月31日現在、
本項目において行われた調整(この項目を含む。)は、マイナス 195 千ユーロに上った( 2017 年12月31
日現在ではマイナス 5,835 千ユーロ)。
注記 31 損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産および金融負債による損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
損益を通じて公正価額で評価した持分証券 (注記
710 -
8)
710 -
注記 32 ヘッジ会計から生じる損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
ヘッジデリバティブ (注記 11) 56,104 -
56,104 -
本項目は、ヘッジする要素およびヘッジされた要素の公正価額の変動からの利益を含んでいる。
注記 33 その他の営業収益およびその他の営業費用
連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
その他の営業収益
2018 年 2017 年
不動産開発による収益
910 1,035
230 3,833
その他 (*)
1,140 4,868
(*)主に備品の返品により回収された費用および BBVA による資産管理に対して支払われた前払金が含まれている。
(単位:千ユーロ)
その他の営業費用
2018 年 2017 年
その他 (3) (3)
(3) (3)
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注記 34 人件費
2018 年および 2017 年の連結損益計算書における本項目の構成は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
賃金および給与
15,911 15,570
従業員福利厚生費 3,657 3,748
1,472 1,323
その他の費用
21,040 20,641
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2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループの職務別および男女別の従業員数は以下の通りであ
る。
従業員の分布
男性 女性
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
経営陣
11 11 4 4
管理職および技術者 108 112 144 156
8 8 52 53
事務職員
127 131 200 213
2018 年および 2017 年における当グループの職務別および男女別の従業員数の平均は以下の通りであ
る。
従業員の平均分布
男性 女性
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
経営陣
11 10 4 5
管理職および技術者 109 114 148 150
8 8 52 52
事務職員
128 132 204 207
注:第5団体協約( 2008 年10月24日の官報に掲載された。)の調印以降、一般業務職員は専務職員として分類されてい
る。
2018 年において、 33%を超える障害を持つ 当グループの平均従業員数は3名である( 2017 年におい
ても同様)。
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理事会の報酬およびその他の給付金
当グループの親会社である当公庫は、理事会のメンバーが受領する報酬について、賃金、手当およ
びその他の報酬として、 2018 年に 92千ユーロおよび 2017 年に 125 千ユーロを連結損益計算書(「その他
の管理費」の項目)に計上した。これらの報酬は、理事会のメンバーを行政府の上級職と考慮した場
合に、適用ある規制法に従って国庫に支払われた。
当グループの親会社である当公庫の代表取締役および同様の役割を遂行している他の者が、 2018 年
および 2017 年中に受け取った報酬は以下の通りである(単位:千ユーロ)。
2018 年:
給与および賃金
従業員数 その他の賃金 合計
固定 変動
5 550 76 2 628
2017 年:
給与および賃金
従業員数 (*) その他の賃金 合計
固定 変動
5 533 76 2 611
(*) 2017 年2月に1名の取締役が加わった。当該取締役は、 2017 年において満額の年収またはいずれの変動報酬も受け
取らなかった。 2016 年に退任した取締役に対して 2018 年に支払われた変動報酬も含まれる。
2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫の理事会役員に付与された貸付金はなかった。 2018 年12
月31日現在、従業員への貸付に関する内部規制に基づき付与された貸付金は、残存金額 15,023 千ユー
ロとなり、平均金利は 2.51 %( 2017 年12月31日現在で 15,879 千ユーロとなり、平均金利は 2.51 %)で
あった。
さらに、 2018 年12月31日現在、理事会の過去または現在の理事は年金または生命保険に関する義務
を負っていない。
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注記 35 その他の管理費
連結損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
建物、設備および資材
794 780
コンピューター 3,450 3,070
通信 2,020 1,923
宣伝および広告 1,113 987
金利および租税 1,320 1,440
9,375 9,299
その他の一般管理費
18,072 17,499
監査費用
年度会計監査は、国家行政介入局(スペイン語表記の頭文字をとって「 IGAE 」)により行われた。
したがって、監査人の役割は(財務・行政省による)一般的介入により担われるため、この概念にお
ける監査人に対する報酬は存在しない。
当グループの関連企業である CERSA に対する、当グループの連結に起因した 2018 年および 2017 年の監
査費用(つまり、当グループの CERSA における所有持分の割合に対する未払費用)について、マザーズ
監査人 S.L.P (Mazars Auditores S.L.P )が請求する金額は、毎年5千ユーロである。
マザーズ( 2018 年の年次財務書類の監査業務において協力的なサービスを提供するために IGAE と締
結した契約により、 ICO および当グループの連結年次財務書類の監査を行った。)グループの企業が
2018 年に行った監査業務以外のサービスについて請求した金額(税込)は、 15千ユーロであった。
アーンスト・アンド・ヤング( 2018 年および 2017 年の AXIS の単体年次財務書類の監査、 2017 年の ICO
および当グループの連結の単体年次財務書類の監査を行った。)グループの企業が当グループに 2018
年および 2017 年に行ったサービスについて請求した金額(税込)の詳細は下記の表の通りである。
(単位:千ユーロ)
監査 その他
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
ICO
- - 5 54
Cofides(1) 6 16 - -
13 6 - 19
Axis(2)
29 22 5 73
(1) ICO のCofides における投資に基づく費用の割合を含む。
(2) Axis に請求された金額のみが含まれており、かかる事業体によって管理されるファンドに請求された金額は含まれ
ていない。
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有価証券報告書
注記 36 公正価額
その市場価額を確実に見積もることができない貸付、受取債権および持分証券を除き、上記の通
り、金融資産は連結貸借対照表において公正価額で計上される。
同様に、取引ポートフォリオに含まれるものを除き、金融負債は連結貸借対照表において償却原価
で計上される。
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表の「貸付および受取債権」に基づき計上された
資産および「償却原価で評価した金融負債」の項目に基づき計上された負債の一部は、年次金利改訂
を伴う変動金利で計上されており、利率の動向の結果としての公正価額は、連結貸借対照表において
計上されるものと有意差があるとはいえない。これらの公正価額は、割引フローを使用し公正価額の
計算を進める加重平均残存月数および加重平均レートを使用して得たものである。 2018 年および 2017
年12月31日現在、当該運用のために計算された価値は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
簿価 公正価額
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
資産
貸付および受取債権
信用機関への預金 12,436,396 16,359,782 12,854,208 20,509,876
顧客向貸付金 10,061,491 11,188,383 10,158,878 11,414,263
負債
償却原価で評価した金融負債
信用機関への預金 9,459,822 11,495,137 9,753,362 12,111,910
顧客預金 988,040 859,678 998,671 899,160
2018 年および 2017 年には、貨幣市場および公債市場のインプリシット・カーブを参照した、全分類
に関する公正価額が計算された。
注記 37 子会社、合弁会社および関連企業の運用
合弁会社 および関連企業 に関連する企業の 2018 年および 2017 年12月における残高は以下の通りであ
る。
CERSA
- 顧客への預金(償却原価で評価した金融負債) :2018 年12月31日現在では 4,198 千ユーロ( 2017
年12月31日現在では 4,198 千ユーロ)
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有価証券報告書
別紙Ⅰ
2018 年12月31日および 2017 年12月31日現在の投資
(当グループの親会社としての ICO の直接所有株式および間接所有株式)
2018 年および 2017 年12月31日現在の関連企業および子会社の投資に関する主要な情報は以下の通りであ
る。
2018 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパニョー パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ラ・デ・レアフィアンツァミ カステジャーナ・ 24.26 % -24.26 % 36,461 - 36,461 426,267 280,854 -
た保証事業の保証支援
エント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパニョー 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ラ・デ・フィナンシアシオ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % -20.31 % 8,465 - 8,465 136,117 131,469 7,821
ン・デル・デサロージョ S.A. ペイン企業の持分での金
ドリッド
(COFIDES) 融支援
パセオ・デル・プ
EFC2Eヘスティオン S.L. ラド・4 -マド アセットマネジメント 50.00 % -50.00 % 2 - 2 36 28 (24)
リッド
44,928 - 44,928
子会社
AXIS パルティシパシオネス・
エムプレサリアレス・ソシエ
ロス・マドラソ・
ダ・ヘストラ・デ・エンティ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 12,507 11,061 5,884
38-マドリッド
ダデス・デ・キャピタル・リ
エスゴ S.A.
46,868 - 46,868
2018 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
2017 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパ パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ニョーラ・デ・レアフィア カステジャーナ・ 24.15 % -24.15 % 34,039 - 34,039 426,951 275,366 -
た保証事業の保証支援
ンツァミエント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパ 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ニョーラ・デ・フィナンシ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % -20.31 % 8,463 - 8,463 126,694 122,334 6,180
アシオン・デル・デサロー ペイン企業の持分での金
ドリッド
ジョ S.A.(COFIDES) 融支援
パセオ・デル・プ
EFC2Eヘスティオン S.L. ラド・4 -マド アセットマネジメント 50.00 % -50.00 % 2 - 2 58 52 (20)
リッド
42,504 - 42,504
子会社
AXIS パルティシパシオネ
ス・エムプレサリアレス・
ロス・マドラソ・
ソシエダ・ヘストラ・デ・ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 11,395 10,178 4,933
38-マドリッド
エンティダデス・デ・キャ
ピタル・リエスゴ S.A.
44,444 - 44,444
2017 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
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別紙Ⅱ
年次銀行報告書
本年次銀行報告書は、信用機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号第 87条に
準じて作成されたものである。当該条項に従い、 2016 年1月1日より、信用機関は、スペイン中央銀行に対
し、監査に係る規制に従い、かかる信用機関が事業所を有する国別に内訳を出した監査済財務書類の別紙と
して、以下に関する連結ベースの情報を提出し、毎年開示しなければならない。
a) 名称、事業活動の性質および地理的所在地
b) 収益
c) フルタイム当量 従業員数
d) 税引前 総損 益
e) 法人税
f) 受領した公的補助金および援助
2018 年および 2017 年に係る年次銀行報告書の作成に用いられた基準は以下の通りである。
a) 名称、事業活動の性質および地理的所在地
この情報は当グループの連結財務書類の注記1において記載されている。スペイン開発金融公庫の場合、
当グループによって展開された主要な事業活動は、直接融資および仲介信用供与活動であり、同活動の展開
は、 ICO が国外に事業所も子会社も有していないため、スペインの法域内のみに限定されている。
b) 収益
本報告書において、収益は、当グループの連結年次財務書類の一部を構成する連結損益計算書において定
義および示される、営業利益純額の合計である。
c) フルタイム当量従業員数
フルタイム当量従業員についてのデータは、当グループの平均従業員数から得られたものである。
d) 税引前総損益
本報告書において、税引前総損益は、当グループの連結損益計算書において定義および示される税引前損
益である。
e) 法人税
連結損益計算書において、未収の税金は法人税の項目に含まれ、計上されている。
f) 受領した公的補助金および援助
現行の法律で要求される情報に関し、受領した公的補助金および援助は、国庫補助に関する欧州委員会の
ガイドラインに基づく援助および補助金をいう。この点について、当グループの企業は、 2018 年および 2017
年のいずれにおいても公的な補助金および援助を受けていない。
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有価証券報告書
2018 年および 2017 年における数値の詳細は、以下の通りである(単位:千ユーロ)。
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
地域 収益 平均従業員数 税引前 総損 益 法人税
スペイン
63,486 332 117,330 41,659
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
地域 収益 平均従業員数 税引前総損益 法人税
スペイン
22,541 339 148,809 45,709
2018 年12月31日現在、当グループの資産利益率( ROA )(連結税引前利益を資産合計の平均で除したも
の。)は、 0.30 %と見積もられた( 2017 年は 0.32 %)。
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有価証券報告書
スペイン開発金融公庫
2018 年12月31日現在の連結財務書類の承認
現行の法律に従い、議長は、このページより前の書類で構成され、スペイン語原文で 154 ページにおよぶ
2018 年に関する当公庫および従属事業体の連結財務書類、連結経営報告書ならびに利益分配案を承認する。
マドリッド、 2019 年3月 28日
D.ホセ・カルロス・ガーシア・デ・ケベード・ルイズ
理事長
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2018 年度財務書類
貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2018 年 2017 年
現金、中央銀行等への預金および要求払預金 6 1,669,485 2,306,410
109,154 164,770
売買目的保有の金融資産 7
デリバティブ
109,154 164,770
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 - -
損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でな
8 21,580 -
い金融資産
1,671,294 1,376,391
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
持分証券
642,090 521,429
負債性証券 1,029,204 854,962
貸付金 - -
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 - -
32,001,770 37,376,534
償却原価で評価した金融資産 10
負債性証券
9,503,883 10,107,611
22,497,887 27,268,923
貸付金
信用機関
12,436,396 16,077,540
顧客 10,061,491 11,191,383
(備忘事項 )担保としての貸付または前払 - -
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有価証券報告書
貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資産 注記 2018 年 2017 年
デリバティブヘッジ 11 485,855 517,145
46,868 44,444
子会社、合弁企業および関連企業への投資 12
子会社
1,940 1,940
合弁企業 - -
関連企業 44,928 42,504
88,099 89,965
有形固定資産 13
有形固定資産
自己使用目的 88,099 89,965
(備忘事項 )ファイナンスリースによる取得 - -
6,949 7,880
無形資産 14
その他の無形資産
6,949 7,880
100,984 264,509
税金資産 15
当期
2,985 130,193
繰延 97,999 134,316
その他の資産 16 34,543 37,812
売却目的保有の非流動資産および可処分要素グループ 17 - 22
36,236,581 42,185,882
資産合計
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貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
負債 注記 2018 年 2017 年
104,885 161,007
売買目的保有の金融負債 7
デリバティブ
104,885 161,007
損益を通じて公正価額で評価した金融 負債 - -
30,307,204 36,057,970
償却原価で評価した金融負債 18
預金 10,447,862 12,354,816
信用機関
9,459,822 11,495,137
顧客 988,040 859,679
市場性を有する負債性証券 19,147,495 22,845,774
その他の金融負債 711,847 857,380
(備忘事項 )劣後債務 - -
デリバティブヘッジ 11 253,805 363,492
280,195 304,665
引当金 19
年金および年金類似債務
919 423
税金およびその他の法的臨時費の引当金 - -
偶発債務および不確定約定額の引当金 1,442 1,197
その他の引当金 277,834 303,045
23,854 15,447
税金負債 15
当期
957 935
繰延 22,897 14,512
その他の負債 16 4,926 2,902
30,974,869 36,905,483
負債合計
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貸借対照表
2018 年および 2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ )
資本 注記 2018 年 2017 年
5,318,894 5,411,279
自己資本 20
資本金または寄付金
4,313,744 4,313,067
累積準備金 - -
再評価準備金 23,591 23,591
その他の準備金 908,349 972,698
当期損益 73,210 101,923
配当金および分配金控除 - -
(57,182) (130,880)
その他の累積包括利益 21
損益として再分類不可能な要素 6,369 (6,285)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額持
6,369 (6,285)
分証券の変動
(63,551) (124,595)
損益として再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ
(73,435) (127,567)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公正価額負
9,884 2,972
債性証券の変動
5,261,712 5,280,399
資本合計
36,236,581 42,185,882
資本および負債合計
備忘事項
475,124 605,138
付与された保証 22
3,212,563 3,225,921
付与された不確定約定額 22
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損益計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2018 年 2017 年
利息および類似収益 24 396,926 522,586
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 8,189 39,163
償却原価で評価した金融資産 373,639 480,378
利息ヘッジ (11,634) (10,040)
その他の資産 812 130
負債利子による収益 25,920 12,955
利息および類似費用 25 (493,452) (591,697)
(96,526) (69,111)
利息収益純額
配当金収益 26 5,339 5,173
受取手数料 27 45,722 46,197
支払手数料 27 (8,846) (3,388)
金融業務による損益 (純額 ) 58,591 7,706
公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益
28 754 (3,620)
(純額 )
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 1,695 5,146
償却原価で評価した金融負債 (941) (8,766)
売買目的保有の金融資産および金融負債による損益 (純額 ) 29 1,023 11,326
損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産による損
30 710 -
益(純額 )
ヘッジ会計から生じる損益 (純額 ) 31 56,104 -
為替差損益 (純額 ) 2.4 49,884 24,553
その他の営業収益 32 1,064 4,794
その他の営業費用 32 - -
55,228 15,924
売上総利益
(35,288) (34,354)
管理費
人件費 33
(19,724) (19,425)
その他の管理費 34 (15,564) (14,929)
(5,102) (6,031)
減価償却費
有形固定資産 13
(2,087) (2,498)
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無形資産 14 (3,015) (3,533)
引当金経費または引当金の戻入 19 (1,655) 3,843
434/590
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損益計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2018 年 2017 年
損益を通じて公正価額で評価されない金融資産の減損または減損
99,872 156,547
の戻入
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 9
- 446
償却原価で評価した金融資産 10 99,872 156,101
(148) 9,876
非金融資産の減損または減損の戻入
営業権およびその他の無形資産 14
- -
その他の資産 13、17 (148) 9,876
廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグループおよび非
17 - 182
流動資産に係る損益
継続事業税引前損益 112,907 145,987
継続事業法人税費用 (収益 ) 23 (39,697) (44,064)
継続事業税引後損益 73,210 101,923
非継続事業税引後損益 - -
73,210 101,923
当期損益
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資本変動表
Ⅰ.認識損益計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ )
注記 2018 年 2017 年
73,210 101,923
当期損益
73,698 (247,613)
その他の包括利益
12,654 3,314
損益計算書に再分類されない要素
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した公
21
18,077 4,734
正価額持分証券の変動
ヘッジ会計損益 - -
損益に再分類されない要素の法人税 (5,423) (1,420)
61,044 (250,927)
損益に再分類可能な要素
キャッシュフロー・ヘッジ、有効部分 21
77,331 (349,589)
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した負
21 9,874 (8,878)
債性証券
損益に再分類可能な要素の法人税 (26,161) 107,540
146,908 (145,690)
認識損益合計 (包括損益 )
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資本変動表
Ⅱ.資本変動表
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
自己資本
2018 年12月31日現在
配当金
資本 その他の その他の 資本
資本金/ 自己株式 自己資本
準備金 当期損益 および
合計
寄付金 控除 合計
剰余金 資本性証券 累積包括利益
分配金控除
4,313,067 - 996,289 - - 101,923 - 5,411,279 (130,880) 5,280,399
2017 年12月31日付期末残高
- - (105,118) - - - - (105,118) - (105,118)
会計方針変更による影響額
4,313,067 - 891,171 - - 101,923 - 5,306,161 (130,880) 5,175,281
調整期首残高
- - - - - 73,210 - 73,210 73,698 146,908
認識損益合計
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
677 - - - - - - 677 - 677
資本項目間移転 - - 40,769 - - (101,923) 61,154 - -
- - - - - - (61,154) (61,154) - (61,154)
その他の資本増減
その他の資本変動合計 677 - 40,769 - - (101,923) - (165,595) (60,477)
4,313,744 - 931,940 - - 73,210 - 5,318,894 (57,182) 5,261,712
2018 年12月31日付期末残高
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自己資本
2017 年12月31日現在
配当金
資本 その他の その他の 資本
資本金/ 自己株式 自己資本
準備金 当期損益 および
合計
寄付金 控除 合計
剰余金 資本性証券 累積包括利益
分配金控除
4,312,585 - 928,945 - - 315,344 - 5,556,874 116,733 5,673,607
2016 年12月31日付期末残高
- - - - - 101,923 - 101,923 (247,613) (145,690)
認識損益合計
その他の資本変動:
資本金/寄付金の増加
482 - - - - - - 482 - 482
資本項目間移転 - - 67,344 - - (315,344) 248,000 - - -
- - - - - - (248,000) (248,000) - (248,000)
その他の資本増減
その他の資本変動合計 482 - 67,344 - - (315,344) - (247,518) - (247,518)
4,313,067 - 996,289 - - 101,923 - 5,411,279 (130,880) 5,280,399
2017 年12月31日付期末残高
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キャッシュフロー計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2018 年 2017 年
A. 営業活動からのキャッシュフロー
(1,175,169) 1,393,395
1. 当期損益
73,210 101,923
2. 営業上のキャッシュフローを得るための調整額 (124,387) (115,286)
減価償却費
5,102 6,031
その他の調整額 (129,489) (121,317)
4,828,848 7,919,351
3. 営業資産純増減額
取引ポートフォリオ
55,617 89,619
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産 (21,580) -
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産 (294,902) 424,139
償却原価で評価した貸付および受取債権 4,870,908 6,702,011
その他の営業資産 218,805 703,582
(5,932,269) (6,419,238)
4. 営業負債純増減額
取引ポートフォリオ
(56,122) (88,851)
損益を通じて公正価額で評価したその他の金融負債 - -
償却原価で評価した金融負債 (5,750,766) (6,338,712)
その他の営業負債 (125,381) 8,325
(20,571) (93,355)
5. 法人税の回収および支払
B. 投資活動からのキャッシュフロー
598,721 660,708
6. 支払 (6,480,678) (6,185,624)
有形固定資産 13
(222) (383)
無形資産 14 (2,084) (2,334)
株式 12 (2,424) -
売却目的保有の非流動資産および負債 17 - (22)
償却原価で評価した負債性証券 10.1 (6,475,948) (6,182,885)
投資活動に関連するその他の支払 - -
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キャッシュフロー計算書
2018 年および 2017 年12月31日に終了した年度
(単位:千ユーロ)
注記 2018 年 2017 年
7. 回収 7,079,399 6,846,332
有形固定資産 13
- 73
無形資産 14 - -
株式 12 - 2
売却目的保有の非流動資産および負債 17 22 -
償却原価で評価した負債性証券 10.1 7,079,377 6,846,257
投資活動に関連するその他の回収 - -
C. 金融活動からのキャッシュフロー
(60,477) (185,518)
8. 支払 (61,154) (186,000)
配当金
(61,154) (186,000)
劣後債務 - -
自己持分証券の償還 - -
自己持分証券の取得 - -
金融活動に関連するその他の支払 - -
9. 回収 677 482
劣後債務
- -
自己持分証券の発行 - -
自己持分証券の処分 - -
金融活動に関連するその他の回収 20 677 482
D. 為替レート変動影響額
- -
E. 現金および現金同等物の純増減額
(636,925) 1,868,585
F. 現金および現金同等物の期首残高
2,306,410 437,825
G. 現金および現金同等物の期末残高
1,669,485 2,306,410
備忘事項
当期末における現金および同等物部分
現金 6 12 9
現金同等物の中央銀行等への残高 6 1,408,355 2,027,159
その他の金融残高 6 261,118 279,242
払戻し可能な当座借越し控除 - -
2018 年12月31日に終了した年度
の財務書類の注記
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注記1 概要、財務書類の作成方針およびその他の情報
1.1 当公庫の概要
スペイン開発金融公庫 (「当公庫」または「 ICO 」)は政府金融機関の組織および管理に関する 1971
年6月 19日法律第 13号により設立され、予算、租税および財政に係る緊急措置に関する 1995 年12月28
日勅令法第 12号が公表されるまで、 1988 年一般国家予算に関する 1987 年12月30日法律第 33号第 127 条お
よび 1971 年法律第 13号の廃止されなかった特定の条項により規制された。
当公庫は、マドリッドのパセオ・デル・プラド4に所在し、すべての活動を同地で行い、スペイン
国内にその他の支店網を有していない。
当公庫は公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号第 103 条に定める形態の公共事業体であ
り、経済・企業支援担当大臣を通じて経済・企業省に属する。当公庫は法に基づく金融機関であり、
国家の財務代理人と考えられており、目的達成のための経営の独立性に加えて、法人格、資産および
財源を有している。
経済・企業支援担当大臣は当公庫の戦略的経営、ならびに当公庫の事業活動の業績の評価および管
理について責任を負う。
当公庫は、公共部門法体制に関する 2015 年10月1日法律第 40号の条項、予算、租税および財政に係
る緊急措置に関する 1995 年12月28日勅令法第 12号追加条項第6条、 1998 年9月 23日勅令第 1091 号によ
り承認された一般予算法の適用条項、 1997 年4月 14日法律第6号への ICO の適合に関して 1999 年4月 30
日勅令第 706 号により承認された ICO の定款およびかかる定款の承認( 1999 年5月 13日政府官報第 114
号)、また上記の法規によって規定されていないその他の事項については、金融機関に適用される特
別の法規ならびに民法、商法および労働法に服している。
企業統治業務の改善策を導入するため、スペイン開発金融公庫( ICO )の定款に係るいくつかの条文
を修正する 2015 年12月18日勅令第 1149 号が 2015 年末に、内閣によって承認された。同年 10月に公共部
門法体制に関する法律が、これに基づき成立し、かかる法律により初めて政府金融機関に4人の社外
取締役が選出された。また、評判、経歴および不適合性等の対象の選出基準が設定され、任期は3年
間有効で、1回のみ追加で3年間更新することができることとされた。当公庫において財政問題が生
じた場合、社外取締役はそれぞれ2票投票することができ、よって理事会(理事会は、理事長と 10名
の理事(以前は9名)で構成される。)においては社外取締役が多数派となる。さらに、すべての理
事の任命および解任は経済・企業大臣の提案の下、内閣に委ねられることが決定された。
内閣によって承認された勅令は、これらの調整を発展させる。社外取締役として選任されるための
要件には、商業的かつ専門的な高い社会的評価、適切な知識および経験を有すこと、潜在的、永続的
な利益相反がないこと、また、自営または雇用された立場において、 ICO と競合になりうる活動を展開
しないことが含まれる。さらに、信用機関、金融信用機関、投資機関、集団投資スキームおよびリス
ク・キャピタル企業またはこれらの子会社ならびにこれらが所属するグループに関連のない者である
ことが要件となっている。
理事会の理事は、常に ICO の利益のために行動しなくてはならず、またその業務を行う上で得た情
報、データ、レポートおよび機密のバックグラウンドを、かかる業務が終了した後も外部に漏らして
はならない。経済・企業大臣により辞職が承認された場合、社外役員の任期が終了した場合、また、
公共部門からの理事に関しては解約された場合は、解任されることがある。守秘義務の重大な違反ま
たは利益相反等の場合と同様に、社外取締役の適性が予期せず欠如している場合には、解任されるこ
とがある。
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当公庫の目的は国富の増大および分配の増進に寄与する経済活動、とりわけ社会、文化、技術革新
および環境の面から奨励に値する活動を支援、促進することである。
かかる目的を達成するために、当公庫は財政の均衡原則および手段と目的の一致を厳格に遵守す
る。
また当公庫の職務は以下の通り定められている。
a) 内閣または政府経済問題委員会の指図に従い、深刻な経済危機、自然災害またはこれに類似の状
況により生じる経済に対する影響を緩和するように貢献すること。
b) 当公庫の理事会により採択された規則および決定に従い、内閣、政府経済問題委員会または経
済・企業省の定める基本的な方針を遵守して、経済政策の諸措置を実施する主たる機関として行為
すること。
かかる目的および職務の中に含まれる業務の種類は、以下の通りである。
1. 中小企業、住宅建設、通信、スペイン事業の国際化等の一定の部門および戦略的活動に対して金
融支援を行う直接的な貸付業務および仲介業務、ならびに 1993 年1月 15日閣議決定(「 RCM 」)に従
い、現在のバンコ・デ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア・エセ・アー(「 BBVA 」)に統合さ
れている国立銀行から移譲された業務。
2. 相互金利調整契約(スペイン語表記の頭文字をとって「 CARI 」)。かかる輸出援助システムは、
当該システムを利用するスペインまたは外国の金融機関のために良好な財務実績を保証する。当公
庫は仲介機関としてのみ行為し、各年度の一般国家予算法で許容されている通り管理費用は国家が
負担する。
関与した各銀行との金利調整純額は、各調整額が、受取残または支払残のいずれであるかによ
り、国家が支払うか、または当公庫を通じて支払われるかで、通常は相殺される。
3. 開発プロモーション基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FONPRODE 」)。かかる基金は 2010
年に 2010 年法律第 36号の下で設立された。その目的は国家から国家への補助金という形で発展途上
国の開発プロジェクトおよび開発計画に資金供給することである。当公庫はかかる取引に関して、
スペイン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫
が保有する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO
に対して管理費用が補填 され る。 2010 年12月現在、この特定の基金は、 1998 年以降 FONPRODE に統合
されるまで、同じく当公庫によって管理されている小口融資を供与するための基金を取得した。
4. 法人国際化基金(スペイン語表記の頭文字をとって「 FIEM 」)。かかる基金は 2010 年に 2010 年法
律第 11号の下で設立された。その活動は、利権または市場条件の下、スペインの財貨およびサービ
スの取得ならびにスペインの投資プロジェクトの遂行または国益の取得および遂行に結びつくプロ
ジェクトに対して、返済可能な資金供給を行うことである。当公庫はかかる取引に関して、スペイ
ン政府の代理人として行為している。かかる取引は当公庫の他の事業から分離して、当公庫が保有
する独立の勘定で契約、管理および計算が行われている。各年度の一般国家予算に従い、 ICO に対し
て管理費用が補填される。
5. 水道および公衆衛生協力基金。当該基金は、 2008 年度一般国家予算に関する 2007 年12月26日法律
第51号追加条項第 61条に基づき設立された。その目的は、中南米諸国の国家機関との金融取り決め
の下、とりわけスペインとの協力を重視し、水道および公衆衛生プロジェクトに対して資金を提供
することである。
6. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、地方団体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは
自治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済
的持続性を保証するものである。当ファンドの自己資本は供給者支払のための融資基金( 2012 年勅
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令第4号および 2012 年勅令第7号により成立)の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利お
よび義務の下施行される。)により供給されたもある。 ICO は、取引業者の役割を担っているが、こ
れらの業務はその会計帳簿には記録されていない。この業務により、当公庫には関連する取引手数
料が生じている。
7. 2014 年12月26日勅令法第 17号により、自治体向け融資ファンドが設立され、かかるファンドは自
治体や地方団体またはその他の経済媒体の資金需要に注力し、それら団体に付属する当局の経済的
持続性を確保するものである。当ファンドの自己資本は 2012 年勅令第 21号により設立された自治区
流動性基金の清算( 2015 年1月1日付で、その完全なる権利および義務の下施行される。)により
供給されたものである。さらに、自治体に関しては、供給者への支払に関する融資メカニズムの自
己資本部分に含まれている。 ICO は、取引業者の役割を担っているが、これらの業務はその会計帳簿
には記録されていない。この業務により、当公庫には取引手数料が生じている。
2.から 7.の業務は、それぞれに適用される法律に従って、当公庫の勘定には含まれない。
1.2 年次財務書類の作成方針
当公庫の 2018 年12月31日に終了した年度の財務書類は、信用機関を対象とした、公開情報および機
密情報の財務報告規則および様式に関する、 2017 年11月27日スペイン中央銀行通達第4号(「 2017 年
通達第4号」)(その後の改正を含む。)の条項に従って開示されている。当該 2017 年通達第4号
(その後の改正を含む。)は、国際会計基準の適用に関する、欧州議会および理事会による 2002 年7
月19日の 2002 年EC規則第 1606 号に従った、欧州連合により採用された国際財務報告基準(「 IFRS-
EU」)をスペインの信用機関に対し導入および適用するものである。さらに、かかる財務書類の作成
にあたり、その他の一般的なスペインの業務基準および会計基準ならびにその他の適用あるスペイン
中央銀行の通達および基準も用いられており、必要に応じて、財務書類の注記に、これらの基準が要
求する開示内容が含まれている。
当公庫の 2018 年12月31日に終了した年度の財務書類は、すべての重要な側面において真実かつ公正
な見解を示すため、適用あるすべての会計原則、会計基準および必須の測定基準に準拠して作成され
た。 2018 年12月31日現在の当公庫の資本および財政状態ならびに同日に終了した年度の経営成績およ
びキャッシュフローについても、前述の財務情報の報告に関する枠組み、また特にそこに含まれる会
計原則および基準に準拠して作成されている。
本2017 年財務書類に記載される情報は、 2018 年に関連する情報との比較のみを目的として表示さ
れ、 ICO の2017 年年次財務書類を構成するものではない。
このため、 2017 年の情報は、 2017 年12月31日に終了した年度の財務書類の作成時とは異なり、 2018
年12月31日に終了した年度に適用される財務書類に適応されている。しかしながら、かかる適応は、
これらの開示において重大な変更を伴う表題間の再分類を意味するものではない。
当公庫の 2018 年12月31日に終了した年度の財務書類を作成するにあたり、適用された主要な会計原
則および測定基準は、注記2に記載されている。
2018 年1月1日から 12月31日の間の期間に発生した主な規制変更
信用機関向けの財務書類の公開および機密の報告基準およびモデルに関する 2017 年11月27日通達第4
号
2018 年1月1日、スペイン中央銀行の 2017 年通達第4号は、信用機関向けの新たな会計の規制上の
枠組みとして発効し、そのため同通達は ICO にも適用される。信用機関向けの公開および機密の報告基
準および財務書類のモデルに関する 2017 年11月27日通達第4号は、 2018 年1月1日から IFRS 第15号お
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よび IFRS 第9号という2つの新たな国際財務報告基準を適用した結果として、信用機関向けのスペイ
ンの会計制度を欧州の会計規則の変更に適応させることを目的としている。これらの基準により、顧
客との契約および金融商品からの収益の会計基準がそれぞれ修正される。
新規則の効果は、特に 2018 年の ICO の会計に影響を及ぼした。
-信用リスク引当金の調整。同規則により、減損モデルの変更が規定され、同モデルはもはや既発
生損失に基づかず、予想損失に基づくことになる。その結果、( ICO が適用した) 2016 年スペイン
中央銀行通達第4号に規定される代替ソリューションの計上比率は、標準エクスポージャー、標
準の警戒リストエクスポージャーおよび遅滞による回収不確実エクスポージャーのそれぞれにつ
いて更新されている。カントリー・リスク引当金も、同様に修正されている。これらの調整の適
用は遡及的であり、その結果、当年度の利益(損失)ではなく準備金に対して直接計上される。
これらの調整の効果が ICO に及ぼす影響は、 122,310 千ユーロの準備金の減少であり、 2018 年1月
に計上された。
-測定目的で金融資産が計上されるポートフォリオの変更。金融資産のポートフォリオは一般に、
償却原価で評価した金融資産、その他の包括利益により公正価額で評価された金融資産および損
益を通じて公正価額で評価された金融資産として分類される。同通達は、関連基準が発効した場
合の特定項目の遡及的再分類を規定している。 ICO への影響の概要は、以下の通りである。
2018 年1月、 ICO の運営機関は、同通達が規定した変更を反映する事業モデルを承認した。一般
に、関連資産は、そうするための要件を満たした以降は、同等のポートフォリオに分類されるこ
とを考慮すると、これまで適用されていたのと同じ基準を用いて測定される。
さらに、同月において、 ICO は、債券から構成される金融資産ポートフォリオ全体が SPPI テスト
(元本および利息の支払のみ)を遵守しているかを検証するための特別な分析を完了した。その
結論は、 2018 年1月1日現在の貸借対照表における売却可能および満期保有ポートフォリオが、
かかるテストを遵守しているというものであった。
同通達に従って、 ICO は、特定の金融資産(債券)を償却原価ポートフォリオ(従来は満期保有
ポートフォリオ)からその他の包括利益による公正価額で評価された金融資産に再分類すること
に同意している。再分類額は 970 百万ユーロであり、包括利益への影響額は 19百万ユーロ(税引
前)であった。
さらに、 ICO は、従来は包括利益による公正価額で評価された特定の持分証券を損益を通じて公正
価額で評価された金融資産に再分類することに同意した。この基準の遡及的適用により、準備金
が5百万ユーロに増加した。
-最後に、上記基準が定めた会計ヘッジの規制上の変更は、同通達により許可された通り、 ICO がマ
クロヘッジに国際基準を適用することが必要となるまで、これまで有効なモデルを引続き適用す
ることを選択したため、 ICO に影響は及ばなかった。
