中国銀行股イ分有限公司 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | 中国銀行股イ分有限公司 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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中国銀行股イ分有限公司(E05981)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年6月19日
【事業年度】 自 平成31年1月1日 至 令和元年12月31日
【会社名】 中国銀行股 份 有限公司
(Bank of China Limited)
【代表者の役職氏名】 会長 劉 連舸
(LIU Liange, Chairman)
【本店の所在の場所】 中華人民共和国 100818 北京市復興門内大街1号
( No. 1 Fuxingmen Nei Dajie, Beijing 100818, People's
Republic of China)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 神 田 英 一
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6632-6600
【事務連絡者氏名】 弁護士 芦 澤 千 尋
【連絡場所】 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6632-6600
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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注:
(1) 本書に記載の「香港ドル」は香港ドルを、「人民元」は中国の法定通貨を、「円」は日本円を指す。本書における一定の
香港ドルまたは人民元金額は、便宜上、香港ドルの場合は2020年4月1日の株式会社三菱UFJ銀行が建値した対顧客電信
直物売買相場の仲値である1香港ドル=13.88円により、人民元金額の場合は2020年4月1日の株式会社三菱UFJ銀行が建
値した対顧客電信直物売買相場の仲値である1人民元=15.19により円に換算されている。
(2) 当行の会計年度は、1月1日に始まり、12月31日をもって終了する1年間である。
(3) 本書中の表において記載されている計数は、単位未満の数値を原則として四捨五入しているため、合計は計数の総和と必
ずしも一致しない場合がある。
(4) 本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の語は以下の意味を有するものとする。
「A株」 当行普通株株式資本における1株額面金額1.00人民元の内資株で、関連する株
式は上海証券取引所に上場(株式コード:601988)
「当行」、「当グループ」または 中国銀行股 份 有限公司またはその前身および(文脈により別段に要求されない
「グループ」 限り)中国銀行股 份 有限公司のすべての子会社
「MOF」または「財政部」 中華人民共和国 財政部
「中国北東部」 本報告書においては、黒龍江省、吉林省、遼寧省および大連市の支店を含む地
域
「社外取締役」 上海証券取引所上場規則および定款においていう社外取締役ならびに香港上場
規則においていう社外非業務執行取締役
「会社法」 中華人民共和国会社法
「定款」 当行における現在有効な「中国銀行股 份 有限公司定款」
「H株」 当行普通株株式資本における1株額面金額1.00人民元の海外上場外資株で、関
連する株式は香港証券取引所に上場しており香港ドルで売買される(株式コー
ド:3988)
「中国北部」 本報告書においては、北京市、天津市、河北省、山西省および内モンゴル自治
区の支店を含む地域ならびに本店
「中国東部」 本報告書においては、上海市、江蘇省、蘇州市、浙江省、寧波市、安徽省、福
建省、江西省、山東省および青島市の支店を含む地域
「匯金公司」 中央匯金投資有限責任公司(Central Huijin Investment Ltd.)
「ベーシス・ポイント(Bp、 金利または為替レートの変動に用いられる単位で、1ベーシス・ポイントは
Bps)」 10,000分の1( 0.01 %)
「上海証券取引所」 上海証券交易所
「中国西部」 本報告書においては、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、陝西省、甘 粛 省、寧
夏回族自治区、青海省、チベット自治区および新疆ウイグル自治区の支店を含
む地域
「香港交易所」 香港交易及結算所有限公司
「香港証券取引所」 香港聯合交易所有限公司
「香港上場規則」 香港証券取引所の有価証券上場規則
「証券および先物条例」 証券および先物条例 ( 香港法例第 571 章 )
「IFRS」 国際財務報告基準
「CAS」 中国会計基準
「CBIRC」 中国銀行業 保険 監督管理委員会
「PBOC」 中国人民 銀行
「PRC」 中華人民共和国
「人民元」 中国の法定通貨である人民元
「SAFE」 国家外貨管理局(State Administration of Foreign Exchange, PRC)
「 CSRC 」 中国証券監督管理委員会
「中国中央部および南部」 本報告書においては、河南省、湖北省、湖南省、広東省、深 圳 市、広西自治区
および海南省の支店を含む地域
「BOCアセット・インベストメン 中銀金融資産投資有限公司(BOC Financial Asset Investment Co., Ltd.)
ト 」
「BOCインシュアランス」 中銀保険有限公司( Bank of China Insurance Company Limited )
「 BOCI 」 中銀国際控股有限公司( BOC International Holdings Limited )
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「 BOC ライフ」 中銀集団人寿保険有限公司( BOC Group Life Assurance Co ., Ltd. )
「BOCIチャイナ」 上海 証券取引所に普通株式が上場されている、 中国本土で設立された会社であ
る 中銀国際証券有限責任公司( BOC International (China) Co. Limited )
「BOCアビエーション」 香港証券取引所に上場 し ている、シンガポールに おいてシンガポール会社 法に
基づき 公開株式会社として設立された会社である 中銀航空租賃有限公司 ( BOC
Aviation Limited )
「 BOCIM 」 中銀基金管理有限公司( Bank of China Investment Management Co., Ltd. )
「BOCGインシュアランス」 中銀集団保険有限公司( Bank of China Group Insurance Company Limited )
「BOCGインベストメント」 中銀集団投資有限公司( Bank of China Group Investment Limited )
「 BOCHK 」 BOCHK ( ホールディングス ) の完全子会社 であり、 香港法に基づき設立された認
可金融機関である中国銀行(香港)有限公司( Bank of China (Hong Kong)
Limited )
「BOCHK(ホールディングス)」 香港証券取引所に普通株式が上場されている 、 香港法に基づき設立された会社
である中銀香港(控股)有限公司( BOC Hong Kong (Holdings) Limited )
「BOC-サムスン・ライフ」 中銀三星人寿保険有限公司( BOC-Samsung Life Ins. Co., Ltd. )
「BOCウェルス・マネジメント」 中銀 理財 有限 責任 公司 ( BOC Wealth Management Co., Ltd.)
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
中国会社法、特別規定および必須条款
当行は、中国で設立された有限株式会社として、かつ香港証券取引所および上海証券取引所に上場していること
から、主に以下の3つの中国法令の適用を受ける。
・1993年12月29日の全国人民代表大会の常任委員会において制定され、1994年7月1日に施行され、1999年12月
25日、2004年8月28日、2005年10月27日、2013年12月28日および2018年10月26日に改正された中国会社法
・1994年8月4日に国務院が採択した特別規定
・1994年8月27日に中国証券委員会および国家経済体制改革委員会によって合同で制定され、香港証券取引所上
場有限株式会社として当行が当行定款に組み込まなければならない必須条款
以下は、当行に適用ある中国会社法、特別規定および必須条款の規定の概要である。
設立
株式会社は、2人以上200人以下の発起人により設立することができるが、発起人の半数以上は、中国国内に居
住する者でなければならない。特別規定によれば、国有企業またはその資産の過半を中国政府により保有される企
業は、海外投資家に株式を発行することのできる有限株式会社になるための関連規定に基づき1人の発起人により
組織再編を行うことができる。当行は、中国会社法のもとで有限株式会社として設立された。すなわち、当行は法
人であり、当行の登録資本金は均一の額面金額を有する株式に分割されている。当行の株主の責任は、保有株式の
金額に限定され、当行は当行資産総額に等しい金額につき債権者に対して責任を負う。
中国会社法のもとで、当行は、法律および当行定款に従って中国の他企業に投資することができる。
発起人は、発行された株式が全額払い込まれた後30日以内に会社の創立総会を招集し、総会の15日前にすべての
引受人に対して通知を行うかまたは会日を公告するものとする。創立総会は会社の株式資本の50%超を有する引受
人の出席によって開催することができる。創立総会では、発起人が提案した定款の採択、取締役の選任および監査
役の選任等の事項が審議される。総会の決議にはすべて、出席した引受人の有する議決権の過半数の賛成を要す
る。
創立総会の終了後30日以内に、会社の取締役会は、登記当局に対し会社の設立登記を申請しなければならない。
会社が正式に設立され法人格を有するのは、管轄工商行政管理局により営業許可証が発行された後である。募集設
立の方法により設立された会社は、国務院の証券規制当局の承認書を記録のために管轄工商行政管理局に提出しな
ければならない。
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会社の発起人は、以下の事項について責任を負う。
(ⅰ) 会社が設立されなかった場合に、その手続きに関連して発生した全費用および負債の支払の連帯債務
(ⅱ) 会社が設立されなかった場合に、引受人に対する申込金および同一期間の銀行預金金利に相当する利息の返
還の連帯債務
(ⅲ) 会社の設立過程における発起人の義務不履行の結果、会社が被った損害
1993 年4月22日に国務院が制定した「株式の発行および取引に関する暫定規則」(中国国内における株式の発行
および取引ならびにこれに関連する行為にのみ適用される。)(以下「株式暫定規則」という。)によれば、会社
が募集設立の方法により設立された場合、会社の発起人は、目論見書の内容の正確性に共同責任を負い、目論見書
が誤解を招く記述を含みまたは重要な情報の記載を欠くことのないよう確保することを要求される。
登録資本金
当行の登録資本金は、国家工商行政管理総局に登録された払込資本金と同額である。中国会社法によれば、有限
株式会社が発起設立された場合、その登録資本金は、会社登記当局で登録された全発起人の引受株式資本総額に等
しい。
株式の割当ておよび発行
当行の全株式発行は、平等および公正原則に基づいている。同一の種類に株式は等しい権利を有する。当行株式
の発行毎に、払込金額を含むそれぞれの株式の割当条件は同一種類の他の当行株式と同じでなければならない。当
行は、当行株式を額面金額でまたはそれを上回る金額で発行することができるが、額面金額を下回る金額でこれを
発行することはできない。
当行は、当行株式を公募するためにCSRCの承認を取得しなければならない。特別規定に基づき、会社は、CSRCの
承認を得て、海外上場外資株の発行に関する引受契約において、引受株式数の計上後に発行予定の海外上場外資株
総数の15%を上回らない数の同株式を保有することに合意することができる。
記名式または無記名式株式
発起人は、金銭もしくは現物で、または資産、工業所有権、非特許技術、土地使用権もしくは法的に譲渡可能
で、その評価額に基づいて金銭で評価しうるその他の財産を拠出することにより、資本出資を行うことができる。
当行が外国投資家に発行する当行株式および海外上場される当行株式は、記名式で、人民元建かつ外国通貨で引受
けられなければならない。香港、マカオおよび台湾地域の投資家が購入し香港に上場される株式は、「海外上場外
資株」として知られている。中国においては、当行が発起人、国定投資機関または法人に発行する当行株式はすべ
て、記名式でなければならない。しかし、中国において一般向けに発行する当行株式は、記名式または無記名式の
いずれかとすることができる。
当行は、記名式で発行された当行株式全部について株主名簿を作成しなければならない。当行の株主の仔細、各
株主が保有する当行株式の数および株主が当該当行株式の保有者となった日などの情報は、株主名簿に記載しなけ
ればならない。
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当行はまた、発行済みの無記名式株式の金額、各無記名式株式の番号および各無記名式株式の発行日を記載しな
ければならない。
増資
当行は、次の事項について当行の株主総会の承認を得て当行の新株式を発行することにより当行の株式資本を増
加させることができる。
・新株の数および種類
・募集価格
・募集の開始および終了日
・既存株主に募集される新株式の数および種類
当行が関連証券管理当局により承認された株式公募を実施する場合、当行は目論見書および財務報告書を発行
し、申込簿を作成しなければならない。当行が当行の新株式の払込手続を完了した場合は、当行は、国家工商行政
管理総局に登録資本金の増加を登記し、公告を行わなければならない。
減資
最低登録資本金要件を条件として、当行は以下の手続にしたがい、その登録資本金を減少することができる。
・当行は、その時点の貸借対照表およびその財産目録を作成しなければならない。
・登録資本金の減少は、株主総会において、株主により承認されなければならない。
・当行は、減資を承認する決議の採択後、債権者に対して10日以内に減資を通知し、30日以内に減資の新聞公告
を行わなければならない。
・当行の債権者は、法令により定められた期間内において、当行に対し、債務の弁済または当該債務を補填する
担保の供与を要求することができる。
・当行は、国家工商行政管理総局で登録資本金の減少を登記しなくてはならない。
・当行は、関係監督当局から必要な承認を得なくてはならない。
株式の買戻し
当行は、(i)当行の登録資本金を減少するため、(ii)当行株式を有する他の会社と合併するため、(iii)当行株式
を従業員持株制度または持株インセンティブに使用するため、(iv)当行の合併もしくは分割承認決議に反対票を投
じた株主がそれを要求するため、(v)当行株式を転換社債の転換に使用するため、または(vi)当行の価値および株
主資本を維持するために必要とされる場合にのみ、当行株式を買戻すことができる。必須条款は、当行が当行定款
にしたがって行為し、かつ関係監督当局の必要な承認を取得しなければならない旨を規定している。当行は、当行
の株主に対する一般的な買付の申込みを行うこと、当行株式を証券取引所を通じて購入すること、または当行株式
を市場外の相対取引により購入することにより当行株式を買戻すことができる。上記(iii)、(v)および(vi)に規定
される状況に基づき当行株式を買戻す場合は、公的かつ一元的な方法において取引を実行する。
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当行株式の買戻しが上記(i)により実行される場合は、買戻された当行株式についてこれを10日以内に消却する
ことを要し、またもし買戻しが上記(ii)または(iv)の理由でなされる場合は、6ヵ月以内に当行株式の当該部分を
譲渡するかもしくは消却しなければならない。当行が上記(iii)、(v)または(vi)の理由により当行株式を買戻す場
合は、当行が保有する当行株式の合計は当行の発行済株式総数の10%を上回ることができず、また3年以内に譲渡
または消却されなければならない。
株式の譲渡
当行株式は、中国会社法、中国証券法および特別規定などの関連法令にしたがって譲渡することができる。
当行取締役、監査役および上級経営陣は、これらの者が保有する当行株式とその変動を当行に申告しなければな
らない。任期中、これらの者のいずれかにより各年に譲渡される株式は、これらの者の保有株式総数の25%を超え
ることができない。これらの者により保有される当行株式は、当行株式が証券取引所に上場および取引される日か
ら1年以内にこれを譲渡することができない。これらの者のいずれかがその職でなくなった後半年以内は、かかる
者は当行株式を譲渡してはならない。
中国会社法は、個人株主の株式保有割合について制限を課していない。
必須条款の要求により、当行株式の譲渡は株主総会の会日前30日間または配当分配のために設定した基準日前5
日間の期間中は株主名簿に登録できない。
株主
中国会社法および必須条款に基づき、株主は以下の権利を有する。
・株主総会に本人として出席して議決権を行使し、または自らに代わって出席して議決権を行使するために代理
人を選任すること
・その株式保有割合に応じて配当およびその他の形の分配される利益を受取ること
・当行定款、株主総会議事録および財務報告書を検査し、当行の業務について提案および質問を行うこと
・適用法令にしたがい香港証券取引所または上海証券取引所において、当行株式の譲渡を行うこと
・その保有割合に応じて清算時に会社の残余資産を受取ること
・会社の定款に定めるその他の株主の権利
株主の義務には、(i)会社の定款を遵守する義務、(ii)引受けた株式に関する払込金の支払義務、(iii)当該株主
が引受けた株式に関して支払われることが合意された払込金額の範囲で会社の負債および債務に責任を有するこ
と、ならびに(iv)会社の定款に指定された株主の義務が含まれる。
当行の株主の責任は、各株主が有している当行株式の金額に限定される。
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株主総会
当行の株主は、株主総会において以下の権限を行使することができる。
・当行の事業方針および投資計画を決定すること
・取締役を選任および解任し、また、取締役の報酬を決定すること
・株主の代表者である監査役を選任および解任し、また、監査役の報酬を決定すること
・取締役会および監査役会の報告書を審議および承認すること
・当行の年次財務予算案および決算を審議および承認すること
・当行の利益分配案および損失補填案を審議および承認すること
・当行の登録資本金の増加または減少を承認すること
・社債発行を承認すること
・合併、分割、解散または清算を承認すること
・会計監査人を任命および解任すること
・当行の議決権の3%以上を有する株主が提出した提案を審議および承認すること
・当行定款の変更を承認すること 。
株主総会は、年次株主総会と臨時株主総会からなる。年次株主総会は、毎年1回開催されるものとする。当行取
締役会は、以下のいずれかの事由の発生後2ヵ月以内に臨時株主総会を開催する必要がある。
・取締役の数が中国会社法に規定される数を下回るかまたは当行定款に規定される数の3分の2を下回る場合
・補填されない当行の累積損失額が、当行の総払込資本金の3分の1に達する場合
・当行株式の10%以上を別々にまたは共同で有する株主による請求がある場合
・取締役会または監査役会が当該会議を必要と判断する場合
株主総会は、取締役会により招集され、取締役会会長が議長となる。特別規定 第20条 に基づき、当行は、株主総
会の45日前までに総会の目的事項および総会の日時場所を記載した通知を行うことを要する。総会への出席を予定
する株主は、総会の20日前までに、当行に対して出席確認書を提出しなければならない。当行の議決権の 5 %以上
を有する株主は、 特別規定第21条 に基づき、株主総会において審議されるべき議案を書面にて提出する権利を有す
る。株主総会で決議されうる議案は、当該総会の議題に含まれなければならない。
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特別規定 第22条 は、株主総会の開催予定日の20日前までに当行株式のすべてに関する議決権の50%以上を有する
株主が書面により総会出席の意向を確認した場合は、株主総会を開催することができる旨を規定している。他方、
かかる50%の最低水準が達せられない場合においては、出席確認の期限から5日以内に総会の目的事項および日時
場所を公告により株主に通知する場合にのみ、株主総会を開催することができる。
国務院が2019年10月17日に公表した「国外上場した会社の株主総会開催の通知期限等の事項にかかる規定の調整
適用に関する国務院の回答」に従い、通知期限、株主の株主提案を行う権利、および中国において設立され、国外
に上場している株式会社の株主総会招集手続は、特別規定第20条から22条の規定ではなく、中国会社法の関連する
条項に規律されることとなった。
中国会社法に従い、日時、開催場所および議案が記載された招集通知は、定時総会の場合は20日前まで、臨時総
会の場合は15日前までに全株主に届けられなければならない。単独でまたは共同で議決権の3%以上を保有する株
主は、株主総会で審議するための議案を書面にて提出する権利を有する。 株主総会に出席する各株主は、その保有
する当行株式1株につき1議決権を有する。株主は、自らの代わりに株主総会に出席し、議決権を行使する代理人
を任命することができる。株主総会で提案された普通決議は、本人または代理人による出席株主の議決権の過半数
により採択されるものとする。ただし、特別決議および次の事項については本人または代理人による出席株主の議
決権の3分の2以上の賛成を要する。(i)当行定款の改正、(ii)合併、分割または解散、(iii)資本増加もしくは減
少、当行のいずれかの種類の株式、社債および有価証券の発行、および(iv)株主総会が会社としての当行に重大な
影響を及ぼす可能性があり、特別決議により承認されるべきだと普通決議により決定したその他の事項。
特定の種類株式の株主の権利の変更または廃止の場合、必須条款は特別の種類株主総会を開催することを要求し
ている。当行内資株の保有者および当行H株式の保有者は、異なる種類株式の保有者とみなされる。
取締役会
会社は、5名から19名の構成員により構成される取締役会を有するものとする。中国会社法に基づき、取締役の
任期は3年を超えることができない。取締役は、再選された場合、連続して任期を務めることができる。中国会社
法に基づき、取締役会は、以下の権限を行使する。
・株主総会を招集し、株主に対して報告を行うこと
・株主総会において株主により決議された事項を実行すること
・事業計画および投資計画を決定すること
・財務予算案および決算を作成すること
・利益分配案および損失補填案を作成すること
・合併、分割または解散についての計画を作成すること
・当行の登録資本金の増加もしくは減少案または社債発行案を作成すること
・当行の内部管理組織を決定すること
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・当行の総経理の選任または解任、総経理の推薦に基づく会社の副総経理および財務責任者の選任または解任な
らびにこれらの者の報酬を決定すること
・当行の基本運営システムを決定すること
これらに加え、必須条款は、当行取締役会が当行定款の変更案の作成にも責任を有することを定めている。
取締役会会議
中国会社法に基づき、当行取締役会は、少なくとも毎年2回定例会議を開催しなければならない。定例の取締役
会会議の通知は、当該会議の会日の10日前までになされる。当行取締役会は、臨時取締役会を招集するための通知
期間および方法を決定することができる。
取締役会会議の開催のためには当行取締役の過半数が出席しなければならない。当行取締役は、当行取締役会会
議に自ら参加するか、または自己に代わって参加する別の当行取締役を任命することができる。すべての当行取締
役会の決議は、当行取締役の過半数の賛成により可決されることを要する。取締役会会議で可決された決議はすべ
て当該会議の議事録に記録され、会議に出席した当行取締役および議事録を記録した者によって署名されることを
要する。当行取締役会の決議が適用ある法令または当行定款もしくは株主総会決議に違反し、その結果、会社とし
ての当行に重大な損害をもたらす場合、決議の可決に参加した当行取締役(決議に反対し、当該議事録にその反対
の投票が記録されている者を除く。)は、当行に対して個人として責任を負う。
当行取締役会会長
当行会長は、当行取締役会の議決により選任され、過半数の当行取締役から承認されなければならない。会長
は、当行を法的に代表し、次の権限を行使することができる。
・株主総会の議長を務め、当行取締役会会議を招集し、その議長を務めること
・当行取締役会の決議の実施状況を調査すること
・当行が発行する当行株券および社債に署名すること
取締役の資格
中国会社法に基づき、以下に定める者は、当行取締役を務めることはできない。
・ 民事責任を負うことができない、またはその能力が限定的である者
・収賄、汚職、財産の横領または社会経済秩序破壊の罪を犯し、刑事処分を受けた者であり、かつ、その刑期満
了日から5年以上が経過していない者
・政治的権利を剥奪されていた者で、かつ、かかる剥奪の完了日から5年以上が経過していない者
・経営失敗により破産し清算された会社または企業の取締役、工場長またはマネージャーで、かかる会社または
企業の破産または清算に個人として責任を負い、かつ、かかる会社または企業の清算の完了日より3年以上が
経過していない者
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・違法業務により営業許可を取消された企業の法的代表者で、個人として当該取消について責任を負い、かつ、
当該取消日より3年以上が経過していない者
・比較的高額の延滞債務を有する者
当行取締役として行為することに関するその他の欠格事由は、当行定款および必須条款において定められてい
る。
監査役会
当行は、3名以上の構成員からなる監査役会を設置しなければならない。監査役会は、以下の権限を行使する。
・当行の財務の状況を調査すること
・当行取締役および上級役員を監督し、かかる者が法令および当行定款を遵守してその職務をしていることを確
保すること
・当行取締役および上級役員に対して、当行の利益に悪影響を与える行為の是正を要求すること
・臨時株主総会招集の提案を行うこと
・株主総会に議案を提出すること
・当行取締役または上級役員の行為が法令または当行定款に違反する場合は、当行取締役または上級役員に対し
て訴えを提起すること
・当行定款に規定されるその他の職務を遂行すること。
監査役会の構成員には、当行の従業員および当行株主から選出された代表者が含まれる。当行取締役および上級
役員は、監査役を務めることができない。当行監査役の任期は3年だが、再選された場合、当行監査役は連続して
任期を務めることができる。中国会社法および必須条款に基づいて当行取締役となることのできない欠格事由は、
当行監査役に対しても適用される。
マネージャーおよび役員
会社は、取締役会により選任または解任されるマネージャーを有することが求められている。会社のマネー
ジャーは、取締役会に対して責任を負い、以下の権限を行使することができる。
・生産、事業および管理を監督し、取締役会決議を実行すること
・事業および投資計画の実行を組織化すること
・内部管理システムの構築案を起草すること
・基本運営システムを策定すること
・内部規則を策定すること
・副マネージャーおよび財務責任者の任命および解任を提案し、他の管理担当役員(取締役会または取締役会委
員会により任命または解任されることを要する者を除く。)を任命または解任すること
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・取締役会または定款により付与されるその他の権限
特別規定により、当行は財務責任者および取締役会秘書役を含むその他の役員を雇用しなければならない。
中国会社法および必須条款に基づく当行取締役の欠格事由は、当行のマネージャーおよびその他上級役員に対し
ても適用される。
会社の定款は、会社、会社の株主、取締役、監査役、マネージャーおよびその他の役員に対して拘束力を有する
ものである。かかる者は、会社の定款にしたがって、権利の行使、仲裁の申請および法的手続の申立てを行う権限
を有する。会社の上級経営陣についての必須条款の規定は、当行定款の中に組入れられている。
取締役、監査役、マネージャーおよびその他の上級役員の義務
会社の取締役、監査役、マネージャーおよびその他の役員は、中国会社法に基づき、関連法令および定款を遵守
し、会社に対して忠実義務および善管注意義務を負わなければならない。特別規則および必須条款は、取締役、監
査役、マネージャーおよび役員が会社に対して信認義務を負うことを規定し、かかる者がその義務を忠実に履行
し、会社としての利益を保護し、かつ自身の利益のためにその地位を濫用しないことを要求している。取締役、監
査役、マネージャーおよび役員はまた、秘密保持義務を負い、適用法令または株主が要求する場合を除き、一定の
情報を漏洩することを禁止されている。
取締役、監査役、マネージャーまたは役員がその職務を履行するに当り何らかの法令または定款に違反し、その
結果会社が損失を蒙った場合、かかる者は会社に対して個人として責任を負う。
財務および会計
当行は、財務会計システムを構築することを要し、これは関連法令および財政部および国務院により規定される
規則を遵守しなければならない。
当行はまた、各事業年度の終了時に財務書類を作成しなければならない。当行は、当行の年次株主総会の少なく
とも20日前までに、当行の財務書類を当行株主の閲覧に供しなければならない。当行はまた、当行の財務書類を公
告により公表しなくてはならない。
当行は、中国法令により、当行株主に利益を分配する前に当行の税引後利益について以下の繰入処分を行う必要
がある。
・当行の税引後利益の10%を当行の法定準備金に繰入れること。ただし、当行の法定準備金の累計額が当行の登
録資本金の50%に到達した場合は当該繰入れは不要である。
・当行の株主総会の承認を条件に、かつ法定準備金への所要金額の繰入れ後に当行の税引後利益から任意の金額
を任意準備金に繰入れることができる。
・当行リスク・アセットの1%以上の別途積立金
損失の補填ならびに準備金および別途積立金への繰入れ後の税引後利益の残高は、当行株主にその持株数に応じ
て分配されることがある。
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当行の法定準備金が前年からの損失を補填するのに十分でない場合、当期の当行利益は法定準備金に繰入れる前
に当該損失を補填するために充当されなければならない。
当行の準備金は、法定準備金、任意準備金および資本準備金からなる。当行の資本準備金は、当行株式の額面金
額超過金からなる。関連政府金融当局により要求されるその他の金額が資本準備金として処理される。
当行の準備金は、以下の目的のために充当されることを要する。
・損失の補填
・当行の事業拡張
・当行新株式による当行登録資本金への払込金。ただし法定準備金が登録資本金に振替えられる場合は、当該振
替後の法定準備金は当行の登録資本金の25%を下回ることができない。
会計監査人の任命および退任
特別規定は、当行に対して、当行の年次財務書類の監査およびその他の財務報告書の検討のため、独立した中国
の資格のある公認会計士事務所を任用することを要求する。
会計監査人は、年次株主総会の終了時から次回の年次株主総会の終了時までの期間について、任命される。
当行が当行の現任の会計監査人を解任するか、または再任しない場合、当行は、特別規定により会計監査人に対
して事前の通知をなすことを要求され、会計監査人は、株主総会において株主に対し意見を述べることができる。
当行の会計監査人が辞任する場合、会計監査人は当行が何らかの不適当な取引を行ったかどうかを株主に対して述
べる義務がある。会計監査人の任命、解任または不再任は、株主総会において決定され、CSRCに登録される。
利益配当
特別規定は、当行H株式の株主に対して支払われる配当金およびその他の分配は、人民元により宣言および計算
され、外貨により支払われる旨を規定する。必須条款に基づき、これらの株主に対する外貨による配当およびその
他の分配の支払いは、当行H株式の株主のために当行により任命された受領代理人を介して行われなければならな
い。
定款の変更
当行定款は、当行の株主総会の3分の2以上の賛成をもってのみ変更することができる。当行定款の変更は、当
行が関係規制および行政機関から必要な承認を取得した後にのみ発効する。当行定款の変更が当行の事業登録情報
に影響する場合、当行は免許の関連事項を変更するために関係政府部局に申請を行わなければならない。
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合併および分割
当行株主は、すべての合併および分割を承認しなければならない。当行はまた、合併または分割について政府の
承認を求めなければならない。中国において、合併は、吸収される会社の解散を伴う吸収合併または既存の当事会
社を解散し新設会社を設立する新設合併のいずれかの方法により実施することができる。
当行の株主が合併案を承認する場合、当行は合併契約を締結し、当行の貸借対照表および財産目録を作成しなけ
ればならない。当行は、合併承認決議から10日以内に合併について当行の債権者に通知して、30日以内に新聞にお
いて合併の公告をしなければならない。当行の債権者は、一定の期間内に、残債務の弁済または当該債務にかかる
担保の提供を当行に対して請求することができる。
分割の場合、当行は同様に、当行の貸借対照表および財産目録を作成し、当行の債権者に通知しなければならな
い。当行の債権者は、この場合も同様に、当行に対して残債務の弁済または担保の提供を要求することができる。
解散および清算
中国会社法および必須条款に基づき、当行は、以下のいずれかの事由が生じた場合において解散および清算され
る。
(i) 当行定款に規定する営業期間が満了した場合
(ii) 当行の解散事由として当行定款で規定する事由の発生
(iii) 当行株主総会が特別決議により当行の解散に賛成する場合
(iv) 当行の解散をもたらす合併または分割
(v) 当行が事業または経営上の重大な困難を経験し、これにより、もし当行が引続き存在し、当該困難が他の方
法により解決できないと株主の利益が重大な損失を受ける場合
(vi) 当行が法律または行政規則の違反により閉鎖命令を受けた場合
当行が上記(i)、(ii)、(iii)および(vi)の事由により解散される場合、株主総会において当行の株主は、当該事
由の発生から15日以内に清算委員会の委員を任命しなければならない。清算委員会が指定された時までに設置され
ないときは、当行の債権者は清算委員会の委員を任命するために人民法院に申請することができる。人民法院は、
その申請を受けて、清算を実施するために清算委員会を組織する。
清算委員会は、当行の債権者に対して、その設置から10日以内に当行の解散を通知し、その設置から60日以内に
当行の解散の新聞公告を行わなければならない。債権者は、法律の定める期限内に清算委員会に対してその債権を
届出なければならない。
清算委員会は、清算期間中以下の権限を行使する。
・会社の資産を精査し、貸借対照表および財産目録を作成すること
・債権者に通知し、または公告を行うこと
・会社の未成事業の処分および清算
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・すべての税残債務の支払
・会社の金銭債権債務の決済
・会社の債務を弁済した後の残余財産の処理
・民事訴訟において会社を代表すること
解散の場合、当行の資産は、清算関連の全費用、雇用者賃金、雇用者保険・法律上の補償、税残債務および当行
の一般債務の支払に充当される。残余財産は、当行の株主にそのそれぞれの持分に応じて分配される。当行の資産
が当行の負債の弁済または消滅に十分でない場合、清算委員会は人民法院に破産の申立てを行い、清算手続を人民
法院に移行させる。
当行が清算手続にある場合、当行は新規事業に従事することができない。
清算手続結了により、清算委員会は、株主総会および人民法院に確認のため清算報告書を提出することを要す
る。清算委員会はまた、国家工商行政管理総局に当行の登録の抹消を申請し、当該抹消による当行の解散の公告を
行わなければならない。
清算委員会の委員は、誠実かつ法律を遵守してその職務を遂行しなければならない。清算委員会の委員は、その
故意または重大な不履行から生じる損失について当行および当行の債権者に対して責任を負う。
株券の喪失
当行の内資株の記名式株券が喪失、盗取または破損した場合、その株主は中国民事訴訟法の関連規定にしたがっ
て、人民法院に対し、かかる株券の無効宣言の申立てを行うことができる。当該宣言がなされた場合、株主は、当
行に対して、代替株券の発行を申請することができる。
H 株式の株券の喪失について別の手続が必須条款に定められており、これが当行定款に含まれている。
「中国国外上場会社」(以下「上場会社」という。)が関連国内および外国法令を厳格に遵守すること、投資家
に対する継続開示義務の誠実な履行および国内および外国資本市場における良い企業イメージを確立することをさ
らに促進するために、国家経済貿易委員会およびCSRCは1999年3月29日、共同で「中国国外上場会社の一層の規範
的な事業および改革に関する意見」(以下「規範意見」という。)を発表した。規範意見は、上場会社とその支配
法人(「支配法人」とは法人格を有する上場会社の支配持分を有する会社または企業をいう。)の関係および上場
会社の管理組織の運営に適用される規則を定めている。
支配法人から上場会社の独立性を確保するために規範意見により課される制約は、以下を含む。
・支配法人の2名を超える上級経営陣のメンバーが上場会社の会長、副会長または執行取締役を務めておらず、
支配法人の業務執行経営陣のメンバーが上場会社の常務取締役、副常務取締役、最高財務担当役員、最高営業
役員または取締役会秘書役を務めないこと
・上場会社は半政府行政機能を廃止すること
・上場会社の監査役会は最低2名の社外監査役を有すること
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規範意見は、厳密な意味では法律ではないが、中国政府が中国の会社による海外上場の申請を承認する前に規範
意見の遵守について納得しなければならないので、中国におけるすべての海外上場会社に対して拘束力を有する。
中国における上場会社の支配法人は通常、中国政府と緊密な関係を持つ国有企業であるので、中国政府は、規範意
見が遵守されていることを確保するために、支配法人に対する内部監査を随時実施する。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は、当行の定款を要約したものである。
当行取締役およびその他の上級役員
当行株式の割当および発行を行う権限
当行定款には、当行株式の割当および発行を行う権限を当行取締役に付与する条項はない。
当行資本の増資案は、株主総会に承認のため提出されなければならない。かかる増資は、中国の管轄規制当局の
事前の許可を条件とする。
当行の固定資産を処分する権限
処分を予定する固定資産の予想価格と、当該処分提案の直前4ヵ月間に処分した固定資産により得た価額の合計
額が、株主総会において提出された直近の貸借対照表に示される固定資産価額の33%を超える場合、当行取締役会
は株主総会の承認を得ずに当該固定資産を処分し、または処分に同意してはならない。
かかる文脈において、固定資産の処分とは、抵当として固定資産を用いて担保権を設定する以外の方法による特
定の資産に対する権利の移転を含む。
当行による固定資産処分の有効性は、前段落の違反による影響を受けない。
報酬、補償金または職位の喪失に対する支払金
当行は、各当行取締役および各当行監査役とそれぞれの報酬に関する契約を書面により締結する。かかる契約の
締結前に株主総会の事前の承認を得るものとする。かかる報酬には、以下が含まれる。
・当行の取締役、監査役または上級経営陣としての業務に対する報酬
・当行子会社の取締役、監査役または上級経営陣としての業務に対する報酬
・当行および当行子会社の経営またはその他業務の提供に対する報酬
・かかる取締役および監査役に対する職位の喪失または退職に対する補償金としての支払金
上述の規定に従って締結された契約に基づく場合の他、当行取締役または当行監査役は、上記事項に関して自ら
に支払われるべき利益につき、当行に対していかなる訴訟も提起できない。
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報酬に関する当行と当行の各取締役または監査役との間の契約には、当行が買収された場合、当行の取締役また
は監査役が、株主総会における株主の事前の承認を得ることを条件として、その職位の喪失または退職に関する補
償金その他の支払金を受領する権利を有する旨が規定される。
本項における「当行の買収」は、以下の意味を有する。
・第三者による、当行の全株主に対する株式公開買付け
・第三者による、当行定款に規定された意味における支配株主となることを目的とした株式公開買付け
該当する取締役または監査役が当行定款の上記規定に従わない場合、同人が受領した一切の金額は、当該買収申
込を受けて所有する株式を売却した株主に帰属する。かかる金額を当該株主に対して按分比例により分配する上で
生じた費用は、該当する取締役または監査役が負担し、当該金額からは控除されない。
当行取締役、当行監査役、総裁およびその他上級役員に対する融資
当行は、通常の商業的条件によるものであることを条件として、関連当事者に対して融資および融資保証を提供
することができる。当行は、他の借入人に対する同種の融資の条件より有利な条件で関連当事者に融資を行っては
ならない。
上記の関連当事者とは、
・当行の取締役、監査役、経営陣、与信/借入担当従業員およびそれらの直系親族
・上記の者が持分を有しているか上級経営陣の地位を有している会社、企業およびその他経済主体
当行株式の取得に対する資金援助
当行または当行の子会社は、いかなる時も、いかなる手段によっても、当行株式を取得しようとしまたは取得を
予定している者に対して、いかなる種類の資金援助も行わない。かかる当行株式の取得者には、当行株式を取得す
るために直接的もしくは間接的に何らかの債務を負担する者も含む。
当行および当行の子会社は、いかなる時も、いかなる手段によっても、かかる取得者に対して、当該取得者が負
う債務を軽減または免除する目的での資金援助を一切行わない。
ただし、以下の行為は禁止されていない。
・当行の利益のために誠実に行われ、その主たる目的が当行株式の取得にない場合、または当行の全社的計画に
おいて付随的な一部となっている場合の当行による資金援助
・適法な配当による当行の資産の分配
・配当としての株式の分配
・当行定款に基づいた、当行の登録資本金の減資、当行株式の買戻しまたは当行の株式資本構成の調整等
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・事業の範囲内および通常の事業における当行による融資の提供(ただし、当行の純資産がこれにより減少して
はならず、または資産がこれにより減少する場合においては、資金援助は分配可能利益から供与されなければ
ならない。)。
・従業員持株制度に拠出するための当行による資金の供与(ただし、当行の純資産がこれにより減少してはなら
ず、または資産がこれにより減少する場合においては、資金援助は分配可能利益から供与されなければならな
い。)。
上記規定に関して、
・「資金援助」とは以下の意味を含む(ただし、これらに限定されない。)。
- 贈与
- 保証(債務者の債務の履行を担保するための保証人による債務負担または資産の提供を含む。)、補償
(当行自身の債務不履行に起因する補償を除く。)または免責もしくは権利放棄
- 融資の供与または当行が先履行義務を負う契約の締結、かかる融資もしくは契約の当事者の変更、および
かかる融資または契約に基づく権利の譲渡
- 当行が支払不能に陥ったときまたは純資産を有さないとき、または当行の純資産の著しい減少につながる
ような、当行によって付与されるその他の形態での資金援助
・「債務負担」には、契約または取決めの締結(それらが執行可能か否か、およびそれらが債務者単独でもしく
はその他の者と共同で負担するものであるか否かを問わない。)またはその他の方法により財務状態に変動を
生じさせる債務者による債務負担を含む。
当行との契約における利害関係の開示
当行の取締役、監査役、総裁およびその他の上級経営陣が、締結されたかまたは計画されている当行の契約、取
引または取決め(ただし、当該者自身に関する当行との役務提供契約を除く。)につき、直接または間接に重大な
利害関係を有する場合、当該者は、かかる事項が通常の場合であれば当行取締役会の承認を要するか否かにかかわ
らず、当該利害関係の性質および程度を可及的速やかに当行取締役会および当行監査役会に開示しなければならな
い。
利害関係を有する当行の取締役、監査役、総裁またはその他の上級経営陣が、当該利害関係を上記の規定に従い
当行取締役会に対して開示しており、かつ当該事項が、当該者が定足数に算入されず、かつ議決権を行使すること
ができない形での当行取締役会において承認を受けた場合を除き、当行は、かかる契約、取引または取決めは取り
消すことができる。ただし、当該取締役、監査役、総裁またはその他の上級経営陣の義務違反に気付かずに行為し
た善意の当事者に対してはこの限りではない。
当該契約、取引または取決めの締結が当行により最初に検討されるよりも前に、当行の取締役、監査役、総裁ま
たはその他の上級経営陣が、通知に明示された理由によって、当行が締結する可能性のある契約、取引または取決
めについて利害関係を持つ旨記載した書面による通知を当行取締役会へ付与する場合、かかる取締役、監査役、総
裁またはその他の上級経営陣は、上記の目的上、その通知が明らかにする範囲内において、当該者の利害関係の開
示を行ったものとみなされる。
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報酬
当行取締役の報酬については、株主総会において株主による承認を受けなければならない。上記「報酬、補償金
または職位の喪失に対する支払金」を参照されたい。
退任、選任および解任
当行は、取締役会を設置する。当行取締役会は、5名ないし17名の当行取締役により構成され、そのうち少なく
とも3名は社外非業務執行取締役とし、かつ、社外非業務執行取締役は少なくとも当行取締役会メンバーの総数の
3分の1を占めなければならない。また、総裁、副総裁またはその他役員である当行取締役は3分の1以内とす
る。当行取締役会は、会長を1名および副会長を1名置く。
当行取締役は、株主総会において選任または変更され、任期は3年とする。当行取締役の任期満了時に再選され
た場合には、当行取締役は連続した任期を務めることができる。株主総会は、当行取締役の任期満了前に、普通決
議により当行取締役を(いずれの契約に基づく損害賠償請求を侵害することなく)解任することができる。
当行取締役は、当行の株式を保有していなくてもよい。
