クイーンズランド州財務公社 訂正有価証券報告書
提出書類 | 訂正有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | クイーンズランド州財務公社 |
カテゴリ | 訂正有価証券報告書 |
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クイーンズランド州財務公社(E06036)
訂正有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書の訂正報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の2第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和2年3月5日
【会計年度(又は事業年度)】 自 平成30年7月1日 至 令和元年6月30日
【発行者の名称】 クイーンズランド州財務公社
(Queensland Treasury Corporation)
【代表者の役職氏名】 フィリップ・ノーブル
(Philip Noble)
最高経営責任者
(Chief Executive)
【事務連絡者氏名】 弁護士 田 中 収
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1025
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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1 【提出理由】
令和元年12月27日付で提出した有価証券報告書の記載事項のうち、令和元年6月末終了年度の情報を開
示できる状況となりましたので、「第3 発行者の概況」中の関連事項を以下の通り全面的に訂正するも
のであります。
2 【訂正内容】
第3【発行者の概況】
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(7) 【発行者の属する国等の概況】
クイーンズランド州の概況
クイーンズランド州
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(1) 概況
クイーンズランド州は6つのオーストラリアの州のうちで2番目に広大な面積を有し、最も広い居住地
域を持つ州である。面積は1.7百万平方キロメートルで、亜熱帯気候に属する人口稠密の南東部から熱帯
気候に属する人口稀薄の北部ケープ・ヨーク半島に及ぶオーストラリア全土の25%にあたる北東部を占
めている。クイーンズランド州の地形および気候は多種多様の農作物の生産に適しており、最も重要な
ものとして食肉、穀物、砂糖および綿花がある。さらに、クイーンズランド州は広範囲にわたる鉱床お
よびガス鉱床(広大な石炭の鉱床および世界的に最も有名なボーキサイトの鉱床の1つを含む。)、多様な
産業基盤、非常に発達した港湾および交通網ならびに教養ある労働力を有している。約1万キロメートル
に及ぶ鉄道および18.4万キロメートルに及ぶ道路等の陸上交通網は州の資源の開発を支えている。
クイーンズランド州はオーストラリアで3番目に人口の多い州で、2019年6月末現在、人口は約5.1百万
人であり、オーストラリアの総人口の20.1%を占めている。クイーンズランド州の人口の約3分の2は穏
やかな気候と発達した産業基盤を有する州の南東部のブリスベン市、ゴールドコースト市およびサン
シャインコースト地域に住んでいる。州の人口の残りは広範囲にわたって分布しており、クイーンズラ
ンド州をオーストラリアの中で最も人口密度の低い州にしている。
クイーンズランド州の州都であるブリスベン市には周囲の大都市圏も含めて約2.4百万人が住んでい
る。クイーンズランド州には他に住民5万人を超える人口密集地域が9都市ある。
(2) 政治
オーストラリア連邦は、1901年1月1日、ニュー・サウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズラン
ド、南オーストラリア、西オーストラリアおよびタスマニアの6つの英国植民地が連邦政府の州として結
合し、国家連合として形成された。さらにこの6つの州に加えて、オーストラリアは北部準州および首都
キャンベラ市のあるオーストラリア首都特別地域等のいくつかの準州を持つ。
連邦議会は特定の事項に関してのみ立法行為を行うことができる。これらの事項には対外・各州間の
貿易、外交、国防、移民、租税、銀行業務、保険、結婚・離婚、通貨・計量・測量、郵便・通信および
疾病・老齢年金が含まれる。いくつかの事項に関して連邦は独占的権限を付与されており、すなわち各
州はこれらの領域において立法行為を行うことができない。他の事項に関して連邦および各州は平等の
権限を有しており、それによって連邦および各州は共に立法行為を行うことができる。各州は憲法に具
体的に記載されていない事項に関する立法権限を有している。連邦および各州が立法行為を行う平等の
権限を有している領域において矛盾のある場合、連邦法が優先し、州法はこれに矛盾する限度で無効で
ある。
各州の権限は教育、公衆保健、警察および司法、運輸、道路および鉄道、産業、鉱業および農業、公
共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道ならびに灌漑に関する監督に及ぶ。
クイーンズランド州は憲法上の責任とされているこれらの機能に関する自治権および監督権を有して
いるが、クイーンズランド州は連邦の一部を形成するものであり、多くの重要な点において州の経済実
績や見通しはオーストラリア全体のそれと互いに密接に関係している。特に、オーストラリア全体の経
済管理に対する一義的な責任は連邦政府が有している。たとえば、連邦政府は国家予算政策、財政政策
および外交政策に対して責任がある。さらに、ほとんどの賃金レートは従来連邦および州の調停機関や
仲裁機関を通して中央集権的に決定されてきたが、過去20年間の法制度によって中央集権的な賃金決定
から企業ごとの合意への移行の基盤が確立されている。
クイーンズランド州の立法権は州議会にある。州議会は立法議会という1つの議会から成り、18歳以上
のすべての州民の義務投票により3年以下の任期で選任される。
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2017 年11月に直近の州議会選挙が行われた。オーストラリア労働党は、(国会の93議席数のうち)48
議席を獲得し、圧倒的過半数を形成し、州政権二期目となった。現在の首相はアナスタシア・パラ
シェー首相であり、同氏は2006年に州議会議員となった。次期州議会選挙は2020年10月に行われ、その
後は、直近の4年の固定任期の開始後、4年ごとに行われることが予定されている。
州の行政権は、形式的にはクイーンズランド州総督により行使されている。総督は女王を代表し行政
評議会の助言を受ける。行政評議会は、総督および州の大臣により構成される。大臣は立法議会の過半
数を制する政党または連合政党の党員である。首相を含めて現在では18人の大臣がいる。実際には、州
の行政権は必要な場合には総督により形式的に批准される内閣の決定をもって、内閣(クイーンズランド
州においてはすべての大臣により構成される。)によって行使される。連邦の場合と同様に、特殊な場合
を除き、総督が内閣の助言に基づき行動することは、オーストラリアの政治体制において慣例となって
いる。
州のすべての歳入および歳出にはクイーンズランド州議会の許可が必要とされる。州の会計(QTCの会
計を含む。)は、州総督により指名を受けた州の会計検査院長により継続的に監査され、州の会計検査院
長は各年の財政活動につき毎年州議会に報告する。
各大臣は1または複数の政府部門および関連する法定機関の業務に関して議会に対して責任を負ってい
る。各部門は、独立の公務員を置いており、2009年財務執行責任法の下、各部門用に議会が支給する資
金の財政管理に責任を有する長官が置かれている。
州の司法制度は主に土地裁判所、少年裁判所、治安判事裁判所、地方裁判所、最高裁判所およびク
イーンズランド州民事・行政審判所から成る。控訴裁判所は最高裁判所の一部門である。クイーンズラ
ンド州の裁判官は内閣の助言に基づき行動する州総督により代表される女王により任命される。
特別な機能を実行し、または特定の地域サービスを実施するため、議会特別法に基づいていくつかの
個別の機関がクイーンズランド州において設立されている。これらの機関は、「法定機関」、「公法
人」、「準政府機関」、「地方機関」、「地方自治体」、「国有企業」あるいは「政府所有企業」と
様々に呼ばれている。
(3) 経済
(イ)概況
クイーンズランド州は、農業、資源、建設、観光業、製造業およびサービス業を含む多様な産業に
よって支えられた現代的で活力ある経済を有している。
過去20年間にわたり、クイーンズランド州の経済成長は全国平均を概して上回っている。近年の資
源投資ブームおよび関連するLNG(以下に定義される。)輸出の大幅な増加を受けて、経済成長は、今
後数年の国家経済成長に即してさらに広範囲に大きく成長すると予測されている。
農業、林業および漁業は、とりわけ農村および地方の地域において、クイーンズランド州の多様な
経済の重要な一部であり、州の財産の大切な一部である。クイーンズランド州の農産物の大部分が輸
出用に生産されており、外貨収入に重要な貢献をしている。
クイーンズランド州は十分に発展した石炭産業および鉱物産業を有しており、また、液化天然ガス
産業は近年急速な拡大を見せ、主要な国際的輸出部門の1つへと変革した。クイーンズランド州の石炭
およびボーキサイトの埋蔵量は世界でもトップクラスであり、概して高品質で入手しやすい。
クイーンズランド州は、冶金用石炭(鋼鉄の生産に使用される。)の海上輸送による世界最大の輸
出者であり、州の石炭の大部分が現在のところボーエン盆地で生産されている。多種多様の鉱物
(ボーキサイト、銅、亜鉛、鉛、銀および金が最も多い。)がクイーンズランド州において生産され
ている。鉱物鉱山はマウント・アイザの周囲の地域に最も集中している。
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クイーンズランド州の天然ガス産業は1960年代から運営されているが、石炭層ガスの抽出技術の発
展およびグラッドストンの液化天然ガス(以下「LNG」という。)プラントへの多額の投資により、当
該部門にアジアの主要な輸出市場への門戸が開かれ、2018/19年において15.7十億ドルの規模であっ
た。LNGは、クイーンズランド州で液化石炭に次ぎ2番目に重要な輸出用商品となった。
クイーンズランド州で生産される資源の大部分が海外で利用されている。石炭、LNGおよび鉱物の海
外輸出は2018/19年におけるクイーンズランド州の国際財やサービスの輸出の約66%を占めた。
歴史的に、製造業はクイーンズランド州の経済にとってオーストラリアの他の州ほど重要とされて
いない。クイーンズランド州の製造業はクイーンズランド州内の鉱物加工および農作物を含む経済の
需要を充たすように特化されてきた。しかしながら、近年製造業部門は多様化し、高付加価値ハイテ
ク産業にまで拡大している。
国際観光および各州間観光はまた、クイーンズランド州の経済に大きく寄与する部門である。ク
イーンズランド州には、その国際的な都市やユニークな地方ばかりでなく、グレート・バリア・リー
フ、広大なビーチ、アイランド・リゾート、熱帯雨林等の自然の魅力が数多い。
すべての近代経済がそうであるように、クイーンズランド州は建設、卸売業および小売業、通信、
経営および財務といった様々な部門に関するサービス活動ならびに観光部門を含む広範囲にわたる
サービス部門を有している。
過去20年間におけるクイーンズランド州の経済において重要な構造的変化があった。製造部門の重
要性はかかる期間を通じて徐々に減少し、他方で金融、保険および専門的・科学的・技術的サービス
部門の重要性は増加した。
経済政策
クイーンズランド州政府は、力強い経済を構築し、すべてのクイーンズランド州民に改善した雇用
機会を提供しつつ、州の財政管理に関して責任ある取組みを保証することに注力している。
2015 年以降、継続的な国家予算において説明されたパラシェー政権の経済計画は、経済繁栄および
雇用の推進ならびに州全域での生活水準の向上に不可欠なものであり、以下のとおり重点的に取り組
んでいる。
・ クイーンズランド州民が利用できる経済的機会を増やすこと
・ それらの機会を獲得し十分に活用するためにクイーンズランド州民の能力を向上させること
・ それらの機会がもたらす繁栄および質が改善された生活をすべてのクイーンズランド州民が共
用できるよう確保すること
当該経済計画は、以下の6つの重要な政策手段を通してこれらの成果を出すことに注力している。
1. 起業家精神およびイノベーションの育成
2. 事業投資および輸出の促進
3. 生産性の高いインフラの提供および促進
4. 人材の育成
5. 土地および天然資源の利用の最適化
6. 革新的、積極的かつ迅速に対応する公的部門の指揮
当該経済計画の重要な政策の1つである、「生産性の高いインフラの提供および促進」に沿うよう
に、クイーンズランド州政府は2019/20年予算において説明された、クイーンズランド州政府の実質
的で有意義な資本運用プログラムを実行している。これは経済および事業の成長機会を開き、民間部
門投資および州全域にわたる革新の促進剤として機能している。
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当該経済計画に沿い、クイーンズランド州政府はまた、生産能力ならびに州の伝統産業、新興産業
および新規産業の回復力(これは、持続可能な経済成長の促進ならびにクイーンズランド州の世帯、
コミュニティおよび地域の継続的な繁栄に不可欠である。)の構築に対し継続的に注力し続けてい
る。
経済成長
クイーンズランド州の経済は、2018/19年において前年の3.7%から低下して1.4%の成長であっ
た。2018/19年における実質州内総生産(以下「GSP」という。)の成長は、主に家計消費、最終公共
需要および海外純輸出の増加によるものであった。民間投資は、事業投資および住宅投資の両方の減
少により成長が損なわれた上、調整項目(各州間の貿易および統計上の不一致を含む。)によっても
成長が損なわれた。
実質経済成長-クイーンズランド州およびオーストラリア
(a)
(独自連続数値基準)
クイーンズランド州GSP オーストラリアGDP
(a) (a)
年度 成長率(%) 成長率(%)
十億ドル 十億ドル
2013/14
320.7 2.1 1,671.5 2.5
2014/15 323.8 1.0 1,708.2 2.2
2015/16 331.7 2.4 1,755.5 2.8
2016/17 339.7 2.4 1,797.0 2.4
2017/18 352.2 3.7 1,849.9 2.9
357.0 1.4 1,885.0 1.9
2018/19
(a) 2017/18年を参照年度とする連続数値基準による。
出所:オーストラリア統計局5220.0
主要経済指標
次の表は、クイーンズランド州の特定の主要経済指標を示すものである。
クイーンズランド州主要経済指標
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
海外商品輸出(十億ドル)
46.5 47.9 66.5 74.3 87.3
小売業総取引高(十億ドル) 58.6 60.2 61.9 62.5 64.8
民間総設備投資(十億ドル) 71.4 63.0 65.0 69.4 66.6
資源輸出額(十億ドル) 35.1 35.3 53.4 61.1 73.3
農業生産額(十億ドル) 13.3 14.6 15.1 14.8 14.0
(a)
2,324 2,363 2,367 2,464 2,501
被雇用者数(千人)
(a)
6.5 6.2 6.2 6.0 6.1
失業率(%)
(a)
1.9 1.6 1.7 1.7 1.6
消費者物価の上昇率(%)
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(a)
1,106 1,118 1,123 1,150 1,197
週平均総所得(ドル)
(a) 年間平均
(注) すべての金銭価値は時価である。
出所:オーストラリア統計局5220.0、5368.0、6202.0、6302.0、6401.0、8501.0、クイーンズランド州農業水産省、ク
イーンズランド州天然資源・鉱山・エネルギー省
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(ロ)クイーンズランド州経済の構造
次の表は、2017/18年および2018/19年におけるクイーンズランド州とオーストラリアの州内/国
内総生産における各項目の年間成長率の変化および貢献度が示されている。
経済成長の構成要素
(a)
(独自連続数値基準 )
クイーンズランド州 オーストラリア
GSPの成長率に GDPの成長率に
年間成長率 年間成長率
対する貢献度 対する貢献度
(%) (%)
(パーセントポイント ) (パーセントポイント )
2017/ 2018/ 2017/ 2018/ 2017/ 2018/ 2017/ 2018/
18年 19年 18年 19年 18年 19年 18年 19年
家計消費
2.6 2.0 1.5 1.1 2.9 1.9 1.6 1.1
民間投資 5.5 (6.1) 1.1 (1.2) 5.3 (2.7) 1.0 (0.5)
住宅 (3.8) (2.4) (0.2) (0.1) 0.5 (0.5) 0.0 0.0
事業投資 13.5 (7.9) 1.3 (0.9) 10.7 (3.0) 1.0 (0.3)
非住宅建設 17.3 (15.6) 1.0 (1.0) 12.9 (7.6) 0.7 (0.4)