当公庫の 2018 年の年次財務書類は、 2019 年3月 28日付で当公庫の理事長により作成され、当公庫の
理事会による承認を待っている状態である。本年次財務書類の単位は、別段の記載のない限り、千
ユーロである。
1.3 情報および見積りに対する責任
2018 年12月31日に終了した年度の年次財務書類およびその注記に記載される情報の作成責任は理事
長にある。これらの年次財務書類の作成にあたり、かかる財務書類に含まれる特定の資産、負債、収
益、支出および約定額の数値化に ICO による見積りが使われている。これらの見積りは概ね以下の通り
である。
-一部資産の減損(注記 2.7 )
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-退職給付金に関する負債および約定額ならびにその他の従業員に対する長期約定額の保険数理上
の計算基礎(注記 2.10.2 )
-固定資産および無形資産の耐用年数(注記 2.12 および 2.13 )
-偶発リスクから生じる将来の債務に関する損失(注記 2.14 )
-一部の簿外資産の公正価額(注記 2.2.3 )
-繰越税金資産の回収(注記 2.11 )
これらの見積りは、分析された事実に関連して、 2018 年12月31日現在で入手可能な最良の情報に基
づいているが、当該年度の損益計算書における見積りの変動の影響を認識するために、今後数年のう
ちに、将来の何らかの出来事により、予め見積りの(上方または下方の)大幅な修正がなされる可能
性がある。
1.4 旧アルヘンタリアからの資産および負債の譲受
今は存在しない会社であるが、アルヘンタリア、カハ・ポスタルおよびバンコ・イポテカリオ・エ
セ・アーは、コルポラシオン・バンカリア・デ・エスパーニャ・エセ・アー、バンコ・エクステリ
アー・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BEX )、カハ・ポスタル・エセ・アーおよびバンコ・イポテカ
リオ・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BHE )の合併の結果、 1998 年9月 30日付の合併証書で正式に設
立された。その後、バンコ・デ・クレディト・アグリコラ・エセ・アー( BCA )はカハ・ポスタル・エ
セ・アーにより吸収され、バンコ・デ・クレディト・ロカル・デ・エスパーニャ・エセ・アー( BCL )
は前記の法人に所属し法人格を維持している。
1993 年2月 15日の ACM の規定に従い、当公庫は、 1992 年12月31日、スペイン政府または当公庫が保証
している経済政策業務から生じる BCL 、BHE 、BCA および BEX の資産および負債を取得し、とりわけ転換
期にある企業(転換および産業再編改革法の適用を受けている)に対する信用供与および保証を取得
した。また、洪水の犠牲者に対する特別融資、かかる事業体が上場株式会社になる前に供与した貸
付、ならびにその他の資産、権利および企業持分も取得した。
また、 1993 年3月 25日に、譲渡された資産および負債に関する管理契約が関係銀行との間で調印さ
れた。同契約は、現行の銀行法に従う管理および正確な会計について定める。管理手数料は、 2018 年
および 2017 年のそれぞれにおいて合計 390 千ユーロおよび 397 千ユーロであった。
以下は 2018 年および 2017 年12月31日現在の内容別による譲渡された資産および負債である。当該日
現在、その管理は BBVA (上記すべての統合により設立された会社)により行われている。
(単位:千ユーロ)
BBVA により管理される資産および負債の残高
2018 年 2017 年
信用機関 - 9
スペイン公的機関に対する貸付金 109 159
その他の居住者部門に対する貸付金 - 3
不良資産 (*) - 1,855
非流動資産 378 383
- 191
雑勘定
487 2,600
資産合計
雑勘定 - 215
ICO との合同勘定 225 2,295
262 90
当期利益
負債合計 487 2,600
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(*) 2017 年の総額は引当金勘定として 100 %計上されている。 2018 年にこれらは収支の不均衡による破綻に再分類されて
いる。
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1.5 連結年次財務書類の表示
当公庫により直接運営される事業に加えて、 ICO は、様々な活動に従事する従属的なエンティティか
らなる当グループのリーダーであり、合わせて全 ICO グループを構成している。したがって、当公庫は
自らの年次財務書類の他、合弁企業および関連会社の保有に関して、現行の法律に従って ICO グループ
の連結財務書類を作成した。
スペイン商法第 42条に従い、当公庫は本年次財務書類と同日付で連結年次財務書類を作成した。
2018 年および 2017 年12月31日現在の当公庫の貸借対照表、損益計算書、資本変動総額表および認識損
益計算書の連結による影響は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
単体 連結 単体 連結
資産
36,236 ,581 36,251 ,045 42,185 ,882 42,200 ,747
資本 5,318 ,894 5,286 ,764 5,280 ,399 5,304 ,993
当期損益 73,210 75,671 101 ,923 103 ,100
資本における認識損益合計 146,908 149,369 (145,690) (144,513)
現金または現金同等物の純増減額 (636,925) (636,925) 1,868,585 1,868,585
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1.6 環境影響および温室効果ガス排出権
ICO の国際取引は、環境保護に関する法律に従っている。当公庫は、当公庫がこれらの法律に実質的
に準拠しており、その準拠を確保および奨励するよう設計された手続きを維持していると考えてい
る。
また、当公庫は、当公庫が適切な環境保護・改善措置を実施し、環境影響を可能な限り最小化する
措置を行い、これについての規則を遵守していると考えている。 2018 年および 2017 年、当公庫は重大
な環境投資を実施しておらず、環境リスクおよび費用のための引当金を計上する必要はないと考えて
いる。また、当公庫は、環境保護・改善に関連する重大な偶発事象が存在するとは考えておらず、温
室効果ガス排出権を有してもいない。
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1.7 最低資本
1.7.1 最低自己資本比率
スペイン中央銀行は 2008 年5月 22日付で、最低自己資本の識別および管理に関して、 2008 年通達第
3号を発布した。前記通達は、投資比率、自己資本および情報についての金融仲介機関の義務、なら
びに他の金融システムに関する 2007 年11月16日法律第 36号( 1985 年5月 25日法律第 13号を改正)によ
り発布された自己資本および連結ベースでの信用機関の監督に関する法制度等(信用機関自己資本に
関する 2008 年2月 15日勅令第 216 号を含む。)について、金融機関業界における最終的な展開を示して
いる。前記通達はまた、スペインの金融機関の法制度に、金融機関の事業に関する欧州議会および理
事会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 48号(改正後)、ならびに投資サービス会社および金融
機関の自己資本比率に関する欧州議会および理事会による 2006 年6月 14日の 2006 年EC指令第 49号(改
正後)を適合させる過程を完了させるものでもあった。かかる二つの指令は、バーゼル銀行監督委員
会により採択された同様の規制(バーゼルⅡとして知られている。)を受けて、金融機関および金融
機関の連結グループが満たすべき最低資本要件について大幅に改正された。
従前の銀行業の健全性規制に関する法令( 1985 年5月 25日法律第 13号および 2008 年スペイン中央銀
行通達第3号)に替わり、 2014 年1月1日より、金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014
年6月 26日法律第 10号が施行された。これまで欧州連合は、その法制度として 2010 年12月付のバーゼ
ルⅢに移行しており、 2012 年EU規則第 648 号を修正する金融機関および投資サービス会社の健全性要件
に関する欧州議会および理事会による6月 26日の 2013 年EU規則第 575 号、ならびに 2002 年EC指令第 87号
を修正する金融機関の活動ならびに金融機関および投資サービス会社の健全性監督に関する欧州議会
および理事会による6月 26日の 2013 年EU指令第 36号を採用し、また欧州連合の監督および信用機関の
支払能力の基準にスペインの法律を適合させるための緊急措置として、 11月29日の 2013 年勅令法第 14
号に当公庫のシステムを置き換えることで、 2006 年EC指令第 48号および 2006 年EC指令第 49号を廃止し
た。
2014 年6月 26日法律第 10号の主な目的は、 2013 年6月 26日EU規則第 575 号( CRR )の規定を直接的に
組み込み、正式に 2013 年6月 26日EU指令第 36号( CRD )に移行することで、国際舞台および欧州連合に
課せられている規制変更にスペインの法律を適合させることである。当該コミュニティ規制は、監督
体制、資本要件および罰則等の側面が大々的に修正されてきたことにより、金融機関に適用される規
則の実質的な変更をもたらした。
CRR および CRD は、欧州連合における資本要件を規制し、以下に記載するバーゼルⅢの資本規制の枠
組みまたは協定に定められた提案を含む。
-加盟国に直接適用される CRR は、金融機関の健全性要件を含み、とりわけ以下の事項を扱ってい
る。
-ハイブリッド商品が満たさなければならない要件を設定し、少数株主持分の適格性を制限す
る、適格自己資本の要素の定義。
-各資本区分における調整項目および控除項目の定義。この点において、規則はバーゼルⅡに新
たな控除項目(繰延税金資産、年金基金)を組み入れ、既存の控除項目の変更を導入する。一
方で、規則はその完全な実施までに、5年から 10年の段階的な予定を設定している。
-自己資本の三つの水準(普通株式等 Tier 1比率 4.5 %、 Tier 1比率6%および最低資本合計比率
8%)を定める最低要件の設定(第一の柱)。
-信用機関がレバレッジ比率( Tier 1をリスクに対して未調整の総エクスポージャーで除した値
として定義される。)を算定するための要件。開示要件は、 2016 年以降に適用され、最終的な
定義は監督者により 2017 年に設定された。
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-加盟国が、それぞれの基準に従って、国内法令に組み込まなければならない CRD の意図および主た
る目的は、金融機関および投資会社の活動の透明性ならびにその統治および監督の枠組みについ
て国内法令を調整することである。 CRD は、とりわけ、 CRR で設定された資本要件に加えて、 2019
年までに段階的に導入される資本要件を含んでいる。以下に従わないことは、利益の任意分配に
対する制限を伴う。
-バーゼルⅢの規制の枠組みを拡大する、金融規則の景気循環増幅効果を軽減するための資本保
全バッファーおよび反循環的な資本バッファー。すべての信用機関は、普通株式等 Tier 1に上
乗せする 2.5 %の資本保全バッファーおよび普通株式等 Tier 1に上乗せする、機関特有の反循
環的な資本バッファーを維持しなければならない。
-グローバルなシステム上重要な機関およびその他のシステム上重要な機関が、システミックリ
スクまたはマクロ健全性リスク(すなわち、特定の加盟国における金融システムおよび実体経
済に深刻な悪影響を与えうる、金融システムの混乱リスク)を軽減するためのシステミックリ
スクバッファー。
-さらに、 CRD は、監督責任の範囲内で、所轄官庁が、 CRR に記載の最低要件(第二の柱)を上回
る自己資本額の維持を金融機関に要求することが可能であると規定している。
金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 26日法律第 10号の追加条項第8条による
と、規則により規定されていない限り、スペイン開発金融公庫は、当該法律のタイトルⅡ(金融機関
の支払能力)、タイトルⅢ(監督)およびタイトルⅣ(法的罰則)ならびに情報の守秘義務に関する
規定を適用する。
2015 年から、スペイン中央銀行の 2014 年通達第2号に従い、この基準において設定された資本バッ
ファーが適用される。今日まで、今年度の銀行監督者によって特定の反循環的な資本バッファーの金
額は設定されていない。 ICO は、グローバルなシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字を
とって「 EISM 」)ではなく、またシステム上重要な事業体(スペイン語表記の頭文字をとって
「EIS 」)としてみなされることもない。
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2018 年および 2017 年12月31日現在の ICO グループの算出可能な資本は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
5,179,437 5,277,868
普通株式等 Tier 1(*)
-資本金
4,313,744 4,313,068
-準備金および調整項目 (**) 865,693 964,800
- 19,854
Tier 2
-その他の準備金 (**)
- -
- 19,854
-一般支払不能リスクヘッジ
5,179,437 5,297,722
算出可能資本合計
2,243,085 1,289,525
最低資本合計 (***)
(*) 当グループは追加の Tier 1を有していない。
(**) 当グループの算出可能資本の計算に用いる合計準備金は、資本の計算において、無形資産の修正および準備金の
修正が行われているため、連結貸借対照表の額とは異なる。
(***) リスク加重資産( RWA )を当グループについてスペイン銀行により設定された 17.625 %として計算している。
2018 年および 2017 年12月31日現在の当グループの最低資本の最重要データは、以下の通りである
(単位:千ユーロ)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
Tier 1 5,179,437 5,277,868
12,726,723 16,119,064
リスク加重資産
40.70 % 32.74 %
Tier 1比率 (%)
5,179,437 5,297,722
算出可能資本合計
40.70 % 32.87 %
算出可能資本合計比率 (%)
17.625 % 10.5 %
最低算出可能資本比率 (%)(*)
(*) 当グループ企業の自己資本についてスペイン銀行により設定された 2018 年4月 23日以降の最低資本比率の合計は、
2013 年EU規則第 575 号により設定された要件(8%)、ならびに集中リスクおよび事業リスクならびに資本に関す
る自己評価報告書に記載されるその他のリスクをカバーするための追加の必要資本( 7.75 %)ならびに資本バッ
ファー( 2018 年1月1日以降 1.875 %)を考慮すると、 17.625 %である。
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2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループの算出可能資本は、事業体から要求されている最低
要件をそれぞれ 2,936,352 千ユーロおよび 4,008,197 千ユーロ上回っている。
1.7.2 最低支払準備率
当公庫は最低支払準備率を満たすために、ユーロ圏の国の中央銀行に預けられている資金の最低レ
ベルを維持しなくてはならない。 2018 年12月31日現在、このレベルは算出可能な負債の2%であっ
た。 2011 年11月24日に 2011 年EU規則第 1358 号が発効し、追加的な算出可能な負債(2年超の通知期間
を条件として引出可能な2年超の定期預金、現先取引による販売および2年超の満期を持つ株式以外
の証券)について1%が要求される。この修正は 2012 年1月 18日に開始した積立期間の後に適用され
た。
2018 年および 2017 年12月現在、ならびに 2018 年および 2017 年中、 ICO は適用あるスペインの規制に基
づく最低比率を遵守した。
1.7.3 資本管理
当公庫は、支払能力に関し適用される法制度( 2013 年EU規則第 575 号)に規制される算出可能な Tier
1および Tier 2の管理を目的として、資本を検討している。
この意味において、常に 10.5 %を超える支払能力比率を維持するための資本管理システムに、資本
要件規制は直接的に盛り込まれている。この目標は、適切な資本計画によって達成されている。
1.8 後発事象
上記 2006 年法律第 42号で修正された租税、行政および社会保障措置に関する 2001 年12月27日法律第
24号追加条項に従い、旧金融公庫と当公庫が付与した一定の与信および保証枠に基づき中央政府が ICO
から借入れた債務の返済によって回収される金額は、当公庫の資本の一部を構成する。 2018 年の見積
総額は 500 千ユーロであり、 2019 年に計上される。
2019 年、スペイン開発金融公庫は、国家財務当局の地位において政府の命令を受け、事業および個
人に対する新たな信用枠を打ち出した。当方針の目的は、スペインの信用制度に更なる流動化をもた
らし、組織的目標の枠組み内における他の需要に取り組むことである。承認を得た主な信用枠は、以
下の通りである。
-Línea ICO Empresas yEmprendedores 2019 :この ICO の信用枠は、国内で投資を行い、かつ流動
性ニーズを満たす必要のある自営業者および企業に対して融資を行う。個人および家主団体も、
住宅の修復のためにこの信用枠を利用することができる。
-Línea ICO Garantía SGR/SAECA 2019 :この ICO の信用枠は、相互保証会社(スペイン語表記の頭
文字をとって「 SGR 」)または国有企業である Caución Agraria (スペイン語表記の頭文字をとっ
て「 SAECA 」)の範囲内で、スペインにおける資金を主とする自営業者およびスペイン企業または
多国籍企業に対して融資を行う。
-Línea ICO Crédito Comercial 2019 :この ICO の信用枠は、スペイン国内の営利事業による前払い
金を通じて流動性を得ようとする自営業者およびスペイン企業またはスペインにおいて設立され
た多国籍企業に対して融資を行う。
-Línea ICO Internacional 2019 :この ICO の信用枠は、外国で生産的な投資を行っており、かつ/
または流動性ニーズを満たす必要のある、スペインの資金を主とする自営業者およびスペイン企
業または多国籍企業に対して融資を行う。
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-Línea ICO Exportadores 2019 :この ICO の信用枠は、流動性を必要とする自営業者およびスペイ
ン企業に対して融資を行い、輸出活動による前払い金を通じて彼らを支援する。
-Línea ICO 国際チャネル・ファシリティー 2019 :自営業の専門家および企業の国際化の過程を支援
するために融資を行う。当該商品と、 Línea ICO Internacional および Línea ICO Exportadores の
間の主たる違いは、貸付が地方銀行に適用されるか、または投資プロジェクトもしくは輸出活動
が行われている国に本部がある国際機関に適用されるかということである。
これらの信用枠の合計額は、 3,100 百万ユーロに達する。 2019 年1月中、 ICO およびこれらの信用枠
の申請書を提出した金融機関は、契約を作成および書名した。
2018 年12月、情報の公開および保留のルールに関する 2017 年通達第4号を修正する 2018 年12月21日
スペイン中央銀行通達第2号が公布された。この基準は、 2019 年1月1日付で効力が発生している
(2018 年の年次財務書類には影響しない)。これにより、スペイン銀行は、これをリースに関する
IFRS 第16号に適用させるため、 2017 年通達第4号を修正する。当公庫の場合、そのリース契約はこの
基準の客観的範囲に該当しないため、その施行がこれらの事業の計上に影響を及ぼすことはない。
当該期末( 2018 年12月31日)から年次財務書類承認日( 2019 年3月 28日)までの間、前述以外に重
要な事実は発生していない。
1.9 事業セグメント別情報
当公庫の主な活動は、信用枠の付与および直接貸付を行うことである。したがって、該当する法律
に従い、 ICO の事業についてセグメント別の情報は不要とみなされる。
また、 ICO はスペイン領域内外で活動を行っており、すべての事業はスペインの利益に寄与するもの
であると認められている。
1.10 「 ICO ダイレクト」貸付業務
2010 年6月、 ICO は「 ICO ダイレクト」として、機械、家具、 IT製品および建物に新たに投資するた
め、自営業の個人、中小企業、およびスペインの非営利団体(1年を超えて活動している団体)に対
して融資を行うことを目的とした新しい事業セグメントを開始した。この事業セグメントは、信用機
関の仲介を通して行われる ICO の通常の貸付業務を補っており、中小企業および自営業の個人向けの金
融手段を広めるよう務めている。 ICO ダイレクトは、 2011 年および 2012 年に更新され、 2012 年6月に終
了した。
ICO ダイレクトにおける取引は、バンコ・サンタンデール( BS)およびバンコ・ビルバオ・ビスカ
ヤ・アルヘンタリア( BBVA )によって公的に処理および管理されていた。これらの信用機関はこの目
的において ICO に対し競争入札をしている。
ICO ダイレクトの 2018 年および 2017 年12月31日現在の経営事業体毎の資産および負債の性質別の内訳
は以下の通りである。
(単位:千ユーロ )
2018 年 2017 年
BBVA BS BBVA BS
ICO ダイレクトの資産および負債
その他の居住者部門に対する貸付金 (引当金控除後 )
814 936 6,215 5,764
- - - -
不良資産 (引当金控除後 )
資産合計 814 936 6,215 5,764
当公庫との合同勘定 (1,085) (1,751) 1,679 2,892
1,899 2,687 4,536 2,872
当期利益
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814 936 6,215 5,764
負債合計
1.11 2011 年の ICO の地方自治体向け貸付業務
2011 年ICO 地方自治体向け融資は、スペイン内閣により 2011 年7月に承認された公会計および社会的
保護の安定性を高めるための勅令法の結果として開始された。その目的は、低迷する経済を踏まえ、
地方自治体に提供する備品、労働およびサービスに係る請求権を決済する主要な問題に苦しむ多くの
自営専門職および小企業の問題を緩和することであった。
この信用枠は、 2011 年4月 30日まで未払いの請求書を決済するための流動性を地方自治体に提供す
ることを目的としていた。主として、証明書および書類の経過年数に基づき自営業の個人および中小
企業に対する債務の返済を支援することを目的としていた。
ICO 地方自治体向け融資は、 2011 年7月から 2011 年11月まで実施されていた。同期間中、当該融資に
より、スペイン全域にわたる 1,029 の地方、地域および島域間町議会が、 38,338 の自営業の個人および
中小企業により 2011 年中に提供された備品、建造物およびサービスに対する未払請求書 222,975 件(総
額967 百万ユーロ)を支払うことができた。
2011 年ICO 地方自治体向け融資業務の定式化および運営は、当プロジェクトに追加されたいくつかの
EECC を通じて実行されている。
2011 年ICO 地方自治体向け融資に関連する 2018 年12月31日および 2017 年12月31日現在の経営事業体毎
の資産および負債の性質別の内訳は下記の通りである。
(単位:千ユーロ)
2011 年ICO のEELL 向け融資資産および負債 2018 年 2017 年
不良資産 4,294 5,202
4,294 5,202
資産合計
当公庫との合同勘定 4,294 5,202
- -
当期利益
4,294 5,202
負債合計
EELL の借入に関し、この信用枠は、国家収益の割当(スペイン語表記の頭文字をとって「 PTE 」)に
より、当公庫へ保証されている。 PTE の下、開始から 2018 年12月31日までにおける当該信用枠の残高の
減少は、 61百万ユーロ( 2017 年12月31日現在で 60.1 百万ユーロ)である。 2018 年12月31日までの間
に、 1,029 の事業体のうち、合計で 409 の事業体が PTE を頼らなければならなくなった。 2018 年12月31日
現在、依然として 12のEELL にPTE の削減を要求しており、その残高は 4.3 百万ユーロであった。
注記2 適用される会計原則、方針および評価基準
ICO の2018 年12月31日に終了した年度の年次財務書類の作成において用いられた会計原則、方針およ
び評価基準は、以下の通りである。
a) 継続企業の原則
財務書類を作成するにあたり、当公庫の経営は当面継続していくと判断された。したがって、会
計基準の適用は、清算の場合における、全部もしくは一部の譲渡を目的とする純資産価値を算定す
るためのものではない。
b) 発生主義原則
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キャッシュフロー計算書に関連するものを除き、年次財務書類は、支払日または回収日にかかわ
らず、実際の物品およびサービスの発生に基づいて作成されている。
c) その他一般的な原則
年次財務書類は、取得原価法に基づき作成されているが、土地および建物( 2004 年1月1日まで
のものに限る。)(注記 13を参照のこと。)、売却可能金融資産ならびに金融資産および金融負債
(デリバティブを含む。)の公正価額でなされた再評価により修正されている。
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2.1 株式
2.1.1 グループ企業
「子会社」とは、当公庫が支配権を有する企業である。企業が投資先との関与による変動利益にさ
らされるか、変動利益に対する権利を有する場合、かつ投資先に対する支配権を通じて、投資先の利
益に影響を及ぼす資格を有する場合に、企業は投資先を支配していると解釈される。
子会社としてみなされるためには、以下を必要とする。
-支配権:投資家は、関連活動(すなわち、投資先の利益に大きな影響を及ぼす活動)の管理を可
能にする既存の権利を有する場合に、投資先に対する支配権を有する。
-利益:投資家は、投資先との関与による利益が、投資先の実績によって変動する可能性がある場
合に、投資先との関与による変動利益にさらされるか、変動利益に対する権利を有する。投資家
の利益は、プラスのみ、マイナスのみ、またはプラスとマイナスの両方になることがある。
-支配権と利益のつながり:投資家は、投資先に対する支配権ならびに投資先との関与による変動
利益に対するエクスポージャーおよび権利を有するだけでなく、投資先との関与による投資家の
利益に影響を及ぼす支配権を行使する資格を有する場合に、投資先を支配する。
これらの株式は、本財務書類において貸借対照表の「子会社、合弁企業および関連企業への投資」
の項目に記載されており、減損調整後の取得原価で評価されている。
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の規定に従い、これらの株式に減損の証拠が認められる場合、
減損額は、回収可能な金額(株式の公正価額から売却に必要な費用を引いた額または株式から配当と
して受領することが見込まれるキャッシュフローおよび株式の処分もしくはその他の利用に係る
キャッシュフローの現在価値としての使用価値のいずれか大きい方として計算される。)および簿価
の、負の差額であると見積もられる。これらの株式に影響する減損損失およびかかる損失の回復はそ
れぞれ、損益計算書の「金融資産および金融負債による損益」の項目で借方または貸方に計上されて
いる。
当年度中のこれらの株式に係る未払い配当金は、損益計算書の「配当金収益」の項目(注記 26を参
照のこと。)に計上されている。
注記 12には、本項の 2018 年および 2017 年12月31日現在の会計データに関する情報が記載されてい
る。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。これらの企業の会計年度末は、すべて 12月31
日である。
2.1.2 関連企業
関連企業とは、当公庫とともに単一の意思決定機関を構成せず、また共同支配に服しないが、当公
庫が重大な影響力を及ぼす企業をいう。通常重大な影響力が、議決権の 20%以上の直接的または間接
的な持分に伴う。
新規制の規定に従い、支配権とは、企業の事業活動から利益を得ることを目的として、その企業の
事業方針および財務方針を管理する権利であると理解されている。
「関連企業」の株式は年次財務書類において貸借対照表の「子会社、合弁企業および関連企業への
投資-関連企業」に減損調整後の取得原価で評価される。
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の規定に従い、これらの株式に減損の証拠が認められる場合、
減損額は、回収可能な金額(株式の公正価額から売却に必要な費用を引いた額または株式から配当と
して受領することが見込まれるキャッシュフローおよび株式の処分もしくはその他の利用に係る
キャッシュフローの現在価値としての使用価値のいずれか大きい金額として計算される。)および簿
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価の、負の差額であると見積もられる。これらの株式に影響する減損損失およびかかる損失の回復は
それぞれ、損益計算書の「金融資産および金融負債による損益」の項目で借方または貸方に計上され
ている。
当年度中にこれらの株式について発生した配当は、損益計算書の「配当金収益」の項目(注記 26を
参照のこと。)に計上されている。
別紙Ⅰには、これらの企業に関する情報を記載する。
2.2 金融商品
2.2.1 金融商品の当初の認識
金融商品は当初、当公庫が該当する契約の当事者となった際に当該契約の条件に従い貸借対照表に
おいて認識される。特に、貸付および現金預金等の債務証書は、現金を受領する権利または支払う義
務が発生する日現在でそれぞれ認識される。一般に金融デリバティブは契約日に認識される。
従来の契約を通じて行われる金融資産の売買は、すべての所有権に内在する利益、リスク、権利お
よび義務が取得者に移転した日に計上される。当事者の相互義務に基づくこれらの契約は、規制また
は市場慣行により設定された期間内に履行されなければならず、株式市場取引または通貨先物取引等
のように差額で決済することができない。購入または売却した金融資産の種類に応じて、契約日、決
済日または引渡日となる。特に、外国為替現金取引市場で行われた取引は、決済日に認識され、スペ
インの証券市場で取引される持分証券を用いて実施される取引は、契約日に計上され、スペインの証
券市場で取引される債務証書を用いて行われる取引は、決済日に認識される。
2.2.2 金融商品の譲渡および処分
金融商品の譲渡は、譲渡金融商品に係るリスクおよび利益を移転させる方法を考慮して記録され
る。それは、以下の基準に基づいて行われる。
-リスクおよび権利が実質的に第三者に移転された場合、譲渡金融商品は、その譲渡により留保ま
たは発生した権利または義務すべてを認識した上で、貸借対照表上から除外される。なお、この
譲渡に含まれるのは、無条件的売却、取得日における公正価額での売却および買戻、購入選択権
もしくは深刻な資産危機状態での売却権が伴う金融資産の売却、譲与者が劣後融資を留保しない
資産の証券化、または新たな保有者に対する信用補完等である。
-譲渡金融商品に係るリスクおよび利益が留保された場合、譲渡金融商品は貸借対照表上から除外
されず、移転前と同様の基準に従って測定される。なおこの留保に含まれるのは、現先取引がさ
れた金融資産の固定価格または利息付の売却額での売却、借方が同様または同等の価値の資産の
返済を求められるローン契約等である。しかし、受領対価と同額に係る金融負債は認識される。
その後、償却原価で評価され、認識はされないが、譲渡金融資産の収入および新たな金融負債額
になる。
-売買された購入選択権付き金融資産の売却(内部貨幣または外部貨幣での売却ではない。)、譲
与者が譲渡資産の株式に対する劣後融資または信用補完をすることを想定する証券化等、譲渡金
融商品に係るリスクおよび利益が、実質的に移転または留保されない場合には、以下の通り区別
される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保しない場合、貸借対照表上から除外され、その移転
により留保または発生した権利または義務は、すべて認識される。
-企業が譲渡金融商品に対する支配権を留保する場合、起こりうる価値変動と同額のエクスポー
ジャーが貸借対照表上で認識され続け、受領対価と同額の金融負債が認識される。損益を通じ
て公正価額で評価した金融負債として分類されるための条件を満たさない限り、かかる負債
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は、後に償却原価で評価される。この金融負債額を計算するため、金融資産が移転された企業
に対する融資を構成する金融商品(資産担保証券および貸付金等)の価格は控除される。その
控除額は、かかる金融商品が、とりわけ譲渡資産を融資する際の価格とまったく同額である。
譲渡資産とそれに係る負債との間の純額に関して、譲渡資産が償却原価にて評価された場合
は、留保された権利および義務の減価償却額になる。また、譲渡資産が公正価額で評価された
場合は、留保された権利および義務の公正価額になる。
以上の通り、金融資産が貸借対照表上から除外されるのは、発生したキャッシュフローが消滅した
場合または内在的なリスクおよび利益が第三者に移転した場合である。
同様に、金融負債が貸借対照表上から除外されるのは、発生した義務が消滅した場合またはこの金
融負債が取消もしくは交換の意図を持って購入された場合である。
2.2.3 金融商品の公正価額および償却原価
金融資産
金融商品のある日の公正価額は、知識を有するいくつかの当事者間の公正な取引において、同日に
取得または売却されると見込まれる金額として理解される。金融商品の公正価額として参照できる、
最も客観的で一般的な価格は、組織的で透明性が高く信用できる市場で支払われるであろう金額
(「見積価格」または「市場価格」)である。
特定の金融商品に市場価格がない場合、その公正価額は、類似の金融商品の最近の取引に基づき見
積もられ、それができない場合には、評価される金融商品の特性、特に金融商品に関連する様々な種
類のリスクを考慮して、国際的な会計協会により承認されている評価手法を用いる。
とりわけ、組織的で透明性が高く信用できる市場で取引されている売買目的保有のデリバティブ金
融商品の公正価額は、日々の市場価格と同じである。例外的な場合において、いずれかの日に価格を
設定することができない場合には、組織的な市場で取引されていないデリバティブに適用されるもの
と同様の手法を用いて測定される。
組織的な市場で取引されていないデリバティブまたは規模が小さいもしくは透明性に欠ける組織的
な市場で取引されているデリバティブの公正価額は、金融市場で認められる評価手法(「純現在価
値」( NPV )、オプション価格決定モデル等)を用いて当該商品から発生する将来のキャッシュフロー
の合計を測定日で割り引いたもの(「現在価値」または「理論値」)と同額である。
償却原価は、金融資産または負債の取得原価を元利金の返済、また該当する場合には、金融商品の
当初価格と返済価額の差異の一部(実効利率法を用いて損益計算書で認識される。)について(上方
または下方に)調整した額である。金融資産の償却原価には、発生したであろう減損調整も含まれ
る。
実効利率は、金融商品の当初価格を残存期間中に見積キャッシュフローの全額と一致させる割引利
率である。固定利付金融商品の場合、実効利率は、取得に際して決定した約定利率であり、 2017 年ス
ペイン中央銀行通達第4号の条項に従い実効利率の計算に含まなければならない手数料および取引費
用の調整がなされている。変動利付金融商品の実効利率は、固定利付金融商品と同様に見積もられ、
契約に定める各金利見直し日に商品の将来のキャッシュフローの変動を考慮して再計算される。
公正価額の客観的な評価が不可能なその他の企業の株式および金融デリバティブ(裏付資産のよう
な商品を保有し、交付により決済されるもの。)は、それが適切とされれば、発生した減損損失によ
り、価格調整される。
子会社、共同支配会社および関連企業の株式は、それが適切とされれば、発生した減損損失によ
り、価格調整され計上される。
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金融資産価格の変動は、通常、損益計算書内の対応項目とともに計上される。それは、損益計算書
の「金融資産および金融負債による損益」の項目で、純額で計上され、「利息および類似収益」で計
上される未収利息および類似項目に起因するものと、その他に起因するものとを差異化する。
しかし、為替差額から生起しない限り、その他の包括利益を通じて公正価額で評価される金融資産
のポートフォリオに含まれる商品価値の変動は、一時的に「その他の累積包括利益」の項目に計上さ
れる。評価の変動が損益計算書で決して再分類されない金融商品でない限り、これらが損益計算書に
計上された際、貸借対照表資産内の該当箇所から除外されるまでは、これらの金融商品の公正価額の
変動について「その他の累積包括利益」の項目に記載される金額は、資本純額の一部として残る。
また、「売却目的保有の非流動資産」の項目に計上されるものの価格変動は、資本純額の価値調整
として「その他の累積包括利益」に計上される。
本年次財務書類における金融商品の公正価額での評価は、以下の公正価額レベルを用いて分類され
る。
ⅰ) レベルⅠ:活発な市場における同一の商品の市場価格(調整前)により得られた適正な額
ⅱ) レベルⅡ:活発な市場において類似の金融商品に用いられる評価手法、最近の取引において値
付けされた価額もしくは予測キャッシュフロー、またはすべての重要な投入資本が直接的にま
たは間接的に観察可能である市場データに基づくその他の評価手法により得られた公正価額
ⅲ) レベルⅢ:いくつかの重要な投入資本が、観察可能な市場データに基づいていない評価手法に
より得られた公正価額
ヘッジ対象およびヘッジ会計として指定された金融資産に関しては、その評価差額は以下の基準を
考慮して計上される。
-公正価額ヘッジに関して、ヘッジ・リスクの種類と関連してヘッジされたものおよびヘッジ対象
の中で生じた差異は、損益計算書で直接認識される。
-キャッシュフロー・ヘッジおよび純外国投資の非効率に関する評価差額は、損益計算書に直接計
上される。
-キャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時
的に資本純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
-純外国投資ヘッジに関して、ヘッジ対象の実効ヘッジにおいて生じた評価差額は、一時的に資本
純額の調整として「その他の累積包括利益」の項目に計上される。
最後の二つの事例に関しては、ヘッジ対象の損益が損益計算書に計上されるまで、またはヘッジ対
象の満期日まで、最終的に評価差額は損益に計上されない。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクの公正価額ヘッジに関して、ヘッジ商品を査定する際
に生じた損益は、損益計算書で直接認識される。その一方で、ヘッジ対象リスクに関しては、公正価
額の変動を補填する金額の損益は、マクロヘッジによる金融資産の調整として「その他の累積包括利
益」に計上される。
金融商品ポートフォリオにおける金利リスクのキャッシュフロー・ヘッジに関して、ヘッジ商品の
価値変動の有効な部分は、予定された取引がなされるまでは、一時的に資本純額の調整として「その
他の累積包括利益」に計上され、その後、損益計算書に計上される。ヘッジ・デリバティブの価値変
動の非有効部分は、損益計算書に直接計上される。
金融負債
金融資産に関して定義されているように、金融負債は以下の場合を除いて、償却原価で計上され
る。
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-金融資産に関して定義されているように、「売買目的保有の金融負債」および「損益を通じて公
正価額で評価した金融負債」の項目に含まれる金融負債は、公正価額で評価される。公正価額
ヘッ ジ取引により補填される金融負債については、ヘッジ取引で補填されるヘッジ対象リスクに
関連するこれら公正価額の変動が計上され、調整される。
-裏付資産が持分証券であり、公正価額を十分な客観性をもって決定できず、当契約書の交付に
よって決済される金融デリバティブは、原価で評価される。
金融負債額の変動は、通常、損益計算書上で相殺されて計上される。これは、「利息および類似 収
益」の項目で計上される未収利息および類似項目に起因するものと、他の要因(「公正価額で評価し
た金融資産および金融負債による損益」の項目で計上されるもの。)に起因するものを差異化する。
ヘッジ対象およびヘッジ会計差額として指定された金融負債は、前記注記に記載された金融資産に
関する、上記の基準を考慮した上で計上される。
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2.2.4 金融資産および金融負債の区分および評価
金融商品は当公庫の貸借対照表で以下の区分に分類される。
-中央銀行および信用機関に対する預金とは、現金残高ならびにスペイン中央銀行、その他の中央
銀行およびその他の信用機関が保有する金額である。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債は、取引ポートフォリオに分類される
金融商品ならびに損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産および金融負債により構成
される。
・金融資産とは、取引ポートフォリオに含まれる、短期間で現金化するために取得したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定される金融商品のポートフォリオの一
部を構成するものをいう。また、ヘッジ商品として指定されていないデリバティブ金融商品
は、この区分を構成するものとみなされ、適用ある会計規則に従いハイブリッド金融商品から
分離される商品を含むものとする。
・金融負債とは、取引ポートフォリオに含まれる、近い将来に買い戻すために発行したものまた
は短期利益を得るための行為を行った証拠があると特定され、もしくは共同で運用される金融
商品のポートフォリオの一部を構成し、選択性でない現先取引に基づき取得した資産の売却か
ら生じる証券のショート・ポジションおよび証券の貸付ならびにヘッジ商品として指定されて
いないデリバティブ金融商品(ハイブリッド金融商品から分離される商品を含む。)をいう。
ある金融負債が資産取引に融資するために用いられるという事実自体は、この区分に含まれる
ことを意味しない。
・損益を通じて公正価額で評価したその他の金融資産または金融負債とは、以下のものをいう。
-ハイブリッド金融資産とみなされ、公正価額で評価される、取引ポートフォリオに含まれな
い金融資産。公正価額で評価される保険契約に基づく負債または公正価額の変動へのエクス
ポージャーを軽減する目的および効果を持つ金融デリバティブとともに運用されるもの。あ
るいは、金利リスクへの全体的なエクスポージャーを軽減する金融負債およびデリバティブ
とともに運用されるもの。
-事業体による当初の認識で指定された金融負債、または、認識時に以下の理由により、さら
なる関連情報が得られるもの。
-当該情報により、資産もしくは負債の評価、または損益の認識において生じる認識または
評価の不一致は、別の基準によって解消または大きく軽減される。
-金融負債または金融資産および金融負債両方のグループは管理され、その成績はリスク管
理または投資情報戦略に従い、公正価額に基づいて評価される。文書化されたグループの
情報もまた公正価額に基づいて、経営幹部に対して提出される。
-償却原価で評価される金融資産の区分には、以下のものが含まれる。
・固定満期であり、キャッシュフローが確定金額または確定可能な金額である負債性証券。本科
目に含まれる負債性証券は、当初、公正価額で評価され、直接金融資産の取得に帰属する取引
費用について調整され、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規則におい
て定義される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、実効利率に基づく償却原
価で評価される。
・貸付および受取債権。本科目には、当公庫が行う通常の信用供与および貸付活動から生じる第
三者への融資、ならびに資産の買主およびサービス利用者が被る負債が含まれる。また、事業
体が貸主として行為するファイナンスリース取引も含まれる。
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本区分に含まれる金融資産は、当初公正価額で計上され、直接金融資産の取得に帰属する手数
料および取引費用について調整され、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計
規則に基づく実効利率法を用いて損益計算書で認識しなければならない。取得後は、取得された
資産は償却原価で評価される。
割引で取得された資産は、支払額で計上され、返済額と当該支払価格との差額は、満期まで実
効利率法を適用し、金融収益として認識される。
本区分に含まれる資産の未収利息は、実効利率法を用いて計算され、損益計算書の「利息およ
び類似収益」の項目において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建て
の証券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。これらの証券の減損損
失は、注記 2.7 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる負債性証券は、注記 2.3 に記
載の通り計上される。
-その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産。本区分には、償却原価で評価した金融
商品または損益を通じて公正価額で評価した金融商品には分類されない当公庫が保有する負債性
証券、ならびに子会社、合弁企業または関連企業以外の当公庫の各事業体に保有される持分証券
であって損益を通じて公正価額で評価されるものに分類されないものが含まれる。
本区分に含まれる金融商品は、当初公正価額で測定され、直接金融資産の取得に関連する取引
費用について調整され、満期まで、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の時点で適用ある会計規
則に定められる実効利率法を用いて損益計算書で認識される(ただし、金融資産の満期が固定さ
れていない場合を除く。)。金融資産の満期が固定されていない場合には、減損が生じた時点で
損益計算書に計上されるか、または貸借対照表で損金処理される。その後、本区分に含まれる金
融資産は、公正価額で評価される。
上記にかかわらず、十分に客観的な方法で公正価額を決定することができない持分証券は、注
記2.7 に記載の通り計算された減損を控除して、年次財務書類に取得原価で評価される。
これらの金融資産から生じた利息または配当金に相当する収益は、対応項目とともに、損益計
算書の「利息および類似収益」(実効利率法を用いて計算する。)および「配当金収益」にそれ
ぞれ計上される。これらの商品の減損損失は注記 2.7 に記載の通り計上される。ユーロ以外の外国
通貨建ての金融資産に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額
ヘッジでカバーされる金融資産の公正価額の変動は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
残る金融資産の公正価額の買収による変動は、金融資産が償却されるまでの間、すなわちかか
る残高が損益計算書の「損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債の償却に係る
損益」に計上されるまでの間、評価調整額として、対応項目とともに、当公庫の資本の部の「そ
の他の累積包括利益」に計上される。
-償却原価で評価された金融負債。この区分の金融商品には、上記のいずれの区分にも含まれない
金融負債が含まれる。
本区分に含まれる金融負債は、当初公正価額で計上され、直接金融負債の発行に帰属する取引
費用について調整され、満期まで、適用ある会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に
規定される実効利率法を用いて損益計算書で認識される。その後、かかる金融負債は、適用ある
会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)に規定される実効利率法を適用して計算される
償却原価で測定される。
実効利率法を用いて計算されるこれらの資産について発生する利息は、損益計算書の「利息お
よび類似費用」において認識される。ポートフォリオに含まれるユーロ以外の外国通貨建ての証
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券に関する為替差損益については注記 2.4 に記載の通り計上される。公正価額ヘッジに含まれる金
融負債は、注記 2.3 に記載の通り計上される。
上記にかかわらず、売却可能非流動資産に分類されるべき金融商品は、 2017 年スペイン中央銀行通
達第4号規則第 34条に基づき注記 2.16 に記載の通り年次財務書類に計上される。