以下の者は、当行の取締役、監査役、総裁またはその他の上級経営陣を務めることができない。
・ 民事責任を負うことができない、またはその能力が限定的である者
・汚職、贈収賄、財産の侵害もしくは横領によりまたは社会的もしくは経済的秩序を乱したことにより刑事処分
を受けた者であり、かつ、かかる刑期終了日から5年以上が経過していない者、または犯罪行為により政治的
権利を剥奪されていた者であり、かかる刑期の終了日から5年以上が経過していない者
・経営失敗により破産し、または清算された会社または企業の元取締役、元工場長または元経理(マネー
ジャー)であり、かかる会社または企業の破産に対して個人的に責任を負い、かつ、かかる会社または企業の
破産または清算の完了日から3年以上が経過していない者
・法律違反により営業許可の取消を受けた会社または企業の法律上の代表者を務め、かつかかる違反に対して個
人的に責任があり、かつかかる営業許可の取消日より3年以上が経過していない者
・信認義務の履行および職務の誠実・勤勉な履行を怠ったことにより、他の商業銀行または金融機関を解職され
た者
・高リスクの金融機関の主要役員を務め、自らが当該金融機関の営業停止または資産の喪失に責任を有していな
いことを証明できない者
・当行に延滞債務を返済していない個人または企業の従業員
・相当程度の額の個人延滞債務を有する者
・刑法違反により司法当局の犯罪捜査下にあり、かつ当該捜査が終了していない者
・法律および行政規制により、企業の指導者として行為できない者
・自然人以外の者
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・銀行および金融機関の取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣を務めることをCBIRCにより禁じられて
いる者
・現在、国務院の証券規制当局により市場への参加を禁じられており、かかる禁止が取消されていない者
・関連管轄当局により有価証券関連法令の規定に違反したとの裁定を受けた者で、かかる裁定が詐欺行為または
不誠実行為を含んでおり、かつかかる裁定から5年以上が経過していない者
当行の取締役、総裁または上級経営陣が善意の第三者に対して当行に代わってなす行為の有効性は、その現在の
地位、選任における規則違反または資格の欠如により影響を受けることはない。
当行の議決権付株式総数の3%以上を(単独または他者と共同で)保有する株主は、株主総会に書面による提案
を提出することにより当行取締役の候補者を指名することができる。ただし、当行取締役候補者の人数は当行定款
の規定に従うものとし、選出される人数を超過してはならない。株主総会は各候補者につき個別に投票を行う。
当行取締役は毎年、当行取締役会会議の3分の2以上に本人が出席しなければならない。当行取締役は、2回の
会議に連続で本人が出席しないかまたは他の当行取締役に代理出席を委任しない場合には、職務の履行を行うこと
ができないとみなされ、当行取締役会は、かかる取締役の代替を株主総会に提案するものとする。
当行定款には、定年前の当行取締役の退職または非退職に関する規定はない。
以下の者は、当行の社外取締役を務めることができない。
・当行または当行が過半数持分を有するかもしくは事実上支配している企業において役職に就いている者
・当行の議決権付株式総数の1%以上を保有する株主、またはかかる株主の支配株主もしくは事実上の支配者、
または上記の企業株主において役職(社外取締役の役職を除く。)に就いている者
・当該者の社外取締役の役職への任命に先立つ3年間に当行または当行が過半数持分を有するかもしくは事実上
支配している企業において役職(社外取締役の役職を除く。)に就いている者
・当行に延滞債務を返済していない企業において役職に就いている者
・法律、会計、監査および経営コンサルティング等の分野において当行と業務上の関係または利害関係を有する
企業において役職に就いている者
・当行に支配されるかまたは様々な方法で重大な影響を受けるその他の者
・上記の者の近親者(「近親者」とは、配偶者、親、子、祖父母および兄弟を意味する。)
・CBIRC、上場地の規制当局およびその他の規制当局が指定または決定するその他の者
当行の社外取締役の任期は3年とする。社外取締役は、任期満了時に再選され得る。社外取締役は、合計6年を
超えて当行社外取締役を務めてはならない。
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当行の社外取締役が当行取締役会の会議に3回連続で自ら出席しない場合には、当行取締役会は、かかる当行の
社外取締役の代替を株主総会に提案するものとする。
当行の社外取締役の選任は以下の方法で行われる。
・当行の取締役会、監査役会および単独または共同で当行の議決権付株式の1%以上を保有する株主は、当行の
社外取締役の候補者を指名することができる。当行の社外取締役は、株主総会における選挙で決定される。
・候補者の当行の社外取締役への指名前に、当該者の同意を取得しなければならない。指名者は、候補者の職
業、学歴、専門的資格、職歴および兼任する職務すべて等の詳細事項を十分に了知していなければならず、当
行の社外取締役としての地位に就くための候補者の資格および独立性を宣言するものとする。候補者は、自ら
と当行の間には独立した意思決定および客観的判断に影響するいかなる関係もないとの声明を公表する。
・当行取締役会は、当行の社外取締役が選任される株主総会の招集前に、適用ある規則および規定に従って、上
記の情報を公表する。
・当行は、当行の社外取締役が選任される株主総会の招集後に、候補者全員の関連資料をCBIRCに同時に提出す
るものとする。
義務
法律、行政規則または当行株式が上場される証券取引所の上場規則により課された義務に加え、当行の取締役、
監査役、総裁およびその他上級経営陣は、当行により付与された職務および権限の行使において、各株主に対して
以下の義務を負うものとする。
・当行が事業免許に規定された事業範囲を超えた行為を行わないようにすること
・当行の最善の利益のために誠実に行為すること
・いかなる方法でも当行の財産(当行にとって利益となる機会を含むがそれに限定されない。)を剥奪しないこ
と
・株主からその個人的権利または利益(配当権および議決権を含むがそれらに限定されない。)を剥奪しないこ
と。ただし、当行定款に従って株主総会に提出され、可決された当行再編に基づく場合を除く。
当行の取締役、監査役、総裁およびその他上級経営陣は、その権利の行使または義務の履行において、同様の状
況において合理的かつ慎重な者が行う場合と同様の相当な注意、勤勉および技能をもって行為する義務を負う。
当行の取締役、監査役、総裁およびその他上級経営陣は、その義務の履行において、誠実性および信頼性の原則
に則らなければならず、個人の利益と義務の相反がある立場には置かれないものとする。かかる原則には、以下の
義務の履行が含まれる(がそれらに限定されない。)。
・当行の最善の利益のために誠実に行為すること
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・自らの職務および権限の範囲内で権限を行使し、かかる権限を超えて行為しないこと
・付与された裁量権を自ら行使し、他者に操作されないこと、ならびに法律および行政規則により許可された場
合または株主総会の事前の情報開示に基づく同意がある場合を除き、自らの裁量権の行使を他者に委任しないこ
と
・同一種類の株主に公平であり、かつ異なる種類の株主に公正であること
・当行定款に別段に規定される場合または株主総会の事前の情報開示に基づく同意がある場合を除き、当行と契
約もしくは取決めを締結せず、または取引をしないこと。ただし、かかる契約、取引または取決めが当行の通
常の業務範囲内のものであり、かつ関連当事者取引管理に関する当行の規則に準拠している場合はその限りで
ない。
・株主総会の事前の情報開示に基づく同意なくして、当行の財産をいかなる方法においても自らの利益のために
使用しないこと
・自らの職務および権限を、賄賂またはその他の形態の違法所得を受領するための方法として利用しないこと、
ならびにいかなる方法でも当行の財産(当行にとって利益となる機会を含むがそれに限定されない。)を違法
に私物化しないこと
・株主総会の事前の情報開示に基づく同意なくして、当行の取引に関して手数料を受領しないこと
・当行定款を遵守し、誠実に義務を履行し、当行の利益を保護し、当行における地位、職務および権限から個人
の利益を追求しないこと
・株主総会の事前の情報開示に基づく同意なくして、いかなる方法でも当行と競合しないこと
・当行の資金を横領せず、適用ある規制に違反して他者に当行の資金を貸与せず、自らの名義または別名義で開
設した自らの口座に当行の資産を預金せず、当行の株主またはその他の個人の債務に対する担保提供のために
当行資産を違法に利用しないこと
・株主総会の事前の情報開示に基づく同意なくして、任期中に取得した当行に関する秘密情報を開示せず、かか
る情報を当行の利益以外のために利用しないこと。ただし、かかる情報は、以下の場合には裁判所またはその
他の政府当局に開示することができる。
- 法律により要求される場合
- 公益のために要求される場合
- 当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣自身のために要求される場合
当行の取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣は、以下の者または機関(以下「関係者」という。)を
もって、当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣が禁止されている行為をなさしめてはならない。
・当行の当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣の配偶者または未成年の子供
・当行の取締役、監査役、総裁もしくはその他上級経営陣または上記項目に記載された者の受託者
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・当行の取締役、監査役、総裁もしくはその他上級経営陣または上記2項目に記載された者のパートナー
・当行の取締役、監査役、総裁もしくはその他上級経営陣が個人で、または上記3項目に記載された者もしくは
当行の他の取締役、監査役、総裁もしくはその他上級経営陣と共同で、実際に支配している会社
・上記項目に記載された方法にて支配された会社の取締役、監査役、社長またはその他上級経営陣
当行の取締役、監査役、総裁およびその他上級経営陣の義務および信頼性は、必ずしも任期終了とともに終了し
ない。当行の企業秘密に関する守秘義務は、任期終了後も残存する。その他の義務の継続期間は、任期終了時から
関連事項の発生時までの経過期間ならびに当行との関係が解除された状況および条件を考慮し、公平性の原則に
従って決定される。
当行の取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣が当行に対する義務に違反した場合、当行は、法律および
行政規則が規定する権利および救済に加え、以下を行う権利を有するものとする。
・当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣に対し、義務不履行により当行が被った損害を補償するよ
う要求すること
・当行が当該取締役、監査役、総裁もしくはその他上級経営陣との間で、または(第三者が当行を代表する当該
取締役、監査役、総裁もしくはその他上級経営陣が当行に対する義務に違反していることを了知しているかま
たは了知すべき場合に)当該第三者との間で締結した契約もしくは取引を解除すること
・当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣に対し、義務不履行により発生した利益を引渡すよう要求
すること
・当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣が受領した、当行が受領するはずであった金員(手数料を
含むがそれに限定されない。)を回収すること
・当該取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣に対し、当行が受領するはずであった金員について獲得し
たかその可能性のある利息の返還を要求すること
当行の取締役、監査役、総裁またはその他上級経営陣は、当行定款に特定された状況を除き、事前の情報開示を
受けた株主総会により特定の義務違反について免責されることができる。
借入権限
当行定款には、
・当行による社債およびその他有価証券の発行を提案する権限を当行取締役に付与する規定、および
・社債およびその他有価証券の発行につき特別決議による株主総会での株主の承認を要する旨を定める規定
以外に、借入権限を行使する方法についての明確な規定がなく、またかかる権限を変更できる方法について明確
な規定がない。
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設立書類の変更
当行は、法律、行政規則および当行定款の要件に従い、その定款を変更することができる。
当行は、以下の状況のいずれかが発生した場合、当行定款を変更する。
・中国会社法、中国商業銀行法またはその他関連法令の改正後、当行定款に記載された条項のいずれかが改正法
および行政規則の規定に相反することとなった場合
・当行に一定の変更が生じ、当行定款に規定された一定の条項に相反することとなった場合
・株主総会が当行定款の改正決議を採択した場合
株主総会決議により可決された当行定款の変更は、関連当局の承認に服する。必須条款に規定された事項に関連
する変更は、国務院が授権する会社事項に関する認可当局および国務院の証券規制当局の承認に服する。当行定款
の変更が登記されなければならない場合、当行は法律に従い変更登記を行う。
株式
当行は、常に普通株式を有するものとする。当行は、優先株式又はその他の種類の株式を、国務院が認可する審
査認可当局の承認を得て有することができる。優先株式とは、会社法に基づき、一般に規定される普通株式以外
に、別途規定されるその他の種類の株式をいう。かかる優先株式の保有者は、普通株式の保有者に優先して当行の
利益および 残余財産の分配を受ける権利を有する。ただし、かかる優先株式の保有者の有する当行の経営および意
思決定に参加する権利ならびにその他の権利は制限されるものとする。
種類株式の既存株主の権利の変更
当行の異なる種類の株式を保有する株主は、種類株式の株主である。異なる種類の株主は、法律、行政規則およ
び当行定款に従って権利を享受し、義務を負うものとする。
他の種類株式の株主に加え、国内投資株式および海外上場外国投資株式の株主は、異なる種類株式の株主とみな
される。
設立株主が保有する当行株式は、国内外の双方で取引可能な普通株式であり、他の株式すべてと同一かつ同等の
権利を享受する。国務院または国務院が授権する認可当局の承認を得て、かかる普通株式は、その全部または一部
が譲渡されるかまたは海外上場外国投資株式に転換され、海外の証券取引所で公開取引することができる。設立株
主が保有する当行株式の譲渡または海外上場外国投資株式への転換は、上場地の規制当局の承認または当行の他の
株主の承認を要しない。
当行による種類株式の株主の権利の変更または廃止案は、株主総会における株主の特別決議および当行定款に従
い別途開催される、当該種類株主の種類株主総会における承認を受けるものとする。ただし、国内外の法律、行政
規則もしくは上場地の規則の改正または国内外の規制当局が発表した決定もしくは命令によって一定の種類株主の
権利が変更または廃止される場合には、株主総会または種類株主総会における承認を要しない。
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以下の各号の状況に該当する場合、種類株主の権利は変更または廃止されたとみなされる。
・当該種類株式の増減または当該種類株式が享受するのと同等またはそれ以上の議決権、分配権その他特別な権
利を伴う種類株式の増減
・当該種類株式の全部もしくは一部のその他の種類株式への交換の実施、または別の種類株式の全部もしくは一
部の当該種類株式への転換もしくは転換権の付与
・当該種類株式に付される未払配当金または累積配当金に対する権利の解除または縮小
・当該種類株式に付される配当優先権または当行清算中の残余財産分配優先権の縮小または解除
・当該種類株式に付される転換権、オプション、議決権、譲渡権、引受権または当行証券の取得権の拡大、解除
または縮小
・当該種類株式に付される、特定の通貨により当行から支払金を受領する権利の消滅または縮小
・当該種類株式が享受するのと同等またはそれ以上の議決権、分配権その他特別な権利が付される新たな種類の
株式の創出
・当該種類株式の譲渡もしくは所有に対する制限またはかかる制限の強化
・当該種類もしくは別種類の当行株式を引き受けまたは当該種類もしくは別種類の当行株式に転換する権利の発
行
・別の種類の株式に対する権利または特別な権利の拡張
・再編中に、異なる種類の株主に異なる程度の責任を負担させることとなる当行の再編
・当行定款に含まれる「種類株主決議の特別手続」に関する規定の変更または廃止
利害関係を有する株主(以下に定義する。)は、種類株主総会における議決権を有さない。
種類株主総会決議は、当該種類株主総会において出席し、かつ種類株主総会において議決権を有する種類株主の
議決権総数の3分の2以上の賛成をもってのみ可決される。
当行が種類株主総会を招集する場合、当該種類の株主名簿に登録されているすべての種類株主に対して、当該種
類株主総会における議事ならびに会日および会場を通知した招集通知を種類株主総会の会日の45日前までに書面に
より付与する。種類株主総会に出席する意思を有する種類株主は、会日の20日前までに、書面により当行に総会出
席の旨を回答する。
種類株主総会の招集通知は、当該種類株主総会における議決権を有する種類株主に対してのみ送付すれば足り
る。
種類株主総会は、株主総会の方法と可能な限り同じ方法により運営される。当行定款上の株主総会の運営方法に
関する規定は、種類株主総会についても適用される。
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以下の各号のいずれかに該当する場合、種類株主総会における決議のための特別手続きは適用されない。
・株主総会において特別決議による株主の承認を受け、当行が、12ヵ月毎の間隔で個別または同時に国内投資株
式および海外上場外国投資株式を発行し、発行される国内投資株式および海外上場外国投資株式がそれぞれの
発行済株式数の20%以下に相当する場合
・国内投資株式および海外上場外国投資株式の発行計画が、国務院の証券規制当局による認可を受けた日から
15ヵ月以内に完了する場合
・国務院または国務院が授権する認可当局の承認を得て、設立株主が保有する当行株式が譲渡されるかまたは海
外上場外国投資株式に転換され、海外の証券取引所で公開取引が可能となる場合
種類株主の権利に関する規定上、「利害関係を有する株主」とは以下の各号の株主をいう。
・当行定款に基づく、当行の全株主を対象とする按分比例による一斉買戻しまたは証券取引所における公開取引
による当行株式の買戻しの状況においては、当行定款に定義された支配株主が「利害関係を有する株主」とな
る。
・当行定款に基づく証券取引所外で行う相対取引による当行株式の買戻しの場合は、当該契約に関係する株式の
保有者が「利害関係を有する株主」となる。
・当行の組織再編の場合は、再編案に基づき同一の種類の株主に課せられた義務よりも軽い義務を負う株主、ま
たは同再編案において同一の種類の他の株主の一般的利害関係とは異なる利害関係を有する株主が「利害関係
を有する株主」となる。
決議-過半数を要する
株主総会における決議は、普通決議と特別決議とに区分される。
普通決議は、当該総会に出席している株主(代理人を含む。)により表象される議決権の過半数の賛成票により
可決される。
特別決議は、当該総会に出席している株主(代理人を含む。)により表象される議決権の3分の2以上の賛成票
により可決される。
優先株式の株主の種類株主決議については、優先株式の議決に関する当行定款の特別規定にも従うものとする。
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議決権
普通株式の株主(代理人を含む。)は、株主総会において、保有する議決権付株式の数に応じて議決権を行使す
ることができ、各株式には1個の議決権が表象される。優先株式の株主(代理人を含む。)が普通株式の株主とは
別に種類株主決議を行うときは、各優先株式には1個の議決権が表象される。
以下のいずれかの事由を除いては、優先株式の株主は、株主総会の会議には出席せず、またその保有する株式に
議決権はない。
1.優先株式と関連する当行定款の条項を改正する場合
2.一回の又は累計の当行の登録資本の減資が当行の登録資本の10%を超える場合
3.当行が合併、分割、解散し、または会社形態を変更する場合
4.優先株式を発行する場合
5.当行定款に規定するその他の事由
上記の事項の決議については、会議に出席した普通株式の株主(議決権が回復した優先株式の株主を含む。)が
保有する議決権の3分の2を超える議決もって可決しなければならないことに加え、さらに会議に出席した優先株
式の株主(議決権が回復した優先株式の株主を含まない。)が保有する議決権の3分の2を超える議決をもって可
決しなければならない。
当行が累計して3会計年度または連続して2会計年度、約定に基づき配当金を支払わない場合、株主総会が約定
に基づき当年の利益を分配しないとする旨を承認した翌日から、優先株式の株主は、株主総会に出席し、普通株式
の株主と共に議決する権利を有するものとする。優先株式の議決権が回復した後、かかる優先株式の各保有者は、
疑似転換価額に基づくかかる優先株式の擬似転換から生じる議決権数の権利を有するものとする。当初の疑似転換
価額は、優先株式の発行についての取締役会決議が公告される20取引日前の当行の普通株式の平均取引価格とす
る。疑似転換価額に適用される調整方法と、当行定款第15条に規定する強制転換価額に適用される調整方法は、一
致するものとする。優先株式の株主の回復した議決権は、当行により、当年の配当金が全額支払われるまで継続す
るものとする。
当行定款に株主の議決権について制限がある場合には、かかる制限によるものとする。当行が保有する当行株式
には議決権は付されていない。
総会での議決権数による採決においては、2議決権以上有する株主(代理人を含む。)は、すべての票を統一的
に行使する必要はない。
賛否同数の場合、総会の議長には、1票の追加投票権が付与される。
年次株主総会の要件
年次株主総会は、毎年1回、前会計年度終了後6ヵ月以内に開催され、当行取締役会により招集され、当行取締
役会会長により主宰される。
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会計および監査
当行は、法律、行政規則ならびに金融業規制当局によって策定された中国において一般に公正妥当と認められた
会計基準およびCBIRCにより公布された規則に従い、会計制度を確立する。
当行の財務報告書は、年次株主総会の開催日の20日前に株主の縦覧に供される。各株主は、財務報告書の写しを
入手する権利を有する。
当行の財務書類は、中国の一般に公正妥当と認められた会計基準および法令に従って作成されるほか、国際会計
基準または中国国外の当行株式の上場地の会計基準に従って作成される。2種類の会計基準に従って作成された財
務書類間に重大な相違がある場合は、かかる相違についてそれらの財務書類の注記に記載する。任意の会計年度に
当行が税引後利益を分配する際には、かかる2つの財務書類に記載されたうち低い方の税引後利益が適用される。
当行が公表もしくは開示する中間決算または中間財務情報の作成および提示もまた、中国の一般に公正妥当と認
められた会計基準および法令に従うほか、IFRSまたは中国国外の当行株式の上場地の会計基準のいずれかに従って
作成されなければならない。
当行は、財務報告書を各会計年度に2度公表する。すなわち、中間財務報告書は各会計年度の上半期終了後60日
以内に、年次財務報告書は各会計年度終了後120日以内に公表される。
株主総会の招集通知および総会における議事
株主総会は、年次株主総会と臨時株主総会とに分類される。
以下の状況のいずれかの発生から2ヵ月以内に臨時株主総会が招集される。
・当行取締役の人数が中国会社法に規定された人数または当行定款が要求する人数の3分の2を下回った場合
・当行の未補填損失額が当行の払込済資本金総額の3分の1に達した場合
・当行の議決権付株式総数の10%以上を単独または他者と共同で保有する株主が臨時株主総会の招集を要求した
場合
・当行取締役が必要と判断した場合または当行監査役会が株主総会の招集を要求した場合
・半数以上の当行の社外取締役(2名以上)が臨時株主総会の招集を要求した場合
・半数以上の当行の社外監査役(2名以上)が臨時株主総会の招集を要求した場合
当行の議決権付株式総数の3%以上を単独または他者と共同で保有する株主は、株主総会招集の10日前に当行取
締役会に特別議案を提案し、書面により提出する権利を有するものとする。当行は、かかる議案の受領後2日以内
に他の株主に通知し、当該議案が株主総会における株主の責務の範囲内の事項である場合、当該議案を株主総会の
議案に含めるものとする。
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当行が株主総会を招集するときは、会日の45日前までに、当該総会の議事ならびに会日および会場を通知する書
面による招集通知を株主総会に出席する権利を有する登録株主全員に対して付与する。総会に出席する意思を有す
る株主は、会日の20日前までに、書面により当行に総会出席の旨を回答する。
関連する法令、上場地の規則および当行定款に別段に規定されない限り、公告によっても株主総会の招集通知を
行うことができる。かかる公告は、会日の45ないし50日前の期間において、国務院証券規制当局または上場地の証
券規制当局が指定する1社以上の新聞、刊行物またはその他定評あるマスメディア上でなされるものとする。公告
がなされた場合、すべての国内投資株式の株主は当該株主総会の通知を受領したものとみなす。
通知を取得する権利を有する者に対して偶発的に招集通知が送達されなかったこと、または当該者が通知を受領
していないことにより、株主総会および株主総会で採択された決議が無効となることはない。
株主総会の招集通知は、以下の要件を満たしていなければならない。
・書面によること
・株主総会の場所および日時を指定すること
・株主総会の出席資格を有する株主の持分の登録日を記載すること
・株主総会の議案を説明すること
・議案について、株主が十分な情報に基づき決定を下せるよう、必要な情報提供および説明を行うこと。かかる
原則は、当行による他社との合併、株式の買戻し、株式資本の再編またはその他の組織再編(それらに限定さ
れない。)に関する議案にも適用され、提案する取引の条件および契約(もしあれば)を提示しなければなら
ず、かつ当該取引の理由および効果を誠実に説明しなければならない。
・議題に関して当行の取締役、監査役、総裁またはその他の上級経営陣が有する利益相反の性質および範囲(も
しあれば)を開示し、当該議題が株主としての当該取締役、監査役、総裁またはその他の上級経営陣に及ぼす
影響が同一の種類の株主の利害関係に及ぼす影響と異なる場合は、その影響の性質および範囲について説明す
ること
・総会において提出される特別決議案の全文を記載すること
・総会に出席し議決権を行使することのできる株主は、自身に代わり総会に出席し議決権を行使する1名以上の
代理人を指名する権利を有し、かつ代理人は株主である必要がないことを明示すること
・当該総会に関する議決権行使委任状の提出時期および提出先を明示すること
・総会について常設された連絡先担当者の氏名および電話番号を記載すること
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当行は、株主総会会日の20日前までに株主より受領した書面による回答に基づき、当該総会に出席する意思を有
する株主により表象される議決権付株式数を算定する。総会に出席する意思を有する株主により表象される議決権
付株式数が、当行の議決権付株式総数の半数以上に達する場合、当行は総会を開催することができる。この条件が
満たされない場合、当行は、5日以内に、公告により株主に対して当該総会の議事、会場および会日につき再度通
知を行う。当行は、かかる通知の公告後に総会を開催できる。かかる公告は、関連規定に準拠した新聞になされる
ものとする。
臨時株主総会は、招集通知または公告に明記していない事項を決定してはならない。
特別決議による株主総会の事前の承認なくして、当行は、当行の取締役、監査役、総裁またはその他の上級経営
陣以外の者に対して、当該者に当行の重要な業務管理の全部または一部を委任する契約を締結してはならない。
次の各号の事項は、株主総会において普通決議により決議される。
・当行取締役会および当行監査役会の業務報告
・当行取締役会により作成された利益処分案および損失処理案
・当行取締役会および当行監査役会の構成員の任命・解任(従業員代表監査役を除く。)、報酬およびその支払
方法
・当行の年次予算案および最終予算、貸借対照表、損益計算書ならびにその他の財務書類
・会計監査人の任命、解任および契約解除
・法律、行政規則または当行定款に従って特別決議により採択されるべき事項以外の事項
次の各号の事項は、特別決議により承認される。
・当行の登録資本の増資または減資ならびにあらゆる種類の株式、ワラントおよびその他これらに準ずる証券の
発行
・当行社債の発行
・その他有価証券の発行計画または上場計画
・1年以内に行われる当行の総資産の30%超の金額を有する重要な資産または担保権の購入または売却
・当行の分割、合併、解散、清算または組織再編
・当行定款の改正
・当行株式の買戻し
・株式報奨制度
・その他、法令、当行定款およびその性質上当行に重大な影響を及ぼす可能性があるため特別決議により採択さ
れるべき事項であるとして株主総会において普通決議により規定される事項
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株式譲渡
法律および行政規則に別段に規定されない限り、またCBIRCにより要求されない限り、当行の株式は法律に従っ
て制限なしに自由に譲渡可能である。全額払込済の海外上場外国投資株式については、当行定款に規定されている
要件が満たされない限り、当行取締役会は譲渡証書の受諾を拒否することができ、かつかかる拒否について理由の
説明を行う必要はない。
株主名簿のいかなる部分に対する修正または改正も、かかる株主名簿が保持されている場所の法律に従って行わ
れる。
株式譲渡による株主名簿に対するいかなる変更も、株主総会の期日前の30日以内、または当行の配当基準日前の
5日以内には行うことができない。
法人または個人が当行の発行済株式の5%以上を購入する場合、CBIRCの事前の承認を得なければならない。
当行自己株式買戻しに関する当行の権能
当行は、適用ある法律、行政規則および上場地の上場規則により許可された場合には、当行定款に定める手続に
従って得られた承認ならびにCBIRCおよびその他管轄規制当局の承認を得た上で、以下の状況において当行株式の
買戻しを行うことができる。
・当行の減資のために株式を消却する場合
・当行の株式を保有する他社と合併する場合
・報酬として従業員に株式を付与する場合
・当行の統合および分割に関する株主総会決議に異議を唱える株主が保有する株式の買戻し請求がある場合
・その他法律および行政規則により認められた状況
当行は政府関係当局の承認を受けて以下の方法のいずれかにより株式を買戻すことができる。
・株主全員に対するその持分に応じた株式の買戻しの申出
・証券取引所における公開取引による株式の買戻し
・証券取引所外での相対取引による株式の買戻し
当行が相対取引によって自己株式を買戻す場合、当行定款に従って、事前に株主総会の承認を得なければならな
い。当行は、上記と同様に得られた株主の事前承認により、締結済みの買戻しに関する契約を解除もしくは変更
し、またはかかる契約による権利を放棄することができる。
上記段落の目的上、株式の買戻契約には、買戻義務が引受けられ、買戻権が取得される契約が含まれる(がそれ
らに限定されない。)。
当行は、自己株式の買戻契約または当該契約に基づくいかなる権利も譲渡してはならない。
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当行は、自社株式の買戻しにより買戻した株式が消却された場合において、 当行の登録資本に変動があったとき
は、 登録資本の変更の登記を国家工商行政管理総局に申請しなければならない。
当行登録資本金の額は、消却された当行株式の額面総額に応じて削減される。
当行が清算手続中でない限り、当行は当行発行済株式の買戻しに関しては下記の条項に準拠しなければならな
い。
・当行が額面金額で自己株式を買戻す場合、その支払いは当行の分配可能利益またはかかる旧株の買戻しを行う
目的で発行される新株式の発行手取金からなされる。
・当行が額面金額にプレミアムを付した額で自己株式を買戻す場合、その額面金額分の支払については当行の分
配可能利益またはかかる旧株の買戻しを行う目的で発行される新株式の発行手取金からなされる。額面金額を
超過する部分についての支払は、以下のように処理される。
- 買戻される当行株式が額面金額で発行されていた場合には、かかる支払は当行の分配可能利益からなされ
る。
- 買戻される当行株式が額面金額を超過する価額で発行されていた場合には、かかる支払は当行の分配可能
利益またはかかる旧株の買戻しを行う目的で発行される新株式の発行手取金からなされるが、新株式の発
行手取金から支払われる金額は買戻された当行株式の発行時に当行が受領した超過金総額を上回ってはな
らず、また買戻し時点における当行の資本準備金勘定の金額(新株式の額面超過金を含む。)を上回って
はならない。
・以下に関する当行による支払いは、当行の分配可能利益から行われる。
- 当行株式の買戻権取得
- 当行株式の買戻契約の変更
- 株式買戻契約に基づく当行の義務の免除
・当行の登録資本金が関連規則に従い消却済株式の額面総額分減じられた後、額面金額で株式を買戻すために当
行の分配可能利益から控除した金額は、当行の資本準備金勘定に振替えられる。
当行子会社が当行株式を所有する権限
当行定款に、当行子会社による当行株式の保有を制限する条項はない。
配当およびその他の利益分配方法
当行の利益分配は、以下の原則に基づくものとする。
1.当行は株主の利益率を十分に考慮すると共に、当行の長期的利益、全株主の全体的な利益および当行の持続
可能な発展も考慮する。
2.当行は、当行定款に規定された比率に従った利益の分配を毎年行う。
3.当行は、現金配当を利益分配の優先的形態として採択する。
4.利益分配方針は、継続性および安定性を維持する。
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普通株式を保有する株主に関する当行の利益分配方針は以下の通りである。
1.当行は、現金、株式、または現金と株式の組合せを、分配の形態として採択することができる。
2.特別の事由がある場合を除き、当行は、当該年度に利益が存在し、累積未処分利益がプラスである場合は分
配の形態として現金を採用し、かつ現金の分配は、当行の税引後普通株主帰属利益の10%以上であるものとす
る。特別の事由には、当行の重要な投資、当行の自己資本比率が中国銀行業監督管理委員会およびその他の規
制当局の要件に満たない場合、もしくは中国銀行業監督管理委員会ならびにその他の規制当局が当行の配当を
制限するための規制措置を課す場合、または戦争、天災および当行の業務に多大な影響を与えるその他の不可
抗力事象を含む。
3.当行が好調に運営されており、取締役会が当行の株価が当行の株式資本の規模に相関しないと見なしてお
り、株式配当が当行の全株主の利益全体の拡大をもたらす場合、上記の現金配当の要件が満たされていること
を条件として、取締役会は株式配当の計画を提案することができる。株式による利益分配は、株主総会での決
議により採択され、中国銀行業監督管理委員会に報告しその承認を受ける。
不可抗力事象(戦争および天災、規制方針の大幅な変更、当行の事業に大きな影響を与える外部事業環境の
変化または当行の事業状況の大幅な変化等)が生じた場合、当行は利益分配方針を修正することができる。
取締役会は、当行の利益分配方針の修正に関する特別論文(disquisition)を作成し、修正の詳細な理由を
示し、さらに修正についての報告書を作成する。それと同時に、社外取締役の意見を求め、特別決議の承認を
受けるため当行の株主総会に提出する。適用ある法律、行政規則および上場している取引所の上場規則の下で
許可を受けている場合、利益分配方針の修正を考慮する際に、当行は株主にオンライン投票を提案する。
当行の利益分配計画は、総裁により策定され、検討材料として取締役会および監査役会に提出される。取締
役会は、利益分配計画の根拠について十分に検討した後に、決議し、承認を求めるためその決議を株主総会に
提出する。適用ある法律、行政規則および上場している取引所の上場規則の下で許可を受けている場合、利益
分配方針の修正を考慮する際に、当行は株主にオンライン投票を提案する。
現金配当が、前述の特別の事由ゆえに当行定款に規定された比率に達しない場合、取締役会は、株主総会の
決議案においてその理由を説明する。
当行が、前述の特別の事由ゆえに現金配当の分配を行わない場合、取締役会は、非分配、準備金の具体的な
使途、期待投資収益率およびその他の関係する事項に関して、特別な声明を発表する。かかる声明は、意見を
求めるため独立役員に提出され、承認を求めるため株主総会に提出される。前述の声明は、当行が選択するメ
ディアにも開示される。
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当行の株主総会において現金による利益分配に関する決議の承認後、当行は、株主総会から2ヵ月以内に配
当金の分配を完了する。配当が株式により分配される場合には、かかる分配は、株主総会において決議が採択
され、承認を受けてから2ヵ月以内に完了しなければならない。株式払込請求前に株主により払込済の金額に
は利息が付されうるが、それによって株主は、かかる払込済の金額に関してかかる金額の満期日前に宣言され
る配当分配に参加する資格を有するわけではない。
優先株式を保有する株主に関する当行の利益分配方針は以下の通りである。
当行の優先株式を保有する株主は、普通株式を保有する株主に優先して、約定した額面配当率に従い利益分
配を受ける権利を有するものとする。当行は、優先株式を保有する株主に対し、現金で配当金を支払わなけれ
ばならず、また、優先株式を保有する株主に対し約定した配当金を全額支払うまで、当行は普通株式を保有す
る株主に対し、利益を分配してはならない。
当行の発行した優先株式の配当率は、適法なブックビルディング方式に従い確定される。当行の非公開に発
行された優先株式の額面配当率は、発行前の直近の2会計年度の当行の年平均の加重平均純資産収益率より大
きくなってはならない。
当行の優先株式の配当金は、累積しないものとする。即ち、優先株式を有する株主に対し支払われなかった
配当金の不足額は、次の年度に持ち越されないものとする。
当行の発行した優先株式を保有する株主に対し、約定した配当率に従い配当金が支払われた後は、かかる優
先株式を保有する株主は、普通株式を保有する株主とともに残余利益の分配には参加しない。
当行は、優先株式の配当金の支払いを取り消す権利を有し、かかる取消しは債務不履行とならない。当行
は、取り消した配当金をその他の期限の到来した債務の返済に用いることができる。かかる取消しは、普通株
式を保有する株主に対する利益分配の制限を構成する以外は、当行に対してその他の制限を構成するものでは
ない。
当行は、中国国外で上場された外国投資株式の受取代理人を任命し、かかる受取代理人は当該株主の代理と
して、分配された配当金および中国国外で上場された外国投資株式に関して支払われるその他の金員を受領す
る。
香港で上場された外国投資株式の保有者の代理として当行に任命された受取代理人は、「受託者条例」に基
づく信託会社として登録された会社とする。
関連する中国法、行政規則および規則に準拠した上で、当行は、請求のない配当を剥奪することができる
が、かかる剥奪は、配当の宣言から6年の期限または適用ある法律によるより短い期限の経過後にのみ行使す
ることができる。
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代理人
当行の総会に出席しかつ議決権を行使できる株主は、自らに代わり出席しかつ議決権を行使する代理人として1
名以上の者(株主であると否とを問わない。)を指名する権利を有する。かかる代理人は、その委任に従い、以下
の各号の権利を有する。
・株主総会における株主の発言権
・単独または共同で議決権数による採決を要求する権利
・挙手または議決権数により議決権を行使する権利。ただし、2名以上の代理人を指名している株主の代理人
は、議決権数によってのみ議決権を行使できる。
株主は、株主もしくは書面により株主に授権された代理人の署名を付した書面により、代理人を指名する。株主
が法人である場合、社印を押捺するかその取締役もしくは適法に授権された代理人が署名を行う。
法人株主の場合、当該法人の法定代表者、または当該法人の法定代表者により株主総会に出席する権限を付与さ
れた者が代理人となる。株主総会に参加する当該法人の法定代表者は、身分証明書、法人株主の法定代表者である
ことを証明する証明書および株式保有証明書を提示する。代理人が株主総会への出席を委任された場合、代理人
は、身分証明書、法人株主の法定代表者が発行した書面による議決権代理行使委任状または授権書および株式保有
証明書を提示する。
株主が代理人に株主総会への出席を委任するために発行される議決権代理行使委任状には、以下を記載しなけれ
ばならない。
・代理人の氏名
・代理人の議決権
・株主総会の議事で審議される個々の議案に対して、株主が決議に賛成、反対または棄権する旨を記載した指示
・株主総会の議事に組入れられる可能性のある特別動議に対する代理人の議決権の有無。議決権を有する場合
は、いかなる議決権を行使すべきかについての具体的指示
・委任状の発行日付および有効期間
・株主または書面により委任された代理人の署名または印章。株主が法人である場合、委任状には社印を押捺
し、その取締役またはその適法に授権された代理人が署名しなければならない。
代理人を指名するために当行取締役会が株主に対し発行する委任状の書式は、当該株主が代理人に対し投票の賛
否の指示ができ、かつ株主総会で審議される各議題について個別の指示を付与できる自由な選択肢を付与するもの
とする。かかる委任状用紙には、株主からの指示がなければ、代理人が適当であると思料するとおりに投票できる
旨を記載する。
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議決権委任状の条件に従い付与された議決権は、株主が死亡し、行為能力を喪失し、議決権行使前に代理権もし
くは署名した証書を取消し、または議決権行使前に当該株式が譲渡された場合にも、代理権議決行使委任状の条項
に従い投じた議決権は有効である。ただし、当該株主総会の開始前に当行がかかる事由に関する書面による通知を
受領している場合にはその限りでない。
株主の権利(株主名簿閲覧の権利を含む。)
当行の株主は、以下の権利を享受する(当行定款に優先株式の株主の権利について 別途規定がある場合には、か
かる規定によるものとする。) 。
・所有株式数に応じて配当その他利益分配を受領する権利
・株主総会に出席する権利または代理人に株主総会の出席を委任する権利
・所有株式数に応じて議決権を行使する権利
・当行の事業運営を監督し、それに従って提案および質問を提起する権利
・法律、行政規則および当行定款に従い株主が保有する株式を譲渡、寄付または質入れする権利
・以下の権利を含む、法律、行政規則および当行定款に従い関連情報を入手する権利
- 関連費用の支払後、当行定款の写しを取得する権利
- 合理的な費用の支払後、以下の書類を閲覧し複写する権利
1. 株主総会議事録
2. 当行の株式資本状況および債券の副本
3. 当行が公表した財務・会計報告および中間報告書ならびに年次報告書
4. 株主名簿の全部
5. 前会計年度末以降当行が買戻した自己株式の種類ごとの額面総額、数、最高価格および最低価格、な
らびにかかる目的のために当行が支払った費用を示す報告書
・当行の解散または清算時にその所有する株式数に応じて残余財産の分配に参加する権利
・法律、行政規則および当行定款により許可されるその他の権利
株主総会および種類株主総会の定足数
当行は、株主総会会日の20日前までに株主より受領した書面による回答に基づき、当該総会に出席する意思を有
する株主により表象される議決権付株式数を算定する。総会に出席する意思を有する株主により表象される議決権
付株式数が、当行の議決権付株式総数の半数以上に達する場合、当行は総会を開催することができる。この条件が
満たされない場合、当行は、5日以内に、公告により株主に対して当該総会の議事、会場および会日につき再度通
知を行う。当行は、かかる通知の公告後に総会を開催できる。かかる公告は、関連規定に準拠した新聞になされる
ものとする。
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種類株主総会に出席する意思のある種類株主が有する議決権が当行の当該種類の議決権付株式総数の過半数と
なった場合、種類株主総会を開催することができる。この条件が満たされない場合、当行は、5日以内に、公告に
より株主に対して当該種類株主総会の議事、会場および会日につき再度通知を行う。当行は、かかる通知の公告後
に種類株主総会を開催できる。
かかる公告は、関連規定に準拠した新聞になされるものとする。
詐欺行為または強迫に関する少数株主の権利
支配株主は、法律、行政規則または当行株式の上場地の上場規則により課される義務に加え、議決権行使の際
に、下記のような当行の他の株主の全部または一部の利益を侵害する決定をなしてはならない。
・当行取締役または当行監査役を、当行の最善の利益の下に誠実に行為しなければならないという義務から免除
すること
・方法を問わず、当行取締役または当行監査役が、本人の利益のためまたは他者の利益のために、当行資産(当
行にとって利益となる機会を含むがこれに限定されない。)を剥奪することを承認すること
・当行取締役または当行監査役が、本人の利益のためまたは他者の利益のために、他の株主の権利を剥奪するこ
とを承認すること。かかる権利には分配の権利および議決権を含むがこれらに限定されない(ただし、当行定
款に従って株主総会に提出され、株主総会において承認された当行の再編に基づく場合を除く。)。
当行定款において、「支配株主」とは以下の条件のいずれかを満たす者を意味する。
・単独でまたは他者と共同で、当行取締役の過半数を選任する権利を有する者
・単独でまたは他者と共同で、当行の議決権の30%以上を行使する権能またはかかる行使を支配する権能を有す
る者
・単独でまたは他者と共同で、当行株式の30%以上を所有する者
・単独でまたは他者と共同で、その他の方法で当行の事実上の支配権を取得しうる者
清算手続
当行は、以下のいずれかの事由が発生した場合、法律に基づき解散し、清算される。
・株主総会において解散決議が可決された場合
・当行の合併または分割に伴い解散が必要となった場合
・当行が、支払期限の到来した債務を弁済できず法律上の破産宣告を受けた場合
・当行が、業務および経営において深刻な危機に陥り、引き続き存続することで株主利益に重大な損失をもたら