工場および施設 8.0 4.4 0.3 0.2 7.7 3.9 0.3 0.1
その他の民間投資 (1.5) (6.6) 0.0 (0.2) 0.7 (5.1) 0.0 (0.2)
(b)
3.4 (0.1) 2.5 (0.1) 3.5 0.7 2.6 0.5
最終民間需要
(b)
4.8 4.0 1.2 1.0 3.6 4.0 0.9 1.0
最終公共需要
海外輸出 1.9 4.4 0.5 1.1 4.1 3.8 0.9 0.8
海外輸入 14.9 (1.0) (2.4) 0.2 7.2 (0.1) (1.5) 0.0
調整項目 n.a. n.a. 2.1 (0.5) n.a. n.a. 0.0 (0.2)
統計上の誤差 n.a. n.a. (0.1) (0.3) n.a. n.a. 0.0 (0.3)
3.7 1.4 3.7 1.4 2.9 1.9 2.9 1.9
州内/国内総生産
(a) 2017/18年を参照年度とする連続数値基準による。
(b) 「最終需要」は最終消費支出に民間総設備投資を加えたものから成る。
出所:オーストラリア統計局5220.0
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オーストラリア統計局による州の年次会計(5220.0)のデータ(上記表を参照のこと。)に基づけ
ば、主な特色として、以下のものが挙げられる。
・クイーンズランド州における家計消費は、2018/19年において、前年の2.6%の増加に続き2.0%
増加した。家計所得の成長は、近年の労働市場状況の改善および賃金上昇の緩やかな伸びの恩恵
を受けて、2018/19年においてさらに強固なものになった。
・住宅投資は、2018/19年において、前年の3.8%の減少に続き2.4%減少した。投資家に対する融
資基準の厳格化ならびにシドニーおよびメルボルンにおける不動産価格の下落による悪影響への
懸念と併せて、特にブリスベン都心部におけるアパートの着工数が急増したことが、クイーンズ
ランド州における住宅投資の弱まりにつながった。これらの要因のうちのいくつかは直近数ヶ月
で改善し始めているが、住宅投資は2019/20年においても抑制されると予想される。
・クイーンズランド州における事業投資は、世界的な不透明感、長引く干ばつおよび再生可能エネ
ルギーのプロジェクトへの投資の停滞から、2018/19年において3.0%減少した。当該年度におけ
る減少は、新規の建設(20.7%減少)および技術建設(11.0%減少)によるものであった。工場
および施設への投資(4.4%増加)は、2018/19年において堅調に増加した。
・海外輸出は、LNG、石炭および教育産業の輸出に牽引され、2018/19年において4.4%増加した。
海外輸入は、一般輸送機器(自動車等)、燃料および潤滑油ならびに被加工の工業用品の輸入の
減少により、2018/19年において1.0%減少した。結果として、海外純輸出は2018/19年における
クイーンズランド州の経済成長に0.9パーセントポイント寄与した。
海外への商品輸出
クイーンズランド州は、オーストラリアで2番目に大きな輸出州であり、オーストラリアの2018/19
年における商品輸出合計の23.4%を占めている。
クイーンズランド州の海外商品輸出の名目値は、石炭およびLNGの輸出価格の上昇により、2018/19
年において17.5%増加した。
クイーンズランド州の石炭の輸出額は、3種類すべての石炭(特に強粘結炭)の価格の上昇を反映し
て、2018/19年において5.6十億ドル増加して46.3十億ドルとなった。これは、主に(為替レートの下
落および米ドル建の石炭価格の上昇の両方を反映した)輸出額の上昇により牽引されたものである。
クイーンズランド州の石炭(特に強粘結炭)の輸出は、ここ最近の現物価格は下落しているものの、
2016年後半以来、価格上昇の恩恵を受けている。
クイーンズランド州財務省は、LNG輸出額は、2018/19年において5.0十億ドル増加して15.7十億ド
ルになると予想している。かかる増加は、石油価格に連動した輸出価格の上昇により牽引されたもの
である。LNGの輸出量の増加局面は現在ほぼ終了し、2017/18年には4.8%の増加、2016/17年には
59.6%の増加であったのに対して、2018/19年においては6.1%の増加であった。LNGの輸送列車は6本
のうち5本が現在完全稼働に近い状況で稼働しており、さらなる輸出量の増加は新規のガス開発次第で
ある。
鉱物の輸出額は、アルミニウム、亜鉛、鉛および銅の輸出額の上昇を反映し、2018/19年において
1.4十億ドル増加して10.7十億ドルとなった。ボーキサイト、亜鉛および鉛の輸出量が増加した一方、
アルミニウムおよび銅は価格上昇の恩恵を受けた。
食肉輸出額は、輸出量の増加および輸出価格の上昇の両方に牽引されて、2018/19年において
18.0%増加して6.0十億ドルとなった。乾燥した天候であったため牧畜業者による畜牛の売り払いが進
み、近年著しく落ち込んでいた牛肉および畜牛の輸出が増加に転じた。今後、2019年2月におけるク
イーンズランド州北部の洪水により、輸出量は将来的にさらに抑えられると見込まれ、一方で気象現
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象によりクイーンズランド州の牛群が3-5%失われるとの想定から、畜牛の減少により牛肉の輸出増加
が抑えられると予想される。
2018 /19年における堅調な牛肉輸出の利益を一部相殺したのが、穀物(特にヒヨコ豆)の輸出の名
目値の減少であった。ヒヨコ豆の輸出額は、乾燥した天候による生産量の低下および2017年12月から
のインド政府(これまでクイーンズランド州にとって最大のヒヨコ豆輸出市場)による関税導入によ
る需要の低下の両方を反映して、2017/18年において51.6%減少し、2018/19年においてはさらに
67.5%減少した。織物用繊維の輸出額もまた、長引く干ばつにより、非常に水に左右されやすい作物
である綿花の生産が悪影響を受けた結果、過去2年間にわたり大幅に減少した(2017/18年において
71.7%の減少および2018/19年において88.2%の減少)。
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クイーンズランド州の海外への商品輸出高
(時価で評価。単位:百万ドル)
(p)
(a)
2016/17年 2017/18年
2018/19年
輸出分類
(b)
農産品
食肉 4,658 5,062 5,974
織物用繊維 873 247 29
穀物および穀物調製品 527 272 184
野菜・果物 1,853 1,192 677
家畜飼料 132 135 134
1,720 1,761 1,683
その他の農産物
小計
9,762 8,669 8,681
天然鉱物
(c)
35,954 40,668 46,308
石炭・コークス・練炭
(d)
4,478 5,566 6,670
鉄鉱石
石油・石油製品・石油原料 80 104 186
(e)
8,642 10,738 15,727
ガス(天然および製造)
17 22 18
その他の天然鉱物
小計
49,170 57,098 68,909
(b)
加工鉱物・金属
(b)
3,943 3,744 4,078
非鉄金属
263 287 314
その他の加工鉱物・金属
小計
4,207 4,031 4,392
その他の製造品
機械製品・非輸送機器 1,276 1,390 1,492
化学製品・肥料(天然肥料を
639 873 1,082
除く)・プラスチック製品等
輸送機器 400 516 619
革・ゴム・その他の原料・家
244 253 290
具・衣類等
497 552 622
その他の製造品および飲料
小計
3,056 3,583 4,107
製造品合計(加工鉱物・金属その他の合計) 7,263 7,614 8,499
機密 290 881 1,204
(b)
66,486 74,262 87,293
製品・商品の海外輸出合計
(p) 暫定計数
(a) 標準国際貿易分類(SITC)(第3改訂版)に基づく。
(b) 砂糖および一部の金属加工品の輸出は州レベルでは入手できず、これにより州合計が実際の輸出額よりも少なく
なった。
(c) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省による石炭輸出見積額を含む。
(d) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省によるアルミニウム輸出見積額を
含む。
(e) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省による液化天然ガス輸出見積額を
含む。
(注) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
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クイーンズランド州財務公社(E06036)
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クイーンズランド州は輸出用に多種にわたる鉱物や農産物を生産している。大規模な受入能力を持
つ鉄道および港湾施設の開発は、クイーンズランド州の世界市場における競争力を高め、主要なアジ
ア市場およびヨーロッパ市場との接触を容易にした。
2018 /19年の会計年度中、豪ドル為替レートは平均0.72米ドル(前年と比べて7.7%の下落、6年前
と比べると30.4%の下落)となった。持続する豪ドルの下落は、海外の購入者については相対的に安
価となるため、経済の非鉱業部門を刺激する重要な要素(農業およびサービスの輸出を含む。)と見
られている。2019/20年のこれまでのところ、豪ドルは米ドルに対してさらに下落しており、最初の
5ヶ月間において、平均0.68米ドルであった。
クイーンズランド州は幅広い海外市場に向けて輸出を行っているが、クイーンズランド州の商品の
主要な輸出先は、全輸出の約84%を占めるアジア諸国である(下記表を参照のこと。)。2018/19年
において、中国は、州の海外向けの商品輸出額の33.0%を占め、2017/18年から2.5パーセントポイン
トそのシェアを増加させ、引き続きクイーンズランド州の最大の輸出市場であった。日本は2012/13
年以前の数十年間においてクイーンズランド州の最大の輸出市場であったが、その合計輸出額に占め
る割合は、一つには中国向け輸出の増加により低下傾向にある。その他の2018/19年の主要輸出市場
はインド、韓国およびEUであった。
次の表は、近年のクイーンズランド州の主要輸出先を示している。
クイーンズランド州の製品輸出の主要海外市場
(時価で評価。全体に対する割合。表示単位:%)
(p)
2016/17年 2017/18年
2018/19年
北アジア合計
58.3 61.4 62.0
中国 26.2 30.4 33.0
日本 15.6 15.8 13.9
韓国 12.0 10.6 10.9
台湾 3.9 4.0 3.8
香港 0.6 0.5 0.4
南アジア合計 21.9 20.6 21.6
インド 13.9 13.2 12.4
インドネシア 1.5 1.6 1.8
マレーシア 1.1 1.4 2.4
タイ 0.9 0.6 0.8
シンガポール 1.5 0.8 0.9
北米 3.6 2.9 3.0
アメリカ合衆国 2.4 2.1 2.1
カナダ 1.2 0.8 0.8
(a)
7.9 7.3 6.3
EU
ニュージーランド 1.4 1.4 1.3
ブラジル 2.0 1.7 1.2
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4.9 4.8 4.8
その他
(a) 英国を含む。
(p) 暫定計数
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
観光輸出
(1)
近年の堅調な成長に続き、2018/19年のクイーンズランド州における海外からの旅行者 の宿泊数
は、0.6%減少して36.0百万泊となった。全地域のうち、2018/19年において英国が一国では最多の
4.33百万泊の海外旅行宿泊者をクイーンズランド州へ送り込み、ニュージーランド(4.05百万泊)お
よび中国(3.78百万泊)が続いた。アジアからの海外旅行者の宿泊数は、過去5年間にわたって堅調に
増加しており(36.3%増加して15.36百万泊)、中国(61.7%増加して3.78百万泊)、インド(99.2%
増加して1.55百万泊)および台湾(29.2%増加して2.46百万泊)がかかる期間における増加への最大
の貢献国となっている。
(1) 旅行者は、友人もしくは親戚を訪問する人々または休暇を過ごす人々であると定義される。
(a)
クイーンズランド州への海外からの旅行者 宿泊数(出発地別)
(単位:千泊)
2016/17年 2017/18年 2018/19年
ニュージーランド
3,815 4,108 4,050
中国 3,744 4,461 3,776
日本 2,523 2,362 2,124
台湾 2,004 2,273 2,464
韓国 2,050 1,963 1,932
その他のアジア諸国 4,668 4,913 5,061
英国 4,134 4,200 4,329
ドイツ 1,911 1,942 1,641
その他の欧州諸国 4,399 4,820 4,784
アメリカ合衆国 1,771 1,835 1,885
3,634 3,375 3,988
その他の諸国
合計 34,653 36,250 36,035
(a) 旅行者は、友人もしくは親戚を訪問する人々または休暇を過ごす人々であると定義される。
出所:オーストラリア政府観光調査局
各州間の旅行者もクイーンズランド州の重要な観光市場であり、従来海外からの観光よりもクイー
ンズランド州の経済活動に貢献している。(入手可能な直近年度である)2017/18年において、ク
イーンズランド州の各州間の観光の総付加価値(GVA)は3.4十億ドルであり、ニュー・サウスウェー
ルズ州(3.6十億ドル)をわずかに下回り、全州で2番目に多かった。
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クイーンズランド州への各州間の旅行者の宿泊数は、前年における3.1%の増加に続き、2018/19年
においては11.7%増加した。
海外からの商品輸入
クイーンズランド州の2018/19年における海外商品輸入の名目値は、7.3%増加して49.0十億ドルで
あった。輸入額の増加は、鉱物燃料・石油・潤滑油(1.2十億ドル増)、その他の工業製品(0.8十億
ドル増)ならびにその他の機械製品および輸送機器(0.4十億ドル増)の増加によるものであった。
クイーンズランド州の近年の輸入額の詳細は、下記の表に示されるとおりである。
クイーンズランド州の海外からの商品輸入高
(時価で評価。単位:百万ドル)
2018/19年
(p)
(a)
2016/17年 2017/18年 増加率
2018/19年
輸入分類
(%)
動物・食品・飲料・たばこ
2,000 2,058 2,226 8.2
鉱物燃料・石油・潤滑油 6,914 8,958 10,136 13.1
化学製品 2,250 2,312 2,433 5.2
道路走行車両 7,463 8,698 8,609 (1.0)
その他の機械製品および輸送機器 8,897 10,665 11,024 3.4
その他の工業製品 8,847 9,997 10,840 8.4
2,823 2,998 3,752 25.1
その他
商品の海外輸入合計 39,194 45,688 49,020 7.3
(a) 標準国際貿易分類に基づく。
(p) 暫定計数
(注) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
人口および雇用
(入手可能な直近のデータである)2019年6月30日現在、クイーンズランド州の推定居住人口は、
5.10百万人であり、オーストラリア人口の20.1%であった。クイーンズランド州の人口増加率は、
2012年9月四半期から2015年9月四半期までは落ち着いていたが、最近の数四半期に勢いを増した。
2019年6月四半期までの1年において、クイーンズランド州の人口は1.7%増加したが、これは、同期間
における国の人口の増加が1.5%であったのを少し上回った。
各州間の純移動は、2019年6月四半期までの1年において22,831人と引き続き堅調であった。海外か
らの純移動は引き続き増加し、2018年6月四半期までの1年における27,741人から2019年6月四半期まで
の1年においては32,963人となった。2019年6月四半期までの1年において、自然増加(出生から死亡を
差し引いた数)は29,882人であった。
年平均では、クイーンズランド州の雇用は、前年度の4.1%の成長率に引き続き、2018/19年には
1.5%成長した。雇用成長は、クイーンズランド州の南東部(1.6%増)がクイーンズランド地方
(1.2%増)を上回った。クイーンズランド州の南東部における成長は、サービス関連産業に集中し
た。
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クイーンズランド州の労働力参加率は、2017/18年に高い雇用成長に後押しされた人々が労働市場
に再参入したため、2017/18年において大幅に上昇(1.4パーセントポイント上昇)した後、2018/19
年において0.2パーセントポイント低下した。労働力の増加(1.6%増)が2017/18年における雇用を
わずかに上回ったことを受けて、年平均失業率は6.0%から6.1%にわずかに上昇した。
2018 /19年において、行政、教育、ホテル・飲食サービス、卸売業および鉱業がクイーンズランド
州の雇用成長の最大の牽引要素であり、小売業、賃貸借・不動産、支援サービス、その他のサービス
