ロイヤル・バンク・オブ・カナダ 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | ロイヤル・バンク・オブ・カナダ |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2020年3月6日
【事業年度】 自 2018年11月1日
至 2019年10月31日
【会社名】 ロイヤル・バンク・オブ・カナダ
(Royal Bank of Canada)
【代表者の役職氏名】 エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント、トレジャラー
(Executive Vice-President and Treasurer)
ジェームズ・サーレム
(James Salem)
ヴァイス・プレジデント、コーポレート・トレジャリー
(Vice-President, Corporate Treasury)
デビッド・M・パワー
(David M. Power)
【本店の所在の場所】 H3C 3A9 カナダ ケベック州モントリオール
プレイス・ヴィル・マリー1
(1 Place Ville Marie, Montreal, Quebec, Canada H3C 3A9)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 小 林 穣
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 白 川 もえぎ
弁護士 佐 藤 誠 高
弁護士 廣 野 泰 喜
弁護士 三 角 侑 子
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1556
【縦覧に供する場所】 該当事項なし。
(注1) 別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ドル」、「$」および「C$」は、カナダドルを指すものとし、
「U.S.$」は米ドルを指すものとする。本書において、別段の記載がある場合を除き、便宜上記載されている円貨
換算額は、1カナダドル=81.96円の換算レート(2020年2月3日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売
買相場仲値)により計算されている。なお、同日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場仲値は、1
米ドル=108.52円である。
(注2) 本書において、文脈上別段の記載または解釈がなされる場合を除き、「当グループ」または「RBC」は、ロイヤル・
バンク・オブ・カナダおよびその子会社を、「当行」はロイヤル・バンク・オブ・カナダを指す。
(注3) 当行の事業年度は、11月1日に始まり翌年の10月31日に終了する。
(注4) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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将来の予測に関する記述についての注意
当グループ は随時、書面または口頭を問わず、1995年米国私的証券訴訟改革法および適用あるカナダの証券法に
おけるセーフハーバー条項を含む一定の証券法における 将来の予測に関する発表を行う。当グループは、本書に記
載される将来の予測に関する記述を、カナダの規制当局もしくは米国証券取引委員会(SEC)に対するその他の提
出書類、または株主への報告およびその他の情報に記載することがある。本書に記載される将来の予測に関する記
述は、 当グループの 財務業績 目標、展望および戦略的目標、カナダ、米国、ヨーロッパおよび世界の経済に関する
「経済、市場および規制の概観および展望」、当グループが営業する規制環境、当グループの各事業セグメントに
関する「戦略的優先事項」および「見通し」の各項、 流動性リスクおよび資金調達リスクならびに当グループの環
境およびガバナンス関連への影響および目標を含むリスク環境に関する記述を含むがこれらに限られない。本書に
含まれる将来の予測に関する記述は、当グループの有価証券の保有者および金融アナリストが、記載の日付および
記載の日に終了した期間における当グループの財務状況および業績ならびに当グループの財務業績目標、 展望およ
び 戦略目標を理解する一助として掲載するものであり、その他の目的には適切ではない場合がある。将来の予測に
関する記述は、「考える」、「予期する」、「見越す」、「予見する」、「予想する」、「意図する」、「推定す
る」、「目標とする」、「する予定である」および「計画する」等の用語ならびに「することとなる」、 「する可
能性がある」、 「すべきである」、「かもしれない」または「だろう」等の類似する将来を表す表現または条件付
の意味を有する動詞により、主として表される。
将来の予測に関する記述には、その性質上、仮定することが必要となり、特有の内在するリスクおよび不確実性
に左右される。そのため、当グループの予測、予見、見通し、予期または結論は正確であることが証明されない、
我々の仮定が正確でない、また我々の財務業績目標、 展望および 戦略的目標が実現しない可能性がある。 多くのリ
スク要因により、当グループの実際の業績が 将来の予測に関する記述に記載されている予想から大きく乖離する可
能性があるため、 これらの 記述に過度に依拠しないよう注意されたい。これらの要因(その多くは当グループの制
御し得ないものであり、その影響は予測が難しい場合がある。)には、下記「第一部 第3 2 事業等のリス
ク」のリスクの各項 および「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
のリスクの各項に記載されている、信用リスク、市場リスク、流動性リスクおよび資金調達リスク、保険リスク、
オペレーショナル・リスク、規制遵守リスク、戦略リスク、評判リスク、法的・規制的環境リスク、競争リスクな
らびにシステムに関するリスクおよびその他のリスク(情報技術リスクおよびサイバー・リスク、データ・リスク
および第三者関連リスク、地政学的な不安定性、カナダの住宅および家計債務、規制の変更、デジタル・ディスラ
プションおよびイノベーション、気候変動、 当グループが事業を行っている 地域における事業および景気情勢、政
府の財政・金融政策およびその他の政策の変更の影響、税金リスクおよび透明性 ならびに環境リスクおよび社会リ
スクを含む。) が含まれる。
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上記は、リスク要因をすべて網羅しているわけではなく、他の要因が当グループの業績に悪影響を与える可能性
がある。当グループに関する判断を行うために当グループの 将来の予測に関する記述に依拠する場合、投資家およ
びその他の者は、 前述の要因およびその他の不確定要素および潜在的事象を、慎重に検討 すべきである。本書に含
まれる将来の予測の根拠である経済に関する重大な前提は、下記「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析」の「経済、市場および規制の概観ならびに展望」の項に記載され、各事業セ
グメントについては「戦略的 優先事項」および「見通し 」の各項に記載されている。法令により別途必要とされる
場合を除き、 当グループは、書面または口頭の如何を問わず、当グループによりまたは当グループのために随時行
われる 将来に関する予測を最新のものにすることを保証するものではない。
かかる要因およびその他の要因についての追加情報については、下記「第一部 第3 2 事業等のリスク」の
リスクの各項および「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」のリス
クの各項を参照のこと。
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第一部 【企業情報】
第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
カナダにおいて銀行に適用される法令は銀行法(以下「銀行法」という。)であり、これはカナダ国会によ
り制定された連邦法である。銀行以外のカナダの会社の大多数は、連邦法であるカナダ事業会社法、もしくは
各州の州法である会社法に基づいて設立される。
銀行はカナダ国会の特別法もしくは免許状によってのみ設立が可能であり、銀行法に従ってのみ存続するこ
とが可能である。銀行法は、銀行法が各銀行の免許状であることを明確に規定しており、従って銀行は個々の
基本定款を持たない。各銀行は銀行法に反しない限りにおいて、銀行の事業および業務一般を規制するための
附属定款を設けることができる。当行の附属定款の要約は後記(2)に述べられている。
銀行およびその子会社は銀行法以外の一定の連邦および州の一般法規にも服している。カナダには連邦法と
しての有価証券法は存在しないが、各々の州および淮州にはその法域内での有価証券の発行・取引を規制する
独自の有価証券に関する法律がある。
銀行法の規定の概要は次のとおりである。
銀行法に従い、銀行は自然人と同様の権利、権限および特権を有し、銀行業務および銀行業務に関連する事
業に従事することができる。銀行の名称はその免許状に記載される。銀行の附属定款は、株式の種類、権利、
特権、制限および各種類の株式に付帯する条件および各種類別の最大株式数を定めることができる。銀行は銀
行法が銀行の設立定款に含めることを認めている規定を追加し、変更し、削除することに関する申請をカナダ
財務大臣(以下「大臣」という。)に提出することができる。かかる変更を有効に行うためには、特別議決が
なされなければならない。特別決議とは、当該決議事項に関して議決権を有する株主の3分の2以上によって
可決される決議または当該決議事項に関して議決権を有するすべての株主によって署名された決議をいう。
銀行の事業および業務を規定する附属定款は取締役会の決議によって定められるが、次回の株主総会で株主
の普通決議によって承認されなければならない。ただし、授権資本を変更し、種類株式を新設し、銀行株式の
名称を変更し、種類株式の数もしくは株式に付帯する権利、特権、制限および条件を変更し、取締役数もしく
は取締役の最小・最大員数を加減し、または銀行の本店が所在する州を変更するためには、特別決議を必要と
する。ある種類もしくはシリーズの株式に付帯する権利、特権、制限または条件の変更が提案される場合に
は、当該変更により影響を受ける株式の株主の承認も必要となる。特別決議が必要とされている場合等銀行法
で別段の要求がなされていない限り、決議ないし承認はすべてそれに関する投票の単純多数決によって可決さ
れる。
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銀行法は銀行に対し会社事務、有価証券および会計に関する一定の記録を作成しかつ保持するように要求し
ている。また定期的な財務内容の開示および報告を行うことも義務づけている。銀行は、毎年の年次総会の少
なくとも21日前に各株主にその年次財務書類の写しを送付しなければならない。銀行は毎年の年次総会の席
上、取締役によって承認された比較年次財務書類、監査報告書および附属定款で要求するその他の情報を株主
に提出しなければならない。
(ⅰ) 株主総会
各会計年度終了後6ヶ月以内に年次株主総会が開催されなければならない。さらに、取締役は任意に、
あるいは総会での議決権を有する発行済株式の5%以上の株主の要求があれば必ず、特別株主総会を招集
する。総会の日時と場所に関する通知は、総会開催日に先立つ21日以上60日以内の期間内に総会での議決
権を有する各株主、各取締役および各会計監査人に送付されなければならず、さらに総会開催日前の少な
くとも連続した4週間の各週に一回は銀行の本店所在地およびカナダ国内における株式名義書換代理機関
所在地もしくは銀行株式の名義書換の登録地で発行されている新聞に公告しなければならない。銀行法の
規定に従い、各株主は議決権のある各種類の株式1株につき1議決権を認められている。株主は各年次総
会で取締役を選出する。銀行法の規定に服することを条件として、株主は特別総会における決議によって
取締役を解任することができる。株主は年次総会で検討されるべく提案を行なうことができる。株主総会
は当行の附属定款が規定するカナダ国内の場所、もしくはかかる規定のないときは、取締役が決定するカ
ナダ国内の場所で開催されなければならない。
(ⅱ) 事業および業務運営
取締役は銀行の事業および業務の管理または監督にあたる。銀行の取締役のうちその選任または任命時
に少なくとも過半数はカナダに居住するカナダ国民でなければならず、また銀行法の規定に従い、取締役
のうち当該銀行の関係者が3分の2を超えてはならない。さらに、銀行法は一定の個人に対し取締役の資
格がない旨を定めている。
銀行との重要な契約もしくは取引または銀行との間で予定される重要な契約もしくは取引の当事者、こ
れに対して利害を有する者、あるいはこれらの者が役員ないし取締役(または同種の立場の者)である銀
行の取締役は、その利害の性質および程度を書面で銀行に対し開示しなければならず、またはかかる利益
相反を取締役会の議事録に記録しなければならない。取締役は銀行の最大の利益のために正直かつ誠実に
行動し、合理的に慎重な者が同様の状況において行うであろう注意、勤勉さおよび手腕を働かせなければ
ならない。
(ⅲ) 役員
取締役はその中から最高経営責任者(CEO)1名を選出し、かつ銀行法または附属定款に従い適当と考え
る銀行の事業および業務運営にあたるその他の役員または委員会を任命しなければならない。
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(ⅳ) 企業金融および株式
銀行法ないし附属定款の規定に従うことを条件として、取締役が決定する時期に、その決定する者に対
し、取締役が決定する対価によって株式を発行することができる。株式は追加出資義務を伴わず、株式の
対価は、現金または金融機関監督局長(以下「金融機関監督局長」という。)の承認の下にその他財産
で、発行前に全額が払い込まれなければならない。株式は、記名式額面あるいは無額面株式である。
(ⅴ) 銀行法に基づく銀行株式に関する規制
銀行法にはカナダの勅許銀行の株式の割当、譲渡、取得、所有および議決権行使に関する制限事項が含
まれている。要約すると、銀行法に従い、これらの制限事項によって、銀行は下記の行為を認められてい
ない。
(イ) 銀行法による承認を得ずに、特定の者およびその者の支配する法人が実質的に所有する、120億カナ
ダドル超の株主持分を有する銀行のある種類の株式の総数がその種類の株式の10%を既に超えている
か、あるいは当該発行または譲渡によって超える場合にはこの者に対し株式を発行ないし譲渡をする
こと、または、
(ロ) 一定の例外を除き、カナダ連邦政府、州政府ないしそれらの代理人、もしくは外国政府ないし外国政
府の下部組織あるいはその代理人に対し株式を発行ないし譲渡をすること。
株式購入者は当行が指定する様式で前述の一定事項に関する陳述書を提出するよう要求されることがあ
る。
(ⅵ) 株式制限と承認
銀行法により、銀行は、金融機関監督局長の同意を経た場合を除き、普通株式を含めた自己株式の償還
または買入れを行うことができない。さらに、銀行法により、銀行が、その営業に関連して充分な資本お
よび適切な態様による流動性を維持し、それに関する金融機関監督局長の規制または命令を遵守する銀行
法上の義務に違反しているか、そうした義務に違反することになるおそれがあると考える合理的な根拠が
ある場合に、株式の買戻し、償還または配当のための支払を行うことが禁止されている。
(ⅶ) 銀行法
現行の銀行法は、1992年6月1日に発効し、適宜改正されている。
(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
当行の企業制度は、銀行法および当行の附属定款により決定される。上記に記載されているとおり、銀行法
自体が当行の定款であるため、当行は基本定款を有していない。別段の記載がない限り、以下の概要は本書提
出日現在の当行の附属定款に関するものである。
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( ⅰ) 株式
本書提出日現在、当行の授権資本は、数量無制限の額面普通株式または無額面普通株式(以下「普通株
式」という。)、最高発行総額200億ドルの、数量無制限の額面第一優先株式または無額面第一優先株式
(以下「第一優先株式」という。)、および最高発行総額50億ドルの、数量無制限の額面第二優先株式ま
たは無額面第二優先株式(以下「第二優先株式」という。)から構成される。
1 普通株式
普通株式は、償還することができない。普通株式の株主の権利は、あらゆる点において同一の権利を
有する。これには、①所定のクラスの株式の株主のみが議決権を有する総会を除く、あらゆる総会にお
ける議決権、②所有株式について宣言された配当を受領する権利および③解散時における当行の残余財
産を受領する権利を含む。
2.1 第一優先株式
第一優先株式は、附属定款に規定されている権利、特権、制限および条件を有し、かつこれに服する
ものとする。
2.1.1 銀行法の規定に従い、第一優先株式は、以下に規定するシリーズごとに発行されるものとし、
各第一優先株式は、配当金の支払および資本配当に関して同順位とする。当行の取締役は、決議によ
り、(銀行法の規定に従い、かつ附属定款の規定および第一優先株式の発行済みの各シリーズに付随
した条件に服することを条件として)発行前に、随時第一優先株式を償還可能なシリーズに分割する
こと、その株式数を確定することおよび第一優先株式の各シリーズの名称、権利、特権、制限および
条件を決定することができる。
2.1.2 第一優先株式の各シリーズの株主は、第二優先株式および普通株式ならびに第一優先株式に劣
後するその他のクラスの当行の株式の株主に優先して、かかるシリーズに関する規定に従い決定され
る金額の配当金を、当行の取締役が宣言したときに、当行の取締役が宣言したところにより受領する
権利を有し、かかる配当金は、累積的または非累積的に、現金(外貨を含む。)でもしくは株式配当
によりまたはその他合法的な方法により支払うことができる。
優先順位は、累積配当の場合には、かかる配当に加えて特定のシリーズに付随する条項所定の配当
に関する追加金額(もしあれば)が支払われるべきであった過去の全期間に関して認められ、また非
累積配当の場合には、配当金が支払われる旨宣言されたものの未だ支払われていない配当全部につい
て認められる。第一優先株式の各シリーズの株主は、追加配当またはかかる第一優先株式のシリーズ
に付随する権利、特権、制限および条件に明示された配当以外のその他の配当を受領することはでき
ない。
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2.1.3 銀行業務閉鎖のための当行の清算、解散もしくは閉鎖または当行の資産のその他の分配の場合
には、第二優先株式、普通株式または第一優先株式に劣後するその他のクラスの当行の株式を有する
株主が何らかの支払または財産の分配を受ける前に、第一優先株式の各シリーズの株主は、かかるシ
リーズに関して定められた範囲において、①かかる株式が発行された金額に相当する額、②かかるシ
リーズに関し定められたプレミアム(もしあれば)、および③未払い累積的配当金一切(累積的配当
金が支払われた最後の期間満了時から分配日までの期間に毎日発生したものとして計算されるものと
する。)、ならびに非累積的第一優先株式の配当の場合には、配当金を支払う旨宣言されたものの未
だ支払われていない配当金一切を受領することができるものとする。第一優先株式の株主は、上記の
とおり支払われるべき金額を受領した後は、それ以上当行の財産または資産の分配を受けることはで
きないものとする。
2.1.4 銀行法の規定に従いかつその他付属定款または各シリーズの第一優先株式に付随する権利、特
権、制限および条件に別段の定めがある場合を除き、第一優先株式の株主は、かかる株主として、当
行の取締役の選任のためのまたはその他の目的のための議決権を有さず、また、株主総会の通知を受
けまたは株主総会に出席することはできない。
2.1.5 当行は、(銀行法またはその他の法的要件に規定された承認に加えて、)第一優先株式の株主
の事前の承認を得ずして、以下に定める事項を行ってはならない。①第一優先株式に優先する株式の
設定もしくは発行、または②第一優先株式の追加シリーズまたは第一優先株式と同順位を占める株式
の設定もしくは発行。ただし、かかる設定または発行の日において、その時点において発行済みの各
シリーズの累積的第一優先株式に関し累積的配当の支払対象となる最後の期間に係る支払日までの累
積的配当全部につき配当金が支払われる旨宣言されかつこれが支払われまたは支払のため分離されて
いる場合およびその時点において発行済みの各シリーズの非累積的第一優先株式に関し配当金が支払
われる旨宣言されたものの未だ支払われていない配当金が支払われまたは支払のために分離されてい
る場合を除く。
2.1.6 上記2.1.1ないし2.1.5までの規定は、本2.1.6を含めて、銀行法に規定されている承認に加え
て、本規定以降所定の第一優先株式の株主の承認のみにより全体または一部を削除、変更、修正、改
正または拡張することができる。
第一優先株式の株主総会において、シリーズによる区別なく、第一優先株式の各株主は、その所有
する第一優先株式の発行価格の1.00ドルにつき1議決権を有する。特定のシリーズの第一優先株式の
株主総会において、各株主はその所有するシリーズの各第一優先株式につき1議決権を有する。
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2.2 第二優先株式
第二優先株式は、附属定款に規定される権利、特権、制限および条件を有し、かつこれに服するもの
とする。
2.2.1 第二優先株式は、配当金の支払および当行の清算、解散または閉鎖の場合(任意的か否かを問
わない。)の財産の分配またはその他銀行業務閉鎖のための株主間における当行の財産の分配におけ
る優先順位に関し、第一優先株式に劣後するものとし、第一優先株式および第一優先株式の各シリー
ズに付随する権利、特権、制限および条件に服するものとする。
2.2.2 銀行法の規定に従い、第二優先株式は、以下に規定するシリーズごとに発行されるものとし、
各第二優先株式は、配当金の支払および資本配当に関して同順位とする。当行の取締役は、決議によ
り、(銀行法の規定に従い、かつ附属定款の規定および発行済みの各シリーズの第二優先株式に付随
した条件に服することを条件として)発行前に、随時第二優先株式を償還可能なシリーズに分割する
こと、その株式数を確定することおよび各シリーズの第二優先株式の名称、権利、特権、制限および
条件を決定することができる。
2.2.3 第二優先株式の各シリーズの株主は、普通株式および第二優先株式に劣後するその他のクラス
の当行の株式の株主に優先して、かかるシリーズに関する規定に従い決定される金額の配当金を、当
行の取締役が宣言したときに、当行の取締役が宣言したところにより受領する権利を有し、かかる配
当金は、累積的または非累積的に、現金(外貨を含む。)でもしくは株式配当によりまたはその他合
法的な方法により支払うことができる。
優先順位は、累積配当の場合には、かかる配当に加えて特定のシリーズに付随する条項所定の配当
に関する追加金額(もしあれば)が支払われるべきであった過去の全期間に関して認められ、また非
累積配当の場合には、配当金が支払われる旨宣言されたものの未だ支払われていない配当全部につい
て認められる。第二優先株式の各シリーズの株主は、追加配当またはかかる第二優先株式のシリーズ
に付随する権利、特権、制限および条件に明示された配当以外のその他の配当を受領することはでき
ない。
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2.2.4 当行の清算、解散または閉鎖の場合またはその他銀行業務閉鎖のための株主間における当行財
産の分配の場合には、普通株式または第二優先株式に劣後するその他のクラスの当行の株式を有する
株主が何らかの支払または財産の分配を受ける前に、第二優先株式の各シリーズの株主は、かかるシ
リーズに関して定められた範囲において、①かかる株式が発行された金額に相当する額、②かかるシ
リーズに関し定められたプレミアム(もしあれば)、および③未払い累積的配当金一切(累積的配当
金が支払われた最後の期間満了時から分配日までの期間に毎日発生したものとして計算されるものと
する。)、ならびに非累積的第二優先株式の配当の場合には、配当金を支払う旨宣言されたものの未
だ支払われていない配当金一切を受領することができるものとする。第二優先株式の株主は、上記の
とおり支払われるべき金額を受領した後は、それ以上当行の財産または資産の分配を受けることはで
きないものとする。
2.2.5 銀行法の規定に従いかつその他附属定款または各シリーズの第二優先株式に付随する権利、特
権、制限および条件に別段の定めがある場合を除き、第二優先株式の株主は、かかる株主として、当
行の取締役の選任のためのまたはその他の目的のための議決権を有さず、また、株主総会の通知を受
けまたは株主総会に出席することはできない。
2.2.6 当行は、(銀行法またはその他の法的要件に規定された承認に加えて、)第二優先株式の株主
の事前の承認を得ずして、以下に定める事項を行ってはならない。①第二優先株式に優先する株式の
設定もしくは発行、または②第二優先株式の追加シリーズまたは第二優先株式と同順位を占める株式
の設定もしくは発行。ただし、かかる設定または発行の日において、その時点において発行済みの各
シリーズの累積的第二優先株式に関し累積的配当の支払対象となる最後の期間に係る支払日までの累
積的配当全部につき配当金が支払われる旨宣言されかつこれが支払われまたは支払のため分離されて
いる場合およびその時点において発行済みの各シリーズの非累積的第二優先株式に関し配当金が支払
われる旨宣言されたものの未だ支払われていない配当金が支払われまたは支払のために分離されてい
る場合を除く。
2.2.7 上記2.2.1ないし2.2.6までの規定は、本2.2.7を含めて、銀行法に規定されている承認に加え
て、本規定以降所定の第二優先株式の株主の承認のみにより全体または一部を削除、変更、修正、改
正または拡張することができる。
第二優先株式の株主総会において、シリーズによる区別なく、第二優先株式の各株主は、その所有
する第二優先株式の発行価格の1.00ドルにつき1議決権を有する。特定のシリーズの第二優先株式の
株主総会において、各株主はその所有するシリーズの各第二優先株式につき1議決権を有する。
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3 株式譲渡制限
上記「1 (1)(v)銀行法に基づく銀行株式に関する規制」を参照のこと。
( ⅱ) 株主総会
当行の年次総会は、当行の各会計年度末から6 ヶ 月以内に、取締役の権限によりその権限に基づき決定
した日時にカナダ国内の場所において開催されるものとする。
議決権を有する当行の株主が10名以上出席することにより、当行の株主総会の定足数は満たされるもの
とする。ただし、株式のクラスまたは株式のシリーズに関する規定がその株主総会の定足数を規定してい
る場合には、かかる規定が適用されるものとする。
( ⅲ) 取締役
当行の取締役会は、銀行法に規定される取締役の最低員数以上で、最高26名の取締役をもって構成す
る。年次株主総会において選任されるべき取締役の数は、年次総会に先立ち取締役が定めるものとする。
取締役は随時、当行に適用される法令に基づき、1名以上の取締役を指名することができる。
2 【外国為替管理制度】
当行により発行された社債またはそれに付された利札に関する元利金の当行による日本国の居住者に対する支
払については、現在、一般に、カナダには外国為替管理上の制限はない。
3 【課税上の取扱い】
以下の要約は、カナダの連邦所得税に関する主要な事項について記載したものであり、社債(以下「社債」と
いう。)の保有者のうち、当初申込みにおける社債、もしくは当行またはベイルイン制度(以下「ベイルイン転
換」という。)下での転換を含む転換に関係する当行のすべての関連会社の普通株式を実質上の所有者として取
得する者、ならびにカナダの所得税法(以下「所得税法」という。)の適応の意味における関連するすべての時
点において、(a)カナダの居住者ではなくカナダの居住者とはみなされない者であり、(b)対等取引を当
行、普通株式の発行人および保有者が社債の譲渡を行うカナダ在住の譲受人居住者(または居住者とみなされる
者)との間で行っており、(c)カナダにおいて事業を営む際にまたはその過程で、社債または普通株式を使用
もしくは保有しない者であり、(d)実質上の所有者として社債に関するすべての支払(すべての利息および元
本を含む。)を受領する権利を有し、(e)所得税法の意味において、当行の特定非居住株主かつ当行の特定株
主(所得税法第18条第5項の意義の範囲内。)と対等な立場で取引を行わない非居住者に該当せず、さらに
(f)カナダ国内および他の場所において保険業を営む保険会社でない者(以下「非居住者保有者」という。)
に一般的に適用される。
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有価証券報告書
本要約は、本書の日付現在効力を有する所得税法およびそれに伴う所得税法規則(以下「所得税法規則」とい
う。)の条項ならびに現行の行政慣例への理解およびカナダ歳入庁(CRA)の評価方針に基づいている。本要約
は、本書の日付に先立ってカナダ財務大臣によりまたはカナダ財務大臣を代理して公表された所得税法および所
得税法規則のすべての特定修正案(以下「修正案」という。)を考慮し、すべての修正案は、提案された形式で
制定されることを前提とする。しかしながら、修正案が提案どおりに成立すること、またはそもそも成立するこ
とを保証するものではない。本要約は、法律、管理または評価実務の変更(立法機関、規制、管理または司法に
よる措置いずれの場合も)を考慮に入れず、予測せず、また州、準州または外国の所得税法規も考慮していな
い。今後の情勢により、以下の記載は重大な影響を受けることがある。
本要約は、一般的性質のものに過ぎず、特定の保有者に対する法律上または税務上の助言を意図したものでは
なく、特定の保有者に対するカナダの連邦所得税に関する事項の影響に関して表明するものではない。本要約
は、カナダの連邦所得税に関するすべての事項を網羅しているわけではない。したがって、将来の投資家は、自
らの特定の状況に関して自身の税務アドバイザーに意見を求めるべきである 。
社債利息
社債に関し、非居住者保有者に対して当行により支払もしくは計上した利息または支払もしくは計上したとみ
なされる利息(利息の支払を理由とする金額、利息の支払に代わる金額、または利息の支払を実行するための金
額を含む。)は、カナダの非居住者源泉徴収税の課税対象とならない。ただし、当該利息(以下に記載する「特
定債券」に係る利息を除く。)のすべてまたは一部が不確定であるかまたはカナダ国内の財産の使用またはカナ
ダ国内の財産からの生産に依存し、もしくは収益、利益、キャッシュ・フロー、商品価格またはその他類似基準
の参照もしくは企業の株式資本のいずれかのクラスもしくはシリーズの株主に支払われたもしくは支払われる配
当金(以下「参加債務利息」という。)の参照により計算される場合はこの限りでない。「特定債券」とは、貨
幣購買力の変動の参照により決定される額以外の、当該債務に関する支払額としての指数連動化された債務(以
下に定義する。)であり、偶発的または前文に記載されたいずれかの基準に依存する。「指数連動化された債
務」とは、当該債務に関する支払額の未償還期間における調整が要項または条件に規定されている債務であり、
その金額は、貨幣購買力の変動の参照により決定される。
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カナダの源泉徴収税が免除されていない社債の利息(またはみなし利息)が、一般的に当該社債の発行価格を
超過する対価で、当行、その他のカナダ居住者またはカナダ居住者とみなされる者により非居住者保有者から償
還、消却または買入される場合、もしくは非居住者保有者によりカナダ居住者もしくはカナダ居住者とみなされ
る者に対し譲渡もしくは移転される場合、超過分は、利息であるとみなされることがあり、その時期において当
該社債につき発生した利息金額とあわせて非居住者源泉徴収税の課税対象となることがある。当該超過分は、社
債が所得税法に定義される「適用除外証券」と判断される場合、源泉徴収税の課税対象とならない。(a)指数
連動化された債務ではなく、(b)社債の元本額(所得税法に定義される。)の97%以上の金額で発行され、
(c)その発行につき得られる年率(所得税法に従い決定される。)で計算される利回りの金額が、その時々の
元本額残高に対して年率で計算される当該社債につき支払われると決められた利息の3分の4を超えない社債の
場合、本項の目的上、適用除外証券に該当する。
転換により取得された普通株式
非居住者保有者により保有されている社債が、当行の普通株式に転換される場合(適用ある場合)に、普通株
式の公正市場価値が(ⅰ)当該社債が発行された金額および(ⅱ)未払金に関して支払われる金額および転換時
に当該社債につき支払われるべき未払いの利息(以下「転換利息」という。)に関し支払われた金額の合計を超
える金額(以下この差額を「超過金額」という。)が、もしあれば、その金額が、非居住者保有者に対して払わ
れた利息であるとみなされることがある。当該超過金額(もしあれば)および当該転換利息が参加債務利息とみ
なされ、その結果として、一定の例外が適用される場合を除き、カナダの非居住者源泉徴収税を課されるリスク
がある。
一般に、利息、割引または社債手数料、もしくは償還、満期日の支払い、転換(ベイルイン転換を含む。)、
消却または買入を含む社債の譲渡に際して非居住者保有者が受領した収益に対して、非居住者保有者が支払うべ
きその他の所得税(課税キャピタル・ゲインを含む。)は存在しない。
非居住者保有者にとってカナダ居住法人である当行または当行の関連会社の普通株式に対して支払われたまた
は計上された、もしくは所得税法上支払われるまたは計上されるとみなされる配当は、通常、適用所得税条約ま
たはカナダと非居住者保有者の居住国との間の条約の規定に基づき税率が引き下げられない限り、当該配当金の
総額に対して25%の税率でカナダの非居住者源泉徴収税の課税対象となる。
非居住者保有者は、普通株式の譲渡またはみなし譲渡によって得られたキャピタル・ゲインについて、所得税
法上課税されない。ただし、当該普通株式が所得税法上、非居住者保有者の「課税対象カナダ資産」であるか、
または「課税対象カナダ資産」であるとみなされる場合、および非居住者保有者が、カナダとその非居住者保有
者の居住国との間の適用ある所得税に関する租税条約に基づく免税を受けることができない場合を除く。
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4 【法律意見】
当行のカナダにおける法律顧問であるノートン・ローズ・フルブライト・カナダ・エルエルピーより、下記の
趣旨の法律意見書が、当該法律意見書に記載される条件に従い、提出されている。
カナダの法令に関する有価証券報告書(「第一部 第1 1(1) 提出会社の属する国・州等における会社制
度」の記述を除く。)に含まれる記述は、すべての重要な点において真実かつ正確である。
当行の内部法律顧問により、下記の趣旨の法律意見書が、当該法律意見書に記載される条件に従い、提出され
ている。
カナダの法令に関する有価証券報告書中の「第一部 第1 1(1) 提出会社の属する国・州等における会社制
度」の記述は、すべての重要な点において真実かつ正確である。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
以下の表は、表示された期間および日付現在(配当利回り、普通株主資本利益率および従業員数(常勤従業
員)を除く。)のRBCの主要な経営指標(国際会計基準審議会(IASB)により発行された国際財務報告基準(以
下「IFRS」という。)に基づき作成された年次連結財務諸表を元にしたものである。)の推移を示すものであ
る。配当利回り、普通株主資本利益率および従業員数 (常勤従業員)の値は、 表示された期間および日付現在に
対応するRBCの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 より抜粋されたものである。
(10月31日現在または当該日に終了
した年度)
(単位:百万カナダドル(1株当た
りの金額、数および%の数値を除
(1)
く。)) 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
受取利息 41,333 33,021 26,904 24,452 22,729
(2)
21,584 15,069 9,978 7,921 7,958
支払利息
(2)
19,749 17,952 16,926 16,531 14,771
受取利息純額
(2)(3)
26,253 24,624 23,743 22,264 20,932
利息以外の収益
(3)
46,002 42,576 40,669 38,795 35,703
収益合計
税引前利益 15,914 15,760 14,672 13,299 12,623
当期純利益 12,871 12,431 11,469 10,458 10,026
総資産 1,428,935 1,334,734 1,212,853 1,180,258 1,074,208
株主に帰属する持分 83,523 79,861 73,829 71,017 62,146
発行済普通株式数-平均基本的
1,434,779 1,443,894 1,466,988 1,485,876 1,442,935
(単位:千株)
1株当たり利益
$ 8.78 $ 8.39 $ 7.59 $ 6.80 $ 6.75
(単位:カナダドル)
普通株式1株当たり配当宣言額
$ 4.07 $ 3.77 $ 3.48 $ 3.24 $ 3.08
(単位:カナダドル)
(4)
4.1% 3.7% 3.8% 4.3% 4.1%
配当利回り
(5)(6)
16.8% 17.6% 17.0% 16.3% 18.6%
普通株主資本利益率(ROE)
(7)
62,184 57,001 51,572 48,181 43,715
CET1資本
(7)
67,861 63,279 58,361 55,270 50,541
Tier1資本
(7)
77,888 72,494 67,556 64,950 58,004
総資本
(7)
12.1% 11.5% 10.9% 10.8% 10.6%
CET 1自己資本比率
(7)
13.2% 12.8% 12.3% 12.3% 12.2%
Tier 1自己資本比率
(7)
15.2% 14.6% 14.2% 14.4% 14.0%
総資本比率
従業員数(常勤従業員) 82,801 81,870 78,210 77,825 75,014
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(1) 2017年11月1日以降、当グループは、IFRS第9号「金融商品」(IFRS第9号)を適用している。2017年11月1日より前
の期間の業績は、IAS第39号「金融商品:認識および測定」(IAS第39号)に従って、報告されている。2018年11月1日
以降、当グループは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用している。2018年11月1日より前の期間の業
績は、本書において、IAS第18号「収益」に従って報告されている。詳細は、下記「第一部 第6 1 財務書類」の連
結財務諸表に対する注記2を参照のこと。
(2) 2019年度第4四半期以降、純損益を通じて公正価値で測定される商品(FVTPL)に計上された一部の預金に記録された利
息部分および未払利息(従前はそれぞれトレーディング収益および預金に計上された。)は、それぞれ受取利息純額お
よびその他の負債として表示される。2016年11月1日をもって、比較のための数値は、かかる表示に合わせて再分類さ
れている。
(3) 2017年度第4四半期以降、取得した特定の手数料および報酬に関連するサービスおよびその他の費用は、利息以外の費
用にグロスベースで表示される。2014年11月1日をもって、数値比は、かかる表示に合わせて再分類されている。
(4) 1株当たりの配当を該当期間中の株価の最高値および最安値の平均で除したものとして定義されている。
(5) 平均額は、当期の1日の平均残高を概算するための方式を用いて計算されている。これには、 ROE の計算に使用される 平
均普通株主資本が含まれる。詳細は、下記「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
の分析」の「事業セグメント業績」の項の「主要な業績および非GAAPによる測定」を参照のこと。
(6) これらの数値は、一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づく標準的な意味を持たず、その他の金融機関が
開示する類似の基準と比較できない場合がある。詳細は、下記「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析」の「事業セグメント業績」の項の「主要な業績および非GAAPによる測定」を参照のこと。
(7) 資本および自己資本比率は、バーゼルⅢのベースの枠組みに基づき金融機関監督庁(OSFI)の自己資本充実制度(CAR)
ガイドラインを使用して計算されている。
2 【沿革】
当行は、その免許状を構成する銀行法に基づくスケジュールⅠ銀行である。当行は1864年に商業銀行として創
設され、1869年6月22日に承認された「ハリファクス商業銀行設立法」に基づき設立された。当行はその名称を
1901年に「ザ・ロイヤル・バンク・オブ・カナダ」に変更し、さらに1990年に「ロイヤル・バンク・オブ・カナ
ダ」に変更した。
当行の本社は M5J 2J5 カナダ オンタリオ州トロント ベイストリート200 ロイヤル・バンク・プラザに所在
している。本店所在地は、H3C 3A9 カナダ ケベック州モントリオール プレイス・ヴィル・マリー1である。
当行の普通株式は、1907年からトロント証券取引所(TSX)、1986年からスイス証券取引所(SIX)および1995
年からニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している。取引略称は「RY」である。2019年10月31日現在、当行
の優先株式は、TSXに上場している。ただし、シリーズC-2優先株式を除く。2019年10月31日現在、シリーズC-2
優先株式に関連する預託株式(シリーズC-2優先株式の40分の1の持分をそれぞれ表す。)はNYSEに上場してい
た。
2018年11月2日、当行は、非累積型5年利率見直し型優先株式シリーズBOの14百万株を、1株当たり25ドルの
価格で発行した。
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2018年11月24日、当行は、非累積型第一優先株式シリーズADの10百万株を、1株当たり25ドルの価格ですべて
償還した。
2019年2月24日、当行は、非累積型変動配当率第一優先株式シリーズAKの2.4百万株、非累積型5年利率見直
し型第一優先株式シリーズAJの13.6百万株および非累積型5年利率見直し型第一優先株式シリーズALの12百万株
を、1株当たり25ドルの価格ですべて償還した。
2019年7月17日、当行は、2024年7月17日に満期を迎える発行済NVCC3.04%劣後無担保社債1,000百万ドル
を、元本の100%および償還日まで(償還日は除く。)の経過利息ですべて償還した。
2019年7月25日、当行は、NVCC劣後無担保社債1,500百万ドルを発行した。この社債には、2024年7月25日ま
で年利2.74%の固定金利が付き、それ以降は2029年7月25日の満期まで3ヶ月のカナダ銀行間取引金利(CDOR)
プラス0.98%の金利が付く。
3 【事業の内容】
ロイヤル・バンク・オブ・カナダは、トップクラスのパフォーマンスの実現に向けて目的を重視し理念を原動
力とするアプローチを採る国際的な金融機関である。当グループの成功は、顧客の繁盛と地域の繁栄に貢献する
ために当グループのビジョン、価値観および戦略を体現する85,000名超の従業員によりもたらされる。カナダ最
大の銀行であり、時価総額においては世界最大手の一行としての当グループは、イノベーションに重点を置き、
カナダ、米国その他34ヶ国の1,700万名の顧客に卓越した体験を提供する多様なビジネスモデルを有している。
当グループの5つのセグメントおよびコーポレート・サポートの概要は以下のとおりである。
パーソナル&コマーシャル ・バンキング は、 日々の銀行業務、投資および資金調達に関するニーズに即して個
人および企業に対し、多種多様な金融商品およびサービスを提供している。当グループは、当グループの事業全
般における卓越したクライアント・エクスペリエンス、豊富な商品、深い専門知識およびデジタル・ソリュー
ションという特性に支えられた有意義な関係を顧客と築くことに重点を置いている。
当グループは、カナディアン・バンキングおよびカリブ海地域&米国バンキングという2つの業務を通じて事
業を営んでいる。カナディアン・バンキングは、カナダの国内市場にサービスを提供しており、現在の競争環境
の中ですべての主要なリテール向け商品および企業向け商品において市場シェア上位(第1位または第2位)を
維持している。当グループは、カナダ中に最大の支店ネットワーク、最多のATMおよび最大規模のモバイル販売
ネットワークを有している。カリブ海地域&米国バンキングでは、目標市場において幅広い金融商品およびサー
ビスを提供している。
カナダでは、他のスケジュールⅠ銀行、独立系信託会社、外国銀行、信用組合、庶民金庫および自動車ローン
会社と競争している。
カリブ海地域における競合会社には、リテール顧客および法人顧客ならびに公的機関にサービスを提供してい
る銀行、信託会社および投資運用会社等がある。米国では、米国事業を営む他のカナダの金融機関と主に競争し
ている。
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有価証券報告書
ウェルス・マネジメント は、 主要な金融センターの顧客にサービスを提供するグローバルな事業である。当グ
ループは、富裕層(HNW)および超富裕層(UHNW)の個人顧客および機関顧客の財務目標実現を支援するため
に、アドバイスを基本とする包括的なソリューションおよび戦略によりこれらの顧客にサービスを提供してい
る。
当グループの事業ラインは、カナディアン・ウェルス・マネジメント、USウェルス・マネジメント(シティ・
ナショナルを含む。)、グローバル・アセット・マネジメント(GAM)およびインターナショナル・ウェルス・
マネジメントを含む。カナディアン・ウェルス・マネジメントは、HNWおよびUHNWの顧客にサービスを提供して
おり、管理資産(AUA)ではカナダ最大のフルサービスの資産管理・運用業務である。USウェルス・マネジメン
ト(シティ・ナショナルを含む。)にも、プライベート顧客グループ(PCG)ならびにコルレスおよび顧問サー
ビス業務(CAS)が含まれる。当グループのPCGは、アドバイザー数では米国第7位のフルサービス資産管理・運
用会社であり、シティ・ナショナルは、HNWおよびUHNWの顧客ならびに商業顧客にサービスを提供する、米国に
おける最高のプライベート・バンクおよびコマーシャル・バンクである。GAMは、カナダ最大のリテール向けの
ファンド企業であり、大手の資産管理・運用機関でもある。インターナショナル・ウェルス・マネジメントは、
主としてヨーロッパ、英国およびアジアの主要な金融センターを通じてHNWおよびUHNWの顧客にサービスを提供
している。
RBC インシュアランス® は、 信用保険、生命、医療、住宅、自動車、旅行、貯蓄および個人向け年金ならびに再
保険に係る幅広いアドバイスおよびソリューション、そして事業保険に係るサービスを企業顧客および団体顧客
に提供している。
RBCインシュアランス ® はカナダ最大級の銀行系保険会社であり、カナディアン・インシュアランスおよびイン
ターナショナル・インシュアランスという2つの事業ラインの下で業務を行っている。
カナダにおいては、相談センター、RBCインシュアランスの店舗、モバイル相談窓口、デジタル、モバイルお
よびソーシャル・プラットフォーム、独立代理店ならびに旅行保険会社等、様々な窓口を通じて、商品および
サービスを提供している。
カナダ以外では、世界の再保険市場および再々保険市場において業務を行い、生命再保険商品、身体障害再保
険商品および寿命リスク再保険商品を提供している。
インベスター&トレジャリー・サービス は、 資産管理・運用サービスの専門プロバイダー、カナダにおける現
金管理およびトランザクション・バンキング・サービスのリーダーならびに世界の機関顧客に対してトレジャ
リー・サービスを提供するプロバイダーである。
当グループは、資産管理・運用、トランザクション・バンキング、トレジャリー・サービスその他のサービス
を提供することで、顧客の資産を保護し、流動性を最大化し、複数の法域にわたるリスクを管理している。当グ
ループは、世界最大のグローバル・カストディアンと競合する一方、高度な投資家に対して業界最高水準の資産
管理・運用サービスを提供することに重点を置く専門家である。当グループは、北米、ヨーロッパ、英国および
アジア太平洋の主要な国々において競争している。
当グループは、デジタル対応の顧客中心の商品およびサービスに絞って開発している。当グループは、トップ
レベルのグローバル・カストディ、証券代行機関、証券貸付商品を有している。当グループは、世界の金融機関
に対してカナダドルの資金管理、コルレス銀行業務および貿易金融を提供する大手サービス・プロバイダーであ
り、銀行の短期的な資金調達および流動性管理を行っている。
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キャピタル・マーケッツ は、 世界の会社、機関投資家、資産管理・運用会社、政府および中央銀行に対してバ
ンキング、ファイナンスおよび資本市場に関する専門知識を提供している。当グループの専門家は、15ヶ国、
70ヶ所のオフィスから当グループの顧客がその業務において必要な助言、商品およびサービスを享受できるよう
努めている。当グループのプレゼンスは北米、英国およびヨーロッパ、オーストラリアならびにアジアおよびそ
の他の各地域にも及ぶ。
当グループは、2大事業ラインであるコーポレート&インベストメント・バンキングおよびグローバル・マー
ケッツを運営している。
北米においては、企業向けおよび投資銀行業務、エクイティおよびデット・オリジネーションならびに販売お
よびトレーディング等、あらゆる商品およびサービスを提供している。カナダにおいては、すべての資本市場事
業ラインにおいて戦略的プレゼンスを有する市場リーダーである。米国においては、業種全体および投資銀行商
品のすべてをカバーしており、米国および世界の大手投資銀行ならびに地域の中小企業と競合している。また、
与信、担保付貸出、地方自治体の資金調達、債券、通貨およびコモディティ、株式ならびにアドバイザリーにお
いて、トップクラスの能力を有している。
北米以外では、英国およびヨーロッパ、オーストラリアならびにアジアおよびその他の市場において有意なプ
レゼンスを有している。英国およびヨーロッパにおいては、エネルギー、鉱業、インフラ、ヨーロッパの工業、
消費者、医療、テクノロジーおよび金融サービス等の主要な専門分野において様々なサービスを提供する。オー
ストラリアおよびアジアにおいては、債券販売および為替取引、担保付資金調達ならびに企業向けおよび投資銀
行業務からなるグローバルな専門知識に沿った標的分野において、世界および地域の投資銀行と競合している。
コーポレート・サポート は、 商品およびサービスを効率的に顧客に提供するために必要な技術上および業務上
の基盤を作るテクノロジー&オペレーションズと、財務、人事、リスク管理、内部監査およびその他の機能グ
ループを統轄するファンクションズならびにコーポレート・トレジャリー部門からなる。コーポレート・サポー
トの業績は、主として事業セグメントに割り当てられないグループ規模の活動の監視および監督に関する業務を
反映している。詳細は、「第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「事業
セグメントの測定および報告方法」の項を参照のこと。
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競合
当グループが2019年10月31日現在、競合している主要な市場は以下のとおりである。
カナダ国内における、当グループのパーソナル&コマーシャル・バンキングにおける競合には、その他のスケ
ジュールⅠ銀行、独立信託銀行、外国銀行、信用組合、庶民金庫および自動車ローン会社が含まれる。カリブ海
地域においては、リテール顧客および法人顧客ならびに公的機関にサービスを提供している銀行、信託会社およ
び投資運用会社が含まれる。米国内においては、米国業務を行う他のカナダの金融機関が含まれる。当グループ
のカナディアン・ウェルス・マネジメント事業は、国内の銀行および信託会社、投資顧問会社、銀行系フルサー
ビス・ブローカーおよび専門ブローカー、ミューチュアル・ファンド会社ならびに世界のプライベート・バンク
と競合している。カナダにおいては、今後も銀行系の資産管理・運用会社が主要プレーヤーとなる。当グループ
のUSウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)事業では、細分化され、非常に競争が激しい業界
の中で業務を営んでおり、競争相手には、HNWおよびUHNWの個人、事業主ならびにその事業にサービスを提供す
るその他のブローカーディーラー、商業銀行およびその他の金融機関等がある。カナダのファンド運用業界は大
規模で成熟しているものの、依然として比較的細分化された業界である。当グループのグローバル・アセット・
マネジメント事業は、カナダにおいて、銀行、保険会社および資産管理・運用会社と競合しており、米国におい
ては、独立系の資産管理・運用会社ならびに国内および国際銀行ならびに保険会社の資産管理・運用部門と競合
している。国際的には、当グループのアセット・マネジメント業務は、国際銀行の資産管理・運用部門ならびに
当グループが業務を行う地域における国内および地域の資産管理・運用会社と競合している。インターナショナ
ル・ウェルス・マネジメント事業の競争相手は、世界の資産管理・運用会社、旧来のオフショア・プライベー
ト・バンクおよび国内の資産管理・運用会社である。当グループのカナディアン・インシュアランス業務におい
て、当グループと競合する他社の大部分は生命および医療または損害保険のいずれかを専門とする。当グループ
のインターナショナル・インシュアランス業務において、当グループは、少数の大手が競合および独占してお
り、特に米国、英国およびヨーロッパにおけるプレゼンスが顕著である世界の再保険市場において競合してい
る。当グループのインベスター&トレジャリー・サービス業務は、その他の世界的資産サービス・プロバイダー
と競合している。当グループのキャピタル・マーケッツ業務は、主にカナダにおけるその他のカナダの銀行、米
国および世界の大手投資銀行ならびに地域の中小企業と競合している。英国およびヨーロッパにおいて、当グ
ループのキャピタル・マーケッツ業務は、主要な専門分野において、世界および地域の投資銀行と競合してお
り、オーストラリアおよびアジアにおいて、当グループは、主要な商品について世界および地域の投資銀行と競
合している。主要な競合要因には、提供された金融商品および金融サービス、価格、分配およびサービスの質の
幅ならびに特徴が含まれる。
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見通しおよび戦略目標
当グループの事業戦略および行動は、 「世界で最も信頼され、成功した金融機関になる」 という当グループの
構想によって方向付けられている。当グループの3つの戦略目標は次のとおりである。
・カナダでは、金融サービスにおいて圧倒的首位に立つこと。
・米国では、法人、機関投資家および富裕層ならびにそれらの事業のよきパートナーとなること。
・主要な世界の金融センターでは、高い専門知識を評価される金融サービスのリーディングパートナーとなる
こと。
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4 【関係会社の状況】
当行には親会社は存在しない。
2019年10月31日現在、当行は27社の主要な子会社を有する。
下記の表には、当行が2019年10月31日現在、議決権株式の100%を直接的または間接的に有する主要な会社が
記載されている。当行の連結財務諸表には、これらの会社の資産および負債ならびに経営成績が含まれる(注記
に記載されるものを除く。)。
(2019年10月31日現在)
当行が保有
する議決権株式の
投資持分権割合
主たる営業所 帳簿価額
当行直接保 当行間接保
主たる
(1) (2) (3)
有分 (%) 有分 (%)
主要な子会社 の住所 (百万ドル) 事業内容
ロイヤル・バンク・ホールディング・イ カナダ
ンク オンタリオ州
トロント 65,288 100 - 持株会社
RBC インシュアランス・ホールディング カナダ
ス・インク オンタリオ州
ミシサーガ
- - 100 持株会社
RBC ライフ・インシュアランス・カン カナダ
パニー オンタリオ州
ミシサーガ - - 100 保険会社
R.B.C .ホールディングス(バハマ)リ バハマ
ミテッド ニュープロヴィデン
ス島
ナッソー - - 100 持株会社
RBC カリビアン・インベストメンツ・ ケイマン諸島
リミテッド グランドケイマン島
ジョージタウン - - 100 持株会社
ロイヤル・バンク・オブ・カナ バルバドス島
ダ・インシュアランス・カンパ セントマイケル
ニー・リミテッド - - 100 保険会社
インベストメント・ホールディングス ケイマン諸島
(ケイマン)リミテッド グランドケイマン島
ジョージタウン - - 100 持株会社
RBC (バルバドス)ファンディング・ バルバドス島 SPE -ストラクチャー・
リミテッド セントマイケル ファイナンシング・ビー
- - 100 クル
キャピタル・ファンディング・アル カナダ
バータ・リミテッド アルバータ州
カルガリー - - 100 持株会社
RBC グローバル・アセット・マネジメ カナダ
ント・インク オンタリオ州 投資アドバイザー/マネ
トロント - - 100 ジャー
RBC インベスター・サービシズ・トラス カナダ
ト オンタリオ州
トロント - - 100 信託会社
RBC インベスター・サービシズ・バン ルクセンブルグ
ク・エスエー エシュ=シュル=ア
ルゼット - - 100 銀行
RBC (バルバドス)トレーディング・バ バルバドス島
ンク・コーポレーション セントジェームズ - - 100 銀行
RBC US グループ・ホールディングス・エ カナダ
オンタリオ州
(2)
ルエルシー
トロント 22,329 100 - 持株会社
RBC USA ホールドコー・コーポレーショ 米国
(2)
ニューヨーク州
ン
ニューヨーク - - 100 持株会社
RBC キャピタル・マーケッツ・エルエ 米国
(2)
ニューヨーク州 証券ブローカー/ディー
ルシー
ニューヨーク - - 100 ラー
シティ・ナショナル・バンク 米国
カリフォルニア州
ロサンゼルス - - 100 銀行
RBC ドミニオン・セキュリティーズ・リ カナダ
ミテッド オンタリオ州
トロント 10,068 100 - 持株会社
RBC ドミニオン・セキュリティーズ・イ カナダ
ンク オンタリオ州 証券ブローカー/ディー
トロント - - 100 ラー
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オランダ
RBC ファイナンス・エスエーアールエ
アムステルダム
(2)
ル/ビーヴイ
2,907 100 - 持株会社
RBC ホールディングス(ルクセンブル ルクセンブルグ
グ)エスエーアールエル ルクセンブルグ - - 100 持株会社
RBC ホールディングス(チャンネル・ チャンネル諸島
アイランド)リミテッド ジャージー島 - - 100 持株会社
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ チャンネル諸島
ガーンジー島
(チャンネル・アイランド)リ
ミテッド - - 100 銀行
RBC ヨーロッパ・リミテッド 英国
ロンドン 2,570 100 - 銀行
ロイヤル・バンク・モーゲージ・コーポ カナダ
レーション オンタリオ州
トロント 1,321 100 - 金融会社
ザ・ロイヤル・トラスト・カンパニー カナダ
ケベック州
信託会社
モントリオール 858 100 -
ロイヤル・トラスト・コーポレーショ カナダ
ン・オブ・カナダ オンタリオ州
トロント 298 100 - 信託会社
(1) 当行は、各子会社を直接的または間接的に支配する。
(2) 各子会社はその主たる営業所が所在する国または州の法令に基づいて設立されまたは組織されている(ただし、RBC US
グループ・ホールディングス・エルエルシーおよびRBC USAホールドコー・コーポレーションは米国デラウェア州の法令
に基づき、RBCキャピタル・マーケッツ・エルエルシーは同国ミネソタ州の法令に基づき組織されており、RBCファイナ
ンス・エスエーアールエル/ビーヴイはオランダにおいて設立され(公式所在地はオランダ、アムステルダム)、効率
経営、中央管理および基本的居住地をルクセンブルグ大公国、ルクセンブルグにおいている。)。
(3) 議決権株式の帳簿価額は、かかる投資に対する当行の持分が記載される。
5 【従業員の状況】
2019年10月31日現在、RBCは常勤およびパートタイムを合わせて85,000人を超える従業員を雇用している。
2019年10月31日現在の地域別RBCの常勤従業員(FTE)数は以下のとおりである。
地域別常勤従業員 従業員数(FTE)
カナダ 58,691
米国 13,905
10,205
その他世界各国
合計
82,801
2019年10月31日に終了した12ヶ月間において、RBCの従業員数の著しい増減はなかった。
当グループの従業員の大多数は、金融サービス業界において経営陣と従業員の関係として労働組合が一般に普
及した管理方法ではない北米において勤務している。2019年10月31日現在、RBCの常勤従業員の約2%が包括的
労働協約の対象であった。これらのすべての従業員は、カリブ海地域またはヨーロッパにおいて働いている。さ
らに、RBCのヨーロッパの従業員の多くは、職場の問題に関連する相談を受ける職員代表グループを設けてい
る。これらのグループは組合ではなく、その構成員は必ずしも組合化させられない。
過去5年間、当行の業務を妨害する重大なストライキまたはその他の労働争議はなかった。
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第3 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
下記「3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
2 【事業等のリスク】
RBCは、RBCの業務に関するリスクを評価するために以下の要因が重要となる可能性があると考えている。これ
らの要因のほとんどは、その発生が確実でない偶発的なものであり、RBCはかかる偶発的な事象の発生可能性に
ついて見解を表明する立場にない。
<最重要リスク および 新興リスク>
当グループのリスク管理アプローチの重要な要素は、変化する最重要リスクおよび新興リスクが特定され、管
理され、既存のグループ・リスク管理評価、測定、監視および上申プロセスに組み込まれていることを確認する
ことである。これにより経営陣は、事業を発展させる過程で、また継続的なリスク監視責務遂行の一環として、
将来を見通したリスクの評価を行うことができる。最重要リスクおよび新興リスクについては、上級管理職およ
び取締役会が定期的に協議する。
当グループは、最重要リスクおよび新興リスクについて、個別に定義し、補足的な内部向けガイダンスを定め
ることで、すべての重要なリスク(容易に発見できないものを含む。)をグループ規模で特定および評価できる
ようにしている。
・ 最重要リスクは、既に特定され十分に理解されたリスクのうち、当グループの財務業績、評判、事業モデルま
たは戦略に、短期的または中期的に重大な影響を与えるおそれのあるものをいう。
・新興リスクは、当グループの財務業績、評判、事業モデルまたは戦略に重大な影響を与えるおそれのある リス
クをいうが、その確率、影響、時期および/または起こりうる結果の範囲に関する区別の基準は明確ではな
い。
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その他のリスク
<政府の財政・金融政策およびその他の政策>
当グループの事業および収益は、バンク・オブ・カナダ(BoC)、米国のFed、欧州連合のECBおよび当グルー
プが事業を行うその他の法域の金融当局が採用する金融政策ならびにカナダ、米国、ヨーロッパおよびかかるそ
の他の法域の政府の財政政策の影響を受ける。かかる政策は、カナダ、米国および世界の顧客およびカウンター
パーティにもマイナスの影響を与える可能性があり、その場合は当該顧客およびカウンターパーティによる不履
行のリスクが高まる場合がある。
<税金リスクおよび透明性>
税金リスクとは、予想外の税金債務に関する損失のリスクをいう。当グループに適用される税法およびシステ
ムは、複雑で多岐にわたる。このため当グループでは、税金に関する決定または行為を行う際は常に、当グルー
プの評判ならびに当グループの顧客、株主および規制当局との関係に対する影響を含め、長期的費用および関連
するリスクに関する当グループの評価を反映していることを確認している。
当グループの税金アプローチは、行動規範に反映された原則の基礎となるものであり、事業税リスク管理対策
に基づき、リスク・ドライバーの原理を包含している。課税対策の監視および税金リスクの管理には、グルー
プ・エグゼクティブ、最高財務責任者(CFO)および税務担当シニア・ヴァイス・プレジデントが責任を負う。
当グループは監査委員会に対して定期的に税金ポジションを協議し、監査委員会およびリスク委員会と税金戦略
について協議している。
当グループの税金戦略は、透明性を確保し、事業戦略をサポートするために策定されるもので、企業としての
ビジョンおよび価値と一致している。当グループは、事業が節税効果の高い構造となっていることを確認し、か
つ、あらゆる法令を遵守した上で評判リスクを考慮することで、株主価値を最大限に高めるよう努めている。当
グループの枠組みは、以下のことを行うよう求めるものである。
・すべての税務に関して、清廉、公正、公然かつ正直に行動すること。
・税金戦略が、事業目的および経済的実質のある誠実な取引のみをサポートする事業戦略に適合していること
を保証すること。
・すべての会社間取引が公正な条件で実施されることを保証すること。
・税務当局に対して、法令上の義務を完全に遵守し完全に開示していることを保証すること。
・税務当局と良好な長期的関係を築き、紛争が発生した場合はこれに建設的に対処するよう努めること。
顧客のニーズの評価に関して、当グループは、取引の目的を含む多くの要因を検討している。当グループで
は、事業目的および経済的実質のある誠実な顧客取引のみをサポートすることを徹底するよう努めている。万が
一、納税義務を逃れることを目的とした顧客取引に気付いた場合は、取引を中断する。
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当グループは、世界36ヶ国で業務を行っている。これらの国々における当グループの活動は、カナダおよび国
際的な税制ならびにその他の規制に従い、また関連する税務当局に完全に開示される。税務グループおよびグ
ループ・リスク・マネジメント(GRM)の双方は、全企業の活動が税務上の要件およびその他の規制に準拠する
ことを保証するため、全企業の活動を定期的に見直している。
当グループが世界中で業務を行っていることから、当グループを管轄する各税務当局と当グループとの間で、
複雑な税法および会計原則の法的解釈に相違が生じており、税務上の以前のポジションが税務当局に否認される
リスクがある。このような場合、当グループでは、問題の迅速な判断および即時解決を図るため、税務当局との
率直かつ透明性の高い対話を可能な時点で心がけている。税金リスクを適切に管理できない場合および税務当局
との問題が納得のいく形で解決できない場合、特定の期間において重大な範囲で当グループの業績に悪影響が生
じる可能性があり、または当グループの評判に重大な影響が生じるおそれがある。
財政貢献
2019 年度、政府の各レベルに対して世界的に支払った法人所得税およびその他の税金費用( 連結包括利益計算
書および連結株主資本変動計算書中の法人所得税を含む。) は、総額40億ドル(2018年度は50億ドル)であっ
た。カナダにおいては、2019年10月31日に終了した年度に政府の各レベルに対して支払った法人所得税およびそ
の他の税金費用は、総額29億ドル(2018年度は38億ドル)となった。
法人所得税およびその他の税金費用の詳細は、下記「3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの
状況の分析」の「財務業績」の項を参照のこと。
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<環境および社会リスク>
環境および社会(E&S)リスクは、顧客、取引、商品、サプライヤーまたは活動に関連するE&S問題が当グルー
プにとっての財務、業務、法律および/または評判上の価値を喪失させるというリスクを生み出すリスクであ
る。E&S問題には、土壌汚染、廃棄物処理、土地・資源の利用、生物多様性、水質および水の利用可能性、気候
変動、環境規制、人権、原住民の権利ならびに地域の関与等があるが、これに限られない。GRMは、E&Sリスクの
特定、評価、監視および報告方針の策定および維持ならびにその定期的な見直しおよび更新に責任を負う。E&S
リスク方針は、E&Sリスクに晒される可能性のある部門、顧客および事業活動を特定し、必要に応じて強化され
たデュー・ディリジェンス手続および上申手続を適用し、E&Sリスクを管理、軽減および監視するための要件を
定めることを目指している。事業セグメントおよび企業の機能としては、E&Sリスクの管理要件を、各自の業務
に組み込む責任を負う。
当グループは、E&Sリスクの管理に関する実務およびプロセスの重要性を認識しており、定期的かつ明快な開
示を約束している。エクエーター原則(EP)の署名者である当グループは、EPの枠組みに基づき評価されるプロ
ジェクトについて毎年報告している。RBCグローバル・アセット・マネジメント(GAM)およびブルーベイ・ア
セット・マネジメント・エルエルピーは、国連責任投資原則(UN PRI)の署名者であり、責任投資活動について
毎年UN PRIに報告している。当行の完全保有子会社であるRBCヨーロッパ・リミテッド(RBCEL)は、グリーンボ
ンド原則の署名者であり、自己のグリーンボンドの引受業務について毎年報告している。当グループのコーポ
レート・シチズンシップ・チームは、企業としての環境戦略を定めており、環境、社会およびガバナンス
(ESG)実績レポートにおいて当グループの実績を毎年報告している。また、当グループのサプライチェーンま
たは事業の中で奴隷制度や人身売買が行われないようにするために当グループが講じてきた措置について記載し
た現代奴隷法に基づく年次報告書および金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース
(TCFD)の勧告を検討する開示書類を公表している。
<TCFD開示>
ガバナンス
取締役会およびその委員会は、E&Sリスクおよび機会(気候変動を含む。)の管理遂行責任を負う上級管理職
を監督する。取締役会は、気候変動および当グループのE&Sリスクに対する戦略的アプローチを監督するが、こ
れには気候関連リスクおよび機会の管理方法が含まれる。GRMは、必要に応じて気候関連リスクを特定、評価、
監視および報告するアプローチを策定する、専門のE&Sリスク・チームを有する。気候関連リスクに関する達成
目標は、経営陣が設定している。
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戦略
当グループは、低炭素経済への移行を加速し、気候変動に関連するリスクを軽減するために、果たすべき役割
があることを認識している。気候関連リスクおよび機会の特定、評価および管理における世界の慣行は常に変化
しており、移行には資本市場、銀行借入およびその他の資金調達源の利用が必要になるであろうことから、当グ
ループは、当グループの金融商品、サービスおよびアドバイスによって顧客を支援することに引き続き重点を置
いている。
急速に変化する持続可能な金融市場およびグリーンボンド市場に当グループが参加することは、低炭素移行の
一要素である。当グループは、再生可能エネルギー、クリーン交通、および社会的利益にかない環境保護効果の
あるその他の行為に関して顧客を支援するため、持続可能な融資として1,000億ドルを提供する旨を決定した。
まず初めに、再生可能エネルギーおよびグリーンビルディングのカテゴリーを中心とした資産ポートフォリオに
資金を供給する500百万ユーロの5年満期グリーンボンドを発行した。これらの活動は、前述のグリーンボンド
原則、およびソーシャル・ボンド市場の健全性を促進するソーシャル・ボンド原則に沿うものである。
リスク管理
気候変動は、システミック・リスク、規制リスク、競争リスク、戦略リスク、評判リスク、信用リスクおよび
市場リスク等、その他のリスクタイプを引き起こす要因となる可能性がある。気候変動は、2017年に初めて新興
リスクとして特定され、これを管理する当グループの戦略およびアプローチは、現在も新興リスクとして上級管
理職および取締役会に定期的に報告されている。
当グループは気候リスクを、低炭素社会への移行に関連するリスク(移行リスク)および気候変動による物理
的影響に関連するリスク(物理的リスク)と定義している。当グループは、気候関連リスクに対する当グループ
のエクスポージャーおよび当該リスクの影響を評価するため、ポートフォリオ、顧客およびシナリオの分析を
行っている。当グループは、新たな規制および法的要件、業務およびサービスの中断ならびに当グループが顧客
に提供する商品およびサービスを通じて、気候リスクに晒される可能性がある。当グループは、当グループが直
面しているリスクおよびこれらのリスクを軽減するための行動を定期的に検討している。
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新たな規制および法的要件 ・銀行、保険会社および資産管理・運用機関に適用される
気候変動規制、枠組みおよびガイダンスは、急速に変化
している。2019年5月、BoCおよびヨーロッパ中央銀行
金融システム・レビューが公表され、気候変動の財務リ
スクおよび経済リスクを扱っている。具体的な要件は未
だ発表されていないが、当グループは今後も動きを注視
していく。
・RBCELは、気候変動による財務リスクに責任を負う上級
管理部門を設置し、イングランド銀行健全性規制機構の
監督声明SS3/19および政策声明PS11/19を満たすための
当初の計画を策定した。
・中から高程度の環境リスクを有すると分類された部門
(炭素排出量の多い部門等)の顧客向けに、顧客が気候
変動による規制面の影響を評価および定量化したか否か
を評価する。
業務および顧客サービスの中断 ・当グループが賃貸または所有する物件のうち、施設の混
乱(異常気象事象によるもの等)を軽減するため設備イ
ンフラの強化を必要とする事業プロセスおよび支援アプ
リケーションを含むものを特定する。施設ごとのダウン
タイムについての事業リスク許容度、ならびに立地、電
力供給、洪水の危険度、地質安定性およびその他の危険
要因に基づき、施設環境の危険性を分類する。
・建築設計および購買決定を通じて、気候変動を軽減しこ
れに適応するための措置を講じる。
・必要に応じて、気候関連事象(洪水、ハリケーン等)が
当グループの事業および顧客の業務に与える影響を評価
する。
当グループが提供する商品およびサービス ・顧客が気候関連のリスクおよび機会に対処する支援とし
て、商品、サービスおよび助言(炭素取引サービス、グ
リーンボンドの引受け、クリーン・テクノロジーの貸出
および相談サービス、ならびに責任投資等)を提供す
る。
・当グループは、地域または部門の低迷に対する強靱性を
向上し、信用エクスポージャーの集中を最小限に抑え
る、分散された貸出ポートフォリオを維持する。
・各事業セグメントは、重要な気候関連リスクおよび機会
を特定する責任を負い、これらは必要に応じてリスク管
理プロセスに組み込まれる。当グループは、当グループ
のポートフォリオについて気候シナリオ分析を行い、異
なるシナリオ(2度シナリオを含む。)に基づく移行リ
スクおよび物理的なリスク・ドライバーの影響を評価し
た。
・当グループの資産管理・運用業務は、投資リスクまたは
リターンに重大な影響を有する可能性がある場合、投資
プロセスにESG問題を組み込む。
・RBCインシュアランス®は、アビバ・カナダ・インクを通
じて販売された損害保険商品の保険証券管理を行ってい
るため、これらの商品に伴う気候関連リスクには直接さ
らされていない。保険業界は総じて、気温上昇およびハ
リケーンといった気候パターンの長期的な変化にさらさ
れており、当グループの保険事業の業績に間接的な影響
が生じる可能性がある。
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測定基準および目標
当グループは、業務、調査、協力関係および社会貢献活動における資金調達、投資、リスク管理および二酸化
炭素削減に関して取組みを行っている。カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトの署名者である当グルー
プは、2003年以降、温室効果ガス(GHG)プロトコルに基づく複数年のデータを含め、気候関連のデータを公表
している。また、当グループのエネルギーおよび排出量の測定基準について、第三者による限定的保証を受けて
いる。
<その他の要因>
当グループの業績に影響を及ぼすおそれのあるその他の要因は、政府の貿易政策の変更、会計基準の変更およ
び当グループの会計方針、予測および判断に対する影響、カナダ、米国および当グループが業務を運営および/
または管理する他の法域における通貨および金利の変動、当グループの信用格付の変化、新商品およびサービス
の時宜を得た開発成功、技術進歩、プロセスの効果的なデザイン、導入および実施ならびに関連する制御、グ
ループ内部または外部の者による詐欺、地方、国または世界経済に影響を与える疾病による当グループの事業に
対する影響の可能性、交通、通信、電力および水道等の公共インフラの混乱、国際紛争およびその他の政治情勢
(テロとの戦いに関するものを含む。)ならびに関連リスクの予測および管理の成功等である。
当グループは、リスク要因(その多くは当グループの制御し得ないものである。)に関する上記の記載は網羅
的でなく、その他の要因も当グループの業績に影響を及ぼす可能性があることについて注意を促している。
本項中の将来に関する記述は、2019年12月3日現在のRBCの考え、展望、目的、予測および見積もりに基づく
ものである。
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 【業績等の概要】
下記「(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(2) 【生産、受注及び販売の状況】
下記「(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(3) 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本項中の将来に関する記述は、本書提出日現在のRBCの考え、展望、目的、予測および見積もりに基づくも
のである。
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概観および見通し
主要な財務ハイライトおよびその他重要情報 (表1)
(単位:百万カナダドル(1株当たりの金額、数
2019 年 と2018年との比較
および%の数値を除く。)) 2019 年 2018 年 増加(減少)
$ 46,002 $ 42,576 $ 3,426
収益合計 8.0%
信用損失引当金繰入額 ( PCL ) 1,864 1,307 557 42.6%
保険契約者に対する給付、保険金および新契約費
(PBCAE) 4,085 2,676 1,409 52.7%
利息以外の費用 24,139 22,833 1,306 5.7%
税引前利益 15,914 15,760 154 1.0%
$ 12,871 $ 12,431 $ 440
純利益 3.5%
セグメント-純利益
$ 6,402 $ 6,028 $ 374
パーソナル&コマーシャル・バンキング 6.2%
ウェルス・マネジメント 2,550 2,265 285 12.6%
インシュアランス 806 775 31 4.0%
インベスター&トレジャリー・サービス 475 741 (266) (35.9)%
キャピタル・マーケッツ 2,666 2,777 (111) (4.0)%
コーポレート・サポート (28) (155) 127 n.m.