し、かつ他の解決方法の追求が不可能である場合において、当行の議決権付株式の10%以上を保有する株主の
請求で裁判所により解散された場合
・当行が、法律または行政規則違反により法律上閉鎖を宣告された場合
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当行取締役会が(破産宣告による清算以外の場合)当行の清算を決定する場合、当該提案を審議するために招集
される株主総会の通知に、当行取締役会が当行の状況を精査した結果、当行が清算の発表から12ヵ月以内にその債
務を全額弁済できると判断している旨の記述を記載する。
当行の解散および清算は、中国会社法および中国商業銀行法のもとで規定される関連規定に準拠するものとす
る。
当行の清算決議が株主総会により採択されたときに、当行取締役会の職務および権限は直ちに停止する。
当行は、清算期間中は、新事業に従事することはできない。
清算委員会は、株主総会の指示に従い、毎年最低1回株主総会に対し、清算委員会の収支、当行の事業および清
算の進捗状況について報告し、かつ、清算完了時に株主総会に対し最終報告を提出しなければならない。
当行および当行株主にとって重要なその他の条項
総則
当行は、存続期限のない有限株式会社である。
当行定款が効力を生じた日より、当行定款は当行の組織および活動、ならびに当行と各株主の間の権利および義
務、さらに株主間の権利および義務を規制する法的に拘束力を有する公文書となる。
当行は、法律に従って他の有限責任会社および株式会社に投資することができ、投資先に対する当行の責任は当
該投資先への資本出資額に限定される。
当行はその業務上および事業展開上の必要性に鑑み、かつ関連法および行政規則に従い、株主総会の個別の決議
およびCBIRCの承認の取得後、以下の方法により株式資本を増加させることができる。
・公募
・私募
・既存株主に対する新株式の発行
・既存株主に対する株式配当
・資本準備金の繰入
・転換社債の発行
・管轄監督当局に承認されたかまたは法律および行政規則により認められたその他の方法
当行の新株式発行による増資は、当行定款に従い承認された後、関連ある国法および行政規則に規定される手続
に従って行われる。
当行は、当行定款の規定に従って登録資本を減ずることができる。減資は、中国会社法、中国商業銀行法ならび
にその他の法律、行政規則および当行定款に規定される手続に従って行われる。
当行が減資を行う場合、貸借対照表および資産目録を作成しなければならない。
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当行は当行の債権者に対し当行が減資を決議した日から10日以内にその旨を通知し、かつかかる決議日から30日
以内に最低3回新聞に公告を掲載する。債権者は当行から通知を受領後30日以内に、またかかる通知を受領しな
かった債権者の場合は新聞公告の第1回目の掲載日から90日以内に、当行に対し債務の全額弁済または返済に対す
る相応の保証の提供を要求する権利を有する。かかる公告は、関連規定に準拠した新聞になされるものとする。
減資後の当行の登録資本金は、法定最低額を下回ってはならない。
当行の株式の株主は、以下の各号を含む義務を負う(当行定款に優先株式の株主の義務について 別途規定がある
場合には、かかる規定によるものとする。) 。
・当行定款を遵守すること
・引受株式数および引受けの方法に応じて払込金額を支払うこと
・法律および行政規則による別段の規定がない限り、株式資本の払戻をしないこと
・法律、行政規則および当行定款により課されるその他の義務を遵守すること
株主は当行の株式引受時に当該株式の引受人が合意した条件を超えて、株式資本にさらに拠出する義務は負わな
い。
当行取締役会秘書役
当行取締役会は秘書役を置く。秘書役は当行の上級経営陣である。
当行取締役会秘書役の主要な職務は以下のとおりである。
・当行取締役会の日常業務の処理において当行取締役を支援し、当行取締役と当行の関連部署との間の通信に責
任を負い、当行取締役が権限を行使し職務を遂行するために必要な情報および書類が提供されるよう確保し、
当行取締役が継続的に銀行業務に関連する規制当局の規則、政策および要件に通じているよう取り計らい、指
摘し、および確保し、当行の取締役および総裁がその権限の行使および職務の遂行において法令、上場地の証
券規制当局の関連規定、当行定款およびその他関連規定に従うことを支援すること
・当行取締役会会議および株主総会の開催手配および準備、これらへの出席をし、取締役会会議の議事録の作成
および署名責任を負い、会議においてなされた決議および決定が法的手続に準拠することを確保し、当行取締
役会決議の実施状況を積極的に監視し、関連する会議手続および適用規則に関する質問について当行取締役に
回答すること
・監査役会会議および上級経営陣の関連会議に出席すること
・当行が完全な設立書類および記録を維持することを確保すること
・当行が管轄当局が要求する書類および報告書を法律に従い作成・提出することを確保すること
・株主一覧、当行取締役会印およびその他関連情報を備置し、当行の株式の管理および信託権の登録に関連する
事項を処理し、当行の株主名簿が適切に作成され、当行の関連記録および書類に対する権利を有する者が適時
にかかる記録および書類を入手できることを確保すること
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・当行の情報開示に責任を負い、当行の情報開示が適時、正確、合法的、真正かつ完全であることを確保するこ
と
・当行取締役会のもとで設置された特別委員会の授権された権限の行使を支援すること
・市場における広報に責任を負い、訪問および応接業務を調整し、投資家との関係を処理し、規制当局、投資家
および仲介機関との関係を維持し、広報関係を調整すること
・当行の重要な戦略的決定に諮問および助言を提供すること
・当行株式が上場されている国・地域の管轄証券規制当局の適用法令および規則に従い関連する研修を行い、か
かる研修において当行取締役を補佐すること
・当行定款に規定され、または取締役会より授権されたその他の義務を履行すること
当行監査役会
当行は監査役会を有する。当行監査役会は、5名ないし9名の当行監査役から構成され、当行監査役のうち1名
が議長を務める。当行監査役会の議長の任免は、当行監査役全員の3分の2以上の投票により決定される。各当行
監査役の任期は3年とし、再選により更新することができる。当行社外監査役は、合計6年を超えて務めることは
できない。
当行の取締役、総裁、およびその他の上級経営陣は当行監査役を兼任してはならない。
当行監査役会は、当行の監査機関であり、株主総会に対して責任を有し、以下の職務を遂行する。
・取締役会が堅実な運営理念、価値原則および当行に適した展開戦略を設定するように監督する。
・当行の財務活動を検討・監督する。
・当行取締役、監査役および上級経営陣の職務の履行を監督し、取締役の選任・就任手続を監督し、取締役、監
査役および上級経営陣の職務の履行について総合的評価をし、法律、行政規則、当行定款または株主総会決議
に違反する当行取締役および上級経営陣の任免を提案する。
・当行取締役、総裁および上級経営陣に対して、当行の利益を損なう行為を是正するよう要求する。
・必要に応じて、辞職する当行取締役および上級経営陣に対する監査を行う。
・必要に応じて、当行の業務上の意思決定、リスク管理および内部統制を監査する。
・当行取締役会が株主総会に提出することを企図する財務報告、営業報告および利益の分配計画等の財務情報を
精査し、疑念があれば、当行の名義で、当該情報の再検討を支援するため公認会計士または開業監査人を任命
する。
・当行取締役、当行取締役会会長および上級経営陣に対して質疑を行う。
・当行の報酬管理体制・方針および上級経営陣報酬計画の適切性および合理性を監督し、監査役報酬(または手
当)に関する提案をし、これを審議のために株主総会に提出する。
・臨時株主総会の招集を提案し、当行取締役会が会社法に基づく株主総会の招集および主宰義務を履行しない場
合には、当該株主総会を招集および主宰する。
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・株主総会に提案を行う。
・当行を代表して当行取締役もしくは上級経営陣と交渉し、または当行取締役もしくは上級経営陣に対して訴訟
を提起する。
・法律、行政規則および当行定款に規定されるか、または株主総会により承認されたその他の職務。
当行監査役は、議決権を有さない出席者として当行取締役会会議に出席して意見を述べることができる。当行監
査役は、議決権を有さない出席者として上級経営陣会議に出席することができる。
監査役会の下に、職務履行・デューデリジェンス監督委員会および財務・内部統制監督委員会が設置されてい
る。監査役会は、必要に応じて新たな専門委員会を設置し、既存の委員会を再編することができる。監査役会の専
門委員会はすべて、監査役会に責任を負い、監査役会の職務履行に当たって監査役会を支援する。監査役会は、監
査役会の各専門委員会について議事規則を策定する。
職務履行・デューデリジェンス監督委員会は、取締役会、取締役および上級経営陣の職務履行およびデューデリ
ジェンスの監督に責任を負う。
財務・内部統制監督委員会の委員長は、社外監査役が務める。同委員会は、当行の財務管理、内部統制、リスク
管理およびコンプライアンス管理等に責任を負う。
当行総裁
当行総裁は、当行取締役会に対して説明責任を有し、以下の権限を行使する権利を有する。
・日常的な管理、業務および会計管理の責任者となり、当行取締役会に報告義務を負う。
・当行の年間事業計画および投資計画の実施を組織する。
・当行取締役会決議の執行を組織する。
・事業計画および重要な投資計画につき、上級経営陣を代表して当行取締役会に提出し、当行取締役会の承認を
得た後、それを実施する。
・当行の年次予算案および最終予算を策定し、当行取締役会に提案する。
・当行の利益処分案および損失処理案を策定し、当行取締役会に提案する。
・当行の登録資本の増減、その他有価証券の発行、上場および当行社債の発行に関する計画を策定し、当行取締
役会に提案する。
・当行の基本的な経営システム、内部管理枠組みおよび重要な下部機関の組織構造を起草し、承認のため当行取
締役会に報告する。
・当行の法律上のおよびコンプライアンス政策ならびに関連する基本経営規則を起草し、承認のため当行取締役
会に報告し、当行の基本規則を策定する。
・当行の副総裁、総裁補佐、最高財務責任者、最高リスク責任者およびその他上級経営陣の任命または解任を当
行取締役会に提案する。
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・内部部門および支店すべての役員を任免する。ただし、当行の監査部門の担当者の任免は、当行取締役会の監
査委員会が検討および承認する。
・従業員の給与、厚生、報奨および懲罰制度を検討、決定し、従業員の任免を決定するかまたは下位役員にその
権限または権能の範囲に従って授権する。
・臨時取締役会会議の招集を提案する。
・上級経営陣ならびに社内部門および支店の担当役員に対して、当行取締役会の授権のもとで事業活動を行う権
限を付与する。
・当行取締役会の特別委員会と積極的に協調し、当行定款に従って特別委員会が行った決定を実施する。
・重大な不測の事由または緊急事態の発生に際して、法律に従いかつ当行の利益のために当行の業務に関して自
由に行使可能な特別の権限を行使し、その後、当行取締役会および株主総会に報告する。
・当行定款または当行取締役会により付与されたその他の権限を行う。
総裁および経営陣は、法律、行政規則および当行定款に従って誠実に、真摯にかつ勤勉に職務を行わなくてはな
らない。
当行取締役会
当行取締役会は、以下の職務を遂行し、権限を行使する。
・株主総会を招集する責任を負い、株主総会において自らの業務について報告する。
・株主総会において可決された決議を執行する。
・当行の戦略的政策、事業計画および重要な投資計画(当行定款の規定により株主総会の承認を受ける重要な投
資計画を除く。)を決定する。
・当行の年次予算案および最終予算を編成する。
・当行の利益分配案、損失補填案およびリスク資本分配案を策定する。
・当行の登録資本の増減、その他有価証券の発行、上場および社債の発行に関する計画を策定する。
・当行の重大な買収もしくは当行株式の買戻し案または当行の合併、分割、解散もしくは再編の計画を起草す
る。
・法律、行政規則およびその他適用ある関連規則のもとで当行取締役会の承認を要する関連当事者取引を検討
し、承認する。
・当行の基本的な経営システム、内部管理枠組みおよび重要な下部機関の確立を検討し、決定する。
・当行の総裁、取締役会秘書役および特別委員会の議長を任免し、総裁の指名に従って当行の副総裁、総裁補
佐、最高財務責任者、最高リスク責任者およびその他上級経営陣を任免し、監査委員会の指名に従って主任監
査役を任免し、その報酬、報奨および懲罰を決定し、人材・報酬委員会の指名に従って特別委員会の委員を任
免する。
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・当行のコーポレート・ガバナンスの方針を展開および検討する。
・当行の法律上のおよびコンプライアンス政策ならびに関連する基本経営規則を検討および承認する。
・当行定款の改正案を策定し、承認のために株主総会に報告する。
・当行の人材および報酬戦略を精査し、当行の上級経営陣の報酬戦略を検討および決定し、上級経営陣の業績評
価に責任を負い、上級経営陣の重要な報奨および懲罰に関する事項を決定する。
・当行の情報開示方針および制度を検討および承認する。
・株主総会において、当行の監査を行う会計事務所の任命、再任または解任を提案する。
・当行の総裁および経営陣の業務報告を受け、その業務を精査する。
・定期的にまたは不定期に、外部監査人からの報告を受ける。
・管轄規制当局が発行した当行に関する是正意見書および当行の是正の実施状況を報告する。
・当行の年次報告書を検討および承認する。
・法律、行政規則および当行定款に規定されるか、または株主総会により承認されたその他の職務を遂行し権限
を行使する。
当行取締役会は、各四半期において最低1回定例会儀を開催しなければならず、会議は当行取締役会会長により
招集される。すべての当行取締役および当行監査役に対し、会議開催14日前までに会議の通知がなされ、10営業日
前までにその他の関連書類が付与されなければならない。
当行取締役会会長は、以下のいずれかの状況においては、5営業日以内に臨時取締役会を招集し、主宰すること
ができる。
・議決権付株式の10分の1以上を表象する株主が提案した場合
・当行取締役会会長が必要と考える場合
・当行取締役の3分の1以上が共同で提案した場合
・当行の社外取締役の半数以上が提案した場合
・当行監査役会が提案した場合
・当行の総裁が提案した場合
当行取締役会会議は、当行取締役の過半数(代理人を含む。)が出席する場合に限り開催される。当行取締役会
決議は、全当行取締役の過半数により可決されなければならない。
各当行取締役は1議決権を有する。
当行取締役会のもとに設置された特別委員会には、戦略開発委員会、監査委員会、リスク政策委員会、人材・報
酬委員会および関連当事者取引管理委員会が含まれる(がそれらに限定されない。)。
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会計監査人の任命
当行は、当行の年次報告書、財務書類およびその他の財務報告書を監査し、純資産の検証を行い、その他関連す
る顧問サービスを提供する、中国の関連規則に準拠した独立会計人を雇用する。当行による会計監査人の雇用期間
は、当行の年次株主総会の終了時から翌年次株主総会の終了時までの間とする。
株主総会は、会計監査人と当行の間の雇用契約規定にかかわらず、当行の会計監査人をその任期満了前に普通決
議により解任することができる。ただし、このことによりかかる解任により生じる損害(もしあれば)についての
当行に対する当該会計監査人の賠償請求権は損われない。
会計監査人の雇用、解任または再任拒否は、株主総会により決定され、国務院の証券規制当局に報告される。
会計監査人の報酬または当該会計監査人に対する報酬支払方法は、株主総会により決定される。当行取締役会に
より任命された会計監査人の報酬制度は当行取締役会が決定し、株主総会の承認を受ける。
株主に対する融資
当行は、同種の信用供与を申込む他の顧客より有利な条件で株主に信用供与をしてはならない。
当行が適用ある法律および行政規則ならびにCBIRCによる商業銀行の決済リスクに関する関連規定に規定される
流動性問題を有する場合、当行の融資を受けている当行の議決権付株式の5%以上を保有する株主は、期限の到来
した借入を直ちに返済するものとし、期限が未到来の借入も繰上げて返済すべきものとする。
当行からの信用供与について延滞している株主(特に主要株主)の議決権は、かかる信用供与の延滞期間中は無
効となり、株主総会の定足数にも含まれず、また、かかる株主が指名した取締役は、取締役会において議決権を行
使せず、取締役会の会議の定足数に含まれない。当行は、延滞貸付の返済としてかかる株主の配当を徴収する権利
を有する。当行の清算過程においてかかる株主に分配される資産もまた、当行の貸付残高の返済に優先的に充当さ
れる。
株主は、当行からの借入額の残高が前年度に保有していた株式の監査済純簿価を超過する場合には、当行の株券
を担保に供してはならない。
主要な投資および資産処分
株式投資、債券投資、資産購入、資産処分、資産償却、抵当または担保権関連のその他非商業銀行業務に関する
意思決定権限についての当行取締役会の授権の範囲は、株主総会において決定される。当行取締役会は、上記の授
権の行使に関して厳格な審査および意思決定手続を確立する。戦略開発委員会は、重要な株式投資、債券投資、資
産購入、資産処分、資産償却、抵当または担保権関連のその他非商業銀行業務を審査し、評価するために関連する
専門家を組織し、法律、行政規則および上場地の上場規則に従って株主総会に承認のため報告を行う。
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紛争解決
海外上場外国投資株式の株主と当行の間、海外上場外国投資株式の株主と当行の取締役、監査役およびその他の
上級経営陣または海外上場外国投資株式の株主とその他の株主の間において、当行定款、中国会社法またはその他
の関連ある法律もしくは行政規則により付与されまたは課される権利義務に基づいて、当行の業務に係る紛争また
は請求が発生した場合には、当事者はかかる紛争または請求の解決を仲裁機関に委ねることができる。
仲裁に付された紛争または請求は、申立人により、中国国際経済貿易仲裁委員会においてその仲裁規則に従い実
施するか、または香港国際仲裁センターにおいてその証券仲裁規則に従い実施するかを選択することができる。申
立人が紛争または請求を仲裁に付した後は、被申立人は申立人が選択した仲裁機関で仲裁を行わなければならな
い。
申立人が香港国際仲裁センターにおける仲裁を選択した場合、いずれの当事者も、香港国際仲裁センターの証券
仲裁規則に従い当該仲裁の審理を深 圳 で行われるべきことを申請することができる。
上記の紛争または請求が仲裁に付される場合、法律および行政規則に別段の定めがない限り、中国法が適用され
る。
上記の紛争または請求が仲裁に付された場合、当該請求または紛争の全部が仲裁に付されなければならず、ま
た、同一の事由により請求原因を有する者または当該紛争もしくは請求の解決のためにその参加が必要となる者で
あって、当行の株主、取締役、監査役、総裁もしくはその他の上級経営陣である者は、仲裁に従わなければならな
い。
株主の確定および株主名簿に関する紛争は、仲裁の方式によらずに解決することが出来る。
仲裁機関の裁定は、最終的かつ確定的であり、全当事者に対して拘束力を有する。
2【外国為替管理制度】
中国の法定通貨は人民元であり、外国為替管理の対象となっているため、外国為替に自由に交換することができ
ない。PBOCの権限下にある外国為替管理局は、外国為替管理規則の執行を含む、外国為替に関連する一切の事項を
管理する機能を付与されている。
1994 年、経常勘定項目における人民元の条件付交換が実施され、また、人民元の公式交換レートおよび人民元の
市場交換レートが統一された。1996年1月29日、国務院は、1996年4月1日に発効した新しい「中華人民共和国外
国為替管理規則」(以下「外国為替管理規則」という。)を公布した。外国為替管理規則は、すべての国際的支払お
よび移転を経常勘定項目および資本勘定項目に分類する。資本勘定項目とは異なり、経常勘定項目の取引は、もは
や外国為替管理局の承認を得る必要はない。続いて外国為替管理規則が、1997年1月14日に改正され、それによっ
て、中国は国際的な経常勘定の支払いおよび移転を制限してはならないことが明確になった。
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1996 年6月20日、PBOCは、1996年7月1日発効の「外国為替決済、売却および支払業務取扱管理規則」(以下
「決済規則」という。)を公表した。決済規則は、経常勘定項目に関する外国為替の交換について残存する規制を
廃止した。ただし、資本勘定項目に関する外国為替取引については、継続して既存の制限がなされる。
1994 年1月1日より、人民元についての従来の二重為替相場制は廃止され、需要および供給により決定される統
制変動相場制となった。PBOCは、毎日、人民元対米ドルの為替レートを設定し、かつ公表する。この為替レート
は、前日の銀行間外国為替市場における人民元および米ドルの取引価格を参照して決定される。PBOCはまた、国際
外国為替市場の交換レートを参照して、他の主要通貨に対する人民元の交換レートを公表する。外国為替取引にお
いて、指定外国為替銀行は、特定の範囲内において、PBOCが公表した交換レートに従い、適用交換レートを自由に
決定することができる。PBOCは、2005年7月21日以降、中国は市場の需給に基づき、かつ通貨バスケットを参照し
た管理変動相場制を導入することを発表した。人民元の為替レートはこれにより、米ドルのみにペッグされたもの
ではなくなった。PBOCは、各営業日ごとに、人民元に対して、銀行間外国為替市場で取引された外国通貨の終値を
発表し、当該金額が翌営業日の人民元に対する取引の中心レートとされる。
2008 年8月1日、国務院は外国為替管理規則を改正し、これは2008年8月5日付で施行された。かかる改正に
従って、経常勘定から生じる外国為替による収入は、中国の関連規則に従って留保するかまたは外貨の決済および
販売事業に従事する金融機関に対して売却することができる。資本勘定から生じる外国為替による収入を留保する
かまたは外貨の決済および販売事業に従事する金融機関に対して売却する際は、国の規定により承認を必要としな
いとする場合を除いて、関連の外国為替管理局から承認を取得しなければならない。
経常勘定項目に関する取引のため外国為替を必要とする中国の企業は、外国為替管理局の承認を得ることなく、
有効な受領の呈示および取引の証明により、その外国為替口座からの支払い、または指定外国為替銀行における支
払いのための人民元から他の通貨への交換を行うことができる。規則に基づき株主に対して外国為替による配当を
行うことが要求される中国の企業(当行を含む。)は、利益配当に関する当該中国企業の株主総会の決議または取締
役会の決議に基づき、その外国為替口座からの支払い、または指定外国為替銀行における支払いのための人民元か
ら他の通貨への交換を行うことができる。
直接投資および資本拠出のような資本勘定項目に関する外国為替の交換は、依然として外国為替管理局およびそ
の部署の監督のもと、関連する登録の対象である。
H 株式の配当は、人民元建で確定されるが、香港ドルにより支払われる。
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3【課税上の取扱い】
(1) 中国における租税
以下は、グローバル・オファリングに関連してH株式を購入し、これを資本資産として保有する投資家による当
該H株式の保有および処分に関連した中国における一定の税務上の取扱いの議論である。この概要は、H株式を保有
することによる重大な税務上の取扱いすべてを扱うことを企図するものではなく、また特定の投資家個々の状況を
考慮していない。本概要は、現在効力を有している中国の税法および二重課税の回避のための日本と中国との間の
合意(以下「条約」という。)に基づく。これらはすべて、今後変更される(または解釈が変更される)可能性があ
り、かかる変更は遡及的効力を有することがある。
配当に対する課税
個人投資家
中国の個人所得税法(2018年8月31日に改正され、2019年1月1日に施行されている。)に従い、中国の企業に
より支払われる配当は、通常、一律20%の税率で賦課される中国個人所得税の課税対象となる。国税発(1993)第
045号の廃止後の個人所得税の徴税および管理に関する問題にかかる国家税務総局通達(2011年6月28日に施行さ
れている。)に基づき、香港に所在する国内非外国投資企業によって発行された株式から海外に居住する株主が受
け取る配当は、個人所得税の支払いの対象となり、源泉徴収義務者によって源泉徴収される。しかし、香港に所在
する国内非外国投資企業によって発行された株式の株主で海外に居住する者は、中国と個別の居住国との間で締結
された関連する二重課税防止条約または中国本土と香港(もしくはマカオ)との間の取り決めの規定に従って、関
連する優遇租税措置を受ける資格がある。したがって、 該当する二重課税防止条約(または協定)に適用される関
連要件の充足を条件に、 当行は、関連する租税規制または租税条約により明示されていない限り、通常は、中国に
おける条約適用手続を経ずに、個人のH株株主に分配される配当の10%を個人所得税として配当源泉税を徴収す
る。
企業
2018 年12月29日付で改正および施行された中国企業所得税法(以下「企業所得税法」という。)、国務院により
公布され、2008年1月1日付で施行された中国企業所得税法詳則(以下「施行規則」という。)および2008年11月
6日に国家総務税局(以下「SAT」という。)により公布された、中国の居住者である企業がH株式を保有する海外
非居住者である企業に支払う配当に対する企業所得税の源泉徴収にかかる問題に関する中国国家税務総局通知に基
づき、中国の居住者である企業は、H株式にかかる非居住者の企業に分配する配当から10%の税率で源泉徴収税を
源泉徴収することが要求される。
租税条約
中国との間で二重課税の回避に関する租税条約を締結している国に居住している非居住者の投資家は、受け取る
配当に課税される源泉所得税の軽減を受ける場合がある。中国は現在、日本を含む多くの外国と二重課税の回避に
関する租税条約を締結している。しかしながら、日中租税条約において10%より低い配当源泉徴収税が定められて
いないため、H株式の日本株主に支払われる配当には中国国内の源泉徴収税率10%が適用される。
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キャピタル・ゲインに対する課税
個人
「中国個人所得税法」(2018年8月31日に改正され、2019年1月1日に施行されている。)に従って、株式の売
却によりH株式の個人保有者が実現した利益は、一律20%の税率による個人所得税の対象になる。中国国内税法
上、H株式の売却益を得た非居住者個人投資家に対する免税または減税措置はない。日中租税条約上、日本投資家
が当行が発行したH株式売却により得たキャピタル・ゲインに対する個人所得税について条約による保護措置はな
い。
企業
企業所得税法および施行規則に基づき、中国国内に恒久的施設を有さない企業が受領する中国企業のH株式に関
するキャピタル・ゲインには10%のキャピタル・ゲイン税が課される。中国との二重課税防止条約の中には 株式売
却によるキャピタル・ゲインについての減税または免税措置が受けられるものもあるが、上記のとおり、日中租税
条約には、株式売却により得たキャピタル・ゲインについて条約による保護措置はない。
中国のその他の税務上の取扱い
中国印紙税
中国印紙税は、「印紙税に関する中国暫定規定」(1988年10月1日施行)により、中国人以外の投資家による中国
国外でのH株式の取得・処分については適用されない。中国印紙税は、中国国内において作成または受領され、中
国において法的拘束力を有し、かつ同国の法律の保護を受ける文書に対してのみ課税される旨規定している。
遺産税
中国の法律に基づく遺産税の納税義務は、H株式を保有する中国人以外の投資家については発生しない。
(2) 香港における租税
配当
香港内国歳入省の現行実務のもとでは、当行によって支払われる配当について香港でいかなる税金も支払う必要
がない。
キャピタル・ゲイン税
香港には、(H株式等の)財産の売却によるキャピタル・ゲイン税は存在しない。ただし、香港で取引、専門職
または事業を行い、かかる取引、専門職または事業から香港で所得を得る者による財産の売却の取引利益は、香港
の利益税を課せられる。現在、法人の利益税は課税対象利益の16.5%の税率で課せられる。個人の利益税の最高税
率は15%である。香港証券取引所で行われたH株式の売却益は、香港において発生したとみなされる。従って、香
港で証券の売買事業を行う者が認識した香港証券取引所におけるH株式の売却益は、利益税に服する。
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印紙税
香港の印紙税は、現在、H株式の対価または市価のいずれか高い方に対して0.1%の従価税率で課され、H株式の
売買は、買い手については購入毎に、売り手については売却毎に、香港の印紙税の納税義務がある。すなわち、譲
渡されるH株式の価値の0.2%の税率で印紙税が課され、買い手と売り手が印紙税の2分の1ずつを負担する。この
ほか、H株式の譲渡証書(もしあれば)毎に、現在5香港ドルの固定税が支払われる。売買当事者の一方が香港外
の居住者であり、支払うべき当該従価税を支払わない場合、当該証書を使用する者も印紙税納付義務を負う。
遺産税
当行H株式を保有する中国人以外の投資家については、 現行香港税法に基づく遺産税の納付義務は生じない。
4【法律意見】
当行の中国の社外法律顧問である金杜律師事務所(King & Wood Mallesons)により、以下の趣旨を含む法律意
見が提出されている。
(1)当行は、中国の関連法令のもとで有限責任の株式会社として適法に設立され、有効に存続している。
(2)本有価証券報告書中の中国の法令に関する記述はすべて、あらゆる重要な点において正確である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
1
本報告書における財務情報はIFRS に従い編成されたものである。別段の記載がない限り、データの単位は人民
元であり、当グループに関連する額を反映している。
(単位:百万人民元)
注 2019 年 2018 年 2017 年 2016 年 2015 年
業績
正味受取利息 374,250 359,706 338,389 306,048 328,650
非金利収益 2 175,760 144,100 145,372 179,608 145,262
経常収益 550,010 503,806 483,761 485,656 473,912
経常費用 (198,269) (176,979) (173,859) (175,069) (185,401)
資産の減損 (102,153) (99,294) (88,161) (89,072) (59,274)
経常利益 249,588 227,533 221,741 221,515 229,237
税引前利益 250,645 229,643 222,903 222,412 231,571
当期純利益 201,891 192,435 184,986 184,051 179,417
当行の株主に帰属 187,405 180,086 172,407 164,578 170,845
する利益
普通株式配当金総額 - 54,167 51,812 49,457 51,518
財政状態
資産合計 22,769,744 21,267,275 19,467,424 18,148,889 16,815,597
貸付金等総額 13,068,785 11,819,272 10,896,558 9,973,362 9,135,860
貸付金 等 減損引当 3 (325,923) (303,781) (252,254) (237,716) (200,665)
金
投資 4 5,514,062 5,054,551 4,554,722 3,972,884 3,595,095
負債合計 20,793,048 19,541,878 17,890,745 16,661,797 15,457,992
顧客に対する債務 15,817,548 14,883,596 13,657,924 12,939,748 11,729,171
当行の株主に帰属 1,851,701 1,612,980 1,496,016 1,411,682 1,304,946
する資本金および
剰余金
資本金 294,388 294,388 294,388 294,388 294,388
1株当たり
基本的1株当たり利益 0.61 0.59 0.56 0.54 0.56
(単位:人民元)
1株当たり配当金 5 0.191 0.184 0.176 0.168 0.175
(税引前、単位:
人民元)
1株当たり純資産 6 5.61 5.14 4.74 4.46 4.09
(単位:人民元)
主要な財務比率
平均総資産利益率 7 0.92 0.94 0.98 1.05 1.12
(%)
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平均株主資本利益率 8 11.45 12.06 12.24 12.58 14.53
(%)
純金利マージン(%) 9 1.84 1.90 1.84 1.83 2.12
経常収益に対する非金 10 31.96 28.60 30.05 36.98 30.65
利収益の比率(%)
費用対収益比率 11 28.00 28.09 28.34 28.08 28.30
(国内規則に基づき
計算したもの、%)
自己資本比率 12
普通株式等Tier1資本 1,620,563 1,488,010 1,377,408 1,297,421 1,197,868
追加的Tier1資本 210,057 109,524 105,002 103,523 103,159
Tier 2資本 394,843 347,473 264,652 225,173 212,937
普通株式等Tier1自己 11.30 11.41 11.15 11.37 11.10
資本比率(%)
Tier 1自己資本比率 12.79 12.27 12.02 12.28 12.07
(%)
自己資本比率(%) 15.59 14.97 14.19 14.28 14.06
資産の質
貸付金等合計に対する 13 1.37 1.42 1.45 1.46 1.43
識別された減損貸付
金等の割合(%)
貸付金等合計に対する 14 1.37 1.42 1.45 1.46 1.43
不良債権の比率
(%)
不良債権に対する貸付 15 182.86 181.97 159.18 162.82 153.30
金等減損引当金の比
率(%)
貸倒関連費用(%) 16 0.80 0.95 0.81 0.91 0.63
貸付金等合計に対する 17 2.97 3.07 2.77 2.87 2.62
貸付金等減損引当金
の比率(%)
為替レート
1米ドル/人民元の年末 6.9762 6.8632 6.5342 6.9370 6.4936
セントラル・パリ
ティ・レート
1ユーロ/人民元の年末 7.8155 7.8473 7.8023 7.3068 7.0952
セントラル・パリ
ティ・レート
1香港ドル/人民元の年 0.8958 0.8762 0.8359 0.8945 0.8378
末セントラル・パリ
ティ・レート
注:
(1) 当行は、2018年1月1日より国際会計基準審議会が公表した国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」を適用してい
る。
(2) 非金利収益=正味受取手数料等+正味トレーディング利益/(損失)+金融資産の移転に係る純利益/(損失)+その他の
経常収益
(3) 貸付金等減損引当金 =償却原価で測定される貸付金等の減損引当金+その他の包括利益を通じて公正価値で測定される貸
付金 等の減損引当金
(4) 2019 年および 2018 年の投資については、IFRS 第9号に基づき表示されており、損益を通じて公正価値で測定する金融資
産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産および償却原価で測定される金融資産を含む。 前報告期
間の比較データについては再表示されていない。
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(5) 1株当たり配当金は、普通株主に対して分配された普通株式1株当たりの配当である。
(6) 1株 当たり 純資産=(当期末の当行の株主に帰属する資本金および剰余金-その他の資本性金融商品)÷期末発行済普通
株式数
( 7 ) 平均総資産利益率=当期純利益 ÷平均総資産 ×100 。平均総資産=(期首資産合計+期末資産合計)÷2
(8) 平均株主資本利益率=当行の普通株主に帰属する利益÷当行の普通株主に帰属する資本金および剰余金の加重平均
×100。これは、CSRCが発行した「公開発行会社の情報開示の作成および報告に関する規則第9号-平均株主資本利益率
および1株当たり利益の計算および開示(2010年改訂)」(CSRC公告[2010]2号)の規定に従って計算されている。
(9) 純金利マージン=正味受取利息÷利付資産の平均残高×100。平均残高は、当行の管理口座における平均日次残高である
(未監査)。
(10) 経常収益に対する非金利収益の比率=非金利収益÷経常収益×100
(11) 費用対収益比率は、財政部が発行した「金融企業業績評価弁法」(財金[2016]35号)の規定に従って計算されている。
(12) 自己資本比率は先進的手法および 「商業銀行 資本管理規則(試行) 」( Y.J.H.L [ 2012 ]1号)に 従い 計算されてい
る。
(13) 貸付金等合計に対する 信用 減損貸付金等の割合=信用減損貸付金等の期末残高÷期末貸付金等合計×100 。貸付金等合
計には、貸付金等合計に対する信用減損貸付金等の割合を算出する際に使用される未収利息は含まれていない。
(14) 貸付金等合計に対する 不良債権の比率=期末不良債権残高÷期末貸付金等合計×100 。貸付金等合計には、貸付金等合
計に対する不良債権の比率を算出する際に使用される未収利息は含まれていない。
(15) 不良債権に対する貸付金等 減損引当金 の比 率=期末 における貸付金等 減損引当金 ÷ 期末不良 債権 残高× 100 。貸付金等
合計には、不良債権に対する貸付金等減損引当金の比率を算出する際に使用される未収利息は含まれていない。
(16) 貸倒関連費用= 貸付金等の 減損 ÷ 貸付金 等の平均 残高× 100 。貸付金 等 の平均 残高=(期首貸付金 等残高 +期末貸付金
等 残高 ) ÷ 2 。貸付金等合計には、貸倒関連費用を算出する際に使用される未収利息は含まれていない。
(17) 貸付金等合計に対する貸付金等減損引当金の比率 =期末 における貸付金等 減損引当金 ÷ 期末貸付金等合計×100 。中国
本土における 当行の機関のデータに基づき計算 されている 。 貸付金等合計には、貸付金等合計に対する貸付金等減損引
当金の比率を算出する際に使用される未収利息は含まれていない。
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2【沿革】
当行は、中国の銀行の中で最も長く継続して営業を行っている銀行である。当行は1912年2月に孫文の承認を得
て正式に設立された。1912年から1949年まで、当行は中国の中央銀行、国際為替銀行および外国貿易専業銀行とし
ての役割を継続して担った。国民への役務提供および中国の金融サービス部門の発展に対する責務を果たし、幾多
の困難および逆行にもかかわらず、当行は中国の金融業における主導的地位を占め、かつ国際金融業界においても
優良企業として展開してきた。1949年以後、当行は長期にわたり、政府により指定された外国為替専業銀行として
活動し、中国の外国為替業務の管理を担い、国際貿易の決済、華僑外貨およびその他の非貿易的外国為替業務を通
じて、対外貿易の発展および経済の発展を強力に支援した。中国の改革開放以来、当行は、中国が海外資本、国外
先進技術導入により経済発展の加速をはかろうとした政府の戦略による歴史的な機会を掴み、長年外国為替業務を
扱い続けた優越性を発揮し、中国における外資活用の主要なチャンネルとなった。1994年、当行は、外国為替専業
銀行から国有商業銀行となり、その後、2004年8月に、中国銀行股 份 有限公司として正式に設立された。2006年6
月および7月にそれぞれ香港証券取引所および上海証券取引所に上場され、A株式およびH株式の新規株式公開を
実施し両取引所に上場を果たした中国初の商業銀行となった。当行は、2008年北京オリンピックに協力したほか、
2017年には2022年北京オリンピック・パラリンピック冬季競技大会のオフィシャル・バンキング・パートナーとな
り、中国で開催されるオリンピック大会の2回ともに協力する唯一の銀行となった。2019年、当行は、再度グロー
バルなシステム上重要な金融機関に認定され、新興国経済からは唯一、9年連続してグローバルなシステム上重要
な金融機関に認定されている。
当行は、その1世紀を超える歴史を通して、「卓越の追求」という精神を掲げてきた。当行は、愛国愛民を経営
の根幹とし、誠実を当行の至高の信条として、改革革新を通じて当行の力を強め、「人間本位」を当行の指針原則
とし、卓越したブランドイメージを打ち立てることにより、業界および顧客に広く認知され、高く評価された。優
れた業績のための歴史的機会を提示する期間を前に、当行は、大規模な国営商業銀行として、新たな時代のための
中国の特徴と社会主義についての習近平の思想に従い、新開発コンセプトを不断に実行し、たゆまぬ活力を喚起
し、機動的な対応と重点分野でのブレークスルーを実現することで、当行を新たな時代の世界的な銀行に発展させ
るという当行の目標に前進していく。当行は、近代化された経済の発展、国家の活性化という中国の夢、およびよ
り良い生活を送るための国民の希望を実現するための努力に、さらなる多くの貢献を行う。
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3【事業の内容】
当行は、中国で最も国際的で統合された銀行として、中国本土および61の国と地域に わたり 整備された、十分に
確立された機関とのグローバル・サービス・ネットワークを有する。当行は、法人向け銀行業務、個人向け銀行業
務、金融市場、並びに投資銀行業務、直接投資、有価証券、保険、ファンド、航空機リース、資産管理、ファイナ
ンス・テクノロジーおよびその他の分野をカバーするその他の商業銀行業務を柱として、統合されたサービス・プ
ラットフォームを確立し、顧客に包括的な金融サービスを提供している。更には、 BOCHK およびマカオ支店は、そ
れぞれの市場において、現地発券銀行として機能する。
「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V. 44も参照されたい。
2019 年12月31日 現在の当グループの組織図を以下に掲げる。
(注)当行は、完全子会社であるBOCIを通じてBOCIチャイナの株式持分33.42%を保有している。
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4【関係会社の状況】
親会社
( 2019 年12月31日現在)
名称 住所 登録資本 主たる 議決権割合
事業内容
中華人民共和国 100010 北京市東城区
中央匯金投資有限責任
828,209 百万人民元 株式投資 64.02 %
公司 朝陽門北大街1号 新保利大厦
当グループは匯金公司との間で通常業務として商業的条件に基づき、銀行取引を行う。匯金公司が発行した債券の
購入は、通常業務の一環として行われたものであり、関連規則およびコーポレート・ガバナンスの要件に従ってい
る。
取引残高
( 単位は特に明記しない限り、百万人民元)
12 月31日現在
2019 年 2018 年
負債性証券 24,963 18,511
(2,913) (9,254)
匯金公司に対する債務
子会社および関連会社
子会社および関連会社に関する情報については、「第6 1 財務書類」に対する注記V.19およびV.43.8を参照
されたい。
5【従業員の状況】
2019 年12月31日現在、当行の従業員数は309,384人であった。中国本土にて業務に従事する従業員は284,044人で
あり、そのうち271,939人は当行の中国本土における国内商業銀行業務に従事していた。香港、マカオ、台湾およ
びその他の国と地域にて業務に従事する従業員は、25,340人であった。2019年12月31日現在、当行が費用負担すべ
き退職者は5,318人である。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
本項に記載される将来に関する事項は、本書の提出日現在の当行の 信念、見通し、目的、期待及び見積りに基づ
いている。
戦略的目標
当行は、新たな時代の特徴ある中国社会主義に関する習近平の思想を踏襲し、新たな時代の世界水準の銀行を構
築するための取組みとして、テクノロジーを通じて進化を持続的に可能とし、イノベーションを通じて発展を推進
し、変革を通じて業績を達成し、改革を通じて強みを強化していく。
当行は、「新たな時代の世界水準の銀行を構築する」という戦略的目標を3段階において実現していく。 中国が
あらゆる側面において緩やかに発展した社会の構築を完了する 2020 年までに 、当行は、「開発基盤の一層の強化、
特色ある事業の強みの一層の強化、管理体制及び管理構造の一層の改善並びに総合力の一層の強化」という目標を
達成する。社会主義近代化が基本的に実現される 2035年までに、 当行は、世界水準の大銀行から世界水準の強力な
銀行へと飛躍し、新たな時代の世界水準の銀行の構築があらゆる側面において完了する。そして、 2050年までに、
当行を強固な現代社会主義中国の「金融の柱」とし、世界の金融産業の旗印とする。
戦略的意義
- テクノロジーを通じて進化を可能にする。当行は、新たな金融の育成、「新たなエコシステム」の開発及び新た
な中国銀行の構築を目指し、テクノロジーの要素をあらゆるビジネス・プロセス及び分野に組み込み、最高の顧客
体験、多様なシナリオのエコロジー、オンライン及びオフラインの連携、柔軟な商品革新、効率的な業務管理及び
インテリジェント・リスク管理を可能にするデジタル化された銀行を構築していく。
- イノベーションを通じて発展を推進する。市場の動向及び顧客のニーズを見極めながら、当行は、テクノロ
ジー、商品及び事業の革新を加速していく。革新的かつ画期的な取組みを採用することにより、当行は、全世界に
おいて、質の高い金融サービスの提供者、連携のあるプラットフォームの構築者、データ駆動型の価値の創造者及
びインテリジェント・サービスの先駆者となるよう努める。
- 変革を通じて業績を達成する。実体経済の需要及び質の高い開発に対する要請に焦点を当てることで、当行は、
新たな開発理念に沿って実行し、「3つの主要な戦い」に重点を置きつつ、サプライ・サイドの構造改革を支援し
ていく。当行は、金融リスクの効果的な防止及び高い価値創造力及び市場競争力を備えた質の高い開発モデルの開
発を目指し、デジタル技術、グローバル事業、統合されたサービス、アセットライト経営及び合理化された組織を
急速に進化させていく。