および運輸における雇用の減少を補って余りあった。鉱業部門における雇用(2018/19年において雇
用合計の約2.7%を占めた。)は、2018/19年においても引き続き回復したが、依然として2013/14年
のピーク時をはるかに下回っている。2010/11年以降クイーンズランド州で最大の雇用創出部門であ
る医療は、過去5年間、クイーンズランド州の雇用成長の35%を占めている。
以下の表は、クイーンズランド州およびオーストラリアのその他の地域における産業部門別の雇用
および2018/19年までの5年間にわたる年平均成長率を示している。
(a)
クイーンズランド州における産業部門別被雇用者数
2013/14年
から
2013/ 2014/ 2015/ 2016/ 2017/ 2018/
2018/19年
14年 15年 16年 17年 18年 19年
までの
(千人) (千人) (千人) (千人) (千人) (千人)
年平均変動
率(%)
農業・林業・漁
55.3 54.8 58.7 52.4 63.0 69.6 4.7
業
鉱業 77.3 64.8 57.8 57.5 61.0 68.2 (2.5)
製造業 177.5 167.0 168.9 164.5 170.4 171.2 (0.7)
電力・ガス・水
33.4 32.1 31.0 24.6 33.0 30.0 (2.1)
道・廃棄物処理
建設 229.3 216.5 208.3 229.3 238.8 236.0 0.6
卸売業 67.7 69.7 68.5 64.4 64.4 73.3 1.6
小売業 268.7 251.6 254.9 253.6 262.0 253.1 (1.2)
ホテル・飲食
148.7 177.0 166.5 180.8 181.9 192.6 5.3
サービス
運輸・郵便・倉
125.4 122.6 132.8 132.4 140.5 136.3 1.7
庫
情報メディア・
電気通信サービ 30.5 31.5 32.9 35.7 28.4 33.3 1.8
ス
金融・保険サー
53.8 59.1 66.9 63.3 62.1 65.9 4.2
ビス
賃貸借・不動産
48.0 48.0 48.8 50.0 47.9 42.5 (2.4)
サービス
専門・科学・技
163.7 182.1 177.1 171.9 169.4 169.3 0.7
術サービス
行政支援サービ
83.4 82.0 85.3 80.1 90.6 85.5 0.5
ス
行政・安全 151.2 152.0 149.9 162.7 149.7 168.2 2.2
教育・研修 175.6 181.3 197.3 189.0 203.1 217.9 4.4
医療・社会扶助 281.7 292.1 314.0 312.5 351.3 350.6 4.5
芸術・娯楽サー
39.9 42.2 41.6 43.2 45.2 43.6 1.8
ビス
その他のサービ
102.8 105.4 104.3 102.3 106.3 101.8 (0.2)
ス
(b)
2,313.9 2,331.7 2,365.6 2,370.3 2,469.0 2,509.0 1.6
合計
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(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の総月間数
と一致しない。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所:オーストラリア統計局6291.0.55.003
(a)
オーストラリアのその他の地域における産業部門別被雇用者数
2013/14年
から
2013/ 2014/ 2015/ 2016/ 2017/ 2018/
2018/19年
14年 15年 16年 17年 18年 19年
までの
(千人) (千人) (千人) (千人) (千人) (千人)
年平均変動
率(%)
農業・林業・漁
256.5 262.4 262.0 251.9 266.3 263.8 0.6
業
鉱業 185.3 156.4 162.9 161.4 161.8 178.4 (0.7)
製造業 749.4 747.7 710.5 744.0 736.0 734.5 (0.4)
電力・ガス・水
117.4 110.0 112.5 112.8 115.8 123.9 1.1
道・廃棄物処理
建設 792.4 813.7 841.2 856.5 932.2 929.5 3.2
卸売業 324.3 319.6 304.0 298.9 301.2 316.7 (0.5)
小売業 950.5 984.5 1,014.2 985.7 1,024.7 1,025.1 1.5
ホテル・飲食
609.5 641.6 661.5 682.4 708.4 708.4 3.1
サービス
運輸・郵便・倉
462.7 480.8 490.9 486.5 499.8 521.3 2.4
庫
情報メディア・
電気通信サービ 166.6 181.1 177.8 180.5 192.7 181.5 1.7
ス
金融・保険サー
361.0 351.4 366.8 373.8 368.8 379.4 1.0
ビス
賃貸借・不動産
155.3 163.6 163.4 159.1 164.2 169.8 1.8
サービス
専門・科学・技
739.5 789.5 819.2 846.6 858.7 935.1 4.8
術サービス
行政支援サービ
302.5 309.6 337.9 350.4 325.0 343.8 2.6
ス
行政・安全 596.1 577.1 591.0 614.2 588.1 667.3 2.3
教育・研修 719.6 742.9 743.1 792.9 822.0 823.8 2.7
医療・社会扶助 1,112.3 1,142.3 1,223.7 1,251.1 1,321.4 1,333.6 3.7
芸術・娯楽サー
162.6 185.3 186.8 176.6 201.6 205.7 4.8
ビス
その他のサービ
379.3 373.8 368.5 384.0 392.3 402.7 1.2
ス
(b)
9,142.4 9,333.3 9,537.8 9,709.4 9,980.9 10,244.2 2.3
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の総月間数
と一致しない。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所:オーストラリア統計局6291.0.55.003
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物価
ブリスベンにおける消費者物価指数は、2017/18年(1.7%上昇)をわずかに下回り、2018/19年に
おいては1.6%の上昇となった。これに対し、1993/94年におけるオーストラリア準備銀行によるイン
フレ目標政策採用以降のブリスベンの消費者物価指数の平均年間増加率は2.6%である。また、全国消
費者物価指数は、2018/19年においては1.6%の上昇となった。
収入
クイーンズランド州の2018/19年における平均週間収入の増加率は4.1%であり、これに対して全国
の増加率は2.7%であった。入手可能な直近の平均週間収入および1人当り家計収入の数値は以下のと
おりである。
収入測定
2018 /19年における 2018 /19年における
州
1人当り家計収入(ドル) 平均週間収入(ドル)
クイーンズランド
60,543 1,197
ニュー・サウスウェールズ 68,014 1,275
ビクトリア 58,347 1,200
南オーストラリア 61,527 1,082
西オーストラリア 70,340 1,305
タスマニア 57,185 1,049
64,335 1,232
オーストラリア連邦
出所:オーストラリア統計局5220.0および6302.0
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賃金政策
企業レベルでの賃金交渉は1991年10月の導入以降、オーストラリアで広く受け入れられ、オースト
ラリアにおいて構造化された賃金交渉の主要な方法として、徐々に中央集権的賃金決定の「裁定制
度」に置き換わっていった。
(入手可能な直近のデータである)2018年5月現在、クイーンズランド州の被雇用者の65.2%が団体
交渉協約または裁定制度によって保護されている。それに比べ、個別契約により保護されている被雇
用者は31.6%であった。
2009 年12月31日、クイーンズランド州の立法により、民間部門の労使関係に係る州の権限がオース
トラリア連邦に移管された。2010年1月1日に施行されたこの移管は、全国の労使関係制度に関する
オーストラリア連邦の立法に合致するものである。全国労使関係制度は、すべてのクイーンズランド
州の民間部門の被雇用者に適用される。クイーンズランド州の公共部門および地方政府の職員は、概
ね州の労使関係制度の下にとどまる。2019年6月現在、クイーンズランド州における州および地方の公
共部門の被雇用者は、合計384,300人であり、クイーンズランド州の被雇用者総数の15.3%を占めてい
る。
2013 年9月に(オーストラリア自由党が率いる)連立が連邦政府を発足させ、その後2016年7月およ
び2019年5月に再選された。現在の連邦政府の政策は企業内交渉を推進しており、引き続きより地方分
権的な制度への移行を行っている。
(ハ)クイーンズランド州経済の主要部門
次の表は、クイーンズランド州とオーストラリアの産業別総付加価値の主な構成要素を示すもので
ある。
(a)
2018 /19 年主要産業部門別
クイーンズランド州GSPおよびオーストラリアGDP(仮想市場法、2017/18年基準)
クイーンズランド州
クイーンズランド州
オーストラリアGDP のオーストラリア
GSP
部門
(百万ドル) に対する割合
(百万ドル)
(%)
農業・林業・漁業
8,516 40,702 20.9
鉱業 43,454 160,614 27.1
製造業 21,008 105,267 20.0
建設 26,646 136,792 19.5
(b)
236,816 1,315,391 18.0
サービス業
合計 336,439 1,758,767 19.1
(a) 産業別総付加価値に基づく。総付加価値は、基準価格での生産額から購入者価格での中間消費額を減算したもので
ある。生産額の基準価格での評価は、個々の産業の生産高についての物品税の負担および補助金の変化により生じ
る偏差を控除している。
(b) 電力・ガス・水道・廃棄物処理、卸売業、小売業、ホテル・飲食サービス、運輸・郵便・倉庫、情報メディア・電
気通信、金融・保険サービス、賃貸借・不動産サービス、専門・科学・技術サービス、行政支援サービス、行政・
安全、教育・研修、医療・社会扶助、芸術・娯楽サービス、その他のサービスおよび住宅不動産運用を含む。
出所:オーストラリア統計局5220.0
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鉱業
過去10年間にわたって鉱業部門は、クイーンズランド州経済に多大な貢献をしてきた。
クイーンズランド州は石炭、ボーキサイト、金、銅、銀、鉛および亜鉛等の資源の莫大な埋蔵量の
みならず、コールシームガスの莫大な「非在来型」資源も有している。
クイーンズランド州において、コールシームガスを原料とする液化天然ガス(CSG-to-LNG)に関す
る3つの主要なプロジェクトが2015年に生産を始め、建設段階の総資本支出は60十億ドルを上回る。
クイーンズランド・カーティスLNGプロジェクトの最初のLNGは2015年1月に輸出され、2015/16年
は、2016年10月までにすべてのLNG「輸送列車」が運転可能となり、実質的なLNG輸出の最初の施行年
度となった。LNGは、クイーンズランド州において石炭に次いで第2位の輸出品となり、2018/19年の
予想額面価格が15.7十億ドル近くとなっている。
2018 /19年においてクイーンズランド州は全国総鉱業生産の27.1%(CVM)を占めた。かかる産業の
生産量は2018/19年までの5年間に平均年間成長率7.2%の成長であった。
2018 /19年において、クイーンズランド州の鉱業部門は州の産業別総付加価値合計の12.9%(CVM)
を占め、68,200名が鉱業部門において直接的雇用(雇用全体の2.7%)であった。
クイーンズランド州の鉱業部門は輸出による利益の高い主要部門であり、資本投資および地域発展
に大きく貢献している。鉱業はまた、州の多くの主要付加価値産業の基盤を提供している。
石炭
石炭はクイーンズランド州の最も重要な輸出品目である。2018/19年における石炭の輸出額(オー
ストラリア統計局により機密データとされている微粉炭および噴射炭等の石炭の輸出額についてのク
イーンズランド州財務省による見積もりを含む。)は、クイーンズランド州の商品輸出合計の53.1%
を占めた。石炭の価格(11.3%上昇)が上昇し、石炭輸出量も増加した(2.3%増加)ために、石炭の
輸出額は13.9%上昇し、2018/19年には46.3十億ドルとなった。
以下の表は、クイーンズランド州の2013/14年から2018/19年において生産された特定の鉱物生産
額およびその生産量を示すものである。
(a)
クイーンズランド州の主要資源見積生産額
(単位:百万ドル)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
鉱物
(b)
25,801 24,385 22,142 37,746 42,703 47,891
黒炭
銅精鉱 2,224 2,186 1,826 1,765 1,996 2,104
金地金 857 854 1,069 1,193 1,127 1,001
ボーキサイト
794 1,022 1,092 1,049 1,087 1,293
(b)
鉛精鉱 1,113 1,094 871 755 708 827
2,026 2,768 1,556 1,204 1,548 2,461
亜鉛精鉱
(a) 石炭の場合、輸送もしくは配送費用またはコークス、練炭等の副産物生産に要する費用は含まない。生産額は、ク
イーンズランド州の生産量および各資源のオーストラリアにおける価格を用いて計算される。
(b) クイーンズランド州の輸出単価に基づき見積もられる。
出所:チーフエコノミストオフィス、ABSおよびクイーンズランド州財務省
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クイーンズランド州の資源生産量
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
鉱物
黒炭(千トン)
228,896 241,725 240,097 237,337 249,663 251,223
銅精鉱(千トン) 291 287 272 247 227 244
金地金(kg) 17,196 16,489 18,955 19,695 19,084 16,213
ボーキサイト(千トン) 26,237 27,434 28,102 30,041 32,030 35,829
鉛精鉱(千トン) 486 461 370 270 226 296
亜鉛精鉱(千トン) 947 1,045 644 359 376 660
(a)
562 522 445 384 413 292
原油(メガリットル)
天然ガス(百万立方メート
9,007 13,273 26,764 37,094 41,834 19,581
(a) (b)
ル)
(a) 2018/19年については最初の6ヶ月
(b) 在来型および非在来型
出所:クイーンズランド州天然資源・鉱山・エネルギー省
農業
クイーンズランド州の農業、林業および漁業部門は、2018/19年においてクイーンズランド州の産
業別総付加価値の2.5%ならびにオーストラリア農業総生産の20.9%(CVM)を占めた。クイーンズラ
ンド州の農産物の大部分は伝統的に輸出され、クイーンズランド州の外貨収入に重要な貢献をしてい
る。
2018 /19年においてクイーンズランド州の農業総生産額面額の半分超は、牛肉、加工用砂糖きび、
穀類および綿花の4つの農産物から構成されており、それらは主に輸出のために生産されている。
また、クイーンズランド州は、主に国内市場向けの熱帯甘橘系果物、米、綿花、野菜、木材、落花
生、菜種油、卵および酪農品を生産している。
クイーンズランド州農業水産省によれば、2018/19年におけるクイーンズランド州の農産物の額面
価格は、5.5%減少した。これは、綿花(36.1%減の0.6十億ドル)、穀類(25.4%減の0.9十億ドル)
およびサトウキビ(11.9%減の1.1十億ドル)の生産総額の減少に起因する。
次の表は、クイーンズランド州の2018/19年までの過去5年間の主要部門別の農業総生産額面額およ
び生産量を示すものである。
クイーンズランド州の主要農業総生産額面額および生産量
(a)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
総額(単位:百万ドル)
2018/19年
畜牛
5,076 5,861 5,483 5,248 5,447
家禽 588 590 650 561 570
豚 270 320 293 248 216
羊および子羊 66 58 9 11 17
加工用砂糖きび 1,239 1,209 1,527 1,234 1,087
羊毛 61 62 76 98 85
穀類 1,203 1,343 1,638 1,203 898
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果物・野菜・ナッツ 2,684 2,893 2,921 3,301 3,180
酪農製品(乳製品全般) 235 237 251 230 201
綿花 383 466 622 882 564
1,503 1,537 1,604 1,795 1,730