財務書類におけるこうした区分への分類は、(ⅰ)当該事業体の金融資産管理の事業モデルおよび
(ⅱ)金融資産の契約上のキャッシュフローの特徴という2つの要素に基づき行われる。
-金融資産は、以下の2条件を満たす場合、償却原価で評価した金融資産のポートフォリオに分
類される。
(ⅰ)契約上のキャッシュフローを把握するために、金融資産の保有を目的とする事業モデル
で管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
-金融資産は、以下の2条件を満たす場合、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
資産のポートフォリオに分類される。
(ⅰ)金融資産の契約上のキャッシュフローおよび売上高の把握を併せて目的とする事業モデ
ルで管理されること。
(ⅱ)契約条件により特定日におけるキャッシュフローがもたらされ、かかるキャッシュフ
ローは常に残存元本の金額に係る元本および利息の支払であること。
-金融資産は、当該事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴に
起因して当該金融資産を上記ポートフォリオのいずれにも分類することができない場合に限
り、売買目的保有の金融資産または損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産の
ポートフォリオに分類される。
上記にかかわらず、売買目的保有に分類すべきではなく損益を通じて義務的に公正価額で評
価された金融資産に分類可能な持分証券への投資につき、当該事業体は、当初認識において取
消不能の形で、その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産のポートフォリオに含
めることを選択するものとする。この選択は、金融商品単位で実行される。
また、事業体は、損益を通じて公正価額で評価した金融資産に指定しなかったならば資産も
しくは負債の評価により、または利益もしくは損失の認識により生じたであろう評価または認
識の不一致が、かかる指定により解消するかまたは大幅に減少する場合(「会計上の非対称
性」とも呼ばれる。)、当初認識において取消不能の形で、損益を通じて公正価額で評価した
金融資産への指定を選択するものとする。会計上の非対称性がある場合、かかる選択は、当該
事業体の管理に関する事業モデルまたは契約上のキャッシュフローの特徴がどのようであるか
にかかわらず実行される。
また、上記にかかわらず、事業体は、 2017 年通達第4号の定める要件が満たされる限り、あ
る金融資産を当初またはその後の認識において、損益を通じて公正価額で評価した金融資産の
ポートフォリオに属するものと指定することを選択するものとする。
金融商品ポートフォリオ間での再分類は、もっぱら以下の想定に基づいて行われる。
-事業体が金融資産の管理に関する事業モデルを変更する場合、事業体は、すべての金融資産を
以下の条項に従って再分類することになる。かかる再分類は、再分類日以降、将来を見越して
行われ、これに先立って認識された利益、損失または利息の修正再表示は必要とされない。一
般的に、事業モデルの変更は稀である。
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-事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオから損益を通じて公正価額で評価さ
れるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日における公正価額を
見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生じた利益また
は損失は、損益計算書において認識される。事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価
されるポートフォリオから償却原価で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該資
産の再分類日における公正価額が、かかる資産の新しい総帳簿価額となる。
-事業体が債務証券を償却原価で評価されるポートフォリオからその他の包括利益を通じて公正
価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、事業体は、債務証券の再分類日におけ
る公正価額を見積もらなければならない。以前の償却原価とかかる公正価額との差異により生
じた損失または利益は、その他の包括利益において認識される。実効利率および予想貸倒損失
の見積りは、再分類の結果、調整されない。
-債務証券がその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから償却原価で評
価されるポートフォリオへと再分類される場合、当該金融資産は、再分類日の公正価額で再分
類される。資本の部のその他の累積包括利益における再分類日の累積損益は、再分類日におけ
る資産の簿価を対応項目として用いて消却される。したがって、かかる債務証券は、再分類日
においてあたかもそれまで償却原価で評価されてきたかのように評価される。実効利率および
予想貸倒損失の見積りは、再分類の結果、調整されない。
-事業体が債務証券を損益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオからその他の包括利益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価され、以前に計上された価額の変動の修正計上は行われない。
-事業体が債務証券をその他の包括利益を通じて公正価額で評価されるポートフォリオから損益
を通じて公正価額で評価されるポートフォリオへと再分類する場合、当該金融資産は引続き公
正価額で評価される。資本の部の「その他の累積包括利益」におけるそれまでの累積損益は、
再分類日において、当該会計期間の損益に移転される。
-子会社、合弁企業または関連企業への投資がかかる分類でなくなる場合、留保された投資額
(もしあれば)は、再分類日における公正価額で評価され、再分類以前の簿価と損益またはそ
の他の包括利益(留保された投資のその後の評価法に基づきいずれか該当する方)におけるか
かる公正価額との差異により生じたすべての利益または損失が認識される。
-子会社、合弁企業または関連企業として適格となる以前の事業体への投資は、支配、共同支配
または重大な影響力を獲得する日まで、公正価額で評価される。この最終日において、事業体
は、以前の投資の公正価額を見積もらなければならず、これに伴い、再分類以前の簿価と損益
またはその他の包括利益(該当する方)におけるかかる公正価額との差異により生じたすべて
の利益または損失を認識する。該当する場合、資本の部のその他の累積包括利益における累積
損益は、当該投資額が貸借対照表から償却されるまで維持され、この時点で準備金項目に再分
類される。
-事業体は、金融負債については再分類を行わない。
上記の条項において、以下の事情に起因する変更は、再分類とみなされない。
a)以前は外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券と指
定され有効であった要素が、そのようにみなされるための要件に該当しなくなる場合。
b)ある要素が外国事業におけるキャッシュフロー・ヘッジまたは純投資ヘッジのヘッジ証券
と指定され有効となる場合。
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c)金融商品が、損益を通じて公正価額で評価される指定を受けたためまたはかかる指定を解
除されたため、その評価が変更される場合。
2018 年度において、 ICO は、注記8および9に記載される再分類を行った。 2017 年度における再分類
はなかった。
2.3 金融デリバティブ
金融デリバティブとは損益を提供する商品であり、特定の状況下では、取引および残高に関連する
信用リスクおよび/または市場リスクの総額または一部の補償を認める。その方法としては、金利お
よび特定の利率、個別の証券価格、為替レート・クロスカレンシーまたは同様のその他基準を裏付資
産として利用する。当公庫は、組織的な市場または組織的な市場に対応する相対市場(店頭)の両方
で取引される金融デリバティブを用いる。
当公庫は、中でもとりわけ、金利リスク、為替レートおよび市場レートへのエクスポージャーを軽
減するための戦略の一環として金融デリバティブを利用する。これらの取引が 2017 年スペイン中央銀
行通達第4号規則第 31条および第 32条の特定要件を満たす場合には、かかる取引は「ヘッジ」とみな
される。
当公庫がある取引をヘッジとみなす場合には、ヘッジに含まれる取引または商品の開始時からその
ようにみなし、ヘッジは適切に文書化される。これらのヘッジ取引を文書化する際には、当公庫が補
填しなければならないリスクを考慮の上で、ヘッジされる商品またはヘッジを行う商品を適切に特定
するとともに、補填しようとするリスクの性質、および当公庫が有効期間中のヘッジの有効性を測定
するために用いる基準または手法を特定する。
当公庫は、その有効期間にわたり極めて効果的と考えられるヘッジについてのみ、ヘッジ会計を適
用する。ヘッジは、予定の期間中にヘッジで補填されたリスクに帰属する公正価額またはキャッシュ
フローの変動がそれぞれ、ヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で完全に相殺された
場合に極めて効果的であるとみなされる。
前記のようなヘッジの有効性を測定するために、当公庫は、所定のヘッジ期間の開始日から終了日
までに、ヘッジ対象のリスクに帰属するヘッジ項目の公正価額またはキャッシュフローのいずれか関
連ある方の変動がヘッジ商品の公正価額またはキャッシュフローの変動で将来的にほぼ完全に相殺さ
れると見込まれるかどうか、および遡及的にヘッジの結果がヘッジ対象の数値結果の 80%から 125 %の
測定範囲で変動するかどうかを分析する。
当公庫が行うヘッジ取引は以下の科目に分類される。
-公正価額ヘッジは、損益計算書に影響を及ぼす金融資産および金融負債もしくは約定額または特
定のリスクに関連するこれらの一部の公正価額の変動に関するリスクを補填する。
-キャッシュフロー・ヘッジは、特定のリスクに関連して、損益計算書に影響を及ぼす金融資産も
しくは負債または将来当公庫が行う可能性の非常に高い取引から生じるキャッシュフローの変動
を補填する。
測定値の差異は、ヘッジ項目および会計ヘッジとしてみなされた金融商品について特に言及する場
合、以下の条件に従って計上される。
-公正価額ヘッジについては、ヘッジされるリスクの種類に応じて、ヘッジとヘッジ項目双方の公
正価額の差異が直接損益計算書で認識される。
-キャッシュフロー・ヘッジについては、ヘッジの補填の有効部分について生じる測定値の差異
は、一時的に「その他の累積包括利益」に計上される。この種類のヘッジが行われた金融商品
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は、注記 2.2 に記載される判断基準に従い、当該補填が行われた金融商品とみなされたことによる
調整を行うことなく計上される。
最後の場合には、測定値の差異は、ヘッジ項目の損益が損益計算書に計上されるまで、または満期
まで、損益として認識されない。
キャッシュフロー・ヘッジの非有効部分に対応するヘッジ証券の評価額の差異は、損益計算書の
「公正価額で評価した金融資産および金融負債による損益」において直接認識される。
当公庫は、ヘッジ商品が満了もしくは売却された場合、ヘッジがヘッジ会計の基準を満たさなく
なった場合、または取引がヘッジと分類されなくなった場合にヘッジ会計を中止する。
上記の通り公正価額ヘッジ会計が中止され、ヘッジ項目が償却原価で計上される場合には、ヘッジ
会計のために行われた評価額調整は、中止日に再計算された実効利率を適用してヘッジ項目の満期日
まで損益計算書において認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止される状況においては、ヘッジからの累積損益は、貸借対照
表の「その他の累積包括利益」に計上され、予定されたヘッジ取引が行われるまでこの科目に留ま
り、実行された時点で損益計算書に移転される。また、キャッシュフロー・ヘッジ取引が中止される
状況で、ヘッジ要素が、金融資産または負債を計上することが予定された取引である場合には、計上
される資産または負債の取得原価は調整される。予定された取引が行われないと予測される場合に
は、当該取引に関連する「その他の累積包括利益」の記載は直ちに損益計算書において認識される。
2.4 外貨建取引および機能通貨
当公庫の機能通貨はユーロである。このため、すべてのユーロ以外の表示の残高および取引は、外
貨建てとみなされる。
以下は、 2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫が保有する外貨建金融資産および負債を示した
ものである(単位:千ユーロ)。
2018 年 2017 年
資産 負債 資産 負債
英ポンド
193,781 182,125 205,384 -
米ドル 1,475,765 5,764,567 1,012,169 6,133,819
スイス・フラン 44 373,200 66 462,475
日本円 908 166,865 851 192,578
157,794 397,137 203,325 663,300
その他の通貨
1,828,292 6,883,894 1,421,795 7,452,172
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以下は、 2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫が記録した、種類別の外貨建資産および負債に
相当するユーロを示したものである(単位:千ユーロ)。
2018 年 2017 年
資産 負債 資産 負債
信用機関への貸付
448,477 341,976 -
顧客への貸付 1,378,756 1,078,164 -
その他の金融資産 1,059 1,655 -
信用機関への預金 - 1,173,697 - 772,813
負債性証券の発行 - 5,709,176 - 6,677,695
- 1,021 - 1,664
その他の金融負債
1,828,292 6,883,894 1,421,795 7,452,172
当初認識される際には、外貨建ての借方と貸方の残高は、認識日の直物為替レート(即時払い用の
為替レート)にて、機能通貨に換算される。当初の認識後は、外貨建ての残高を機能通貨に換算する
場合には以下の規則が適用される。
ⅰ)貨幣性資産および負債は、年度末の為替レート(年次財務書類に記載される日付現在の平均直
物為替レート)にて換算される。
ⅱ)取得原価で評価される非貨幣性項目は、取得日の為替レートで換算される。
ⅲ)公正価額で評価される非貨幣性項目は、公正価額が決定される日の為替レートで換算される。
ⅳ)収益および費用は、取引日の為替レートを適用して換算される。しかしながら、著しい変動が
ない限りは、期間の平均為替レートが当該期間中に実施されたすべての取引について適用され
る。減価償却費は当該資産に適用される為替レートで換算される。
外貨建ての借方と貸方の残高の換算により生じる為替損益は、通常、損益計算書に計上される。し
かしながら、公正価額で評価される非貨幣性項目について生じる為替損益の場合は、公正価額の調整
が「その他の累積包括利益」に計上され、非貨幣性項目の再評価に関する為替レートの要素が分類さ
れる。
当公庫が事業を行う主要外貨建ての残高を換算する際に使用するのは、 2018 年および 2017 年12月31
日に欧州中央銀行が発表した市場レートである。
外貨建ての受取債権および支払債務の換算により生じる為替差損益の純額は、 2018 年12月31日現
在、 49,884 千ユーロの利益( 2017 年12月31日現在は 24,553 千ユーロの利益)にまで上った。
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2.5 収益および費用の認識
以下の要約は、収益と費用を認識する際に当公庫が採用する最も重要な基準である。
2.5.1 受取利息、支払利息、配当金および類似項目
通常、受取利息および支払利息ならびにその類似項目は、会計の目的上、発生主義に基づき適用あ
る会計規則( 2017 年スペイン中央銀行通達第4号)において定義される実効利率法を用いて認識され
る。他社より受領する配当金は、当公庫が配当金を受領する権利が発生した時点で、当公庫の損益計
算書において認識される。
2.5.2 手数料、報酬および類似項目
事業の実効利率の計算に含まれるべきでない、または金融資産もしくは負債の取得原価を構成しな
い手数料に関する収益および費用ならびに類似の報酬は、損益を通じて公正価額で評価したものを除
き、その性質に基づく様々な基準を用いて損益計算書で認識される。最も重要な項目は以下の通りで
ある。
-損益を通じて公正価額で評価した金融資産および金融負債に関連する金額は、支払日に損益計算
書において認識される。
-長期取引または役務から生じる金額は、当該取引または役務の期間中に損益計算書において認識
される。
-一度限りの事象に関連する金額は、当該事象が発生した際に損益計算書において認識される。
2.5.3 金融外収益および費用
これらの金額は、発生主義に基づき認識される。
2.5.4 繰延回収および繰延支払
繰延回収および繰延支払は、市場レートで予想キャッシュフローを割り引いて算定した金額で認識
される。
2.6 残高の相殺
取引により生じる借方および貸方の残高は、契約上または法律上、相殺が可能であり、会社に存在
し、純額で決済されるものまたは現金化と同時に支払われるものに限り、相殺され、貸借対照表に純
額で表示される。
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2.7 金融資産の減損
金融資産の簿価は、減損損失が生じたという客観的証拠がある場合には、一般に損益計算書につい
て調整される。
-貸付および負債性証券等の債務証書については、当初の認識後、将来のキャッシュフローに悪影
響を及ぼす事象または様々な事象の複合的な効果が生じる場合
-持分証券については、当初の認識後、ある事象または様々な事象の複合的な効果により簿価を回
収できない場合
原則として、減損金融証書の価額修正は、当該減損が生じた期間の損益計算書に計上され、以前に
計上された減損損失の回収(もしあれば)は、損失が解消または軽減された期間の損益計算書におい
て認識される。減損について認識された金額の回収が不可能であると考えられる場合、かかる金額
は、貸借対照表上から削除される。しかし、制限期間の満了、消却その他の原因により当公庫の請求
権が消滅するまで、当公庫は、かかる金額の回収のために必要な措置を講じることはできる。
債務証書および偶発リスクポートフォリオは、その所有者、保証または仲介にかかわらず、当公庫
が晒される信用リスクを決定し、価額の減損のヘッジ要件を見積もるために分析される。年次財務書
類の作成のため、当公庫は、その起こりうる顧客および国の支払不能リスクを別々に分析することに
より信用リスクの観点から運用を分類する。
債務証書の将来キャッシュフロー見積額は、当公庫が証書有効期間中に受領すると考えている元本
および利息である全額である。年次財務書類作成の時点で利用可能な関連情報のすべてが、この見積
りの際に考慮される。当該関連情報は、契約上のキャッシュフローの将来の回収の可能性についての
データを提供するものである。また、証券の将来のキャッシュフローを含み証書を見積もる際、保証
の可能性にかかわらず、その取得およびその後の売却の費用の額を差引いて、その実現の結果となる
キャッシュフローが考慮される。
見積将来キャッシュフローの額の現在価値の計算において、契約上の利率が固定金利の場合、証書
の当初の実効金利が更新利率として使用され、変動金利の場合、契約の財務条件に応じて決定される
財務書類が関係する日付の実効金利が使用される。
償却原価で評価する債務証書については、減損損失額は、簿価と見積将来キャッシュフローの現在
価値とのマイナス差額に等しく、見積将来キャッシュフローの現在価値は、固定金利の場合には当初
の実効金利、変動金利の場合には契約条件に従い計算される年次財務書類日現在の実効金利を用いて
計算される。上場債務証書の場合には、当公庫が回収する価額を表すものと十分に信頼できることを
条件として時価が用いられる。
減損が生じたという客観的な証拠は、すべての重要な債務証書については個別に、個別に重要では
ない債務証書のグループについては個別にまたは集合的に決定される。特定の証券を類似のリスクを
有する資産グループに含めることができない場合には、減損が生じているかどうか個別に分析され、
生じている場合には減損損失額を見積もる。
金融資産のグループについては以下の通り集合的に見積減損損失額が評価される。
-債務証書は、契約条件に従い債務者が全額(元本および利息)を支払う能力を示す類似の信用リ
スクの特徴を有するグループに分類される。資産をグループ化する際に考慮する信用リスクの特
徴は、例えば証券の種類、債務者の業種、営業地域、保証の種類、支払遅延日数等将来キャッ
シュフローの見積りに関連するものである。
-債務証書の各グループの将来キャッシュフローは、過去のデータを現在の市況に当てはめるため
の調整を施した上で、当公庫について類似の信用リスクを有する証券の過去の損失の実績に基づ
き見積もられる。
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-各グループの減損損失は、グループ全体の債務証書の簿価と見積将来キャッシュフローの現在価
値との差異である。
損益計算書の変動を通じて公正価額で評価されない債務証書、偶発リスクおよび約定額は、顧客ま
たは取引に帰属する支払不能リスクに基づき、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の別紙Ⅸに定めら
れる科目に分類される。標準リスクに分類されない債務証書については、支払遅延日数、提供された
保証、顧客の財務状況および適切な場合には保証人を考慮して、上記通達に定める基準に基づき必要
とされる特定の減損ヘッジについて見積りが行われる。
同様に、これらの金融商品は、カントリー・リスクから派生する信用リスク(通常の商業リスク以
外の状況により顧客が居住する国に関連するリスクであるとする。)を決定するために評価される。
上記の特定の減損ヘッジに加え、当公庫は、損益計算書を通じて公正価額で評価しない債務証書に
内在する損失およびグループ・ヘッジを通じて標準リスクとして分類される偶発リスクに対するヘッ
ジを行う。当該グループ・ヘッジは、特定の取引に割り当てられていない統計手法を用いて計算され
る、減損実績および年次財務書類日現在に発生した内在する損失に関連する評価時点におけるその他
のよくある状況に基づき計算される。
当公庫は、スペイン中央銀行が業界における経験および情報に基づき設定したパラメーターを使用
し、債務証書に内在する減損損失および標準リスクとして分類される偶発リスクを補填するための手
法および金額を決定しており、当該パラメーターは、データに応じて定期的に変更される。減損損失
のヘッジを決定する手法は、適用される会計規則で定められる一定の割合に基づいており、これは
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の別紙Ⅸで定められる金融商品のリスクの分類に応じて異なる。
当該の変化は、上述の別紙で定められる金融商品のリスクの分類によって決まる。
基本的に、債務証書の減損は、業務が属するリスクセグメントおよび満期日経過期間に基づき、下
記の割合を効果的な担保により回収される額でカバーされない未払いリスクに適用することで計算さ
れる。
90日超 6ヶ月超 9ヶ月超 1年超 15ヶ月超 18ヶ月超
21ヶ月超
6ヶ月以内 9ヶ月以内 1年以内 15ヶ月以内 18ヶ月以内 21ヶ月以内
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 60 70 80 85 90 100 100
建設土木工事 55 65 70 75 85 90 100
その他の特別融資 50 60 70 85 90 100 100
非特別融資
大企業 50 60 70 85 90 100 100
中小企業 55 65 70 80 85 90 100
個人起業家 30 40 50 60 75 90 100
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 40 45 55 65 75 90 100
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 40 45 55 65 75 90 100
別宅 40 45 55 65 75 90 100
消費者信用(クレジットカード負債を含む。) 50 60 70 80 90 95 100
その他 50 60 70 80 90 95 100
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標準リスクとして分類される業務に対する一般的な引当金は、警戒リストにおける標準リスクに対
して計算されたものとは異なる。どちらも下記の割合を効果的な保証でカバーされない未払いエクス
ポージャーに適用することで計算される。
標準リスク 警戒リストにおけるリスク
非金融機関および個人起業家
特別融資
建設および不動産開発 1.9 27.6
建設土木工事 1.9 18.8
その他の特別融資 0.5 7.5
非特別融資
大企業 0.5 7.5
中小企業 0.9 12.7
個人起業家 1.1 11.6
住居
住宅購入
未払いの主な住居( LTV )( 80%未満の保証) 0.6 13.0
未払いの主な住居( LTV )( 80%超の保証) 0.6 13.0
別宅 0.6 13.0
消費者信用 1.5 16.0
そのうち:クレジットカード負債 0.8 9.0
その他 1.5 16.0
ヘッジを計算するための効果的な担保の見積りには、以下の該当担保の基準値における推定割引が
適用される。
基準値における割引率(%)
実物保証の種類
抵当保証(第一順位)
建造物および完成建造物構成要素
住宅 30
オフィス、公共施設、倉庫 40
その他 45
注文された都市部における土地および開発可能用地 40
その他の不動産 45
金融機関の提示された担保
貨幣預金 0
その他の市場性のある金融機関 10
その他の市場性のない金融機関 20
その他の実物保証(例:二番抵当、動産) 50
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該当するヘッジの評価を目的とした負債の支払において 差し押さえたまたは受領し た不動産資産に
ついては、当該資産の基準値につき以下の割引が適用される。
基準値における割引率(%)
差押物件の種類
建造物および完成建造物構成要素
住宅 25
オフィス、公共施設、倉庫 27
その他 30
注文された都市部における土地および開発可能用地 30
その他の不動産 35
個別に有効なすべての債務証書および過去3ヶ月間に生じた価格の下落により計算された集合的な
減損損失に関し、契約条件に基づく未収利息は、損益計算書において認識されない。
他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産に含まれる負債性証券および持分証券の減損損
失額は、その取得原価(元本返済額調整後)と公正価額の差額から、すでに損益計算書で認識された
減損損失を控除した額に等しい。
公正価額の減少が減損によるものであるという客観的証拠がある場合には、純資本額の調整として
の「その他の累積包括利益」に直接認識された潜在的損失は、直ちに損益計算書に計上される。減損
損失の全部または一部が後に回収される場合、かかる回収額は、負債性証券の場合には回収期間の損
益計算書、持分証券の場合には純資本額の調整としての「その他の累積包括利益」において認識され
る。
売却目的保有の非流動資産として分類される負債性証券および持分証券については、資本に計上さ
れた損失は、実現したものとみなされ、分類が行われた日に損益計算書で認識される。
関連企業、合弁企業および子会社における株式については、当公庫は、回収可能額と簿価を比較し
て減損損失を見積もる。減損損失は、減損損失が生じた年度の損益計算書に計上され、その後の回収
は、回収期間の損益計算書に計上される。
減損等として計上される金額は、回収が不可能であると考えられる場合、貸借対照表から削除され
るが、当公庫は、終了、取消またはその他の理由によりかかる権利が恒久的に抹消されない限り、回
収を試みるのに必要な行動をとることが可能である。
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2.8 財務保証および関連引当金
財務保証契約とは、法律上の種類(とりわけ保証、財務保証保険契約、または信用デリバティブ)
を問わず、債務者が債務証書の当初のまたは修正された条件に基づく特定の支払義務の履行をしない
場合に、債権者が被った損失を返済するために特定の支払を行うことを発行者に要求する契約をい
う。
財務保証契約の発行者は、保険会社により発行された契約を除き、当該契約につき、公正価額に取
引費用(その発行に直接起因する。)を加えた額を「その他の金融負債」の項目に計上した。
当初は、相互独立条件における単独取引の範囲内で関係のない第三者に発行された財務保証契約の
公正価額は、受領されたプレミアムに受領されるキャッシュフローの現在価値を足した額であり、類
似の条件およびリスクで当公庫が発行した金融資産と類似の金利を使用する。同時に、上記の金利で
受領される将来キャッシュフローの現在価値は受取債権として認識される。
当初の認識後、契約は以下の基準に従い扱われる。
ⅰ)受領する財務保証の手数料またはボーナス価額は、損益計算書に差異を金融収益として計上す
ることにより更新される。
ⅱ)不良と認められていない財務保証契約の価額は、保証の予定有効期間にわたり定額法で、また
はその他の基準により損益計算書に計上される部分を差引いた当初の認識額である。ただし、
これがより正確に保証の認識による経済リスクと利益を反映することを条件とする。
財務保証契約を不良と分類することは、「偶発債務および不確定約定額の引当金」の項目に含まれ
る関連するヘッジを意味する。
2.9 リース会計
2.9.1 ファイナンスリース
ファイナンスリースとは、リース対象資産が有する実質的にすべてのリスクおよび報酬を借主に転
嫁するものをいう。
当公庫がファイナンスリース取引においてある資産の貸主として行為する場合には、借主が受領す
る金額の現在価値と保証された残余価値の合計(通常はリースが終了する際の買取オプション価格)
は第三者に対して提供された融資として計上される。そのため、借主の性質に応じて貸借対照表にお
いて、「貸付および受取債権」として計上される。
当公庫がファイナンスリース取引において借主として行為する場合には、リース対象資産の費用は
当該資産の性質に応じて貸借対照表に計上され、同額の負債が計上され、その金額はリース対象資産
の公正価額および貸主に対して支払われる金額の現在価値と適切な場合には買取オプション行使価格
の合計のいずれか少ない方となる。これらの資産は、当公庫の自己使用目的の有形固定資産に適用さ
れるもの(注記 2.12 を参照のこと。)と同率で減価償却される。
いずれの場合においても、ファイナンスリースにおける金融収益および金融費用はそれぞれ、期間
差異を見積もるためにリースについて実効利率法を適用して、現行のスペインの法令( 2017 年スペイ
ン中央銀行通達第4号)に従って計算され、損益計算書の「利息および類似収益」および「利息およ
び類似費用」に計上される。
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2.9.2 オペレーティングリース
オペレーティングリースにおいて、リース対象資産の所有権ならびに実質的にすべての所有権に係
るリスクおよび報酬は貸主が保有する。
当公庫がオペレーティングリース取引において貸主として行為する場合には、リース対象資産の取
得原価は、当該資産の性質に応じて、「不動産投資」の「有形固定資産」または「オペレーティング
リースにより譲渡されたその他の資産」に計上される。これらの資産は、類似の自己使用目的の有形
固定資産について採用された方針に基づき減価償却される。リース契約の収益は、定額法で損益計算
書の「その他の営業収益」において認識される。
当公庫がオペレーティングリースにおける借主として行為する場合には、リースの費用(貸主によ
り付与される奨励金を含む。)は定額法で損益計算書の「その他の管理費」に計上される。
2.10 人件費
2.10.1 短期報酬
従業員への短期報酬とは、従業員が役務を提供した年度末後 12ヶ月以内に行われる支払をいう。報
酬は一般に、当期の人件費として、受領し、記録した役務について支払われる金額で、調整を行わず
に測定され、負債の見越勘定が費用の合計とすでに支払われた金額との差異について計上される。
2.10.2 退職後約定金
当公庫が従業員に関して締結した年金契約は、有効な団体賃金協約に反映されており、確定拠出契
約に相当する。
当公庫の従業員は、政府が提供し、 2002 年11月29日勅令第1号により承認された年金制度および基
金規制法および 2004 年2月 20日勅令第 304 号により承認された同規則の規制を受ける共同従業員年金制
度に加入しており、同制度は、ヘスティオン・デ・プレビシオン・イ・ペンシオネス・エンティダ・
ヘストラ・デ・フォンドス・デ・ペンシオネスが運用し、 BBVA に預託される BBVA エンプレオ年金基金
に含まれる。
確定拠出契約として、当公庫は、キャリア公務員または暫定政府職員、契約社員、臨時社員または
上級管理職であるかにかかわらず、毎年5月1日現在勤続年数が2年を超える従業員のために年次拠
出を行う。年次拠出額を計算する際に以下のパラメーターが考慮される。
・従業員が帰属する専門集団
・勤続年数(契約にかかわらず、従業員が政府に勤務した3年間の数とする。)
拠出金額は、毎年一般国家予算で承認された金額である。 2018 年12月31日現在、当年度において損
益計算書の「人件費」として計上された費用はなく、 2017 年12月31日現在の過年度においてもなかっ
た。
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2.10.3 死亡障害給付金および退職金
退職前に当公庫が従業員と締結した退職金および死亡障害給付金についての契約およびその他類似
の項目は、年次財務書類日現在の法定債務および潜在的債務の現在価値を計算し、保険数理上の損失
から保険数理上の利益を差し引いたもの、認識されていない過去の役務費用および約定額を保障する
資産(保険契約を含む。)の公正価額を控除して見積もられる。過去の役務費用および保険数理上の
利益または損失の全額は直ちに認識される。
2018 年12月31日現在、退職後給付のための引当金 919 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 423 千ユー
ロ)が計上されている。
2.10.4 退職手当
退職手当は、当公庫が従業員または従業員グループを通常の退職日前に確実に解雇する場合、また
は従業員の希望退職の奨励金として報酬を支払う場合に限り、損益計算書の「人件費」および貸借対
照表の「引当金」において「年金および年金類似債務引当金」に計上される。
2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫はこの項目について引当金を計上しておらず、当該割当
を要する制度または契約も存在しない。
2.11 法人税
法人税は、費用とみなされ、一般に、損益計算書の「法人税」の項目に計上される。
当期法人税費用は、当該年度の課税所得について支払うべき金額として計算され、当該年度の一時
差異から生じる資産および負債の残高の変動、税額控除および欠損金繰越について調整される(注記
23を参照のこと。)。
当公庫は、資産または負債の簿価と課税標準額に差異がある場合には、一時差異があるとみなす。
税務上資産または負債に帰属する金額は課税標準とみなされる。課税対象一時差異とは、当公庫が将
来政府に対する支払債務を負うことである。控除可能一時差異とは、当公庫に対して償還権が生じ、
または将来政府に支払うべき金額が減少することをいう。
税額控除および欠損金繰越とは、活動が完了し、または結果が得られたとしても、税制に定める条
件が満たされるまで税務上確定申告には適用されない金額をいい、当公庫は、将来適用する可能性が
ある。
当期税金資産および負債とは、税金が認識された日から 12ヶ月以内に当公庫が該当する税務当局か
ら回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。繰延税金資産および負債とは、将来当公庫が
該当する税務当局から回収し、または税務当局に支払う予定の金額をいう。
繰延税金負債は、すべての課税対象一時差異について認識される。上記にかかわらず、営業権の認
識に基づく繰延税金負債は計上されない。
当公庫は、以下の条件を満たす場合に、控除可能一時差異、税額控除または欠損金繰越から生じる
繰延税金資産のみを認識する。
-繰延税金資産は、当公庫が相殺するに十分な将来の課税所得が生じるとみなす場合に限り認識さ
れる。
-欠損金から生じる繰延税金資産の場合には、今後繰り返して生じる可能性が低い理由により生じ
たものとする。
資産が当初認識される場合、企業結合から発生しない場合、かつ認識時に、帳簿または課税所得に
影響を及ぼさない場合には、繰延税金資産または負債は認識されない。
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各決算時に、繰延税金資産および負債は有効であることを確認するために見直され、評価の結果に
基づき調整される。
2.12 有形固定資産
2.12.1 自己使用目的の有形固定資産
自己使用目的の有形固定資産には、当公庫が管理目的で現在または将来の自己使用のためまたは資
産の製造または供給のために保有する資産で、1会計年度を超えて使用する予定のファイナンスリー
スに基づき所有または取得した資産が含まれる。とりわけ、この科目には当公庫が第三者に対する債
権を表章する金融資産の全部または一部の決済として受領する有形固定資産で、内部での継続的な使
用が見込まれるものが含まれる。自己使用目的の有形固定資産は、貸借対照表に取得原価で計上さ
れ、取得原価は、支払われた対価の公正価額に支払済みまたは支払予定の金銭を加え、累積減価償却
費および(必要に応じて)各項目の正味価格と対応する回収可能価格とを比較して決定される見積減
損損失額を差引いた金額となる。
上記の目的において、当公庫の自己使用目的の有形固定資産の一部を構成する担保実行資産の取得
原価は、担保実行と引き換えの金融資産の正味価格に類似している。
減価償却費は、定額法で、取得原価から残余価値を差引いて計算される。建物その他建造物が建っ
ている土地は、期間無制限であるため、減価償却されない。
有形固定資産の減価償却費は損益計算書の「減価償却費-有形固定資産」に計上され、該当資産の
推定耐用平均年数に基づき計算される以下の減価償却率に相当する。
年率
建造物
2%
備品 4%から 15%
器具および事務機器 10%
コンピューター機器 25%
輸送機器 16%
各決算期において、当公庫は、内部または外部で有形固定資産の正味価値が回収可能価格を超える
兆候があるか否かを判断する。兆候がある場合には、該当資産の簿価は回収可能価格に減額され、将
来の減価償却費用は、新たな見積りを要する場合には調整後の簿価および新たな残余耐用年数に比例
的に調整される。自己使用目的の有形固定資産の簿価の減額は、必要に応じて損益計算書の「非金融
資産の減損または減損の戻入」に計上される。
同様に、有形固定資産の減損が回収されたことを示す場合には、当公庫は、過年度に計上された減
損損失の解消を損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」において認識し、将来の減価償
却費を調整する。いかなる場合においても、資産に関連する減損損失の解消は、過年度に減損損失が
認識されなかった場合に得たはずの簿価を上回らない。
また、自己使用目的の有形固定資産の推定耐用年数は、少なくとも年に一度大幅な変動がないか見
直される。変動がある場合には、新たな推定耐用年数に基づき将来損益計算書に計上する減価償却費
を訂正することで調整される。
自己使用目的の有形固定資産に関する維持管理費用は、かかる費用が発生した年度の損益計算書の
「その他の管理費」に計上される。自己使用目的の有形固定資産のための資金調達により発生した金
融費用は、発生時に損益計算書に計上され、当該費用は取得原価に含まれない。
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2.12.2 不動産投資
貸借対照表の「不動産投資」においては、賃貸用または将来の時価の上昇により売却益を得るため
に保有している土地、建物その他建造物の正味価値を認識する。
不動産投資の取得原価の認識について減価償却、それぞれの耐用年数の見積りおよび減損損失の記
録に適用される基準は、自己使用目的の有形固定資産に関するものと一致する(注記 2.12.1 を参照の
こと。)。
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2.13 無形資産
無形資産とは、物理的に存在せず、取引の結果生じ、または当公庫が内部で開発した特定可能な非
貨幣性資産をいう。客観的に合理的な原価を見積もることができ、当公庫が将来財務的利益をもたら
すとみなす無形資産のみが会計上認識される。
営業権以外の無形資産は、取得原価または生産原価から累積減価償却費および減損損失を調整した
額で貸借対照表において認識される。
無形資産は、あらゆる要素について評価し、当公庫に対して純キャッシュフローを生じる期間に予
測可能な期限がない場合には、無期限の耐用年数を有するものとし、その他のあらゆる場合には期限
付耐用年数を有するものとする。
各決算期に、当公庫は、無期限の継続を確認するために、それぞれの残存耐用年数を見直すが、無
期限の耐用年数を有する無形資産は償却されない。これ以外の場合には必要な措置を取る。
期限付耐用年数を有する無形資産は、有形固定資産に適用されるものと類似のいくつかの基準を用
いて償却される。これらの無形資産についての年次減価償却費は損益計算書の「減価償却費-無形資
産」に計上される。
耐用年数の期限の有無にかかわらず、当公庫は、無形資産の減損を認識し、対応するものとして、
損益計算書の「非金融資産の減損または減損の戻入」にそれらを計上する。これらの資産に対する減
損損失および適切な場合には過年度に認識された減損損失の解消の認識に適用される手法は有形固定
資産に適用されるものと同様である(注記 2.12.1 を参照のこと。)。
2.14 引当金および偶発債務
年次財務書類を作成するにあたり、当公庫は、引当金と偶発債務を以下の通りに区別した。
-引当金とは、事業体に対して金融損失が生じる過去の事象から派生した貸借対照表日現在有効な
債務を対象とする貸方残高である。かかる損失が発生する可能性は高く、種類を特定できるが、
その金額または決済日を決定することはできない。
-偶発債務とは、過去の事象の結果として生じる可能性がある債務のうち、当公庫の支配を超える
一つまたは複数の将来の事象を条件として存在するものである。
当公庫の年次財務書類には発生の可能性がある債務に対するすべての重要な引当金が含まれる。偶
発債務は、年次財務書類において認識されないが、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号の要件に基づ
き情報が開示される(注記 19を参照のこと。)。
引当金は、当該事象の状況に関して入手可能な最善の情報を用いて数量化され、年度末に再度見積
もられる。当該引当金は、当初認識した特定の債務を充足するために使用されるが、当該債務が消滅
または減少した場合には、全部または一部が繰り入れられる。
2018 年および 2017 年末、当公庫に対して、通常の業務から生じる法的手続きおよび請求が多数提起
された。 ICO の法律顧問および取締役は、これらの手続きおよび請求の終了により、これらが終了する
年度の年次財務書類に必要に応じて開示されるもの以外に重大な影響を及ぼさないと理解している。
前期の基準に従い必要とみなされる引当金は、損益計算書の「引当金経費または引当金の戻入」に
計上される。
2.15 キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書において用いられる用語は、以下の意味を有する。
-キャッシュフローとは、現金および現金同等物の流入および流出をいい、流動性が高く、価値の
変動リスクが低い短期投資をいう。
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-営業活動とは、一般的な金融機関の活動および投資または金融活動に分類されないその他の活動
をいう。
-投資活動とは、非流動資産ならびに現金および現金同等物に含まれないその他の投資の取得、売
却またはその他の手段による処分をいう。
-金融活動とは、持分および負債の規模および構成を変更する活動のうち、営業活動を構成しない
ものをいう。
2.16 売却目的保有の非流動資産およびそれに関連する負債
貸借対照表の「売却目的保有の非流動資産」には、現状で年次財務書類日から1年以内に売却され
る可能性が高い個別の項目の簿価が計上される。
例外的に、1年を超える期間にわたって売却されることが予想される場合には、当公庫は、損益計
算書の「廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグループおよび非流動資産に係る損益」の項
目における時間的価値の変動を加味し、最新の売却価格を算定する。
その結果、金融資産または金融外資産であるこれらの項目の簿価は、継続的な使用ではなく売却価
格を通じて回収される。
特に、債務者の当公庫に対する支払義務の全部または一部の決済のために当公庫が受領した不動産
その他の非流動資産は、当公庫がこれらの資産を継続して使用することを決定しない限りは、売却目
的保有の非流動資産とみなされる。
対称的に、「売却目的保有の非流動資産に関連する負債」は、グループに関連するまたは当公庫の
業務の障害に関する貸方残高を含む。
売却目的保有の非流動資産は、一般に認識時の簿価と見積売却費用を調整した公正価額のいずれか
低い方で測定される。種類に応じて減価償却される有形固定資産および無形資産は、本科目に含まれ
る間は減価償却されない。
資産の簿価が売却費用を調整した公正価額を上回る場合には、当公庫は、資産の簿価を超過額分調
整し、対応するものとして、損益計算書の「廃止事業に分類されない要素の売却目的保有のグループ
および非流動資産に係る損益」に計上する。資産の公正価額がその後増加する場合には、当公庫は、
すでに計上した損失を取り消し、減損前の価格を上限として簿価を増額し、損益計算書の「廃止事業
に分類されない要素の売却目的保有のグループおよび非流動資産に係る損益」に計上する。
売却目的で行われる保有の非流動資産の売却の結果については、損益計算書の「廃止事業に分類さ
れない要素の売却目的保有のグループおよび非流動資産に係る損益」に示されている。
ただし、中断されている事業の一部である、金融資産、従業員給与からの資産、繰延税金資産およ
び保険契約のための資産は、前段落に従うのではなく、この概念に適用される注記2の上記の段落に
説明のある原則および規則に従って評価される。
2.17 企業結合
一企業の買収をその最終的な実績に含む、取得された企業が当公庫から独立した法律上の地位を維
持する企業結合は、貸借対照表の「株式-子会社」に計上される(注記 2.1 を参照のこと。)。
注記3 顧客支援サービス
2004 年7月 24日、 ECO734 法令が制定された。これは顧客支援サービス業務に関連するもので、顧客
支援サービスならびに銀行サービスおよび信用機関の擁護官の規制を目的としている。 ICO は、顧客
サービス部門の設置を義務付けられてはいないが、当公庫は、かかるサービスに関し、金融機関とし
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て遂行する業務に関して受けるあらゆる要求および苦情に対処している。質の高いサービスを提供す
るため、 2006 年12月、当公庫は ICO の貸付者、利用者および顧客からのあらゆる苦情および提案を受付
け、 処理し、対応し、かつ返答する業務を集中的に行う部署の設置を決めた。
2018 年に受けた苦情の件数は 93件であり( 2017 年は 72件)、平均 4.6 営業日以内に処理された( 2017
年と同様 )。全苦情の 68%が仲介業務( ICO ダイレクトおよび ICO SGR )における与信取引関連であ
り、そのためこれらは該当する信用機関に引き渡された。その他9%の苦情は、 ICO ダイレクト業務の
払戻しまたは決議に関するものであり、また 23%の苦情は、その他の問題に関連するもので、 ICO が扱
う製品やサービスには関連しないものであった。
注記4 利益の分配
2018 年における 73,210 千ユーロに上る利益の分配については、当公庫の理事会による決定はまだな
されていない。かかる分配は、当公庫の定款の規定に従って行われる。
注記5 リスク・エクスポージャーおよびその他の情報
5.1 リスク-その全般的特徴
リスクは金融活動に内在するものである。リスクを正しく測定し、管理し、制御することにより、
顧客、投資家および従業員の信頼の基礎となる適切な利益率の達成と事業体の支払能力の維持が容易
になる。
金融機関が抱えるリスク を詳細に分類することを目的としなければ、流動性リスク、市場リスク、
信用リスクおよびオペレーション・リスクの4種類に分類することができる。
・ 流動性リスクとは、債務返済に見合うだけの十分な流動資産が欠如する結果生じるリスクをい
う。これは、不適切な資産および負債の満期構造または例外的な市場危機によって起こる。
・ 市場リスクとは、国内外通貨の金利、為替、株価のような金融変数の不利な変動により生じる
損益計算書および資本に影響を及ぼすリスクをいう。かかるリスクは、貸借対照表上または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオに関する市場リスクの二つに大別される。
・ 信用リスクとは、投資の推定期間内にかかる投資の元利金全額が回収できないリスクをいう。
かかるリスクは、銀行との関係における相手方リスクおよび投資活動における信用リスクの二
つに大別される。
・ オペレーション・リスクとは、予測不能な状況における管理上、社内手続上、会計上、 IT関
連、法的または外的な過誤の結果生じるリスクをいう。
金融機関として、 ICO は、これらの種類のリスクに晒されており、理事会が承認したリスク方針マ
ニュアルに従って、これらを効果的に管理するよう、識別し、計量化し、監視しなければならない。
