コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出者 | コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020 年6月10日
【事業年度】 自 2019年1月1日 至 2019年12月31日
【会社名】 コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー
(COÖPERATIEVE RABOBANK U.A.)
【代表者の役職氏名】 長期資金調達・資本部長(アジア太平洋)
(Head of Long Term Funding and Capital, APAC)
ヘル・ブルス
( Ger Buls )
【本店の所在の場所】 オランダ国 3521 CB ユトレヒト市クローセラーン18
( Croeselaan 18 3521 CB Utrecht, the Netherlands)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 梅 津 立
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 中 村 慎 二
弁護士 嶋 田 祐 輝
弁護士 白 藤 祐 也
弁護士 梶 谷 裕 紀
弁護士 稲 村 将 吾
弁護士 水 間 洋 文
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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第一部 【企業情報】
注(1) 本書において、別段の記載がある場合を除き、以下の用語は下記の意味を有する。
「当社」、「当行」および「ラボバンク」
:コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー
注(2) 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ユーロ」はその時々の欧州経済通貨同盟に参加している欧州連合の加
盟国の単一通貨としてのユーロを指す。本書において便宜上記載されている日本円への換算は、別段の記載がない限
り、1ユーロ=117.87円の換算率(令和2年年3月12日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売相場と買相場
の仲値)によって換算されている。
注(3) コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーの決算期は毎年12月31日をもって終了する1年間である。本書では、2019
年12月31日に終了した会計年度を「2019年度」といい、他の会計年度についてもこれに準ずる。
注(4) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
注(5) 当社のウェブサイトは、www.rabobank.comにおいて閲覧することができる。ただし、本書において言及されている
ウェブサイト、または本書において言及されているウェブサイトを通じてアクセスすることができるその他のウェブ
サイトは、本書の一部を構成するものではない。
第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
法人(会社を含む。)に関する規定はオランダ民法典に統合されている。これらの規定は第2編「法人」に記
載されている。同編の規定は、1976年7月28日に施行され、以降頻繁に改正されている。
当社は、協同組合型の銀行である。オランダ民法典第2編第3章は、協同組合型会社について取り扱ってい
る。協同組合型会社はその加盟社員との間に協同組合関係を形成する会社である。
第2編第9章は、年次計算書類および年次報告書について取り扱っている。協同組合型会社は、年次計算書
類の発行が義務づけられている。
その他協同組合型会社に適用されるものとしては、商業登記法上の開示規則がある。
さらに、オランダにおける会社法の実際的な適用の上で重大な影響を有する、法文化されていない重要な法
源(判例法および法理等)が存在する。
協同組合型会社は「大」および「小」の2種類に分類される。「大」協同組合型会社と「小」協同組合型会
社の主な違いは、「大」協同組合型会社には監督委員会の設置が義務づけられている点である。「大」協同組
合型会社の監督委員会の構成員の選任手続も、「小」協同組合型会社のものとは異なる。当社は「大」協同組
合型会社に該当する。
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(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
ラボバンクの体制
ラボバンク・グループは、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーおよびオランダ国内外両方におけるラ
ボバンクの子会社や参加者で構成される。ラボバンクは、オランダだけではなく、世界中の支店や駐在員事務
所を拠点に営業している。これらの支店および事務所は全て、ラボバンクという法人の一部を構成する。ラボ
バンクは、世界中の別法人を通じても営業している。ラボバンクは、かかる法人の株主である。ラボバンクの
本店所在地はオランダのユトレヒトである。ラボバンクの登記上の事務所はオランダのアムステルダムにあ
る。ラボバンクは複数の商号を利用している。
ラボバンクは銀行免許を保有しており、協同組合としての法的形式を有している。ラボバンクの協同組合の
アイデンティティの歴史は、19世紀後半に農家のグループが最初の農業協同組合銀行を築いた頃まで遡る。
2016年1月1日まで、オランダの地方銀行は別個の法的な協同組合の事業体であった。2016年1月1日、ラボ
バンクと106行の地方銀行の全ての間で、共通の手続の下、法的な合併が行われた。ラボバンクが存続会社と
なった。
協同組合であるラボバンクには、通常の株主ではなく、加盟者がいる。オランダにおけるラボバンクの顧客
は、ラボバンクの加盟者になる機会がある。現時点で、ラボバンクには約1.9百万人の加盟者がいる。加盟者
はラボバンクに資本拠出を行っておらず、ラボバンクの資本につき請求権を有さない。加盟者は義務を負わ
ず、ラボバンクの責任についても債務を負担しない。
ガバナンスの主要な特徴
ラボバンクは、分権化した組織であり、地方レベルおよび中央レベルの両方で意思決定権限を有する。ガバ
ナンスは、協同組合および銀行の融合を反映している。オランダ・コーポレート・ガバナンスコードは協同組
合に適用されないが、ラボバンクのコーポレートガバナンスは、同コードと概ね一致している。ラボバンク
は、オランダの銀行行動規範も遵守している。
ラボバンクの加盟者は、とりわけ、地理的要件に基づき、約100の部門に分かれて組織されている。各地方
銀行は部門に繋がっている。各部門内で、加盟者は代表者選考会に加入する。代表者選考会は、地方加盟者理
事会の構成員を選任する。
地方加盟者理事会は30から50名の構成員で構成され、ラボバンクの定款に基づき設置された。地方加盟者理
事会は、サービスの質および地域環境の社会的および持続可能な発展への貢献につき地方銀行の経営チームに
報告し、協力する。地方加盟者理事会には複数の正式な任務および責任がある。地方加盟者理事会の権限の1
つは、会長を含む地方監督委員会を任命、停職および解任することである。
地方監督委員会は3-7名の構成員で構成され、部門の一部である。同委員会は、地方銀行規則に基づき設
置された会社の一機関であり、地方銀行レベルでの監督という役割を含む、様々な任務を実行し、様々な責任
を負う。かかる役割の一環として、経営委員会は地方監督委員会に対し、経営チーム会長の重要な意思決定に
ついて複数の権限を付与した。地方監督委員会は、経営チーム会長による地方戦略の実行を監督する。地方監
督委員会は、地方銀行の経営チーム会長に関し機能的な雇用者の役割も果たす。地方監督委員会は、地方加盟
者理事会に報告義務を負う。
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地方理事会は、ラボバンクのガバナンスにおいて正式な会社の一機関ではない。地方理事会は、一般加盟者
理事会の準備にとって重要である。地方理事会は、監督機関の会長および地方銀行の経営会長が話し合うため
に集まる諮問機関である。
地方監督者の構成員は、ラボバンクの加盟者でなければならない。地方監督委員会の会長は、全員、ラボバ
ンクの一般加盟者理事会における部門の加盟者を代表する。一般加盟者理事会が、ラボバンクのガバナンスに
おける最高意思決定機関である。地方監督委員会の会長は指示や協議を行うことなく一般加盟者理事会に参加
するが、地方の意見も取り入れる。ラボバンクの一般加盟者理事会は、戦略、アイデンティティ、予算および
財務業績に焦点を当て、これらにつき権限を有する。ラボバンクの一般加盟者理事会は、加盟者を代表して、
継続性を保護し、集合的な価値観の管理人を務める。ラボバンクの一般加盟者理事会には、緊急事態委員会、
調整委員会および秘密事項委員会の3つの永続的な委員会が存在する。
ラボバンクの監督委員会の構成員は、一般加盟者理事会によって任命される。監督委員会の構成員の3分の
2はラボバンクの加盟者でなければならない。監督委員会は監督の役割を果たし、ラボバンクの一般加盟者理
事会に報告義務を負う。この点について、監督委員会は法律および規制の遵守、とりわけ、ラボバンクの目標
および戦略の実現を監視する。監督委員会は、経営委員会の重大な意思決定を承認する権限を有する。監督委
員会は、経営委員会につき助言を行う役割をも果たす。監督委員会には、とりわけ、監督委員会の準備作業お
よび助言を行う、リスク委員会や監査委員会など、複数の委員会が存在する。
地方の業務は、約100行の地方銀行によって編成される。かかる地方銀行は別個の法人ではなく、ラボバン
クという法人の一部である。地方への志向および地方の起業家精神をラボバンクの特徴的な性質として維持す
るため、ラボバンクの経営委員会は、地方銀行の経営チーム会長に数多くの権限を与えた。その結果として、
かかる会長は、地方レベルで任務を遂行することができ、割り当てられた地方銀行について責任を負うことが
できる。経営チーム会長は、当該地方銀行に関連する部門につき、追加的な責任を負う。
ラボバンクの経営委員会は、地方銀行および間接的にはラボバンクの関連事業体を含んだ、ラボバンクの経
営の責任を負う。経営委員会は、目標の設定および達成、戦略的方針および関連あるリスク特性、財務業績お
よび企業の社会的責任の要素について最終的な責任を負う。さらには、経営委員会は、ラボバンク・グループ
の関連ある法律および規制の遵守につき責任を負う。経営委員会によって代表されるラボバンクは、階層上は
地方銀行の経営チーム会長の雇用者である。経営委員会のメンバーは経営委員会によって任命され、ラボバン
クの監督委員会および一般加盟者理事会に報告する義務を負う。
取締役会議は、ラボバンクの定款に基づき設置されたが、意思決定機関ではない。取締役会議は、地方銀行
の業務に関する提案および方針のための予備的な、情報提供かつ助言を行う会議である。経営委員会、地方銀
行の経営チーム会長および地方銀行の取締役が本会議に参加する。
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2 【外国為替管理制度】
オランダの協同組合が発行する無記名式社債に関して外貨で支払うべき金銭と、オランダでの売却による収益
は、オランダの法的制限なくオランダから公式に持ち出しその他の通貨に転換することができる。ただし、統計
上の目的のため、かかる支払および取引はオランダ中央銀行に報告しなければならない。
3 【課税上の取扱い】
欧州連合貯蓄課税に関する指令
2005 年以来、税務当局に対し、個人貯蓄者に関する情報へのより良いアクセスを提供してきた欧州連合貯蓄
課税に関する指令2003/48/ECは、欧州理事会によって2015年11月10日に廃止された。かかる廃止は、欧州委員
会が、2014年12月に、税務当局間の強制的かつ自動的な情報交換に関する規定を修正する指令2014/107/EUを
採択したことによって決定された。指令2014/107/EUは、受取利息だけではなく、配当やその他の資本収入な
らびにかかる収入項目を生み出す口座の年間残高を対象範囲とする、2014年7月付のOECDによる金融口座の自
動的情報交換のための国際基準を欧州内で実施する。指令2014/107/EUは、2016年1月1日に発効した。
EU は、複数の欧州第三国と、OECDによる金融口座の自動的情報のための国際基準を組み込んだ類似の合意に
ついて交渉してきた。
廃止は、移行措置についても規定する、欧州理事会が導入した指令によって成立した。特にオーストリア
は、指令2014/107/EUの免除を受けており、かかる免除によりオーストリアは指令2014/107/EUの適用を1年後
の2017年1月1日まで延期することができた。しかし、指令2014/107/EUの導入の際、オーストリアは、完全
には免除を受けないと発表した。その代わり、オーストラリアは、2017年9月までは一部の口座についてのみ
情報交換し、その他のケースでは免除を維持する予定であるとした。したがって、欧州連合貯蓄課税に関する
指令の廃止指令には、オーストラリアならびに同国で設立された支払代理人および事業者に、免除期間中は指
令2014/107/EUが適用される口座以外には指令2003/48/ECを継続して適用させるための特約が設けられた。
投資家は、個々の事情についてそれぞれの専門顧問に相談されたい。
(1) オランダにおける課税上の取扱い
以下は、一般的な情報提供を目的としており、当社の発行する社債 (以下、「本社債」という。) の保有者
に関連し得るオランダ税法のすべての側面について、包括的あるいは完全な記述を意図したものではない。し
たがって、本社債を保有する見込みのある者(以下、「本社債権者」という。)は、本社債の購入、所有およ
び処分に係る課税に関し、その税務顧問の助言を求めるべきである。
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以下の要約は、オランダ租税裁判所により適用および解釈され、本書の日付時点で公布され、かつ効力を有
するオランダ税法に基づいたものであり、本書の日付以後に導入されまたは施行されたいかなる修正(遡及効
の有無を問わない。)も考慮していない。
下記の源泉徴収のセクションを除き、本要約は下記の本社債権者に係るオランダにおける課税については言
及していない。
(i) 法人であり、かつアルバ、キュラソー又はシント・マールテンの居住者である本社債権者
(ii) 本社債及び/又は本社債による利益の実質所有者( uiteindelijk gerechtigde )ではないとされる本社
債権者
本「3 課税上の取扱い」において、「オランダ」とは、ヨーロッパにおけるオランダ王国の部分を意味
し、「オランダ税」とは、オランダまたはその区域もしくはその税務当局により、またはそれらを代理して課
税されるあらゆる性質の税金を意味する。
以下の源泉徴収に関する要約は、2021年1月1日時点で、2021年のオランダの源泉徴収税法( Wet
Bronbelasting 2021 )の意味でいう当社と関連( gelieerd )を有している事業体である保有者に係るオランダ
における課税については言及していない。
源泉徴収
当社による本社債に関するすべての支払いは、オランダ税のためのもしくはそれらに基づくいかなる源泉徴
収または控除の対象にもならない。但し、本社債が、1969年のオランダ法人税法( Wet op de
vennootschapsbelasting 1969 )第10条1-dの意味でいう当社のエクイティとして実際には機能しない場合に限
る。
収入およびキャピタルゲインに対する課税
(a) オランダの居住者
本項の特定のオランダ税に関する記述は、以下の本社債権者のみを対象とする。
( ⅰ) オランダの居住者またはみなし居住者である個人(以下「 オランダ個人 」という)。
( ⅱ) 1969年オランダ法人税法(以下、「法人税法」という。)を適用され、法人税法上、オランダの居住
者またはみなし居住者である法人。ただし、以下を除く(以下、「オランダ法人」という。)。
・ オランダ法人税の一部または全部を免除されている年金基金( pensioenfondsen )またはその他
の法人
・ 投資機関( beleggingsinstellingen )
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事業またはその他の活動に従事していない、または従事していないとみなされるオランダ個人
一般的に、オランダ個人で、(ⅰ)起業家( ondernemer ) としてもしくは(起業家および株主以外として)
エクイティに対する共同権利に基づいて利益を得ている事業または(ⅱ)当該個人によるその他の活動
( resultaat uit overige werkzaamheden ) からの利益として課税対象にならない利益を得ている事業に帰属
していない本社債を保有する者は、本社債を貯蓄および投資による収入に関する課税制度( inkomen uit
sparen en beleggen ) であるボックス3に保有している資産として計上しなければならない。次に、本社債に
関する課税所得は、利回りベースが30,846ユーロの上限 (heffingvrij vermogen) を超過した場合に限り、実際
に受領した収益または実際に実現した利益ではなく、暦年の始まりにおける保有者の利回りベース
( rendementsgrondslag ) に対する特定の見なし利益に基づいて決定される。このような利回りベースは、本
社債の保有者が保有する特定の適格資産の公正市場価格から、暦年の始まりにおける特定の適格負債の公正市
場価格を控除した額として決定されている。本社債の公正市場価格は、保有者の利回りベース内の資産として
含まれる。保有者の利回りベースは、異なる見なし利益が適用される3つまでの等級に割り当てられる。1つ
目の等級には、67%の低利回り部分および33%の高利回り部分に分割される、72,797ユーロ以下の金額が含ま
れる。2つ目の等級には、21%の低利回り部分および79%の高利回り部分に分割される72,797ユーロ超、
1,005,572ユーロ以下の金額が含まれる。3つ目の等級には、その全てが高利回りとみなされる、1,005,572
ユーロ超の金額が含まれる。2020年において、低利回り部分の見なし利益は0.06%であり、高利回り部分は
5.33%である。見なし利益の割合は毎年見直される。保有者の利回りベースに対する見なし利益の税率は
(2020年おいて)30%である。
事業またはその他の活動に従事している、または従事しているとみなされるオランダ個人
オランダ個人が起業家としてもしくは(起業家および株主以外として)エクイティに対する共同権利に基づ
いて利益を得ている事業またはその他の活動( resultaat uit overige werkzaamheden ) (通常の、積極的な
ポートフォリオ運用( normaal, actief vermogensbeheer ) の範囲を超える活動を含むがこれに限定されな
い。)に帰属する本社債を保有する場合、当該個人は、当該本社債による、または当該本社債によるとみなさ
れる利益(当該本社債の処分により実現されたキャピタルゲインを含む。)に対して、(2020年において)一
般的に49.50%を上限とする累進税率のオランダ所得税を賦課される。
オランダ法人
オランダ法人は、本社債による、または当該本社債によるとみなされる利益(当該本社債の処分により実現
されたキャピタルゲインを含む。)に対して、(2020年において)一般的に25%を上限とする法定税率のオラ
ンダ法人税を賦課される。
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(b) オランダの非居住者
オランダ個人およびオランダ法人以外の本社債権者は、本社債の保有および処分に係る収入またはキャピタ
ルゲインに対して、いかなるオランダ税も賦課されない。ただし、以下の場合を除く。
・ 当該本社債権者が、全部または一部がオランダ国内の恒久的施設( vaste inrichting ) または常駐代表
( vaste vertegenwoordiger ) を通じて遂行されておりかつ本社債が帰属している事業から、個人の本
社債権者である場合に起業家としてまたは(起業家および株主以外として)エクイティに対する共同権
利に基づいて利益を得ている場合
・ 当該本社債権者が、個人であり、オランダにおいて本社債に関して遂行された、2001年個人所得税法に
よって定義されるところのその他の活動( resultaat uit overige werkzaamheden ) (通常の、積極的
なポートフォリオ運用( normaal, actief vermogensbeheer ) の範囲を超える活動を含むがこれに限定
されない。)による利益を得ている場合
・ 当該本社債権者が、事業経営拠点をオランダに有する事業に対して、有価証券の保有以外の方法により
企業の利益の分配を受ける権利を有しており、本社債が当該事業に帰属している場合
贈与税または相続税
関連する条項上、オランダの居住者またはみなし居住者ではない本社債権者による贈与または当該本社債権
者の死亡に伴う本社債の譲渡またはみなし譲渡に対しては、オランダにおいていかなる贈与税または相続税も
発生しない。ただし、以下を条件とする。
( ⅰ) 当該譲渡が、本社債の贈与時またはその死亡時において、関連する条項上、オランダの居住者または
みなし居住者であった本社債権者による、または当該本社債権者のためになされた相続もしくは遺産
贈与または贈与として解釈されないこと、ならびに
( ⅱ) 当該本社債の贈与時にはオランダの居住者またはみなし居住者ではなかった個人の当該本社債権者に
より本社債が贈与された場合、当該個人の本社債権者が、当該贈与日から180日以内に、オランダの居
住者またはみなし居住者として死亡していないこと。
特定の条件を満たした場合にのみ本社債が贈与される場合は、当該本社債権者が(ⅰ)オランダの居住者ま
たはみなし居住者ではなく、かつ(ⅱ)当該条件が満たされた日から180日以内にオランダの居住者またはみ
なし居住者とならなかったときは、贈与税は発生しない。
オランダの贈与税および相続税の目的上、オランダ国籍を有する個人は、贈与日または死亡日前の直近10年
間のいかなる時点でもオランダに居住していた場合は、オランダの居住者とみなされる。オランダ贈与税の目
的上、国籍にかかわらずいかなる個人も、贈与日前の直近12ヶ月間のいかなる時点でもオランダに居住してい
た場合は、オランダの居住者とみなされる。
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その他の税金
本社債権者は、本社債の発行、取得または譲渡のみを理由とする付加価値税またはその他類似の税金もしく
は公租(印紙税および訴訟費用を含む。)などのその他のいかなるオランダ税の賦課も受けない。
居住
本社債権者は、当社の業績、または当該本社債権者による本社債の(発行もしくは譲渡による)取得、保有
および/または処分のみを理由として税務上オランダの居住者もしくはみなし居住者になることはなく、オラ
ンダ税の賦課を受けることはない。
(2) 日本国における課税上の取扱い
以下は日本において募集または売出しの対象となった当社の社債(以下、本(2)において「本社債」とい
う。)に関する日本国の租税上の取扱いの概略を述べたにすぎず、本社債に投資しようとする投資家は、各投
資家の状況に応じて、本社債に投資することによるリスクや本社債に投資することが適当か否かについて各自
の会計・税務顧問に相談することが望ましい。
本社債に投資した場合の日本国における課税上の取扱いは、現在以下のとおりである。
本社債の利息は、現行法令の定めるところにより、一般に利子として課税される。日本国の居住者および内
国法人が支払いを受ける本社債の利息は、所得税法第11条に定める公共法人等、租税特別措置法第8条第1項
および第2項に定める金融機関および金融商品取引業者等(ならびに場合によって同条第3項に規定する一定
の場合の資本金1億円以上の内国法人)を除いて源泉所得税(日本国の居住者の場合は国税と地方税、内国法
人の場合は国税のみの源泉所得税)が課される。日本国の居住者においては、確定申告書の提出による
20.315%(15%の所得税、復興特別所得税(所得税額の2.1%)および5%の地方税の合計)の税率による申
告分離課税とするか、確定申告の対象に含めない(この場合、当該源泉所得税の徴収により課税関係が終了す
る。)こととするかのいずれかを選択することができる。内国法人においては、当該利息は課税所得に含めら
れ法人税および地方税の課税対象となり、また一定の公共法人等および金融機関等を除き、現行法令上
15.315%(15%の所得税および復興特別所得税(所得税額の2.1%)の合計)の源泉所得税が課される。ただ
し、申告分離課税を選択した居住者および当該内国法人は上記源泉所得税額を、一定の制限のもとで、居住者
の場合は所得税および地方税、内国法人の場合は法人税の額から控除することができる。
本社債の償還額が本社債の取得価額を超える場合の償還差益は、日本国の居住者の場合は、20.315%(15%
の所得税、復興特別所得税(所得税額の2.1%)および5%の地方税の合計)の税率による申告分離課税の対
象となり、申告分離課税の対象となる他の上場株式等(特定公社債を含む。)の譲渡損失と損益通算すること
ができる。内国法人の場合は、当該償還差益は課税所得に含められ法人税および地方税の課税対象となる。
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本社債の償還額が本社債の取得価額を下回る場合の償還差損は、日本国の居住者の場合は、申告分離課税の
対象となる他の上場株式等(特定公社債を含む。)の譲渡益等ならびに利子所得および配当所得と損益通算す
ることができる。損益通算により控除しきれなかった損失は、一定の制限のもとで、3年間の繰越控除が可能
である。内国法人の場合は、当該償還差損は損金の額として法人税および地方税の課税所得の計算に算入され
る。
本社債の譲渡による譲渡益については、日本国の居住者の場合は、国税と地方税の税率による申告分離課税
の対象となり、申告分離課税の対象となる他の上場株式等(特定公社債を含む。)の譲渡損失と損益通算する
ことができる。内国法人の場合は、当該譲渡益は課税所得として法人税および地方税の課税対象となる。
本社債の譲渡による譲渡損については、日本国の居住者の場合は、申告分離課税の対象となる他の上場株式
等(特定公社債を含む。)の譲渡益等ならびに利子所得および配当所得と損益通算することができる。損益通
算により控除しきれなかった損失は、一定の制限のもとで、3年間の繰越控除が可能である。内国法人の場合
は、当該譲渡損は損金の額として法人税および地方税の課税所得の計算に算入される。
4 【法律意見】
当社の法務部キャピタル・マーケッツ兼トレジャリーより、税務事項に関するものを除き、次の内容の法律意
見書が関東財務局長に提出されている。
(1) 当社はオランダ法に基づいて適式に設立され、有効に存続する協同組合型会社である。
(2) 本書の第一部 第1「本国における法制等の概要」の1「会社制度等の概要」、2「外国為替管理制度」、
および4「法律意見」におけるオランダ法に関する記載はすべての重要な点において真実かつ正確である。
また、上記法律意見書とは別に、当社の税務部により、オランダの税法に関する、次の内容の税務意見書が関
東財務局長に提出されている。
(1) 本書の第一部 第1「本国における法制等の概要」の3「課税上の取扱い」におけるオランダ法に関する記
載はすべての重要な点において真実かつ正確である。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
( 単位:百万ユーロ) 2019 年 2018 年 2017 年 2016 年 2015 年
主要非財務データ
ネット・プロモーター・スコア(オランダ
61 57 53 36 33
の民間顧客)
ネット・プロモーター・スコア(オランダ
63 61 50 41 37
のプライベート・バンキング顧客)
ネット・プロモーター・スコア(オランダ
51 53 43 30 21
の法人顧客)
オンライン・サービスを積極利用している
64.0 % 61.8 % - - -
オランダの民間顧客(%)
オンライン・サービスを積極利用している
81.5 % 80.8 % - - -
オランダの法人顧客(%)
1
71.5 70.8 69.5 66.1 -
レップトラック・パルス・スコア
加盟者のエンゲージメント・スコア 50 % 44 % - - -
従業員エンゲージメント・スキャン 64 61 - - -
主要財務データ
普通株等Tier 1比率(完全適用)
16.3 % 16.0 % 15.5 % 13.5 % 12.0 %
2
25.2 % 26.6 % 26.2 % 25.0 % 23.2 %
総自己資本比率(BIS比率) (移行途中)
3
6.3 % 6.4 % 6.0 % 5.5 % 5.1 %
レバレッジ比率 (移行途中)
リスク加重資産 205,797 200,531 198,269 211,226 213,092
ホールセールによる資金調達 151,742 153,223 160,407 188,862 203,218
▶
63.8 % 65.9 % 71.3 % 70.9 % 65.2 %
収益に対する費用の比率(賦課金を含む)
基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金
5
63.9 % 65.3 % 64.8 % 64.6 %
63.5 %
を含む)
6
5.5 % 7.4 % 6.9 % 5.2 % 6.0 %
投下資本利益率(ROIC)
自己資本利益率 5.3 % 7.3 % 6.7 % 4.9 % 5.5 %
7
0.4 % 0.5 % 0.4 % 0.3 % 0.3 %
総資産利益率
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( 単位:百万ユーロ) 2019 年 2018 年 2017 年 2016 年 2015 年
その他の財務データ
収益 11,915 12,020 12,001 12,805 13,014
営業費用 7,115 7,446 8,054 8,594 8,145
金融資産に係る減損費用 975 190 (190) 310 1,033
当期純利益 2,203 3,004 2,674 2,024 2,214
総資産 590,598 590,437 602,991 662,593 678,827
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 417,914 416,025 410,964 424,551 433,927
顧客からの預金 342,536 342,410 340,682 347,712 345,884
自己資本 41,347 42,236 39,610 40,524 41,197
8
1.21 1.21 1.21 1.22 1.25
預貸率
不良債権 15,705 18,436 18,315 18,873 19,763
格付
S&P グローバル・レーティング A+ A+ A+ A+ A+
ムーディーズ・インベスターズ・サービス Aa3 Aa3 Aa2 Aa2 Aa2
フィッチ・レーティングス AA- AA- AA- AA- AA-
DBRS AA AA AA AA AA
サステイナリティクス・ランキング
5 2 7 2 11
(多角経営型銀行部門)
サステイナリティクスESGリスク格付
1 1 - - -
(多角経営型銀行部門)
ラボバンクについて
地方ラボバンク 89 101 102 103 106
オランダ国内のオフィス等 371 409 446 475 506
9
99.7 % 99.9 % 99.9 % 99.7 % 99.8 %
ネット・バンキングの使用率
9
99.6 % 99.9 % 99.9 % 99.7 % 99.8 %
モバイル・バンキングの使用率
9
99.7 % 99.8 % - - -
iDEAL の使用率
コミュニティー・ファンドおよび寄付 45.4 48.8 45.5 43.3 45
(常勤換算従業員一人当たりの)
10
2.9 4.0 3.8 3.5
3.3
二酸化炭素排出量(単位:トン)
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( 単位:百万ユーロ) 2019 年 2018 年 2017 年 2016 年 2015 年
持続可能な商品およびサービス
持続可能な融資総額 46,000 46,607 17,377 - -
運用中の持続可能な資産および保管中の資
6,399 4,726 4,030 3,835 2,843
産の合計額
持続可能な資金調達総額 5,300 3,941 3,436 2,985 2,122
ラボバンク監督下の金融取引総額 6,701 7,140 6,236 5,750 6,313
オランダ国内の地方ラボバンクの顧客に関
する持続可能性に係る業績(クライアン
98 % 99 % 98 % 99 % -
ト・フォト)-普及率(エクスポージャー>
1百万ユーロ)
オランダ国内の地方ラボバンクの顧客に関
する持続可能性に係る業績(クライアン
8 % 5 % ▶ % 5 % -
ト・フォト)-Aレベル達成率(エクスポー
11
ジャー>1百万ユーロ)
ホールセール・オフィスの顧客に関する持
続可能性に係る業績(クライアント・フォ
86 % 87 % 73 % 85 % -
ト)-普及率(エクスポージャー>1百万
ユーロ)
ホールセール・オフィスの顧客に関する持
続可能性に係る業績(クライアント・フォ
24 % 24 % 21 % 26 % -
ト)-Aレベル達成率(エクスポージャー>
11
1百万ユーロ)
従業員データ
12
43,822 43,247 45,063 46,781 53,269
従業員数(合計常勤換算従業員)
多様性:経営委員会における女性比率 40 % 40 % 40 % 14 % -
多様性:経営委員会の1つ下位に当たる幹
33 % 31 % 29 % - -
部層における女性比率
多様性:オランダ国内の従業員の女性比率 51 % 52 % - - -
人件費 4,821 4,868 4,472 4,680 4,787
オランダ国内の長期欠勤率 4.3 % 4.3 % 4.0 % 3.6 % 3.7 %
1 敬意、感心、好感度および信頼を数値化し感情的な結びつきを測る、レピュテーション・インスティチュートが測定およ
び決定する評判。
2 適格資本をリスク加重資産で除したもの。
3 2011年6月のバーゼルIIIの文書において定義されているとおり、Tier 1資本を総資産によって除することにより算出され
る。
▶ 収益に対する費用の比率(賦課金を含む)は、営業費用合計(賦課金を含む)と収益合計の比率として計算される。
5 公正価値により評価される項目に係る業績、RNAの売却、事業再構築費用、およびデリバティブ回復枠組みに係る追加引当
金について調整が行われた。
6 投下資本利益率(ROIC)は、非支配持分に帰属する部分を控除した後の純利益を中核的資本(実際に計上されたTier 1資
本に報告期間の期末におけるバランスシート上ののれんの額を加えたもの)からラボバンクの資本における非支配持分を
控除した額で除して計算される。
7 総資産利益率は、月末残高に基づく平均総資産に対する純利益の割合として表示する。
8 顧客からの預金に対する民間セクター向け貸付ポートフォリオの比率。
9 12ヶ月にわたり算出された平均使用率。
10 2018年度の数値は計算方法の改善に伴い修正再表示されている。
11 当行は1百万ユーロを超えるエクスポージャを有する顧客の持続可能性に係る業績をクライアント・フォトにより計測
し、AからDまでの格付を行っている。
12 定義の変更に伴い、比較対象となる過去の常勤換算従業員の数値は調整されている。
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2 【沿革】
ラボバンク・グループは、協同組合の原則を基本に運営されている、国際金融サービス提供者である。ラボバ
ンク・グループは発行会社およびその子会社により構成されている。ラボバンク・グループは40カ国で事業を展
開している。当グループの事業には、国内リテール・バンキング、ホールセール・バンキングおよび国際リテー
ル・バンキング、リース事業ならびに不動産事業が含まれている。当グループは世界中で約9.5百万の顧客に
サービスを提供している。当グループは、オランダにおいてはオランダ市場におけるラボバンク・グループの地
位を維持することに重点を置き、国際的には食品・農業分野に重点を置いている。ラボバンクの協同組合型構造
により、ラボバンク・グループのグループ事業体間には、強い結び付きがある。
ラボバンク・グループの協同組合事業の中核は、地方ラボバンクにより構成されている。顧客はラボバンク・
ウー・アー(ラボバンク)の加盟者になることができる。2019年12月31日現在、371店舗の支店を有する地方ラ
ボバンクは、オランダ国内で緻密な銀行ネットワークを形成している。地方ラボバンクは、オランダ国内におい
て約8.0百万の個人顧客および約0.8百万の法人顧客に対し、総合的な金融サービスを提供している。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(ラボバンク)は、専門性を有するオランダ国内外の複数の子会社
の持株会社である。現在は、ラボバンクとして知られ、内部では「ホールセール・ルーラル・アンド・リテー
ル」と呼ばれるラボバンク・インターナショナルは、ラボバンク・グループのホールセール銀行および国際リ
テール銀行である。
従来、ラボバンク・グループは、主にオランダ国内市場の農業・園芸セクターへの貸付に従事してきた。1990
年代以降、ラボバンク・グループは、幅広い商業銀行業務およびその他の金融サービスをオランダ国内だけでな
く、国際的にも提供している。継続中のプログラムの一環として、ラボバンク・グループは、従来の貯蓄や住宅
ローンをベースとした事業者からオランダ国内外であらゆる種類の金融商品・サービスを提供する者へと多角化
を図るために、顧客が利用可能な商品・サービスの数量および種類を拡充してきた。当グループは、幅広い層の
個人顧客および法人顧客の双方に、国内リテール・バンキング、ホールセール・バンキングおよび国際リテー
ル・バンキング、リース事業、不動産事業および保険商品販売を主な内容とする総合的な金融サービスを提供し
ている。
日本における活動
当社は2000年5月に金融庁の認可を得て東京支店を設立し、同年8月7日に金融機関との間の国債等の売買業
務を主とした銀行業を開始した。2014年3月より、東京支店は、支店から駐在員事務所に変わり、主に、当行の
長期資金調達機会に関する市場調査を行っていた。当該駐在員事務所は、2019年7月31日に閉鎖された。
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3 【事業の内容】
(1) ラボバンクについて
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(2) 当行の中核的事業
国内リテール・バンキング
要旨
オランダにおいて、当行の国内リテール・バンキング事業は住宅ローン市場におけるローンの提供を牽引する存在
であり、預金、返済、投資および保険に関する商品およびサービスを提供している。またラボバンク全体として
も、SMEおよび食品・農業市場においてはトップである。本セグメントは、地方ラボバンクおよび住宅ローン融資
会社であるオプフィオンによって構成されている。収益は低金利環境によって抑えられ、その結果純受取利息は
6%減少した。2019年度の営業費用は5%減少した。サービスのデジタル化および集約の影響により平均従業員数
が減少したため、人件費もわずかに減少した。2019年度中の顧客からの預金は16.2十億ユーロ増加した一方で、民
間セクター向け貸付ポートフォリオは2%減少した。当行の住宅ローン・ポートフォリオは2.3十億ユーロ減少
し、SME向け貸付ポートフォリオは2.4十億ユーロ減少した。
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財務業績
業績
2019 年 2018 年
単位:百万ユーロ 増減率
12 月31日 12 月31日
純受取利息 5,258 5,575 -6 %
純受取手数料 1,490 1,434 ▶ %
その他収益 67 56 20 %
収益合計 6,815 7,065 -4 %
人件費 2,738 2,765 -1 %
その他一般管理費 1,177 1,382 -15 %
減価償却費および償却費 95 84 13 %
営業費用合計 4,010 4,231 -5 %
総利益 2,805 2,834 -1 %
金融資産に係る減損費用 152 -150 -
賦課金 270 237 14 %
税引前営業利益 2,383 2,747 -13 %
法人税等 607 712 -15 %
当期純利益 1,776 2,035 -13 %
金融資産に係る減損費用(単位:ベーシスポイント) 6 -5
比率
収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 62.8 % 63.2 %
基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 61.4 % 61.5 %
貸借対照表 (単位:十億ユーロ)
外部資産 275.9 280.7 -2 %
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 271.2 276.1 -2 %
顧客からの預金 253.1 236.7 7 %
内部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 19,913 20,347 -2 %
外部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 6,976 5,088 37 %
総従業員数(単位:常勤換算従業員数) 26,889 25,435 6 %
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財務業績に関する注記
税引前基礎的営業利益の変動
2019 年 2018 年
単位:百万ユーロ
12 月31日 12 月31日
収益 6,815 7,065
営業費用 4,010 4,231
事業再構築費用 57 69
費用に対する調整
デリバティブ枠組み 40 52
基礎的費用 3,913 4,110
金融資産に係る減損費用 152 -150
賦課金 270 237
税引前営業利益 2,383 2,747
合計調整額 97 121
税引前基礎的営業利益 2,480 2,868
基礎的な業績:14%減
国内リテール・バンキングの2019年度の基礎的な業績は、2018年度に比べ減少した。税引前基礎的営業利益は、
2018年度の2,868百万ユーロに対し2,480百万ユーロとなった。かかる税引前基礎的利益を算出するに当たり、事業
再構築費用および金利デリバティブ枠組みの追加引当金につき修正が行われた。収益合計は250百万ユーロ減少
し、基礎的な営業費用も197百万ユーロ減少した。金融資産に係る減損費用が152百万ユーロに増加したことによ
り、純利益は抑えられた。
収益:4%減
収益合計は6,815百万ユーロ(2018年度:7,065百万ユーロ)に減少した。住宅ローンに係るマージンはわずかに
増加したにもかかわらず、低金利環境により預金および当座預金に関してマージンが縮小したことにより、純受取
利息は圧迫された。純受取利息合計の5,258百万ユーロ(2018年度:5,575百万ユーロ)は、2018年度と比較して
6%の減少となる。支払口座および保険の手数料の増加により、純受取手数料は1,490百万ユーロ(2018年度:
1,434百万ユーロ)まで増加した。2019年12月31日現在のその他収益は67百万ユーロ(2018年度:56百万ユーロ)
となった。
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営業費用:5%減
営業費用合計は、4,010百万ユーロ(2018年度:4,231百万ユーロ)まで減少した。サービスのデジタル化および
集約により人員の平均規模が縮小されたため、人件費は2,738百万ユーロ(2018年度:2,765百万ユーロ)まで減少
した。オランダにおいて新たな経営モデル(通称「バンキング3.0」)が導入された影響により部門内の従業員数
には減少の動きがあった一方、2019年度については規制課題に対処するための追加人員も求められた。その他一般
管理費は、1,177百万ユーロ(2018年度:1,382百万ユーロ)まで減少した。自行の使用する不動産の評価見直しに
より、費用は60百万ユーロ削減された。2018年度は当該評価見直しによりその他一般管理費に対し61百万ユーロの
好影響がもたらされていた。デリバティブ・プロジェクトに関連したプロジェクト費用は、前年度と比較して33百
万ユーロ減少し、事業再構築費用も減少して57百万ユーロ(2018年度:69百万ユーロ)となった。減価償却費およ
び償却費は、IFRS第16号が施行されたこともあり、95百万ユーロ(2018年度:84百万ユーロ)まで増加した。
金融資産に係る減損費用は増加
2019 年度中の金融資産に係る減損費用は増加したものの、オランダにおける良好な経済状況の恩恵を受け依然と
して低い水準となっている。金融資産に係る減損費用は、152百万ユーロ(2018年度:-150百万ユーロ)となっ
た。これは、長期平均の20ベーシスポイントを大幅に下回る、平均貸付ポートフォリオの6ベーシスポイント
(2018年度:-5ベーシスポイント)に換算される。
貸付ポートフォリオは減少
依然として低い貯蓄性預金口座の利息は、顧客によるローンの追加返済を引続き後押しした。2019年度中、地方
ラボバンクおよびオプフィオンにおける顧客の追加住宅ローン返済額、すなわち、強制返済に追加して支払われた
金額は、合計約19.5十億ユーロ(2018年度:19.2十億ユーロ)となった。当該追加返済額のうち3.7十億ユーロ
(2018年度:3.5十億ユーロ)は部分返済に関連するものであり、15.8十億ユーロ(2018年度:15.7十億ユーロ)
は主に顧客の転居を理由とした住宅ローンの完済によるものであった。2019年12月31日現在、当行の住宅ローン貸
付ポートフォリオの合計額は187.7十億ユーロ(2018年度:190.0十億ユーロ)となった。当行の住宅ローン・ポー
トフォリオの一部(1.8十億ユーロ相当)を機関投資家に売却したことが、かかる減少の一因となった。当該数値
には、29.7十億ユーロ(2018年度:28.5十億ユーロ)の価値があるオプフィオンの貸付ポートフォリオが含まれ
る。国内リテール・バンキングのポートフォリオ(法人向け貸付を含む。)の合計は、4.9十億ユーロ減少して
271.2十億ユーロ(2018年度:276.1十億ユーロ)となり、SMEポートフォリオの合計額は現在、81.4十億ユーロ
(2018年度:83.8十億ユーロ)となっている。
セクター別貸付ポートフォリオ
単位:十億ユーロ 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
民間個人顧客に対する貸付額 189.8 192.3
商業・工業・サービス業に対する貸付額 56.2 57.7
食品・農業に対する貸付額 25.2 26.1
民間セクター向け貸付ポートフォリオ合計 271.2 276.1
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住宅ローン・ ポートフォリオ
オランダの住宅ローン市場におけるラボバンクのシェアは、2019年において新規に組まれた住宅ローンの20.9%
1
(2018年度:20.3%) まで増加した。地方ラボバンクの市場シェアは15.5%(2018年度:16.7%)にまで減少
し、オプフィオンの市場シェアは5.4%(2018年度:3.6%)まで増加した。当行の住宅ローン・ポートフォリオの
質は、オランダ経済が引続き好ましい状況にあることおよび国内の強固な住宅市場により高い水準に維持された。
2019年度中、全国住宅ローン保証スキーム(ナショナール・ヒポテークガランシー(NHG))が支援する融資は、住
宅ローン・ポートフォリオの18.7%に減少した。2019年12月31日現在、住宅ローン・ポートフォリオの加重平均指
数化されたローン・トゥー・バリュー(LTV)は60%となった。
1
出典元:オランダ土地登記所(カダスター)
住宅ローン
単位:百万ユーロ 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
住宅ローン・ポートフォリオ 187,671 190,008
加重平均LTV 60 % 64 %
不良債権(金額) 1,609 2,057
不良債権(住宅ローン・ポートフォリオ合計に占める割合) 0.86 % 1.08 %
90 日超の支払い遅延 0.21 % 0.30 %
NHG ポートフォリオのシェア 18.7 % 19.4 %
金融資産における貸倒引当金 198 209
不良債権に基づくカバー率 12 % 10 %
純増額 16 -29
純増額(ベーシスポイント) 1 -2
評価減 32 42
住宅ローン・ポートフォリオの不良債権は2018年度末と比べ減少した。これは、住宅ローン・ポートフォリオの
信用度が改善されていることによるものである。
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顧客からの預金:16.4十億ユーロ増加
オランダの民間貯蓄性預金市場は、貯蓄に対する金利の低さに促された顧客がその貯蓄の余剰分を住宅ローン借
入のレバレッジ解消に充てたという事実にもかかわらず、2019年12月31日現在、4%成長して368.2十億ユーロ
1
(2018年度:355.6十億ユーロ)となった。ラボバンクの市場シェアは33.0%(2018年度:32.7%) となった。顧
客からの預金は7%増加して253.1十億ユーロ(2018年度:236.7十億ユーロ)となった。国内リテール・バンキン
グに預金された民間貯蓄性預金は、4.7十億ユーロ増加し、123.7十億ユーロ(2018年度:119.1十億ユーロ)と
なった。顧客からのその他の預金は、主に当座預金口座が増加した結果、11.7十億ユーロ増加した。
1
出典元:スタティスティックス・ネザーランド(セントラール・ビューロー・フォー・デ・スタティスティーク)
保険収益:15.5百万ユーロ増加
ラボバンクはリテール顧客および法人顧客に対してアドバイザリー・サービスおよびプロダクト・ソリューショ
ン一式を提供しており、その中には保険も含まれる。保険商品については、(インターポリス・ブランドを展開す
る)アフメアがラボバンクにとり最も重要な戦略パートナー兼サプライヤーである。ラボバンクの保険収益合計は
6%増加し、293.3百万ユーロ(2018年度:277.8百万ユーロ)となった。
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ホールセール・ルーラル・アンド・リテール
要旨
ホールセール・ルーラル・アンド・リテール(WRR)(今後の開示書類においては「ホールセール・アンド・ルー
ラル」に変更予定)部門の活動は、オランダおよびアフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリアおよび
ニュージーランド、ヨーロッパならびにアジアという、6つの地域に広がっている。ラボバンクのバンキング・
フォー・フードおよびバンキング・フォー・ザ・ネザーランド戦略は、ラボバンクのポートフォリオの原動力と
なっている。当行のリテール事業の戦略がこの数年で変化してきていることは、RNA(北アメリカ)の売却ならび
にACC(アイルランド)およびRII(インドネシア)のリスク軽減によって実証されている。ラボバンクは、RNAの
非食品・農業事業の売却および食品・農業ポートフォリオのラボ・アグリファイナンス(RAF)への譲渡により、
北アメリカにおける食品・農業により重点を置くようになった。RNAの売却が8月に完了するまでは、RNAの業績は
WRR部門の業績に貢献していた。2019年度のWRRの基礎的な業績は、602百万ユーロまで減少した税引前基礎的営業
利益の動向が示すとおり、前年度を下回った。基礎的な貸付ポートフォリオは増加し、マージンに圧力がかかって
いたにもかかわらず純受取利息は増加を見せた。金融資産に係る減損費用は、2019年度中に311百万ユーロ増加
し、純利益の減少の最も重要な要因となった。純利益はまた、成長イニシアチブおよびコンプライアンスに関する
営業費用の増加によっても抑えられた。
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財務業績
業績
2019 年 2018 年
単位:百万ユーロ 増減率
12 月31日 12 月31日
純受取利息 2,458 2,388 3 %
純受取手数料 438 461 -5 %
その他収益 766 486 58 %
収益合計 3,662 3,335 10 %
人件費 1,396 1,292 8 %
その他一般管理費 495 491 1 %
減価償却費および償却費 83 40 108 %
営業費用合計 1,974 1,823 8 %
総利益 1,688 1,512 12 %
金融資産に係る減損費用 611 300 104 %
賦課金 140 169 -17 %
税引前営業利益 937 1,043 -10 %
法人税等 260 333 -22 %
当期純利益 677 710 -5 %
金融資産に係る減損費用(単位:ベーシスポイント) 55 29
比率
収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 57.7 % 59.7 %
基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 63.1 % 59.5 %
貸借対照表 (単位:十億ユーロ)
外部資産 137.1 140.0 -2 %
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 112.4 109.0 3 %
内部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 8,269 9,279 -11 %
外部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 1,628 1,576 3 %
総従業員数(単位:常勤換算従業員数) 9,897 10,855 -9 %
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
有価証券報告書
財務業績に関する注記
税引前基礎的営業利益の変動
2019 年 2018 年
単位:百万ユーロ
12 月31日 12 月31日
収益 3,662 3,335
収益に対する調整 RNA の売却 -372 0
基礎的収益 3,290 3,335
営業費用 1,974 1,823
事業再構築費用 7 7
費用に対する調整
RNA の売却 30 0
基礎的費用 1,937 1,816
金融資産に係る減損費用 611 300
賦課金 140 169
税引前営業利益 937 1,043
合計調整額 -335 7
税引前基礎的営業利益 602 1,050
基礎的な業績は減損費用の影響を受けた
税引前基礎的営業利益は、2018年度の1,050百万ユーロに対し602百万ユーロとなった。かかる税引前基礎的利益
を算出するに当たり、RNAの売却に係る収益および事業再構築費用につき修正が行われた。基礎的な収益合計は
1%減少し、基礎的な営業費用は7%増加した。その上、金融資産に係る減損費用の増加が利益にマイナスの影響
を及ぼした。
収益:10%増
WRR の収益合計は、2019年度中3,662百万ユーロ(2018年度:3,335百万ユーロ)まで増加した。かかる収益の増
加の大半はRNAの売却に起因するものである。RNAの売却益につき修正を行った場合、収益合計は1%減少したこと
になる。平均商業マージンはわずかに減少したにもかかわらず、純受取利息は2,458百万ユーロ(2018年度:2,388
百万ユーロ)まで増加した。当該増加は貸付高の増加によるものであった。純受取利息の増加は、法人向けおよび
農村向け貸付において特に顕著であった一方で、かかる増加はブラジルにおける逆ざや傾向により抑制された。市
場の状況に対応して法人向け融資の活動レベルが低下したことにより、純受取手数料は減少し438百万ユーロ
(2018年度:461百万ユーロ)となった。主にRNAの売却に起因し、その他収益は280百万ユーロ増加し766百万ユー
ロ(2018年度:486百万ユーロ)となった。その他収益の増加は、当行のマーケッツ部門が市況の悪化に直面した
こと、および法人投資部門における評価の引き下げによって抑制された。さらに、2018年度のその他収益について
は、ACCローン・マネジメントの貸付ポートフォリオの評価が引き上げられたことによる好影響を受けていたとい
える。
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有価証券報告書
営業費用:8%増
2019 年度中、営業費用は1,974百万ユーロ(2018年度:1,823百万ユーロ)まで増加した。外国為替による影響を
除いた場合、営業費用は6%増加したことになる。2019年度中、WRRにおける従業員数は9%減少した。RNAの売却
の結果生じた当該減少は、ルーラルにおける成長イニシアチブならびにデジタル化およびコンプライアンスに関す
る追加人員によって一部相殺された。人件費は前年度と比べ8%増加し1,396百万ユーロ(2018年度:1,292百万
ユーロ)となった。その他一般管理費は、495百万ユーロ(2018年度:491百万ユーロ)まで減少した。減価償却費
および償却費は、北アメリカ、アジアおよび欧州における施設および不動産、設備および装備の減価償却費の増加
により、83百万ユーロ(2018年度:40百万ユーロ)まで増加した。
金融資産に係る減損費用:311百万ユーロ増
2019 年度の金融資産に係る減損費用は、611百万ユーロ(2018年度:300百万ユーロ)まで増加した。オランダお
よび欧州においては相互に関連のない個別の重大事由につき著しい減損が見られ、またブラジル(主に砂糖および
エタノール)および米国(主に肥料)においても大きな減損が見られた。2018年度上半期より、減損の増加は続い
ている。金融資産に係る減損費用合計は、長期平均の52ベーシスポイントを上回り、平均民間セクター向け貸付
ポートフォリオの55ベーシスポイント(2018年度:29ベーシスポイント)となった。
WRR ポートフォリオは増加
2019 年度中、WRRの合計貸付ポートフォリオは、112.4十億ユーロ(2018年度:109.0十億ユーロ)まで増加し
た。貸付ポートフォリオの増加の一部は、メキャニクス・バンクへのRNAの売却により相殺された。RNAの売却を除
いた場合、貸付ポートフォリオは7.8十億ユーロ増加したことになる。米国における農業事業の運営を統合したた
め、RNAの食品・農業資産は売却の対象に含まれず、ラボバンク・アグリファイナンス(RAF)に譲渡された。当行
のバンキング・フォー・フード戦略を反映するかたちで、食品・農業セクターへの貸付高は71.2十億ユーロ(2018
年度:66.5十億ユーロ)まで増加し、WRRの合計貸付ポートフォリオの63%(2018年度:61%)を占めた。商業・
工業・サービス業(TIS)セクター向けの貸付は、40.4十億ユーロ(2018年度:40.4十億ユーロ)と安定してい
た。
オランダおよび国際ホールセール
ホールセール・ポートフォリオは、合計76.8十億ユーロ(2018年度:70.9十億ユーロ)となった。2019年度中、
オランダの最大手企業への貸付は、20.3十億ユーロ(2018年度:17.9十億ユーロ)まで増加し、オランダ国外の顧
客に提供されたホールセール貸付ポートフォリオは、2019年12月31日時点において56.5十億ユーロ(2018年度:
53.0十億ユーロ)となった。
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国際ルーラル・バンキング
ルーラル顧客に対する貸付は、35.6十億ユーロ(2018年度:33.0十億ユーロ)に達した。ルーラル・バンキング
の主な市場は、オーストラリア、ニュージーランド、米国およびブラジルであるが、当行はチリ、ペルーおよびア
ルゼンチンにおいても活動している。貸付ポートフォリオは、オーストラリアで11.0十億ユーロ(2018年度:10.2
十億ユーロ)、ニュージーランドで6.9十億ユーロ(2018年度:6.4十億ユーロ)、米国で13.0十億ユーロ(2018年
度:12.3十億ユーロ)、ブラジルで3.6十億ユーロ(2018年度:3.2十億ユーロ)ならびにチリ、ペルーおよびアル
ゼンチンは合計で1.0十億ユーロ(2018年度:0.9十億ユーロ)となった。
ラボ・ディレクトにおける民間貯蓄性預金:5%増
ラボ・ディレクトはラボバンクのオンライン預金銀行であり、ベルギー、ドイツ、オーストラリアおよびニュー
ジーランドで稼働している。顧客がラボ・ディレクトに預ける民間貯蓄性預金は、国際ルーラル・バンキング事業
および当行のその他の部門への資金提供に利用されている。ラボ・ディレクトの貯蓄性預金残高は、2019年12月31
日現在、26.0十億ユーロ(2018年度:24.7十億ユーロ)まで増加し、これはラボバンクの保有する民間貯蓄性預金
全体の18%(2018年度:17%)を占めた。インターネット貯蓄性預金銀行の顧客数は、約690,000人(2018年度:
750,000人)にまで減少した。かかる減少は、定義の変更によるものであり、2019年度現在はアクティブな顧客の
みが報告対象となっている。
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リース事業
要旨
DLL は、農業、食品、医療、クリーン・テクノロジー、建設、輸送、工業、事務設備および技術産業という9つ
のセクター内の製造業者、販売業者およびエンドユーザーをサポートすることによって、ラボバンクの目標であ
る「一体となってより良い世界を作る」ことを推進している。2019年度に50周年を迎え、DLLは、堅実な基盤を
さらに強化し、将来の成功を促進するため、「より良い世界のために提携する」という新たな企業戦略を開始し
た。提供する商品およびサービスを顧客のニーズおよび市場開発と一致させることは、常にDLLの目標であっ
た。今日、事業者は、自らが使用する設備や技術への支払いに対して柔軟性を求めている。急速に強まりつつあ
るこの傾向に対応するため、DLLは、「アドバンスド・ソリューションズ」という、従量課金方式の商品につい
てDLLの主導的地位をさらに強化するための新たなグローバル事業単位を設立した。財務的には、金融資産に係
る減損費用の増加および法人税等の増加により、DLLの純利益は19%減少した。リース・ポートフォリオは8%
増加した。2019年度、ポートフォリオのうち食品・農業が占める割合は14.5十億ユーロ(2018年度:12.8十億
ユーロ)まで増加し、DLLのポートフォリオの40%(2018年度:38%)を占めている。
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有価証券報告書
財務業績
業績
2018年
2019年
単位:百万ユーロ 増減率
12月31日 12月31日
純受取利息 1,052 986 7%
純受取手数料 124 106 17%
その他収益 255 274 -7%
収益合計 1,431 1,366 5%
人件費 536 517 4%
その他一般管理費 174 194 -10%
減価償却費および償却費 28 27 4%
営業費用合計 738 738 0%
総利益 693 628 10%
金融資産に係る減損費用 214 105 104%
賦課金 26 25 4%
税引前営業利益 453 498 -9%
法人税等 131 99 32%
当期純利益 322 399 -19%
金融資産に係る減損費用(単位:ベーシスポイント) 67 34
比率
収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 53.4% 55.9%
基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 53.5% 55.3%
貸借対照表(単位:十億ユーロ)
リース・ポートフォリオ 36.2 33.5 8%
内部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 4,877 4,672 4%
外部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 426 474 -10%
合計従業員数(単位:常勤換算従業員数) 5,303 5,146 3%
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財務業績に関する注記
税引前基礎的営業利益の変動
単位:百万ユーロ 2019年12月31日 2018年12月31日
収益 1,431 1,366
営業費用 738 738
費用に対する調整 事業再構築費用 -1 7
基礎的費用 739 731
金融資産に係る減損費用 214 105
賦課金 26 25
税引前営業利益 453 498
合計調整額 -1 7
税引前基礎的営業利益 452 505
収益:5%増
2019 年度中、リース部門の収益合計は、5%増加し1,431百万ユーロ(2018年度:1,366百万ユーロ)となっ
た。ポートフォリオが増加したことが主因となり、純受取利息は7%増加し1,052百万ユーロ(2018年度:986百
万ユーロ)となった。2018年度中、純受取利息は、食品・農業資産のいくつかの残存価額の減損によりマイナス
の影響を受けた。純受取手数料は、124百万ユーロ(2018年度:106百万ユーロ)まで増加した。これは主に、米
国におけるシンジケート・リースに起因した手数料の増加の結果である。その他収益は、主にオペレーティン
グ・リースによる収益およびリースが終了した資産の売却から構成され、255百万ユーロ(2018年度:274百万
ユーロ)まで減少した。当該減少は、完全に2018年度におけるDLLの海外活動のための引当金の取崩しによるも
のであり、これは2019年度における資産の減損が減少したことにより部分的に相殺された。
営業費用は引続き安定
リース部門の営業費用合計は、738百万ユーロ(2018年度:738百万ユーロ)となった。従業員数が増加したた
め人件費は536百万ユーロ(2018年度:517百万ユーロ)となった。事業の拡大により、2019年度中、リース部門
における従業員数は、常勤換算従業員にして157人増加し5,303人となった。その他一般管理費は、2019年度にお
いて事業再構築費用が減少したことにより174百万ユーロ(2018年度:194百万ユーロ)まで減少した。減価償却
費および償却費は、28百万ユーロ(2018年度:27百万ユーロ)と引続き安定していた。
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金融資産に係る減損費用は増加
リース部門における金融資産に係る減損費用は、214百万ユーロ(2018年度:105百万ユーロ)まで増加した。
これは、平均貸付ポートフォリオの67ベーシスポイント(2018年度:34ベーシスポイント)に一致し、DLLの長
期平均の56ベーシスポイントを上回っている。DLLのリース・ポートフォリオは、30カ国以上および9つの業界
にわたって展開されているため、関連する信用リスクも地理的に広く分散され、全ての産業部門で均整がよく取
れている。2019年度、主に少額商品で構成されているDLLのポートフォリオにおいて、新たな重要な個別の不履
行は存在しなかった。IFRS9ステージ1および2の減損は、リスク費用増加の大きな誘因となった。これらは、
主にマクロ経済の展望が変更されたことにより、43百万ユーロ(2018年度:0百万ユーロ)となった。
法人税等:32%増
リース部門の法人税等は、99百万ユーロから131百万ユーロまで増加した。かかる法人税等の増加は、主にDLL
子会社の財政構造の変更を受けた、一度限りの税債務の発生によるものである。
リース・ポートフォリオ:8%増
リース・ポートフォリオは、36.2十億ユーロ(2018年度:33.5十億ユーロ)まで増加した。2019年度中、食
品・農業のポートフォリオにおけるシェアは、14.5十億ユーロ(2018年度:12.8十億ユーロ)まで増加し、DLL
ポートフォリオの40%(2018年度:38%)を占めている。
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不動産事業
要旨
不動産部門は、主にバウフォンツ・プロパティ・ディベロップメント(BPD)の事業活動によって構成されてい
る。BPDは、オランダおよびドイツにおいて活動している地域開発事業者である。2018年度中、BPDはフランスの
子会社であるBPDマリナンを売却した。BPDは、2018年度における非常に力強い業績に並ぶことができなかった。
これは、市況が変化したことおよびオランダにおける窒素問題によるものだった。結果として、BPDのオランダ
およびドイツの両国における住宅売却数は減少した。2018年6月まで、FGHバンクは不動産部門の一部でもあっ
たが、かかる事業体は、ラボバンクが貸付ポートフォリオの残存部分をRNHBに売却したことにより消滅した。
2018年度以降、バウフォンツ・インベストメント・マネジメント(BIM)による事業活動は段階的に停止され、
このため、2019年度における不動産部門の業績のごく一部しか構成していない。
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有価証券報告書
財務業績
業績
2018年
2019年
単位:百万ユーロ 増減率
12月31日
12月31日
純受取利息 -10 -7 43
純受取手数料 8 10 -20%
その他収益 308 571 -46%
収益合計 306 574 -47%
人件費 84 137 -39%
その他一般管理費 40 66 -39%
減価償却費および償却費 7 5 40%
営業費用合計 131 208 -37%
総利益 175 366 -52%
金融資産に係る減損費用 2 -15 -
賦課金 2 2 0%
税引前営業利益 171 379 -55%
法人税等 40 70 -43%
当期純利益 131 309 -58%
BPD 116 240 -52 %
比率
収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 43.5% 36.6%
基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 43.1% 35.2%
貸借対照表(単位:十億ユーロ)
貸付ポートフォリオ 0.3 0.3 0
住宅売却数 6,471 10,142 -36%
内部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 605 588 3%
外部従業員数(単位:常勤換算従業員数) 96 59 63%
合計従業員数(単位:常勤換算従業員数) 701 647 8%
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財務業績に関する注記
税引前基礎的営業利益の変動
単位:百万ユーロ 2019年12月31日 2018年12月31日
収益 306 574
営業費用 131 208
費用に対する調整 事業再構築 1 8
基礎的費用 130 200
金融資産に係る減損費用 2 -15
賦課金 2 2
税引前営業利益 171 379
合計調整額 1 8
税引前基礎的営業利益 172 387
収益:47%減
不動産部門の収益合計は、306百万ユーロ(2018年度:574百万ユーロ)まで減少した。純受取利息は、主に
2018年度におけるFGHバンクの貸付ポートフォリオの残存部分の売却により減少した。純受取手数料は、BIMの事
業活動が段階的に停止されたことに伴い、8百万ユーロ(2018年度:10百万ユーロ)まで減少した。その他収益
は、308百万ユーロ(2018年度:571百万ユーロ)まで減少した。その他収益における当該減少は、2019年度にお
ける売却の遅れおよびオランダにおける窒素に関する議論を受けて、BPDの業績が抑制されたことを一因とす
る。その他収益は、2018年11月におけるBPDマリナンの売却以降、フランスの子会社の連結範囲が変更されたこ
とに影響を受けた。さらに、2018年度の数値は、FGHバンクの貸付ポートフォリオの売却による帳簿上の利益に
よってもプラスの影響を受けた。
営業費用:37%減
営業費用合計は、131百万ユーロ(2018年度:208百万ユーロ)まで減少した。BPDマリナンおよびFGHバンクの
貸付ポートフォリオの残存部分を売却したことならびにBIMを段階的に停止したことにより、人件費は、2018年
度と比較して53百万ユーロ減少し84百万ユーロ(2018年度:137百万ユーロ)となった。2019年度中、従業員数
は8%増加し常勤換算従業員数にして701人となった。その他一般管理費は、事業の売却および段階的な停止に
より40百万ユーロ(2018年度:66百万ユーロ)まで減少した。減価償却費および償却費は7百万ユーロ(2018年
度:5百万ユーロ)までわずかに増加した。
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市況は住宅用不動産の取引軒数を引き下げた
BPD による住宅用不動産の取引軒数は、36%減少し6,471件(2018年度:10,142件)となった。当該減少は、主
に2018年11月におけるBPDマリナンの売却に起因するものである。売却が遅れた結果、BPDマリナンを除いた不動
産の取引軒数は15%減少した。新たな建設プロジェクトを市場に出すために要する時間が延び、価格の高騰によ
り売却に要する平均時間数が増加した。さらに、2019年度中、BPDはオランダにおける窒素問題の影響を受ける
ようになり、これは売却数にもマイナスの影響を及ぼした。オランダにおいてBPDは4,485件(2018年度:5,470
件)の住宅を売却した。ドイツにおける取引軒数の合計は1,986件(2018年度:2,117件)となった。
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(3) 優れた顧客重視
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優れた顧客重視
顧客が持続可能かつ経済的に健全な未来に向かって準備を整えることができるよう、当行は2019年
度において新たなオンライン・ツールおよびサービスを開始した。民間顧客については、経済的な福
祉およびより持続可能な生活に対して重点が置かれた。法人顧客については、より持続可能性の促進
に対して重点が置かれた。また、当行は、全ての人のための持続可能な食糧システムの構築を手助け
することにより、あらゆる顧客に対するミッションについて取り組みを継続している。一方、個人顧
客における顧客満足度はほぼ全ての分野において順調だったが、法人顧客においてはわずかに低下し
た。デジタル・サービスへの顧客の需要の高まりを受け、当行は新たな顧客サービス・モデルを開始
した。移行期間において、顧客の一部は問題の発生を報告しており、当行はそれらへの対応に取り組
んでいる。当行のホールセール・チームは今年度、複数の歴史的取引に関与していた。
業績およびスコア
当行のデジタル・サービスを利用している顧客はますます増加している。当行の民間顧客のうち64.0%、ま
た、オンライン法人顧客のうち81.5%が、オンラインで活動していた。3月末、当行はオランダの銀行として初
めて、金融サービス・プロバイダーへの支払いサービスのためのAPIリンクの提供を開始した。当行の顧客は、
現在、所持している他行の銀行口座をもラボ・バンキング・アプリに追加することができるようになり、自身の
全ての財務についてより全体像を把握することができるようになっている。当行は、今年度においてApple Pay
の導入も開始し、この決済サービスを法人顧客が利用することを可能にした最初の銀行となった。
当行は、サービスのさらなるデジタル化について取り組んだ。CESスコア(51)およびわずかに改善したNPSス
コア(2019年度民間顧客:61)によると、顧客満足度はさらに改善した。当行のホールセール顧客による評価も
高水準を維持していた。当行のIOS版バンキング・アプリは4.6の評価を、また、当行のAndroid版アプリは4.1の
評価を受けた。「フォンズニュース」によると、モデル・ポートフォリオについて、当行は最も優秀な業績を上
げていた。当行の評価スコアは、2018年度の70.8から2019年度の71.5まで上昇した。
全ての人のための経済的健全性
社会が変化していくにつれ、人々はさらに多くの資金を必要とするようになっている。自らの経済的な状態に
ついてより全体像を把握していることは必要不可欠である。当行は、顧客が自らの財務を管理することができる
「フィナンシャル・コーチ」としてのアプリ開発を開始した。このアプリは、収入と支出を分類し、将来の収入
と支出について洞察を提供し、また、顧客は特定の目的に向けた貯金箱を作成することができるようになってい
る。2019年度中、当行は貯蓄および投資について助言を行った。例えば、当行はwww.strakshebjehetnodig.nlの
プラットフォームを開発した。全ての銀行は、小学校で合わせて4,000以上の講演を行い、当行は、債務を抱え
ている人々のためのプラットフォームであるヘルドフィット・プント・エヌエルの設立を手助けした。当行はま
た、ヘルドフィット・プント・エヌエルが開始地点となる、オランダ・スフルドフルプルーテ(債務救済への
道)を形成するために様々な提携先事業主と協働した。当行はまた、高齢者に対する経済的虐待の防止を目的と
した協定にも参加している。
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顧客の財務目標の達成を手助けする(オンライン)ツールの導入は、牽引力を強めつつある。例えば、2019年
3月に貯金箱機能をアプリに追加して以降、顧客は782,000超の貯金箱を作成した。
全ての人のための持続可能な生活
エネルギーに係る転換を加速させるため、当行は、全ての人々にとって持続可能な生活がアクセス可能となる
ことを目標に、様々な取り組みを始動させている。持続可能性は、住宅ローンの相談において度々登場するテー
マである。2019年度において、顧客のうち10%は、新たな住宅ローンを組む際にエネルギー消費を削減するため
の方策を講じた。地方ラボバンクは、サステナブル住宅についてのイベントを数多く開催し、また、当行は、
「持続可能な生活についての認定アドバイザー」と題されたコースを開発するため、デ・ヒポテークショップと
提携した。このコースは、非ラボバンク住宅ローン・アドバイザーおよび仲介業者にも開放されている。
顧客は、持続可能性に係る変更についても融資を行うことができる。例えば、ラボ・フーンデポ(グリーン・
コンストラクション預金口座)は、住宅の省エネ対策のために資金を積み立てることができる預金口座である。
当行はまた、サステナブル住宅の住宅ローン金利を引き下げた。持続可能性割引は、顧客が光熱費を下げるため
自宅に持続可能な投資を行うにあたっての助けとなる。下表に示されるとおり、当行の住宅ローン・ポートフォ
リオに対するエネルギー・ラベル格付が改善されたことが見て取れる。
住宅ローン・ポートフォリオのエネルギー・ラベル
ラボバンクが融資を ラボバンクが融資を
行った住宅に占める 行った住宅に占める
エネルギー・ラベル
1 2
割合(2019年度) 割合(2018年度)
A 24 % 20 %
B 15 % 15 %
C 25 % 26 %
D 13 % 15 %
E 9 % 10 %
} 7 % 7 %
▶ 7 % 7 %
合計 100 % 100 %
1 2019年度現在、住宅ローン・ポートフォリオのうち約21%についてエネルギー・ラベルが確定している。
2 2018年度現在、住宅ローン・ポートフォリオのうち約17%についてエネルギー・ラベルが確定している。
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起業家のための持続可能な成長
野心的な企業を手助けするため、当行は単なる経済的な支援だけでなく、それ以上のものを提供している。当