その他
農産物合計
13,308 14,576 15,074 14,811 13,995
生産高
牛肉および子牛肉(千トン) 1,244 1,107 1,025 1,077 1,111
(b)
30,816 32,655 34,410 31,472 30,489
砂糖きび(千トン)
(c)
4,909 3,971 4,763 5,042 3,953
羊毛(トン)
小麦(千トン) 987 1,316 1,502 765 400
194 234 316 320 164
リント綿花(千トン)
(a) 総額は、クイーンズランド州農業水産省により提供された予測値であるが、「その他」に含まれる苗床を除く。こ
れはクイーンズランド州財務省による見積値であり、オーストラリア統計局の過去データと一致する。
(b) 暦年データ
(c) 仲介業者によって受領され、羊毛製造者から販売業者が購入した課税羊毛
出所:オーストラリア統計局7215.0;オーストラリア統計局7218.0;クイーンズランド州農業水産省、クイーンズラン
ド州農業動向(2019/20年);オーストラリア製糖工場協議会;オーストラリア政府農業・水資源省;オースト
ラリア穀物報告書(2019年12月)
その他の第一次産業
林業および伐採
2018 /19年におけるクイーンズランド州の林業および伐採の生産額は、3.3%増加したと予測され、
279百万ドルとなった。木材需要の大部分は、住居の新築および改築・増築の需要により決定される。
漁業
2018 /19年におけるクイーンズランド州の漁業の生産額は4.8%増加したと予測され、395百万ドル
となった。漁業生産額の46%は商業的漁業によるものであり、その他は水産養殖および遊漁業による
生産額であった。
製造業
2018 /19年において製造業部門はクイーンズランド州の産業別総生産額の6.2%(CVM)を占めた。
2018/19年においてオーストラリア全体の製造業生産高におけるクイーンズランド州のシェアは
20.0%であった。
クイーンズランド州の製造業では歴史的に見てサービス業ならびに州内の農作物および鉱物資源の
加工業が発展してきた。大部分の産業国と同様、サービス提供中心の産業への比重の移行に伴い、
オーストラリアにおいて製造業は相対的に見て次第に重要性を喪失した。
2018 /19年におけるクイーンズランド州の加工鉱物および金属製品を含む製品の海外輸出名目総額
は、前年から8.6%増加し、17.2十億ドルであった。
建設
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クイーンズランド州の建設業は、2018/19年には州内の雇用の7.9%を創出し、直接的に州のGVAに
9.4%寄与した。
・2018/19年の住宅投資は、前年の3.8%の減少後、1.8%減少した。
・クイーンズランド州の住宅投資は、特にブリスベン中心部の2013/14年および2015/16年の
間の空前のアパート建設急増により、回復期に入っていて、市場での供給過剰の懸念を引き
起こしている。
・当時から、連棟の住宅の承認および建設が著しく減少して、住宅投資の見通しは抑制され、
2020/21年まで増加に転じる見込みはなかった。
・非居住用建物(店舗、事務所、工場等)および土木建設(炭鉱、港、道路等)によって構成され
る非住宅建設は、2018/19年において14.9%減少した。
・クイーンズランド州における新規の土木建設は、2017/18年における20.8%の増加に続き、
2018/19年に11.0%減少したが、これは再生可能エネルギー・プロジェクトによるもので
あった。2018/19年における減少は、2017/18年の目覚ましい成長からの段階的な減退およ
び景況感の落ち着きを反映している。
・非居住用建物の建設は、2018/19年に19.3%減少した。当年の減少は、オフィス、ホテルお
よびエンターテイメント/娯楽施設の建設の減少によるものであり、倉庫建設の増加を相殺
するだけにとどまらなかった。
サービス
運輸
クイーンズランド州は15の貿易港を有し、その多くはそれぞれの地域の主要生産物を処理する施設
を備えている。さらに、クイーンズランド州は2つの地域港と南東にあるメアリーバラから北西にある
バークタウンの間に等間隔に設置された多くの非貿易港を有している。クイーンズランド州の鉄道網
は10,000キロメートル超の路線を有しており、電化された基幹線とクイーンズランド州中央部の主要
な炭鉱のための重貨物線が含まれる。
鉄道貨物には競争が導入されている。民間企業のパシフィック・ナショナルはクイーンズランド州
で活動を行っている。一方、石炭および貨物部門についてクイーンズランド・レール(現在は「オー
リゾン(Aurizon)」)は従前政府所有であったが、民営化された。鉄道貨物運送事業者は、クイーン
ズランド州の貨物輸送に従事する道路運送企業とも競合している。概ね鉄道により運送される物資と
しては、石炭および鉱物が挙げられる。相当量のコンテナ貨物が鉄道および道路の両方により輸送さ
れる。
クイーンズランド州の公共道路網は安全性および発展可能性を維持するために常に改善され、拡大
されつつある。
クイーンズランド州は主要な国際空港を2つ、それらに次ぐ国際空港(2016年10月に国際線事業を開
始した、トゥーンバにある私営空港であるブリスベン・ウエスト・ウェルキャンプ空港を含む。)を5
つ有しており、また、大規模な商業用国内空港や個人用飛行場もある。ブリスベン空港は、シドニー
空港とメルボルン空港に次いで国内で3番目に利用の多い空港である。ブリスベン空港は、1.3十億ド
ルで第2滑走路を建設中であり、これにより同空港の処理能力は実質的に倍増する。
通信
クイーンズランド州では、連邦の郵便システムおよび多くの主要な電気通信会社により、州規模で
のサービスが提供されている。双方向衛星通信は遠隔地域で利用可能となっており、僻地居住者に対
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して教育その他のサービスを提供している。クイーンズランド州は、オーストラリア放送公社および
スペシャル・ブロードキャスティング・サービスによって主に運営される広範囲な非商業テレビ網を
有しており、さらに3つの商業テレビ放送網(各々が多数のサブチャンネルを有する。)および地域テ
レビ局が州内において運営されている。クイーンズランド州ではケーブル・テレビおよび衛星放送テ
レビのサービスが広く行われており、包括的な商業および公営ラジオ放送網もある。
また、ブロードバンド・インターネットサービスが州内のすべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は、ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス/ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノー
ド、固定無線および衛星技術から成る「マルチ・テクノロジー・ミックス」を通じて提供される予定
の連邦のブロードバンド網(以下「NBN」という。)を現在完成しつつある。NBNは、連邦の全敷地に
対し最低25メガビット/秒、および敷地内固定回線の90%に対し最低50メガビット/秒のデータ・ダウ
ンロード・レートを可能な限り早く提供するという目標値を設定している。2020年1月9日現在、クイー
ンズランド州で、総計2,127,675の世帯/企業につきサービスの準備が整い、総計1,284,595の世帯/
企業についてはサービスを稼働させたと発表されている。
観光業
観光業は、2017/18年においてクイーンズランド州の生産額(基準価格での総付加価値)全体の推
定3.7%を占めた(入手可能な最新時での予測)。クイーンズランド州の観光業の発展は、一定の自然
の利点、すなわち、休暇に理想的な気候ならびにグレート・バリア・リーフとその島々、数百キロ
メートルに及ぶ砂浜、広大な未開発地域、山景、国立公園、熱帯の北部、ダーリング・ダウンスおよ
び未開拓の奥地等のオーストラリアの自然の魅力が最も良く揃っていることに負うところが大きい。
ブリスベン市の南部に位置するゴールド・コーストは、オーストラリアで最大の最も人気のあるリ
ゾート地である。ゴールド・コーストはサーフィン、釣り、クルージングその他様々なスポーツ活動
のための施設を提供している32キロメートルに及ぶ砂浜で知られている。ゴールド・コーストの西に
位置するマクファーソン・レンジの未開発の熱帯雨林で覆われた丘陵地域は、登山、叢林地帯散策、
乗馬、国立公園、滝およびパノラマの景観等によりゴールド・コーストの魅力を広げている。ゴール
ド・コーストの自然の魅力は、テーマパーク、世界規模のゴルフコース、運河の伸長、および国際的
に定評のあるレストランならびに娯楽場等の開発により補強されている。
グレート・バリア・リーフは国内外の旅行者にとって大きな魅力である。そして、リゾート地は、
島および海岸地方の中央部において開発されている。グレート・バリア・リーフの水質は世界で最良
の漁場を提供し、ケアンズは黒かじきで有名な釣りの大会の国際的な舞台となっている。ウィットサ
ンデー・コーストはウィットサンデー群島に近いオーストラリア本土にあり、過去10年間グレート・
バリア・リーフとその島々の人口増加に対応して発展してきた。この地域は、日帰り旅行による珊瑚
礁と島のある休日を提供し、名所へのクルージングやヨットのチャーター施設も提供している。
2018 /19年において、総計2.4百万人の海外からの旅行者(休暇を過ごすために来る人々または友人
もしくは親戚を訪問する人々であると定義される。)が、クイーンズランド州を訪れた。それらの旅
行者は、クイーンズランド州に合計で36.0百万泊滞在し、その平均滞在期間は15.0泊であった。
2018/19年において、クイーンズランド州における海外からの旅行者数は0.2%減となった一方で、旅
行者の宿泊数も若干減少した(0.6%減)。
伝統的に、クイーンズランド州においては国内旅行が海外旅行より大きな市場であったが、国内旅
行の相当部分は州内旅行(クイーンズランド州の住民がクイーンズランド州内を旅行)によるもので
ある。2018/19年は、州間の旅行者が前年から11.7%増加し、クイーンズランド州において合計34.8
百万泊の滞在となった。
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(4) 財政
(イ)クイーンズランド州政府の財政
州の予算方針
各会計年度の予算は通常州財務大臣により会計年度が始まる前の6月に立法議会に提出され、当会計
年度の歳入歳出決算見積もりの明細ならびに翌会計年度および次年度以降の3会計年度の歳入歳出の予
算が含まれる。歳入調達の承認は州議会の様々な現行法に定められており、歳出は毎年、歳出法に基
づく州議会の承認を得る。
予算は通常6月に州議会に提出され、歳出法が8月から9月頃に州議会により予算審議を経て可決され
る。歳出法により、翌会計年度(すなわち予算年度)の歳出案が承認される。これらの歳出法はま
た、歳出法案が国王の裁可を得るまでの翌々会計年度の当初数ヶ月間のクイーンズランド州政府の通
常公務を行うにあたり十分な支出の総額を承認する。立法議会のための歳出法が1つとその他すべての
機関のための歳出法が1つある。
2018 /19年予算および財政および経済に関する中間概観(以下「MYFER」という。)
2018 /19年予算は、2018年6月12日に提出され、パラシェー政権の掲げた公約に基づいて施策が配置
され、重点が置かれたのは、雇用を創出するインフラストラクチャーの整備、およびクイーンズラン
ド州の人口増加により必要となるサービスの実現であった。
政府は、地域社会が必要とするサービスおよびインフラストラクチャーを持続可能な財政運営を通
じて実現するとの公約を具体的に示した。オーストラリア政府からの資金供給の大幅な削減により
2018/19年の歳入が減少するとの予想にもかかわらず、将来見積もりは各年とも純経常黒字の予想と
なった。経常支出の伸びは、2021/22年に至る5年間において平均年率2.9%の持続可能な増加率と予
測されている。
一般政府部門の33.2十億ドルを含む4年間にわたる45.8十億ドルの資本計画は、経済成長を支援し、
生産性を向上させ、雇用機会を提供し、急激な人口増加圧力に対応できるインフラストラクチャーを
提供するため予算に計上された。この水準の投資は、一部借入金による資金の手当てが見込まれた。
こうした事情があってなお、一般政府の借入金は、将来見積もりにおいて各年とも2017/18年予算に
おける予測よりも低下する予想となった。2021/22年における一般政府借入は、2014/15年にピーク
に達した水準を引き続き下回ると予測された。
重要な点は、クイーンズランド州の増加する人口の需要に対応するため、クイーンズランド州政府
の2018/19年の資本運用計画に4.9十億ドルの道路および輸送インフラへの投資が盛り込まれたことで
ある。ここには、5.4十億ドルのクロス・リバー・レール・プロジェクトに関連した計画、調達および
開発を継続して進展させるためのクロス・リバー・レール実施当局(Cross River Rail Delivery
Authority)への2018/19年の割当て733百万ドルが含まれた。
2018 /19年MYFERは、2018年12月13日に公表された。MYFERにおいては、2018/19年に524百万ドルの
純経常黒字が予測され、予算における見積もりから歳入増による376百万ドルの改善となった。また、
MYFERにおいては、予測されるGST歳入の大幅な減少にもかかわらず、一般政府部門の純経常収支は、
将来見積期間を通じて黒字が維持される予測となった。
2018 /19年の歳入増加率は、2017/18年における3.4%の成長の後を受けて1.6%と予想された。
2021/22年に至る4年間の歳入は、平均年率1.7%の成長と予測された。これは、予算における予測と
同じ成長率であった。
2021 /22年に至る4年間の歳出は、平均年率2.4%の成長と見積もられた。予算における予測成長率
は2.1%であった。この4年間の歳出増は、オーストラリア政府と取り決めた学校資金調達契約に関連
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した、クイーンズランド州政府が計画する教育に係る資金調達の増加のための引当金の追加が一因で
ある。
一般政府部門の借入は、2021年6月において、2018/19年の予算における予測よりも152百万ドル減
少した見積もりとなった。しかしながら、2021/22年の会計年度において連邦政府からクイーンズラ
ンド州に交付されるGST歳入の予測額が555百万ドル減少する影響により、2021/22年の借入金は、
2018/19年の予算よりも584百万ドル増加する見込みである。
2019 /20年予算およびMYFER
2019 /20年予算は、2019年6月11日に提出され、重点が置かれたのは、クイーンズランド州の地域お
よび事業、雇用支援(新規産業の育成を含む。)、ならびに生産インフラへの持続可能な投資であっ
た。
また、過去数年間において歳出が成長を上回っていることを踏まえ、クイーンズランド州の公共部
門の機関およびプログラムの審査を実施することにより改定優先目標の実現を推進するために、サー
ビス優先審査局による発表がなされた。
2019 /20年予算は、重要なインフラ建設および資本運用の資金として過去4年間で49.5十億ドルを約
し、クイーンズランド地方におけるインフラ・プログラムへのコミットメントの一環として、我が地
域建設プログラムに70百万ドルを追加した。
かかる予算は、4年間の累積で1.772十億ドルの剰余金を見積もった。この金額は、物価上昇により
拡大された。
2019 /20年MYFERは、2019年12月12日に公表された。2019/20年および2020/21年が物価下落により
下方修正されたため、4年間で2.122十億ドル(見積額)の剰余金がいまだ計上されているが、サービ
ス優先審査局による節減は特に今年度以降の年度における歳入の減少を相殺すると予測される。
歳出は4年間で平均2.1%増加すると予測されているが、歳入は同期間における平均2.2%の増加を反
映し、今後の予測においても純経常黒字の継続を達成するための支えとなると予測されている。
財政原則
2009 年金融説明責任法は、州財務大臣が財政責任憲章を作成し、立法議会に上程することを義務付
けている。財政責任憲章は、クイーンズランド州政府の財政目的およびかかる目的を支援する財政原
則を定めるものである。
州財務大臣は、クイーンズランド州政府がかかる憲章に記載されている優先事項に対して生じた進
展について、立法議会に定期的に報告しなければならない。この報告は、予算書類およびMYFERにおい
て毎年公表される。
パラシェー政権は最初の予算において、 クイーンズランド 州政府の財政に対する責任ある慎重な管
理に関する5つの財政原則を打ち出した。クイーンズランド州財務省が作成した クイーンズランド 州財
政検討報告書を考慮の上、 クイーンズランド 州政府は、一般政府部門の債務および純経常黒字額の規
模に関して原則を改正した。これにより、2016/17年予算において導入された公務員数の増加率を管
理する新しい原則を含む以下の6つの財政原則が、直近の予算の枠組みを規定した。
・原則1-一般政府部門 債務の対歳入比率で測定される、クイーンズランド州の関連のある債務負担
の継続的な削減を目指すこと
・原則2-一般政府部門への新たな資本投資の資金が借入よりもむしろ主に経常的な歳入を通じて調
達できるような純経常黒字を目指すこと
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・原則3- 資本計画は、雇用および経済を支え、未処理分発生のリスクを低減するための一貫した
ワークフローを確保するよう管理されることとなる。