かかるマニュアルは、様々な方法、適用ある規制・手続きおよび組織構造を編集したものである。
5.2 リスク-組織構造
あらゆるリスクをカバーするため、当公庫は、( 2018 年8月 29日理事長通達第3号に基づき)管理
およびリスク・財務局長の管轄下のリスク局長の下に特別部署を設置した。
リスク局長の職務には、内部リスク方針ならびに当公庫の財務リスクおよび信用リスクの分析・管
理・監視方法の作成および提案、 ICO の信用リスクの許容性の評価ならびに国内的および国際的なリス
ク規制に ICO が適合しているかの監督、また同時にその権限の下にある部門の業務遂行の運営、調整お
よび監督等が含まれる。
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リスク専門の部署とは、リスク計量化技法および承認部、グローバル・リスク管理部、継続管理お
よび回収部、であり、それぞれが決められた職務を遂行している。
グローバル・リスク管理部の主な職務は以下の通りである。
・ 当公庫の金融リスクの計量化技法の作成、提案および管理。
・ 金融リスクの上限および承認済みのリスク方針の遵守の監督。
・ 借り手の信用枠の定期的な分析、監視および見直し、それらの分析ならびに貸付仲介業者と借
り手の水準の監視。
・ リスク計量化システム、バックテストおよびストレステストの定義および見直し。
・ 新規金融商品のための市場価額基準の提案、リスクの計量化および潜在的(追加)リスクに係
る技法の設定。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の法律の適用についての分析。
・ 新規商品の市場価格および構造ならびにその潜在的(追加)リスクの評価。
・ リスクに係る承認された技法の正確な適用の監督。
・ 流動性枠証券化ファンドの運営における信用リスクの分析。
・ 流動性、市場、信用度および新規商品に関する新たなリスク限度枠の提案。
・ 資産および負債に係る委員会、管理委員会、監視委員会および理事会に向けたリスクの状況の
報告および分析。
・ スペイン中央銀行に対する金利リスク、流動性比率、巨大リスクおよびバーゼル比率の状態の
報告。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関する EU指令およびスペイン国内の規則の採用についての
分析。
・ リスク調整後リターンツール( RAR )の更新および維持管理。
・ リスク調整後資本利益率( RORAC )における ICO の価格統制ツールの更新および維持管理。
・ リスク・アペタイト・フレームワーク( MAR )。
・ 証券化に関する分析、検討および報告。
リスク計量化技法および政策地域を決する、リスク計量化技法および承認部は主として以下の機能
を含む。
・ 新規資産商品および自動化手続きに含まれていない直接信用供与のリスクが許容範囲内である
かどうかの評価。
・ 顧客および顧客の金融グループに関し、 ICO により承認された直接信用供与のリスク限度枠が適
切であるかどうかの分析。
・ すでに形成されており意思決定機関の承認が求められる事業の変更を ICO が実行する上でのリス
クの分析および評価。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会の調整。
・ 直接信用供与のリスク方針および/または適切である場合には ICO によりすでに承認された方針
の変更に関し、 ICO 内部の意思決定機関による承認の定義および提案。
・ 必要とされる財務業務に関するカントリー・リスク報告の作成および改訂。
・ リスク計量化技法の開発、応用マニュアルの作成およびプロジェクト融資の信用評価に関連す
る手段の継続。
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卸売の監視部および回収部ならびに小売の監視部および回収部を下部組織とする、監視部および警
戒解除部は、以下に挙げる機能を有する。
卸売の監視部および警戒解除部:
・ 直接融資業務のリスクのコントロールおよび追跡を行い、不良運用、破綻処理された取引およ
び損失処理された取引に起因する収支の回復を促進し、有効枠におけるポートフォリオの諸条
件の順守を監視すること。
・ 仲介貸付枠につき ICO の信用リスクの観点から分析および評価。
・ リスク・シェアリングの場合の、 ICO の仲介貸付枠に規定された非金融条件の遵守の管理・検
証。
・ ICO の直接的な顧客および顧客の金融グループに関する内部格付システム、カントリー・リスク
格付システム、運用リスク計量化技法および信用リスク制限技法の設定および維持。大規模な
リスク・エクスポージャーの統制および報告。
・ すべての必要な情報を用いた ICO のポートフォリオの質の確保。
・ ICO からの直接貸付ポートフォリオに関する監視委員会の調整。
・ 有効な規制に基づく引当金の分配/破棄の提案。
・ ICO からの新規直接貸付の承認に関する契約およびすでに実行済みの取引の変更の協議および採
用が行われる信用委員会への出席。
・ 該当する法務・事業分野と連携した、遅滞、決済および不履行となった金融取引に関する適切
な回収手続きの推進。
・ 規制機関(格付機関、内外の監査人、監査人の裁判所およびスペイン中央銀行等)からの要望
に対する応答。
・ 当公庫の適性の範囲内でのリスクに関するスペイン国内外の基準の採用についての分析。
小売の監視および警戒解除部:
・ 小売業者に対する直接業務のリスクのコントロールおよび監視。
・ 目的区分に相当する借換運用の実現可能性の分析。
・ 当公庫から他企業へ管理が外注されている、 ICO が保有する貸付金の回収作業の監視およびコン
トロール。かかる作業は、中小企業、零細企業、自営業者および個人へのサービス提供契約を
通じて行われている。
・ 中小企業、零細企業、自営業者および個人に対して当公庫が直接的に経営管理を遂行してい
る、 ICO によって保有されている貸付金の回収管理。
・ 個々の分野の記録(決議提案、失敗、借換契約、取消、直接管理への業務移行等)に関する ICO
内部の意思決定機関への提案準備。
・ 監視委員会における、リテールリスクの貸付ポートフォリオの状況の作成および提示。
・ 事業体に移転される事由の対応と解決に関する金融業務および経済政策の法律顧問部門の調
整。かかる事業体には、係争回復のサービスの提供が委任されており、また裁判上の請求の過
程および倒産の手続きまたは同様の特性を有する事柄において、 ICO が様々な局面に置かれるこ
とが要求されるその他の行動が委任されている。
・ リテールポートフォリオのすべての貸付の保有者および/または保証人が顧客サービス部を通
じて受けた依頼の管理。
・ 重大な経済危機、自然災害またはその他類似の出来事の結果、政府取引される直接金融業務の
監視、承認および企画。その後における、当該状況および一定の借り手グループの活動範囲に
関連する政府機関への移転に対する取組みまたは行動提案の評価。
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ICO は様々な種類のリスクに関する専門家集団を擁しており、それぞれが職務における責任を持って
かかるリスクについての原則、有効なリスク方針マニュアルおよび既存の内部手続きに従い任務を遂
行している。
5.3 ICO における流動性リスク
スペインのコミュニティ法およびその発展は、本件に関しては事業体における流動性リスクの測
定、コントロールおよび管理のシステムに対する一般的な要件を規定するのみであるが、以下の規範
文書に含まれる。
-信用機関の活動へのアクセスならびに信用機関および投資会社の健全性監督に関する 2013 年6月
26日EU指令第 36号。
-金融機関および投資サービス会社の健全性要件に関する 2013 年6月 26日EU規則第 575 号第6部。
-2013 年規則第 575 号第7章、第7の2項および第7の3項に従い技術的施行規則を規定する、 2014
年4月 16日施行規則第 680 号。
-金融機関の管理、監督および支払能力に関する 2014 年6月 28日法律第 10号第 41条、第 42条および
付則8。
-2014 年法律第 10号第 53条を発展させる 2015 年2月 13日勅令法第 84号。
-流動性ヘッジ要件( LCR )に関する 2013 年EU委任規則第 575 号を終了させた 2014 年10月10日以降の
2015 年EU委任規則第 61号。
-証券化ファンドの会計基準、年度会計、公的年次財務書類および積立統計情報を規定する、 2016
年2月2日通達第2号。これは、 2008 年5月 22日通達第3号(廃止)の規則 51、DT6および別紙
Ⅶに置き換わる。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、2月 16日からの委員会の 2016 年EU履行規則第 322 号。これ
は、流動性カバレッジ要件( LCR )の団体による監督目的のための情報の伝達に関連する技術履行
基準を規定するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、3月1日の委員会の 2016 年EU履行規則第 313 号。これは、流
動性に関する情報の目的のための付加的制御パラメーターに関するものである。
-2014 年EU履行規則 680 号を改訂した、 2017 年11月9日 EU履行規則第 2114 号。これは、定型書式およ
び指示に関するものである。
-2017 年11月27日通達第4号、規則第 59条および第 60条。
一般的に、 2016 年通達第2号のリスクの取扱いに関する第6章の規則 51に含まれる、従うべき一連
の行動基準(質的要件)を超える流動性リスクに関する特定の資本要件は存在しない。かかる通達は
また、第5章に含まれる資本の自己評価の過程および監督上の見直しの過程において実行された行動
を報告する必要性にも言及しており、これはすべて、その内部資本がその現在および将来の活動を補
填するのに十分であるかどうかを評価するためのものである。
現在、更新版のバーゼルⅢの流動性および支払能力に関する文書「銀行および銀行システムを強化
するのための世界的な規制の枠組み」ならびに「バーゼルⅢ:計量に関する国際的な枠組み」の公表
に伴い、流動性リスクの基準および監視が、流動性の計量および管理のより効率的なパラメーターを
保証する指針となる新たな措置となっている。 2013 年1月1日、バーゼル委員会は、「流動性ヘッジ
比率および流動性リスク管理ツール」を公表し、これにより短期流動性比率の定義付けおよび監視が
前進した。また、これは 2014 年1月 12日における「市場に基づく流動性指標の監督ガイダンス」によ
り補足された。
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かかる方面において、 2015 年1月 17日に流動性カバレッジ比率( LCR )に関し、欧州議会および欧州
理事会の 2013 年自己資本規制( CRR )第 575 号を修正する、 2015 年委任規則第 61号が公表され、 2015 年
10月1日から 60%以上、 2016 年1月1日から 70%以上、 2017 年1月1日から 80%以上、また 2018 年1
月1日には完全な適用( 100 %)となるよう義務付けられた。
2014 年1月、長期流動性比率の定義および計算に関する協議書類「バーゼルⅢ:安定調達比率
(NSFR )」が公表され、 2014 年4月 11日までの協議段階を経て、 2014 年10月に最終文書が公表され
た。これにより、 2018 年1月1日以降、安定調達比率の最低水準の計算が必要となっている。
2013 年およびその翌年以降の活動中、当公庫は追加の流動性管理として、短期流動性比率および長
期流動性比率の計算を毎月行った。当公庫は、すべての期間において将来適用される制限の範囲内に
収まる結果を得た。
さらに、 2015 年およびその翌年以降を見越して、また 2014 年10月に BIS により公表された「バーゼル
Ⅲ:安定調達比率」に基づき、四半期毎にその結果が計算され、安定調達比率に関する1年後( 2019
年まで)の様々なシナリオを導入した ICO の残高が提供される。
ICO では、流動性リスクの報告、監視、管理を担当する組織構造が明確に定められている。
貸借対照表上の流動性リスクを監視するために用いられている計量化技法は、流動性ギャップであ
る。この流動性ギャップは、キャッシュフローを生じさせるすべてのオンバランス項目およびオフバ
ランス項目について実際の実行日の資金の流入と流出の差額に関する情報を、毎日、 12ヶ月を上限と
する期間において提供する。
流動性ギャップは1週間、1ヶ月、3ヶ月および6ヶ月の期間で計量化されている。それぞれの期
間において、当公庫の負債合計の次の割合を越えてはならない。1週間期間については 0.5 %以内、
1ヶ月期間については1%以内、3ヶ月期間については 2.5 %以内および6ヶ月期間については5%以
内である。
短期流動性の監視は、毎日行われる。限度額の監視および管理も1週間、1ヶ月、3ヶ月および
6ヶ月の単位で毎週および月末に行われる。
ICO は流動性の危機的水準の予測が可能となる計量化された限度額および警報システムを設定した。
また、流動性リスクを低減するために基本的な資金調達源を多角化する方針を採り、年次資金調達
計画の必要資金額および資金調達日についての情報を確立するために、新規事業活動の予定を含む流
動性を定期的に見直している。
同様に、ストレスシナリオにおいて財務資源を用いる際の参考として優先順位を規定する流動性コ
ンティンジェンシー・プランが、 2018 年2月 27日に理事会によって承認された。
ICO は通常、銀行間取引市場、レポおよび同時流動性ならびに大規模あるいは小口の負債性証券の発
行等、流動性を様々な方法で調達する。
アメリカのサブプライム市場不況に端を発する国際および国内市場に影響を与えた金融危機は、金
融市場に著しい低迷を引き起こし、国内外の金融法人の資金調達のための資源を著しく減少させた。
結果として、銀行間取引市場または負債性証券の発行を通じての資金調達にも深刻な影響を及ぼし
た。
この新たな状況のため、 ICO は、期日通りに支払義務を果たし、また、戦略的な経営、投資および成
長目標を達成するために必要な流動性を確保するために、従前と同様に 2018 年を通してもこの新たな
状況に適応するための決断をした。これらの方策により、 ICO の経営陣は、 2019 年における流動性の不
足は予想していない。
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ユーロ建て取引およびデリバティブヘッジの満期分析
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の金融資産および金融負債として認識されるユーロ
建てデリバティブにおける契約満期(デリバティブ内蔵ハイブリッド金融商品を除く。)、および金
融デリバティブとみなされるローン契約(現金、またはその他の金融資産により調整の上、決済され
る契約であって、当公庫のキャッシュフローの見積りを理解するために満期を最も重要とするも
の。)を概念的に示したものである。
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
177,684 320,008 343,260 - - 840,952
-そのうち :デリバティブとして
- - - - - -
みなす貸付承諾
5,514,585 3,540,420 955,153 275,711 2,552 10,288,421
デリバティブヘッジ
5,692,269 3,880,428 1,298,413 275,711 2,552 11,129,373
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1年未満 1~5年 6~ 10年 11~15年 16~20年 合計
売買目的保有のデリバティブ
- 3,333 57,446 - - 60,779
-そのうち :デリバティブとして
- - - - - -
みなす貸付承諾
6,210,519 3,740,974 1,166,643 303,764 - 11,421,900
デリバティブヘッジ
6,210,519 3,744,307 1,224,089 303,764 - 11,482,679
上記の表に記載された情報は、以下の点に注意を要する。
・支払時期を相手方が選択できる場合、当該デリバティブは当公庫への支払を要求される第1ピリ
オドに割り当てられる。
・上記の表に記載された金額は、値引きされていない契約額である。金利スワップは、差額による
決済の場合はその純額で、デリバティブとみなされるローン契約はその総額で、およびその他す
べての金融デリバティブは、差額により決済されず、その換算契約額で記載されている。
・インデックスの実績により決定される等の理由により報告日に契約額が明記されていないデリバ
ティブは、残存期日を分類することを目的とする上記の表においては、それぞれ 2018 年および
2017 年12月31日現在の主導的状況を基礎として決定された。
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流動性 GAP による分析
上述のように、 ICO の主な流動性マネジメントとしては、契約上の満期ではなく主に予測の満期を基
盤として、複数の金融資産および金融負債の満期の分析をすることを基本的な特徴とする。
ICO が上記の分析方法を用いる理由は、前例にも示される通り、かかる方法によることが、当公庫の
資産の流入および流出をより正確に表すからである。
以下の表は、 12ヶ月までの異なる満期の資産の流入と流出を比較したものである。外貨による流入
および流出はその額に相当するユーロで表されている。
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月
ユーロによる流入相当額
6,976,624 2,593,682 2,920,046 5,430,434
ユーロによる流出相当額 (7,346,182) (1,563,840) (5,552,088) (5,090,123)
GAP の一部 (369,558) 1,029,842 (2,632,042) 340,311
(369,558) 660,284 (1,971,758) (1,631,447)
GAP の累積
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
1ヶ月未満 1~3ヶ月 3~6ヶ月 6~ 12ヶ月
ユーロによる流入相当額
6,900,224 4,404,361 3,620,626 6,557,284
ユーロによる流出相当額 (5,741,071) (5,040,388) (3,482,611) (7,960,132)
GAP の一部 1,159,153 (636,027) 138,015 (1,402,848)
1,159,153 523,126 661,141 (741,707)
GAP の累積
5.4 ICO における市場リスク
上述のように、市場リスクは二つの大きなグループに分類することができる。貸借対照表または構
造上の市場リスクと、取引ポートフォリオ・リスクである。 ICO は内部方針として、現在のところ取引
ポートフォリオの最小化を図っており、現行の会計法規の適用によりヘッジまたは投資に分類するこ
とができないものだけを保有している。したがって、当公庫の市場リスクはほぼすべて通常の業務か
ら生じるものとなっている。
(1)標準的基準
金利および為替の変動へのエクスポージャーが具体化される標準的基準は、利益率と支払能力
の二つからなる。
利益率 : ICO においては、主に損益計算書に基づき計算され、関連する変数は利息または金融
業務の利ざやである。
支払能力:当公庫の資本はその借り手にとっては主たる保証といえる。資本または株式資本の
価額は支払能力を測定するための重要な基準である。
以上を考慮の上、下記が存在する場合、 ICO は、a)年間の利ざや感応度、b)純資本価値の感
応度、およびc)仮想取引ポートフォリオの「想定最大損失額」の計算という3本柱に基づき市
場リスク計量化システムを実行する。
(2)計量化技法
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利ざやに関するリスク残を計量化するために、 2015 年より前までは加重平均返済期限分離
ギャップ法が使用されていた。これは資産額と負債額の差額および 12ヶ月以内に返済期限が到来
するかまたは更新される金利の付されたオフバランス取引を、それらが利ざやに影響を及ぼす期
間で加重平均して計算される。
資本の感応度を計量化するために、 2015 年より前まではデュレーション・ギャップ法が使用さ
れていた。デュレーション・ギャップは資産および負債の残存期間の差異として得ることがで
き、差異が求められると感応度ギャップの計算が可能となる。
両方法は、 2014 年半ばに利息収益および純資産に基づく他のシミュレーションに変更された。
想定最大損失額については、ポートフォリオの種類によってその計量化の方法が決定され、パ
ラメトリック法、ヒストリカルシミュレーション法およびモンテカルロ法に基づくことができ
る。
(3)リスクの程度
ICO が負うリスクの程度の決定は、リスク会計局長の提案に基づき上級経営陣がその責任を負
い、 ICO 独自の特徴に応じて許容限度を設定する。かかる許容限度は定期的に見直される。
ICO は、カーブの下方シフト時の利ざや感応度を評価する目的で、当初のカーブシナリオにおけ
るマイナスの比率に対しては0%のフロアは採用せず、当初のシナリオ比率でトランシェがプラ
スである場合のみ0%のフロアを採用することを決定した。すなわち、運用上、下方シフトは、
当初のシナリオにおける比率がマイナスである場合には変更がないままとして、監視下における
トランシェのカーブにおいてプラスの比率である場合のみフロアを0%として引き下げるものと
する。以下は、かかる基準の適用結果を示している。
かかる金利変動に伴う± 200 ベーシス・ポイントの変動を採用した結果、 2018 年12月31日現在に
おける ICO の利ざやの感応度は、合計 4.953 百万ユーロであり、このうちユーロにおける収支は
0、米ドルにおける収支は -2.934 千ユーロ、英ポンドにおける収支は -90 千ユーロであった。為替
感応度(米ドル/ユーロおよび英ポンド/ユーロにおいて変動率± 10%)は、米ドルが -1.797 千
ユーロ、英ポンドが -192 千ユーロであった。
同様に、資本感応度の設定において、市場カーブの変動を、上記のような利ざやの感応度を得
るためのカーブの変動と同様の構造で、± 200 ベーシス・ポイントとした。すなわち、下方シフト
において、当初のシナリオにおける利率がプラスの場合にのみ0%のフロアが適用され、当初の
シナリオにおけるマイナスの比率は変更がないままとした。
2018 年12月31日現在、 ICO の純資産の感応度は、合計 -0.88 %に達し、このうちユーロ金利が -
0.45 %、米ドル金利が -0.20 %、英ポンド金利が -0.04 %であった。為替感応度は、米ドルが -
0.16 %、英ポンドが -0.04 %であった。
(4)リスクの修正
効果的なリスク管理の最後の手段として、満期およびデュレーション・ギャップをその時々に
求められるリスク価値に当てはめて修正する方法がある。その結果、オンバランスおよびオフバ
ランスの金融商品は、市況に基づき、同目的上付与された権限の範囲内での経営陣の判断ならび
に金融管理部、投資および金融統括管理、または事業委員会に従い、使用される。
当公庫が 2018 年12月31日現在の貸借対照表で使用した主要通貨はユーロ、米ドルおよび英ポン
ドであり、かかる通貨建ての取引が負債全体の 96.4 %を占め、そのうちユーロ建てが約 78%、米
ドル建てが 18%超となっている。
貸借対照表の資産を見ると、ユーロが全体の約 94.8 %と集中しており、米ドルは約4%であ
る。一方、他の通貨は、残りに分配される。
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当公庫が利用するユーロおよび米ドル以外の通貨について、その残高は金利リスクまたは為替
リスクを排除しているが、これは、当該通貨建てで資金調達を行い為替変動を完全にカバーする
デリバティブを用いてユーロ建てに転換するため、または、特定の資産の資金調達が当該リスク
を回避するよう企図されているためである。
リスク限度、リスクの監視および定期的な遵守の管理の設定に加え、 ICO は、関連ある金融変数
の動きの異なるシナリオが利ざやまたは純資本価値に及ぼす影響を精査するために、リスクの計
量化、管理および制御のために適用する統一システムを確立している。したがって、 ICO は、例え
ば、市場における金利カーブまたはストレスの状況が平行移動しない場合に ICO の分析サービスに
より提供される将来見積りを用いる等、複数のシナリオにおいて制御された変数が被る変化を定
期的に監視する。
5.5 ICO における信用リスク
すでに述べている通り、当公庫では信用リスクを二つの大きなグループに分類している。相手方リ
スクとカントリー・リスクである。
相手方リスクには、オンバランスまたはオフバランスで行われる信用機関との取引が含まれる。取
引の管理と取引により発生するリスクの管理とをリアルタイムで統合するシステムにより、モニタリ
ング活動が行われ、担当者にいつでも利用可能な相手方信用枠について最新の情報を提供している。
ICO 内の管轄機関は、市場価格による取引の評価額に将来のリスクまたは追加リスク(取引の額面価
額に対する割合として計量化され、取引期間中の信頼水準 95%の潜在的最大損失として計算され
る。)を加えた数値に基づいて相手方信用枠を使用する手法を定めて、これを承認した。この手法は
定期的に見直され、最低半期に一度の頻度で追加リスクが調整される。
また、 ICO の理事会は、相手方信用枠の設定に関する基本基準を半年毎に承認し、各相手方信用枠の
個別分析をする。かかる相手方信用枠は、 ICO の取引の特徴により、現金取引のための相手方信用枠と
仲介取引のための相手方信用枠という二つのグループに大別される。仲介取引では、 ICO は例えば事業
枠および起業家枠または国際化枠のよう にスペイン国内の異なる事業体が締結した貸付枠の契約を通
じて異なる投資プロジェクトに貸付けている。
ICO が契約したデリバティブを伴う取引の相手方は信用度が高く、そのうちの約 100 %もの相手方が
格付機関より投資適格の格付を取得している。これらの相手方金融機関はスペイン内外で営業を行っ
ている。
仲介および直接融資の分野における ICO の信用機関との活動は、カウンターパーティー(うち 95%超
が投資適格の格付を保有している。)と行われている。
コーポレート信用リスクについて、 ICO は承認、監視および警戒解除という別々の評価および管理体
制を有している。
「承認」プロセスでは、当公庫は、継続事業評価に基づき企業および事業を分析し、リスクおよび
潜在的な顧客についての意見書を発行するために保証を分析するが、これらは事業委員会または理事
会による適切な意思決定の基礎となる。
「監視」プロセスは、当公庫の貸付ポートフォリオが最高の品質を有していること、すなわち、貸
付が合意された日に決められた通りに返済されることの実現を目的としている。取引に影響を及ぼす
事由は顧客およびそのグループの格付にも影響を及ぼすため、基本的な監視対象は取引ではなく顧客
である。この監視プロセスは、経済的および財政的な状態の定期的な見直しならびに意思決定のため
の支援ツールの更新の継続を用いた恒久的な管理により実現される。そしてそれは、警告の兆候を見
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つけることも、供与された資金の返済を最大にするために問題のあるリスクに対する行動計画を促進
することも可能にする。
最後に、「監視およびリテールの警戒解除」分野の警戒解除の役割の重点は、電話、郵便または E
メールを通じて、債務不履行となった業務の債権回収をすることにある。また、かかる業務が訴訟の
段階に入った場合における支払合意の交渉および債権者の入札における当公庫の票を確立するための
入札にかけられた業務の調査にも焦点をあてている。
信用リスクについては、カントリー・リスクとして知られるリスクについて特記しなければならな
い。カントリー・リスクは、地理的、政治的および法的に「国家」として定義される地域に帰属して
いることを特徴とした相手方すべての支払能力に関するものである。
これに関連して、 ICO は、現行の規則に沿ったカントリー・リスク計量化技法を承認している。これ
は、複数の基準に基づいてリスク・グループ別に国を評価するという目的に沿ったものである。これ
により、カントリー・リスクのための引当を行う際の明確な基準が得られ、直接信用供与を評価し、
非居住者貸付のポートフォリオを分別する。国家をリスク・グループに分類するに当たっては、格付
機関と経済協力開発機構( OECD )およびスペイン輸出信用機関( CESCE )の評価をその情報源として使
用している。
5.6 ICO におけるオペレーション・リスク
特に新自己資本比率規制(バーゼルⅢ)を考慮した場合、オペレーション・リスクの計量化および
管理がよりいっそう重要となる。このリスクには、業務を実際に行う過程で生じる不適切な処理、不
正確な記録、システムの不具合等に起因するリスク、法的リスクおよび損失リスクが含まれる。
この領域においては、オペレーション・リスクの取扱いを容易にする一定の手段が開発されてお
り、管理委員会および活動指標の毎月の監視方針、プロセスおよび内部手続きの開発、顧客および事
業を監視する方針の定義、事故の内部管理ならびに既存の危機管理計画が特筆される。また、内外の
監査人により実行される監査手続きおよび監査業務の定期的な管理も強調されるべき点である。
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5.7 企業に関する既存の信用リスク
5.7.1 産業別の分類
(*)
産業別の分類によると、既存のリスク の分布は以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2018 年 2017 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
不動産投資 703 6 699 6
公共販売住宅の建設 9 0 12 0
公共賃貸住宅の建設 433 4 476 4
土地の取得および開発 231 2 193 2
その他 30 0 18 0
無形資産投資 - - - -
有形固定資産投資 7,085 67 8,529 70
再生可能エネルギー 1,015 9 1,222 10
水道インフラ 200 2 268 2
電力インフラ 657 6 629 5
ガスおよび化石燃料インフラ 589 6 715 6
輸送インフラ 3,965 38 4,500 37
観光・娯楽産業 20 0 38 0
医療/保健事業インフラ 141 1 158 2
電気通信事業 0 0 18 0
オーディオ機器の生産および展示 17 0 27 0
産業地区その他の建設 4 0 7 0
その他 371 4 701 6
調査開発の物資に対する投資 16 0 17 0
ICO 融資ライン 自治体 代理店
90 1 229 2
企業買収 104 1 246 2
一般的企業ニーズ 707 6 589 5
債務の再編 768 7 485 4
一般国家予算 1,174 11 1,548 13
186 2 75 0
金融仲介サービス
10,727 100 12,171 100
(*) 評価調整または減損損失(「その他の金融資産」を除く。)を除く顧客への貸付金を含む。また、顧客に対する金融
保証ならびに貸付金および未収金として公的機関が分類した居住者の負債性証券を含む。
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2018 年および 2017 年12月31日現在の総エクスポージャーは、主に三つの分野に集中している。「有
形固定資産投資」が全リスクに対して占める割合は、 2018 年は 67%( 2017 年は 70%)であり、「一般
国家予算」は 11%( 2017 年は 13%)、「不動産投資」分野は、 2018 年は全リスクの6%( 2017 年と同
比率)であった。
「有形固定資産投資」分野において、 2018 年のリスクの 38%( 2017 年は 37%)を占めた「輸送イン
フラ」による影響は強調すべき点である。
5.7.2 金融投資の地域別の分類
2018 年12月31日現在の全リスクは、 82%が 8,811 百万ユーロとなったスペイン国内における投資活動
への融資に関するものであり( 2017 年現在は 10,605 百万ユーロであり、 87%)、 18%がその他の国に
おける投資プロジェクトへの融資に関するものであった。
2018 年の自治体毎の国土における投資計画のリスク分布については、アンダルシア州が8%ならび
にバレンシア州、カタルーニャ州およびマドリッド州が7%( 2017 年は、それぞれ9%、8%、9%
および9%)となり、より高くリスクが集中した。
国際市場で行われた取引の 2018 年および 2017 年12月31日現在の分布は、国外の既存リスクに従い、
以下の通りである。
(単位:百万ユーロ)
2018 年 2017 年
金額 割合 (%) 金額 割合 (%)
欧州経済共同体 (EEC)
406 21 407 26
中南米 589 31 475 30
米国 152 8 193 12
EU加盟国以外の欧州諸国 - - - -
769 40 489 32
その他
1,916 100 1,564 100
5.8 供給者に対する支払遅延に関する情報
スペイン会計士協会( ICAC )の 2017 年1月 29日決議が、年次財務書類の注記に含められるべき商取
引における供給者に対する支払遅延に係る情報に関して制定し、商取引における支払遅延に対する措
置を定めた 2010 年7月5日法律第 15号( 2004 年12月29日法律第3号を修正するもの。)に従い、当公
庫は下記の点を指摘しなければならない。
・ICO の中核事業(金融活動)の内容を踏まえ、本注記に記載されている支払遅延に関する情報は、
ICO にサービスを提供している業者に対する支払ならびに ICO の証券の預託者および保有者を除く民
間供給者に対する支払のみに関連するものとなっている。後者に関しては、要求があり次第支払期
日が到来する債務および繰延払債務のいずれの支払も、その契約上および法律上の支払期限までに
適式に行われた。営業債権者とみなされない固定資産の供給者等、供給者に対する支払に関して提
供される一切の情報についても、前述の ICAC 決議の規定に従うかかる義務的な開示の範囲から除外
されない。
・2010 年7月5日法律第 15号により義務付けられている、以下に示される当公庫の民間供給者および
サービス提供業者に関する情報に関して、 2017 年1月 29日ICAC 決議の第6条に含まれるものを勘案
し、前段落に定義される範囲で、かかる規制により情報が要求されている。
2018 年 2017 年
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(単位:日)
支払事業の比率 7 7
未払事業の比率 3.5 3.5
供給者に対する平均支払期間 6.75 6.75
(単位:千ユーロ)
支払額合計 25,303 23,272
1,298 946
未払金合計
上記の情報を詳細に述べると、会社間の債権・債務に係る支払は、上記のデータから除かれてい
る。
5.9 リスクの集中および ICO のその他の特定の規制
2018 年および 2017 年12月31日現在、当グループは、当公庫の定款の規定に従い、適用される規制
(2013 年EU規則第 575 号第4部および 2008 年スペイン中央銀行通達第3号)に定められた大規模エクス
ポージャーの制限を免除されている。
2012 年3月 31日勅令第 12号は、 EU加盟国に所在する信用機関のエクスポージャーの取扱いを定め
た。
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5.10 建設および不動産開発のための融資に関する情報および関連する担保実行資産
不動産リスクポートフォリオの方針および戦略に関して、当公庫はかかる種類の商品につきいくつ
かの方針(例えば経験豊富な開発者、認定販売の割合、独立した専門家による賃貸需要のデータ)か
らなる承認プロセスを有し、プロジェクトの経済的および財政的実現可能性を評価している。
認証された仕事に対する支払は後に有効化および管理され、建設経過は監督され、販売は管理され
ている。
さらに、取引を首尾よく完了させることのできる解決策を提案する目的の下、現在未払いがある顧
客の支払を困難にしている理由を発見するために調査がなされてきた。
以下の表は、建設および不動産開発に対する融資について詳述したものである。
-建設および不動産開発ならびに関連するヘッジのために提供された融資
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
担保 担保
総額 特定の引当金 総額 特定の引当金
超過分 超過分
不動産融資:
595,603 - 256,430 652,302 633,753 235,707
-そのうち:破綻懸念先 142,710 - 136,871 169,852 474,717 160,132
備忘事項:
- - - - - -
債務不履行貸付
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
備忘事項 :
地方自治政府を除く顧客への貸付金合計 7,196,965 7,922,276
資産合計 36,236,581 42,185,882
29,805 18,680
標準リスクに係る一般引当金合計
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2018 年12月31日現在の建設および不動産開発のための合計融資は、貸借対照表合計の 1.64 %( 2017
年12月31日現在は 1.55 %)を占めている。
-建設および不動産開発のための融資(総額)
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1.不動産担保なし
180,691 203,993
2.不動産担保付 414,912 448,309
404,128 436,886
2.1 完成された建物
2.1.1 住宅
404,128 425,323
2.1.2 その他 - 11,563
10,784 11,423
2.2 建築中の建物
2.2.1 住宅
10,784 11,423
2.2.2 その他 - -
- -
2.3 土地
2.3.1 開発済みの土地
- -
- -
2.3.2 その他の土地
595,603 652,302
合計
-住宅購入ローン
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
そのうち: そのうち:
総額 総額
破綻懸念先 破綻懸念先
住宅ローン
14,333 - 15,031 -
不動産担保なし 12,757 - 14,043 -
1,576 - 988 -
不動産担保付
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-不動産担保付の住宅購入ローン(最新の入手可能な査定額のリスクの割合( LTV ))
2018 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
1,018 338 220 - -
そのうち:破綻懸念先
2017 年12月31日現在
(単位:千ユーロ)
LTV 40% LTV 40%超 LTV 60%超 LTV 80%超
LTV 100 %超
未満 60%未満 80%未満 100 %未満
総額
779 209 - - -
そのうち:破綻懸念先
-不動産建設および開発債務の清算において受領した担保実行資産
当公庫の貸借対照表(注記 17を参照のこと。)記載の担保実行資産はいずれも、建設会社および不
動産開発業者に対して提供された融資または住宅購入のために一般家庭に対して提供されたモーゲー
ジローンに起因するものではなく、当該資産を保有する非連結企業の株式、かかる会社への投資また
は融資で構成されるものでもない。
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5.11 当公庫の借換済業務および再構築済業務に関する情報
2013 年スペイン中央銀行通達第6号において公開および留保された金融情報に関するルールについ
て要求されている通り、次の表に 2018 年および 2017 年12月31日現在の借換済業務および再構築済業務
に関する詳細な情報(総額)が記載されている。
2018 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 5,211 322,399 327,610 84,213
不良
792 45,275 46,067 46,067
21,845 10,396 32,241 19,211
融資企業(金融資産)
不良
21,845 - 21,845 19,211
984,303 261,953 1,246,256 427,270
企業および事業主
不良
317,955 89,819 407,774 380,656
通常 8,007 - 8,007 4,816
不良不動産 3,538 - 3,538 1,216
701 57 758 -
その他個人
1,012,060 594,805 1,606,865 530,694
合計
2017 年12月31日現在(総額、単位:千ユーロ)
物上保証 物上保証なし 合計 ヘッジ合計
公的機関 8,217 383,422 391,639 97,235
不良
8,217 49,876 58,093
1,291,880 339,761 1,631,641 684,156
企業および事業主
不良
609,561 96,085 705,646
通常不動産金融 - - -
不良不動産金融 6,735 - 6,735 6,735
- - - -
その他個人
1,300,097 723,183 2,023,280 781,391
合計
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注記6 現金、中央銀行等への預金および要求払預金
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の内容は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
手元の現金 12 9
1,408,355 2,027,159
スペイン中央銀行にある現金
法定預金準備金 1,408,355 2,027,159
261,118 279,242
その他の要求払預金
1,669,485 2,306,410
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注記7 売買目的保有の金融資産および金融負債
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の残高総額は、デリバティブ取引からな
る。
デリバティブ取引を伴う取引は、当公庫が貸借対照表上のポジションを包括的に管理するが、ヘッ
ジ商品に指定されるための規範的要件を満たしておらず、そのため取引ポートフォリオに分類される
商品を主に対象としている。
以下は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の当公庫のデリバティブ取引の公正価額およびその名目
元本(当該デリバティブに係る将来の支払額および回収額のベースとなる金額)をデリバティブの種
類毎に示したものである。
(単位:千ユーロ)
名目元本 資 産 負 債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
市場別:
組織的市場 - - - - - -
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
非組織的市場
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
商品別:
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
スワップ
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
相手方別:
信用機関 508,091 763,919 1,678 562 104,885 161,007
その他の信用機関 - - - - - -
331,803 374,889 107,476 164,208 - -
その他の部門
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
リスク別:
為替リスク 784,629 1,078,098 104,555 159,410 100,437 155,731
55,265 60,710 4,599 5,360 4,448 5,276
金利リスク
839,894 1,138,808 109,154 164,770 104,885 161,007
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公正価額は、 2018 年および 2017 年を 100 %として計算されており、貨幣市場および公債のインプリ
シット・カーブを参照している。
2018 年および 2017 年12月31日現在、公正価額で評価し、注記 2.2.3 記載の公正価額レベルを考慮した
取引ポートフォリオの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
売買目的保有デリバティブの資産
- 109,154 - - 164,770 -
- 104,885 - - 161,007 -
売買目的保有デリバティブの負債
以下の表は、 2018 年および 2017 年における、当公庫の未実現の利益および損失に関連する売買目的
保有資産ポートフォリオに含まれる金融資産の公正価額の変動について、損益計算書に計上されてい
る額を示す(注記 29を参照のこと。)。公正価値が活発な市場において公表された文献リストとして
考慮して評価された金融資産(レベルⅠ)、変動が市場において観察可能なデータから取得された評
価手法により計算される金融資産(レベルⅡ)、そしてその他(レベルⅢ)と区別される。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
利益 損失 純額 利益 損失 純額
レベルⅠ
- - - - - -
レベルⅡ 116,613 115,590 1,023 1,907 ,134 1,895 ,808 11,326
- - - - - -
レベルⅢ
2018 年および 2017 年におけるレベルⅡに分類されたデリバティブの公正価額の変動は、もっぱらレ
ベル間の再分類を行わない評価手法の適用による売買および公正価額の変動が原因であった。
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注記8 損益を通じて義務的に公正価額で評価された売買目的保有でない金融資産
本項目は、 2017 年スペイン中央銀行通達第4号が最初に適用された本分類において、事業体により
指定された株式投資における ICO の投資を含む。
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の残高の商品別の投資内容は、以下の通
りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
持分証券 :
FONDICO インフラストラクチュラス (*) 21,580 -
(*) 2017 年、本投資は、その他包括的利益を通じて公正価額で評価した金融資産として分類された(注記9を参
照のこと。)。
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注記9 その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産
2018 年および 2017 年12月31日現在、本項目の貸借対照表上の残高の商品別の内容は、以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
持分証券 :
FONDICO PYME(1)
78,324 80,729
FONDICO インフラストラクチュラス (2)(*) - 28,612
フォンディコ・グローバル (3) 453,899 329,158
フォンス・メディテラネア・フォンド・デ・カピタル・リエスゴ (4) 6,641 5,480
フォンド・マーガレット・ MEH(5) 53,936 63,931
フォンド・カルボノ・エムプレサス・エスパニョラス (6) - -
FEI 、フォンド・エウロペオ・デ・インベルシオネス (7) 12,316 12,370
SWIFT(8) 4 4
EDW(9) 222 206
GAM ジェネラル・デ・アルキレル・イ・マキナリア (10) - 939
ヌエバ・ペスカノバ (11 ) - -
フォンド・マーガレットⅡ・ ICO(12) 26,583 -
FONDICO インフラストラクチュラスⅡ (13 ) 165 -
FONDO AFS CESCE(14)
10,000 -
642,090 521,429
1,029,204 854,962
負債性証券 (15)
1,671,294 1,376,391
(*) 2018 年において、かかる投資は損益を通じて義務的に公正価額で評価した金融資産に分類された(注記8を
参照のこと。)。かかる再分類は、 2018 年1月1日の 2017 年通達第4号の初回適用において実施された。
2018 年および 2017 年12月31日における、これらの金融商品の公正価額の変動である「その他の累積
包括利益」項目の残高、純税効果額は、以下の通りである(注記 21を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
負債性証券
9,884 2,972
6,369 (6,285)
持分証券
16,253 (3,313 )
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2018 年および 2017 年中のその他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融資産の変動は、以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 1,376,391 1,800,530
追加購入
188,504 299,485
売上および償却 (900,709) (718,527)
公正価額の変動 (注記 21) 19,566 (2,901)
引当金減損割当 - (446)
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 持分証券 (28,859) -