行は、自らのナレッジおよびネットワークも共有している。当行は、研究者、学生および法人が共に革新できる
よう、手助けすることを目的としたイニシアチブであるX!Delftと提携している。ラボ・アンド・クラウドは、
企業と投資家を結び付けている。より持続可能かつ循環型の経済への転換を促進するため、当行は事業発展の異
なる局面に対して解決策を提供している。例えば、当行は様々な地方サーキュラー・エンタープライズ・チャレ
ンジを開催し、循環型ビジネス・モデルに関連した戦略課題について企業に助言を行うサーキュラー・エンター
プライズ・デスクを開始した。
当行は、自らの革新によってだけではなく、既存のプラットフォームおよびスタートアップに投資することに
より、法人顧客へのサービスに投資している。当行は、革新劣後ローンに対し25百万ユーロを融資した。起業家
は、オンライン・プラットフォームであるファンダーを利用することで最高25万ユーロまでの事業ローンに申し
込むことができるようになった。ラボ・フロンティア・ベンチャーを通じて、当行はアグロスターという、イン
ドの農家に対してより多くのナレッジ、データおよびテクノロジーへのアクセスを提供する農業プラットフォー
ムに投資した。
持続可能な食品・農業セクターへの転換
主導的立場にある世界的な食品・農業(F&A)銀行として、当行は、一様に人々および地球のための健康的か
つ持続可能な食品を十分に確保することに貢献できるようコミットしている。
当行は、食品・農業のバリュー・チェーン全体から顧客を引き合わせ、解決策について取り組んでいる。例え
ば、2019年度において、北米ラボバンク食品・飲料包装フォーラムが開始された。また、食品・農業の未来につ
いての全日プログラムであるシドニーのファーム2フォークでは、1,300の顧客が一堂に会した。10月には、グ
ローバル・ファーマーズ・マスター・クラスの期間中、16カ国から43の主導的な地位にある農家がブラジルを
回った。11日間にわたって、農家らは、後継者の育成や自らの生産による環境への影響といった議題について話
し合い、物語の継承などについてのワークショップに参加した。
食品・農業イノベーション・ファンドは、革新的な食品・農業企業のための初期成長資金および創業資金への
投資を行っている。このファンドを通じて、当行は、自律的な家畜管理のためのバーチャルフェンス、増加する
作物収量のためのUV照明開発および農薬関連の新発見を含む、有益かつ最先端の革新を支援している。最先端の
食品・農業スタートアップを支援することにより、当行はイノベーション・パイプラインについて関心がある大
口法人顧客に対して価値を提供している。サステイナブル・アグ・チャレンジ・アジアも2019年度に開始され、
138のスタートアップおよび食品・農業起業家が参加した。また、フードバイツ!のイベントがロンドン、シカ
ゴおよびサン・フランシスコで開催された。
2019 年度において、当行は、ブロックチェーンの利用可能なサプライチェーンを追跡できるソリューションに
ついても取り組んだ。例えば、トレイドー・プロジェクトでは、マラウイの茶栽培者のためのソリューションを
開発するため、当行はユニリーバ、セインズベリーズやその他3行の銀行とともに、スタートアップ企業との提
携を行った。もうひとつの成功例としては、ブロックチェーンをベースにした金融プラットフォームであるコム
ゴーにおける初めての取引が挙げられる。
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持続可能性に係る転換のための銀行業務
当行は、グリーン・ファイナンスが持続可能性に係る転換を加速させると確信している。2019年度、当行は、
フィリップスを初のグリーン・イノベーション・ボンドの開始について手助けし、また、当行も自らのグリー
ン・ボンドを発行した。当行はまた、オランダにおいて、女性をリーダーとする企業のためにボルスキ・ファン
ドに対して5百万ユーロの投資を行った。2019年度、当行は持続可能な融資について46十億ユーロを計上した。
持続可能な融資の一部には、有意義な持続可能ラベルを有する事業へのいわゆるインパクト・ローンが含まれて
いる。当行の一連のインパクト・ローンは、社会および環境への好影響をもたらすことを目的としている。4回
目かつ最大となったラボ・インパクト・ローンのトランシェは、2019年度末に発行された。50百万ユーロの2つ
のトランシェから成るソーシャル・インパクト・ローンは、2019年9月に完全に配分された。当行は、欧州評議
会開発銀行(CEB)と新たな契約を締結し、計150百万ユーロに相当する追加の2つのトランシェについて合意し
た。
当行は、顧客が持続可能なビジネス・モデルを開発できるよう手助けしたいと考えている。環境・社会・ガバ
ナンス(ESG)に関連した当行の顧客のアプローチおよび成果について、より明確な洞察を得ることができるよ
う、当行はクライアント・フォトを活用している。顧客関係担当マネージャーは、自身の法人顧客を分類し、
「持続可能性リーダー」から「ラボバンクの持続可能性方針を遵守していない」までの5段階で評価する。当行
は、クライアント・フォトを初期貸付手続きの基準のひとつとして統合した。当行は、オランダSMEおよび地方
顧客に対する独自の格付方法の改善に取り組んでおり、来年度には大口顧客に対するクライアント・フォトの手
法を見直す。クライアント・フォトの手法は、とりわけ、持続可能性方針枠組みに基づき作成されている。この
枠組みは、当行が、社会および人権問題ならびに顧客業績など、持続可能性リスクをどのようにして特定、防
止、軽減および説明するかについて概説している。
1百万ユーロ超のエクスポージャーを有する顧客の持続可能性に係る業績
2019 年度 2018 年度 2020 年度 目標
地方ラボバンク対象 98 % 99 % 100 %
地方ラボバンクAレベル顧客 8 % 5 % n/a
ホールセール・オフィス対象 86 % 87 % 100 %
ホールセール・オフィスAレベル顧客 24 % 24 % n/a
ラボ・アグリ・ファイナンスは、オーガニック認証を希望している耕種農家のための新しいオーガニック・ト
ランジション・ローンを発表した。この財務枠組みは、生産手法の変更に伴う初期費用の管理について農家を手
助けしている。当行はまた、UN環境計画とのパートナーシップであるAGRI3ファンドへのコミットメントを再び
強調した。ブラジルの製糖業者およびエタノール企業への資金投入は、2回目のAGRI3取引となった。アジア、
アフリカおよび南米においてさらなる取引が進行中である。
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IT 組織の永続性
当行は、費用削減および柔軟性の向上のため、世界的なIT分野の簡略化に引続き取り組んでいる。インター
ネット・バンキングおよびiDEALの稼働時間のスコアは、99.7%であり、モバイル・バンキングについては
99.6%であった。
当行のデータ基盤に基づき、当行はデータ間の関係性が確立され、分析ができ、サービスおよび事業プロセス
がさらに最適化される環境を構築している。データ保護は、当行のITセキュリティおよびサイバー犯罪へのアプ
ローチの重要な要素となっている。当行は、例えばグループ全体のセキュリティ脅威排除プログラム(STEP)を
通じて、自らのサイバーセキュリティ耐性の改善に取り組んでいる。
今年度を通じて、当行は、従業員の関与および強化を目的とした、いくつかのサイバーセキュリティに関する
意識向上のための活動を実施した。10月には、当行はユトレヒトで欧州サイバーセキュリティ月間のキックオフ
イベントを開催した。当行はまた、より多くの一般の人々と関わるために接触を図った。キッズデーは、若年層
のサイバーセキュリティに関する意識を高めるための機会となった。
フェア・ファイナンス・ガイド
フェア・ファイナンス・ガイド・インターナショナル(FFGI)は、オクスファムによって始められた国際的な
市民社会ネットワークである。これは、社会、環境および人権の基準に対する銀行およびその他の金融機関の関
与を強化することを目指している。人権や気候への影響といった重要な分野における金融機関の投資方針および
慣行をベンチマークすることにより、フェア・ファイナンス・ガイドは、消費者および保険加入者が、社会的責
任があり、公正かつ持続可能な投資判断を行えるようにすることを目的としている。
当行は、フェア・ファイナンス・ガイドによって投資方針を測定している。以下の表は、当行の業績の例をい
くつか示している。フェア・ファイナンス・ガイドは当行の方針を、1を「とても悪い」、10を「とても良い」
とする1から10の段階で評価している。
フェア・ファイナンス・ガイド
1
2016 年度
2018 年度
人権 8 8
気候変動 5 3
労働者の権利 9 9
報酬 3 5
汚職 8 8
食糧 8 6
漁業 6 6
金融セクター 3 3
透明性および説明責任 5 5
性別間の平等性 2 ▶
1 最新の結果は2018年10月に公表された。
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デリバティブ
2016 年7月7日、当行は、オランダの財務大臣を代理して独立委員会が公表した、オランダSME金利デリバ
ティブの再評価に関する回復枠組みを承認することを決定した。2019年12月31日現在、回復枠組みの対象となる
全てのオランダSME法人顧客が、自身の金利デリバティブの再評価の報酬について明確な説明を受けた。顧客が
報酬額に同意した場合、当行は、クロージングレターを作成し、独立審査官が再評価を審査する。全ての再評価
および審査は2020年度に完了する予定である。2019暦年末現在、当行は109百万ユーロ(2018年度:316百万ユー
ロ)の引当金を承認し、2019年度において、回復枠組みに基づく顧客に対する支払いは247百万ユーロとなっ
た。
金融セクターの門番
世界的な金融危機および地政学的緊張の高まりは、過去数年度にわたって金融セクターを脅かしている。金融
機関は、拡大する金融犯罪の脅威を抑止および発見する能力について、かなりの規制上の監視下に置かれてい
る。より多くの、また、より厳格な規制基準が、現在の実施上の課題を示している。顧客の本人確認(KYC原
則)が、当行の優れた顧客サービスの基本である。グローバル化、デジタル化および金融経済犯罪の複雑化が進
む中、当行は今まで以上に自らの顧客およびその事業を理解する必要がある。
金融犯罪は複雑である。当行は、マネー・ロンダリング防止(AML)およびテロリスト資金供与防止(CTF)リ
スクを管理するためのセクター全体における運動に参加している数多くの利害関係者のうちの1つである。当行
は、どのような(強化された)協力の形が、AMLおよびCTFリスクを軽減するためのセクター全体での最も包括的
なアプローチの実現となるかを模索するため、他の市場参加者およびパブリック・セクターと協働している。当
行の重要な戦略的イニシアチブのうちの1つが、金融犯罪との戦いにおける官民協力である。当行は、このセク
ター全体の問題に対するソリューションを見つけるため、関係当局、公共セクター当事者および市場参加者と積
極的に関与している。
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金融システムの門番として、当行は、制裁規程の違反防止に加え、当行の商品およびサービスのマネー・ロン
ダリング(ML)およびテロリスト資金供与(TF)を目的とした使用の防止に強くコミットしている。このため、
当行は、自らの変化プログラムに対して多額の投資を続けている。取締役会レベルの国際的な委員会により、
AML、CTFおよび制裁枠組みならびにそれらの遂行は監督されている。2018年9月にオランダ銀行(DNB)より差
し止め命令(オランダ語名称:ラスト・オンデル・ドワンソム)を受けて以来、当行は顧客の本人確認(KYC)
(顧客デューデリジェンス(CDD)および取引監視(TM))活動をさらに強化した。2019年度において、顧客
ファイルの改善だけでなく、当行はオランダの流通経路におけるオン・ボーディング手順を強化した。経営委員
会は、当行の顧客ファイルの品質および取引フローにおける潜在的な犯罪行為を特定するためのデータ使用につ
いての世界的なプログラムを実施している。特にオランダのリテール領域においては、当行は全世界で最大
3,000人の従業員を擁する経営資源を拡大し、CDDおよびAML活動に多額の投資を行っている。従前は当行が手動
で行っていた顧客の本人確認(KYC)(顧客デューデリジェンス(CDD)および取引監視(TM))活動の一部は、
現在は自動で(つまり、ロボット工学によって)行うことができるようになり、これは時間およびコストの両方
の観点から効率的である。加えて、当行は、(動的)監視ツールをさらに改善し、異常なもしくは変化した取引
または顧客の動きを早期の段階から特定することができるようになった。2020年4月1日以降、DNBは、ラボバ
ンクが差し止め命令の要件全てを充足しているかどうかを検証し、その結果、ラボバンクの顧客ポートフォリオ
が適切に分類されるようになったかどうかを含めた判断を行う。
ジレンマ
門番として、当行は、マネー・ロンダリング、詐欺、テロリスト資金供与を防止することにより、
健全な金融セクターに貢献している。金融機関による、特定のセクターにおいて特定の個人または企
業を顧客として受け入れないようにする判断は、マイナスの副作用を生む可能性がある。このような
顧客や企業は、資金調達が行えなくなる可能性がある。その結果として、事業を継続するために、身
を潜ませるか、より信頼性が低い海外の関係者から資金調達を行う可能性がある。取引と顧客の両方
について完全かつ詳細な状況を把握するためには、個別の銀行レベルでの洞察だけでは不十分な場合
が多い。そのため、当行は、金融犯罪に対応するため、他の銀行およびパブリック・セクターと連携
を行っている。
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(4) 意義ある協同組合
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意義ある協同組合
意義ある協同組合銀行であることは、当行が象徴するものの本質である。当行は、顧客主導の協同組合
銀行として、食糧、自立、起業家精神および地域の住環境といった、顧客に関係する社会問題について立
場を明確にすることによって、オランダおよび世界各地において変化を起こすことにコミットしている。
当行の事業に携わる加盟者および共同体
当行は、加盟者に対して、どのようにして当行の事業に携わりまたは加盟者としての地位に実体を持たせたい
かアンケート調査を行った。15,000人超の加盟者が当該アンケートに参加し、50%(2018年度:44%)の加盟者
はラボバンクの事業に関わっているとの実感があると回答した。また当行は、加盟者に対して、協同組合として
のラボバンクに何を期待するかについても意見を求め、その回答は当行が協同組合の原則を当行の神髄に再度根
付かせメンバーシップを活性化することを確固たる目標として据えることにつながった。
ラボバンクの協同組合としてのリニューアルは、(1)アイデンティティ、戦略およびサービス、(2)姿
勢、(3)加盟者およびメンバーシップ、ならびに(4)社会という4つの要点に集約できる。当行は当行のあ
らゆる行いが人に焦点を当てた包括的なものかつ社会的責任を負ったものとなるように、当行の全ての商品、
サービスおよび行為を協同組合の原則に則ったものにすることを望んでいる(アイデンティティ、戦略および
サービス)。全従業員が日々の業務の中で協同組合の原則を体現し、取締役、監督者および加盟者はその協力的
な姿勢をサポートする。誰もが協同組合に対する責任感を共有するのである(姿勢)。当行はラボバンクのメン
バーシップにいっそう意義を持たせたいと考えており、アプリを通じたデジタルな方法でこれをサポートする
(加盟者およびメンバーシップ)。最後に、当行はオランダ国内および遠く離れた地のいずれにおいても、社会
および身の回りに対して影響力のある転換を積極的に支援していくことを目指している(社会)。
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明確かつ社会的責任に基づく貢献をすること
銀行は金融サービスの提供のみでなくそれ以上のことをすべきであると当行は考えている。当行はコミュニ
ティー・ファンドおよび寄付(コーペラティブ配当)、知識ならびにネットワークを通じ、地域共同体に対して
投資を行っている。オランダ国内の当行の支店は、当行のミッションである「Growing ▶ Better World
Together(一体となってより良い世界を作る)」に対する各地域での貢献をより明確なものにすることを目的と
して、独自の「社会に対するプラン」を策定した。2019年度中、当行は地域共同体に対する将来投資に45.4百万
ユーロ(2018年度:48.8百万ユーロ)を充てた。地域に根ざした団体をLED照明によっていっそう持続可能なも
のにする活動から、小学校におけるプロジェクト(「バンク・フォー・デ・クラス」)、デ・ネダーランゼ・ス
フルドフルプルーテ(債務支援ルート)、ビジネス・イノベーション・チーム・リンバーグ(BITL)やRVN@ま
で、イニシアチブは様々である。ビジネス・イノベーション・チーム・リンバーグは、リンバーグ州における成
長と雇用を促進するために、起業家が持続可能な成長を遂げられるよう支援する目的で創設された。RVN@は、
ナイメーヘン圏をオランダでもトップクラスの地域にするために支援することを目的とした、イノベーションな
らびに社会および経済の成長を積極的に推し進めるボトムアップの動きである。起業家、組織、投資家、教育研
究機関および学生が、新規および既存のイニシアチブ同士を結びつけ発展させるために、地方自治体および業界
の垣根を越えて協力している。チリにおいては、当行はアグロスーパーに対してグリーン貸付を提供し、WWFが
専門的な支援および助言を行った。アグロスーパーはチリを代表するサーモン生産業者であり、世界でも二番目
の規模を誇る。当該貸付は、チリでは初めて行われるものであり、環境および社会の持続可能性に係る複数の条
件の付された7年間の契約となっている。
地方ラボバンクも、その純利益の一部をラボバンク・ファウンデーションに投資している。ラボバンク・ファ
ウンデーションは独立した基金であるため、その財務業績は当行の連結財務業績には含まれない。基金の使命
は、人々の自立に対して投資を行うことである。オランダ国内においては、社会的起業家精神、雇用適性および
経済的自立に焦点を当てるため、ラボバンク・ファウンデーションは地方ラボバンクと連携して活動している。
オランダ国外においては、小規模農家およびその協同組合を支援している。
一体となった 持続可能な成功および世界の動向
当行の持続可能性プログラムである、一体となった持続可能な成功(SST)は2019年度に完了し、当行は関連
する全ての方針、手続き、商品およびサービスに持続可能性を取り入れた。当行はSSTによって目標の大枠を示
し、当行の事業および融資関係に係る持続可能性基準を定めた持続可能性方針枠組みに当該目標を落とし込ん
だ。2020年度には持続可能性に係る新たな目標が動き始める。
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持続可能性方針枠組みには、例えば、広範に及ぶ独立した人権理念が含まれており、当該理念には潜在的な人
権リスクを可能な限り軽減することを保証するためのラボバンクのコミットメントについて記載されている。こ
うしたリスクは、当行がその従業員、サプライヤーおよび顧客と関わる中で顕在化する可能性がある。そのた
め、当該理念は当行のクライアント・フォト・スキャンにも取り入れられている。当行は国連の世界人権宣言に
示される国際人権を尊重しかつ支持するとともに、国連のビジネスと人権に関する指導原則に従って行動してい
る。
当行は、国連責任銀行原則に署名した最初の銀行の1つである。署名者は、とりわけ融資者としての社会にお
ける役割および責任について透明性を確保することを誓約する。これには顧客が人権に係る義務を遵守するよう
銀行が保証すること、業務を実施する際の社会情勢に鑑みて最低限のルールを守ること、自然を大切にするこ
と、および生物多様性の保護を促進すること等が含まれる。当行の持続可能性方針を遵守することができない顧
客については、定められた基準に基づき顧客エンゲージメント手続きを開始する。2019年度中、ラボバンクの持
続可能性部門は45の顧客と様々な中核的持続可能性方針についてエンゲージメントを行った。
気候変動対策
地球の平均気温上昇を産業革命以前の水準から2℃以内に抑えるため、緊急の対策が必要となっている
(SDG13)。当行はオランダ気候協定の策定に貢献し、気候誓約書に署名した。
当行およびその顧客にとっての気候変動のリスクとチャンスについて認知度を高めるため、当行は気候変動プ
ログラムも立ち上げた。当該プログラムは様々な気候関連シナリオにおいて生じうる影響を複数の業界について
横断的に評価するものであり、これによって各業界は温室効果ガスの排出量削減措置を適時にとることができ
る。気候政策、気候関連規制および監督について、当行はオランダおよび欧州連合の当局と協議し、オランダ銀
行協会、VNO NCW、および欧州の協同組合銀行の統括組織と緊密に連携した。
気候変動に係る国の基本方針に貢献し、当行はオランダ国内の顧客に対して住宅の持続可能性向上を勧めてい
る。子会社であるBPDと協力し、中間所得者向けの持続可能かつ省エネな賃貸住宅を今後10年間で15,000戸建設
することを決めた。最初の1,000戸が2020年度初頭に供給される予定である。
ラボバンク初のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に即した開示
気候変動は経済および暮らしの長期的な繁栄に影響を及ぼす重要課題である。当行は地球温暖化を
2℃以内に抑えることの重要性およびそのためには今世紀後半のうちに世界の二酸化炭素排出量を実
質ゼロにする必要があることを認識している。また当行は気候変動が顧客、共同体および当行自身に
とってのリスクとチャンスを生み出していることを理解している。当行は気候関連財務情報開示タス
クフォース(TCFD)に賛同している。以下はTCFDの推奨事項に即した当行初の報告である。
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ガバナンス
ラボバンクにおいて、気候変動に係る最終的な責任は経営委員会が負う。経営委員会は、当行の顧
客および当行自身の直面する気候関連リスクおよびチャンス、気候変動に係る規制および監督の動
向、ならびに当行がこうした課題にいかに対応するかを検討することを目的とした気候変動委員会を
設置した。気候変動委員会の議長は、持続可能性担当の経営委員会構成員であるベリー・マルティン
が務める。当該委員会は気候変動プログラムの実施を監督する。
戦略
当行はパリ協定の目標達成に向け尽力しており、行動をとる責任は皆にあると考えている。当行も
事業をより持続可能にしたいと望む顧客に対して銀行業務に係るソリューションを提供することで一
役買いたい。低炭素経済への移行は、持続可能な融資に係るポートフォリオの成長に描かれるように
大きなチャンスを生む。
当行の気候変動プログラムは、気候リスクの特定および管理に対して段階的にアプローチする。加
えて当行は、(短期、中期および長期的な)気候変動リスクの分析および管理方法の改善、新たな気
候関連法令の遵守、ならびに気候リスクの開示および管理を行う体制を整えている。顧客、投資家、
規制当局およびその他の利害関係者に対して、当行は気候変動の抑制および気候変動への適応に当行
がいかに貢献しているかを行動で示す。
まずはリスクおよび潜在的な影響力の観点から当行において最も規模が大きくかつ最も重要なセク
ターである住宅用不動産および食品・農業部門における移行に注力する予定である。
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リスク管理
気候変動の当行への潜在的影響およびリスクを理解し管理するために、当行は物理的リスクおよび
移行リスクの双方についてシナリオ分析を開始した。
移行リスクについては2つのアプローチを採用した。まず、当行はラボバンクの世界全体の事業信
用ポートフォリオ(DLLを除く)に対して、初めてマクロ経済ストレステストを実施した。当該シナ
リオは(DNBのマクロ経済ストレステストをベースとした)カーボンプライシングに係る新たな指針
が導入されることを想定したものであり、対象範囲の拡大ならびに当行の内部枠組みおよびインプッ
トによってDNBの分析をさらに深く解析する。2つめの移行リスク・アプローチは、ラボバンクのオ
ランダにおける畜産および農業セクターが受ける影響に係るポートフォリオ分析である。当該メソッ
ドはUNEP FI TCFDの作業部会によって開発されたものである。
当行は物理的リスクについても2つの評価を行った。まず、DNBの定めたアプローチを採用し、世
界の水ストレスについての当行の2018年度評価を拡張した。水ストレス(洪水および干ばつ)はラボ
バンクと最も関係の深い物理的気候リスクであると考えられる。次に当行はオランダの住宅ローン・
ポートフォリオについて洪水リスクの評価を行った。これらの分析結果は、当行の戦略およびリス
ク・アプローチに今以上に気候変動を織り込む上でのインプットとなる。
これら4つの内部分析によって、物理的リスクおよび移行リスクの双方が当行の信用ポートフォリ
オに対して(特に食品・農業および住宅ローンの両ポートフォリオが大きくリスクに晒される事態と
なった場合)多大な影響を及ぼす可能性があることが分かった。当該気候リスク評価メソッドはまだ
経営判断や舵取りに用いる上で完全に適したものにはなっていない。さらに、必要なデータと手元に
あるデータとの差異が著しく、メソッドは未だ開発途中である。当該評価から得られる情報は、気候
変動リスクを定量化し対策を講じる長期的なプロセスにおける、はじめの一歩を導き出すものであ
る。そのため当行はこの複雑な課題への理解を深め、今後もリスク管理枠組みに気候変動リスクを取
り入れ続けるために、さらに分析を続ける。
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測定基準および目標
当行は気候変動に取組む金融当局および機関が現在採用しているメソッドを取り入れるべく、様々
なアプローチを用いてきた。当該分析は気候変動がいかに複雑かを明確に示すものである。データの
差異は顕著であり、メソッドは未だ開発の初期段階にある。これらの問題に対処するため、当行は気
候リスクおよび気候データ分析の専門チームを編成した。
当行は、当行自身の温室効果ガス排出量を、スコープ1およびスコープ2についてはGHGプロトコ
ルに従って、スコープ3についてもほとんどのカテゴリーにつきGHGプロトコルに従って、カーボ
ン・フットプリントにおいて報告している。PCAF報告書2019に寄稿したとおり、当行はスコープ3カ
テゴリー15に該当する排出量につき見積もりを出そうとしている。
この初のTCFD開示には相対的エクスポージャーの内訳を掲載する。上記「戦略」の項にも記載のと
おり、当行はまず当行最大のセクターである住宅用不動産(住宅)および食品・農業に焦点を当て
る。気候変動の観点からは、リスクおよび潜在的な影響力のいずれを取っても、これらのセクターが
最も重要となる。建設業および石油・ガス業界といった、TCFDにおいてより移行リスクが高いとされ
るセクターのエクスポージャーについては、食品・農業部門と比べ相対的に小さい。
セクター別相対的エクスポージャー
2019 年度 2018 年度
住宅 34.23 % 33.87 %
食品・農業 22.95 % 19.66 %
中央政府および中央銀行 12.52 % 14.77 %
銀行 1.77 % 1.94 %
サービス 14.83 % 17.46 %
貿易 4.91 % 4.10 %
建設 3.09 % 2.52 %
石油・ガス 1.55 % 1.62 %
輸送 1.36 % 1.32 %
電気 1.10 % 0.90 %
製造 0.46 % 0.39 %
鉱業 0.13 % 0.22 %
工業 1.10 % 1.23 %
合計 100 % 100 %
将来の展望
当行は今後も継続して気候変動プログラムの進捗状況を報告する予定であり、今後の報告において
はより詳細な排出量データも含めることができる見込みである。またオランダの金融業界への当行の
コミットメントを示し、かつオランダ気候協定を支持するために、気候変動に係る戦略と目標につい
ても開示する予定である。
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社会問題に対する立場の表明
2020 年度に実施される持続可能性方針枠組みの更新に向けた準備が2019年度に始まった。全体的な更新に先駆
け、当行は植物遺伝子工学に係る方針を見直し、新たな繁殖技術に対する協力的かつ慎重な立場を盛り込んだ。
当行は環境および社会に関する様々な市民社会団体と二者間の協議を重ね、その議題は方針とその実践から問題
に対する取組み方やベンチマーク研究まで多岐にわたった。また当行は複数の食品・農業セクターにまたがる9
つの円卓会議にも積極的に参加している。さらに当行はオランダ銀行業協定の参加者をパーム油およびカカオ・
セクターの複数の利害関係者との協議に招待した。こうした持続可能性に係る協議の成果は、これらのセクター
における当行の人権デューデリジェンスの内部評価指針の一部として活かされる。当行は2019年に最終年を迎え
た、人権に関する責任ある国際的企業行動に係るオランダ銀行業協定(DBA)にも積極的に関わっていた。オラ
ンダ政府、NGOおよび労働組合の協力のもと、オランダの数多くの銀行がバリュー・チェーンの特徴を分析し、
影響力および透明性を向上させ、改善を可能にするためのアプローチを導き出そうとしてきた。当該取組みによ
り、当行は人権を尊重しその擁護を推進する当行の責任をより深く認識しその真価を認めることができた。当行
はこの点につき顧客に対してもプラスの影響を与えられるようになることを目指している。当行は5年連続で顧
客エンゲージメントの状況を追跡し確認している。
窒素
2019 年5月にオランダの国策会議は、オランダ政府の窒素対策方針が脆弱な自然地域の保護に関す
る欧州指令に違反していると判断した。当該判断が経済にもたらす悪影響に対する負担は、関係する
全ての業界の間で公平に分担されるべきであると当行は考えている。この問題の解決には各業界が寄
与しなければならないはずである。フリーサイズの衣類のような画一的なソリューションなどなく、
的を絞ったアプローチが必要となる。東のフェルウェ国立公園で発生している問題は、北のフリース
ランド州で排出量を削減したところで解決されないのである。どのような対策をとるかは、どの特定
の業界が具体的にどの地域で過剰に窒素を発生させているか次第となる。
考え得る方策の1つが、窒素問題の影響を受ける自然地域に最も近い土地から順に、オランダにお
ける畜産および農業用地の区画を任意で再整理する新たな制度の整備に向けた取組みである。政府お
よび金融業界が基金を設立すれば、農家がそのはじめの一歩を民間レベルで踏み出す後押しとなる可
能性がある。ソリューションを探し求める顧客に対して、当行は最大限のサポートを提供するために
できる限りのことをする。
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食糧ソリューションへの一体となった取組み
代表的なグローバル食品・農業銀行として、当行は地球の限界に配慮しながら、増加する人口に対して行きわ
たるだけの十分な健康的な食料を確保することに貢献すべく、力を尽くしている。そのため、当行は食品バ
リュー・チェーン全体を束ねることで地域ごとの課題に対する持続可能なソリューションを形作る、複数の利害
関係者によるプログラムである、ラボ・フード・フォワードを立ち上げた。ラボ・フード・フォワードはフリー
スランドにおいて開始されたが、今後数年間のうちにオランダ全土に拡大される。飲食店における食品ロスの実
態把握と削減のため、当行はハーグ・ホテル・スクールおよびウェイストウォッチャーズと提携した。第一弾と
して、オランダ国内の160の飲食店がフード・ウェイスト・チャレンジに参加し、6週間で75,000キログラム以
上のロスを削減した。
持続可能な顧客
「Growing ▶ Better World Together(一体となってより良い世界を作る)」というミッションの
一環として、当行は持続可能性および企業の持続可能性の向上に投資している。協同組合銀行とし
て、当行はまずパートナーシップによって生み出されるソリューションを模索する。持続可能性目標
の達成に際してどの程度指導的立場をとるべきかが、当行の直面している問いの1つである。
当行の現在の持続可能性方針を充足できない顧客は多くはないものの、これに該当する少数の顧客
によって当行は課題を提示されている。当行の方針は、当行の持続可能性カテゴリーの最下層(ラベ
ルD)に分類されかつ持続可能性の向上に前向きでない顧客については、銀行業務を提供する関係を
終了する可能性があるというものである。しかし、グレーゾーンも存在する。飼育頭数の多すぎる養
豚場、石炭の輸送を受け入れ続ける河川輸送会社、複雑な調達・生産チェーンを有する卸売業者など
がこれにあたる。銀行として、当行は当行の持続可能性方針から外れて運営されている企業への投資
を続けるべきか否か自らに問う必要がある。
当行はこうした課題へのソリューションの考案に取組んでいる。日々発生する要検討案件を、当行
は現行のガイドラインに照らして検討する。こうすることで、顧客が当行の方針の要件を充たしてい
るかを評価すると同時に、当行の方針のどこをさらに磨く必要があるかも見えてくる。そして何よ
り、グレーゾーンにいかにして灯りをともすか、当行は他の組織と継続的に協議を行っている。
倫理
利害関係者および社会全体からの信頼を回復し維持するために、金融業界はその事業活動の倫理的課題に取組
む必要がある。当行の倫理委員会は、倫理的テーマおよび実務的なケースを精査している。原則として、
「Growing ▶ Better World Together(一体となってより良い世界を作る)」というミッションと当行の協同組
合としての性格が考慮される。倫理委員会は2019年度中に6回開催され、人工知能、財政上の倫理、風力発電
所、およびロイヤルティプログラムの倫理的側面といった、様々なテーマおよびケースを取り扱った。風力発電
所の建設に対する住民の(ときに暴力的にもなる)反対運動に関しては、倫理委員会はエネルギーの移行と気候
方針の重要性がその否定的な反応の重さを上回ることを強調した。それでも協同組合銀行たるもの、利害関係者
間の軋轢を最小限に抑えるため、全ての利害関係者間の真剣な協議を促すべきである。
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スポンサリング
スポーツにおいても文化活動においても、その協会、基金およびクラブの多くが今日厳しい状況にある。地方
自治体からの支援の減少、会員の減少ならびにボランティアおよび管理者の不足に直面しているのである。それ
でもスポーツおよび文化活動に係る協会および基金は、社会において引続き重要な役割を担っており、その重要
性はともするとこれまでよりも高まっているかもしれない。これらは人々の生活環境において極めて重要な役割
を果たしている。スポーツおよび文化活動に係る協会は、社会の一体性を強化する。またこれらは新たな才能を
発掘し、彼らが最高レベルのパフォーマンスをできるようにする。当行は、オランダ国内の多くのスポーツ協会
および文化協会と長年の関係を有している。当行はクラブが社会の基盤を成しており、未来にとっても非常に重
要な存在であると考えている。そのため、当行はこれらのクラブをスポンサーシップ戦略の中心に据えている。
この新たなアプローチを通じて、当行はオランダ国内最大のスポンサーの1つとして財務面で当該クラブを支援
するだけでなく、当該クラブがその目標を達成し将来にわたって持続可能な状態となるよう徹底したアドバイス
を行うことにも焦点を当てている。
当該アプローチの一環として、当行はNOC*NSF/TeamNL、オランダ王立ホッケー連盟(KNHB)、クンスベンデや
MOJO/ローランズといったスポーツ業界および文化活動業界の主要な利害関係者とも緊密に連携している。これ
らの関係者からは、クラブへのアドバイスに活かすことのできる実情に合った知識を得られる。あわせて、当行
はクラブの目標達成に必要となる人材の確保も行う。
芸術
美術は、世界の見え方そして我々の生きる時代を示す、社会のバロメーターである。当行は美術の変革力なら
びに社会および当行の組織に対する重要性について強い信念を持っている。そのため当行のラボ・アート・ラボ
では、招聘芸術家として招いた芸術家に対して、正式な招聘期間中、当行の組織内で制限なく行動および活動す
る自由を与えている。彼らが当行について学ぶ間、当行も彼らから学ぶのである。コレクションの鍵となるの
は、日常生活の中での苦労と、それに気づこうとすることで、人がいかにして出会い互いに安らぎを与えること
ができるかを描いた、「人間の条件(Condition Humaine)」の物語である。数多くの美術作品が当行のコレク
ションからオランダ国内外の美術館に一時的に貸し出されている。加えて、当行は当該コレクションをローラン
ズ・フェスティバルといったやや敷居の低い場や多くの公共施設でも展示している。
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4 【関係会社の状況】
(1) 親会社
該当なし
(2) 子会社
当社の重要な子会社は以下のとおりである(2019年12月31日現在)。2019年12月31日現在、ラボバンク・グ
ループが持分を有する企業は合計384社である。
資本金および
議決権の
名称 本店所在地 準備金 事業内容
所有割合
( 百万ユーロ)
ファクタリング、
DLL ・インターナショナル・ビー・ヴィ アインドーベン 3,725 リースおよび消費者 100 %
金融業務
不動産開発、金融お
BPD ヨーロッパ・ビー・ヴィ ユトレヒト 134 100 %
よび投資運用業務
オプフィオン・エヌ・ヴィ ヘールレン 1,186 住宅ローン貸付業 100 %
ホールセール・ルー
ユトレヒト・アメリカ・ホールディン
ニューヨーク -140 ラル・アンド・リ 100 %
グ・インク
テール
ホールセール・ルー
ラボバンク・オーストラリア・リミテッ
シドニー 37 ラル・アンド・リ 100 %
ド
テール
ホールセール・ルー
ラボバンク・ニュージーランド・リミ
ウェリントン 174 ラル・アンド・リ 100 %
テッド
テール
(3) 関連会社
資本金および
議決権の
名称 本店所在地 準備金 事業内容
所有割合
( 百万ユーロ)
10,191
アフメア・ビー・ヴィ オランダ 保険業務 30 %
(2019年12月31日現在)
(4) その他の関係会社
該当なし
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5 【従業員の状況】
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従業員の強化
仕事の未来
金融業界におけるデジタル化およびその他の変化は、ラボバンクにおける働き方だけでなく、業界全体にも影
響を及ぼしている。このため、2019年度、事業構想およびHR傾向(仕事の未来)に基づき、全ての領域が戦略的
資源計画(SRP)およびHR介入を開始した。
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技能
成長を自分のものにする
仕事のデジタル化において自動化およびロボット化が益々頻繁に用いられるようになっていることに伴い、当
行は、現在および未来において高い業績のためにはどのスキルが必要であるのかを確定した(ラボバンク・スキ
ル)。現在と将来のスキルの間の不一致を減らし、また、従業員の自己成長を促進するため、当行は、オランダ
団体労働協約(CLA)のもとで働いている従業員1人当たり、2019年度において1,000ユーロの個人年間開発予算
を提供した。また、当行は、強みおよび将来性についての洞察を得るため、従業員に対しラボバンク・スキル・
スキャンを提供し、刺激を与える外部からの講演者がラボバンク・スキルに関連した話を従業員と共有する、一
連の「デア・トゥー・ビー・インスパイヤード」イベントを開催した。
2019 年度末までに、オランダCLA対象従業員のうち76.7%(2018年度:48%)が、2018年度分の自身の開発予
算の全部または一部を使用した(開発予算は、次年度まで繰り越すことができる。)。当行は引続き、開発およ
び学習に取り組むよう従業員に対し働きかけていく。
業績管理
従業員の成長
評価用の質問方法に基づく継続的な対話により、当行は、従業員が自身の成長、姿勢および当行のミッション
に対する貢献について考えるよう促している。グロー!モデル(これは、Goal(目標)、Reality(現実)、
Options(選択肢)およびWay forward(前進)の頭文字である。)を活用することによって、当行はKPIのみに
基づく目標ではなく、従業員の個人的な成長に重点的に取り組んでいる。
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バイタリティ
当行のラボ・バイタリティ活動は、従業員が自らの活力を高める能力を活性化させている。当行はまた、健全
な労働環境を作り出す雇用者としての責任を真剣に受け止めている。当行は、多くの適切な介入が、健康、福
祉、病気の予防に関する新たな規範および文化を生み出すと確信している。このため、2019年度において、当行
は複数の場所でバイタリティ・ルーム(例えば、ヨガやマインドフルネスのため)およびサイレンス・ルーム
(例えば、祈り、静寂および瞑想のため)を設置し、スポーツ関連のイベントを複数開催した(例えば、エヒト
フィットやシンゲルロープなど)。生活習慣については、禁止することによってではなく、代替案をより魅力的
なものにすることで、食事や栄養を重視している。また、当行は、ライフスタイルへの介入について内部および
外部の専門家との提携を強化した(例えば、ジルフェレン・クラウス・アフメア、ユーレスト、内部ヘルス・
サービスおよび410のバイタリティ・ブースター)。従業員の活力が低く、欠勤率が高いと報告された領域につ
いて、ラボ・バイタリティは、福祉の根源に焦点を当てた、複数の専門分野にわたるチームに参加した。例え
ば、顧客サービス・センター(KSS)内では、KSS従業員、労働安全衛生従業員およびHRアドバイザーで複数の専
門分野にわたるチームが形成された。
主要データ
当行のオランダにおける従業員の多くは、バイタリティがあり活動的である。全従業員のうち、78.3%(2018
年度:77.8%)はバイタリティがあることを示し、69.6%(2018年度:63.7%)は十分にエネルギーを持ち合わ
せていると回答した。スタッフのうち9.8%(2018年度:10.5%)は、仕事のストレスで苦しんでいることを示
した。
2019 年度の連続した12ヶ月において、オランダにおける病欠率は4.3%(2018年度:4.3%)で引続き安定して
いた。これは、労働安全衛生の基準である3.7%を上回っている。
リーダーシップ
奮い立たせる指導者
2019 年度、当行は、ラボバンク・リーダーシップ・モデルについてのマネージャーたちの知見をさらに高め
た。当行は、個人レベルだけでなく、個人、チーム、1つのラボおよび地域社会から構成されるネットワーク・
リーダーシップも重視している。この効果として、奮い立たせるリーダーシップについてのスコアが、2018年度
の66.2%から2019年度の70.5%まで上昇した。昨春、全世界における約1,400人の従業員を対象に、当行は2日
間に及ぶリーダーシップ・イベントを開催した。この目的は、公式および非公式のリーダーが、自身のリーダー
シップを向上および育成できるよう、また、どのようにして「一体となってより良い世界を作る」ことにさらに
貢献することができるかを考えるよう、奮い立たせ、働きかけることであった。当行はまた、マネジメント・
ファンダメンタルズを開始した。このプログラムは、当行のマネージャー全員が、日常的なスキル、意識ならび
にグロー!、状況に応じたリーダーシップ、受容性のあるリーダーシップおよび変化を主導することに関する知
識を向上または強化することを手助けするために特別に設計された。
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文化
業績および健全性
当行は、長期的な成功を目指している組織は、財務的な業績ばかりに重点を限定してはならず、将来にわたっ
て力強い業績を確保する能力(組織の健全性)についても重視すべきであると考えている。2019年度、当行の組
織の新たな世界的心臓部であり、構造化された、世界的な業績および健全性に関する運営サイクルなど、当行は
多様なイニシアチブを実施した。年4回のコンパス・ミーティング(チーム・レベル)や毎月の業績および健全
性に関する対話(マネージャーと直属の部下との個人対話)など、いくつかの主要な構成要素は現在トップレベ
ルで効果的に運用されており、世界的な実施も進行中である。
関与
文化は、当行の新たな業績および健全性に関する運営の不可欠な構成要素である。当行は、従業員関与および
会社組織の健全性についての短期サイクルの測定を提供するため、年4回のエンゲージメント・スキャンを世界
中で使用している。四半期ごとに、約26,000人の従業員がフィードバックを行っている(エンゲージメント・ス
キャン)。このデータ・ソースによって当行は、従業員にとって重要な事柄についての洞察を得ることができ、
極めて重要な要素の改善をITが手助けしてくれている。組織の成長に係る対話(OGD)および組織の成長スキャ
ンは、文化および姿勢についての対話を充実させるためのさらなる洞察を経営陣に提供するため、新たに開発さ
れた追加的なツールである。
2019 年度、当行における関与は2018年度第4四半期の60.8%から2019年度第4四半期の64.1%まで上昇した。
当行は、移行の事実を鑑みるに、この上昇に満足している。2019年度第4四半期において、従業員のうち84.6%
(2018年度:81.3%)がラボバンクで働くことを楽しんでいると回答した。当行の従業員は、当行のミッション
およびビジョンへの自身のチームの貢献は、益々明確になってきていると回答した。また、従業員のうち84.7%
(2018年度:80.3%)が、自身の仕事(責任および役割)を興味深いと回答している。
多様性および受容性
多様性は、業績を改善し、当行内の創造性および革新を向上させるものであると当行は確信している。様々な
文化的背景を持つ従業員は、似た背景を持つ顧客集団の特定のニーズを正確に見極める能力を備えている。当行
は、多様性を推し進め、全員が自分らしくいることができる、受容性のある文化となることを目指している。多
様性および受容性に係る世界的方針が、国内・海外支店および駐在員事務所を含むラボバンク全体だけでなく、
経営委員会および監督委員会にも適用される。当行は、経営委員会のうち40%が女性であり、経営委員会より1
つ下のレベルでは33%が女性であることを誇りに思っている。当行の監督委員会(HRおよび報酬委員会)だけで
なく、地方および中央ユニットの取締役によって構成され、経営委員会メンバーであるヤン・ヴァン・ニーウェ
ンハウゼンが会長を務める多様性委員会も、方針の遵守および目標の進捗状況を監視している。
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ジェンダー、文化、二文化背景および労働市場における不利な点を持つ従業員の多様性の促進に対する継続的
な注視だけでなく、2019年度において、当行は難民にも焦点を当てた。4月には、インターンシップ、実習制度
および仕事による支援により、当行は、在留資格保持者の融合および自立を促進することに関与した。在留資格
保持者の一部は、すでにラボバンクで仕事を始めている。
「ディベルシタイト・イン・ベッドライフ」および他の組織と協力して、当行はオランダにおいて初めての多
様性デーを開催した。当行は、より多様かつ受容性のある銀行への貢献となる、数多くの奮い立たせられる活動
によってこの日を記念した。当行は、例えばレインボー、カラフル・ラボ、ラボ・グローボ、ラボウィメン、
ラップ・アーン・デ・スラーグ、ワイズ・ラボやヨン・ラボといった、多様性および受容性に関する内部ネット
ワークを誇りに思っている。
ジェンダー多様性
2019 年度 2018 年度 2017 年度 目標値
監督委員会 38 % 44 % 33 % 40 %
経営委員会 40 % 40 % 40 % 40 %
経営委員会より1つ下のレベル 33 % 31 % 29 % 33 %
雇用主としてのラボバンク
当行の戦略を実現するためには、優秀な従業員を引きつけることが極めて重要である。当行の採用活動の焦点
は、戦略的に重要なターゲット・グループ(IT、顧客の本人確認(KYC)(顧客デューデリジェンス(CDD)およ
び取引監視(TM))、デジタルおよび革新、データおよび分析)、地方銀行ならびに学生およびスターターであ
る。当行は、このアプローチは成功したと言えると確信している。例えば、当行は、大学院生および専門家を対
象とした経営雑誌であるインターメディエールの最も人気の雇用主に関するリストにおいて、ICT分野で就職先
としてオランダにおける最も魅力的な銀行として挙げられた。当行は、インターメディエールの全体リストにお
いて昨年度(第1位)より順位を落としたこと(第11位)は、ターゲット・グループ戦略の副次的な影響である
と考えている。
雇用可能性
モビリティ・センター「サーメン・ヴェルクト!」は、余剰人員となった従業員を、研修コースの提案、個人
開発予算の最適な利用方法についての助言、(ラボバンク内外にかかわらず)仕事に応募する際のスキルのアッ
プデートおよびネットワーク構築という、いくつかの方法によりサポートしている。2019年度において、解雇さ
れた従業員で、他の仕事にも応募していた者のうち55%が6ヶ月以内に成果を挙げており、自身の事業を立ち上
げたいと考えていた従業員のうち88%が解雇から6ヶ月以内にこの目標を達成していたことを示している。キャ
リア・ガイダンスの平均リードタイムは、開始から成功まで3.3ヶ月である。解雇前の段階から活動している従
業員(能動的活動)は、そうでない従業員(37%)より成功している(71%)ことが分かっている。サーメン・
ヴェルクト!によるサポートへの平均的な満足度は、10点中8.1点である。
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世界的なHRソリューション
2019 年度において、当行は、新たな世界的HRソリューションであるワークデーを開始した。当行の新たなHRシ
ステムは世界中で利用されており、アプリからもアクセスすることができる。これは、進歩的で、データ駆動型
で、よりパーソナルなものであり、仕事の未来にとって必要不可欠なものである。
率直に発言すること
懸念およびその他の仕事関連の問題点は、望ましくはオープンな話し合いを通じて取り上げられるべきであ
る。当行は、従業員に安全な労働環境を提供することを望んでいる。ビューロー・スピーク・アップは、報告へ
の対応に関する世界共通の独立したプロセスおよび統一性を確保することを目指しており、経営陣およびスタッ
フに対して、下記の手続きの実施を含めて助言を提供している。ビューロー・スピーク・アップは、2019年度に
おいては61件(2018年度:71件)の依頼に対応し、そのうち43件は終了し、21件はトラステッド委員会に委ねら
れた。
内部通報に係る世界的方針は、従業員、請負業者およびサプライヤーに対し、不正行為および違反について安
全な報告経路を提供している。トラステッド委員会は、2019年度において合計37件(2018年度:31件)を取り扱
い、24件は調査を委託し、11件は担当責任者へのフォローアップについての勧告を発行した。2019年度におい
て、25件は終了し、また、12件は2020年度においても継続する予定である。
労働問題は、当行の労使関係紛争手続(GRA)に基づく独立したアドバイザーと話し合うことができる。2019
年度、GRAアドバイザーは193件(2018年度:218件)(助言を求めるものが87件、非公式な調停に関するものが
39件、また、公式な調停に関するものが28件だった。労使関係紛争委員会は、6件の新規の問題を取り扱い、ま
た、33件の過年度からの問題が保留中である。内部の信任された特化人員で新しく形成されたチームが、好まし
くない態度を経験した従業員に対して支援を行っている。これらの信任された人員は、2019年度半ばに開始して
以降、37件を取り扱った。
特別委員会である「セントラーレ・ベズワールスコミッシー・ソシアール・プラン」(CBSP)は、個別のケー
スにおけるオランダのソーシャル・プランの適用に関する苦情について判断を行っている。この委員会は、2019
年度において21件の不服申し立てに対応し、このうち9件はまだ保留中である。オランダ団体労働協約に従い、
GRA、信任された人員およびCBSPは、オランダにおける全ての従業員にとって利用可能である。
私、私たちと社会
2019 年度において、従業員の関与および顧客満足度は上昇した。当行は、「満足している従業員は満足してい
る顧客を作り出す」という方向性を実行している。当行は、「私、私たちと社会」を確信しているため、当行の
目的は、個人の成長だけでなく、組織の内部および外部での協働にも焦点を当てることである。
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報酬
当行の報酬構想
当行の報酬構想は、協同組合としての目標の達成および当行の基本的価値観に重点を置いている。当行の、協
同組合としてのバックグラウンドは、金融サービスを通じて、また、持続可能性および革新を優先することによ
り、当行が、従業員がオランダの福祉および繁栄に貢献し、全世界の食糧問題の解決を手助けすることを可能に
することを意味する。当行は、法律や規制を遵守した、管理され、社会的に責任があり、持続可能な報酬戦略を
有している。報酬の金銭的な部分は、市場中央値を目標としている。
魅力的な雇用主であるために、当行は、優秀な人材を引きつけ、雇用し続け、また発展させ、従業員を強化
し、また、多様性および受容性を育むことを重視している。これは、公平な報酬パッケージを提案するだけでな
く、副次的な条件の有益なセット(魅力的な職場環境、良質な年金構造および成長機会への集中など)を提供す
ることによって達成される。当行の世界的業績管理システムである「グロー!」ならびにオランダの成長予算
は、従業員の専門的・個人的な発展に貢献する。
報酬方針
当行の報酬構想は、複数の方針に組み込まれている。ラボバンク団体労働協約(CLA)はほとんどのラボバン
ク従業員およびオプフィオン従業員に適用される。経営委員会およびその他の執行役員には別の報酬方針が適用
されている。デ・ラーヘ・ランデン(DLL)およびバウフォンツ・プロパティ・ディベロップメント(BPD)も、
それぞれ独自の報酬方針を採択した。オランダ国外に位置するホールセール・ルーラル・アンド・リテール
(WRR)、DLLおよびBPDの報酬方針は、現地の法律および規則ならびに現地の市況に一部基づいており、これら
はラボバンクの報酬構想に従っている。
報酬構想の原則および指針は、グループ報酬方針に詳述されている。グループ報酬方針は毎年更新され、(外
部の)規制、ラボバンクの事業戦略、当行の協同組合としてのルーツに加え、顧客重視、基本的価値観および求
められるリスク特性と一致した公平な報酬を提供することを目指している。本方針は、ラボバンクが国際的な領
域を有し、複雑な活動を行う重要な銀行であることを考慮している。これは、当行の長期業績および堅固な資本
ポジションを保護するよう設計された、堅固で有効なリスク管理プロセスを支持している。これは例えば、効果
的なリスク軽減措置の適用や、従業員のリスクに対する意識の向上などによって達成される。本方針はまた、従
業員が、ラボバンク、その顧客およびその他の利害関係者の長期的な利益に沿う持続可能な業績を目指すことを
促進する。
毎年度、ラボバンク監督委員会は、グループ全体の報告書によって報酬方針の実施についての報告を受けてい
る。ラボバンク監督委員会は、最高所得者の固定給および変動給に加え、全ての重大な残留特別手当、サインオ
ン手当、買収および付与された退職金についての情報が含まれる、この報告書についての検討を行う。オランダ
の法律に基づき、労使協議会は、オランダ国内の給与水準や賃金率について毎年度通知される。
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報酬方針の概要
オランダ国内における職位についての固定給は概して、職務評価によって決定されており、結果として各役職
の職位をもたらしている。各職位は、一定の範囲内の報酬を認める給与スケールを伴っている。地方ベンチマー
クが存在する場合、オランダ国外の役職についての固定給も同様に決定されている。給与スケールは、ラボバン
クの報酬に関する誠実な構想に対応するため、同等の業務で支払われる市場中央値と同等あたりに設定されてい
る。ラボバンク内においては、特定の従業員集団のみが変動給与の対象である。かかる集団は、オランダにおい
ては主にトレジャリー、オランダ国外の従業員、また、当行の子会社の従業員で構成されている。変動給与はい
かなるときも保証されておらず、失敗または不正行為について報酬は支払われないよう業績管理手続きによって
確実にしている。
業績と報酬間の関係は、従業員の当行への貢献度および自身の自己成長が評価されている業績管理文書にて定
義されている。当行の業績目的は、バランスのとれた経済的および非経済的基準のセットによって構成されてい
る。業績目的のうち、少なくとも半分以上は非経済的でなくてはならない。非経済的基準は、戦略的優先事項に
直接関連する、集合的なかつ一連の主要業績評価指標(KPI)によって決定されている。かかる指標とは、100%
のデジタル化による利便性、トップレベルの身近な顧客アドバイス、成長と革新、トップレベルの業績、最適化
されたバランスシート、極めて優れた方法での実行、社会的責任および持続可能な貢献の重視、加盟者および共
同体による関与、やる気にあふれる従業員、また、1つのラボバンク文化である。軽率な態度を助長するまたは
顧客を最優先に考えていないインセンチブは、業績目的に含まれていない。
さらに、当行の報酬方針はオランダおよび欧州の規制に沿っている。これには、オランダで働く従業員の変動
給与を平均で固定給の20%を上限とし、オランダ以外で働く従業員については100%まで最大化することが含ま
れる。2019年度において、当行は、EEA外の国で最大200%までを変動給与として支払うことができるとする、オ
ランダ法における規定は利用しなかった。2019年度において、世界中のラボバンク・グループにおける変動報酬
は197.1百万ユーロ(2018年度:198.5百万ユーロ)であり、これは報酬のために確保されている合計額の約6%
にあたる。法律によって定められているとおり、全ての変動給与は現金および手形の形式で付与(50%ずつ)さ
れており、変動支払全体について、事前検査、事後検査およびマルスまたはクローバックを適用できる能力な
ど、複数のリスク軽減措置が執られている。変動給与を受け取る資格を有する従業員については、リスク・ター
ゲットが各人の目標値の一部となっている。
当行のリスク特性に重大な影響を及ぼした従業員の集団は、特定スタッフに指定されている。個人についての
特定スタッフのポジションの変更だけでなく、組織再編後に特定スタッフを含めるまたは除くことを目的とし
て、四半期ごとに特定スタッフのリストは更新されている。特定の業績管理の要件に加え、特定スタッフの変動
給与については、特定のリスク軽減措置を設定した。これには、基礎的な事業活動に関連したリスクについての
十分な検討を可能にする、繰延ベースでの変動給与の支払いが含まれている。概して、特定スタッフへの変動給
与の支払いは、3年間にわたって行われる。しかしながら、「上級経営者」としての資格を有する従業員につい
ては、繰延方針は5年間まで引き延ばされる。一定額以上の変動給与を受領しているものの特定スタッフに指定
されていない従業員は、事後検査の実施を可能にするため、繰延方針も考慮される。2019年度において、6人の
特定スタッフ(DLLに1人、また、ラボバンクに5人)が、1.0百万ユーロから1.5百万ユーロの間の合計報酬
(拠出年金を含む。)を受け取った。
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国内銀行事業
CLA 従業員
2019 暦年末、ラボバンクCLAの規定に基づき、25,795人の従業員が雇用されていた(オプフィオンを含
む。)。ポジションスケール1から11ならびにシニア・スタッフAおよびシニア・スタッフBの報酬パッケージに
は、固定収入、従業員給付金予算(EBB)、年金および福利厚生が含まれる。ラボバンクCLAにおける給与スケー
ルは、役職を評価するためのヘイグループのシステムに基づいている。2019年度において、集団での報酬につい
て1%の調整があった。ポジション内での昇給は、個人の貢献度、姿勢および自己成長に基づいた、前年と比較
した業績管理結果のみに基づいている。2013年度以降、CLAは変動報酬を受ける資格を含んでいない。
ラボバンクCLA年金制度は、団体確定拠出制度である。2019年1月1日付で、常勤換算従業員の年金を生じさ
せられる最高収入は、101,745ユーロとなった。実際よりも高い収入の従業員は、個別予算を受領する。全ての
CLA対象従業員は従業員給付金予算(EBB)を固定報酬の割合に応じて受領する。EBBによって、追加の休暇を購
入したり、節税効果のある方法で自転車を購入したり、またはEBBのために留保された割合から支払うことがで
きる選択肢を含む柔軟性および雇用条件の選択肢が提供されている。
2019 年度末のオランダのラボバンク従業員の報酬の中央値は56,454.40ユーロであり、報酬の中央値と経営委
員会会長の比率は1:17.36となる。この比率は、経営委員会の報酬方針は変更されないままだった一方で、ラボ
バンク人口がより高学歴の従業員に移行しつつあることにより、過去数年度において低くなっている。これは、
ラボバンク従業員とってはより高い報酬の中央値をもたらしている。
DLL
DLL は、報酬レベルが地方労働市場と一致した、グローバルな方針を有する。全体的な報酬パッケージは、同
等の金融機関で支払われる市場中央値をわずかに上回っている。 これは、ほとんどのポジションで固定給与およ
び変動報酬要素で構成されている。上級経営者は変動報酬の資格を有していない。その他の従業員の変動報酬額
は、固定給の100%を超えてはならない。2019年度において、DLL内で合計報酬が1百万ユーロを上回った従業員
は1名であった。DLLは、固定給のほか、従業員には年金制度や健康保険パッケージなど、現地市場慣行と一致
した様々な福利厚生の幅広いパッケージを提供している。DLLの業績管理システムは、質的および量的な業績を
合わせて基準としている。従業員の多くは、主に質的な目標を有しており、個人およびチームの目標の両方と、
DLLリーダーおよび従業員能力との一致の重視で構成されている。2018年度、DLLは、新たな業績管理アプローチ
の試験を開始し、これは2019年度において延長された。この新たなアプローチは、強力なコーチングおよび業績
文化を促進するため、リーダーと従業員の間の頻繁な接点により重点を置いている。
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BPD
2017 年度以降、BPDはラボバンク・グループ内の独立した組織として位置づけられている。BPD従業員の報酬
は、BPD団体労働協約2018年度-2019年度およびソーシャル・プラン2018年度-2022年度に従う。かかる報酬方針
は、グループ報酬方針の要件を満たす。団体労働協約は、固定および変動要素ならびに当行のものと一致した年
金制度で構成される報酬パッケージを含む。オランダでは、BPDは、従業員を、CEO、執行役員およびCLAの対象
となる従業員という3つの集団に分けている。いずれの集団も独自の雇用パッケージを有している。BPD CLA
は、業績および従業員開発を導くための業績および能力管理制度(PCM)を含む。BPDは、オランダ国外、つま
り、同じく固有の報酬方針およびPCMを有するBPDドイツでもスタッフを雇用する。
従業員数概要
2019 年12月31日 2018 年12月31日
オランダ 海外 合計 合計
国内リテール・バンキング 10,529 - 10,529 11,709
ホールセール・バンキングおよび
806 5,395 6,201 7,833
国際リテール・バンキング
リース 681 4,455 5,136 4,931
不動産 320 309 629 17
サポート・ユニットその他 13,458 131 13,589 13,287
ラボバンク・グループ全体 25,794 10,290 36,084 37,777
長期欠勤率 - - 4.3 % 4.3 %
2019 年度における従業員の平均年齢は43.7歳(2018年度:43.6歳)、2019年度の平均年間給与は51,203ユーロ
(2018年度:56,394ユーロ)であった。平均雇用年数は14.4年(2018年度:15.0年)である。
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第3 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
ラボバンクの概要
当行の歴史
当行は、19世紀後半にオランダの農家や園芸家が当初設立した小規模な複数の協同組合銀行から始まってい
る。彼らは将来の農業および園芸業を改善し、信用協同組合を通じて農家を裕福にすることに意欲を燃やしてい
た。1895年以降、この「ライファイゼン・システム」をモデルにした銀行がオランダ各地にいくつも設立され
た。当該組織モデルは、自助、個人的および相互的に責任を負うこと、ならびに全ての利害関係者を巻き込むこ
とをその中心に据えていた。今日、当行は43,822人の従業員(常勤換算従業員)を擁し、40カ国にて事業を展開
している。設立時のこれらの原則および社会に変化をもたらすことへの当行のコミットメントは、今までになく
強いものとなっている。
当行の活動
当行はオランダ国内における全ての金融サービスの提供および食品・農業顧客に対する世界規模のサービス提
供に焦点を当てている。当行はその戦略と、リテール・バンキング部門、ホールセール・バンキング部門、ルー
ラル・バンキング部門、プライベート・バンキング部門、リース部門および不動産部門の顧客に対して提供する
商品およびサービスによって、価値を創出している。
当行のビジネスモデル
当行は顧客に対して、支払サービス、貯蓄性預金、保険およびローン、ならびに資金繰りおよびM &A といっ
た戦略的助言サービスを含む、様々な商品およびサービスのパッケージを提供している。当行の収益の大半は純
受取利息から成っている。純受取利息は、言いかえれば当行が顧客から受け取る利息と当行が預金および資金調
達につき支払う利息の差額である。当行は当該収益から、例えば従業員の給与、諸税、イノベーションおよびデ
ジタル化への投資、ならびに投資家に対する配当といった費用を支払っている。
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利害関係者のための価値の付加
当行は利害関係者および社会のための価値の創出にコミットしている。顧客動向の変化、技術の進歩および複
雑な経済環境は、価値が、全ての利害関係者との恒久的な関係を存続させ、今日のトレンドおよび不確実性を背
景とした顧客のニーズに適切に応えることによって生まれることを意味する。当行は価値を創出するこのプロセ
スを価値創出モデルにおいて示している。当該モデルは、当行のミッション、ビジョン、戦略ならびに当行の商
品およびサービスとともに、当行がそのビジネスモデルにおいて用いる主要なインプットを示すものである。最
後に、価値創出モデル内のアウトプットおよび影響に係るセクションは当行の戦略的礎石を中心に据えて構成さ
れており、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち関連のあるものについて当行が協力できているかどうかを
示唆する。
動向および不確実性
毎年当行は、当行の利害関係者および当行自身に影響のある動向および傾向を分析している。例えば消費者動
向、気候、技術、イノベーション、市場参加者、規制、経済および社会に関する傾向がそれにあたる。これらは
全て課題とともにチャンスも提示するものである。
動向および不確実性の概要
・ 経済情勢および(地)政学的緊張によるリスク
低金利環境、現在の経済およびその他の要因に鑑み、当行は引続き高い費用効率を基本とした運営を行
い、収益に対する費用の比率を改善する必要がある。地政学的な混乱は依然として収まっておらず、貿易
戦争によって世界経済は変貌しつつある。
・ 新規参入のハードルが下がりかつ技術的な可能性が広がったことにより金融サービス界における競争が激
化するリスク
顧客の選好は急速にかつ大幅に変化している。そして融資および貸付の世界は常にダイナミックである。
多くの個人および組織において、第三者に資金およびベンチャー・キャピタルを提供する準備が整ってい
る。当行は引続き中核事業に注力しつつ、同時にクラウドファンディング・イニシアチブの開発も行う。
顧客のニーズに応えるために、当行はイノベーションを積極的に監視しており、また戦略的パートナー
シップを締結している。
・ サイバー・セキュリティーに対する脅威によるデータ消失または当行のサービスの妨害に係るリスク
デジタルなやりとりがますます対面接触に取って代わりつつあるため、当行は(デジタル)サービス、人
工知能およびロボット化の質およびさらなる革新に投資している。農業用ドローンから個人情報の活用ま
で、幅広い技術が当行の事業および当行の顧客の事業に影響を及ぼしていることは明らかである。これら
全てのデータを安全にかつ整理された状態で保管する必要がある。金融業界に対するサイバー攻撃の脅威
と影響は増すばかりである。当行は、例えばクラウド技術を用いてオンライン金融サービスを不正利用す
るといったサイバー犯罪のリスクに対処する能力を強化している。
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・ 気候関連事由およびより持続可能な社会への移行に係るリスク
気候変動が厳しい現実となっている。パリ協定の意図および目標とは裏腹に、地球温暖化は進行してお
り、環境および共同体の食糧安全保障はリスクにさらされている。気候変動、飢餓および貧困といった課
題に対処すべく当行の活動を調整する際の道標となる枠組みとして、当行はSDGsを活用している。そのた
め当行は世界経済フォーラムおよびオランダ気候協定に係る協議等、複数のイニシアチブに参加してい
る。当行はエネルギーの移行およびカーボン・フットプリントの削減を促すことを目指している。
・ 業界の姿勢および変化への適応力次第で顧客が不満を抱くリスク
金融サービス業界における議題として、倫理、文化および姿勢が取り上げられることが増えてきている。
急速に変化する環境において、当行の組織には俊敏さと反応の早さが要求される。不適切な姿勢および問
題への対応の遅れは評判の低下をもたらす可能性があり、その後にはクレーム、訴訟および監督当局によ
る制裁が待っている。
・ 規制の強化とその相加効果のリスク
規制当局および新たな規制は、銀行のサービス提供方法をこれまで以上に形作っている。金融セクターの
門番としての役割および当該役割に対する(規制当局の)期待から、当行には引続き綿密な調査および監
督が求められる。当行の注意義務に対する期待は増す一方である。独立した各法域間において重複する規
制が一貫性に欠ける場合、規制の不確実性が増し、規制当局の行動および監督当局の解釈に差異が生じる
可能性がある。オペレーショナルリスクは、地域毎におよび国際的に様々な監督当局(ECB、DNB、AFM、
およびオランダ・データ保護機関)の規制下において生じる。新規および既存の規制は、それらをタイム
リーに遵守する当行の能力に対してプレッシャーをかける。
このような不確実性を当行がいかに管理しているかに関する詳細については、「リスク管理」の項を参照のこ
と。
利害関係者とのエンゲージメント
当行は当行の組織に対して直接的または間接的に影響力を有する利害関係者と取組みを行っている。当行は顧
客、加盟者、従業員、投資家、格付機関、非政府組織、政府当局、メディア、政治家、監督機関、規制当局、他
の銀行、フィンテックおよびスタートアップといった全ての利害関係者と戦略的、建設的かつ積極的な対話を行
うことにコミットしている。例示した利害関係者は当行の組織と接点を有する利害関係者集団の中でも最も大き
な影響力を有する集団である。当行は、加盟者委員会、顧客フィードバック・プラットフォーム、顧客および従
業員に対するアンケート、業界イニシアチブへの参加、ならびにその他の手段を通じて当該利害関係者と関わっ
ている。当行の経営委員会の委員は、当行の戦略の進捗状況について協議を行うこと、社会に対する当行の貢献
に関してフィードバックをもらうこと、金融業界の一般的動向および特にラボバンクに関わる動向について討論
を行うことを目的に、顧客、従業員、政治家およびその他の利害関係者との面会を行っている。
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当行の基盤
当行のミッション、ビジョン、戦略、価値観、姿勢、およびリーダーシップ・モデルは、当行の経営方針の基
盤を成している。
ミッション
当行のミッションは、「Growing ▶ Better World Together(一体となってより良い世界を作る)」ことであ
る。これは当行を象徴するものであり、当行は顧客主導型かつ行動指向型であること、目的を持ち勇敢であるこ
と、プロ意識と思いやりを持つこと、および継続的に学習しながら互いのベストを引き出すことを通じて、これ
を達成することを目指している。
ビジョン
当行は、顧客主導型かつ総合型の協同組合銀行としてオランダおよび世界の食品・農業業界において変化を起
こすことにコミットしている。当行は顧客の抱えている、社会に対して大きな影響力のある問題を第一に考え、
社会的責任を有する勇気ある銀行となることを目指している。当行は、当行が事業を展開している共同体の福祉
および繁栄ならびに世界への持続的な食糧供給に大きく貢献したい。当行は全ての人の財政状態を健全にするこ
と、持続可能な生活、持続可能な成長、および持続可能な食料という4つのテーマを通じて、当行のビジョンの
実現を目指している。当行は当行が地域社会の中心に存在することならびに当行のネットワーク、知識および資
力によって、共同体レベルで持続可能な福祉および繁栄を促進している。
戦略的礎石
当行は顧客が自主的な判断を下すことができるようになるよう取り組んでいる。当行の戦略は4つの礎石の上
に成り立っている。すなわち、優れた顧客重視、意義ある協同組合、堅実な銀行、および従業員の強化である。
これら4つが、当行の全ての行動、優先事項、主要業績評価指数(KPI)、価値観および姿勢の礎石となってい
る。
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当行は、国連の17つのSDGsの達成に対して意義ある貢献をする責任があると感じている。SDGsは全て重要であ
るが、それらを支援する上での当行の能力は個々の達成事項によって異なる。当行は当行がその戦略を通じて最
も影響を与えることのできる8つのSDGsを最重要視している。それはすなわち、SDG2、7、8、11、12、13、
15および17である。下記記載の各項においてこれらの戦略的礎石に係る当行の業績につき議論する前に、当行は
まず4つの礎石の概略をここに記す。
優れた顧客重視
顧客重視は当行の文化に深く根付いていなければならない。優れたアドバイスならびに便利かつ革新的な商品
およびデジタル化されたサービスの提供によって、現在および将来の顧客の要望に最も良く応えることができ
る。当行の幅広い商品およびサービスが経済活動を生み出し、経済を動かし続け、顧客の将来を保証する(SDGs
7、8および12)。
意義ある協同組合
当行は社会の動きを長期的に何かに役立つようなものへと変えていく。協同組合銀行業を営むということは、
加盟者、従業員、顧客およびその他のパートナーを積極的に巻き込み、ネットワークを作ることで彼らをつなげ
ることを意味する(SDGs11および17)。当行は気候変動(SDG13)や生物多様性(SDG15)のような、当行の顧客
および利害関係者に関係のある社会問題について立場を明確にする。世界に持続可能な食糧供給を行うという当
行のビジョンに取組むことによって、当行は飢餓の撲滅に貢献することを目指している(SDG2)。
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従業員の強化
当行は従業員に対して、全ての整った良好な職場環境を提供することを目指している(SDG8)。当行の従業
員は、誇りと意気込みを持ち、技能、活力および適応力とは何かを体現している。従業員は、ラボバンクを代表
することで力を得たように感じ、当行のミッションに刺激を受け、一体となってより良い世界を作りたいと願っ
ている。トップクラスの才能を有する者が、ラボバンクにおいて働き、成長し、当行に留まりたいと考えるよう
になることを当行は目標としている。
堅実な銀行
全員が主体となり、常にリスクを意識し、かつプロフェッショナルとして行動することにより、当行は適切な
行為を優れた方法で、または極めて優れた方法で実行することを目指している。当行は当行の商品およびサービ
スがマネー・ロンダリングやテロリスト資金供与のために悪用されることを防ぐにあたり、当行の門番としての
役割の重要性を認識している。財務業績および強固な格付によって存続を担保することを当行は目指している。
そのため、当行はコスト削減に尽力している(SDG8)。
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2 【事業等のリスク】
当行は、下記の要因が、社債における当行の義務の履行能力に影響を及ぼす可能性があると考えている。かか
る要因の大半は、発生するか否か予測することのできない不測の事態である。
加えて、社債に伴う市場リスクを評価する上で重要な要因についても下記に記載する。
当行は、社債への投資に付随する重要なリスクは下記のとおりであると考えているが、他の事由が社債の利息
支払い、元金支払い、またはその他の支払いに影響を及ぼす場合もあり、社債の保有に関するリスクについての
下記の記載が完全であるとは表明しない。
最も重要なリスク要因は、各カテゴリー内で最初に提示されているが、各リスクが提示されている順序は必ず
しも、かかるリスクが実際に発生する可能性、かかるリスクの潜在的な重要性、または、当行の事業、財政状
態、業績および将来の見通しへの潜在的な悪影響の範囲を示すものではない。(該当する場合)下記の各リスク
要因にて記載する詳細のとおり、当行は下記に記載されたリスクのいくつかを同時に直面する可能性があり、ま
た、下記に記載されたリスクの一部は相互に依存している可能性がある。下記のリスク要因はカテゴリーごとに
分類されているものの、一部のリスク要因は複数のカテゴリーに属する可能性があり、潜在的投資家は本項に記
載されている全てのリスク要因を慎重に検討すべきである。
下記の記載は2020年5月26日現在のものである。
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セクションA:当行の財政状態に関連するリスク
ラボバンクは、多額の資金調達・流動性リスクに直面している
ラボバンクの主要な資金調達源は、顧客による預金額(2019年度:342.5十億ユーロ)、続いて、ホールセー
ルによる資金調達(2019年度:151.7十億ユーロ)である。顧客による預金額は、一般的に変動性が高いため、
かかる額についての明確な予測は不可能である。ラボバンクの資金需要は顧客による預金額を上回っていること
から、ラボバンクは、貸借対照表の資金調達についてホールセールによる資金調達にも依存しており、これには
資本市場および金融市場へのアクセスが求められる。ホールセールによる資金調達へのアクセスは、ラボバンク
の信用力に対する懸念または格付の格下げによる悪影響を受ける可能性がある。アクセスはまた、ラボバンクが
活動している市場セグメントに関する懸念または一般的な市場の混乱によっても影響を受ける可能性がある。例
えば、進行中のコロナウイルス(すなわちCovid-19)およびその感染拡大を防止するための措置は、重大な市場
の混乱をもたらした。
ラボバンクは、主に国内リテール・バンキング(「DRB」)、WRRおよびDLLインターナショナルB.V.
