エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年4月 28日
【事業年度】 自平成 31年1月1日 至令和元年 12月31日
【会社名】 エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー
(HSBC Bank plc)
【代表者の役職氏名】 最高財務責任者 ジャック・フルーラン
(Jacques Fleurant, Chief Financ eOfficer)
【本店の所在の場所】 連合王国 E14 5HQ ロンドン市カナダ・スクエア8
(8 Canada Square, London E14 5HQ, U.K.)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 神 田 英 一
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号 パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6632-6600
【事務連絡者氏名】 弁護士 芦 澤 千 尋
弁護士 久 保 万理菜
【連絡場所】 東京都千代田区丸の内1丁目1番1号 パレスビル3階
クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 03-6632-6600
【縦覧に供する場所】 該当なし
(注)
1. 本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は下記の意味を有するものとする。
「当行」、「発行会社」または
「HSBC バンク・ピーエルシー」とは、 エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーをいう。
「当行グループ」とは、 エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーおよびその子会社
企業をいう。
「HSBC 」、「エイチエスビーシー」または エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー (以下
「HSBC グループ」とは、 「HSBC ホールディングス・ピーエルシー」ということがある。 )
およびその子会社をいう。
「英国」または「連合王国」とは、 グレート・ブリテンおよび北部アイルランド連合王国をいう。
2. 別段の記載のない限り、本書中の「ポンド」は英国スターリングポンドを、「円」は日本円を指す。 2020 年
4月1日 (日本時間 )現在における株式会社三菱 UFJ 銀行発表の対顧客電信直物売買相場のポンドの日本円
に対する仲値は、1ポンド= 133.61 円であった。本書において記載されているポンドの日本円への換算
はかかる換算率によって便宜上なされているもので、将来の換算率を表するものではない。
3. 本書の表の計数が四捨五入されている場合、合計は必ずしも計数の総和と一致しない。
4. 本書には、当行グループの財政状態、経営成績および事業に関する将来の見通しが記載されている。
歴史的事実ではない記述 (当行グループの意見および見込みに関する記載を含む。 )は、あくまで将来予
測情報である。「期待している」、「予期している」、「意図している」、「予定している」、「考えている」、
「目指している」、「見積もっている」、「潜在的」、「合理的に可能」といった用語やこれらの用語の変化形
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やこれらに類似した表現は、将来予測情報を表現することを意図している。これらの記述は、現在の計
画、見積りおよび予測に基づくものであり、したがって、これらに過度に依拠すべきではない。将来予
測情報はそれらが発せられた日のみにおけるものである。当行は当該日以降に生じた事由または存在し
た状況を反映するために将来予測情報を修正または更新する約束をしていない。
将来予測情報は、固有のリスクや不確実性を伴っている。読者においては、いくつかの要因によって、
実際上、将来予測情報において予想または示唆されていた結果とは異なる結果が生じる場合がある (大き
く異なる場合も考えられる。 )ことに注意が必要である。
5. 当行は、本書において、課税、法令および規制についていかなる助言もするものではない。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
①会社制度
本書の提出日現在、当行を規制する主たる法律的枠組みは、 2006 年会社法(その後の改正を含む)
(英国会社法 )である。英国会社法は、 2006 年11月8日に女王から裁可され、段階的に施行された。英
国会社法は、 2009 年10月1日に完全に (ただし、いくつかの限定的な対象外箇所がある )最終施行され
た。
英国会社法により、 1989 年会社法の規定により修正および補足された 1985 年会社法 (これまで連合王
国で設立された会社を規制する主たる法律的枠組みであった。 1985 年法 )は、廃止され、書き換えられ
た。英国会社法の 2009 年10月1日最終施行によって、当行を含む会社の根幹を統制する法的枠組みに
つき多くの点が変更された。
以下は、当行を含む会社に適用される英国会社法の主要規定を要約したものである。
会社の設立手続には、発起人による基本定款への署名、および通常定款の採用が含まれる。登記官
が設立証書を交付する前に、基本定款および通常定款を会社登記機関( 登記官 )に登録しなければな
らない。当行は、様々な英国会社法の制定に先立って、 1836 年8月 15日付の会社設立証書により設立
され、その後、 1862 年会社法に基づいて、当行は有限責任制を採用しない形で 1873 年に登記された。
1880 年に、 1862 年から 1879 年の会社法に基づいて株式有限責任会社として再登記された。 1891 年、
1890 年会社 (基本定款 )法の規定に従い、当行は設立証書に代えて基本定款および通常定款を採択し
た。
通常定款には、会社の内部的経営および管理に関する規則が記載される。通常定款には、法律に反
しない限り、会社の事業、業務、権利および権限ならびに株主、取締役、その他の役員および従業員
の権利および権限に関する規定を設けることができる。通常定款は、特別決議によってのみ変更する
ことができる (ただし、英国会社法に定める要件に従う )。
通常定款には通常の場合、例えば、以下の事項に関する規定が含まれる。
(a) 会社の株式に付随する権利および義務 (株式の割当、登録および名義書換ならびに株式資本の
増加および変更に関する事項を含む )
(b) 株主総会の議決および運営
(c) 取締役 (取締役の員数、借入権限を含む権限および義務、報酬、費用および利益、 利益相反の
宣言および承認にかかる手続、 その選任および解任の手続ならびに議事手続に関する事項を含
む)
(d) 会社の秘書役の選任および社印の使用
(e) 配当の宣言および支払
(f) 財務書類の作成および株主総会への提出
(g) 株主への通知手続
会社は、会社の取引を表示および説明するのに足りる会計記録を保管することを英国会社法によっ
て義務付けられている。会計記録は、 会社の取引を表示かつ説明し、当該時点の 会社の財務状態をい
かなる時にも合理的な正確性をもって表示し、かつ取締役が会社の貸借対照表および損益計算書上に
会社の状況および損益の状態が真実かつ公正に表示されていることを確認するのに足りるものでなけ
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ればならない。取締役は、事業年度ごとに、英国会社法の要件に従った貸借対照表、損益計算書およ
び注記からなる財務書類を作成しなければならない。規制市場において取引を認められた有価証券を
持つ会社が連結財務諸表を作成する場合は、 欧州連合( EU)の規則に従い、国際会計基準( IAS )を適
用した財務書類を作成しなければならず、上場会社の場合は、金融行為規制機構の要件に従った財務
書類を作成しなければならない。これらの財務書類は会計士 (会計監査人 )による会計士専門家団体が
定めた手続および基準に従った監査を受けなければならない。会計監査人は、法律により、会計監査
人の判断において、貸借対照表および損益計算書が 英国会社法 および関連ある財務報告制度 に従って
適正に作成されているかどうか、特に当該貸借対照表または損益計算書が会社 (またはグループ )のそ
の事業年度末における財務状況および当該事業年度中の損益について真実かつ公正に表示したもので
あるかどうかを記載した報告書を作成して会社に提出しなければならない。また、会計監査人は事業
年度についての取締役の報告書が当該事業年度の財務書類に合致しているか否かを検討し、合致して
いないと判断する場合には、その事実を報告書に記載しなくてはならない。小規模企業の要件を満た
す会社は、一般的な会計および監査要件の一定の免除を受けることを選択することができるが、当行
はこの要件を満たしていない。
年次財務書類は、会社の成長、実績および推移ならびに当行の環境に係る事項、従業員、社会問
題、人権、腐敗行為防止および贈賄の防止に関する事業状況の影響を理解するために必要な情報を最
低限記載した書類ならびに会 社の事業に関する公正な検討を含む取締役の報告書、戦略レポート、会
社が直面する主要なリスクおよび不確定要素に関する記載 (関連ある事業年度中の会社の事業および当
該事業年度末の事業状況の推移と実績に関する、事業のサイズおよび複雑性と一貫した平衡の取れた
かつ包括的な分析を含む )、取締役の報酬報告書 (上場会社 および 非上場ではあるが取引所での取引が
認められている会社 の場合 (当行は いずれ でもない ))ならびにかかる年次財務書類および年次報告書に
関する会計監査人の 報告書と共に株主総会に提出されなければならず、公開会社の場合には、当該財
務書類が提出される株主総会の 21日以上前に会社の株主名簿に登録された会社の全株主に送付されな
ければならない。 公開会社 (当行を含む )の場合には、財務書類が株主総会に提出され、かつ、関連あ
る事業年度末から6か月以内に登記官に提出されなければならない。さらに、当行をはじめとする大
企業の 2019 年1月1日以降に始まる会計年度に関しては、戦略レポートに、取締役が第 172 条(社員全
体の利益のために会社の成功を促進する義務)に基づく職務を遂行する際に英国会社法第 172 条第
(1)項第( a)号乃至第( f)号に定める事項をどのように考慮したかが記載されなければならない。
ロンドン証券取引所の主要市場に上場されている会社の場合 (当行はロンドン証券取引所に上場されて
いない )、財務書類は、関連ある事業年度末から4か月以内に公開されなければならない。年次報告書
および財務書類全体を提供するのではなく、英国会社法を改正する規則の下では、株主が同意する場
合は、会社は戦略レポートの写しのみを特定の補足情報と共に株主に送付することができる。
取締役の報告書には、特に英国会社法に定める一定の事項 (会社が宣言する配当に関する取締役の勧
告を含む )を記載しなければならない。通常定款には、期末配当の支払については株主総会の承認を受
けなければならない旨、株主総会は取締役がその報告書の中で勧告した金額を超えて配当を支払うこ
とを決議できない旨、および取締役が株主の承認なく中間配当を支払うことができる旨を規定するの
が通常である。英国会社法は、配当は、その配当支払いのための十分な配当可能利益 (英国会社法に定
める方法で計算する )(概ね会社の累積実現利益から累積実現損失を控除した額 )がある場合にのみ支払
うことができる旨を定めている。さらに、当行のような公開会社は、純資産が払込済資本金総額と配
当不能な準備金の合計額を下回る場合、または、配当支払により、そのおそれがある場合には、配当
を実施することを禁止されている。
②株主
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公開会社 (当行を含む )は、株主総会を少なくとも毎暦年に1回開催しなければならず、かかる株主
総会を年次株主総会という。慣例上、年次株主総会の開催の主な目的は、年次報告書および財務書類
の受領に加えて、とりわけ取締役の選任または再任、配当の支払いの承認、会計監査人の選任ならび
にその報酬額について決定することにある。また、通常定款の定めによっては、会社の取締役は年次
株主総会以外の株主総会 (単なる株主総会 )を招集することができ、一定割合の株式を保有する株主
は、取締役に対してかかる株主総会の招集を請求することができる。
会社の株式に付随する議決権および株主総会におけるその行使方法については、通常、会社の通常
定款に規定されている。
株主総会に出席し議決権を行使することのできる各株主は、関連する株主の総会に出席し、発言お
よび議決権を行使する権利のすべてまたは一部を行使することのできる代理人を総会に出席させるこ
とができる。代理人は会社の株主でなくてもよい。通常定款において、定足数および総会の議長の選
任等株主総会に関するその他の事項が定められる。
株主総会の決議のほとんどは、通常、普通決議すなわち本人または代理人により議決権を行使した
株主の単純過半数の挙手により、または投票の場合、行使された議決権の単純過半数により採択され
る。ただし、英国会社法または通常定款に定めのある場合は、通常定款の修正その他の一定の事項に
ついては、議決権の4分の3以上の多数の特別決議によらなくてはならない。
③経営および運営
公開会社には、2人以上の取締役 (うち1人は 自然人でなければならない 。)および1人以上の秘書
役を置かなければならないが、法律上それ以外の特定の役員を選任することは要求されていない。秘
書役は、英国会社法上特定の義務および責任を負い、英国会社法に定める資格を満たさなくてはなら
ない。
英国会社法または通常定款における異なる規定の対象となることを条件として、会社の取締役は会
社の運営を行う責任があり、通常の場合、会社の全権限を行使することができる。取締役は、通常の
場合、取締役会として行動し、会議により、または通常定款にその旨の定めがあるときは、書面によ
り決議する。通常の場合、取締役は、通常定款に基づき取締役により構成される委員会または業務執
行取締役に対して特定の権限を付与することができる。
通常の場合、通常定款の規定により、取締役会は包括的にまたは特定の事項に関して、会社を代表
する権限をいかなる者 (会社の従業員を含む )に対しても付与することができる。
株主は、いつでも特別な通知をもってして、普通決議 (単純多数決 )により取締役の一部または全部
を解任する権限を有する。
④新株引受権および株式の発行
英国会社法によれば、株式の割当てまたは新株引受権もしくは株式への転換権付有価証券の授与を
行うためには、取締役は、通常定款の定めまたは株主総会の普通決議による授権が必要とされる。取
締役は、通常定款の定めまたは株主総会の普通決議による授権いずれの場合においても、その授権の
下で割り当てることのできる株式の上限額を定め、授権が失効する日 (授権の有効期間は、設立時の定
款の定めによる授権の場合は設立日から、その他のすべての場合は授権決議の日から5年を超えるこ
とができない )を明示して授権を得る必要がある。
英国会社法の規定により、株主は全額現金で払い込まれる持分証券 (英国会社法に定義されている )
の割当てに関して優先的引受権を有する。ただし、かかる規定は株主による特別決議、または通常定
款により適用されないまたは修正される可能性がある。 上場会社は、典型的には、投資家保護委員会
が発行するガイドラインに準拠し、また株式発行に最大限の柔軟性を持たせるため、新株引受権の割
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当て権限およびそれに対応する不適用について1年ごとに更新するものの、 英国会社法上、かかる特
別決議による授権は5年間に限り有効である。
⑤株式に関する利害関係の調査
英国会社法は、公開会社に対して、議決権付株式につき利害関係を有すると当該会社が知っている
者または利害関係を現に有しているもしくは過去3年以内に権利を有していたと信じるに足る合理的
な理由がある者に対して、当該利害関係に関する事項の開示を要求する権利を付与している。要求さ
れた情報を提供しない場合、裁判所の決定発令後、当該株式に関する権利の剥奪、その譲渡および当
該株式に関する配当その他の支払いならびに当該株式に関する追加株式の発行の禁止を招来すること
がある。会社はまた、通常定款により (当行の通常定款も当該条項を有する )、英国会社法に基づく当
該開示義務の不履行があった場合に、かかる不履行があった株主に対し取締役会による制裁措置を課
すことができる。
(2)【提出会社の通常定款等に規定する制度】
当行は、英国法に基づいて設立されており、当行の通常定款の規定に準拠する。以下は、通常定款の
特定の規定の要約に過ぎず、通常定款のすべての規定を完全に理解するためには、通常定款を全体とし
て参照する必要がある。
2009 年10月1日、当行は通常定款を株主総会の特別決議により改正し、 (ⅰ)英国会社法第 28条によ
り、 2009 年10月1日より当行の通常定款の規定として扱われる当行の基本定款の規定を削除し、 (ⅱ)
2008 年9月 24日に当行が採択した通常定款の代替となり、それを廃止する、新しい通常定款の採択を
行った。これは、当行の経営や管理の規則が、定款変更の特別決議前のように基本定款ではなく、通常
定款にて規定されることを意味する。通常定款は、さらに、 2010 年10月20日には取締役の毎年度の再選
を導入するために、また、 2018 年11月23日には優先普通株式についての言及を削除するために改正され
た。
① 株式
(ⅰ) 資本
英国会社法は、 1985 年法による授権株式の設定義務を廃止した。したがって、 2009 年10月1日、
当行は通常定款を変更し、授権株式に関する記載を削除した。
当行の発行済株式はすべてエイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッド (HSBC
UK Holdings Limited) またはその名義人が保有している。したがって、当行株式は、いかなる証券
取引所においても上場または取引されていない。英国会社法上は、当行は「上場会社」に分類されな
い。
(ⅱ) 特別の権利
その時点で発行されている株式または種類株式の保有者に対して既に付与されている特別の権利
(これらの権利は下記「 (ⅳ) 権利の変更」に定める方法で変更または廃止することができる )を損なう
ことなく、当行の株式は、当行が通常決議により随時決定し、またはかかる決議が可決されておら
ずもしくは当該決議で明確な規定がなされない場合は取締役 (*1)が決定する通り、優先権、劣後権
もしくはその他の特別の権利または制限 (配当、議決権、資本返還またはその他のいずれに関するも
のかを問わない )を付して発行することができる。
(ⅲ) 特別の権利の付与に係る制限
ある種類株式に配当または資本返還に関する優先権が付されている場合、優先度において当該種
類株式より先順位またはそれと同順位の他の株式に配当または資本返還のいずれかに関する権利が
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付与されたことにより、 (当該種類株式の発行条件または通常定款に別段の明示的な定めがない限
り)当該種類株式の保有者の権利は変更されたものとみなす。
(ⅳ) 権利の変更
(1) 株主総会に関する通常定款のすべての規定は、株主総会が株主の請求により招集される場合
(この場合、かかる招集請求によって表明されている議事または取締役会が提案する議事を除
き、あらゆる議事は進行されてはならない )を除き、あらゆる種類株式の保有者のすべての株
主総会に準用されるものとする。かかるすべての株主総会の定足数は、当該種類の発行済株
式に係る払込済額面金額の3分の1以上を保有しまたは委任状により代理する2名の者とす
る。本人または代理人が出席している種類株式の各保有者は、投票による採決を請求するこ
とができる。かかる各保有者は、投票に際し (本(ⅳ) 第(2) 項および第 (3) 項に定める議決に関
する規定に従い )、その保有する種類株式1株につき1議決権を有するものとする。延期され
たかかる保有者の株主総会において上記の定足数を満たさなかった場合は、本人または代理
人が出席している当該種類株式の保有者1名をもって定足数とする。
(2) 特定の発行済みポンド建て優先株式に付された権利が、その他一切の発行済みのポンド建て
優先株式に付された権利と異なる場合において、
(a) それらすべてのポンド建て優先株式に付された権利が変更または廃止される何らかの事
由が発生し、かつ、
(b) それらすべてのポンド建て優先株式にかかる変更または廃止が与える影響が取締役の判
断において実質的に同等である場合、
それらすべてのポンド建て優先株式に付された権利は、額面価額にして当該すべてのポンド
建て優先株式の4分の3の保有者の書面による同意または当該すべてのポンド建て優先株式
の保有者の個別の株主総会の特別決議による承認を得て変更または廃止することができる。
本項によりかかるすべてのポンド建て優先株式の保有者の個別の株主総会が開催される場合
は、それらすべてのポンド建て優先株式が統一された一種類の株式を構成するものとみな
し、本 (ⅳ) 第(1) 項の第二文が当該株主総会に適用されるものとする (ただし、当該ポンド建
て優先株式の額面価額が異なる場合、各保有者は投票に際し、その保有するポンド建て優先
株式資本の額面金額1ポンドにつき1議決権を有するものとする )。
(3) 特定の発行済ドル建て優先株式、第二ドル建て優先株式または第三ドル建て優先株式に付さ
れた権利が、その他の発行済みのドル建て優先株式に付された権利と異なる場合において、
(a) それらすべてのドル建て優先株式に付された権利が変更または廃止される何らかの事由
が発生し、かつ、
(b) それらすべてのドル建て優先株式にかかる変更または廃止が与える影響が取締役の判断
において実質的に同等である場合、
それらすべてのドル建て優先株式に付された権利は、額面価額にして当該すべてのドル建て
優先株式の4分の3の保有者の書面による同意または当該すべてのドル建て優先株式の保有
者の個別の株主総会の決議による承認を得て変更または廃止することができる。本項により
かかるすべてのドル建て優先株式の保有者の個別の株主総会が開催される場合は、それらす
べてのドル建て優先株式が統一された一種類の株式を構成するものとみなし、本 (ⅳ) 第(1) 項
の第二文が当該株主総会に適用されるものとする (ただし、当該ドル建て優先株式の額面価額
が異なる場合、各保有者は投票に際し、その保有するドル建て優先株式の額面金額 0.01 米ド
ルにつき1議決権を有するものとする )。
(ⅴ) 取締役の裁量に一任される株式
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英国会社法および株主総会において当行から付与された関連する権限に従い、取締役会 (*2)は、
当行の未発行株式、株式を引受ける権利または有価証券を株式に転換する権利を取締役会が決定す
る者に対し、 202 5年4月 23日またはかかる権利を改めるそれより早い時期の決議の日までの間、額
面総額 353,030, 000 ポンドまたはかかる権利を改める決議において定められる額を上限として、その
決定する時期に、その決定する条件により割り当て、これらにかかるオプションを付与し、または
その他の方法でこれらを処分する一般的かつ無条件の権限を有する (ただし、いかなる株式も割引価
格にて発行することはできない )。
(ⅵ) 株券保有の権利を有する株主 (*3)
株券の保有者となった者 (当行が法律によりその者に対する株券の発行を義務付けられない者を除
く)は、割当または譲渡証書の提出後2か月以内に、 (当該株式の発行条件において別段の定めがな
い限り、 )その名義で登録されている各種類の株券の全部について株券1枚を無償で受け取る権利を
有するものとする。かかる株券にはその発行に関する株式の数、種類および識別番号 (もしあれば )
ならびに払込済金額または各金額を明記するものとする。
(ⅶ) 残余株の株券
株主が株券に含まれる株式の一部のみを譲渡した場合は、かかる株式の残余部分に対して株券1
枚を無償で受け取る権利を有するものとする。
(ⅷ) 株式の譲渡
各株主は、一般的な書式または取締役会が承認する書式に従って作成された書面による譲渡証書
をもって、その株式の全部または一部を譲渡することができる。かかる証書は譲渡人またはその代
理人、および (全額払込済みでない株式の譲渡にあっては )譲受人またはその代理人が作成するもの
とする。
② 株主総会
(ⅰ) 年次株主総会
当行は、英国会社法に従い、英国会社法第 336 条の要請に従い、株主総会を年次株主総会として開
催するものとする。かかる年次株主総会は、取締役会が決定する時期および場所にて開催されるも
のとする。
(ⅱ) 株主総会の招集
取締役会は、適切と判断するときはいつでも株主総会 (すなわち年次株主総会ではない株主総会 )
を招集することができる。株主総会はまた、株主による招集請求に基づき招集され、 (かかる招集が
行われなかった場合には )英国会社法に定める招集請求権者がこれを招集することができる。かかる
招集請求に基づきまたはかかる招集請求権者により招集された株主総会においては、当該招集請求
により定められた議事または取締役会が提案した議事を除き、いかなる議事も行わないものとす
る。
(ⅲ) 日時および場所
株主総会の開催日および開催場所は、株主総会の通知に記載されるとおり、株主総会の招集者が
決定するものとする。
年次株主総会は、 21日以上前の書面による事前の通知をもって招集するものとする。その他すべ
ての株主総会は、 14日以上の期間または法律が随時義務付けるこれより長い期間をおいた書面によ
る事前の通知をもって招集するものとする。
株主総会は、英国会社法の規定に従っていれば、前項に定めるより短い期間をもって招集された
場合でも、以下の者が同意した場合は、適正に招集されたとみなされる。
(1) 年次株主総会の場合には、当該株主総会に出席し議決する権利のあるすべての株主。
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(2) その他の株主総会の場合には、当該株主総会に出席し議決する権利のある株主の過半数の者
であって、合計で当該権利を付与する株式の額面価額の 95%以上を保有する過半数の者。
(ⅳ) 特別議事および通常議事
株主総会において処理する議事は、年次株主総会において処理する以下の議事を除き、すべて特
別議事とみなされる。
(1) 年次財務書類、当該財務書類に関する取締役報告書および監査報告書の受領および審議。
(2) 交代により退任しまたはその他の理由で辞任する取締役およびその他の役員に代わる取締役
およびその他の役員の任命または再任命。
(3) 配当の宣言。
(4) 退任する会計監査人 (当行により株主総会によらずにその直近の任命がなされた場合を除く )
の再任命および会計監査人の報酬またはかかる報酬の決定方法の決定。
(ⅴ) 定足数
(1) 英国会社法に従い、株主総会の定足数は、出席し議決権を有する株主 (本項においては、代
理人および法人代表者を含む )2名とする。株主総会において議事を進行する時点で定足数
が充足されていない限り、いかなる議事も処理してはならない。通常定款に基づく議長の選
任は、株主総会の議事の一部として取り扱われるものではなく、定足数の不充足によって妨
げられない。
(2) 株主総会の開催予定時刻から 30分(または議長が待機時間と決定したこれより長い時間 )以内
に定足数が充足されず、または当該株主総会の途中で定足数が充足されなくなった場合、当
該株主総会は、株主またはその招集請求により招集されたものである場合には解散となる。
それ以外の場合については、株主総会の議長が決定する通り、次週の同じ曜日、時刻および
場所まで延期される。延会の定足数は、出席し議決権を有する株主 (本項においては、代理
人および法人代表者を含む )1名とする。延会において開催予定時刻から5分以内に定足数
が充足されない場合、当該延会は解散するものとする。
③ 株主の議決
(ⅰ) 議決権
英国会社法の規定および株式の発行またはその時点における保有に係る議決に関する特別な条件
ならびに通常定款に基づく議決権の停止または廃止に従うことを条件とすれば、議決権については
以下のとおりである。すなわち、挙手による採決の場合出席しており (代理人による場合は含まな
い)決議に係る議決をする資格のある株主は、1議決権を有するものとし、出席している代理人の場
合は、決議に係る議決をする資格のある株主から適法に任命されている限り、1議決権を有する。
ただし、決議に係る議決をする資格のある複数の株主から任命された代理人で、1人以上の株主か
ら議決について裁量を与えられたか、相反する議決を指示された場合には、当該代理人は賛成の1
議決権と反対の1議決権を有する。また、投票の場合は、出席しており決議に係る議決をする資格
を有する各株主が、その者が保有する1株式について1議決権を有するものとする。ただし常に、
いかなる株主も、譲渡により取得した株式については、当該株主総会の通知日にその保有者として
登録されていない限り、株主総会またはその延会における議決権を有しないものとする。
(ⅱ) 議決をする権利
取締役会が別段の決定をしない限り、いかなる株主も、その保有する株式についてすべての払込
請求額またはその時点で当行に支払うべきその他の金額が支払われていない限り、本人または代理
人を問わず、株主総会またはあらゆる種類の株式の個別株主総会において決議に参加し、または株
主としての権利を行使する権利を有しないものとする。
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④ 取締役
(ⅰ) 員数
当行が通常決議により別段の決定をしない限り、取締役の員数は2名以上とし、上限を設けな
い。
(ⅱ) 報酬
取締役は、当行が株主総会において随時決定する報酬を受け取る権利を有するものとし、かかる
報酬は、株主総会において当行の特別の指図があった場合はこの指図に従うことを条件として、取
締役会決議により決定する方法で、またはかかる決定なき場合は均等に、取締役間で分配するもの
とする。ただし、後者の場合において、在職期間が1年に満たない取締役はその年に在職した期間
に応じてのみ分配を受けられるものとする。
(ⅲ) 取締役の一般的権能
英国会社法および通常定款の規定ならびに当行の特別決議による指図に従い、当行の業務は、取
締役会が運営し、取締役会は、業務の運営に関係するか否かを問わず、当行の権限をすべて行使す
ることができる。
(ⅳ) 取締役の借入れの権能
取締役会は、金銭を借り入れ、当行の事業、財産および資産 (現在または将来におけるもの )なら
びに払込未請求資本の全部または一部に譲渡抵当権または担保権を設定し、無条件であるか当行ま
たは第三者の負債、債務もしくは義務の担保であるかを問わず、英国会社法の規定に従い、ディベ
ンチャーその他の有価証券を発行する当行の権限をすべて行使することができる。
(ⅴ) 取締役の選任および退任
毎年の年次株主総会において、 (辞任、退職、解任またはその他の方法により )取締役の地位を
失った者以外の取締役は、退任する。
年次株主総会で退任する取締役は、取締役を務める意思がある場合には、再選されることができ
る。当該取締役が再選されずもしくは再任されたものとみなされず、または年次株主総会が延期と
なった場合、当該取締役は、株主総会が後任でその職に就く者を選任するまで、または株主総会の
終結時までその職に留まる。
前述の制限に従い、当行は、通常決議により、空席を補充するために、または既存の取締役会へ
の追加として、取締役を務める意思のある者を取締役に選任することができるが、取締役の総数
は、通常定款に従い設定される上限数 (もしあれば )を超えることはできない。
通常定款に従い、いずれかの者を取締役に選任する当行の権能を損なうことなく、取締役会は、
いつでも、空席を補充するために、または既存の取締役会への追加として、取締役を務める意思の
ある者を選任する権能を有するが、取締役の総数は、通常定款に従い設定される上限数 (もしあれ
ば)を超えてはならない。そのように選任された取締役は、その選任後の次の年次株主総会で退任す
るものとし、その総会で再任される資格を有する。
退任する取締役を除き、いかなる者も、取締役会により推薦されていない限り、株主総会におい
て取締役に選任または再任されないものとする。取締役は、当行の株式を保有することを要求され
ないものとする。
1回の決議により取締役として2名以上の者を選任する決議は、無効とする。ただし、そのよう
に選任する通常決議案が反対投票なしにその総会で最初に承認されている場合はこの限りではな
い。
(ⅵ)取締役の利害
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取締役会は、通常定款に従い取締役に提案された事項であって、承認されなければ英国会社法第
175 条における利益相反を回避する取締役の義務の違反となる事項を承認することができる。かかる
事項には、取締役が当行の利益と相反し、または相反する可能性のある利害を有し、または有する
可能性のある状況 (当行が活用できるか否かを問わず、財産、情報または機会の利用を含むが、利益
相反を生じさせる可能性が高いと合理的に判断することができない状況を除く )に関する事項を含む
が、これに限定されない。この規定は、当行との取引または取り決めに関連して生じる利益相反に
は適用されない。
上記の規定に基づく承認は、次の場合に限り効力を有する。
(1) 当該取締役または利害関係を有する他の取締役が定足数に数えられることなく、当該事項が
審議される会議における定足数が充足されている場合。
(2) 当該事項が、当該取締役または利害関係を有する他の取締役が票を投じることなく承認され
たか、それらの者が投じた票が数えられなかったとしても承認されていた場合。
取締役会は、 (承認時であるかそれ以後であるかを問わず、 )取締役会が明示的に課す制限または
条件を付してかかる承認を行うことができるが、かかる承認は、かかる制限または条件を除いては
最大限の効力を有する。取締役会は、いつでもかかる承認を変更しまたは終了することができる。
提案されている当行との取引または取り決めについて直接的または間接的に何らかの利害を有す
る取締役は、当行が当該取引または取り決めを締結する前に他の取締役に対して利害の性質および
範囲を申告するものとする。
当行が締結した取引または取り決めについて直接的または間接的に何らかの利害を有する取締役
は、前項に基づき当該利害が既に申告されていない限り、合理的に実行可能な限り速やかに、他の
取締役に対して利害の性質および範囲を申告するものとする。
英国会社法の規定に従うことを条件として、かつ、通常定款を遵守する場合には、取締役は、そ
の役職にかかわらず、以下を行うことができる。
(1) 当該取締役の役職もしくは有給職の任期に関し、またはベンダー、買主もしくはその他とし
て、当行との契約、取り決め、取引もしくは提案もしくは当行が別段の利害を有する契約、
取り決め、取引もしくは提案を締結し、またはこれらにおいて利害を有すること。
(2) 通常定款の他の規定に定める報酬に加えて、またはそれに代えて取締役会が取り決める報酬
その他に関する条件にて、取締役職と同時に当行の他の役職または有給職 (会計監査人 (*4)
または当行の子会社の会計監査人職を除く )を兼務すること、および本人または企業をして当
行のために専門的資格において行為すること。
(3) 当行が発起設立した会社、当行がその他の方法により権益を有する会社または当行が任命権
を有する会社の取締役またはその他の役員に在任するか、かかる会社により雇用されるか、
かかる会社との取引もしくは取り決めの当事者となるか、またはその他の方法でこれらにつ
いて権益を有すること。
取締役は、その地位にかかわらず、以下に述べる、何らかの役職、取引もしくは取り決め、また
は何らかの法人への出資により得られる報酬その他の利益について、当行に対する説明責任を負う
ものではない。
(1) その受諾、締結または存在が、通常定款に基づき取締役会で承認されたもの (ただし、いずれ
の場合にも、承認された条件に従う )。
(2) 通常定款によりそれを有することや締結することが許されているものであり、報酬その他の
利益を受けることが、英国会社法第 176 条の違反を構成するものではないもの。
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通常定款により許可されまたは認められた取引または取り決めは、報酬その他の利益を理由に無
効とされることはない。
⑤ 配当
(ⅰ)配当の宣言
英国会社法第 829 条から第 853 条までの規定および通常定款に従い、当行は通常決議により、当行
の利益に対するそれぞれの権利および持分に基づき株主に対して支払われるべき配当を宣言するこ
とができる。ただし、いかなる配当も取締役会から推奨された金額を超えないものとする。
(ⅱ)中間配当
英国会社法の規定に従い、取締役会は、当行の分配可能な利益から取締役会が正当とみなす中間
配当 (定率で支払われる一切の配当金を含む )を宣言し、支払うことができる。当行の株式資本が異
なる種類に分割されている場合はいつでも、取締役会は、当該時点において未払いの優先配当金が
存在しない限り、かかる中間配当を配当に関する優先権が付与された株式に劣後する株式に対して
も、優先株式と同様に支払うことができる。取締役会が誠実に行為することを条件として、取締役
会は、優先株式に劣後する株式に対する適法な中間配当の支払いにより優先株主が被った損失につ
いては、何ら責任を負わないものとする。
(ⅲ)配当を受ける権利
(1) 株式の発行条件または株式に付随する権利に別段の規定がない限り、すべての配当は、配当
が支払われる株式に対する払込金額 (払込請求前の払込みを除く )に基づき、宣言され、支払
われるものとする。上記に従い、すべての配当は、配当が支払われる対象期間中いずれかの
時期に払い込まれた額面金額 (普通株式の場合は、すべての全額払込済普通株式に対する払込
みとして認識される金額がこの金額として扱われる )の割合に比例して配分され、支払われ
る。ただし、株式が特定日以降の配当につき順位付けする条件に基づき発行された場合、当
該株式は、配当についてそれに応じて順位付けされる。
(2) 株式に付随する権利に別段の規定がない限り、配当はあらゆる通貨建てで宣言され、または
支払うことができる。取締役会は、いかなる株主との間においても、かかる株主の株式につ
いて随時または適宜、ある通貨建てで宣言され、または支払われるべきとされた配当が、異
なる通貨建てで支払われ、または履行されることに合意することができ、かかる配当に適用
される通貨換算基準、ならびに異なる通貨建てで支払われるべき金額の計算および支払いの
時期および方法につき、当行または上記に伴う費用を負担すべきその他一切の者のために合
意することができる。
(ⅳ)基準日
通常定款の他の規定にかかわらず、ただし、英国会社法および株式に付随する権利に従い、当行
または取締役会は、配当、分配、割当または発行の基準日として任意の日を設定することができ
る。基準日は、配当、分配、割当または発行が宣言され、行われ、もしくは支払われる当日または
その前後のいつでもよい。
本「 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」において、下記の用語は、以下の意味を有する。
*1 「取締役」とは、当行のその時点における機関としての取締役、または取締役会に出席している取
締役の定足数を意味する。
*2 「取締役会」とは、当行の取締役会を意味する。
*3 「株主」とは、当行の株主を意味する。
*4 「会計監査人」とは、当行の会計監査人を意味する。
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2【外国為替管理制度】
現在、国際連合、欧州連合、連合王国の金融制裁に関する法令、規則その他の命令により禁じられてい
る支払いまたは取引に関する規制を除き、連合王国非居住者による当行普通株式または社債の取得ならび
に連合王国非居住者に対する (ⅰ)普通株式の配当その他の分配金、 (ⅱ)普通株式の売却手取金または (ⅲ)
社債の元利金の送金について、連合王国の外国為替管理規制は存在しない。
3【課税上の取扱い】
連合王国における課税
以下の記述は、当行が発行し日本で販売された社債 (本社債 )に関する元利金およびその他の支払いに
関連する、本書提出日現在の連合王国における源泉徴収課税の取扱いについて要約したものである。本
要約は、現行法( 2020年3月14日現在(英国時間))および連合王国歳入税関庁 (歳入税関庁 )の実務に
依拠しているが、これらは将来、時には遡及的に、変更されることがある。以下の記述は、本社債の取
得、保有および処分に関する連合王国のその他の課税上の取扱いについて記述したものではない。以下
の記述は、もっぱら本社債の完全な実質保有者である者の地位に関連するものである。将来において本
社債権者となる者は、本社債の任意のシリーズに関する特定の発行条件が、当該シリーズおよび本社債
のその他のシリーズにおける課税上の取扱いに影響を及ぼす可能性があることに留意すべきである。以
下の記述は一般的な指針であり、十分な注意をもって取り扱われるべきである。以下の記述は税務上の
助言として意図したものではなく、本社債の購入希望者に関連する可能性があるすべての税務上の検討
事項について記述することを目指したものでもない。本社債権者は、自らの税務上の地位について何ら
かの疑いがある場合は、専門家に助言を求めるべきである。本社債権者が本社債の取得、保有または処
分について連合王国以外の管轄地で納税義務を負う可能性がある場合は、かかる納税義務の有無 (および
納税義務がある場合はいずれの管轄地の法律に基づいてかかる納税義務を負うか )について、専門家の助
言を求めることが特に望ましい。なぜなら、以下の記述は、本社債に関する支払いについて、もっぱら
連合王国における課税上の一定の側面を述べたものに過ぎないからである。本社債権者は特に、本社債
に関する支払いについては、たとえかかる支払いが連合王国の法律に基づく課税上の (またはこれを理由
とする )源泉徴収または控除なしに行われる場合であっても、他の管轄地の法律に基づく納税義務を負う
可能性があることに留意すべきである。
(A) 連合王国の源泉徴収税
1. 当行は、期限1年未満で発行された (かつ、本社債を合計1年以上の期間を有する借入れの一部
とする効果のある取決めに基づいて発行されたものではない )本社債についてなされる利息の支
払いについては、連合王国の所得税上の (またはこれを理由とする )源泉徴収または控除なしに行
うことができる。
2. 本社債の利払いについて は、当行が 2007 年所得税法第 878 条の目的における「銀行」であり、か
つ、かかる支払いが発行会社によりその通常の業務過程でなされる場合に限り、連合王国の所得
税上の (またはこれを理由とする )源泉徴収または控除なしに行うことができる。
3. 上記 (A) 1および (A) 2に記載する免除規定に該当しないその他すべての場合において、本社債の利
息の支払いは、基本税率 (現行では 20%)により連合王国の所得税を控除してなされるものに該当
する可能性がある。ただし、適用ある二重課税防止条約の規定または適用される可能性のあるそ
の他の免除規定に基づいた歳入税関庁からの指令に従い利用できる免除方法がある場合にはこれ
に従う。
4. 当行が約束証書に基づいて行う支払いについては、連合王国の源泉徴収税に関する上記の免除を
受ける資格はない。
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(B) 連合王国の源泉徴収税 - その他の支払い
本社債に係る支払いが、連合王国の税務目的上、利息を構成せず (または利息として扱われ
ず)、例えば、連合王国の税務目的上、年次払い、貸株料、賃貸所得もしくは類似の所得または
ロイヤルティを構成する (またはそのように扱われる )場合 (特に、本社債の最終条件書に規定す
る諸要項によって決定される )は、連合王国の源泉徴収税の対象となる可能性がある。この場合
には、連合王国の税が控除されて (源泉徴収税率は当該支払いの性質による )支払いがなされる
ものに該当する可能性がある。ただし、適用される可能性のある源泉徴収の免除規定および適
用ある二重課税防止条約の規定に基づいた歳入税関庁からの指令に従い利用できる免除方法が
ある場合には、これに従う。
(C) 連合王国の源泉徴収税に関するその他の規則
1. 本社債は、元本金額の 100 %を下回る発行価格で発行することができる。かかる本社債の割引相
当部分については、上記 (A) に記載される諸規定により、一般的に連合王国の源泉徴収税は課さ
れない。
2. 本社債が、額面を超える金額にて償還される (またはそうなる可能性がある )場合は、 (割引価格
で発行される場合とは異なり、 )かかる額面超過相当部分は、利息の支払いを構成する可能性が
ある。利息の支払いは、上記に概説した連合王国の源泉徴収税に服する。
3. 利息またはその他の支払いが、連合王国の所得税上の控除を受けて行われた場合、連合王国に居
住していない本社債権者または利札の所持人は、適用ある二重課税防止条約に適切な規定がある
ときには、控除税額の全部または一部を回復できる可能性がある。
4. 上記にいう「利息」とは、連合王国の税法上解釈される「利息」を意味する。上記においては、「利
息」または「元本」について、他の法律に基づいて有効である可能性があり、または本社債の諸要
項もしくは関連する書類によって設定される可能性がある、いかなる異なる定義も考慮に入れて
いない。本社債権者または利札の所持人は、本社債に係る支払いであって、連合王国の税法上の
解釈においては「利息」または「元本」を構成しないものに関する源泉徴収税上の取扱いについて、
各自専門家の助言を求めるべきである。
5. 「連合王国における課税」と題する上記の概要は、本社債の条項に基づいて発行会社の代替がない
ことを前提とするものであり、かかる代替があった場合の税務上の影響については考慮していな
い。
4【法律意見】
当行の法律顧問であるクリフォードチャンス・エルエルピーは、次の趣旨の法律意見書を提出してい
る。
(1) 当行は、英国法に基づいて有限責任会社として適法に設立されている。
(2) 本書 (訂正も含む。以下同様 )の「第一部 企業情報-第1 本国における法制等の概要」における記
載は、当該記載が英国法 (または租税に関しては、連合王国の租税法 )に基づく記載である限り、あ
らゆる重要な点において真実かつ正確である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
1
注記 2019 年 2017 年 2016 年
2018 年 2015 年
年間 (百万ポンド )
税引前当期純(損失)/利益 (報告ベース ) (872) 1,974 2,370 874 2,971
税引前当期純利益 (調整後 ) 2 603 2,100 3,832 4,234 4,068
正味営業収益 (予想信用損失およびその他の信用減損費
用の変動考慮前 )(報告ベース) 3 6,044 9,468 13,052 13,305 12,870
親会社株主に帰属する当期純(損失)/利益 (1,013) 1,506 1,809 (212) 1,942
期末 (百万ポンド )
親会社株主に帰属する株式資本合計 23,503 26,878 43,462 39,930 37,497
資産合計 636,491 604,958 818,868 816,829 727,941
リスク加重資産 125,413 143,875 233,073 245,237 229,382
顧客に対する貸付金 (減損引当金控除後 ) 108,391 111,964 280,402 272,760 258,506
顧客からの預金 177,236 180,836 381,546 375,252 332,830
自己資本比率 (%) 4
普通株式等 Tier 1資本比率 14.2 13.8 11.8 10.2 9.6
Tier 1比率 17.6 16.0 13.8 12.3 11.8
総資本比率 27.9 26.2 16.9 15.7 15.5
業績、効率性およびその他の比率 (年換算% )
平均普通株主資本利益率 5 (9.2) 4.2 4.4 (1.2) 5.9
有形自己資本利益率 6 0.6 5.1 N/a N/a N/a
費用率 (報告ベース ) 7 112.2 77.6 78.2 90.3 73.2
費用率 (調整後 ) 7 87.9 76.1 67.5 63.9 64.1
顧客からの預金に対する顧客に対する貸付金の比率 61.2 61.9 73.5 72.7 77.7
1 2018 年度に関する比較対象には 2018 年6月 30日までの非継続事業(エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシー)が含
まれる。
2 調整後の業績は、重要な項目の影響に係る報告数値を調整して算定されている。
3 正味営業収益(予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮前) は、収益とも言及される。
4 自己資本比率は、 下記「第3-1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の資本の項に詳述されるとおりである 。
5 平均普通株主資本利益率は、親会社株主に帰属する当期純利益を株主資本合計の平均で除したものと定義されている。 その他 Tier
1資本( AT1)に支払われた配当は、計算上税引後の数値である。
6 RoTE は、普通株主に帰属する利益(報告ベース)からのれんの変更および有効な長期保険契約の現在価値を控除の上有形株主資本
の平均で除して計算される。費用率(報告ベース)は、営業費用合計(報告ベース)を正味営業収益(予想信用損失およびその他の
信用減損費用の変動考慮前)(報告ベース)で除したものと定義されており、費用率(調整後)は、営業費用合計( 調整後 )を正味
営業収益(予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮前)(調整後)で除したものと定義されている。
7 費用率(報告ベース)は、営業費用合計( 報告 ベース)を正味営業収益( 予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮
前)(報告ベース)で除したものと定義されており、費用率(調整後)は、営業費用合計(調整後)を正味営業収益(予想信用損失
およびその他の信用減損費用の変動考慮前)(調整後)で除したものと定義されている。
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2【沿革】
当行は、登録番号 00014259 号としてイングランドおよびウェールズで登録された公開有限責任会社である。
社員は有限責任とされている。当行は、連合王国 E14 5HQ ロンドン市カナダ・スクエア8に登記上の事務所お
よび本店を置いており、電話番号は +44 20 7991 8888 である。当行は、 1836 年8月 15日付の会社設立証書に
よって設立され、 1873 年に 1862 年会社法に基づいて無限責任会社として登録された。当行は 1862 年から 1879
年の会社法に基づいて 1880 年7月1日に株式有限責任会社として再登録された。当行は、 1923 年11月27日に
「ミッドランド・バンク・リミテッド」の名称を採用し、かかる名称は、 1948 年から 1980 年の会社法に基づい
て公開有限責任会社として再登録され、「ミッドランド・バンク・ピーエルシー」に名称変更された 1982 年2
月1日まで用いられた。 1992 年12月31日に終了した年度において、ミッドランド・バンク・ピーエルシーは
HSBC ホールディングス・ピーエルシーの完全子会社になったほか、 1999 年9月 27日の特別決議によって、そ
の名称を「ミッドランド・バンク・ピーエルシー」から「 HSBC バンク・ピーエルシー」に変更した。広告におい
ては、当行の略称である「 HSBC 」を使用している。
3【事業の内容】
商品およびサービス
HSBC グループは、リテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメント( RBWM )、コマーシャル・バン
キング( CMB )、グローバル・バンキング・アンド・マーケッツ( GB&M )およびグローバル・プライベート・
バンキング( GPB )の4つの事業ならびにコーポレート・センターを通じて、商品およびサービスを運営して
いる。コーポレート・センターは、バランスシート・マネジメントを含むセントラル・トレジャリー、一定
の旧来の資産、当行グループの関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する持分ならびに中央管理費用
で構成される。
当行グループのグローバル事業部門
当行の業務運営モデルは4つのグローバル事業およびコーポレート・センターから構成されており、 HSBC オ
ペレーション・サービス・アンド・テクノロジーならびに 11のグローバル機能部門(リスク、ファイナン
ス、コンプライアンス、法務、マーケティングおよび人事を含む。)により支えられている。
現行のリテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメント( RBWM )およびグローバル・プライベー
ト・バンキング( GPB )といったグローバル事業部門は、新設されるグローバル・ビジネス・ウェルス・アン
ド・パーソナル・バンキングに統合され、 2020 年中に報告対象セグメントとなる予定である。詳細について
は、後述の「第6 -1 財務書類-財務諸表注記」の注記 34「後発事象」を参照のこと。
リテール・バンキング・アンド・ ウェルス・マネジメント (RBWM )
大陸ヨーロッパ、チャンネル諸島およびマン島において、 RBWM は、リテール・バンキング部門、ウェルス・
マネジメント部門、インシュアランス部門およびアセット・マネジメント部門を通じて、約 1.2 百万人の顧客
を、その財務ニーズに関して支援している。バンキングに対してよりシンプルなニーズを持つ顧客向けに、
RBWM は、パーソナル・バンキング、住宅ローン、貸付、クレジットカード、貯蓄、投資および保険を含む、
現地のニーズを反映した一連の商品を提供している。並行して、 RBWM は、特定の市場において、 HSBC Jade 、
Premier および Advance 、ウェルス・ソリューション業務、財務計画ならびに国際サービスを含む、様々な提
案を行っている。
RBWM において、当行グループは、支店、セルフサービス端末、電話サービスセンターおよびデジタルサービ
ス(インターネットおよびモバイル・バンキング)の4つの主要な経路を通じて顧客にサービスを提供して
いる。当行グループは、顧客とのかかわりに隔たりがあった状態から、シンプルかつ有用なソリューション
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の提供のために常に傾聴し、学び、革新し続ける世界へ移行しようとしている。当行グループは、未来の銀
行の構築に尽力するとともに、顧客、地域社会および自社の社員のニーズを満たすことに引き続き焦点を当
てる。当行グループは、経時的に株主資本利益率を上昇させるため、成長の実現を目指し、費用よりも収益
をより速いスピードで増加させることを目標としている。
コマーシャル・バンキング( CMB )
当行グループは 19の市場および地域の顧客にサービス提供をしており、その範囲は、現地の市場に焦点を当
てた小規模企業から、世界的に事業を展開する企業まで多岐に渡る。当行グループは、地域にわたり多国籍
企業を支え、ヨーロッパの企業の成功に必要なツールおよび専門性を提供する。
当行グループにおけるリレーションシップ・マネジャーおよび商品スペシャリストのネットワークは、ター
ム・ローンから地域全体でのトレジャリー業務および取引のソリューションに及ぶ顧客のニーズを満たすに
あたり、緊密に連携を取っている。当行グループは、 EUが新たな貿易協定を取り決めたことから、ヨーロッ
パの企業が変化の舵を取り、輸出の機会を捉えるための一助となるよう全力を尽くしている。
CMB は、当行グループ内において、収益面の相乗効果の主たる原動力となっている。当行グループは、 GB&M と
緊密に連携し、 CMB の顧客を支援するために資金調達業務およびアドバイザリー業務のソリューションに係る
専門知識の提供を行っている。また、 CMB 内の貿易チームは、貿易金融に係るソリューションを GB&M の顧客に
提供している。
フランスおよびドイツでの主要な業務運営ならびにフル・サービスのハブセンター(アイルランド、オラン
ダおよびスイスなど)をもって、当行グループは、ヨーロッパにおける業務運営の強化および簡素化のため
の手段を企業に対して提供している。これにより、当行グループの顧客は、自社の流動性ポジションを可視
化することができるとともに、自社の財務構造における効率性を高めることができる。当行グループの顧客
が当行グループに期待することは革新的でいることであり、運転資金の最適化を図るための売掛金の資金化
ソリューションであるか、または持続可能性に関する取組みの支援であるか否かを問わない。顧客の持続可
能性に向けた取組みの支援の一つは、当該顧客のサプライ・チェーンを通じて、売り手と買い手のどちらに
も利益をもたらすグリーン・ファイナンス・ソリューションを構築することにより行われている。
グローバル・バンキング・アンド・マーケッツ (GB&M )
HSBC グループのグローバル・バンキング・アンド・マーケッツは、英国、欧州連合ならびに当行グループの
ネットワーク市場をまたがる 20の市場で運営を行っており、顧客に地理的なリーチおよび現地に関する深い
知見を提供している。当行グループは、世界中の主要な政府、法人顧客および機関投資家顧客にそれぞれの
ニーズに合った金融ソリューションを提供している。当行グループは、グローバルに事業運営を行うことに
より、ヨーロッパの顧客基盤を通じてその他の地域にも多大な収益をもたらしている。
当行グループは、資本調達業務、トランザクション・アンド・アドバイサリー・バンキング業務、貿易業
務、リサーチ、証券業務および グローバル ・リクイディテイ・アンド・キャッシュ・マネジメント業務 に及
ぶ一連の業務を包括的に提供している。当行グループのヨーロッパのチームは、顧客の事業の具体的な成長
目標および財務目標に沿うようにカスタマイズされた金融ソリューションを提供するために、リレーション
シップ・マネジャーおよび商品のスペシャリストを集めている。当行グループは、引き続き、当行の顧客全
体のニーズを満たす、テイラーされた商品およびシームレスなサービスを提供するため、 CMB と緊密な連携を
取っていく。
当行グループの成長は、最高水準の行動基準および金融犯罪リスク管理に重点を置くことにより支えられて
いる。当行グループは、顧客関係を深化させ、 HSBC グループのグローバル事業間での相乗効果を高めること
に引き続き注力する。当行グループはプラットフォームを合理化し、顧客体験を改善する、 HSBCnet などの顧
客に重点を置いたデジタル・プログラムへの投資を継続して行う。事業分野、運営およびテクノロジーの合
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理化を通じた更なる事業の簡素化を推し進めていることから、コストに対する規律は依然として重要課題と
なっている。
グローバル・プライベート・バンキング( GPB )
当行グループは、国際バンキングに対するニーズを持った顧客を含む、チャンネル諸島およびマン島、フラ
ンスならびにドイツにおける富裕層および超富裕層の個人ならびにその家族向けにサービスを提供してい
る。
提供サービスには、投資一任業務、アドバイザリー業務および仲介業務から構成される投資管理業務ならび
に信託および相続プランニングならびにテイラーメイドの貸付業務(金融資産を担保とする貸付および高所
得者向け不動産の住宅ローン等)から構成されるプライベート・ウェルス・ソリューション業務が挙げられ
る。
当行グループは、グループ内の他のグローバル事業と連携を取り、得意企業顧客が選ぶプライベート・バン
クとなることを目指している。
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4【関係会社の状況】
(a) 当行グループの構成
組織図
2019 年12月31日現在
HSBC バンク・ピーエルシー
100%
100% 100%
100%
HSBC ジャーマ HSBC バンク・ HSBC インベス HSBC ヨー
ニー・ホール ピーエルシー トメント・バ ロッパ・
ディングス・ (パリ支店) ンク・ホール ビーブイ
ゲーエムベー ディングス・
ハー リミテッド
80.67% 99.99% 70.03%
100%
HSBC トリンカ HSBC フランス HSBC アセッ HSBC バン
ウス・アン ト・ファイナ ク・マル
ド・ブルクハ ンス (英国 )リ タ・ピーエ
ルト・アー ミテッド ルシー
ゲー
100%
HSBC ライフ (英
国)リミテッド
(注) 中間持株会社は、必ずしもすべて掲載されているわけではない。
(b) 親会社の状況:
所有する当行の
株式資本
議決権の 当行との
(201 9年12月31
会社名 所在 日現在 ) 事業の内容 割合 関係内容
エイチエスビー
連合王国 E14 5HQ
シー・ユー
ケー・ホール 150,004 ポンド 中間 持株会社 100 % 役員の兼任
ロンドン市カナ
ディングス・リ
ダ・スクエア8
ミテッド
当行の最終的な親会社は、エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーである。
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(c) 子会社の状況:
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの主要な子会社
(2019 年12月31日現在)
株式資本における HSBC
バンク・
設立国または
ピーエルシーの持分
登録国 (%)
イングランド
HSBC インベストメント・バンク・ホールディング および
ス・リミテッド ウェールズ 100.00
イングランド
および
HSBC アセット・ファイナンス (英国 )リミテッド ウェールズ 100.00
イングランド
および
HSBC ライフ (英国 )リミテッド ウェールズ 100.00
(1)
HSBC フランス フランス 99.99
HSBC トリンカウス・アンド・ブルクハルト・アー
ゲー ドイツ 80.67
HSBC バンク・マルタ・ピーエルシー マルタ 70.03
(1) 特定子会社である。
(d) その他の関連当事者:
当行の主要な関連会社および合弁 事業 における持分に関する情報については、 「第6 -1 財務書類-財務諸
表注記」 の注記 17「関連会社における持分」を参照のこと。
(e) 関連当事者の取引:
関連当事者の取引に関する情報については、「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 33「関連当事者
間取引」を参照のこと。
5【従業員の状況】
「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記5「従業員報酬および給付」を参照のこと。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
本項に含まれている将来に関する記述は、本書提出日現在の当行の考え、見通し、目的、予想および見積り
に基づいている。
目的および戦略
当行グループの目的
当行グループの目的は、成長の機会が存在する限り、かかる機会へ顧客を結びつけることである。当行グ
ループは、人々の希望と夢の成就および念願の達成のために手助けをすることにより、事業の繁栄と経済の
成長を可能にしている。
HSBC バリュー
HSBC バリューは、当行グループの組織としての在り方および当行グループを特徴づける事項を定義してい
る。
寛容性
当行グループは異なる意見および文化を進んで取り入れ、多様な見方を尊重する。
連携
当行グループは、当行グループの顧客、社会、規制当局と相互に結びついており、個人およびその成長を重
要視している。
信頼性
当行グループは信頼できる存在であり、正しいことを堅持し、約束を実行する。
当行グループの社会における役割
当行グループが、事業をどのように遂行するかは、何を遂行するかと同様に重要である。顧客、従業員およ
び株主に対する当行グループの責任ならびに 社会全体に対する責任は、単に利益を計上するだけにとどまる
ものではない。当行グループは、社会において価値を創造するために、多くの利害関係者との間に、信頼し
合いかつ長期的な関係を構築するよう努めている。
全世界の HSBC グループ
当行グループは HSBC グループの一部であり、 HSBC グループでは、約 235,000 名の従業員が、 40百万を超える顧
客の金融ニーズに応えるために、世界各地で広範囲のバンキング商品およびサービスの提供に従事してい
る。
HSBC グループの戦略
HSBC グループの目標は、深い実績を通じて、特にアジアおよび中東における急速に成長し、収益性の高い市
場において、 HSBC グループの個人、富裕層および法人の顧客を支援する、世界の大手国際銀行となることで
ある。
HSBC グループの戦略は、長期的な世界のトレンドおよび HSBC グループの戦略的優位性に支えられている。
高成長市場へのアクセスを可能にする大手国際銀行
・ HSBC グループは、卓越した国際的資産運用に関する提案をはじめ、香港、英国およびメキシコにおける
大規模なリテール・バンキング業務に支えられ、顧客資産 1.4 兆米ドルに達する盤石な富裕層向け事業を
有している。
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・ 当行グループは、貿易・決済業務およびキャッシュ・マネジメント業務で業界をリードする銀行であ
り、取引銀行業務の調整後収益は 17十億米ドルに達している。これは、世界の GDP 、貿易および資本フ
ローの約 90%を占める 64市場を結ぶ HSBC グループの国際的ネットワークに支えられている。
貸借対照表の強化
・ 多様なビジネス・モデルにより、引き続き堅固な資本、資金調達および流動性の基盤を維持。
・ 低い収益の変動性。
・ 持続的な配当の基盤;高い株主分配能力。
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーについて
2019 年12月31日現在、資産 636 十億ポンドを有する当行は、欧州最大手の銀行兼金融機関の一つである。
当行グループの顧客は、
1.3 百万名
を超えており、
当行グループが事業を展開する市場において
約18,000 名
の従業員を擁している。
欧州連合(以下「 EU」という。)に所在する
約8,000 社
の多国籍企業にパートナーとして選ばれている。
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー
エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの免許保有子会社である当行は、 2019 年10月にス
ウェーデン支店を新設し、現在 20市場で事業を展開している。当行グループのグループ会社は、顧客、規制
当局、従業員およびその他の利害関係者に対して HSBC グループを代理している。当行およびその子会社は、
主に、以下の3地域に拠点を置いている。
・ 英国:英国の非リングフェンス銀行は、一流のホールセール銀行サービスを提供しており、 HSBC グルー
プにとっては卓越したサービスを提供していく上で世界における中心的存在となっている。当行グルー
プは、顧客に絶え間なくサービスを提供できるよう、リングフェンス銀行であるエイチエスビーシー・
ユーケー・バンク・ピーエルシーと引き続き密接に協働していく。
・ 欧州連合:当行グループは、ベルギー、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、
イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、スペインおよびスウェーデンに拠点を置
き、欧州連合において広く事業を展開している。当行グループの子会社のうち、2社は、大陸ヨーロッ
パ最大の経済大国であるフランスおよびドイツに所在している。
・ ネットワーク市場:当行グループは、上記に加え、スイス、アルメニア、イスラエル、ロシア、南アフ
リカ、チャネル諸島およびマン島にも拠点を置いており、当行グループの顧客へのサービス・商品の提
供および世界とのつながりが強化されている。なお、チャネル諸島およびマン島は、財務諸表の開示
上、英国に含まれている。
当行グループの戦略
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの戦略的ビジョンは、アジアおよび中東と強いつながりを持つ
欧州の大手国際銀行となることである。当行グループは、成功および繁栄が継続するよう欧州の企業および
顧客を支援したいと願っている。 HSBC グループの国際的なネットワークおよび専門知識に加え、欧州におけ
る当行グループの広範な事業展開および能力により、当行グループは、単一市場での事業成長または国際市
場への参入の別を問わず、顧客の目的達成を支援する戦略的優位性を有している。
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーのビジネス・アップデート
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、欧州の顧客と国際的な市場とを繋ぐことにより、 HSBC グ
ループの国際的なネットワークにますます多くの重要で価値のある貢献をしている。しかしながら、世界全
体の収益の増加に拘わらず、欧州における収益は、資本コストを大きく下回っている。
HSBC グループのビジネス・アップデートの一環として、当行グループは、その強みに焦点を当てるため欧州
事業を再編し、欧州におけるリスク加重資産および費用を削減する計画である。これを達成するため、当行
グループの今後のビジネス・モデルでは、顧客基盤を欧州の主要な国際性のある顧客に集中させ、当該顧客
とアジアおよび中東との懸け橋となっていく。
英国における投資銀行業務は、英国の中規模顧客および英国においてサポートの必要な国際的な法人顧客の
支援に焦点を当てる。当行グループは、グローバル・マーケッツ業務においても、金利業務およびクレジッ
ト業務に割り当てられていた資本を削減しながら、外国為替業務に投資して発展させる計画である。ロンド
ンは、キャピタル・マーケッツでの実績および当行グループの既存の能力を活かして、今後もグローバル・
バンキング業務およびマーケッツ業務の世界拠点とする。大陸ヨーロッパでも、当行グループは、モデルを
簡素化する計画であり、当行グループの欧州大陸拠点は今後もフランスとする。
法人向け業務に加えて、当行グループは、超富裕層向けプライベート・バンキング業務に焦点を当てつつ、
当行グループの国際的な外国居住者向け商品・サービスを活用することで、富裕層にターゲットを絞った業
務を行っていく。フランスのリテール・バンキング業務についても、戦略的見直しを実施中である。エイチ
エスビーシー・フランスは引き続き、顧客に焦点を当てて、この期間中に当該顧客と協力していく。当行グ
ループの戦略的ビジョンは、以下の主要な原則に基づいている。
顧客の支援
欧州は、新興企業から大手多国籍企業まで、最も業績の高い将来性のある企業のうちのいくつかの本拠地と
なっている。欧州連合は、世界最大の貿易圏である。 HSBC グループは、多国籍企業約 8,000 社を含め、欧州に
おいてあらゆる規模の企業を支援している。当行グループは、リテール・バンキング業務、プライベート・
バンキング業務、法人向け銀行業務、投資銀行業務、取引銀行業務、外国為替業務および債券業務など、幅
広い金融サービスを提供している。当行グループは、顧客のニーズに応えるため、欧州において約 18,000 名
の従業員を擁している。
世界との繋がり
当行グループのグローバル・ネットワークにより、当行グループは、欧州に所在の顧客を世界の貿易回廊に
おける機会と結びつけることができる。欧州にとって最大の貿易回廊は、欧州の貿易総額の 35%超を占める
アジアである(出所:国際貿易センター、 2018 年現在。)。 HSBC グループは、その歴史および実績により、
アジアおよび中東の高成長市場において特権的地位を維持している。当行グループも、欧州企業にとっての
アジアおよび中東との架け橋になる高い能力を有しており、欧州における成長の機会に提供するため、アジ
アおよび中東の企業も支援している。
域内関係の強化
欧州域内においては、域内で相互に結びついたインフラや交通網、そして EUの単一市場の枠組みに支えら
れ、強固な取引関係が存在している。 EUにおける域内貿易は、年平均 4.6 %増加するとみられ(出所:国際貿
易センターおよびオックスフォード・エコノミクス、 2018 年現在。)、当行グループは、域内の顧客の繁栄
のために支援している。 20の欧州市場に配置した専門チームにより、当行グループは、伝統的な貿易金融、
ストラクチャード・トレード・ファイナンス、現金管理、決済および資金調達など、顧客のニーズに応える
ために欧州において広範な能力を有している。
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持続可能な成長の推進
欧州は、気候変動を防止するための国際的な取組みの最前線にいる。当行グループは、こうした価値を共有
し、政府および企業がすべての者のために持続可能な未来を切り開くという目的を達成できるよう支援する
ことを望んでいる。
英国の欧州連合離脱のプロセス
英国は 2020 年1月 31日付で EUを離脱し、 2020 年12月31日を最終日とする移行期間に入った。 移行期間中、英
国は、引き続き EUの法令に従うこととなる。移行期間最終日後、英国および EU間の将来的な関係が如何なる
ものとなるのかは明らかとなっていない。これにより、特に英国において市場のボラティリティおよび経済
リスクが発生している。当行グループは、 英国の EU離脱の結果、特に最も影響を受けるセクターにおいて発
生するリスクを管理すべく、引き続き規制当局、政府、顧客および従業員と連携していく。詳細情報につい
ては、 「第3-2 事業等のリスク-英国の欧州連合( EU)離脱のプロセス」を参照のこと。
自己資本
「監査済」とは、当該項がプライスウォーターハウスクーパース・エルエルピー(ただし、日本における公認
会計士または監査法人ではない。)によって監査されていることを意味する。
自己資本の概要
主要な自己資本数値
注記
12月31日現在
2019 年 2018 年
利用可能資本 (百万ポンド ) 1
普通株式等 Tier 1資本 17,791 19,831
Tier1資本 22,130 23,079
規制上の自己資本合計 34,929 37,671
リスク加重資産 (百万ポンド )
2 79,208 88,822
信用リスク
カウンターパーティ信用リスク 21,286 24,669
市場リスク 13,107 17,534
オペレーショナル ・リスク 11,812 12,850
リスク加重資産合計 125,413 143,875
自己資本比率 (%)
普通株式等 Tier 1資本 14.2 13.8
Tier 1合計 17.6 16.0
自己資本合計 27.9 26.2
レバレッジ比率 (移行措置ベース )
Tier 1資本 (百万ポンド ) 22,130 23,079
レバレッジ比率エクスポージャー合計値 (百万ポンド ) 571,302 570,001
レバレッジ比率 (%) 3.9 4.0
レバレッジ比率 (段階的適用完了ベース )
Tier 1資本 (百万ポンド ) 21,480 22,213
レバレッジ比率エクスポージャー合計値 (百万ポンド ) 571,302 570,001
レバレッジ比率 (%) 3.8 3.9
1. 2019 年12月31日現在の資本に関する数値および比率は、施行された改正後の資本要求に関する規則および指令(以下「 CRR Ⅱ」とい
う。)に従い報告されている。前期の資本に関する数値は、資本要求に関する規則および指令(以下「 CRD Ⅳ」という。)に従い移
行措置ベースで報告されている。別段の定めがない限り、数値はいずれも、資本要求に関する規則第 473 条aに規定された IFRS 第9号
「金融商品」のための EUの規制上の移行措置を用いて計算されている。
2. 上記およびその用語が使用されているすべての表における「信用リスク」は、カウンターパーティ信用リスクを除く。
資本管理
方法および方針
(監査済)
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当行グループの資本管理の目的は、当行グループの事業戦略を支援し、規制上の要件およびストレス・テス
トに関連する要件を充足するために、適切な資本水準を維持することである。
当行グループは、現行および予想される将来の要件を上回るようにするため、ならびに資本提供者への支払
優先順位を尊重するため、当行グループの資本を管理している。 2019 年中、当行グループは、英国健全性監
督機構(以下「 PRA 」という。)の自己資本比率規制(ストレス・テストに関連するものを含む。)を遵守し
た。
資本測定
PRA は、当行の監督機関であり、かつ、当行グループの主監督機関でもある。 PRA は、当行および当行グルー
プの自己資本要件を設定し、それらの自己資本充足度に関する情報を受領している。
個々の銀行子会社は、それらの所要自己資本を設定および監視する現地の銀行監督当局による規制に直接服
している。
当行グループの資本基盤に算入される資本商品はいずれも、(最終ベースで) CRD Ⅳを完全に遵守した証券
として発行された証券、または従前の PRA 一般健全性規則集に従い発行された証券のいずれかであり、 CRR Ⅱ
の適用により資本基盤に算入されることとなる。
自己資本
自己資本開示
(監査済)
2018 年12月31日
2019 年12月31日
*
現在
現在
参照
百万ポンド
百万ポンド
普通株式等 Tier 1(以下「 CET 1」という。)資本:証券および準備金
797 797
1 資本証券および関連株式剰余金勘定
797 797
-普通株式
19,272 30,668
2
利益剰余金
2,048 2,953
3
累積その他包括利益(およびその他準備金)
350 372
5
少数持分(連結 CET 1において許容される金額)
5a 独立に見直される中間純利益(予測可能な損金または配当控除
後) (3,019) (12,049)
19,448 22,741
規制上の調整前の普通株式等 Tier 1資本
6
普通株式等 Tier 1に対する規制上の調整合計額 (1,657) (2,910)
28
17,791 19,831
普通株式等 Tier 1資本
29
4,384 3,295
規制上の調整前のその他 Tier 1資本
36
(45) (47)
43 その他 Tier 1資本に対する規制上の調整合計
4,339 3,248
44
その他 Tier 1資本
22,130 23,079
45
Tier 1資本
13,229 14,995
51 規制上の調整前の Tier 2資本
(430) (403)
57 Tier 2資本に対する規制上の調整合計額
12,799 14,592
58
Tier 2資本
34,929 37,671
資本合計
59
* 参照は、適用され価値を有する、欧州銀行監督機構 (EBA) テンプレートに記載されるラインを特定する。
2019 年12月31日現在、当行の CET 1資本比率は、 2018 年12月31日現在の 13.8 %に対し 14.2 %であった。当行グ
ループの CET 1資本は、主にエイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッドに支払われた配
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当1.7 十億ポンドおよび外貨換算差異 0.5 十億ポンドにより、期中に 2.0 十億ポンド減少した。のれんの減損損
失1.2 十億ポンドは、 CET 1からの控除額の減少により相殺された。
リスク加重資産
リスク加重資産(以下「 RWAs 」という。)は、外貨換算差異による 2.1 十億ポンドの減少を含め、期中に 18.5
十億ポンド減少した。 16.4 十億ポンドの減少(外貨換算差異を除く。)は、資産の規模の縮小 9.1 十億ポン
ド、手法および方針の変更による減少 9.1 十億ポンド、ならびにモデルの更新による減少 0.6 十億ポンドで構
成されるが、資産の質の変更に起因する RWAs の増加 2.4 十億ポンドにより一部相殺された。
資産の規模
資産の規模の変動による減少 9.1 十億ポンドには、活発なポートフォリオ管理を反映した GB&M における減少
4.4 十億ポンド、コーポレート・センターにおける減少 2.1 十億ポンドおよび CMB における減少 0.9 十億ポンド
が含まれる。市場リスクが 1.9 十億ポンド減少した主な要因は、エクスポージャーの減少であった。
資産の質
資産の質の変更により RWAs が2.4 十億ポンド増加した主な要因は、 GB&M におけるポートフォリオ・ミックスの
変更であった。
モデルの更新
モデルの更新により RWAs が0.6 十億ポンド減少した主な要因は、 GB&M および CMB におけるコーポレート・モデ
ルの更新であった。
手法および方針
手法および方針の変更により RWAs が9.1 十億ポンド減少した主な要因は、 GB&M および CMB における経営陣の取
組みであった。これらには、リスク・パラメータの精査、担保認識の改善および合成証券化取引が含まれ
る。市場リスク RWAs が2.5 十億ポンド減少した主な要因は、 2019 年第1四半期に規制当局が連結の範囲拡大を
承認したことに伴う、多角化による利益の増加であった。
事業部門別、主要な要因別のリスク加重資産の変動
信用リスク、カウンターパーティ信用リスク
およびオペレーショナル ・リスク
リスク
コーポレー
市場 加重資産
ト・センター
RBWM CMB GB&M GPB リスク 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
2019 年1月1日現在の
リスク加重資産 7,032 31,910 73,874 2,012 11,513 17,534 143,875
資産の規模 46 (947) (4,406) 300 (2,140) (1,931) (9,078)
資産の質 (112 ) (191) 2,924 (195) 7 - 2,433
モデルの更新 - (269) (314) - - - (583)
手法および方針 106 (1,078) (4,703) 144 (762) (2,545) (9,126)
外国為替の変動 (193) (1,165) (611) (75) (113) 49 (2,108)
リスク加重資産の変動合計 (153) (3,650) (7,110) (114) (3,008) (4, 427) (18,462)
2019 年12月31日現在の
リスク加重資産 6,879 28,260 66,764 1,898 8,505 13,107 125,413
レバレッジ比率
資本要求に関する規則に従い計算された当行グループのレバレッジ比率は、 2019 年12月31日現在 3.8 %であ
り、 2018 年12月31日現在の 3.9 %から低下した。これは主に、 Tier 1資本の減少によるものであった。
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第三の柱の開示要件
バーゼル規制の枠組みの第三の柱は、市場規律に関連しており、リスク、資本および管理に関する広範な情
報を開示することを義務付けることで、金融機関の透明性を高めることを目指している。
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2【事業等のリスク】
当行が発行したいずれの社債の潜在的な投資家も、当行の事業および当行が事業を行う業界に関連するリス
ク要因とともに、本書におけるその他のすべての情報、とりわけ、本項に言及される、本書提出日現在にお
いて、当行の社債債務の履行能力に影響を及ぼす可能性があると当行が判断する主たるリスク要因を慎重に
検討すべきである。本「事業等のリスク」の項における「当行」への言及は、文脈上別異に解すべき場合を
除き当行とともに当行の子会社を意味するものとする。
本「事業等のリスク」の項に記載される当行に関連するリスク要因は、当行が発行する社債に投資家が投資
する際に直面する可能性のある当行に関連するすべてのリスクを網羅した一覧または説明を構成するもので
はなく、指針としてのみ利用されるべきである。当行に関連する追加的なリスクおよび不確実性で、現在当
行が知り得ていないリスク、または当行が現在重要ではないとみなしているリスクも個別にまたは累積的に
当行の事業、予測、経営成績および/または財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があり、かかるリスク
が発生した場合、当行が発行した社債の価格は下落し、投資家はその投資の全額または一部を失う可能性が
ある。
「監査済」とは、当該項がプライスウォーターハウスクーパース・エルエルピー(ただし、日本における公認
会計士または監査法人ではない。)によって監査されていることを意味する。
リスクの概要
当行グループは継続的にリスクを特定し、監視している。リスク要因およびストレス・テスト・プログラム
の結果により情報提供を受ける本プロセスは、一定の主要なリスクの分類を生み出すものである。トップリ
スク評価における変更は、当行グループの事業戦略および潜在的にはそのリスク選好に対する調整を引き起
こす可能性がある。
当行グループの銀行業務リスクには、信用リスク、資本・流動性リスク、市場リスク、レジリエンス・リス
ク、規制コンプライアンス・リスク、金融犯罪・詐欺リスクおよびモデル・リスクが含まれる。また、当行
グループには保険リスクも発生する。これら銀行業務リスクに加えて、当行グループは財務実績またはレ
ピュテーションおよび長期ビジネス・モデルの持続性に重大な影響を与える潜在的可能性のあるトップリス
クおよび新興リスクを特定している。
当行グループのリスクに対するエクスポージャーおよびそれらのリスク管理については、以下のリスクに関
する項に詳述されている。
2019 年中、当行グループはトップリスクおよび新興リスクについて多数の変更を行い、これらのリスクの当
行グループに対する影響の評価修正を反映した。
2019 年には2種類のリスクが追加された。それらは、「気候関連リスク」および「第三者リスク管理」であ
る。
リスク 軽減措置
外部要因
英国のEU離脱 英国は、2020年1月31日付でEUを離脱した。当行グループ
は、英国のEU離脱により発生したリスク、特に最も影響を受
ける産業部門において発生するリスクを管理するために、規
制当局、政府および顧客と引き続き協働する。
地政学的リスク 当行グループは、地政学的事象が当行グループの事業および
欧州全域におけるエクスポージャーに及ぼす影響を継続的に
評価しており、当行グループが今後もリスク選好度の範囲に
留まるように、必要な場合にはそれらを軽減するための措置
を講じている。当行グループはまた、テロのリスクが高い地
域に所在する当行グループの敷地の物理的な警備を強化して
きた。
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リスク 軽減措置
サイバー攻撃の脅威および 当行グループは、これまでと同様、当行グループのサイバー
システムへの不正アクセス 制御の枠組みを強化し、脅威の検出および分析、アクセス制
御、決済システム制御、データ保護、ネットワーク制御、
バックアップならびにリカバリー等、当行グループの耐久性
およびサイバー・セキュリティ能力を向上させている。
規制当局による事業遂行への 当行グループは、潜在的に不安定な顧客の取扱い、市場の監
重点的な取組み 視、従業員に対する研修および業績等、多くの分野における
当行グループの事業遂行の管理を引き続き強化した。
金融犯罪・詐欺リスク 2019 年中、当行グループは、マネーロンダリング防止および
制裁に関する能力を日常業務に取り入れるため、グローバル
基準プログラムの最終段階の実施を継続した。当行グループ
は、次世代の金融犯罪防止手法に引き続き投資しつつ、金融
犯罪リスク管理能力および金融犯罪抑制効果の強化を継続
し、高度な分析手法および人工知能を活用している。
市場非流動性および 当行グループは、リスクを注意深く監視し、非流動性および
ボラティリティ 集中によるリスクについて定期的に英国健全性監督機構
(PRA)に報告している。
IBOR から の移行 当行グループは、HSBCグループの銀行間取引金利(以下
「IBOR」という。)移行プログラムの一員である。同プログ
ラムは、代替レート参照商品を顧客に提供できるようにする
ため、当該商品をサポートするプロセスおよびシステムを開
発することによってIBORからの移行を行うことに焦点を当て
たものである。同プログラムでは、LIBORおよびEONIAを参照
する既存契約を再契約するため、提案された移行運用モデル
を開発している。当行グループは、秩序ある移行を支援する
ため、引き続き業界団体、規制当局および顧客と連携してい
く。
気候関連リスク HSBC グループは、世界的な低炭素経済への移行のための資金
を調達するため、資本の再分配の促進に努めている。 HSBC グ
ループは、この分野において進展を遂げている。当行グルー
プは、持続可能性リスクに関する方針が常に目的に適合する
よう、定期的に同方針の見直しを図っている。当行グループ
は、移行リスクが当行グループの信用ポートフォリオに及ぼ
す影響の分析を開始した。
内部要因
人的リスク 当行グループは、 当行グループの戦略および当行グループが
事業を展開している市場において新たに発生した問題に沿っ
て必要な従業員の数および能力の監視を継続している。 かか
る問題には、移民および税務に関する規則の改正ならびに業
界全体に適用される規制の改正が含まれることがある。
ITシステム・インフラストラク 当行グループは、当行グループの技術インフラ全体にわたる
チャーおよび耐久力 サービスのレジリエンスの監視および向上を積極的に実施し
ている。当行グループは、主要なプロセスの徹底したマッピ
ングを強化するとともに、問題診断/解決能力および変更実
施能力を強化し、顧客に対するサービスの障害を減少させて
いる。
執行リスク 当行グループは、重要な戦略的プロジェクト、規制関連プロ
ジェクトおよびコンプライアンス関連プロジェクトにつき、
優先順位の決定方法およびガバナンス・プロセスを引き続き
強化している。
モデル・リスク 当行グループは、第二の防衛線であるモデル・リスク管理機
能部門の強化、モデル・リスク委員会の設置によるモデルの
監視の強化およびモデル・リスク・ガバナンスの枠組みの進
化により、当行グループのモデル・リスク管理の能力および
実務を進化させた。
データ管理 当行グループは、データ・ガバナンス、データの質、デー
タ・プライバシー、データ体系、機械学習、人工知能の能力
を継続的に改善し、それらに投資することにより、データに
対する洞察力およびデータの統合ならびにデータに関する報
告および意思決定を引き続き強化し、推進している。
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リスク 軽減措置
第三者リスク管理 当行グループは、第三者リスク管理部門のガバナンスおよび
当行グループの取引相手である様々な第三者のリスクを積極
的に特定、評価、軽減および管理を監視するプロセスを引き
続き強化し、定着させている。これには、第三者との取引期
間中の統制の監視および保証が含まれる。
2019 年中に高まったリスク
201 8年と同水準にとどまったリスク
2019年に追加された新たなリスク
リスク
当行グループのリスク選好
創業以来、HSBCグループは、HSBCグループの戦略および事業目的に沿って開発したリスク・プロファイルを
維持してきた。
当行グループの認識するリスク管理の主要な役割は、当行グループの戦略をサポートし、持続可能な成長を
実現する一方で、当行グループの事業、顧客、従業員および利害関係者ならびに当行グループがサービスを
提供している地域社会を保護することである。
当行グループは、リスク・カルチャー、すなわちリスクの認知、負担および管理に対する姿勢を形成する共
通の態度、価値感および規範を強固なものとすることが重要であると長きにわたり認識してきた。従業員は
いずれも、リスクを管理する責任を負っているが、最終的な責任は取締役会が負っている。
以下に掲げる原則は、当行グループの包括的なリスク選好を示したものであり、当行グループの事業および
リスクを管理する方法を決定している。
財政状態
・ 規制上および内部の自己資本比率によって定義される盤石な資本ポジション
・ グループ会社ごとに独立した流動性および資金調達管理。
運用モデル
・ 当行グループのリスク選好度および盤石なリスク管理能力に沿った収益の獲得を目指す。
・ 株主のために持続可能な収益および適切な利益分配の実現を目指す。
ビジネス・プラクティス
・ 予想可能なレピュテーション・リスクまた は損害を想定していない、および/または軽減していない場
合、いかなる事業、活動または連帯への意識的な関与も、一切容認しない。
・ 当行グループの商品・サービスにより、もしくは規制上の要件の文言または趣旨への違反により、一般
消費者への悪影響を意図的にまたは意識的に招く事態については、一切選好しない。
・ 当行グループの従業員または事業による市場 での不適切な行為についても、一切選好しない。
全社的な適用
当グループのリスク選好度は、財務リスクおよび非財務リスクを考慮の上、取り纏めたものであり、定量お
よび定性の双方で表示される。リスク選好度は、重要な欧州のグループ会社に対し、グローバル事業レベル
および国レベルで適用される。
リスク管理の枠組み
当行グループ内では、確立したリスク統治の枠組みおよび所有構造により、リスクの効果的管理の監督およ
び説明責任が徹底されている。HSBCグループの企業リスク管理の枠組み(以下「 ERMF 」という。) は、リス
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ク環境の継続的な監視ならびにリスクおよびそれらの相互作用の統合評価を促進させる。ERMFに不可欠であ
るのが、リスク選好、ストレス・テストおよび新規リスクの特定である。
当行のリスク委員会はリスクの統治に焦点を当て、リスクとその軽減に関する将来の見通しを提供する。リ
スク委員会は取締役会の中に設置された委員会であり、とりわけ当行のリスク選好、許容度および戦略、リ
スク管理システム、内部統制ならびにコンプライアンスに関する監督責任を有し、これらに関し取締役会へ
の助言を担当する。その他、リスク委員会委員は、リスク選好に対する報酬体系の整合性を検討する会長直
属の指名および報酬委員会の会議に出席する。
リスク委員会は、その任務を遂行する際、最高リスク責任者、最高財務責任者、内部監査本部長およびコン
プライアンス本部長のほか、それぞれの担当分野のリスクについては、該当部署から密接な支援を受ける。
金融リスクおよび非金融リスクの双方を管理する責任は、当行グループの従業員が負っている。従業員は、
自ら責任を負う事業および業務のリスク管理を義務付けられている。当行グループは、様々な専門家で構成
されるリスク担当者および最高リスク責任者が負う説明責任を通じて、当行グループのリスクの監視を継続
している。
非金融リスクには、サイバー攻撃、データ損失および不適切な行為の結果等、HSBCグループが直面する最も
重大なリスクの一部が含まれる。積極的に非金融リスクを管理することは、効果的に顧客にサービスを提供
し、社会に好ましい影響を与える上で重要である。2019年中、当行グループは、HSBCグループのオペレー
ショナル・リスク管理の枠組み(以下「ORMF」という。)に記載のとおり、統制環境および当行グループの
非金融リスクの管理方法を引き続き強化した。ORMFは、非金融リスクのガバナンスおよびリスク選好度の概
要の他、主要な非金融リスクおよび関連する統制に対する単一の見解を示すものである。ORMFには、非金融
リスクを積極的に管理できるように設計されたリスク管理システムが盛り込まれている。当行グループが継
続的に焦点を当てているのは、より効果的な監視を推進しながら、非金融リスクをさらに徹底的に特定およ
び管理しつつ、非金融リスクの管理方法を簡素化することである。これを監視しているのは、当行グループ
のオペレーショナル・リスク責任者が率いるオペレーショナル・リスク管理機能部門である。
3つの防衛線
リスクを管理するための強固な管理体制を整備するため、当行グループは、活動に基づいた3つの防衛線モ
デルを採用している。これにより、各従業員が行う活動がどの防衛線に属するかが決定されることとなる。
このモデルは、リスク管理および管理体制に対する経営陣の説明義務および責任を明確化している。
当該モデルは、責任の明確化、協力の推進および合理的なリスクの調整および統制により、当行グループの
リスク管理アプローチを支えている。3つの防衛線モデルについては、以下に要約する。
・ 第一の防衛線はリスクのオーナーであり、リスクを識別、記録、報告および管理する責任を負い、これ
らのリスクを軽減するための適切な統制および評価が整備されていることを確実にする責任を負う。
・ 第二の防衛線は、効果的なリスク管理について第一防衛線に進言し、リスクに関連する助言および指針
を提供する。
・ 第三の防衛線は、当行グループのリスク管理の方法およびプロセスを効果的に設計および運用すること
を独立的に保証する、当行グループの内部監査機能部門である。
当行グループのリスク・カルチャー
当行グループのリスク・カルチャーは、当行グループの価値によって強化されている。これは、個々の従業
員の態度をリスクの負担および管理についての当行グループの姿勢と一致させる上で役立つとともに、当行
グループのリスク・プロファイルを当行グループのリスク選好度と継続的に一致させる上でも役立つ。
当行グループは、戦略的なメッセージを伝え、上級経営陣および取締役会の基本姿勢を示すために、従業員
に対してはリスクに関して明確かつ一貫したコミュニケーションを図っている。当行グループはまた、当行
グループのリスク方針に記載のとおり、当行グループのリスク・カルチャーを強化し、リスクに対して従業
員に期待される行動や心構えを強化する姿勢を高める目的で、スキルおよび理解を定着させるためのリスク
およびコンプライアンスに関する必須研修も実施している。
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リスク・カルチャーは、当行グループの報酬に対する取組みによって強化されている。シニア・エグゼク
ティブを含め個人に対する表彰は、当行グループの価値に適合していることに加えて、当行グループのリス
ク選好度およびグローバル戦略と一致する財務上および非財務上の目標の達成に基づいてなされている。
内部告発
当行グループは、全世界的な内部告発基準であるHSBCコンフィデンシャルを運用しており、従業員が懸念事
項を秘密裏に報告することが可能となっている。当行グループは、経理および内部財務の管理または監査に
関する事項への懸念に応えるための外部電子メールも用意している。
リスク選好
当行グループは、取締役会がリスク委員会の助言に基づき承認したリスク選好ステートメント(以下「RAS」
という。)を通じて、当行グループのリスク選好度について正式に説明している。リスク選好を定めること
により、計画された事業活動において、当行グループが引き受けたリスクに対して収益が適切な均衡を維持
することが可能になるとともに、当行グループがその戦略にとって適切なリスク水準に同意することも可能
となる。リスク選好度はこのような方法で、当行グループの財務計画プロセスに関する情報を提供し、上級
経営陣が事業活動、サービスおよび商品に資本を分配する上でのサポートを行っている。
RAS は、金融リスクおよび非金融リスクに関する定性的な内容および定量的な指標で構成されている。これ
は、ビジネス分野の戦略、戦略および事業に関する計画立案ならびに上級経営陣による均衡のとれた評価の
基礎となるものである。RSAと比較した実績は、リスク管理会議(以下「RMM」という。)において月次で報
告され、承認されたリスク選好度から逸脱した実績については、協議の上、適切な軽減措置が決定される。
かかる報告により、リスクが速やかに特定および軽減され、強固なリスク・カルチャーを推進するためにリ
スク調整後の報酬に関する情報も提供される。
リスク管理
当行グループは、バンキング・サービスおよび金融サービスを提供する企業として、日常業務の中核的部分
としてリスクを積極的に管理している。当行グループは引き続き盤石な流動性ポジションを維持し、進化し
続ける規制状況にも対応できる十分な体制を整えている。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、銀行および規制当局にとって、仮定の不利なシナリオの下での個別の銀行およびバン
キング・セクターの脆弱性を評価するための重要な手段である。 その結果は、一連の不利なショックに対す
る銀行の回復力の評価および自己資本充足度の評価に使用される。
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、複数の法域において規制上のストレス・テストの対象と
なっている。要求されるストレス・テストの頻度および精度は高まっている。かかるストレス・テストに
は、イングランド銀行(以下「BoE」という。)、英国健全性監督機構(以下「PRA」という。)および欧州
銀行監督機構(以下「EBA」という。)のプログラムが含まれる。規制当局による評価は、定量ベースおよび
定性ベースの両面で行われ、定性ベースの評価では、当行グループのポートフォリオの質、データ提供、ス
トレス・テスト能力および資本計画策定プロセスに重点が置かれる。
英国のEU離脱に関連する各種潜在的シナリオの結果に特に焦点を当てて、欧州地域固有の多数の内部マクロ
経済シナリオおよびイベント派生型シナリオが検討され、1年を通じて上級経営陣に報告された。当行グ
ループは、リバース・ストレス・テストも実施している。このテストにおいて、企業は、自社のビジネス・
モデルが実行不可能となるシナリオおよび環境を評価する必要があり、それによって潜在的な事業の脆弱性
を特定する。
HSBC グループは、2019年に、成功裏に完了したBoE実施の年次同時ストレス・テストに参加した。年次周期シ
ナリオについては、特にアジアおよび英国に影響を与える世界同時景気後退が盛り込まれており、2018年か
らの重大な変更はなかった。金融市場は、世界的なリスク選好の減少および市場流動性の低下により、深刻
なストレスにさらされている。英国は、貿易相手国における景気後退、自信の喪失および輸入についてイン
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フレ圧力をもたらす急激なポンド安により、景気低迷を経験している。これに対応するための金融引締め政
策は、世界的なイールドカーブは横ばいである中、英国における市場および貸出金利の急騰を招いている。
BoE は、2019年12月に2019年度同時ストレス・テストの結果を公表し、当該テストにおいて、HSBCグループの
資本充足性に問題はなかったことが確認された。
主な展開およびリスク・プロファイル
2019 年における主な展開
2019 年において、当行グループは、当行グループのリスク管理体制を強化するための多数の取組みを実施し
た。それらには、以下の取組みが含まれる。
・ 当行グループは、ORMFに記載のとおり、非金融リスクを管理するための方法を引き続き強化した。その
枠組みには、HSBCグループのガバナンスおよびリスク選好に対するアプローチが定められている。同枠
組みを監督しているのは、当行グループのオペレーショナル・リスク責任者が率いるオペレーショナ
ル・リスク機能部門である。
・ HSBCグループは、既存のリスクの一部をレジリエンス・リスク等のより広義のカテゴリーに統合するこ
とにより、リスク分類を簡素化した。当行グループは、この方法を採用した。こうした変更により、リ
スクに関する報告が能率的となり、当行グループのリスク管理体制において共通の用語の使用が促進さ
れた。2020年中も、HSBCグループの2つの主要なリスク管理の枠組みであるERMFおよびORMFを単一の枠
組みに統合する等、引き続きさらなる簡素化を行っていく。
・ HSBCグループは、業務の混乱が発生した場合においても、当行グループの業務が継続して機能できる体
制に対する規制上の重要性が増していることを反映して、レジリエンス・リスク機能部門を設置した。
当行グループは、オペレーショナル・レジリエンスを担当するグローバル機能部門の能力を活用する。
トップリスクおよび新興リスク
トップリスクおよび新興リスクとは、当行の財務実績、評判またはビジネス・モデルに影響を与える可能性
のあるリスクである。これらのリスクが実現した場合、当行グループは重大な影響を受けるおそれがある。
これらのリスクに対するエクスポージャーおよび当行のリスク管理アプローチについて、以下に詳述する。
外部要因
英国の欧州連合(EU)離脱のプロセス
英国は2020年1月31日付でEUを離脱し、2020年12月31日を最終日とする移行期間に入った。当行グループ
は、英国のEU離脱の結果、特に最も影響を受けるセクターにおいて発生するリスクを管理すべく、引き続き
規制当局および各国政府ならびに当行グループの顧客および従業員と協働していく。
英国とEUおよびその他の諸外国との今後の関係(貿易を含む。)が不透明な状態は、暫く続くとみられる。
英国はEUおよび今後貿易相手国となり得る諸外国と引き続き交渉していくことから、市場ボラティリティは
継続する可能性がある。
当行グループは、その間、当行グループの顧客、商品およびバンキング・モデルが受け得る影響について継
続的に評価し、それに従いかかる影響を軽減するための措置を再評価する予定である。 当行 グループが受け
る影響の規模および性質は、移行期間の終了後に 当行 グループおよびその顧客 がクロスボーダー事業を継続
できる条件の具体的な内容次第である。
・ 顧客:英国のEU離脱は、サプライ・チェーン、必要運転資金、投資判断および金融市場インフラへのア
クセスを含め、顧客の業務運営モデルに影響を及ぼす可能性がある。 EEA において設立された顧客の一部
を英国からHSBCフランス(またはEEAで設立された別のグループ会社)に移転する必要があ り、英国内か
らのサービス提供ができなくなると予想される顧客の大部分は、既に移転されている。
・ 従業員:移動の自由が制限された場合、英国に居住するEEA諸国に国籍を有する従業員およびEEA諸国に
居住する英国に国籍を有する従業員に影響を及ぼすおそれがある。
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当行グループにとっての優先事項は、移行期間中およびその後も引き続き当行グループの顧客および従業員
を支援し、混乱を最小限に抑えることである。
英国の現行の貿易関係が変化すれば、当行グループにおいて引き続き法令を遵守しつつ、顧客のニーズを満
たしながら、自らのビジネスを展開できるよう、 当行 グループのバンキング・モデルを変更する必要もある
とみられる。加えて、上記の不確実性、ボラティリティまたは英国の交渉の結果が、経済、借入需要および
資本フローに及ぼす悪影響は、HSBCグループに重大な悪影響を及ぼすおそれがある。
軽減措置
当行グループは、当行グループの顧客、商品および事業が受け得る影響の規模を理解するために、包括的な
影響評価を実施してきた。 必要に応じて、 当行グループは、 ビジネス・モデルの改良など、 顧客にサービス
を提供できるようにするための措置を特定してきた。
・ 当行グループは、ストレス・テスト分析も活用しながら、ストレス要因を特定するため、当行グループ
のポートフォリオを積極的に監視する。脆弱なセクターまたは 資産クラス については、リスク方針また
はリスク選好度の調整が必要であるか否かを判断するための経営陣による 追加的な 検証の対象と してい
る。
・ 当行グループは、積極的なコミュニケーションおよび顧客からの問い合わせに対応するための専用チャ
ンネルを通じて、顧客にとって身近な存在であり続ける。
・ 当行グループは、滞在申請により、EEA諸国に居住する英国の国籍を有する従業員および英国に居住する
EEA諸国の国籍を有する従業員を支援していく。
・ 当行グループは、特に最も影響を受けたセクターにおいてリスクが発生した場合、当該リスクを管理す
るための取組みとして、今後も引き続き規制当局、政府および顧客と協働する。
地政学的リスク
地政学的リスクは2019年中も引き続き高まった。 当行グループの経営およびポートフォリオは、当行グルー
プの業務の混乱、当行グループの従業員に対する身体的リスクおよび/または当行グループの資産に対する
物理的損害を招き得る政治不安 および 市民暴動に関連するリスクにさらされている。
欧州の 大衆主義的政党は、 今もなお勢力を拡大している。これは、 欧州の政治体制がますます細分化してい
ることを意味する。執拗なテロ 活動 の脅威も未だ拭えてはいない 。将来の英国およびEUの関係も未だ不透明
であり、進行中の英国およびEU間の交渉は、2020年においても主要な政治課題となると予想される。
中国本土および香港における新型コロナウイルスの発生についても、当行グループの顧客が受け得る経済的
影響または当行グループの従業員に及ぼし得る悪影響を評価するために積極的に監視している。
軽減措置
・ 当行グループは、大きなエクスポージャーを持つ国や実際に拠点を持つ国を中心に、地政学的見通しを
継続的に監視している。
・ 当行グループは、当行グループのリスク選好度を反映しつつ、適切にリスクを軽減できるよう、限度額
およびエクスポージャーを調整する目的で、内部ストレス・テスト、シナリオ分析および規制上のスト
レス・テスト・プログラムを実施している。
・ 当行グループは、テロのリスクが高いとみられる地域における物理的な警備を強化する対策を講じてい
る。
・ 当行グループは、新型コロナウイルスの発生後、従業員および顧客の安全および健康を確保し、業務を
継続する能力を維持するため、当行グループの事業継続計画の見直しを図った。
サイバー攻撃の脅威およびシステムへの不正アクセス
HSBC グループをはじめ、その他の組織は依然として、サイバー攻撃から防御するために事業および技術管理
に対する継続的な投資を要する、過酷なサーバー攻撃環境下で事業を運営している。
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主な脅威としては、オンライン顧客口座への不正アクセス、高度なランサムウエア攻撃および分散型サービ
ス拒否攻撃が挙げられる。
軽減措置
・ 当行グループは、最も一般的な種類の攻撃による脅威の水準およびかかる攻撃によって受け得る影響を
継続的に評価している。さらにHSBCグループおよび顧客を守るため、当行グループは、高度なマルウエ
ア、データ漏洩、決済システムへの侵入およびサービス拒否攻撃の可能性および影響を低減すべく、統
制を強化している。当行グループは、脅威の検知、アクセス制御、バックアップおよびリカバリーなど
のサイバーセキュリティー能力の強化を継続してきた。当行グループの防御戦略のうち重要な部分は、
今後も従業員に、サイバーセキュリティー問題について認識させ、問題の発生を報告する方法を理解さ
せることである。
・ サイバー・リスクは、取締役会にとって重要課題である。当行グループは、業務執行取締役および非業
務執行取締役からなる取締役会レベルにおいてサイバー・リスクおよび制御の効果について四半期ごと
に報告および検証している。当行グループはまた、サイバー・リスクおよび軽減措置の適切な認知およ
びガバナンスを確保するために、その内容を事業部門および機能部門にも報告している。
・ 当行グループは、サイバー犯罪組織が用いる戦術に関する情報を共有し、金融機関に対するサイバー攻
撃の撲滅、検知および防止について連携できるよう、世界規模で複数の業界団体およびワーキング・グ
ループに参加している。
事業遂行に対する規制上の重点
金融機関は、特に資本および流動性の管理、企業行為、金融犯罪、内部統制の枠組み、モデルの使用および
誠実な金融サービスの提供という分野において、厳格な規制上および監督上の要件を充足しながら営業を続
けている。規制の改正は、英国のEU離脱によるものも含め、HSBCグループの事業活動に影響を及ぼす可能性
がある。
軽減措置
・ 当行グループは、規制当局および金融セクターが新たな規制について適切に検討し、当該規制を効果的
に施行できるよう、可能な場合は何時でも英国および欧州の政府および規制当局と全面的に連携してい
る。
・ 当行グループは、英国のEU離脱に関連する各種シナリオを盛り込んだ戦略的非常事態対応計画について
協議するため、英国および欧州の当局との定例会議を開催している。同計画には、移行期間終了後にパ
スポート権を喪失した場合における、当行グループのEU市場へのアクセス能力に関連して課され得る規
制に対応するための計画も含まれる。
金融犯罪・詐欺リスク
2019 年中、当行グループは、マネーロンダリング防止および制裁に関する能力を日常業務に取り入れるた
め、グローバル基準プログラムの最終要素の導入を継続した。当行グループは、引き続き金融犯罪リスク管
理能力および金融犯罪抑制効果を強化する一方、HSBCグループも、高度な分析および人工知能を活用しなが
ら、金融犯罪を撲滅するための次世代ツールに継続的に投資している。
金融機関は、依然として金融犯罪の防止・検知能力に関する規制上の重要な調査対象となっている。銀行は
詐欺から顧客を守り、行内の贈収賄・腐敗行為リスクを特定および管理するために、さらなる対策を講じる
べきであるという期待から、規制当局は、ますます詐欺および贈収賄・腐敗行為を防止するための管理に焦
点を当てている。金融犯罪の脅威は進化を続けており、地政学的動向と連動することも多い。仮想通貨の極
めて投機的かつ危険で不透明な性質とともに、新たな通貨や関連技術の開発ペースは、効果的に金融犯罪リ
スクを管理する上で、課題となっている。当行グループは依然として、グローバルな組織の国内データ・プ
ライバシー要件の適用を受け、ますます厳しい状況に置かれており、効果的に金融犯罪リスクを管理する当
行グループの能力に影響を及ぼすおそれがある。
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
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2012 年12月にエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー(以下「エイチエスビーシー・ホール
ディングス」という。)は、その他の合意の中でもとりわけ、英国金融サービス機構との間での誓約(この
誓約は2013年に英国金融行為規制機構(以下「FCA」という。)が交付した指令に切り替わった)に同意した
とともに、 米国連邦準備制度理事会(以下「FRB」という。)との間で排除措置命令を受諾した。これら
はいずれも、 一定の将来的なマネーロンダリング防止(以下「AML」という。)および制裁に関連する義務
について規定したものである。エイチエスビーシー・グループはまた、 HSBC グループのマネーロンダリン
グ対策および制裁措置に係るコンプライアンス・プログラムに関する定期評価報告書を作成する目的
で、 FCA においてはFSMA第166条に基づく「専門家」として、 FRB においては「独立コンサルタント」として
定める監視人(以下「 専門家/ 独立コンサルタント」という。)を起用することにも同意している。
2012 年12月にエイチエスビーシー・ホールディングスはさらに、米国財務省外国資産管理局(以下「OFAC」
という。)との間でも、OFACの制裁対象者である当事者との間の過去の取引に関して合意済みである。HSBC
グループの金融犯罪リスク管理能力の強化における目覚ましい進展を反映して、HSBCグループと現行の専門
家との契約が解消されるとともに、新たな専門家が任命され、HSBCグループが金融犯罪リスク管理を日常業
務として完全に移行するためにさらなる作業を要する残りの分野を評価するという限定的な任務に就く予定
である。独立コンサルタントは今後も、FRBの裁量により、年次OFACコンプライアンス検証を実施する予定で
ある。なお、専門家/独立コンサルタントの責務については、後述の「専門家/独立コンサルタント」に記
載する。
軽減措置
・ 当行グループは、引き続き金融犯罪リスク管理能力を強化する。当行グループは、高度な分析および人
工知能を通じて、金融犯罪に対応するための次世代能力に投資している。
・ 当行グループは、顧客および当行の双方を保護するために次世代の詐欺防止能力を導入すべく、詐欺管
理体制を強化し、かかる体制に対して投資している。
・ 当行グループは引き続き、企業行為に焦点を当てた、贈収賄・腐敗行為防止(以下「AB&C」という。)
に関する改訂ポリシーおよび管理体制を定着させていく。
・ 当行グループは今後も、従業員を対象とした新たなデジタル環境および関連するリスクに関する教育を
行う。
・ 当行グループは、仮想通貨に対する直接的および間接的なエクスポージャーに関連するリスクを管理す
るための手続および管理体制を整備しており、外部の動向の監視を継続する。
・ 当行グループは、金融犯罪リスクを効果的に管理できるよう、国際的な基準、指針および法律を通じて
データ・プライバシーの課題に取り組むために、各国政府および法執行当局との協力を継続する。
・ 当行グループは今後も、実施した改革が長期にわたり効果的かつ持続可能であるようにするための対策
を講じる。
市場の非流動性およびボラティリティ
適時に望ましい数量の金融証券を取引する能力として定義される市場流動性は、依然として変動的である。
流動性は、金融機関の全般的な貸借対照表の規模を制限する資本要件の増加などの規制上の要求、一定の取
引行為を禁止するボルカー・ルールの施行ならびに担保および内部流動性に関する要件の改正という様々な
要因の影響を受けるため、引き続き課題となっている。
これは市場全体の問題であり、HSBCグループは、損失または減益に見舞われるおそれがある。
軽減措置
・ 当行グループは、適切な場合は当行グループの市場リスク限度額およびリスク選好度を調整しながら、
非流動リスクおよび集中リスクの影響を受け易いポジションを継続的に監視する。
IBOR からの移行
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ロンドン銀行間取引金利(以下「LIBOR」という。)を含め、銀行間取引金利(以下「IBORs」という。)
は、数百兆米ドル規模の異なる種類の金融取引の利率を設定するために使用されており、評価目的、リスク
管理および成績指標として幅広く活用されている。
FCA により2017年7月に行われた、2021年以降は銀行に対してLIBORのレートを提示するよう説得または要求
しない方針であるとの発表を受けて、影響を受ける通貨に関する複数の国別ワーキング・グループ(以下
「NWG」という。)は、該当するLIBORから選択した代替レートへの秩序ある移行を推進するための作業を
行った。ユーロに関するNWGはまた、ユーロ圏無担保翌日物平均金利(以下「EONIA」という。)について
は、欧州ベンチマーク規制(以下「BMR」という。)を遵守できておらず、よって2021年以降は使用不能であ
ると判断されたことから、EONIAからユーロ短期金利(以下「€STER」という。)への秩序ある移行の推進に
関しても責任を負っている。
代替レートを参照する金融商品の開発プロセス、およびこれまでのIBORを参照する契約から移行するための
プロセスにより、HSBCグループは、重大な執行リスク、コンダクト・リスクおよび財務リスクにさらされて
いる。
軽減措置
・ HSBCグループは、当行グループの事業および顧客のためにLIBORおよびEONIAからの秩序ある移行を推進
するためのグローバル・プログラムを整備している。このプログラムの執行については、グループ最高
リスク責任者が監督する一方、当行グループの移行については、当行グループの最高リスク責任者が監
督しており、リスク管理会議を通じて監視される。
・ HSBCグループ・プログラムは、提案されている代替レートを参照した金融商品の開発および当該金融商
品の顧客への販売に焦点を当てている。HSBCグループ・プログラムはまた、当該金融商品を開発するた
めのサポートのプロセスおよびシステムにも焦点を当てている。同時に、HSBCグループは、再契約を通
じて現行のLIBORおよびEONIAを参照する契約から移行するための能力も開発中である。
・ 当行グループは、多数の執行リスク、コンダクト・リスク、訴訟リスクおよび財務リスクを特定してお
り、現在こうしたリスクに対応している。当行グループは、これらのリスクおよび移行期間中のそれら
の動向の分析を継続している。
・ 当行グループは、秩序ある移行を支援するために、今後も業界団体、規制当局および顧客と連携してい
く。
気候関連リスク
気候変動は、当行が直面する様々な種類のリスクに影響を及ぼすおそれがある。
・ 政策および規制の改正ならびに技術の進化などを通じた低炭素経済への移行に起因する移行リスク。
・ 深刻な天候事象またはその他の気候事象(海面上昇および洪水など。)の激化および/または発生頻度
の増加による、物理的リスク。
こうしたリスクは、イディオシンクラティック・リスクおよびシステミック・リスクの双方を発生する可能
性があり、長期的にはHSBCグループも財務的影響を受けるおそれがある。RWAsの増加、取引損失の増加およ
び/または所要自己資本の増加により、影響が顕在化する可能性もある。
軽減措置
・ HSBCグループは、気候リスクのストレス・テストに関する考え方を今後も拡大していく。HSBCグループ
は、セクター固有のシナリオ分析を開始しており、データの収集およびシナリオの開発のために実施し
ている現行の作業を継続する。
・ HSBCグループは、HSBCグループが持続可能性リスクにさらされる一部のセクターに関して、一般向けポ
リシーと内部ポリシーを整備している。これらには、エネルギー、農産物、化学、林業、鉱業および金
属ならびにユネスコ世界遺産およびラムサール指定湿地に関するポリシーも含まれる。
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・ HSBCグループは、今後も新たな最善の実務を認識および推進するために、気候金融リスク・フォーラム
を通じて英国健全性監督機構(以下「PRA」という。)、FCAおよび各種業界と連携している。
・ 当行グループは、気候関連リスクを測定、監視および管理するための体制を整備し、定着させるため
に、引き続き企業リスク管理の枠組みを強化していく。
・ PRAの要件に従い、当行グループは、該当する上級管理機能(SMF)に責任を割り当てている。加えて、
リスク責任者は、特定のリスク機能に関連する気候変動による物理的リスクおよび移行リスクについて
検討する予定である。
内部要因
人的リスク
当行グループの従業員は、当行グループの成功に不可欠であり、当行グループが引き続き従業員との契約に
焦点を当て、当行グループの戦略に沿って必要な従業員の数および能力を監視することは重要である。当行
グループは、従業員としての正しい態度および行為を積極的に奨励しつつ、従業員が士気を高め、職務上の