2017 年通達第4号の初回適用 の変動。 負債性証券 1,015,831 -
1,200 (1,750)
減損損失の変動 (適用後 )
1,671,294 1,376,391
期末残高
(1) FONDICO Pyme 。ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 1993 年5月に設立され、当公庫が唯一の出資者であ
り、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2018 年12月31日現在において
ICO によって拠出された金額は 127,866 千ユーロであった。 2018 年および 2017 年中に拠出金または返金に関連
する変動はなかった。
(2) FONDICO インフラストラクチュラス。 ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2012 年に設立され、当公庫が
100 %の割合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。
2018 年、当公庫による拠出金は 1,408 千ユーロ( 2017 年は 1,101 千ユーロ)であった。 2018 年、ファンドは、
拠出金の返金の持分が 10,045 千ユーロ( 2017 年は 51,267 千ユーロ)減少した。スペイン銀行の 2017 年通達第
4号の初回適用 に伴って、 2018 年1月1日にファンドの金額は、総額 28,612 千ユーロについて、損益を通じ
て公正価額 で評価した金融資産として再分類された。再分類は、 7,192 千ユーロの準備金の増加を示してお
り(注記 20を参照のこと。)、 3,594 千ユーロのその他の包括利益に影響を与えた(注記 21を参照のこ
と。)。 2018 年、総収益 710 千ユーロの 公正価額 で評価した変動による業績は、損益計算書に計上された
(注記 30を参照のこと。)。
(3) フォンディコ・グローバル。 ベンチャー・キャピタル・ ファンドは 2014 年に設立され、当公庫が 100 %の割
合で出資しており、 Axis パルティシパシオネス・エムプレサリアレスにより管理されている。 2018 年、当公
庫による拠出金は 150,000 千ユーロ( 2017 年は 180,000 千ユーロ)であった。 2018 年、ファンドは、拠出金の
返金を通じて 50,000 千ユーロ( 2017 年は 43,000 千ユーロ)持分が減少した。 ICO によって拠出された金額お
よび払い戻される金額は、 2018 年12月31日において、 480,000 千ユーロであった。
(4) フォンス・メディテラネア。ファンドは 2005 年10月に設立され、当公庫ならびに公的および民間事業体がそ
の出資者である。このファンドはスペインの会社がアフリカン・マグレブで展開するプロジェクトに投資す
るために設立された。このファンドへの割当は、 2018 年12月31日現在 1,270 千ユーロとなった実質資本合計
(公正価額の変動は含まない。)の 30%のヘッジ引当金を有している( 2017 年12月31日現在は 1,270 千ユー
ロ)。
(5) フォンド・マーガレット・ MEH 。主導的な欧州の公的信用機関が参加しており、これは、市場政策に基づく
投資家へのリターンの原則と公共政策が定めた目標を同時に実現する目的で、気候変動と闘う欧州連合の主
要政策を実施するための、インフラに対する投資促進を目指す欧州の株式ファンドである。最終的な清算に
よる最終業績は、ファンドへの資金調達を行っているスペイン税務省により完全に保証されているため当公
庫の損益計算書に影響を及ぼさないにもかかわらず、当該ファンドは ICO によって管理されている。 2018
年、新たな拠出金はなかった( 2017 年は 29,650 千ユーロ)。 2018 年の資本参加の返金は 15,044 千ユーロ
(2017 年は 34,408 千ユーロ)として計上された。
(6) フォンド・カルボノ・エンプレサス・エスパニョラス・ FC2E 。2011 年より運営を開始したファンドであり、
ICO が32.68 %の持分を保有している。かかるファンドの 2018 年および 2017 年12月31日現在正味価格は0ユー
ロであった。
(7)FEI 。2018 年12月31日現在、欧州投資ファンドの総額の 0.72 %に相当する出資を行っている( 2017 年12月31
日現在では 0.72 %)。 2018 年または 2017 年において、拠出金はなかった。 2018 年12月31日現在、支出額
24,000 千ユーロが未払いのままである。
(8) SWIFT 。2008 年よりかかる事業体の正式メンバーである当公庫は、かかる事業体に1株式出資している。
(9) EDW 。2012 年3月からのデータウェアハウス( EDW )企業への参加による 3.70 %。
(10)GAM 。当公庫の貸付事業の一部支払が裁決されたことにより、 2017 年までに取得された非金融企業 GAM の出資
証券 。かかる資本参加は 2018 年に売却され、 45千ユーロの損失が生じた。
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(11) ヌエバ・ペスカノバ。当公庫からの借入に対する返済の一部として 2016 年に取得された非金融企業であるヌ
エバ・ペスカノバの出資証券。引当金として完全に計上された資本参加は、 2018 年に売却され、 1,740 千
ユー ロの利益をもたらした。
(12) フォンド・マーガレットⅡ・ ICO 。フォンド・マーガレットⅡへの資本参加は 2018 年に設立された。 ICO の当
該ファンドへの参加は、マーガレットⅠとは異なり、 ICO 自身のためのものであり、自らの出資によるもの
であった。株式保有率は 13.42 %である。 2018 年、当公庫の拠出金は 26,931 千ユーロであった。
(13)FONDICO インフラストラクチュラスⅡ。新規ファンドへの資本参加は 2018 年に設立され、 Axis パルティシパ
シオネス・エムプレサリアレスにより管理されており、 ICO が100 %の割合で出資している。 2018 年、当公庫
の拠出金は 165 千ユーロであった。
(14)FONDO AFS CESCE 。主な活動が CESCE の保証付きで商業送り状を値引きすることである FONDO AFS Sicav への
13.16 %の資本参加。 2018 年、当公庫の拠出金は 10,000 千ユーロであった。
(15)IC Oは、流動性マネジメント政策および事業モデルの一環として、その他の包括利益を通じて公正価額で評
価した金融資産に分類される負債性証券に投資することができる。一般に、これらは、スペインの信用機関
が発行する固定利付証券および公債である。
スペイン銀行の 2017 年通達第4号の初回適用において、当公庫は、償却原価で評価した金融資産に
よる総額 1,015,831 千ユーロを、その他の包括利益、負債性証券を通じて公正価額で評価した金融資産
の項目に再分類した。これによる準備金への影響はなかった。
かかる資産の満期別内訳は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内満期
1,029,204 854,962
1年から2年満期 - -
2年から3年満期 - -
- -
3年超満期
1,029,204 854,962
2018 年および 2017 年12月31日現在、注記 2.2.3 に記載される公正価額レベルを考慮したその他の包括
利益を通じて公正価額で評価した金融資産の分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
負債性証券
1,029,204 854 ,962 - -
642,090 - - 521,429
持分証券
2018 年中、当公庫は、 1,695 千ユーロ( 2017 年には 5,146 千ユーロの利益)のその他の包括利益を通
じて公正価額で評価した金融資産の償却のための純利益を、持分証券の売却結果として損益計算書に
計上した(注記 28を参照のこと。)。
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注記 10 償却原価で評価した金融資産
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表上の本項目の構成は以下の通りである(減損損失お
よびその他評価調整額を含む。)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
負債性証券 (注記 10.1)
9,503,883 10,107,611
22,497,887 27,268,923
貸付金
信用機関 (注記 10.2)
12,436,396 16,077,540
10,061,491 11,191,383
顧客 (注記 10.3)
32,001,770 37,376,534
以下は、信用リスクを補填するために計上された減損損失の変動ならびに償却原価で評価した金融
資産ポートフォリオにおける 2018 年および 2017 年の期首および期末現在の当該減損の累積額を表して
いる。
(単位:千ユーロ)
ウォッチリスト
カントリー・ 上の貸倒リスク 標準リスクの引当
合計
リスクの引当金 および標準リス 金
クの引当金
- 1,680,810 20,836 1,701,646
2017 年1月1日現在の残高
収益に課せられる割当
20,586 19,884 18,680 59,150
収益からの回収額 - (187,071) (20,836) (207,907)
資金の充当 - (441,002) - (441,002)
その他の変動 - - - -
(1,381) (251) - (1,632)
為替差額の調整
19,205 1,072,370 18,680 1,110,255
2017 年12月31日現在の残高
収益に課せられる割当
- - 5,116 5,116
回収額 (6,539) (94,679) - (101,218)
資金の充当 - (286,406) - (286,406)
2017 年通達第4号の初回適用の変動 (9,697) 124,373 7,285 121,961
その他の変動 - 2,469 - 2,469
(81) 33 6 (42)
為替差額の調整
2018 年12月31日現在の残高 2,888 818,160 31,087 852,135
以下の表は、懸念リスクおよび決定基準に基づいた警戒リストにおける標準リスクにかかる引当金
の詳細を表している。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
懸念リスクの引当金(不履行を含む。) 597,041 938,117
不履行
239,525 528,949
不履行以外 357,516 409,168
221,119 134,253
警戒リストにおける標準リスクの引当金
818,160 1,072,370
合計
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警戒リストにおける標準リスクの 引当金は、 2018 年12月31日現在の 1,703,799 千ユーロの信用資産に
相当する( 2017 年12月31日現在は 1,934,876 千ユーロ)。
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の信用リスクによって減損とみなされる貸付および
受取債権に分類される金融資産につき、相手方別ならびに当該日付の未払金額別およびリスク年限か
らの経過期間別の内訳を示している。政府が保証する減損認識資産については注記 10.3 を参照のこ
と。
2018 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
396,431 1,622 - - 371 - 2,004 236,469 636,897
非金融企業
2017 年12月31日現在の減損認識資産
(単位:千ユーロ)
3ヶ月超 6ヶ月超 9ヶ月超 12ヶ月超 15ヶ月超 18ヶ月超
遅滞
6ヶ月 9ヶ月 12ヶ月 15ヶ月 18ヶ月 21ヶ月
21ヶ月超 合計
なし
以内 以内 以内 以内 以内 以内
相手方別:
503,872 6,956 7,858 - 543 - 21,933 500,230 1,041,392
非金融企業
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2018 年12月31日現在、カントリー・リスクによる減損資産残高は 192,528 千ユーロであり、カント
リー・リスク別のヘッジは 2,888 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 190,144 千ユーロ、ヘッジは 19,205
千ユーロ)である。
2018 年および 2017 年の期限経過非減損資産はそれぞれ 3,163 千ユーロおよび 1,290 千ユーロとなり、
これらの資産の両年度における経過期間は1ヶ月ないし3ヶ月である。
回収の可能性が低い(または回収できない)とみなされた場合、資産と計上されない減損金融資産
の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 1,370,450 1,049,933
追加: 325,615 332,976
回収の可能性が低い
268,200 308,133
その他の事由 57,415 24,843
(35,682) (7,345)
回収:
借換えまたはリストラクチャリング
-
追加融資なしに回収した現金 (3,770) (7,345)
資産の割当 - -
その他 (31,912) -
- (467)
最終償却:
免除
- -
期間満了 - -
その他の事由 - (467)
1,608 (4,647)
為替差額の変動の純額
期末残高 1,661,991 1,370,450
回収の可能性が低い(または回収できない)資産の変動の結果として 2018 年および 2017 年の損益計
算書に含まれる純額は、それぞれ 3,770 千ユーロおよび 7,345 千ユーロであった。
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10.1 負債性証券
「負債性証券」の項目には、償却原価で評価された金融資産、取引不可の固定利付証券が含まれ
る。
2017 年の年間勘定がなされた際に、総額 9,840,836 千ユーロが 2017 年第4号以前の会計通達に基づい
て「満期保有金融資産」に分類され、「負債性証券-償却原価で評価した金融資産」の項目で再表示
されることはない。また、このことによる準備金への影響はない。
また、「負債性証券」の項目には、取引不可の金融資産が含まれており、 2012 年末には「顧客信用
-居住者公的機関 」の項目に含まれ、 2013 年中に当公庫から「供給者支払のための融資基金」のため
のシンジケート・ローンに転換された。
一方で、 2013 年後半には、当公庫の業務委員会は 2015 年の ICO 信用枠の事業体により作られた、貸付
金を債券へ転換する転換業務の対象となる条件および業務を規制するため、 2015 年の ICO の仲介貸付枠
契約に関する枠組みに含まれている別紙5の書類を承認した。かかる承認には、転換される与信枠、
金額、利息額、適格な事業体、スケジュールおよび信用機関の報酬額に関する一般的な仕様も含まれ
ている。また、仲介貸付の転換により生じた負債性証券は、「負債性証券」の項目にも記載されてい
る。
貸借対照表に記載される 2018 年および 2017 年12月31日現在のかかる項目の相手方別の構成は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
居住者公的機関 7,850,053 9,037,899
居住者信用機関 1,340,473 1,035,759
その他の居住者部門 283,429 4,011
29,928 29,942
その他の非居住者部門
9,503,883 10,107,611
2018 年および 2017 年12月31日現在、満期別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
満期別:
1年以内 1,831,729 1,393,264
1年超2年以内 1,569,088 2,182,043
2年超3年以内 2,003,845 2,179,680
3年超4年以内 3,059,888 2,161,304
4年超5年以内 978,832 2,161,304
60,501 30,015
5年超
9,503,883 10,107,611
2018 年12月31日現在のかかる資産からの利息は年利 0.51 %( 2017 年12月31日現在は 0.60 %)であっ
た。
2018 年および 2017 年における、かかる資産からの利益はそれぞれ 45,590 千ユーロおよび 91,720 千
ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の欄に計上されている(注記 24を参照のこ
と。)。
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当公庫はこれらの資産について、 299 千ユーロの信用リスク(標準リスク)を補填している( 2017 年
12月31日現在は補填なし。)。
2018 年および 2017 年中に発生した償却原価で評価した負債性証券の項目の変動は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高
10,107,611 12,179,395
追加購入 6,475,948 6,063,212
減損損失の変動 (299) -
(7,079,377) (8,134,996)
償却および売上
9,503,883 10,107,611
期末残高
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10.2 信用機関に対する貸付金
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表上の本項の構成は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
内容別:
信用機関への預金 (注記 10.2.1) 1,995,000 2,026,691
仲介貸付 (注記 10.2.2) 9,980,934 13,773,292
486,354 319,988
信用機関へのその他の貸付 (注記 10.2.3)
12,462,288 16,119,971
減損損失 (4,168) (19,205)
(21,724) (23,226)
その他の評価調整額 (*)
12,436,396 16,077,540
(*) 評価調整額は、利息および類似収益の発生額ならびに手数料調整額に相当する。
10.2.1 信用機関における預金
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の「信用機関への預金」項目の満期別の残高の詳細
を表している。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
1,995,000 2,026,691
1年超2年以内 - -
2年超3年以内 - -
3年超4年以内 - -
4年超5年以内 - -
- -
5年超
1,995,000 2,026,691
2018 年中、「信用機関への預金」項目は、年利マイナス 0.25 %( 2017 年中は 0.31 %)の平均利息に
よる収益を得た。 2018 年および 2017 年12月31日現在のかかる預金は、すべて定期預金である。
これらの貸付金について 2018 年および 2017 年に発生した金利はそれぞれ 7,273 千ユーロおよび 1,954
千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれている(注記 24を参照のこ
と。)。
10.2.2 仲介貸付
1993 年2月 26日の閣議決定に従い、中小企業に対する融資を援助するための仲介貸付枠が、当当公
庫に設けられた。かかる仲介貸付枠は、当公庫が様々な信用機関に供与した貸付を通じて行われ、当
該信用機関が各企業に対する正式な貸付を行った。かかる方針は後年も継続され 、常にスペインの中
小企業に焦点を当てながら、毎年様々な金額および目的に沿った 枠が承認された。
1997 年12月31日までに付与された仲介貸付に区分される業務において、当公庫は資金を受領する事
業体の最終的な借り手に対する信用リスクの一定割合を引き受ける。それ以降は、 ICO は2009 年から
2012 年の一定の流動性資産枠を除き、最終的な借り手に関する不良債権リスクを引き受けていない。
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2009 年から 2012 年に設けられ、また 2018 年12月31日現在に総エクスポージャー 33百万ユーロ( 2017
年12月31日現在は 156 百万ユーロ )である仲介貸付枠は、中小企業のための、流動性リスクを伴う一定
のICO 信用枠である。かかる枠につき、 ICO は、仲介に失敗した信用機関による全般的および総合的な
リスクを引き受けている。 2009 年および 2010 年に供与されたかかる枠につき、かかるリスクは当該枠
の引当金額の5%を上限とした。一方で、 2011 年および 2012 年に供与された枠については、不動産金
融取引を除く金融機関部門の平均不履行率が最大想定リスクとされている。 2018 年および 2017 年にお
いて、当公庫が引き受けたリスクにつき、新たな枠は承認されていない。
2018 年12月31日現在、当公庫は ICO のリスクに係るすべての仲介貸付枠のために 90,752 千ユーロ
(2017 年12月31日現在は 88,361 千ユーロ)の引当金を設定した(注記 19を参照のこと。)。かかる引
当金は、当初は当該仲介枠により当公庫に対して発生する受取利息を参照できるが、期待された成長
が見られなかった場合は例外的に ICO によって調整される。最終的に認識された引当金がかかる不履行
をカバーするのに不十分な場合、かかる差額は直接 1995 年勅令付法第 12号に基づき設定された RDL ファ
ンドに請求され、 ICO における損失は一切発生しない。
2018 年および 2017 年12月31日現在における仲介貸付残高の満期年限別の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
3,652,112 4,884,065
1年超2年以内 2,143,451 3,179,600
2年超3年以内 1,462,990 1,968,496
3年超4年以内 881,817 1,288,504
4年超5年以内 568,285 747,317
1,272,279 1,705,310
5年超
9,980,934 13,773,292
2018 年および 2017 年12月31日現在の仲介貸付の平均年利はそれぞれ 1.32 %および 1.43 %であった。
仲介貸付により生じた利息は 2018 年および 2017 年には、それぞれ 148,773 千ユーロおよび 231,399 千
ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれている(注記 24を参照のこ
と。)。
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10.2.3 信用機関へのその他の貸付
本項目は、信用機関に対する直接貸付取引の残高を含む(仲介貸付なし)。
2018 年および 2017 年12月31日現在のこれらの貸付残高の満期別の詳細は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
89,821 -
1年超2年以内 36,785 24,614
2年超3年以内 110,441 24,614
3年超4年以内 48,808 24,614
4年超5年以内 45,384 24,614
155,115 221,532
5年超
486,354 319,988
2018 年および 2017 年12月31日現在の信用機関に対する貸付の平均年利はそれぞれマイナス 0.25 %お
よび 1.43 %発生した。
これらの貸付金について 2018 年および 2017 年中に発生した金利は、それぞれ 12,085 千ユーロおよび
8,219 千ユーロであり、損益計算書の「利息および類似収益」の項目に含まれる(注記 24を参照のこ
と。)。
本項目には、貸倒リスク(信用リスクおよびカントリー・リスク)として減損損失合計 4,168 千ユー
ロが含まれる( 2017 年12月31日現在は 19,205 千ユーロ)(注記 10を参照のこと。)。
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10.3 顧客向貸付金
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表において、本項目の残高の相手方別の詳細は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
居住者公的機関 2,675,697 3,111,759
非居住者公的機関 110,935 31,213
その他の居住者部門 6,886,746 7,993,874
その他の非居住者部門 920,908 813,264
262,982 266,129
その他の金融資産
10,857,268 12,216,239
(減損損失 ) (847,666) (1,091,050)
51,889 66,194
その他の評価調整額 (*)
10,061,491 11,191,383
(*) 評価調整額は、利息および類似収益ならびに手数料調整額に対応する金額である。
経済利益グループにおける投資の取引帳簿価額( 2018 年12月31日現在では 926 千ユーロおよび 2017 年
12月31日現在では 24,578 千ユーロ)は、当該投資が利益保証型であることを考慮し、「その他の居住
者部門」に含まれている。
これらの機関のマイナスの課税標準が当公庫の課税標準に含まれているため、当該株式の収益率は
会計財務要素を含んでいる。投資に対する最終利益の確定に伴い会計財務利益を調整するために連結
損益計算書の所得税に対して引当金が毎年計上されている(注記 19および注記 23を参照のこと。)。
以下は、上記の相手方別残高のうち、公共部門に保証されている取引( 2018 年および 2017 年12月31
日現在の「顧客向貸付金」の項目に分類される「その他の居住者部門」および「居住者公的機関」の
項目に含まれる。)を相手方別および商品別に記載したものである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
「居住者公的機関」に含まれる残高:
中央政府に対する貸付 947,393 992,349
地方自治政府に対する貸付 1,728,304 2,119,410
(181,644) (140,245)
評価調整額
2,494,053 2,971,514
「その他の居住者部門」に含まれる残高:
不良資産 25,810 59,962
その他の公共機関に対する貸付 2,222,743 2,465,207
169,975 162,187
その他の部門に対する貸付
2,418,528 2,687,356
4,912,581 5,658,870
国家により保証されている取引合計
2018 年および 2017 年12月31日現在の「中央政府に対する貸付」(評価額調整は含まない。)の内訳
は以下の通りである。
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(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
国家およびその自治機関に対する貸付
943,181 990,301
4,212 2,048
国庫からの受取勘定
947,393 992,349
「国庫からの受取勘定」は、当公庫が国庫に支払った金額を含み、仲介貸付の金利差を調整するため
の助成金として有効に返戻されていない金額である。これらの金額の残高は額面価格で表示され、利
息は一切付されない。
2018 年および 2017 年における公共部門機関による損益に寄与した利息および類似収益は以下の通り
である(注記 24を参照のこと。)。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
中央政府
6,032 7,528
地方自治政府 13,980 20,540
20,303 27,782
その他の公共部門機関
40,315 55,850
2018 年および 2017 年12月31日現在、「顧客向貸付金」に分類される貸付元本(評価調整額を含
む。)の満期別詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
満期別:
1年以内 1,531,496 1,503,992
1年超2年以内 1,010,704 998,472
2年超3年以内 1,130,047 1,465,753
3年超4年以内 1,489,899 1,214,130
4年超5年以内 1,104,905 1,594,436
4,642,105 5,505,650
5年超
10,909,156 12,282,433
2018 年および 2017 年12月31日現在の顧客向貸付金の平均年利はそれぞれ 1.39 %および 1.46 %発生し
た。
2018 年12月31日現在、当公庫の損益計算書には、「貸付および受取債権」の項目に含まれる資産の
償却から生じる金融取引につき損益は計上されなかった( 2017 年12月31日現在も計上されなかっ
た。)(注記 28を参照のこと。)。
注記 11 デリバティブヘッジ
添付の貸借対照表のこの項目には、注記 2.3 記載の説明に従った公正価額でのヘッジ商品が計上され
ている。
契約済みのデリバティブ取引およびヘッジ項目は、基本的には以下の通りである。
-主にグループが発行する Euribor 以外のレートで計算される金融商品をヘッジする金利スワップ
-複数の金融商品に関連する公正価額とキャッシュフローの変動をカバーする為替ヘッジ
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デリバティブの公正価額を決定するために使用する評価方法は、金利デリバティブや為替リスク・
デリバティブを評価する割引キャッシュフロー法である。
2018 年および 2017 年12月31日現在「デリバティブヘッジ」の項目に記載されている金融デリバティ
ブの名目価値および公正価額は、ヘッジ別、相手方別およびリスク別(すべて非組織店頭市場におい
て契約された。)で以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
名目価値 資 産 負 債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
ヘッジ別:
公正価額ヘッジ 7,296,142 11,895,726 460,472 507,542 123,514 171,650
キャッシュフロー・ヘッ
2,992,279 4,478,702 25,383 9,603 130,291 191,842
ジ
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
商品別:
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
スワップ
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
相手方別:
信用機関 10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
その他の信用機関 - - - - - -
- - - - - -
その他の部門
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
リスク別:
為替リスク 5,551,535 8,510,605 263,298 226,224 152,389 277,773
4,736,886 7,863,823 222,558 290,921 101,416 85,719
金利リスク
10,288,421 16,374,428 485,855 517,145 253,805 363,492
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2018 年および 2017 年12月31日現在、注記 2.2.3 で規定されるレベルに基づき公正価額で評価されるデ
リバティブヘッジの分類は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ レベルⅠ レベルⅡ レベルⅢ
資産デリバティブ
- 485,855 - - 517,145 -
- 253,805 - - 363,492 -
負債デリバティブ
これらの項目の公正価額は、 2018 年および 2017 年を 100 %として計算されており、貨幣のインプリ
シット・カーブを参照している。
2013 年1月1日付で IFRS 第13号が効力発生したことにより、当公庫は相手方および当公庫によるデ
リバティブ金融商品評価額、リスク評価調整額を含んでいる(注記7および注記 29を参照のこ
と。)。
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注記 12 子会社、合弁企業および関連企業への投資
2018 年および 2017 年中の連結貸借対照表における本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
グループ企業 合弁企業 関連企業 合計
1,940 - 42,506 44,446
2017 年1月1日現在残高
追加額
- - - -
引出額 - - (2) (2)
その他の変動 - - - -
- - - -
減損
1,940 - 42,504 44,444
2017 年12月31日現在残高
追加額
- - 2,424 2,424
引出額 - - - -
その他の変動 - - - -
- - - -
減損
1,940 - 44,928 46,868
2018 年12月31日現在残高
2018 年および 2017 年12月31日現在の株式に係る情報は、別紙Ⅰに記載されている。
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注記 13 有形固定資産
2018 年および 2017 年の有形固定資産の変動およびこれに関連する累積償却額は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
設備、車両
自己使用の建物 不動産投資 合計
その他の固定資産
費用
113,976 15,248 - 129,224
2018 年1月1日現在の残高
追加額
91 131 - 222
- - - -
処分額その他の償却額
2018 年12月31日現在の残高 114,067 15,379 - 129,446
累積償却額
31,339 7,269 - 38,608
2018 年1月1日現在の残高
割当
1,772 316 2,088
- - - -
移転額その他の変動額
2018 年12月31日現在の残高 33,111 7,585 40,696
減損損失
- 651 - 651
2018 年12月31日現在
有形固定資産純額
80,956 7,143 - 88,099
2018 年12月31日現在の残高
費用
113,781 15,133 - 128,914
2017 年1月1日現在の残高
追加額
195 188 383
- (73) - (73)
処分額その他の償却額
2017 年12月31日現在の残高 113,976 15,248 - 129,224
累積償却額
29,381 6,802 - 36,183
2017 年1月1日現在の残高
割当
1,958 540 - 2,498
- (73) - (73)
移転額その他の変動額
2017 年12月31日現在の残高 31,339 7,269 - 38,608
減損損失
- 651 - 651
2017 年12月31日現在
有形固定資産純額
82,637 7,328 - 89,965
2017 年12月31日現在の残高
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2018 年12月31日現在、総額約 16,912 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 16,460 千ユーロ)で全額償却
された自己使用目的の有形固定資産があった。
当公庫の方針に従い、すべての有形固定資産は 2018 年および 2017 年12月31日現在、保険が付保され
ている。
2004 年スペイン中央銀行通達第4号の暫定規則第1、 B)6項によれば、有形固定資産の公正価額に
よる評価が認められている。この評価調整を実行するため、当グループは運用資産について関連する
評価を実施し、それにより当グループの有形固定資産の価値は 53,106 千ユーロ増加した。租税効果控
除後のこれらのキャピタルゲインに対し再評価準備金が設定された。再評価された簿価はその時点で
帰属費用として充当される。
2018 年12月31日現在、再評価準備金は 23,591 千ユーロ( 2017 年12月31日現在は 23,591 千ユーロ)で
あった(注記 20を参照のこと。)。
下記の表は 2018 年および 2017 年12月31日現在の当グループの一部の有形固定資産の公正価額を当時
の簿価とともに区分毎に表したものである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
簿価 公正価額 簿価 公正価額
自己使用目的の有形固定資産 88,099 113,939 89,965 114,124
建造物
80,956 106,796 82,637 106,796
その他 7,143 7,143 7,328 7,328
不動産投資 - - - -
- - - -
建設中不動産
上記の有形固定資産の公正価額は、下記に従って見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格査定人による評価の更新がされなかった資産については、事業体に
より類似した資産の価格傾向の市場データに基づき公正価額が見積もられた。
-スペイン中央銀行承認の価格査定人による評価の更新がなされた資産については、 2003 年省令第
805 号の評価方法に従い公正価額が見積もられた。
すべての自己使用目的不動産は、 2018 年および 2017 年12月31日付で、承認された鑑定人であるスペ
イン中央銀行により比較方法を用いて評価された。
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注記 14 無形資産
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における無形資産は、もっぱら「その他の無形資
産」の項目に分類される。
(単位:千ユーロ)
推定耐用年数
2018 年 2017 年
耐用年数 (無期限 )
- - -
41,908 39,824
耐用年数 (期限付 ) 3年から 10年
41,908 39,824
総計
内訳:
内部開発 3年 36,597 32,162
その他 10年 5,311 7,662
累積償却額 (32,822) (29,807)
(2,137) (2,137)
減損損失
6,949 7,880
2018 年および 2017 年12月31日現在のすべての無形資産はコンピューターのソフトウェアに関連する
ものである。 2018 年12月31日現在の全額償却された無形資産は 26,574 千ユーロ( 2017 年12月31日現在
は24,208 千ユーロであった。)。
注記 15 税金資産および 税金負債
2018 年および 2017 年12月31日現在の税金資産および負債の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
当期税金: 2,985 130,193 957 935
法人税 (注記 23)
2,737 130,170 - -
VAT 248 23 33 77
個人所得税 (源泉 ) - - 462 440
- - 462 418
社会保障負担
繰延税金: 97,999 134,316 22,897 14,512
信用供与、貸付および割引
66,527 79,645 - -
に係る減損損失
キャッシュフロー・ヘッジの
31,472 54,671 - -
評価 (注記 21)
資産の再評価 - - 15,932 15,932
その他の包括利益を通じて公正価
- - 6,965 (1,420 )
額で評価した金融資産の再評価
(注記 21)
100,984 264,509 23,854 15,447
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2018 年および 2017 年の繰延税金資産および負債の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
資産 負債
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
期首残高 134,316 95,372 14,512 65,960
信用供与、貸付および割引に係る
(13,118) (15,727) - -
減損損失
キャッシュフロー・ヘッジ評価額
(23,199) 54,671 - (50,205)
(注記 21)
資産の再評価 - - - -
その他の包括利益を通じて公正価
- - 8,385 (1,243)
額で評価した金融資産の再評価 (注
記21)
97,999 134,316 22,897 14,512
期末残高
注記 16 その他の資産および負債
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の資産」項目の詳細は以下の通り
である。
(単位:千ユーロ)
その他の資産
2018 年 2017 年
その他の資産
3,327 7,588
31,216 30,224
付加利子
34,543 37,812
「付加利 子」の項目には、供給者支払のための融資基金、自治区流動性基金および自治体向け融資
基金の業務管理についての当公庫の受取手数料およびその他が含まれている(注記 1.1 を参照のこ
と。)。 2018 年において、 ICO の受取手数料総額は年間 25百万ユーロ( 2017 年12月31日現在も 25百万
ユーロ)であり、これらの金額は損益計算書の「手数料収入」にも計上されている(注記 27を参照の
こと。)。
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表の「その他の負債」の項目の残高は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
その他の負債
2018 年 2017 年
その他の負債
- 205
4,926 2,697
付加利子
4,926 2,902
本項目「その他の負債」は、基本的に、今は存在しないアルヘンタリアからの資産および負債の譲
受に関連する様々な支払義務に対応する(注記 1.4 を参照のこと。)。
「付加利 子」の項目には、「 2018 年ラペル仲介融資枠」の 1,500 千ユーロ( 2017 年は 750 千ユーロ)
に基づき信用機関に支払われる未収の受取手数料が含まれている。
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注記 17 売却目的保有の非流動資産
「売却目的保有の非流動資産」の総額は、担保権実行資産を含む。 2018 年12月31日現在および 2017
年12月31日現在本項目に記載されている担保権実行資産のうち、不動産開発およびその他の不動産開
発事業に関連した資金調達に起因するものはない。
2018 年および 2017 年の貸借対照表に記載される本項目の残高の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
費用 減損 合計
72,890 (72,890 ) -
2017 年1月1日現在残高
追加額
22 - 22
引出額/使用額 (469 ) 469 -
- - -
移転額
72,443 (72,421 ) 22
2017 年12月31日現在残高
追加額
126 (148) (22)
引出額/使用額 (246 ) 246 -
-
移転額
72,323 (72,323 ) -
2018 年12月31日現在残高
「売却目的保有の非流動資産」の金額は、 2018 年および 2017 年12月31日現在に完全に引当金を計上
した単一の資産 48,678 千ユーロと対応する。
2018 年において、当公庫の売却目的保有の非流動資産の売却益はなかった( 2017 年は 182 千ユーロの
利益)。
当公庫の取締役会はこれらの資産に対して投資の引上げ計画を毎年承認している。
2017 年スペイン中央銀行通達第4号の規則 60記載の通り、売却目的保有の非流動資産は、居住用、
産業用および商業用別に、都市部における土地および都市化から分断された未開地ならびに建物と幅
広く分類される。以下の表は、評価会社、資産評価の方法および会社/代理店の評価額が示されてい
る。
産業用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
2,296
GESVALT 費用および比較
2,296
居住用建物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
109 JUDICIAL 比較
358 TASVALOR 比較
ALIA TASACIONES
131 費用および比較
GRUPO TASVALOR
239 費用および 比較
ALIA TASACIONES
3 動的残余
11 TASVALOR 静的残余
287
JUDICIAL その他
1,138
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第三次利用建造物
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
75 比較
GRUPO TASVALOR
811 費用および比較
ALIA TASACIONES
6 費用および比較
5,131 EUROVAL 費用
GRUPO TASVALOR
90 費用
44 GRUPO TASVALOR
動的残余
6,157
未開地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
ALIA TASACIONES
51 比較
GRUPO TASVALOR
98 比較
GRUPO TASVALOR
27 費用および比較
GRUPO TASVALOR
83 賃貸料の更新
GRUPO TASVALOR
8 その他
8
JUDICIAL その他
275
都市部における土地および開発可能用地
最終評価額 (単位:千ユーロ) 評価会社 評価方法
GRUPO TASVALOR
862 比較
218 EUROVAL 動的残余
31 GESVALT 動的残余
GRUPO TASVALOR
9,171 動的残余
ALIA TASACIONES
1 動的残余
ALIA TASACIONES
3 静的残余
GRUPO TASVALOR
20 静的残余
50 GRUPO TASVALOR
その他
10,356
合計 20,222
注記 18 償却原価 で評価した 金融負債
本貸借対照表の本項目の残高を構成する項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
信用機関への預金 (注記 18.1) 9,459,822 11,495,137
顧客による預金 (注記 18.2) 988,040 859,679
発行済債券 (注記 18.3) 19,147,495 22,845,774
711,847 857,380
その他の金融負債 (注記 18.4)
30,307,204 36,057,970
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18.1 信用機関への 預金
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
種類別:
欧州投資銀行からの借入金 8,196,933 10,081,159
銀行間借入金 152,200 186,000
その他の信用機関からの借入金 1,037,542 1,164,578
73,147 63,400
評価調整額-付加利子
9,459,822 11,495 ,137
銀行間預金は、 2018 年および 2017 年12月31日現在から起算して1年未満以内にそれぞれ期限が到来
する。
欧州投資銀行からの借入金の最終償還期限は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
1,819,950 1,572,052
1年超2年以内 1,857,299 2,029,155
2年超3年以内 1,814,061 1,967,323
3年超4年以内 1,177,833 1,882,750
4年超5年以内 583,326 1,246,522
944,464 1,383,357
5年超
8,196,933 10,081 ,159
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「その他の信用機関からの借入金」の償還期限の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1年以内
205,428 104,750
1年超2年以内 186,616 186,000
2年超3年以内 339,168 204,750
3年超4年以内 140,783 234,750
4年超5年以内 48,912 76,750
116,635 357,578
5年超
1,037,542 1,164 ,578
18.2 顧客 による 預金
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の部門別の詳細は以下の通りであ
る。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相手方別:
公的機関 917,067 804,913
その他の居住者部門 (1) 70,534 54,417
その他の非居住者部門 -
439 349
評価調整額 -付加利子
988,040 859,679
(1) うち、 2018 年および 2017 年12月31日現在、 66,403 千ユーロおよび 50,286 千ユーロはそれぞれ要求払預金であった。
2018 年および 2017 年12月31日現在、「公的機関」の項目に記載された残高の種類別の詳細は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
相互金利調整契約 (C.A.R.I.)