(「DLL」)における金融資産に係る減損費用の大幅な増加、低金利環境の継続ならびに新規事業量および経済
活動全般の減少の結果、Covid-19の集団発生によって2020年度の純利益が多大な影響を受けることを予想してお
り、これは、ラボバンクの財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。コロナウイルスの集団発生による影
響に関する詳細については、下記「第6 3 (1)後発事象」内の「Covid-19の潜在的な影響」も参照のこ
と。上記のような要因はいずれも、資本市場および金融市場における資金調達コストや再度の資金調達コストの
上昇を招く可能性があり、これらの市場へのアクセスに影響を与えたり、これを実質的に制限したり可能性もあ
る。上記の資金調達源に加え、ラボバンクは欧州中央銀行(「ECB」)の信用枠へのアクセスも有しているもの
の、ラボバンクの流動性リスクへの感応度はかなり高い。
資金調達リスクとは、ラボバンクの日々の業務または財政状態のいずれにも影響を与えずに、現在および将来
のキャッシュ・アウトフローおよび担保要件について、想定内外のもののいずれも満たすことのできないリスク
をいう。流動性リスクとは、当行が全ての支払義務を期限内に履行できないリスクおよび資産の増加のために当
行が合理的な価格で資金調達できないリスクをいう。これを防ぐために重要なのは、当グループのための預金基
盤ならびに公的資金および資本市場へのアクセスを維持するために、十分な流動性ポジションを維持し、機関市
場参加者およびリテール顧客の信頼を保持することである。しかしながら、これらが重大な脅威に晒された場
合、これは当グループの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
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ラボバンクは、システミックリスクへの重大なエクスポージャーに晒されている
当グループは、他の金融機関の脆弱性または認識された脆弱性による悪影響を受ける可能性があり、これは重
大な組織的な流動性問題、損失またはその他の金融機関およびカウンターパーティーによる債務不履行をもたら
す可能性がある。かかるリスクは、時に「システミックリスク」と呼ばれ、金融機関だけでなく、当グループが
日々やりとりをしている清算機関、手形交換所、銀行、証券会社および証券取引所などの金融仲介機関に悪影響
を及ぼす可能性がある。多くの金融機関の商業上および財政上の健全性は、信用、取引、清算およびその他の関
係性の結果、密接であり、また相互に依存していることから、金融機関に対する懸念または金融機関による債務
不履行は、重大な流動性問題やその他の金融機関による損失または債務不履行につながる可能性がある。カウン
ターパーティーについて認識された信用力の欠如は、市場全体での流動性問題および当グループの損失につなが
る可能性がある。ヨーロッパ諸国および米国のソブリン債および金融機関の信用力に対する懸念が残っている。
複数のヨーロッパ諸国および米国における多額の公的債務または財政赤字は、金融機関の財政状態に対する懸念
と密接に関係している。一般的に、銀行は、流動性、証券金融および担保管理のために、多額の(国家)ソブリ
ン債を保有している。結果として、これらの債券の価値に影響を及ぼす変化は、金融機関に直接的に影響する。
ソブリン債によるデット・ファイナンスの増額は、最終的に、デット・ファイナンスのさらなる増額および格付
の調整につながり、銀行にマイナスの影響を及ぼす可能性が高い。当グループは、ソブリン債、銀行、金融仲介
業者および証券化商品を含む金融機関業界に対するエクスポージャーを有している。当グループの金融業界への
エクスポージャーにより、当グループは、シャドーバンキング事業体(すなわち、決済プラットフォームやクラ
ウドファンディング・プラットフォームなど、規制枠組み外で銀行業務を行う事業体)に対するエクスポー
ジャーも有している。近年、シャドーバンキングに対する当局による規制が強化されている。特に、欧州銀行監
督機構ガイドライン(EBA/GL/2015/20)は、シャドーバンキング事業体に対するエクスポージャーの特定および
監視、シャドーバンキング事業体に対するエクスポージャーに伴うリスクの特定、管理、コントロールおよび軽
減のための内部枠組みの実行および維持、また、かかるエクスポージャーに関する効果的な報告およびガバナン
スの確保を当グループに求めている。当グループが、自らのシャドーバンキングについてのエクスポージャーを
適切に特定および監視できず、十分な枠組みを維持できず、または、効果的な報告およびガバナンスを確保する
ことができなかった場合、上記のシステミックリスクの結果はいずれも当グループの新規資金調達能力および事
業、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
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ラボバンクは、自らの信用格付のいずれについても格下げのリスクに晒されている
ラボバンクの資本市場および金融市場へのアクセスは、その信用格付に依存する。当グループの信用格付は、
(a)信用格付機関による当グループ戦略および経営陣の能力についての評価、(b)収益性、資産の品質、資
本、資金調達および流動性の観点を含む財政状態、(c)当グループの法的構造および事業活動に適用される法
律および規制上の枠組み、(d)格付の決定方法の変更、また、(e)当グループの主要市場における競争環境、
政治および経済状況を含む、時間の経過とともに変化しうる複数の要因によって悪影響を受ける可能性がある。
信用格付の格下げもしくは将来の格下げの発表、格付の撤回または当グループの財政状態に関する市場の認識の
悪化は、当グループの金融市場へのアクセスに重大な影響を及ぼし、預金基盤の規模を縮小させ、また、デリバ
ティブ契約およびその他の有担保資金調達契約において追加担保要件もしくはその他の要件の発生またはかかる
契約を修正する必要性を引き起こし、これは、当グループの資金調達コストおよび資本市場へのアクセスに悪影
響を及ぼし、再度の資金調達コストの上昇につながり、また、当グループと取引を行いたいと考えているカウン
ターパーティーの範囲を制限する可能性がある。さらに、これは、これらの各市場へのアクセスを制限し、ラボ
バンクの競争上の地位に悪影響を及ぼす可能性さえある。これは、ラボバンクの将来の見通し、事業、財政状態
および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
ラボバンクは信用リスクに晒されており、これは経済的損失につながる可能性がある
ラボバンクは、金銭、有価証券またはその他の資産に対して債務を負っている第三者から生じる信用リスクに
晒されている。これらの当事者には、顧客、ラボバンク内の事業体がその有価証券を保有している発行体、取引
のカウンターパーティー、スワップおよびクレジットならびにその他のデリバティブ契約のカウンターパー
ティー、清算機関、取引所、手形交換所およびその他の金融仲介機関が含まれる。当グループの借入人およびそ
の他のカウンターパーティーの信用の質は、経済および市場の実勢状態ならびに当該市場の法律・規制上の状況
による影響を受け、かかる状態の悪化または法律・規制上の状況への変更は、借入人およびカウンターパー
ティーの信用の質を低下させ、結果として、当グループの契約上の担保権の行使能力に影響を及ぼす可能性があ
る。これらの当事者は、破産、流動性の不足、経済もしくは不動産価値の低迷、経営破綻またはその他の理由に
より、ラボバンクに対する債務不履行に陥る可能性があり、これはラボバンクの事業、財政状態および業績に悪
影響を及ぼす可能性がある。かかる不履行は全て、ラボバンクの信用供与の適切性を反映する。これらの供与
は、カウンターパーティーが貸付またはその他の金融取引から生じる債務について不履行に陥る可能性に関連し
ている。将来の事象またはその影響が、当グループが信用供与を決定するために使用している仮定、要因または
評価のいずれにも該当しない場合、これらの供与は不十分となる可能性がある。不十分な供与および経済的損失
は、全般的にラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす。
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Covid-19 がどのように当グループの信用リスクを増大させる可能性があるかについては、「全世界での感染症
の集団発生は、ラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある」とのリスク項目
も参照のこと。
ラボバンクの事業は主にオランダに集中している
ラボバンクは、その収益の大部分をオランダで得ており(2019年度、税引前営業利益のうち59%がオランダに
おける事業から生じたものだった。)、そのため、特にオランダの経済的、政治的および社会的状況のリスクに
晒されている。オランダの経済状況は、世界の金融市場および経済の状況による悪影響を受ける可能性がある。
経済危機およびCovid-19の影響もあり、オランダの国内総生産(「GDP」)の伸びは鈍化している。2015年にお
ける2.0%の成長に続き、GDPは2016年において2.20%、2017年において2.90%、2018年において2.60%、そして
2019年度において1.7%と成長した。オランダの厳しい経済環境のさらなる悪化または長期的な継続は、ラボバ
ンクの商品およびサービスの需要だけでなく、借入人の信用リスクにも悪影響を及ぼす可能性がある。また、ラ
ボバンクは、主にDRB、WRRおよびDLLにおける金融資産に係る減損費用の大幅な増加ならびに収益の減少の結
果、Covid-19の集団発生によって2020年度の純利益が多大な影響を受けることを予想しており、これは、ラボバ
ンクの財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。コロナウイルスの集団発生による影響に関する詳細につ
いては、下記「第6 3 (1)後発事象」内の「Covid-19の潜在的な影響」も参照のこと。オランダに加え、
ラボバンクは39カ国で活動しており、これにはオーストラリア、ニュージーランド、北アメリカおよびラテンア
メリカなどが含まれる。さらに、ラボバンクは通常、オランダ国外の移転リスクおよび/または総合債務者リス
クに晒されている。移転リスクは、外国政府が、当該国の債務者から外国の債権者への資金移転を制限する可能
性に関するものである。総合債務者リスクは、同じ国にいる多数の債務者が同一の理由(戦争、不安定な政治社
会情勢、自然災害等。ただし、政府の政策によりマクロ経済上および財政上の安定が実現しなかった場合も含
む。)により債務を返済できなくなる可能性に関するものである。移転リスクおよび/または総合債務者リスク
を増加させる、予測不能かつ突発的な事象は、ラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす
可能性がある。
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世界の金融市場および経済の状況は、当グループの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可
能性がある
当グループの収益性は、オランダ国内または世界における一般的経済状況の悪化による影響を受ける可能性が
ある。金融市場は不安定である。金利、為替相場、インフレ、デフレ、投資家心理、信用枠および与信コスト、
世界金融市場の流動性、ならびに株価の水準およびボラティリティ等の要因は、顧客の活動水準および当グルー
プの収益性に著しい影響を及ぼす可能性がある。さらには、ブレグジット(以下にて定義される。)のような動
きが経済状況全体に悪影響を及ぼし、当グループの収益性にも影響を及ぼす可能性がある。金利は2019年も低い
ままであった。継続的な低金利は、これまで当グループの純受取利息にマイナスの影響を及ぼしてきており、現
在も引続きマイナスの影響を及ぼしている。景気の低迷または顧客に対する著しい高金利は、より多くの顧客が
債務不履行に陥るリスクを増大させ、当グループの資産の信用の質に悪影響を与える可能性がある。その上、オ
ランダ経済または世界経済における市場の停滞は、当グループの資産価値を減少させ、当グループのトレーディ
ング・ポートフォリオにおける評価損の負担の増大、資産運用における当グループの手数料収入または運用資産
額の減少につながる可能性がある。さらに、市場の停滞およびオランダ国内の貯蓄市場における競争の激化は、
当グループが実行する顧客取引量の減少につながり、その結果、顧客による預金額ならびに手数料および利息に
よる収入の減少に至る可能性がある。金融市場における混乱の継続または当グループの主要市場の長期的な停滞
またはかかる変化を正確に予測して対応する当グループの能力は、当グループの事業、財政状態および業績に著
しい悪影響を与える可能性がある。
ラボバンクは、コーポレート・バンキング、商業融資およびグローバル金融市場に関連する事業などの分野に
おいて国際顧客に対し商品やサービスを提供するなど、顧客のために英国において複数の事業を行っている。
2019年度において、前述の英国における事業に関連するラボバンクの収益は、753百万ユーロだった。2020年1
月31日、英国は欧州連合を脱退した(「ブレグジット」)。ブレグジットがもたらす影響は不透明である。英国
と欧州連合の将来の関係などについての交渉の時期および結果によっては、金融市場の変動性、流動性の混乱お
よび市場の混乱が生じる可能性がある。当グループは、ポンド対ユーロの為替相場の変動幅の拡大や、不確実性
の増大による金融市場全体の変動性の増大などの関連する市場の展開による悪影響を受ける可能性があり、これ
らのいずれも欧州連合または英国における当グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。ブレグジットの結果
として英国が合意および施行されていたEU法から離脱することは、規制上の不確実性の増大につながり、当グ
ループに悪影響を及ぼす可能性がある。
Covid-19 が世界の金融市場および経済の状況に対してどのように影響を及ぼし、また影響し続ける可能性があ
るかについては、「全世界での感染症の集団発生は、ラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を
及ぼす可能性がある」とのリスク項目も参照のこと。
これらいずれの要因も、当グループの業績および社債価値に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
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全世界での感染症の集団発生は、ラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性
がある
感染症、パンデミックおよびエピデミックまたは衛生上の緊急事態の集団発生は全て、ラボバンクが活動する
事業および経済環境に影響を及ぼす。これらのリスクの一部は、ラボバンクが事業を展開している特定の地理的
地域だけでなく、世界中でもたびたび見られる。直近数ヶ月間で世界中に広がったコロナウイルス(すなわち
Covid-19)の集団発生は、様々な市場を混乱させ、かかる集団発生による影響を受けた経済の成長について不透
明性をもたらした。ラボバンクは、とりわけ、オランダおよびその他の国の両方におけるラボバンクの顧客また
はその他のカウンターパーティーへの直接的および間接的な影響を通じて、Covid-19の集団発生による影響を受
けており、また、これからさらに受ける可能性がある。ラボバンクは、主にDRB、WRRおよびDLLにおける金融資
産に係る減損費用の大幅な増加ならびに収益の減少の結果、Covid-19の集団発生によって2020年度の純利益が多
大な影響を受けることを予想しており、これは、ラボバンクの財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
より具体的には、公正価値で測定される金融商品および予想信用損失への影響が予想される。不確実性および進
行中の動向に鑑み、Covid-19の集団発生による正確な影響は非常に不透明であり、集団発生の広がりまたは継続
期間を予測することは困難である。コロナウイルスの集団発生による影響に関する詳細については、下記「第
6 3 (1)後発事象」内の「Covid-19の潜在的な影響」も参照のこと。また、例えば、欧州の一部の国の財
政がさらに悪化した結果としての、将来における流動性状態の引き締めの可能性が、新たな資金調達の不確実性
につながらず、変動性の増大および信用スプレッドの拡大につながるという保証はない。上記の要因のいずれ
も、ラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
ラボバンクは、金利環境の変動だけでなくその他の市場リスクにも晒されている
ラボバンクの業績は潜在的に、金利、為替相場、商品価格、株価および信用スプレッドの水準および変動によ
る悪影響を受ける可能性がある。継続的な低金利は、特にラボバンクの純受取利息にマイナスの影響を与えてお
り、また影響し続けている(2019年度:8,483百万ユーロ、2018年度:8,559百万ユーロ)。これは、貸付と受託
資産に係る金利の設定期間の貸付および借入コストの相違から発生するものである。金利が上昇した場合、ラボ
バンクの預金等の債務については金利を直ちに調整する必要が即時に生じる可能性がある。同時に、より長期に
わたり金利が設定されている住宅ローンなどの当グループの資産の大多数は、固定金利期間終了前には変更され
ない。結果として、金利の上昇はラボバンクの収益に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、ラボバンクの金利
リスク管理が成功するかまたは持続的な低金利、固定金利もしくはマイナス金利に関連するリスクの潜在的なマ
イナスの影響についての保証はない。
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セクションB:当行の事業活動および業界に関連するリスク
ラボバンクの業績は、その大部分が国内の住宅ローン・ポートフォリオに関連している
ラボバンクの住宅ローン・ポートフォリオは、187.7十億ユーロ(2019年12月現在の貸借対照表合計のうち
32%)で構成されている。このため、当該ポートフォリオに影響を及ぼす重大な変更があった場合、これはラボ
バンクにも重大な影響を及ぼす可能性がある。景気の低迷、不動産価格の停滞もしくは下落、オランダにおける
住宅ローンの利息支払についての課税控除の変更もしくは廃止、金利の上昇および/もしくは低下、借入人の財
務状態またはこれらの組み合わせは、新規住宅ローンの契約数の減少および/または既存住宅ローンの貸倒率の
上昇につながる可能性がある。住宅ローンの金利水準の低下は、とりわけ、(i)例えば、貯蓄口座の低金利水
準の結果として、住宅ローンの繰上返済が貯蓄よりも有益であると顧客が判断した場合における、貸付および住
宅ローンのポートフォリオにおける繰上返済の増額、(ii)金利の平準化、(iii)住宅ローン(特に長期住宅
ローン)の低マージン、および(iv)顧客が低金利環境から利益を得ることを可能にするその他の措置を通じ
て、ラボバンクに影響を及ぼす可能性がある。
上記の要因、事象および展開のいずれも、新規および既存の住宅ローンについてラボバンクの金利マージンに
マイナスの影響を及ぼす可能性があり、その結果、既存ポートフォリオおよび/または新規住宅ローンの契約数
の減少をもたらす可能性がある。ローン収益率が高ければ高いほど、特に予想外の費用または支出が発生した場
合、住宅ローンに基づく利息および元金の支払いに必要となる借入人の収益の割合、また、インタレスト・オン
リー住宅ローンについては、元金の返済額の割合が大きくなる。かかるローン収益率ならびに収益の喪失、病
気、離婚およびその他の類似した要因などは、借入人による延滞および破産申し立ての増加につながる可能性が
あり、最終的に借入人の住宅ローン返済能力に悪影響を及ぼし、ラボバンクの損失につながる可能性がある。
2014 年1月1日より、オランダの住宅保有者による住宅ローンの支払利息の控除が可能となる税率(「控除最
大許容額」)は、毎年0.5パーセンテージポイントずつ段階的に引き下げられている。これまで52%の利率(最
高所得税率)で住宅ローンの利息を控除していた納税者については、控除最大許容額は2019年度において49パー
セントに設定されている。2020年1月1日より、控除最大許容額は毎年3パーセンテージポイントずつ引き下げ
られ、2023年度には37.05%となる。かかる加速は、最終的には借入人の住宅ローンの利息および元金支払能力
に悪影響を及ぼし、住宅ローンについて借入人の異なった繰上返済動向につながり、結果としてかかるローンの
繰上返済額の増額または減額につながる可能性がある。このような繰上返済額の増額は、ラボバンクの財政状態
および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
オランダの住宅市場に関する政府の方針または規制の変更は、当グループの事業、財政状態および業績に著し
い悪影響を及ぼす可能性がある。
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ラボバンクは、国内外においてかなりの競争圧力に直面しており、これは業績に悪影響を及ぼす可能性が
ある
オランダ国内外におけるラボバンクの事業環境は、高い競争力を有している。ラボバンクは、伝統的な銀行集
団だけでなく、年金基金、保険会社、テクノロジー大手、フィンテック企業、決済専門業者、リテール業者、通
信業者およびクラウドファンディング・イニシアチブなど、何らかの形で伝統的な銀行サービスを提供している
非銀行集団との競争にも直面している。これらの集団の一部は、例えば住宅ローンの分野で、より細分化された
オファーの提供を開始している。特にオランダでは、競争は高められた水準での統合に反映されている。これ
は、競合他社が市場シェアの獲得を目指すにあたって特に価格設定に関する圧力の高まりにつながり、市場シェ
アおよび収益性を維持または向上させるラボバンクの能力を損なう可能性がある。ラボバンクの効果的な競争能
力は、ラボバンクのレピュテーションの維持能力、サービスおよび助言の質、知的資本、商品の革新、遂行能
力、価格設定、販売努力ならびに従業員の才能といった多くの要素に支えられている。ラボバンクがその競争上
の地位を維持できなかった場合、これはラボバンクの将来の見通し、事業、財政状態および業績に著しい悪影響
を及ぼす可能性がある。
ラボバンクの財政状態は、サービスおよび商品の価格を正確に決定する能力に大きく依存している
ラボバンクの財政状態は、価格およびレートを正確に設定する能力に大きく依存している。コストをカバー
し、損失を補填することができるよう十分な利益を生み出すためには、この両方について正確さが必要となる。
しかし、かかる能力は、様々な不確実性に左右される。例えば、ラボバンクによって提供されている商品およ
び/またはサービス(ローンやデリバティブなど)の金利または価格設定は、様々なベンチマーク(欧州銀行間
取引金利(「EURIBOR」)やロンドン銀行間取引金利(「LIBOR」)など)への参照に基づいており、これらのほ
とんどは、最新の国内および国際的な規制ガイダンスおよび改革案(2018年1月1日から効力を生じているベン
チマーク規制を含む。)の対象となっている。LIBOR(またはその他の参照レートもしくはインデックス)の廃
止などの改革は、ベンチマークのパフォーマンスが以前と異なるものになったり、完全に消滅したり、完全には
予想することができないその他の結果をもたらす可能性がある。その結果、商品およびサービスのレートや価格
が不十分もしくは不正確なデータまたは不適切な分析、仮定もしくは方法に基づいて決定されることになる可能
性がある。ラボバンクが商品およびサービスについて適正なレートや価格を設定しない場合、かかる商品から生
じる収益は減少する一方で支出は増加し、比例してより多額の経済的損失につながる可能性がある。代替ベンチ
マークならびに実施の時期および仕組みに関して、ベンチマーク管理者および中央銀行による確認はまだなされ
ていない。したがって、現時点では、かかる変更によるラボバンクへの影響の有無またはその範囲を判断するこ
とは不可能である。
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ラボバンクはサイバー犯罪リスクを含むオペレーショナルリスクに晒されている
ラボバンクの直面するオペレーショナルリスクとは、社内の手続上、人的もしくはシステム上の不備もしくは
ミスまたは社外の事由に起因して損失を被るリスクであり(これにはとりわけ、財務報告リスク、サイバーリス
ク、モデルリスク、コンプライアンスリスク、法的リスク、BCM/ITリスクおよび不正リスクが含まれる)、著
しい悪影響(金銭的損失、レピュテーションに対する影響および/または規制上の影響)を及ぼす可能性があ
る。これには全ての非財務リスクが含まれ、ラボバンクのレピュテーションまたは事業、財政状態および業績に
著しい悪影響を及ぼす可能性がある。当該リスクは日常業務において発生し、事業の全ての側面に関係するもの
である。国際化した現代の銀行業界における出来事を見ると、オペレーショナルリスクが巨額の損失につながる
場合があることがわかる。オペレーショナルリスクの原因となる事由は様々であり、詐欺またはその他の違法行
為、適用法令の不遵守事由の防止、検知および報告に係る原則および手続きならびに管理体制を敷くことに対す
る失敗、欠陥商品に対するクレーム、書類の不備、取引プロセス上のミス、システム障害、ならびに重要な人材
を確保し引きつける能力の不足等が挙げられる。ラボバンクは強固なリスクおよび管理枠組みに忠実に従うよう
努めているものの、ラボバンクは詐欺または人的ミスによりそのコミュニケーションおよび情報システムの遮
断、障害または破損が発生しないとは保証できない。またそれらが発生した場合に、適切かつ適時に処理される
ともラボバンクは保証できない。
最後に、サイバー犯罪リスクも当行との関連性が高くかつ進行中の脅威であり、顧客へのサービス提供の中
断、機密情報の紛失または信用やレピュテーションの低下につながる恐れがある。これはグループの依拠してい
る第三者についても当てはまる場合がある。ラボバンクが事業を展開するグローバルな環境においては、変化す
る状況に対して常に調整を行うことが要求される。サイバー犯罪に関連するプロジェクト(規制上の要件を確実
に遵守することを目的としたプロジェクトを含む)が今後も引続き当行内において実施されるが、これらはリス
ク特性の増加をもたらす可能性があり、ラボバンクの事業、レピュテーション、財政状態および業績に著しい悪
影響を及ぼす可能性がある。グループのサイバー・セキュリティに係る原則、手続きおよび管理体制が機能しな
い場合、著しい経済的損失、事業の大きな混乱、顧客へのサービス提供不能、またはデータその他の機密情報の
紛失(機能停止によるものを含む。)につながる恐れがあり、これに付随してレピュテーションの低下も招く可
能性がある。こうした事由はいずれもコストを増加させ、規制当局による調査もしくは制裁を招き、または顧客
を確保し引きつけるグループの能力に影響を及ぼす可能性がある。欧州、米国、英国およびアジアの規制当局
は、サイバー・セキュリティを増加する金融業界に対するシステム上のリスクとして引続き認識しており、金融
機関がサイバー攻撃に対する監視、監督およびレジリエンスを高め、攻撃があった場合には適宜速やかに報告す
る必要性を強調している。
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セクションC:法的リスクおよび規制上のリスク
グループは、グループを相手とする訴訟および仲裁手続をとられるリスクを抱えている。当該手続の結果
は本質的に不確実であり、その財務オペレーションおよび事業オペレーションに悪影響を及ぼす可能性が
ある
ラボバンクは、事業を展開している全ての国において広範囲の法的義務を課されている。その結果、ラボバン
クは様々な形で発生し得る、多様な法的リスクに晒されている。潜在的に重要性をおびる訴訟(訴訟手続、共同
訴訟および和解ならびに上記の進展を含む)、監督当局その他の機関による措置、法律、業界全体を対象とした
施策、ならびに顧客および第三者のためにとられるその他の措置に係る管理の失敗およびこれらによって招かれ
る不利な結果は、ラボバンクのレピュテーションに悪影響を及ぼし、追加の事業コストを生じさせ、その将来の
見通し、事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。その一例が、ラボバンクのオランダ
国内の中小企業(「SME」)顧客向け金利デリバティブの(再)評価とそのための前払金である。
2016 年3月にオランダの財務大臣は独立委員会を選任し、当該委員会は2016年7月5日にオランダのSME向け
金利デリバティブの再評価に係る回復枠組み(「回復枠組み」)を公表した。ラボバンクは当該回復枠組みに参
加することを2016年7月7日に発表した。回復枠組みの最終版は2016年12月19日に独立委員会によって公表され
た。ラボバンクは、オランダの法人顧客との間で締結された金利デリバティブに関するオランダ国内の民事訴訟
に関わっている。これらの大部分は個別の事案に関するものである。これとは別に、金利デリバティブに関する
共同訴訟が高等裁判所にて係属中である(回復枠組みの導入を受け、手続きの停止につき合意がなされたが、適
用対象外となる少数の顧客については個別に評価が行われる)。これらの訴訟は金利デリバティブにつき顧客に
対して誤った説明をしたとの申立てに関連するものである。また一部の訴訟はラボバンクのEURIBORに係る公示
に関する申立てである。ラボバンクはこれら全ての請求につき争う姿勢である。さらに、金利デリバティブに関
して係属中のラボバンクに対する告訴や訴訟の中には、2015年1月に金利デリバティブを有する中小企業向けに
紛争解決手続きを開始した「キフィッド」(オランダ金融サービス告発当局、クラフテニンスティトゥート・
フィナンシエレ・ディーンストゥフェルレニング)に提起されたものもある。オランダ国内のSME顧客向け金利
デリバティブの(再)評価およびそのための前払金につき、ラボバンクは2019年12月31日付で107百万ユーロ
(2018年度:316百万ユーロ)の引当金を計上した。2019年度末時点において、回復枠組みに基づくラボバンク
の顧客への支払額は249百万ユーロとなった。2019年12月31日までに、回復枠組み上適格なオランダ国内の全て
のSME法人顧客が、その金利デリバティブの再評価に係る受領額につき明確な回答を得た。当該受領額に顧客が
同意した場合、ラボバンクは契約書を作成し、独立したレビュアーが当該再評価をレビューする。全ての再評価
およびレビューが2020年度中に完了する見込みである。
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潜在的に重要性をおびる訴訟(訴訟手続、共同訴訟および和解ならびに上記の進展を含む)、監督当局その他
の機関による措置、法律、業界全体を対象とした施策、ならびに顧客および第三者のためにとられるその他の措
置によって招かれる不利な結果は、グループのレピュテーションに悪影響を及ぼし、追加の事業コストを生じさ
せ、グループの将来の見通し、事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
ラボバンクの財政状態はベンチマーク規則によって生ずる変更の影響を受ける
規制当局は、LIBORを含む特定のベンチマーク金利に替わる、無リスク金利の使用への移行を主導している。
CFTCおよび米国のその他の規制当局と同様に、英国においてはFCAが2021年以降はLIBORに係る公示を強制しない
と断言したことで、LIBORの継続利用が脅かされ、市場参加者は代替レートへの移行を強く促された。グループ
のベンチマーク金利へのエクスポージャーは大きく、主にデリバティブ、商業融資およびレガシー証券といった
特定の商品においては引続きLIBORを参照している。グループは当該エクスポージャーに関連するリスクを管理
すべく顧客および業界のワーキング・グループと積極的に関わっており、代替無リスク金利を可能な限り使用す
る方法を模索しているが、移行に効力を与える法的メカニズムは確認できておらず、代替無リスク金利のみが使
用されるようになり商品に応じてどのような代替無リスク金利を採用するかが市場において固まるまでは、移行
の影響力を確定することはできず、またそれに付随する費用について説明することもできないほか、ベンチマー
クを利用する義務の一部については変更できない可能性がある。代替無リスク金利への移行ならびに移行時期お
よび移行方法に係る不確実性は、グループ、その顧客および金融サービス業界全体に対して、以下を含む数多く
のリスクをもたらす。
・ 新規および既存取引に係る書類作成要件の変更可能性に起因する法的リスクであって、グループの事業お
よび見通しに著しい悪影響を及ぼす可能性のあるもの
・ ベンチマーク金利に関連する金融商品の評価の変更に起因する金融リスクであって、グループの業績およ
び財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性のあるもの
・ ITシステム、取引報告インフラストラクチャーおよび運用プロセスの導入が要求される可能性に起因する
オペレーショナルリスクであって、グループの事業および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性のあるもの
・ 顧客とのコミュニケーションおよび移行期間中の取組みがもたらす潜在的な影響に起因するコンダクトリ
スクであって、グループの事業および見通しに著しい悪影響を及ぼす可能性のあるもの
代わりに採用されるベンチマークならびにその実施時期および実施メカニズムはベンチマーク管理者および中
央銀行によって確定されていない。したがって、当該変更がラボバンクに影響を与えるか否か、またどの程度影
響するかは現時点では確定できない。しかし、代替ベンチマーク金利の導入により、前の段落で指摘したいずれ
かのリスクまたは複数のリスクがラボバンクの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性があ
る。
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ラボバンクに著しい悪影響を及ぼす可能性のあるベンチマークの見直しに関するその他の例については、「ラ
ボバンクの財政状態は、サービスおよび商品の価格を正確に決定する能力に大きく依存している」とのリスク項
目も参照のこと。
オランダ預金保証スキームへのグループの参加はグループの事業、業績および財政状態に著しい悪影響を
及ぼす可能性がある
2015 年度以降、グループは、決済機能の効果的な適用を確保し、規制(EU)806/2014(「SRM規制」)によっ
てSRB(以下に定義される。)に付与された決済権限をSRBが確実に行使するために設置された、破綻処理基金へ
の年間拠出金の支払いを求められてきた。2019年度のオランダ・ナショナル・レゾリューション・ファンド
(「DNRF」)への拠出金は206百万ユーロに上った。
さらに、SRM(以下に定義される。)(「発行体が債権の償還を求める投資家への支払いに充てることのでき
る発行体の資産が破綻処理制度によって減少し、信用格付の低下および資金調達コストの増加につながる可能性
がある」とのリスクの項も参照のこと。)および預金保証スキームに係る欧州内のその他新規則は、今後数年間
グループに影響を与える可能性がある。これら全ての要因がグループの事業、財政状態および業績に著しい悪影
響を与える可能性がある。
銀行が期限までに債務を弁済できない場合に生じる損失から預金者を保護するための事前の資金供給制度であ
るオランダの預金保証スキーム(「オランダ預金保証スキーム」)の新たな資金調達方法が2015年11月に効力を
生じた。2016年現在、銀行は四半期毎に保険料の支払いを求められている。スキームの目標水準は、オランダ国
内全ての銀行の保証付預金合計の0.8%である。2018年度は118百万ユーロであったオランダ預金保証スキームへ
の拠出金は、2019年度は137百万ユーロとなった。
追加の税金または課徴金が賦課されない保証はなく、賦課された場合は、グループの事業、財政状態および業
績に著しい悪影響を与える可能性がある。
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発行体はストレステストその他規制当局の調査の対象であり、その結果は発行体のレピュテーションおよ
び資金調達コストに対して著しい悪影響を及ぼす可能性があるほか、監督当局による執行措置の引き金と
なる可能性がある
グループを含む銀行業界は、好ましくない市場動向に対する銀行の回復力を検証するための定期的なストレス
テストおよび規制当局によるその他の調査を受ける。当該ストレステストは、EBAおよびECBが開始し取りまとめ
を行っている。ストレステストおよび監督当局によるその結果の公表は、銀行業界または金融サービス業界を不
安定にし、個別の銀行または金融サービス業界全体の信用を損なうことにつながる可能性がある。ストレステス
トの結果は、発行体のレピュテーションおよび資金調達コストに対して著しい悪影響を及ぼす可能性があるほ
か、監督当局による執行措置の引き金となる可能性がある。またストレステストの結果によって、グループはよ
り厳しい資本要件および流動性要件の充足を強いられる可能性があり、発行体の事業、業績、収益性またはレ
ピュテーションに著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
加えて、ストレステストにより、当該テストがなければ表面化しなかったまたはそれまで発行体としてはその
重要性および是正措置の必要性を認識していなかった特定の情報が開示される可能性がある。これによって監督
当局が特定の措置または資本要件および流動性要件を課しまたは講ずることにつながる可能性があり、発行体の
事業、業績、収益性またはレピュテーションに著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
ラボバンクが財務報告基準および/または方針の変更の対象となり、報告済みの業績および財政状態に悪
影響が及ぶ可能性がある
グループの連結財務書類は欧州連合の採用するIFRSに従って作成されているが、当該IFRSは定期的に改訂また
は拡張される。そのため、グループは国際会計基準審議会(「IASB」)を含む認定機関の公表する新設または改
正後の会計基準を適宜採用することを求められる。グループが採用することを義務付けられる将来の会計基準
は、連結財務書類において用いられている現在の会計処理に変更を加え、当該変更がグループの業績および財政
状態に重大な悪影響を及ぼし、ひいては自己資本比率に対しても重大な悪影響を及ぼす可能性がある。その一例
が、2019年1月1日に導入されたリースに係るIFRS第16号である。IFRS第16号の導入によるラボバンクの自己資
本への影響はなかったが、2019年1月1日時点の資産および負債の554百万ユーロの増加にはつながった。
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発行体が債権の償還を求める投資家への支払いに充てることのできる発行体の資産が破綻処理制度によっ
て減少し、信用格付の低下および資金調達コストの増加につながる可能性がある
金融機関特別措置法(ヴェット・ビゾンデレ・マートレーヘレン・フィナンシエーレ・オンダネーミンゲン、
「介入法」)、信用機関および投資機関の再生および破綻処理に係る欧州全体の枠組みの設置に関する指令
2014/59/EU(「BRRD」)、ならびにSRM規制は、発行体に対して適用される介入および破綻処理枠組みを規定す
る。
再生および破綻処理計画ならびに破綻処理の可能性を阻害する要素への対処能力
グループは再生計画を策定した。加えてSRBも、破綻処理国家当局としてのDNBとの協力のもと、毎年グループ
の破綻処理計画を策定し、グループが破綻した場合または破綻する可能性が高い場合にSRBがとる可能性のある
破綻処理措置を定めている。グループの破綻処理計画を策定するにあたり、SRBは破綻処理の可能性を阻害する
重要要素を特定することができる。SRBは必要に応じて、当該阻害要素の排除を要求する場合がある。これによ
りグループの事業再構築が必須となる可能性があり、その結果、高価な取引費用が発生する場合や、グループの
事業運営または資金調達構成の最適性が失われ、もしくはこれらにつき追加の費用が発生する場合がある。
早期介入措置
資本要件または流動性要件に対して、グループが近い将来違反する場合または急速に悪化する財政状態に鑑み
て違反する可能性が高い場合、ECBはグループに対して早期介入措置を講ずる権限を有する。財政状態の急速な
悪化は、例えばグループの流動性ポジションの悪化、レバレッジもしくは不良債権の増加、またはエクスポー
ジャーの集中によって生じる可能性がある。介入措置には、グループの法的構造、経営構造または事業戦略の変
更を要求する権限、ならびに経営委員会に対してラボバンクの一般加盟者理事会の招集を要求し、これに応じな
い場合はECBが直接当該理事会を招集する権限、およびいずれの招集方法の場合もECBが議題を設定し特定の決定
の採択につき検討を要求する権限が含まれる。さらに、これらの早期介入措置では不十分であると判断された場
合は、経営陣の交代が行われ、または臨時管理者が着任する可能性がある。ECBによって決定された措置を実行
するために、既存の経営委員会に代わり発行体の経営権限を付与される特任マネージャーが任命される場合もあ
る。これらの措置が実行されれば、投資家の債権に対する払い戻しに充てることのできる発行体の資産の減少に
つながる可能性がある。
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破綻処理(に先立つ)措置
ラボバンクまたはグループが、存続可能性の失われる段階にありながらも(未だ)破綻処理要件を充足しない
場合、SRBは破綻処理国家当局と緊密に連携し破綻処理に先立つ措置を講ずることができる。当該措置には、資
本商品(Tier 2資本としての適格性を有する期限付劣後債等)を対象に元本削減または普通株等Tier 1資本商品
への転換をさせる権限が含まれる。
ラボバンクが破綻処理要件を充足した場合、SRBは破綻処理措置を講ずる場合がある。破綻処理の要件は、
(i)ラボバンクが破綻するまたは破綻する可能性が高いとECBまたはSRBが判断すること、(ii)状況に鑑み、
本破綻処理措置に代わる民間セクターによる措置または監督当局による措置によって合理的な期間内にラボバン
クの破綻を防ぐことができるとの合理的な見通しが立たないこと、および(iii)公益のために破綻処理措置が
必要であることである。
ラボバンクはとりわけ、資本要件または流動性要件に違反した場合、ラボバンクの負債が資産を上回った場
合、ラボバンクが期日までに債務および負債を返済できない場合、または近い将来このような事態に陥ると判断
するに足る客観的要素が存在する場合に、破綻するまたは破綻する可能性が高いと判断される。
SRB の破綻処理ツールには、破綻寸前の銀行の財政状態を強化し適切な事業再構築のもとに継続企業として存
続させることを目的とした、事業またはその一部の売却、ブリッジ金融機関ツール、資産分離ツールならびに債
務(社債等)の元本削減および株式やその他の保有証券への転換を可能にするベイル・イン・ツールが含まれ
る。またSRBは、破綻処理を開始した銀行に対して、資本商品(期限付劣後債を含む。)を対象とした強制的な
元本削減を要求する権限も有する。かかる強制的な元本削減は、期限付劣後債を保有する投資家に損失をもたら
す可能性がある。
破綻処理ツールの適用および破綻処理権限の行使(これらの準備および実行を含む。)に際しては、SRBは問
題となっている金融商品、権利、資産または負債の譲渡につき、通常は制限や承認要件が課されている場合で
あっても、これらに関係なく権限を行使することができる。当該権限が行使されれば、投資家の債権に対する払
い戻しに充てることのできる発行体の資産の減少につながる可能性がある。
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欧州銀行規制改革に関するリスク
2016 年11月23日に、欧州委員会は、とりわけCRD IV、CRR、BRRDおよびSRM規制内のいくつかの規定を改正する
ことを発表し、当該改正は2019年4月に採用された欧州銀行規制改革パッケージ(「欧州銀行規制改革」)に盛
り込まれた。当該改正は、特に総損失吸収能力(「TLAC」)の最終基準の導入および当該基準とMRELとの相互関
係の明確化を目的としたものである。これらの最終的な対象範囲、性質、タイミングおよび結果的に生ずる義務
ならびに導入後に発行体が受ける影響については、現時点で発行済のMREL適格商品が今後どう推移するかを含
め、保証することはできない。
介入法、BRRD、SRMおよび欧州銀行規制改革は、発行体の信用格付の低下および資金調達コストの増加につな
がる可能性があり、発行体の資金調達能力、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性がある。資本不足に
陥った場合、事業再構築に係る国の救済を受ける資格を得るためには、発行体はまず劣後債務(期限付劣後債お
よび/または非優先シニア債を含む場合もある。)の自己資本への転換を含めた、可能な限りの全ての資本増強
策を自らの手で講ずる必要がある。
また投資を検討する者は、グループに対して適用される破綻処理枠組みに関連するリスクの記載されている
「自己資本および適格債務の最低必要額の調達に困難が生じた場合、グループの事業、財政状態および業績に著
しい悪影響が及ぶ可能性がある」とのリスク項目も参照のこと。
自己資本および適格債務の最低必要額の調達に困難が生じた場合、グループの事業、財政状態および業績
に著しい悪影響が及ぶ可能性がある
ベイル・インおよびBRRDが導入したその他の破綻処理機能の有効性を確保するため、BRRDは、総負債および自
己資本の割合として算出され、該当破綻処理機関が規定する、個別の自己資本および適格債務の最低必要額
(「MREL」)の要件を満たすことを(ラボバンクを含む)全ての機関に対して要求している。
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BRRD およびSRBの2018年MREL方針枠組みに基づく、法的拘束力を有するラボバンクのMREL要件は、2019年に更
新され、総負債(TLOF)の9.64%(2017年のリスク加重資産(「RWA」)に対する割合に換算すると28.58%に相
当)に設定された。2016年5月23日に欧州委員会によって採択されたMRELを決定する要件の規制技術基準
(「MREL RTS」)に基づき、指定期間内に新たな要件を満たすために、グループが追加で大量のMREL適格負債を
発行する必要が生じる可能性がある。その結果、グループの資本コストおよび資金調達コストの増加を招き、グ
ループの利益に悪影響が及ぶ可能性がある。さらには、MREL枠組みは今後数年のうちに大幅に変更される可能性
がある。例えば、欧州銀行改革によって既存のMREL枠組みは最近変更され、さらにCRD IV、CRR、BRRDおよびSRM
規制に係る変更も提案されている。今後の変更によってもまた、グループは追加的な規制上の自己資本の増加ま
たは流動性バッファの増加を求められる可能性があり、グループの財政状態および業績に悪影響が及ぶ可能性が
ある。結果として、MRELがもたらす義務の最終的な範囲、性質、タイミング、開示および違反の影響または実施
された時点でラボバンクに及ぼす影響について保証することはできない。グループが、MRELの適格債務を増やせ
ない場合、その他の事業における貸付または投資を減らす必要があり、これは、グループの事業、財政状態およ
び業績に著しい悪影響を及ぼす。加えて、上記の要件および上記の要件を満たすグループの能力に関する市場認
識は、社債の市場価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
グループの規制上の最低自己資本要件および流動性要件がさらに厳しくなれば、グループの事業、財政状
態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある
CRD IV (以下に定義される。)の下、(ラボバンクを含む)機関は、最低でも、グループの合計リスクエクス
ポージャーの8%に相当する規制上の自己資本(「リスク加重資産」)を保有しなければならない(そのうちの
4.5%が普通株等Tier 1資本でなければならない)。これらのいわゆる最低要件または「第1の柱」「自己資
本」要件に加え、CRD IV指針は資本バッファ要件も導入しているが、これは最低「自己資本」要件とは別物であ
り、普通株等Tier 1資本で満たされる必要がある。CRD IV指針は、(i)資本保全バッファ、(ii)機関特有のカウ
ンターシクリカル資本バッファ、(iii)グローバルなシステム上重要な機関を対象とするバッファ(「G-SIIバッ
ファ」)、(iv)その他のシステム上重要な機関を対象とするバッファ(「O-SIIバッファ」)および(v)システ
ミックリスク・バッファの5つの資本バッファについて規定する。資本保全バッファ(2.5%)、システミック
リスク・バッファ(現在3.0%に設定されているが、Covid-19の蔓延がオランダ経済に与える影響を抑えるため
DNBによって2.0%に引き下げられている)およびカウンターシクリカル資本バッファ(2019年12月31日現在
0.06%)は全てグループに適用され、その他のバッファの一部または全ても、ECB、オランダ中央銀行
(「DNB」)またはその他当該時点の管轄当局の判断に従い、随時グループに適用される可能性がある。第2の
柱に係る要件および/または資本バッファ要件(DNBによるシステミックリスク・バッファの引き上げを含
む。)が増加すれば、グループは、CET1比率ならびに資本およびMRELの総額の引き上げを求められる可能性が
あり、グループの事業、財政状態および業績に著しい悪影響が及ぶ可能性がある。
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上記の「第1の柱」および資本バッファ要件に加え、CRD IVは、最低「自己資本」要件では完全に掌握できな
いリスクに関連して(「追加自己資本要件」)、またはマクロプルーデンス要件に対応するため、管轄当局が機
関に対して追加的な「第2の柱」の資本を維持するよう要求する可能性について検討している。
2019 年12月15日に、ラボバンクは、監督上の検証・評価プロセス(「SREP」)に従い決定された、2020年ECB
資本要件を公表した。ECBの決定は、ラボバンクが、連結および非連結ベースで9.75%の合計SREP資本要件を維
持することを要求している。この要件は、8%の最低自己資本要件および1.75%の第2の柱の要件(「P2R」)
で構成される。合計普通株等Tier 1資本比率の最低要件は6.25%であり、これは第1の柱の最低要件(4.5%)
およびP2R(1.75%)によって構成されている。2020年4月8日付で、ECBはP2Rについて、「従来の決定の下で
は、監督対象法人および(もしいれば)ECBのその他の名宛人は、P2Rを最低でも56.25%のCET1資本および75%
のTier 1資本のかたちで保有することを求められていたが、これに代わり普通株等Tier 1(CET1)資本のかた
ちで保有することとする」旨をラボバンクに通知した。これにより合計普通株等Tier 1資本比率の最低要件は、
実質的に0.77%引下げられることになる。
さらに、ラボバンクは、資本保全バッファ(2019年度は2.5%)、DNBが2019年度につき設定した3.0%のシス
テミックリスク・バッファ(目論見書の日付現在、Covid-19の蔓延がオランダ経済に与える影響を抑えるため
DNBによって2.0%に引き下げられている)およびカウンターシクリカル資本バッファ(2019年12月31日現在
0.06%)で構成され、CET1要件に加えて適用しなければならない、複合バッファ要件も遵守することを求めら
れている。DNBによって課されるシステミックリスク・バッファの一時的な引き下げを考慮した場合、これはす
なわち2020年度の普通株等Tier 1資本要件が合計10.04%となることを意味する。目論見書の日付現在、グルー
プはこれらの要件を満たしている。オランダでは、カウンターシクリカル資本バッファは現在DNBによって0%
に設定されている。ただし、DNBおよび(オランダ国外のエクスポージャーについては)現地の規制当局がカウ
ンターシクリカル資本バッファを0%以外の水準に設定する場合があり、2019年12月31日現在カウンターシクリ
カル資本バッファは0.06%に設定されている。さらにDNBは、事態が正常化され次第、カウンターシクリカル資
本バッファを段階的に2.0%まで引き上げることで、システミックリスク・バッファの削減分を補うとしてい
る。
ECB の決定は、ラボバンクが非連結ベースで8.75%のCET1比率を維持することも要求する。この8.75%の資本
要件は、第1の柱の最低要件(4.5%)、P2R(1.75%)および資本保全バッファ(2019年度は2.5%)で構成さ
れる。
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現在ラボバンクは、グループに適用される複合バッファ要件よりも高い水準の、普通株等Tier 1資本で構成さ
れる内部管理バッファを維持する考えである。資本要件に関する新たな規則につき予測される影響を見込み、グ
ループはその戦略的枠組み2016-2020の一環として、当該戦略を更新し、長期目標としてCET1比率を最低14%と
することを掲げているが、この目標比率が維持される保証はない。この目標は、(規制の)動向次第では見直さ
れる可能性がある。2019年12月31日付のグループのCET1比率は16.3%、2019年12月31日付のグループのCET1単
独比率は16.8%となった。しかし、ラボバンクがこのような内部管理バッファを維持し続けるとの保証、またこ
のようなバッファが、複合バッファ要件に対する違反とその結果生じる普通株等Tier 1およびその他Tier 1商品
に対する支払制限を回避するために十分であるという保証はない。
グループは、グループが保有する資本資源がその規制上の最低自己資本要件、追加自己資本要件、または資本
バッファ要件を満たすだけの十分な水準に達しないリスクという、規制を受ける全ての金融事業に内在するリス
クに晒されている。経済状態または金融市場における好ましくない傾向が悪化すれば、自己資本要件はより厳し
くなる可能性がある。グループが「第1の柱」に基づく規制上の最低自己資本比率、「第2の柱」に基づく追加
自己資本要件または資本バッファ要件を維持できなければ、行政処分または制裁措置を受ける可能性があり、こ
れはグループの業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。利用可能な自己資本の不足は、グループの機会を制
限する可能性がある。
2017 年12月にバーゼル銀行監督委員会(「バーゼル委員会」)はバーゼルⅢの改正(業界内においては「バー
ゼルIV」とも称される。)を最終確定した(「バーゼルⅢ改正」)。
バーゼルⅢ改正のうち、グループへの影響が最も大きいのは信用リスクに係るRWA(REA)につき標準化された
フロアであると予測される。信用リスクに係るRWA(REA)につき新たに標準化された計算方法に関する基準に
は、(i)新たなリスクドライバーの導入、(ii)より大きなリスクウェイトの導入、および(iii)信用格付への機械
的依存の軽減(銀行に十分なデュー・デリジェンスの実施を義務づけること、および外部信用格付の利用を望め
ないまたは望まない法域向けに格付に基づかずかつ十分に詳細なアプローチを開発することによる。)が含まれ
ている。先進的手法に基づく計算と新たに標準化された方法に基づく計算とでは住宅ローンにつき算出される
RWA(REA)に大きな違いが生じることから、標準化されたRWA(REA)フロアの導入は、グループのリスク加重資
産の計算に対して著しい影響を及ぼすと予測され、またこれに比べ程度としては小さいがラボバンク・グループ
の法人に対するエクスポージャーにも影響を及ぼすと見込まれる。
グループに適用されている規制上の自己資本要件、流動性制限または比率が将来的に引き上げられた場合、当
グループが引き上げられた当該資本および流動性比率を維持できなければ、行政処分または制裁措置を受ける可
能性があり、グループの事業、財政状態および業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
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適格な従業員を確保し引きつける発行体の能力は事業の成功に欠かせず、それを怠れば発行体の事業、財
政状態および業績に著しい悪影響が及ぶ可能性がある
グループの成功の大部分は、その上級経営陣およびその他の重要な従業員の能力および経験に依存している。
グループに勤務する特定の重要な従業員を失うこと、特に競合する他社に奪われることは、グループの事業、財
政状態および業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。適任な従業員を十分に確保または維持することができ
なければ、ラボバンクの財務計画、成長およびその他の目標の達成が大きく阻害され、その事業、財政状態およ
び業績に著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
セクションD:租税リスク
租税リスク
グループは、事業を展開する全ての国において当該国の税法を適用されている。該当租税は主に、法人税、給
与税、付加価値税、銀行税および源泉徴収税に分類される。租税リスクとは、税法および税法の解釈の変更に関
連するリスクである。これには税率の変動に伴うリスクおよび税務当局より義務付けられている手続の不遵守の
リスクも含まれている。租税リスクの管理に失敗すれば、追加の課税につながる可能性がある。また、義務付け
られている納税手続および税法に関するその他の事項を遵守できなければ、金銭的処罰にもつながりかねない。
ある特定の租税リスクが実体化した結果として特定取引に関連する税費用が予想を超えた場合、当該取引の収益
性に影響を与える可能性があり、これはグループの事業、財政状態および業績に著しい悪影響を及ぼすか、規制
上の執行措置につながる可能性またはラボバンクの評判に悪影響を及ぼす可能性がある。
銀行税
2012 年に、オランダ政府は、オランダにおいて銀行業を営むことを許可されている全ての事業体に対して銀行
税を導入した。かかる税は、該当する銀行の前会計年度末時点における貸借対照表の負債の合計に基づいてお
り、保証スキームの対象となる株式および預金、ならびに保険事業に関連する特定の負債は除外する。短期の資
金調達に係る負債に対する課税は、長期の資金調達に係る負債に対する課税の2倍である。2019年度中に、グ
ループは、合計133百万ユーロの銀行税(2018年度:139百万ユーロ、2017年度:161百万ユーロ)を課せられ
た。
さらに、2019年度中にラボバンクが支払いを求められた賦課金は、アイルランドにおいてマイナス2百万ユー
ロ(2018年度:20百万ユーロ、2017年度:7百万ユーロ)、ベルギーにおいて10百万ユーロ(2018年度:11百万
ユーロ)に上った。グループに対して課される銀行税が今後増加した場合、グループの事業、財政状態および業
績に対して著しい悪影響を及ぼす可能性がある。
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3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
下記「(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照。
中核事業を強化しつつ新境地を目指す
2019年度はダイナミックな1年であった。当行は不安定な政治および経済、ならびに長引く低金利に対処しな
ければならなかった。その結果は本年度の業績に明確に現れている。この困難な環境においても当行は2.2十億
ユーロの純利益を計上することができ、戦略目標についても進展が見られた。受取利息はわずかに減少した一方
で、コストのさらなる削減を実現した。当行の資本基盤は改善され、その強固さを維持している。また当行は非
中核事業の売却を完了し、銀行の将来を保証するための投資を行ってきた。
2019年度中、社会の主要課題に対する当行の貢献も順調であった。例えば、当行は住宅市場の持続可能性の向
上やエネルギーの転換への投資を行ってきた。当行の子会社であるプロジェクト・ディベロッパーのBPDととも
に、当行は賃貸市場におけるボトルネックを解消すべく新築物件の建設に向け第一歩を踏み出した。この1年
間、当行はラボバンクの立ち上げたAGRI3ファンドおよびアフリカのラボバンク・ファウンデーションの活動等
を通じて、食物連鎖をより持続可能なものにするための国際的な取組みをさらに形あるものにしてきた。また当
行のオランダ国内の個人顧客がその経済的な自立を高められるよう支援し、負債問題を減らす取組みも行ってい
る。こうした取組みは、より良い世界の実現に向け手を取り合って活動するというミッションを、協同組合とし
てのラボバンクがどのように体現しているかを示す良い例である。
当行はこの数年の間に当行が成し遂げた変革に誇りを抱いている。当行の日常業務の中にも当該変革の成果が
現れ始めている。顧客満足度のみならず、従業員のエンゲージメントも上昇している。バランスシートは最適化
され、コスト水準は下がり、より効率的に業務を行うことができている。当行は個人顧客向けおよび法人顧客向
けのデジタル・サービス商品をいずれも大幅に拡大し改善してきた。金融システムの門番としての役割もより
いっそう果たせるようになってきているが、例えば業界内における協力体制の強化等を通じて、さらに上を目指
すことができるに違いない。
これらは全て当行の従業員および多くの加盟者の努力および積極的なコミットメントによって成し遂げられた
ものである。全ての方に感謝している。
当行の2019年度の利益は、2018年度に計上した3十億ユーロという記録的な利益を下回った。金利環境が当行
の業績に大きく響き、アフメアに対する当行の持分につき300百万ユーロの評価損につながった。RNAの売却は、
一度限りのものではあるが業績に対して342百万ユーロのプラスとなった。本年度の減損費用は、記録的に低い
水準となっていた過去数年間に比べ大幅に増加した。23ベーシスポイントとなった今、減損費用は再び標準的な
水準に戻ったといえよう。
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コストは4%削減され、収益に対する費用の比率は65.9%から63.8%に減少した。コストの動向を左右する要
因には、デジタル化およびITインフラへの巨額の投資、ならびにCDDおよびAML活動を含む規制および監督に関連
する支出が含まれる。しかし、当行は今後数年間のうちに収益に対する費用の比率を60%をわずかに上回る程度
にまでさらに向上させることを目指している。長期目標は55%前後とすることである。実際にどの程度達成でき
るかはやはり金利の変動次第である。
当行の資本基盤は引続き堅固である。普通株等Tier 1資本(CET1)比率は16.3%と規制要件およびラボバン
クの最低要件(14%)を十分に上回っている。0.3パーセンテージポイントの増加は、利益剰余金および非中核
事業の売却に一部起因する。当行の堅固な資本基盤は、ラボバンクが将来の影響、とりわけバーゼルIVの影響を
十分に緩和できるようにするものである。自己資本利益率は5.3%(2018年度:7.3%)となった。
貸付ポートフォリオは、RNAのポートフォリオの売却を除いた場合、2019年度中に6十億ユーロ増加したこと
になる。これは主に国際的な食品・農業部門の成長およびリース子会社であるDLLにおける成長によるもので
あった。基礎となる顧客からの預金は11十億ユーロ増加し、中でも国内リテール・バンキングにおける増加が顕
著であった。
中央銀行の施策および景気刺激策によってもたらされている低金利の影響が、以前にも増して当行に打撃を与
えている。当行は金利を標準的水準に戻す金融施策を当然歓迎する。経済は予測不能であり、気候変動の影響が
我々皆を襲っているのである。
北アメリカ(RNA)およびアイルランド(ACCローン・ポートフォリオ)の非中核事業ならびにインドネシアに
残るリテール事業の売却は、中核事業を育てるための余裕を生む。当行はオランダ国内および世界において当行
が長年強力な立場を維持している食品・農業部門に商機があると見ている。当行の当該立場は、規模の経済を
いっそう実現し当行の市場シェアを拡大する強固な基盤となっている。当行は所有から利用モデルへの移行とい
うトレンドが明確なリース市場にもまた商機があると見ている。当該市場において良い立場を有している当行の
子会社DLLにとって、かかるトレンドは興味深いチャンスを生むであろう。
金融システムの門番としての当行の役割は、次年度においても最優先事項となる。社会全体に向けた取組みを
共に行うために、当行は他の先導的立場にある銀行とも力を合わせている。当該協力なくして金融犯罪および不
正融資に真に立ち向かうことはできない。本年度中、当行は金融システムの門番としての当行の役割をさらに強
化すべく、人材および資産に大きな投資をしてきた。やはり次年度も当行はリスク管理、取引監視および顧客
デュー・デリジェンスを含む付随的課題に十分な注意を払うつもりである。
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多くのオランダの農家がその将来のために街頭で抗議を行った本年、当行はラボバンクがこれまでもこれから
もそのパートナーであり続けることを強調したい。当行はいっそう持続可能な土地利用および自然バランスを目
指す農業セクターの道のりを支援し続ける。同時に、当行は農家自身の将来の見通しに課題が生まれることも意
識している。次年度はかかる転換を支援するための取組みを積極的に強化する。
当行は中核事業を改善し続けると同時に新境地を目指す。当行は協同組合として、またオランダ国内および国
際的な食品・農業事業における当行の成長の一環として、社会の大きな転換に意義ある貢献をしたい。同時に、
当行には協同組合型のサービス提供の収益モデルを死守する務めがある。このため、当行は加盟者との距離をさ
らに縮められないか模索する。当行は顧客、社会および当行を取り巻く世界にプラスとなるソリューションを求
め、一体となって取組んでいく。
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(2) 生産、受注及び販売の状況
上記 「(1) 業績等の概要」を参照。
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(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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堅実な銀行
堅実な銀行であることは、当行の戦略の礎石となっている。全員が主体となり、常にリスクを意識する
ことにより、当行は適切な行為を極めて優れた方法で実行するよう努めている。
財務目標
当行は長期財務目標を確認した。現在の経営環境を受け、当行は現実と目標のバランスを取るかたちで2022年
度に向けての短期目標も設定した。続く低金利環境が、現在進行中のデジタル化への投資およびコンプライアン
ス費用の増加と組み合わさったことで、短期財務目標の見直しが必要となった。
2019 年 2018 年 2022 年 度
(単位:十億ユーロ) 長期目標値
12 月31日 12 月31日 目標値
CET 1比率
資本 16.3 % 16.0 % 14 % 超 14 % 超
自己資本利益率(ROE) 5.3 % 7.3 % 6-7% 8%超
1
収益性 63.8 % 65.9 % 60 % 台前半 50 % 台半ば
C /I比率
1 収益に対する費用の比率(賦課金を含む)
続く低金利環境の影響
当行は過去数年にわたり歴史的な低金利に悩まされてきたが、2019年度にはさらに大幅な金利の低下が見られ
た。ECBの施策により、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)の3ヶ月金利はオランダにおいてマイナス31ベーシスポ
イントからマイナス38ベーシスポイントまで引き下げられ、オランダ国債の10年金利はプラス39ベーシスポイン
トからマイナス5ベーシスポイントまで下落した。この結果、当行の多数の顧客について新規の貸付および更新
に係る利下げが生じた。新規の住宅ローンに係る金利は著しく低下した。他の金融機関と同様に、当行も預金金
利をさらに引き下げざるを得なかった。2019年度中に当行は中核的な貯蓄性預金口座の金利を3ベーシスポイン
トから1ベーシスポイントに引き下げた。これが結局当行の純金利マージンの低下を招き、2ベーシスポイント
減の139ベーシスポイントとなった。低金利環境にもかかわらず、当行の2019年度の純受取利息の減少は1%に
とどまった。
低金利環境
低金利環境は、ラボバンクを含む全ての銀行に重大かつデリケートなジレンマをもたらす。銀行は
ECBへの預金に対してマイナス金利を課され、業績には悪影響が及ぶ。それでも多くの民間顧客に対
してマイナス金利を設定することは望ましくないと当行は考えており、この立場を将来にわたって維
持できるよう最善の努力を尽くしている。中央銀行による現在のような極端な金利政策および景気刺
激策が続く限り、今後も同様の課題に直面することが見込まれる。ラボバンクは金利の正常化を目指
す金融政策を歓迎する。
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効率性の向上には厳しい環境
当行の組織全体について業務の有効性と効率性をさらに高めるため、当行は既に複数のステップを踏んでき
た。しかし状況は厳しい。低金利環境の影響および当行の収益成長に対するその悪影響は、目に見えるかたちで
現れている。加えて、デジタル化ならびに顧客の本人確認(KYC)(顧客デュー・デリジェンス(CDD)および取
引監視(TM))といった規制課題に関連するプロジェクトへの投資が営業費用の削減を抑制してきた。2019年度
中、賦課金を含む収益に対する費用の比率は2.1パーセンテージポイント改善され63.8%(2018年度:65.9%)
1
となった。複数の例外項目 が収益に対する費用の比率に影響を与えた。63.5%(2018年度:63.9%)に改善さ
れた、基礎的な収益に対する費用の比率を計算する上では、これらの項目について調整が行われた。
1 例外項目には次のものが含まれる:公正価値により評価される項目(2019年度および2018年度)、RNAの売
却益(2019年度)、事業再構築費用(2019年度および2018年度)、およびデリバティブ枠組みに係る追加
引当金(2018年度)。
2019 年度中に当行は業務の有効性と効率性をさらに向上させることを目的とした新たな経営モデル(バンキー
レン3.0)をオランダ国内で実施した。当該経営モデルの実施やその他の事業再構築に係る当行の取組みにもか
かわらず、総従業員数は2019年度中に増加した。デジタル化および当行のインフラストラクチャーの構造的改善
に投資することを意識的に選択したことが、当行の従業員数の増加につながった。規制課題に関連するプロジェ
クトのために追加採用した従業員と合わせ、DRBでは常勤換算従業員にして1,454人の増加となった。WRRにおけ
る従業員数はRNAを売却した結果、常勤換算従業員にして958人削減された。ルーラルの成長およびコンプライア
ンス関連の業務のため、主に北アメリカ、オーストラリアおよびニュージーランドにおいて従業員の追加が必要
となった。事業の拡大に伴い、リース部門では常勤換算従業員にして157人の従業員が増員された。
当行の収益に対する費用の比率の改善は今後数年間も優先事項であり続ける。続く低金利環境ならびにデジタ
ル化および当行の(データ)インフラストラクチャーに対する継続的な投資の必要性に鑑み、収益に対する費用
の比率に係る当行の当面の目標は60%台前半とすることにした。長期目標は変わらず、収益に対する費用の比率
を50%台半ばとすることであるが、金利環境が標準的な水準に戻ることが条件となる。
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バランスシートの柔軟性を高める
バーゼルIV等のまもなく導入される規制を念頭に、当行は将来的にバランスシートの柔軟性を高めるべくイン
フラストラクチャーおよび手続きを整えてきた。2019年度中、当行は非中核事業の削減において大きく前進し
た。8月にはラボバンク・ナショナル・アソシエーション(RNA)のメキャニクス・バンクへの売却を完了し、
その対価は合計約2.1十億米ドルとなった。バンキング・フォー・フード戦略に沿い、食品・農業部門の資産の
うち約5十億米ドルは当該売却の対象外とされRNAからラボ・アグリファイナンス(RAF)に譲渡された。当該売
却により、米国において食品・農業事業をさらに拡大するための強固な基盤が形成される。5月には元々ACC
ローン・マネジメント(ACC)の保有していた担保貸付ポートフォリオをゴールドマン・サックスとカーバル・
インベスターズの合弁企業に売却し、無担保貸付ポートフォリオはキャボットに売却した。当該売却はいずれも
2019年度中に完了し、その合計額は約800百万ユーロに上った。インドネシアのリテール事業から段階的に撤退
することを決定した当行は、2019年12月、ラボバンク・インターナショナル・インドネシアのリテール事業をバ
ンク・セントラル・アジア(BCA)に売却するための取引書類に署名した。当該取引は2020年度の第2四半期に
完了する見込みである。
当行はホールセールによる資金調達への依存度を抑制することを目指している。当行のホールセールによる資
金調達の合計残高は2015年度末以来51十億ユーロ減少し、2019年12月31日時点で152十億ユーロとなった。当行
は資金調達構成をいっそう多様化および最適化するため、今後数年間非優先シニア債(NPS債)およびカバード
ボンドの発行を継続する。
堅固な資本基盤の維持
当行は自己資本比率(BIS比率)について明確な目標値を設定している。2019年度中、当行は自己資本比率
(BIS比率)をさらに強化した。当行の普通株等Tier 1資本(CET 1)比率は、2019年12月31日現在、16.3%
(2018年度:16.0%)まで上昇している。当該数値は目標値を十分に上回っており、バーゼルIV枠組みの導入お
よび想定されるTRIMの影響に際しても順調といえる。 当行の純利益の一部を利益剰余金に繰り入れたことによ
り、当行のCET 1資本は増加し、最終的にCET 1比率に対して0.6パーセンテージポイント分のプラスの影響が
生じた。当該プラスの影響は、リスク加重資産の増加により部分的に抑えられている。当行のMREL要件は
28.58%であり、自己資本と非優先シニア(NPS)債との組み合わせによって当行は当該要件を充足することがで
きる。MRELバッファをリスク加重資産で割った比率は、主に利益の留保および新たなMREL適格証券の発行によっ
て、2019年度中28.2%から29.3%へとさらに増加した。2019年度中、当行はNPS債を複数発行し、MRELバッファ
を約4.7十億ユーロ増加させた。
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バーゼルIVの影響を十分に吸収できる状態
バーゼルIVを想定し、当行は今後も引続き自己資本比率(BIS比率)の強化を行っていく。2019年度中、当行
のリスク加重資産は増加し205.8十億ユーロ(2018年度:200.5十億ユーロ)となった。当該増加の一部は、TRIM
およびその他のモデル変更に伴うリスク加重資産の評価額の増加によるものであり、すなわちバーゼルIVの影響
の一部を既に吸収している。プロフォーマ計算に基づき、当行はバーゼル委員会提言の影響のうち今後生じるも
のによって、リスク加重資産が(リスク削減策実施前の)完全適用ベースで約25%から28%増加すると見込んで
いる。リスク削減策を考慮した場合、増加幅は25%未満となると予想される。また当行は、TRIMおよびその他の
モデル変更(DNBの発表したマクロ・プルデンシャル住宅ローン対策等)によって、今後生じる影響の一部を
2022年度までに吸収できるものと見込んでいる。今後生じるバーゼルIVの影響に係る予測は、提言に対する当行
の現在の解釈(信用リスク、オペレーショナルリスク、市場リスク、CVA、および統合された資本フロアを含
む。)およびバーゼル提言に関連して現在想定される選択肢に基づくものである。バーゼルIVの最終的な影響
は、以下によって軽減することができる可能性がある。
・ 例えば信用供与枠および未使用信用枠の削減といった商品およびポートフォリオの構成の変更
・ 資産の分配
・ データ・マッピング、収益に係るデータの蓄積方法の改善、担保情報および外部格付等のデータの改善、
ならびに/または
・ 長期資産の再評価
バーゼル委員会の直近の提言は、まだEUの法令として法制化されていない。2019年末に欧州委員会は欧州銀行
監督機構(EBA)への諮問とは別に協議を開始した。EUの法令として最終的にいつ施行されるかは、その後欧州
理事会および欧州議会の承認を得る必要のある法案を欧州委員会がどの程度早く発表するか次第である。今後も
当行はバーゼルIV枠組みのEUにおける法制化に関する数々の不明点について、規制当局および政治家との積極的
な対話を継続する。
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当行の財務業績
ラボバンク
低金利環境が当行の2019年度の業績に影響した。純受取利息は減少し、下がり続ける金利と現在の経済
見通しが組み合わさったことにより、アフメアに対する当行の持分は300百万ユーロの減損となった。数年
にわたり減損費用は極めて低く抑えられていたが、金融資産に係る減損費用はより標準的な水準(23ベー
シスポイント)に戻った。その結果、純利益は801百万ユーロ減少し2,203百万ユーロとなった。当行は
2019年度中に費用の削減を行ったが、デジタル化への投資および規制課題に関連する施策に係る費用の増
加により、削減の程度は抑えられた。
当行の業績は、RNAのメキャニクス・バンクへの売却およびアフメアに対する当行の持分の減損といった
1
例外項目の影響を受けた。当該事項について修正を行った場合 、税引前基礎的営業利益は3,294百万ユー
ロ(2018年度:4,193百万ユーロ)となる。基礎的収益は減少したにもかかわらず、基礎的な収益に対する
費用の比率(賦課金を含む)は63.5%(2018年度:63.9%)に改善された。自己資本利益率(ROE)は
5.3%(2018年度:7.3%)となった。
RNA の売却が当行の貸付ポートフォリオの規模および預金額にマイナスの影響を与えた。当該売却につき
調整を行った場合、当行の民間セクター向け貸付ポートフォリオは6.3十億ユーロ増加し、顧客からの預金
は10.5十億ユーロ増加したことになる。貸付はWRRおよびDLLにおいて増加し、DRBにおける預金は2019年度
中に16.4十億ユーロ増加した。
1 経常外項目には、公正価値により評価される項目に係る業績、RNAの売却、事業再構築費用、デリバティブ回復枠組み
に係る追加引当金およびアフメアに対する当行の持分の評価損が含まれる。
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ラボバンクの財務業績
業績
2019 年 2018 年
単位:百万ユーロ 増減率
12 月31日 12 月31日
純受取利息 8,483 8,559 -1 %
純受取手数料 1,989 1,931 3 %
その他収益 1,443 1,530 -6 %
収益合計 11,915 12,020 -1 %
人件費 4,821 4,868 -1 %
その他一般管理費 1,874 2,190 -14 %
減価償却費および償却費 420 388 8 %
営業費用合計 7,115 7,446 -4 %
総利益 4,800 4,574 5 %
関連会社に対する投資の減損損失 300 0 -
金融資産に係る減損費用 975 190 413 %
賦課金 484 478 1 %
税引前営業利益 3,041 3,906 -22 %
法人税等 838 902 -7 %
当期純利益 2,203 3,004 -27 %
金融資産に係る減損費用(単位:ベーシスポイント) 23 5
比率
収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 63.8 % 65.9 %
基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金を含む) 63.5 % 63.9 %
自己資本利益率(ROE) 5.3 % 7.3 %
貸借対照表 (単位:十億ユーロ)
資産合計 590.6 590.4 0 %
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 417.9 416.0 0 %
顧客からの預金 342.5 342.4 0 %
内部 従業員数(常勤換算従業員) 34,451 35,850 -4 %
外部従業員数(常勤換算従業員) 9,371 7,397 27 %
総従業員数(常勤換算従業員) 43,822 43,247 1 %
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ラボバンクの財務業績に関する注記
純利益:2,203百万ユーロまで減少
収益の減少および金融資産に係る減損費用の増加により、純利益は前年度と比べ27%減となる2,203百万ユー
ロ(2018年度:3,004百万ユーロ)となった。続く低金利環境が、純受取利息の減少とアフメアに対する当行の
持分の300百万ユーロの減損の両方を招いた。金融資産に係る減損費用は、975百万ユーロ(2018年度:190百万
ユーロ)に増加した。継続する営業費用の減少傾向およびRNAの売却が、純利益にプラスの影響をもたらした。
基礎となる業績:21%減
続く低金利環境の収益に対する影響および金融資産に係る減損費用の増加が、2019年度における基礎となる利
益の減少の原因である。税引前基礎的営業利益は、899百万ユーロ減少し3,294百万ユーロとなった。2019年度
中、基礎的な収益に対する費用の比率(賦課金を含む)は63.5%(2018年度:63.9%)に改善された。
税引前基礎的営業利益の変動
(単位:百万ユーロ) 2019 年12月31日 2018 年12月31日
収益 11,915 12,020
公正価値により評価される項目 162 115
収益に対する調整
RNA の売却 -372 0
基礎的収益 11,705 12,135
営業費用 7,115 7,446
事業再構築費用 93 120
費用に対する調整 デリバティブ枠組み 40 52
RNA の売却 30 0
基礎的費用 6,952 7,274
基礎的総利益 4,753 4,861
関連会社に対する投資の減損損
アフメアに係る減損損失 300 0
失
金融資産に係る減損費用 975 190
賦課金 484 478
税引前営業利益 3,041 3,906
合計調整額 253 287
税引前基礎的営業利益 3,294 4,193
ラボバンクは2019年度中、資本を増強するため純利益のうち1,295百万ユーロ(2018年度:1,894百万ユーロ)
を留保した。法人税等は838百万ユーロ(2018年度:902百万ユーロ)となり、実効税率は28%(2018年度:
23%)であった。税率の増加は、その他Tier 1資本商品の大部分が2019年1月1日以降、税務上損金算入の対象
とならなくなったことに一部起因する。
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収益はわずかに減少
純受取 利息:1%減
純受取利息は本年度中、合計8,483百万ユーロ(2018年度:8,559百万ユーロ)となった。かかる1%の減少
は、継続する低金利環境によるものであり、特に貯蓄性預金および当座預金へのマージンに影響を及ぼしたが、
その影響の一部は新規貸付に係る安定的かつ堅調なマージンによって軽減された。平均純利息マージンは、純受
取利息を平均総資産で除することにより計算されるが、平均総資産のわずかな増加と純受取利息の減少により、
2018年度の1.41%に対して2019年度は1.39%となった。
純受取手数料:3%増
純受取手数料は、3%増加し1,989百万ユーロ(2018年度:1,931百万ユーロ)となった。地方ラボバンクにお
いては、支払勘定および保険に係る純受取手数料が増加した。WRRにおいては、キャピタル・マーケッツおよび
M&A部門における案件の取扱高が低下したため、純受取手数料はやや減少した。DLLにおける純受取手数料は、主
に米国におけるシンジケート・ファイナンス・リースによって得られる手数料の増加により、17%増加した。
その他利益:6%減
その他利益は1,443百万ユーロ(2018年度:1,530百万ユーロ)まで減少した。結局、公正価値により評価され
る項目に係る総損失は、2018年度が115百万ユーロの損失であったのに対し2019年度は162百万ユーロの損失とな
り、前年度に比べ増加した。RNAの売却がWRRにおけるその他利益を引き上げた。市場条件が相対的に好ましくな
かったために、マーケッツ部門およびラボ・コーポレート・インベストメント部門の業績は2018年度ほど力強い
ものとはならなかった。不動産部門におけるその他利益は46%減少したが、これは2018年度の利益にFGHバンク
の非中核CRE貸付ポートフォリオの最終売却分による利益が含まれていたためである。また2018年度にBPDマリナ
ンを売却したため、BPDの数値には同子会社の利益は含まれなくなった。DLLにおけるその他利益は7%減少した
が、これは2018年度にDLLの海外事業に係る引当金の取崩しが行われたためである。
営業費用:4%減
人件費:1%減
2019 年度のラボバンクの総従業員数(外部採用従業員を含む。)は、常勤換算従業員にして575人増加し
43,822人(2018年度:43,247人)となった。DRBにおける従業員数の増加の大部分は、顧客の本人確認(KYC)
(顧客デュー・デリジェンス(CDD)および取引監視(TM))ならびにデジタル化のための追加人員を採用した
ことに起因するものである。当該増加は、オランダにおける新たな運営モデル(バンキーレン3.0)の実施によ
る従業員の削減によって一部相殺された。RNAの売却の結果、WRRにおける従業員数は常勤換算従業員にして958
人減少した。当該減少は、ルーラルにおける事業拡大ならびにデジタル化およびコンプライアンス関連業務を支
えるための従業員の増員によって一部相殺された。DLLにおいては、事業の拡大に合わせて従業員数も予定どお
り増加した。2019年度中、常勤換算従業員は全体として増加したものの、平均従業員数は1%減少し、結果的に
人件費も1%減少して4,821百万ユーロ(2018年度:4,868百万ユーロ)となった。
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その他一般管理費:14%減
その他一般管理費の合計は、1,874百万ユーロ(2018年度:2,190百万ユーロ)まで減少した。DRB、リースお
よび不動産部門においては、一般管理費は2018年度と比較し減少した。不動産部門における減少の大部分は、事
業の段階的な撤退によるものである。コンプライアンス費用の増加により、その他一般管理費は引き上げられ
た。
減価償却費および償却費:8%増
減価償却費および償却費が420百万ユーロ(2018年度:388百万ユーロ)に増加した主因は、IFRS第16号ならび
に北アメリカ、アジアおよび欧州における建物および不動産、設備および装備の減価償却費の増加にある。
関連会社に対する投資の減損損失
2019 年度中、税引前営業利益はアフメアに対するラボバンクの持分に係る300百万ユーロの現金支出を伴わな
いテクニカルな減損によって圧迫された。金利が継続して低く設定されていることが、アフメアのような欧州の
保険業界に身を置く企業に引続きマイナスの影響を与えている。金融環境はこれまでもアフメアの事業および業
績に悪影響を及ぼしており、今後の将来においても及ぼし続けるものと予想される。かかる動向が、アフメアに
対する投資の価値を評価する引き金となった。潜在的な減損が生じているか否かを確認するためのテストが、当
行のアフメアに対する投資の帳簿価額の下方修正に結びついた。
金融資産に係る減損費用
2019 年度の金融資産に係る減損費用は、975百万ユーロとなった。減損費用については、特別に少ない期間を
経て、より標準的な水準に戻ってきている。当該金額は2018年度に対して785百万ユーロの増加に当たる。金融
資産に係る減損費用は23ベーシスポイント(2018年度:5ベーシスポイント)となったが、これは依然として長
期平均(2009年度から2018年度)の32ベーシスポイントを下回っている。IFRSにおいて採用されるマクロ経済シ
ナリオがやや楽観的でなくなったことにより、ステージ1およびステージ2の減損費用は236百万ユーロ(2018
年度:マイナス72百万ユーロ)となった。
2019 年12月31日現在、不良債権(NPL)は15.7十億ユーロ(2018年度:18.4十億ユーロ)まで減少している。
NPL比率は3.0%(2018年度:3.5%)となり、NPL引当率は20%(2018年度:22%)となった。オランダの好調な
景気およびACCの貸付ポートフォリオの売却が、NPLのさらなる減少およびNPL比率の改善に貢献した。
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バランスシートの動向
バランスシート
(単位:十億ユーロ) 2019 年12月31日 2018 年12月31日
現金および現金同等物 63.1 73.3
顧客に対する貸出金および預け金 440.5 436.6
金融資産 17.4 23.9
他行に対する貸出金および預け金 29.3 17.9
デリバティブ 23.6 22.7
その他資産 16.7 16.0
資産合計 590.6 590.4
顧客からの預金 342.5 342.4
発行済債務証券 130.4 130.8
他行預り金 21.2 19.4
デリバティブ 24.1 23.9
金融負債 6.7 7.0
その他負債 24.4 24.7
負債合計 549.3 548.2
自己資本 41.3 42.2
負債および自己資本合計 590.6 590.4
基礎的な民間セクター向け貸付ポートフォリオは6.3十億ユーロ増加
ラボバンク・ナショナル・アソシエーション(RNA)のメキャニクス・バンクに対する売却が貸付ポートフォ
リオの増加を抑制した。RNAの売却につき調整を行った場合、民間セクター向け貸付ポートフォリオは6.3十億
ユーロ増加したことになる。RNAの貸付ポートフォリオを売却したにもかかわらず、当行は2019年度中の民間セ
クター向け貸付として1.9十億ユーロ増の417.9十億ユーロを計上した。国内リテール・バンキング(DRB)にお
いて、住宅ローン・ポートフォリオは、返済水準が高かったことおよびホール・ローンの売却取引が複数存在し
たことに起因してわずかに減少した。DRBの民間セクター向け貸付ポートフォリオ合計は、4.9十億ユーロ減少し
271.2十億ユーロとなった。RNAの売却を除いた場合、WRRの貸付ポートフォリオは7.8十億ユーロ増加し、当行の
リース子会社であるDLLのポートフォリオは2018年12月31日時点に比べ2.9十億ユーロ増加したことになる。全セ
グメントにつき統合された国内商業用不動産貸付エクスポージャーはさらに削減され、2019年12月31日付で19.8
十億ユーロ(2018年度:21.2十億ユーロ)となった。
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貸付ポートフォリオ
( 単位:十億ユーロ) 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
顧客に対する貸付および預け金の合計 440.5 436.6
うち:政府系取引先に対する貸付または預け金 2.0 1.9
リバース・レポ取引および証券貸借 13.6 12.9
金利ヘッジ(ヘッジ会計) 7.0 5.8
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 417.9 416.0
国内リテール・バンキング 271.2 276.1
ホールセール・ルーラル・アンド・リテール 112.4 109.0
リース 33.2 30.3
不動産 0.3 0.3
その他 0.8 0.3
2019 年12月31日現在の貸付ポートフォリオの地理的内訳(債務者の設立国に基づく)は、オランダが70%、北
アメリカが10%、ヨーロッパ(オランダ以外)が8%、オーストラリアおよびニュージーランドが6%、ラテン
アメリカが4%、アジアが2%であった。
1
セクター別貸付ポートフォリオ
( 単位:十億ユーロ) 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
民間個人顧客に対する貸付 191.3 46 % 194.9 47 %
商業・工業・サービス業に対する貸付 119.4 29 % 118.0 28 %
うち:オランダ国内の貸付 82.4 81.5
うち:オランダ国外の貸付 37.0 36.5
食品・農業に対する貸付 107.2 26 % 103.1 25 %
うち:オランダ国内の貸付 37.9 38.1
うち:オランダ国外の貸付 69.3 65.0
民間セクター向け貸付ポートフォリオ 417.9 100 % 416.0 100 %
1 当該事業体の設立国に基づく。
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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基礎的な顧客からの預金は10.5十億ユーロ 増加
顧客からの預金の合計 は、342.5十億ユーロ(2018年度:342.4十億ユーロ)に増加した。RNAの売却が顧客か
らの預金を減少させた。当該売却につき調整を行った場合、顧客からの預金の合計は10.5十億ユーロ増加したこ
とになる。DRBにおける顧客からの預金は253.1十億ユーロ(2018年度:236.7十億ユーロ)まで増加した。その
他の部門における顧客からの預金は、主にRNAの売却により89.5十億ユーロ(2018年度:105.7十億ユーロ)まで
減少した。DRBにおける貯蓄性個人預金は4.6十億ユーロ増の123.7十億ユーロとなった。貯蓄性個人預金合計は
3.1十億ユーロ増の145.8十億ユーロとなった。
顧客からの預金
( 単位:十億ユーロ) 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
貯蓄性個人預金 145.8 142.7
国内リテール・バンキング 123.7 119.1
その他の部門 22.1 23.6
顧客からのその他の預金 196.7 199.7
国内リテール・バンキング 129.3 117.7
その他の部門 67.4 82.0
顧客からの預金合計 342.5 342.4
自己資本
2019 年度中、ラボバンクの自己資本は、複数の資本証券および信託優先証券IVを償還したことに一部起因し、
41.3十億ユーロ(2018年度:42.2十億ユーロ)に減少した。ラボバンクの2019年12月31日現在の自己資本のう
ち、68%(2018年度:64%)が利益剰余金および準備金、18%(2018年度:18%)がラボバンク証書、13%
(2018年度:17%)がハイブリッド資本および劣後資本証券、そして1%(2018年度:1%)がその他非支配持
分により構成されている。
自己資本の動向
( 単位:百万ユーロ)
2018 年12月末時点の自己資本 42,236
当期中の純利益 2,203
その他包括利益 49
ラボバンク証書およびハイブリッド資本に対する支払い -904
資本証券の償還 -3,159
信託優先証券IVの償還 -383
資本証券の発行 1,250
その他 55
2019 年12月末時点の自己資本 41,347
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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ホールセールによる資金調達
ラボバンクは、ホールセールによる資金調達の利用を積極的に削減してきた。これにより、当行が潜在的な将
来の金融市場の不安定性から受ける影響は少なくなる。2019年度中、ホールセールによる資金調達額は151.7十
億ユーロ(2018年度:153.2十億ユーロ)まで減少した。ホールセールによる資金調達の主な源泉は、短期およ
び長期の発行済債務証券である。
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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自己資本(BIS比率)の動向
資本目標に係る進展
自己資本比率(BIS比率)
自己資本比率(BIS比率)
(単位:百万ユーロ) 2019 年12月31日 2018 年12月31日
利益剰余金 28,910 28,062
予定される分配 -3 -46
ラボバンク証書 7,449 7,445
非支配持分のうち適格資本として扱われるもの 0 0
準備金 -753 -798
規制上の調整 -2,007 -2,553
経過措置に伴う調整 0 12
普通株等Tier 1資本
33,596 32,122
資本証券 4,951 3,721
適用除外対象証券 313 3,325
非支配持分 0 0
規制上の調整 -106 -100
経過措置に伴う調整 0 0
その他Tier 1資本
5,158 6,946
Tier 1 資本
38,754 39,068
劣後債務のうち適格資本として扱われるもの 13,299 14,274
非支配持分 0 0
規制上の調整 -92 -83
経過措置に伴う調整 0 0
Tier 2 資本
13,207 14,191
適格資本 51,961 53,259
リスク加重資産 205,797 200,531
普通株等Tier 1資本比率
16.3 % 16.0 %
Tier 1 資本比率
18.8 % 19.5 %
MREL バッファ 29.3 % 28.2 %
総自己資本比率(BIS比率) 25.2 % 26.6 %
自己資本比率 17.7 % 17.7 %
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー単体
16.8 % 16.0 %
(発行体レベル)の普通株等Tier 1資本比率
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2019 年12月31日現在、当行のCET 1資本比率は16.3%(2018年度:16.0%) となった。これは14%超という当
行の目標値を十分に上回っている。CET 1資本比率の上昇は、主に純利益を利益剰余金に繰り入れたことによる
ものであった。RWA(リスク加重資産)の増加が当該比率の上昇の一部を相殺した。当行のレバレッジ比率(す
なわち、当行のTier 1資本をオン・バランスの総資産およびオフ・バランスの負債で除した数値)は、CRR/CRD
IVに規定される定義に基づき算出される。2019年12月31日時点の当行のレバレッジ比率は6.3%(2018年度:
6.4%)であり、バーゼルⅢのガイドラインにおいて要求される3%の最低レバレッジ比率を十分に上回ってい
る。当行の資本戦略に沿って総自己資本比率(BIS比率)は25.2%(2018年度:26.6%)まで減らされたが、こ
れは主に複数の資本証券および信託優先証券の償還ならびにリスク加重資産の増加によるものである。
資金調達および流動性
規制上の自己資本
当行の規制上の外部必要資本はリスク加重資産の8%である。これはCRRおよびCRD IVが当行に保有を義務付
ける資本の最小額を意味する。当行の規制上の自己資本は、2019年12月31日時点で16.5十億ユーロ(2018年度:
16.0十億ユーロ)となり、このうち82%は信用および移転リスク、15%がオペレーショナルリスク、3%が市場
リスクに関係している。
当行は貸付ポートフォリオのほぼ全体について、信用リスクに係る規制上の自己資本を、監督当局が承認する
先進的IRB手法を用いて算出している。当行は、ECBとの協議により、比較的エクスポージャーが限定されている
ポートフォリオおよび先進的IRB手法に適さないオランダ国外のいくつかの少額ポートフォリオに標準的手法を
適用している。
オペレーショナルリスクは、先進的計測手法に基づくECB承認済みの内部モデルを用いて測定される。市場リ
スクに対するエクスポージャーついては、ECBは当行に対してCRRに基づく独自の内部バリュー・アット・リスク
(VaR)モデルを用いて一般および特定のポジションのリスクを算出することを許可している。
事業部門別の規制上の自己資本
(単位:十億ユーロ) 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
国内リテール・バンキング 6.0 6.5
ホールセール・ルーラル・アンド・リテール 6.7 6.6
リース 1.6 1.5
不動産 0.3 0.4
その他 1.7 1.0
ラボバンク 16.5 16.0
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自己資本および適格債務の最低基準(MREL)
当行は、万一ベイル・インが発生した場合にシニア債権者および預金者を保護することを目指している。その
ため、当行はベイル・イン時に最初に損失を吸収する自己資本、劣後債務および非優先債務による多くのバッ