$ 12,871 $ 12,431 $ 440
純利益 3.5%
主要な情報
$ 8.78 $ 8.39 $ 0.39
1株当たり利益(EPS) -基本的 4.6%
-希薄化後
8.75 8.36 0.39 4.7%
(1)(2)
普通株主資本利益率(ROE) 16.8% 17.6% n.m. (80)bps
(1)
$ 75,000 $ 68,900 $ 6,100
平均普通株主資本 8.9%
(3)
純預貸利ざや(NIM)(平均収益資産) 1.61% 1.64% n.m. (3)bps
純貸出金および純手形引受けの平均に対する貸出
金に係るPCLの割合 0.31% 0.23% n.m. 8bps
純貸出金および純手形引受けの平均に対するパ
フォーミング・ローンに係るPCLの割合 0.04% 0.03% n.m. 1bp
純貸出金および純手形引受けの平均に対する減損
貸出金に係るPCLの割合 0.27% 0.20% n.m. 7bps
貸出金および手形引受けに対する減損貸出金総額
(GIL)の割合 0.46% 0.37% n.m. 9bps
(4)
流動性カバレッジ比率(LCR) 127% 123% n.m. 400bps
自己資本比率、レバレッジ比率および倍率
普通株式等Tier1(CET1)比率 12.1% 11.5% n.m. 60bps
Tier 1比率 13.2% 12.8% n.m. 40bps
総自己資本比率 15.2% 14.6% n.m. 60bps
レバレッジ比率 4.3% 4.4% n.m. (10)bps
(5)
主要な貸借対照表情報およびその他の情報
$ 94,201
総資産 $1,428,935 $1,334,734 7.1%
有価証券 (適用引当金控除後) 249,004 222,866 26,138 11.7%
貸出金(貸倒損失引当金控除後) 618,856 576,818 42,038 7.3%
デリバティブ関連資産 101,560 94,039 7,521 8.0%
(3)
預金 886,005 836,197 49,808 6.0%
普通株主資本 77,816 73,552 4,264 5.8%
総自己資本リスク調整後資産 512,856 496,459 16,397 3.3%
運用資産 (AUM) 762,300 671,000 91,300 13.6%
(6)
管理資産 (AUA) 5,678,000 5,533,700 144,300 2.6%
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(単位:百万カナダドル(1株当たりの金額、数
2019 年 と2018年との比較
および%の数値を除く。)) 2019 年 2018 年 増加(減少)
普通株式の情報
発行済株式数(単位:千株)-基本 的 平均 1,434,779 1,443,894 (9,115) (0.6)%
-希薄化後平均 1,440,682 1,450,485 (9,803) (0.7)%
-期末 1,430,096 1,438,794 (8,698) (0.6)%
$ 4.07 $ 3.77 $ 0.30
普通株式1株当たり配当 8.0%
(7)
配当利回り 4.1% 3.7% n.m. 40bps
配当性向 46% 45% n.m. 100bps
普通株式価格(トロント証券取引所(TSX)にお
(8)
$ 106.24 $ 95.92 $ 10.32
ける略称はRY) 10.8%
(8)
時価総額(TSX) 151,933 138,009 13,924 10.1%
経営情報 (単位:数)
従業員:常勤相当( FTE ) 82,801 81,870 931 1.1%
銀行支店 1,327 1,333 (6) (0.5)%
現金自動預払機(ATM) 4,600 4,537 63 1.4%
(9)
$ 0.752 $ 0.776 $ (0.024)
当期における1.00カナダドルの平均米ドル換算額 (3.1)%
$ 0.759 $ 0.760 $ (0.001)
期末における1.00カナダドルの米ドル換算額 (0.1)%
(1) 平均額は、当期の1日の平均残高を概算するための方式を用いて計算されている。これはROEの計算に用いられた平均普通
株主資本を含む。詳細については、「主要な業績および非GAAPによる測定」の項を参照のこと。
(2) これらの数値は、一般に公正妥当と認められる会計原則(GAAP)に基づく標準的な意味を持たず、他の金融機関が開示す
る類似の基準と比較できない場合がある。詳細については、「主要な業績および非GAAPによる測定」の項を参照のこと。
(3) 2019年度第4四半期以降、純損益を通じて公正価値で測定される商品(FVTPL)に計上された一部の預金に記録された利息
部分および未払利息(従前はそれぞれトレーディング収益および預金に計上された。)は、それぞれ受取利息純額および
その他の負債として表示される。比較のための数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
(4) LCRは各期間の3ヶ月間の平均値であり、金融機関監督庁(OSFI)流動性十分性基準(LAR)ガイドラインに従って計算さ
れる。詳細については、「流動性リスクおよび資金調達リスク」の項を参照のこと。
(5) 年度末の現物残高を示している。
(6) AUAには、証券化された住宅担保ローンの155億ドルおよびクレジットカード・ローン81億ドル(2018年度は167億ドルおよ
び96億ドル)をそれぞれ含む。
(7) 普通株式1株当たりの配当を該当期間中の株価の最高値および最安値の平均で除したものとして定義されている。
(8) TSXにおける期末日現在の終値に基づく。
(9) 平均額は、各期の月末の直物相場を用いて計算されている。
n.m. この欄は意味を持たない。
見通しおよび戦略目標
当グループの事業戦略および行動は、 「世界で最も信頼され、成功した金融機関になる」 という当グループの構
想によって方向付けられている。当グループの3つの戦略目標は次のとおりである。
・カナダでは、金融サービスにおいて圧倒的首位に立つこと。
・米国では、法人、機関投資家および富裕層ならびにそれらの事業のよきパートナーとなること。
・主要な世界の金融センターでは、高い専門知識を評価される金融サービスのリーディングパートナーとなるこ
と。
当グループの事業戦略および戦略目標に照らした2019年度の進展については、「事業セグメント業績」の項を参
照のこと。
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経済、市場および規制の概観ならびに展望-2019年12月3日現在
本項の予測および見通しは、当グループが信頼できると判断したソースからの情報および仮定条件に基づいてい
る。この情報または仮定条件が正確でなかった場合、実際の経済的成果は本項に記載された見通しと著しく乖離す
る場合がある。
カナダ
2019 暦年のカナダ経済は、2018暦年の1.9%より低い1.6%の成長が見込まれる。不安定な世界経済、貿易緊張の
高まりおよびエネルギー部門の課題を背景に、企業の設備投資は減少している。労働市場環境が好調で賃金も上昇
傾向にあることから世帯所得は増加したが、債務水準の上昇および債務の返済費用の増加によって消費支出は緩や
かに減速した。2018年10月以降、バンク・オブ・カナダ(BoC)は、翌日物金利を1.75%に据え置いているが、世
界の中央銀行による緩和政策により、カナダにおける借入費用は減少している。BoCは、世界的な展望が一層悪化
したり、製造および投資の鈍化が他業界にも広がったりすれば、利下げをいとわないことを示唆している。消費支
出および住宅市場が緩やかに伸び、かつ、企業の設備投資が抑えられる中、カナダのGDP成長率は、2020暦年も引
き続き、経済の長期的傾向をわずかに下回ると見られる。
米国
2019 暦年の米国経済は、2018暦年の2.9%より低い2.3%の成長が見込まれる。2018年に行われた減税による刺激
効果は薄れたものの、消費支出は依然好調に伸びた。失業率はさらに低下したが、2019暦年は2018暦年と比較して
雇用の拡大が鈍化した。成長が低迷した2018暦年を受け、2019暦年初めには、2018年の利上げによる悪影響によっ
て住宅市場が引き続き減速したが、最近の連邦準備制度理事会(Fed)の利下げに伴って回復している。貿易緊張
が高まり、世界経済の展望に関する不確実性が心理を圧迫したことから、企業の設備投資の伸びは鈍化している。
Fedは10月、ベンチマーク金利を引き下げた(2019暦年中3回目)が、経済の展望が予測どおりであれば、さらな
る利下げの可能性は低いことを示唆した。消費支出はより緩やかに、しかし依然堅調なペースで増加することが予
測される一方、企業の設備投資および輸出が引き続き抑えられていることから、2020暦年の米国のGDP成長率はさ
らに鈍化すると予測される。
ヨーロッパ
2019 暦年のユーロ圏のGDPは、2018暦年の1.9%より低い1.2%の成長が見込まれる。ユーロ圏最大の経済を有す
るドイツの成長率は、産業部門の低迷が続いて鈍化した。ユーロ圏のその他の主要な経済の成長率は、製造業の低
迷がサービス部門の好調な活動によって概ね相殺されたことで、穏やかに推移している。欧州中央銀行(ECB)
は、9月、追加金融緩和政策を発表し、マイナスの政策金利をさらに引き下げ、量的緩和を再開した。英国では、
ブレグジットに関する不確実性が企業の景況感および設備投資を圧迫していることから、2019暦年の成長率は2018
暦年の1.4%から1.3%に低下する見込みである。英国経済の成長はさらなる鈍化が予測されるものの、ユーロ圏に
おいては金融刺激策がやや進んで助けとなり、2020年は比較的緩やかなペースで安定を続けると予想される。
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金融市場
低インフレおよび金融緩和政策が長期間続くという期待から、国債の利回りは歴史的低水準にとどまっている。
金融刺激策ならびに米中協定およびブレグジット協定に関する最近の楽観論により、株式市場は支えられている。
石油の世界需要に関する懸念が地政学的リスクを相殺したため、ここ数ヶ月の石油価格は比較的横ばいである。カ
ナダおよび米国におけるイールドカーブは引き続き平坦で、投資家が依然として景気悪化のリスクを懸念している
ことを表している。
<規制環境>
当グループでは、新たな規制を確実に遵守するよう努める一方、事業または財政に対するマイナスの影響を可能
な限り軽減する等、規制の進展および変化に対する監視および準備を続けている。マイナスの影響は、法令の新設
または改正およびそれらを執行する側の期待度等から発生しうる。重要な進展には、資本および流動性に係る世界
および国内基準の継続的な変化、世界の貿易協定、個人情報保護に関する法制度の変更、マネー・ロンダリング防
止規制の改正ならびに米国、英国およびヨーロッパの規制改革が含まれる。
これらおよびその他の変化の結果、当グループの事業および財務業績に影響を与える可能性のあるリスク要因に
ついては、リスクに関する各項を参照のこと。リスク管理体系および活動についての詳細は、リスクに関する各項
および「資本管理」の各項を参照のこと。
株主還元率による業績の決定および測定
当グループは、中期(3年間から5年間)にわたって世界の競合グループの上位半分の業績を達成することで、
株主還元率(TSR)を最大化することを目標としている。これは、好調な財務業績を持続するという長期的な視野
を反映したものであると当グループは考えている。
TSR の最大化は、前述した当グループの3つの戦略目標と連動し、当グループは株主利益創出の最も適切な基準
を示すと考えている。TSRは、一定期間における普通株式の実績を、株価の上昇および普通株主に対して支払われ
た配当を反映して比較するために用いる指標である。TSRの絶対規模は、市況に応じて変化し、当行の相対的ポジ
ションは、競合グループと比較した、当グループの全体的な実績に対する市場の一定期間の認識を反映している。
財務業績目標は、中期TSR目標に照らして当グループの業績を測定するために用いられ、戦略的優先事項に照ら
して執行する目標として使用されている。当グループでは、経済、市場および規制環境の変化に応じて、これらの
財務業績目標の見直しを行っている。意思決定の際にこれらの中期目標を念頭に置くことで、持続可能な収益の増
加および堅調な普通株主利益を十分に達成できると考えている。
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下表は、3年間および5年間における当グループの中期財務業績目標に対する実績の概要である。
当グループの中期目標と比較した財務業績目標 (表2)
(1) (2) (2)
中期目標 3年間 5年間
希薄化後1株当たり利益(EPS)7%超 9% 8%
普通株主資本利益率(ROE)16%超 17.1% 17.3%
(3)
高い自己資本比率( CET 1) 11.5% 11.2%
40 %-50%の配当性向 46% 46%
(1) 中期目標(3年間から5年間)は、業績目標が3年間または5年間のいずれかの期間で実現した場合に達成されたとみな
される。
(2) 希薄化後1株当たり利益 は、複合年間成長率(CAGR)を用いて測定される。ROE、CET1および配当性向は平均値を用いて
測定される。
(3) CET 1比率 についての詳細は、「資本管理」の項を参照のこと。
2020 年度についても、当グループの中期財務業績目標は、変更されない。
当グループではTSRを、取締役会が承認した下記の10の金融機関からなる世界の競合グループのものと比較して
いる。なお、世界の競合グループは昨年度から変更はない。
・ カナダの金融機関 :バンク・オブ・モントリオール、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース、
マニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーション、ナショナル・バンク・オブ・カナダ、パワー・ファイナ
ンシャル・コーポレーション、ザ・バンク・オブ・ノバ・スコシアおよびトロント・ドミニオン・バンク
・ 米国の銀行 :ジェー・ピー・モルガン・チェース・アンド・カンパニーおよびウェルズ・ファーゴ&カンパニー
・ その他の国々の銀行 :ウェストパック・バンキング・コーポレーション
中期目標-競合グループの平均と比較した3年間および5年間におけるTSR (表3)
(1) (1)
3年間におけるTSR 5年間におけるTSR
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ 12% 10%
上位半分 上位半分
競合グループの平均(RBCを除く。) 11% 8%
(1) 3年間および5年間の年率換算TSRはそれぞれ、2016年10月31日から2019年10月31日までの期間および2014年10月31日から
2019年10月31日までの期間におけるTSXにおける期末日現在の終値に基づく当グループの普通株式価格の上昇幅および同期
間に再投資された配当金を用いて計算されている。
普通株式および配当に関する情報 (表4)
10月31日に終了した年度 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
$ 106.24 $ 95.92 $ 100.87 $ 83.80 $ 74.77
普通株式価格(TSXにおける略称はRY)-期末の終値
1株当たりの支払済配当 4.00 3.70 3.40 3.20 3.04
株価の上昇(下落) 10.8% (4.9)% 20.4% 12.1% (6.5)%
株主還元率 15.2% (1.0)% 25.0% 16.8% (3.0)%
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財務業績
概観
<2019年度と2018年度との比較>
当期純利益は、前年度比440百万ドル増すなわち4%増の12,871百万ドルとなった。希薄化後1株当たり利益
(EPS)は0.39ドル増すなわち5%増の8.75ドル、普通株主資本利益率(ROE)は80bps低下して16.8%となった。
普通株式等Tier1(CET1)比率は、前年度比60bps上昇の12.1%であった。
当グループの業績は、パーソナル&コマーシャル・バンキングおよびウェルス・マネジメントにおける好調な利
益ならびにインシュアランスにおける堅調な業績が、インベスター&トレジャリー・サービスおよびキャピタル・
マーケッツにおける業績低下によって一部相殺されたことを反映するものであった。また当グループの業績は、前
年度の米国税制改革の影響によって繰延税金資産純額が評価減となったことおよび外国為替換算の影響による増加
も反映していた。
パーソナル&コマーシャル・バンキングの利益は、主として平均取引高の7%増およびスプレッドの拡大によっ
て増加した。これらの要素は、PCLの増加、従業員関連費用の増加ならびにテクノロジー費用および関連費用に
よって、一部相殺された。
ウェルス・マネジメントにおける業績の向上は、主として手数料ベースの平均顧客資産の増加、受取利息純額の
増加および ブルーベイの民間融資事業売却による134百万ドル(税引後)の利益 によるものである。これらの要素
は、 事業拡大に伴う費用の増加、収益増加に比例した 変動報奨金の増加およびPCLの増加により一部相殺された。
インシュアランスにおける利益の増加は、主として長寿再保険の新規契約による影響が、保険金支払額の増加に
よって一部相殺されたことによる。
インベスター&トレジャリー・サービスにおける業績は悪化した。これは主として、資金調達および流動性収益
の減少、事業の見直しに伴う退職費用および関連費用ならびに資産管理・運用サービス業務からの収益の減少によ
るものである。
キャピタル・マーケッツにおける業績の悪化は、コーポレート&インベストメント・バンキングにおける収益の
減少、PCLの増加ならびにテクノロジー費用および関連費用の増加に牽引された。これらの要素は、主として利益
構成の変化による実効税率の低下、グローバル・マーケッツにおける収益の増加および外国為替換算の影響により
一部相殺された。
コーポレート・サポートの純損失は28百万ドルであった。これは主として、会計上の不利な修正の影響、未配分
残余費用および税金によるマイナスの影響が、資産/負債管理行動により一部相殺されたことによる。前年度の純
損失は155百万ドルで、主として前述の米国税制改革の影響(178百万ドル)が、資産/負債管理行動により一部相
殺されたことによる。
当グループの事業セグメント別業績およびCET1比率についての詳細は、「事業セグメント業績」および「資本
管理」の各項を参照のこと。
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外貨換算の影響
下表は、主要な損益計算書項目について想定される外貨換算の影響を表している。
(表5)
2019 年 度 と
(単位:百万カナダドル(1株当たりの金額を除く。)) 2018年度との比較
増減:
$ 339
収益合計
PCL 7
利息以外の費用 203
法人所得税 13
当期純利益 116
EPS への影響
$ 0.08
基本的
希薄化後 0.08
下表は、当グループの事業に影響を及ぼす関連平均為替レートを示している。
(表6)
(1)
(1.00カナダドルの平均外貨換算額) 2019 年 2018 年
米ドル 0.752 0.776
英ポンド 0.591 0.578
ユーロ 0.670 0.654
(1) 平均額は、当期の月末の直物相場を用いて計算されている。
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収益合計
(表7)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 41,333 $ 33,021
受取利息および受取配当金
(1)
支払利息 21,584 15,069
$ 19,749 $ 17,952
受取利息純額
(1)
NIM 1.61% 1.64%
$ 5,710 $ 4,279
保険料収益、投資収益および手数料収益
(1)
トレーディング収益 995 1,150
投資運用手数料および保管手数料 5,748 5,377
ミューチュアル・ファンド収益 3,628 3,551
有価証券ブローカー手数料 1,305 1,372
サービス料 1,907 1,800
引受業務手数料およびその他のアドバイザリー業務の手
数料 1,815 2,053
トレーディング以外の外国為替収益 986 1,098
カード・サービス収益 1,072 1,054
与信手数料 1,269 1,394
投資有価証券に係る純利益 125 147
共同支配企業および関連会社の持分利益 76 21
その他 1,617 1,328
$ 26,253 $ 24,624
利息以外の収益
$ 46,002 $ 42,576
収益合計
(1) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前はトレーディング収益に計上されていた利
息部分は、受取利息純額として表示される。比較のための数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
<2019年度と2018年度との比較>
収益合計は、3,426百万ドル増すなわち8%増となった。これは主として、受取利息純額の増加ならびに保険料
収益 、投資収益および手数料収益(保険収益)の増加による。 投資運用手数料および保管手数料ならびにその他の
収益の増加 も、この増加に寄与した。外国為替換算の影響によっても、収益合計は339百万ドル増加した。これら
の要素は、引受業務手数料およびその他のアドバイザリー業務の手数料の減少によって、一部相殺された。
受取利息純額は、1,797百万ドル増すなわち10%増となった。これは主として、パーソナル&コマーシャル・バ
ンキングおよびウェルス・マネジメントにおける平均取引高の増加ならびにスプレッドの拡大によるものである。
キャピタル・マーケッツにおけるトレーディング収益および貸出業務収益の増加ならびに外国為替換算の影響も、
この増加に寄与した。受取利息純額は、 資金調達および流動性収益の減少が、その他の収益における非トレーディ
ング・デリバティブの関連利益によって相殺されたことによっても、影響を受けた。
NIM は、前年度比3bpsの低下となった。これは主として、主にリバース・レポの取引高が増えるなど平均収益資
産構成の変化ならびに 資金調達および流動性収益の減少 によるものである。これらの要素は、カナディアン・バン
キングおよびウェルス・マネジメントにおけるスプレッドの改善によって、一部相殺された。資金調達および流動
性収益の減少に関連した影響は、その他の収益 における非トレーディング・デリバティブの関連利益によって相殺
された。
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保険収益は、1,431百万ドル増すなわち33%増となった。これは主として、当グループの保険契約者の債務の裏
付けとなる投資の公正価値の変動およびインターナショナル・インシュアランスにおける事業の拡大によるもので
あるが、いずれも大部分がPBCAEにおいて相殺された。実現投資利得も、この増加に寄与した。これらの要素は、
団体年金保険の売上高の減少(その大部分がPBCAEにおいて相殺された。)により一部相殺された。
投資運用手数料および保管手数料は、371百万ドル増すなわち7%増となった。これは、相場上昇および純売上
高を反映した手数料ベースの平均顧客資産の増加ならびに外国為替換算の影響によるものである。
その他の収益は、289百万ドル増すなわち22%増となった。これは主として、資金調達および流動性業務におけ
る非トレーディング・デリバティブの利益(その大部分が受取利息純額において相殺された。)ならびにブルーベ
イの民間融資事業売却による利益によるものである。米国 の株式に基づく報酬制度に関するヘッジの公正価値の変
動(その大部分が利息以外の費用において相殺された。)も、この増加に寄与した。これらの要素は、 非トレー
ディング投資ポートフォリオにおける純利益の減少によって、一部相殺された。前年度には、1件のミューチュア
ル・ファンド商品およびその関連チームの売却に関する利益、シティ・ナショナルに関する会計上の有利な修正な
らびにInteracの再編に関する利益も含まれていた。
引受業務手数料およびその他のアドバイザリー業務の手数料は、238百万ドル減すなわち12%減となった。これ
は主として、北米を中心としたエクイティ・オリジネーションの減少ならびにヨーロッパおよびカナダを中心とし
たM&Aの減少によるものである。
<追加トレーディング情報>
(表8)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
トレーディング収益総額
(1)
$ 2,266 $ 1,960
受取利息純額
(1)
利息以外の収益 995 1,150
$ 3,261 $ 3,110
トレーディング収益 合計
商品別の トレーディング収益総額
$ 1,664 $ 1,573
金利および 信用
株式 1,037 1,014
外国為替および コモディティ 560 523
$ 3,261 $ 3,110
トレーディング収益 合計
(1) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前はトレーディング収益に計上されていた利
息部分は、受取利息純額として表示される。比較のための数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
<2019年度と2018年度との比較>
受取利息純額および利息以外の収益に計上されるトレーディング関連収益からなるトレーディング収益合計は、
151百万ドル増すなわち5%増の3,261百万ドルとなった。これは主として、すべての地域における債券トレーディ
ング収益の増加および外国為替換算の影響によるものである。
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信用損失引当金繰入額
<2019年度と2018年度との比較>
PCL 総額は、前年度比557百万ドル増となった。
貸出金に係るPCLは、前年度比608百万ドル増すなわち47%増となった。これは主として、パーソナル&コマー
シャル・バンキング、キャピタル・マーケッツおよびウェルス・マネジメントにおける減損貸出金に係る引当金繰
入額が増加したことによる。貸出金に係るPCL比率は、8bps上昇した。
PCL の詳細は、「信用リスク」の「信用の質の実績」の項を参照のこと。
保険契約者に対する給付、保険金および新契約費(PBCAE)
<2019年度と2018年度との比較>
PBCAE は、前年度比1,409百万ドル増すなわち53%増の4,085百万ドルとなった。これは主として、当グループの
保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動および好調な投資関連実績の減少を反映している。イン
ターナショナル・インシュアランス事業の成長および保険金支払額の増加も、かかる増加の一因となった。これら
の要素は、団体年金保険の売上高の減少および新規の長寿リスクの再保険契約の堅調な影響により一部相殺され
た。
利息以外の費用
(表9)
(単位:百万カナダドル( %の数値を除く。) ) 2019 年 2018 年
$ 6,600 $ 6,077
給与
変動報奨金 5,706 5,597
給付金および留保報奨金 1,876 1,779
株式に基づく報酬 418 323
$ 14,600 $ 13,776
人件費
設備費 1,777 1,593
施設費 1,635 1,558
通信費 1,090 1,049
専門家報酬 1,305 1,379
その他の無形資産の償却費 1,197 1,077
その他 2,535 2,401
$ 24,139 $ 22,833
利息以外の費用
(1)
効率性比率 52.5% 53.6%
(2)
調整後効率性比率 53.6% 53.1%
(1) 効率性比率は、収益合計で除した利息以外の費用として計算されている。
(2) 当該数値は、当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値における変化を除いて調整されており、非
GAAP基準である。詳細は、「主要な業績および非GAAPによる測定」の項を参照のこと。
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<2019年度と2018年度との比較>
利息以外の費用は、1,306百万ドル増すなわち6%増となった。これは主として、 事業拡大に伴う費用および従
業員関連費用の増加、外国為替換算の影響ならびにテクノロジー費用(デジタル・イニシアチブを含む。)および
関連費用の増加 によるものである。収益増加に比例した変動報奨金の増加、インベスター&トレジャリー・サービ
ス事業の見直しに伴う退職費用および関連費用ならびに米国の株式に基づく報酬制度の公正価値の変動( その大部
分が収益において相殺された。) も、この増加に寄与した。
効率性比率は52.5%で、前年度から110bps低下した。当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正
価値の変動を除く効率性比率は、前年度比で50bps上昇し、53.6%となった。
当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動を除く効率性比率は、非GAAPによる測定で
ある。調整を含む詳細は、「主要な業績および非GAAPによる測定」の項を参照のこと。
法人所得税およびその他の税金
(表10)
(単位:百万カナダドル(%の数値を除く。)) 2019 年 2018 年
$ 3,043 $ 3,329
法人所得税
その他の税金
$ 519 $ 468
付加価値税および売上税
給与税 738 687
資本税 73 80
固定資産税 139 132
保険税 30 29
事業税 55 37
$ 1,554 $ 1,433
$ 4,597 $ 4,762
法人所得税およびその他の税金の合計
$ 15,914 $ 15,760
税引前 利益
法人所得税の実効税率 19.1% 21.1%
(1)
実効税率の合計 26.3% 27.7%
(1) 法人所得税およびその他の税金控除前利益に対する法人所得税およびその他の税金の合計の割合。
<2019年度と2018年度との比較>
法人所得税費用は、前年度比286百万ドル減すなわち9%減となった。これは主として、税率の低い法域からの
利益の増加および前年度の米国税制改革の影響による繰延税金資産純額の評価減によるものである。これらの要素
は、税引前利益の増加によって一部相殺された。
実効税率は、200bps低下して19.1%となった。これは主として、税率の低い法域からの利益の増加および前年度
の米国税制改革の影響による繰延税金資産純額の評価減によるものである。
その他の税金は、2018年度比121百万ドル増すなわち8%増となった。これは主として、購入行動に比例する付
加価値税および売上税の増加ならびに従業員関連費用の増加による賃金税の増加によるものである。
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顧客資産
< 管理 資産>
管理資産(AUA)は、顧客が実質所有し当グループが管理する資産である。当グループは、保護預かり、投資に
よる収益の回収、売買取引の決済、記録管理といった管理サービスを提供している。AUAにおける基本投資戦略は
顧客が決定しており、そのことが、当グループが受領する管理手数料に影響することは通常はない。管理手数料
は、市場動向、管理するサービスの種類、取引高、地域および取引高または複数のサービスに基づく顧客関係ベー
スの価格設定 等 の資産評価水準の変動による影響を受ける場合がある。
当グループのインベスター&トレジャリー・サービス事業がAUAを有する主要な事業セグメントであり、2019年
10月31日現在、全AUAの約76%を保有している。続くウェルス・マネジメント事業およびパーソナル&コマーシャ
ル・バンキング事業は、それぞれ全AUAの約19%および約5%を保有している。
<2019年度と2018年度との比較>
AUA は、前年度比1,440億ドル増すなわち3%増となった。これは主として、資本増価および純売上高を反映して
いる。
下表は、AUAを地域別および資産区分別にまとめたものである。
AUA の地域別および資産区分別内訳 (表11)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
(1)
カナダ
$ 35,300 $ 31,800
マネー・マーケット
債券 752,000 706,800
株式 652,000 635,700
マルチ・アセットおよびその他 902,100 934,500
$ 2,341,400 $ 2,308,800
カナダ合計
(1)(2)
米国
$ 26,500 $ 26,400
マネー・マーケット
債券 114,500 103,500
株式 189,600 173,200
マルチ・アセットおよびその他 226,700 193,400
$ 557,300 $ 496,500
米国合計
(1)
その他の国々
$ 44,100 $ 43,900
マネー・マーケット
債券 358,200 356,000
株式 787,900 871,700
マルチ・アセットおよびその他 1,589,100 1,456,800
$ 2,779,300 $ 2,728,400
その他の国々合計
$ 5,678,000 $ 5,533,700
AUA 合計
(1) 地域情報は当グループの顧客がサービスを受けている所在地に基づく。
(2) 従前の公表値から更新されている。
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<運用資産>
運用資産(AUM)は、顧客が実質所有し当グループが運用する資産である。運用報酬は、運用会社としての投資
能力に対して投資ファンドおよびその他の顧客が支払うが、管理サービスも対象とする場合がある。運用報酬は、
販売チャネル、商品および投資戦略に応じてAUMの百分率により日次、月次または四半期ごとに計算される。一般
的に、株式戦略の報酬レートのほうが債券またはマネー・マーケット戦略の報酬レートよりも高くなる。報酬は、
資産構成や複数のサービスを使う顧客のためのリレーションシップ・ベースの価格設定によっても影響される。通
常はリスクが高い資産ほど報酬が高くなるが、複数のサービスを使用する顧客は相乗効果により報酬を低くするこ
とができる。一定のファンドに関しては、成功報酬の取決めを置く場合がある。成功報酬は、一定のベンチマーク
または業績目標を達成した場合に計上される。これらの要素により、商品について発生する報酬の間に差異が生
じ、その結果平均AUMが類似しているにもかかわらず資産の区分によって利益率が異なる場合がある。ウェルス・
マネジメント・セグメントは、AUM合計の約99%を有する主要な事業セグメントである。
<2019年度と2018年度との比較>
AUM は、前年度比910億ドル増すなわち14%増となった。これは主として、資本増価および純売上高を反映してい
る。
下表は、2019年10月31日に終了した年度におけるAUMの変動を示したものである。
顧客資産-AUM (表12)
2019 年 2018 年
マルチ・
マネー・ アセット
(単位:百万カナダドル) マーケット 債券 株式 およびその他 合計 合計
(1)
$ 25,000 $ 184,000 $ 79,100 $ 382,900 $ 671,000 $ 639,900
AUM 期首残高
機関投資家資産流入額 55,200 33,400 6,500 15,900 111,000 104,600
機関投資家資産流出額 (51,700) (32,300) (3,000) (18,100) (105,100) (98,600)
個人資産流出入額(純額) 800 5,600 (1,100) 25,900 31,200 30,400
資産流出入純額合計 4,300 6,700 2,400 23,700 37,100 36,400
市場の影響 500 16,900 9,400 33,200 60,000 (9,200)
取得/処分 - (100) (900) (4,500) (5,500) -
外国為替 100 (600) - 200 (300) 3,900
市場、取得/処分および外国
為替による影響合計 600 16,200 8,500 28,900 54,200 (5,300)
$ 29,900 $ 206,900 $ 90,000 $ 435,500 $ 762,300 $ 671,000
AUM 期末残高
(1) 従前の公表値から更新されている。
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事業セグメント業績
事業セグメント別業績
(表13)
2019 年 2018 年
パーソナル&
インベス
キャピタル・
コマーシャ ター&トレ
(単位:百万カナダ
コーポレート・
マーケッツ
ル・ ジャリー・
ドル(%の数値を除 ウェルス・ インシュア
(1)
(1)
く。)) バンキング マネジメント ランス サービス サポート 合計 合計
(2)
$ 12,653 $ 2,993 $ - $ (44) $ 4,043 $ 104 $ 19,749 $ 17,952
受取利息純額
(2)
利息以外の収益 5,212 9,150 5,710 2,389 4,245 (453) 26,253 24,624
$ 17,865 $ 12,143 $ 5,710 $ 2,345 $ 8,288 $ (349) $ 46,002 $ 42,576
収益合計
PCL 1,448 117 - - 299 - 1,864 1,307
PBCAE - - 4,085 - - - 4,085 2,676
利息以外の費用 7,768 8,813 606 1,725 5,096 131 24,139 22,833
$ 8,649 $ 3,213 $ 1,019 $ 620 $ 2,893 $ (480) $ 15,914 $ 15,760
税引前純利益
法人所得税 2,247 663 213 145 227 (452) 3,043 3,329
$ 6,402 $ 2,550 $ 806 $ 475 $ 2,666 $ (28) $ 12,871 $ 12,431
純利益
(3)
ROE 27.2% 17.4% 39.6% 13.2% 11.4% n.m. 16.8% 17.6%
$ 466,200 $ 98,500 $ 17,600 $ 146,100 $ 666,500 $ 41,300
平均資産 $1,436,200 $1,294,900
(1) 受取利息純額 、収益合計 、税引前純利益および法人所得税は、キャピタル・マーケッツにおいて課税対象ベース(teb)で
表示されている。teb調整は、 コーポレート・サポート のセグメント では除外されている。 詳細は、「事業セグメントの測
定および報告方法」の項を参照のこと。
(2) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前はトレーディング収益に計上されていた利
息部分は、受取利息純額として表示される。比較のための数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
(3) 当該基準は、GAAPにおける標準化された意味を有しないため、その他の金融機関が開示する類似の基準と直接比較できな
い場合がある。詳細は、「主要な業績および非GAAPによる測定」の項を参照のこと。
n.m. この欄は意味を持たない。
事業セグメントの測定および報告方法
当グループの管理報告体系は、各事業セグメントの業績について、それぞれが独立した事業であるかのような測
定を意図し、各事業セグメントの管理方法を反映している。この手法では、事業セグメント別の業績が、事業遂行
に基づくすべての収益および費用を含むよう意図されており、その業績を経営陣がどのように見ているかを表して
いる。
<主要な方法>
以下は、管理報告体系において用いている主要な方法および仮定条件をまとめたものである。これらは、経営陣
が定期的にチェックし、有効であることを確認している。
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費用および税金の配分
各事業セグメントの業績に、それぞれの事業遂行に伴う費用を反映させるため、テクノロジー&オペレーション
ズおよびファンクションズが各事業セグメントのために直接負担する費用または提供するサービスを配分してい
る。一般経費およびその他の間接費用等、事業セグメントに直接配分できないその他の費用については、管理報告
体系を活用し、実質的な恩恵を反映させる目的で各事業セグメントに配分している。2018年度のコーポレート・サ
ポートにおいて、米国税制改革に関する繰延税金資産純額の評価減の影響を計上した。
資本の配分
当グループの管理報告体系は、各事業セグメントの活動に伴う実質的な恩恵およびリスクを含め、経済費用を継
続的に測定・調整するため、各事業セグメントへの資本の配分をも決定する。各事業セグメントに割り当てられた
資本金額は、配分資本という。未配分資本および関連純費用は、コーポレート・サポートに計上される。詳細につ
いては、「資本管理」の項を参照のこと。
資金移転価格
資金移転価格とは、管理報告目的上の社内での借入れまたは貸付けについての価格をいう。当グループは、セグ
メント業績のリスク調整を施した管理報告を可能にするために資金移転価格手続を採用している。当該手続は、当
グループの金利リスクおよび流動性リスクの管理目標ならびに適用ある規制要件を考慮した後、社内における資金
の借入れおよび貸付けに係る費用および収益を決定する。
信用損失引当金繰入額
PCLは、減損評価の対象とならない損益を通じて公正価値で測定される商品に分類または指定された金融資産
(FVTPL)およびその他の包括利益を通じて公正価値で指定される出資証券(FVOCI)を除いて、すべての金融資産
の見積信用損失を認識するために計上されている。信用損失引当金(ACL)に関する当グループの会計方針につい
ての詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記2を参照のこと。
PCL は、各事業セグメントの業務に関連する適切な費用が全部反映されるように、各事業セグメントの業績に含
まれる。
上記の主要な方法に加えて、各事業セグメントの管理方法および報告方法の主要な点を以下にまとめる。
・ウェルス・マネジメントの業績には、主にUSウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)につ
き、当該事業の業績を主として米ドルベースで評価および管理していることから、同通貨による開示も含まれ
ている。
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・キャピタル・マーケッツの業績は、課税優遇措置を受ける一部の収入源(カナダにおいて課税対象となる株主
配当および米国の税額控除投資業務)からの収益合計を有効な課税対象額にグロスアップし、所得税引当金か
ら同額を相殺するtebで報告される。コーポレート・サポートにおいて、teb調整の相殺控除を行っている。こ
れらの調整は、課税対象収益および主要な課税優遇対象の収入源における収益および関連比率の比較可能性を
向上させることから有益であり、キャピタル・マーケッツの事業管理方法を反映していると確信している。teb
調整およびteb測定を行った場合、他の金融機関が類似のGAAPを用いて測定し、または同様の方法で調整し開示
した金額と、比較できない場合がある。
・コーポレート・サポートの業績には、グループの資金調達、証券化、未配分資本に関する純費用および連結調
整(tebのグロスアップ金額の消去を含む。)等、組織のために行ったが5つの事業セグメントに割り当てられ
ないグループ規模のすべての活動が含まれている。
主要な業績および非GAAPによる測定
< 業績の測定 >
普通株主資本利益率
当グループでは、純利益およびROE等、数々の財務測定基準を用いて、連結事業および各事業セグメントの業績
を測定および評価している。当グループは、事業に対して投資した資本総額に対する利益率の基準として、連結お
よび各事業セグメントの双方のレベルでROEを用いている。経営陣は、各事業セグメントのROEを、事業セグメント
および特定の競争相手との比較可能性に影響を与える特定の項目を調整することから、投資および資源配分決定を
支える有益な基準であると考えている。
連結ROEは、普通株主に分配可能な純利益を、当期の平均普通株主資本総額で除して算出する。事業セグメント
のROEは、普通株主に分配可能な純利益を、当期の平均配分資本で除して算出する。各セグメントにおける平均配
分資本には、「資本管理」の項に記載のとおり各種リスクを支えるために必要とされる資本ならびにのれんおよび
無形資産に投資した金額が含まれている。
資本の配分においては、必要ある場合には経営陣が定期的に審査および修正した仮定条件、判断および方法を使
用する。かかる仮定条件、判断および方法が変更された場合、当グループが報告する事業セグメントのROE情報に
重大な影響を与える可能性がある。類似の配分および関連利益の測定に関して情報を開示するその他の企業は、異
なる仮定条件、判断および方法を用いている場合がある。
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下表は、ROEの計算についてまとめたものである。
ROE の計算 (表14)
2019 年 2018 年
パーソナル
インベス
&コマー
ター&トレ
シャル・ ウェルス・ インシュア ジャリー・
(単位:百万カナダドル キャピタル・ コーポレート・
(%の数値を除く。)) バンキング マネジメント ランス サービス マーケッツ サポート 合計 合計
普通株主に分配可能な
$ 6,309 $ 2,498 $ 798 $ 461 $ 2,584 $ (59) $ 12,591 $ 12,115
純利益
(1)
平均普通株主資本合計
(2)
23,200 14,350 2,000 3,500 22,750 9,200 75,000 68,900
(3)
ROE 27.2% 17.4% 39.6% 13.2% 11.4% n.m. 16.8% 17.6%
(1) 平均普通株主資本合計の数値は、四捨五入された数値である。
(2) セグメントの金額は、配分資本としてみなされる。
(3) ROE は、四捨五入する前の平均普通株主資本の実質残高に基づいている。
n.m. この欄は意味を持たない。
<非GAAPによる測定>
当グループは、以下に詳述する特定の非GAAP測定基準が、現在の営業成績を鮮明に反映し、当グループの業績に
対する経営陣の考え方を的確に表すことができると考えている。かかる測定基準により、2019年10月31日に終了し
た年度と前年度の財務業績の比較可能性が増す。非GAAP測定基準は、GAAPにおける標準化された意味を有しないた
め、他の金融機関が開示する類似の基準と比較できない場合がある。
以下は、当グループが営業成績の評価に用いている非GAAP測定基準に関する記述である。
特定項目を除く業績
2019 年10月31日に終了した年度および2018年10月31日に終了した年度において該当する特定項目はなかった。
2017年10月31日に終了した年度における当グループの業績は、下記の特定項目の影響を受けている。
・決済処理を 行う 共同支配企業であるモネリスが同社の米国事業をバンティブ・インクに売却したことに関連する
当グループ分の利益(212百万ドル(税引前および税引後)であり、パーソナル&コマーシャル・バンキングに
計上された。)
下表は、非GAAPによる測定である2018年10月31日に終了した年度の調整済み営業レバレッジ比率を算出する目的
で、2017年10月31日に終了した年度におけるパーソナル&コマーシャル・バンキングおよびカナディアン・バンキ
ングの業績を算出し、特定項目を除く測定基準を表したものである。
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パーソナル&コマーシャル・バンキング (表15)
2017 年
除外された項目
モネリスの 売却に
(1)
(単位:百万カナダドル(%の数値を除く。)) 報告額 関連する利益 調整後
$ 15,863 $ (212) $ 15,651
収益合計
PCL 1,054 - 1,054
利息以外の費用 7,176 - 7,176
$ 7,633 $ (212) $ 7,421
税引前純利益
$ 5,755 $ (212) $ 5,543
当期純利益
その他の情報
$ 7,176 $ - $ 7,176
利息以外の費用
収益合計 15,863 (212) 15,651
効率性比率 45.2% 45.9%
収益の増加率 5.7% 4.3%
利息以外の費用の増加率 3.5% 3.5%
営業レバレッジ 2.2% 0.8%
(1) 外貨換算を含む。
カナディアン・バンキング (表16)
2017 年
除外された項目
モネリスの 売却に
(1)
(単位:百万カナダドル(%の数値を除く。)) 報告額 関連する利益 調整後
$ 14,877 $ (212) $ 14,665
収益合計
PCL 1,016 - 1,016
利息以外の費用 6,423 - 6,423
$ 7,438 $ (212) $ 7,226
税引前純利益
$ 5,571 $ (212) $ 5,359
当期純利益
その他の情報
$ 6,423 $ - $ 6,423
利息以外の費用
収益合計 14,877 (212) 14,665
効率性比率 43.2% 43.8%
収益の増加率 6.2% 4.7%
利息以外の費用の増加率 3.8% 3.8%
営業レバレッジ 2.4% 0.9%
(1) 外貨換算を含む。
インシュアランスにおける投資の公正価値の変動を除く効率性比率
当グループの効率性比率は、当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動(収益に計上
され、PBCAEにおいて大部分が相殺される。)により影響を受ける。
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下表は、当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動を除く当グループの連結効率性比
率を算出したものである。
連結非GAAP効率性比率 (表17)
2019 年 2018 年
除外された項目 除外された項目
保険契約者の債 保険契約者の債
(単位:百万カナダ 務の裏付けとな 務の裏付けとな
ドル(%の数値を除 る投資の公正価 る投資の公正価
く。)) 報告額 値における変化 調整後 報告額 値における変化 調整後
$ 46,002 $ (987) $ 45,015 $ 42,576 $ 435 $ 43,011
収益合計
利息以外の費用 24,139 - 24,139 22,833 - 22,833
効率性比率 52.5% 53.6% 53.6% 53.1%
パーソナル&コマーシャル・バンキング
パーソナル&コマーシャル・バンキングは、日々の銀行業務、投資および資金調達に関するニーズに即して個人
および企業に対し、多種多様な金融商品およびサービスを提供している。当グループは、当グループの事業全般に
おける卓越したクライアント・エクスペリエンス、豊富な商品、深い専門知識およびデジタル・ソリューションと
いう特性に支えられた有意義な関係を顧客と築くことに重点を置いている。
当グループは、カナディアン・バンキングおよびカリブ海地域&米国バンキングという2つの業務を通じて事業
を営んでいる。カナディアン・バンキングは、カナダの国内市場にサービスを提供しており、現在の競争環境の中
ですべての主要なリテール向け商品および企業向け商品において市場シェア上位(第1位または第2位)を維持し
ている。当グループは、カナダ中に最大の支店ネットワーク、最多のATMおよび最大規模のモバイル販売ネット
ワークを有している。カリブ海地域&米国バンキングでは、目標市場において幅広い金融商品およびサービスを提
供している。
カナダでは、他のスケジュールⅠ銀行、独立系信託会社、外国銀行、信用組合、庶民金庫および自動車ローン会
社と競争している。
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カリブ海地域における競合会社には、リテール顧客および法人顧客ならびに公的機関にサービスを提供している
銀行、信託会社および投資運用会社等がある。米国では、米国事業を営む他のカナダの金融機関と主に競争してい
る。
<2019年度の事業環境>
>2018会計年度を通じて金利が上昇した後、当年度は純預貸利ざやが拡大した。しかし、経済全体の展望が悪化し
たため、当年度下半期、市場金利は緩やかに低下した。
>前年度の利上げの影響によってカナダの一部の家計にとっては債務の返済費用が増加したが、好調な労働市場お
よび収入の増加によって消費支出が支えられた。
>住宅購入者は、住宅ローン規制の強化に対応し、当年度の住宅ローン金利の低下の恩恵を受けた。これにより住
宅市場は改善され、当年度における住宅担保ローンの堅調な増加に寄与した。
>企業向けローンは引き続き好調であったが、暦年初め以降わずかに減速した。エネルギー部門の投資の減少、世
界の成長環境の不確実性および貿易緊張が、貸出しの増加の一層の鈍化に寄与した可能性が高い。
>前年度は与信条件が比較的緩かったが、2019年度末にかけて、より標準的な貸倒水準へと回帰した。
>主として当年度初めにボラティリティを経験したにもかかわらず、市場のリターンに牽引されて投資商品の残高
が増加した。
>顧客の期待は絶えず進化し、当グループの事業のデジタル化を促進している。この結果、クライアント・エクス
ペリエンスを向上させ、個別のアドバイスを提供するためのデジタル・ソリューションへの投資を継続した。
>カリブ海地域は、様々な地域において引き続き課題に見舞われ、当年度の経済は低成長から緩やかな成長となっ
た。
<戦略的優先事項>
当グループの戦略 2019 年度の進捗状況 2020 年度の優先事項
顧客にサービスを提供する方法を変 引き続きデジタル・プラットフォー あらゆるチャネルを通じて時間や場
える。 ムを通じて卓越した安全なクライア 所にとらわれないソリューションを
ント・エクスペリエンス(カナダ初 顧客に提供し、モバイルおよびデジ
の学生向けモバイル・バンキング・ タル・サービスを途切れなく顧客の
サービスを含む。)を提供した。 生活に組み込む。
引き続き支店ネットワークの刷新 顧客の進化するニーズに応えるため
(学生および新規顧客向けの支店形 に引き続き支店ネットワークを再構
態を拡大したことを含む。)を行っ 築する。
た。
RBC Rewards® ポイントで支払を行え
るようにすることで、引き続き顧客
にとってのロイヤルティ・ポイント
の価値を高めた。
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成長を加速させる。 既存および新規顧客(退職者、若年 新たな関係やより深い関係を構築
者、新入社員、事業主および富裕層 し、業界トップとなる取引高の伸び
の顧客等の主要な急成長かつ高価値 を実現するために、主要な急成長顧
セグメントを含む。)に対し、個別 客セグメントの取り込みおよびアド
のアドバイスおよび評価された銀行 バイザーの能力向上に重点を置く。
ソリューションを引き続き提供し
た。 引き続き顧客にとっての価値を高め
るため、重要な関係を構築する。
ペトロ・カナダとの関係を進展させ
ることで、顧客がRBC Rewards®ポイ
ントおよびペトロ・カナダ・ポイン
トを獲得しながら、顧客がガソリン
料金の割引も受けられるようにし
た。
顧客がWestjetクレジットカードを
利用して旅行代金の割引を受けられ
るようにするなど、引き続き並外れ
た成長を実現した。
デジタル・ソリューションを素早く クレジットカードおよびデビット 日々の銀行業務の簡素化およびデジ
顧客に提供する。 カードのロック機能を含め、引き続 タル化を継続する一方で、クライア
きRBCモバイル・アプリの重要な追 ント・エクスペリエンスを改善する
加機能を発表した。 ためにより個別的な判断を活用す
る。
顧客の財政目標を順調に達成できる
よう、人工知能(AI)を活用して顧 中小企業および商業顧客のデジタ
客の消費パターンを分析するNOMI ル・サービスを向上させ、当グルー
プと取引しやすくする。
Budgets ™ を発表した。
顧客とアドバイザーをデジタルで繋
げるためのオンライン・アドバイ
ス・プラットフォームである
MyAdvisor®を引き続き展開し、個別
の投資計画を有する顧客は140万人
を超えた。
責任投資ポートフォリオを導入し、
最低要件を設定しない、低コストで
自動投資アドバイスおよびポート
フォリオ管理ができるInvestEase®
に引き続き投資した。
法人顧客向けデジタル・エクスペリ
エンスを強化してオンラインで口座
を開設しデジタルで信用を獲得でき
るようにし、事業を拡大する見識を
得られる新機能RBC Insight Edge ™
を導入した。
より俊敏で効率的な銀行となるため 顧客のためにエクスペリエンスを簡 新たなツールや性能へ投資するとと
に刷新する。 素化、デジタル化および自動化し、 もに、社内手続を簡素化および合理
かつ、従業員が適切な専門アドバイ 化する方法およびクライアント・エ
スを提供できるようにするプログラ クスペリエンスを積極的に追求す
ムに対する投資を引き続き優先し る。
た。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
カリブ海地域 デジタル化および物理的な拠点の合 主要な顧客セグメントにおける成長
理化を通じて事業を転換すると同時 を加速しながらトップクラスのデジ
に、引き続き業務を簡素化し、事業 タル対応リレーションシップ・バン
のリスクを除去し、内部統制を向上 クとなり、引き続きクライアント・
した。 エクスペリエンスを転換することで
収益性を上げ、業務の簡素化を継続
する。
米国 新規口座開設プロセスを改善するこ デジタル対応の改良型不動産貸出
とで米国のクロス・ボーダー顧客業 サービスを導入し、顧客に個別の価
務を拡大し、また当グループのブラ 値を提供するためにマーケティング
ンド・マーケティングの活用および を強化してパートナーシップを構築
セールス・イネーブルメント戦略を し、またバンキング・プラット
継続して拡大を加速させた。 フォームの預金獲得能力を強化す
る。
<見通し>
カナダ経済は、2019暦年は1.6%の成長が見込まれ、2020暦年はそれよりわずかに高い1.7%の成長が見込まれ
る。BoCは2019年会計度中、政策金利を据え置いたにもかかわらず、世界の他の中央銀行が緩和を行ったこともあ
り、市場金利は下落した。当グループは、好調な労働市場および人口の増加にともに、2020年度も低金利が続いて
引き続き住宅需要を支えると予測している。この影響で貸出金残高が堅調に増加するが、預貸利ざやの縮小によっ
て相殺されると見られる。当グループは、業界トップとなる取引高の伸び、業務効率化に向けた取り組みおよびデ
ジタル対応のリレーションシップ・バンクになるというビジョンを実現するためのチャネル変革を、引き続き追求
する。
カリブ海地域においては、地域を通じて低成長から緩やかな成長となる見込みである。当グループは引き続き、
事業のリスクを除去し、業務効率を向上し、ターゲット市場における成長戦略に重点を置く。
経済の概観および展望についての詳細は、「経済、市場および規制の概観ならびに展望」の項を参照のこと。
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パーソナル&コマーシャル・バンキング (表18)
(単位:百万カナダドル(%の数値および 別段の記載がある場合 を除
く。)) 2019 年 2018 年
$ 12,653 $ 11,776
受取利息純額
利息以外の収益 5,212 5,140
収益合計 17,865 16,916
正常な資産に係る PCL 109 115
減損した金融資産に係るPCL 1,339 1,158
PCL 1,448 1,273
利息以外の費用 7,768 7,526
税引前 利益 8,649 8,117
$ 6,402 $ 6,028
当期純利益
業務別収益
$ 16,894 $ 15,970
カナディアン・バンキング
パーソナル・バンキング 12,843 12,237
ビジネス・バンキング 4,051 3,733
カリブ海地域&米国バンキング 971 946
主要な比率
ROE 27.2% 27.6%
NIM 2.84% 2.78%
効率性比率 43.5% 44.5%
営業レバレッジ 2.4% 1.7%
(1)
調整後営業レバレッジ n.a. 3.2%
主要な貸借対照表およびその他の情報
$ 466,200 $ 442,500
平均総資産
平均総収益資産(純額) 445,200 423,100
貸出金および手形引受けの平均(純額) 447,100 423,700
平均預金 393,200 361,700
その他の情報
(2)(3)
$ 283,800 $ 266,500
AUA
平均AUA 276,100 271,800
(3)
AUM 5,000 4,700
従業員数( FTE ) 35,467 35,573
信用情報
純貸出金および純手形引受けの平均に対する 減損貸出金に係る PCL の割
合 0.30% 0.26%
その他主要な情報-カナディアン・バンキング
$ 6,168 $ 5,860
純利益
NIM 2.79% 2.73%
効率性比率 41.8% 42.5%
営業レバレッジ 2.0% 1.5%
(4)
調整後営業レバレッジ n.a. 3.1%
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(1) これらは2018年10月31日に終了した年度における非GAAPによる測定である。当該数値は、2017年度第1四半期における米
国事業のモネリスの売却に関連した212百万ドルの利益(税引前および税引後)の当行の株式を除いて調整されている。調
整を含む詳細は、「 主要な業績および非GAAPによる測定 」の項を参照のこと。
(2) AUA は、2019年10月31日現在の証券化された住宅担保ローンおよびクレジットカード・ローン、それぞれ155億ドルおよび
81億ドル(2018年10月31日現在は167億ドルおよび96億ドル)を含む。
(3) 年度末の現物残高を示している。
(4) これらは非GAAPによる測定である。カナディアン・バンキングにおける2018年10月31日に終了した年度の営業レバレッジ
比率は、1.5%であり、特定項目であった、2017年10月31日に終了した年度のモネリスの米国事業の売却に関連する利益に
対する当グループの持分212百万ドル(税引前および税引後)により影響を受けた。調整を含む詳細は、「主要な業績およ
び非GAAPによる測定」の項を参照のこと。カナディアン・バンキングにおける2018年10月31日に終了した年度の収益の増
加率および費用の増加率は、それぞれ7.3%および5.8%であった。前述のモネリスの売却に関連する利益に対する当グ
ループの持分を除く、2018年10月31日に終了した年度の調整後の収益の増加率は、8.9%であった。
n.a. 該当なし。
<財務業績>
<2019年度と2018年度との比較>