2,920 6,756
914,147 798,157
公的機関の経常勘定およびその他の項目
917,067 804,913
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18.3 発行済債券
2018 年および 2017 年12月31日現在の本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
発行済債券
18,724,473 22,124,860
423,022 720,914
評価調整額 (*)
19,147,495 22,845,774
(*) ヘッジ会計に対する取引費用および価格調整を含む。
2018 年および 2017 年中の本項目の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 22,124,860 26,109 ,430
発行数
37,621,464 27,509 ,063
減価償却費 (41,277,094) (31,023,445 )
255,243 (470,188)
為替差損益
期末残高 18,724,473 22,124,860
以下の表は、 2018 年および 2017 年12月31日現在の未払発行済債券の主な特徴を、通貨、利率および
最終償還期日で示したものである。
発行数 (単位:千ユーロ)
通貨 償還期日 年利率
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
ノルウェー・
3 3 2021 年 4.28 %- 5.36 % 119,668 120 ,981
クローネ
1 1 カナダ・ドル 2020 年 4.53 %- 5.00 % 160,205 166 ,234
37 43 米ドル 2020 年 複数 4,904,683 5,536 ,911
65 78 ユーロ 2026 年 複数 13,065,734 15,465 ,264
2 3 スイス・フラン 2024 年 2%- 3.25 % 266,195 358 ,892
1 1 豪ドル 2019 年 1.95 % 58,237 324 ,237
スウェーデン・
1 1 2022 年 0.963 % 48,758 50,793
クローネ
100,993 101,548
3 4 円 2030 年 0.52 %- 2.9 %
18,724,473 22,124,860
各発行の内容は、当グループの優位事業体である当公庫公式サイト( www.ico.es )の「投資-発行
債券情報」のページで参照することができる。
2018 年にユーロ建ておよびその他通貨建ての債券の金融費用の総額は損益計算書の「利息および類
似費用」の項目に計上されており、金額は 660,524 千ユーロであり、その平均年利は 3.48 %(会計ヘッ
ジを考慮すると 1.49 %)であった。 2017 年の金融費用は 876,354 千ユーロであり、その平均年利は
4.03 %(会計ヘッジを考慮すると 2.05 %)であった(注記 25を参照のこと。)。
2018 年現在、一定の償却原価で評価した金融負債( ICO により発行された債券)の買戻しの結果とし
て、 941 千ユーロの純営業損失が計上された(かかる金額は、かかる排出を補填するために買戻しに関
連したデリバティブの消却の結果を含む。)。 2017 年に同様の概念で計上された損失は、 8,766 千ユー
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ロであり、これは「公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益」に計上されている
(注記 28を参照のこと。)。
18.4 その他の金融負債
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
国庫準備金
444,479 586,853
267,368 270,527
その他
711,847 857,380
「国庫準備金」には、当グループが受領し、各項目に適用される条件に従い返済する資金が含まれ
る。これらの各資金に関連する与信枠の詳細については、当公庫のウェブサイト( www.ico.es )を参
照のこと。
最も重要な与信枠に関連する資金は以下のものである。
-「 Línea FOMIT 」- Renove Turisumo (FOMIT -観光与信枠):かかる与信枠は、インフラおよび観
光地の修復および近代化を目指す金融計画への資金援助を提供する。
-「 Línea Avanza 」:かかる与信枠は、 ICO とともに、市民および企業による新情報技術(ブロード
バンドおよびそれに必要な技術的サポート)の利用のための支援および資金を供給する。かかる
対象に応じて、 TIC 向貸付金(中小企業)、若者および大学生向貸付金(特定グループ)ならびに
デジタル顧客向貸付金(一般的な市民)が実施される。
-「 Línea Préstamos Renta Universidad 」:かかる与信枠は、 2011 年から 2012 年までの博士号また
は修士号の大学院過程における将来所得を保証する。
-「 Línea Futur E」:かかる与信枠は、エネルギーの合理的使用、再生可能エネルギーの使用、水
の使用量の削減および廃棄物管理の観点に立ちスペインにおけるツーリズムの基盤を固めるた
め、持続可能な観光を支えるためのプロジェクトに対する動機を提供し、持続可能性および環境
へ配慮からの観点から現在のツーリズムを再構築する手助けをし、環境および持続的発展に関連
した要素に着眼するものである。
ICO による市場資金調達を通して資金供給される他の当公庫の仲介枠とは異なり、これらの業務に指
定された財政資金は、関連省庁の代理で当公庫が開設した勘定に、国家より直接資金供給される。こ
れらの資金残高は、(上記与信枠の残高を反映する。)関連する経常収支の金額および残高が与信枠
供給のために当公庫が受領する金額と常に同額であるために、「 貸付および受取債権」 (純額、未償
却)としても記載される公式の取引により供給される金額と常に一致する。
2018 年および 2017 年12月31日現在のこれらの資金の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
FOMIT -Renove Turismo
169,545 205,200
Avanza 439 30,085
Préstamos Renta Universidad
142,325 142,355
Futur E
43,334 41,847
88,836 167,366
その他
444,479 586 ,853
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「その他」の項目には、 ICO および ERDF からの資金を含む中小企業および自営業に対する特定の仲介
貸付枠への融資のための ICO ・イノベーション・ファンド 2013-2015 年の設立に相当する金額( 2018 年
および 2017 年12月31日現在において 248,607 千ユーロ)が含まれる。
2013 年12月、 I+D+I のための FEDER 運営プログラムは、 C 決定( 2007 )6316 を通じて、テクノロジカ
ル・ファンド 2013-2015 年による企業の利益のために承認された。財務・行政省の共有資金総局は、ス
ペインにおける当該プログラムの管理に指名されている公的機関である。当該プログラムは、資金の
一部を管理するため、「 ICO ・イノベーション・テクノロジカル・ファンド 2013-2015 年」を含む金融
商品を利用する可能性を含む。当該金融商品「 ICO ・イノベーション・テクノロジカル・ファンド
2013-2015 年」により、革新的企業に対する融資へのアクセスの促進を目的とする構造基金( ERDF )と
の協調融資が開始される。
注記 19 引当金
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における本項目の詳細は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
年金および年金類似債務引当金
919 423
偶発債務および 不確定約定額の 引当金 1,442 1,197
277,834 303,045
その他の引当金
280,195 304,665
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2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の引当金」の項目の内訳は以下の
通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
1995 年勅令法第 12号に基づく基金
175,583 177,926
流動性特別貸付金にかかる引当金 (注記 10.2.2 ) 90,752 88,361
BBVA からの回収額のための資金 284 357
プレステージ船事故補償資金 9,031 10,980
AIE の株式損益補償のための資金 (注記 10.3 ) 890 14,401
偶発債務積立資金 - 10,000
1,294 1,020
その他の資金
277,834 303,045
1995 年勅令法第 12号
1995 年12月28日勅令法第 12号( 1995 年12月30日の官報( BOE )に掲載され、 1996 年1月1日より効力
が生じる。)は、信用機関に関して現在有効な規則に従い、閣僚会議決議( 1987 年12月11日)のセク
ション 4.1 で言及される国家借入金から得られる資金を充当することにより、注記1に記載する業務か
ら将来履行が疑わしいまたは貸倒れの発生する可能性のある貸付金に関し、引当金に繰入れるため
に、スペイン開発金融公庫が最大で総額 150,253 千ユーロのファンドを設定することを規定した。租
税、行政および社会秩序措置に関する 1997 年12月30日法律第 66号追加条項第4条は、これらの規則の
適用にかかわらず、一般国家予算における特定の補償を受けないことを条件として、閣僚会議または
CDGAE が、通常の業務において発生する債務不履行に、 1995 年勅令法第 12号に基づき設定される特別引
当金ファンドを充当する権限を ICO に付与することを規定した。当該ファンドは、「その他の引当金」
の項目で 1996 年に設立された。
取引条件に基づき当該ファンドへの充当を要するこれらの貸付金および取引は、当該ファンドの費
用の形で計上されている。したがって、当公庫の損益計算書に影響はない。
当該ファンドで補填される貸付金は、同ファンドによりすでに引当が行われているため、一般およ
び特別貸倒引当金の計算には算入されない。
前段落で記載される通り、当該ファンドは、初回の割当に加え、スペイン開発金融公庫が得た利益
や国による損失の引受や補填の実行または承認による利益から、または信用に影響を与える適切な制
度取引を通しての、将来の割当をも期して設定されている。同様に、当該ファンドは、引当金が計上
されているかまたは不履行が宣言され、当該ファンドに対して請求される借入金から得られる回収額
(2018 年は 3,084 千ユーロ、 2017 年は 7,724 千ユーロであった。)ならびに当該ファンドに割り当てら
れる資金の運用からの収益( 2018 年はマイナス 468 千ユーロ、 2017 年はマイナス 164 千ユーロであっ
た。)で設定されている。
一般国家予算に関する 1996 年12月30日法律第 12号の規定に従い、 1997 年に追加の 150,253 千ユーロが
一般国家借入金を充当することにより当該ファンドに割り当てられた。
2004 年、総額 249,500 千ユーロの割当が 2004 年7月 30日の閣僚会議決議に従って ICO に付与された国
家借入金に対して充当された。
2018 年および 2017 年12月31日現在の貸借対照表における「その他の引当金」の項目に計上された資
金の 2018 年および 2017 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
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107,428
2017 年1月1日現在の残高
利息の資本組入れ
(164)
国による拠出金 3,466
2016 年の ICO による使用結果 62,000
貸付金の回収 (元本および利息 ) 9,724
(4,528 )
使用額
2017 年12月31日現在の残高 177,926
利息の資本組入れ
(468)
国による拠出金 -
2017 年の ICO による使用結果 -
貸付金の回収 (元本および利息 ) 3,084
(4,959)
使用額
175,583
2018 年12月31日現在の残高
2017 年においては、 2016 年に ICO によって分配された純利益の一部として、特別拠出金 62,000 千ユー
ロが計上された。
BBVA からの回収額のための資金
当グループの親会社である当公庫は、「 BBVA からの回収額のための資金」の項目に関し、 2001 年と
2002 年に租税、行政および社会秩序措置に関する 2001 年12月27日法律第 24号追加条項第 11条を適用し
た。これにより、旧政府金融機関が付与し、政府が保証した一定の貸付および保証によって国が当公
庫に対して負担することとなった金額を消却するために当公庫の株式の一部を割り当てた。
しかし、 ICO は、この消却処理による影響を受けた業務管理によりかかる貸付に関する回収金を引続
き受領することとなったが、慎重な会計原則に従い、当該回収金は通常、損益計算書の利益として認
識されない。利益として計上されたものについては、関連する負債の引当金が、 2018 年および 2017 年
12月31日現在でそれぞれ 284 千ユーロおよび 357 千ユーロ計上され、 2001 年法律第 24号追加条項第 10.1
項( 2006 年法律第 42号による修正に従う。)に従い資本に組み入れられる。
プレステージ船事故補償資金
プレステージ船事故補償資金は、 2002 年11月22日勅令第7号に基づいており、かかる特別引当金
ファンドに従い、プレステージ船事故補償貸付金による不良債権額に、 1995 年勅令法第 12号に基づく
特別引当金ファンドを充当する権限を与えるものである。
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AIE の株式損益補償のための資金
AIE の株式損益補償のための資金の項目には、経済利益グループを介して行われた取引による利益を
運用成績に対して調整する引当金が含まれる(注記 10.3 を参照のこと。)。この引当金は、利益勘定
の法人税の項目として認識され、 2018 年および 2017 年において、それぞれ 7,848 千ユーロおよび 1,876
千ユーロとなった(注記 23を参照のこと。)。
2018 年において、日程表に従った AIE の解散に対し、関連する投資を除外するための総額 14,401 千
ユーロの適用が行われた( 2017 年においては、適用は行なわれていない。)。
偶発債務積立資金
この項目は、 2010 年に設定され、 2018 年12月31日現在の一般偶発債務(オペレーショナル・リスク
を含む。)に対する一般引当金の残高はなかった( 2017 年12月31日現在は 10,000 千ユーロであっ
た。)。 2017 年12月31日現在の残高は、貸出準備金によるものであった(注記 20を参照のこと。)。
本項目の引当金の 2018 年および 2017 年の変動は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
年金および年 リスクおよび
その他の
税金引当金 金類似債務の 不確定約定額の 合計
引当金
基金 引当金
2017 年1月1日現在の
- 365 14 238,881 239,260
残高
割当 (純額 )(1)
- 58 1,183 4,948 6,189
回収 - - - (10,034 ) (10,034 )
資金の使用 - - - (622 ) (622 )
移転およびその他の変動 (2) - - - 69,872 69,872
- - - - -
為替差損益
2017 年12月31日現在の
- 423 1,197 303,045 304,665
残高
割当 (純額 )(1)
- 496 1,263 1,759
回収 - - (104) - (104)
資金の使用 - - (17,248) (17,248)
2017 年通達第4号の初回適
- - 349 - 349
用
移転およびその他の変動 (2) - - - (9,226) (9,226)
- - - - -
為替差損益
2018 年12月31日現在の
- 919 1,442 277,834 280,195
残高
(1) 2018 年の利益および損失の純額には、当該ファンド自身の報酬に関して発生する利息の資本組入れのための特別引
当金ファンド( 1995 年勅令法第 12号に基づく基金)への支払に関連して、 468 千ユーロ( 2017 年は 164 千ユーロ)が
含まれる。また、 1,412 千ユーロ( 2017 年は 4,509 千ユーロ)に上る ICO のリスク(注記 10.2.2 を参照のこと。)に
伴う ICO の流動性枠のための引当金も含む。 2018 年において偶発債務積立資金の変動はなかった( 2017 年12月31日
現在の 10,000 千ユーロの回収)。
(2) 2018 年12月31日現在の移転およびその他の変動は、主に AIE の株式損益補償のための資金( 7,848 千ユーロ)(注記
23を参照のこと。)および 10,000 千ユーロの貸出準備金を伴う偶発債務の回収のための資金(注記 20を参照のこ
と。)に関連している。 2017 年12月31日現在の本項目は、 AIE における投資からの利益報酬に対するファンドの法
人税費用の回収( 1,876 千ユーロ)(注記 23を参照のこと。)および 2016 年の利益分配の一部である 62,000 千ユー
ロの 1995 年勅令付法第 12号に基づくファンドへの拠出金を主に含んでいる。
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注記 20 自己資本
貸借対照表の「資本」の項目の 2018 年および 2017 年の期首および期末の簿価の調整は以下の通りで
ある。
(単位:千ユーロ)
その他の
資本 再評価準備金 損益 合計
準備金
4,312,585 23,591 905,354 315,344 5,556,874
2017 年1月1日現在の残高
利益の分配
- - 67,344 (315,344 ) (248,000)
その他の準備金の変動 - - - - -
当期損益 - - - 101,923 101,923
482 - - - 482
その他の変動
4,313,067 23,591 972,698 101,923 5,411,279
2017 年12月31日現在の残高
利益の分配
- - 40,769 (101,923) (61,154)
その他の準備金の変動 - - (105,118) (105,118)
当期損益 - - 73,210 73,210
677 - 677
その他の変動
4,313,744 23,591 908,349 73,210 5,318,894
2018 年12月31日現在の残高
2018 年の損益の分配は、 61,154 千ユーロとなった( 2017 年は 248,000 千ユーロであり、このうち
62,000 千ユーロは、 1995 年勅令法第 12号に基づくファンドへの割当てとして計上された。)(注記 19
を参照のこと。)。
2018 年の「その他の準備金の変動」の項目は、以下の事項に対する 2017 年スペイン中央銀行通達第
4号の初回適用による影響を含む。
-2017 年スペイン中央銀行通達第4号の初回適用による持分証券の再分類( その他の 包括利益を通
じて公正価額で評価した金融資産から損益を通じて公正価額で評価した金融資産への再分類)
(注記9を参照のこと。)に対する 7,192 千ユーロの準備金への貸付
-2017 年スペイン中央銀行通達第4号の初回適用による(注記 10および注記 19を参照のこと。)信
用リスクの引当金残高の調整としての、マイナス 122,310 千ユーロの準備金の計上
-2017 年に割り当てられた偶発債務に対する引当金残高の戻入(注記 19を参照のこと。)とする、
10,000 千ユーロの通常準備金への貸付
2001 年12月27日法律第 24号に基づき、「その他の変動」は、 2018 年の 677 千ユーロ( 2017 年は 482 千
ユーロ)の資本への年間拠出額を主に含んでいる。当該法律の追加条項第 11条に従い、旧政府金融機
関および当公庫によって供与された、一定の貸付および保証の結果、 ICO とともに国家が負担する債務
の取消により回復した当該資金は、当公庫の資本の一部となる。
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注記 21 その他の累積包括利益(評価調整額)
本項目の総額および租税効果の残高は、以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
租税効果 租税効果
総額 純額 総額 純額
(注記 15) (注記 15)
その他の包括利益を通じて
公正価額で評価した金融資
23,219 (6,966) 16,253 (4,733) 1,420 (3,313)
産(注記9 )
資産および負債のキャッ
(104,907) 31,472 (73,435) (182,239) 54,672 (127,567)
シュフロー・ヘッジ
(81,688) 24,506 (57,182) (186,972) 56,092 (130,880)
合計
本項目の残高は、貸借対照表における「その他の包括利益 を通じて 公正価額で評価した金融資産」
および「評価額-キャッシュフロー・ヘッジ・デリバティブ」の勘定に関連するものである。一つ目
の勘定では、注記 2.2.4 に従い、当グループの資本の一部に含まなければならない、売却可能と分類さ
れる資産の公正価額の変動額(純額)を計上する。二つ目の勘定では、キャッシュフロー・ヘッジ商
品の公正価額の変動額(純額)を計上する。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
期首残高 (130,880) 116,733
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金融
16,177 (2,901)
資産の公正価額の変動 (注記9 )
損益を通じて公正価額で評価した金融資産への再分
3,594
類
53,927 (244,712)
キャッシュフロー・ヘッジ
(57,182) (130,880)
期末残高
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注記 22 付与された保証および不確定約定額
貸借対照表上の本項目は、通常の業務における約定額(付与された保証)および第三者が使用可能
な額(不確定約定額)に応じて、支払義務を負う第三者が支払わなかった場合、当該第三者に代わり
ICO が支払うべき金額を記載している。
以下は 2018 年および 2017 年12月31日現在の本項目の内訳である。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
付与された保証
475,124 605,138
金融保証
475,124 605,138
付与された不確定約定額
第三者向け :
信用機関 513 260,434
公的機関部門 2,000,198 2,122,178
その他の居住者部門 349,694 640,621
非居住者部門 268,656 193,495
その他の不確定約定額 89,502 -
504,000 9,193
引受済未払支出額 :
3,212,563 3,225,921
3,687,687 3,831,059
保証商品(保証およびその他の担保)からの収益は、連結損益計算書の「受取手数料」の項目に計
上され、契約で定められた利率を保証の額面価額に適用することによって算出される。
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注記 23 租税
予算、租税、財政および雇用に係る緊急措置に関する 1993 年2月 26日勅令法第3号の規定に従い、
当公庫は 1993 年から 1996 年まで法人税の支払を免除されていた。当公庫は、法人税に関する 1995 年12
月27日法律第 43号暫定条項第 13条に従い、 1997 年および 1998 年に関しても同税を免除され、 1999 年か
らは一般法人税が課税されている。
法人税上の課税標準に対する 2018 年および 2017 年の ICO の親会社としての当公庫の会計利益の調整は
以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
税引前簿価利益
112,907 145,987
永久差異
支払外国税 478 581
会計処理されていない会計利益 5,102 6,031
被投資会社により生じる税務上の欠損金の繰越 41,259 2,106
- -
過年度からの損金算入
159,746 154,705
一時差異:
減損および控除不能引当金 28,237 8,056
(71,964) (60,478)
他年度発生一時差異の反転
(43,727) (52,422)
過年度の税務評価の補償 (16,691) (25,571)
99,328 76,712
税務評価
税金総額 (30 %)
29,798 23,014
控除および引当金 (379) (1,380)
(32,156) (33,219)
源泉徴収税および中間納付
(2,737) (11,585)
支払税額 (注記 16)
法人税
47,544 45,940
為替差損益調整額 -
(7,848) (1,876)
その他の調整額 (注記 19)
39,696 44,064
法人税
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相殺可能な税務上の欠損金はない。当該年度において、当グループの親会社である ICO が様々な割合
で出資している経済利益グループからの欠損金が組み込まれた( 2018 年12月現在で 41,259 千ユーロ
(2017 年12月現在で 2,106 千ユーロ))。欠損金は、各グループ会社が提供した情報に基づき割り当て
られた。これらの項目は、経済利益グループの貸借対照表の期末と同年度に認識されることになって
いる。
2015 年からの 16,691 千ユーロの相殺可能な税務上の欠損金は、 2018 年に相殺された。 2017 年には、
25,571 千ユーロの当公庫の税務上の欠損金が相殺された。
2018 年および 2017 年に適用された税制優遇措置の控除はなかった。国際二重課税(支払税額)の控
除額はそれぞれ 379 千ユーロおよび 472 千ユーロに上った。 2018 年度末現在、国際二重課税に対する控
除はない。
特別事由による固定資産の減価償却方法に変更はなかった。
当公庫の確定申告およびその他の税金債務は、直近4年間税務当局による閲覧が可能である。
基本的に法人税の免除期間後に新たに発生する法人税負債に関し、一定の取引に適用される税規則
の解釈によっては一定の偶発税金負債が存在する場合がある。ただし、当公庫の税務担当者の判断で
は、かかる負債が発生する可能性は少なく、いかなる場合においてもこれにより生じる税金債務が添
付の年次財務書類を大幅に影響することはないものと見込まれる。
注記 24 利息および類似収益
構成する項目に基づく 2018 年および 2017 年の利息および類似収益の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
8,189 39,163
融資産
償却原価で評価した金融資産 373,639 480,378
デリバティブ、ヘッジ会計 (11,634) (10,040)
その他の資産 812 130
25,920 12,955
負債からの利息および類似収益
396,926 522,586
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注記 25 利息および類似費用
2018 年および 2017 年の損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
償却原価で評価した金融負債
798,172 1,004,826
デリバティブ、ヘッジ会計 (323,553) (418,396)
その他の負債 - 10
18,833 5,257
資産からの利息および類似費用
493,452 591,697
注記 26 配当金収益
本概念による収益はすべて変動収益ポートフォリオに対応しており、その金額は 2018 年および 2017
年においてそれぞれ 5,339 千ユーロおよび 5,173 千ユーロであった。
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注記 27 受取手数料および支払手数料
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
受取手数料
偶発リスク 1,599 1,665
受取可能手数料 2,608 6,620
41,515 37,912
その他の手数料
45,722 46,197
支払手数料
署名リスク (678) (1,612)
(8,168) (1,776)
その他の手数料
(8,846) (3,388)
手数料純額 36,876 42,809
2018 年12月31日現在、手数料収入の「その他の手数料」の項目は、 FFPP および FLA の管理手数料に関
連する 25,000 千ユーロ( 2017 年12月31日現在では 25,000 千ユーロ)を含む(注記 16を参照のこ
と。)。
注記 28 損益を通じて公正価額で評価されない金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
その他の包括利益を通じて公正価額で評価した金
1,695 5,146
融資産 (注記9 )
貸付および受取債権 (注記 10.3) - -
(941) (8,766)
償却原価で評価した金融負債 (注記 18.3)
754 (3,620)
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注記 29 売買目的保有の金融資産および金融負債による損益(純額)
構成する項目に基づく損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
売買目的保有のデリバティブ (注記7 ) 1,023 11,326
1,023 11,326
IFRS 第13号の施行後( 2013 年1月1日)、当グループはデリバティブ証券の評価につき、相手方の
リスクおよび資本信用リスク( CVA-DVA )に対応する調整を組み込まなかった。 2018 年12月31日現在、
本項目において行われた調整(この項目を含む。)は、マイナス 195 千ユーロに上った( 2017 年12月31
日現在ではマイナス 5,835 千ユーロ)。
注記 30 損益を通じて義務的に公正価額で評価された金融資産および金融負債による損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
損益を通じて公正価額で評価した持分証券 (注記
710 -
8)
710 -
注記 31 ヘッジ会計から生じる損益(純額)
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
ヘッジデリバティブ (注記 11) 56,104 -
56,104 -
本項目は、ヘッジする要素およびヘッジされた要素の公正価額の変動からの利益を含んでいる。
注記 32 その他の営業収益およびその他の営業費用
損益計算書における「その他の営業収益」の項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
その他の営業収益
2018 年 2017 年
不動産開発による収益
910 1,035
154 3,759
その他 (*)
1,064 4,794
(*)主に備品の返品により回収された費用および BBVA による資産管理に対して支払われた前払金が含まれている。
当公庫では、 2018 年12月31日または 2017 年12月31日において「その他の営業費用」の残高はない。
注記 33 人件費
2018 年および 2017 年の損益計算書における本項目の構成は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
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2018 年 2017 年
賃金および給与
14,595 14,354
従業員福利厚生費 3,657 3,748
1,472 1,323
その他の費用
19,724 19,425
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2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫の職務別および男女別の従業員数は以下の通りである。
従業員の分布
男性 女性
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
経営陣
10 10 4 4
管理職および技術者 103 107 135 145
7 7 50 51
事務職員
120 124 189 200
2018 年および 2017 年における当公庫の職務別および男女別の従業員数の平均は以下の通りである。
従業員の平均分布
男性 女性
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
経営陣
10 9 4 5
管理職および技術者 104 110 139 141
7 7 50 49
事務職員
121 126 193 195
注:第5団体協約( 2008 年10月24日の官報に掲載された。)の調印以降、一般業務職員は専務職員として分類されてい
る。
2018 年において、 33%を超える障害を持つ 当公庫の平均従業員数は3名である( 2017 年においても
3名)。
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理事会の報酬およびその他の給付金
当公庫は、理事会のメンバーが受領する報酬について、賃金、手当およびその他の報酬として、
2018 年に 92千ユーロおよび 2017 年に 125 千ユーロを損益計算書(「その他の管理費」の項目)に計上し
た。これらの報酬は、理事会のメンバーを行政府の上級職と考慮した場合に、適用ある規制法に従っ
て国庫に支払われた。
当公庫の代表取締役および同様の役割を遂行している他の者が、 2018 年および 2017 年中に受け取っ
た報酬は以下の通りである(単位:千ユーロ)。
2018 年:
給与および賃金
従業員数 その他の賃金 合計
固定 変動
5 550 76 2 628
2017 年:
給与および賃金
従業員数 (*) その他の賃金 合計
固定 変動
5 533 76 2 611
(*) 2017 年2月に1名の取締役が加わった。当該取締役は、 2017 年において満額の年収またはいずれの変動報酬も受け
取らなかった。 2016 年に退任した取締役に対して 2018 年に支払われた変動報酬も含まれる。
2018 年および 2017 年12月31日現在、当公庫の理事会役員に付与された貸付金はなかった。 2018 年12
月31日現在、従業員への貸付に関する内部規制に基づき付与された貸付金は、残存金額 15,023 千ユー
ロとなり、平均金利は 2.51 %( 2017 年12月31日現在で 15,879 千ユーロとなり、平均金利は 2.51 %)で
あった。
さらに、 2018 年12月31日現在、理事会の過去または現在の理事は年金または生命保険に関する義務
を負っていない。
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注記 34 その他の管理費
損益計算書における本項目の内訳は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
2018 年 2017 年
建物、設備および資材
794 780
コンピューター 3,450 3,070
通信 2,020 1,923
宣伝および広告 1,113 987
金利および租税 1,320 1,440
6,867 6,729
その他の一般管理費
15,564 14,929
監査費用
年度会計監査は、国家行政介入局(スペイン語表記の頭文字をとって「 IGAE 」)により行われた。
したがって、監査人の役割は(財務・行政大臣による)一般的介入により担われるため、この概念に
おける監査人に対する報酬は存在しない。
マザーズ( 2018 年の年次財務書類の監査業務において協力的なサービスを提供するために IGAE と締
結した契約により、監査を行った。)グループの企業が 2018 年に行った監査業務以外のサービスにつ
いて請求した金額(税込)は、 15千ユーロであった。
アーンスト・アンド・ヤング( 2017 年の年次財務書類の監査業務において協力的なサービスを提供
するために IGAE と締結した契約により、監査を行った。)グループの企業が 2017 年に行った監査業務
以外のサービスについて請求した金額(税込) 12千ユーロであった。
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注記 35 公正価額
その市場価額を確実に見積もることができない貸付、受取債権および持分証券を除き、上記の通
り、金融資産は貸借対照表において公正価額で計上される。
同様に、取引ポートフォリオに含まれるものを除き、金融負債は貸借対照表において償却原価で計
上される。
2018 年および 2017 年12月31日現在の連結貸借対照表の「貸付および受取債権」に基づき計上された
資産および「償却原価で評価した金融負債」の項目に基づき計上された負債の一部は、年次金利改訂
を伴う変動金利で計上されており、利率の動向の結果としての公正価額は、連結貸借対照表において
計上されるものと有意差があるとはいえない。これらの公正価額は、割引フローを使用し公正価額の
計算を進める加重平均残存月数および加重平均レートを使用して得たものである。 2018 年および 2017
年12月31日現在、当該運用のために計算された価値は以下の通りである。
(単位:千ユーロ)
簿価 公正価額
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
資産
貸付および受取債権
信用機関への預金 12,436,396 16,359,782 12,854,208 20,509,876
顧客向貸付金 10,061,491 11,188,383 10,158,878 11,414,263
負債
償却原価で評価した金融負債
信用機関への預金 9,459,822 11,495,137 9,753,362 12,111,910
顧客預金 988,040 859,678 998,671 899,160
2018 年および 2017 年には、貨幣市場および公債市場のインプリシット・カーブを参照した、全分類
に関する公正価額が計算された。
注記 36 子会社、合弁会社および関連企業の運用
子会社、合弁会社 および関連企業 に関連する企業の 2018 年および 2017 年12月における残高は以下の
通りである。
AXIS
- 顧客への預金(償却原価で評価した金融負債) :2018 年12月31日現在では 12,033 千ユーロ( 2017
年12月31日現在では 10,946 千ユーロ)
CERSA
- 顧客への預金(償却原価で評価した金融負債) :2018 年12月31日現在では 4,198 千ユーロ( 2017
年12月31日現在では 4,198 千ユーロ)
注記 37 英語への翻訳のために追加された説明
これらの財務書類は、当公庫に適用される財務報告に係る規制上の枠組みに基づき表示されている
(注記1を参照のこと。)。規制上の枠組みに適合し、当公庫に適用される特定の会計上の慣行は、
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その他の一般に認められている会計原則および規則と適合しない可能性がある。矛盾が生じる場合、
スペイン語版が優先する。
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別紙Ⅰ
2018 年12月31日および 2017 年12月31日現在の投資
(当グループの親会社としての ICO の直接所有株式および間接所有株式)
2018 年および 2017 年12月31日現在の関連企業および子会社の株式に関する情報は以下の通りである。
2018 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパニョー パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ラ・デ・レアフィアンツァミ カステジャーナ・ 24.26 % -24.26 % 36,461 - 36,461 426,267 280,854 -
た保証事業の保証支援
エント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパニョー 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ラ・デ・フィナンシアシオ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % -20.31 % 8,465 - 8,465 136,117 131,469 7,821
ン・デル・デサロージョ S.A. ペイン企業の持分での金
ドリッド
(COFIDES) 融支援
パセオ・デル・プ
EFC2Eヘスティオン S.L. ラド・4 -マド アセットマネジメント 50.00 % -50.00 % 2 - 2 36 28 (24)
リッド
44,928 - 44,928
子会社
AXIS パルティシパシオネス・
エムプレサリアレス・ソシエ
ロス・マドラソ・
ダ・ヘストラ・デ・エンティ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 12,507 11,061 5,884
38-マドリッド
ダデス・デ・キャピタル・リ
エスゴ S.A.
46,868 - 46,868
(*)2018 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
2017 年12月31日現在
所有持分割合 投資の簿価 被投資会社の数値
所在地 事業内容 直接 間接 合計 総額 減損 純額 資産 資本 損益
関連企業
コンパーニャ・エスパ パセオ・デ・ラ・
SS.GG.RR により付与され
ニョーラ・デ・レアフィア カステジャーナ・ 24.15 % -24.26 % 36,460 - 36,460 426,951 275,366 -
た保証事業の保証支援
ンツァミエント S.A.(CERSA) 151- マドリッド
コンパーニャ・エスパ 発展途上国における民間
プリンシペ・デ・
ニョーラ・デ・フィナンシ プロジェクトに対するス
ベルガラ・ 132- マ 20.31 % -20.31 % 8,466 - 8,466 126,694 122,334 6,180
アシオン・デル・デサロー ペイン企業の持分での金
ドリッド
ジョ S.A.(COFIDES) 融支援
パセオ・デル・プ
EFC2Eヘスティオン S.L. ラド・4 -マド アセットマネジメント 50.00 % -50.00 % 2 - 2 58 52 (20)
リッド
44,928 - 44,928
子会社
AXIS パルティシパシオネ
ス・エムプレサリアレス・
ロス・マドラソ・
ソシエダ・ヘストラ・デ・ 金融投資 100.00 % -100.00 % 1,940 - 1,940 11,394 10,177 4,932
38-マドリッド
エンティダデス・デ・キャ
ピタル・リエスゴ S.A.
46,868 - 46,868
(*)2017 年12月31日現在の経済情報(未監査)。
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2018 年12月31日現在の財務書類の承認
現行の法律に従い、議長は、このページより前の書類で構成され、スペイン語原文で 144 ページにおよぶ
2018 年に関する当公庫の財務書類、経営報告書および 2018 年に関する利益分配案を承認する。
マドリッド、 2019 年3月 28日
D.ホセ・カルロス・ガーシア・デ・ケベード・ルイズ
理事長
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(6) 【その他】
該当なし
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
1 概要
(1) 一般
スペインは西ヨーロッパに位置する。スペイン本土はヨーロッパの南西海岸のイベリア半島にあ
る。北はフランスに、西はポルトガルに国境を接する。スペインは 17地域の自治体からなり、そこに
は50の行政州があり、このうち 47州がイベリア半島に、2州がカナリア諸島に、1州がバレアレス諸
島にある。北アフリカの都市セウタおよびメリーリャも地方自治体に準ずるスペイン領土である。ス
ペインは約 50万5,000 平方キロメートル( 19万7,266 平方マイル)を占め、フランスに次いで西ヨー
ロッパで2番目に大きな国である。 2019 年現在の推定人口は約 47.10 百万人である。
(2) 政府の形態
スペインは議会制君主国として構成される民主国家である。スペインの憲法は 1978 年12月6日に国
民投票によって採択されたもので、国家の最高法であり、政党の存在、普遍的な参政権および国会議
員の自由選挙を規定している。立法権は定数 350 名の下院議員からなる下院と 266 名の上院議員で構成
される上院の二院制の議会に与えられている。議員の任期は任期満了前に実施される選挙の場合を除
き4年である。下院と上院は法律について討議し承認し、また政府の行為を監督する責任がある。下
院は立法に関し優先権があり、上院は地方の問題について優先権を有する。
スペインの憲法は地方自治の権利を認めている。スペインの「自治体」は教育および文化、医療
サービス、都市計画、公共事業および社会問題のような分野で広範に法的権限を享受している。地方
の歳出資金は主として税金および中央政府からの移転により賄っており、バスクとナバラは特別の金
融制度がとられており、これによってこれらの領域で徴収した課税収入の大部分を獲得し、また国家
レベルで提供された国家のサービスに対し対価を支払う。
一部象徴的なスペイン国王の職務は、法律の裁可、議会の招集および解散、国民投票の実施、首相
を議会の承認にかけることおよび軍隊の最高指揮権を行使することである。
首相は下院で選出され、国王によって正式に任名される。首相は大臣を選任し、1名または数名の
副首相(首相代行)も指名する。首相、副首相および大臣は内閣または政府を樹立する。首相はいつ
でも大臣を解任することができ、大臣は共同して議会の両院について責任を有する。首相が下院議員
の過半数の支持を失った場合には、議会は首相を交代させることができる。
司法制度は最高裁判所を頂点とする階層的な裁判所制度により構成される。憲法裁判所は特別な地
位を有しており、その主な責任はスペイン王国の三権の行為および法律の憲法尊重を確保することで
ある。
(3) 政党
スペインには二つの主な伝統的な国内政党がある。すなわち、国民党および社会労働党である。ま
た、近年において三つの国内政党が結成された。すなわち、急進左派、中道派および極右派の政党で
ある。それらの五つの国内政党は別として、カタロニア、バスク、ガリシアおよびカナリア諸島の自
治体に多くの議員を送り込んでいる強力な地方政党も少数ある。
社会労働党(社会党)が7年間にわたり権力を握った( 2004 年-2011 年)後、保守派である国民党が
4年にわたり権力を握った( 2011 年-2015 年)。 2016 年総選挙後は、国民党の党首であるスペインのマ
リアノ・ラホイ首相が議会での不信任投票により退任に追い込まれた 2018 年6月1日まで、国民党が
スペイン政府を引続き運営した。社会党の党首であるペドロ・サンチェス氏が 2019 年4月 28日に行わ
れた選挙までラホイ氏の後任となった。社会党が総選挙において勝利して多数を獲得したが、政府を
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形成できるまでには至らなかった。そのため 2019 年11月10日にやり直し総選挙が行われ、その結果、
ペドロ・サンチェス氏を首相とした社会党およびポデモス(左派政党)による新政府が形成された。
(4) 外交関係
1) 二国間関係
日本との関係
2019 年において、日本はスペインの輸出相手国として 16位に、輸入でも 16位に位置付けられてい
る。 2019 年の日本向けのスペインの輸出は、 2018 年より 7.7 %増加し、全体の 0.9 %を占める 2,725 百
万ユーロであった。一方、 2019 年のスペインの日本からの輸入は前年に関連して 5.4 %増加し、輸入
全体の 1.4 %を占める 4,355 百万ユーロとなった。結果的に、スペインの日本に対する貿易赤字は、
2018 年の 1,604 百万ユーロから、 2019 年には 1,631 百万ユーロに増加した。
投資に関しては、スペインにおける外国投資全体のうち、日本の投資は、 2017 年および 2018 年と
比較してわずかに増加し、 2019 年には 0.7 %となった( 2017 年および 2018 年における日本の投資は、
それぞれ全体の 0.1 %および 0.2 %であった)。一方で、 2018 年および 2019 年の日本におけるスペイ
ンの投資は、スペインの外国投資全体のうち極めて少ない割合となった(いずれの年においても
0.0 %)。
米国との関係
2019 年において、米国はスぺインの輸出の約 4.7 %、また輸入の約 4.8 %を占めた。
スぺインと米国との間には多くの条約が締結されている(防衛協力- 1988 年、文化教育協力-
1989 年、二重課税に関する条約- 1990 年、または 2001 年共同声明(政治、防衛、経済、金融、科
学、工業および技術、文化ならびに安全保障の分野における協力の枠組みを構築した。))。二国
間の商業条約(すなわち「スぺインの輸出業者組合」と米国商務省の「マイノリティ企業開発局」
との間の協力条約)は少ないが、商業または経済条約のほとんどは、多国間組織または欧州連合
(EU)を通じて扱われている。
2) 欧州経済共同体/欧州連合との関係
スペインは 1986 年1月1日、欧州経済共同体( EEC )の正式加盟国となった。 1992 年には、スペイ
ン議会は欧州連合条約(マーストリヒト条約としても知られている。)を批准し( 1993 年に発効し
た。)、欧州連合( EU)が成立した。 EUへの正式加盟により、 EU機関への一定の主権の譲渡を余儀
なくされた。その見返りとして、スペインは多数の EU機関において代表権を得ており、かかる代表
権は主に、
・ 中央政府任命委員1名、
・ スペインで直接選挙により選出される欧州議会議員、ならびに
・ 閣僚理事会および欧州理事会のスペイン代表議員である。
2004 年5月1日までの EUは、フランス、ベルギー、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグ、オラン
ダ、英国、アイルランド、デンマーク、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、オーストリア、ス
ウェーデンおよびフィンランドの 15ヶ国により構成されていた。それ以降 EUは、チェコ、エストニ
ア、ハンガリー、ポーランド、スロベニア、キプロス、マルタ、ラトビア、スロバキアおよびリト
アニアの 10ヶ国が新たに加盟国となり、合計 25ヶ国に拡大した。 2006 年1月1日以降、 EUは、ブル
ガリアおよびルーマニアの2ヶ国が新たに加盟国となり、合計 27ヶ国に拡大した。また、 2013 年7
月1日にクロアチアが加盟した。それゆえ、 EUは28ヶ国で構成されていた。しかし、英国は EU離脱
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に関する国民投票の結果を受け、 2017 年3月 29日より EUを離脱する手続きを開始し、最終的に 2020
年1月 31日に英国は EUを離脱した。これに続く移行期間中に英国と EUは将来の関係性について交渉
する。
欧州経済通貨同盟(「 EMU 」)が 1999 年に創設されて以降、スペインは加盟国となり、その他の加
盟諸国とともに単一通貨ユーロを共有しているだけでなく、価格の安定に関与し公正な会計方針の
追及の任に当っている。 1997 年10月に 15ヶ国が調印したアムステルダム条約は、マーストリヒト条
約を欧州経済通貨同盟に関する条項に変更を加えずに対外政策および各種社会問題に範囲を広げ
た。 2003 年2月1日、ニース条約が発効したが、 2009 年12月1日付で発効したリスボン条約に取っ
て代わられた。
3) 多国間関係
スペインは主要な国際政治・経済機関に参加しているが、その主なものは国際連合および国際連
合の専門機関、国際復興開発銀行( IBRD )、国際通貨基金( IMF )、米州開発銀行( IADB )、国際金
融公社( IFC )、国際開発協会( IDA )、世界貿易機構( WTO )、経済協力開発機構( OECD )、欧州投
資銀行( EIB )、欧州評議会、および 1982 年に加盟した北大西洋条約機構( NATO )である。
国際金融機関名 加盟年月日 出資比率 * 応募株数・額 *