・原則4-一般政府部門自体の歳入源を、将来見積もりに対して平均して、名目州内総生産の8.5%
以下で維持することを確保することにより、 競争力のある税制を維持すること
・原則5-保険数理士の助言に従い、老齢退職年金およびワークカバー等の長期負債に対する完全積
立を目指すこと
・原則6-常勤換算職員総数の将来見積もりにおける平均増加率が、人口増加率を上回らないよう確
保することにより、持続可能な公共サービスを維持すること
2019 /20年のMYFERにおいて説明されたように、クイーンズランド州政府の財政原則の達成度は顕著
に前進した。
原則 指標
一般政府債務の対歳入比率
(単位:%)
一般政府債務の対歳入比率で測定さ
2019/20年予算 2019/20年MYFER
れる、クイーンズランド州の関連の
ある債務負担の継続的な削減を目指
AASB AASB
すこと
第16号 第16号
(注) 債務の対歳入比率にはQTCからの借
による による
入金、リースおよびリース約定ならびに
有価証券およびデリバティブが含まれ
影響を 影響を
る。2019/20年予算書類では、AASB第16
除く 含む
号「リース」による影響を含む場合と含
まない場合の両方が報告されている。今
2018/19年 54 54 54
後、債務の対歳入比率にはAASB第16号に
2019/20年 61 64 63
よる影響が含まれる。
2020/21年 65 69 69
2021/22年 71 74 76
2022/23年 73 76 78
一般政府の純経常キャッシュ・フローが
非金融資産中の純投資購入に占める割合
(単位:%)
一般政府部門への新たな資本投資の
2019/20年予算 2019/20年MYFER
資金が借入よりもむしろ主に経常的
な歳入を通じて調達できるような純
2018/19年 79 106
経常黒字を目指すこと
2019/20年 60 56
2020/21年 64 56
2021/22年 55 49
2022/23年 70 64
非金融公共部門の非金融資産購入
(単位:百万ドル)
資本計画は、雇用および経済を支
2019/20年予算 2019/20年MYFER
え、未処理分発生のリスクを低減す
るための一貫したワークフローを確
2018/19年 8,856 8,460
保するよう管理されることとなる。
2019/20年 10,223 10,727
2020/21年 10,447 10,834
2021/22年 11,210 11,401
2022/23年 8,640 8,997
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GSPに対する一般政府自体の歳入源
一般政府部門自体の歳入源を、将来
見積もりに対して平均して、名目州
2019/20年予算 8.5%
内総生産の8.5%以下で維持するこ
2019/20年MYFER 8.5%
と
将来見積もりに対する平均 8.2%
保険数理士の助言に従い、老齢退職 保険数理士の最終見直し(2019年6月30日現在)時点において、老齢退
年金およびワークカバー等の長期負 職年金の発生負債は完全積立の状態であった。2019年6月30日現在、
債に対する完全積立を目指すこと ワークカバー制度もまた完全積立の状態であった。
常勤換算職員(FTE)総数の将来見積
FTE増加率
もりにおける平均増加率が、人口増
将来見積もりに対する平均: 1.7%
加率を上回らないよう確保すること
人口増加率
により、持続可能な公共サービスを
将来見積もりに対する平均: 1¾%
維持すること
表1
主要財務総計
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
決算 決算 決算 決算
一般政府部門
収入 50,780 56,194 58,087 59,834
費用 50,112 53,369 56,335 58,842
純経常収支 668 2,825 1,753 992
非金融資産購入額 4,044 4,620 5,127 5,764
財政収支 (495) 560 (586) (2,191)
非金融公社部門
収入 11,864 14,650 13,652 14,256
費用 10,264 12,251 11,759 12,587
純経常収支 1,601 2,398 1,893 1,669
非金融資産購入額 2,773 2,708 2,509 2,687
財政収支 1,179 2,101 1,797 1,471
非金融公共部門
収入 57,393 64,855 66,175 68,334
費用 56,821 61,278 64,378 67,367
純経常収支 572 3,577 1,797 967
非金融資産購入額 6,852 7,291 7,644 8,460
(1,054) 1,050 (647) (2,422)
財政収支
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経常収支
2018 /19年における決算
統一発表体制(以下「UPF」という。)ベースでは、一般政府部門は、2017/18年における 1.753 百
万ドルと比較して、2018/19年において 992 百万 ドルの経常黒字を計上した。財政収支は依然赤字であ
り、赤字額は2017/18年における586百万ドルから増加し、2018/2019年は 2,191 百万ドルの赤字と
なった。一般政府財政赤字は、経常黒字の大幅な減少および2017/18年と比較して資本財の購入額が
増加したことによる。
実績に基づくと、一般政府支出は2018/19年において 2.507 百万ドル(4.45%)増加した。支出合計
は、2019/20年予算における2018/19年の決算見積もりを 384 百万ドル下回った。これは主として、予
想を下回るその他経常支出によるものである。
収入
一方、収入は、2017/18年において 3.4 %増加した後、2018/19年において 3.0 %( 1,747 百万ドル)
増加した。
連邦助成金は、州の収入の主要部分を成し、一般政府収入予算のほぼ半分を占めており、税金がそ
の約4分の1を占めている。2018/19年において、連邦助成金およびその他の助成金は 341 百万ドル増加
した。これは主として、医療および教育の新たな資金提供協定を反映している。
2018 /19年における課税収入は、税金全般の傾向、特に給与税( 254 百万ドル)の増加により、
2017/18年( 921 百万ドル)と比較して増加した。
2018 /19年を通して石炭価格が引き続き上昇していることを受けて、石炭のロイヤルティが増加
し、ロイヤルティ収入は、2018/19年において、2017/18年を923百万ドル上回った。
支出
2018 /19年において、一般政府支出はUPFベースで 2,507 百万 ドル増加した。最大の増加は、医療、
社会保障および運輸分野における増加である。
2018 /19年における支出の増加は、医療サービスおよび入学者数に対する継続的な要求のための支
援財源の増加によるものである。
一般政府部門における減価償却費は 126 百万ドル増加して 3.451 十億ドルとなった。これは主とし
て、道路および病院に関するインフラストラクチャーの増加を反映している。
非金融資産購入額および借入金
下記表2は、州の非金融資産購入額および借入金についてのデータを示すものである。
表2
借入金
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
決算 決算 決算 決算
非金融資産購入額
一般政府部門 4,044 4,620 5,127 5,764
非金融公社部門 2,773 2,708 2,509 2,687
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(1)
6,852 7,291 7,644 8,460
非金融公共部門
借入金
一般政府部門 35,486 33,240 31,530 32,201
非金融公社部門 37,436 38,644 37,992 38,707
72,922 71,884 69,522 70,908
非金融公共部門
(1) 現行の統一発表体制の取決めに基づき、予算および将来見積もりデータは、正確な事業活動計画の作成が困難であ
ることから、公共金融公社(PFC)には要求されない。この部門について資本支出は推定されていない。
州の純資産(または資本)とは、州の資産が負債を超過した額をいう。これはクイーンズランド州の
住民に代わって公共部門機関により保有される投資評価額である。
2018 /19年における一般政府部門の純資産は、2018/19年期末現在201,505百万ドルとなった。
2018 /19年期末現在において、一般政府部門における借入は32,201百万ドルとなり、2017/18年を
671百万ドル上回った。借入金の増加は、AASB第16号の変更(リースの借入金への計上を求めるも
の。)に起因する場合がある。
資本計画
UPF ベースで、一般政府の非金融資産購入額(すなわち、資本支出)は、2018/19年において5,764
百万ドルとなり、2017/18年発生分よりも637百万ドル増加した。
2017 /18年と比較したかかる増加は、主として医療および教育に関するインフラストラクチャーに
関連する支出によるものである。
将来見積もり
下記表3は、UPFベースによる州の将来見積もりの概要を示すものである。
表3
主要財務総計予測(概要) -2019/20年MYFER
(単位:百万ドル)
2019/20年 2020/21年 2021/22年 2022/23年
予測額 予測額 予測額 予測額
一般政府部門
収入
59,914 61,715 63,366 65,194
費用
59,763 61,482 62,771 64,051
純経常収支
151 234 595 1,142
非金融資産
7,223 7,476 8,383 6,612
購入額
財政収支
(4,068) (4,633) (4,597) (1,815)
非金融公社部門
収入
13,051 12,510 12,838 13,438
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費用
11,690 11,584 11,663 11,965
純経常収支
1,361 926 1,175 1,473
非金融資産
3,504 3,358 3,018 2,384
購入額
財政収支
637 368 1,022 1,952
非金融公共部門
収入
67,823 69,520 71,290 73,665
費用
67,629 69,149 70,329 71,982
純経常収支
194 372 962 1,683
非金融資産
10,727 10,834 11,401 8,997
購入額
財政収支
(4,749) (5,053) (4,383) (796)
下記表4は、州の非金融資産購入額および借入金についての最新の予測値・見積値のデータを示すも
のである。
表4
借入金および非金融資産購入額
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2019/20年 2020/21年 2021/22年 2022/23年
予測額 予測額 予測額 予測額
非金融資産購入額
一般政府部門 7,223 7,476 8,383 6,612
非金融公社部門 3,504 3,358 3,018 2,384
非金融公共部門 10,727 10,834 11,401 8,997
(1)
借入金
一般政府部門 37,966 42,738 47,928 50,970
非金融公社部門 39,890 41,015 41,272 40,825
77,857 83,753 89,200 91,794
非金融公共部門
(1) AASB第16号に基づきリースを含む借入金
(ロ)オーストラリア連邦との財政上の関係
1927 年よりも前は、各州と連邦が、各々、国内および海外金融市場での借入を行っていた。限られ
た資本市場の規模および州と連邦の間での固有の競争により、1927年にこれらの市場から借入を行う
際には協力し合うことが各々の利益に叶う旨認識され、金融協定が締結された。この協定により、連
邦および各州政府の公募借入の決定・調整を行うオーストラリア借入委員会および州政府借入委員会
プログラム(以下「借入プログラム」という。)が設立された。
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1970 年代初めまで、借入プログラムは、州による資本支出のための主要資金調達源であった。しか
しながら、各州は、資本支出の資金調達を行うために準政府機関による借入により多く依存する必要
性を認識した。ほとんどの州が、準政府機関の借入を調整するために、QTCのような中央借入機関を設
立した。
1990 年6月の借入委員会会議において、金融協定に基づき各州に代わって連邦が発行した債券に関す
る債務を徐々に各州が承継すべきであり、各州が自己の名義で国内および海外市場から借入を行える
ように金融協定を改正することが合意された。
かかる債務は現在、すべて各州と準州に承継された。また借入委員会は1990年6月30日以降州および
準州に対する連邦政府証券の追加の割当は行わなかった。
全体として、これらの制度により民間部門に対する連邦の債務は各州および準州の債務に承継され
た。かかる承継は、公共部門全体の財政状態を変更するものではないが、連邦と州の間の財政関係に
重要な構造上の変革をもたらすものであった。これらの承継によって、各州および準州は自己の債務
の資金調達と債務管理に対する全責任を負うことになったため、その結果として個々の州政府の財政
および債務管理戦略は地域社会および金融市場によるより多くの審査を受けることとなった。
1993 /94年以降、借入委員会による新たな検査・報告の制度が連邦および各州政府の資金調達活動
に適用された。かかる借入委員会の制度の主要な特徴は、総借入額から各州・準州の赤字/黒字に
よって示される純借入額を基準とした合計額へと焦点が移行したことである。これは、後者が公共部
門の経済に対する影響を示すより重要な指標であるためである。
借入委員会の制度の下で、連邦と各州および各準州は、借入の性質を持つが正式な借入を構成しな
い取引(例えばファイナンス・リースおよびオペレーティング・リース)を反映すべく調整された純
借入額に基づき、希望する割当額(借入委員会割当て(以下「LCA」という。)と呼ばれている。)を
通知する。制度は、借入委員会が特定のLCAの厳格な遵守を強制しようとすることではなく、予算編成
過程への信頼を確保することに重点を置いている。
2018 年以降、借入委員会は、各州・準州の管理上の負担を軽減するために、統一発表体制(UPF)か
ら借入委員会が課す報告義務を除外することについて全会一致で合意した。各州と連邦は今後、予算
およびその他の財務書類において、借入委員会割当てについての報告を行わない。
借入委員会はまた、UPFの運営を借入委員会から連邦財政関係委員会(CFFR)に移管することについ
ても合意した。これらの決定により責任が軽減されたことに鑑み、連邦は、将来の状況により再招集
が必要となる場合を除き、借入委員会を招集しない予定である。
かかる変更は各州の負担を軽減するためのものであり、クイーンズランド州の資金調達業務に影響
を及ぼすことは予期されていない。
州の借入保証
2009 年3月25日、オーストラリア政府は、州政府借入金に対する任意保証を、各州の信用格付に基づ
く費用にて期限付きで提供する旨を発表した。連邦議会を通過した当該法案は、2009年6月29日に国王
の裁可を得た後、2009年7月24日に施行された。2009年6月16日、クイーンズランド州は、償還期限が
(その当時において)12ヶ月から15年のすべての豪ドル建ベンチマーク債券ラインに当該保証を適用
する意向である旨を発表した。2009年9月18日、オーストラリア準備銀行(以下「RBA」という。)
は、QTCの一部の厳選された国内債券につき、連邦政府保証(以下「CGG」という。)の適用申請を承
認し、CGGの適格証書を発行した。
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2010 年2月7日、オーストラリア政府は2010年12月31日より後に引き受けられた新しい州債券の保証
につき、これを撤回することを発表した。現存するすべてのCGG債券は、償還期限または債券が州政府
によって買い戻され消却される時点まで保証され続けることとなる。
CGG が撤回されて以来QTCは、州政府保証(以下「SGG」という。)利回り曲線を再構築するために、
現存するCGG債券と並行して、また満期ギャップをなくすべくSGG債券を発行している。QTCはまた、投
資家に対してCGG債券をSGG債券に交換する機会の提供を継続している。
連邦の助成金
第二次世界大戦以後、連邦は単独の所得税賦課機関として活動しており、年間の一般歳入助成金が
連邦によって各州に支払われている。連邦は、また、憲法上、消費税、物品・サービス税および関税
を課す独占的な権限を有している。連邦政府は、富裕税、財産税または贈与税は課していない。州政
府は、給与税、印紙税および土地保有税を課し、地方自治体は不動産の課税評価額に基づき地方税を
課す。
1985 年の州首相の会合においてこれまで行われていた税割当制度は州に対する財政援助助成金に代
えられるべきであるという合意がなされた。連邦助成金委員会は、水平的財政調整原則に基づく一般
目的による助成金の割当てについて引き続き提言を行っていた。この原則は、各州政府が同じように
自己の財源からの歳入を高めるように努め、かつ同レベルの効率性でサービス提供を行った場合、各
政府は同水準のサービスおよび関連するインフラを提供することができるよう助成金を受ける必要が
あるとするものである。
連邦から州政府に対して特定の目的のためまたは条件付きで提供される助成金に加えて、財政助成
金が支払われた。これらの特定の目的のために提供される助成金は、連邦となって以来ほとんどの期