- 改革を通じて強みを強化する。当行は、当行が直面している現在の課題及び潜在的な課題に対する認識を高め、
戦略的な焦点を維持し、さらに改革に挑んでいく。当行は、当行全体の意識、体制及び組織の改革を奨励し、これ
により当行の発展を推し進めるために揺るぎないエネルギーを集結させていく。
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- 党のリーダーシップを支援する。当行は、当行における党のリーダーシップ及び党組織の構築を強化し、当行に
対する完全かつ厳格なガバナンスを推進するために当行における党組織に対する完全かつ厳格なガバナンスを確保
していく。当行は、ガバナンス体制を改善し、これにより新たな時代の世界水準の銀行の構築という当行の目的に
対して強い保証及び戦略的支援を提供していく。
経済及び金融環境
2019 年において世界経済は減速し、国際貿易及び投資は弱含みとなった。米国経済の成長は鈍化し、ユーロ圏経
済も引き続き低迷した一方で、日本経済は比較的安定したが、英国経済は英国のEU離脱による不確実性にさらされ
る状態が続いた。新興国経済は、貿易保護主義及び債務リスクによる圧力に直面した国もあり、成長モメンタムが
鈍化した。
国際金融市場は、相場変動を伴いながらも引き続き比較的安定していた一方で、世界の金融政策は、金融緩和サ
イクルに再び突入した。米国連邦準備制度理事会(FRB)は、3回連続で利下げを実施し、米国財務省証券の買入
プログラムを再開した。また、欧州中央銀行はさらにマイナス金利を引き下げ、多くの新興国経済の中央銀行も利
下げを実施した。その結果、世界的な流動性は上昇した。加えて、米ドル指数は若干上昇し、ユーロは米ドル安と
なり、主要な新興国経済の通貨は相場変動を伴いながらも総じて安定していた。世界の株式市場は好調に推移しな
がら年を終え、原油、金及びその他のコモディティの価格は、ボラティリティを伴いながらも上振れ傾向となっ
た。
及び中国経済は依然として安定しており、中国経済の構造は引き続き楽観的なものとなった。国内需要はます
ます経済成長の大きな原動力となっており、ハイテク産業は急成長を続けた。雇用は安定し、国際収支も概ね均衡
していた。2019年には、中国の国内総生産(GDP)は6.1 % 増加した。消費財小売総売上高(TRSCG)は8.0%増、総固定
資産投資(TFAI)は5.4 %増となり、消費者物価指数(CPI)も2.9%上昇した 。
中国政府は健全な金融政策を実施し、民間企業及び零細・小企業の発展を支援するための構造調整を強化し
た。金融の供給サイドの構造改革は厚みを帯び、高水準の金融解放が加速した。金融市場は概ね円滑に機能してお
り、市場流動性は妥当かつ十分な水準に維持された。人民元の為替レートは引き続きおおむね安定していた一方
で、より柔軟に推移した。広義の通貨供給量(M2)は、前年度比で8.7 % の増加となった。人民元建て貸付残高は
16.81兆人民元増加し、前年度比で0.64兆人民元の増加であった。社会融資総残高は251.31兆人民元で、前年度比
で10.7 % の増加となった。債券発行額は計45.2兆人民元に拡大し、前年度比で4.9 % 増加であった。米ドルに対す
る人民元のセントラル・パリティ・レートは、前年末比で1.62 % の下落となった。
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中国の銀行業界は引き続き堅調であった。金融機関は、その質および実績を向上させるため、実体経済に貢献
することに専念した。金融機関は、零細・小企業向けのサービスの向上を継続し、主要な国家戦略及び重要な国家
事業を積極的に支援するとともに、技術革新及び高度な製造業も支援した。金融機関が引き続き中国の双方向の解
放を推し進め、技術力を加速させた結果、好ましい成果がもたらされた。銀行業界は、金融リスクとの重要な戦い
に勝利し、システミック・リスクを未然に防ぐという決意で行為したことで、金融リスク管理を向上させた。2019
年末現在、中国の銀行業界の総資産は、前年度末比で8.14 % 増の290.00兆人民元に達したが、その一方で総負債は
7.71 % 増の265.54兆人民元となった。商業金融機関は、1.99兆人民元の税引後総利益を計上した。不良債権(NPL)
の残高は2019年末現在2.41兆人民元で、不良 債権 比率は1.86%であった。
資本管理
質の高い発展という理念を履践し、価値の創造という目的に焦点を当てることで、当行は、資本管理体制を改善
し続け、外部資金調達チャネルを通じて資本を補充するためにより迅速に行動し、資金調達手段の革新を加速させ
た。こうした取組みを通じて当行は、十分な資本水準及び強固なリスク・レジリエンスを確保し、資本活用の効率
性及び価値創造力をさらに向上させた。
当行は、行内の洗練された経営を改善し、価値創造に対する認識を高めた。 資本予算及び評価体制を強化するこ
とにより、当行は経営の差別化を実現し、価値創造と連動する報酬分配制度を継続的に改善した。資本の指針的役
割を十分に発揮することで、当行は、貸借対照表に計上されている資産及び計上されていない資産の構造調整を推
し進め、低資本事業を積極的に開発し、資産のリスクウェイトを合理的に管理した。加えて、当行は、システム構
築に対する取組みを強化して、資本管理データ・プラットフォームを導入し、洗練された経営基盤を確立した。一
方で当行は、外部からの資本の補充を加速させ、資本調達手段の種類を増加させた。2019年中に当行は、100.0十
億人民元相当の優先株式、40.0十億人民元相当の無期限資本債券及び70.0十億人民元相当のTier2資本債券を発行
した。40.0十億人民元相当の無期限資本債券は、その他Tier1金融商品として分類される中国銀行業界初の資本債
券となった。
自己資本基盤のさらなる強化を反映して、2019年末現在の当グループの自己資本比率は2018年末から0.62パーセ
ント・ポイント上昇し、15.59%に達した。当行は、 あらゆる業務に関する質の高い発展を促進することにより、当
行の潜在的能力を引き出すとともに、 引き続き自己資本管理を強化 する予定である。
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自己資本比率
「商業銀行資本管理規則(暫定版)(Capital Rules for Commercial Banks (Provisional))」に従い計算され
た2019年末現在の自己資本比率は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
当グループ 当行
2019 年12月31日 2018 年12月31日 2019 年12月31日 2018 年12月31日
項目
現在 現在 現在 現在
普通株式等Tier1資本(純額ベース) 1,596,378 1,465,769 1,346,623 1,251,056
Tier 1資本(純額ベース) 1,806,435 1,575,293 1,546,517 1,350,770
純資本 2,201,278 1,922,350 1,927,188 1,683,893
普通株式等Tier1自己資本比率 11.30% 11.41% 10.99% 11.08%
Tier 1自己資本比率 12.79% 12.27% 12.62% 11.96%
自己資本比率 15.59% 14.97% 15.72% 14.92%
詳細については、連結財務書類の注記VI.7を参照されたい。
レバレッジ比率
「商業銀行のレバレッジ比率の管理方法(改訂版)」及び「商業銀行資本管理規則(暫定版)」に従い計算され
た2019年末現在のレバレッジ比率については、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
Tier 1資本(純額ベース) 1,806,435 1,575,293
調整後のオンバランスシート及びオフバランスシートの資産 24,303,201 22,700,133
レバレッジ比率 7.43% 6.94%
詳細については、連結財務書類の補足情報II.5を参照されたい。
見通し
2020 年、銀行業界は複雑な経営環境に直面するとみられる。世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延
は、世界経済及び金融市場に打撃を与えた。国際的にみると、世界経済は金融危機後、依然として大規模な調整局
面にあり、新型コロナウイルスの世界的流行による影響で、より強い下振れ圧力に見舞われると予想される。金融
システムに対するリスクは高まり、調整の速度は国際的な経済情勢の中でばらつきが生じるため、不確実性及びリ
スクが高まることが見込まれる。一方、国内的にみると、中国経済は、発展形態の転換、経済構造の改善及び成長
の原動力の転換という主要な課題に取り組む重要な時期にある。新型コロナウイルスは一時的に経済に影響を及ぼ
すものの、中国経済成長の見通しに変わりはない。銀行業界は、課題と機会が共存するより深刻かつ複雑な環境に
直面するであろう。
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2020 年は第13次5年間計画の対象期間の最終年であり、当行の発展戦略の第1段階の目標を達成するための重要
な年でもある。「実体経済への貢献、リスクの防止及び管理並びに改革及び革新の深化」という3つの主要な課題
に重点を置き、「活力の喚起、機動的な対応及び主要な分野における躍進の実現」に対する全般的な要求に応える
ことで、当行は、新たな発展理念を適用し、新型コロナウイルスの影響を克服し、発展戦略の実施を強化してい
く。2020年は「実施強化年」と位置づけられていることからも、当行は、主要な分野における躍進の実現及び質の
高い発展の推進に努め、新たな時代の世界水準の銀行を目指して邁進する予定である。 第一に 、当行は、積極的に
国家戦略に沿って実体経済への貢献の質及び効率性を向上させていく。外国為替ファンド業務の分野における専門
的な優位性を全面的に活用しつつ、世界の包括的な事業プラットフォームに依拠することにより、当行は、サプラ
イ・サイドの構造改革に効果的に取り組み、中国の新たな解放拡大様式に向けて一丸となるとともに、実体経済の
変革及び高度化を支援していく。当行は、特に企業の事業回復支援の点で新型コロナウイルスの世界的流行の防止
及び抑制に対する財政支援を強化する。当行はまた、経済が健全に機能するよう内需及び外需の拡充に努める。
2020年における当行の中国本土の人民元建て貸出は約10%増加すると見込まれる。 第二に 、当行は、事業変革を加
速し、顧客向けのマーケティング力及びサービス力を向上させる。顧客中心の原則を踏襲することで、当行はデジ
タル化の流れに積極的に対応していく。人工知能及びブロックチェーン等の新技術を全面的に活用することで、当
行は、科学技術活用の向上、商品体制の革新及び高度化、システム体系の強化並びに顧客体験向上の推進を図り、
これにより顧客及び当行にとっての価値を創造していく。 第三に 、当行は、引き続き経営体制を改善し、戦略に関
するメッセージの浸透を強化する。成果重視のアプローチを採用することにより、当行は、戦略的優先事項を強調
し、「強い本社」の構築を加速させていく。
重点分野における経営モデルの改善、カテゴリー別戦略実施全体のバランスの強化、事業開発の活力の再活性
化、戦略実施の効率化を図る。 第四に 、重点分野における重要な取組みを推進し、戦略の実施に対する支援を強化
する。当行は、シナリオ構築のブレークスルーを行い、企業レベルのアーキテクチャ開発に焦点を当て、開発問題
の積極的な解決と顧客基盤の成長を加速させ、スマート・オペレーションに依拠することにより、デジタル、オン
ライン、アセットライトの変革を実現するための取組みを加速させる。 第五 に、リスクの予防・軽減を高め、リス
ク管理・コントロールの質と効率を向上させる。総合的なリスク管理体制及びグループのリスク管理体制の一層の
整備を図り、重要なリスク事象の管理及びグループ連結ベースでのリスク管理を強化し、不良資産の回収・処分を
さらに進め、リスク耐性を継続的に高める。
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2【事業等のリスク】
本項に記載される将来に関する事項は、本書の提出日現在の当行の 信念、見通し、目的、期待及び見積りに基づ
いている。
当行は、マクロ経済情勢及び様々な国及び地域の政治経済情勢の変化から生じるリスク、並びに日常業務から生
じるリスク(債務者の信用状況の変化によるリスク、市場価格の不利な変動によるリスク及びオペレーショナル・
リスク等を含む。)に直面している。これと同時に、当行は規制上の要件及びコンプライアンス要件を充足しなけ
ればならない。当行は、積極的に適切な措置を講じ、各種リスクを有効に管理するための措置を講じている。詳細
については、下記「リスク管理」を参照されたい。
リスク管理
当行は、当グループの戦略に沿ったリスク管理体制の改善を継続した。法令を遵守した運営ができるよう、当行
は、現地及び外国の規制上の要件を遵守し、市場の混乱のガバナンス、リスク管理の現場での効率性検証、内部統
制及び四半期ごとの規制当局への通知などの規制上の取組みについて、徹底した是正措置及び説明責任を遂行し
た。当行はまた、リスク管理体制の改善、リスク管理のための「3つの防衛線」の構築の推進及び当グループのリ
スク選好度の更新を実施し、継続的に包括的なリスク管理報告をより先見的で予想可能な内容にした。当行は、当
グループの連結リスク管理及び統制の効果を包括的に向上させた。当行は、リスク測定モデルの開発及び改良を継
続し、インクルーシブ・ファイナンス(包括金融)のためのオンライン・モデルの開発及び導入を完了した。当行
は、高度な資本管理手法の開発を推し進め、高度な手法をさらに活用するとともに、アセットライト戦略を積極的
に実施した。当行は、あらゆる方法でインテリジェント・リスク管理を実施しつつ、当グループの包括的リスク管
理ポータル・システムも構築し、リスク管理のデジタル化を推進した。当行は、リスク・データ・ガバナンスを強
化するとともに、リスク・データの基準及び単一のリスク報告システムを改善した。
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当行のリスク管理体制は、以下のとおりである。
信用リスク管理
当期中において当行は、マクロ経済情勢及び金融情勢の変化を注意深く追跡しつつ、開発の推進、構造の調整、
信用リスクの統制及び軽減並びにリスク管理の基盤の構築を図った。当行は、与信構造の最適化を進め、信用リス
ク管理方針を一層改善しつつ、信用資産の質の管理を強化し、リスク管理に関して積極的かつ先見的な姿勢をとっ
た。
当行は、引き続き与信構造を調整し、最適化した。戦略実施の促進並びにリスク、資本及び収益の均衡を目的と
して、当行は、信用ポートフォリオの管理計画を改善した。国家の産業政策及び地方の政策志向に沿って当行は、
ビジネス・モデルの継続的改善を推進する目的で、実体経済に対する支援の強化、製造業の質の高い発展の促進、
インフラとの脆弱な関連性改善の支援、並びに民間企業及びインクルーシブ・ファイナンス(包括金融)の発展の
支援を実施した。当行はまた、産業に対する貸出のためのガイドラインを制定し、産業政策システムの構築を引き
続き推進することで、与信構造を最適化した。
顧客中心のアプローチをとりつつ、当行は、与信の一元管理をさらに強化するとともに、全面的な信用リスク中
央管理も強化した。当行はまた、長期的に効果のある信用管理体制及び資産の質の監視体制を継続的に改善の上、
顧客集中の統制を強化し、潜在的リスクの特定、管理及び軽減の効果をさらに高めた。さらに当行は、主要な地域
におけるリスク分析及び資産の質の管理に対する監視を強化するとともに、全ての事業分野に関する窓口規制も強
化した。加えて当行は、関連する管理要件に沿って大型のエクスポージャーを継続的に特定、測定及び監視した。
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法人向け銀行業務に関して、当行は、主要分野におけるリスクの特定及び管理をさらに強化し、かかる分野にお
ける与信関係を積極的に削減及び解消した。当行はまた、限度額管理により貸付の残高及び使途を厳格に管理し、
過剰設備産業のリスクを回避及び軽減した。さらに当行は、地方政府が隠れ債務のリスクを軽減できるよう支援し
た。加えて当行は、不動産貸付のリスク管理を強化するため、国家の不動産セクターにおけるマクロ統制政策及び
規制上の措置を遵守した。個人向け銀行業務に関して、当行は、与信承認管理の強化、承認の質の向上、並びに過
剰与信や相互に影響するリスクの回避を実施しつつ、個人向け与信事業の発展を支援した。当行はまた、主要な商
品及び地域のリスク管理も強化した。
当行はカントリー・リスク管理を強化した。当行は、カントリー・リスク格付の年次レビューを実施し、カント
リー・リスク・エクスポージャーの限度額の管理及び統制を実施した。当行は定期的に、エクスポージャーに関す
る統計の収集の他、エクスポージャーの評価、監視、分析及び報告も行った。当行はまた、当グループ内で定期的
にカントリー・リスク分析報告を公表しており、重大なカントリー・リスク事由の影響を適時に評価した。加えて
当行は、潜在的にリスクが高く不安定な国及び地域の各種管理を採用した。当行のカントリー・リスクに対する正
味エクスポージャーは、主に格付が比較的低い又は低い国や地域に集中しており、全体的なカントリー・リスク
は、引き続き合理的な水準にとどまった。
当行は、不良資産の回収及び低減に努力を惜しまず、回収のために内部及び外部のリソースを組み合わせ、不良
資産事業の中央管理及び段階的管理の採用を継続した。当行はまた、主要な地域及び主要なプロジェクトにおいて
進歩を遂げ、不良資産処理の質と効率を改善させた。当行は、不良資産回収における「インターネット・プラス
(Internet Plus)」を積極的に活用するようにし、不良資産の回収経路を多角化した。さらに当行は、各企業の
実情に基づいて方針を採用し、必要とされる場合には複数の措置を講じてきた。当行は、当行と企業の相互利益を
実現し、実態経済を支援することを目的として、債権者委員会の役割を全面的に果たし、企業が苦境から脱却する
ことを支援するために、債務株式化及び再編の取組みを強化した。
当行は、「貸付信用リスクの分類に関するガイドライン(Guidelines for Loan Credit Risk
Classification)」に基づき、信用資産の質について科学的な測定と管理を行った。貸付信用リスクの分類に関す
るガイドラインは、中国の商業銀行に対し、信用資産を正常、要注意、破綻懸念、実質破綻及び破綻の5種類に分
類することを義務付けており、破綻懸念、実質破綻、破綻に分類された貸付金は不良債権とみなされる。貸付資産
の質に関するリスク管理を向上させるため、中国本土に所在する企業への法人貸付について、オンバランスシート
及びオフバランスシートの信用資産を対象とした13段階のリスク分類基準スキームを用いている。さらに、当行は
主要な業種、地域及び重大リスク事由に関するリスク分類管理を強化し、分類結果を大幅に調整した。当行はま
た、資産の質を正確に反映するため、貸付期限の管理を強化しつつ、期限を徒過した貸付金を名簿方式で管理し、
適時にリスク分類結果を調整した。当行の海外支店も、貸付信用リスクの分類に関するガイドライン又は信用リス
ク分類につき適用される現地の規則及び要件のうち、いずれか厳格な方に従って運営を行った。
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2019 年12月31日現在、当グループの不良債権( 注 ) は178.235十億人民元であり、前年度末比で11.294十億人民元
増加した。不良債権比率は1.37%であり、前年度末比で0.05パーセント・ポイント低下した。当グループの貸付金
等減損引当金は325.923十億人民元で、前年度末比で22.142十億人民元増加した。不良債権に対する貸付金等減損
引当金のカバレッジ比率は182.86%であり、前年度末比で0.89パーセント・ポイント上昇した。中国本土に所在す
る当行組織の不良債権は総額169.951十億人民元であり、前年度末比で7.173十億人民元増加した。中国本土に所在
する当行組織の不良債権比率は1.65%であり、前年度末比で0.11パーセント・ポイント低下した。当グループの要
注意貸付残高は289.314十億人民元であり、前年度末比で53.049十億人民元低下し、貸付金合計の2.22%を占め、
前年度末比で0.68パーセント・ポイント低下した。
注:「リスク管理 - 信用リスク管理」に記載の顧客に対する貸付金合計には、未払利息は含まれない。
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貸付5級分類状況
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
項目 金額 比率 金額 比率
グループ
正常 12,566,640 96.41% 11,278,379 95.68%
要注意 289,314 2.22% 342,363 2.90%
破綻懸念 77,459 0.59% 49,788 0.42%
実質破綻 51,804 0.40% 49,341 0.42%
破綻 48,972 0.38% 67,812 0.58%
合計 13,034,189 100.00% 11,787,683 100.00%
不良債権総額 178,235 1.37% 166,941 1.42%
中国本土
正常 9,885,045 95.95% 8,818,838 95.10%
要注意 247,412 2.40% 291,933 3.15%
破綻懸念 72,611 0.70% 48,281 0.52%
実質破綻 50,334 0.49% 47,536 0.51%
破綻 47,006 0.46% 66,961 0.72%
合計 10,302,408 100.00% 9,273,549 100.00%
不良債権総額 169,951 1.65% 162,778 1.76%
グループ貸付分類移動率
単位:%
項目 2019 年 2018 年 2017 年
正常 1.40 2.20 1.97
要注意 21.45 23.70 20.37
破綻懸念 40.86 51.89 57.97
実質破綻 18.76 33.57 31.98
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IFRS 第9号に従い、当行は予想信用損失を将来予測的な情報に基づいて評価し、引当金を計上している。特に、
ステージ1に区分された資産、ステージ2及びステージ3に区分された資産については、当該資産の12ヶ月間の予
想信用損失及び全期間のECLに基づいて、それぞれ引当金を計上している。2019年末現在、ステージ1貸付、ス
テージ2貸付、ステージ3貸付は、それぞれ12,514.948十億人民元、336.902十億人民元及び178.235十億人民元で
あり、それぞれ貸付総額の96.04%、2.59%及び1.37%を占めている。
2019 年12月31日現在、当グループの信用減損貸付金は総額178.235 十 億人民元であり、前年度末比で11.283十億
人民元増加した。貸付金合計に対する信用減損貸付金の割合は1.37%であり、前年度末比で0.05パーセント・ポイ
ント低下した。中国本土に所在する当行組織の信用減損貸付金は総額169.951十億人民元であり、前年度末比で
7.173十億人民元増加した。中国本土に所在する当行組織の貸付金合計に対する 信用 減損貸付金の割合は1.65%で
あり、前年度末比で0.11パーセント・ポイント低下した。香港・マカオ・台湾及びその他の国と地域における当行
の業務に関しては、信用減損貸付金は8.284十億人民元であり、前年度末比で4.110十億人民元増加し、貸付金合計
に対する信用減損貸付金の割合は0.30%であり、前年度末比で0.13パーセント・ポイント上昇した。
信用減損貸付金等の変化状況
単位:百万人民元
項目 2019 年 2018 年 2017 年
グループ
期初残高 166,952 157,882 145,311
期中増加額 94,870 83,009 71,573
期中減少額 (83,587) (73,939) (59,002)
期末残高 178,235 166,952 157,882
中国本土
期初残高 162,778 154,208 141,458
期中増加額 88,658 80,680 69,854
期中減少額 (81,485) (72,110) (57,104)
期末残高 169,951 162,778 154,208
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通貨別貸付金等及び信用減損貸付金等
単位:百万人民元
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2017 年12月31日現在
項目 貸付金等 減損 貸付金等 減損 貸付金等 減損
合計 貸付金等 合計 貸付金等 合計 貸付金等
グループ
人民元 10,125,083 150,532 9,074,501 151,313 8,325,013 145,605
外貨 2,909,106 27,703 2,713,182 15,639 2,571,545 12,277
合計 13,034,189 178,235 11,787,683 166,952 10,896,558 157,882
中国国内
人民元 10,041,692 149,808 8,991,494 151,292 8,243,556 145,540
外貨 260,716 20,143 282,055 11,486 339,629 8,668
合計 10,302,408 169,951 9,273,549 162,778 8,583,185 154,208
当行は、真正性及び先見性の原則に従い、予想信用損失(ECL)モジュールに基づいて適時に十分な額の貸付金
等減損引当金を計上した。減損引当金の会計方針については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記II.
4及びVI.3を参照されたい。
2019 年度における当グループの貸付金減損損失は98.771十億人民元であり、前年比で9.134十億人民元減少し
た。与信費用は0.80%であり、前年比で0.15パーセント・ポイント低下した。そのうち、中国本土に所在する当行
組織が計上した貸付金減損損失は97.456十億人民元であり、前年比で9.394十億人民元減少した。中国本土に所在
する当行組織の与信費用は1.00%であり、前年比で0.20パーセント・ポイント低下した。
当行は、与信集中リスクの管理に引き続き焦点を置き、与信集中に関する規制上の要件を完全に遵守した。
単位:%
2019 年 2018 年 2017 年
指標 監督管理基準 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在
単一の最大貸付先に対する
≦10 3.2 3.6 3.8
貸付集中率
貸付先上位10社に対する貸
≦50 14.5 15.3 17.4
付集中率
注:
1 単一の最大貸付先に対する貸付集中率=単一の最大貸付先に対する貸付残高÷規制上の正味自己資本
2 貸付先上位10社に対する貸付集中率=貸付先上位10社に対する貸付残高÷規制上の正味自己資本
貸付分類、段階決定、信用減損貸付金及び貸付金減損損失引当金の詳細については、「第6 1 財務書類」の
連結財務書類の注記V.17及びVI. 3 を参照されたい。
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2019年12月31日現在における当行の貸付先上位10社については、以下の表のとおりである。
単位:(百万人民元、%を除く。)
関連者か
貸付金合計に
業種 否か 貸付残高 占める割合
顧客A 製造業 否 69,762 0.54%
顧客B 交通運輸、倉庫保管及び郵政業 否 49,085 0.38%
顧客C 交通運輸、倉庫保管及び郵政業 否 36,645 0.28%
顧客D 商業及びサービス業 否 31,923 0.24%
顧客E 交通運輸、倉庫保管及び郵政業 否 31,691 0.24%
顧客F 不動産業 否 22,000 0.17%
顧客G 輸送、倉庫保管及び郵政業 否 20,711 0.16%
顧客H 商業及びサービス業 否 20,185 0.15%
顧客I 電力、熱力、ガス及び水の生産並びに供給業 否 20,031 0.15%
顧客J 交通運輸、倉庫保管及び郵政業 否 17,398 0.13%
市場リスク管理
当行は市場環境の変化に応じて市場リスクを効率的に管理するため、市場リスク管理システムの強化を継続し
た。
当行は、市場リスク選好度伝達体制の改善、当グループの市場リスク管理の枠組みの強化及び当グループの市場
リスク限度額管理モデルの最適化により、市場リスク管理の効果を高めた。当行は、リスクの判断及び分析を強化
しつつ、デリバティブ・リスク管理及び統制を強化及び調整し、より積極的に将来を見据えたリスク管理を実施し
た。当行はまた、カウンターパーティの信用リスク管理体制を最適化し、リスク警戒力及びリスク軽減力を強化し
た。当行は、市場リスク体制の構築を引き続き推進し、リスク測定の正確性を向上させた。市場リスクの詳細につ
いては、「第6 1.財務書類」の連結財務書類の注記VI.4を参照のこと。
当行は、市場の変化及び政策の変更を注意深く追跡し、当グループの証券事業及び資産管理事業に関連する方針
及び規則を検証及び改訂しつつ、直接金融市場の発展で新規事業を強く支援し、新たな体制の構築を推進してき
た。当行は、引き続き債券の債務不履行リスク調査を実施の上、リスク事由の早期警戒を強化し、業務の質及び有
効性を向上させた。当行はまた、当グループの証券事業及び資産管理事業において発生したリスクの連携管理をさ
らに強化した。
為替リスクを管理する上で当行は、調達する資金の通貨と運用する通貨とを一致させるよう努め、適時の決済及
びヘッジにより為替レート・リスクを管理することで、外国為替エクスポージャーを効果的に管理した。
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銀行勘定における金利リスクの管理
「適合性、包括性及び健全性」の原則に基づき、当行は、銀行勘定における金利リスク(IRRBB)の管理を強化
した。当行のIRRB管理戦略は、リスク及び収益との間の妥当な均衡を維持し、株主価値を最大化するため、当行の
リスク選好度及びリスク・プロファイル並びにマクロ経済情勢及び市況等の要因を検証することにより、許容可能
な水準内でリスクを管理するというものである。
当行は、主に金利再設定のギャップ分析を通じて銀行勘定の金利リスクを評価し、市況の変化に応じて適時、当
行の資産及び負債の構成の調整又はリスク・ヘッジを実施した。全ての通貨についてイールドカーブが上方又は下
方に25ベーシス・ポイント平行移動すると仮定した場合の、全ての通貨についての当グループの正味受取利息の感
応度分析は以下のとおりである(注)。
単位:百万人民元
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
項目 人民元 米ドル 香港ドル その他 人民元 米ドル 香港ドル その他
25 ベーシス・
(3,962) (1,077) 534 (29) (3,520) (670) 328 (274)
ポイント上昇
25 ベーシス・ 3,962 1,077 (534) 29 3,520 670 (328) 274
ポイント下落
注:かかる分析には、利息に対する感応度の高いオフバランスシート・ポジションを含め、CBIRCが定めた方法を用いた。
流動性リスク管理
当行は、支店、子会社及び事業分野を含む組織及び当グループのレベルで流動性リスクの効果的な特定、計測、
監視及び統制を行うことを目的として、健全な流動性リスク管理システムの開発に努め、それにより適時に合理的
なコストで確実に流動性の需要を満たした。
当行は、安全性、流動性及び収益性の適切な均衡を保ちつつ、規制上の要件に従って、先見的かつ科学的な方法
で流動性リスク管理を改善した。当行は、支店、子会社及び事業分野を含む組織及び当グループレベルで、流動性
リスク管理を強化した。リスクとリターンの間の適切な均衡を図るために、健全な流動性リスク管理方針及び緊急
時計画を策定し、定期的に流動性リスクの限度額を再検証し、流動性リスクに関わる早期警戒システムをアップグ
レードするとともに、質の高い流動性資産の管理を強化した。さらに、定期的に流動性ストレス・テスト計画を改
善し、四半期毎にストレス・テストを実施した。ストレス・テストの結果、当行は危機状況に対応するための十分
な支払能力を有していることが示された。
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2019 年12月31日現在、当グループの流動性リスク指標は規制上の要件を充足していた。当グループの流動性比率
については、(中国本土の規制当局の関連規定に従い)以下の表のとおりである。
単位:%
2019 年 2018 年 2017 年
主な監督管理指標 監督管理基準 12 月31日現在 12 月31日現在 12 月31日現在
人民元 ≧25 54.6 58.7 47.1
流動性比率
外貨 ≧25 60.4 54.8 56.9
流動性ギャップ分析は、当行が流動性リスク状況を評価する方法の一つである。当行は、流動性ギャップを定期
的に計算及び監視し、その結果を用いて感応度分析及びストレス・テストを行った。2019年12月31日現在における
当行の流動性ギャップは以下のとおりである(「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記VI.5を参照された
い。)
単位:百万人民元
項目 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
延滞/無期限 2,077,009 2,071,988
要求払 (8,035,944) (7,669,897)
1カ月未満 (1,010,716) (651,459)
1カ月から3カ月 (348,821) (591,520)
3カ月から1年 269,460 (54,305)
1年から5年 2,721,272 3,238,374
5年超 6,304,436 5,382,216
合計 1,976,696 1,725,397
注:流動性ギャップ=一定期限内に期限の到来する資産-同期限内に期限の到来する負債
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レピュテーション・リスク管理
当行は、全般的なレピュテーション・リスク管理力を高めるため、レピュテーション・リスク管理に関する規制
上の要件を積極的に遵守し、引き続きレピュテーション・リスク管理のためのシステム及び体制を改善し、レピュ
テーション・リスクの統合的管理を強化した。当行は、潜在的なレピュテーション・リスク要因の調査及び事前警
戒に重点を置き、世論の監視を強化し、引き続きレピュテーション・リスクの特定、評価及び報告を行い、レピュ
テーション・リスク管理部門と責任部門との間に協力体制を構築し、レピュテーション・リスク事由に適切に対応
することによって、当行のブランドとしての評判を効果的に保護した。さらに当行は、従業員の意識を高め、レ
ピュテーション・リスク管理文化を強化するため、引き続きレピュテーション・リスクに関する研修を実施した。
内部統制及びオペレーショナル・リスク管理
内部統制
当行の取締役、上級経営陣及び特別委員会は、内部統制及び監督に関する職責を誠実に果たし、リスクの早期警
戒及び発現防止に重点をおき、これにより当グループの法令遵守型業務の水準を高めた。
当行は、内部統制メカニズムである「3つの防衛線」を引き続き採用した。第一の防衛線は、業務部門及び全て
の銀行支店で構成される。第一の防衛線は、現地のリスク及び統制を担当し、それらについて責任を負う。第一の
防衛線は、方針の策定及び実施、取引の審査、統制上の不備に関する報告及び是正の準備を含め、業務の過程で自
律したリスク制御及び管理機能を果たしている。
第二の防衛線は、あらゆるレベルの当行組織における内部統制・リスク管理部門で構成される。これらはリスク
管理及び内部統制の全般的な計画、実施、検証及び評価、並びにリスクの特定、測定、監視及び統制について責任
を負う。第二の防衛線は、当グループのオペレーショナル・リスクの監視及び分析のプラットフォームの活用を強
化するために第一の防衛線を主導し、従業員が法令を遵守しなかった場合の制裁及び経営陣の説明責任につき責任
を負っている。主要リスクの定期的な監視を通じ、当行は適時にリスクを特定かつ軽減し、業務のプロセス及びシ
ステムの最適化を促進した。
第三の防衛線は、当行の監査部門である。監査部門は、当行の内部統制及びリスク管理の適切性及び有効性に対
する内部監査につい責任を負う。当行は、監査部門の人事管理システムの改革を引き続き推し進め、監査機能の垂
直的管理をさらに強化した。当行は、監査チームの構築を強化し、監査におけるIT活用3ヶ年計画の実行を推進す
るとともに、ITに基づく監査方法の活用を強化し、監査の 循環的監視を継続的に実施し、重大なリスクを特定及び
発見するための監査業務体制を確立した。 当行は、問題指向のアプローチを取り、当行組織の包括的監査及び業務
の特別監査に注力した。当行は、リスクの高い組織及び事業、並びに当グループにより優先付けられ規制当局が特
に懸念する分野について、監査及び検査を強化した。監査部門は、内部監査が実質的に機能するように、システ
ミックであり、近時の傾向に沿った、新興かつ重大な問題に焦点を当てた。当行は、その内部ガバナンス及び内部
統制の体制を継続的に改善するため、監査により特定された問題を是正するための標準化された監視体制を引き続
き採用し、問題を適時に効果的に是正するよう努めた。
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CBIRC の要件を厳格に遵守することで、当行は、リスクを積極的に特定及び軽減するための銀行全体のリスク調
査を実施した上で、従業員のコンプライアンスに対する認識を高め、「不正行為の取締り及び法令を遵守した業務
の徹底による成果の集約」等のキャンペーンを打ち出すとともに、事例に基づく注意喚起教育並びに不正資金調達
リスクの調査及び是正を実施することにより、内部統制を遵守する文化を醸成した。また、当行は、あらゆるレベ
ルで日常的な管理及び統制を強化するため、内部統制及びコンプライアンス管理の評価を導入した。
当行は、財務報告に関する内部統制の有効性、財務情報の正確性を確保することを主要な目標とし、「企業内部
統制基本規範(Basic Standard for Enterprise Internal Control)」及びその補足ガイドラインを引き続き遵守
した。当行はまた、継続的に非財務内部統制を改善した。当行は、合理的な職務委任、明確な職責、明確な報告系
統を特徴とする内部統制ガバナンス及び組織体制を推進するため、「完全網羅、チェック・アンド・バランス、慎
重、整合(complete coverage, checks and balances, prudence and correspondence)」の基本原則を遵守する
ことにより、「商業銀行内部統制ガイドライン(Guidelines for Internal Control of Commercial Banks)」も
積極的に遵守した。
当行は、関連する会計法令に従い、体系的な財務会計方針の枠組みを構築し実施した。かくして、当行の会計の
基盤は強固となり、財務会計管理の標準化及び精密化の水準がさらに高まった。当行は2019年以来、健全な会計基
準の導入及び長期的な会計管理体制の確立に努めてきた。当行は、財務報告に関する内部統制の有効性を確保する
ために、会計情報の質の管理を継続的に強化した。当行の財務書類は適用のある会計基準及び関連する会計規則に
準拠して作成され、当行の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローはいずれも、重要な点において公正に表示
された。
当行は、不正行為リスクの防止・抑制に注力し、積極的にリスクを特定、評価、統制及び軽減した。2019年度に
おいて、当行は140 百 万人民元に及ぶ外部事件218件の阻止に成功した。
オペレーショナル・リスク管理
当行は、オペレーショナル・リスク管理システムを継続的に改善した。オペレーショナル・リスクを特定、評価
及び監視し、絶えずリスク管理方法を改善するために、リスク統制評価(RACA)、主要リスク指標(KRI)、損失
データ収集(LDC)等のオペレーショナル・リスク管理ツールの活用を促進した。当行はオペレーショナル・リス
ク管理情報システムを最適化することにより、システム・サポート能力も増強した。当行はさらに、事業継続管理
システムを強化し、業務の持続可能性を強化するために業務体制を最適化し、災害復旧訓練を実施し、当グループ
の事業継続能力を向上させた。
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コンプライアンス管理
当行は、当グループの安定的な発展及び持続可能な事業運営を確実なものとするため、コンプライアンス・リス
ク・ガバナンス体制及び管理プロセスを継続的に改善した。当行はまた、マネーロンダリング防止( AML )及び制
裁コンプライアンスに関する方針の強化、マネーロンダリング防止のための資金分配の最適化、マネーロンダリン
グを防止するための取組みの強化、並びに制裁コンプライアンスの監視及び管理の強化を実施した。当行は、シス
テム及びモデルの構築も強化し、システム機能が向上した。当行は、コンプライアンス・リスク評価プログラムを
通じて積極的かつ先見的で強固な国外コンプライアンス管理の枠組みの構築にも努めた。当行はまた、全従業員の
コンプライアンスに対する意識及び能力を強化するために、マネーロンダリング防止及び制裁コンプライアンスに
関する研修管理体制を改善し、様々な形態のコンプライアンス研修を実施した。
当行は、関連取引及び内部取引の管理の強化、管理規則の改訂及び管理体制の改善を実施した。当行はまた、関
連取引先の管理の一層の充実を図り、関連取引の管理の基盤を固めた。当行は、関連取引の日常的監視及び検証も
強化し、そのリスクを厳格に統制した。加えて、当行は、内部取引管理システムを導入し、内部取引の監視及び報
告を継続的に実施することで、内部取引管理の質及び効率性を向上させた。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本項に記載される将来に関する事項は、本書の提出日現在の当行の 信念、見通し、目的、期待及び見積りに基づ
いている。
損益計算書の分析
2019 年度において、当グループの当期純利益は201.891十億人民元であり、前年度比で9.456十億人民元
(4.91%)増加した。当行株主に帰属する利益は187.405十億人民元であり、前年度比で7.319十億人民元
(4.06%)増加した。また、平均総資産利益率(ROA)は0.92%、平均株主資本利益率(ROE)は11.45%であっ
た。
当グループの連結損益計算書の主要項目及び増減は、以下のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 2019 年 2018 年 増減 増減率
正味受取利息 374,250 359,706 14,544 4.04%
非金利収益 175,760 144,100 31,660 21.97%
うち、正味受取手数料等 89,612 87,208 2,404 2.76%
経常収益 550,010 503,806 46,204 9.17%
経常費用 (198,269) (176,979) (21,290) 12.03%
資産の減損損失 (102,153) (99,294) (2,859) 2.88%
経常利益 249,588 227,533 22,055 9.69%
税引前利益 250,645 229,643 21,002 9.15%
法人所得税費用 (48,754) (37,208) (11,546) 31.03%
当期純利益 201,891 192,435 9,456 4.91%
当行株主に帰属する利益 187,405 180,086 7,319 4.06%
2019 年度の各四半期における当グループの主要な項目の概要は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元)
以下の各日付に終了する3カ月間
項目 2019 年12月31日 2019 年9月30日 2019 年6月30日 2019 年3月31日
経常収益 133,153 140,169 135,682 141,006
当行株主に帰属する利益 27,826 45,531 63,083 50,965
営業活動による
76,461 (469,833) 144,262 (235,156)
正味キャッシュ・フロー
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正味受取利息及び純利息マージン
2019年度において、当グループの正味受取利息は374.250十億人民元であり、前年度比で14.544十億人民元
(4.04%)増加した。当グループの主要な利付資産及び有利子負債の平均残高(注1)及び平均金利、並びに金額
要因及び利息要因の変動による受取利息/支払利息への影響(注2)の概要は、以下の表のとおりである。
注1:平均残高は、当グループの管理口座における平均日次残高である(未監査)。
注2:金額要素の変動による受取利息及び支払利息への影響は、本報告対象期間中における利付資産及び有利子負債それぞれ
の平均残高の増減に基づいて計算されている。金利要因の変動による受取利息及び支払利息への影響は、本報告対象期
間中における利付資産及び有利子負債それぞれの平均金利の変動に基づいて計算されている。金額要因と金利要因の双
方の変動に関連した影響は、金利要因の変動として区分されている。
(単位:百万人民元、%を除く。)
受取利息/支払利息の
2019 年 2018 年
変動の分析
平均 平均
受取利 受取利
項目
平均残高 息/支払 金利 平均残高 息/支払 金利 金額要因 金利要因 合計
利息 利息
(%) (%)
利付資産
貸付金 12,141,412 517,565 4.26% 11,107,013 469,098 4.22% 43,652 4,815 48,467
投資 4,852,547 155,126 3.20% 4,497,016 144,326 3.21% 11,413 (613) 10,800
中央銀行預け金並
びに銀行及びその
他の金融機関に対
する債権及び預け
金 3,333,123 69,516 2.09% 3,282,457 74,476 2.27% 1,150 (6,110) (4,960)
合計 20,327,082 742,207 3.65% 18,886,486 687,900 3.64% 56,215 (1,908) 54,307
有利子負債
顧客に対する債務 15,140,952 269,324 1.78% 14,072,677 229,998 1.63% 17,413 21,913 39,326
銀行及びその他の
金融機関に対する
債務及び預り金 3,031,768 67,691 2.23% 3,042,646 76,478 2.51% (273) (8,514) (8,787)
発行債券 852,620 30,942 3.63% 580,755 21,718 3.74% 10,168 (944) 9,224
合計 19,025,340 367,957 1.93% 17,696,078 328,194 1.85% 27,308 12,455 39,763
正味受取利息 374,250 359,706 28,907 (14,363) 14,544