実績を積み、サービスを提供する相手としての顧客および地域社会を支援できるような企業文化の醸成を目
指している。
当行グループは、地政学的事象が当行グループの事業に及ぼす影響を継続的に評価し、改正された規制を効
果的に実施できるよう、規制当局および政策立案者と連携している。英国のEU離脱および非雇用的役務提供
課税制度(通称IR35体制)に関連して英国政府が発表した変更など、一部の事象は、人的リスクを高め得る
可能性があり、今後も厳重に管理していく。
軽減措置
・ 当行グループは、英国のEU離脱による潜在的な影響を管理するための計画を有している。
・ 従業員のダイバーシティおよびインクルージョンならびに健康および福祉のための活動の促進に焦点を
当てた人事計画を主要な欧州市場全体で実施している。
・ エイチエスビーシー・ユニバーシティは、現在および将来のスキル、個人的スキル、成功に向けた環境
を創造するリーダーのための機会およびツールの開発に焦点を当てている。
・ 当行グループは、例外的な行為を認識の上、好ましくない行為および態度を管理するためのプロセスを
整備している。
ITシステムのインフラおよび耐久性
HSBC グループは、ITシステムおよび重要な業務の信頼性および復元力の向上に向けた投資を行っている。
HSBCグループは、顧客を保護し、レピュテーションの毀損および規制上の損害が発生し得る業務の中断を顧
客が経験することのないよう、かかる投資を行っている。
軽減措置
・ 当行グループは、高品質で安定した安全なサービスの提供に特に焦点を当てて、ソフトウエア・ソ
リューションを開発、提供および維持する方法の改革に対する投資を継続している。この一環として、
当行グループは、システムの復元力および業務継続テストの大幅な改善に重点を置いている。当行グ
ループは、ソフトウエア開発のライフサイクルのセキュリティー機能を強化し、テストの手順および方
法を改善してきた。
・ 2019年において、当行グループは、サービス提供の簡易化ならびに旧式のITインフラおよびアプリケー
ションの入れ替えにより、多数のITシステムをアップグレードした。
執行リスク
戦略的目標を達成し、強制的な規制要件を充足するためには、HSBCグループが今後も執行リスクを特に重視
することが重要である。このためには、プログラムについて、重要な資源に集中し、かつ、一刻を争う厳格
な管理が必要となる。
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変化の重大性および複雑性に起因するリスクとしては、規制当局による追及、レピュテーションの毀損また
は財務的損失などが挙げられる。現在の主要な取組みには、英国のEU離脱の決定に伴う当行グループのビジ
ネス・モデルの更新についての業務執行の管理が含まれる。
軽減措置
・ 当行グループの重要なプロジェクトに関する優先順位付けおよびガバナンスのプロセスについては、当
行グループの執行委員会が監視している。
・ 当行グループは、2019年において、当行グループ全体でより適切にポートフォリオを管理できるよう、
重要な取組みについての期限の厳守、内部および外部の依存性ならびにトップリスクを注意深く監視す
ることを通じ、執行リスクを引き続き管理した。
モデル・リスク
モデルは、金融業務か否かの別を問わず、当行の様々な分野で使用されている。モデル・リスクは、事業上
の意思決定にモデルの信頼性が含まれる場合には何時でも発生する。HSBCグループは、各種ビジネス・アプ
リケーションの他、顧客の選別、金融商品の価格設定、金融犯罪取引の監視、信用評価および財務報告など
の活動においてモデルを使用している。
軽減措置
2019 年において当行グループは、モデル・リスクの重大性を反映して、モデル・リスクの位置づけを当行グ
ループのリスク管理の枠組み内で最も高い水準に引き上げた。当行グループは、新たなモデル・リスク管理
副機能部門を強化すべく、以下のものを含め、多数の取組みを実施した。
・ 当行グループは、当行グループのモデル・リスク管理責任者を任命した。
・ 当行グループは、よりリスクに基づいたモデル・リスク管理ができるよう、モデル・リスクに関するポ
リシーを改訂した。
・ 当行グループは、当行グループ全体のモデル・リスクを監視するためのモデル・ガバナンス体制を全面
的に見直し強化した。その結果、有効性向上および取引増加のための基礎となる構造が様々な点で強化
された。
・ 当行グループは、全体的なガバナンスの枠組みの進化を推進し、最善の実務を確保するため、内部およ
び業界における最善の実務に基づいたモデル・リスク管理のための新たな目標運用モデルを設計した。
・ 当行グループは、管理目標をよりよく理解できるようにし、有効性向上のための実施ガイダンスのある
モデリング領域を提供するため、既存のモデル・リスク管理を刷新している。
データ管理
当行グループは、現在、重要なビジネス・プロセスおよび業務を支援するために、数多くのシステムおよび
アプリケーションを使用している。その結果、当行グループは、エラー・リスクを軽減するために、顧客
データソースを含め、複数のデータソースを照合しなければならないことが多い。HSBCグループは、他の組
織とともに、一般データ保護規則(以下「GDPR」という。)、バーゼル銀行監督委員会(以下「BCBS」とい
う。)公告第239号およびバーゼルⅢなどの外部および規制上の義務を履行する必要がある。
軽減措置
・ 当行グループは、世界規模で数多くのシステムにおけるデータの質の向上を図っている。当行グループ
におけるデータの管理、統合および監視により、内部のシステムおよびプロセスの効果が引き続き強化
および向上されている。 当行グループは、入力時におけるデータ読込みの向上を目指し、「フロントオ
フィス」システムにおける重要な処理のためのデータ管理を実施している。HSBCグループは、BCBS公告
第239号の原則を支援し、「おおむね遵守」という評価を獲得するという目標を達成し、既に主要な市場
および地域において定着させた。
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・ 当行グループは、顧客、商品および取引に関する重要なデータの質を積極的に監視し、関連するデータ
の問題を適時解決するためのデータ・ガバナンス手続を拡大および強化している。当行グループはま
た、当行グループの顧客および従業員が利用するデータの信頼性向上のために、データ管理体制を導入
した。
・ 当行グループは、クラウドの可視化、機械学習および人工知能のプラットフォームにおける高度な能力
に投資することで、データおよび分析に関連するインフラを刷新している。
・ HSBCグループは、データ・プライバシーに関連する実務の確立、ならびに当行グループが事業を展開す
る法域のデータ・プライバシー法令(例えば、GDPR。)の遵守に関する原則およびガイドラインの策定
のためのグローバル・データ・プライバシーの枠組みを実施している。
・ 当行グループは、従業員がデータ管理およびデータ・プライバシーに関する法令を常に把握できるよ
う、引き続きデータに関する年次シンポジウムおよびデータ・プライバシーに関する認知を向上させる
ための研修に参加している。こうした参加は、顧客、従業員および利害関係者のための個人データ保護
に対する当行グループの責任を反映したものである。
第三者リスク管理
当行グループは、他の金融機関と同様、各種サービスを提供する第三者を活用している。第三者の委託業者
を使用することにより発生するリスクは、透明性が低く、よってその管理および影響はより困難となる可能
性がある。当行グループが適切なリスク管理のためのポリシー、プロセスおよび実務を整備することは重要
である。これらには、特にオペレーショナル・レジリエンスに影響を及ぼし得る重要なプロセスおよび管理
のための第三者の選択、ガバナンスおよび監督の適切な管理が含まれる。当行グループが第三者の使用によ
り発生するリスクを管理できない場合、戦略上、規制上または顧客の期待に応える当行グループの能力に影
響を及ぼし、当行グループの評判も毀損するおそれがある。
軽減措置
・ 当行グループは引き続き、専門チームを通じて第一の防衛線において第三者管理の枠組みを定着させ
る。主要な基準に照らして第三者委託業者を評価するための手続、管理および技術、ならびに関連する
管理監視テストおよび保証は整備されている。
特別な関心分野
英国の欧州連合離脱のプロセス
英国は2020年1月31日付でEUを離脱し、2020年12月31日を最終日とする移行期間に入った。 その間、英国お
よびEU間の将来の関係について交渉が行われることとなる。この段階においても、かかる関係が如何なるも
のになるかは依然として明らかになっておらず、企業や機関は、2021年1月1日に発効する変更に対応する
時間を確保できないおそれがある。
英国のEU離脱の影響を管理するための当行グループのプログラムは、現時点でおおむね完了している。これ
は、英国がクロスボーダー・ビジネスを支える既存のパスポート制度または規制上同などの枠組みの適用を
受けられなくなるというシナリオに基づいている。当行は、法人としての組織再編、提供する商品、顧客の
移転および従業員の4つの主要な点に焦点を当てている。
法人としての組織再編
欧州連合(以下「EU」という。)7ヶ国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スペイン、イタリア、ア
イルランド、チェコ共和国)に所在する当行グループの支店は、英国からのパスポート制度に依存してき
た。当行グループは、英国のEU離脱後にパスポート制度は適用されないという仮定に基づき作業を進め、当
行グループの支店業務を、EUで許可を受けた当行グループの主要銀行であるHSBCフランスが新たに設置した
支店に移行した。こうした移行は、2019年第1四半期に完了した。同様の理由により当行はまた、2020年第
1四半期に一部の事業をパリ支店から移転した。
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提供する商品
英国のEU離脱後の顧客の移転および新規事業に対応するため、当行グループは、フランス、オランダおよび
アイルランドにおいて提供する既存商品の拡充を図った。当行グループはまた、北欧の顧客にサービスを提
供するため、ストックホルムに支店を新設した。
顧客の移転
英国のEU離脱は、運転資金要件、投資判断および金融市場インフラへのアクセスを含め、顧客の運用モデル
に影響を及ぼす可能性がある。当行グループの優先事項は、継続的にサービスを提供することであり、当行
グループの意図は、顧客のために変化の水準を最低限に抑えることである一方、当行グループは、EEA内設立
顧客の一部を英国からHSBCフランス(またはEEAで設立された別のグループ会社)に移転する必要がある。当
行グループは、英国外でサービスを受けられなくなると予想される顧客の大部分を既に移転した。当行グ
ループは、可能な限り円滑に移転を実施できるよう、残りの顧客と密接に協働している。
従業員
EEA 内設立顧客を移転するために、当行グループは、EU、特にフランスの現地チームを強化する必要がある。
フランスにおける当行グループの既存事業の規模および能力を考慮すると、当行グループは、追加的な役割
および業務を引き受ける準備ができている。
業務のEUへの移転以外にも、当行グループはまた、EEA諸国に居住する英国従業員および英国に居住するEEA
従業員を(移住申請などで)支援している。
それでもなお、ロンドンは、今後も重要な世界の金融センターであり、当行グループのグローバル本店とし
て最良の地となるであろう。2019年12月現在、HSBCグループは、英国において約40,000名の従業員を擁して
いる。
プログラム全体にわたり、当行グループは、上記の条件下において英国のEU離脱に備えるという点で順調に
進捗している。しかしながら、依然として執行リスクは残っており、その多くが不透明な交渉の結果に関連
するものである。
当行グループは、英国のEU離脱の影響を最も受けるセクターおよび顧客を特定するため、当行グループの信
用ポートフォリオの詳細な検証を実施した。
IBOR からの移行
英国金融安定理事会(以下「FSB」という。)は、2014年に「主要な金利指標の改革」と題する報告書を発表
した。同報告書は、主要なIBORの不正操作が発覚したこと、および銀行間無担保市場における流動性の低下
が認識されたことで作成された。これを受け様々な国の規制当局および中央銀行は、IBORに代わる代替レー
ト(リスク・フリー・レート(RFR))を特定し、適切な場合は代替レートへの秩序ある移行を推進する目的
で、国内ワーキング・グループを招集してきた。
英国FCAにより2017年7月に行われた、2021年以降は銀行に対してLIBORのレートを提示するよう説得または
要求しない方針であるとの発表を受けて、影響を受ける通貨に関する複数の国内ワーキング・グループは、
該当するLIBORから選択した代替レートへの秩序ある移行を推進するための作業を行った。ユーロに関する
ワーキング・グループはまた、ユーロ圏無担保翌日物平均金利(以下「EONIA」という。)については、EUベ
ンチマーク規制を遵守できていないことから、EONIAからユーロ短期金利(以下「€STER」という。)への秩
序ある移行の推進に関しても責任を負っている。
その他の国の国内ワーキング・グループは、それぞれIBORに代わる代替レートを特定したが、これらのベン
チマークを中止する意向はない。
現在、選択肢がないことから、HSBCグループが抱える、契約満了が2021年を超過するLIBORおよびEONIAを参
照する契約は増加している。HSBCグループは、HSBCグループおよびその顧客 のために、LIBORおよびEONIAか
らの秩序ある移行を推進することを目的としたIBOR移行プログラムを整備している。この全世界的なプログ
ラムは、HSBCグループ最高リスク責任者の指揮の下、各グローバル事業部門が実行する移行を監視するもの
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であり、当行グループの移行については、当行グループの最高リスク責任者が監督し、リスク管理会議を通
じて監視されている。 同プログラムの戦略的目的は大きく分けて、RFRを参照する商品の能力の開発および既
存契約の移行という2種類の作業に分類することができる。
RFR を参照する商品の開発
当行グループのグローバル事業部門は現在、RFRを参照する商品および支援プロセスの提供につながるシステ
ムを開発中である。当行グループは、担保付翌日物調達金利(以下「SOFR」という。)を参照する債券、ポ
ンド翌日物平均金利(以下「SONIA」という。)を参照する債券、SOFRを参照する先物取引およびSONIAを参
照するスワップ取引を含め、複数の商品を実用化しており、2020年において当行グループは、英国およびフ
ランスに拠点を構えることに当初の焦点を当てて、さらに商品を導入する計画である。
契約満了が2021年を超過するLIBORおよびEONIAを参照する契約の販売は、RFRを参照する商品が広く提供され
るようになり、顧客に受け入れられるまで継続する予定である。
既存契約の移行
新たにRFRを参照する商品を提供できるようにすることに加え、RFRを参照する新商品は、LIBORおよびEONIA
を参照する既存商品をRFRを参照する商品に移行する上で役立つ。多数のLIBORおよびEONIAを参照する契約を
再契約できるよう、同プログラムでは、LIBORおよびEONIAを参照する既存契約を大規模に移行するための能
力も開発している。LIBORを参照する契約を成功裏に移行するために重要なのは、他の市場参加者およびHSBC
グループの顧客と積極的に連携することである。
当行グループの場合、契約満了が2021年を超過するLIBORおよびEONIAを参照する既存のデリバティブ契約上
の想定元本は約3兆米ドルであるものの、当行グループは、国際スワップ・デリバティブ協会(以下
「ISDA」という。)が主導するデリバティブ契約移行の取組みにより、見積りで想定元本200兆米ドル超のデ
リバティブ市場において無秩序な移行が行われるリスクが軽減されると期待している。それでもなお、ISDA
が提案するプロトコルの実施および既存契約の移行のプロセスは、業界全体にとって重要な作業であり、
HSBCグループは、財務損失リスクにさらされるおそれがある。
HSBC グループは、HSBCグループによるLIBORおよびEONIAを参照する債券の発行、HSBCグループによるLIBORお
よびEONIAを参照する債券の保有、ならびにHSBCグループが支払エージェントとなっている債券の秩序ある移
行を実現するためのプロセスに積極的に関与する意向である。当行グループは、これらのエクスポージャー
を移行できるようにするための詳細な計画を今後も策定するものの、かかる移行計画の実施も、ある程度
は、第三者の市場参加者が移行プロセスに参加および関与するか否かに左右される。
当行グループは、契約満期が2021年を超過するIBORを参照する商業貸付の引出額100十億米ドルを代替レート
に移行するための計画を立てているが、2021年末までにこのポートフォリオを移行する当行グループの能力
は、代替レートを参照する商品が利用可能であるか否か、および顧客が代替商品に対応する独自の手続およ
びシステムを採用する用意がありそれが可能であるか否かに大きく依存している。これは、コンダクト関連
リスクを高めるものである。HSBCは、影響を受ける顧客がLIBORおよびEONIAを参照する契約の継続購入に関
連するリスクとともに、2021年末までに既存契約を移行する必要性について認識するよう、当該顧客と連携
している。
前述のコンダクト・リスクおよび執行リスクに加えて、新たな参照レートの採用プロセスにより、HSBCグ
ループは、契約変更ならびに多数の商品および関連手続の変更に起因して利益が変動する可能性など、さら
に高いオペレーショナル・リスクおよび金融リスクにさらされるおそれがある。さらに、代替レートへの移
行により、IBORを参照する契約の規定の解釈および執行可能性に関する法的手続または訴訟や、IBORから代
替レートへの差替えの用意および準備に関する規制当局の調査および検証を含め、当行グループの事業が
様々な悪影響を受けるおそれもある。
当行グループは、秩序ある移行および移行により発生するリスクの軽減を支援するために、引き続き業界団
体、規制当局および顧客と連携していく。先般、FCAおよびPRAがそれぞれの権限の範囲内でHSBCグループを
含む金融機関の上級経営陣に宛てた書簡により、こうした連携の水準および深度は高まり、ポンド建ての
LIBOR市場における移行は加速するであろう。
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当行グループの重大な銀行業務リスクおよび保険リスク
銀行業務および保険引受業務に関連する重大なリスクの種類は、以下の表のとおりである。
リスクの概要 - 銀行業務
リスク 発生源 リスクの測定、監視および管理
信用リスク (詳細については、後述の「信用リスク」を参照のこと。)
顧客またはカウンターパーティが 信用リスクは主に、直接融資、貿 信用リスクは、
契約上の債務を履行できない場合 易金融、リース事業で発生する
・ 顧客またはカウンターパーティが返済を怠った場合
に財務上損失を被るリスク。 が、保証およびデリバティブ等、
に失い得る金額として測定される。
他の特定の商品からも発生する。
・ 各種内部リスク管理指標を用いて、 受託権限の枠組
みの中で個々に承認を受けた限度額内で監視され
る。
・ リスク管理責任者を対象とした明確で一貫性が保た
れた方針、原則、指針のアウトラインを示した堅実
なリスク統制の枠組みを通じて管理される。
資本・流動性リスク (詳細については、後述の「資本・流動性リスク」を参照のこと。)
金融債務の履行および規制上の要 資本・流動性リスクは、顧客の行 資本・流動性リスクは、
件の充足に十分な資本、流動性ま 動、経営陣の意思決定または外部
・ 目標最低比率として設定されるリスク選好度を通じ
たは資金調達源を有していないリ 環境に起因するそれぞれの源泉お
て測定される。
スク(年金リスクを含む。)。 よびリスク・プロファイルの変化
・ ストレス・テストおよびシナリオ・テストを用い
により発生する。
て、リスク選好度と比較して 監視 および予測され
る。
・ リスク・プロファイルおよびキャッシュフローと組
み合わせて、資本および流動性の源泉を通じて管理
される。
市場リスク(詳細については、後述の「市場リスク」を参照のこと。)
外国為替相場、金利、信用スプ 市場リスクに対するエクスポー 市場リスクは、
レッド、株価およびコモディティ ジャーは、2つのポートフォリオ
・ 様々な市場変動および シナリオ における 潜在的損益
価格等の市場要因の変動によっ に分かれている。
の他、所定の期間にわたるテールリスクを示す感応
て、当行グループの収益または
・ トレーディング・ポートフォ 度、 バリュー・アット・リスク( 以下「 VaR 」とい
ポートフォリオ評価額が減少する
リオ。 う。 )および ストレス・テストを用いて評価され
リスク。
る。
・ 非トレーディング・ポート
フォリオ。当行グループの保険業 ・ 正味受取利息の感応度および構造的外国為替の感応
務に起因して発生する市場リス 度を含め、バリュー・アット・リスクおよびストレ
ク・エクスポージャーについて ス・テスト等の指標を用いて監視される 。
は、「保険引受業務リスク-主要
・ リス ク管理委員会 (RMM )および各種グローバル事業
な種類のリスクの管理および軽減
部門のリス ク管理委員会(以下「RMM」という。)が
-市場リスク」において後述す
承認したリスク限度額を 用いて 管理される。
る。
レジリエンス・リスク (詳細については、後述の「レジリエンス・リスク管理」を参照のこと。)
継続的かつ重大な業務の混乱の結 レジリエンス・リスクは、プロセ レジリエンス・リスクは、
果、当行グループが顧客、関連会 ス、従業員、システムまたは外部
・ 所定の 最大影響許容度が設定された各種指標を通じ
社およびカウンターパーティに対 事象に支障または不備がある場合
て、当行グループが同意したリスク選好度と比較し
して重要なサービスを提供できな に発生する。レジリエンス・リス
て測定される。
いリスク。 クは、急速な技術革新、顧客行動
・ 行内の プロセス、リスク、統制および戦略的変更プ
の変化、サイバー攻撃およびその
ログラムの監督を通じて監視される。
脅威、クロスボーダーによる相互
依存ならびに第三者との関係に
・ 継続的な 監視および主題別検証により管理される。
よっても発生する。
規制コンプライアンス・リスク (詳細については、後述の「規制コンプライアンス・リスク」を参照のこと。)
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リスク 発生源 リスクの測定、監視および管理
当行グループが、あらゆる関連法 規制コンプライアンス・リスク 規制コンプライアンス・リスクは、
令、規範、規則、規制および適切 は、当行グループの顧客およびそ
・ 所定の指標、事故評価および当局の講評ならびに当
な市場慣行の基準の文言および精 の他のカウンターパーティに対す
行グループの規制コンプライアンス・チームによる
神に反したことで、罰金や違約金 る義務の違反、不適切な市場行
判断および評価を参照して測定される。
が発生し、当行グループの事業が 為、ならびにその他規則上の要件
・ 第一の防衛線 リスクおよび統制 の評価、第二の防衛
損害を被るリスク。 の違反に関連するリスクに起因し
線機能 部門 による監視および統制活動の結果ならび
て発生する。
に内部監査、外部監査および規制当局の検査の結果
と照らし合わせて監視される。
・ 適切な方針や手続の設定および周知、それらに関す
る従業員研修、遵守を保証するための活動の監視に
よって管理される。必要に応じて、先手を打ったリ
スク統制および/または是正策が実施される。
金融犯罪リスク (詳細については、後述の「金融犯罪リスク」を参照のこと。)
当行グループが、善意または悪意 金融犯罪・詐欺リスクは、日常的 金融犯罪 ・詐欺 リスクは、
の別を問わず、第三者による潜在 な銀行業務から発生する。
・ 所定の指標、事故評価および当局の講評ならびに当
的違法行為を実行しまたは助長さ
行グループの金融犯罪 リスク ・チームによる判断お
せるリスク(内部および外部双方
よび評価を参照して測定される。
の詐欺を含む。)。
・ 当行グループの金融犯罪リスクの選好度を示したス
テートメントおよび指標、第二の防衛線機能 部門 の
監視および統制活動の結果ならびに内部監査、外部
監査および規制当局の検査の結果と照らし合わせて
監視される。
・ 適切な方針や手続の設定および周知、それらに関す
る従業員研修、遵守を保証するための活動の監視に
よって管理される。必要に応じて、先手を打ったリ
スク統制および/または是正策が実施される。
モデル・リスク (詳細については、後述の「モデル・リスク」を参照のこと。)
モデルに基づきなされた事業上の モデル・リスクは、 事業上の意思 モデル・リスクは、
意思決定により悪影響を受けるリ 決定に信頼性が含まれる場合には
・ モデル検証の状況および結果を含め、主要な指標を
スクをいい、手法上、設計上また 何時でも 、金融業務および非金融
用いて、モデルの性能の追跡および詳細な技術的検
は使用方法上のミスによってもモ 業務の双方で発生する。
証の結果を参照して測定される。
デル・リスクが悪化することもあ
・ モデル・リスク選好ステートメント、独立した検証
る。
機能部門からの意見、内部監査および外部監査から
のフィードバックならびに規制当局による検証と比
較して監視される。
・ モデルに関する適切な方針、手続および指針の策定
および通知、従業員を対象としたモデルの適用に関
する研修、ならびに業務上の効果を確保するための
モデルの採用の監視により管理される。
当行グループの保険引受子会社には、銀行業務とは別に規制が適用されている。当行グループの保険事業体
のリスクは、HSBCグループによる監視の対象となっている方法やプロセスを用いて管理されている。当行グ
ループの保険業務でも、銀行業務と同様のリスクの一部が発生するため、当行グループのリスク管理プロセ
スで対応している。
リスクの概要 - 保険引受業務
リスク 発生源 リスクの測定、監視および管理
金融リスク (後述の「保険引受業務リスク-主要な種類のリスクの管理および軽減-市場リスク、信用リスクおよび流動性リスク」
参照のこと。)
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リスク 発生源 リスクの測定、監視および管理
保険契約に基づく負債と、その裏 金融リスクに対するエクスポー 金融リスクは、
付資産にあたる資産ポートフォリ ジャーの発生源:
・ (i) 信用リスクの場合、経済資本およびカウンター
オが実際に整合するか否かは、金
・ 金融資産の公正価値またはそ
パーティが返済を怠った場合の損失額、 (ii) 市場リ
融リスクの管理および保険契約者
の将来キャッシュフローに影響を
スクの場合、経済 資本 、内部指標および 主要な金融 変
が負担する範囲次第である。
与える市場リスク
数の 変動 、ならびに (iii) 流動性リスクの場合、スト
レス下の営業キャッシュ フロー 予想等の内部指標によ
・ 信用リスク
り測定される。
・ 受託権限の枠組みの中で個々に承認を受けた限度額内
・ 支払期日到来時に保険契約者
で監視される。
に支払いができない事業体の流動
性リスク
・ 明確で 一貫性 のある 方針、原則 および 指針の 概要 を示
した堅固なリスク統制の枠組みを通じて管理される。
かかる管理 には、商品設計の 使用 、資産と負債の一致
および配当率の使用が含まれる。
保険リスク (後述の「保険リスク」を参照のこと。)
保険金および給付金を含む契約の 保険金および給付金の費用は、死 保険リスクは、
費用が時間の経過とともに保険料 亡率および罹患率の経験値、失効
・ 生命保険契約負債 および保険引受リスクに割り当てら
と受け取った投資収益の合計額を 率および解約率等、多くの要因に
れた経済資本により 測定される 。
上回る可能性があるリスク。 よって変動する。
・ 受託権限の枠組みの中で個々に承認を受けた限度額内
で監視される。
・ 明確で 一貫性 のある 方針、原則 および 指針の 概要 を示
した堅固なリスク統制の枠組みを通じて管理される。
かかる管理 には、商品設計、引受け、再保険および保
険金請求処理手続の使用が含まれる。
信用リスク
信用リスクとは、顧客またはカウンターパーティが契約で定められた義務を履行できない場合の財務上の損
失リスクである。信用リスクは、主に、直接融資、貿易金融およびリース業務で発生するが、そのほか、保
証およびクレジット・デリバティブ等、その他一部の金融商品でも発生する。
信用リスク管理
2019 年における主な展開
2019 年においては、信用リスク管理のための方針および実務に重大な変更はなかった。当行グループは、今
後も信用リスクにIFRS第9号「金融商品」の要件を適用する。
ガバナンスおよび構造
当行グループは、当行グループ全体の信用リスク管理および関連するIFRS第9号に基づくプロセスを整備し
ている。当行グループは、主要な市場における経済動向が特定の顧客、顧客セグメントまたはポートフォリ
オに及ぼす影響を今後も積極的に評価していく。信用状況が変化していることから、当行グループは、リス
ク選好度または適切な場合は限度額および貸付期間の改訂等の軽減措置を講じている。加えて、当行グルー
プは、個人顧客の要件の範囲内での与信の条件、関係の質、現地の規制上の要件、市場における実務および
当行グループの現地市場におけるポジションを引き続き評価している。
信用リスク副機能部門
(監査済)
取締役会は、与信承認権限とともに、当該権限を再委任する権限を最高経営責任者に委任している。リスク
部門内の信用リスク副機能部門は、与信に関する方針およびリスク格付の枠組みの策定、信用リスク・エク
スポージャーに対する選好度に関する指針、独立検証の実施、信用リスクの客観的評価ならびにポートフォ
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リオのパフォーマンスおよび管理の監視を含め、信用リスク管理のための主要な方針およびプロセスにつき
責任を負っている。
当行グループの信用リスク管理の主な目標は、次のとおりである。
・ 当行グループ全体で、責任ある融資を行う堅実な企業文化および盤石なリスク方針・統制の枠組みを維
持する。
・ 実際の状況下および一定のシナリオ下における当行グループのリスク選好の定義、実施および継続的再
評価にあたり、グローバル事業部門と連携し、場合によっては説明を求める。
・ 信用リスク、そのコストおよび軽減措置に関して、独立性のある専門的な調査がなされることを確保す
る。
主要なリスク管理プロセス
IFRS 第9号「金融商品」に基づくプロセス
IFRS 第9号に基づくプロセスは、モデリングおよびデータ、実施ならびにガバナンスという3つの主要分野
で構成されている。
モデリングおよびデータ
HSBC グループは、様々な地域において IFRS 第9号に基づくモデリングおよびデータのプロセスを整備した。
同プロセスは、重要なモデル開発の独立検証を含め、内部モデル・リスク・ガバナンスの対象となってい
る。
実施
一元化された減損エンジンは、様々な顧客システム、金融システムおよびリスク・システムから収集され
た、多数の検証と強化の対象となるデータを用いて、予想信用損失(以下「ECL」という。)を算出してい
る。可能な場合は、かかる検証およびプロセスは、全世界で同様の方法で一元的に行われる。
ガバナンス
経営陣検証委員会は、減損の結果を検証および承認することを目的として設置されている。経営陣検証委員
会は、信用リスク部門および財務部門の代表者によって構成されている。同委員会に必要な委員は、ホール
セール・クレジット部門、市場リスク部門およびリテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメント
(以下「RBWM」という。)のリスク部門の責任者、ならびにグローバル事業部門の最高財務責任者および最
高経理責任者である。
エクスポージャーの集中
(監査済)
信用リスクの集中は、多くのカウンターパーティもしくはエクスポージャーに経済的な類似性がある場合、
または当該カウンターパーティが同様の活動に従事しているか、もしくは同じ地域もしくは同じ業界で事業
を展開している場合で、それぞれが契約債務を履行する集合的な能力が、経済状況、政治状況その他の状況
の変化によって、一律に影響を受ける場合に発生する。当行グループは、様々な統制や指標を用いて、当行
グループのポートフォリオにおけるエクスポージャーが業界別、国別および顧客別に見て、過度に集中する
事態を最小限に抑えている。この中には、ポートフォリオ別およびカウンターパーティ別の限度額、承認、
見直しによる管理のほか、ストレス・テストが含まれる。
金融商品の信用の質
(監査済)
当行グループのリスク格付システムは、当行グループが規制上の信用リスクに関する最低所要自己資本を計
算できるよう、HSBCグループが採用しているバーゼル規制の枠組みに基づいた内部格付手法を支援するもの
である。5つの信用の質の分類にはいずれも、ホールセールおよびリテールの貸付業務に割り当てられたよ
り細かい各種内部信用格付等級と、外部機関が負債証券に付与した外部格付が含まれる。
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負債証券およびその 他一部の金融商品の場合、外部格付は、関連する顧客リスク格付(以下「CRR」とい
う。)の外部信用等級のマッピングに基づき、5つの信用の質に分類されている。
ホールセール貸付
10等級のCRRは、より細かい基礎となる23等級の債務者デフォルト確率(PD)を要約したものである。法人顧
客はいずれも、エクスポージャにつき採用されたバーゼルの手法の洗練性の程度に応じて、10等級または23
等級を用いて格付されている。
各CRR等級は外部格付等級と、発行体加重の累積デフォルト 確率の平均による長期デフォルト 確率を参照して
関連付けられている。内部格付等級と外部格付等級のかかるマッピングは単なる参考であり、その時々に
よって変化する場合がある。
リテール貸付
リテール貸付の信用の質は、 12ヶ月間の特定時点における確率加重デフォルト確率(PD) に基づいている。
信用の質の分類
政府機関発行の
負債証券および その他の負債証券 ホールセール貸付および
注記 短期証券 および短期証券 デリバティブ リテール貸付
12ヶ月間の特定時点
における確率加重デ
12ヶ月のデフォルト確 フォルト確率
外部の信用格付 外部の信用格付 内部の信用格付 率(%) 内部の信用格付 (%)
質の分類 1,2
1
2
0-0.169
優 BBB以上 A-以上
区分1および2
0.000 -0.500
CRR1 から CRR2
BBB
0.170 -0.740 0.501 -1.500
良 -から BB BBB+ から BBB- CRR3 区分3
BB- toBおよび
BB+からBおよび
0.741 -4.914 1.501 -20.000
可 格付なし 格付なし CRR4 から CRR5 区分4および5
4.915 -99.999 20.001 -99.999
要管理 B-から C B-から C CRR6 から CRR8 区分6
100
信用減損 デフォルト デフォルト CRR9 から CRR10 100 区分7
1 顧客リスク格付(CRR)。
2 12ヶ月間の特定時点における確率加重デフォルト確率(PD)。
信用の質の分類の定義
・ 「優」:金融債務を履行する能力が十分あり、デフォルト確率がわずかもしくは低く、か
つ/または予想損失が低いエクスポージャーを示す。
・ 「良」:より密接な監視を必要とするものの、金融債務を履行する能力は良好であり、デ
フォルト・リスクが小さいエクスポージャーを示す。
・ 「可」:より密接な監視を必要とするものの、金融債務を履行する能力は平均から適正であ
り、デフォルト・リスクが中程度のエクスポージャーを示す。
・ 「要管理」:様々なレベルの特別な注意を必要とし、デフォルト・リスクが大きく懸念され
るエクスポージャーを示す。
・ 「信用減損」: 「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記1.2(i)に記載されたとおりに
評価されたエクスポージャーをいう。
条件緩和貸付金および支払猶予
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(監査済)
「支払猶予」とは、債務者の財政難に対応して、契約上の貸出条件についてなされる譲歩をいう。
当行グループが、借り手の支払期限到来時に契約上の支払義務を履行する能力に対して著しい懸念を抱いた
ことを理由として、契約上の弁済条件を緩和する形で変更した場合、貸付金は、「条件緩和」貸付金として
分類される。支払義務に関連しない譲歩(例えば、誓約の放棄。)は、減損の潜在的指標ではあるが、条件
緩和貸付金として指定されることはない。
条件緩和貸付金として指定された貸付金については、満期または認識中止となるまで、かかる指定が継続さ
れる。
条件緩和貸付金の認識中止に関する当行グループの方針の詳細については、 「第6-1 財務書類-財務諸
表注記」 の注記1.2(i)を参照のこと。
条件緩和貸付金の信用の質
条件緩和の実行時に、貸付金が信用減損している貸付金として分類されていない場合であっても、当該貸付
金は、信用減損している貸付金として分類される。ホールセール貸付の場合、ある顧客に貸し付けたファシ
リティはいずれも、貸出条件が変更されていない貸付を含め、条件緩和貸付金として指定された後は信用減
損しているとみなされる。
ホールセール貸付の条件緩和貸付金は、最低1年間にわたる観察を経て、将来のキャッシュフローの未弁済
リスクが著しく減少し、その他の減損の指標がないことを示す十分な証拠が得られるまで、信用減損してい
る貸付金として分類される。一方、リテール貸付の条件緩和貸付金は通常、弁済、償却または認識中止がな
されるまで、信用減損している貸付金とみなされる。
条件緩和貸付金および予想信用損失の認識
(監査済)
リテール貸付の場合、無担保の条件緩和貸付金は通常、ローン・ポートフォリオのその他の部分から分離さ
れる。条件緩和貸付金の予想信用損失の評価では、条件緩和貸付金で通常発生する高い損失率が反映されて
いる。ホールセール貸付の場合、条件緩和貸付金は通常、個別に評価される。信用リスク格付は、減損評価
に固有のものである。個別の減損評価おいては、将来の未弁済リスクが高いという条件緩和貸付金に特有の
要素が考慮される。
減損評価
(監査済)
当行グループの貸付金および金融投資の減損に関する方針の詳細については、 「第6-1 財務書類-財務
諸表注記」 の注記18を参照のこと。
貸付金の償却
(監査済)
当行グループの貸付金の償却に関する会計方針の詳細については、 「第6-1 財務書類-財務諸表注記」
の注記1.2(i)を参照のこと。個人に貸し付けた無担保ファシリティは、クレジットカードを含め、一般的に
延滞日数150日から210日の間に償却される。標準的な期間は、契約上の延滞日数が180日となった月の末日ま
でである。償却期間は通常、延滞日数360日を超過しない範囲で延長することができる。
ただし、例外的な状況下ではさらに延長することもできる。
担保付ファシリティの場合、担保の差押え、和解による受取金の受領または担保の回収を行わないという決
定があった時点で償却が実行される。貸借対照表上、60ヶ月超連続の延滞による債務不履行が継続した担保
資産については、回収の見込みを評価するために追加的な監視および検証を要する。
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一部の国では、現地の法令により期限前償却が制限されている、または不動産担保付貸付の担保の現金化に
通常よりも時間を要するという例外もある。破産または類似の手続の際には、上記の最長時期よりも早く償
却が発生する場合がある。償却後にも回収手続は継続される場合がある。
2019 年における信用リスク
ハト派的な世界の金融政策は、2019年の大半を通じて緩和基調であり、株価指数は過去最高を記録した。欧
州中央銀行およびイングランド銀行(BoE)は、2020年中も十分な市場流動性を維持するとみられる。欧州お
よび英国の法人の信用の質は、予想よりも低調な経済成長傾向にもかかわらず、記録的な低金利環境に支え
られてきた。しかしながら、経済の中でも一部の業界セグメントは、市場サイクルまたは需要サイクルの変
化により市場において困難な状況に置かれており、この傾向は今後も続くとみられる。一部の地域では、借
り手が多額の新規財務レバレッジを引き受け、財務プロファイルは一層厳しいものとなっている。新型コロ
ナウイルスが欧州および英国の企業に及ぼす二次的な影響についても当行は、この問題の拡大に伴い慎重に
追跡している。当行グループは、欧州の殆どの経済おいて緩やかなプラス成長になると予想しているが、英
国の政策立案者が政策刺激策を講じる余地がある程度大きいため、英国の借り手は恩恵を受ける可能性があ
る。
顧客に対する貸付金の総額は109十億ポンドであり、2018年12月31日現在の113十億ポンドに比べ減少した。
銀行に対する貸付金も11十億ポンドであり、2018年12月31日現在の14十億ポンドに比べ減少した。ホール
セール貸付およびリテール貸付の変動については、後述の「ホールセール貸付」において開示する。当期の
予想信用損失(ECL)は、損益計算書に記載のとおり、124百万ポンド(2018年:159百万ポンド)であった。
損益計算書上の変動については、後述の「財務結果の要約」において詳細に分析する。
なお、当行グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーについては「信用エクスポージャー-信用
リスクに対する最大エクスポージャー」において、信用の質については「信用の質」において後述する。信
用リスクは当行グループの貸借対照表の全般にわたり発生している一方で、損失は概して貸付金および証券
化エクスポージャーおよびその他の仕組商品で発生している。その結果、当行グループの開示は、主にこれ
ら2つの分野に焦点を当てている。
英国のステージ別帳簿価額(総額ベース)/元本金額の修正再表示
2018 年12月31日に開示されたステージ1およびステージ2におけるホールセール貸付の帳簿価額(総額ベー
ス)/元本金額は、従前はステージ別の割当てがなされていなかった英国経済の不確実性に関する調整を反
映して修正再表示された。2018年12月31日現在の数値は、コンセンサス・シナリオについてのみ、確率加重
されたステージ別の割当てを反映している。これとは対照的に、ECL引当金については、英国経済の不確実性
に関する調整がなされている。修正再表示の結果、ステージ2において増加がみられた一方、ステージ1に
おいてはそれに相当する減少がみられた。影響を受けた金融商品および開示は、以下のとおりである。
・ 顧客に対する貸付金:1,736百万ポンドの変動は、以下のとおり、企業および商業での1,677百万ポンド
および銀行以外の金融機関での59百万ポンドで構成されている。
・ 貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメント:979百万ポンドの変動は、以下のとお
り、企業および商業での916百万ポンドおよび銀行以外の金融機関での63百万ポンドに起因する。
・ 金融保証:21百万ポンドの変動は、以下のとおり、企業および商業での21百万ポンドで構成されてい
る。
・ ホールセール貸付:その他担保レベル別企業向け、商業向けおよび金融機関(銀行以外)向け貸付金
(貸付コミットメントを含む。):変動は、以下のとおり2,241百万ポンドであった。
2018 年12月31日付に開示された「帳簿価額(総額ベース)/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付
金(貸付コミットメントおよび金融保証を含む。)引当金の変動の調整」では、上記のその他の変動2,736百
万ポンドの修正再表示が反映されている。なお、帳簿価額(総額ベース)/元本金額合計、個人に対する貸
付金またはECL引当金に影響はなかった。
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信用リスクの概要
以下の開示は、IFRS第9号の減損要件が適用される金融商品の帳簿価額(総額ベース)/元本金額および関連
するECL引当金を示したものである。ELC引当金は、2018年12月31日現在の1,430百万ポンドから2019年12月31
日現在の1,113百万ポンドに減少した。
2019 年12月31日現在のECL引当金は、償却原価で保有する資産に関するもの1,050百万ポンド(2018年:1,347
百万ポンド)、貸付コミットメントおよび金融保証に関するもの63百万ポンド(2018年:83百万ポンド)、
およびFVOCIで測定される負債証券に関するもの16百万ポンド(2018年:45百万ポンド)で構成されている。
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の概要
(監査済)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
帳簿価額 帳簿価額
(総額ベース) (総額ベース)
1 1
/元本金額 /元本金額
ECL 引当金 ECL 引当金
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
109,428 (1,037) 113,306 (1,342)
-個人
24,833 (173) 23,903 (206)
-企業および商業
66,990 (809) 74,058 (1,106)
-銀行以外の金融機関
17,605 (55) 15,345 (30)
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
11,471 (4) 13,631 (3)
償却原価で測定されるその他の金融資産
181,755 (9) 165,525 (2)
-現金および中央銀行預け金
51,816 - 52,014 (1)
-他行から回収中の項目
707 - 839 -
-売戻契約-非トレーディング目的
85,756 - 80,102 -
-金融投資
13 - 13 -
2
-前払金、未収収益およびその他資産
43,463 (9) 32,557 (1)
貸借対照表上の帳簿価額合計(総額ベース)
302,654 (1,050) 292,462 (1,347)
貸付金およびその他の信用関連のコミットメント
121,447 (54) 141,620 (66)
-個人
1,950 (2) 2,062 -
-企業および商業
68,893 (50) 69,119 (65)
-金融機関
50,604 (2) 70,439 (1)
3
金融保証
4,318 (9) 6,054 (17)
-個人
43 -
34 -
-企業および商業
4,429 (16)
2,849 (8)
-金融機関
1,582 (1)
1,435 (1)
4
オフバランスシートの 元本金額合計
147,674 (83)
125,765 (63)
440,136 (1,430)
428,419 (1,113)
公正価値 ECL 引当金 公正価値 ECL 引当金
5 5
(備忘項目) (備忘項目)
百万ポンド 百万ポンド
百万ポンド 百万ポンド
その他の包括利益を通じた公正価値(以下「FVOCI」とい
46,360 (16) 47,172 (45)
う。)で測定される負債証券
1 ECL合計額は、ECL合計額が金融資産の帳簿価額(総額ベース)を超えない限り、金融資産に係る損失引当金に認識される。ECL合計
額が金融資産の帳簿価額(総額ベース)を超えた場合、ELCは、引当金として認識される。
2 IFRS第9号の減損要件が適用される金融商品のみを含む。連結貸借対照表に表示される「前払金、未収収益およびその他資産」
は、金融資産および非金融資産の両方を含む。
3 IFRS第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
4 契約が全額実行され、顧客が不履行に陥った場合を仮定したリスクにある最大額を表している。
5 FVOCIで測定される負債証券は、ECL引当金を備忘項目として、引き続き公正価値で測定される。ECLの変動は、「第6-1 財務書
類-連結損益計算書-予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動」に認識される。
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IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の要約
(監査済)
2019 年12月31日 2018 年12月31日
帳簿価額 帳簿価額
(総額ベース) (総額ベース)
1 1
/元本金額 ECL 引当金 /元本金額 ECL 引当金
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
50,314 (388) 59,527 (744)
-個人
3,637 (8) 3,249 (9)
-企業および商業
29,839 (345) 39,256 (685)
-銀行以外の金融機関
16,838 (35) 17,022 (50)
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
9,525 (3) 12,689 (3)
償却原価で測定されるその他の金融資産
114,330 - 124,544 (1)
-現金および中央銀行預け金
30,149 - 40,657 -
-他行から回収中の項目
44 - 442 -
-売戻契約-非トレーディング目的
50,736 - 56,495 -
-金融投資
- - - -
2
-前払金、未収収益およびその他資産
33,401 - 26,950 (1)
貸借対照表上の帳簿価額合計(総額ベース)
174,169 (391) 196,760 (748)
貸付金およびその他の信用関連のコミットメント
39,682 (25) 61,196 (50)
-個人
308 (1) 305 -
-企業および商業
25,495 (23) 33,291 (49)
-金融機関
13,879 (1) 27,600 (1)
3
金融保証
3,695 (4) 5,578 (14)
-個人
3 - 3 -
-企業および商業
674 (3) 1,846 (13)
-金融機関
3,018 (1) 3,729 (1)
4
オフバランスシートの元本金額合計
43,377 (29) 66,774 (64)
217,546 (420) 263,534 (812)
公正価値 ECL 引当金 公正価値 ECL 引当金
5 5
(備忘項目) (備忘項目)
百万ポンド 百万ポンド
百万ポンド 百万ポンド
その他の包括利益を通じた公正価値(以下「FVOCI」という。)
26,506 (4) 26,646 (6)
で測定される負債証券
1 ECL合計額は、ECL合計額が金融資産の帳簿価額(総額ベース)を超えない限り、金融資産に係る損失引当金に認識される。ECL合計
額が金融資産の帳簿価額(総額ベース)を超えた場合、ELCは、引当金として認識される。
2 IFRS第9号の減損要件が適用される金融商品のみを含む。連結貸借対照表に表示される「前払金、未収収益およびその他資産」
は、金融資産および非金融資産の両方を含む。
3 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
4 契約が全額実行され、顧客が不履行に陥った場合を仮定したリスクにある最大額を表している。
5 FVOCI で測定される負債証券は、 ECL 引当金を備忘項目として、引き続き公正価値で測定される。 ECL の変動は、「第6-1 財務書
類-連結損益計算書-予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動」に認識される。
以下の表は、当行グループおよび当行の信用リスクのステージ別および業種別内訳、ならびに関連する ECL カ
バレッジ比率の概要を示したものである。各ステージに計上される金融資産の特徴は、以下のとおりであ
る。
・ ステージ1:これらの金融資産は、減損しておらず、かつ、信用リスクも著しく増加していないが、
12ヶ月の ECL 引当金が認識されている。
・ ステージ2:最初の認識以降、信用リスクが著しく増加しており、全期間 ECL も認識されている。
・ ステージ3:減損の客観的証拠があり、したがって債務不履行または信用減損とみなされており、全期
間ECL も認識されている。
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・ 購入または組成された信用減損金融資産(以下「 POCI 」という。):発生した信用損失を反映して大幅
な割引で購入または組成された金融資産であり、全期間 ECL も認識されている。
2019 年12月31日現在のステージ分布別信用リスク( FVOCI で測定される負債証券を除く。)および業種別の
ECL カバレッジ比率の概要
(監査済)
2
ECLカバレッジ比率 %
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額 ECL引当金
ステー
ステー ステー ステー ステー ステー
3 3
ジ1
ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ステー ステー ステー
3
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
当行グループ ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド % % % % %
顧客に対する貸付
金(償却原価で計
100,077 7,238 2,043 70 109,428 (104) (126) (774) (33) (1,037) 0.1 1.7 37.9 47.1 0.9
上)
-個人
23,273 1,073 487 - 24,833 (6) (23) (144) - (173) - 2.1 29.6 - 0.7
-企業および商業
59,654 5,806 1,460 70 66,990 (85) (100) (591) (33) (809) 0.1 1.7 40.5 47.1 1.2
-銀行以外の金融
機関
17,150 359 96 - 17,605 (13) (3) (39) - (55) 0.1 0.8 40.6 - 0.3
銀行に対する貸付金
(償却原価で計上 )
11,408 63 - - 11,471 (4) - - - (4) - - - - -
償却原価で測定され
るその他の金融資産
181,697 26 32 -181,755 - - (9) - (9) - - 28.1 - -
貸付コミットメント
およびその他の信
用関連のコミット
メント
118,078 3,235 129 5121,447 (22) (11) (21) - (54) - 0.3 16.3 - -
-個人
1,859 88 3 - 1,950 - (2) - - (2) - 2.3 - - 0.1
-企業および商業
65,796 2,967 125 5 68,893 (20) (9) (21) - (50) - 0.3 16.8 - 0.1
-金融機関
50,423 180 1 - 50,604 (2) - - - (2) - - - - -
1
金融保証
3,685 567 63 3 4,318 (2) (6) (1) - (9) 0.1 1.1 1.6 - 0.2
33 - 1 - 34 - - - - - - - - - -
-個人
2,352 433 61 3 2,849 (2) (6) - - (8) 0.1 1.4 - - 0.3
-企業および商業
1,300 134 1 - 1,435 - - (1) - (1) - - 100.0 - 0.1
-金融機関
2019 年12月31日現
414,945 11,129 2,267 78 428,419 (132) (143) (805) (33) (1,113) - 1.3 35.5 42.3 0.3
在
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 契約が全額実行され、顧客が不履行に陥った場合を仮定したリスクにある最大額を表している。
3 購入または組成された信用減損金融資産(以下「 POCI 」という。)
初期の段階で特定されない限り、すべての金融資産は、延滞日数( DPD )が 30日となりステージ1からステー
ジ2に振り替えられた時点で、信用リスクが著しく増加したとみなされる。以下の開示は、延滞日数が 30日
未満のものおよび 30日以上のものに区分された、ステージ2の金融資産の経年変化を示したものであり、
よって経年変化(延滞日数 30日)によりステージ2に分類された金融資産およびより早い段階(延滞日数 30
日未満)でステージ2に分類された金融資産を示している。
ステージ2の延滞分析( 2019 年12月31日現在)
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金 ECLカバレッジ比率 %
うち: うち: うち: うち: うち: うち:
延滞日数1日 延滞日数 延滞日数1日 延滞日数 延滞日数1日 延滞日数
1 1 1 1 1 1
ステージ2 から 29日 30日以上 ステージ2 から 29日 30日以上 ステージ2 から 29日 30日以上
当行グループ
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 ):
7,238 73 100 (126) (1) (3) 1.7 1.4 3.0
-個人
1,073 58 44 (23) (1) (1) 2.1 1.7 2.3
-企業および商業
5,806 15 56 (100) - (2) 1.7 - 3.6
-銀行以外の金融機関
359 - - (3) - - 0.8 - -
銀行に対する貸付金 (償却原価で計上 )
63 - - - - - - - -
償却原価で測定されるその他の金融資産
26 5 - - - - - - -
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1 ステージ2における最新の延滞勘定は上記に示される金額に含まれていない。
2018 年12月31日現在 のステージ分布別信用リスク( FVOCI で測定される負債証券を除く。)および業種別の
ECL カバレッジ比率の概要(続き)
2
ECLカバレッジ比率 %
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額 ECL引当金
ステー ステー
ステー ステー ステー ステー
3 3
ジ1 ジ1
ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ2 ジ3 POCI 合計 ステー ステー ステー
3
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
当行グループ ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド % % % % %
顧客に対する貸付金
(償却原価で計上 )
100,393 10,552 2,244 117 113,306 (121) (171) (972) (78) (1,342) 0.1 1.6 43.3 66.7 1.2
-個人
22,170 1,206 527 - 23,903 (9) (27) (170) - (206) - 2.2 32.3 - 0.9
-企業および商業
63,145 9,153 1,643 117 74,058 (99) (132) (797) (78) (1,106) 0.2 1.4 48.5 66.7 1.5
-銀行以外の金融
機関
15,078 193 74 - 15,345 (13) (12) (5) - (30) 0.1 6.2 6.8 - 0.2
銀行に対する貸付金
(償却原価で計上 )
13,565 66 - - 13,631 (2) (1) - - (3) - 1.5 - - -
償却原価で測定される
その他の金融資産
165,496 24 5 -165,525 (1) - (1) - (2) - - 20.0 - -
貸付コミットメントお
よびその他の信用関
連のコミットメント
135,560 5,806 249 5141,620 (27) (26) (13) - (66) - 0.4 5.2 - -
-個人
2,005 54 3 - 2,062 - - - - - - - - - -
-企業および商業
63,512 5,357 245 5 69,119 (26) (26) (13) - (65) - 0.5 5.3 - 0.1
-金融機関 70,043 395 1 - 70,439 (1) - - - (1) - - - -
1
金融保証
5,402 586 64 2 6,054 (4) (9) (4) - (17) 0.1 1.5 6.3 - 0.3
-個人
42 - 1 - 43 - - - - - - - - - -
-企業および商業
3,845 520 62 2 4,429 (4) (8) (4) - (16) 0.1 1.5 6.5 - 0.4
-金融機関
1,515 66 1 - 1,582 - (1) - - (1) - 1.5 - - 0.1
2018 年12月31日
4
現在
420,416 17,034 2,562 124 440,136 (155) (207) (990) (78) (1,430) - 1.2 38.6 62.9 0.3
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 契約が全額実行され、顧客が不履行に陥った場合を仮定したリスクにある最大額を表している。
3 購入または組成された信用減損 金融資産 (以下「 POCI 」という。)
4 当期中、当行グループは、ステージ1およびステージ2の英国ホールセール貸付の額を修正再表示した。
ステージ2の延滞分析( 2018 年12月31日現在)(続き)
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金 ECLカバレッジ比率 %
うち: うち: うち: うち: うち: うち:
(監査済)
延滞日数1日 延滞日数 延滞日数1日 延滞日数 延滞日数1日 延滞日数
1 1 1 1 1 1
ステージ2 から 29日 30日以上 ステージ2 から 29日 30日以上 ステージ2 から 29日 30日以上
当行グループ
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド % % %
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 ):
10,552 117 178 (171) (3) (6) 1.6 2.6 3.4
-個人
1,206 80 83 (27) (2) (4) 2.2 2.5 4.8
-企業および商業
9,153 37 95 (132) (1) (2) 1.4 2.7 2.1
-銀行以外の金融機関
193 - - (12) - - 6.2 - -
銀行に対する貸付金 (償却原価で計上 )
66 5 - (1) - - 1.5 - -
償却原価で測定されるその他の金融資産
24 - - - - - - - -
1 ステージ2における最新の延滞勘定は上記に示される金額に含まれていない。
2019 年12月31日現在 のステージ分布別信用リスク( FVOCI で測定される負債証券を除く。)および業種別の ECL
カバレッジ比率の概要
2
ECLカバレッジ比率 %
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額 ECL引当金
ステー ステー
ステー ステー ステー ステー
3 3
ジ1 ジ1
ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ2 ジ3 POCI 合計 ステー ステー ステー
3
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
当行 ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド % % % % %
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顧客に対する貸付金 (償
却原価で計上 )
46,173 3,430 678 33 50,314 (58) (67) (239) (24) (388) 0.1 2.0 35.3 72.7 0.8
-個人
3,562 57 18 - 3,637 (1) (3) (4) - (8) - 5.3 22.2 - 0.2
-企業および商業
26,082 3,109 615 33 29,839 (48) (62) (211) (24) (345) 0.2 2.0 34.3 72.7 1.2
-銀行以外の金融
機関
16,529 264 45 - 16,838 (9) (2) (24) - (35) 0.1 0.8 53.3 - 0.2
銀行に対する貸付金 (償
却原価で計上 )
9,487 38 - - 9,525 (3) - - - (3) - - - - -
償却原価で測定されるそ
の他の金融資産
114,306 16 8 -114,330 - - - - - - - - - -
貸付コミットメントおよ
びその他の信用関連の
コミットメント
38,820 839 18 5 39,682 (15) (8) (2) - (25) - 1.0 11.1 - 0.1
-個人
305 3 - - 308 - (1) - - (1) - 33.3 - - 0.3
-企業および商業
24,657 815 18 5 25,495 (14) (7) (2) - (23) 0.1 0.9 11.1 - 0.1
13,858 21 - - 13,879 (1) - - - (1) - - - - -
-金融機関
1
金融保証
3,363 275 57 - 3,695 (1) (2) (1) - (4) - 0.7 1.8 - 0.1
-個人
3 - - - 3 - - - - - - - - - -
-企業および商業
468 150 56 - 674 (1) (2) - - (3) 0.2 1.3 - - 0.4
-金融機関
2,892 125 1 - 3,018 - - (1) - (1) - - 100.0 - -
212,149 4,598 761 38 217,546 (77) (77) (242) (24) (420) - 1.7 31.8 63.2 0.2
4
2019 年12月31日現在
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 契約が全額実行され、顧客が不履行に陥った場合を仮定したリスクにある最大額を表している。
3 購入または組成された信用減損金融資産(以下「 POCI 」という。 )
ステージ2の延滞分析( 2019 年12月31日現在 )
(監査済)
ECLカバレッジ比率 %
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金
うち: うち:
うち: うち: うち: うち:
延滞日数1 延滞日数1
延滞日数1日 延滞日数 30 延滞日数 30 延滞日数 30
日から 29日 日から 29日
1 1 1 1
1 1
ステージ2 から 29日 日以上 ステージ2 日以上 ステージ2 日以上
当行
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド % % %
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 )
3,430 13 6 (67) - - 2.0 - -
-個人
57 13 6 (3) - - 5.3 - -
-企業および商業
3,109 - - (62) - - 2.0 - -
-銀行以外の金融機関
264 - - (2) - - 0.8 - -
銀行に対する貸付金 (償却原価で計上 )
38 - - - - - - - -
償却原価で測定されるその他の金融資産
16 - - - - - - - -
1 ステージ2における延滞していない勘定は、上記の金額に含まれていない。
2018 年12月31日現在のステージ分布別信用リスク( FVOCI で測定される負債証券を除く。)および業種別の ECL
カバレッジ比率の概要(続き)
(監査済)
2
ECLカバレッジ比率 %
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額 ECL引当金
ステー
ステー ステー ステー ステー ステー
3 3
ジ1
ジ2 ジ3 POCI 合計 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計 ステー ステー ステー
3
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 ジ1 ジ2 ジ3 POCI 合計
当行 ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド % % % % %
顧客に対する貸付金
(償却原価で計上 ) 51,226 7,213 985 103 59,527 (86) (122) (461) (75) (744) 0.2 1.7 46.8 72.8 1.2
-個人
3,134 91 24 - 3,249 (1) (3) (5) - (9) - 3.3 20.8 - 0.3
-企業および商業
31,289 6,969 895 103 39,256 (72) (108) (430) (75) (685) 0.2 1.5 48.0 72.8 1.7
-銀行以外の金融
機関
16,8032 153 66 - 17,022 (13) (11) (26) - (50) 0.1 7.2 39.4 - 0.3
銀行に対する貸付金
(償却原価で計上 )
12,629 60 - - 12,689 (2) (1) - - (3) - 1.7 - - -
償却原価で測定される
その他の金融
資産
124,521 19 4 -124,544 - - (1) - (1) - - 25.0 - -
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貸付コミットメントお
よびその他の信用関
連のコミットメント
57,183 3,868 141 5 61,197 (24) (24) (2) - (50) - 0.6 1.4 - 0.1
-個人
302 3 - - 305 - - - - - - - - - -
-企業および商業
29,633 3,513 141 5 33,292 (23) (24) (2) - (49) 0.1 0.7 1.4 - 0.1
-金融機関
27,248 352 - - 27,600 (1) - - - (1) - - - - -
1
金融保証 5,227 298 53 - 5,578 (3) (7) (4) - (14) 0.1 2.3 7.5 - 0.3
-個人
3 - - - 3 - - - - - - - - - -
-企業および商業
1,546 248 52 - 1,846 (3) (6) (4) - (13) 0.2 2.4 7.7 - 0.7
-金融機関
3,678 50 1 - 3,729 - (1) - - (1) - 2.0 - - -
4
2018 年12月31日現在 250,786 11,458 1,183 108 263,535 (115) (154) (468) (75) (812) - 1.3 39.6 69.4 0.3
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 契約が全額実行され、顧客が不履行に陥った場合を仮定したリスクにある最大額を表している。
3 購入または組成された信用減損金融資産(以下「 POCI 」という。)
4 当期中、当行グループは、ステージ1およびステージ2の英国ホールセール貸付の額を修正再表示した。
ステージ2の延滞分析( 2018 年12月31日現在)(続き)
ECLカバレッジ比率 %
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金
(監査済)
うち: うち: うち: うち: うち: うち:
延滞日数1日 延滞日数 延滞日数1日 延滞日数 延滞日数1日 延滞日数
1 1 1 1 1 1
ステージ2 から 29日 30日以上 ステージ2 から 29日 30日以上 ステージ2 から 29日 30日以上
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド % % %
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 )
7,213 20 5 (122) - - 1.7 - -
-個人
91 20 5 (3) - - 3.3 - -
-企業および商業
6,969 - - (108) - - 1.5 - -
-銀行以外の金融機関 153 - - (11) - - 7.2 - -
銀行に対する貸付金 (償却原価で計上 ) 60 - - (1) - - 1.7 - -
償却原価で測定されるその他の金融資産 19 - - - - - - - -
1 ステージ2における延滞していない勘定は、上記の金額に含まれていない。
信用エクスポージャー
信用リスクに対する最大エクスポージャー
(監査済)
本項で は、貸借対照表の項目 およびそれらの相殺ならびに 貸付 コミットメント およびその他の 信用 関連の コ
ミットメント に関する情報を 記載する 。デリバティブの相殺は、最大エクスポージャー額の変動と一致 して
いる 。
「信用リスクに対する最大エクスポージャー」の表
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以下の表は、保有する担保またはその他の信用補完(当該信用補完が相殺要件を満たしていない場合)を
考慮に入れる前の当行グループの最大エクスポージャーを示している。かかる表では、簿価が信用リスク
に対する正味エクスポージャーを最もよく示している金融商品が除外されており、持分証券も信用リスク
の対象になっていないことから除外されている。貸借対照表に計上されている金融資産の場合、信用リス
クに対する最大エクスポージャーは、簿価と等しくなる。金融保証およびその他の保証を供与した場合、
保証の履行が請求された場合に当行グループが支払義務を負うこととなる最高額が、最大エクスポー
ジャーになる。貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメントの場合、一般的には約定済
与信枠の全額が最大エクスポージャーになる。
表の相殺欄は、カウンターパーティが債務を履行しなかった場合に法的に強制可能な相殺権があることか
ら、信用リスク管理上、正味エクスポージャーで見ることになる金額に関する値である。しかし、通常の
状況では純額ベースで残高を決済する意向はないため、会計上、純額表示する要件を満たさない。オフバ
ランスシートの担保に対しては、相殺は行われていない。デリバティブの場合、相殺欄には現金やその他
の金融資産の形で受け入れた担保も算入される。
その他の信用リスクの軽減策
以下の「信用リスクに対する最大エクスポージャー」の表で相殺として開示されていないが、信用リスクに
対する最大エクスポージャーを削減するその他の 手当 がなされている。これには、居住用不動産、貸借対照
表上に計上されていない金融商品の形式で保有されている担保、および有価証券のショート・ポジション
等、債務者の特定の資産に対する担保設定が含まれている。加えて、連動型保険/投資契約の一部として保
有されている金融資産については、保険契約者が主にリスクを負担している。
一部の貸付金およびデリバティブに係る担保の詳細については、「第6-1 財務書類 -財務諸表注記」の
注記 28を参照のこと。
信用リスク軽減のために利用可能な担保は、後述の担保に関する項で開示する。
信用リスクに対する最大エクスポージャー
(監査済)
2019 年 2018 年
最大エクスポー 相殺 純額 最大エクスポー 相殺 純額
ジャー ジャー
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
108,391 (10,419) 97,972 111,964 (12,579) 99,385
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
24,660 - 24,660 23,697 - 23,697
-個人
66,181 (8,833) 57,348 72,952 (10,610) 62,342
-企業および商業
17,550 (1,586) 15,964 15,315 (1,969) 13,346
-銀行以外の金融機関
11,467 (75) 11,392 13,628 (12) 13,616
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
181,983 (21,848) 160,135 165,793 (17,065) 148,728
その他の金融資産(償却原価で計上)
51,816 - 51,816 52,013 - 52,013
-現金および中央銀行預け金
707 - 707 839 - 839
-他行から回収中の項目
85,756 (21,848) 63,908 80,102 (17,065) 63,037
-売戻契約-非トレーディング目的
13 - 13 13 - 13
-金融投資
43,691 - 43,691 32,826 - 32,826
-前払金、未収収益およびその他資産
164,538 (163,779) 759 144,522 (140,644) 3,878
デリバティブ
466,379 (196,121) 270,258 435,907 (170,300) 265,607
信用リスクに対する貸借対照表上の合計エクスポージャー
148,306 - 148,306 172,073 - 172,073
オフバランス合計
1
19,456 - 19,456 23,244 - 23,244
-金融保証およびその他の保証
128,850 - 128,850 148,829 - 148,829
-貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメント
614,685 (196,121) 418,564 607,980 (170,300) 437,680
12月31日現在
2019 年 2018 年
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
49,926 (17,409) 32,517 58,783 (20,045) 38,738
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
3,629 - 3,629 3,240 - 3,240
-個人
29,494 (8,833) 20,661 38,571 (10,610) 27,961
-企業および商業
16,803 (8,576) 8,227 16,972 (9,435) 7,537
-銀行以外の金融機関
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9,522 - 9,522 12,686 (22) 12,664
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
114,440 (14,936) 99,504 124,815 (13,401) 111,414
その他の金融資産(償却原価で計上)
30,149 - 30,149 40,657 - 40,657
-現金および中央銀行預け金
44 - 44 442 - 442
-他行から回収中の項目
50,736 (14,936) 35,800 56,495 (13,401) 43,094
-売戻契約-非トレーディング目的
- - - - - -
-金融投資
33,511 - 33,511 27,221 - 27,221
-前払金、未収収益およびその他資産
152,496 (152,450) 46 139,229 (137,504) 1,725
デリバティブ
326,384 (184,795) 141,589 335,513 (170,972) 164,541
信用リスクに対する貸借対照表上の合計エクスポージャー
55,298 - 55,298 81,748 - 81,748
オフバランス合計
1
11,236 - 11,236 15,860 - 15,860
-金融保証およびその他の保証
44,062 - 44,062 65,888 - 65,888
-貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメント
381,682 (184,795) 196,887 417,261 (170,972) 246,289
12月31日現在
1 「金融保証およびその他の保証」とは、 ECL を除き、「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 30において開示されている「金
融保証」および「履行その他の保証」をいう。
エクスポージャーの集中
当行グループは、多岐にわたる商品を取り揃えた多数の事業を有している。当行グループは、多くの市場に
おいて事業を展開しているが、当行グループのエクスポージャーの大部分は、英国およびフランスで発生し
ている。
以下 には、下記 の事項に関する 分析 の参照先を示す。
・ 金融投資については、 「第6-1 財務書類 -財務諸表注記」の注記 15を参照のこと。
・ トレーディング資産については、 「第6-1 財務書類 -財務諸表注記」の注記 10を参照のこと。
・ デリバティブについては、後述の「デリバティブ」および 「第6-1 財務書類 -財務諸表注記」の 注
記14を参照のこと。
・ 業種別貸付金、貸付業務を営む子会社の主要営業所の所在地別貸付金または貸付業務を営む支店の所在
地別貸付金については、後述の「ホールセール貸付」および「個人向け貸付」を参照のこと。
金融商品の信用悪化
(監査済)
ステージ1、ステージ2およびステージ3(信用減損)の特定、取扱いおよび測定ならびに POCI 金融商品に
関する当行グループの現行の方針および実務の要約については、 「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の
注記 1.2 に記載されている。
測定に関する不確実性および ECL 推定値の感応度分析
予想信用損失(以下「 ECL 」という。)の認識および測定を行うにあたっては、重要な判断および推定を要す
る。当行グループは、経済予測に基づき複数の経済シナリオを策定の上、こうした仮定を、将来の信用損失
を推定するために信用リスク・モデルに、公正な ECL の推定を決定するために確率加重の結果に、それぞれ適
用している。
手法
当方グループは、将来の経済状況に関する仮定を反映する目的で複数の経済シナリオを使用している。それ
らの基本は、コンセンサス予測分布に基づく3つの経済シナリオであり、代替的もしくは追加的な経済シナ
リオおよび/またはコンセンサス予測分布が該当するリスクを的確に捕捉していないと経営陣が判断した場
合における経営陣による調整により補完されている。
3つの経済シナリオは、最も確率の高い結果の他、「上振れ」シナリオおよび「下振れ」シナリオと呼ばれ
る2つの確率の低い結果で構成されている。 HSBC グループの上級経営陣の判断により、外部シナリオはいず
れも 10%の確率と一致している一方で、中心シナリオには残りの 80%の確率が割り当てられている。この加
重法式は、大部分の状況においても公正な ECL の推定に適切であるとみなされている。
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中央コンセンサス経済シナリオにおける経済の仮定は、外部エコノミストによる予測の平均を用いて設定さ
れる。外部予測の信頼性により、中央シナリオの公正性が確保され、独立した情報を最大限利用することが
可能となる。上振れシナリオおよび下振れシナリオは、外部で利用可能な予測分布を参照して選択され、 GDP
成長率、インフレ率および失業率が通常、主要経済国について最初の3年間後に中心シナリオに戻るように
循環する設計となっている。当行グループは、主要経済国の予測結果の全体的分布の 10番目と 90番目のパー
センタイル値を用いて、 GDP 成長率の中心シナリオからの最大乖離を決定している。主要な経済変数は、外部
の分布予測を参照して設定されるが、当行グループは、シナリオの全体的な内容を、前述の HSBC グループの
「トップリスクと新興リスク」として記載されているマクロ経済リスクと整合させている。これにより、こ
うしたリスクの定性的評価との一貫性を持ったシナリオを維持することができる。当行グループは、外部提
供者のグローバル・マクロ・モデルを用いて、追加的な変数パスを予測している。
上振れ シナリオ および下振れ シナリオは 年に1度策定 され、 経営陣の見解が適切に反映されるよう各 財務報
告日 に見直しが行われるとともに、 経済状況が 著しく 変化した場合に は更新される。 中央シナリオは四半期
ごとに策定される。外部シナリオの更新がなされない四半期において、ホールセール業務およびリテール業
務の信用リスクに関しては、最新の外部シナリオの影響を見積もるために、更新された中央シナリオを用い
る。
コンセンサス・シナリオでは的確に捕捉されていないと経営陣が判断する将来予測的なリスクに対応するた
め、必要に応じて追加シナリオも策定される。 財務報告日 において、当行グループは、英国経済の不確実性
に対応するため、追加シナリオを策定済みである。
コンセンサス経済シナリオの概要
本項に記載の経済に関する仮定については、特に ECL の計算を目的として、 HSBC グループが外部予測を参照し
て策定したものである。
コンセンサス中心シナリオ
HSBC グループの中心シナリオは、 2020 年から 2024 年までの期間の見通しについて、緩やかな成長を見込んだ
内容のうちの一つである。世界の GDP 成長率は、当該期間中、平均 2.8 %と予想されており、これは 2014 年か
ら2018 年までの期間の平均成長率をわずかに上回っている。主要な市場全体について、当行グループは、以
下の事項を認識している。
・ 英国およびフランスの場合、 2020 年から 2024 年までの予想対象期間の GDP の予想平均成長率は、 2014 年か
ら2018 年までの期間の平均成長率を下回っている。これは、現在の経済不確実性の長期的な影響が中程
度の悪影響になるとの予想を反映している。
・ 失業率は、当該予測対象期間中、当行グループにとって主要な市場の大半において上昇すると予想され
る。
・ インフレ率は、安定的に推移すると予想され、当該予測対象期間中、当行グループの中核的市場におけ
る中央銀行の目標値に近い水準で推移すると予想される。
・ 主要中央銀行は、 2019 年に主要な政策金利を引き下げており、当該予測対象期間中、低金利環境が続く
と予想される。欧州中央銀行は、資産買入れプログラムを再開するとみられる。
・ ウエスト・テキサス・インターミディエート( WTI )原油価格は、当該予測期間中、 1バレル当たり平均
59米ドルになると予想されている。
以下の表は、主要なマクロ経済変数およびコンセンサス中心シナリオにおいて割り当てられた確率を示して
いる。
コンセンサス中心シナリオ( 2020 年から 2024 年までの期間の平均 )
英国 フランス
1.6 1.3
GDP 成長率 (%)
2.0 1.6
インフレ率 (%)
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4.4 7.8
失業率 (%)
0.6 (0.6)
短期金利 (%)
1.7 1.0
10年物国債利回り (%)
3.0 2.9
住宅価格上昇率 (%)
2.8 3.4
株価上昇率 (%)
55.0 80.0
確率 (%)
コンセンサス上振れシナリオ
リスクの経済予測分布( GDP 成長率のコンセンサス確率分布で捕捉したもの。)をみると、 2019 年中、当行グ
ループにとって主要な市場において、上振れリスクが低下した。世界の実質 GDP 成長は、中央シナリオに収束
する前に、上振れシナリオの最初の2年間において上昇する。
マインドの高まり、英国経済の不確実性の前向きな解決、貿易摩擦の緩和、世界的な貿易障壁の撤廃、拡張
的財政政策、原油価格の高騰および地政学的緊張の沈静化は、上振れシナリオを支えるリスクのテーマと
なっている。
以下の表は、主要なマクロ経済変数およびコンセンサス上振れシナリオにおいて割り当てられた確率を示し
ている。
コンセンサス上振れシナリオ( 2020 年から 2024 年までの期間の平均 )
英国 フランス
2.1 1.7
GDP 成長率 (%)
2.4 2.0
インフレ率 (%)
4.0 7.4
失業率 (%)
0.6 (0.5)
短期金利 (%)
1.7 1.0
10年物国債利回り (%)
4.4 3.7
住宅価格上昇率 (%)
4.4 7.3
株価上昇率 (%)
10.0 10.0
確率 (%)
コンセンサス下振れシナリオ
リスクの分布( GDP 成長率コンセンサス確率分布で捕捉したもの。)をみると、 2019 年中、ユーロ圏および英
国において下振れリスクが微増した(後述の英国経済の不確実性に関する項を参照のこと。)。下振れシナ
リオでは、世界の実質 GDP 成長率は、長期トレンドに向かって回復する前に、2年間低下する。このシナリオ
では、住宅価格の上昇は停滞または縮小し、株式市場は当行グループの主要市場において急激に是正され
る。世界的な需要の減速は、コモディティ価格の下落をもたらし、それに伴うインフレの低下を招く。中央
銀行は、金融緩和政策を実施し、これにより一部の市場では、主要な政策金利が引き下げられるものと予測
される。これは、世界的な保護主義および貿易障壁の高まり、英国経済の不確実性の悪化およびコモディ
ティ価格の下落等、主要な下振れリスクのテーマと一致する。
以下の表は、主要なマクロ経済変数およびコンセンサス下振れシナリオにおいて割り当てられた確率を示し
ている。
コンセンサス下振れシナリオ( 2020 年から 2024 年までの期間の平均 )
英国 フランス
1.0 1.0
GDP 成長率 (%)
1.7 1.3
インフレ率 (%)
4.8 8.2
失業率 (%)
0.1 (0.9)
短期金利 (%)
0.8 0.2
10年物国債利回り (%)
1.6 1.9
住宅価格上昇率 (%)
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(1.1) (2.3)
株価上昇率 (%)
- 10.0
確率 (%)
代替下振れシナリオ
代替下振れシナリオは、当行グループにとって主要な市場の一部におけるリスクに関する経営陣の見解を反
映して策定された。
英国の代替下振れシナリオ
2019 年においては、経済リスクの分布に関する経営陣の見解を反映して、英国について3つの代替下振れシ
ナリオが策定された。これらのシナリオは、コンセンサス分布が 2020 年1月31日付の英国の EU離脱により発生
するリスクを反映していないという経営陣の判断を反映したものである。経営陣は、 2019 年中の事象を評価
し、関連する経済事象および政治事象のすべてを織り込んだこれらのシナリオに確率を割り当てた。かかる
3つのシナリオおよび割り当てられた確率は、以下のとおりである。
・ 英国代替下振れシナリオ1(以下「 AD1」という。):経済の不確実性が英国経済に大きな影響を及ぼ
し、景気回復力の弱い景気後退が長期化する可能性がある。このシナリオは、初期のリスク・プレミア
ム・ショックと長期の生産性成長率の低下を伴うこのような景気後退の結果を反映している。このシナ
リオは、 25%の加重とともに使用されている。
・ 英国代替下振れシナリオ2(以下「 AD2」という。):このシナリオは、経済の不確実性により、急激
なポンド安および急激なインフレ率上昇が発生し、それに伴い金融政策も対応を迫られるという深刻な
シクリカル・ショックを引き起こす可能性を反映したものである。これはテール・リスクであり、 5%の
加重が割り当てられている。
・ 英国代替下振れシナリオ3(以下「 AD3」という。):このシナリオは、現在の英国経済の不確実性に
よる悪影響が、上記2つのシナリオよりも遅れて発生するという最悪の影響を伴いながら、さらに長期
間にわたって顕在化する可能性を反映したものである。このシナリオはテール・リスクとみなされ、 5%
の加重が割り当てられている。
以下の表は、主要なマクロ経済変数および代替下振れシナリオ別の確率を示している。
2020 年から 2024 年までの期間の平均
代替下振れシナリオ1 代替下振れシナリオ2 代替下振れシナリオ3
0.3 (0.3) (0.8)
GDP 成長率 (%)
インフレ率 (%) 2.3 2.5 2.7
6.5 8.0 7.7
失業率 (%)
0.4 2.5 2.5
短期金利 (%)
1.8 4.0 4.0
10年物国債利回り (%)
住宅価格上昇率 (%) (1.7) (3.7) (4.8)
(3.3) (4.6) (9.6)
株価上昇率 (%)
25.0 5.0 5.0
確率 (%)
コンセンサス経済予測から乖離する結果となった条件は、こうした調整が引き続き必要であるかどうかを判
断するために、将来の経済状況の変化に応じて定期的に見直されることとなる。
経済シナリオをホールセール業務の ECL の計算に反映させる方法
HSBC グループは、経済シナリオをデフォルト確率(以下「 PD」という。)およびデフォルト時損失率(以下
「LGD 」という。)の期間構造の推定に組み込むことにより、 ECL の計算において経済シナリオを適用するた
めの世界的に一貫した手法を開発した。 PDの場合、当行グループは、ある国の特定の産業における経済指標
とデフォルト 確率との相関関係を検証する。一方 LGD の計算では、当行グループは、特定の国および特定の産
業における経済指標と担保価値および換金率との相関関係を検証する。 PDおよび LGD は、各商品の全期間構造
について推定される。
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減損貸付金の場合、 LGD 推定値は、利用可能な場合には外部コンサルタントから提供された独立した回収額、
または予測される経済情勢および個々の会社の状態に対応する内部予測を織り込んでいる。重要ではないと
個別評価される減損貸付金に係る ECL を見積る場合、 HSBC グループは、ステージ3ではない母集団の確率加重
数値と中心シナリオ下の数値に応じた経済シナリオを組み込んでいる。
経済シナリオをリテール業務の ECL の計算に反映させる方法
HSBC グループは、経済状況予測を ECL 推定値に組み込むための世界的に一貫した手法を開発し、実施してい
る。経済シナリオが PDに及ぼす影響は、ポートフォリオ・レベルでモデル化されている。実際のデフォルト
確率とマクロ経済変数との過去の関係は、経済反応モデルを用いて IFRS 第9号に基づく ECL 推定値に統合され
ている。こうしたシナリオが PDに及ぼす影響は、原資産の残存償還期間に相当する期間についてモデル化さ
れている。一方、 LGD に及ぼす影響は、国レベルでの住宅価格指数(以下「 HPI 」という。)の予測を用いつ
つ、対応する LGD 期待値を適用した上で、資産の残存償還期間の借入金比率(以下「 LTV 」という。)を予測
することにより、住宅ローン・ポートフォリオについてモデル化されている。
英国経済の不確実性が ECL に与える影響
2019 年12月31日に経営陣は、英国のホールセール業務における ECL 引当金を 25.7 百万ポンド( 2018 年: 64百万
ポンド)増加させる調整を行った。かかる調整は、上振れシナリオ( 10%)、コンセンサス・シナリオ
(55%)および代替下振れシナリオ(合計 35%)の確率加重分布に基づく ECL の増加を示している。
当行グループはまた、貸借対照表の日付後の動向についても検討し、 2019 年12月31日現在の手法および判断
の調整は不要であると結論付けた。
ECL 推計値の経済シナリオ感応度分析
経営陣は、 ECL ガバナンス・プロセスの一環として、代わりに各 シナリオに 100 %の加重を適用して、選択さ
れたポートフォリオにつき上述の各シナリオ下の ECL を再計算することにより、経済予測に対する ECL 推定値
の感応度を 検証 した。 加重は、信用リスクの著しい増加の判断およびその結果としての ECL の測定の双方に反
映される。
上振れ シナリオおよび 下振れ シナリオにおいて算出された ECL は、実際の ECL 推定値の上限と下限を示すと解
されるべきではない。異なる経済シナリオに基づき将来発生し得る債務不履行の影響は、貸借対照表の日付
現在のステージ1およびステージ2の貸付金に係る ECL を再計算することにより捕捉される。こうした感応度
の計算において、貸借対照表の日付現在のステージ3の貸付金(債務不履行の貸付金)の母集団は、変更さ
れない。ステージ3の ECL は、特定のポートフォリオの LGD が将来の経済予測の変化に対して感応度が高い場
合に、当該経済予測の変化に対して感応度が高くなる。
100 %の加重が割り当てられた場合のテール ・リスク ・シナリオを示す数値には特に高い推定不確実性があ
り、英国のテール ・リスク感応度分析の予想範囲が示されている。
ホールセール業務の信用リスク・エクスポージャーについての感応度分析では、不履行債務者に関連する ECL
および金融商品が除外されている。これは、 ECL の測定が、将来の経済シナリオに比べ、債務者に固有の信用
要因に対して比較的感応度が高く、個々の評価においてマクロ経済要因の影響を分離することは実務的に不
可能なためである。
リテール業務の信用リスク・エクスポージャーについての感応度分析では、不履行債務者に関連する顧客に
対する貸付金の ECL が含まれる。これは、リテール業務の場合、あらゆるステージの貸付金を含む担保付住宅
ローン・ポートフォリオの ECL が、マクロ経済変数に対して感応度が高いためである。
ホールセール業務の分析
1
IFRS 第9号に基づく ECL の将来の経済状況に対する感応度
英国 フランス
百万ポンド 百万ポンド
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2019 年12月31日現在の重大な測定に関する不確実性の影響を受ける金融商
2
品の ECL カバレッジ比率
ECL (報告ベース) 119 42
コンセンサス・シナリオ
中央シナリオ 92 40
上振れシナリオ 83 38
下振れシナリオ 108 60
代替シナリオ
英国 AD1 160
テール・リスク・シナリオ (英国 AD2および英国 AD3) 342-314
3
125,085 119,967
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
1 ELC の測定、将来の経済シナリオに比べ、債務者に固有の信用要因に対して比較的感応度が高いことから、不履行債務者に関連する
ECL および金融商品を除く。
2 重大な測定に関する不確実性の影響を受けるオフバランスシートの金融商品を含む。
3 上記すべてのシナリオの下で帳簿価額は高いが ECL は低い、低信用リスク金融商品( FVOCI で測定される負債性金融商品等)を含む。
2019 年12月31日現在、英国勘定のマクロ経済予測の変化に対する感応度は、主にコンセンサス予測の下方修
正およびその結果としての追加下振れシナリオへの影響によるものである。
英国における ECL (報告ベース)の根底にある変動は、原シナリオの確率加重の変動とともに、原資産のポー
トフォリオ・ミックスの変更によるものである。さらに、追加下振れシナリオ(特に AD2および AD3。)の
影響は、 2019 年の経済予測よりも若干弱含みであったことから、 2018 年に比べ比較的深刻となっている。
リテール業務の 分析
1
IFRS 第9号に基づく ECL の将来の経済状況に対する感応度
英国 フランス
百万ポンド 百万ポンド
2019 年12月31日現在の重大な測定に関する不確実性の影響を受ける金融商
2
品の ECL カバレッジ比率
ECL (報告ベース) 10 133
コンセンサス・シナリオ
中央シナリオ 10 133
上振れシナリオ 9 132
下振れシナリオ 11 134
代替シナリオ
帳簿価額 2,599 23,017
1 ECL の感応度には、より複雑でないモデル手法を用いたポートフォリオが除外されている。
2 ECL の感応度には、 IFRS 第9号の減損要件が適用されるオンバランスの金融商品のみが含まれている。
フランスでは、算出された ECL についての経営陣による検証後、 2018 年と同様、経済予測の歪みと予測回帰手
法等の要因を調整したことにより、 ECL 感応度の結果は、上振れシナリオおよび下振れシナリオにおける ECL
感応度に関する経営陣の見解がより正確に反映されるように調整されている。
2018 年12月31日以降の感応度の変化は、貸出額の変動、信用の質および外国為替の変動を反映したものであ
る。
上記の感応度分析ではいずれも、対応する不確実性の水準、経済予測、過去の経済変数の相関または信用の
質が変化した場合に、 ECL 感応度が変化する。
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金(貸付コミットメントお
よび金融保証を含む。)引当金の変動の調整
以下の開示は、当行グループの帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金
(貸付コミットメントおよび金融保証を含む。)引当金のステージ別の調整を示したものである。変動は四
半期ごとに計算されるため、四半期間のステージの変動が完全に捕捉されている。変動が期首から現在まで
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の期間を対象に計算された場合、金融商品の期首ポジションおよび同期間終了日ポジションのみを反映する
こととなる。
金融商品の移転は、ステージの移動が帳簿価額 (総額ベース )/元本金額および関連する ECL 引当金に及ぼす影
響を示している。ステージの移動から生じる ECL の再測定(正味ベース)は、例えば 12ヶ月(ステージ1)の
ECL 測定基準から全期間(ステージ2)の ECL 測定基準への変更等、こうした移動による増減を示している。
再測定(正味ベース)では、ステージが移動する金融商品の顧客リスク格付( CRR )/デフォルト確率( PD)
の変動が除外されている。これは、「 リスク・パラメーターの変動-信用の質 」の項目におけるその他の信
用の質の変動と併せて捕捉される。
「購入または組成された新規金融資産」、「認識中止された資産(最終返済額を含む。)およびリスク・パ
ラメーターの変動 -追加の貸付金/返済額」の変動は、当行グループの貸付ポートフォリオ内の数量の変動
による影響を示している。
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金(貸付コミットメントおよび金融
1
保証 を含む。)引当金の変動の調整
(監査済)
信用が減損していない 信用が減損している
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
(総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー
ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万
当行グループ ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド
205,009 (154) 17,010 (207) 2,557 (989) 124 (78) 224,700 (1,428)
2019 年1月1日現在
金融商品の移転
1,566 (61) (2,198) 83 632 (22) - - - -
-ステージ1から
(8,660) 19 8,660 (19) - - - - - -
ステージ2への移動
-ステージ2から
10,426 (80) (10,426) 80 - - - - - -
ステージ1への移動
-ステージ3への
(205) 1 (487) 24 692 (25) - - - -
移動
-ステージ3からの
5 (1) 55 (2) (60) 3 - - - -
移動
ステージの移動により
発生する ECLの再測
- 52 - (28) - (1) - - - 23
定(正味ベース)
組成または購入された
113,078 (79) - - - - 21 (16) 113,099 (95)
新規金融資産
認識中止された資産
(最終返済額を含
(88,021) 5 (1,479) 17 (411) 96 (7) 3 (89,918) 121
む。 )
リスク・パラメーター
の変動 -追加の貸
(26,328) 60 (2,380) 21 (99) 62 23 8 (28,784) 151
付金/返済額
リスク・パラメーター
- 46 - (38) - (333) - (28) - (353)
の変動 -信用の質
ECLの計算に使用され
- - - - - - - - - -
たモデルの変更
- - - - (304) 304 (78) 78 (382) 382
償却された資産
認識中止を招いた信用
- - - - (65) 46 - - (65) 46
関連の変更 C
(6,029) 4 (341) 4 (84) 32 (6) 3 (6,460) 43
外国為替
2
(4,026) (5) 491 5 9 9 1 (3) (3,525) 6
その他
195,249 (132) 11,103 (143) 2,235 (796) 78 (33) 208, 665 (1,104)
2019 年12月31日現在
当期の損益計算書上の
84 (28) (176) (33) (153)
ECL
6
回収
(3)
その他
当期の損益計算書上の
(150)
ECL合計
2019 年12月31日に終了
2019 年12月31日現在 した 12ヶ月間
帳簿価額 (総額ベース )/
元本金額 ECL引当金 ECL損失
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
208,665 (1,104) (150)
上記のとおり
181,755 (9) 3
償却原価で測定されるその他の資産
37,999 - -
非トレーディング目的の売戻契約上のコミットメント
(4)
IFRS 第9号の適用範囲外である履行およびその他の保証
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428,419 (1,113) (151)
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の概要/連結損益計算書の概要
46,360 (16) 27
FVOCI で測定される負債証券
n/a (1,129) (124)
当期の ECL引当金合計/損益計算書上の ECL合計
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 HSBC グループのその他のグループ会社に関連するエクスポージャーの年度ごとの変動を含む。 2019 年12月31日現在、その額は (5)
十億ポンドであり、 ECL のないステージ1として分類された。
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帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金(貸付コミットメントおよび金融
1
保証 を含む。)引当金の変動の調整(続き)
(監査済)
信用が減損していない 信用が減損している
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
(総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー
ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万
当行グループ ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド
2018 年1月1日現在 408,167 (452) 18,702 (618) 5,342 (1,897) 463 (74) 432,674 (3,041)
エイチエスビーシー・
ユーケーおよびその
子会社への移転 (216,026) 288 (9,502) 453 (2,711) 663 - - (228,239) 1,404
金融商品の移転 (5,852) (120) 4,637 176 1,215 (56) - - - -
-ステージ1から
ステージ2への移動
(15,141) 38 15,141 (38) - - - - - -
-ステージ2から
ステージ1への移動
9,955 (154) (9,955) 154 - - - - - -
-ステージ3への
移動
(754) 11 (941) 79 1,695 (90) - - - -
-ステージ3からの
移動 88 (15) 392 (19) (480) 34 - - - -
ステージの移動により
発生する ECLの再測
定(正味ベース) - 99 - (114) - (7) - - - (22)
新規および追加の貸付
金(正味ベース)/
2
(返済額) 19,080 (143) (421) 239 (769) 76 (330) 11 17,560 183
リスク・パラメーター
の変動 -信用の質
138 (324) (240) (22) (448)
償却された資産 - - - - (456) 456 - - (456) 456
外国為替 779 (2) 86 - 14 (8) (1) - 878 (10)
3
その他 (1,139) 38 3,508 (19) (78) 24 (8) 7 2,283 50
2018 年12月31日現在 205,009 (154) 17,010 (207) 2,557 (989) 124 (78) 224,700 (1,428)
当期の損益計算書上の
ECL 94 (199) (171) (11) (287)
回収 71
その他 (10)
当期の損益計算書上の
ECL合計 (226)
2018 年12月31日に終了
2018 年12月31日現在 した 12ヶ月間
帳簿価額 (総額ベース )/
元本金額 ECL引当金 ECL損失
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
224,700 (1,428) (226)
上記のとおり
165,525 (2) -
償却原価で測定されるその他の資産
49,911 - -
非トレーディング目的の売戻契約上のコミットメント
(12)
IFRS 第9号の適用範囲外である履行およびその他の保証
440,136 (1,430) (238)
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の概要/連結損益計算書の概要
47,172 (45) 79
FVOCI で測定される負債証券
n/a (1,475) (159)
当期の ECL引当金合計/損益計算書上の ECL合計
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 2018 年12月31日現在の「帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金引当金の変動の調整」の比較数
値の開示では、「新規および追加の貸付金(正味ベース)/ (返済額 )」において「組成または購入された新規金融資産」、「認識中
止された資産 (最終返済額を含む。 )」および「リスク・パラメーターの変動 -追加の貸付金/返済額」を表示している。より詳細
に開示するために、上記の数値については、 2019 年12月31日現在の開示において個別に表示されている。
3 HSBC グループのその他のグループ会社に関連するエクスポージャーの年度ごとの変動を含む。 2018 年12月31日現在、その額は 2十億
ポンドであり、 ECL のないステージ1として分類された。当期中、当行グループは、 2018 年12月31日現在のものに限り、英国のホー
ルセール貸付のステージ1およびステージ2の数値を修正再表示した。
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金(貸付コミットメントおよび金融
1
保証 を含む。)引当金の変動の調整
(監査済)
信用が減損していない 信用が減損している
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
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帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
(総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー
ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万
当行 ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド
124,740 (115) 11,439 (154) 1,179 (467) 108 (75) 137,466 (811)
2019 年1月1日現在
金融商品の移転
2,678 (32) (2,983) 50 305 (18) - - - -
-ステージ1から
(3,736) 15 3,736 (15) - - - - - -
ステージ2への移動
-ステージ2から
6,602 (47) (6,602) 47 - - - - - -
ステージ1への移動
-ステージ3への
(192) 1 (145) 18 337 (19) - - - -
移動
-ステージ3からの
4 (1) 28 - (32) 1 - - - -
移動
ステージの移動により
発生する ECLの再測
- 31 - (15) - - - - - 16
定(正味ベース)
組成または購入された
18,132 (57) - - - - 18 (15) 18,150 (72)
新規金融資産
認識中止された資産
(最終返済額を含
(12,180) 1 (602) 16 (99) 14 - - (12,881) 31
む。 )
リスク・パラメーター
の変動 -追加の貸
(19,884) 45 (2,538) 24 (249) 35 14 (2) (22,657) 102
付金/返済額
リスク・パラメーター
- 34 - (10) - (89) - (7) - (72)
の変動 -信用の質
ECLの計算に使用され
- - - - - - - - - -
たモデルの変更
- - - - (194) 194 - - (194) 194
償却された資産
認識中止を招いた信用
- - - - (62) 45 - - (62) 45
関連の変更
(218) 2 (21) - (7) 3 (3) 2 (249) 7
外国為替
2
(18,331) 14 (713) 12 (120) 41 (99) 73 (19,263) 140
その他
94,937 (77) 4,582 (77) 753 (242) 38 (24) 100,310 (420)
2019 年12月31日現在
当期の損益計算書上の
54 15 (40) (24) 5
ECL
2
回収
(10)
その他
当期の損益計算書上の
(3)
ECL合計
2019 年12月31日に終了
2019 年12月31日現在 した 12ヶ月間
帳簿価額 (総額ベース )/
元本金額 ECL引当金 ECL損失
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
100,310 (420) (3)
上記のとおり
114,330 - -
償却原価で測定されるその他の資産
2,906 - -
非トレーディング目的の売戻契約上のコミットメント
2
IFRS 第9号の適用範囲外である履行およびその他の保証
217,546 (420) (1)
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の概要/連結損益計算書の概要
26,506 (4) 2
FVOCI で測定される負債証券
n/a (424) 1
当期の ECL引当金合計/損益計算書上の ECL合計
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 HSBC グループのその他のグループ会社に関連するエクスポージャーの年度ごとの変動を含む。 2019 年12月31日現在、その額は (12)
十億ポンドであり、 ECL のないステージ1として分類された。
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金(貸付コミットメントおよび金融
1
保証 を含む。)引当金の変動の調整(続き)
(監査済)
信用が減損していない 信用が減損している
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
(総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー (総額ベー
ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金 ス)/元本金額 ECL引当金
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万
当行 ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド
276,954 (364) 11,665 (524) 3,488 (1,285) 425 (59) 292,532 (2,232)
2018 年1月1日現在
エイチエスビーシー・
ユーケーおよびその
(216,026) 288 (9,502) 453 (2,711) 663 - - (228,239) 1,404
子会社への移転
(3,640) (83) 2,848 138 792 (55) - - - -
金融商品の移転
-ステージ1から
(8,746) 29 8,746 (29) - - - - - -
ステージ2への移動
-ステージ2から
5,549 (116) (5,549) 116 - - - - - -
ステージ1への移動
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-ステージ3への
(522) 11 (598) 66 1,120 (77) - - - -
移動
-ステージ3からの
79 (7) 249 (15) (328) 22 - - - -
移動
ステージの移動により
発生する ECLの再測
- 65 - (96) - (6) - - - (37)
定(正味ベース)
新規および追加の貸付
金(正味ベース)/
2
12,636 (132) 1,483 195 (429) (38) (295) 7 13,395 32
(返済額)
リスク・パラメーター
- 150 - (283) - (106) - (36) - (275)
の変動 -信用の質
(319) 319 - - (319) 319
償却された資産
(92) (1) (6) - (3) - - - (101) (1)
外国為替
3
54,908 (38) 4,951 (37) 361 41 (22) 13 60,198 (21)
その他
124,740 (115) 11,439 (154) 1,179 (467) 108 (75) 137,466 (811)
2018 年12月31日現在
当期の損益計算書上の
83 (184) (150) (29) (280)
ECL
57
回収
(4)
その他
当期の損益計算書上の
(227)
ECL合計
2018 年12月31日に終了
2018 年12月31日現在 した 12ヶ月間
帳簿価額 (総額ベース )/
元本金額 ECL引当金 ECL損失
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
(811) (227)
137,466
上記のとおり
(1)
124,544 -
償却原価で測定されるその他の資産
1,525 - -
非トレーディング目的の売戻契約上のコミットメント
(16)
IFRS 第9号の適用範囲外である履行およびその他の保証
(812) (243)
263,535
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の概要/連結損益計算書の概要
(6)
26,646 1
FVOCI で測定される負債証券
(818) (242)
n/a
当期の ECL引当金合計/損益計算書上の ECL合計
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
2 2018 年12月31日現在の「帳簿価額 (総額ベース )/元本金額ならびに銀行および顧客に対する貸付金引当金の変動の調整」の比較数
値の開示では、「新規および追加の貸付金(正味ベース)/ (返済額 )」において「組成または購入された新規金融資産」、「認識中
止された資産 (最終返済額を含む。 )」および「リスク・パラメーターの変動 -追加の貸付金/返済額」を表示している。より詳細
に開示するために、上記の数値については、 2019 年12月31日現在の開示において個別に表示されている。
3 HSBC グループのその他のグループ会社に関連するエクスポージャーの年度ごとの変動を含む。 2018 年12月31日現在、その額は 33十
億ポンドであり、 ECL21 百万ポンドのステージ1として分類された。
信用の質
金融商品の信用の質
(監査済)
当行グループは、信用リスクにさらされているすべての金融商品の信用の質を評価している。金融商品の信
用の質は、デフォルト確率( PD。)の特定の時点における評価である一方、ステージ1およびステージ2
は、最初に認識されてからの信用の質の相対的な悪化に基づいて決定される。よって、信用が減損していな
い金融商品については、信用の質の評価とステージ1およびステージ2との間に直接的な関係はないが、典
型的には信用の質が低い層の方が、ステージ2において高い割合を示す。
5つの信用の質の分類にはいずれも、ホールセール貸付および個人向け貸付に割り当てられた詳細な各種内
部信用格付等級、および外部機関による債券に対する外部格付が含まれている(上記の「信用の質の分類」
と題する表を参照のこと。)。
2019 年12月31日現在の金融商品の信用の質別の分布
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
IFRS 第9号の範囲内
67/398
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
43,805 32,224 27,863 3,423 2,113 109,428 (1,037) 108,391
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 )
-個人
16,704 4,902 2,597 143 487 24,833 (173) 24,660
-企業および商業
17,252 22,767 22,573 2,868 1,530 66,990 (809) 66,181