間存続してきたが、その連邦助成金としての重要性は1970年代から著しく増加している。
物品・サービス税(GST)に関する連邦と州との関係
2000 年7月1日付の包括的な消費税である物品・サービス税(以下「GST」という。)の導入は、連邦
政府により遂行された国家税制改革の基礎を成すものであった。かかる改革は、連邦および州間の財
政上の関係に重大な変化をもたらすものであった。オーストラリアのすべての政府は「連邦・州間財
政関係の改革に関する政府間協定」を締結した。
かかる協定の主な特徴として以下のものが含まれる。
・GST歳入の各州に対する全額交付。州間にGST歳入を分配する方法として、水平的財政調整原則が
承認された。
・州に対する財政援助助成金の廃止
・多くの州税制の廃止。クイーンズランド州の場合、国内税制の全体的な効率化を強化するため、9
つの税の段階的な廃止を含む。
2019 /20年、クイーンズランド州は、2019/2020年連邦MYEFOにおいて公表されたとおり、約13.868
十億ドルのGST歳入を受領する予定である。クイーンズランド州は、現在、必要とするGST分配額が1人
当り等額を超過する旨連邦助成金委員会により評価されている。
連邦財政関係に関する政府間協定
2008 年3月26日、オーストラリア政府間評議会は、連邦財政関係のために新たな枠組みを実施するこ
とに同意した。この新しい枠組みは、州政府の役割および責任ならびに成果主義に基づいた公的説明
責任を一層明確にしつつ、州政府によるサービス提供に関する連邦規定を大幅に削減することを目的
としていた。
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2009 年1月1日、新たな取決めである「 連邦財政関係 に関する政府間協定」の運営が開始された。新
しい枠組みの主な特徴として以下のものが含まれる。
・支払の全体水準を低下させることなく、特定の目的のために提供される助成金の数の削減。新た
な国内取決めを背景に、当該助成金をヘルスケア、学校、技術および労働力開発、障害者への
サービス、ならびに住宅に関する分野の5つのより幅広い資金の流れに集約した。
・政府によるサービス提供の質、効率性および有効性の改善によるオーストラリア国民の福利改善
の成果への集中。ただし、州によるサービスに関する成果の達成手段や実施の方法に関する連邦
規定の削減、達成した成果または実施した活動に関する国民への説明責任の強化を伴う。
・交付の適格性の維持および目的との関連性を確保するための定期的な検証を伴いながら新しい国
内取決めを継続させることによる、各州に対するより確実性の高い交付
・特定のプロジェクトの実行を支援し、国家的に重要な改革を促進し、またはかかる改革の実行に
対して報奨を付与するための、連邦による各州に対する国家連携に係る交付
・GST歳入の各州に対する全額交付の継続
州政府、準州政府およびオーストラリア政府の優先事項が時折異なり、また競合することがあるた
め、クイーンズランド州およびその他の政府の継続的な課題は、当該枠組みの当初の意図が維持され
ることである。
国民医療保健改革
国民医療保健改革協定(以下「NHRA」という。)が2012年7月1日に発効した。本制度により、連邦
による公立病院への資金供給は、主に病院での補完的活動のための効率的費用の45%に基づいて行わ
れ、これは2017/18年には50%に増加した。活動に基づく資金供給に適さないとみなされたより小規
模な病院については、連邦は業務にかかる費用の効率的成長の45%に資金供給を行った。
2017 年7月1日以降、NHRAの補完書類では、連邦による資金供給と活動レベルの間に関連性が継続し
てみられた。しかし、補完書類の条件に基づき、連邦による成長に対する資金供給は、2017/18年か
ら2019/20年までの3年間、45%に維持され、連邦による拠出金は、連邦による資金供給の年率6.5%
の拠出増加上限を課されている。
2020 年7月1日から2025年6月30日を対象とするNHRAの新しい補完書類が現在協議中である。すべての
準州は、公立病院の資金供給および医療保険改革に関する2018年基本合意書(以下「HoA」という。)
の関係者である。これは、現在の公立病院の資金供給の取り決めを維持するものであり、長期的なシ
ステム全体の医療保健改革を6つ実施するという公約を含むものである。HoAの条件に基づき、連邦は
補完書類の対象期間にわたるクイーンズランド州の公立病院サービスに対する資金拠出額を、30.1十
億ドルと見積もっている。
国民身体障害保険計画(以下「NDIS」という。)
2019 年7月9日、クイーンズランド州と連邦政府が計画全体の合意(以下「FSA」という。)に達し、
NDISは大きな節目を迎えた。
NDIS はクイーンズランド州の全地域において、クイーンズランド州のすべての適格な住民が利用可
能である。しかし、参加者の移行が遅れていることを踏まえ、クイーンズランド州と連邦の両政府
は、NDIS移行双務協定を一時的に継続することで合意し、FSAは2020/21年に開始する。
FSA の開始から、クイーンズランド州は年間2.13十億ドル(2020/21年の通年期)の固定拠出を行
い、2028年の制度費用の見直し(この時点で増加率も見直される。)まで、これを年率4%増加させ
る。
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連邦政府はクイーンズランド州におけるNDIS費用の残金を支払うことを約束しており、また、
2019/20年から2023/24年の間、クイーンズランド州に障害ケア・オーストラリア基金(DCAF)から
1.95 十億ドルの利用を提供する。
Quality Schools
オーストラリア政府によるQuality Schools政策に基づくクイーンズランド州の公立学校のための資
金調達は、2019/20年に1.882十億ドルとなる(2022/23年までの4年間で8.364十億ドル)。私立学校
のための資金調達は、2019/20年に2.690十億ドルとなる(2022/23年までの4年間で11.760十億ド
ル)。
2018 年12月、クイーンズランド州政府は、オーストラリア政府との間で、2019暦年から2023暦年を
カバーする5年間の学校資金調達契約を新たに締結した。これにより、クイーンズランド州のすべての
学校および学校部門の資金調達が確実なものとなり、2023年12月までの5年間におけるクイーンズラン
ド州政府による学校の資金調達への拠出が設定され、2019年から2023年におけるオーストラリア政府
からクイーンズランド州の公立学校および私立学校への約24.3十億ドルの資金供給が確保された。
2019 年度連邦補助金委員会(以下「CGC」という。)によるGST歳入分配補正係数に関する報告
2019 年2月、CGCは、GSTの分配を決定するために州の状況の変化を考慮した、CGCによるGST歳入分配
補正係数に関する報告-2019年更新(以下「2019年CGC最新報告」という。)の結果を公表した。2019
年CGC最新報告では、2019/20年に583百万ドルの基礎的影響を伴う、GST歳入のクイーンズランド州の
比率の減少が提言された。2019年CGC最新報告の結果には、各州のGST比率に関する方法の変更の影響
のほかに、各州の状況の変化およびCGCの査定において用いられたデータの修正の影響が包含される。
クイーンズランド州のGST比率の減少は、クイーンズランド州が他の州に比べて必要経費を賄うため
の財政能力が高いとCGCが判断したことによるものである。クイーンズランド州は石炭価格の上昇およ
び連邦からの支払い割合の増加により鉱区使用料の徴収能力が高いと評価されている。GST比率は、
CGCによる、地方政府の自然災害復旧費をもはや計上しないこととした旨の決定により、さらに減少し
た。これら要因によるGSTへの影響は、クイーンズランド州の地価上昇率が平均を下回り、それにより
州の課税対象地価の割合が減少し、GST比率が増加したことにより、一部相殺された。
(ハ)公債
クイーンズランド州の公共部門の負債は、いくつかの独立した範疇から成っている。
-連邦に対する公債
-連邦に対する他の州債務
-保証付のQTCの債務およびその他の保証付借入債務
-偶発債務
1995 年4月に連邦政府およびクイーンズランド州政府は、クイーンズランド州が連邦に対する負債を
事前償還するという契約(金融協定)を締結した。この契約は1995年7月に遂行された。
連邦に対する州債務
金融協定に基づいて州に対して貸付けられた資金に加え、連邦政府は、連邦と州との間で合意され
た多様なプログラムに従って、州に資金を貸付けている。一般的に、これらの資金は、合意されたプ
ログラムの条項に従って他の者に貸付けられ、州への返済は最終借入者の収入からなされる。クイー
ンズランド州による貸付の場合、その債務は一般的に最終借入者の有形資産上の州の担保権によって
担保されている。
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次の表は、この範疇の負債に基づいて連邦が行った貸付残高の概要を示すものである。
連邦に対する州債務(期末現在)
(単位:百万ドル)
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
連邦および州住宅建設
379 369 351 337 323 308 293 278
その他(自然災害救済協定
93 98 203 288 191 178 169 146
を含む)
合計 472 467 554 625 514 486 463 424
クイーンズランド州財務公社保証付借入債務
現在までのQTCの主たる機能は、クイーンズランド州の政府機関に対してQTCが調達した資金の貸付
を行う中央金融機関の役割を果たすことであった。クイーンズランド州の財務相は、州政府の財務相
に代わって、QTCにより発行されたすべての債務証券の債務を保証する。過去5年間のそれぞれの会計
年度末現在のQTCの保証付借入債務(市場価格)およびその各種借入機関への配分は、以下の表に詳し
く示されている。
(単位:百万ドル)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
負債の配分
クイーンズランド州政府各省庁
教育・訓練省 58 53 48 43 -
州開発省 79 75 66 58 -
幹線道路省 852 758 749 668 -
運輸省 105 105 - - -
住宅・公共工事省 15 14 10 9 -
厚生省 71 58 43 - -
州財務省 43,605 37,324 32,728 30,400 33,173
その他 153 164 185 205 210
政府所有法人
CSエナジー・リミテッド 939 966 924 720 654
エナジー・クイーンズランド・
- 18,497 17,767 17,607 18,912
リミテッド
エネルジェクス株式会社 7,006 - - - -
アーゴン・エネルギー・
5,507 - - - -
コーポレーション・リミテッド
港湾当局および施設(各種) 962 947 1,401 1,403 1,482
クイーンズランド州送電
4,762 5,526 5,371 5,355 5,647
株式会社(パワーリンク)
スタンウェル・コーポレーション 903 981 937 921 970
地方政府
ブリスベン市議会 2,404 1,927 2,283 2,195 2,184
ケアンズ市議会 97 96 86 110 123
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フレーザー・コースト地方議会 170 160 138 119 103
グラッドストン地方議会 186 171 155 144 141
ゴールド・コースト市議会 878 876 786 723 702
イプスウィッチ市議会 277 300 280 257 345
ローガン市議会 285 292 229 214 211
マッカイ地方議会 224 224 201 185 177
モレトン・ベイ地方議会 454 471 444 435 443
レッドランド市議会 63 59 51 45 42
ロックハンプトン地方議会 172 172 155 132 128
サンシャイン・コースト地方議会 297 340 308 307 354
トゥーンバ地方議会 185 215 193 181 180
タウンズビル市議会 389 409 427 396 448
その他 820 794 713 697 722
公法人団体
中等学校 114 114 104 94 89
SEQウォーター 10,863 11,522 10,949 10,827 11,617
ユニティーウォーター 418 432 419 416 435
大学 280 334 373 407 493
水供給委員会 236 246 253 280 281
その他 169 151 202 261 336
その他の団体
DBCTホールディングズ・
148 139 130 122 113
プロプライアタリー・リミテッド
クイーンズランド・レール・リミテッド 3,386 3,455 3,627 3,666 3,901
クイーンズランド・アーバン・ユーティリ
1,579 2,124 2,070 2,067 2,215
ティーズ
309 329 296 287 299
その他
貸付資金総額
89,419 90,823 85,102 81,952 87,129
12,013 9,856 13,361 14,580 14,884
未配分借入金
保証付債務合計額 101,432 100,679 98,463 96,532 102,013
QTC は国内外の資本市場から資金を調達しており、2019年期末現在、管理下にある借入の市場価格は
102.013十億ドルで、このうち1.687十億ドルが海外の資金調達プログラムの下で発行された債務で
あった(2019年期末の外国為替相場に基づく。)。QTCは金利および通貨スワップならびにその他の
ヘッジおよび通貨転換取引を通じて外国債務ポートフォリオをヘッジしている。
以下の表はそれぞれ今後5年間およびその後に弁済期日が到来するQTCの未払負債の2019年期末現在
における契約時満期を示している。償還額計上については償還にかかる証券等の額面価額が用いられ
ている。したがって、前段落において示された負債の市場価格との比較は不適切である。
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QTC の未払負債(額面価額)
償還満期分析
(単位:百万ドル)
国外からの 国内における
合計
(1) (2)(3)
債務 債務
0~3ヶ月
306 4,167 4,473
3~12ヶ月 57 9,258 9,315
1~5年 0 29,888 29,888
1,010 45,271 46,281
5年超
合計 1,373 88,584 89,957
(1) これらの統計は、決算日において適法な外国為替相場で豪ドルに換算されたものであり、通貨スワップおよび為替
先物予約の純効果は含まない。QTCのアメリカ合衆国およびヨーロッパのコマーシャル・ペーパー・ファシリティに
おいて、2019年期末現在未借入となっている255百万米ドルがこの中に含まれている(2018年は863百万米ドルで
あった。)。また、アメリカ合衆国およびヨーロッパのユーロ・ミディアム・ターム・ノート(MTN)ファシリティ
において、2019年期末現在、708百万米ドルが未償還となっている(2018年は713百万米ドルであった。)。
(2) 負債額については額面価額で計上されている。
(3) QTCの豪ドル政府債券ファシリティにおいて、2019年期末現在未償還となっている5,020百万豪ドルがこれらの合計
値に含まれている(2018年は4,255百万豪ドルであった。)。
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QTC の未払債務
国内における豪ドル建未払債務(2019年期末現在)
クーポンレート
満期日 額面価額(豪ドル) 市場価格(豪ドル)
(年率)(%)
QTC債
6.25% 2020年2月 7,999,191,000 8,439,735,847
6.00% 2021年6月 786,200,000 863,941,571
5.50% 2021年6月 7,997,483,000 8,687,075,528
6.00% 2022年7月 8,283,400,000 9,697,628,635
4.25% 2023年7月 8,224,900,000 9,348,197,409
3.00% 2024年3月 750,000,000 814,012,060
5.75% 2024年7月 8,324,000,000 10,330,048,031
4.75% 2025年7月 8,246,500,000 9,996,717,639
3.25% 2026年7月 7,203,843,000 8,110,976,107
2.75% 2027年8月 5,776,000,000 6,295,585,518
3.25% 2028年7月 4,900,000,000 5,572,391,376
2.50% 2029年3月 1,250,000,000 1,332,478,983
3.25% 2029年8月 3,693,900,000 4,205,289,179
2.75% 2030年8月 536,358,534 661,957,364
3.50% 2030年8月 3,561,400,000 4,150,238,344
6.50% 2033年3月 1,149,807,000 1,784,563,179
4.20% 2047年2月 630,000,000 843,796,167
政府債券
各種 2019年7月 2,000,000,000 1,999,102,765
各種 2019年8月 1,320,000,000 1,318,080,515