純利息マージン 1.84% 1.90% (6)Bps
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注:
(1) 投資は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性証券、償却原価で測定される負債性証券、投資信託及
び資産運用計画等を含む。
(2) 中央銀行預け金並びに銀行及びその他の金融機関に対する債権及び預け金は、法定準備金、剰余積立金、その他の中央
銀行預け金並びに銀行及びその他の金融機関に対する債権及び預け金を含む。
(3) 銀行及びその他の金融機関に対する債務及び預り金は、銀行及びその他の金融機関に対する債務及び預り金、中央銀行
及びその他のファンドに対する債務を含む。
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中国本土における貸付金及び顧客に対する債務の平均残高及び平均金利の事業別内訳の概要は、以下の表のとお
りである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2018 年 増減
平均金利
平均金利 平均金利
項目 平均残高 平均残高 平均残高
(ベーシス・
(%) (%)
ポイント)
中国本土での国内人民元建て
事業
貸付金
(2) Bps
法人向け貸付金 5,115,971 4.45% 4,754,363 4.47% 361,608
13 Bps
個人向け貸付金 3,907,107 4.80% 3,448,247 4.67% 458,860
(125) Bps
商業手形 260,026 3.22% 165,797 4.47% 94,229
2 Bps
合計 9,283,104 4.57% 8,368,407 4.55% 914,697
うち:
中長期貸付金 6,725,120 4.77% 5,828,652 4.77% 896,468 -
1年以内の短期貸付金及び
(3) Bps
2,557,984 4.03% 2,539,755 4.06% 18,229
その他
顧客に対する債務
5 Bps
法人顧客要求払預金 3,221,912 0.70% 3,097,595 0.65% 124,317
▶ Bps
法人顧客定期預金 2,364,226 2.81% 2,254,006 2.77% 110,220
41 Bps
個人顧客要求払預金 2,372,681 1.07% 1,948,774 0.66% 423,907
17 Bps
個人顧客定期預金 2,682,371 2.85% 2,575,439 2.68% 106,932
(36) Bps
その他 629,277 3.83% 528,899 4.19% 100,378
12 Bps
合計 11,270,467 1.91% 10,404,713 1.79% 865,754
中国本土での外貨建て事業 (単位:百万米ドル、%を除く。)
7 Bps
貸付金 38,574 3.15% 49,355 3.08% (10,781)
顧客に対する債務
11 Bps
法人顧客要求払預金 43,777 0.73% 45,065 0.62% (1,288)
72 Bps
法人顧客定期預金 29,067 2.61% 29,668 1.89% (601)
(1) Bp
個人顧客要求払預金 24,717 0.04% 27,047 0.05% (2,330)
10 Bps
個人顧客定期預金 17,782 0.73% 19,125 0.63% (1,343)
(1) Bp
その他 1,614 2.29% 2,002 2.30% (388)
24 Bps
合計 116,957 1.07% 122,907 0.83% (5,950)
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注:
「顧客に対する債務 - その他」の項目は、仕組預金を含む。
2019 年度において、当グループの純利息マージンは1.84%であり、前年度比で 6 ベーシス・ポイント低下した。
これは主に、預金費用(支払利息)の増加によるものであった。こうした費用増加の影響を軽減するため、当行
は、資産負債構造を継続的に最適化するとともに、既存の資産及び負債を積極的に調整し、それぞれの増加分を効
率的に配分した。2019年度において、中国本土での人民元建て貸付業務に占める人民元建て中長期貸付金の平均残
高の割合は、前年度比で2.79パーセント・ポイント上昇した。
非金利収益
2019 年度において、当グループの非金利収益は175.760十億人民元であり、前年度比で31.660十億人民元
(21.97%)増加した。非金利収益は、経常収益の31.96%を占めた。
正味受取手数料等
当グループの正味受取手数料等は89.612十億人民元を計上し、前年度比で2.404 十億 人民元(2.76%)増加し
た。正味受取手数料等は、経常収益の16.29%を占めた。これは主に、当行が消費者金融の急成長による機会を積
極的に捉えたことに加え、当行がクレジットカード業務、インターネット決済業務及び保険代理業務を拡大したこ
とによるものであった。その結果、当行の銀行カード業務、決済・清算業務及び保険代理業務からの受取手数料等
は、順調に増加した。
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(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 2019 年 2018 年 増減 増減率
当グループ
代理手数料 20,320 20,212 108 0.53%
銀行カード手数料 32,831 29,943 2,888 9.64%
決済及び清算手数料 14,713 13,670 1,043 7.63%
与信承諾手数料 12,746 13,181 (435) (3.30%)
コンサルタント料及び顧問料 4,446 3,534 912 25.81%
外国為替事業からのスプレッド収益 7,154 7,740 (586) (7.57%)
保管手数料及びその他の信託報酬 4,120 3,597 523 14.54%
その他 8,587 8,120 467 5.75%
受取手数料等 104,917 99,997 4,920 4.92%
支払手数料等 (15,305) (12,789) (2,516) 19.67%
正味受取手数料等 89,612 87,208 2,404 2.76%
中国本土
代理手数料 14,233 14,353 (120) (0.84%)
銀行カード手数料 29,558 26,364 3,194 12.12%
決済及び清算手数料 13,077 12,082 995 8.24%
与信承諾手数料 6,141 6,760 (619) (9.16%)
コンサルタント料及び顧問料 4,021 3,331 690 20.71%
外国為替事業からのスプレッド収益 6,489 7,088 (599) (8.45%)
保管料及びその他の信託報酬 3,970 3,474 496 14.28%
その他 4,573 4,384 189 4.31%
受取手数料等 82,062 77,836 4,226 5.43%
支払手数料等 (9,878) (7,642) (2,236) 29.26%
正味受取手数料等 72,184 70,194 1,990 2.84%
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その他非金利収益
当グループのその他の非金利収益は86.148十億人民元であり、前年度比で29.256十億人民元(51.42%)増加し
た。これは主に、為替デリバティブ取引の純利益が市場価格の変動の結果、前年度比で増加したことによるもので
あった。詳細については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.3、4及び5を参照されたい。
経常費用
当行は引き続き慎重に事業を運営した。当行は費用構造を最適化した上で、技術革新への投資を増加し、主要な
商品、分野及び地域により多くの経営資源を割り当てた。2019年度において、当グループの経常費用は198.269十
億人民元であり、前年度比で21.290十億人民元(12.03%) 増加 した。当グループの費用対収益比率(中国本土の
規則に準拠して計算したもの。)は、前年度比で0.09パーセント・ポイント低下し、28.00%となった。詳細につ
いては、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.6及び7を参照されたい。
(単位:百万人民元、%を除く。)
項目 2019 年 2018 年 増減 増減率
人件費 90,762 85,391 5,371 6.29%
一般営業費及び
一般管理費 41,845 42,768 (923) (2.16%)
減価償却費等 21,175 13,451 7,724 57.42%
税金及び課徴金 4,984 4,744 240 5.06%
保険給付金及び保険金 26,037 17,008 9,029 53.09%
その他 13,466 13,617 (151) (1.11%)
合計 198,269 176,979 21,290 12.03%
資産の減損損失
当行は、引き続き包括的リスク管理システムを改善し、積極的かつ先見的なリスク管理手法を採用することに
よって、比較的安定した信用資産の質を確保した。当行はまた、慎重かつ堅実なリスク引当方針を厳格に遵守し、
十分なリスク軽減能力を維持した。2019年度において、当グループの資産減損損失は102.153十億人民元であり、
前年度比で2.859十億人民元(2.88%) 増加 した。貸付金の質及び貸付金等減損損失引当金の詳細については、
「第3 2 事業等のリスク」並びに「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.9、V.17及びVI.3を参照
されたい。
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法人所得税費用
2019 年度において、当グループの法人所得税費用は48.754十億人民元であり、前年度比で11.546十億人民元
(31.03%)増加した。当グループの実効税率は19.45%であった。法定法人税費用の実効法人所得税費用への調整
については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.10を参照されたい。
財政状態の分析
2019 年度末現在において、当グループの資産合計は22,769.744十億人民元であり、前年度末比で1,502.469十億
人民元(7.06%)増加した。一方、当グループの負債合計は20,793.048十億人民元であり、前年度末比で
1,251.170十億人民元(6.40%)増加した。
当グループの連結財政状態計算書の主要項目は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
資産
顧客に対する貸付金等(純額) 12,743,425 55.97% 11,515,764 54.15%
投資 5,514,062 24.22% 5,054,551 23.77%
中央銀行預け金 2,078,809 9.13% 2,331,053 10.96%
銀行及びその他の金融機関に対す
る債権及び預け金 1,399,519 6.15% 1,405,534 6.61%
その他の資産 1,033,929 4.53% 960,373 4.51%
資産合計 22,769,744 100.00% 21,267,275 100.00%
負債
顧客に対する債務 15,817,548 76.07% 14,883,596 76.16%
銀行及びその他の金融機関に対す
る債務及び預り金並びに中央銀行
に対する債務 3,153,998 15.17% 3,250,997 16.64%
その他の借入金 1,124,098 5.41% 814,888 4.17%
その他の債務 697,404 3.35% 592,397 3.03%
負債合計 20,793,048 100.00% 19,541,878 100.00%
注: その他の借入金は、発行債券及びその他の借入を含む。
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顧客に対する貸付金等
中国のマクロ経済政策及び実体経済の金融需要に応じて、当行は、合理的に与信を割り当て、安定した適度な
ペースで貸出規模を拡大した。当行は、与信構造を継続的に改善し、主要な分野及び産業の資金需要を積極的に支
えた。当行は、高汚染、高エネルギー消費及び設備過剰な産業に対する与信を厳格に統制した。当行はまた、差別
化された住宅ローン方針を継続し、着実に個人向けローン事業を拡大した。2019年12月31日現在において、当グ
ループの顧客に対する貸付金等は13,068.785十億人民元であり、前年度末比で1,249.513十億人民元(10.57%)増
加した。具体的には、当グループの顧客に対する人民元建て貸付金等は10,149.345十億人民元であり、前年度末比
で1,053.783十億人民元(11.59%)増加した。一方、外貨建て貸付金は418.486十億米ドルであり、前年度末比
21.629十億米ドル(5.45%)増加した。詳細については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.17を参
照されたい。
当行はリスク管理システムを継続的に改良し、マクロ経済状況の変化に細心の注意を払いつつ、主要分野におけ
るリスクの特定及び管理を強化し、不良資産)の処分に一層注力することによって、比較的安定した資産の質を維
持した。2019年度末現在において、当グループの貸付金減損損失引当金残高は325.923十億人民元であり、前年度
末比で22.142十億人民元増加した。当グループの条件緩和貸付金の残高は12.378十億人民元であり、前年度末比で
2.376十億人民元増加した。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
法人向け貸付金 7,986,380 61.11% 7,347,598 62.17%
個人向け貸付金 5,047,809 38.62% 4,440,085 37.57%
未払利息 34,596 0.27% 31,589 0.26%
貸付金合計 13,068,785 100.00% 11,819,272 100.00%
投資
当行は金融市場の動きを追跡し、債券投資を増加させ、継続的に投資構成を改善した。2019年12月31日現在にお
いて、当グループの投資額は5,514.062十億人民元であり、前年度末比で459.511十億人民元(9.09%)増加した。
具体的には、当グループの人民元建て投資額は4,226.384十億人民元であり、前年度末比で247.748十億人民元
(6.23%)増加した一方、外貨建て投資額は184.582十億米ドルであり、前年度末比で27.816十億米ドル
(17.74%)増加した。
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当グループの金融投資ポートフォリオの内訳は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
損益を通じて公正価値評価 518,250 9.40% 370,491 7.33%
される金融資産
その他の包括利益を通じて公正 2,218,129 40.23% 1,879,759 37.19%
価値で測定される金融資産
償却原価で測定される 2,777,683 50.37% 2,804,301 55.48%
金融資産
5,514,062 100.00% 5,054,551 100.00%
合計
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投資-発行体別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
負債性証券
中国本土の発行体:
政府 2,861,756 51.90% 2,654,129 52.51%
公共機関及び準政府機関 109,923 1.99% 84,364 1.67%
政策銀行 435,212 7.89% 484,992 9.59%
金融機関 521,077 9.45% 496,675 9.83%
民間企業 212,509 3.86% 191,690 3.79%
中国東方資産管理公司(チャイ
152,433 2.76% 153,627 3.04%
ナ・オリエント)
小計 4,292,910 77.85% 4,065,477 80.43%
香港、マカオ、台湾及びその他の
国・地域の発行体:
政府 524,874 9.52% 366,602 7.25%
公共機関及び準政府機関 119,221 2.16% 108,739 2.15%
金融機関 160,840 2.92% 174,719 3.46%
民間企業 174,135 3.16% 153,056 3.03%
小計 979,070 17.76% 803,116 15.89%
資本性金融商品及びその他 242,082 4.39% 185,958 3.68%
合計 5,514,062 100.00% 5,054,551 100.00%
注:「資本性金融商品及びその他」には未払利息が含まれる。
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投資-通貨別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年12月31日 現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
人民元 4,226,384 76.65 3,978,636 78.71
米ドル 787,775 14.29 740,206 14.64
香港ドル 237,004 4.30 192,853 3.82
その他 262,899 4.76 142,856 2.83
合計 5,514,062 100.00 5,054,551 100.00
当グループが保有する金融機関債金額上位10件の状況
(単位:百万人民元、%を除く。)
額面価格 年間金利 満期日 減損引当金
債券名称
2019 年金融機関債 20,000 3.16% 2020-02-12 -
2018 年政策銀行債 13,880 4.98% 2025-01-12 -
2017 年 政策銀行 債 13,067 3.88% 2020-04-19 -
2017 年政策銀行債 11,200 4.39% 2027-09-08 -
2018 年政策銀行債 9,760 4.73% 2025-04-02 -
2017 年政策銀行債 8,890 3.54% 2020-01-06 -
2018 年政策銀行債 8,730 4.99% 2023-01-24 -
2017 年政策銀行債 8,450 3.98% 2020-04-19 -
2018 年政策銀行債 7,782 4.88% 2028-02-09 -
2017 年政策銀行債 7,450 3.80% 2020-02-27 -
注:金融機関債とは、金融機関が債券市場で発行した負債性証券を指し、これは政策銀行、他の銀行及びノンバンク金融機関
が発行した債券を含むが、条件変更債券及びPBOC手形を除く。
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顧客に対する債務
当行は金利自由化の流れに同調し、商品及びサービスの革新を加速させることで、提供する金融サービスを向上
させた。この結果、当行の負債事業は着実に成長した。当行はまた、給与支払代理人業務、支払金回収業務及びそ
の他の基本的サービスをさらに改善し、個人向け譲渡性預金証書(CD)の機能を最適化し、行政機関顧客の基盤を
着実に拡大したほか、基礎的決済業務及び現金管理業務の顧客との関係を強化した。これにより、顧客預金は着実
に増加した。
2019 年12月31日現在において、当グループの顧客に対する債務は15,817.548十億人民元であり、前年度末比で
933.952十億人民元(6.28%)増加した。具体的には、当グループの顧客に対する人民元建て債務は11,925.923十
億人民元であり、前年度末比で669.469十億人民元(5.95%)増加した一方、顧客に対する外貨建て債務は557.843
十億米ドルであり、前年度末比で29.352十億米ドル(5.55%)増加した。
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当グループ及びその中国本土所在のグループ会社の顧客に対する債務の主要な項目は、以下の表のとおりであ
る。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
当グループ
法人顧客預金
要求払預金 4,434,051 28.03% 4,178,962 28.08%
定期預金 3,619,512 22.88% 3,507,071 23.56%
仕組預金 247,906 1.57% 246,380 1.66%
小計 8,301,469 52.48% 7,932,413 53.30%
個人顧客預金
要求払預金 3,147,889 19.90% 2,935,661 19.72%
定期預金 3,416,862 21.60% 3,148,265 21.15%
仕組預金 424,897 2.69% 338,544 2.28%
小計 6,989,648 44.19% 6,422,470 43.15%
譲渡性預金 283,193 1.79% 287,808 1.93%
その他 243,238 1.54% 240,905 1.62%
合計 15,817,548 100.00% 14,883,596 100.00%
中国本土
法人顧客預金
要求払預金 3,778,828 29.92% 3,588,353 30.19%
定期預金 2,559,842 20.27% 2,520,127 21.20%
仕組預金 233,235 1.85% 229,768 1.93%
小計 6,571,905 52.04% 6,338,248 53.32%
個人顧客預金
要求払預金 2,516,976 19.93% 2,312,488 19.45%
定期預金 2,894,407 22.92% 2,685,026 22.59%
仕組預金 421,614 3.34% 331,064 2.79%
小計 5,832,997 46.19% 5,328,578 44.83%
その他 224,554 1.77% 219,969 1.85%
合計 12,629,456 100.00% 11,886,795 100.00%
注:「その他」とは未払利息を含む。
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顧客に対する債務-通貨別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 12月31日現在 2018 年12月31日 現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
人民元 11,925,923 75.40 11,256,454 75.63
米ドル 1,836,997 11.61 1,716,821 11.53
香港ドル 1,255,663 7.94 1,202,357 8.08
その他 798,965 5.05 707,964 4.76
合計 15,817,548 100.00 14,883,596 100.00
株主資本
2019 年度末現在において、当グループの株主資本合計は1,976.696十億人民元であり、前年度末比で251.299十億
人民元(14.56%)増加した。これは主として、下記の理由によるものである。
(1) 2019 年における当グループの当期純利益は201.891十億人民元であり、うち当行株主に帰属する利益は187.405
十億人民元であったこと。
(2) 当行は、積極的かつ慎重に外部資本調達プロジェクトを推し進め、国内市場において40.0十億人民元相当の無
期限資本債及び100.0十億人民元相当の優先株式を発行したこと。
(3) 年次株式総会で承認された2018年度配当分配計画に従い、普通株式の配当金54.167十億人民元が支払われたこ
と。
(4) 当行は、優先株式の配当金6.826十億人民元を支払ったこと。
詳細については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類における「連結株主資本変動計算書」を参照された
い。
オフバランスシート項目
オフバランスシート項目には、デリバティブ金融商品、偶発債務及び契約債務が含まれる。
当グループは、トレーディング、ヘッジ及び資産負債管理目的で、顧客に代わって外国為替レート、金利、株
式、与信、貴金属及びその他のコモディティ関連の各種デリバティブ商品の契約を締結した。デリバティブ商品の
約定金額/想定元本及び公正価値については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.16を参照された
い。
偶発債務及び契約債務には、法的手続及び調停、質権設定資産、受入担保、約定出資、オペレーティング・リー
ス、財務省長期証券約定償還、与信契約並びに引受債務等が含まれる。偶発債務及び契約債務の詳細については、
「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.41を参照されたい。
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キャッシュ・フローの分析
2019 年12月31日現在において、当グループの現金及び現金同等物の残高は1,345.892十億人民元であり、前年度
比で342.708十億人民元減少した。
2019 年度における営業活動による正味キャッシュ・フローは、484.266十億人民元の資金流出であったが、2018
年度においては 662.358 十 億人民元の資金流入であった。これは主に、前年度に比べ顧客に対する貸付金並びに銀
行及びその他の金融機関に対する預け金及び貸付金の純増が増加したことに加え、前年度において純増であった銀
行及びその他の金融機関に対する債務が純減したことによるものであった。
投資活動による正味キャッシュ・フローは、165.678十億人民元の資金流出であり、前年度比で16.815十億人民
元 減少 した。これは主に、金融投資からの収益が前年度に比べ増加したことによるものであった。
財務活動による正味キャッシュ・フローは、293.111十億人民元の資金流入であり、前年度比で63.774十億人民
元増加した。これは主に、債券発行による収益が前年に比べて増加したことによるものであった。
地域別セグメント報告
当グループは、中国本土、香港、マカオ、台湾並びにその他の国及び地域で事業活動を行っている。当行の事業
活動に帰属する利益並びに関連する資産及び負債の地域別分析は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元)
香港、マカオ その他の国
中国本土 相殺消去 当グループ
及び台湾 及び地域
項目 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
正味受取
318,865 303,945 39,835 38,831 15,485 16,930 65 - 374,250 359,706
利息
無利息
101,404 89,099 68,767 51,143 7,680 6,647 (2,091) (2,789) 175,760 144,100
収益
うち、
正味受取
手数料等 72,184 70,194 14,308 14,083 4,474 4,367 (1,354) (1,436) 89,612 87,208
経常費用 (140,920) (131,958) (51,388) (39,956) (7,686) (6,967) 1,725 1,902 (198,269) (176,979)
資産の
(101,010) (98,872) (1,429) (1,114) 286 692 - - (102,153) (99,294)
減損損失
税引前
178,338 162,224 56,843 51,004 15,765 17,302 (301) (887) 250,645 229,643
利益
期末現在
資産 17,923,536 16,932,306 4,217,013 4,197,031 2,062,659 2,009,680 (1,433,464) (1,871,742) 22,769,744 21,267,275
負債 16,413,115 15,625,811 3,825,613 3,844,519 1,987,643 1,943,129 (1,433,323) (1,871,581) 20,793,048 19,541,878
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2019 年12月31日現在において、当行の中国本土セグメントの資産合計(注3)は、前年度末比で991.230十億人
民元(5.85%)増の17,923.536十億人民元であり、当グループの資産合計の74.05%を占めた。2019年度における
同セグメントの税引前利益は、前年度比で16.114十億人民元(9.93%)増の178.338十億人民元であり、当グルー
プの税引前利益の71.07%を占めた。
注3:セグメント資産及びセグメント税引前利益並びにそれぞれの割合は、グループ内の取引消去前である。
香港、マカオ及び台湾セグメントの資産合計は、前年度末比で19.982十億人民元(0.48%)増の4,217.013十億
人民元であり、当グループの資産合計の17.43%を占めた。2019年度における同セグメントの税引前利益は、前年
度比で 5.839 十 億人民元( 11.45 %)増の 56.843 十 億人民元であり、当グループの税引前利益の22.65%を占めた。
その他の国及び地域セグメントの資産合計は、前年度末比で52.979十億人民元(2.64%)増の2,062.659十億人
民元であり、当グループの資産合計の8.52%を占めた。2019年度における同セグメントの税引前利益は、前年度比
で1.537十億人民元(8.88%)減の15.765十億人民元であり、当グループの税引前利益の6.28%を占めた。
当グループの事業セグメントの詳細については、下記「事業レビュー」を参照されたい。
重要な会計上の見積もり及び判断
当行は、翌会計年度における資産及び負債の計上額に影響を与える見積もり及び判断を行っている。こうした見
積もり及び判断は継続的に評価され、過去の実績、状況に基づき妥当とみられる将来の事象の予測及びその他の要
因に基づいている。経営陣は、会計上の見積もり及び判断が、当行の経営環境を適切に反映していたと考えてい
る。当行の会計方針及び会計上の見積もりの詳細については、「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記II及
びIIIを参照されたい。
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公正価値測定
公正価値で測定される金融商品の変動
(単位:百万人民元)
当年度利益に
当年度に 対する影響
2019 年 12月31 2018 年 12月31
項目 日現在 日現在 おける変動 金額
損益を通じて公正価値で評価される金融資産
負債性証券
371,232 273,447 97,785
資本性金融商品
79,456 47,061 32,395
7,608
ファンド投資及びその他
67,562 49,983 17,579
公正価値で評価される顧客に対する貸付金
339,687 227,643 112,044 (199)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される金融資産
負債性証券
2,196,352 1,862,232 334,120
(387)
資本性金融商品及びその他
21,777 17,527 4,250
デリバティブ金融資産
93,335 124,126 (30,791)
(3,853)
デリバティブ金融負債
(90,060) (99,254) 9,194
公正価値で評価される 銀行及びその他の金融
機関に対する債務及び預り金
(14,767) (876) (13,891) 29
公正価値で評価される顧客に対する債務
(17,969) (24,141) 6,172 -
公正価値で発行された債券
(26,113) (20,517) (5,596) 38
負債性証券のショート・ポジション
(19,475) (14,327) (5,148) (12)
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当行は、公正価値測定のための健全な内部統制体制を整備している。「商業銀行の市場リスク管理に関する指針
(Guidelines on Market Risk Management in Commercial Banks)」、「商業銀行における金融商品の評価に関す
る規制上の指針(Regulatory Guidelines on Valuation of Financial Instruments in Commercial Banks)」、
原価会計基準(CAS)及びIFRSに従い、新BIS自己資本比率規制を参照しながら、大手国際銀行の評価に関する模範
的慣行を参考にして、当行は、金融商品の公正価値測定を標準化し、正確な財務情報を適時に開示できるよう、
「中国銀行股 份 有限公司の金融商品の公正価値評価に関する方針(Valuation Policy of Financial Instrument
Fair Values of Bank of China Limited)」を策定した。当グループの公正価値測定の詳細については、「第6
1 財務書類」の連結財務書類の注記VI.6を参照されたい。
その他の財務情報
当グループの株主資本及び当期純利益については、IFRSに従って作成されたものとCASに従って作成されたもの
の間に差異はない。
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事業レビュー
当グループ各事業部門の経常収益は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2018 年
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
商業銀行事業: 497,424 90.44% 462,355 91.77%
法人向け銀行業務 221,123 40.21% 211,365 41.96%
個人向け銀行業務 186,744 33.95% 173,531 34.44%
資金運用 89,557 16.28% 77,459 15.37%
投資銀行業務及び保険 35,226 6.40% 25,524 5.07%
その他及び控除 17,360 3.16% 15,927 3.16%
合計 550,010 100.00% 503,806 100.00%
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当グループの主要な預金及び貸付金の概要は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元)
項目 2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在 2017 年 12月31日現在
法人顧客預金
中国本土:人民元建て 6,027,076 5,884,433 5,495,494
外貨建て 544,829 453,815 436,458
香港、マカオ、台湾
1,729,564 1,594,165 1,451,822
並びにその他の国及び地域
小計 8,301,469 7,932,413 7,383,774
個人顧客預金
中国本土:人民元建て 5,544,204 5,026,322 4,551,168
外貨建て 288,793 302,256 310,253
香港、マカオ、台湾
1,156,651 1,093,892 969,807
並びにその他の国及び地域
小計 6,989,648 6,422,470 5,831,228
法人向け貸付金
中国本土:人民元建て 5,591,228 5,057,654 4,761,874
外貨建て 259,463 280,878 338,379
香港、マカオ、台湾
2,135,689 2,009,066 1,872,448
並びにその他の国及び地域
小計 7,986,380 7,347,598 6,972,701
個人向け貸付金
中国本土:人民元建て 4,450,464 3,933,840 3,481,682
外貨建て 1,253 1,177 1,250
香港、マカオ、台湾
596,092 505,068 440,925
並びにその他の国及び地域
小計 5,047,809 4,440,085 3,923,857
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商業銀行業務
中国本土における商業銀行業務
実体経済への貢献、金融リスクの防止、金融改革の深化という3つの主要な課題に焦点を当てて、当行は、安
定性を確保しつつ進歩を追求するという一般原則を踏襲し、開発戦略の実行を強化することで、全事業にわたり安
定的な成長を達成し、着実に営業成績を向上させた。2019年度の中国本土における商業銀行業務は、前年度比で
26.920 十億人民元( 6.95 %)増の414.163十億人民元の経常収益を達成した。詳細は、以下の表のとおりである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年 2018 年
項目 金額 割合(%) 金額 割合(%)
法人向け銀行業務 187,866 45.36% 183,739 47.45%
個人向け銀行業務 163,429 39.46% 153,589 39.66%
資金運用 62,925 15.19% 47,855 12.36%
その他 (57) (0.01%) 2,060 0.53%
合計 414,163 100.00% 387,243 100.00%
法人向け銀行業務
当行は、法人向け銀行業務の変革の推進に全力を尽くした。当行は、法人顧客基盤をさらに統合し、顧客及び
業務構造の最適化を継続し、法人向け銀行業務の顧客のためにグローバル・サービス能力の向上に努め、法人向け
銀行業務の質の高い発展を推進した。2019年度の中国本土における法人向け銀行業務では、前年度比で4.127十億
人民元(2.25%) 増 の187.866十億人民元の経常収益を計上した。
法人顧客預金業務
当行は、顧客基盤の拡大及び行政機関顧客のさらなる獲得に向けた取組みを強化するとともに、一次販路にお
ける法人顧客向けマーケティング・システムを最適化し、国民生活、財政及び社会保障、教育及び保健等を支える
基幹産業の顧客に提供する商品及びサービスを向上させた。当行は、 テクノロジーを通じて持続的な進歩を可能に
するという戦略に沿って、顧客預金の増加につながり得る分野の活用及び預金源の拡大を可能にするビックデータ
という手法を通じた経営の改善を含め、法人向け銀行業務のデジタル化を推進した。オムニチャネル・マーケティ
ング活動の一環として、当行は、より安定した預金源を積極的に獲得するために、法人向けオンライン・バンキン
グ・システムを改良し、預金業務を牽引する決済、現金管理及びその他の一次業務の役割を強化した。当行はま
た、法人顧客預金の質の高い増加を支えるため、金融会社向けサービスの能力を強化し、既存顧客の金融資産全体
の拡大に一層注力した。
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2019 年12月31日現在の当行の中国本土における人民元建て法人顧客預金は総額で6,027.076十億人民元であり、
前年度末比で142.643 十億人民元(2.42%)増加した。一方、外貨建て法人顧客預金は総額で78.098十億米ドルで
あり、前年末比で11.975十億米ドル(18.11%)増加した。
法人向け貸付業務
当行は、引き続き実体経済の支援を強化した。経済の変革による機会を捉えながら当行は、主要な投資分野を
積極的に支援し、地方経済の変革及び高度化をはじめ、信用構造の調整の加速化を支えた。当行はまた、インフラ
事業、製造業、近代サービス業及び技術革新企業等の分野に対する信用補完をさらに増強し、民間企業に向けの
サービスを向上させた。さらに当行は、実体経済の質の高い発展を支援するために、地域の信用構造を最適化し、
北京・天津・河北地域、雄安新区、広東・香港・マカオ大湾区、長江デルタ及び海南自由貿易試験区(以下「海南
FTZ」という。)等の戦略上重要な地域については差別化した与信方針を打ち出した。加えて当行は、社会福祉、国
民生活、インターネット、地方創生、年金、オリンピック冬季競技大会及び冬季スポーツ等の主要分野における
サービス提供で積極的な役割を果たした。
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2019 年12月31日現在における当行の中国本土の人民元建て法人向け貸付金は総額で5,591.228十億人民元であ
り、前年度末比で533.574十億人民元(10.55%)増加した。また、外貨建て法人向け貸付金は総額で37.193十億米
ドルであり、前年度末比で3.732十億米ドル(9.12%)減少した。
実体経済への貢献に向けた堅調な実績の達成
2019 年において当行は、実体経済への貢献に向けて着実に前進し、金融サービスを提供するための
新たな方法を開発した。当行は、供給サイドの構造改革を積極的に支援し、適切に信用補完を増強し
つつも、国内の人民元建て貸付の急速な成長を達成し、地方政府債への投資も増加させた。当行は、
主要な経済地域及び国民生活の安全に対する投資を増加した。製造業に対する貸付割合は高水準で推
移した。当行はまた、非排他的ファイナンス及び民間企業のための信用補完を増強した。非排他的
ファイナンスでは、貸付の「金額の引上げと価格の引下げ」を実現した。民間企業向け貸付の成長率
は、法人向け貸付の成長率を上回った。当行は、新たな解放の様式にも積極的に関与し、「堅実な外
国貿易」及び「堅実な外国投資」を精力的に支援した。国内の国際決済業務では、引き続き業界1位
を維持した。外国為替取引通貨及び取引高でも、中国の他行の中でトップを堅持した。当行はさらに
債務株式化スワップを積極的に推進し、市場主義的な債務株式化スワップ・プロジェクトの契約件数
及び契約金額は過去最高を更新した。当行は、貧困からの救済という厳しい戦いを支援し、咸陽市の
「北部の4群」が貧困を軽減できるよう支援した。
2019 年において当行は、協調的な地域開発に向けた国家戦略を本格的に実施した。当行は、長江デル
タ、 広東・香港・マカオ大湾区及び北京・天津・河北地域における事業展開を加速化させ、主要地域
の貢献度がさらに向上した。北京・天津・河北地域及び雄安新区で当行は、北京・天津・河北地域の
協調開発及びオリンピック冬季競技大会のインフラ建設を積極的に支援するとともに、地域研究開発
拠点を設置し、投資管理という目的に焦点を当てたBOC富登村鎮銀行の礎を築いた。 長江デルタ区にお
いて当行は、 長江デルタ統一のための非排他的ファイナンス業務計画 、 長江デルタにおける統合事業
開発のための行動計画 及び 上海自由貿易試験区内の臨港特区のための行動計画 の発表を主導した。当
行は、上海自由貿易試験区内の臨港特区に支店を設置した最初の銀行のひとつであり、上海人民元ト
レード本部を立ち上げ、同特区における上海人民元トレード本部の活動を強化したことで、長江デル
タにおける総合的な事業展開の深みが増した。 広東・香港・マカオ大湾区においても当行は、 広東・
香港・マカオ大湾区における事業展開計画 を発表し、6つの特別行動計画を実施するとともに、 深 圳
の社会主義実証試験区への発展を全面的に支援した。当行は、「 大湾区口座開設」業務を他行も先駆
けて導入し、香港のバーチャル銀行業免許を取得した最初の銀行のひとつとなり、大湾区において
トップの市場シェアを維持した。
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金融機関業務
当行は、様々な金融機関との協力を引き続き深めた。当行は統合された金融サービスのプラットフォームを強
化し、金融機関顧客数において首位を保った。当行は、約1,600の金融機関との間で構築したコルレス関係を活用
することにより、多国籍の機関及び企業に対して国際決済、債券ファイナンス、外国為替取引、投資信託管理、グ
ローバル現金管理等の金融サービスを提供した。「一帯一路」構想の実施に密接に即し、「一帯一路」沿いの国及
び地域における主要コルレス銀行との協力を強化した。当行は、アジアインフラ投資銀行、ブリックス
(BRICS)、新開発銀行及びシルクロード基金といった組織及び機関との包括的な協力を継続的に深め、現地の政
策金融機関の投資・融資プロジェクトに参加し、広範な金融サービスを提供した。クロスボーダー人民元業務を拡
大する取組みの強化により、当行は、外国中央銀行及びその他の統治機構、商業銀行並びに証券取引所の主要な人
民元決済チャネル及び主要な協力銀行となっている。当行は現在、114の国と地域においてコルレス銀行に 1,448 の
クロスボーダー人民元決済口座を開設し、中国の銀行の中で首位の座を堅持している。当行はまた、人民元クロス
ボーダー銀行間決済システム(CIPS)を推し進め、国内外の289の金融機関と間接参加関係のための協力協定に調
印し、業界で最大の市場シェアを獲得した。当行の適格海外機関投資家(QFII)及び人民元適格海外機関投資家
(RQFII)向け資産保管業務並びに外国中央銀行及びその他の統治機構向け代理業務はいずれも、顧客基盤及び事
業規模の双方において業界トップとなっている。当行はまた、中国の銀行間外国為替市場において韓国銀行にとっ
て唯一の外国為替代理人となった。当行は、要素市場における特長的な業務の利点を拡大し、要素市場のエコシス
テムのための専門サービス・モデルを開発し、中国外国為替取引システム、中国銀聯(ユニオンペイ)、上海黄金
交易所、上海清算所、上海票据交易所股 份 有限公司及び跨境銀行間支付清算(上海)有限責任公司との間で戦略的
提携契約に署名した。さらに当行は、H種株式「全面流通」の包括的推進段階のための唯一の決済銀行として、中
国証券登記結算有限責任公司(CSDC)に唯一のクロスボーダー決済口座を有していた。
2019 年12月31日現在において当行は、金融機関からの預かり外貨預金で市場シェア第1位であるとともに、資
産保管業務の第三者顧客の数及び市場シェアの双方の成長率でも他行の中ではトップの地位を有している。
取引銀行業務
フィンテックの革新という潮流及び顧客の総合的な金融サービスに対するニーズに積極的に対応することによ
り、当行は、精力的に取引銀行業務を展開した。当行は、取引銀行業務の国内外の枠組み及び論理的な統合をおお
むね完了しており、「BOCインテリジェント・グローバル取引銀行業務のプラットフォーム(以下「iGTBプラット
フォーム」という。)の主要な第一段階の構成要素を開始した。
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当行は、貿易金融における専門的な優位性を全面的に活用し、「安定的な外国貿易の確保」という国家の要求
に応えた。2019年において当グループの国際貿易取引高は5.2兆米ドルに達した。中国本土に所在する当行のグ
ループ会社は、国際貿易決済市場において最大の市場シェアを維持し、クロスボーダー保証業務においても業界
トップの地位を有した。中国国際輸入博覧会(以下「CIIE」という。)の戦略的パートナーとして当行は、国家の