9,849 4,555 2,693 412 96 17,605 (55) 17,550
-銀行以外の金融機関
9,709 1,163 581 18 - 11,471 (4) 11,467
銀行に対する貸付金 (償却原価で計上 )
51,658 42 116 - - 51,816 - 51,816
現金および中央銀行預け金
705 1 1 - - 707 - 707
他行から回収中の項目
72,587 10,819 2,258 92 - 85,756 - 85,756
売戻契約-非トレーディング目的
2 - 11 - - 13 - 13
金融商品
41,895 546 983 7 32 43,463 (9) 43,454
前払金、未収収益およびその他資産
33 35 13 - 1 82 - 82
-裏書および支払承諾
41,862 511 970 7 31 43,381 (9) 43,372
-経過利息その他
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負
1
41,431 2,105 811 191 1 44,539 (16) 44,523
債証券
IFRS 第9号の範囲外
42,335 6,934 9,731 956 - 59,956 - 59,956
トレーディング資産
公正価値評価の指定を受けた、または強制的に損益
を通じて公正価値で測定されるその他の金融資
1,265 684 3,367 7 - 5,323 - 5,323
産
130,929 24,973 8,048 588 - 164,538 - 164,538
デリバティブ
436,321 79,491 53,770 5,282 2,146 577,010 (1,066) 575,944
貸借対照表上の帳簿価額 (総額ベース )合計
76% 14% 9% 1% - 100%
信用の質合計の割合
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
74,056 27,374 18,721 1,162 134 121,447 (54) 121,393
ミットメント
1,822 1,103 1,001 326 66 4,318 (9) 4,309
金融保証
範囲内:取消不能な貸付コミットメントおよび金融
75,878 28,477 19,722 1,488 200 125,765 (63) 125,702
保証
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
4,485 1,931 899 139 3 7,457 - 7,457
ミットメント
7,525 3,052 3,870 639 100 15,186 (39) 15,147
履行およびその他の保証
範囲外:取消可能な貸付コミットメントおよびその
12,010 4,983 4,769 778 103 22,643 (39) 22,604
他の金融保証
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベース損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
2018 年12月31日現在の金融商品の信用の質別の分布(続き)
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
IFRS 第9号の範囲内
45,870 31,451 30,141 3,483 2,361 113,306 (1,342) 111,964
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 )
-個人
15,579 5,266 2,346 185 527 23,903 (206) 23,697
-企業および商業
20,868 23,016 25,342 3,072 1,760 74,058 (1,106) 72,952
9,423 3,169 2,453 226 74 15,345 (30) 15,315
-銀行以外の金融機関
11,735 1,536 355 5 - 13,631 (3) 13,628
銀行に対する貸付金 (償却原価で計上 )
51,965 - 35 14 - 52,014 (1) 52,013
現金および中央銀行預け金
839 - - - - 839 - 839
他行から回収中の項目
67,748 8,017 4,337 - - 80,102 - 80,102
売戻契約-非トレーディング目的
5 - 8 - - 13 - 13
金融商品
31,885 486 444 7 5 32,827 (1) 32,826
前払金、未収収益およびその他資産
93 14 7 - 1 115 (1) 114
-裏書および支払承諾
31,792 472 437 7 4 32,712 - 32,712
-経過利息その他
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負
42,363 2,084 606 597 9 45,659 (45) 45,614
1
債証券
IFRS 第9号の範囲外
42,274 9,924 7,088 876 - 60,162 - 60,162
トレーディング資産
公正価値評価の指定を受けた、または強制的に損益
を通じて公正価値で測定されるその他の金融資 2,633 1,362 4,136 2 - 8,133 - 8,133
産
122,695 17,115 4,229 451 32 144,522 - 144,522
デリバティブ
420,012 71,975 51,379 5,435 2,407 551,208 (1,392) 549,816
貸借対照表上の帳簿価額 (総額ベース )合計
78% 15% 6% 1% - 100%
信用の質合計の割合
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
96,522 31,393 12,821 630 254 141,620 (66) 141,554
ミットメント
3,390 1,456 948 194 66 6,054 (17) 6,037
金融保証
範囲内:取消不能な貸付コミットメントおよび金
99,912 32,849 13,769 824 320 147,674 (83) 147,591
融保証
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
7,275 - - - - 7,275 - 7,275
2
ミットメント
68/398
EDINET提出書類
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
8,631 5,236 2,682 592 103 17,244 (37) 17,207
履行およびその他の保証
範囲外:取消可能な貸付コミットメントおよびその
15,906 5,236 2,682 592 103 24,519 (37) 24,482
他の金融保証
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベース損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
2 2018 年において、 IFRS 第9号の適用範囲外である取消可能貸付金およびその他のコミットメント 7.3 十億ポンドは、「優」として表
示されている。
2019 年12月31日現在の金融商品の信用の質別の分布
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
IFRS 第9号の範囲内
20,751 17,246 10,353 1,253 711 50,314 (388) 49,926
償却原価で計上する顧客に対する貸付金
-個人 1,846 897 857 19 18 3,637 (8) 3,629
6,976 13,043 8,165 1,007 648 29,839 (345) 29,494
-企業および商業
11,929 3,306 1,331 227 45 16,838 (35) 16,803
-銀行以外の金融機関
8,166 915 431 13 - 9,525 (3) 9,522
償却原価で計上する銀行に対する貸付金
30,149 - - - - 30,149 - 30,149
現金および中央銀行預け金
44 - - - - 44 - 44
他行から回収中の項目
40,284 8,209 2,155 88 - 50,736 - 50,736
売戻契約-非トレーディング目的
- - - - - - - -
金融商品
33,100 182 111 - 8 33,401 - 33,401
前払金、未収収益およびその他資産
3 35 3 - 1 42 - 42
-裏書および支払承諾
33,097 147 108 - 7 33,359 - 33,359
-経過利息その他
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負
1
26,009 73 3 - - 26,085 (4) 26,081
債証券
IFRS 第9号の範囲外
29,183 6,849 9,599 956 - 46,587 - 46,587
トレーディング資産
公正価値評価の指定を受けた、または強制的に損益
84 377 1,789 7 - 2,257 - 2,257
を通じて公正価値で測定されるその他の金融資産
128,381 20,396 3,140 579 - 152,496 - 152,496
デリバティブ
316,151 54,247 27,581 2,896 719 401,594 (395) 401,199
貸借対照表上の帳簿価額 (総額ベース )合計
79% 14% 7% - - 100%
信用の質合計の割合
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
22,854 9,955 6,708 142 23 39,682 (25) 39,657
ミットメント
2,964 210 410 54 57 3,695 (4) 3,691
金融保証
範囲内:取消不能な貸付コミットメントおよび金融
25,818 10,165 7,118 196 80 43,377 (29) 43,348
保証
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
2,606 1,244 434 119 2 4,405 - 4,405
ミットメント
5,102 1,340 774 308 30 7,554 (9) 7,545
履行およびその他の保証
範囲外:取消可能な貸付コミットメントおよびその
7,708 2,584 1,208 427 32 11,959 (9) 11,950
他の金融保証
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定 される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベースの損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
2018 年12月31日現在の金融商品の信用の質別の分布(続き)
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
IFRS 第9号の範囲内
23,923 17,828 15,123 1,586 1,067 59,527 (744) 58,783
償却原価で計上する顧客に対する貸付金
1,782 695 734 14 24 3,249 (9) 3,240
-個人
9,441 14,695 12,764 1,358 998 39,256 (685) 38,571
-企業および商業
12,700 2,438 1,625 214 45 17,022 (50) 16,972
-銀行以外の金融機関
11,225 1,356 107 1 - 12,689 (3) 12,686
償却原価で計上する銀行に対する貸付金
40,657 - - - - 40,657 - 40,657
現金および中央銀行預け金
442 - - - - 442 - 442
他行から回収中の項目
48,220 6,668 1,607 - - 56,495 - 56,495
売戻契約-非トレーディング目的
- - - - - - - -
金融商品
26,653 170 122 1 4 26,950 (1) 26,949
前払金、未収収益およびその他資産
69/398
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
67 14 - - 1 82 (1) 81
-裏書および支払承諾
26,586 156 122 1 3 26,868 - 26,868
-経過利息その他
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負
26,272 40 12 2 3 26,329 (6) 26,323
1
債証券
IFRS 第9号の範囲外
28,973 7,379 6,873 845 - 44,070 - 44,070
トレーディング資産
公正価値評価の指定を受けた、または強制的に損益
を通じて公正価値で測定されるその他の金融資 303 939 3,800 2 - 5,044 - 5,044
産
120,848 14,240 3,684 427 30 139,229 - 139,229
デリバティブ
327,516 48,620 31,328 2,864 1,104 411,432 (754) 410,678
貸借対照表上の帳簿価額 (総額ベース )合計
79% 12% 8% 1% - 100%
信用の質合計の割合
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
37,245 14,927 8,499 379 146 61,196 (50) 61,146
ミットメント
4,448 598 383 96 53 5,578 (14) 5,564
金融保証
範囲内:取消不能な貸付コミットメントおよび金融
41,693 15,525 8,882 475 199 66,774 (64) 66,710
保証
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
4,742 - - - - 4,742 - 4,742
2
ミットメント
5,231 2,458 2,193 374 67 10,323 (27) 10,296
履行およびその他の保証
範囲外:取消可能な貸付コミットメントおよびその
9,973 2,458 2,193 374 67 15,065 (27) 15,038
他の金融保証
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定 される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベースの損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
2 2018 年において、 IFRS 第9号の適用範囲外である取消可能貸付金およびその他のコミットメント 4.7 十億ポンドは、「優」として表
示されている。
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の信用の質別およびステージ別分布
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
43,805 32,224 27,863 3,423 2,113 109,428 (1,037) 108,391
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
43,804 31,864 23,006 1,403 - 100,077 (104) 99,973
-ステージ1
1 360 4,857 2,020 - 7,238 (126) 7,112
-ステージ2
- - - - 2,043 2,043 (774) 1,269
-ステージ3
- - - - 70 70 (33) 37
-POCI
9,709 1,163 581 18 - 11,471 (4) 11,467
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
9,671 1,161 561 15 - 11,408 (4) 11,404
-ステージ1
38 2 20 3 - 63 - 63
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
166,847 11,408 3,369 99 32 181,755 (9) 181,746
償却原価で測定されるその他の金融資産
166,847 11,402 3,352 96 - 181,697 - 181,697
-ステージ1
- 6 17 3 - 26 - 26
-ステージ2
- - - - 32 32 (9) 23
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
貸付コミットメントおよびその他の信用関連の
74,056 27,374 18,721 1,162 134 121,447 (54) 121,393
コミットメント
73,949 26,824 16,868 437 - 118,078 (22) 118,056
-ステージ1
107 550 1,853 725 - 3,235 (11) 3,224
-ステージ2
- - - - 129 129 (21) 108
-ステージ3
- - - - 5 5 - 5
-POCI
1,822 1,103 1,001 326 66 4,318 (9) 4,309
金融保証
1,821 1,087 663 114 - 3,685 (2) 3,683
-ステージ1
1 16 338 212 - 567 (6) 561
-ステージ2
- - - - 63 63 (1) 62
-ステージ3
- - - - 3 3 - 3
-POCI
296,239 73,272 51,535 5,028 2,345 428,419 (1,113) 427,306
2019 年12月31日現在
1
FVOCI で測定される負債証券
41,368 2,089 568 - - 44,025 (7) 44,018
-ステージ1
63 16 243 191 - 513 (9) 504
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - 1 1 - 1
-POCI
41,431 2,105 811 191 1 44,539 (16) 44,523
2019 年12月31日現在
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベースの損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の信用の質別およびステージ別分布
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
45,870 31,451 30,141 3,483 2,361 113,306 (1,342) 111,964
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
45,313 28,889 24,417 1,774 - 100,393 (121) 100,272
-ステージ1
557 2,562 5,724 1,709 - 10,552 (171) 10,381
-ステージ2
- - - - 2,244 2,244 (972) 1,272
-ステージ3
- - - - 117 117 (78) 39
-POCI
11,735 1,536 355 5 - 13,631 (3) 13,628
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
11,727 1,483 350 5 - 13,565 (2) 13,563
-ステージ1
8 53 5 - - 66 (1) 65
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
152,293 8,491 4,717 19 5 165,525 (2) 165,523
償却原価で測定されるその他の金融資産
152,293 8,477 4,710 16 - 165,496 (1) 165,495
-ステージ1
- 14 7 3 - 24 - 24
-ステージ2
- - - - 5 5 (1) 4
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
貸付コミットメントおよびその他の信用関連の
96,522 31,393 12,821 630 254 141,620 (66) 141,554
コミットメント
96,470 29,890 9,136 65 - 135,561 (27) 135,534
-ステージ1
52 1,503 3,685 565 - 5,805 (26) 5,779
-ステージ2
- - - - 249 249 (13) 236
-ステージ3
- - - - 5 5 - 5
-POCI
3,390 1,456 948 194 66 6,054 (17) 6,037
金融保証
3,354 1,429 585 34 - 5,402 (4) 5,398
-ステージ1
36 27 363 160 - 586 (9) 577
-ステージ2
- - - - 64 64 (4) 60
-ステージ3
- - - - 2 2 - 2
-POCI
309,810 74,327 48,982 4,331 2,686 440,136 (1,430) 438,706
2018 年12月31日現在
1
FVOCI で測定される負債証券
42,356 2,008 329 331 - 45,024 (8) 45,016
-ステージ1
7 76 277 266 - 626 (36) 590
-ステージ2
- - - - 6 6 (1) 5
-ステージ3
- - - - 3 3 - 3
-POCI
2
42,363 2,084 606 597 9 45,659 (45) 45,614
2018 年12月31日現在
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベースの損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
2 当期中、当行グループは、英国におけるホールセール貸付のステージ 1およびステージ2の数値を修正再表示した。
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の信用の質別およびステージ別分布(続き)
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
20,751 17,246 10,353 1,253 711 50,314 (388) 49,926
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
20,751 17,027 8,310 85 - 46,173 (58) 46,115
-ステージ1
- 219 2,043 1,168 - 3,430 (67) 3,363
-ステージ2
- - - - 678 678 (239) 439
-ステージ3
- - - - 33 33 (24) 9
-POCI
8,166 915 431 13 - 9,525 (3) 9,522
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
8,149 914 411 13 - 9,487 (3) 9,484
-ステージ1
17 1 20 - - 38 - 38
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
103,577 8,391 2,266 88 8 114,330 - 114,330
償却原価で測定されるその他の金融資産
103,577 8,387 2,254 88 - 114,306 - 114,306
-ステージ1
- 4 12 - - 16 - 16
-ステージ2
- - - - 8 8 - 8
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
22,854 9,955 6,708 142 23 39,682 (25) 39,657
ミットメント
22,754 9,867 6,186 13 - 38,820 (15) 38,805
-ステージ1
100 88 522 129 - 839 (8) 831
-ステージ2
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有価証券報告書
- - - - 18 18 (2) 16
-ステージ3
- - - - 5 5 - 5
-POCI
2,964 210 410 54 57 3,695 (4) 3,691
金融保証
2,963 200 200 - - 3,363 (1) 3,362
-ステージ1
1 10 210 54 - 275 (2) 273
-ステージ2
- - - - 57 57 (1) 56
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
158,312 36,717 20,168 1,550 799 217,546 (420) 217,126
2019 年12月31日現在
1
FVOCI で測定される負債証券
26,009 73 - - - 26,082 (2) 26,080
-ステージ1
- - 3 - - 3 (2) 1
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
26,009 73 3 - - 26,085 (4) 26,081
2019 年12月31日現在
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベースの損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
IFRS 第9号の減損要件が適用される金融商品の信用の質別およびステージ別分布(続き)
(監査済)
帳簿価額 (総額ベース )/元本金額
優 良 可 要管理 信用減損 合計 ECL引当金 正味
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
23,923 17,828 15,123 1,586 1,067 59,527 (744) 58,783
顧客に対する貸付金(償却原価で計上)
23,371 15,354 11,593 929 - 51,247 (86) 51,161
-ステージ1
552 2,474 3,530 657 - 7,213 (122) 7,091
-ステージ2
- - - - 964 964 (461) 503
-ステージ3
- - - - 103 103 (75) 28
-POCI
11,225 1,356 107 1 - 12,689 (3) 12,686
銀行に対する貸付金(償却原価で計上)
11,223 1,302 103 1 - 12,629 (2) 12,627
-ステージ1
2 54 4 - - 60 (1) 59
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
115,972 6,838 1,729 1 4 124,544 (1) 124,543
償却原価で測定されるその他の金融資産
115,972 6,826 1,722 1 - 124,521 - 124,521
-ステージ1
- 12 7 - - 19 - 19
-ステージ2
- - - - 4 4 (1) 3
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコ
37,245 14,927 8,499 379 146 61,196 (50) 61,146
ミットメント
37,206 13,588 6,339 50 - 57,183 (24) 57,159
-ステージ1
39 1,339 2,160 329 - 3,867 (24) 3,843
-ステージ2
- - - - 141 141 (2) 139
-ステージ3
- - - - 5 5 - 5
-POCI
4,448 598 383 96 53 5,578 (14) 5,564
金融保証
4,412 593 202 20 - 5,227 (3) 5,224
-ステージ1
36 5 181 76 - 298 (7) 291
-ステージ2
- - - - 53 53 (4) 49
-ステージ3
- - - - - - - -
-POCI
192,813 41,547 25,841 2,063 1,270 263,534 (812) 262,722
2018 年12月31日現在
1
FVOCI で測定される負債証券
26,272 40 8 - - 26,320 - 26,320
-ステージ1
- - 4 2 - 6 (6) -
-ステージ2
- - - - - - - -
-ステージ3
- - - - 3 3 - 3
-POCI
26,272 40 12 2 3 26,329 (6) 26,323
2018 年12月31日現在
1 本開示において、帳簿価額 (総額ベース )は、損失引当金を調整する前の、金融資産の償却原価として定義される。このため、上記
のFVOCI で測定される負債証券の帳簿価額 (総額ベース )は、公正価値ベースの損益を除外した貸借対照表とは一致しない。
信用減損貸付金
(監査済)
当行グループは、関連する客観的な証拠、即ち主に以下の事項を検討することにより、金融商品が信用減損
しており、ステージ3であると判断している。
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・ 契約上の元本または利息のいずれかの支払いが 90日を超えて延滞しているか否か。
・ 借り手の財政状態に関連する経済的または法的理由により借り手に返済猶予が付与された等、借り手が
返済を行う可能性が低いというその他の兆候があるか否か。
・ 貸付金が債務不履行に陥っているとみなされるか否か。返済の見込みがないことが早い段階で特定され
ない場合、規制上の規則において延滞日数 180 日を基準に債務不履行に陥っていると定義することが認め
られている場合であっても、エクスポージャーが 90日の延滞である場合には、債務不履行が発生してい
るとみなされる。よって、ステージ3では、すべての貸付金が債務不履行または信用減損であるとみな
されるように、信用減損および債務不履行の定義を可能な限り整合させている。
条件緩和貸付金および支払猶予
以下の表は、当行グループが保有する顧客に対する条件緩和貸付金の業種別およびステージ別の 帳簿価額 (総
額ベース )を示したものである。
なお、当行グループの条件緩和貸付金および支払猶予に関する現行の方針および実務の概要は、前述の「信用リスク管
理」に記載されている。
顧客に対する条件緩和貸付金 (償却原価で計上 )のステージ別内訳
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
帳簿価額 (総額ベース )
- - 75 - 75
個人
- - 57 - 57
-第1順位住宅ローン
- - 18 - 18
-その他の個人向け貸付金
285 327 346 69 1,027
ホールセール
285 327 345 69 1,026
-企業および商業
- - 1 - 1
-銀行以外の金融機関
285 327 421 69 1,102
2019 年12月31日現在
ECL 引当金
- - (14) - (14)
個人
- - (10) - (10)
-第1順位住宅ローン
- - (4) - (4)
-その他の個人向け貸付金
(2) (6) (84) (32) (124)
ホールセール
(2) (6) (84) (32) (124)
-企業および商業
- - - - -
-銀行以外の金融機関
(2) (6) (98) (32) (138)
2019 年12月31日現在
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
帳簿価額 (総額ベース )
個人 - - 75 - 75
-第1順位住宅ローン
- - 56 - 56
-その他の個人向け貸付金 - - 19 - 19
ホールセール 394 429 568 117 1,508
-企業および商業
394 429 567 117 1,507
-銀行以外の金融機関
- - 1 - 1
2018 年12月31日現在 394 429 643 117 1,583
ECL 引当金
個人 - - -
(14) (14)
-第1順位住宅ローン
- - (9) -
(9)
-その他の個人向け貸付金 - - (5) -
(5)
ホールセール
(4) (10) (169) (78) (261)
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-企業および商業
(4) (10) (169) (78) (261)
-銀行以外の金融機関 - - - - -
2018 年12月31日現在
(4) (10) (183) (78) (275)
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
帳簿価額 (総額ベース )
- - 4 - 4
個人
- - 3 - 3
-第1順位住宅ローン
- - 1 - 1
-その他の個人向け貸付金
171 201 135 33 540
ホールセール
171 201 135 33 540
-企業および商業
- - - - -
-銀行以外の金融機関
171 201 139 33 544
2019 年12月31日現在
ECL 引当金
- - - - -
個人
- - - - -
-第1順位住宅ローン
- - - - -
-その他の個人向け貸付金
(1) (5) (21) (24) (51)
ホールセール
(1) (5) (21) (24) (51)
-企業および商業
- - - - -
-銀行以外の金融機関
(1) (5) (21) (24) (51)
2019 年12月31日現在
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
当行 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
帳簿価額 (総額ベース )
個人 - - 7 - 7
-第1順位住宅ローン
- - 5 - 5
-その他の個人向け貸付金 - - 2 - 2
ホールセール 388 311 360 103 1,162
-企業および商業
388 311 360 103 1,162
-銀行以外の金融機関 - - - - -
2018 年12月31日現在 388 311 367 103 1,169
ECL 引当金
個人 - - (2) - (2)
-第1順位住宅ローン
- - (1) - (1)
-その他の個人向け貸付金 - - (1) - (1)
ホールセール (4) (7) (100) (75) (186)
-企業および商業
(4) (7) (100) (75) (186)
-銀行以外の金融機関 - - - - -
2018 年12月31日現在 (4) (7) (102) (75) (188)
ホールセール貸付
本項では、ホールセール貸付金ならびに顧客および銀行に対する貸付金を構成する国および業種について詳
述する。業種別の詳細情報も、顧客および銀行に対する貸付金、 貸付コミットメントおよび その他の信用関
連のコミットメントならびに金融保証に関する国別データとともに、ステージ別で表示されている。
銀行および顧客に対する貸付金に係るホールセール貸付金合計のステージ分布別内訳
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計 ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
59,654 5,806 1,460 70 66,990 (85) (100) (591) (33) (809)
企業および商業
86 7 10 - 103 - - (7) - (7)
-農業、林業および水産業
1,335 400 1 - 1,736 (3) (6) - - (9)
-鉱業および採石業
11,764 1,411 148 46 13,369 (18) (33) (66) (9) (126)
-製造業
2,543 313 37 - 2,893 (4) (14) (5) - (23)
-電気、ガス、蒸気および空調供給
-上下水道、廃棄物処理および修
422 31 - - 453 - - - - -
復
891 113 145 23 1,172 (1) (2) (62) (23) (88)
-建設業
-自動車および二輪車の卸売、小売および
8,534 903 316 1 9,754 (10) (5) (159) (1) (175)
修理
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5,112 216 264 - 5,592 (11) (8) (43) - (62)
-運送および保管
985 286 16 - 1,287 (2) - (8) - (10)
-宿所営業および外食業
2,656 164 23 - 2,843 (5) (2) (4) - (11)
-出版、音響映像および放送
6,414 979 218 - 7,611 (13) (9) (104) - (126)
-不動産
5,869 178 33 - 6,080 (4) (1) (20) - (25)
-専門、科学および技術
7,566 534 224 - 8,324 (7) (6) (100) - (113)
-事務サービスおよびサポート・サービス
555 138 - - 693 - (2) - - (2)
-行政、軍事および社会保障
111 3 2 - 116 (1) - (1) - (2)
-教育
305 38 8 - 351 (1) (3) (5) - (9)
-ヘルスケア
337 9 5 - 351 - - (4) - (4)
-芸術、エンターテイメントおよび娯楽
3,319 13 10 - 3,342 (4) - (3) - (7)
-その他のサービス
3 - - - 3 - - - - -
-世帯活動
- - - - - - - - - -
-域外の組織・機関
831 60 - - 891 - - - - -
-政府
16 10 - - 26 (1) (9) - - (10)
-資産担保証券
17,150 359 96 - 17,605 (13) (3) (39) - (55)
銀行以外の金融機関
11,408 63 - - 11,471 (4) - - - (4)
銀行に対する貸付金
88,212 6,228 1,556 70 96,066 (102) (103) (630) (33) (868)
2019 年12月31日現在
国別
43,946 3,184 550 33 47,713 (52) (49) (187) (24) (312)
英国
27,082 1,223 528 3 28,836 (17) (21) (316) (1) (355)
フランス
8,406 541 220 - 9,167 (1) (4) (40) - (45)
ドイツ
8,778 1,280 258 34 10,350 (32) (29) (87) (8) (156)
その他
88,212 6,228 1,556 70 96,066 (102) (103) (630) (33) (868)
2019 年12月31日現在
1
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメントならびに金融保証 に係るホールセール貸付
金合計のステージ分布別内訳
元本金額 ECL引当金
ステージ1
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
当行グループ
68,148 3,400 186 8 71,742 (22) (15) (21) - (58)
企業および商業
51,723 314 2 - 52,039 (2) - (1) - (3)
金融機関
119,871 3,714 188 8 123,781 (24) (15) (22) - (61)
2019 年12月31日現在
地域別
119,871 3,714 188 8 123,781 (24) (15) (22) - (61)
欧州
32,779 943 75 5 33,802 (14) - - - (14)
うち:英国
69,226 913 48 - 70,187 (3) (1) (12) - (16)
うち:フランス
13,634 1,389 63 - 15,086 (1) (1) (8) - (10)
うち:ドイツ
1 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
銀行および顧客に対する貸付金に係るホールセール貸付金合計のステージ分布別内訳
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計 ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
63,145 9,153 1,643 117 74,058 (99) (132) (797) (78) (1,106)
企業および商業
187 5 10 - 202 - - (4) - (4)
-農業、林業および水産業
1,341 134 19 - 1,494 (4) (3) (2) - (9)
-鉱業および採石業
12,363 1,380 245 53 14,041 (23) (19) (100) (33) (175)
-製造業
2,203 361 6 47 2,617 (3) (19) (2) (43) (67)
-電気、ガス、蒸気および空調供給
-上下水道、廃棄物処理および修
430 37 - - 467 - - - - -
復
1,202 244 305 - 1,751 (2) (18) (141) - (161)
-建設業
-自動車および二輪車の卸売、小売および
9,323 2,662 291 11 12,287 (8) (11) (156) - (175)
修理
5,213 582 148 - 5,943 (14) (19) (23) - (56)
-運送および保管
1,169 29 23 2 1,223 (1) (1) (12) (1) (15)
-宿所営業および外食業
3,769 390 30 - 4,189 (8) (4) (8) - (20)
-出版、音響映像および放送
7,073 611 398 1 8,083 (8) (7) (252) - (267)
-不動産
4,359 1,386 38 - 5,783 (3) - (8) - (11)
-専門、科学および技術
7,757 703 86 3 8,549 (8) (16) (64) (1) (89)
-事務サービスおよびサポート・サービス
562 21 - - 583 - (2) - - (2)
-行政、軍事および社会保障
109 3 1 - 113 (2) - (1) - (3)
-教育
425 29 10 - 464 (1) (1) (7) - (9)
-ヘルスケア
1,367 446 12 - 1,825 (2) (1) (8) - (11)
-芸術、エンターテイメントおよび娯楽
75/398
EDINET提出書類
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
3,114 55 16 - 3,185 (12) (1) (8) - (21)
-その他のサービス
6 - - - 6 - - - - -
-世帯活動
15 - 5 - 20 - - (1) - (1)
-域外の組織・機関
1,157 63 - - 1,220 - - - - -
-政府
1 12 - - 13 - (10) - - (10)
-資産担保証券
15,078 193 74 - 15,345 (13) (12) (5) - (30)
銀行以外の金融機関
13,565 66 - - 13,631 (2) (1) - - (3)
銀行に対する貸付金
1
91,788 9,412 1,717 117 103,034 (114) (145) (802) (78) (1,139)
2018 年12月31日現在
国別
52,745 6,512 716 6 59,979 (69) (100) (354) - (523)
英国
26,555 1,549 408 10 28,522 (18) (16) (298) (3) (335)
フランス
9,071 472 220 - 9,763 (1) (2) (25) - (28)
ドイツ
3,417 879 373 101 4,770 (26) (27) (125) (75) (253)
その他
91,788 9,412 1,717 117 103,034 (114) (145) (802) (78) (1,139)
2018 年12月31日現在
2
貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメントならびに金融保証 に係るホールセール貸付
金合計のステージ分布別内訳
元本金額 ECL引当金
ステージ1
ステージ1 ステージ2 ステージ3 POCI 合計 ステージ2 ステージ3 POCI 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
当行グループ
67,357 5,877 307 7 73,548 (30) (34) (17) - (81)
企業および商業
71,558 461 2 - 72,021 (1) (1) - - (2)
金融機関
1
138,915 6,338 309 7 145,569 (31) (35) (17) - (83)
2018 年12月31日現在
地域別
138,915 6,338 309 7 145,569 (31) (35) (17) - (83)
欧州
45,682 3,715 175 - 49,572 (23) (29) (5) - (57)
うち:英国
76,550 1,018 33 - 77,601 (1) (2) (7) - (10)
うち:フランス
14,772 1,019 78 - 15,869 - (1) (4) - (5)
うち:ドイツ
1 2018 年中、当行グループは、英国におけるホールセール貸付のステージ 1およびステージ2の数値を修正再表示した。
2 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
担保その他の信用補完
(監査済)
担保は信用リスクの重要な軽減策になり得るものの、当行グループの実務では、主として担保およびその他
の信用補完に依存するのではなく、顧客の自身のキャッシュフロー財源に基づき債務を履行する能力に基づ
いて貸付を行っている。顧客の状況および商品の種類によっては、担保またはその他の信用補完の差入れを
受けることなく与信枠を提供することがある。それ以外の貸付の場合、与信判断および利率の決定にあた
り、担保が取得され、検討される。債務不履行の場合、当行グループは、返済原資として担保を利用するこ
とができる。
その形態次第ではあるが、担保は、信用リスク・エクスポージャー を軽減する重要な金融上の効果を持ち得
る。十分な担保がある場合、予想信用損失は認識されない。これに該当するのは、売戻契約および一部の顧
客に対する借入金比率(以下「 LTV 比率」という。)が極めて低い貸付金である。
信用リスク担保は、不動産または金融商品等、借り手の特定の資産に対する担保権の設定を含むこともあ
る。その他の信用リスク担保としては、有価証券のショートポジションの他、保険契約者がリスクを主に負
担する連動型保険/投資契約の一部として保有される金融資産が挙げられる。加えて、第二順位担保権、そ
の他の抵当権および無担保保証等のその他の種類の担保および 信用補完 を用いることによってもリスクを管
理することができる。保証は通常、法人および輸出信用機関から差し入れられる。法人は一般的に、親会
社・子会社関係の一部として保証を差し入れ、多数の信用格付等級をカバーしている。輸出信用機関は通
常、投資適格である。
信用リスク担保 の中には、ポートフォリオ管理上、戦略的に用いられているものもある。単一銘柄の集中
は、グローバル・バンキング部門およびコーポレート・バンキング部門が管理するポートフォリオで発生す
る一方、グローバル・バンキング部門のみがその規模のためにポートフォリオ・レベルで信用リスク担保を
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用いる必要がある。グローバル・バンキング部門全体で、リスクの限度額および利用、満期プロファイルな
らびにリスクの質を積極的に監視および管理している。このプロセスは、規模が大きく、より複雑な、地理
的に分布した顧客層のリスク選好度を設定する上で重要となる。リスク管理の主な形態は、今後もエクス
ポージャーの発生時に貸付の意思決定プロセスを通じてなされることとなるが、グローバル・バンキング部
門は、集中の管理およびリスクの軽減のために、ローン債権の売却およびクレジット・デフォルト・スワッ
プ(以下「 CDS 」とう。)によるヘッジも活用している。こうした取引については、グローバル・バンキング
部門のポートフォリオ管理専門チームが責任を負っている。ヘッジ取引は、合意された信用パラメーターの
範囲内で執行され、市場リスク限度額および堅固なガバナンス体制に服する。該当する場合には、カウン
ターパーティとしての中央清算機関と直接、 CDS 取引を行う。それ以外の場合、 CDS 取引で保護を提供するカ
ウンターパーティに対する当行グループのエクスポージャーは、主に信用格付の高い銀行間で分散されてい
る。
CDS 取引のリスク担保は、ポートフォリオ・レベルで保有されており、予想損失の計算に含まれていない。
CDS 取引のリスク担保は、以下の表においても報告されていない。
貸付金に設定された担保
以下の表には、未実行与信枠を中心に、貸借対照表に計上されていない貸付コミットメントが含まれる。
以下の表において測定されている担保は、現金および市場性のある金融商品に設定された担保権で構成され
る。同表の数値は、公開市場における予想市場価格を示している。予想回収費用については、担保の調整を
行っていない。市場性のある有価証券は、公正価値で測定されている。
無担保保証および顧客の事業資産に設定された浮動担保権等、その他の種類の担保は、以下の表において測
定されていない。こうしたリスク担保には価値があり、破産権が付与されることも多い一方、それらの譲渡
性は十分に明らかでないため、開示上、価値が割り当てられていない。
表示された LTV 比率は、貸付金と個別かつ一意的に各信用枠を裏付けする担保とを直接関連付けることにより
計算されている。全資産担保の形式で担保資産に対して複数の貸付に係る担保権が具体的または一般的に設
定されている場合、担保の価値は、当該担保権で保護されている貸付金で按分される。
信用が減損している貸付金の場合、担保の価値は、認識された減損引当金と直接比較することができない。
LTV 比率の数値は、調整されることなく公開市場における価額を用いる。減損引当金については、その他の
キャッシュフローを考慮し、担保現金化費用のため担保価値を調整することにより、異なる基準で計算して
いる。
その他企業向け、商業向けおよび金融機関(銀行以外)向け貸付金
その他の企業向け、商業向けおよび金融機関(銀行以外)向けの貸付金については、当行グループの貸付金
残高の大半を保有する国に焦点を当てて、以下の表において別途分析している。その他の企業向けおよび商
業向け貸付業務の場合、担保価値は、元本の返済能力との間に強い相関関係を有していない。
債務者の一般的な信用実績が低下し、副次的な返済原資に依存することが必要となり、その予測されるパ
フォーマンスを査定しなければならなくなった際に、通常、担保価値が更新される。
ホールセール貸付 -企業向け、商業向けおよび金融機関(銀行以外)向け貸付金(貸付コミットメントを
含む。)の主要国担保レベル別およびステージ別の内訳(商業用不動産を除く。)
(監査済)
内訳
合計 英国 フランス ドイツ
帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
ECLカバ ECLカバ ECLカバ ECLカバ
(総額ベース )/ (総額ベース )/ (総額ベース )/ (総額ベース )/
元本金額 レッジ比率 元本金額 レッジ比率 元本金額 レッジ比率 元本金額 レッジ比率
当行グループ 百万ポンド % 百万ポンド % 百万ポンド % 百万ポンド %
ステージ1
131,034 0.1 59,634 0.1 43,672 - 18,298 -
無担保
16,650 0.1 11,610 0.1 3,069 898
全額担保
LTV比率:
3,360 2,462 794 -
0.1 0.1 - -
-50%以下
3,326 2,085 1,018 -
0.2 0.2 0.1 -
-51%から 75%
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1,013 259 548 -
0.1 - - -
-76%から 90%
8,951 6,804 709 898
- - 0.1 -
-91%から 100%
2,316 0.1 335 - 1,759 0.1 - -
部分担保 (A):
1,753 203 1,448 -
-Aの担保価値
150,000 0.1 71,579 0.1 48,500 - 19,196 -
ステージ1合計
ステージ2
7,050 1.2 2,910 1.7 1,456 0.6 1,534 0.3
無担保
865 1.2 623 0.8 142 2.1 76 -
全額担保
LTV比率:
271 253 17 -
1.1 0.8 - -
-50%以下
169 124 46 -
0.6 0.8 - -
-51%から 75%
29 18 11 -
- - - -
-76%から 90%
396 228 68 76
1.5 0.9 2.9 -
-91%から 100%
86 - 29 - 55 - - -
部分担保 (B):
34 1 32 -
-Bの担保価値
8,001 1.2 3,562 1.5 1,653 0.7 1,610 0.3
ステージ2合計
ステージ3
1,161 45.7 442 41.2 414 68.1 228 18.9
無担保
147 12.2 78 2.6 31 25.8 11 18.2
全額担保
LTV比率:
48 19 10 -
16.7 - 30.0 -
-50%以下
14 2 12 -
21.4 - 25.0 -
-51%から 75%
32 25 7 -
3.1 - 14.3 -
-76%から 90%
53 32 2 11
11.3 3.1 50.0 18.2
-91%から 100%
141 20.6 47 8.5 76 22.4 - -
部分担保 (C):
50 30 10 -
- C の担保価値
1,449 39.8 567 33.2 521 58.9 239 18.8
ステージ3合計
POCI
57 52.6 23 100.0 - - - -
無担保
- - - - - - - -
全額担保
LTV比率:
- - - -
- - - -
-50%以下
- - - -
- - - -
-51%から 75%
- - - -
- - - -
-76%から 90%
- - - -
- - - -
-91%から 100%
18 16.7 15 6.7 4 50.0 - -
部分担保 (D):
16 12 4 -
-Dの担保価値
75 44.0 38 63.2 4 50.0 - -
POCI 合計
159,525 0.5 75,746 0.4 50,678 0.7 21,045 0.3
2019 年12月31日現在
内訳
合計 英国 フランス ドイツ
帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額 帳簿価額
ECLカバ ECLカバ ECLカバ ECLカバ
(総額ベース )/ (総額ベース )/ (総額ベース )/ (総額ベース )/
元本金額 レッジ比率 元本金額 レッジ比率 元本金額 レッジ比率 元本金額 レッジ比率
当行グループ 百万ポンド % 百万ポンド % 百万ポンド % 百万ポンド %
ステージ1
136,337 0.1 70,242 0.1 36,118 - 19,908 -
無担保
28,052 - 9,837 - 16,521 - 949 -
全額担保
LTV比率:
2,154 1,206 868 -
0.1 0.1 0.1 -
-50%以下
16,008 2,067 13,940 -
- - - -
-51%から 75%
994 368 626 -
0.1 - - -
-76%から 90%
8,896 6,196 1,087 949
- - 0.1 -
-91%から 100%
1,833 0.1 624 - 1,161 0.1 - -
部分担保 (A):
343 295 33 -
-Aの担保価値
166,222 0.1 80,703 0.1 53,800 - 20,857 -
ステージ1合計
ステージ2
12,422 1.0 8,039 1.2 2,131 0.3 1,181 0.2
無担保
1,683 1.1 1,333 0.9 135 3.0 80 -
全額担保
LTV比率:
324 270 39 -
0.6 - 2.6 -
-50%以下
430 425 1 -
2.8 2.8 - -
-51%から 75%
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38 33 5 -
- - - -
-76%から 90%
891 605 90 80
0.6 - 2.2 -
-91%から 100%
164 0.6 9 - 148 0.7 - -
部分担保 (B):
11 1 7 -
-Bの担保価値
14,269 1.0 9,381 1.2 2,414 0.5 1,261 0.2
ステージ2合計
ステージ3
1,488 43.9 664 48.6 336 61.0 240 12.1
無担保
188 20.7 124 6.5 16 100.0 12 -
全額担保
LTV比率:
54 15 10 -
42.6 20.0 100.0 -
-50%以下
25 25 - -
- - - -
-51%から 75%
37 34 3 -
16.2 8.8 100.0 -
-76%から 90%
72 50 3 12
13.9 6.0 100.0 -
-91%から 100%
83 42.2 33 6.1 33 72.7 - -
部分担保 (C):
26 21 1 -
- C の担保価値
1,759 41.3 821 40.6 385 63.4 252 11.5
ステージ3合計
POCI
111 66.7 - - 9 22.2 - -
無担保
4 75.0 - - - - - -
全額担保
LTV比率:
- - - -
- - - -
-50%以下
4 - - -
- - - -
-51%から 75%
- - - -
- - - -
-76%から 90%
- - - -
- - - -
-91%から 100%
6 - 6 - - - - -
部分担保 (D):
3 3 - -
-Dの担保価値
121 63.6 6 - 9 33.3 - -
POCI 合計
1
182,371 0.6 90,911 0.6 56,608 0.5 22,370 0.1
2018 年12月31日現在
1 2018 年中、当行グループは、英国におけるホールセール貸付のステージ1およびステージ2の数値を修正再表示した。 2018 年の比
較数値も、全額担保から無担保に再分類し、従前は除外されていた無担保の額も含まれるようにするために修正再表示している。か
かる修正再表示の影響は、以下のとおりである。ステージ1においては、無担保の額が 23十億増加した一方、全額担保の額が 21十億
ポンド減少した。ステージ2においては、無担保の額が増加した一方、全額担保の額が1十億ポンド減少した。ステージ3において
は、無担保の額が増加した一方、全額担保の額が 0.05 十億ポンド減少した。
その他の信用リスク・エクスポージャー
有担保貸付に加えて、その他の信用補完措置が採用されたり、金融資産から発生する信用リスクを軽減する
ための方法が利用たりしている。これらについて以下のとおり詳述する。
・ 政府、銀行およびその他の金融機関が発行する一部の有価証券は、当該資産を対象とした政府保証に
よって提供される追加的信用補完の利益を享受する。
・ 銀行およびその他の金融機関が発行する負債証券には、金融資産プールが裏付資産となる資産担保証券
(以下「 ABS 」という。)およびそれに類似する金融商品が含まれる。 ABS に伴う信用リスクは、クレ
ジット・デフォルト・スワップ(以下「 CDS 」という。)によるプロテクションの購入を通じて軽減され
る。
・ 主に現金担保に対して差し入れられたトレーディング貸付金は、証拠金要件を満たすために記録され
る。トレーディング貸付金は、カウンターパーティが債務不履行となった場合、関連する負債と相殺さ
れることになるため、トレーディング貸付金に係る信用リスクは限定的である。売戻契約および借株契
約は、そのもともとの性質により有担保である。
当行グループがかかる取決めに基づき売却または再差入れを認めている差入れを受けた担保については、「第
6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 16に記載されている。
・ 当行グループの信用リスクへの最大エクスポージャーは、差し入れられた金融保証および類似の契約、
ならびに貸付コミットメントおよびその他の信用関連のコミットメントである。取決め条件次第では、
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保証の実行が要求される場合や、貸出コミットメントが実行された後に債務不履行となった場合に、当
行グループは追加的な信用リスク軽減策を使用する可能性がある。
デリバティブ
当行グループは、自らがカウンターパーティ信用リスクさらされる取引に参加している。カウンターパー
ティ信用リスクは、取引におけるカウンターパーティが、当該取引を十分に決済する前に債務不履行に陥っ
た場合の財務的損失のリスクである。このリスクは主に店頭(以下「 OTC 」という。)デリバティブおよび証
券担保融資取引から発生し、トレーディング勘定と非トレーディング勘定の両方について計算される。取引
の価値は、金利、為替レートまたは資産価格等の市場要素を参照することによって変動する。
デリバティブ取引からのカウンターパーティ・リスクは、デリバティブのポジションの公正価値を報告する
際に考慮に入れられる。この公正価値の修正は、信用評価調整(以下「 CVA 」という。)と呼ばれる。
ISDA マスター・アグリーメントは、当行グループがデリバティブ取引の契約書として推奨する契約である。
デリバティブ取引の当事者は、 ISDA マスター・アグリーメントと同時にクレジット・サポート・アネックス
(以下「 CSA 」という。)を締結するのが一般的で、当行グループも CSA を締結する実務を推奨している。 CSA
に基づき、残存するポジションに内在するカウンターパーティ・リスクを軽減するために、担保が当事者間
で移転される。当行グループが CSA を締結しているカウンターパーティの大半は、金融機関顧客である。
当行グループは、店頭デリバティブ契約に係るカウンターパーティ・エクスポージャーを、カウンターパー
ティとの担保契約およびネッティング契約を利用して管理している。現在、当行グループは一般的な店頭デ
リバティブのカウンターパーティに対するエクスポージャーを信用市場で活発には管理していないが、一定
の状況では個別のエクスポージャーを管理することがあり得る。
当行グループは、担保の種類について厳格な方針の制約を課してきたが、その結果、金額ベースでの受入ま
たは差入担保は大部分が現金であり、流動性が高く、質も高い。
担保方針の範囲外で承認を必要とする担保の種類については、マーケッツ部門、法務部門およびリスク部門
の上級代表者で構成される委員会の承認を要する。
なお、カウンターパーティがデフォルトになった場合に法的に執行可能な相殺権、およびデリバティブで差
し入れられた担保の詳細については、「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 28を参照のこと。
個人向け貸付
本項では、個人向けの顧客に対する貸付金を構成する国および製品について詳述する。
さらに商品に関する詳細情報も、顧客に対する貸付金、貸付金およびその他の信用関連のコミットメントな
らびに金融保証についての地理的データとともに、ステージ別に示している。
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 )に係る個人向け貸付金合計のステージ分布別内訳
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計 ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
当行グループ
ポートフォリオ別
7,080 287 237 7,604 (2) (7) (71) (80)
第1順位住宅ローン
3,414 228 112 3,754 - (3) (28) (31)
-うち:利息限定支払型ローン(相殺額を含む。)
378 3 1 382 - - - -
-アフォーダブル・ローン( ARMを含む。)
16,193 786 250 17,229 (4) (16) (73) (93)
その他の個人向け貸付金
15,867 750 234 16,851 (3) (12) (72) (87)
-その他
326 36 16 378 (1) (4) (1) (6)
-クレジットカード
- - - - - - - -
-第2順位住宅ローン
23,273 1,073 487 24,833 (6) (23) (144) (173)
2019 年12月31日現在
地域別
1
3,562 58 17 3,637 (1) (4) (3) (8)
英国
17,403 911 322 18,636 (3) (15) (87) (105)
フランス
200 46 - 246 - - - -
ドイツ
2,108 58 148 2,314 (2) (4) (54) (60)
その他
23,273 1,073 487 24,833 (6) (23) (144) (173)
2019 年12月31日現在
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2
貸付金およびその他の信用関連のコミットメントならびに金融保証 に係る個人向け貸付金合計のステージ
分布別内訳
元本金額 ECL 引当金
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計 ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
308 3 - 311 - (1) - (1)
英国
961 35 4 1,000 - - - -
フランス
129 46 - 175 - - - -
ドイツ
494 4 - 498 - (1) - (1)
その他
1,892 88 4 1,984 - (2) - (2)
2019 年12月31日現在
1 主にチャンネル諸島およびマン島の第1順位住宅ローンを含む。
2 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
顧客に対する貸付金 (償却原価で計上 )に係る個人向け貸付金合計のステージ分布別内訳(続き)
帳簿価額 (総額ベース ) ECL引当金
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計 ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
当行グループ
ポートフォリオ別
6,832 349 276 7,457 (4) (8) (81) (93)
第1順位住宅ローン
3,323 244 126 3,693 - (3) (32) (35)
-うち:利息限定支払型ローン(相殺額を含む。)
290 - - 290 - - - -
-アフォーダブル・ローン( ARMを含む。)
15,338 857 251 16,446 (5) (19) (89) (113)
その他の個人向け貸付金
14,888 818 235 15,941 (4) (15) (88) (107)
-その他
334 39 16 389 (1) (4) (1) (6)
-クレジットカード
116 - - 116 - - - -
-第2順位住宅ローン
22,170 1,206 527 23,903 (9) (27) (170) (206)
2018 年12月31日現在
地域別
1
3,133 92 24 3,249 (1) (3) (4) (8)
英国
16,756 984 328 18,068 (3) (17) (102) (122)
フランス
186 40 - 226 - - - -
ドイツ
2,095 90 175 2,360 (5) (7) (64) (76)
その他
22,170 1,206 527 23,903 (9) (27) (170) (206)
2018 年12月31日現在
2
貸付金およびその他の信用関連のコミットメントならびに金融保証 に係る個人向け貸付金合計のステージ
分布別内訳(続き)
元本金額 ECL 引当金
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計 ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
当行グループ 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
305 3 - 308 - - - -
英国
1,022 31 3 1,056 - - - -
フランス
181 5 - 186 - - - -
ドイツ
539 15 1 555 - - - -
その他
2,047 54 4 2,105 - - - -
2018 年12月31日現在
1 主にチャンネル諸島およびマン島の第1順位住宅ローンを含む。
2 IFRS 第9号の減損要件が適用されない履行保証契約を除く。
貸付金の担保
以下の表は、当行グループが特定の資産に対して保有する固定担保で、借り手が契約上の債務を履行しない
際に当行グループが債務充足のために当該担保を執行した実績を有し、かつ執行することが可能であり、ま
た、当該担保が現金でありまたは確立された市場で売却することにより現金化が可能な担保であるものの価
値を数値化したものである。
担保評価には、担保の入手および売却に関する調整は含まれず、特に、担保付または部分的担保として表示
された貸付金は、他の形態の信用緩和の恩恵も受ける場合がある。
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個人向け貸付:住宅ローン(貸付コミットメントを含む。)の主要国における担保レベル別内訳
(監査済)
内訳
合計 英国 フランス
エクスポー
エクスポー エクスポー
ジャー
ジャー ジャー
(総額ベー ECLカバレッ (総額ベー ECLカバレッ (総額ベー ECLカバレッ
ス) ジ比率 ス) ジ比率 ス) ジ比率
当行グループ 百万ポンド % 百万ポンド %百万ポンド %
ステージ1
7,056 - 2,887 - 2,290 -
全額担保
LTV比率:
2,868 - 971 - 984 -
-50%以下
961 271 502
- - -
-51%から 60%
845 258 402
- - -
-61%から 70%
676 218 273
- - -
-71%から 80%
400 127 89
- - -
-81%から 90%
1,306 1,042 40
0.1 - -
-91%から 100%
345 - 4 - 74 -
部分担保 (A):
LTV比率:
221 - - - 15 -
-101% から 110%
- -
65 1 11
-
-111% から 120%
- -
59 3 48
-
-120% 超
323 2 73
-Aの担保価値
7,401 - 2,891 - 2,364 -
合計
ステージ2
272 2.2 43 - 190 0.5
全額担保
LTV比率:
128 1.6 15 - 91 1.1
-50%以下
44 8 31
2.3 - -
-51%から 60%
34 1 28
2.9 - -
-61%から 70%
33 - 29
3.0 - -
-71%から 80%
9 - 8
- - -
-81%から 90%
24 19 3
4.2 - -
-91%から 100%
15 6.7 - - 8 -
部分担保 (B):
LTV比率:
7 14.3 - - 2 -
-101% から 110%
2 - 1
- - -
-111% から 120%
6 - 5
- - -
-120% 超
15 - 7
-Bの担保価値
287 - 43 - 198 -
合計
ステージ3
173 20.8 14 7.1 89 27.0
全額担保
LTV比率:
99 22.2 11 9.1 52 30.8
-50%以下
25 1 13
16.0 - 15.4
-51%から 60%
16 1 8
18.8 - 12.5
-61%から 70%
17 1 8
17.6 - 25.0
-71%から 80%
7 - 3
28.6 - 33.3
-81%から 90%
9 - 5
22.2 - 40.0
-91%から 100%
64 57.8 - - 13 30.8
部分担保 (C):
LTV比率:
29 51.7 - - 5 20.0
-101% から 110%
14 - 2
71.4 - 50.0
-111% から 120%
21 - 6
57.1 - 33.3
-120% 超
51 - 10
- C の担保価値
237 30.8 14 7.1 102 27.5
合計
7,925 - 2,948 - 2,664 -
2019 年12月31日現在
(監査済)
内訳
合計 英国 フランス
エクスポー
エクスポー エクスポー
ジャー
ジャー ジャー
(総額ベー ECLカバレッ (総額ベー ECLカバレッ (総額ベー ECLカバレッ
ス) ジ比率 ス) ジ比率 ス) ジ比率
当行グループ 百万ポンド % 百万ポンド %百万ポンド %
ステージ1
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有価証券報告書
6,875 0.1 2,473 - 2,278 -
全額担保
LTV比率:
3,029 0.1 1,004 - 884 -
-50%以下
963 - 271 - 452 -
-51%から 60%
896 - 227 - 436 -
-61%から 70%
823 0.1 208 - 317 -
-71%から 80%
422 0.2 92 - 128 -
-81%から 90%
742 - 671 - 61 -
-91%から 100%
323 - 179 - 100 -
部分担保 (A):
LTV比率:
222 - 176 - 23 -
-101% から 110%
26 - 1 - 16 -
-111% から 120%
75 - 2 - 61 -
-120% 超
305 177 99
-Aの担保価値
7,198 0.1 2,652 - 2,378 -
合計
ステージ2
297 2.4 38 - 199 0.5
全額担保
LTV比率:
130 1.5 16 - 84 1.2
-50%以下
46 2.2 4 - 33 -
-51%から 60%
41 2.4 - - 32 -
-61%から 70%
40 5.0 - - 30 -
-71%から 80%
18 5.6 - - 16 -
-81%から 90%
22 - 18 - 4 -
-91%から 100%
52 3.8 34 - 10 -
部分担保 (B):
LTV比率:
39 34 2
2.6 - -
-101% から 110%
4 - 2
- - -
-111% から 120%
9 - 6
-120% 超
11.1 - -
52 34 10
-Bの担保価値
349 - 72 - 209 -
合計
ステージ3
222 22.1 17 11.8 98 16.3
全額担保
LTV比率:
11.5 7.7 15.2
113 13 46
-50%以下
27 - 15
18.5 - 13.3
-51%から 60%
32 2 13
28.1 - 15.4
-61%から 70%
20 1 8
35.0 - 25.0
-71%から 80%
8 - 5
25.0 - 20.0
-81%から 90%
22 1 11
59.1 100.0 18.2
-91%から 100%
57 71.9 1 - 20 70.0
部分担保 (C):
LTV比率:
11 36.4 1 - 4 25.0
-101% から 110%
12 50.0 - - 4 25.0
-111% から 120%
34 91.2 - - 12 100.0
-120% 超
47 1 20
- C の担保価値
279 32.3 18 11.1 118 25.4
合計
7,826 - 2,742 - 2,705 -
2018 年12月31日現在
資本・流動性リスク
流動性・資金調達リスク管理
戦略およびプロセス
HSBC グループは、 HSBC グループが極めて深刻な流動性ストレスに耐えられるようにすることを目的とし、内
部流動性・資金調達リスク管理の枠組み(以下「 LFRF 」という。)を整備している。これは、ビジネス・モ
デル、市場および規制の変化に適応できるように設計されている。 流動性および資金調達の管理は、 HSBC グ
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ループの LFRF 、ならびにリスク管理委員会( RMM )を通じて HSBC グループ経営委員会(以下「 GMB 」という。 )
が設定し、取締役会が承認したプラクティスおよび限度額を遵守した上で、主に現地で実施されている。
構造および組織
グループ最高財務責任者に対する報告義務を負うグループ・トレジャラーは、 LFRF を監督する責任を負って
いる。 資産・負債・資本管理(以下「 ALCM 」という。)チームは、当行内において LFRF を適用する責任を
負っている。
LFRF の要素は、堅固なガバナンスの枠組みによって支えられており、うち主要な2要素は以下のとおりであ
る。
・ 資産負債管理委員会(以下「 ALCO 」という。)
・ リスク許容度を確認し、リスク選好度を設定するために用いる年次内部流動性十分性評価プロセス(以
下「 ILAAP 」という。)
全稼働グループ会社および HSBC グループは、適切な頻度で内部流動性十分性評価(以下「 ILAA 」という。)
に関する書類を作成しなければならない。該当する取締役会が承認した ILAA の最終目標は、債務が返済期日
の到来時に履行できないという重大なリスクを発生させることなく、健全な資金調達プロファイルを維持で
きるよう、グループ会社および子会社が額および質の双方の点において常に十分な流動性の源泉を維持して
いることを検証することである。
流動性・資金調達リスクの管理
流動性カバレッジ比率
流動性カバレッジ比率( LCR )の目的は、銀行が 30暦日間の流動性ストレス・シナリオで必要な流動性を満た
すのに十分な、処分上の制約を受けない質の高い流動性資産(以下「 HQLA 」という。)を保有できるように
することである。 LCR の計算上、 HSBC グループは、欧州委員会が規定したガイドラインに従っている。
LCR 指標を計算する際は、オぺレーショナル預金に関する仮定を立てる。オぺレーショナル預金は主として、
HSBC セキュリティ・サービシズまたはグローバル・リクイディティ・アンド・キャッシュ・マネジメントに
よるカストディ業務の提供に起因して発生する取引口座預金として定義される。オぺレーショナル預金を評
価するためには、口座の残高履歴の他、特定の期間にわたる借方および貸方の額の双方を参照する。
安定調達比率
当行は、安定した資金調達を確保するための基盤として調整後安定調達比率(以下「 NSFR 」という。)を用
いている。調整後 NSFR は、当行に対して 十分で安定的な資金調達を維持する義務を課しており、その長期資
金調達プロファイル(1年超の期間内の資金調達)を反映している。 調整後 NSFR は、資本要求に関する規則
および指令(以下「 CRR Ⅱ」という。)に基づき承認された予定されている規制の改正、および貸借対照表上
のリスク・プロファイルに見合ったその他の内部調整を考慮に入れている。
流動性ストレス・テスト
資産・負債・資本管理( ALCM )チームは、当行グループのリスク選好度が正確であることの検証、各種スト
レス・シナリオの下で経営を継続するための十分な流動性があるのかの確認、および流動性カバレッジ比率
(LCR )シナリオ内のストレスの仮定が当行グループの事業にとって適切かつ保守的であるかの検証をするた
め、流動性ストレス・テストを実施している。 ALCM チームはまた、グループ会社の流動性の源泉が枯渇する
と仮定したシナリオの倒産隔離を検証するという具体的な目的で、リバース・ストレス・テストも実施して
いる。かかるシナリオが倒産隔離に十分であるとみなされなかった場合、是正措置が講じられる。
期間および性質が異なるストレスの下で流動性の源泉の質をテストするために、複数の異なるシナリオのス
トレス・テストが実施されている。かかるテストの一環として、該当する資産負債管理委員会( ALCO )およ
び取締役会が承認した各種仮定が用いられ、かかるストレス・テストの結果は、 ILAAP を通じて取締役会、お
よび四半期ごとに該当する ALCO に報告されている。
LCR における通貨の不一致
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HSBC グループの内部流動性・資金調達リスク管理の枠組みに基づき、グループ会社はいずれも、重要な通貨
のLCR を監視する義務を負っている。外国為替スワップ市場がストレス下にあると仮定した場合に、流出した
資金を充足できるよう限度額が設定されている。
2019 年の流動性・資金調達リスク
流動性カバレッジ比率
HQLA は、現金または市場において価値の損失なく現金化できる資産で構成される。
2019 年12月31日現在、当行グループの主要グループ会社はいずれも、取締役会が設定し、 LFRF に基づいて適
用される、 LCR リスク許容度の水準内にある。
以下の表は、欧州委員会版流動性カバレッジ比率( EC LCR )委任規則に基づく、当行の主要グループ会社の
個々の流動性カバレッジ比率レベルを示している。
グループ会社の流動性カバレッジ比率
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
% %
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー
142 147
1
HSBC フランス
152 128
HSBC トリンカウス・アンド・ブルクハルト・アーゲー
125 111
1 HSBC フランスの LCR は、主に法人預金が増加した結果、上昇した。当該 LCR については、 2019 年第1四半期において欧州経済圏に所
在する支店を当行から HSBC フランスに移管したことを受け、 2018 年とは異なるパラメーターへの変更が組み込まれていることに留意
されたい。
安定調達比率
安定調達比率(以下「 NSFR 」という。)として、金融機関に対して安定調達要件に比して十分で安定的な資
金調達を維持することを求められており、銀行の長期資金調達プロファイル(1年超の期間内の資金調達)
を反映している。 NSFR は、 LCR を補完するように設計されている。
2019 年12月31日現在、当行グループの主要グループ会社はいずれも、取締役会が設定し、流動性・資金調達
リスク管理の枠組み( LFRF )に基づいて適用される、 NSFR リスク許容度の水準内にある。
グループ会社の安定調達比率
2019 年12月31日現在 2018 年12月31日現在
% %
1
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー
122 113
2
HSBC フランス
117 113
HSBC トリンカウス・アンド・ブルクハルト・アーゲー
121 116
1 当行は、安定した資金調達を確保立するための基盤として調整後 NSFR を用いている。調整後 NSFR は、エイチエスビーシー・バン
ク・ピーエルシーに対して、十分で安定的な資金調達を維持する義務を課しており、その長期資金調達プロファイルを反映してい
る。調整後 NSFR は、資本要求に関する規則および指令(以下「 CRR Ⅱ」という。)に基づき承認された予定されている規制の改正、
および貸借対照表上のリスク・プロファイルに見合ったその他の内部調整を考慮に入れている。
2 貸借対照表の日付現在で効力が発生していない CRR Ⅱに基づく変更が予定されていることから、 NSFR は、 2019 年末日現在の 127 %の
水準であると推定している。
預金者の集中および長期貸付満期の集中
LCR および NSFR の両指標は、各預金セグメント内の預金者ポートフォリオに基づいて、ストレス下の資金流出
を仮定している。かかる仮定の妥当性は、現預金者が十分な規模のポートフォリオを構成しておらず、預金
者の集中が存在する場合に、損なわれる。
上記に加えて、グループ会社は、現在の満期構成の結果、将来の満期到来が限られた期間に過度に集中した
場合、長期貸付の借換え集中リスクにさらされる。
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当行グループの主要グループ会社の流動資産
以下の表は、流動資産に分類され、 LCR 指標の計算上使用される資産の非加重流動性価値を示している。
これは、流動性資産に関する規制上の定義により、財務報告日現在の担保が設定されていない流動性資産の
ストックを反映している。
グループ会社の流動資産
2019 年12月31日現在の 2018 年12月31日現在の
見積流動性値 見積流動性値
百万ポンド 百万ポンド
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー
レベル1
68,467 84,185
レベル2 a
6,922 4,243
レベル2 b
6,569 7,764
HSBC フランス
レベル1
32,410 15,545
レベル2 a
747 435
レベル2 b
- 24
HSBC トリンカウス・アンド・ブルクハルト・アーゲー
レベル1
7,606 5,605
レベル2 a
32 60
レベル2 b
588 520
資金調達源
当グループの主な資金調達源は、顧客からの当座預金、買戻取引(レポ取引)およびホールセール向けに発
行する有価証券である。 以下の「資金調達源および使途」の表は、当行グループの貸借対照表に計上されて
いる資金調達の方法を連結ベースで示しており、グループ会社に流動性および資金調達リスクを単独ベース
で管理することを義務付けている流動性・資金調達リスク管理の枠組み( LFRF )に照らして解釈されるべき
である。
以下の表は、主に営業活動から生じる資産と主に営業活動を支える資金調達源に基づいて、当行グループの
連結貸借対照表を分析している。営業活動から生じたものではない資産と負債は、貸借対照表の他の項目に
表示されている。 2019 年において顧客からの預金は、引き続き顧客に対する貸付金を上回っている。プラス
の資金調達ギャップは、流動性・資金調達リスク管理の枠組み( LFRF )に基づき要求されるとおり、その大
部分は、流動資産、現金および中央銀行預け金、金融投資に配分された。
当行グループの資金調達源および使途
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
調達源 使途
顧客からの預金 顧客に対する貸付金
177,236 180,836 108,391 111,964
銀行からの預金 銀行に対する貸付金
23,991 24,532 11,467 13,628
買戻契約-非トレーディング目的 売戻契約-非トレーディング目的
49,385 46,583 85,756 80,102
発行済負債証券 現金担保、証拠金および決済勘定
25,039 22,721 40,254 28,870
現金担保、証拠金および決済勘定 売却目的資産
43,556 35,561 13 37
劣後債務 トレーディング資産
13,182 13,770 98,249 95,420
- 売戻契約
公正価値評価の指定を受けた金融負債
41,642 36,922
8,358 6,141
保険契約に基づく負債 -借株 契約
21,509 20,657
5,094 6,498
- その他のトレーディング資産
トレーディング負債
48,026 49,514 84,797 82,781
- 買戻契約
金融投資
46,464 47,272
349 1,027
-借株 契約 現金および中央銀行預け金
51,816 52,013
7,498 9,161
- その他のトレーディング負債
その他貸借対照表に計上されている資産
40,179 39,326 194,081 175,652
資本合計
24,012 27,409
その他貸借対照表に計上されている負債
168,913 146,453
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12月31日現在 12月31日現在
636,491 604,958 636,491 604,958
約定済貸付枠に起因する偶発的流動性リスク
当行グループは、顧客に対して 約定済貸付枠 を提供している。かかる 約定済貸付枠 には、法人顧客に対する
予備枠、および当行グループがスポンサーを務めるコンデュイットに対する約定済バックストップ・ファシ
リティーが含まれる。コンデュイットまたは外部顧客に提供された コミットメントの未使用分はいずれも、
適用される規則に従い、流動性カバレッジ比率( LCR )および安定調達比率( NSFR )の計算上、織り込まれ
る。これにより、ストレス・シナリオ下において、顧客または当行グループがスポンサーを務める コンデュ
イットのいずれかが、 かかる約定済貸付枠の使用を増加させたことに伴い発生した追加的な資金流出に起因
する流動性リスクが当行グループに発生することはなくなる。
当行グループは、これらの コンデュイットが保有する有価証券のポートフォリオの規模を管理していること
から、かかる約定済貸付枠の未使用分により、偶発的流動性リスクのエクスポージャーは発生していない。
顧客に対するコミットメントに関連して、 以下の表は、上位5件の個別ファシリティと最大のマーケット・
セクターにおける未使用のコミットメント残高の水準を示している。
偶発的流動性リスク限度額構造に基づき監視されている当行グループの契約上のエクスポージャー
(12月31日現在)
2019 年 2018 年
脚注 十億ポンド 十億ポンド
コンデュイットへのコミットメント
連結マルチセラー・コンデュイット 1
- 与信枠の合計
4.4 5.6
- 最大の個別与信枠
0.2 0.3
連結証券投資コンデュイット-与信枠の合計
2.4 3.4
顧客へのコミットメント
- 上位5件
2
4.4 3.0
- 最大のマーケット・セクター
3
8.7 9.1
1 リージェンシー部門のマルチセラー・コンデュイットに関連するエクスポージャー。同コンデュイットは、顧客に起因する資産の
分散型プールで担保された債券を発行することにより、当行グループの顧客に資金を提供している。 2019 年においてリージェンシー
部門は、当行の LCR および調整 NSFR に関する報告書上、連結対象外となった。
2 顧客に対する約定済流動性ファシリティ上位5件の未使用残高を示す(ただし、コンデュイット向けを除く。)。
3 最大のマーケット・セクターに対する約定済流動性ファシリティすべての合計の未使用残高を示す(ただし、コンデュイット向け
を除く。)。
処分上の制約を受ける資産および担保管理
資産が既存の負債に対して担保に供された結果、当グループが資金調達を確保し、担保要求に応えるために
当該資産を利用することができなくなり、または当グループの資金調達の必要性を減らすために当該資産を
売却することができない場合、当該資産は処分上の制約を受ける資産と定義される。 担保は、流動性および
資金調達の管理アプローチに従い、グループ会社ごとに管理されている。各グループ会社が保有する利用可
能な担保は、単一の共通担保プールとして管理されており、各グループ会社は、かかる担保プール内の利用
可能な担保の活用を最適化することに努めている。 本開示の目的は、将来的に必要になり得る資金調達およ
び担保要求に応えるために活用し得る、利用可能でかつ処分上の制約のない資産の理解を深めることにあ
る。本開示は、債権者の債権満足に利用し得る資産の特定、または破綻もしくは倒産があった場合に債権者
が利用し得る資産の予測を意図としたものではない。
将来的に必要となり得る資金調達および担保ニーズに対応するために利用可能な資産の概要
(オンバランスおよびオフバランス)
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
12月31日現在のオンバランス資産の合計 636,491 604,958
減算:
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- 売戻契約/借株契約の受取勘定およびデリバティブ資産
(263,762) (237,020)
- 担保として供することのできないその他資産
(52,292) (56,982)
12月31日現在の資金調達や担保ニーズに対応するために利用可能なオンバランス資産の合計 320,437 310,956
加算:オフバランス資産
- 売戻契約/借株契約/デリバティブに関連して受け取り、売却または転質が可能な担保の公正価値
239,032 250,277
将来の資金調達や担保ニーズに対応するために利用可能な資産の合計 559,469 561,233
減算:
- 担保に供しているオンバランス資産
(94,860) (89,123)
- 売戻契約/借株契約/デリバティブに関連して受け取ったオフバランス担保の転質
(179,442) (202,782)
12月31日現在の資金調達や担保ニーズに対応するために利用可能な資産 285,167 269,328
市場リスク
当行グループは、適切な場合、トレーディングと非トレーディングの両方のポートフォリオに、類似したリ
スクの管理方針および測定手法を用いている。当行グループの目標は、リスクからのリターンを最適化する
ために、 HSBC グループの世界最大級のバンキング・金融サービス企業の1つとしての地位に見合った市場に
おける注目度を維持しつつ、市場リスク・エクスポージャーを管理および統制することである。
当行グループ全体で実施されているヘッジとリスク軽減戦略の性質は、事業を展開するそれぞれの法域にお
いて利用可能な市場リスク管理手法に対応するものである。これらの戦略は、金利スワップ等の伝統的な市
場の商品の使用から、ポートフォリオ・レベルで発生する複合的なリスク要因に対処するより精緻なヘッジ
戦略まで、多岐にわたる。
市場リスク・ガバナンス
(監査済)
市場リスクは、 HSBC グループのグループ経営委員会(以下「 GMB 」という。)のリスク管理委員会( RMM )に
よって承認された限度額を通じて管理・統制されている。これらの限度額は、事業分野全体に配分され、当
行を含む HSBC グループのグループ会社が同意したものである。
市場リスクの管理については、当行の RMM の承認を条件としてリスク選好度に応じて配分されたリスク限度額
に基づき、主にマーケッツ部門が行っている。限度額の決定にあたり、市場流動性を主な要因として、ポー
トフォリオ、商品およびリスクの種類ごとに限度額が設定されている。
グローバル・リスク部門は、市場リスク管理の方針と測定方法の設定に責任を負う。それぞれの主要なグ
ループ会社にも独自の市場リスク管理・統制部門が設けられ、グローバル・リスク部門が定義した方針に
従って市場リスク・エクスポージャーを測定すること、ならびに既定の限度額と照合しながら、それらのエ
クスポージャーを日次でモニタリングおよび報告することにつき責任を負う。
グループ各社は、自社の事業の各商品で発生する市場リスクを評価すること、および管理のためにそれらの
リスクを現地のマーケッツ部門もしくはバランスシート・マネジメント( BSM )部門の帳簿に移管するか、ま
たは現地の資産負債管理委員会(以下「 ALCO 」という。)の監督下において管理される帳簿を分けることを
求められる。
その目的は、市場リスクを専門的に管理するために必要なスキル、ツール、管理およびガバナンスを有する
部署で、すべての市場リスクを一元管理することを確実にすることである。市場リスクを完全に移管しきれ
ない場合、当行グループは、様々なシナリオを想定し、それが評価に対し、または残存リスク・ポジション
に起因する正味受取利息に対し、どのような影響を持つかを特定している。
モデル・リスクは、地域ならびにグローバルのホールセール信用リスクおよび市場リスクのレベルでモデル
監視委員会(以下「 MOC 」という。)を通じて管理される。 MOC は、リスクの測定および管理ならびにストレ
ス・テストに利用されるトレードされたリスク・モデルすべてについての直接的な監視および承認責任を担
う。 MOC は、 HSBC グループ内のトレードされたリスクの管理に利用されるモデル、手法および実務の開発に順
位を付けし、これが当行グループのリスク選好度および事業計画の範囲内にとどまるようにしている。マー
ケッツ部門の MOC は、当行グループ・レベルですべての種類のモデル・リスクを監視する HSBC グループ MOC に
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報告している。当行グループの MOC は、少なくとも半年ごとに重要な問題点について HSBC グループの RMM に情
報を提供する。 RMM は、規制上の規則に従い HSBC グループの「指定委員会」であり、トレードされたリスク・
モデルすべての日常的なガバナンスをマーケッツ部門の MOC に委任している。
トレーディング・ポートフォリオおよび非トレーディング・ポートフォリオの市場リスクの管理は、各拠点
についてグローバル・リスクが承認した許容される商品のリスト内のトレーディングに個別の業務を限定す
る方針、新商品承認手続を実施する方針、そしてより複雑なデリバティブ商品のトレーティングを、商品に
関する適切な水準の専門知識および強固な統制システムを持つ事業所に限定する旨の方針に基づいている。
市場リスクの測定
市場リスク・エクスポージャーの監視および制限
当行グループの目標は、グループのリスク選好度に沿った市場特性を維持しつつ、市場リスク・エクスポー
ジャーを管理・統制することである。
当行グループでは、市場リスク・エクスポージャーの監視および制限のため、感応度分析、バリュー・アッ
ト・リスク( VaR )およびストレス・テストを含む多岐にわたるツールを用いている。
感応度分析
感応度分析は、利回りの1ベーシス・ポイントの変動による影響など、金利、外国為替レート、信用スプ
レッドおよび株価を含む個別の市場要因の変動が、特定の商品またはポートフォリオに及ぼす影響を測定す
るものである。当行グループは、リスクの種類ごとに市場リスクのポジションを監視するために感応度指標
を用いている。感応度制限は、ポートフォリオ、商品およびリスクの種類ごとに設定されるが、どの程度の
制限にするのかを決定するには、市場の厚みも重要な要因の一つとされる。
バリュー・アット・リスク
VaR とは、特定の期間と所与の信頼水準において、市場レートや価格が変動した結果として、リスク・ポジ
ションで発生する潜在的損失を見積る手法である。 VaR の使用は市場リスク管理に統合され、当行グループが
トレーディング・ポジションのエクスポージャーをどのように自己資本に反映するかとは無関係に、すべて
のトレーディング・ポジションについて計算される。承認された内部モデルがない場合は、当行グループは
エクスポージャーを自己資本に反映するための適切な現地の規則を使用する。
加えて、当行グループはリスクの全貌を掴むために、非トレーディング・ポートフォリオについても VaR を計
算する。モデルは、その大部分をヒストリカル・シミュレーションに基づいている。 VaR は保有期間を1日と
して 99%の信頼水準で計算される。当行グループは、 VaR を明示的に計算しない場合は、後述の「市場リス
ク・ストレス・テスト」において要約するとおり、代替的なツールを使用する。
当行グループが使用する VaR モデルは、主にヒストリカル・シミュレーションに基づいている。これらのモデ
ルは、様々な市場の間および様々なレートの間(金利、為替レート等)の相互関係を踏まえ、市場のレート
や価格に関する過去の一連の記録に基づき、妥当な将来のシナリオを導き出すというものである。モデルに
は、選択性が対象のエクスポージャーに及ぼす影響も組み込まれる。
用いられるヒストリカル・シミュレーション・モデルは、次の特徴を持っている。
・ 過去の市場レートと価格は、外国為替レートとコモディティ価格、金利、株価および関連するボラティ
リティを参照して計算される。
・ VaR で用いられる潜在的市場変動は、過去2年間のデータを参照して計算される。
・ VaR 指標は 99%の信頼水準で、1日の保有期間を使用して計算される。
VaR モデルの性質上、対象ポジションに何らの変化がなくとも、観察される市場のボラティリティが上昇する
と、 VaR も上昇する可能性が最も高い。
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VaR モデルの限界
VaR はリスクに対する有益な指針になるが、例えば以下のような限界があることを前提として常に VaR を見る
必要がある。
・ 将来の事象を見積るために過去のデータを用いることは、潜在的なすべての事象(特に実際には極端な
事象)を網羅できないおそれがある。
・ 保有期間を設けることは、その間に全ポジションを清算できる、あるいはリスクを相殺できるという想
定である。これは、全ポジションを完全に清算またはヘッジするのに保有期間では足りない可能性があ
る場合、流動性がかなり低い場合に発生する市場リスクを完全に反映しないことがある。
・ 定義により信頼性水準を 99%とする場合、この信頼性水準を上回って発生する可能性のある損失を考慮
していないことを意味する。
・ VaR は、終業時点のエクスポージャーの残高に基づいて算出されるため、必ずしも日中のエクスポー
ジャーを反映していない。
リスク・ノット・イン VaR の枠組み
LIBOR テナー・ベーシス等、 VaR の中で完全に対応できないその他のベーシス・リスクは、当行グループのリ
スク・ノット・イン VaR (以下「 RNIV 」という。)の計算によって補完され、当行グループの自己資本の枠組
みに組み込まれる。
リスク要因は定期的に検証された上で、可能な場合は直接 VaR モデルに組み入れられるか、または VaR に基づ
くRNIV 手法もしくは RNIV の枠組み内のストレス・テスト手法により、数値化される。 VaR に基づく RNIV の結果
は、 VaR の計算に含まれる。 VaR に基づく RNIV 手法で考慮されたリスク要因については、ストレス下の VaR に基
づく RNIV も計算される。
ストレス型 RNIV には、ノンリコースによるマージン貸付に係るリスクを把握するためのギャップ・リスク・
エクスポージャーの測定ならびにペグ通貨および厳格管理通貨に係るリスクを把握するためのペグ制解除リ
スクの測定が含まれる。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、かなり極端ではあるが発生する可能性のある事象、または一連の金融上の変数の変動
が、ポートフォリオの価値に及ぼし得る影響を評価するために、当行グループの市場リスク管理ツールに組
み込まれた重要な手続である。このようなシナリオにおいては、損失は VaR モデルで予測される損失をはるか
に上回る可能性がある。
ストレス・テストは、法人レベル、地域レベルおよび HSBC グループ全体のレベルで実施している。 HSBC グ
ループ内のすべての地域で、一貫性をもって、標準的な一連のシナリオが用いられている。各レベルの関連
事象や市場の動向を把握するためには、それに適したシナリオが作られる。当行グループで発生し得るスト
レス時の損失に関するリスク選好度が設定され、限度額を参照しながら監視される。
確定している損失があるという前提に基づいて、市場リスク・リバース・ストレス・テストが実施される。
ストレス・テスト・プロセスにより、当該損失を招くシナリオが特定される。リバース・ストレス・テスト
を実施する根拠は、通常の業務状況を越え、他への波及や金融システムにも影響を及ぼしかねないシナリオ
を理解するためである。
ストレス下の VaR およびストレス・テストは、リバース・ストレス・テストおよびギャップ・リスクの管理と
ともには、当行グループのリスク選好が限定的である VaR を超過する「テール・リスク」についての洞察を経営
陣に提示するものである。
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トレーディング・ポートフォリオ
バックテスト
当行グループは、実績損益および仮定損益と、対応する VaR の数値を比較するバックテストを実施して、当行
グループの VaR モデルの正確性を定期的に検証している。仮定損益からは、費用、手数料および日計り取引か
らの収益など、モデルに組み込まれていない項目が除外されている。
当行グループでは、平均で1年間に2回または3回、信頼水準1%にあたる VaR 超過利益を生じ、また、1年
間に2回または3回、信頼水準 99%にあたる VaR 超過損失を生じるものと予想している。そのため、この期間
に実際に利益または損失が VaR を超過した数を用いて、モデルの性能を計測できる。
当行グループは、グループ会社の様々な階層で当行グループの VaR をバックテストしている。規制上の階層レ
ベルを用いたバックテストの対象には、市場リスクの規制上の自己資本の計算で VaR を使用することが承認さ
れているグループ会社も含まれる。
非トレーディング・ポートフォリオ
当行の非トレーディング VaR には、グローバル事業部門が保有し、バランスシート・マネジメント(以下
「BSM 」という。)部門または資産・負債・資本管理(以下「 ALCM 」という。)機能部門で管理されるポート
フォリオに移転された非トレーディング目的の金融商品の金利リスクが含まれる。当行グループの非トレー
ディング・ポートフォリオのリスクの測定、監視および管理に際しては、 VaR は使用されるツールの一つにす
ぎない。 HSBC グループおよび当行における非トレーディング・ポートフォリオの市場リスクの統制は、 BSM 部
門またはマーケッツ部門以外で発生した非トレーディング資産および負債の市場リスクを評価した上で、 BSM
部門が管理する勘定に移転する方法に基づいて行われる。その際、市場リスクを中和できることを条件とす
る。正味のエクスポージャーは、通常、 BSM 部門が固定利付国債(回収および売却目的(「 HTCS 」勘定)で保
有する流動資産)や金利スワップを利用して管理する。 HTCS ポートフォリオ内で保有する固定利付国債に起
因する金利リスクは、当行グループの非トレーディング・ポートフォリオの VaR に反映される。 BSM 部門が用
いる金利スワップは、通常、公正価値ヘッジかキャッシュフロー・ヘッジに分類され、当行グループの非ト
レーディング・ポートフォリオの VaR に算入される。市場で中和できない市場リスクは、分別管理されている
資産負債管理委員会( ALCO )の勘定で当行の ALCM チームが管理する。
構造的為替エクスポージャー
構造的為替エクスポージャーとは、当行グループのポンド以外の通貨を機能通貨とする子会社、支店および
関連会社への純投資をいう。事業体の機能通貨とは、その事業体が事業を営む主たる経済環境における通貨
である。
構造的為替エクスポージャーの再評価に起因する未実現損益は、その他の包括利益で認識されるが、外国為
替ポジションの再評価から発生するその他の未実現損益は、損益計算書に反映される。
当行グループの構造的為替エクスポージャーは、実務的である場合に、当行グループの連結自己資本比率お
よび個々の銀行子会社の自己資本比率が、為替変動の影響からおおむね保護されるようにすることを主な目
的として、管理されている。当行グループは、限定的な状況下でのみ構造的為替エクスポージャーをヘッジ
している。
銀行勘定の金利リスク
概要
銀行勘定の金利リスク(以下「 IRRBB 」という。)とは、市場金利の変動による収益または資本への悪影響の
リスクをいう。 IRRBB は、当行グループの非トレーディング資産および負債から発生する。資産・負債・資本
管理( ALCM )機能部門は、金利リスクの管理において使用されるリスク限度額を承認するリスク管理委員会
(RMM )の監視の下、 IRRBB の測定および制御につき責任を負っている。 IRRBB は、ホールセール市場リスク機
能部門および商品管理機能部門の監視下にあるバランスシート・マネジメント( BSM )部門に移転され、同部
門により管理される。
主なリスク変動要因
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当行の IRRBB は、以下の変動要因に分類することができる。
・ 管理金利リスク - 事業分野での決定に依存する商品の価格設定が、市場金利の変動と相関しないリス
ク。
・ 再投資リスク - 移転価格の方針どおりに行動予測された残高が再投資された場合の金利変動に起因する
リスク。
・ ベーシス・リスク - リプライシングに不整合を来すような異なる市場指数を参照して価格設定された資
産および負債に起因するリスク。
・ 期限前弁済リスク - 異なる金利シナリオにおいて実際になされた顧客による期限前弁済が、金利リスク
をヘッジするために使用されるプロファイルと一致しないリスク。
・ 残存期間リスク - 金利の不一致を生じ、またはこれを悪化させる金利の変動により、資産および負債の
満期が変更されるリスク。
ガバナンスおよび構造
資産・負債・資本管理( ALCM )部門は、非トレーディング金利リスクの監視および管理をするとともに、新
商品発売前の事業およびヘッジ活動に使用するために提案された行動仮説の検証および進言をする。 ALCM 部
門はまた、移転価格の枠組みの維持および更新、資産負債管理委員会( ALCO )に対する当行グループ全体の
銀行勘定の金利リスク・エクスポージャーの報告ならびにバランスシート・マネジメント( BSM )部門と連携
した貸借対照表の管理についても責任を負っている。
内部移転価格の枠組みは、構造的金利リスクの軽減活動を含め、資産および負債のリプライシング時期の相
違により発生する構造的金利リスクが BSM 部門に移転され、かつ、事業分野が引き受けた商品に基づき収益お
よび費用が当該事業分野に正確に割り当てられるように構築されている。契約上の元本弁済、支払スケ
ジュール、予想される期限前弁済、リプライシングに使用される契約上の金利指標および金利再設定日は、
BSM 部門がリスク管理のために移転される要素の一例である。
内部移転価格の枠組みは、 ALCO によって管理されている。 ALCO は、各グループ会社の移転価格カーブの設定
の他、定められた満期が存在しない場合または顧客の選択権が存在する場合に商品に使用される行動科学の
仮定を含め、移転価格の方針の見直しおよび承認につき責任を負う。 ALCO はまた、構造的金利リスク・ポジ
ション全体の監視および検証の責任も負っている。金利行動科学の方針は、 HSBC グループの行動科学の方針
に沿って策定されなければならず、少なくとも年に1回は現地の ALCO による承認を得なければならない。
非トレーディング資産および負債は、リプライシングおよび満期の特性に基づき BSM 部門に移転される。定め
られた満期またはリプライシングの特性のない資産および負債については、行動科学を用いて金利リスク・
プロファイルを評価している。
BSM 部門は、リスク管理委員会( RMM )が承認した市場リスク限度額の範囲内で、 BSM 部門に移転された銀行勘
定金利ポジションを管理している。 BSM 部門全体にわたる効果的なガバナンスは、グローバル・バンキング・
アンド・マーケッツ( GB&M )の最高経営責任者と HSBC グループ・トレジャラーへの二重の報告系統によって
支えられている。 BSM 部門は、引き受けるリスクを経済的にヘッジできる場合に限り、非トレーディング資産
および負債を引き受ける。ヘッジは一般的に、通常の金利デリバティブまたは固定金利国債を通じて管理さ
れる。 BSM 部門が経済的にヘッジできない金利リスクは移転されずに、リスクが発生した事業分野に留保され
る。
銀行勘定の金利リスクの測定
以下の指標は、資産・負債・資本管理( ALCM )部門が銀行勘定の金利リスクを監視および統制するために用
いているものである。
・ 非トレーディング・ポートフォリオの バリュー ・アット ・リスク( VaR )
・ 正味受取利息(以下「 NII 」という。)の感応度
・ 株式の経済的価値(以下「 EVE 」という。)
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非トレーディング VaR は、トレーディング勘定で使用されるモデルと同一のモデルを使用するが、銀行勘定残
高用のモデルである。
NII の感応度は、収益の市場金利の変動に対する当行グループの感応度を反映したものである。グループ会社
は、静的なバランスシートの仮定に基づき、様々な金利シナリオにおける1年間および5年間の NII 感応度を
予測している。これには、事業分野の金利転嫁の仮定、衝撃事由シナリオごとの市場金利で期限が到来する
資産および負債の再投資、ならびに期限前弁済リスクが含まれる。 BSM 部門は、経営陣による行為がない、即
ち月末のリスク・プロファイルが予測期間を通じて一定であるという仮定に基づきモデル化されている。
正味受取利息の感応度
当行グループの非トレーディング金利リスク 管理の主要な要素は、その他の経済変数のすべてを不変とした
場合における様々な金利シナリオ(シミュレーション・モデル)の下で、予想正味受取利息の感応度を監視
することである。かかる監視については、 資産負債管理委員会( ALCO )が実施する。
当行グループは、事業に関連するシナリオおよび前提条件の組み合わせを適用するとともに、 HSBC グループ
全体で義務付けられている標準的なシナリオも適用している。
株式資本の経済価値
株式資本の経済価値( EVE )とは、管理されたランオフ・シナリオ下において、株主に分配し得る将来の銀行
勘定のキャッシュフローの現在価値、即ち、株式資本の現在の簿価に、かかるシナリオにおける将来の正味
受取利息の現在価値を加えた値をいう。 EVE の感応度は、他の経済変数がいずれも一定である場合に、 EVE の
値が事前に指定された金利変動により変化する程度である。
確定給付型年金制度
年金債務が、算定可能なキャッシュフローを生み出す資産と完全に一致しない限り、当行グループの確定給
付型年金制度でも市場リスクが発生する。追加情報については、後述の「年金リスク」に関する項を参照の
こと。
2019 年における市場リスク
市場リスクとは、外国為替レート、コモディティ価格、金利、信用スプレッド、株価等の市場要因の変動に
伴い、当行グループの収益またはポートフォリオの価値が減少するリスクを意味する。
2019 年は 、市場リスク管理における当行グループの方針および慣行に重大な変化はなかった。
市場リスクのエクスポージャーは、2つのポートフォリオに分けられている。トレーディング・ポートフォ
リオは、マーケット・メーキングから生じるポジションおよび顧客由来のポジションの保護預かりで構成さ
れている。
BSM を含む非トレーディング・ポートフォリオは、主に、当行グループのリテール・バンキングおよびコマー
シャル・バンキングの資産および負債の金利マネジメント、回収および売却目的保有(以下「 HTCS 」とい
う。)の指定を受けた金融投資、ならびに当行グループの保険事業から生じたエクスポージャーに伴うポジ
ションで構成されている。
トレーディング・ポートフォリオ
トレーディング・ポートフォリオのバリュー・アット・リスク
(監査済)
トレーディング VaR は、主にグローバル・マーケッツ部門で発生している。グローバル・マーケッツ部門にお
けるトレーディング VaR は、 2018 年12月31日現在の 39.6 百万ポンドに対して、 2019 年12月31日現在では 24.9 百
万ポンドとなった。トレーディング VaR 合計は、 2019 年において著しく変動し、当期において低下した金利、
外国為替および株式トレーディングの VaR に連動して第1四半期に初めて減少した。トレーディング VaR 合計
はその後、金利および信用スプレッドの資産分類に基づきポジションが変更されたことから、第2四半期に
なって期首水準まで回復した。トレーディング VaR 合計は、第3四半期中にはおおむね安定的に推移したが、
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主に信用スプレッドおよび金利の VaR に起因して第4四半期に再び減少に転じた。かかる減少は、リスク・ポ
ジションの変更をはじめ、現在実施されている時系列および手法の改良によるものであった。
2019 年のトレーディング VaR 合計の日次水準は以下のグラフのとおりである。
1日の VaR (トレーディング・ポートフォリオ) 99%保有期間1日(百万ポンド)
当行グループの当事業年度のトレーディング VaR は、以下の表に示されている。
トレーディングのバリュー・アット・リスク、 99%保有期間1日
(監査済)
外国為替 (FX)
ポートフォリオ
および 信用スプレッド
1
2
コモディティ 金利 (IR) 株式 (EQ) (CS) の分散化 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
201 9年12月31日現在の残高 3.1 16.1 11.4 10.8 (16.5) 24.9
平均 4.1 17.1 10.3 17.1 (16.6) 32.0
最高 10.3 23.3 19.7 26.3 39.8
最低 2.0 12.9 6.3 8.3 23.2
201 8年12月31日現在の残高 7.9 21.7 15.4 16.6 (22.0) 39.6
平均 5.2 18.4 14.1 13.9 (19.0) 32.6
最高 11.7 25.1 22.1 24.3 44.0
最低 2.1 14.5 9.6 8.1 24.1
1 ポートフォリオの分散化とは、異なる種類のリスクが含まれているポートフォリオを保有することによる市場リスクの分散効果で
ある。これは、非体系的な市場リスクの減少を表す。非体系的な市場リスクとは、例えば、金利、株式、外国為替等、多種多様な種
類のリスクを一つのポートフォリオの中で一緒に組み合わせた場合に発生するリスクである。これは、個別リスク種類別 VaR の合計
と組み合わせた VaR の合計の差額として測定される。マイナスの数字は、ポートフォリオの分散化のメリットを表す。リスクの種類
が異なれば、最高値の日も異なるため、そのような測定値についてポートフォリオの分散化のメリットを計算する意味はない。
2 分散化効果があるため、 VaR の合計は、すべての種類のリスクを足した値とは等しくならない。
バックテスト
2019 年において当行では、実質利益、実質損失および仮定利益に対するバックテストの例外をそれぞれ1件
ずつ、合計3件経験した。 モデル のエラーまたは統制の不具合の証拠はなかった。
非トレーディング・ポートフォリオ
非トレーディング・ポートフォリオのバリュー・アット・リスク
(監査済)
2019 年における非トレーディング VaR は、バランスシート・マネジメント( BSM )部門および資産負債管理委
員会( ALCO )の勘定ポジションで発生した銀行勘定における金利リスクにより発生した。当期中の VaR の変動
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は、主に BSM 部門による流動資産バッファー (以下「 LAB 」という。 )の有価証券部分の積極的な管理によるも
のであった。当期中、当行の BSM 部門の事業では、無条件オペによる有価証券の購入を通じて LAB の証券部分
が平均して増加し、金利の無条件オペ感応度が上昇した。これにより、銀行勘定の残りのポジションにおい
て、正味の分散化 VaR のメリットが得られた。
2019 年の非トレーディング VaR 合計の日次水準については、以下のグラフのとおりである。
1日の VaR (非トレーディング・ポートフォリオ) 99%保有期間1日(百万ポンド)
当行グループの当期の非トレーディング VaR は、以下の表に示されている。
非トレーディングのバリュー・アット・リスク、 99%保有期間1日
(監査済)
信用スプレッド ポートフォリオ
金利 (IR) (CS) の分散化 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
201 9年12月31日現在の残高 15.7 5.7 (4.5) 16.9
平均 17.5 5.3 (4.3) 18.5
最高 20.7 7.3 22.5
最低 14.9 4.2 15.4
201 8年12月31日現在の残高 19.4 5.7 (4.6) 20.5
平均 32.8 16.4 (13.7) 35.5
最高 59.3 41.3 64.6
最低 17.4 4.9 17.7
1 ポートフォリオの分散化とは、異なる種類のリスクが含まれているポートフォリオを保有することによる市場リスクの分散効果で
ある。これは、非体系的な市場リスクの減少を表す。非体系的な市場リスクとは、例えば、金利、株式、外国為替等、多種多様な種
類のリスクを一つのポートフォリオの中で一緒に組み合わせた場合に発生するリスクである。これは、個別リスク種類別 VaR の合計
と組み合わせた VaR の合計の差額として測定される。マイナスの数字は、ポートフォリオの分散化のメリットを表す。リスクの種類
が異なれば、最高値の日も異なるため、そのような測定値についてポートフォリオの分散化のメリットを計算する意味はない。
2 分散化効果があるため、 VaR の合計は、すべての種類のリスクを足した値とは等しくならない。
構造的為替エクスポージャー
当行グループの構造的為替エクスポージャーは、当行グループの外貨資本ならびに子会社、支店、ジョイン
ト・ベンチャーおよび関連会社への劣後債投資の純資産価値によって示される。
構造的為替エクスポージャーの管理に関する当行グループの方針および手続については、上記「構造的為替
エクスポージャー」を参照のこと。
正味構造的為替エクスポージャー
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
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構造的エクスポージャーの通貨
ユーロ 8,446 12,866
米国ドル 1,005 805
南アフリカ・ランド 324 357
ロシア・ルーブル 155 197
その他、各 150 百万ポンド未満 440 433
12月31日現在 10,370 14,658
当行グループのユーロ圏における構造的為替エクスポージャーの減少は、主に当行の HSBC フランスに対する
投資の減損によるものであった。詳細については、 「第6-1 財務書類 -財務諸表注記」の注記 18を参照
のこと。
レジリエンス・リスク
概要
レジリエンス・リスクとは、継続的かつ重大な業務上の混乱により、当行グループが顧客、関連会社および
カウンターパーティに対して重要なサービスを提供できないリスクをいう。