各種 2019年9月 500,000,000 498,611,408
各種 2019年10月 250,000,000 249,187,533
各種 2019年11月 750,000,000 746,518,908
各種 2019年12月 200,000,000 198,969,029
変動利付債
1.08% 2022年2月 2,000,000,000 2,002,947,176
1.15% 2023年2月 1,600,000,000 1,605,251,648
その他ローン
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各種 2019年 61,243,500 61,895,254
各種 2020年 70,252,500 71,131,461
各種 2021年 62,975,000 64,591,278
各種 2022年 106,860,000 111,246,374
各種 2023年 36,000,000 36,932,867
合計 88,270,313,534 100,099,099,154
未払国外債務
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート(2019年期末現在)
額面価額 市場価格
発行年 クーポンレート 満期日 通貨
(豪ドル) (豪ドル)
スイス・
2011年 1.73% 2039年9月 160,820,719 207,745,671
フラン
2014年 2.65% 2039年4月 日本円 198,559,290 288,804,427
2016年 1.64% 2046年11月 ユーロ 650,260,544 740,865,616
合計 1,009,640,554 1,237,415,714
コマーシャル・ペーパー(2019年期末現在)
額面価額 市場価格
発行年 利回り 満期日 通貨
(豪ドル) (豪ドル)
2019年 2.58% 2019年8月 米ドル 142,555,625 142,244,164
2019年 2.55% 2019年7月 米ドル 71,277,813 71,273,172
2019年 2.42% 2019年9月 米ドル 35,638,906 35,490,263
2019年 2.42% 2019年9月 米ドル 57,022,250 56,725,325
2019年 2.23% 2019年11月 米ドル 57,022,250 56,572,393
2019年 2.14% 2019年7月 豪ドル 70,000,000 69,981,079
2019年 2.13% 2019年7月 豪ドル 74,000,000 73,979,998
2019年 2.13% 2019年7月 豪ドル 70,000,000 69,928,180
2019年 2.12% 2019年7月 豪ドル 100,000,000 99,962,934
合計 677,516,845 676,157,508
他の保証付債務および偶発債務
1996 年公法人財務調整法および公法人財務調整規則によって修正規定された1982年公法人財務調整
法の規定によると、公法人によって締結された金融上の協定は、クイーンズランド州政府を代理する
州財務大臣による保証を受けることがある。同法はまた、同法により置換えられた旧法の下で与えら
れた同種の保証を維持している。さらに、1982年公法人財務調整法に基づくその他の公法人による借
入に対する保証は、2012年経済発展法の下でこれを行うことができる。保証はまた住宅購入のための
資金を貸付けている住宅共同組合によってなされる借入に関しても与えられている。
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クイーンズランド州政府は、また、サンコープ保険金融公社(以下「サンコープ」という。)により
1996年12月1日以前に出されたすべての保険証券を保証する。サンコープは、サンコープ建設組合およ
びクイーンズランド州産業開発公社と共に1996年12月1日付でメットウェイ銀行と合併した。1996年州
政府機関およびメットウェイ合併助成法に従って、1996年12月1日以前にサンコープによって出された
保険証券、保険契約または保障は、クイーンズランド州政府により引き続き保証されることとなる。
豪ドルの為替相場
QTC およびクイーンズランド州の債務が額面表示され、相当外国為替に対して豪ドルで示される主要
通貨の為替相場は以下の表に示すとおりである。
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
通貨(年間平均)
米ドル
0.9184 0.8372 0.7285 0.7542 0.7754 0.7015
日本円 92.79 95.54 85.01 82.27 85.56 75.54
スイス・フラン 0.8307 0.7892 0.7135 0.7476 0.7526 0.6840
英ポンド 0.5653 0.5305 0.4917 0.5949 0.5760 0.5535
ユーロ 0.6771 0.6961 0.6564 0.6919 0.6499 0.6167
ニュージーランド・
1.1065 1.0757 1.0907 1.0587 1.0853 1.0459
ドル
出所:トムソン・ロイター
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オーストラリア連邦の概況
(1) 政治および外交
国家組織および政党
オーストラリアにおける連邦の立法権は、女王、上院および下院で構成される連邦議会に付与されて
いる。オーストラリアにおいて女王の権限を代表する者は連邦総督である。
上院議員および下院議員は共に全有権者の義務投票によって選出される。上院議員は、6年を任期とし
て6州から12名ずつ選出される。各州から選出される上院議員は3年ごとにその半数が改選される。さら
に、オーストラリア首都特別地域およびオーストラリア北部特別地域からそれぞれ2名ずつの上院議員が
選出されており、これら上院議員の任期は次回の下院の総選挙までとなっている。
下院は、3年を超えない期間を任期とする151名の議員により構成される。各州の下院議員の定員はほ
ぼその人口に比例している。
一定の場合には連邦総督は上下両院を同時に解散することができる。
次の表は過去7回の上院および下院の選挙結果を示したものである。
連邦選挙結果
2019 年5 2019 年
2001 年 2004 年 2007 年2010 年2013 年2016 年 2001 年2004 年2007 年2010 年2013 年2016 年
(2) (3)
上院 下院
月 5月
11月 10月 11月 8月 9月 7月 11月 10月 11月 8月 9月 7月
オーストラ オーストラ
28 28 32 31 25 26 26 65 60 83 72 55 69 68
リア労働党 リア労働党
自由党/国 自由党/国
35 39 37 34 33 31 35 82 87 65 73 90 76 77
(1) (1)
民党 民党
オーストラ
(5)
無所属 2 1 1 3 2 1 1 1 1
1
リア緑の党
統一オース
オーストラ
トラリア党
8 4 1
リア民主党
(8)
ポーリン・
ハンソン率
カッター率
(8)
いるワン・
1 2 いるオース 1 1 1
2
ネーション
トラリア党
(7)
党
オーストラ
2 4 5 9 10 9 9 無所属 3 3 2 4 2 2 3
リア緑の党
センター・
アライアン
家族第一党 1 1 1 1 1
(4)
ス党
民主労働党 1
統一オース
(8)
トラリア党
1
1
(6)
自由民主党 1 1
オーストラ
リア自動車 1
愛好者党
センター・
アライアン
1 2 2
(4)
ス党
デリン・ヒ
ンチ率いる 1
正義党
オーストラ
1
リア保守党
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ジャッキ・
ランビー・
1
ネットワー
ク
計 76 76 76 76 76 76 76 計 150 150 150 150 150 150 151
(1) 自由党/国民党には、自由国民党(Qld)、北部准州自由党が含まれる。
(2) 上記の表は、2019年11月22日のオーストラリア連邦議会のウェブサイトを出所とする情報を反映している。
(3) 上記の表は、2019年11月22日のオーストラリア選挙管理委員会のウェブサイトを出所とする情報を反映してい
る。
(4) 2016年の連邦選挙の時点で同政党はニック・クセノフォンチームとして知られ、2018年6月8日にセンター・アラ
イアンス党に党名変更された。
(5) 無所属の上院議員はコリー・ベルナルディ(南オーストラリア州)である。
(6) 旧パーマー統一党。
(7) 旧ワン・ネーション党。
(8) 2018年6月18日に、ブライアン・バーストン上院議員はワン・ネーション党を離党し、統一オーストラリア党に入
党した。
出所:オーストラリア選挙管理委員会およびオーストラリア連邦議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所ならびに州および
特別地域の裁判所に付与されている。限定された特定の事項に関して、高等裁判所は固有の裁判管轄権
を有している。高等裁判所はまた、連邦裁判所ならびに各州および特別地域の上級裁判所からの上訴に
つき管轄権を有する。
オーストラリアは外向的な国家であり、世界の他の国々と強固な関わりを持っている。2世紀超にわた
り、オーストラリアは多くの国々と強固で揺るぎない関係を築いてきた。これらの関係は、歴史、共通
(1)
の戦略的利益、貿易および人と人との関わりを通じて少しずつ進展してきた。
オーストラリアは、多くの世界機関および地域機関に参加している。オーストラリアは、国連の原加
盟国であり、国連の通常予算および平和維持予算の主要な分担国の1つである。オーストラリアは、ルー
ルに基づいた国際秩序の構築に積極的に尽力しており、それは万国および万民の利益を推進し保護する
(2)
ものである。
オーストラリアは、人種または宗教によってではなく、政治、経済および宗教の自由、自由民主主
義、法規範、人種およびジェンダーの平等ならびに相互尊重を含む共通の価値観によってそのナショナ
(3)
ル・アイデンティティを定義する。
オーストラリアの価値観は、国際社会へ関与する際の土台において重要な要素である。オーストラリ
アの政治、経済および宗教の自由、自由民主主義、法規範、人種およびジェンダーの平等ならびに相互
尊重への支持は、オーストラリアがどのような国家であるか、またオーストラリアがどのように世界と
向き合っているかを反映している。その価値観により、国内の強固で公正な密着型の社会は支えられて
(4)
おり、それはオーストラリアの国際的影響力の源となっている。
(1) オーストラリア政府(外務省)、オーストラリア・アンド・ザ・ワールド、2019年12月12日アクセス現在。
https://dfat.gov.au/about-australia/australia-world/Pages/looking-outward.aspx
(2) ibid
(3) オーストラリア政府(外務省)、2017年外交政策白書、2019年12月12日アクセス現在。
https://www.fpwhitepaper.gov.au/
(4) ibid
次の表はオーストラリアが加盟している主な国際金融機関を示すものである。
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加盟年
国際通貨基金 1947
国際復興開発銀行 1947
国際金融公社 1956
国際開発協会 1960
投資紛争解決国際センター 1975
多数国間投資保証機関 1996
アジア開発銀行
通常財源 1966
特別基金 1970
欧州復興開発銀行 1991
アジアインフラ投資銀行 2015
オーストラリアは広範な世界的および地域的連携に積極的に取り組んでいる。
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(2) 最近の経済の動向
オーストラリア経済は、28年連続での経済成長を記録した。オーストラリアの実質国内総生産(以下
「GDP」という。)は、2017/18年の2.9%の成長率と比較して、2018/19年において1.9%上昇した。そ
れに対し、OECD全体での成長率は2018/19年では1.8%、2017/18年では2.8%となり、G7経済の成長率
は2018/19年では1.8%、2017/18年では2.4%となった。
次の表は、2014/15年から2018/19年までの期間における産業構成要素別のオーストラリアのGDPを示
したものである。
(1)
産業別総付加価値
(CVM 基準年2017/18年)
(単位:百万豪ドル)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
農業、林業および漁業 46,027 42,624 46,636 45,418 40,702
鉱業 134,601 142,730 144,554 151,403 160,614
製造業 107,943 105,310 104,668 106,848 105,267
電気、ガス、水道および廃棄物処
44,296 45,453 45,469 46,281 46,442
理
建設業 142,137 139,583 135,239 141,667 136,792
卸売業 63,522 65,620 69,422 70,559 71,343
小売業 71,646 73,943 75,337 77,521 78,282
ホテルおよび飲食サービス 39,649 41,336 41,581 42,661 42,924
運輸、郵便および倉庫 79,895 81,420 83,961 85,545 85,602
情報、メディアおよび電気通信 37,416 40,183 41,497 44,330 45,466
金融および保険サービス 146,097 152,674 157,806 160,971 164,246
賃貸借および不動産サービス 48,890 52,729 54,481 54,560 55,698
専門、科学および技術サービス 108,363 112,312 119,715 126,274 130,776
行政支援サービス 55,227 56,625 58,397 61,293 64,631
行政および安全 90,231 93,722 94,125 95,653 97,964
教育および研修 83,095 85,177 86,081 87,295 89,321
保健および社会扶助 109,644 113,631 119,595 127,111 136,565
芸術および娯楽サービス 13,943 14,432 14,648 15,054 15,833
その他のサービス 30,820 31,478 31,889 32,560 34,126
住宅不動産運用 142,968 146,067 149,648 152,707 156,172
基準価格における総付加価値 1,595,105 1,636,189 1,674,771 1,725,711 1,758,767
(1) 産業別総付加価値は税金を控除し補助金を加えた実質総生産額を表す。
出所:オーストラリア統計局カテゴリー番号5204.0、オーストラリア国民経済計算体系、2018/19年
農業
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2018 /19年までの5年間にわたって農業、林業および漁業は平均して産業別総付加価値の2.6%を占め
た。オーストラリアの主要な農産物には、牛および子牛、小麦、果実およびナッツ、羊毛、全乳、野
菜、 羊および子羊、鶏肉、綿花、大麦ならびに菜種油が含まれる。
鉱物およびエネルギー
オーストラリアは鉱物資源の量も種類も豊富な国である。オーストラリアは鉄鉱石、石炭、ボーキサ
イト、銅、鉛、亜鉛、ニッケルおよび砂鉱の主要生産国であると同時に、世界最大の輸出国の1つでもあ
る。
1960 年代の半ば以降、天然資源開発はオーストラリアの経済成長において重要な役割を果たしてい
る。また、鉱物および半加工金属の輸出収入はオーストラリアの輸出収入総額のさらに重要な構成要素
の1つとなっている。
さらに、液化天然ガス(LNG)の産出高増加を目指した現在の拡張投資により、LNGはオーストラリア
の主要な輸出品の1つとなった。
中国は、オーストラリアにとって最大の輸出市場として日本を上回った。2018/19年には、オースト
ラリアの商品輸出のうち36.0%が中国向けであったのに対し、日本向けのものは15.6%であり、日本は
オーストラリアにとって2番目に大きな輸出先となった。主として価格の上昇により、2018/19年におけ
るオーストラリアの対中商品輸出の名目値は26.7%増加した(133.9十億豪ドルとなった)一方、対日商
品輸出の名目値は21.0%増加した(58.1十億豪ドルとなった)。
製造業
2007 /08年にかけた過去30年間、製造業は実質的に総じて拡大したが、それ以降概して縮小した。 近
年の為替レートの下落に支えられ、オーストラリアにおける製造業の生産高は、2017 /18年において
2011 /12年以来初めて増加した(2.1%増)。しかしながら、2018 /19年 における製造業の生産高は、当
年に為替レートがさらに下落したにもかかわらず、 再び減少した(1.5%減)。
製造業生産高の産業別総付加価値に占める割合は、1989/90年の15.0%(入手可能な最初の名目デー
タ)から2018/19年の6.0%まで徐々に低下した。この変化は主としてサービス部門の重要性の増大によ
るものであり、ほとんどの西側先進国と一致している。
オーストラリアにおける製造業は、大都市に集中している。これは市場に近接していることおよび労
働力が豊富であるということ以外に、輸送や通信面で潜在的なスケールメリットがあることを反映して
いる。
運輸業