解放政策に従い、CIIEのために総合的な質の高いサービスを提供した。当行はまた、標準的な「単一窓口」におけ
る金融サービス面の改善で国家港湾管理局を支援し、税金及び手数料の納付、口座開設の予約、集中的かつ一元的
な徴税保証状(以下「L/G」という。)のオンライン申請、クロスボーダー送金、中小企業向けの税金及び手数料
に対する融資並びに保険料支払等の業務を開始した。さらに当行は、クロスボーダー電子商取引業界向けの需給
マッチング、融資及び決済等の業務を網羅するクロスボーダー電子商取引のための総合金融サービス計画を改良
し、「集約、融資及びつながり」という3つの金融サービス・システムを構築した。
当行は、法人向けの商品及びサービスのシステムを向上させ、実体経済に提供するサービスの質及び効率性を
強化した。当行はまた、中小企業に対する融資を支援するためにサプライ・チェーン金融サービスの拡大を加速化
させ、多数の基幹産業において債権買収及びディーラー金融等の革新的な金融サービス・ソリューションを開始し
た。当行は、法人口座開設の手続を簡素化し、顔認証及びビックデータ等の新技術を応用することにより、現地通
貨建て口座及び外貨建て口座の「ワンストップ開設」も実現した。さらに当行は、零細企業及び中小企業向けのオ
ンライン手形割引サービスを提供するための「BOC手形電子割引」の販売を促進した。
当行は、秩序ある人民元の国際化を進めた。当行は、人民元の主要なクロスボーダー流通チャネルとして機能
し、業務の革新において市場で主導的な役割を果たした。2019年における当グループのクロスボーダー人民元決済
の取引高は7.32兆人民元であり、前年度比で23.03%増加した。うち、中国本土に所在する当行のグループ会社
は、前年度比で26.01%増の5.03兆人民元の決済を行い、市場シェアで首位を維持した。当行はまた、融資通貨及
び投資通貨としての人民元の役割に全面的に寄与し、ポルトガル政府及びフィリピン中央銀行等の統治機構をはじ
め、一部の有名な営利団体によるパンダ債の発行を支援した。価格設定通貨としての人民元の役割を最大限活用し
て、当行は、国内証券取引所の国際化された先物商品のための包括的なサービスも提供し、金融要素市場の発展を
支援した。当行は、第2回CIIEにおいて「人民元の国際化 - 自由貿易区設置の促進(Internationalisation of
RMB - Facilitating the Building of the Free Trade Zone )」と題するフォーラムも主催するとともに、世界で
の人民元の流通及び使用を促進するために日本、ハンガリー等の国において人民元の国際化に関するフォーラム開
催及びプロモーション活動も行った。当行は引き続き「BOCクロスボーダー人民元インデックス(CRI)」、「BOC
オフショア人民元インデックス(ORI)」及び人民元国際化白書も発行し、グローバル顧客が人民元を理解及び使
用できるようにするための包括的かつ専門的な支援を提供した。
加えて当行は、商品及びサービスの革新を推進し続け、取引銀行業務の活用シナリオの策定を強化した。当行
は、「グローバル現金管理プラットフォーム+」という包括的商品システムを改良し、主力商品の世界的統合を拡
大することにより、現金管理業務のグループ顧客数の急増を実現した。
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2019 年において、当行は、グローバル・ファイナンス誌より「Best Bank for Transaction Services」及び
「Best Chinese Bank for RMB Internationalisation」に認定されるとともに、アジアマネー誌より「Best
Transaction Bank for Trade Finance」及び「Best Transaction Bank for International Cash Management」、
ユーロマネー誌より「Best Regional Cash Manager in Asia」を受賞し、当行の取引銀行業における専門的な優位
性が証明された。
非排他的ファイナンス業務
非排他的ファイナンスの発展及び実体経済への貢献を目的とした国家の政策及び施策を積極的に実施すること
により、当行は、非排他的ファイナンス・システムを継続的に改善しつつ、零細企業及び小規模企業の融資コスト
削減に注力し、かかる企業に提供するサービスの質及び効率性を着実に高めてきた。
当行は、零細企業及び小規模企業のために信用補完を強化し、非排他的ファイナンスについて総合的な方針指
針及び資源支援を提供した。当行は非排他的ファイナンスの構造を改良し、健全なサービス体制を確立するととも
に、銀行全体で非排他的ファイナンスのための組織構造の適用を促進し、「5つの専門的業務体制」を構築した。
2019年12月31日現在における当行の零細企業及び小規模企業に対する非排他的ファイナンス・ローン(注)残高は
412.9十億人民元に達し、前年度末比で38%増加となった。これは当行の貸付金合計の増加率を上回っている。ま
た、零細企業及び小規模企業の顧客は400,000件近くとなり、期首よりも増加した。新規の零細企業及び小規模企
業に対する非排他的ファイナンス・ローンの平均金利は4.30 % であった一方、零細企業及び小規模企業に対する
ローンの質は引き続き安定していた。当行は、リスク管理を強化し、質の高い非排他的ファイナンスの発展を促す
ため、システム及びメカニズム、政策プロセス並びに情報システムの点で業務上のコンプライアンスを改善した。
当行は、世界全体のコネクティビティを推進するため、中小企業向けのクロスボーダー需給マッチング・サー
ビスを積極的に提供した。当行は、2019年にクロスボーダー取引・投資会議を11回開催した。CIIEで唯一の戦略的
パートナーとして当行は、第2回CIIE展商客商供需対接会(Exhibitor-Businessman Supply-Demand Matchmaking
Conference)を成功裏に主催した。当行は、2014年以来、61回のクロスボーダー需給マッチング・イベントを開催
し、世界125の国と地域から30,000社が参加し、参加企業が貿易、投資及び技術導入等の面で事業協力できるよう
支援した。
注:零細企業及び小規模企業に対する非排他的ファイナンス・ローンは、「2019年度零細企業及び小規模企業向け銀行金融
サービスの質及び効率性のさらなる向上に関する中国銀行保険監督管理委員会総局通達」(Y.B.J.B.F.[2019]第48号)に基づい
て算出されている。
年金業務
当行は、中国の社会保障制度の発展に焦点を当てて、継続的に年金業務の対象範囲を拡大し、商品の革新を推
し進め、制度の機能を向上させた。当行は、企業年金、職業年金、従業員福利制度及び年金保障管理商品等の各種
商品を提供することで、継続して顧客満足度を高めた。当行はまた、年金業務の戦略的計画立案を加速化させ、シ
ルバー経済のためのシナリオ策定を開始したことで、シルバー経済の発展を精力的に支援した。2019年12月31日現
在において保管されている年金基金は52.266十億人民元となり、当行が有する個人年金口座数も5.3949百万口座に
達し、前年度末比で0.3830百万口座(7.64%)増加した。保管資産は、前年度末比で165.987十億人民元
(75.05%)増の387.145十億人民元となり、当行の年金業務顧客数は16,000を超えている。
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「一帯一路」構想への支援強化
当行は引き続き一帯一路構想を実施し、その発展に向けて十分な支援を提供した。当行は、一
帯一路に沿って「海外進出」をする中国企業、「参入する」外国企業及び現地企業の主要取引
銀行になるよう努める。当行は、一帯一路沿いの国における当行の組織ネットワークも改善し
た。市場の原則に従って一帯一路沿いにおける主要な協力プロジェクトを支援し、一帯一路関
連の人民元国際化事業の主要なチャネルとして役割を担い、世界の資金源を一帯一路の国と地
域に向ける上で主導的役割を果たした。
当行は、一帯一路沿いの国においてネットワークをさらに拡大した。 2019 年末現在において、
外国に所在する当行のグループ会社は、一帯一路沿いの25 ヶ 国を含む61の国と地域に拠点を設
置している。これは、世界的にも一帯一路沿いにおいても、中国の銀行の中で最大のプレゼン
スとなる。2019年に当行は、インド(ムンバイ)、アテネ、ブキャレスト及びブエノスアイレ
スにおいて支店又は子会社の営業を開始し、一帯一路沿いの国における当行のネットワークが
さらに拡大した。
当行は、信用状の発行及びプロジェクトの拡大を着実に推し進めた。 当行は、2019 年 末現在に
おいて600件を超える主要な一帯一路関連プロジェクトを支援してきた。2015年以来当行は、一
帯一路沿いの国に160.0十億米ドル超の信用補完を提供してきた。
当行は、人民元の国際化を継続的に促進した。 当行は、決済業務の質及び効率性を強化し、現
地市場における人民元の発展を促進する取組みとして、クロスボーダー人民元決済システムを
引き続き改良した。2019年における一帯一路沿いに所在する当行のグループ会社の人民元決済
取引高は4兆人民元を突破した。人民元建てソブリン債の発行は、一帯一路沿いにおける人民
元のクロスボーダー使用を増加させた。
当行は、積極的に外国為替商品の提供を拡大した。 当行は、企業が為替リスクを軽減できるよ
う支援するために、一帯一路沿いの国において多通貨間の現物及び先渡の外国為替取引、ス
ワップ及びオプションを含む外国為替商品の販売を促進した。当行は現在、99の新興市場通貨
の相場を提供することができる。
当行は、第2回一帯一路国際協力フォーラムに参加した。 「金融コネクティビティに関する
テーマ別フォーラム(Thematic Forum on Financial Connectivity)」の開催期間中、当行
は、 一帯一路のためのグリーン投資原則(Green Investment Principles for the Belt and
Road) への調印に積極的に参加した。第1回 一帯一路起業家会議においては、当行が推奨する
象徴的な一帯一路プロジェクトの現地契約が完了した。加えて、一帯一路起業家会議の 需給
マッチング 商談イベントの共同主催者として当行は、中小企業を対象としたクロスボーダー 需
給マッチング ・ プラットフォームを通じて、800件近くの一対一の商談をアレンジした。さら
に、当行が主催する一帯一路国際金融交流・協力セミナーは、第2回一帯一路国際協力フォー
ラムの成果物として取り上げられた。
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個人向け銀行業務
顧客中心主義に重点を置くことにより、当行は、フィンテック発展の潮流に対応し、個人向け銀行業務のデジ
タル化及び構造改革を加速化したことで、事業の健全かつ持続可能な発展を牽引した。2019年の中国本土における
当行の個人向け銀行業務の経常収益は163.429十億人民元であり、前年度比で9.840十億人民元(6.41%)増加し
た。
個人顧客預金業務
金利自由化の流れを受けて当行は、包括的な個人向け金融サービスにおける優位性を活用し、個人顧客預金商
品のイノベーションを活発化させ、決済業務の手続きを改良することにより、顧客の多様なニーズに応えてきた。
当行はまた、顧客層の分類をはじめ、法人向け業務及び個人向け業務との間の連携強化により、決済代行業務をさ
らに拡大した。当行は、決済代行業務の顧客に対しても、口座開設、給与支払、消費及び投資等の一連の総合的な
サービス・ソリューションも提供した。当行は、複数の取引シナリオを特長とするオンライン証拠金供託業務を開
始した。さらに当行は、個人顧客の預金及び引出業務で利用可能な通貨を25通貨に増加するとともに、顧客が利用
できる両替可能な外国通貨も39通貨に増加することで、外国為替業務をさらに発展させ、業界での首位を維持し
た。加えて当行は、中国本土の主要都市において、モバイル・バンキング、ウィーチャット・バンキング及びオン
ライン・バンキング等の電子チャネルを通じて23通貨で外国為替現金予約業務を開始することで、顧客体験を向上
させた。当行は、外国為替業務における優位性を積極的に活用し、中国国際輸入博覧会等の主要なイベントにおい
てサービスを提供した。
2019 年12月31日現在における当行の中国本土における人民元建て個人顧客預金は総額で5,544.204十億人民元で
あり、前年度末比で517.882十億人民元(10.30%)増加した。一方、外貨建て個人顧客預金は総額で41.397十億米
ドルであり、市場におけるシェアは引き続き上位となっている。
個人向け貸付業務
当行は、個人向け貸付業務の発展及び変革を着実に進めることにより、実体経済への貢献及び消費向上の支援
のための取り組みを強化した。当行は、主要な地域で初めて持ち家を購入しようとしている世帯のニーズに応える
ことに特に焦点を置き、住宅ローン業務の持続可能で健全な発展を推進することにより、不動産に関連する国家の
規制上の政策及び要件を遵守した。当行は、特長のある「BOC電子クレジット」商品の機能を改良し、社会保障、
住宅準備基金及び税務データ間のつながりを継続的に強化しつつ、消費者シナリオを統合することにより、当行の
商品及びサービスを革新的に進歩させてきた。当行は、「BOC電子クレジット・営業ローン」、「BOC電子クレジッ
ト・納税ローン」、「BOC富の積立」、事業者向けローン及びその他の非排他的ファイナンス・ローン商品を発売
し、零細企業及び小規模企業が直面する課題及び高い資金調達コストに対応することに焦点を当てて、税金及び手
数料の削減という国家の要請に応えた。当行が中国本土において新たに発売した個人事業向け産業チェーン・オン
ライン・ローン商品は、香港商報及び中国開発性金融促進会により「Ten Cases Serving the Real Economy with
Financial Innovation in 2019」のひとつに選出された。さらに当行は、政府出資の学生ローンを引き続き提供す
ることで、市場でのトップの地位を確保するとともに、「キャンパスでの文化及び芸術」、「レインボーブリッ
ジ」及び「キャンパスにおける誠実な教育」等の教育支援キャンペーンを実施した。
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2019 年12月31日現在の当行の中国本土における人民元建て個人向け貸付金は総額で4,450.464十億人民元であ
り、前年度末比で516.624十億人民元(13.13%)増加した。
ウェルス・マネジメント業務及びプライベート・バンキング業務
当行は、各種業務の革新及び変革を推進し、顧客サービス能力を向上させることにより、ウェルス・マネジメ
ント業務及びプライベート・バンキング業務の発展を加速化した。顧客のウェルス・マネジメントに対するニーズ
に焦点を当てることで、当行は、資産分配能力を強化するための市場全体の商品選択プラットフォームを構築し
た。当行はまた、統合化された自動制御可能な投資商品の販売力を向上させる目的で、フィンテックの応用を強化
し、特長のあるインテリジェント自動投資戦略を開発した。当行は、専門的な資産分配意思決定システムも構築す
るとともに、BOC投資戦略研究センターを設立し、BOC広東・香港・マカオ大湾区ウェルス・インデックス及び 2020
年度BOC個人向け銀行業務グローバル資産分配白書 を発表した。加えて当行は、サービス・システムの構築を強化
し、人材管理体制を向上させ、ウェルス・マネジメント・マネージャー、プライベート・バンキング担当者及び投
資アドバイザーで構成されるチームの育成で大きな進歩を遂げた。さらに当行は、家族信託業務及び一任投資業務
を精力的に発展させつつ、アジア太平洋地域におけるプライベート・バンキング・プラットフォームの構築を推し
進めたことにより、グローバル・サービスのさらなる向上を図った。
2019 年末現在において当行は、ウェルス・マネジメント・センター8,215件、権威あるウェルス・マネジメン
ト・センター1,107件、プライベート・バンキング・センター46件を中国本土に設置している。当グループは、プ
ライベート・バンキング顧客を代理して1.6兆人民元を上回る金融資産を運用した。2019年において当行は、アジ
アマネー誌より「Best Private Bank for International Network in China」、中国基金主催の英華奨において
「Best Distributor for Mutual Fund」、アジアン・プライベート・バンカーより「Best National Private
Banking in China」及びウェルス誌より「Golden Award | Best Domestic Private Bank - Family Succession
Service 」等を受賞した。当行はまた、チャイナ・ビジネス誌より「2019 Best Cross-border Financial
Service” from China Business」及びFOTTより「Innovative Institution of Best Local Family Service
Practice」も受賞した。
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銀行カード業務
当行は、市場の動向及び顧客の需要の変化に注意深く応じて、当行は、銀行カード業務の構造を改良し続け、
質の高い発展のために事業リスクを効果的に管理した。一方、クレジットカードで当行は、有効化率、利用顧客
率、限度額使用率、リスク調整後資本収益率(RAROC)及び不良債権率という「5つの指標」の評価を実施するこ
とで、クレジットカード業務における安定した資産の質を維持した。当行は、冬季スポーツ、教育及び家屋装飾に
関連するオンライン及びオフラインのシナリオ設計を強化した。若年層顧客、留学生、自動車保有者及びクロス
ボーダー顧客等の主要な顧客層のニーズに焦点を当てることにより、当行は、特長あるクレジットカード商品を発
売した。オリンピック2大会の公式パートナー銀行として、当行は、冬季スポーツ及び全国的なフィットネス・
キャンペーンに貢献するため、世界初となるビザの2022年北京オリンピック冬季競技大会をテーマとしたクレジッ
トカード及び中国銀聯(ユニオンペイ)の冬季スポーツをテーマとしたクレジットカードを発売し、「氷と雪のス
ポーツのために。BOCへの期待(For ice and snow sports, look for BOC)」というコンセプトで堅固な市場での
評判を構築した。国家の高速道路改革を支持及び支援しつつ、顧客の自動車消費を促進することにより、当行は、
自動車クレジットカード商品及びETC共同ブランド・クレジットカード商品を継続的に改良し、オンラインでETCを
申し込むための高速チャネルを開設した。当行はまた、クレジットカード業務のデジタル化及びインテリジェント
化をはじめ、クレジットカード網のオンライン化及び電子化を引き続き推進した。当行は、BOCデジタル・クレ
ジットカードを発売し、「デジタル・カード・プラス」決済エコシステムを構築することにより、クレジットカー
ド取得時であっても顧客が継続してクレジットカードを有効化できる、チェーン全体で閉鎖されたエコロジーな
ループを実現した。加えて当行は、オンラインでの「BOC電子分割払い」の導入を通じて分割払いサービスを向上
させ、プレミアム分割払いが70%増加した。当行は、新古車購入の分割払いに加え、自動車派生商品の分割払いの
促進を加速化し、いずれも減速する国内自動車市場において前年度比で9.9%の成長率を達成した。当行はまた、
デジタル調達商品の機能を改良し、生体認証技術に基づき「BOCスマート・ペイメント」用に顔認証決済商品を発
売した。当行は、事業者がオンライン決済を全般的に受け入れ、便利にアクセスでき、特別仕様化によっても受け
入れられるオンライン決済商品を改良した。当行は、事業者のビジネス・プロセス全体において滞りなくオンライ
ン接続できるようにするための「BOCスマート・マーチャント」アプリも開始した。当行は、シナリオ策定を積極
的に推進し、クロスボーダー・シナリオ用、教育シナリオ用、スポーツ・シナリオ用、シルバー経済シナリオ用、
運輸シナリオ用、医療・保健シナリオ用、行政納付金決済シナリオ用、娯楽シナリオ用及び旅行シナリオ用のプロ
グラム200件超を導入し、第2回中国国際輸入博覧会及び第16回中国アセアン博覧会等、一連の国家事業のための
調達サービスを独占的に提供した。顧客体験に焦点を当てることにより、当行は、サービスの効果を強化すべく、
360度の顧客ライフサイクル・メンテナンスを継続的に開発した。当行は、主要な顧客層を対象とした総合的な
マーケティング活動を通じて、カード所有者の権利及び利益を保護し、感情に響くインタラクティブな宣伝キャン
ペーンを打ち出すことで、クレジットカードのブランド力を高めた。
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当行は、デビットカード業務を着実に推進し、シナリオに基づくモバイル決済の申込みを拡大することで、引
き続き顧客体験を向上させた。 当行は、大学キャンパス業務での優位性を活かし、業務の範囲を小学校、高校、幼
稚園、訓練機関及びその他の「未開発の」教育市場に拡大することにより、「教育全体」シナリオの策定に努め
た。当行は、地方人的資源社会保障部と協力して、2019年末に金融機能付き社会保障カードを累計で108百万枚発
行した。当行はまた、電子社会保障カード及び電子健康カードを含め、革新的なオンライン商品を発売し、顧客に
総合的な「オンライン + オフライン」サービス及び「金融 + 非金融」サービスを提供した。当行は、鉄道旅行シ
ナリオも開発し、鉄道10路線において鉄道電子カードの適用を完了した。
2019 年12月31日現在における当行の銀行カードの発行数及び取扱高は、以下のとおりである。
(単位:百万枚/十億人民元、%を除く。)
項目 2019 年 12月31日現在 2018 年12月31日現在 変動率
デビットカードの累計枚
565.1313 525.7446 7.49%
数
クレジットカードの累計
124.9501 110.6573 12.92%
有効枚数
金融機能付き社会保障
カードの累計枚数 108.4211 101.8742 6.43%
2019 年 度 2018 年度 変動率
デビットカードによる取
7,115.278 5,941.075 19.76%
引額
クレジットカードによる
1,777.209 1,619.555 9.73%
取引額
クレジットカードによる
325.606 279.132 16.65%
割賦量
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個人向け銀行業務のデジタル化を加速化
当行は、あらゆる側面においてデジタル開発戦略を実行し、個人向け銀行業務の組織構造を改
革しつつ、フロント・オフィス、ミドル・オフィス及びバック・オフィスの全プロセスで個人
向け銀行業務のデジタル化を推進した。
テクノロジーを通じた進歩を可能にするために、組織構造改革を実施する。 フィンテック開発
の潮流に乗るべく、当行は、あらゆる側面において個人向け銀行業務の開発手法を改良する目
的で、新たな部署としてデジタル化プラットフォーム・センター及びプライベート・バンキン
グ・センターを下位組織とするデジタル個人向け銀行業務部を設置した。消費高度化の傾向を
強く認識し、当行は、消費者金融業務を統合するため、消費者金融部も設置した。加えて当行
は、クレジットカードのブランド構築に努め、事業部門に特有の特長が強調されるよう、銀行
カードセンターに割り当てられていた責任を最適化した。管理体制の改革に関連して、当行
は、管理の調整、統合及び最適化に注力し、職務及び職責の分掌を改善し、さらなる発展に向
けより強い相乗効果を結集するよう努め、機動的な対応力を強化した。
「モバイル第一主義」という戦略に従い、機動的なフロント・オフィスを実現する。 2019 年 に
おいて当行は、モバイル・バンキング バージョン6.0を発表した。同バージョンには、機能、
ユーザー体験、シナリオ、技術応用及びその他の側面において300を超える改良がなされてい
る。2019年末にはモバイル・バンキング業務の顧客数が当行全体で181百万名に達し、2019年中
の関連取引高も28兆人民元となり、前年度比でそれぞれ24%及び41%増加した。
「インテリジェント化第一主義」に従い、一元化されたミドル・オフィスを実現する。 当行
は、スマート口座の利用を促進し、デジタル口座通帳に「収支記録」機能を導入した。当行は
また、知的財産権保護プログラムを推進し、個人顧客の権利保護制度を開始する礎が築かれ
た。インテリジェント投資顧問業務では、インテリジェント・サービス・ポートフォリオであ
るBOCロボット・アドバイザー・プログラムの取引高が12.3十億人民元を記録し、合計100,000
名を超える顧客を惹きつけた。
「自動化第一主義」という戦略に従い、効率的なバック・オフィスを実現する。 デジタル化さ
れたリスク管理力を強化するために、当行は、顧客の資金を安全に保管するために、当行全体
で全面的にインテリジェント化された効率的に詐欺を防止するための継続的なリスク管理プ
ラットフォームを構築及び導入した。加えて当行は、モバイル・バンキングによる送金が容易
かつ安全となるモバイル・バンキング用のデジタル化された認証ツールである「携帯シール
ド」を発表した中国で業界初の銀行となった。データ統合基準を高めるため、当行は、ビック
データ・プラットフォームにおいてデータ容量を急速に拡大し、データ・サンドボックスにお
けるモデリング力を向上させつつ、1,894件の顧客タグを作成することで、当行の個人向け銀行
業務では、自動化、可視化及びモバイル化されたデータを利用できるようになった。
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金融市場業務
当行は、金利及び為替レートの自由化及び人民元の国際化に向けた動きに積極的に対応した。市場の動向を注
意深く監視しつつ、専門的優位性を活用することで、当行は、ビジネス構造を継続的に調整し、金融市場の革新に
参加する取り組みを強化し、国際的な規制上の要件を遵守することで、金融市場におけるビジネスの影響力を強化
した。
証券投資業務
当行は、マクロ経済状況及び市場金利に関する分析及び判断を強化することにより、当行は、市場機会を積極
的に捉え、投資ポートフォリオの存続期間の合理的な調整を行い、投資構造を最適化した。当行は、重要な戦略及
び主要な分野に特に焦点を置いて、実体経済の発展を積極的に支援するとともに、地方政府債投資にも適切に参加
した。国際債券市場の動向を踏まえ、当行は、外貨投資ポートフォリオの最適化も図り、金利リスク及び信用リス
クの回避及び軽減に努めた。
トレーディング業務
当行は、金利、為替及びコモディティの3つの主要商品ラインに基づき、統合化されたグローバル金融市場業
務の体制を継続的に改善した。当行はまた、金融市場業務の安定的かつ急速な発展を促すため、定量的トレーディ
ング能力及び包括的な顧客サービス能力の向上に努めた。当行は、外国為替商品を多様化し、対人民元外国為替業
務の市場シェアで引き続き他行を上回り、交換可能な通貨の組み合わせの数を39まで増加させた。当行はまた、取
引可能な外貨数を110通貨に増加した。このうち99通貨は新興国市場通貨、46通貨は一帯一路沿いの国の通貨で
あった。研究、トレーディング及び販売を網羅する多層構造の業務体制に依拠することにより、当行は、外国機関
投資家の顧客基盤の統合的な拡大を強化した。当行は、中国の金融市場の双方向解放を支援し、上海黄金交易所及
びシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)との間の相互連携にも参加した。当行は、個人顧客の多面的な資産分散
に対するニーズに応えるべく、商品の革新を強化し、個人向けトレーディング商品システムでは現在、貴金属、債
券、原油、外国為替を取り扱っている。実体経済の金融ニーズに応じて、当行は、為替レート、金利及びコモディ
ティ価格に関連するリスクに対する専門的なヘッジ・サービスも提供した。当行はさらに、オンライン・サービス
能力を向上させ、取引高及び顧客基盤の点で急速な成長を遂げた。加えて、コンプライアンスを中核的な競争力と
みなして、当行は、当初証拠金に関する義務的コンプライアンス・プログラムを推進した。
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投資銀行業務及び資産運用業務
当行は、実体経済への貢献に焦点を当てて、国際的多角的な業務における競争優位性を全面的に活用した。当
行は、債券の引受・販売、資産運用、資産証券化及びM&Aのリストラクチャリング・アドバイスのための専門的な
金融商品やサービスを含め、包括的かつ専門的でカスタマイズされた投資銀行業務及び資産運用業務のソリュー
ションを顧客に提供した。当行は、中国の多層資本市場システムの構築を促進し、顧客の直接的な金融ニーズを支
援するため、当行は、中国の銀行間債券市場において非金融機関向けの債券金融商品を総額457.356十億人民元で
引き受けた。当行の金融機関向け債券引受業務は大幅に強化され、金融債の引受高及び市場シェアは引き続き改善
している。当行は、資産証券化引受業務で、銀行間取引市場において商業銀行の中でトップの市場シェアを維持し
た。当行はまた、パンダ債の発行でフィリピン共和国、ポルトガル共和国、イタリア預託貸付公庫、クレディ・ア
グリコル・エスエー及びユナイテッド・オーバーシーズ・バンク等のオフショア発行体を支援することにより、ク
ロスボーダー競争力を強化した。当行は、パンダ債業務ではトップの市場シェアを誇っている。当行は、総額10.0
十億米ドルを超える、中国財政部によるマカオ初の人民元建てソブリン債の発行、2004年以来初となるユーロ債建
てソブリン債の発行及び3年連続となる米ドル建てソブリン債の発行で、共同主幹事及び共同ブックランナーを務
めた。これらの発行により、外貨建てソブリン債のイールドカーブがさらに構築され、中国の与信の価格指標の確
立も促進された。当行は、中国のオフショア債券の引受会社として、引き続きトップの市場シェアを獲得した。当
行はまた、グリーン・ファイナンスの発展の推進に努め、中国銀行間取引市場におけるグリーン債の発行で市場
シェア1位を維持した。当行は、貧困緩和のための金融ソリューションを積極的に探究することで、初のオフサイ
ト貧困緩和債の発行を支援した。さらに当行は、民間企業融資を強力に支援し、総額33.588十億人民元の民間企業
向け債券金融商品を引き受け、民間企業の資金調達チャネルをさらに拡大した。その結果、当行は、IFRアジア誌
より「China Bond House」及び「Best Renminbi Bond」、ファイナンスアジア誌より「Best Panda Bond
House」、「Best Investment Grade Bond House in Asia」及び「Best Panda Bond」、アジアマネー誌より「Best
Firm for ABN」及び「Best for Auto ABS」、並びにザ・アセット誌より「Best Bond Advisor」、「Best Green
Bond」、「Best Quasi-Sovereign Bond」、「Best Social Impact Bond」及び「Best Securitisation Advisor」
を受賞した。かくして、BOCデット、キャピタル・マーケットのブランド力は引き続き強化された。 かくして、BOC
デット・キャピタル・マーケッツのブランド力は継続的に強化された。
当行は、ウェルス・マネジメント業務の変革を引き続き推進し、商品ラインをさらに拡大しつつ、純価値商品
の残高を着実に増加させた。当行は、実体経済の支援を強化し、年金ファイナンス、グリーン・ファイナンス、非
排他的ファイナンス及び民間経済等、国家の政策や強い市場の関心を取り巻く様々なテーマのあるウェルス・マネ
ジメント商品を提供した。当行はまた、長江デルタ及び広東・香港・マカオ大湾区をはじめとする戦略的区域の開
発を積極的に支援するために、テーマを絞った商品を発売した。2019年末現在における当行及びBOCウェルス・マ
ネジメントが発行したウェルス・マネジメント商品の残高合計は、1,427.7十億人民元であった。
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当行は、専門的な金融アドバイザリー業務の体制を確立し、グループ全体の連携を強化した。当行は、本店及
び各支店との間の連携とともに、国内業務及び国外業務との間並びに商業銀行業務及び投資銀行業務との間の統合
から生じた優位性を活かし、事業売却、クロスボーダーM&A、債務再編、エクイティ・ファイナンス、民間資金調
達及びプロジェクト・ファイナンス等の専門的なアドバイザリー・サービスを顧客に提供した。当行は、信用資産
担保証券化業務を着実に推進するとともに、既存資産の構成を最適化した。当行は、総額49.985十億人民元の住宅
ローン担保証券5件及び総額569.7百万人民元の不良信用資産担保証券1件の発行に成功した。
資産保管業務
当行は、日本銀行は、国家開発戦略に積極的に貢献し、業務範囲の継続的拡大、提供するサービスの向上、業
務分野の統合及び事業規模の拡大により、資産保管業務の開発の品を向上させた。2019年末現在における当行の資
産保管業務の資産合計は総額10.5兆人民元であり、前年度末比で8.62%増加した。中国金融市場の双方向開放に対
する貢献で、当行は、市場の相互連携に関連した多数の象徴的なプロジェクトを実施し、クロスボーダーで保管さ
れている資産は353.0十億人民元となり、中国の銀行の中でトップとなった。当行は、シルバー経済の発展を支援
し、2019年中には暫定職業年金及び地方自治体職業年金が実施した資産保管業務の入札の他、多数の大手企業の年
金管理制度の入札で全てを落札した。国有企業の改革を支援することにより、当行は、複数の国有企業改革上場投
資信託のために資産保管サービスを提供し、当初総額は22.082十億人民元に達した。当行はまた、資産運用業務の
変革的発展を支援し、銀行集団投資商品の資産保管サービス及びアウトソーシング・サービスを他行に提供した。
加えて当行は、技術主導戦略を実施し、資産保管制度の確立を推進したことにより、業務の効率性が向上した。
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金融サービスによる2022年北京オリンピック及びパラリンピック冬季競技大会の支援
2022 年 北京オリンピック及びパラリンピック冬季競技大会(以下「2022年北京五輪」とい
う。)の公式パートナー銀行として、当行は、金融サービスの提供及び2022年北京五輪の準備
支援に努め、3億人の国民に冬季スポーツを奨励した。
当行は、統合された業務の優位性を活用し、2022年北京五輪のために質の高い金融サービスを
提供した。 当行は、ビックエア首鋼、延慶区会場、国営クロスカントリー・スキー・セン
ター、国営スキー・ジャンプ競技センター、国営バイアスロン・センター及び張家口オリン
ピック村等の中核的プロジェクトに対して銀行与信を提供することにより、2022年北京五輪の
会場及びインフラの建設を強く支援した。当行はまた、北京オリンピック及びパラリンピック
冬季競技大会北京組織委員会、公式パートナー、スポンサー及びライセンシーに対して、口座
管理、決済・交換、為替レート・コンサルティング及び保証状等、独占的な金融サービスを提
供した。
当行は、ハイテク型オリンピックを実現するために、フィンテックの革新を強化した。 2022 年
北京五輪の決済環境整備に関する中国人民銀行(PBOC)からの要求に従い、当行は、ハイテク
型のスマート金融商品の発売を急ぎ、国内外からの出場者、観客、観光客の決済体験を向上さ
せ、金融サービスとハイテク型オリンピックとの統合に努めた。
当行は、3億人の国民に冬季スポーツを奨励するため、公式パートナーとしての主導的役割を
活用した。 当行は、冬季スポーツ愛好者のみならず国民が豊富な便益を通じて冬季スポーツに
参加するよう支援することにより、2019年に世界初の2022年北京五輪をテーマとしたクレジッ
トカード及びデビットカードを発行した。当行は、「オリンピック・デー」及び「2022年北京
五輪開催までの1,000日カウントダウン」等、オリンピックをテーマとした広報キャンペーンを
実施したほか、第14回全国冬季競技大会及び「北京を体験」 - 各種冬季スポーツ・イベント等
の国内外の冬季スポーツ・イベントを支援し、イベントのPRや冬季スポーツの普及強化を図っ
た。
村鎮銀行
中銀富登村鎮銀行は、「農村部の発展に注力し、農業従事者及び小規模企業をサポートし、地域社会と共に成
長する」という目的に従い、農村活性化という国家戦略を積極的に実施した。当行は、農村部の零細企業、小規模
企業、個人事業者、給与所得者及び農業従業者に近代的な金融サービスを提供し、美しく暮らしやすい農村部の創
造を推進することに努めている。
中銀富登村鎮銀行は、地方における金融の発展を支援するため、機関向け販売ネットワークの拡大を加速化し
た。中国開発銀行及び中国建設銀行が保有していた村鎮銀行の株式を取得後、当行は、中国の中西部地域の開発及
び農村部の実体経済を支援できるよう、事業規模を拡大した。
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2019 年末現在において中銀富登村鎮銀行は、22省(中央政府直轄の地方自治体を含む。)に166の出張所を有す
る村鎮銀行125行を管理している。中銀富登村鎮銀行は、グループ会社数及び業務範囲の点で国内最大の村鎮銀行
グループとなっており、雄安新区において投資管理村鎮銀行を設立する承認も取得している。当行はまた、顧客基
盤及び事業規模のさらなる拡大のために、商品・サービス体制を継続的に改善した。2019年末現在における中銀富
登村鎮銀行の登記上の資本金は7.524十億人民元、総資産は65.803十億人民元、純資産は10.881十億人民元であ
る。これらの銀行の預金残高及び貸付金残高は、それぞれ41.588十億人民元及び44.467十億人民元であり、前年度
末比でそれぞれ6.80%及び13.27%増加した。また、不良債権比率は1.68%、不良債権に対する貸付減損損失引当
金の割合は254.01%であった。2019年において中銀富登村鎮銀行は、840百万人民元の当期純利益を達成した。
国外商業銀行事業
2019 年において当行は、国外グループ会社の設立を継続し、国内外の業務の総合的な発展を推進しつつ、一帯
一路構想にある金融動脈の構築を積極的に深化させ、あらゆる点における人民元の国際化を進めることにより、グ
ローバル・サービス及びサポート能力をさらに強化し、市場競争力を向上させた。2019年末現在における当行の国
外商業銀行の顧客預金及び貸付金はそれぞれ454.235十億米ドル及び389.956十億米ドルであった。2019年における
当行の国外商業銀行業務の税引前利益は8.879十億米ドルであり、当グループの税引前利益全体の24.42%を占め
た。
国外グループ会社の配置に関連して、当行は、グローバル顧客の金融サービスに対するニーズを注視するとと
もに、グローバル・サービスのネットワークをさらに向上できるよう、一帯一路沿いの国におけるグループ会社の
発展及び配置を強化した。2019年12月31日現在における当行の国外グループ会社は557行であり、世界61の国と地
域で展開している。
法人向け銀行業務において当行は、商業銀行業務と投資銀行業務の統合から生まれるメリットを最大限に発揮
することで、「国外進出」顧客及び「国内参入」顧客、「フォーチュン・グローバル500」企業及び現地法人顧客
に対し、質が高く効率的な特別仕様の包括的な金融サービスを提供した。当行は、グローバル化された顧客サービ
ス体制をさらに改善し、中流階級及び上流階級向けの商品及びサービスを継続的に強化した。シンジケート・ロー
ン、プロジェクト・ファイナンス、クロスボーダーM&A、輸出信用、世界的な現金管理及び保証状等の中核的商品
を通じ、一帯一路構想のための健全な金融サービスの提供、生産能力における国際協力の促進、企業による海外投
資及び海外事業の持続可能性の実現を目的として、インフラ整備、エネルギー資源開発、海外工業団地に関連する
主要なプロジェクトを大いに支援した。
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個人向け銀行業務において当行は、30を超える国と地域に業務範囲を拡大することで、国外顧客サービスの
ネットワークを引き続き向上させた。当行は、ビジネスの革新を精力的に推進し、顧客の金融ニーズ及び非金融
ニーズに積極的に応え、海外出張者、留学生、駐在員及び現地顧客向けに口座、決済、デビットカード、モバイ
ル・バンキング等のサービスを提供した。当行は、クロスボーダー・シナリオの改善に全力で取り組み、クロス
ボーダー商品・サービス体制を強化した他、香港居住者がBOCHKの支店を通じて中国本土で個人口座を開設できる
よう、広東・香港・マカオ大湾区において「口座開設ウィットネス」サービスを開始した。こうした取り組みによ
り、当行のクロスボーダー・サービスの質及び市場での影響力が継続的に高まった。当行はまた、マカオ居住者向
けに「クロスボーダー・ウォレット」決済サービスを開始し、クロスボーダー口座のコード・スキャン式決済を提
供した中国本土初の銀行になった他、中国人民銀行(PBOC)のクロスボーダー銀行間決済システムを通じてクロス
ボーダー電子ウォレット決済を可能にした中国初の銀行となった。当行は、クロスボーダー・クレジットカード顧
客のシナリオ統合を加速化し、クロスボーダー・クレジットカードの「BOCのクレジットカードで世界を楽しもう
(Enjoy the World with BOC Credit Card)」をテーマとしたシリーズのマーケティング活動及び広告内容を継続
的に改良しつつ、クロスボーダー決済における固有のブランド力を強化し、クロスボーダー顧客に優遇的で利便性
及び質の高いクロスボーダー・クレジットカード・サービスを提供するよう努めた。さらに当行は、国外における
クレジットカードの発行業務及び加盟店契約業務を拡大し、マカオ・マスターカード・クレジットカード等の新商
品を開発するとともに、「BOCスマート・ペイメント」の国外版を発売し、プノンペン支店での導入に成功した。
金融市場業務において当行は、統合されたグローバル業務の強みを最大限に活かし、国家の開放政策に従って
シンガポール、韓国、ドバイの証券取引所における人民元建て先物値付け業務に積極的に従事した。当行は、ロン
ドン・クリアリング・ハウスの中央清算機関となった中国初の銀行にもなった。当行は、国外顧客基盤の拡大能力
を引き続き強化し、その専門的なサービス能力は国際水準に達した。当行はまた、急速な成長を遂げ、為替レー
ト、金利及びコモディティという3つの商品ラインの構造を継続的に最適化することで、事業規模及び収益性を引
き続き改善した。当行は、世界の資産保管業務のネットワークを拡大する取組みを加速化し、資産保管業務を「国
外進出」顧客及び「国内参入」顧客に提供するよう努めている。当行は、クロスボーダー預金等の新規業務のマー
ケティングを行うために、キャピタル・マーケットの連携により生じる機会を捉えた。当行は、総額約3.8十億米
ドルの一帯一路をテーマとした債券の第5トランシェの発行に成功した。さらに当行は、総額約1.0十億米ドルの
グリーン債の第6トランシェの発行にも成功し、うち米ドル建て債券は、アジア太平洋地域の金融機関が発行した
初の担保付翌日物調達金利(SOFR)債となった。
決済業務において当行は、クロスボーダー人民元決済能力を継続的に向上させ、国際決済の最先端での地位を
さらに強固なものとした。当行の東京支店は、開業式を経て日本において人民元決済銀行として正式に営業を開始
した。当行は、フィリピンにおいても人民元決済銀行業免許を取得しており、これは、当行が現在、世界で免許を
受けている人民元決済銀行27行のうち、13行を占めており、引き続き業界をリードしていることを意味する。当行
はまた、クロスボーダー銀行間人民元決済システム(CIPS)の間接参加者数で第1位となった。2019年における当
行のクロス人民元決済取引高は434兆人民元であり、前年度比で約12%増加し、世界市場においてトップを維持し
た。
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電子銀行業務において当行は、国外進出をさらに拡大し、グローバル・オンライン金融サービス能力を引き続
き強化した。オンライン金融サービスのプラットフォームで国外業務及び国内業務を積極的に統合することによ
り、当行は、国外法人向けオンライン・バンキング及び銀行・企業間の国外連携チャネル等のサービス機能をさら
に強化することで、世界の資金管理業務で引き続き業界1位となった。2019年末現在において当行は、46の国と地
域において14ヶ国語で国外法人向けオンライン銀行業務を提供している。当行は、27ヶ国において10ヶ国語で国外
モバイル・バンキング業務も提供する他、13のカテゴリーで60を超えるサービスも提供している。
BOCHK
2019 年においてBOCHKは、引き続きトップクラスであらゆる業務を提供できる国際的な地域銀行を構築するとい
う戦略に力を注いだ。顧客中心主義に従い、BOCHKは、市場環境の変化に積極的に対応し、事業上の優先事項を着
実に前進させるため市場の機会を捉え、主要な財務指標は底堅い水準を維持した。常に顧客中心主義を貫き、
BOCHKは、香港において現地市場の開拓を継続し、イノベーション主導型の変革を加速化させた。BOCHKは、広東・
香港・マカオ大湾区における積極的な関与及び事業展開を拡大し、統合化された事業体制を強化することにより、
広東・香港・マカオ大湾区において主要な業務で主導的な市場での地位を確固たるものとするよう努めた。BOCHK
は、東南アジアに所在するグループ会社の統合を深め、地域内の相乗効果及び発展の質の双方を強化した。BOCHK
はまた、デジタル化及び革新による開発を加速化させ、商品及びサービスでのフィンテックの応用を強化した。さ
らにBOCHKは、均衡のとれた持続可能な発展を遂げるため、引き続き行内文化の醸成に努めた。2019年末現在にお
いてBOCHKの発行済株式資本は52.864十億香港ドル、総資産は3,026.056十億香港ドル、純資産は307.492十億香港
ドル、当期利益は34.074十億香港ドルであった。
BOCHK は引き続き香港で中核市場を開拓し、主要な事業分野で他行を凌いだ。 BOCHK の 顧客預金残高及び貸付金
残高の増加は市場平均を上回った。BOCHKの資産・負債構造はさらに最適化され、資産の質は現地市場を上回っ
た。BOCHKは、地域の総合サービス能力を向上させるため、事業構造の最適化に努め、多数の重要なシンジケー
ト・ローン及び債券発行プロジェクトのアレンジャーを務めた。BOCHKは、香港及びマカオのシンジケート・ロー
ン市場において、15年連続でトップのマンデーティッド・アレンジャーとなった。香港特別行政区政府が推進する
施策に沿って、BOCHKは、香港の事業者顧客向けサービスの水準を高め、中小企業が感じている営業圧力を軽減し
た。BOCHKはまた、政府顧客及び機関顧客との取引関係を強化し、現金プーリング、財務センター、現金管理及び
貿易金融という主要な業務の発展を推進した。BOCHKは、金融インフラ及び電子チャネルの強化を支援するため、
シナリオに基づく応用及びオンライン・サービス能力の利用を深めた。決済業務及び回収業務のエコシステムの発
展を助長するため、BOCペイ及びBOCビルの決済システムの商品機能及びシナリオに基づく応用も継続的に向上した
ことで、市場での普及率は継続的に上昇した。さらにBOCHKは、個人顧客の様々なニーズに応え、中流層及び上流