国際通貨基金 (IMF) 1958 年9月 15日 2.00 % 9,535.5 百万 SDR(1)
国際復興開発銀行 (IBRD) 1958 年9月 15日 1.97 % 4,680.6 百万米ドル (2)
国際金融公社 (IFC) 1960 年3月 24日 1.44 % 282.31 百万米ドル
国際開発協会 (IDA) 1960 年10月18日 1.84 % 5,146.1 百万米ドル
アフリカ開発基金 (ADF) 1974 年2月7日 2.06 % 619.2 百万 UA(1)
米州開発銀行 (IADB) 1976 年6月 14日 1.97 % 3,479.2 百万米ドル
アフリカ開発銀行 (AfDB) 1984 年3月 20日 1.00 % 693.1 百万 UA(1)
欧州評議会開発銀行 (CEB) 1978 年1月1日 10.91 % 597.3 百万ユーロ
欧州投資銀行 (EIB) 1986 年1月1日 11.27 % 28,033.4 百万ユーロ
アジア開発銀行 (ADB) 1986 年2月 14日 0.34 % 502.4 百万米ドル
米州投資公社 (IIC) 1986 年5月 13日 4.50 % 99.20 百万米ドル
欧州復興開発銀行 (EBRD) 1990 年5月 29日 3.43 % 1,020.5 百万ユーロ
アンデス開発公社 (CAF) 2003 年1月1日 7.43 % 898.4 百万米ドル
多国間投資保証機関 (MIGA) 1988 年4月 29日 1.28 % 22.65 百万米ドル
中米経済統合銀行 (BCIE) 2005 年3月9日 4.27 % 200.0 百万米ドル
アジアインフラ投資銀行 (AIIB) 2017 年12月19日 1.82 % 1,761.5 百万米ドル
出所:マクロ経済分析および国際経済総局(経済・デジタル変革省)
(1) 2019 年において、1 SDR =1 UA=1.382826 米ドル。
(2) IBRD が公式な出資額として用いる 1944 年における米ドル。
* 2019 年12月31日現在または 2020 年5月5日付の最新データ。当該合計出資額の比率は、いくつかの機構では議
決権と一致する場合もあり、例えば ADF のように、一致しない場合もある。
2 経済
(1) 一般情勢
スペイン経済は 1996 年から 2007 年にかけて好調に推移し累積成長率は3%超であった。これによっ
てスペインの主な経済問題は著しく緩和され、失業率は 1996 年の 22.1 %から 2007 年の 8.2 %に減少し
た。しかしながら、 2008 年に国内総生産( GDP )の成長率は減速して 1.1 %となり、失業率は増加し
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11.2 %となった。さらに 2009 年および 2010 年にはそれぞれ、 GDP は3.6 %減少および 0.0 %にとどまり、
失業率は 17.9 %および 19.9 %にのぼった。 2011 年において、失業率が増加し続け 21.4 %になり、 GDP の
成長率はマイナス1%に減少した。世界各国と同じく、 2012 年にスペインの景気は後退し、 GDP は
2.9 %減少し、失業率は年平均で 24.8 %にのぼった。 2013 年において、 GDP はまた 1.7 %減少し、失業率
は26.1 %に増加した。この長い景気後退の後、 2014 年にスペインの成長率は回復し、 GDP は前年比で
1.4 %増加し、失業率は 24.4 %に減少した。 2015 年において、成長率は前年比で 3.4 %増加し、また失
業率は 22.1 %に減少して景気回復が勢いづいた。 2016 年には、失業率が 20%未満( 19.6 %)に減少す
ると同時に、スペインの経済は引続き 3.0 %の力強い成長を遂げた。 2017 年において、 GDP が年平均
2.9 %上昇した一方、失業率も継続して減少し、年平均で労働力人口の 17.2 %となった。 GDP は年平均
で2018 年において 2.4 %および 2019 年において 2.0 %の増加となり減速の兆しを見せているものの、他
のEU諸国と比べると良い経済成長を遂げている。その間、失業率は減少を続け、年平均で 2018 年にお
いて労働力人口の 15.3 %、 2019 年においては 14.1 %となった。
1996 年から 2007 年までの間、かかる好調な発展は財政赤字(国家会計)の大幅な削減を背景として
起こった。財政赤字は 1996 年の対 GDP 比4.9 %から減少し、 2007 年には財政支援を含む対 GDP 比2%の黒
字となった。しかしながら、 2008 年から 2010 年の GDP の減少により財政赤字は急増し、 2009 年は GDP の
11.0 %に上昇し、また 2010 年は 9.5 %であった。 2011 年、財政赤字は GDP の9.3 %に微減し、いくつかの
財政措置により、 2012 年には財政赤字は GDP の6.8 %(財政赤字は、金融支援を考慮すれば GDP の10.5 %
であった。)に急減した。しかしながら、 2013 年において財政赤字は微減し、 6.7 %(金融支援を考慮
すれば 7.0 %)となった。翌年以降も財政再建は継続され(当該期間中、金融支援の重要性は比較的低
く、かかる支援を考慮した数値と考慮しない数値は、ほぼ同じであった。)、劇的な成長ならびに歳
出削減および最近の法人税改正を含むさらなる再建手段により、財政赤字は 2014 年に 5.8 %、 2015 年に
5.2 %、 2016 年に 4.3 %および 2017 年に 3.0 %にまで減少した。スペインは 2018 年において、財政赤字の
対GDP 比率が 2.5 %という結果で幕を閉じた。これは、過去年における財政赤字の対 GDP 比率が3%を超
えたために欧州委員会により課されていた過剰財政赤字手続が終了したことを示している。 2019 年に
おいて、政府赤字の対 GDP 比率は引続き3%を下回っている( 2.8 %)。
1999 年のスペインにおけるユーロ導入以降、インフレ率は約3%付近で持続率を維持した。しかし
ながら、 2009 年および 2010 年には、経済危機および特に民間消費の著しい縮小により、インフレ率の
大幅な低下( 2009 年はマイナス 0.3 %、 2010 年は 1.8 %)が生じた。 2010 年後半以降、インフレ率は、
主として国際市場における原材料価格の上昇ならびに一部の税金および規制価格の上昇のために、再
度急速に上昇し始めた。結果として、 2011 年における消費者物価指数の平均変動率は 3.2 %に達し、
2012 年における平均インフレ率は 2.4 %となった。インフレ率は 2013 年に再び低下し、当該年度の平均
変動率は実質的に 1.4 %となった。 2014 年のインフレ率は、主に石油価格の大幅な下落により、マイナ
ス(マイナス 0.2 %)となった。エネルギー価格の下落により、 2015 年における国内の消費者物価指数
(CPI )は、再度低下(前年比でマイナス 0.5 %)し、 2016 年の CPI もマイナスにとどまったが、前年比
でマイナス 0.2 %とわずかに改善した。 2017 年において、 CPI の一般平均は、石油価格に牽引され 2.0 %
上昇した( 2017 年においてコア CPI は1.1 %増加)。 2018 年において、コア CPI の増加は 0.9 %にとど
まった一方で、 CPI はわずかに減少して 1.7 %となった。さらに 2019 年においては、コア CPI は0.9 %と
横ばいであった一方、 CPI はエネルギー価格の下落および食料品価格の低下を主因とし、減少傾向が続
き0.7 %となった。
1996 年から 2008 年にかけて一般財政債務( GDP 比)は着実に減少した。低金利と堅調な経済成長は
GDP に対する債務の割合を押し下げた。公債は 2014 年において最大値( GDP の100.7 %)となったが、
2015 年においては、構造改革、財政赤字の減少および健全な経済成長によって 99.3 %と減少傾向にな
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り、この減少傾向は 2016 年( 99.2 %)、 2017 年( GDP の98.6 %)、 2018 年( 97.6 %)および 2019 年
(95.5 %)においても継続した。
(単位:%を除き、百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
国内総生産 (名目市場価格 )
1,077,590 1,113,840 1,161,878 1,202,193 1,245,331
実質国内総生産 (変動率 (%))
3.8 3.0 2.9 2.4 2.0
(基準年: 2015 年)
産業生産指数
100 101.6 104.5 105.2 105.9
(基準年: 2015 年)
失業率 (年平均% ) 22.1 19.6 17.2 15.3 14.1
消費者物価指数 (変動率% ) (0.5) (0.2) 2.0 1.7 0.7
貿易収支 (FOB 対FOB) (24,979) (17,385) (26,287) (34,387) (31,980)
経常収支 21,829 35,370 31,086 23,283 24,898
現金の不足 (GDP 比% ) (2.7) (2.5) (1.8) (1.3) (1.3)
一般政府の赤字 (国家会計 )(GDP 比% ) (5.2) (4.3) (3.0) (2.5) (2.8)
出所: INE 、スペイン中央銀行および IGAE の数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
(1) 2010 年欧州会計制度( ESA )および IMF の国際収支マニュアル第6版の新たな方法論に基づく。実質的な GDP の数値
は、百万ユーロの単位では公表されていない。
(2) 国内総生産
下表は表示期間のスペインの GDP を項目別に示している。
国内総生産
(名目市場価格、基準年: 2015 年)
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
最終消費支出
840,125 860,543 894,561 924,621 950,525
-家計最終消費支出 618,514 636,323 666,374 688,585 704,552
-NPISH 家計最終消費支出 (1) 11,701 11,942 11,855 12,217 12,735
-一般政府最終消費支出 209,910 212,278 216,332 223,819 233,238
総固定資本形成 204,702 208,882 225,731 244,949 259,645
在庫推移 8,544 6,771 6,737 9,177 10,386
国内需要 1,053,371 1,084,774 1,132,328 1,169,570 1,210,170
財貨・サービス輸出額 362,356 377,370 408,730 422,170 434,250
財貨・サービス輸入額 329,593 332,955 367,144 389,547 399,089
GDP( 市場価格 ) 1,077,590 1,113,840 1,161,878 1,202,193 1,245,331
出所: INE( スペイン国家会計 )
(1) 家計サービス非営利機関
(p) 暫定値
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(3) スペインの経済構造表
主要経済部門
下表は表示期間におけるスペイン経済の主要部門別の総付加価値(時価)の内訳を示している。
国内総生産
(名目市場価格、基準年: 2015 年)
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
農業および漁業
29,476 31,474 32,553 33,614 33,017
工業 160,015 163,489 171,002 172,618 178,082
建設業 56,440 59,374 63,187 67,732 73,470
サービス業 732,538 756,351 786,449 814,004 845,159
総付加価値(基準価格) 978,469 1,010,688 1,053,191 1,087,968 1,129,728
製品に係る純税額 99,121 103,152 108,687 114,225 115,603
GDP(市場価格) 1,077,590 1,113,840 1,161,878 1,202,193 1,245,331
出所: INE (スペイン国家会計)
(p) 暫定値
サービス部門はスペイン経済の主要部門であり、 2019 年に名目経済総付加価値の約 74.8 %を計上
し、総雇用の 77.5 %を占めている(国家会計数値)。サービス部門のうち、公共サービス(医療サー
ビスおよび教育を含む。)はその総付加価値の 24.1 %を占め、比較的大きな比重を占めており、サー
ビス部門の被雇用者総数の 28.9 %が公共サービスに従事している。この大きな割合にもかかわらず、
現在進行中の公共部門の縮小により、次第にその相対的な重要性が薄れてきている。工業およびエネ
ルギーはスペイン経済の2番目に重要な部門であり、 2019 年の経済総付加価値の 15.8 %を占めてい
る。建設業はスペイン経済のうち、歴史的に最も活発な部門の一つであった。それにもかかわらず、
2008 年以降、建設業は最も成長した部門ではなく、 2012 年および 2013 年には実質的に前年比で経済総
付加価値の8%近くまで減少した。 2014 年においても建設業部門は減少したが、その程度は少なかっ
た( 2.1 %)。しかし、 2015 年において当該部門は、前年と比較して 0.2 %わずかに上昇し、回復を始
め、 2016 年には実質的に前年比で 1.9 %上昇した。 2017 年において、建設業は 2008 年以降で最も高い成
長をみせ、前年比で実質的に 6.2 %上昇した。 2018 年および 2019 年においても引続き、それぞれ前年比
で7.2 %および 8.5 %上昇した。第一次産業に関しては 2019 年において経済総付加価値の 2.9 %だけで
あったが、依然として総雇用の 3.9 %に雇用の機会を与えている。かかる相対的な不均衡は、いくつか
の農業活動の中に兼業的性質を有するものが含まれることに一部起因している。
(4) 2019 年におけるスペインの経済活動
一般
・ 2019 年において、スペイン経済は引続き堅調であり、 2018 年の成長率( 2.4 %)を下回ったもの
の年間 2.0 %の比率で成長した。四半期比では、スペインの GDP は、第1四半期に 0.6 %、それ以
降の四半期に 0.4 %の成長率を記録した。また、 2019 年は、ユーロ圏全体としても回復が続いた
が、スペイン(前年比で 1.2 %)と比較して緩やかなものとなった。イタリアやドイツ等の一部
の主要国の GDP は、 2019 年において1%を下回る成長率を記録した(それぞれ 0.3 %および
0.6 %)。
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・ 国内需要は、 2019 年においても再度、スペイン経済の成長の主な牽引力となり、消費および投
資の良好な動向によって 1.4 パーセント・ポイントの増加に貢献した。さらに、対外部門は、
2018 年におけるマイナスの貢献を経て、 GDP に対し 0.5 パーセント・ポイント、プラスに貢献し
た。
・ 総固定資本形成( GFCF )は、 2018 年( 5.3 %)よりは低いものの 2019 年において前年比で 1.8 %
増加した。資本財への投資の盛況( 2.6 %)は続いた一方で、建設業は 0.8 %の増加となった。
家計消費支出は、公共支出が順調に増加した( 2019 年は 2.3 %、 2018 年は 1.9 %)のに対し、
2019 年には前年比で 1.1 %( 2018 年は 1.8 %)上昇し引続き増加している。
・ かかる景気の改善は、雇用の創出( 452,000 の新たな雇用)を促進し、結果として失業率は、
2018 年の 15.3 %(年平均)から 2019 年は 14.1 %に減少した。
(5) 政府によるマクロ経済シナリオ
2020 年のスペイン安定化プログラムおよび 2020 年の国別改革プログラムが、4月末に欧州委員会に
提案され提出された。そこから読み取れるマクロ経済シナリオは、 COVID-19 のパンデミック発生に応
じてスペインに導入された厳しい外出制限措置の結果、 2020 年はかつてない経済活動の縮小が見込ま
れるが、それに続いて 2021 年には急速な回復が見込まれる。年間 GDP 成長率の予測値は、 2020 年はマイ
ナス 9.2 %であり 2021 年はプラス 6.8 %である。
これらの成長予測は、欧州委員会( EC)によるスペインの 2020 年春期予測( 2020 年および 2021 年は
それぞれ、マイナス 9.4 %およびプラス 7.0 %)と一致しており、また 2013 年11月14日基本法第6号第
14条および EU加盟国の予算枠組み要件に関する 2011 年11月8日理事会指令 2011/85/EU 第4条に従っ
て、政府によるマクロ経済シナリオを評価する独立財務責任当局( AIREF )によって是認された。欧州
委員会( EC)による 2020 年春期予測において、 COVID-19 のパンデミックが世界の見通しを劇的に様変
わりさせ、特にユーロ圏の 2020 年の GDP 成長率の予測値はマイナス 7.7 %であり、 2021 年はプラス 6.3 %
であることが強調されている。
ECの予測によると、 COVID-19 によるロックダウン措置により 2020 年上半期には民間消費が急激に落
ち込み、その後下半期には力強い回復が見込まれる。今年の民間消費の減少幅は可処分所得の減少幅
を上回り、貯蓄率が大幅に増加する見通しである。政府による雇用喪失抑制策および企業部門の支援
策により、この危機による影響は一定程度緩和されると予想される。輸出市場の急激な縮小、生産制
限および観光部門の危機による深刻な影響を受け、純輸出の成長への寄与度は、今年はわずかにマイ
ナスとなり、 2021 年に景気回復によりプラスに転じると考えられる。原油価格の下落により、経常収
支の黒字幅は拡大する見通しである。景気後退は財政に一時的ではあるがマイナスの影響を与えると
予想され、経済活動が再開すれば赤字も削減されると見込まれる。
国別改革プログラムは、構造改革を継続させ、責任ある財政政策を実施し、アジェンダ 2030 および
国際機関による提案の遵守に向けた基盤となる。特に、 2020 年の国別改革プログラムには、 COVID-19
の危機から生じた社会経済的な課題に対して講じられた政府措置も含まれる。
欧州経済通貨同盟への加盟
1999 年に欧州経済通貨同盟( EMU )の第三ステージがスタートし、通貨統合には EU11 ヶ国(スウェー
デン、英国、ギリシャおよびデンマークを除くすべての EU加盟国)が関与した。ギリシャは 2001 年1
月1日、 EMU に加盟した。 2001 年以降、新たにユーロを導入した国々は、スロベニア( 2007 年)、マル
タ( 2008 年)、スロバキア( 2009 年)、ラトビア( 2014 年)およびリトアニア( 2015 年)である。ス
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ペインは EMU の創設メンバーであり、インフレ、金利、財政赤字および財政債務、ならびに為替レート
の安定に関して EU水準(すなわち「統合基準」)で合意した前提条件を満たした。
その結果、スペインはその他 EMU 加盟国とともに単一通貨(ユーロ)を導入した。ユーロは 2002 年1
月1日以降流通している。
EMU は加盟諸国のマクロ経済環境に大幅な変化を与えた。金融政策および為替政策の分野で主権を失
わせたことが一つの即時効果であった。国際収支の均衡力学もまた EMU 加盟国にとって劇的に変わるこ
ととなり、現在、加盟国はほとんどの対外貿易をユーロ建で行っている。これは為替レートおよび通
貨政策に係る国際収支上の制約を以前より大幅に少なくした。
EMU の主な特色の一つは加盟国が健全な経済政策の追及を約束することである。 EMU は、二つの柱を
基にしている。
・ 欧州中央銀行によって管理される物価の安定に向けた中央集権化された金融政策。
・ EUレベルで合意された厳格な赤字制限に従い各国が自国の会計問題に責任を持つ分散化された
予算方針。
銀行同盟は、 EMU において必要不可欠な補完機構であり、 EU規模における監督、決定および資金調達
にかかる負担を調整し、同一規則に従うことをユーロ圏全域の銀行に強制する。銀行同盟は、三つの
重要な構成要素に基づいている。うち二つは、単一監督メカニズム( SSM )および単一破綻処理メカニ
ズム( SRM )であり、既に実施されている。三つ目の構成要素は欧州預金保険スキーム( EDIS )であ
り、銀行同盟に加えられる必要がある。
労働市場
2014 年において、人口動態調査( Encuesta de Poblaci ónActiva または EPA )は、これまでの 2001 年
の人口動態調査に代わる、 2011 年の人口動態調査による一連の新たな人口および世帯を組み込むとい
う基本的な変化を経験した。当該変化に伴い、国家統計局は、 2013 年以前の一連の調査を再検討し
た。
INE の人口動態調査( Encuesta de la Población Activa 、EPA )によれば、 2019 年中、労働人口は、
わずかに増加した一方、就労人口は 2.3 %増加しており、 2018 年(前年比で 2.7 %)を下回るペースで
あった。失業人口に関しては、 2019 年においても下落(前年比でマイナス 6.6 %)し続け、 2019 年の失
業率は 2018 年の 15.3 %(年平均)から 14.1 %まで堅調に減少した。
ここで重要であるのは、過去7年間にわたってスペイン政府は、スペイン経済を転換させた意欲的
な改革政策を実施し、かかる政策では労働市場改革は 2012 年において最も重要な改革の一つとされ
た。かかる改革により、生産性を損なうことなく、雇用成長の促進に必要な GDP の成長率を減じている
労働市場に好影響を与えている。 2016 年には、約 50万の新規雇用が創出され、 2015 年から良好な傾向
が続いている。労働市場におけるこの良好な傾向は継続し、 2017 年において 483,000 、2018 年において
503,000 、また、 2019 年において 452,000 の新たな雇用を創出した。
下表は、表示期間の労働市場とその推移に関する選別統計を示している。
労働市場
(単位:%を除き、千人 )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
労働人口
22,922 22,823 22,742 22,807 23,027.1
就労人口 17,866 18,342 18,825 19,328 19,779
失業者数 (1) 5,056 4,481 3,917 3,479 3,248
失業率 (%) 22.1 19.6 17.2 15.3 14.1
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失業登録者数 (2) 4,232 3,869 3,508 3,279 3,149
(1) 人口動態調査( Encuesta de Población Activa または EPA )に基づく。
(2) INEM (公共職業安定所)登録に基づく。
出所: INE および INEM の数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
スペインでは二つの主要な失業に関する資料があり、人口動態調査( Encuesta de Población
Activa または EPA )および「失業登録者数」が得られる失業者登録である。異なった方法を採用して
いるため、両資料から得られる数値には大幅な差異がある。人口動態調査は国際労働機関の定義と方
法に一致している。
物価
消費者物価指数に基づくインフレ率は 2018 年12月に 1.2 %を記録した後、 2019 年12月は前年比で
0.8 %となった。さらに、比較的程度は小さいものの食品および飲料品、輸送機関、通信手段における
物価が上昇し、娯楽および文化、住宅、水道、電気、燃料における物価は低下した。一方で、 2019 年
のコアインフレ率(生鮮食品価格およびエネルギー価格を除く基調的なインフレ率)は、 2018 年と比
較して横ばいであった( 0.9 %)。年間平均における総合指数は、前年比で 0.7 %に低下し、 2018 年か
ら1パーセント・ポイント低下した。
下表は、表示期間の卸売産業価格、消費者物価(家賃、サービス料を含む。)および被雇用者一人
当たりの賃金における年平均変動率を示している。
価格と賃金
価格指数の 消費者物価指数の 被雇用者一人当たり
平均変動率 (%) 平均変動率 (%) 月次賃金の平均変動率 (%)
2015 年
(2.1 ) (0.5 ) 1.1
2016 年 (3.1) (0.2) (0.3)
2017 年 4.4 2.0 0.1
2018 年 3.0 1.7 1.0
2019 年 (0.4) 0.7 1.9
出所: INE に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
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経済における政府の役割と民営化
スペイン経済における国家の役割は 1980 年代以降、劇的に変化した。国際的な傾向と同様に、スペ
インは財貨・サービスの直接的な生産から撤退し、その予算上および規制上の役割を重視してきた。
これは民営化の過程に明確に現れており、テレフォニカ(通信部門)、レプソルおよびエンデサ(エ
ネルギー部門)およびイベリア(航空部門)を含む多数の旧国有企業に影響を与えた。
かかる売却の結果、国有生産部門は著しく縮小されているが、政府が 100 %所有する企業のうちに
は、ウノサ(石炭採掘業)、アジェンシア EFE (通信業)およびナバンティア(造船業)等がある。
2014 年、公法上の法人である SEPI が国有起業家部門の再編および現代化を目指し、ナバンティアの
子会社の一つである、船会社のレノサの株式の 100 %を売却した。さらに、 2014 年にアエナ(スペイン
の一般的な空港およびヘリポートを運営する会社)の民営化が開始され、 2015 年2月以降、アエナは
証券取引所に上場したが、株式の 51%は引続き国により保有されている。同様に、国による支援を受
けるスペインの銀行再編計画の実施はほとんど完了しており、現在国有銀行として残っているのは、
BFA バンキア一行のみである。
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3 貿易および国際収支
(1) 貿易
2002 年から 2008 年には、好調なスペイン経済は、輸入が輸出よりも急激に増加して GDP 比の 9.5 %超
に上昇し、膨大な貿易赤字を生み出した。しかしながら、 2009 年には世界経済および国際貿易の低迷
に応じて輸入の縮小が輸出の削減を大幅に上回ったため、貿易赤字は着実に減少した。貿易赤字は
2010 年に新たに増加したが、その後 2011 年には縮小し、 2012 年および 2013 年にはより大幅な減少が続
いた。しかし 2014 年における貿易赤字は、強力な国内需要による輸出の上昇を上回る輸入の大幅な増
加に起因して、その下降傾向から変化し、上昇した。さらに、数百万ユーロの貿易赤字は、 2015 年に
わずかに増加したが、 2016 年には、主にエネルギー輸入が縮小した結果、前年と比較してマイナス
30.4 %と大幅に減少した。 2017 年には、輸出額の増加を輸入額の増加が上回ったことにより、貿易赤
字が再度増加した。これは、国内需要が依然として好調であることを示している。 2018 年には貿易赤
字は、 30.8 %増加した。しかし 2019 年には、前年全体で輸入よりも輸出が好業績を収めたため、貿易
赤字は再度減少した(マイナス7%)。
下表は表示年度毎のスペインの貿易収支を示している。
貿易収支
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
輸出 (FOB ベース )(1)
249,794 256,393 276,143 285,260 290,089
輸入 (FOB ベース )(1) 274,773 273,778 302,430 319,647 322,069
貿易収支 (24,979) (17,385) (26,287) (34,387) (31,980)
(1) 本船渡し条件
出所:税関部の数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(p) 暫定値
過去数年における商品別輸出入の内訳は非常に安定していた。資本財は 2019 年の総輸出の 8.8 %を占
め( 2015 年は 8.7 %)、中間財は 2015 年の 49.6 %から 2019 年には 48.4 %に変化した。外国における売上
高の消費財の割合は、 2019 年には 37.1 %( 2015 年も同じ)であった。最後に、エネルギー財は 2015 年
の4.6 %から 2019 年は 5.8 %にわずかに増加した。
輸入については、資本財は 2015 年の 8.2 %から 2019 年には 8.7 %にわずかに増加した。中間財は 2015
年の 50.6 %から 2019 年には 49.2 %へと減少した。一方で、消費財の相対的重要度は 2015 年の 27.1 %か
ら2019 年には 28.35 %へと増加したが、エネルギー財は 2019 年において 2015 年の 14.1 %から 13.7 %にわ
ずかに減少した。
(2) 商品グループ別貿易
スペインの輸出入品目が表示年度毎に下表に示されている。
商品グループ別貿易
輸出 (FOB ベース )
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
消費財
92,695 99,012 101,943 102,696 107,560
食料、飲料およびタバコ 34,273 36,301 38,477 39,076 41,331
耐久消費財 35,656 38,329 37,119 37,011 37,909
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その他の非耐久消費財 22,766 24,382 26,348 26,609 28,320
資本財 21,643 22,690 24,085 24,628 25,405
機械およびその他の設備 13,173 12,782 13,614 14,276 14,265
輸送資材 6,816 8,143 8,673 8,502 9,196
その他の資本財 1,654 1,765 1,798 1,850 1,944
中間財 123,865 125,185 135,693 140,570 140,378
農業、林業および漁業 1,633 1,712 1,708 1,862 2,030
産業中間財 122,232 123,472 133,985 138,709 138,348
11,591 9,507 14,422 17,366 16,746
エネルギー財
合計 249,794 256,393 276,143 285,260 290,089
出所:税関部の数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(p) 暫定値
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輸入 (CIF ベース )(1)
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
消費財
74,494 80,227 85,053 87,992 91,131
食料、飲料およびタバコ 19,093 20,443 21,763 22,379 22,694
耐久消費財 26,954 29,300 31,652 33,224 33,820
その他の非耐久消費財 28,447 30,485 31,638 32,389 34,617
資本財 22,625 23,932 26,254 27,166 28,120
機械およびその他の設備 15,453 15,921 17,883 18,873 19,181
輸送資材 3,143 3,572 4,050 3,919 4,265
その他の資本財 4,029 4,439 4,321 4,374 4,674
中間財 138,899 139,029 150,545 156,623 158,596
農業、林業および漁業 6,610 6,386 6,750 6,801 6,805
産業中間財 132,289 132,643 143,796 149,822 151,791
38,755 30,590 40,578 47,866 44,222
エネルギー財
合計 274,773 273,778 302,430 319,647 322,069
(1) 費用、保険料および運賃込値段
出所:税関部の数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(p) 暫定値
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貿易収支 (CIF ベース )(1)
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
消費財
18,201 18,785 16,890 14,704 16,429
食料、飲料およびタバコ 15,180 15,858 16,714 16,697 18,637
耐久消費財 8,702 9,029 5,467 3,787 4,089
その他の非耐久消費財 (5,681) (6,103) (5,290) (5,780) (6,297)
資本財 (982) (1,242) (2,169) (2,538) (2,715)
機械およびその他の設備 (2,280) (3,139) (4,269) (4,597) (4,916)
輸送資材 3,673 4,571 4,623 4,583 4,931
その他の資本財 (2,375) (2,674) (2,523) (2,524) (2,730)
中間財 (15,034) (13,844) (14,852) (16,053) (18,218)
農業、林業および漁業 (4,977) (4,674) (5,042) (4,939) (4,775)
産業中間財 (10,057) (9,171) (9,811) (11,113) (13,443)
(27,164) (21,083) (26,156) (30,500) (27,476)
エネルギー財
合計 (24,979) (17,385) (26,287) (34,387) (31,980)
(1) 費用、保険料および運賃込値段
出所:スペイン中央銀行の統計情報(税関部により提供された情報を編集)
(p) 暫定値
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(3) 地域別貿易
スペインの地域別輸出入は EU諸国との貿易の割合が高いことを示している。 2019 年における、スペ
インの輸出の 59.0 %( 2018 年は 59.2 %)は当該諸国に向けられ、これに対し 2019 年における、スペイ
ンの輸入の 50.1 %( 2018 年は 50.3 %)は当該諸国からのものとなった。
下表は表示年度毎のスペインの貿易相手国を地域別に示している。
地域別貿易
輸出 (FOB ベース )
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
EU(27 ヶ国 )
143,500 150,223 162,644 168,946 171,054
米国 11,504 11,371 12,468 12,787 13,740
日本 2,470 2,404 2,445 2,530 2,725
OECD 諸国 193,072 201,858 214,765 220,844 225,902
OPEC 10,910 9,620 9,848 10,488 9,634
合衆国を除くアメリカ大陸諸国 9,002 7,720 9,035 9,057 8,813
アジア NIC 諸国 (1) 3,738 3,629 3,850 4,382 4,671
4,384 4,878 5,953 6,278 6,801
中国
全世界 249,794 256,393 276,143 285,261 290,089
(1) 新興産業諸国
出所:税関部の数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(p) 暫定値
輸入 (CIF ベース )
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年(p)
EU(27 ヶ国)
141,580 145,228 154,964 160,844 161,512
米国 12,828 12,949 13,565 13,174 15,534
日本 3,221 3,648 3,934 4,133 4,356
OECD 諸国 186,990 190,263 205,424 212,665 215,426
OPEC 21,186 16,194 20,782 25,491 23,504
合衆国を除くアメリカ大陸諸国 8,853 8,439 10,575 11,462 9,580
アジア NIC 諸国 (1) 3,960 3,908 5,116 5,207 5,268
23,665 23,840 25,829 26,911 29,155
中国
全世界 274,772 273,779 302,431 319,647 322,069
(1) 新興産業諸国
出所:税関部の数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(p) 暫定値
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(4) 日本との貿易
日本からの輸入
(単位:千ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
輸送車
1,452,023 1,681,302 1,962,397 2,051,130 2,284,566
機械および機械設備 630,464 779,366 784,477 771,285 784,961
電子機器 314,510 357,330 374,637 414,453 407,710
光学機器、計測機または手術器具 231,736 218,874 227,428 229,805 212,412
有機化学製品 120,655 90,223 86,135 112,835 122,784
プラスチックおよびプラスチック製品 48,582 62,429 71,559 81,006 77,709
鉱物燃料および石油 14,889 16,211 12,533 40,971 54,554
医薬品 84,452 85,489 47,194 42,122 44,181
その他の化学製品 42,890 36,942 45,850 51,596 44,049
ゴムおよびゴム製品 43,733 51,116 48,897 47,801 42,739
出所:データコメックス(産業・貿易・観光省の貿易事務局)データベースの統計情報
日本への輸出
(単位:千ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
食肉類
271,325 341,796 435,097 437,095 510,678
輸送車 327,860 402,292 363,847 331,997 357,093
医薬品 486,480 339,646 321,125 374,986 342,492
動物性油脂または植物性油脂 126,402 136,732 152,494 140,188 163,476
鉱石、スラグおよび灰 136,187 143,269 96,835 122,540 153,640
飲料(ジュースを除く。) 92,907 91,187 92,016 92,751 112,484
衣類 91,333 102,502 118,085 112,789 109,444
有機化学製品 82,688 103,522 89,270 89,656 107,037
その他の衣類 60,764 59,364 64,422 62,072 63,531
魚介類 70,295 62,209 64,553 79,682 63,109
出所:データコメックス(産業・貿易・観光省の貿易事務局)データベースの統計情報
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日本との貿易収支
(単位:百万ユーロ )
輸出 輸入 貿易収支
2015 年
2,470 3,221 (751)
2016 年 2,404 3,648 (1,244)
2017 年 2,445 3,934 (1,489)
2018 年 2,530 4,133 (1,603)
2019 年 2,725 4,356 (1,6 31)
出所:データコメックス(産業・貿易・観光省の貿易局)データベースの統計情報
(5) 国際収支
下表は IMF の国際収支マニュアル第6版に対応する表示年度毎の経常収支を示している。
経常収支
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
財貨・サービス
32,765 44,416 41,584 32,620 35,154
流入 362,355 377,372 408,730 422,169 434,250
流出 329,590 332,954 367,145 389,545 399,095
そのうち観光業 40,588 43,355 47,072 46,332 46,284
流入 56,310 60,351 66,683 69,024 71,205
流出 15,722 16,996 19,611 22,692 24,921
第一次および第二次所得 (10,937) (9,044) (10,499) (9,338) (10,256)
流入 68,649 71,720 74,221 75,089 76,053
流出 79,585 80,763 84,717 84,428 86,308
経常収支 21,829 35,370 31,086 23,283 24,898
出所:スペイン中央銀行の国際収支の数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
財貨・サービス収支において、観光は重要な役割を担っており、観光による黒字はここ数年を通じ
て増加している。 2012 年には、経常赤字は大幅に減少したが、依然としてマイナスであった。財貨・
サービスによる黒字、特に観光の好業績により、 2013 年から経常収支は黒字を記録し、 2019 年まで引
続き黒字となった。 2013 年以降の経常収支の黒字は、内需の堅調を伴っている点において、最近のス
ペイン経済史に見られなかった状況である。 2019 年のかかる黒字は、 2018 年比で7%増加した。
下表は、表示年度毎のスペインの金融勘定を示している。
金融勘定
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
A. 金融勘定 (1)
69,466 89,483 65,307 45,535 19,020
直接投資‐収支 30,075 11,180 11,987 (15,188) 10,479
スペインによる外国への投資‐ VA 50,689 50,846 35,040 25,433 26,823
外国からスペインに対する投資‐ VP 20,615 39,661 23,052 40,620 16,346
ポートフォリオ投資‐収支 (5,164 ) 46,648 25,079 12,991 (50,406)
スペインによる外国への投資‐ VA 63,843 25,593 78,619 47,738 36,799
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外国からスペインに対する投資‐ VP 69,004 (21,054) 53,537 34,746 87,203
その他の投資‐収支 40,744 29,090 20,764 46,148 67,120
B. スペイン中央銀行の金融勘定
(40,164) (54,026) (32,628) (14,249) 14,814
準備金 5,067 8,254 3,667 2,182 675
ユーロシステムにおける
(50,929) (59,707) (31,266) (9,487) 20,533
スペイン中央銀行のネット・ポジション
その他の資産純額 5,702 (2,573) (5,029) (6,945) (6,394)
(125) (2,341) (1,251) 2,234 4,863
誤差脱漏
金融勘定合計( A+B ) 29,302 35,457 32,679 31,286 33,834
(1) スペイン中央銀行からのデータを除き、金融デリバティブを含む。
出所:スペイン中央銀行からの数値、経済・デジタル変革省の月次経済指標、 IMF の国際収支マニュアル第6版の方法
論
VA: 資産の変動
VP: 負債の変動
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(6) 準備金と為替レート
下表は表示年度毎のスペイン中央銀行の外貨準備高を示している。
準備高 (1)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
準備高:
金 8,811 9,941 9,795 10,149 12,260
通貨 35,560 44,474 43,098 45,858 48,404
SDR(2) 3,507 3,551 3,398 3,350 3,381
IMF ポジション 1,425 1,669 1,448 2,070 2,181
269 267 137 281 297
準備高におけるその他の資産
準備高合計 49,573 59,902 57,877 61,708 66,523
(1) 12月31日現在のデータ。 (単位:百万ユーロ )
(2) 特別引出権
出所:スペイン中央銀行の統計情報
年次為替レート (1)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
米ドル
1.11 1.11 1.13 1.18 1.12
日本円 134.29 120.31 126.65 130.41 122.06
スイス・フラン 1.07 1.09 1.11 1.16 1.11
英ポンド 0.73 0.82 0.88 0.89 0.88
豪ドル 1.48 1.49 1.47 1.58 1.61
(1) 12月31日現在のデータ。
ユーロ1単位に対する外貨額。
表示レートは日々のレートの年次平均を示している。
出所:スペイン中央銀行の数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
(7) 為替管理
「4 通貨・金融制度」を参照のこと。
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4 通貨・金融制度
(1) 金融・為替政策
スペインは、設立加盟国として、その他の 10ヶ国の EU加盟国(オーストリア、ベルギー、フィンラ
ンド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダおよびポルトガル)
とともに完全に欧州経済通貨同盟( EMU )に加盟したため、金融政策には主要な変化があった。 EU委員
会は 2000 年6月 19日、ギリシャがユーロに加盟することを承認し、ギリシャは 2001 年1月1日に EMU に
加盟した。 EMU 契約は欧州連合に係る条約(マーストリヒト条約)の中に含まれ、本格的な通貨統合の
創造を志向している。 EMU 加盟国は各国の通貨のパリティーを取消し不能の形で固定するだけでなく、
単一通貨(ユーロ)を導入し自国の通貨を廃止した。ユーロは 2002 年1月1日から流通している。
2004 年に新たに 13ヶ国が EUに加盟した。その加盟国のうちスロベニア共和国、キプロス共和国、マ
ルタ共和国、スロバキア共和国およびエストニア共和国が 2007 年から 2011 年の間に単一通貨を採択し
た。 2014 年にはラトビアが、また 2015 年にはリトアニアがユーロ圏に参加した。これにより現在ユー
ロ圏には 19の加盟国が存在している。
下表は EMU 加盟国の通貨のユーロに対する固定および取消し不能の為替レートである。
対ユーロ
オーストリア・シリング (ATS)
13.7603
ベルギー/ルクセンブルグ・フラン (BEF) 40.3399
ドイツ・マルク (DEM) 1.95583
ポルトガル・エスクード (PTE) 200.482
フィンランド・マルカ (FIM) 5.94573
フランス・フラン (FRF) 6.55957
アイルランド・ポンド (IEP) 0.787564
イタリア・リラ (ITL) 1,936.27
オランダ・ギルダー (NLG) 2.20371
スペイン・ペセタ (PTA) 166.386
ギリシャ・ドラクマ (GRD) 340.75
スロベニア・トラール (SIT) 239.64
マルタ・リラ (MTL) 0.4293
キプロス・ポンド (CYP) 0.585274
スロバキア・コルナ (SKK) 30.126
エストニア・クローン (EEK) 15.6466
ラトビア・ラッツ (LVL) 0.702804
リトアニア・リタス (LTL) 3.45280
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EMU 加盟の結果、スペインは、金融政策および為替政策に関する権限を EU機関に委ねた。支配権の統
合は、おおむね、 EU内の自由かつ強力な資本流入によってもたらされる諸問題に対する最も良い解決
策である。
ユーロ圏の金融政策は欧州中央銀行とユーロを導入した 19ヶ国(すなわち「 EMU-19 ヶ国」)の中央
銀行からなる「ユーロシステム」によって取り扱われる。主たるユーロシステムの意思決定機関は運
営理事会で、理事会の各国委員が EMU-19 ヶ国の自国の中央銀行を代表する。金融政策の実行は EMU-
19ヶ国の自国の銀行制度で公開市場取引を行う自国の中央銀行に責任がある。
金融政策は物価の安定を目的としており、消費者物価指数の上昇率が2%未満となるよう設定して
いる。欧州中央銀行と自国の中央銀行は両者ともに自国と EUの政治機関から独立している。
ユーロの為替政策の責任は分担される。 EMU メンバーの 19ヶ国の財務大臣により構成される機関であ
るユーロ -19 は主な決定(為替レートの合意に参加することおよびパリティーの固定等)を行い、日常
の仕事は欧州中央銀行が行う。ユーログループは為替政策の決定を行う前に欧州中央銀行と協議しな
ければならない。
インフレーション
スペインの平準インフレ率は、 2016 年にはマイナス 0.3 %であったが 2017 年にはプラス 2.0 %へと転
じ、 2018 年は平準 CPI が1.7 %で、プラスにとどまった。 2019 年に、平準 CPI は0.8 %に減少した。ユー
ロ圏における CPI は2017 年の 1.5 %から 2018 年には 1.8 %に増加し、 2019 年には再び減少して 1.2 %と
なった。 2017 年にはプラス 0.5 パーセント・ポイント、 2018 年にはマイナス 0.1 パーセント・ポイント
であったその差異は、 2019 年にはマイナス 0.4 パーセント・ポイントとなった。
下表は、表示期間におけるスペインとユーロ圏の平準化消費者物価指数の前年比増加率を示してい
る。
消費者物価指数の変動 (1)
前年比変動率 (%)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
スペイン
(0.6) (0.3) 2.0 1.7 0.8
ユーロ- 19ヶ国 0.0 0.2 1.5 1.8 1.2
出所:ユーロスタットおよび INE からの数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(1) 平準化消費者物価指数( 2015 年= 100 )
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金利
近年、スペインの金利は大幅に引き下げられた。主な引き下げ要因はインフレの下降と金融政策の
枠組みに対する信頼性の低下およびスペインが EMU に加盟したことである。その結果、ドイツ国債( EU
のベンチマーク)に対するスペインの 10年物国債の利回りスプレッドは 1996 年の平均約 250 ベーシス・
ポイントから 2007 年には平均8ベーシス・ポイントへと着実に縮小した。しかし、ドイツのベンチ
マークに対するスペインの 10年物国債の利回りスプレッドは、 2008 年以降、国際金融危機および回避
リスクにより増加し続け、平均スプレッドは 2008 年に 38ベーシス・ポイント、 2009 年に 72ベーシス・
ポイント、 2010 年に 148 ベーシス・ポイントとなった。 2011 年および 2012 年、スプレッドは順調に増加
し続け、 2012 年半ばには 550 ベーシス・ポイントを超えた。当局(特に欧州中央銀行)の行動または声
明により、市場によるプレッシャーが緩和され、 10年債の金利プレミアムは低下し始めた。かかる改
善は、マクロ経済データの好反応および 2013 年12月にスペイン銀行のベイルアウトが終了したことに
より翌年も続き、ドイツのベンチマークに対するスペインの 10年物国債のスプレッドは、 200 ベーシ
ス・ポイントをわずかに超えるレベルとなった。差異の縮小は 2014 年中も続き、 12月には 100 ベーシ