当期純利益は、前年度比374百万ドル増すなわち6%増となった。これは主として、平均取引高の7%増および
スプレッドの拡大によるものである。これらの要素は、PCLの増加、従業員関連費用の増加ならびにテクノロジー
費用および関連費用により一部相殺された。
収益合計は、949百万ドル増すなわち6%増となった。これは主として、貸出金の平均取引高の6%増および預
金の平均取引高の9%増ならびにスプレッドの拡大を反映している。
純預貸利ざやは6bps上昇した。これは主として、利上げに伴うカナディアン・バンキングにおける預金スプ
レッドの拡大が、競争価格圧力の影響により一部相殺されたことによるものである。
PCL は、175百万ドル増すなわち14%増となった。これは主として、カナディアン・バンキングのコマーシャル・
ポートフォリオにおける貸倒引当金繰入額の増加を反映している。減損貸出金に係るPCL比率は、4bps上昇した。
詳細は、「信用リスク」の「信用の質の実績」の項を参照のこと。
利息以外の費用は、242百万ドル増すなわち3%増となった。これは主として、従業員関連費用の増加ならびに
テクノロジー費用(デジタル・イニシアチブを含む。)および関連費用の増加によるものである。
貸出金および手形引受けの平均は、230億ドル増すなわち6%増となった。これは主として、住宅担保ローンが
6%、企業向けローンが11%増加したことによるものである。
平均預金残高は、企業預金残高および個人預金残高がいずれも9%増加したことを反映して320億ドル増すなわ
ち9%増となった。
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事業ライン別概観
パーソナル・バンキング
パーソナル・バンキング では、多種多様な融資、投資商品およびサービスを通じて、カナダの顧客の人生のあら
ゆるステージにおけるニーズに応えることに重点を置いたあらゆる種類の商品を提供している。具体的には、住宅
担保ローン、個人向けローン、当座預金および普通預金口座、プライベート・バンキング、間接融資(自動車ロー
ンを含む。)、ミューチュアル・ファンドおよび自己主導型証券口座、保証付投資証券(GIC)、クレジットカー
ドならびに支払商品およびソリューション等である。
当グループは、すべての主要な個人向け銀行商品においてカナダ第1位または第2位の市場シェアを誇り、リ
テール銀行ネットワークはカナダ最大で1,201の支店と4,240台のATMを有している。クレジットカードのアカウン
トは7百万を超え、カナダのクレジットカード利用額においては23%の市場シェアを有する。
<財務業績>
収益合計は、前年度比606百万ドル増すなわち5%増となった。これは主として、預金および住宅担保ローンの
取引高の増加ならびに預金スプレッドの拡大を反映したものであるが、価格競争圧力の影響によって一部相殺され
た。
住宅担保ローン(平均)は、前年度比6%増となったが、これは主にモーゲージ・オリジネーションが堅調であ
り、顧客維持率が高かったことによるものである。
平均預金残高は、主として新規顧客の獲得および既存顧客の活動の増加を反映して前年度比9%増となった。
主要なハイライト (表19)
(単位:百万カナダドル(数を除く。)) 2019 年 2018 年
$ 12,843 $ 12,237
収益合計
その他の情報
$ 249,600 $ 235,700
住宅担保ローン(平均)
その他のローンおよび手形引受け(平均) 79,800 80,200
平均預金残高 221,400 202,800
クレジットカード残高(平均) 19,100 18,100
クレジットカード購入額 125,800 117,900
(1)
支店の ミューチュアル・ファンド残高 162,000 147,900
支店の ミューチュアル・ファンド残高 (平均) 155,300 151,500
(1)
AUA-自己主導型証券 89,500 82,900
10 月31日現在の数:
支店 1,201 1,203
ATM 4,240 4,194
(1) 年度末の現物残高を示している。
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ビジネス・バンキング
ビジネス・バンキング では、カナダの中小企業ならびに商業を営む顧客に対して、多種多様なローン、リース、
預金、投資、外国為替、現金管理、自動車ディーラー融資、取引商品およびサービスを提供している。業界随一の
関連マネージャーおよび専門家チームの一員として、クライアント・エクスペリエンスおよび信頼できるアドバイ
スを提供する真摯な姿勢により、企業向け貸出金および預金の市場においてはトップクラスのシェアを占めてい
る。
<財務業績>
収益合計は、前年度比318百万ドル増すなわち9%増となった。これは主として、平均取引高の10%増を反映し
ている。
貸出金および手形引受けの平均は11%増、平均預金残高は9%増となった。これは主として、新規口座開拓およ
び既存顧客関係の深化によるものである。
主要なハイライト (表20)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 4,051 $ 3,733
収益合計
その他の情報(平均)
$ 89,400 $ 80,800
貸出金および 手形引受け(純額)
預金 153,400 140,600
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カリブ海地域&米国バンキング
カリビアン・バンキングの業務は、広範な支店、ATM、オンラインおよび モバイル ・バンキング のネットワーク
を通じ、包括的な銀行商品およびサービスならびに国際金融および貿易振興サービスを提供している。
当行の米国バンキング事業は、米国内全50州のカナダのリテール顧客および中小企業顧客のバンキング・ニーズ
に応えている。
<財務業績>
収益合計は、前年度比25百万ドル増すなわち3%増であった。これは主として、外国 為替換算の影響 によるもの
である。
貸出金および手形引受けの平均は4%増であり、 平均預金は 1%増であった。これは主として、外国 為替換算の
影響によるものである。
主要なハイライト (表21)
(単位:百万カナダドル(数および%の数値を除く。)) 2019 年 2018 年
$ 971 $ 946
収益合計
その他の情報
NIM 4.13% 3.95%
$ 9,300 $ 8,900
貸出金および手形引受けの平均(純額)
平均預金残高 18,500 18,300
(1)
AUA 6,700 7,700
平均AUA 7,100 8,200
(1)
AUM 4,900 4,700
10 月31日現在の数:
支店 52 57
ATM 287 269
(1) 年度末の現物残高を示している。
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ウェルス・マネジメント
ウェルス・マネジメントは、主要な金融センターの顧客にサービスを提供するグローバルな事業である。当グ
ループは、HNWおよびUHNWの個人顧客および機関顧客の財務目標実現を支援するために、アドバイスを基本とする
包括的なソリューションおよび戦略によりこれらの顧客にサービスを提供している。
当グループの事業ラインは、カナディアン・ウェルス・マネジメント、USウェルス・マネジメント(シティ・ナ
ショナルを含む。)、グローバル・アセット・マネジメント(GAM)およびインターナショナル・ウェルス・マネ
ジメントを含む。
・カナディアン・ウェルス・マネジメントは、HNWおよびUHNWの顧客にサービスを提供しており、AUAではカナダ最
大のフルサービスの資産管理・運用業務である。
・USウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)にも、 プライベート顧客グループ( PCG )ならびに
コルレスおよび顧問サービス業務( CAS )が含まれる。当グループの PCG は、アドバイザー数では米国第7位のフ
ルサービス資産管理・運用会社であり、シティ・ナショナルは、 HNW およびUHNWの顧客ならびに商業顧客にサー
ビスを提供する、米国における最高の プライベート・バンクおよびコマーシャル・バンクである 。
・GAMは、カナダ最大のリテール向けのファンド企業であり、大手の資産管理・運用機関でもある。
・インターナショナル・ウェルス・マネジメントは、主としてヨーロッパ、英国およびアジアの主要な金融セン
ターを通じてHNWおよびUHNWの顧客にサービスを提供している。
<2019年度の事業環境>
>当年度上半期、Fedは政策金利を1回引き上げ、その後2019年度下半期に向けて3回引き下げ、結果として2019
会計年度は最終的に50bpsの利下げとなった。この結果、当年度下半期に純預貸利ざやが縮小したが、当グルー
プが米国の主要市場において成長を続けたため、米国事業における取引高の大幅な増加および相場上昇によって
相殺された。
>資産管理・運用業界は、技術の急速な進歩、投資選好の変化、規制の強化および人口統計上の変化を受け、引き
続き対応を迫られた。
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>現在の貿易緊張および市場ボラティリティの中、市場利益、関係を重視した管理・運用ネットワーク、販売規模
および当グループのブランド力に牽引され、顧客資産は増加した。
>急速に変化する顧客の嗜好に対応し、かつ、規制要件に対処して、競争上の強みを維持し効率性を高めるため、
デジタル・ソリューションへの投資を引き続き優先した。
>前年度は与信条件が比較的緩かったが、2019年度末にかけて、より標準的な貸倒水準へと回帰した。
<戦略的優先事項>
当グループの戦略 2019年度の進捗状況 2020年度の優先事項
カナダでは、HNWおよびUHNW顧客に フルサービスのプライベート・ウェ 当グループの人材優位性を強化する
とって最高のサービス・プロバイ ルス事業で業界のリーダーとしての ため、引き続き一流の新規アドバイ
ダーになる。 地位を強化した。 ザーを保持および誘致した。
世代間および事業間の資産移転につ アドバイザー-顧客間の豊かなコ
いてのアドバイザーの研修(マ ミュニケーションおよび説得力のあ
ネー・イン・モーションおよびフィ るデジタル・エクスペリエンスを通
ナンシャル・リテラシー・プログラ じて、差別化したクライアント・エ
ムの提供等)を含む、総合的な財産 クスペリエンスを提供した。
計画を引き続き重視した。
他の事業セグメントとの複合的な強
ウェルス・マネジメントの顧客との みを活かすことで、顧客との関係を
バンキング・リレーションシップを 広げ、深める。
深めるRBCプレミア・バンキングの
運用を本格的に開始した。 効率性およびアドバイザーの生産性
を引き続き高めるため、事業を 簡素
顧客満足度およびアドバイザーの生 化および合理化する。
産性を高めるためデジタルおよび
データ能力を強化した。
米国では、当グループの主要市場に 当グループのテクノロジー変革の確 ターゲットとするHNW、UHNW、ミド
おいて最大手のプライベート・バン 実な実行を含む、USウェルス・マネ ル・マーケットおよび企業向け銀行
クおよびコマーシャル・バンクなら ジメント事業を拡大するために必要 業務の各セグメントに卓越したクラ
びに資産管理・運用会社になる。 な能力、テクノロジーおよび人材に イアント・エクスペリエンスを提供
さらに投資した。 するために引き続き努力する。
シティ・ナショナルの既存の拠点に 米国での拡大を加速させるためにUS
おいて拡大を続け(Film Trackの買 ウェルス・マネジメント(シティ・
ナショナルを含む。)およびキャピ
収を通じてエンターテインメント・
タル・マーケッツの双方の強みを活
エコシステムにおける当グループの
かす。
地位を強化するなど)、USウェル
ス・マネジメントやキャピタル・
クライアント・エクスペリエンスを
マーケッツの強固なプレゼンスを有
向上し業務効率を上げるため、デジ
する主要な高成長市場(大ニュー
タル能力を構築する。
ヨークおよびワシントンD.C.地域を
含む。)へのサービス拡大を確実に
進めた。
世界の主要金融センターでは、最も 特別なクライアント・エクスペリエ ターゲット市場における市場シェア
信頼される地域のプライベート・バ ンスを提供する一方、グローバルな 拡大を重視する。
ンクになる。 強みを活かすことで販売能力を強化
した。 顧客サービスを向上するため、引き
続きグローバルな強みを活かしてい
世界的能力を活かしてクライアン く。
ト・エクスペリエンスの差別化を重
視した。 引き続き特別なクライアント・エク
スペリエンスを提供する。
引き続き事業の有効性を向上し、人
材能力を伸ばす。
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資産管理・運用では、世界の機関顧 カナダのミューチュアル・ファンド 販売地域を拡大しながら、既存顧客
客および北米のリテール顧客に注力 運用資産では市場シェアNo.1を維持 のニーズに応じて商品力の進化を続
した最大手の多角的な資産管理・運 した。 ける。
用会社になる。
戦略的提携RBC iSharesを立ち上 グローバルな機関投資家向けに持続
可能な差別化された業務を確立し、
げ、カナダの投資家に対して、カナ
GAMの成功に大いに貢献する。
ダ最大かつ最も包括的な上場投資信
託ソリューション・セットを提供し
た。
<見通し>
世界経済は、現在の地政学的緊張および貿易摩擦などにより、引き続き不安定となる可能性が高い。カナダおよ
び米国の中央銀行は、経済に対する影響を注意深く監視している。
当グループは、当グループのブランド力を活かし、変化する顧客のニーズに応えるためサービスおよび能力をつ
ねに拡大強化することで、当グループの事業が引き続き国内市場をリードし、また、世界のHNWおよびUHNW顧客セ
グメントにおいて市場シェアを伸ばしていくと予想している。当グループは引き続き、人材およびテクノロジーに
投資してサービスのデジタル化を進めることで、世界最高水準のクライアント・エクスペリエンスを提供してい
く。
経済全般の概観および見通しについての詳細は、「経済、市場および規制の概観ならびに展望」の項を参照のこ
と。
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ウェルス・マネジメント (表22)
(単位:百万カナダドル(数、%の数値および 別段の記載がある
場合 を除く。)) 2019 年 2018 年
$ 2,993 $ 2,602
受取利息純額
利息以外の収益
手数料ベース収益 6,903 6,447
取引およびその他の収益 2,247 1,877
収益合計 12,143 10,926
正常な資産に係る PCL 37 (19)
減損した金融資産に係るPCL 80 ▶
PCL 合計 117 (15)
利息以外の費用 8,813 8,070
税引前 利益 3,213 2,871
$ 2,550 $ 2,265
当期純利益
業務別収益
$ 3,294 $ 3,048
カナディアン・ウェルス・マネジメント
US ウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。) 6,112 5,419
US ウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)
(単位:百万米ドル) 4,601 4,209
グローバル・アセット・マネジメント 2,361 2,092
インターナショナル・ウェルス・マネジメント 376 367
主要な比率
ROE 17.4% 16.3%
NIM 3.55% 3.45%
(1)
税引前利ざや 26.5% 26.3%
主要な貸借対照表情報
$ 98,500 $ 89,600
平均総資産
平均総収益資産(純額) 84,400 75,500
貸出金および手形引受けの平均(純額) 63,600 55,500
平均預金 95,800 92,300
その他の情報
(2) (3)
$ 1,062,200 $ 970,500
AUA
(2)
AUM 755,700 664,900
平均 AUA 1,027,400 962,600
平均 AUM 717,500 664,500
純貸出金および純手形引受けの平均に対する減損貸出金に係る
PCLの割合 0.13% 0.01%
従業員数( FTE ) 18,613 17,975
(4)
アドバイザー数 5,296 5,042
米ドル換算、英ポンド換算およびユーロ換算が損益計算書上の主要項目に与えた推定影響額
(単位:百万カナダドル(%の数値および別段の記載がある場合を 2019 年 度 と
除く。)) 2018 年 度 との比較
増加(減少):
$ 169
収益合計
利息以外の費用 130
当期純利益 30
1.00 カナダドルの平均米ドル換算額の変動率 (3)%
1.00 カナダドルの平均英ポンド換算額の変動率 2%
1.00 カナダドルの平均ユーロ換算額の変動率 2%
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(1) 税引前利ざやは、収益合計に対する税引前利益の割合である。
(2) 年度末の現物残高を示している。
(3) カナディアン・ウェルス・マネジメント、USウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む)およびインターナ
ショナル・ウェルス・マネジメントに加え、数値には、GAMに関連する6,000百万ドル(2018年度は5,800百万ドル)のAUA
が含まれる。
(4) すべての資産管理・運用業務における顧客サービス・アドバイザーを示す。
顧客資産―AUA (表23)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
AUA期首残高 $ 970,500 $ 929,200
資産流入 315,500 292,600
資産流出 (293,400) (261,600)
資産流出入純額合計 22,100 31,000
市場の影響 72,100 5,600
取得/処分 (2,200) (5,700)
外国為替 (300) 10,400
市場、取得/処分および外国為替の影響合計 69,600 10,300
AUA 期末残高 $ 1,062,200 $ 970,500
顧客資産―AUM (表24)
2019 年 2018 年
マルチ・
アセット
マネー・ および
(単位:百万カナダドル) マーケット 債券 株式 その他 合計 合計
(1)
$ 25,000 $ 182,000 $ 79,100 $ 378,800 $ 664,900 $ 634,100
AUM期首残高
機関投資家資産流入額 55,200 33,400 6,500 15,900 111,000 104,500
機関投資家資産流出額 (51,700) (32,300) (3,000) (18,100) (105,100) (98,500)
個人資産流出入額(純額) 800 5,700 (1,200) 25,700 31,000 30,200
資産流出入純額合計 4,300 6,800 2,300 23,500 36,900 36,200
市場の影響 500 16,700 9,400 33,100 59,700 (9,200)
取得/処分 - (100) (900) (4,500) (5,500) -
外国為替 100 (600) - 200 (300) 3,800
市場、取得/処分および外国
為替の影響合計 600 16,000 8,500 28,800 53,900 (5,400)
$ 29,900 $ 204,800 $ 89,900 $ 431,100 $ 755,700 $ 664,900
AUM期末残高
(1) 従前の公表値から更新されている。
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AUA の地理別および資産区分別の構成 (表25)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
(1)
カナダ
マネー・マーケット $ 23,200 $ 20,500
債券 36,300 35,400
株式 90,500 86,700
マルチ ・アセット およびその他 255,800 225,300
カナダ合計 $ 405,800 $ 367,900
(1)(2)
米国
マネー・マーケット $ 26,100 $ 26,000
債券 114,500 103,500
株式 189,600 173,300
マルチ ・アセット およびその他 213,100 180,100
米国合計 $ 543,300 $ 482,900
(1)
その他の国々
マネー・マーケット $ 17,700 $ 16,100
債券 13,500 12,300
株式 39,500 49,100
マルチ ・アセット およびその他 42,400 42,200
各国合計 $ 113,100 $ 119,700
AUA 合計 $ 1,062,200 $ 970,500
(1) 地域情報は当グループの顧客がサービスを受けている所在地に基づく。
(2) 従前の公表値から更新されている。
<財務業績>
<2019年度と2018年度との比較>
当期純利益は、前年度比285百万ドル増すなわち13%増となった。これは主として、手数料ベースの平均顧客資
産の増加、受取利息純額の増加および ブルーベイの民間融資事業売却による134百万ドル(税引後)の利益 による
ものである。これらの要素は、 事業拡大に伴う費用の増加、収益増加に比例した 変動報奨金の増加およびPCLの増
加により一部相殺された。
収益合計は、1,217百万ドル増すなわち11%増となった。これは主として、相場上昇および純売上高の増加を反
映した手数料ベースの平均顧客資産の増加、主に平均貸出残高の15%増による受取利息純額の増加ならびにスプ
レッドの拡大によるものである。外国為替換算の影響、 ブルーベイの民間融資事業売却による151百万ドルの利
益 、米国の株式に基づく報酬制度に関するヘッジの公正価値の変動(その大部分が利息以外の費用において相殺さ
れた。)も、この増加に寄与した。
PCL は、USウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)を中心に132百万ドル増となった。減損貸出
金に係るPCL比率は12bps上昇した。これは主として、一般消費財および生活必需品等、一部の部門におけるもので
あった。 詳細は、「信用リスク」の「信用の質の実績」の項を参照のこと。
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利息以外の費用は、743百万ドル増すなわち9%増となった。これは主として、主に 収益増加に比例した 従業員
関連費用の増加および変動報奨金の増加を反映した、事業拡大に伴う費用の増加によるものである。外国為替換算
の影響、米国の株式に基づく報酬制度の公正価値の変動(その大部分が収益において相殺された。)も、この増加
に寄与した。
AUA およびAUMは、主として相場上昇および純売上高により、それぞれ920億ドル増すなわち9%増および910億ド
ル増すなわち14%増となった。
事業ライン別概観
カナディアン・ウェルス・マネジメント
カナディアン・ウェルス・マネジメントには、カナダにおける総合資産管理・運用助言業務(管理資産ではカナ
ダ最大規模)が含まれ、1,850人を超える投資アドバイザーを通じて、HNWおよびUHNWの顧客に対して、アドバイス
を基本とする包括的な金融サービスを提供している。さらに、カナダに配置した約90人の投資カウンセラーおよび
100人超の信託の専門家を通じ、顧客に対して、投資一任運用ならびに不動産業務および信託業務を提供してい
る。
当グループは、国内の銀行および信託会社、投資顧問会社、銀行系フルサービス・ブローカーおよび専門ブロー
カー、ミューチュアル・ファンド会社ならびに世界のプライベート・バンクと競合している。カナダにおいては、
今後も銀行系の資産管理・運用会社が主要プレーヤーとなる。
<財務業績>
収益は、前年度比246百万ドル増すなわち8%増となった。これは主として、 資本増価および 純売上高ならびに
有利な会計調整が行われた影響を反映する 手数料ベースの平均顧客資産の 増加による。
主要なハイライト (表26)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 3,294 $ 3,048
収益合計
その他の情報
$ 3,700 $ 3,600
貸出金および手形引受けの平均(純額)
平均預金残高 17,100 17,300
(1)
AUA 407,000 368,900
(1)
AUM 116,700 100,200
平均AUA 391,100 370,300
平均AUM 109,400 97,900
(1) 年度末の現物残高を示している 。
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US ウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)
US ウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)には、PCGおよびCAS事業も含まれる。PCGは、1,900
人を超えるフィナンシャル・アドバイザーを擁する、アドバイザー数では米国第7位のフルサービス資産管理・運
用会社である。CAS事業は、中小規模の独立ブローカーディーラーおよび登録投資顧問会社に対して、決済および
実行サービスを提供している。シティ・ナショナルは、裕福な個人、事業主、専門家、それらの事業および家族
に、包括的な金融ソリューションを提供し、ハイタッチ・サービス・モデル、先を見越した助言および金融ソ
リューションを通じて、第一級のバンキング・サービスおよび金融サービスを提供する。シティ・ナショナルは、
貸出、預金、資金管理、国際バンキング、設備融資等、ウェルス・マネジメントならびに幅広い商品およびサービ
スを提供する。米国では、細分化され、非常に競争が激しい業界の中で業務を営んでいる。競争相手には、HNWお
よびUHNWの個人、事業主およびその事業にサービスを提供するその他のブローカーディーラー、商業銀行およびそ
の他の金融機関等がある。
<財務業績>
収益は、前年度比693百万ドル増すなわち13%増となった。米ドル建ての収益は、392百万ドル増すなわち9%増
となった。これは主として、貸出金の平均が14%増となりスプレッドの拡大に伴う受取利息純額の増加に加え、 資
本増価および 純売上高を反映する手数料ベースの平均顧客資産の増加ならびに 米国の株式に基づく報酬制度に関す
るヘッジの公正価値の変動(その大部分が利息以外の費用において相殺された。) によるものである。
NIM は、主として金利上昇により9bps上昇し、資金調達コストおよび預金コストの増加により一部相殺された。
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主要なハイライト (表27)
(単位:百万カナダドル( 別段の記載がある場合 を除
く。)) 2019 年 2018 年
$ 6,112 $ 5,419
収益合計
その他の情報(単位:百万米ドル)
$ 4,601 $ 4,209
収益合計
NIM 3.37% 3.28%
$ 56,100 $ 50,900
平均収益資産(純額)
貸出金、信用保証状および信用状の平均(純額) 42,400 37,300
平均預金残高 50,200 48,600
(1)
AUA 412,600 367,100
(1)
AUM 123,700 102,900
平均AUA 393,900 366,100
平均AUM 112,800 100,600
(1) 年度末の現物残高を示している 。
グローバル・アセット・マネジメント
グローバル・アセット・マネジメントは、カナダ、英国、米国、ヨーロッパおよびアジアにおける個人投資家お
よび機関投資家に対して、国際投資運用サービスを提供している。当グループは、ミューチュアル・ファンド、
プール・ファンド、プライベート・ファンド、 手数料ベースの口座 および個別管理ポートフォリオを通じて、様々
な投資運用サービスを提供している。当グループの投資商品は、銀行支店の広範なネットワーク、自己主導型の総
合資産管理・運用助言業務、独立した第三者であるアドバイザーおよびプライベート・バンクを通じて、または個
人顧客に直接販売される。当グループはまた、年金、保険会社、企業および養老基金を含む機関投資家に直接投資
運用サービスを提供している。
当グループは、カナダ最大のリテール向けのファンド企業であり、大手の資産管理・運用機関でもある。カナダ
においては、銀行、保険会社および資産管理・運用会社と競合している。カナダのファンド運用業界は大規模で成
熟しているものの、依然として比較的細分化された業界である。
米国においては、当グループのアセット・マネジメント業務は、主として機関投資家に対して投資運用ソリュー
ションおよびサービスを提供しており、独立系の資産管理・運用会社ならびに国内および国際銀行ならびに保険会
社の資産管理・運用部門と競合している。
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国際的には、当グループはブルーベイおよびRBCグローバル・アセット・マネジメント ® の世界的機能を通じて、
機関に対する投資運用ソリューションを提供し、RBCウェルス・マネジメント ® を含むプライベート・バンクを通じ
てHNWおよびUHNWの投資家に対する投資運用ソリューションを提供している。当グループは、国際銀行の資産管
理・運用部門ならびに当グループが業務を行う地域における国内および地域の資産管理・運用会社と競合してい
る。
<財務業績>
収益は、269百万ドル増すなわち13%増となった。これは主として、中核事業および補完的戦略の拡大に注力
し、ブルーベイの民間融資事業の売却益が151百万ドルとなったこと、そして 資本増価および 純売上高を反映する
手数料ベースの平均顧客資産の増加によるものである。
主要なハイライト (表28)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 2,361 $ 2,092
収益合計
その他の情報
(1)
$ 8,263 $ 5,908
カナダ長期ミューチュアル・ファンドの売上高純額
カナダマネー・マーケット・ミューチュアル・ファンドの
(1)
売上高(償還高)純額 552 562
(2)
AUM 467,200 421,100
平均AUM 449,700 428,200
(1) カナダの投資ファンド協会に過去に報告されたとおり、カナディアンGAM事業全域にわたるすべての目論見書ベースの
ミューチュアル・ファンドを含む。
(2) 年度末の現物残高を示している。
インターナショナル・ウェルス・マネジメント
インターナショナル・ウェルス・マネジメントには、ヨーロッパ、英国およびアジアにおける事業が含まれる。
当グループは、ヨーロッパ、英国およびアジアの主要な金融センターのHNWおよびUNHWの顧客および法人顧客に対
して、カスタマイズした総合的な信託、銀行、信用および投資サービスを提供している。インターナショナル・
ウェルス・マネジメント事業の競争相手は、世界の資産管理・運用会社、旧来のオフショア・プライベート・バン
クおよび国内の資産管理・運用会社である。
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<財務業績>
収益は、主としてスプレッドの拡大に伴う受取利息純額の増加により 前年度比9百万ドル増すなわち2%増と
なった。
主要なハイライト (表29)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 376 $ 367
収益合計
その他の情報
$ 4,400 $ 4,800
貸出金、信用保証状および信用状の平均(純額)
平均預金残高 11,900 12,500
(1)
AUA 105,900 112,800
(1)
AUM 8,800 8,300
平均AUA 106,700 114,300
平均AUM 8,600 8,800
(1) 年度末の現物残高を示している。
インシュアランス
RBC インシュアランス ® は、信用保険、生命、医療、住宅、自動車、旅行、貯蓄および個人向け年金ならびに再保
険に係る幅広いアドバイスおよびソリューション、そして事業保険に係るサービスを企業顧客および団体顧客に提
供している。
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RBC インシュアランス ® はカナダ最大級の銀行系保険会社であり、カナディアン・インシュアランスおよびイン
ターナショナル・インシュアランスという2つの事業ラインの下で業務を行っている。
カナダにおいては、相談センター、RBCインシュアランスの店舗、モバイル相談窓口、デジタル、モバイルおよ
びソーシャル・プラットフォーム、独立代理店ならびに旅行保険会社等、様々な窓口を通じて、商品およびサービ
スを提供している。
カナダ以外では、世界の再保険市場および再々保険市場において業務を行い、生命再保険商品、身体障害再保険
商品および長寿再保険商品を提供している。
<2019年度の事業環境>
>保険業界は、変化する顧客の嗜好ならびに事業のあらゆる側面に影響するデジタルおよびモバイルの変革等、数
多くの課題と機会に引き続き直面している。カナダの州および連邦の規制当局は、販売慣行および顧客の公正な
取扱いを、より一層重視している。世界の保険会社は、業務効率の向上および費用管理を目的として商品に投資
し、販売力を構築している。そうした課題を克服するとともに、そのような機会を活かすために、当グループで
は引き続き、顧客を保護し、連邦および州両方の規制当局の期待に応えるべく、堅牢な枠組み、統制およびリス
ク文化を展開している。
>当グループでは、アクセスおよび利便性を高め、コストを削減し、従来の保険商品およびサービスを上回る価値
を顧客に提供するため、デジタル能力への投資を継続した。
>ヨーロッパにおいて、保険会社は、資産を保護し、年金費用の不安定さを軽減するため、積極的に長寿リスクを
管理している。このため、長寿再保険市場は競争が激化し、世界中の多くの再保険会社にとって魅力となってい
る。当グループは、この市場において、リスク許容度の範囲内で引き続き大幅に成長した。
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<戦略的優先事項>
当グループの戦略 2019年度の進捗状況 2020年度の優先事項
販売の実効性および効率性の改善 再設計したRBCシンプリファイド・ 独自の販売チャネルを拡大し、テク
ターム・デジタル・アプリケーショ ノロジーおよび業務ソリューション
ンを現場の販売および相談センター の提供を重視することで引き続き販
に導入、信頼性を向上し、簡易定期 売の実効性および効率性を向上させ
生命保険サービスの申請手続を簡略 る。
化した。
単一の統一プラットフォームを実現
するためテクノロジー変革イニシア
チブを完了し、顧客、従業員および
契約管理者によりよいエクスペリエ
ンスを提供した。
顧客が必要な保険を取得する画期的
方法として、保険未開発の層に焦点
を当てた新たな事業モデル、コンセ
プトおよび商品アイデアのテストを
開始した。
顧客関係の深化 ファミリー・コンパショネート・コ 多数のサービスの行き届いていない
ア・ライダーを導入した。これは、 顧客、多数の裕福なおよびHNWの顧
個人身体障害保険商品に、配偶者/ 客に対し、あらゆる保険ソリュー
子が末期症を発症した被保険者に対 ションを提供する顧客重視の革新的
して毎月給付金を支払う任意の特約 な会社であり続けることで顧客との
を提供する、カナダの保険業界にお 関係を深める。
いて初の試みである。
プロセスの初めから終わりまでアド
バイザーが顧客を案内し、推奨する
商品が顧客のニーズ、目的およびリ
スク特性に確実に合致するようにし
た、業界初の分離口座評価ツールを
導入した。
主要なAvionクレジットカードで、
モバイル機器の紛失、盗難または故
意でない破損の際に顧客を保護する
モバイル機器の補償を開始した。
簡素化、俊敏、革新的 独自の販売およびブローカー・チャ 品質および費用効率を向上しつつ、
ネルにファンダメンタル・シリーズ 製品化までのデジタル・イニシアチ
身体障害保険の電子申請を開始し、 ブ期間を短縮することで簡素化およ
ユーザーに対して合理化された、迅 び刷新を行う。
速かつ継ぎ目のないエクスペリエン
スを提供した。
再保険業務を拡大するための厳選さ 2019年度は市場活動が活発になった リスク許容の範囲内で再保険業務を
れた国際的機会の追求 ため、長寿再保険事業が非常に大幅 拡大するため、死亡および長寿市場
に増加した。 におけるニッチ機会を追求する。
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<見通し>
保険業界は、引き続き大きな変化、イノベーションと混乱を経験する見込みである。急速に変化するこの業界に
おいて、当グループは、テクノロジー、商品およびサービスのイノベーションならびに効率的なデジタル販売チャ
ネルに対する投資を通じて、当グループの強みを維持していく。また、顧客が安心できるようなアドバイスの仕方
について、見直しを続けていく。
経済全般の概観および展望についての詳細は、「経済、市場および規制の概観ならびに展望」の項を参照のこ
と。
インシュアランス (表30)
(単位:百万カナダドル(%の数値および 別段の記載がある
場合 を除く。)) 2019 年 2018 年
利息以外の収益
$ 3,984 $ 4,032
保険料純益
(1)
投資による収益 1,569 30
手数料による収入 157 217
収益合計 5,710 4,279
(1)
保険契約者に対する給付および保険金 3,749 2,391
保険契約者に対する新契約費 336 285
利息以外の費用 606 602
税引前 利益 1,019 1,001
$ 806 $ 775
当期純利益
業務別収益
$ 3,643 $ 2,213
カナディアン・インシュアランス
インターナショナル・インシュアランス 2,067 2,066
主要な比率
ROE 39.6% 39.3%
主要な貸借対照表情報およびその他の情報
$ 17,600 $ 15,800
平均総資産
その他の情報
(2)
$ 4,604 $ 4,647
保険料および預金
カナディアン・インシュアランス 2,415 2,584
インターナショナル・インシュアランス 2,189 2,063
$ 11,401 $ 10,000
保険請求および保険給付負債
(1)
保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動 987 (435)
従業員数( FTE ) 2,927 2,964
(1) 投資による収益は、FVTPLに指定された資産の変動により変化する可能性がある。保険数理上の債務を維持する投資は、主
にFVTPLに分類される債券資産である。その結果、これら資産の公正価値の変動は、連結損益計算書において認識されてお
り、その大部分が保険数理上の債務の公正価値の変動によって相殺され、その影響は保険契約者に対する給付、保険金お
よび新契約費(PBCAE)に反映されている。
(2) 保険料および預金は保険業界の実務に従い、リスク・ベースの保険および年金商品に係る保険料ならびに個人およびグ
ループの 個別分離運用型基金の預金 を含む。
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<財務業績>
<2019年度と2018年度との比較>
当期純利益は、前年度比31百万ドル増すなわち4%増となった。これは主として、長寿再保険の新規契約の影響
が 、保険金支払額の増加により一部相殺された ことによる 。
収益合計は、1,431百万ドル増すなわち33%増となった。これは主として、 当グループの保険契約者の債務の裏
付けとなる投資の公正価値の変動およびインターナショナル・インシュアランスにおける事業の拡大が、後述のと
おりいずれも大部分がPBCAEにおいて相殺されたことによる。実現投資利得も、この増加に寄与した。 これらの要
素は、団体年金保険の売上高の減少(後述のとおりその大部分がPBCAEにおいて相殺された。) により一部相殺さ
れた。
PBCAE は、1,409百万ドル増すなわち53%増となった。これは主として、当グループの 保険契約者の債務の裏付け
となる投資の公正価値の変動および好調な投資関連実績の減少を反映している。インターナショナル・インシュア
ランスにおける事業の拡大および保険金支払額の増加も、この増加に寄与した。これらの要素は、団体年金保険の
売上高の減少および 長寿再保険の新規契約によるプラスの影響により 、一部相殺された。
利息以外の費用は、4百万ドル増すなわち1%増となった。
事業ライン別概観
カナディアン・インシュアランス
当グループは、カナダの個人、団体、HNWおよび法人顧客に対して、生命、医療、旅行、住宅および自動車保険
商品(アビバ・カナダと提携)、貯蓄サービスならびに支払年金保険を提供している。生命および医療ポートフォ
リオには、一般生命保険、定期生命保険、重病保険、身体障害保険および長期障害等の団体給付ならびに医療保険
および歯科保険が含まれる。旅行保険には、地域/国医療保険の適用外ならびに旅行のキャンセルおよび中断に備
えた保険も含まれている。
当グループの団体年金保険事業は、確定給付年金制度の出資者がリスク管理および統制を向上させる支援をす
る。年金支払義務に関するリスクを(団体年金保険契約または長寿スワップ商品を通じて)保険会社に移転しよう
とする企業が増える中、RBCインシュアランスは、この機運に乗じ、商品ラインを伸ばすための戦略およびイニシ
アチブを取っている。
カナダにおいては、当グループの競合他社の大部分は生命および医療または損害保険のいずれかを専門とする。
当グループは、身体障害保険商品においては市場首位であり、生命および旅行保険商品においては重要な地位を確
保しており、アビバとの販売店契約を通じて住宅および自動車保険と同様にウェルス・ソリューションにおけるプ
レゼンスも高まっている。
<財務業績>
収益合計は、前年度比1,430百万ドル増すなわち65%増となった。これは主として、当グループの保険契約者の
債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動(その大部分がPBCAEにおいて相殺された。)を反映し、投資利益を実
現した。この要素は、団体年金保険の売上高の減少により一部相殺され、その大部分がPBCAEにおいて相殺され
た。
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保険料および預金は、169百万ドル減すなわち7%減となったが、団体年金保険の売上高の減少はその他の商品
ラインの全体の成長により一部相殺された。
主要なハイライト (表31)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 3,643 $ 2,213
収益合計
その他の情報
保険料および預金
$ 1,328 $ 1,280
生命保険および医療保険
損害保険 131 126
年金および個別分離運用型基金の預金 956 1,178
保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動 1,099 (434)
インターナショナル・インシュアランス
インターナショナル・インシュアランスは、主として他の保険会社および再保険会社のリスクを保証する再保険
業務からなる。当グループは、生命、身体障害および長寿の再保険商品を提供している。
世界の再保険市場は、競争が激しく少数の大手が独占しており、特に米国、英国およびヨーロッパにおけるプレ
ゼンスが顕著である。
<財務業績>
収益合計は、主として長寿再保険および有利な再保険契約の再交渉の増加により、1百万ドル増となった。この
要素は、当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動(その大部分がPBCAEにおいて相殺
された。)によるものである。
保険料および預金は、長寿再保険の増加を反映して126百万ドル増すなわち6%増となった。
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主要なハイライト (表32)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
$ 2,067 $ 2,066
収益合計
その他の情報
保険料および預金
生命保険および医療保険 1,254 1,225
損害保険 (1) (5)
年金 936 843
保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動 (112) (1)
インベスター&トレジャリー・サービス
RBC の インベスター&トレジャリー・サービスは、資産管理・運用サービスの専門サービス・プロバイダー、カ
ナダにおける現金管理およびトランザクション・バンキング・サービスのリーダーならびに世界の機関顧客に対し
てトレジャリー・サービスを提供するプロバイダーである。
当グループは、資産管理・運用、トランザクション・バンキング、トレジャリー・サービスその他のサービスを
提供することで、顧客の資産を保護し、流動性を最大化し、複数の法域にわたるリスクを管理している。当グルー
プは、世界最大のグローバル・カストディアンと競合する一方、高度な投資家に対して業界最高水準の資産管理・
運用サービスを提供することに重点を置く専門家である。当グループは、北米、ヨーロッパ、英国およびアジア太
平洋の主要な国々において競争している。
当グループは、デジタル対応の顧客中心の商品およびサービスに絞って開発している。当グループは、トップレ
ベルのグローバル・カストディ、証券代行機関、証券貸付商品を有している。当グループは、世界の金融機関に対
してカナダドルの資金管理、コルレス銀行業務および貿易金融を提供する大手サービス・プロバイダーであり、銀
行の短期的な資金調達および流動性管理を行っている。
<2019年度の事業環境>
>効率化の機会を実行し クライアント・エクスペリエンスを高めるための投資によって、 費用が増加した。第4四
半期には、費用構造を改善し効率化を進めるために、事業の見直しを行ったことに伴い退職費用および関連費用
を認識した。
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>資産管理・運用サービス業務の業績は、2019年度上半期に市況が厳しかったことおよび業界の逆風が続いたこと
を反映している。
>金利の見通しによって、トレジャリー・サービスの利益が減少し、顧客預金に係る利ざやが圧迫された。
<戦略的優先事項>
当グループの戦略 2019年度の進捗状況 2020年度の優先事項
カナダにおけるトップになる。 カナダにおけるAUAは前年度より カナダにおける資産管理・運用会
5%増加した。 社、投資カウンセラー、年金基金、
保険会社およびトランザクション・
バンキングの顧客の間で、引き続き
利益および市場シェアを伸ばす。
厳選した急成長する資産管理・運用 選ばれた市場において引き続き関係 最も高いリスク調整後収益を生むセ
サービス・セグメントおよび市場を を発展させ、ルクセンブルクおよび グメントおよび市場で競争する。
主導し、顧客の成長を支援する。 アイルランドの事業を促進する。
継ぎ目のないデジタル・クライアン テクノロジー・プラットフォームの 顧客に対して引き続き、継ぎ目のな
ト・エクスペリエンスを提供し、テ 堅牢性を高めるため、インフラスト いデジタル体験および安全、確実か
クノロジーを利用することで、顧客 ラクチャーおよびオートメーション つ連続したサービスを提供する。
の成功を可能にする。 への投資を継続した。
顧客の満足度、効率およびリスク統
ウェブベース・ポータル(RBC 制を向上するべく、サービスを設計
および再構築する。
One ® )で新機能を開始し、データ、
動態報告および分析を顧客が利用で
顧客の現在および将来の課題を解決
きるようにした。
するため、引き続きテクノロジーお
よびデータの見識を活用する。
顧客が安全かつ柔軟にデータにアク
セスできるよう、アプリケーショ
ン・プログラム・インターフェース
(API)を提供した。
代替的な資産管理・運用サービスを
拡大した。
<見通し>
2020 年度は、高度な技能を持ち顧客を重視する1つのチームとして、顧客の成功を可能にし、選ばれた市場にお
ける活動においてトップになることに重点を置く。当グループは、成長軌道に戻り、収益性を向上するため、再配
置イニシアチブを実施していく。世界の資産管理・運用業は当面厳しい状態が続く見込みであるが、当グループの
専門化した商品およびサービスは絶えず変わりゆく営業環境において成長できる体制を十分に整えている。クオリ
ティ、コラボレーションおよびイノベーションの文化を培い、デジタル対応のソリューションへの投資を重視する
ことで、引き続き顧客に対してクラス最高級の能力を提供する。
経済の概観および展望についての詳細は、「経済、市場および規制の概観ならびに展望」の項を参照のこと。
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インベスター&トレジャリー・サービス (表33)
(単位:百万カナダドル(%の数値および別段の記載が
ある場合を除く。)) 2019 年 2018 年
$ (44) $ 297
受取利息純額
利息以外の収益 2,389 2,294
収益合計 2,345 2,591
PCL - 1
利息以外の費用 1,725 1,617
税引前純利益 620 973
$ 475 $ 741
当期純利益
主要な比率
ROE 13.2% 23.5%
主要な貸借対照表の情報
$ 146,100 $ 132,100
平均総資産
平均預金 175,100 161,200
平均顧客預金 58,800 58,600
ホールセール資金の預金の平均 116,300 102,600
その他の情報
(1)
$ 4,318,100 $ 4,283,100
AUA
平均AUA 4,262,300 4,377,300
従業員数( FTE ) 4,684 4,846
(1) 年度末時点の残高を示す。
<財務業績>
<2019年度と2018年度との比較>
当期純利益は、266百万ドル減すなわち36%減となった。これは主として、資金調達および流動性利益の減少、
退職費用および関連費用ならびに資産管理・運用サービス業務からの収益の減少によるものである。
収益合計は、246百万ドル減すなわち9%減となった。これは主として、当年度はマネー・マーケット機会が減
少したことが主な原因で、資金調達および流動性利益が減少したことならびに一部の有価証券の処分益が減少した
ことによる。2019年上半期を通じて厳しい市況であったことで資産管理・運用サービス業務の収益が減少したこと
および顧客活動の減少も、この減少に寄与した。
利息以外の費用は、108百万ドル増すなわち7%増となった。これは主として、事業の見直しに伴う退職費用お
よび関連費用によるものである。
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キャピタル・マーケッツ
RBC キャピタル・マーケッツ®は、世界の会社、機関投資家、資産管理・運用会社、政府および中央銀行に対して
バンキング、ファイナンスおよび資本市場に関する専門知識を提供している一流の国際投資銀行である。当グルー
プの専門家は、15ヶ国、70ヶ所のオフィスから当グループの顧客がその業務において必要な助言、商品およびサー
ビスを享受できるよう努めている。当グループのプレゼンスは北米、英国、ヨーロッパ、オーストラリアならびに
アジアおよびその他の各地域にも及ぶ。
当グループは、2大事業ラインであるコーポレート&インベストメント・バンキングおよびグローバル・マー
ケッツを運営している。
北米においては、企業向けおよび投資銀行業務、エクイティ・オリジネーションおよびデット・オリジネーショ
ンならびに販売およびトレーディング等、あらゆる商品およびサービスを提供している。カナダにおいては、すべ
ての資本市場事業ラインにおいて戦略的プレゼンスを有する市場リーダーである。米国においては、業種全体およ
び投資銀行商品のすべてをカバーしており、米国および世界の大手投資銀行ならびに地域の中小企業と競合してい
る。また、与信、担保付貸出、地方自治体の資金調達、債券、通貨およびコモディティ、株式ならびにアドバイザ
リーにおいて、トップクラスの能力を有している。
北米以外では、英国およびヨーロッパ、オーストラリアならびにアジアおよびその他の市場において有意なプレ
ゼンスを有している。英国およびヨーロッパにおいては、エネルギー、鉱業、インフラ、ヨーロッパの工業、消費
者、医療、テクノロジーおよび金融サービス等の主要な専門分野において様々なサービスを提供する。オーストラ
リアおよびアジアにおいては、債券販売および為替取引、担保付資金調達ならびに企業向けおよび投資銀行業務か
らなるグローバルな専門知識に沿った標的分野において、世界および地域の投資銀行と競合している。
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<2019年度の事業環境>
>2019会計年度は、厳しい市況により、業界全体で投資銀行業務が低迷した。政治および経済の不安定な状況、貿
易緊張ならびに株価の高騰が続いたことで、市場はマイナスの影響を受けた。世界の投資銀行手数料合計は、シ
ンジケートローンおよびエクイティ・オリジネーション活動を中心に大多数の商品で減少し、2019会計年度は前
(1)
年度比11%減 となった。業界環境が厳しかったにもかかわらず、当グループはグローバル・リーグのランキ
(1)
ングを10位に上げた 。
>2019会計年度初めのトレーディング環境は、前述の要素のいくつかを反映したボラティリティの拡大が特徴で
あった。ボラティリティが拡大したことで顧客活動が増加し、株式デリバティブ業務は恩恵を受けた。また当グ
ループでは、2019会計年度の最初の2ヶ月間における流動性の低下および信用スプレッドの拡大により、社債ト
レーディングが減少した(2019年1月には一旦回復した。)。2019会計年度下半期は、市況の不安定さが増した
ことが特徴で、株式および金利トレーディング業務の業績が悪化した。全体として、当年度は市況があまり有利
ではなかったにもかかわらず、当グループのトレーディング業務は好調であった。
>前年度は与信条件が比較的緩かったが、2019年度末にかけて、より標準的な貸倒水準へと回帰した。
(1)
出 典: ディーロジック 2019会計年度の世界の投 資銀行手数料に基づく。
<戦略的優先事項>
当グループの戦略 2019年度の進捗状況 2020年度の優先事項
最も魅力的な市場において顧客に グローバル・リーグのランキングを カナダにおいて主導的な地位を維持
(1)
サービスを提供することで、世界で する。
10位 に上げた。
最も成功した投資銀行の一つとな
る。 最良の成長機会がある当グループ最
(1)
カナダ第1位 の市場シェアを維持
大の市場である米国において、カナ
し、カナダのベスト・インベストメ
ダ・トップの地位を維持する。
(2)
ント・バンク となった。
グローバルな専門知識を活かして英
国、ヨーロッパおよびアジア太平洋
M&A顧問業務を順調に伸ばし、本年
の標的分野において主導的な地位を
発表された米国のM&A取引に対する
維持する。
(3)
顧問として第10位となった 。
英国/ヨーロッパの株式市場
(ECM)におけるランキングを2018
会計年度のグローバル・リーグ第28
(1)
位から第16位に上げた 。
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革新的で信頼できるパートナーとし 当グループの商品の最大のユーザー 顧客と連携してその戦略目標を理解
て顧客との関係を深める。 を引き続き重視し、プラットフォー し、目的を達成するための解決策を
ムにシニア・バンカーを追加するこ 提供することで、顧客を支援する。
とで米国、英国およびヨーロッパの
シニア・カバレッジ・チームを強化 シニア・カバレッジ・チームの育成
した。 および強化を続ける。
既存の能力を強化してグローバル・ 世界的能力を活かして顧客と長期的
マーケッツ事業の成長を促すため、 な関係を結ぶことに重点を置く。
テクノロジーおよびイノベーション
に投資(人工知能搭載プラット データ戦略、電子化および人工知能
フォームへの投資を含む。)した。 イニシアチブを通じて、引き続きテ
クノロジー・イノベーションを推進
グローバル・マーケッツ事業におけ する。
る商品提供を拡大および強化した。
引き続き重要なマンデートを獲得
し、ブランチ・バンキング&トラス
ト・カンパニー(BB&T)がサントラ
ストと対等合併する際には(2019年
2月の発表時点の価額が660億米ド
ルの取引)、その唯一のファイナン
シャル・アドバイザーとして当グ
ループ最大の米国顧問のマンデート
を獲得した。
高いリスク調整後総資産利益率およ 顧客に全体的な解決策を提供するた 顧客に総合的かつグローバルな商品
び資本利益率を得るために協力を推 め、引き続き地域および事業を超え およびサービスを提供するために協
進し、事業を簡素化し、資本の利用 た協力拡大を推進した。 力する。
を最適化する。
非生産的な資産を削減し、高収益お RBCキャピタル・マーケッツにおい
よび収益性向上をもたらす業務に資 て、および当グループ全体で、事業
本を再配分することで、引き続き資 間の協力を推進することで、引き続
本の効率的な配分と事業全体の拡大 き顧客との関係を深めることに重点
に重点をおいた。 を置く。
キャンブレックス・コーポレーショ 費用およびリスクを管理するための
ン買収の際にはペルミラ・ファンズ 規律のとれたアプローチを続け、投
の専属ファイナンシャル・アドバイ 資銀行業務収益とトレーディング収
ザーとなり、約24億米ドルと評価さ 益のバランスを維持し、また資源を
れた取引をサポートするために確定 上顧客の機会に充てる。
負債金融を行った。
(1)
出 典: ディーロジック 2019会計年度の世界の投 資銀行手数料に基づく。
(2)
出典:2019年グローバル・ファイナンス・アンド・ユーロマネー
(3)
出典:BNNブルームバーグ 2019年10月31日現在発表されているM&A取引に基づく。
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有価証券報告書
<見通し>
2019 会計年度は市場環境が厳しかったにもかかわらず、当グループは、戦略的優先事項を順調に実現した。当グ
ループの投資銀行業務においては、より多くの、かつ、より質の高いマンデートの獲得に成功している。当グルー
プの投資銀行業務は、当グループが様々な部門にわたって発表された数々の代表的取引に参加していることから
M&A手数料によって牽引され、2020年度は堅調に伸びると予測される。当グループは地域および商品構成を分散し
ていることから厳しい市場環境においても好業績を収めることができるため、グローバル・マーケッツは2019年
度、大規模な逆風にもかかわらず好調であった。テクノロジー・イノベーションへの投資を引き続き活用し、商品
提供を拡大および強化し、また利益を最大化するため主要ターゲット顧客に対して金融資産が適切に活用されてい
るか重点的に確認することで、これらの事業は2020年度も引き続き堅調に推移すると予測される。貸出業務は引き
続き、リスク調整後資産の最適化および顧客プランの実行を重点的に行っていく。利益の増加は引き続き規制の逆
風により影響を受けるが、当グループは、最近のテクノロジー投資から戦略的価値を促進し、資本の利用を継続的
に最適化することができると期待している。
経済全般の概観および展望についての詳細は、「経済、市場および規制の概観ならびに展望」の項を参照のこ
と。
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キャピタル・マーケッツ (表34)
(単位:百万カナダドル(%の数値および別段の記載がある場
合を除く。)) 2019 年 2018 年
(1)(2)
$ 4,043 $ 3,328
受取利息純額
(1)(2)
利息以外の収益 4,245 5,070
(1)
収益合計 8,288 8,398
正常な資産に係る PCL 36 (13)
減損金融資産に係るPCL 263 61
PCL 合計 299 48
利息以外の 費用 5,096 4,960
税引前純利益 2,893 3,390
$ 2,666 $ 2,777
当期純利益
業務別収益
$ 3,792 $ 4,113
コーポレート&インベストメント・バンキング
グローバル・マーケッツ 4,663 4,496
アザー (167) (211)
主要な比率
ROE 11.4% 13.0%
主要な貸借対照表情報およびその他の情報
$ 666,500 $ 576,300
平均総資産
平均トレーディング目的の有価証券 102,100 95,800
貸出金および手形引受けの平均(純額) 99,800 85,000
(2)
平均預金 77,300 70,100
その他の情報
従業員数( FTE ) 4,269 4,162
信用情報
純貸出金 および純 手形引受けの平均に対する減損貸出金に係
るPCLの割合 0.26% 0.07%
米ドル換算、英ポンド換算およびユーロ換算が損益計算書上の主要項目に与えた推定影響額
2019 年 度 と
(単位:百万カナダドル(%の数値を除く。)) 2018年度との比較
増加(減少):
$ 148
収益合計
利息以外の費用 67
当期純利益 67
1.00 カナダドルの平均米ドル換算額の変動率 (3)%
1.00 カナダドルの平均英ポンド換算額の変動率 2%
1.00 カナダドルの平均ユーロ換算額の変動率 2%
(1) 2019 年度のteb調整は、450百万ドル(2018年度は542百万ドル)であった。詳細は、「事業セグメントの測定および報告方
法」の項を参照のこと。
(2) 2019 年 度 第4四半期以降、FVTPLに計上された特定の預金に記録された利息部分および未払利息(従前はそれぞれトレー
ディング収益および預金と表示された。)は、それぞれ受取利息純額およびその他の負債として表示される。比較のため
の数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
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有価証券報告書
<財務業績>
<2019年度と2018年度との比較>
当期純利益は、111百万ドル減すなわち4%減となった。これは、コーポレート&インベストメント・バンキン
グにおける収益の減少、PCLの増加およびテクノロジー費用および関連費用の増加によって牽引された。これらの
要素は、主として利益構成の変化 を反映した 実効税率の低下、グローバル・マーケッツにおける収益の増加および
外国為替換算の影響により一部相殺された。
収益合計は、110百万ドル減すなわち1%減となった。これは主として、シンジケートローン活動の減少、北米
を中心としたエクイティ・オリジネーションの減少ならびにヨーロッパおよびカナダを中心としたM&Aの減少によ
るものである。これらの要素は、外国為替換算の影響、残りの調達費用の減少およびすべての地域にわたる債券ト
レーディング収益の増加により一部相殺された。
PCL は、251百万ドル増となった。これは、石油およびガス部門ならびに工業製品部門における貸倒引当金繰入額
の増加ならびにパフォーミング・ローンの引当金繰入額の増加によって牽引された。減損貸出金に係る PCL 比率