層の顧客に広範かつ総合的なサービスを提供したことで、顧客基盤の構造及び規模の継続的な改善につながった。
加えてBOCHKは、国民の生活に密着した銀行業務ニーズをさらに充足できるよう、フィンテックの革新を加速化さ
せ、商品及びサービスのデジタル化及びシナリオに基づく応用を推し進めた。
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BOCHK は、特長のあるクロスボーダー業務を拡大するため、大湾区における総合的な開発及び協力を推進した。
BOCHK は、金融支援及び専門家の助言を提供することにより、広東・香港・マカオ大湾区、自由貿易区及び雄安新
区の開発に積極的に参加した。BOCHKは、人の流れ、商品の流れ、資金の流れ、情報の流れというクロスボーダー
業務の4つの主要な分野で、大湾区において総合的な販売・サービス体制を確立するため、当グループ内の支店及
び子会社との連携及びコミュニケーションを強化した。BOCHKは、クロスボーダー金融サービス能力をさらに強化
するために、主要な事業分野で適切な商品及びサービスを提供することに焦点を当てて、顧客、プロジェクト及び
商品の点で機会を捉えた。口座開設、決済業務、ウェルス・マネジメント及び融資等、広東、香港及びマカオの居
住者の金融サービスに対する需要を満たすため、BOCHKは、香港居住者向けに中国本土における個人口座開設認証
サービスを提供することにより、「大湾区口座開設」サービスを開始した。ウェルス・マネジメント顧客に対して
相互サービスを提供するために「大湾区業務連携」サービスも開始された。その結果、BOCHKのクロスボーダー顧
客数は堅調に増加した。
BOCHK は、東南アジアにおける事業展開を推進し、地域の相乗効果を高めた。 中国銀行ビエンチャン支店の買収
完了後、BOCHKの東南アジア事業は現在、東南アジアの8ヶ国で展開されている。BOCHKは、地域管理モデルの導入
を着実に推し進め、資金援助を強化し、東南アジアに所在する各グループ会社で様々な発展戦略を採用した。
BOCHKは、東南アジアに所在するグループ会社との連携したマーケティングを強化し、現地の主要市場に進出でき
るよう、製品及びサービスのポートフォリオを継続的に拡大した。その結果、BOCHKのグループ会社は、現地の主
要顧客の獲得に成功し、顧客基盤及び事業規模が継続的に拡大した。バンク・オブ・チャイナ(タイ)パブリック・
カンパニー・リミテッドは、タイの資産運用会社である顧客がRQFIIになるための支援を行い、バンク・オブ・
チャイナ(マレーシア)ブルハドも、BOCウェルス・マネジメント業務を開始した。BOCHKホーチミン市支店は、ベト
ナムの非国境地域において初となるクロスボーダー人民元受託決済業務に成功した。BOCマニラ支店は、フィリピ
ンにおいて人民元決済銀行に指定された。BOCHKジャカルタ支店も、インドネシアにおいて銀行業全体で第5位、
外資系銀行支店で第1位となった。BOCHKは、インドネシアで「Best Foreign Bank of the Year」を受賞し、イン
ドネシア市場に人民元建て保険商品を発売した初の銀行となった。東南アジアに所在するグループ会社は、信用リ
スク、内部統制及びコンプライアンスのみならず、マネーロンダリング防止の管理で能力を総合的に強化し、それ
ぞれの規制上の要件を遵守した。
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BOCHK は、デジタル化を加速化させ、フィンテックの革新を推進した。 BOCHK は、市場の動向に対応し、市場にお
ける需要の変化に継続的に応じた。ビックデータ、人工知能(AI)、ブロックチェーン、生体認証、オープンAPI
及びロボットによる業務自動化(RPA)をはじめとする革新的な技術を金融商品、業務プロセス、業務管理及びリ
スク管理に応用することにより、BBOCHKは、サービス水準の継続的な向上及び顧客体験の強化が可能となった。
BOCHKは、新たな決済・回収モデルを推進し、多様な少額・高頻度決済シナリオを開発した。業務の効率化及びオ
ペレーショナル・リスクの軽減を目的として、ミドル・オフィス業務及びバック・オフィス業務の処理に、ロボッ
トによる業務自動化(RPA)技術も徐々に導入された。BOCHKは、統合化された金融モバイル・ポータルを促進する
ために、モバイル・バンキングの新たなバージョンであり、インテリジェント顧客サービスのプラットフォームで
あるグローバル取引銀行業務のプラットフォームを開始した。BOCHKは、支店ネットワークのインテリジェント化
を加速化させ、顧客サービスのプロセスを最適化した。BOCHKはまた、イノベーション主導型の戦略リサーチを支
援し、シナリオに基づくフィンテックの応用をさらに充実させ、革新のペースを速めた。加えて、BOC香港(ホール
ディングス)リミテッド、ジェーディー・ニュー・オービット・テクノロジー(香港)リミテッド及びジェイエスエ
イチ・バーチャル・ベンチャーズ・ホールディングス・リミテッドが所有するバーチャル・バンキングの合弁企業
であるリヴィ・ブイビー・リミテッド(以下「Livi」という。)は、香港金融管理局から銀行業免許を取得した。
様々な革新的技術を活用することにより、Liviは、固有のバンキング体験を顧客に提供することになろう。
2019 年度中にBOCHKは、ザ・アジアン・バンカー誌より「Best Retail Bank in Hong Kong」、「Best Cash
Management Bank in Hong Kong」及び「Best Cash Management Bank in Hong Kong」、アジアマネー誌より「Best
Bank for CSR in Hong Kong」、アジアン・バンキング&ファイナンス誌より「Hong Kong Domestic Foreign
Exchange Bank of the Year」、「Hong Kong Domestic Trade Finance Bank of the Year」、「Hong Kong
Domestic Cash Management Bank of the Year」及び「Mobile Banking Initiative of the Year - Hong Kong 」、
中国外貨交易センター(CFETS)より「Best Currency Swap Member」及び「Opening Contribution Award」に認定
された他、 上海黄金交易所より「 Outstanding International Member Award 」、香港証券取引所より「 Key
Business Partner in FIC Market 」、 香港中小型企業総商会より「Best SME's Partner Gold Award 2019」を受賞
した。
(BOCHKの経営業績及び関連情報の詳細については、BOCHKの業績報告書を参照されたい。)
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第2回CIIEに対する包括的なサービス提供
強い責任感と使命感に支えられ、当行は、国家の解放政策を支援するため、グローバル化及び
統合化された業務での強みを最大限に発揮した。第1回CIIEに提供したサービスに基づき、当
行は、戦略的パートナーとして第2回CIEEの準備を支援した。
出展者及び企業の誘致に深く関与。 広範にわたるグローバルな金融機関ネットワークを活用し
て、当行は、第1回CIIE閉幕以降、12の国と地域において同博覧会を宣伝し、出展者誘致イベ
ントを開催した。当行は、「国外企業誘致機関」として20を超える国と地域において企業誘致
宣伝活動を開催し、中国における取引交渉のために国外の出展者及び調達企業を誘致した。
「国内企業誘致のためのロードショーの総合プログラム支援組織」としての資格で当行は、中
国国際輸入博覧会事務局及び現地商務当局が国内21都市で開催した企業誘致ロードショーを支
援し、国内企業数千社にCIIEへの参加を呼びかけた。
需給マッチングの促進。 当行は、出展者・企業間需給マッチング会合を再度開催し、103の国と
地域から4,625社を招待して、合計2,160件の購入意向契約を成立させた。第1回CIIEと比べ、
第2回CIIEの出展者及び参加企業数はそれぞれ16%及び32%増加し、成立した購入意向契約数
も72%増加した。インテリジェント機能で顧客の需給をマッチングさせ、交渉の打ち合わせを
自動的に手配し、リアルタイムで交渉結果を発表するために、新たに改良した「BOCグローバル
需給マッチング・システム(GMS)」が使用された。
テーマのあるイベントの開催に成功。 当行は、虹橋国際経済フォーラムの「デジタル時代にお
ける電子商取引のイノベーション開発」セッションに参加するとともに、「人民元の国際化
自由貿易区の構築促進」というテーマのあるフォーラムを主催することで、中国及び諸外国と
の経済及び貿易の交流並びに協力に貢献した。
総合的な金融サービスの提供。 当行は、オンサイト・サービスの最適化及び高度化、T人工知能
(AI)、ビックデータ及びクラウド・コンピューティング等の新技術の採用、「BOC顔認証決
済」チャネルの導入、インテリジェント化された店舗の設置、並びに参加する企業及び個人に
対する利便性の高いオンライン・デジタル金融サービスの提供を実施した。
包括的な業務基盤
多層的なキャピタル・マーケットの構築により生じた戦略的機会を捉えて、当行は、質の高い統合化された発展
を推進した。実体経済に貢献しつつ、顧客の多様なニーズに応えるため、当行は、引き続き中核的事業に焦点を当
て、業務上のコンプライアンスの最低基準を厳格に遵守し、金融サービスの適応性、競争力及び包括性を高めるこ
とにより、当グループ内の連携を強化した。2019年において当行は、総合的な発展に向けて着実に前進し、主要な
分野において躍進した。
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投資銀行業務
BOCI
当行は、BOCIを通じて投資銀行業務に従事した。2019年12月31日現在におけるBOCIの発行済株式資本は3.539十
億香港ドル、資産総額は68.639十億香港ドル、純資産は19.585十億香港ドルであった。2019年におけるBOCIの当期
利益は1.479十億香港ドルであった。
BOCI は、グローバル顧客にサービスを提供するためにクロスボーダー・サービス能力をさらに強化した。BOCI
は、M&A業務の発展に力を入れ、政府向けサービスにおける構造的な優位性を活かして、金融ソリューションの専
門家パネルを活用して、東南アジア市場進出を積極的に拡大した。加えてBOCIは、株式引受業務及び金融顧問業務
で着実な進展を遂げ、外国企業による中国資本への誘致及び中国市場への進出を支援した一方で、中国企業の「国
外進出」も支援した。2019年においてBOCIは、サウジアラビア・オイル・カンパニー(以下「サウジアラムコ」と
いう。)による新規株式公開を支援した唯一の中国投資銀行となった。なお、本件は、世界のキャピタル・マー
ケットにおいて最大級の新規株式公開であり、BOCIの国際的な影響力は高まった。
BOCI は、中国本土及び香港とのクロスボーダー事業協力にも重点を置いた。BOCIは、国内商品先物市場の国際化
を推進し、上海国際エネルギー取引所で原油先物店頭取引(以下「OTC」という。)サービスを提供した。BOCI
は、「BOCI大湾区リーダーズ・インデックス」の開始も主導した。さらにBOCIは、包括的なウェルス・マネジメン
ト商品を強化するため、プライベート・バンキング業務のインフラ及びシステムを継続的に改良したことで、市場
における主導的地位及び競争優位性をさらに持続可能にした。BOCIの子会社であるBOCI-プルデンシャル・アセッ
ト・マネジメント・リミテッドは、香港強制性公積金(MPF)及びマカオ年金基金に関連する業務でトップ・クラ
スのサービス・プロバイダーとしての地位を維持した。BOCIはまた、中国本土・香港互認基金制度において積極的
な役割を果たした。
リーン経営という理念を採用することにより、BOCIは、フィンテック及び商品革新を積極的に推進した。BOCI
は、次世代の有価証券販売取引プラットフォーム・アプリを発表し、相互売買の水準を深め、エンド・ユーザー体
験を向上させるためにビックデータ及び人工知能(AI)を応用した。BOCIはまた、償還権付ブル・ベア型契約
(CBBC)の商品及びサービスを充実させることで、香港における仲介業務及び株式派生業務で主導的な地位を確固
たるものとした。
2019 年度においてBOCIは、著名な金融機関及び経済団体より「Oil and Products House of the Year, Asia」、
「Commodity Research House of the Year, Asia」、「Best Bond Advisor - Global (China) 」、「China
Corporate and Investment Banking Awards 2019 - Best for Cross Border Debt Capital Markets, China 」、
「Country Award 2019 - Best DCM House (Hong Kong-Chinese Financial Institutions) 」及び「Best FinTech
Investors」等の多数の賞を受賞した。
BOCI チャイナ
BOCI チャイナは、中国本土において証券関連業務に従事している。2019年12月31日現在におけるBOCIチャイナの
登記上の資本金は2.500十億人民元、資産総額は48.312十億人民元、純資産は、12.738十億人民元であった。ま
た、2019年におけるBOCIチャイナの当期利益は800百万人民元であった。
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BOCI チャイナは、個人顧客向けのウェルス・マネジメントの変革及び機関投資家顧客向けの取引エコシステム・
マネジメントの変革を推進することにより、業界においてトップ・クラスの地位を目指した。投資銀行業務におけ
る「投資銀行 + 商業銀行」、「投資銀行 + 投資」及び「国内+海外」の相乗効果を深化させることにより、BOCI
チャイナは事業の変革を推し進め、同業他行を上回る業績を上げることに努めた。BOCIチャイナは、投資銀行業務
を取引主導の非排他的ファイナンス業務に、仲介業務をウェルス・マネジメント業務に、資産管理業務をアクティ
ブ運用業務にシフトさせつつ、支店の汎用性全般の向上を図った。その結果、BOCIチャイナの顧客サービス能力は
着実に強化された。2019年においてBOCIチャイナは、株式及び債券の引受規模でそれぞれ第6位及び10位になった
他、運用資産(AUM)及び純利益でもそれぞれ第5位及び12位になり、市場における影響力が高まった。
2019 年においてBOCIチャイナは、証券時報誌より「Excellent All-round Investment Bank」、「Excellent
Interbank Bond Investment Bank」、「Excellent Bond Project」及び「Excellent Hong Kong Stock Connect
Broker」、インターナショナル・フィナンシャル・ニュース誌より「International Avant-garde Investment
Bank」及び「Avant-garde Investment Bank in Bond Underwriting」、中国基金有限公司より「Elite Award for
Best Broker/Asset Manager in Fixed-income Products」、並びに中国証券報より「Golden Bull Growing
Securities Company」及び「Best Industry Analyst Team in 2019」を受賞した。
2020 年2月26日付でBOCIチャイナは、上海証券取引所のメインボードに上場し、投資家に広く認知された。当行
は、完全子会社であるBOCIを通じてBOCIチャイナの持分を所有しており、BOCIチャイナが世界水準の投資銀行に成
長できるよう、そのブランド価値及び相乗効果を全面的に活用する所存である。
(BOCIチャイナの業績の詳細については、BOCIチャイナのアニュアル・レポートを参照されたい。)
資産運用業務
BOCIM
当行は、BOCIMを通じて中国本土においてファンド管理業務に従事している。2019年12月31日現在におけるBOCIM
の登記上の資本金は100百万人民元、資産総額は4.679十億人民元、純資産は3.703十億人民元であった。また、
2019年におけるBOCIMの当期利益は868百万人民元であった。
BOCIM は、資産運用業務の着実に拡大し、堅固な内部統制及びリスク管理を実施することにより、安定的な収益
性を維持し、ブランド力及び市場評価を向上させ、総合力を一層強化した。2019年12月31日現在におけるBOCIMの
運用資産(AUM)は651.2十億人民元であった。特に、公募ファンドは381.8十億人民元、非公募ファンドは252.8十
億人民元に達した。
BOCIM は、中国証券報より「Top 10 Golden Bull Investment Managers」、上海証券報より「Gold Fund "TOP
Fund Managers 」及び証券時報誌より「Star Fund Award of China fund industry」等、多数の優秀賞を受賞し
た。BOCIMが運営するファンドも複数の賞を受賞した。
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BOC ウェルス・マネジメント
当行は、BOCウェルス・マネジメントを通じて中国本土においてウェルス・マネジメント業務に従事している。
BOCウェルス・マネジメントの業務には、一般顧客向けのウェルス・マネジメント商品、適格投資家向けのウェル
ス・マネジメント商品、コンサルティング及びその他資産運用関連の商品及びサービスが含まれる。BOCウェル
ス・マネジメントは、2019年7月4日に公式に設立され、営業を開始した。同社は、当行の完全子会社である。
2019年12月31日現在におけるBOCウェルス・マネジメントの登記上の資本金は10.0十億人民元、資産総額は10.233
十億人民元で、純資産は10.175十億人民元であった。
BOC ウェルス・マネジメント は、着実に業務を開始するためにガバナンスの枠組みの向上、リスク管理システム
の整備及び社員チームの構築を迅速に進めた。BOCウェルス・マネジメントは、中国本土において初となる共同
ウェルス・マネジメント会社の設立で、アムンディ・アセットマネジメントと提携する承認を規制当局より得たこ
とで、グループ会社及び資産運用市場において利用可能な商品のさらに拡大した。2019年12月31日現在における
BOCウェルス・マネジメントの商品残高は、74.492十億人民元であった。
BOC ウェルス・マネジメント は、2019年イーストマネー・アワードにおいて「Best Bank Wealth Management
Company」を受賞した。
保険業務
BOCG インシュアランス
当行は、BOCGインシュアランスを通じて香港において一般保険業務に従事している。2019年12月31日現在におけ
るBOCGインシュアランスの発行済株式資本は3.749十億香港ドル、資産総額は9.130十億香港ドル、純資産は4.125
十億香港ドルであった。また、2019年におけるBOCGインシュアランスの総計上保険料収入は2.642十億香港ドル、
当期利益は28百万香港ドルであった。BOCGインシュアランスは、総計上保険料で香港の損害保険市場においてトッ
プクラスを維持している。
香港での現地サービスを深化させることにより、BOCGインシュアランスは、事業の拡大を着実に進め、現地市場
における商品構成を適時に調整するとともに、旅行保険及びその他の商品のプロモーションを強化した。BOCGイン
シュアランスは、中国本土における経営手法を洗練させ、広東・香港・マカオ大湾区の開発に積極的に参加し、大
湾区の顧客向けに一連の特定商品を発売した。BOCGインシュアランスは、一帯一路構想を支援しながら、BOCHKの
ビエンチャン支店及びプノンペン支店と多数の主要な保険スキームの実行で協力することにより、海外市場に進出
した。
BOC ライフ
当行は、BOCライフを通じて香港において生命保険業務に従事している。2019年12月31日現在におけるBOCライフ
の発行済 株式資本は3.538十億香港ドル、資産総額は153.116十億香港ドル、純資産は10.095十億香港ドルであっ
た。また、2019年におけるBOCライフの当期利益は683 百万 香港ドルであった。BOCライフは、香港の生命保険セク
ターにおいて主導的な地位を維持しており、人民元保険業務では引き続き市場トップである。
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BOC ライフは、引き続き商品及びサービスの革新を推進した。BOCライフは、様々な顧客のニーズに応じるため、
税額控除可能な任意加入医療保険制度及び適格繰延年金保険の宣伝を最初に開始した保険会社のひとつである。上
流階級顧客向けのサービス・サポートを強化し、新規事業の価値及び長期的な収益性を向上させる目的で、
「Forever Glorious ULife Plan II」及び「Luminous Prime ULife Plan」も発売された。BOCライフはまた、
「iTarget 3 Years Savings Insurance Plan」を初めてBOCHKのモバイル・バンキング及びインターネット・バン
キングを通じて同時発売した他、「生命保険セルフサービス・カウンター」を設置し、BOCHKのモバイル・バンキ
ングを通じて「iProtect 10 Years Insurance Plan」を発売し、顧客に様々な選択肢を提供した。さらにBOCライ
フは、顧客サービス・センターに「デジタル販売サポート」を導入し、BOCライフのWeChat公式アカウントに保険
契約結合機能及び保険契約情報機能を追加し、サービスの利便性を向上させた。
BOC インシュアランス
当行は、BOCインシュアランスを通じて、中国本土で損害保険業務に従事している。2019年12月31日現在におけ
るBOCインシュアランスの登記上の資本金は4.535十億人民元、資産合計は13.449十億人民元、純資産は4.234十億
人民元であった。また、2019年におけるBOCインシュアランスの計上保険料は6.687十億人民元、当期利益は242百
万人民元であった。
実体経済への貢献及び非排他的ファイナンスの発展支援を継続することにより、BOCインシュアランスは、中小
企業13.6千社の顧客を擁している。BOCインシュアランスは、一帯一路構想に積極的に対応しアジア、アフリカ及
び南米を含む70を超える国と地域において30業種近くを対象とした国外保険業務を行っており、国外保険事業にお
いてトップの地位を維持している。BOCインシュアランスは、中国国際貿易単一窓口にサービスを提供しつつ、関
税担保保険及び貨物輸送保険の全プロセスをオンライン化することにより、通関円滑化改革を支援した。BOCイン
シュアランスはまた、香港・珠海・マカオ大橋及び長江デルタにおける水資源分配事業の保険行動計画を策定する
ことにより、地域開発戦略も支援した。加えて、BOCインシュアランスは、単一目的プリペイド・カード履行担保
保険プール及び中国都市部・農村部住宅地震災害保険プールに加入つつ、都市部及び農村部の居住者向けに重要な
医療保険を提供するための関連資格を取得することにより、社会責任の一端を担い、国民生活への配慮を示した。
BOC インシュアランスは13四半期連続で総合リスク格付「A」(分類規則)を取得するとともに、スタンダード&
プアーズからも6年連続で格付「A-」及びアウトルック「安定的」を取得した。BOCインシュアランスは、2019年
度中国証券報において和訊紙より「Growing Insurer of the Year」、JRJ.com.が主催したパイロティング・チャ
イナ・アワードにおいて「Outstanding Property Insurance Company」を受賞した。BOCインシュアランスの関税
担保保険商品も、亜洲金融合作協会及び中国金融出版社より「Best Practice of Finance Serving Global
Industry Chain in 2019」に認定された。
BOC- サムスン・ライフ
当行は、BOC-サムスン・ライフを通じて中国本土において生命保険業務に従事している。2019年12月31日現在に
おけるBOC-サムスン・ライフの登記上の資本金は1.667十億人民元、資産総額は21.105十億人民元、純資産は1.532
十億人民元であった。また、2019年におけるBOC-サムスン・ライフの総計上保険料及び保険料預託金の合計は
9.385十億人民元、当期利益は55百万人民元 で あった。
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BOC - サムスン・ライフ は、引き続きクロス・セリング能力を強化し、2019年における保険料は前年度比で30%増
加し、業界平均を上回った。保険業務の本来の目的を重視することにより、BOC-サムスン・ライフは、長期貯金業
務及び保障業務を精力的に発展させ、高額定期保険の初年度保険料は、前年度比で120%増加した。BOC-サムス
ン・ライフは、2019年中に山東支店、山西支店及び志江出張所の他、グループ会社5社を開業し、ネットワークの
拡大ペースを加速させた。フィンテックの潮流を活用し、BOC-サムスン・ライフは、BOCモバイル・バンキングを
はじめとする非排他的ファイナンスのポータルを通じて20商品を提供するとともに、「電子マーケティング」モバ
イル販売プラットフォームの開始にも成功し、「顧客ポートレート」技術に基づく精密マーケティングよりプラス
の業績を上げた。顧客の需要に焦点を当てることで、BOC-サムスン・ライフは、保障商品を革新し、36のWeChatオ
ンライン・サービス機能を提供することにより顧客体験を最適化した。BOC-サムスン・ライフはさらに、消費者保
護の強化に価値を置き、BOCモバイル・バンキングを通じて保険に関する知識を普及させた。
BOC - サムスン・ライフは、中国銀行保険信息技術管理有限公司が発表した保険会社のサービスに関する年次評価
結果で格付「A」を取得した。BOC-サムスン・ライフは、新華社電子版より「2019 Excellent Life Insurance
Company」及び「Outstanding Socially Responsible Enterprise」、毎日経済新聞社より「Outstanding Socially
Responsible Enterprise」及び証券日報より「Excellent Wealth Management Award” by Securities Daily」を
受賞した。
投資業務
BOCG インベストメント
当行 は、BOCGインベストメントを通じて直接投資業務及び投資管理業務に従事している。BOCGインベストメント
の業務には、プライベート・エクイティ投資、ファンド投資・管理、不動産投資・管理及び特殊状況投資等が含ま
れる。2019年12月31日現在におけるBOCGインベストメントの発行済株式資本は34.052十億香港ドル、資産総額は
124.976十億香港ドル、純資産は64.106十億香港ドルであった。また、2019年におけるBOCGインベストメントの当
期利益は4.634十億香港ドルであった。
BOCG インベストメントの開発戦略は、統合、資金ベースの開発及びデジタル化に基づいている。BOCGインベスト
メントは、投融資の連携チャネルを拡大し、実体経済の発展を支援することにより、国家の地域開発戦略を積極的
に実施した。BOCGインベストメントは、第1フェーズの5.0十億人民元を含め、目標額を総額30.0十億人民元とす
るBOC長江デルタ株式投資ファンドを上海に設立した。BOCGインベストメントは、冬季スポーツ産業及び高齢者介
護市場の開拓を進め、消費者セクターにおける新たな動向に適応した。人工知能(AI)、ロジスティクス、医薬及
び医療等の新興産業及び新たな傾向に焦点を当てることで、BOCGインベストメントは、市場に大きな影響力を持つ
数多くのプロジェクトに投資した。2019年中にBOCGインベストメントは、「Top 50 Chinese Private Equity
Investment Institutions of 2019」及び「Top 50 Chinese State-owned Investment Institutions of 2019」の
ひとつに認定された。BOCGインベストメントは、市場志向の資金調達能力を引き続き強化し、600百万米ドルのシ
ニア債発行に成功した。
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BOC アセット・インベストメント
当行は、BOCアセット・インベストメントを通じて中国本土において債務株式化スワップ業務及び関連業務に従
事している。2019年12月31日現在におけるBOCアセット・インベストメントの登記上の資本金は10.0十億人民元、
資産総額は72.613十億人民元、純資産は10.388十億人民元であった。また、2019年におけるBOCアセット・インベ
ストメントの当期利益は326百万人民元であった。
BOC アセット・インベストメント は、供給サイドの構造改革を深化させるという国家の戦略意思決定を積極的に
実行した。BOCアセット・インベストメントは、企業が業務の改善、レバレッジ比率の引下げ、市場価値の向上に
より価値を創造できるよう、市場主義及び法の原則に基づいて債務株式化スワップを行った。2019年におけるBOC
アセット・インベストメントの市場主義に基づく債務株式化スワップ業務は118.8十億人民元を計上し、取締役40
名及び監督者16名が50件のプロジェクトのコーポレート・ガバナンスに関与した。BOCアセット・インベストメン
トは、民間企業向けにポジティブ・ガイダンス・リストを作成し、有力でポテンシャルの高い数多くの民間企業が
増資、債務返済及び債務証券化等の様々なビジネス・モデルを採用できるよう支援した。BOCアセット・インベス
トメントはまた、10.0十億人民元の金融債の発行を成功させる等、複数のチャネルを通じて資金を調達した。
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4【経営上の重要な契約等】
関連する項目において開示されたものを除き、当年度中、当行は、当行の事業に重要な影響を及ぼす契約を締結
しなかった。
5【研究開発活動】
情報技術の開発
テクノロジーを通じた進歩を可能にし、イノベーションを通じた発展を推進するという戦略に従い、当行は、デ
ジタル化を継続的に推し進め、豊富なシナリオ、オンライン及びオフラインで提供されるサービスの協調、最高の
顧客体験、柔軟で革新的な商品、効率的な業務管理、並びにインテリジェント・リスク管理を特徴とするデジタル
銀行の構築に向けより迅速に前進した。 2019 年において当行は、情報技術に11.654十億人民元を投資し、投資額は
前年度比で15.15%増加した。
当行は、フィンテックのシステム及び体制の革新的な開発で新たな成果を遂げた。当行は、BOCファイナンス・
テクノロジー・カンパニー・リミテッド(以下「BOCフィンテック」という。)を設立した。BOCフィンテックは、
市場主義の原則に従いテクノロジーを活用し、当グループのIT戦略の実行を共同で推進することにより、事業競争
力を向上させるための新たな体制の礎を築くきっかけとなった。当行はまた、リレーションシップ・マネージャー
配属体制を共同で構築したことで、テクノロジーと事業との統合が深まり、本店及び支店から提供されるサービス
が強化された。当行は、複数の共同研究所も設立しつつ、有名な企業及び大学と戦略的提携協定に署名し、新技術
の研究及び応用をはじめ、シナリオ・エコシステム構築の分野において幅広く協力した。加えて、当行は、雄安新
区、長江経済ベルト及び広東・香港・マカオ大湾区において革新的な研究開発拠点の建設を進め、引き続き新技術
の基礎研究を行い、5G、モノのインターネット(IoT)、ブロックチェーン及びバーチャル・リアリティ等の新技
術の応用を積極的に推進した。
当行は、戦略的インフラ・プロジェクトの建設でも新たな進展を遂げた。 当行は、複数の場所で次世代のマルチ
センター・インフラの設計を進め、クラウド・プラットフォームの整備を完了の上、高速で効率的なクラウド・
サービス・モデルを構築し、当行の支店及び総合運営会社のインフラ設置及び変革を支援した。当行は、クラウ
ド・コンピューティング、ビック・データ及び人工知能(AI)という3つの新たなテクノロジー・プラットフォー
ムの構築を深化させ、アプリケーションのクラウドへの移行を加速化し、統合された企業レベルの開発、運営及び
維持に関するクラウド・コンピューティング型モデルを開発した。当行は、ビック・データ・プラットフォームも
立ち上げ、データ分析及びデータ作成を推し進め、一連の主要なプロジェクトの実行を効果的に支援した。当行
は、全社的な人工知能プラットフォームである「中国銀行のAI頭脳(AI Brain of BOC)」の普及に努めるととも
に、次世代基幹ネットワークの主要な本社ノードの構築を完了し、インターネット・プロトコル バージョン6
(IPV6)を7支店で試験導入し、ネットワーク・サービス能力の包括的な向上を図った。
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当行は、主要な事業分野のデジタル化においても新たな進歩を遂げた。当行は現在、デジタル・チャンネル・オ
ペレーション・システム及びデジタル・リスク管理システムをおおむね完成させ、取引銀行業務及びその他のデジ
タル商品の幅広い開発を開始した。当行は、モバイル・バンキングで業界初の統合金融サービス・ゾーンを立ち上
げ、iGTBプラットフォームの第一段階を導入したとともに、法人向け外貨引出カウンター及び海外スマート・カウ
ンターのモバイル版を始動させ、中国銀行法人向け電子ローン(BOC Corporate E Loan)の機能開発を完了した。
当行は、デジタル技術を徹底的に活用し、良好な成果を上げた。当行は、ブロックチェーン債を発行した初の銀行
になった他、業界初の完全に機能的なセルフサービスである「中国銀行5Gインテリジェンス + ライフ・ハウス
(BOC 5G Intelligence + Life House)」という店舗を新設した。当行はまた、次世代スマート・カスタマー・
サービス等の分散アプリケーション、分散型イメージ・プラットフォーム及び「スマート・ショッピング・モー
ル」に加え、モバイル・バンキングのためのスマート・マーケティング等のデータ・アプリケーション、リスク・
データの分析及び処理、並びにスマート監査プラットフォームを導入した。当行は、統合シナリオ、シナリオ統合
及び自己構築シナリオという3つの戦略を参照してシナリオ開発で新技術の試験的な応用を積極的に推進すること
で、行内全体でシナリオ・エコシステムを構築した。内部資源及び外部資源の利点を統合しながら、当行は、クロ
スボーダー、教育、スポーツ及びシルバー経済という4つの戦略的シナリオの構築を加速させた。
当行は、グローバルな統合型開発の新たな側面を重視した。当行は、新たなに設置した海外支店の情報システム
構築プロセスを改良し、当行のグローバル事業及び地域事業の配置を効果的に支援した。当行は、高い利用可能
性、規模設定性及び拡張性を評価され「2019年度フィンテック商品革新優秀貢献賞(2019 Outstanding
Contribution Award for FinTech Product Innovation)を受賞したBOCHKジャカルタ支店における海外軽量コア・
システムの導入を完了した。当行は、モバイル・バンキング、スマート・カウンター及びスマート顧客サービス等
の成熟した高品質の商品及びサービスの海外進出を拡大し、グローバル・サービス能力を著しく向上させた。当行
は、当グループの総合運営会社の技術開発計画を策定し、当グループの包括的な開発基盤をさらに統合することに
より、当グループの全ての総合運営会社の経営情報システムを構築した。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
「第6 1 財務書類」に記載された連結財務書類の注記V.20及び21を参照されたい。
2【主要な設備の状況】
2019 年12月31日現在、当行は国内外に合計11,699の機関を有している。そのうち、中国本土の機関は11,142、香
港、マカオ、台湾及びその他の国と地域の機関は557である。中国国内商業銀行業務は、一級支店・直属支店38か
所、二級支店364か所、下部拠点会社10,249か所を含む10,652の機関からなる。
「第6 1 財務書類」の連結財務書類の注記V.22( 4 ) も参照されたい。
3【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2019年12月31日現在)
(1) (1)
授権株数 発行済株式総数 未発行株式数
(2)
普通株式 - 294,387,791,241 株 -
(3)
優先株 - 1,600,000,000 株 -
注:
(1) 中国会社法には、授権株式制度はない。
(2) A 株210,765,514,846株及びH株83,622,276,395株からなる。
(3) 国内優先株320,000,000株(第1期)、国内優先株280,000,000株(第2期)、国内優先株730,000,000株(第3期)、国
内優先株270,000,000株(第4期)からなる。国外優先株197,865,300株(第2期)は、2020年3月5日に発行され、香
港証券取引所に上場された。
②【発行済株式】
(2019年12月31日現在)
上場金融商品取引所名
記名・無記名の別及び
種類 発行数 又は登録認可金融商品 内容
額面・無額面の別
取引業協会名
A 株 :上海証券取引所
記名式額面1.00人民元 普通株式 294,387,791,241 株
H 株 :香港証券取引所
以下「 優先
記名式額面100人民元 優先株 1,600,000,000 株 国内優先株:上海証券取引所 株についての
特則 」を参照
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優先株についての特則
国内優先株(第1期)
条件: 1.
国内優先株に満期日はない 。
2 .
国内優先株には満期日がなく、CBIRCの関連規定に基づき、 当行は国内優先株について、買戻権を
行使しない。投資者も、国内優先株の買戻権が行使されることについて期待をすべきではない。
発行日から5年後、 CBIRC の認可を経た場合、当行は優先株の毎年の配当支払日(発行日後の5年
目の配当支払日を含む)に、国内優先株の全部又は一部を買い戻す権利を有する。国内優先株の買
戻期間は、発行日より5年後から、国内優先株の全部が買い戻され又は転換された日までとする。
当行取締役会は、買戻期間内において、市場状況等の要素に基づき買戻事項を決定し、かつ、
CBIRCの認可に従い、買戻しに関するすべての事項を処理することについて、株主総会の授権を得
ている。一部の買戻しが発生した場合、国内優先株株主が保有する優先株は按分比例に従い買い戻
される。
当行による買戻権の行使は次の要件に合致しなければならない。
① 当行が、同等又はより高い品質の資本性商品により買い戻されるインストラメントを代替し、
かつ、収入能力が持続可能という条件を具備することで、初めて資本性商品の代替を実施する
ことができる。
② 又は、当行が買戻権を行使した後の資本水準が、明らかにCBIRCが規定する監督管理に係る資
本要求を上回った場合をいう。
当行が買戻権を行使する場合、CBIRC、上海証券取引所及びその他の監督管理機構の規定に従
い、関連する手続を履行するものとする。
1
買戻期間内において、当行は、国内優先株の額面金額に当期支払うべき配当金 を加算した後
の価格により優先株の全部又は一部を買い戻す権利を有する。買戻の当期において、当行が配
当金の支払を公布していない場合、その買戻価格は額面金額とする。
3 .
その他のTier 1 ・資本性商品のトリガーイベントが発生した場合(即ち、中核的Tier 1の自己資
本比率が5.125%(又はそれ以下)に下がった場合)、国内優先株は契約の約定に従い、直ちに、全
部又は一部をA株普通株に転換し、かつ、当行の中核的Tier 1 の自己資本比率をトリガーポイント
以上に回復させなければならない。
(2) Tier 2・資本性商品のトリガーイベントが発生した場合、国内優先株は直ちに契約の約定に
従い全額A株普通株に転換するものとする。そのうち、Tier 2 ・資本性商品のトリガーイベント
は、次の二つの状況のうち、より早く発生したものをいう。
① CBIRCが、転換又は減資をしない場合、当行が存続できなくなると認定した場合
② 関連部門が、公共部門の資本参加を行わず又は同等の効力を持つ支持を提供しない場合、当行
が生存できなくなると認定した場合
当行は、優先株の普通株への強制転換事由が発生した場合、 CBIRC に報告し、その審査又は決定を
受け、かつ「中華人民共和国証券法」第67条及び中国証券監督管理委員会の関連規定に基づき、臨
時報告、公告等の情報の開示義務を履行するものとする。当行取締役会は、トリガーイベントが発
生した場合、当行が契約の約定に従い、直ちにこれに相応しい数量の普通株を発行できるよう、す
でに株主総会から必要な授権を得ている。優先株を普通株に転換されることにより会社の支配権に
変化を生じさせた場合、中国証券監督管理委員会の関連規定にも合致しなければならない。
1
当期に宣言済の未支配当金をいう。
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▶ . 国内優先株の最初強制転換価格は、今回優先株の発行を審議する取締役会決議の公告日の20取
引日前の当行A株普通株株式の取引平均価格(即ち、2.62人民元/株)とする。
国内優先株 の発行の後、当行A株の普通株にボーナス株の分配、株式資本への転換、市場価格以下
での新株(当行が発行した、普通株に転換可能な条項を有する融資インストラメント(優先株、転
換可能社債等を含む)の株式転換により増加する株式資本を含まない。)の増加発行、割当等の状
況が発生した場合、当行は上記状況が発生した前後順序に従って、順番により強制転換価格につい
て累積調整を行う。ただし、当行の普通株に関連する現金による配当金の支払行為のための調整は
行わない。
配当及び配当 (1 )自己資本比率が監督管理の要求を満たすとの前提の下で、会社定款の規定に従い、当方は、法
の順位: により、欠損を填補し、法定積立金を積み立て及び一般積立金を積み立てた後、配分可能な税
2
引後利益 を有する場合、国内優先株株主に対して配当金を支払うことができる。国内優先株
株主に対する配当の支払順序は、普通株株主の前であり、配当の支払は当行自身の格付けに関
連せず、また格付けの変化による調整も行わない。
(2 )当行は国内優先株の配当を取消しすることができ、かつ、これは違約事由を構成しない。当行
は、自由に配当の取消しにより得た収益を使用してその他の期限到来の債務を弁済することが
できる。当行が一部又は全部の優先株の配当の支払を取消しすることを決定した場合、配当支
払日の少なくとも10営業日前に今回優先株の株主に通知するものとする。一部の配当金の支払
を取消しする状況が発生した場合、当行は、按分比例に従い、国内優先株の株主に対して支払
を行う。
(3 )当行は、現金により国内優先株の株主に対して配当金を支払う。当行の取締役会は、法律・法
規、会社定款及び関連する監督管理部門が認可しかつ株主総会が審議可決した枠組み及び原則
に合致するとの前提の下で、発行案の定めに基づき、国内優先株の株主に対する配当金の支払
事項を決定かつ処理することについて、既に株主総会の授権を得ている。ただし、国内優先株
の株主に対する配当金の支払の取消事項は、当行株主総会に提出しなければならず、普通株株
主(議決権を回復した優先株株主を含む)により審議可決し、株主総会決議が可決された日よ
3
り、配当金の全額支払を復活する まで、当行は、普通株株主に対して利益を分配しない。優
先株の配当金支払の取消は、普通株に対する収益分配制限を構成する以外に、当行に対するそ
の他の制限を構成しない。
配当支払日: 国内優先株に関して、毎年1回配当金を支払うという方法を採り、配当金計算開始日は、今回優先
株の発行日とし、即ち2014年11月21日である。
国内優先株 の配当金の支払日は毎年の11月21日とする。当該日が、法定休暇日又は休日である場
合、次の営業日に順延するが、順延期間は別途配当金を計算しない。約定された配当支払日前に、
状況に応じて優先株の配当金を計算しかつ支払う状況が発生した場合、配当金は、前回の配当支払
日より優先株の実際保有日数に従い計算し、また一年につき360日により計算する。
配当率: 国内優先株は固定配当率を採り、額面配当率はその存続期間内に変更しない。2014年に発行した優
先株の額面配当率は、ブックビルディング方式により6.0%と確定した。当行の非公開発行優先株
の額面配当率は、発行前直近2会計年度における年間平均加重平均純資本利益率を超えてはならな
い。
2
配分可能な税引後利益は、企業会計基準又は国際財務報告基準に従い作成された親会社の財務諸表における未配当
利益から拠出され、いずれかの低い金額に依拠する。
3
配当金の全額支払の回復は、配当金の支払事由が取り消される間において、当行が改めて優先株の株主に対する配
当金の支払を行うことを決定することをいう。但し、国内優先株が非累積型配当金支払方式を取っているため、当行
は、従前の年度に既に取り消された配当金を支払わないものとする。
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残余財産分配 国内優先株株主は、約定された配当率に従い配当金を分配された後、普通株株主と共に残余利益の
の順位: 分配には参加しない 。
会社定款の規定に基づき、当行が清算を行う場合、会社財産の弁済順序は以下の通りである。
1. 清算費用を支払う。
2. 当行従業員の賃金、社会保険費用及び法定補償金を支払う。
3. 個人預金の元金及び利息を支払う。
4. 未納の税金及び清算中に発生した税金を納付する。
5. 当行の債務を弁済する。
6. 株 主の保有する株式の種類及び比例に従い分配を行う。
当行は、解散、破産等の原因により清算を行う場合、当行の財産について、関連する法律法規の規
定に従い弁済を行った後の残余財産は、優先株株主に対して支払っていない配当金及び保有する優
先株の額面価額を優先に支払わなければならず、支払に足りる場合、優先株株主の株保有比率に従
い分配を行う。
議決権: 原則的に、優先株株主は株主総会の会議に出席せず、その保有する株式は議決権を有しない。優先
株株主は、以下の場合についてのみ、普通株株主とは別個のクラスの株式の株主として株主総会に
出席し議決権を行使することができる。
(1)会社定款における優先株に関連する内容を修正する場合
(2)一回又は累計して当行登録資本を減少し、これが10%を超えた場合
(3)当行が合併、分割、解散又は会社形式を変更する場合
(4) 優先 株を発行する場合
(5)会社定款に規定するその他の状況
上記事項の決議は、会議に出席した普通株の株主(議決権を回復した優先株株主を含む)が持つ議
決権の3分の2以上をもって可決されなければならないことを除き、会議に出席した優先株株主
(議決権を回復した優先株株主を含まない)が持つ議決権の3分の2以上をもって可決されなけれ
ばならない。優先株の株主(株主代理人を含む)は普通株の株主と分類して議決をする場合、各優
先株につき議決権1票がある。
国内優先株(第2期)
条件: 1.