ス・ポイントをわずかに超えるレベルとなった。その後数年間の差異は 100 ベーシス・ポイントに近い
数値で安定した。 2018 年( 98ベーシス・ポイント)および 2019 年( 89ベーシス・ポイント)のかかる
差異は平均して 100 ベーシス・ポイントを下回った。
リスクプレミアムの低下を別として、金利は過去数年間、スペインを含む欧州諸国の大半でほとん
ど低下しなかった。短期金利は 2016 年からすべての期間物について引続きマイナス値であり、スペイ
ンの債務の長期金利は緩やかに上昇したものの、依然として史上最低に近い値である。
下表は、スペインの表示年度の金利の変遷を表している。
平均金利 (%)
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
長期 (1)
1.7 1.3 1.6 1.5 0.7
短期 (2) 0.0 (0.2) (0.4) (0.4) (0.5)
(1) 長期金利はスペインの 10年物国債の年平均金利に等しい。
(2) 短期金利はスペインの3ヶ月物短期国債の年平均金利に等しい。
出所:スペイン中央銀行の数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
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通貨供給
1999 年1月1日にユーロを導入して以降、通貨総額は EMU 全体のために計算される。 EMU の開始によ
り、下表の脚注に示されるように、いくつかの通貨総額の定義に関し、異なる定義が採用された。
ユーロ圏
(単位:十億ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
流通通貨
1,048.9 1,087.3 1,123.2 1,175.4 1,231.1
M1 6,631.5 7,238.2 7,787.0 8,278.1 8,944.7
M2 10,228.1 10,732.2 11,234.8 11,702.0 12,379.1
M3 10,830.7 11,392.3 11,873.4 12,371.8 12,999.1
M1:流通通貨および翌日返済預金
M2: M1ならびに最長2年の満期預金および最長3ヶ月の通知払い償還預金
M3: M2ならびにレポ取引、株式を除くユーロ圏で通貨金融機関が発行する最長2年満期の証券、マネー・マーケッ
ト・ペーパーおよびマネー・マーケット・ファンドの持分
出所:ユーロスタットおよび INE からの数値に基づくスペイン中央銀行の統計情報
(2) 銀行制度
スペインの銀行制度には、商業銀行、貯蓄銀行および信用組合が含まれる。
商業銀行
スペインの商業銀行部門は二つのスペインの国際銀行グループによって占められている。すなわち
サンタンデールおよび BBVA である。サンタンデールは、 1,522 十億ユーロ( 2019 年12月現在の連結デー
タ)の資産を有する国内最大の銀行グループである。 BBVA の資産は 698 十億ユーロ( 2019 年12月現在の
連結データ)である。
貯蓄銀行、信用組合および最近の部門再構築
スペインの貯蓄銀行( cajas de ahorros )はこれまで地方自治体(地方政府)により法的地位を規
定されている金融機関であった。また、預金の受け入れならびに主に住宅購入者、公共住宅計画およ
び中小企業に対する貸付を行っていた。その業務の自由に対するいくつかの規制の解除により、スペ
インの貯蓄銀行は民間銀行に近い広範な銀行業務を顧客に提供した。従来、地方機関として存続して
きたスペインの貯蓄銀行は、スペイン全土に支店や事務所を開設している。
現在、多くの貯蓄銀行の再構築は完了している。金融危機以前における銀行制度は金融取引量の増
加に伴い、規模の観点でも重要性を有する存在となっていた。変動する需要のニーズに合わせて事業
を適合させていくにあたり剰余が明らかとなり、部門の縮小の必要性を示唆した。 2009 年半ば、金融
機関の再編プロセスを管理し、その資本の増大を目指すための銀行再編基金( FROB )が設立された。
再編プロセスにはほぼすべての貯蓄銀行が関与し、 2011 年になっても続いた。 2011 年および翌数年間
において、スペインの銀行部門の再編が行われ、機関の数および部門の定員数が削減され、貯蓄銀行
が商業銀行へと変換された。貯蓄銀行の数は大幅に減少し、これら銀行(二つの零細銀行を除く。)
はすべて業務を商業銀行へと切替えた。
カハス・ルラレス等のような信用組合は、主に地方で活動しており、預貯金、貸付業務を行ってい
る。また、信用組合はその組合員に農機械・器具に対する融資を含む関連サービスも提供している。
少なくはあるが、統合のプロセスを踏んでいるかなりの数の信用組合がある。
再構築および資本再構成
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スペインは欧州安定メカニズム( ESM )の支援を受けて、金融部門の改革の大規模な計画に着手し
た。 2012 年6月 25日にスペインは欧州金融安定ファシリティー( EFSF )に、進行中の金融部門の再構
築および資本再構成に対する金融支援を要請した。改革計画は、(ⅰ)スペイン国内の銀行の資本を
改善し、貸借対照表の強度に関する不確実性を減少させ、同時に資金調達市場に対する銀行のアクセ
スを改善することを目的としている。これにより、国内の信用状態が緩和され、経済再生が促進され
る。資本化の推進も、弱小な銀行に対して、資本不足の問題が拡大する前に個別に資本の調達活動に
着手することを要求することにより、納税者を守ることを目的としている。また、(ⅱ)金融部門の
規則、監視および決議の枠組みを改革することにより、部門の回復力を増強し、将来におけるリスク
の再集積を防ぐことを目的としている。
ユーログループは、 2012 年7月 20日付の金融部門の政策条件に関する覚書に概説されているプログ
ラムに基づくスペインの参加に伴い、スペインからの経済支援の要請を承認した。 2012 年11月に、当
該プログラムに対する金融支援提供の責務が、かかる支援が古参優先の地位を得ることなく、 EFSF か
ら欧州の新たな永続的救済メカニズムである欧州安定メカニズム( ESM )へと移行された。
金融部門に対するかかる資本再構成計画は、 2013 年の末には最終段階に到達し、 2014 年初頭に完了
した。スペイン当局は計画全体の具体策を着実に実行し、またこれらの主要な改革はスペインの金融
部門に採用された。 2013 年末、欧州委員会、欧州中央銀行および IMF からの評価は良好であった。スペ
インは、かかる改革および対策、ユーロ圏および欧州の主導による支援により、銀行部門のいくつか
の分野における深刻な問題を解決した。したがって、公的支援を受けた銀行の再構築プロセスは、欧
州委員会が承認した再構築計画およびかかる承認済みの対策を計画通り実行していく努力によって順
調に進んでいる。 2013 年EU規則第 472 号(ツーパック)の第 14条により想定された通り、スペイン経済
およびその金融部門の監視は、事後調査報告( PPS )に関連して継続している。 PPS は、プログラムの
終了後自動的に開始し、報告および使命については年2回行われる。欧州委員会は、各事後調査報告
を発表し、スペインが構造改革、財政再建および銀行部門の資本再構成の恩恵を得ていることが確認
された。これらの要因は、金融部門の安定、資金調達条件の改善、力強い経済回復、労働市場の改善
およびスペイン国家に対する借入コストの低下に貢献してきた。また、近年では、経済活動の拡大も
石油価格の低下、有利な為替レートおよびより制限的でない財政政策により支えられてきた。結果と
して、当該報告書は、スペインの ESM ローンの返済リスクが現在非常に低いことを示している。最新の
事後調査報告は、 2019 年( 11月)秋に発表された。
その他
保険会社とその他の金融サービス会社も顧客の資金獲得で競合している。商業銀行と同様に、貯蓄
銀行、保険会社およびその他の金融サービス会社もスペインの顧客に提供するサービスを拡大してい
る。
ICO
旧政府金融機関が保有していたアルヘンタリア(現在はバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタ
リア・エセ・アー)株式の譲渡の結果、 ICO が政府の指令に基づく貸付を行う唯一の機関となってい
る。 1998 年2月のアルヘンタリアの完全民営化以降、スペイン政府の国内銀行システムへの関与はそ
の100 %所有の ICO に限られている。上記の、 2012 年から 2014 年にかけて実施されたスペインの金融部
門の資本再構成の過程の中で、スペイン国家は一部の金融機関の株式を引き受けた。直近数年の間
に、株式の大半を民間投資家に売却した国家は、当初はバンキアの株式の 68%を保有していたのに対
し、バンキアの株式の 61.78 %しか保有していない。国家は銀行再編基金( FROB )を通じて株式を管理
しており、銀行再編基金( FROB )は、引続き、政府のバンキアの支配的持分を処分するという目的お
よび公的資金の回収を最大化するという目的の平衡を保つことに重点を置いている。
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(3) スペイン中央銀行および欧州中央銀行
1962 年に現在の組織に確立されたスペイン中央銀行は、自治権を有するスペインの中央銀行として
事業を行う公法上の法人( entidad de derecho pública )である。さらに、民間銀行の機能も有して
いる。その公的機能を除いて、第三者とスペイン中央銀行の関係は私法に服し、その行為については
民法および商法に服する。
スペイン中央銀行の自治権に関する 1994 年法律第 13号は 1994 年6月3日に発効した。 1994 年法律第
13号の主な目的は、欧州中央銀行( ECB )と EUの27ヶ国の自国の中央銀行からなる欧州中央銀行制度
(ESCB )に基づく金融機関の統合に関する EMU 条約の規定に従い、スペイン中央銀行に自治権を付与す
ることである。
1999 年1月1日まで、スペイン中央銀行はスペインの金融政策の立案および施行について責任を負
う法人であった。同日現在、 EMU の第三ステージがスタートし、ユーロシステムはユーロ圏内における
金融政策に責任を負うこととなった。ユーロシステムは ESCB の一部であり、 ECB とEMU の第三ステージ
の一部としてユーロを導入した 19ヶ国の中央銀行により構成される。したがって、ユーロシステムは
スペインの金融政策に関し責任を担う。ユーロシステムの加盟国として、スペイン中央銀行はユーロ
圏内の金融政策の立案および施行を含むユーロシステムの意思決定に参加する。
ESCB は以下の三つの決定機関により構成される。
・ 運営理事会:これは ECB の役員会のメンバーおよびユーロシステムに属する各国の中央銀行総裁
により構成される。
・ 役員会:これは、 ユーロ を導入した加盟国の総裁、副総裁および首脳または政府が指名したそ
の他4名の理事により構成される。
・ ECB の一般理事会:これは ECB の総裁、副総裁および EU加盟諸国の中央銀行総裁により構成され
る。
運営理事会は ESCB の仕事を実行するために必要な指針と決定を採択し、金融政策を策定する。役員
会は運営理事会が策定した金融政策を施行する責任があり、金融政策を実行するために必要な指示を
各国の中央銀行に与える。
EMU の第三ステージに参加する各国の中央銀行はそれぞれの国でユーロ圏の金融政策を実行する責任
がある。 EMU の第三ステージに参加しない国は ESCB の一般理事会に席を有するがユーロ圏内の金融政策
を決定または実行することができない。
1999 年1月1日以降、スペイン中央銀行は ESCB に起因する以下の基本的な機能を果たしている。
・ ユーロ圏の物価の安定の維持を主な目的とする、ユーロシステムの金融政策の設定および実
行。
・ TEU の第 111 条の規定と一致する外国為替取引の実行ならびに国家の政府通貨準備金の保持およ
び管理。
・ ユーロ圏の支払システムの適切な機能の促進。かかる背景に対し、緊急流動性支援( ELA )業務
が参照されるべきで ある 。
・ 法定通貨紙幣の発行。
ESCB への加盟に起因する機能を認識し、スペイン中央銀行は自治法により以下の機能を定めてい
る。
・ ECB へ移転されない通貨および貴金属の準備高の保持および管理。
・ 金融システムならびに、 ECB の機能を損なうことなく、国内支払システムの適切な機能および安
定を 促進 すること。かかる背景に対し、緊急流動性支援( ELA )業務が参照されるべきである。
・ スペイン中央銀行が監督責任を割り当てられている金融機関、その他事業体および金融市場の
支払 能力 および特定の規則を遵守していることの監督。
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・ 硬貨の流通および国家を代理してかかる流通に関連してスペイン中央銀行に委託されたすべて
のその他 機能の実行。
・ その機能に関連する統計の作成および公表ならびに統計情報の編集における ECB の支援。
・ 財務 サービス の提供および政府債務に関して財務代理人として行為すること。
・ 政府に 対する 助言ならびに適切な報告および研究の作成。
2007 年に生じた金融危機により、銀行業務の規制および監督が EU全体、とりわけユーロ圏において
調和される必要があることが明らかとなった。危機により、特に、銀行部門によるリスクの誤算が加
盟国全体の金融安定性を弱体化させる可能性があることが判明した。したがって、 2012 年6月、欧州
理事会は二つの新たな機関を設立することに合意し、当該機関はいわゆる銀行同盟の主要な要素と
なっている。一つ目の主要な要素は、単一監督メカニズム( SSM )であり(ユーロ圏のすべての銀行を
対象としており、ユーロ圏以外の加盟国も、希望に応じて選択することが可能である。)、欧州最大
の銀行が共通規則に基づき独立して監督されることを確実にするため、欧州中央銀行に対して直接的
な銀行監督の役割を割り当てている。二つ目の主要な要素は、単一破綻処理メカニズム( SRM )であ
り、最悪の状況、すなわち銀行の破綻について、納税者に対して最小限の費用負担で、正しく状況を
解決できるよう計画する責任を有する。必要な場合は、銀行業界による融資を受けている新たに設立
された単一破綻処理ファンド( SRF )から、融資の提供を補足ベースで受けることも可能である。 SSM
は2014 年11月から、 SRM は2016 年1月から完全に稼働している。ただし、 SRF は2023 年になって初めて
その目標とする資金調達水準に到達する予定である。ユーロ圏の加盟国は自動的に銀行同盟に加盟す
るが、その他加盟国は選択することが可能である。 2015 年11月24日、欧州理事会は、銀行同盟に別の
要素、すなわち欧州預金保険スキーム( EDIS )を追加することを目的とした立法を提案した。これ
は、既存の国内預金保険スキームに基づいて設立される予定である。
単一監督メカニズム( SSM )に関しては、最大かつ最も重要な銀行グループ( 2019 年3月現在は 119
事業体)を直接的に監督する責任を有しているが、国内の監督者は、 ECB の最終的な責任に基づき、引
続きその他すべての銀行を監督する。
その監督責任の負担に先立ち、 SSM は資産の質の査定およびストレス・テストからなる包括的審査を
実施した。その目的は、 SSM の機能の信頼性を開始時点から確保するため、銀行の貸借対照表の透明性
の拡大を達成することにあった。その結果は、 2014 年10月27日に発表され、 130 行の加盟銀行のうち 25
行が資金不足を経験していることを示した。
また、金融危機の初め頃から ECB は、伝統的政策および非伝統的政策の両方の幅広い金融政策を採用
してきた。下記はそれらの政策を時系列で示したものである。
2007 年の金融危機の開始以来、 ECB およびその他の中央銀行は、いくつかの非伝統的な金融政策措置
でその事業の枠組みを補完している。金融危機以前は、 ECB の基本的な措置は政策金利であり、それに
より、ユーロ圏における翌日物銀行間貸付金利の主要指標である EONIA (ユーロ圏無担保翌日物平均金
利)等の指標に要約される金融市場の短期金利を管理しようとしていた。この金融政策のシグナル
は、金融システム全体に伝播し、幅広い財政状況および最終的には消費者物価を含むマクロ経済のダ
イナミクスに影響を与えたであろう。
金融危機の際に、この事業の枠組みは不十分であると判明した。これは、金融政策の伝達を妨げた
金融システムの特定のセグメントの転移ならびに当該危機の継続期間および規模により、 ECB は預金
ファシリティーの利率を0%に引き下げることを余儀なくされたという事実によるものである。 2014
年6月以前に ECB により導入された型破りな金融政策措置は、主に金融政策の伝達メカニズムの修復等
の問題を解決することを重視していた。これらの措置には、例えば長期流動性の銀行部門への提供お
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よび証券市場プログラム( SMP )を通じた正確に活動していない市場セグメントにおける資産購入が含
まれた。
2014 年6月以降、 ECB は金融政策の伝達の改善および金融政策の拡張的な姿勢の強化を目指す一連の
措置を徐々に導入した。 ECB は、インフレ率の大幅な緩和、および経済成長のいくばくかの減速を伴
う、その予想される中期的価値を背景に、かかる措置を導入した。当該措置は、(ⅰ)マイナス金利
の導入、(ⅱ)金融政策の将来像に関するコミュニケーション政策、ならびに(ⅲ)ユーロシステム
のバランスシート拡張の再開および強化という3つの相補分野に及んだ。
第一に、 ECB は、 2014 年6月に預金ファシリティーの利率をマイナス 0.10 %とすることにより、金利
をマイナスの領域に移した。
ECB の近年の金融政策実施の第二の側面は、その金融政策の将来像に関する助言の伝達の組織的な包
含である。この手段は、伝統的および非伝統的措置の場合の双方に適用されてきた。その手段は、金
融政策の拡張的な姿勢の強化に役立つとともに、主要な手段について ECB が辿るであろう将来の方向に
関するエージェントの予想の固定化に貢献することによりさらなる刺激を与え、また、中長期金利の
いわゆるタームプレミアムを減少させた。金利については、将来見通しは当初、「長期」にわたり金
利が「現状の水準または低水準」を保つであろうというアナウンスを伴っていた。 2016 年3月より、
ECB は初めて金利の将来像を資産購入プログラム( APP )の継続期間と関連付け、「そして我々の純購
入額の範囲をはるかに超えている」という表現により以前の文言を補強した。導入された際に、最初
の金利引上げの予想時期を遅らせたかかる見通しの要素は、かかる引上げが行われうる最低範囲に関
するエージェントの予想を設定する際に、一般的に効果的であると証明されている。
第三に、 ECB は2014 年6月に条件付き長期資金供給オペ( TLTROs 。2016 年3月の理事会で TLTRO Ⅱと
して再導入された。)を導入した。これらのオペレーションにより、好ましいが、ダイナミックに活
動する非金融民間部門に付与された貸付に関連する状況において、機関が4年間を満期の上限とする
自身の長期の資金調達を行うことを可能にするユーロ圏における銀行の介入の重要性が認められた。
さらに、 ECB は2015 年1月に、ユーロ圏全体の財政状況に、より直接的に影響を与えることを目的とし
て、拡大した APP を導入することを決定した。
APP プログラムは、 2015 年3月に公債、民間債および社債ならびに資産担保証券の購入により始動し
た。金融的刺激を引き延ばす必要性を考慮し、プログラムは数回にわたり再調整された。いくつかの
変更は、プログラムが施行された時期を超えて拡大した。これらにより月々の買入れ額が変更され、
適格資産の範囲は拡大した。 2017 年4月より、買入れは徐々に減少した。最終的に、運営理事会は、
以前は 2018 年6月に予定されていた純資産購入の終了を 2018 年12月に決定した。全体的に見れば、
TLTROs および APP を通じて生み出された金融的刺激はかなりの規模であり、ユーロシステムのバランス
シートの規模および構成の双方において広範囲に及ぶ変更を必然的に伴った。
2018 年末まで、アナリストおよび経済学者の間では金利が引き上げられるという期待があったが、
2019 年3月現在、ユーロ圏経済の低迷により、 ECB は、主要なリファイナンス事業の利率ならびに限界
貸付ファシリティーおよび預金ファシリティーの利率をそれぞれ、 0.00 %、 0.25 %およびマイナス
0.40 %に据置くことを発表した。以来、金利は変動することなく維持されたが、直近数ヶ月の間に、
ECB は経済的評価に基づき、またその後の COVID-19 の緊急事態およびそれに続くロックダウンを受けて
追加的な決定を下した。第一に、運営理事会の資産購入プログラム( APP )の下、 2019 年11月1日より
毎月 20十億ユーロのペースで ECB からの純購入が再開した。かかる決定は、この数ヶ月間維持されてい
る、 APP の下で購入され、満期となった債券の元本の支払の再投資に加えて下されたものである。
これらの直近の発表に先立ち、 ECB は、 2019 年9月に開始し、最初は2年後に終了するが、その後3
年間に延長された新たなシリーズの四半期毎の条件付き長期資金供給オペ( TLTRO Ⅲ)が開始される
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ことを発表した。 COVID-19 の勃発後、 ECB は、かかるプログラムの財務条件を 2020 年6月から 2021 年6
月までの間緩和することを決定した。
COVID-19 の発生後、 2020 年3月に、 ECB は、金融システムに流動性を即時に提供するための新たなか
つ追加的な長期資金供給オペも承認した。さらに、 2020 年末まで実施される 120 十億ユーロの公債と民
間債の新規資産購入を承認した。また、 2020 年3月には、 ECB は、 APP の下で適格とされるすべての資
産区分を含む、 750 十億ユーロの追加的な総枠を設定する新たなパンデミック緊急購入プログラム
(PEPP )を発表した。4月には、 ECB は、ユーロ圏の金融システムにおける流動性環境を支援し、ま
た、効果的に流動性を強化することで金融市場の円滑な機能を維持するため、新しいシリーズとし
て、7つの、条件を付さないパンデミック緊急長期資金供給オペ( PELTRO )を発表した。
最後に、 ECB は「パンデミック緊急購入プログラムの規模を拡大し、その構成を必要なだけ、また、
必要な期間にわたり調整する十分な準備が整っている」ことを強調するために、 ECB は再度、指針文書
を用いた。
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5 財政
(1) 公共部門と予算
公共部門は国家、自治体および社会保障を含む中央政府と自治共同体、地方自治体等の地方政府か
らなり立っている。毎年、一般国家予算は国家予算、自治体予算および社会保障予算を確定する。自
治共同体、地方自治体および ICO のような公共部門の企業は一般国家予算に含まれない、独自の予算を
編成する。
スペインの国家財政に関して集計された情報には二つの異なる基準が適用される。予算会計は当該
年度中国家が計上したすべての歳出と歳入を分類するのに対し、国家会計はより広範な視野に基づ
き、マクロ経済全体の構成(生産、所得および支出)に関する国家の役割を特に強調して、ストック
とフロー(すなわち、純資産に対する国家の経済活動の影響を示している。)の統合された枠組みで
国家の経済活動を捉えようとしている。通常、予算会計は歳入および /または歳出の構成を強調し、ま
た政府債務のストックの変動と赤字の数値を統合するために用いられる。国家会計基準は「過剰財政
赤字手続」(後述の「赤字と債務の限度」を参照のこと。)のために参照される。実務上、二つのシ
ステムには二つの主な差異があり、キャピタルゲインまたはキャピタルロスの取扱い(国家会計の赤
字の数値からは除外される。)および経常収入と経常支出に使用される基準(予算会計は現金基準で
あり、一方発生主義は通常、国家会計に適用される。)である。
国家予算は財務省により作成され、内閣に提出された後、関連会計年度の前年の 10月1日より前に
議会に上程される。予算はかかる二つの場で修正され得るが一度議会で承認されると国王によって認
可され、官報( Boletin Oficial del Estado )にて公表されなければならない。予算が関連会計年度
の最初の日までに最終的に承認されない場合は、新規予算が承認されるまでの間、前年度の予算が自
動的に継続される。
国家予算とは別の社会保障予算もまた財務省により作成される。雇用者および被雇用者に課される
給与保険料とは別に、社会保障制度のその他多額の収入の源泉には国家予算からの政府移転がある。
社会保障は予算の合理化を実行中であり、このため非拠出型支出(すなわち、主として医療および最
低年金の補足)にもっぱら資金を移転している。社会保障の拠出部門は完全に分離される。 1999 年以
降の社会保障剰余金は一般国家予算に戻されず、社会保障信託基金に充当される。かかる基金の資産
は拠出型年金が拠出総額を超過した時に将来使用される。 2019 年末現在、 2,900 百万ユーロを支出後、
社会保障信託基金の総額は 2,143 百万ユーロに上った。
下表は表示年度毎の社会保障制度の計上額を示している。
社会保障制度
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
収入
123,899 123,253 127,977 135,128 145,402
給与保険料 100,569 103,517 109,223 115,069 124,162
移転 15,986 16,066 16,280 18,082 19,605
その他の源泉 3,404 2,718 1,726 1,270 1,279
資本資源 3,940 952 748 707 356
費用 140,430 141,933 146,489 151,988 162,193
年金、補助金等 127,934 132,282 136,820 142,550 151,985
公衆衛生サービス 149 146 153 - -
社会費用 1,224 1,222 1,242 - -
管理費およびその他 11,123 8,283 8,274 9,438 10,208
金融ニーズ ((-) または (+)) (16,531) (18,680) (18,512 ) (16,860 ) (16,791)
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有価証券報告書
出所:経済・デジタル変革省の月次経済指標
赤字と債務の限度
スペインの EU加盟に関し、スペイン政府はその赤字と債務の水準に関して一定の義務を果たすこと
に合意した。特に、赤字を GDP の3%未満とし、 GDP に対する債務の割合を約 60%まで徐々に減ずるこ
とに合意した。かかる義務は一般政府(中央政府、社会保障および地域・地方政府が含まれる。)の
赤字および債務の水準に関係している。限度を超えることができるのは非常に例外的な場合(主とし
て深刻な不景気)と一時的な場合に限られる。 GDP に対する債務の割合が明らかに下方傾向(現在スペ
インはこのような状態にある。「6 公的債務」を参照のこと。)にある場合は 60%の目標を超えるこ
とができる。
かかる二つの義務のいずれかに違背した場合はいわゆる「過剰財政赤字手続」が設定される。かか
る手続きに関し、 EU委員会はいずれかの例外事由にあたるかどうか決定し、もしいずれの例外事由も
適用できない場合は加盟国から治癒方法を要求する。継続的な「過剰財政赤字」の場合は EU委員会が
最終的に勧告する。手続きの最終段階では当該加盟国の GDP の0.5 %を限度とする罰金を課す。
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国家借入必要額
1996 年以降、スペイン政府は一丸となって国家の赤字削減に尽力した。これにより 1999 年から 2007
年にかけて国家財政の黒字を達成した。資本歳出の減少の結果、資本の赤字が若干減少した。これに
より、経常歳入が著しく増加したのとあいまって、国家借入必要額は当該期間にわたり減少した。
2008 年以降、歳出が大幅に増加すると、停滞した経済活動の結果として収入は減少した。歳出を抑え
る努力にもかかわらず、 2012 年には国家の赤字は GDP の8.1 %( 2011 年は国家会計ベースで 3.7 %)と
なった。ただし、 2013 年には国家の赤字が GDP の4.9 %まで削減された。 2014 年も引続き下降傾向にあ
り、 GDP の3.6 %に減少し、 2015 年には 2.7 %へと減少した。 2016 年には国家の赤字は GDP の2.5 %までわ
ずかに減少し、 2017 年には GDP の1.8 %へと減少した。最終的に、 2018 年にはかかる国家の赤字は GDP の
1.3 %となり、 2019 年と同様の数値となった。
国家借入必要額(現金ベース)
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
歳入
144,370 133,588 131,456 142,039 144,559
歳出 158,074 149,791 147,746 153,887 156,793
借入必要額
(13,704) (16,203) (16,290) (11,848) (12,234)
((-) または (+))
出所: IGAE 数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
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歳入
国家の主要税収源は個人所得税と付加価値税である。 2019 年の国家歳入総額に対し、個人所得税は
28.2 %、付加価値税は 24.8 %を占めている( 2018 年はそれぞれ 28.3 %および 23.7 %)。その他の重要
な税収には、法人税( 2019 年においては税収総額の 16.4 %、 2018 年においては税収総額の 17.5 %で
あった。)ならびにガソリン、アルコールおよびタバコに課される「特別税」(消費税)( 2018 年の
5.2 %と比較すると、 2019 年の税収総額に対し 5.0 %であった。)がある。
下表は表示年度毎のユーロ建の国家歳入の源泉と歳入総額の比率を表している。
国家歳入(現金ベース)
(単位:%を除き、百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
直接税
64,174.3 62,237.2 64,392.8 70,741.0 68,792.3
個人所得税 38,730.6 35,799.0 36,028.5 40,236.5 40,736.0
法人税 20,648.9 21,678.3 23,143.3 24,837.8 23,732.9
その他の直接税 4,794.9 4,759.0 5,221.0 5,666.7 4,323.4
間接税 43,180.1 42,677.6 40,148.0 44,546.4 46,837.6
付加価値税 32,565.2 31,528.3 29,235.3 33,592.9 35,898.1
特別税 7,340.1 7,739.1 7,349.3 7,380.4 7,267.1
その他の間接税 3,274.8 3,410.2 3,563.4 3,573.0 3,672.3
国家のサービスに対する手数料 (1) 17,410.5 13,674.4 14,841.9 12,582.9 12,757.9
19,605.5 14,999.1 12,073.2 14,208.0 16,416.5
その他の歳入
歳入合計 144,370.4 133,588.3 131,455.9 142,039.1 144,558.5
GDP 比(%)(2)
13.4 12.0 11.3 11.8 11.6
(1) 国家が提供したサービスに対して支払われる手数料である。
(2) 「2 経済 (1) 一般情勢」を参照のこと。
出所: IGAE 数値に基づく MEH の月次経済指標
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国家の歳入構成比率 (現金ベース )
(単位:% )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
直接税
44.5 46.6 49.0 49.8 47.6
個人所得税 26.8 26.8 27.4 28.3 28.2
法人税 14.3 16.2 17.6 17.5 16.4
その他の直接税 3.3 3.6 4.0 4.0 3.0
間接税 29.9 31.9 30.5 31.4 32.4
付加価値税 22.6 23.6 22.2 23.7 24.8
特別税 5.1 5.8 5.6 5.2 5.0
その他の間接税 2.3 2.6 2.7 2.5 2.5
国家のサービスに対する手数料 (1) 12.1 10.2 11.3 8.9 8.8
13.6 11.2 9.2 10.0 11.4
その他の歳入
歳入合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) 国家が提供したサービスに対して支払われる手数料である。
出所: IGAE 数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
歳出
1996 年から 2000 年にかけてスペイン政府はとりわけ経常歳出に関して、厳格な歳出管理の方針を実
行した。特に、スペイン政府は給与歳出および財貨・サービスの購入を削減し、また大幅な支払利息
管理も実行した。かかる歳出管理方針の結果、歳出の削減は、 GDP 比で 1999 年の 19.2 %(スペイン国家
会計( CNE -2000 ))から 2005 年から 2008 年にかけて平均 13%となった。 2009 年において、移転におけ
る増加が国家の歳出合計に重要な成長をもたらし、 2010 年には GDP の16.9 %となった。 2011 年および
2012 年における歳出は GDP 比でわずかに減少した(それぞれ 14.1 %および 14.6 %)一方で、 2013 年の国
家歳出は GDP 比で 15.6 %まで増加した。 2014 年において、国家歳出は再び減少し GDP の15.2 %となり、
2015 年および 2016 年にも減少し続け、それぞれ GDP の14.7 %および 13.4 %となった。 2017 年および 2018
年において、国家歳出は GDP の12.7 %および 12.8 %であった。最終的に、 2019 年における当該比率は、
微減して GDP の12.6 %となった。
下表は表示年度毎の国家の歳出の内訳を示している。
国家の歳出 (現金ベース )
(単位:%を除き、百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
経常歳出
142,086.5 137,296.9 134,805.3 139,796.2 142,983.7
給与 (1) 16,406.4 16,206.6 15,836.0 16,462.1 17,247.1
財貨・サービス 3,556.1 3,515.8 3,355.4 3,387.3 4,290.8
利息 31,749.9 32,077.6 30,323.8 30,028.5 29,054.2
移転 (1) 90,374.1 85,496.9 85,290.1 89,918.3 92,391.6
資本歳出 15,987.2 12,494.6 12,940.9 14,091.1 13,809.6
実物投資 5,679.5 4,338.3 5,330.1 6,160.3 5,740.3
10,307.7 8,156.3 7,610.8 7,930.8 8,069.3
移転
歳出合計 158,073.7 149,791.4 147,746.1 153,887.2 156,793.3
GDP 比(%)(2)
14.7 13.4 12.7 12.8 12.6
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(1) 2014 年に導入され、国家が支払った年金の処理に関連して調整されたデータ
(2) 「2 経済 (1) 一般情勢」を参照のこと。
出所: IGAE 数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
最も大きな比率を占める非金融歳出は移転であり、中央政府からその他の公共法人および民間部門
に対する移転と、主に EU予算に対しスペインが拠出する国外法人への移転を含んでいる。移転のおよ
そ95%はその他の公共法人に歳出される。スペインでは大部分の公的歳入が(国家レベルで)集中す
る一方、大部分の公的歳出は分散される。
地方政府に対する国家の移転は地方政府の責任下にある公共教育および健康管理等の支出資金に充
当される。同様に、国家の社会保障移転は公的健康保険制度の資金となり、また公的年金制度を補足
する。国外法人への移転は主として EU予算に対しスペインが拠出する移転である。その他の公共部門
への移転には失業手当、公共法人および公共団体に供与される資金が含まれる。民間部門への移転は
主として教育への資金からなる。
国家の歳出構成比率 (現金ベース )
(単位:% )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
経常歳出
89.9 91.7 91.2 90.8 91.2
給与 10.4 10.8 10.7 10.7 11.0
財貨・サービス 2.2 2.3 2.3 2.2 2.7
利息 20.1 21.4 20.5 19.5 18.5
移転 57.2 57.1 57.7 58.4 58.9
資本歳出 10.1 8.3 8.8 9.2 8.8
実物投資 3.6 2.9 3.6 4.0 3.7
6.5 5.4 5.2 5.2 5.1
移転
歳出合計 100 .0 100 .0 100.0 100.0 100.0
出所: IGAE 数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
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下表は表示年度毎の国家の赤字の内訳を示している。
国家の現金赤字
(単位:%を除き、百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
歳入
144,370.4 133,588.3 131,455.9 142,039.1 144,558.5
非金融歳出 158,073.7 149,791.4 147,746.1 153,887.2 156,793.3
現金赤字 (国家の現金赤字 ) (13,703.3) (16,203.1) (16,290.2) (11,848.1) (12,234.8)
GDP 比(%)(1) (1.3) (1.5) (1.4) (1.0) (1.0)
利息控除後 18,046.6 15,874.5 14,033.6 18,180.4 16,819.4
GDP 比(%)(1) 1.7 1.4 1.2 1.5 1.4
金融資産の変動 37,190.2 16,663.7 27,438.6 21,869.0 6,969.0
金融負債の変動 (2) (50,893.5) (32,866.8) (43,728.8) (33,717.0) (19,204.0)
GDP 比(%)(1) (4.7) (3.0) (3.8) (2.8) (1.5)
(1) 「2 経済 (1) 一般情勢」を参照のこと。
(2) 金融負債の変動は金融資産の変動を控除した現金赤字に等しい。
出所: IGAE 数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
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下表は EU加盟諸国が統一的に採用する国家会計制度( 2010 年欧州会計制度( ESA ))で設定された国
家会計基準に従って算定され、選別された行政資料( GDP 比)を要約したものである。行政の赤字合計
は、 2019 年に GDP の2.8 %( 2018 年は 2.5 %)に達し、昨年の微増に反して、スペインは、 2019 年6月に
過剰財政赤字手続を(赤字が GDP の3%未満で安定したため)正式に終了し、 2019 年時点で安定成長協
定の予防的措置の対象となった。公債/ GDP 比率は 2010 年に 60%超増加し、危機的な期間の行政赤字の
増加に伴い、その後数年にわたり引続き増加した。しかし、 2015 年、公債/ GDP 比率は下降傾向を始
め、それはかかる比率が GDP の95.5 %に達した 2019 年まで続いた。
国家の金融負債純変動額
(単位:百万ユーロ )
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
短期証券
4,713 (24) (3,528) (8,393) (2,107)
中長期債務 48,068 35,326 52,259 53,576 21,434
スペインからの借入金 (5,065) (259) (3,423) (9,411) 633
対外債務および借入金 (277) (1,495)
3,178 (2,176) (1,302) (560) (756)
その他の金融負債純額
金融負債純変動総額 50,894 32,867 43,729 33,717 19,204
出所: IGAE 数値に基づく経済・デジタル変革省の月次経済指標
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EU歳出予算に関する歳入と歳出
スペインの表示年度毎の EU予算への拠出は下表の通りである。
(単位:百万ユーロ )
資金提供者として 資金受取人として
年 度
スペインが拠出した資金額 スペインが受領した資金額
2011 年 11,767.89 13,087.21
2012 年 10,951.72 13,746.01
2013 年 11,956.19 13,161.56
2014 年 12,534.47 10,989.44
2015 年 11,066.82 13,546.44
2016 年 11,454.36 10,931.04
2017 年 11,151.18 8,080.94
2018 年 12,054.46 12,351.88
2019 年 13,615.47 12,439.33
出所:スペインと欧州共同体の財政関係
予算および歳出担当副大臣、一般予算管理、財務省、経済・デジタル変革省、 2019 年一般国家予算
2011 年- 2018 年現金ベースデータ、 2019 年予算データ
EU予算に対するスペインの拠出額は、表示期間におけるスペインの GDP および付加価値税による税収
を考慮した方式に基づいて決定される。スペインに対する支払額は、主として EUが承認したインフラ
プロジェクトに基づいて支払われ、また、 EUの共通農業政策に従った支払に基づいて行われる。
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6 公的債務
スペイン中央政府の債務は対内(国内市場で発行されるもの)または対外(国際市場で発行されるも
の)債務のいずれかである。 2020 年4月 30日現在、対内債務は GDP の85.70 %、対外債務は GDP の0.05 %で
あった。中央政府の債務合計は GDP の85.75 %であった。
(1) 対内債務の概要
2020 年4月 30日現在の対内債務合計は 1,067,241.60 百万 ユーロであった。
下表は 2019 年4月 30日現在の証券の種類別の対内債務残高の内訳を示している。
スペインの証券別対内債務
債券
(単位:百万ユーロ )
金利 (%) 銘 柄 発行年度 2020 年4月 30日現在残高 最終償還年度
6.00 オブリゲーション 1998 25,507.53 2029
5.75 オブリゲーション 2001 22,880.26 2032
4.20 オブリゲーション 2005 20,422.31 2037
4.90 オブリゲーション 2007 18,802.50 2040
4.80 オブリゲーション 2008 17,564.70 2024
4.70 オブリゲーション 2009 20,381.58 2041
4.65 オブリゲーション 2010 22,903.30 2025
4.85 オブリゲーション 2010 18,387.22 2020
5.50 オブリゲーション 2011 24,001.92 2021
5.90 オブリゲーション 2011 22,169.30 2026
5.85 オブリゲーション 2011 22,927.11 2022
5.40 オブリゲーション 2013 21,666.65 2023
4.40 オブリゲーション 2013 21,073.20 2023
5.15 オブリゲーション 2013 18,769.07 2028
5.15 オブリゲーション 2013 14,254.58 2044
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(単位:百万ユーロ )
金利 (%) 銘 柄 発行年度 2020 年4月 30日現在残高 最終償還年度
3.80 オブリゲーション 2014 21,185.84 2024
オブリゲーション €i
1.80 2014 13,719.00 2024
2.75 オブリゲーション 2014 24,225.67 2024
4.00 オブリゲーション 2014 1,000.00 2064
1.60 オブリゲーション 2015 21,746.58 2025
1.95 オブリゲーション 2015 22,987.18 2030
オブリゲーション €i
1.00 2015 11,888.34 2030
2.15 オブリゲーション 2015 23,515.78 2025
1.15 ボンド 2015 19,079.19 2020
1.95 オブリゲーション 2016 21,487.42 2026
0.75 ボンド 2016 21,979.32 2021
2.90 オブリゲーション 2016 17,309.65 2046
ボンド €i
0.30 2016 6,507.70 2021
3.45 オブリゲーション 2016 11,854.19 2066
1.30 オブリゲーション 2016 25,113.54 2026
0.40 ボンド 2017 20,900.01 2022
1.50 オブリゲーション 2017 20,204.04 2027
2.35 オブリゲーション 2017 19,206.62 2033
オブリゲーション €i
0.65 2017 10,987.11 2027
0.05 ボンド 2017 19,393.15 2021
1.45 オブリゲーション 2017 22,291.07 2027
0.45 ボンド 2017 18,676.71 2022
1.40 オブリゲーション 2018 21,044.45 2028
2.70 オブリゲーション 2018 14,490.05 2048
0.35 ボンド 2018 19,587.10 2023
ボンド €i
0.15 2018 3,797.32 2023
1.40 オブリゲーション 2018 21,159.46 2028
オブリゲーション €i
0.70 2018 6,625.38 2033
0.05 ボンド 2018 20,944.32 2021
1.45 オブリゲーション 2019 21,314.22 2029
1.85 オブリゲーション 2019 13,900.58 2035
0.25 ボンド 2019 16,242.78 2024
オブリゲーション €i
1.00 2019 343.62 2048
オブリゲーション €i
1.05 2019 343.62 2049
オブリゲーション €i
1.10 2019 343.62 2050
0.60 オブリゲーション 2019 20,608.16 2029
0.50 オブリゲーション 2020 18,180.47 2030
0.00 ボンド 2020 13,004.61 2023
0.00 ボンド 2020 7,611.70 2025
1.00 オブリゲーション 2020 6,567.83 2050
0.80 オブリゲーション 2020 10,000.00 2027
1.25 オブリゲーション 2020 15,000.00 2030
債務合計 958,078.65
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スペイン開発金融公庫(E06100)
有価証券報告書
国庫証券
(単位:百万ユーロ )
金利 (%) 銘 柄 2020 年4月 30日現在残高
割引 レトラス 72,877.12
国庫証券合計 72,877.12
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有価証券報告書
その他債券
ユーロ建債券
(単位:百万ユーロ )
金利 (%) 発行年度 2020 年4月 30日現在残高 最終償還年度
5.60 2011 335.00 2036
ユーロ建債券合計 335.00
その他の借入
(単位:百万ユーロ )
金利 (%) 発行年度 2020 年4月 30日現在残高 最終償還年度
5.01 2010 130.00 2025
4.68 2010 185.50 2032
4.637 2010 151.50 2033
5.5834 2010 150.00 2034
Euribor(*) 2012 23,721.46 2027
2.221 2013 625.00 2021
3.253 2013 465.00 2028
4.05 2014 198.00 2034
3.99 2014 215.00 2036
2.502 2014 120.00 2025
1.402 2014 200.00 2022
0.668 2014 300.00 2020
1.879 2014 350.00 2031
1.716 2014 150.00 2031
0.585 2014 260.00 2020
0.738 2016 525.00 2026
1.695 2016 90.00 2046
1.137 2016 68.13 2046
0.369 2017 255.00 2023
0.495 2017 100.00 2027
0.397 2017 443.00 2027
0.613 2018 257.00 2028
0.598 2019 400.00 2027
0.060 2019 400.00 2027
0.000 2020 400.00 2032
その他の借入合計 30,159.59
(*) 2015 年以降、欧州安定メカニズム( ESM )の平均資金調達費用が参照レートとなる。
その他債務合計: 30,494.59 百万ユーロ
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引受債務
(単位:百万ユーロ )
金利 (%) 銘 柄 発行年度 2020 年4月 30日現在残高 最終償還年度
9.90 オブリゲーション 2004 90.15 2024
10.50 オブリゲーション 2004 48.08 2024
10.55 オブリゲーション 2004 18.03 2024
3.82 ボンド 2014 250.00 2022
Euribor+0.13 ローン 2004 153.85 2023
Euribor+0.13 ローン 2004 100.00 2024
Euribor+0.13 ローン 2008 76.44 2033
Euribor+0.13 ローン 2004 54.69 2024
4.334 ローン 2014 650.00 2022
4.121 ローン 2014 600.00 2023
Euribor+2.22 ローン 2014 3,000.00 2023
3.93 ローン 2014 750.00 2023
引受債務合計 5,791.24
対内債務合計: 1,067,241.60 百万ユーロ
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(2) 対外債務の概要
スペイン政府の対外債務は 678.58 百万 ユーロであった。下表は発行通貨別対外債務の構成を示して
いる。
スペインの発行通貨別対外債務
(単位:百万米ドル/百万ユーロ )
米ドル (USD) 建
2020 年4月 30日現在
金利 (%) 銘 柄 発行年月日 最終償還年度
残存元本
5.010 ボンド 2014 年11月21日 300.00 2044 年11月21日
米ドル合計 300.00
ユーロ換算合計 (1) 275.84
(単位:百万円/百万ユーロ )
日本円 (JPY) 建
2020 4月 30日現在
金利 (%) 銘 柄 発行年月日 最終償還年度
残存元本
2.915 ボンド 2010 年11月30日 20,000.00 2030 年12月2日
日本円合計 20,000.00
ユーロ換算合計 (1) 172.61
(単位:百万英ポンド/百万ユーロ )
英国ポンド (GBP) 建
2020 年4月 30日現在
金利 (%) 銘 柄 発行年月日 最終償還年度
残存元本
5.250 ボンド 1999 年4月6日 200.00 2029 年4月6日
英国ポンド合計 200.00
ユーロ換算合計 (1) 230.14
対外債務合計(百万ユーロ): 678.58 百万ユーロ
(1) 使用為替レート( 2020 年4月 30日現在の欧州中央銀行( ECB )により公表された公式為替レート)
1ユーロ= 1.0876 米ドル
1ユーロ= 115.87 日本円
1ユーロ= 0.86905 英国ポンド
債務記録
全額債務返済は、スペイン発行のすべての対外債務および対内債務と同様に、スペイン保証の他の
発行体が発行したすべての対外債務および対内債務が満期となった時に常に履行されている。
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