ファを有している。
ラボバンクは、法的拘束力を有する自己資本および適格債務の最低基準(MREL)に関する単一破綻処理委員会
(SRB)による決定について、オランダ銀行(DNB)より正式な通知を受領した。MREL要件は、欧州連合の銀行が
潜在的な破綻に際して損失を吸収するための十分な自己資本および適格債務を有していることを確保するために
設けられた。SRBによって決定されたとおり、ラボバンクのMREL要件は連結レベルで設定されている。当該MREL
要件の基準調整は、当行の2017年度業績に基づき行われている。当該要件は、総負債および自己資本(TLOF)の
9.64%(これは2017年度のリスク加重資産の28.58%に相当する。)に設定され、その内訳には損失吸収額、資
本再編額および市場の信認に係る額が含まれている。当該基準調整は、BRRD I、EBA RTSおよび2018年度SRB
MREL方針に規定されるMRELに係る枠組みに基づき行われている。
改正されたMREL枠組みが含まれる、(「銀行業務リスク軽減パッケージ」の一部としての)CRR2およびBRRD
2の適用によって、銀行のMREL要件の変更が求められる可能性が高い。法規制の改正を反映した、改正後のSRB
MREL方針は、現時点ではまだ公表されていないが、2020年度中には公表される見通しである。BRRDと同様に、
CRR2およびBRRD2のMREL枠組みも、最低劣後性要件に従い、特定の条件下で、MREL要件の一部を優先シニア債
務で充足することを認めている。当行は、いずれは自己資本、(その他の)劣後債券および非優先シニアのみの
組み合わせによってそのMREL要件を充足できるようにしたいと考えている。そのため当行は、MREL適格資本およ
び債務によるバッファを、適格資本に適用除外対象であるその他Tier 1資本商品の非適格部分、満期日まで1年
以上あるTier 2資本証券の償却済部分および満期日まで1年以上ある非優先シニア債を加えたものとして定義し
ている。当行は2018年度および2019年度中に数多くの非優先シニア債を発行した。MREL適格資本および債務が
60.3十億ユーロ(2018年度:56.6十億ユーロ)すなわちリスク加重資産の29.3%(2018年度:28.2%)あれば、
MRELに係る要求について対応可能である。
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ
(単位:十億ユーロ) 2019 年 12月31日 2018 年 12月31日
適格資本 52.0 53.3
適用除外対象のその他Tier 1資本非適格部分
0.0 0.0
満期日までの残存期間が1年を超えるTier 2のうち償却
1.7 1.3
済みのもの
満期日までの残存期間が1年を超える非優先シニア債 6.7 2.1
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ 60.3 56.6
リスク加重資産 205.8 200.5
MREL 適格資本および非優先シニア債によるバッファ
29.3 % 28.2 %
/リスク加重資産
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第2の柱に基づく資本枠組み
欧州の銀行の自己資本健全性プロセスに関連する規則および規制は、CRR/CRD IVの包括的枠組みに定められ
ている。当該枠組みは、バーゼル委員会の提案した銀行業務ガイドライン(2010年12月のいわゆるバーゼルⅢ基
準)の正式なEU版である。CRR/CRD IVは、リスクおよび資本の管理について3本の柱を提示する。第1の柱は
信用リスク、市場リスクおよびオペレーショナルリスクに対する最低資本要件について、第2の柱は監督当局に
よる検証プロセス(SREP)について、第3の柱は銀行がその総合リスク特性を公表する市場規律についてのもの
である。
第2の柱は、自己資本比率要件を充足する上で必須となるプロセスを銀行および規制当局の双方について示し
ている。当該柱の主な対象分野は、第1の柱のリスクのうち規定の方法では十分にまたは適切に捉えることがで
きないと考えられるもの、第1の柱に基づく資本要件においては考慮されないリスク(例えば、金利リスク)、
および銀行外の要素(例えば、市況)である。加えて当行は、バーゼル銀行監督委員会(BIS)が2019年6月に
公表した「第2の柱による監督上のレビューの実務および手法」といった最新のベストプラクティス・ガイドラ
インのみならず、気候リスクやサイバー・リスク等の、日々その影響力を増している監督上のトレンドおよび業
界内のトレンドの把握にも最善を尽くしている。
第2の柱に基づく資本枠組みは、規制上の枠組みではリスクに対処できないまたは十分に対処できていないと
当行の考える全ての分野をカバーしている。当行は主に(1)規制上の資本要件に対抗し、(2)CRR/CRD IV
において対処されないリスクをカバーし、(3)当行の戦略的計画に対して影響を及ぼす可能性のある潜在的な
将来の事由または市況の変化を識別する、極めて統計的なアプローチおよび手法を編み出した。
第2の柱に関するモデルのアウトプットは、取引の採否の判断および価格設定、当行の運営に関する戦略およ
び計画の策定、ならびに業績の評価等、当行内において様々な目的に使用されている。さらに、規制当局および
監督当局は、資本水準を重要な監督手法の1つと見ている。したがって、第2の柱に基づく資本枠組みは、事業
の成長を支え、預金者および債権者からの信頼を維持し、かつ規制上の要件を遵守するために、適切な水準の資
本を確保することによって、安定的かつ効果的なリスク管理風土を当行内において推進するものとなっている。
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4 【経営上の重要な契約等】
該当なし
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5 【研究開発活動】
該当なし
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第4 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
該当なし
2 【主要な設備の状況】
該当なし
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当なし
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第5 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
該当なし。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには加盟者はいるものの、株主は存在しない。
② 【発行済株式】
該当なし。
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
(3) 【発行済株式総数及び資本金の推移】
発行済株式総数 資本金
年月日
増減数 残高 増減額 残高
600,180,000 ユーロ
2015 年12月31日現在 ― 6,001,800 株 ―
( 約70,743,217千円)
-600,180,000 ユーロ
2016 年12月31日現在 -6,001,800 株 ― ―
( 約-70,743,217千円)
2017 年12月31日現在 ― ― ― ―
2018 年12月31日現在 ― ― ― ―
2019 年12月31日現在 ― ― ― ―
上記「(1)株式の総数等」を参照。
(4) 【所有者別状況】
該当なし。
(5) 【大株主の状況】
該当なし。上記「(1)株式の総数等」を参照。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには加盟者はいるものの、株主は存在しない。2019年12月31日現
在、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーには約1.9百万人の加盟者がいる。
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2 【配当政策】
該当なし。
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3 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
(1) コーポレート・ガバナンス
当行の現在のガバナンス構造は、2016年1月から採用されている。地方ラボバンクの全てとラボバ
ンク・グループ・オーガナイゼーション は現在、 1つの銀行免許と1つの財務書類をもって、1つの
協同組合銀行 として運営している 。 地方および共同ガバナンス組織の加盟者は、定期的な評価におい
て、当該体制の全体的な機能の仕方に満足の意を示している。日々の実務において、当該体制は、そ
の価値、影響力および柔軟性を証明している。当行の加盟者に基づいたガバナンスの個性的な特徴
は、維持されている。これには、ボトムアップの意思決定プロセス、これに関連したリテール・バン
キングへの注力およびその比較的安定した収益の流れ、ならびに資本構築の主要資源としての留保利
益が含まれる。これらの特徴は、金融セクターにおけるラボバンクの特別な立場、 実体経済へのサー
ビス提供 に関する当行の長年の重点的な取り組み 、 そして 地域コミュニティの持続可能な発展に貢献
するという当行の 目標を保障している。
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ガバナンス組織の簡単な説明
ラボバンクのガバナンスは、常に適応性を有してきた。1895年にオランダ初の信用協同組合として設立されて
以来、ラボバンクは、戦略的な判断、社会風潮ならびに銀行業務および規制の展開に応じ、変化することができ
ている。過去のガバナンス体制のように、現在のガバナンス構造は、密に相互に関係しかつ作用している組織の
バランスのとれたシステムの上に成り立っている。
ガバナンスの決定的な特徴は、協同組合的な部分が銀行業務と密接に結びついていることである。ボトムアッ
プの意思決定は、加盟者の代表者が最終的に銀行の戦略的枠組みを承認することを必然的に伴う。以下のセク
ションに、ガバナンスの主な役割および責任について詳しく説明する。
協同組合ガバナンス
協同組合は、顧客が加盟者になることができ、加盟者が協同組合に正当性を付与することができるという事実
によって識別される。現在、当行の顧客の25%以上は、地方ラボバンクの加盟者である。当行は、協同組合刷新
プロジェクトの一部として、今後数年のうちに当該数値を大幅に上昇させることを目指している。ガバナンス組
織における加盟者の代表者は、地方ラボバンクおよび組織全体の方向性に重要な影響を及ぼしている。協同組合
ガバナンスの基本的な特徴として、別の所有構造を有する金融機関に比べ、加盟者は常に、多様な内部ダイナミ
クスおよび異なる(戦略的)方向性をもたらしている。
加盟者は、地方レベルで約90名から成る部門に分けられる。各部門内で、加盟者は、地方加盟者理事会
(LMC)の加盟者を指名、資格停止または免職する、1つまたは複数の代表者選考会に編成される。同理事会
は、30名から50名の加盟者から成る。同理事会の加盟者は、外界について議題に持ち出すことにより、ラボバン
クの事業を順調に進めることを助けている。LMCは、協同組合の資金がどのように使用されるかについて、重要
な発言権を有する。LMCは、地方ラボバンクの経営チームの「耳目」となり、議論の相手となる。また、LMCは、
地方ラボバンクの合併もしくは分割を承認する権利、または加盟者の計画方針に関して地方ラボバンクの経営
チームの会長にアドバイスを行う権利等、多数の正式な義務および責任を有する。LMCは、地方ラボバンクの財
政業績および地方ラボバンク経営チームの会長によって実行される方針、さらに地方監督委員会(LSB)の構成
員による監督を監視する。
LSB 構成員は、LMCによって指名され、LMCに対して説明責任を有しており、かつ、ラボバンクの加盟者でなけ
ればならない。LSBの権限は法令に由来するものではない。経営委員会は代わりに、地方ラボバンクの内部規則
に基づく特定の地方ガバナンス権限をLSBに委任している。
地方銀行および部門は、14の地域代表者会議に割り当てられ、当該会議において同じ地域の地方銀行および部
門が顔を合わせる。当該会議は、定款を基盤にしており、一般加盟者理事会(GMC)の準備のために重要なもの
である。地域代表者会議はまた、それぞれのラボバンクとの関係を強化し、地域社会に刺激を与えるにあたり地
方銀行が協力できる方法を協議する責任を負っている。当該会議では、一般的に地方銀行、ラボバンクおよび協
同組合銀行セクターの利益が議論される。
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LSB の会長は、一般加盟者理事会の加盟者の代表であるため、共同ガバナンスにおける主要なプレイヤーであ
る。地方レベルでは、LSBは戦略実施を監督している。この観点からすると、内部財務報告を含む、地方ラボバ
ンクの業務の一般的状況および(社会的および商業的)業績は、定期的にLSBの議題において取り上げられなけ
ればならない。個々の地方ラボバンクの内部財務報告も、LSBがその役割を正確かつ適切に果たすことができる
よう、新たなガバナンス構造に埋め込まれている。さらに、同組織は、地方ラボバンクによる外部の法規制と当
行の定款の遵守の程度を監督する権限を有する。
地方監督者は、提供されるサービスの質が顧客や加盟者の需要を満たしているかを積極的に評価するよう義務
付けられている。彼らは、地方経営チームの会長が、顧客の長期的利益を重視し、地方コミュニティの持続可能
な発展に貢献し、当行と地方コミュニティとのつながりを強化するという、自らの地方における責任を果たして
いるかの程度を判断する。LSBは、地方経営チームの会長に関して実質的な雇用者の役割を果たしている。この
役割には、会長の指名、評価および解任が含まれる。LSBは、地方における多数の重要な決定を承認する権限も
付与されている。LSBは、地方経営チームの会長が地方の方針決定において、LSBの助言に留意することを確実に
しなければならない。さらに、LSBは、地方ラボバンクの経営に関してアドバイスを行う役割を有し、コミュニ
ティと地方ラボバンク間の仲介役を務める。また、LSBは、地域の持続可能な発展に貢献し、コミュニティとの
つながりを強化する義務を有している。
2018 年度および2019年度、当行は、LSBの多様性を奨励するために、特定の目的をもつプログラムを開発およ
び採用した。地方監督者が当行の顧客および加盟者ベースを適切に反映することは、重要である。全地方監督者
の平均年齢が下がったこと、および女性監督者の加入比率が増加したことから判断すると、当該措置は、すでに
成果を挙げているようである。さらに、若年の監督者のための特別研修が存在する。個別のLSBの機能を評価お
よび改善するために、新たなツールが利用可能となっている。
GMC は、ラボバンクのガバナンスにおける最高意思決定機関である。これは、全LSBの会長から構成される。
LSBの会長は、GMCに参加しているが、地方の観点も考慮に入れる。GMCは、約90名の構成員がおり、年に2回以
上会議を行う。重点を置くのは、協同組合、地方ラボバンクおよびその他全グループ事業体を含むラボバンクの
戦略的枠組みとアイデンティティに関する基本前提である。GMCは、緊急事態委員会、調整委員会および機密事
項取扱委員会という3つの常設委員会を有する。
GMC は、その加盟者を代表し、継続性を保護し、共通の価値観を管理する者としても活動する。GMCは、ガバナ
ンスと銀行業務について、一般に合意された戦略原則に基づいた評価を行う。GMCは、経営委員会の法定メン
バーを指名するラボバンクの監督委員会の勧めに従って、同監督委員会の構成員を指名する。監督委員会は、経
営委員会を監督する。監督委員会と経営委員会は、共にGMCに対して説明責任を有する。
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このような機能を果たすため、GMCは、複数の公式な役割と責任を担う。GMCは、当行の定款の改訂またはラボ
バンクの法的資格の変更を行う権限を付与されている。GMCは、年次財務書類を採択し、経営委員会による重要
な決定について助言および承認を行う権利を有する。GMCは、例えば、ラボバンクのアイデンティティの基本的
前提および戦略的枠組み、ならびに年間戦略および予算の要点に関する承認権を有している。国内リテール銀行
業務における著しい変化および拡大する金融サービスのデジタル化は、協同組合の刷新およびラボバンクのメン
バーシップの活性化について内部で議論を開始するようGMCに促した。その結果、GMCは、かかる可能性を検討す
る特別臨時委員会を設立した。
ガバナンスは、協同組合銀行には加盟者による取り組みおよび参加が不可欠であることを明確に示している。
これらの側面は、当行を競合他社から際立たせている。ガバナンスは、協同組合的側面を固める新たなイニシア
チブを継続的にもたらしている。例えば、ガバナンスによって、各地方銀行からの若い加盟者代表者を含むユー
ス・フォーラムが開始された。ラボバンクは、この加盟者カテゴリーと常に対話を行うことが当行の今後の発展
に非常に重要であると考えている。
ガバナンスにおいて、地方ラボバンクの経営チームは、協同組合の精神に即して行為し、かつ、これに合致す
る金融サービスを提供するという重要な任務を委任されている。チームは、地方ラボバンクの内部規則に定めら
れるとおり、重要な地方責任を有している。地方経営チーム会長は、地方の方向性を保障し、コミュニティの地
方ラボバンクをしっかりと支えるよう経営委員会から委任されている。地方経営チームの会長は、高品質の地方
銀行サービスを提供するためにその権限を行使することができ、さらに協同組合のアイデンティティに関する概
念をアイディアから現実へと地方レベルで変換させることができる。この点において、地方スタッフは、地方コ
ミュニティとの密なつながりを維持するために、ソーシャルおよびバーチャルネットワークに活発に参加する。
銀行業務
戦略、運営および方針に関連する銀行業務は、取締役会議において取り組まれる。この組織は、地方経営チー
ムの会長、経営委員会および地方ラボバンクをサポートする部門の取締役により構成される。取締役会議は、地
方ラボバンクに関する提案および方針について準備、情報提供および助言を行う役割を持った、重要な影響力の
ある基盤である。同会議は、特に顧客の利益およびニーズの保護に関して、当行の最上層部間と地方部門の仲介
役も務めている。
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コーポレート・ガバナンスコード
オランダ・コーポレート・ガバナンスコード
オランダ・コーポレート・ガバナンスコード2016は上場会社に適用され、同コードには、一般的に優れたコー
ポレート・ガバナンスとはどのようなものと考えられているかという点に関する原則とベスト・プラクティスの
規定が含まれている。ラボバンクは、協同組合としての構造ゆえに、オランダ・コーポレート・ガバナンスコー
ドを遵守する義務はない。
これにかかわらず、当行は、可能な限り同コードを遵守することを約束している。当行は、協同組合としての
当行の構造に一部起因し、いくつかの点についてのみ同コードから逸脱している。
オランダ銀行行動規範
2009 年度に、オランダ銀行協会は、世間一般の銀行業界への信頼を取り戻すため、オランダの銀行向けの銀行
行動規範を採択した。銀行行動規範は、コーポレート・ガバナンス、リスク管理、監査および報酬の面でオラン
ダの銀行の行動原則を定めることで、利害関係者のために、安定的、サービス志向かつ信頼の置ける銀行を確保
することを目標としている。同規範は、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の基準で、2010年1月1日に効
力が発生した。
2013 年度、オランダ銀行構造委員会(「ウェイフォルス委員会」)は、オランダの銀行をさらに強化するため
の重要な基盤を築いた。同委員会は、銀行業界の安定性およびオランダの銀行業務における競争と多様性の重要
性に重点を置いた報告書を発表した。同委員会は、銀行に対して、銀行が社会で果たすことを希望する役割を示
すように求めた。
この提言を受け、オランダ銀行協会は、銀行行動規範の改訂を含む社会憲章を導入し、銀行員の誓約(関連す
る行動規則と規律制度を含む。)を実施した。このような措置を取ることにより、ラボバンクを含むオランダの
銀行は、個別の銀行として、およびコミュニティの中心にある業界として、継続する刷新プロセスにおいて何を
支持し、何に対して責任を負いたいかを示したいと考えている。社会憲章、2015年銀行行動規範および銀行員の
誓約に関連する行動規則は、あわせて「未来志向の銀行業務」と呼ばれるパッケージを形成する。当行は、この
パッケージを承認した。
協同組合のためのガバナンスコード(NCR)
2019 年度、ナショナール・コオペラティベ・ラード(NCR)は、協同組合のためのガバナンスコードを徹底的
に見直し、協同組合の起業家精神、加盟者の関与および共同体精神のレベル向上に貢献することを目指した。当
行は、協同組合刷新の基礎的プロセスを現在実行しており、策定された当該コードの原則および規則について完
全に遵守/同意している。2020年度、当行は、当該コードの原則および規則をどのように遵守しているかについ
て具体化し、さらに詳しく説明する。
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(2) リスク管理
ラボバンクの全体戦略の一部として、当行は、戦略的目標をサポートするリスク方針を有している。バンキン
グ・フォー・フードおよびバンキング・フォー・ザ・ネザーランドという戦略は、特定のリスクを伴うととも
に、国内外の市場において当行をマクロ経済、政治、規制および社会に関する開発にさらしている。健全なリス
ク管理は、当行が顧客に応え、利害関係者を満足させることを可能にする。
リスクを冒さなければ、収益性のある銀行業務は不可能であるため、当行はリスク選好度声明(RAS)に定め
るとおり一定程度のリスクを受け入れている。当行は日々、(新規の)顧客に関与し、与信を行い、金利契約を
締結し、その他のサービスを提供するのと同時に、情報に基づいたリスク決定を行っている。当行は、重大なリ
スクを管理するためにリスク管理プロセスを設計している。当行は、意識的なリスクの引き受けに合わせて、直
面するリスクを強固なリスク管理枠組みで管理することができるように、リスク管理に対して包括的アプローチ
を採用している。当行は、リスク管理枠組みの有効性を継続的に評価し、最新の発展および/または要件に適応
する。当行のリスク管理活動は、当行、顧客および利害関係者の目標の実現に貢献するように設計されている。
発展
当行は、継続的な改善に力を尽くしており、2019年度には当行の全体的なリスク管理枠組みのさらなる評価お
よび強化を行った。かかる発展の一部として、以下が含まれる。
・2019年度、当行のコンプライアンス、法務およびリスク(CLR)部門は、フューチャー・フィット・プログ
ラムを開始した。活発な従業員による信頼の構築が、当行のフューチャー・フィット・プログラムを通じた
共通のテーマとなっている。これは、刺激的かつ挑戦的な変革であり、組織全体に影響を与え、当行全体の
強固なリスクおよび誠実性の文化を創造し育成する、よりいっそう積極的なCLR部門をもたらす。フュー
チャー・フィット・プログラムは、2020年度に実行される複数のイニシアチブをもたらした。これには、リ
スク管理機能と事業との整合性をいっそう高め、リスク管理に対してより体系的で構造化されたアプローチ
を構築するための組織変更が含まれる。
・リスク管理枠組み(RCF)は、全運営リスクの専門的分野における一律の作業方法、ツール、学習プログラ
ムおよび分類方法によってサポートされる、組織全体におけるリスクおよび制御活動の実行に関係するもの
である。2019年度には、より多くの日常的活動が当該事業に移行された。さらに、報告および監督ツールが
改善され、より良い知見がもたらされた。現在RCFが使用可能となったことから、当行は、2019年度後半に
RCFの完成度を高めることに焦点を移した(プロジェクトRCFの次段階)。
・当行は、2019年度中、(リスク)データの集計および報告の改善を目的として、さらにBCBS239原則を実施
した。加えて、当行は、当行組織内にデータ管理を組み込み、当行の(リスクおよびファイナンス)システ
ム情勢を大幅に向上させた。これにより、当行は、より透明で一貫性のあるデータに基づき、より速く意思
決定を行うことが可能となり、事実に基づいた決定の質を向上させることができる。
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・当行は、気候変動リスクに関する多数の分析を行った。当該分析では、低炭素経済への移行の影響および気
候変動の物理的影響に焦点が当てられた。気候変動リスクは、複雑な問題であり、気候変動が民間セクター
および公共セクター、ひいては当行の信用ポートフォリオに及ぼす悪影響を集約したものである。当行の気
候変動リスクへのエクスポージャーは、広範な分析を用いて予測されている。当行は、全ての部門(DLLを
除く。)についてストレステストを実施し、地域レベルおよびセクターレベルでの分析も実施した。これら
の予備的分析では、選ばれた地域およびセクター(オランダおよび世界の食品・農業セクターと住宅ロー
ン・ポートフォリオ)は、当行最大のエクスポージャーを反映している。当該分析は、物理的リスクおよび
移行リスクの両方が、特に食品・農業および住宅ローンのポートフォリオにおける大口のエクスポージャー
と相まって、当行の信用ポートフォリオの質に大きな影響を与える可能性があることを示している。当行
は、分析のほかに、今後の方向性を定めた長期計画も作成した。当該計画は、気候変動をリスク管理枠組み
に構造的に組み込むこと、かつ、より完全な気候変動リスク評価に向けて取るべき措置に焦点を当ててい
る。このようにして、当行は、気候変動リスクに関する指揮および意思決定を行うための強固な基盤を構築
する。
・不良債権(NPL)の管理に関する規制がEBAガイドラインという形で発表され、欧州委員会およびECBはいず
れもプルデンシャル・バックストップ引当金に関する規制を公表した。後者は、長期の不良債権に関する追
加の引当金要件につながっている。ここ数年間、当行のNPL比率は、主にオランダの良好な経済環境および
当行の非中核CREエクスポージャー(FGHバンク/ACC貸付ポートフォリオ等)の売却の結果、低下傾向を示
している。2019年度の欧州全体における透明性への取り組みは、当行が同業者に比べてNPL比率が高く、NPL
カバレッジ比率が低いことを示している。これは、担保化(評価規則および実行可能性を含む。)、会計基
準、引当金方針およびエクスポージャーの種類における違いを反映している。当行は、NPLポートフォリオ
をさらに減少させ、信用ポートフォリオの質をさらに向上させるための取り組みを行っている。当行のNPL
に対するアプローチは、厳しい状況において当行の顧客をサポートし、当行の顧客に新たな視点を提供し、
当行のNPLポートフォリオの損益および資本への影響に注意を払い、かつ、この側面に関する外部からの期
待を慎重に管理することでバランスを取ることを目指している。このような目標を念頭に置いて、当行は、
NPLポートフォリオにおける顧客の平均持続期間を短縮できるか否か、かつ、可能な場合はどのように短縮
できるかを検討するためにいくつかの取り組みを行っている。
・欧州全体を対象とした内部モデルの再検討(TRIM)実行の一環として、当行は、2018年度末に大企業向け信
用モデルに関するTRIMをオンサイトで実施した。フォローアップとして2019年4月に、ECBは、トレード・ア
ンド・コモディティ・ファイナンス(TCF)ポートフォリオに関するTRIMを発表した。このオンサイト調査
は夏の間に行われ、信用モデルのほか、ビジネス、IT、信用方針およびデータの質が対象とされ、同年9月
に終了した。当行は、最終報告書を待機している状態であり、すでに改善に取り組んでいる。
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・ラボ・モデル情勢(RML)イニシアチブは、新しく簡素化された、かつ、改善された信用リスクモデル情勢
の創出を目指している。当行の戦略的優先事項を実現するためには、簡素化された信用モデルが不可欠であ
る。信用モデルの再開発は、新規顧客の受け入れや価格設定から報告まで、銀行業務プロセスの全ての段階
に影響を及ぼす。そのため、ラボ・モデル情勢の創出は、非常に価値があるとともに、多次元的な難題でも
ある。より質の高い強力なモデルは、規制遵守を実現し、顧客価値を高めることを目指す。2021年までに合
計10つのポートフォリオのうち5つの戦略的ポートフォリオ(EADの70%およびRWAの74%)を再開発すること
が目標である。それぞれの新たな信用モデルは、ITおよびデータから成る強固な基盤に支えられ、それ自体
で当行内の複数のユーザーおよびアプリケーションに対応する。
当行はリスク管理枠組みを改善する努力を絶えず尽くしているが、損失およびインシデントを常に回避するこ
とはできない。しかしながら、当行は、(運営上の)損失およびインシデントを注意深く監視し、将来の再発リ
スクを軽減させるために分析している。また、リスク管理枠組みを改善するための当行の継続的な取り組みによ
り、潜在的リスクが明らかになっていることに留意されたい。すなわち、不明確な規制は、特に制定中であり、
または互いに矛盾している場合、複数の解釈の対象となる可能性がある。さらに、規制当局が指導内容を変更す
るリスク、または裁判所が新たな法的基準を設定するリスクも存在する。
当行によるリスク管理
リスク・ガバナンス
当行の内部ガバナンスは、グループ全体で透明性のある一貫した責任体制を保証している。正式なリスク・ガ
バナンスは、ラボバンク・グループの戦略的優先事項の実現をサポートし、規制ガイドラインおよび市場慣行に
基づいている。役割の明確性は、3つの責任体制を通じて保証されている。
第一に、事業(サポート機能を含む。)は当該リスクを管理し、その責任を負うことでリスクをコントロール
する(第一体制)。グローバル方針は、ビジネス戦略の実行、リスク選好度の遵守およびリスクの監視をサポー
トする。当行のリスク管理枠組みは、リスク管理およびコンプライアンス機能(第二体制)によって提供され
る。いずれの機能もリスクの引き受けに挑み、リスク特性を監視する。内部監査 (第三体制)は、当行の内部
統制、リスク管理、コンプライアンスおよびガバナンスについて、その質および有効性に関する独立した保証、
助言および見解を提供する。
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内部統制機能(リスク管理、コンプライアンスおよび監査)の責任および権限は、それぞれの憲章において明
確に記されている。リスク管理枠組みは、信用リスク、市場リスク、銀行勘定における金利リスク、流動性リス
ク、事業リスクならびにオペレーショナルリスク(コンプライアンスリスク、税務リスクおよび法的リスクを含
む。)等、銀行業務に関する重大リスク種別をカバーする。リスクの分類は、組織全体におけるリスク管理の明
確な定義を可能にし、共通の理解を促進する。リスク管理枠組みは、主要なリスク種別に加え、FX取引リスクや
モデルリスクといったリスクに関するより細かな分類も使用している。リスク選好度は、リスク特性と戦略的優
先事項との整合性を管理するために、重大リスク種別ごとに決定される。
リスクおよびコンプライアンスの管理能力は、グループレベルおよび事業ユニットレベルの双方で完全に統一
されている。リスク代表者がグループの主要な経営チーム内に存在している。リスク代表者は、強固なリスクお
よび誠実性の文化を育成し、全ての当行の活動および行動が内部および外部の要件に遵守することを保証するた
めに行動する。これにより、リスクのより良い認知、理解の向上および管理、事業との一層の協力、ならびに十
分な情報に基づいた判断がもたらされる。
戦略
「Growing ▶ Better World Together(一体となってより良い世界を作る)」という当行の任務は、当行の協
同組合としてのルーツを明確に示し、顧客が目標を達成できるようにするための当行の献身を強調している。当
行の戦略は、優先度、目的および目標(資本戦略を含む。)を定めている。当行のリスク戦略は、経営陣が事業
戦略を実行するのをサポートし、以下の目標に重点を置く。
・ 利益と利益拡大を保護すること :当行の事業戦略は、当行の協同組合としての性質、かつ、健全な利益創出
と同時に加盟者、顧客および社会に高水準なサービスを実現することに強い関連性を持つ。当行は、セク
ターに関して、どこで資本および資源が最も効率的または適切に使用されるかに関連した透明性ある選択を
行う。
・ 健全な貸借対照表を維持すること :健全な貸借対照表比率は、持続可能かつ良好な条件で顧客へのサービス
提供を継続することを確保するのに不可欠である。これには、安定した資金調達能力、強固な流動性バッ
ファおよび十分な支払能力が必要となる。
・ 当行のアイデンティティとレピュテーションを保護すること :当行は、利害関係者の当行に対する根本的な
信頼を保護する。
これらの優先事項は密接に影響し合い、安定したガバナンスおよびリスク文化を組織全体で維持することに完
全に依拠する。長期的な顧客価値の提供には、当行の収益性および良好なレピュテーションをサポートする、健
全な貸借対照表および費用効率の高い資金調達が必要となる。同時に、健全な貸借対照表を維持するためには、
健全な収益性と安定したレピュテーションが必要である。
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重大リスク
(リスク)戦略を実行するためには、当行が直面するリスクを理解することが不可欠である。当行がリスク特
定に努力した結果、ある時間と状況に固有の細かなリスクが判明した。当行は、必要に応じてこれらのリスクを
記録、評価および緩和し、その後タクソノミーに分類する。タクソノミーには、リスクの種別およびサブタイプ
が階層化して記載および定義され、これにより特定されたリスクの分類が可能となり、リスクの所有権に関する
透明性がもたらされる。リスク種別のタクソノミーはまた、リスク選好度の検討対象となる重大リスク種別を決
定するための根拠としても使用される。
概して、下記の図には、リスクの特定に関する3つの側面が異なる色で示されている。
・組織の戦略の中核にある仮定と結果を混乱させる恐れのある発展(水色で示される。)。当該発展は、未だ
リスクではないものの、将来的に当行の重要リスク種別の1つとなる可能性がある。
・リスクの引き受けに対して市場が提供するプレミアムから利益を得るために、当行が意識的に引き受けるリ
スク。すなわち、当行がリスク選好度を有しているリスク(オレンジ色で示される。)。
・当行が選好していないが、当行の運営に内在している限度内で許容されるリスク。当該リスクに良い面はな
く、悪い面だけが存在する(青色で示される。)。
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リスク選好度
当行のリスク戦略は、一連の戦略的リスクに関する声明に組み込まれており、これらの声明は、当該戦略およ
び中期計画2020-2024に直接関連するもので、完全なる顧客重視、堅実な銀行、意義ある協同組合、活発な従業
員という4つの戦略テーマに沿っている。これらのテーマは、当行の運営にあたってのリスク選好度の大まかな
限度を定めている。リスク選好度声明(RAS)は、戦略的リスクに関する声明の内容を記載し、当行がその事業
目的を達成するために許容することをいとわないリスクのレベルを重大リスク種別ごとに定義している。RAS
は、当行の全体的なリスクエクスポージャーの最大レベルを量的および質的の双方で明示しており、目標とされ
るリスク特性を特定の活動におけるリスク報酬の特性に照らして評価するためにあらゆる事業で使用される。当
行のグループレベルでのリスク選好度は、当行の戦略において不可欠な部分であり、日々のリスクの引受けに影
響を及ぼす場合、組織の予算計画に組み込まれる。事業体特有のリスク選好度に関する声明には、事業体レベル
でのグループのリスク選好度が詳細に記載される。
当行のビジネス・モデルおよび戦略的計画に内在する重要な種別のリスクは、積極的に特定、評価、軽減およ
び監視されている。これにかかわらず、予期せぬ展開によって、事業計画全体が妨げられる可能性は常にある。
事業において直面するリスクは、以下の主要な財務指標のいずれかまたは全てに影響を与える。
・普通株等Tier 1資本比率
・投下資本総利回り
・スコア・レップトラック・インディケーター(レピュテーション)
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リスク選好度は、原則、方針、指標、制限および制御の範囲内で、ラボバンク・グループ全体で根付いてい
る。違反管理プロセスと適切なガバナンスの組み合わせにより、適切で時宜にかなった対応が保証される。リス
ク選好度は、重大な影響を伴う内部または外部の事由に応じて、少なくとも年に一度再検討され、改訂される。
さらに、中期計画2020-2024に関する意思決定が経営委員会レベルで行われ、事業戦略から生じる内在的リスク
が意識的に引き受けられた。
リスク選好度声明
リスク種別 リスク選好度声明 当行のリスク選好度声明をサポー
トするKRI例
信用リスク 収益性およびレピュテーションに関する貸倒 *デフォルト・インフローの平均
関連費用の影響を制限するために、かつ、当 確率
行の顧客に応えるための方法として、収益性 *金融資産に係る減損費用
のある信用ポートフォリオを制御可能なリス *集中度の制限
ク特性で維持する。
流動性リスク 流動性リスクは収益および価値創成の源と認 *流動性カバレッジ比率
識されているため、当行は、ある程度の流動 *安定調達比率(NSFR)
性リスクを受け入れているが、当行の日常業 *安定調達貸付
務または財務安定性に重要な影響を及ぼすこ
となく、期待および期待外キャッシュフロー
および担保ニーズをいつでも満たしたいと考
えている。基本的に、当行の内部的な流動性
リスク選好度は、法的制約より保守的であ
る。
市場リスク トレーディング環境において相場の変動への *イベントリスク
適度なエクスポージャーを維持する。 *最大損失予想額
金利リスク 当行は、事業戦略およびリテール銀行として *アーニング・アット・リスク
の役割の変換を受けて、相当なレベルの金利 *デュレーションの変更
リスクを受け入れる。これは、収益に関して
重要な原動力となる可能性があるためであ
る。しかしながら、金利変更による損失は、
当行の財務安定性を決して脅かしてはならな
い。
オペレーショナル オペレーショナルリスクは事業活動の実行に *プロセス実行の失敗数
リスク(コンプラ 付き物であるため、当行は、ある程度のオペ *ITセキュリティ
イ ア ン ス を 含 レーショナルリスクを引き受け、これを許容 *顧客デュー・デリジェンス
む。) する。当該リスクは、組織の複雑さおよび規
模により決定される限度内に抑えられる。
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事業リスク 事業リスクが主に戦略計画において集約的、 *普通株等Tier 1資本比率
統合的かつ包括的な方法で記されているた
*投下資本利益率(ROIC)
め、当行は、事業リスクに関する明示的なリ
スク選好度声明を作成していない。ファイナ
ンスおよび管理部門が当該リスクの課題およ
び「管理」に取り組む。その主な理由は、事
業リスクを決定するためのシナリオ分析およ
び感応度分析から成る体系化されたプログラ
ムを通じて、潜在リスクが管理および軽減さ
れるからである。ラボバンクの戦略的リスク
は、シナリオと感応度の選択において考慮さ
れる。
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リスク選好度およびリスク特性パフォーマンス
(許容した)リスクと利益の間における適切なバランスを求めて、当行は、一般的にリスク選好度の範囲内で
運営を行っているが、信用リスクおよびオペレーショナルリスクのリスク特性は全体的に高い。信用リスクに関
する主要なリスク指標について当行の選好度の範囲外で運営が行われているものがあることに加え、当行は現
在、ここ数年に比べて高い引当金水準を観測しており(ただし、歴史的な水準には留まっている。)、経済成長
の減退、世界的な貿易摩擦の継続、およびハードブレグジットのリスクにより、新たなリスクが発生している。
オペレーショナルリスク(コンプライアンスおよび法務を含む。)の指標には、リスク選好度の範囲内で運営し
ていないものもあり、当行は組織の構造改善を加速させる必要がある。当行は、これらのリスクおよびより高い
リスク特性に関する潜在的要因を十分に認識している。当行は、これらのリスクを事前に合意された許容レベル
まで下げて積極的に管理し、またはある一定期間により高いリスク特性を意識的に受け入れている。事例によっ
ては、変更プログラムの実行期間が(より長く)あるために、改善に要する期間が他の事例より長いものもあ
る。次項では、リスク種別ごとのRASパフォーマンスの詳細を説明する。
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信用リスク管理
2019 年度、世界経済の成長は、米国と中国の間における貿易戦争の継続およびブレグジットの不確実性の継続
等、世界的および地域的な不確実性により、2018年度に比べて減退した。当行の現在の信用方針は、当行の戦略
およびレピュテーションに適合する信用ポートフォリオにおいてバランスの取れた成長を追求するにあたり、引
続き採用される。これは実務において、(i)信用ポートフォリオが全体的に許容可能なリスク特性を維持しな
ければならないこと、(ii)信用ポートフォリオの成長が限定的でなければならないこと、かつ、(iii)資本
および資金が選択的に利用されることを必然的に伴う。全体として、当行は、許容可能なリスク特性で収益性の
ある信用ポートフォリオを維持することを目指している。
法人融資の許容方針に関する重要な原則は、当行の顧客に精通していることである。当行は、当行の顧客およ
び当行の双方にとって有益となる長期的な関係を構築する。当行は、当行の顧客のセクター、事業、経営、目
標、財務状況、機会および課題を理解しており、これは当行が可能な限り最良の方法で潜在的リスクを管理する
ことをサポートする。堅実な与信の受入方針は、顧客および当行が行った融資についての顧客の返済能力に関す
る慎重な審査をその特徴としている。その結果として、貸付ポートフォリオのリスク特性は、好ましくない経済
状況においてでも、許容できる。法人の持続可能性は、すなわち、持続的な融資が行われることを意味する。与
信プロセスのために、持続可能性に関するガイドラインが設置されており、当行はPD、LGDおよびEADのパラメー
タを予想するために通常の信用リスク管理モデルも使用している。当行は、固有のカウンターパーティー信用リ
スクまたはカントリー・リスクを軽減するための幅広い与信軽減技術も使用している。ポートフォリオごとに異
なるモデリング手法が適用され、各モデルは量的および質的なリスクドライバーを考慮に入れている。信用リス
クのパラメータは、資本要件の計算のために使用される。当行は、例えば特定の資産クラスのために、ならびに
セクターおよび国レベルにおいて、集中リスク軽減を適用している。当行の資産クラスについて決定されたリス
ク選好度は、エクスポージャー、デフォルト割合および減損費用で表示されている。また、エクスポージャー制
限は、セクターおよび国レベルでも適用されている。シングルネームへの集中は、デフォルトのエクスポー
ジャーおよび損失(LAD)に制限され、厳しく監視される。当行は、必要な減損引当金を特定するために、バー
ゼルⅡ/EBAの定義を採用する。2018年1月1日以降、減損引当金および減損費用は、IFRS9に従って計算され
ている。
信用ポートフォリオ
当行の信用(貸付)ポートフォリオの規模は、比較的安定しており、全体的な質も比較的安定している。これ
は、特に地域的および世界的な経済発展の継続に支えられているためである。しかしながら、過去3年間におい
ては減損費用が比較的少ない傾向にあったが、2019年度においては減損費用の水準が著しく高くなった。ポート
フォリオの改善ペースをサポートするために、不良債権(NPL)をさらに減少させる、特定のセクター/国に関
する戦略が設計されている。当行は、(今後の)事象(干ばつ、ブレグジット等)またはセクターの問題(酪農
業等)に関連して顧客の状況を継続的に監視し、これに応じて戦略を再検討していく。
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一方、EBAは、NPLの管理に関する新たな規制を発表した。また、欧州委員会およびECBはいずれも、プルデン
シャル・バックストップに関する規制を発表した。後者は、無担保のNPLおよび長期にわたり不履行となってい
るNPLに対する追加の資本規制/減額につながる。当社のNPL比率は、長期にわたり比較的安定していたが、ここ
数年間は、良好な経済環境および当行の非中核CREエクスポージャー(FGHバンク/ACC貸付ポートフォリオ等)
の売却により、相対的に低下傾向にある。当行は、NPLの積極的な管理方針を追求し、損失の最小化、顧客との
関係性および新たなプルデンシャル・バックストップの影響の緩和との間で適切なバランスを取るよう努めてい
る。
インタレスト・オンリー住宅ローン
好調な住宅ローン・ポートフォリオのうち、インタレスト・オンリー住宅ローンのリスクは、特にローン・
トゥー・バリューが高く、顧客の退職が近づいている(すなわち収益が減少する)場合において、最も高くな
る。当行は、このようなリスクを認識させ、今後発生するおそれのある問題を防止する可能性を探るために、か
かる顧客に個別に打診を行う。現在の低い貯蓄率は、ある程度、顧客に住宅ローンの一部を償却するよう説得す
るのに役立つ。当行は、インタレスト・オンリー住宅ローンに関連するリスクを考慮して、ポートフォリオのこ
の特定の部分(最大57%)を継続的に分析し、増加するリスクを迅速に認識するためにモデルを適用している。
ブレグジット
ブレグジットは、ラボバンクの英国での活動、グループ運営、および英国や欧州における当行の顧客に必然的
に影響を与えるため、当行にとって重要である。当行は、当行のポートフォリオのうち英国関連の要素を評価す
るために信用リスク分析を実施した。当行は、通常の信用リスク管理活動を行うにあたり、顧客が直面する経済
的なリスクおよび不確実性を考慮している。ブレグジットは、英国および(比較的程度は低いが)その他の国の
経済成長にマイナスの影響を与えると予想されている。当行は、減損計算(IFRS9)および資本計画において、
ソフトブレグジットを原点とする信用モデリングに適用されるマクロ経済基盤シナリオを通じて、予想される影
響を説明した。当行はまた、ラボ・リサーチの仮定に基づいて、ハードブレグジットの場合の英国およびオラン
ダ経済へのGDPの影響を含む、個別の感応度分析も実施した。当行の引当金レベルは、未だ変更されていない。
しかしながら、最終的にハードブレグジットが行われる場合、当行は、減損レベルを再評価する必要がある可能
性がある。要するに、当行は、当行の英国エクスポージャーが貸借対照表全体と比べていかに控えめであるかを
考慮すれば、短期的な影響は限定的であると予想している。しかしながら、GDPの発展による顧客への中期的な
影響を評価することは現在困難である。当行は、可能な限り、顧客がブレグジットに備えることができるよう、
しかるべき注意を払った。2020年1月31日にブレグジットが予定されていることから、当行は、2020年度末まで
に欧州との間で自由貿易協定が交渉されることを期待しているが、その時点においてハードブレグジットのリス
クが未だ残っていることに留意されたい。
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気候変動
気候変動は、(1)移行リスク(規制変更、レピュテーション等)および(2)物理的リスク(洪水、干ばつ
等)という主に2つの方法で信用ポートフォリオに影響を及ぼす可能性がある。移行リスクは通常、一定の時点
(新たな政府政策の実施期限等)において顕在化し、物理的リスクは通常、時間の経過とともに徐々に顕在化す
る。ラボバンクの信用ポートフォリオは、セクター・フォーカス(食品・農業)および地理的フォーカス(NL、
洪水リスク等)の組み合わせにより、物理的リスクに対して特に脆弱性を有している。2019年度には、オースト
ラリアおよびカリフォルニア州が深刻な干ばつおよび大規模な山火事等に見舞われたが、これらは当行のポート
フォリオに影響を及ぼす可能性のある農業生産に損害を与えた気象関連の事象のうち、ほんの2例に過ぎない。
温室効果ガスの排出を抑制することを意図した規制の変更が今後増加し、特に化石燃料に大きく依存しているセ
クターに、より圧力がかけられることが予想される。
グループ気候変動監視委員会は、気候変動に関する当行内のイニシアチブを調整する。気候変動リスクは、信
用供与、承認および監督のプロセスにおいてますます重要な役割を果たしており、第一体制は顧客と積極的に協
力して事業の改善を模索している。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に即した開示のための意義あ
る協同組合のセクションも参照されたい。
窒素対策行動計画(PAS)およびPFAS
窒素対策行動計画(PAS)は、2019年5月に国策会議によって中止された。これにより、オランダにおいて短
期的な影響(建設活動の減少による運輸の減少等)がもたらされ、長期的な対策(牛や豚の農場経営の縮小等)
が必要となった。結果として、社会不安が後に続き、政府はいくつかの短期的な対策(2020年3月16日からの高
速道路の最高速度引き下げ等)を提案した。長期的な対策は、2020年度の第1四半期に、続いて提案されること
が予想されている。
建設セクターでは、PASの影響がPFAS問題によって悪化し、汚染された土壌は使用/輸送が認められなかっ
た。政府は数か月後、再び建設活動を可能にするために、汚染土壌に関する基準を緩和することを決定した。当
然ながら、上記セクターの顧客は、打撃を受けており、サポートを必要とする場合もある。当行は、当行の信用
ポートフォリオにおける潜在的な影響を注意深く監視している。
リスク特性パフォーマンス
信用リスクに関して、当行は、減損費用が高いことだけが理由ではないが、目標よりも高いリスク特性を有し
ており、過去の水準以下に十分に収まっているものの、リスク特性はより高くなっている。現在のところ、当行
の信用リスク特性は、目標をわずかに上回っているが、現在の当行のポートフォリオの質を改善するために、構
造的な解決策(不良債権戦略等)に引続き取り組んでいる。
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将来の見通し
世界経済が冷え込む中、オランダ経済も成長率の低下を示している。世界貿易の緊張やブレグジット等をめぐ
る不確実性が続くため、この傾向は2020年度も続くであろう。これは、PAS/PFAS等のオランダ固有の国内問題
と相まって、当行のポートフォリオに圧力を加える可能性がある。さらに、気候変動および持続可能性につい
て、両分野におけるリスクが増大し、当行のポートフォリオの質に影響を及ぼす可能性があるため、当行は、近
い将来およびその先まで継続的に注意を払う必要があると予想している。
当行は、気候変動リスクが当行に及ぼす影響の管理と、「一体となってより良い世界を作る」という使命に関
する当行の目標とを密接に連携させることにより、将来への影響に対抗するよう取り組んでいる。
オペレーショナルリスク
オペレーショナルリスクに晒されることは、事業活動の実行において避けられない部分である。当行は、当該
リスクを当行組織の複雑さおよび規模に応じて設定された限度内に最小化する。当行は、オペレーショナルリス
クを管理および制御するためにリスク管理枠組み(RCF)を使用しており、これはさらに方針、手続、制限およ
び管理構造によってサポートされている。当行は、組織の規模および複雑さにより、見積年間総収益の約1.5%
を超えないオペレーショナルリスクによる損失を許容することができる。当行は、複数のRAS基準を有し、許容
したリスクレベルについて限度を設けている。
ラボバンクは、RCFを開発および実施しており、これは全ての事業ユニット(子会社を含む。)および中心的
サポート機能に関して強制的である。RCFは、手続、人々、システムおよび/または外部事象の不良または欠陥
によるリスクが、許容されたリスクレベルの範囲内で管理されることを保証する。RCFは、将来を見据えた総合
的なアプローチを用いて、組織のあらゆるリスク保有者がそのオペレーショナルリスクを効果的に管理できるよ
うサポートする。また、リスク保有者は、オペレーショナルリスクの管理および指揮のために、イン・コント
ロール会議を3ヶ月ごとに開催する。
当行は、オペレーショナルリスクを総合的に管理するために、構造化された総合的なリスク分析を行う。事業
体全体で当該リスク評価を行うことは、当行のオペレーショナルリスク管理が健全であり、規制要件に準拠して
いることを保証するのをサポートする。当該リスク評価は、RCFに反映されているとおり、統一的かつ一貫した
リスク管理活動をもたらしている。RCFは、当行が様々な種別のオペレーショナルリスクを効果的かつ効率的に
管理し、組織全体にわたるリスクと管理の間の良好なバランスを維持するのに役立ち、当行がより優れたラーニ
ング・オーガナイゼーションになるのをサポートする。
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機密性、取引監視、顧客の本人確認(KYC)(顧客デュー・デリジェンス(CDD)および取引監視(TM))、サ
イバー犯罪、アウトソーシング、ならびに(組織)変革の分野では、リスクの軽減に相当の重点が置かれてき
た。これらのリスクは、引続き重要である。当行は、ITプラットフォームのさらなる強化、アウトソーシングに
関する評価プロセスの改善、および(組織)変革への積極的な関与により、これらの分野におけるオペレーショ
ナルリスクをさらに軽減することができる。
リスク特性パフォーマンス
上記のあらゆるプログラムが実施され、当行があらゆる改善を行ったにもかかわらず、全体的なオペレーショ
ナルリスク特性を当行組織の許容レベルと整合させることには、未だ相当な課題が残る。現時点では、当行のオ
ペレーショナルリスク特性は、当行が希望するよりも高い。構造的な解決策やイニシアチブには時間がかかり、
組織および職員の適応能力に限界が生じる。重要かつ(非常に)影響の大きい複数のプロジェクトを同時に実施
することは、変革リスクを高めることにつながっている。また、当行は、デジタル・ディスラプションおよび情
報セキュリティについて、両分野のリスクがデジタル発展およびサイバー犯罪の増加により高まることから、近
い将来、継続的に注意を払う必要があると予想している。また、規制の変更およびコンプライアンスに関するリ
スクが増大することが予想され、当行ブランドのレピュテーションを維持することもリスクの増加につながる。
当行は、現在のオペレーショナルリスクに焦点を当てるほか、新たに発生するリスクの特定に取り組み、当該リ
スクを許容されるリスク選好度の水準まで低減および軽減するために、当該リスクに前もって対処するための措
置を講じている。
コンプライアンス
全ての当行の活動は、誠実性、真摯さ、配慮および責任をもって行われる。当行は、関連する法規制、ラボバ
ンクの行動規範、およびラボバンク・コンパスを遵守しなければならない。当行は誠実に事業を行う必要があ
る。常にしかるべき注意を払いながら、顧客にできる限り最高のサービスを提供することが、ラボバンクの目標
である。
誠実性をもって行為し、関連する法規制を遵守することは、ラボバンクの全従業員の責任である。当行のグ
ローバル・コンプライアンス・オフィサーは、ラボバンク・グループの全事業体が望ましい文化に注力し、これ
に従って行動するよう促している。
当行は、コンプライアンス枠組みの監視と遵守のために、様々なコンプライアンスのテーマを深く掘り下げて
調査し、適切なリスク分析を容易にし、上級経営者およびその他の利害関係者に対して組織全体のコンプライア
ンスレベルに関する詳細な報告書を提出する。コンプライアンスのテーマは、前述のリスク管理枠組みについて
不可欠な要素でもある。これに注意を払うことにより、当行のオペレーショナルリスクおよび管理組織の有効性
レベルに関して継続的な洞察を提供する。
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毎年度、当行は、体系的な誠実性リスク分析(SIRA)を実施している。これは、組織に関するコンプライアン
スリスクのレベル、かつ、管理の有効性のレベルについて統合的な見解を可能にしている。SIRAおよび継続的な
監視活動の結果は、当行の日常的なコンプライアンスリスク管理に関して、組織にさらなる方向付けをもたらし
ている。現時点において、マネー・ロンダリング防止、テロリスト資金供与への対抗および制裁、データ機密性
の侵害、ならびに顧客の公平な取り扱いに関するリスクを軽減することは、引続き緊急の課題である。当行はさ
らに、詐欺、市場の非効率性、および市場の不正行為に関するコンプライアンスリスクについても引続き注意を
払う。
AML 、CTFおよび制裁
当行は、金融システムの門番として、マネー・ロンダリングおよびテロリスト資金供与の目的で当行の商品お
よびサービスが利用されることを防止し、かつ、制裁規制の違反を防止することに最大の努力を尽くしている。
当行は、オランダの流通チャネルにおけるオンボーディング手順、および顧客ファイルの改善を強化した。当行
は、当行の(世界規模の)顧客ファイルの品質を向上させるために世界規模のプログラムを実施し、(潜在的
な)犯罪活動を特定するためにデータを利用する。この変更プログラムには、当行の世界的なAML/CFTおよび制
裁枠組みを強化するイニシアチブも含まれる。2018年9月にDNBから差止命令(ラスト・オンデル・ドワンソ
ム)を受け、当行は、KYC(CDDおよびTM)活動をさらに強化した。当行は、2019年度に経営資源および技術力を
強化するためのさらなる取り組みを行った。当行は、2020年度も引続き、KYC(CDDおよびTM)活動や先進技術へ
の投資を行い、取引監視を向上させる。また、当行は、当行と公共セクターの様々な当事者との間の緊密な連携
を促進する。これは、上記の犯罪行為を効果的に撲滅するために不可欠である。DNBは、2020年4月1日以降、
当行が差止命令の全ての要件を満たしているかを検証し、結果としてラボバンクが顧客ポートフォリオを適切に
分類したかを特に検証する。
取引報告
世界中の規制当局は、金融商品の取引に関して取引報告要件を導入した。例えば、特定の期間内における幅広
い金融商品に係るOTC取引を全て報告する規制義務が、金融機関に対して導入された。これにより、世界中の規
制当局は、取引活動についてより透明性の高い見解を得ることができる。ラボバンクは、より透明性の高い金融
市場をサポートする当該要件の遵守を希望している。ラボバンクは、取引報告のさらなる改善に継続的に取り組
んでおり、当該分野における規制当局の需要が高まるにつれて、必要に応じて構造的改善を行うための努力を結
集したプログラムを実施する。
データ機密性
データ機密性の侵害は、当行のデジタル化およびデータ戦略において、重要なリスクであり続ける。当行の顧
客、従業員およびその他の利害関係者の利益を守ることは、常に重要である。当行は、2019年度にデータ機密性
に関するガバナンスモデルを発表した。当行は今後も、世界的に一貫し、かつ、規制に準拠した組織を確立する
ために、当行方針の実施を引続き強化する。
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顧客を公平に扱うこと
当行の顧客が最適なアドバイスや商品を受領するのを保証することは、当行の継続的な注意の対象である。
2019年度に、当行は、「ゾーグ・ヴォール・パーティクリーレ・クランテン」(個人顧客への配慮)という目標
を掲げた文書を発行し、顧客に最善のケアを提供することをあらためて決意した。当行の行動規範に組み込まれ
た価値観、当行の協同組合原則、およびリテール顧客に対する当行の戦略は、当行の取り組みの基礎を形成して
いる。オランダSME金利デリバティブの再評価に関する回復枠組みの実行は、2019年度も引続き行われた。
リスク特性パフォーマンス
コンプライアンスリスク特性は、目標よりも高い。上記の構造改善プログラムは、時間がかかり、組織および
職員の適応能力を制限し、労働市場の資源の観点から考えるとますます困難である。
報酬
2019 年度、DNBは、ラボバンクが2014年度に変更された欧州の報酬規制に従わなかったことを理由に、ラボバ
ンクに罰金を科す意向を表明した。これは、当行の国際活動における少数の従業員に対する欧州の報酬規制の適
用に関連したものである。当該プロセスにより、2020年度にDNBから200万ユーロの罰金が科せられた。当行は、
2015年度時点で、欧州の報酬規制を遵守していた。
市場リスク
市場リスク選好度は、マーケッツおよびトレジャリーのための当行の市場リスク選好度に基づいている。ラボ
バンクの部門のうち、上記部門のみにおいて、そのトレーディング勘定または銀行勘定が市場リスクに晒されて
いる。当行は、トレーディング環境において相場の変動に適度に晒されることを目指す。
市場リスクは、市場価格の変動により当行の収益および/または経済的価値に悪影響が生じる可能性を必然的
に伴う。ある程度の市場リスクに晒されることは銀行業務にとって付き物であり、利益や価値を生み出す機会を
創出する。市場リスクの管理および監視において、当行は、トレーディング環境と銀行業務を区別する。
当行は、トレーディング環境における市場リスクを、市場リスクトレーディング枠組みの範囲内で日々管理
し、監視する。市場リスクのうち、トレーディング環境において最も重要な種類は、金利リスク(ベーシスリス
クを含む。)、クレジットスプレッドリスクおよび為替リスクである。
当行は、市場リスク枠組みにおける最も重要な指標として、ストレステストを検討している。ストレステスト
の枠組みには、引受業務における特定のストレステストとともに、感応度、仮説および過去のストレス・シナリ
オを用いることによって、リスク要因に対して極端ではあるが妥当な動きをもたらすことが含まれる。内部の
VaRモデルも、当行の市場リスク枠組みの主要部分である。当行は、過去1年間のデータを使用するヒストリカ
ル・シミュレーションに基づくVaRモデルを適用することを選択している。
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これに加え、当行は、トレーディング勘定において市場リスクを監視するために、一連の広範囲な補足的パラ
メータおよび制御を使用する。これには、金利デルタ、テナー・ベーシス・スワップ・リスク、コモディティ・
キャッシュ・デルタ、国家の制限およびFXエクスポージャー制限が含まれるが、これに限定されない。
リスク特性パフォーマンス
2019 年度のエクスポージャーは、定められたリスク選好度に収まった。2020年度の市場リスクに関して、リス
ク選好度を見直し、またはリスク選好度枠組みを大幅に修正する理由は、現在存在しない。
金利リスク
当行の金利リスクに関するリスク選好度は、当行の事業戦略に従っており、その事業戦略において、堅実な銀
行であることは重要なテーマの1つとなっている。堅実な銀行という当行の目標を促進するために、当行は、
IRRBB戦略に関して以下の目標を定めている。
1. 収益の創出 :イールド・カーブ上で長期リスクプレミアムを回収するために金利リスクを引き受けること
によって、管理された方法で収益を創出する。中期的に確実性の高い収益を創出することが目標である。
2. 市場ストレス時の当行の保護 :市場ストレス時に予期せぬ金利動向(テールリスク)から当行を保護す
る。
リテール銀行としての役割の変換を受けて、当行は、当行の利益のための重要な推進力として、適当なレベル
の金利リスクを受け入れる。しかしながら、金利変更による損失は、当行の財務健全性を決して脅かしてはなら
ない。
当行は、(1)資産および負債の再価格設定期間の不一致、および(2)顧客商品に組み込まれたオプショナ
リティに起因する、銀行業務環境における金利リスクに主に晒されている。また、当行は、銀行業務環境におけ
る為替リスクの対象にもなっており、この為替リスクは主に海外業務で投資した資本に係る為替換算リスクから
成る。
リスク特性パフォーマンス
当行は現在、広くニュートラルなポジションを有しており、金利リスクは当行の全体的なリスクポジションを
実質的に増加させていない。2019年度、当行のエクスポージャーは、定められたリスク選好度の限度内に収まっ
ていた。
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ベンチマークの規制および改革に関連した発展
ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)等のベンチマーク比率は、(一部2018年
1月1日に効力を生じたベンチマーク規制により)継続的な規制改革の対象である。ベンチマークの管理方法
は、かかる潜在的改革の実施を受けて、変更される可能性がある。その結果、ベンチマークは、過去とは異なる
方法で実施される可能性があり、もしくは完全に排除される可能性があり、またはその他の結果となる可能性が
あり、これには予測不可能なものもある。例えば、英国金融行動監視機構は、2021年以降LIBORを維持できない
ことを2017年7月に発表し、利用者に代わりの参照比率への移行を計画するよう促した。
当行は、ベンチマーク比率で参照される重要な契約上の権利および義務を有している。かかる発展またはその
他のイニシアチブもしくは調査の結果としてベンチマーク比率を中止または変更する場合、および当該変更また
は中止の実施時期および実施方法が不明確である場合、当行、当行の顧客またはその他の市場参加者のいずれか
が現在のベンチマーク比率で参照する契約ならびに当行のシステムおよびプロセスを変更する必要がある可能性
がある。これらは全て、ラボバンクの行動/訴訟リスク、レピュテーションリスクおよび財務リスクを高める。
金利面での主なリスクは、イールド・カーブのフラット化と相まった、低金利水準の持続である。かかる環境
において、NIIの結果を一定の水準で維持することは困難である。これまでのところ、当行は、大半のリテール
預金に関する顧客金利を0%で維持しており、当該預金のマージン圧力には上限が設けられている。
ECB は2019年度、預金金利をマイナス0.4%からマイナス0.5%に引き下げた。ECBはまた、TLTROプログラムの
延長、毎月の200億ユーロでの資産購入の再開、および2段階預金システムも発表した。この最後の措置は、
マージン圧力をさらに緩和し、当行を保護するであろう。
当行は、ポジショニングの透明性の向上およびリスクの集中化に取り組み、これは金利リスクおよびその他の
要素のより良い管理をもたらした。
流動性リスク
ラボバンクは、その変革機能が完成しているため、本質的に資金調達リスクおよび流動性リスクに晒されてい
る。したがって、資金調達リスクおよび流動性リスクを適切に管理することが非常に重要である。堅実な銀行で
あるという当行の目標は、資金調達リスクおよび流動性リスクの管理に関する以下の主要目標につながってい
る。すなわち、当行は銀行として常に、許容し難い損失を被ることなく、資産に融資し、契約上かつ財務上の義
務を果たすことができなければならない。結果として、当行は、十分な信頼および信用があることを保証しなけ
ればならない。通常時およびストレス時いずれの市場状況においても継続的な市場アクセスを有することが目的
である。
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当行の方針は、安定した資金調達(すなわち、顧客から委託された資金および長期ホールセール資金調達を意
味する。)を用いて顧客資産に融資することである。当行は、外部および内部の要件に準拠するために、当行の
流動性ポジションおよび資金調達ポジションを管理する。当行は、限度内において、可能な限り効率的に当行の
ポジションを管理および指揮し、堅実なリターンを創出する。
当行は、当行の顧客の要求に対して資金調達の有効性および費用を最適化するために、質の高い頑強な流動性
バッファを有している。当行は、リテール対ホールセール資金に関して、ならびに投資家、債権、満期、国およ
び通貨に関して、分散型のグローバル資金調達ベースも有している。
リスク特性パフォーマンス
2019 年度、RAS指標の違反はなかった。資金調達に関する現在の見通しは、良好である。当行のオファリング
に対しては大きな需要があり、一般的に当行による発行は大幅な応募過多となっている。
事業リスク
当行は、競争環境の変化や、事業のフランチャイズまたは運営面の経済性を損なう事象の発生により損失を被
るリスクの影響を受けやすい。具体的にこれは、販売数量の減少、(商業)マージンの低下および/または(運
用)コストの増加による損失のリスクである。このような重大なリスク種別は、当行が戦略を実行せず、当行を
戦略的に位置づけることができず、または外部要因によって生じた重大かつネガティブな計画逸脱に対する当行
の対応が効果的でなかったことに起因する可能性がある。
当行は、事業リスクに関する明確なリスク選好度声明を作成していないが、これは主に当行組織の戦略計画に
おいて集約的、統合的、かつ、包括的な方法で記されているためである。ファイナンスおよび管理部門は、当該
リスクの課題および「管理」について主要な責任を負っている。その主な理由は、事業リスクを分析するための
シナリオ分析および感応度分析から成る構造化されたプログラムを通じて、潜在リスクが管理および軽減される
からである。当行のシナリオおよび感応度の選択は、ラボバンクの戦略的リスクを考慮に入れている。さらに、
中期計画(MTP)および予算プロセスは、事業リスク管理の重要な要素である。
戦略的発展/新規発生リスク
当行のリスク管理活動は、戦略の設計および実行に不可欠な要素である。新たな戦略イニシアチブは、刺激的
な機会を開く可能性があるが、期待される報酬は関連リスクに対してバランスが取れていなければならない。銀
行業務環境のデジタル化は、これまで直面したことのないリスクを伴う。当行は、外部の発展の動向を追跡し、
(将来の)リスクが当行の戦略的目標の実現にどのように影響を及ぼす可能性があるかを注意深く監視する。当
行は、様々な種別のリスクを特定するために、定期的に構造上のトップダウンおよびボトムアップのリスク評価
を行い、悪化シナリオの影響を計測するために特定のストレステストを行う。これらのリスクの統括概要、これ
らに対する変更、およびこれらに対処するために取られる措置は、経営委員会および監督委員会において定期的
に協議される。
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2020 年度の業績および健全性活動の一環として、当行の戦略的リスクは、事業モデル、気候変動および規制変
更という3つの集中分野に分類される。
3つの集中分野は、外部/新規発生リスクの発展に関する年次のアップデートに基づいており、当行内部の既
存の課題に対してアウトサイドインの視点を加える。
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(3) 経営委員会の責任表明
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(ラボバンク)の経営委員会は、同委員会が知る限りにおいて、以
下を表明する。
-財務書類が、ラボバンクおよび連結財務書類に含まれる会社の資産、負債、財政状態および利益に関する真正
かつ公正な見解を示すものであること。
-経営報告書が、報告日におけるラボバンクおよび財務書類にその情報が含まれている関連会社の状況、ならび
にこれらの会計年度中における状況の経過に関する真正かつ公正な見解を示すものであること。
-経営報告書が、内部リスクおよび制御システムの有効性に関する欠陥について十分な見識を示すものであるこ
と。
-財務報告における内部統制に関する情報が、連結財務書類の注55に記載されていること。
-経営報告書が、今後12ヶ月間におけるラボバンクの継続企業の前提に影響を与える可能性のある、ラボバンク
が直面する主要なリスクおよび不確実性、ならびにその他の将来のリスクを説明していること。
経営委員会
会長 ウィバ・ドライヤー
CFO バス・ブラウワース
CRO エルス・デ・フロート
委員 カーステン・コンスト
委員 バート・ルアース
委員 マリエル・リヒテンベルク
委員 ベリー・マルティン
委員 ヤン・ヴァン・ニーウェンハウゼン
委員 イコ・セィフィンガ
委員 ジャニノ・フォス
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(2) 【役員の状況】
男性の役員の数:58名、女性の役員の数:30名(女性の役員の割合:34%)
① (a) 監督委員会
2020 年6月10日現在の当社監督委員会の構成員は次表のとおりである。
所有株式の
氏名 生年月日 役職 就任日 主要略歴 種類および
数
専門
監督取締役/
ロン (R.) ティアリンク
1961 年1月28日 会長 2013 年9月25日 該当なし
経営コンサル
タント
監督取締役/
マリヤン (M.) トロンペッター
1963 年11月1日 副会長 2015 年9月23日 経営コンサル 該当なし
タント
専門監督
アネット(A.P.)アリス 1958 年10月27日 2018 年12月12日 取締役/首席 該当なし
客員教授
専門監督
レオ (L.N.) デグレ
1948 年8月15日 2012 年6月15日 該当なし
取締役
専門監督
ペイトリ (P.H.M.) ホフステー
1961 年4月6日 2016 年12月30日 該当なし
取締役
起業家兼専門
アリアン (A.A.J.M.) カンプ
1963 年6月12日 2014 年12月3日 該当なし
監督取締役
専門監督
ヤン (J.J.) ノイヘダフト
1953 年7月17日 2016 年9月14日 該当なし
取締役
専門監督
マルク (M.R.C.) ペンサール
1964 年10月16日 2020 年4月8日 該当なし
取締役
専門監督
パスカル (P.H.J.M.) フィゼー
1961 年7月11日 2016 年12月14日 取締役/独立 該当なし
アドバイザー
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(b) 経営委員会
2020 年6月10日現在の当社経営委員会の構成員は次表のとおりである。
所有株式の
氏名 生年月日 役職 就任日 主要略歴 種類および
数
2014 年
ラボバンク入社
ウィバ (W.) ドライヤー 1965 年8月27日 会長 2014 年10月1日 該当なし
銀行業務経験
6年
2016 年
ラボバンク入社
バス (B.C.) ブラウワース
1972 年 1月5日 2016 年 1月1日 該当なし
銀行業務経験
22 年
1990 年
ラボバンク入社
ベリー(B.J.)マルティン 1965 年 11月16日 2009 年 7月1日 該当なし
銀行業務経験
30 年
2009 年
ヤン (J.L.) ヴァン・ニーウェン
ラボバンク入社
1961 年 3月29日 2014 年 3月24日 該当なし
銀行業務経験
ハウゼン
34 年
2019 年
ラボバンク入社
エルス(E.A.)デ・フロート 1964 年 4月27日 2019 年 2月1日 該当なし
銀行業務経験
12 年
2010 年
ラボバンク入社
カーステン (C.M.) コンスト
1974 年 9月12日 2017 年 9月1日 該当なし
銀行業務経験
18 年
2016 年
ラボバンク入社
バート (B.) ルアース
1971 年 9月3日 2017 年 9月1日 該当なし
銀行業務経験
23 年
1995 年
マリエル (M.P.J.) リヒテンベル
ラボバンク入社
1967 年 10月5日 2017 年 9月1日 該当なし
銀行業務経験
ク
25 年
2015 年
ラボバンク入社
イコ (I.A.) セィフィンガ
1966 年 2月26日 2017 年 9月1日 該当なし
銀行業務経験
24 年
2016 年
ラボバンク入社
ジャニノ (B.J.) フォス
1972 年 11月7日 2017 年 9月1日 該当なし
銀行業務経験
4年
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② 役員の報酬
監督委員会
監督委員会メンバー償還額は2016年度に改訂され、当行の報酬構想と一致するようになり、また、欧州大陸に
おいては業界間のベンチマークおよび類似したポジションについての金融銀行のベンチマークの両方に基づいて
いる。かかる改訂以降、変更はなかったため、2019年度における償還額は下記のとおりであった。
2016 年10月1日現在の報酬体系
単位:ユーロ 報酬
メンバー 90,000
監督委員会、リスク委員会、協同組合問題委員会の会長、追加額 20,000
指名委員会、報酬委員会および人事委員会の会長、追加額 20,000
副会長、追加額 30,000
会長 220,000
個々人への報酬
2019 年度における監督委員会メンバー個々人への償還額は下記のとおりである。
監督委員会報酬
単位:千ユーロ 報酬額
アネット・アリス 90
イレネ・アッシャー・フォンク(2019年6月18日まで) 38
レオ・デグレ 90
ペイトリ・ホフステー 110
アリアン・カンプ 110
ヤン・ノイヘダフト 110
ロン・ティアリンク 220
マリヤン・トロンペッター 140
パスカル・フィゼー 90
2019 年度合計 998
2018 年度合計 992
2019 年度において、マリヤン・トロンペッターはさらに4年間の任期で再任命された。同氏に対する個人報酬
に変更はなかった。イレネ・アッシャー・フォンクは、2019年6月19日付で監督委員会のメンバーを辞任した。
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個々人の貸出金および証書
2019 年12月31日 時点で監督委員会に在籍するメンバーの未払貸出金および平均金利は下記のとおりであった。
監督委員会のメンバーごとの貸出金
単位:百万ユーロ 貸付残高 平均金利(%)
2019 年12月31日現在
アリアン・カンプ 1.2 1.6
マリヤン・トロンペッター 0.6 2.5
2019 暦年末時点で、表に含まれていない監督委員会のメンバーは、貸出金、前払金および保証金を一切受領し
ていない。
監督委員会のメンバーの一部は、個人としておよび/または民間の年金会社を通じてラボバンク証書に投資し
た。2019年12月31日現在、個々のメンバーごとのラボバンク証書口数は、下記のとおりであった。
監督委員会のメンバーの証書
2019 年12月31日現在
レオ・デグレ 4,836 (年金B.V.)
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経営委員会
経営委員会の報酬方針は、当行の報酬構想と一致して、当行の協同組合としてのミッションを実現するため、
貢献度およびリーダーシップに重点を置いている。与えられている役割の市場に基づいたポジション参考値と合
致し、また、個人的なリーダーシップ・プロフィールから期待されたリーダーシップ・プロフィールとも比較し
て経営委員会メンバーの給与の範囲内で報酬は決定されている。報酬方針への変更は、承認のため一般加盟者理
事会にかけられる。経営委員会のメンバーは4年間の任期で任命される。メンバーらの個々の報酬は、その特定
期間について決定される。経営委員会のメンバーは、変動報酬を受領する資格を有さない。経営委員会の報酬方
針は、2017年度に一般加盟者理事会によって承認され、2019年度において変更はなかった。
経営委員会の報酬方針は、経営委員会会長および経営委員会のメンバーという2つの集団によって構成されて
いる。経営委員会内のポジションはオランダの業界間同業他社および金融銀行業界の欧州大陸同業他社という2
つのベンチマークに対して、ベンチマークによって評価される。給与の範囲は、成果に基づいて調整される可能
性がある。2017年度ベンチマークに基づき、給与の範囲はその2つの集団に設定された。経営委員会の報酬体系
および給与スケールは下記のとおりである。
経営委員会の給与スケール
単位:ユーロ 最低額 最高額
経営委員会の会長 884,000 1,154,400
経営委員会メンバー 477,000 884,000
2017 年度における経営委員会の導入に伴い、職位ごとの参考値が定義された。経営委員会メンバーの個々の報
酬は、職位の対外的ベンチマークと併せてメンバーの個人的能力およびリーダーシップ・プロフィールに基づい
ている。
経営委員会のメンバーは、給与とは別に、団体確定拠出制度である年金制度など、副次的雇用条件を受けてい
る。2019年1月1日現在、年金を生じさせられる最高収入は、101,745ユーロとなった。加えて、経営委員会の
メンバーは、そのポジションレベルに応じて個別拠出年金を受領する。経営委員会のメンバーのために、通勤お
よび出張のための社用車ポリシーが整えられている。
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個別報酬
2019 年度における経営委員会のメンバーの個々の報酬は下記のとおりである。報酬は、前雇用者からの繰延変
動給与の損失(の一部)についての報酬(バイアウト)、住宅ローン金利へのディスカウント、また、財務的な
助言についての報酬など、給与、年金制度、個別拠出年金、その他の支払いに分類されている。
2019 年2月1日付で、エルス・デ・フロートは、チーフ・リスク・オフィサー(CRO)としての勤務を開始
し、バス・ブラウワースは2020年1月1日付でさらに4年間の任期で再任命された。同氏に対する個々の報酬
パッケージに変更はなかった。このパッケージは、適用される給与スケールに対応している。
経営委員会報酬
単位:千ユーロ 給与 年金制度 個別拠出年金 その他 合計
ウィバ・ドライヤー 980 27 211 - 1,218
バス・ブラウワース 884 27 188 2 1,101
エルス・デ・フロート
688 25 143 - 855
(2019年2月1日現在)
ペイトラ・ファン・フーケン
74 2 16 - 92
(2019年2月1日まで)
カーステン・コンスト 800 27 168 2 997
バート・ルアース 650 27 132 - 809
マリエル・リヒテンベルク 750 27 156 9 942
ベリー・マルティン 884 27 188 - 1,099
ヤン・ヴァン・ニーウェンハ
884 27 188 - 1,099
ウゼン
イコ・セィフィンガ 750 27 156 0 933
ジャニノ・フォス 650 27 132 0 809
2019 年度合計 7,993 272 1,674 13 9,952
2018 年度合計 8,116 260 1,707 164 10,247
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個々の貸出金
2019 年12月31日時点で経営委員会に在籍するメンバーの貸出金残高および平均金利は下記のとおりであった。
経営委員会貸出金
単位:百万ユーロ 貸付残高 平均金利(%)
2019 年12月31日付
カーステン・コンスト 0.2 5.0
バート・ルアース 0.8 2.2
マリエル・リヒテンベルク 1.2 3.6
ベリー・マルティン 0.0 5.8
ヤン・ヴァン・ニーウェンハウゼン 1.2 1.9
ジャニノ・フォス 0.9 2.3
個々の証書
執行委員会の複数のメンバーが個人的にラボバンク証書に投資しており、下表にて記載されている。
経営委員会のメンバーの証書
ラボバンク証書口数
2019 年12月31日付
カーステン・コンスト 800
マリエル・リヒテンベルク 970
ベリー・マルティン 5,600
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国内銀行事業
執行役員ポジション
経営委員会以下の経営チームのレベルは、「執行役員ポジション」と称される。2019暦年末時点で、従業員
214人が「執行役員ポジション」であり、このうち約4%が、オランダの契約に基づき雇用されオランダ国外で
働いている駐在員に分類されている。かかる数値は2018年度と比較して低くなっている。2018年度と比べ、執行
役員ポジションの合計報酬は1%の減少となった。
執行役員の固定給与報酬パッケージは、ヘイ・ポイントに基づく職位によって決定されている。これらの職位
は、執行役員ポジションのスケール1から5まで及ぶ給与スケールに関連づけられている。執行役員ポジション
のうち、職種および担う業種(例えば、特定の商業的な役割)により、限られた人数のみ変動報酬を受領する資
格を有している。執行役員の大部分の人は、固定給のみ受け取っている。
さらに、ラボバンクは、学習・開発の機会や自動車リースなど、副次的雇用条件の魅力的なパッケージを提供
している。執行役員は、5年ごとに2ヶ月の長期有給休暇を取得することができる。ラボバンクの年金制度は、
団体確定拠出制度であり、執行役員ポジションに適用される。2019年1月1日付で、年金を生じさせられる最高
収入は、101,745ユーロとなった。執行役員は、そのポジションレベルに応じて個別拠出年金を受領する。
③ 役員が受けている特別の利益
2019 年度における経営委員会に対する当社の貸出金、前渡金ないし保証金の額は4.2百万ユーロ(2018年度:
5.2百万ユーロ)であった。2019年度における監督委員会の構成員に対する当社の貸出金、前渡金ないし保証金
の額は1.8百万ユーロ(2018年度:2.1百万ユーロ)であった。
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(3) 【監査の状況】
① 監督委員会の活動状況
監督委員会およびその常設委員会の構成および会合出席率(2019年12月31日現在)
会合 監督 リスク 監査 協同組合問題 報酬・人事 指名
委員会 委員会 委員会 委員会 委員会 委員会
開催回数 12 回 8回 8回 6回 8回 9回
ロン・ ティアリンク 92 % - 100 % 100 % 100 % 100 %
( 会長)
マリヤン ・ トロンペッター 100 % 100 % - 100 % 100 % 100 %
( 会長) ( 会長)
ペイトリ ・ ホフステー 100 % 100 % 100 % 83 % - -
( 会長)
ヤン ・ ノイヘダフト 83 % 100 % 100 % - - -
( 会長)
レオ ・ デグレ 92 % 100 % - - 100 % 100 %
パスカル ・ フィゼー 100 % - 100 % - 100 % 100 %
アリアン ・ カンプ 92 % 100 % - 100 % - -
( 会長)
1 * * *
83 % - -
アネット・アリス 5( ) 4( ) 5( )
1 アネット・アリスが新たな構成員として指名されたため、リスク委員会、報酬・人事委員会および指名委員会は、2019
年4月にメンバー構成を変更した。そのため、当該委員会に係る同氏の出席率は同氏の指名日以降の出席回数にて表示
されている。
監督委員会
一般的な任務および職務
監督委員会は、経営委員会の追求する方針ならびにラボバンクおよびその関連会社における通常の業務の流
れを監督する。監督者としての役割のほかに、監督委員会は経営委員会のアドバイザーおよび雇用主としても
機能する。また監督委員会の構成員は、加盟者、顧客およびその他の利害関係者と関わることでラボバンクの
「橋渡し役」としての役割も果たしている。
会合
2019 年度中、監督委員会は合計12回招集された。これらの会合には経営委員会も参加した。このほかにも監
督委員会は内部会合を複数回開催した。
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議題
2019 年度中、監督委員会はラボバンクの財務業績、移行プロセスの進捗状況、リスクおよびコンプライアン
ス関連の課題、ならびに規制の動向(バーゼルIV等)についての情報更新を頻繁に受けた。また監督委員会
は、通知事項の結果およびそのフォローアップ、現地視察および外部規制の徹底調査について協議し、さらに
臨時の議題および各委員会における協議事項の報告も受けた。監督委員会の承認を要する事案については、関
連する委員会が監督委員会全体に対して助言を行った。
2019 年度中、監督委員会はデジタル・バンキング、IT、サイバー・セキュリティおよびオペレーションに関
する最新のテーマおよび議題について定期的に協議した。
2019 年度中、監督委員会はオランダ国内の個人およびSME顧客に対するラボバンクの電話対応の稼働率(「ベ
ライクバールハイド」)に特に注目した。また監督委員会は、顧客の本人確認(KYC)(顧客デューデリジェン
ス(CDD)および取引監視(TM))に関する定期的なアップデートについても集中的な協議を行った。最後に監
督委員会は、2019年度はエネコ・プロジェクトにも特に注目し、ラボバンクが外部のパートナーとともにエネ
コに対して出資できるか否かにつき検討した。
リスク委員会
一般的な任務および職務
リスク委員会は、リスク・ガバナンス枠組み、リスク管理システムおよびリスク選好に係る当行の動向およ
び実施状況につき、監督委員会がその完全性および質を監督するための判断材料を準備する。これには、とり
わけ当行のリスク分析シナリオの見直しおよび効果的な再検討、並びに強固なリスク文化におけるリスク認識
の喚起が必然的に含まれる。
会合
2019 年度中、リスク委員会は8回招集された。このうち2回では、(1)顧客の本人確認(KYC)(顧客
デューデリジェンス(CDD)および取引監視(TM))リテール・オランダ(WRRを含む。)ならびに(2)IRRBB
ポジション管理戦略2019について徹底的に掘り下げた。過年度同様、リスク委員会と監督委員会総会との合同
会合も実施された。当該合同会合の焦点は、ストレス・テスト2019シナリオの結果を含めた、自己資本健全性
意見書およびICAAP/ILAAPについての、協議およびその後の承認に当てられていた。
2019 年12月にはリスク委員会(RC)と監査委員会(AC)の双方に関係する議題に焦点を当てた、いわゆるRC-
ACブリッジ・セッションを初めて開催した。当該セッションにおいては、CLRのフューチャー・フィット・プロ
グラムの公表を含めた、リスク機能およびコンプライアンス機能の自己評価について協議された。このRC-AC合
同ブリッジ・セッションは、2020年度にも定期開催される。
継続的な専門研修に関するセッションは、監督委員会の監査委員会の構成員と合同で2回開催された。
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議題
2019 年度中、リスク委員会はICAAP/ILAAPおよびストレス・テスト、第3の柱、ならびに信用、リスク、リー
ガルおよびコンプライアンスに係る四半期報告といった一般的な議題を取扱った。加えてリスク委員会は戦略
的リスク、グループのRAS、SREPおよびSIRA、グループの回復計画ならびにグループの報酬方針について、監督
委員会に対して助言を行った。
通常の協議事項とは別に、リスク委員会が2019年度に特に注目したのは当行のIRRBB戦略の策定、NPLポート
フォリオおよび改定後のNPL戦略の現在の状況と動向、ならびにとりわけ酪農業界と地価の変動に焦点を置いた
セクター管理/セクター・バンキングであった。
リスク委員会は、オペレーショナル・リスク特性の状態および見通し(バック・トゥ・グリーン活動ならび
にバンキーレン3.0に関するオペレーショナル・リスクおよび緩和策に係る進捗状況を含む。)についても議論
し、(i)リスク管理枠組み(RCF)の次なる段階、および(ii)気候変動リスクに関する徹底調査にも取組ん
だ。
リスク委員会には、リスクおよびFR&Rの分野で実施されたOSIの結果およびフォローアップ、ならびにCLRの
フューチャー・フィット・プログラムの概要に関する最新情報が定期的に報告されていた。リスク委員会は、
オランダ国内の住宅ローン・ポートフォリオ(インタレスト・オンリー住宅ローンを含む。)、信用リスク・
モデリング手法であるラボ・モデル情勢、サイバー・リスクおよびITリスク、クレジット・コア・プログラ
ム、ならびにブレグジットに対する当行の備えにつき、その質とリスク特性について深く掘り下げた。
2019 年度中の全ての会合において、リスク委員会はCAREプログラム(顧客の本人確認(KYC)(顧客デューデ
リジェンス(CDD)および取引監視(TM))、改善計画の状況、報告義務を含めた取引監視、米国BSA-AMLプロ
グラム合意書についてのアップデート)の状況と動向につき深く協議した。またリスク委員会は、SDLに占める
不良債権の割合を含むオランダSMEポートフォリオの質に焦点を当てた、信用リスクおよびFR&Rの見通しおよ
び状態について広く報告を受けた。
監査委員会
一般的な任務および職務
監査委員会は、ラボバンク・グループの財務報告、ラボバンク・グループの内部統制枠組みの効果、外部監
査役、ラボバンク・グループの内部監査機能、ラボバンク・グループのコンプライアンス機能の作動につき、
監督委員会がその完全性および質に係るあらゆる事項につき判断する上での判断材料を準備する。
監査委員会は、監督委員会の要請を受けまたは自発的に、手続規則に記載の事項につき監督委員会に対して
推奨案を提出する。
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会合
2019 年度中、監査委員会は8回招集されたほか、予算案の準備のため「ワーキング・セッション」が一度開
催された。
2019 年12月には、リスク委員会(RC)と監査委員会(AC)の合同会合が初めて開催された。当該会合は、両
委員会に影響する議題に焦点を当てたものである。コンプライアンス・マネジメント機能およびリスク・マネ
ジメント機能の質についても、当該会合の協議事項に含まれていた。2020年度にはより多くの合同会合が定期
開催される。
継続的な専門研修に関するセッションは、監督委員会のリスク委員会の構成員と合同で2回開催された。
議題
監査委員会において通常協議される主要議題は、業績報告書(四半期毎)、金融市場一般に係る最新情報、
(半期)年次報告、貸倒報告、COREP/FINREP報告、内部監査報告、内部監査役の監査計画、外部監査役の委員
会報告、外部監査役の監査計画、持続可能性に係る報告(四半期毎)、監査関係および予算案に係る報告なら
びに中期計画についてである。
監査委員会が2019年度に特に注目した議題は、IBOR移行、WRRおよび「ベドライフェン」からの業績アップ
デート、バーゼルIVに係るアップデート、外部監査役の評価、ITアップデートならびに内部監査品質枠組みで
ある。
協同組合問題委員会
一般的な任務および職務
協同組合問題委員会は、当行の協同組合としての構造、組織およびアイデンティティに係るあらゆる事項に
つき監督委員会に対して助言を行い、監督委員会が判断を迫られる際の判断材料を準備する。その中身は、
(i)当行の協同組合としての組織および運営に係る経営委員会作成の報告書を評価すること、(ii)協同組合
に関する問題につき、経営委員会の要請を受けてまたは自発的に経営委員会に対して助言を提示すること、な
らびに(iii)顧客、市場またはサービスに関連する議題(さらに各事業部によって策定された持続可能性ター
ゲットに付随する、持続可能性に係る目標、ビジョンおよび戦略に関する議題)につき、経営委員会の要請を
受けてまたは自発的に経営委員会に対して助言を行うことである。
会合
2019 年度中、協同組合問題委員会は6回招集された。
議題
協同組合問題委員会における2019年度の通常の議論の中で、営利事業部門における顧客重視および顧客分析
に係るプレゼンテーション、デジタル・イノベーションに係るプレゼンテーションならびに可能性のある新た
なビジネス・モデルに係る議論が行われた。また社会イニシアチブおよびコーペラティブ・リニューアルにつ
いてのアップデート、DLLおよびBPDについてのプレゼンテーションも行われ、監督委員会による銀行訪問の概
要についても議題に上った。
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報酬・人事委員会
一般的な任務および職務
報酬・人事委員会は、報酬、ならびに組織の発展および変革、戦略的人事計画、パフォーマンスの管理計画
および評価、従業員エンゲージメントおよびその他最新の人事問題といった人事および組織一般に係る問題に
つき、監督委員会が判断する上での判断材料を準備する。加えて、報酬・人事委員会は、これらの課題が当行
のリスクおよびリスク管理にもたらす影響についても、当行の利害関係者の長期的な利益および社会に受け入
れられている慣習、さらにはラボバンクの長期的な事業、リスク選好、業績および統制環境を考慮しながら検
討する。
報酬・人事委員会は、リスク委員会との協力のもと、報酬制度により生じるインセンティブの評価を行って
おり、また支配的業務を担う上級経営者の報酬については直接監督している。報酬・人事委員会は、固定およ
び変動報酬に係る情報のほか、ラボバンク・グループ内における在籍、退社および入社する者への諸手当に係
る情報も掲載される、グループ全体の報告書に基づき、ラボバンク・グループ報酬方針に対する提言を作成
し、またラボバンク・グループ内において最も高額な収入を得ている従業員層に係る報酬実務を評価する。さ
らに、報酬・人事委員会は報酬方針およびその実施につき規定する一般原則を見直すために、当行の主要な、
独立した内部の評価を(最低でも年に一度)準備している。当行は良識的かつ節度のある持続可能な報酬方針
を追求している。
報酬一般および変動報酬に係る情報については、本報告書の報酬の項を参照のこと。
会合
2019 年度中、報酬・人事委員会は8回招集された。
議題
2019 年度中、報酬・人事委員会は、戦略的人事計画、才能育成、雇用適性、教育的取組み、健康および活力
(欠勤状況の報告を含む。)、エンゲージメント、文化、余剰人員の解雇による従業員への影響、従業員の参
画、「トップの姿勢」(例えば先導力)、ならびに報酬に係る様々な課題といった一般的議題について検討し
た。同委員会は、機動的な働き方、多様性と一体性、および仕事の未来といった具体的な人事テーマについて
も深く掘り下げた。
報酬・人事委員会は、グループ報酬方針について、経営委員会とは無関係のごく少数の重大な特例を承認す
るよう、監督委員会を促した。当該特例は、地域ごとの多様な法令および規制ならびに/または市場慣習に基
づくものであった。さらに報酬・人事委員会は、経営委員会の業績目標および特定スタッフ(本用語について
は本報告書の報酬の項の説明を参照のこと。)の一般的な業績目標についても協議した。同委員会は監督委員
会のために、ラボバンク・グループ全体および特定スタッフに分類される従業員の個別の変動報酬につき、毎
年算定される合計変動報酬とその潜在的リスク評価に関する準備作業を行った。同委員会は労使協議会の動向
および考察についても協議した。最後に、人事・報酬委員会は年次報告書内の報酬の項につき一般加盟者理事
会の機密情報委員会と協議し、特にバンキング3.0に関わる従業員への重大な影響に注目した。
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指名委員会
一般的な職務および任務
指名委員会は、監督委員会が監督委員会、経営委員会およびそれ以上の上級経営者のポストの構成ならびに
これらへの指名および再指名につき判断する上での判断材料を準備する。
会合
2019 年度中、指名委員会は9回招集された。
議題
指名委員会はとりわけ、各委員会の引継計画および略歴に基づき、監督委員会および経営委員会の人事異動
につき監督委員会に対して助言を行う。具体的には、指名委員会は2019年度中、バス・ブラウワースの経営委
員会構成員への再指名、マリヤン・トロンペッターの監督委員会構成員への再指名、および監督委員会構成員
への新規採用につき助言を行った。加えて、指名委員会は適性方針の実施状況につき評価し、新規制に基づき
報告を行った。指名委員会は、経営委員会構成員のラボバンク内外における新たな立場および役割、ならびに
監督委員会構成員の新たな立場につき協議した。人材管理の一環として、また監督委員会および経営委員会の
潜在的な候補者を見つけ出し評価する意味においても、指名委員会は定期的に(性別)多様性の確保を行って
いる。
監督委員会の構成員の詳細については、上記「(2)役員の状況」を参照。
② 内部監査の状況等
ラボバンクには、オペレーショナル監査、コンプライアンス監査、IT監査、ローン(評価)監査および財務
報告に対する内部統制に係る監査を行う内部監査部門(「オーディット・ラボバンク」)が存在する。
③ 外国監査公認会計士等の選任および監査報酬
( イ) 外国監査公認会計士等の選任
オランダにおける監査法人の強制ローテーション制度に従い、2016年1月1日を期首とする会計年度より、
ラボバンクの独立した会計監査人としての業務はアーンスト・アンド・ヤング・アカウンタンツ・エルエル
ピーからプライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイに引き継がれた。
( ロ) 外国監査公認会計士等の評価
該当なし。
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( ハ) 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
ラボバンクの独立した会計監査人であるプライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブ
イ(「PwC」)ならびにその提携事務所および/または関連会社がラボバンクおよびその子会社に対して2018
年度および2019年度に提供したサービスに係る費用は、以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2018 年度