は、19bps上昇した。詳細は、「信用リスク」の「信用の質の実積」の項を参照のこと。
利息以外の費用は、136百万ドル増すなわち3%増となった。これは主として、外国為替換算の影響およびテク
ノロジー費用および関連費用の増加によるが、業績悪化による報奨金の減少によって一部相殺された。
事業ライン別概観
コーポレート&インベストメント・バンキング
コーポレート&インベストメント・バンキングは、企業向け貸出し、シンジケートローン、デットおよびエクイ
ティ・オリジネーション、M&Aアドバイザリー業務、顧客証券化ならびに世界の信用業務からなる。デットおよび
エクイティ・オリジネーションについては、合意に沿った各グループの寄与度に基づき、コーポレート&インベス
トメント・バンキングとグローバル・マーケッツに収益が配分される。
<財務業績>
コーポレート&インベストメント・バンキングの収益は、前年度比321百万ドル減すなわち8%減の3,792百万ド
ルとなった。
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有価証券報告書
投資銀行業務の収益は、435百万ドル減すなわち21%減となった。これは主として、シンジケートローン業務の
減少、主にヨーロッパおよびカナダにおけるM&Aの減少、主に北米におけるエクイティ・オリジネーションの減少
ならびに地方自治体の銀行業務の減少によるものである。これらの要素は、外国為替換算の影響により一部相殺さ
れた。
貸出業務およびその他の収益は、外国為替換算の影響および主に米国における顧客活動の増加を反映して114百
万ドル増すなわち6%増となった。
主要なハイライト (表35)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
(1)
$ 3,792 $ 4,113
収益合計
(1)
収益の内訳
$ 1,672 $ 2,107
投資銀行業務
(2)
貸出業務およびその他 2,120 2,006
その他の情報
$ 86,400 $ 74,400
平均資産
貸出金 および手形引受けの平均 76,700 61,100
(1) 2019 年 10月31日に終了した年度におけるteb調整は、80百万ドル(2018年10月31日に終了した年度は224百万ドル)であっ
た。詳細は、「事業セグメントの測定および報告方法」の項を参照のこと。
(2) 企業向け貸出業務、顧客証券化業務および世界の信用業務からなる。
グローバル・マーケッツ
グローバル・マーケッツは、債券、為替、株式販売およびトレーディング、レポ取引および担保付資金調達なら
びにコモディティ業務からなる。
<財務業績>
収益合計は、前年度比167百万ドル増すなわち4%増の4,663百万ドルとなった。
債券、為替およびコモディティ業務の収益は、28百万ドル増すなわち1%増となった。
株式業務の収益は、30百万ドル増すなわち3%増となった。これは主として、北米を中心とした株式トレーディ
ング収益の増加が、主に北米におけるエクイティ・オリジネーションの減少によって一部相殺されたためである。
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有価証券報告書
レポおよび担保付資金調達業務の収益は、主として顧客活動の増加により、109百万ドル増すなわち9%増と
なった。
主要なハイライト (表36)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
(1)
$ 4,663 $ 4,496
収益合計
(1)
収益の内訳
$ 2,150 $ 2,122
債券、為替およびコモディティ
株式 1,166 1,136
(2)
レポおよび担保付資金調達 1,347 1,238
その他の情報
$ 583,700 $ 508,900
平均資産
(1) 2019 年 10月31日に終了した年度におけるteb調整は、370百万ドル(2018年10月31日に終了した年度は318百万ドル)であっ
た。詳細は、「事業セグメントの測定および報告方法」の項を参照のこと。
(2) 内部事業および外部顧客に対する担保付資金調達事業からなる。
アザー
アザーには、主として米国商業用モーゲージ担保証券およびアジアにおけるストラクチャード・レートからなる
レガシー・ポートフォリオが含まれる。
< 財務 業績>
収益は、主として残余資金調達費用の減少により前年度比44百万ドル増すなわち21%増となった。
コーポレート・サポート
コーポレート・サポートは、商品およびサービスを効率的に顧客に提供するために必要な技術上および業務上の
基盤を作るテクノロジー&オペレーションズと、財務、人事、リスク管理、内部監査およびその他の機能グループ
を統轄するファンクションズならびにコーポレート・トレジャリー部門からなる。コーポレート・サポートの業績
は、主として事業セグメントに割り当てられないグループ規模の活動の監視および監督に関する業務を反映してい
る。詳細は、「事業セグメントの測定および報告方法」の項を参照のこと。
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コーポレート・サポート (表37)
(単位:百万カナダドル(別段の記載がある場合を除
く。)) 2019 年 2018 年
(1)
$ 104 $ (51)
受取利息純額(損失)
(1)
利息以外の収益(損失) (453) (483)
(1)
収益合計 (349) (534)
利息以外の費用 131 58
(1)
税引前利益(損失) (480) (592)
(1)
法人所得税(戻入) (452) (437)
(2)
$ (28) $ (155)
当期純利益 (損失)
(1) teb 調整後。
(2) 当期純利益は、株主および非支配持分(NCI)の両方による収益を反映している。2019年10月31日に終了した年度における
NCIによる純利益は、(1)百万ドル(2018年10月31日に終了した年度は22百万ドル)であった。
このセグメントの活動の性質および連結調整により、年度比の分析は意味がないと考えている。以下は、各年度
の業績に影響を与えた重要な項目である。
コーポレート・サポートにおける各期間の収益合計および法人所得税(戻入)には、キャピタル・マーケッツに
計上されたカナダの課税対象企業配当収入および米国の税額控除投資業務のグロスアップに関連するteb調整の控
除が含まれている。収益から控除された金額は、法人所得税(戻入)の同額の増加により相殺された。
2019 年10月31日に終了した年度のteb金額は450百万ドルであり、前年度は542百万ドルであった。
以下は、各年度の業績に影響を与えた重要な項目(前述のteb調整の影響を除く。)である。
<2019年度>
純損失は、28百万ドルであった。これは主として、 会計上の不利な修正の影響、未配分残余費用および税金によ
るマイナスの影響が、資産/負債管理行動により一部相殺されたことによる。
<2018年度>
純損失は、米国税制改革の影響(主に繰延税金資産純額に関連する178百万ドル)を受け、155百万ドル(資産/
負債管理行動により一部相殺された。)であった。
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四半期財務情報
第4四半期の業績
<2019年度第4四半期と2018年度第4四半期との比較>
第4四半期の純利益は3,206百万ドルで、前年度比44百万ドル減すなわち1%減となった。希薄化後EPSは0.02ド
ル減の2.18ドル、ROEは140bps低下して16.2%となった。インベスター&トレジャリー・サービス、キャピタル・
マーケッツおよびインシュアランスにおける業績の悪化は、ウェルス・マネジメントおよびパーソナル&コマー
シャル・バンキングにおける好調な利益によって一部相殺された。また当グループの業績は、コーポレート・サ
ポートにおける純損失も反映していた。
収益合計は、701百万ドル増すなわち7%増となった。これは主として 当グループの保険契約者の債務の裏付け
となる投資の公正価値の変動 (後述のとおりその大部分がPBCAEにおいて相殺された。)、カナディアン・バンキ
ングおよびUSウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)における平均取引高の増加を反映した受取
利息純額の増加(USウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)におけるスプレッドの縮小により一
部相殺された。)ならびにブルーベイの民間融資事業売却による利益によるものである。相場上昇および純売上高
を反映した手数料ベースの平均顧客資産の増加、債券トレーディング収益の増加、インシュアランスにおける実現
投資利得ならびに 米国の株式に基づく報酬制度に関するヘッジの公正価値の変動 (その大部分が 利息以外の費用 に
おいて相殺された。)も、この増加に寄与した。これらの要素は、団体年金保険の売上高の減少(後述のとおりそ
の大部分がPBCAEにおいて相殺された。)ならびにキャピタル・マーケッツにおけるM&Aおよび株式トレーディング
収益の減少により一部相殺された。
PCL 総額は前年度比146百万ドル増、貸出金に係るPCL比率は前年度比で9bps上昇して32bpsとなった。これは、
パーソナル&コマーシャル・バンキング、キャピタル・マーケッツおよびウェルス・マネジメントにおける引当金
繰入額の増加によるものである。 前年度は与信条件が比較的緩かったが、2019年度末にかけて、より標準的な貸倒
水準へと回帰した。
PBCAE は、160百万ドル増すなわち32%増となった。これは主として、当グループの保険契約者の債務の裏付けと
なる投資の公正価値の変動、 好調な投資関連実績の減少、事業の拡大および再保険契約の有利な再交渉の減少によ
るものである。 主として 不利な死亡率、罹患率および手数料に関連して年に一度の保険数理上の仮定の有利な修正
が減少したこと(良好な経済見通しにより一部相殺された。)ならびに保険金支払額の増加も、この増加に寄与し
た。これらの要素は、団体年金保険の売上高の減少および長寿再保険の新規契約によるプラスの影響により、 一部
相殺された。
利息以外の費用は、437百万ドル増すなわち7%増となった。これは主として、インベスター&トレジャリー・
サービス事業の見直しに伴う退職費用および関連費用によるものである。事業拡大に伴う費用 および従業員関連費
用 の増加、米国における株式に基づく報酬制度の公正価値の変動(その大部分が収益において相殺された。)なら
びにコーポレート・サポートにおける 会計上の不利な修正の影響も、この増加に寄与した。
法人所得税費用は、前年度比2百万ドル増となった。法人所得税の実効税率は、前年度の有利な税金調整 の増加
が当年度の非課税利益の増加 により一部相殺され、前年度の17.5%から17.8%に上昇した。
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<2019年度第4四半期と2019年度第3四半期との比較>
純利益は、前四半期比57百万ドル減すなわち2%減の3,206百万ドルとなった。これは主として、インベス
ター&トレジャリー・サービス事業の見直しに伴う退職費用および関連費用ならびにPCLの増加によるものであ
る。 M&A およびエクイティ・オリジネーションの減少によるキャピタル・マーケッツの業績悪化ならびにコーポ
レート・サポートにおける会計上の不利な修正の影響も、この減少に寄与した。これらの要素は、 ブルーベイの民
間融資事業売却による利益およびインシュアランスにおける当四半期の 長寿再保険の新規契約によるプラスの影響
によって、一部相殺された。
四半期の業績および動向分析
当グループの四半期の業績は、一部事業の季節性、景気全般および市場状況ならびに他の通貨に対するカナダド
ルの変動等、数々のトレンドおよび循環的要因の影響を受ける。下表は、最近8四半期(当該期間)における業績
をまとめたものである。
(1)
(表38)
四半期の業績
2019 年 2018 年
(単位:百万カナダドル
第4 第3 第2 第1 第4 第3 第2 第1
(1株当たり の金額 およ
び%の数値を除く。)) 四半期 四半期 四半期 四半期 四半期 四半期 四半期 四半期
パーソナル&コマーシャ
$ 4,568 $ 4,546 $ 4,333 $ 4,418 $ 4,364 $ 4,284 $ 4,103 $ 4,165
ル・バンキング
ウェルス・マネジメント 3,187 3,029 2,979 2,948 2,740 2,798 2,605 2,783
インシュアランス 1,153 1,463 1,515 1,579 1,039 1,290 806 1,144
インベスター&トレジャ
リー・サービス 566 561 587 631 624 620 671 676
キャピタル・マーケッツ
(2)
1,987 2,034 2,169 2,098 2,056 2,157 2,010 2,175
コーポレート・サポート
(2)
(91) (89) (84) (85) (154) (124) (141) (115)
$ 11,370 $ 11,544 $ 11,499 $ 11,589 $ 10,669 $ 11,025 $ 10,054 $ 10,828
収益合計
PCL 499 425 426 514 353 346 274 334
PBCAE 654 1,046 1,160 1,225 494 925 421 836
利息以外の費用 6,319 5,992 5,916 5,912 5,882 5,858 5,482 5,611
$ 3,898 $ 4,081 $ 3,997 $ 3,938 $ 3,940 $ 3,896 $ 3,877 $ 4,047
税引前純利益
法人 所得税 692 818 767 766 690 787 817 1,035
$ 3,206 $ 3,263 $ 3,230 $ 3,172 $ 3,250 $ 3,109 $ 3,060 $ 3,012
当期純利益
$ 2.19 $ 2.23 $ 2.20 $ 2.15 $ 2.21 $ 2.10 $ 2.06 $ 2.02
EPS -基本的
-希薄化後 2.18 2.22 2.20 2.15 2.20 2.10 2.06 2.01
法人所得税の実効税率 17.8% 20.0% 19.2% 19.5% 17.5% 20.2% 21.1% 25.6%
当期における1.00カナダド
$ 0.755 $ 0.754 $ 0.751 $ 0.749 $ 0.767 $ 0.767 $ 0.778 $ 0.794
ルの平均米ドル換算額
(1) 他の通貨に対するカナダドルの変動は、当期における当グループの連結業績に影響を及ぼした。
(2) teb 調整後。 詳細は、「事業セグメントの測定および報告方法」の項を参照のこと。
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<季節性>
季節的要因は、一部四半期において当グループの業績に影響を与える場合がある。歴史的に見て、第1四半期
は、キャピタル・マーケッツ事業が好調になる。第2四半期は、その他の四半期より日数が少ないため、一般的に
受取利息純額および一部の費目は少なくなる。第3四半期および第4四半期は、顧客活動が低下する夏季を含むた
め、キャピタル・マーケッツの仲介業務の業績にマイナスの影響が生じることがある。
<動向分析>
当該期間中、利益は概ね増加傾向にあった。しかし、2019年度第1四半期の業績は、同四半期の前半を通じて市
況が厳しかったとことで影響を受けた。四半期の利益は、外国為替換算の影響も受けている。
パーソナル&コマーシャル・バンキングの収益は、期首以降の取引高の堅調な増加によって恩恵を受けている。
利上げを反映して期間中スプレッドが拡大したが、競争価格圧力の影響で一部相殺された。しかしながら、全体と
しては、市場金利は2019年度下半期に緩やかに低下した。
ウェルス・マネジメントの収益は、概ね増加傾向にあった。これは主として、相場上昇および純売上高の恩恵を
受けた手数料ベースの平均顧客資産の増加によるものである。主として当該期間中の取引高の増加および当該期間
の大半にわたる利上げの影響により、受取利息純額は増加した。米国におけるFF金利引下げの影響で、2019年度第
4四半期はスプレッドが縮小した。ブルーベイの民間融資事業売却による利益は、2019年度第4四半期における増
加に寄与した。米国の株式に基づく報酬制度に関するヘッジの公正価値の変動(その大部分が利息以外の費用にお
いて相殺されている。)も、当該期間中の収益の変動に寄与した。
インシュアランスの収益は、主として 当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動に
よって、当該期間中変動した。収益は、当該期間の大半にわたるカナディアン・インシュアランスおよびインター
ナショナル・インシュアランスにおける事業の拡大により恩恵を受けたが、2019年度第4四半期は団体年金保険の
売上高の減少の影響を受けた。
インベスター&トレジャリー・サービスの収益は、期間中の市況および顧客活動の変動によって影響を受けてい
る。2018年度上半期は増加傾向にあった。これは、資金調達および流動性の実績向上に加えて、市場ボラティリ
ティが概して高く、顧客預金が増加し、また資産管理・運用サービス業務における顧客活動が増加したためであ
る。資金調達および流動性業務における収益は、当年度にマネー・マーケット機会が減少したことの影響を受け、
資産管理・運用サービス業務は、2019年度上半期に市況が厳しかったことの影響を受けた。当該期間の後半は、顧
客活動の減少および顧客預金利ざやの減少によって影響を受けた。
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キャピタル・マーケッツの収益は、コーポレート&インベストメント・バンキングおよびグローバル・マーケッ
ツの各事業における顧客活動に影響する市況に大きく影響され、第1四半期はその他の四半期より業績がいいのが
常である。2018年度第2四半期は、市場活動の減少によってエクイティ・オリジネーションが減少し、すべての地
域において債券トレーディングが減少し、また米国においては株式トレーディング収益が減少した。2018年度第4
四半期の減少は、主として債券トレーディング収益の減少によるものである。2019年度の顧客活動は、市況が厳し
く業界全体の投資銀行手数料収益が減少したことで、影響を受けた。市況の変化による影響も、2019年度下半期に
おける株式トレーディング収益の減少につながった。
正常な資産に係るPCLは、取引高の増加、ポートフォリオ構成の変化、モデル変更およびマクロ経済的条件に
よって影響を受け、当該期間中変動した。 2018 年度の大半の期間で、いくつかの部門において引当金繰入額が減少
し、減損貸出金の回収額が増加した。2018年度第4四半期は、バルバドスにおける再編による影響も受けた。2018
年度は与信条件が比較的緩かったが、2019年度末にかけて、より標準的な貸倒水準へと回帰した。
PBCAE は、当グループの保険契約者の債務の裏付けとなる投資の公正価値の変動 および団体年金保険の売上高の
影響を含む事業の拡大 ( いずれも大部分が 収益において相殺された。)を含むため、四半期ごとに変動した。また
PBCAEは、 当該期間中の投資関連実績および保険金支払額によっても変動している。2018年度後半以降、PBCAEは、
再保険契約の有利な再交渉によりプラスの影響を受けている。各年度の第4四半期に通常行われる 保険数理上の調
整も、PBCAEの実績に影響を与えている。
当グループでは経営効率化に向けた活動を引き続き重視しているが、利息以外の費用は、当該期間中概ね増加傾
向にあった。増加は、主として事業拡大に伴う費用の増加およびテクノロジー費用(デジタル・イニシアチブを含
む。)への継続的な投資および関連費用ならびに変動報奨金を含む従業員関連費用の増加を反映している。 2019 年
度第4四半期における増加は、 インベスター&トレジャリー・サービス事業の見直しに伴う 退職費用および関連費
用を反映している。
法人所得税の実効税率は、主として様々な税金調整および利益構成の変化によって、当該期間中変動した。2018
年度第1四半期は、米国税制改革による繰延税金資産純額の評価減によってマイナスの影響を受けたが、2018年度
に行われた法人税率の引下げはこれを上回った。2019年度第1四半期には、バルバドスにおける法人税率改定によ
る繰延税金資産の評価減が含まれていた。
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財政状態
要約貸借対照表
(表39)
(単位:百万カナダドル) 2019 年 2018 年
資産
$ 26,310 $ 30,209
現金および預け金
利付銀行預け金 38,345 36,471
(1)
有価証券(適用引当金控除後) 249,004 222,866
売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金 306,961 294,602
貸出金
リテール 426,086 399,452
ホールセール 195,870 180,278
貸倒引当金 (3,100) (2,912)
その他-デリバティブ 101,560 94,039
(2)
-その他 87,899 79,729
$ 1,428,935 $ 1,334,734
総資産
負債
(3)
$ 886,005 $ 836,197
預金
その他-デリバティブ 98,543 90,238
(2)(3)
-その他 350,947 319,213
劣後無担保社債 9,815 9,131
負債合計 1,345,310 1,254,779
株主に帰属する株式 83,523 79,861
非支配持分 102 94
資本合計 83,625 79,955
$ 1,428,935 $ 1,334,734
負債および資本合計
(1) 有価証券は、トレーディング目的の有価証券および投資目的有価証券からなる。
(2) その他-その他の資産および負債は、それぞれ個別分離運用型基金純資産および負債を含む。
(3) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前は預金として計上されていた未払利息は、
その他の負債として表示される。比較のための数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
<2019年度と2018年度との比較>
総資産は、前年度から940億ドル増すなわち7%増となった。外国為替換算の影響により、総資産は20億ドル増
加した。
現金および預け金は、主として短期資金管理業務を反映する中央銀行への預金の減少により、40億ドル減すなわ
ち13%減となった。
利付銀行預け金は、主として当グループの資金管理業務を反映して中央銀行への預金が増加したことにより、20
億ドル増すなわち5%増となった。
有価証券(適用引当金控除後)は、260億ドル増すなわち12%増となった。これは主として、顧客活動および事
業活動に牽引されて国債が増加したことによる。有利な市況を反映した株式トレーディング証券の増加も、この増
加に寄与した。
売戻し条件(リバース・レポ)付購入資産および借入有価証券担保金は、顧客活動および事業活動により120億
ドル増すなわち4%増となったが、ネッティングの増加により一部相殺された。
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貸出金(貸倒引当金控除後)は、420億ドル増すなわち7%増となった。これは主として、住宅担保ローンおよ
びホールセール貸出金の増加に牽引された取引高の増加によるものである。
デリバティブ資産は、80億ドル増すなわち8%増となった。これは主として、金利オプションの公正価値の増加
が、外国為替契約の公正価値の減少によって一部相殺されたことによる。
その他の資産は、80億ドル増すなわち10%増となった。これは、手形引受見返の増加および顧客需要に牽引され
たコモディティ・トレーディング債権の増加によるものである。
総負債は、前年度から910億ドル増すなわち7%増となった。外国為替換算の影響により、総負債は20億ドル増
加した。
預金は、500億ドル増すなわち6%増となった。これは主として、顧客活動により企業預金およびリテール預金
が増加したためである。
デリバティブ負債は、80億ドル増すなわち9%増となった。これは主として、金利オプションの公正価値の増加
によるが、外国為替契約の公正価値の減少によって一部相殺された。
その他の負債は、320億ドル増すなわち10%増となった。これは主として、顧客活動の増加による買戻契約に関
連する債務の増加によるが、ネッティングの増加により一部相殺された。空売りした有価証券に関する債務の増加
および手形引受けの増加も、この増加に寄与した。
資本合計は、40億ドル増すなわち5%増となった。これは、配当および株式買戻しを控除した後の利益、優先株
式の償還ならびに従業員給付制度の再測定による割引率の引下げの影響(制度資産の有利な利益率により一部相殺
された。)を反映している。
オフバランス・シート処理
当グループは、通常の営業過程において、会計上の目的のため連結貸借対照表に計上されない様々な金融取引を
行っている。オフバランス・シート取引は、通常、当グループおよび当グループの顧客の利益のために、リスク管
理、資本管理および資金管理の目的で行われる。これらには、組成された企業との取引が含まれ、信用保証の授与
が含まれることもある。これらの取引は、その他のリスクの中でもとりわけ「リスク管理」の項に記載されている
様々な市場、信用、流動性および資金調達リスクの発生につながる。
当グループは、金融資産を証券化し、また顧客がその金融資産を証券化する際の支援として、組成された企業を
活用している。これらの事業体は事業会社ではなく、通常は従業員も有さず、当グループの連結貸借対照表には計
上している場合もあればしていない場合もある。
通常業務の過程において、当グループは認識の中止の対象となり得る多様な金融取引に従事している。当グルー
プは、当グループが金融資産に関連するほとんどすべてのリスクおよび経済価値または支配を第三者に移転してい
るかの判断にあたり認識の中止のルールを適用している。取引が特定の基準を満たした場合、かかる取引について
は当グループの連結貸借対照表上で完全にまたは部分的に認識を中止される。
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<金融資産の証券化>
当グループでは、主として資金源を分散し、流動性を高めるためおよび資本目的のために、クレジットカード債
権、住宅担保ローンおよび商業用不動産担保ローンを定期的に証券化する。当グループはまた、当グループの売却
およびトレーディング活動の一環として、住宅担保ローンおよび商業用不動産担保ローンを証券化する。
当グループは、クレジットカード債権を、連結 している 組成された企業 を通じてリボルビング・ベースで証券化
している。単身および家族住宅担保ローンは国民住宅法モーゲージ担保証券(NHA MBS)プログラムに基づいて証
券化している。当グループは 認識の中止の基準を満たさないため、当グループの証券化活動の大部分は、当グルー
プの連結貸借対照表に計上されている。2019年度において、当グループはNHA MBSプログラムを通じて証券化され
たいかなる住宅 担保 ローンも認識を中止しなかった。2018年10月31日現在、当グループは、NHA MBSおよび住宅担
保ローンの両方が第三者に売却され、実質的にすべてのリスクおよび経済価値が移転される結果となり、13億ドル
のモーゲージの認識を中止した。 詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記6およ
び注記7を参照のこと。
また当グループでは、分散効果、レバレッジおよび債務回収率等一定の基準を満たした担保プールによって 組成
された企業 (うち1つは当グループの出資による。)に売却することで、商業用不動産担保ローンを定期的に証券
化している。商業用不動産担保ローンを証券化すると、証券化された資産の所有に係るほぼすべてのリスクと経済
価値が移転するため、連結貸借対照表における認識は中止される。2019年10月31日に終了した年度中、当グループ
は696百万ドル(2018年10月31日に終了した年度は352百万ドル)の商業用不動産担保ローンを証券化した。譲渡さ
れた資産に対する当グループの継続的関与は、売却した一定の商業用不動産担保ローンのサービシングに限定され
る。2019年10月31日現在、これらの証券化活動に関しては、商業用不動産担保ローンが19億ドル(2018年10月31日
現在は15億ドル)残っており、サービスが継続している。
<非連結の組成された企業への関与>
当グループは、顧客の金融資産の証券化、投資商品の作成およびその他のストラクチャード・ファイナンス等、
顧客の資金調達需要および投資ニーズに応えるため、通常の営業過程で組成された企業との多様な金融取引を行っ
ている。
当グループは、第三者保証、クレジット・デフォルト・スワップおよび担保等の信用リスク軽減ツールを用い
て、証券化を通じて引き受けたリスクおよび再証券化エクスポージャーを軽減することができる。証券化および再
証券化エクスポージャーの信用の質を監視するために用いるプロセスとして、その他の方法の中でも特に、原資産
の実績データの評価を行っている。格付は四半期ごとに確認し、少なくとも年1回は新たな格付を正式に確認また
は決定する。リスク管理業務についての詳細は、「リスク管理」の項および上記「第一部 第3 2 事業等のリ
スク」を参照のこと。
以下は、特定の重要な非連結の組成された企業に関する当グループの活動の記述である。連結および非連結の組
成された企業に対する当グループの持分についての詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に
対する注記7を参照のこと。
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RBC が管理するマルチセラー・プログラム
当グループは、主として顧客の金融資産の証券化に使用されているマルチセラー・プログラムを管理している。
顧客が当グループのマルチセラー・プログラムを活用する主たる理由は、資金源を分散することおよび質の高い担
保価値を利用して調達コストを抑えることである。これらのプログラムは有利な収益の流れおよびリスク調整後収
益を提供する。
当グループは、マルチセラー・プログラムに対して、取引のストラクチャリング、管理、バックストップ流動性
ファシリティおよび部分的信用補完等のサービスを提供している。かかるすべてのサービスに対する収益は、当年
度は合計254百万ドル(2018年10月31日現在は262百万ドル)となった。
バックストップ流動性ファシリティおよび信用補完ファシリティの形によるプログラムへのコミットメント総額
は、下表に示すとおりである。これらのファシリティにおけるコミットメント総額は、購入契約に基づきプログラ
ムが購入しなければならない可能性のある資産の最大総額を超過している。この結果、バックストップ流動性ファ
シリティおよび信用補完ファシリティの損失に対する最大エクスポージャーは、これらのファシリティのコミット
メント総額を下回る。
流動性および信用補完ファシリティ (表40)
2019 年 10月31日現在 2018 年 10月31日現在
損失への 損失への
約定済名目 約定済名目
最大エクス 最大エクス
割当名目 割当名目
(1) (2) (1) (2)
(単位:百万カナダドル) 金額 金額 ポージャー 金額 金額 ポージャー
バックストップ 流動性
$ 37,935 $ 36,229 $ 36,229 $ 38,342 $ 36,193 $ 36,193
ファシリティ
(3)
信用補完ファシリティ 1,706 1,706 1,706 2,149 2,149 2,149
$ 39,641 $ 37,935 $ 37,935 $ 40,491 $ 38,342 $ 38,342
合計
(1) 約定済の融資限度合計に基づく。
(2) 上記表には、マルチセラー・プログラムの持分による損失への最大エクスポージャー総額を構成する、デリバティブ資産
の公正価値97百万ドル(2018年10月31日現在はゼロドル)が含まれていない。詳細は、 下記「第6 1 財務書類」に記
載の連結財務諸表 に対する注記7を参照のこと。
(3) 金融スタンドバイ信用状の14百万ドル(2018年10月31日現在は22百万ドル)が含まれる。
2019 年10月31日現在、当グループが提供するバックストップ流動性ファシリティの想定元本は、前年度比407百
万ドル減すなわち1%減となった。前年度と比較した金額の減少は、主としてマルチセラー・プログラムの証券化
資産残高の減少によるものである。当グループが提供する部分的信用補完ファシリティの想定元本は、前年度比
443百万ドル減となった。信用補完ファシリティの減少は、顧客の利用が減少したことを反映している。
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顧客の種類別による損失への最大エクスポージャー (表41)
2019 年 10月31日現在 2018 年 10月31日現在
合計 合計
(単位:百万) 米ドル カナダドル カナダドル 米ドル カナダドル カナダドル
証券化資産残高
$ 4,258 $ 510 $ 6,117 $ 4,406 $ 510 $ 6,308
クレジットカード
自動車ローンおよびリース 9,003 2,882 14,738 10,726 2,148 16,260
学資ローン 1,777 - 2,340 1,707 - 2,246
売掛金 2,338 - 3,079 2,220 - 2,921
設備債権 1,479 - 1,948 1,581 - 2,080
消費者ローン 2,150 - 2,831 1,387 - 1,825
ディーラー在庫品担保債権 910 878 2,077 833 852 1,948
フリート金融債権 602 306 1,099 614 306 1,113
保険料 213 286 566 122 194 355
住宅担保ローン - 1,014 1,014 - 1,377 1,377
トランスポーテーション・
ファイナンス 1,498 153 2,126 1,335 153 1,909
$ 24,228 $ 6,029 $ 37,935 $ 24,931 $ 5,540 $ 38,342
合計
$ 31,906 $ 6,029 $ 37,935 $ 32,802 $ 5,540 $ 38,342
カナダドル換算額
当グループの全体的なエクスポージャーは、マルチセラー・プログラムの証券化資産残高の減少を反映して前年
度比1%減となった。同様に、マルチセラー・プログラムの資産合計は、主として 自動車ローンおよびリースなら
びに住宅担保ローンの資産区分における減少を受けて、前年度比398 百万 ドル減 すなわち1 %減となった。これら
は消費者ローン、保険料およびトランスポーテーション・ファイナンスの資産区分における増加により相殺され
た。 マルチセラー・プログラムの資産100%(前年度と同等)は、A以上の内部格付を有していた。非連結マルチセ
ラー・プログラムによって資金を調達したすべての取引は、外部格付機関のものとほぼ同等の格付システムを用い
て、内部で格付を行っている。
マルチセラー・プログラムが行うすべての取引については、複数の独立債券格付機関が審査を行っている。米国
のマルチセラー・プログラムが資金を調達する取引は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディー
ズ)、スタンダード&プアーズ(S&P)およびフィッチ・レーティングス(フィッチ)による審査を受けている。
カナダのマルチセラー・プログラムにおける取引は、DBRSおよびムーディーズによる審査を受けている。また、適
格格付機関はそれぞれ、月1回、現行の取引の業績を検討し、プログラムに関するポートフォリオおよびプログラ
ムの情報について詳述した報告書を発行することができる。
2019 年10月31日現在、プログラムが発行した資産担保コマーシャル・ペーパー(ABCP)の総額は、前年度比11億
ドル減すなわち4.4%減の238億ドルとなった。マルチセラー・プログラムが発行したABCPの金額が前年度より減少
したのは、主として顧客の利用が減少したことによるものである。ABCPの格付を行う格付機関は、発行総額の
100%(2018年10月31日現在は71%)を最高区分に格付した。
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ストラクチャード・ファイナンス
当グループは、学資ローンに対する長期投資資金を、短期優先債および劣後債の発行によって調達する一部の信
託の金利入札証券(ARS)に投資を行っている。2019年10月31日現在、これらのARS信託のうち損失に対する最大エ
クスポージャーは60百万ドル(2018年10月31日現在は176百万ドル)であった。当グループの損失に対する最大エ
クスポージャーの減少は、主として第三者へ売却および償還に関連していた。
当グループは、当グループが持分を有するが、テンダー・オプション・ボンド(TOB) 信託の発行する 残りの証
券を第三者が保有しているため連結していない特定の地方債TOB 信託 に対しても、流動性ファシリティを提供して
いる。2019年10月31日現在、かかる非連結地方債TOB信託の損失に対する最大エクスポージャーは31億ドル(2018
年 10 月31日現在 は24億ドル)であった。前年度に比べ、損失に対する最大エクスポージャーが増加したのは、主と
して追加の新規信託によるものであった。
当グループは、第三者が融資を受け、定期ローン担保証券(CLO)を発行するために設立した個別かつ非関連の
組成された企業 に対して、シニア・ウェアハウス・ファイナンシングを行っている。CLOの売却益の一部は、当グ
ループが提供するシニア・ウェアハウス・ファイナンシングの完済に充てられる。2019年10月31日現在、当グルー
プのシニア・ウェアハウス・ファイナンシング・ファシリティの残高に関する損失に対する最大エクスポージャー
は253百万ドル(2018年10月31日現在は837百万ドル)であった。前年度と比較した損失に対する最大エクスポー
ジャーの減少は、既存のファイナンシング・ファシリティの満了に関連している。
当グループは、第三者が融資を受けるために設立した非連結の組成された企業に対して、シニア・ファイナンシ
ングを行っている。これらのファシリティは、CLOウェアハウス・ファシリティより長期化する傾向があり、複数
の損失実績をカバーするように設計された信用補完の恩恵を受ける。2019年10月31日現在、当グループのシニア・
ファイナンシング・ファシリティの残高に関する損失に対する最大エクスポージャーは、28億ドル(2018年10月31
日現在は18億ドル)であった。前年度の損失に対する最大エクスポージャーの増加は新たなファイナンシング・
ファシリティの追加によるものである。
投資ファンド
当グループは、主として顧客に対して参照ファンドの希望エクスポージャーを提供するために、ヘッジ・ファン
ドに対する投資を行っている。当グループが参照ファンドに投資することで、当該ファンドに対するエクスポー
ジャーは、同時にデリバティブ取引を通じて顧客にも移転する。参照ファンドにおける損失に対する 最大 エクス
ポージャーは、当該ファンドに対する投資額を限度とする。2019年10月31日現在、損失に対する最大エクスポー
ジャーは、18億ドル(2018年10月31日現在は27億ドル)となった。損失に対する最大エクスポージャーが前年度よ
り減少したのは、第三者投資ファンドの保有額が減少したことによるものである。
当グループは、一部の第三者投資ファンドに対しても流動性ファシリティを提供している。これらのファンド
は、無担保の変動配当優先株式を発行したり、免税債のポートフォリオに投資を行ったりしている。2019年10月31
日現在、これらのファンドに対する最大エクスポージャーは、275百万ドル(2018年10月31日現在は275百万ドル)
であった。
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第三者証券化ビークル
当グループは、組成された企業である非連結第三者証券化ビークルに、持分を有している。当グループは、他の
金融機関と同様、これらの事業体に対して、最大コミットメントを上限に資金提供を行う義務を有し、様々な信用
補完を行った上で、対象となる資産の貸倒リスクを負う。2019年10月31日現在、これらの事業体における損失に対
する最大エクスポージャーは107億ドル(2018年10月31日現在は102億ドル)であった。損失に対する最大エクス
ポージャーが前年度と比較して増加したのは、これらの事業体の証券化資産の増加および外貨換算の影響によるも
のである。これらの投資に関連して計上される受取利息および利息以外の収益は、195百万ドル(2018年10月31日
現在は126百万ドル)であった。
<保証、リテールおよび商業コミットメント>
当グループは、顧客に対して保証およびコミットメントを提供しており、それにより、当グループは流動性リス
クおよび資金調達リスクにさらされている。2019年10月31日現在、コミットメントおよび保証商品に関して支払わ
なければならない可能性のある最大額は、3,803億ドル(前年度は3,927億ドル)であった。前年度よりも減少した
のは、主として有価証券貸付補償の事業活動の縮小によるものであり、与信および金融スタンドバイ信用状のコ
ミットメントが増加したことで一部相殺された。保証およびコミットメントについての詳細は、「流動性リスクお
よび資金調達リスク」の項および下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記25を参照のこ
と。
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リスク管理
当グループは、株主、顧客、従業員および社会に対して最大限の価値を創造することを目指しているため、金融
サービス業に伴うリスクを管理している。リスク管理能力は、当行の重要な機能であり、当グループの強固なリス
ク管理行動およびリスクを意識した文化によってサポートされている。当グループのリスクに対する見識は、金融
サービス業界における変化の速度を反映してダイナミックである。
概要
多様な事業モデルを展開する世界的な金融機関である当グループは、事業を保護し可能にする一助として、以下
のリスク管理原則に従って様々なリスクを積極的に管理している。
<リスク管理原則>
・ 持続可能な成長を可能にするため、リスクとリターンの効果的なバランスを取る。
・リスク管理責任を共有する。
・当グループの評判ならびに顧客、同業者および社会の信頼を維持するため、常に目的および展望を掲げ、当グ
ループの価値観および行動規範に一貫して従う。
・当グループが理解しているリスクのみ引き受ける。リスクに関する決定は慎重に、かつ将来を考慮して行う。
・当グループのステークホルダーを保護するため、健全かつ厳格な統制環境を維持する。
・判断力および常識を用いる。
・潜在的な危機に対して常に経営上備えておき、財務上強靱である。
金融サービス業界の動的性質および技術革新により、当グループのプロセス、ツールおよび実務は絶えず改良を
重ね、変化する情勢および新興リスクに対応する必要がある。当グループはこれを、効果的かつ進化するリスク管
理アプローチを通じて達成している。リスクを伴うあらゆる行為およびエクスポージャーは、取締役会の承認した
リスク選好、リスク制限ならびに対応する資本および流動性要件の範囲内である。当グループは、事業活動および
取引が、引き受けたリスクおよび負担した費用に見合う収益を生むよう徹底している。当グループの組織設計およ
びガバナンス・プロセスにより、グループ・リスク・マネジメント(GRM)機能は、そのサポートする事業からの
独立性が確保されている。
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<リスク・ドライバー>
当グループのリスクの定義は、期待利益に対する実際の利益の変動、自己資本比率または流動性に関する損失ま
たは望ましくない結果により、利益のダウンサイド・ボラティリティまたは当グループの柔軟性に対するマイナス
の影響が生じる可能性である。主要なリスクには、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、保険リスク、オペ
レーショナル・リスク、規制コンプライアンス・リスク、戦略リスク、評判リスク、法的リスクおよび規制環境リ
スク、競争リスクならびにシステミック・リスクが含まれる。これらのリスクは、当グループが行使しうる統制力
および影響力の程度に応じて、4つのカテゴリーに分類されている。これらのカテゴリーは、GRMによって管理さ
れ、すべての主要なリスクが反映されていることを確認するため定期的に見直される。この分類方法は、既存の事
業、新規の事業、商品またはプロジェクトならびに買収および提携におけるリスクを特定および評価するための共
通言語および規律を規定する。
グループ・リスク管理
取締役会および上級管理職の監督の下、グループ・リスク管理体系(ERMF)は、グループが直面する重大なリス
クの特定、評価、測定、統制、監視および報告を含む、リスク管理に関するグループ規模のプログラム概要を規定
する。
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<リスク・ガバナンス>
当グループは、事業に影響するリスクが適時に特定され、適切に分類され、評価され、管理され、また取締役会
に報告されていることを確認するため、効果的なガバナンス体系を確立している。リスク・ガバナンス体系は、金
融機関監督庁(OSFI)の期待値、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)のコーポレート・ガバナンス原則ならびに当グ
ループが営業活動を行う法域および事業におけるその他の規制当局による要件および期待値に沿い、かつ、業界の
最良の慣行に従って、確立および整備されている。取締役会は、リスク管理体系の適用状況の監視を行い、組織内
のあらゆる地位にある従業員は、その権限との関連で生じる日々のリスク管理に責任を有する。下記のとおり当グ
ループは、戦略目標を達成するべく、グループ全体でリスクが適切かつ十分に管理されていることを確認するた
め、3つの防衛線ガバナンス・モデルを使用している。
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<リスク選好>
リスクを効果的に管理することで、利益の変動性、自己資本の充実もしくは流動性、評判リスクまたはその他の
リスクに関する許容範囲を超える損失または望ましくない結果から当グループを保護しながら、グループ全体の事
業戦略をサポートし可能にする。そのためには、当グループのリスク選好(事業目的の追求に際して当グループが
引き受ける能力および意思のあるリスクの金額および種類)および当グループのリスク選好に関するリスク特性の
管理方法を策定する必要がある。当グループのリスク選好は明確な境界線であり、組織が長く存続できるよう、リ
スクとリターンをトレード・オフするための全体的な方向性を設定する。グループ・リスク選好体系(ERAF)は、
当グループのリスク選好に対するアプローチの基本的な側面をまとめ、リスク選好の内容ならびにそのサポート基
準および関連する制約を決定し、リスク選好の策定および実施を指導し、実施および監督の役割および責任を規定
する。また、1年間に目標、戦略または外的その他の要素が変化した結果、リスク特性に予測される変化を表した
ものとして、リスク状況を整理する。リスク選好は、補完し合う複数の定性的および定量的リスク選好の形で策定
されており、グループ、事業セグメント、事業ユニットおよび法人レベルに適用できるような構造になっている。
リスク選好は、戦略、財務および資本計画プロセスならびに継続的な経営意思決定プロセスにも組み込まれる。
上級管理職が年1回これを見直し、取締役会に提出して承認を仰ぐ。
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当グループの定量的リスク選好の内容は、リスク選好基準に基づき、この原則は評判リスクおよび管理行動リス
クなどの財務以外の定量化しにくいリスクを引き受けるまたは回避する明確な根拠を定めることを目標としてい
る。当グループの定量的リスク選好は、特定の定量的リスク指標によって支えられている。
<リスク測定>
リスクの測定能力は、グループ規模のリスクおよび資本管理プロセスの主たる要素である。様々なリスク・タイ
プに共通する測定方法もあれば、1つのリスク・タイプにしか適用できないものもある。定量的リスク測定は重要
だが、定性的要素にも依拠している。定量化が困難なリスク・タイプについては、全体的なリスク・レベルを測定
してリスク選好の範囲内であることを確認するため、特に定性的リスク要因および業務評価をより重視している。
さらに判断に基づくリスク測定、ストレス・テスト等の技法やシナリオおよび感応度分析をリスクの評価および測
定に活用している。当グループの主なリスク測定方法には、以下のものがある。
・ 予想損失の定量化:リスクのある収益を評価し、一定期間中に通常の営業過程において統計的に発生が予測され
る損失を示す。
・ 予想外損失の定量化:ストレス状況下のリスクのある資本を評価し、一定期間における実際の利益と予想との乖
離金額を統計的に推定する。
・ ストレス・テスト:例外的であるが起こりうる経済または金融市場の有害事象に相当するリスク要因の特定の変
化について、将来を考慮した視点を示し、その潜在的な影響を評価する。
・ バックテスト:規制資本および経済資本の計算に用いるのに依然として適切であることを確認するために、現在
用いられている見積予想パラメータと実際の数値を比較する。
ストレス・テスト
ストレス・テストは、当グループのリスク管理体系の重要な要素である。ストレス・テストの結果は、以下に利
用される。
・長期的な事業計画および戦略の実行可能性の評価
・リスクのある収益および資本に関するリスク選好と比較したリスク特性の監視
・制限の設定
・自己資本水準および流動性水準ならびに財政状態が変わる可能性に対する主要なリスクの特定
・潜在的で不利な出来事に対して取りうる軽減策の理解促進
・目標とする自己資本水準および流動性水準の適切性の評価
グループ規模のストレス・テストは、リスク・エクスポージャーおよび利益の変動から生じる、主要な貸借対照
表、損益計算書、レバレッジ、資本および流動性への影響を評価する。この結果は、取締役会、グループ・リスク
委員会(GRC)および上級管理職リスク委員会が、ストレス下における業績達成要因を理解し、規制値および内部
目標に照らしてストレス自己資本比率、ストレス・レバレッジ比率および流動性比率を検討するのに利用される。
またこの結果は、自己資本充実度に関する内部評価プロセス(ICAAP)および資本計画の分析にも組み込まれる。
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当グループでは毎年、複数年分の多数のグループ規模のストレス・シナリオについて、多様な悪条件を設定し、
評価を行っている。当グループの取締役会が提案シナリオを検討し、GRMがシナリオの評価プロセスを主導する。
グループ内からの結果は集約され、GRM、コーポレート・トレジャリー、ファイナンスおよびエコノミクスにおけ
る当該テーマの専門家からの意見を参考に、影響に対するグループ全体の見解がまとめられる。最近評価されたシ
ナリオには、世界的な景気後退、株式市場の反落、ソブリン・リスクの上昇、世界的な貿易戦争、金利上昇、不動
産価格の調整および信用スプレッドやコモディティ市場へのショックが含まれる。
グループ規模の分析を補完およびサポートするものとして、市場リスク、流動性リスク、構造的金利リスク、リ
テールおよびホールセール信用リスク、オペレーショナル・リスクならびに保険リスク等、個々のリスク・タイプ
についてのストレス・テストおよびシナリオ分析を現在実施している。これらのリスク別プログラムの結果は、リ
スク制限の設定、ポートフォリオ構成の評価、当グループのリスク選好の明確化および事業戦略の実施等、様々な
意思決定プロセスに活用される。
現在実施中であるグループ規模およびリスク別のストレス・テスト・プログラムのほか、当グループが直面する
リスクに関する理解を深めるため、臨時および逆ストレス・テストを行っている。臨時ストレス・テストは、特定
のポートフォリオの変化する状況およびストレスをより詳しく調査するために用いる、1回限りの分析である。逆
ストレス・テストは、深刻な結果を想定し、その結果につながりうるシナリオを解析し、リスクを特定し、リスク
とリターンの境界線を理解する際に用いられる。
当グループでは、内部のストレス・テストに加え、規制当局が定める数々のストレス・テスト訓練にも複数の法
域において定期的に参加している。
モデルのガバナンスおよび検証
定量的モデルは、金融商品の評価、異なるタイプのリスクの特定、測定および管理、ストレス・テスト、自己資
本比率の評価、事業およびリスクに関する決定の通知、内部制限の遵守確認、財務報告および規制要件の充足なら
びに情報開示を含むがこれらに限定されない、様々な目的に使用される。
モデル・リスクとは、モデルのライフサイクルのあらゆる時点においてモデルを使用または誤用したことによっ
て当グループの財務および/または評価に悪影響が生じるリスクであり、モデル・リスク・ガバナンスおよび監督
体系を通じて管理される。ガバナンスおよび監督体系は、3つの防衛線ガバナンス・モデルを通じて実施され、モ
デル・リスク管理は各モデルのライフサイクルのすべての局面にわたる当該3つの防衛線を横断する共同責任であ
る、という原則に基づいて策定されている。当グループは、組織のモデルにおいてAI手法およびアプリケーション
の利用が増加していることを考慮し、ガバナンス・モデルを改善している。
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モデルは、使用前に、当グループのモデル・リスク管理機能(モデル・オーナー、開発者およびユーザーから独
立した指揮系統を有するモデリング専門家チーム)による独自の検証および承認を受ける。この検証により、モデ
ルが健全であり、意図された目的を実現しうることが確認される。使用前に独自に検証するほか、グループ・モデ
ル・リスク管理機能は、モデル変更管理手続、継続的監督要件および各モデルが引き続き意図した目的を果たすこ
とを保証するための年1回の評価等、モデルのライフサイクルにわたって統制を行う。
<リスク統制>
グループ規模のリスク管理アプローチは、ERMFに規定される広範囲にわたるリスク統制によってサポートされて
いる。ERMFは、リスク管理に対する当グループのアプローチの基礎をなし、方針の策定および情報交換、正式かつ
独自のリスク検討および承認プロセスの決定ならびに委任を受けた権限および制限の確立の期待値を設定する。
ERMFは、取締役会の承認を受けたその他数々のリスク体系、それらに基づく様々な方針および広範囲にわたるリス
ク統制によって、さらに補強およびサポートされている。当グループのリスク体系およびこれをサポートする方針
は、各リスクの特定、評価、測定、管理、軽減、監視および報告方法について方向性および見識を与える。グルー
プ規模の方針は、最低限の要件とみなされ、事業グループおよび従業員が業務上従うべきパラメータを決定する。
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リスクの検討および承認プロセス
リスクの検討および承認プロセスは、当該リスクの内容、規模および複雑さに基づき、GRMにより策定される。
同プロセスには通常、起案者とは独立した個人、グループまたは委員会による正式な審査および承認が含まれる。
承認の責任は、取引、仕組信用、プロジェクトおよび戦略ならびに新商品およびサービスのカテゴリーに基づき、
それぞれ委任を受けた者が負う。
権限および制限
リスク選好は、戦略的かつ将来を見据えた事項を考慮するように設計されている一方、権限およびリスク制限
は、日々の事業活動を管理し、監視するために用いられている。信用リスク、市場リスク、流動性リスクおよび保
険リスクに関する権限委任および制限は取締役会によって設定され、リスク選好および規制要件の範囲内で上級管
理職に対して委任する。上級管理職は、権限の一部または全部を組織内の他の管理者に委任することができる。か
かる委任された権限は、単一エクスポージャー、地理別エクスポージャーおよび業種別エクスポージャーならびに
商品およびポートフォリオ・エクスポージャーを所定の範囲および制限内で承認を可能にする。また、委任された
権限は、集中リスクを管理し、トレーディングおよび投資銀行業務の引受け制限および残高制限を設定し、市場リ
スク許容を設定することにも用いられている。上級管理職の権限を超える取引には、取締役会のリスク委員会の承
認が必要となる。
報告
グループ規模、事業セグメント、事業ユニットおよび法人レベルのリスク監視および報告は、当グループのグ
ループ・リスク管理プログラムの重要な要素であり、上級管理職および取締役会がリスク管理および監督責任を効
果的に履行できるようサポートする。さらに、当グループは規制要件を遵守するため、リスク事項に関する外部報
告書を多数提出している。四半期に一度、当グループは、上級管理職および取締役会のリスク委員会に対して、グ
ループ・リスク報告書を提出している。この報告書は、特に最重要リスクおよび新興リスク、当グループのリスク
選好に照らしたリスク特性、ポートフォリオの品質要求基準ならびに当グループが直面する様々なリスクについ
て、関連する問題、主要な傾向および(必要に応じて)経営陣の活動分析とともにまとめたものである。年に一
度、ベンチマーク・レビューを取締役会に提出している。このレビューには、多様なリスク指標において当グルー
プの業績と同業者とを比較し、同業者と比較した際の当グループの位置付けを客観的に測定した複合リスク・スコ
アカードを含む。定期的なリスク監視に加え、上級管理職および取締役会に対して、最重要リスクおよび新興リス
クの問題または当グループのリスク特性の変化について、その他のリスク特有の説明および議論が行われる。
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<リスク管理行動およびリスク文化>
当グループの価値観は当グループの組織としてのリスク文化の姿勢を定め、行動規範およびリーダーシップ・モ
デルに明示された望ましい行動につなげる。当グループではリスク管理行動の定義につき、当グループおよびその
個人の行動、判断、決定および行為を通じた文化の表明であるとしている。当グループの傾向は、リスク管理行動
による良好な結果への期待値を、当グループ、全従業員および当グループを代理して業務を行う第三者サービス・
プロバイダーの業務基準として確立しており、これによって当グループがリスク管理行動を取ると当グループの顧
客、従業員、ステークホルダー、金融市場および当グループの評価にプラスの結果が生じることになる。当グルー
プは、顧客、投資家、同業者および社会の信頼を築くため、最も高い行動水準を維持している。リスク管理行動お
よびリスク文化慣行を効果的に実践したことによる望ましい結果は、当グループの価値観と一致し、当グループの
リスク選好内容を支えている。
リスク文化とは、当グループが個別にまたは共同でどのようにリスクを引き受け管理するかに影響を与える、当
グループ全体の一連の文化である。これにより当グループは、リスクの特定および理解、リスクについての率直な
議論ならびに当グループの現在および将来のリスクに関する行動が容易になる。FSBのリスク文化に関する4つの
基本的な基準と整合した当グループのリスク文化慣行は、以下のとおりである。
・トップの姿勢
・説明責任
・効果的なチャレンジ
・インセンティブおよび実績管理
これらの慣行は主として、当グループの既存のリスク管理ならびに人事の規範および手続に基づいており、効果
的なリーダーシップおよび価値観の要素と相まって、結果としてのリスク管理行動およびリスク文化を評価、監
督、維持および継続的に強化する基礎となる。
経営陣は、従業員に対して定期的に行動の期待値を伝え、リスク管理行動および価値観を強調している。また当
グループのリーダーシップ・モデルも、事業と管理機能の効果的なチャレンジをサポートし、これを奨励する。か
かる行動の期待値は、行動規範を含む複数のオンライン・ツールおよびリソースによって支えられており、これら
は従業員が当グループの価値観を実践し、不正行為を報告し、懸念を表明する一助となるように策定されている。
従業員が報復を受けず安全に報告できる環境づくりに積極的に取り組んでいる。従業員は、グローバルで匿名性の
ある管理行動ホットラインを通じて問題を報告することが可能である。さらに、当グループの行動規範は、信頼さ
れる人になること、他者を尊重することならびに法令および当グループの方針を遵守することは従業員の責務であ
る、としている。行動規範に違反した者または実際の違反もしくは違反の可能性について報告を怠った者は、是正
措置または懲戒処分の対象となる。これは、戒告ならびに成績評価および報酬への影響から解雇まで多岐にわた
る。
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本書の以下の網掛け部分およびアスタリスク(*)のついた表は、IFRS第7号「金融商品-開示」に従って、信
用リスク、市場リスクならびに流動性リスクおよび資金調達リスクについて開示したものであり、当グループのリ
スクの測定方法ならびにこれらのリスクの管理目的、方針および方法についての議論が含まれている。したがっ
て、これらの網掛け部分およびアスタリスク(*)のついた表は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務
諸表の不可欠な一部を構成している。
取引リスク/ポジション・リスク要因
信用リスク
信用リスクとは、債務者が契約債務を適時に履行する能力または意思がない状態に関連する損失リスクであり、
一次的債務者(発行者、債務者、契約相手方、借主または保険契約者等)のデフォルト・リスクによって直接発生
する場合と、二次的債務者(保証人または再保険者等)によってオフバランス・シート・エクスポージャー、偶発
信用リスクおよび/または取引リスクを通じて、間接的に発生する場合がある。信用リスクには、トレーディング
活動および非トレーディング活動双方から生じるカウンターパーティ信用リスクが含まれている。
信用リスクの管理責任は、概して3つの防衛線ガバナンス・モデルに従って共有されている。取締役会は、信用
リスクの承認権限を総裁兼CEOおよびCROに委任する。これらの権限を超越する信用取引は、取締役会のリスク委員
会の承認を受けなければならない。日々の事業活動を円滑に行うため、CROは、必要に応じて、GRM 、事業セグメン
トおよび機能ユニットの個人に対して、信用リスクの承認権限をさらに委任する権限を有する。
当グループは、信用リスクを管理するための以下の目標を設定することによりリスクとリターンのバランスを
保っている。
・信用の質が成長を損なうものではないことを確認すること。
・取引、取引関係およびポートフォリオにおいて信用リスクを軽減すること。
・当グループの信用リスク格付および評価制度またはその他の承認された信用リスクの評価もしくは格付方法、方