継続的かつ重大な業務の混乱とは、以下の各事項に影響を及ぼす事象をいう。
・ 金融システムの安定性
・ 当行および当行グループの同業他社の成長性
・ 顧客が当行グループのサービスを利用する能力
ガバナンスおよび構造
当行グループにおいて、レジリエンス・リスクは、当行グループのリスク管理委員会( RMM )およびリスク委
員会で管理しており、明確なグローバル・リスク管理委員会( GRMM )への上長報告系統も整備されている。
主要なリスク管理プロセス
オペレーショナル・レジリエンスとは、業務の混乱が発生した場合であっても機能し続けるために業務を適
応させる能力をいう。当行グループは、当行が業務サービスについて容認し得る最長混乱期間または衝撃許
容度の点でレジリエンスを測定する。レジリエンス・リスクをゼロとする管理できないことから、当行グ
ループは、顧客に継続的にサービスを提供する当行グループの能力が脅かされる可能性が最も高い重要な事
業および戦略的変更プログラムに焦点を当てている。当行グループのレジリエンス戦略の柱は、堅固なバッ
クアップ計画、詳細な対処法、代替的なサービス提供網および復旧の選択肢である。
規制コンプライアンス・リスク管理
概要
規制コンプライアンス(以下「 RC」という。)副機能部門は、金融市場の健全性の維持および HSBC グループ
の戦略目標の達成のため、独立した客観的な監督および対処を行いつつ、顧客のために公正な成果を上げら
れるよう事業を支援するコンプライアンス指向の文化を推進している。
2019 年における主な展開
2019 年においては、以下の事項を除き、 RCリスク管理に関する当方グループの方針および実務に重大な変更
はなかった。
・ 当行取締役会は、企業行動・企業価値委員会の廃止後、企業行動に関する事項の監視を継続している。
・ 当行グループは、後述の「企業行動」に記載のとおり、当行グループの企業行動の水準を引き上げるた
め様々な取組みを実施した。
ガバナンスおよび構造
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欧州 RC責任者は、グローバル RC責任者に報告する。規制コンプライアンス・金融犯罪リスク部門は 2019 年に
統合され、新たにグループ最高コンプライアンス責任者を長とするコンプライアンス機能部門となった。 RC
部門は、今後も各グローバル事業部門およびグローバル機能部門に対して支援および助言を行う地域 RCチー
ムおよび各国 RCチームとともに、世界的な副機能部門として組織される。
主要なリスク管理プロセス
当行グループは、定期的に当行グループの方針および手続の見直しを行っている。世界的な方針および手続
に基づき、実際の規制違反またはそのおそれについては、速やかに特定し、規制コンプライアンス部門に報
告しなければならない。報告可能な事象は、適切な場合、当行のリスク管理委員会( RMM )およびリスク委員
会に報告される。 HSBC グループの企業行動に関連する規制上の事項は、グループ・リスク委員会に報告され
る。
企業行動
2019 年に当行グループは、顧客および市場の健全性のために善良な行動による成果を出すことを目的として
当行グループが負う個別の責任および説明責任を反映して、グローバル方針として、またリスク管理の枠組
みの範囲内で、引き続き企業行動要件に焦点を当てた。 2019 年におけるその他の重要な活動は、以下のとお
りである。
・ すべての地域、事業分野、グローバル機能部門および HSBC オペレーションズ・サービス&テクノロジー
部門の業務執行取締役、グループ専務取締役、グループ・ジェネラル・マネージャーおよび各国最高経
営責任者を対象としたパフォーマンス管理スコアカードに、年次行動目標を追加した。
・ 当行グループのデジタル商品が顧客のために公正な成果をもたらすことのできるよう、デジタル商品お
よびサポート・プロセスをさらに開発した。新たなテクノロジーの導入にあたっては、目的にかなうよ
うにするためにも、ガバナンスおよび統制を引き続き強化する。
・ 弱者または弱者となり得る顧客をサポートするためのグローバル方針要件を強化した。特定の市場にお
ける事業分野主導の取組みとして、弱者である顧客の指名代表者、財政難の顧客、金融包摂および癌ま
たは認知症を患った顧客をサポートするための試験的な訓練プログラムの支援を行った。
・ 企業行動に関する第5回年次グローバル必須研修が全従業員を対象として実施された。研修を補う活動
としては、ニュースレター、イントラネットおよびライブストリーミング通信といった継続プログラ
ム、善良な行動の実現の進捗に関する従業員意識内部調査ならびに企業行動に関する啓蒙活動が挙げら
れる。
金融犯罪リスク
概要
金融犯罪リスクとは、当行グループが、善意または悪意の別を問わず、第三者による潜在的違法行為の実行
または助長を幇助するリスクをいう。金融犯罪リスクは、日常的な銀行業務から発生する。
2019 年における主な展開
当行グループは、 2019 年中、金融犯罪を防止する能力を強化するための取組みを引き続き強化した。当行グ
ループは、当行グループのリスク管理の方針、手続およびシステムを強化することを目的として 2013 年に策
定したグローバル基準プログラムを通じて、金融犯罪リスクに対する中核的能力の大部分を日常業務に統合
した。グローバル基準プログラムのインフラは 2019 年に廃止され、当行グループは、金融犯罪リスク管理の
次の段階を規定するための複数の取組みを開始した。
・ マネーロンダリング防止( AML )および制裁は既におおむね定着しており、当行グループは、贈収賄・汚
職( AB&C )および税務の分野における開発を継続している。当行グループの AB&C プログラムの定着は、
2020 年第1四半期末までに完了する見通しであり、税務部門から金融犯罪コンプライアンス( FCC )部門
への税務透明性の責任の移管は完了済みであり、周知徹底させるためのセッションおよび手続改良によ
り強化された。
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・ 当行グループは、新規および既存のテクノロジーによる脅威に焦点を当てることにより、当行グループ
の詐欺防止能力を引き続き強化し、従業員を対象に詐欺に関する包括的研修プログラムを実施した。
・ 当行グループは、将来に向けた金融犯罪リスク管理の枠組みを策定するために、人工知能および高度な
分析手法の活用に対する投資を継続した。
・ 当行グループは、国際取引における金融犯罪の検知および防止を目的として、業界をリードして AML およ
び制裁の自動システムを導入した。同システムは、犯罪行為および犯罪ネットワークの特定を通じて、
当行グループの金融犯罪防止能力を強化することになろう。
ガバナンスおよび構造
金融犯罪リスク管理委員会の全世界的な枠組みが確立したことから、 2018 年第1四半期に当行グループは、
金融犯罪リスクを管理するためのガバナンスの枠組みの効果を引き続き強化および検証した。すべての国、
領域、地域および事業分野において、それぞれの最高責任者が委員長を務める正式なガバナンス委員会が開
催されている。同委員会は、適用のある金融犯罪コンプライアンスに関するあらゆる法令の規定および精神
はもとより、金融犯罪リスクに関連する当行グループ独自の基準、価値および方針の遵守に寄与する。 FCC 欧
州の構造を簡素化するための重大な変更により、当行グループにおいては効率化が図られるとともに、利害
関係者に向けた明確な方向性が示され、 FCC 部門の判断、質、迅速性および柔軟性の質を調整することが可能
となった。大陸ヨーロッパおよびフランスの地域 FCC 責任者も任命され、英国リングフェンス銀行のリング
フェンス化および欧州における再編を反映して役割が統合化された。 2018 年に HSBC グループの英国業務が成
功裏に分割されたことを受け、 HSBC ロンドン支店(以下「 HBLO 」という。)の管理構造が確立したことによ
り、 HSBC グループは、英国における非リングフェンス銀行(以下「 NRFB 」という。)の事業に関連する業務
を個別に管理できるようになった。
主要なリスク管理プロセス
当行グループは、当行グループの事業で発生し得る贈収賄および汚職( AB&C )リスクを検知および管理する
ための方針および統制をさらに強化するプログラムの実施を継続した。当行グループの変革プログラムは、
詐欺および脱税を防止する能力に引き続き焦点を当てている。当行グループのガバナンスおよび方針の枠組
みをはじめ、当行グループの金融犯罪抑制効果に関する経営陣への情報報告についてもさらに強化した。当
行グループは、高度な分析および人工知能を活用することで、次世代の金融犯罪防止能力に投資している。
当行グループは今後も、リスク評価能力の強化およびより積極的なリスクの管理に務める。
公共セクターおよび他の金融機関との連携は、金融犯罪リスクの管理上、重要である。当行グループは、官
民連携を強く支持しており、金融犯罪リスクをより効果的に軽減できるよう、金融犯罪リスクをより理解す
るための情報交換活動にも参加している。
専門家および独立コンサルタント
米国司法省(以下「 DoJ 」という。)との間で締結したマネーロンダリング防止に関する起訴猶予合意が 2017
年12月付で失効した後、当時の監視人は、 2013 年に 英国金融行為規制機構( FCA )が公布した指令に基づき 金
融サービス市場法第 166 条に定める専門家として、その資格において 業務を継続している。 監視人はまた、米
国連邦準備制度理事会(以下「 FRB 」という。)が公布した排除措置命令に定める独立コンサルタントとし
て、その資格における業務も引き続き行っている。
専門家は、日常業務としての金融リスクの効果的な管理に向けた HSBC グループの進捗を評価している。専門
家は、 2019 年において複数の報告書を発行した。専門家は、 HSBC グループが引き続き、主要なシステム、プ
ロセスおよび人材という点における金融犯罪リスク目標の達成に向け重要な進展を遂げていると述べてい
る。その一方で、専門家は、 HSBC グループが日常業務の状態で運営できるようになるまでにさらなる努力を
要する分野を複数特定している。 HSBC グループの金融犯罪リスク管理能力の強化における目覚ましい進展を
反映して、 HSBC グループと現行の専門家との契約が解消されるとともに、新たな専門家が任命され、 HSBC グ
ループが金融犯罪リスク管理を日常業務として完全に移行するためにさらなる作業を要する残りの分野を評
価するという限定的な任務に就く予定である。
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独立コンサルタントは、主に HSBC グループの制裁プログラムに焦点を当てた第6回年次評価を完了した。独
立コンサルタントは、 HSBC グループが効果的な制裁コンプライアンス・プログラムの制定に向けて引き続き
目覚ましい進展を遂げていると結論付け、 2018 年の第5回年次評価以降の HSBC グループの大いなる進歩を高
く評価した。しかしながら、独立コンサルタントは、 HSBC グループの制裁コンプライアンス・プログラム内
の一定の分野においてはさらなる取組みが求められるとの決定を下した。第7回年次評価は、 2020 年第1四
半期に実施される予定である。 独立コンサルタントは今後も、 FRB の裁量により、米国財務省外国資産管理局
(以下「 OFAC 」という。)の年次コンプライアンス検証を実施する。
年金リスク
ガバナンスおよび構造
グローバルな年金リスクの枠組み、ならびに確定給付年金制度および確定拠出年金制度に関連するリスク管
理についての当該枠組みに付随するグローバルな方針が設けられている。年金リスクは、現地および地域の
年金リスク・フォーラムのネットワークにより管理されている。 2019 年下半期中、当行グループの欧州年金
監督フォーラム(以下「 POF 」という。)の責任が変更され、エイチエスビーシー・バンク (英国 )年金制度に
おける2大部署の監督責任が解除された。当行の同年金制度の部署およびその欧州業務内で HSBC グループが
資金提供するその他の年金制度についてはいずれも、引き続き欧州 POF が責任を負っている。同フォーラムの
メンバーも同時期に刷新され、欧州 POF の議長は現在、当行のリスク戦略責任者である。
主要なリスク管理プロセス
HSBC グループは、将来の年金給付金を確定拠出制度に基づいて HSBC グループの欧州業務の多くから給付して
いる。しかしながら、欧州で給付する将来の確定給付年金も存在する。
確定拠出年金制度において、 HSBC グループがなすべき 拠出は知られているが、最終的な年金給付は、典型的
には従業員が行う投資の選択により達成される投資収益によって異なる。確定拠出制度により発生する HSBC
グループに対する市場リスクは低いが、当行は依然としてオペレーショナル・リスクおよびレピュテーショ
ン・リスクにさらされている。
確定給付年金制度における年金支給の水準は知られている。したがって、 HSBC グループがすべき拠出の水準
は、以下を含めた各種リスクにより変化する。
・ 投資収益が、予想年金給付金を給付するのに必要な額に満たない場合。
・ 企業破綻を招く経済環境が広がり、(株式および債券の双方の)資産価値の評価損が発生した場合。
・ 金利またはインフレ率の変動が原因で、年金債務の額が増加した場合。
・ 制度加入者の寿命が予想よりも伸びた場合(長寿リスク)。
年金リスクは、上記の要因による潜在的変数を織り込んだ経済資本モデルを用いて評価する。当該変数が年
金資産および年金負債の双方に及ぼす影響は、 200 年に一度の確率を仮定したストレス・テストを用いて評価
する。シナリオ分析およびその他のストレス・テストもまた、年金リスク管理の支援のため用いられてい
る。
年金 制度を提供する HSCB グループのグループ会社(および、場合により従業員)は、確定給付制度に伴う給
付金の原資とするため、保険数理士の助言に従い、関連する場合はさらに年金制度の受託者と協議の上、定
期的に積立金を拠出する。 かかる拠出金は通常、 掛金を支払っている加入者の将来勤務に対して発生する給
付金の費用に見合う十分な原資を確保できるよう設定される。 しかしながら、年金資産が既存の年金負債の
補填に不十分であるとみられる場合、拠出金の増加が必要となる。拠出割合は通常、年金制度により毎年ま
たは3年に一度、改定される。
確定給付年金制度では、資産価値が年金負債を下回るリスクを制限できるよう設計された様々な投資対象
に、これらの拠出金を投資する。 かかる投資から発生する予想収益の変動により、将来の拠出要件も変更す
る可能性がある。このような長期目標を達成するために、資産クラスの間で確定給付年金資産を割り当てる
全般的な割当目標が設定される。加えて、許容された資産クラスにはいずれも、株式市場指数または不動産
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評価指数等、それぞれ独自の指標がある。かかる指標は、少なくとも3年から5年に一度、または現地の法
律もしくは状況により必要な場合はより頻繁に見直しされる。こうしたプロセスでは通常、広範な資産およ
び債務の検証も行われる。
モデル・リスク
概要
モデル・リスクとは、モデルに基づきなされた事業上の意思決定により悪影響を受けるリスクをいい、法
上、設計上または使用方法上のミスによってもモデル・リスクが悪化する場合もある。モデル・リスクは、
事業上の意思決定にモデルの信頼性が含まれる場合に 何時でも、金融業務および非金融業務の双方で発生す
る。
2019 年における主な展開
2019 年において当行グループは、以下の事項を含め、モデル・リスク管理副機能部門をさらに成長させ、定
着させるべく、多数の取組みを実施した。
・ 当行グループは、当行グループのモデル・リスク管理責任者を任命した。
・ 当行グループは、よりリスクに基づいたモデル・リスク管理ができるよう、モデル・リスクに関するポ
リシーを改訂した。
・ 当行グループは、当行グループ全体のモデル・リスクを監視するためのモデル・ガバナンス体制を全面
的に見直した。その結果、有効性向上および取引増加のための基礎となる構造が様々な点で強化され
た。
・ 当行グループは、内部および業界における最善の実務に基づいたモデル・リスク管理のための新たな目
標運用モデルを設計した。
2020 年1月1日付で英国デフォルト時損失率( LGD )モデルの対象となる企業エクスポージャーは、先進的内
部格付から基礎内部格付に基づくアプローチに移転された。
ガバナンスおよび構造
当行グループのモデル・リスク責任者が率いるモデル・リスク管理副機能部門は、リスク戦略部門内の副機
能部門として組織されている。当行グループのモデル・リスク管理副機能部門は、最高リスク責任者に対し
てモデル・リスクに関する支援および助言を行っている。
主要なリスク管理プロセス
全世界的な責任については、取締役会のリスク管理会議からグループ最高リスク責任者が委員長を務めるグ
ローバル・モデル・リスク委員会に委任されている。同委員会は、当行グループのモデル・リスクの方針お
よび手続を定期的に見直し、モデル・リスク管理副機能部門が提供する各種モデル・リスク統制に基づき包
括的かつ効果的にモデル・リスクを統制するよう第一の防衛線に義務付けている。グローバル・モデル・リ
スク委員会は、当行グループのモデル・リスクを監督する責任を最高リスク責任者が議長を務める当行グ
ループのモデル・リスク委員会に委任している。
モデル・リスク管理副機能部門はまた、リスク・マップ、リスク選好指標ならびにトップリスクおよび進行
リスクを用いて定期的に上級経営陣に対してモデル・リスクについて報告している。
当行グループは、モデル・リスクの適切な理解および負担が事業部門および機能部門において定着するよう
に、モデル監督委員会の構造を含め、かかるプロセスの効果について定期的に報告している。
保険引受業務リスク
2019 年においては、保険引受業務に起因するリスクの管理に関する当行グループの方針および実務に重大な
変更はなかった。
ガバナンス
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(監査済)
保険リスクは、3つの防衛線モデル等、当行グループのリスク選好度およびリスク管理の枠組みに沿った、
定義されたリスク選好度に従って管理されている。グループ保険リスク管理委員会は、統制の枠組みを全世
界的に監督しており、保険事業に関連するリスク項目に関する説明責任をリテール・バンキング・アンド・
ウェルス・マネジメント( RBWM )リスク管理委員会に対して負っている。
保険業務内のリスクの監視については、保険リスク・チームが実施している。ホールセール・クレジット&
市場リスク機能部門、オペレーショナル・リスク機能部門、情報セキュリティ・リスク機能部門および金融
犯罪リスク機能部門等、特定のリスク機能部門は、それぞれの専門分野において保険リスク・チームを支援
している。
ストレス・テストおよびシナリオ・テスト
(監査済)
ストレス・テストは、保険 事業にとってリスク管理の枠組みの重要な一部を構成する。当行グループは、イ
ングランド銀行実施の銀行システムを対象としたストレス・テスト、欧州保険企業年金監督機構実施のスト
レス・テストおよび各国保険当局実施のストレス・テスト等、地方単位および HSBC グループ全体で実施され
る規制上のストレス・テストに参加している。
これらのストレス・テストでは、保険事業に関する主要なリスク・シナリオが、長期化する低金利環境であ
ることが強調されてきた。かかるシナリオの影響を軽減するために、保険事業は、低金利を反映した一部の
商品のリプライシング、資本集約的ではない商品の発売、資本効率的な資産への投資および経済資本費用に
対する予想収益を最適化するための投資戦略の策定等、様々な措置を講じている。
主要な種類のリスクの管理および軽減措置
当行グループの保険引受業務は、市場リスク、信用リスク、流動性リスクおよび保険リスク等の金融リスク
にさらされている。
市場リスク
当行グループのすべての保険引受子会社は、それぞれが投資することを許可される投資商品と、保持するこ
とができる市場リスクの最大量とが明記された市場リスク指示を有する。これらの子会社は、引き受ける契
約の性質に応じて、以下に記載する技法等の一部または全部を用いることによって、市場リスクを管理す
る。
・ 裁量権のある有配当性(以下「 DPF 」という。)型商品については、契約者に対する債務を管理するため
にボーナスの率を調整する。この調整の効果は、契約者が市場リスクの相当の部分を負うことである。
・ 資産ポートフォリオが、予想負債キャッシュフローと一致するように構築されている場合には、資産お
よび負債は一致する。 HSBC グループは、資産の質、分散化、キャッシュフローの適合化、流動性、ボラ
ティリティおよび目標投資収益を考慮したアプローチを用いて、当行グループの資産を管理している。
将来生じるすべての保険料の受領および保険金請求のタイミングは不確実であり、負債の予想返済期日
が投資可能な最長存続期間を超過する可能性もあることから、資産および負債それぞれの存続期間を一
致させることが、常に可能とは限らない。当行グループは、様々な将来のシナリオが資産および関連す
る負債の価値に及ぼす影響を評価するためのモデルを用いており、現地の資産負債管理委員会( ALCO )
は、負債を支えるために最適な資産保有ストラクチャーの構築方法の決定において、その結果を採用し
ている。
・ 不利な市場変動に対する保護または負債のキャッシュフローとの一致性の向上のためにデリバティブを
使用する。
・ 投資保証付きの新商品については、保険料の水準または価格構造を決定する際にコストを考慮する。
・ 積極的な管理のために、高リスクとして特定された商品(投資保証および、貯蓄と投資商品に結び付け
られた組込オプション機能が含まれるもの)を定期的に見直す。
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・ 市場リスクを軽減するように新たな商品を設計する(契約者と株主との間での投資リターンの配分を変
更する等)。
・ 可能な範囲で、容認できないリスクが伴うと判断される投資ポートフォリオから退出する。
・ 保険契約者に請求する新規契約の保険料を改訂する。
信用リスク
当行グループの保険引受子会社は、それぞれの投資ポートフォリオの信用リスク、質およびパフォーマンス
について責任を負う。当行グループによる発行会社およびカウンターパーティの信用力の評価は主に、国際
的に認められている信用格付およびその他の公開情報に基づいている。
当行グループの保険引受子会社は、上限に対する投資の信用エクスポージャーを監視しており、当該エクス
ポージャーを集計した上で HSBC グループ保険信用リスク機能部門およびグループ信用リスク機能部門に報告
する。信用スプレッドの感応度およびデフォルト確率を用いて、投資の信用エクスポージャーのストレス・
テストが実施されている。
当行グループは、信用リスクの管理および監視のために多数のツールを用いている。これには、将来的に減
損のリスクがある投資または投資ポートフォリオにおいてカウンターパーティの集中が高い場合を中心とし
た、現時点で信用上の懸念がある投資対象のウォッチ・リストが記載された信用レポートが含まれる。この
レポートは、将来の減損のリスクを有する可能性がある投資対象を特定するために、グループ保険部門の上
級幹部と各国の最高リスク責任者に毎月配布されている。
流動性リスク
リスクは、キャッシュフローが適合していること、十分な財源の維持、取引量 と流動性のある市場を有する
信用の質が高い投資対象への投資、投資の集中度の監視および必要に応じた集中度の制限ならびにコミット
メントのある緊急借入枠の設定により管理される。
保険引受子会社は、 HSBC グループ保険リスク機能部門に提出する四半期流動性リスク報告書およびさらされ
ている流動性リスクに関する年次報告書を作成する義務を負っている。
保険リスク
当行は、保険リスクを管理および軽減するために、主に以下の手法を用いている。
・ 商品の設計、金利設定および全般的な計画管理(例えば、解約手数料の導入による失効の管理)
・ 引受けに関する方針
・ 保険金請求の管理プロセス
・ 当行グループが許容可能な閾値を超過したリスクを外部の再保険会社に譲渡することにより、当行グ
ループのエクスポージャーを制限するための再保険
当行グループのバンカシュアランス・モデル
当行グループは、主に当行グループと銀行取引をしている顧客に対して保険商品を提供する総合バンカシュ
アランス・モデルを運営している。
当行グループが販売している保険契約は、販売時の接触および顧客情報から特定できる、銀行業務の顧客の
基本的ニーズに関連している。販売される保険商品の大半は、貯蓄型商品や投資型商品のほか、定期生命保
険や信用生命保険である。
当行グループは、個人向け商品や中小企業向け商品に特に重点を置くことにより、取引量を最適化しつつ、
個々の保険リスクを分散することできる。
当行グループでは、事業規模およびリスク選好度の評価に基づき、これらの保険商品を HSBC グループの子会
社が引き受けることにしている。 保険の引受けを手掛けることで、引受利益と投資利益の一部を当行にグ
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ループに留めることにより、保険契約の引受けに伴うリスクおよび報酬が当行グループに留保されることに
なる。
当行グループは、フランス、マルタおよび英国に生命保険引受子会社を有している。 効果的な保険引受業者
としてのリスク選好度または事業規模が十分でない場合、当行グループは、当行グループの銀行ネットワー
クと直販チャネルを通じて当行グループの顧客に保険商品を提供するため、外部の数社の大手保険会社と提
携する。このような取決めは、一般的に当行グループの独占的戦略パートナーと共同で行われ、当行グルー
プは、手数料と利益取り分を受け取る。
保険商品は、すべてのグローバル事業部門を通じて販売されるが、主にリテール・バンキング・アンド・
ウェルス・マネジメント( RBWM )、グローバル・プライベート・バンキング( GPB )およびコマーシャル・バ
ンキング( CMB )が中心となって、当行グループの支店および直接販売網を通じて販売している。
測定
(監査済)
当行グループの保険引受事業部門のリスク・プロファイルは、経済資本アプローチを用いて測定される。資
産および負債は市場価値に基づき測定され、所要自己資本は、保険引受事業部門がさらされるリスクを考慮
して、翌年に支払不能となる確率が 1/200 未満となるように決定される。経済資本の計算方法は、欧州のソル
ベンシーⅡ保険業資本規制におおむね沿っている。経済資本カバレッジ比率(経済的純資産価値を所要経済
資本で除した値)は、主要なリスク選好度の指標である。各事業部門は、リスク選好度限度額 135 %以上、許
容度 110 %で運営されている。経済資本に加えて、規制上のソルベンシー比率もまた、グループ会社ごとのリ
スク選好度の管理に用いられる指標である。
以下の表は、契約種類別の資産および負債の構成を示している。
契約種類別保険引受子会社貸借対照表
(監査済)
ユニット
株主資産
1
DPF型契約 連動型契約 その他の契約 および負債 合計
脚注 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
19,258 2,116 233 2,231 23,838
金融資産
8,222 2,057 78 1,359 11,716
-公正価値評価の指定を受けた、または強制的に公正価値で測定される金融資産
61 - - 2 63
-デリバティブ
69 - 1 7 77
-償却原価で計上する 金融投資
9,033 - 105 749 9,887
-その他の包括利益を通じた公正価値評価の指定を受けた金融投資
2 1,873 59 49 114 2,095
-その他の金融資産
- 50 129 - 179
再保険資産
3 - - - 715 715
PVIF
763 1 1 54 819
その他資産および投資不動産
20,021 2,167 363 3,000 25,551
2019 年12月31日現在の資産合計
- 862 - - 862
公正価値評価の指定を受けた投資契約に基づく負債
19,889 1,295 325 - 21,509
保険契約に基づく負債
4 137 6 - 31 174
繰延税金
- - - 1,645 1,645
その他負債
20,026 2,163 325 1,676 24,190
2019 年12月31日現在の負債合計
- - - 1,361 1,361
2019 年12月31日現在の資本合計
20,026 2,163 325 3,037 25,551
2019 年12月31日現在の負債および資本の合計
18,619 1,602 253 1,872 22,346
金融資産
7,850 1,548 87 809 10,294
-公正価値評価の指定を受けた、または強制的に公正価値で測定される金融資産
92 - - 3 95
-デリバティブ
182 - - 6 188
-償却原価で計上する 金融投資
8,698 - 108 947 9,753
-その他の包括利益を通じた公正価値評価の指定を受けた金融投資
2 1,797 54 58 107 2,016
-その他の金融資産
- 50 145 - 195
再保険資産
3 - - - 652 652
PVIF
774 1 - 48 823
その他資産および投資不動産
19,393 1,653 398 2,572 24,016
2018 年12月31日現在の資産合計
- 611 - - 611
公正価値評価の指定を受けた投資契約に基づく負債
19,262 1,041 354 - 20,657
保険契約に基づく負債
4 - 1 - 162 163
繰延税金
- - - 1,294 1,294
その他負債
19,262 1,653 354 1,456 22,725
2018 年12月31日現在の負債合計
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有価証券報告書
- - - 1.291 1,291
2018 年12月31日現在の資本合計
19,262 1,653 354 2,747 24,016
2018 年12月31日現在の負債および資本の合計
1 「その他の契約」には、定期保険および信用生命保険が含まれる。
2 主に、銀行に対する貸付金、現金および他の非保険法人との間の会社間残高で構成される。
3 有効な長期保険契約の現在価値( PVIF )。
4 「繰延税金」には、 PVIF の認識に起因して発生した繰延税金負債が含まれる。
主要なリスクの種類
保険業務にとっての主要なリスクは、市場リスク(特に金利および株価)および信用リスクであり、保険引
受リスクおよびオペレーショナル・リスクがそれに続く。流動性リスクは当行にとって重要ではあるもの
の、当行グループの保険業務にとっては低いリスクである。
市場リスク
(監査済)
概要およびエクスポージャー
市場リスクとは、当行の資本または収益に影響を及ぼす市場要因が変化するリスクである。市場要因には、
金利、株式、成長資産および外国為替レートが含まれる。
当行グループのエクスポージャーは、発行した契約の種類により異なる。当行グループの最も重要な生命保
険商品は、フランスで発行される 裁量権のある有配当性 (以下「 DPF 」という。)型保険契約である。かかる
商品には通常、保険契約者が投資した額に対するある種の元本保証または利益保証が付与されており、保険
基金の全般的な運用成績により可能な場合は、これらに裁量的にボーナスが追加される。かかる保険基金
は、顧客にとって今後の利益が増加するように、一部を他の資産クラスに割り当てつつ、主に債券に投資し
ている。
DPF 型商品により、当行は、資産運用益の変動リスクにさらされている。これは、当行グループの投資パ
フォーマンスに関する経済上の利益に影響を及ぼす可能性がある。加えて、一部のシナリオでは、資産運用
益が保険契約者の金融保証の履行に不十分となることもある。この場合、当行が不足分を補填しなければな
らない。かかる保証費用に対する金額が、確率論的モデルに基づき計算されて引き当てられる。
現地の規則に基づき要求される場合には、かかる引当金を保険契約に基づく負債の一部として保有する。残
余金は、有効な長期保険契約の現在価値( PVIF )からの控除として計上される。以下の表は、保証費用のた
めに保有されている引当金合計、かかる商品の裏付資産に対する投資収益の範囲、および事業部門による保
証の履行を可能にするであろうと示唆される投資収益を示している。
保証費用は、主にフランスにおけるスワップ・レートの引き下げにより、 203 百万ポンド( 2018 年: 191 百万
ポンド)に増加した。
ユニット連動型契約の場合、市場リスクを実質的に負担するのは保険契約者であるが、受取手数料は連動す
る資産の市場価値と関連するため、一部の市場リスク・エクスポージャーは通常残る。
財務リターンの保証
(監査済)
2019 年 2018 年
関連ポート 関連ポート
保証により フォリオに係 保証により フォリオに係
示される る長期投資収 示される る長期投資収
投資収益 益 保証費用 投資収益 益 保証費用
脚注 % % 百万ポンド % % 百万ポンド
自己資本
1.2 -2.4 1.5 -2.7
- 71 - 73
名目年間収益 1
2.6 2.4 58 2.6 2.7 73
名目年間収益
4.5 2.4 74 4.5 2.7 45
12月31日現在
203 191
1 保証された名目年間収益が 1.25 %-3.72 %の範囲にあるフランスにおける契約の一部は、係る契約に基づき保険契約者に提供された
平均保証収益 2.6 %( 2018 年: 2.6 %)に従って報告されている。
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感応度
以下の表は、金利および株価に関する特定のシナリオが、当行グループの当期利益および保険引受子会社の
資本合計に及ぼす影響を示したものである。
適切な場合、税引後当期純利益と資本に係る感応度テストの影響には、 PVIF へのストレスの影響が含まれて
いる。保証費用および施行され得るヘッジ戦略の影響もあり、利益および自己資本合計とリスク要因とは非
線形関係にある。このため、開示された結果から推定して、異なる度合いのストレスに対する感応度を測定
するべきではない。同様の理由から、ストレスの影響も必ずしも上方と下方とでは対称ではない。感応度
は、市場環境の変動影響を軽減する可能性のある経営管理上の対応の影響を考慮する前で表示されている。
表示されている感応度は、市場金利の変動に対応して起こる可能性がある保険契約者行動の不利な変動を考
慮している。
当行グループの保険引受子会社の市場リスク要因に対する感応度
(監査済)
2019 年 2018 年
税引後当期純利益 税引後当期純利益
への影響 資本合計への影響 への影響 資本合計への影響
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
イールドカーブが 100 ベーシス・ポイント上方に平
行移動 84 67 32 18
イールドカーブが 100 ベーシス・ポイント下方に平
行移動 (175) (157) (35) (19)
株価が 10% 上昇 28 28 23 23
株価が 10% 下落 (30) (30) (21) (21)
信用リスク
(監査済)
概要およびエクスポージャー
当行グループの保険引受会社にとっての信用リスクは、次の2つの主な領域で発生する。
・ 契約者および株主のためのリターン生成の目的で保険料を投資した後の、信用スプレッドのボラティリ
ティおよび負債証券のカウンターパーティによる債務不履行に関連するリスク
・ 保険リスクを移転した後の再保険のカウンターパーティによる不履行および保険金の補償不履行のリス
ク
貸借対照表の日付現在のこれらの項目の残高については、上記「契約種類別保険引受子会社貸借対照表」と
題された表に記載されている。
再保険会社が負担する保険契約上の負債に関する信用の質は、エクスポージャーの 100 %につき延滞も、減損
も生じないものとして、「可」以上(上記「信用の質の分類の定義」において定義される。)と評価されて
いる。ユニット連動型負債の裏付資産の信用リスクの大部分を負っているは保険契約者であるため、当行グ
ループのエクスポージャーは主に、非連動型保険契約および投資契約に基づく負債、ならびに株主の資金に
関連している。かかる金融資産の信用の質については、上記の「金融商品の信用の質別の分布」と題された
表に記載されている。
流動性リスク
(監査済)
概要およびエクスポージャー
流動性リスクとは、保険業務において、支払能力を有しつつも、支払期限到来時に債務を履行するために利
用可能な資金源を十分に有していないか、過大な費用を負担した場合にのみ当該債務を履行できることをい
う。
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以下の表は、 2019 年12月31日現在の保険契約負債についての予想される割引前キャッシュフローである。流
動性リスク・エクスポージャーについては、ユニット連動型保険の場合、保険契約者がすべて負担し、非連
動型契約の場合には保険契約者と共同で負担する。
2019 年12月31日現在の保険契約の予想残存期間は、 2018 年度末と同等であった。
保険契約負債の残存期間については、「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 27に記載されている。
保険契約負債の予想残存期間
(監査済)
予想キャッシュフロー (割引前 )
1年以内 1年から5年 5年から 15年 15年超 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
ユニット連動型契約
193 451 633 611 1,888
DPF 型契約およびその他の契約
1,373 5,163 6,815 6,714 20,065
2019 年12月31日現在
1,566 5,614 7,448 7,325 21,953
177 362 472 433 1,444
ユニット連動型契約
1,445 6,735 6,606 4,787 19,573
DPF 型契約およびその他の契約
1,622 7,097 7,078 5,220 21,017
2018 年12月31日現在
保険リスク
概要およびエクスポージャー
保険リスクとは、保険引受指標(非経済的仮定)の時期または額のいずれかにおける不利な事象を通じて損
失が発生するリスクをいう。これらの指標には、死亡率、罹患率、寿命、失効率および単価が含まれる。
当行グループが直面する主要なリスクは、時間の経過に伴い、保険金請求および保険給付等の契約費用とな
り、保険料および受取投資収益の合計額を超過する可能性がある。
上記「契約種類別保険引受子会社貸借対照表」の表では、当行グループの契約種類別保険引受エクスポー
ジャーを分析している。
保険リスクおよび関連するエクスポージャーは、 2018 年12月31日現在で確認されたものとおおむね同等であ
る。
感応度
以下の表は、当行グループの全保険引受子会社において、非経済的仮定において合理的に起こり得る変化に
対する収益および資本合計の感応度を示している。
死亡率リスクおよび罹患率リスクは通常、生命保険契約に関連する。死亡率または罹患率の上昇による収益
への影響は、引き受けた事業の種類に左右される。当行グループの死亡率リスクおよび罹患率リスクに対す
る最大のエクスポージャーは、英国に存在する。
保険解約率に対する感応度は、引き受けた契約の種類に左右される。定期保険のポートフォリオの場合、保
険解約率の上昇は通常、解約された保険により将来の利益を失うため、収益に悪影響を及ぼす。しかし、保
険解約手数料があるため、契約の解約が収益にプラスの影響を与えることもある。当行グループは、フラン
スにおける保険解約率の変動に対して最も感応度が高い。
経費率リスクは、保険契約の管理費用の変動に対するエクスポージャーである。費用の増加分を保険契約者
に転嫁できない範囲で、経費率の上昇は、当行グループの収益に悪影響を及ぼすことになる。
感応度分析
(監査済)
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
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12月31日現在の税引後当期純利益および資本合計への影響
死亡率および/または罹患率が 10% 上昇
(20) (19)
死亡率および/または罹患率が 10% 低下
18 19
保険解約の 10% 上昇
(20) (27)
保険解約の 10% 低下
23 30
経費率の 10%上昇
(42) (33)
経費率の 10%低下
42 34
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3【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】
本項に含まれている将来の見通しに関する記述は、本書提出日現在の当行グループの考え、見通し、目的、
予想および見積もりに基づいている。
主要業績評価指数
取締役会は、一連の財務評価および非財務評価または主要業績評価指数(以下「 KPI 」という。)を用い、当
行グループにおける戦略実践の達成度を追跡している。達成度は、当行グループの戦略上の優先課題、業務
計画目標および過去の業績との比較により評価される。
当行グループは、戦略目標を踏まえて KPI を定期的に見直しており、 KPI がHSBC グループの戦略および戦略上
の優先課題に一層沿うよう、新しい評価や調整を加えた評価を採用することもある。
財務 KPI
2018 年
2019年
税引前当期純 (損失 )/利益 (報告ベース )
(百万ポンド )
(872) 1,974
税引前当期純利益 (調整後 )(百万ポンド )
603 2,100
ジョーズ比率 (調整後 )(%)
(10.0) (9.1)
費用率(報告ベース)(%)
112.2 77.6
費用率(調整後)(%)
87.9 76.1
普通株式等Tier1資本比率(%)
14.2 13.8
税引前当期純利益(報告ベース/調整後) :税引前当期純利益/(損失)(報告ベース)は、 IFRS に準拠し
た報告ベースの利益である。税引前当期純利益/(損失)(調整後)は、税引前当期純利益/(損失)(報
告ベース)について、重要な項目の影響を調整した後の数値である。
2019 年の税引前当期純損失(報告ベース)は、 2018 年の税引前当期純利益 1,974 百万ポンドに対し、 872 百万
ポンドであった。 2018 年の非継続事業(エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシー)分を除外
すると、 2018 年の税引前当期純利益(報告ベース)は 831 百万ポンドであった。 2018 年の利益計上に対して
2019 年に損失を計上したのは主に、期中に多数の重要な項目が計上されたこと(特に、ユーロ圏における厳
しい市況およびゼロ金利の結果としての手法の改善、使用価値の見積りに用いるモデルの入力値および前提
条件の更新、ならびに予測された将来のキャッシュフローの減少を反映したのれんの減損 1.2 十億ポンド)に
より営業費用が増加したことによるものであった。収益は GB&M においても減少したが、 RBWM における収益増
加により一部相殺された。
税引前当期純利益(調整後)は、 2018 年における非継続事業の影響により減少した。これを除外すると、か
かる減少は主に GB&M における収益減少によるものであったが、 RBWM のフランスにおける保険事業、および英
国におけるビザの優先株式の公正価値の好ましい変動により、一部相殺された。
ジョーズ比率(調整後)は、重要な項目の影響を除いた調整後収益と調整後費用の増加率の差異を測定した
ものである。当行グループの目標は、調整後ベースで収益を営業費用よりも高い率で成長させることであ
る。これはプラスのジョーズ効果と呼ばれる。
2019 年においては、収益(調整後)が 35%減少し、営業費用は 25%減少した。したがって、ジョーズ比率
は、 2018 年のマイナス 9.1 %に対しマイナス 10.0 %であった。
費用(調整後)は、非継続事業の影響により減少した。費用はまた、 2018 年において費用を当行から別の
サービス会社に移転したことを受けて減少した。かかる費用は、 2018 年初頭には当行グループの他のグルー
プ会社に振り替えられていたため、グループ会社間収益に相殺効果のある減少がみられた。収益(調整後)
は、非継続事業の影響および GB&M における収益減少により減少した。
2018 年における非継続事業の影響を除外すると、ジョーズ比率(調整後)はマイナス3%であった。
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費用率(報告ベース/調整後)は、営業費用合計を予想信用損失およびその他の信用減損費用控除前の正味
営業収益で除することによって測定される。
2019 年において、収益(報告ベース)は 36%減少した一方で、営業費用(報告ベース)は8%減少した。
よって、費用率は、 34.6 パーセント・ポイント悪化した。収益および営業費用(報告ベース)は、 2018 年の
非継続事業の影響により減少した。これを除外すると、費用率は、 26.1 パーセント・ポイント悪化した。こ
れは主に GB&M における収益減少および営業費用に報告されたのれんの減損の影響によるものであった。
費用が収益を上回って増加したことから、費用率(調整後)は 2018 年よりも 11.8 パーセント・ポイント悪化
した。非継続事業を除外すると、費用率(調整後)は、主に GB&M における収益減少を反映して、 2018 年に比
べ2.3 パーセント・ポイント悪化した。
普通株式等 Tier 1(以下「 CET 1」という。)資本比率は、普通株式等 Tier 1資本のリスク加重資産合計に対
する比率を表す。 CET 1資本は、株主資本および関連する非支配持分の合計から、規制上の控除および調整項
目を差し引いた金額で構成される、最も質の高い資本の形である。
当行グループは、事業の発展を支えるためおよび常に規制上の所要自己資本を満たすため、強力な資本基盤
を維持するよう努めている。
CET 1資本比率は、主にリスク加重資産(以下「 RWAs 」という。)の減少により、当期中に上昇した。
非財務 KPI
当行グループはまた、顧客サービスの満足度、従業員の関与およびエンゲージメントならびに多様性および
持続可能性等を含む顧客、人員、文化および価値観に焦点を当てた、一連の非財務 KPI も監視している。
顧客サービスおよび顧客満足度の詳細については、以下を参照のこと。他の非財務 KPI については、下記「第
5-3 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照のこと。
顧客サービスおよび顧客満足度
リテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメント( RBWM )
大陸ヨーロッパの RBWM において当行グループは、顧客をあらゆる事業活動の中心に置いている。顧客体験お
よび顧客満足の向上は、今後も当行グループの戦略にとって不可欠である。これは、支店、お客様センター
およびデジタル・チャンネルを対象とした多数の顧客満足度指標を通じて監視されている。当行グループ
は、顧客からのフィードバックの重要性を認識しており、引き続き、より個人に合った適切なサービスを提
供するため、顧客についての理解をさらに深めるよう、洞察力の強化を図っている。
デジタルは、顧客体験向上のための投資の中心分野である。当行グループは、特にモバイルおよびオンライ
ンでのインタラクションに関して、効率化および顧客にとっての価値の向上のためのデジタル能力および
ツールを構築している。 2019 年に当行グループは、顧客が外国為替の注文、アラート受信および決済でき、
かつ、当行グループも関連する情報や調査結果を提供できるよう、 外国居住の顧客を対象とした外国為替ア
プリを導入した。 当行グループはまた、顧客の利便性向上を図るため、多数の市場において新たに一般向け
ウェブサイト、オンライン・バンキングおよびモバイル・アプリも導入した。
HSBC フランスは、リテール・バンキングの大手ベンチマーク・ポータルである Meilleurebanque.com より、そ
のリテール・バンキングにおけるサービスの質について高い外部評価を受けた。これは、 19行を対象とした
分析における 5,000 名を超える回答者の評価により決定されたものである。当行グループは、対人の支店サー
ビス部門で1位、リモート・サービス部門で1位、リレーションシップ・マネージャーのアドバイス部門で
2位およびウェブサイト・サービス部門で3位を獲得した。
当行グループは、顧客満足の強化は進化するプロセスであることを認識しており、これを達成するための投
資及び注力が優先されるよう努めている。
コマーシャル・バンキング( CMB )
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顧客体験、満足度および企業行動は、大陸ヨーロッパにおける CMB にとって主要な優先事項となっている。当
行グループは、顧客に関する理解を深めることを可能にする適切かつ測定可能な指標を通じて、当行グルー
プの洞察力を強化することに引き続き焦点を当てている。
2019 年に当行グループの顧客は、当行グループの既存の事業形態の主な強みが、従業員の能力と知識および
世界的な国際ネットワークにあると回答していた。これは、顧客のビジネス上の意欲を支援する当行グルー
プの商品力およびサービス力によってさらに補完されている。当行グループは、ユーロマネー・トレード・
ファイナンス・サーベイから3年連続で受賞した「貿易金融において世界で最も優れた銀行( world's
leading bank for trade finance )」を含め、外部機関から数々の賞を受賞した。その一方で、当行グルー
プは、常に顧客の期待に応えることはできないことも認識している。これに対応するため、当行グループ
は、新人研修プロセスを効率化し、改善の機会を特定するため、これらの分野を深く掘り下げている。 2019
年においては顧客体験の向上に焦点を当てたが、 2020 年中も引き続き、顧客体験および満足度全体を向上す
るために必要となる、適切な変革を推し進める目的で、顧客の洞察力を活用することに焦点を当てて、かか
る分野全体にわたるさらなる活動も計画している。
グローバル・バンキング・アンド・マーケッツ( GB&M )
GB&M において顧客関係の強さを評価する目的で用いられている中核的な内部指標は、長期にわたり追跡され
るクライアント・エンゲージメント・スコア(満足度、支持、忠誠、信頼、勘定、価値および関係性を網羅
する7つの質問で構成される複合測定)である。当該指標は、 100 点中のスコアで示され、競合他社との比較
において(競合他社については回答者が自主的に設定する。)評価される。 2019 年の HSBC グループのクライ
アント・エンゲージメント・スコアは、大陸ヨーロッパにおいては競合他社を1ポイント上回る 82点であ
り、英国においても競合他社を3ポイント上回る 80点であった。
2019 年度グリニッチ・フィクスド・インカム・サーベイの結果は、当行グループの市場ポジションが前年度
に比べ安定していることを示している。新興市場(以下「 EM」という。)業務において当行グループは、 EM
クレジット業務で1位であり、 EM金利業務でも引き続き3位であった。ユーロマネー・サーベイにおいて当
行グループの法人事業は、競合他社を抜いて、英国およびアルメニアでは1位のキャッシュ・マネージャー
に選出され、西欧およびフランスでは2位に選出された。顧客サービスでは、当行グループが英国およびフ
ランスにおいて1位となった一方、金融機関事業では、当行グループが西欧全域のポンド取引で引き続き1
位となった。
2019 年に当行グループは、ザ・バンカーより「ベスト・グローバル・トランズアクション・バンク( Best
Global Transaction Bank )」、ファンズ・ヨーロッパ・アワードより「ヨーロピアン・トランスファー・
エージェント・オブ・ザ・イヤー( European Transfer Agent of the Year )」を受賞し、業界でさらなる評
価を受けた。当行グループは、今後も卓越した顧客価値を提供に務め、顧客のニーズに応える提案の向上に
向けて引き続き努力する。
経済的背景
英国
不確実性をもたらす新たな段階
2019 年12月12日に実施された総選挙後、英国の政治情勢は著しく変貌した。英国下院において与党が過半数
の議席を確保したことで、英国政府は 2020 年1月 31日付の英国の欧州連合(以下「 EU」という。)離脱に向
けて舵を切ることとなった。 2020 年末まで継続する移行期間後、英国は EUとの間で新たな貿易関係に移るこ
ととなる。
英国経済は今後も不確実性に直面する。第一に、英国と EUおよびその他の貿易相手国との将来の関係がどの
ように構築されるかは、未だ明らかではない。第二に、英国政府は、詳細な財政計画を練ってはいない。財
務計画は予算に基づき 2020 年3月 11日付で策定される見込みである。第三に、経済データは、常に有望とは
いえない曖昧な印象を与えるものとなっている。
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データに基づけば、経済は、 2019 年第4四半期にゼロ成長となり、第3四半期に 0.5 %成長した。 11月におけ
る年間小売売上高増加率は過去1年半超で初めて1%を割り込み、年間消費者物価上昇率も 12月にはイング
ランド銀行の目標値2%を遙かに下回る 1.3 %に低下した。
ただし、重要なのは、これらのデータが政治的不確実性の高まった総選挙の時期における経済活動を参照し
ているという点である。企業調査では、総選挙後に経済成長が押し上げられたことが示されているものの、
その規模および持続性については明らかではない。
ユーロ圏
富の格差
ユーロ圏の実質経済成長は、 2019 年全般にわたり若干減速した。期首に 1.4 %であった年間経済成長率は第4
四半期に 1.0 %に低下した。景気後退は穏やかであるが、セクター間および国家間の大きな格差は隠されたま
まである。家計支出の伸びはわずかに上向き、投資も驚くほど回復している。しかしながら、貿易および産
業は著しく脆弱である。こうした脆弱性を最も痛切に感じているのは、1年以上にもわたり不況が続く製造
業を抱えるドイツである。とはいえ、ユーロ圏では、最悪の製造業の脆弱性を克服した初期の徴候がある。
製造業景況指数は、当期初頭に下落したものの、おおむね安定している。
経済成長の鈍化と並んで、不安定なエネルギー価格および食品価格を除外したユーロ圏の年間「コア」消費
者物価指数は依然として低水準であり、1月の「速報」値においては 1.1 %であった。ただし、当然のことな
がら、この値は今も尚、2%未満であるがそれに近い値という欧州中央銀行(以下「 ECB 」という。)の目標
を遙かに下回っている。
財務結果の要約
非GAAP 財務指標の使用
当行グループの経営成績は、国際財務報告基準( IFRS )に従って作成されている。業績測定において、当行
グループが使用する主な財務指標には、前年比ベースでの比較を歪ませる要因を排除するために、報告する
経営成績から算出される指標も含まれる。 かかる指標は非 GAAP 財務指標とみなされる。
非GAAP 財務指標が使用される場合、最も類似した報告財務指標に調整され、記述される。
グローバル事業部門のセグメント別業績は、「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記9に記載の「作
成の基準」において詳述される IFRS 第8号「事業セグメント」に従って調整ベースで表示されている。報告
ベースの業績および調整後の業績の調整については、以下の「調整後業績」に記載されている。
調整後業績
調整後業績は、報告する経営成績を、前年比ベースでの比較を歪ませる重要な項目の影響を調整することで
計算される。
当行グループは、「重要な項目」という用語を、調整後業績の計算時に報告する経営成績から除外された個
別の調整項目をグループとして集合的に記述するために使用している。これらの項目は、経営陣および投資
家が、事業の根底にある傾向をより良く理解するために、業績を評価する際に経常的に特定し個別に考慮す
る項目である。
当行グループは、調整後業績によって、内部報告と外部報告の整合性を取り、経営陣が重要であると考える
項目を特定かつ定量化し、経営陣が前年比ベースでの業績を評価する方法についての考察を提供すること
で、投資家に対して有益な情報を提供するものと考えている。
2019 年1月1日より変更された会計規則
IFRS 第16号「リース」
2019 年1月1日付で HSBC グループは、 IFRS 第16号「リース」の要件を遡及的に採用し、同基準を初めて適用
することによる累積的影響を同日における利益剰余金の期首残高の調整として認識した。比較情報は修正再
表示されていない。同基準の採用により、当行グループの資産は 0.9 十億ポンド増加し(エイチエスビー
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シー・バンク・ピーエルシーの別の財務諸表においては 0.6 十億ポンド。)、金融負債も純資産または利益剰
余金に影響を及ぼすことなくそれと同額で増加した。
金利指数改革: IFRS 第9号および IAS 第39号「金融商品」の修正
2019 年9月に公布された IFRS 第9号および IAS 第39号の修正により、特定のヘッジ会計要件が変更されること
となり、企業は、ヘッジされたキャッシュフローおよびヘッジ商品のキャッシュフローのベースとなってい
る金利指数が金利指数改革の結果、代替されないことを前提して、こうしたヘッジ会計要件を適用してい
る。かかる修正は、 2020 年1月1日より適用されるが、それよりも早い時期の採用も認められていた。 HSBC
グループは、 2019 年1月1日より IAS 第39号に適用される修正を採用しており、かかる修正により要求される
とおり、追加開示を実施した。
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連結損益計算書の要約
2019 年 2018 年
百万ポンド
百万ポンド
正味受取利息
3,660
1,483
正味受取手数料
2,044
1,344
2,645
公正価値で測定する金融商品からの純収益 3,882
金融投資による純収益 12
38
正味保険料収入 2,005
2,147
580
その他営業収益 516
1
10,946
9,410
営業収益合計
2
3,132
-
-うち:非継続事業
正味保険金、支払給付および保険契約準備金の変動 (3,366) (1,478)
9,468
正味営業収益(予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮前) 6,044
(159)
予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動 (124)
正味営業収益
9,309
5,920
2
3,037
-
-うち:非継続事業
1
(5,630) (7,351)
営業費用合計(のれんの減損控除後)
-うち:非継続事業
- (1,894)
-
のれんの減損 (1,152)
営業 (損失 )/利益
1,958
(862)
関連会社およびジョイント ・ベンチャー における (損失 )/利益持分 16
(10)
1,974
税引前当期純 (損失 )/利益 (872)
2
1,143
-
-うち:非継続事業
3
(119) (442)
法人税費用
当期純 (損失 )/利益 1,532
(991)
親会社株主に帰属する当期純 (損失 )/利益
1,506
(1,013)
非支配持分に帰属する当期純利益
26
22
1. 営業収益合計および営業費用合計には、重要な項目が含まれる。 2019 年において営業費用には、使用権資産の減価償却 133 百万ポン
ド( 2018 年:ゼロ)が含まれている。使用権資産は、 IFRS 第16号の採用に伴い、 2019 年1月1日より認識されている。 比較情報は修
正再表示されていない。
2. 非継続事業による当期純利益は、エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーの当行グループからの連結解除により当
行グループの株主に帰属する当期純利益に関連している。 2018 年7月1日付で HSBC グループは、 RBWM 、コマーシャル・バンキング
(以下「 CMB 」という。)およびグローバル・プライベート・バンキング(以下「 GPB 」という。) の適格顧客を当行グループから
HSBC グループのリングフェンス銀行であるエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・リミテッドに移転することで、 英国リテール・
バンキング業務のリングフェンス化を完了した。
3. 2019 年以降、その他 Tier 1金融商品に関連する支払いに係る 税額控除 は、国際会計基準( IAS )第 12号「法人所得税」の改訂によ
り、 損益計算書に表示される法人税費用として認識されている。過年度においては 資本に直接計上されていた。 2019 年の税額控除
は、 40百万ポンド( 2018 年: 48百万ポンド)で、資本への影響はなかった。比較情報は修正再表示されていない。
業績(報告ベース)
税引前当期純 損失(報告ベース) は872 百万ポンドであり、 税引前当期純利益は 201 8年の税引前当期純利益
1,974 百万ポンド に比べ 2,846 百万ポンド 減少した。 2018 年の非継続事業(エイチエスビーシー・ユーケーの
リングフェンス化)を除外すると、税引前当期純利益は 1,702 百万ポンド減少した。
正味受取利息(以下「 NII 」という。) は、 前年と比べ 2,177 百万ポンド( 59%)減少した。 2018 年の非継続
事業を除外すると、 NII は、 121 百万ポンド(9%)増加した。これは、ホールセールの資金調達費用の削減
を目的とした資金調達戦略の実施を通じた 2019 年第2四半期からの有利子負債に係る資金調達費用の減少、
および費用の高い顧客預金の残高減少によるものである。また、 2018 年および 2019 年における英国および米
国での金利の引上げ、ならびに CMB における預金の残高増加を受け、( GB&M および CMB 内の)グローバル・リ
クイディティ・アンド・キャッシュ・マネジメント(以下「 GLCM 」という。)における利益も増加した。
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正味受取手数料 は、前年と比べ 700 百万ポンド( 34%)減少した。 2018 年の非継続事業を除外すると、受取手
数料は、グローバル・バンキングの GB&M を中心に 113 百万ポンド(8%)減少した。これは、アドバイザリー
事業およびエクイティ・キャピタル・マーケッツ事業における取引量の減少、ならびにクレジット・アン
ド・レンディング事業における正味受取手数料の減少に伴う取引量の減少および市況の低迷を反映したもの
である。 RBWM においては、主に保険事業において、フランスでの事業拡大による費用増加および英国におけ
る費用増加により、正味受取手数料が減少した。
公正価値で測定される金融商品からの純収益 は、前年に比べ 1,237 百万ポンド( 47%)増加した。 2018 年の非
継続事業を除外すると、 1,472 百万ポンドの増加となった。かかる増加は主に、保険契約を支える株式および
ユニット型投資信託資産の価値に影響を及ぼすこととなった、フランスにおける株式市場の改善を反映し
て、 RBWM の保険事業を中心に発生した。これに伴う変動は、顧客が関連資産の投資成績に参加する程度を反
映して、顧客に対する負債に計上された。また、正味保険金、支払給付および保険契約準備金の変動におい
ては、相殺効果のある変動が記録された。これは、市場活動の低迷を反映したクレジットにおける収益の減
少により、マーケッツの GB&M において、一部相殺された。
金融投資による純収益 は、 26百万ポンド増加した。 2018 年の非継続事業による影響はなかった。 かかる増加
は、ポートフォリオの処分に伴うレガシー・クレジット事業における利益 により、主にコーポレート・セン
ター(特に英国)において発生したが、 その他包括利益を通じた公正価値(以下「 FVOCI 」という。)で保有
される債券の処分益の減少により、一部相殺された。
正味保険料収入 は、 142 百万ポンド(7%)増加した。 2018 年の非継続事業による影響はなかった。正味保険
料収入の増加は、主に RBWM において発生した。 英国においてかかる増加は、生命保険事業内で提供する商品
を追加したことに伴う、新たな引受の増加により発生した。収益はまた、事業の成長によりフランスにおい
ても増加した。
正味保険金、支払給付および保険契約準備金の変動 は、 1,888 百万ポンド( 128 %)増加した。 2018 年の非継
続事業による影響はなかった。 かかる増加は、主に保険契約者が部分的または全面的に投資リスクにさらさ
れることとなる契約からの収益の回復を反映して、保険事業を中心に発生した。こうした保険契約負債を支
えるために保有されている損益を通じて公正価値で測定される金融資産として認識された損益は、「 公正価
値評価の指定を受けた金融商品からの純収益 」に計上されている。
その他営業収益 は、 64百万ポンド( 11%)減少した。 2018 年の非継続事業を除外すると、その他営業収益
は、コーポレート・センターを中心に 53百万ポンド( 10%)減少した。 これは、グローバル外国為替事業に
関連してエイチエスビーシー・ユーケー・ピーエルシーからのグループ会社間費用回収が増加したことによ
り(ただし、これは、営業費用の増加により相殺されている。)、その他営業収益が増加した GB&M におい
て、一部相殺された。
予想信用損失およびその他の減損費用 (以下「 ECL 」という。) の変動 は、 35百万ポンド( 22%)減少した。
2018 年の非継続事業を除外すると、フランス、ドイツおよび南アフリカの CMB におけるステージ3の金融商品
に係る費用の増加に起因して、 ECL は59百万ポンド( 90%)増加した。 2019 年においては、処分が 2018 年と比
べ低水準であったことを反映して、レガシー・クレジット事業におけるポートフォリオの処分からの ECL 引当
金の戻入れも減少した。
営業費用合計 は、 569 百万ポンド(8%)減少した。非継続事業の影響を除外すると、営業費用は 1,325 百万
ポンド( 24%)増加した。営業費用が増加した主な要因は、当期における 以下を含む多数の重要な項目で
あった。
・ 厳しい市況、ユーロ圏でのマイナス金利ならびに帳簿価額の割当てのために使用されている手法の改善
および改良を反映して、予想される将来のキャッシュフローが減少した結果、当期において計上された
のれんの減損 1,152 百万ポンド。
・ 当行グループのグローバル事業部門および機能部門における費用効率化策による、退職費用に関連する
費用 174 百万ポンドの増加。
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法人税費用 は119 百万ポンド であり、 2018 年に比べ 323 百万ポンド 減少した 。2019 年の実効税率マイナス
13.6 %は、控除対象外ののれんの減損により歪められている。のれんの減損の影響を除外すると、実効税率
は、主に過年度で発生した費用により 2018 年の 22.4 %に比べ高い 42.5 %となった。
調整後業績
重要な収益項目の事業セグメント別内訳-(利益)/損失
コーポレート
・センター
RBWM CMB GB&M GPB 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
2019 年12月31日現在
収益 (報告 ベース) 1,139 1,170 3,627 189 (81) 6,044
重要な収益項目 1 - 27 - (3) 25
-英国顧客損害賠償プログラム
1 - - - - 1
-デリバティブ契約に係る負債評価調整
- - 27 - - 27
-非適格ヘッジの公正価値の変動 - - - - (3) (3)
収益 (調整後 ) 1,140 1,170 3,654 189 (84) 6,069
2018 年12月31日現在
収益 (報告 ベース) 2,580 2,479 4,249 249 (89) 9,468
重要な収益項目 - (34) (42) - 2 (74)
-英国顧客損害賠償プログラム
- (34) - - - (34)
-デリバティブ契約に係る負債評価調整
- - (42) - - (42)
-非適格ヘッジの公正価値の変動 - - - - 2 2
収益 (調整後 ) 2,580 2,445 4,207 249 (87) 9,394
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重要な費用項目の事業セグメント別内訳-(回収)/費用計上
コーポレー
ト・センター
RBWM CMB GB&M GPB 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
2019 年12月31日現在
営業費用(報告ベース) (1,278) (1,159) (3,625) (440) (280) (6,782)
重要な費用項目 354 529 147 298 122 1,450
1 - 3 29 - 55 87
-構造改革費用
15 6 117 5 61 204
-再編その他関連費用
- - 1 - 6 7
-法規制問題に関連する和解金および引当金
339 520 - 293 - 1,152
-のれんの減損
営業費用 (調整後 ) (924) (630) (3,478) (142) (158) (5,332)
2018 年12月31日現在
営業費用(報告ベース) (2, 102 ) (1,143) (3, 335 ) (188 ) (583 ) (7, 351 )
重要な費用項目 68 9 (56) - 179 200
1 - 4 26 - 154 184
-構造改革費用
68 5 (17) - - 56
-英国顧客損害賠償プログラム
- - - - 30 30
-再編その他関連費用
- - (65) - (5) (70)
-法規制問題に関連する和解金および引当金
営業費用 (調整後 ) (2, 034 ) (1,134) (3, 391 ) (188 ) (404 ) (7, 151 )
1. 構造改革費用には、英国の EU離脱に関連する費用 87百万ポンド( 2018 年: 97百万ポンド)が含まれる。 2018 年においては、英国リ
ングフェンス銀行の設立費用 87百万ポンドも含まれていた。
税引前当期純利益に係る正味影響額の事業セグメント別内訳
コーポレー
ト・センター
RBWM CMB GB&M GPB 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
201 9年12月31日 現在
税引前当期純損失(報告ベース) (142) (98) (39) (250) (343) (872)
損益(報告ベース)に係る正味影響額 355 529 174 298 119 1,475
-重要な収益項目 1 - 27 - (3) 25
354 529 147 298 122 1,450
-重要な費用項目
税引前当期純利益/ (損失 )(調整後 ) 213 431 135 48 (224) 603
2018年12月31日 現在
税引前当期純利益/ (損失 )(報告ベース) 375 1,310 804 62 (577 ) 1,974
損益(報告ベース)に係る正味影響額 68 (25) (98) - 181 126
-重要な収益項目 - (34) (42) - 2 (74)
68 9 (56) - 179 200
-重要な費用項目
税引前当期純利益/ (損失 )(調整後 ) 443 1,285 706 62 (396 ) 2,100
調整後業績
税引前当期純利益(調整後)は、 2018 年に比べ 1,497 百万ポンド減少し、 603 百万ポンドとなった。 2018 年の
非継続事業(エイチエスビーシー・ユーケーのリングフェンス化)を除外すると、税引前当期純利益(調整
後)は、 256 百万ポンド( 30%)減少した。これは、 2019 年の収益の減少および ECL 費用の増加を反映したも
のである。なお、以下の記述においては、非継続事業を 2018 年の比較数値から除外している。
収益 (調整後 )は、主に GB&M における収益減少により 227 百万ポンド(4%)減少した。グローバル・マー
ケッツの収益は、英国のクレジット事業における発行市場および流通市場での取引の低迷により減少した。
また、法人向け貸付の再編による 2018 年中に計上した 利益、株式転換社債取引による不利な時価評価、およ
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びイベント派生型活動の低迷(エクイティ・キャピタル・マーケッツおよび M&A )により、グローバル・バン
キングにおいて収益が減少した。これは、 GLCM での収益増加により、一部相殺された。収益は、 RBWM でも増
加した(最も顕著なのは、英国およびフランスの保険事業)。コーポレート・センターにおいても、レガ
シー・クレジット事業でのポートフォリオの処分益により収益が増加した。
ECL (調整後) は、 主にフランスおよびドイツにおいて CMB のステージ3の金融商品に係る引当金が増加した
ことに加え、 2018 年に比べコーポレート・センターのレガシー・クレジット事業においてポートフォリオ処
分に係る引当金の戻入れが減少したことにより, 59百万ポンド増加した。
営業費用 (調整後 )は、 主に 2018 年第1四半期中に IT外注 費を エイチエスビーシー・グローバル・サービ
シーズ (英国 )リミテッド(以下「 英国サーブコ」という。)に振り替えたこと を反映して、 56百万ポンド
(1%)減少した。グループ 会社間収益に相殺効果のある減少もみられた。 加えて、営業費用は、費用効率
化策によっても減少し、レガシー・クレジット事業における費用も、当期中のポートフォリオのランオフを
反映して減少した。
リテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメント( RBWM )
税引前当期純利益(調整後)は 213 百万ポンドであり、 2018 年に比べ 230 百万ポンド減少した。 2018 年の非継
続事業(エイチエスビーシー・ユーケーのリングフェンス化)を除外すると、 税引前当期純利益(調整後)
は、 157 百万ポンド増加した。これは主に収益増加によるものであった。 なお、以下の記述においては、非継
続事業を 2018 年の比較数値から除外している。
収益 は、 英国およびフランスにおける保険事業を中心に、 152 百万ポンド( 15%)増加した。フランスでは、
特にウェルス・インシュランス商品の売上増および有効な保険契約の現在価値(以下「 PVIF 」という。)か
らの収益の増加により保険事業の収益が増加したが、保険事業およびリテール事業の双方に影響を及ぼす低
金利環境により一部相殺された。英国では、保有するビザの優先株式の公正価値が有利に変動したこと、お
よび期中に株式市場のパフォーマンスが改善したことにより、ウェルス事業の収益が増加した結果、収益が
増加した。 チャンネル諸島 および マン島 では、預金残高の増加およびマージンの増加により、預金からの収
益が増加した。加えて、貸付からの収益は、貸付残高(特に高利回りの住宅ローン)の増加により増加し
た。
ECL は、 2018 年と比べ2百万ポンド減少した。全般的 に、 2019 年および 2018 年の 双方で ECL は低 水準で推移
し、信用環境は引き続き良好で あった 。
営業費用 は、 6百万ポンド(1%)減少した。その主たる要因は、フランスにおける人件費の減少、および
2019 年下半期における関連する変動給および社会保障費の減少であった。
コマーシャル・バンキング( CMB )
税引前当期純利益(調整後)は 431 百万ポンドであり、 2018 年と比べ 854 百万ポンド減少した。 2018 年の非継
続事業(エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシー)を除外すると、 税引前当期純利益(調整
後)は 39百万ポンド(8%)減少した。これは、 ECL の増加によるものであるが、収益増加により一部相殺さ
れた。 なお、以下の記述においては、非継続事業を 2018 年の比較数値から除外している。
収益 は、 主に英国において保有するビザの優先株式の公正価値が有利に変動したことにより、 2018 年に比べ
36百万ポンド(3%)増加した。収益はまた、インターナショナル・マーケッツ事業における保証の増加を
反映して増加した。
ECL は、 フランスのリテール・セクターならびにドイツの自動車セクター、金属セクターおよび鉱業セクター
のステージ3の金融商品に係る費用の増加により、 2018 年に比べ 74百万ポンド増加した。
営業費用 は、 英国における従業員保険費用の増加により、1百万ポンド増加した。
グローバル・バンキング・アンド・マーケッツ( GB&M )
税引前当期純利益(調整後)は 135 百万ポンドであり、 2018 年と比べ 571 百万ポンド減少した。 2018 年の非継
続事業(エイチエスビーシー・ユーケーのリングフェンス化)を除外すると、 税引前当期純利益(調整後)
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は559 百万ポンド( 80%)減少した。その主な要因は、継続する経済の不確実性および 2019 年中のスプレッド
の縮小を反映した収益減少であった。 なお、以下の記述においては、非継続事業を 2018 年の比較数値から除
外している。
収益 は、 485 百万ポンド( 12%)減少した。グローバル・マーケッツ事業の収益は、市場のボラティリティが
低下したこと、および経済の不確実性が継続していることを受けて顧客の取引が減少したことを受けて減少
した。これは、 2019 年第1四半期における法務費用引当金の戻入れによる利益があったことにもかかわらな
いる減少であった。グローバル・バンキング事業においても、 2018 年上半期において計上された反復のない
法人向け貸付の再編による利益が当期においては計上されなかったこと、および アドバイザリー事業および
エクイティ・キャピタル・マーケッツ事業において イベント派生型活動 が低迷 したことにより、収益が減少
した。かかる減少は、 2018 年8月における英国での利上げの影響を含め、 GLCM で業績が好調であったことに
より一部相殺された。
ECL は、 68百万ポンド( 63%)減少した。 2019 年における ECL は41百万ポンドであったが、これは主に英国お
よびフランスの建設セクターおよびリテール・セクターで発生した。 2018 年の ECL には、同セクターにおいて
発生した当期よりも高額な損失が含まれていた。
営業費用 は、 2018 年と比べ 142 百万ポンド(4%)増加したが、これは、費用が HSBC グループの他のグループ
会社に振り替えられた結果、グループ会社間の収益回収が増加したことにより相殺された。
グローバル・プライベート・バンキング( GPB )
税引前当期純利益(調整後)は 48百万ポンドであり、 2018 年と比べ 14百万ポンド( 22.6 %)減少した。 2018
年の非継続事業(エイチエスビーシー・ユーケーのリングフェンス化)を除外すると、 税引前当期純利益
(調整後)は 、主に収益増加により4百万ポンド(9%)増加したが、営業費用の増加により一部相殺され
た。 なお、以下の記述においては、非継続事業を 2018 年の比較数値から除外している。
収益 は、 主に顧客預金の増加を上回る顧客貸付の増加に伴う正味受取利息の増加および正味受取手数料の増
加により、 16百万ポンド(9%)増加した。
ECL は、 重大な変動はなく 2018 年と同水準であった。
営業費用 は、すべ ての拠点において IT関連費用およびコンプライアンス関連費用が増加したことを受け、
2018 年と比べ 11百万ポンド(9%)増加した。
コーポレート・センター
税引前当期純損失(調整後)は 224 百万ポンドであり、 2018 年の 396 百万ポンドと比べ 172 百万ポンド減少し
た。 2018 年の非継続事業(エイチエスビーシー・ユーケー のリングフェンス化 )を除外すると、税引前当期
純損失 (調整後)は、 180 百万ポンド( 45%) 減少 した。その主な要因 は、 2019 年における収益の増加および
営業費用の減少であった。 なお、以下の記述においては、非継続事業を 2018 年の比較数値から除外してい
る。
収益 は、 正味受取利息が増加する 内部資金調達の一環として使用された短期の借入れおよび預金ならびにデ
リバティブ契約を通じて、バランスシート・マネジメント事業を中心に 50百万ポンド増加した。収益は、
2019 年に実施したポートフォリオの処分により損失が減少したことを反映して、レガシー・クレジット事業
においても増加した。
ECL の正味戻入れは、 2018 年の 79百万ポンドに対し、 2019 年には 27百万ポンドであった。これは、 2018 年およ
び2019 年の双方においてレガシー・クレジット事業におけるポートフォリオ処分に伴う引当金の戻入れが
あったが、 2018 年におけるポートフォリオ処分の水準の方が高かったことを反映したものである。
営業費用 は、主に 2018 年第1四半期 において IT外注 費を英国サーブコに振り替えたことを反映して 、207 百万
ポンド( 45%)減少した。営業費用は、グループ 会社間の収益の振替え により相殺効果のある減少がみられ
た。加えて、レガシー・クレジット事業の費用は、期中のポートフォリオのランオフを反映して減少した。
財政状態に関する分析
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12月31日現在における連結貸借対照表の要約
201 8年
201 9年
百万ポンド
百万ポンド
資産合計 636,491 604,958
現金および中央銀行預け金 51,816 52,013
98,249 95,420
トレーディング資産
17,012 17,799
公正価値評価の指定を受けた、または強制的に損益を通じて公正価値で測定す
る金融資産
164,538 144,522
デリバティブ
11,467 13,628
銀行に対する貸付金
108,391 111,964
顧客に対する貸付金
85,756 80,102
売戻 契約 -非トレーディング目的
46,464 47,272
金融投資
52,798 42,238
その他資産
負債合計 612,479 577,549
銀行からの預金 23,991 24,532
177,236 180,836
顧客からの預金
49,385 46,583
買戻 契約-非トレーディング目的
48,026 49,514
トレーディング負債
41,642 36,922
公正価値評価の指定を受けた金融負債
161,083 139,932
デリバティブ
25,039 22,721
発行済負債証券
21,509 20,657
保険契約に基づく負債
64,568 55,852
その他負債
資本合計 24,012 27,409
株主資本合計 23,503 26,878
非支配持分 509 531
2019 年および 2018 年の貸借対照表の調整後の分析と報告額の分析との間に、調整事項はない。
顧客からの預金に対する顧客への貸付金の比率は、 2018 年12月31日現在の 61.9 %に対して 61.2 %であり、当
行グループは強固で流動性の高い貸借対照表を維持した。
デリバティブ資産は、主に時価評価の上昇により 14%増加した。デリバティブ資産の増加は、原リスクがお
おむね一致しているため、デリバティブ負債の増加とほぼ同様であった。株式資本残高は、減損損失および
配当の支払いにより、 12%減少した。発行済負債証券は、内部要件および規制上の要件の双方を充足するた
めの資金調達活動により 10%増加した。加えて、買戻契約および売戻契約(非トレーディング目的)も、市
場の活発化によりそれぞれ6%および7%増加した。
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業績の国別内訳(報告ベース)
税引前当期純利益(損失) -国別内訳
コーポ
レート・
RBWM CMB GB&M GPB センター 合計
百万 百万 百万 百万 百万 百万
ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド ポンド
2019 年12月31日現在
英国 158 212 (179) 30 (327) (106)
フランス 32 93 (50) 7 (58) 24
ドイツ 5 29 58 6 29 127
1 (337) (432) 132 (293) 13 (917)
その他
税引前当期純 損失 (142) (98) (39) (250) (343) (872)
2018 年12月31日現在
英国 402 1,018 582 44 (535) 1,511
フランス (42) 128 20 12 (75) 43
ドイツ 10 64 74 6 (3) 151
その他 5 100 128 - 36 269
税引前当期純利益 /(損失 ) 375 1,310 804 62 (577 ) 1,974
1. のれんの減損を含む。「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 20を参照のこと。
純利息マージン
純利息マージンは、損益計算書において報告された正味受取利息を利付資産平均残高で除することにより算
出される。平均残高は、当行グループの活動の日平均に基づいている。
純利息マージンは 0.43 %であり、 2018 年における英国事業のエイチエスビーシー・ユーケーへの移転の影響
により、重要な項目および外貨換算の影響を含め、 2018 年に比べ 45ベーシス・ポイント(以下「 bps 」とい
う。)低下した。
正味受取利息
201 9年 201 8年
百万ポンド 百万ポンド
受取利息 5,504 7,422
支払利息 (4,021) (3,762 )
正味受取利息 1,483 3,660
利付資産平均残高 343,944 417,569
% %
1
総利息 利回り 1.25 1.58
控除:資金コスト (0.93) (0. 77)
2
純金利スプレッド 0.32 0.81
3
純利息マージン 0.43 0.88
1. 総利回り とは 、利付資産平均残高(以下「 AIEA 」という。)について発生した年換算ベースの平均利率 をいう 。
2. 純金利スプレッドとは、 AIEA について発生した年換算ベースの平均利率(償却されたプレミアムおよび貸付手数料控除後)と、有
利子負債平均残高について支払った年換算ベースの平均利率の差異をいう。
3. 純利息マージンとは、正味受取利息の利付資産平均残高に対する年換算ベースの割合である。
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資産の種類別受取利息の要約
2019 年 201 8年
1 1
平均残高 受取利息 利回り 平均残高 受取利息 利回り
百万ポンド 百万ポンド % 百万ポンド 百万ポンド %
66,056 108 0.16 85,186 146 0.17
短期資金および銀行に対する貸付金
117,665 2,492 2.12 188,956 4,865 2.57
顧客に対する貸付金
77,140 478 0.62 64,462 404 0.63
売戻契約 - 非トレーディング目的
50,194 935 1.86 52,153 902 1.73
金融投資
32,889 287 0.87 26,812 268 1.00
その他の利付資産
343,944 4,300 1.25 417,569 6,585 1.58
利付資産合計
公正価値評価の指定を受けた、または強制的に公正価値
70,958 1,906 2.69
2
で測定するトレーディング資産および金融資産
73,862 1,974 2.67
(1,192) - - (2,051) - -
予想信用損失引当金
266,527 - - 263,691 - -
非利付資産
683,141 6,274 0.92 750,167 8,491 1.13
資産合計
1. 利回りの計算上、損益計算書において支払利息として認識された資産のマイナス金利が含まれる。
2. トレーディング資産から発生した受取利息は、損益計算書の「トレーディング純収益」に計上されている。
負債および資本の種類別支払利息の要約
2019 年 201 8年
1 1
平均残高 支払利息 コスト 平均残高 支払利息 コスト
百万ポンド 百万ポンド % 百万ポンド 百万ポンド %
23,298 146 0.63 21,716 109 0.50
銀行からの預金
公正価値評価の指定を受けた金融負債
- 自己負債証券
16,409 201 1.22 16,178 187 1.16
136,544 1,028 0.75 222,970 1,343 0.60
顧客からの預金
49,801 337 0.68 49,523 389 0.79
買戻契約 - 非トレーディング目的
37,944 683 1.80 34,969 600 1.72
発行済負債証券および劣後債務
38,559 422 1.09 32,729 297 0.91
その他の有利子負債
302,555 2,817 0.93 378,085 2,925 0.77
有利子負債合計
トレーディング負債および公正価値評価の
指定を受けた金融負債(自己発行済負債証
2
券を除く)
71,549 1,705 2.38 65,768 1,617 2.46
50,208 - - 53,741 - -
無利息当座預金
258,829 - - 252,573 - -
資本およびその他の無利息負債合計
683,141 4,522 0.66 750,167 4,542 0.61
資本および負債合計
1. 資金調達費用の計算上、損益計算書において受取利息として認識された負債のマイナス金利が含まれる。
2. トレーディング負債から発生した支払利息は、損益計算書の「トレーディング純収益」に計上されている。
4【経営上の重要な契約等】
上記「第3-2 事業等のリスク-法人の再編成」を参照のこと。
5【研究開発活動】
当行グループは、銀行業務および関連金融サービスを幅広く提供している。当行グループは、サービス提供
を向上させるべく商品開発活動に投資を続けており、また、商品やサービスをサポートし、内部および外部
の報告システムを強化するためのソフトウェアを継続的に開発している。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの免許保有子会社である当行は、 2019 年10月にス
ウェーデン支店を新設し、現在 20市場で事業を展開している。当行グループのグループ会社は、顧客、規制
当局、従業員およびその他の利害関係者に対して HSBC グループを代理している。当行およびその子会社は、
主に、以下の3地域に拠点を置いている。
・ 英国:英国の非リングフェンス銀行は、一流のホールセール銀行サービスを提供しており、 HSBC グルー
プにとっては卓越したサービスを提供していく上で世界における中心的存在となっている。当行グルー
プは、顧客に絶え間なくサービスを提供できるよう、リングフェンス銀行であるエイチエスビーシー・
ユーケー・バンク・ピーエルシーと引き続き密接に協働していく。
・ 欧州連合:当行グループは、ベルギー、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、
イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、スペインおよびスウェーデンに拠点を置
き、欧州連合において広く事業を展開している。当行グループの子会社のうち、2社は、大陸ヨーロッ
パ最大の経済大国であるフランスおよびドイツに所在している。
・ ネットワーク市場:当行グループは、上記に加え、スイス、アルメニア、イスラエル、ロシア、南アフ
リカ、チャネル諸島およびマン島にも拠点を置いており、当行グループの顧客へのサービス・商品の提
供および世界とのつながりが強化されている。なお、チャネル諸島およびマン島は、財務諸表の開示
上、英国に含まれている。
無形資産
2019 年12月31日現在で当行グループが認識したのれんおよびその他の無形資産の総額は 1,582 百万ポンドで
あった( 2018 年12月31日現在は 2,626 百万ポンド)。
有形資産
2019 年12月31日現在で当行グループが認識した有形固定資産の合計額は 1,091 百万ポンドであった( 2018 年12
月31日現在は 1,119 百万ポンド)。
その他資産
詳細については、 「第6-1 財務書類-財務諸表注記」の注記 20「のれんおよび無形資産 」および注記 21
「前払金、未収収益およびその他資産」 を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
上記「1 設備投資等の概要」を参照のこと。
3【設備の新設、除却等の計画】
2019 年度においては、通常の業務において使用されているものを除き、特別な設備投資は予定されていな
い。
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第5 【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
2019 年12月31日現在
ポンド
種類の名称 授権株数 (株) 発行済株式総数 (株)
額面1ポンド普通株式 - 796,969,111
2006 年英国会社法(第 10条および第 542 条)により、授権株式という概念は消滅している。
米ドル
種類の名称 授権株数 (株) 発行済株式総数 (株)
額面 0.01 米ドル非累積型第
- 35,000,000
三ドル建て優先株式
2006 年英国会社法(第 10条および第 542 条)により、授権株式という概念は消滅している。
②【発行済株式】
2019 年12月31日現在
ポンド
上場金融商品取引所名
記名・無記名の別及び
種 類 発行数 (株) 又は登録認可金融商品 内容
額面・無額面の別
取引業協会名
記名式額面株式
普通株式 796,969,111 該当なし (注1)
1株当たりの額面金額1ポンド
計 - 796,969,111 -
(注1 ) 各種類株式1株につき1議決権を有する。
米ドル
上場金融商品取引所名
記名・無記名の別及び
種 類 発行数 (株) 又は登録認可金融商品 内容
額面・無額面の別
取引業協会名
記名式額面株式 第三ドル建て (注1)
35,000,000 該当なし
1株当たりの額面金額 0.01 米ドル 優先株式 (注2 )
計 - 35,000,000 -
(注1 ) 各種類株式1株につき1議決権を有する。
(注2 ) 第三ドル建て優先株式は、第三ドル建て優先株式の相互間で同順位とし、その他第三ドル建て優先株式と同順位である旨表示
されている一切の株式と同順位とする。これらの株式は、通常定款に定める権利を有し、通常定款に定める制限を付されるも
のとする。また、これらの株式は取締役会が当該株式の割当前に付したその他の(通常定款に定める権利と矛盾しない)権利
を有するものとする。通常定款に基づき取締役会が第三ドル建て優先株式に付する権利を決定する権能を有している場合、取
締役会が決定する権利は、その時点で割当または発行されている第三ドル建て優先株式に付されている権利と同等であること
を要しない。第三ドル建て優先株式は、一以上の個別シリーズとして発行することができ、その場合、各シリーズの分類・識
別は取締役会が決定する方法で行うものとし、かかる決定または分類・識別を行うために通常定款を変更することは要しな
い。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
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該当事項なし。
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
額面1ポンド普通株式
発行済株式総数 発行済株式総数 資本金増減額 資本金残高
年月日
増減数 (株) 残高 (株) (百万ポンド ) (百万ポンド )
(注1 )
1 796,969,109 244 21,038
2014 年10月24日
(注
2014 年12月19日
1 796,969,110 62 21,100
1)
(注
2018 年11月23日
1 796,969,111 - 21,100
2)
(注1 ) 上記に示す発行済株式総数の増加は、当行の更なる資本増強のための HSBC ホールディングス・ピーエルシーへの当行の株式発
行による。
(注2 ) 上記に示す発行済株式総数の増加は、優先株式の普通株式への振替えによる。
(注3 ) 最近5年間においては、額面 0.01 米ドル非累積型ドル建て優先株式、額面 0.01 米ドル非累積型第二ドル建て優先株式および額
面0.01 米ドル非累積型第三ドル建て優先株式には増減はなかった。
額面1ポンド優先株式
発行済株式総数 発行済株式総数 資本金増減額 資本金残高
年月日
増減数 (株) 残高 (株) (百万ポンド ) (百万ポンド )
(注
2018 年11月23日
(1) 0 - 0
1)
(注1 ) 上記に示す発行済株式総数の減少は、優先株式の普通株式への振替えによる。
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(4)【所有者別状況】
当行の発行済普通 株式資本は、 エイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス ・リミテッドが
100 %保有している。
(5)【大株主の状況】
2019 年12月31日現在
所有株式数 発行済株式総数に対する
氏名又は名称 住所
(株) 所有株式数の割合 (%)
エイチエスビーシー・
額面1ポンド普通株式
連合王国 E14 5HQ ロンドン市
ユーケー・ホールディ 100.00
カナダ・スクエア8
796,969,111
ングス ・リミテッド
2【配当政策】
2019 年12月31日に終了した年度中の当行の株主に帰属する連結損失の報告額は、 1,013 百万ポンド であっ
た。
2019 年12月31日に終了した年度中に、当行は、 2019 年度に関し 1,707 百万ポンドの特別配当を、普通株式
につき支払った。また、 2019 年12月31日に終了した年度中に、最終配当に代えて、前事業年度について中
間配当 406 百万ポンドおよび特別配当 674 百万ポンドが支払われた。
業績については、「第6-1 財務書類」の連結損益計算書に後述されて いる 。
3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
取締役会
会長率いる取締役会の役割は、 リスクの評価および管理を可能にする堅実かつ効果的な枠組みの中で、当
行の起業家精神に富むリーダーシップを促進することである。取締役会は、当行の長期的成功ならびに 株
主および内外の利害関係者への持続可能な価値の提供とともに、オープンな文化および討論の奨励につき
共同で責任を負う。
取締役会は、戦略およびリスク選好ステートメントの策定を行い、経営陣の提言に基づく資金計画および
業務計画の承認も行う。 戦略の実施権限は、チーフ・エグゼクティブおよび執行委員会に委譲 されて い
る。
取締役会は定期的に会合を開き、取締役は、各種委員会の活動および当行の事業動向に関する情報につい
ての報告を受ける。いずれの取締役も、すべての関連情報を漏れなく 適時 に入手できるようになっている
だけでなく、必要に応じて独立した立場の専門家の助言を受けることもできる。
取締役会は、独立非執行取締役がその過半数を占めている。最高経営責任者および最高財務責任者も取締
役会のメンバーである。
独立非執行 取締役 の役割は、執行取締役を含む経営陣の業務の遂行に関して問題提起を行い、精査し、戦
略に関する提案を作成することである。
また、合意 された 目標や目的を達成するにあたっての経営陣の業務の遂行を精査し、 HSBC グループのリス
ク・プロファイルを監視する。
取締役は全員、当行の年次株主総会での毎年の再選対象となる。 2019 年中、取締役会に変更はなかった。
当期中において、取締役会は、銀行の業務の重要な側面についてより深く掘り下げ、主要事業および主要
国に特有のものを含め、当行の業績および戦略の検討を行い、経営陣が提示した財務、資本、流動性およ
び資金調達に係る計画の承認を行った。英国の EU離脱を見据えた計画の実施状況の監視が焦点となった。
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当期中、取締役会はシナリオ計画の策定を多数行い、潜在的なストレス事象を監視および管理するために
現在実施されているプロセスおよび手続のテストを行った。
取締役会は、 2019 年中に完全会合を9回開催し、取締役会の承認を要する特定の事項を検討するため、さ
らに6回の特別会合を開催した。
取締役会委員会
取締役会は、その責任の遂行を支える複数の委員会を設置しており、ガバナンスの枠組みを有している。
各非執行取締役会委員会の委員長は、前回の 取締役会 会議以降に行われた各委員会の活動についての報告
を行う。監査委員会、リスク委員会、指名・報酬・ガバナンス委員会のメンバーは、いずれも独立非執行
取締役であった。
取締役会および各委員会は、有効性を確保するために、定期的な評価およびパフォーマンス・レビューの
対象となる。 2019 年、取締役会および取締役会委員会は、報告書および会議の有効性に関連して会議後に
寄せられたフィードバック、事業年度中に実施した業務について参照年度との比較レビュー、有効性を決
めるにあたり幅広い判断基準を網羅する、取締役会および取締役会委員会に対するアンケート調査の結果
を考慮の上、実績を評価した。また、かかるアンケート結果については委員会で検討がなされ、必要に応
じて措置が合意された。執行取締役は、毎年受け取る変動給の水準の決定時に参考となる業績評価の対象
となる。
本書提出日現在、取締役会に設置されている主な委員会は、次のとおりである。
監査委員会
監査委員会は取締役会に対する説明責任を負い、財務報告関連事項、財務報告に係る内部統制および内部
告発者の懸念を把握し、これに対応するための HSBC グループの方針および手続の実施 に関して監督し、取
締役会に助言するという、経営執行ではない責任を 取締役会 に対して負っている。
監査委員会は、当行の財務および内部監査の上級幹部ならびに外部監査人を交えて定期的に会合を開き、
当行の財務報告、監査レビューの性質および範囲、財務報告に係る内部統制システムの有効性ならびに財
政機能部門の改革計画の監視などを検討している。 また、監査委員会には、当行の内部告発制度の監督責
任があり、内部告発制度を通して従業員から提起された事項についても定期的に最新情報を受領してい
る。
重要な会計上の判断に加えて、当期中に監査委員会が検討した重要事項には、当行の資本およびリスク管
理ならびに第三の柱に基づく開示事項、外部監査人であるプライスウォーターハウスクーパース・エルエ
ルピーの独立性、報酬および実績ならびに当行および当行子会社に関して内部監査により特定された重要
課題に係る最新情報が含まれていた。
委員会は、当行の重要な子会社の 監査委員会委員長 から最新情報を受領しており、外部監査人からは、監
査の進捗状況および結果に関する最新情報を受領し、また、当行およびその子会社の税務状況については
最新情報を年2回受領した。また、内部告発に関する定期報告書も受領した。
当期中、監査委員会は、最高財務責任者、最高リスク責任者、内部監査責任者、外部監査人代表者とそれ
ぞれ別々に経営陣の出席のない会合を開いた。 監査委員会の現在の構成員は、アンドリュー・ライト(委
員長)、エリック・ストラッツおよびジョン・トゥルーマンである。
2019 年度において、監査委員会は7回開催された。
監査委員会(以下「監査委員会」という。)において 2019 年度に検討された重要な会計上の判断および関連
事項には、以下の項目が含まれる。
主な分野 講じられた措置
半期および年次の報告 監査委員会は半期および年次の報告に関連する重要な判断の検討を行った。
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予想信用損失( ECL ) 監査委員会は、 IFRS 第9号および関連する開示に係る重要な判断ならびにホール
に係る引当金および費 セール貸付の ECL に係る引当金および費用を検討した。英国における信用リスクおよ
用 び英国の経済的不確実性を理由とする ECL の調整に注意が払われた。
金融商品の評価 監査委員会は、金融商品の公正価値決定に含まれた主な評価指標および判断の検討
を行った。
継続企業の前提 監査委員会は、現在のおよび潜在的な状況に関連する幅広い情報を検討した(収益
性、キャッシュ・フロー、流動性および資本の予測を含む。)。ビジネス・アップ
デートおよび英国の EU離脱の潜在的な影響に特段の注意が払われた。
子会社への投資の減損 監査委員会は、子会社への投資の減損に関する経営陣の定期評価を検討し、キャッ
シュ・フロー予測および長期的な成長率の仮定の信頼性に特に注意を払った。経営
陣は、 2019 年12月31日現在、 HSBC フランスへの出資が減損処理されていると評価し
た。
のれんの減損テスト 監査委員会は、年次ののれんの減損テストおよびその後行われた減損の兆候に係る
検証の結果を検討した。経営陣は、コマーシャル・バンキング、リテール・バンキ
ング・アンド・ウェルス・マネジメントおよびグローバル・プライベート・バンキ
ングの資金生成単位( CGU )が 2019 年12月31日に全額減損処理された。
法的手続および規制上 監査委員会は、法的手続および規制事項に関連する引当金および偶発債務の認識な
の事項に関する引当て らびに測定の存在に関する経営陣からの報告書を受領した。報告事項としては、外
の適切性 国為替市場でのトレーディング活動に関する世界中の当局および競争法上の法執行
機関による調査により生じた引当金ならびに偶発債務に係る会計上の判断が含まれ
ていた。
IBOR からの移行 監査委員会は、 2019 年12月31日現在におけるヘッジ会計関係におけるベンチマーク
利率の変更が会計に与える影響について、期間が長くなるほど金融商品およびその
他の会計分野ならびにこれらに関連する開示に対して広範囲な長期の影響が生じる
と分析した。監査委員会は、 2019 年12月31日現在、ヘッジ会計を継続するとの経営
陣の判断は適切であり、金利ベンチマークを新たなリスク・フリー・レートに移行
する際の将来の市場動向の中で、かかる立場を引き続き検討するとの結論に至っ
た。
管理 監査委員会は、継続的に財務管理環境を検討し、行われた強化対策について検証
し、これについて意見した。これには、作業プログラムが継続して行われる場合の
統制緩和に関する確認が含まれる。 2019 年は、 IFRS 第9号データの質、総勘定元帳
の実証、 IFRS 第16号、金融商品の公正価値、ビジネス・ユーザー・アクセス、モデ
ル管理および第三者リスク管理に特に焦点が当てられた。
税務 監査委員会は、税制に関する重要な判断、特に歳入関税庁が行った VAT の遡及査定に
よる偶発債務および繰延税金資産の認識について検討した。
再構築引当金 監査委員会は、特に 2019 年1月1日に開始されたプログラムを中心とする、再構築
引当金に関する重要な判断について検討を行い、 2019 年12月31日まで活動の延長が
GMB により是認され、 HSBC ホールディングス・ピーエルシーの取締役により承認され
たと判断した。
保険事業収益および費 監査委員会は、ユーロ圏における長期の低金利環境が保険事業に及ぼす影響および
用の共有に係る仮定 有効な契約の現在価値への影響に対処するため経営陣が取った措置について検討し
た。
EEA 支店の移転 監査委員会は、欧州経済領域にある支店(「 EEA 」支店)の HSBC フランスへの移転の
影響について検討した。
持続可能な資金 監査委員会は、環境・社会・ガバナンス( ESG )報告要件、特に EU非財務情報開示
(NFR )指令および EUタクソノミーの最新動向に関するものの規制の進展に注意を
払った。
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リスク委員会
リスク委員会は取締役会に対する説明責任を負い、高水準のリ スクに関連する事項およびリスク・ガバナ
ンスに関する監督および 取締役会 への助言という経営執行ではない責任 を取締役会に対して負っている。
リスク委員会は、当行の財務、リスク管理、内部監査およびコンプライアンスの上級管理者ならびに外部
監査人を交えて定期的に会合を開き、リスク報告書、内部監査報告書 および コンプライアンスの有効性な
どを検討している。
リスク委員会は、システム、オペレーショナル・レジリエンスおよび当行の ITインフラの監視を行うこと
に関しても責任を負っており、その任務を遂行する上ではオペレーショナル・レジリエンス・フォーラム
(旧オペレーション・テクノロジー・フォーラム)によるサポートを受けていた。当該フォーラムでは、
重要な ITサービスおよびその他の業務サービス、サイバーセキュリティ、デジタルおよび主要な IT変更プ
ログラムに係るオペレーショナル・レジリエンスに重点が置かれた。 オペレーショナル・レジリエンス・
フォーラム は、行った活動についてリスク委員会に報告した。 オペレーショナル・レジリエンス・フォー
ラム が監督する業務は、 2020 年以降、リスク委員会が直接監視する。
リスク 委員会 が当期中に検討した重要事項には、 IBOR からの 移行に関する当行の取組み、第三者リスク管
理、非財務リスク、英国の EU離脱に向けた準備などがある。
リスク 委員会 は、主要な規制プロセス(銀行の内部の自己資本評価プロセス、内部資本流動性評価プロセ
ス、再建および破綻処理計画、当期中に実施されたストレス・テストの結果、当行の資本および資金調達
計画を含む。)を検証し、これについて意見した。
当期中、リスク 委員会 は、内部監査責任者、最高リスク責任者、最高財務責任者および外部監査人代表者
と、経営陣の出席のない会合を別途開いた。
リスク委員会の現構成員は、エリック・ストラッツ博士(委員長)、デイム・メアリー・マーシュ、大村
由紀子、ジョン・トゥルーマンおよびアンドリュー・ライトである。
リスク委員会は 2019 年に 10回の会合を開いた。
指名・報酬・ガバナンス委員会
指名・報酬・ガバナンス委員会は、(ⅰ)取締役会による取締役候補の選任およびその承認のための取締
役候補の特定および指名のプロセスの主導、(ⅱ) 当行 の特定の子会社の取締役会における一定の役職へ
の選任の承認、(ⅲ)子会社の取締役会の非執行取締役に支払うべき報酬の案の承認、(ⅳ) HSBC グルー
プの報酬方針の実施および適切性の検証ならびに当行シニア・エグゼクティブの報酬の検証(資本要求指
令の目的上の重要なリスクテイカーの特定を含む。)について責任を負っている。
このほかにも、当期中には、取締役会の 多様性に関する方針の承認、個々の取締役の適合性評価に基づく
当行のスキルマトリクスの強化などが行われた。指名・報酬・ガバナンス委員会は、性別、民族、年齢と
の関連を含め、取締役会の構成を検討する際に、方針に定める原則を適用している。取締役会の構成を評
価する際に考慮されるその他の要因には、取締役の学歴および職歴が含まれる。
HSBC グループは、 HSBC グループ内のすべての子会社間においてガバナンスへの一貫した取組みを確保し、
当行と HSBC グループ間の 相互関係および情報のフローを強化することを目的とする、子会社に対する説明
責任の枠組み(以下「 SAF 」という。)を実施した。 SAF は2019 年中に当行子会社に展開された。指名・報
酬・ガバナンス委員会の付託権限は、ガバナンスの監督(地域全体にわたる SAF の実施を含む。)にまで
拡張された。指名・報酬・ガバナンス委員会は、 HSBC グループ委員長フォーラムを通じて取締役および
HSBC グループの双方に進捗状況に関する報告を行っている。現構成員は、スティーブン・オコナー(委員
長)、エリック・ストラッツ、ジョン・トゥルーマンおよびアンドリュー・ライト である 。
指名・報酬・ガバナンス委員会は、 2019 年中に8回の定期会合を開き、さらに4回の特別会合を開催し
て、具体的な事項を検討した。
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執行委員会
執行委員会は定期的に会合を開き、取締役会から直接委譲された権限に基づき全般的な経営委員会として
機能する。同委員会は、当行の経営および日々の運営に関係している限りにおいて、取締役会が随時決定
できる方針および指示に従って、取締役会のあらゆる権能、権限および裁量権を行使する。前最高経営責
任者であるジェームズ・エメットが、 2020 年2月 29日に退任するまで執行委員会の委員長を務め、新最高
経営責任者であるヌノ・マトスが 2020 年3月1日に後任となった。
最高リスク責任者が議長を務める執行委員会のリスク管理定期会議は、当行内のリスクの管理についての
方針および指針の制定、維持管理ならびに定期的な検証を 行う ために開催される。
金融犯罪リスク管理委員会の定期会合は、当行内の金融犯罪リスクを企業全体で効果的に管理するために
開催される。
2019 年度中、執行委員会は、当行の英国の EU離脱に向けた準備の一環として、当行の欧州経済領域 (EEA)
支店を HSBC フランス・エスエーに移管した結果、当行のガバナンスに係る取決めの変更を提案した。その
結果、国際執行委員会と国際危機経営陣会議からなる国際ガバナンス体制の停止が合意された。その結
果、国際ガバナンス体制の消滅に伴い、 HSBC フランス・エスエーに移管された EEA 事業ならびに当行の非
EEA 子会社および支店から構成される国際業務事業のガバナンスの監督責任は、 HSBC フランス・エスエー
の執行委員会が負うことになった。
当社は、 2019 年に EU市場阻害行為規制に基づく義務の履行を支援するため、最高経営責任者の権限の下に
開示委員会を設置した。開示委員会は、最高財務責任者(委員長)、最高リスク責任者、ゼネラルカウン
セル、会社秘書役、債券 IRグローバル責任者で構成されている。
内部統制
取締役会は、リスク管理および内部統制システムの有効性の維持および検証ならびに戦略目標達成のため
に受け入れる意思を有するリスクの合計水準および種類の決定について責任を負う。
この要件を満たし、 FCA ハンドブック及び PRA ハンドブックに基づく義務を履行するため、 不正な使用また
は処分からの資産保全、適切な会計記録の維持および事業用または公表用の財務情報の信頼性と有用性の
確保を目的とした手続が定められている。
これらの手続は、重大な虚偽表示、誤謬、欠損または不正がないことの合理的な確証を示すにすぎない。
かかる手続は、当行グループ内において効果的な内部統制を提供し、英国財務報告評議会が 2014 年に発行
した取締役向けガイダンス、内部統制および関連する財務事業報告に沿うように策定されており、当年度
を通して、かつ 2019 年年次報告書および財務書類の承認日である 2020 年2月 18日まで実施されている。
リスク管理および内部統制に関する主な手続は、以下のとおりである。
・ グローバル方針 :グローバル方針は、他のすべての方針および手続に関する包括的な基準を設定し、
HSBC グループのリスク管理体制の基盤となるものであり、当行の目的、価値観、戦略、リスク管理
に係る原則を周知し、結びつけ、これにより、当行が常に正しいことを行い、顧客や同僚を公平に
扱うための指針となっている。
・ 企業リスク管理の枠組み :企業リスク管理の枠組みは、当行による組織の統治および監督方法ならび
に当社の戦略の遂行に対するリスクの監視および軽減方法について、効果的かつ効率的な手法を提
供する。かかる枠組みは、当行グループのリスク管理に係るすべての実務を一つの構造へ統合する
ためのコア・ガバナンス、基準および原則を網羅することにより、あらゆる種類のリスクに対して
適用されている。
・ 取締役会が設定した限度内の権限の委譲: 取締役会に留保された一定事項の条件に服し、最高経営
責任者は、 HSBC グループの日常業務を管理する上での権限の範囲および能力を委譲されている。関
係する各執行役は、自らが責任を負う事業及び機能の日常業務を管理する上での権限を有する。か
かる個人には、事業または機能に適した統制システムの確立に関する重大な監督責任の明確かつ適
切な分担の維持が求められる。 信用エクスポージャーおよび市場リスク・エクスポージャーを取る
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権限は、 HSBC グループ会社のライン・マネジメントの範囲内で委譲されている。しかしながら、よ
りリスクの高い特性を有する特定の与信の申し込みについては、適切なグローバル機能部門の同意
が必要である。信用および市場リスクは、子会社レベルで測定および報告され、 HSBC グループ全体
のリスク集中分析のために合算される。
・ リスクの検出およびモニタリング: HSBCグループが直面する重大なリスクであって全社的リスクの
枠組みに定められるものの種類を検出、評価、統制 および 監視するシステムや手続が定められてい
る。 HSBC グループのリスク測定および報告 制度は、重要なリスクが、十分な根拠に基づく意思決定
を支えるために必要なすべての属性で捕捉されること、当該属性が正確に評価されることならびに
当該リスクが成功裏に管理および軽減されるために適時の情報提供がなされることを確保するよ
う、策定されている。
・ 市場の状況や慣習の変化: 市場の状況や慣習または顧客行動の変化から生じ、当行グループの損失
リスクを高めか ねない、または評判を損ないかねない新たなリスクを検出するため、プロセスが定
められている。当行グループは、主要リスクと新興 リスク のための枠組みを採用しており、これに
より、現在のリスクと将来的なリスクのすべてをカバーし、その実現を阻止しまたはこれらの影響
を制限する措置を取ることを可能としている。
・ リスク管理の責任: 3つの防衛線モデルの一環として、すべての従業員は、自己の役割の範囲内に
あるリスクを特定し管理する責任を負う。かかるモデルは、管理責任ならびにリスク管理および統
制環境に対する責任を明確にするための活動基準のモデルである。第二の防衛線は、特定の分野の
管理を目的とする方針および指針を定め、当該リスクに関する助言および指針を提供し、効率的な
リスク管理について第一の防衛線(リスク所有者)に対して問題提起を行う。
・ 取締役会は、内部告発者の懸念を把握して対応するための HSBC グループの方針および手続の実施監
督を監査委員会に委任し、内部告発者に関する秘密 保持 、保護および公正な取扱いの確保ならびに
当該方針の運用から生じる報告書の受領を行うとともに、 独立 調査のための取決めの実施を確保し
ている。
・ 戦略計画 :HSBC グループの全体的な戦略の枠組みの範囲内で、グローバル事業部門、グローバル機
能部門および地域向けの戦略計画が定期的に作成されている。 当行はまた、年次営業計画を作成
し、採択している。この年次営業計画は、当行グループが戦略の 実行 にあたって 負担する意思があ
るリスクの種類と数量を表示しているリスク選好度の詳細な分析情報に基づくもので、重要な事業
上の取組みおよびこれらの取組みから予想される財務的影響を提示している。
・ 当行グループのリスク管理および内部統制の有効性は、取締役会、リスク委員会および監査委員会
によって定期的に検証されている。
・ 2019 年、 HSBC グループは引き続き、オペレーショナル・レジリエンスに重点を置き、非財務リスク
のインフラ構築への投資を行った 。特に重大なリスクおよび新興リスクに重点を置き、 エンドツー
エンド型リスク評価プロセスおよびリスク統制評価プロセスに 大きな進展が見られた。リスク委員
会および監査委員会は、経営幹部が当行グループの統制の枠組みの運用を通じて、特定した欠陥や
弱点に対する是正措置が実行されたこと、または実行中であることを確認した。
財務報告に関する内部統制
財務報告に係るリスク管理および内部統制に 関する 主要な手続は、以下のとおりである。
・ 企業レベルの統制 :リスク管理および内部統制システムの快適性の実現のための主なメカニズムは、
企業レベルの統制(以下「 ELC 」という。)の有効性評価ならびにリスク管理およびリスク・ガバナ
ンスに係る様々なフォーラムの場を通じた、リスクおよび統制上の問題の定期的な報告によるもの
であった。 ELC は、企業全体に広範な影響力を有する内部統制である。 ELC には、当行の価値観およ
び倫理観、効果的なリスク管理の推進、取締役会および非執行委員会が行う包括的なガバナンスな
ど、統制環境に関する統制が含まれる。 ELC の設計および運用上の有効性は、財務報告に係る内部統
制の有効性評価の一環として毎年評価される。
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・ プロセス・レベルでの取引統制 :財務上の虚偽記載リスクを軽減するプロセス・レベルでの重要な
統制は、リスクに関する枠組みに従って特定、記録および監視される。これには、統制にまつわる
問題(その是正を通じてアクション・プランの追跡が行われる)の特定および評価が含まれる。リ
スク管理に対する当行グループのアプローチについては、事業等「第3 -2 事業等のリスク」に詳
述される。監査委員会は、エンドツーエンド型の業務プロセスの効果的な監視を改善するために
HSBC グループが行っている活動についての定期的な最新情報を継続的に受領しており、経営陣は、
自動化技術の活用などを通じて、主要な統制を強化する機会を引き続き特定している。
・ 外部報告フォーラム は、重大な誤謬、虚偽表示または脱漏がないか、当行による財務報告の開示を
検証する。開示の完全性は、財務報告の厳格な分析的検証および適切な会計記録の維持を補佐する
当行グループの財務機能部門およびリスク管理機能部門内の構造およびプロセスにより下支えされ
ている。
・ 開示委員会 :上述の「執行委員会」にあるとおり、開示委員会は、 EU市場阻害行為規制に基づく報告
義務のコンプライアンスを確保するために、当行の外部報告義務を検討する。
・ 財務報告 :当行グループの財務報告プロセスは、会計方針書および報告書様式を用いることで統制
されており、各報告期間末の前に、当行グループ内の全報告主体に向けて報告要件に関する詳しい
指示およびガイダンスを発表することにより支えられている。各報告企業からの財務情報の提出
は、子会社およびグループ・レベルでの信頼のできる財務責任者による証明と、分析的なレビュー
手続によって支えられている。
・ 子会社による証明 :主要な重要子会社のそれぞれの監査委員会、リスク委員会および報酬委員会
が、グループ監査委員会およびグループ・リスク委員会に対しては毎年および半期ごとに、指名・
報酬・ガバナンス委員会( NRGC )に対しては 毎年 、証明書を交付し、特に、以下の事項について確
認をする。
-監査 - 当該子会社の財務書類が当行 グループ の方針に準拠して作成され、当該子会社の財政状
態を公正に表示しており、かつ、継続事業の前提を基礎としてなされたか。
-リスク - 当該子会社のリスク委員会は、 HSBC グループのエンタープライズ・リスク管理の枠組み
と整合および合致する監督活動を行っているか。
-報酬 - 当該子会社の報酬委員会は、 HSBC グループのグループ報酬方針の実施と運用を監督する
義務を履行しているか。
(2)【役員の状況】
①取締役およびシニア・エグゼクティブの主要略歴ならびにその各々による当行株式の保有数