PwC ネットワークの
PwC オランダ 合計
その他の事務所
監査業務 9.8 7.5 17.3
監査関連業務 0.5 0.5 1.0
税務助言業務 - 0.3 0.3
その他の非監査業務 - 0.6 0.6
合計 10.3 8.9 19.2
単位:百万ユーロ 2019 年度
PwC ネットワークの
PwC オランダ 合計
その他の事務所
監査業務 8.2 7.4 15.6
監査関連業務 1.5 0.6 2.1
税務助言業務 - 1.8 1.8
その他の非監査業務 - - -
合計 9.7 9.8 19.5
上記の監査報酬は、PwCおよび全世界のPwCネットワークに属するその他の提携事務所(税務サービスおよび
アドバイザリー・グループを含む。)がラボバンクおよびその連結グループ事業体に対して実施した手続きに
関連するものである。当該監査報酬は、財務諸表の監査に関連するものであり、当該監査が当該会計年度中に
実施されたか否かは問わない。
( ニ) その他重要な報酬の内容
該当なし
( ホ) 外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
主にコンプライアンス関連業務、翻訳業務、相談業務等が含まれる。
( ヘ) 監査報酬の決定方針
該当なし
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(4) 【役員の報酬等】
該当なし。
(5) 【株式の保有状況】
該当なし。
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有価証券報告書
第6 【経理の状況】
ラボバンクの個別財務諸表は、オランダ民法典第2編第9章に記載されている財務報告要件に基づいて作成され
ている。これらの会計原則は、参加持分(およびジョイント・ベンチャー)の測定を除き、欧州連合により採択さ
れた国際財務報告基準(以下「IFRS」という)に準拠し、オランダ民法典第2編第9章に記載されている財務報告
要件に基づき作成されているラボバンク・グループの連結財務諸表の作成時に用いられる会計原則と同じである。
参加持分(およびジョイント・ベンチャー)は純資産価値で測定されている。国際会計基準審議会により公表され
たIFRSと日本において一般に公正妥当と認められる会計原則の主要な相違は、「4 国際財務報告基準(IFRS)と日
本における会計原則及び会計慣行の相違」で説明されている。
以下に記載されている邦文の2019年度のラボバンク・グループの連結財務諸表およびラボバンクの個別財務諸表
は原文の財務書類を翻訳したものであり、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵
省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第131条第1項の規定に従って作成されている。
オランダ語による原文のコーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(ラボバンク)の2019年12月31日に終了した
年度の個別財務諸表および連結財務諸表は、オランダにおける当行の独立した監査人かつ公認会計士法第1条の3
第7項に規定する外国監査法人等であるプライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイの監
査を受けており、それらに関する監査報告書が2020年3月5日付で発行されている。
なお、上記2019年度の連結財務諸表および個別財務諸表は金融商品取引法第193条の2第1項第1号および「財
務諸表等の監査証明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の2の規定により、外国監査法人等によ
り監査証明に相当すると認められる証明を受けているため、本邦の公認会計士または監査法人による金融商品取引
法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けていない。
2019 年度のラボバンク・グループの連結財務諸表およびラボバンクの個別財務諸表はユーロで表示されている。
以下の財務書類で表示された円貨額は、利用者の便宜のためであり、財務諸表等規則第134条の規定に従って、
2020年3月12日現在の東京外国為替市場における対顧客電信直物売買相場仲値である1ユーロ=117.87円の換算
レートで換算されたものである。
財務書類の円換算表示ならびに「2 主な資産・負債及び収支の内容」、「3 その他」および「4 国際財務
報告基準(IFRS)と日本における会計原則及び会計慣行の相違」はオランダにおいて公表された財務書類には記載さ
れておらず、当該事項における財務諸表への参照事項を除き、未監査である。
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1 【財務書類】
連結財政状態計算書
連結財政状態計算書 注記 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産
現金および現金同等物 6 63,086 7,435,947 73,335 8,643,996
金融機関に対する貸出金および預け金 7 29,297 3,453,237 17,859 2,105,040
売買目的金融資産 8 1,870 220,417 2,876 338,994
公正価値測定に指定した金融資産 9 101 11,905 157 18,506
強制的に公正価値で測定される金融資産 10 1,905 224,542 2,134 251,535
デリバティブ 11 23,584 2,779,846 22,660 2,670,934
顧客に対する貸出金および預け金 12 440,507 51,922,560 436,591 51,460,981
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
13 13,505 1,591,834 18,730 2,207,705
金融資産
関連会社および共同支配企業への投資 14 2,308 272,044 2,374 279,823
のれんおよびその他無形資産 15 829 97,714 966 113,862
有形固定資産 16 5,088 599,723 4,455 525,111
投資不動産 17 371 43,730 193 22,749
当期税金資産 169 19,920 243 28,642
繰延税金資産 27 933 109,973 1,165 137,319
その他資産 18 6,610 779,121 6,431 758,022
435 51,273 268 31,589
売却目的固定資産 19
資産合計 590,598 69,613,786 590,437 69,594,809
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有価証券報告書
注記 2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
負債
金融機関預り金 20 21,244 2,504,030 19,397 2,286, 324
顧客預り金 21 342,536 40,374,718 342,410 40,359,867
発行済負債証券 22 130,403 15,370,602 130,806 15, 418,103
売買目的金融負債 23 399 47,030 400 47,148
公正価値測定に指定した金融負債 24 6,328 745,881 6,614 779, 592
デリバティブ 11 24,074 2,837,602 23,927 2,820,275
その他負債 25 6,835 805,641 6,342 747, 532
引当金 26 783 92,292 1,126 132,722
当期税金負債 228 26,874 229 26, 992
繰延税金負債 27 540 63,650 452 53,277
劣後債務 29 15,790 1,861,167 16,498 1,944, 619
91 10,726 - -
売却目的負債
負債合計
549,251 64,740,215 548,201 64, 616,452
資本
準備金および利益剰余金 31 28,157 3,318,866 27,264 3,213,608
ラボバンクにより発行された資本性金融商品
-ラボバンク証書 32 7,449 878,014 7,445 877,542
5,264 620,468 6,493 765,330
-資本証券 33
12,713 1,498,481 13,938 1,642,872
非支配持分
子会社により発行された資本性金融商品
-資本証券 33 - - 164 19,331
-信託優先証券IV 33 - - 389 45,851
477 56,224 481 56,695
その他非支配持分 34
477 56,224 1,034 121,878
資本合計 41,347 4,873,571 42,236 4,978,357
負債および資本の合計 590,598 69,613,786 590,437 69,594,809
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有価証券報告書
連結損益計算書
2019 年12月31日 2018 年12月31日
連結損益計算書 注記 に終了した年度 に終了した年度
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
実効金利法を使用して認識する金融資産
36
15,898 1,873,897 15,960 1,881,205
からの受取利息
その他の受取利息 36 259 30,528 321 37,836
7,674 904,534 7,722 910,192
支払利息 36
純受取利息 36 8,483 999,891 8,559 1,008,849
受取手数料 37 2,151 253,538 2,106 248,234
162 19,095 175 20,627
支払手数料 37
純受取手数料 37
1,989 234,443 1,931 227,607
その他の営業活動による収益 38 2,154 253,892 2,547 300,215
1,684 198,493 1,964 231,497
その他の営業活動による費用 38
その他の営業活動による純利益 38
470 55,399 583 68,718
関連会社および共同支配企業への投資か
39 192 22,631 243 28,642
らの利益
償却原価で測定する金融資産の認識中止
73 8,605 14 1,650
から生じた利益/(損失)
損益を通じて公正価値で測定する金融資
40 156 18,388 238 28,053
産および金融負債に係る利益/(損失)
その他の包括利益を通じて公正価値で測
27 3,182 112 13,201
定する金融資産に係る利益/(損失)
525 61,882 340 40,076
その他収益 41
収益合計
11,915 1,404,421 12,020 1,416,797
人件費 42 4,821 568,251 4,868 573,791
その他一般管理費 43 1,874 220,888 2,190 258,135
420 49,505 388 45,734
減価償却費および償却費 44
営業費用
7,115 838,645 7,446 877,660
関連会社 への 投資 に係る 減損 14 300 35,361 - -
金融資産に係る減損費用 45 975 114,923 190 22,395
484 57,049 478 56,342
規制上の賦課金 46
税引前営業利益
3,041 358,443 3,906 460,400
838 98,775 902 106,319
法人税 47
当期純利益
2,203 259,668 3,004 354,081
ラボバンク帰属分 1,295 152,642 1,894 223,246
ラボバンク証書帰属分 484 57,049 484 57,049
ラボバンクにより発行された資本証券帰
355 41,844 530 62,471
属分
子会社により発行された資本証券帰属分 ▶ 471 14 1,650
信託優先証券IV帰属分 19 2,240 22 2,593
46 5,422 60 7,072
その他非支配持分帰属分 34
当期純利益 2,203 259,668 3,004 354,081
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有価証券報告書
連結包括利益計算書
連結包括利益計算書 注記 2019 年度 2018 年度
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
当期純利益
2,203 259,668 3,004 354,081
特定の条件に合致した場合に損益に振り
替えられるその他の包括利益(税引
後):
在外営業活動体に係る為替差損益 31 84 9,901 134 15,795
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定する負債性金融商品の公正価値の増 31 (1) (118) (152) (17,916)
加/(減少)
ヘッジ・コスト 31 16 1,886 30 3,536
キャッシュ・フロー・ヘッジ 31 14 1,650 (1) (118)
関連会社および共同支配企業のその他の
31 99 11,669 (84) (9,901)
包括利益への持分
その他 31 5 589 - -
損益に振り替えられることのないその他
の包括利益(税引後):
退職後給付債務の再測定 31 (20) (2,357) 76 8,958
その他の包括利益を通じて公正価値で測
定する資本性金融商品の公正価値の増 31 31 3,654 (8) (943)
加/(減少)
関連会社および共同支配企業のその他の
31 (5) (589) ▶ 471
包括利益への持分
公正価値測定に指定した金融負債に係る
自己の信用リスクによる公正価値の減 31 (112) (13,201) 111 13,084
少/(増加)
(62) (7,308) - -
その他 31
その他の包括利益 49 5,776 110 12,966
包括利益合計 2,252 265,443 3,114 367,047
ラボバンク帰属分 1,340 157,946 2,007 236,565
ラボバンク証書帰属分 484 57,049 484 57,049
ラボバンクにより発行された資本証券帰
355 41,844 530 62,471
属分
子会社により発行された資本証券帰属分 ▶ 471 14 1,650
信託優先証券IV帰属分 19 2,240 22 2,593
その他の非支配持分帰属分 50 5,894 57 6,719
包括利益合計 2,252 265,443 3,114 367,047
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有価証券報告書
連結持分変動計算書
非支配持分
連結持分変動計算書
子会社により発行された
準備金および ラボバンクにより発行され
注記 利益剰余金 た資本性金融商品 資本性金融商品 その他 合計
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
2019 年1月1日現在残高 27,264 3,213,608 13,938 1,642,872 553 65,182 481 56,695 42,236 4,978,357
当期純利益 2,157 254,246 - - - - 46 5,422 2,203 259,668
45 5,304 - - - - ▶ 471 49 5,776
その他の包括利益 31
包括利益合計 2,202 259,550 - - - - 50 5,894 2,252 265,443
ラボバンク証書に関する支払
(484) (57,049) - - - - - - (484) (57,049)
額
信託優先証券IVに関する支払
(19) (2,240) - - - - - - (19) (2,240)
額
ラボバンクにより発行された
(396) (46,677) - - - - - - (396) (46,677)
資本証券に関する支払額
子会社により発行された資本
(5) (589) - - - - - - (5) (589)
証券に関する支払額
資本証券の償還 33 (493) (58,110) (2,502) (294,911) (164) (19,331) - - (3,159) (372,351)
信託優先証券IVの償還 33 - - - - (383) (45,144) - - (383) (45,144)
資本証券の発行 33 - - 1,250 147,338 - - - - 1,250 147,338
資本証券の発行費用 - - (7) (825) - - - - (7) (825)
その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する金融資産の 33 71 8,369 - - - - - - 71 8,369
売却
17 2,004 34 4,008 (6) (707) (54) (6,365) (9) (1,061)
その他
2019 年12月31日現在残高 28,157 3,318,866 12,713 1,498,481 - - 477 56,224 41,347 4,873,571
2017 年12月31日現在残高
25,376 2,991,069 13,199 1,555,766 560 66,007 475 55,988 39,610 4,668,831
IFRS 第9号への会計方針変更 (26) (3,065) - - - - - - (26) (3,065)
41 4,833 - - - - - - 41 4,833
IFRS 第15号への会計方針変更
2018 年1月1日現在の修正再
25,391 2,992,837 13,199 1,555,766 560 66,007 475 55,988 39,625 4,670,599
表示後残高
当期純利益 2,944 347,009 - - - - 60 7,072 3,004 354,081
113 13,319 - - - - (3) (354) 110 12,966
その他の包括利益 31
包括利益合計
3,057 360,329 - - - - 57 6,719 3,114 367,047
ラボバンク証書に関する支払
(484) (57,049) - - - - - - (484) (57,049)
額
信託優先証券IVに関する支払
(22) (2,593) - - - - - - (22) (2,593)
額
ラボバンクにより発行された
(539) (63,532) - - - - - - (539) (63,532)
資本証券に関する支払額
子会社により発行された資本
(14) (1,650) - - - - - - (14) (1,650)
証券に関する支払額
資本証券の償還 33 (79) (9,312) (275) (32,414) - - - - (354) (41,726)
資本証券の発行 33 - - 1,000 117,870 - - - - 1,000 117,870
資本証券の発行費用 - - (6) (707) - - - - (6) (707)
年金制度の清算 (56) (6,601) - - - - - - (56) (6,601)
10 1,179 20 2,357 (7) (825) (51) (6,011) (28) (3,300)
その他
2018 年12月31日現在残高 27,264 3,213,608 13,938 1,642,872 553 65,182 481 56,695 42,236 4,978,357
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
2019 年12月31日 2018 年12月31日
連結キャッシュ・フロー計算書 注記 に終了した年度 に終了した年度
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前営業利益 3,041 358,443 3,906 460,400
調整項目:
税引前営業利益に認識されている非現金項目
減価償却費および償却費 44 420 49,505 388 45,734
16, 17
オペレーティング・リース資産および投資不動産の減価償却費 699 82,391 602 70,958
金融資産に係る減損費用 45 975 114,923 190 22,395
有形固定資産に係る減損損失(戻入) 16 (22) (2,593) 42 4,951
その他無形資産に係る減損損失(戻入) 15 25 2,947 2 236
関連会社への投資に係る減損 14 300 35,361 - -
有形固定資産の売却に係る利益/(損失) 19 2,240 5 589
関連会社および共同支配企業への投資からの利益 39 (192) (22,631) (243) (28,642)
子会社の売却からの利益 (373) (43,966) (119) (14,027)
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損失) 40 (156) (18,388) (238) (28,053)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の認識中止に係る利益/(損失) 41 (27) (3,182) (112) (13,201)
償却原価で測定する金融資産の認識中止から生じる利益/(損失) (73) (8,605) (14) (1,650)
引当金 26 163 19,213 276 32,532
自社開発ソフトウェアおよびその他資産の資本費用 (88) (10,373) (118) (13,909)
営業資産の変動(純額)
7, 20, 45
金融機関に対する貸出金、預け金および預り金 (9,591) (1,130,491) 9,459 1,114,932
9, 40
売買目的金融資産 1,162 136,965 (872) (102,783)
デリバティブ 11 (923) (108,794) 2,872 338,523
9, 24
公正価値測定に指定した金融資産および金融負債の増加/(減少)(純額) (231) (27,228) (17) (2,004)
強制的に公正価値で測定される金融資産の増加/(減少)(純額) 10 230 27,110 709 83,570
顧客に対する貸出金および預け金 12, 45 (4,817) (567,780) (7,360) (867,523)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得 13 (5,848) (689,304) (4,861) (572,966)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却と償還による収入 13 10,928 1,288,083 14,139 1,666,564
オペレーティング・リース資産の取得 16 (1,286) (151,581) (1,152) (135,786)
オペレーティング・リース資産の売却収入 16 274 32,296 435 51,273
関連会社および金融資産からの受取配当金 14 77 9,076 176 20,745
営業活動に関する負債の変動(純額)
デリバティブ 11 147 17,327 (4,636) (546,445)
売買目的金融負債 23 (1) (118) (181) (21,334)
顧客預り金 21 126 14,852 (786) (92,646)
その他負債 25 656 77,323 (1,853) (218,413)
法人税支払額 (289) (34,064) (182) (21,452)
3,032 357,382 2,169 255,660
その他の変動
営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)
(1,643) (193,660) 12,626 1,488,227
投資活動によるキャッシュ・フロー
関連会社への投資の取得 14 (90) (10,608) (43) (5,068)
関連会社への投資の売却収入 14 71 8,369 182 21,452
子会社の売却収入(現金および現金同等物控除後) (996) (117,399) - -
16, 17
有形固定資産および投資不動産の取得 19 2,240 151 17,798
(35) (4,125) (41) (4,833)
16, 17
有形固定資産および投資不動産の売却収入
投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)
(1,031) (121,524) 249 29,350
財務活動によるキャッシュ・フロー
22, 35
負債証券の発行による払込金額 43,318 5,105,893 63,164 7,445,141
22, 35
発行済負債証券の償還 (46,825) (5,519,263) (69,203) (8,156,958)
劣後債務の発行による払込金額 35 1 118 - -
劣後債務の償還 35 (1,000) (117,870) (21) (2,475)
ラボバンク証書の購入 32 (989) (116,573) (1,038) (122,349)
ラボバンク証書の売却 32 993 117,045 1,043 122,938
資本証券の発行(発行費用を含む) 1,243 146,512 994 117,163
ラボバンク証書、信託優先証券IVおよび資本証券に係る支払額 (904) (106,554) (1,059) (124,824)
シニア・コンティンジェント・ノートに係る支払額 (83) (9,783) (86) (10,137)
資本証券の償還 33 (3,159) (372,351) (354) (41,726)
(383) (45,144) - -
信託優先証券IVの償還
財務活動によるキャッシュ・フロー(純額) (7,788) (917,972) (6,560) (773,227)
現金および現金同等物残高の増減額(純額)
(10,462) (1,233,156) 6,315 744,349
期首の現金および現金同等物残高 73,335 8,643,996 66,861 7,880,906
213 25,106 159 18,741
現金および現金同等物残高に係る為替差損益
期末の現金および現金同等物残高 63,086 7,435,947 73,335 8,643,996
利息によるキャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)に含まれている。
受取利息 15,551 1,832,996 15,693 1,849,734
6,834 805,524 7,180 846,307
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連結財務諸表注記
1 企業情報
ラボバンクは、協同組合の原則に基づき事業を行う国際的な金融サービス・プロバイダーである。 ラボバンク
はリテール・バンキング、ホールセール・バンキング、プライベート・バンキング、リース および 不動産サービ
スを提供している。 ラボバンクは全世界で 約 9.4 百万 の顧客を 有している 。 ラボバンクの 連結 財務諸表にはコー
ペラティブ・ラボバンク・ウー・アー とオランダ国内外のその 連結子会社 の財務情報が組み込まれている。コー
ペラティブ・ラボバンク・ウー・アーはアムステルダムに登記上の事業所を有し、商工会議所 番号第30046259と
して 登録 されて いる。
2 会計方針
本連結財務諸表の作成に用いられた主要な会計方針は以下のとおりである。
2.1 作成基準
ラボバンクの連結財務諸表は、欧州連合により採択された国際財務報告基準(以下「IFRS」という) およびオ
ランダ民法典第2編第9章の関連条項に 準拠して作成されている。連結財務諸表は本注記に示す会計方針に基づ
いて作成されている。
国際会計基準審議会(以下「IASB」という)により公表され、欧州連合により採択された、
当年度に適用されている新基準および修正基準
IFRS 第16号「リース」
IFRS 第16号は2019年1月1日に発効 した。 ラボバンクは 、従前の基準に基づいて計上された前期の数値を修正
しない 修正遡及アプローチを 適用 し、IFRS第16号 による 影響額を2019年1月1日現在の期首残高に含めて認識し
た。IFRS第16号「リース」を適用したことにより、会計方針を変更している。この新しい会計方針 について は注
記2.22「リース」 に記載されて いる。 ラボバンクは連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資
産」の一部として認識し、対応するリース負債を「その他負債」の一部として認識している。リース負債はリー
ス料の現在価値で測定している。初度適用時に、使用権資産は前払リース料または未払リース料の金額により調
整したリース負債と同額で測定される。
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IFRS第16号の適用による資本の期首残高への影響はないが、2019年1月1日現在の資産および負債は554百万
ユーロ増加した。ラボバンクは初度適用日に次の実務上の便法を適用した:i) 初度適用日に契約がリース であ
る か 、 またはリース を含んだものである か どうか について過去の評価に依拠する、ii)減損 レビュー を実施する
代わりに初度適用日の直前 の IAS 第37号を適用 した リースが不利な契約であるか どうか の評価に依拠し、不利な
リース に係る 引当金の 金額について 使用権資産を調整する、iii)使用権資産の測定から当初直接コストを除外
する。
単位:百万ユーロ 2019 年1月1日
認識したリース負債に適用した借手の加重平均追加借入利子率 4.2%
2019 年1月1日の追加借入利子率を用いて割り引いた、2018年12月31日現在のオフバ
ランスのオペレーティング・リース約定 611
非リース構成部分の除外による変動 (31)
少額リースおよび短期リースの除外による変動 (26)
財政状態計算書に認識したリース負債 554
IFRS のその他の修正
IAS 第28号、IAS第19号、およびIFRS第9号に修正が加えられた。また、IFRIC第23号とIFRS基準の年次改善:
2015-2017年サイクルが公表された。これら修正の適用は損益または資本に影響しない。
国際会計基準審議会(IASB)により公表され、欧州連合により採択されたが、当年度にはま
だ適用されていない新規の基準
金利指標改革( IFRS 第9号、 IAS 第 39 号および IFRS 第 7号の修正)
ラボバンクは 金利指標改革の影響を受けるヘッジ関係にIFRS第9号およびIAS第39号のヘッジ会計の要求事項
を適用しているため、これらの修正はラボバンクに影響を及ぼす ことになる。当該 修正は、企業が 、 金利指標改
革の影響 による 金利指標 の 変更 は ない という前提のもとヘッジ会計の要求事項を適用できるように、所定のヘッ
ジ会計の要求事項を 修正 するものである。これらの変更は、金利指標改革の影響を直接受けるすべてのヘッジ関
係に強制的に適用される。修正後の基準によって定められている内容以外の理由によりヘッジ関係がヘッジ会計
適用 の 要求事項 を満たさなくなった 場合 は 、ヘッジ会計の中止が求められる。
ラボバンクは 、代替金利指標への移行に対応するため、 市場と、 各種業界の作業部会や中央銀行、規制当局 が
公表 する 見解を 緊密にモニタリング している。ラボバンクはIBOR移行 プログラムとガバナンス体制 を 立ち上げ 、
商品開発や運用の準備、顧客への情報提供および契約変更、報告と評価、教育 および コミュニケーションを含む
が これらに限定されない 、影響が及ぶあらゆる領域に 注力して いる。 当該 修正は、2020年1月1日以降に開始す
る事業年度から適用 され 、早期適用も認められている。ラボバンクはこれらの修正を早期適用 しない 予定 であ
り、 また、これらの修正の適用 は 損益または資本に影響 しない と予想して いる 。
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IFRS のその他の修正
IFRS 第3号、IAS第1号およびIAS第8号ならびに「 IFRS における概念フレームワーク への参照」に軽微な修正
が加えられた。これらの新しい規定の分析は現在進めており、影響は明らかになっていないが、ラボバンクは、
これらの修正の適用が損益または資本に著しい影響を及ぼすことはないと予想している。
国際会計基準審議会(IASB)により公表されたが、まだ欧州連合により承認されていない新
基準
IFRS 第17号「保険契約」
2017 年5月、IASBは、2021年1月1日以降に開始する事業年度に適用されるIFRS第17号「保険契約」を公表し
た。IFRS第17号は、同基準の適用対象となる保険契約の認識、測定、表示および開示に関する原則を定めたもの
である。IFRS第17号は、企業がこれらの保険契約を正確に示す適切な情報を確実に提供することを目的としてい
る。この情報は、保険契約が企業の財政状態、業績およびキャッシュ・フローに与える影響を財務諸表の利用者
が評価するための基礎を提供するものである。ラボバンクは現在、この基準による影響について評価を行ってい
る。 ラボバンクの関連会社であるアフメアにて影響が生じる可能性がある。
会計原則および表示の変更
2019年度 財務諸表において、IT部門に係る人件費、研修費用および旅費交通費 を 「その他 一般 管理費」から
「人件費」に分類変更 する ことにより費用の内容が より適切に 表示されている 。 2018年12月31日現在の比較数値
は590百万ユーロが分類変更されている。
継続企業
経営委員会は、 継続企業の前提を裏付ける予測分析 に基づき、 本財務諸表を作成するに当たって継続企業の前
提を採用することは適切であると判断している。
判断および見積り
連結 財務諸表を作成するに当たり、経営陣は、連結財務諸表日時点の資産および負債の計上金額、偶発資産お
よび偶発債務の計上、ならびに報告期間中の収益および費用の計上金額に影響を与える見積りや仮定について判
断を適用した。下記の会計原則では、評価および仮定に基づく重要な見積りを必要とする。経営陣の見積りは、
利用可能な財務データや情報を基礎とする、現在の状況および活動に関するこの上なく慎重な評価に基づいて行
われているが、実際の結果はこれらの見積りから乖離することがあり得る。
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金融資産の減損引当金
ラボバンクは、3つのステージの予想信用損失減損モデルを適用して予想信用損失の測定および認識を行って
おり、これには相当程度の経営陣の判断が伴う。 同モデルに基づく減損引当金の計上と個別に評価する金融資産
の測定に 係る 予想信用損失の算出において、 ラボバンクは見積りと経営者の判断を用いている。 同モデルに基づ
く減損引当金に関する情報は、注記4.3.6「モデルに基づく金融資産の減損引当金に関する判断と見積り」に記
載している。 個別に評価する信用減損金融資産については、割引キャッシュ・フローの計算を行う。多くの場
合、予想将来キャッシュ・フローの見積りと3つのシナリオの加重に判断が求められる。
金融資産および金融負債の公正価値
金融資産および金融負債の公正価値の決定に関する情報は注記 4.9 「金融資産および金融負債の公正価値」 お
よび注記11「デリバティブ」 に記載されて いる。
のれん、その他無形資産ならびに関連会社および共同支配企業への投資の減損
のれんおよびその他無形資産は、少なくとも年1回、帳簿価額と回収可能額を比較することにより減損の評価
を行うのに対し、関連会社および共同支配企業への投資は、特定のトリガーが識別された時点で減損テストを実
施する。それらの資産の減損の評価に当たり、回収可能額を決定するには、市場価格、比較対象企業の価格、現
在価値もしくはその他の評価手法、またはそれらの組み合わせに基づく見積りが必要となり、経営陣は、主観的
な判断および仮定を行うことを求められる。基礎となる状況が変化した場合、それらの見積りや仮定により、計
上額に大幅な差異が生じる可能性があることから、それらの見積りは極めて重要と考えられる。のれんの回収可
能額を決定するための重要な仮定については注記15に記載されており、関連会社および共同支配企業への投資に
関する仮定については注記14に記載されている。
課税
法人税ならびに関連する当期税金資産および負債ならびに繰延税金資産および負債の決定に際しては見積りを
使用する。取引の税務上の取扱いは常に明確または確実であるとは限らず、複数の国において過年度の納税申告
が多くの場合確定しないまま、長期に亘り税務当局の承認の対象となる場合がある。計上されている税金資産お
よび負債は、入手可能な最善の情報、および適切な場合外部の助言に基づいて決定されたものである。最終結果
と当初なされた見積りの差異は、取扱いが合理的に確実になった期間に当期税金資産および負債ならびに繰延税
金資産および負債として会計処理される。
その他引当金
IAS 第37号の適用において、現在の債務が存在するか否かの決定、ならびに資源流出の可能性、時期および金
額を見積る際には判断が伴う。 中小企業(以下「SME」という)向けのデリバティブに関する引当金および事業
再構築引当金 に関する判断についての詳しい情報は注記 26 「引当金」 に記載されている。
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2.2 連結財務諸表
2.2.1 子会社
ラボバンクが支配している参加持分はその子会社(ストラクチャード・エンティティを含む)であり、当該子
会社は連結されている。投資家が参加持分への関与から変動的なリターンを受け取る権利、および当該参加持分
の支配を通じてこのリターンに影響を及ぼす能力を有する場合、当該参加持分は支配されている。これらの会社
の資産、負債および損益は100%連結されている。
子会社は、ラボバンクが有効な支配を獲得した日から連結され、この支配を喪失する日に連結が解除される。
ラボバンク・グループと子会社の間の取引、残高および取引の未実現損益は、連結に当たり相殺消去される。
2.2.2 関連会社および共同支配企業への投資
関連会社および共同支配企業への投資は取得原価(のれんを含む)で当初認識され、その後、持分法会計を使
用して会計処理される。取得後の損益に対するラボバンクの持分は、損益計算書に認識され、取得後の準備金変
動に対するラボバンクの持分はその他の包括利益に直接認識される。取得後の累積変動額は投資の帳簿価額に含
まれている。
関連会社とは、ラボバンクが重大な影響力を行使することができ、通常、議決権の20%から50%を所有する
が、支配権を有していない事業体を指す。共同支配企業とは、当事者が共同の支配権を有すると同時に、契約の
下で純資産に対する共同の権利を有する1つまたは複数の当事者間の契約を指す。ラボバンクとその関連会社お
よび共同支配企業の間の取引に係る未実現利益は、個々の関連会社および共同支配企業に対するラボバンクの持
分に案分比例して消去される。未実現損失も、取引の基礎をなす資産に関して減損損失を認識すべきことが取引
で示される場合を除き、消去される。
2.3 デリバティブおよびヘッジ
デリバティブには、一般的に外国為替契約、通貨先物および金利先物、金利先渡契約、通貨スワップおよび金
利スワップならびに通貨オプションおよび金利オプション(売りまたは買い)が含まれている。デリバティブは
公正価値(取引費用を除く)で認識される。その公正価値を決定する基準となるのは、取引所における取引価額
(ビッド・アスク幅のあるユーロ、米ドルおよび英ポンド建のデリバティブには仲値が用いられる)、トレー
ダーのオファー価額、割引キャッシュ・フロー・モデル、ならびに基礎となる商品の現在の市場価格と契約価額
に基づき、貨幣の時間価値、イールド・カーブおよび基礎となる資産・負債のボラティリティを反映したオプ
ション評価モデルである。デリバティブは、その公正価値がプラスの場合は資産勘定に、マイナスの場合は負債
勘定に計上される。
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ヘッジに使用されていないデリバティブ
売買目的で保有されているデリバティブに係る実現および未実現の損益は、「損益を通じて公正価値で測定す
る金融資産および金融負債に係る利益/(損失)」に公正価値で認識される。
ヘッジに使用されているデリバティブ
デリバティブは、金利リスク、信用リスクおよび為替リスクに関わる資産負債管理のために使用される。ラボ
バンクは、非ポートフォリオ・ヘッジ会計にIFRS第9号を適用している。IFRS第9号は 、 金利リスクのポート
フォリオ・ヘッジに関する公正価値ヘッジ会計の解決策を提供していない。ラボバンクは、このようなポート
フォリオ・ヘッジ会計について、 IFRS 第9号の会計方針の選択肢を利用し、引き続きIAS第39号に よる欧州連合
の例外規定を適用することを選択した。
会計上の ヘッジ関係の 開始時に、デリバティブは次のいずれか1つとして指定される。(1)財政状態計算書
の資産、資産グループまたは負債の公正価値に対するヘッジ(以下「公正価値ヘッジ」という)、(2)財政状
態計算書上の資産または負債、予定取引あるいは確定契約に割り当てられる将来キャッシュ・フローのヘッジ
(以下「キャッシュ・フロー・ヘッジ」という)、(3)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ(以下「純投
資ヘッジ」という)。ヘッジ会計は、以下を含む特定の要件を満たしている場合に、上述の方法で指定されたデ
リバティブに適用される。
ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジの目的、ヘッジ戦略およびヘッジ関係が正式に文書化されていなければなら
ない。ヘッジの非有効部分の発生原因の評価および分析に関する文書、およびヘッジ比率の決定方法に関する文
書(IFRS第9号)も必要である。当該ヘッジは、全報告対象期間中、ヘッジ対象リスクに割り当てられる、ヘッ
ジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動をカバーするのに、80%から125%の範囲(IAS第39号)で有
効と予想されなければならない。当該ヘッジは開始時から継続して有効でなければならない。ヘッジ対象とヘッ
ジ手段の間には、経済的な関係がある(IFRS第9号)。
1. 公正価値ヘッジ会計に利用されるデリバティブ
公正価値ヘッジとして指定され、かつヘッジ対象リスクに関して有効であるデリバティブの公正価値の変動
は、ヘッジ対象資産または負債の公正価値における対応する変動と共に、損益計算書の「損益を通じて公正価値
で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損失)」に認識される。
ヘッジが(公正価値ヘッジ・モデルを適用する)ヘッジ会計の基準を満たさなくなった場合、ヘッジの対象と
なっている利付金融商品の公正価値の累積的調整額は、関連する金利のリプライシング期間に亘り損益を通じて
償却される。
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2. キャッシュ・フロー・ヘッジ会計に利用されるデリバティブ
キャッシュ・フロー・ヘッジに指定され(かつ適格な)デリバティブの公正価値変動で、ヘッジ対象リスクに
関して有効なものは、その他の包括利益に認識される。デリバティブの公正価値の変動の非有効部分は、損益計
算書に認識される。 予定取引または認識済みの負債が非金融資産および非金融負債として認識されるに至った場
合、その他の包括利益に計上されていた繰延損益は当該資産または負債の当初帳簿価額(取得原価)に移転され
る。それ以外のすべての場合、その他の包括利益に計上された繰延金額は、ヘッジ対象の認識済み負債または予
定取引が損益計算書に認識された会計期間に、損益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および
金融負債に係る利益/(損失)」 に計上される。
3. 純投資ヘッジ会計に利用されるデリバティブ
在外営業活動体への純投資をヘッジするために利用されたヘッジ手段は公正価値で測定され、公正価値の変動
は、有効と判断されたヘッジの部分がその他の包括利益に認識される。為替レートの変動に伴う、ヘッジ対象の
資本性金融商品の変動も、その他の包括利益に認識される。当該資本性金融商品が処分された場合、その他の包
括利益に累積された利益/損失は損益に再分類される。
4. ヘッジ・コスト
ヘッジ会計において外貨建の発行済債券と共に指定された、クロスカレンシー金利スワップのうちのクロスカ
レンシー・ベーシススプレッドは指定から除外されている。クロスカレンシー・ベーシススプレッドのボラティ
リティは、その他の包括利益を通じてヘッジ・コストとして計上され、当該発行済債券が満期を迎えるまで(関
連するヘッジ対象の期間)、ヘッジ対象の将来キャッシュ・フロー見込額が損益に影響を及ぼすのと同じ期間に
損益に再分類される。
ラボバンクが管理するリスク・ポジションの下で、経済的なヘッジとして利用されているデリバティブはある
が、一定のデリバティブ契約は、特定のIFRS規則に基づいてヘッジ会計の適用が適格とならない。経済的なヘッ
ジ目的で保有されるデリバティブの利息は、デリバティブの受取レグおよび支払レグのいずれも支払利息勘定に
表示される。
2.4 売買目的金融資産および金融負債
売買目的金融資産は、価格もしくはトレーディング・マージンの短期的変動から利益を生み出す目的で取得さ
れる金融資産、または短期的な利益参加のパターンによって特徴付けられるポートフォリオの一部を構成する金
融資産である。売買目的金融資産は、市場の買い呼値に基づいて公正価値で認識され、そこから発生するすべて
の実現および未実現損益は、「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債に係る利益/(損失)」と
して認識される。金融資産から稼得した利息は受取利息として認識される。売買目的金融資産に関する受取配当
金は「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債に係る利益/(損失)」として認識される。
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売買目的金融負債は、主にデリバティブのマイナスの公正価値、および証券の空売りにより発生した現物引渡
義務のマイナスの公正価値である。証券の空売りは、短期的な価格変動による収益を実現するために行われる。
空売りを決済するために必要な証券は証券貸借およびレポ取引契約により入手する。空売りされた証券は報告日
の公正価値で認識される。
2.5 公正価値測定に指定した金融資産および金融負債
一定の金融資産(ベンチャー・キャピタルへの直接および間接投資を含むが、売買目的保有資産を除く)およ
び一定の負債は、当初認識時に「公正価値測定に指定した金融資産および金融負債」として計上することがあ
る。ただし、この会計処理により、異なる会計方針に基づいて当該資産または負債を測定または損益を認識する
際に、従来であれば発生するような矛盾した処理を排除または大幅に減らすことができる場合に限る。
かかる資産および負債から稼得する利息は受取利息として、かかる資産および負債について支払う利息は支払
利息として認識される。これら金融商品の公正価値を再評価する際のその他の実現および未実現損益は、「損益
を通じて公正価値で測定する金融資産および負債に係る利益/(損失)」に計上される。ただし、公正価値測定
に指定した金融負債に関する自己の信用リスクに起因する公正価値の変動を除く。これらの公正価値の変動(税
引後)は、その他の包括利益の「公正価値測定に指定した金融負債に係る自己の信用リスクによる公正価値の変
動」の勘定科目に表示される。信用リスクの変動に伴うこれらの影響をその他の包括利益に表示することで、損
益における会計上のミスマッチが生成される、または増大することはない。
2.6 初日利得/損失
金融商品に公正価値会計を当初使用した時点の、取引価額と公正価値との間のプラスまたはマイナスの差額
(以下「初日利得/損失」という)は、その評価方法が活発な市場からの観察可能なインプットに基づく場合、
直ちに「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および負債に係る利益/(損失)」に計上される。それ以外
のすべての場合、初日利得/損失は全額繰延べられ、「その他負債」または「その他資産」として会計処理され
る。当初認識後、要因の変化(時間効果を含む)から利益/損失が発生した範囲内で、繰延べられた初日利得/
損失を利益/損失として認識する。
2.7 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
契約上のキャッシュ・フローの回収および売却のために保有される負債性金融商品は、当該資産のキャッ
シュ・フローが元本と 残存元本額に係る 利息の支払のみである場合、その他の包括利益を通じて公正価値で測定
され、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」として表示される。
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その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は 市場の買い呼値に基づく公正価値(取引費用を含
む)、またはキャッシュ・フロー・モデルから算出された価値で当初認識される。非上場資本性金融商品の公正
価値は、それぞれの発行体に関する特定の条件を反映するために調整した適切な株価収益率に基づいて見積られ
る。
帳簿価額の変動はその他の包括利益を通じて計上 されるが、減損損益、受取利息および為替換算損益は損益に
認識される。当該金融資産の認識が中止された場合、従前はその他の包括利益に認識されていた累積損益は資本
から損益に再分類される。これらの金融資産からの受取利息は実効金利法を使用して純受取利息として認識され
る。減損損失は損益計算書の「金融資産に係る減損費用」として認識される。
ラボバンクが、持分投資に係る公正価値損益をその他の包括利益に表示することを選択した場合、当該投資の
認識中止後に公正価値損益が損益に再分類されることはない。かかる投資からの配当は、その支払を受けるラボ
バンクの権利が確定した時点で、引き続き「その他収益」として損益に認識される。
2.8 レポ契約およびリバース・レポ契約
レポ契約を条件として売却された金融資産は、場合に応じ財務諸表の「売買目的金融資産」または「その他の
包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれる。取引相手に対する負債は、場合に応じ「金融機関
預り金」または「顧客預り金」に含まれる。
リバース・セールおよびリバース・レポ契約に基づき取得した金融資産は、場合に応じ「金融機関に対する貸
出金および預け金」または「顧客に対する貸出金および預け金」として認識される。売却価額と買戻価額の差額
は、実効金利法を使用して、契約期間に亘る受取/支払利息として認識される。
2.9 金融資産および金融負債の証券化および認識(の中止)
金融資産および金融負債の認識
損益を通じて公正価値で測定するものとして分類される金融資産および金融負債、ならびに規制上定められた
期間内にまたは市場慣行に従って受け渡すことを要求される、損益を通じて公正価値で測定する金融資産の購入
および売却は、取引日に認識される。償却原価で保有される金融商品は決済日に認識される。
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金融資産および金融負債の証券化および認識の中止
ラボバンクは、様々な金融資産を証券化、売却および保有している。それらの資産は時として特別目的事業体
(SPE)に売却され、その後、当該SPEが投資家に証券を発行することがある。ラボバンクはこれら資産に対する
持分を、劣後金利ストリップ、劣後証券、スプレッド勘定、サービシングの権利、保証、プットおよびコール・
オプション、またはその他の取引の形で保有する選択権を持っている。
金融資産(または金融資産の一部分)は以下のいずれかに該当する場合に認識が中止される。
・ 資産から得られるキャッシュ・フローに対する権利が消滅した場合
・ 資産から得られるキャッシュ・フローに対する権利および資産の所有に伴うリスクおよびリターンのほぼ全
部が移転した場合
・ 資産から得られるキャッシュ・フローを移転する契約上の義務を負い、リスクおよびリターンのほぼ全部が
移転した場合
・ リスクおよびリターンのほぼ全部が移転されても保持されてもおらず、資産に対する支配が保持されていな
い場合
金融負債またはその一部は、それが存在しなくなった場合、すなわち契約上の義務が履行されるか、取消され
るか、または終了した場合に認識が中止される。ラボバンクがほぼ全部のリスクおよびリターンを保持または移
転しておらず、支配を保持している場合、継続的な関与が認識される。資産は、ラボバンクの関与が継続してい
る範囲で認識される。
取引が、認識の中止に関するこれらの要件を満たさない場合は、担保付貸出として認識される。金融資産の移
転が認識の中止の対象でない範囲内で、それらの商品および移転した資産の認識、または移転に起因する負債の
認識により、当該権利および義務が重複して認識される場合、ラボバンクの契約上の権利はデリバティブとして
別途認識されない。
証券化および売却取引に係る損益は、移転した資産の帳簿価額に一部依存している。これらの資産の帳簿価額
は、売却日のこれらの持分の相対的公正価値を使用して、売却された持分と留保された持分に配分される。損益
は移転時に認識される。売却した持分と留保した持分の公正価値の決定は、取引所における市場価格、または信
用損失や割引率、イールド・カーブ、支払頻度またはその他の要因に関する複数の仮定が絡んだ価格決定モデル
に基づいて計算された、将来キャッシュ・フロー見込額の現在価値に基づいてなされる。
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2.10 現金および現金同等物
現金同等物は、投資その他を目的とするのではなく、当座の現金支払義務を履行するために中央銀行にて保有
している、極めて流動性の高い短期資産である。これらの資産の満期は開始時から90日未満である。現金同等物
とは、既知の金額の現金に直ちに換金できるもので、価値の変動リスクが重要でないものをいう。
2.11 金融資産および金融負債の相殺
認識された金額を相殺する法的権利があり、かつ、将来キャッシュ・フロー見込額を純額で決済するか、資産
の処分と負債の決済を同時に行うことが意図されている場合、金融資産および金融負債は相殺されて純額が財政
状態計算書に認識される。これは主にデリバティブおよびリバース・レポ契約に関連している。税金の相殺につ
いては注記2.26で説明している。
2.12 外国通貨
外国事業体
ラボバンク・グループ内の個々の事業体の財務諸表に記載されている取引および残高は、個々の事業体の基礎
的な事業環境の経済的実態を最もよく反映する通貨(以下「機能通貨」という)で計上されている。
本連結財務諸表は、親会社の機能通貨であるユーロ建で表示されている。在外営業活動体の損益計算書および
キャッシュ・フロー計算書は、取引日における実勢為替レートでラボバンクの表示通貨に換算される。これは、
報告期間における平均為替レートにほぼ等しいものである。財政状態計算書は、報告期間末の実勢為替レートで
換算される。在外営業活動体に対する純投資および貸出から生じる為替差額、ならびにそれら投資のヘッジに指
定された他の通貨建商品から生じる換算差額は、その他の包括利益において認識される。在外営業活動体が売却
された場合、それらの換算差額は売却損益の一部として損益計算書に振り替えられる。
外国事業体の取得により発生したのれんおよび公正価値の調整は、外国事業体の資産・負債として認識され、
報告期間末の実勢為替レートで換算される。
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外国通貨建取引
外国通貨建取引は、取引日の実勢為替レートで機能通貨に換算されている。取引の決済から発生する差額、ま
たは外国通貨建の貨幣性資産および負債の換算から発生する差額は、損益計算書の「為替換算損益」に認識さ
れ、純投資ヘッジとして適格な差額は、その他の包括利益において認識される。損益を通じて公正価値で計上さ
れている非貨幣性項目に係る換算差額は公正価値損益の一部として認識される。その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する非貨幣性資産に係る換算差額は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
の再評価準備金に含まれる。
2.13 利息
受取利息および支払利息は、実効金利法を使用して損益計算書に認識される。実効金利法とは、金融資産また
は金融負債の償却原価の計算、ならびに関連する期間への受取利息または支払利息の配分に使用される方法であ
る。この計算には、実効金利、取引費用およびその他のすべてのプレミアムまたはディスカウントの不可欠の部
分である、契約当事者間で支払われた、または受け取ったすべての手数料を含める。受取利息は、金融資産(信
用減損した金融資産を除く)の総帳簿価額に実効金利を乗じて計算される。これら金融資産について、ラボバン
クは事後の報告期間において、金融資産の償却原価に実効金利を乗じている。実効金利法を使用する金融資産の
受取利息には、「現金および現金同等物」「金融機関に対する貸出金および預け金」「顧客に対する貸出金およ
び預け金」「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」および「公正価値ヘッジ会計に利用され
るデリバティブ」の受取利息が含まれる。経済的なヘッジ目的で保有されるデリバティブの利息は、 デリバティ
ブの受取レグおよび支払レグのいずれも支払利息勘定に表示される。
2.14 手数料
ラボバンクは、顧客に提供する多種多様なサービスから受取手数料を稼得している。決済サービスおよびアド
バイザリー手数料など、サービス提供の対価として稼得する手数料は一般的にサービスを提供した時点で認識さ
れる。第三者のために取引(例えば、ローン・ポートフォリオ、株式もしくはその他証券の取得、または会社の
売却や購入など)の交渉を行ったことまたは交渉に関与したことの対価として受領した手数料は、原取引が完了
した時点で認識される。
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2.15 顧客に対する貸出金および預け金ならびに金融機関に対する貸出金および預け金
契約上のキャッシュ・フローの回収のために保有されている金融資産は、そのキャッシュ・フローが元本と 残
存元本額に係る 利息の支払のみである場合に償却原価で測定され、「金融機関に対する貸出金および預け金」ま
たは「顧客に対する貸出金および預け金」として表示される。ラボバンクは当初認識時に、金融資産の取得に直
接起因する取引費用を加算した公正価値でこれらの金融資産を測定する。
これらの金融資産からの受取利息は実効金利法を使用して純受取利息に計上される。認識の中止から生じた利
益または損失は、損益に直接認識され、「償却原価で測定する金融資産の認識中止から生じた利益/(損失)」
に表示される。 減損損失は損益計算書の「金融資産に係る減損費用」として認識される。
2.16 金融資産の減損引当金
減損引当金は、償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の
ほか、リース債権、契約資産、売掛金、一部のローン・コミットメントおよび金融保証に適用される。当初認識
時において、今後12ヶ月以内に発生する可能性のある債務不履行による予想信用損失額に相当する引当金を計上
する(ステージ1)。 当初認識以降、信用リスクが著しく増大した場合(まだ信用減損( credit impaired )に
至っていなくても)、その金融資産の予想存続期間中に発生する可能性のある債務不履行から発生する予想信用
損失と同額の引当金の計上を要求される(ステージ2)。その金融商品が信用減損した場合も、引当金は全期間
の予想信用損失(以下「 ECL 」という) の ままである(ステージ3)。そうした金融商品から生じる受取利息
は、正味帳簿価額(減損引当金控除後)に実効金利を適用することによって認識する。金融商品が信用減損する
のは、見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える1つまたは複数の事象が発生した場合である。ラボバ
ンクは、いずれの金融商品に対しても、信用リスクが低い場合の除外規定を利用していない。
IFRS 第9号の減損に関する要求 事項 の基本的な要素は、a)12ヶ月の予想信用損失と全期間の予想信用損失の
測定方法、およびb)12ヶ月のECL、全期間のECL-非信用減損または全期間のECL-信用減損のいずれを適用すべ
きかの決定に使用される基準(「ステージ判定基準」とも呼ばれる)の2つである。
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▶ )予想信用損失の決定方法
ECL を 決定するために、ラボバンクは、対象となるポートフォリオの大部分についてポイント・イン・タイム
の「デフォルト確率(PD)x デフォルト時損失(LGD)x デフォルト時エクスポージャー(EAD)」のモデルを使
用する。予想信用損失を決定するために、3つのグローバル・マクロ経済的シナリオが当該モデルに組み込ま
れ、確率加重されている。予期しない外部の展開またはデータ品質の問題に対してECLモデルの結果が十分に対
処できない場合、修正がなされる。
b )ステージ判定基準
対象となる金融商品を、ステージ1、ステージ2およびステージ3のいずれかのカテゴリーに割り当てるため
に、定性的要因および定量的要因から成る枠組みを策定した。金融商品をステージ3に割り当てる基準は、例え
ば、90日延滞の状況や、当行が担保を換金しない限り、債務者が信用債務を返済できなくなる可能性が高い場合
など、債務不履行のステータスを割り当てる基準と完全に一致している。金融商品をステージ1およびステージ
2に割り当てるには、ラボバンクは、延滞の状況や特別資産管理の状況および当初認識以降のPDの悪化 などの基
準を使用する。
個別のPDがない ポートフォリオ 、 またはPDの更新頻度が低いためにPDの変化に対する評価が不可能である場合
には、共通の信用リスク特性を備える金融商品群に対して一括評価が行われる。
信用リスクの著しい増大(以下「SICR」という)
ラボバンクは各報告日において、金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価
する。金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているという反証可能な推定があるのは、契約上の
支払の期日経過が30日超である場合および/または 当該金融資産が要注意リストに追加された場合 である。反証
可能な推定は、全期間のECLを認識すべきであるという絶対的な指標ではないが、全期間のECLを認識すべき最も
遅い時点であると推定される。
全期間のECLを認識するかどうかの評価の基礎とするのは、当初認識以降の債務不履行発生の可能性または債
務不履行リスクの著しい増大(金融商品の価格が信用リスクの増大を反映するために改定されているかどうかは
問わない)であり、金融商品が報告日時点で信用減損していることまたは実際の債務不履行の発生の証拠ではな
い。一般に、金融商品が信用減損となるかまたは実際の債務不履行の発生の前にSICRの状態となる。ローン・コ
ミットメントについては、ラボバンクはローン・コミットメントが関連している貸出金について債務不履行が発
生するリスクの変動を考慮する。金融保証契約については、所定の債務者が当該契約について債務不履行となる
リスクの変動を考慮する。
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信用リスク分析における変動の評価は、多元的で全体論的な分析である。ある特定の要因が関連性があるかど
うか(および他の要因と比較してのウェイト)は、商品の種類、金融商品および借手の特性ならびに地域に左右
される。金融商品について当初認識以降に信用リスクが著しく増大したかどうかの判断に使用する方法は、当該
金融商品(または金融商品グループ)の前述の特性および同様の金融商品についての過去の債務不履行のパター
ンを考慮することである。
債務不履行の定義
債務不履行発生のリスクを判定する目的で債務不履行を定義する際に、ラボバンクは、関連する金融商品に関
する内部の信用リスク管理の目的で使用される定義と整合的な債務不履行の定義を適用して、適切な場合には、
定性的な指標を考慮している。しかし、債務不履行は金融資産 に係る契約上の支払が 90 日の期日経過となる時点
以後に発生することはないという反証可能な推定がある。こうした目的で使用される債務不履行の定義は、すべ
ての金融商品に一貫して適用されている。
一括評価および個別評価
要因または指標の中には、個々の金融商品のレベルでは識別可能でないものもある。そのような場合には、当
該要因または指標は、全期間のECLの認識に関する要件が満たされているのかどうかを判定するために、金融商
品の適切なポートフォリオ、ポートフォリオのグループまたはポートフォリオの一部について評価する。信用リ
スクの変動があるのかどうかを集合的に評価するための金融商品の集約は、金融商品のグループまたは個々の金
融商品についての新たな情報が利用可能となるにつれて、時とともに変化する場合がある。
金融商品の性質や特定の金融商品グループについて利用可能な信用リスク情報の性質により、ラボバンクは
個々の金融商品に係るSICRとなっている状況を当該金融商品が期日経過となる前に識別できない場合がある。こ
れに当てはまる可能性があるのが、リテール貸付などの金融商品で、顧客が契約条件に違反するまで、個々の金
融商品について定期的に入手されモニターされている更新された信用リスク情報がほとんどまたは全くないもの
である。個々の金融商品に係る信用リスクの変動を、期日経過となる前に把握できない場合には、個々の金融商
品レベルでの信用情報だけに基づく損失評価引当金は、当初認識以降の信用リスクの変動を正しく表示しない。
ラボバンクは、全期間のECLを個々の金融商品のベースで測定するための、過大なコストや労力を掛けずに利
用可能な合理的で裏付け可能な情報を有していない場合がある。その場合には、期日経過の情報だけでなく、す
べての関連性のある信用情報(将来予測的なマクロ経済情報を含む)を織り込んだ包括的な信用リスク情報を考
慮して全期間のECLが集合的に認識される。これは、当初認識以降に個々の金融商品のレベルでSICRとなった場
合に全期間のECLを認識した結果と近似するようにするためである。
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SICR であると判定し集合的ベースでの損失評価引当金を認識するために、ラボバンクは、SICRを適時に識別す
るための分析を容易にする目的で、金融商品を共通の信用リスク特性に基づいてグルーピングする。しかし、当
初認識以降に信用リスクが著しく増大したと考えられる金融商品を、ラボバンクが共通の信用リスク特性に基づ
いてグルーピングできない場合には、ラボバンクは、信用リスクが著しく増大していると見なされる金融商品の
一部分について全期間のECLを認識する。
共通の信用リスク特性には、金融商品の種類、信用格付け、担保の種類、当初認識の日、満期までの残存期
間、業種、所在地、PDに影響がある場合には、金融商品との比較での担保の価値(例えば、一部法域におけるノ
ンリコース・ローンまたはLTV比率)が含まれるが、これらに限らない。
2.17 条件変更
金融資産の契約条件は、商業上の理由またはフォーベアランス措置のために変更されることがある。商業的な
条件変更は、(金融資産の)従前の契約条件を修正し、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの時期また
は金額を変更するものである。ラボバンクは 基本的に 、例えば、固定金利期間、返済の種類または債務者の変更
といった、契約の複数要素に同時に影響するものでない限り、大幅な条件変更とは見なさない。 ラボバンクでは
通常、 フォーベアランス措置は大幅な条件変更ではないとしている 。
大幅な条件 変更 は 当該金融資産の認識中止となり、大幅ではない条件変更は区分変更となる。条件変更の場
合、ラボバンクは当該金融資産の修正後のキャッシュ・フローに基づいて総帳簿価額を再計算し、条件変更に伴
う利益/損失を損益に認識する。新しい総帳簿価額は、当初の実効金利で修正後のキャッシュ・フローを割り引
いて再計算される。
2.18 のれんおよびその他無形資産
のれん
のれんは、子会社の対価として支払った取得価格が、当該事業体の純資産および偶発債務に対する持分の取得
日における公正価値を上回る金額である。個々の取得に伴い、それ以外の非支配持分が、公正価値または被取得
事業体の識別可能な資産および負債に対するその割合に応じて認識される。テストを年1回、または兆候から必
要と判断された場合にはさらに頻繁に行い、減損が発生しているかどうかを判定する。
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ソフトウェア開発費を含むその他無形資産
認識可能な単一ソフトウェア製品で、ラボバンクが支配を有し、 か つ 1年超の期間に亘って費用を上回る経済
的収益を生むと予想されるものに関して直接発生した費用は、その他無形資産として認識される。直接的費用に
は、ソフトウェア開発チームの人件費、資金調達費用および適切な割合の間接費が含まれる。
当初の仕様と比較した場合のソフトウェアのパフォーマンス改善のための支出は、当初のソフトウェア費用に
加算される。ソフトウェア開発費はその他無形資産として認識され、最長5年間の定額法で償却される。ソフト
ウェアのメンテナンスに関連する費用は、その発生時に費用として認識される。
その他無形資産には、企業結合を通じて識別される資産も含まれ、それらが利用可能であると予想される耐用
年数に亘って償却される。
のれんに係る減損損失
のれんは、減損テストの目的で資金生成単位に配分される。減損テストは、おおむね独立したキャッシュ流入
を生み出す資産の最低水準で実施される。各年度の第4四半期中に、または減損の兆候がある場合にはより頻繁
にのれんの減損テストが行われ、回収可能額を上回る帳簿価額の超過額が引当計上される。回収可能額とは、使
用価値と売却コストを差引いた公正価値のいずれか高い金額をいう。
キャッシュ・フロー生成単位の使用価値は、当該キャッシュ・フロー生成単位の将来キャッシュ・フロー見込
額(税引前)の現在価値として算定される。キャッシュ・フロー・モデルにおいて用いられる重要な仮定は、イ
ンプット・データに基づいて決定され、リスクフリー・レートや当該事業体固有のリスクを反映したプレミアム
など、判断を要する様々な財務的および経済的変数を反映している。のれんに係る減損は、該当がある場合、損
益計算書の「のれんに係る減損損失」に含められる。
その他無形資産に係る減損損失
各報告日に、その他無形資産について減損の兆候があるかどうか評価が行われる。かかる兆候が存在する場合
は、その他無形資産の帳簿価額が全額回収可能かどうかを判断するため、減損テストが実施される。回収可能額
は個別資産について見積もられる。個別資産の回収可能額を見積もることが不可能な場合は、当該資産が属する
資金生成単位の回収可能額が算定される。帳簿価額が回収可能額を上回る場合、減損損失が認識される。減損損
失および減損の戻し入れは、損益計算書の「その他一般管理費」に含められる。
減損の兆候の有無にかかわらず、利用可能な状態に至っていない無形資産については、帳簿価額と回収可能額
とを比較する減損テストを年1回実施する。
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2.19 有形固定資産
自己使用の有形固定資産
自己使用の不動産は主に事務所用建物で構成され、自己使用の設備と同様、減価償却累計額および減損累計額
控除後の取得原価で認識される。資産は、以下の見積耐用年数に亘り残存価額に至るまで定額法により減価償却
される。
不動産
- 土地 減価償却対象外
- 建物 25年~40年
設備
- コンピュータ機器 1年~5年
- その他設備および車両 3年~8年
有形固定資産に減損の兆候があるかどうかについて毎年評価が行われる。資産の帳簿価額がその見積回収可能
額を上回る場合は、帳簿価額が回収可能額まで引き下げられる。減損損失および減損の戻し入れは、損益計算書
の「その他一般管理費」に含められる。有形固定資産の売却に伴う損益はそれらの帳簿価額に基づいて決定さ
れ、営業損益に認識される。
修繕およびメンテナンスの作業は、費用発生時に損益計算書に認識される。土地および建物の耐用年数を引き
延ばすため、またはその経済的価値を当初の経済的価値と比較して増大させるために必要とされる支出は資産化
され、その後、減価償却される。
2.20 投資不動産
投資不動産は主として事務所用建物であり、ラボバンクまたはその子会社による使用のためではなく、長期的
な賃料収入を目的として保有される。投資不動産は長期投資として認識され、減価償却累計額および減損累計額
控除後の取得原価で財政状態計算書に計上される。投資不動産は、見積耐用年数である40年に亘り、残存価額に
至るまで定額法により減価償却される。
2.21 その他資産
在庫仕組商品
ラボバンクは、コモディティ・ファイナンスに関連するいくつかの商品を提供している。これらの商品の一部
はコモディティを担保とする貸出金として、別の一部は組込デリバティブを伴う貸出金として、さらに別の一部
はコモディティとして認識されている。この分類は、主にコモディティのリスクおよびリターンが顧客からラボ
バンクに移転するかどうかに基づいている。
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建設用地
建設用地は、配分利息ならびに用地の購入および建設のための造成に係る追加的費用を含む取得原価、または
正味実現可能価額のいずれか低い価額で計上される。特定の目的で区分されていない土地については、その土地
の上に建設することが確実でない限り、利息を財政状態計算書に認識しない。関連する土地の指定用途が将来変
更された結果として発生する可能性のある下落は、土地の原価ではなく、正味実現可能価額の算定に含まれる。
すべての建設用地の正味実現可能価額は、少なくとも年1回、または減損の兆候がある場合はそれより早期に
見直される。建設用地の正味実現可能価額は、直接実現可能価額または間接実現可能価額のいずれか高い方であ
る。直接実現可能価額とは、売却時の見積価額からその売却実現に要する見積費用を差し引いた額をいう。間接
実現可能価額とは、通常の事業の範囲内における見積売却価額から見積完工費用およびその売却実現のために必
然的に発生する見積費用を差し引いた額をいう。間接実現可能価額の計算は、可能な限り多くの用地固有の側面
および企業固有のパラメータや条件を組み入れたシナリオの分析に基づいて行われる。帳簿価額が実現可能価額
を上回った場合、下落の再評価が認識される。
建設用地上の不動産は、ラボバンクが1件以上のオペレーティング・リース契約のもと賃貸目的で保有してい
る場合は、投資不動産として分類 されている 。
仕掛品
仕掛品は、売却済みおよび未販売の商業用不動産プロジェクトのほか、建設中または計画中の、売却済みまた
は未販売の住宅プロジェクトに関係している。仕掛品は、発生した取得原価に配分利息を加算した額または正味
実現可能価額のいずれか低い方で計上される。関連する履行義務が充足された時点で不動産の建設プロジェクト
からの収益が認識される。プロジェクトに関する予想損失は直ちに仕掛品から控除される。顧客が割賦を支払う
前にラボバンクがプロジェクト(の一部)を顧客に引き渡す場合、ラボバンクは契約資産として表示する。ラボ
バンクがプロジェクト(の一部)を顧客に引き渡す前に顧客が割賦を支払う場合、または、ラボバンクが割賦に
対して無条件の権利を有する場合、ラボバンクは契約負債として表示する。
未販売の仕掛品の帳簿価額は、価額の下落の兆候を調べるために年1回レビューされる。かかる兆候がある場
合、仕掛品の間接実現可能価額が見積られる。ほとんどの場合、この見積りは内部的または外部的査定によって
行われる。間接実現可能価額とは、通常の事業の範囲内における見積売却価額から見積完工費用およびその売却
実現のために必然的に発生する見積費用を差引いた額をいう。帳簿価額が予想間接実現可能価額を上回る場合、
ラボバンクがその差額を負担しなければならない範囲内で、下落に係る価値調整額が認識される。
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完成不動産
自社開発の未販売の居住用および商業用不動産は、取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い額で計上
される。完成不動産の正味実現可能価額は、少なくとも年1回、または価額の下落の兆候がある場合はそれより
早期にレビューされる。完成不動産の場合、正味実現可能価額は通常、直接実現可能価額に等しい。直接実現可
能価額はほとんどの場合、内部的または外部的査定によって決定される。帳簿価額が予想直接実現可能価額を上
回る場合、ラボバンクの帳簿上にその差額を表示する限りにおいて、下落に係る価値調整額が認識される。
2.22 リース
ラボバンクが借手の場合
ラボバンクが借手の場合、リース対象の原資産を使用する権利に当たる使用権資産と、リース料を支払う義務
に当たる対応する負債を、リース資産 が 使用 可能と なった日に認識する。リース料はそれぞれ、リース負債と支
払利息に配分する。支払利息は、各期間における負債の残存額に係る期間利子率が一定になるように、リース期
間に亘り損益に計上する。使用権資産は、定額法によりリース期間に亘り減価償却する。リース負債はリース料
の現在価値にて測定する。リース料は、リース期間中に原資産を使用する権利の対価として支払われる次の料金
のうち、リース開始日に支払われないものから成る 。
・ 固定リース料 か ら受け取ったリース・インセンティブ (該当 が ある場合) を控除した額
・ 変動リース料 の うち、 指数または レート に応じて決まる 金額 。 当初測定 に は 開始日 現在の 指数または レー
ト を 用いる
・ 残価保証 に 基づいて 借手が 支払うと見込まれる 予想金額
・ 購入オプションを 借手が 行使することが合理的に確実である 場合 の 、当該 オプション の 行使価格
・ リースの解約に対するペナルティの支払額( リース期間 が 借手によるリース 解約オプションの行使を 反映
して いる 場合 )
当該 リース料は、リースの計算利子率を用いて割り引く。 当該 利子率 を 算定 できない 場合 に は 、借手が、同様
の経済環境において、同様の条件にて、同様の価値の資産を取得するのに必要な資金を借り入れるために支払わ
なければならないであろう 利子率 に相当する、借手の追加借入 利子率 を 使用する。ラボバンクは追加借入 利子率
を 、内部資金調達コスト(資金移転価格( 以下「 FTP 」という )レート)に資産固有のプレミアムを加算 した利
子率である と定めている。基礎としてFTPレートを用いることで、割引率を各期間区分について算出する。割引
率は次の要素で構成される:
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・ 基準金利:無リスク金利
・ 信用スプレッド:グループ会社の信用リスクに基づく
・ 国別リスク:グループ会社の 所在地 に基づく
・ 為替リスク:グループ会社の機能通貨に基づく
使用権資産は、リース負債と同じ額に、リース開始日以前に支払ったリース料から、受け取ったリース・イン
センティブと当初直接コストおよび原状回復費用を控除 した額 を 調整 して測定する。短期リースと少額資産の
リースに関するリース料は、損益計算書に費用として定額法で認識する。短期リースとは、リース期間が12ヶ月
以下のリースをいう。ラボバンクは連結財政状態計算書 において 、使用権資産を「有形固定資産」に、リース負
債を「その他負債」に含めて表示している。
ラボバンクが貸手の場合
ファイナンス・リース
ファイナンス・リースは、リースに対する純投資に等しい金額で「金融機関に対する貸出金および預け金」ま
たは「顧客に対する貸出金および預け金」の受取債権として認識される。リースに対する純投資は、名目最低支
払リース料および無保証残存価額の現在価値である。リースにおける総投資と純投資の差額は、未稼得金融収益
として認識される。リース収益は、正味投資法によりリース期間に亘る受取利息として認識される。これにより
投資に関する一定の収益率が得られる。
オペレーティング・リース
オペレーティング・リースでリース提供した資産は財政状態計算書の「有形固定資産」に計上されている。当
該資産は、同様の有形固定資産に適用される予想耐用年数に亘り減価償却される。賃貸料収益(減額および借手
に対する割引の控除後)はリース期間に亘り定額法で「その他の営業活動による純利益」に計上される。
2.23 引当金
過去の事象の結果として債務(法的および推定的)が発生し、当該債務を清算するために資源の流出を要求さ
れる可能性があり、その債務額の合理的な見積りが可能な場合に、当該債務について引当金が計上される。も
し、ラボバンクが例えば保険契約などにより補填金を受け取る事がほぼ確実な場合に限り、補填金は別途資産と
して認識される。引当金は将来キャッシュ・フロー見込額の割引現在価値で計上されている。引当金の追加およ
び戻入れは損益計算書の「その他一般管理費」に計上される。
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事業再構築
事業再構築引当金は、人員整理計画に伴う支払、および事業再構築計画に直接帰属可能なその他の費用で構成
される。これらの費用は、法律上または実際の支払債務が発生し、人員整理手当に係る具体的な計画が作成さ
れ、関係当事者間で当該組織再編成が実施されることが現実に見込まれる期間に認識される。
法務上の問題
法務上の問題に対する引当金は、法務に関する助言を考慮に入れた上で、報告期間終了時点における入手可能
な最善の見積りに基づいている。紛争の結果および関係する時期は予測不能なため、これらの引当金の現金支出
時期は不確定である。
その他引当金
その他引当金には、有償契約、潜在的な和解および信用関連の偶発債務にかかわる引当金が含まれる。
2.24 従業員給付金
ラボバンクは、事業を展開している各国の現地事情および現地の慣行に基づき、多様な年金制度を実施してい
る。これらの制度は一般的に、保険会社または受託者が管理する基金への拠出金を資金源としており、その金額
は定期的な年金数理計算に基づいて決定されている。確定給付年金制度は合意された年金給付金額を支払う義務
を盛込んだ制度で、これは通常年齢や勤続年数、報酬金額などいくつかの要因を基礎にしている。確定拠出制度
は、独立した事業体(年金基金)に確定拠出金が支払われる制度で、たとえ基金の保有する資産が、制度の会員
である従業員に対する債務を履行するのに不十分であるとしても、雇用主が法的または推定的債務を負うことは
ない。
年金債務
確定給付年金制度の下における債務は、資金投資の公正価値を差引いた、報告期間終了時点における確定給付
年金債務の現在価値である。確定給付債務は、毎年独立したアクチュアリーにより予測単位積立方式
(projected unit credit method)に基づいて計算される。確定給付債務の現在価値は、対応する債務と類似し
た期間を持つ高格付社債の利率に基づく資金の将来キャッシュ・アウトフロー見込額として決定される。年金制
度の大部分は、全勤務期間平均方式である。これらの制度の費用(従業員拠出金および利息控除後の当該期間の
純年金費用)は「人件費」に含まれている。純支払利息/純受取利息は、当該確定給付年金制度の資産または負
債に対して報告期間開始時点における割引率を適用することにより算定される。
諸事象および/または年金数理上の仮定の変更により生じる年金数理差損益は、包括利益計算書において認識
される。
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確定拠出制度
確定拠出制度の下で、公的にまたは民間により運営されている年金保険制度に対し、強制的、契約上、または
任意のベースで拠出金の支払が行われている。これらの定期的に行われる拠出金は、それを支払うべき年度に費
用として認識され、「人件費」に計上される。
その他の退職後給付債務
ラボバンクの事業ユニットの一部は、その他の退職後給付を提供している。そのような給付の資格を得るため
には、従業員が定年退職まで勤務を継続することと、最低勤続年数を充足することが通常要求される。これらの
給付の予想費用は、確定給付年金制度の場合と同様のシステムに基づき、勤務期間に亘って発生する。この債務
は、毎年独立したアクチュアリーにより計算される。
変動報酬
無条件に、かつ現金で支払われる変動報酬は、従業員が役務を提供する年度に認識される。条件付現金報酬
は、従業員から役務提供を受ける年度および権利確定期間の残り3年間(すなわち、4年間)に亘り、定額法で
損益計算書の人件費に計上される。この負債は「その他負債」に認識される。資本性金融商品に基づく支払の会
計処理は、注記2.25に開示されている。
2.25 資本性金融商品に基づく変動報酬
一部の特定の役職員については、提供された役務に係る報酬は、ラボバンク証書に類似した、これと同様の特
徴を持つ資本性金融商品に基づく現物支払の形で決済される。提供される役務の費用は、付与日における資本性
金融商品の公正価値に基づいており、毎年、公正価値に合わせて修正再表示される。従業員の雇用期間における
資本性金融商品の付与に関連する費用は、付与された年度および権利確定期間の残り3年間(すなわち、4年
間)に亘り、損益計算書の人件費に計上される。負債は「その他負債」に認識される。
2.26 税金
当期の未収還付税金および未払税金は、その相殺を法的に執行する権利がある場合、および同時処理または決
済が意図される場合に、相殺される。繰延税金資産および繰延税金負債は、その相殺を法的に執行する権利があ
る場合、およびそれらが同一の課税当局に関連し、および同一の課税対象事業体から発生する場合に、相殺され
る。
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資産・負債の課税ベースと財務報告目的のその帳簿価額との間の一時差異に係る繰延税金が、負債法を使用し
て計上される。これらの一時差異は、主に有形固定資産(使用権資産を除く)の減価償却、特定の金融資産およ
び金融負債(デリバティブを含む)の再評価、従業員給付、貸出金減損引当金およびその他の減損、税務上の欠
損金ならびに企業結合において取得した純資産の公正価値の調整から発生する。その他の包括利益を通じて公正
価値で測定する金融資産、およびその他の包括利益に直接計上されるキャッシュ・フロー・ヘッジの再評価にお
いても、繰延税金資産および繰延税金負債が認識される。 繰延べられた各々の損益が実現されると同時に繰延税
金は取り崩され損益計算書に認識される。 繰延税金資産は、将来損失を使用できる十分な課税利益が得られる可
能性が高い場合にのみ認識され、報告日において適用または実質的に適用されている実効税率により測定され
る。ラボバンクは、繰延税金をすべて固定資産と見なしている。
法人税等はラボバンクが事業を行う関係法域における税法に従って計算され、利益が実現した期間に費用とし
て認識される。損失の繰越による税効果は、将来においてその損失を使用できる課税利益が予想される場合に、
資産として認識される。
2.27 金融機関預り金、顧客預り金、および発行済負債証券
これらの負債は、公正価値、すなわち発行価額から直接割り当てられる一時的取引費用を控除した金額で当初
認識され、その後取引費用を含めた償却原価で計上される。
自身で発行した負債性金融商品が買戻された場合、認識が中止され、その帳簿価額と支払われた代金との差額
が損益計算書に認識される。
2.28 ラボバンク証書
ラボバンク証書の発行の受取金は、ラボバンクが無期限に利用可能であり、すべての負債ならびに信託優先証
券および資本証券に劣後する。分配の支払は完全に任意であるため、受取金およびそれに基づいて支払われる配
当は資本の部に認識される。
2.29 信託優先証券および資本証券
元本の支払(返済)または配当支払の正式な義務がないことから、信託優先証券および資本証券は「資本」と
して認識され、これらの金融商品に関して支払われる配当は直接資本の部に認識される。
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2.30 金融保証
金融保証契約では、債務者が関連負債性金融商品の条件に基づいて債務を弁済できない場合、発行者が、発生
した損失について保有者に補償することが要求される。この保証は当初公正価値で認識され、その後は、保証に
基づく債務を割り引いた減損引当金額および累積償却額控除後の当初認識額のいずれか高い方で測定される。
2.31 セグメント情報
セグメントとは、他のセグメントまたは事業上の構成単位とは異なるリスクおよびリターンの影響を受ける分
離した事業上の構成単位であり、ラボバンクの戦略目的および事業経営目的にとって別個の分離した構成単位と
して捉えられ、管理されている。
2.32 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理されている。取得原価は、当該企業結合の取得について合意された金額
(または同等額)として決定される。のれんは、取得原価と取得された識別可能な資産、負債ならびに条件付資
産および負債の公正価値に対する取得企業の持分との差額を表す。のれんは資産計上され、無形資産として認識
される。また非支配持分が、被取得会社の識別可能な純資産の公正価値または当該純資産に対するその持分とし
て決定される。直接取得費用は取得時に損益計算書に直接計上される。
2.33 売却目的に分類された処分グループおよび非継続事業
売却目的に分類された資産は、公正価値から見積売却費用を差引いた額が帳簿価額を下回る場合、当該額まで
減額されている。資産(または資産グループ)が売却目的に分類されるのは、その経済的価値が継続的な使用で
はなく主として売却を通じて実現される可能性が極めて高く、当該資産(または資産グループ)が現状のまま完
全に売却可能であり、経営陣が当該資産の売却計画を確約しており、かつその売却が売却目的に分類されてから
1年以内に完了することが見込まれる場合である。売却目的に分類された資産グループが、主要な事業活動また
は主要な地理的地域に相当する場合には、非継続事業に分類され、継続事業から生じる包括利益とは別に認識さ
れている。
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2.34 キャッシュ・フロー計算書
現金および現金同等物には、現金資源、マネー・マーケット預け金および中央銀行への預け金が含まれる。
キャッシュ・フロー計算書は間接法を使用して作成され、当該年度に利用可能となった現金および現金同等物の
発生源ならびに、当該年度における現金および現金同等物の使途に関する詳細が記載されている。営業活動によ
るキャッシュ・フロー純額(税引前)は、損益計算書における非現金項目および財政状態計算書項目の現金以外
の変動に関して調整されている。
連結キャッシュ・フロー計算書においては、営業活動、投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローが
それぞれ分けて表示されている。営業活動によるキャッシュ・フローには、貸出金および預け金、銀行間預金、
顧客預り金ならびに金融投資の取得、売却および返済の純変動が含まれている。投資活動には、子会社、関連会
社投資および有形固定資産の取得および売却が含まれている。財務活動には、ラボバンク証書、信託優先証券、
資本証券、シニア・コンティンジェント・ノート、劣後債務および負債証券の発行および返済が含まれている。
キャッシュ・フロー計算書に表示されている純変動と財政状態計算書に記載されている現金および現金同等物
の変動との間の差額は、為替差額によるものである。
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3 支払能力および資本管理
ラボバンクは適切な支払能力の水準を維持することを目指している。そのために複数の支払能力比率を使用し
ている。主な比率は普通株等Tier1比率(以下「CET1」という)、Tier1比率、総資本比率および自己資本比
率である。ラボバンクは、監督当局の最低要件を上回る独自の内部目標を使用している。この際、市場の期待お
よび法規制の動向を考慮に入れている。ラボバンクは方針文書に準拠して支払能力を管理している。支払能力お
よびその目標は、経営委員会のリスク管理委員会および資産負債管理委員会、ならびに監督委員会によって定期
的にレビューされている。
「資本要件規制(以下「CRR」という)」および「資本要件指令IV(以下「CRD IV」という)」は、資本およ
び流動性に関する2010年のバーゼル合意の欧州における導入を共に定めている。ラボバンクは、2014年1月1日
に発効したこれらのルールを適用している。
ラボバンクは、法律に定められた複数の最低支払能力ポジションを遵守しなければならない。支払能力ポジ
ションは比率に基づいて決定される。それらの比率は、適格資本(以下「総資本比率」という)、Tier1資本
(以下「Tier1比率」という)および中核的自己資本(以下「普通株等Tier1比率」という)をリスク調整後資
産の合計額と比較するものである。2014年1月1日より、要求される最低比率はCRD IV/CRRに基づいて決定さ
れている。以下の表は、CRD IV/CRRに基づく最低バッファーを示している。
最低資本バッファー
CET 1 Tier 1 資本合計
第1の柱 4.5% 6.0% 8.0%
第2の柱 1.75% 1.75% 1.75%
資本保全バッファー 2.5% 2.5% 2.5%
システミック・リスク・バッファー 3.0% 3.0% 3.0%
カウンターシクリカル・バッファー 0.06% 0.06% 0.06%
総所要比率 11.81% 13.31% 15.31%
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リスク・ウェイト資産は、信用リスク、オペレーショナルリスクおよび市場リスクの各々について、別個の異
なる方法に基づいて決定される。信用リスクの場合、リスク・ウェイト資産は資産の性質に応じて数種類の方法
により決定されている。ほとんどの資産では、リスク・ウェイトは社内格付けおよび当該資産に固有の複数の特
性を参照して決定される。オフ・バランスシートの項目については、最初に社内の変換係数に基づいて貸借対照
表対応額が計算され、次に、結果として得られる対応額に、リスク・ウェイトが割り当てられる。オペレーショ
ナルリスクについては、先進的計測手法モデルを用いてリスク・ウェイト資産の金額を決定している。 市場リス
クについては、対象エクスポージャーの大半に内部モデル手法を適用しており、 標準的手法を適用して いるエク
スポージャーは極めて少ない。2019年12月31日現在、ラボバンクの所要自己資本は16.5十億ユーロ であった
(2018年度は16.0十億ユーロ)。信用リスク、市場リスク、およびオペレーショナルリスクに 関する規制上の 所
要自己資本の増加は主に、オペレーショナルリスク・モデルの見直しおよび オランダ中央銀行(以下「 DNB 」と
いう) が2020年に導入予定である個人向け住宅ローンに対するマクロ・プルーデンス措置を早期に反映させるた
め5.3十億ユーロの資産をリスク・ウェイト資産として資本の計算に含めたことによる。
以下に記載の比率にはCRRの経過措置規定が反映されている。
自己 資本比率
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
利益剰余金 28,910 28,062
予想配当 (3) (46)
ラボバンク証書 7,449 7,445
適格資本として扱われる一部の非支配持分 - -
準備金 (753) (798)
控除額 (2,007) (2,553)
経過措置ガイダンス - 12
普通株等Tier1資本 33,596 32,122
資本証券 4,951 3,721
適用除外された金融商品 313 3,325
非支配持分 - -
控除額 (106) (100)
経過措置ガイダンス - -
Tier 1資本 38,754 39,068
適格資本として取扱われる一部の劣後債務 13,299 14,274
非支配持分 - -
控除額 (92) (83)
経過措置ガイダンス - -
適格資本 51,961 53,259
リスク・ウェイト資産 205,797 200,531
普通株等Tier1比率 16.3% 16.0%
Tier 1比率 18.8% 19.5%
総資本比率 25.2% 26.6%
1
自己資本比率 17.7% 17.7%
1 自己資本比率は、利益剰余金とラボバンク証書の両項目をリスク・ウェイト資産と比較することによって計算されてい
る。
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控除額は主としてのれん、その他の無形固定資産、将来の利益に基づく繰延税金資産、信用リスクの調整に係
る 内部格付手法(以下「IRB」という)適用による引当不足額 ならびに公正価値測定に指定した金融商品に対す
る当行の信用リスクの変動による累積利益に関連する調整で構成されている。
ラボバンクが2015年より前に発行したその他Tier1金融商品はCRRの要件に適合しない。これらの金融商品は
「適用除外」の措置を受けている。すなわち、これらの金融商品は、規制要件に従い自己資本 比率計算 から段階
的に除外される。
▶ 金融商品に係るリスク・エクスポージャー
4.1 リスク管理組織
経営委員会は、組織内の様々なレベルでリスク管理の動向および運用を監督する責任を 負う。これには、 従業
員の技能の継続的強化や、当行の戦略的目的およびあらゆるリスク負担活動を十分支えるに足る万全かつ効果的
なリスク管理機能の確保を目的とする、リスク管理の仕組み、方針、手順、定量モデルおよび報告の必要に応じ
た 改善 も 含まれる 。監督委員会は、リスク特性、リスク方針およびリスク管理活動の執行に関して経営委員会を
監督する責任を 負う 。監督委員会に設置されているリスク委員会は、監督委員会のメンバーで構成され、監督に
関する意思決定の準備において監督委員会を補佐している。
リスク選好度
ラボバンクにおいて、組織のリスクの特定および管理は継続的なプロセスである。そのために統合的リスク管
理戦略が適用される。リスク管理サイクルには、リスク選好度の決定、統合的リスク分析の作成ならびにリスク
の測定および監視が含まれる。このプロセス全体に亘り、ラボバンクは、継続性と、収益性の確保を目指し、堅
実なバランスシート比率の維持および自行のアイデンティティや評判の保護を目的としたリスク戦略を採用して
いる。
4.2 金融商品の運用に関する戦略
ラボバンクの業務は本来的にデリバティブを含む金融商品の運用と関連している。ラボバンクは、提供する
サービスの一環として、顧客から様々な条件の固定金利および変動金利の預金を受け入れて いる 。ラボバンク
は、それらの資金を 質の高い 資産に投資すること、ならびに商業分野およびリテール分野の借手に貸出を行うこ
とにより受取利息を稼得 している 。ラボバンクはまた、期限の到来する債務に充当 する ための十分な現金資源を
維持しつつ、より低い金利の短期資金をより高い金利でより長期の貸出に配分するというポートフォリオ・アプ
ローチを通じて、それらのマージンを増加させることを目指している。ラボバンクは、オン・バランスシートの
ローン に加え 、信用状、履行保証書およびその他の保証文書などオフ・バランスシートの保証の提供による信用
リスクに晒されている。
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4.3 信用リスク
信用リスクとは、取引相手が契約上の義務を履行できないことにより当行が経済的損失に直面するリスクと定
義される。
当行における信用リスクの管理は、全社的な中央信用リスク方針によって規定され、詳細については個別の信
用リスクごとの基準および手続書により規定されている。信用リスクの管理と監視に対する主な責任は第1の防
衛線である事業部門が負う。事業部門は、信用リスク・ポートフォリオの潜在的な脆弱性を識別、評価、管理、
監視および報告することが求められる。信用リスク・エクスポージャーが事業ラインのリスク選好度に合致する
水準に限定されるよう、継続的に監視が行われる。
加えて、信用ポートフォリオのリスクは全行レベルおよび事業体レベルで毎月および四半期ごとに測定および
監視されるとともに、不定期にてリスク動向および集中度に特に注意を払ったポートフォリオの報告および分析
が実施される。
4.3.1 信用リスク管理
信用引受
ラボバンクの信用引受方針は、顧客および、設定された貸付金に対する顧客の(継続的な)返済能力に関する
慎重な評価をその特徴とする。したがって、経済環境が良好な状況下であっても、貸出金ポートフォリオの許容
可能なリスク特性を有する。ラボバンクは、顧客と当行の双方に有益な長期的関係を顧客との間に築くことを目
標としている。法人向け貸付金についての引受方針は、まず「顧客を知る(以下「KYC」という)」手続を行う
ことから始まる。すなわち当行は、経営が倫理的かつ適格であるとラボバンクが判断した法人に対してのみ融資