針およびツールを活用すること。
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有価証券報告書
・引き受けた信用リスクに見合う価格設定を行うこと。
・効果的なシステムおよび管理を通じて不適切な信用リスクを感知し、防止すること。
・一貫した信用リスク・エクスポージャーの測定を行うこと。
・継続的に信用リスクを監視し、管理すること。
・必要に応じて、承認された信用リスク軽減手法(売却、ヘッジ、保険、証券化等)を用いて、信用リスクを第三
者に移転すること。
・当グループの価値観、行動規範または方針と一致しない活動を回避すること。
企業信用リスク管理体系(ECRMF)は、企業内の信用リスクの管理のために存在する原則、方法、システム、役
割および責任、報告ならびに統制を定めたものである。企業内の役割および責任、許容可能な実務、制限および主
要な統制をさらに明確に分類するために策定された、追加の補足方針がある。
<信用リスクの測定>
当グループでは、利益の不安定さを制限し、当グループが充分な資本金を確保する目的で、予想信用損失を管理
し、予想外損失を最小限に抑えるために、個人借主およびポートフォリオ・レベルの両方において、信用リスクを
定量化している。
当グループでは、ホールセールおよびリテール信用ポートフォリオの信用リスクを測定および定量化するために
様々なリスク測定方法を採用している。ホールセール・ポートフォリオは、企業、ソブリン、公共セクター事業
体、銀行およびその他の金融機関ならびに特定の資産家および中小企業からなる。リテール・ポートフォリオは、
住宅担保ローン、個人向けローン、クレジットカードおよび中小企業向けローンからなる。信用リスク格付制度
は、信用活動に特有のリスクを正確かつ矛盾なく評価および定量化するよう設計されている。これによる格付およ
び点数は、顧客レベルおよび取引レベルのリスクに関する意思決定のために用いられるほか、当グループのリスク
の測定および資本の計算のための重要な情報として用いられる。
<経済資本および規制資本の測定>
当グループ内部のリスクを定量化したものである経済資本は、制限の設定および内部自己資本充実度ならびに保
険会社へ自己資本を配分するために用いられる。保険以外の事業セグメントへの資本の配分方法は、規制要件に基
づく。詳細は、「資本管理」の項を参照のこと。
信用リスクを測定し規制資本を設定するには、内部格付(IRB)手法および標準的手法の2つのアプローチがあ
る。
主として当グループのカリビアン・バンキング業務およびシティ・ナショナルに適用される標準的手法では、信
用リスク・エクスポージャーに関するリスク調整後資産(RWA)を計算するためにOSFIが定めたリスク・ウェイト
に基づく。
IRB 手法は、信用リスク・エクスポージャーの大部分に適用され、規制資本と経済資本の両方に対する信用リス
ク測定の基礎となる3つの主要なパラメータを用いる。
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・デフォルト率(PD):特定の格付に関して、または特定のエクスポージャー・プールに関して、借主が一定期間
内にデフォルトに陥る可能性を表す推定率
・デフォルト時エクスポージャー(EAD):デフォルト時に借主が支払義務を有すると推定される金額
・デフォルト時損失率(LGD):回収・回復プロセスの中で回復を期待できないEADの推定率
これらのパラメータは、主として監督基準に従った内部信用リスク格付制度による経験に基づいて決定される。
各信用ファシリティは、主として、借主がデフォルトに陥った場合に予想される損失の範囲に影響を及ぼす要素
に基づくLGD率が割り当てられる。こうした要素には、主として債務の優先順位、担保および借主の業種を含む。
LGD率の見積もりは、主に内部損失記録に基づいている。内部損失記録が限られている場合には、見積もり過程で
補足となる、適切な外部データも参照する。LGD率は、不況の際に優勢となり得る状況を反映するため、その過程
において確認された情報制限および統計的不確実性を反映し、やや保守的に見積もられている。
EAD の見積もりは、借主に対する現在のエクスポージャーならびに信用コミットメントの性質等の要素に応じた
当該エクスポージャーの変化予測に基づいて行っている。LGD同様、当該率は、不況を反映するため、モデリン
グ・プロセスにおいて確認されたデータおよび統計的不確実性を反映しやや保守的に見積もられている。
PD 、LGDおよびEADの見積もりは、年に一度、更新された後に認証され、当行内の独立認証チームによって検証試
験にかけられる。さらに、四半期ごとに、見積もりチームによってモニタリングおよび検証試験が実施される。こ
れらの格付およびリスクの測定は、経済資本および規制資本、リスク制限の設定、ポートフォリオ管理ならびに商
品の価格決定のみならず予想損失を決定するために用いられる。
財務および規制の測定の相違
予想損失モデルは、規制資本および会計の両方の目的に使用されている。両モデルにおいて、予想損失はPD、
LGDおよびEADの積として計算される。ただし、現行のバーゼルおよびIFRSの報告体系には、以下を含む予想損失の
見積もりが著しく異なる可能性のある大きな違いがいくつかある。
・バーゼルにおいてPDは、経済サイクル全体にわたる長期的平均に基づく。IFRSにおいてPDは、確率加重マクロ経
済シナリオに基づきPDに影響を与えるであろう将来の状況の予測について調整した、現在の状況に基づく。
・バーゼルにおいてPDは、向こう12ヶ月間のデフォルト率を検討する。IFRSにおいてPDは、ステージ1の商品につ
いてのみ、向こう12ヶ月間のデフォルト率を検討する。ステージ2の商品の予想信用損失は、全期間PDを使用し
て計算される。
・バーゼルにおいてLGDは、重大だが起こりうる景気後退に基づく。IFRSにおいてLGDは、確率加重マクロ経済シナ
リオに基づきLGDに影響を与えるであろう将来の状況の予測について調整した、現在の状況に基づく。
詳細は、「重要な会計方針および見積もり」の項を参照のこと。
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信用リスク・グロス・エクスポージャー
信用リスク・グロス・エクスポージャーは、(ⅰ)貸出関係の信用リスクおよびその他の信用リスク(ⅱ)ト
レーディング関係の信用リスクに分類され、バーゼルⅢの枠組みに基づき計算される。この方法によると、すべて
の貸出関係の信用リスクとその他の信用取引およびトレーディング関係のレポ形式取引に係るEADは、担保は含ま
ず、当該信用エクスポージャーに将来起こりうる変化の予測を踏まえて、計算される。規制要件に従い、デリバ
ティブに関するEADは、担保を含めて算出している。
貸出関係の信用リスクおよびその他の信用リスクとは、
・貸出金および手形引受けの残高、未履行コミットメントならびに信用状および保証等の偶発債務、FVOCIまたは
償却原価で計上される債務証券および金融機関への預金を含むその他のエクスポージャー等である。未履行コ
ミットメントは、契約金額のうち、債務者が不履行時に引き出す可能性のある推定金額をいう。
トレーディング関係の信用リスクとは、
・レポ取引には、買戻し条件付および売戻し条件付取引ならびに有価証券貸借取引が含まれる。レポ取引のグロ
ス・エクスポージャーは、有価証券が最初に調達された金額(担保は含まない。)をいう。
・デリバティブ金額は、規制要因により調整された再調達原価および将来の想定信用エクスポージャーの追加金額
としてOSFIが定めた信用相当額をいう。
<信用リスクの評価>
ホールセール信用リスク
ホールセール信用リスク格付制度は、当グループのホールセール貸付活動に固有の信用リスクを測定するよう設
計されている。
各借主は、当該借主の信用の質の評価を反映した、借主リスク格付(BRR)を割り当てられる。各BRRは、それに
対して測定されたPDを有している。BRRは、借主の危険性を区別し、3年という期間において、時宜にかなって借
主が契約債務を返済する能力および意思があるかどうかについて、当グループが行った評価を表している。BRRの
割り当ては、基礎的信用分析による債務者の事業リスクおよび財務リスクに対する評価ならびにデータ主体のモデ
ル化に基づいている。各BRRに関するPDの決定は、2006年以降の内部デフォルト記録によるところが大きい。PDの
試算は、規制要件に従い、経済サイクルに対する当グループの経験の長期平均となるように構成されている。
当グループの格付制度は、債務者を22の等級に分類するように作られている。下表は、当グループの22等級制内
部リスク格付による対応順位を、S&Pやムーディーズの用いる外部格付と並べたものである。
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*
(表42)
内部格付表
PD 帯域
格付 BRR S&P ムーディーズ 分類
事業および銀行 ソブリン
0.0000% - 0.0300% 0.0000% - 0.0155%
1 1+ AAA Aaa
0.0000% - 0.0300% 0.0156% - 0.0265%
2 1H AA+ Aa1
0.0301% - 0.0375% 0.0266% - 0.0375%
3 1M AA Aa2
4 0.0376% - 0.0490% 1L AA- Aa3
0.0491% - 0.0650%
5 2+H A+ A1
投資適格
0.0651% - 0.0810%
6 2+M A A2
0.0811% - 0.1120%
7 2+L A- A3
0.1121% - 0.1800%
8 2H BBB+ Baa1
0.1801% - 0.2620%
9 2M BBB Baa2
0.2621% - 0.3845%
10 2L BBB- Baa3
0.3846% - 0.6480%
11 2-H BB+ Ba1
12 0.6481% - 0.9625% 2-M BB Ba2
13 0.9626% - 1.4070% 2-L BB- Ba3
1.4071% - 2.1785%
14 3+H B+ B1
2.1786% - 3.4210%
15 3+M B B2
非投資適格
3.4211% - 5.2775%
16 3+L B- B3
5.2776% - 7.9410%
17 3H CCC+ Caa1
7.9411% - 11.4475%
18 3M CCC Caa2
11.4476% - 19.6535%
19 3L CCC- Caa3
19.6536% - 99.9990%
20 ▶ CC Ca
21 100% 5 C C
支払不能
22 100% 6 D C
* 上表は下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表の不可欠な一部分を表している。
カウンターパーティ信用リスク
カウンターパーティ信用リスクは、当行が金融契約または非金融契約を締結した相手方が、契約上の合意を履行
できず債務不履行となるリスクである。当該リスクは、契約時の価値だけでなく、市況の変化につれて価値がどう
変動するかも考慮される。カウンターパーティ信用リスクは、通常、トレーディング関連のデリバティブ取引およ
びレポ取引において発生する。デリバティブ取引には、予約、先物、スワップおよびオプションが含まれ、金融デ
リバティブ(金利、為替、信用または株式等)または非金融デリバティブ(貴金属およびコモディティ等)のいず
れかの基準となりうる。デリバティブ商品および信用リスクの軽減についての詳細は、下記「第6 1 財務書
類」に記載の連結財務諸表に対する注記8を参照のこと。
カウンターパーティ信用交換業務は、当グループの信用リスク管理方針文書の範囲内のECRMFおよび企業市場リ
スク管理体系(EMRMF)の関連要件ならびに適切な代理権に従って承認に沿う形で行われる。
カウンターパーティ信用リスクを交換する際の最も重要なリスク軽減テクニックは、クローズ・アウト・ネッ
ティングおよび担保化である。クローズ・アウト・ネッティングは、債務不履行のカウンターパーティ間の契約上
の債務の正味価値を検討することで、全体の信用エクスポージャーを削減する。担保化は、借主が資産を担保に入
れ、不履行時の貸主に対する提供資金とする。これらのテクニックによるリスク軽減の認識に関して当グループが
維持する方針は、以下を考慮している。
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・国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)マスター・アグリーメントおよびクレジット・サポート・アネックス
(CSA)等の標準的な契約を使用すること。
・適格担保を適切な割引後の質の高い流動性資産、主として現金および高格付国債に限定すること。
・規制要件および内部リスク基準に従って当初証拠金および変動証拠金を使用すること。
同様に、証券金融およびレポ・トレーディング業務については、標準的な証券金融契約を使用して、および通常
は適格流動証券の形で担保を受けることで、カウンターパーティ信用リスクを軽減する。
また当グループは、清算機関(CCP)の使用によってもカウンターパーティ信用リスクの軽減を行う。これらの
厳しく規制された事業体が、参加する2者のカウンターパーティ間の取引を仲介し、当初証拠金および変動証拠金
の使用ならびに参加者間におけるオフセット取引を相殺する能力によって、信用リスクを軽減する。個々のCCPに
固有の構造および資本構成は、偶発資本の取決めを含め、カウンターパーティ信用リスクの内部格付およびカウン
ターパーティ信用リスクの適切な制限の決定の一環として分析される。
誤方向リスク
誤方向リスクは、カウンターパーティに対するエクスポージャーが、当該カウンターパーティの信用の質と負の
相関にあるリスクをいう。誤方向リスクには次の2種類がある。
・個別誤方向リスク-特定のカウンターパーティに対するエクスポージャーが、当該カウンターパーティとの取引
の内容(株式を担保とする貸出金または当該カウンターパーティもしくはその関係者が発行する債務等)によ
り、当該カウンターパーティのPDと正の相関にあるときに存在する。個別誤方向リスクのある店頭(OTC)デリ
バティブ取引は、特例としてのみ行われるもので、GRMが事前に明示的に承認した場合にのみ許可される。かか
る取引を審査する際に検討される要素は、当該カウンターパーティの信用の質、当該デリバティブの原資産の内
容および信用リスクの軽減策の有無等である。
・一般誤方向リスク-カウンターパーティのPDと一般のマクロ経済的または市場要因とが正の相関にあるときに存
在する。これは通常、デリバティブ(例えば、エクスポージャーの額が増加する。)または担保付取引(例え
ば、担保額が減少する。)とともに発生する。当グループは、ストレス・シナリオ、投資戦略の集中、カウン
ターパーティが現金および流動性を生み出しうるか否か、担保の流動性および融資期間等、様々な測定基準を使
用して、一般誤方向リスクのあるカウンターパーティ信用リスクを監督している。
リテール信用リスク
信用度評価は、リテール・エクスポージャーについて、借主および取引リスクを評価するための主要なリスク格
付制度である。評価モデルは、債務者を評価および「採点」し、将来の業績を予測し、既存の貸出および回収活動
に関する制限を管理するために内部および外部のデータを利用する。信用度の点数は、新規顧客の獲得および既存
顧客の管理において用いられる要素の1つである。債務者の信用度の点数は、独立した獲得行為または顧客管理行
為ごとに予測される信用リスクを評価するために用いられ、判定者のための自動的な判断または指針となる。信用
度評価は、与信判断の質、判定期間、与信決定手続の一貫性を向上させ、リスク・ベースの価格設定を促進する。
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リテール・リスク格付を行うために、債務者の点数は分類され、そしてさらにリスク格付の分類のため、PDとの
関連付けが行われる。下表は、リテール・エクスポージャーに関する様々なリスク・レベルにおけるPD帯域を表し
ている。
*
(表 43 )
内部格付表
PD 帯域 分類
0.000% - 1.718%
低リスク
1.719% - 6.430%
中リスク
6.431% - 99.99%
高リスク
100% 支払不能 /デフォルト
* 上表は下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表の不可欠な一部分を表している。
<信用リスクの軽減>
当グループは、取引のストラクチャリングおよび担保の活用を含め、さまざまな方法を用いて信用リスク・エク
スポージャーの軽減を追求する。
取引のストラクチャリング
取引のストラクチャリングについては、個別の与信の方針および手続においてその要件を定めている。リスクの
軽減手段には、保証、担保、優先順位、ローン・トゥ・バリュー要件およびコベナンツが含まれる。商品固有のガ
イドラインで、適切な商品のストラクチャリングならびに顧客および保証人の基準を設定している。
担保
通常、信用を供与する際、借主に対して担保の差入れを求めている。担保によるリスクの軽減度は、受け入れた
担保の金額、種類および質に左右される。担保の評価および管理に関連する特定の条件は、当グループの信用リス
ク管理方針において記載されている。
当行の信用または売買ファシリティを安全に確保するための担保の種類は様々である。例えば、当グループの証
券金融や担保付OTCデリバティブ業務については、主として現金や格付および流動性の高い国債ならびに機関債が
担保として設定される。企業顧客に対するホールセール貸付については、多くの場合、売掛金や棚卸資産、営業資
産および商業不動産等、当該企業の資産が担保に供される。カナディアン・バンキングおよびウェルス・マネジメ
ントでは、担保は通常、不動産または公認の取引所における債務証券および株式ポートフォリオの取引に対する担
保で構成される。
・不動産の評価には、リスク・ベースのアプローチを取っている。不動産の評価方法には、自動査定モデル
(AVM)および鑑定評価が含まれる。AVMは、評価対象の不動産が所在する大都市統計圏に特有の、同等の不動産
の売却および価格動向等の市場データを参照して、不動産の価値を評価するツールである。リスク・ベースのア
プローチを用いて、走行する車からの鑑定または現場での完全鑑定等の鑑定評価も行っている。
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・当グループでは引き続き、住宅担保ローン・ポートフォリオ全体を積極的に管理し、失業率の上昇、金利の上昇
および不動産市場の沈滞等の要素を組み合わせたストレス・テストを行う。
・当グループは、ローン・トゥ・バリュー・パラメータおよび不動産評価要件をはじめとする、住宅担保ローンの
引受実務を定める規制上の要件を遵守する。
期間中、担保または保有担保の質に関する当グループのリスク管理方針に、重要な変更はなかった。
<信用リスクの承認>
取締役会およびその委員会、GE、GRCおよびその他の上級管理職委員会は、連携して、信用リスクを管理し、関
連する信用リスク制限を承認するためのECRMFならびにこれに伴う方針、プロセスおよび手続が整備されるように
する。取締役会、GRCおよび上級幹部に対して報告書が提出され、重要な信用リスク問題、エクスポージャーの変
化およびリスクの傾向を含む、当グループのリスク特性についての情報を提供するとともに、必要に応じて適切か
つ適時な措置を取れるようにする。グループ規模の信用リスク方針は、様々な債務者、取引およびポートフォリオ
管理の状況において、信用リスクを管理するための最低限の要件を定めている。
取引の承認
信用取引は、委任された信用リスク承認権限に基づいて承認され、個々の顧客関係レベルおよび/または取引レ
ベルで信用リスクを管理するための最低限の基準をまとめた信用ルール方針に従う。
商品の承認
信用商品およびサービスの提案は、リスク評価体系に基づいて総合的に審査および承認され、リスク・レベルが
上がると強化される承認権限に従う。新商品および改良商品は、すべてのリスク・ドライバー(信用リスクを含
む。)について審査を受けなければならない。すべての既存商品は、リスク・ベースの評価アプローチに基づいて
定期的な審査を受けなければならない。
信用リスク制限
・信用リスク制限は、取締役会が設定し、規制の制約および内部のリスク管理判断の両方を考慮している。制限
は、単名制限(名目資本および経済資本)、地理的(国および地域)制限(名目資本および経済資本)、業種制
限(名目資本および経済資本)、商品およびポートフォリオ制限ならびに引受および販売リスク制限について設
定されている。これらの制限は、事業、ポートフォリオ、取引および商品の枠を超えて適用される。
・当グループは、リスク選好との整合性を確保し、目標とする事業内容を維持し、また不当なリスク集中が存在し
ないようにするために信用エクスポージャーおよび信用制限を管理している。
・集中リスクは、大きなエクスポージャーから生じ、契約債務を履行する能力が、経済、政治その他のリスク・
ドライバーの変化に同様に影響されるような高度に相関したリスクと定義される。
・信用集中制限は、事業、経済、金融および規制環境を考慮した後、定期的に審査されている。
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<信用リスクの管理>
ローン の猶予
当グループ全体の債務者関係管理において、経済上または法律上の理由から、特定の顧客に対する貸出金につい
て、当初の貸出条件を猶予する必要が出てくる場合がある。当グループには、延滞または債務不履行に陥った債務
者の管理を指導する専門グループおよび正式な方針がある。当グループは、回収率を最大化し、抵当流れ、担保差
押えまたはその他の法的救済手段を回避するため、財政難の債務者の早期特定および貸出条件の修正に努めてい
る。このような場合、債務者に対しては、通常は検討されない譲歩を行う可能性がある。リテール債務者に対する
譲歩の例としては、金利引下げ、元本免除および期限延長等がある。ホールセール債務者に対する譲歩には、契約
の改定、契約当初の条件の修正および/またはコベナンツの緩和等がある。リテール貸出金およびホールセール貸
出金のいずれについても、適切な救済方法は、個人債務者の状況、当行の方針ならびに新たな条件を履行する顧客
の意思および能力に基づく。
<ポートフォリオ、部門および地域別信用リスク・エクスポージャー>
下表は、バーゼル規制の定義によるクラスに基づく信用リスク・エクスポージャーを示し、デフォルト時エクス
ポージャー(EAD)を反映している。当グループの部門分けは、産業別信用リスクに対する当グループの見解に即
している。2019年度第1四半期以降、自己資本比率規制(CAR)ガイドラインに基づくカウンターパーティ信用リ
スクの計測に係る標準的手法(SA-CCR)を積極的に実施し、これは主として、オンバランス・シートの現金担保お
よびデリバティブ・エクスポージャーに影響を与えた。
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ポートフォリオおよび部門別信用リスク・エクスポージャー (表44)
2019年10月31日現在
カウンターパーティ
(2) (3)
信用リスク 信用リスク
オフバランス・
(4)
シート金額
オンバランス・
エクスポー
(5)
(単位:百万カナダドル) シート金額 未履行 その他 レポ取引 デリバティブ ジャー総額
リテール
(6)
$ 316,047 $ 64,825 $ - $ - $ - $ 380,872
住宅担保
(7)
適格リボルビング 26,834 73,530 - - - 100,364
その他のリテール 61,095 13,927 72 - - 75,094
$ 403,976 $ 152,282 $ 72 $ - $ - $ 556,330
リテール総額
ホールセール
$ 9,084 $ 1,744 $ 46 $ - $ 79 $ 10,953
農業
自動車 9,710 6,990 298 - 1,217 18,215
銀行業務 45,444 1,857 615 46,601 17,908 112,425
一般消費財 15,972 8,641 766 - 533 25,912
生活必需品 5,346 8,543 518 - 1,116 15,523
石油およびガス 8,165 10,661 1,390 - 1,551 21,767
金融サービス 30,194 21,023 2,749 118,239 16,688 188,893
金融商品 667 848 516 81 1,146 3,258
林産品 1,468 688 97 - 27 2,280
政府 105,011 8,120 1,432 8,228 7,214 130,005
工業製品 7,793 8,237 565 - 644 17,239
情報テクノロジー 4,604 5,704 229 9 2,355 12,901
投資 16,507 2,722 398 9 309 19,945
鉱業および金属 1,698 4,209 878 - 227 7,012
公共事業およびインフラ 1,738 1,769 397 - 192 4,096
不動産関係 61,178 12,372 1,374 - 728 75,652
その他のサービス 25,528 11,811 1,148 35 1,645 40,167
テクノロジーおよびメディア 4,855 9,645 109 - 1,872 16,481
輸送 5,390 6,557 2,141 - 1,844 15,932
公益事業 9,189 19,233 4,266 - 3,347 36,035
その他の部門 1,677 382 2 8 19,904 21,973
$ 371,218 $ 151,756 $ 19,934 $ 173,210 $ 80,546 $ 796,664
ホールセール総額
(8)
$ 775,194 $ 304,038 $ 20,006 $ 173,210 $ 80,546 $ 1,352,994
エクスポージャー総額
(9)
地域別
$ 551,503 $ 224,258 $ 9,890 $ 65,915 $ 37,273 $ 888,839
カナダ
米国 149,514 58,344 8,694 55,391 17,387 289,330
ヨーロッパ 41,860 18,600 1,258 40,529 21,644 123,891
その他の国々 32,317 2,836 164 11,375 4,242 50,934
(8)
$ 775,194 $ 304,038 $ 20,006 $ 173,210 $ 80,546 $ 1,352,994
エクスポージャー総額
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(1)
2018年10月31日現在
カウンターパーティ
(2) (3)
信用リスク 信用リスク
オフバランス・
(4)
シート金額
オンバランス・
エクスポー
(5)
(単位:百万カナダドル) シート金額 未履行 その他 レポ取引 デリバティブ ジャー総額
リテール
(6)
$ 298,555 $ 59,840 $ - $ - $ - $ 358,395
住宅担保
(7)
適格リボルビング 24,223 65,617 - - - 89,840
その他のリテール 54,170 12,693 52 - - 66,915
$ 376,948 $ 138,150 $ 52 $ - $ - $ 515,150
リテール総額
ホールセール
$ 8,510 $ 1,760 $ 43 $ - $ 45 $ 10,358
農業
自動車 8,936 6,435 345 - 504 16,220
銀行業務 47,868 1,734 549 52,394 26,313 128,858
一般消費財 15,784 7,928 587 - 293 24,592
生活必需品 4,662 6,316 517 - 672 12,167
石油およびガス 6,186 10,704 1,483 - 1,717 20,090
金融サービス 25,798 22,345 2,164 110,246 30,580 191,133
金融商品 1,234 1,269 359 - 352 3,214
林産品 1,140 933 89 - 23 2,185
政府 110,192 7,566 1,798 9,476 7,182 136,214
工業製品 7,751 8,219 686 - 455 17,111
情報テクノロジー 4,843 5,152 178 15 1,967 12,155
投資 16,157 956 389 11 157 17,670
鉱業および金属 1,486 3,886 917 - 184 6,473
公共事業およびインフラ 1,899 1,836 425 - 115 4,275
不動産関係 54,490 11,832 1,338 - 385 68,045
その他のサービス 23,892 12,452 877 2 551 37,774
テクノロジーおよびメディア 7,957 12,116 134 - 1,534 21,741
輸送 5,861 5,600 2,185 - 1,270 14,916
公益事業 9,357 19,598 3,561 - 2,581 35,097
その他の部門 1,931 303 1 126 11,898 14,259
$ 365,934 $ 148,940 $ 18,625 $ 172,270 $ 88,778 $ 794,547
ホールセール総額
(8)
$ 742,882 $ 287,090 $ 18,677 $ 172,270 $ 88,778 $ 1,309,697
エクスポージャー総額
(9)
地域別
$ 510,445 $ 205,875 $ 9,387 $ 78,172 $ 29,195 $ 833,074
カナダ
米国 147,543 60,172 7,981 41,897 16,059 273,652
ヨーロッパ 54,061 18,450 1,150 48,874 39,719 162,254
その他の国々 30,833 2,593 159 3,327 3,805 40,717
(8)
$ 742,882 $ 287,090 $ 18,677 $ 172,270 $ 88,778 $ 1,309,697
エクスポージャー総額
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(1) 従前の信用グロス・エクスポージャーを反映した金額。
(2) 標準的エクスポージャーに係るEADは、減損資産に係る引当金純額が報告され、エクスポージャーに基づく内部格付に係る
EADは、規制に関する定義に従い、信用損失引当金の全部および部分的な償却の総額が報告された。
(3) カウンターパーティ信用リスクEADは、ネッティング後のエクスポージャー金額を反映している。担保は、規制ガイドライ
ンにより許可された範囲におけるレポ取引に係るEADに含まれる。
(4) 未履行信用コミットメントに係るEADおよびその他のオフバランス・シート金額は、クレジット・コンバージョン・ファク
ターの適用後に報告された。
(5) 信用状および信用保証上等のその他のオフバランス・シート・エクスポージャーを含む。
(6) 住宅担保ローンおよび住宅担保信用供与を含む。
(7) クレジットカード、無担保信用供与およびオーバードラフト・プロテクション商品を含む。
(8) 標準的手法または内部格付手法の対象とならない証券化、銀行勘定資本およびその他の資産を除く。
(9) 地理的分布は、債務者の居住する国を基準としている。
<2019年度と2018年度との比較>
信用リスク・エクスポージャー総額は、前年度比430億ドル増すなわち3%増となった。これは主として、リ
テール・ポートフォリオおよびホールセール・ポートフォリオにおける 貸出金および手形引受け のエクスポー
ジャーが拡大したことによるが、2019年度第1四半期にSA-CCR(カウンターパーティ信用リスク・エクスポー
ジャーの計測に係る標準的手法)が導入されたことからオンバランス・シートの現金担保およびデリバティブに関
連する減少によって一部相殺された 。
リテール・エクスポージャーは、主として事業拡大に牽引され、410億ドル増すなわち8%増となった。
ホールセール・エクスポージャーは、20億ドル増となった。これは主として、貸出金および手形引受けの事業拡
大ならびに有価証券の増加の大部分が、前述のとおりSA-CCRの導入に関連する減少によって相殺されたことによ
る。
信用リスク・ エクスポージャーの地理的構成は、前年度からわずかに変化した。カナダ、米国、ヨーロッパおよ
びその他の国々における当グループのエクスポージャーは、それぞれ66%、21%、9%および4%( 2018 年10月31
日現在はそれぞれ64%、21%、12%および3%)であった。
カナダにおける当グループのエクスポージャーは、前年度比560億ドル増すなわち7%増となった。これは主と
して、貸出金および手形引受けのエクスポージャーの拡大が、主に取引高の減少からレポ取引が減少して一部相殺
されたことによる。
米国における当グループのエクスポージャーは、主としてレポ取引の事業拡大により前年度比160億ドル増すな
わち6%増となった。
ヨーロッパにおける当グループのエクスポージャーは、前年度比380億ドル減すなわち24%減となった。これ
は、オンバランス・シートの現金担保およびデリバティブがいずれも前述のSA-CCRの導入によって減少したことを
反映している。レポ取引、中央銀行借入金および預け金の減少も、この減少に寄与した。
その他の国々における当グループのエクスポージャーは、主としてレポ取引の事業拡大により前年度比100億ド
ル増すなわち25%増となった。
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(1)(2)
(表45)
ヨーロッパに係る 国別 正味エクスポージャー
2018 年
10月31日
2019 年10月31日現在 現在
資産タイプ 顧客タイプ
有価
貸出金 デリバ
(単位:百万カナ
(3)
ダドル) 残高 証券 レポ取引 ティブ 金融機関 ソブリン 企業 合計 合計
$
$ 8,624 $ 10,248 $ 431 $ 4,184 $ 12,700 $ 2,435 $ 8,352 $ 23,487
英国 20,078
ドイツ 1,388 5,421 2 416 4,392 1,005 1,830 7,227 9,417
フランス 956 8,001 40 214 1,904 6,499 808 9,211 10,668
英国、ドイツ、 $
$ 10,968 $ 23,670 $ 473 $ 4,814 $ 18,996 $ 9,939 $ 10,990 $ 39,925
フランス合計 40,163
$
$ 839 $ 97 $ 486 $ 45 $ 646 $ 21 $ 800 $ 1,467
アイルランド 931
イタリア 84 721 - 16 62 634 125 821 677
ポルトガル - 9 58 - 59 - 8 67 33
スペイン 348 111 2 59 116 5 399 520 1,443
$
$ 1,271 $ 938 $ 546 $ 120 $ 883 $ 660 $ 1,332 $ 2,875
周辺国合計 3,084
ルクセンブルグ
$
(4)
$ 2,254 $ 9,096 $ 334 $ 39 $ 1,883 $ 8,492 $ 1,348 $ 11,723
9,000
(4)
オランダ 1,089 778 100 283 707 2 1,541 2,250 2,815
ノルウェー 182 2,331 10 30 2,287 47 219 2,553 1,871
スウェーデン 280 1,907 18 20 1,537 396 292 2,225 4,308
スイス 1,025 3,882 204 197 746 3,489 1,073 5,308 6,835
その他 1,971 2,233 330 284 1,567 1,302 1,949 4,818 3,795
$
その他ヨーロッパ
$ 6,801 $ 20,227 $ 996 $ 853 $ 8,727 $ 13,728 $ 6,422 $ 28,877
諸国合計 28,624
ヨーロッパに対す
る正味エクス
$
(5)
$ 19,040 $ 44,835 $ 2,015 $ 5,787 $ 28,606 $ 24,327 $ 18,744 $ 71,677
ポージャー 71,871
(1) 地理的分布は国のリスクを基準としており、これは当グループによる当該エクスポージャーに関する地理的リスクの評価
を反映している。通常、これは債務者の居住地である。
(2) エクスポージャーは、公正価値ベースで担保を控除して計算されており、レポ取引に対する1,205億ドル(2018年10月31日
現在は1,111億ドル)およびデリバティブに対する114億ドル(2018年10月31日現在は116億ドル)を含む。
(3) 有価証券には、トレーディング有価証券94億ドル(2018年10月31日現在は162億ドル)、預金225億ドル(2018年10月31日
現在は233億ドル)およびFVOCIとして認識された債務証券129億ドル(2018年10月31日現在は125億ドル)が含まれる。
(4) 超国家機関に対する15億ドル(2018年10月31日現在は25億ドル)のエクスポージャーを除く。
(5) クレジット・デフォルト・スワップによる軽減分10億ドル(2018年10月31日現在は12億ドル)を含むが、これは単名エク
スポージャーおよび市場リスクをヘッジするために大部分が使われた。
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<2019年度と2018年度との比較>
ヨーロッパに係る正味信用リスク・エクスポージャーは、前年度比2億ドル減となった。これは主として、ドイ
ツを中心としたトレーディング目的の有価証券の減少の大部分が、複数の国における貸出金の増加およびデリバ
ティブの増加によって相殺されたことによる。
ヨーロッパの企業向けローン勘定は世界規模で管理されており、引受基準は、カナダおよび米国の両国において
貸借対照表の使用に適用しているアプローチと同じものを反映している。貸出金に係るPCLは、当年度、77百万ド
ルであった。このローン勘定における減損貸出金総額の割合は、工業製品およびその他サービス部門を中心に、前
年度から34bps上昇し、44bpsであった。
<住宅担保ローンおよび住宅担保信用供与(付保および無保険)>
住宅担保ローンおよび住宅担保信用供与は、居住用財産を担保としている。下表は、地域別の内訳を表してい
る。
住宅担保ローンおよび住宅担保信用供与 (表46)
2019 年 10 月31日現在
住宅担保ローン 住宅担保信用供与
(単位:百万カナダドル
(1)
(% の数値 を除く。)) 付保 無保険 合計 合計
(2)
地域
カナダ
$ 7,715 $ 7,169 $ 14,884 $ 1,838
大西洋州 52% 48%
ケベック 州 12,385 36 22,091 64 34,476 3,512
オンタリオ 州 36,195 28 92,947 72 129,142 16,585
アルバータ州 20,688 53 18,143 47 38,831 6,324
サスカチュワン州および
マニトバ州 8,951 49 9,238 51 18,189 2,363
ブリティッシュ・コロン
ビア州および準州 14,711 28 37,534 72 52,245 8,267
(3)
$ 100,645 $ 187,122 $ 287,767 $ 38,889
カナダ合計 35% 65%
(4)
米国 1 - 17,011 100 17,012 1,652
(4)
その他の国々 5 - 3,307 100 3,312 1,373
$ 6 $ 20,318 $ 20,324 $ 3,025
国外合計 - % 100%
$ 100,651 $ 207,440 $ 308,091 $ 41,914
合計 33% 67%
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2018 年 10 月31日現在
住宅担保ローン 住宅担保信用供与
(単位:百万カナダドル
(1)
(% の数値 を除く。)) 付保 無保険 合計 合計
(2)
地域
カナダ
$ 7,616 $ 6,398 $ 14,014 $ 1,926
大西洋州 54% 46%
ケベック 州 13,045 41 18,911 59 31,956 3,730
オンタリオ 州 38,708 33 77,649 67 116,357 16,811
アルバータ州 20,615 55 16,738 45 37,353 6,706
サスカチュワン州および
マニトバ州 9,007 51 8,503 49 17,510 2,534
ブリティッシュ・コロン
ビア州および準州 15,452 32 33,189 68 48,641 8,436
(3)
$ 104,443 $ 161,388 $ 265,831 $ 40,143
カナダ合計 39% 61%
(4)
米国 1 - 13,492 100 13,493 2,099
(4)
その他の国々 7 - 3,140 100 3,147 1,513
$ 8 $ 16,632 $ 16,640 $ 3,612
国外合計 - % 100%
$ 104,451 $ 178,020 $ 282,471 $ 43,755
合計 37% 63%
(1) 付保住宅担保ローンとは、 カナダ・モーゲージ・アンド・ハウジング・コーポレーション(CMHC)またはその他の民間
モーゲージ・デフォルト保険会社を通して、当グループの債務不履行に陥るエクスポージャーが保険により軽減されてい
るモーゲージである。
(2) 地域は担保財産の所在地に基づく。 大西洋州 は ニューファンドランド・ラブラドール州、プリンスエドワードアイランド
州、ノバ・スコシア州およびニューブランズウィック州からなり、 ブリティッシュ・コロンビア州および準州はブリ
ティッシュ・コロンビア州 、 ヌナブト準州、ノースウエスト準州およびユーコン準州からなる。
(3) カナダの連結住宅担保ローン2,880億ドル(2018年10月31日現在は2,660億ドル)の大部分は、カナディアン・バンキング
における住宅担保ローン2,630億ドル(2018年10月31日現在は2,430億ドル)および40億ドル(2018年10月31日現在は40億
ドル)の保険付モーゲージを含む商業顧客向けモーゲージ70億ドル(2018年10月31日現在は70億ドル)ならびに キャピタ
ル・マーケッツにおける証券化目的で保有されている 住宅担保ローン180億ドル(2018年10月31日現在は160億ドル)から
なる。
(4) 住宅担保信用供与には、住宅担保ローンにより担保されるタームローンを含む。
住宅担保信用供与は無保険であり、個人向けローンのカテゴリーに含まれる。2019年10月31日現在、カナディア
ン・バンキングの住宅担保信用供与は、390億ドル(2018年度は400億ドル)であった。
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<償却期間別住宅担保ローン・ポートフォリオ>
下表は、現在の顧客支払金額(最低契約金額を超える支払と最低契約金額より頻度の高い支払とを加えたもの)
に基づき、残存償却期間別の住宅担保ローンの割合をまとめたものである。
償却期間別住宅担保ローン・ポートフォリオ (表47)
2019 年 10 月31日現在 2018 年 10 月31日現在
米国および 米国および
カナダ その他の国々 合計 カナダ その他の国々 合計
償却期間
25 年 以下 72% 38% 70% 70% 40% 68%
25 年 超 30年以下
24 62 26 23 60 25
30 年 超 35年以下
3 - 3 5 - 5
35 年 超 1 - 1 2 - 2
合計 100% 100% 100% 100% 100% 100%
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<平均ローン・トゥ・バリュー(LTV)比率>
下表は、新たにオリジネートまたは取得した無保険住宅担保ローンおよび無保険ホームライン商品の平均LTV比
率を地域別にまとめたものである。
平均LTV比率 (表48)
2019 年 10 月31日に終了した年度 2018 年 10 月31日に終了した年度
無保険 無保険
(1) (2) (1) (2)
住宅担保ローン ホームライン商品 住宅担保ローン ホームライン商品
(3)
地域
大西洋州 74% 74% 73% 74%
ケベック 州 72 73 72 73
オンタリオ 州 70 68 70 67
アルバータ州 73 72 73 71
サスカチュワン州およびマニト
バ州 74 74 74 74
ブリティッシュ・コロンビア州
および準州 68 65 67 64
米国 74 n.m. 71 n.m.
その他の国々 71 n.m. 60 n.m.
当期中に新たにオリジネートまた
(4)(5)
は取得したものの平均 71% 69% 70% 68%
カナディアン・バンキングの住宅
担保ローン・ポートフォリオ合
(6)
計 57% 50% 55% 49%
(1) 住宅担保ローンは、ホームライン商品に含まれる住宅担保ローンを含まない。
(2) ホームライン商品は、住宅担保ローンおよび住宅担保信用供与の両方から構成されている。
(3) 地域は担保財産の所在地に基づく。 大西洋州 は ニューファンドランド・ラブラドール州、プリンスエドワードアイランド
州、ノバ・スコシア州およびニューブランズウィック州からなり、 ブリティッシュ・コロンビア州および準州はブリ
ティッシュ・コロンビア州 、 ヌナブト準州、ノースウエスト準州およびユーコン準州からなる。
(4) 新たに オリジネートまたは取得し た無保険住宅担保ローンおよび無保険ホームライン商品の平均LTV比率は、組成時のモー
ゲージ額による加重ベースで計算されている。
(5) 新たに オリジネートし た住宅担保ローンおよびホームライン商品のLTVは、住宅担保ローンおよびホームライン商品に充て
られた融資総額を当該居住用財産の価値で除して計算される。
(6) 住宅担保ローン残高による加重およびテラネット-国立銀行・全国総合住宅価格指数に基づく不動産価値での調整が行わ
れている。
n.m. この欄は意味を持たない。
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<信用の質の実績>
下記の信用の質の実績表およびその分析は、貸出金、手形引受けおよびコミットメントを含む貸出金ならびにそ
の他の金融資産についての情報を提供するものである。
信用損失引当金繰入額 (表49)
2019 年 10月31日に 2018 年 10月31日に
(単位:百万カナダドル(% の数値 を除く。)) 終了した年度 終了した年度
$ 1,470 $ 1,245
パーソナル&コマーシャル・バンキング
ウェルス・マネジメント 117 (15)
キャピタル・マーケッツ 304 52
コーポレート・サポートおよび その他 - 1
$ 1,891 $ 1,283
PCL -貸出金
PCL -その他の金融資産 (27) 24
$ 1,864 $ 1,307
PCL 総額
貸出金に係るPCLの構成:
$ 113 $ 116
リテール
ホールセール 67 7
$ 200 $ 123
パフォーミング・ローンに係るPCL
$ 1,092 $ 1,011
リテール
ホールセール 599 149
$ 1,691 $ 1,160
減損貸出金に係るPCL
$ 1,891 $ 1,283
PCL -貸出金
貸出金および手形引受け純額の平均に対する貸出金に係
るPCLの割合 0.31% 0.23%
貸出金および手形引受け純額の平均に対する減損貸出金
に係るPCLの割合 0.27% 0.20%
(1)
地域別の追加情報
カナダ
$ 32 $ 44
住宅担保ローン
個人 488 458
クレジットカード 505 456
中小企業 36 30
リテール 1,061 988
ホールセール 292 80
$ 1,353 $ 1,068
減損貸出金に係るPCL
米国
$ 12 $ 4
リテール
ホールセール 223 64
$ 235 $ 68
減損貸出金に係るPCL
その他の国々
$ 19 $ 19
リテール
ホールセール 84 5
$ 103 $ 24
減損貸出金に係るPCL
$ 1,691 $ 1,160
減損貸出金に係るPCL
(1) 地域別情報は債務者の居住地に基づく。
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< 2019 年度と2018年度との比較>
PCL 総額は、1,864百万ドルとなった。貸出金に係るPCLは、前年度比608百万ドル増すなわち47%増の1,891百万
ドルとなった。これは、キャピタル・マーケッツ、パーソナル&コマーシャル・バンキングおよびウェルス・マネ
ジメントにおける引当金繰入額の増加によるものである。貸出金に係るPCL比率は8bps上昇し、31bpsとなった。
パフォーミング・ローンに係るPCLは、77百万ドル増の200百万ドルとなった。これは、ウェルス・マネジメント
およびキャピタル・マーケッツにおける引当金繰入額の増加が、パーソナル&コマーシャル・バンキングにおける
引当金繰入額の減少により一部相殺されたことを反映している。
減損貸出金に係るPCLは、531百万ドル増加して1,691百万ドルとなった。これは、パーソナル&コマーシャル・
バンキング、キャピタル・マーケッツおよびウェルス・マネジメントにおける引当金繰入額の増加によるものであ
る。
その他の金融資産に係るPCLは、主にパーソナル&コマーシャル・バンキングに関連して、前年度の24百万ドル
に対して(27)百万ドルとなった。前年度にはバルバドスにおけるポートフォリオの再編に関する引当金繰入額が含
まれており、当年度は主としてパラメータの有利なアップデートによる回収額を反映している。
パーソナル&コマーシャル・バンキングにおける貸出金に係るPCLは、225百万ドル増となった。これは主とし
て、カナディアン・バンキングの商業ポートフォリオおよびリテール・ポートフォリオにおける減損貸出金に係る
引当金繰入額の増加を反映している。これは、主として有利なマクロ経済的要素によりパフォーミング・ローンに
係る引当金繰入額が減少したこと(ポートフォリオ構成の不利な変化によって大部分が相殺された。)で一部相殺
された。
ウェルス・マネジメントにおける貸出金に係るPCLは、USウェルス・マネジメント(シティ・ナショナルを含
む。)を中心に132百万ドル増となった。減損貸出金に係るPCLは、主として一般消費財および生活必需品等、一部
の部門において、76百万ドル増となった。パフォーミング・ローンに係るPCLは、主として前年度には返済および
満期が増加していたことから、56百万ドル増となった。当年度は、前年度と比較してマクロ経済的要素に不利な変
化があったことも反映している。
キャピタル・マーケッツにおける貸出金に係るPCLは、主として石油およびガス部門ならびに工業製品部門にお
ける減損貸付金に係る引当金繰入額の増加により252百万ドル増となった。主として前年に比べてマクロ経済要因
が悪化したことに起因するパフォーミング・ローンに係る引当金繰入額の増加も、この増加に寄与した。
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減損貸出金総額(GIL) (表50)
2019 年 10月31日 2018 年 10月31日
(単位:百万カナダドル(% の数値 を除く。)) 現在/終了した年度 現在/終了した年度
$ 1,712 $ 1,605
パーソナル&コマーシャル・バンキング
ウェルス・マネジメント 266 203
キャピタル・マーケッツ 998 375
コーポレート・サポートおよび その他 - -
$ 2,976 $ 2,183
GIL 総額
(1)
カナダ
$ 788 $ 723
リテール
ホールセール 678 396
GIL 1,466 1,119
(1)
米国
$ 36 $ 23
リテール
ホールセール 869 401
GIL 905 424
(1)
その他の国々
$ 272 $ 327
リテール
ホールセール 333 313
GIL 605 640
$ 2,976 $ 2,183
GIL 総額
$ 2,183 $ 2,576
減損貸出金期首残高
(2)
当期間中に減損として分類(新規減損) 3,749 2,228
(2)
返済純額 (657) (615)
償却額 (1,776) (1,444)
(2)(3)
その他 (523) (562)
$ 2,976 $ 2,183
減損貸出金期末残高
関連する貸出金および手形引受けに対するGILの割合
関連する貸出金および手形引受けに対するGILの割合合計 0.46% 0.37%
パーソナル&コマーシャル・バンキング 0.37% 0.37%
カナディアン・バンキング 0.29% 0.26%
カリビアン・バンキング 5.05% 6.36%
ウェルス・マネジメント 0.39% 0.34%
キャピタル・マーケッツ 1.02% 0.41%
(1) 地域別情報は債務者の居住地に基づく。
(2) パフォーミングへの回復、返済純額、売却ならびに為替およびその他変動の数値は合理的に判断できないため、カナディ
アン・バンキングのリテールおよびホールセール・ポートフォリオの特定GIL変動は、ほとんど新規減損に割り当てられて
いる。パフォーミングへの回復、売却ならびに外国為替換算およびその他変動の数値は合理的に判断できないため、カリ
ビアン・バンキングのリテールおよびホールセール・ポートフォリオの特定GIL変動は、ほとんど返済純額および 新規減損
に割り当てられている。
(3) 当期間中のパフォーミングへの回復、償却された貸出金および融資の回収、売却ならびに外国為替換算およびその他変動
を含む。
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<2019年度と2018年度との比較>
GIL 総額は前年度比793百万ドル増すなわち36%増の2,976百万ドルとなり、全体のGIL比率は9bps上昇して46bps
となった。これは主として、キャピタル・マーケッツ における 減損貸出金の増加を反映している。パーソナル&コ
マーシャル・バンキングおよびウェルス・マネジメントにおける減損貸出金の増加も、この増加に寄与した。
パーソナル&コマーシャル・バンキングにおけるGILは、107百万ドル増すなわち7%増となった。これは主とし
て、カナディアン・バンキングの商業ポートフォリオおよびリテール・ポートフォリオにおける減損貸出金の増加
が、カリブ海地域の銀行ポートフォリオにおける減損貸出金の減少により一部相殺されたことによるものである。
ウェルス・マネジメントにおけるGILは、63百万ドル増すなわち31%増となった。これは主として、USウェル
ス・マネジメント(シティ・ナショナルを含む。)において、一般消費財および生活必需品等、一部の部門を中心
に減損貸出金が増加し、返済および償却により一部相殺されたことを反映している。
キャピタル・マーケッツにおけるGILは、623百万ドル増すなわち166%増となった。これは主として、石油およ
びガス部門ならびに公共事業部門において新たに減損した貸出金が、売上高および返済によって一部相殺されたこ
とによる。
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信用損失引当金(ACL)-貸出金および手形引受け (表51)
(単位:百万カナダドル) 2019 年10月31日現在 2018 年10月31日現在
$ 2,710 $ 2,536
パーソナル&コマーシャル・バンキング
ウェルス・マネジメント 252 202
キャピタル・マーケッツ 455 347
コーポレート・サポートおよびその他 2 3
$ 3,419 $ 3,088
ACL -貸出金
ACL -その他の金融資産 45 71
$ 3,464 $ 3,159
ACL 総額
貸出金に係るACLの構成:
$ 1,886 $ 1,753
リテール
ホールセール 701 635
$ 2,587 $ 2,388
パフォーミング・ローンに係るACL
$ 832 $ 700
減損貸出金に係るACL
(1)
地域別の追加情報
カナダ
$ 187 $ 168
リテール
ホールセール 172 92
$ 359 $ 260
減損貸出金に係るACL
米国
$ 1 $ 1
リテール
ホールセール 141 164
$ 142 $ 165
減損貸出金に係るACL
その他の国々
$ 156 $ 166
リテール
ホールセール 175 109
$ 331 $ 275
減損貸出金に係るACL
$ 832 $ 700
減損貸出金に係るACL
(1) 地域別情報は債務者の居住地に基づく。
<2019年度と2018年度との比較>
ACL 総額は3,464百万ドルで、前年度比305百万ドル増すなわち10%増となった。これは、貸出金に係るACLが331
百万ドル増加したことを反映している。
パフォーミング・ローンに係るACLは2,587百万ドルで、前年度比199百万ドル増となった。これは、パーソナ
ル&コマーシャル・バンキング、キャピタル・マーケッツおよびウェルス・マネジメントにおいて、主として取引
高の増加およびポートフォリオ構成の不利な変化によってACLが増加したことを反映している。
減損貸出金に係るACLは832百万ドルで、前年度比132百万ドル増となった。これは主として、キャピタル・マー
ケッツおよびパーソナル&コマーシャル・バンキングにおける引当金繰入額の増加(償却により一部相殺され
た。)によるものである。
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市場リスク
市場リスクとは、市場価格が当グループの財務状況に与える影響として定義される。これには、金利、信用スプ
レッド、株価、商品価格、為替レートおよび予想変動率等の市場決定指標の変動による潜在的な利益または損失が
含まれる。
市場リスクの影響を受ける財務状況の測定は、以下のとおりである。
1.再評価損益が収益に計上されるポジション。例えば、
a) 純損益を通じて公正価値で測定される商品(FVTPL)に分類または指定された商品の公正価値の変動
b) ヘッジの非有効部分
2.CET1資本。例えば、
a) 上記すべて
b) 再評価損益がその他の包括利益(OCI)に計上される場合に、FVOCI有価証券の公正価値の変動
c) 外国子会社に対する投資のカナダドル価値の外国為替換算による変動(ヘッジを除く。)
d) 従業員給付制度損失の公正価値の変動
3.CET1比率。例えば、
a) 上記すべて
b) トレーディング市場リスク要因の変化によるリスク調整後資産(RWA)の変動
c)RWA のカナダドル価値の外国為替換算による変動
4.当行の経済的価値。例えば、
a) 上記1および2
b) 市場リスク要因の変動の結果として、その他の非トレーディング・ポジション、受取利息純額および
手数料ベースの利益の経済価値の変動
<市場リスク管理-FVTPLの状況>
ERAF の要素として、取締役会は、当グループ全体の市場リスク引受能力を承認する。GRMはFVTPLの状況につい
て、事業が取締役会の要求に従って行われるよう確保する統制構造を策定し、これを管理する。GRMの市場および
トレーディング信用リスク部門は、取締役会にて設定されたリスク選好引受能力とリスクが釣り合うことを確保す
る統制およびガバナンス手続の策定および管理に責任を負う。これらの統制には、以下に定義されるバリュー・
アット・リスクおよびストレス・バリュー・アット・リスクのような潜在的損失に関する推定的測定についての制
限が含まれる。
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バリュー・アット・リスク(VaR) は、一定の信頼度および所定の保有期間において計算した、金融ポート
フォリオに想定される損失を測定する統計的テクニックである。当グループは、信頼度99%の百分位数として、
過去2年間の市場データを均等に調整した実績シミュレーションを用いて、1日の保有期間における価格の変動
についてVaRを測定している。これらの計算は、その時々のリスクの状況に応じて毎日更新されるが、活発に取
引されていない一部のさほど重要でない状況については少なくとも月に1回更新される。
ストレス・バリュー・アット・リスク(SVaR) は、VaRと同じ方法で計算されるが、直近2年間のデータの代
わりに、極度に変動した1年間の固定実績データおよびその逆のシナリオを使用して計算される。使用するスト
レス期間は、2008年9月から2009年8月までである。SVaRは、すべてのポートフォリオについて毎日計算される
が、活発に取引されていない一部のさほど重要でない状況については少なくとも月に1回更新される。
VaR およびSVaRは、実績市場データに基づく統計的推定であり、以下を含む限界を知った上で解釈されるべきで
ある。
・VaRおよびSVaRは、実際の市場の動きが計算に用いた実績期間と著しく異なる場合、将来の損失を予測できな
い。
・VaRおよびSVaRは、保有期間が1日である場合の潜在的損失を予測するものであり、それより長期間保有した場
合のリスク・ポジションについては潜在的損失を予測できない。
・VaRおよびSVaRは、営業終了時点のポジションを用いて測定されており、1日のうちに行われたトレーディング
活動の影響は考慮していない。
当グループでは、トレーディング収益の実際の結果がVaRの予測を超過した事象を特定および調査するため、モ
デル開発者と無関係のグループにモデルを審査および検証させたり、毎日の時価評価差益と比較してVaRをバック
テストしたり、様々な手段を用いてVaRおよびSVaRを検証している。
ストレス・テスト -当グループの市場リスク・ストレス・テスト・プログラムは、市場価格および金利が大きく
変動することによるリスクを特定および統制するために使用される。値洗いポジションについては、毎日ストレ
ス・テストを行う。ストレス・テストでは、深刻かつ長期間続いた実際の事象と仮想上の事象の両方について、シ
ミュレーションを行う。実績に基づくシナリオは実際の市場の出来事から作成し、期間は90日までとする。例とし
ては、1987年の株式市場の暴落および2008年の世界金融危機等がある。仮想シナリオは、潜在的な将来の市場スト
レスを見通すように作成されており、重大だが起こりうるシナリオとなっている。当グループでは、市況の変化に
応じて、これらのシナリオを絶えず評価し改良している。ストレス結果は、当グループのポジションについて、経
営陣の措置なく即時に再評価したと仮定して計算される。
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これらの値は、財務報告の際にFVTPLにおけるすべてのポジションについて計算されるが、所定のヘッジ関係お
よび保険業務のポジションについては例外とする。
<市場リスクの測定- FVTPL ポジション >
<VaRおよびSVaR>
下表は、2019年度および2018年度の市場リスクVaRおよび市場リスクSVaRを示している。
*
(表52)
市場リスクVaR
2019 年 10月31日 2018 年 10月31日
終了した年度 終了した年度
(単位:百万カナダドル) 現在 平均 最高 最低 現在 平均 最高 最低
$ 22 $ 19 $ 32 $ 11 $ 34 $ 14 $ 40 $ 6
株式
外国為替 3 ▶ 13 2 12 ▶ 12 2
コモディティ 2 2 ▶ 1 2 2 3 1
(1)
金利 13 14 19 11 15 17 30 10
(2)
信用特有 5 5 6 ▶ 5 5 6 ▶
(3)
分散 (17) (17) (29) (17)
n.m. n.m. n.m. n.m.