本書提出日現在において、当行の取締役(各々の勤務地は、 E14 5HQ ロンドン市 カナダ ・スクエア8 )、各々
のHSBC グループに関連する職務および HSBC グループにとって重要性をもつ各々の主要な外部活動 (ある場合 )
は以下のとおりである(男性6名、女性2名-女性の比率: 25%)。
所有株式
役職名 生年月日 主要略歴 任期 の種類
氏名
及び数
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2018 年5月に取締役に選任。 2018
年8月より議長。
クアンタイル・テクノロジーズ・
リミテッドの会長兼創始者、ロン
ドン証券取引所グループの非執行
取締役、リスク委員会委員長なら
びに監査委員会および指名委員会
委員。 FICC マーケッツ・スタン
ダーズの取締役会における非執行
1961 年
スティーブン ・
会長 取締役も務める。ロンドンおよび 3年 0
12月27日
オコナー
ニューヨークにおける 25年超の投
資銀行業務の経験を有する。
過去には、国際スワップ・デリバ
ティブズ協会( ISDA )の会長を務
め、それ以前にはモルガン・スタ
ンレーのマネージング・ディレク
ターおよびフィクスト・インカム
業務管理委員会委員を歴任。
2020 年3月に取締役および最高経
営責任者に選任。
それ以前は、 HSBC メキシコの最高
経営責任者、中南米における RBWM
自動
最高経営責任者 の地域責任者および HSBC ホール
1967 年
ヌノ・マトス 更新
0
12月1日
兼執行取締役 ディングス・ピーエルシーのリ
契約
テール・ビジネス・バンキングの
グローバル責任者を務め、また、
サンタンデール・グループにおい
て様々な職務を歴任した。
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2018 年8月に取締役兼最高財務責
任者に選任。
HSBC グループの欧州での事業およ
び業務運営の支援および管理にお
いて、財務部門を率いている。そ
れ以前は、 HSBC バンク・カナダの
最高財務責任者を 2012 年7月から
自動
ジャック・
最高財務責任者
1967 年
2018 年8月までの間務めた。 更新 0
8月 19日
兼執行取締役
フルーラン
契約
2000 年にトロントにおいて HSBC グ
ループに入行。当行のファイナン
スおよびオペレーションに係る上
級職を歴任。それ以前は、メリル
リンチおよびカナダ歳入庁で上級
職を務めた。
2009 年1月に取締役に選任。英国
小児科医師会の理事会の非執行会
長、ロンドン交響楽団の取締役、
ロンドン・ビジネススクールの理
事会メンバーおよびティーチ・
デイム・
独立非執行
1946 年
メアリー・ ファーストの理事。過去には、ク 1年 0
8月 17日
取締役
マーシュ
ロア・ソーシャル・リーダーシッ
プ・プログラムの創設時理事およ
び国家児童虐待防止協会のチー
フ・エグゼクティブを歴任。
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2018 年5月に取締役に選任。
プライベート・インフラストラク
チャー・ディベロプメント・グ
ループ・リミテッド( PIDG )の非
執行取締役および PIDG 子会社であ
るGuarantCo Limited の議長を務
める。また、アシュアード・ギャ
ランティ株式会社の非執行取締役
および西本 Wismettac ホールディ
ングス株式会社の監査委員会委員
独立非執行
1955 年
大村由紀子 3年 0
を務めている。官民金融セクター
7月4日
取締役
において 35年超の国際的な専門職
経験を有しており、 JPモルガン、
リーマン・ブラザーズ、 UBS およ
びドレスナー銀行の上級職を務め
ている。過去には、国際農業開発
基金の事務次官および COO /副総
裁ならびに世界銀行グループの多
数国間投資保証機関のエグゼク
ティブ・バイス・プレジデントお
よび長官( CEO )を歴任。
2016 年10月に取締役に選任。
HSBC ジャーマニーの監査役会役員
およびリスク・監査委員会委員
長、パートナーズ・グループ・
ホールディング・アーゲーの副会
長、主席独立取締役およびリス
ク・監査委員会委員長、グローバ
ル・ブルー・エス・アーの取締役
会メンバーおよび監査委員会委員
長ならびにルクセンブルグ・イン
エリック・ 独立非執行
1964 年
ベストメント・カンパニー 261 エ
3年 0
12月13日
ストラッツ博士 取締役
ス・アー・エール・エルの諮問委
員会委員および監査・リスク委員
会委員長である。過去には、コメ
ルツ銀行グループ最高財務責任
者、ボストン・コンサルティン
グ・グループのパートナーおよび
取締役ならびに Mediobanca Banca
di Credito Finanziario SpA の非
執行取締役を歴任。
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2004年9月に取締役に選任。2013
年12月より会長代理。
HSBC グローバル・アセット・マネ
1943 年
ジョン ・ 会長代理兼 独立 ジメント・リミテッド会長を務め
1年 0
トゥルーマン 非執行取締役 る。元 SGウォーバーグ・アンド・
2月 14日
カンパニー・リミテッドの副会
長。
2018 年5月に取締役に選任。
2012 年5月から 2019 年6月までの
間、英国皇太子およびコーン
ウォール公爵夫人担当の出納役を
務める。過去には、ユービーエ
ス・エージーの投資銀行グローバ
アンドリュー・
独立非執行取締 1960 年 ル最高財務責任者、リーマン・ブ
3年 0
5月9日
役 ラザーズの欧州・中東地域におけ
ライト
る最高財務責任者ならびにドイツ
銀行のプライベート・クライアン
ト部門およびアセット・マネジメ
ント部門の最高財務責任者を歴
任。
②取締役の報酬
当行取締役の 2019 年の報酬の詳細は、会社法に従い、下記「第6 -1 財務書類-財務諸表注記 」の注記5「従
業員報酬および給付-役員報酬」で開示 されて いる。
非執行取締役は、当行と役務提供契約を締結していないが、任命書(レター・オブ・アポイントメント)に
より拘束される。非執行取締役の任命書(レター・オブ・アポイントメント)においては、支払われるべき
報酬または失職に係る支払いのほか、支払義務が生じることはない。
(3)【監査の状況】
①監査役監査の状況
上記「第5-3 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 -監査委員会」を参照のこと。
②内部監査の状況
当行の内部監査は、当行の最終親会社である HSBC ホールディングス・ピーエルシーのレベルで実施される。
よって、以下の項では、 HSBC ホールディングス・ピーエルシーが運営する内部監査機能部門について記載さ
れている。
グローバル内部監査機能部門の主要な役割は、取締役会および経営陣が HSBC グループの資産、評判および持
続可能性を保護できるよう支援することである。グローバル内部監査は、最も重要なリスク分野を優先的
に、 HSBC グループのガバナンス、リスク管理および統制の枠組みならびにプロセスに係る設定と運用の有効
性について独立的かつ客観的な保証を与えることで、これを実行している。
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グローバル内部監査が、独立した客観的な姿勢を保つことにより客観的な監査を提供する能力を有するため
には、日常のライン・マネジメントに係る責任からの独立性が不可欠である。グローバル内部監査は、監査
に係る選定、範囲、手続、頻度、時期または内部監査報告書の内容に関する事項を含め、組織内のどの要素
からも干渉を受けることはない。グローバル内部監査は、内部監査人協会の必須のガイダンスを遵守してい
る。
グループ内部監査責任者は、グループ監査委員会(以下「グループ監査委員会」という。)の委員長に対し
て報告を行っており、両者の間で頻繁に会合を開いている。監査業務の結果は、当グループの全体的なガバ
ナンス、リスク管理および統制の枠組みならびにプロセスの評価とともに、適宜、グループ監査委員会、グ
ループ・リスク委員会および各地域の監査およびリスク委員会に定期的に報告される。かかる報告には、監
査業務、事業ならびに規制上の動向を通じて特定された重要なテーマに焦点を当てた、新興リスク及び潜在
リスクに関する独立した見解とともに、監査対象の詳細が含まれる。
監査は、手続と統制、リスク管理の枠組み、重大な変化に対する取組みについての業務監査および機能監査
ならびに規制当局による監査、調査および特別検証を合わせることによって達成される。 2019 年の監査対象
となる主要な分野は、健全性、オペレーショナル・レジリエンス、行動および企業文化、金融犯罪および規
制の遵守ならびにデータの管理およびガバナンスであった。経営幹部は、グローバル内部監査機能部門に
よって提起された問題が、適切かつ合意された期限内で確実に対処されるよう取り計らう責任を負う。この
確認は、リスクに基づいて問題解決について検証するグローバル内部監査に提供されなければならない。
去年と同様に、 2020 年の監査計画プロセスには、 HSBC グループを代表する監査組織全体の統制環境に内在す
るリスクおよび強度の評価が含まれる。かかる評価の結果は、特定されたテーマが計画において確実に対処
されるよう、リスク分類ごとにリスク・テーマのトップダウン分析と組み合わされる。 2020 年の監査業務に
おけるリスクに係るテーマ分類には、戦略、ガバナンスおよび企業文化、金融犯罪、行動およびコンプライ
アンス、財務上の回復力、オペレーショナル・レジリエンスが含まれる。 2020 年中、主要なリスクに係る
テーマに関する四半期評価がテーマ別報告および計画のアップデートの基盤となり、最終的には 2021 年度の
計画手続を推進することになる。年次監査計画および重要な計画のアップデートは、グループ監査委員会の
承認を受けている。グループ監査委員会は、グローバル内部監査機能部門の有効性が十分であると考えてい
る。ジョナサン・カルバート・デイビス氏のグループ内部監査責任者への任命にあたり、グループ監査委員
会は同氏の HSBC グループへの参加および同氏が PwC の元パートナーであることを踏まえた同氏の独立性を検討
し、これらを承認した。
グローバル内部監査は、 HSBC グループの外部監査人である PwC と緊密に連携している。外部監査人は、グロー
バル内部監査の業務および結果について報告を受け、すべての内部監査報告書とその裏付けとなる記録を自
由に入手できる。
③会計監査の状況
(ⅰ)監査人に係る事項
プライスウォーターハウスクーパース・エルエルピー(以下「 PwC 」という。)が当行の外部監査人を務め
る。 PwC は、その任を継続する意思を示し、取締役会は、 PwC が当行の監査人として再任されることを推奨し
た。 PwC を当行の監査人として再任し、その報酬を決定する権限を監査委員会に付与する議案が、年次株主総
会に付議され、可決された。
監査人の名称
プライスウォーターハウスクーパース・エルエルピー
継続監査期間
5年間
業務を執行した公認会計士の氏名
クレア・サンフォード
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監査業務に係る補助者の構成
監査チームは、慣習上妥当な補助者の構成を有している。
(ⅱ)監査人の選定理由
2013 年8月2日に、当行の最終親会社である HSBC ホールディングス・ピーエルシーは、 2015 年12月31日に終
了する事業年度の監査人として、プライスウォーターハウスクーパース・エルエルピーを選定する予定であ
ることを発表し、当該発表後、競争入札プロセスが実施された。これに従い、当行の監査人も 2015 年3月 31
日に変更された。
(ⅲ)監査人の選定方針
外部監査人の選任は、当行の最終親会社である HSBC ホールディングス・ピーエルシーのレベルで行われる。
したがって、以下の項では、 HSBC ホールディングス・ピーエルシーの社外監査人の選任に関する方針につい
て記載されている。
HSBC グループの外部監査人は PwC であり、5年間にわたって任期を継続している。上級監査パートナーは、
ローテーションにより、 2019 年はスコット・ベリーマンが務めることとなり、グループ監査委員会は移行に
ついて監督を行った。グループ監査委員会では、外部監査人の年次監査に係る方針、戦略およびその調査結
果を検討した。 2019 年には、監査人の独立性および監査の質を評価し、各事業拠点の監査パートナーとグ
ループ監査委員との定例会合が日常的に開かれた。
グループ監査委員会は、 HSBC グループおよびその主要な子会社の監査パートナーのローテーションおよび継
承に関わっている。グループ監査委員会は、外部監査人の従業員または元従業員の雇用に関する方針を監視
しており、これには当該方針の違反に関する監視も含まれる。外部監査人はすべての委員会会合に出席し、
グループ監査委員会議長は、年間を通じて監査パートナーと定期的に連絡を取っている。当期中、グループ
監査委員会院長および上級監査パートナーは規制当局とも共同で会合を行った。
当期中、グループ監査委員会は、 PwC のHSBC グループの外部監査人としての有効性を、全体的な監査プロセ
ス、その有効性およびアウトプットの質に重きを置いたアンケート調査を用いて評価した。
グループ監査委員会はまた、自ら特定しまたは PwC により報告された、独立性に対する潜在的な脅威を評価し
た。グループ監査委員会は、 PwC が独立性を有すると判断し、 PwC は、職業倫理規範に従い、 2019 年度に係る
その独立性に関する確認書をグループ監査委員会に対して提出した。
グループ監査委員会は、自らが財務諸表に関する競争・市場庁命令の規定を遵守していることを確認してい
る。グループ監査委員会は、英国コーポレート・ガバナンス・コードに含まれる監査入札に関する規定なら
びに監査人の強制ローテーション および 強制入札に関する欧州規則を認識している。 HSBC グループは 2015 年
1月1日より PwC を任命していることから、当該要件に従い、 2025 年度事業年度末以降の監査のために入札を
行うことが求められる。
グループ監査委員会は、外部監査に関する再入札を、 PwC による最初の5年間のローテーションの終了後に行
うことは適切ではない、と考えた。世界有数の 国際 金融サービス企業であることから、新たな外部監査人が
HSBC グループの事業に対する理解を深めるまでには時間を要すると思われる。 HSBC グループは、重要な戦略
変更の時期を迎えており、グループ監査委員会は現在、監査人の度重なる変更は非効率的であり、リスクを
高めることになると考えている。監査人の変更は、財務部門を含め、組織に重大な影響を及ぼすものであ
り、それによる業務運営上の混乱を抑えるように計画されるべきである。
グループ監査委員会は適切なタイミングで、 2025 年の会計年度末に向けた監査入札に関する戦略を検討する
予定である。
以上により、グループ監査委員会は、 PwC の監査人としての再任について、取締役会に対して推薦した。 PwC
の再任および 2020 年の監査報酬に関する決議は、 HSBC ホールディングス・ピーエルシーの 2020 年年次株主総
会において株主に提案された。
(ⅳ)監査報酬の内容等
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下記「第6 -1 財務書類-財務諸表注記 」の注記6「監査人報酬」を参照のこと。
監査人報酬に係る方針については、上記「 (ⅰ)監査人に係る事項」を参照のこと。
(4)【役員の報酬等】
該当なし。
(5)【株式の保有状況】
該当なし。
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第6【経理の状況】
a. 本書に財務書類として記載のエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーおよびその子会社 (当行グ
ループ )の邦文の財務諸表 (邦文の財務諸表 )は、本書記載の 2019 年12月31日に終了した事業年度の原文の
財務諸表 (原文の財務諸表 )を翻訳したものである。本書記載の原文の財務諸表は、当行グループの連結
財務諸表およびエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー (当行 )の個別財務諸表であり、当行グルー
プは、これらを国際会計基準審議会 (IASB) が公表し、欧州連合 (EU) が採用している国際財務報告基準
(IFRS) に準拠して作成している。 2019 年12月31日現在、当行グループへの適用に関して EU承認の IFRS と
IASB 公表の IFRS との間に差異はない。当行グループの財務諸表と共に当行の財務諸表を公表するに当た
り、当行グループは 2006 年会社法第 408 条(3) の免除規定を利用し、財務諸表の一部を形成する個別の損
益計算書、個別の包括利益計算書および関連する注記を表示していない。当行グループの財務諸表の日
本における開示については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」 (昭和 38年大蔵省令第
59号)第131 条第1項の規定が適用されている。
なお、英国 (EU が採用している IFRS) と日本との会計処理の原則および手続並びに表示方法の相違点に
ついては、「4 英国 (EU が採用している IFRS) と日本との会計原則の相違」に記載されている。
b. 原文の財務諸表は、英国における独立監査人であるプライスウォーターハウスクーパース エルエル
ピーの監査を受けており、 2020 年2月 18日付の監査報告書の原文および訳文は本書に掲載されている。
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピーは外国監査法人等 (公認会計士法 (昭和 23年法律
第103 号)第1条の3第7項に規定される外国監査法人等をいう。 )であり、本有価証券報告書に金融商品
取引法第 193 条の2第1項第1号に規定される監査証明に相当すると認められる証明に係る独立監査人の
監査報告書を添付している。
c. 邦文の財務諸表には、原文の財務諸表中のポンド表示の金額のうち主要なものについて円換算額が併記
されている。日本円への換算には、 2020 年4月1日現在の株式会社三菱 UFJ 銀行の対顧客電信直物売買相
場の仲値、 1ポンド= 133.61 円の為替レートが使用されている。 日本円に換算された金額は、百万円単
位で四捨五入されているため、合計欄の数値は必ずしも総数と一致しない。なお、円表示額は単に便宜
上の表示のためだけのものであり、ポンドの金額が上記のレートで円と交換できるか、交換できたとい
うことを意味するものではない。
d. 日本円への換算および「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 英国 (EU が採用している IFRS) と日
本との会計原則の相違」までの事項は原文の財務諸表には記載されておらず、当該事項における原文の財
務諸表への参照事項を除き、上記 b.の監査の対象になっていない。
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1【財務書類】
① 連結損益計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 年 2018 年
注記
百万ポンド 百万円 百万ポンド 百万円
正味受取利息 1,483 198,144 3,660 489,013
1,2
5,504 735,389 7,422 991,653
-受取利息
3
(4,021) (537,246) (3,762) (502,641)
-支払利息
2
正味受取手数料 1,344 179,572 2,044 273,099
-受取手数料
2,590 346,050 3,402 454,541
(1,246) (166,478) (1,358) (181,442)
-支払手数料
トレーディング目的で保有または公正価
3
値ベースで管理する金融商品からの純
2,055 274,569 2,733 365,156
収益
損益を通じて公正価値で測定する保険事
3
業の資産および負債(関連デリバティ 1,288 172,090 (604) (80,700)
ブを含む)からの純収益 /(費用)
指定を受けた負債および関連デリバティ
3
(8) (1,069) 5 668
ブの公正価値の変動
強制的に損益を通じて公正価値で測定す
3
547 73,085 511 68,275
るその他の金融商品の公正価値の変動
金融投資による純収益 38 5,077 12 1,603
正味保険料収入 4 2,147 286,861 2,005 267,888
516 68,943 580 77,494
その他営業収益
営業収益合計
9,410 1,257,270 10,946 1,462,495
正味保険金、支払給付および保険契約準
(3,366) (449,731) (1,478) (197,476)
4
備金の変動
正味営業収益(予想信用損失およびその
6,044 807,539 9,468 1,265,019
7
他の信用減損費用の変動考慮前)
予想信用損失およびその他の信用減損費
(124) (16,568) (159) (21,244)
用の変動
正味営業収益
5,920 790,971 9,309 1,243,775
営業費用合計
(6,782) (906,143) (7,351) (982,167)
-従業員報酬および給付 5
(2,225) (297,282) (2,529) (337,900)
-一般管理費 (3,034) (405,373) (4,501) (601,379)
4
(210) (28,058) (150) (20,042)
-有形固定資産の減価償却および減損
-無形資産の償却および減損 20 (161) (21,511) (171) (22,847)
(1,152) (153,919) - -
-のれんの減損 20
営業(損失)/利益
(862) (115,172) 1,958 261,608
関連会社およびジョイント・ベンチャー
(10) (1,336) 16 2,138
17
における(損失)/利益持分
税引前当期純(損失)/利益
(872) (116,508) 1,974 263,746
5
(119) (15,900) (442) (59,056)
7
法人税費用
当期純(損失)/利益 (991) (132,408) 1,532 204,691
親会社株主に帰属する当期純(損失)/
(1,013) (135,347) 1,506 201,217
利益
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非支配持分に帰属する当期純利益 22 2,939 26 3,474
親会社株主に帰属する非継続事業による
- - 820 109,560
6
当期純利益
1受取利息には、償却原価で測定する金融資産について認識された利息 4,027 百万ポンド( 2018 年: 6,178 百万ポン
ド)、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産について認識された利息 934 百万ポンド( 2018 年: 902
百万ポンド)、減損金融資産について認識された利息 41百万ポンド( 2018 年: 54百万ポンド)が含まれている。
2実効金利法を用いて計算された利息収益は、償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資
産について認識された利息で構成されている。
3支払利息には、公正価値評価の指定を受けた、または強制的に公正価値で測定するトレーディング負債に係る利息
を除く 2,917 百万ポンド( 2018 年: 3,074 百万ポンド)が含まれている。
4使用権資産の減価償却 133 百万ポンド( 2018 年: 0百万ポンド)を含む。使用権資産は、 IFRS 第16号の適用を受け
て、 2019 年1月1日から認識されている。比較数値は、修正再表示されていない。
52019 年以降、その他 Tier1 金融商品に関連する支払に係る税額控除は、 IAS 第12号「法人所得税」の改訂により、損
益計算書に表示される法人税費用として認識されている。過年度においては資本に直接計上されていた。 2019 年の税
額控除は、 40百万ポンド( 2018 年: 48百万ポンド)で、資本への影響はなかった。比較数値は、修正再表示されてい
ない。
6非継続事業による当期純利益は、エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーの当行グループからの分
離により生じた、当行グループの株主に帰属する当期純利益に関連している。 HSBC は、当行グループの RBWM 、CMB お
よび GPB の適格な顧客を HSBC のリングフェンス銀行であるエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーに
移管することにより、 2018 年7月1日に英国のリテール・バンキング業務のリングフェンスを完了した。
7正味営業収益(予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮前)は、収益とも言及される。
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② 連結包括利益計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万円 百万ポンド 百万円
当期純(損失)/利益
(991) (132,408) 1,532 204,691
その他の包括利益/ (損失 )
特定の条件下で損益計算書にその後再分類さ
れる項目 :
その他の包括利益を通じて公正価値で測定す
121 16,167 83 11,090
る負債性金融商品
-公正価値に係る利益
238 31,799 178 23,783
-処分時に損益計算書に振り替えられる公
(39) (5,211) (2) (267)
正価値に係る利益
-損益計算書に認識する予想信用損失 (27) (3,607) (73) (9,754)
(51) (6,814) (20) (2,672)
-法人税
キャッシュ・フロー・ヘッジ 65 8,685 (16) (2,138)
-公正価値に係る利益/(損失)
214 28,593 (159) (21,244)
-損益計算書へ再分類された
(127) (16,968) 157 20,977
公正価値に係る損失/(利益)
(22) (2,939) (14) (1,871)
-法人税
換算差額
(707) (94,462) 100 13,361
損益計算書にその後再分類されない項目 :
12 1,603 171 22,847
確定給付資産/負債の再測定
-法人税引前
(14) (1,871) 255 34,071
26 3,474 (84) (11,223)
-法人税
その他の包括 利益を通じた公正価値評価の指
2 267 36 4,810
定を受けた資本性金融商品
-公正価値に係る利益
2 267 1 134
- - 35 4,676
-法人税
自己信用リスクの変化に起因する当初認識
時に公正価値評価の指定を受けた金融負債 (251) (33,536) 504 67,339
の公正価値の変動
-公正価値に係る利益/(損失)
(386) (51,573) 707 94,462
135 18,037 (203) (27,123)
-法人税
当期その他の包括(損失)/利益(税引後) (758) (101,276) 878 117,310
当期包括(損失)/利益合計 (1,749) (233,684) 2,410 322,000
以下に帰属するもの:
-親会社株主
(1,745) (233,149) 2,387 318,927
(4) (534) 23 3,073
-非支配持分
当期包括(損失)/利益合計 (1,749) (233,684) 2,410 322,000
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③ 連結貸借対照表
12月31日現在
2019 年 2018 年
注記
百万ポンド 百万円 百万ポンド 百万円
資産
現金および中央銀行預け金 51,816 6,923,136 52,013 6,949,457
他行から回収中の項目 707 94,462 839 112,099
トレーディング資産 10 98,249 13,127,049 95,420 12,749,066
公正価値評価の指定を受けた、または
強制的に損益を通じて公正価値で測 13 17,012 2,272,973 17,799 2,378,124
定する金融資産
デリバティブ 14 164,538 21,983,922 144,522 19,309,584
銀行に対する貸付金 11,467 1,532,106 13,628 1,820,837
顧客に対する貸付金 108,391 14,482,122 111,964 14,959,510
売戻契約-非トレーディング目的 85,756 11,457,859 80,102 10,702,428
金融投資 15 46,464 6,208,055 47,272 6,316,012
前払金、未収収益およびその他資産 21 48,939 6,538,740 37,497 5,009,974
当期税金資産 725 96,867 337 45,027
関連会社およびジョイント・ベン
17 437 58,388 399 53,310
チャーにおける持分
のれんおよび無形資産 20 1,582 211,371 2,626 350,860
408 54,513 540 72,149
繰延税金資産 7
資産合計 636,491 85,041,563 604,958 80,828,438
負債および資本
負債
銀行からの預金 23,991 3,205,438 24,532 3,277,721
顧客からの預金 177,236 23,680,502 180,836 24,161,498
買戻契約-非トレーディング目的 49,385 6,598,330 46,583 6,223,955
他行へ送金中の項目 403 53,845 351 46,897
トレーディング負債 22 48,026 6,416,754 49,514 6,615,566
公正価値評価の指定を受けた金融負債 23 41,642 5,563,788 36,922 4,933,148
デリバティブ 14 161,083 21,522,300 139,932 18,696,315
発行済負債証券 25,039 3,345,461 22,721 3,035,753
未払費用、繰延収益およびその他負債 24 50,315 6,722,587 41,036 5,482,820
当期未払税金 106 14,163 128 17,102
保険契約に基づく負債 4 21,509 2,873,817 20,657 2,759,982
引当金 25 540 72,149 538 71,882
繰延税金負債 7 22 2,939 29 3,875
13,182 1,761,247 13,770 1,839,810
劣後債務 26
負債合計 612,479 81,833,319 577,549 77,166,322
資本
23,503 3,140,236 26,878 3,591,170
株主資本合計
-払込済株式資本 29
797 106,487 797 106,487
-その他資本性金融商品 29 3,722 497,296 2,403 321,065
-その他準備金 (5,465) (730,179) (4,971) (664,175)
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24,449 3,266,631 28,649 3,827,793
-利益剰余金
非支配持分 509 68,007 531 70,947
資本合計 24,012 3,208,243 27,409 3,662,116
負債および資本合計 636,491 85,041,563 604,958 80,828,438
105 ページから 165 ページの添付の注記および 20ページから 85ページの「取締役報告書」の監査済セクションは、これら
の財務諸表の不可欠な一部を構成するものである(訳注:ページは原文のページ数である。本書においては、注記は「第
一部 第6経理の状況 1財務書類 財務諸表注記」、また、「取締役報告書」の監査済セクションは「第一部 第3事
業の状況」の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」および「2事業等のリスク」を参照)。
95ページから 104 ページの財務諸表は、 2020 年2月 18日に取締役会により承認され、以下の人物が代表して署名した。
Jフルーラン、取締役
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④ 連結キャッシュ・フロー計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万円 百万ポンド 百万円
税引前当期純(損失)/利益
(872) (116,508) 1,974 263,746
非現金項目の調整
1
1,523 203,488 321 42,889
減価償却、償却および減損
投資活動による純利益 (59) (7,883) (14) (1,871)
関連会社およびジョイント・ベンチャー
10 1,336 (16) (2,138)
における損失/(利益)持分
予想信用損失(回収額控除前)およびそ
130 17,369 220 29,394
の他の信用減損費用の変動
年金を含む引当金 231 30,864 (41) (5,478)
株式報酬費用 88 11,758 99 13,227
税引前当期純利益に含まれるその他非現
(19) (2,539) 40 5,344
金項目
2
4,001 534,574 (2,081) (278,042)
換算差額の消去
(1,840) (245,842) 11,599 1,549,742
営業資産および営業負債の変動
-正味トレーディング有価証券および
(1,310) (175,029) 7,059 943,153
デリバティブの変動
-銀行および 顧客 に対する貸付金の変動 3,441 459,752 (7,220) (964,664)
-売戻契約の変動-非トレーディング
(7,293) (974,418) (21,066) (2,814,628)
目的
-公正価値評価の指定を受けた、 または
強制的に公正価値で測定する金融資産 787 105,151 (2,246) (300,088)
の変動
-その他資産の変動 (12,074) (1,613,207) 10,517 1,405,176
-銀行および顧客からの預金の変動 (4,141) (553,279) (347) (46,363)
-買戻契約の変動-非トレーディング
2,803 374,509 8,807 1,176,703
目的
-発行済負債証券の変動 2,318 309,708 9,435 1,260,610
-公正価値評価の指定を受けた金融負債
4,390 586,548 1,982 264,815
の変動
-その他負債の変動 9,539 1,274,506 5,171 690,897
-確定給付制度に対する拠出額 (13) (1,737) (20) (2,672)
(287) (38,346) (473) (63,198)
-法人税支払額
営業活動による純資金 3,193 426,617 12,101 1,616,815
-金融投資の購入
(26,200) (3,500,582) (29,235) (3,906,088)
-金融投資の売却および満期による収入 24,304 3,247,257 26,937 3,599,053
-有形固定資産の購入および売却による正
(58) (7,749) (111) (14,831)
味キャッシュ・フロー
-無形資産に対する投資純額 (385) (51,440) (433) (57,853)
-関連会社に対する投資ならびに事業およ
(49) (6,547) (227) (30,329)
び子会社の買収による純資金支出
-子会社、事業、関連会社およびジョイン
ト・ベンチャーの処分による正味キャッ
- - (29,371) (3,924,259)
3
シュ・フロー
投資活動による純資金 (2,388) (319,061) (32,440) (4,334,308)
-普通株式資本およびその他資本性金融商
1,319 176,232 818 109,293
品の発行
4
6,736 899,997 12,274 1,639,929
-劣後借入資本発行
145/398
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有価証券報告書
4
(7,100) (948,631) (12,765) (1,705,532)
-劣後借入資本返済
-親会社への配当金 (2,985) (398,826) (13,044) (1,742,809)
-親会社からの資金受取額 - - 3,512 469,238
(17) (2,271) (28) (3,741)
-非支配持分への配当金支払額
財務活動による純資金 (2,047) (273,500) (9,233) (1,233,621)
現金および現金同等物の正味(減少)/増
(1,242) (165,944) (29,572) (3,951,115)
加
現金および現金同等物-1月1日現在
97,058 12,967,919 125,475 16,764,715
(3,478) (464,696) 1,155 154,320
現金および現金同等物に係る換算差額
5、6
92,338 12,337,280 97,058 12,967,919
現金および現金同等物- 12月31日現在
現金および現金同等物の内訳
-現金および中央銀行預け金
51,816 6,923,136 52,013 6,949,457
-他行から回収中の項目 707 94,462 839 112,099
-銀行に対する貸付金(1ヶ月以内) 6,889 920,439 9,107 1,216,786
-銀行との売戻契約(1ヶ月以内) 23,116 3,088,529 24,755 3,307,516
-短期国債、その他手形および預金証書
728 97,268 409 54,646
(3ヶ月未満)
-現金担保および純決済勘定 9,485 1,267,291 10,286 1,374,312
(403) (53,845) (351) (46,897)
-控除:他行へ送金中の項目
5、6
92,338 12,337,280 97,058 12,967,919
現金および現金同等物- 12月31日現在
12019 年期首に IFRS 第16号に基づき認識された使用権資産の影響は、 2018 年には認識されていない。これには、 2019
年におけるのれんの減損 1.2 十億ポンドの影響も含まれている。
2期首残高と期末残高との為替変動を消去して平均レートにするための調整。詳細を特定するには合理的でない費用
が発生することとなるため、調整は項目ごとに行われるものではない。
32018 年に、第7編の資産および負債の移転の一環として受け取った現金または現金同等物はなかった。支配が移転
した子会社およびその他の事業における現金および現金同等物の総額は、 29,410 百万ポンドであった
4当期における劣後債務の変動は、連結キャッシュ・フロー計算書に表示されるとおり、有価証券の発行( 6,736 百万
ポンド( 2018 年: 12,274 百万ポンド))および返済( (7,100) 百万ポンド( 2018 年: (12,765) 百万ポンド))による
キャッシュ・フローに起因している。当期における非現金項目の変動には、為替換算差益/(損)( (281) 百万ポン
ド( 2018 年: 112 百万ポンド))および公正価値に係る利益/(損失)( 82百万ポンド( 2018 年: (132) 百万ポン
ド))が含まれる。
52019 年12月31日現在、当行グループが利用できない現金および現金同等物は 10,533 百万ポンド( 2018 年: 10,478 百
万ポンド)である。このうち、 1,427 百万ポンド( 2018 年: 1,410 百万ポンド)は中央銀行への法定預け金に関連して
いる。
62019 年おいて、 HSBC は契約相手方が銀行である1ヶ月以内の決済勘定を純額ベースで含めている。比較数値は、修
正再表示されており、過年度には現金および現金同等物に含まれていなかったその他の現金同等物も含まれている。
これらの変更による正味影響により、 2018 年において現金および現金同等物が 8.1 十億ポンド増加している。
利息受取額は 7,569 百万ポンド( 2018 年: 8,034 百万ポンド)、利息支払額は 5,804 百万ポンド( 2018 年:
3,177 百万ポンド)、受取配当金は 1,237 百万ポンド( 2018 年: 938 百万ポンド)である。
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⑤ 連結株主資本変動計算書
12月31日に終了した事業年度
その他準備金
払込済
キャッ
FVOCI で
株式資本
グループ
シュ・
その他 測定する
および 再編
フロー・
資本性 金融資産
資本 利益 ヘッジ 為替 準備金 株主資本 非支配 資本
剰余金 金融商品 剰余金 準備金 準備金 準備金 (GRR) 合計 持分 合計
百万ポンド
2019 年1月1日現在 797 2,403 28,649 969 (25) 1,777 (7,692) 26,878 531 27,409
当期純損失
- - (1,013) - - - - (1,013) 22 (991)
その他の包括利益/(損
- - (238) 120 65 (679) - (732) (26) (758)
失)(税引後)
-その他の包括利益を通
じて公正価値で測定す
- - - 118 - - - 118 3 121
る負債性金融商品
-その他の包括利益を通
じた公正価値評価の指
- - - 2 - - - 2 - 2
定を受けた資本性金融
商品
-キャッシュ・フロー・
- - - - 65 - - 65 - 65
ヘッジ
-自己信用リスクの変化
に起因する公正価値評
- - (251) - - - - (251) - (251)
価の指定を受けた金融
1
負債の公正価値の変動
-確定給付資産/負債の
- - 13 - - - - 13 (1) 12
再測定
- - - - - (679) - (679) (28) (707)
-換算差額
当期包括利益/(損失)
- - (1,251) 120 65 (679) - (1,745) (4) (1,749)
合計
2
- 1,319 - - - - - 1,319 - 1,319
当期資本証券発行額
3
- - (2,985) - - - - (2,985) (17) (3,002)
親会社への配当金
移転 - - - - - - - - - -
持分決済型の株式報酬の
- - 16 - - - - 16 - 16
正味影響額
資本拠出 - - - - - - - - -
企業結合における変更お
- - 20 - - - - 20 (1) 19
よびその他の変動額
資本に直入された項目に
- - - - - - - - - -
係る税金
2019 年12月31日現在 797 3,722 24,449 1,089 40 1,098 (7,692) 23,503 509 24,012
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その他準備金
払込済
キャッ
FVOCI で
株式資本
グループ再
シュ・
その他 測定する
および 編
フロー・
資本性 金融資産
資本 利益 ヘッジ 為替 準備金 株主資本 非支配 資本
剰余金 金融商品 剰余金 準備金 準備金 準備金 (GRR) 合計 持分 合計
百万円
2019 年1月1日現在 106,487 321,065 3,827,793 129,468 (3,340) 237,425 (1,027,728) 3,591,170 70,947 3,662,116
当期純損失
- - (135,347) - - - - (135,347) 2,939 (132,408)
その他の包括利益/
- - (31,799) 16,033 8,685 (90,721) - (97,803) (3,474) (101,276)
(損失)(税引後)
-その他の包括利益を
通じて公正価値で測
- - - 15,766 - - - 15,766 401 16,167
定する負債性金融商
品
-その他の包括利益を
通じた公正価値評価
- - - 267 - - - 267 - 267
の指定を受けた資本
性金融商品
-キャッシュ・フ
- - - - 8,685 - - 8,685 - 8,685
ロー・ヘッジ
-自己信用リスクの変
化に起因する公正価
値評価の指定を受け
- - (33,536) - - - - (33,536) - (33,536)
た金融負債の公正価
1
値の変動
-確定給付資産/負債
- - 1,737 - - - - 1,737 (134) 1,603
の再測定
- - - - - (90,721) - (90,721) (3,741) (94,462)
-換算差額
当期包括利益/(損
- - (167,146) 16,033 8,685 (90,721) - (233,149) (534) (233,684)
失)合計
2
- 176,232 - - - - - 176,232 - 176,232
当期資本証券発行額
3
- - (398,826) - - - - (398,826) (2,271) (401,097)
親会社への配当金
移転 - - - - - - - - - -
持分決済型の株式報酬
- - 2,138 - - - - 2,138 - 2,138
の正味影響額
資本拠出 - - - - - - - - -
企業結合における変更
およびその他の変動 - - 2,672 - - - - 2,672 (134) 2,539
額
資本に直入された項目
- - - - - - - - - -
に係る税金
2019 年12月31日現在 106,487 497,296 3,266,631 145,501 5,344 146,704 (1,027,728) 3,140,236 68,007 3,208,243
12019 年12月31日現在、自己信用リスクの変化に起因する公正価値評価の指定を受けた金融負債の公正価値の変動累計額は、 346 百万ポ
ンドの損失であった。 2018 年12月31日現在の変動累計額は 201 百万ポンドの利益であった。
2エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、エイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッドに対して、3つの
その他 Tier 1資本商品を、 2019 年1月に 175 百万ポンド、 2019 年11月に 713 百万ポンド、 2019 年12月に 431 百万ポンド発行した。
3親会社への配当金には、配当金支払額 2,787 百万ポンド、優先株式に係る配当金 51百万ポンド、その他 Tier 1資本商品に係るクーポン
として支払われる配当金 147 百万ポンドが含まれている。
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株式資本
グループ
シュ・
その他 測定する
および 再編
フロー・
資本性 金融資産
資本 利益 ヘッジ 為替 準備金 株主資本 非支配 資本
剰余金 金融商品 剰余金 準備金 準備金 準備金 (GRR) 合計 持分 合計
百万ポンド
2017 年12月31日現在
797 3,781 36,140 1,099 (38) 1,683 - 43,462 587 44,049
- - (283) (249) - - - (532) - (532)
IFRS 第9号への移行の影響
2018 年1月1日現在 797 3,781 35,857 850 (38) 1,683 - 42,930 587 43,517
当期純利益
- - 1,506 - - - - 1,506 26 1,532
その他の包括利益(税引
- - 677 126 (16) 94 - 881 (3) 878
後)
-その他の包括利益を通じ
て公正価値で測定する負
- - - 90 - - - 90 (7) 83
債性金融商品
-その他の包括利益を通じ
た公正価値評価の指定を - - - 36 - - - 36 - 36
受けた資本性金融商品
-キャッシュ・フロー・
- - - - (16) - - (16) - (16)
ヘッジ
-自己信用リスクの変化に
起因する公正価値評価の
- - 504 - - - - 504 - 504
指定を受けた金融負債の
1
公正価値の変動
-確定給付資産/負債の再
- - 173 - - - - 173 (2) 171
2
測定
- - - - - 94 - 94 6 100
-換算差額
当期包括利益合計 - - 2,183 126 (16) 94 - 2,387 23 2,410
3
- 818 - - - - - 818 - 818
当期資本証券発行額
4
- - (13,044) - - - - (13,044) (28) (13,072)
親会社への配当金
5
- (2,196) - - - - - (2,196) - (2,196)
移転
持分決済型の株式報酬の正
- - 17 - - - - 17 - 17
味影響額
6
- - 3,377 - - - - 3,377 - 3,377
資本拠出
企業結合における変更およ
- 218 (3) - - - 215 (51) 164
7
びその他の変動額
資本に直入された項目に係
- - 41 - - - - 41 - 41
る税金
グループ再編準備金
- - - (4) 29 - (7,692) (7,667) - (7,667)
8
(「 GRR」)
2018 年12月31日現在 797 2,403 28,649 969 (25) 1,777 (7,692) 26,878 531 27,409
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その他準備金
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株式資本 グループ
シュ・
その他 測定する
および 再編
フロー・
資本性 金融資産
資本 利益 ヘッジ 為替 準備金 株主資本 非支配 資本
剰余金 金融商品 剰余金 準備金 準備金 準備金 (GRR) 合計 持分 合計
百万円
2017 年12月31日現在
106,487 505,179 4,828,665 146,837 (5,077) 224,866 - 5,806,958 78,429 5,885,387
IFRS 第9号への移行の影
- - (37,812) (33,269) - - - (71,081) - (71,081)
響
2018 年1月1日現在 106,487 505,179 4,790,854 113,569 (5,077) 224,866 - 5,735,877 78,429 5,814,306
当期純利益
- - 201,217 - - - - 201,217 3,474 204,691
その他の包括利益(税引
- - 90,454 16,835 (2,138) 12,559 - 117,710 (401) 117,310
後)
-その他の包括利益を
通じて公正価値で測
- - - 12,025 - - - 12,025 (935) 11,090
定する負債性金融商
品
-その他の包括利益を
通じた公正価値評価
- - - 4,810 - - - 4,810 - 4,810
の指定を受けた資本
性金融商品
-キャッシュ・フ
- - - - (2,138) - - (2,138) - (2,138)
ロー・ヘッジ
-自己信用リスクの変
化に起因する公正価
値評価の指定を受け
- - 67,339 - - - - 67,339 - 67,339
た金融負債の公正価
1
値の変動
-確定給付資産/負債
- - 23,115 - - - - 23,115 (267) 22,847
2
の再測定
- - - - - 12,559 - 12,559 802 13,361
-換算差額
当期包括利益合計 - - 291,671 16,835 (2,138) 12,559 - 318,927 3,073 322,000
3
- 109,293 - - - - - 109,293 - 109,293
当期資本証券発行額
4
- - (1,742,809) - - - - (1,742,809) (3,741) (1,746,550)
親会社への配当金
5
- (293,408) - - - - - (293,408) - (293,408)
移転
持分決済型の株式報酬の
- - 2,271 - - - - 2,271 - 2,271
正味影響額
6
- - 451,201 - - - - 451,201 - 451,201
資本拠出
企業結合における変更お
- 29,127 (401) - - - 28,726 (6,814) 21,912
7
よびその他の変動額
資本に直入された項目に
- - 5,478 - - - - 5,478 - 5,478
係る税金
グループ再編準備金
- - - (534) 3,875 - (1,027,728) (1,024,388) - (1,024,388)
8
(「 GRR」)
2018 年12月31日現在 106,487 321,065 3,827,793 129,468 (3,340) 237,425 (1,027,728) 3,591,170 70,947 3,662,116
12018 年1月1日現在、自己信用リスクの変化に起因する公正価値評価の指定を受けた金融負債の公正価値の変動累計額は、 312 百万ポ
ンドの損失であった。
2エイチエスビーシー・バンク (英国 )年金制度の確定給付年金債務の再測定の結果、数理上の利益が生じた。
3エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、 2018 年3月に、その他 Tier 1資本商品 818 百万ポンドをエイチエスビーシー・ホール
ディングス・ピーエルシーに対して発行した。詳細は注記 29を参照のこと。
4親会社への配当金には、エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーへの配当金 12,000 百万ポンドが含まれ、 2018 年7月
にエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーへの出資に使われた。親会社に支払われた残る 1,044 百万ポンドの詳細は、
注記8を参照のこと。
5エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、 2018 年7月に、 2,196 百万ポンドの2つのその他 Tier 1資本商品をエイチエスビー
シー・ユーケー・バンク・ピーエルシーに移転した。
6エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーは 2018 年3月に、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに、 1,900 百万
ポンドの CET 1資本を投入した。株式資本の新規発行はなかった。エイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッドは
2018 年12月に、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに、 1,477 百万ポンドの CET 1資本を投入した。株式資本の新規発行はな
かった。
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7エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーは、 2018 年1月に、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに、 HSBC イ
ンベストメント・バンク・ホールディングス・リミテッドとその子会社のエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーか
らの取得に関連して 135 百万ポンドを提供した。当該投資のコストと取得純資産との差額は追加資本拠出 102 百万ポンドとして認識さ
れた。
8グループ再編準備金(「 GRR 」) 7,692 百万ポンドは会計処理上の準備金であり、主にのれん( 3,285 百万ポンド)および繰延税金控除
後の年金資産( 4,776 百万ポンド)の認識に関連している。これらはいずれもリングフェンス規制の履行により生じたものである。
GRR は規制上の自己資本を構成しない。
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⑥ 当行貸借対照表
12月31日現在
2019 年 2018 年
注記
百万ポンド 百万円 百万ポンド 百万円
資産
現金および中央銀行預け金 30,149 4,028,208 40,657 5,432,182
他行から回収中の項目 44 5,879 442 59,056
トレーディング資産 10 83,285 11,127,709 77,765 10,390,182
公正価値評価の指定を受けた、または
強制的に損益を通じて公正価値で測 3,129 418,066 5,745 767,589
定する金融資産
デリバティブ 14 152,496 20,374,991 139,229 18,602,387
銀行に対する貸付金 9,522 1,272,234 12,686 1,694,976
顧客に対する貸付金 49,926 6,670,613 58,783 7,853,997
売戻契約-非トレーディング目的 50,736 6,778,837 56,495 7,548,297
金融投資 15 26,561 3,548,815 26,699 3,567,253
前払金、未収収益およびその他資産 21 37,322 4,986,592 30,488 4,073,502
当期税金資産 683 91,256 278 37,144
子会社への投資 18 6,025 805,000 7,215 963,996
のれんおよび無形資産 20 535 71,481 500 66,805
327 43,690 447 59,724
繰延税金資産 7
資産合計 450,740 60,223,371 457,429 61,117,089
負債および資本
負債
銀行からの預金 16,356 2,185,325 18,148 2,424,754
顧客からの預金 109,040 14,568,834 125,871 16,817,624
買戻契約-非トレーディング目的 36,327 4,853,650 35,693 4,768,942
他行へ送金中の項目 44 5,879 83 11,090
トレーディング負債 22 27,014 3,609,341 27,301 3,647,687
公正価値評価の指定を受けた金融負債 23 24,663 3,295,223 22,931 3,063,811
デリバティブ 14 149,607 19,988,991 135,307 18,078,368
発行済負債証券 15,038 2,009,227 19,085 2,549,947
未払費用、繰延収益およびその他負債 24 40,165 5,366,446 35,150 4,696,392
当期未払税金 19 2,539 40 5,344
引当金 25 308 41,152 400 53,444
繰延税金負債 7 2 267 2 267
12,783 1,707,937 13,323 1,780,086
劣後債務 26
負債合計 431,366 57,634,811 433,334 57,897,756
資本
払込済株式資本 29 797 106,487 797 106,487
その他資本性金融商品 29 3,722 497,296 2,403 321,065
その他準備金 (5,021) (670,856) (5,138) (686,488)
19,876 2,655,632 26,033 3,478,269
利益剰余金
資本合計 19,374 2,588,560 24,095 3,219,333
負債および資本合計 450,740 60,223,371 457,429 61,117,089
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税引後当期純損失は (3,064) 百万ポンド( 2018 年:税引後当期純利益 1,411 百万ポンド)であり、当行の HSBC フランスに
対する投資の減損を含む(注記 18を参照)。
2019 年第1四半期に、ベルギー、オランダ、スペイン、イタリア、アイルランド、ルクセンブルグおよびチェコ共和国
におけるエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの支店の業務は、 HSBC フランスに移管された。
105 ページから 165 ページの添付の注記ならびに 20ページから 85ページの「取締役報告書」の監査済セクションは、これ
らの財務諸表の不可欠な一部を構成するものである(訳注:ページは原文のページ数である。本書においては、注記は
「第一部 第6経理の状況 1財務書類 財務諸表注記」、また「取締役報告書」の監査済セクションは「第一部 第3
事業の状況」の「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」および「2事業等のリスク」を参照)。
95ページから 104 ページの財務諸表は、 2020 年2月 18日に取締役会により承認され、以下の人物が代表して署名した。
Jフルーラン、取締役
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⑦ 当行キャッシュ・フロー計算書
12月31日に終了した事業年度
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万円 百万ポンド 百万円
税引前当期純(損失)/利益
(3,070) (410,183) 1,699 227,003
非現金項目の調整
有形固定資産、使用権資産および無形
資産の減価償却、償却および減損
265 35,407 238 31,799
1
2
3,110 415,527 (24) (3,207)
投資活動による純損失/(利益)
予想信用損失(回収額控除前)および
1 134 294 39,281
その他の信用減損費用の変動
年金を含む引当金 96 12,827 (113) (15,098)
株式報酬費用 64 8,551 74 9,887
税引前当期純利益に含まれるその他非現
46 6,146 25 3,340
金項目
3
1,584 211,638 (1,577) (210,703)
換算差額の消去
(19,282) (2,576,268) 12,938 1,728,646
営業資産および営業負債の変動
-正味トレーディング有価証券および
(4,801) (641,462) 8,577 1,145,973
デリバティブの変動
-銀行および 顧客 に対する貸付金の変動 (1,801) (240,632) (3,176) (424,345)
-売戻契約の変動-非トレーディング
(1,004) (134,144) (14,306) (1,911,425)
目的
-公正価値評価の指定を受けた、 または
強制的に公正価値で測定する金融資産 2,616 349,524 (2,032) (271,496)
の変動
4
(9,073) (1,212,244) 7,126 952,105
-その他資産の変動
-銀行および顧客からの預金の変動 (7,365) (984,038) (220) (29,394)
-買戻契約の変動-非トレーディング
634 84,709 472 63,064
目的
-発行済負債証券の変動 (4,047) (540,720) 12,977 1,733,857
-公正価値評価の指定を受けた金融負債
1,544 206,294 (2,183) (291,671)
の変動
-その他負債の変動 4,210 562,498 6,095 814,353
-確定給付制度に対する拠出額 (13) (1,737) (20) (2,672)
(182) (24,317) (372) (49,703)
-法人税支払額
営業活動による純資金 (17,186) (2,296,221) 13,554 1,810,950
-金融投資の購入
(18,878) (2,522,290) (23,545) (3,145,847)
-金融投資の売却および満期による収入 18,781 2,509,329 17,303 2,311,854
-有形固定資産の購入および売却による正
(24) (3,207) (75) (10,021)
味キャッシュ・フロー
-無形資産に対する投資純額 (190) (25,386) (295) (39,415)
-子会社、事業、関連会社およびジョイン
(17) (2,271) (29,246) (3,907,558)
ト・ベンチャーの処分による正味キャッ
シュ・フロー
投資活動による純資金 (328) (43,824) (35,858) (4,790,987)
-普通株式資本およびその他資本性金融商
1,319 176,232 818 109,293
品の発行
5
6,740 900,531 12,274 1,639,929
-劣後借入資本発行
5
(7,076) (945,424) (12,726) (1,700,321)
-劣後借入資本返済
-親会社からの資金受取額 - - 3,512 469,238
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(2,985) (398,826) (13,044) (1,742,809)
-親会社への配当金
財務活動による純資金 (2,002) (267,487) (9,166) (1,224,669)
現金および現金同等物の正味(減少)/増
(19,516) (2,607,533) (31,470) (4,204,707)
加
現金および現金同等物-1月1日現在 72,296 9,659,469 102,950 13,755,150
(1,545) (206,427) 816 109,026
現金および現金同等物に係る換算差額
6
51,235 6,845,508 72,296 9,659,469
現金および現金同等物- 12月31日現在
現金および現金同等物の内訳:
-現金および中央銀行預け金
30,149 4,028,208 40,657 5,432,182
-他行から回収中の項目 44 5,879 442 59,056
-銀行に対する貸付金(1ヶ月以内) 4,549 607,792 8,023 1,071,953
-銀行との売戻契約(1ヶ月以内) 9,267 1,238,164 15,520 2,073,627
-短期国債、その他手形および預金証書
346 46,229 223 29,795
(3ヶ月未満)
-現金担保および純決済勘定 6,924 925,116 7,514 1,003,946
(44) (5,879) (83) (11,090)
-控除:他行へ送金中の項目
6
51,235 6,845,508 72,296 9,659,469
現金および現金同等物- 12月31日現在
12018 年には、 2019 年以降 IFRS 第16号に基づいて認識される使用権資産の影響は含まれていない。
2子会社である HSBC フランスに対する投資の減損を含む(注記 18を参照)。
3期首残高と期末残高との為替変動を消去して平均レートにするための調整。詳細を特定するには合理的でない費用
が発生することとなるため、調整は項目ごとに行われるものではない。
4子会社に対する追加投資 1,949 百万ポンド( 2018 年: 436 百万ポンド)を含む。
5当期における劣後債務の変動は、当行キャッシュ・フロー計算書に表示されるとおり、有価証券の発行( 6,740 百万
ポンド( 2018 年: 12,274 百万ポンド))および返済( (7,076) 百万ポンド( 2018 年: (12,726) 百万ポンド))による
キャッシュ・フローに起因している。当期における非現金項目の変動には、為替換算差益/(損)( (259) 百万ポン
ド( 2018 年: 108 百万ポンド))および公正価値に係る利益/(損失)( 82百万ポンド( 2017 年: (150) 百万ポン
ド))が含まれる。
62019 年において、 HSBC は契約相手方が銀行である1ヶ月以内の決済勘定を純額ベースで含めている。比較数値は、
修正再表示されており、過年度には現金および現金同等物に含まれていなかったその他の現金同等物も含まれてい
る。これらの変更による正味影響により、 2018 年において現金および現金同等物が 11.8 十億ポンド増加している。
利息受取額は 5,352 百万ポンド( 2018 年: 6,328 百万ポンド)、利息支払額は 4,679 百万ポンド( 2018 年:
2,304 百万ポンド)、受取配当金は 1,197 百万ポンド( 2018 年: 905 百万ポンド)である。
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⑧ 当行株主資本変動計算書
12月31日に終了した事業年度
その他準備金
払込済
キャッ
FVOCI で
グループ
シュ・
株式資本
測定する
および 再編
フロー・
その他
資本 利益 株主資本
金融資産
資本性
ヘッジ 為替 準備金
剰余金 金融商品 剰余金 合計
準備金 準備金 準備金 (「 GRR」)
百万ポンド
2019 年1月1日現在 797 2,403 26,033 77 (47) 80 (5,248) 24,095
当期純損失
- - (3,064) - - - - (3,064)
- - (122) 105 15 (3) - (5)
その他の包括利益/(損失)(税引後)
-その他の包括利益を通じて公正価値で
- - - 105 - - - 105
測定する負債性金融商品
-その他の包括利益を通じた公正価値評
- - - - - - - -
価の指定を受けた資本性金融商品
-キャッシュ・フロー・ヘッジ - - - - 15 - - 15
-自己信用リスクの変化に起因する公正
価値評価の指定を受けた金融負債の公
- - (148) - - - - (148)
1
正価値の変動
-確定給付資産/負債の再測定 - - 26 - - - - 26
- - - - - (3) - (3)
-換算差額
当期包括利益/(損失)合計 - - (3,186) 105 15 (3) - (3,069)
2
- 1,319 - - - - - 1,319
当期資本証券発行額
3
- - (2,985) - - - - (2,985)
親会社への配当金
移転 - - - - - - - -
持分決済型の株式報酬の正味影響額 - - - - - - - -
資本拠出 - - - - - - - -
企業結合における変更およびその他の変
- - 14 - - - - 14
動額
- - - - - - - -
資本に直入された項目に係る税金
2019 年12月31日現在 797 3,722 19,876 182 (32) 77 (5,248) 19,374
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12月31日に終了した事業年度
その他準備金
払込済 キャッ
FVOCI で
グループ
株式資本 シュ・
測定する
および 再編
フロー・
その他
資本 利益 株主資本
金融資産
資本性
ヘッジ 為替 準備金
剰余金 金融商品 剰余金 合計
準備金 準備金 準備金 (「 GRR」)
百万円
2019 年1月1日現在 106,487 321,065 3,478,269 10,288 (6,280) 10,689 (701,185) 3,219,333
当期純損失
- - (409,381) - - - - (409,381)
- - (16,300) 14,029 2,004 (401) - (668)
その他の包括利益/(損失)(税引後)
-その他の包括利益を通じて公正価値で
- - - 14,029 - - - 14,029
測定する負債性金融商品
-その他の包括利益を通じた公正価値評
- - - - - - - -
価の指定を受けた資本性金融商品
-キャッシュ・フロー・ヘッジ - - - - 2,004 - - 2,004
-自己信用リスクの変化に起因する公正
価値評価の指定を受けた金融負債の公
- - (19,774) - - - - (19,774)
1
正価値の変動
-確定給付資産/負債の再測定 - - 3,474 - - - - 3,474
- - - - - (401) - (401)
-換算差額
当期包括利益/(損失)合計 - - (425,681) 14,029 2,004 (401) - (410,049)
2
- 176,232 - - - - - 176,232
当期資本証券発行額
3
- - (398,826) - - - - (398,826)
親会社への配当金
移転 - - - - - - - -
持分決済型の株式報酬の正味影響額 - - - - - - - -
資本拠出 - - - - - - - -
企業結合における変更およびその他の変
- - 1,871 - - - - 1,871
動額
- - - - - - - -
資本に直入された項目に係る税金
2019 年12月31日現在 106,487 497,296 2,655,632 24,317 (4,276) 10,288 (701,185) 2,588,560
12019 年12月31日現在、自己信用リスクの変化に起因する公正価値評価の指定を受けた金融負債の公正価値の変動累計額は、 227 百万ポ
ンドの損失であった。 2018 年12月31日現在の変動累計額は 112 百万ポンドの利益であった。
2エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、エイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッドに対して、3つの
その他 Tier 1資本商品を、 2019 年1月に 175 百万ポンド、 2019 年11月に 713 百万ポンド、 2019 年12月に 431 百万ポンド発行した。
3親会社への配当金には、配当金支払額 2,787 百万ポンド、優先株式に係る配当金 51百万ポンド、その他 Tier 1資本商品に係るクーポン
として支払われた配当金 147 百万ポンドが含まれている。
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12月31日に終了した事業年度
その他準備金
払込済 キャッ
FVOCI で
グループ
株式資本 シュ・
測定する
および 再編
フロー・
その他
資本 利益 株主資本
金融資産
資本性
ヘッジ 為替 準備金
剰余金 金融商品 剰余金 合計
準備金 準備金 準備金 (「 GRR」)
百万ポンド
2017 年12月31日現在
797 3,781 33,845 190 (18) 105 - 38,700
- - (227) (163) - - - (390)
IFRS 第9号への移行の影響
2018 年1月1日現在 797 3,781 33,618 27 (18) 105 - 38,310
当期純利益
- - 1,411 - - - - 1,411
- - 543 33 (58) (25) - 493
その他の包括利益(税引後)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測
- - - (3) - - - (3)
定する負債性金融商品
-その他の包括利益を通じた公正価値評価
- - - 36 - - - 36
の指定を受けた資本性金融商品
-キャッシュ・フロー・ヘッジ - - - - (58) - - (58)
-自己信用リスクの変化に起因する公正価
値評価の指定を受けた金融負債の公正価
- - 364 - - - - 364
1
値の変動
2
- - 179 - - - - 179
-確定給付資産/負債の再測定
- - - - - (25) - (25)
-換算差額
当期包括利益合計 - - 1,954 33 (58) (25) - 1,904
3
- 818 0 - - - - 818
当期資本証券発行額
4
- - (13,044) - - - - (13,044)
親会社への配当金
5
- (2,196) 0 - - - - (2,196)
移転
持分決済型の株式報酬の正味影響額 - - 12 - - - - 12
6
- - 3,377 - - - - 3,377
資本拠出
企業結合における変更およびその他の変動
- - 75 21 - - - 96
額
資本に直入された項目に係る税金 - - 41 - - - - 41
7
- - - (4) 29 0 (5,248) (5,223)
グループ再編準備金(「 GRR」)
2018 年12月31日現在 797 2,403 26,033 77 (47) 80 (5,248) 24,095
158/398
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー(E22630)
有価証券報告書
12月31日に終了した事業年度
その他準備金
払込済
キャッ
FVOCI で
グループ
シュ・
株式資本
測定する
および 再編
フロー・
その他
資本 利益 株主資本
金融資産
資本性
ヘッジ 為替 準備金
剰余金 金融商品 剰余金 合計
準備金 準備金 準備金 (「 GRR」)
百万円
2017 年12月31日現在
106,487 505,179 4,522,030 25,386 (2,405) 14,029 - 5,170,707
- - (30,329) (21,778) - - - (52,108)
IFRS 第9号への移行の影響
2018 年1月1日現在 106,487 505,179 4,491,701 3,607 (2,405) 14,029 - 5,118,599
当期純利益
- - 188,524 - - - - 188,524
- - 72,550 4,409 (7,749) (3,340) - 65,870
その他の包括利益(税引後)
-その他の包括利益を通じて公正価値
- - - (401) - - - (401)
で測定する負債性金融商品
-その他の包括利益を通じた公正価値
- - - 4,810 - - - 4,810
評価の指定を受けた資本性金融商品
-キャッシュ・フロー・ヘッジ - - - - (7,749) - - (7,749)
-自己信用リスクの変化に起因する公
正価値評価の指定を受けた金融負債
- - 48,634 - - - - 48,634
1
の公正価値の変動
2
- - 23,916 - - - - 23,916
-確定給付資産/負債の再測定
- - - - - (3,340) - (3,340)
-換算差額
当期包括利益合計 - - 261,074 4,409 (7,749) (3,340) - 254,393
3
- 109,293 0 - - - - 109,293
当期資本証券発行額
4
- - (1,742,809) - - - - (1,742,809)
親会社への配当金
5
- (293,408) 0 - - - - (293,408)
移転
持分決済型の株式報酬の正味影響額 - - 1,603 - - - - 1,603
6
- - 451,201 - - - - 451,201
資本拠出
企業結合における変更およびその他の変
- - 10,021 2,806 - - - 12,827
動額
資本に直入された項目に係る税金 - - 5,478 - - - - 5,478
7
- - - (534) 3,875 0 (701,185) (697,845)
グループ再編準備金(「 GRR」)
2018 年12月31日現在 106,487 321,065 3,478,269 10,288 (6,280) 10,689 (701,185) 3,219,333
12018 年1月1日現在、自己信用リスクの変化に起因する公正価値評価の指定を受けた金融負債の公正価値の変動累計額は、 204 百万ポ
ンドの損失であった。
2エイチエスビーシー・バンク (英国 )年金制度の確定給付年金債務の再測定の結果、数理上の利益が生じた。
3エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、 2018 年3月に、その他 Tier 1資本商品 818 百万ポンドをエイチエスビーシー・ホール
ディングス・ピーエルシーに対して発行した。詳細については注記 29を参照のこと。
4親会社への配当金には、エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーへの配当金 12,000 百万ポンドが含まれ、 2018 年7月
にエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーへの出資に使われた。親会社に支払われた残る 1,044 百万ポンドの詳細は、
注記8を参照のこと。
5エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、 2018 年7月に、 2,196 百万ポンドの2つのその他 Tier 1資本商品をエイチエスビー
シー・ユーケー・バンク・ピーエルシーに移転した。
6エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーは 2018 年3月に、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに、 1,900 百万
ポンドの CET 1資本を投入した。株式資本の新規発行はなかった。エイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッドは
2018 年12月に、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに、 1,477 百万ポンドの CET 1資本を投入した。株式資本の新規発行はな
かった。
7グループ再編準備金(「 GRR 」) 5,248 百万ポンドは会計処理上の準備金であり、主にのれん( 223 百万ポンド)および繰延税金控除後
の年金資産( 4,776 百万ポンド)の認識に関連している。これらはいずれもリングフェンス規制の履行により生じたものである。 GRR
は規制上の自己資本を構成しない。
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財務諸表注記
1 作成の基礎および重要な会計方針
1.1 作成の基礎
(a) 国際財務報告基準への準拠
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー (「当行」 )およびその子会社(あわせて「当行グルー
プ」)の連結財務諸表および当行の個別財務諸表は、国際会計基準審議会(「 IASB 」)が公表し、欧州
連合(「 EU」)が承認している国際財務報告基準(「 IFRS 」)( IFRS 解釈指針委員会が公表した解釈指
針を含む)に準拠して作成されている。「金利指標改革: IFRS 第9号および IAS 第39号「金融商品」の
改訂」が 2020 年1月に承認され、下記のとおり、早期適用されている。そのため、 2019 年12月31日に終
了した事業年度に有効となる連結財務諸表および個別財務諸表に影響を及ぼす未承認の基準はなく、当
行グループによる IFRS の適用に関して IASB 公表の IFRS とEU承認の IFRS との間に差異は生じていない。
2019 年12月31日に終了した事業年度において適用された基準
IFRS 第16号「リース」
2019 年1月1日に、当行グループは IFRS 第16号の規定を遡及適用した。当該基準の初度適用による累
積的影響は、適用日における利益剰余金の期首残高に対する調整として認識された。比較数値は修正再
表示されなかった。当該適用の影響により、当行グループにおける資産が、 0.9 十億ポンド(エイチエ
スビーシー・バンク・ピーエルシーの個別財務諸表においては 0.6 十億ポンド)増加し、金融負債も同
額の増加となり、純資産または利益剰余金への影響はなかった。
IFRS 第16号の適用にあたり、当行グループは、 IAS 第17号「リース」に従って過年度に「オペレー
ティング・リース」として分類されていたリースに関連したリース負債を認識した。これらの負債は、
残りのリース料を 2019 年1月1日現在の借り手の追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定され「そ
の他負債」に認識された。関連する使用権(「 ROU 」)資産は、「その他資産」に認識され、リース負
債と同額で測定されたが、 2018 年12月31日現在の貸借対照表上で認識された前払いまたは未払いリース
料あるいは不利なリースに係る引当金によって調整された。また、当該基準によって認められた以下の
実務上の便益が適用された。
・リースが不利であるか否かについて、過去の評価に依拠した
・2019 年1月1日現在、残存リース期間が 12ヶ月未満のオペレーティング・リースは短期リースとし
て取り扱われた
・当初直接コストは、過去にオペレーティング・リースとして会計処理されたリースの ROU 資産の測
定に含めなかった
IAS 第17号と IFRS 第16号の相違については、以下の表に要約される。
IAS 第17号 IFRS 第16号
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リースは、ファイナンス・ リースは、当該リースの使用を可能にする日において、 ROU 資産および対応する
リースまたはオペレーティ 負債として認識される。リース料は、負債と金融費用に配分される。金融費用
ング・リースに分類され は、リース期間にわたって当該負債の残高に対して毎期一定の率の金利を生じさ
た。オペレーティング・ せるように損益に計上される。 ROU 資産は、 ROU 資産の経済的耐用年数およびリー
リースに基づくリース料 ス期間の短い方にわたって、定額法で減価償却される。
は、リース期間にわたって リース期間を決定するにあたって、当行グループは、5年の計画期間における延
定額法で損益に費用計上さ 長オプションの行使、または解約オプションを行使しないことへの経済的インセ
れた。 ンティブを創出するすべての事実および状況を考慮する。
一般に、リースに含まれる割引率を入手することは出来ないため、借り手の追加
借入利率が使用される。これは、借り手が、類似した経済環境において類似する
価値の資産を入手するために必要な資金の借入を行い、類似期間および条件で支
払わなければならない利子率である。当該利子率は、当行グループが事業を行
なっている経済環境毎に、当行グループの資金調達スプレッド(自己信用スプ
レッド)および適切な場合にはクロス・カレンシー・ベースで各期間毎にスワッ
プ・レートを調整することによって算定される。
金利指標改革: IFRS 第9号および IAS 第39号「金融商品」の改訂
2019 年9月に公表された IFRS 第9号および IAS 第39号の改訂は、特定のヘッジ会計要件を変更してお
り、ヘッジ対象のキャッシュ・フローおよびヘッジ手段のキャッシュ・フローにおいて基準とする金利
指標は、金利指標改革によって変更されないと仮定して企業が当該基準を適用するようにヘッジ会計の
要件を変更している。これらの改訂は、 2019 年12月31日現在において、予想される金利指標の改革後、
または置き換え後の期間において、キャッシュ・フローの変動性または金利リスク・エクスポージャー
をヘッジする特定のヘッジ会計関係が引き続きヘッジ会計に適格であるかを決定するための特定の判断
の必要性を置き換えている。例えば、キャッシュ・フロー・ヘッジについて、当該改訂は、ヘッジ対象
のキャッシュ・フローが基にする、またはヘッジ手段のキャッシュ・フローが基にする金利指標は、金
利指標改革に不確実性が存在しても、文書化されたヘッジ関係の期間にわたって変更されないものと仮
定することを求めている。 IASB は、改革プロセス中および改革の不確実性の解消後のヘッジ会計への影
響に関するさらなるガイダンスを提供する予定である。
これらの改訂は 2020 年1月1日から適用され、早期適用も認められている。当行グループは、 2019 年
1月1日から IAS 第39号に適用される改訂を適用しており、当該改訂が要求する追加開示を行なってい
る。詳細は注記 14に記載されている。
IAS 第12号「法人所得税」およびその他の変更
IAS 第12号の改訂は、年次改善サイクルの一環として 2017 年12月に公表された。この改訂は、企業は
配当金が法人所得税に及ぼす影響を、分配可能な利益を創出した取引または事象の認識と同じ区分で認
識すべきであることを明確にしている。この改訂は、 2019 年1月1日に適用となり、重要な影響はな
かった。比較数値は修正再表示されていない。
また、 HSBC は、当行グループの連結財務諸表および当行の個別財務諸表に重要な影響を与えない複数
の解釈指針および基準の改訂を適用した。
(b) 今後適用される基準
IFRS の軽微な改訂
IASB は、 2020 年1月1日より適用される IFRS の軽微な改訂を多数公表しており、その一部は EUが適用
を承認している。当行グループは、適用した際に当行グループの連結財務諸表および当行の個別財務諸
表に及ぼす影響は重要ではないと予想している。
主な新規 IFRS
IFRS 第17号「保険契約」
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2017 年5月に公表された IFRS 第17号「保険契約」は、企業が発行する保険契約および保有する再保険
契約の会計処理に適用すべき要件について規定している。 IFRS 第17号は現在のところ、 2021 年1月1日
から適用されることになっている。ただし、 IASB は、強制適用日を1年延期することを検討しており、
当該基準に追加的な変更を加える可能性がある。当行グループは現在、 IFRS 第17号の適用準備段階にあ
る。当該基準に関する業界慣行や解釈指針については未だ作業が進められており、基準に変更が生じる
可能性もあることから、当該基準の適用により生じる可能性のある影響は依然として不確実である。
(c) 外貨換算
当行の機能通貨は、当行グループの連結財務諸表の表示通貨と同様の英国ポンドである。
外貨での取引は、取引日の為替レートで計上されている。外貨建ての資産および負債は期末日の為替
レートで換算されているが、取得原価で評価されている非貨幣性資産および負債は、当初の取引日の為
替レートを用いて換算される。換算差額は、関連する項目の損益が認識される項目に応じてその他の包
括利益または損益計算書に含められる。
連結財務諸表上、機能通貨が英国ポンドではない在外営業活動体の資産、負債および損益は、報告日
に当行グループの表示通貨に換算される。その際に生じる換算差額は、その他の包括利益に認識され
る。在外営業活動体の処分時に、過年度にその他の包括利益に認識されていた関連する換算差額は損益
計算書に再分類される。
(d) 情報の表示
IFRS により要求されている一部の開示は、 2019 年年次報告書および財務書類の監査済セクションに以
下のとおり記載されている。
・金融商品および保険契約に関連するリスクの性質および範囲に関する開示は、 20ページから 74ペー
ジ(訳注:原文のページ数である)の「取締役報告書:リスク」に記載されている。
・「自己資本」に関する開示は、 75ページから 76ページ(訳注:原文のページ数である)の「取締役
報告書:資本」に記載されている。
・当行グループの財務諸表とともに親会社の財務諸表を公表するにあたり、当行は 2006 年会社法第 408
条(3) の免除規定を利用し、個別の損益計算書および関連する注記を表示していない。
(e) 重要な会計上の見積りおよび判断
財務情報の作成にあたっては、将来の状況に関する見積りおよび判断が要求される。以下のセクショ
ン1.2 において重要な会計上の見積りおよび判断として着目している項目の認識または測定に固有の不
確実性および高度な主観性があることから、翌事業年度の結果は経営陣の見積りの基礎とされたものと
は異なる可能性があり、その結果、当財務諸表の目的で経営陣が達した見積りおよび判断と大きく異な
ることとなる可能性がある。経営陣により選択された当行グループの会計方針のうち、重要な見積りお
よび判断を含むものは、会計方針が適用されている項目の重要性ならびに高度な判断および見積りの不
確実性の関与を反映している。
(f) セグメント別分析
当行の最高経営意思決定者は、当行グループのチーフ・エグゼクティブであり、当行グループの執行
委員会がこれをサポートする。また、事業セグメントは、当行グループのチーフ・エグゼクティブおよ
び執行委員会に対する内部報告と整合する方法で報告される。
セグメント資産および負債、収益および費用は当行の会計方針に従って測定される。セグメント収益
および費用はセグメント間の振替を含んでおり、これらの振替は独立企業間条件に従って実施されてい
る。分担費用は、実際に行われた振替に基づいて各セグメントに計上される。
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各報告セグメントの収益源となる商品およびサービスの種類については、「戦略レポート-商品およ
びサービス」に記載されている。
(g) 継続企業
当財務諸表は、継続企業を前提に作成されており、取締役は当行グループおよび当行は予見可能な将
来において事業を継続するための資源を十分に有していることを確信している。この評価にあたり、取
締役は、将来の収益予測、キャッシュ・フローおよび資本の源泉を含めた現在および将来に関する広範
な情報を考慮している。
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1.2 重要な会計方針の要約
(a) 連結および関連する方針
子会社への投資
議決権により支配されている事業体の場合、当行グループは、経営機関の決議に必要な議決権を直接
的または間接的に保有する場合に連結する。それ以外の場合、支配の評価は、変動リターンに対するエ
クスポージャー、関連活動を指示するパワー、および代理人もしくは主たる当事者としてのパワーを有
しているかなど、より複雑な他の要素の判断が求められる。
企業結合は、取得法を用いて会計処理されている。非支配持分の金額は、公正価値または被取得企業
の正味識別可能純資産の非支配持分割合相当額のいずれかによって測定される。
当行の子会社への投資は、減損損失控除後の取得原価で計上されている。
重要な会計上の見積りおよび判断
子会社への投資は、投資の減損可能性の兆候がある場合に減損テストを行う。減損テストは、投資の
将来キャッシュ・フローに関する経営陣の最善の見積りを反映した使用価値および当該キャッシュ・フ
ローの割引に用いられた利率の見積りを伴い、それぞれ以下のような不確実な要素の影響を受ける。
判断 見積り
・予想キャッシュ・フローの正確性は、不 ・各投資の将来キャッシュ・フローは、詳細な予測が可能な期間
安定な市況における高い不確実性に左 の見積キャッシュ・フローの影響を受ける。また、その後の
右される。このような状況が存在する 長期的かつ持続可能なキャッシュ・フローのパターンに関す
と判断された場合、経営陣は、減損の る仮定の影響を受ける。予測値は、実績や検証可能な経済
兆候がある際の減損に関する再テスト データと比較されるが、予測値には、評価時の将来の事業見
を年に一度以上行う。これにより、 通しに関する経営陣の見解が反映される。
キャッシュ・フロー予測の基礎となる ・将来予想キャッシュ・フローを割り引くために使用される利率
仮定には、現在の市況および将来の事 は、投資に割り当てられる資本コストに基づいており、投資の
業見通しに関する経営陣の最善の見積 評価に重大な影響を及ぼす可能性がある。資本コストの比率は
りが確実に反映されるようにしてい 通常、資本資産評価モデルによって導き出され、このモデルは
る。 該当する国のリスク・フリー金利や評価対象である事業のリス
クに関するプレミアムを含むさまざまな財務・経済変数を反映
するインプットを組み入れている。これらの変数は経営陣の管
理の及ばない外部の市場金利および経済状況の変動にさらされ
ている。
・子会社における減損の見積りに使用される重要な仮定は注記 18
に記載されている。
のれん
のれんは、減損テストを行うために、資金生成単位(「 CGU 」)に配分される。減損テストは、内部
管理目的でのれんがモニターされる最小単位を対象に実施される。当行グループの CGU はグローバル事
業に基づいている。減損テストは年に一度、また減損の兆候があればいつでも、 CGU からの回収可能価
額を帳簿価額と比較することにより行われている。
処分グループが、のれんが配分されている CGU である、または当該 CGU 内の事業である場合、処分グ
ループにのれんが含まれる。処分グループに含まれるのれんの金額は、処分される事業と CGU の留保さ
れる部分との相対的価値に基づいて測定される。
重要な会計上の見積りおよび判断
のれんの減損の再評価は、 CGU の将来キャッシュ・フローおよび当該キャッシュ・フローの割引に用
いられた利率の両方に関する経営陣の最善の見積りを反映し、それぞれ以下のような不確実な要素の影
響を受ける。
判断 見積り
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・予想キャッシュ・フローの正確性は、不 ・CGU の将来キャッシュ・フローは、詳細な予測が可能な期間の
安定な市況における高い不確実性に左 見積キャッシュ・フローの影響を受ける。また、その後の長
右される。このような状況が存在する 期的かつ持続可能なキャッシュ・フローのパターンに関する
と判断された場合、経営陣は、減損の 仮定の影響を受ける。予測値は、実績や検証可能な経済デー
兆候がある際の、のれんの減損に関す タと比較されるが、予測値には、評価時の将来の事業見通し
る再テストを年に一度以上行う。これ に関する経営陣の見解が反映される。
により、キャッシュ・フロー予測の基 ・将来予想キャッシュ・フローを割り引くために使用される利率
礎となる仮定に、現在の市況および将 は、個別の CGU に割り当てられる資本コストに基づいており、
来の事業見通しに関する経営陣の最善 CGU の評価に重大な影響を及ぼす可能性がある。資本コストの比
の見積りが確実に反映されるようにし 率は通常、資本資産評価モデルによって導き出され、このモデ
ている。 ルは該当する国のリスク・フリー金利や評価対象である事業の
リスクを反映するためのプレミアムを含むさまざまな財務・経
済変数を反映するインプットを組み入れている。これらの変数
は経営陣の管理の及ばない外部の市場金利および経済状況の変
動にさらされている。
・のれんの減損の見積りに使用される重要な仮定は注記 20に記載
されている。
当行グループがスポンサーとなっている仕組事業体
ある事業体について、継続的な関与に加え、その事業体の設立の上で、または事業体の目的である
取引を成立させるため仕組取引に関係する取引相手をまとめる上で、当行グループが主要な役割を果
たす場合には、当行グループは当該事業体のスポンサーとみなされる。通常、事業体への関与が単に
管理上のものである場合、当行グループはスポンサーとみなされない。
関連会社および共同支配の取決めにおける持分
共同支配の取決めとは、当行グループが1つ以上の当事者と共同支配を行う投資である。当行グルー
プの権利と義務に応じて、共同支配の取決めはジョイント・オペレーションまたはジョイント・ベン
チャーのいずれかに分類されている。当行グループが重要な影響力を有する事業体への投資で、子会社
にも共同支配の取決めにも該当しないものを、関連会社として分類している。
当行グループは、ジョイント・オペレーションにおける資産、負債および損益に対する持分を認識し
ている。関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法で認識されている。ジョイント・
ベンチャーおよび関連会社の損益および剰余金に対する当行グループの持分は、 12月31日までについて
作成した財務諸表、または財務諸表が利用可能となる日付から 12月31日の間に発生した重要な取引また
は事象を調整した比例配分額に基づき、当行グループの連結財務諸表に含められている。
関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資は、各報告日に評価し、投資の減損可能性の兆候が
ある場合に減損テストを行う。ジョイント・ベンチャーおよび関連会社の持分の取得により生じるのれ
んは、個別減損テストは行われないが、投資の帳簿価額の一部として評価される。
(b) 収益および費用
営業収益
受取利息および支払利息
トレーディング目的保有に分類された金融商品、または公正価値評価の指定を受けた金融商品を除く
すべての金融商品の受取利息および支払利息は、実効金利法を用いて、損益計算書上の「受取利息」お
よび「支払利息」に認識される。ただし、その例外として、資金調達目的で当行グループが発行した、
会計上の不一致を削減するために公正価値オプションの指定を受けた負債証券およびそれらの発行済負
債証券とともに管理されているデリバティブに対する利息は、支払利息に含められている。
信用減損が生じている金融資産に対する利息は、減損損失を測定する目的で将来キャッシュ・フロー
を割り引く際の利率を用いて認識される。
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受取利息および支払利息以外の収益および費用
当行グループは、一定期間にわたり固定価格で提供されるサービスからの受取手数料(口座サービス
手数料、カード手数料等)、または一時点において特定の取引(仲介サービス、輸入/輸出サービス
等)を実行する際の受取手数料を稼得している。特定のファンドの運用手数料およびパフォーマンス・
フィーを除き、その他すべての手数料は固定価格である。ファンドの運用手数料およびパフォーマン
ス・フィーは、顧客ポートフォリオの規模およびファンド・マネージャーとしての HSBC のパフォーマン
スに応じて変動する可能性がある。変動手数料は、すべての不確実性が解消された時点で認識される。
受取手数料は、通常、支払条件に重大な金融要素が含まれない短期契約から稼得される。
当行グループは、仲介サービスを除き、顧客との契約では大半の場合、本人として行動している。仲
介取引においては、ほとんどの場合、当行グループは当該取引における代理人として行動し、その取決
めに関わる他の当事者に支払う手数料を差し引いた仲介手数料収入を認識する。
当行グループは、一時点における取引ベースの取決めで稼得した手数料は、当行グループが顧客に
サービスを完全に提供した時点で認識している。一定期間にわたるサービスの提供が契約上要求されて
いる場合、受取手数料は取決めの存続期間にわたって体系的に認識される。
当行グループが、口座サービス・パッケージに含まれるものなど、区別可能でない複数の履行義務を
含むサービス・パッケージを提供する場合、約束されたサービスは単一の履行義務として扱われる。口
座サービスと保険サービスの両方を含むものなど、サービス・パッケージに区別可能な履行義務が含ま
れている場合、取引価格は、独立見積販売価格に基づき各履行義務に配分される。
受取配当金は、配当を受け取る権利が確定した際に認識される。上場持分証券については、配当落
日、非上場持分証券については通常、株主が配当を承認した日に権利確定する。
損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純収益/(費用)には、以下の項目が含まれる。
・「トレーディング目的で保有または公正価値ベースで管理する金融商品からの純収益」:この項目
はトレーディング純収益から成り、トレーディング純収益は、トレーディング目的で保有されている
金融資産および金融負債ならびに公正価値ベースで管理するその他金融商品の公正価値の変動による
すべての損益、ならびに関連する受取利息、支払利息および配当金を含むが、公正価値ベースで管理
する負債の信用リスクの変動による影響は除かれる。この項目には、 損益を通じて公正価値で測定す
る金融資産および負債とともに管理されているデリバティブの公正価値の変動によるすべての損益も
含まれている。
・「損益を通じて公正価値で測定する保険事業の資産および負債(関連デリバティブを含む)からの
純収益/(費用)」:この項目には、 損益を通じて公正価値で測定する 金融資産および負債からの受
取利息、支払利息および配当金、ならびにそれらの金融資産および負債とともに管理されているデリ
バティブのうちその他のトレーディング・デリバティブと区別して識別が可能なものからの受取利
息、支払利息および配当金が含まれる。
・「指定を受けた負債性金融商品および関連デリバティブの公正価値の変動」:負債性金融商品に係
る利息支払額および関連デリバティブに係る金利キャッシュ・フローは、そうすることで会計上の不
一致が削減される場合に、支払利息に表示されている。
・「強制的に損益を通じて公正価値で測定するその他の金融商品の公正価値の変動」:この項目に
は、「元本および利息の支払のみ」(「 SPPI 」)の要件を満たしていない金融商品に係る利息が含ま
れる。詳細は下記 (d) を参照のこと。
保険料収入に関する会計方針は、注記 1.2(j) に開示されている。
(c) 金融商品の評価
すべての金融商品は当初は公正価値で認識される。公正価値とは、測定日時点で、市場参加者間の秩
序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格、または負債を移転するために支払
うであろう価格である。金融商品の当初認識時の公正価値は、取引価格(すなわち、支払対価または受
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取対価の公正価値)である。しかし、その公正価値が活発な市場における市場価格もしくは観察可能な
市場から得られるデータのみを用いる評価手法に基づいている金融商品について、取引価格と公正価値
との間に差異がある場合、 当行グループ は当該差額を取引開始時のトレーディング損益(「初日の損
益」)として認識する。それ以外のあらゆる場合において、初日の損益はすべて繰延べられ、取引の満
期または終了時点または評価インプットが観察可能となる時点のいずれかまで、取引期間にわたって損
益計算書に認識される。
金融商品の公正価値は、一般に個別の金融商品ごとに測定されている。ただし、 当行グループ が市場
リスクまたは信用リスクに対する正味エクスポージャーに基づき金融資産および金融負債グループを管
理している場合、金融商品グループの公正価値は純額で測定されるが、 IFRS の相殺基準を満たす場合を
除き、基礎となる金融資産および金融負債は財務諸表において個別に表示される。金融商品は、注記 11
「公正価値で計上された金融商品の公正価値」に記載されている公正価値ヒエラルキーの3つのレベル
のいずれかに分類される。
重要な会計上の見積りおよび判断
評価手法の大半は観察可能な市場データのみを使用する。しかし、一部の金融商品は、観察不能な1
つ以上の重要なインプットを用いた評価手法に基づいて評価されており、これらの金融商品について得
られる公正価値の測定結果は、さらなる判断を伴うものである。
判断 見積り
・ある金融商品の取引開始時の利益のかな ・当行グループのレベル3金融商品および公正価値を決定する際
りの割合、または金融商品の評価額の に合理的に可能な代替的仮定を適用したことによる影響の感
5%超が観察不能なインプットによって 応度に関する詳細は、注記 11に記載されている。
測定されていると経営陣が考える場合、
その金融商品全体が重要な観察不能なイ
ンプットを用いて評価されているものと
して分類される。
・このような状況における「観察不能」と
は、独立した第三者間取引で起こり得る
価格を決定するための現行市場からの
データがほとんどない、または皆無であ
ることを意味する。通常、公正価値の決
定の基礎となるデータが皆無であること
を意味するものではない(例えば、コン
センサスプライスのデータが使用される
場合がある)。
(d) 償却原価で測定される金融商品
契約上のキャッシュ・フローを回収するために保有されており、元本および利息の支払のみである
キャッシュ・フローを特定の日に生じさせる契約条件を含む金融資産は、償却原価で測定される。こう
した金融資産には、銀行および顧客に対する貸付金の大半、ならびに一部の負債証券が含まれる。ま
た、ほとんどの金融負債は、償却原価で測定される。当行グループは、償却原価で測定される通常の金
融商品を、取引日基準会計を用いて会計処理している。これら金融資産の当初認識時の帳簿価額には、
直接帰属する取引費用が含まれている。一部のレバレッジド・ファイナンスやシンジケート・ローン活
動の事例のように当初の公正価値が現金による貸出額を下回る場合、差額は繰り延べられ、受取利息を
認識することにより、貸付金の期間にわたって認識される。
当行グループ は一定期間について定められた契約条件により貸付を行う旨の契約を締結する場合があ
る。貸付コミットメントから生じる貸付金がトレーディング目的保有であることが予想される場合、当
該貸付コミットメントはデリバティブとして計上される。 当行グループ が貸付金の保有を意図している
場合、貸付コミットメントは下記の減損の計算に含められる。
非トレーディング目的の売戻契約、買戻契約および類似契約
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事前に決められた価格で買い戻すことを条件に売却される負債証券 (「レポ」 )は貸借対照表に引き続
き計上され、受取対価は負債に計上される。売り戻すことを条件に購入される有価証券 (「リバース・
レポ」 )は貸借対照表に認識されることはなく、当初の支払対価に関する資産が計上される。非トレー
ディング目的のレポおよびリバース・レポは、償却原価で測定される。売却価格と買戻価格の差額また
は購入価格と売戻価格の差額は、利息として会計処理されて契約期間にわたり正味受取利息として認識
される。
リバース・レポ契約またはレポ契約と経済的に同等の契約(同一の契約相手とのトータル・リター
ン・スワップと合わせて実行された負債証券の売却または購入)は、リバース・レポ契約またはレポ契
約と同様に会計処理され、リバース・レポ契約またはレポ契約と合わせて表示される。
(e) その他の包括利益を通じた公正価値で測定される金融資産
契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって達成され、元本および利息の支払のみであ
るキャッシュ・フローを特定の日に生じさせる契約条件を含む事業モデルのために保有される金融資産
は、その他の包括利益を通じた公正価値(「 FVOCI 」)で測定される。これらは主に負債証券から成
る。これらは取引日、すなわち HSBC が購入に関する契約を締結した日に認識され、一般的に当該資産が
売却された場合または償還された場合に認識が中止される。その後、公正価値による再評価が行われ、
公正価値の変動(減損、受取利息および為替差損益に関連する変動を除く)は当該資産が売却されるま
でその他の包括利益に認識される。その他の包括利益に認識されていた損益の累計額は、売却時に「金
融投資による純収益」として損益計算書に認識される。 FVOCI で測定された金融資産は下記の減損の計
算に含められ、減損は損益に認識される。
(f) 公正価値で測定され、公正価値の変動がその他の包括利益に表示される持分証券
公正価値の変動がその他の包括利益に表示される持分証券は、 HSBC が投資利益の創出以外の目的で投
資を保有する、事業促進やその他類似の投資である。これらの持分証券の認識の中止に係る損益は、損
益に振り替えられない。そうでない場合は、持分証券は損益を通じた公正価値で測定される(ただし、
受取配当金の場合は損益に認識される)。
(g) 損益を通じた公正価値評価の指定を受けた金融商品
トレーディング目的以外の金融商品は、下記の基準のうちの1つ以上を満たしている場合にこの区分
に分類され、取引開始時に取消不能な形で指定される。
・指定を行うことにより会計上の不一致が解消、あるいは大幅に削減される場合。
・金融資産と負債のグループ、または金融負債グループについて、文書化されたリスク管理または投資
戦略に従って公正価値に基づいて管理および業績評価が行われている場合。
・1つ以上の密接な関係にない組込デリバティブが金融負債に含まれている場合。
指定を受けた金融資産は、 HSBC が相手先と契約上の取決めを行った日(通常は決済日)に認識され、
通常、キャッシュ・フローに対する権利が失効または移転した日に認識が中止される。指定を受けた金
融負債は、 HSBC が相手先と契約上の取決めを行った日(通常は決済日)に認識され、通常、消滅した日
に認識が中止される。その後の公正価値の変動は損益計算書の「 トレーディング目的で保有または公正
価値ベースで管理する金融商品からの純収益」または「損益を通じて公正価値で測定する保険事業の資
産および負債(関連デリバティブを含む)からの純収益 /(費用)」 に認識される。ただし、当該負債
の信用リスクの変動による影響は、その取扱いによって損益に会計上の不一致が生じない、または会計
上の不一致が拡大しない限り、「その他の包括利益」に表示される。
上記の基準のもとで HSBC が指定する主な金融商品の種類は、以下のとおりである。
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・会計上の不一致を削減するために指定を受けた資金調達目的の負債証券:特定の発行済固定金利負債
証券の金利および/または為替エクスポージャーは、文書化されたリスク管理戦略の一環として特定の
スワップの金利および/または為替エクスポージャーに適合している。
・ユニット連動型および非ユニット連動型投資契約に基づく金融資産および金融負債: HSBC が他の当事
者から重要性のある保険リスクを引き受けていない契約は、任意参加(「 DPF 」)型の投資契約を除い
ては保険契約としては分類されず、金融負債として会計処理されている。保険子会社が発行した連動型
および特定の非連動型投資契約に基づく顧客に対する負債は、連動型ファンドに保有されている資産の
公正価値に基づき決定される。関連する資産について公正価値評価の指定がなされていない場合、少な
くとも一部の資産は、その他の包括利益を通じた公正価値または償却原価のいずれかにより測定され
る。関連する金融資産および負債は、公正価値ベースで管理され、経営陣に報告される。金融資産およ
び関連する負債に公正価値評価の指定を行うことにより、それらの公正価値の変動を損益計算書に計上
し、同一行に表示することができる。
・預金およびデリバティブの両要素を含む金融負債:これらの金融負債は公正価値ベースで管理され、
そのパフォーマンスが評価される。
(h) デリバティブ
デリバティブは、株式、金利またはその他指数等の基礎項目の価格から価値を導き出す金融商品であ
る。デリバティブは、公正価値で当初認識され、その後、損益を通じて公正価値で評価され、公正価値
の変動は通常、損益計算書に計上される。デリバティブは、公正価値が正の場合は資産に、負の場合は
負債に分類される。これには、独立のデリバティブの定義を満たしている場合に主契約から分離され
る、金融負債における組込デリバティブが含まれる。デリバティブが、 HSBC 発行の公正価値評価の指定
を受けた負債証券と合わせて管理される場合、契約上の利息は発行済負債の未払利息と合わせて「支払
利息」に計上される。
ヘッジ会計
デリバティブが公正価値評価の指定を受けた関係の一部でない場合、リスク管理目的で保有されて
いるのであれば、文書化およびヘッジの有効性に関して要求される基準を満たしている場合、ヘッジ
会計の関係に指定される。当行グループは、ヘッジ対象リスクに応じて、公正価値ヘッジ、キャッ
シュ・フロー・ヘッジ、あるいは在外営業活動体の純投資ヘッジに、これらのデリバティブを利用す
るか、または認められる場合には、他のデリバティブ以外のヘッジ手段を利用している。
公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジ会計により、デリバティブおよびその他のヘッジ手段に係る損益の計上に変更は生じ
ないが、ヘッジ会計を適用しなければ損益計算上では認識されないヘッジ対象リスクに起因するヘッジ
対象資産または負債の公正価値の変動が認識されることになる。ヘッジ関係がヘッジ会計基準を満たさ
なくなった場合、ヘッジ会計は中止され、ヘッジ対象の帳簿価額に対する累積調整額は再計算された実
効金利に基づいて損益計算書に償却計上される。ただし、ヘッジ対象の認識が中止された場合は直ちに
損益計算書に認識される。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る損益変動の有効部分は、その他の包括利益に認識され、キャッシュ・フロー・ヘッ
ジ関係の一部であるデリバティブ・ヘッジ手段の公正価値の変動の非有効部分は、直ちに損益計算書の
「トレーディング純収益」に認識される。その他の包括利益に認識された累積損益はヘッジ対象が損益
に影響を及ぼす期間と同一の期間に損益計算書に振り替えられる。ヘッジ関係が終了した、または部分
的に終了した場合、その時点のその他の包括利益に認識された累積損益は、予定取引が損益計算書に認
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識されるまで資本の部に引き続き計上される。予定取引が発生する見込みがなくなった場合は、過年度
にその他の包括利益に認識されていた累積損益は直ちに損益計算書に振り替えられる。
純投資ヘッジ
在外営業活動体の純投資ヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理される。ヘッジ手
段に係る損益の有効部分はその他の包括利益に認識され、その他の損益は直ちに損益計算書に認識され
る。過年度にその他の包括利益に認識されていた損益は、在外営業活動体の処分または一部処分時に損
益計算書に振り替えられる。
ヘッジ会計の適用が認められないデリバティブ
非適格ヘッジはヘッジ会計が適用されなかった資産および負債の経済的ヘッジとして締結されたデリ
バティブである。
(i) 償却原価または FVOCI で測定する金融資産の減損
予想信用損失(「 ECL 」)は、銀行および顧客に対する貸付金、非トレーディング目的の売戻契約、
償却原価で保有されるその他の金融資産、 FVOCI で測定する負債性金融商品、ならびに一部の貸付コ
ミットメントおよび金融保証契約に対して認識される。当初認識時、翌 12ヶ月間(または残存期間が
12ヶ月未満の場合はそれより短い期間)に発生する可能性のある債務不履行事象から生じる予想信用損
失(「 ECL 」)(「 12ヶ月 ECL 」)に対する評価性引当金(または一部の貸付コミットメントおよび金融
保証の場合は負債性引当金)の計上が要求される。信用リスクが著しく増加した場合、金融商品の予想
残存期間にわたり可能性のあるすべての債務不履行事象から生じる ECL (「残存期間 ECL 」)に対して評
価性引当金(またはコミットメントおよび金融保証の場合は負債性引当金)の計上が求められる。 12ヶ
月ECL が認識された金融資産は「ステージ1」とみなされ、信用リスクが著しく増加しているとみなさ
れる金融資産は「ステージ2」となる。さらに、減損の客観的証拠が存在しており債務不履行の状態に
あるとみなされる、または信用減損が生じている金融資産は「ステージ3」となる。購入または組成さ
れた信用減損している金融資産(「 POCI 」)は、下記のとおり会計処理が異なる。
信用減損が生じている(ステージ3)
当行グループは、金融商品が信用減損しており、ステージ3にあることを、関連する客観的証拠を考
慮して決定する。この客観的証拠とは、主に以下のような状況を指す。
・元本または利息の契約上の支払いが 90日超延滞している。
・借り手の財政状態に関連する経済的もしくは法的な理由により、借り手に譲歩が付与されていると
いった、借り手による支払可能性が低いことを示唆するその他の兆候がある。
・貸付金が債務不履行(デフォルト)とみなされている。
上記のような支払可能性が低い証拠が早い段階で識別されなかった場合は、 180 日の延滞をデフォル
トと定義することが規制上認められている場合であっても、エクスポージャーが 90日延滞した時点で支
払可能性が低くなったとみなされる。従って、信用減損とデフォルトの定義は、可能な限り整合してお
り、ステージ3はデフォルトまたは信用減損とみなされるすべての貸付金を表している。
受取利息は、償却原価の額(すなわち、 ECL 引当金控除後の帳簿価額総額)に実効金利を適用するこ
とにより認識される。
償却
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金融資産(および関連する減損引当金)は、元本を回収できる見込みがほとんどない場合、通常、そ
の一部または全額を償却する。また担保付貸付金の場合には担保の処分代金を受領した後に償却され
る。担保の正味処分可能価額が決定され、さらなる回収の合理的な見込みがない状況においては、より
早い段階で償却される場合がある。
条件緩和
貸付金は、借り手の信用状況における著しい困難により当行グループが契約上の支払条件を変更した
場合に、条件が緩和されたと識別され、信用減損として分類される。条件緩和貸付金は、将来のキャッ
シュ・フローが支払われないリスクが著しく減少していることを示す十分な証拠が得られるまで引き続
き信用減損として分類され、満期または認識中止まで条件緩和の指定が維持される。
契約条件が緩和された貸付金は、既存の契約が解除され、新しい契約が実質的に異なる条件で締結さ
れる場合、または既存の契約条件が変更され、当該条件緩和貸付金が実質的に異なる金融商品となる場
合に認識が中止される。こうした状況において認識中止後に発生した新たな貸付金は、 POCI とみなさ
れ、引き続き条件緩和貸付金として開示される。
組成された信用減損貸付金を除く、条件が変更されたその他すべての貸付金は、信用減損の証拠をも
はや示さなくなった場合に、また、条件緩和貸付金の場合は、将来のキャッシュ・フローが支払われな
いリスクが著しく減少していることを示す十分な証拠が最低観察期間にわたって得られ、かつ、そのほ
かに減損を示唆する状況がなくなった場合に、ステージ3から移動させることができる。これらの貸付
金は、以下に記載のとおり報告日時点の債務不履行発生リスク(変更後の契約条件に基づく)を当初認
識時の債務不履行リスク(変更されていない当初の契約条件に基づく)と比較する方法によってステー
ジ1または2に移動させることができる。契約条件の変更の結果として償却された額を戻し入れること
はできない。
信用減損が生じていない貸付金の条件変更
条件緩和として識別されない貸付金の条件変更は、コマーシャル・リストラクチャリングであるとみ
なされる。コマーシャル・リストラクチャリングにより、当初の契約に基づくキャッシュ・フローに対
する HSBC の権利が失効するような変更(既存の契約条件の修正または新たな貸付契約の発行のどちらに
より合法化されているかを問わない)が生じた場合、古い貸付金は認識中止され、新しい貸付金が公正
価値で認識される。コマーシャル・リストラクチャリングが市場金利で行われ、支払関連の譲歩が付与
されていない場合、キャッシュ・フローに対する権利は通常、失効したものとみなされる .