を行う。またラボバンクは、顧客が事業を展開する業界の動向を子細に監視しているため、顧客の財務業績を適
切に評価できる。企業の持続可能性とは、持続的に資金調達が可能であることも意味する。信用プロセスで利用
するための持続可能性の指針が設定されている。
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一般には、キャッシュ・フロー生成の可能性がある顧客またはプロジェクトに信用が供与されるが、顧客が債
務不履行に陥った場合には、担保が当行のポジションを改善する。担保は、顧客の事業内容とは無関係の資産お
よび/または顧客の事業資産の場合がある。ラボバンクの担保評価および管理に関する方針については「信用リ
スク低減に関するグローバル基準」に記載されている。CRR第181 1.(e)条に基づき、(適格)担保はすべて市場
価額以下で評価され、担保価額は定期的に監視される。適切に信用リスクを担保するために、担保は十分な流動
性が必要であり、その価値が長期的に十分安定していなければならない。ラボバンクの方針の枠組みにおいて
は、担保は種類別に管理される。ラボバンクが認識する担保の主な種類には、不動産、棚卸資産(設備、機器、
商品在庫等)、コモディティ、受取債権および保証がある。国内の住宅ローン・ポートフォリオが相当な規模に
上るため、信用リスクの低減において担保住宅には集中リスクが考慮されている。担保の質は当初与信設定前に
評価され、与信変更プロセスで評価される。再評価の頻度は、顧客の信用度および担保の種類によって異なり、
CRRで定められた規程に沿って行われる。
保証人の主な種類は政府、地方政府、(中央)銀行および法人である。金融機関、保険事業者および輸出信用
機関については、一定以上の信用格付が要求される。
信用委員会および与信承認
経営委員会は、リスク管理委員会の定めた枠内において、取引委員会およびラボバンクの事業体レベル、部門
レベルまたは中央レベルの与信決定承認責任者に意思決定権を付与している。体系的な判断および均衡の取れた
決定を下すため、信用委員会は与信案に係る重要なリスクをすべてレビューする。ラボバンクには、様々なレベ
ルの信用委員会がある。信用委員会の権限レベルを超えた申請は、提案書を付して「より上位の」信用委員会に
提出し意思決定を仰ぐ。
・ ラボバンク・グループ中央信用委員会 (Central Credit Committee Rabobank Group:CCCRG)-CCCRGは、
下記以外の与信申請のうち「全社的な与信承認ルート」の対象であるものに対して与信判断を行う。
・ 地方ラボバンク与信承認部門 (CA LB)の権限-この部門は、未分類の(LQC適格またはOLEM)債務者に対
する申請のうち、オランダの地方ラボバンクの権限枠を超えるものについての判断を担当する。
・ ホールセール・ルーラル・アンド・リテールの与信承認部門 (CA WRR)の権限-この部門は、未分類の
(LQC適格またはOLEM)債務者に対する申請のうち、DLLまたはホールセール・ルーラル・アンド・リ
テール(以下「WRR」という)の拠点や地域の権限枠を超えるものについての判断を担当する。
・ 財務再建・再生に関する信用委員会 (CC-FR&R)の権限-この信用委員会は、分類された(LQC標準、損失
懸念または損失)債務者に対する申請のうち、地方の信用委員会およびFR&R部門の権限を超えるものに
ついて与信判断を行う。
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・ 国および金融機関委員会 (Country & Financial Institutions Committee:CFIC)-CFICは、クレジット・
フィナンシャル・インスティテューションズまたはカントリー・リスク・リサーチの権限を超える与信申請
に対して与信判断を行う。当該部門は、金融機関および政府や国に対するエクスポージャーについてリスク
管理を担当する。
・ 貸倒 引当金委員会 (LLPC) -貸倒引当金委員会は、ラボバンクの予想信用損失 (ELC) 引当金の水準を決定
する責任を 負う 。この責任は経営委員会によって委譲されたものである。貸倒引当金委員会は、貸出残高
(法人および個人/住宅ローン) における 、 モデルに基づき評価されるエクスポージャー(ステージ1、ス
テージ2 および ステージ3a)と個別に評価するエクスポージャー(ステージ3b)の両方に関する引当金計上
水準の設定ならびに トップ・ レベル調整( 技術的調整 および ビジネス上の調整 )の承認を行う。個別に評価
するステージ3bのエクスポージャーならびに トップ・ レベル調整については、個別の評価と専門家の判断に
基づく見積りを用いる。また、当該委員会は 委員会 の決定において内外の関連情報を 考慮に入れている。こ
の情報には、バックストップ の 成果 に加え 、予算の見通しやシナリオ分析、ストレス・テストの結果など将
来予測的要素も含まれる。当該委員会はそれらの検討結果と、引当金見積額との 乖離幅の妥当性について 承
認 する 、および/または 経営委員会への戦略的な提言を行う。
業務指示書(ToR)は、これらの承認機関の義務、責任および範囲、階層関係、構成員、権限レベルならびに
形式を規定している。信用委員会は、現地の規制で多数決が義務付けられていない限り、総意に基づいて判断す
る。総意の形成とは、決議に対して概ね合意が形成され、かつ構成員の誰も基本的に反対していない場合をい
う。総意の形成に至らない場合は、申請は却下されたと見なされる。多数決の場合には、リスク分野の代表者に
拒否権が設定されていなければならない。 拒否権が行使された 場合 は、最終的に経営委員会が決定する。
効率化の観点から、信用委員会はその権限の一部を委譲できる。1人の人間が、自身の意見のみに基づいて与
信判断を下すことはできない。 原則2人以上で判断されるか、1人の人間が判断を下すことが認められる場合
は、意思決定がシステム化されており、専用のシステムで与信可能と判断された場合、またはあらかじめ定めら
れた基準を充足する(与信が意思決定ツールに準拠している)場合である。 評価および承認の 全面 IT 化は、厳密
な条件下で認められている。
信用委員会は、ラボバンクの信用リスク分析基準の一貫性の確保、全社的な信用方針の遵守、および格付けモ
デルの一貫した使用を徹底するうえで重要な役割を果たしている。与信方針には、与信枠または取引ごとの限度
額など、各委員会の権限の範囲および付託事項が定められている。特定の取引相手の種類や業種を限定または禁
止する方針も策定されている。規則によりすべての取引相手の与信上限および内部格付けは少なくとも年に1回
(法人顧客)はレビューされている。融資格付が低いカテゴリーに割り当てられた取引相手については、より頻
繁にレビューが行われる。信用委員会も、レビューの頻度を上げるよう要請できる。
4.3.2 貸出
ラボバンクは、居住用住宅ローン貸出において重要な市場シェアを有している。 これら の ローンはリスク特性
が低く、2019年における貸倒引当金への正味繰入額は1 ベーシスポイント である。 2019 年度において、民間セク
ターに対する貸出のうち食品および農業セクター向け貸出比率は26%、商業・工業・サービス業向け貸出比率は
29%であった。商業・工業・サービス業向け貸出金ならびに食品・農業セクター向け貸出金は、多くの国々の幅
広い産業に分散している。それらの個別のセクターの中で、民間セクターに対する全貸出の10%を超えるものは
ない。
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単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
顧客に対する貸出金および預け金総額 440,507 436,591
内訳:
政府系取引先 1,996 1,853
リバース・レポ取引、証券借入契約および
決済勘定 13,553 12,929
ヘッジ会計の調整 7,044 5,784
民間セクターの顧客への貸出 417,914 416,025
民間セクター顧客への貸出の地域別内訳 :
オランダ 292,637 70% 294,628 71%
他の欧州諸国 33,556 8% 31,337 8%
北米 41,681 10% 44,255 11%
中南米 15,362 4% 14,067 3%
アジア 9,449 2% 8,887 2%
オーストラリア 24,663 6% 22,589 5%
アフリカ 566 0% 262 0%
民間セクター顧客への貸出合計 417,914 100% 416,025 100%
民間セクター顧客への貸出の事業セクター
別内訳
個人 191,267 45% 194,897 47%
商業・工業・サービス業 119,429 29% 118,022 28%
食品・農業 107,218 26% 103,106 25%
民間セクター顧客への貸出合計 417,914 100% 416,025 100%
商業・工業・サービス業向け貸出金ポートフォリオの産業別分析
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
不動産賃貸 10,521 13,517
金融および保険(金融機関を除く) 16,192 13,892
卸売 10,994 11,386
不動産関連業 8,860 8,918
製造 9,818 9,441
運輸および倉庫 6,226 6,305
建設 5,141 4,742
医療および社会福祉 7,114 6,827
専門サービスおよび科学技術サービス 9,291 9,648
小売(食品を除く) 4,681 4,293
公益事業 3,638 3,049
情報通信 1,041 1,021
芸術、娯楽およびレジャー 1,368 1,283
その他の商業・工業・サービス業 24,544 23,700
合計 119,429 118,022
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食品・農業向け貸出金ポートフォリオのセクター別分析
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
乳製品 23,221 22,486
穀物および油糧種子 21,018 19,686
食肉等 17,369 16,717
果物および野菜 10,666 10,675
農業投入財 11,084 11,089
食品小売 5,637 5,226
飲料 2,579 2,733
花卉 1,489 1,581
砂糖 3,283 2,817
雑農作物 1,819 1,357
その他食品・農業 9,053 8,739
合計 107,218 103,106
デリバティブ
ラボバンクはオープン・ポジションについて、金額および期間に厳格なリミットを設定している。ISDA(国際
スワップおよびデリバティブ協会)基準が適用される場合または同等の条件を含む基本契約が取引相手との間で
締結されている場合で、取引相手の法域で相殺が認められている場合は、ネット・オープン・ポジションのモニ
タリングおよび報告が行われる。この信用リスクは、取引先に対する全般的貸出リミットの一部として管理され
る。必要な場合、ラボバンクはこれらの取引に固有の信用リスクを軽減するために担保またはその他の保証を取
得している。信用リスク・エクスポージャーは、法的強制力のあるマスター・ネッティング契約を考慮した場合
に、プラスの市場価値が計上されるすべてのオープンなデリバティブ契約の、現在の公正価値を表している。
信用関連の偶発債務
ラボバンクが第三者に供与する金融保証およびスタンドバイ信用状は、取引先が当該第三者への債務を履行で
きない場合に信用リスクに晒されることとなる。荷為替信用状および商業信用状ならびに取引先のためにラボバ
ンクが発行した約束文書は、特定の条件を前提に、かつ固定金額を上限としてラボバンク宛の手形を振り出す権
限を第三者に対して認めるものである。これらの取引は、関連貨物の引渡によって担保されているため、このよ
うな商品のリスク・エクスポージャーは、直接的な貸出よりも小さい。信用状の条件に基づき文書を受け入れた
時点から支払の時点まで、ラボバンクは資産および負債を認識する。
ローン・コミットメントは、あらかじめ定められた条件に基づいて信用を提供する確定契約である。ラボバン
クは、貸出金の供与を約束した時点で信用リスクに晒される。コミットメントは、顧客が特定の貸出条件を充足
することを前提として供与されるため、損失が発生した場合の金額は未使用枠の合計額より小さくなる可能性が
高い。一般に長期コミットメントは短期コミットメントよりリスクが高いため、ラボバンクはローン・コミット
メントの残存期間を監視している。
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4.3.3 信用リスク・エクスポージャーおよび信用の質
ラボバンク・グループは、融資承認プロセスにおいて ラボバンク・リスク・レーティングを使用する。ラ ボバ
ンク・リスク・レーティングは、貸出に関連して1年間における破綻リスクまたはデフォルト確率(PD) を反映
している。 貸出の質のカテゴリーは、内部のラボバンク・リスク・レーティングに基づいて決定される。ラボバ
ンク・リスク・レーティングは21の履行格付(R0‐R20)および4つの債務不履行格付(D1‐D4)からなってい
る。履行格付は1年以内における債務不履行の確率を評価したものであり、格付は原則として周期的に中立に決
定される。D1‐D4の格付は債務不履行の分類を表している。D1は重要な契約上の支払に関して90日を超える延滞
を表し、D2は、当行が担保の現金化などの措置により請求権を行使しない限り、債務者が債務を全額弁済する確
率が低いことを示している。D3は、不良資産の売却または再編が行われており、その結果、信用関連の経済的損
失が生じる可能性が高いことを指し、D4は破産状態を示している。債務不履行格付は、減損しているエクスポー
ジャー合計に相当する。 下表は、格付 区分別 に開示している減損の対象となる金融資産の信用の質を示したもの
であり、これは信用リスクの 管理目的で主要 な経営幹部に報告している数値と一致する。 以下の金融資産の総帳
簿価額は、かかる資産の最大信用リスク・エクスポージャーに相当する。
金融機関に対する貸出金および預け金の内部格付に基づく信用リスク特性
単位:百万ユーロ
2019 年 12月31日現在 総帳簿価額
非信用減損 信用減損
12 ヶ月のECL適用 全期間のECL適用 全期間のECL適用 合計
R0-R1 (AAA) 9 - - 9
R2-R4 (AA) 138 - - 138
R5-R7 (A) 22,316 - - 22,316
R8-R10 (BBB) 4,350 - - 4,350
R11-R13 (BB) 1,352 - - 1,352
R14-R16 (B+) 594 3 - 597
R17-R19 (B-) 141 8 - 149
R20 (CCC+) - - - -
債務不履行格付(D) - - 14 14
格付なし 374 - - 374
合計 29,274 11 14 29,299
2018 年12月31日現在
R0-R1 (AAA) 496 - - 496
R2-R4 (AA) 583 - - 583
R5-R7 (A) 10,990 42 - 11,032
R8-R10 (BBB) 3,197 - - 3,197
R11-R13 (BB) 1,112 1 - 1,113
R14-R16 (B+) 761 1 - 762
R17-R19 (B-) 363 13 - 376
R20 (CCC+) 23 - - 23
債務不履行格付 (D) - - 34 34
格付なし 265 - - 265
合計 17,790 57 34 17,881
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顧客に対する貸出金および預け金の内部格付に基づく信用リスク特性
単位:百万ユーロ
2019 年 12月31日現在 総帳簿価額
非信用減損 信用減損
12 ヶ月のECL適用 全期間のECL適用 全期間のECL適用 合計
R0-R1 (AAA) 1,497 5 - 1,502
R2-R4 (AA) 10,289 22 - 10,311
R5-R7 (A) 51,656 214 - 51,870
R8-R10 (BBB) 137,752 584 - 138,336
R11-R13 (BB) 120,705 2,892 - 123,597
R14-R16 (B+) 63,091 7,650 - 70,741
R17-R19 (B-) 12,752 7,189 - 19,941
R20 (CCC+) 1,022 1,844 - 2,866
債務不履行格付(D) - - 15,090 15,090
格付なし 3,131 17 - 3,148
合計 401,895 20,417 15,090 437,402
2018 年12月31日現在
R0-R1 (AAA) 680 3 - 683
R2-R4 (AA) 8,723 27 - 8,750
R5-R7 (A) 48,117 552 - 48,669
R8-R10 (BBB) 160,613 2,142 - 162,755
R11-R13 (BB) 111,652 3,076 - 114,728
R14-R16 (B+) 52,614 4,229 - 56,843
R17-R19 (B-) 11,002 4,812 - 15,814
R20 (CCC+) 525 1,014 - 1,539
債務不履行格付 (D) - - 15,993 15,993
格付なし 8,677 91 - 8,768
合計 402,603 15,946 15,993 434,542
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の外部格付に基づく信用リスク特性
単位:百万ユーロ
2019 年 12月31日現在 総帳簿価額
非信用減損 信用減損
12 ヶ月のECL適用 全期間のECL適用 全期間のECL適用 合計
AAA ‐ A 9,963 1,562 - 11,525
BBB ‐ B 1,368 - - 1,368
CCC ‐ C - - - -
D - - - -
格付なし 248 - - 248
合計 11,579 1,562 - 13,141
2018 年12月31日現在
AAA ‐ A 16,800 574 - 17,374
BBB ‐ B 761 - - 761
CCC ‐ C - - - -
D - - - -
格付なし 13 - - 13
合計 17,574 574 - 18,148
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ローン・コミットメントおよび金融保証の内部格付に基づく信用リスク特性
単位:百万ユーロ
2019 年 12月31日現在 信用リスクに対するエクスポージャー
非信用減損 信用減損
12 ヶ月のECL適用 全期間のECL適用 全期間のECL適用 合計
R0-R1 (AAA) 1,486 - - 1,486
R2-R4 (AA) 1,991 - - 1,991
R5-R7 (A) 10,853 65 - 10,918
R8-R10 (BBB) 17,022 103 - 17,125
R11-R13 (BB) 15,080 356 - 15,436
R14-R16 (B+) 5,944 590 - 6,534
R17-R19 (B-) 744 510 - 1,254
R20 (CCC+) 44 82 - 126
債務不履行格付(D) - - 480 480
格付なし 10,301 2 - 10,303
合計 63,465 1,708 480 65,653
2018 年12月31日現在
R0-R1 (AAA) 1,577 - - 1,577
R2-R4 (AA) 529 1 - 530
R5-R7 (A) 8,671 3 - 8,674
R8-R10 (BBB) 17,211 118 - 17,329
R11-R13 (BB) 15,423 209 - 15,632
R14-R16 (B+) 7,071 314 - 7,385
R17-R19 (B-) 648 357 - 1,005
R20 (CCC+) 28 104 - 132
債務不履行格付 (D) - - 572 572
格付なし 9,500 28 - 9,528
合計 60,658 1,134 572 62,364
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4.3.4 金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務
以下の表は、金融資産に係る減損引当金および信用関連の偶発債務の期首残高から期末残高への調整を示した
ものである。
金融機関に対する貸出金および預け金に係る減損引当金
単位:百万ユーロ
12 ヶ月の 全期間のECL適用- 全期間のECL適用-
ECL 適用 非信用減損 信用減損 合計
2019 年1月1日現在の残高 1 1 20 22
当初認識および取得に伴う増加 1 - - 1
認識中止に伴う減少 - - - -
信用リスクの変動に伴う変動 - - - -
当年度の不良債権の償却 - - (19) (19)
その他の変動 (1) - - (1)
2019 年12月31日現在 の残高 1 1 1 3
2018 年1月1日現在の残高 1 1 17 19
当初認識および取得に伴う増加 - - - -
認識中止に伴う減少 - - - -
信用リスクの変動に伴う変動 1 - 2 3
当年度の不良債権の償却 - - - -
その他の変動 (1) - 1 -
2018 年12月31日現在 1 1 20 22
顧客に対する貸出金および預け金に係る減損引当金
単位:百万ユーロ
全期間のECL適用- 全期間のECL適用-
12 ヶ月のECL適用 非信用減損 信用減損 合計
2019 年1月1日現在の残高 270 239 3,226 3,735
当初認識および取得に伴う増加 87 6 144 237
(266)
認識中止に伴う減少 (60) (69) (395)
信用リスクの変動に伴う変動 78 178 875 1,131
(715)
当年度の不良債権の償却 (8) (8) (699)
その他の変動 2 - (55) (53)
2019 年12月31日現在 の残高 369 346 3,225 3,940
2018 年1月1日現在の残高 320 287 3,754 4,361
当初認識および取得に伴う増加 68 6 276 350
認識中止に伴う減少 (59) (50) (577) (686)
信用リスクの変動に伴う変動 (50) (2) 835 783
当年度の不良債権の償却 (12) (2) (998) (1,012)
その他の変動 3 - (64) (61)
2018 年12月31日現在 の残高 270 239 3,226 3,735
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その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る減損引当金
単位:百万ユーロ
全期間のECL適用 全期間のECL適用
12 ヶ月のECL適用 -非信用減損 -信用減損 合計
2019 年1月1日現在の残高 2 1 - 3
当初認識および取得に伴う増加 ▶ - - ▶
認識中止に伴う減少 - - - -
信用リスクの変動に伴う変動 (5) - - (5)
当年度の不良債権の償却 - - - -
その他の変動 - - - -
2019 年12月31日現在 の残高 1 1 - 2
2018 年1月1日現在の残高 3 5 - 8
当初認識および取得に伴う増加 2 - - 2
認識中止に伴う減少 - - - -
信用リスクの変動に伴う変動 (1) (5) - (6)
当年度の不良債権の償却 - - - -
その他の変動 (2) 1 - (1)
2018 年12月31日現在 の残高 2 1 - 3
ローン・コミットメントおよび金融保証に係る減損引当金
単位:百万ユーロ
全期間のECL適用 全期間のECL適用
12 ヶ月のECL適用 -非信用減損 -信用減損 合計
2019 年1月1日現在の残高 28 12 69 109
当初認識および取得に伴う増加 ▶ - 2 6
認識中止に伴う減少 (34) (10) (34) (78)
信用リスクの変動に伴う変動 33 16 66 115
当年度の不良債権の償却 - - - -
その他の変動 - - (6) (6)
2019 年12月31日現在 の残高 31 18 97 146
2018 年1月1日現在の残高 33 12 82 127
当初認識および取得に伴う増加 3 - 17 20
認識中止に伴う減少 (29) (9) (43) (81)
信用リスクの変動に伴う変動 18 11 34 63
当年度の不良債権の償却 - - (1) (1)
その他の変動 3 (2) (20) (19)
2018 年12月31日現在 の残高 28 12 69 109
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以下の表に、顧客に対する貸出金および預け金の総帳簿価額が当年度中に著しく変動したことによる、減損引
当金合計の変動の概要を示している。
顧客に対する貸出金および預け金の帳簿価額の変動
単位:百万ユーロ 総帳簿価額
非信用減損 信用減損
12 ヶ月のECL適用 全期間のECL適用 全期間のECL適用 合計
2019 年1月1日現在の残高 402,603 15,946 15,993 434,542
金融資産の譲渡 (8,847) 7,312 1,536 1
新たに当初認識または取得した
金融資産 122,673 4,710 1,821 129,204
認識が中止された金融資産 (111,309) (7,651) (3,400) (122,360)
償却 (12) (8) (693) (713)
売却目的保有資産への振替 (4,412) (83) (292) (4,787)
その他の変動 1,199 191 125 1,515
2019 年12月31日現在 の残高 401,895 20,417 15,090 437,402
2018 年1月1日現在の残高 396,816 14,842 15,773 427,431
金融資産の譲渡 (5,957) 4,530 2,856 1,429
新たに当初認識または取得した
金融資産 117,531 3,962 2,199 123,692
認識が中止された金融資産 (103,787) (7,328) (4,388) (115,503)
償却 (15) (2) (493) (510)
その他の変動 (1,985) (58) 46 (1,997)
2018 年12月31日現在 の残高 402,603 15,946 15,993 434,542
4.3.5 信用リスクの著しい増大(SICR)に該当するかの判断基準
定量的なSICR評価において考慮に入れる主な変数は、全期間 デフォルト 確率(PD)と当初認識日から報告日ま
でのその推移である。相対的変化が所定の閾値 を超える場合 、 信用リスクの著しい増大の兆候があると見なされ
る。 当初 認識時の全期間PDと報告日時点の全期間PDの比較は、当該金融資産取得時の格付と報告日時点の格付を
用い、両者を(一時点における)PD曲線に転換して行う。同閾値は、ポートフォリオの 観察された 長期債務不履
行率 に対する一定比率 (中心傾向)を基に決定している。下表は、貸出金ポートフォリオごとの閾値を示してい
る。これらの閾値は、全期間PDをステージ1からステージ2へ移行させる のに 必要 な 乗数である。
貸出金ポートフォリオの種類 2019 年 12月31日現在のSICR閾値
住宅ローン:地方銀行 5.11
住宅ローン:オプフィオン 3.28
つなぎ融資 7.64
法人貸付 2.26
法人貸付:所得を生む不動産 1.68
法人貸付:ファイナンスリース 3.57
リテール中小企業貸付 2.50
リテール中小企業貸付:商業不動産 2.25
リテール中小企業貸付:ファイナンスリース 3.23
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4.3.6 モデルに基づく金融資産の減損引当金に関する判断 および 見積り
ラボバンクは、3段階のステージから成る予想信用損失減損モデルを適用して予想信用損失の測定および認識
を行っており、これには経営陣による重要な判断が伴う。この減損手法では、12ヶ月の予想信用損失に相当する
金額 で測定した 引当金を認識する(ステージ1)。当初認識以降に信用リスクが著しく増大したものの、信用減
損していない金融資産については、全期間の予想信用損失に相当する金額で 測定した 引当金を 認識 する (ステー
ジ2)。信用減損した金融資産を認識する(ステージ3)。 ラボバンク は、モデルに基づく減損引当金における
予想信用損失を 算定 する に当たり、以下の要素に関して見積りおよび経営陣の判断を使用 している 。
信用リスクの著しい増大
資産をステージ1からステージ2へ振り替えるには判断が求められる。PDの閾値に対するECLの感応度を 実証
する ために、すべての資産がPD閾値 未満である と 仮定 して12ヶ月 のECL を割り当てる分析を 実施 した。同じ資産
を基礎として、すべての資産がPD閾値を超えると 仮定 し、全期間 の ECL を割り当てる分析も 実施 した。これらの
分析の結果、 ECL は それぞれ489百万ユーロ および 1,771 百万ユーロ であった 。 2019年12月31日現在のステージ1
およびステージ2の減損引当金合計は 、 それぞれ402百万ユーロ および 366 百万ユーロ である 。
将来予測的情報 および マクロ経済シナリオ
各ステージの予想信用損失の見積りおよび信用リスクの著しい増大に関する評価では、過去の事象や現在の状
況に加えて、将来の事象および経済情勢に関する合理的かつ実証可能な予測(以下「将来予測的情報」という)
を考慮する。 ラボバンク は ECLモデルにおいて、確率加重 した 3つのグローバル・マクロ経済シナリオ(基本・
下振れ・上振れシナリオから成る)を使用して予想信用損失を算出している。重要な変数は国内総生産の成長
率、失業率および金利である。こうした将来のマクロ経済的な予測には判断が必要であり、概ねラボバンク内部
の調査部門による調査に拠っている。ステージ1およびステージ2の引当金計上のためのECLモデルプロセスに
おいて使用した主な将来予測的マクロ経済データの感応度と3つの各シナリオに適用した確率加重に関するイン
プットは以下のとおりである。分析対象の国は、報告されたECLに対して全体に占める金額的観点から重要な国
である。よってラボバンクは、 これら の ポートフォリオが、金融資産の帳簿価額を調整する結果になる最も重要
なリスクがあると考えている。
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加重後ECL 加重後ECL(単
(単位:百万 位:百万ユー
ユーロ) ロ)
オランダ 2019 年 2018 年
2020 年 2021 年 2022 年 加重前ECL 確率 12 月31日 12 月31日
上振れ 国民 1人 当た
りのGDP 2.50% 1.80% 0.20%
失業率 2.50% 0.90% 0.50% 322 15%
実質金利 1.00% 0.00% 0.20%
基本 国民 1人 当た
りのGDP 1.10% 0.40% 0.70%
失業率 3.60% 3.80% 4.10% 384 70% 387 290
実質金利 0.80% -0.40% 0.10%
下振れ 国民 1人 当た
りのGDP -0.80% -1.00% 1.80%
失業率 4.60% 6.40% 7.30% 466 15%
実質金利 0.40% -0.90% 0.00%
加 重 後 ECL 加重後ECL(単
(単位:百万 位:百万ユー
ユーロ) ロ)
米国 2019 年 2018 年
2020 年 2021 年 2022 年 加重前ECL 確率 12 月31日 12 月31日
上振れ 国民 1人 当た
りのGDP 1.10% 1.40% 0.90%
失業率 3.50% 4.60% 3.90% 100 15%
実質金利 -0.50% 0.80% -2.30%
基本 国民 1人 当た
りのGDP 0.00% -0.30% 0.90%
失業率 3.90% 5.60% 5.20% 127 70% 129 83
実質金利 -0.80% 0.10% -2.40%
下振れ 国民 1人 当た
りのGDP -1.50% -2.20% 1.20%
失業率 4.30% 6.60% 6.50% 170 15%
実質金利 -1.10% -0.80% -2.50%
加重後ECL 加重後ECL(単
(単位:百万 位:百万ユー
ユーロ) ロ)
ブラジル 2019 年 2018 年
2020 年 2021 年 2022 年 加重前ECL 確率 12 月31日 12 月31日
上振れ 国民 1人 当た
りのGDP 2.00% 3.00% 1.60%
失業率 7.50% 8.90% 8.00% 26 15%
実質金利 0.30% 0.60% 1.00%
基本 国民 1人 当た
りのGDP 1.30% 2.30% 2.30%
失業率 8.00% 10.30% 9.70% 32 70% 32 19
実質金利 0.00% 0.30% 0.20%
下振れ 国民 1人 当た
りのGDP 0.20% 1.90% 3.80%
失業率 8.60% 11.60% 11.30% 39 15%
実質金利 -0.40% -0.10% -1.00%
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加重後ECL 加重後ECL(単
(単位:百万 位:百万ユー
ユーロ) ロ)
オースト 2019 年 2018 年
ラリア 2020 年 2021 年 2022 年 加重前ECL 確率 12 月31日 12 月31日
上振れ 国民 1人 当た
りのGDP 1.10% 2.00% 1.30%
失業率 4.50% 3.00% 2.50% 12 15%
実質金利 0.10% 0.30% 0.40%
基本 国民 1人 当た
りのGDP 0.60% 0.80% 1.00%
失業率 5.50% 5.70% 5.80% 15 70% 15 12
実質金利 -0.20% -0.60% -0.20%
下振れ 国民 1人 当た
りのGDP -0.20% -0.20% 1.10%
失業率 6.50% 8.30% 9.00% 18 15%
実質金利 -0.60% -1.60% -0. 50%
予想信用損失の測定
予想信用損失の見積りには、 デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失(LGD) および デフォルト時エクス
ポージャー(EAD)をECLモデルのインプットとして用いている。これらのECLモデルによって想定外の外部の事
象またはデータの質に関する問題が十分網羅されない 場合 は 、判断 および 見積りに 基づき 調整を加える。また上
掲のインプットも次のように見積りが必要である 。
・ PD-デフォルト確率は、ある一定の時間枠において債務不履行が発生する可能性の見積りである。
・ LGD-デフォルト時損失は、ある時点で債務不履行が生じた場合に発生する損失の見積りである。 これ
は、契約上の キャッシュ・フローと、ラボバンクが 受け取る と 予想される キャッシュ・フロー(担保 およ
び その他の信用補完から生じると見込まれるキャッシュ・フローを含む)との 差額 に基づく。
・ EAD-デフォルト時エクスポージャーは、将来債務不履行が生じた日におけるエクスポージャーの見積り
である。見積りに当たっては、期限前償還 による 報告日後におけるエクスポージャーの変動予測を加味す
る。
下表に、 デフォルト 確率(PD)、担保価値および全額期限前償還率の変動 による 基本シナリオ の ECL への影響
を示す。
単位:百万ユーロ 2019 年 12月31日現在のECLへの影響
PD 格付の 1 段階悪化(PD) 265
PD 格付の 1 段階改善(PD) (197)
担保価値の10%下落(LGD) 123
担保価値の10%上昇(LGD) (80)
全額期限前償還率の50%低下(EAD) 34
全額期限前償還率の50%上昇(EAD) (30)
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4.3.7 担保および与信管理
ラボバンクの信用リスク・エクスポージャーは、必要に応じて担保を取得することによって部分的に軽減され
ている。必要となる担保の金額および性質は、取引相手向け貸出金の信用リスク評価によってある程度決まる。
ラボバンクは、異なる種類の担保を受け入れ評価する目的で、ガイドラインを導入している。主な担保の種類と
して以下が挙げられる。
・ 居住用不動産向け住宅ローンに対する担保
・ 主に法人向けローンのための不動産および動産に対する担保、棚卸資産および売掛金に対する担保
・ 主に証券貸出取引およびリバース・レポ取引のための現金および証券
経営陣は、差し入れられた担保の時価を監視し、必要な場合は追加の担保を徴求する。またラボバンクは、信
用リスクを管理するためクレジット・デリバティブ商品を用いると同時に、取引規模の大きい相手とマスター・
ネッティング契約を締結することにより、信用リスクに対するエクスポージャーをさらに軽減している。取引
は、注記2.11に記載する相殺の基準を満たしている取引を除き、通常グロスで決済されるため、一般的にマス
ター・ネッティング契約は財政状態計算書に計上された資産および負債をネッティングするものではない。信用
リスクはマスター・ネッティング契約により限定されるものの、その範囲は、キャンセルまたはあるイベントが
発生した場合において、カウンターパーティが関与しているすべての金額が凍結され、ネット決済できるという
程度にとどまる。ネッティング契約が適用されるデリバティブに係る信用リスク・エクスポージャー総額は、新
規取引の締結および既存取引の満了ならびに市場における金利および為替の変動に極めて大きく影響される。
以下の表は、連結貸借対照表において適用された相殺(以下「IAS第32号に基づく相殺」という)、および連
結財政状態計算書において適用されていない相殺(以下「その他の相殺」という)を示しており、いずれも信用
リスクを限定している。その他の相殺は、ラボバンクがリバース・レポ取引により受領した証券、およびラボバ
ンクがレポ取引の貸付に関連して提供した証券からなっている。
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金融商品の相殺
財政状態
計算書に
含まれる マスター・
IAS 第32号に 帳簿価額 ネッティング その他の
単位:百万ユーロ 相殺前の金額 基づく相殺 (純額) 契約 相殺 相殺後の金額
2019 年12月31日現在
金融機関に対する貸出金およ
び預け金 29,297 - 29,297 - (23,269) 6,028
デリバティブ 111,906 (88,322) 23,584 (12,283) - 11,301
顧客に対する貸出金および預
け金 447,627 (7,120) 440,507 - (13,687) 426,820
その他資産 6,876 (266) 6,610 - - 6,610
合計 595,706 (95,708) 499,998 (12,283) (36,956) 450,759
金融機関預り金 22,570 (1,326) 21,244 - (1,505) 19,739
顧客預り金 345,354 (2,818) 342,536 - (20) 342,516
デリバティブ 115,372 (91,298) 24,074 (12,283) - 11,791
その他負債 7,101 (266) 6,835 - - 6,835
合計 490,397 (95,708) 394,689 (12,283) (1,525) 380,881
2018 年12月31日現在
金融機関に対する貸出金およ
び預け金 17,859 - 17,859 - (6,756) 11,103
デリバティブ 81,402 (58,742) 22,660 (13,531) - 9,129
顧客に対する貸出金および預
け金 443,093 (6,502) 436,591 - (12,131) 424,460
その他資産 6,640 (209) 6,431 - - 6,431
合計 548,994 (65,453) 483,541 (13,531) (18,887) 451,123
金融機関預り金 20,666 (1,269) 19,397 - (79) 19,318
顧客預り金 344,504 (2,094) 342,410 - (13) 342,397
デリバティブ 85,807 (61,880) 23,927 (13,531) - 10,396
その他負債 6,551 (209) 6,342 - - 6,342
合計 457,528 (65,452) 392,076 (13,531) (92) 378,453
次 の 表は、信用リスクを低減するために抵当として保有されている担保に関して信用減損した金融資産を示し
たものである。
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信用減損した金融資産に対する担保およびその他の信用補完
信用減損した金融 減損引当金控除の 担保およびその他の
単位:百万ユーロ 資産の総帳簿価額 減損引当金 帳簿価額 信用補完
2019 年12月31日現在
金融機関に対する貸出金お
よび預け金 14 1 13 -
顧客に対する貸出金および
預け金 15,090 3,225 11,865 8,611
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資
産 - - - -
合計 15,104 3,226 11,878 8,611
2018 年12月31日現在
金融機関に対する貸出金お
よび預け金 34 20 14 -
顧客に対する貸出金および
預け金 15,993 3,226 12,767 10,044
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資
産 - - - -
合計 16,027 3,246 12,781 10,044
次の表は、減損に関するIFRS第9号の要求事項の対象ではない金融商品に関してラボバンクが晒されている、
信用リスクに対する最大エクスポージャーを表している。ここでは、いかなる担保、または信用リスク制限策も
考慮に入れていない。表はまた、提供された担保またはその他の種類の信用リスク縮小策による財務上の影響も
示している。資本性金融商品の残高は信用リスクに対する最大エクスポージャーに含まれていないため、時とし
て、表示金額が財政状態計算書の帳簿価額から乖離する場合がある。
減損対象外の金融資産の信用リスクに対する最大エクスポージャー
単位:百万ユーロ
信用リスクに対する
最大エクスポージャー 担保およびその他の信用補完
2019 年12月31日現在
売買目的金融資産 1,811 -
公正価値測定に指定した金融資産 101 -
強制的に公正価値で測定される金融資産 1,143 46
デリバティブ 23,584 8,078
合計 26,639 8,124
2018 年12月31日現在
売買目的金融資産 2,806 -
公正価値測定に指定した金融資産 157 -
強制的に公正価値で測定される金融資産 1,680 744
デリバティブ 22,660 6,851
合計 27,303 7,595
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償却方針
ラボバンクは、実務的な回収方法をすべて実施し尽くし、回収の合理的な見込みがないと結論を下した場合
に、債権を償却する。回収の合理的な見込みがないことを示す指標には、(i)履行を求める活動の中止、および
(ii)回収方法が担保権の行使であり、担保価値で債権の全額回収が合理的に見込めない場合が含まれる。ラボバ
ンクは、履行請求中の債権を償却する場合がある。2019年度において一部または全部の資産を償却した契約金額
残高は461百万ユーロであった。
ラボバンクは、当年度中に担保の所有権を得ることで2019年12月31日現在において推定価値2百万ユーロ
(2018年度は15百万ユーロ)の金融および非金融資産を取得した。これらの資産を合理的に予見可能な将来に売
却するのがラボバンクの方針である。売却利益は貸出残高の返済に割り当てられる。
4.3.8 条件変更後の資産
報告日において、条件変更後の資産が債務不履行に陥るリスクが評価され、当初認識時の最初の条件下におけ
るリスクと比較される。ラボバンクは、これらフォーベアランスの条件変更後の資産のその後の履行を監視し、
信用リスクの著しい改善に伴い当該資産をステージ3またはステージ2(全期間のECL)からステージ1(12ヶ
月のECL)に移行すると決定することがある。2019年12月31日現在で保有されている当該資産の総帳簿価額は37
百万ユーロであった(2018年度は32百万ユーロ)。
以下の表は、全期間のECLを測定する金融資産のうち当年度中にキャッシュ・フローが変更されたものに関す
る情報の要約と、各財務実績に対する影響を示したものである。
全期間のECLにて減損引当金を測定する条件変更後の金融資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
条件変更前の償却原価 835 217
条件変更に伴う正味利益/損失 5 2
当初認識時後に条件変更された金融資産 840 219
4.4 トレーディング目的以外の為替レート・リスク(以下「FXリスク」という)
FX リスクは、為替レートの変動により当行のキャッシュ・フロー、資産および負債、純利益および/または資
本のボラティリティが生じるリスクである。当行は、トレーディング目的以外のFXリスクを(i)銀行勘定におけ
るFXリスクおよび(ii)FX換算リスクの2種類に区分している。
銀行勘定におけるFXリスク
銀行勘定におけるFXリスクとは、銀行勘定におけるコミットメントおよび債権のキャッシュ・フローの既知お
よび/または確定可能な為替変動がヘッジされないことによるリスクである。その結果、為替レートの変動によ
り、 ラボバンク の 業績および/または財政状態に悪影響が及ぶ可能性がある。
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為替換算リスク
為替換算リスクとは、外貨建の営業上の資産および負債を親会社の機能通貨へ換算する際に、為替の変動に
よって悪影響が及ぶリスクである。換算リスクは、ラボバンクの資本のポジション、リスク・ウェイト資産およ
び自己資本比率において顕在化する。
ラボバンクは、ラボバンクの 連結 CET 1比率に関わる為替換算リスクを、意図的に為替ポジションを取ること
によって管理している ( このような構造的為替ポジションによって、為替レートの変動がラボバンクの 連結 CET
1比率に与える影響は低減されている ) 。
為替換算リスクついては、為替換算リスクに関するグローバル基準が対応している。当該基準は、 それらのリ
スクを管理するために、 慎重かつ健全な監視および管理システムを実現し徹底するため の 為替換算リスクに対す
るラボバンクの グローバル 方針を 定めている 。 規制上の枠組み(すなわち第1の柱)がリスクに対応していな
い、または適切に対応していないとラボバンクが判断する領域においては、第2の柱のフレームワークを使用す
る。為替換算リスクは、かかるリスクのうちの1つである。
4.5 銀行の業務環境における金利リスク
「銀行の業務環境における金利リスク」とは、銀行勘定の業績および経済価値またはどちらか一方が市場金利
の変動により悪影響を受けるリスクを指す。
ラボバンクの金利リスクは、貸出と資金調達のリプライシングおよび満期のミスマッチ、ならびに顧客向け商
品に含まれるオプションにより発生する。銀行の業務環境における金利リスクは、顧客行動が重要な決定要因と
なる。したがって、顧客行動のモデル化が金利リスクの枠組みの中心的な要素の1つをなす。住宅ローンの返
済、貯蓄性預金および当座預金については、それに関する行動モデルが導入されている。金利変動はまた、顧客
の信用度にも影響を与えることがある。例えば、金利が上昇した場合、借入コストが上昇し、その結果、顧客の
信用度に負の影響が及ぶ可能性がある。しかしながら、こうした影響は金利リスクというよりは信用リスクと見
なされる。
ラボバンクは、銀行の業務環境下で一定量の金利リスクを許容しているが、これは銀行業務に欠かせないもの
である。しかし同時に、当行は金利の変動に伴い業績および経済価値で生じる予期せぬ重要な変動を回避するこ
とを目指している。したがって、監督委員会により監視される経営委員会は、金利リスクに係るリスク選好度お
よびそれに応じた金利リスクのリミットを年次で承認している。
グループのレベルにおいて、ラボバンクの金利リスクは、最高財務責任者が委員長を務めるグループ資産負債
委員会によって管理されている。トレジャリー部門(Treasury)は同委員会の決定事項を実施する責任を負い、
リスク管理部門が金利リスク・ポジションの計測および 監視 の 責任を負う。
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有価証券報告書
金利リスク管理に使用される 資本の 定義は、IFRSの資本の定義とは異なっている。金利リスク管理において、
資本の経済価値は、資産の現在価値から負債の現在価値とオフ・バランスシート項目の現在価値を加えた額を差
引いた額として定義される。ヘッジ会計が使用されているため、また(IFRSの観点では)貸借対照表の大部分が
償却原価で計上されていることから、市場金利の変動に伴う価額の変動に晒されていないため、価額の変動が
IFRSに基づく資本に及ぼす影響は限定的である。
ラボバンクは、その金利リスク方針の一部として、金利リスクの管理および統制のために下記の2つの重要な
指標を用いている。
・ アーニング・アット・リスク:EaRは、様々な金利シナリオの結果、今後12ヶ月間の予想純受取利息に生
じる不利な方向への最大変動額
・ 修正資本デュレーション
注記4.5.1および4.5.2にて、「アーニング・アット・リスク」および「修正デュレーション」の状況が詳述さ
れている。
4.5.1 アーニング・アット・リスク
アーニング・アット・リスクは標準金利感応度分析に基づいて月1回計算される。 この分析は、各種シナリオ
を契機とする今後12ヶ月間の予定受取利息の大幅な減少を示すものである。具体的には、 マネー・マーケットお
よび資本市場のすべての金利が緩やかに2パーセンテージ・ポイント上昇するシナリオ、マネー・マーケットお
よび資本市場のすべての金利が緩やかに最大で2パーセンテージ・ポイント 低下 する シナリオならびにイール
ド・カーブがスティープ化またはフラット化する2つのシナリオ を検討する 。 予想金利収益は、すべての金利お
よびその他のレートが変動しないシナリオに基づいている。 金利が既に低水準にあるため、金利低下シナリオに
おける下限に達している。よって、 2018 年度 および 2019 年度 の いずれも 、 2パーセンテージ・ポイントではなく
25 ベーシスポイント の 低下としている。
2019 年度には、年度を通じて金利が下落するシナリオに基づくラボバンクの純受取利息が最も悪影響を受けて
いる。2019年12月31日現在のEaRは35百万ユーロ と なり、 2018 年度 のEaR109百万ユーロを下回った。これは主
に、 貸借対照表の構成の変化と、それを受けて担当の委員会(資産負債委員会(ALCO))が行った金利リスクの
ヘッジの決定 による ものである。
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アーニング・アット・リスク
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
アーニング・アット・リスク 35 109
主要通貨別内訳
アーニング・アット・リスク-ユーロ 28 76
アーニング・アット・リスク-米ドル 3 32
4.5.2 修正デュレーション
修正デュレーション(MD)または資本のデュレーションは、マネー・マーケットおよび資本市場の金利が1
パーセンテージ・ポイント上昇する場合における資本の経済価値の下落率を示す。経営委員会は、この目的にお
いて は 6%を上限と定めている。資本のベーシスポイント・バリュー(以下「BPV」という)および資本のデル
タ特性(一定時点のBPV)に係る追加的な限度が適用される。
修正デュレーション
2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
ユーロ建のグループ・レベルの修正デュレーション(%) 3.00% 2.80%
主要通貨別内訳
修正デュレーション(%)-ユーロ 3.80% 3.20%
修正デュレーション(%)-米ドル (3.50%) (2.20%)
4.6 トレーディング環境における市場リスク
市場リスクは、金利、株価、信用スプレッド、為替およびコモディティの変動の影響によるトレーディング勘
定のポジションにおける損失のリスクから発生する。顧客から取得したリスク・ポジションは、他の顧客に再配
分するか、 ヘッジにより動的に 管理することができる。トレーディング・デスクは、(流動性および価格の提供
により)ラボバンク債券およびラボバンク証書を含む金利デリバティブや債券の流通市場におけるマーケット・
メーカーとしての役割も果たしている。
トレーディング環境における市場リスクは、トレーディング勘定における市場リスクを計測、監視および管理
するために導入されている市場リスクの枠組みの範囲内で毎日監視されている。この枠組みには、トレーディン
グ勘定 、 債券トレーディング勘定、 シンジケートローン勘定、有価証券金融およびレポ取引勘定の全デリバティ
ブが含まれる。この枠組みの重要な部分は、限度およびトレーディング・コントロールの適切なシステムであ
る。関連するリスク選好度の限度は、勘定レベルの限度およびトレーディング・コントロールに変換され、市場
リスク管理部門によって毎日監視されている。
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顧客へのリスク再配分 やリスクヘッジ、流通市場での控え目な活動 と いうラボバンクの戦略により、トレー
ディング・ポートフォリオに係る実際の市場リスクへのエクスポージャーは、リスク選好度の範囲内に十分とど
まっている。限度が逸脱された場合、実際に大規模な損失が発生する可能性を低減する是正措置が定められるこ
とになっている。リスク・ポジションは経営陣に報告され、様々なリスク管理委員会において毎月議論されてい
る。臨時の対応が必要なリスク変動は、通常の報告サイクルとは別にその都度周知される。
連結レベルにおいて、イベントリスク の トレーディング、 イベントリスクの引受、VaR、および金利デルタ に
ついてリスク 選好度 を定めている 。
ラボバンクは、イベントリスクがトレーディング環境における市場リスクの最も重要な指標であると考えてい
る。イベントリスクは、 極端だが可能性のある市場リスク要因の所定の変動による個別のトレーディング・ポー
トフォリオの損益への影響を測定するの に役立つ 。 それらの変動は、テナー・ベーシス・スワップ ・ スプレッド
や金利、 為替レート 、 信用スプレッド、ボラティリティ、 金利曲線の転換 などリスクドライバーを 捉えた各シナ
リオに反映されている 。 シナリオに応じて、 個別のリスク要素または複数のリスク要素のカテゴリーにストレス
が加えられる。
感応度分析とストレス・テストを実施することで測定したイベントリスクは、2019年12月31日現在は71百万
ユーロと、 リスク選好ステートメントに基づく 所定の限度内に十分とどまっていた。 イベントリスク は 68百万
ユーロと140百万ユーロの間 で推移し、 平均は93百万ユーロであった。
VaR は、過去1年分の市場変動に基づき、「通常の」市場条件の下における所定の信頼水準および対象期間に
係る最大損失額を示している。日次のリスク管理では信頼水準97.5%および対象期間1日が用いられている。こ
の方法の下で、過去の市場変動および構築しているポジションに基づいてVaRが計算される。以下の表はVaRの構
成を示したものである。2019年度には、VaRは2.3百万ユーロから4.3百万ユーロの間で推移し、平均は3.0百万
ユーロであった。2019年12月31日現在のVaRは3.2百万ユーロであった。
VaR (1日、97.5%)(単位:百万ユーロ)
金利 信用 通貨 株式 商品 分散化 合計
2019 年 12月31日現在 3.4 0.7 0.2 0.0 0.2 (1.4) 3.2
2019 年 ―平均 2.9 1.4 0.2 0.0 0.2 - 3.0
2019 年 ―最高 3.9 3.1 1.9 0.0 1.2 - 4.3
2019 年 ―最低 2.1 0.7 0.0 0.0 0.1 - 2.3
2018 年 12月31日現在 2.3 2.9 0.1 0.0 0.2 (2.1) 3.4
2018 年 ―平均 2.2 1.5 0.1 0.0 0.1 - 2.6
2018 年 ―最高 3.4 3.0 0.6 0.1 0.7 - 3.9
2018 年 ―最低 1.7 0.7 0.0 0.0 0.1 - 1.9
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金利デルタは、イールド・カーブが平行的に1ベーシスポイント(すなわち、0.01パーセンテージ・ポイン
ト)上昇した場合にポジションの価額がどれだけ変化するかを表す 値である 。 以下の金利デルタの表は、主要通
貨のイールド・カーブの変化に対する感応度を示したものである。2019年12月31日現在でトレーディング勘定の
金利デルタは マイナス 0.1 百万ユーロであった。報告期間中、金利デルタは所定の限度内に十分とどまってい
た。
金利デルタ
単位:百万ユーロ 2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
ユーロ (0.2) 0.4
米ドル 0.1 0.1
豪ドル 0.1 0.0
その他 0.0 0.0
合計 (0.1) 0.6
4.7 流動性リスク
流動性リスクとは、ラボバンクがすべての支払および返済義務を期限内に履行できなくなるリスク、および資
産拡大の資金調達が可能だとしても、妥当な価格で調達できなくなるリスクをいう。こうした事態は、例えば、
顧客またはプロである取引相手が予想以上の資金を突然引き出し、その結果、当行の現金資源によって、市場に
おける資産の売却もしくは担保差し入れによって、または第三者からの資金借入によってそれを補填できない場
合に発生する。ラボバンクは、公的資金および資本市場への妨げのないアクセスを確保するという点で、十分な
流動性ポジションならびにプロである市場参加者およびリテール顧客の両方の信頼の維持が不可欠であると考え
ている。
流動性リスクの方針では、安定的な資金、すなわち、顧客から預託された資金および長期的なホールセール資
金調達を使用して資産を調達することを重視している。流動性リスクは3つの柱に基づいて管理されている。第
1の柱は、ホールセール・バンキング事業内における最大の現金流出額に厳格な制限を設けることである。特
に、ラボバンクは今後12ヶ月間に予想される現金流出入額を日次で計測および報告している。そうした現金流出
については、通貨別および地域別の限度額が設定されている。当行は、起こりうる危機的状況に確実に備えるた
め、偶発的な資金調達について詳細な計画(偶発的資金調達計画)を作成している。これらの計画については業
務上のテストが定期的に実施されている。
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第2の柱は、質の高い流動性資産の十分なバッファーを保持するために用いられる。中央銀行で保持される預
金残高に加えて、これらの資産は、直ちに流動性を創出するために、中央銀行への担保差し入れ、レポ取引での
使用、市場での直接売却などに用いることができる。流動性バッファーの規模は、ラボバンクがその貸借対照表
を通じて晒されているリスクに合わせて調整されている。さらに、ラボバンクは住宅ローン・ポートフォリオの
一部を内部的に証券化したが、これは中央銀行に担保として差し入れることが可能となり、追加的な流動性バッ
ファーとして機能することを意味する。これは留保された証券化に関わるものであるため、連結貸借対照表には
反映されていない。
流動性リスク管理の第3の柱は、高い信用格付、高い資本水準および慎重な資金調達方針からなっている。ラ
ボバンクは、単一の資金調達源に過度に依存するようになることを避けるため様々な措置を講じている。そうし
た措置には、満期、通貨、投資家、地域および市場について資金調達源を分散化すること、高水準の無担保の資
金調達により資産への担保権設定を限定すること、ならびに積極的かつ一貫した投資家向け広報活動の方針が重
要な役割を担うようにすることが含まれる。
多岐にわたるストレス・シナリオから生じる可能性のある結果について判断を下すためにシナリオ分析を毎月
実施している。分析に際しては、市場特有のシナリオ、ラボバンク特有のシナリオ、およびそれらの組合せも対
象としている。当グループの全体的な流動性ポジションに関する月次報告書が、オランダ中央銀行に提出されて
いる。これらの報告書は、当該監督官庁が策定したガイドラインに基づき作成されている。
以下の表は、割引前負債を、報告日から契約上の返済予定期日までの残存流動期間に応じて区分けしたもので
ある。この表は、元本および将来利払いに関連する契約上の割引前キャッシュ・フローに基づいているため、総
額は、連結財政状態計算書の金額と正確には一致していない。デリバティブは、流動性リスクの管理にとって、
または経営陣への報告にとって不可欠ではないことから、この表には含まれておらず、また、契約上の期日に基
づく分析を実施していない。キャッシュ・フロー・ヘッジに使用されるデリバティブの満期プロファイルは、注
記11.3「ヘッジ手段に指定したデリバティブ」に記載されている。
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契約上の返済期日
3ヶ月
単位:百万ユーロ 要求払い 3ヶ月未満 から1年 1~5年 5年超 満期なし 合 計
2019 年 12月31日現在
負債
金融機関預り金 4,491 1,649 2,410 4,130 818 7,986 21,484
顧客預り金 282,651 15,767 8,475 12,360 24,584 1,278 345,115
発行済負債証券 8,595 13,099 23,221 60,413 35,912 - 141,240
その他負債(従業員給付
金およびリース負債を除
く) 2,297 1,384 362 660 265 756 5,724
リース負債 2 19 34 198 319 ▶ 576
売買目的金融負債 - 399 - - - - 399
公正価値測定に指定した
金融負債 114 248 800 2,724 3,271 - 7,157
劣後債務 31 59 1,574 7,474 12,717 - 21,855
金融負債合計 298,181 32,624 36,876 87,959 77,886 10,024 543,550
金融保証 3,726 - - - - - 3,726
ローン・コミットメント 35,089 - - - - - 35,089
3ヶ月
単位:百万ユーロ 要求払い 3ヶ月未満 から1年 1~5年 5年超 満期なし 合 計
2018 年 12月31日現在
負債
金融機関預り金 2,916 675 4,492 4,900 634 6,052 19,669
顧客預り金 280,453 13,309 10,305 14,921 24,994 1,135 345,117
発行済負債証券 4,470 17,184 25,675 64,934 30,316 - 142,579
その他負債(従業員給付
金を除く) 2,038 1,967 309 544 20 826 5,704
売買目的金融負債 - 400 - - - - 400
公正価値測定に指定した
金融負債 17 191 397 3,681 3,342 - 7,628
劣後債務 31 58 1,624 8,275 13,204 - 23,192
金融負債合計 289,925 33,784 42,802 97,255 72,510 8,013 544,289
金融保証 3,377 - - - - - 3,377
ローン・コミットメント 32,583 - - - - - 32,583
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下の表は資産および負債を報告日から契約上の返済期日までの残存期間に応じて区分けしたものである。これ
らの金額は連結財政状態計算書に記載された金額に対応している。
流動および非流動金融商品
3ヶ月 3ヶ月
単位:百万ユーロ 要求払い 未満 から1年 1~5年 5年超 満期なし 合 計
2019 年 12月31日現在
金融資産
現金および現金同等物 62,553 9 3 - - 521 63,086
金融機関に対する貸出
金および預け金 18,288 7,634 1,126 164 169 1,916 29,297
売買目的保有金融資産 28 160 151 628 844 59 1,870
公正価値測定に指定し
た金融資産 - 100 1 - - - 101
強制的に公正価値で測
定される金融資産 45 64 440 89 538 729 1,905
デリバティブ 1,081 1,003 1,488 4,023 15,989 - 23,584
顧客に対する貸出金お
よび預け金 34,852 16,115 37,239 106,628 237,986 7,687 440,507
その他の包括利益を通
じて公正価値で測定す
る金融資産 478 1,021 2,234 7,889 1,519 364 13,505
その他資産(従業員給
付金を除く) 667 1,815 1,596 1,376 170 980 6,604
金融資産合計 117,992 27,921 44,278 120,797 257,215 12,256 580,459
金融負債
金融機関預り金 4,489 1,642 2,378 3,977 772 7,986 21,244
顧客預り金 282,565 15,763 8,423 11,934 22,573 1,278 342,536
発行済負債証券 8,530 12,887 23,716 55,065 30,205 - 130,403
デリバティブ 1,293 1,121 1,598 5,426 14,602 34 24,074
売買目的金融負債 - 399 - - - - 399
その他負債(従業員給
付金およびリース負債
を除く) 2,159 1,478 532 845 292 757 6,063
リース負債 2 18 30 174 317 1 542
公正価値測定に指定し
た金融負債 114 233 772 2,477 2,732 - 6,328
劣後債務 - - 1,012 5,293 9,485 - 15,790
金融負債合計 299,152 33,541 38,461 85,191 80,978 10,056 547,379
純残高 (181,160) (5,620) 5,817 35,606 176,237 2,200 33,080
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3ヶ月 3ヶ月
単位:百万ユーロ 要求払い 未満 から1年 1~5年 5年超 満期なし 合 計
2018 年 12月31日現在
金融資産
現金および現金同等物 72,391 99 7 - - 838 73,335
金融機関に対する貸出
金および預け金 9,180 4,422 1,345 194 168 2,550 17,859
売買目的保有金融資産 158 178 115 880 1,475 70 2,876
公正価値測定に指定し
た金融資産 - 127 7 - 23 - 157
強制的に公正価値で測
定される金融資産 9 24 36 518 643 904 2,134
デリバティブ 1,009 1,100 1,552 5,300 13,699 - 22,660
顧客に対する貸出金お
よび預け金 31,867 17,834 35,687 103,680 242,136 5,387 436,591
その他の包括利益を通
じて公正価値で測定す
る金融資産 222 629 2,430 10,865 4,009 575 18,730
その他資産(従業員給
付金を除く) 349 2,027 1,444 1,673 113 819 6,425
金融資産合計 115,185 26,440 42,623 123,110 262,266 11,143 580,767
金融負債
金融機関預り金 2,914 667 4,428 4,753 584 6,051 19,397
顧客預り金 280,681 13,292 10,224 14,399 22,679 1,135 342,410
発行済負債証券 4,449 16,926 24,814 60,125 24,492 - 130,806
デリバティブ 1,099 1,334 1,500 6,166 13,792 36 23,927
売買目的金融負債 - 400 - - - - 400
その他負債(従業員給
付金を除く) 2,076 2,082 478 576 50 826 6,088
公正価値測定に指定し
た金融負債 17 176 364 3,372 2,685 - 6,614
劣後債務 - - 1,007 5,804 9,687 - 16,498
金融負債合計 291,236 34,877 42,815 95,195 73,969 8,048 546,140
純残高 (176,051) (8,437) (192) 27,915 188,297 3,095 34,627
上記の概要は契約上の情報に基づいて作成されており、これらの金融商品の実際の行動を表したものではな
い。しかしながら、日次の流動性リスク管理においては考慮されている。その一例として顧客の貯蓄性預金が挙
げられる。契約では、顧客は貯蓄性預金をいつでも引き出すことができる。経験上は、貯蓄性預金はラボバンク
の裁量で使用できる非常に安定した長期的資金調達手段である。監督当局の流動性規制も、これを1つの要因と
して考慮している。
2019 年12月31日現在の「流動性カバレッジ比率」(LCR)は132%(2018年度は135%)であり、ラボバンクは
オランダ中央銀行(DNB)が定めた100%の最低要件を遵守している。
金融保証に基づく支払を行うために必要な流動性要件は、通常第三者がそのような契約に基づき資金引出しを
行うことをラボバンクが想定していないため、負債の金額を大きく下回っている。契約に基づく信用供与義務の
残高合計は、その多くの部分が資金調達の必要なしに終了または解除されるため、必ずしもラボバンクの将来に
おけるキャッシュ・リソースの需要を表すものではない。
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4.8 オペレーショナルリスク
オペレーショナルリスクに晒されることは、事業活動の実行において避けられない部分である。ラボバンク
は、組織の複雑性および規模に応じて設定された範囲内で当該リスクを最小化している。オペレーショナルリス
クは、各種方針、手続、制限、および統制の仕組みが支えるラボバンクのリスクおよび統制フレームワークを通
じて、積極的に管理および制御される。こうした組織の規模や複雑性を踏まえ、ラボバンクのオペレーショナル
リスク損失に対する許容水準は、年間総収益予算の約1.5%以下に設定されている。ラボバンクは、許容可能な
リスク水準の限度を設定するために複数のリスク選好度声明(RAS)指標を使用している。2019年度のオペレー
ショナルリスク損失は、設定されている許容限度の範囲内であった。
ラボバンクはリスクおよび統制フレームワーク(以下「RCF」という)を策定および運用しており、全事業ユ
ニット(子会社も含む)および中央サポート機能に遵守を義務付けている。RCFは、不十分もしくは機能不全な
プロセス、人員、システム、および/または外部の動向を要因とするリスクが確実に許容可能なリスク水準内と
なるよう管理および監視するものである。RCFは、将来予測的統合アプローチを用いてオペレーショナルリスク
を効果的に管理するため、組織内の全レベルにおけるリスクオーナーをサポートしている。また、オペレーショ
ナルリスクの管理や方向性の決定を目的としたリスクオーナーによる統制会議を四半期ごとに開催している。
ラボバンクは自己のオペレーショナルリスクを総合的に管理するため、体系的かつ統合的なリスク分析を行っ
ている。このリスク評価を全事業体で行うことで、ラボバンクの厳格なオペレーショナルリスク管理および規制
要件の遵守が確保される。こうした評価の結果、リスク統制フレームワークにおいて統一的かつ首尾一貫したリ
スク統制活動が行われている。これにより、各種オペレーショナルリスクの効果的かつ効率的な管理、ならびに
組織内のリスクと統制の適切なバランスが実現され、より優れた学習組織となっている。
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AML 、CTFおよび制裁
当行は、金融システムの門番として、マネーロンダリングやテロリストの資金調達を目的とした自社商品およ
びサービスの利用防止ならびに各種制裁規則違反の防止に強くコミットしている。オランダの流通チャネルにお
ける導入手続の強化および顧客ファイルの見直しを進めている。また(グローバル)顧客ファイルの質の改善
や、犯罪行為(の疑い)を特定するためのデータ利用の改善を目的としたグローバル・プログラムを導入してい
る。データを用いた取引監視をより合理的に実施することで、内部をより深く見ることができ取引パターン(の
疑い)をより的確に特定することが可能となる。またこの変革プログラムには、マネーロンダリング防止(以下
「AML)という)やテロリスト資金供与防止(以下「CTF)という」および制裁のグローバル・フレームワーク改
善の取り組みも盛り込まれている。2018年9月におけるDNBからの差止命令(last onder dwangsom)を受けて、
当行は(顧客デューデリジェンス(以下「CDD」という)や取引監視(以下「TM」という)などのKYC手続を強化
した。また2019年度には、当行のリソースや技術力の向上を図るべくさらなる措置を講じた。2020年度には、引
き続き(CDDとTMの)KYC手続および取引監視改善のための高度なテクノロジーへ投資する予定である。また当行
は、他行や公的部門における様々な当事者と緊密に連携している。この連携は、このような犯罪行為に対して効
果的に対抗する上で必要不可欠である。2020年4月1日以降にDNBは、当行が差止命令の全要件を満たしている
か、またそれにより特にラボバンクの顧客ポートフォリオが適切に分類されているかを検証する予定である。
4.9 金融資産および金融負債の公正価値
ラボバンクは公正価値の測定に関して、資産の売却または負債の譲渡の取引は、当該資産または負債の主要市
場、あるいは主要市場が存在しない場合には最も有利な市場で実施されると仮定する。
ラボバンクが保有、発行している多くの金融資産および金融負債については市場価格が存在しない。市場価格
が入手できない金融商品の場合、以下の表に示された公正価値は、報告日時点の市場条件に基づき、現在価値ま
たは他の見積りおよび評価方法の結果を使用して見積られたものである。これらの方法を使用して引出される価
値は、金額ならびに将来キャッシュ・フローのタイミング、割引率および市場で将来起こりうる流動性の逼迫な
どに使用された基礎となる仮定に大きく影響される。使用された方法および仮定は次のとおりである。
現金および現金同等物
現金および現金同等物の公正価値は、その帳簿価額にほぼ等しいと仮定されている。この仮定は、極めて流動
性の高い投資や、その他すべての金融資産および金融負債の短期的な部分にも使用されている。
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金融機関に対する貸出金および預け金
金融機関に対する貸出金および預け金には、銀行間預金および回収予定金も含まれている。定期的に価額が見
直され、信用リスクが大幅に変化することのない変動金利預金および翌日物預金の公正価値は、それらの帳簿価
額である。固定金利預金の見積公正価値は、同等の信用リスクと残存期間の負債に対する適切なマネー・マー
ケット金利に基づいて計算したキャッシュ・フローの現在価値をベースにしている。
売買目的で保有されている金融資産およびデリバティブ
売買目的で保有されている金融資産は、活発な市場において入手可能な市場価格に基づく公正価値で計上され
ている。活発な市場における市場価格が入手できない場合、公正価値は割引キャッシュ・フロー・モデルおよび
オプション評価モデルに基づいて見積られる。
デリバティブは、取引所における取引価額(ビッド・アスク幅のあるユーロ、米ドルおよび英ポンド建のデリ
バティブには仲値が用いられる)、トレーダーのオファー価額、割引キャッシュ・フロー・モデル、ならびに基
礎となる商品の現在の市場価格と契約価額に基づき、貨幣の時間価値、イールド・カーブ、および基礎となる資
産・負債のボラティリティを反映したオプション評価モデルに基づいて決定される公正価値で認識されている。
店頭(以下「OTC」という)デリバティブについては、特定の取引相手に係る不履行リスクに関連する予想信
用損失を反映するために、信用評価調整(以下「CVA」という)がなされている。CVAは取引相手ごとに決定さ
れ、担保、ネッティング契約その他の関連契約の要因、デフォルト確率および回収率を考慮に入れた予想される
将来のエクスポージャーに基づいて算定されている。CVAはクレジット・デフォルト・スワップ(以下「CDSとい
う)スプレッドを含む入手可能な市場データに基づいて計算される。CDSスプレッドが入手できない場合、関連
する代用指標が用いられる。OTCデリバティブの評価に際して自己の信用力を組み入れるために債務評価調整
(以下「DVA」という)がなされている。DVAの計算はCVAの枠組みと一致しており、ラボバンクのCDSスプレッド
を使用して算定されている。考慮に入れているもう1つの要因は、資金調達評価調整(以下「FVA」という)で
ある。FVAは、証券によってヘッジされた取引と証券によってヘッジされていない取引の間の評価差額に関する
ものである。有担保取引はオーバーナイト・インデックス・スプレッドに基づく割引曲線により評価される。無
担保取引はEuribor/Liborに市場条件を反映したスプレッドを加えたものに基づく割引曲線により評価される。
公正価値測定に指定した金融資産および強制的に公正価値で測定される金融資産
これらの金融資産は、入手可能な場合、活発な市場における市場価格に基づく公正価値で計上されている。そ
のような市場価格がない場合は、市場における同等の資産から、または適切な割引キャッシュ・フロー・モデル
およびオプション評価モデルを含む評価手法を使用して見積られる。
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顧客に対する貸出金および預け金
顧客に対する貸出金および預け金の公正価値は、取引相手の信用度を考慮に入れた上で、類似の貸出に対する
現在の市場金利を使用して将来キャッシュ・フロー見込額を割引くことにより見積られる。住宅ローンの公正価
値評価については、契約上のキャッシュ・フローをポートフォリオの期限前返済率で調整している。定期的に価
額が見直され、信用リスクが大きく変動しない変動金利ローンについては、公正価値が帳簿価額に近似する。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
これらの金融資産は、証券取引所の市場価格に基づく公正価値で測定されている。活発な市場における市場価
格が入手できない場合、公正価値は割引キャッシュ・フロー・モデルおよびオプション評価モデルに基づいて見
積られる。
金融機関預り金
金融機関預り金には、銀行間預金、回収予定金および預金も含まれている。定期的に価額が見直され、信用リ
スクが大幅に変化することのない変動金利預金および翌日物預金の公正価値はそれぞれの帳簿価額である。固定
金利預金の見積公正価値は、同等の信用リスクと残存期間の負債に対して適用される有効なマネー・マーケット
金利に基づいて計算した、キャッシュ・フローの現在価値をベースにしている。
顧客預り金
顧客預り金には当座預金が含まれる。特定の期日が設定されていない貯蓄性預金および当座預金の残高の公正
価値は、報告日に要求払いされる金額、すなわちその日におけるそれぞれの帳簿価額とされている。これらの預
金の公正価値は、測定される項目が同じである、類似契約および残存期間に係る現行金利のビッド・レートに基
づいて計算された、キャッシュ・フローの現在価値から見積られる。変動金利預金の帳簿価額は、報告日におけ
る公正価値の近似値となっている。
売買目的金融負債
売買目的金融負債の公正価値は、活発な市場において入手可能な市場価格を基礎としている。活発な市場にお
ける市場価格が入手できない場合は、公正価値は評価モデルに基づいて見積られる。
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公正価値測定に指定した金融負債
公正価値オプションは、仮にこれらの金融商品が償却原価で計上されたと仮定した場合に、これらの金融商品
とヘッジ手段であるデリバティブの間に発生するであろう会計上のミスマッチおよび評価の非対称性を解消する
ために使用されている。公正価値測定に指定した金融負債には、ヘッジ手段であるデリバティブと併せて公正価
値に基づいて管理および報告されている仕組債および仕組預金が含まれる。これらの負債の公正価値は、流通市
場において入手可能な市場データに基づく信用調整後イールド・カーブおよび適切なCDSスプレッドを使用して
契約上のキャッシュ・フローを割引くことにより決定される。他のすべての市場リスクのパラメータは、それら
の負債の市場リスクをヘッジするために使用されるデリバティブと整合するように評価されている。自己の信用
リスクの変動に起因する公正価値の変動は、「その他の包括利益」に計上されている。自己の信用リスクの変動
に起因する公正価値の変動は、当初認識時の実勢クレジット・カーブに基づいて再計算された公正価値から報告
日時点における仕組債ポートフォリオの現在の公正価値を仕組債ごとに控除し、他のすべての価格設定の構成要
素は変更しないことによって計算されている。この計算は、それらの仕組債の当初認識以後におけるラボバンク
の自己の信用リスクの変動に帰することのできる金額を反映するものである。
発行済負債証券
これらの商品の公正価値は、活発な市場における市場価格を使用して計算される。活発な市場における市場価
格が入手できない債務債券については、その残存期間に対応する信用調整後イールド・カーブをベースにして、
割引キャッシュ・フロー・モデルを使用する。
以下の表は、以下に説明されている評価方法および仮定に基づき償却原価で認識される金融商品の公正価値を
示している。この表は、貸借対照表においてすべての金融商品が公正価値で認識されているわけではないため、
ここに掲示されたものである。公正価値とは、評価日に市場参加者の間で実施される標準的な取引において、資
産を売却して受け取るであろう価格、または負債を移転するために支払うであろう価格のいずれかを表す。
2019 年 2018 年
単位:百万ユーロ 帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
資産
現金および現金同等物 63,086 63,104 73,335 73,335
金融機関に対する貸出金および預け金 29,297 29,314 17,859 17,878
顧客に対する貸出金および預け金 440,507 455,258 436,591 443,867
負債
金融機関預り金 21,244 21,267 19,397 19,333
顧客預り金 342,536 347,905 342,410 345,719
発行済負債証券 130,403 132,326 130,806 132,397
劣後債務 15,790 17,625 16,498 17,220
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上記の金額は、いくつかの方法と仮定に基づいて経営陣が行った最善の発生可能な見積りである。活発な市場
における市場価格が入手可能な場合は、それが公正価値の最善の見積りとされる。
期間の定めがある証券、資本性金融商品、デリバティブ、コモディティ商品などに関して活発な市場における
市場価格が入手できない場合、ラボバンクは、その投資の信用格付と残存期間に対応する市場金利で割引いた、
将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて予想公正価値を決定する。また、モデルに基づく価格を公正価値
の決定に使用することもできる。
ラボバンクは、財政状態計算書上の金融商品の評価のために利用したすべてのモデルを、金融商品の公正価値
を決定するスタッフとは独立した立場にある専門知識を有したスタッフによって検証するという方針に従ってい
る。
市場価値または公正価値の決定にあたっては様々な要因を検討しなければならない。かかる要因には、貨幣の
時間的価値、ボラティリティ、原オプション、取引相手の信用の質およびその他の要因が含まれる。評価プロセ
スは、定期的に入手可能な市場価格が体系的に使用されるように設計されている。仮定の修正は、売買目的およ
び売買目的以外の金融資産・負債の公正価値に影響することもある。
以下の表は、金融資産および金融負債の、公正価値決定に使用された公正価値のヒエラルキーを示したもので
ある。内訳は以下のとおりである。
・ レベル1:同一の資産・負債にかかわる、活発な市場における市場価格。「活発な市場」とは、当該資産ま
たは負債に関連する取引が、価格情報を恒久的に提供するために十分な頻度と十分な取引量で発生する市場
である。
・ レベル2:レベル1に含まれる市場価格以外のインプットで、資産・負債に関して直接的(すなわち、価格
として)または間接的(すなわち、価格からの派生として)に観察可能なもの。
・ レベル3:観察可能な市場データに基づかない、資産・負債にかかわるインプット。
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公正価値ヒエラルキーのカテゴリー間における振替が発生した場合、ラボバンクは、各報告期間末時点で当該
レベルを再評価することにより、公正価値の金融商品の再評価を決定する。
単位:百万ユーロ レベル1 レベル2 レベル3 合計
2019 年 12月31日現在
財政状態計算書において償却原価で計上す
る資産
現金および現金同等物 63,084 20 - 63,104
金融機関に対する貸出金および預け金 38 29,000 276 29,314
顧客に対する貸出金および預け金 - 132,562 322,696 455,258
財政状態計算書において公正価値で計上す
る資産
売買目的金融資産 1,649 147 74 1,870
公正価値測定に指定した金融資産 100 - 1 101
強制的に公正価値で測定される金融資産 72 620 1,213 1,905
デリバティブ 36 23,434 114 23,584
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産 11,608 1,671 226 13,505
売却目的固定資産 - - 435 435
財政状態計算書において償却原価で計上す
る負債
金融機関預り金 - 21,131 136 21,267
顧客預り金 - 80,043 267,862 347,905
発行済負債証券 8,029 117,478 6,819 132,326
劣後債務 17,601 24 - 17,625
財政状態計算書において公正価値で計上す
る負債
デリバティブ 28 23,980 66 24,074
売買目的金融負債 399 - - 399
公正価値測定に指定した金融負債 - 6,328 - 6,328
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単位:百万ユーロ レベル1 レベル2 レベル3 合計
2018 年 12月31日現在
財政状態計算書において償却原価で計上す
る資産
現金および現金同等物 73,298 32 5 73,335
金融機関に対する貸出金および預け金 18 17,232 628 17,878
顧客に対する貸出金および預け金 850 124,438 318,579 443,867
財政状態計算書において公正価値で計上す
る資産
売買目的金融資産 2,382 431 63 2,876
公正価値測定に指定した金融資産 126 23 8 157
強制的に公正価値で測定される金融資産 - 571 1,563 2,134
デリバティブ 23 22,381 256 22,660
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産 14,453 3,813 464 18,730
売却目的固定資産 - - 268 268
財政状態計算書において償却原価で計上す
る負債
金融機関預り金 18 19,164 151 19,333
顧客預り金 (9) 95,824 249,904 345,719
発行済負債証券 1,365 123,973 7,059 132,397
劣後債務 17,197 23 - 17,220
財政状態計算書において公正価値で計上す
る負債
デリバティブ 41 23,763 123 23,927
売買目的金融負債 400 - - 400
公正価値測定に指定した金融負債 - 6,614 - 6,614
レベル3の金融商品の評価に当たり、より好ましい合理的仮定を用いた場合の損益計算書への潜在的な税引前
影響額は90百万ユーロ(2018年度は145百万ユーロ)であり、その他の包括利益への潜在的な税引前影響額は3
百万ユーロ(2018年度は9百万ユーロ)である。レベル3の金融商品の評価に当たり、より好ましくない合理的
仮定を用いた場合の損益計算書への潜在的な税引前影響額はマイナス69百万ユーロ(2018年度はマイナス142百
万ユーロ)であり、その他の包括利益への潜在的な税引前影響額はマイナス3百万ユーロ(2018年度はマイナス
7百万ユーロ)である。
レベル3に分類される公正価値で測定する金融資産は主に、DGS債権、メカニクス・バンクに対する株式持分
およびプライベート・エクイティ持分から成り、2019年12月31日現在の総額は1,117百万ユーロであった。プラ
イベート・エクイティ持分の評価に係る重要な観察不能なインプットはEBITDAに適用されている乗数である。加
重平均乗数は8.8で、乗数のマイナス1(好ましくない)からプラス1(好ましい)の幅がある。
表は、財政状態計算書に公正価値で計上され、レベル3に分類されている金融商品の変動を示している。資本
に含められるレベル3における公正価値調整額は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の再
評価準備金として会計処理されている。
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2019 年度 には、レベル1とレベル2の間に重要な振替はなかった。
損益に組入 OCI に組入れ
2019 年 れられる られる レベル 売却目的保 2019 年
1月1日 公正価値 公正価値の 3への(か 有資産への 12 月31日
単位:百万ユーロ 現在の残高 の変動 変動 購入額 売却額 決済額 らの)振替 振替 現在の残高
資産
売買目的金融資産 63 - - 17 (6) - - - 74
公正価値測定に指定
した金融資産 8 - - 1 (7) (1) - - 1
強制的に公正価値で
測定される金融資産 1,563 94 - 400 (738) (106) - - 1,213
デリバティブ 256 8 - - - (138) (12) - 114
その他の包括利益を
通じて公正価値で測
定する金融資産 464 2 10 10 (31) - - (229) 226
負債
デリバティブ 123 59 - - - (115) (1) - 66
公正価値測定に指定
した金融負債 - - - - - - - - -
損益に組入 OCI に組入れ
2018 年 れられる られる レベル 2018 年
1月1日 公正価値 公正価値の 3への(か 12 月31日
単位:百万ユーロ 現在の残高 の変動 変動 購入額 売却額 決済額 らの)振替 現在の残高
資産
売買目的金融資産 68 6 - - (11) - - 63
公正価値測定に指定
した金融資産 23 1 - - - (16) - 8
強制的に公正価値で
測定される金融資産 1,668 54 - 162 (117) (224) 20 1,563
デリバティブ 315 (18) - 82 - (123) - 256
その他の包括利益を
通じて公正価値で測
定する金融資産 471 10 19 20 (56) - - 464
負債
デリバティブ 259 (10) - 1 - (127) - 123
公正価値測定に指定
した金融負債 6 (1) - (2) - - (4) -
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当該報告期間末までレベル3において保有された資産および負債に関連して、当該期間に係る損益計算書に認
識された損益合計額は、以下の表に示すとおりである。
報告期間末に保 報告期間末にも
有されている商 はや保有されて
単位:百万ユーロ 品 いない商品 合計
2019 年12月31日現在
資産
売買目的金融資産 - - -
公正価値測定に指定した金融資産 - - -
強制的に公正価値で測定される金融資産 71 23 94
デリバティブ 8 - 8
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 2 - 2
負債
デリバティブ 36 23 59
公正価値測定に指定した金融負債 - - -
2018 年12月31日現在
資産
売買目的金融資産 6 - 6
公正価値測定に指定した金融資産 1 - 1
強制的に公正価値で測定される金融資産 50 ▶ 54
デリバティブ 40 (58) (18)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 11 (1) 10
負債
デリバティブ 44 (54) (10)
公正価値測定に指定した金融負債 - - -
初日利得の認識
当初時点で金融商品に公正価値会計を使用したときに、取引価額と公正価値の間にプラスの差額(いわゆる
「初日利得」)が生じ、かつその評価方法が活発な市場からの観察可能なインプットに基づく場合、当該差額は
損益計算書に計上する。それ以外のすべての場合は、初日利得は全額繰延べられ、当初認識後に要因の変化(時
間効果を含む)から利益が発生した範囲内で、繰延初日利得を利益として認識する。2019年12月31日現在におい
て、繰延初日利得はない。
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4.10 法的手続および仲裁手続
ラボバンクは、相当の訴訟リスクにさらされることとなる法律・規制環境において活動している。その結果、
ラボバンクはオランダおよび他の諸国において訴訟、仲裁および規制手続に関与している。以下では、ラボバン
ク・グループに負債を発生させる可能性のある、最も関連性の深い法律・規制上の訴訟について述べる。法的訴
訟に対する引当金は、過去の事象の結果として債務が生じ、その債務を決済するために資源の流出が必要になる
可能性が高い場合で、かつ債務額について信頼性のある見積りができる場合に認識される。その訴訟により資源
の流出が発生する可能性が発生しない可能性よりも高い(すなわち、可能性が50%を超えている)かどうかを判
断するに当たって、ラボバンクは複数の要因を考慮に入れる。これらの要因には、訴訟の種類および根底にある
事実関係、各事案の手続プロセスおよびそれまでの経緯、法的機関および仲裁機関の判決・裁定、ラボバンクの
経験および類似事案に関与した第三者の経験(既知の場合)、それまでの和解協議、類似事案における第三者の
和解(既知の場合)、利用可能な(潜在的な)求償権、ならびに法務アドバイザーおよびその他専門家の助言や
意見が含まれる(がこれらに限らない)。同種の事案がまとめられており、また事案によっては複数の訴訟が含
まれていることもある。事案の結果に不利益になりうる情報であるとして個々の事案に関する見積損失額をラボ
バンクが評価した場合、その情報は個別には開示されない。潜在的な見積損失額および引当金は、その時点で入
手可能な情報に基づくものであり、その大部分は判断ならびに複数の異なる仮定、変数および既知・未知の不確
実性を前提としている。かかる不確実性には、ラボバンクが入手可能な情報の不正確性および不完全性が含まれ
ることがある(特に、事案の初期段階の場合)。また、ラボバンクが、将来の法的もしくはその他の事例の判
決、または監督機関もしくはラボバンクの相手方が取ると見込まれた行動もしくは態度に関して立てた仮定が、
誤っていたと判明することもある。さらに、法的紛争に関連して発生する可能性のある損失の見積りは、判断や
見積りのために一般的に使用される統計的またはその他の定量的分析手段を使用して処理することが往々にして
不可能である。ラボバンクが、将来的な資金流出のリスクについて、発生する可能性が発生しない可能性よりも
高いと判断する事案グループは、時間と共に変化する。当行が潜在的な損失額を見積ることのできる事案数につ
いても、同じことが言える。実務では、見積りがなされたこれらの事案において、最終結果が、潜在的な見積損
失額を大幅に上回ったり下回ったりすることがあり得る。ラボバンクはまた、損失発生の可能性は高くないと思
われるものの、極めて低いわけでもなく、かつ引当金を認識していない法務リスクから損失を被ることもある。
(a)資金流出が発生する可能性が高くはない(not probable)ものの、ほとんどないとは言えない場合、または
(b)資金流出が発生する可能性が発生しない可能性よりも高い(more likely than not)ものの、潜在的な損失
額について信頼性のある見積りができない場合、偶発債務が開示される。ラボバンクは、罰金が課される前また
は賠償責任が決定される前に、訴訟もしくは規制手続または捜査で和解することがある。和解の理由は、(i)そ
の段階で費用および/もしくは経営陣の労力を回避したいという判断、(ii)その他のビジネスへの悪影響の回
避、ならびに/または(iii)たとえ、ラボバンクが自らを防御する十分な論拠があると判断した場合でも、賠償
責任に関連する紛争の継続による規制・評判上の影響を防止することなどである。さらに、ラボバンクは同じ理
由により、法律上要求されないと判断する状況でも、第三者に損失補償を行うことがある。
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金利デリバティブ
ラボバンクは、変動利付(例えば、Euribor連動型)貸出金に関連する金利リスクの軽減を希望するオランダ
法人顧客との間で金利スワップなどの金利デリバティブ契約を締結している。金利スワップは変動金利の上昇か
ら事業を保護し、事業の支払利息を許容可能な水準に抑えるために役立つ。2016年3月、オランダ財務省は独立
委員会を設置し、同委員会は2016年7月5日、オランダのSME向け金利デリバティブの再評価に関する回復フ
レームワーク(以下「回復フレームワーク」という)を公表した。ラボバンクは2016年7月7日、回復フレーム
ワークへの参加を決定したと発表した。回復フレームワークの最終版は2016年12月19日に独立委員会によって公
表された。ラボバンクは、オランダ法人顧客との間で締結された金利デリバティブに関連するオランダの民事訴
訟に関与している。これらの大部分は個別の事案に関連している。それに加え、金利デリバティブに関する集団
訴訟が上訴 裁判所 に 係属中である(回復フレームワークのためにその現状凍結が合意された。 この適用対象外で
あり、残存する少数の顧客については、個別に評価が行われる)。 これら の訴訟は、金利デリバティブに関して
虚偽の情報を顧客に提供したとする申立てに関連している。これらの訴訟の一部は、ラボバンクのEuribor提供
(下述)に関する申立てにも関連している。ラボバンクはこれらすべての訴訟に対して争う方針である。さら
に、金利デリバティブに関してラボバンクを相手取ってKifid(オランダの金融サービス苦情処理機関。2015年
1月にSMEのための金利デリバティブに関する紛争解決手続を開始)に提起された告訴および法的手続が係属中
である。ラボバンクは、自行のオランダSME法人顧客の金利デリバティブの(再)評価および前払金に関連し
て、2019年12月31日現在で107百万ユーロ(2018年12月31日は316百万ユーロ)の引当金を認識した。ラボバンク
は2018年度末、要件を満たす全顧客に対して結果を明確に示した。2019年度における回復フレームワークに基づ
くラボバンクから顧客への支払は249百万ユーロであった。
イムテック
2018 年1月30日、ラボバンクは、ラボバンクが関与したロイヤル・イムテックN.V.による特定の株式発行に関
連して、今後、潜在的な集団訴訟に向けた法的手続が開始される可能性があることを示唆する書状を受領した。
この状況は進展していない。さらに、管財人は書状(2018年8月10日)を送付しており、その中で貸手としての
ラボバンクに対する(将来の)訴訟で依拠する(可能性のある)根拠について述べている。ラボバンクは、現時
点でこれらの訴訟の結果を評価できないことから、イムテックの事案は偶発債務であると認識している。引当金
は計上していない。
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Libor /Euribor
ラボバンクは、複数年に亘って、ベンチマーク関連の問題について、規制当局による手続に関与している。ラ
ボバンクはこれらの手続に関与している規制当局および各関係当局に協力しており、また今後も引き続き適宜協
力していく予定である。2013年10月29日、ラボバンクは、ラボバンクによる過去のLiborおよびEuriborの呈示プ
ロセスに関する捜査に関連して、複数のこれら当局との間で和解合意に至った。この和解合意に基づいて支払う
べき金額は2013年にラボバンクによって全額が支払われ、会計処理された。2019年7月2日、これに関連してラ