$ 28 $ 27 $ 45 $ 15 $ 39 $ 25 $ 44 $ 13
市場リスクVaR
$ 85 $ 106 $ 161 $ 76 $ 91 $ 79 $ 149 $ 40
市場リスクSVaR
* 上表は下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表の不可欠な一部分を表している。
(1) 一般的な信用スプレッド・リスクおよび無担保デリバティブに基づく資金調達スプレッド・リスクは、金利VaRにおいて含
まれる。
(2) 信用特有リスクは発行者個別の信用スプレッドの変動を反映している。
(3) 市場リスクVaRの数値は、ポートフォリオの分散のため個別リスク要因VaRの数値の合計よりも小さくなっている。
n.m. この欄は意味を持たない。
<2019年度と2018年度との比較>
平均市場リスクVaRは、前年度比2百万ドル増の27百万ドルとなった。これは主として、2019会計年度第1四半
期から第4四半期にかけて株式市場のボラティリティが高まったことの影響が、債券ポートフォリオの平均在庫水
準の低下によって相殺されたことを反映している。
平均SVaRは、前年度比27百万ドル増の106百万ドルとなった。これは主として、前述した株式市場におけるボラ
ティリティの高まりによる影響に加えて、2019会計年度第1四半期から続く特定の債券ポートフォリオの拡大によ
るものである。
下図は、日次トレーディング損益を表した棒グラフおよび日次市場リスクVaRを表した線グラフである。2019年
度に損失が発生した日は1日、合計0.4百万ドルで、当該日のVaRを超過しなかった。
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下図は、2019年度および2018年度における日次トレーディング損益の分布を表しており、2019年度中に上記で言
及された0.4百万ドルの1日の損失があった。報告された最大の利益は33百万ドル、平均日次利益は14百万ドルで
あった。
<市場リスクの測定-RBCインシュアランスの資産および負債>
当グループは、顧客に対して様々な保険商品を提供しており、保険契約者に対する将来の債務を履行するために
投資を保有している。責任準備金の裏付けとなる投資は、大部分が FVTPL として指定された 債券資産である。この
ため、これらの資産の公正価値の変動は、連結損益計算書上に計上され、責任準備金の公正価値の変動によって大
部分が相殺される(その影響は保険契約者の給付、保険金および新契約費に反映される。)。2019年10月31日現
在、当グループは、付保義務に関する債務を、債務の裏付けとした114億ドル(2018年10月31日現在は100億ドル)
の資産を保有していた。
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(1)
<市場リスクの制御-構造的金利リスク(SIRR)・ポジション >
預金やローンといった旧来の銀行商品から生じる金利リスクはSIRRと称され、制限および制御の対象となる。
SIRRによる測定には、流動性管理を目的として保有される証券から生じる金利リスクに加え、関連あるヘッジも含
まれる。SIRR発生の要因として、資産および負債のリプライシング日のミスマッチ、資産および負債の比率の相対
的変化ならびにキャッシュ・フローの予想時期に影響を及ぼす可能性のあるその他の商品特性(ローンの繰上返済
オプションまたは定期預金の契約満期以前の中途解約等)が挙げられる。
取締役会は、SIRRについてリスク選好を承認し、資産負債委員会(ALCO)はGRMとともに、リスク政策、制限、
運用基準その他の統制により、SIRRの測定および管理に対する継続的監視を行う。SIRRに係る報告は、GRM、
ALCO、GRC、取締役会のリスク委員会および取締役会が、定期的に審査する。
SIRR に含まれる非トレーディング・リスクの詳細は、表54にその概要を示している。
(1)
SIRRポジションには、ヘッジ会計関係におけるデリバティブおよび金利リスク管理に用いるFVOCI有価証券の影響が含まれ
ている。
<SIRRの測定>
SIRR の監視および統制のため、当グループは、一連の市場の動揺、シナリオおよび時間軸に基づき、2つの基本
的財務指標として受取利息純額(NII)リスクおよび株式の経済価値(EVE)リスクの評価を行う。市場シナリオと
しては、通貨固有のパラレルおよび非パラレルのイールドカーブの変動および金利変動ショックがある。
NII リスクの測定にあたっては、市場ストレス・シナリオが予想NIIに及ぼす影響を判断するため、詳細な構造的
貸借対照表および損益計算書が動態的にシミュレーションされる。資産、負債およびオフバランス・シート・ポジ
ションについて、様々な時間軸でシミュレーションが行われる。このシミュレーションは、繰上返済および繰上償
還という行動とともに、商品の満期、更新および成長を組み込んだものである。商品の価格設定および取扱量は、
過去の実績および所定の市場ストレス・シナリオに関する期待に基づく予測である。EVEリスクは、金利の変動に
対する構造ポジションの市場価値感応度を把握するものである。EVEリスクの測定にあたっては、決定論的(単一
シナリオ)評価手法および確率論的(複数シナリオ)評価手法が詳細なスポット・ポジション・データに適用され
る。NIIリスクおよびEVEリスクは、極端ではあっても妥当な市場金利およびボラティリティの変動を織り込んだ一
連の市場リスク・ストレス・シナリオに関して測定される。こうしたSIRRの測定は、管理行動の恩恵を含まない。
NII リスクおよびEVEリスクの管理は補完的なものであり、持続可能な高品質のNIIストリームの生産に向けた当
グループの取組みをサポートする。特定の部門に関するNIIリスクおよびEVEリスクは、重要性、複雑性およびヘッ
ジ戦略に応じて日次、週次または月次に測定される。
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NII リスクおよびEVEリスクの測定に使用されるモデルは、キャッシュ・フロー、商品のリプライシングおよび利
率の管理に影響を及ぼす多数の仮定を前提としている。主要な仮定は、モーゲージの金利約定に関する予想される
調達概要、固定金利ローンの繰上返済という行動、定期預金の解約という行動および満期のない預金の取扱いに関
するものである。すべての仮定は、過去の顧客の行動および商品の価格設定に基づき経験的に導かれており、可能
な将来の変化を考慮したものである。SIRRの測定に用いられるすべてのモデルおよび仮定は、GRMによる独立した
監督の対象となる。
<市場リスク基準-構造的金利の感応度>
下表は、さらなるヘッジを行わないという前提で、即時かつ持続的な100bpsおよび200bpsの利上げまたは利下げ
が、当グループの構造的貸借対照表における予測12ヶ月NIIおよびEVEに与える潜在的な税引前の影響を示したもの
である。金利の下限は、金利下降シナリオにおいて適用され、下限の水準は、国際的な金利動向実績に基づいて設
定される。金利リスク基準は、特定時期における金利エクスポージャーに基づいており、事業活動および管理行動
の結果、絶えず変化している。
*
(表53)
市場リスク-SIRRによる測定
2019 年 2018 年
(1)
EVE リスク NII リスク
米ドルの 米ドルの
カナダド カナダド
(2) (2) (1)
(単位:百万カナダドル) ルの影響 影響 合計 ルの影響 影響 合計 EVE リスク NII リスク
税引前の影響:
$ (205) $ 351 $ 128 $ 479 $ 505
100bpsの利上げ $(1,151) $(1,356) $(1,140)
100bpsの利下げ 1,027 (107) 920 (486) (151) (637) 755 (582)
税引前の影響:
$ (690) $ 620 $ 247 $ 867 $ 923
200bpsの利上げ $(2,311) $(3,001) $(2,407)
200bpsの利下げ 2,030 (86) 1,944 (1,071) (285) (1,356) 1,067 (1,370)
* 上表は下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表の不可欠な一部分を表している。
(1) 金利の即時かつ持続的変化に対する12ヶ月間のNIIエクスポージャーを表す。
(2) 当グループのシティ・ナショナルおよび米国銀行業務で保有されているSIRRポートフォリオへの影響を表す。
2019 年10月31日現在、即時かつ持続的な-100bpsの金利下落ショックが発生した場合、当グループのNIIに637百
万ドルのマイナスの影響があったものと予想され、前年度の582百万ドルから増加している。2019年10月31日現
在、即時かつ持続的な+100bpsの金利上昇ショックが発生した場合、当行のEVEに1,356百万ドルのマイナスの影響
があったものと予想され、前年度に報告された1,140百万ドルから増加した。前年度比の変動で見たNIIの感応度
は、主として貸借対照表の成長に起因したが、前年度比の変動で見たEVEの感応度は、主として固定金利資産の増
加によるものである2019年度中のNIIリスクおよびEVEリスクは、承認限度内に十分収まった。
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<市場リスクの測定-その他の重要な非トレーディング・ポートフォリオ>
<FVOCIで計上される投資有価証券>
当グループは、 2019 年10月31日現在、 FVOCI で計上される投資有価証券を577億ドル(前年度は485億ドル)保有
していた。当グループは、主に投資として、またトレーディング目的以外の銀行業務に関する貸借対照表において
流動性リスクの管理および金利リスクのヘッジを目的として、FVOCIで計上される債務証券を保有している。 2019
年10月31日現在、 FVOCI で計上される投資有価証券のポートフォリオは金利に敏感で、7百万ドルの税引前価値変
動(イールドが1bp同時に上昇した場合の当該有価証券の価値変動で測定される。)がOCIに影響を与えうる。ま
た同ポートフォリオにより、20百万ドル(税引前)の価値変動という信用スプレッド・リスク(信用スプレッドが
1bp拡大した場合の価値変動で測定される。)も有している。当グループのSIRRの測定に含まれるFVOCIで計上さ
れる投資有価証券の価値は、2019年10月31日現在、99億ドルであった。またFVOCIで計上される投資有価証券に
は、2019年10月31日現在、4億ドル(前年度は4億ドル)の株式エクスポージャーが含まれている。
<非トレーディング為替リスク>
為替リスクとは、為替相場の変動が、当グループの収益および経済価値に与える潜在的なマイナスの影響をい
う。カナダドル以外の通貨建ての収益、費用および利益は、当該通貨の平均値に対するカナダドルの平均値の変動
により影響を受ける。当グループの最も重要なエクスポージャーは、米国において行う事業およびその他の業務も
米ドル建てで行っていることを考慮して、米ドルである。その他の重要なエクスポージャーは、英ポンドおよび
ユーロ建てでも国際的に業務を行っているため、英ポンドおよびユーロに対するエクスポージャーである。カナダ
ドルが米ドル、英ポンドおよびユーロに対して上昇または下落すると、外貨建ての収益、費用および利益の換算後
の金額は減少または増加し、当グループの業績に重大な影響を与える可能性がある。また当グループは、在外営業
活動体に対する投資から発生する為替リスクにもさらされている。ヘッジされていない株式投資の場合、カナダド
ルがその他の通貨に対して上昇すると、対外純投資に係る未実現為替差損がその他の資本項目を通じて株主資本を
減少させ、外貨建て資産のうちRWAの換算後の金額を減少させることになる。カナダドルがその他の通貨に対して
下落すると、逆の現象が起こる。したがって、当グループでは、在外営業活動体に対する投資のうちヘッジすべき
適正水準を決定する際、これらの影響を考慮している。
<非トレーディング業務に関連するデリバティブ>
デリバティブは、当グループのトレーディング活動に関連しない市場リスク・エクスポージャーをヘッジするた
めにも利用される。必要に応じてヘッジ会計が選択されている。かかるデリバティブは、当グループのSIRRの測定
およびその他の内部非トレーディング市場リスクの測定に含まれる。当グループでは、SIRR、資金調達および投資
業務の管理に金利スワップを利用している。金利スワップは、一部の固定利付資産の公正価値の変動をヘッジする
ためにも利用される。また、外貨建て、特に米ドル、英ポンドおよびユーロ建ての子会社に対する株式投資に対す
るエクスポージャーの管理には、為替デリバティブも利用している。
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ヘッジ会計の適用およびヘッジ活動におけるデリバティブの利用についての詳細は、 下記「第6 1 財務書
類」に記載の連結財務諸表に対する注記2および注記8を参照のこと。
<市場リスクと主要な貸借対照表項目との関連>
下表は、トレーディング市場リスクの開示と非トレーディング市場リスクの開示とに含まれるポジションを有す
る主要な貸借対照表項目の関連を表し、当グループが異なるリスクを測定することによって資産および負債の市場
リスクをいかに管理しているかも示している。
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市場リスクと主要な貸借対照表項目の関連 (表54)
2019 年 10 月31日現在
市場リスクの測定
市場で
市場で取引
取引される されない
貸借対照表上の 市場で取引されないリスクの
(1) (2)
(単位:百万カナダドル) 計上額 リスク リスク 主なリスク感応度
市場リスクの影響を受ける資産
$ 26,310 $ - $ 26,310
現金および預け金 金利リスク
利付銀行預け金 38,345 22,287 16,058 金利リスク
有価証券
金利リスク、
トレーディング 146,534 136,609 9,925 信用スプレッド・リスク
金利リスク、信用スプレッ
投資(適用引当金控除後) 102,470 - 102,470 ド・リスク、株式リスク
売戻し条件付購入資産および借入有価証券
担保金 306,961 246,068 60,893 金利リスク
貸出金
リテール 426,086 10,876 415,210 金利リスク
ホールセール 195,870 7,111 188,759 金利リスク
貸倒引当金 (3,100) - (3,100) 金利リスク
個別分離運用型基金資産純額 1,663 - 1,663 金利リスク
その他
金利リスク、
デリバティブ 101,560 99,318 2,242 外国為替リスク
その他の資産 79,802 4,648 75,154 金利リスク
(3)
市場リスクの影響を受けない資産 6,434
$ 1,428,935 $ 526,917 $ 895,584
資産合計
市場リスクの影響を受ける負債
$ 886,005 $ 99,137 $ 786,868
預金 金利リスク
個別分離運用型基金負債 1,663 - 1,663 金利リスク
その他
空売りした有価証券に関連する債務 35,069 35,069 -
買戻し条件付売却資産および貸付有価証
券に関連する債務 226,586 218,612 7,974 金利リスク
金利リスク、
デリバティブ 98,543 96,512 2,031 外国為替リスク
その他の負債 79,040 8,918 70,122 金利リスク
劣後無担保社債 9,815 - 9,815 金利リスク
(4)
市場リスクの影響を受けない負債 8,589
$ 1,345,310 $ 458,248 $ 878,473
負債合計
$ 83,625
資本合計
$ 1,428,935
負債および資本合計
(1) 取引リスクは、FVTPLに分類または指定されるポジションおよび再評価利益または損失が収益に計上されるポジションを含
む。取引リスクのリスク管理のため、VaR、SVaRおよびストレス・テストにおける市場リスク測定が用いられる。
(2) 非取引リスクは、SIRRおよびその他の非トレーディング・ポートフォリオの管理に用いられるポジションを含む。その他
の重要な非トレーディング・ポートフォリオには、RBCインシュアランスによるポジションおよびSIRRに含まれない投資有
価証券(適用引当金控除後)が含まれる。
(3) 市場リスクの影響を受けない資産は、物的資産およびその他の資産6,434百万ドルを含む。
(4) 市場リスクの影響を受けない負債は、給与関係およびその他の負債8,589百万ドルを含む。
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2018 年 10 月31日現在
市場リスクの測定
市場で
市場で取引
取引される されない
貸借対照表上の 市場で取引されないリスクの
(1) (2)
(単位:百万カナダドル) 計上額 リスク リスク 主なリスク感応度
市場リスクの影響を受ける資産
$ 30,209 $ - $ 30,209
現金および預け金 金利リスク
利付銀行預け金 36,471 20,277 16,194 金利リスク
有価証券
金利リスク、
トレーディング 128,258 120,163 8,095 信用スプレッド・リスク
金利リスク、信用スプレッ
投資(適用引当金控除後) 94,608 - 94,608 ド・リスク、株式リスク
売戻し条件付購入資産および借入有価証券
担保金 294,602 219,108 75,494 金利リスク
貸出金
リテール 399,452 4,307 395,145 金利リスク
ホールセール 180,278 9,128 171,150 金利リスク
貸倒引当金 (2,912) - (2,912) 金利リスク
個別分離運用型基金資産純額 1,368 - 1,368 金利リスク
金利リスク、
デリバティブ 94,039 91,275 2,764 外国為替リスク
その他の資産 71,655 2,259 69,396 金利リスク
(3)
市場リスクの影響を受けない資産 6,706
$ 1,334,734 $ 466,517 $ 861,511
資産合計
市場リスクの影響を受ける負債
(4)
$ 836,197 $ 81,432 $ 754,765
預金 金利リスク
個別分離運用型基金負債 1,368 - 1,368 金利リスク
その他
空売りした有価証券に関連する債務 32,247 32,247 -
買戻し条件付売却資産および貸付有価証
券に関連する債務 206,814 201,839 4,975 金利リスク
金利リスク、
デリバティブ 90,238 87,352 2,886 外国為替リスク
その他の負債 72,116 7,661 64,455 金利リスク
劣後無担保社債 9,131 - 9,131 金利リスク
(4)(5)
市場リスクの影響を受けない負債 6,668
$ 1,254,779 $ 410,531 $ 837,580
負債合計
$ 79,955
資本合計
$ 1,334,734
負債および資本合計
(1) 取引リスクは、FVTPLに分類または指定されるポジションおよび再評価利益または損失が収益に計上されるポジションを含
む。取引リスクのリスク管理のため、VaR、SVaRおよびストレス・テストにおける市場リスク測定が用いられる。
(2) 非取引リスクは、SIRRおよびその他の非トレーディング・ポートフォリオの管理に用いられるポジションを含む。その他
の重要な非トレーディング・ポートフォリオには、RBCインシュアランスによるポジションおよびSIRRに含まれない投資有
価証券(適用引当金控除後)が含まれる。
(3) 市場リスクの影響を受けない資産は、物的資産およびその他の資産6,706百万ドルを含む。
(4) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前は預金として計上されていた未払利息は、
市場リスクの影響を受けない負債として表示される。数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
(5) 市場リスクの影響を受けない負債は、給与関係およびその他の負債6,668百万ドルを含む。
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流動性リスクおよび資金調達リスク
流動性リスクおよび資金調達リスク(流動性リスク)とは、期限内に債務を返済するために、費用効率の高い方
法で、十分な現金または現金同等物を生み出すことができないおそれがある、というリスクである。流動性リスク
は、オンバランス・シート、オフバランス・シートのキャッシュ・フローの発生時期および金額のミスマッチから
生じる。
当グループの流動性特性は、通常時およびストレス時の状況において現在および将来の債務を返済する十分な流
動性を確実に満たす構造になっている。当グループはこの目的を達成するため、包括的な流動性リスク管理体系
(LRMF)および担保方針のもとで業務を行っている。当グループは、以下を含む複数の流動性リスクを軽減する戦
略も用いている。
・当グループのリスク選好のもとで許容されるエクスポージャーの度合いと、リスク軽減にかかる費用との適切な
バランスの達成
・コア顧客の安定した預金基盤の確保および促進ならびに企業向けの多角的資金源の継続的利用等、広範な資金調
達力の維持
・担保権が設定されていない有価証券および特定の資産区分を現金化する確かな能力の充足性を保証するための、
包括的流動性ストレス・テスト・プログラム、危機管理計画、再建・破綻処理計画およびステータス監視
・将来的な担保権設定行為に関する制限および流動性資産バッファーを通じた担保権設定行為の管理
・適時かつ精緻化されたリスク測定情報
・透明な流動性移転価格および原価配分
・3つの防衛線ガバナンス・モデル
<リスク統制>
当グループの流動性リスクの目標、方針および方法は、定期的に見直され、また市況および事業構成内容の変化
に照らし、更新されている。これは、現地の規制に適合させることを含む。流動性および資金調達状況について
は、戦略の実行に適切な水準を引き続き維持している。流動性リスクは、リスク選好に十分収まっている。
取締役会は、年1回、上級管理職に対する流動性リスク権限の委任を承認する。取締役会のリスク委員会は、年
1回、LRMFおよび担保方針を承認し、それらの監督責任を負う。取締役会、取締役会のリスク委員会、GRCおよび
ALCOは、当グループのグループ規模の流動性ポジションに関する報告書を定期的に審査する。GRC、ポリシー審査
委員会(PRC)および/またはALCOは、取締役会およびその委員会のために作成された、流動性に関する書類の調
査も行う。
・PRCは、年1回、取締役会が承認したリスク選好度およびLRMFに基づき、リスク統制に関して最低限必要な要素
を設定する流動性リスク方針(LRP)を承認する。
・ALCOは、年1回、流動性危機管理計画(LCP)を承認し、コーポレート・トレジャリー、その他の部門および事
業セグメントに対して、流動性管理に関する戦略的方向性を示し、監督を行う。
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これらの方針は、パラメータ、手法、管理に係る範囲ならびに流動性の測定および管理を監督する権限等のリス
ク管理の要素を導入する業務レベル、事務レベルおよび商品レベルの方針によってサポートされている。管理体制
の構造安定性を評価し、流動性危機管理計画を報告することを目的として、ストレス・テストも採用されている。
<リスクの測定>
流動性リスクは、異なる期間にわたって予想キャッシュ・フロー特性を導出するため、資産および負債ならびに
オフバランス・シート・コミットメントに照らしてシナリオ別の仮定を適用することで測定される。例えば国債は
通常、満期にかかわらず価値を著しく損失することなく素早くかつ容易に現金化することができる。同様に、リ
レーションシップ・ベースの要求払い預金は契約上直ちに引き出すことができると同時に、実務面では、これらの
残高は、顧客の種類およびその使途等、複数の要因に応じて比較的安定した資金調達源となりうる。リスク方法論
および基礎となる仮定は、事業環境や予想される経済状況、市況、格付機関の選好、規制要件、一般に公正妥当と
考えられる業界の実務に確実に見合うように定期的に見直され検証される。
当グループの流動性リスク選好に収まるように流動性リスクを管理するため、当グループは、様々な期間および
深刻度のストレス状況を反映して、様々な測定基準に制限を設定し、危機管理計画、再建・破綻処理計画を策定し
ている。当グループの流動性リスクの測定および制御活動は、以下のとおり3つのカテゴリーに分けられる。
構造的(長期的)流動性リスク
担保付および無担保のホールセール定期性資金調達活動を導くため、当グループは、長期的な流動性に欠ける資
産とホールセール投資家および中核をなすリレーションシップ・ベースの預金からの長期資金調達との構造的な一
致を管理および統制する内部基準を採用している。
戦略的(短期)流動性リスク
ストレス時の潜在的な緊急のキャッシュ・フローのリスクに対応するため、当グループは短期的な正味キャッ
シュ・フロー制限を使用し、重要なユニット、子会社および通貨のリスクを統制し、ストレス・テスト評価を行っ
ている。正味キャッシュ・フロー・ポジションは、すべての重要な非担保差入れ資産、負債およびオフバランス・
シート活動に関し既知および見越されるキャッシュ・フローに内部導出リスク仮定およびパラメータを適用するこ
とで決定される。担保差入れ資産は、利用可能な流動性の源泉とはみなされない。当グループは、LCR等、グルー
プ全体および部署ごとに規定される規制基準を遵守することで戦略的流動性も統制している。
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偶発的な流動性リスク
偶発的な流動性リスクに係る計画では、突然のストレスの影響およびそれに対する計画された対応を評価する。
LCPは、コーポレート・トレジャリーが維持および管理し、流動性の危機に対する潜在的対応の指針として策定さ
れている。コーポレート・トレジャリーの指揮の下、グループと地域ごとの流動性危機管理チーム(LCT)は定期
的に会合を開いて流動性の状況を評価し、LCPを承認し、ストレス時には第一線およびリスク機能との重要なつな
がりとなって危機管理プロセスをサポートする。LCTには、主要な事業セグメント、GRM、ファイナンスおよびオペ
レーションの構成員が含まれ、関連事項の専門家とコミュニケーションを取る。
シナリオ分析および感応分析の要素を含むストレス・テストにより、数週間にわたるシステム上の事象および
RBC特有の事象に対する潜在的エクスポージャーが測定される。それぞれの危機については深刻度を検討し、いく
つかのシナリオでは当グループの信用格付の複数段階の格下げの可能性を反映している。
偶発的な流動性リスクに係る計画プロセスは、様々なストレス・シナリオにおける偶発的な資金調達ニーズ(信
用コミットメントおよび流動性枠の引出し、さらなる担保需要ならびに預金の払い戻し等)および源泉(偶発的な
流動性資産の売却およびホールセール資金調達能力の増強等)を特定し、その結果、無担保の特定流動性資産ポー
トフォリオに関する要求を明らかにする。
当グループの無担保の流動性資産ポートフォリオは、分散した、高格付かつ流動性のある有価証券、政府系翌日
物リバース・レポおよび中央銀行への預金を含む。これらのポートフォリオは、必要なときに利用可能な追加の現
金を最大化しておくための最低限の資産品質水準および必要に応じてその他の適格指針(満期、分散および中央銀
行の融資を受けられるか否か等)に服する。これらの有価証券は、当グループが資本市場またはその他の活動によ
り保有したその他の無担保流動性資産に追加される場合は、当グループの流動性準備金に組み入れられ、後述する
資産の担保差入れに開示上反映される。
<流動性準備金および資産の担保差入れ>
下表は、当グループの流動性準備金および資産の担保差入れについてまとめたものである。両方の表における非
担保差入れ資産は、様々なレベルの既存の資金調達源である。非担保差入れ資産は、総資産から、オンバランス・
シートおよびオフバランス・シートの調達源からの担保差入れ資産を差し引いたものである。担保差入れ資産は、
(ⅰ)銀行保有流動資産のうち、担保提供されたもの(レポ金融およびデリバティブによる担保権設定等)または
規制もしくは内部政策要件のため自由に利用できないもの(法定準備金または現地の自己資本比率規制を満たすた
めならびに支払および決済システムを継続的に利用可能に保つための特定の資産等)、(ⅱ)証券金融およびデリ
バティブ取引により担保として受領した有価証券のうち、例えば、レポ取引により資金を調達するためまたは空売
り証券をカバーするために(可能な場合)再担保に供されたものまたは再担保が禁止されているため流動的価値を
失ったものならびに(ⅲ)証券化され市場に売却されたまたは仕組み定期性資金調達手段の一助として担保に供さ
れた非流動資産を含む。当グループの流動性管理体系および実務では、流動性リスクを測定する際、担保差入れ資
産は流動性源と考えていない。
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流動性準備金
流動性準備金は、利用可能な非担保差入れ流動資産および特別な状況下で利用可能となる未使用の中央銀行借入
枠である。ただしこれは、各中央銀行(BoC、Fed、イングランド銀行およびフランス銀行等)が設定した一定の前
提条件が満たされる場合に限る。
未使用のホールセール資金調達能力は、ストレス状況を軽減するための潜在的な流動性源の1つとなり得、定期
的に評価されているが、流動性準備金の測定からは除外されている。
流動性準備金 (表55)
2019 年 10 月31日現在
証券金融
およびデリバ
ティブ取引に
当行が
おいて担保と
保有する 流動性資産 担保差入れ
して受領した 非担保差入れ
(単位:百万カナダドル) 流動性資産 有価証券 合計 流動性資産 流動性資産
$ 26,310 $ - $ 26,310 $ 2,860 $ 23,450
現金および預け金
利付銀行預け金 38,345 - 38,345 329 38,016
ソブリン、中央銀行または多国間開発銀行に
より発行または保証されている
(1)
有価証券 206,960 311,019 517,979 345,753 172,226
その他有価証券 90,026 115,261 205,287 96,184 109,103
(2)
中央銀行により付与された未履行信用枠 9,534 - 9,534 - 9,534
(3)
その他割引担保適格資産 109,327 - 109,327 - 109,327
(4)
その他流動性資産 21,732 - 21,732 21,316 416
$ 502,234 $ 426,280 $ 928,514 $ 466,442 $ 462,072
流動性資産合計
2018 年 10 月31日現在
証券金融
およびデリバ
ティブ取引に
当行が
おいて担保と
保有する 流動性資産 担保差入れ
して受領した 非担保差入れ
(単位:百万カナダドル) 流動性資産 有価証券 合計 流動性資産 流動性資産
$ 30,209 $ - $ 30,209 $ 2,573 $ 27,636
現金および預け金
利付銀行預け金 36,471 - 36,471 366 36,105
ソブリン、中央銀行または多国間開発銀行に
より発行または保証されている
(1)
有価証券 188,911 261,119 450,030 297,681 152,349
その他有価証券 78,090 126,209 204,299 84,589 119,710
(2)
中央銀行により付与された未履行信用枠 9,988 - 9,988 - 9,988
(3)
その他割引担保適格資産 99,120 - 99,120 - 99,120
(4)
その他流動性資産 19,758 - 19,758 19,406 352
$ 462,547 $ 387,328 $ 849,875 $ 404,615 $ 445,260
流動性資産合計
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2019 年 2018 年
(単位:百万カナダドル) 10 月31日現在 10 月31日現在
$ 224,063 $ 219,197
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ
海外支店 71,062 73,015
子会社 166,947 153,048
$ 462,072 $ 445,260
非担保差入れ流動性資産合計
(1) 米国連邦政府後見人制度(連邦住宅抵当公庫、連邦住宅金融抵当公庫等)の下で機能する州政府および米国政府後援団体
により発行された流動性証券を含む。
(2) ニューヨークの連邦準備銀行(FRBNY)において当グループの利用可能な割引窓口施設の適格担保とみなされる貸出金を含
む。数値は額面金額であり、担保価格/借入能力の判断のためにFRBNYによって適用される担保委託保証金の対象となる。
割引窓口借入制度の利用可能性は、FRBNYの設定した要件を満たしていることを条件としており、一般的に、借入れは稀で
あり、かつ一時的な対処を必要とする希少事由によるものであると想定されている。
(3) 借入れに先立つ要件を満たしており、規定の担保付委託保証金の申請を行っていることを前提に、当グループの担保とし
て利用可能なカナダドル建て非モーゲージローン勘定(額面金額)を含み、緊急貸出支援(ELA)プログラムに基づく融資
金としてBoCに担保提供することが可能である。ELAは、当グループの平常時流動性リスク特性において利用可能な流動性
源とみなされていないが、非常事態においては特例もあり、平常時の市場流動性が著しく損なわれている場合、当グルー
プおよび他銀行の担保適格資産の現金化を可能とし、資金需要を満たし市場流動性のさらなる混乱を緩和することを可能
とする。さらに残高は、連邦住宅貸付銀行(FHLB)において適格担保とみなされる当グループの抵当権の設定されていな
いモーゲージローンを含む。
(4) 抵当権の設定されていない流動性資産の数値は、OTCおよび上場デリバティブ取引に関連して差入れられた現金担保および
証拠金の預け入れを表す。
流動性準備金は、通常、流動資産ポートフォリオが現金残高の変動に合わせて調整される場合は顧客の銀行活動
の日常的な流れの影響を最も受け、加えて事業戦略および顧客の流れが流動性準備金全体の計算における流動資産
の加算または減算に影響する場合は資本市場活動からも影響を受ける。債券発行と事業活動への展開との時期のず
れを準備金で吸収できる場合には、コーポレート・トレジャリーも、調達発行の管理を通じて流動性準備金に影響
を与える。
<2019年度と2018年度との比較>
流動性資産合計は、790億ドル増すなわち9%増となった。これは主として、担保スワップおよびリバース・レ
ポ取引ならびにオンバランス・シート証券ポートフォリオにおいて担保として受領した有価証券が増加したことに
よる。差し入れられた担保の増加は、売戻しおよび担保スワップ取引における担保付流動性資産として差し入れた
担保が同様に増加したことで、相殺された。
資産の担保差入れ
下表は、現金、有価証券およびその他の資産を、担保差入れ資産と、 担保付資金調達取引において 売却可能また
は担保として利用可能な資産とに分けてまとめたものである。モーゲージやクレジットカード債権等のその他の資
産も、市場性のある有価証券より長い期間が必要であるが、現金化可能である。2019年10月31日現在で、担保差入
れが可能な非担保差入れ資産は、資産総額の29%(2018年10月31日現在は29%)を占める。
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資産の担保差入れ (表56)
2019 年10月31日現在 2018 年10月31日現在
担保差入れ 非担保差入れ 担保差入れ 非担保差入れ
担保
担保
として として
担保 担保
利用 利用
として として
(1) (2) (3) (1) (2) (3)
(単位:百万カナダドル ) 差入れ その他 可能 その他 合計 差入れ その他 可能 その他 合計
$ - $ 2,860 $ 23,450 $ - $ 26,310 $ - $ 2,573 $ 27,636 $ - $ 30,209
現金および預け金
利付銀行預け金 - 329 38,016 - 38,345 - 366 36,105 - 36,471
有価証券
トレーディング 44,431 - 99,420 2,683 146,534 40,640 - 84,270 3,348 128,258
投資(適用引当金控除
後) 16,376 - 86,045 49 102,470 12,195 - 82,351 62 94,608
売戻し条件付購入資産およ
(4)
び借入有価証券担保金 399,013 22,793 49,325 5,214 476,345 348,597 22,188 53,590 5,722 430,097
貸出金
リテール
モーゲージ証券 31,345 - 40,401 - 71,746 34,286 - 36,234 - 70,520
モーゲージローン 42,103 - 22,598 171,644 236,345 36,959 - 17,784 157,208 211,951
非モーゲージローン 7,094 - 62,204 48,697 117,995 8,553 - 59,611 48,817 116,981
ホールセール - - 34,882 160,988 195,870 - - 32,478 147,800 180,278
貸倒引当金 - - - (3,100) (3,100) - - - (2,912) (2,912)
個別分離運用型基金資産純
額 - - - 1,663 1,663 - - - 1,368 1,368
その他
デリバティブ - - - 101,560 101,560 - - - 94,039 94,039
(5)
その他 21,316 - 416 64,504 86,236 19,406 - 352 58,603 78,361
$ 25,982 $ 25,127
総資産 $561,678 $456,757 $553,902 $1,598,319 $500,636 $430,411 $514,055 $1,470,229
(1) 法的その他制約から資金調達に充てることが制限される資産を含む。
(2) 中央銀行融資の担保として利用可能な貸出金を含む。借入れに先立つ要件を満たしており、規定の担保付委託保証金の申
請を行っていることを前提に、当グループの担保として利用可能なカナダドル建て非モーゲージローン勘定(額面金額)
は、ELAプログラムに基づく融資金としてBoCに担保提供することが可能である。さらにそれは、FHLBにおいて適格担保と
みなされる当グループの抵当権の設定されていないモーゲージローンを含む。当グループは、FRBNYにおいて当グループの
利用可能な割引窓口施設の適格担保とみなされる貸出金をロッジしている。ELAまたはその他中央銀行借入枠は、当グルー
プの平常時流動性リスク特性において利用可能な流動性資源とみなされていない。ただし、市場全体の流動性が非常事態
かつ重大な混乱に陥った際には、銀行は担保を満たす資産を現金化することができる。
(3) その他の非担保差入れ資産は、資金調達の保証または担保としての利用につき制限を受けないが当該資産は中央銀行また
はその他の融資計画で受入可能ではないため、利用可能とはみなされない。
(4) 銀行保有流動資産ならびにオフバランス・シート証券金融、デリバティブ取引および委託融資から担保として受領した有
価証券を含む。現行の法形式において再担保できない売戻し取引を通じて受領した担保228億ドル(2018年10月31日現在は
222億ドル)を含む。
(5) 担保として差入れの数値は、店頭(OTC)および上場デリバティブ取引に関連して差入れられた現金担保および証拠金の預
け入れを表す。
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<資金調達>
資金調達戦略
資本、長期ホールセール負債ならびに個人預金ならびに(それより割合は小さいが)企業および機関の預金に分
散化されたプールからなるコア資金調達は、構造的流動性を保つための基礎である。
預金および資金調達構造
2019 年10月31日現在、リテール貸出金およびモーゲージの主要な資金調達源であるリレーションシップ・ベース
の預金は5,940億ドルで、資金調達総額の51%(2018年10月31日現在は5,450億ドル、資金調達総額の50%)を占め
ていた。残りの部分は、短期および長期のホールセール資金調達であった。
流動性の高い資産の資金調達は、主として、これらの資産の現金化期間を反映した短期ホールセール資金調達に
より構成されている。長期ホールセール資金調達は、ほとんどの場合、流動性の低いホールセール資産の調達およ
び流動性資産バッファーのサポートに利用される。
2018 年4月18日、財務省は、カナダ預金保険公社(CDIC)法および銀行法に基づき、ベイルイン規則を発表
(2018年9月23日付で施行)した。2018年9月23日以降に当行が発行した、当初期間が400日を超え、かつ、市場
性のある長期優先債は、一定の例外を除き、カナダの銀行資本増強(ベイルイン)制度の適用を受ける。ベイルイ
ン制度に基づき、銀行が存続不可能であると金融機関監督局が判断した場合、総督は、公益のためにそうすべきで
あるとの財務大臣の勧告に基づき、当該銀行の特定の株式および負債の全部または一部を普通株式に転換するよう
CDICに指示する命令を発することができる。2019年10月31日現在、ベイルイン制度に基づく転換対象となる発行済
長期債の想定元本は、20,320百万ドル(2018年10月31日現在は4,467百万ドル)であった。
当グループのホールセール資金調達についての詳細は、下表「ホールセール資金調達の内訳」を参照のこと。
長期債券発行
2019 年度中、当グループは、無担保ホールセール資金調達および価格設定において、引き続き世界の競合グルー
プの多くと比較して有利であった。直接または子会社を通じて間接的に、各種通貨および市場を厳選し、無担保長
期資金調達として191億ドルを発行したが、満期により一部相殺された。
当グループは、代替資金源としてならびに流動性および資産/負債の管理目的で、主に住宅担保ローンおよび
クレジットカード証券化プログラムを利用している。当グループ全体の担保付長期資金調達には、売却したモー
ゲージ担保証券(MBS)の残高、住宅担保ローンを担保とするカバード・ボンドならびにクレジットカード債権
によって担保された証券が含まれる。
2018 年度と比較すると、売却したMBSは、18億ドル減少した。当グループのカバード・ボンドおよび証券化され
たクレジットカード債権の残高は、それぞれ23億ドル増加および15億ドル減少した。
詳細は、「オフバランス・シート処理」の項を参照のこと。
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有価証券報告書
*
(表57)
長期資金源
(単位:百万カナダドル) 2019年10月31日現在 2018年10月31日現在
$ 94,662 $ 102,325
無担保長期借入資金
担保付長期借入資金 63,853 64,843
劣後無担保社債 9,788 9,397
$ 168,303 $ 176,565
* 上表は下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表の不可欠な一部分を表している。
ホールセール資金調達は、地理、投資セグメント、商品、通貨、ストラクチャーおよび満期が十分に分散されて
いる。様々な資金調達市場において持続的に活動することで、継続して市場の動きと傾向を監視し、チャンスおよ
びリスクを見きわめ、適切な行動を適時に取ることができる。当グループは、長期債券発行登録プログラムを実施
している。下表は、それぞれの承認された制限内でのかかるプログラムを地理別に示している。
地理別プログラム (表58)
カナダ 米国 ヨーロッパ/アジア
・カナダにおける発行登録プログラ ・米国における発行登録プログラム ・ヨーロッパ債券発行プログラム-
ム-250億ドル -400億米ドル
400億米ドル
・グローバル・カバード・ボンド・
プログラム-320億ユーロ
・日本における発行プログラム-
1兆円
当グループはまた、カナダ優先社債、カナダ国民住宅法MBS、カナダ・モーゲージ債券、クレジットカード債権
担保証券、カンガルー債(オーストラリア国内市場で外国企業により発行されたもの)およびヤンキー預金証書
(米国国内市場で外国企業により発行されたもの)を使用して長期的な資金調達を行っている。 当グループは、新
たな市場および未開発の投資セグメントを拡大するための進出機会について、常に評価を行っている。これは、そ
のような拡大によってホールセール資金調達の柔軟性が増す上、資金源の集中および依存を最小限に抑え、全体的
な調達費用を削減することができるからである。 下図に示すとおり、当グループの現在の長期負債の構成は、通貨
別および商品別に、十分に分散されている。競争力の高い信用格付を維持することも、費用効率の高い資金調達に
不可欠である。
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下表は、満期までの期間に基づく当グループにおける ホールセール資金調達の構成 を表す。
(1)
(表59)
ホールセール資金調達の内訳
2019 年10月31日現在
1年未満
(単位:百万カナダドル) 1ヶ月未満 1-3ヶ月 3 - 6 ヶ 月 6 - 12 ヶ 月 小計 1 - 2年 2年以上 合計
(2)
$ 4,087 $ - $ 388 $ 33 $ 4,508 $ - $ - $ 4,508
銀行からの預金
譲渡性預金証書および
コマーシャル・ペーパー 2,917 12,037 17,390 22,038 54,382 132 - 54,514
資産担保コマーシャル・
(3)
ペーパー 2,542 3,188 6,543 3,905 16,178 - - 16,178
無担保優先ミディアムターム
(4)
ノート 11 2,293 9,183 14,188 25,675 18,856 29,756 74,287
(5)
無担保優先仕組債 847 676 171 1,342 3,036 1,810 5,047 9,893
証券化されたモーゲージ - 524 1,796 727 3,047 3,523 11,015 17,585
カバード・ボンド/資産担保証券
(6)
- - 6,282 2,305 8,587 14,337 23,426 46,350
劣後負債 - 2,000 - 998 2,998 2,500 4,290 9,788
(7)
その他 9,489 1,224 157 1,663 12,533 141 9,976 22,650
$ 19,893 $ 21,942 $ 41,910 $ 47,199 $ 130,944 $ 41,299 $ 83,510 $ 255,753
合計
内訳:
$ 10,339 $ 3,929 $ 14,621 $ 6,937 $ 35,826 $ 17,860 $ 34,441 $ 88,127
担保付
無担保 9,554 18,013 27,289 40,262 95,118 23,439 49,069 167,626
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2018 年10月31日現在
1年未満
(単位:百万カナダドル) 1ヶ月未満 1-3ヶ月 3 - 6 ヶ 月 6 - 12 ヶ 月 小計 1 - 2年 2年以上 合計
(2)
$ 4,507 $ 10 $ 42 $ - $ 4,559 $ - $ - $ 4,559
銀行からの預金
譲渡性預金証書および
コマーシャル・ペーパー 3,658 9,000 20,994 14,926 48,578 197 132 48,907
資産担保コマーシャル・
(3)
ペーパー 1,908 2,581 5,877 6,197 16,563 - - 16,563
無担保優先ミディアムターム
(4)
ノート 122 6,132 7,424 8,090 21,768 23,125 33,513 78,406
(5)
無担保優先仕組債 185 215 353 693 1,446 2,603 5,608 9,657
証券化されたモーゲージ - 2,473 527 1,099 4,099 3,027 12,193 19,319
カバード・ボンド/資産担保証券
(6)
- 21 4,641 5,409 10,071 8,581 26,861 45,513
劣後負債 - - - 1,103 1,103 2,993 5,301 9,397
(7)
その他 7,639 1,658 419 1,189 10,905 ▶ 9,122 20,031
$ 18,019 $ 22,090 $ 40,277 $ 38,706 $ 119,092 $ 40,530 $ 92,730 $ 252,352
合計
内訳:
$ 8,292 $ 5,666 $ 11,045 $ 12,706 $ 37,709 $ 11,608 $ 39,054 $ 88,371
担保付
無担保 9,727 16,424 29,232 26,000 81,383 28,922 53,676 163,981
(1) 銀行引受手形およびレポ取引を除く。
(2) 銀行に対して当グループが提供するサービス(証券保管、現金管理等)に関連する預金を除く。
(3) 連結負債のみを含み、当グループの担保付コマーシャル・ペーパープログラムを含む。
(4) 預金証書を含む。
(5) 外国為替、コモディティおよび株式の値動きに連動する支払のある債券を含む。
(6) クレジットカードおよびモーゲージローンを含む。
(7) テンダーオプション・ボンド(担保付)8,014百万ドル(2018年10月31日現在は6,978百万ドル)、無記名式預金証書(無
担保)4,813百万ドル(2018年10月31日現在は4,084百万ドル)およびその他長期仕組預金(無担保)9,823百万ドル(2018
年10月31日現在は8,969百万ドル)を含む。
<信用格付>
無担保資金市場を利用し、費用効率の高い担保付事業活動を行うことができるのは、主として、優位な信用格付
を維持しているためである。格付機関による信用格付および見通しは、当該格付機関の見解および手法を反映して
いる。格付は、当グループの財務力、競争力、流動性および当グループが完全に制御できないその他の要因等、
様々な要因に基づき、変更される。
(1)
下表は、当グループの主要な信用格付 である。
信用格付 (表60)
2019年12月3日現在
レガシー
(2) (3)
短期借入金 長期優先債 長期優先債 見通し
(4)
ムーディーズ P-1 Aa2 A2 安定的
(5)
スタンダード&プアーズ A-1+ AA- A 安定的
(6)
フィッチ・レーティングス F1+ AA AA 安定的
(7)
DBRS R-1(高) AA(高) AA 安定的
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(1) 信用格付は、市場価格または特定の投資家に対する適合性に関して意見を述べるものではなく、当グループの金融債務の
購入、売却または保有を推奨するものではない。格付は、格付機関が随時設定する基準に基づき格付機関により決定さ
れ、格付機関はいつでも格付を変更または撤回できる。
(2) 2018年9月23日より前に発行された長期優先債および2018年9月23日以降に発行されたベイルイン制度に含まれない長期
優先債を含む。
(3) 2018年9月23日以降に発行された長期優先債で、ベイルイン制度による転換の対象となるものを含む。
(4) 2019年8月1日付で、ムーディーズは、当行の見通しを安定的と確認した。
(5) 2019年6月24日付で、S&Pは、当行の見通しを安定的と確認した。
(6) 2018年10月22日付で、フィッチ・レーティングスは、当行の見通しを安定的と確認した。
(7) 2019年6月18日付で、DBRSは、当行の見通しをポジティブから安定的へと修正した。DBRSは当行のレガシー長期優先債券
の格付をAAからAA(高)に引き上げ、当行の長期優先債の格付をAA(低)からAAに引き上げた。
格下げされた場合の契約上の追加債務
当グループの信用格付が引き下げられた場合には、当グループは特定のカウンターパーティに担保を受渡すこと
が要求されている。下表は、当グループの信用格付が1、2または3段階引き下げられた場合に報告日付で要求さ
れる追加担保債務を示している。これらの追加担保債務は、連続するそれぞれの格下げの増分要件であり、複数の
格下げの累積的影響を表すものではない。報告される数値は、集中清算される金融市場インフラおよび取引所への
トレーディング活動の移行、格下げ要因を有する取引の終了、格下げ要因排除のための新規契約に対する内部制限
の設定ならびにポジションの通常の時価評価により担保付カウンターパーティをネガティブからポジティブに変更
すること等、複数の要因の結果、定期的に変化する。元本の繰上返済につながる格付要因を有するような、市場で
発行された優先債残高はない。
格下げに関する追加の契約上の債務 (表61)
2019年10月31日現在 2018年10月31日現在
1段階の 2段階の 3段階の 1段階の 2段階の 3段階の
(単位:百万カナダドル) 格下げ 格下げ 格下げ 格下げ 格下げ 格下げ
$ 165 $ 64 $ 124 $ 125 $ 45 $ 191
契約上のデリバティブ資金または委託保証金
(1)
その他の契約上の資金または委託保証金 180 176 - 185 176 -
(1) ニューヨーク以外の公的市場により発行されたGICを含む。
<流動性カバレッジ比率(LCR)>
LCR とは、深刻なストレス・シナリオにおける30日間の流動性ニーズを満たすために利用できる適格流動性資産
(HQLA)の十分性を測定するバーゼルⅢの数値基準をいう。BCBSおよびOSFIの規制上の最低LCRカバレッジ水準は
現在100%である。
OSFI は、カナダの銀行に対し、標準的なバーゼルの開示テンプレートを用い、各四半期中の日次LCRポジション
の平均を用いて計算したLCRを開示することを要求している。
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(1)
(表62)
流動性カバレッジ比率
2019年10月31日に 2019年7月31日に
終了した3ヶ月間 終了した3ヶ月間
非加重価値 非加重価値
加重価値 加重価値
(2) (2)
(単位:百万カナダドル(%の数値を除く。)) 合計(平均) 合計(平均) 合計(平均) 合計(平均)
適格流動性資産
$ 234,605 $ 224,629
適格流動性資産(HQLA)合計 n.a. n.a.
キャッシュ・アウトフロー
$ 266,868 $ 20,417 $ 258,989 $ 19,680
リテール預金および中小企業預金:
(3)
安定預金 89,565 2,687 88,841 2,665
準安定預金 177,303 17,730 170,148 17,015
無担保ホールセール資金調達: 303,129 137,946 302,672 142,038
オペレーショナル預金(カウンターパー
ティすべて)および信用金庫ネットワー
(4)
クにおける預金 133,484 31,907 130,030 31,079
非オペレーショナル預金 145,888 82,282 148,207 86,524
無担保負債 23,757 23,757 24,435 24,435
担保付ホールセール資金調達 n.a. 33,904 n.a. 33,351
追加的要件: 265,287 72,268 269,355 82,274
デリバティブ・エクスポージャーおよび
その他担保要件に関するアウトフロー 57,869 33,108 66,828 44,430
負債商品による資金調達の損失に関する
アウトフロー 7,761 7,761 6,080 6,080
与信および流動性ファシリティ 199,657 31,399 196,447 31,764
(5)
その他資金調達における契約上の債務 19,108 19,108 20,370 20,370
(6)
その他資金調達における偶発債務 441,413 7,999 431,682 7,842
$ 291,642 $ 305,555
キャッシュ・アウトフロー合計 n.a. n.a.
キャッシュ・インフロー
$ 313,698 $ 52,469 $ 327,511 $ 56,368
担保付貸出(例:リバース・レポ)
完全にパフォーミングであるエクスポー
ジャーによるインフロー 15,692 11,154 14,399 9,909
その他のキャッシュ・インフロー 43,442 43,442 55,667 55,667
$ 107,065 $ 121,944
キャッシュ・インフロー合計 n.a. n.a.
調整後 調整後
価格合計 価格合計
$ 234,605 $ 224,629
HQLA合計
キャッシュ・アウトフロー純額合計 184,577 183,611
流動性カバレッジ比率 127% 122%
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(1) LCRは、OSFIのLARガイドラインに基づいて計算されており、それはBCBSの発行する流動性関連要件を反映するものであ
る。2019年10月31日に終了した四半期におけるLCRは、63日分の日次LCRポジションの平均として計算される。
(2) その他資金調達における偶発債務を除き、非加重インフローおよび非加重アウトフローの合計は、30日以内に満期を迎え
るかまたは償還可能な項目である。その他資金調達における偶発債務には満期残存期間が30日を超える債務証券も含まれ
る。
(3) BCBSが定義するように、リテールおよび中小企業顧客の安定預金とは、付保対象であり、取引口座として保有されている
か当該銀行と顧客間で引出しをあまり行わない関係が確立されている預金である。
(4) リテールおよび中小企業(SME)以外の顧客のオペレーショナル預金とは、顧客がクリアリング、カストディおよびキャッ
シュマネジメント活動を主たる目的として支払・決済システムを利用するためのアクセス権と能力を備えるため、銀行に
預ける必要のある預金である。
(5) その他資金調達における契約上の債務は、主として、未決済証券取引および空売りした有価証券に関連する債務からのア
ウトフローを含む。
(6) その他資金調達における偶発債務は、LCRの低い流出係数(0%から5%)を有するその他オフバランス・シート・ファシ
リティに関連するアウトフローを含む。
n.a. 該当なし。
当グループは、自らのLCRポジションを、当グループの流動性リスク許容度を反映し、事業内訳、資産構成およ
び資産調達能力を考慮した目標範囲内で管理している。当該範囲は、内部要件および外部での発展に係る変化に照
らし、定期的に見直される。
当グループは、信頼できる市場の深さと広さをもって主要通貨におけるHQLAを保持している。当グループはその
資金管理慣行により、LCR目標値を満たすため、HQLAのレベルに対する能動的管理を確実なものとしている。OSFI
のLARおよびBCBSのLCR要件に従って算出された当グループのレベル1資産は、HQLA合計の83%を占めている。かか
る資産は、現金、中央銀行に対する預け金ならびに政府、中央銀行および超国家機関が発行または保証する高格付
証券からなる。
LCR は、深刻なストレス・シナリオのもとで30日以内に予測されるか潜在的に起こりうるオンバランス・シート
およびオフバランス・シート活動からのキャッシュ・フローを把握する。キャッシュ・アウトフローは、顧客タイ
プ(ホールセール、リテール、中小企業)別に区別された要求払預金および定期預金への払戻しおよび不更新申請
に起因する。また、キャッシュ・アウトフローは、レポ資金調達、デリバティブ取引、有価証券の空売り、顧客の
信用および流動性コミットメントの延長といった偶発的資金調達および担保要件を生む事業活動からも生じる。
キャッシュ・インフローは、主として満期の担保付貸出金、銀行間貸出金および非HQLA証券から生じる。
ストレス状況下で利用できると当グループが考えている市場での資金調達能力は、LCRに反映されていない。満
期ホールセール債務はすべて、LCRの計算において100%アウトフローに割り当てられている。
<2019年度第4四半期と2019年度第3四半期との比較>
2019 年10月31日に終了した四半期に係る平均LCRは127%(前四半期は122%)であり、約500億ドルの余剰とな
る。LCRの余剰が前四半期より増加したのは、主として資金調達および事業内訳の変化によるものである。
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<金融資産、金融負債およびオフバランス・シート項目の契約上の満期>
下表は、当グループのすべての資産、負債およびオフバランス・シート項目の契約上の残存期間について、決算
日現在の帳簿価額(償却原価または公正価値等)でまとめたものである。オフバランス・シート項目は、契約満了
日に基づいて振り分けられている。
契約上の満期および資金提供コミットメントの詳細は、流動性リスク管理のための情報源である。これらの詳細
には、他の目的もあるがとりわけ、流動性リスクの測定のため、実質的な満期を用いて貸借対照表の行動モデルを
作成する基礎となる。詳細は、「リスクの測定」の項を参照のこと。
金融資産、金融負債およびオフバランス・シート項目における契約上の満期予定 (表63)
2019 年10月31日現在
1-3 3 - 6 6 - 9 9 - 12 満期日の
(単位:百万カナダドル) 1ヶ月未満 ヶ月 ヶ 月 ヶ 月 ヶ 月 1 - 2年 2 - 5年 5年以上 定めなし 合計
資産
$ 62,095 $ 3 $ - $ - $ - $ - $ - $ - $ 2,557 $ 64,655
現金および預け金
有価証券
(1)
トレーディング 96,229 14 45 10 21 64 97 8,601 41,453 146,534
投資(適用引当金控除後) 3,069 3,960 3,857 2,886 3,511 16,203 24,638 43,907 439 102,470
売戻し条件付購入資産および借入有価証券
担保金 164,870 62,971 41,569 10,985 14,993 133 - - 11,440 306,961
貸出金(適用引当金控除後) 23,097 17,145 25,854 28,796 29,533 120,524 232,364 51,049 90,494 618,856
その他
手形引受見返 12,940 5,119 27 - - - - - (24) 18,062
デリバティブ 5,668 8,635 4,265 3,227 3,547 9,815 18,753 47,649 1 101,560
その他の金融資産 28,296 1,400 1,193 48 61 169 277 1,861 2,164 35,469
$ 396,264 $ 99,247 $ 76,810 $ 45,952 $ 51,666 $ 146,908 $ 276,129 $ 153,067 $ 148,524
金融資産合計 $1,394,567
その他の金融資産以外の資産 2,907 1,475 108 865 109 1,373 1,507 1,696 24,328 34,368
$ 399,171 $ 100,722 $ 76,918 $ 46,817 $ 51,775 $ 148,281 $ 277,636 $ 154,763 $ 172,852
資産合計 $1,428,935
負債および資本
(2)
預金
$ 50,872 $ 36,251 $ 47,307 $ 38,376 $ 42,885 $ 28,886 $ 51,557 $ 20,230 $ 470,027 $ 786,391
無担保借入金
担保付借入金 2,588 4,874 10,679 3,596 2,395 10,351 19,535 5,755 - 59,773
カバード・ボンド - - 4,828 - 5,255 10,818 13,263 5,677 - 39,841
その他
手形引受け 12,944 5,119 27 - - - - - 1 18,091
空売りした有価証券に関連する債務 35,069 - - - - - - - - 35,069
買戻し条件付売却資産および貸付有価証券
に関連する債務 192,855 14,281 13,462 6 - ▶ - - 5,978 226,586
デリバティブ 6,325 7,779 4,519 3,430 3,442 9,155 17,348 46,515 30 98,543
その他の金融負債 29,008 1,066 849 290 443 272 701 8,510 691 41,830
劣後無担保社債 - - - - - - 316 9,499 - 9,815
$ 329,661 $ 69,370 $ 81,671 $ 45,698 $ 54,420 $ 59,486 $ 102,720 $ 96,186 $ 476,727
金融負債合計 $1,315,939
その他の金融負債以外の負債 1,314 5,288 276 154 142 898 903 11,179 9,217 29,371
資本 - - - - - - - - 83,625 83,625
$ 330,975 $ 74,658 $ 81,947 $ 45,852 $ 54,562 $ 60,384 $ 103,623 $ 107,365 $ 569,569
負債および資本合計 $1,428,935
オフバランス・シート項目
$ 427 $ 2,409 $ 2,088 $ 2,829 $ 2,382 $ 986 $ 5,394 $ 45 $ 48 $ 16,608