信用リスクの著しい増加(ステージ2)
金融商品の残存期間にわたるデフォルト発生リスクの変化を考慮して、当初認識時からの信用リスク
の著しい増加が発生しているか否かの評価が各報告期間末に実施される。この評価は、過去の事象、現
在の状況および将来の経済状況に関する情報を含め、合理的かつ裏付け可能な情報を考慮して、報告日
時点のデフォルト発生リスクを当初認識時のリスクと明示的または黙示的に比較するものである。この
評価は偏りがなく、確率で加重されており、関連する範囲において、 ECL の測定時に使用した情報と一
致する将来予測的な情報を使用する。信用リスクの分析は多元的である。特定の要因が他の要因と比較
して関連性があるか否か、および他の要因と比較した特定の要因のウェイトの判断は、商品の種類、金
融商品および借り手の特性、ならびに地域によって異なる。そのため、何が信用リスクの著しい増加と
みなされるかを決定する一連の基準を提供することは不可能であり、これらの基準は融資の種類によっ
て異なり、特にリテールとホールセールでは異なる。ただし、もっと早い段階で識別されない限り、す
べての金融資産は、 30日延滞した時点で信用リスクが著しく増加したとみなされる。加えて、個別に評
価されたホールセール貸付金(通常は企業および商業顧客に対するもの)のうち、要注意先や破綻懸念
先のリストに含まれているものは、ステージ2に含まれる。
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ホールセール・ポートフォリオについては、債務者の顧客リスク格付け(「 CRR 」)、マクロ経済状
況の予測および信用度の移行確率といった幅広い情報を包含する、残存期間にわたるデフォルト確率
(「PD」)を用いて、定量的比較によりデフォルト・リスクを評価する。組成時の CRR が3.3 以下の場合、
信用リスクの著しい増加は、組成時に見積られた残存期間にわたる平均 PDと、報告日現在の同様の見積
りとを比較することによって測定される。重要性の定量的測定は、組成時の信用の質に応じて以下のと
おり異 なる。
組成時の CRR 重要性のトリガー( PDの増加幅)
0.1 -1.2 15bps
2.1 -3.3 30bps
CRR が3.3 を超えており、減損していない場合は、組成時の PDが2倍になった時点で信用リスクが著し
く増加したと考えられる。 PDの変化の重要性には、過去の信用度の変遷および外部市場金利の相対的変
動を参考にした、専門家による信用リスク判断が織り込まれた。
IFRS 第9号の適用前に組成された貸付金の場合、組成時の PDに、将来のマクロ経済状況の予測を反映
するための調整は含まれていない。これは、事後判断を使用せずに入手可能ではないためである。この
データがない場合は、スルー・ザ・サイクル(「 TTC 」)の PDとTTC 移動確率が金融商品の基礎となるモ
デリング・アプローチおよび組成時の CRR と整合していると仮定して、組成時の PDの近似値を算出しな
ければならない。こうした貸付金については、下表に記載されているように、 CRR の悪化に基づく閾値
を追加することにより、定量的な比較が補完される。
追加の重要性基準-ステージ2以上への重要な信用悪化を
組成時の CRR
識別するために必要な CRR 格付けの悪化ノッチ数
0.1 5ノッチ
1.1 -4.2 4ノッチ
4.3 -5.1 3ノッチ
5.2 -7.1 2ノッチ
7.2 -8.2 1ノッチ
8.3 0ノッチ
CRR の23段階のレーティングについての詳細は、 28ページ(訳注:原文のページ数である)に記載さ
れている。
外部の市場格付けが入手可能であり、信用格付けが信用リスク管理に使用されていない負債証券の特
定のポートフォリオの場合、当該負債証券は、もはや投資適格とみなされないまでに信用リスクが増加
した場合にステージ2となる。投資適格とは、金融商品が損失を被るリスクが低く、その構造から今後
短期間に契約上のキャッシュ・フロー債務を満たす能力が高く、かつ、長期的には経済および事業状況
における不利な変化により、契約上のキャッシュ・フロー債務を履行する借り手の能力が低下する可能
性がある(必ずしも低下するわけではない)状態を指す。
リテール・ポートフォリオのデフォルト・リスクは、顧客に関する入手可能な情報をすべて組み入れ
た信用スコアから算出された、報告日現在の 12ヶ月 PDを用いて評価される。この PDは、 12ヶ月を超える
期間のマクロ経済予測の影響を調整したものであり、残存期間 PDの測定尺度の合理的な近似値であると
考えられる。リテールのエクスポージャーはまず、通常は国別、商品別およびブランド別に、同種の
ポートフォリオに分類される。各ポートフォリオにおいて、ステージ2の勘定は、調整後の 12ヶ月 PD
が、当該ポートフォリオにおける貸付金が 30日延滞となる前の 12ヶ月平均 PDよりも大きい勘定と定義さ
れる。専門家による信用リスクの判断によれば、これまでの信用リスクの増加で重要なものはないとい
うことである。このポートフォリオ固有の閾値は、 PDが、当初の予想どおりのパフォーマンスを示す貸
付金から期待される PDよりも高く、かつ、組成時に許容されていたであろう PDよりも高い貸付金を識別
する。したがって、これは、組成時の PDと報告日現在の PDとの比較に近い。
減損しておらず信用リスクの著しい増加もない(ステージ1)
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ステージ1にとどまっている金融商品に対しては、翌 12ヶ月間に発生する可能性のある債務不履行事
象から生じる ECL (「 12ヶ月 ECL 」)が認識される。
購入または組成された信用減損金融資産
発生した信用損失を反映して大幅な割引により購入または組成された金融資産は、 POCI とみなされ
る。この母集団には、借り手の財政難に関連する経済的もしくは契約上の理由に起因して、そうでなけ
れば考慮されなかった譲歩を再交渉後に受けて、新たに認識された金融商品が含まれている。残存期間
の変更に係る ECL の額は、残存期間 ECL が当初認識時の見積キャッシュ・フローに含まれている ECL の額
よりも少ない場合であっても、 POCI の認識が中止されるまで損益に認識される。
ステージ間の移動
金融資産( POCI を除く)は、当初認識以降の信用リスクの相対的な増加に応じて、異なるカテゴリー
間を移動する。金融商品は、上記の評価に基づき、当初認識時から信用リスクが著しく増加したとみな
されなくなった場合、ステージ2から移動する。条件緩和貸付金を除き、金融商品は、上記のように信
用減損の証拠をもはや示さなくなった場合、ステージ3から移動する。 POCI ではない条件緩和貸付金
は、将来のキャッシュ・フローが支払われないリスクが著しく減少していることを示す十分な証拠が得
られ(最低1年間にわたって観察される)、かつ、そのほかに減損を示唆する状況がなくなるまで、ス
テージ3にとどまる。ポートフォリオ全体として減損評価が行われる貸付金の場合、証拠は通常、当初
のまたは変更された契約条件(状況に応じて適切な方)に対する過去の支払実績から成る。個別に減損
評価が行われている貸付金については、入手可能なすべての証拠がケースバイケースで評価される。
ECL の測定
信用リスクの評価および ECL の見積りは偏りがなく、確率で加重されており、報告日現在入手可能な
評価に関連する情報(過去の事象、現在の状況ならびに将来の事象および経済状況に関する報告日現在
において合理的かつ裏付け可能な情報を含む)をすべて組み入れている。さらに、 ECL の見積りは貨幣
の時間的価値を考慮する必要がある。
HSBC は通常、デフォルト確率(「 PD」)、デフォルト時損失率(「 LGD 」)およびデフォルト時エク
スポージャー(「 EAD 」)という3つの主な要素を使用して ECL を算出している。
12ヶ月 ECL は、 12ヶ月 PD、LGD および EAD を掛け合わせて算出される。残存期間 ECL は、代わりに残存期
間PDを用いて算出される。 12ヶ月 PDおよび残存期間 PDはそれぞれ、翌 12ヶ月間および金融商品の満期ま
での残存期間にデフォルトが発生する確率を表している。
EAD は、貸借対照表日から債務不履行事象までの元本および利息の返済と約定済与信枠の予想実行額
とを考慮した、デフォルト時の予想残高を表している。 LGD は、他の属性の中でもとりわけ、実現が予
想される時点の担保価値の軽減効果と貨幣の時間的価値を考慮に入れた、デフォルトが発生した場合の
EAD に対する予測損失を表している。
HSBC は、バーゼルⅡの内部格付け手法( IRB )フレームワークを可能な限り活用しているが、下表に
記載されている IFRS 第9号の異なる要件を満たすための補正を行っている。
モデル 自己資本規制 IFRS 第9号
PD ・スルー・ザ・サイクル(経済期間全体を ・ポイント・イン・タイム(現在の状況に基
通じた長期平均 PDを表す) づいており、 PDに影響する将来の状況の予
・債務不履行の定義に 90日以上延滞のバッ 測を織り込むよう補正されている)
クストップが含まれている(特に英国や ・すべてのポートフォリオについて、 90日以
米国のモーゲージ等、一部のポートフォ 上延滞のバックストップが設けられている
リオについては 180 日以上延滞に修正され
ている)
EAD ・現在の残高を下回ってはならない ・期限付商品の償却が行われる
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LGD ・景気後退時の LGD (起こり得る深刻な景気 ・予想 LGD (デフォルト時損失率の見積りに
後退の期間に発生すると予想される恒常 基づいており、担保価値の変動など、将来
的損失) の経済状況により予想される影響を織り込
・過去のデータの不足により景気後退時の んでいる)
LGD が過小評価されるリスクを軽減するた ・フロアが設定されていない
め、規制上のフロアが適用される場合が ・貸付金の当初実効金利を用いて割り引かれ
ある ている
・資本コストを用いて割り引かれている ・担保の取得/売却に伴うコストのみが含ま
・すべての回収コストが含まれている れる
その他 ・債務不履行発生時に遡って貸借対照表日ま
で割り引かれる
12ヶ月 PDについてはバーゼルⅡのモデルを可能な限り補正しているが、残存期間 PDは期間構造を用い
て12ヶ月 PDを予測することにより決定している。ホールセールの手法の場合、残存期間 PDには、信用度
の変遷、すなわち、残存期間にわたる顧客の CRR バンド間の移動も考慮されている。
ホールセールのステージ3の ECL は、割引キャッシュ・フロー(「 DCF 」)手法を用いて個別に決定さ
れる。予想将来キャッシュ・フローは、将来の回収額および利息の予想将来受領額に関する合理的かつ
裏付け可能な仮定と予測を反映した、信用リスク責任者による報告日現在の見積りに基づいている。未
払額の回収に、実現が予想される時点の担保の見積公正価値(当該担保の取得および売却に係るコスト
を控除後)に基づく担保の実現が含まれる可能性が高い場合には、担保が考慮される。キャッシュ・フ
ローは、当初実効金利の合理的な近似値で割り引かれる。重要性が高いケースでは、4つの異なるシナ
リオにおけるキャッシュ・フローが確率加重されるが、その際、 HSBC グループが通常のケースで適用す
る経済シナリオと、債権処理戦略が成功する可能性または管財人による管理が必要となる可能性につい
ての信用リスク責任者の判断が参照される。重要性が低いケースでは、異なる経済シナリオや債権処理
戦略の影響が概算され、最も可能性の高い結果に対する調整として適用される。
ECL の測定対象期間
ECL は、金融資産の当初認識時から測定される。 ECL の測定時に考慮する最長期間( 12ヶ月 ECL または
残存期間 ECL )は、 HSBC が信用リスクにさらされる契約上の最長期間である。ホールセールの当座貸越
の場合、信用リスク管理行動は年に一度よりも頻繁に行われるため、この期間は次の実質的な信用レ
ビューの実施予定日までとなる。実質的な信用レビューの実施日は、新しい与信枠の当初認識日でもあ
る。
ただし、金融商品に実行済および未実行の両方のコミットメントが含まれており、かつ返済を要求し
未実行コミットメントを解約する契約上の能力が信用リスクに対する HSBC のエクスポージャーを契約上
の通知期間に限定するものではない場合、考慮される最長期間が契約期間によって決まることはない。
代わりに、 ECL は、 HSBC が、信用リスク管理活動によって軽減されない、信用リスクにさらされ続ける
期間にわたって測定される。これは、小口当座貸越およびクレジットカードに適用され、その期間は、
ステージ2のエクスポージャーが債務不履行になるまで、または正常勘定としてクローズするまでに要
する平均時間であり、ポートフォリオごとに決定され、2年から6年の範囲にわたっている。さらに、
これらの与信枠については、 ECL を貸付コミットメントの要素と金融資産の要素とに分けて識別するこ
とはできない。その結果、合計の ECL が金融資産の損失引当金として認識される。ただし、合計の ECL が
金融資産の帳簿価額総額を上回る場合は、 ECL が引当金として認識される。
将来予測的な経済インプット
HSBC は、外部予測の分布を参照して決定した将来の経済状況に関する当行グループの見解を表す複数
の将来予測的なグローバル経済シナリオを適用する。このアプローチは、ほとんどの経済環境におい
て、偏りがない予測損失を計算するのに十分であると考えられる。特定の経済環境においては、さらな
る分析が必要となることがあり、結果として、偏りがない見積りに十分な、起こり得る経済的成果の範
囲を反映するために、追加のシナリオまたは調整につながる場合がある。詳細な手法は、 37ページ(訳
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注:原文のページ数である)の「 ECL の見積りに関する測定の不確実性および感応度分析」に開示され
ている。
重要な会計上の見積りおよび判断
IFRS 第9号に基づく当行グループの ECL の計算では、多くの判断、仮定および見積りを行うことが求
められる。最も重要なものは以下のとおりである。
判断 見積り
・信用リスクの著しい増加とみなされるも ・37ページから 61ページ(訳注:原文のページ数である)の監査
のの定義 済セクションである「 ECL の見積りに関する測定の不確実性お
・モデルが現在および将来の経済状況にど よび感応度分析」には、 ECL の決定にあたり使用される仮定が
のように反応するかに関する合理的で裏 記載されており、異なる経済的仮定に適用された異なる加重
付けのある判断を行うことを含む、 算 の適用結果の感応度の指標を提供している。
定を裏付ける PD、LGD および EAD のモデル
の選択および補正
・偏りがない予想損失を算定するために十
分かつ適切に加重された経済予測が織り
込まれているかどうかの判断を含む、モ
デルのインプットおよび経済予測の選択
(j) 保険契約
特定の不確実な将来事象が発生した場合に他の当事者を補償する契約により、当行グループが当該当
事者から重要な保険リスクを引き受けている場合、当該契約は保険契約として分類される。保険契約に
よっては金融リスクも移転する場合があるが、保険リスクに重要性がある場合には、保険契約として会
計処理される。また、当行グループは任意参加(「 DPF 」)型の投資契約を発行しており、 IFRS 第4号
「保険契約」で要求されているとおり、これも保険契約として会計処理されている。
正味保険料収入
生命保険の保険料は受取可能となった際に会計処理される。ただし、ユニット連動型保険の場合は負
債の確定時に保険料が計上される。
再保険料はこれらが関連する直接保険契約の保険料と同一の会計年度に会計処理される。
正味保険金、支払給付および保険契約準備金の変動
生命保険契約の保険金総額には、期中に生じた保険金の費用総額(手数料および配当予定額に基づく
保険契約者配当を含む)が反映されている。
満期保険金は、支払期日到来時に認識される。解約返戻金は、支払時またはより早い段階(通知を
行った後関連する保険負債の計算に当該契約を含めることを中止した時点)で認識される。死亡保険金
は、通知があった時点で認識される。
再保険からの回収額は関連する保険金と同一の期間に会計処理される。
保険契約に基づく負債
非連動型生命保険契約に基づく負債は、現地の数理計算原則に基づいて各生命保険事業別に計算され
ている。ユニット連動型生命保険契約に基づく負債は、関連するファンドまたは指標の価値を参照して
計算された解約返戻金または譲渡価格と少なくとも同等である。
任意の配当金を規定している保険契約における将来の利益配当
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保険契約者に対する任意の利益配当金の給付を規定している保険契約の負債は、保険契約者将来任意
給付に対する引当金を含む。これらの引当金は、その時点までの投資ポートフォリオの実際の運用成績
および契約を裏付ける資産に関連する将来の運用成績についての経営陣の期待、さらに必要に応じて、
死亡率、失効率および業務効率などのその他の経験に基づく要因を反映している。保険契約者に対する
給付は、契約条件、規定または過去の分配方針により決定される場合がある。
任意参加型の投資契約
任意参加型の投資契約は金融商品であるが、これらは IFRS 第4号で要求されているとおり、引き続き
保険契約として取り扱われる。当行グループは、したがってこれら契約の保険料を収益として認識し、
負債の帳簿価額の増加を費用として計上する。
これらの契約 (その任意給付には 主に投資ポートフォリオの実際の運用成績 が反映 され る)における
正味未実現投資利益に対応する負債の増加は、関連資産の未実現利益の会計処理に応じて損益計算書ま
たはその他の包括利益のいずれかに認識される。正味未実現損失の場合は、回収可能性が極めて高い範
囲でのみ 、繰延利益配当資産が認識される。関連資産の実現損益から生じる負債の変動は損益計算書に
認識される 。
有効な長期保険契約の現在価値
当行グループは、長期契約に分類される、期末日現在において有効な、保険契約および任意参加型の
投資契約の価値を、資産として認識している。当該資産は、期末日において契約から生じることが予想
される保険契約を発行する保険会社の利益に対する持分の現在価値を表している。有効な長期保険契約
の現在価値(「 PVIF 」)は、予想される将来利益を割り引くことによって算定される。算定に際して
は、将来死亡率、失効率および費用水準、ならびに各契約に帰属するリスクプレミアムを反映したリス
ク割引率といった要因が仮定として用いられる。 PVIF には、非市場リスクならびに金融オプションおよ
び金融保証の価値に対する引当金が考慮される。 PVIF 資産は貸借対照表上の関連する税金を含めた金額
で表示され、 PVIF 資産の変動は「その他営業収益」に税込みベースで計上される。
(k) 従業員報酬および給付
株式報酬
当行グループは、従業員によるサービスの提供に対する報酬として、当行グループの従業員との間で
持分決済型および現金決済型株式報酬契約を締結している。従業員が報奨に係るサービスの提供を法的
付与日より前に開始し、かつ契約条件について両者が理解を共有している場合、これらの制度の権利確
定期間は法的付与日より前に開始する可能性がある。費用は、従業員が当該報奨に係るサービスの提供
を開始した時点で認識される。
権利確定条件以外の条件が権利確定期間中に満たされなかった場合は権利が失効し、損益計算書にお
いて直ちに認識される権利確定の早期化として会計処理される。従業員が権利確定条件を満たさなかっ
た場合は、失効として会計処理されるのではなく、権利確定予定の報奨数が反映されるように当該報奨
に係る費用認識額が調整される。
退職後給付制度
当行グループは、確定給付制度、確定拠出制度および退職後給付制度を含む多数の年金制度を有して
いる。
確定拠出制度の支払額は、従業員がサービスを提供した時点で費用として計上される。
確定給付年金債務は、予想単位積増方式を用いて算定される。損益計算書に計上される正味費用は、
主に勤務費用および正味確定給付資産または負債に係る正味利息で構成され、営業費用に表示されてい
る。
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正味確定給付資産または負債の再測定は、数理計算上の損益、制度資産運用益(利息を除く)および
資産上限額による影響(該当する場合、利息を除く)により構成され、直ちにその他の包括利益に認識
される。正味確定給付資産または負債は、資産上限額テストを実施したうえで、確定給付債務の現在価
値から制度資産の公正価値を控除したものを表している。当該テストでは、確定給付制度の正味剰余金
は、払戻および将来の拠出額に対する減額の現在価値に制限されている。
その他の退職後制度から生じた債務に関する費用は、確定給付年金制度と同様の基準により会計処理
されている。
(l) 法人税
法人税は、当期税金および繰延税金より構成されている。法人税はその他の包括利益または資本に直
接認識される項目に関連する場合、当該関係項目が表示される計算書に計上されるが、それ以外は損益
計算書に計上される。
当期税金は、当事業年度の課税所得に対して支払われることが予定されている税金であり、過年度に
関して支払われる税金に対する調整を行っている。当行グループは、税務当局に対する予想支払額に基
づき、発生する可能性のある当期税金負債を計上している。追加的に生じる税源浸食濫用防止税に関連
する支払いは、発生した期間の税金費用に反映される。
繰延税金は貸借対照表上の資産および負債の帳簿価額と税務上の資産および負債の金額の一時差異に
対して認識される。繰延税金は、資産が実現される、あるいは負債が決済される年度に適用が見込まれ
る税率を用いて算定される。
当期税金および繰延税金は、期末日に有効または実質的に有効な税率および税法に基づいて算定され
る。
重要な会計上の見積りおよび判断
繰延税金資産の認識は、特にエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの英国の繰延税金資産に関
して判断に依拠している。
判断 見積り
・資産を回収できる英国の税グループにおける将来課税所得の可能性および十分性の評価
・利益予測の検討ならびに繰延税金資産の戻し入れ方法および予想時期の検討
(m) 引当金、偶発債務および保証
引当金
引当金は、過去の事象から生じた現在の法的債務またはみなし債務を決済するために経済的便益が流
出する可能性があり、その金額を合理的に見積ることができる場合に認識される。
重要な会計上の見積りおよび判断
引当金の認識および測定では、当行グループは多くの判断、仮定および見積りを行うことを求められ
る。最も重要なものは以下のとおりである。
判断 見積り
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・現在の債務の有無の決定。訴訟引当金、 ・法的手続きおよび規制に関する引当金は、継続して、見積りに
および類似の債務の評価については、 使用される仮定に依存して大きく変動する可能性がある。係争
専門家の助言を取り入れている。 中の訴訟案件、捜査または審理に関して起こり得る結果は、広
・法的手続きおよび規制に関する引当金 範囲の可能性がある。その結果、個別案件に関して起こり得る
は、通常その他の種類の引当金よりも 結果の範囲を定量化することは、多くの場合実務上困難であ
高度な判断が求められる。訴訟が初期 る。また、この種の引当金について、かかる案件の性質および
段階の場合には、現在の債務の有無、 状況がさまざまであること、ならびに不確実性が広範囲にわた
発生可能性の見積り、および流出する るため、起こり得る結果の範囲を全体として有意性をもって定
可能性のある金額の見積りの決定に関 量化することも実務上困難である。
して高度な不確実性が存在するため、
会計的な判断が困難となる可能性があ
る。当該事象の進展に伴って、経営陣
および法務アドバイザーは、引当金を
認識すべきか否かを継続的に評価し、
必要に応じて以前の見積りの見直しを
行っている。段階が進むに連れ、一連
の起こり得る結果がより明確になるこ
とによって、見積りを行うことは通常
容易になる。
偶発債務、契約債務および保証
偶発債務
担保として供されている特定の保証および信用状を含む偶発債務ならびに法的手続きおよび規制事項
に関する偶発債務は、財務諸表では認識されないものの、決済の可能性が低い場合を除いて開示され
る。
金融保証契約
保険契約に分類されない金融保証契約に基づく負債は、当初は公正価値にて、通常、受取った手数料
または未収手数料の現在価値で計上される。
当行は、その他の当行グループ会社に対して金融保証および同様の契約を発行している。当行グルー
プは特定の保証を当行の財務諸表上、保険契約として会計処理することを選択した。この場合、それら
は保険負債として評価および認識される。この選択は、契約ごとに可能であるが、取り消すことはでき
ない。
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2 正味受取手数料
グローバル事業別正味受取手数料
2019 年
リテール・
バンキング・ グローバル・
アンド・ バンキング・ グローバル・
ウェルス・ コマーシャル・ アンド・ プライベート・ コーポレート・
マネジメント バンキング マーケッツ バンキング センター 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
口座サービス
31 91 194 18 - 334
運用ファンド 184 24 190 29 - 427
カード 24 18 5 - - 47
信用枠 1 91 203 6 - 301
仲介手数料収入 10 26 220 33 - 289
投資信託 3 - - 3 - 6
輸入/輸出 - 14 37 - - 51
送金 7 26 39 2 - 74
引受 - 3 282 2 - 287
グローバル・カストディ 4 9 94 11 - 118
保険代理店手数料 10 1 - 9 - 20
213 89 872 26 (564) 636
その他
受取手数料
487 392 2,136 139 (564) 2,590
(209) (41) (1,508) (35) 547 (1,246)
控除:支払手数料
正味受取手数料 278 351 628 104 (17) 1,344
2018 年
リテール・
バンキング・ グローバル・
アンド・ バンキング・ グローバル・
ウェルス・ コマーシャル・ アンド・ プライベート・ コーポレート・
マネジメント バンキング マーケッツ バンキング センター 合計
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
口座サービス
203 214 179 13 - 609
運用ファンド 228 26 150 47 - 451
カード 105 39 6 - - 150
信用枠 1 157 229 6 - 393
仲介手数料収入 16 23 215 28 - 282
投資信託 9 - - 2 - 11
輸入/輸出 - 44 36 - - 80
送金 13 23 50 2 - 88
引受 - 3 238 3 - 244
グローバル・カストディ 6 8 106 9 - 129
保険代理店手数料 40 2 - 9 - 51
316 230 894 30 (556) 914
その他
受取手数料
937 769 2,103 149 (556) 3,402
(339) (56) (1,464) (40) 541 (1,358)
控除:支払手数料
正味受取手数料 598 713 639 109 (15) 2,044
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正味受取手数料には、損益を通じて公正価値で評価されない金融資産に関する受取手数料(実効金利
の計算に含まれている金額を除く。) 906 百万ポンド( 2018 年: 1,875 百万ポンド)、損益を通じて公正
価値で評価されない金融負債に関する支払手数料(実効金利の計算に含まれている金額を除く。) 198
百万ポンド( 2018 年: 365 百万ポンド)、信託およびその他の受託活動に関連する受取手数料 580 百万ポ
ンド( 2018 年: 613 百万ポンド)、ならびに信託およびその他の受託活動に関連する支払手数料 53百万
ポンド( 2018 年:2百万ポンド)が含まれている。
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3 損益を通じて公正価値で測定する金融商品からの純収益/(費用)
2019 年 2018 年
百万ポンド
以下による純収益 /(費用):
トレーディング活動(正味) 4,054 391
(1,999) 2,342
公正価値ベースで管理するその他金融商品
トレーディング目的で保有または公正価値ベースで管理する
2,055 2,733
金融商品からの純収益
保険契約および投資契約に基づく負債を履行するために保有
1,364 (626)
する金融資産
(76) 22
投資契約に基づく顧客に対する負債
損益を通じて公正価値で測定する保険事業の資産および負債
1,288 (604)
(関連するデリバティブを含む)からの純収益/(費用)
当行グループの発行済負債証券とともに管理されている
124 (157)
デリバティブ
(132) 162
その他の公正価値の変動
指定を受けた負債および関連するデリバティブの公正価値の
(8) 5
変動
強制的に損益を通じて公正価値で測定するその他金融商品の
547 511
公正価値の変動
12月31日に終了した事業年度 3,882 2,645
4 保険事業
正味保険料収入
任意参加型の
非連動型 連動型
1
保険 生命保険 投資契約 合計
百万ポンド
保険料収入総額
231 245 1,772 2,248
保険料収入総額における再保険会社の持
(98) (3) - (101)
分
2019 年12月31日に終了した事業年度 133 242 1,772 2,147
保険料収入総額
202 166 1,734 2,102
保険料収入総額における再保険会社の持
(94) (3) - (97)
分
2018 年12月31日に終了した事業年度 108 163 1,734 2,005
1任意参加型。
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正味保険金、支払給付および保険契約準備金の変動
任意参加型の
非連動型 連動型
1
保険 生命保険 投資契約 合計
百万ポンド
保険金、支払給付および保険契約準
105 363 2,957 3,425
備金の変動、総額
-保険金、給付金および解約返戻金
136 96 1,490 1,722
(31) 267 1,467 1,703
-保険契約準備金の変動
保険金、支払給付および保険契約
準備金の変動における再保険 (56) (3) - (59)
会社の持分
-保険金、給付金および解約返戻金
(61) (3) - (64)
5 - - 5
-保険契約準備金の変動
2019 年12月31日に終了した事業年度 49 360 2,957 3,366
保険金、支払給付および保険契約準
167 (40) 1,284 1,411
備金の変動、総額
-保険金、給付金および解約返戻金
169 90 1,407 1,666
(2) (130) (123) (255)
-保険契約準備金の変動
保険金、支払給付および保険契約
準備金の変動における再保険 (69) 136 - 67
会社の持分
-保険金、給付金および解約返戻金
(64) (2) - (66)
(5) 138 - 133
-保険契約準備金の変動
2018 年12月31日に終了した事業年度 98 96 1,284 1,478
1任意参加型。
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保険契約に基づく負債
任意参加型の
非連動型 連動型
1
保険 生命保険 投資契約 合計
百万ポンド
保険契約に基づく負債総額、
616 1,042 18,999 20,657
2019 年1月1日現在
支払保険金および給付金 (119) (96) (1,474) (1,689)
保険契約準備金の増加 (30) 267 1,483 1,720
2
109 82 630 821
換算差額およびその他の変動額
保険契約に基づく負債総額、
576 1,295 19,638 21,509
2019 年12月31日現在
保険契約に基づく負債に対する
(113) (50) - (163)
再保険会社の持分
保険契約に基づく負債純額、
463 1,245 19,638 21,346
2019 年12月31日現在
保険契約に基づく負債総額、
617 1,166 19,250 21,033
2018 年1月1日現在
支払保険金および給付金 (169) (90) (1,407) (1,666)
保険契約準備金の増加 167 (40) 1,284 1,411
2 5 (128) (121)
換算差額およびその他の変動額
保険契約に基づく負債総額、
617 1,041 18,999 20,657
2018 年12月31日現在
保険契約に基づく負債に対する
(129) (50) - (179)
再保険会社の持分
保険契約に基づく負債純額、
488 991 18,999 20,478
2018 年12月31日現在
1任意参加型。
2「換算差額およびその他の変動額」は、その他の包括利益に認識されている正味未実現投資利益から生じる負債の変
動を含む。
保険契約準備金の変動をもたらす主な要因は、保険契約準備金の裏付けとなる資産の市場価格におけ
る変動、死亡保険金の請求、解約、失効、契約開始時の保険契約準備金の設定、配当宣言および契約者
に帰属するその他の金額を含む。
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5 従業員報酬および給付
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
賃金および給与
1,752 2,035
社会保障費用 383 434
1
90 60
退職後給付
12月31日に終了した事業年度 2,225 2,529
1確定拠出年金制度に対する事業主拠出額 48百万ポンド( 2018 年: 91百万ポンド)を含む。 2018 年におけるリングフェ
ンスの完了によるエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーへの移管による影響を受けている。
当事業年度における当行グループの平均雇用人員数
2019 年 2018 年
人 人
リテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメント
5,198 14,699
コマーシャル・バンキング 2,507 4,943
グローバル・バンキング・アンド・マーケッツ 4,844 4,659
グローバル・プライベート・バンキング 399 541
4,806 5,595
コーポレート・センター
1
17,754 30,437
12月31日に終了した事業年度
12018 年におけるリングフェンスの完了によるエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーへの移管による
影響を受けている。
株式報酬
株式報酬に関する損益計算書上の費用は、以下のとおり賃金および給与に認識されている。
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
制限付株式報奨
86 99
2 4
貯蓄型およびその他の株式報奨オプション制度
12月31日に終了した事業年度 88 103
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HSBC 株式報奨
報奨 方針
制限付株式報奨(株式で支給される ・12月31日に終了する対象期間の業績評価を用いて、付与される報奨額が決定さ
年次インセンティブ報酬を含む)お れる。
よびグループ業績株式制度
・繰延報奨については通常、従業員が権利確定期間にわたり雇用されていること
(「 GPSP 」)
が必要であり、付与日後の業績を条件としない。
・繰延株式報奨は通常3年間にわたり権利が確定し、 GPSP 報奨は5年目以降に権
利が確定する。
・権利確定した株式は権利確定後の継続雇用条件の対象となることがある。 GPSP
報奨は雇用終了まで留保される。
・2010 年以降に付与される報奨は、権利確定前の取消規定の対象となる。
海外従業員株式購入制度 ・この制度は 2013 年に香港で最初に導入され、現在は 25の地域の従業員が加入
している。
(「シェアマッチ」)
・株式は、 750 ポンドまたはその現地通貨相当額を上限として、四半期ごとに市
場で購入されている。
・マッチング報奨として、3株購入するごとに1株が無料で付与される。
・マッチング報奨は、最長2年9ヶ月の間、勤務を継続し、購入した株式を保有
していることを前提として権利が確定する。
HSBC 株式報奨の変動
2019 年 2018 年
株 株
(千株) (千株)
制限付株式報奨-1月1日現在残高
23,395 25,368
エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーおよ
- (883)
びその子会社への移管
1
19,358 20,315
当事業年度中における増加
1
(17,742) (20,737)
当事業年度における引渡
(433) (668)
当事業年度における権利失効
制限付株式報奨- 12月31日現在残高 24,578 23,395
付与された報奨の加重平均公正価値(ポンド)
5.99 6.35
1エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの他の子会社から、またはそれら他の子会社へと移管
された複数の株式オプション制度を含む。
HSBC 株式オプション制度
主要制度 方針
貯蓄型株式オプション制度 ・英国制度およびインターナショナル制度の2つの制度。インターナショナル制
度に基づく最後のオプションの付与は 2012 年。
(「シェアセーブ」)
・2014 年より、適格従業員は月額 500 ポンドを上限として積立を行うことがで
き、株式を取得するためにその積立を利用することを選択できる。
・3年または5年契約の開始日から3年目または5年目の応当日から6ヶ月間行
使可能である。
・行使価格は、申込案内日の直前の日の市場価格に対して 20%( 2018 年: 20%)
割り引いた価格に設定される。
HSBC ホールディングス・ ・2005 年5月に制度は廃止
グループ株式オプション制度
・付与日より3年目から 10年目まで行使可能である。
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公正価値の計算
株式オプションの公正価値は、ブラック-ショールズ・モデルを用いて算定されている。株式報奨の
公正価値は、付与日現在の株式価格に基づく。
HSBC 株式オプション制度における変動
貯蓄型株式オプション制度
1
WAEP
オプション数
(千個) (ポンド)
2019 年1月1日現在残高
4,008 4.88
2
2,078 4.68
当事業年度中における付与
2
(801) 4.32
当事業年度中における権利行使
当事業年度中における行使期限切れ (35) 4.17
(1,005) 5.43
当事業年度における権利失効
2019 年12月31日現在残高 4,245 4.78
加重平均残存契約期間(年数)
2.76
2018 年1月1日現在残高 32,567 4.51
エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーおよび
(25,608) 4.50
その子会社への移管
2
2,205 5.19
当事業年度中における付与
2
(3,742) 4.42
当事業年度中における権利行使
当事業年度中における行使期限切れ (987) 4.99
(427) 4.54
当事業年度における権利失効
2018 年12月31日現在残高 4,008 4.88
加重平均残存契約期間(年数)
2.54
1加重平均行使価格
2エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの他の子会社から、またはそれら他の子会社へと移管
された複数の株式オプション制度を含む。
退職後給付制度
当行グループはヨーロッパ各地において当行グループの従業員向けに多数の年金制度を運営してい
る。一部は確定給付制度で、リングフェンス実施前はエイチエスビーシー・バンク (英国 )年金制度が最
大規模であった。 2018 年のリングフェンス完了後、エイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブル
クハルト年金制度は当行グループにおいてより重要になった。 70ページ(訳注:原文のページ数であ
る。)の「年金リスク」の項には、年金制度に関連する方針および履行状況についての詳細が含まれて
いる。
当行グループの貸借対照表には、各制度の貸借対照表日現在の制度資産の公正価値と制度負債の割引
価値との差額である正味剰余金または欠損金が含まれている。剰余金は、将来の拠出額の減額または制
度からの将来の潜在的な払戻を通じて回収可能である範囲でのみ認識される。当行グループは、剰余金
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が回収可能か否かを評価する際に、将来の払戻または将来の拠出額の減額を受けることができる現行の
権利を考慮している。
エイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブルクハルト年金制度
この制度は、最終給与に基づく制度であり、事前に定義された給付発生および利益を乗じた従業員の
勤務期間に基づいて算定される。年金は、特定の年金給付、一時金またはその組み合わせであり、給付
期日が到来すると支払われる。当制度は、当該制度の運営に関して受託責任を負っている独立した受託
会社によって監督されている。当制度の資産は当行グループの資産とは分離して保管されている。
投資の戦略的目的は、可能な限り継続して、時間の経過とともに可能な限り価値の増加を達成するこ
とである。この目的上、基金は主として国債、社債、投資ファンド、株式に投資する。また、主に先進
地域に投資する。全体として、高度な分散を重視している。
2018 年12月31日現在の当該制度の積立額に関する最新の評価は、ウィリス・タワーズ・ワトソン・
ゲーエムベーハーのドイツ・アクチュアリー会( DAV )会員であるティム・ヴォートマンおよびアン
ナ・メイにより、予想単位積増方式を用いて行われた。積立額に関する次回の評価の適用日は、 2019 年
12月31日である。
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確定給付制度に関連して貸借対照表上で認識された正味資産/(負債)
制度の剰余金
に対する
制度資産の 確定給付債務
公正価値 の現在価値 制限の影響 合計
百万ポンド
確定給付年金制度
580 (759) - (179)
- (74) - (74)
確定給付医療制度
2019 年12月31日現在 580 (833) - (253)
従業員給付債務合計(「未払費用、繰延利益
(275)
およびその他負債」内)
従業員給付資産合計(「前払金、未収利益
22
およびその他資産」内)
確定給付年金制度 496 (723) - (227)
- (81) - (81)
確定給付医療制度
2018 年12月31日現在 496 (804) - (308)
従業員給付債務合計(「未払費用、繰延利益
(332)
およびその他負債」内)
従業員給付資産合計(「前払金、未収利益
24
およびその他資産」内)
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確定給付年金制度
確定給付年金制度に基づく正味資産/(負債)
正味確定給付
制度資産の公正価値 確定給付債務の現在価値
資産/(負債)
エイチエス エイチエス エイチエス
ビーシー・ ビーシー・ ビーシー・
トリンカウ トリンカウ トリンカウ
ス・アン ス・アン ス・アン
ド・ブルク ド・ブルク ド・ブルク
ハルト ハルト ハルト
その他の その他の その他の
2 2 2
年金制度 制度 年金制度 制度 年金制度 制度
百万ポンド
2019 年1月1日現在
329 167 (417) (306) (88) (139)
- - (21) (15) (21) (15)
勤務費用
-当期勤務費用
(21) (9) (21) (9)
-過去勤務費用および清
- - - (6) - (6)
算による利益
正味確定給付資産/(負
債)における利息収
9 3 (6) (5) 3 (2)
益/(費用)
その他の包括利益におい
18 4 (14) (27) 4 (23)
て認識された再測定の
影響
-制度資産の収益(利
18 4 - - 18 4
息収益を除く)
-数理上の利益 - - (14) (27) (14) (27)
- - - - - -
-その他の増減
換算差額
(20) (8) 22 18 2 10
支払給付 - (4) 9 12 9 8
1
69 13 (7) (2) 62 11
その他の変動
2019 年12月31日現在 405 175 (434) (325) (29) (150)
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正味確定給付
制度資産の公正価値 確定給付債務の現在価値
資産/(負債)
エイチエス エイチエス エイチエス
ビーシー・ ビーシー・ ビーシー・
トリンカウ トリンカウ トリンカウ
ス・アン ス・アン ス・アン
ド・ブルク ド・ブルク ド・ブルク
ハルト ハルト ハルト
その他の その他の その他の
2 2 2
年金制度 制度 年金制度 制度 年金制度 制度
百万ポンド
2018 年1月1日現在
330 27,979 (394) (22,087) (64) 5,892
リングフェンス規制の
- (26,948) - 20,580 - (6,368)
履行に伴う再編成
エイチエスビーシー・
トリンカウス・アン
- 8 - (4) - 4
ド・ブルクハルトの
年金制度への移管
- - (17) (9) (17) (9)
勤務費用
-当期勤務費用
- - (17) (13) (17) (13)
-過去勤務費用および
- - - 4 - 4
清算による利益
正味確定給付資産/
(負債)における利
3 359 (7) (280) (4) 79
息収益/(費用)
その他の包括利益にお
(15) (826) (1) 1,081 (16) 255
いて認識された再測
定の影響
-制度資産の収益
(利息収益を除
(15) (826) - - (15) (826)
く)
-数理上の利益 - - 1 1,079 1 1,079
- - (2) 2 (2) 2
-その他の増減
換算差額
12 39 (9) (44) 3 (5)
支払給付 - (444) - 462 - 18
1
- (1) 9 (3) 9 (4)
その他の変動
2018 年12月31日現在 330 166 (419) (304) (89) (138)
1その他の変動には、当行グループの拠出額、従業員の拠出額、制度が支払った管理費用および税金が含まれる。
2エイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブルクハルト年金制度は 2018 年のリングフェンス後の当行グルー
プにおいて重要な制度とみなされるため、当制度およびその比較数値が開示されている。
HSBC は、 2020 年においてエイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブルクハルト年金制度への拠
出を予定していない。今後5年間の各年に、およびその後の5年間の合計でエイチエスビーシー・トリ
ンカウス・アンド・ブルクハルト年金制度から退職者に支払われると予想される給付額は、以下のとお
りである。
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制度から支払われると予想される給付額
2025 年~
2020 年 2021 年 2022 年 2023 年 2024 年 2029 年
百万ポンド
エイチエスビーシー・トリ
ンカウス・アンド・ブル
6 5 5 5 5 25
1
クハルト年金制度
1エイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブルクハルト年金制度について、適用されている開示の仮定に基
づく確定給付債務の期間は、 18.1 年( 2018 年: 18.1 年)である。
資産クラス別制度資産の公正価値
2019 年12月31日 2018 年12月31日
活発な
活発な市 市場の
活発な市 場の公表 活発な市 公表市
うち、 うち、
場の公表 市場価格 場の公表 場価格
1 1
価値 市場価格 なし HSBC 価値 市場価格 なし HSBC
百万ポンド
エイチエスビー
シー・トリン
カウス・アン
ド・ブルクハ
ルト年金制度
制度資産の公正
405 389 16 146 329 311 18 85
価値
-株式
26 26 - - 26 26 - -
-債券 97 97 - - 94 94 - -
-デリバティブ - - - - - - - -
282 266 16 146 209 191 18 85
-その他
1制度資産の公正価値には、注記 33に詳述される、エイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブルクハルト・
アーゲーがエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーと締結したデリバティブが含まれている。
退職後確定給付年金制度の主な数理計算上の財務に関する仮定
当行グループは、確定給付債務と満期が一致している優良な負債性金融商品( AA格付または同等)の
現在の平均利回りに基づき、当制度の現地のアクチュアリーと相談の上で債務に適用する割引率を決定
している。
重要な数理計算上の仮定
割引率 インフレ率 年金の増加率 昇給率
%
エイチエスビーシー・トリンカウス・アン
ド・ブルクハルト年金制度
2019 年12月31日現在 1.05 1.75 1.50 2.50
1.81 2.00 2.00 3.00
2018 年12月31日現在
死亡表および 65歳における平均余命
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現在の男性加入者 現在の女性加入者
の65歳における平均余命: の65歳における平均余命:
死亡表
65歳 45歳 65歳 45歳
百万ポンド
エイチエスビーシー・トリ
ンカウス・アンド・ブル
クハルト年金制度
1
20.2 23.0 23.7 27.0
2019 年12月31日現在
RT 2018G
RT 2018G
20.2 23.0 23.7 27.0
2018 年12月31日現在
1Heubeck 表: RT 2018G 。これは、ドイツで職域年金制度について一般に認められ、使用されている死亡表であ
り、将来の死亡率の改善および給付が高い年金受給者ほど死亡率がより軽いことを考慮している。
重要な仮定の変更による影響
エイチエスビーシー・トリンカウス・アンド・ブルクハルト年金
制度債務
増加による財務上の影響 減少による財務上の影響
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド
割引率 -0.25 %の増加/減少
(13) (13) 14 14
インフレ率 -0.25 %の増加/減少
9 13 (9) (12)
年金給付および繰延年金 -0.25 %の
9 9 (9) (9)
増加/減少
給与 -0.25 %の増加/減少
4 4 (3) (4)
死亡率の変動 -1年の増加 14 14 n/a n/a
取締役報酬
2006 年会社法( 2008 年規則 410 号により改訂)に準拠して算定された当行の取締役報酬の合計は、以
下のとおりである。
2019 年 2018 年
千ポンド 千ポンド
1
1,136 1,586
手当
2
1,958 1,276
給与およびその他の報酬
3
472 515
年次インセンティブ
4
160 679
長期インセンティブ
12月31日に終了した事業年度 3,726 4,056
1非執行取締役に支払われた手当。
2給与およびその他の報酬の数値には固定手当が含まれている。
3執行取締役に対する任意の年次インセンティブは、個人および会社の業績に基づいており、当行の親会社であ
るエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの報酬委員会によって決定される。執行取締役に付
与されるインセンティブ報奨は、現金およびエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの株式で
付与される。表示されている合計額は、現金 235,752 ポンド( 2018 年: 257,400 ポンド)および制限付株式
235,752 ポンド( 2018 年: 257,400 ポンド)で構成されており、 2019 年度の業績に関して付与される年次インセ
ンティブの前払分である。
4表示されている金額は、繰延現金 48,002 ポンド( 2018 年: 135,525 ポンド)、繰延制限付株式 64,097 ポンド
(2018 年: 223,451 ポンド)およびグループ業績株式制度(「 GPSP 」)に基づき発行される株式 48,050 ポンド
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(2018 年: 319,734 ポンド)で構成されている。これらの金額は、報奨のうち、これら報奨に付された権利確定
条件が 2020 年度にほぼ満たされた場合に権利が確定する部分に関連している。繰延現金および株式報奨の権利
確定期間の合計は3年以上であるが、報奨日の第1回目および第2回目の各応当日において 33%の権利が確定
し、残りは報奨日の第3回目の応当日に確定する。繰延株式報奨は権利確定の際に6ヶ月間保有するという条
件が付される。 GPSP 報奨は5年の権利確定期間が条件であり、雇用期間が終了するまで保有するという要件が
付されている。両制度の詳細については、エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの取締役報
酬報告書の中に含まれている。 2011 年HSBC 株式制度に基づく、勤務条件が付された報奨の費用は、これらの報
奨の公正価値をもとに算定された金額が、報奨の対象となる勤務期間にわたって毎年認識される。
当事業年度中にエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの普通株式に関する株式オプ
ションを行使した取締役はいなかった。
取締役のマネー・パーチェス制度に基づいた適格勤務に関する取締役への退職給付の計上はなかった
(2018 年:取締役1名)。取締役の適格勤務に関して当事業年度に当行が行なった拠出はなかった
(2018 年: 3,778 ポンド)。
さらに、旧取締役との退職給付契約に基づき 815,772 ポンド( 2018 年: 817,163 ポンド)が支払われて
おり、ここには旧取締役に対する非積立型年金債務に関連する支払 681,549 ポンド( 2018 年: 687,227 ポ
ンド)が含まれている。 2019 年12月31日現在、旧取締役に対する非積立型年金債務に関する引当金は、
10,737,186 ポンド( 2018 年: 10,956,784 ポンド)であった。
これらの総額のうち、以下の金額は最高額の報酬を受け取った取締役(「最高報酬取締役」)に対し
て支払われたものである。
2019 年 2018 年
千ポンド 千ポンド
給与およびその他の報酬
1,190 623
1
260 361
年次インセンティブ
2
105 575
長期インセンティブ
12月31日に終了した事業年度 1,555 1,559
1最高報酬取締役に付与される報奨は、現金およびエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの株
式で付与された。表示されている金額は、現金 130,000 ポンド( 2018 年: 180,277 ポンド)および制限付株式
130,000 ポンド( 2018 年: 180,277 ポンド)で構成されている。
2表示されている金額は、繰延現金 28,429 ポンド( 2018 年: 108,586 ポンド)、繰延制限付株式 28,459 ポンド
(2018 年: 178,022 ポンド)および GPSP に基づき発行される株式 48,050 ポンド( 2018 年: 288,351 ポンド)で構
成されている。これらの金額は、報奨のうち、これら報奨に付された権利確定条件が 2020 年度にほぼ満たされ
た場合に権利が確定する部分に関連している。繰延現金および株式報奨の権利確定期間の合計は3年以上であ
るが、報奨日の第1回目および第2回目の各応当日において 33%の権利が確定し、残りは報奨日の第3回目の
応当日に確定する。株式報奨は権利確定の際に6ヶ月間保有するという条件が付される。 GPSP 報奨は5年の権
利確定期間が条件であり、雇用期間が終了するまで保有するという要件が付されている。
最高報酬取締役は、長期インセンティブ制度に基づく適格勤務に関して株式を受領した。
最高報酬取締役の当事業年度の勤務に関して、当行が行なった年金拠出はなかった( 2018 年: 3,778
ポンド)。
6 監査人報酬
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
PwC に対する支払監査報酬
10.5 11.8
0.4 0.4
その他の支払監査報酬
12月31日に終了した事業年度 10.9 12.2
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PwC に対する当行グループの支払報酬
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
1
5.5 6.7
当行の法定監査に対する支払報酬
11.6 11.8
当行グループに提供されたその他のサービスに対する報酬
2
5.0 5.1
-当行グループ子会社の監査
3
2.7 2.2
-監査関連の保証サービス
-その他の保証サービス 3.9 4.4
4
- 0.1
-その他の非監査サービス
12月31日に終了した事業年度 17.1 18.5
1当行グループの連結財務諸表および当行の個別財務諸表の法定監査に関する PwC に対する支払報酬である。当行
子会社の法定監査に関する支払報酬はここには含まれておらず、「当行グループに提供されたその他のサービ
スに対する報酬」に含まれている。
2当行子会社の法定監査に対する PwC への支払報酬を含む。
3コンフォート・レターおよび期中レビューを含む、法定ならびに規制上の報告に関する保証サービスおよびそ
の他サービスを含む。
4アドバイザリー、コーポレート・ファイナンス取引等に関するその他の認められたサービスが含まれている。
当行に対する非監査サービスに関する支払報酬は、当該報酬が当行グループ連結ベースで開示されて
いるため、個別には開示されていない。
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7 法人税
法人税費用
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
当期税金 (103) 490
-当期
(75) 512
(28) (22)
-過年度に関する調整
繰延税金 222 (48)
-一時差異の発生および解消
48 (61)
-税率の変更の影響 - 13
174 -
-過年度に関する調整
1
119 442
12月31日に終了した事業年度
継続事業
119 119
- 323
非継続事業
1損益計算書に計上された金額に加えて、税額控除 100 百万ポンド( 2018 年: 275 百万ポンドの費用)が直接資本
に計上された。
当行グループの利益は、その利益が生じる国によって異なる税率で課税される。 2019 年度において主
に適用されている税率は、英国およびフランスなどである。当行および当行の銀行子会社に適用されて
いる英国の税率は 27.00 %( 2018 年: 27%)であり、その内訳は 19%の法人税率と英国内の銀行業務利
益に対する8%の追加税であった。 19%の英国法人税率は、 2020 年4月1日に 17%まで引き下げられ
る。フランスにおいて適用される税率は 34%( 2018 年: 34%)であり、 2022 年1月1日から 26%まで引
き下げられる。その他海外子会社および海外支店は、業務を展開している国における適切な税率を用い
て税金を計上した。 2018 年度の 非継続事業に関連する税金は、 2018 年7月1日にエイチエスビーシー・
ユーケー・バンク・ピーエルシーに移転された活動に関連している。
税率調整表
損益計算書上の法人税費用は、すべての利益が英国法人税率で課税された場合の法人税費用とは以下
のとおり異なる。
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2019 年 2018 年
百万ポンド % 百万ポンド %
税引前当期純(損失)/利益
(872) 1,974
法人税費用
英国法人税率 19.00 %( 2018 年: 19.00 %) (166) 19.0 375 19.0
海外における利益に対する異なる税率
(5) 0.5 32 1.6
での課税の影響
英国内の銀行業務利益に対する8%の追加
(34) 3.9 94 4.8
税
のれんの減損 219 (25.1) - -
過年度に関する調整 146 (16.6) (22) (1.1)
非課税所得および引き下げられた税率で
(94) 10.8 (106) (5.4)
課税対象となる利益
永久損金不算入 37 (4.3) 38 1.9
地方税および海外源泉税 16 (1.8) 52 2.6
税率の変更 (16) 1.8 13 0.7
控除不能な顧客への補償費用 (6) 0.6 (2) (0.1)
その他 22 (2.4) (16) (0.8)
控除不能な規制上の和解金 - - (8) (0.4)
- - (8) (0.4)
未認識繰延税金の変動
12月31日に終了した事業年度 119 (13.6) 442 22.4
継続事業
119 119
- 323
非継続事業
当事業年度の実効税率は、税引前当期純損失に対して発生した税金費用を反映して、 (13.6) %( 2018
年: 22.4 %)であった。控除不能なのれんの減損による影響を除く実効税率は 42.5 %である。これは、
過年度に関する費用、非課税の規制上の引当金の戻入およびその他の非課税所得の水準が低下したこと
が主因であり、控除不能な費用の減少および過年度は資本に計上された AT1債のクーポン支払いの税額
控除により相殺されているものの、 2018 年度を上回った。税法はあいまいで、その適用には当局間でも
議論になり得るようなある程度の判断が必要であるため、税金に関する会計処理には一定の見積りが伴
う。負債は、起こり得る結果に関する 最善の見積りに基づき、 外部からの助言も適宜考慮して 認識され
ている。当行グループは、重要な負債が引当額を超えて発生することはないと予想している。当期税金
資産には、 EUに所在する会社から過年度に受領した配当金に関して英国歳入関税局( HMRC )から回収可
能な税金の見積額が含まれている。この問題の最終的な解決には訴訟が伴うが、訴訟の結果は不確実で
あり、短期間に解決する可能性は低い。
繰延税金資産および負債の変動
当行グループ
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貸付金 FVOCI/ のれんおよ
の減損引当 有形固定資 売却可能投 び
1、2
退職給付 金 産 資 無形資産 その他 合計
百万ポンド
資産
92 32 281 - 174 26 605
- (4) (9) (73) - (8) (94)
負債
2019 年1月1日
92 28 272 (73) 174 18 511
現在
損益計算書 (30) 7 (106) - (32) (61) (222)
その他の包括利
20 - - (50) - 127 97
益
2019 年12月31日
82 35 166 (123) 142 84 386
現在
3
82 41 172 - 142 84 521
資産
3
- (6) (6) (123) - - (135)
負債
資産
34 35 349 - 185 134 737
(1,455) (5) - (80) - - (1,540)
負債
2018 年1月1日
(1,421) 30 349 (80) 185 134 (803)
現在
IFRS 第9号への
移行に伴う調 - 38 (1) 153 (1) (17) 172
整
エイチエスビー
シー・ユー
ケー・バン
ク・ピーエル 1,592 (156) (73) 1 (20) (10) 1,334
シーおよびそ
の子会社への
移転
損益計算書 8 (13) (3) - 10 46 48
その他の包括利
(87) 129 - (147) - (135) (240)
益
2018 年12月31日
92 28 272 (73) 174 18 511
現在
3
92 32 281 - 174 26 605
資産
3
- (4) (9) (73) - (8) (94)
負債
1その他の繰延税金資産および負債は、税務上の繰越欠損金、株式報酬およびキャッシュ・フロー・ヘッジに関連している。
2損失に関して認識された繰延税金資産は、主にニューヨーク支店の米国州税上の欠損金およびフランスにおける損失に関連し
ており、どちらも将来の利益予測によって裏付けられている。
3各国の残高を相殺後決算書に開示された残高は、繰延税金資産 408 百万ポンド( 2018 年: 540 百万ポンド)および繰延税金負債
22百万ポンド( 2018 年: 29百万ポンド)である。
2019 年12月31日現在に施行されている法律に基づき、英国法人税率は 2020 年4月1日に 19%から 17%
に引き下げられる予定である。保守党(現政権)は、 2020 年3月 11日に英国予算の一環として当該税率
の引き下げを取り消す意図を示唆している。この取り消しが施行された場合、 2019 年12月31日現在、当
行グループの繰延税金負債純額に対して 23百万ポンドの増加(当行の繰延税金負債純額に対して 25百万
ポンドの増加)となる。
英国で認識された繰延税金資産は、 HSBC の英国税グループ全体に関する将来の利益予想によって裏付
けられる。これには、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー・グループの一部でない多くの企
業、特にエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーおよびその子会社が含まれる。
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当行
のれんおよび
1、2
退職給付 有形固定資産 無形資産 その他 合計
百万ポンド
2
22 257 177 - 456
資産
2
- (2) - (9) (11)
負債
2019 年1月1日現在
22 255 177 (9) 445
損益計算書 (25) (104) (32) (61) (222)
その他の包括利益 26 - - 76 102
- - - - -
為替およびその他の調整
2019 年12月31日現在 23 151 145 6 325
3
23 151 145 8 327
資産
3
- - - (2) (2)
負債
資産
- 289 192 81 562
(1,489) - - - (1,489)
負債
2018 年1月1日現在
(1,489) 289 192 81 (927)
IFRS 第9号への移行に伴う調整
1 - - 143 144
エイチエスビーシー・ユー
ケー・バンク・ピーエルシー 1,592 (47) (23) (154) 1,368
への移転
損益計算書 7 13 8 (2) 26
その他の包括利益 (89) - - (76) (165)
- - - (1) (1)
為替およびその他の調整
2018 年12月31日現在 22 255 177 (9) 445
3
22 257 177 - 456
資産
3
- (2) - (9) (11)
負債
1その他の繰延税金資産および負債は、自己負債の公正価値、貸付金の減損引当金、税務上の繰越欠損金、株式報酬および
キャッシュ・フロー・ヘッジに関連している。
2損失に関して認識された繰延税金資産は、主にニューヨーク支店の米国州税上の欠損金およびフランスにおける損失に関連し
ており、どちらも将来の利益予測によって裏付けられている。
3各国の残高を相殺後決算書に開示された残高は、繰延税金資産 327 百万ポンド( 2018 年: 447 百万ポンド)および繰延税金負債
2百万ポンド( 2018 年:2百万ポンド)である。
未認識の繰延税金
当行グループ
貸借対照表上に繰延税金資産が認識されていない一時差異、税務上の繰越欠損金および税額控除の金
額は 695 百万ポンド( 2018 年: 870 百万ポンド)であった。これらの金額は、米国支店において発生した
税務上の繰越欠損金、税額控除および一時差異が 675 百万ポンド( 2018 年: 694 百万ポンド)、ならびに
ヨーロッパにおける未利用の一時差異および税務上の繰越欠損金が 20百万ポンド( 2018 年: 176 百万ポ
ンド)で構成されている。未認識繰越欠損金のうち、 234 百万ポンドは 10年以内に期限を迎え、残りは
10年より後に期限を迎える。
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当行
貸借対照表上に繰延税金資産が認識されていない一時差異、税務上の繰越欠損金および税額控除の金
額は 675 百万ポンド( 2018 年: 825 百万ポンド)であった。これらの金額には、米国支店において発生し
た税務上の繰越欠損金、税額控除および一時差異が 675 百万ポンド( 2018 年: 694 百万ポンド)、ならび
にヨーロッパにおける未利用の一時差異および税務上の繰越欠損金がゼロポンド( 2018 年: 131 百万ポ
ンド)含まれている。未認識繰越欠損金のうち、 234 百万ポンドは 10年以内に期限を迎え、残りは 10年
より後に期限を迎える。
当行グループの子会社および支店に対する投資により生じた未認識の繰延税金負債はなかった。
8 配当金
親会社に対する配当金
2019 年 2018 年
1株当たり 1株当たり
百万ポンド 百万ポンド
ポンド ポンド
普通株式に係る配当金
前年度に関する第2回中間配当金 0.51 406 0.73 583
当事業年度に関する第1回中間配当金 - - 0.30 234
前年度に関する第1回特別配当金 0.85 674 - -
当事業年度に関する第1回特別配当金 1.60 1,277 - -
0.54 430 - -
当事業年度に関する第2回特別配当金
合計 3.50 2,787 1.03 817
資本に分類される優先株式に係る配当金
当行の非累積第三次米ドル優先株式に
1.47 51 1.47 51
関する配当金
合計 1.47 51 1.47 51
2019 年に普通株式について宣言された配当金合計は 1,707 百万ポンド( 2018 年: 1,314 百万ポンド)で
あった。
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資本に分類される資本証券に係るクーポン支払額合計
2019 年 2018 年
最初の
百万ポンド 百万ポンド
償還可能日
永久劣後その他 Tier 1金融商品
-555 百万ポンド 2023 年3月 28 -
1
2019 年12月 - 31
-1,096 百万ポンド
1
2024 年12月 - 31
-1,100 百万ポンド
-235 百万ユーロ 2022 年1月 12 12
-300 百万ユーロ 2023 年3月 10 -
97 102
-1,900 百万ユーロ 2020 年12月
147 176
1 リングフェンス移転スキームに基づき、当行が発行した既存の 2014 年発行の永久劣後その他 Tier 1金融商品 1,096 百万ポンド
(2019 年12月以降償還可能)および 2014 年発行の永久劣後その他 Tier 1金融商品 1,100 百万ポンド( 2024 年12月以降償還可
能)に関連するすべての権利と義務は、 2018 年7月1日にエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーに移管され
た。
9 セグメント別分析
作成の基礎
チーフ・エグゼクティブは、当行グループの報告セグメントを特定する目的上、最高経営意思決定者
(「 CODM 」)とみなされ、執行委員会の他のメンバーがこれをサポートする。業績は、報告済みの業績
から重要項目の影響を除外した調整後業績に基づいて、 CODM によって評価される。そのため、 IFRS が求
める報告済みの業績と調整後業績との調整表を表示している。
当行グループの業務は密接に統合されているため、データの表示には、収益および費用の特定の項目
の内部配分が含まれる。これらの配分には、事業および国に有意に割り当てることができる範囲におい
て、一定の支援サービスおよび部署の費用が含まれている。こうした配分は体系的かつ一貫性のある基
準で行われているが、必然的にある程度の主観性を伴う。事業に配分されていない費用は、コーポレー
ト・センターに含まれている。
該当する場合、表示されている収益および費用の金額には、セグメント間資金調達ならびにグループ
会社間および事業部門間の取引が含まれている。こうした取引はすべて独立企業間条件に従って実施さ
れている。事業に関するグループ内相殺項目は、コーポレート・センターに表示されている。
当行グループの事業
HSBC は、4つのグローバル事業において銀行業務および金融サービスを顧客に提供している。顧客に
提供される商品およびサービスはこれらのグローバルビジネス別に顧客に提供される。
当行グループの業務モデルは、4つの事業およびコーポレート・センターで構成されており、すべて
HSBC オペレーションズ、 HSBC サービスおよびテクノロジー、ならびにリスク、財務、コンプライアン
ス、法務、マーケティングおよび人事を含む 11の部門によってサポートされている。
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事業セグメント別:
調整後税引前当期純利益
2019 年
コーポレー
ト・
RBWM CMB GB&M GPB センター 合計
百万ポンド
正味営業収益/(損
失)(予想信用損
失およびその他の
1,140 1,170 3,654 189 (84) 6,069
信用減損費用の変
1
動考慮前)
-外部
1,151 1,164 3,942 190 (378) 6,069
(11) 6 (288) (1) 294 -
-セグメント間
予想信用損失および
その他の信用減損 (3) (109) (41) 1 28 (124)
費用の変動
正味営業収益/(費
1,137 1,061 3,613 190 (56) 5,945
用)
(924) (630) (3,478) (142) (158) (5,332)
営業費用合計
営業利益/(損失)
213 431 135 48 (214) 613
関連会社およびジョ
イント・ベン
- - - - (10) (10)
チャーにおける損
失持分
調整後税引前利益/
213 431 135 48 (224) 603
(損失)
%
調整後経費率 81.1 53.8 95.2 75.1 87.9
2018 年
コーポレー
ト・
RBWM CMB GB&M GPB センター 合計
百万ポンド
正味営業収益/(損
失)(予想信用損
失およびその他の
2,580 2,445 4,207 249 (87) 9,394
信用減損費用の変
1
動考慮前)
-外部
2,530 2,252 4,554 248 (190) 9,394
50 193 (347) 1 103 -
-セグメント間
予想信用損失および
その他の信用減損 (103) (26) (110) 1 79 (159)
費用の変動
正味営業収益/(費
2,477 2,419 4,097 250 (8) 9,235
用)
(2,034) (1,134) (3,391) (188) (404) (7,151)
営業費用合計
営業利益/(損失)
443 1,285 706 62 (412) 2,084
関連会社およびジョ
イント・ベン
- - - - 16 16
チャーにおける損
失持分
調整後税引前利益/
443 1,285 706 62 (396) 2,100
(損失)
%
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調整後経費率 78.8 46.4 80.6 75.5 76.1
1 正味営業収益(予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮前)は、収益ともいう。
外部の正味営業収益は、業績報告または資金貸出の責任を負う支店の所在地に基づいて、各国に割り
当てられる。
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
1
6,044 9,468
外部の正味営業収益(国別)
-英国
2,987 6,537
-フランス 1,653 1,532
-ドイツ 710 654
694 745
-その他の国
調整後業績の調整表
2019 年 2018 年
調整 重要な項目 報告額 調整 重要な項目 報告額
百万ポンド
1
6,069 (25) 6,044 9,394 74 9,468
収益
ECL (124) - (124) (159) - (159)
営業費用 (5,332) (1,450) (6,782) (7,151) (200) (7,351)
関連会社およびジョイン
(10) - (10) 16 - 16
ト・ベンチャーにおけ
る(損失)/利益持分
税引前当期(損失)/利
603 (1,475) (872) 2,100 (126) 1,974
益
1 正味営業収益(予想信用損失およびその他の信用減損費用の変動考慮前)は、収益ともいわれる。
調整後利益の調整表
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
12月31日に終了した事業年度
調整後税引前当期利益 603 2,100
(1,475) (126)
重要な項目
-英国顧客損害賠償プログラム
(1) (22)
-デリバティブ契約に係る負債評価調整 (27) 42
-非適格ヘッジの公正価値の変動 3 (2)
-構造改革費用 (87) (184)
-組織再編およびその他の関連費用 (204) (30)
-法務および規制上の事項に関する和解金および引当金 (7) 70
(1,152) -
-のれんの減損
税引前(損失)/利益 報告額 (872) 1,974
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事業別貸借対照表
コーポレート・
RBWM CMB GB&M GPB センター 合計
百万ポンド
2019 年12月31日
顧客に対する貸付金 22,597 27,204 53,866 4,285 439 108,391
31,310 36,923 95,774 7,502 5,727 177,236
顧客からの預金
2018 年12月31日
顧客に対する貸付金 21,924 29,021 56,464 3,541 1,014 111,964
29,961 34,716 103,387 6,514 6,258 180,836
顧客からの預金
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10 トレーディング資産
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
短期国債およびその他適格手形 780
1,991 2,411 1,104
1,2
40,481 41,108 28,330 26,144
負債証券
38,292 35,257 36,696 33,695
持分証券
トレーディング証券 80,764 78,776 65,806 60,943
3
6,371 7,857 5,611 7,148
銀行に対する貸付金
3
11,114 8,787 11,868 9,674
顧客に対する貸付金
12月31日現在 98,249 95,420 83,285 77,765
1当行グループに関する上記の数値は、銀行およびその他の金融機関が発行した負債証券 8,551 百万ポンド( 2018 年: 9,564 百万
ポンド)を含み、そのうち 1,676 百万ポンド( 2018 年: 1,486 百万ポンド)はさまざまな政府機関により保証されている。
2当行に関する上記の数値は、銀行およびその他の金融機関が発行した負債証券 7,014 百万ポンド( 2018 年: 6,951 百万ポンド)
を含み、そのうち 1,504 百万ポンド( 2018 年: 985 百万ポンド)はさまざまな政府機関により保証されている。
3銀行および顧客に対する貸付金は、売戻取引、借株およびその他の金額を含む。
11 公正価値で計上された金融商品の公正価値
管理の枠組み
公正価値は、リスクを取る立場から独立した部門による決定または検証が行われることを確保するよ
う設計された管理の枠組みの適用を受ける。
公正価値が外部の相場価格またはモデルにインプットする観察可能な価格を参照して決定される金融
商品はすべて、独立した価格決定または検証が行われる。活発に取引されていない市場では、当行グ
ループは金融商品の公正価値を検証するにあたって代替的なマーケット情報を入手する。関連性および
信頼性が高いと考えられる情報ほど重視される。この点について、とりわけ以下の要素が考慮される。
・価格が真正な取引価格または取引可能価格であると見込まれる程度
・金融商品間の類似性の程度
・異なる情報源間の一貫性の程度
・データを入手するために価格提供者が行ったプロセス
・市場データに関連する日から期末日までの経過期間
・データの入手方法
評価モデルを用いて決定された公正価値についての管理の枠組みは、該当する場合、(ⅰ)評価モデ
ルのロジック、(ⅱ)評価モデルへのインプット、(ⅲ)評価モデル以外で必要な調整、および、可能
であれば(ⅳ)モデルからのアウトプットについての、独立した支援部門による開発または検証を含
む。評価モデルは、使用可能となる前に精査および調整プロセスを経ており、継続的に外部の市場デー
タに対して調整される。
公正価値で測定される金融負債
特定の状況において、当行グループは、特定の金融商品の活発な市場における市場価格に基づいて、
発行済負債を公正価値で計上する。市場価格が入手できない場合、これらの発行済負債は評価技法を用
いて評価され、そのインプットは当該金融商品の活発に取引されていない市場における市場価格に基づ
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くか、または類似する金融商品の活発な市場における市場価格と比較することによって見積られる。い
ずれの場合でも、公正価値は、当行グループの負債に適した信用スプレッドを適用することによる影響
を含んでいる。
発行済仕組債および特定のその他複合金融商品は、公正価値で測定され、トレーディング負債に計上
されている。これらの金融商品に適用されているスプレッドは、当行グループが仕組債を発行した時点
におけるスプレッドから導かれている。
公正価値ヒエラルキー
金融資産および負債の公正価値は以下に従ってヒエラルキーが決定される。
・レベル1-市場価格を用いた評価技法: HSBC が測定日現在アクセス可能な活発な市場における同一
商品の市場価格を有する金融商品
・レベル2-観察可能なインプットを用いた評価技法:活発な市場における類似商品の市場価格また
は活発に取引されていない市場における同一商品または類似商品の市場価格を有する金融商品、
およびすべての重要なインプットが観察可能であるモデルを用いて評価された金融商品
・レベル3-重要な観察不能なインプットによる評価技法:1つ以上の重要なインプットが観察不能
である評価技法を用いて評価された金融商品
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公正価値で計上された金融商品および評価基準
2019 年 2018 年
レベル1 レベル2 レベル3 合計 レベル1 レベル2 レベル3 合計
当行グループ
百万ポンド 百万ポンド
12月31日現在の
継続的な公正価値の測
定
資産
トレーディング資産 69,292 25,754 3,203 98,249 69,774 22,094 3,552 95,420
公正価値評価の指定を
受けた、または強制
的に損益を通じて公 10,932 3,649 2,431 17,012 10,128 5,590 2,081 17,799
正価値で測定する金
融資産
デリバティブ 869 162,032 1,637 164,538 1,101 141,341 2,080 144,522
金融投資 40,388 5,413 650 46,451 40,237 6,232 790 47,259
負債
トレーディング負債 37,195 10,791 40 48,026 35,964 13,504 46 49,514
公正価値評価の指定を
7,222 33,477 943 41,642 5,337 30,595 990 36,922
受けた金融負債
デリバティブ 672 158,730 1,681 161,083 1,420 137,049 1,463 139,932
2019 年 2018 年
レベル1 レベル2 レベル3 合計 レベル1 レベル2 レベル3 合計
当行
百万ポンド 百万ポンド
12月31日現在の
継続的な公正価値の測
定
資産
トレーディング資産 56,229 23,858 3,198 83,285 53,104 21,075 3,586 77,765
公正価値評価の指定を
受けた、または強制
的に損益を通じて公 279 2,326 524 3,129 24 5,051 670 5,745
正価値で測定する金
融資産
デリバティブ 685 150,152 1,659 152,496 849 136,247 2,133 139,229
金融投資 25,023 1,480 58 26,561 24,511 2,116 72 26,699
負債
トレーディング負債 17,393 9,594 27 27,014 15,128 12,154 19 27,301
公正価値評価の指定を
- 23,980 683 24,663 - 22,203 728 22,931
受けた金融負債
デリバティブ 533 147,145 1,929 149,607 1,237 132,351 1,719 135,307
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レベル1の公正価値とレベル2の公正価値の間の振替
資産 負債
公正価値
評価の指定
または強制
的に損益を
通じて公正
トレーディ デリバ トレーディ 公正価値 デリバ
2
金融投資 ング資産 価値で測定 ティブ ング負債 評価の指定 ティブ
百万ポンド 百万ポンド
2019 年12月31日現在
1
- 1,336 - 18 194 - -
レベル1からレベル2への振替
レベル2からレベル1への振替 - 552 141 85 106 - 90
2018 年12月31日現在
レベル1からレベル2への振替 - 183 - - 33 - -
2
- 1,625 - (96) 1,275 - (103)
レベル2からレベル1への振替
1当期において国債および流動性の低い社債に関する手法が改善されたため、トレーディング資産のレベル1からレベル2への
振替が行われた。
2当期において、トレーディング資産において 1,547 百万ポンドおよびトレーディング負債において 1,220 百万ポンドの流動性の
高い社債が、レベル2からレベル1に振り替えられた。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の報告期間末に発生するとみなしている。公正
価値ヒエラルキーのレベル間の振替(入)および振替(出)は通常、評価インプットの観察可能性なら
びに価格透明性に起因する。当事業年度の振替の大部分は、改善されたデータが入手可能となった一部
のポジションの分類変更に関連している。
公正価値調整
市場参加者が考慮する追加的な要因があり、それらが評価モデルに組み込まれていないと当行グルー
プが判断した場合に、公正価値調整が行われる。公正価値調整のレベルの変動は、必ずしも損益計算書
におけ る損益の認識につながるものではない。例えば、モデルが改善され、公正価値調整が必要なくな
るような場合がこれにあてはまる。
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ビッド-オファー
IFRS 第13号「公正価値測定」は、公正価値を最もよく表すビッド-オファー・スプレッドの範囲内で
の価格を使用するよう求めている。評価モデルは通常、仲値を導き出す。ビッド-オファー調整は、実
質的にすべての残存する正味ポートフォリオ市場リスクが、利用可能なヘッジ手段を用いて、あるいは
実際のポジションを処分または解消することにより手仕舞された場合に発生するコストの範囲を反映し
ている。
不確実性
特定のモデルのインプットは市場データから容易に決定できない場合があり、かつ/またはモデルの
選択自体がより主観的である場合がある。これらの状況において、市場参加者が不確実なパラメーター
および/またはモデルの仮定について評価モデルに用いられる数値よりも保守的な数値を採用する可能
性を反映するために、調整が必要となることがある。
信用および負債評価調整
信用評価調整(「 CVA 」)は、契約相手方が債務不履行に陥り、当行グループが当該取引の市場価値
の全額を受け取ることができない可能性を反映させるために店頭(「 OTC 」)デリバティブ契約の評価
に対して行われる調整である。
負債評価調整(「 DVA 」)は、 HSBC が債務不履行に陥り、当該取引の市場価値の全額を支払うことが
できない可能性を反映させるために OTC デリバティブ契約の評価に対して行われる調整である。
HSBC は、グループ各社ごとに、またグループ各社の契約相手ごとに、各社のエクスポージャーに対す
る個別の CVA および DVA を計算している。中央決済機関を除き、第三者であるすべての契約相手方が CVA
および DVA の計算に含められており、これらの調整は当行グループ会社間で相殺されていない。
HSBC は、 CVA を、契約相手方に対する HSBC の正の予想エクスポージャーに対して HSBC の非デフォルト
を条件とした契約相手方のデフォルト(債務不履行)確率(「 PD」)を適用し、その結果にデフォルト
時の予測損失を乗じることによって算定している。
これに対して、 HSBC はDVA を、 HSBC に対する契約相手方の正の予想エクスポージャーに対して契約相
手方の非デフォルトを条件とした HSBC のPDを適用し、その結果にデフォルト時の比例的な予測損失を乗
じることによって算定している。どちらの計算も、潜在的なエクスポージャーの期間にわたって実施さ
れる。
ほとんどの商品について、 HSBC では、ポートフォリオの期間中におけるさまざまな潜在的エクスポー
ジャーを取り込んだシミュレーション法を用いて、契約相手方に対して予想される正のエクスポー
ジャーを算定している。当該シミュレーション法には、契約相手方とのネッティング契約および担保契
約等の信用補完が含まれている。
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当該手法は、一般に「誤方向リスク」を考慮していない。誤方向リスクは、 CVA 前のデリバティブの
潜在的価値が契約相手方の PDと正の相関がある場合に生じる。重要な誤方向リスクが存在する場合、評
価におけるこのリスクを反映するために取引ごとの個別のアプローチが適用される。
資金調達公正価値調整
資金調達公正価値調整 (「FFVA 」)は、 OTC デリバティブ・ポートフォリオの無担保部分の予想将来資
金調達エクスポージャーに対し将来の市場での資金調達スプレッドを適用することで算出される。予想
将来資金調達エクスポージャーは、利用できる場合シミュレーション手法で算出され、 HSBC または契約
相手方の債務不履行など、エクスポージャーを終了させる事象について調整される。 FFVA および DVA
は、独立して算出される。
モデルの限界
ポートフォリオ評価のために使用されるモデルは、現在および将来の重要な市場特性のすべてを捉え
ているわけではない簡略化された一連の仮定に基づいている場合がある。この場合、モデルの限界に関
する調整が行われる。
取引開始時の利益(初日の損益準備金)
取引開始時の利益に関する調整は、評価モデルによって見積られた公正価値が1つ以上の重要な観察
不能なインプットに基づいている場合に行われる。取引開始時の利益に関する調整の会計処理について
は注記1に記載されている。
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公正価値評価の基礎
重要な観察不能なインプットによる評価技法を使用して公正価値で測定されている金融商品-レベル3
資産 負債
公正価値
評価の指定
または強制
的に損益を
公正価値
トレーディン 通じて公正 デリバ トレーディン デリバ
当行グループ
金融投資 グ目的保有 価値で測定 ティブ 合計 グ目的保有 評価の指定 ティブ 合計
百万ポンド 百万ポンド
戦略的投資を含めた
66 3 2,134 - 2,203 3 - - 3
プライベート・エクイティ
アセット・バック証券 578 694 21 - 1,293 - - - -
仕組債 - 2 - - 2 35 943 - 978
デリバティブ - - - 1,637 1,637 - - 1,677 1,677
1
6 2,504 276 - 2,786 2 - 4 6
その他のポートフォリオ
2019 年12月31日現在 650 3,203 2,431 1,637 7,921 40 943 1,681 2,664
戦略的投資を含めた
62 10 1,673 - 1,745 10 - - 10
プライベート・エクイティ
アセット・バック証券 723 730 24 - 1,477 - - - -
仕組債 - 2 - - 2 36 990 - 1,026
デリバティブ - - - 2,080 2,080 - - 1,463 1,463
1
5 2,810 384 - 3,199 - - - -
その他のポートフォリオ
2018 年12月31日現在 790 3,552 2,081 2,080 8,503 46 990 1,463 2,499
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資産 負債
公正価値
評価の指定
または強制
的に損益を
公正価値
トレーディン 通じて公正 デリバ トレーディン デリバ
当行
金融投資 グ目的保有 価値で測定 ティブ 合計 グ目的保有 評価の指定 ティブ 合計
百万ポンド 百万ポンド
戦略的投資を含めた
-
54 524 - 578 - - - -
プライベート・エクイティ
アセット・バック証券 4 693 - - 697 - - - -
仕組債 - 1 - - 1 25 683 - 708
デリバティブ - - - 1,659 1,659 - - 1,919 1,919
1
- 2,504 - - 2,504 2 - 10 12
その他のポートフォリオ
2019 年12月31日現在 58 3,198 524 1,659 5,439 27 683 1,929 2,639
戦略的投資を含めた
53 1 444 - 498 - - - -
プライベート・エクイティ
アセット・バック証券 19 776 226 - 1,021 - - - -
仕組債 - - - - - 19 728 - 747
デリバティブ - - - 2,133 2,133 - - 1,713 1,713
1
- 2,809 - - 2,809 - - 6 6
その他のポートフォリオ
2018 年12月31日現在 72 3,586 670 2,133 6,461 19 728 1,719 2,466
1買戻契約の 1.2 十億ユーロ( 2018 年: 1.5 十億ユーロ)、仕組証券の 0.8 十億ユーロ( 2018 年: 0.9 十億ユーロ)を含む。
レベル3の金融商品は、現行事業および旧来の事業の双方に存在する。証券化目的のローン、モノラ
イン保険会社とのデリバティブ、一部の「その他のデリバティブ」およびほぼすべてのレベル3のア
セット・バック証券(「 ABS 」)は、旧来のポジションである。 HSBC はこれらのポジションを保有する
能力を有している。
戦略的投資を含めたプライベート・エクイティ
投資の公正価値は、投資対象会社の財政状態および経営成績、リスク・プロファイル、見通しならび
にその他の要素の分析に基づいて、あるいは、活発な市場における類似した会社の市場評価を参照する
かもしくは類似した会社が所有者を変更した時点の価格を参照することによって見積られる。
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アセット・バック証券
これらの証券の公正価値を決定するために市場価格が通常用いられているが、入手可能な限られた市
場データの信頼性を実証するため、また市場価格に対する調整が必要か否かを特定するためには評価モ
デルが用いられる。住宅モーゲージ・バック証券などの一部の ABS の評価では、期限前償還率、担保の種
類に基づく債務不履行率および損失の規模、ならびに業績に関連した前提条件を適宜考慮した業界標準
モデルを用いている。評価のアウトプットは、一貫性について、類似する性質をもつ証券の観察可能な
データと比較される。
仕組債
レベル3の仕組債の公正価値は、基礎となる負債証券の公正価値から導き出される。組込デリバティ
ブの公正価値の決定については、下記のデリバティブに関するパラグラフで説明されている。これらの
仕組債は主に、 HSBC が発行し、契約相手方に特定の持分証券およびその他のポートフォリオの業績と連
動した利益を提供する株式連動債で構成されている。観察不能なパラメーターには、 長期株式ボラティ
リティ、ならびに株価間、金利および為替レート間の相関関係等がある。
デリバティブ
OTC デリバティブの評価モデルは、「無裁定」原則に基づいて、予想将来キャッシュ・フローの現在
価値を算定する。多くの一般デリバティブ商品に関して利用されるモデル・アプローチは、業界で標準
的に用いられているものである。より複雑なデリバティブ商品の場合は、実務上の相違が一部見られ
る。評価モデルへのインプットは、可能な場合には常に、取引所、ディーラー、ブローカー、またはコ
ンセンサスプライスのプロバイダーから得られる価格を含む、観察可能な市場データから決定される。
特定のインプットは、市場では直接的に観察されない場合があるが、モデル調整手順を経た観察可能な
価格から決定されるか、あるいは実績データまたはその他の情報源から見積ることができる。
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公正価値ヒエラルキーのレベル3における公正価値測定に関する調整
レベル3金融商品の変動
資産 負債
公正価値
評価の指定
または強制
的に損益を
公正価値
トレーディ 通じて公正 デリバ トレーディ デリバ
金融投資 ング資産 価値で測定 ティブ ング負債 評価の指定 ティブ
当行グループ
百万ポンド 百万ポンド
2019 年1月1日現在 790 3,552 2,081 2,080 43 990 1,463
4 (104) 273 189 (3) 111 587
損益に認識された利益/(損失)合計
-トレーディング目的保有または公正価値ベースで
- (104) - 189 (3) - 587
管理する金融商品からの純収益
-強制的に損益を通じて公正価値で測定するその他
- - 273 - - 111 -
の金融商品の公正価値の変動
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
4 - - - - - -
融投資による純収益
その他の包括利益(「 OCI」)に認識された利益/
(17) (50) (106) (23) (1) (16) (7)
1
(損失)合計
-金融投資:公正価値に係る利益/(損失)
2 - - - - - -
(19) (50) (106) (23) (1) (16) (7)
-換算差額
購入
3 1,468 623 - 5 123 -
発行 - 120 - - 5 686 -
売却 (8) (499) (178) - (7) (149) -
決済 (123) (598) (252) (98) (4) (450) (51)
振替(出) (167) (1,029) (10) (610) (7) (366) (372)
168 343 - 99 9 14 61
振替(入)
2019 年12月31日現在 650 3,203 2,431 1,637 40 943 1,681
2019 年12月31日時点で保有していた資産および負債
- (17) 168 127 - 8 239
に関して損益に認識された未実現利益/(損失)
-トレーディング収益/(費用)(正味受取利息を
- (17) - 127 - - 239
除く)
-公正価値評価の指定を受けたその他の金融商品か
- - 168 - - 8 -
らの純収益/(費用)
2018 年1月1日現在 943 2,284 1,794 1,764 67 937 1,333
(1) 118 307 586 (2) (111) 181
損益に認識された利益/(損失)合計
-トレーディング目的保有または公正価値ベースで
- 118 - 586 (2) - 181
管理する金融商品からの純収益
-強制的に損益を通じて公正価値で測定するその他
- - 307 - - (111) -
の金融商品の公正価値の変動
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
(1) - - - - - -
融投資による純収益
その他の包括利益(「 OCI」)に認識された利益/
61 145 - (4) - 3 1
1
(損失)合計
-金融投資:公正価値に係る利益/(損失)
25 - - - - - -
36 145 - (4) - 3 1
-換算差額
購入
25 3,059 524 6 3 57 79
発行 - 701 - 6 4 1,287 26
売却 (35) (991) (240) - (9) - (11)
決済 (93) (1,463) (282) (123) (1) (812) 59
振替(出) (347) (1,114) (71) (257) (16) (371) (354)
237 813 49 102 - - 149
振替(入)
2018 年12月31日現在 790 3,552 2,081 2,080 46 990 1,463
2018 年12月31日時点で保有していた資産および負債
- (5) 89 302 4 56 245
に関して損益に認識された未実現利益/(損失)
-トレーディング収益/(費用)(正味受取利息を
- (5) - 302 4 - 245
除く)
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-公正価値評価の指定を受けたその他の金融商品か
- - 89 - - 56 -
らの純収益/(費用)
- - - - - - -
-貸倒損失およびその他の信用リスク引当金計上額
1当期の「金融投資:公正価値に係る利益/(損失)」および連結包括利益計算書の「換算差額」に含まれている。
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資産 負債
公正価値
評価の指定
または強制
的に損益を
公正価値
トレーディ 通じて公正 デリバ トレーディ デリバ
金融投資 ング資産 価値で測定 ティブ ング負債 評価の指定 ティブ
当行
百万ポンド 百万ポンド
2019 年1月1日現在 72 3,586 670 2,133 19 728 1,719
1
- - - - - - (40)
当行から移転した企業
- (102) 92 188 3 105 679
損益に認識された利益/(損失)合計
-トレーディング目的保有または公正価値ベースで
- (102) - 188 3 - 679
管理する金融商品からの純収益
-強制的に損益を通じて公正価値で測定するその他
- - 92 - - 105 -
の金融商品の公正価値の変動
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
- - - - - - -
融投資による純収益
その他の包括利益(「 OCI」)に認識された利益/
- (49) (24) - - - -
2
(損失)合計
-換算差額 - (49) (24) - - - -
購入
- 1,466 10 - - - -
発行 - 120 - - - 650 -
売却 (3) (499) (2) - - - -
決済 (9) (638) (222) (141) 5 (470) (113)
振替(出) (54) (1,029) - (612) (7) (330) (397)
52 343 - 91 7 - 87
振替(入)
2019 年12月31日現在 58 3,198 524 1,659 27 683 1,929
2019 年12月31日時点で保有していた資産および負債に
- (18) - 38 - 23 (285)
関して損益に認識された未実現利益/(損失)
-トレーディング収益/(費用)(正味受取利息を
- (18) - 38 - - (285)
除く)
-公正価値評価の指定を受けたその他の金融商品か
- - - - - 23 -
らの純収益/(費用)
1
140 2,362 980 1,808 32 700 1,605
2018 年1月1日現在
(1) 117 98 610 (2) (87) 187
損益に認識された利益/(損失)合計
-トレーディング目的保有または公正価値ベースで
- 117 - 610 (2) - 187
管理する金融商品からの純収益
-強制的に損益を通じて公正価値で測定するその他
- - 98 - - (87) -
の金融商品の公正価値の変動
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
(1) - - - - - -
融投資による純収益
その他の包括利益(「 OCI」)に認識された利益/
1 144 16 - - - -
(損失)合計
-換算差額 1 144 16 - - - -
購入
23 3,126 18 - - - 76
発行 - 701 - 6 - 1,273 39
売却 (12) (1,101) (278) - - - (11)
決済 (10) (1,462) (164) (130) 6 (797) 52
振替(出) (73) (1,114) - (265) (17) (361) (367)
4 813 - 104 - - 138
振替(入)
2018 年12月31日現在 72 3,586 670 2,133 19 728 1,719
2018 年12月31日時点で保有していた資産および負債に
- (5) 6 255 (4) 48 (246)
関して損益に認識された未実現利益/(損失)
-トレーディング収益/(費用)(正味受取利息を
- (5) - 255 (4) - (246)
除く)
-公正価値評価の指定を受けたその他の金融商品か
- - 6 - - 48 -
らの純収益
- - - - - - -
-貸倒損失およびその他の信用リスク引当金計上額
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1ポジションは第1四半期にエイチエスビーシー・フランスのスペイン支店に振り替えられた。
2当期の「金融投資:公正価値に係る利益/(損失)」および連結包括利益計算書の「換算差額」に含まれている。
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合理的に可能な代替に対する重要な観察不能な仮定の変動による影響
合理的に可能な代替的仮定に対するレベル3公正価値の感応度
2019 年 2018 年
利益または損失 利益または損失
に反映 OCI に反映 に反映 OCI に反映
有利な
有利な 不利な 不利な 有利な 不利な 有利な 不利な
当行グループ
変動 変動 変動 変動 変動 変動 変動
変動
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
デリバティブ、トレーディング資産
140 (131) - - 155 (147) - -
1
およびトレーディング負債
公正価値評価の指定または強制的に損
223 (146) - - 177 (124) 3 (1)
益を通じて公正価値で測定
7 (10) 17 (17) 7 (9) 17 (17)
金融投資
12月31日現在 370 (287) 17 (17) 339 (280) 20 (18)
当行
デリバティブ、トレーディング資産
122 (113) - - 136 (127) - -
1
およびトレーディング負債
公正価値評価の指定または強制的に損
57 (55) - - 53 (51) - -
益を通じて公正価値で測定
6 (6) - - 6 (6) - -
金融投資
12月31日現在 185 (174) - - 195 (184) - -
1デリバティブ、トレーディング資産およびトレーディング負債は、これらの金融商品のリスク管理方法を反映させるために1つの
カテゴリーとして表示されている。
合理的に可能な代替的仮定に対するレベル3公正価値の感応度(商品種類別)
2019 年 2018 年
利益または損失 利益または損失
OCI に反映 OCI に反映
に反映 に反映
有利な 不利な
有利な 不利な 有利な 不利な 有利な 不利な
変動 変動 変動 変動 変動 変動
変動 変動
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
戦略的投資を含めたプライベー
ト・
219 (143) - - 173 (119) - -
エクイティ投資
アセット・バック証券 32 (8) 17 (17) 38 (18) 20 (18)
仕組債 6 (6) - - 10 (10) - -
デリバティブ 62 (63) - - 74 (74) - -
その他のデリバティブ - - - - - - - -
51 (67) - - 44 (59) - -
その他のポートフォリオ
12月31日現在 370 (287) 17 (17) 339 (280) 20 (18)
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感応度分析は、 95%信頼区間を適用した場合に対応する公正価値の幅を測定することを目的としてい
る。感応度分析の際には、採用した評価技法の内容、ならびに観察可能な代替指標や実績データの入手
可能性および信頼性を考慮に入れる。
金融商品の公正価値が複数の観察不能な仮定による影響を受ける場合、上記の表は、仮定の変動によ
る最も有利または不利な変動を個別に反映する。
レベル3金融商品への主要な観察不能なインプット
レベル3評価における主要な観察不能なインプットの定量的情報
2019 年 2018 年
公正価値
インプットの
インプットの
インプットの インプットの
主要な
1
1
資産 負債 全範囲 中核範囲 全範囲 中核範囲
観察不能な
百万ポンド 評価技法 インプット 下位 上位 下位 上位 下位 上位 下位 上位
戦略的投資を含めた
下記参照 下記参照
2,203 3 N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A N/A
プライベート・エクイティ
1,293 -
アセット・バック証券
マーケット・
2
ビッドクォート
- 100 - 100 - 100 88 100
270 -
-CLO/CDO
プロキシ
マーケット・
1,023 - ビッドクォート
-その他 ABS - 99 74 95 - 100 68 99
プロキシ
仕組債 2 978
モデル-オプショ 株式ボラティリ
-株式連動債
5% 90% 7% 45% 8% 79% 13% 43%
- 791
ン・モデル ティ
株式
- - 31% 91% 36% 78% 31% 88% 40% 77%
モデル-オプショ ファンドボラ
-ファンド連動債
- 90 5% 21% 5% 21% 7% 21% 7% 21%
ン・モデル ティリティ
モデル-オプショ 為替ボラティ
-為替連動債
- 26 4% 23% 4% 22% 8% 27% 8% 25%
ン・モデル リティ
-その他 2 71
デリバティブ
1,637 1,677
金利:
モデル-割引
-証券化スワップ
キャッシュ・フ 期限前償還率
6% 7% 6% 7% 6% 7% 6% 7%
237 484
ロー
モデル-オプショ 金利ボラティリ
-長期スワップション
634 38 8% 22% 13% 21% 13% 39% 18% 31%
ン・モデル ティ
-その他 188 133
為替デリバティブ:
モデル-オプショ 為替ボラティリ
-為替オプション
240 311 -% 25% 4% 13% 3% 27% 6% 18%
ン・モデル ティ
株式デリバティブ:
モデル-オプショ 株式ボラティリ
-長期個別株式オプ
112 126 4% 89% 9% 38% 5% 83% 13% 46%
ン・モデル ティ
ション
その他 139 507
-クレジット・デリバ
ティブ:
-その他 87 78
その他ポートフォリオ 2,786 6
モデル-割引
信用ボラティリ
キャッシュ・フ
-仕組証券 4% 4% 4% 4% 2% 4% 2% 4%
760 -
ティ
ロー
2,026 6
-その他
12月31日現在 7,921 2,664
1インプットの中核範囲は、インプットの 90%が該当する範囲の見積りである。
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2ローン担保証券/債務担保証券。
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戦略的投資を含めたプライベート・エクイティ
各持分に関する分析は内容がそれぞれに異なるため、主要な観察不能インプットの範囲を提示するこ
とは実務的ではない。
期限前償還率
期限前償還率は、ローン・ポートフォリオが期限前に返済されると予想される将来の速度に関する尺
度である。期限前償還率は、ローン・ポートフォリオの内容と将来の市況に対する予想によって変動
し、観察可能な証券価格のプロキシから推定された期限前償還率、現在および過去の期限前償還率およ
びマクロ経済モデルといったさまざまな根拠に基づいて見積られることがある。
市場プロキシ
市場プロキシ価格は、特定の市場価格は入手不能であるが、共通した特徴を持つ商品から証拠が得ら
れるような商品に使用される。特定のプロキシの識別が可能な場合もあるが、より一般的には、現在の
市場価格に影響する要素および影響の仕方の理解に役立つような、幅広い商品にわたる証拠が使用され
る。
ボラティリティ
ボラティリティは、予測される市場価格の将来変動の尺度である。ボラティリティは、基準となる参
照市場価格、またオプションの行使価格および満期によって変動する。
特定のボラティリティ、特に長期間のものは、観察不能であり、観察可能なデータにより見積りが行
われる。観察不能なボラティリティの範囲は、市場価格を参照することによるボラティリティのイン
プットにおける変動幅を反映している。こういった極端なボラティリティを示す例が HSBC のポートフォ
リオに生じることは比較的に稀であるため、中核範囲は全範囲よりもかなり狭くなる。
相関
相関は2つの市場価格間における関連性の尺度であり、マイナス1から1の間の数値で表される。相
関は、ペイアウトが複数の市場価格に依拠するような、より複雑な商品の評価に使用される。相関がイ
ンプットになっているさまざまな商品があり、その結果、さまざまな同一資産相関やクロス・アセット
相関が使用されている。一般に、同一資産相関の範囲はクロス・アセット相関よりも小さくなる。
観察不能な相関は、コンセンサス価格サービス、 HSBC の取引価格、プロキシ相関および過去の価格相
関の検証を含むさまざまな証拠を基に見積られる。表に示されている観察不能な相関の範囲は、市場価
格の組み合わせによる相関のインプットがさまざまであることを反映している。
信用スプレッド
信用スプレッドとは、信用の質が低い場合の引受の際に市場が求める、ベンチマーク金利を上回るプ
レミアムである。割引キャッシュ・フロー・モデルにおいて信用スプレッドは将来キャッシュ・フロー
に適用される割引率を増加させ、したがって、資産価値を減少させる。信用スプレッドは市場価格から
推計されることがあり、流動性のより低い市場においては観察不能であることがある。
主要な観察不能インプット間の相関関係
レベル3金融商品への主要な観察不能なインプットは相互に独立しない場合がある。上述のとおり、
市場変数は相関する場合がある。この相関は一般的には、異なる市場におけるマクロ経済またはその他
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の事象に対する反応傾向を反映している。さらに、市場変数が HSBC のポートフォリオに与える影響は、
各変数に関する HSBC の正味リスクポジションに左右される。
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12 公正価値以外の方法により計上されている金融商品の公正価値
公正価値以外の方法により計上されている金融商品の公正価値と評価基準
公正価値
重要な
観察可能な 観察不能な
市場価格 インプット インプット
帳簿価額 (レベル1) (レベル2) (レベル3) 合計
当行グループ
百万ポンド
2019 年12月31日現在
資産
銀行に対する貸付金 11,467 - 11,459 18 11,477
顧客に対する貸付金 108,391 - - 108,526 108,526
売戻契約-非トレーディング
85,756 - 85,756 - 85,756
目的
金融投資-償却原価 13 - 6 7 13
負債
銀行からの預金 23,991 - 23,978 - 23,978
顧客からの預金 177,236 - 177,170 113 177,283
買戻契約-非トレーディング
49,385 - 49,385 - 49,385
目的
発行済負債証券 25,039 - 25,039 - 25,039
劣後債務 13,182 - 13,638 - 13,638
2018 年12月31日現在
資産
銀行に対する貸付金 13,628 - 11,970 1,662 13,632
顧客に対する貸付金 111,964 - 3 112,662 112,665
売戻契約-非トレーディング
80,102 - 80,102 - 80,102
目的
金融投資-償却原価 13 - 8 5 13
負債
銀行からの預金 24,532 - 24,514 - 24,514
顧客からの預金 180,836 - 180,719 119 180,838
買戻契約-非トレーディング
46,583 - 46,582 - 46,582
目的
発行済負債証券 22,721 - 22,721 - 22,721
劣後債務 13,770 - 13,999 - 13,999
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公正価値
重要な
観察可能な 観察不能な
市場価格 インプット インプット
帳簿価額 (レベル1) (レベル2) (レベル3) 合計
当行
百万ポンド
2019 年12月31日現在
資産
銀行に対する貸付金 9,522 - 9,518 4 9,522
顧客に対する貸付金 49,926 - - 50,380 50,380
売戻契約-非トレーディング
50,736 - 50,737 - 50,737
目的
負債
銀行からの預金 16,356 - 16,356 - 16,356
顧客からの預金 109,040 - 109,039 - 109,039
買戻契約-非トレーディング
36,327 - 36,327 - 36,327
目的
発行済負債証券 15,038 - 15,038 - 15,038
劣後債務 12,783 - 13,359 - 13,359
2018 年12月31日現在
資産
銀行に対する貸付金 12,686 - 11,556 1,130 12,686
顧客に対する貸付金 58,783 - 5 59,425 59,430
売戻契約-非トレーディング
56,495 - 56,494 - 56,494
目的
負債
銀行からの預金 18,148 - 18,147 - 18,147
顧客からの預金 125,871 - 125,871 - 125,871
買戻契約-非トレーディング
35,693 - 35,693 - 35,693
目的
発行済負債証券 19,085 - 19,085 - 19,085
劣後債務 13,323 - 13,535 - 13,535
公正価値で計上されていないその他の金融商品は、通常その性質上短期であり、頻繁に現行の市場
レートに合わせて金利更改が行われる。したがって、そのような金融商品の帳簿価額は公正価値の合理
的な近似値である。 これらは現金および中央銀行預け金ならびに他行から回収中および他行へ送金中の
項目を含み、これらすべては償却原価で測定される。
評価
公正価値は、測定日時点で市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するため受け取るであ
ろう価格、または負債を移転するために支払うであろう価格に関する見積りである。これには、 HSBC が
金融商品の予想有効期間にわたりそのキャッシュ・フローから生じると予想する経済的便益および費用
を反映していない。観察可能な市場価格が入手できない場合の公正価値の決定における当行の評価方法
および仮定は、他の企業の評価方法および仮定と異なる可能性がある。
銀行および顧客に対する貸付金
銀行および顧客に対する貸付金の公正価値を決定するために、貸付金は可能な限り分離して、類似し
た特性のポートフォリオに分類している。公正価値は、入手可能な場合は観察可能な市場取引に基づい
ている。入手可能でない場合、公正価値は様々な仮定のインプットを組み込んだ評価モデルを利用して
見積られる。これらの仮定には以下のものを含む可能性がある。店頭トレーディング活動を反映した第
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三者ブローカーによる価値見積り。将来予測的な割引キャッシュ・フロー・モデル、予想される顧客の
期限前償還率の考慮など、これらの貸付金を評価する際に市場参加者が使用するであろう仮定と整合し
ていると HSBC が考える仮定の利用。類似する貸付金に対する新規ビジネスレートの見積り。観察された
プライマリーおよびセカンダリー取引を含む他の市場参加者によるトレーディング・インプット。当行
グループは適時、貸付金プールの公正価値を測定するために第三者の評価専門家を関与させる可能性が
ある。
貸付金の公正価値は、期末日における予想信用損失および貸付金の期間にわたる信用損失の市場参加
者による予測の見積りならびに組成時と期末日の間のリプライシングによる公正価値への影響を反映し
ている。信用減損が生じている貸付金の公正価値は、回収が期待される期間にわたって将来キャッ
シュ・フローを割り引いて見積られる。
金融投資
上場金融投資の公正価値は、市場買値を用いて決定される。非上場金融投資の公正価値は、同等の上
場証券の価格および将来の収益動向を考慮した評価技法を用いて決定される。
銀行および顧客からの預金
要求払預金の公正価値は、帳簿価額に近似している。長期預金の公正価値は、割引キャッシュ・フ
ローを用いて、同様の残存期間を持つ預金に提示される現在の利率を適用して見積られる。
発行済負債証券および劣後債務
公正価値は可能であれば期末日現在の市場価格を用いて、あるいは類似する金融商品の市場価格を参
照して決定される。
買戻契約および売戻契約-非トレーディング目的
残高は通常短期決済されるため、公正価値は帳簿価額に近似している。
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13 公正価値評価の指定を受けた、または強制的に損益を通じて公正価値で測定する金融資産
2019 年 2018 年
公正価値 公正価値
評価の指定および 評価の指定および
強制的に 強制的に
公正価値で測定 公正価値で測定
百万ポンド 百万ポンド
証券 14,313 12,515
-負債証券
2,867 2,992
11,446 9,523
-持分証券
銀行および顧客に対する貸付金
2,456 5,141
243 143
その他
12月31日現在 17,012 17,799
14 デリバティブ
デリバティブの商品契約種類別の契約上の想定元本および公正価値
契約上の想定元本 公正価値-資産 公正価値-負債
トレー トレー トレー
ディング ヘッジ ディング ヘッジ 合計 ディング ヘッジ 合計
当行グループ
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
為替
4,671,667 5,377 48,994 240 49,234 (48,556) (102) (48,658)
金利 9,192,428 39,928 120,867 476 121,343 (115,308) (482) (115,790)
株式 816,306 - 7,397 - 7,397 (9,437) - (9,437)
クレジット 247,107 - 3,684 - 3,684 (4,322) - (4,322)
コモディティおよびその他 61,974 - 974 - 974 (970) - (970)
(18,094) 18,094
相殺(注記 28)
2019 年12月31日現在 14,989,482 45,305 181,916 716 164,538 (178,593) (584) (161,083)
為替 4,341,381 4,227 50,881 109 50,990 (48,088) (155) (48,243)
金利 13,252,292 38,617 107,028 497 107,525 (104,490) (812) (105,302)
株式 984,963 - 9,131 - 9,131 (9,181) - (9,181)
クレジット 304,263 - 2,893 - 2,893 (3,190) - (3,190)
コモディティおよびその他 47,470 - 675 - 675 (708) - (708)
(26,692) 26,692
相殺(注記 28)
2018 年12月31日現在 18,930,369 42,844 170,608 606 144,522 (165,657) (967) (139,932)
トレーディング目的で保有されるデリバティブおよび適格なヘッジ会計において指定されたデリバ
ティブの契約上の想定元本は、期末日における取引残高の名目価値を示すものであり、リスクの金額を
表すものではない。
デリバティブ資産および負債の公正価値は、イールドカーブの変動および為替レートの変動に起因し
て2019 年度中に増加した。
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契約上の想定元本 公正価値-資産 公正価値-負債
トレー トレー トレー
ディング ヘッジ ディング ヘッジ 合計 ディング ヘッジ 合計
当行
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
為替
4,642,626 5,366 48,485 240 48,725 (48,293) (101) (48,394)
金利 7,258,834 24,350 105,187 543 105,730 (100,001) (393) (100,394)
株式 802,676 - 7,270 - 7,270 (9,433) - (9,433)
クレジット 240,813 - 3,600 - 3,600 (4,219) - (4,219)
コモディティおよびその他 62,013 - 975 - 975 (971) - (971)
(13,804) 13,804
相殺
2019 年12月31日現在 13,006,962 29,716 165,517 783 152,496 (162,917) (494) (149,607)
為替
4,338,438 4,215 50,638 109 50,747 (47,976) (155) (48,131)
金利 11,462,267 25,685 90,831 494 91,325 (88,976) (670) (89,646)
株式 979,037 - 8,976 - 8,976 (9,031) - (9,031)
クレジット 304,093 - 2,901 - 2,901 (3,185) - (3,185)
コモディティおよびその他 47,463 - 675 - 675 (709) - (709)
(15,395) 15,395
相殺
2018 年12月31日現在 17,131,298 29,900 154,021 603 139,229 (149,877) (825) (135,307)
デリバティブの利用
当行グループは主に、顧客のためのリスク・マネジメント・ソリューションの策定、顧客の事業から
生じるリスクのポートフォリオの管理ならびに当行グループ自身のリスクの管理およびヘッジという3
つの目的でデリバティブ取引活動に従事している。
トレーディング・デリバティブ
当行グループのデリバティブ取引の大部分は販売およびトレーディング活動に関連している。販売活
動は、顧客が既存のリスクまたは予想されるリスクの引受け、移転、変更または軽減ができるようなデ
リバティブ商品の組成および販売を含む。トレーディング活動には、値付けおよびリスク管理が含まれ
る。値付けは、スプレッドおよび取引高に基づき収益を生み出す目的で別の市場参加者に対して 買い呼
び値および売り呼び値 を提示するものである。リスク管理活動は、顧客マージンの確保を主な目的とし
て顧客取引から生じるリスクを管理するために行われる。トレーディング目的保有に分類されているそ
の他デリバティブには、非適格ヘッジ・デリバティブが含まれる。
子会社と締結する当行グループの実質的にすべてのデリバティブは、公正価値評価の指定を受けた金
融負債とともに管理されている。
観察不能なインプットを用いるモデルにより評価されるデリバティブ
当初認識時の公正価値(取引価格)と、当初認識後の測定に用いられた評価技法が当初認識時に適用
されたとしたら導出されたであろう価値との差額から、その後の減少額を控除した金額は以下のとおり
である。
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重要な観察不能なインプットを用いるモデルにより評価されるデリバティブの未償却残高
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
1月1日現在の未償却残高
58 72 55 69
新規取引に関する繰延額 70 88 70 88
(85) (87) (85) (87)
期中の損益計算書認識額:
-償却
(43) (59) (43) (59)
-満期、解約またはデリバティ
(42) (28) (42) (28)
ブの相殺
換算差額およびその他 (1) (15) - (15)
1
42 58 40 55
12月31日現在未償却残高
1この金額は未だ連結損益計算書には認識されていない。
ヘッジ会計デリバティブ
当行グループはヘッジ会計を適用し、金利リスクおよび為替リスクを管理している。これらのリスク
がどのように発生し、当行グループがどのように管理しているかは、「取締役報告書:リスク」により
詳細が記載されている。
公正価値ヘッジ
当行グループは、保有および発行済負債証券を含む、損益を通じた公正価値で測定されない一部の固
定金利金融商品の市場金利の変動による公正価値の変動に対するエクスポージャーを管理するために固
定金利を変動金利にするスワップを締結している。
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ヘッジ手段(ヘッジされたリスク別)
ヘッジ手段
帳簿価額
貸借対照表上の
2
1
当行グループ 資産 負債
公正価値の変動
想定元本
表示
百万ポンド 百万ポンド
ヘッジされたリス
30,154 473 (479) デリバティブ (173)
3
ク金利
2019 年12月31日現
30,154 473 (479) (173)
在
3
29,142 433 (787) デリバティブ 161
金利
2018 年12月31日現
29,142 433 (787) 161
在
1適格なヘッジ会計関係にあると指定されたデリバティブの契約上の想定元本の額は、期末日における取引残高の名目価値を示すも
のであり、リスクの金額を示すものではない。
2有効性テストに使用され、いかなる要素も除外しないヘッジ手段のすべての公正価値の変動で構成される。
3ヘッジされたリスク「金利」は、インフレ・リスクを含む。
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ヘッジ対象(ヘッジされたリスク別)
ヘッジ対象 非有効部分
帳簿価額に含まれる公正
帳簿価額
2
価値ヘッジ調整累計額
公正価値の
貸借対照表上 損益計算書上の
損益に認識
当行グループ 資産 負債 資産 負債
1
の表示 表示
変動
ヘッジされたリスク 百万ポンド 百万ポンド
その他の包
括利益を通
じて公正価
15,528 - 312 - 330
値で測定す
る金融資産
銀行に対す
トレーディング
2 - 2 - 2
る貸付金
目的で保有また
は公正価値ベー
3
(1)
金利
顧客に対す
スで管理する金
926 - 5 - 15
る貸付金
融商品からの純
収益
発行済負債
- 821 - 102 (9)
証券
劣後債務お
よび銀行か
- 8,393 - 28 (165)
4
らの預金
2019 年12月31日現在 16,456 9,214 319 130 173 (1)
ヘッジ対象 非有効部分
帳簿価額に含まれる公正
帳簿価額
2
価値ヘッジ調整累計額
公正価値の
貸借対照表上 損益計算書上の
損益に認識
当行グループ 資産 負債 資産 負債
1
の表示 表示
変動
ヘッジされたリスク 百万ポンド 百万ポンド
その他の包
括利益を通
じて公正価
16,242 55 (132)
値で測定す
る金融資産
トレーディング
目的で保有また
顧客に対す
997 (3) (3)
は公正価値ベー
3
る貸付金
(12)
金利
スで管理する金
融商品からの純
発行済負債
570 97 (16)
収益
証券
劣後債務お
よび銀行か
10,048 35 (23)
4
らの預金
2018 年12月31日現在 17,239 10,618 52 132 (174) (12)
1有効性評価に使用され、リスク要素となりうる指定を受けたヘッジされたリスクに帰属する額で構成される。
2ヘッジ損益の調整が中止されたヘッジ対象の財政状態計算書に残る公正価値ヘッジ調整累計額は、「その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する金融資産」が (14) 百万ポンド( 2018 年: (58) 百万ポンド)、「銀行による預金」が 157 百万ポンド( 2018 年:な
し)および「発行済負債証券」が 26百万ポンド( 2018 年: 34百万ポンド)であった。
3ヘッジされたリスク「金利」は、インフレ・リスクを含む。
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4ダイナミック以外の公正価値ヘッジの想定元本は 8,177 百万ポンド( 2018 年: 9,953 百万ポンド )であり、うち加重平均満期日は
2023 年7月、加重平均スワップ金利は 0.58 %( 2018 年: 0.45 %)である。これらのヘッジのうち 5,970 百万ポンド( 2018 年: 6,276
百万ポンド)は HSBC グループ内部のものであり、 HSBC ホールディングスと当行グループ間の内部資金調達で構成されている。
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ヘッジ手段(ヘッジされたリスク別)
ヘッジ手段
帳簿価額
貸借対照表上の
2
1
当行 資産 負債
公正価値の変動
想定元本
表示
ヘッジされたリス
百万ポンド 百万ポンド
ク
3
デリバティブ
18,906 540 (392) (110)
金利
2019 年12月31日現
18,906 540 (392) (110)
在
ヘッジされたリス
百万ポンド 百万ポンド
ク
3
デリバティブ
20,438 481 (656) 94
金利
2018 年12月31日現
20,438 481 (656) 94
在
1適格なヘッジ会計関係にあると指定されたデリバティブの契約上の想定元本の額は、期末日における取引残高の名目価値を示すも
のであり、リスクの金額を示すものではない。
2有効性テストに使用され、いかなる要素も除外しないヘッジ手段のすべての公正価値の変動で構成される。
3ヘッジされたリスク「金利」は、インフレ・リスクを含む。
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ヘッジ対象(ヘッジされたリスク別)
ヘッジ対象 非有効部分
帳簿価額に含まれる公正
帳簿価額
2
価値ヘッジ調整累計額
公正価値の
貸借対照表上 損益計算書上の
損益に認識
当行 資産 負債 資産 負債
1
の表示 表示
変動
ヘッジされたリスク 百万ポンド 百万ポンド
その他の包
括利益を通
じて公正価
11,881 - 214 - 282
値で測定す
る金融資産
トレーディング
目的で保有また
顧客に対す
60 - (1) - (1)
は公正価値ベー
3
る貸付金
(3)
金利
スで管理する金
融商品からの純
発行済負債
- 545 - 102 (9)
収益
証券
劣後債務お
よび銀行か
- 6,149 - - (165)
4
らの預金
2019 年12月31日現在 11,941 6,694 213 102 107 (3)
ヘッジ対象 非有効部分
帳簿価額に含まれる公正
帳簿価額
2
価値ヘッジ調整累計額
公正価値の
貸借対照表上 損益計算書上の
損益に認識
当行 資産 負債 資産 負債
1
の表示 表示
変動
ヘッジされたリスク 百万ポンド 百万ポンド
その他の包
括利益を通
じて公正価
12,490 - 55 - (77)
値で測定す
る金融資産
トレーディング
目的で保有また
顧客に対す
73 - (3) - (2)
は公正価値ベー
3
る貸付金
(12)
金利
スで管理する金
融商品からの純
発行済負債
- 570 - 97 (16)
収益
証券
劣後債務お
よび銀行か
- 6,305 - - (11)
4
らの預金
2018 年12月31日現在 12,563 6,875 52 97 (106) (12)
1有効性評価に使用され、リスク要素となりうる指定を受けたヘッジされたリスクに帰属する額で構成される。
2ヘッジ損益の調整が中止されたヘッジ対象の財政状態計算書に残る公正価値ヘッジ調整累計額は、「その他の包括利益を通じて公
正価値で測定する金融資産」が (14) 百万ポンド( 2018 年: (58) 百万ポンド)、「銀行による預金」が 157 百万ポンド( 2018 年:な
し)および「発行済負債証券」が 26百万ポンド( 2018 年: 34百万ポンド)であった。
3ヘッジされたリスク「金利」は、インフレ・リスクを含む。
4ダイナミック以外の公正価値ヘッジの想定元本は 5,970 百万ポンド( 2018 年: 6,276 百万ポンド)であり、うち加重平均満期日は
2024 年8月、加重平均スワップ金利は 0.85 %( 2018 年: 0.87 %)である。これらのヘッジは HSBC グループ内部のものであり、 HSBC