第2期国内優先株に満期日はない 。
2 .
第2期国内優先株には満期日がなく、CBIRCの関連規定に基づき、 当行は第2期国内優先株につい
て、買戻権を行使しない。投資者も、第 2 期国内優先株の買戻権が行使されることについて期待を
すべきではない。発行日から5年後、 CBIRC の認可を経た場合、当行は優先株の毎年の配当支払日
(発行日後の5年目の配当支払日を含む)に、第 2 期国内優先株の全部又は一部を買い戻す権利を
有する。第2期国内優先株の買戻期間は、発行日より5年後から、第2期国内優先株の全部が買い
戻され又は転換された日までとする。当行取締役会は、買戻期間内において、市場状況等の要素に
基づき買戻事項を決定し、かつ、CBIRCの認可に従い、買戻しに関するすべての事項を処理するこ
とについて、株主総会の授権を得ている。一部の買戻しが発生した場合、第2期国内優先株株主が
保有する優先株は按分比例に従い買い戻される。
当行による買戻権の行使は次の要件に合致しなければならない。
① 当行が、同等又はより高い品質の資本性商品により買い戻される商品を代替し、かつ、収入能
力が持続可能という条件を具備することで、初めて資本性商品の代替を実施することができ
る。
② 又は、当行が買戻権を行使した後の資本水準が、明らかにCBIRCが規定する監督管理に係る資
本要求を上回った場合をいう。
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当行が買戻権を行使する場合、CBIRC、上海証券取引所及びその他の監督管理機構の規定に
従い、関連する手続を履行するものとする。
1
買戻期間内において、当行は、第2期国内優先株の額面金額に当期支払うべき配当金 を加
算した後の価格により優先株の全部又は一部を買い戻す権利を有する。買戻の当期におい
て、当行が配当金の支払を公布していない場合、その買戻価格は額面金額とする。
3 .
その他のTier 1・資本性商品のトリガーイベントが発生した場合(即ち、中核的Tier 1の自己資
本比率が5.125%(又はそれ以下)に下がった場合)、今回国内優先株(平成26年12月26日付提出臨
時報告書に記載された2014年度国内優先株(「 第1期国内優先株」 )及び 第2期国内優先株の総
称を「 今回国内優先株 」という )は契約の約定に従い、直ちに、全部又は一部をA株普通株に転
換し、かつ、当行の中核的Tier 1の自己資本比率をトリガーポイント以上に回復させなければな
らない。
Tier 2 ・資本性商品のトリガーイベントが発生した場合、今回国内優先株は直ちに契約の約定に
従い全額A株普通株に転換するものとする。そのうち、Tier 2・資本性商品のトリガーイベント
は、次の二つの状況のうち、より早く発生したものをいう。
① CBIRCが、転換又は減資をしない場合、当行が存続できなくなると認定した場合
② 関連部門が、公共部門の資本参加を行わず又は同等の効力を持つ支持を提供しない場合、当
行が生存できなくなると認定した場合
当行は、優先株の普通株への強制転換事由が発生した場合、 CBIRC に報告し、その審査又は
決定を受け、かつ「中華人民共和国証券法」第67条及び中国証券監督管理委員会の関連規定
に基づき、臨時報告、公告等の情報の開示義務を履行するものとする。当行取締役会は、ト
リガーイベントが発生した場合、当行が契約の約定に従い、直ちにこれに相応しい数量の普
通株を発行できるよう、すでに株主総会から必要な授権を得ている。優先株を普通株に転換
されることにより会社の支配権に変化を生じさせた場合、中国証券監督管理委員会の関連規
定にも合致しなければならない。
▶ .
今回 国内優先株の最初強制転換価格は、今回国内優先株の発行を審議する取締役会決議の公告日
の20取引日前の当行A株普通株株式の取引平均価格(即ち、2.62人民元/株)とする。 第2期国内
優先株 の発行の後、当行A株の普通株にボーナス株の分配、株式資本への転換、市場価格以下で
の新株(当行が発行した、普通株に転換可能な条項を有する融資インストラメント(優先株、転
換可能社債等を含む)の株式転換により増加する株式資本を含まない。)の増加発行、割当等の
状況が発生した場合、当行は上記状況が発生した前後順序に従って、順番により強制転換価格に
ついて累積調整を行う。ただし、当行の普通株に関連する現金による配当金の支払行為のための
調整は行わない。
1
当期に宣言済の未支配当金をいう。
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配当及び配当 (1 )自己資本比率が監督管理の要求を満たすとの前提の下で、会社定款の規定に従い、当方は、法
の順位: により、欠損を填補し、法定積立金を積み立て及び一般積立金を積み立てた後、配分可能な税
2
引後利益 を有する場合、第 2 期国内優先株株主に対して配当金を支払うことができる。第 2
期国内優先株株主に対する配当の支払順序は、普通株株主の前であり、配当の支払は当行自身
の格付けに関連せず、また格付けの変化による調整も行わない。
(2 )当行は第 2 期国内優先株の配当を取消しすることができ、かつ、これは違約事由を構成しな
い。当行は、自由に配当の取消しにより得た収益を使用してその他の期限到来の債務を弁済す
ることができる。当行が一部又は全部の優先株の配当の支払を取消しすることを決定した場
合、配当支払日の少なくとも10営業日前に第 2 期国内優先株の株主に通知するものとする。一
部の配当金の支払を取消しする状況が発生した場合、当行は、按分比例に従い、第 2 期国内優
先株の株主に対して支払を行う。
(3 )当行は、現金により第 2 期国内優先株の株主に対して配当金を支払う。当行の取締役会は、法
律・法規、会社定款及び関連する監督管理部門が認可しかつ株主総会が審議可決した枠組み及
び原則に合致するとの前提の下で、発行案の定めに基づき、第 2 期国内優先株の株主に対する
配当金の支払事項を決定かつ処理することについて、既に株主総会の授権を得ている。ただ
し、第 2 期国内優先株の株主に対する配当金の支払の取消事項は、当行株主総会に提出しなけ
ればならず、普通株株主(議決権を回復した優先株株主を含む)により審議可決し、株主総会
3
決議が可決された日より、配当金の全額支払を復活する まで、当行は、普通株株主に対して
利益を分配しない。優先株の配当金支払の取消は、普通株に対する収益分配制限を構成する以
外に、当行に対するその他の制限を構成しない。
配当支払日: 第2期国内優先株に関して、毎年1回配当金を支払うという方法を採り、配当金計算開始日は、今
回優先株の発行日とし、即ち2015年3月13日である。 第2期国内優先株 の配当金の支払日は毎年の
3月13日とする。当該日が、法定休暇日又は休日である場合、次の営業日に順延するが、順延期間
は別途配当金を計算しない。約定された配当支払日前に、状況に応じて優先株の配当金を計算しか
つ支払う状況が発生した場合、配当金は、前回の配当支払日より優先株の実際保有日数に従い計算
し、また一年につき360日により計算する。
配当率: 第2期国内優先株は固定配当率を採り、額面配当率はその存続期間内に変更しない。2015年に発行
した優先株の額面配当率は、ブックビルディング方式により5.50%と確定した。当行の非公開発行
優先株の額面配当率は、発行前直近2会計年度における年間平均加重平均純資本利益率を超えては
ならない。
2
配分可能な税引後利益は、企業会計基準又は国際財務報告基準に従い編綴された親会社の財務諸表における未配当
利益から拠出され、いずれかの低い金額に依拠する。
3
配当金の全額支払の回復は、配当金の支払事由が取り消される間において、当行が改めて優先株の株主に対する配
当金の支払を行うことを決定することをいう。但し、第2期国内優先株が非累積型配当金支払方式を取っているた
め、当行は、従前の年度に既に取り消された配当金を支払わないものとする。
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残余財産分配 第 2 期国内優先株株主は、約定された配当率に従い配当金を分配された後、普通株株主と共に残余
の順位: 利益の分配には参加しない 。
会社定款の規定に基づき、当行が清算を行う場合、会社財産の弁済順序は以下の通りである。
1. 清算費用を支払う。
2. 当行従業員の賃金、社会保険費用及び法定補償金を支払う。
3. 個人預金の元金及び利息を支払う。
4. 未納の税金及び清算中に発生した税金を納付する。
5. 当行の債務を弁済する。
6. 株 主の保有する株式の種類及び比例に従い分配を行う。
当行は、解散、破産等の原因により清算を行う場合、当行の財産について、関連する法律法規の規
定に従い弁済を行った後の残余財産は、優先株株主に対して支払っていない配当金及び保有する優
先株の額面価額を優先に支払わなければならず、支払に足りる場合、優先株株主の株保有比率に従
い分配を行う。
議決権: 原則的に、優先株株主は株主総会の会議に出席せず、その保有する株式は議決権を有しない。優先
株株主は、以下の場合についてのみ、普通株株主とは別個のクラスの株式の株主として株主総会に
出席し議決権を行使することができる。
1. 会社定款における優先株に関連する内容を修正する場合
2. 一回又は累計して当行登録資本を減少し、これが10%を超えた場合
3. 当行が合併、分割、解散又は会社形式を変更する場合
4. 優先 株を発行する場合
5. 会社定款に規定するその他の状況
上記事項の決議は、会議に出席した普通株の株主(議決権を回復した優先株株主を含む)が持つ議
決権の3分の2以上をもって可決されなければならないことを除き、会議に出席した優先株株主
(議決権を回復した優先株株主を含まない)が持つ議決権の3分の2以上をもって可決されなけれ
ばならない。優先株の株主(株主代理人を含む)は普通株の株主と分類して議決をする場合、各優
先株につき議決権1票がある。
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国内優先株(第3期)
期間: 優先株式に満期日は設定されていない。
累積配当: なし。
残余利益分配 なし。
への参加:
配当率決定原 国内優先株の配当率は、異なる金利差で調整される。配当率は指標金利と固定スプレッドの合計に
則: 等しく、配当率の調整期間を設けるものとする。配当率は、国内優先株発行後最初の5年間は固
定、その後は5年に1回調整され、各調整期間中は変更されないものとする。固定スプレッドは、
発行時の国内優先株に係る配当率と指標金利間のスプレッドに等しいものとし、国内優先株の有効
期間中に変更されることはない。
優先株式発行時の指標金利は、中国債券情報ネットワーク(www.chinabond.com.cn又は中国証券登
記決済有限責任公司が認めるその他のウェブサイト。以下同様)が発表する銀行間固定利付国債の
利回り曲線に示される5年満期中国国債の、優先株式の払込期日(すなわち、2019年6月27日)に
先立つ直近の20取引日間(払込期日を含まない。)における算術平均利回り(小数点第二位まで求
める。)とする。配当率再調整日における指標金利は、中国債券情報ネットワークが発表する銀行
間固定利付国債の利回り曲線に示される5年満期中国国債の、再調整日(優先株式の払込期日から
5年後毎の応当日(すなわち、6月27日))に先立つ直近の20取引日間(各応当日を含まない。)
における算術平均利回り(小数点第二位まで求める。)とする。再調整日に先立つ直近の20取引日
間のいずれの日にも中国債券情報ネットワークが5年満期中国国債の利回りを発表しなかった場
合、再調整日における指標金利は、中国債券情報ネットワークにおいて入手可能な5年満期中国国
債の、国内優先株の配当率再調整日に先立つ20取引日間における算術平均利回り(小数点第二位ま
で求める。)とする。
国内優先株の初回配当率は、市場価格照会を通じて、4.50%(うち、指標金利が3.07%、固定スプ
レッドが1.43%)に決定される。国内優先株の配当率は、発行に先立つ直近の2会計年度における
当行の加重平均株主資本利益率(注1)の年間平均を上回らないものとする。
(注1) 株主資本の平均利益率は、「有価証券を公募する会社による情報開示の作成に関する規則第9
号:株主資本利益率及び一株当たり利益の計算と開示」(2010年改訂)に従い決定され、当行の普通
株主に帰属する利益を基準に計算される。
配当金分配条 (a) 当行は、その自己資本が当局の規制要件を満たすことを条件に、法令に従い損失を回収し、
項: 法定準備金及び一般準備金に対する割当を行った後に、分配可能な税引後利益(注2)があ
る場合には、国内優先株の株主に対し配当金を分配することができる。配当金の分配に関
し、当行が発行する国内優先株は国外優先株と同順位であり、いずれの優先株主も普通株主
に優先する。国内優先株の株主に対する配当金の支払いは当行の格付の影響を受けることは
なく、かかる格付の変更に伴う調整は生じない。
(注2) 中国の会計基準又は国際財務報告基準に従い作成された当行の財務諸表に表示されている未分配
利益のうち、いずれか少ない金額をいう。
(b) いかなる場合においても、当行は、株主総会において検討および承認された後、国内優先株
の株主に対する配当金の支払いの一部または全部を取り消す権利を有し、かかる取消しは債
務不履行とはみなされない。当行は、その裁量により、中止した配当金を、支払期限の到来
した他の債務の返済に使用することができる。現行の国内優先株の配当の取消しは、普通株
式の配当制限を除き、当行に対するその他の制限を構成しない。当行は、上記権利を行使す
る際には、国内優先株の株主の権利及び利益を十分に考慮する。
配当金の支払 優先株式の配当金は現金で支払われ、当行が発行した関連するシリーズの未償還国内優先株の額面
方法: 価額の総額に基づき算出される。国内優先株の配当金は、年1回支払われるものとし、関連するシ
リーズの国内優先株の払込期日(すなわち、2019年6月27日)から発生するものとする。配当金支
払日は、毎年、国内優先株の発行に係る払込期日の応当日(すなわち、6月27日)とする。かかる
応当日が上海証券取引所の取引日でない場合、当該配当金支払日は翌取引日に延期され、かかる延
期された期間についての配当金は発生しない。配当金支払日の前に、国内優先株の配当金を計算し
て支払う必要が生じた場合、配当金は、実日数による日割計算(計算上、1年は360日とする。)
により算出される。配当金の計算は、小数点第二位まで求める。かかる配当を受領することにより
国内優先株の株主に対して課される税は、関連法令に従い、当該優先株主が負担するものとする。
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転換に関する (1) 強制転換トリガー事由
取決め:
( ⅰ) その他Tier1資本性証券トリガー事由(普通株式等Tier1資本比率が5.125%以下まで低下す
ること)が発生した場合、当行の普通株式等Tier1資本比率をトリガーポイントを上回る水
準まで回復させるため、国内優先株の全部又は一部はA株に転換される。
( ⅱ) Tier2資本性証券トリガー事由が発生した場合、国内優先株の全部がA株に転換される。
「Tier2資本性証券トリガー事由」とは、次のいずれかの事態のうち先に発生するものをい
う。(1)CBIRCにより、転換若しくは消却を行わないと当行が存続できないと判断された場
合、又は(2)関連当局により、公的部門による資本注入若しくはこれに相当する支援がない
と、当行が存続できないと判断された場合。
(2) 強制転換価格
国内優先株の当初の強制転換価格は、国内優先株発行に関する取締役会決議公告日に先立つ
20取引日における当行A株の平均取引価格(すなわち、1株当たり3.62人民元)とする。
直近の20取引日における当行A株の平均取引価格 = 当該20取引日における当行A株の取引価
格の合計 ÷ 当該20取引日におけるA株の出来高合計
国内優先株の発行後に、株式の無償交付、資本再編、時価を下回る価格での新株発行(普通
株式に転換可能な当行の発行する金融商品(優先株式、転換社債等)の転換による株式資本
の増加は除く。)又はA株に関するライツイシューを行った場合、かかる事由の発生順に強制
転換価格の累積的調整が行われる。普通株主に対する現金配当の分配による強制転換価格の
調整は行われない。強制転換価格は、以下に従い調整される。
株式の無償交付又は資本再編の場合: P1 = P0 × N ÷ (N + n)
時価を下回る価格でのA株の新規発行又はライツイシューによる場合: P1 = P0 × (N + k)
÷ (N + n)、k = n × A ÷ M
上記の計算式において、「P0」は、調整前直近の有効な強制転換価格、「N」は、かかる株式
の無償交付、資本再編、新株発行又はA株に関するライツイシューが行われる前の普通株式総
数、「n」は、株式の無償交付、資本再編、新株発行又はライツイシューによって新しく交
付・発行されたA株の株式数、「A」は、かかる新株発行又はライツイシューにおいて新しく
発行されるA株の発行価格、「M」は、A株の新株発行又はライツイシューの発表(すなわち、
新株発行又はライツイシューに関する有効かつ取消不能な条件を含む発表)前日の取引日に
おけるA株の終値、「P1」は、当該調整直後の有効な強制転換価格を意味する。
国内優先株の株主の権利及び利益が、株式の買戻し、当行の合併又は分割その他の事由によ
る当行の株式クラス、株式数及び/又は株主持分の変更によって影響を受ける場合には、当
行は、優先株主及び普通株主の利益を十分に保護し、これらの均衡を保つために、公平、公
正、衡平の原則に従い、実際の状況に応じて強制転換価格の調整を行う。強制転換価格の調
整に関する内容及び方法は、適用ある中国法令に従って策定される。
(3) 強制転換の比率及び株式数を決定する際の原則
国内 優先株の強制転換の際に転換される株式数を決定する計算式は、Q = V ÷ Pとする。
上記計算式において、「Q」は、国内優先株の株主が保有する国内優先株から転換されるA株
の株式数、「V」は、強制転換の対象となる優先株式の額面価額の総額、「P」は、国内優先
株の有効な強制転換価格を意味する。
国内優先株の強制転換から生じる普通株式の端株は、関連法令に従い当行によって処理され
る。一部が転換される場合、国内優先株は比例配分ベースでA株に転換される。
(4) 強制転換期間
国内優先株の強制転換期間は、国内優先株の発行完了後の最初の取引日に開始し、全ての国
内優先株が償還または又は転換された日に終了する。
(5) 強制転換が行われた年における普通株式の配当金の帰属
国内優先株の強制転換により新しく発行されるA株は既存のA株と同順位であり、配当金の権
利に関する基準日現在において当行の株主名簿に記載されている全ての普通株主(国内優先
株の強制転換によるA株の保有者を含む。)は、当期の配当期間に係る配当金を受領する権利
を有し、かつ同一の権利及び利益を有する。
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償還に関する (1) 償還権者
取決め:
CBIRC の承認を得ることを条件として、当行は国内優先株を償還することができる。国内優先
株の株主は、当行に対して国内優先株の償還を請求する権利を有しない。
(2) 償還の条件及び期間
国内優先株に償還日はない。CBIRCの関連規則に従い、当行は、国内優先株の償還権を行使す
る予定はないため、投資家は、当行が国内優先株の償還権を行使するという期待をすべきで
はない。
しかしながら、CBIRCの承認を条件として、当行は、国内優先株の発行後5年が経過したのち
に国内優先株の全部又は一部を償還する権利を有する。国内優先株の償還期間は、国内優先
株の発行日から5年後の応当日に開始し、全ての国内優先株が償還又は転換された日に終了
する。取締役会は、市場の状況等に従い償還期間中の償還を決定し、CBIRCの承認に基づき償
還に関するすべての事項に完全な権限を持って対処することを株主総会により授権(その権
限はさらに委任することができる)されている。
当行によるかかる償還権の行使は、以下の条件に服する。
(1) 償還する国内優先株を代替するにふさわしい当該国内優先株と同等又はより質の高い資
本性証券を当行が使用するか有していること。かつ、かかる代替は、当行が持続可能な
収入創出能力を有している時にのみ行われること。
(2) かかる償還権行使後の当行の規制上の自己資本が、CBIRCの定める規制上の必要自己資本
要件を大きく上回る水準を維持していること。
(3) 償還価格及び償還価格決定の原則
国内優先株の償還価格は、額面価額に宣言された配当金(ただし、当期の配当期間において
未払いの配当金)を加えた額に等しい金額とする。
議決権の復 (1) 議決権復権条項
権:
定款に従い、当行が、優先株式の発行後合計で3会計年度又は2会計年度連続して、優先株
式について合意された配当金を支払わなかった場合、優先株主は、合意された配当金を支払
わない旨を定めた当該年度の利益配分計画を株主総会が承認した翌日から、株主総会に出席
し、議決権を行使するための普通株主と同じ権利を有するものとする。
優先株式の議決権の復権後、かかる優先株式の各保有者は、下記の想定転換価格に従って当
該優先株式の想定された転換の結果として生じる議決権数を有するものとし、当該優先株式
の保有者は、普通株主とともに株主総会において当該議決権を行使することができる。
当初の想定転換価格は、「転換に関する取決め」に従い決定される当初の強制転換価格と同
様に決定される。かかる想定された転換の結果として生じた議決権数(すなわち、当該各優
先株式の保有者が権利を有する議決権数)は、Q = V ÷ E(普通株式1株未満は切り捨
て。)の計算式に従い算出される。
上記計算式において、「V」は、当該優先株主が保有する優先株式の額面総額、「E」は、有
効な想定転換価格を意味する。
優先株式の発行後に、株式の無償交付、資本再編、時価を下回る価格での新株発行(普通株
式に転換可能な当行の発行する金融商品(優先株式、転換社債等)の転換による株式資本の
増加は除く。)又はA株に関するライツイシューを行った場合、当行は、当該各事由を発生順
に累積的に反映するために想定転換価格に対する調整を行う。具体的な調整方法は、「転換
に関する取決め」に明記される強制転換価格に適用される調整方法に一致するものとする。
(2) 復権した議決権の取消し
優先株式の議決権復権後は、当該年度に関する優先株式の配当金を当行が全額支払う日ま
で、かかる議決権は行使可能とする。定款には、優先株式の議決権を復権することができる
その他の事由を定めることができる。
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国内優先株(第 4 期)
期間: 優先株式に満期日は設定されていない。
累積配当: なし。
残余利益分配 なし。
への参加:
配当率決定原 優先株式の配当率は、異なる金利差で調整される。配当率は指標金利と固定スプレッドの合計に等
則: しく、配当率の調整期間を設けるものとする。配当率は、国内優先株発行後最初の5年間は固定、
その後は5年に1回調整され、各調整期間中は変更されないものとする。固定スプレッドは、発行
時の国内優先株に係る配当率と指標金利間のスプレッドに等しいものとし、国内優先株の有効期間
中に変更されることはない。
優先株式発行時の指標金利は、中国債券情報ネットワーク(www.chinabond.com.cn又は中国証券登
記決済有限責任公司が認めるその他のウェブサイト。以下同様)が発表する銀行間固定利付国債の
利回り曲線に示される5年満期中国国債の、優先株式の発行に係る払込期日(すなわち、2019年8
月29日)に先立つ直近の20取引日間(払込期日を含まない。)における算術平均利回り(小数点第
二位まで求める。)とする。配当率再調整日における指標金利は、中国債券情報ネットワークが発
表する銀行間固定利付国債の利回り曲線に示される5年満期中国国債の、優先株式再調整日(優先
株式の払込期日から5年後毎の応当日(すなわち、8月29日))に先立つ直近の20取引日間(各応
当日を含まない。)における算術平均利回り(小数点第二位まで求める。)とする。再調整日に先
立つ直近の20取引日間のいずれの日にも中国債券情報ネットワークが5年満期中国国債の利回りを
発表しなかった場合、再調整日における指標金利は、中国債券情報ネットワークにおいて入手可能
な5年満期中国国債の、優先株式の配当率再調整日に先立つ直近の20取引日間における算術平均利
回り(小数点第二位まで求める。)とする。
優先株式の初回配当率は、市場価格照会を通じて、4.35%(うち、指標金利が2.94%、固定スプ
レッドが1.41%)に決定される。国内優先株の配当率は、発行に先立つ直近の2会計年度における
当行の加重平均株主資本利益率(注1)の年間平均を上回らないものとする。
(注1) 株主資本の平均利益率は、「有価証券を公募する会社による情報開示の作成に関する規則第9
号:株主資本利益率及び一株当たり利益の計算と開示」(2010年改訂)に従い決定され、当行の普通
株主に帰属する利益を基準に計算される。
配当金分配条 (a) 当行は、その自己資本が当局の規制要件を満たすことを条件に、法令に従い損失を回収し、
項: 法定準備金及び一般準備金に対する割当を行った後に、分配可能な税引後利益(注2)があ
る場合には、国内優先株の株主に対し配当金を分配することができる。配当金の分配に関
し、当行が発行する国内優先株は国外優先株と同順位であり、いずれの優先株主も普通株主
に優先する。国内優先株の株主に対する配当金の支払いは当行の格付の影響を受けることは
なく、かかる格付の変更に伴う調整は生じない。
(注2) 中国の会計基準又は国際財務報告基準に従い作成された当行の財務諸表に表示されている未分配
利益のうち、いずれか少ない金額をいう。
(b) いかなる場合においても、当行は、株主総会において検討および承認された後、国内優先株
の株主に対する配当金の支払いの一部または全部を取り消す権利を有し、かかる取消しは債務不履
行とはみなされない。当行は、その裁量により、中止した配当金を、支払期限の到来した他の債務
の返済に使用することができる。現行の国内優先株の配当の取消しは、普通株式の配当制限を除
き、当行に対するその他の制限を構成しない。当行は、上記権利を行使する際には、国内優先株の
株主の権利及び利益を十分に考慮する。
配当金の支払 優先株式の配当金は現金で支払われ、当行が発行した関連するシリーズの未償還国内優先株の額面
方法: 価額の総額に基づき算出される。国内優先株の配当金は、年1回支払われるものとし、関連するシ
リーズの国内優先株の発行に係る払込期日(すなわち、2019年8月29日)から発生するものとす
る。配当金支払日は、毎年、国内優先株の発行に係る払込期日の応当日(すなわち、8月29日)と
する。かかる応当日が上海証券取引所の取引日でない場合、当該配当金支払日は翌取引日に延期さ
れ、かかる延期された期間についての配当金は発生しない。配当金支払日の前に、国内優先株の配
当金を計算して支払う必要が生じた場合、配当金は、該当期間の実日数による日割計算(計算上、
1年は360日とする。)により算出される。配当金の計算は、小数点第二位まで求める。かかる配
当を受領することにより国内優先株の株主に対して課される税は、関連法令に従い、当該優先株主
が負担するものとする。
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転換に関する (1) 強制転換トリガー事由
取決め:
( ⅰ) その他Tier1資本性証券トリガー事由(普通株式等Tier1資本比率が5.125%以下まで低下す
ること)が発生した場合、当行の普通株式等Tier1資本比率をトリガーポイントを上回る水
準まで回復させるため、国内優先株の全部又は一部はA株に転換される。
( ⅱ) Tier2資本性証券トリガー事由が発生した場合、国内優先株の全部がA株に転換される。
「Tier2資本性証券トリガー事由」とは、次のいずれかの事態のうち先に発生するものをい
う。(1)CBIRCにより、転換若しくは消却を行わないと当行が存続できないと判断された場
合、又は(2)関連当局により、公的部門による資本注入若しくはこれに相当する支援がない
と、当行が存続できないと判断された場合。
(2) 強制転換価格
国内優先株の当初の強制転換価格は、国内優先株発行に関する取締役会決議公告日に先立つ
20取引日における当行A株の平均取引価格(すなわち、1株当たり3.62人民元)とする。
直近の20取引日における当行A株の平均取引価格 = 当該20取引日における当行A株の取引価
格の合計 ÷ 当該20取引日におけるA株の出来高合計
国内優先株の発行後に、株式の無償交付、資本再編、時価を下回る価格での新株発行(普通
株式に転換可能な当行の発行する金融商品(優先株式、転換社債等)の転換による株式資本
の増加は除く。)又はA株に関するライツイシューを行った場合、かかる事由の発生順に強制
転換価格の累積的調整が行われる。普通株主に対する現金配当の分配による強制転換価格の
調整は行われない。強制転換価格は、以下に従い調整される。
株式の無償交付又は資本再編の場合: P1 = P0 × N ÷ (N + n)
時価を下回る価格でのA株の新規発行又はライツイシューによる場合: P1 = P0 × (N + k)
÷ (N + n)、k = n × A ÷ M
上記の計算式において、「P0」は、調整前直近の有効な強制転換価格、「N」は、かかる株式
の無償交付、資本再編、新株発行又はA株に関するライツイシューが行われる前の普通株式総
数、「n」は、株式の無償交付、資本再編、新株発行又はライツイシューによって新しく交
付・発行されたA株の株式数、「A」は、かかる新株発行又はライツイシューにおいて新しく
発行されるA株の発行価格、「M」は、A株の新株発行又はライツイシューの発表(すなわち、
新株発行又はライツイシューに関する有効かつ取消不能な条件を含む発表)前日の取引日に
おけるA株の終値、「P1」は、当該調整直後の有効な強制転換価格を意味する。
国内優先株の株主の権利及び利益が、株式の買戻し、当行の合併又は分割その他の事由によ
る当行の株式クラス、株式数及び/又は株主持分の変更によって影響を受ける場合には、当
行は、優先株主及び普通株主の利益を十分に保護し、これらの均衡を保つために、公平、公
正、衡平の原則に従い、実際の状況に応じて強制転換価格の調整を行う。強制転換価格の調
整に関する内容及び方法は、適用ある中国法令に従って策定される。
(3) 強制転換の比率及び株式数を決定する際の原則
国内優先株の強制転換の際に転換される株式数を決定する計算式は、Q = V ÷ Pとする。
上記計算式において、「Q」は、国内優先株の株主が保有する国内優先株から転換されるA株
の株式数、「V」は、強制転換の対象となる優先株式の額面価額の総額、「P」は、国内優先
株の有効な強制転換価格を意味する。
国内優先株の強制転換から生じる普通株式の端株は、関連法令に従い当行によって処理され
る。一部が転換される場合、国内優先株は比例配分ベースでA株に転換される。
(4) 強制転換期間
国内優先株の強制転換期間は、国内優先株の発行完了後の最初の取引日に開始し、全ての国
内優先株が償還または又は転換された日に終了する。
(5) 強制転換が行われた年における普通株式の配当金の帰属
国内 優先株の強制転換により新しく発行される当行A株は既存のA株と同順位の権利及び利益
を享受し、配当金の権利に関する基準日現在において当行の株主名簿に記載されている全て
の普通株主(国内優先株の強制転換によるA株の保有者を含む。)は、当期の配当期間に係る
配当金を受領する権利を有し、かつ同一の権利及び利益を有する。
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償還に関する (1) 償還権者
取決め:
CBIRC の承認を得ることを条件として、当行は国内優先株を償還することができる。国内優先
株の株主は、当行に対して国内優先株の償還を請求する権利を有しない。
(2) 償還の条件及び期間
国内優先株に償還日はない。CBIRCの関連規則に従い、当行は、国内優先株の償還権を行使す
る予定はないため、投資家は、当行が国内優先株の償還権を行使するという期待をすべきで
はない。
しかしながら、CBIRCの承認を条件として、当行は、国内優先株の発行後5年が経過したのち
に国内優先株の全部又は一部を償還する権利を有する。国内優先株の償還期間は、国内優先
株の発行日から5年後の応当日に開始し、全ての国内優先株が償還又は転換された日に終了
する。取締役会は、市場の状況等に従い償還期間中の償還を決定し、CBIRCの承認に基づき償
還に関するすべての事項に完全な権限を持って対処することを株主総会により授権(その権
限はさらに委任することができる)されている。
当行によるかかる償還権の行使は、以下の条件に服する。
(1) 償還する国内優先株を代替するにふさわしい当該国内優先株と同等又はより質の高い資
本性証券を当行が使用するか有していること。かつ、かかる代替は、当行が持続可能な収
入創出能力を有している時にのみ行われること。
(2) かかる償還権行使後の当行の規制上の自己資本が、CBIRCの定める規制上の必要自己資本
要件を大きく上回る水準を維持していること。
(3) 償還価格及び償還価格決定の原則
国内優先株の償還価格は、額面価額に宣言された配当金(ただし、当期の配当期間において
未払いの配当金)を加えた額に等しい金額とする。
議決権の復権: (1) 議決権復権条項
定款に従い、当行が、優先株式の発行後合計で3会計年度又は2会計年度連続して、優先株
式について合意された配当金を支払わなかった場合、優先株主は、合意された配当金を支払
わない旨を定めた当該年度の利益配分計画を株主総会が承認した翌日から、株主総会に出席
し、議決権を行使するための普通株主と同じ権利を有するものとする。
優先株式の議決権の復権後、かかる優先株式の各保有者は、下記の想定転換価格に従って当
該優先株式の想定された転換の結果として生じる議決権数を有するものとし、当該優先株式
の保有者は、普通株主とともに株主総会において当該議決権を行使することができる。
当初の想定転換価格は、「転換に関する取決め」に従い決定される当初の強制転換価格と同
様に決定される。かかる想定された転換の結果として生じた議決権数(すなわち、当該各優
先株式の保有者が権利を有する議決権数)は、Q = V ÷ E(普通株式1株未満は切り捨
て。)の計算式に従い算出される。
上記計算式において、「V」は、当該優先株主が保有する優先株式の額面総額、「E」は、有
効な想定転換価格を意味する。
優先株式の発行後に、株式の無償交付、資本再編、時価を下回る価格での新株発行(普通株
式に転換可能な当行の発行する金融商品(優先株式、転換社債等)の転換による株式資本の
増加は除く。)又はA株に関するライツイシューを行った場合、当行は、当該各事由を発生順
に累積的に反映するために想定転換価格に対する調整を行う。具体的な調整方法は、「転換
に関する取決め」に明記される強制転換価格に適用される調整方法に一致するものとする。
(2) 復権した議決権の取消し
優先株式の議決権復権後は、当該年度に関する優先株式の配当金を当行が全額支払う日ま
で、かかる議決権は行使可能とする。定款には、優先株式の議決権を復権することができる
その他の事由を定めることができる。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
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(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
(A株)
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2014 年12月31日 205,108,871,605 205,108,871,605
2015 年1月1日 5,656,643,241 5,656,643,241 ( 1 )
~2015年12月31日
2015 年12月31日 210,765,514,846 210,765,514,846
2016 年1月1日 0 0
~2016年12月31日
2016 年12月31日 210,765,514,846 210,765,514,846
2017 年1月1日 0 0
~2017年12月31日
2017 年12月31日 210,765,514,846 210,765,514,846
2018 年1月1日 0 0
~2018年12月31日
2018 年12月31日 210,765,514,846 210,765,514,846
2019 年1月1日 0 0
~2019年12月31日
2019 年12月31日 210,765,514,846 210,765,514,846
注:
( 1) 転換社債からの転換である。
(H株)
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2015 年12月31日 83,622,276,395 83,622,276,395
2016 年12月31日 83,622,276,395 83,622,276,395
2017 年12月31日 83,622,276,395 83,622,276,395
2018 年12月31日 83,622,276,395 83,622,276,395
2019 年12月31日 83,622,276,395 83,622,276,395
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(国外優先株(第1期))
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 増減数 残高 増減額 残高 摘要
2014 年10月23日 399,400,000 399,400,000 39,940,000,000 39,940,000,000 新規発行
2015 年12月31日 399,400,000 - 39,940,000,000
2016 年12月31日 - 399,400,000 - 39,940,000,000
2017 年12月31日 399,400,000 - 39,940,000,000
2018 年12月31日 - 399,400,000 - 39,940,000,000
2019 年10月23日 (399,400,000) 0 (39,940,000,000) 0 償還
2019 年12月31日 - 0 - 0
(国内優先株(第1期))
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2014 年11月21日 320,000,000 320,000,000 32,000,000,000 32,000,000,000 新規発行
2015 年12月31日 - 320,000,000 - 32,000,000,000
2016 年12月31日 - 320,000,000 - 32,000,000,000
2017 年12月31日 - 320,000,000 - 32,000,000,000
2018 年12月31日 - 320,000,000 - 32,000,000,000
2019 年12月31日 - 320,000,000 - 32,000,000,000
(国内優先株(第2期))
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2015 年3月13日 280,000,000 280,000,000 28,000,000,000 28,000,000,000 新規発行
2015 年12月31日 - 280,000,000 - 28,000,000,000
2016 年12月31日 - 280,000,000 - 28,000,000,000
2017 年12月31日 - 280,000,000 - 28,000,000,000
2018 年12月31日 - 280,000,000 - 28,000,000,000
2019 年12月31日 - 280,000,000 - 28,000,000,000
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(国内優先株(第3期))
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2019 年6月24日 730,000,000 730,000,000 73,000,000,000 73,000,000,000 新規発行
2019 年12月31日 - 730,000,000 - 73,000,000,000
国内優先株(第4期))
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2019 年8月26日 270,000,000 270,000,000 27,000,000,000 27,000,000,000 新規発行
2019 年12月31日 - 270,000,000 - 27,000,000,000
(4)【所有者別状況】
2019 年12月31日現在、普通株式の株主は700,005名であった。うち、A株の株主は514,852名、H株の株主は
185,153名であった。
2019 年12月31日現在、優先株の株主は87名であった。
(5)【大株主の状況】
(2019年12月31日現在)
発行済株式総数に対する
所有株式数の割合
氏名又は名称 住所 所有株式数(株) (概算)(%)
(1)
匯金公司 中国北京市東城区 188,461,533,607 64.02
朝陽門北大街1号 新保利大厦
(2)
HKSCC ノミニーズ・ 香港中環コンノートプレイス8 81,916,812,187 27.83
リミテッド ワン・エクスチェンジ・スクエア30
階
(1)
中国証券金融 中国北京市西城区 8,596,044,925 2.92
股 份 有限公司 豊盛胡同 28 号太平洋保険 大厦
計 ― 278,974,390,719 94.77
注:
( 1)
A 株
( 2)
H 株
HKSCC ノミニーズ・リミテッドは、2019年12月31日現在同社に口座を開設している全ての機関投資家及び個人投
資家のノミニーを務めている。HKSCCノミニーズ・リミテッドが保有する当行H株の総数には、NCSSFの保有株式数
が含まれる。
上記は、2019年12月31日現在当行が公に入手することのできた情報に基づいている。
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EDINET提出書類
中国銀行股イ分有限公司(E05981)
有価証券報告書
2019 年12月31日現在、当行の上位10名の優先株保有者の状況は以下のとおりである。
質入又は凍結 優先株 優先株の
番号 優先株株主名称 期末保有数 持分比率
した株式数 株主の性質 株式種類
博時基金 - 工商銀行 - 博時 - 工商銀行 - 柔
1 220,000,000 13.75 % 無 その他 国内優先株
軟配置 5 号特定多顧客資産管理計画
2 中国移動 通信 集団有限公司 180,000,000 11.25 % 無 国有法人 国内優先株
建信信托有限 責任 公司- " 乾元-日新
3 月