オーストラリアでは、国土面積が広いことおよび国内の各種資源が広範囲に分散しているために、運
輸が経済活動上重要となっている。憲法上、州間および国際間の運輸ならびに特別地域との間および特
別地域内での運輸については連邦議会が規制権限を有している。各州は、憲法および連邦議会が制定す
る法律の範囲内で、各州内における運輸活動を規制できる。
通信業および放送業
オーストラリアの郵便事業はオーストラリア郵便公社(オーストラリア・ポスト)が、多くの民間宅
配事業者と共同で担当している。過去20年間にわたり、オーストラリアの電気通信業は市場競争に対し
て開かれており、現在は多くの電気通信サービス業者が競争的環境の下で業務を遂行している。
また、ブロードバンド・インターネットサービスは連邦内すべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は現在、ナショナル・ブロードバンド・ネットワーク(以下「NBN」という。)を構築中で
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あり、これらは、ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス/ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノー
ド、固定式ワイアレスおよびサテライト通信から構成される「マルチテクノロジー混合型」ネットワー
クを通じて提供することが期待されている。NBNは目標を修正し、国内の全世帯では最低25メガビット毎
秒、また固定式を使用している世帯の90%では最低50メガビット毎秒のデータ転送レートを提供すると
している。2019年11月21日現在、合計10,323,588世帯/企業がサービスを受ける準備が整っていると公
表されている一方、合計6,293,184世帯/企業において、導入されたサービスが稼動している。
政府が出資するオーストラリア放送公社(ABC)は、全国ネットのラジオ、テレビおよびオンライン・
サービスを提供しており、政府所有の特別放送公社(SBS)により多文化および多言語の放送サービスも
提供されている。これらの事業に加えて、オーストラリアには多くの商業ラジオ局および商業テレビ局
がある。
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(3) 通貨および金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦に与えている。オーストラリアの銀行券の発行量に関する
法令上の制限は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させ得る。
オーストラリアの銀行券はRBA当局によって5ドル、10ドル、20ドル、50ドルおよび100ドルの券種で発
行および印刷され、RBAの全支店における発券センターを通じて商業銀行に配布される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行、商業銀行、住宅金融組合および信用組合で構成されてい
る。一般に、中央銀行であるRBAの義務、権限および業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すな
わち発券業務の管理、通貨および流動資産の管理業務、連邦政府証券の運用、連邦のための国庫および
金融代理業務ならびに外国為替業務の管理等である。
RBA からの支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関および資本市場
オーストラリアにおいて、銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、州および連邦の財務サー
ビス提供者を含めて、金融市場会社、金融会社、証券化業者、保険会社およびファンド・マネージャー
である。これらの金融機関は共に広範囲な金融サービスを提供し、金融制度およびオーストラリア経済
の発展に重要な貢献をしてきた。実際、2018/19年においては金融・保険サービスがオーストラリアの
最大産業であり、総付加価値率は9.3%であった。
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(4) 貿易および国際収支
概況
オーストラリアの経済において外国との貿易は重要な役割を果たしている。
2018 /19年までの5年間のオーストラリアの輸出入商品の構成は、次のとおりである。
商品別商品輸出入
(単位:百万豪ドル)
(P)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
2018/19年
輸出
食肉 12,972 12,255 11,060 12,603 14,757
穀物 8,888 7,987 9,345 7,933 6,394
織物用繊維 4,404 4,221 5,131 6,201 6,463
(1)
16,596 18,928 21,313 20,676 20,505
その他の農産物
(2)
38,039 34,542 54,237 60,379 69,597
石炭、コークスおよび練炭
金属 89,596 79,981 95,439 100,099 122,812
その他の鉱物燃料、潤滑油および
28,946 24,906 31,431 42,860 64,303
関連原料
(3)
13,506 16,585 18,979 19,293 18,867
非貨幣用金
機械および輸送機器 15,532 15,972 14,878 14,579 16,394
その他の製品 18,040 19,820 20,520 22,400 25,498
(4)
8,033 8,227 8,546 7,455 6,695
その他
商品輸出合計 254,551 243,423 290,880 314,478 372,286
輸入
食品、動物、飲料およびたばこ 15,587 17,322 17,354 17,889 19,868
原料、非食品(燃料を除く) 3,218 3,215 3,257 3,842 3,499
鉱物燃料、潤滑油および関連原料 33,897 24,735 26,922 34,732 40,131
金属製品 16,492 14,739 12,727 14,747 15,467
機械および輸送機器 99,429 106,981 104,616 124,468 123,098
その他の製品 76,950 84,768 83,699 86,162 93,120
その他 11,395 11,504 15,433 19,319 11,472
商品輸入合計 256,968 263,264 264,008 301,159 306,655
商品貿易収支 (2,417) (19,841) 26,872 13,319 65,631
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」の
項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(P) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
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2014 /15年から2018/19年までの各会計年度のオーストラリアの貿易の地域分布の構成比は次の表の
とおりである。
地域別商品貿易分布(主要国)
(P)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
2018/19年
輸出 % % % % %
中国 29.4 30.8 32.7 33.6 36.0
日本 17.3 14.5 14.2 15.3 15.6
韓国 7.1 7.0 6.7 6.6 6.7
インド 3.8 3.9 5.2 5.1 4.3
アメリカ合衆国 5.0 5.4 4.1 3.7 3.8
ニュージーランド 3.2 3.5 3.0 2.9 2.7
台湾 2.6 2.5 2.8 2.9 3.3
英国 1.4 2.9 2.5 2.0 2.1
カナダ 0.5 0.7 0.6 0.5 0.6
(1)
15.5 14.2 14.9 14.7 13.5
その他のアジア諸国
(2)
3.8 4.4 4.6 4.3 4.1
その他の欧州諸国
その他の諸国 10.3 10.2 8.8 8.3 7.2
輸出合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸入 % % % % %
中国 22.2 23.3 23.1 22.5 25.4
アメリカ合衆国 10.7 11.4 11.2 9.9 10.7
日本 7.1 7.3 7.8 7.3 7.2
韓国 5.5 5.0 4.2 7.2 4.0
ニュージーランド 3.0 2.9 2.9 2.6 2.6
英国 2.4 2.9 2.5 2.4 2.4
インド 1.5 1.8 1.7 1.8 1.6
台湾 1.9 1.7 1.6 1.4 1.7
カナダ 0.9 0.8 0.8 0.7 0.8
(1)
18.5 17.4 17.2 16.5 17.4
その他のアジア諸国
(2)
15.8 16.9 17.1 16.6 17.0
その他の欧州諸国
その他の諸国 10.7 8.7 9.9 11.0 9.3
輸入合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
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(1) オーストラリア統計局に定義される東南アジア、北東アジアおよび南・中央アジア(日本、韓国、インド、台湾
および中国を除く。)を含む。
(2) オーストラリア統計局に定義される北西ヨーロッパおよび南東ヨーロッパ(英国を除く。)を含む。
(P) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
対日貿易
2009 /10年に中国が日本を上回るまで、オーストラリアにとって日本は最大の商品輸出市場であっ
た。次の表は、オーストラリアと日本との2018/19年までの5年間の商品貿易の構成を示したものであ
る。
オーストラリアの対日商品貿易
(単位:百万豪ドル)
(P)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
2018/19年
輸出
食肉 2,175 2,186 2,294 2,511 2,712
穀物 517 587 677 720 716
織物用繊維 40 47 42 47 53
(1)
1,723 1,776 1,743 1,969 2,206
その他の農産物
(2)
11,804 11,203 15,174 17,101 19,288
石炭、コークスおよび練炭
金属 10,793 7,372 8,263 8,972 9,469
その他の鉱物燃料、潤滑油およ
518 552 637 711 512
び関連原料
(3)
26 38 22 0 0
非貨幣用金
機械および輸送機器 206 211 233 275 346
その他の製品 659 734 733 828 880
(4)
15,488 10,566 11,546 14,895 21,958
その他
商品輸出合計 43,949 35,272 41,364 48,030 58,140
輸入
食品、動物、飲料および
101 132 146 168 197
たばこ
原料、非食品(燃料を除く) 31 33 32 42 43
鉱物燃料、潤滑油および関連原
3,067 2,588 2,523 3,029 4,006
料
金属製品 1,636 1,120 388 481 364
機械および輸送機器 10,944 11,812 12,707 13,869 13,901
その他の製品 1,923 2,033 2,048 2,137 2,334
その他 534 1,422 2,815 2,289 1,209
商品輸入合計 18,236 19,140 20,659 22,014 22,053
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」
の項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
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(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(P) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
国際収支
次の表は、2018/19年までの5年間におけるオーストラリアの国際収支の詳細を示している。
(1)
国際収支-経常取引
(単位:百万豪ドル)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
商品
輸出 255,464 244,029 291,481 315,257 373,053
輸入 (268,719) (271,563 ) (277,822 ) (302,404 ) (319,805)
商品貿易収支 (13,255 ) (27,534 ) 13,659 12,853 53,248
サービス
受取 69,210 75,676 82,288 88,103 97,117
支払 (80,725 ) (85,932 ) (85,076 ) (93,241 ) (101,589 )
サービス (純額 ) (11,515 ) (10,256 ) (2,788 ) (5,138 ) (4,472 )
商品・サービス収支 (24,770 ) (37,790 ) 10,871 7,715 48,776
収益
受取 53,157 52,177 54,817 58,944 69,936
支払 (86,368) (91,475 ) (102,766 ) (116,709 ) (131,560)
収益 (純額 ) (33,210) (39,297 ) (47,949 ) (57,765 ) (61,624 )
移転
受取 8,573 8,884 8,898 9,155 9,718
支払 (10,354) (9,750 ) (10,621 ) (10,215 ) (10,513)
移転 (純額 ) (1,781) (866 ) (1,723 ) (1,060 ) (795)
経常収支 (59,761 ) (77,953 ) (38,801 ) (51,110 ) (13,643)
(1) 商品貿易収支は、集計時期、算定方法の不適合および機密性の問題により輸出データとは異なるものであ
る。四捨五入により、データの合計は合致しない場合がある。
出所:オーストラリア統計局カテゴリー番号 5302.0 、国際収支および国際投資ポジション
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国際収支-金融取引
(単位:百万豪ドル )
2014 /15年 2015 /16年 2016 /17年 2017 /18年 2018 /19年
直接投資 40,186 61,923 65,093 61,774 68,773
ポートフォリオ投資 47,623 (35,282 ) 18,179 13,959 (81,879)
デリバティブ投資 4,931 (4,211 ) (1,280) (11,282 ) (8,447)
その他の投資 (33,406) 55,111 (22,909 ) (15,222 ) 42,129
準備資産 2,122 2,394 (19,631) 8,952 3,785
金融収支 61,455 79,935 39,452 58,179 24,363
出所:オーストラリア統計局カテゴリー番号 5302.0 、国際収支および国際投資ポジション
外貨準備
2018 /19年までの 5年間におけるオーストラリアの公的外貨準備は、国際通貨基金の外貨準備持高を含
めると次のとおりである。
(1)
公的外貨準備
(6月30日現在)
(単位:百万豪ドル )
2014 /15年 2015 /16年 2016 /17年 2017 /18年 2018 /19年
金および外貨 75,904 79,064 97,625 92,990 86,158
豪ドル建証券合計 87,635 87,647 101,154 104,323 97,381
ローンおよび貸付金 3 2 2 2 1
決済項目 714 381 296 511 477
その他資産 975 1,147 1,249 1,362 1,394
資産合計 165,231 168,241 200,326 199,188 185,411
(1) 豪ドルへの換算は表示された日における外国為替市場レートに基づいている。ただし、金はロンドン金市場
の当該月の平均価格で評価され、その月の末日の為替レートで豪ドルに換算されている。
出所: RBA
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豪ドルの為替レート
2018 /19年において 1豪ドルは前年の 0.7754 米ドルから平均 0.7154 米ドル と7.7 %下落した。同様に、
2018 /19年中、日本円に対し 1豪ドルは下落し、平均 79.50 円と前年比で 7.1 %下落した。
豪ドルは 2011 年7月下旬に 1.10 米ドルを超える最高値となり、その後 2年間の大半にわたり、等価に近
い水準で推移した。ただし、その後豪ドルは弱含みで、 2019 年12月上旬までに 0.6825 米ドルとなった。
豪ドルの下落は、大規模な観光産業および教育産業を含む、オーストラリアの輸出を下支えする要因
になろう。
為替レート(日次)
(出所:トムソン・ロイター)
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