ホールディングスと当行グループ間の内部資金調達で構成されている。
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キャッシュ・フロー・ヘッジ
当行グループのキャッシュ・フロー・ヘッジ手段は主に金利スワップおよび通貨スワップにより構成
されており、市場金利および外国通貨ベースの変動により生じる非トレーディング資産および負債から
の将来の金利キャッシュ・フローの変動リスクを管理するために使用されている。
当行グループは、発行済みまたは将来発行が予定されている非トレーディング資産および負債(当該
商品のローリングを含む)で変動金利の負担を補完しているポートフォリオの金利リスク・エクスポー
ジャーに対してはマクロ・キャッシュ・フロー・ヘッジを適用している。金融資産および負債の各ポー
トフォリオについて、契約条件や、期限前償還および債務不履行の見積りを含むその他関連要因に基づ
き、元本および金利からの将来キャッシュ・フローの金額およびタイミングが予測されている。すべて
のポートフォリオからの元本残高および金利キャッシュ・フローの両方を表するキャッシュ・フローの
総額を使用して有効性と非有効性が決定される。マクロ・キャッシュ・フロー・ヘッジはダイナミッ
ク・ヘッジとみなされる。
当行グループはまた、為替市場レートの変動による外貨建て金融資産および負債に係る将来キャッ
シュ・フローの変動を通貨スワップでヘッジしており、これらはダイナミック・ヘッジとみなされる。
ヘッジ手段(ヘッジされたリスク別)
ヘッジ対
ヘッジ手段 非有効部分
象
帳簿価額
貸借対照
公正価値 公正価値
損益計算書上
損益に
1
表上の表
資産 負債
想定元本
2 3
認識
の表示
の変動 の変動
示
ヘッジされた
百万ポンド 百万ポンド
リスク
トレーディ
ング目的で
為替
5,366 240 (101) 123 123
-
保有または
デリバ 公正価値
ティブ ベースで管
理する金融
9,774 3 (1) 92 92 -
金利
商品からの
純収益
2019 年12月31
15,140 243 (102) 215 215 -
日現在
ヘッジ対
ヘッジ手段 非有効部分
象
帳簿価額
貸借対照
公正価値 公正価値
損益計算書上
損益に
1
表上の表
資産 負債
想定元本
2 3
認識
の表示
の変動 の変動
示
ヘッジされた
百万ポンド 百万ポンド
リスク
トレーディ
ング目的で
為替
4,215 109 (155) (121) (121)
-
保有または
デリバ 公正価値
ティブ ベースで管
理する金融
9,475 64 (25) (44) (38) (6)
金利
商品からの
純収益
2018 年12月31
13,690 173 (180) (165) (159) (6)
日現在
1適格なヘッジ会計関係において指定されたデリバティブの契約上の想定元本は、期末日における取引残高の名目価値を示すもので
あり、リスクの金額を示すものではない。
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2有効性テストに使用され、いかなる要素も除外しないヘッジ手段のすべての公正価値の変動で構成される。
3有効性評価に使用され、リスク要素となりうる指定を受けたヘッジされたリスクに帰属する額で構成される。
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ヘッジの非有効部分は、ヘッジ対象とヘッジ手段の期間差異および公正価値がゼロではない金融商品
を使用したヘッジを含むベーシスリスクから生じる可能性があるが、これらに限定されない。
資本に関する調整およびリスク種類別のその他の包括利益の分析
金利 為替
百万ポンド 百万ポンド
2019 年1月1日現在のキャッシュ・フロー・ヘッジ準備金
(24) (1)
公正価値に係る損失 92 123
以下に関してキャッシュ・フロー・ヘッジ準備金から損益計
算書に再分類された公正価値に係る損失:
-利益または損失に影響を及ぼしたヘッジ対象 30 (158)
法人税 (22) -
2019 年12月31日現在のキャッシュ・フロー・ヘッジ準備金 76 (36)
金利 為替
百万ポンド 百万ポンド
2018 年1月1日現在のキャッシュ・フロー・ヘッジ準備金
(42) 4
公正価値に係る損失 (38) (121)
以下に関してキャッシュ・フロー・ヘッジ準備金から損益計
算書に再分類された公正価値に係る損失:
-利益または損失に影響を及ぼしたヘッジ対象 44 113
法人税
(14) -
エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーおよ
26 3
びその子会社への移管
2018 年12月31日現在のキャッシュ・フロー・ヘッジ準備金 (24) (1)
金利指標改革: IFRS 第9号および IAS 第39号「金融商品」の改訂
金融安定理事会が G20 から受けた要請により、主要金利指標の抜本的な見直しと改革が世界の主要金
融市場において進行中である。この改革は IAS 第39号の制定時には想定されていないかったため、この
状況における基準の適用方法を明確にするために、 IASB は特定のヘッジ会計要件について一連の一時的
な救済措置を発表した。
IFRS 第9号および IAS 第39号の改訂は 2020 年1月に署名され、特定のヘッジ会計要件が修正された
(「一時的 救済措置 」)。こうした一時的救済措置において、銀行間取引金利(「 Ibors 」)は、不確
実性が解消される時点まで、ヘッジ会計上変更されずに継続すると想定されている。
この一連の一時的救済措置の適用は、 2020 年1月1日以降に開始する会計期間から義務付けられてい
るが、早期適用は容認される。 HSBC はこの救済措置を 2019 年12月31日に終了した年度から適用すること
を選択した。不確実性の解消時期の決定、またそれによる一時的救済措置の適用の中止時期の決定に
は、重要な判断が要求される。しかし 2019 年12月31日現在、不確実性の存在は続いており、そのため一
時的救済措置は、改革または代替対象となっている指標を参照する当行グループのヘッジ会計のすべて
に適用されている。
当行グループは、キャッシュ・フロー・ヘッジおよび公正価値ヘッジ会計関係を有しており、それら
は異なる Ibors 、大部分は米ドル Libor 、ポンド Libor 、Euribor ならびに市場全体の指標改革の対象とな
る翌日物レート(ユーロ圏無担保翌日物平均金利(「 Eonia 」)など)にさらされている。こうした指
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標を参照する関係に指定されている既存のデリバティブ、貸付金、債券、その他の金融商品は、異なる
方法および異なる時期に新しい無リスク金利(「 RFR 」)に移行する。 RFR への移行に関する外部の進捗
は、 当行グループのヘッジ会計関係がスムーズに移行できるようにモニタリングされている。固有の問
題の発生は各ヘッジ関係の詳細により異なるが、指定に含まれる現行商品の移行、発行予定商品の数量
変更、発行される新商品の契約条件の変更またはこれらの要因の組み合わせにより発生する可能性があ
る。一部のヘッジは指定解除し、新しいヘッジ関係を指定する必要があるかもしれないが、他のヘッジ
は市場全体の指標改革を切り抜けるかもしれない。
一時的救済措置の適用による影響を受けるヘッジ会計関係のヘッジ対象は、貸借対照表において「公
正価値評価の指定を受けた、または強制的にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資
産」、「顧客に対する貸付金」、「発行済負債証券」、「銀行からの預金」として表示されている。
ヘッジ会計関係に指定された金利デリバティブの想定元本は、市場全体の指標改革の影響や一時的救
済措置の影響を直接受ける当行グループが管理するリスク・エクスポージャーの程度を表す。ヘッジ会
計関係に指定されて、 Ibor 改革の影響を受ける当行グループのクロスカレンシー・スワップは重要では
なく、以下には表示されていない。
Ibor 改革の影響を受けるヘッジ手段
ヘッジ手段
Ibor 改革の影響を受ける Ibor 改革の
1
影響を受け
想定元本
当行グループ ユーロ ポンド 米ドル その他 合計
ない
百万ポンド
公正価値ヘッジ
16,180 1,916 2,350 45 20,491 9,663 30,154
4,330 2,777 867 - 7,974 1,800 9,774
キャッシュ・フロー・ヘッジ
2019 年12月31日現在 20,510 4,693 3,217 45 28,465 11,463 39,928
当行
百万ポンド
公正価値ヘッジ
5,771 1,891 1,889 29 9,580 9,326 18,906
1,800
- 2,777 867 - 3,644 5,444
キャッシュ・フロー・ヘッジ
2019 年12月31日現在 5,771 4,668 2,756 29 13,224 11,126 24,350
1適格なヘッジ会計関係において指定されたデリバティブの契約上の想定元本は、期末日における取引残高の名目価値を示すもので
あり、リスクの金額を示すものではない。
Eonia の計算は 2019 年10月2日に変更され、それ以後はユーロ短期レート(「 €STR 」)プラス 8.5 ベー
シス・ポイントの固定スプレッドとして算出されている。この変更は、フランスの買戻条件付売却契約
(「レポ」)市場の構造的変化を引き起こし、 Eonia を参照する翌日物変動金利レポ市場は、レポレー
トを参照する翌日物固定金利レポ市場へ大きくシフトしている。これに関して、経営陣は、会計基準策
定者の活動を考慮の上、翌日物レポの発行予想を利用し、既存のヘッジ関係に対してヘッジ会計を継続
適用することにより、最も関連性の高いヘッジ会計が行われると判断した。
15 金融投資
金融投資の帳簿価額
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
その他の包括利益を通じて公正価値で
46,451 47,259 26,561 26,699
測定する金融投資
-短期国債およびその他適格債券
3,091 3,123 2,237 2,135
-負債証券 43,204 43,973 24,269 24,511
-持分証券 91 87 55 53
1
65 76 - -
-その他の金融商品
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償却原価で測定する負債性金融商品 13 13 - -
-短期国債およびその他適格債券
5 8 - -
8 5 - -
-負債証券
12月31日現在 46,464 47,272 26,561 26,699
1 「その他の金融商品」は貸付金で構成される。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
期末時点で保有していた金融商品
公正価値 認識した配当金
百万ポンド
資本性金融商品の種類
事業促進 75 1
中央機関から要求される投資 11 -
5 -
その他
2019 年12月31日現在 91 1
事業促進 75 1
中央機関から要求される投資 9 7
3 -
その他
2018 年12月31日現在 87 8
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16 担保資産、受入担保および譲渡資産
担保資産
担保として供された金融資産
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
短期国債およびその他の適格証券
1,162 1,317 - -
銀行に対する貸付金 - 29 - -
顧客に対する貸付金 13,997 22,148 - -
負債証券 25,491 37,250 19,586 26,555
持分証券 20,669 18,644 20,610 18,561
33,541 21,810 25,671 18,530
その他
12月31日現在担保資産 94,860 101,198 65,867 63,646
契約相手方が売却または再担保を行う権利を有する担保金融資産
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
トレーディング資産
41,734 43,505 35,767 36,945
347 1,637 328 236
金融投資
12月31日現在 42,081 45,142 36,095 37,181
担保として供された資産には、 64ページ (訳注:原文のページ数である) の開示情報において担保に
供されている資産として区分された資産すべてが含まれる。
負債を担保するために供された資産の金額は、担保として利用された資産の帳簿価額よりも大きい場
合がある。例えば、証券化およびカバード・ボンドにおいて、発行債務に超過担保を加えた金額が、担
保として利用可能な資産プールの帳簿価額よりも小さいケースがこれに該当する。また、決済勘定にお
ける負債を担保すべく、すべての資産に対して浮動担保を有するカストディアンまたは決済代理人に資
産が供されている場合もこれに該当する。
これらの取引は、関連する場合、標準の証券貸借、買戻契約およびデリバティブ取引に係る証拠金の
預託を含む、担保付取引に対する通常の取引条件に基づいて行われている。当行グループは、デリバ
ティブ取引に関連して現金および非現金担保の双方を提供している。
受入担保
主に 標準の証券貸付、売戻契約およびデリバティブ取引に係る証拠金の預託に関連して、 債務不履行
がなくても、当行グループに売却または再担保が認められている担保として受け入れた資産の公正価値
は、 239,032 百万ポンド( 2018 年: 250,277 百万ポンド)(当行については、 2019 年: 191,372 百万ポン
ド、 2018 年: 201,548 百万ポンド)であった。当行グループが売却または再担保を行った担保の公正価
値は、 179,442 百万ポンド( 2018 年: 202,782 百万ポンド)(当行については、 2019 年: 140,786 百万ポ
ンド、 2018 年: 152,454 百万ポンド)であった。
当行グループは、同等の証券を返還する義務がある。これらの取引は、一般の証券貸付、売戻契約お
よびデリバティブ取引に係る証拠金の預託に対する通常の取引条件に基づいて行われている。
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譲渡資産
担保資産には、認識の中止要件を満たさない第三者への譲渡、特に買戻契約で取引相手先に担保とし
て保有される負債証券および証券貸付契約で貸付けられている持分証券といった担保付借入、ならびに
持分証券と負債証券のスワップに係るものが含まれる。担保付借入の場合、譲渡された担保資産は引き
続き全額が認識され、当行グループが譲渡資産を将来の日に固定額で買戻す義務を反映した関連負債も
また貸借対照表に認識される。有価証券のスワップの場合、譲渡された資産は引き続きその全額が認識
される。受け入れた非現金担保は貸借対照表に認識されないため、関連負債はない。当行グループは、
取引期間中に譲渡資産を利用、売却または担保とすることができず、これらの担保資産の金利リスクお
よび信用リスクに引き続きさらされる。契約相手方の遡求権は譲渡資産に限定されない。
全部の認識の中止に適格でない譲渡金融資産および関連負債
帳簿価額 公正価値
ネット・
当行グループ 譲渡資産 関連負債 譲渡資産 関連負債
ポジション
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
2019 年12月31日現在
買戻契約 15,262 15,252 - - -
証券貸付契約 26,821 4,329 - - -
2018 年12月31日現在
買戻契約 19,375 19,396 - - -
証券貸付契約 25,765 2,865 - - -
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全部の認識の中止に適格でない譲渡金融資産および関連負債
帳簿価額 公正価値
ネット・
当行 譲渡資産 関連負債 譲渡資産 関連負債
ポジション
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
2019 年12月31日現在
買戻契約 8,922 8,922 - - -
証券貸付契約 27,174 4,293 - - -
2018 年12月31日現在
買戻契約 8,976 8,976 - - -
証券貸付契約 28,205 2,794 - - -
17 関連会社における持分
当行グル-プおよび当行の主要な関連会社
ビジネス・グロース・ファンド・ グループ・ ピーエルシー( 「BGF 」)は当行グループの主要な関連
会社である。 BGF は、英国における中小規模の成長企業 に投資を提供するために2011年に設立された独立
企業であ る。 BGF は、 英国の主要な銀行グループのうちの 5つ、すなわちバークレイズ、 HSBC 、ロイズ、
RBS およびスタンダード・チャータードの出資を受けている 。当行グループは、 2019 年12月31日現在、
BGF の株主資本において 24.54 %の持分を保有していた。 BGF の(損失)/利益持分は(8百万)ポンド
(2018 年: 17百万ポンド)、 BGF における持分の帳簿価額は 426 百万ポンド( 2018 年: 386 百万ポンド)で
あった。
ジョイント・ベンチャーにおける持分
すべての関連会社の一覧は 164 ページ(訳注:原文のページ数である。本書においては注記 35を参
照。)に記載されている。
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18 子会社に対する投資
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの主要な子会社
2019 年12月31日現在
株主資本における
設立または登録国 当行の持分 株式のクラス
%
エイチエスビーシー・インベストメント・バン
イングランドおよ
100.00 普通1ポンド
ク・ホールディングス・リミテッド
びウェールズ
エイチエスビーシー・アセット・ イングランドおよ
100.00 普通1ポンド
ファイナンス(英国)リミテッド びウェールズ
エイチエスビーシー・ライフ(英国) イングランドおよ
100.00 普通1ポンド
リミテッド びウェールズ
エイチエスビーシー・フランス フランス 99.99 アクシオン株式5ユーロ
エイチエスビーシー・トリンカウス・
ドイツ 80.67 ストックアクティーン無額面
アンド・ブルクハルト・アーゲー
エイチエスビーシー・バンク・マルタ・
マルタ 70.03 普通 0.30 ユーロ
ピーエルシー
上記の子会社はすべて12月31日を期末とする財務諸表を作成している。2006年会社法第409条により
要求されている当行グループの全子会社に関する詳細情報は、注記3 5に記載されている。事業を行う主
要国は設立国と同じである。
子会社に対する投資の減損テスト
毎報告期間末 に、当行は子会社に対する投資について減損の兆候の有無を再検討している。帳簿価額
が当該投資の回収可能価額を上回っている場合、減損が認識される。
回収可能価額とは、当該投資の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額をいう。
使用価値は、当該投資についての経営者によるキャッシュ・フロー予測を割り引くことにより算定され
る。
・各投資についてのキャッシュ・フロー予測は、直近に承認された計画に基づいて行われるが、永久
的なキャッシュ・フローの推定には、長期成長率を用いている。
・成長率は、投資対象が運営されている国の GDP とインフレを反映したものであり、長期平均成長率に
基づいている。
・キャッシュ・フローを割り引くために使用されるレートは各投資に割り当てられる資本コストに基
づいている。資本コストは資本資産評価モデル( 「CAPM 」)を用いて導き出される。 CAPM は、リス
ク・フリー金利や評価対象である事業の固有リスクを反映するためのプレミアムを含む財務・経済変
数を反映した多数のインプットによって決定されるが、これらの変数は経済変数の市場評価および経
営陣の判断に基づいている。また各投資の割引率は、投資対象が運営されている国のインフレ率を反
映することで精緻化されている。さらに投資の減損テストにおいて、経営陣は、内部で作成した CAPM
を用いて導き出された割引率を外部の情報源から得た、類似する市場で事業を行っている企業の資本
コストの比率と比較することにより、かかるプロセスを補完している。
ますます困難になるグローバル経済の見通しに関して、経営陣は、従来使用していた高い名目 CDP の
見通しから離れ、長期成長率の前提を国別のインフレ・データを基準とすることが適切であると考えて
いる。 使用価値の見積りには、資本維持費用計算が導入された。子会社の普通株式 Tier1 比率が最低規
制要件を下回ると費用を要する。
子会社であるエイチエスビーシー・フランスへの投資に関して実施された減損テストの結果、 3.2 十
億ユーロの減損が第4四半期に認識された。これは、使用価値(「 VIU 」)の見積りに用いられるモデル
へのインプットおよび仮定(特に長期成長率)を更新し、困難な市場環境およびユーロ圏でのマイナス
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金利を反映して予想将来キャッシュ・フローを減額したためである。 2018 年には子会社への投資に減損
はなかった。
減損テストの結果
当初キャッ
シュ・フロー
予測を上回る
帳簿価額 使用価値 割引率 成長率 減損
投資
12月31日現在 百万ユーロ 百万ユーロ % % 百万ユーロ
エイチエスビー
7,447 4,288 9.55 % 1.54 % 3,159
シー・フランス
VIU 計算における主要な仮定の感応度
2019 年12月31日現在、エイチエスビーシー・フランスへの投資は、回収可能金額を裏付ける主要な仮
定の合理的に起こり得る変動の影響を受ける。
合理的に起こり得る仮定の変動の見積りにあたり、経営陣は、モデルへの各インプットについて入手
可能な証拠を検討した。それには、外部の観察可能な割引率の範囲、過去の予想に対する実績、および
キャッシュ・フロー予測の基礎となる主要な仮定に付随するリスクが含まれる。
下表は、エイチエスビーシー・フランスのモデルに対する最も感応度の高いインプットの基礎となる
主要な仮定の要約、それぞれの主要リスク、合理的に起こり得る仮定の変動を示しており、これらは経
営陣の意見では減損をもたらすものである。
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主要な仮定の合理的に起こり得る変動
合理的に起こり得る
インプット 主要な仮定 関連リスク
変動
投資
エイチエス ・ ・ 不確実な規制環境 ・ キャッシュ・フ
キャッシュ・ 金利水準および利
ビーシー・フ ロー予測が 10%減
フロー予測 回り曲線
ランス 少
・ 市場での競合他社 ・ 顧客の救済措置お
の位置づけ よび当局の行動
・ 失業率の水準およ
び変化
割引率 ・ 使用する割引率が ・ 使用する割引率が ・ 割引率が1%上昇
事業プロファイル 事業に適していな
に適した市場利率 いと示唆する外的
の合理的な見積り 証拠が現れる
である
長期成長率 ・ 事業成長は、子会 ・ 成長がインフレに ・ 実際のインフレが
社が長期的に事業 一致していない 発生しないか、業
を行っている国の か、インフレ予測 績に反映されない
インフレ率を反映 の下落
している
VIU の合理的に起こりうる主要な仮定の変動および余裕ゼロに達するような現在の仮定の変動に対する感
応度
増加/(減少)
キャッシュ・
帳簿価額 使用価値 割引率 フロー 長期成長
投資
ベーシス・ ベーシス・
12月31日現在
百万ポンド 百万ポンド %
ポイント ポイント
エイチエスビー
7,447 4,288 (317) 73.5 % 366
シー・フランス
19 仕組事業体
当行グループは 主に、 金融資産の証券化、導管会社および投資ファンドを通じ、 当行グループ または
第三者のいずれかによって設立された 連結および非連結の 仕組事業体の双方に関与している。
連結仕組事業体
当行グループの連結仕組事業体の資産合計(事業体の種類別)
当行グループが
導管会社 証券化 運営するファンド その他 合計
百万ポンド
2019 年12月31日現在
6,541 471 3,183 2,789 12,984
2018 年12月31日現在 7,218 232 3,378 2,912 13,740
導管会社
当行グループは、証券投資導管会社( 「SIC 」)およびマルチ・セラー導管 会社 という2種類の導管
会社を設立し、運営している。
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証券投資導管会社
SICは、個々の案件に応じた投資機会を促進するために信用格付けの高いアセット・バック証券
(「ABS」)を購入している。
・2019 年12月31日現在、当行の主要な SIC であるソリティアは 1.6 十億ポンド( 2018 年: 1.8 十億ポン
ド)の ABS を保有していた。ソリティアは現在、当行グループに対して発行したコマーシャル・ペー
パー(「 CP」)によってその調達資金の全額を賄っている。当行グループは継続的に流動性信用枠を
提供しているものの、発行された CPを当行グループが購入する限りにおいて、ソリティアは当該供与
枠を利用する必要はなく、またこのようなスキームの実行は当行グループが予見可能な将来において
意図するものである。 2019 年12月31日現在、当行グループは 2.4 十億ポンド( 2018 年: 2.7 十億ポン
ド)の CPを保有していた。
・2019 年12月31日現在、バリオン、マラカイトおよびマザランは全額が完全に償還され、現在取引活
動はない。
マルチ・セラー導管会社
当行グループのマルチ・セラー導管 会社 は、機動性の高い市場 ベースの資金調達源 へのアクセスを顧
客に提供する目的で設立された。当行グループは現在、マルチ・セラー導管 会社 に提供された取引別 の
流動性 信用枠と同額のリスクを負担しており、その額は 2019 年12月31日現在で 8.6 十億ポンド( 2018 年:
9.7 十億ポンド)に達している 。取引別 の信用補完を通じて、当行グループではなく当該資産のオリジ
ネーターによりファースト・ロス・プロテクションが提供されている。セカンド・ロス・プロテクショ
ン層は、プログラム全体の信用補完の形で当行グループが提供している。
証券化
当行グループは、仕組事業体を利用して、資産組成および資本効率のための資金調達源の 分散化 を目
的として当行グループが組成した顧客貸付金を証券化している。当該貸付金は当行グループによって現
金を対価として、またはクレジット・デフォルト・スワップの合成を通じて仕組事業体に譲渡され、仕
組事業体は投資家に対して負債証券を発行する。
当行グループが運営するファンド
当行グループは多数の マネー・マーケット・ ファンドおよび非 マネー・マーケット・ ファンドを設立
している。当行グループが、投資マネージャーの役割において代理人ではなく主たる当事者として活動
しているとみなされる場合に、当行グループはこれらのファンドを支配している。
その他
当行グループはまた、通常の業務過程において、当行グループが仕組事業体を支配しているアセッ
ト・ファイナンスおよび仕組ファイナンス取引を含む多数の取引を実行している。加えて当行グループ
は、第三者が運営するファンドの多くに当事者として関与し、当該ファンドを支配しているとみなされ
ている。
非連結 の仕組事業体
「非連結の仕組事業体」という用語は、当行グループが支配していないすべての仕組事業体を 指す 。
当行グループは、顧客取引を促進するために、また特定の投資機会のために通常の業務過程において非
連結の仕組事業体と取引を実行している。
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非連結の仕組事業体に対する当行グループの持分の内容および関連するリスク
当行グ
ループが 当行グループ
運営する 以外が運営す
証券化 ファンド るファンド その他 合計
事業体の資産価額合計
(百万ポンド)
0~400 4 88 712 24 828
400 ~1,500 3 15 619 4 641
1,500 ~4,000 - 1 345 - 346
4,000 ~20,000 - - 253 - 253
- - 36 2 38
20,000 超
2019 年12月31日現在の事業体数 7 104 1,965 30 2,106
百万ポンド
非連結の仕組事業体に対する
当行グループの持分に関す 1,296 2,143 8,526 1,481 13,446
る資産合計
-トレーディング資産
- - 2,687 952 3,639
-公正価値評価の指定を受
けた、または強制的に公
- 2,139 5,180 10 7,329
正価値で測定する金融資
産
-顧客に対する貸付金 1,296 - 290 497 2,083
- 4 369 22 395
-金融投資
非連結の仕組事業体に対する
当行グループの持分に関す - - 5 - 5
る負債合計
その他のオフバランス処理さ
156 - 1,552 - 1,708
れているコミットメント
2019 年12月31日現在の当行グ
ループの最大エクスポー 1,452 2,143 10,073 1,481 15,149
ジャー
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当行グ
ループが 当行グループ
運営する 以外が運営す
証券化 ファンド るファンド その他 合計
事業体の資産価額合計
(百万ポンド)
0~400 6 81 884 37 1,008
400 ~1,500 3 6 505 3 517
1,500 ~4,000 - - 229 - 229
4,000 ~20,000 - - 74 1 75
- - 5 - 5
20,000 超
2018 年12月31日現在の事業体数 9 87 1,697 41 1,834
百万ポンド
非連結の仕組事業体に対する
当行グループの持分に関す 1,160 2,038 4,788 1,788 9,774
る資産合計
-トレーディング資産
- 1 281 1,051 1,333
-公正価値評価の指定を受
- 2,032 3,944 - 5,976
けた金融資産
-顧客に対する貸付金 1,160 - 211 536 1,907
- 5 352 201 558
-金融投資
非連結の仕組事業体に対する
当行グループの持分に関す - 8 - - 8
る負債合計
その他のオフバランス処理さ
608 5 1,666 - 2,279
れているコミットメント
2018 年12月31日現在の当行グ
ループの最大エクスポー 1,768 2,035 6,454 1,788 12,045
ジャー
非連結の仕組事業体に対する当行グループの持分による損失に対する最大エクスポージャーは、損失
が発生する可能性にかかわらず、当行グループがこれらの事業体に関与する結果として生じる可能性の
ある最大損失額を示している。
・ コミットメント 、保証および 売建クレジット・デフォルト・スワップについては、損失に対する最大
エクスポージャーは想定元本 の将来の潜在的損失 額である。
・ 非連結の仕組事業体 に対する投資の留保 および購入 ならびに 貸付金については、損失に対する最大エ
クスポージャーは報告日現在の当該持分の帳簿価額である。
損失に対する最大エクスポージャーは、当行グループの損失に対するエクスポージャーを軽減するた
めに締結されたヘッジおよび担保契約の 影響を考慮する前の総額で表示されている 。
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証券化
当行グループは、非連結の証券化ビークルが発行する債券 を保有することで当該ビークルに対する持
分を保有している。加えて当行グループは、第三者による仕組事業体が発行した ABS に投資している。
当行グループが運営するファンド
当行グループは、顧客に投資機会を提供するために マネー・マーケット・ ファンドおよび 非マネー・
マーケット投資 ファンドを設立し、 運営 している。当行グループはファンド・マネージャーとして、運
用している資産に基づき、運用手数料およびパフォーマンス・フィーを受け取る権利を有する場合があ
る。当行グループはまた、これらのファンドの ユニットを 保有する 場合 もある。
当行グループ以外が運営するファンド
当行グループは、事業を促進させ顧客のニーズに対応するために、第三者が 運営 するファンドのユ
ニットを購入し保有している。
その他
当行グループは、通常の業務過程において仕組事業体を設立しているが、 これ には、公的および民間
部門のインフラストラクチャーに関するプロジェクトに資金提供を行うことを目的とした顧客向けのス
トラクチャード・クレジット取引 ならびに アセット・ファイナンスおよび仕組金融取引がある。
上記に開示した 関与 に加えて、 当行グループ は仕組事業体とデリバティブ契約 、売戻契約 および 借株
契約を締結している。当該関与は、第三者取引およびリスク・マネジメント・ソリューションを促進さ
せる目的で通常の業務において発生する。
当行グループがスポンサーとなっている仕組事業体
2019年度および2018年度中、当行グループがスポンサーとなっている事業体に譲渡した資産および当
該事業体から受け取った収益の金額は重要でなかった。
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20 のれんおよび無形資産
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
のれん
- 1,323 23 84
有効な長期保険契約の現在価値 715 651 - -
1
867 652 512 416
その他の無形資産
12月31日現在 1,582 2,626 535 500
1 当行グループのその他の無形資産には、正味帳簿価額 776 百万ポンド( 2018 年: 572 百万ポンド)の内部開発されたソフトウェア
が含まれている。当期中の当行グループのその他の無形資産の償却および減損の合計は 161 百万ポンド( 2018 年: 171 百万ポンド)
である。
当行グループ 当行
のれんの増減分析
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
1月1日現在
1,323 4,559 84 369
エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピー
- (3,285) - (223)
エルシーおよびその子会社への移転
換算差額 (171) 45 - -
1
(1,152) 4 (61) (62)
その他
12月31日現在 - 1,323 23 84
1 当期中、のれんは当行グループにより完全に減損された。
減損テスト
各資金生成単位(「 CGU 」)に配分されたのれんに関する当行グループの減損テストは、毎年7月1
日に実施される。減損の兆候の有無は以降の各四半期末および 2019 年12月31日に再検討される。
2019 年12月31日の減損テスト
当行グループの 2020 年度ビジネス・アップデートの範囲、現在の市況およびそれらが組み合わさって
HSBC の事業に与える潜在的な影響を考慮して、 2019 年12月31日にすべての CGU に対して中間の減損テスト
が実施された。その結果、当行グループは RBWM(339 百万ポンド )、CMB(520 百万ポンド )および GPB(293 百
万ポンド )に関連するのれんの減損 1.2 十億ポンドを認識した。
減損は、マクロ経済の見通し、使用価値 (VID) を見積るために使用する長期成長率を引き下げる仮定
の基となる判断、のれんの減損テストの際に考慮される経営陣の承認済みの予測要素を制限する IFRS の
要件(以下の「 CGU のキャッシュ・フローの見積りにおける経営陣の判断」を参照のこと。)および一部
事業における低い収益性予測を含む要因の組み合わせにより生じた。 VID の計算に対する重要なインプッ
トの詳細については以下に記載されている。
RBWM 、CMB および GPB の計算不足額- CGU の帳簿価額が VID の計算を上回る金額-は、のれんの減損をも
たらした。一部の仮定の感応度および合理的に起こり得る代替シナリオの結果に基づき、 2019 年12月31
日現在のこれら3つの CGU に係るのれんの減損を完全に認識することが適切であると考えられた。
減損の結果および使用価値 の計算における主要な仮定
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当初キャッシュ・
2019 年12月31日 2019 年 2018 年
フロー予測期間後の
現在ののれん 成長率 割引率 割引率
百万ポンド % % %
資金生成単位
RBWM
339 1.3 8.5 8.3
CMB 520 1.7 9.5 9.3
293
GPB 1.6 9.7 9.4
合計 1,152
CGU のキャッシュ・フローの見積りにおける経営陣の判断
各CGU のキャッシュ・フロー予測は、取締役会に承認された計画に基づいている。取締役は、当行グルー
プの戦略、現在の市況およびマクロ経済の見通しをサポートするために必要な内部資本の配分決定を踏
まえて計画された仮定を検討および承認する。 IFRS で要求されている通り、再編イニシアチブの実行に
対する推定的債務が企業に生じる前に計画から生じることが予想される見積りキャッシュ・インフロー
またはアウトフローを将来キャッシュ・フローの見積りに含めることはできないため、再編費用に対す
る引当金が認識されている。それらの構成要素は個々の CGU に関連しているため、当行グループは VIU の
計算時に取締役が承認した計画からそれらを除いている。
割引率 :キャッシュ・フローを割り引くために使用される割引率は各 CGU に割り当てられる資本コストに
基づいている。資本コストは資本資産評価モデル( 「CAPM 」)を用いて導き出される。 CAPM は、リス
ク・フリー金利や評価対象である事業の固有リスクを反映するためのプレミアムを含む 財務・経済変数
を反映した多数のインプットによって決定される。 これらの変数は経済変数の市場評価および経営陣の
判断に基づいている。各 CGU の割引率は、 CGU が運営されている国のインフレを反映することで精緻化さ
れている。さらにのれんの減損テストにおいて、経営陣は、内部で作成した CAPM を用いて導き出された
割引率を外部の情報源から得た、類似する市場で事業を行っている企業の資本コストの比率と比較する
ことにより、かかるプロセスを補完している。
長期成長率 :当該 CGU を構成する事業単位グループの長期性に鑑み、永久的なキャッシュ・フローの推定
には、長期成長率が用いられている。 12月31日より前の減損テストでは、これらの 成長率 にはCGUが運営
されている国またはCGUが収益を得ている国におけるGDPおよびインフレ (名目 GDP) を反映し ていた 。2019
年12月31日に当行グループは、英国の欧州連合からの離脱の影響によるマクロ経済環境における不確実
性を考慮すると、成長率の範囲は引き続き名目 GDP データを基礎とすることが適切であると考えたが、欧
州地域の成長が安定すると、近年よりもわずかに低いレベルになると予測している。その結果、当行グ
ループは、長期成長率の前提は、より高い名目 GDP ベースから脱却して、インフレ・データを基礎とする
ことが適切であると考えた。当該判断は、のれんの減損結果に重大な影響を与えた。
有効な長期保険事業の現在価値
有効な長期保険事業の現在価値( 「PVIF 」)を計算するにあたっては、各地の市況および将来の動向
に対する経営陣の判断を反映するため保険事業ごとに設定される様々な仮定によって調整を行い、予想
キャッシュ・フローを推定し、さらに対象の仮定における不確実性は、確率的方法を用いて保険契約者
のオプションおよび保証費用の評価を含め、(資本コストの手法とは対照的に)マージンを適用するこ
とで反映されている。
主要な保険会社各社の保険数理管理委員会が四半期ごとに開催され、 PVIF の仮定について再検討しこ
れを承認する。経済的仮定以外の仮定、観察不能な経済的仮定およびモデル手法に対する変更はすべ
て、保険数理管理委員会の承認を受けなければならない。
PVIF の変動
2019 年 2018 年
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百万ポンド 百万ポンド
1月1日現在 PVIF
651 572
89 74
長期保険事業の PVIF の変動
-当年度に実行された新規事業の価値
46 32
1
(68) (65)
-期待収益
2
114 113
-仮定の変更および実績差異 (下記を参照のこと)
(3) (6)
-その他の調整
換算差額 (25) 5
12月31日現在 PVIF 715 651
1「期待収益」は、割引率のアンワインディングおよび当期の予想キャッシュ・フローの戻入れを表す。
2将来の予想利益についての仮定の変更による影響および以前の PVIF 計算で用いられた仮定と期中に観察された実績
との差異(将来の予想利益に影響を及ぼす限りにおける)を示す。 114 百万ポンド( 2018 年: 113 百万ポンド)の利益
は、フランスにおけるモデル手法の更新によるものである。
主な生命保険事業の PVIF の計算に用いられた主要な仮定
経済的仮定は観察可能な市場価額と整合するように設定される。 PVIF の評価額は、観察可能な市場の
変動に対する感応度が高く、そうした変動の影響は、以下に表示された感応度に含まれている。
2019 年 2018 年
1 1
英国 英国
フランス フランス
% % % %
加重平均リスク・フリー金利
0.72 0.44 1.19 1.52
加重平均リスク割引率 1.22 1.27 1.69 2.35
費用インフレ率 3.04 1.70 3.49 1.70
12019 年については、フランスの PVIF は1.27 %( 2018 年: 2.35 %)のリスク割引率に加えて 98百万ポンド( 2018 年: 85百万ポンド)
のリスクマージンを仮定に入れて計算されている。
経済的仮定の 変動 に対する感応度
当行グループは、 PVIF の計算に適用するリスク割引率を設定するにあたり、リスク・フリー金利曲線
を起点として、これにキャッシュ・フロー・モデルによる最善の見積りに反映されていないリスクに関
する明示的な引当分を上乗せしている。保険事業が、保険契約者にオプションおよび保証を提供してい
る場合、こうしたオプションおよび保証のコストは、 PVIF からの明示的な減算項目となる。ただし、こ
うしたコストが規制当局により要求される技術的準備金への明示的な加算項目としてすでに引当てられ
ている場合はこの限りではない。こうした保証の詳細、および経済的仮定の変更が当行グループの保険
契約子会社に与える影響については、 73ページ (訳注:原文のページ数である) を参照のこと。
経済的仮定以外の仮定の 変動 に対する感応度
保険契約準備金および PVIF は経済的仮定以外の仮定を参照して決定される。これらの仮定には、死亡
および/または疾病率、失効率ならびに経費率が含まれる。こうした経済的仮定以外の仮定の変動が当
行グループの保険契約事業に与える影響については、 74ページ (訳注:原文のページ数である) を参照
のこと。
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21 前払金、未収収益およびその他資産
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
前払金および未収収益
1,604 1,683 873 863
決済勘定 6,611 7,047 6,066 5,638
現金担保および差入マージン 33,643 21,823 25,671 18,502
売却目的資産 13 37 - 1
金地金 2,921 2,995 2,919 2,994
裏書および支払承諾 82 115 42 81
保険契約に基づく負債の再保険会社持分
163 179 - -
(注記 4)
従業員給付資産(注記 5) 22 24 22 24
その他 2,146 2,475 1,208 2,263
1
643 N/A 416 N/A
使用権資産
1,091 1,119 105 122
有形固定資産
12月31日現在 48,939 37,497 37,322 30,488
1使用権資産は IFRS 第16号適用後の 2019 年1月1日より認識されている。比較数値は修正再表示されていない。
前払金、未収収益およびその他資産 には、 43,656 百万ポンド( 2018 年: 32,826 百万ポンド)の金融資
産が含まれるが、その過半は償却原価で測定される。
売却目的保有資産
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
有形固定資産
13 36 - -
- 1 - 1
売却目的で保有する処分グループの資産
12月31日現在売却目的保有に分類された
13 37 - 1
資産
22 トレーディング負債
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
1
3,148 3,942 3,095 3,853
銀行からの預金
1
5,102 6,627 4,898 6,385
顧客からの預金
その他の発行済負債証券
1,042 1,095 102 50
38,734 37,850 18,919 17,013
その他負債-正味売りポジション
12月31日現在
48,026 49,514 27,014 27,301
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1「銀行からの預金」および「顧客からの預金」は、買戻取引、株式貸付およびその他の金額を含む。
23 公正価値評価の指定を受けた金融負債
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
銀行および顧客からの預金
150 169 78 93
投資契約に基づく顧客に対する負債 862 611 - -
発行済負債証券 38,044 33,643 22,000 20,339
劣後債務(注記 26) 2,268 2,177 2,585 2,499
318 322 - -
優先株式(注記 26)
12月31日現在 41,642 36,922 24,663 22,931
当行グループ
公正価値評価の指定を受けた金融負債の帳簿価額は、契約上の満期金額を 1,771 百万ポンド 上回って
(201 8年: 9,438 百万ポンド 下回って )いた 。また、 信用リスクの変化に起因する公正価値の累積変動
額は346 百万ポンド の損失 (201 8年: 201 百万ポンドの 利益 )であった 。
当行
公正価値評価の指定を受けた金融負債の帳簿価額は、契約上の満期金額を 1,238 百万ポンド 上回って
(201 8年: 9,636 百万ポンド 下回って )いた。また、 信用リスクの変化に起因する公正価値の累積変動
額は227 百万ポンド の損失 (201 8年: 113 百万ポンドの 利益 )であった。
24 未払費用、繰延収益およびその他負債
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
未払費用および繰延収益
2,033 2,333 1,046 1,336
決済勘定 5,295 5,814 4,655 5,443
現金担保および受入マージン 38,261 29,747 32,297 26,642
裏書および支払承諾 74 115 42 82
従業員給付負債(注記5) 275 332 85 95
当行グループが連結したファンドの投資家
928 598 - -
に対する債務
HSBC ホールディングスに対する株式に
126 155 103 128
基づく報酬負債
1
783 N/A 504 N/A
リース負債
2,540 1,942 1,433 1,424
その他負債
12月31日現在 50,315 41,036 40,165 35,150
1 リース負債は IFRS 第16号適用後の 2019 年1月1日より認識されている。比較数値は修正再表示されていない。
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未払費用、繰延収益およびその他負債に含まれる金融負債は、当行グループについては 48,907 百万ポ
ンド( 2018 年: 40,327 百万ポンド)、当行については 39,379 百万ポンド( 2018 年: 34,740 百万ポンド)
であり、これらの過半は償却原価で測定される。
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25 引当金
法的手続き
および
当行グループ
その他の
再編費用 規制事項 顧客補償 引当金 合計
百万ポンド
引当金(契約債務を除く)
2018 年12月31日現在 31 231 35 121 418
繰入額 113 37 10 87 247
取崩額 (42) (38) (7) (32) (119)
戻入額 (1) (5) (9) (40) (55)
(7) (14) - (32) (53)
換算差額およびその他の変動
2019 年12月31日現在 94 211 29 104 438
1
契約債務
2018 年12月31日現在 120
予想信用損失引当金の変動純額
(18)
およびその他の変動
2019 年12月31日現在 102
引当金合計
538
2018 年12月31日現在
2019 年12月31日現在 540
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有価証券報告書
法的手続き
その他の
および
2
再編費用 規制事項 顧客補償 引当金 合計
百万ポンド
引当金(契約債務を除く)
2017 年12月31日現在 94 406 1,065 176 1,741
繰入額 2 65 91 86 244
取崩額 (34) (138) (337) (66) (575)
戻入額 (29) (107) (47) (73) (256)
割引のアンワインディング - - - 4 4
エイチエスビーシー・ユー
ケー・バンク・ピーエルシー
(2) (2) (742) (5) (751)
および
その子会社への移転
- 7 5 (1) 11
換算差額およびその他の変動
2018 年12月31日現在 31 231 35 121 418
1
契約債務
2017 年12月31日現在 55
IFRS 第9号への移行の影響 104
エイチエスビーシー・ユーケー
バンク・ピーエルシーへの移 (72)
転
予想信用損失引当金の変動純額
33
およびその他の変動
2018 年12月31日現在 120
引当金合計
1,796
2017 年12月31日現在
2018 年12月31日現在 538
1契約債務は、 IFRS 第9号「金融商品」のもとで測定された金融保証に関する偶発債務に対する引当金およびオフバランスシー
トの保証およびコミットメントの予想信用損失引当金を含む。
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法的手続き
および
当行
その他の
再編費用 規制事項 顧客補償 引当金 合計
百万ポンド
引当金(契約債務を除く)
2018 年12月31日現在 - 214 24 70 308
繰入額 69 5 8 37 119
取崩額 (27) (33) (6) (11) (77)
戻入額 (1) (4) (6) (27) (38)
- (9) - (33) (42)
換算差額およびその他の変動
2019 年12月31日現在 41 173 20 36 270
1
契約債務
2018 年12月31日現在 92
予想信用損失引当金の変動純額
(54)
およびその他の変動
2019 年12月31日現在 38
引当金合計
400
2018 年12月31日現在
2019 年12月31日現在 308
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法的手続き
および
その他の
再編費用 規制事項 顧客補償 引当金 合計
百万ポンド
引当金(契約債務を除く)
2017 年12月31日現在 37 355 850 119 1,361
繰入額 - 60 57 39 156
取崩額 (9) (115) (226) (36) (386)
戻入額 (27) (92) (46) (49) (214)
割引のアンワインディング 1 - - 3 4
エイチエスビーシー・ユー
ケー・バンク・ピーエルシー (2) - (615) (5) (622)
およびその子会社への移転
- 6 4 (1) 9
換算差額およびその他の変動
2018 年12月31日現在 - 214 24 70 308
1
契約債務
2017 年12月31日現在 33
IFRS 第9号への移行の影響 97
エイチエスビーシー・ユー
ケー・バンク・ピーエルシー (71)
への移転
予想信用損失引当金の変動純額
33
およびその他の変動
2018 年12月31日現在 92
引当金合計
1,394
2017 年12月31日現在
2018 年12月31日現在 400
1契約債務は、 IFRS 第9号「金融商品」のもとで測定された金融保証に関する偶発債務に対する引当金およびオフバランスシー
トの保証およびコミットメントの予想信用損失引当金を含む。
法的手続きおよび規制事項
法的手続きおよび規制事項に関する詳細については、注記 32に説明されている。法的手続きには、
HSBC 傘下会社に対して提起された民事訴訟、調停または裁判手続き(申立てまたは反訴のいずれか)も
しくは示談が成立しない場合、訴訟、調停または裁判手続きにつながる可能性のある民事上の紛争が含
まれる。規制事項とは、違反しているとされる行為に関連して規制当局または取締機関が実施した調
査、レビューおよびその他の措置またはそれらの措置への対応を示している。
顧客補償
引当金には、顧客損害賠償プログラムに関する 29百万 ポンド(2018年: 35百万 ポンド)が含まれてい
る。支払補償保険に関する 引当金の大半は、 2018 年のリングフェンス規制の履行にあたり、エイチエス
ビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーへ移転された 。2019 年12月31日現在、エイチエスビー
シー・バンク・ピーエルシーは、チャンネル諸島およびマン島の顧客を対象とした支払補償保険金の請
求に関する引当金を5百万ポンド( 2018 年:5百万ポンド)有している。
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契約債務
2019 年12月31日現在、契約債務引当金はオフバランスシート貸付コミットメントおよび保証に係る引
当金を表している。そのうち、予想信用損失引当金は、 IFRS 第9号に基づき引き当てられている。予想
信用損失引当金の増減分析については、 40ページ(訳注:原文のページ数である。)の表「貸付コミッ
トメントならびに金融保証を含む銀行および顧客に対する貸付金の帳簿 /名目価額総額および引当金の
変動の調整」に詳細が開示されている。
その他の引当金
IFRS 第16号適用後の1月以降、 95百万ポンドが使用権( ROU )資産に移転されている。 2019 年12月31
日現在、その他の引当金には、 IFRS 第16号で定義されている使用権資産への移転に該当しない(例え
ば、金利、原状回復および税金等)空きスペースの引当金 10百万ポンド( 2018 年: 48百万ポンド)が含
まれている。
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26 劣後債務
劣後債務
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
償却原価 13,182 13,770 12,783 13,323
- 劣後債務
12,482 13,070 12,783 13,323
700 700 - -
- 優先株式
公正価値評価の指定を受けたもの(注記
2,586 2,499 2,585 2,499
23)
- 劣後債務
2,268 2,177 2,585 2,499
318 322 - -
- 優先株式
12月31日現在 15,768 16,269 15,368 15,822
劣後債務は、優先債よりも優先順位が低く、資本商品およびその他の金融商品で構成されている。資
本商品は原則として当行グループの自己資本に加算され、 PRA への事前通知および、関係する場合には現
地の銀行規制当局の同意をもって、当行グループが期限前償還を行うことができる。初回の償還可能日
に償還されない場合には、表面金利はステップ・アップ金利、または銀行間金利に基づく変動金利に変
更される場合がある。変動利付債を除く資本商品については、最大 7.65 %の固定金利が付される。
以下で開示された貸借対照表計上額は IFRS に基づく表示であり、規制上の自己資本への影響額を反映
したものではない。これは、発行費用、規制上の償却ならびに自己資本指令4( 「CRD IV」)の経過措
置規定による規制上の適用限度額を含めていることによる。
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当行グループの劣後債務
帳簿価額
2019 年 2018 年
資本商品 百万ポンド 百万ポンド
当行が保証するその他 Tier 1金融商品
非累積ステップ・アップ条項付永久優先証券、金
300 百万ポンド 318 322
1
利5.862 %
非累積ステップ・アップ条項付永久優先証券、金
700 百万ポンド 700 700
2
利5.844 %
Tier 2金融商品
450 百万米ドル 変動金利劣後債、満期 2021 年 340 352
750 百万米ドル 劣後ローン、金利 3.43 %、満期 2022 年 582 585
2,000 百万米ド
劣後ローン、金利 3.5404 %、満期 2023 年 1,513 1,566
ル
300 百万ポンド 劣後債、金利 6.5 %、満期 2023 年 300 300
1,500 百万ユー
変動金利劣後ローン、満期 2023 年 1,273 1,345
ロ
2,000 百万ユー
劣後ローン、金利 1.125 %、満期 2024 年 1,698 1,794
ロ
1,500 百万ユー
変動金利劣後ローン、満期 2024 年 1,273 1,345
ロ
2,000 百万ユー
劣後ローン、金利 1.728 %、満期 2024 年 1,698 1,794
ロ
300 百万米ドル 劣後債、金利 7.65 %、満期 2025 年 227 235
750 百万米ドル 劣後ローン、金利 4.168 %、満期 2027 年 609 598
1,250 百万ユー
劣後ローン、金利 1.4648 %、満期 2027 年 1,061 1,121
ロ
300 百万ユーロ 変動金利劣後ローン、満期 2027 年 255 269
200 百万ポンド 変動金利劣後ローン、満期 2028 年 200 200
300 百万ユーロ 変動金利劣後ローン、満期 2028 年 255 269
260 百万ユーロ 変動金利劣後ローン、満期 2029 年 221 233
期限前償還条項付ステップ・アップ条項付劣後
債、
350 百万ポンド 415 401
3
金利 5.375 %、満期 2030 年
500 百万ポンド 劣後債、金利 5.375 %、満期 2033 年 662 593
225 百万ポンド 劣後債、金利 6.25 %、満期 2041 年 224 224
600 百万ポンド 劣後債、金利 4.75 %、満期 2046 年 594 594
750 百万米ドル 変動金利永久第一次キャピタル・ノート 567 587
500 百万米ドル 変動金利永久第一次キャピタル・ノート 378 392
変動金利永久第一次キャピタル・ノート(シリー
300 百万米ドル 227 235
ズ3)
178 215
100 百万ポンド未満のその他の Tier 2金融商品
12月31日現在 15,768 16,269
1利回りは、 2020 年4月に6ヶ月物ポンド LIBOR に1.85 %加えたものに変更される。
2利回りは、 2031 年11月に6ヶ月物ポンド LIBOR に1.76 %加えたものに変更される。
3金利は、 2025 年11月に3ヶ月物ポンド LIBOR に1.50 %を加えたものに変更される。
脚注1、2 および 3はすべて、 PRA への事前 通知 をもって、 利回りまたは金利 変更日ならびにその後の金利 等更改日および一部は支払日
に、 発行体 の選択により返済可能な 商品 に関連している。
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27 資産、負債およびオフバランス処理されているコミットメントの満期分析
金融負債の契約上の満期
以下の表における残高は当行の連結貸借対照表における残高と直接一致しないが、これは、前者の表
が元本および将来のクーポン支払額に関するすべてのキャッシュ・フローを割引前の金額で計上してい
るためである(トレーディング負債およびヘッジ・デリバティブとして取り扱われないデリバティブを
除く)。
ヘッジ・デリバティブ負債に関する割引前キャッシュ・フロー支払額は、契約上の満期に応じて分類
している。トレーディング負債およびヘッジ・デリバティブとして取り扱われないデリバティブは、契
約上の満期にかかわらず「1ヶ月以内」の欄に計上している。
また、貸付およびその他の信用関連コミットメントと金融保証は通常、貸借対照表に認識していな
い。貸付およびその他の信用関連コミットメントならびに金融保証の潜在的な割引前キャッシュ・フ
ロー債務は、行使可能な最も早い期日に基づき分類している。
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金融負債のキャッシュ・フロー債務(残存契約期間別)
1ヶ月超 3ヶ月超 1年超
1ヶ月以内 3ヶ月以内 12ヶ月以内 5年以内 5年超 合計
当行グループ
百万ポンド
銀行からの預金
16,817 2,416 2,652 1,499 820 24,204
167,623 5,299 4,090 304 112 177,428
顧客からの預金
買戻契約-非トレーディン
45,379 1,728 2,068 277 - 49,452
グ目的
48,026 - - - - 48,026
トレーディング負債
公正価値評価の指定を受け
5,725 395 5,027 16,546 16,490 44,183
た金融負債
160,536 41 133 382 402 161,494
デリバティブ
2,561 5,115 15,282 1,501 733 25,192
発行済負債証券
88 - 278 9,036 5,726 15,128
劣後債務
46,153 456 1,507 596 1,321 50,033
その他の金融負債
492,908 15,450 31,037 30,141 25,604 595,140
貸付およびその他の信用関
128,905 - - - - 128,905
連コミットメント
1
4,318 - - - - 4,318
金融保証
626,131 15,450 31,037 30,141 25,604 728,363
2019 年12月31日現在
15,181 2,624 880 5,456 436 24,577
銀行からの預金
167,970 6,519 6,141 214 66 180,910
顧客からの預金
買戻契約-非トレーディン
40,883 4,921 847 - - 46,651
グ目的
49,514 - - - - 49,514
トレーディング負債
公正価値評価の指定を受け
391 862 2,822 22,285 29,909 56,269
た金融負債
139,063 2 242 518 340 140,165
デリバティブ
3,631 4,786 11,018 2,785 842 23,062
発行済負債証券
97 18 205 4,798 11,057 16,175
劣後債務
38,637 552 534 96 773 40,592
その他の金融負債
455,367 20,284 22,689 36,152 43,423 577,915
貸付およびその他の信用関連
148,888 1 6 - - 148,895
コミットメント
1
6,054 - - - - 6,054
金融保証
610,309 20,285 22,695 36,152 43,423 732,864
2018 年12月31日現在
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1ヶ月以 1ヶ月超 3ヶ月超 1年超
内 3ヶ月以内 12ヶ月以内 5年以内 5年超 合計
当行
百万ポンド
銀行からの預金 13,322 2,033 484 528 66 16,433
103,697 3,272 2,042 51 - 109,062
顧客からの預金
買戻契約-非トレーディン
32,507 1,549 2,065 277 - 36,398
グ目的
27,014 - - - - 27,014
トレーディング負債
公正価値評価の指定を受け
4,742 382 3,378 8,146 9,236 25,884
た金融負債
149,124 41 133 343 393 150,034
デリバティブ
787 4,750 7,743 1,489 406 15,175
発行済負債証券
88 - 219 9,141 5,870 15,318
劣後債務
39,227 394 255 303 170 40,349
その他の金融負債
370,508 12,421 16,319 20,278 16,141 435,667
貸付およびその他の信用関連コ
44,087 - - - - 44,087
ミットメント
1
3,695 - - - - 3,695
-
金融保証
418,290 12,421 16,319 20,278 16,141 483,449
2019 年12月31日現在
14,040 2,392 1,476 276 - 18,184
銀行からの預金
119,736 4,298 1,870 29 - 125,933
顧客からの預金
買戻契約-非トレーディン
31,986 3,101 676 - - 35,763
グ目的
27,301 - - - - 27,301
トレーディング負債
公正価値評価の指定を受け
379 734 2,613 13,817 24,220 41,763
た金融負債
134,548 - 194 482 309 135,533
デリバティブ
2,018 4,934 9,028 2,848 601 19,429
発行済負債証券
91 - 239 4,799 11,177 16,306
劣後債務
34,259 435 89 - - 34,783
その他の金融負債
364,358 15,894 16,185 22,251 36,307 454,995
貸付およびその他の信用関連コ
65,938 - - - - 65,938
ミットメント
1
5,578 - - - - 5,578
金融保証
435,874 15,894 16,185 22,251 36,307 526,511
2018 年12月31日現在
1IFRS 第9号の減損に関する規定が適用されない履行保証契約を除く。
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金融資産および金融負債の契約上の満期分析
以下の表は、期末日現在の連結貸借対照表上の金融資産および負債を契約上の残存期間別に分析した
ものである。これらの残高は、以下の通り満期分析に含めている。
・契約上の満期の規定がない金融資産および負債(持分証券等)は、「1年超」の欄に含めている。
無期限または永久金融商品は、その金融商品の契約相手先に権利がある契約上の通知期間に基づき分
類している。契約上の通知期間がない場合には、無期限または永久金融商品契約は「1年超」の欄に
含めている。
・売却目的で保有する処分グループの資産および負債に含まれる金融商品は、その金融商品自体の契
約上の満期に基づき分類されており、処分取引を基準とする分類は行っていない。
・投資契約に係る負債は、契約上の満期に応じて分類している。期限の定めのない投資契約は、「1
年超」の欄に含めているが、当該契約に対して保険契約者が解約および譲渡のオプションを行使する
可能性がある。
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金融資産および金融負債の満期分析
2019 年 2018 年
当行グループ 1年以内 1年超 合計 1年以内 1年超 合計
百万ポンド 百万ポンド
資産
公正価値評価の指
定を受けた、ま
たは強制的に公 2,651 14,361 17,012 5,171 12,628 17,799
正価値で測定す
る金融資産
銀行に対する貸付
8,849 2,618 11,467 9,805 3,823 13,628
金
顧客に対する貸付
52,408 55,983 108,391 55,481 56,483 111,964
金
売戻契約-非ト
84,047 1,709 85,756 79,739 363 80,102
レーディング目的
金融投資 7,113 39,351 46,464 9,677 37,595 47,272
43,281 367 43,648 32,481 345 32,826
その他の金融資産
12月31日現在 198,349 114,389 312,738 192,354 111,237 303,591
負債
銀行からの預金 21,704 2,287 23,991 18,612 5,920 24,532
顧客からの預金 176,855 381 177,236 180,544 292 180,836
買戻契約-非ト
49,116 269 49,385 46,583 - 46,583
レーディング目的
公正価値評価の指
定を受けた金融負 11,826 29,816 41,642 3,857 33,065 36,922
債
発行済負債証券 22,843 2,196 25,039 19,552 3,169 22,721
その他の金融負債 47,723 1,841 49,564 39,108 880 39,988
93 13,089 13,182 25 13,745 13,770
劣後債務
12月31日現在 330,160 49,879 380,039 308,281 57,071 365,352
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2019 年 2018 年
当行 1年以内 1年超 合計 1年以内 1年超 合計
百万ポンド 百万ポンド
資産
公正価値評価の指定
を受けた、または
強制的に公正価値 2,413 716 3,129 4,799 946 5,745
で測定する金融資
産
銀行に対する貸付
5,352 4,171 9,523 8,948 3,738 12,686
金
顧客に対する貸付
35,076 14,850 49,926 39,844 18,939 58,783
金
売戻契約-非ト
49,460 1,276 50,736 56,357 138 56,495
レーディング目的
金融投資 4,269 22,292 26,561 5,506 21,193 26,699
33,483 1 33,484 27,210 11 27,221
その他の金融資産
12月31日現在 130,053 43,306 173,359 142,664 44,965 187,629
負債
銀行からの預金 15,804 552 16,356 17,882 266 18,148
顧客からの預金 108,990 50 109,040 125,843 28 125,871
買戻契約-非ト
36,058 269 36,327 35,693 - 35,693
レーディング目的
公正価値評価の指
定を受けた金融負 9,184 15,479 24,663 3,516 19,415 22,931
債
発行済負債証券 13,181 1,857 15,038 15,859 3,226 19,085
その他の金融負債 39,345 436 39,781 34,485 - 34,485
- 12,783 12,783 - 13,323 13,323
劣後債務
12月31日現在 222,562 31,426 253,988 233,278 36,258 269,536
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28 金融資産および金融負債の相殺
「貸借対照表上で相殺されない金額」には、次のような取引が含まれる。
・契約相手方が、当行グループとの相殺エクスポージャーを有しており、債務不履行、破産または破
綻の場合のみ相殺する権利を有するマスター・ネッティング契約あるいは類似契約が存在するか、あ
るいは他の相殺基準が満たされない場合
・デリバティブ、売戻契約/買戻契約、借株契約/貸株契約および類似契約について、現金および非
現金担保を受け取った/差入れた場合
リスク管理目的上、顧客に対する貸付金の正味金額には上限があり、監視対象となっている。また、
関連する顧客契約は、必要に応じて、適切な相殺の法的権利の存在を確認するためのレビューおよび更
新の対象となる。
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強制力のあるネッティング契約の対象となる金額
強制力のある
貸借対照表上で
ネッティング
相殺されない金額
貸借対照
契約の対象と
表上の 非現金
5
総額 相殺額 純額 金融商品 担保 現金担保 純額 ならない金額 合計
百万ポンド
金融資産
1
181,449 (18,094) 163,355 (119,222) (9,344) (34,543) 246 1,183 164,538
デリバティブ(注記 14)
売戻契約、借株契約および
2
類似契約の分類 :
-トレーディング資産
13,558 (203) 13,355 (1,174) (12,181) - - 96 13,451
-非トレーディング資産
163,790 (79,963) 83,827 (21,848) (61,832) (147) - 1,946 85,773
3
18,726 (6,334) 12,392 (10,066) - - 2,326 - 12,392
顧客に対する貸付金
2019 年12月31日現在
377,523 (104,594) 272,929 (152,310) (83,357) (34,690) 2,572 3,225 276,154
1
169,923 (26,692) 143,231 (104,948) (6,816) (29,081) 2,386 1,291 144,522
デリバティブ(注記 14)
売戻契約、借株契約および
2
類似契約の分類 :
-トレーディング資産
12,661 (619) 12,042 (975) (11,068) - (1) 597 12,639
-非トレーディング資産
184,887 (107,441) 77,446 (17,084) (60,288) (73) 1 2,674 80,120
3
24,698 (7,744) 16,954 (12,040) - - 4,914 - 16,954
顧客に対する貸付金
2018 年12月31日現在
392,169 (142,496) 249,673 (135,047) (78,172) (29,154) 7,300 4,562 254,235
金融負債
1
178,466 (18,094) 160,372 (119,222) (14,633) (26,130) 387 711 161,083
デリバティブ(注記 14)
買戻契約、貸株契約および
2
類似契約の分類 :
-トレーディング負債
8,013 (203) 7,810 (1,174) (6,636) - - 36 7,846
-非トレーディング負債
129,247 (79,963) 49,284 (21,848) (27,167) (269) - 101 49,385
4
20,032 (6,334) 13,698 (10,066) - - 3,632 19 13,717
顧客からの預金
2019 年12月31日現在
335,758 (104,594) 231,164 (152,310) (48,436) (26,399) 4,019 867 232,031
1
164,194 (26,692) 137,502 (104,948) (10,685) (20,914) 955 2,430 139,932
デリバティブ(注記 14)
買戻契約、貸株契約および
2
類似契約の分類 :
-トレーディング負債
10,706 (619) 10,087 (975) (9,113) - (1) 101 10,188
-非トレーディング負債
153,926 (107,441) 46,485 (17,084) (29,271) (129) 1 98 46,583
4
23,364 (7,744) 15,620 (12,040) - - 3,580 8 15,628
顧客からの預金
2018 年12月31日現在
352,190 (142,496) 209,694 (135,047) (49,069) (21,043) 4,535 2,637 212,331
12019 年12月31日現在、デリバティブ資産総額と相殺されている証拠金受取額は 1,030 百万ポンド( 2018 年: 2,354 百万ポンド)であ
る。デリバティブ負債総額と相殺されている証拠金支払額は 5,213 百万ポンド( 2018 年: 4,269 百万ポンド)である。
2貸借対照表上において、「トレーディング資産」および「トレーディング負債」の中で認識されている買戻/売戻契約、貸株/借株
契約および類似契約の金額については、 63ページ(訳注:原文のページ数である)の表「資金調達の源泉および使途」を参照のこ
と。
32019 年12月31日現在、貸借対照表に計上されている「顧客に対する貸付金」の総額は、 108,391 百万ポンド( 2018 年: 111,964 百万ポ
ンド)であった。このうち 12,392 百万ポンド( 2018 年: 16,954 百万ポンド)が相殺の対象となった。
42019 年12月31日現在、貸借対照表に計上されている「顧客からの預金」の総額は、 177,236 百万ポンド( 2018 年: 180,836 百万ポン
ド)であった。このうち 13,698 百万ポンド( 2018 年: 15,620 百万ポンド)が相殺の対象となった。
5これらのエクスポージャーは、引き続き金融担保によって保全されているが、当行グループはその相殺権の法的強制力の証拠となる
法的見解の取得を求めなかったか、あるいはその取得が不可能であった場合がある。
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29 払込済株式資本およびその他の資本性金融商品
発行済みでかつ全額払込済み
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの 1.00 ポンド普通株式
2019 年 2018 年
株数 百万ポンド 株数 百万ポンド
1月1日現在 796,969,111 797 796,969,110 797
1.00 ポンド優先普通株式からの
- - 1 -
再指定
12月31日現在
796,969,111 797 796,969,111 797
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの 1.00 ポンド優先普通株式
2019 年 2018 年
株数 千ポンド 株数 千ポンド
1月1日現在 - - 1 -
普通株式に再指定された株式 - - (1) -
12月31日現在
- - - -
2018 年11月23日に開催された取締役会総会において、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの
資本に含まれる 1.00 ポンド優先普通株式の1株当たりの権利内容を変更する議案が可決されたため、優
先普通株式は 1.00 ポンド普通株式と同等の権利を有し、同等の制限が付され、あらゆる点において同順
位となった。これにより、当該優先普通株式は普通株式に再指定された。
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エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの 0.01 米ドル非累積第三次優先株式
2019 年 2018 年
株数 千ポンド 株数 千ポンド
1月1日および 12月31日現在
35,000,000 172 35,000,000 172
当行は、優先株式を償還する義務はないが、健全性 監督 機構 への事前 の通知 を条件として、いつでも
その一部または全部を償還することができる。発行済優先株式の配当金は、取締役会の単独の絶対的な
裁量によって年1回支払われる。配当金の支払いによって当行が健全性 監督 機構の自己資本比率基準を
満たすことができなくなる場合、または配当金として分配できる当行の利益が、発行済優先株式の配当
金および同日に支払が予定されていて、同等の配当請求権があるその他の株式の配当金の全額を支払う
には不十分である場合、あるいは普通株式を除いて、当行の資本におけるいずれかのクラスの株式に付
されている権利によって配当金の支払が禁止されている場合、取締役会は、発行済優先株式に対する配
当を宣言しない。
発行済優先株式には、当行の普通株式に転換する権利は付されていない。発行済優先株式の保有者
は、当行の株主総会に出席し、優先株式に付されている権利の変更または無効提案の決議および優先株
式の払込資本金の減額提案の決議に対して議決権を行使することができる。発行済優先株式の配当金が
直近の配当期間について全額支払われていない、または当行の解散もしくは全事業の売却の提議がなさ
れた場合、そのような状況において、優先株の保有者は、株主総会に提議されたすべての事案について
議決権を行使する権利を与えられている。未払配当金については、発行済優先株式の保有者は、優先株
式の配当金が全額支払われるまで、または 1配当期間の配当金全額を支払うための資金が引き当てられ
るまで、すべての株主総会に出席し議決権を行使する権利を与えられている。発行済株式はすべて全額
払込済みである。
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その他の資本性金融商品
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーのその他 Tier 1金融商品
2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
555 百万ポンド 2018 年発行 永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
555 555
融商品( 2023 年3月以降償還可能)
1,900 百万ユーロ 2015 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
1,388 1,388
融商品( 2020 年12月以降償還可能)
235 百万ユーロ 2016 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
197 197
融商品( 2022 年1月以降償還可能)
300 百万ユーロ 2018 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
263 263
融商品( 2023 年3月以降償還可能)
500 百万ポンド 2019 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
500 -
融商品( 2024 年11月以降償還可能)
250 百万ユーロ 2019 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
213 -
融商品( 2024 年11月以降償還可能)
431 百万ポンド 2019 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
431 -
融商品( 2024 年12月以降償還可能)
200 百万ユーロ 2019 年発行永久劣後再設定可能その他 Tier 1金
175 -
融商品( 2025 年1月以降償還可能)
12月31日現在 3,722 2,403
これらの金融商品は、エイチエスビーシー・ユーケー・ホールディングス・リミテッドにより保有さ
れている。当行は、 2019 年3月に4種類の永久劣後その他 Tier 1金融商品を新たに発行した。
当行は、自己資本指令4(「 CRD Ⅳ」)のその他 Tier 1資本として完全に準拠し、当行グループの
自己資本に含める資本商品を発行している。
これらの金融商品の利息は当行の単独裁量のみで期限が到来し支払可能となり、かつ当行は、任意の
日に支払うはずであった利息の支払(の全部または一部)を常時かついかなる理由でも取り消しが出来
る唯一かつ完全な裁量権を有している。英国の銀行規制またはその他の規定に基づき元本、利息または
その他の金額の支払が禁止されている場合(当行が分配可能項目を十分に有していない場合、または当
行がこれらの金融商品の契約条件で定義されているソルベンシー条件を満たしていない場合)には、元
本、利息またはその他の金額の支払が制限される。
これらの金融商品は、期限に定めがなく、当行の裁量によって初回の償還日または初回の償還日後の
任意の利払日に全額を償還可能である。また、これらの金融商品は、当行の裁量によって、特定の規制
または税務上の理由によって、全額を償還することもできる。いかなる償還においても、 健全性 監督 機
構の事前 の同意が必要である。これらの金融商品は、当行の最上位の発行済優先株式と同順位の優先順
位を有しており、普通株式より上位である。当行グループ単独または連結のいずれかの普通株式等 Tier
1資本比率が 7.00 %を下回った場合、これらの金融商品の全体が発生済みの未払利息とともに償却され
る。
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30 偶発債務、契約債務および保証
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
保証およびその他の偶発債務:
-金融保証 4,318 6,054 3,695 5,578
-履行およびその他の保証 15,186 17,244 7,554 10,323
609 590 526 588
-その他の偶発債務
12月31日現在 20,113 23,888 11,775 16,489
1
契約債務 :
-信用状および短期貿易関連取引
1,810 2,186 642 963
-将来購入資産および将来実行預金 37,998 50,116 2,906 1,526
-スタンドバイ契約、与信枠および
89,096 96,593 40,539 63,449
その他の貸付契約債務
12月31日現在 128,904 148,895 44,087 65,938
1当行グループが当事者となった IFRS 第9号の減損に関する規定が適用される取消不能コミットメント 121,447 百万ポンド( 2018
年: 141,620 百万ポンド)を含む。
上表は額面元本を開示している。額面元本は、契約がすべて実行され、顧客が債務不履行となった場
合にさらされるリスクの最大額を表している。保証および契約債務の大部分が未実行のまま失効すると
予想されるため、この額面元本合計は将来必要となる流動性の金額を示すものではない。
海外の HSBC 傘下会社の英国支店
2017年12月、英国歳入関税局(「HMRC」)は、海外のHSBC傘下会社の一部英国支店におけるVATの取
扱い を指摘 した。 さらに、 HMRC は、 2013 年10月1日から 2017 年12月31日までの期間を対象とする総額
262 百万ポンド(利息は未確定)の課税通知書を発行した。 本課税通知書 に関して引当金を認識してい
ない。 2018 年3月、 HSBC は当該課税について再検討するよう HMRC に要請した。 2019 年1月、 HMRC は、英
国支店は英国 VAT グループのメンバーとして不適格であるという評価を再確認した。 2019 年2月、 HSBC
はHMRC に総額 262 百万ポンドを支払い、異議申し立てを申請したが、当該申請は留保中である。 262 百万
ポンドの支払いは HSBC の2019 年12月31日現在の貸借対照表に資産として計上されている。 2018 年1月以
降、英国支店は英国 VAT グループのメンバーではないという前提に基づき、 HSBC の税務申告書は作成さ
れている。 HSBC の異議申し立てが認められれば、 HSBC は当該 VAT の還付を求めるが、このうち 72百万ポ
ンドは、エイチエスビーシー・バンク・ピーエル・シーに帰属すると見積もられている。
当行グループ 会社 に対する 法的手続き、 規制 および その他の事項により生じた偶発債務は、注記 32に
開示されている。
金融サービス補償制度
金融サービス補償制度( 「FSCS 」)は 倒産した金融サービス会社の 預金者に補償金を支払 う。金融危
機後、 預金者に支払われた補償金は、 当初 英国大蔵省からの融資によって調達されたものである が、当
該融資は FSCS により 2018 年度に完全に返済済みである。これまでに課された業界賦課金が将来起こり得
る倒産による預金者への補償金を補うのに不十分となる範囲について FSCSが英国大蔵省から 将来 借入 れ
を行う場合には、 当行は その借入額の一部について 支払義務を負う可能性がある。企業倒産の結果を受
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けた業界に対するFSCSの最終的な賦課金について、正確に見積ることはできない。FSCSによる資産の回
収可能性 、保護 商品の 水準 (預金および投資を含む)の変更 ならびにその時点でのFSCSのメンバー数を
含む、様々な不確実な要因に左右される 。
保証
当行グループ 当行
2019 年 2018 年 2019 年 2019 年
他の HSBC グ 他の HSBC グ
ループ会社 ループ会社 他の HSBC グ 他の HSBC グ
を受益者と を受益者と ループ会社 ループ会社を
第三者を受 する当行グ する当行グ 第三者を受 を受益者と 受益者とする
益者とする ループによ 第三者を受益 ループによ 益者とする する当行に 第三者を受益 当行による保
保証 る保証 者とする保証 る保証 保証 よる保証 者とする保証 証
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
1
3,832 486 5,457 597 1,289 2,406 2,698 2,880
金融保証
履行およびその他
14,129 1,057 16,243 1,001 6,634 920 9,238 1,085
の保証
合計 17,961 1,543 21,700 1,598 7,923 3,326 11,936 3,965
1金融保証契約は、債券の当初または変更後の契約条件に基づいて特定の債務者が支払期日到来時に約定返済を行わなかったことによ
り発生する保有者の損失を弁済するために、発行者に所定の金額の支払を要求する契約である。上表の金額は額面元本である。
IFRS 第9号の減損に関する規定が適用される「金融保証」は、信用リスクの開示に整合させるためその他の保証とは区別して表示さ
れている。
当行グループは第三者顧客および HSBC グループ会社のために保証および同様の取引を提供している。
これらの保証は一般的に当行グループの通常の銀行業務において提供されている。契約期間が1年を超
える保証は毎年当行グループによる信用レビューを受けている。
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31 ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース債権
当行グループ は、ファイナンス・リース契約に基づいて第三者に輸送用資産(航空機など)、不動産
および一般的な機械設備を含む様々な資産をリースしている。リース期間終了時に、資産は第三者に売
却される、またはさらにリース期間が延長される場合がある。リース料は、資産の取得原価から残存価
額を差し引いた金額を回収し、金融収益を稼得できるように計算されている。
2019 年 2018 年
未収
将来の最低支
未収
将来の最低
1 1 1
支払額合計 金融収益 現在価値 払額合計 金融収益 現在価値
百万ポンド 百万ポンド
リース債権
392 (18) 374 290 (23) 267
- 1年以内
- 1年超2年以内
256 (19) 237 N/A N/A N/A
- 2年超3年以内 306 (17) 289 N/A N/A N/A
- 3年超4年以内 279 (15) 264 N/A N/A N/A
168 (13) 155 N/A N/A N/A
- 4年超5年以内
1年超5年以内
1,009 (64) 945 1,348 (82) 1,266
840 (33) 807 837 (45) 792
- 5年超
12月31日現在 2,241 (115) 2,126 2,475 (150) 2,325
1IFRS 第16号の開示要件は 2019 年1月1日から適用されている。比較数値は、修正再表示されていない。
32 法的手続きおよび規制事項
当行グループは、さまざまな司法管轄における、通常の業務から生じた法的手続きおよび規制事項の
当事者となっている。以下に記載されている事項を除き、当行グループは、これらの案件に重大なもの
はないと考えている。引当金の認識は、注記1に記載されている会計方針に従って決定される。法的手
続きおよび規制事項の結果は本質的に不確実であるが、経営陣は入手可能な情報に基づいて、 2019 年12
月31日現在においてこれらの事項につき適切な引当金を設定していると考えている(注記 25を参照のこ
と)。個別の引当金に重要性がある場合には、引当金が計上された事実を記載し、定量化している。た
だし、そのような引当金の計上が著しく公平性を損なうことになると思われる場合は、この限りではな
い。引当金の認識によって、不法行為または法的責任を認めているわけではない。偶発債務に分類され
る可能性のある当行グループの法的手続きおよび規制事項に関する負債総額の見積りを提供すること
は、実務上困難である。
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バーナード・ L・マドフ・インベストメント・セキュリティーズ・エルエルシー
2008 年12月、バーナード・ L・マドフ(「マドフ」)は、ねずみ講詐欺の容疑で逮捕され、最終的に
有罪を認めた。同氏所有のバーナード・ L・マドフ・インベストメント・セキュリティーズ・エルエル
シー(「マドフ・セキュリティーズ」)は、米国の管財人(「管財人」)により清算中である。
米国外のさまざまな HSBC 傘下会社は、マドフ・セキュリティーズに資産を投資していた米国外に設立
された多数のファンドに管理、事務および類似のサービスを提供していた。マドフ・セキュリティーズ
から得た情報によると、 2008 年11月30日現在のこれらのファンドの累計額とされる金額(マドフが報告
した虚偽の利益を含む)は 8.4 十億米ドルであった。
これまでに HSBC が入手可能な情報に基づいて、 HSBC がサービスを提供していた期間における、ファン
ドのマドフ・セキュリティーズへの実際の送金額からマドフ・セキュリティーズからの実際の払戻金額
を差し引いた金額は約4十億米ドルと見積られている。さまざまな HSBC 傘下会社がマドフ・セキュリ
ティーズの詐欺による訴訟の被告として挙げられている。
米国訴訟: 管財人は、マドフ・セキュリティーズから HSBC への送金(金額はまだ認定されていない)
の回収を求め、米国のニューヨーク州南部地区破産裁判所(「米国の破産裁判所」)においてさまざま
なHSBC 傘下会社およびその他に対する訴訟を提起した。 HSBC および本訴訟におけるその他の当事者は、
管財人の請求の棄却の申立てを行った。 2016 年11月、米国の破産裁判所は管財人の請求の一部に関し
て、 HSBC による棄却申立てを認めた。 2019 年2月、米国第2巡回区控訴裁判所は棄却し、米国の破産裁
判所に本件を差し戻した。 2019 年8月、 HSBC およびその他の当事者は、米国第2巡回区控訴裁判所の判
決の見直しを求め米国の最高裁判所に対して上訴の申し立てを行った。当該上訴の終結まで米国の破産
裁判所におけるさらなる手続は留保されている。
フェアフィールド・セントリー・リミテッド、フェアフィールド・シグマ・リミテッドおよびフェア
フィールド・ラムダ・リミテッド(以下総称して「フェアフィールド」)( 2009 年7月から清算中であ
る)は、米国において、ファンドの株主(顧客の名義株主として活動していた HSBC 傘下会社を含む)に
対して償還金の支払の返還を求めて1件の訴訟を提起した。 2018 年12月、米国の破産裁判所は、フェア
フィールドの清算人による請求の一部に関して、被告の棄却の申立てに有利な判決を下し、清算人によ
る修正訴状の提出を認めた。当該判決の結果、 HSBC 傘下会社の一社に対するすべての請求は棄却され、
残りの HSBC の被告に対する一部の請求もまた棄却されている。 2019 年5月、清算人は米国の破産裁判所
の判決による一部の争点を米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所(「ニューヨーク連邦地方裁判
所」)に上訴した。
英国訴訟: 管財人は、マドフ・セキュリティーズから HSBC への送金(金額はまだ認定されていない)
の回収を求め、イングランド・ウェールズ高等法院においてさまざまな HSBC 傘下会社に対する訴訟を提
起した。訴状期限は、英国の被告に関しては 2020 年9月まで、その他すべての被告に関しては 2020 年11
月まで延長されている。
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ケイマン諸島訴訟: 2013 年2月、プリメオ・ファンド(「プリメオ」)( 2009 年4月から清算中であ
る)は、 HSBC セキュリティーズ・サービシズ・ルクセンブルグ(「 HSSL 」)およびバンク・オブ・バ
ミューダ(ケイマン)リミテッド(現在の「 HSBC ケイマン・リミテッド」)に対して訴訟を提起し、契
約違反および信託義務違反を主張し、損害賠償および同等の補償を求めている。裁判は 2017 年2月に結
審し、裁判所は 2017 年8月に被告人に対するすべての請求を斥けた。 2017 年9月、プリメオはケイマン
諸島の控訴裁判所に上訴し、 2019 年6月、ケイマン諸島の控訴裁判所は HSSL および HSBC ケイマン・リミ
テッドに対するプリメオの請求を斥けた。 2019 年8月、プリメオは、英国の枢密院に上訴の申立てを提
出した。 2019 年9月、 HSSL および HSBC ケイマン・リミテッドは、当該上訴の棄却を求めることを示唆し
ている。
ルクセンブルグ訴訟: 2009 年4月、ヘラルド・ファンド SPC (「ヘラルド」)( 2013 年7月から清算
中である)は、 HSSL に対し、ルクセンブルグ地方裁判所において、ヘラルドがマドフ・セキュリティー
ズの詐欺によって失ったとされる現金および有価証券の返還、または代わりに損害賠償を求める訴訟を
提起した。ルクセンブルグ地方裁判所はヘラルドの有価証券返還請求を棄却したが、ヘラルドの現金返
還請求および損害請求の棄却はまだなされていない。ヘラルドは当該判決につきルクセンブルグ控訴裁
判所へ上訴し、本件は同裁判所において留保されている。 2018 年終わりに、ヘラルドは、 HSSL およびエ
イチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに対し、ルクセンブルグ地方裁判所において、さらなる返還
および損害賠償を求める追加の請求を行った。
アルファ・プライム・ファンド・リミテッド(「アルファ・プライム」)は 2009 年10月に、ルクセン
ブルグ地方裁判所において、 HSSL に対して、有価証券または現金同等物の返還、もしくは損害賠償を求
める訴訟を提起した。 2018 年12月、アルファ・プライムは、さまざまな HSBC 傘下会社に対し、ルクセン
ブルグ地方裁判所において、損害賠償を求める追加の請求を行った。予審は 2020 年6月に予定されてい
る。
セネター・ファンド SPC (「セネター」)は 2014 年12月に、ルクセンブルグ地方裁判所において、
HSSL に対して、有価証券または現金同等物の返還、もしくは損害賠償を求める訴訟を提起した。 2015 年
4月、セネターはルクセンブルグ地方裁判所において、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの
ルクセンブルグ支店に対し、同一の請求を主張して別の訴訟を開始した。 2018 年12月、セネターはルク
センブルク地方裁判所において、 HSSL およびエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーのルクセンブ
ルグ支店に対し、セネターの有価証券の返還または損害賠償を求める追加の請求を行った。本件は現在
ルクセンブルク地方裁判所で留保されている。
アイルランド訴訟: 2013 年11月、デフェンダー・リミテッドは HSBC インスティテューショナル・トラ
スト・サービシズ(アイルランド)リミテッド(「 HTIE 」)およびその他の者に対して、契約違反の主
張に基づき、ファンドの損失に係る損害賠償および補償を求める訴訟を提起した。審理は 2018 年10月に
開始された。 2018 年12月、アイルランド高等法院は、デフェンダー・リミテッドに HTIE に対する有効な
請求権がないとし、予備的争点について HTIE に有利な判決を下した。この判決により、追加の争点につ
いて審理を行うことなく結審した。 2019 年2月、デフェンダー・リミテッドは、アイルランド最高裁判
所に上訴し、審理は 2020 年3月に予定されている。
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訴訟手続きが提起されている複数の司法管轄を含めて(それらに限定されるわけではないが)、さま
ざまなマドフ関連の前述の訴訟手続きで起こり得る結果の範囲およびその結果としての財政的な影響に
対しては、影響を及ぼす数多くの要因が存在する。現在入手可能な情報に基づき、経営陣は、さまざま
なマドフ関連の訴訟におけるすべての申立ての結果生じるおそれのある潜在的な総損害額を最大 500 百
万米ドル(費用および利息を除く)あるいはその額を超えると見積っている。このような見積りには不
確実性および限界を伴うため、最終的な損害額はこの金額と大幅に異なる可能性がある。
反マネー・ロンダリングおよび制裁関係
2012 年12月に、エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー(「 HSBC ホールディング
ス」)はとりわけ、 2013 年に英国金融行為規制当局(「 FCA 」)により置き換えられた英国金融サービ
ス機構との取引に合意し、また、米国連邦準備制度理事会(「 FRB 」)からの排除措置命令を受諾し
た。両者には将来の特定の反マネー・ロンダリング(「 AML 」)および制裁措置に関する義務が含まれ
ていた。さらに、 HSBC は、 HSBC グループの AML および制裁措置に関するコンプライアンス・プログラム
の定期評価を行うために独立したコンプライアンス・モニター( FCA の目的上、金融サービス市場法第
166 項における「専門的知識を有する者」に該当し、 FRB の目的上、「独立したコンサルタント」に該当
する。)(「専門知識を有する者/独立コンサルタント」)を保持することにも合意した。 HSBC ホール
ディングスは 2012 年12月にまた、外国資産管理局(「 OFAC 」)との間で、 OFAC の制裁措置の対象である
当事者との間の過去の取引に関して合意した。金融犯罪リスク管理能力の強化における HSBC の重要な進
展を反映して、 HSBC の現在の専門知識を有する者との契約を終了し、 HSBC が平常通りの業務に対する金
融犯罪リスク管理に完全移行するための追加作業に必要な残りの分野を評価するために、より狭い権限
をもつ専門知識を有する者を新たに任命する。独立コンサルタントは、 FRB の指示により継続的に年次
のOFAC コンプライアンスの調査を行う。専門知識を有する者/独立コンサルタントの役割については、
70ページ(訳注:原文のページ数である。)に説明されている。
専門知識を有する者/独立コンサルタントによる過去の調査、ならびに HSBC が実施した内部調査を通
じて、 AML および制裁に関わる潜在的なコンプライアンス上の問題が特定され、 HSBC は、 FRB 、FCA およ
び/または OFAC とともにさらに調査を進めている。米国財務省の金融犯罪取締ネットワークおよび
ニューヨーク州南部地区連邦検察局の民事部門は、 HSBC 独自の支払システムで指図された特定の支払に
おける第三者オリジネーターの情報の収集および伝達について調査している。 FCA もまた、エイチエス
ビーシー・バンク・ピーエルシーおよび エイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシー による
英国の反マネー・ロンダリング規制ならびに金融犯罪制度および統制の要件の遵守に関して調査を行っ
ている。 HSBC はこれらすべての調査に協力している。
2014 年11月以降、さまざまな HSBC 傘下会社およびその他に対して、中東でのテロ攻撃の被害者または
その関係者である原告を代表した複数の訴訟が、米国の連邦裁判所に提起された。いずれの訴訟におい
ても、被告は米国反テロリズム法に違反して、制裁対象となっているさまざまな関係者の不法行為を幇
助したとされている。現在、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーに対する9件の訴訟がニュー
ヨークまたはコロンビア特別区の連邦裁判所で留保されている。棄却の申立てがこれらの訴訟の2件に
おいて提起され、裁判所は HSBC の2019 年3月および9月に両方の申立てを認めた。当該原告は、1件の
訴訟について訴状の修正を求めており、その他の訴訟における決定を上訴している。 HSBC は、留保され
ている他の3件の訴訟において棄却の申立てを提起している。残り4件の訴訟は、ごく初期段階にあ
る。
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現在判明している事実に基づき、時期および HSBC に及ぼす可能性のある影響を含めた本件の解決につ
いて、 HSBC が現時点で予想することは、実務上困難である。本件の影響は重大なものとなる可能性があ
る。
ロンドン銀行間取引金利、欧州銀行間取引金利およびその他のベンチマーク金利の設定に関する調査お
よび訴訟
ユーロ建て金利デリバティブ: 2016 年12月、欧州委員会(「 EC」)は、 HSBC および他の銀行は、 2007
年初めにユーロ建ての金利デリバティブの値付けに関連する反競争的行為を行っていたとする決定を下
した。 ECは、1ヶ月の違反に関し、 HSBC に制裁金を課した。 HSBC はこの決定に対し上訴し、 2019 年9月
に欧州連合一般裁判所(「一般裁判所」)は、責任に関する EUの調査結果の大部分を支持したが、制裁
金については無効にする判断を下した。 HSBC および EUの両者は、一般裁判所の判断を欧州司法裁判所に
上訴している。
米ドル建て LIBOR :2011 年より、 HSBC および他のパネル銀行は、米ドル建て LIBOR の設定に関して、米
国で多数の民事訴訟の被告として挙げられている。これらの申立ては、米国の独占禁止法および反恐喝
法、米商品取引所法(「 US CEA 」)ならびに州法を含むさまざまな米国法に基づく請求を行っている。
当該訴訟には、その大部分がニューヨーク連邦地方裁判所の公判前手続きのために移送および/または
併合された個別訴訟および推定集団訴訟が含まれる。
2017 年および 2018 年に、 HSBC は、次の5つの原告団、すなわち、米ドル建て LIBOR に連動する債券を
購入した個人、米ドル建て LIBOR に連動する上場商品を購入した個人、米ドル建て LIBOR に連動するロー
ンを実施または購入した米国を拠点とする貸付機関(「貸付機関クラス」)、米ドル建て LIBOR に連動
する金利スワップおよびその他金融商品を被告である銀行およびその関連会社から直接購入した個人
(「 OTC クラス」)ならびに米ドル建て LIBOR に連動する金利スワップおよびその他金融商品を被告であ
る銀行でもその関連会社でもない特定の金融機関から購入した個人を代表してそれぞれ提起された推定
集団訴訟を解決するため、原告と合意に達した。 2018 年中に、ニューヨーク連邦地方裁判所は、 OTC ク
ラスおよび貸付機関クラスとの和解に対して最終承認を与えた。残りの和解は裁判所の最終承認待ちで
ある。さらに、他にも HSBC に対する多数の米国ドル建て LIBOR 関連訴訟がニューヨーク連邦地方裁判所
および米国第2巡回区控訴裁判所において留保されている。
インターコンチネンタル取引所(「 ICE 」) LIBOR :2019 年1月から3月に、 HSBC および他のパネル銀
行は、米ドル建て ICE LIBOR に連動した金利を支払う金融商品をパネル銀行から購入した個人および企
業を代表してニューヨーク連邦地方裁判所に提起された3件の推定集団訴訟の被告として挙げられた。
訴状はとりわけ、このベンチマーク金利の抑制に関して米国の独占禁止法および州法に違反する行為が
あったことを主張している。 2019 年7月、3件の推定集団訴訟は併合され、原告は併合された修正訴状
を提起した。 2019 年8月、原告は当該訴状の棄却の申立てを提起したが、留保されている。
これらの案件の結果の範囲およびその結果としての財政的な影響を左右する数多くの要因が存在し、
当該要因は重要なものとなる可能性がある。
外国為替関連の調査および訴訟
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EU、ブラジルおよび南アフリカを含む世界中のさまざまな国の規制当局および競争当局は、外国為替
市場における HSBC およびその他による取引について調査およびレビューを行っている。 HSBC は、これら
の調査およびレビューに協力している。
2018 年1月、 HSBC ホールディングスは、 2010 年および 2011 年の2件の特定取引に関連した詐欺的行為
について、米国司法省(「 DoJ 」)の犯罪局と3年間の起訴猶予合意を結んだ(「 FX DPA 」)。この合
意により、 HSBC のこれまでの外国為替業務に関する DoJ の調査は終結した。 FX DPA の条件に従い、 HSBC
は複数の継続的義務を負っている。当該義務には、グローバル・マーケッツ事業における内部統制およ
び手続き強化の実施が含まれており、これらは DoJ への年次報告の対象となる。さらに、 HSBC は制裁金
と賠償金の支払いに合意した。
2017 年2月、南アフリカの競争委員会(「競争委員会」)は、南アフリカの外国為替市場において反
競争的行為があったとして、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーを含む 18の金融機関に対する
申立てを進めるよう南アフリカ競争審判所(「審判所」)に付託した。 2017 年4月、エイチエスビー
シー・バンク・ピーエルシーは、管轄権および出訴期限の欠如を理由として、申立てへの異議を申立て
た。 2019 年6月、審判所は競争委員会に当該訴状の修正を要求する判断を下した。訴状に名を連ねる一
部の金融機関は、一部の判断について南アフリカ競争上訴裁判所に上訴しているが、競争委員会は反訴
している。
2018 年10月、 HSBC ホールディングスおよびエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、 ECから外
国為替オプション取引における調整の可能性についての情報提供要請を受領した。本件は初期段階にあ
る。
2013 年の終わりおよび 2014 年の初めに、さまざまな HSBC 傘下会社およびその他の銀行は、ニューヨー
ク連邦地方裁判所で併合された多数の推定集団訴訟の被告として挙げられた。併合された訴状はとりわ
け、被告が共謀して WM/ロイターの外国為替レートを操作したと主張している。 2015 年9月、 HSBC は併
合訴訟を解決するため原告と合意に達し、裁判所は 2018 年8月に当該和解に対して最終承認を与えた。
2017 年に、外国為替商品の「間接的な」買い手を代表して同様の主張をする複数の推定集団訴訟が、
ニューヨークにおいて提起され、その後、ニューヨーク連邦地方裁判所で併合された。当該訴訟は同裁
判所で引き続き留保されている。
2018 年9月、さまざまな HSBC 傘下会社およびその他の銀行は、外国為替関連の不法行為があったとし
てイスラエルにおいて提出された2件の集団訴訟の認定の申立てにおいて被告に挙げられた。 2019 年7
月、テル・アビブ裁判所は原告が彼らの請求を併合することを認め、 2019 年9月、当該原告は、併合さ
れた集団訴訟の認定に対する申立てを提起した。 2018 年11月および 12月、 HSBC およびその他の被告に対
して、外国為替関連の不法行為を主張した訴状が、米国における集団訴訟の和解に加わらなかった特定
の原告によりニューヨーク連邦地方裁判所およびイングランド・ウェールズ高等法院に提出された。
2019 年2月、さまざまな HSBC 傘下会社は、外国為替関連の不法行為があったことを主張するイングラン
ド・ウェールズ高等法院における請求において被告として挙げられた。これらの案件は初期段階にあ
る。過去の外国為替業務に関連して、 HSBC に対し、追加の民事訴訟が提起される可能性がある。
2019 年12月31日現在、当行は、これらのおよび同様の案件に対する引当金を 152 百万ポンド認識し
た。これらの案件の起こり得る結果の範囲およびその結果としての財務影響を左右する数多くの要因が
存在する。このような見積りには不確実性および限界を伴うため、最終的な財政的な影響はこの金額と
大幅に異なる可能性がある。
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貴金属のフィクシング関連訴訟
金: 2014 年3月以降、 HSBC およびその他のロンドン・ゴールド・マーケット・フィクシング・リミ
テッドのメンバーを被告として、多くの推定集団訴訟がニューヨーク連邦地方裁判所、ニュージャー
ジー連邦地方裁判所およびカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提起された。訴状は、 2004 年1
月から 2013 年6月まで、被告は共謀して、集団の利益のために米国独占禁止法、 US CEA およびニュー
ヨーク州法に違反して金の価格および金に基づくデリバティブの価格を操作したと申立てている。これ
らの訴訟はニューヨーク連邦地方裁判所において併合された。 2016 年10月、被告による当該併合訴訟の
棄却申立ては、一部が認められ一部が斥けられた。 2017 年6月、裁判所は原告に対し、新たな被告を挙
げる第3回修正訴状を提出する許可を与えた。裁判所は、棄却を求める共同申立てを提出するための許
可を求める既存の被告による申立てを却下しており、証拠開示手続が進行中である。
2015 年12月以降、さまざまな HSBC 傘下会社およびその他の金融機関に対して、カナダ法に基づく多数
の推定集団訴訟がオンタリオ州およびケベック州の上位裁判所において提起された。原告はとりわけ、
2004 年1月から 2014 年3月にかけて、被告が共謀して、カナダ競争法およびコモン・ローに違反して金
の価格および金に基づくデリバティブの価格を操作したと申立てている。これらの訴訟は初期段階にあ
る。
銀: 2014 年7月以降、 HSBC およびその他のロンドン・シルバー・マーケット・フィクシング・リミ
テッドのメンバーを被告として、多くの推定集団訴訟が米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所お
よびニューヨーク州東部地区連邦地方裁判所に提起されている。訴状は、 2007 年1月から 2013 年12月ま
で、被告は共謀して、集団の利益のために米国独占禁止法、 US CEA およびニューヨーク州法に違反して
銀の価格および銀に基づくデリバティブの価格を操作したと申立てている。これらの訴訟はニューヨー
ク連邦地方裁判所において併合された。 2016 年10月、被告による当該併合訴訟の棄却申立ては、一部が
認められ一部が斥けられた。 2017 年6月、裁判所は原告に対し、新たに複数の被告を挙げる第3回修正
訴状を提出する許可を与えた。裁判所は、棄却を求める共同申立てを提出するための許可を求める既存
の被告による申立てを却下しており、証拠開示手続が進行中である。
2016 年4月、さまざまな HSBC 傘下会社およびその他の金融機関に対して、カナダ法に基づく2件の推
定集団訴訟がオンタリオ州およびケベック州の上位裁判所において提起された。原告は両訴訟におい
て、 1999 年1月から 2014 年8月にかけて、被告が共謀して、カナダ競争法およびコモン・ローに違反し
て銀の価格および銀に基づくデリバティブの価格を操作したと申立てている。オンタリオ州での訴訟は
初期段階にある。ケベック州での訴訟は一時的に差し止められている。
プラチナおよびパラジウム: 2014 年の終わりから 2015 年の初めにかけて、 HSBC およびその他のロンド
ン・プラチナ・アンド・パラジウム・フィクシング・カンパニー・リミテッドのメンバーを被告とし
て、多くの推定集団訴訟がニューヨーク連邦地方裁判所に提起された。訴状は、 2008 年1月から 2014 年
11月まで、被告は共謀して、集団の利益のために米国独占禁止法および US CEA に違反してプラチナ・グ
ループ・メタル(「 PGM 」)の価格および PGM に基づく金融商品の価格を操作したと申立てている。 2017
年3月、被告による第2回修正併合訴状の棄却申立ては、一部が認められ一部が斥けられた。 2017 年6
月、原告は第3回修正訴状を提出した。被告は棄却を求める共同申立てを提出し、当該申立ては留保さ
れている。
現在判明している事実に基づき、時期および HSBC に及ぼす可能性のある影響を含めた本件の解決につ
いて、 HSBC が現時点で予想することは、実務上困難である。本件の影響は重大なものとなる可能性があ
る。
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規制当局によるその他の調査、レビューおよび訴訟
エイチエスビシー・バンク・ピーエルシーおよび/またはその関連会社は、各社の事業および業務に
係る各種事項に関連して、さまざまな規制当局、競争当局および法執行当局による多くの調査やレ
ビューならびに訴訟の対象となっている。これらには、以下が含まれる。
・EURIBOR および日本円 LIBOR の設定に関連したスイス連邦競争委員会による調査
・英国における回収事業に関連する FCA の調査
・金融サービス・セクターに関する英国競争・市場庁からの情報提供要
・米ドル建て国際機関債、ソブリン債およびエージェンシー債の市場に関連して、ニューヨーク州地
方裁判所に提起された推定集団訴訟
・2003 年から 2009 年までエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーがスタンフォード・インターナ
ショナル・バンク・リミテッドのコルレス銀行として果たした役割に関連して、米国裁判所に留保
されている2件の集団訴訟およびイングランド・ウェールズの高等法院に出された請求
これらの案件の結果の範囲およびその結果としての財政的な影響を左右する数多くの要因が存在し、
当該要因は重要なものとなる可能性がある。
33 関連当事者間取引
当行グループの 直接的 な親会社は HSBC UKホールディングス・リミテッドであり、最終的な親会社は
エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー である。 両社はイングランド で設立された 。
当行 グループの財務諸表の写しは以下の住所から入手可能である。
エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー
カナダ・スクエア8
ロンドン市 E14 5HQ
IAS 第24号「関連当事者についての開示」では、 関連当事者に は、親会社、兄弟会社、関連会社、
ジョイント・ベンチャー、HSBCの従業員のための退職後給付制度、 当行グループおよびその最終親会社
の主な経営陣 (「 KMP 」) 、KMP の近親者 ならびに KMP またはその近親者によって支配または共同支配され
ている、あるいは重要な影響を受けている会社が 含まれると定義されている 。
当行グループと 関連当事者との取引の詳細は、下表に示した通りである。年度末残高および 当年度中
最高残高の開示は、 当年度 中の取引 および残高 を表す最も有用な情報と考えられる。
主な経営陣
当行の KMP は、当行の活動を計画、指示および管理する権限および責任を持つ者と定義され、エイチ
エスビーシー・バンク・ピーエルシー の取締役ならびに当行の業務を指図する役割を有する エイチエス
ビーシー・ホールディングス・ピーエルシーの取締役 および一部の執行役会のメンバー が含まれる。
当行の KMP の多くは当行グループの取締役ではないが、 エイチエスビーシー・ホールディングス・
ピーエルシー の取締役または執行役会のメンバーである。当該 KMP に対する報酬は、当行グループの他の
メンバーが支払っており、当行への振替は行われていない。これらの報酬を合理的に当行に配分するこ
とができないため、当該 KMP の報酬は以下の開示に含まれていない。
下表は 当期中に 当行に提供された 役務 の対価として当行の 取締役 に支払われた報酬を示している。
主な経営陣に対する報酬
2019 年 2018 年
千ポンド 千ポンド
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短期従業員給付
3,330 3,115
退職後給付 - 4
その他の長期従業員給付 48 136
348 801
株式報酬
12月31日に終了した事業年度 3,726 4,056
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当行の主な経営陣との期中取引および取引残高
2019 年 2018 年
期中最高
12月31日
期中最高
12月31日
2
3
現在残高
残高
現在残高
残高
百万ポンド 百万ポンド
1
主な経営陣
2
0.2 0.4 2 4
貸付金および与信
保証 - - - -
預金 8 21 29 60
1 当行の KMP の近親者、ならびに当行の KMP またはその近親者によって支配または共同支配されている会社が含まれている。
2 英ポンド建ではない金額に適用された為替レートは、 2019 年12月31日現在のレートである。
3 英ポンド建ではない金額に適用された為替レートは、期中平均レートである。
上記の取引は、通常の業務において、同様の状況にある個人またはその他の従業員との比較可能な取
引に適用されるものと実質的に同一の条件(金利や担保を含む)で行われた。当該取引は、返済に関す
る一般水準を上回るリスクや、その他の不利な要素を伴うものではなかった。
IAS第24号に基づく開示に加えて、2006年会社法第413条により、 当行グループ が当行の取締役との間
で締結した貸付(貸付金および準貸付金)、 与信 および保証取引の詳細を開示することが要求されてい
る。会社法では、当行の 最終的な 親会社であるエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー
のKMP との取引に関する開示は求められていない。
取締役との取引:貸付、与信および保証( 2006 年会社法)
2019 年 2018 年
12月31日 12月31日
現在残高 現在残高
千ポンド 千ポンド
取締役
貸付金 150 265
保証 - -
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その他の関連当事者
当行の最終的な親会社の KMP との期中取引および取引残高
2018 年から 2019 年にかけて、当行の KMP とみなされない、当行の最終的な親会社の KMP との貸付金およ
び与信、保証ならびに預金に係る取引および取引残高はなかった。
関連会社およびジョイント・ベンチャーとの当年度中の取引および取引残高
2019 年 2018 年
当年度中 当年度中
12月31日 12月31日
現在残高 現在残高
最高残高 最高残高
百万ポンド 百万ポンド
ジョイント・ベンチャーに対する
- - 102 -
1
非劣後債権額
関連会社に対する劣後債権額 - - - -
1
- - 610 -
保証および契約債務
1 2018 年のリングフェンス規制の完了によるエイチエスビーシー・ユーケー・バンク・ピーエルシーへの移転による影響を受けてい
る。
当行グループは、関連会社およびジョイント・ベンチャーに対して特定の銀行および金融サービスを
提供しており、こ れには、貸付、当座貸越、利子および無利子預金、ならびに当座 勘定が含まれる。関
連会社およびジョイント・ベンチャーに対する持分の詳細は、注記 17および注記 35に開示されている。
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当行グループとエイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーおよびエイチエスビーシー・
ホールディングス・ピーエルシーの子会社との当年度中の取引および取引残高
2019 年 2018 年
エイチエスビーシー・ エイチエスビーシー・ エイチエスビーシー・
エイチエスビーシー・ホール
ホールディングス・ピー ホールディングス・ピー ホールディングス・ピー
ディングス・ピーエルシーの
エルシー に対する エルシーの子会社 に対す エルシー に対する
子会社 に対する債権債務
債権債務 る債権債務 債権債務
当年度中 当年度中 当年度中 当年度中
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
現在残高 現在残高 現在残高 現在残高
最高残高 最高残高 最高残高 最高残高
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
資産
トレーディング資
98 75 676 302 351 24 4,725 276
産
デリバティブ 1,685 1,447 24,696 18,130 2,651 1,685 20,224 18,135
公正価値評価の指
定を受けた金融資 8 7 198 27 15 7 201 198
産
銀行に対する貸付
- - 5,341 1,957 - - 6,703 2,780
金
顧客に対する貸付
406 - 612 400 924 - 3,610 539
金
229 160 - - 238 229 28 -
金融投資
12月31日現在の
2,426 1,689 31,523 20,816 4,179 1,945 35,491 21,928
関連当事者資産
負債
トレーディング負
348 326 1,591 293 968 303 18,634 1,114
債
公正価値評価の指
定を受けた金融負 1,241 - 1,310 1,191 2,167 1,183 68 66
債
銀行からの預金 - - 7,373 2,928 - - 8,647 2,859
顧客からの預金 3,855 1,762 3,119 1,992 15,024 2,708 5,095 1,716
デリバティブ 3,163 1,501 22,940 18,055 770 559 21,145 17,594
6,060 - 10,509 9,787 13,444 6,060 4,230 4,230
劣後債務
12月31日現在の
14,667 3,589 46,842 34,246 32,373 10,813 57,819 27,579
関連当事者負債
保証および契約
- - 467 371 - - 482 397
債務
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HSBC ホールディングス・ HSBC ホールディングス・
ピーエルシー ピーエルシーの子会社
に対する債権債務 に対する債権債務
2019 2018 年 2019 年 2018 年
百万ポンド 百万ポンド
損益計算書
受取利息 9 6 142 119
支払利息 84 448 329 141
受取手数料 10 13 47 95
支払手数料 2 - 356 387
トレーディング収益 - - 8 5
トレーディング費用 - 3 15 125
その他営業収益 69 97 322 316
一般管理費 38 67 2,207 2,719
上記の残高は、通常の業務において、第三者との比較可能な取引に適用されるものと実質的に同一の
条件(金利や担保を含む)で実行された取引において生じたものである。
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当行と当行の子会社、エイチエスビーシー・ホールディングス・ピーエルシーおよびエイチエスビー
シー・ホールディングス・ピーエルシーの子会社との当年度中における取引および取引残高
2019 年 2018 年
エイチエスビーシー・ エイチエスビーシー・
エイチエスビー ホールディングス・ エイチエスビー ホールディングス・
シー・ホールディン ピーエルシーの シー・ホールディン ピーエルシーの
当行の子会社に グス・ピーエルシー 子会社 に対する 当行の子会社に グス・ピーエルシー 子会社 に対する
対する債権債務 に対する債権債務 債権債務 対する債権債務 に対する債権債務 債権債務
当年度中 当年度中 当年度中 当年度中 当年度中 当年度中
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
最高残高 現在残高 最高残高 現在残高 最高残高 現在残高 最高残高 現在残高 最高残高 現在残高 最高残高 現在残高
百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド 百万ポンド
資産
トレーディング
1,363 907 98 75 676 302 3,547 1,051 351 24 4,403 276
資産
30,022 13,839 1,685 1,447 23,229 17,134 11,668 11,557 2,651 1,685 29,257 17,329
デリバティブ
銀行に対する
6,290 4,029 - - 4,871 1,404 7,491 4,142 - - 6,570 2,650
貸付金
顧客に対する
7,771 6,969 406 - 586 353 15,422 7,444 911 - 3,594 539
貸付金
185 - - - - - 820 185 - - - -
金融投資
12月31日現在の
45,631 25,744 2,189 1,522 29,362 19,193 38,948 24,379 3,913 1,709 43,824 20,794
関連当事者資産
負債
トレーディング
3 - 348 326 1,591 293 679 - 968 303 18,543 1,114
負債
3,905 1,428 - - 5,003 1,416 4,777 2,542 - - 8,164 2,104
銀行からの預金
924 534 3,855 1,762 3,063 1,890 1,410 922 15,024 2,708 4,997 1,705
顧客からの預金
26,270 13,702 3,163 1,501 21,730 17,243 12,444 12,309 770 559 34,043 16,709
デリバティブ
701 700 5,827 - 10,272 9,566 700 700 13,137 5,827 4,230 4,230
劣後債務
12月31日現在の
31,803 16,364 13,193 3,589 41,659 30,408 20,010 16,473 29,899 9,397 69,977 25,862
関連当事者負債
保証および
1,475 1,294 - - 267 112 1,502 1,475 - - 361 273
契約債務
上記の残高は、通常の業務において、第三者との比較可能な取引に適用されるものと実質的に同一の
条件(金利や担保を含む)で実行された取引 において 生じたものである。
退職後給付制度
エイチエスビーシー・バンク( 英国 )年金制度(「制度」)は、負債のインフレおよび金利感応度を
管理するために、当行とスワップ取引を締結していた。201 9年12月31日現在、スワップの名目元本合計
は7,464 百万ポンド(2018年:8,250百万ポンド)で、スワップは当行に対して 895 百万ポンドの 正の公正
価値(201 8年: 810 百万ポンドの負の公正価値)を有しており、当行は、当該スワップに関して制度に
904 百万ポンド(201 8年: 801 百万ポンド)の担保を差し入れていた。すべてのスワップは、市場レート
で標準の市場のビッド/オファー・スプレッドの範囲内で実行された。
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34 後発事象
2020 年1月、当行は、カナダスクエア8のリースをエイチエスビーシー・グローバル・サービシーズ
(英国)リミテッドに割り当てるプロセスを開始した。この割り当ての実施は、 2020 年第1四半期に完
了すると予想されている。これにより使用権資産およびリース負債の認識が中止される。 2019 年12月31
日現在、 0.4 十億ポンドの使用権資産および 0.5 十億ポンドのリース負債が認識された。
2019 年12月31日以降、当行グループの取締役は、より大きな利益をもたらす分野への資本の再配分、
当行グループ内のコストの削減および事業の簡素化を目標とする計画を提示する 2020 年度ビジネス・
アップデートを承認した。当該計画の一部としての1つの変更は、財務諸表の注記9に記載されている
HSBC および当行グループの報告セグメントを形成するグローバル事業に対する変更である。既存のリ
テール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメントおよびグローバル・プライベート・バンキング
のグローバル事業は、新しくグローバル・ビジネス、ウェルス・アンド・パーソナル・バンキングとし
て1つに統合され、 2020 年度中の報告セグメントとなる。
35 エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの子会社、ジョイント・ベンチャーおよび関連会社
2006年会社法第409条に準拠し、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの子会社、ジョイン
ト・ベンチャーおよび関連会社、その登録事務所の住所、ならびに201 9年12月31日現在の実質的な持分
割合を以下に列記する。
特に明記しない限り、株式資本はエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの子会社に保有される
普通株式で構成されている。各社の保有割合は以下に記載している。特に明記しない限り、以下に列記
した会社は、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの連結対象となっている。
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの登記上の事務所は次のとおりである。
連合王国 E14
ロンドン市カナダスクエア8
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2【主な資産・負債及び収支の内容】
上記 「1 財務書類-財務諸表注記」 を参照のこと。
3【その他】
(1) 後発事象
上記「1 財務書類-財務諸表注記」の注記34「後発事象」を参照のこと。
(2) 訴訟
訴訟については、 上記 「1 財務書類-財務諸表注記」 の注記32「法的手続きおよび規制事項」を参照の
こと。
4【英国(EUが採用しているIFRS)と日本との会計原則の相違】
EUが採用している国際財務報告基準(IFRS)と、日本において一般に公正妥当と認められる会計原則(日本
の会計原則)との間には、2019年12月31日現在、以下を含む相違点がある。
(1) 連結
IFRS
IFRS では、パワー、リターンの変動性およびパワーとリターンの関連性の概念に基づき、すべての事
業体に関する連結の要否を判断するための単一のアプローチがある。当行グループは事業体への関与に
より生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ事業体に対するパワーによ
り当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当該事業体を支配しているため連結する。
連結財務諸表は、類似の状況における同様の取引およびその他の事象について統一された会計方針を
用いて、連結財務諸表を作成しなければならない。(IFRS第10号 「連結財務諸表」 )
日本の会計原則
日本の会計原則では、実質支配力基準により連結範囲が決定され、被支配会社の財務諸表は連結され
る。公正価値で譲渡された資産からの利益を享受するためにSPEが発行した持分商品の保有者のために
SPEが設立され業務が行なわれている場合には、当該SPEは子会社とはみなされない。
親会社および子会社が連結財務諸表を作成するために採用する会計原則は、原則として統一されなけ
ればならない。ただし、子会社等の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作成されている場合
は、のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、研究開発費の支出時費用処理
ならびに投資不動産の時価評価および固定資産の再評価ならびに、資本性金融商品の公正価値の事後的
な変動をその他包括利益に表示する選択をしている場合の組替調整等の一定の項目の修正を除き、これ
を連結決算手続上利用できることと規定されている。 (企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会
計基準」)
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(2) 企業結合およびのれん
IFRS
IFRS では、企業結合は取得法で会計処理されている。企業結合により取得されたのれんは、当初、譲
渡対価の公正価値が取得資産および引受負債の正味認識額を上回る額として認識され、その後はこの金
額から減損損失累計額を控除して計上されている。のれんについては年に一回、および減損の兆候があ
る場合にはいつでも、減損テストが実施される。 (IFRS第3号 「企業結合」 、IAS第36号 「資産の減
損」 )
日本の会計原則
日本の会計原則では、企業結合は原則としてパーチェス法により会計処理される。また、のれんは20
年以内の期間にわたり定額法その他の合理的方法により規則的に償却され、減損の兆候が認められた場
合に減損テストの対象となる。 (企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」)
(3) 非支配持分の評価方法
IFRS
IFRS では、取得企業は、特定の場合を除き、企業結合取引ごとに非支配持分を公正価値(全部のれ