ボバンクは、当局ともう1件和解合意に達した。本和解合意に基づく支払債務(390,000スイスフラン(当局が
負担した費用を除く))は2019年にラボバンクによって全額が支払われ、会計処理されている。ラボバンクは、
他の複数のパネル行およびディーラー間ブローカーと共に、米国の連邦裁判所における様々な推定上の集団訴訟
および個別の民事訴訟に関連して被告として指名されている。これらの訴訟は、米ドル(USD)Libor、英ポンド
(GBP)Libor、日本円(JPY)Libor、Tibor(注:ラボバンクはTiborのパネル行を務めたことはない)および
Euriborに関するものである。また、ラボバンクおよび/またはその子会社は、金利ベンチマークに関連する民
事訴訟(集団訴訟を含む)に関連して、オランダ、アルゼンチン、英国、アイルランドおよびイスラエルの様々
な裁判所への出廷をラボバンクに命じる訴状および召喚状を受け取っている。上記の集団訴訟および民事訴訟
は、本質的に不確実性に晒されているため、その結果を予測することは困難である。ラボバンクはこれらの訴訟
に対し実質的かつ説得力のある法律および事実関係に基づく抗弁を有するという立場を取っている。ラボバンク
はこれらの訴訟に対して引き続き争う方針である。ラボバンクは、資金流出の可能性が高くはないが低くもない
ことから、Libor/Euriborの一連の事案を偶発債務と捉えている。引当金は設定されていない。
その他の事案
ラボバンクは、引当金が認識された他の法的手続の対象となっている。これらの事案は各々が金額的に重要で
ないことから(上述のとおり)個別に詳述されていない。これらの事案を併せた引当金総額は91百万ユーロであ
る。上記の偶発債務の事案に加え、ラボバンクは、規模の点で関連性がより低いその他の事案も偶発債務として
識別している。これらの偶発債務の事案に関して請求の対象となる金額は最大で288百万ユーロである。
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5 セグメント別報告
5.1 事業セグメント
ラボバンクが会計報告に使用している事業セグメントは、経営上の観点から定義されたものである。これは、
各セグメントがラボバンクの戦略的経営の一部としてレビューされ、異なるリスクおよびリターンを伴う事業に
関する意思決定のために使用されることを意味している。
ラボバンクは、国内リテール・バンキング、ホールセール・ルーラル・アンド・リテール(WRR)、リース、
不動産、およびその他のセグメントという5つの主要事業セグメントを設けている。
・ 国内リテール・バンキングは、主として地方ラボバンク、オプフィオン、ファイナンシャル・ソリューショ
ンズおよびロパルコが行う事業から成っている。
・ ホールセール・ルーラル・アンド・リテール(WRR)はオランダの卸売活動を支援し、またオランダ国外で
は、食品・農業セクターに重点を置いている。このセグメントは企業向けバンキング事業を行うと共に、
マーケッツ、アクイジション・ファイナンス、グローバル・コーポレート・クライアンツ、エクスポート・
アンド・プロジェクト・ファイナンス、トレード・アンド・コモディティ・ファイナンス、ファイナンシャ
ル・インスティテューションズ・グループおよびラボ・コーポレート・インベストメンツなどのグローバル
な業務を行う部門も統括している。またこのセグメントには、ラボバンクのブランドを使用した国際ルーラ
ル事業も含まれている。
・ リース・セグメントの中では、DLLがリース活動に責任を負い、幅広いリース商品を提供している。製造企
業、ベンダーおよび販売企業が、アセット・ファイナンス関連の商品の販売 に おいて世界中で支えられてい
る。
・ 不動産は、主にBPDの事業で構成されている。中核事業は住宅開発である。
・ ラボバンク内のその他のセグメントには様々なサブセグメントが含まれるが、個別のセグメントとして報告
すべきサブセグメントはない。このセグメントには主に関連会社(特にアフメア・B.V.)への投資、トレ
ジャリーおよび本社の活動の財務実績が含まれている。
ラボバンクの総収益の10%超を占める顧客はいない。様々な事業セグメント間の取引は、通常の商取引条件に
基づいて行われる。事業セグメント間には、事業活動によるものを除き、他の重要な包括利益は存在しない。セ
グメントに使用されている財務報告の原則は、「会計方針」の項に記載されたものと同じである。経営陣は、主
に純受取利息に依拠して各セグメントの業績を評価し、セグメントに配分するリソースに関する意思決定を下す
ため、セグメントの受取利息は支払利息控除後の金額で表示されている。
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2019 年度財務諸表に示されるとおり、ラボバンクは、事業セグメント内の費用の内容をより包括的に反映する
ため、労務費に関する本社業務割当分をその他一般管理費から人件費に振替えることを決定した。過年度のセグ
メント情報における金額は、内部管理報告との整合性を図るため修正再表示されている。
国内
リテール・ その他の
単位:百万ユーロ バンキング WRR リース 不動産 セグメント 連結効果 合 計
2019 年12月31日に終了した年度
純受取利息 5,258 2,458 1,052 (10) (273) (2) 8,483
純受取手数料 1,490 438 124 8 (21) (50) 1,989
その他収益 67 766 255 308 (3) 50 1,443
収益 6,815 3,662 1,431 306 (297) (2) 11,915
人件費 2,738 1,396 536 84 214 (147) 4,821
その他一般管理費 1,177 495 174 40 (15) 3 1,874
減価償却費および償却費 95 83 28 7 63 144 420
営業費用 4,010 1,974 738 131 262 - 7,115
関連会社への投資に係る減損 - - - - 300 - 300
金融資産に係る減損費用 152 611 214 2 (4) - 975
規制上の賦課金 270 140 26 2 46 - 484
税引前営業利益 2,383 937 453 171 (901) (2) 3,041
法人税 607 260 131 40 (200) - 838
純利益 1,776 677 322 131 (701) (2) 2,203
収益に対する費用の比率(規制上
1
の賦課金を含む、単位:%) 62.8 57.7 53,4 43.5 n/a n/a 63.8
金融資産に係る減損費用(民間セ
クター向け貸出金ポートフォリオ
の平均に対する比率、単位:ベー
2
シス・ポイント) 6 55 67 n/a n/a n/a 23
外部資産 275,885 137,092 37,876 3,201 136,544 - 590,598
のれん 322 - 70 - - - 392
民間セクター向け貸出金ポート
フォリオ 271,165 112,410 33,169 256 914 - 417,914
1 営業費用に規制上の賦課金を加算した金額を、収益で除した比率
2 金融資産に係る減損費用を、民間セクター向け貸出金ポートフォリオの12ヶ月間の平均値で除した比率
国内
リテール・ その他の
単位:百万ユーロ バンキング WRR リース 不動産 セグメント 連結効果 合 計
金融資産に係る減損引当金
2019 年1月1日現在の残高 2,267 1,330 265 7 - - 3,869
当初認識および取得による増加 120 92 36 - - - 248
認識中止による減少 (283) (139) (51) - - - (473)
信用リスクの変動による変動 345 660 254 1 (19) - 1,241
当年度の不良債権の償却 (324) (254) (156) - - - (734)
その他調整 (1) (93) 9 6 19 - (60)
2019 年12月31日現在の残高 2,124 1,596 357 14 - - 4,091
減損引当金:12ヶ月のECL 176 158 68 - - - 402
減損引当金:全期間のECL-非信
用減損 213 76 77 - - - 366
減損引当金:全期間のECL-信用
減損 1,735 1,362 212 14 - - 3,323
2019 年12月31日現在の残高 2,124 1,596 357 14 - - 4,091
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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国内
リテール・
その他の
単位:百万ユーロ バンキング WRR リース 不動産 セグメント 連結効果 合 計
2018 年12月31日に終了した年度
純受取利息 5,575 2,388 986 (7) (383) - 8,559
純受取手数料 1,434 461 106 10 (35) (45) 1,931
その他収益 56 486 274 571 102 41 1,530
収益 7,065 3,335 1,366 574 (316) (4) 12,020
人件費 2,765 1,292 517 137 215 (58) 4,868
その他一般管理費 1,382 491 194 66 57 - 2,190
減価償却費および償却費 84 40 27 5 49 183 388
営業費用 4,231 1,823 738 208 321 125 7,446
金融資産に係る減損費用
貸出金減損費用 (150) 300 105 (15) (50) - 190
規制上の賦課金 237 169 25 2 45 - 478
税引前営業利益 2,747 1,043 498 379 (632) (129) 3,906
法人税 712 333 99 70 (281) (31) 902
純利益 2,035 710 399 309 (351) (98) 3,004
収益に対する費用の比率(規制上
1
の賦課金を含む、単位:%) 63.2 59.7 55.9 36.6 n/a n/a 65.9
金融資産に係る減損費用(民間セ
クター向け貸出金ポートフォリオ
の平均に対する比率、単位:ベー
2
5
シス・ポイント) (5) 29 34 (287) n/a n/a
外部資産 280,691 139,963 35,227 2,979 131,577 - 590,437
のれん 322 125 72 - - - 519
民間セクター向け貸出金ポート
フォリオ 276,140 108,972 30,309 301 303 - 416,025
1 営業費用に規制上の賦課金を加算した金額を、収益で除した比率
2 金融資産に係る減損費用(民間セクター向け貸出金ポートフォリオの平均に対する比率、単位:ベーシス・ポイント)
国内
リテール・
その他の
単位:百万ユーロ バンキング WRR リース 不動産 セグメント 連結効果 合 計
金融資産に係る減損引当金
2018 年1月1日現在の残高 2,693 1,297 257 270 - - 4,517
当初認識および取得による増加 134 208 30 - - - 372
認識中止による減少 (489) (230) (48) - - - (767)
信用リスクの変動による変動 361 324 170 (12) - - 843
当年度の不良債権の償却 (459) (290) (141) (123) - - (1,013)
その他調整 27 21 (3) (128) - - (83)
2018 年12月31日現在の残高 2,267 1,330 265 7 - - 3,869
減損引当金: 12 ヶ月の ECL
132 114 55 - - - 301
減損引当金:全期間の ECL -非
信用減損 168 39 46 - - - 253
減損引当金:全期間の ECL -信
用減損 1,967 1,177 164 7 - - 3,315
2018 年12月31日現在の残高 2,267 1,330 265 7 - - 3,869
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5.2 地理的情報(国別の報告)
ラボバンクは7つの主要な地理的地域において事業を営んでいる。ラボバンクの所在地国はオランダである。
以下の情報は、特定の地理的立地/地域内の特定の経済環境内で商品および/またはサービスを提供するラボバ
ンクの区別可能な構成単位別に報告されている。分類は、取引が開始された個々の子会社/支店の立地に基づい
ている。収益は、損益計算書上に表示された収益合計に支払利息、支払手数料、その他の営業活動による費用を
加えたものであると定義されている。
単位:百万ユーロ
2019 年12月31日現在
平均常勤
換算内部 税引前
地理的立地 国 部門名 事業の種類 収益 従業員数 営業利益 法人税
オランダ オランダ ラボバンク、DLL、オ 国内リテール・バンキン 20,354 24,780 1,801 448
プフィオン、ラボ・ グ、ホールセール・ルー
ファストフードグ ラル・アンド・リテー
ループ、BPD ル、リース、不動産
オランダを除く フランス DLL 、ラボバンク、ラ リース、ホールセール・ 102 224 (7) 23
ユーロ圏諸国 ボ・ファストフード ルーラル・アンド・リ
グループ、BPD テール、不動産
ベルギー DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 112 108 (31) (10)
ルーラル・アンド・リ
テール
ドイツ DLL 、ラボバンク、ラ リース、ホールセール・ 941 658 99 29
ボ・ファストフード ルーラル・アンド・リ
グループ、BPD テール、不動産
イタリア DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 77 146 28 3
ルーラル・アンド・リ
テール
ルクセンブルク ラボ・ファストフー 不動産 - - - -
ドグループ
アイルランド DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 620 173 120 12
ルーラル・アンド・リ
テール
フィンランド DLL リース 8 12 2 -
オーストリア DLL リース 3 3 - -
ポルトガル DLL リース 14 18 1 -
スペイン DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 63 145 15 6
ルーラル・アンド・リ
テール
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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平均常勤
換算内部 税引前
地理的立地 国 部門名 事業の種類 収益 従業員数 営業利益 法人税
上記以外の欧州 英国 DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 753 567 85 9
諸国(ユーロ圏 ルーラル・アンド・リ
諸国を除く) テール
ノルウェー DLL リース 42 42 8 2
スウェーデン DLL リース 51 129 ▶ 3
デンマーク DLL リース 36 28 6 -
スイス DLL リース 5 6 1 -
ロシア DLL リース 43 69 20 6
ポーランド DLL リース 36 83 9 2
ハンガリー DLL リース 14 37 - -
ルーマニア DLL リース - 2 - -
トルコ DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 42 55 30 7
ルーラル・アンド・リ
テール
北米 米国 DLL 、ラボバンク 、ラ リース、ホールセール・ 4,244 3,524 434 133
ボ・ファストフード ルーラル・アンド・リ
グループ テール、不動産
カナダ DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 285 238 63 16
ルーラル・アンド・リ
テール
中南米 メキシコ DLL リース 37 71 ▶ 2
ブラジル DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 603 752 97 30
ルーラル・アンド・リ
テール
チリ DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 76 140 (11) 2
ルーラル・アンド・リ
テール
アルゼンチン DLL リース 6 17 (1) -
ペルー ラボバンク ホールセール・ルーラ 1 - - -
ル・アンド・リテール
アジア インド DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 87 547 (10) 3
ルーラル・アンド・リ
テール
シンガポール DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 257 195 6 1
ルーラル・アンド・リ
テール
インドネシア ラボバンク ホールセール・ルーラ 33 539 (85) 7
ル・アンド・リテール
マレーシア ラボバンク ホールセール・ルーラ - 1 - -
ル・アンド・リテール
中国 DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 72 106 3 ▶
ルーラル・アンド・リ
テール
香港 DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 355 189 16 -
ルーラル・アンド・リ
テール
韓国 DLL リース 13 23 3 1
アラブ首長国連邦 DLL リース - 2 (1) -
オーストラリア オーストラリア DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 1,154 1,153 233 70
ルーラル・アンド・リ
テール
ニュージーランド DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 514 351 99 29
ルーラル・アンド・リ
テール
その他 モーリシャス、 ラボバンク ホールセール・ルーラ 2 18 - -
ケニア ル・アンド・リテール
連結効果 (9,620) - - -
21,435 35,145 3,041 838
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単位:百万ユーロ
2018 年12月31日現在
平均常勤
換算内部 税引前
地理的立地 国 部門名 事業の種類 収益 従業員数 営業利益 法人税
オランダ オランダ ラボバンク、DLL、オ 国内リテール・バンキン 20,718 25,504 2,268 493
プフィオン、ラボ・ グ、ホールセール・ルー
ファストフードグ ラル・アンド・リテー
ループ、BPD ル、リース、不動産
オランダを除く フランス DLL 、ラボバンク、ラ リース、ホールセール・ 529 334 116 13
ユーロ圏諸国 ボ・ファストフード ルーラル・アンド・リ
グループ、BPD テール、不動産
ベルギー DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 118 104 25 5
ルーラル・アンド・リ
テール
ドイツ DLL 、ラボバンク、ラ リース、ホールセール・ 855 645 116 36
ボ・ファストフード ルーラル・アンド・リ
グループ、BPD テール、不動産
イタリア DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 72 138 28 3
ルーラル・アンド・リ
テール
ルクセンブルク ラボ・ファストフー 不動産 1 - - -
ドグループ
アイルランド DLL 、 ラボバンク リース、ホールセール・ 606 188 140 ▶
ルーラル・アンド・リ
テール
フィンランド DLL リース 7 10 2 -
オーストリア DLL リース 3 3 1 -
ポルトガル DLL リース 12 16 ▶ -
スペイン DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 52 132 15 ▶
ルーラル・アンド・リ
テール
上記以外の欧州 英国 DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 698 671 81 18
諸国(ユーロ圏 ルーラル・アンド・リ
諸国を除く) テール
ノルウェー DLL リース 29 38 7 2
スウェーデン DLL リース 49 122 9 2
デンマーク DLL リース 32 26 6 1
スイス DLL リース 5 6 2 -
ロシア DLL リース 39 64 20 ▶
ポーランド DLL リース 34 86 7 2
ハンガリー DLL リース 8 40 2 -
ルーマニア DLL リース - 3 - -
トルコ DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 37 55 23 ▶
ルーラル・アンド・リ
テール
北米 米国 DLL 、ラボバンク 、ラ リース、ホールセール・ 3,709 4,053 577 128
ボ・ファストフード ルーラル・アンド・リ
グループ テール、不動産
カナダ DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 245 213 33 9
ルーラル・アンド・リ
テール
中南米 メキシコ DLL リース 22 65 5 1
ブラジル DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 548 708 191 72
ルーラル・アンド・リ
テール
チリ DLL リース 71 141 13 13
アルゼンチン DLL リース 5 17 (2) (1)
ペルー ラボバンク ホールセール・ルーラ - - - -
ル・アンド・リテール
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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平均常勤
換算内部 税引前
地理的立地 国 部門名 事業の種類 収益 従業員数 営業利益 法人税
アジア インド DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 69 445 3 6
ルーラル・アンド・リ
テール
シンガポール DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 219 194 (8) (1)
ルーラル・アンド・リ
テール
インドネシア ラボバンク ホールセール・ルーラ 58 707 (60) (9)
ル・アンド・リテール
マレーシア ラボバンク ホールセール・ルーラ 7 3 2 -
ル・アンド・リテール
中国 DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 82 138 2 5
ルーラル・アンド・リ
テール
香港 DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 341 186 (46) (8)
ルーラル・アンド・リ
テール
韓国 DLL リース 12 22 2 -
アラブ首長国連邦 DLL リース - 2 - -
オーストラリア オーストラリア DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 1,150 1,059 211 64
ルーラル・アンド・リ
テール
ニュージーランド DLL 、ラボバンク リース、ホールセール・ 510 310 111 32
ルーラル・アンド・リ
テール
その他 モーリシャス、 ラボバンク ホールセール・ルーラ 3 13 - -
ケニア ル・アンド・リテール
連結効果 (9,074) - - -
21,881 36,461 3,906 902
ラボバンクは、2019年度および2018年度において政府補助金を受け取っていない。
5.3 固定資産の地理的情報
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
国内 国外 国内 国外
のれんおよびその他無形資産 683 146 728 238
有形固定資産および投資不動産 2,173 3,286 1,852 2,796
その他資産 4,660 1,950 3,720 2,711
売却目的固定資産 221 214 255 13
合計 7,737 5,596 6,555 5,758
6 現金および現金同等物
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
現 金 745 811
中央銀行に対する預金 62,341 72,524
現金および現金同等物合計 63,086 73,335
オランダについて保有すべき平均最低準備金は、2019年12月において3,110百万ユーロ(2018年12月は3,066百
万ユーロ)である。
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7 金融機関に対する貸出金および預け金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
当座預金および受取債権 5,905 8,007
リバース・レポ取引および証券借入契約 22,703 8,743
貸出金 644 1,080
その他 48 51
金融機関に対する貸出金および預け金の帳簿価額総額 29,300 17,881
金融機関に対する貸出金および預け金に係る貸出金減損引当金 (3) (22)
金融機関に対する貸出金および預け金合計 29,297 17,859
8 売買目的金融資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
政府債券 666 1,055
その他負債証券 1,039 1,602
貸出金 106 149
資本性金融商品 59 70
合 計 1,870 2,876
9 公正価値測定に指定した金融資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
負債証券 100 126
貸出金 1 31
合 計 101 157
公正価値測定に指定した金融資産の帳簿価額は、信用リスクに対する最大エクスポージャーの最善の評価額を
表す。公正価値測定に指定した金融資産の公正価値の当年度における変動額のうち、信用リスクの変化に起因す
るものは0百万ユーロであった(2018年度は14百万ユーロ)。累積変動額は14百万ユーロである(2018年度は14
百万ユーロ)。公正価値の変動は、将来キャッシュ・フローを割引くことにより計算される。割引率を設定する
際は、予想損失、流動性マークアップおよびリスク・マージンが考慮される。公正価値測定に指定した金融資産
をヘッジするために、クレジット・デリバティブは用いられていない。
10 強制的に公正価値で測定される金融資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
負債証券 37 38
貸出金 1,106 1,642
資本性金融商品 762 454
合 計 1,905 2,134
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11 デリバティブ
ラボバンクでは、デリバティブは当行の様々な事業から発生するリスクの少なくとも一部を低減する目的で使
用されている。その例としては、資産と負債間の満期の差異から生じる金利リスクをヘッジするために使用され
る金利スワップがある。別の例としては、当行が外貨建の負債性金融商品を発行した後に晒される為替リスクを
ヘッジするために使用されるクロスカレンシー・スワップがある。ヘッジ目的以外にも、デリバティブは、ラボ
バンクをカウンターパーティーとして、当行顧客との間でも締結されている。
11.1 ラボバンクが使用しているデリバティブの種類
通貨先渡契約および金利先渡契約は、実勢為替レートまたは金利に基づいて純額を受け取りもしくは支払う、
または将来、組織化された金融市場において特定の価格で外国通貨もしくは金融商品を購入もしくは売却すると
いう、契約上の義務である。先渡契約には現金、現金同等物または市場性証券が担保として提供され、先渡契約
の価格変動は主に中央清算機関を通じて毎日決済されるため、信用リスクは低い。ラボバンクの信用リスク・エ
クスポージャーは、取引相手が債務不履行に陥った場合にスワップを代替するために必要となる潜在的コストに
相当する。リスクは、現在の公正価値、契約の想定元本金額の一部および市場の流動性を対象に、継続的に監視
されている。信用リスク管理プロセスの一環として、ラボバンクは取引相手の評価に、自身の貸出業務を評価す
る際と同じ手法を使用している。
金利先渡契約とは個別に合意された金利の先渡契約で、それに基づき将来の日に、想定元本金額に基づいて契
約上合意した金利と市場金利の差額を現金で決済しなければならないものである。
通貨および金利スワップは、一組のキャッシュ・フローを他の組合せと交換するという取引契約である。ス
ワップは、通貨もしくは金利の経済的交換(例えば固定金利を1つまたは複数の変動金利と交換する)、または
組合せでの交換(すなわち、クロスカレンシー金利スワップ)を伴う。特定の通貨スワップを除き、元本金額の
移転は行われない。
通貨および金利のオプションは、売り手(ライターと呼ばれる)が買い手(ホルダーと呼ばれる)に対し、特
定金額の外貨または特定の金融商品を事前に定められた価格で、合意した日までにまたは合意した期間内に購入
(コール・オプションの場合)または売却(プット・オプションの場合)するという、強制力を伴わない権利を
与える契約である。通貨または金利のリスクを引受ける対価として、ライターはホルダーからある金額(プレミ
アムと呼ばれる)の支払を受ける。オプションは取引所、またはラボバンクと取引先との間(OTC)で取引され
る。よって、ラボバンクはオプションのホルダーである場合にのみ、公正価値と同額である帳簿価額を上限に、
信用リスクに晒されている。
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クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、CDSの売り手が買い手に対する一定の金額の支払を引受けると
いう商品である。この金額は、特定の信用事象が発生した(すなわち、リスクが現実化した)場合に参照資産の
保有により生じるであろう損失に等しい。買い手には、参照資産を保有する義務はない。買い手は売り手に対
し、概ねベーシス・ポイントで表示される信用手数料を支払う。手数料の水準は参照資産の信用スプレッドおよ
び期間に応じて異なる。
11.2 売買目的で保有するデリバティブ
売買目的で発行または保有するデリバティブは、経済的リスクのヘッジのために使用されるものの、法人顧客
が金利リスクや為替リスクをヘッジするためにラボバンクと契約するヘッジ会計のヘッジ手段やデリバティブと
して適格ではない。法人顧客とのデリバティブに起因するエクスポージャーは通常、所定の取引限度内で単独ま
たは複数のプロ投資家である取引相手と反対ポジションの契約を締結することによりヘッジされる。
11.3 ヘッジ手段に指定したデリバティブ
ラボバンクは、金利リスクや為替リスクを含む経済的リスクをヘッジする目的で様々なデリバティブを保有し
ている。これらは公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジまたは純投資ヘッジにおけるヘッジ手段として
適格なものである。
公正価値ヘッジ
ラボバンクは、金利スワップやクロスカレンシー金利スワップを用いて、金利や為替レートの変動を原因とす
る公正価値の潜在的変動をヘッジしている。それらの変動は通常、ヘッジ対象の変動全般の大半を構成する。
ヘッジ対象は、住宅ローンやその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債証券、発行済負債証券など、自
国通貨建と外貨建の両方の固定利付金融資産および負債である。ラボバンクは、統計的な回帰分析モデルを基
に、IAS第39号におけるポートフォリオの公正価値ヘッジに関してヘッジの有効性を将来に向かってと遡及的の
両方において評価し、IFRS第9号におけるポートフォリオ以外の公正価値ヘッジについて非有効部分の発生原因
を分析している。IFRS第9号における公正価値ヘッジの非有効部分について特定した発生原因は、クロスカレン
シー金利スワップの変動金利部分(証拠金を除く)である。
IFRS 第9号における公正価値ヘッジのヘッジ比率は、実際の経済的ヘッジである(発行済債券の額面金額とク
ロスカレンシー金利スワップの想定元本)。
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コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(E05923)
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公正価値ヘッジにおけるヘッジ手段の残存期間構成と平均金利
残存期間
単位:百万ユーロ
想定元本合計 1年未満 1-5年 5年超
2019 年12月31日
ヘッジ手段 - 金融資産のヘッジ 47,514 4,393 25,541 17,580
平均固定金利 1.92% 0.76% 1.74% 2.14%
ヘッジ手段 - 金融負債のヘッジ 49,342 560 21,094 27,688
平均固定金利 1.85% 2.73% 1.21% 2.34%
2018 年12月31日
ヘッジ手段 - 金融資産のヘッジ 51,852 7,553 31,990 12,309
平均固定金利 1.92% 1.16% 1.87% 2.38%
ヘッジ手段 - 金融負債のヘッジ 62,604 3,954 18,797 39,853
平均固定金利 2.31% 2.83% 2.02% 2.51%
金利リスクの公正価値ヘッジにおいて指定したヘッジ手段
ヘッジの非有効部
デリバティブ金融 デリバティブ金融 分の計算に用いた
単位:百万ユーロ 資産の帳簿価額 負債の帳簿価額 公正価値の変動
2019 年12月31日
顧客に対する貸出金および預け金のヘッジ 274 3,783 1,989
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産のヘッジ - 185 21
発行済負債証券のヘッジ 3,551 548 (1,234)
2018 年12月31日
顧客に対する貸出金および預け金のヘッジ 101 4,014 305
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
金融資産のヘッジ 19 457 (148)
発行済負債証券のヘッジ 3,156 699 636
公正価値ヘッジにおけるヘッジの非有効部分は70百万ユーロにのぼり、損益計算書の「損益を通じて公正価値
で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損失)」に計上している。
金利リスクの公正価値ヘッジにおいて指定したヘッジ対象
ヘッジ損益に
ヘッジ対象の 係る調整を中
帳簿価額に含 止したヘッジ
めたヘッジ対 ヘッジの非有 対象について
象に係る公正 効部分の計算 残っている公
価値ヘッジ調 に用いた公正 正価値ヘッジ
単位:百万ユーロ 帳簿価額 整累計額 価値の変動 調整累計額
2019 年12月31日
顧客に対する貸出金および預け金 35,106 7,044 (1,961) 6,440
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産 1,986 - (20) -
発行済負債証券 46,533 2,924 1,135 2,250
2018 年12月31日
顧客に対する貸出金および預け金 43,013 5,784 (285) 6,309
その他の包括利益を通じて公正価値で測定
する金融資産 8,188 - 159 -
発行済負債証券 37,935 1,375 (841) 1,077
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キャッシュ・フロー・ヘッジ
ラボバンクのキャッシュ・フロー・ヘッジは主として、為替レートの変動を原因とするキャッシュ・フローの
潜在的変動のプロテクションとしてのクロスカレンシー金利スワップによる外貨建発行債券のマージンのヘッジ
が主なものである。ラボバンクは、IFRS第9号におけるキャッシュ・フロー・ヘッジについて非有効部分の発生
原因を分析している。IFRS第9号におけるキャッシュ・フロー・ヘッジは100%有効である。金利リスクは、
キャッシュ・フロー・ヘッジでヘッジしていないため(外貨とユーロによる2つの固定金利)、平均金利を下表
に開示していない。
キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段の残存期間構成と平均価格・レート
残存期間
単位:百万ユーロ
想定元本合計 1年未満 1-5年 5年超
2019 年12月31日
クロスカレンシー・スワップ(米ドル・
ユーロ)
ヘッジ手段の想定元本 25 1 - 24
平均為替レート(米ドル・ユーロ) 1.37 n/a 1.24
クロスカレンシー・スワップ(英ポンド・
ユーロ)
ヘッジ手段の想定元本 77 - 32 45
平均為替レート(英ポンド・ユーロ) n/a 0.78 0.83
クロスカレンシー・スワップ(他の通貨)
ヘッジ手段の想定元本 86 13 56 17
2018 年12月31日
クロスカレンシー・スワップ(米ドル・
ユーロ)
ヘッジ手段の想定元本 19 1 9 9
平均為替レート(米ドル・ユーロ) 1.37 1.37 1.31
クロスカレンシー・スワップ(英ポンド・
ユーロ)
ヘッジ手段の想定元本 25 - 17 8
平均為替レート(英ポンド・ユーロ) n/a 0.79 0.80
クロスカレンシー・スワップ(他の通貨)
ヘッジ手段の想定元本 43 13 23 7
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金利および為替リスクのキャッシュ・フロー・ヘッジ、指定したヘッジ手段
ヘッジの非有効部
デリバティブ金融 デリバティブ金融 分の計算に用いた
単位:百万ユーロ 資産の帳簿価額 負債の帳簿価額 公正価値の変動
2019 年12月31日
クロスカレンシー金利スワップ(米ドル・ユー
ロ) 7 9 (8)
クロスカレンシー金利スワップ(英ポンド・ユー
ロ) 9 9 25
クロスカレンシー金利スワップ(その他の通貨) 7 1 (14)
合 計 23 19 3
2018 年12月31日
クロスカレンシー金利スワップ(米ドル・ユー
ロ) - 1 15
クロスカレンシー金利スワップ(英ポンド・ユー
ロ) 3 9 27
クロスカレンシー金利スワップ(その他の通貨) 3 3 (33)
合 計 6 13 9
その他の包括利益に認識したヘッジ手段の価値の変動およびキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金から損益への
振替額については、注記31「準備金および利益剰余金」を参照されたい。ヘッジの非有効部分はなく、もしあれ
ば、損益計算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損失)」に含めら
れる。
金利および為替リスクのキャッシュ・フロー・ヘッジ、指定したヘッジ対象
ヘッジ会計の適用
を中止したヘッジ
継続ヘッジに関す 関係からの残って
ヘッジの非有効部 るキャッシュ・フ いるキャッシュ・
分の計算に用いた ロー・ヘッジ剰余 フロー・ヘッジ剰
単位:百万ユーロ 公正価値の変動 金 余金
2019 年12月31日
発行済負債証券 (3) 10 (36)
2018 年12月31日
発行済負債証券 9 2 (42)
純投資ヘッジ
ラボバンクは在外営業活動体の純投資に係る為替換算リスクの一部をヘッジするため、為替予約を使用してい
る。
純投資ヘッジにおけるヘッジ手段の残存期間構成と平均レート
2019 年12月31日 現在の残存期間
単位:百万ユーロ 想定元本合計 1年未満 1-5年 5年超
為替予約
ヘッジ手段の想定元本 5,719 5,231 488 -
想定元本合計 2018 年12月31日 現在の残存期間
為替予約
ヘッジ手段の想定元本 5,848 5,724 124 -
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2019 年度に純投資ヘッジ会計で使用された主要通貨の平均為替レートは、ユーロ/豪ドルが1.63(2018年度は
1.58)、ユーロ/ニュージーランド・ドルが1.73(2018年度は1.66)、ユーロ/ブラジル・レアルが4.58(2018
年度は4.57)であった。
為替換算リスクの純投資ヘッジ、指定したヘッジ手段
ヘッジの非有効部
金融資産の 金融負債の
分の計算に用いた
単位:百万ユーロ 帳簿価額 帳簿価額 公正価値の変動
2019 年12月31日
為替予約 - 1,984 (73)
2018 年12月31日
為替予約 32 1,706 132
その他の包括利益に認識したヘッジ手段の価値の変動および純投資ヘッジ剰余金から損益への分類変更額につ
いては、注記31「準備金および利益剰余金」を参照されたい。ヘッジの非有効部分はなく、もしあれば、損益計
算書の「損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損失)」に含められる。
ヘッジ会計の適用
を中止したヘッジ
ヘッジの非有効部 関係からの残って
分の計算に用いた 継続ヘッジに関す いる為替換算剰余
単位:百万ユーロ 公正価値の変動 る為替換算剰余金 金
2019 年12月31日
純投資 73 276 140
2018 年12月31日
純投資 (132) 230 213
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11.4 デリバティブの想定元本金額および公正価値
財政状態計算書に表示しているデリバティブの想定元本金額とプラスおよびマイナスの公正価値を下表に示
す。
デリバティブの想定元本金額と公正価値
2019 年 12月31日現在
想定元本金額 公正価値
単位:百万ユーロ 資 産 負 債
売買目的で保有するデリバティブ 3,918,192 19,737 19,539
ヘッジ手段に指定したデリバティブ 97,042 3,847 4,535
デリバティブ合計 4,015,234 23,584 24,074
売買目的で保有するデリバティブ
通貨デリバティブ
通貨スワップ 416,494 3,187 4,948
通貨オプション-購入および売却 5,579 55 45
上場売買可能契約 7,223 24 16
通貨先物 185 1 2
通貨デリバティブ合計 429,481 3,267 5,011
金利デリバティブ
OTC 金利スワップ 2,973,088 13,789 11,788
OTC 金利オプション 71,963 2,490 2,549
上場金利スワップ 434,346 1 1
金利デリバティブ合計 3,479,397 16,280 14,338
クレジット・デリバティブ 880 ▶ 5
資本性金融商品/指数デリバティブ 3 2 -
その他デリバティブ 8,431 184 185
売買目的で保有するデリバティブ合計 3,918,192 19,737 19,539
ヘッジ手段に指定したデリバティブ
公正価値ヘッジにおけるヘッジ手段に指定したデリバティブ
金利スワップおよびクロスカレンシー金利スワップ 94,219 3,824 4,476
キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に指定した
デリバティブ
通貨スワップおよびクロスカレンシー金利スワップ 188 23 19
純投資ヘッジにおけるヘッジ手段に指定したデリバティブ
通貨先物契約 2,635 40
ヘッジ手段に指定したデリバティブ合計 97,042 3,847 4,535
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2018 年 12月31日現在
想定元本金額 公正価値
単位:百万ユーロ 資 産 負 債
売買目的で保有するデリバティブ 3,395,342 19,379 18,745
ヘッジ手段に指定したデリバティブ 114,541 3,281 5,182
デリバティブ合計 3,509,883 22,660 23,927
売買目的で保有するデリバティブ
通貨デリバティブ
通貨スワップ 388,686 3,949 5,116
通貨オプション-購入および売却 3,437 47 30
上場売買可能契約 5,582 7 6
通貨先物 296 - 8
通貨デリバティブ合計 398,001 4,003 5,160
金利デリバティブ
OTC 金利スワップ 2,828,432 12,908 11,108
OTC 金利オプション 72,417 2,212 2,238
上場金利スワップ 91,454 1 -
金利デリバティブ合計 2,992,303 15,121 13,347
クレジット・デリバティブ 1,071 2 2
資本性金融商品/指数デリバティブ - - 1
その他デリバティブ 3,967 253 235
売買目的で保有するデリバティブ合計 3,395,342 19,379 18,745
ヘッジ手段に指定したデリバティブ
公正価値ヘッジにおけるヘッジ手段に指定したデリバティブ
金利スワップおよびクロスカレンシー金利スワップ 111,380 3,243 5,169
キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段に指定した
デリバティブ
通貨スワップおよびクロスカレンシー金利スワップ 87 6 13
純投資ヘッジにおけるヘッジ手段に指定したデリバティブ
通貨先物契約 3,074 32
ヘッジ手段に指定したデリバティブ合計 114,541 3,281 5,182
12 顧客に対する貸出金および預け金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
民間セクターの顧客に対する貸出金:
-当座貸越 14,335 15,758
-住宅ローン 186,594 190,651
-ファイナンス・リース 20,332 18,772
-企業貸出金 189,733 186,563
-その他 10,850 8,009
政府系取引先に対する貸出金:
-ファイナンス・リース 194 202
-その他 1,812 1,658
リバース・レポ取引、証券借入契約、決済勘定 13,553 12,929
顧客に対する貸出金および預け金の帳簿価額総額 437,403 434,542
ヘッジ会計による調整 7,044 5,784
顧客に対する貸出金および預け金に係る減損引当金 (3,940) (3,735)
顧客に対する貸出金および預け金合計 440,507 436,591
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ファイナンス・リース
顧客に対する貸出金および預け金にはファイナンス・リースの受取債権も含まれている。内訳は以下のとおり
である。
単位:百万ユーロ 2019 年
ファイナンス・リースによる総投資額からの受取債権
1年以下 6,969
1年超2年以下 5,344
2年超3年以下 3,950
3年超4年以下 2,661
4年超5年以下 1,700
5年超 1,239
ファイナンス・リースによる総投資額 21,863
ファイナンス・リースによる未稼得繰延金融収益 1,556
ファイナンス・リースによる投資純額 20,307
ファイナンス・リース債権に対する貸倒引当金 219
ファイナンス・リースの総帳簿価額 20,526
純投資による金融収益 878
単位:百万ユーロ 2018 年
ファイナンス・リースによる総投資額からの受取債権
1年以下 6,116
1年超5年以下 13,026
5年超 1,292
ファイナンス・リースによる総投資額 20,434
ファイナンス・リースによる未稼得繰延金融収益 1,626
ファイナンス・リースによる投資純額 18,808
1年以下 5,962
1年超5年以下 11,574
5年超 1,272
ファイナンス・リースによる投資純額 18,808
ファイナンス・リースに係る貸出金貸倒引当金 166
ファイナンス・リースの総帳簿価額 18,974
ファイナンス・リースは主に設備や車両のリースならびにファクタリング商品に関わるものである。貸手にお
ける無保証の残存価額は2,153百万ユーロ(2018年度は2,227百万ユーロ)であった。2018年度において収益とし
て認識された条件付支払リース料はない。
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13 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
政府債券 9,505 13,514
その他負債証券 3,504 4,502
貸出金 206 214
資本性金融商品 290 500
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産合計 13,505 18,730
ラボバンクは、外国金融機関への持分投資については、短期での売却目的ではなく戦略的な目的のために保有
しているため、当初認識時にこれらをその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
外国金融機関への持分投資 108 104
子会社が保有する持分投資 113 166
その他の持分投資 69 230
資本性金融商品合計 290 500
2019 年度においてラボバンクは20百万ユーロの配当金を認識したが、2019年度に認識を中止した持分投資に関
係する額はなかった。当期中に行った資本の中での累計損益の振替は、注記31の「再評価準備金-その他の包括
利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品」の変動計算書に開示している。
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14 関連会社および共同支配企業への投資
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
期首残高 2,374 2,521
為替換算差額 (8) 5
購入 91 43
売却 (71) (187)
関連会社 および共同支配企業 の利益に対する持分 193 242
支払配当金(および資本返済) (56) (149)
再評価 94 (80)
減損 (300) -
その他 (9) (21)
関連会社および共同支配企業への投資合計 2,308 2,374
14.1 関連会社への投資
ラボバンクが保有する資本持分の規模の点で主な関連会社は以下のとおりである。
2019 年12月31日現在 持株 議決権
オランダ
アフメア・B.V. 30% 30%
アフメアは保険商品に関するラボバンクの戦略的パートナーである。アフメア・グループの子会社であるイン
ターポリスはラボバンクと密接な協力関係にある。アフメアの本社はオランダのザイストにある。アフメアの持
分については取引所の市場価格が入手できない。アフメアの持分は持分法に従って会計処理されている。ラボバ
ンクは、アフメアから35百万ユーロの配当を受け取った(2018年度は37百万ユーロ)。
アフメアの 2019 年9月のTier1資本発行 に関する 目論見書に 記載されているとおり 、近年、欧州で続く低金利
環境は様々な形で アフメア に 不利な 影響を 及ぼしている。これが 今後も続いた場合、特に、長期的なオプション
や保証を引き受けた変更不可の年金保険や生命保険に引き続き 不利な 影響 が及ぶことになる 。こうした要因に加
え、過去数年におけるオランダの保険会社の経営環境の悪化 を受けて 、アフメアに対する投資の減損の兆候があ
るとされ評価額の再評価が実施された。減損が発生している可能性を確認するためのテストが 実施された 結果、
アフメア への 投資の 帳簿価額 が300百万ユーロ下方修正され、損益計算書に「関連会社への投資に係る減損」と
して認識 された 。アフメア ・ B.V. は、事業セグメントのうち「その他のセグメント」に含まれている。回収可能
額は見積使用価値 に 基づいて おり、公正価値ヒエラルキー では レベル3の評価である。ラボバンクは、アフメア
の使用価値を 算定 するため、アフメアがラボバンクのために生み出す 期待 キャッシュ・フロー のレビュー を 実施
し、10.24 % の税引前割引率で割り引いた。
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アフメア
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
現金および中央銀行預け金残高 963 1,466
投資 78,758 70,948
その他資産 9,767 9,402
資産合計 89,488 81,816
保険関連準備金 57,770 55,065
借入金 18,475 15,197
その他負債 3,052 1,849
負債合計 79,297 72,111
収益 24,653 21,336
純利益 481 315
その他の包括利益 313 (266)
包括利益合計 794 49
アフメアに対する持分の帳簿価額調整
2019 年 2018 年
アフメアの資本合計 10,192 9,705
控除:ハイブリッド資本 1,250 1,350
控除:優先株および未払配当金 350 350
株主資本 8,592 8,005
ラボバンクの持分 30.00% 30.00%
2,577 2,401
減損累計額 (1,019) (719)
帳簿価額 1,558 1,682
その他の関連会社 からの損益
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
継続事業からの収益 52 137
純利益 52 137
その他の包括利益 - -
包括利益合計 52 137
14.2 共同支配企業への投資
ほぼすべての共同支配企業がBPDの投資である。その帳簿価額の総額は19百万ユーロ(2018年度は7百万ユー
ロ)である。共同支配企業は持分法に従って認識されている。
BPD はしばしば、総合的な住宅地の開発を目的とするパートナーシップを締結 している 。多くの場合、パート
ナーシップに参加する各メンバーが最終的な議決権を有しており、意思決定は全員一致によってのみ下すことが
できる。したがって、それらのパートナーシップの大部分は「共同支配の取決め」の条件を満たしている。
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個々のパートナーシップは、当事者のニーズや要求に応じて独自の法的構造をとる。通常利用される法的形態
(事業構造)は、オランダの「CV-BV」構造(リミテッド・パートナーシップ-非公開有限責任会社)もしくは
「VOF」構造(ジェネラル・パートナーシップ)または同等の構造である。CV-BVの場合、パートナーのリスクは
通常、発行済資本に限定され、パートナーはその事業体の純資産のみに対する権利を有している。ジェネラル・
パートナーシップ(以下「VOF」という)の場合は、各当事者が原則として無限責任を負い、また原則として資
産に対する比例的な権利およびその事業体の負債に関する義務を有する。法的形態に基づいて言えば、CV-BV構
造は「共同支配企業」の条件を満たしているのに対し、VOF構造は「共同支配事業」の条件を満たしている。注
意すべきは、契約条件ならびにその他関連する事実および状況によっては分類が異なる可能性があることであ
る。
各プロジェクトには個別の法的構造が確立しており、 プロジェクトごとに 参加するパートナーが異なる こと、
また、 個別のプロジェクト の 規模が大きくないことから、2019年度および2018年度において、BPDに重要な共同
支配の取決めはない。
共同支配企業からの損益
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
継続事業からの損益 22 31
非継続事業からの税引後損益 - -
純利益 22 31
その他の包括利益 - -
包括利益合計 22 31
共同支配企業に対する偶発債務
BPD は2019年12月31日に不動産プロジェクトに 関する 契約を締結し、第三者(下請業者および建築士を含む)
との間の契約額は8百万ユーロ(2018年度は5百万ユーロ)であった。建設用地に関する契約額は45百万ユーロ
である(2018年度は23百万ユーロ)。
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15 のれんおよびその他無形資産
社内開発 その他の
単位:百万ユーロ のれん ソフトウェア 無形資産 合 計
2019 年 12月31日に終了した年度
期首残高 519 357 90 966
為替換算差額 1 1 1 3
取得 - 85 78 163
処分 - (16) (6) (22)
子会社の処分 (128) (1) (1) (130)
その他 1 9 (3) 7
償却費 - (87) (45) (132)
減損 (1) (25) - (26)
期末残高 392 323 114 829
取得原価 427 1,330 363 2,120
償却累計額および減損累計額 (35) (1,007) (249) (1,291)
帳簿価額(純額) 392 323 114 829
2018 年 12月31日に終了した年度
期首残高 519 371 112 1,002
為替換算差額 3 - - 3
取得 - 80 41 121
処分 (2) (17) (13) (32)
その他 - 18 1 19
償却費 - (95) (49) (144)
減損 (1) - (2) (3)
期末残高 519 357 90 966
取得原価 1,136 1,286 444 2,866
償却累計額および減損累計額 (617) (929) (354) (1,900)
帳簿価額(純額) 519 357 90 966
のれんは、資金生成単位(のれんを含む)の帳簿価額と資金生成単位の使用価値の最善の見積りを比較するこ
とにより、減損のレビューを行っている。そのため、最初に、年間計画サイクルの一部として作成された年間中
期計画から採られたキャッシュ・フロー予測に基づいて決定された使用価値の最善の見積りが使用される。この
計画には、市場状況、市場の制限、割引率(税引前)、事業の成長などに関する経営陣の最善の見積りが反映さ
れている。その結果、公正価値と帳簿価額との間に大きな差異のないことが示された場合、上場企業の関連する
株価を用いて公正価値はより詳細に査定される。また、取得の当初認識や同業他社のレビューなどと類似する評
価モデルが使用される。評価モデルは、取得時以降の事業活動の展開、経営陣が作成した直近の収益および費用
に関する予想の他、最新の予測、割引率の査定、成長率の最終的な値などに基づき検証される。同業他社のレ
ビューには、類似した上場企業の株価収益率および株価帳簿価額倍率、または類似した市場の取引の査定が含ま
れる。諸仮定は、全般的に、経験、将来の展開に関する経営陣の最善の見積り、および入手可能な場合には外部
データを基礎としている。
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国内リテール・バンキング・セグメントの資金生成単位の1つに配分されたのれんは、のれんの帳簿価額合計
を大きく上回る。こののれんの帳簿価額は322百万ユーロ(2018年度は322百万ユーロ)であり、その資金生成単
位は地方ラボバンクの集合体である。回収可能価額は、使用価値に基づく。使用価値は、財務予測に基づき、近
い将来において予想されるキャッシュ・フローを用いて決定される。回収可能価額が帳簿価額を大幅に上回った
ため、この資金生成単位に配分されたのれんは減損していないとの結論が下された。割引率の10%引き上げ、ま
たは将来キャッシュ・フローの10%減少が、主な仮定で生じ得る最大の変更と見なされる。こうした変更を加え
ても、帳簿価額が回収可能価額を上回らないことから、減損は生じないと考えられる。
2019 年度には、1百万ユーロののれんの減損を認識した(2018年度は1百万ユーロ)。自社開発ソフトウェア
およびその他の無形資産の減損は、個別では重要性がない。自社開発ソフトウェアの減損は合計 25 百万ユーロ
(2018年度は0百万ユーロ)であった。その主因は開発ソフトウェアの価額の過大評価 であった 。
16 有形固定資産
有形固定資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
土地建物 1,205 1,343
設備 275 312
オペレーティング・リース資産 3,114 2,800
有形 固定資産(使用権資産を除く) 4,594 4,455
使用権資産 494 n/a
有形固定資産 合計 5,088 4,455
有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産
オペレーティン (使用権資産を
単位:百万ユーロ 土地建物 設備 グ・リース資産 除く)
2019 年 12月31日に終了した年度
期首残高 1,343 312 2,800 4,455
為替換算差額 3 2 58 63
購入 43 82 1,286 1,411
処分 (5) (20) (274) (299)
売却目的への振替 (81) (13) (81) (175)
減損 (10) - - (10)
減損の戻入 32 - - 32
減価償却 (98) (91) - (189)
オペレーティング・リース資産の減価償却 - - (693) (693)
その他 (22) 3 18 (1)
12 月31日現在の期末残高 1,205 275 3,114 4,594
取得原価 2,447 943 4,705 8,095
減価償却累計額および減損累計額 (1,242) (668) (1,591) (3,501)
12 月31日現在の帳簿価額(純額) 1,205 275 3,114 4,594
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有形固定資産
オペレーティン (使用権資産を
単位:百万ユーロ 土地建物 設備 グ・リース資産 除く)
2018 年 12月31日に終了した年度
取得原価 2,912 1,239 3,816 7,967
減価償却累計額および減損累計額 (1,366) (852) (1,162) (3,380)
1月1日現在の帳簿価額(純額) 1,546 387 2,654 4,587
期首残高 1,546 387 2,654 4,587
為替換算差額 5 - 36 41
購入 35 87 1,152 1,274
処分 (9) (10) (435) (454)
売却目的への振替 (91) - - (91)
減損 (85) (2) - (87)
減損の戻入 45 - - 45
減価償却 (95) (149) - (244)
オペレーティング・リース資産の減価償却 - - (594) (594)
その他 (8) (1) (13) (22)
12 月31日現在の期末残高 1,343 312 2,800 4,455
取得原価 2,628 1,137 4,091 7,856
減価償却累計額および減損累計額 (1,285) (825) (1,291) (3,401)
12 月31日現在の帳簿価額(純額) 1,343 312 2,800 4,455
2019 年12月31日現在で認識された減損および減損の戻入は、国内リテール・バンキング・セグメントにおける
自己使用の不動産に関するものである。組織再構築に伴う不動産の空室(使用面積の縮小)によって減損の兆候
が認識され、その結果、総額10百万ユーロ(2018年度は85百万ユーロ)の減損が生じた。その後、自己使用の不
動産の使用が増加した結果、減損の戻入32百万ユーロ(2018年度は45百万ユーロ)が計上された。
リース
ラボバンクは借手として数件のリース契約を有しているが、その大半は事業所として使用される不動産および
従業員用自動車 に 関するものである 。 連結財政状態計算書にはリースに関連する以下の金額が含まれている。
単位:百万ユーロ 2019 年
不動産リース 443
自動車リース 34
その他のリース 17
使用権 資産 合計 494
リース負債合計 542
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2019 年度の使用権資産の新規取得は36百万ユーロ であった 。 連結損益計算書にはリースに関連する以下の金額
が含まれている。
単位:百万ユーロ 2019 年
不動産リース 79
自動車リース 14
その他のリース 6
使用権 資産 の減価償却費 99
支払利息 18
短期リース関連費用 -
少額 資産のリース関連費用 12
リース負債に含まれない変動リース料に関連する費用 -
2019 年度におけるリースに係るキャッシュ・フロー合計は60百万ユーロの支出 であった 。
17 投資不動産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
取得原価 259 291
減価償却累計額および減損累計額 (66) (98)
1月1日現在の帳簿価額(純額) 193 193
期首残高 193 193
購入 55 28
売却 (7) (22)
その他資産からの振替 124 -
減価償却 (6) (8)
減損 - (2)
減損の戻入 (1) 2
その他 13 2
12 月31日現在の期末残高 371 193
取得原価 454 259
減価償却累計額および減損累計額 (83) (66)
12 月31日現在の帳簿価額(純額) 371 193
投資不動産の公正価値は、402百万ユーロ(2018年度は208百万ユーロ)であった。投資不動産の外部評価は、
外部の有資格者により、RICS評価基準またはその他同等の基準に準拠して実施された。投資不動産は、公正価値
を決定するために、対象となる不動産にとって最も適切な手法に基づいて評価される。これには、割引キャッ
シュ・フロー評価法および比較対象取引の当初の純イールドに基づく収益還元法が含まれる。
2019 年 2018 年
評価
外部評価 60% 100%
内部評価 40% 0%
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投資不動産の大半は独自のものである。多くの場合、それらと同一地域および同一条件の類似不動産を扱う活
発な市場は存在しない。各種不動産投資の評価は、既存の契約や市場情報からできる限り多数のパラメータを導
き出し、それらを基に行っている。ある程度の判断や見積りが不可避となる。このため、IFRS第13号の公正価値
分類に基づき、投資不動産はすべてレベル3に指定されている。不動産投資の公正価値を算定するに当たって使
用するパラメータは、不動産の種類に応じて異なるが、1平方メートル当たりの現行および予想市場賃料、現行
および予想空室率、対象不動産の所在地、対象不動産の市場性、平均割引率、開発予算および信用リスクなどが
含まれる。
18 その他資産
その他資産
単位:百万ユーロ 注記 2019 年 2018 年
受取債権および前払金 1,743 2,325
未収利息 950 1,041
貴金属、商品および倉庫証券 1,189 445
不動産プロジェクト 1,810 1,694
未収収益 408 393
従業員給付金 28 ▶ 6
その他資産 506 527
その他資産合計 6,610 6,431
不動産プロジェクト
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
建設用地 1,299 1,200
仕掛品 498 463
完工開発物件 13 31
不動産プロジェクト合計 1,810 1,694
2019 年度に、最新の土地運用と、区域計画の対象となっていない用地すべての純実現可能価額が計算され、帳
簿価額と比較された。この結果、14百万ユーロの引当金の戻入(2018年度は89百万ユーロの引当金の戻入)が発
生した。
不動産プロジェクトに係る引当金の変動
2019 年 1月1日 追加/ 取崩し/ 2019 年 12月31日
単位:百万ユーロ 現在の残高 戻入 その他の変動 現在の残高
建設用地 411 (14) (23) 374
仕掛品 65 (1) (6) 58
完工開発物件 ▶ - - ▶
合計 480 (15) (29) 436
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2018 年 1月1日 追加/ 取崩し/ 2018 年 12月31日
単位:百万ユーロ 現在の残高 戻入 その他の変動 現在の残高
建設用地 536 (89) (36) 411
仕掛品 80 (7) (8) 65
完工開発物件 8 - (4) ▶
合計 624 (96) (48) 480
仕掛品
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
準備中および建設中の居住用不動産 1,232 957
開発中および建設中の商業用不動産 23 13
割賦のうち事前に請求済のもの-居住用不動産 (736) (507)
割賦のうち事前に請求済のもの-商業用不動産 (21) -
仕掛品合計 498 463
19 売却目的固定資産
売却目的固定資産は435百万ユーロ(2018年度は268百万ユーロ)であり、 ラボバンク・インドネシアの売却に
関連する資産203百万ユーロ、 国内リテール・バンキング・セグメントおよび不動産セグメントで保有する様々
な種類の不動産113百万ユーロ、 ならびに アフリカの金融サービス・プロバイダーに対する持分108百万ユーロか
ら構成されている。その帳簿価額は、継続 使用 では なく売却によって実現される見込みである。
ラボバンク・インドネシアの売却
2019 年12月11日、ラボバンクは、主にリテール顧客への 貸出金 ポートフォリオ からなる ラボバンク・インドネ
シア の 売却 に 関する 条件付売買契約に署名した。この取引は2020年度上半期に完了する 見込み である。2019年12
月31日時点で、ラボバンク・インドネシアはIFRS第5号に従い売却目的として分類されている。その資産および
負債は、ホールセール・ルーラル・アンド・リテール・セグメントに含まれており、売却費用控除後の公正 価値
で測定される。これに 伴い、「 その他一般管理費 」 に 10百万ユーロの減損が認識された。
20 金融機関預り金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
要求払預り金 1,415 986
定期預り金 18,244 18,280
レポ契約 1,522 91
その他金融機関預り金 63 40
金融機関預り金合計 21,244 19,397
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21 顧客預り金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
当座預り金 89,010 85,511
合意済みの満期預り金 63,627 71,203
通知預り金 180,159 175,932
レポ契約 32 13
信託預り金 9,522 9,750
その他顧客預り金 186 1
顧客預り金合計 342,536 342,410
合意済みの満期預り金には、中央銀行からの短期預り金17十億ユーロ(2018年:20十億ユーロ)が含まれてい
る。
22 発行済負債証券
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
譲渡性預金証書 19,387 19,927
コマーシャル・ペーパー 7,312 9,802
発行済債券 84,276 86,793
その他負債証券 19,428 14,284
発行済負債証券合計 130,403 130,806
23 売買目的金融負債
売買目的金融負債は主に、デリバティブのマイナスの公正価値と、証券の空売りにより発生した現物引渡義務
のマイナスの公正価値である。証券の空売りは、短期的な価格変動による収益を実現するために行われる。空売
りを決済するために必要な証券は証券貸借および証券レポ取引契約により入手する。空売りした証券および債券
の公正価値は、399百万ユーロ(2018年度は400百万ユーロ)である。
24 公正価値測定に指定した金融負債
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
発行済負債証券 5,592 5,906
預金 736 708
公正価値測定に指定した金融負債合計 6,328 6,614
ラボバンクの自己信用リスクの変化に起因する、公正価値測定に指定した金融負債の公正価値の累積的変動
は、税引前で191百万ユーロ(2018年度は41百万ユーロ)である。
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自己信用リスクの変化に起因する公正価値の変動は、他の価格決定要素を不変として、当初認識時における市
場のクレジット・カーブを基に再計算した公正価値から、報告日時点の仕組債ポートフォリオの最新の公正価値
を仕組債ごとに控除して計算している。このように計算することで、それら仕組債の当初認識以降におけるラボ
バンクの自己信用リスクの変化に起因すると説明できる金額が反映される。
当期中の資本内での損益累計額の振替と、認識中止時点で実現したその他の包括利益に表示した額は、注記31
の「再評価準備金-公正価値測定に指定した金融負債に係る自己信用リスクに伴う公正価値変動」の変動表に開
示している。
公正価値測定に指定した発行済仕組債の帳簿価額は、ラボバンクがそれら仕組債の保有者に返済する契約上の
義務がある金額よりも138百万ユーロ(2018年度は318百万ユーロ)少ない。
25 その他負債
単位:百万ユーロ 注記 2019 年 2018 年
未払金 4,022 4,241
未払利息 2,055 1,894
リース負債 542 n/a
従業員給付金 28 230 254
その他 (14) (47)
その他負債合計 6,835 6,342
26 引当金
単位:百万ユーロ 注記 2019 年 2018 年
事業再構築引当金 271 318
法務上の問題に対する引当金 198 469
ローン・コミットメントおよび金融保証に係る減損引当金 4.3.4 146 109
その他引当金 168 230
引当金合計 783 1,126
事業再構築 法務上の問題に
単位:百万ユーロ 引当金 対する引当金 その他引当金 合計
2019 年 1月1日現在の期首残高 318 469 230 1,017
IFRS 第16号に基づく会計方針の変更 - - (25) (25)
追加 122 68 88 278
期中取崩し (140) (264) (114) (518)
戻入 (29) (75) (11) (115)
2019 年12月31日現在の期末残高 271 198 168 637
2018 年 1月1日現在の期首残高 332 591 594 1,517
追加 213 109 108 430
期中取崩し (134) (214) (415) (763)
戻入 (93) (17) (57) (167)
2018 年12月31日現在の期末残高 318 469 230 1,017
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事業再構築引当金 へ の 追加のうち、75百万ユーロ(2018年度は151百万ユーロ)は地方ラボバンクの組織再編
成プログラムのために計上されている。この組織再編成引当金は、解雇手当および組織再編成プログラムに直接
起因するその他の費用に関連する将来の支払から成っている。これらの費用は、解雇計画が作成され、関係当事
者に通知された時点で計上される。資金のアウトフローは2020年度および2021年度に発生すると見込まれてい
る。
SME 向け金利デリバティブの回復フレームワークについて、法務上の問題に対する引当金として40百万ユーロ
(2018年度は52百万ユーロ)の追加引当金が計上された。追加情報については、注記4.10「法的手続および仲裁
手続」を参照のこと。
引当金の満期期日
単位:百万ユーロ 1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
2019 年12月31日現在 615 166 2 783
2018 年12月31日現在 917 207 2 1,126
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27 繰延税金
繰延税金資産および負債は、すべての一時差異に対し、負債法を使用して測定されている。未使用の税務上の
欠損金合計14百万ユーロ(2018年度は1,458百万ユーロ)に対する繰延税金資産は認識されていない。
繰越欠損金に関して認識される繰延税金資産は、将来において課税所得が発生する場合にのみ回収することが
できる。ラボバンクは2019年12月31日現在において、適用される期間内に十分な課税所得が発生することを見込
んでいる。
その他の
繰延税金 繰延税金 繰延税金 包括利益に
単位:百万ユーロ 資産 負債 費用 対する税金
2019 年12月31日現在
年金およびその他の退職後給付 30 - 1 1
金融資産に係る減損引当金 229 - 46 -
引当金 15 (3) 3 -
ヘッジ会計 147 - (42) -
繰越欠損金 219 (150) 38 -
税額控除 106 (63) 50 -
のれんおよびその他無形資産 - - 2 -
その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
る金融資産の再評価準備金 (41) 6 (7) 14
再評価準備金-キャッシュ・フロー・ヘッジ 6 - 3 2
再評価準備金-ヘッジ・コスト (13) - 6 (1)
再評価準備金-公正価値測定に指定した金融
負債に係る自己信用リスクに伴う公正価値変
動 40 - - (31)
有形固定資産(オペレーティング・リースを
含む) 75 672 (10) -
その他の一時差異 120 78 32 -
合計 933 540 122 (15)
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その他の
繰延税金 繰延税金 繰延税金 包括利益に
単位:百万ユーロ 資産 負債 費用 対する税金
2018 年12月31日に終了した年度
年金およびその他の退職後給付 42 (2) 8 -
金融資産に係る減損引当金 296 (16) (52) -
引当金 33 (2) 9 -
ヘッジ会計 105 - (6) -
繰越欠損金 187 (113) (39) -
税額控除 121 (68) 28 -
のれんおよびその他無形資産 14 - - -
その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
る金融資産の再評価準備金 (35) 2 (26) (35)
再評価準備金-キャッシュ・フロー・ヘッジ 11 - (2) 3
再評価準備金-ヘッジ・コスト - 8 - 8
再評価準備金-公正価値測定に指定した金融
負債に係る自己信用リスクに伴う公正価値変
動 8 - - 40
有形固定資産(オペレーティング・リースを
含む) 58 647 199 -
その他の一時差異 325 (4) 92 -
合計 1,165 452 211 16
28 従業員給付金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
従業員給付金-資産 (4) (6)
従業員給付金-負債 230 254
従業員給付金合計 226 248
年金制度 118 118
その他の従業員給付金 108 130
従業員給付金合計 226 248
28.1 年金制度
ラボバンクはラボバンク年金基金でオランダ年金制度を運用している。この年金制度は、年金受給開始年齢を
68歳とし、目標給付確定率を2%とする集団型確定拠出制度である。ラボバンクは、条件付物価スライド方式の
条件付生涯平均給与方式に基づき、勤務年度中に提供される役務に対する目標年金債務を達成することを目的と
した固定の制度に基づいて、ラボバンク年金基金に年金拠出金を毎年積立てる。ラボバンクは、年次の年金プレ
ミアムを支払うことでそのすべての年金債務を履行する。したがってラボバンクは、基礎となる加入年数および
既に確定した受給権に関連するいかなる金融負債も有していない。
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オランダの年金制度は、IAS第19号における確定拠出制度として適格である。ラボバンクの債務は、支払うべ
きプレミアムの支払から過去に行った支払を差引いた額に限定されている。2019年12月31日現在、少数の小規模
な制度が依然として確定給付年金制度として適格である。これらは、退職時の従業員報酬に関連し、通常は年金
を支払う、ファンドまたはその他の方法によって管理される生涯平均給与方式を用いた確定給付年金制度であ
る。年間拠出額は、各国の法的要件に準じて計算された制度の未払債務に適切に資金を充当するために必要な比
率においてファンドに支払われる。ファンドにおいて維持管理される年金制度関連資産は、受託者によって管理
される分離されたファンドであり、ラボバンクの資産とは独立に保有されている。債務は毎年独立したアクチュ
アリーによりIFRSに規定された方法に基づいて評価されている。直近の年金数理評価は、2019年度末に実施され
ている。主な年金数理上の仮定の加重平均、感応度分析、および将来のプレミアムの支払 を記載した 表は、フ
リースランド・バンクの年金制度に関するものである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
確定給付債務 546 487
制度資産の公正価値 428 369
純確定給付債務 118 118
制度資産および負債の変動は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
確定給付債務
期首残高 487 748
為替換算差額 1 (1)
支払利息 10 16
支払給付 (15) (22)
清算 (13) (232)
その他 3 3
実績による調整 3 (1)
人口動態上の仮定の変動から生じる年金数理差損益 1 (1)
財務上の仮定の変動から生じる年金数理差損益 69 (23)
12 月31日現在の確定給付債務 546 487
制度資産の公正価値
期首残高 369 596
為替換算差額 5 (1)
受取利息 8 9
雇用主が拠出した金額 6 30
支払給付 (15) (22)
清算 - (240)
その他 2 (2)
実績による調整 ▶ -
制度資産に係る財務上の仮定の変動に起因する再測定 49 (1)
12 月31日現在の制度資産の公正価値 428 369
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損益において認識した費用は以下の表に示すとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
負債に係る支払利息 10 16
制度資産に係る受取利息 (8) (9)
縮小、清算および費用に係る損失/(利益) (1) 6
確定給付制度の費用合計 1 13
主な年金数理上の仮定
確定給付債務の評価に係る主な年金数理上の仮定は、割引率、賃金の上昇、および物価の上昇である。最近の
死亡率も、各制度の評価において使用した。年金数理上の財務的な仮定の加重平均は以下の表に示すとおりであ
る(単位:1年当たり%)。
2019 年 2018 年
割引率 0.8% 2.0%
賃金の上昇 1.3% 1.6%
物価の上昇 1.3% 1.6%
感応度分析
ラボバンクは、以下の表で示されている仮定に関連して、確定給付制度に係るリスクに晒されている。これら
最も重要な仮定の感応度分析は、報告日末現在にて生じる仮定の変動のうち、合理的に発生しうると思われる変
動に基づいて決定された。
単位:百万ユーロ 仮定の変動 増加が確定給付債務に与える影響 減少が確定給付債務に与える影響
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
割引率 0.25% (16) (12) 17 13
賃金の上昇 0.25% 7 6 (7) (6)
物価の上昇 0.25% - - - -
死亡率 1年 - 12 - (12)
拠出金見積額
2019 年度の 確定給付 年金制度への見積拠出金額は約9百万ユーロ(2018年度は5百万ユーロ)である。
平均デュレーション
フリースランド・バンクの確定給付制度の平均デュレーションは18年(2018年度は17年)である。
28.2 その他の従業員給付金
その他の従業員給付金は、主として32百万ユーロ(2018年度は37百万ユーロ)の永年勤続報奨に対する債務か
ら成っている。
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29 劣後債務
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
ラボバンクによる発行 15,777 16,485
その他 13 13
劣後債務合計 15,790 16,498
以下の表に、劣後債の発行に関する詳細を示している。
ラボバンク発行の 劣後債務
想定元本
(単位:百万) 発行通貨 クーポンレート 発行年 償還期限
2029 年 、
500 米ドル 4.00% 2017 年 早期償還日は 2024 年
1,500 米ドル 3.75% 2016 年 2026 年
2025 年 、
225 豪ドル 5.00% 2015 年 早期償還日は 2020 年
2025 年 、
475 豪ドル 変動 2015 年 早期償還日は 2020 年
1,500 米ドル 4.375% 2015 年 2025 年
1,250 米ドル 5.25% 2015 年 2045 年
1,000 英ポンド 4.625% 2014 年 2029 年
2026 年 、
2,000 ユーロ 2.50% 2014 年 早期償還日は 2021 年
50,800 日本円 1.429% 2014 年 2024 年
1,000 ユーロ 3.875% 2013 年 2023 年
1,750 米ドル 4.625% 2013 年 2023 年
1,250 米ドル 5.75% 2013 年 2043 年
1,000 ユーロ 4.125% 2012 年 2022 年
500 英ポンド 5.25% 2012 年 2027 年
1,500 米ドル 3.95% 2012 年 2022 年
1,000 ユーロ 3.75% 2010 年 2020 年
10 ユーロ 4.21% 2005 年 2025 年
10 ユーロ 5.32% 2004 年 2024 年
30 偶発債務
信用関係偶発債務
ラボバンクは、取消不能のローン・コミットメントのほか、顧客に対する金融保証やスタンドバイ信用状から
成る偶発債務を供与している。これらの契約に基づき、第三者が履行義務を果たさない場合に、ラボバンクは、
契約に基づく義務を履行するか、または受益者に対して支払を行わなければならない。以下の表は、信用関係偶
発債務の潜在的な最大発生額を示している。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金融保証 3,726 3,377
ローン・コミットメント 35,089 32,583
その他のコミットメント 19,353 20,273
信用関係偶発債務 58,168 56,233
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訴訟に関する偶発債務
ラボバンクは、ラボバンク・グループの業務から生じた、ラボバンク・グループによって提起された訴訟およ
びラボバンク・グループに対して提起された訴訟に関連して、オランダおよび米国を含むその他の国における複
数の法的手続および仲裁手続に関与している。訴訟に関連する偶発債務のうち、発生する可能性が低くない 測定
可能な 偶発債務の最大額は288百万ユーロ(2018年度は197百万ユーロ)である。追加情報については、注記4.10
「法的手続および仲裁手続」を参照のこと。
オペレーティング・リースに関する負債
ラボバンクは、借手として主に不動産および車両に係る様々なオペレーティング・リース契約を結んでいる。
解約不能オペレーティング・リースに基づく将来の最低支払リース料純額の内訳は、以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年
1年以内 692
1年超2年以内 547
2年超3年以内 351
3年超4年以内 212
4年超5年以内 158
5年超 112
オペレーティング・リースに関する負債合計 2,072
単位:百万ユーロ 2018 年
1年以内 589
1年超5年以内 1,132
5年超 107
オペレーティング・リースによる受取債権合計 1,828
2018 年度中、 資産として認識された偶発支払リース料はない。
その他の偶発債務
仕掛品および投資不動産の取得、建設、ならびに開発に関連する契約上のコミットメント額 は484百万ユーロ
(2018年度は518百万ユーロ)である。
31 準備金および利益剰余金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
外国為替換算準備金 (742) (817)
再評価準備金-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 308 240
再評価準備金-キャッシュ・フロー・ヘッジ (26) (40)
再評価準備金-ヘッジ・コスト 46 30
再評価準備金-売却目的資産 (26) (35)
再測定準備金-年金 (170) (145)
再評価準備金-公正価値測定に指定した金融負債に係る自己の信用リスクに起
因する公正価値の変動 (143) (31)
利益剰余金 28,910 28,062
期末現在の準備金および利益剰余金合計 28,157 27,264
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準備金の変動は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
外国為替換算準備金
期首残高 (817) (938)
在外営業活動体に係る為替換算差額 217 (16)
ヘッジ手段の変動 (73) 132
関連会社および共同支配企業における変動 (5) (16)
損益への振替 (64) 21
期末残高 (742) (817)
再評価準備金-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
期首残高 23 -
会計方針の変更 - 243
為替換算差額 - (2)
関連会社および共同支配企業における変動 104 (68)
公正価値変動 20 (62)
損益への振替 (21) (88)
売却目的資産への振替 5 -
期末残高 131 23
再評価準備金-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
期首残高 217 -
会計方針の変更 - 225
為替換算差額 - (1)
関連会社および共同支配企業における変動 - -
公正価値変動 39 (6)
利益剰余金への振替 1 (1)
売却目的資産への振替 (71) -
その他 (9) -
期末残高 177 217
再評価準備金-キャッシュ・フロー・ヘッジ
期首残高 (40) (42)
会計方針の変更 - 3
為替換算差額 19 8
公正価値変動 (10) (16)
損益への振替 5 7
期末残高 (26) (40)
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単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
再評価準備金-ヘッジ・コスト
期首残高 30 -
為替換算差額 (2) (1)
公正価値変動 20 31
損益への振替 (2) -
期末残高 46 30
再評価準備金-売却目的資産
期首残高 (35) (35)
再評価準備金からの振替 66 -
公正価値変動 9 -
資産の処分 (66) -
期末残高 (26) (35)
再測定準備金-年金
期首残高 (145) (225)
関連会社および共同支配企業における変動 (5) ▶
確定給付制度の再測定 (20) 20
清算 - 56
期末残高 (170) (145)
再評価準備金-公正価値測定に指定した金融負債に係る自己信用リスクに伴う
公正価値変動
期首残高 (31) (625)
会計方針の変更 - 483
公正価値変動 (112) 111
期末残高 (143) (31)
利益剰余金
期首残高 28,062 26,777
会計方針の変更 - (475)
純利益 2,157 2,944
資本性金融商品に係る支払 (904) (1,059)
資本証券の償還 (493) (79)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却 71 -
年金清算金 - (56)
その他 17 10
期末残高 28,910 28,062
準備金および利益剰余金合計 28,157 27,264
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32 ラボバンク証書
ラボバンク証書は、ラボバンクがスティヒティング・アドミニストラティーカントゥール・ラボバンク証書財
団を通じて発行する参加権を表章し、ラボバンクの普通株等Tier1資本に区分される。ラボバンク証書は2014年
からユーロネクスト・アムステルダムに上場している。
証書の合計口数は297,961,365口であり、1口当たりの額面価額は25ユーロであった。ラボバンクが発行する
参加権(およびラボバンク証書についてはAK財団を通じて発行する参加権)に関するラボバンクの実際の支払方
針は参加権規則に基づいており、その内容はラボバンクのウェブサイトで確認することが可能である。
2019 年度に支払われた証書1口当たりの分配金は1.625ユーロ(2018年度は1.625ユーロ)であった。経営委員
会は分配金を支払わない決定を下す権利を有している。支払われなかった分配金が、後日支払われることはな
い。以下の表に示されている金額は、ラボバンク証書1口当たり25ユーロの額面価額に基づいている。当期中の
ラボバンク証書の変動から生じるキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれている。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
期中の変動:
期首残高 7,445 7,440
期中のラボバンク証書の変動口数 ▶ 5
期末残高 7,449 7,445
33 資本証券および信託優先証券IV
資本証券および信託優先証券IVの内訳は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
ラボバンクが発行した資本証券 5,264 6,493
子会社が発行した資本証券 - 164
信託優先証券IV - 389
資本証券および信託優先証券IV合計 5,264 7,046
資本証券
資本証券はすべて無期限 の証券であり、 満期日の定めがない。発行ごとの資本証券の自由裁量 の配当 は下記の
とおりである。
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33.1 ラボバンクが発行した資本証券
1,500 百万ユーロの発行
クーポンは年5.5%であり、発行日(2015年1月22日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は2015
年6月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2020年6月29日に償還可能となる。2020年6月29日時点
で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当は5年間設定されるが、ステップアップはなく、5年物
ユーロスワップ金利に5.25%を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
1,250 百万ユーロの発行
クーポンは年6.625%であり、発行日(2016年4月26日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は
2016年6月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2021年6月29日に償還可能となる。2021年6月29日時
点で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当は5年間設定されるが、ステップアップはなく、5年物
ユーロスワップ金利に6.697%を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
1,000 百万ユーロの発行
クーポンは年4.625%であり、発行日(2018年9月11日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は
2018年12月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2025年12月29日に償還可能となる。2025年12月29日時
点で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当は5年間設定されるが、ステップアップはなく、5年物
ユーロスワップ金利に4.098%を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
1,250 百万ユーロの発行
クーポンは年3.25%であり、発行日(2019年9月9日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は2019
年12月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2026年12月29日に償還可能となる。2026年12月29日時点
で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当は5年間設定されるが、ステップアップはなく、5年物
ユーロスワップ金利に3.702%を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
250 百万英ポンドの発行
クーポンは年6.91%であり、発行日(2008年6月10日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は2008
年12月10日であった。2038年6月10日以降のクーポンは、6ヶ月物英ポンドLiborに年2.825%のマークアップを
加えたものとなり、6ヶ月ごとに支払われる。クーポンは、発行体の自由裁量によって支払われる。ラボバンク
証書の配当を支払わない自由裁量権をラボバンクが行使しない場合、当該商品に係る支払も適用される。
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33.2 ラボバンクが発行した資本証券のうち当年度中に償還された証券
500 百万ユーロの発行
ラボバンクは2009年2月27日に500百万ユーロの資本証券を発行した。当該資本証券の条件に従い、ラボバン
クは、第1回期限前償還日である2019年2月27日にこれを償還した。
2,872 百万米ドルの発行
ラボバンクは2009年6月4日に2,872百万米ドルの資本証券を発行した。当該資本証券の条件に従い、ラボバ
ンクは第1回期限前償還日である2019年6月 30 日にこれを償還することを選択した。
33.3 ラボバンクの子会社が発行した資本証券のうち当年度中に償還された証券
280 百万ニュージーランド・ドルの発行
ラボ・キャピタル・セキュリティーズ・リミテッドは2009年5月27日に280百万ニュージーランド・ドルの資
本証券を発行した。当該資本証券の条件に従い、ラボ・キャピタル・セキュリティーズ・リミテッドは、第1回
期限前償還日である2019年6月18日にこれを償還した。
33.4 当年度中に償還された信託優先証券IV
350 百万英ポンドの発行
ラボバンクのグループ会社であるデラウェア州のラボバンク・キャピタル・ファンディング・トラストIVは、
2004 年10月21日に350百万英ポンドの 非累積信託優先証券を発行した。 当該信託優先証券の条件に従い、 ラボバ
ンク・キャピタル・ファンディング・トラストIV は、第1回期限前償還日である2019年12月31日にこれを償還し
た。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
期首残高 389 394
信託優先証券IVの償還 (383) -
為替換算差額およびその他 (6) (5)
期末残高 - 389
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34 その他非支配持分
この項目は、ラボバンク子会社に対する非支配持分に関するものである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
期首残高 481 475
純利益 46 60
為替換算差額 ▶ (3)
連結/非連結に含まれる事業体 - 9
配当 (50) (58)
その他 (4) (2)
期末残高 477 481
非支配持分を最も多く有するラボバンクの子会社は、カーゴブル・ファイナンス・ホールディングおよび
AGCO・ファイナンス・SNCである。いずれの事業体もリース・セグメントに計上される。
カーゴブル・ホールディング・B.V.はオランダのアイントホーフェンを本拠地とし、ラボバンクは51%の資本
および議決権を有している。この事業体に関する非支配持分は66百万ユーロ(2018年度は60百万ユーロ)であ
る。以下の財務データが適用される。
カーゴブル・ホールディング・B.V.