金融保証
リース・コミットメント 69 137 204 197 198 719 1,619 3,032 - 6,175
信用供与予約 2,996 6,367 8,821 10,655 11,638 41,740 150,267 27,827 3,865 264,176
その他の信用関連のコミットメント 469 934 1,615 1,863 1,365 191 634 10 92,392 99,473
その他のコミットメント 35 - - - - - - - 484 519
$ 3,996 $ 9,847 $ 12,728 $ 15,544 $ 15,583 $ 43,636 $ 157,914 $ 30,914 $ 96,789 $ 386,951
オフバランス・シート項目合計
(1) FVTPLに分類されるトレーディング目的の債務証券は、満期保有の見込みがないため1ヶ月未満の欄に含まれる。
(2) リレーションシップ・ベースの預金の大部分は、契約に基づき、要求に応じてまたは直前の通知によって払い戻すことが
できるが、実際には、これらの顧客残高は、前述「預金および資金調達構造」の項で説明されているように、当グループ
の業務および流動性ニーズに対するコアベースを形成している。
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2018 年10月31日現在
1-3 3 - 6 6 - 9 9 - 12 満期日の
(単位:百万カナダドル) 1ヶ月未満 ヶ月 ヶ 月 ヶ 月 ヶ 月 1 - 2年 2 - 5年 5年以上 定めなし 合計
資産
$ 64,201 $ 2 $ - $ - $ - $ - $ - $ - $ 2,477 $ 66,680
現金および預け金
有価証券
(1)
トレーディング 86,551 20 22 16 1 52 72 6,982 34,542 128,258
投資(適用引当金控除後) 3,529 6,855 1,419 2,593 2,399 12,989 25,061 39,396 367 94,608
売戻し条件付購入資産および借入有価証券
担保金 168,810 66,854 28,828 10,298 11,692 552 - - 7,568 294,602
貸出金(適用引当金控除後) 22,534 14,967 21,079 26,753 25,271 122,687 211,768 44,191 87,568 576,818
その他
手形引受見返 10,774 4,788 94 1 - 5 - - (21) 15,641
デリバティブ 6,070 10,179 4,930 4,032 3,030 11,130 18,067 36,581 20 94,039
その他の金融資産 25,670 873 938 78 157 112 231 1,758 2,120 31,937
$ 388,139 $ 104,538 $ 57,310 $ 43,771 $ 42,550 $ 147,527 $ 255,199 $ 128,908 $ 134,641
金融資産合計 $1,302,583
その他の金融資産以外の資産 1,809 1,268 590 364 559 971 1,352 1,125 24,113 32,151
$ 389,948 $ 105,806 $ 57,900 $ 44,135 $ 43,109 $ 148,498 $ 256,551 $ 130,033 $ 158,754
資産合計 $1,334,734
負債および資本
(2)(3)
預金
$ 46,793 $ 33,849 $ 47,209 $ 30,511 $ 36,116 $ 34,641 $ 50,792 $ 14,844 $ 440,246 $ 735,001
無担保借入金
担保付借入金 2,340 6,571 9,321 5,433 4,232 7,135 23,388 5,902 - 64,322
カバード・ボンド - - 2,579 1,499 2,982 10,022 16,360 3,432 - 36,874
その他
手形引受け 10,775 4,787 94 1 - 5 - - - 15,662
空売りした有価証券に関連する債務 32,247 - - - - - - - - 32,247
買戻し条件付売却資産および貸付有価証券
に関連する債務 146,205 44,248 9,030 91 - - - - 7,240 206,814
デリバティブ 5,998 8,585 4,650 4,176 3,311 9,808 17,205 36,496 9 90,238
(3)
その他の金融負債 27,414 1,003 582 233 414 154 522 7,633 733 38,688
劣後無担保社債 - - - - 103 - 318 8,710 - 9,131
$ 271,772 $ 99,043 $ 73,465 $ 41,944 $ 47,158 $ 61,765 $ 108,585 $ 77,017 $ 448,228
金融負債合計 $1,228,977
その他の金融負債以外の負債 992 5,095 346 183 157 765 868 9,449 7,947 25,802
資本 - - - - - - - - 79,955 79,955
$ 272,764 $ 104,138 $ 73,811 $ 42,127 $ 47,315 $ 62,530 $ 109,453 $ 86,466 $ 536,130
負債および資本合計 $1,334,734
オフバランス・シート項目
$ 532 $ 2,026 $ 1,647 $ 2,696 $ 1,337 $ 1,910 $ 4,179 $ 1,125 $ 50 $ 15,502
金融保証
リース・コミットメント 66 131 194 199 194 695 1,517 2,814 - 5,810
信用供与予約 4,122 3,417 8,736 9,667 11,406 33,030 168,071 23,899 269 262,617
その他の信用関連のコミットメント 577 795 1,586 1,498 1,324 478 680 148 107,499 114,585
その他のコミットメント 141 - - - - - - - 556 697
$ 5,438 $ 6,369 $ 12,163 $ 14,060 $ 14,261 $ 36,113 $ 174,447 $ 27,986 $ 108,374 $ 399,211
オフバランス・シート項目合計
(1) FVTPLに分類されるトレーディング目的の債務証券は、満期保有の見込みがないため1ヶ月未満の欄に含まれる。
(2) リレーションシップ・ベースの預金の大部分は、契約に基づき、要求に応じてまたは直前の通知によって払い戻すことが
できるが、実際には、これらの顧客残高は、前述「預金および資金調達構造」の項で説明されているように、当グループ
の業務および流動性ニーズに対するコアベースを形成している。
(3) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前は預金として計上されていた未払利息は、
その他の金融負債として表示される。数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
<金融負債およびオフバランス・シート項目の契約上の満期-割引前ベース>
下表は、当グループの金融負債およびオフバランス・シート項目について、契約上の残存期間を分析したもので
ある。下表において開示されている金額は、すべての金融負債の契約上の割引前キャッシュ・フロー(額面価額ま
たは満期時に支払うべき金額等)である。下表は満期時における支払に関するキャッシュ・フローのみを表示して
いるため、これらの金額は、連結貸借対照表上の金額と直接は対応せず、当該商品の決算日現在の帳簿価額に反映
されたプレミアム、割引または時価評価調整も認識していない。金融負債は、支払義務が発生する最も早い期間で
表示されている。オフバランス・シート項目については、金融保証および信用供与予約に基づき支払義務が発生す
る可能性のある割引前キャッシュ・フローは、請求される可能性のある最も早い期間で分類されている。
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*
(表64)
金融負債およびオフバランス・シート項目(割引前ベース)における契約上の満期予定
2019年10月31日現在
(単位:百万カナダドル) 要求払 1年以内 1-2年 2-5年 5年以上 合計
金融負債
(1)
$ 406,042 $ 315,398 $ 50,218 $ 83,651 $ 30,560 $ 885,869
預金
その他
手形引受け - 18,091 - - - 18,091
空売りした有価証券に関連する債務 - 35,125 - - - 35,125
買戻し条件付売却資産および
貸付有価証券に関連する債務 5,977 220,592 ▶ - - 226,573
その他の負債 617 31,794 190 640 8,512 41,753
劣後無担保社債 - - - 316 9,499 9,815
412,636 621,000 50,412 84,607 48,571 1,217,226
オフバランス・シート項目
(2)
$ 16,608 $ - $ - $ - $ - $ 16,608
金融保証
リース・コミットメント - 805 719 1,619 3,032 6,175
(2)
信用供与予約 226,021 38,148 6 1 - 264,176
242,629 38,953 725 1,620 3,032 286,959
金融負債およびオフバランス・シート
$ 655,265 $ 659,953 $ 51,137 $ 86,227 $ 51,603
項目合計 $1,504,185
2018年10月31日現在
(単位:百万カナダドル) 要求払 1年以内 1-2年 2-5年 5年以上 合計
金融負債
(1)(3)
$ 382,847 $ 287,928 $ 52,108 $ 91,154 $ 24,240 $ 838,277
預金
その他
手形引受け - 15,657 5 - - 15,662
空売りした有価証券に関連する債務 - 32,222 - - - 32,222
買戻し条件付売却資産および
貸付有価証券に関連する債務 7,240 199,574 - - - 206,814
(3)
その他の負債 1,753 28,568 98 383 7,700 38,502
劣後無担保社債 - 103 - 318 8,710 9,131
391,840 564,052 52,211 91,855 40,650 1,140,608
オフバランス・シート項目
(2)
$ 15,502 $ - $ - $ - $ - $ 15,502
金融保証
リース・コミットメント - 784 695 1,517 2,814 5,810
(2)
信用供与予約 224,058 38,528 2 29 - 262,617
239,560 39,312 697 1,546 2,814 283,929
金融負債およびオフバランス・シート
$ 631,400 $ 603,364 $ 52,908 $ 93,401 $ 43,464
項目合計 $1,424,537
* 上表は下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表の不可欠な一部分を表している。
(1) リレーションシップ・ベースの預金の大部分は、要求に応じてまたは契約に基づく直前の通知によって払い戻されるが、
実際には、かかる顧客残高が当グループの業務および流動性ニーズに対するコアベースを形成しており、前述「預金およ
び資金調達構造」の項で説明されている。
(2) 当グループは、保証のすべてまたはほとんどすべてが1年以内に履行または決済される可能性はきわめて低く、契約は履
行または決済されずに失効する可能性があると考えている。潜在的な資金の拡大に関連する流動性リスクの管理は、「流
動性リスクおよび資金調達リスク」の「リスクの測定」の項において概説されている。
(3) 2019年度第4四半期以降、FVTPLに計上される一部の預金の評価額のうち、従前は預金として計上されていた未払利息は、
その他の負債として表示される。数値は、かかる表示に合わせて再分類されている。
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保険リスク
保険リスクとは、保険契約および再保険契約に基づく給付金支払および/または保険料支払の金額、時期およ
び/または頻度が予想と異なった場合に発生する可能性のある、潜在的な財務損失である。保険リスクは、リスク
管理体系のその他の部分の対象であり、リスクの移転に付帯または付随するリスク(信用リスク、市場リスクおよ
びオペレーショナル・リスク等)とは異なる。保険の4つのサブリスクは、罹患リスク、死亡リスク、長寿リスク
および旅行リスクである。
当グループの保険リスク体系は、グループの保険リスクの特定、評価、管理、軽減および報告のためのプロセス
およびツールの概要を示すものである。これらは、3つの防衛線という強固なガバナンス構造によっても支えられ
ている。
オペレーショナル・リスク・ドライバー/規制コンプライアンス・リスク・ドライバー
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、人材、内部のプロセスおよびシステムの不適切さもしくは失敗または外部的事
象によって、損失または損害が発生するリスクである。オペレーショナル・リスクは、当グループおよび第三者の
すべての活動に伴い、オペレーショナル・リスクを管理できなければ、直接もしくは間接的な財務損失、評判に対
する影響または規制当局による非難につながる可能性がある。
当グループのオペレーショナル・リスクの管理は、3つの防衛線ガバナンス・モデルに準じている。このモデル
は、グループ規模の協調アプローチにおける組織の役割および責任を網羅するものである。詳細は、「リスク管
理」の「グループ・リスク管理」の項を参照のこと。
<オペレーショナル・リスク体系>
当グループは、オペレーショナル・リスクの特定、評価、監視、測定、報告および情報交換のプロセスを提示す
るグループ・オペレーショナル・リスク体系を有している。このプロセスは、以下を通じて確立されている。
・リスク事象データの収集および分析を含むリスクの特定ツールおよび評価ツールは、リスク・オーナーがオペ
レーショナル・リスク・エクスポージャーを理解し、これを積極的に管理する助けとなる。リスク評価によっ
て、リスク・エクスポージャーとそれらを管理する努力とが確実に一致する。経営陣は、これらのツールの結果
を利用して、十分な情報に基づくリスク判断を行う。
・リスク監視ツールは、経営陣に、オペレーショナル・リスク特性の変化を警告する。リスク監視ツールは、上申
および監視基準と組み合わせることで、リスク傾向を特定し、リスク・レベルが所定の制限に近づいたことまた
はこれを超過したことを経営陣に警告し、かつ、取るべき措置および軽減計画を促すことができる。
・リスク資本測定は、潜在的なリスク・エクスポージャーを確実に見積もり、リスクの脆弱性を表面化させ、戦略
および資本計画の決定を知らせる。このことで、究極的には、当行が通常時およびストレス状況下のいずれもオ
ペレーショナル・リスクによる損失に耐えるだけの十分な強靱性を有することが確実となる。
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・リスク報告および情報交換プロセスにより、経営陣が該当するオペレーショナル・リスクの情報を適時に入手
し、リスクの情報を踏まえた経営判断の一助とすることが可能となる。
オペレーショナル・リスク・プログラムからの結論は、銀行のいずれで発生する可能性があるかに関わらず、当
グループに実際に起こった、修正または実行すべき統制に基づいた学習を可能とする。これらの結論は、当グルー
プのオペレーショナル・リスク選好を明確にし、それにより当グループのオペレーショナル・リスク特性を決定す
る、オペレーショナル・リスク・エクスポージャーの全体的なレベルを把握するために用いられる。かかる特性に
は、重大なオペレーショナル・リスク・エクスポージャー、潜在的な新規および新興のエクスポージャーおよび傾
向ならびに制御環境およびリスクの見通しに関する総合的な結論が含まれる。当グループは、オペレーショナル・
リスクによる将来の潜在的影響を緩和および軽減するため、企業の保険機会を積極的に見極め、調査している。
当グループは、潜在的損失の引受けとその軽減費用の負担との両立をするため、オペレーショナル・リスク選好
という形で当グループの潜在的リスクおよびリターンの判断を行う。オペレーショナル・リスク選好は、取締役会
レベルで決定され、各事業セグメントに伝えられる。
オペレーショナル・リスクおよびリスク・エクスポージャーの透明性の積極的管理をサポートするため、各レベ
ルで管理報告が行われている。上級管理職に対するこれらの報告は定期的に行われ、各事業セグメントおよび当行
全体のリスク状況および傾向の主たる要因について詳しい情報を提供する。また、事業戦略またはオペレーショナ
ル・リスク選好に合わないオペレーショナル・リスク特性の変化をGRCおよび取締役会のリスク委員会において特
定し、検討する。
事業を行うことで当グループは多くの異なるオペレーショナル・リスクにさらされ、事業や財務業績に悪影響が
生じる可能性がある。その他の要因も当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があるため、以下のリストは網羅
的でない。
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<オペレーショナル・リスク資本>
当グループは、OSFIにより、標準的手法(TSA)の最低水準の適用を条件に、オペレーショナル・リスク資本の
測定に先進的計測手法(AMA)を使用することが承認された。現在、TSAは、予め定められた業界の標準的な事業活
動による3年間の平均総収益に対するOSFI所定の割合に基づき、オペレーショナル・リスク資本を算定する。AMA
は、当グループ内部のオペレーショナル・リスク測定システム(内部の損失実績、外部の損失実績、シナリオ分析
および事業環境内部統制ファクターを含む。)を用いて決定される。RBCバンク(ジョージア)、RBCカリビアンお
よびシティ・ナショナルは、今後もTSAを利用する。RBCインシュアランス(保険回収額を含む。)は、オペレー
ショナル・リスク資本の計算の対象外である。AMAモデルでは、保険等のリスク移転メカニズムを通じた軽減を考
慮していない。
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2020 年度第1四半期以降、OSFIは、銀行に対してオペレーショナル・リスク資本の計算にAMAの使用が今後認め
られず、TSAのみを使用することを要求することとなる。かかる変更は、バーゼルⅢ改革の最終化に合わせて、オ
ペレーショナル・リスク資本の測定に新たな標準的手法(SA)を実践するまで有効となる。SA手法は、財務諸表に
基づくオペレーショナル・リスクの代替であるビジネス指標要素(BIC)ならびに内部の平均損失実績およびBICに
基づく倍率である内部損失係数を基本としている。SAが実践されれば、TSAに取って代わることになる。
<オペレーショナル・リスクの損失発生事由>
2019 年度中、重大なオペレーショナル・リスクの損失発生事由はなかった。訴訟を含む不測の事態についての詳
細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記25および注記26を参照のこと。
規制コンプライアンス・リスク
規制コンプライアンス・リスクとは、当グループが業務を行う法域において、法律、規則、規制および実務規定
を遵守できないリスクである。当行のような大規模かつ複雑な金融機関にとって、法律および規制の遵守に関する
問題は様々な分野で起こりうるものであり、内部プロセス、人材またはシステムが不適切であった、または機能し
なかった結果であることが多い。
顧客、投資家および公共の経済的利益およびその他の利益を保護するために、様々な法規制が定められている。
大規模な世界的金融機関として、当グループは、カナダ、米国、ヨーロッパおよび当グループが業務を行うその他
の法域において、無数の法律ならびに政府機関、監督当局および自主規制団体による、広範囲にわたる、変わりゆ
く規制の適用を受けている。かかる規制は近年、ますます広範かつ複雑になっている。さらに、規制の施行は強化
されている。他の世界的金融機関に関する最近の判決では、多額の罰金支払、将来の事業運営に関する合意、関係
者に関する法的措置および刑事告発における有罪答弁等が決定されている。
このようにますます複雑化する規制環境および厳しい規制の施行状況において業務を行うことで、当グループ
は、様々な法域における各種政府規制機関および法執行機関による民事請求および訴訟、刑事告訴、行政検査、調
査、監査ならびに情報請求等、様々な法的手続の対象となっており、現在行っている事業活動も、将来同様の事態
を引き起こすことが予想される。税法を含む法律、規則または規制方針が改正され、その解釈、施行または執行方
法が変更されると、例えば当グループが業務を行う事業への新規参入が容易になり、当グループのコンプライアン
ス費用が増大し、または当グループの活動および戦略的計画の実行能力が制限される等、当グループに悪影響が生
じるおそれがある。さらに、当グループが、法律、規則または規制方針を常に遵守している、または遵守している
とみなされるという保証はない。したがって、当グループが司法当局または規制当局の判決または決定を受け、当
グループの評判を傷つけ、当グループの収益および事業の一部を実施する能力に悪影響を及ぼすような罰金、損
害、違約金およびその他の損失または差止命令、有罪判決もしくは免許もしくは登録の取消しを受ける可能性があ
る。さらに、通常の業務の過程において発生する訴訟のリスクもあり、訴訟について不利な決定がなされた場合、
当グループの業績は重大な悪影響を受け、または評判が大きく傷つき、結果として将来の事業展望に影響を与える
おそれがある。
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当グループの規制コンプライアンス管理体系は、当グループが業務を行う法域における現行および改正法ならび
に規則の遵守または適用に失敗した場合、これに関連する規制コンプライアンス・リスクを管理および軽減する方
法をまとめている。
規制コンプライアンス・リスクには、金融犯罪(マネー・ロンダリング、贈収賄および制裁等が挙げられるがそ
れだけに限られるものではない)、プライバシー、市場行動、消費者保護、業務遂行、健全性要件およびその他の
一般的な非金融要件に関連する規制リスクを含む。規制コンプライアンス・リスクを管理するために、具体的なコ
ンプライアンス政策、手続およびサポート体系が策定されている。
戦略リスク要因
戦略リスク
戦略リスクとは、グループまたは特定の事業分野が、不適切な戦略的選択を行うリスクまたは主要な戦略もしく
は予測した利益を達成できないリスクである。事業戦略は、当グループのリスク選好の主たる要因であるため、事
業構成に関して行う戦略的選択によってリスク特性も変化する。
事業戦略の選択および達成の責任は、各事業セグメントの個々の責任者にある。戦略リスクの監視は、事業セグ
メントの責任者、事業運営委員会、グループ戦略グループ、GEおよび取締役会が行う。グループ戦略オフィスは、
グループ戦略計画方針に明記されたグループ戦略計画方針に従って戦略リスクの管理を行い、事業、財務、資本お
よびリスク計画全体を通して整合性を確保する。
毎年行われる事業ポートフォリオの見直しおよびプロジェクトの承認要求に係るプロセスは、新たなイニシアチ
ブ、事業ラインおよびグループ全体に関する戦略が当グループのリスク選好およびリスク状況と整合するよう確保
することで戦略リスクの特定および軽減に寄与している。GRMは、かかるプロセスについて独自の検討を行い、グ
ループのリスク体系を策定し、3つの防衛線ガバナンス・モデルに基づくリスク選好指標に照らして設定されたリ
スク水準を独自に監視および報告することで戦略リスクを監視している。
事業セグメントの主要な戦略的優先事項についての詳細は、「事業セグメント業績」の項を参照のこと。
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評判リスク
評判リスクとは、ⅰ)当行、当行の代表者、第三者サービス・プロバイダーもしくは顧客の行為、またはⅱ)グ
ローバルもしくは業界の問題に対する世論により、ステークホルダーによる当行の認識にマイナスの影響が生じる
リスクである。当グループの評判はステークホルダーの認識に根差しており、ステークホルダーが当グループに寄
せる信頼および愛着は、当グループの金融サービス機関としての目的の中核である。強固で信頼に足る評判があれ
ば、通常、当グループの市場における地位が強化され、資本コストが減少し、株主の利益が増加し、弾力性が増
し、一流の人材を誘致および保持する助けとなる。反対に、評判が損なわれると、株価および時価総額が下落し、
資本コストが増加し、戦略的柔軟性が失われ、市場への参入もしくは拡大ができなくなり、顧客の愛着および事業
が失われ、または規制当局に罰金および違約金を科されるおそれがある。評判リスクの源は様々である。当グルー
プの評判に対するリスクは、信用リスク、規制リスク、法律リスクおよびオペレーショナル・リスクに関連して発
生しうる。また、効果的な統制環境を維持できない場合、良好な行動を示せない場合または強固なリスク文化慣行
を有しない場合にも、評判リスクが発生する可能性がある。
評判リスクの管理は、当グループの組織文化およびグループ全体のリスク管理アプローチの不可欠な一部であ
り、従業員および取締役会の優先事項である。取締役会の承認を受けた評判リスク管理体系は、評判リスクの特
定、評価、管理、監視および報告アプローチの概要を示すものである。この体系は、評判リスクを管理するための
ガバナンス権限、役割および責任ならびに統制およびメカニズム(誠実な文化、行動規範の遵守およびリスク選好
内での業務遂行等)をまとめたものである。
当グループの評判リスクのガバナンスは、大局的であることを目指しており、グループ全体の評判に関する潜在
的な問題について総合的な見解を示すものである。このようなガバナンス構造により、評判リスクの帰属および説
明責任はグループ全体で理解され、評判リスクに関する能動的および受動的両方の決定が上級執行委員会に上申さ
れて検討および評価され、評判リスクの報告は包括的かつ総合的なものとなる。
法的リスクおよび規制環境リスク
法的リスクおよび規制環境リスクとは、新たな法令や改正後の法令および当該法令の解釈または適用がカナダの
国内および当グループが業務を運営する他の法域における当グループの業務のあり方に悪影響を与えるリスクであ
る。このような変化が当グループの事業に与える影響の全容は、最終的なルールが施行され、これに対応する市場
慣行が出来上がってからでないと、把握できない。当グループはこのような変化またはその他の変化に引き続き対
応し、業務上または経済的なマイナスの影響の可能性を最小限にとどめるよう努めている。下記は、当グループの
費用を増加させ、収益性に影響を与え、事業の複雑性を増大させるおそれがある重要な規制の変更の概要である。
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< 世界的な不安定要素>
貿易政策は、世界経済の見通しにとって依然としてリスクである。地政学的な不安が継続したこと、世界貿易活
動が予測より低迷したことおよびインフレの緩和により、国際通貨基金は2019年中、2019年および2020年の世界成
長予測を引き下げた。カナダ、米国およびメキシコは北米自由貿易協定の再交渉に成功したものの、新たな米国・
メキシコ・カナダ協定(CUSMA)が2019暦年末までに批准されるか否かは未定である。カナダ経済は、カナダと米
国・中国両国との貿易関係を考慮すると、持続する貿易緊張の影響を受けやすい。中国および米国は引き続き貿易
協定の交渉中であるため、両国間の緊張は依然として高い。ブレグジット交渉について、EUは、英国がEUからの離
脱条件を決定する期限を2020年1月31日まで延長することを認めたが、その成果は依然不確定である。
< 消費者保護>
カナダ連邦政府は、消費者保護および銀行における販売慣行に関する問題に関心を寄せている。政府が提出した
銀行に適用される消費者保護規定の法律改正案は2018年12月13日付で承認されたが、変更の一部は未だ施行されて
おらず、政府は新規定を支える規制枠組みの策定を始めたばかりである。
< プライバシー>
2019 年5月、カナダ政府は、データの個別管理の強化ならびに規制の執行および監督の強化を含むプライバシー
法改正案とともに、データの使用およびガバナンスの原則を定めたデジタル憲章を発表した。また、2019年6月に
は連邦議会上院の銀行・貿易・通商常任委員会が、オープンバンキングの速やかな進展のために早急な法改正を求
める報告書を発表した。時期は未定であるが、カナダおよび世界の事業プロセスならびにプライバシー・リスクの
管理実務に影響を与える可能性のある重要な改正が行われる見込みである。
カナダ国外では、プライバシーの侵害に対して前例のない罰金が科されたり和解金が成立したりしており、規制
の警戒および執行が強化されていることを示している。2020年1月1日付で効力を発生するCCPAは、現在、米国で
最も包括的なプライバシー州法であり、カリフォルニア州で営業活動を行う、またはカリフォルニア州居住者の個
人情報を収集する企業を対象とした、プライバシーに関する様々な新規および拡大要件および義務を含む。米国事
業については米国地域プライバシー責任者が業務を調整し、CCPAおよび将来のプライバシー州法の履行状況の監視
ならびにプライバシー問題の監督については、米国情報ガバナンスおよびプライバシー委員会が設置された。EUに
おいて一般データ保護規則が施行されて以降は、法律および規制の動きを注視している。カナダ・プライバシー委
員会(OPC)は、事業を監査し、プライバシー法を遵守しない企業に罰金を科する能力を含め、より現代的な法律
の必要性を訴え続けている。これらの動きは、個人情報の使用および保護に対する規制の介入を強化する現在の傾
向を表しており、当グループは当グループの様々な事業に対する潜在的な影響を検討中である。当グループのグ
ローバル・プライバシー・プログラムは、世界で進展しつつあるこれらの原則を当グループが満たしていることを
確認する責任を負う。
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<カナダのマネー・ロンダリング防止(AML)規制>
2019 年7月、カナダの犯罪収益(マネー・ロンダリング)およびテロ資金供与法の改正案が公表され、2021年6
月までに施行される。これらの改正案は、カナダにおけるマネー・ロンダリングおよびテロリストの資金調達活動
の防止制度の効果を拡大し、国際基準の遵守状況を改善することを目指すものである。監督および規制監視の強化
について定めた新法令に基づき、主としてさらなる顧客データを入手する必要性から、当グループの顧客対応、取
引および支払プロセスならびに記録管理システムを大幅に変更することが求められると予測される。
< カナダの住宅市場および消費者の負債>
カナダ政府および複数の州政府は、カナダ国民の世帯の負債の水準および持続可能性に関する懸念に対処するた
めの措置を導入している。この分野のリスクは厳密に監視されており、市況および関心の高まりに応じてさらなる
規制の対応が行われる可能性がある。
<指標金利改革 >
ロンドン銀行間取引金利( LIBOR )は、デリバティブ、債券、融資およびその他の変動利付債について、世界で
最も広く参照されている指標金利である。しかしながら、市場の金利をLIBORおよびその他の指標金利からリスク
がないまたはほぼないに近い実際のオーバーナイト取引に基づく代替金利に転換するよう、規制当局主導の動きが
ある。しかしながら、一部の規制当局および市場参加者は、別の選択肢についても検討を続けている。米国および
英国以外にも、世界の規制当局およびBoCを含む中央銀行は市場に対し、2021年末の特定の指標金利の廃止に備え
る必要があると警告した。期間が2021年以降に及び、かつ特定の指標金利を参照金利とするデリバティブ、変動利
付債およびその他の金融契約は、影響を受ける。詳細は、「重要な会計方針および見積もり」の項を参照のこと。
<カナダの金融サービスに影響を及ぼすその他の規制イニシアチブ>
複数のイニシアチブが進行中または検討中である。連邦政府に関しては、これには、カナダにおけるオープンバ
ンキングの利点についての協議プロセス、デジタル/データ重視の経済についての協議および預金保険審査の詳細
についての協議等が含まれる。各州に関しては、カナダ証券管理局が、OTCデリバティブ商品(この分野における
銀行業務を含む。)に関する登録および業務遂行ルールについて協議プロセスに関与している。
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<米国の税制改革>
2017 年12月に可決された米国減税・雇用法案(米国税制改革)の規定の大部分は、2018暦年初めまたは2018年に
開始する会計年度に発効した。しかしながら、この新法の特定の側面についての明確化規定は、引き続き発表され
ている。2018年12月、米国財務省は、同法のいくつかの国際税規定について明確化する規定案を発表した。2019年
12月、米国財務省は、税源浸食濫用防止税(BEAT)の計算ルールの多くについて明確化する最終規定および追加規
定案を発表した。当グループは現在これらの規定による影響を検討中であり、またその他の国際税規定についての
さらなるガイダンスの発表を待っているところである。
<米国の規制イニシアチブ>
政策立案者は、米国の様々な金融規制の改革を引き続き評価および実施しており、米国の規制要件が強化または
軽減され、それに伴ってコンプライアンス費用が変動する可能性がある。例えば、SECは、リテール顧客に投資の
提案を行うブローカーディーラーについて新たな行動基準を定めたレギュレーション・ベスト・インタレストを成
立させた。ブローカーディーラーは、2020年6月以降に遵守が義務付けられる。また、2019年8月以降、ボル
カー・ルールの実施責任を負う金融規制機関は、自己勘定取引およびコンプライアンス・プログラムに関する要件
を修正する改正案を承認しており、当グループの関連コンプライアンス費用は減少する見込みである。2019年10
月、Fedおよび連邦預金保険公社(FDIC)は、銀行持株会社、付保預金取扱金融機関ならびに外国銀行およびその
中間持株会社を対象とした破綻処理計画に関するルールを最終決定した。同じく2019年10月、Fed、FDICおよび通
貨監督庁(OCC)は、米国内で営業活動を行う外国の金融機関について、健全性基準の強化、規制資本および流動
性要件に関するルールを最終決定した。当グループは、今後の動きおよび結果的に当グループに生じる影響につい
て、引き続き監視していく。
<英国およびヨーロッパの規制改革>
ブレグジットによる影響に加えて、その他予定されている規制イニシアチブには、以下が含まれる。
・2020年度第2暦四半期に実施される予定の証券金融取引の取引報告(従前の2019年度第1暦四半期の実施日から
延期された。)
・証券取引の決済における規律強化を目的とし、2020年9月に実施される予定のEU証券集中保管機関規則のルール
規制資本および関連要件についての詳細は、 「資本管理」および「資本、流動性およびその他の規制の変更」の
各項を参照のこと。
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競争リスク
競争リスクは、任意の市場において持続可能な競争優位性を確立または維持できないリスクであり、競合他社が
優れた商品およびサービスを提供することで市場シェアを失う可能性を含む。競争リスクは、金融部門の内外で、
国内または世界の従来のまたは新しい競争相手から発生しうる。 当グループが事業を行う市場における金融サービ
ス会社間の顧客獲得は、熾烈な競争である。顧客のロイヤルティおよび保持率は、当グループの競争相手によって
使用される新たな技術または提供されるサービス、相対的なサービスのレベルおよび価格、商品およびサービスの
特性、当グループの評判、競争相手の行動ならびに競争法および独占禁止法の遵守といった数々の要因の影響を受
ける。保険会社および非金融会社ならびに新技術アプリケーション等、その他の会社で、従来銀行が提供していた
サービスを提供する会社が増えている。かかる競争によって、当グループの収益が減少し、当グループの業績が悪
影響を受ける可能性がある。
当グループは、全体的なリスク管理プロセスの一環として競争リスクを特定し、評価している。当グループの商
品およびサービスは、既存の競合会社および潜在的な競合会社に照らして定期的に評価される。また、当グループ
は、当グループの商品、サービス、合併および買収に関するリスク・レビューを定期的に行うほか、競争法および
反トラスト法の遵守を確保している。年1回の戦略設定プロセスも、競争リスクの管理にあたり不可欠な役割を
担っている。
マクロ経済リスク要因
システミック・リスク
システミック・リスクは、金融システム全体またはその主要部分(個別の国、地域または世界の別を問わな
い。)が破綻しまたは重大な打撃を受ける現実の危険が迫っており、経済に対しても甚大な被害をもたらす可能性
があるリスクであり、かつ、結果として当グループの財務リスク、評判リスク、法的リスクまたはその他のリスク
を伴うものをいう。
当グループの利益は、事業を行う地域における事業および経済の全般的状況によって影響を受ける。これらの条
件は、個人貯蓄および消費性向ならびに個人借入および返済の傾向、企業投資、政府支出、為替、ソブリン債リス
ク、活動の水準および資本市場の不安定性、経済の強さならびにインフレを含む。例えば、長期間の景気停滞に
よって、失業率の上昇、世帯所得、企業収益、事業投資および個人消費の減少が生じ、これらによって、当グルー
プの貸出金およびその他の商品に対する需要も減退する可能性があり、当グループの信用損失引当金繰入額が増加
するおそれがある。カナダにおける業務の重要性を考慮すると、カナダまたは米国の景気後退によって、住宅担保
ローンおよびクレジットカードを含むカナディアン銀行業務の個人向けおよび企業向け貸出業務は打撃を受け、業
績にも重大な影響があると考えられる。米国の経済は、貿易協定の交渉が続いている中国との貿易の緊張により、
影響を受けやすい。カナダの経済は、米国との、および中国との貿易の緊張ならびに米国と中国との間の貿易の緊
張により、両国とのカナダの貿易関係を考慮すると、影響を受けやすい。
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また、当グループの利益は、金利の変動の影響も受けやすい。バンク・オブ・カナダは、2019年においてその政
策金利を変更しなかったが、市場金利は、世界の中央銀行による緩和を部分的な起因として、おおむね低下した。
カナダや米国においておよび世界的に低金利環境が続く場合、当グループの多くの業務にわたるスプレッド収縮に
よって、受取利息純額はマイナスの影響を受ける可能性があるが、金利が上がれば、当グループの業務にはプラス
となる。しかしながら、金利が大幅に上がった場合は、消費者の家計にマイナスの影響を与えるおそれがある。そ
うなると、信用が悪化し、財務業績、特にパーソナル&コマーシャル・バンキングおよびウェルス・マネジメント
のいくつかの業務等にマイナスの影響を与える可能性がある。
世界の資本市場の悪化は、キャピタル・マーケッツに影響を与えるボラティリティをもたらす可能性がある一
方、ウェルス・マネジメントにおいては、投資家の信頼が弱まり市況が軟化した場合、手数料ベースの平均顧客資
産および取引高が減少する可能性がある。さらに、金融および信用市場の情勢悪化によって、有利な条件で資本市
場にアクセスできなくなり、流動性にマイナスの影響が生じ、結果としてキャピタル・マーケッツおよびインベス
ター&トレジャリー・サービスの調達費用が増加し、取引高が減少する可能性がある。
システミック・リスクは、当グループがさらされているリスクのうち、最も制御しにくいリスクとみなされてい
る。主要な業界関係者と、状況に応じて公共部門との、これらのリスクの頻度および影響を低下させる協調メカニ
ズムを通じて行う以外、当グループが事業活動を引き受ける際にこのリスクを軽減できる方法は限定的である。シ
ステミック・リスクの影響を軽減する際に最も重要な2つの手段は、分散化およびストレス・テストである。
当グループが事業モデル、ポートフォリオ、商品、業務および資金調達源を分散しているおかげで、システミッ
ク・リスクからの潜在的影響はある程度軽減されている。また当グループでは、ポートフォリオが十分に分散さ
れ、集中リスクが減少し、また、当グループのリスク選好内に収まるよう、リスク制限を設定することによって
も、システミック・リスクを軽減している。
ストレス・テストでは、多くのリスク要因の動きを同時に検討する。これは、困難な経済状況下における信用リ
スク、市場リスク、流動性リスクおよびオペレーショナル・リスクの当グループに対する潜在的影響を測定するこ
とで、当グループの事業戦略および資本計画が堅牢であることを確認するために用いられるものである。グループ
規模のストレス・テスト・プログラムは、起こりうる経済および金融市場を除く例外事由を考慮した、リスク要因
における一連の特定の変化の潜在的な影響を評価する。これらのストレス・シナリオは、グループ全体で評価さ
れ、その結果は統合され、当グループの財務業績および自己資本比率への影響についてのグループ全体の見解が形
成される。ストレス・テストの詳細は、「リスク管理」の「グループ・リスク管理」の項を参照のこと。
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資本管理
当グループでは、株主に対して多額の利益を還元しつつも高い自己資本比率および格付を維持するために、積極
的な資本管理を行っている。当グループは、規制当局の要求のほか、信用格付機関、預金者および株主の予想なら
びに当グループの事業計画、ストレス・テスト、同業者との比較および当グループの自己資本比率の内部目標につ
いて検討している。当グループの目標は、資本の活用方法および構成を最適化し、事業セグメントおよび顧客をサ
ポートすることである。また、当グループは、預金者および債権者を保護しつつ、株主に対してより多額の利益を
生み出すことも企図している。
<資本管理体系>
当グループの資本管理体系は、統合的でかつ一貫性のある方法により、あらゆる形態の資本を規定、測定、調達
および投資するための方針およびプロセスを定めている。これは、資本要件ならびに取引、配当、ソロ・キャピタ
ルならびにRWAおよびレバレッジ比率エクスポージャーの管理に関する指針、役割および責任を含む、資本管理の
当グループの全体的なアプローチを規定している。規制資本およびソロ・キャピタルを含むいくつかの観点から、
資本の管理および監督を行っている。
当グループの資本計画プロセスはダイナミックであり、ファイナンス、コーポレート・トレジャリー、GRMおよ
びエコノミクス等、様々なチームおよび当グループの事業が関与しており、自己資本比率目標、資本取引の可能性
ならびに予想配当性向および株式買戻しを網羅している。このプロセスは、事業活動計画、グループ規模のストレ
ス・テストおよび自己資本充実度に関する内部評価プロセス(ICAAP)、規制資本の変更および要件および会計方
針の変更、自己資本規制、格付機関の測定基準ならびにソロ・キャピタルを考慮している。
資本計画は毎年策定され、事業戦略、市場および経済情勢の予測ならびに競合グループの位置付けを踏まえた資
産および利益の成長予測を含む、年間事業計画における経営陣の措置との間で調整がなされる。これには、予想留
保利益、事業予測、自己資本規制に影響を与えるおそれのある会計および規制の変更等、市況その他の動きに基づ
く、資本取引の可能性も組み込まれている。資本計画のすべての要素は、1年を通じて監視され、適宜修正され
る。
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グループ規模のストレス・テストおよび毎年行われるICAAPプロセスにより、自己資本比率目標の設定等、資本
計画にとって重要な情報が提供される。ストレス・シナリオはグループ全体で評価され、その結果から財務的影響
や資本要件に関するグループ全体の見解をまとめ、不利な状況を吸収するための行動を軽減する計画の助けとす
る。ICAAPは、資本充実度およびすべての重要なリスクを網羅する必要性を評価し、起こりうる不測の事態を和ら
げるものとなる。OSFIのガイドラインに従い、ICAAPプロセスの主要な要素には、包括的なリスク評価、ストレ
ス・テスト、資本評価および計画、取締役会および上級管理職による監督、監視および報告ならびに内部統制審査
が含まれる。
当グループの自己資本比率目標は、OSFIのバーゼルⅢ規制目標を超える健全な資本基盤を維持するために設定す
るものである。グループ規模のストレス・テストおよびICAAPプロセスによるストレス・テストの結果は、当グ
ループのリスク特性およびリスク選好を考慮したあらゆるストレス・シナリオにおいて当行がリスクを支え損失を
吸収するのに十分な資本を有するよう、OSFIの資本バッファー、国内のシステム上重要な銀行(D-SIB)/グロー
バルなシステム上重要な銀行(G-SIB)の資本上乗せ規制および国内安定化バッファー(DSB)に組み込まれる。さ
らに、当グループは、近い将来の規制および会計方針の変更、競争相手、格付機関に対する感応度およびソロ・
キャピタル・レベルのための資本力を維持するため、OSFIの規制目標に加えて任意の緩衝帯を含めている。
取締役会は、資本計画の年1回の審査および承認を含め、資本管理の最終的な監視責任を負う。ALCOおよびGE
は、資本管理責任を共同で負い、承認された制限およびガイドラインのコンプライアンス状況について詳述した報
告書を定期的に受け取る。監査委員会およびリスク委員会は、ICAAPプロセスを連帯して承認する。監査委員会
は、資本管理に対する内部統制の継続的審査にも責任を負う。
<バーゼルⅢ>
当グループの連結規制資本要件は、OSFIが発表したガイドラインによって決定されているが、このガイドライン
はBCBSが採用するバーゼルⅢ最低自己資本比率に基づいている。
BCBS は、CET1比率、Tier1比率および総自己資本比率のバーゼルⅢ暫定要件を、2018年度はそれぞれ6.375%、
7.875%および9.875%に設定しており、当グループは2019年度第1四半期にそれぞれ7.0%、8.5%および10.5%
(最低要件に2.5%の資本保全バッファーを加えたもの。)と段階的導入がなされた。ただし、OSFIは、要件を満
たさない資本商品を段階的に廃止するルールを定めたほか、カナダの銀行に対して、 CET 1比率、Tier1比率およ
び総 自己 資本比率のBCBSのバーゼルⅢ目標を2013年度中に達成するよう求めた。当グループは、2013年度に(他の
5つのカナダの銀行とともに)OSFIにより D-SIB に指定されているため、2016年度第1四半期、前述のオールイン
要件につき、それぞれのTierの資本に1%のリスク調整後資本上乗せ規制を含めることが要求された。
OSFI は2014年1月1日付で、カナダの銀行に対して、バーゼルⅢ信用評価調整(CVA)リスク資本コストの2018
年12月31日に終了する5年間にわたる段階的導入を許可した。 CVA 係数は2019年1月1日現在、にそれぞれのTier
の資本において完全に段階導入され、すべてのTierの資本が同一のリスク調整後資産の評価を有することになっ
た。2018会計年度において、CVA係数は、CET1資本、Tier1資本および総自己資本について、それぞれ80%、83%
および86%であった。
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バーゼルⅢに基づき、銀行は、主要な2つの選択肢、すなわち標準的手法およびIRBの中から、信用リスク、市
場リスクおよびオペレーショナル・リスクを支えるために必要とされる最低限の規制資本の計算方法を決定する。
当グループは、規制当局に対する連結報告の目的上、信用リスク資本の計算にバーゼルⅢのIRBを採用した。当グ
ループの信用リスク・エクスポージャーの大部分は、規制資本目的のためバーゼルⅢのIRBによって報告されてい
るが、ポートフォリオの一部( カリビアン・バンキング業務およびシティ・ナショナル等 ) については、引き続き
信用リスクにバーゼルⅢ標準的手法を用いている。規制当局に対する市場リスク資本の連結報告には、内部モデル
手法および標準的手法の両方を用いている。規制当局に対するオペレーショナル・リスクの連結報告には、当グ
ループは現在、TSAおよびAMAのうちいずれか数値が高い方を用いている。ただし、2020年度第1四半期以降、当グ
ループは、現行のTSAを用いることが求められ、今後AMAの使用は許可されなくなる。当グループは、 BCBS のバーゼ
ルⅢレバレッジ比率要件を反映したOSFIのレバレッジ要件(LR)ガイドラインに基づき規制レバレッジ比率を決定
している。当グループは、最低レバレッジ比率を3%以上に維持することが求められている。
銀行のグローバルなシステム上の重要性の相対的水準の透明性およびデータの質を高めるために、連邦政府の規
制を受けており、事業年度末時点でバーゼルⅢレバレッジ比率のエクスポージャー総額が2,000億ユーロを超える
すべての銀行は、最低でも年度末の次の第1四半期に、G-SIBの評価手法に用いられる12の指標を公表するよう義
務づけられる。FSBは、最新のG-SIBリストを毎年公表している。2019年11月22日、当グループは、FSBによってG-
SIBに再指定された。この指定により当グループは、1%という、より高い損失吸収要件(株主資本がRWAに占める
割合)を義務付けられている。D-SIBの要件はRWAの1%というG-SIBの要件と同じであるため、G-SIBの指定は当グ
ループのCET1比率における損失吸収要件に追加的な影響を与えなかった。
2018 年4月18日、OSFIは、連邦政府のベイルイン制度の一環としてカナダのD-SIBに適用される総損失吸収能力
(TLAC)に関する最終ガイドラインを公表した。このガイドラインは、G-SIBに指定された機関についてFSBが2015
年11月9日に公表したTLAC基準に合致するが、カナダの実情に合わせたものとなっている。TLAC要件は、システム
上重要な銀行が破綻した場合の資本増強を支援するにあたっての当該銀行の損失吸収能力の十分性について扱うこ
とが意図されている。TLACは、Tier1資本、Tier2資本およびCDIC法に基づき全部または一部が普通株式に転換可
能であり、ガイドラインの適格性基準をすべて満たしているその他のTLAC証券の合計と定義される。
TLAC 要件は、2021年11月1日付で満たすことを義務付ける2つの最低基準を定めた。すなわち、CARガイドライ
ンに記載されたリスク・ベースの自己資本比率に基づくリスク・ベースのTLAC比率およびOSFIのレバレッジ要件ガ
イドラインに記載されたレバレッジ比率に基づくTLACレバレッジ比率である。OSFIは、システム上重要な銀行に対
して最低23.5%のTLAC比率(後述するRWAの2019年10月31日付の改定DSB2.0%およびTLACレバレッジ比率6.75%を
含む。)を維持することを義務付ける通知を行った。当グループは、2018年度第4四半期にベイルイン適格債の発
行を開始し、これがTLAC比率の上昇に寄与している。当グループのTLAC比率は、支払期限を迎える無担保定期債務
の通常の借換えにおいて上昇することが予測される。
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2018 年6月20日、OSFIは、すべてのD-SIBが、他の現行の資本関連開示要件と同様に、四半期開示の一環として
第2の柱のDSBを公開することを義務付けられる、と発表した。バッファーのレベルは当該事業体のRWA総額の0%
から2.5%とし、カナダのシステム上重要な銀行6行については、現在、RWA総額の2.0%(2018年度はRWA総額の
1.5%)である。DSB要件は、CET1資本レベルで充足しなければならない。OSFIは、6月と12月の半年に1回、DSB
の見直しを行い、当該時点において変更があれば公表する予定である。
2018 年11月1日付で、当グループは、証券化枠組みおよびカウンターパーティ信用リスク測定のための標準的手
法に関して、OSFIによるCARガイドライン改正の採用を義務付けられた。当グループの採用は、許容範囲の適用除
外およびこれらの枠組みに基づく特定のエクスポージャーの移行を反映していた。2019年11月1日、IFRS第16号採
用の影響ならびに証券化およびカウンターパーティ信用リスクの特定のエクスポージャーについて認められた適用
除外および移行措置の廃止により、CET1比率は約25-30bps低下すると予測される。
当年度中の規制の変更についての詳細は、 「資本、流動性およびその他の規制の変更」の項を参照のこと。
下表は、バーゼルⅢおよび第2の柱の要件に基づくOSFIの現行の規制目標比率をまとめたものである。当グルー
プは、OSFIが規定するすべての資本要件およびレバレッジ要件を遵守している。
バーゼルⅢ-OSFIの規制目標 (表65)
自己資本バッ
バーゼルⅢでの大手銀行に対するOSFIの規制目標設定
2019 年 ファー、
自己資本バッ
10 月31日 D-SIB/G-SIB の
ファーおよび
自己資本
現在のRBC サーチャージお
D-SIB/G-SIB の
自己資本
国内安定化
バッファー 自己資本およ よび国内安定化
サーチャージを
D-SIB/G-SIB の
バッファー バッファー
バーゼルⅢの自己資本比 を含む びレバレッジ バッファーを
(2) (2)
(1) (3)
率およびレバレッジ 最低水準 最低水準 サーチャージ 含む最低水準 比率 含む最低水準
普通株式等Tier1比率 4.5 % 2.5 % 7.0 % 1.0 % 8.0 % 12.1 % 2.0 % 10.0 %
Tier 1資本 6.0 % 2.5 % 8.5 % 1.0 % 9.5 % 13.2 % 2.0 % 11.5 %
資本総額 8.0 % 2.5 % 10.5 % 1.0 % 11.5 % 15.2 % 2.0 % 13.5 %
レバレッジ比率 3.0 % n.a. 3.0 % n.a. 3.0 % 4.3 % n.a. 3.0 %
(1) 自己資本バッファーは、OSFIにより規定された資本保全バッファーおよび景気連動抑制的な自己資本バッファーを含む。
(2) 当グループのD-SIBのサーチャージおよびBCBSのG-SIBのサーチャージの増加と同等の自己資本サーチャージはリスク調整
後資本に適用する。
(3) 2019年10月31日以降、OSFIは、DSBを(2019年度第2四半期における)1.75%からRWAの2.0%へとさらに引き上げた。
n.a. 該当なし。
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<規制資本、RWAおよび自己資本比率>
バーゼルⅢに基づき、規制資本はCET1、その他Tier1資本およびTier2資本からなる。
CET 1資本は、最も質の高い資本である。バーゼルⅢに基づく規制調整は、特定の項目の全額控除および限度額
控除の対象となるその他の資本要素を含む。
Tier 1資本は、主としてCET1および一定の基準を満たす非累積型優先株式を含むその他Tier1の各項目からな
る。Tier2資本には、主として一定の基準を満たす劣後無担保社債および特定貸倒引当金が含まれる。総資本は、
Tier1資本とTier2資本の合計と定義される。 2013 年 1月1日より後に発行された 優先株式および劣後無担保社債
に関しては、実質破綻コンティンジェント・キャピタル( NVCC )の特徴を 規制資本に含める必要がある。 NVCC 要件
は、銀行が政府の財政支援を求める前に一般的な規制資本証券が損失を被らないよう確保するものである。
規制自己資本比率は、CET1、Tier1および資本総額をそれぞれのRWAで除して算出する。
下図は、CET1、その他Tier1資本およびTier2資本の主な内容をまとめたものである。
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下表は、規制資本、RWAならびに自己資本比率およびレバレッジ比率に関する詳細である。当グループの資本基
盤は引き続き強固であり、自己資本比率およびレバレッジ比率は引き続きOSFIが規定する目標を優に超えている。
規制資本、リスク調整後資産(RWA)ならびに自己資本およびレバレッジ比率 (表66)
2019 年 2018 年
(単位:百万カナダドル(%の数値および別段の記載がある場合を除く。)) 10月31日現在 10月31日現在
(1)
資本
$ 62,184 $ 57,001
CET 1資本
Tier 1資本 67,861 63,279
資本総額 77,888 72,494
(1)(2)
自己資本比率の計算に使用されるリスク調整後資産(RWA)
$ 512,856 $ 495,528
CET 1資本 RWA
Tier 1資本 RWA 512,856 495,993
資本総額RWA 512,856 496,459
(1)
資本総額RWAの構成:
$ 417,835 $ 401,534
信用リスク
市場リスク 28,917 32,209
オペレーショナル・リスク 66,104 62,716
$ 512,856 $ 496,459
資本総額RWA
(1)
自己資本比率およびレバレッジ比率
CET 1比率 12.1% 11.5%
Tier1比率 13.2% 12.8%
総自己資本比率 15.2% 14.6%
レバレッジ比率 4.3% 4.4%
$ 1,570 $ 1,451
レバレッジ比率エクスポージャー(単位:十億)
(1) 資本、RWAおよび自己資本比率はバーゼルⅢの枠組みに基づきOSFIのCARガイドラインを使用して計算されている。レバ
レッジ比率は、バーゼルⅢの枠組みに基づくOSFIレバレッジ比率要件ガイドラインを使用して計算されている。
(2) 2018会計年度における数値には、それぞれ80%、83%および86%のCVA係数を含む。
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規制資本 (表67)
2019 年 2018 年
(単位:百万カナダドル) 10月31日現在 10月31日現在
CET 1資本: 資本商品、準備金、規制調整
$ 17,888 $ 17,922
直接発行の適格普通株式資本(非合資会社相当)および関連過剰株式
利益剰余金 55,680 50,807
その他の累積包括利益(およびその他の準備金) 4,248 4,823
CET 1より廃止対象の直接発行資本( 非合資会社にのみ適用 ) - -
子会社が発行し第三者が保有する普通株式資本(CET1グループに割当) 12 13
バーゼルⅢに基づきCET1に適用される規制調整 (15,644) (16,564)
$ 62,184 $ 57,001
普通株式等Tier1(CET1)
その他Tier1資本: 資本商品、規制調整
$ 4,175 $ 3,825
直接発行のその他Tier1適格資本商品および関連過剰株式
その他Tier1から段階的に廃止される直接発行の資本商品 1,500 2,450
子会社が発行し第三者が保有するその他Tier1資本商品
(AT1グループに割当) 2 3
バーゼルⅢに基づきその他Tier1に適用される規制調整 - -
$ 5,677 $ 6,278
その他Tier1資本(AT1)
Tier 1資本(T1 = CET1 + AT1) $ 67,861 $ 63,279
Tier 2 資本 : 資本商品、引当金、規制調整
$ 6,998 $ 6,230
直接発行の Tier 2 適格資本商品および関連過剰株式
Tier 2から段階的に廃止される直接発行の資本商品 2,509 2,509
子会社が発行し第三者が保有するTier2資本商品(Tier2グループに割当) 25 14
引当金全体 495 462
バーゼルⅢに基づきTier2に適用される規制調整 - -
$ 10,027 $ 9,215
Tier 2 資本(T2)
資本合計(T1 + T2) $ 77,888 $ 72,494
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<2019年度と2018年度との比較>
当グループのCET1比率は、前年度から60bps上昇して12.1%となった。これは主として、留保利益が、RWAの増
加、株式の買戻しならびに年金およびその他の退職後給付債務の決定における割引率低下の影響により一部相殺さ
れたことを反映している。
Tier 1比率は、上記のCET1比率に関して記載した要因を反映して、40bps上昇して13.2%となった。またTier1
比率は、優先株式の純償還によりマイナスの影響を受けている。
総自己資本比率は、上記のTier1比率に関して記載した要因を反映して、60bps上昇して15.2%となった。また
総自己資本比率は、劣後無担保社債の純発行によりプラスの影響を受けている。
レバレッジ比率は10bps低下して4.3%となった。これは主として、レバレッジ比率のエクスポージャーの増加、
株式の買戻しおよび優先株式の純償還が、留保利益によって一部相殺されたことを反映している。レバレッジ・エ
クスポージャーの増加は、主としてリテール貸出金およびホールセール貸出金、レポ取引、有価証券の増加ならび
に規制変更の影響によるものである。
<バーゼルⅢRWA>
OSFI は、信用リスク、オペレーショナル・リスクおよび大規模なトレーディング活動を行っている場合は市場リ
スクに対するエクスポージャーについて、銀行が、リスク・ベースの必要資本を最低限満たすよう定めている。
RWAは、これらのリスク・タイプのそれぞれについて計算され、その合計がRWA総額となる。さらに、OSFIのCARガ
イドラインが定めるとおり 資本最低水準要件を最低限維持しなければならない。2018年2月1日以降、資本最低水
準要件は、CARガイドラインに記載された現行のバーゼルⅢ標準的信用リスクおよび市場リスク手法に基づき計算
したRWAの75%となってい た。必要資本が要求される基準に満たない場合、OSFIのCARガイドラインが定めるとお
り、報告されたRWAについてRWAへの最低水準調整を行わなければならない。
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総自己資本 リスク調整後資産 (表68)
2018 年
2019 年
10 月31日現在 10月31日現在
リスク調整後資産
エクスポー リスク
(単位:百万カナダドル 標準的 先進的
(1) (2)
(%の数値を除く。)) ジャー 加重平均 手法 手法 その他 合計 合計
信用リスク
貸付関連およびその他
$ 278,628 $ 8,204 $ 15,425 $ - $ 23,629 $ 21,919
住宅担保ローン 8%
その他リテール 277,818 21% 6,635 52,808 - 59,443 55,669
事業 364,274 59% 46,474 168,868 - 215,342 205,735
ソブリン 143,261 7% 1,045 8,355 - 9,400 11,437
銀行 35,425 22% 1,672 5,976 - 7,648 10,239
貸付関連およびその他
$ 64,030 $ 251,432 $ - $ 315,462 $ 304,999
総額 $1,099,406 29%
トレーディング関連
$ 909,124 $ 109 $ 10,238 $ 122 $ 10,469 $ 8,116
レポ取引 1%
CVA を含むデリバ
ティブ(CET1の
段階的導入調整) 90,896 37% 1,194 18,570 13,853 33,617 31,173
トレーディング関連
$ 1,303 $ 28,808 $ 13,975 $ 44,086 $ 39,289
総額 $1,000,020 4%
貸付関連およびその他
ならびにトレーディ
$ 65,333 $ 280,240 $ 13,975 $ 359,548 $ 344,288
ング関連合計 $2,099,426 17%
銀行帳簿エクイティ 3,248 141% - 4,583 - 4,583 4,161
証券化エクスポー
ジャー 64,989 12% 4,962 2,832 - 7,794 9,984
規制スケーリング因子 n.a. n.a. n.a. 17,089 - 17,089 16,608
その他の資産 20,155 143% n.a. n.a. 28,821 28,821 25,562
$ 70,295 $ 304,744 $ 42,796 $ 417,835 $ 400,603
信用リスク総額 $2,187,818 19%
市場リスク
$ 2,155 $ 5,109 $ - $ 7,264 $ 9,497
金利
株式 1,082 2,299 - 3,381 3,865
外国為替 1,548 208 - 1,756 962
コモディティ 237 59 - 296 190
個別リスク 7,144 1,741 - 8,885 8,005
増分リスク費用 - 7,335 - 7,335 9,690
$ 12,166 $ 16,751 $ - $ 28,917 $ 32,209
市場リスク総額
オペレーショナル・
$ 5,570 $ 60,534 $ 66,104 $ 62,716
リスク n.a.