ん)、もしくは被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な取り分(購入
のれん)のいずれかの方法を選択して測定する。(IFRS第3号「企業結合」)
日本の会計原則
日本の会計原則では、購入のれんを採用しており、全部のれんは計上できない。(企業会計基準第21
号「企業結合に関する会計基準」)
(4) 非支配持分の判定
IFRS
取得された非支配持分を測定する場合には、非支配持分の公正価値または被支配企業の識別可能純資
産に対する非支配持分割合のいずれかの方法を、取引毎に選択できる。(IFRS第3号 「企業結合」 )
日本の会計原則
日本の会計原則では、非支配持分(従前は「少数株主持分」)は企業結合時の子会社の純資産の時価
に対する持分割合により評価される。 (企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」)
(5) 非金融資産の減損
IFRS
IFRS では、各報告期間末において報告企業は、資産の減損の兆候について評価している。そのような
兆候が存在する場合、企業は当該資産の回収可能価額さらには減損損失を見積もっている。減損損失
は、一定の場合には戻し入れることができるが、戻入により増加する資産額は、減損処理前の価額を超
えてはならない。なお、のれんに係る減損損失の戻入は行われない。(IAS第36号 「資産の減損」 )
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日本の会計原則
日本の会計原則では、減損の兆候が認められ、かつ割引前の見積将来キャッシュ・フロー(20年以内
の合理的な期間に基づく)が帳簿価額を下回ると見積られる場合において、回収可能価額と帳簿価額の
差額につき減損損失を計上する。減損損失の戻入は認められない。 (「固定資産の減損に係る会計基
準」)
(6) 金融資産および金融負債の分類および測定
IFRS
金融資産の分類および測定は、それらの管理方法(企業の事業モデル)および契約上のキャッシュ・
フローの特性により異なる。これらの要因により、償却原価、その他包括利益を通じた公正価値
(「FVOCI」)または損益を通じた公正価値(「FVPL」)のいずれにより金融商品が測定されるかが決
定される。金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(売買目的負債および公正価値オ
プション)または償却原価で測定する金融負債に分類される。(IFRS第9号「金融商品」)
日本の会計原則
金融資産は、原則として法的形態をベースに、有価証券、債権、金銭の信託、デリバティブなどに分
類されている。さらに、有価証券については、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社および
関連会社株式、その他有価証券に分類される。支払手形、買掛金などの金融負債は、債務額をもって貸
借対照表価額とし、社債については社債金額より低いまたは高い価額で発行した場合に償却原価で評価
する必要がある。( 企業会計基準第10号 「金融商品に関する会計基準」)
(7) 金融資産の減損
IFRS
減損に関する規定は償却原価およびFVOCIで測定された金融資産、リース債権および一部の貸付コ
ミットメントならびに金融保証契約に適用される。当初認識時、予想信用損失(「ECL」)で翌12ヶ月
間に発生する可能性のある債務不履行事象から生じるもの(「12ヶ月ECL」)に対する減損引当金(ま
たはコミットメントおよび金融保証の場合は負債性引当金)の計上が要求される。信用リスクが著しく
増加した場合、金融商品の予測残存期間にわたり可能性のあるすべての債務不履行事象から生じるECL
(「残存期間ECL」)に対して評価性引当金(またはコミットメントおよび金融保証の場合は負債性引
当金)の計上が求められる。(IFRS第9号「金融商品」)
日本の会計原則
日本の会計基準においては、有価証券(満期保有目的の債券、子会社および関連会社株式、その他有
価証券)については、時価または実質価額が著しく下落した場合に、相当の減額を行う。貸倒引当金の
対象となる金融商品は、法的形式が債権であるもの(売掛金、受取手形、貸付金、リース債権等)であ
る。時価を把握することが極めて困難と認められる社債その他の債券も、債権に準じて貸倒引当金を設
定する。貸倒引当金の算定は、以下(1)~(3)の区分に応じて測定する。
(1) 一般債権
過去の貸倒実績率等合理的な基準により貸倒見積高を算定する。貸倒損失の過去のデータから貸倒実
績率を算定する期間は、一般には、債権の平均回収期間が妥当とされている。
(2) 貸倒懸念債権
以下のいずれかの方法による。
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・債権額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財
政状態および経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法
・債権の元本および利息に係るキャッシュ・フローを合理的に見積り、当期末まで当初の約定利子率
で割り引いた金額の総額と債権の帳簿価額との差額を貸倒見積高とする方法
(3) 破産更生債権等
債権額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額し、その残額を貸倒見積高とする方
法( 企業会計基準第10号 「金融商品に関する会計基準」)
(8) ヘッジ会計
IFRS (IAS 第39号「金融商品:認識および測定」)
一定の条件が満たされた場合は、下記の種類のヘッジ関係に係るヘッジ会計が認められている。
・ 公正価値ヘッジ(すなわち、特定のリスクに起因し、損益に影響を与える可能性がある、公正価
値の変動に対するエクスポージャーのヘッジ)
- ヘッジ会計上、ヘッジ手段の損益は損益計算書に認識されている。また、ヘッジされたリス
クに起因するヘッジ対象の損益はヘッジ対象の帳簿価額により調整され、損益計算書に認識
されている。
・ キャッシュ・フロー・ヘッジ(すなわち、特定のリスクまたは発生の可能性の高い予定取引に起
因し、損益に影響を与える可能性がある、キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポー
ジャーのヘッジ)
- ヘッジ会計上、ヘッジ手段の損益のうち有効なヘッジと判断される部分はその他包括利益に
認識され、非有効部分は損益計算書に認識されている。
・ 国外事業への純投資のヘッジ
- ヘッジ会計上、ヘッジ手段の損益のうち有効なヘッジと判断される部分はその他包括利益に
認識され、非有効部分は損益計算書に認識されている。
IFRS第9号が2018年1月1日から適用となったが、ヘッジ会計についてIAS39号を継続適用するこ
とも認められており、当グループは当規定を適用している。
2019年9月にIASBは、金利指標改革に関連してIFRS第9号およびIFRS第39号の特定のヘッジ会計
要件を変更する改訂を公表した。当該改訂は 、ヘッジ対象のキャッシュ・フローおよびヘッジ手段
のキャッシュ・フローにおいて基準とする金利指標は、金利指標改革によって変更されないと仮定
して企業が当該基準を適用するようにヘッジ会計の要件を変更している。改訂は2020年1月1日か
ら適用されるが、早期適用も認められている。当行グループは、2019年1月1日からIAS第39号に適
用される改訂を適用している。
日本の会計原則
日本の会計原則では、デリバティブ金融商品について、会計基準により定められたヘッジ会計の要件
を満たす場合には、原則として、「繰延ヘッジ会計」(ヘッジ手段の損益を貸借対照表の「純資産の
部」に計上し、ヘッジ対象が損益認識されるのと同一の会計期間に損益計算書に認識する。)を適用
し、ヘッジ対象である資産または負債に係る相場変動等を会計基準に基づき損益に反映させることがで
きる場合には、「時価ヘッジ会計」(ヘッジ手段の損益を発生時に認識するとともに、同一の会計期間
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にヘッジ対象の損益も認識する。)を適用できる。 (企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基
準」)
日本の会計原則では、今後の金利指標改革に関連する特段のヘッジ会計基準または基準の改訂はな
い。
(9) 株式報酬
IFRS
持分決済型の株式報酬について、従業員との株式報酬取引の費用は、付与日における資本性金融商品
の公正価値を参照して測定され、権利確定期間にわたって定額法により費用計上されるとともに、同額
が「その他準備金」に貸方計上される。従業員が即座に利用できる権利確定期間のない資本性金融商品
の公正価値は、直ちに費用計上される。
公正価値は資本性金融商品が付与される条件を考慮した上で、市場価格または適切な評価モデルを用
いて決定されている。付与日における資本性金融商品の公正価値を見積る際には株式市場条件および権
利確定条件以外の条件が考慮されており、そのため、株式市場条件および権利確定条件以外の条件が満
たされているかどうかに関わらず、その他のすべての条件が満たされた場合には、報酬は受給権が確定
したものとして扱われる。(IFRS第2号「株式に基づく報酬」)
日本の会計原則
日本の会計原則では、「ストック・オプション等に関する会計基準」が適用され、従業員に付与された
ストック・オプションは、ストック・オプションの付与日から権利確定日までの期間にわたり、付与日
現在のストック・オプションの公正価値に基づいて報酬費用が認識され、対応する金額は純資産の部に
新株予約権として計上される。(企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」)
(10) 退職後給付
IFRS
確定給付型制度においては、制度負債は、数理的手法に基づき測定され、予測単位積増方式を用いて
給付が割り引かれている。制度資産は、公正価値で測定されている。当該制度の資産が負債を超える場
合は資産(超過額、ただし退職給付制度からの返還、または、将来掛け金の減額の形で利用可能な経済
的便益がある場合に限られる。)として、不足する場合は負債(不足額)として、それぞれ財政状態計算
書に計上されている。当期勤務費用、正味確定給付資産に係る正味利息収益(「財務費用」)および過
去勤務費用は、損益に認識されている。制度資産の実際運用収益と損益計算書における財務費用の構成
要素に含まれる収益との差額は、その他包括利益に表示される。(IAS第19号 「従業員給付」 )
日本の会計原則
日本の会計原則では、確定給付型退職給付制度について、制度資産控除後の確定給付債務の全額が貸
借対照表に計上される。過去勤務費用および数理計算上の差異の発生額のうちその期に費用処理されな
い部分は、貸借対照表のその他包括利益累計額に計上される。これらはその後の期間にわたって費用処
理され、当期純利益を構成する。(企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」)
(11) 金融保証
IFRS
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IFRS では、 保険契約に分類されない金融保証契約に基づく負債は、当初は公正価値、通常、受取手数
料または未収手数料の現在価値で計上される。その後、金融保証負債は、純損益を通じて公正価値で測
定する場合またはIFRS第4号に従って保険契約として処理する場合を除き、「IFRS第9号の減損の定め
に従って算定した損失評価引当金の金額」と「当初認識額からIFRS第15号の原則に従って収益に認識さ
れた累計額を控除した金額」のいずれか大きい額で測定される。 (IFRS 第9号 「金融商品」 )
日本の会計原則
日本では、金融資産または金融負債の消滅の認識の結果生じる債務保証を除いて、保証を当初より公
正価値で貸借対照表に計上することは求められておらず、債務保証額について、支払承諾を貸借対照表
に計上する金融機関を除き、財務諸表に注記として計上する。保証に起因して、将来の損失が発生する
可能性が高く、かつその金額を合理的に見積ることができる場合には、引当金を計上する。
(12) 金融資産の認識の中止
IFRS
金融資産のキャッシュ・フローを受け取る約定権利が失効した場合、あるいは会社が金融資産の
キャッシュ・フローを受け取る約定権利を移転し、さらに以下のいずれかに該当している場合に金融資
産の認識は中止される。
・ 実質的にすべての所有に伴うリスクと経済的便益を他に移転した場合、または
・ 当行グループが実質的にすべてのリスクと経済的便益を維持することも移転することもないが、
支配を維持していない場合
(IFRS 第9号 「金融商品」 )
日本の会計原則
日本では、金融資産は金融資産の契約上の権利を行使したとき、権利を喪失したとき、または権利に
対する支配が他に移転したときに認識が中止される。金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転
するのは、(a)譲渡された金融資産に対する譲渡人の契約上の権利が譲渡人およびその債権者から法的
に保全され、(b)譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接または間接に通常の方法で享受で
き、(c)譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期前に買戻すまたは償還する権利および義務を
実質的に有していない場合である。 (企業会計基準第10号「金融商品に係る会計基準」)
(13) 公正価値オプション
IFRS
一定の場合に使用可能な取消不能のオプションとして、金融資産または金融負債を最初の認識時に
「損益を通じて公正価値で測定する」項目に分類することができる。(IFRS第9号「金融商品」)
日本の会計原則
金融商品の公正価値オプションは日本の会計原則では認められていない。
(14) 金融負債および資本の区分
IFRS
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金融商品は、発行体が経済的便益を譲渡する裁量権を有するか否かにより負債または資本に分類され
るが、その分類は契約内容の実質に基づいている。裁量権がない場合には、当該金融商品の全部または
一部が負債として計上される。(IFRS第9号「金融商品」)
日本の会計原則
負債または資本の分類は法的形態に従っている。 (企業会計基準第10号「金融商品に係る会計基
準」)
(15) 自己信用リスク
IFRS
当行グループでは、公正価値評価の指定を受けた金融負債の自己信用リスクの変化による影響額はそ
の他の包括利益に表示され、残りの影響額は損益に表示される。(IFRS第9号「金融商品」)
日本の会計 原則
金融負債は借入額または償却原価で測定される。 (企業会計基準第10号「金融商品に係る会計基
準」)
(16) 親会社株式オプションの子会社の従業員に対する直接付与
IFRS
IFRS では、子会社がその従業員に親会社の資本性金融商品を提供する義務を有していない場合、子会
社は、持分決済型株式報酬取引に適用される定めに従って、従業員から受け取ったサービスを測定し、
それに対応する資本の 増加 を親会社からの出資として認識する。(IFRS第2号 「株式に基づく報酬」 )
日本の会計 原則
日本の会計原則では、子会社従業員等に対する親会社株式オプションの付与がその報酬として位置づ
けられている場合には、その報酬(親会社株式オプション)と引換えに子会社が受領したサービスの消
費を報酬(給与手当)として損益計算書上に計上し、同時に負担を免れたことによる 利益(株式報酬受
入益) が損益計算書上に計上される。 (企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基
準」)
(17)リース
IFRS
リースは、当該リース資産の使用を可能にする日において、使用権資産(「ROU」)および対応する
負債を認識する。リース料は、負債と金融費用に配分される。金融費用は、リース期間にわたって当該
負債の残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせるように損益に計上される。ROU資産は、ROU資産の
経済的耐用年数およびリース期間の短い方にわたって、定額法で減価償却される。
リース期間を決定するにあたって、当行グループは、5年の計画期間における延長オプションの行
使、または解約オプションを行使しないことへの経済的インセンティブを創出するすべての事実および
状況を考慮する。貸し手の会計処理についてはIAS第17号の会計処理がほぼ踏襲されている。(IFRS第
16号「リース」)
日本の会計原則
ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをいい、ファイナ
ンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであるが、
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解約不能リース期間が、リース物件の経済的耐用年数の概ね75%以上または解約不能のリース期間中の
リース料総額の現在価値が、リース物件を借り手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金
額の概ね90%以上のいずれかに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定され、通常の売買取引に
係る方法に準じて、リース物件およびこれに係る債務をリース資産およびリース債務として借り手の財
務諸表に計上する。ただし、少額(リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下の所有権移転
外ファイナンス・リース)または短期(1年以内)のファイナンス・リースについては、通常の賃貸借
取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。(企業会計基準13号「リース取引に関する会計
基準」)
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第7【外国為替相場の推移】
当行の財務書類の表示に用いられた通貨 (ポンド )と本邦通貨との間の為替相場が、国内において時事に関
する事項を掲載する2以上の日刊新聞紙に最近5年間の事業年度において掲載されているため、記載を省略
する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当事項なし。
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当事項なし。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本書提出日までの期間において提出された書類及び提出日は以下のとおりであ
る。
提出書類 提出年月日
1 訂正発行登録書(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 平成 31年3月 11日
2 発行登録追補書類(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 平成 31年3月 29日
3 有価証券報告書(自 平成 30年1月1日 至 平成 30年12月31日) 平成 31年4月 26日
4 訂正発行登録書(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 平成 31年4月 26日
5 発行登録追補書類(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 平成 31年4月 26日
6 発行登録追補書類(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 令和元年5月 10日
7 半期報告書(自 平成 31年1月1日 至 令和元年6月 30日) 令和元年8月 28日
8 発行登録追補書類(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 令和元年 10月11日
9 発行登録追補書類(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 令和元年 10月16日
10 発行登録追補書類(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 令和元年 11月20日
11 臨時報告書(企業内容等の開示に関する内閣府令第 19条第2項第9号に基づく) 令和2年3月 16日
12 訂正発行登録書(平成 30年4月 27日提出の発行登録書に係るもの ) 令和2年3月 16日
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当事項なし
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし
第3【指数等の情報】
該当事項なし
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(訳文)
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシー メンバーに対する独立監査人の監査報告書
財務諸表の監査に係る報告
監査意見
私どもの意見は、以下のとおりである。
・エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーのグループの財務諸表および親会社の財務諸表(以下「当
該財務諸表」という。)は、 2019 年12月31日現在のグループおよび親会社の財政状態、ならびに同日に
終了した事業年度におけるグループの損失ならびにグループおよび親会社のキャッシュ・フローについ
て真実かつ公正な概観を与えている。
・当該財務諸表は欧州連合により採用された国際財務報告基準(以下「 IFRS 」という。)に準拠して、ま
た、親会社の財務諸表については 2006 年会社法の規定に基づき適用された IFRS に準拠して適正に作成さ
れている。
・当該財務諸表は 2006 年会社法の要件に準拠して、また、グループの財務諸表については IAS 規則第4条に
準拠して作成されている。
私どもは、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの 2019 年の年次報告書および財務書類(以下「年
次報告書」という。)に記載された、以下により構成されている当該財務諸表の監査を行った。
・2019 年12月31日現在の連結貸借対照表
・同日に終了した事業年度における連結損益計算書および連結包括利益計算書
・同日に終了した事業年度における連結キャッシュ・フロー計算書
・同日に終了した事業年度における連結株主資本変動計算書
・2019 年12月31日現在のエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの貸借対照表
・同日に終了した事業年度におけるエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーのキャッシュ・フロー計
算書
・同日に終了した事業年度におけるエイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの株主資本変動計算書
・重要な会計方針の説明を含む財務諸表に対する注記
私どもの意見は、監査委員会に報告した内容と一致している。
意見の基礎
私どもは、国際監査基準(英国)(以下「 ISA (英国)」という。)および適用される法律に準拠して監査
を行った。 ISA (英国)のもとでの監査人の責任は、本報告書の「財務諸表の監査に対する監査人の責任」の
区分に詳述されている。私どもは、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断してい
る。
独立性
私どもは、英国における財務諸表の監査に関連する倫理要件(上場している社会的影響度の高い事業体に
適用される英国財務報告評議会(以下「 FRC 」という。)による倫理基準を含む。)に準拠してグループか
らの独立性を維持しており、当該要件に準拠してその他の倫理的責任を全うしている。
私どもは、私どもが把握し信じる限り、 FRC の倫理基準で禁止されている非監査業務がグループまたは親
会社に提供された事実はないと言明する。
私どもは、財務諸表注記6に開示されているものを除き、 2019 年1月1日から 2019 年12月31日までの期間
においてグループまたは親会社に非監査業務を提供していない。
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私どもの監査アプローチ
概観
・グループの全体的な重要性基準値: Tier 1資本の1%に基づき、 221 百万ポンド( 2018 年: 282 百万ポン
ド)。
・親会社単体の全体的な重要性基準値: Tier 1資本の1%に基づき、 142 百万ポンド( 2018 年: 235 百万ポ
ンド)。
・私どもは、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの英国事業(以下「英国事業」という。)とエ
イチエスビーシー・フランスという2つの構成単位の完全な財務情報について監査を行った。
・さらに5つの構成単位について、選択された重要な勘定残高に対する特定の監査手続きを実施した。
以下の領域が監査上の主要な事項として識別された。これらの詳細は付録に記載されている。
・貸付金に対する予想信用損失(以下「 ECL 」という。)
・情報技術(以下「 IT」という。)アクセス管理
・金融商品の評価
・税金の判断
・のれん
・子会社に対する投資
監査の範囲
監査の計画の一環として、私どもは重要性基準値を決定し、財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを
評価した。
不正行為を含む不法行為を検出する監査の能力
私どものグループおよび業界の理解に基づいて、私どもは、主要な法規制への違反行為リスクを識別し
た。これらには、英国金融行為規制機構による規制、英国健全性監督機構による規制、英国上場規則、英国
の税制、および重要な構成単位の監査チームが担当する現地における、これらに相当するその他法規制が含
まれるが、これらに限定されない。私どもは、非遵守リスクが財務諸表に対して及ぼす重要な影響の程度に
ついて検討した。私どもはまた、 2006 年会社法といった財務諸表の作成に直接的な影響を及ぼすこれらの法
規制を検討した。私どもは、経営陣の財務諸表の不正操作(内部統制の無効化リスクを含む)に対する動機
および機会を評価した。また、主要リスクが不適切な記帳および会計上の見積もりにおける経営陣の偏向に
関連していると判断した。私どもの監査手続きには、経営陣による重要な会計上の見積りにおける仮定およ
び判断、特に一部の複雑なレベル3金融商品ポートフォリオおよび予想信用損失引当金、のれん、繰延税金
ならびに子会社に対する投資(付録の関連する監査上の主要な事項を参照)に関連した評価に対する批判的
な検討、ならびに、私どもの仕訳入力テストの一環として特定の不正基準の識別(異常な勘定の組み合わ
せ、上級経営陣による仕訳の計上など)が含まれていた。グループ監査チームは、構成単位の監査人の作業
において当該リスクに対する適切な監査手続きを含めるように当該リスク評価を構成単位の監査人と共有し
た。グループ監査チームおよび/または構成単位の監査人が実施した監査手続きは、根拠となる裏付資料に
照らした財務諸表の開示内容のレビュー、規制当局とのやり取りおよび規制当局に提出した報告書のレ
ビュー、法律顧問とのやり取りのレビュー、経営陣への質問、弁護士への照会、重要な構成単位の監査人に
よる作業のレビュー、ならびに財務諸表に関連する範囲での内部監査報告書のレビューが含まれていた。
上記の監査手続きには固有の限界があり、法規制への違反行為が事象および取引として財務諸表に反映さ
れていない場合には、当該違反行為に気付く可能性は低くなる。また、 不正行為は (偽造、意図的な虚偽の
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言明、共謀など により) 意図的に隠蔽されている可能性があることから、不正行為による重要な虚偽表示を
発見できないリスクは誤謬によるものを発見できないリスクよりも高い。
監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは、監査人の職業的専門家としての判断において、当期の財務諸表監査で最も重
要な事項である。また、監査上の主要な事項は、監査人が識別した重要な虚偽表示リスク(不正行為によ
るかどうかを問わない。)のうち最も重要であると評価されたものを含んでおり、これには、全体的な監
査戦略、監査資源の配分および監査チームへの指示に最も大きな影響を与えるものが含まれている。これ
らの事項、および私どもがこれらの事項について実施した手続きの結果に関する私どものコメントは、財
務諸表全体に対する監査の観点から、私どもの意見を形成するにあたり対応されたものである。私ども
は、これらの事項に対しては個別の意見を表明しない。これは、私どもの監査で識別されたすべてのリス
クを完全に網羅したものではない。監査上の主要な事項の詳細は付録に記載されている。
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監査範囲の構成方法
私どもは、財務諸表全体に対する意見を提供するための十分な作業が実施されるように、グループおよ
び親会社の構造、会計処理プロセスおよび統制、ならびにグループが事業を行っている業界を考慮して監
査手続きの範囲を決定した。
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーは、リテール・バンキング・アンド・ウェルス・マネジメ
ント、コマーシャル・バンキング、グローバル・バンキング・アンド・マーケッツおよびグローバル・プ
ライベート・バンキングの4つの事業部門で構成されている。事業部門は、ヨーロッパ各地の複数の事
業、子会社および支店(以下「報告単位」という。)で業務を行っている。グループの主要な連結および
財務報告システムにおいて、連結財務諸表は報告単位を集約している。各報告単位は、財務情報を連結
パックの形でグループに提出している。
私どもは、グループおよび親会社の監査に関する全体的なアプローチを確立するにあたり、連結パック
に含まれている残高を使用して監査範囲を決定した。私どもは、グループ監査チームである私ども、また
は私どもの指示の下で業務を行う PwC UK内および他の PwC ネットワーク・ファームの監査人(以下「 構成単
位の監査 人」という。)が報告単位に対して実施しなければならない作業の種類を決定した。
監査範囲の決定作業の結果、グループについては、その財務的重要性から、英国事業およびエイチエス
ビーシー・フランスの完全な財務情報を監査する必要があると判断した。私どもは、構成単位の監査人で
ある PwC UKとPwC フランスに対し、これらの構成単位の監査を実施するよう指示した。私どもと構成単位の
監査人とのやり取りには、フランス訪問、指示書の発行、監査上の主要な事項に関連する監査調書のレ
ビューおよび正式なクリアランス・ミーティングなど、監査全体を通じた定期的なコミュニケーションが
含まれていた。グループ監査のエンゲージメント・パートナーは、英国事業の重要な構成単位の監査にお
いてもパートナーを務めていた。
私どもは次に、主要財務書類の勘定残高および注記の開示に関連して他の報告単位の重要性を検討し
た。その検討にあたっては、重要な監査上のリスクおよびその他の定性的要因(過去に不正行為または誤
謬による虚偽表示が発生したかどうかを含む。)の有無も考慮した。5つの構成単位に関して、選択され
た重要な勘定残高に対する特定の監査手続きを実施した。残りの部分については、企業レベルの統制のテ
ストを含むグループ監査手続き、ならびにグループおよび親会社レベルの分析的レビュー手続きを通じ
て、重要な虚偽表示のリスクが軽減された。
特定のグループレベルの勘定残高(のれんを含む。)は、グループ監査チームによって監査された。
重要性
私どもの監査の対象範囲は重要性の適用に影響される。私どもは、重要性に関して特定の定量的な基準
値を定めた。これらは定性的な検討と合わせて、私どもの監査の対象範囲や個々の財務諸表項目および開
示内容に対する監査手続きの内容、実施時期および範囲を決定する際、ならびに虚偽表示が個別にまたは
合計で財務諸表全体に及ぼす影響を評価する際に役立った。
職業的専門家としての判断に基づき、私どもは財務諸表全体に関する重要性基準値を以下のとおり決定
した。
グループの財務諸表 親会社の財務諸表
全体の重要性基準値 221 百万ポンド( 2018 年: 282 百万ポ 142 百万ポンド( 2018 年: 235 百万ポ
ンド) ンド)
決定方法 Tier 1資本の1% Tier 1資本の1%
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適用されたベンチ エイチエスビーシー・バンク・ピー エイチエスビーシー・バンク・ピー
マークの根拠 エルシーの意思決定プロセスの重要 エルシーの意思決定プロセスの重要
なドライバーとみなされており、規 なドライバーとみなされており、規
制当局にとっても主要な焦点である 制当局にとっても主要な焦点である
ことから、 Tier 1資本がベンチマー ことから、 Tier 1資本がベンチマー
クとして使用されている。 クとして使用されている。
前年度は、規制上の自己資本合計がベンチマークとして用いられていた。重要性の判断基準は再評価さ
れ、エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの意思決定プロセスにおける当該指標の重要性に鑑み、
Tier 1資本が、より適切なベンチマークであると判断された。
私どもはグループ監査の対象範囲に含まれる各構成単位に対し、グループ全体の重要性基準値を超えな
い範囲の重要性を割り当てた。構成単位に割り当てられた重要性基準値の範囲は、 10百万ポンドから 108 百
万ポンドであった。一部の構成単位は、現地の法定監査における重要性基準値(同じくグループ全体の重
要性基準値を超えない範囲であった)を使用して監査された。
私どもは、(グループ監査および親会社監査それぞれの)監査中に識別した6百万ポンド( 2018 年: 10
百万ポンド)を超える虚偽表示のほか、私どもとして定性的な理由から報告が必要と考えたこれらより少
額の虚偽表示についても、監査委員会に報告することを同委員会と合意した。
継続企業の前提に関連する結論
私どもは ISA (英国)により、以下のいずれかに該当する場合に報告を義務付けられている。
・取締役が財務諸表の作成時に用いた継続企業の前提による会計処理が適切でない場合。
・グループおよび親会社が財務諸表の発行承認日から少なくとも 12ヶ月間にわたって継続企業の前提によ
る会計処理の適用を継続できることについて重大な疑義を生じさせるような重要な不確実性が識別され
ている場合でも、取締役が財務諸表においてそれを開示していない場合。
私どもは、上記の事項に関して報告すべきことはない。
しかしながら、将来のすべての事象または状況を予測することはできないため、この記述は、継続企業
としてのグループおよび親会社の存続能力に関して保証するものではない。例えば、英国の欧州連合から
の離脱条件は明確でなく、グループのビジネス、顧客、サプライヤーおよびより広範囲の経済に対する潜
在的な影響のすべてを評価するのは困難である。
その他の情報に関する報告
その他の情報は、年次報告書に含まれる、財務諸表およびそれに対する私どもの監査報告書以外のすべ
ての情報から成る。取締役はその他の情報を作成する責任を有する。財務諸表に対する私どもの意見はそ
の他の情報を対象としておらず、したがって、私どもはその他の情報に対し、監査意見、または本報告書
に明示的に記載されている場合を除いていかなる形式の保証も表明しない。
財務諸表監査に関連する私どもの責任は、その他の情報を通読すること、およびその際に、その他の情
報に財務諸表または監査中に入手した知識との重要な不整合があるか、もしくは重要な虚偽表示があるか
を検討することである。明らかな重要な不整合または重要な虚偽表示を識別した場合、私どもは、財務諸
表の重要な虚偽表示またはその他の情報の重要な虚偽表示があるかどうかを結論付けるための手続きを実
施する必要がある。私どもが実施した作業に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示があると結論付けた
場合、私どもはその事実を報告しなければならない。これらの責任に基づき報告すべきことはない。
戦略レポートおよび取締役報告書に関して、私どもは英国の 2006 年会社法により義務付けられている開
示内容が含まれているかどうかも検討した。
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ISA (英国)は、上記の責任および私どもが監査において実施した作業に基づき、特定の意見および下記
の事項についても報告するよう要求している。
戦略レポートおよび取締役報告書
監査において実施した作業に基づく私どもの意見では、 2019 年12月31日に終了した事業年度における戦略
レポートおよび取締役報告書に含まれる情報は当該財務諸表と一致しており、適用される法的要件に従って
作成されている。
監査において得たグループ、親会社およびそれらの環境に対する知識および理解に照らして、私どもは戦
略レポートおよび取締役報告書における重要な虚偽表示は識別していない。
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財務諸表および監査に関する責任
財務諸表に対する取締役の責任
86ページ(訳注:原文のページ数である。以下同じ。)に記載の財務諸表に対する取締役の責任に関する
報告書に詳述のとおり、取締役は、適用されるフレームワークに従って当該財務諸表を作成する責任、また
その財務諸表が真実かつ公正な概観を与えるものであることを確認する責任を有している。取締役は、不正
行為または誤謬によってもたらされる重要な虚偽表示のない財務諸表を作成するために取締役が必要と判断
する内部統制についても責任を有している。
財務諸表の作成において、取締役は、継続企業としてのグループおよび親会社の存続能力の評価、継続企
業の前提に関連する事項の開示(該当する場合)、ならびに 継続企業の前提による会計処理の 責任を有して
いる。 ただし、 取締役 がグループまたは親会社 を清算または業務を停止する意図を有する場合、あるいはそ
うするより他に現実的な代替案がない場合はこの限りではない。
財務諸表の監査に対する監査人の責任
私どもの目的は、不正行為または誤謬によるかを問わず、全体として財務諸表に重要な虚偽表示がないか
どうかに関する合理的な保証を得ること、ならびに私どもの意見を含む監査報告書を発行することにある。
合理的な保証は、高い水準の保証ではあるが、 ISA (英国)に従って実施された監査が、重要な虚偽表示が存
在している場合にそれをすべて発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正行為または誤謬か
ら発生する可能性があり、個別にまたは集計すると、当該財務諸表の利用者の経済的意思決定に影響を与え
ると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
財務諸表の監査に対する私どもの責任に関する詳しい説明は、 FRC のウェブサイト
(www.frc.org.uk/auditorsresponsibilities )に記載されている。この説明は、この監査報告書の一部を
構成している。
本報告書の利用
意見を含む本報告書は、 2006 年会社法第 16部第3章に準拠した機関である親会社のメンバーのためにのみ
作成されるものであり、その他の目的のためではない。私どもは意見を表明するにあたり、事前に書面で明
確に同意している場合を除き、その他の目的に対して責任を負わず、本報告書を利用するその他の者または
報告書を入手する可能性のあるその他の者に対して責任を負うものではない。
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要求されているその他の報告
2006 年会社法に基づく除外事項の報告
2006 年会社法に基づき、私どもは、以下に該当する事項があるという結論に至った場合はその報告を要求
されている。
・私どもの監査に必要なすべての情報および説明を私どもが受領していない。
・親会社が適正な会計記録を保持していない、あるいは私どもが往査をしていない支店から私どもの監査
に対して十分な回答を得ていない。
・法律で定められた取締役報酬に関する特定の開示がなされていない。
・親会社の財務諸表が会計記録および回答と一致していない。
この要求事項に関して報告すべき除外事項はない。
任命
エイチエスビーシー・バンク・ピーエルシーの監査委員会からの推薦を受けて、 私どもは、 2015 年3月 31
日に取締役により、 2015 年12月31日に終了した事業年度およびその後の会計期間に係る財務諸表の監査人に
任命された。監査人としての継続関与期間は、 2015 年12月31日に終了した事業年度から 2019 年12月31日に終
了した事業年度までの5年間である。
クレア・サンドフォード
(上級法定監査人)
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許会計士、法定監査人
ロンドン
2020 年2月 18日
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付録:監査委員会(以下「 AC」という。)と議論した監査上の主要な事項
監査上の主要な事項は、これらの特定の領域に対応するためにどのように監査上の対応をしたかの説明と
ともに以下で議論されている。
監査上の主要な事項はすべて、グループと親会社の双方に該当するが、グループに限定して該当するのれ
んおよび親会社に限定して該当する子会社に対する投資を除く。
貸付金に対する予想信用損失(以下「 ELC 」という。)引当金
監査上の主要な事項の内容 監査委員会と議論した事項
貸付金に対する ECL 引当金は、ホールセールおよ 私どもは、監査委員会とリスクファクターの変化お
びリテール・ポートフォリオの双方について多くの よびモデル内のその他のインプット、地政学的リスク
重要なデータインプットを有している。最も重要な (英国の EU離脱条件など)、顧客リスク格付けの推
ポートフォリオは英国およびフランスにおけるホー 移、および重要なホールセール・エクスポージャーの
ルセール・ポートフォリオである。データのイン 減損について議論した。
プットに加えて、 ECL 引当金を見積るために多くの
私どもは、経営陣が下したより批判的な判断、特に
重要な判断、特に景気の先行きに関するガイダンス
景気の先行きに関するガイダンスの一部を形作る代替
の一部を形作る代替的な下方経済シナリオの深刻度
的な下方経済シナリオの深刻度および可能性につい
および可能性、顧客信用格付けならびに損失不履行
て、これらの ECL への影響および必要となるモデル適
の確率の決定およびホールセール・エクスポー
用後の調整(モデルおよびデータの限定による影響を
ジャーの個別減損の見積りについて判断が用いられ
含む)の検討を含めて議論した。
た。
私どもはまた、初度適用後の ECL の算定に係る統制
低金利および低失業率の結果、信用環境は概ね良
環境がどのように変化したか、改善分野の報告および
好であるが、英国の EU離脱の影響など、 ECL 引当金
私どものテストの結果について議論した。
の不確実性を高める経済リスクが広く残っている。
私どもの手続きの結果、重要な虚偽表示は識別され
なかった。
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私どもの議論および結論を裏付けるために実施された手続き
・私どもは、モデルについてリスクベースによる実証的テストを実施した。また、一部の仮定については独
立したモデルを再構築するために私どもの信用モデルの専門家を利用した。
・ECL を算定するための基本ツールで使用されるスクリプトのアップデートを独立してレビューし、承認さ
れたアップデートがモデル、パラメータおよびインプットに反映されていることを検証した。
・重要データのソースシステムへのインプット、およびソースシステムから減損計算エンジンへのデータの
フローと変換に対する統制をテストした。期末の ECL 計算に使用される重要データに対して実証的テスト
を実施した。
・専門家委員会および内部ガバナンス委員会による複数の経済シナリオのレビューと検証をテストした。ま
た、私どもの経済専門家を利用してこれらのシナリオの合理性および可能性を評価した。代替的な下方シ
ナリオの合理性の評価において、関連する経済的、政治的およびその他の事象を考慮した。シナリオの深
刻度と規模を外部予測と過去の景気後退からのデータと比較し、 ECL におけるシナリオの感応度を検討し
た。
・ECL のアウトプットおよびモデル適用後調整の承認を評価するために、経営陣によるレビューおよび検証
フォーラムを観察した。
・重要なホールセール・エクスポージャーの減損を裏付ける主要なインプット、仮定および割引キャッ
シュ・フローの承認をテストし、重要なホールセール・エクスポージャーのサンプルについて実証的テス
トを実施した。
2019 年の年次報告書および財務書類での関連箇所
信用リスク、 28ページ
AC報告書、 79ページ
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情報技術(以下「 IT」という。)アクセス管理
監査上の主要な事項の内容 監査委員会と議論した事項
私どもの監査アプローチは、自動化された統制に 監査における IT統制の重要性および是正状況は、当
広範囲に依拠しており、したがって、 ITシステムに 事業年度に開催された監査委員会において議論され
対する統制の有効性にも依拠している。 た。私どもの手続きの結果、重要な虚偽表示は識別さ
れなかった。
過年度において私どもは、財務報告プロセスにお
けるアプリケーション、オペレーティングシステム
およびデータへのアクセスに対する統制は改善が必
要な状況であることを識別し、報告した。アクセス
管理統制は、アプリケーションや元データへの変更
が適切な方法で行われていること保証するため、重
要である。適切なアクセスおよび変更統制は、アプ
リケーションやデータの変更による不正や誤謬の可
能性を軽減することに寄与する。経営陣は、是正活
動を実施し、当該是正活動は、財務報告プロセスに
おけるアクセス管理に係るリスク軽減の推進に寄与
した。統制は引き続きいくつかの改善を要する。
私どもの議論および結論を裏付けるために実施された手続き
財務報告が依拠するアプリケーション、オペレーティングシステムおよびデータベースへのアクセス権の
テストを実施した。具体的には下記についての監査手続きを実施した。
・新しい従業員への新規のアクセス権のリクエストが適正にレビューされ、承認されていること。
・使用者権限は、使用者の退職もしくは役割の変更時に、適時にその権限が削除されていること。
・アプリケーション、オペレーティングシステムおよびデータベースへのアクセス権は、その適切性が定期
的に監視されていること。
・重要な特権的アクセスは、適切な人物に限られていたこと。
別個に評価が行われた他の領域には、パスワードポリシー、セキュリティ構成、コード、データおよび構
成の変更に対する統制、また、本番環境のオペレーティングシステムまたはデータベースアクセスへの特権
を介した変更機能は適切に制限されていること。
いくつかの統制について欠陥が識別されたため、私どもはその他一連の手続を実施した。
・ポリシーに反するアクセスが識別された場合、当該アクセスの内容を理解し、必要な場合には、そのアク
セスが悪用されたかどうかに関する追加証拠を入手した。
・ユーザーの職務分掌を無効にする可能性のあるアクセスを含む、業務アクセスのモニタリングを管理する
ための改善された統制をテストした。
・ユーザーが財務報告プロセスを支える主要機能へのアクセス権を不適切に保有しているか、特定の期末の
調整(保管証券、銀行口座および仮勘定の調整など)ならびに外部の取引相手への確認状に関する実証テ
ストを実施した。
2019 年の年次報告書および財務書類での関連箇所
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AC報告書、 79ページ
内部統制、 80ページ
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金融商品の評価
監査上の主要な事項の内容 監査委員会と議論した事項
グループが保有する金融商品は、活発な市場にお 私どもは、評価に関する私どものリスク評価および
いて市場価格で日々取引されているものから、より 私どもが実施した統制テストの結果について監査委員
複雑で特注のポジションにまで及んでいる。これら 会と議論した。これには、評価モデルに対する統制な
複雑な金融商品の評価には、市場で容易に観察でき ど、統制をどのように改善できるかについての見解が
ない価格やインプットの使用が必要となる場合があ 含まれていた。
る。
また、私どもが実施した実証テストの結果について
IFRS 第13号の公正価値ヒエラルキーによりレベル も議論した。このテストは、レベル3のポジションの
3(以下「 L3」という。)に分類される金融商品 サンプルを含む、様々な金融商品の独立した評価を含
は、複数の観察不能なインプットを用いて評価され んでいた。
る。一部の L3ポートフォリオは、取引の複雑さおよ
私どもの手続きの結果、重要な虚偽表示は識別され
び/または一部のインプットの観察不能性により適
なかった。
切に評価されないリスクがある。
そのため、以下の L3ポートフォリオの評価は、監
査上の重要なリスクとして分類された。アセット・
バック証券およびストラクチャード金利デリバティ
ブ(資産および負債)。
私どもの議論および結論を裏付けるために実施された手続き
・独立した価格評価プロセスを含め、金融商品の識別、測定、および評価を支援する主要な統制について、
設計を評価し、運用状況の有効性を評価した。
・デリバティブ金融商品の信用評価調整、負債評価調整および資金調達公正価値調整ならびに発行済負債証
券の自己信用スプレッド調整を含む主要な評価調整の手法および基礎となる仮定を評価し、現行の業界慣
行に関する私どもの知識と比較した。これらの調整の計算に対する統制もテストした。
・経営陣の再評価が、広範囲の商品クラスを対象とし、グループの IFRS 第13号の公正価値ヒエラルキーのレ
ベル1、2および3の評価クラスにわたって実施されたかどうかを判定するために私どもの評価専門家を
利用して独立した評価を実施した。このテストでは特に貸借対照表日現在のレベル3ポジションのサンプ
ルが含まれていた。
・統制上の 検出事項への対応として、実施する独立評価におけるサンプル数を増やした。
2019 年の年次報告書および財務書類での関連箇所
AC報告書、 79ページ
注記 11:公正価値で計上された金融商品の公正価値、 127 ページ
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税金の判断
監査上の主要な事項の内容 監査委員会と議論した事項
当期および繰延税金残高は多くの判断からの影響 私どもは、税金に関する私どものリスク評価につい
を受けやすい。繰延税金資産の認識は、広くエイチ て監査委員会と議論した。また、繰延税金と不確実な
エスビーシー・ホールディングス・ピーエルシー企 税務ポジションの双方に関してなされた重要な判断に
業の英国税金グループ全体で発生が予想されるもの 関する私どもの検証結果についても議論した。
を含めた、将来の利益の利用可能性の評価に依拠し
私どもの手続きの結果、重要な虚偽表示は識別され
ている。
なかった。
加えて、法人所得税と取引および事業税の双方に
関する不確実な税務ポジションを評価するには多く
の判断を要する。これには、 IAS 第12号「所得税」
および IAS 第37号「引当金、偶発債務および偶発資
産」に基づく引当金の認識および測定に関する判
断、および偶発債務の開示の必要性の検討が含まれ
る。
私どもの議論および結論を裏付けるために実施された手続き
・私どもは繰延税金資産の認識と不確実な税務ポジションに関する統制の整備と運用状況の有効性をテスト
した。
・税務専門家の支援を得て、経営陣の繰延税金資産の実現に対する戦略の実行可能性を評価した。
・私どもは不確実な税務ポジションの網羅性をテストするために HMRC とのやりとりをレビューした。
・移転価格および費用配分、 EU所在の子会社から受領した過去の配当金に関連する当期税務資産、エイチエ
スビーシー・バンク・ピーエルシーの海外関連会社の英国支店の VAT 状況を含む税務関連事項に関して経
営陣が判断に至った際の方法と裏付けとなる仮定について検討した。これらの判断を評価する際に、私ど
もの税務専門家は、法律上の見解を含む経営陣の専門家の作業を評価し、現行の税法と慣行に関する知見
を利用した。
2019 年の年次報告書および財務書類での関連箇所
AC報告書、 79ページ
注記7:法人税、 122 ページ
注記 30: 偶発債務、契約債務および保証、 155 ページ
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のれん
監査上の主要な事項の内容 監査委員会と議論した事項
グループが事業を展開しているマクロ経済的およ 私どもは、 VIU の手法と仮定の妥当性、特に VIU の見
び地政学的な環境は、より困難になっており、 2019 積もりに最も大きく影響した変化について監査委員会
年の収益と 2020 年の見通しの双方に影響を及ぼして と議論した。私どもは、 AOP の収益成長率とコスト削
いる。さらに、エイチエスビーシー・ホールディン 減目標、長期成長率、割引率に関連する仮定に焦点を
グス・ピーエルシーによりビジネス・アップデート 当てた。私どもの仮定における議論と焦点は、経営陣
が公表されているが、これはグループ全体にわたる のAOP の達成可能性と、将来の異なる種類の銀行事業
特定事業の将来の収益性に影響する。これらの事項 の見通しを考慮して決定された。
は、以前に取得した事業に関連してグループが保有
私どもの手続きの結果、重要な虚偽表示は識別され
するのれんの潜在的な減損の兆候とみなされる。
なかった。
グループによって使用価値(「 VIU 」)モデルを
使用して各現金生成単位(「 CGU 」)の価値を見積
もる減損テストが実行された。 VIU は帳簿価額を下
回ったため、 12億ポンドののれんのすべてについて
減損が認識された。
VIU の決定は、会計基準 IAS 第36号「資産の減損」
の要件と、グループの年間運用計画(「 AOP 」)、
長期成長率、および割引率を使用して推定された将
来キャッシュ・フローに関する仮定に基づいてい
た。ジャッジメンタルなこれらの仮定は、経営陣の
見積り、市場データ、および外部関係者から提供さ
れたその他の情報の組み合わせから導き出された。
私どもの議論および結論を裏付けるために実施された手続き
・VIU の推定および関連する CGU を含む、手法の適切性を評価した。
・モデル内で使用された割引率の合理的な範囲は、私どもの評価専門家の支援を受けて独自に計算され、経
営陣が使用した割引率と比較された。
・最終成長率や AOP を含むモデル内の仮定の決定において使用されたインプットを検証した。利用可能な場
合、外部情報を入手し経営陣の仮定の監査に使用した。これには市場データが含まれていた。
・モデルに含まれるキャッシュ・フローが、関連する会計基準に従っているかを評価した。
・使用した主要な仮定について、個別におよび全体として感度分析を実施した。
・モデルの数学的正確性をテストした。
・のれんの減損の決定に使用された重要な判断について財務諸表内の開示で適切に言及されているかを評価
した。
2019 年の年次報告書および財務書類での関連箇所
AC報告書、 79ページ
注記 20: のれんおよび無形資産、 146 ページ
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子会社に対する投資
監査上の主要な事項の内容 監査委員会と議論した事項
親会社の各子会社に対する投資について、年次で 私どもは、 VIU と仮定の妥当性、特に VIU の見積もり
減損の兆候の評価が実施される。帳簿価額が回収可 に最も大きく影響した変動ついて監査委員会と議論し
能価額を超えると減損が認識される。エイチエス た。私どもは、収益成長率、長期成長率、割引率に関
ビーシー・フランスの純資産価値は、 2019 年12月31 連する仮定に焦点を当てた。私どもの仮定における議
日現在の帳簿価額を下回り、これは減損の兆候のひ 論と焦点は、経営陣の AOP の達成可能性と、将来の銀
とつとされた。 行事業の見通しを考慮して決定された。
減損テストは、投資の割引見積りキャッシュ・フ 私どもの手続きの結果、重要な虚偽表示は識別され
ローに基づいた使用価値(「 VIU 」)モデルを使用 なかった。
して実施された。 VIU が帳簿価額を下回り、親会社
において 3.2 十億ポンドの減損が認識され、 2019 年
12月31日現在において 4.3 十億ポンドの投資が貸借
対照表に残っている。
VIU の決定は、会計基準 IAS 第36号「資産の減損」
の要件と、 HSBC の年間運用計画(「 AOP 」)、長期
成長率、および割引率を使用して推定された将来
キャッシュ・フローに関する仮定に基づいていた。
ジャッジメンタルなこれらの仮定は、経営陣の見積
り、市場データ、および外部関係者から提供された
その他の情報の組み合わせから導き出された。
私どもの議論および結論に関連して実施された手続き
・VIU の計算に使用された手法の適切性を評価した。
・モデル内で使用された割引率の合理的な範囲は、私どもの評価専門家の支援を受けて独自に計算され、経
営陣が使用した割引率と比較された 。
・最終成長率や AOP を含むモデル内の仮定の決定に使用されるインプットを検証した。利用可能な場合、外
部情報を入手し経営陣の仮定の監査に使用した。これには市場データが含まれていた。
・モデルに含まれるキャッシュ・フローが、関連する会計基準に従っているかを評価した。
・使用した主要な仮定について、個別におよび全体として感度分析を実施した。
・モデルの数学的正確性をテストした。
・投資の減損の決定に使用された重要な判断について財務諸表内の開示で適切に言及されているかを評価し
た。特に、感度の開示および主要な仮定における合理的に可能な変動に関して検討した。
2019 年の年次報告書および財務書類での関連箇所
AC報告書、 79ページ
注記 18: 信用リスクに関する開示、 143 ページ
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Independent auditors’ report to the member of HSBC Bank plc
Report on the audit of the financial statements
Opinion
Inour opinion, HSBC Bank plc’s group financial statements and parent company financial statements (the “financial statements”):
・ give atrue and fair view ofthe state ofthe group’s and ofthe parent company’s affairs asat31December 2019 and ofthe group’
sloss and the group’s and the parent company’s cash flows for the year then ended;
・ have been properly prepared inaccordance with International Financial Reporting Standards (IFRSs) asadopted bythe European
Union and, asregards the parent company’s financial statements, asapplied inaccordance with the provisions ofthe Companies
Act 2006; and
・ have been prepared inaccordance with the requirements ofthe Companies Act 2006 and, asregards the group financial
statements, Article 4ofthe IAS Regulation.
We have audited the financial statements, included within the HSBC Bank plc Annual Report and Accounts 2019 (the “Annual
Report”), which comprise:
・ the consolidated balance sheet asat31December 2019;
・ the consolidated income statement and consolidated statement ofcomprehensive income for the year then ended;
・ the consolidated statement ofcash flows for the year then ended;
・ the consolidated statement ofchanges inequity for the year then ended;
・ the HSBC Bank plc balance sheet asat31December 2019;
・ the HSBC Bank plc statement ofcash flows for the year then ended;
・ the HSBC Bank plc statement ofchanges inequity for the year then ended; and
・ the notes onthe financial statements, which include adescription ofthe significant accounting policies. Our opinion isconsistent with
our reporting totheAudit Committee.
Basis for opinion
We conducted our audit inaccordance with International Standards onAuditing (UK) (“ISAs (UK)”) and applicable law. Our
responsibilities under ISAs (UK) are further described inthe Auditors’ responsibilities for the audit ofthe financial statements section
ofour report. We believe that the audit evidence we have obtained issufficient and appropriate toprovide abasis for our opinion.
Independence
We remained independent ofthe group inaccordance with the ethical requirements that are relevant toour audit ofthe financial
statements inthe UK, which includes the FRC’s Ethical Standard, asapplicable tolisted public interest entities, and we have fulfilled
our other ethical responsibilities inaccordance with these requirements.
To the best ofour knowledge and belief, we declare that non-audit services prohibited bythe FRC’s Ethical Standard were not
provided tothe group orthe parent company.
Other than those disclosed innote 6onthe financial statements, we have provided nonon-audit services tothe group orthe parent
company inthe period from 1January 2019 to31December 2019.
Our audit approach
Overview
・ Overall group materiality: £221 million (2018: £282 million), based on1% ofTier 1capital.
・ Overall parent company materiality: £142 million (2018: £235 million), based on1% ofTier 1capital.
・ We performed audits ofthe complete financial information oftwo components, namely the UK business ofHSBC Bank plc
(referred toasUK Operations) and HSBC France.
・ For five further components, specific audit procedures were performed over selected significant account balances. The following
areas were identified askey audit matters. These are discussed infurther detail inthe Appendix:
・ Expected credit loss (‘ECL’) provision for loans and advances;
・ Information Technology (‘IT’) Access Management;
・ Valuation offinancial instruments;
・ Tax judgements;
・ Goodwill; and
・ Investments insubsidiaries.
The scope ofour audit
As part ofdesigning our audit, we determined materiality and assessed the risks ofmaterial misstatement inthe financial statements.
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Capability ofthe audit indetecting irregularities, including fraud
Based onour understanding ofthe group and industry, we identified that the principal risks ofnon-compliance with laws and
regulations include, but are not limited to,the Financial Conduct Authority’s regulations, the Prudential Regulation Authority’s
regulations, UK Listing Rules, the UK tax legislation and equivalent local laws and regulations applicable tosignificant component
teams. We considered the extent towhich non-compliance might have amaterial effect onthe financial statements. We also
considered those laws and regulations that have adirect impact onthe preparation ofthe financial statements such asthe Companies
Act 2006. We evaluated management’s incentives and opportunities for fraudulent manipulation ofthe financial statements (including
the risk ofoverride ofcontrols) and determined that the principal risks were related toposting inappropriate journal entries and
management bias inaccounting estimates. Our audit procedures included challenging assumptions and judgements made by
management intheir significant accounting estimates, inparticular inrelation tovaluation ofcertain complex level 3financial
instrument portfolios and expected credit loss provision for loans and advances, goodwill, deferred tax assets and investments in
subsidiaries (see related key audit matters inthe Appendix), and identifying specific fraud criteria aspart ofour journals testing, for
example unusual account combinations and journals posted bysenior management. The group engagement team shared this risk
assessment with the component auditors sothat they could include appropriate audit procedures inresponse tosuch risks intheir work.
Audit procedures performed bythe group engagement team and/or component auditors included review ofthe financial statement
disclosures tounderlying supporting documentation, review ofcorrespondence with and reports tothe regulators, review of
correspondence with legal advisors, enquiries ofmanagement, enquiries oflegal counsel, review ofsignificant component auditors’
work and review ofinternal audit reports insofar asthey related tothe financial statements.
There are inherent limitations inthe audit procedures described above and the further removed non-compliance with laws and
regulations isfrom the events and transactions reflected inthe financial statements, the less likely we would become aware ofit.Also,
the risk ofnot detecting amaterial misstatement due tofraud ishigher than the risk ofnot detecting one resulting from error, asfraud
may involve deliberate concealment by, for example, forgery orintentional misrepresentations, orthrough collusion.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, inthe auditors’ professional judgement, were ofmost significance inthe audit ofthe financial
statements ofthe current period and include the most significant assessed risks ofmaterial misstatement (whether ornot due tofraud)
identified bythe auditors, including those which had the greatest effect on: the overall audit strategy; the allocation ofresources inthe
audit; and directing the efforts ofthe engagement team. These matters, and any comments we make onthe results ofour procedures
thereon, were addressed inthe context ofour audit ofthe financial statements asawhole, and informing our opinion thereon, and we
donot provide aseparate opinion onthese matters. This isnot acomplete list ofallrisks identified byour audit. The key audit matters
are discussed further inthe Appendix.
How we tailored the audit scope
We tailored the scope ofour audit toensure that we performed enough work tobeable togive anopinion onthe financial statements
asawhole, taking into account the structure ofthe group and the parent company, the accounting processes and controls, and the
industry inwhich they operate.
HSBC Bank plc isstructured into four divisions being Retail Banking and Wealth Management, Commercial Banking, Global
Banking &Markets and Global Private Banking. The divisions operate across anumber ofoperations, subsidiary entities and branches
(‘components’) throughout Europe. Within the group’s main consolidation and financial reporting system, the consolidated financial
statements are anaggregation ofthe components. Each component submits their financial information tothe group inthe form ofa
consolidation pack.
Inestablishing the overall approach tothe group and parent company audit, we scoped using the balances included inthe
consolidation pack. We determined the type ofwork that needed tobeperformed over the components byus, asthe group engagement
team, orauditors within PwC UK and from other PwC network firms operating under our instruction (‘component auditors’).
As aresult ofour scoping, for the group we determined that anaudit ofthe complete financial information ofthe UK Operations and
HSBC France were necessary, owing totheir financial significance. We instructed component auditors, PwC UK and PwC France, to
perform the audits ofthese components. Our interactions with component auditors included regular communication throughout the
audit, including visits toFrance, the issuance ofinstructions, areview ofworking papers relating tothe key audit matters and formal
clearance meetings. The group audit engagement partner was also the partner onthe audit ofthe UK Operations significant
component.
We then considered the significance ofother components inrelation toprimary statement account balances and note disclosures. In
doing this we also considered the presence ofany significant audit risks and other qualitative factors (including history of
misstatements through fraud orerror). For five components, specific audit procedures were performed over selected significant
account balances. For the remainder, the risk ofmaterial misstatement was mitigated through group audit procedures including testing
ofentity level controls and group and parent company level analytical review procedures.
Certain group-level account balances (including goodwill) were audited bythe group engagement team.
Materiality
The scope ofour audit was influenced byour application ofmateriality. We set certain quantitative thresholds for materiality. These,
together with qualitative considerations, helped ustodetermine the scope ofour audit and the nature, timing and extent ofour audit
procedures onthe individual financial statement line items and disclosures and inevaluating the effect ofmisstatements, both
individually and inaggregate onthe financial statements asawhole.
Based onour professional judgement, we determined materiality for the financial statements asawhole asfollows:
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Group financial statements Parent company financial statements
Overall materiality £221 million (2018: £282 million). £142 million (2018: £235 million).
How we determined it 1% ofTier 1capital. 1% ofTier 1capital.
Rationale for benchmark Tier 1capital isused asabenchmark asitis Tier 1capital isused asabenchmark asitis
applied
considered tobeakey driver ofHSBC Bank considered tobeakey driver ofHSBC Bank
plc's decision making process and has been a plc's decision making process and has been a
primary focus for regulators. primary focus for regulators.
Total regulatory capital was used asthe benchmark inthe prior year. The basis for determining materiality was re-evaluated and Tier
1capital was determined tobeamore appropriate benchmark given the importance ofthis metric tothe HSBC Bank plc decision
making process.
For each component inthe scope ofour group audit, we allocated amateriality that isless than our overall group materiality. The
range ofmateriality allocated across components was £10m to£108m. Certain components were audited toalocal statutory audit
materiality that was also less than our overall group materiality.
We agreed with the Audit Committee that we would report tothem misstatements identified during our audit above £6m (group audit
and parent company audit) (2018: £10m) aswell asmisstatements below those amounts that, inour view, warranted reporting for
qualitative reasons.
Conclusions relating togoing concern
ISAs (UK) require ustoreport toyou when:
・ the directors’ use ofthe going concern basis ofaccounting inthe preparation ofthe financial statements isnot appropriate; or
・ the directors have not disclosed inthe financial statements any identified material uncertainties that may cast significant doubt
about the group’s and parent company’s ability tocontinue toadopt the going concern basis ofaccounting for aperiod ofatleast
twelve months from the date when the financial statements are authorised for issue.
We have nothing toreport inrespect ofthe above matters.
However, because not allfuture events orconditions can bepredicted, this statement isnot aguarantee astothe group’s and parent
company’s ability tocontinue asagoing concern. For example, the terms ofthe United Kingdom’s withdrawal from the European
Union are not clear, and itisdifficult toevaluate allofthe potential implications onthe group’s business, customers, suppliers and the
wider economy.
Reporting on other information
The other information comprises allofthe information inthe Annual Report other than the financial statements and our auditors’
report thereon. The directors are responsible for the other information. Our opinion onthe financial statements does not cover the
other information and, accordingly, we donot express anaudit opinion or, except tothe extent otherwise explicitly stated inthis
report, any form ofassurance thereon.
Inconnection with our audit ofthe financial statements, our responsibility istoread the other information and, indoing so, consider
whether the other information ismaterially inconsistent with the financial statements orour knowledge obtained inthe audit, or
otherwise appears tobematerially misstated. Ifwe identify anapparent material inconsistency ormaterial misstatement, we are
required toperform procedures toconclude whether there isamaterial misstatement ofthe financial statements oramaterial
misstatement ofthe other information. If,based onthe work we have performed, we conclude that there isamaterial misstatement of
this other information, we are required toreport that fact. We have nothing toreport based onthese responsibilities.
With respect tothe Strategic Report and Report ofthe Directors, we also considered whether the disclosures required bythe UK
Companies Act 2006 have been included.
Based onthe responsibilities described above and our work undertaken inthe course ofthe audit, ISAs (UK) require usalso toreport
certain opinions and matters asdescribed below.
Strategic Report and Report ofthe Directors
Inour opinion, based onthe work undertaken inthe course ofthe audit, the information given inthe Strategic Report and Report of
the Directors for the year ended 31December 2019 isconsistent with the financial statements and has been prepared inaccordance
with applicable legal requirements.
Inlight ofthe knowledge and understanding ofthe group and parent company and their environment obtained inthe course ofthe
audit, we did not identify any material misstatements inthe Strategic Report and Report ofthe Directors.
Responsibilities for the financial statements and the audit
Responsibilities ofthe directors for the financial statements
As explained more fully inthe Statement ofdirectors' responsibilities inrespect ofthe financial statements set out onpage 86, the
directors are responsible for the preparation ofthe financial statements inaccordance with the applicable framework and for being
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satisfied that they give atrue and fair view. The directors are also responsible for such internal control asthey determine isnecessary
toenable the preparation offinancial statements that are free from material misstatement, whether due tofraud orerror.
Inpreparing the financial statements, the directors are responsible for assessing the group’s and the parent company’s ability to
continue asagoing concern, disclosing, asapplicable, matters related togoing concern and using the going concern basis of
accounting unless the directors either intend toliquidate the group orthe parent company ortocease operations, orhave norealistic
alternative but todoso.
Auditors’ responsibilities for the audit ofthe financial statements
Our objectives are toobtain reasonable assurance about whether the financial statements asawhole are free from material
misstatement, whether due tofraud orerror, and toissue anauditors’ report that includes our opinion. Reasonable assurance isahigh
level ofassurance, but isnot aguarantee that anaudit conducted inaccordance with ISAs (UK) will always detect amaterial
misstatement when itexists. Misstatements can arise from fraud orerror and are considered material if,individually orinthe
aggregate, they could reasonably beexpected toinfluence the economic decisions ofusers taken onthe basis ofthese financial
statements.
Afurther description ofour responsibilities for the audit ofthe financial statements islocated onthe FRC’s website at:
www.frc.org.uk/ auditorsresponsibilities. This description forms part ofour auditors’ report.
Use ofthis report
This report, including the opinions, has been prepared for and only for the parent company’s members asabody inaccordance with
Chapter 3ofPart 16ofthe Companies Act 2006 and for noother purpose. We donot, ingiving these opinions, accept orassume
responsibility for any other purpose ortoany other person towhom this report isshown orinto whose hands itmay come save where
expressly agreed byour prior consent inwriting.
Other required reporting
Companies Act 2006 exception reporting
Under the Companies Act 2006 we are required toreport toyou if,inour opinion:
・ we have not received allthe information and explanations we require for our audit; or
・ adequate accounting records have not been kept bythe parent company, orreturns adequate for our audit have not been received
from branches not visited byus; or
・ certain disclosures ofdirectors’ remuneration specified bylaw are not made; or
・ the parent company financial statements are not inagreement with the accounting records and returns. We have noexceptions to
report arising from this responsibility.
Appointment
Following the recommendation ofthe HSBC Bank plc Audit Committee, we were appointed bythe directors on31March 2015 to
audit the financial statements for the year ended 31December 2015 and subsequent financial periods. The period oftotal uninterrupted
engagement is5years, covering the years ended 31December 2015 to31December 2019.
Claire Sandford
(Senior Statutory Auditor)
for and onbehalf ofPricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Accountants and Statutory Auditors
London
18February 2020
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Appendix: Key audit matters discussed with the Audit Committee (‘AC’)
The key audit matters are discussed below together with anexplanation ofhow the audit was tailored toaddress these specific areas.
All key audit matters are applicable toboth the group and parent company, with the exception ofgoodwill which isonly applicable to
the group and investments insubsidiaries which isonly applicable tothe parent company.
Expected credit loss (‘ECL’) provision for loans and advances
Nature ofkey audit matter Matters discussed with the Audit Committee
The ECL provision for loans and advances has asignificant We discussed with the Audit Committee changes torisk factors
number ofdatainputs for both the wholesale and retail portfolios. and other inputs within the models, geopolitical risks, such asthe
The most significant portfolios are the wholesale portfolios inthe terms of the UK’s withdrawal from the EU; the migration of
UK and France. customer risk ratings; and impairments ofsignificant wholesale
exposures.
Inaddition tothe data inputs anumber ofkey judgements are used
We discussed the more judgemental decisions made by
to estimate the ECL provision, in particular the severity and
management, in particular the severity and likelihood of
likelihood ofalternative downside economic scenarios that form
alternative downside economic scenarios that form part of the
part ofthe forward
forward economic guidance including their impact on ECL and
economic guidance, the determination ofcustomer credit ratings
consideration ofrequired post model adjustments, including the
and probabilities of default and the estimation of specific
impact ofmodel and data limitations.
impairments for wholesale exposures.
We also discussed how the control environment over the
Whilst the credit environment has remained largely benign asa
calculation ofECL evolved following initial adoption, reporting
result of low interest rates and low unemployment, broader
onareas ofimprovement and the results ofour testing.
economic risks such asthe impact ofthe UK's withdrawal from
No material misstatements have been identified from our work.
the EU remain which increase the estimation uncertainty inthe
ECL.
・ We performed risk based substantive testing ofmodels, and utilised our credit modelling specialists toindependently rebuild the
modelling for certain assumptions.
・Independently reviewed the updates tothe scripts used inthe underlying tool tocalculate ECL tovalidate that they reflected approved
updates tomodels, parameters and inputs.
・ Controls over the inputs ofcritical data into source system and the flow and transformation ofdata between source systems tothe
impairment calculation engine were tested. Substantive testing was performed over the critical data used inthe year end ECL
calculation.
・Tested the review and challenge ofmultiple economic scenarios byanexpert panel and internal governance committee, and assessed
the reasonableness and likelihood ofthese scenarios using our economic experts. Relevant economic, political and other events were
considered inassessing the reasonableness ofalternative downside scenarios. The severity and magnitude ofthe scenarios were
compared toexternal forecasts and data from historical economic downturns, and the sensitivities ofthe scenarios onthe ECL were
considered.
・Observed management’s review and challenge forums toassess the ECL output and approval ofpost model adjustments.
・Tested the approval ofthe key inputs, assumptions and discounted cash-flows that support the impairments ofsignificant wholesale
exposures, and
substantively tested asample ofsignificant wholesale exposures.
Relevant references inthe Annual Report and Accounts 2019
Credit Risk, page 28.
AC Report, page 79.
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Information Technology (‘IT’) Access Management
Nature ofkey audit matter Matters discussed with the Audit Committee
Our audit approach relies extensively onautomated controls and The significance ofITcontrols toour audit and the status ofthe
therefore onthe effectiveness ofcontrols over ITsystems. remediation was discussed atAudit Committee meetings during
the year.
Inprevious years, we identified and reported that controls over
access toapplications, operating systems and data inthe financial No material misstatements have been identified from our work.
reporting process required improvements. Access management
controls are critical toensure that changes toapplications and
underlying data are made inanappropriate manner. Appropriate
access and change controls contribute tomitigating the risk of
potential fraud orerrors asaresult ofchanges toapplications and
data. Management implemented remediation activities that have
contributed toprogress being made inreducing the risk over
access management inthe financial reporting process. Controls
continue torequire some improvement going forward.
Procedures performed tosupport our discussions and conclusions
Access rights were tested over applications, operating systems and databases relied upon for financial reporting. Specifically, the audit
tested
● new access requests for joiners were properly reviewed and authorised.
● user access rights were removed onatimely basis when anindividual left ormoved role.
● access rights toapplications, operating systems and databases were periodically monitored for appropriateness.
● highly privileged access was restricted toappropriate personnel.
Other areas that were independently assessed included password policies, security configurations, controls over changes tocode, data
and configuration;
and that the ability tomake such change via privileged operating system ordatabases access inthe production environment was
appropriately restricted.
Anumber ofcontrol deficiencies were identified and, hence, we undertook arange ofother procedures:
● where access outside ofpolicy was identified, we understood the nature ofthe access, and, where required, obtained additional
evidence that access had been exploited.
● testing ofremediated controls tomanage the monitoring ofbusiness access, including access that would allow auser to
potentially override segregations ofduties; and
● substantive testing of whether users inappropriately hold access tokey functionality underpinning financial reporting
processes, specific reconciliations (i.e. custodian, bank account and suspense account reconciliations) and confirmations with
external counterparties.
Relevant references inthe Annual Report and Accounts 2019
AC Report, page 79.
Internal control, page80
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Valuation offinancial instruments
Nature ofkey audit matter Matters discussed with the Audit Committee
The financial instruments held bythe group range from those that We discussed with the Audit Committee our risk assessment
are traded daily on active markets with quoted prices, tomore with respect tovaluation and the results ofour controls testing.
complex and bespoke positions. The valuation ofthese complex This included observations over how the controls over valuation,
financial instruments can require the use ofprices orinputs which including valuation models, could beimproved.
are not readily observable inthe market.
We also discussed the results ofour substantive testing which
included
Financial instruments classified asLevel 3(L3), per the IFRS 13
fair value hierarchy, are valued using some unobservable inputs.
independent revaluation of arange of financial instruments,
There is arisk that certain L3 portfolios are not valued
including asample ofLevel 3positions.
appropriately due to the complexity of the trades and/or
No material misstatements have been identified from our work.
unobservability ofsome inputs.
Valuation ofthe following L3 portfolios was therefore classified
as asignificant risk for the audit: asset-backed securities and
structured interest rate derivatives (assets and liabilities).
Procedures performed tosupport our discussions and conclusions
・ We evaluated the design and tested the operating effectiveness ofthe key controls supporting the identification, valuation of
financial instruments, including the independent price verification process.
・Methodology and underlying assumptions ofkey valuation adjustments, including the Credit Valuation Adjustment, the Funding
Fair Value Adjustment for Derivative financial instruments and Own Credit Spread adjustments for issued were assessed and
compared with our knowledge ofcurrent industry practice. Controls over the calculation ofthese
・ We utilised our valuation specialists toperform independent valuations todetermine ifmanagement’s valuations revaluation
covered arange ofproduct classes and was performed across Level 1,2and 3ofthe group’s IFRS 13fair included asample of
Level 3positions asatthe balance sheet date.
・As aresponse tothe control findings noted, we increased the sample ofindependent revaluations performed.
Relevant references inthe Annual Report and Accounts 2019
AC Report, page 79.
Note 11: Fair values offinancial instruments carried atfair value, page 127.
Tax judgements
Nature ofkey audit matter Matters discussed with the Audit Committee
Current and deferred tax balances are sensitive toanumber of We discussed with the Audit Committee our risk assessment
judgements.
with respect to tax. We also discussed the results of our
challenge ofthe key judgements being made, with regard toboth
Recognition ofdeferred tax assets relies onanassessment ofthe
deferred tax and uncertain tax positions.
availability offuture profits, including those expected toarise
across the wider UK tax group ofHSBC Holdings plc entities.
No material misstatements have been identified from our work.
Inaddition, anumber ofjudgements are required toassess
uncertain tax positions both inrelation tocorporate income tax as
well astransactional and operational tax matters. This includes
judgements regarding the recognition and measurement of
provisions under IAS 12‘Income Taxes’ and IAS 37‘Provisions,
contingent liabilities and contingent assets’ and consideration of
where contingent liability disclosure may berequired.
Procedures performed tosupport our discussions and conclusions
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・We tested the design and operational effectiveness ofcontrols over deferred tax asset recognition and uncertain tax positions.
・With the support oftax specialists we assessed the viability ofmanagement’s strategy torealise deferred tax assets.
・We reviewed correspondence with HMRC totest completeness ofuncertain tax positions.
・We challenged management ontheir methodology and underlying assumptions inarriving attheir judgements ontax matters,
transfer pricing and cost allocations, current tax assets inrelation topast dividends received from EU resident subsidiaries the VAT
status ofUK branches ofoverseas affiliates ofHSBC Bank plc. Inassessing these judgements, our tax specialists management’s
experts, including legal opinions received and utilised their knowledge ofcurrent tax law and practice.
Relevant references inthe Annual Report and Accounts 2019
AC Report, page 79.
Note 7:Tax, page 122.
Note 30: Contingent liabilities, contractual commitments and guarantees, page 155.
Goodwill
Nature ofkey audit matter Matters discussed with the Audit Committee
The macroeconomic and geopolitical environment inwhich the We discussed the appropriateness ofthe VIU methodology and
group operates has become more challenging, impacting both 2019 assumptions with the Audit Committee, particularly those for
earnings and the outlook into 2020. Furthermore, abusiness update which variations had the most significant impact onthe VIU
has been announced by HSBC Holdings plc that will impact the estimate. We focused onthe assumptions related tothe revenue
future profitability ofcertain businesses across the group. These growth rates and cost reduction targets inthe AOP, the long
matters are considered apotential indicator ofimpairment ofthe term growth rates and discount rates. Our discussions and focus
goodwill held by the group inrespect of previously acquired onassumptions was driven byconsideration ofthe achievability
businesses.
ofmanagement’s AOP and the prospects for different types of
banking business inthe future.
An impairment test was performed by the group using avalue in
use (‘VIU’) model that estimates the value ofeach cash generating
No material misstatements have been identified from our work.
unit (‘CGU’). The VIU was less than the carrying value which
resulted inafull impairment of goodwill being recognised of
£1.2bn.
The determination ofthe VIUs isbased onthe requirements ofthe
accounting standard IAS 36 ‘Impairment of assets’ and
assumptions about future cash flows which are estimated using the
group’s Annual Operating Plan (‘AOP’), long term growth rates
and discount rates. These assumptions, which are judgemental, are
derived from acombination ofmanagement estimates, market data
and other information provided byexternal parties.
Procedures performed tosupport our discussions and conclusions
・We assessed the appropriateness ofthe methodology, including the estimation ofVIUs and the CGUs towhich they relate.
・Reasonable ranges for the discount rates used within the model were independently calculated with the assistance ofour valuation
experts, and compared tothe rates used bymanagement.
・Inputs used inthe determination ofassumptions within the model including the terminal growth rates and the AOP were challenged.
Where available, external information was obtained and used toaudit management’s assumptions. This included market data.
・We assessed whether the cash flows included inthe model were inaccordance with the relevant accounting standard.
・We performed sensitivity analysis onkey assumptions used, both individually and inaggregate.
・The mathematical accuracy ofthe model was tested.
・ We evaluated whether the disclosures within the financial statements appropriately address the significant judgement used to
determine the impairment ofgoodwill.
Relevant references inthe Annual Report and Accounts 2019
AC Report, page 79.
Note 20: Goodwill and intangible assets, page 146.
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Investments insubsidiaries
Nature ofkey audit matter Matters discussed with the Audit Committee
An annual impairment indicators assessment isperformed for each We discussed the appropriateness ofthe VIU assumptions with
of the parent company’s investments in subsidiaries. An the Audit Committee, particularly those for which variations had
impairment isrecognised when the carrying amount exceeds the the most significant impact onthe VIU estimate. We focused on
recoverable amount. the assumptions related tothe revenue growth rates, the long
term growth rates and discount rates. Our discussions and focus
The net asset value of HSBC France was below the carrying
onassumptions was driven byconsideration ofthe achievability
amount as at 31 December 2019, which was considered an
ofmanagement’s AOP and the prospects for the banking
indicator for impairment.
business inthe future.
An impairment test was performed using avalue inuse (‘VIU’)
No material misstatements have been identified from our work.
model based on discounted estimated cash flows for the
investment. The VIU was less than the carrying value which
resulted inanimpairment of£3.2bn being recognised inthe parent
company with £4.3bn ofthe investment remaining onthe balance
sheet asat31December 2019.
The determination ofthe VIU isbased on the requirements ofthe
accounting standard IAS 36 ‘Impairment of assets’ and
assumptions about future cash flows which are estimated using
HSBC France’s Annual
Operating Plan (‘AOP’), long term growth rates and discount
rates. These assumptions, which are judgemental, are derived from
acombination ofmanagement estimates, market data and other
information provided byexternal parties.
Procedures performed tosupport our discussions and conclusions
・We assessed the appropriateness ofthe methodology used tocalculate the VIU.
・Areasonable range for the discount rates used within the model was independently calculated with the assistance ofour valuation
experts, and compared tothe rate used bymanagement.
・ Inputs used inthe determination ofassumptions within the model including the terminal growth rate and AOP were challenged.
Where available, external information was obtained and used toaudit management’s assumptions. This included market data.
・We assessed whether the cash flows included inthe model were inaccordance with the relevant accounting standard.
・We performed sensitivity analysis onkey assumptions used, both individually and inaggregate.
・The mathematical accuracy ofthe model was tested.
・ We evaluated whether the disclosures within the financial statements appropriately address the significant judgement used to
determine the impairment ofthe investment, specifically giving consideration tothe sensitivity disclosures and the reasonable
possible changes inkey assumptions.
Relevant references inthe Annual Report and Accounts 2019
AC Report, page 79.
Note 18: Investments insubsidiaries, page 143.
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出会社が別途保管してお
ります。
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