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
収益 57 57
純利益 11 13
その他の包括利益 - -
包括利益合計 11 13
非支配株主に帰属する利益 6 7
非支配株主への支払配当金 - 22
金融資産 704 693
その他資産 138 152
金融負債 671 697
その他負債 37 25
AGCO ・ファイナンス・SNCはフランスのボーベーを本拠地とし、ラボバンクは51.0%の資本および議決権を有
している。この事業体に関する非支配持分は97百万ユーロ(2018年度は106百万ユーロ)である。以下の財務
データが適用される。
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AGCO ・ファイナンス・SNC
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
収益 37 36
純利益 (10) 16
その他の包括利益 - -
包括利益合計 (10) 16
非支配株主に帰属する利益 (5) 8
非支配株主への支払配当金 ▶ 3
金融資産 1,800 1,536
その他資産 14 55
金融負債 1,554 1,348
その他負債 62 34
35 財務活動から生じた負債の変動
単位:百万ユーロ 発行済負債証券 劣後債務 合計
2019 年12月31日に終了した年度
期首残高 130,806 16,498 147,304
財務キャッシュ・フローによる変動 (3,507) (999) (4,506)
為替レートの変動の影響 1,457 270 1,727
その他の非現金項目の変動 1,647 21 1,668
期末残高 130,403 15,790 146,193
2018 年12月31日に終了した年度
期首残高 134,423 16,170 150,593
財務キャッシュ・フローによる変動 (6,039) (21) (6,060)
為替レートの変動の影響 272 342 614
その他の非現金項目の変動 2,150 7 2,157
期末残高 130,806 16,498 147,304
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36 純受取利息
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
受取利息
現金および現金同等物 390 347
金融機関に対する貸出金および預け金 154 295
顧客に対する貸出金および預け金 14,935 15,001
公正価値ヘッジ会計に利用されるデリバティブ 9 (320)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 410 637
実効金利法を用いて測定する金融資産からの受取利息 15,898 15,960
売買目的金融資産 29 36
公正価値測定に指定した金融資産 2 1
強制的に公正価値で測定される金融資産 27 49
マイナス金利の金融負債に係る受取利息 112 152
その他 89 83
その他の受取利息 259 321
受取利息合計 16,157 16,281
支払利息
金融機関預り金 182 173
顧客預り金 2,598 2,587
発行済負債証券 3,025 3,026
売買目的金融負債 5 10
経済的にヘッジする目的で保有されるデリバティブ 696 758
公正価値測定に指定した金融負債 164 199
劣後債務 728 713
マイナス金利の金融資産に係る支払利息 249 259
その他 27 (3)
支払利息合計 7,674 7,722
純受取利息 8,483 8,559
適格資産に帰属する資産計上された利息は17百万ユーロ(2018年度は18百万ユーロ)であった。資産計上され
るべき支払利息を決定する際に適用された平均利率は1%から6%(2018年度は1%から6%)の範囲であっ
た。信用減損した金融資産に関して発生した受取利息は420百万ユーロ(2018年度は485百万ユーロ)である。
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37 純受取手数料
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
受取手数料
支払サービス 754 726
貸出 569 564
その他金融資産の購入および売却ならびに取扱手数料 334 326
保険手数料 297 276
投資運用 ▶ 8
カストディアン報酬および証券サービス 5 6
その他の受取手数料 188 200
受取手数料合計 2,151 2,106
支払手数料
支払サービス 58 56
その他金融資産の購入および売却ならびに取扱手数料 53 61
カストディアン報酬および証券サービス 8 9
その他の支払手数料 43 49
支払手数料合計 162 175
純受取手数料 1,989 1,931
38 その他の営業活動による純利益
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
不動産事業からの収益 1,238 1,754
不動産事業による費用 969 1,352
不動産事業からの純利益 269 402
オペレーティング・リース事業からの収益 887 768
オペレーティング・リース事業による費用 700 601
オペレーティング・リース事業からの純利益 187 167
投資不動産からの収益 29 25
投資不動産による費用 15 11
投資不動産からの純利益 14 14
その他の営業活動による純利益 470 583
投資不動産による費用はすべて、リース不動産に関連するものである。
39 関連会社および共同支配企業への投資からの利益
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
関連会社および共同支配企業への投資からの利益に係るラボバンク持分 193 242
関連会社および共同支配企業への投資の売却に係る損益 (1) 1
関連会社および共同支配企業への投資からの利益 192 243
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40 損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益/
(損失)
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
売買目的金融資産および金融負債ならびに売買目的デリバティブに係る利益/
(損失) 79 225
公正価値測定に指定した金融資産に係る利益/(損失) - (5)
強制的に損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利益/(損失) 141 21
公正価値測定に指定した金融負債および当該金融負債の金利リスクをヘッジす
るために使用されるデリバティブに係る利益/(損失) (64) (3)
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損
失)合計 156 238
公正価値測定に指定したその他の金融負債および当該金融負債の金利リスクをヘッジするために使用されるデ
リバティブに係る利益/(損失) は主として、損益に直接認識された5百万ユーロ(2018年度は5百万ユーロ)
の仕組債ポートフォリオの公正価値変動に関連しており、それは、i)市場金利およびii)初日利得の変動に起因
している。市場金利の変動に伴う仕組債の公正価値変動に係る損益のほとんどは、この金利リスクをヘッジする
ために使用されるデリバティブの公正価値変動により相殺されている。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金利金融商品に係る利益/(損失) 227 (310)
資本性金融商品に係る利益/(損失) (5) 24
外国為替商品に係る利益/(損失) (20) 524
外国為替に係る利益/(損失) 26 14
その他 (72) (14)
損益を通じて公正価値で測定する金融資産および金融負債に係る利益/(損
失)合計 156 238
41 その他収益
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
償却原価で認識されていた金融負債の認識中止により生じた利益/(損失) (1) (10)
グループ企業の売却に係る損益 373 119
その他 153 231
その他収益 525 340
以下に開示されている ラボバンク・ナショナル・アソシエーションの売却 に係る利益は、「グループ企業の売
却に係る損益」の項目に含まれている。
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ラボバンク・ナショナル・アソシエーションの売却
2019 年3月15日、ラボバンクは、ラボバンク・ナショナル・アソシエーション(RNA)のリテール、法人向け
バンキング、商業用不動産、住宅ローン、資産管理およびその他の食品・農業以外の事業をメキャニクス・バン
クに売却する取引文書に署名した。そのクロージングに先立つ2019年7月1日、RNAの食品・農業の貸出金ポー
トフォリオ(帳簿価額は4.0十億ユーロ)がラボ・アグリファイナンスに移管された。当該取引は2019年度第3
四半期に完了した。受領した対価は総額2.1十億米ドル(1.9十億ユーロ)であり、 その内訳は、 9.9 % を占める
220百万ユーロと測定されたメカニクス・バンクの持分、およびクロージング前の配当600百万米ドル(545百万
ユーロ)を含む1.9十億米ドル(1.7十億ユーロ)の現金となっている。この売却に伴い、380百万ユーロの利益
がホールセール・ルーラル・アンド・リテール・セグメントの「その他収益」に認識されている。
売却日時点の資産および負債の帳簿価額は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ
現金および現金同等物 2,707
顧客に対する貸出金および預け金 4,600
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 2,152
その他資産 529
資産合計 9,989
顧客預り金 8,853
その他負債 125
負債合計 8,978
42 人件費
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
賃金および給与 2,660 2,698
社会保険拠出金および保険料 331 348
年金費用-確定拠出制度 408 400
年金費用-確定給付年金制度 1 13
研修および旅費交通費 191 206
その他の退職後給付引当金の繰入/(戻入) 18 8
その他の人件費 1,212 1,195
人件費 4,821 4,868
常勤従業員数に換算したラボバンク内部および外部の従業員数は43,822人(2018年度は43,247人)である。
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ラボバンクは 「グループ報酬方針」を 有している 。この方針は定期的に改訂され、「金融企業の報酬方針に関
するオランダ法」に基づく規定が含まれる。オランダの従業員が引き続き変動報酬の受給資格を有している場
合、その金額は固定収入の平均値の20%を超えることができない。オランダ国外では、いかなる変動報酬も固定
収入の100%を超えることができない。特定の役職員(ラボバンク・グループのリスクプロファイルに対して重
要な影響力を及ぼす可能性がある従業員)が変動報酬の受給資格を有する場合、その変動報酬は、対象となる業
務活動に関連するリスクを適切に考慮した期間について付与される。よって、変動報酬のうちの大部分の支払は
繰延べられる。 すなわち、変動支払額のうち40 % は繰延支払となる。変動支払額 合計 が500,000ユーロを超える
場合は、変動支払額合計の60 % が繰延べられる。 変動報酬の即時支払部分は無条件であるのに対し、繰延部分は
条件付である。繰延部分は、条件が満たされた場合は3年後に、または、「経営陣」に付与された場合は5年後
に権利確定する。特に、関連する変動報酬が別の観点から付与された際には、財務評価の著しい低下またはリス
ク管理の著しい変化が、ラボバンクまたは事業単位 の1つ においてあったかどうかによって評価される。原則と
して、暫定的に割り当てられた繰延報酬に対する権利は当該役職員の雇用が終了した時点で消滅する。変動報酬
の直接支払部分および繰延部分のうち50%は現金で割り当てられる。直接支払部分のうちの現金部分は割り当て
後即時に付与される。繰延部分のうちの現金部分は、権利確定後(3年後または5年後)に初めて従業員に付与
される。変動報酬の直接支払部分および繰延部分のうち50%は金融商品(金融商品部分)、すなわち繰延報酬証
書(以下「DRN」という)の形で付与される。DRNの価額は、NYSEユーロネクスト上場のラボバンク証書(以下
「RC」という)の価格と直接連動している。金融商品部分は業績評価対象年度の終了時の配分時にDRNに転換さ
れる。DRNの口数は、NYSEユーロネクスト取引所における、ラボバンク証書に係る毎年2月の最初の5取引日の
平均終値に基づいて決定される。したがって、これが変動報酬の直接支払部分および繰延部分の金融商品部分と
なる。繰延部分に関連するDRNの最終的な 価額 は、権利確定の時点(3年後または5年後)に設定される。上記
金融商品部分の支払には、1年間の留保期間が条件として課される。当該期間の満了時に、従業員は、各DRN
(またはその一部)について、その時点におけるDRNの価額に対応する金額の現金を受け取る。
変動報酬の支払は、IAS第19号「従業員給付」に従って測定される。変動報酬の即時支払部分が業績評価対象
年度に認識されるのに対し、繰延部分は権利確定前の各年度に認識される。
概ね同一の報酬制度が非特定の役職員にも適用されるが、最初の100,000ユーロには繰延方針が適用されず、
即時支払部分および繰延部分の両方が全額現金で支払われる。よってDRNは付与されない。
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2019 年12月31日現在において、資本性金融商品に基づく支払の費用は12百万ユーロ(2018年度は14百万ユー
ロ)であった。36百万ユーロの負債が2019年12月31日現在において計上され(2018年度は34百万ユーロ)、その
うち18百万ユーロ(2018年度は16百万ユーロ)の権利が確定した。現金で支払われた変動報酬の費用は160百万
ユーロ(2018年度は180百万ユーロ)であった。付与済のDRNの口数は下表に示すとおりである。
単位:千口 2019 年 2018 年
期首残高 1,484 1,412
期中付与 378 455
期中支払 (356) (348)
前年度からの変動 (73) (35)
期末残高 1,433 1,484
DRN の価額はラボバンク証書の価格と直接連動している。変動報酬としてなされる支払の見積りは下表に示す
とおりである。
2019 年12月31日現在 支払年度
単位:百万ユーロ 2020 年 2021 年 2022 年 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 合計
変動報酬(DRNを除く) 163.9 7.4 5.8 4.2 0.2 0.1 - 181.6
3.2
DRN 16.0 17.6 4.6 1.7 0.2 0.1 43.4
合計 179.9 25.1 10.4 7.3 1.9 0.3 0.1 225.0
2018 年12月31日現在 支払年度
単位:百万ユーロ 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年 2023 年 2024 年 2025 年 合計
変動報酬(DRNを除く) 181.0 13.4 3.5 1.7 0.1 0.1 - 199.8
DRN 10.2 15.8 10.6 3.2 1.7 0.1 0.1 41.8
合計 191.2 29.2 14.2 4.9 1.8 0.2 0.1 241.6
43 その他一般管理費
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
引当金の繰入および戻入 163 262
IT およびソフトウェア費用 530 426
コンサルタント費用 388 420
広報費用 150 151
有形(無形)資産の認識中止および減損に係る損益 (4) 66
その他費用 647 865
その他一般管理費 1,874 2,190
44 減価償却費および償却費
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
有形固定資産(使用権資産を除く)の減価償却費 189 244
使用権資産の減価償却費 99 n/a
無形資産の償却費 132 144
減価償却費および償却費 420 388
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45 金融資産に係る減損費用
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
顧客および金融機関に対する貸出金および預け金 1,035 315
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 (1) (5)
償却後の回収額 (103) (117)
ローン・コミットメントおよび金融保証 44 (3)
金融資産に係る減損費用 975 190
46 規制上の賦課金
規制上の賦課金は、銀行税、銀行負担金、単一破綻処理基金に対する拠出金および預金保証制度に対する拠出
金で構成される。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
オランダの銀行税 133 139
オランダ以外 の国の銀行税 8 31
単一破綻処理基金への拠出金 206 190
預金保証基金への拠出金 137 118
規制上の賦課金 484 478
47 法人税
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
法人税
報告期間 731 727
過年度分調整 78 (26)
過年度に認識されていなかった税務上の欠損金の認識 (3) (10)
繰延税金 32 211
法人税合計 838 902
実効税率は27.6%(2018年度は23.1%)であり、オランダ法人税率を適用した結果生じる理論値とは異なる。
この差異は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
税引前営業利益 3,041 3,906
25 % 25 %
適用税率 760 977
税額の増減は以下に起因する:
非課税収益 (2.7)% (82) (2.6)% (101)
0.7 % 1.3 %
外国税率の影響 20 52
2.0 % 1.7 %
損金不算入費用 62 65
過年度に認識されていなかった税務上の欠損金の認識 (0.1)% (3) (0.3)% (10)
その他の永久差異 (1.7)% (52) (4.5)% (174)
過年度分調整 2.6% 78 (0.5)% (18)
1.3 %
税率の変更に伴う調整 (0.6)% (19) 51
2.4 % 1.5 %
その他特別税目 74 60
27.6 % 23.1 %
法人税合計 838 902
その他の永久差異は主として、資本証券に係る支払利息の控除で構成されている。
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48 関連当事者との取引
財務上もしくは経営上の決定に関して、一方の当事者が他方の当事者に対する支配力を行使している場合、ま
たは他方の当事者に対する重大な影響力を有する場合、両者は関連当事者とみなされる。通常の業務において、
ラボバンクは関係当事者との間で、貸出、預金および外貨建取引など、様々な取引を行う。また関連当事者間の
取引には、関連会社、年金基金、共同支配企業、経営委員会および監督委員会との取引も含まれる。これらの取
引は商業上の条件および市場価格に照らして行われている。IAS第24号4項に従い、グループ内取引は連結財務
諸表において開示されない。
ラボバンクの通常の業務運営においては、関連当事者との銀行取引も行われている。これには貸出、預金およ
び外貨建取引が含まれている。これらの取引は商業上の条件および市場価格に照らして行われている。関連当事
者間の取引量、期末現在の未決済残高、および対応する年間の収益および費用は、下表に示されている。経営委
員会メンバーおよび監督委員会メンバーとの取引および残高は注記50に開示されている。年金基金との取引は注
記28に開示されている。
関連会社への投資 その他の関連当事者
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
貸出金
期首残高 19 397 44 -
期中供与額 6 - 7 44
期中償還額 (6) (378) (9) -
その他 - - - -
12 月31日現在の総貸出金 19 19 42 44
控除:貸出金減損引当金 - - - -
12 月31日現在の貸出金合計 19 19 42 44
金融機関からの預金および顧客からの預金
期首残高 6,062 6,946 38 -
期中預入額 348 263 86 38
期中払出額 (390) (1,017) (77) -
その他 - (130) - -
12 月31日現在の預り金 6,020 6,062 47 38
信用関連の偶発債務 274 262 - -
収益
純受取利息 8 6 - -
純受取手数料 250 237 - -
トレーディング収益 3 - - -
その他 14 15 - -
関連当事者との取引による収益合計 275 258 - -
費用
支払利息 224 244 - -
純支払手数料 - - - -
減損 - - - -
関連当事者との取引による費用合計 224 244 - -
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49 外部監査人に係る費用
ラボバンクの独立監査法人であるプライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイ(以下
「PwC」という)ならびにそのメンバーファームおよび/または関連会社によって2019年度にラボバンクおよび
その子会社に提供された役務の費用は、以下に示すとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
PwC の他のネ PwC の他のネ
ットワーク・ ットワーク・
PwC オランダ ファーム 合 計 PwC オランダ ファーム 合 計
監査費用 8.2 7.4 15.6 9.8 7.5 17.3
監査関連費用 1.5 0.6 2.1 0.5 0.5 1.0
税務アドバイザリー費用 - 1.8 1.8 - 0.3 0.3
その他の非監査業務 - - - - 0.6 0.6
合計 9.7 9.8 19.5 10.3 8.9 19.2
上記の監査費用は、税務サービス・グループおよびアドバイザリー・グループなど、PwCおよびそのグローバ
ルネットワーク内のその他のメンバーファームによって、ラボバンクおよびその連結グループ事業体に適用され
た手続に関連するものである。当該監査費用は、財務諸表の監査に関わるものであり、かかる監査が当年度中に
行われたかどうかは問わない。
当行の独立監査法人であるプライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイは、当行およ
びその支配企業に対し、法定監査の対象期間において、法定財務諸表の監査のほか、以下のサービスを提供し
た。
独立監査法人が財務諸表監査のほかに提供したサービスの概要(EU規則537/2015、セクション10、サブセク
ション2.g)
法令上もしくは規制上の要件に基づき必要なその他の監査サービス
・支配企業および関連企業の法定監査
・欧州中央銀行に提出する規制上の財務報告書の監査
・オランダ銀行に提出するTLTRO II報告書に関する保証業務
・金融市場庁に提出するコスト・プライス・モデルに関する非監査保証業務
監査関連費用
・サステナビリティ・レポートに関する保証業務
・財務報告に係る内部統制の有効性に関する保証業務
・コスト・アロケーションに関する合意された手続
・支配企業および関連企業に対する特定目的の財務諸表監査
・資金調達取引の一環として、および、オランダ会計基準3850Nに基づき発行されたコンフォート・レター業
務
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50 監督委員会および経営委員会に係る報酬
監督委員会メンバーおよび経営委員会メンバーは、本連結財務諸表の注記 56 に記載されている。ラボバンクは
経営委員会および監督委員会のメンバーを重要な経営幹部とみなしている。経営委員会メンバーは注記42に開示
されている特定の役職員に含まれる。経営委員会のメンバーに対する 報酬は以下のとおりである。
従業員
短期給付金 退職後給付金 合計
個人年金
単位:千ユーロ 給与 その他 年金制度 拠出金
ベリー・マルティン 884 - 27 188 1,099
ヤン・ヴァン・ニーウェンハウゼン 884 - 27 188 1,099
カーステン・コンスト 800 2 27 168 997
ウィバ・ドライヤー 980 - 27 211 1,218
マリエル・リヒテンベルク 750 9 27 156 942
イコ・セィフィンガ 750 - 27 156 933
バス・ブラウワース 884 2 27 188 1,101
ペイトラ・ファン・フーケン (2019年2
月1日 辞任 ) 74 - 2 16 92
ジャニノ・フォス 650 - 27 132 809
バート・ルアース 650 - 27 132 809
エルス・デ・フロート(2019年2月1日
就任 ) 688 - 25 143 855
2019 年度合計 7,993 13 272 1,674 9,952
経営委員会現メンバー 8,116 164 260 1,707 10,247
経営委員会旧メンバー - - - - -
2018 年度合計 8,116 164 260 1,707 10,247
2019 年度末現在において、経営委員会メンバーに対するDRNの発行済口数は合計で2,761口(負債額83千ユー
ロ)である(2018年度末現在の経営委員会については2,761口)。経営委員会メンバーの年金制度は集団型確定
拠出制度に分類される。経営委員会メンバーの年金積立の基準となる2019年度の最大収入は101,745ユーロであ
る。この金額を超える収入は年金給付の対象とならない。そのため、2015年1月1日以降、経営委員会メンバー
は個人年金拠出を受け取っている。 自動車リースの取決めに対する権利が存在する。また、経営委員会メンバー
の全員を対象とする通勤および出張のための社用車に関する方針が 整備 されている。
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監督委員会の現メンバーおよび旧メンバーに関係する費用総額は1.2百万ユーロ(2018年度は1.2百万ユーロ)
であった。これにはVATおよび雇用主負担金が含まれている。この報酬は、ラボバンクの監督委員会メンバーと
しての職務に加え、各種委員会の職務にも依存している。それらの委員会の構成の詳細は年次報告書に記載され
ている。2016年10月1日現在の報酬の内訳は以下のとおりである(VATおよびその他の費用を除く)。
単位:ユーロ 報酬
メンバー 90,000
監査委員会、リスク委員会、協同組合問題委員会の委員長(追加報酬) 20,000
指名委員会、人事委員会の委員長(追加報酬) 20,000
副会長(追加報酬) 30,000
会長 220,000
下表は個々の監督委員会メンバーの報酬を示している(VATおよびその他の費用を除く)。
単位:千ユーロ 報酬額
イレネ・アッシャー・フォンク (2019年6月辞任) 38
レオ・デグレ 90
ペイトリ・ホフステー 110
アリアン・カンプ 110
ヤン・ノイヘダフト 110
ロン・ティアリンク 220
パスカル・フィゼー 90
マリヤン・トロンペッター 140
アネット・アリス(2018年12月12日就任) 90
2019 年度合計 998
2018 年度合計 992
ラボバンクでは、監督委員会の委員長は、 メンバー評議会総会議長など、 協同組合に関連する複数の職務を
担っている。
単位:百万ユーロ 経営委員会 監督委員会
貸出金、前払金および保証金 2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
1月1日現在残高 5.3 5.8 2.2 1.9
期中供与額 - - - 0.4
期中返済額 (1.1) (0.5) (0.3) (0.3)
辞任に伴う減額 - - - -
就任に伴う増額 - - - 0.2
12 月31日現在残高 4.2 5.3 1.8 2.1
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在職していた経営委員会メンバーに係る貸出金、前払金および保証金、ならびに平均金利は以下のとおりであ
る。
単位:百万ユーロ 貸付残高 平均金利(%)
2019 年12月31日現在
バス・ブラウワース - n/a
カーステン・コンスト 0.2 5.0
バート・ルアース 0.8 2.2
マリエル・リヒテンベルク 1.2 3.6
ベリー・マルティン 0.0 5.8
ヤン・ヴァン・ニーウェンハウゼン 1.2 1.9
ジャニノ・フォス 0.9 2.3
単位:百万ユーロ 貸付残高 平均金利(%)
2018 年12月31日現在
バス・ブラウワース 0.5 2.6
カーステン・コンスト 0.2 4.6
バート・ルアース 0.9 2.1
マリエル・リヒテンベルク 1.4 3.9
ベリー・マルティン 0.1 5.8
ヤン・ヴァン・ニーウェンハウゼン 1.2 2.0
ジャニノ・フォス 0.9 2.3
在職していた監督委員会メンバーに係る貸出金、前払金および保証金、ならびに平均金利は以下のとおりであ
る。
単位:百万ユーロ 貸付残高 平均金利(%)
2019 年12月31日現在
アネット・アリス - n/a
アリアン・カンプ 1.2 1.6
マリヤン・トロンペッター 0.6 2.5
単位:百万ユーロ 貸付残高 平均金利(%)
2018 年12月31日現在
アネット・アリス 0.2 5.2
アリアン・カンプ 1.3 1.7
マリヤン・トロンペッター 0.6 2.5
上表に記載されていない監督委員会メンバーは2019年度末現在において貸出金、前払金および保証金を受けて
いなかった。経営委員会メンバーおよび監督委員会メンバーを相手方とするこれらの取引は、従業員向け条件に
基づいて、および/または監督委員会メンバーについては市場金利に基づいて、本人と直接締結された。金利
は、通貨、合意された固定金利期間および取引が完了した時点または新たな固定金利が適用された時点を含む要
因によって決まる。
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監督委員会の数名のメンバーは、個人としておよび/または自身の年金B.V.を通じてラボバンク証書に投資し
ている。
監督委員会 ラボバンク証書の口数 備考
2019 年12月31日現在
イレネ・アッシャー・フォンク 14,995 2019 年 5月31日辞任
レオ・デグレ 4,836 年金B.V.
経営委員会 ラボバンク証書の口数 備考
2019 年12月31日現在
カーステン・コンスト 800
マリエル・リヒテンベルク 970
ベリー・マルティン 5,600
51 主な子会社
2019 年12月31日現在において、ラボバンク・グループは、コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーおよびオ
ランダ内外の連結子会社で構成されている。
2019 年12月31日現在 持株 議決権
主要子会社
オランダ
DLL ・インターナショナル・B.V. 100% 100%
BPD ・ヨーロッパ・B.V. 100% 100%
オプフィオン・N.V. 100% 100%
北米
ユトレヒト・アメリカ・ホールディング・インク 100% 100%
オーストラリアおよびニュージーランド
ラボバンク・オーストラリア・リミテッド 100% 100%
ラボバンク・ニュージーランド・リミテッド 100% 100%
上表記載の子会社はすべて連結されている。2019年度において当該子会社のいずれも、配当の支払または借入
金の返済および前受金の返済に重大な制約を受けることはなかった。子会社がラボバンクに配当を支払う選択
は、現地の規制上の要件、法定準備金および業績を含む様々な要因に左右される。
WRR セグメントの いくつかのストラクチャード・エンティティについては、ラボバンクが過半数の議決権を保
持している場合も連結対象外とされる。それらのストラクチャード・エンティティを連結しないのは、関連する
活動が契約に従い第三者によって管理されており、また、その変動リターンも当該第三者によって決定されてい
るためである。
ラボバンクは、過半数に満たない議決権しか保持していないものの、ベンダー・リース事業の一部として
「リース」セグメントのいくつかの事業体に対して支配権を有している。これは、支配権が当該議決権ではなく
経営参加によって決定されるためである。
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52 金融資産の譲渡および担保として提供された金融資産
52.1 リバース・レポ取引および証券借入取引
ラボバンクが締結しているリバース・レポ取引および証券借入契約は、「金融機関に対する貸出金および預け
金」または「顧客に対する貸出金および預け金」に含まれて おり、その 金額は下記のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金融機関に対する貸出金および預け金 22,703 8,743
顧客に対する貸出金および預け金 13,462 12,928
リバース・レポ取引および証券借入取引合計 36,165 21,671
リバース・レポ取引および証券借入契約の条件の下、ラボバンクは第三者に担保として再設定するまたは売却
することが可能となる条件に基づき担保を受領している。この契約条件に基づき受領した証券の公正価値総額
は、2019年12月31日現在において36,956百万ユーロ(2018年度は18,887百万ユーロ)であった。契約の条件に従
い、その証券の一部は、担保として再設定されたか、または売却された。これらの取引は、通常のリバース・レ
ポ取引および証券借入契約に基づき実行された。ほぼすべての関連するリスクおよび便益が取引相手に帰属する
ことから、当該証券は財政状態計算書において認識されていない。担保として支払われた金額と同等の価額の受
取債権が認識されている。
52.2 レポ取引および証券貸出契約
ラボバンクが締結しているレポ取引および証券貸出契約は、「金融機関からの預金」および「顧客からの預
金」に含まれて おり、その 金額は下記のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金融機関からの預金 1,522 91
顧客からの預金 32 13
レポ取引および証券貸出契約合計 1,554 104
2019 年12月31日現在、帳簿価額1,525百万ユーロ(公正価値と同額)(2018年度は92百万ユーロ)の利付証券
がレポ取引の担保として提供されていた。取引相手はこれらの証券を売却するまたは担保として再設定する権利
を保持している。これらの取引は、通常のレポ取引および証券貸出取引契約に基づき履行された。当行は、証券
の価値が変動した場合、証券または現金を担保として提供または受領することがある。信用および市場リスクを
含め、ほぼすべての関連するリスクおよび便益がラボバンクに帰属することから、当該証券の認識は中止されて
いない。担保として受け取った金額と同等の価額の負債が認識されている。
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52.3 証券化
ラボバンク・グループの財務活動および流動性管理の一環として、および信用リスクを縮小する目的で、特定
の金融資産からのキャッシュ・フローは第三者に移転される(真正売買取引)。これらの取引の対象となる金融
資産のほとんどは、その後連結される特別目的事業体に移転される住宅ローンおよび他のローン・ポートフォリ
オである。その資産は、証券化の後も引き続き、主に「顧客に対する貸出金および預け金」の項目の下でラボバ
ンク・グループの財政状態計算書において認識される。証券化資産は上記、注記2.15において言及された会計方
針に従って測定される。
自己資産の証券化に関連して移転された金融資産の帳簿価額は82,053百万ユーロ(2018年度は80,842百万ユー
ロ)で、関連する負債は80,121百万ユーロ(2018年度は78,880百万ユーロ)である。移転された資産の約72%
(2018年度は72%)は流動性の目的のために内部で証券化されている。ラボバンクがスポンサー(ニエー・アム
ステルダム)となっている資産の帳簿価額は、3,398百万ユーロ(2018年度は4,938百万ユーロ)であり、関連す
る負債は3,398百万ユーロ(2018年度は4,938百万ユーロ)であった。ラボバンクは規制上の理由から、ニエー・
アムステルダムが発行するコマーシャル・ペーパーの5%から6%を保持している。
52.4 (偶発)債務の担保として提供した金融資産の帳簿価額
下記の資産を、取引相手に保証を提供する目的で(偶発)債務の担保として提供した(レポ取引、証券貸出お
よび自己資産の証券化に係る担保を除く)。ラボバンクが債務不履行に陥った場合、取引相手は担保を用いて債
務を清算できる。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
現金および現金同等物 28 82
金融機関に対する貸出金および預け金 2,155 2,536
顧客に対する貸出金および預け金 26,017 27,499
売買目的金融資産 77 77
公正価値測定に指定した金融資産 100 126
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 3,083 4,223
担保として提供した資産合計 31,460 34,543
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53 ストラクチャード・エンティティ
53.1 連結ストラクチャード・エンティティ
ストラクチャード・エンティティは、議決権または同等の権利が、誰が事業体に対する支配力を行使している
かを判断するにあたって決定的な要因とならないように組成された事業体である。ラボバンクは、資金調達活動
や流動性管理の一貫としておよび信用リスクの低減を目的として住宅ローンおよびその他のローン・ポートフォ
リオを証券化するために、ストラクチャード・エンティティを使用している。それらの貸出金は実際にストラク
チャード・エンティティに移転される。自己資産の証券化は、オプフィオン およびDLL によって取り扱われてい
る。ラボバンクは融資枠を供与したことに加え、すべての自己資産の証券化についてスワップの相手方となって
取引を行っている。
ラボバンクは、ニエー・アムステルダム・レシーバブルズ・コーポレーションにおいてスポンサーとなってい
る。ニエー・アムステルダムは様々な通貨建のABCP(資産担保コマーシャル・ペーパー)を発行し、コマーシャ
ル・ペーパー市場を通じてラボバンクの顧客に流動性を提供している。ラボバンクは、助言を提供すると共にこ
のプログラムを管理し、ABCPを販売し、原取引およびこのプログラムそれ自体のために現金の融資枠および信用
リスク強化手段ならびにその他の融資枠を提供している。
ラボバンクは、自己資産の証券化ビークルおよびニエー・アムステルダムへの関与に関して変動的な収益に対
するエクスポージャーを有する、または当該収益に対する権利を有することから、それらの事業体を連結してい
る。さらに、ラボバンクは、それらの事業体に対する支配権を有することにより、投資家の収益金額に影響を与
える選択権も有している。
53.2 非連結ストラクチャード・エンティティ
非連結ストラクチャード・エンティティとは、ラボバンクが支配権を有していないすべてのストラクチャー
ド・エンティティを指す。それらの持分は主に、RMBS、ABSおよびCDOならびにプライベート・エクイティ持分な
ど、証券化ビークルの負債証券から成っている。それらの負債証券の金額は、ほとんど常に当該ビークルの総資
産に比較して限定的である。当該証券化ビークルは通常、発行済負債証券または信用枠で借り換えられる。
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下表は、非連結ストラクチャード・エンティティに対するラボバンクの持分の性質およびリスクを示してい
る。非連結ストラクチャード・エンティティの規模は一般に、資産および偶発債務の帳簿価額を反映する。最大
エクスポージャーは、以下の表に開示されている帳簿価額に等しい。
単位:百万ユーロ 2019 年 12月31日現在 2018 年 12月31日現在
ラボバンクが認識した資産 証券化 その他 合計 証券化 その他 合計
売買目的金融資産 - 48 48 7 52 59
公正価値測定に指定した金融資産 - - - - - -
強制的に公正価値で測定される金融資
産 41 337 378 2 267 269
デリバティブ 105 - 105 131 - 131
顧客に対する貸出金および預け金 683 - 683 798 - 798
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産 5 - 5 142 - 142
関連会社への投資 74 226 300 98 253 351
ラボバンクが認識した金融資産合計 908 611 1,519 1,178 572 1,750
ラボバンクが認識した負債
デリバティブ (4) - (4) 26 - 26
顧客預り金 233 - 233 182 - 182
ラボバンクが認識した負債合計 229 - 229 208 - 208
ラボバンクが持分を有していないスポンサー付、非連結ストラクチャード・エンティティからの利益はない
(2018年度もゼロ)。
54 後発事象
2020 年初頭 より 、コロナウイルスが 全世界 で蔓延している。経済成長および事業活動に対する影響は集団発生
の重大性に左右される。 現時点においては 顧客への影響および引当金の水準感を見積もることは不可能である。
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55 財務報告に係る内部統制に対する経営陣からの報告
ラボランクの 経営委員会 は、財務報告に係る内部統制を適正に確立し、維持する責任を負っている。経営陣に
はまた、連結財務諸表の作成とその公正な表示の責任がある。
本年次報告書の対象期間の終了時に、ラボバンクの経営陣は、最高経営責任者(CEO)および最高財務責任者
(CFO)の監督の下、両者も参加して、財務報告に係る内部統制のデザインおよび運用の有効性の評価を実施し
た。 ラボバンクの財務報告に係る内部統制は、 有効に機能した場合、一般に公正妥当と認められた会計原則 に則
り、対外開示目的での財務諸表の作成 に係る財務報告の信頼性 に関して合理的な保証を提供することを目的とし
た1つのプロセスである。
内部統制システムは、そのデザインがいかに優れていたとしても固有の限界というものがある。その固有の限
界のため、財務報告に係る内部統制では虚偽表示を防止または発見できない可能性もある。同時に、内部統制の
有効性に関するいかなる評価でも、それに基づく将来予測は、状況の変化により内部統制の措置が不十分になる
可能性があるというリスク、または方針や手続の遵守の度合いが低下する可能性があるというリスクに晒されて
いる。
経営陣は、トレッドウェイ委員会組織委員会(以下「COSO」という)が2013年に 設定 した「内部統制の統合的
枠組み」において定義された 基準 に基づき、2019年12月31日現在のラボバンクの財務報告に係る内部統制の有効
性を評価した。
その評価に基づき、 ラボバンクの経営委員会は、COSOが2013年に発表した「内部統制の統合的枠組み」におい
て定義された基準に従い、2019年12月31日現在において、すべての重要な側面において財務報告に係る内部統制
が維持されていると結論付けた。
2019 年12月31日に終了した年度のラボバンクの連結財務諸表を監査したプライスウォーターハウスクーパー
ス・アカウンタンツ・エヌ・ブイもまた、ラボバンクの財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営陣の評価
を検証した。プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイの 保証 報告書は(原文の)
239 ページ に記載されている。
ウィバ・ドライヤー バス・ブラウワース
ユトレヒト、 2020 年3月 5日
内部統制に関する上の記述は、サーベンス・オクスリー法第404条の規定される報告であると解釈すべきでは
ない。
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56 財務諸表の承認
本財務諸表は、監督委員会 および経営委員会 により2020年3月5日に署名された。本財務諸表は、2020年4月
16日開催予定のメンバー評議会総会において、株主による承認を受けるために提出する予定である。ラボバンク
の財務諸表の承認に関し定款は次のとおり定めている。「財務諸表の承認決議は、メンバー評議会総会における
有効投票の絶対多数の賛成によって成立する。」
経営委員会
ウィバ・ドライヤー、会長
バス・ブラウワース、CFO
エルス・デ・フロート、CRO
カーステン・コンスト、メンバー
バート・ルアース、メンバー
マリエル・リヒテンベルク、メンバー
ベリー・マルティン、メンバー
ヤン・ヴァン・ニーウェンハウゼン、メンバー
イコ・セィフィンガ、メンバー
ジャニノ・フォス、メンバー
監督委員会
ロン・ティアリンク、会長
マリヤン・トロンペッター、副会長
レオ・デグレ
アリアン・カンプ
ヤン・ノイヘダフト
ペイトリ・ホフステー
パスカル・フィゼー
アネット・アリス
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財政状態計算書(利益処分前)
財政状態計算書
2019年 12月31日現在 2018年12月31日現在
(利益処分前) 注記
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産
現金および中央銀行預
1 62,908 7,414,966 72,786 8,579,286
け金残高
短期政府証券 2 792 93,353 330 38,897
金融機関相互間の
22,074 2,601,862 8,238 971,013
証券取引
金融機関 に対するその
他の貸出金および預け 15,679 1,848,084 20,994 2,474,563
金
金融機関 に対する貸出
3 37,753 4,449,946 29,232 3,445,576
金および預け金
公共セクターへの
1,728 203,679 1,556 183,406
貸出金
民間セクターへの
383,336 45,183,814 369,461 43,548,368
貸出金
金融機関相互間の
13,756 1,621,420 13,120 1,546,454
証券取引
顧客に対する貸出金お
▶ 398,820 47,008,913 384,137 45,278,228
よび預け金
利付証券 5 62,653 7,384,909 67,299 7,932,533
株式 6 83 9,783 253 29,821
グループ会社に対する
7 14,077 1,659,256 13,555 1,597,728
持分
その他の持分投資 8 1,632 192,364 1,722 202,972
無形資産 9 417 49,152 419 49,388
有形固定資産 10 1,720 202,736 1,451 171,029
その他資産 11 4,505 531,004 4,180 492,697
デリバティブ 12 26,993 3,181,665 25,252 2,976,453
前払費用および
914 107,733 905 106,672
未収収益
資産合計 613,267 72,285,781 601,521 70,901,280
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2019年12月31日現在 2018年12月31日現在
注記
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
負債
金融機関相互間の
1,502 177,041 80 9,430
証券取引
金融機関 に対するその
20,356 2,399,362 19,497 2,298,111
他の負債
金融機関 預り金 14 21,858 2,576,402 19,577 2,307,541
貯蓄性預金 148,851 17,545,067 135,441 15,964,431
金融機関相互間の
32 3,772 13 1,532
証券取引
その他顧客預り金 188,393 22,205,883 191,202 22,536,980
顧客預り金 15 337,276 39,754,722 326,656 38,502,943
発行済負債証券 16 110,848 13,065,654 111,171 13,103,726
その他負債 17 59,554 7,019,630 58,785 6,928,988
デリバティブ 12 24,322 2,866,834 24,225 2,855,401
未払費用および
1,919 226,193 1,767 208,276
繰延収益
引当金 18 843 99,364 1,100 129,657
15,777 1,859,635 16,875 1,989,056
劣後債務 19
572,397 67,468,434 560,156 66,025,588
ラボバンク証書 7,449 878,014 7,445 877,542
資本証券 5,264 620,468 6,657 784,661
再評価準備金 359 42,315 199 23,456
法定準備金 (106) (12,494) (252) (29,703)
その他準備金 25,746 3,034,681 24,373 2,872,846
当期純利益 2,158 254,363 2,943 346,891
40,870 4,817,347 41,365 4,875,693
資本 20
資本および負債合計
613,267 72,285,781 601,521 70,901,280
67,437 7,948,799 64,342 7,583,992
偶発債務 28
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損益計算書
2019 年12月31日 2018 年12月31日
損益計算書 注記
に終了した年度 に終了した年度
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
受取利息 21
13,839 1,631,203 14,070 1,658,431
8,215 968,302 8,333 982,211
支払利息 21
純受取利息 21
5,624 662,901 5,737 676,220
受取手数料 22 1,902 224,189 1,856 218,767
126 14,852 135 15,912
支払手数料 22
純受取手数料 22
1,776 209,337 1,721 202,854
持分からの利益 23 890 104,904 1,889 222,656
外部取引先とのトレーディング・ポート
(23) (2,711) 87 10,255
フォリオからの利益/(損失)
グループ会社とのトレーディング・ポー
587 69,190 (465) (54,810)
トフォリオからの利益/(損失)
投資ポートフォリオからの利益/(損
97 11,433 236 27,817
失)
財務取引からの純利益
661 77,912 (142) (16,738)
165 19,449 96 11,316
その他収益
収益合計
9,116 1,074,503 9,301 1,096,309
人件費 24 3,682 433,997 3,773 444,724
その他一般管理費 1,325 156,178 1,458 171,854
350 41,255 332 39,133
減価償却費
営業費用合計
5,357 631,430 5,563 655,711
関連会社への投資に係る減損 300 35,361 - -
金融資産 に係る減損 費用 346 40,783 (3) (354)
429 50,566 428 50,448
規制上の賦課金 25
税引前営業利益
2,684 316,363 3,313 390,503
法人税 26 526 62,000 370 43,612
当期純利益 2,158 254,363 2,943 346,891
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個別財務諸表注記
1 作成基準
金融監督法第1:1条で言及されている信用機関である コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー の個別財務
諸表は、オランダで一般的に公正妥当と認められている会計方針に従って作成されており、 オランダ民法典第2
編第9章に含まれている財務報告要件を遵守している。個別財務諸表の会計方針は、オランダ民法典第2編第
362節の8に基づき、ラボバンクの連結財務諸表の作成に用いる会計方針と同一であり、連結財務諸表の注記2
「会計方針」を参照している。ただし、グループ企業に対する持分の測定が純資産価額に基づいて行われている
点が唯一の例外事項である。連結財務諸表のヘッジ会計の仕訳は、コンビネーション3(オプション3 RJ)を
利用して個別財務諸表にも適用されている。
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー、ならびにグループの一部を構成する法人事業体および会社は、協
同組合の原則に基づき事業を行う国際的な金融サービス・プロバイダーである。ラボバンクは、アムステルダム
に登記上の事務所を有し、商工会議所番号30046259として登録されている。
2 金融商品に係るリスク・エクスポージャー
ラボバンクは、組織内の様々なレベルにおいてリスク管理を実施している。最も高いレベルでは、経営委員会
(監督委員会の監理下にある)が、実施するリスク戦略、リスク選好度、方針の枠組みおよび範囲を決定してい
る。監督委員会は、ラボバンクの各業務およびポートフォリオに付随するリスクを定期的に評価している。経営
委員会のメンバーでもある最高リスク管理責任者は、ラボバンク内のリスク管理方針の責任者である。
ラボバンクは、単体レベルのリスクを連結レベルのリスクと同様に考えている。したがって、ここでは、連結
財務諸表の注記4「金融商品に係るリスク・エクスポージャー」を参照する。単体レベルの支払能力に関する追
加的な情報を以下に開示する。
支払能力
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(単体)は、法律に定められた複数の最低支払能力ポジションを遵
守しなければならない。支払能力ポジションは比率に基づいて決定される。それらの比率は、適格資本(総資本
比率)、Tier1資本(Tier1比率)および中核的自己資本(普通株等Tier1比率)をリスク調整後資産の合計額
と比較するものである。2014年1月1日より、要求される最低比率はCRD IV/CRRに基づいて決定されている。
以下の表は、CRD IV/CRRに基づく最低バッファーを示している。
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最低資本バッファー
CET 1 Tier 1 資本合計
第1の柱 4.5% 6.0% 8.0%
第2の柱 1.75% 1.75% 1.75%
資本保全バッファー 2.5% 2.5% 2.5%
コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アー(単体)のCET1比率は16.8%(2018年度は16.0%)である。
法的手続および仲裁手続
ラボバンクは、法的手続および仲裁手続にかかる単体レベル でのリスクは 連結レベル のリスクと同様に評価さ
れている 。これらの手続の説明については、連結財務諸表の注記4.10「法的手続および仲裁手続」を参照のこ
と。コーペラティブ・ラボバンク・ウー・アーに関する法的手続および仲裁手続の内訳金額は、以下のとおり
である。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
訴訟引当金 183 408
偶発債務 59 11
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財政状態計算書に関する注記
1 現金および中央銀行預け金残高
この項目は、法定通貨、ラボバンクが事業を営む外国の中央銀行に預けている要求払預金、および最低準備金
政策に基づき義務付けられているデ・ネダーランディッシュ・バンク(オランダ中央銀行)への預金で構成され
ている。
2 短期政府証券
この項目は、発行国の中央銀行が割引償還する、または担保として許容する当初満期が2年までの政府証券に
関するものである。短期政府証券の取得原価と市場価値は実質的に同じである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
トレーディング・ポートフォリオ認識分 157 35
投資ポートフォリオ認識分 635 295
短期政府証券合計 792 330
3 金融機関 に対する貸出金および預け金
この項目は、利付証券の形態である場合を除く、 金融機関 に対する貸出金および預け金を表す。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金融機関 に対する貸出金および預け金 27,806 16,648
グループ会社に対する貸出金および預け金 9,947 12,584
金融機関 に対する貸出金および預け金合計 37,753 29,232
内 劣後部分 - -
金融機関 に対する貸出金および預け金 の期間別内訳は以下のとおりである:
要求払い 18,694 11,277
3ヶ月以下 8,633 4,958
3ヶ月超1年以下 3,183 4,916
1年超5年以下 5,137 5,349
5年超 191 186
満期なし 1,915 2,546
金融機関に対する貸出金および預け金合計 37,753 29,232
有価証券の形態で 受け入れた 担保の公正価値は22,640百万ユーロ(2018年度は6,756百万ユーロ)である。
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▶ 顧客に対する貸出金および預け金
この項目は、 金融機関 からの受取債権と利付証券を除く、事業活動の一環として生じた貸出金および預け金で
構成される。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
顧客に対する貸出金および預け金の内訳:
公共セクターへの貸出金 1,728 1,556
民間セクターへの貸出金 383,336 369,461
金融機関相互間の証券取引 13,756 13,120
顧客に対する貸出金および預け金合計 398,820 384,137
この項目には、以下が含まれる:
内 グループ会社向 71,591 60,451
内 住宅ローン 224,503 229,094
トレーディング・ポートフォリオに認識された貸出金 106 147
投資ポートフォリオに認識された貸出金 206 205
損益を通じて公正価値で測定する投資ポートフォリオに認識された貸出金 1,088 1,659
償却原価で測定する貸出金 397,420 382,126
顧客に対する貸出金および預け金合計 398,820 384,137
貸出金および預け金の期間別内訳は、以下のとおりである:
要求払い 49,824 44,000
3ヶ月以下 16,892 15,526
3ヶ月超1年以下 28,914 25,280
1年超5年以下 87,977 81,897
5年超 207,470 211,099
満期なし 6,343 4,324
償却原価で測定する貸出金 397,420 382,126
貸出金(政府へのローン、リバースレポを除く)は特定の事業セクターへの
集中度に応じて次のように分類できる:
食品・農業 18% 17%
商業・工業・サービス業 29% 29%
個人セクター 53% 54%
合計 100% 100%
有価証券の形態で受け入れた担保の公正価値は14,133百万ユーロ(2018年度は12,131百万ユーロ)である。
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5 利付証券
この項目は、短期政府証券を除く利付証券である。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
以下の発行体によって発行された利付証券:
公的機関 7,877 11,414
その他の発行体 54,776 55,885
利付証券合計 62,653 67,299
利付証券の内訳:
トレーディング・ポートフォリオ 1,735 2,693
投資ポートフォリオ 60,780 64,442
損益を通じて公正価値で測定する投資ポートフォリオ 138 164
62,653 67,299
ポートフォリオには以下も含まれる:
グループ会社発行証券 50,803 51,030
ポートフォリオの上場部分 11,386 15,479
非上場証券 および グループ会社 発行証券 51,267 51,820
利付証券合計 62,653 67,299
6 株式
この項目は、その他短期投資を含む株式およびその他非利付証券により構成される。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
内訳は以下のとおりである:
投資ポートフォリオ 72 242
トレーディング・ポートフォリオ 11 11
合計 83 253
ポートフォリオのうち上場株式 11 11
ポートフォリオのうち非上場株式 72 242
合計 83 253
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7 グループ会社に対する持分
この項目には、グループ会社に対して直接保有する持分が含まれる。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
持分投資の内:
金融機関 3,853 3,630
その他 の事業体 10,224 9,925
合計 14,077 13,555
持分投資の増減:
1月1日現在の帳簿価額 13,555 13,536
期中の追加・資本参加 56 55
期中の売却、処分および清算 (3) (3)
法的 合併 - (1,240)
利益 764 1,816
配当/資本償還 (361) (332)
再評価 119 (84)
その他 (53) (193)
12 月31日現在の帳簿価額 14,077 13,555
8 その他の持分投資
この項目には、アフメア・B.V.をはじめとする関連会社に対する参加持分が含まれる。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
持分投資の内訳:
金融機関 - -
その他 の事業体 1,632 1,722
その他の持分投資合計 1,632 1,722
持分投資の増減:
1月1日現在の帳簿価額 1,722 1,745
期中の取得 29 8
期中の処分 - (1)
利益 /(損失) 123 68
再評価 94 (61)
減損 (300) -
配当 (36) (37)
12 月31日現在の帳簿価額 1,632 1,722
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9 無形資産
無形資産は主にソフトウェアから成る。
無形資産の増減‐ 2019 年 度
単位:百万ユーロ ソフトウェア
1月1日現在の帳簿価額 419
期中の取得(グループ会社向け) 77
期中の取得 150
期中の処分(グループ会社向け) (69)
期中の処分 (17)
減価償却 (117)
減損損失 (25)
為替換算差額およびその他 (1)
12 月31日現在の帳簿価額 417
減価償却累計額および減損損失累計額 1,067
のれんおよびその他無形資産の増減‐2018年度
単位:百万ユーロ のれん ソフトウェア 合計
1月1日現在の帳簿価額 2 435 437
期中の取得 - 102 102
期中の処分 (2) (44) (46)
減価償却 n/a (116) (116)
減損損失 (1) - (1)
為替換算差額およびその他 1 42 43
12 月31日現在の帳簿価額 - 419 419
減価償却累計額および減損損失累計額 3 977 980
10 有形固定資産
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
自己使用の土地・建物 1,153 1,212
設備 218 239
使用権資産 349 n/a
有形固定資産合計 1,720 1,451
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自己使用の
単位:百万ユーロ 土地・建物 設備
2019 年1月1日現在の帳簿価額 1,212 239
期中の取得 33 56
期中の処分 (2) (13)
減価償却 (92) (70)
減損損失 (10) -
減損損失の戻入 32 -
為替換算差額およびその他 (20) 6
2019 年12月31日現在の帳簿価額 1,153 218
減価償却累計額および減損損失累計額 1,182 569
自己使用の
単位:百万ユーロ 土地・建物 設備
2018 年1月1日現在の帳簿価額 1,397 303
期中の取得 30 64
期中の処分 (6) (7)
他の資産への振替 (91) -
減価償却 (90) (126)
減損損失 (85) (2)
減損損失の戻入 45 -
為替換算差額およびその他 12 7
2018 年12月31日現在の帳簿価額 1,212 239
減価償却累計額および減損損失累計額 1,188 654
11 その他資産
この項目は、当期税金資産および繰延税金資産、ならびに他の項目に分類できない資産に関するものである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
この項目の内訳は以下のとおりである:
当期税金資産 349 252
繰延税金資産 383 727
従業員給付金 ▶ 3
その他 3,769 3,198
その他資産合計 4,505 4,180
法人税上の納税主体
ラボバンクは複数の国内子会社と共に法人税上の納税主体を構成している。当該納税主体において、各参加法
人は、当該納税主体の法人税の税金負債について連帯責任を負う。
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12 デリバティブ
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
資産
この項目の内訳は以下のとおりである:
第三者とのデリバティブ契約 23,462 22,393
グループ会社とのデリバティブ契約 3,531 2,859
デリバティブ合計 26,993 25,252
負債
この項目の内訳は以下のとおりである:
第三者とのデリバティブ契約 23,951 23,794
グループ会社とのデリバティブ契約 371 431
デリバティブ合計 24,322 24,225
以下の表は、ラボバンクの第三者とのデリバティブ契約の想定元本金額ならびにプラスおよびマイナスの公正
価値を示している。
単位:百万ユーロ 想定元本金額 公正価値
2019 年 12 月 31 日現在 の残高 資産 負債
売買目的で保有するデリバティブ
金利契約 3,472,469 16,360 14,334
OTC 3,042,781 16,360 14,335
上場 429,688 - -
通貨契約 417,244 3,190 4,903
OTC 417,244 3,190 4,903
上場 - - -
クレジットデリバティブ 880 ▶ 5
その他の契約 7,853 162 173
OTC 7,853 162 173
上場 - - -
ヘッジ手段 に指定した デリバティブ
公正価値ヘッジ におけるヘッジ手段に 指定 した デリバティブ 96,855 3,723 4,517
金利契約 86,002 1,655 4,194
通貨契約 10,853 2,068 323
キャッシュ・フロー・ヘッジ におけるヘッジ手段に 指定 した
デリバティブ 187 23 19
通貨契約 187 23 19
第三者とのデリバティブ契約合計 3,995,488 23,462 23,951
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単位:百万ユーロ 想定元本金額 公正価値
2018 年 12 月 31 日現在 の残高 資産 負債
売買目的で保有するデリバティブ
金利契約 2,984,214 15,165 13,319
OTC 2,894,546 15,164 13,319
上場 89,668 1 -
通貨契約 388,586 3,917 5,068
OTC 388,586 3,917 5,068
上場 - - -
クレジットデリバティブ 1,071 2 2
その他の契約 3,629 251 224
OTC 3,629 251 224
上場 - - -
ヘッジ手段 に指定した デリバティブ
公正価値ヘッジ におけるヘッジ手段に 指定 した デリバティブ 114,455 3,052 5,169
金利契約 105,633 1,621 4,684
通貨契約 8,822 1,431 485
キャッシュ・フロー・ヘッジ におけるヘッジ手段に 指定 した
デリバティブ 86 6 12
通貨契約 86 6 12
第三者とのデリバティブ契約合計 3,492,041 22,393 23,794
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13 トレーディング・ポートフォリオおよび投資ポートフォリオ
トレーディング・ポートフォリオおよび投資ポートフォリオの内訳
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
トレーディング・ポートフォリオ
短期政府証券 157 35
顧客に対する貸出金および預け金 106 147
利付証券 1,735 2,693
株式 11 11
トレーディング・ポートフォリオ合計 2,009 2,886
投資ポートフォリオ
短期政府証券 635 295
利付証券 60,780 64,442
株式 72 242
顧客に対する貸出金および預け金 206 205
投資ポートフォリオ合計 61,693 65,184
グループ会社の投資ポートフォリオに含まれる額 50,773 50,993
投資ポートフォリオの増減
1月1日現在の残高 65,184 75,350
為替換算差額 48 71
期中の取得 2,626 1,741
期中の処分 (5,427) (11,688)
公正価値の変動 (241) (812)
その他 (497) 522
12 月31日現在の残高 61,693 65,184
投資ポートフォリオの期間別内訳は、以下のとおりである:
要求払い 187 129
3ヶ月以下 501 325
3ヶ月超1年以下 1,449 1,410
1年超5年以下 7,188 9,787
5年超 52,296 53,300
満期なし 72 233
投資ポートフォリオ合計 61,693 65,184
損益を通じて公正価値で測定する投資ポートフォリオ
利付証券 138 164
顧客に対する貸出金および預け金 1,088 1,659
損益を通じて公正価値で測定する投資ポートフォリオ合計 1,226 1,823
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14 金融機関預り金
この項目は、負債証券と劣後債務以外の、以下の金融機関に対する負債額を表す。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
預り金 17,836 15,883
グループ会社預り金 3,999 3,671
その他の持分投資取引に係る預り金 23 23
金融機関預り金合計 21,858 19,577
要求払い 7,430 4,580
3ヶ月以下 1,643 507
3ヶ月超1年以下 1,767 5,410
1年超5年以下 2,628 2,635
5年超 405 393
満期なし 7,985 6,052
金融機関預り金合計 21,858 19,577
15 顧客預り金
この項目は負債証券以外の顧客預り金で構成されている。顧客預り金には、17十億ユーロ(2018年度は、20十
億ユーロ)に上る中央銀行の投資も含まれる。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
預り金 321,244 313,000
グループ会社預り金 10,047 7,628
その他の持分投資取引に係る預り金 5,985 6,028
顧客預り金合計 337,276 326,656
その他の顧客預り金は、自然人、非営利団体・財団のすべての預金勘定および貯蓄勘定、ならびに譲渡不能の
貯蓄債券により構成されている。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
要求払い 283,628 276,748
3ヶ月以下 13,386 7,264
3ヶ月超1年以下 6,091 5,858
1年超5年以下 10,993 12,872
5年超 21,858 22,758
満期なし 1,320 1,156
顧客預り金合計 337,276 326,656
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16 発行済負債証券
この項目は、譲渡性預金証書などの非劣後債券およびその他の利付証券に関連している。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
売買可能負債証券 79,279 81,477
その他の負債証券 31,569 29,694
発行済負債証券合計 110,848 111,171
要求払い 8,596 4,414
3ヶ月以下 9,550 11,645
3ヶ月超1年以下 22,685 23,277
1年超5年以下 39,529 47,168
5年超 30,488 24,667
発行済負債証券合計 110,848 111,171
17 その他負債
この項目には、証券化した受取債権に関連する負債や当期税金、証券のショート・ポジション、人件費に係る
負債ならびに借入金など、他の項目に分類できない負債が含まれる。2019年度末現在、ラボバンクの住宅ローン
のうち約57十億ユーロが証券化されている。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
この項目の内訳は、以下のとおりである:
証券化した受取債権に関連する負債 56,653 56,206
当期税金負債 153 31
その他の負債 2,748 2,548
その他負債合計 59,554 58,785
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18 引当金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
年金制度引当金およびその他退職後給付引当金 186 178
繰延税金負債に関する引当金 2 2
ローン・コミットメントおよび金融保証に係る減損引当金 142 105
その他引当金 513 815
引当金合計 843 1,100
従業員給付引当金
従業員給付引当金は、90百万ユーロ(2018年度は76百万ユーロ)の年金制度引当金と96百万ユーロ(2018年度
は102百万ユーロ)のその他の退職後給付引当金からなる。
その他引当金
事業再構築 法務上の問題に
単位:百万ユーロ 引当金 対する引当金 その他 合計
2019 年1月1日現在の期首残高 298 408 109 815
追加 120 67 83 270
期中取崩し (128) (218) (108) (454)
解除 (29) (74) (15) (118)
2019 年12月31日現在の期末残高 261 183 69 513
2018 年1月1日現在の期首残高 283 557 159 999
追加 197 62 96 355
期中取崩し (90) (204) (112) (406)
解除 (92) (7) (34) (133)
2018 年12月31日現在の期末残高 298 408 109 815
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19 劣後債務
これは、信託優先証券の発行および劣後借入金に関連する借入金を示している。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
信託優先証券 IV の発行に係る借入金 - 390
劣後借入金 15,777 16,485
12 月31 日現在の残高 15,777 16,875
以下の表に、劣後債務の発行に関する詳細を示している。
劣後債務
想定元本
(単位:百万) 通貨 クーポンレート 発行年 償還期限
2029 年 、
500 米ドル 4.00% 2017 年 早期償還日は2024年
1,500 米ドル 3.75% 2016 年 2026 年
2025 年 、
225 豪ドル 5.00% 2015 年 早期償還日は2020年
2025 年 、
475 豪ドル 変動 2015 年 早期償還日は2020年
1,500 米ドル 4.375% 2015 年 2025 年
1,250 米ドル 5.25% 2015 年 2045 年
1,000 英ポンド 4.625% 2014 年 2029 年
2026 年 、
2,000 ユーロ 2.50% 2014 年 早期償還日は2021年
50,800 日本円 1.429% 2014 年 2024 年
1,000 ユーロ 3.875% 2013 年 2023 年
1,750 米ドル 4.625% 2013 年 2023 年
1,250 米ドル 5.75% 2013 年 2043 年
1,000 ユーロ 4.125% 2012 年 2022 年
500 英ポンド 5.25% 2012 年 2027 年
1,500 米ドル 3.95% 2012 年 2022 年
1,000 ユーロ 3.75% 2010 年 2020 年
10 ユーロ 4.21% 2005 年 2025 年
10 ユーロ 5.32% 2004 年 2024 年
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20 資本
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
この項目の内訳は以下のとおりである:
ラボバンク証書 7,449 7,445
資本証券 5,264 6,657
再評価準備金 359 199
法定準備金 (106) (252)
その他準備金 25,746 24,373
当期純利益 2,158 2,943
資本合計 40,870 41,365
ラボバンク証書
ラボバンク証書は、ラボバンクがスティヒティング・アドミニストラティーカントゥール・ラボバンク証書財
団を通じて発行する参加権を表章し、ラボバンクの普通株等Tier1資本に区分される。ラボバンク証書は2014年
からユーロネクスト・アムステルダムに上場している。
証書の合計口数は297,961,365口であり、1口当たりの額面価額は25ユーロであった。ラボバンクが発行する
参加権(およびラボバンク証書についてはAK財団を通じて発行する参加権)に関するラボバンクの実際の支払方
針は参加権規則に基づいており、その内容はラボバンクのウェブサイトで確認することが可能である。
2019 年度に支払われた証書1口当たりの分配金は1.625ユーロ(2018年度は1.625ユーロ)であった。経営委員
会は分配金を支払わない決定を下す権利を有している。支払われなかった分配金が、後日支払われることはな
い。以下の表に示されている金額は、ラボバンク証書1口当たり25ユーロの額面価額に基づいている。当期中の
ラボバンク証書の変動から生じるキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に含まれている。
ラボバンク証書
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
期中の変動:
期首残高 7,445 7,440
期中のラボバンク証書の変動口数 ▶ 5
期末残高 7,449 7,445
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資本証券
1,250 百万ユーロの発行
クーポンは年 3.25 %であり、発行日(2019年9月9日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は2019
年12月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2026年12月29日に償還可能となる。2026年12月29日時点
で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当はさらに5年間設定されるが、ステップアップはなく、5
年物ユーロスワップ金利に3.702% を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
1,000 百万ユーロの発行
クーポンは年 4.625 %であり、発行日(2018年9月11日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は
2018年12月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2025年12月29日に償還可能となる。2025年12月29日時
点で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当は5年間設定されるが、ステップアップはなく、5年物
ユーロスワップ金利に4.098% を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
1,250 百万ユーロの発行
クーポンは年6.625%であり、発行日(2016年4月26日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は
2016年6月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2021年6月29日に償還可能となる。2021年6月29日時
点で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当はさらに5年間設定されるが、ステップアップはなく、
5年物ユーロスワップ金利に6.697%を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
1,500 百万ユーロの発行
クーポンは年5.5%であり、発行日(2015年1月22日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は2015
年6月29日であった。当該資本証券は無期限であり、2020年6月29日に償還可能となる。2020年6月29日時点
で、当該資本証券が早期償還されていない場合、配当はさらに5年間設定されるが、ステップアップはなく、5
年物ユーロスワップ金利に5.25%を加えたものとなる。クーポンは、完全に自由裁量によるものである。
250 百万英ポンドの発行
クーポンは年6.91%であり、発行日(2008年6月10日)から6ヶ月ごとに後払いされる。第1回配当日は2008
年12月10日であった。2038年6月10日以降のクーポンは、6ヶ月物英ポンドLiborに年2.825%のマークアップを
加えたものとなり、6ヶ月ごとに支払われる。クーポンは、発行体の自由裁量によって支払われる。ラボバンク
証書の配当を支払わない自由裁量権をラボバンクが行使しない場合、当該商品に係る支払も適用される。
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ラボバンクが発行した資本証券のうち年度中に償還された証券
500 百万ユーロの発行
ラボバンクは2009年2月27日に500百万ユーロの資本証券を発行した。当該資本証券の条件に従い、ラボバン
クは第1回期限前償還日である2019年2月27日にこれを償還した。
2,872 百万米ドルの発行
ラボバンクは2009年6月4日に2,872百万米ドルの資本証券を発行した。当該資本証券の条件に従い、ラボバ
ンクは第1回期限前償還日である2019年6月30日にこれを償還することを選択した。
ラボバンクが計上する利益の水準が、資本証券の配当に影響する可能性がある。ラボバンク側が支払不能と
なった場合、他の債権者の権利が実質的に決定されない限り、資本証券は、ラボバンクの(現在および将来にお
ける)その他すべての債権者が有する権利より劣後する。
資本証券
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
変動は以下のとおりである:
1月1日現在の残高 6,657 5,925
資本証券の発行 1,250 1,000
資本証券の発行費用 (7) (6)
資本証券の償還 (2,666) (275)
その他 30 13
12 月31日現在の残高 5,264 6,657
再評価準備金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
再評価準備金の内訳は以下のとおりである:
キャッシュ・フロー・ヘッジ (26) (40)
利付証券 131 24
株式および非利付証券 208 185
ヘッジ・コスト 46 30
再評価準備金合計 359 199
変動は以下のとおりである:
1月1日現在の残高 199 386
会計方針の変更 - 7
為替換算差額 18 5
再評価 173 (122)
その他 52 5
損益振替額 (83) (82)
12 月31日現在の残高 359 199
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ラボバンクのキャッシュ・フロー・ヘッジは主として、為替レートの変動を原因とするキャッシュ・フローの
潜在的変動からの保護を目的とした、クロスカレンシー金利スワップによる外貨建発行債券のマージンのヘッジ
から成る。ラボバンクは、統計的な回帰分析モデルに基づき、IAS第39号のキャッシュ・フロー・ヘッジについ
てヘッジの有効性を将来に向かってと遡及的の両方で評価し、IFRS第9号のキャッシュ・フロー・ヘッジについ
ては非有効部分の発生原因を分析している。IFRS第9号のキャッシュ・フロー・ヘッジは100%有効である。
法定準備金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
法定準備金の内訳は以下のとおりである:
関連会社への投資に係る利益剰余金 315 214
内部開発ソフトウェア 321 351
為替換算差額 (742) (817)
法定準備金合計 (106) (252)
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
変動は次のとおりである:
1月1日現在の残高 (252) (359)
その他準備金から法定準備金への振替 71 (14)
為替換算差額 75 121
12 月31日現在の残高 (106) (252)
その他準備金
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
その他準備金の内訳は以下のとおりである:
年金の再測定 (170) (145)
公正価値測定に指定した金融負債に関する自己の信用リスクに起因する公正価
値の変動 (143) (31)
利益剰余金 26,059 24,549
その他準備金合計 25,746 24,373
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
年金の再測定の変動:
1月1日現在の残高 (145) (225)
年金の再測定 (25) 80
12 月31日現在の残高 (170) (145)
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
公正価値測定に指定した金融負債に関する自己の信用リスクに起因する公正価
値の変動:
1月1日現在の残高 (31) (625)
会計方針の変更 - 483
公正価値の変動 (112) 111
12 月31日現在の残高 (143) (31)
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単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
利益剰余金の変動:
1月1日現在の残高 24,549 23,583
会計方針の変更 - (475)
前期利益 2,943 2,616
第三者への分配金 (886) (1,037)
法定準備金への振替 (71) 14
再評価準備金への振替 (53) (4)
資本証券の償還 (493) (79)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の処分 71 -
その他の変動額 (1) (69)
12 月31日現在の残高 26,059 24,549
準備金はメンバー間で分配できない。ラボバンクの連結財務諸表は、ラボバンクおよび他のグループ会社の財
務データが含まれている。
ラボバンクの連結純利益は2,203百万ユーロ(2018年度は3,004百万ユーロ)、個別財務諸表におけるラボバン
クの純利益は2,158百万ユーロ(2018年度は2,943百万ユーロ)であった。差額の45百万ユーロ(2018年度は61百
万ユーロ)は、他の非支配持分による利益に該当する。
以下の表は、ラボバンクの資本金とラボバンク・グループの資本金との間の調整を示したものである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
オランダ民法典第2編第9章に基づくラボバンクの資本金 40,870 41,365
ラボバンク・グループの資本金の一部:信託優先証券IV - 389
ラボバンク・グループの資本金の一部:その他の非支配持分 477 481
IFRS に基づくグループ資本金合計(連結財務諸表に表示された金額) 41,347 42,235
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損益計算書に関する注記
21 純受取利息
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
受取利息
現金および現金同等物 370 341
金融機関に対する貸出金および預け金 370 515
顧客に対する貸出金および預け金 10,868 11,007
公正価値ヘッジ会計に利用されるデリバティブ 9 (320)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 560 778
実効金利法を用いて測定する金融資産からの受取利息 12,177 12,321
売買目的金融資産 30 36
経済的にヘッジする目的で保有されるデリバティブ 1,453 1,504
公正価値測定に指定した金融資産 - -
強制的に公正価値で測定される金融資産 27 26
マイナス金利の金融負債からの受取利息 135 172
その他 17 11
その他の受取利息 1,662 1,749
受取利息合計 13,839 14,070
支払利息
金融機関預り金 154 145
顧客預り金 4,030 4,090
発行済負債証券 2,839 2,896
売買目的金融負債 5 10
公正価値測定に指定した金融負債 164 199
劣後債務 745 729
マイナス金利の金融資産からの支払利息 268 271
その他 10 (7)
支払利息合計 8,215 8,333
純受取利息 5,624 5,737
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22 純受取手数料
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
受取手数料
支払サービス 732 698
貸出 502 512
その他金融資産の購入および売却ならびに取扱手数料 312 304
保険手数料 294 274
その他の受取手数料-グループ会社 ▶ 7
その他の受取手数料 58 61
受取手数料合計 1,902 1,856
支払手数料
支払サービス 54 52
取扱手数料 32 39
カストディアン報酬および証券サービス 8 9
その他金融資産の購入および売却 - -
その他の支払手数料-グループ会社 19 16
その他の支払手数料 13 19
支払手数料合計 126 135
純受取手数料 1,776 1,721
23 出資持分からの利益
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
株式からの受取配当 2 5
グループ会社の持分からの損益 764 1,816
その他の持分投資からの損益 123 68
持分の処分からの損益 1 -
出資持分からの利益合計 890 1,889
24 人件費
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
賃金および給与 1,914 2,006
社会保険拠出金および保険料 233 249
年金費用 352 349
研修および旅費交通費 143 157
その他の人件費 1,040 1,012
人件費合計 3,682 3,773
内部および外部の平均従業員数は35,429人(2018年度は35,771人)で、その内、オランダ国外の従業員は
3,153人(2018年度は3,340人)である。常勤換算従業員に換算した場合の内部および外部の平均従業員数は
33,529人(2018年度は33,674人)である。
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25 規制上の賦課金
規制上の賦課金は、銀行税、銀行負担金、単一破綻処理基金に対する拠出金および預金保証制度に対する拠出
金で構成される。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
オランダの銀行税 112 120
オランダ以外の国の銀行税 8 31
単一破綻処理基金への拠出金 173 161
預金保証制度への拠出金 136 116
規制上の賦課金 429 428
26 法人税
法人税の主な内訳は以下のとおりである。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
法人税
報告期間 410 371
過年度分調整 (24) (3)
繰延税金 140 2
法人税合計 526 370
実効税率 19.6% 11.2%
適用税率 25.0% 25.0%
2019 年度に生じた実効税率と適用税率との差異は、主にグループ企業からの収益の純額が含まれていることお
よび資本証券の支払利息が一部控除されていることによる。
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財務諸表に関するその他の注記
27 金融機関相互間の証券取引および当行が自由に利用できない資産
ラボバンクが締結しているリバース・レポ取引および証券借入契約は、「金融機関に対する貸出金および預け
金」または「顧客に対する貸出金および預け金」に含まれている。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金融機関に対する貸出金および預け金 22,074 8,238
顧客に対する貸出金および預け金 13,756 13,120
合計 35,830 21,358
ラボバンクが締結しているレポ取引および証券貸出契約は、「金融機関預り金」および「顧客預り金」に含ま
れている。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
金融機関預り金 1,502 80
顧客預り金 32 13
合計 1,534 93
以下の表に示す資産(金融機関相互間の証券取引を除く)は、(偶発)債務の担保として取引相手に提供され
た。仮にラボバンクが債務不履行に陥った場合、取引相手は当該担保を用いて債務を決済することができる。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
当行が自由に利用できない資産: 関連する負債の種類:
金融機関に対する貸出金および預け金 デリバティブ 2,155 2,536
顧客に対する貸出金および預け金 顧客預り金、発行済負債証券 18,809 18,667
利付証券 顧客預り金 3,260 3,286
合計 24,224 24,489
28 偶発債務
ラボバンクは、取消不能のローン・コミットメントのほか、顧客に対する金融保証やスタンドバイ信用状から
成る偶発債務を供与している。これらの契約に基づき、第三者が履行義務を果たさない場合に、ラボバンクは、
契約に基づく義務を履行するか、または受益者に対して支払を行わなければならない。以下の表は、偶発債務の
潜在的な最大発生額を示している。
単位:百万ユーロ 2019 年 2018 年
偶発債務の内訳は以下のとおりである:
金融保証 7,401 7,712
ローン・コミットメント 36,358 33,839
その他のコミットメント 23,678 22,791
偶発債務合計 67,437 64,342
内:
グループ会社への偶発債務 16,116 15,667
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債務に係る責任の引受
オランダ民法典第2編第403条に基づき、ラボバンクは以下のグループ会社に係る法律上の取引から発生する
債務の責任を引き受けている。
・ ボーデムグート・B.V.
・ デ・ラーヘ・ランデン・アメリカ・ホールディング・B.V.
・ デ・ラーヘ・ランデン・コーポレート・ファイナンス・B.V.
・ デ・ラーヘ・ランデン・ファシリティーズ・B.V.
・ デ・ラーヘ・ランデン・インターナショナル・B.V.
・ デ・ラーヘ・ランデン・ベンダーリース・B.V.
・ ラボ・ダイレクト・ フィナンシーリング ・B.V.
・ ラボ・ファクタリング・B.V.
・ ラボ・フィナンシャル・ソリューションズ・ホールディング・B.V.
・ ラボ・グルーン・バンク・B.V.
・ ラボ・リース・B.V.
・ ラボ・マーチャント・バンク・N.V.
・ ラボバンク・インターナショナル・ホールディング・B.V.
ラボバンクは、ラボ・グルーン・バンク・B.V.に係る流動性保証を発行した。
過去にラボバンクは、複数のグループ会社の負債について保証を付与してきた。これらの保証期間は終了した
が、ラボバンクは引き続き、保証期間中にそれらグループ会社が実行した債務の履行について責任を負ってい
る。
法人税上の納税主体
ラボバンクは複数の国内子会社と共に法人税上の納税主体を構成している。当該納税主体において、各参加法
人は、当該納税主体の法人税の税金負債について連帯責任を負う。
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29 主なグループ会社
2019 年度にグループ会社のいずれも、配当の支払または借入金の返済および前受金の返済に重大な制約を受け
ることはなかった。グループ会社がラボバンクに配当を支払う選択は、現地の規制上の要件、法定準備金および
業績を含む様々な要因に左右される。
2019 年 12月31日現在 持 株 議決権
主なグループ会社
オランダ
DLL ・インターナショナル・B.V. 100% 100%
BPD ・ヨーロッパ・B.V. 100% 100%
オプフィオン・N.V. 100% 100%
北 米
ユトレヒト・アメリカ・ホールディング・インク 100% 100%
オーストラリアおよびニュージーランド
ラボバンク・オーストラリア・リミテッド 100% 100%
ラボバンク・ニュージーランド・リミテッド 100% 100%
30 監督委員会および経営委員会に係る報酬
経営委員会メンバーおよび監督委員会メンバーは、本財務諸表の注記33に記載されている。経営委員会および
監督委員会のメンバーに対する報酬については、連結財務諸表の注記50「監督委員会および経営委員会に係る報
酬」に記載している。
31 ラボバンクの利益処分案
経営委員会の決議に従い、2,158百万ユーロの利益のうち、843百万ユーロが資本証券およびラボバンク証書の
保有者に支払われる。残りの利益は、ラボバンクが保有する一般準備金に繰り入れることが提案されている。
32 後発事象
2020 年初頭より、コロナウイルスが全世界で蔓延している。経済成長および事業活動に対する影響は集団発生
の重大性に左右される。現時点においては 顧客への影響および引当金の水準感を見積もることは不可能である。
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2 【主な資産・負債及び収支の内容】
ラボバンクの2019年度の連結および個別財務書類を参照。
3 【その他】
(1) 後発事象
Covid-19 の潜在的な影響
ラボバンク・グループは、従業員および事業への潜在的な影響を把握するため、現在進行中のコロナウイル
ス(Covid-19)の集団発生の動向を注視している。
2020 年5月20日、ラボバンクは、Covid-19パンデミックがラボバンクと顧客に及ぼす影響について最新情報
を提供した。現状を踏まえると、Covid-19は、ラボバンクの純利益に対して以下を含む重大な影響を及ぼす可
能性がある。
・ 資産の品質 :マクロ経済シナリオにおける変化は、IFRS第9号のステージ1および2の引当金を増加させ、
結果として減損費用の大幅な増加をもたらす。さらに、現状の前提を踏まえると、ラボバンクは、2020年度
の金融資産に係る減損費用が約2十億ユーロに上ると予想しており、これは景気循環サイクルを通じた水準
1
の2倍の上限の範囲にある 。減損費用の最終的な水準はCovid-19危機の深刻さと継続期間に依存するた
め、予測することは困難である。したがって、現在のベースラインで想定されたシナリオよりも事態が深刻
または長期化した場合、現在の予測はマイナスの影響を受ける可能性がある。
・ 財務業績 :ラボバンクは、主に減損費用の大幅な増加の結果、2020年度の純利益が多大な影響を受けること
2
を予想している 。ラボバンクは、財務業績への影響を継続的に評価しているものの、目論見書の日付時点
では、2020年度通期の純利益総額への影響を信頼性のある指標として示すことは時期尚早である。
・ 資本、資金調達および流動性 :ラボバンクは、少なくとも2020年10月1日まではラボバンク証書について分
配を行うべきでないとするECBの勧告を遵守した(下記の「ラボバンクは、Covid-19パンデミックの間、少
なくとも2020年10月までは配当金の支払いを行うべきでないとするECBの勧告を遵守している」も参照のこ
と。)。2020年3月31日現在、ラボバンクは、125%(2019年12月31日:132%)のLCR比率の強固な流動性
ポジションおよび124十億ユーロ(2019年12月31日:111十億ユーロ)の強力な流動性バッファーを有してい
る。
1 ラボ・リサーチの4月ベースライン・シナリオに基づく。このシナリオの下方修正は、2020年度の減損費用について
の現在の予測にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
2 ラボ・リサーチの4月ベースライン・シナリオに基づく。このシナリオの下方修正は、2020年度の減損費用について
の現在の予測にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
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さらに、ラボバンクは、2020年3月31日現在の民間セクター向け貸付ポートフォリオのうち約5%が、非常
に影響を受けているとみなされるものとして考えている。現在ラボバンクが特定している最重要セクターは、
食品サービス、花卉、レジャーおよびエンターテイメント、非食品リテールならびに運輸である。また、米国
における動物性たんぱく質および乳製品、砂糖ならびにホールセール取引のセクター、さらに、ラボバンクの
民間セクター向け貸付ポートフォリオのうち8%は、中程度から高程度の影響が予想されている。
上記に加え、ラボバンクは、主にDRB、WRRおよびDLLにおける金融資産に係る減損費用の大幅な増加ならび
に収益の減少の結果、2020年度の純利益がCovid-19パンデミックの影響を大きく受けることを予想している。
2020年度、ラボバンクの収益は、Covid-19パンデミック、低金利環境の継続ならびに新規事業量および経済活
動全般の減少により、マイナスの影響を受けることが予想される。
ラボバンクは、Covid-19パンデミックの間、少なくとも2020年10月までは配当金の支払いを行うべきでないと
するECBの勧告を遵守している
2020 年3月27日、ECBは、Covid-19パンデミックの間の配当金分配に関する勧告(ECB/2020/19)を採択し
た。ECBは、このような先行きが不透明な時期において経済を支える能力を維持するため、銀行が資本を保全
することは必要不可欠であると考えている。このため、ECBは、家庭、小規模事業者および法人を支援する能
力を銀行が維持することができるよう、2019年度および少なくとも2020年10月1日までの2020年度について、
銀行が配当金の分配を控えることを期待している。ECBおよびDNBによる最近の公表を受け、ラボバンクは、
2020年3月29日、6月29日および9月29日の支払予定日において、CET 1商品およびラボバンク証書について
分配金を支払わないことを決定した。
ラボバンクは2014年度の報酬問題について罰金の支払いを行った
2020 年2月13日、ラボバンクは、2014年度の国際事業における欧州報酬規則の不適切な適用について、オラ
ンダの規制当局であるDNBから2百万ユーロの罰金を科せられたことを公表した。
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(2) 訴訟
法的手続
ラボバンク・グループは、相当の訴訟リスクを引き起こす法律・規制上の環境の中で活動している。その結
果、ラボバンク・グループはオランダおよび米国など他の諸国において訴訟、仲裁および規制手続に関与して
いる。以下では、ラボバンク・グループに負債を発生させる可能性のある、最も関連性の深い法律・規制上の
訴訟について述べる。適用される報告基準に基づいて必要と考えられる場合、最新の情報に基づいて引当金を
計上する。同種の事案がまとめられており、また事案によっては多数の訴訟が含まれていることがある。個々
の事案に関する見積損失額は、(現実的な見積りを行うことができる場合でも)報告されていない。これは、
その種の情報は個々の事案の結果に悪影響を与える可能性があるとラボバンク・グループが判断しているため
である。ラボバンク・グループは、訴訟のうち、資金流出を引き起こす可能性がそうでない可能性よりも高い
(すなわち、可能性が50%を上回る)ものがどれであるかを判断するに当たり、いくつかの要因を考慮に入れ
ている。かかる要因には、訴訟の種類および根底にある事実関係、各事案の手続プロセスおよびそれまでの経
緯、法的機関および仲裁機関の判決・裁定、ラボバンク・グループの経験および類似事案に関与した第三者の
経験(既知の場合)、それまでの和解協議、類似事案における第三者の和解(既知の場合)、利用可能な補
償、ならびに法務アドバイザーおよびその他専門家の助言や意見が含まれる(がこれらに限らない)。
潜在的な見積損失額および既存の引当金は、その時点で入手可能な情報に基づくものであり、その大部分は
判断ならびに多数の異なる仮定、変数および既知・未知の不確実性を前提としている。かかる不確実性には、
ラボバンク・グループが入手可能な情報の不正確性および不完全性が含まれることがある(特に、事案の初期
段階の場合)。また、ラボバンク・グループが、将来の法的もしくはその他の事例の判決、または監督機関も
しくはラボバンク・グループの相手方が取ると見込まれた行動もしくは態度に関して立てた仮定が、誤ってい
たと判明することもある。さらに、法的紛争に関連して発生する可能性のある損失の見積りは、判断や見積り
のために一般的に使用される統計的またはその他の定量的分析手段を使用して処理することが往々にして不可
能である。そのため、それらは、当グループが判断や見積りを行うことが必要となる他の多くの領域に比べ、
不確実度がさらに高くなる。
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ラボバンク・グループが、将来的な資金流出のリスクが50%を上回ると判断する事案グループは、時間と共
に変化する。当行が潜在的な損失額を見積ることのできる事案数についても、同じことが言える。実務では、
見積りがなされたこれらの事案において、最終結果が、潜在的な見積損失額を大幅に上回ったり下回ったりす
ることがあり得る。ラボバンク・グループはまた、損失発生の可能性は高くないと思われるものの、極めて低
いわけでもなく、かつ引当金を認識していない法務リスクから損失を被ることもある。(a)資金流出が発生
する可能性が発生しない可能性よりも低い(less likely than not)ものの、ほとんどないとは言えない場
合、または(b)資金流出が発生する可能性が発生しない可能性よりも高い(more likely than not)ものの、
潜在的な損失額を見積もることができない場合、偶発債務が表示される。
ラボバンク・グループは、罰金が課される前または賠償責任が決定される前に、訴訟もしくは規制手続また
は捜査で和解することがある。和解の理由は、(i) その段階で費用および/もしくは経営陣の労力を回避した
いという判断、(ii)その他のビジネスへの悪影響の回避、ならびに/または(iii)たとえ、ラボバンク・グ
ループが自らを防御する十分な論拠があると判断した場合でも、賠償責任に関連する紛争の継続による規制・
評判上の影響を防止することなどである。さらに、ラボバンク・グループは同じ理由により、法律上要求され
ないと判断する状況でも、第三者に損失補償を行うことがある。
ラボバンクの2019年度連結財務諸表注記「4.10 法的手続および仲裁手続」を参照のこと。
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4【国際財務報告基準(IFRS)と日本における会計原則及び会計慣行の相違】
日本基準
国際財務報告基準(IFRS)
項目 (一般に公正妥当と認められる会計原則)
(2019年12月31日現在のもの)
(2019年12月31日現在のもの)
( 1 ) 表示が求められ 財務諸表で報告されるすべての金額に 前連結会計年度および当連結会計年度の財務諸
ついて、最低1会計期間分の比較情報 表を併記する。
る会計期間
を開示しなければならない。
(IAS1.38, 38A)
( 2 ) 財政状態計算書 下記の財務諸表※1、2の作成を求めて 下記の財務諸表※1の作成を求めている。
いる。