CET 1資本リスク調整後
(3)
$ 88,031 $ 382,029 $ 42,796 $ 512,856 $ 495,528
資産 $2,187,818
Tier 1資本への、OSFIが
定める追加CVA調整 - - 465
Tier 1資本リスク調整後
(3)
$ 88,031 $ 382,029 $ 42,796 $ 512,856 $ 495,993
資産 $2,187,818
総資本への、OSFIが定め
る追加CVA調整 - - 466
総自己資本リスク調整後
(3)
$ 88,031 $ 382,029 $ 42,796 $ 512,856 $ 496,459
資産 $2,187,818
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(1) エクスポージャー総額とは、債務者のデフォルト時に予想されるグロス・エクスポージャーであるデフォルト時エクス
ポージャーを指す。かかる額は、減損貸出引当金または評価損の一部が計上される前であり、信用リスクの軽減および保
有する担保による影響を反映していない。
(2) 特定のカテゴリーにおける相手方リスクの加重平均を表す。
(3) 2018 年 、段階的に導入されるCVA資本費用を選ぶオプションにより、CET1、Tier1および総自己資本比率の計算のための
RWAは、異なる3つの段階があった。結果として、80%、83%および86%のCVA係数が、それぞれCET1、Tier1および総自
己資本比率に適用された。
n.a. 該当なし。
<2019年度と2018年度との比較>
当年度中、CET1RWAは170億ドル増加した。これは主として、ホールセール貸出金およびリテール貸出金の事業
拡大ならびにCVA係数の段階的廃止およびCARガイドラインの改正に関する規制の変更による影響によるものであ
る。これらの要素は、リテール銀行業務におけるポートフォリオの標準的手法からAIRBへの転換に関するモデル・
アップデート、デリバティブのパラメータ拡大および市場リスクにより 一部相殺された 。
<主要資本管理活動>
下表は、主要な資本管理活動を示している。
主要資本管理活動 (表69)
2019 年 10月31日に終了した年度
発行日 株式数
(単位:百万カナダドル(株式数を除く。)) または償還日 (単位:千株) 金額
Tier 1資本
発行済普通株式
(1)
$ 136
株式に基づく報酬制度 に関連する発行 1,900
解約のための買入 (10,251) (126)
(2)(3)
優先株式シリーズBOの発行 2018 年 11月2日 14,000 350
(2)
優先株式シリーズADの償還 2018 年 11月24日 (10,000) (250)
(2)
優先株式シリーズAJの償還 2019 年 2月24日 (13,579) (339)
(2)
優先株式シリーズAKの償還 2019 年 2月24日 (2,421) (61)
(2)
優先株式シリーズALの償還 2019 年 2月24日 (12,000) (300)
Tier 2資本
(3)(4)
$ 1,500
2029 年 7月25日満期劣後無担保社債の発行 2019 年 7月25日
(4)
2024 年 7月17日満期劣後無担保社債の発行 2019 年 7月17日 (1,000)
(1) 当期中に行使されたストックオプションおよびストックオプションに係る公正価格の調整により受け取った現金を含む。
(2) 詳細は、 下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表 に対する注記21を参照のこと。
(3) 実質破綻コンティンジェント・キャピタル(NVCC)商品。
(4) 詳細は、 下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表 に対する注記19を参照のこと。
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2018 年2月23日、当グループは、当グループの普通株式を30百万株を限度として買い付けるための通常発行者
ビッド(NCIB)について発表した。このNCIBは 2019 年2月26日に完了し、 買い戻され消却された普通株式の総数は
9.7百万株で、要した費用は総額約947百万ドルであった。
2019 年2月27日、当グループは、当グループの普通株式を20百万株を限度として買い付けるためのNCIBについて
発表した。このNCIBは2019年3月1日に開始され、2020年2月29日 または当グループが当該ビッドにより認められ
るすべての株式の買戻しを完了するそれより前の日まで続く。このNICBの開始以降、 買い戻され消却された普通株
式の総数は約6.6百万株で、要した費用は約682百万ドルであった。
2019 年度において、当グループのNCIBプログラムに基づき買い戻され消却された普通株式の総数は約10.3百万株
で、株式の買戻しに要した費用は総額1,030百万ドルであった。
当グループは、OSFIとの事前協議を条件として、NCIBに基づく買付けの金額および時期を決定する。買付けは、
トロント証券取引所、ニューヨーク証券取引所およびその他の指定された取引所ならびにカナダの代替取引システ
ムを介して行うことができる。買い戻される株式の代金は、取得時の実勢市場価格である。
2018 年11月2日、当グループは、非累積型5年利率見直し型優先株式シリーズBOの14百万株を、1株当たり25ド
ルの価格で発行した。
2018 年11月24日、当グループは、非累積型第一優先株式シリーズADの10百万株を、1株当たり25ドルの価格です
べて償還した。
2019 年2月24日、当グループは、非累積型変動配当率第一優先株式シリーズAKの2.4百万株、非累積型5年利率
見直し型第一優先株式シリーズAJの13.6百万株および非累積型5年利率見直し型第一優先株式シリーズALの12百万
株を、1株当たり25ドルの価格ですべて償還した。
2019 年7月17日、当グループは、2024年7月17日に満期を迎える発行済NVCC3.04%劣後無担保社債1,000百万ド
ルを、元本の100%および償還日まで(償還日は除く。)の経過利息ですべて償還した。
2019 年7月25日、当グループは、NVCC劣後無担保社債1,500百万ドルを発行した。この社債には、2024年7月25
日まで年利2.74%の固定金利が付き、それ以降は2029年7月25日の満期まで3ヶ月のカナダ銀行間取引金利
(CDOR)プラス0.98%の金利が付く。
2019 年10月18日、当グループは、2024年12月6日に満期を迎える発行済2.99%劣後無担保社債2,000百万ドル
を、元本の100%および2019年12月6日の償還日まで(償還日は除く。)の経過利息ですべて償還する計画を発表
した。
配当
当グループの普通株式配当方針は、収益の見通し、配当性向目標および事業計画を支える十分な資金を備えられ
るよう適切な資本水準を維持する必要性を反映している。2019年度の配当性向は、配当性向目標である40%から
50%の範囲内の46%となった。当年度の普通株式配当は、58億ドルであった。
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(1)
(表70)
主要な株式情報
2019 年 2018 年
(単位:百万カナダドル(株式
株式数 1株当たり 株式数 1株当たり
数および別段の記載がある場合
を除く。)) (単位:千株) 金額 配当金 (単位:千株) 金額 配当金
$ 17,645 $ 4.07 $ 17,635 $ 3.77
発行済普通株式 1,430,678 1,439,029
自己株式-普通株式 (582) (58) (235) (18)
$ 17,587 $ 17,617
普通株式発行残高 1,430,096 1,438,794
ストックオプションおよび賞与
発行残高 7,697 8,504
行使可能 2,980 3,726
付与可能 8,171 9,262
発行済第一優先株式
(2)
$ 300 $ 1.23 $ 300 $ 1.23
非累積型シリーズW 12,000 12,000
非累積型シリーズAA 12,000 300 1.11 12,000 300 1.11
非累積型シリーズAC 8,000 200 1.15 8,000 200 1.15
(3)
非累積型シリーズAD - - - 10,000 250 1.13
非累積型シリーズAE 10,000 250 1.13 10,000 250 1.13
非累積型シリーズAF 8,000 200 1.11 8,000 200 1.11
非累積型シリーズAG 10,000 250 1.13 10,000 250 1.13
(4)
非累積型シリーズAJ - - 0.22 13,579 339 0.88
(4)
非累積型シリーズAK - - 0.23 2,421 61 0.78
(4)
非累積型シリーズAL - - 0.27 12,000 300 1.07
(5)(6)
非累積型シリーズAZ 20,000 500 0.96 20,000 500 1.00
(5)(6)
非累積型シリーズBB 20,000 500 0.96 20,000 500 0.98
(6)
(5)
非累積型シリーズBD 24,000 600 0.90 24,000 600 0.90
(6)
(5)
非累積型シリーズBF 12,000 300 0.90 12,000 300 0.90
(6)
非累積型シリーズBH 6,000 150 1.23 6,000 150 1.23
(6)
非累積型シリーズBI 6,000 150 1.23 6,000 150 1.23
(6)
非累積型シリーズBJ 6,000 150 1.31 6,000 150 1.31
(6)
(5)
非累積型シリーズBK 29,000 725 1.38 29,000 725 1.38
(6)
(5)
非累積型シリーズBM 30,000 750 1.38 30,000 750 1.38
(6)
(5)
非累積型シリーズBO 14,000 350 1.27 - - -
(7)
US$ 67.50 US$ 67.50
非累積型シリーズC-2 20 31 20 31
$ 5,706 $ 6,306
発行済優先株式 227,020 251,020
(8)
自己株式-優先株式 34 1 114 3
$ 5,707 $ 6,309
優先株式発行残高 227,054 251,134
配当
$ 5,840 $ 5,442
普通配当
(9)
優先配当 269 285
(1) 資本管理活動についての詳細は、 下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表 に対する注記21を参照のこと。
(2) 2010 年 2月24日付で、当グループは、一定の制限に従い、当グループの選択によりこれらの株式を普通株式に転換する権
利を有している。
(3) 2018 年 11月24日付で、当グループは、非累積型第一優先株式のシリーズADの10百万株すべてを、1株当たり25ドルで償還
した。
(4) 2019 年 2月24日付で、当グループは、非累積型変動配当率第一優先株式シリーズAKの2.4百万株すべて、非累積型5年利率
見直し型第一優先株式シリーズAJの13.6百万株すべておよび非累積型5年利率見直し型第一優先株式シリーズALの12百万
株すべてを、1株当たり25ドルで償還した。
(5) 配当率は5年ごとに修正される。
(6) NVCC 商品。
(7) 優先株式シリーズC-2に関連する預託株式815,400株を示す。各預託株式はシリーズC-2の1株の40分の1の持分を表してい
る。
(8) プラスの金額は、自己株式における売り持ちを表している。
(9) 優先株式に係る配当は、非支配持分への配分を除く。
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2019 年11月29日現在、普通株式発行残高は、1,430,517,057株であり、純保有自己株式は206,508株ならびにス
トックオプションおよび株式報酬の残高は、7,654,702株であった。
NVCC 条項は、銀行が存続不能であるとOSFIが判断した場合、または銀行が資本注入を受け入れたかもしくは受入
れに同意したとカナダの連邦政府もしくは州政府が公表した場合、資本商品を様々な数の普通株式に転換すること
を定めている。NVCCの適用事由が発生した場合、優先株式シリーズAZ、BB、BD、BF、BH、BI、BJ、BK、BM、BOなら
びに2026年9月29日、2025年6月4日、2026年1月20日、2026年1月27日および2029年7月25日満期劣後無担保社
債である当グループのNVCC資本商品は、(ⅰ)5.00ドルの約定最低価格および(ⅱ)適用事由発生時点における当
グループ普通株式の市場価格(10日間の加重平均)のいずれか高い方に基づく転換価格で、自動転換フォーミュラ
に従ってRBC普通株式に転換される。5.00ドルの最低価格に基づき、かつ、未払配当金および利息の見積もりを含
めると、これらのNVCC資本商品は、最大で合計2,973百万株のRBC普通株式に転換される。これは、2019年10月31日
現在のRBC発行済普通株式数に基づくと67.52%の希薄効果である。
<配分資本>
2018 年11月1日以降、事業セグメントへの資本の配分方法は、インシュアランスを除き、バーゼルⅢ自己資本比
率規制に基づいている。インシュアランスについては、資本配分は、分散された経済資本に基づいている。リス
ク・ベースで資本を配分することにより、事業セグメント間に業績測定の統一基準を作ってグループ全体の利益目
標と比較し、経営陣が他の要因と組み合わせて資源配分を決定するのが容易になる。
資本の計算および配分には、経営陣による相当な仮定および判断が必要であり、それは規制資本の構成の包括性
および一貫性を維持するために監視されている。これらのモデルは、調査への参加、手法の見直しおよび外部のリ
スク管理業界の専門家との持続的交流を通じ、主要な業界慣行に従って評価されている。
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下記の主要なリスクについての詳細は、「リスク管理」の項および上記「2 事業等のリスク」を参照のこと。
<資本に影響を与えるその他の検討>
その他の事業体に対する株式投資に関する資本の取扱いは、当該投資の規模または内容に基づいて、会計および
行政指針を勘案して決定される。以下のとおり、大きく3つのアプローチが適用される。
・連結:当グループが支配する事業体は、当グループの連結貸借対照表に連結される。
・控除:一部の持分は、規制資本から控除される。これには、すべての非連結「大型投資」(銀行法(カナダ)の
金融機関の資本における定義による。)および保険子会社に対するすべての投資が含まれる。
・リスク・ウェイト:資本から控除されない株式投資は、資本コストの決定における所定の比率による加重リスク
である。
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証券化エクスポージャーに関する規制資本アプローチ
当グループの証券化規制資本アプローチは、OSFIのCARガイドラインの第7章を反映している。証券化エクス
ポージャーについては、ABCPに関するエクスポージャーのための内部評価手法(IAA)を利用し、規制ガイドライ
ンのとおり、その他の証券化エクスポージャーについては外部格付に基づくアプローチ、内部格付に基づくアプ
ローチおよび標準的手法を組み合わせて利用している。
当グループのIAA格付法は、S&P等の外部信用評価機関(ECAI)が発表した基準に大部分が基づいており、これら
の機関が利用する方法と同じではないが類似している。当グループの格付プロセスには、証券化構造において利用
可能な信用補完と、予測損失のストレス・レベルとの比較が含まれる。使用するストレス・レベルは、当該取引に
求められるリスク構造によって決定される。このため、当グループでは高い格付を獲得するために、取引のキャッ
シュ・フローに高めのストレスを加える。これに対して、ストレス・レベルが低い取引は、低い格付となってい
る。
その他の証券化エクスポージャー(非ABCP)の大部分は外部の格付を取得しており、当グループがこれらのポジ
ションの適切な資本配分を決定する際には、当グループの外部格付を使用する。当グループは、ECAIによる格付が
妥当であることを確認するため、当グループの格付とECAIによる格付を定期的に比較検討している。
GRM は、すべての銀行勘定エクスポージャーに関して、資本目的のリスク評価を行う責任がある。GRMは、証券化
エクスポージャーを生む事業とは無関係であり、分析に際して当該事業と協力することはあっても、当該事業から
は独立した存在として、独自の分析を行う。GRMは、資産区分ごとの格付方法を定めた資産区分別基準ガイドライ
ンを策定した。ガイドラインは定期的に見直され、バーゼルに基づく第1の柱に定められた格付複写プロセスの対
象である。
資本、流動性およびその他の規制の変更
<資本>
第3の柱の開示要件
2018年12月、BCBSは、第3の柱の開示要件の最後となる第3フェーズ「開示要件(第3の柱)-アップデートさ
れた枠組み」を公表した。このフェーズは、銀行の内部モデルによって決定されたRWAと標準的手法に基づく結果
とを比較する追加開示要件ならびに資産の担保差入れおよび資本配分の制約に関する新たな開示要件等、2017年12
月のバーゼルⅢ改革の最終決定により行われた第3の柱の枠組みに対する改定および追加をまとめたものである。
第3フェーズの要件は、2015年1月および2017年3月にそれぞれ公表された第1フェーズおよび第2フェーズの開
示要件と合わせて、第3の柱の枠組みを完成させる。第1フェーズの要件は、2018年度第4四半期に当グループに
適用された。OSFIは現時点で、第2フェーズおよび第3フェーズのBCBS開示要件の実施日を発表していない。
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市場リスクの最低所要自己資本
2019 年1月19日、BCBSは、2016年1月に公表された前バージョンに代わるものとして、市場リスクの最低所要自
己資本についての最終基準を公表した。この改訂は、標準的手法の枠組みの精度を上げ、市場リスクの所要自己資
本の対象となるエクスポージャーの範囲を明確化し、内部リスク管理モデルの適切性を判断する評価プロセスを修
正し、内部モデルの対象となるリスク要因を特定する要件を修正した。BCBSは、加盟各国に対し、2022年までにこ
れらの改訂を実施するよう求めている。当グループは現在、OSFIが2020年にガイドラインの草案を公表し、広く意
見を募ると予測している。
バーゼルⅢ改革
2019 年7月18日、OSFIは、預金受入機関に適用されるオペレーショナル・リスクの所要自己資本を修正した。当
グループは現在、オペレーショナル・リスクの測定に、現行のバーゼルⅢ標準的手法(TSA)と先進的計測手法
(AMA)のいずれか高い方を適用することを義務付けられている。2020年度第1四半期以降はAMAの使用が認められ
なくなるため、金融機関は現行のTSAを使用することが義務付けられる。当グループは、この変更によって当グ
ループの自己資本比率に影響が生じることはないと考えている。
<流動性>
流動性十分性基準(LAR)ガイドライン
2019 年4月11日、OSFIは、LCR、正味累積キャッシュ・フロー、安定調達比率および流動性監視ツールにつき、
最終的なLARガイドラインを公表した。これにより、銀行がストレスに耐えるため保有を義務付けられた流動性準
備金、銀行の資金調達方法および関連指標の監視に影響するガイドラインについて、国民の意見の聴取は締めくく
られた。当グループは、最終ルールを遵守する体制を整えており、この変更によって当グループがあらゆるリテー
ルおよびホールセール金融サービスを提供する能力に重要な影響が生ずることはないと考えている。改訂ガイドラ
インは、2020年1月1日付で適用される予定である。
安定調達比率(NSFR) の開示
2019 年4月11日、OSFIは、安定調達比率(NSFR)開示要件ガイドラインを最終決定した。当グループはこのガイ
ドラインに従い、OSFI所定の書式により、四半期に1回、連結NSFRおよび主要な要素を開示し、これによって当グ
ループがLCRの状況について既に開示している情報を補完する予定である。この新たな開示要件は2021年1月31日
付で発効する予定であり、当グループは新要件を遵守する体制を整えている。
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<その他の規制の変更>
大口エクスポージャー規制ガイドライン
2019 年4月10日、OSFIは、単一のカウンターパーティまたは関連し合うグループ会社に対するエクスポージャー
を制限することで、カウンターパーティが突如破綻した場合に金融機関が被るおそれのある最大損失を抑制するこ
とを目的とした、大口エクスポージャー規制ガイドラインを改訂した。このガイドラインは、大口エクスポー
ジャーのリスクを管理する既存の方針を強化し、カナダ国内のすべてのシステム上重要な銀行において一貫した厳
格な実務が確実に行われるようにするものである。当グループは、2020年度第1四半期中に新ガイドラインを実施
するよう義務付けられており、制限内に収める体制を整えている。
金利リスク管理ガイドライン
2019 年5月30日、OSFIは、ストレス・テスト・シナリオ、リスクの評価およびガバナンス(標準的金利シナリオ
を含む。)に関する実務についてより包括的な指針を与える金利リスク管理ガイドラインを改訂した。当グループ
は、2020年1月1日付で新ガイドラインを実施するよう義務付けられており、新要件を遵守する体制を整えてい
る。
会計管理等
重要な会計方針および見積もり
<重要な会計方針、判断、見積もりおよび仮定の適用>
当グループの重要な会計方針は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記2に記載され
ている。これらの方針のいくつかおよび関係する見積もりは、不確実な性質の事項については特に主観的または複
雑な判断をせざるを得ないため重要であると認識されており、また、異なる条件下でまたは異なる仮定を用いた場
合には大幅に異なる金額が報告される可能性がある。当グループの重要な会計方針、判断、見積もりおよび仮定と
は、金融商品の公正価値、信用損失引当金、のれんその他無形資産、従業員給付、連結、金融資産の認識の中止、
実効金利法の適用、条件、保険請求、保険給付負債、法人所得税および当グループのカスタマー・ロイヤルティ・
プログラムに係る繰延収益に関連するものである。重要な会計方針、判断、見積もりおよび仮定は、当グループの
監査委員会が、当グループの重要な会計方針、見積もりおよび判断の審査ならびに承認の一環として、経営陣と協
議の上、審査および承認している。
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< 会計方針の変更 >
第1四半期中、当グループは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」 (IFRS第15号)を適用した。IFRS第
15号の移行規定が認めているとおり、当グループは、比較期間の業績を再表示しないことを決定した。したがっ
て、すべての比較情報は、下記で示すとおり、当グループの従前の会計方針に従って表示されている。IFRS第15号
適用の結果として、当グループは、履行債務の譲渡に伴う特定の手数料の認識と合わせるため、2018年11月1日
(1)
(適用初日)現在の税引き後ベースで、当グループの開始利益余剰金を94百万ドル 削減した。
(1)
従前の公表値から更新されている。
<金融商品の公正価値>
金融商品の公正価値は、測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取る
であろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格である。公正価値の決定は、価格設定の際に市場参
加者が検討するであろう要因を踏まえて行われる(一般に認められた評価アプローチを含む。)。
当グループは、最も一貫性があり最も正確な第三者の価格設定サービスおよび評価方法を優先している。正確性
とは、第三者が設定した価格価値をトレーダーまたはシステムの価値、その他の価格設定サービスが設定した価値
および可能であれば実際の取引のデータベースと比較することで、長い時間をかけて決定されるものである。価格
または相場が利用不可能な場合は、その他の評価方法が用いられる。評価プロセスの中には、公正価値の決定にモ
デルを用いるものもある。当グループは、モデルの使用を管理するため、系統立った一貫したアプローチを有して
いる。
公正価値を決定する際は、評価方法への情報提供を高く評価するヒエラルキーを用いる。公正価値ヒエラルキー
では、活発な市場における無調整の相場価格に最も高い優先順位を与え、観察可能でない情報を最も低い優先順位
としている。このヒエラルキーに基づき決定される公正価値は、可能な限り観察可能な市場データの利用が必要と
なる。レベル1の情報は、当グループが測定日現在利用可能な資産または負債と同一のものについての、活発な市
場における無調整の相場価格である。レベル2の情報には、活発な市場における類似の資産または負債の相場、活
発ではない市場における同一または類似の資産もしくは負債の相場および当該資産もしくは負債の期間の大部分に
おいて観察可能であるか、または観察可能な市場データによって裏付けられたモデル情報が含まれる。レベル3の
情報は、観察可能でない、当該資産または負債の公正価値にとって重要な複数の情報を含む。観察可能でない情報
は、観察可能な情報が測定日現在において入手できない場合に、公正価値の測定に使用される。評価に用いる情報
の有無は、評価手法の選択に影響する場合がある。開示を目的とした、金融商品の公正価値ヒエラルキーへの分類
は、公正価値の測定にとって重大なインプットのうち、最も低いレベルのインプットに基づいて行われる。
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観察可能な価格または情報がない場合は、公正価値を決定する際、過去のデータ、類似の取引に関する代用情報
等、その他の情報源を評価したり、また外挿法および内挿法を用いたりする等、経営陣による判断が必要となる。
より複雑なまたは流動性のない商品については、使用するモデルの決定、モデル情報の選択、また場合によっては
活発に取引されていない金融商品のモデル価値または相場に評価調整を行う等、重要な判断が必要となる。モデル
情報の選択が主観的なもので、情報が観察可能でない場合もある。観察可能でない情報は、通常の事業環境におい
て取引を行いうる水準を決定できるような市場データが、ほとんどまたはまったくないため、本質的に不確実であ
る。このような場合は必ず、かかる情報の適切なパラメータ不確実性を算定し、市場リスク評価調整およびその他
のモデル・リスク評価調整を行う。
評価調整は、デフォルト率および回収率等、情報の選択に重要な判断を要するため、主観的となる可能性があ
り、市場参加者が金融商品の価格設定時に使用するという前提で公正価値を導き出すことを意図している。取引の
実際の価格は、従前経営陣の判断で見積もられた価値とは異なる可能性があり、したがって利息以外の収益-ト
レーディング収益またはその他に認識される未実現損益に影響が生じる可能性がある。
<信用損失引当金>
信用損失引当金(ACL)は、 FVTPL で測定するものとして分類または指定された金融資産およびFVOCIで測定する
ものとして指定された持分証券(これらは、減損評価の対象外とされる。)を除き、すべての金融資産に適用され
る。減損評価の対象となる資産には、一部の貸出金、債務証券、利付銀行預け金、手形引受、受取債権および未収
利息ならびにファイナンス・リース債権およびオペレーティング・リース債権が含まれる。減損評価の対象となる
オフバランス・シート項目には、金融保証および未使用のローン・コミットメントが含まれる。
当グループは、各貸借対照表日のACLを、3つのステージからなる予想信用損失減損モデルに従って測定してい
る。
・正常な金融資産
・ステージ1- 金融資産の当初認識時から、資産の当初認識時以降の信用リスクが相対的に著しく増大した日
までの間は、報告日からの12ヶ月間にデフォルトから生じると予想される信用損失相当の信用損失引当金が
認識される。
・ステージ2- 金融資産の当初認識時以降に信用リスクが相対的に著しく増大した場合は、資産の残存期間に
わたる予想信用損失相当の信用損失引当金が認識される。
・ 減損した金融資産
・ステージ3- 金融資産の信用が減損していると判断される場合には、資産の残存期間にわたる予想信用損失
相当の信用損失引当金が認識される。受取利息は、当該資産の帳簿価額総額ではなく、信用損失引当金控除
後の帳簿価額を基に計算される。
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ACL は、関連する期間にわたりデフォルトから生じると予想される確率加重かつ割引後の回収不能額の見積りで
ある。ローン・コミットメントの信用損失の見積りでは、関連期間にわたり使用が予想されるコミットメント部分
が検討される。金融保証の信用損失の見積りは、保証契約に基づき求められる予想支払額を基礎とする。ファイナ
ンス・リース債権に係る信用損失の見積りは、リース債権の測定に使用されたキャッシュ・フローと整合する
キャッシュ・フローを基礎とする。
ACL は、貸借対照表日における当行の金融資産に係る予想信用損失の偏りのない見積りを表している。ACLの計算
にあたり行う仮定および見積りには、判断が必要とされ、これには3ステージ間の移動や、将来予測的な情報の適
用が含まれる。基礎となる仮定および見積りにより各期間の引当金が変動し、ひいては当行の業績に重要な影響を
与える可能性がある。
信用損失引当金についての詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記2および注
記5を参照のこと。
<のれんおよびその他の無形資産>
当グループは、のれんを資金生成単位(CGU)のグループに割り当てている。のれんは償却せず、年に1回減損
テストを行うが、実際に減損が発生した可能性がある場合には、より短い間隔で減損テストを行う。当グループ
は、CGUの回収可能額と帳簿価額とを比較して減損のテストを行う。
当グループは、CGUの使用価値および売却コスト控除後の公正価値を、主として、各CGUによる収益および費用の
予測を反映した割引キャッシュ・フロー法によって評価している。将来の予想キャッシュ・フロー(時期および金
額は不明。)、割引率(CGU固有のリスクに基づく。)および期間成長率の決定においては、経営陣の重要な判断
が行われる。CGU固有のリスクには、カントリー・リスク、事業リスク/ オペレーショナル・ リスク、地域リスク
(政治的リスク、評価引下げリスクおよび政府の規制等)、通貨リスクおよび価格リスク(商品価格リスクおよび
インフレ等)が含まれる。将来の予想利益およびその他の仮定条件が、減損テストに用いた現在の数字と大幅に異
なる場合、のれんの価値は減損している可能性がある。
当グループは、各報告期間において、その他の無形資産につき減損の兆候の判定を行う。資産に減損の兆候があ
る場合、減損のテストは、当該無形資産の帳簿価額を回収可能額と比較することで行われる。個別の資産の回収可
能額が予測不能である場合、当該資産が属するCGUの回収可能額を予測する。無形資産の耐用年数および回収可能
額の予測ならびに事象または状況が減損の客観的証拠であるか否かの評価には、重大な判断が適用される。当グ
ループは、耐用年数を確定できない無形資産を有しない。
詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記2および注記10を参照のこと。
<従業員給付>
当グループは、適格従業員に対して、登録年金制度、追加年金制度、医療保険、歯科保険、身体障害保険および
生命保険制度を含む給付金制度を多数保証している。
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確定給付費用および債務の計算は、割引率、医療費変動率、推定昇給率、退職年齢ならびに死亡率および解約率
等、様々な仮定条件に依存している。割引率は、高品質の企業の債券の直物相場に基づくイールドカーブを用いて
決定される。その他の仮定については当グループが決定し、保険数理人が検査する。数理人による仮定と実際の数
値が異なる場合、当グループが認識する給付債務および再測定の金額に影響が生ずる。使用した加重平均仮定条件
および主たる仮定条件の感応度については、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記17に
記載されている。
<組成された企業の連結>
子会社とは、当グループが支配する事業体をいい、 組成された企業を含む。当グループがある事業体への関与に
より生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、投資先に対するパワーを通じて当該
リターンに影響を及ぼす能力を有する場合、当グループは当該事業体を支配している。ある事業体のリターンに重
要な影響を及ぼす活動(関連性のある活動)について、当グループが指図できるような既存の権利を有する場合、
当グループは当該事業体に対してパワーを有する。パワーは、議決権または、組成された企業の場合はその他の契
約上の取決めに基づいて判断される。
当グループが第三者の代理人として事業体に対する パワー を行使する場合、当グループは当該事業体を支配して
いるとはみなされない。当グループが代理人として行為しているか否かを判断する際は、(ⅰ)意思決定権の範
囲、(ⅱ)他者が保有する権利、(ⅲ)当グループが受け取る権利を有する報酬および(ⅳ)収益の変動性に対す
る当グループのエクスポージャーに関して、当グループ、投資先およびその他の者との全体的関係を検討する。
支配については、現時点の事実および状況に基づいて判断され、絶えず評価を受ける。要素および条件を個別に
評価したか全体で評価したかによっては、ある事業体を支配する者が複数存在する結果となる場合がある。当グ
ループがある事業体を支配しているか否かを決定する際、具体的には、当グループが関連性のある活動について実
質的な意思決定権を有するか否かおよび当グループが本人または代理人のいずれとしてパワーを行使しているかを
評価する際には重要な判断が下される。
当グループは、子会社の支配権が当グループに移転した日からすべての子会社を連結し、当グループがある事業
体を支配しなくなった時点で連結を中止する。連結に関する決定は、連結財務諸表上で報告される資産、負債、収
益および費用の分類および金額に影響する。
詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記7を参照のこと。
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<金融資産の認識の中止>
当グループでは定期的に、貸出金やモーゲージ担保証券等の金融資産を、投資家に有価証券を発行する 組成され
た企業 または信託に譲渡する取引を行っている。当グループは、資産からのキャッシュ・フローを受ける契約上の
権利が失効したとき、キャッシュ・フローを受ける権利は保持しているが、パススルー規定によりかかるキャッ
シュ・フローを第三者に支払う義務を負う場合、またはキャッシュ・フローを受ける契約上の権利を譲渡し、当該
資産の実質上すべてのリスクおよび経済価値を譲渡した場合、当該資産の認識を中止する。譲渡された資産の実質
上すべてのリスクおよび経済価値を保持している場合、譲渡された資産は連結貸借対照表上で認識を中止されず、
担保付資金調達取引として計上される。当該資産の所有権の実質上すべてのリスクおよび経済価値を保持も譲渡も
していない場合は、当該資産に対する支配が放棄されたとき、認識を中止する。譲渡された資産に対して当グルー
プが支配を保持している場合、継続的関与の範囲で、引き続き当該譲渡資産を認識する。譲渡された金融資産の所
有に係る実質上すべてのリスクおよび経済価値を当グループが譲渡したかまたは保持しているかについては、経営
陣が判断を下す。
買戻し契約、有価証券貸付契約およびカナダの住宅担保ローン証券化取引において譲渡された資産のほとんどは
認識の中止の対象ではない。このため、当グループでは引き続き、関連譲渡資産を連結貸借対照表に認識してお
り、それらの証券化取引の利益または損失を認識していない。そうではなく、譲渡された資産の帳簿価額を譲渡日
現在の公正価値と比較することで、証券化の利益または損失を認識している。金融資産の認識の中止に関する詳細
については、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記2および注記6を参照のこと。
<実効金利法の適用>
利息は、一般的にすべての利付金融商品に実効金利法を適用して、連結損益計算書の受取利息および支払利息に
認識される。実効金利とは、金融資産または負債の残存期間にわたる見積もり将来キャッシュ・フローを当初認識
時の正味帳簿価額まで割り引く利率である。将来キャッシュ・フローの時期および金額は不確実であるため、実効
金利の算定には重要な判断が用いられる。
<引当金>
引当金とは、その発生時期と金額が不確実となる負債をいい、過去の事象の結果として、現在の法的債務または
推定的債務が存在し、債務を決済するために資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼
性のある見積もりが可能となる場合に認識される。引当金は報告日時点の現在の債務を決済するのに求められる対
価の最も正確な見積もりとして測定される。現在の債務の有無の決定、流出の可能性、時期および金額の見積もり
に際しては重要な判断が求められる。当グループは、訴訟、不安定な税金ポジション、資産除去債務に関連する引
当金およびその他の項目に関する引当金を計上している。
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これらの見積もりの将来予測的な性質のため、当行の将来キャッシュ・フローの時期および金額の予測には、重
要な判断が必要となる。当グループは、報告期間末時点で入手可能なすべての情報に基づき引当金を計上し、最新
の予想を反映させるよう四半期ごとに修正を行っている。実際の結果が当グループの予想と異なる場合、認識済み
の引当金を上回る費用が発生する可能性がある。
<保険請求および保険給付負債>
保険請求および保険給付負債は、現在の保険請求および将来の保険給付の見積もりを表す。生命保険契約に関す
る負債は、カナダ資産負債法を用いて算出される。カナダ資産負債法は、死亡率、罹病率、保険契約の失効および
解約、運用利回り、契約者配当、営業費および保険契約維持費ならびに不利な変動に対する引当金 等 を盛り込む。
これらの主要な仮定は年1回見直され、実際の経験および市況に即して更新される。不動産および損害保険負債
は、報告済みおよび未報告の保険請求に係る見積引当金を表す。生命保険、不動産および損害保険に関する負債
は、保険請求および保険給付負債に計上される。保険請求および保険給付負債の変動部分は、見積もりが変更され
る期間の連結損益計算書の保険契約者給付、保険金および保険契約獲得費用に含まれる。詳細については、下記
「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記15を参照のこと。
<法人所得税>
当グループは、営業活動を行う様々な法域の税法に服することになり、複雑な税法は、当グループと関係する税
務当局の解釈の違いにつながる可能性がある。関係する税法の解釈ならびに当期法人税および繰延法人所得税の引
当金の予想計上時期および予想金額の見積もりについては、経営者の判断が用いられる。繰延税金資産または繰延
税金負債は、資産が実現されるか、または負債が決済される期間に予想される税率を基にそれぞれの一時差異に関
し算定される。一時差異が予見可能な将来に解消されない場合、いかなる繰延税金金額も認識されることはない。
当グループは、四半期ごとに、繰延税金資産に関連して生じる便益が、有利、不利な証拠の両方を用いて、実現
する可能性が高いかを検討する。詳細については下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記
23を参照のこと。
< 会計方針および開示に関する今後の変更 >
<IFRS第16号「リース」(IFRS第16号)>
2016 年1月、IASBは、リースの認識、測定、表示および開示についての原則を定めた、IFRS第16号を公表した。
この基準は、借主のリースをファイナンス・リースまたはオペレーティング・リースに分類させる現行の要件を廃
止し、大部分のリースにつき貸借対照表に使用権資産およびリース債務を認識するよう求める、単一の会計処理モ
デルを導入するものである。借主は、損益計算書上、利息費用をリース債務に、減価償却費を使用権資産に認識す
ることになる。
IFRS 第16号は、2019年11月1日付で当グループに適用される予定である。当グループは、比較期間の修正再表示
を行わずに初回適用日である2019年11月1日現在の連結貸借対照表を調整することでIFRS第16号を採用する予定で
ある。IFRS第16号への移行に際しては、以下を含むいくつかの便宜的措置を取る予定である。
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・当グループの不動産リースについては、リース構成要素と非リース構成要素とを分離しないこと。
・使用権資産については、リース開始日からIFRS第16号が適用されていたものとして測定すること。これは限ら
れた数の不動産につき、リースごとに適用することができる。
・短期および少額のリースの認識除外。
現在の見積りによると、2019年11月1日付でIFRS第16号を採用すれば、総資産および総負債は約50億ドル増加す
ると予測される。この主な内訳は、従前はオペレーティング・リースに分類されていた建物設備のリースおよび利
益剰余金が約1億ドル減少すること(税抜き)である。またIFRS第16号の採用により、当グループのCET1比率は
約14bps低下すると予測される。
<指標金利改革>
2019 年9月、IASBは、IFRS第9号「金融商品」、IAS第39号「金融商品:認識および測定」およびIFRS第7号
「金融商品:開示(修正)」の改訂案を公表した。これらは、代替金利への移行に先立ち、指標金利改革に伴う不
確実性による潜在的影響を軽減するため、特定のヘッジ会計要件を修正するものである。改訂案は、2020年11月1
日付で当グループに適用される予定であるが、それより前の適用も認められている。
代替金利への移行を管理するため、当グループは、顧客との契約の変更、資本および流動性計画、財務報告およ
び評価、システム、プロセス、研修および情報交換を含む、影響を受ける主要な分野に重点を置いたグループ規模
の包括プログラムおよびガバナンス構造を実施している。金利代替プロセスは主な法域ごとに異なるため、移行の
正確な時期および影響の評価は不明である。
当グループは、当局による指導を引き続き注視し、それに従って当グループにおける実施を調整する予定であ
る。
財務報告に関する概念フレームワーク(概念フレームワーク)
2018 年3月、IASBは、概念フレームワークの改訂を公表した。これは、2010年に発表された前バージョンの概念
フレームワークに取って代わるものである。改訂版概念フレームワークは、2020年11月1日付で発効する予定であ
る。当グループは現在、この適用が連結財務諸表に与える影響を評価中である。
<IFRS第17号「保険契約」(IFRS第17号)>
2017 年5月、IASBは、保険契約の認識、測定、表示および開示に関する指針を提供する包括的な国際保険基準を
定めるIFRS第17号を公表した。IFRS第17号は、企業に対し、3つの手法のいずれか1つを用いた現在履行価値で保
険契約債務を測定することを義務付ける。この新たな基準は、2021年11月1日付で当グループに適用され、実務上
不可能な場合を除き比較数値を修正再表示して遡及的に適用される予定である。2019年6月、IASBは、発効日の1
年延期を含め、IFRS第17号を修正する公開草案を公表した。当グループは、IASBの動きを引き続き注視していく。
当グループは、この基準および改正案の採用が当グループの連結財務諸表に及ぼす影響について現在評価中であ
る。
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管理および手続
<開示管理および手続>
当グループの開示管理および手続は、カナダおよび米国の証券法に基づき提出された報告書により当グループが
開示すべき情報が、それぞれの証券法に基づき定められた期間内に記録、処理、要約および報告されるよう合理的
に保証することを目的としており、必要な開示について適時決定ができるよう情報が収集され、総裁兼最高経営責
任者および最高財務責任者を含む経営陣に伝達されるよう保証することを目的とした管理および手続を含む。
2019 年10月31日現在、経営陣は、米国SECにより採用されている規則に基づき定義された開示管理および手続の
効果について、総裁兼最高経営責任者および最高財務責任者による監督および参加のもとで、評価を実施した。か
かる評価に基づき、総裁兼最高経営責任者および最高財務責任者は、当グループの開示管理および手続は、2019年
10月31日現在有効である、との結論に達した。
<財務報告に関する内部統制>
経営陣は、財務報告に対して適切な内部統制を確立し、これを維持する責任を負う。財務報告に対する内部統制
は、財務報告の信頼性およびIFRSに基づく外部提出目的の財務諸表の作成に関して、合理的な保証を行うことを目
的としている。しかし、財務報告に対する内部統制にも内在的な限界があり、虚偽記載を適時に防止または発見で
きない場合がある。
財務報告に対する内部統制には、2019年10月31日に終了した年度に、当グループの財務報告に対する内部統制に
重大な影響を与えるか、またはそのような合理的な可能性がある、いかなる変更もなかった。
関連当事者取引
通常の営業過程において、当グループでは、関連会社およびその他の関連のある企業(共同支配企業を含む。)
に対して、関連当事者ではない者の場合と同様の条件により、通常の銀行業務および運用業務を提供し、その他の
取引を行っている。取締役、役員およびその他の従業員に対しては、通常は優先顧客に認めている金利で、貸付け
を行う。さらに、従業員ではない取締役、役員およびその他一部の主要な従業員に対して、後配株およびその他の
制度を提供する。詳細は、下記「第6 1 財務書類」に記載の連結財務諸表に対する注記12および注記27を参照
のこと。
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4 【経営上の重要な契約等】
2018 年11月1日以降、当行は、通常業務の過程において締結した契約以外は、当行の事業に関して重要な契約
を締結していない。
5 【研究開発活動】
該当事項なし。
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第4 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
下表は最近の2会計年度末におけるRBCの動産・不動産を示したものである。
(10月31日現在)
2019年10月31日に終了した年度
備品、設
コン 備および
建設
ピュータ その他の リース物
(単位:百万カナダドル) 土地 建物 機器 付帯設備 件改良費 仮勘定 合計
費用
期首現在における残高 $ 153 $ 1,399 $ 2,123 $ 1,373 $ 2,726 $ 264 $ 8,038
(1)
- - 195 129 81 591 996
追加費用
建設仮勘定からの振替 - ▶ 84 82 262 (432) -
処分 - (10) (68) (29) (65) - (172)
外国為替換算 - - 3 (1) 2 - ▶
その他 - 2 (12) 3 (5) 9 (3)
期末現在における残高 $ 153 $ 1,395 $ 2,325 $ 1,557 $ 3,001 $ 432 $ 8,863
累積減価償却
期首現在における残高 $ - $ 669 $ 1,556 $ 1,051 $ 1,930 $ - $ 5,206
減価償却 - 45 273 113 196 - 627
処分 - (8) (61) (26) (56) - (151)
外国為替換算 - - 1 - 1 - 2
その他 - (3) (11) (1) 3 - (12)
期末現在における残高 $ - $ 703 $ 1,758 $ 1,137 $ 2,074 $ - $ 5,672
期末現在における繰越価額 $ 153 $ 692 $ 567 $ 420 $ 927 $ 432 $ 3,191
純額
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(10月31日現在)
2018年10月31日に終了した年度
備品、設
コン 備および
建設
ピュータ その他の リース物
(単位:百万カナダドル) 土地 建物 機器 付帯設備 件改良費 仮勘定 合計
費用
期首現在における残高 $ 157 $ 1,363 $ 1,875 $ 1,314 $ 2,586 $ 153 $ 7,448
(1)
- - 255 43 61 374 733
追加費用
建設仮勘定からの振替 - 7 44 56 184 (291) -
処分 (5) (17) (50) (41) (73) - (186)
外国為替換算 1 5 ▶ ▶ 8 - 22
その他 - 41 (5) (3) (40) 28 21
期末現在における残高 $ 153 $ 1,399 $ 2,123 $ 1,373 $ 2,726 $ 264 $ 8,038
累積減価償却
期首現在における残高 $ - $ 608 $ 1,367 $ 984 $ 1,819 $ - $ 4,778
減価償却 - 44 246 100 179 - 569
処分 - (10) (48) (34) (55) - (147)
外国為替換算 - 2 1 2 6 - 11
その他 - 25 (10) (1) (19) - (5)
期末現在における残高 $ - $ 669 $ 1,556 $ 1,051 $ 1,930 $ - $ 5,206
期末現在における繰越価額 $ 153 $ 730 $ 567 $ 322 $ 796 $ 264 $ 2,832
純額
(1) 2019年10月31日現在、有形固定資産を取得するための契約総額は338百万ドル(2018年10月31日現在は273百万ドル)で
あった。
2019 年10月31日以降、 RBC の重要な資産について、売却、廃棄または除却は行われていない。
2 【主要な設備の状況】
上記「1 設備投資等の概要」を参照のこと。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第5 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(2019年10月31日現在)
(1)
授 権 株 数(株) 未発行株式数(株)
発行済株式総数(千株)
制限なし 1,657,698 該当なし
(1) 取引日(決済日と対するものとして)に基づいて発行される株式を含む「発行済株式」の会計上の定義に従って計算され
ている。上記発行済株式総数には自己株数は含まれていない。
普通株式
数量無制限の額面普通株式または無額面普通株式が発行できる。
優先株式
シリーズごとに発行される、数量無制限の額面第一優先株式または無額面第一優先株式および額面第二
優先株式または無額面第二優先株式である。第一優先株式および第二優先株式の最大発行総額はそれぞ
れ、200億ドルおよび50億ドルである。
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② 【発行済株式】
(2019年10月31日現在)
上場金融商品取引所名
発行済株式総数
記名・無記名の別
種類 又は登録認可金融商品 株式の内容
(1)
及び額面・無額面の別
(千株)
取引業協会名
トロント、ニューヨーク、
記名式無額面株式 普通株式 1,430,678 (注記1)
スイス
記名式無額面株式 第一優先株式 227,020 トロント (注記2)
記名式無額面株式 第二優先株式 0 - (注記3)
計 - 1,657,698 -
(1) 取引日(決済日と対するものとして)に基づいて発行される株式を含む「発行済株式」の会計上の定義に従って計算され
ている。 上記発行済株式総数には自己株式の数は含まれていない。
( 注記1) 普通 株式はすべての株主総会における議決権を有する。ただし、特定のクラスの株主にのみ議決権が与えられている
場合を除く。
(注記2) 第一優先株式は議決権を有さない。ただし、(ⅰ)第一優先株よりも先順位の株式の設定または発行に関する場合、
(ⅱ)第一優先株またはそれと同列の株式の追加シリーズの設定または発行(ただし、当該設定または発行の日にお
いて、支払可能な累積的配当に関して最後に配当支払が完了したものを含むすべての累積的配当が、その時発行済み
の累積型第一優先株の各シリーズについて、支払済みまたは支払のために分離されていると公表され、かつ、公表さ
れたが未払いの非累積的配当が、その時発行済みの非累積型第一優先株の各シリーズについて、支払済みまたは支払
のために分離されている場合を除く。)された場合、または(ⅲ)法律による場合を除く。
(注記3) 第二優先株式は議決権を有さない。ただし、(ⅰ)第二優先株よりも先順位の株式の設定または発行に関する場合、
(ⅱ)第二優先株またはそれと同列の株式の追加シリーズの設定または発行(ただし、当該設定または発行の日にお
いて、支払可能な累積的配当に関して最後に配当支払が完了したものを含むすべての累積的配当が、その時発行済み
の累積型第二優先株の各シリーズについて、支払済みまたは支払のために分離されていると公表され、かつ、公表さ
れたが未払いの非累積的配当が、その時発行済みの非累積型第二優先株の各シリーズについて、支払済みまたは支払
のために分離されている場合を除く。)された場合、または(ⅲ)法律による場合を除く。
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(2019年10月31日現在)
株 式 数(単位:千株)
第一優先株式
(1)
12,000
非累積型シリーズW
非累積型シリーズAA 12,000
非累積型シリーズAC 8,000
(2)
-
非累積型シリーズAD
非累積型シリーズAE 10,000
非累積型シリーズAF 8,000
非累積型シリーズAG 10,000
(3)
-
非累積型シリーズAJ
(3)
-
非累積型シリーズAK
(3)
-
非累積型シリーズAL
(4)(5)
20,000
非累積型シリーズAZ
(4)(5)
20,000
非累積型シリーズBB
(4)(5)
24,000
非累積型シリーズBD
(4)(5)
12,000
非累積型シリーズBF
(5)
6,000
非累積型シリーズBH
(5)
6,000
非累積型シリーズBI
(5)
6,000
非累積型シリーズBJ
(4)(5)
29,000
非累積型シリーズBK
(4)(5)
30,000
非累積型シリーズBM
(4)(5)
14,000
非累積型シリーズBO
(6)
20
非累積型シリーズC-2
第一優先株式合計 227,020
発行済普通株式 1,430,678
(7)
34
自己株式-優先株式
自己株式-普通株式 (582)
ストック・オプション
発行済 7,697
行使可能 2,980
(1) 2010 年2月24日付で、当行は、一定の制限に従い、当行の選択によりこれらの株式を普通株式に転換する権利を有してい
る。
(2) 2018 年11月24日付で、当行は非累積型第一優先株式シリーズADの10百万株すべてを、1株当たり25ドルで償還した。
(3) 2019 年2月24日付で、当行は、非累積型変動配当率第一優先株式シリーズAKの2.4百万株すべて、非累積型5年利率見直し
型第一優先株式シリーズAJの13.6百万株すべておよび非累積型5年利率見直し型第一優先株式シリーズALの12百万株すべ
てを、1株当たり25ドルで償還した。
(4) 配当率は5年ごとに修正される。
(5) NVCC商品。
(6) 優先株式シリーズC-2に関連する預託株式815,400株を示す。各預託株式はシリーズC-2の1株の40分の1の持分を表してい
る。
(7) プラスの金額は、自己株式における売り持ちを表している。
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2019 年11月29日現在、普通株式 発行残高は、1,430,517,057株であり、純保有自己株式は206,508株 ならびにス
トック・オプションおよび株式報酬 の残高 は、 7,654,702 株 であった。
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(3) 【発行済株式総数及び資本金の推移】
発行済株式総数(単位:千株) 資本金(単位:百万カナダドル)
年月日
増減数 残高数 増減額 残 高
10月31日に
終了した年度
(1)
2014年 1,442,233 134 14,511
1,177
(2)
2015年 1,443,423 62 14,573
1,190
(3)
普通株式
2016年 1,485,394 3,366 17,939
41,971
(4)
2017年 1,452,898 (209) 17,730
(32,496)
(5)
2018年 1,439,029 (95) 17,635
(13,869)
(6)
2019年 1,430,678 10 17,645
(8,351)
10月31日に
終了した年度
(7)
2014年 163,000 (525) 4,075
(21,000)
(8)
2015年 204,000 1,025 5,100
41,000
(9)
第一優先株式
2016年 263,102 1,613 6,713
59,102
(10)
2017年 251,102 (300) 6,413
(12,000)
(11)
2018年 251,020 (107) 6,306
(82)
(12)
2019年 227,020 (600) 5,706
(24,000)
( 注記1) 2014年、普通株式1,546千株が買入消却され、普通株式2,723千株がストック・オプション制度に基づき発行された。
( 注記2) 2015年、普通株式1,190千株がストック・オプション制度に基づき発行された。
( 注記3) 2016年、シティ・ナショナルの買収に関連して普通株式41,619千株が発行され、株式に基づく報酬制度に関連して普
通株式4,981千株が発行され、さらには普通株式4,629千株を消却のために買入れた。
( 注記4) 2017年、普通株式35,973千株が買入消却され、株式に基づく報酬制度に関連して普通株式3,477千株が発行された。
( 注記5) 2018年、普通株式15,335千株が買入消却され、株式に基づく報酬制度に関連して普通株式1,466千株が発行された。
( 注記6) 2019年、普通株式10,251千株が買入消却され、株式に基づく報酬制度に関連して普通株式1,900千株が発行された。
( 注記7) 2014年1月30日、当行は1株当たり25ドルの非累積型5年配当率修正条項付第一優先株式シリーズAZを20百万株発行
した。2014年2月24日、当行は債権者オプションを通じて一部の非累積型5年配当率修正条項付第一優先株式シリー
ズAJの1株につき1株の転換条件で、非累積型変動利率第一優先株式シリーズAKの2.4百万株を合計61百万ドルで発
行した。2014年2月24日、当行は非累積型5年配当率修正条項付第一優先株式シリーズANの発行済株式9百万株、シ
リーズAPの発行済株式11百万株およびシリーズARの発行済株式14百万株のいずれもすべてを、1株当たり25ドルで現
金で償還した。2014年6月3日、当行は1株当たり25ドルの非累積型5年配当率修正条項付第一優先株式シリーズBB
を20百万株発行した。2014年8月24日、当行は非累積型5年配当率修正条項付第一優先株式シリーズATの発行済株式
11百万株およびシリーズAVの発行済株式16百万株を1株当たり25ドルで現金で償還した。
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( 注記8) 2014年11月24日、当行は非累積型5年配当率修正条項付第一優先株式シリーズAXの発行済株式13百万株すべてを、1
株当たり25ドルで現金で償還した。2015年1月30日、当行は1株当たり25ドルの非累積型5年配当率修正条項付第一
優先株式シリーズBDを24百万株発行した。2015年3月13日、当行は1株当たり25ドルの非累積型5年配当率修正条項
付第一優先株式シリーズBFを12百万株発行した。2015年6月5日、当行は1株当たり25ドルの非累積型第一優先株式
シリーズBHを6百万株発行した。2015年7月22日、当行は1株当たり25ドルの非累積型第一優先株式シリーズBIを6
百万株発行した。2015年10月2日、当行は1株当たり25ドルの非累積型第一優先株式シリーズBJを6百万株発行し
た。
( 注記9) 2015年11月2日、当行はシティ・ナショナルの買収に関連してシリーズC-1を175千株、合計227百万ドルおよびシ
リーズC-2を100千株、合計153百万ドルで発行した。2016年2月24日、当行は1株につき、シリーズC-1の株式の40分
の1の持分を表す預託株式3,717,969株およびシリーズC-2の株式の40分の1の持分を表す預託株式3,184,562株の現
金による買付を行った。買付されたシリーズC-1およびシリーズC-2の預託株式および現物株はその後消却された。
2015年12月16日、当行は非累積型5年利率見直し型第一優先株シリーズBK(以下、「シリーズBK」という。)27百万
株を発行し、さらに2015年12月31日にシリーズBKの2百万株を追加発行し合計725百万ドルとなった。2016年3月7
日、当行は非累積型5年利率見直し型第一優先株シリーズBMの30百万株を合計750百万ドルで発行した。
( 注記10) 2017年9月27日付で、当行は非累積型第一優先株式シリーズABの発行済株式12百万株すべてを、1株当たり25ドルの
償還価格にて現金で償還した。
( 注記11) 2017年11月13日、当行は、発行済みのシリーズC-1株式82,050株すべてを、1株当たり1,000米ドルの償還価格(関連
する預託株式1株当たり25米ドル相当)で現金と引き換えに償還した。
( 注記12) 2018年11月24日、当行は非累積型第一優先株式シリーズADの発行済株式10百万株すべてを、1株当たり25ドルの償還
価格にて現金で償還した。2019年2月24日、当行は、非累積型第一優先株式シリーズAKの発行済株式2.4百万株すべ
て、非累積型5年利率見直し型第一優先株式シリーズAJの発行済株式13.6百万株すべておよび非累積型5年利率見直
し型第一優先株式シリーズALの発行済株式12百万株すべてを、1株当たり25ドルで償還した。 2018年11月2日、当行
は、非累積型5年利率見直し型第一優先株式シリーズBOの14百万株の合計350百万ドルを発行した。
(4) 【所有者別状況】
① 普通株式所有者(名義株主)別状況
(2019年10月31日現在)
発行済普通株式総数に対する
内訳 株主数(人) 所有普通株式数(株)
所有普通株式数の割合(%)
預託機関 2 1,397,525,705 97.68
その他 43,939 33,152,331 2.32
合計 43,941 1,430,678,036 100.00
(1) 決済日(取引日に基づいて発行される株式を含む「発行済株式」の会計上の定義と対するものとして)に従って計算さ
れている。
② 第一優先株式所有者(名義株主)別状況
(2019年10月31日現在)
発行済第一優先株式総数に
所有第一優先株式数
内訳 株主数(人) 対する所有第一優先株式数の
(株)
割合(%)
預託機関 2 227,020,385 100.00
その他 - - 0.00
合計 2 227,020,385 100.00
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(5) 【大株主の状況】
当行の発行済株式の10%を超えて実質的に所有している株主または株主グループは存在しない。「第1 1
(1)(v)銀行法に基づく銀行株式に関する規制」を参照のこと。下表は、2019年10月31日現在、当行の株式を
1%を超えて所有している名義株主の状況である。
(2019年10月31日現在)
発行済株式
総数に対する
氏名又は名称 住 所 所有株式数(株)
所有株式数の
割合(%)
M5H 1S3 オンタリオ州トロント
ウエストスート 300
CDSクリアリング・アンド・デポジタ
1,108,631,977 77.49
リー・サービシーズ・インク
アデレードストリート 100
カナダ
10041 ニューヨーク州 ニューヨーク
CEDE・アンド・カンパニー ウォーターストリート 55 288,893,728 20.19
米国
合計 1,397,525,705 97.68
2 【配当政策】
当行は、当行が、配当金の支払の結果として、資本充実・流動性に関する規制または銀行法に基づき公布され
た規制指令に反する場合または反することになる場合には、優先株式または普通株式について配当金を支払うこ
とを銀行法により禁止されている。当行は、優先株式の株主に対するすべての配当金の支払が公表され、支払が
行われるか、または支払のための分離が行われた場合を除き、いかなる時も普通株式について配当金を支払うこ
とができない。
現在のところ、これらの制限は、当行の優先株式または普通株式についての配当金の支払を制限するものとは
なっていない。
3 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
当グループは、規制上の期待に沿ってベスト・プラクティスを展開し、また当グループの戦略およびリスク
選好度に合致するガバナンスの高い水準を維持することに最大の努力を払っている。当グループは、グッド・
ガバナンスとは、RBCおよびその活動を単に監督するのではなく、透明性、経営陣からの独立性および倫理性
をもって監督することであると考えている。これには、独立した取締役会がすべての利害関係者と積極的に関
わること、事業およびそのリスクを認識すること、経営陣に異議を唱えること、変化する業界および経済にお
ける機会および課題を理解すること、RBCを成功に導く堅実な基準および原則を設定すること、ならびに顧客
の努力および地域社会の繁栄を支援することが含まれ、これらのすべてが当グループの株主にとっての当グ
ループの継続的な価値向上を確実にするためのものである。これが、取締役会が日々目指しているものであ
る。
(1)
本「コーポレート・ガバナンスの概要」の項において、「RBC」および「当行」とはロイヤル・バンク・オブ・カナダを指
し、「CEO」とは当行の総裁兼最高経営責任者を指す。ウェブサイトへの参照記述はすべて、参考にすぎない。それらに含
まれる情報およびその他参照先のウェブサイトは、本書の一部を形成するものではない。
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当グループのアプローチを推進する基本原則
行動および文化
トップの姿勢を打ち出すことにより、取締役会は、信頼、清廉さおよびグッド・ガバ
ナンスという企業価値を支持する。
受託者責任
取締役はRBCの受託者であり、経営の監督に際して独立した判断を行うとともに株主
の利益を保護する。
戦略的監督
取締役は経営陣の重要なアドバイザーであり、事業の機会およびRBCのリスク選好を
考慮し、戦略的方向性、目標、および行動計画について助言を行う。
リスクの監督
取締役会は、事業に対するリスクを認識および管理するための枠組み、方針およびシ
ステムを監督するとともに、RBC全体に強固なリスク認識文化を定着させるよう努め
る。
独立性
経営陣からの独立は取締役会の効率的な監督に必要不可欠であり、その独立性を保つ
ためにメカニズムが採用されている。
説明責任
透明性はグッド・ガバナンスの主要な特徴である。取締役会は、明確で包括的な財務
報告および開示ならびに建設的な株主への関与に尽力する。
継続的な改善
取締役会は、コーポレート・ガバナンス原則、ポリシーおよび慣行を継続的に改善さ
せることに尽力する。
取締役会は、銀行法およびカナダ証券管理局、トロント証券取引所、ニューヨーク証券取引所、米国証券取
引委員会を含むその他の関係法令に従いその権限を行使する。
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当グループのガバナンスの構成
取締役会、取締役会委員会、経営陣、株主およびその他利害関係者との基本的な関係性は、当グループのガ
バナンスの構成によって定められている。
この構成を通じて、当グループは、当グループの戦略・企業目標とともに当グループの組織文化の方向性を
設定する価値を定義づけ、かかる目標達成およびパフォーマンスの監視のための計画を判断する。
取締役会の役割
取締役は経営陣を監督し、長期的な株主価値の向上を目指す。
取締役は重大な政策を決定し、戦略計画に参加し、経営陣の業績および有効性を検討する。銀行法は、財務
諸表の承認および配当宣言等、取締役会が処理しなくてはならない重要事項を特定している。取締役会は、特
定の判断を行う権利を留保しており、その他を経営陣に委任している。経営陣は、一定の金額基準を超える一
部の事項に関しては、取締役の承認を要求することができる。
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ガバナンス委員会の役割
ガバナンス委員会は、取締役会の刷新を監督し、取締役を選挙または再選に推薦する(取締役会のメンバー
の選任に関する更なる詳細は、下記「取締役の指名、自己啓発および評価」を参照のこと。)。ガバナンス委
員会はまた、委員会の委員ならびに取締役会議長および委員会委員長の後任について勧告する。
ガバナンス委員会は、取締役会および委員会の責任範囲の概要を示す権能の見直しを行い、規制指針および
業界におけるベスト・プラクティスを考慮して、要求されるとおり責任の配分を行う。こうした見直しによ
り、取締役会および委員会は、新たな要求に適応および反応し、また、精力的な監督の実施を継続する。
通例、取締役は、在職期間中に、1委員会につき最低3年の任期を一度に2つの委員会で果たし、その多く
が在職期間中に、すべての委員会の委員を務める。
ガバナンス委員会委員長およびその他の委員会の委員長は、次の各委員会会議において取締役会に報告す
る。
取締役会議長の役割
キャスリーン・テイラーが当グループの独立した取締役会議長である。
独立性を有する非常勤役員の取締役会議長は、経営の説明責任および取締役会の独立した監督を強化する。
取締役会の議長は、取締役会および株主総会を指揮し、取締役会の管理、発展および効果的に機能させること
について責任を負う。当該議長は、いずれの取締役会委員会の構成員でもないが、委員会の会議に出席および
参加する。議長は、取締役会の投票において可否同数の結果となった場合、決定投票を行う権利を有しない。
とりわけ、取締役会議長は、下記を行う。
・重要な議題において、CEOに助言を行い、取締役会および上級経営陣の間の窓口を務める。
・新しい取締役のオリエンテーションおよび既存の取締役の継続的な成長に参画する。
・ガバナンス委員会とともに、取締役会の有効性評価ならびに取締役会の承継および採用の計画を行う。
・一年を通して取締役および上級幹部と意見交換を行う。
・取締役会を代表して規制当局、株主および利害関係者と会う。
・当グループの子会社の独立取締役と定期的に会う。
取締役会が取締役会の議長の権能を検討かつ承認する一方、ガバナンス委員会は、委員長の指示のもと、毎
年取締役会議長の権能遂行の有効性を評価している。
取締役会、取締役会議長および取締役会委員会の権能は、rbc.com/governanceにおいて閲覧可能である。
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取締役会による監督事項
責任 業務内容
行動および文化 ・当グループの行動規範に規定されるとおりに、RBCの価値観を支持
・顧客、地域およびその他と交流する際、共に働く際、事業を行う際および受託資産を
保護する際における、当グループの清廉な文化の監督
・同僚が意見を述べ、RBCの価値観と合致しない言動に異議を唱えることのできる互い
に敬意をはらう環境の促進
戦略的計画 ・当グループの戦略的な方向性、計画および優先事項の監督、ならびにこれらが当グ
ループのリスク選好と合致することの保証
・経営陣との企業戦略についての協議および批判ならびに戦略的イニシアチブの実施の
監視
・事業の機会およびリスクを考慮する戦略的計画の毎年の承認
・重要な資本配分、委任された権限を超える支出や取引を含む、当グループの財務目標
および運営計画の承認
・RBCの組織構成の見直しおよび承認
・低炭素経済への移行において、当グループの顧客のサポートを目的とする、気候変動
に対する企業としての取組みの監督
・事業パフォーマンスの年次評価の結果の検討
リスク管理 ・当グループのリスク選好枠組みの監督および承認
・リスク管理体系および方針の承認による当グループの戦略的リスク管理の監督および
リスク管理行動の監視
・強固なリスクカルチャーを促進し、行動が当グループの企業規模のリスク管理体系に
沿っていることの確認
・当グループのリスク選好枠組みおよび管理環境に関する当局との会議
財務報告および ・四半期および年次の財務報告の承認
内部統制 ・適用ある監査、会計および財務報告義務の遵守状況の監督
・経営陣による管理情報システムを含む効果的な内部統制システムの実施および維持の
監督、ならびにその適合性および有効性についての評価
人材管理および ・CEOおよびCEOに報告する役員(グループ・エグゼクティブ)の選考、任命および展開
継承計画 を含む継承計画の監督
・将来のインセンティブと一致する方法による、CEOおよび上級経営陣の報酬の評価お
よび承認
・CEOの権能について年に1回の検討および承認
・上級職の能力評価および開発にかかる戦略およびプログラムの検討
ガバナンス ・取締役会が効率的にかつ独立して機能するための適切な構造および手続の構築
・コーポレート・ガバナンスの原則およびガイドラインの整備
・ガバナンスにおけるベスト・プラクティスの監視
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当グループの子会社ガバナンスにおけるアプローチ
RBC は、子会社ガバナンスにおいて企業規模アプローチを採用している。
取締役会およびその委員会は、子会社ガバナンスを企業レベルで監督しており、ガバナンス委員会はかかる
監督の調整を行っている。
子会社ガバナンス・オフィスは、現地の専門知識と世界規模の監督とをまとめ上げる地域的ガバナンスのハ
ブとして行為する世界中の事務所のネットワークを通じて、RBCの子会社のガバナンスを監督する。この一元
化されたアプローチは、一貫性および透明性を提供し、当グループが変化する事業上のニーズ、ベスト・プラ
クティスならびに規制上の要件および期待に対応できるようにする。
子会社の取締役会の構成および機能に係る当グループの方針により、強力なガバナンスが促進される。積極
的かつ職務熱心な子会社の取締役会は、当グループの法人の監督において主要な役割を担っている。その多く
は、取締役会がRBCおよびその子会社の戦略的優先事項を促進し、経営陣に対して建設的に異議を唱える手助
けをする、特別な技能および経験に裏付けられた独立取締役を有する。当グループが焦点を当てる多様性およ
び受容と一致して、当グループは、子会社の取締役会におけるジェンダーおよび非ジェンダー代表を引き続き
促進し、組織全体の成長に向けた才能を築くために子会社の取締役会の経験を有効活用する。
株主およびその他利害関係者との関わり
株主およびその他利害関係者との継続的かつオープンな対話は、当グループにとっての重要な優先事項であ
る。取締役会は、すべての利害関係者に対して、適時かつ有意義なフィードバックを発信するように働きか
け、建設的なかかわりを促進し、ベスト・プラクティスと整合させるために株主および利害関係者との新たな
かかわり方を定期的に見直すことを推奨する。
以下のとおり、当グループに関与し、重要な情報を入手する方法は多数存在する。
取締役会 株主は、rbc.com/governanceに記載される方法で、取締役または取締役会議長と連絡を取
ることができる。
経営陣 CEO、グループ・エグゼクティブおよび上級経営陣のその他のメンバー、インベスター・リ
レーションズならびに事務局は、金融アナリスト、投資家およびその他利害関係者と定期
的に会合を開く。
インベスター・ インベスター・リレーションズは、RBCを代表して、投資を行う一般市民とのコミュニケー
リレーションズ ションを担当している。
生中継 当グループは、アナリストとの四半期ごとの収益に関する電話を生中継し、各電話の後
3ヶ月間にわたり、当グループのインベスター・リレーションズのウェブサイトにアーカ
イブする。また、株主は当グループの年次総会にもウェブサイトの生配信を通じて参加可
能であり、これは、次の年次総会までの期間、当グループのインベスター・リレーション
ズにアーカイブされる。
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行動および文化
取締役会は、顧客、投資家、同僚および業界の信頼を構築し維持するためにRBCにおける最高水準の行動を
設定し、期待している。取締役会は、経営陣とともに、RBCにおける開放的でありかつ透明性ある文化を上層
部から方向性を設定し、促進する。当グループは、行動および文化の監督に係る取締役会の責任は広範に及ぶ
ことを認識しており、当グループの活動に対する継続的な改善の姿勢を取り入れることを求めている。
このため、当グループのガバナンス委員会は、行動管理を監督する。顧客の成果、従業員の行動およびリス
ク文化ならびに金融市場の清廉さ、健常さおよび回復性への影響および当グループの評価への影響を含む、行
動および文化に関する事項に関する取締役会報告および委員会報告を引き続き強化することに努め、これらの
重大事項の監督に対する総体的なアプローチの改善に役立たせるために、最新動向および成功事例を監視して
いる。また、企業の行動を強化するプログラムの重要事項および進捗状況を見直すために、最高人事責任者、
最高リスク責任者(CRO)、最高コンプライアンス責任者(CCO)および法務顧問と定期的に会合する。
また、当グループは、当グループの価値観に反する行動に対して声を上げ、異議を唱えることで、当グルー
プの文化形成に寄与するよう従業員を奨励している。
RBC の行動規範
RBC の行動規範は、取締役、経営上層部ならびにすべての従業員に適用される望ましい行動の基準(誠実で
あること、他者を敬うこと、法令、規則および当グループの方針の遵守ならびに公正かつ誤解を招くことない
販売活動への従事に関する責任を含む。)を構築する。
取締役会は、行動規範を毎年承認し、上層部から方向性を設定するために経営陣と緊密に連携し、RBCのす
べてのレベルおよび当グループの世界的業務すべてにわたり影響を及ぼす強力なガバナンスの文化を促進す
る。
当グループの行動規範は、取締役会が審議をする上での指針として必須の原則を規定している。繊細かつ複
雑な事項に適切に対応する基準を構築し、行動の基準が守られなかった場合に不正について全従業員に報告す
ることを要求および当グループの責任を概説する。
RBC は、従業員がいかなる報復も気にせずに様々な手段で率直に発言し懸念を表明することのできる開放的
でありかつ透明性ある環境を育成している。2019年、当行は、グローバルな管理ホットラインを導入すること
により、懸念を報告する手段を強化した。これは、全従業員が懸念の提起および不正を報告するための、機密
性があり公的に入手可能な手段である。RBCの独立した第三者はホットラインを運営し、従業員はかかるホッ
トラインを匿名で使用することができる。
当グループには、従業員が、当グループの行動規範に規定される価値観および原則を熟知し理解しているこ
との証明を目的としたオンライン学習プログラムおよび従業員を対象とした年1回のテストや証明書がある。
取締役は、毎年、行動規範を読み、それを理解したことを確認し、これに従っていることを証明しなければな
らない。また、当グループには、 贈収賄の防止、腐敗の防止およびインサイダー取引に係る方針等、公正 な業
務遂行に関するより具体的な局面に対処するための方針と手続がある。
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行動規範適用からの逸脱は例外的な状況においてのみ考慮される。執行役員および取締役については、かか
る逸脱はガバナンス委員会または取締役会に報告されなくてはならず、また、法令に従って公表されなくては
ならない。
当グループの行動規範の写しは、rbc.com/governanceで閲覧可能であり、また、sedar.comにおいて証券当
局に提出されている。
2019 年度、取締役会は、執行役員または取締役に対して、行動規範の責任免除を許可しなかった。
財務報告ホットライン
当グループの利害関係者は当グループの財務報告の透明性を信頼している。当グループは、取締役、役員、
従業員および第三者が、会計、監査または内部会計統制に関する不正行為疑惑を内密かつ匿名のうちに報告で
きる体制を確立している。当グループの報告ホットラインに関する詳細は rbc.com/governance を参照のこと。
事項については、内部的に、または、独立した外部機関による調査を行い、重大な事項については監査委員会
の委員長に提出される。
利益相反
実際には、利益相反は専門的な契約上の合意、取締役の職務およびその他の事業利益として発生する。取締
役および上級役員の私的および公的な利益が、RBCのそれと相反する可能性がある場合、取締役および上級役
員は、利益相反の性質およびその範囲について、書面によりまたは取締役会議事録への記載を要請することに
より、可能な限り早期に開示しなければならない。利益相反のある場合、当該取締役または上級役員は、かか
る問題を審議する会議には出席せず、また取締役の場合にはその決定に投票または参加しないものとする。
当グループの多様性への取組み
多様性および受容は、常にRBCの中心的価値観に据えられてきた。当グループは、最も優秀な人材を引き付
け、保持するためには、様々な技術および背景を考慮し、差異を受け入れる必要があると考えている。取締役
会は、より広範な優秀な人材の獲得方法をRBCに提供し、創造性、革新および成長を推進するため、あらゆる
レベルで多様性および多様性の受容に尽力する。
取締役会の多様性の原則
当グループの取締役のうち43%が女性である。
RBC は、カナダの企業の取締役会の多様性を促進することにおいて、リーダーシップの役割を果たしてき
た。当グループは、カナダ企業の取締役会で女性取締役の占める割合を増加させる行動への呼びかけである
2012年カタリスト協定の当初署名者の1つであった。また、RBCは、30%クラブのカナダ支部の創設メンバー
であり、2020年までに取締役会で女性が30%を占めるという目標を既に上回っている。
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当グループの多様性目標の実現を支援し、当グループの原則および運用においてシステムの障害またはバイ
アスがないことを保証するため、取締役会は、取締役会の多様性の原則を承認した。取締役会は現在、各ジェ
ンダーが取締役の少なくとも30%を構成するという多様性目標を掲げている。
毎年、ガバナンス委員会は、とりわけ多様性目標を目指す取締役会の指導に関するその有効性を測定する自
己評価を完了する。ガバナンス委員会は、当グループの取締役会の多様性の原則および目標に照らして、取締
役会の構成および予想される欠員も見直す。年齢、地理、背景および民族の多様性を含むジェンダーおよび
ジェンダー以外の多様性は、ガバナンス委員会が常に検討する重要な要素である。
経営陣の多様性
カナダにおける役員の46%が女性であり、当グループのグループ・エグゼクティブの10%が女性である。
多様性は、当グループの人材管理へのアプローチ全体に取り入れられている。当グループは、CEOおよびグ
ループ・エグゼクティブのその他のメンバーを含む、役員および経営上層部を採用する際にジェンダーおよび
ジェンダー以外の面での起用割合を含む、多様性のすべての側面を考慮する。当グループは、このグループの
規模の小ささおよび広範な基準を注意深く検討するニーズ、また、最も重要なこととして、当グループの利害
関係者にとって長期的な価値を推進するためにビジネス・ニーズを適切にマッチングさせることならびに新た
に任命された人材のスキルおよび能力が実証されていることにより、グループ・エグゼクティブのレベルでの
具体的な多様性目標を定めない。
役員および経営上層部の役職における多様な人材の起用割合は、より高い収益をもたらす可能性を秘めてい
る当グループの多様な人材パイプラインを反映する。当グループは、当グループのウーマン・イン・リーダー
シップ・プログラム、文化的に多様な人材を対象とするIgniteと称するリーダーシップ・プログラム、任意休
職期間1年以上の上級職レベルを対象とした当グループのRローンチ・プログラムおよびキャリアの早い段階
での女性の発展に焦点を当てたプログラムであるアーリー・イン・キャリアズ・ダイアログを含む、多くの異
なるイニシアチブを通じて、当グループの後継者の層を強化するための多様なリーダーの進出の加速に重点を
置いている。
当グループは、役員配置リストへの組込み、子会社の取締役会における管理職、目標とする発展計画ならび
に公式の発展プログラムおよびメンタープログラムへの参加といった、当グループの高い将来性のある従業員
の能力開発の機会を認識する上でも、多様性を考慮する。当グループは、有意義な変化を起こすことになる場
合、人材配置事項を考えており、起用割合目標に加えて、意欲的な多様性のある人材配置目標を設定した。当
グループの2020会計年度の新任役員任命の人材配置目標は、女性が50%および可視的マイノリティが20%であ
*
り、女性および可視的マイノリティの役員への起用割合においてカナダの同業他社に優位を誇っている 。
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CEO が議長を務め、全部門の上級役員から構成される、RBCの多様性リーダーシップ審議会は、多様性および
受容を推進しており、RBC全体に関して測定可能な結果を有する戦略および行動計画を展開する。当グループ
は、受容について声を上げるためには、受容について話すことが必要であると考えており、多様性に関する当
グループの新たなポータルサイトであるrbc.com/diversityを通じて、当グループにおける同僚、また当グ
ループの地域社会および顧客に対し、多様性および受容について有意義な対話を可能にし、行わせるための取
組みを講じている。
*
雇用平等法(カナダ)に準拠するカナダ企業における公的に入手可能な雇用平等データによる。
取締役会の独立性
当グループのCEOを除き、全取締役は独立している。
取締役会は、その有効性のために、独立していなければならない。このため、取締役会は、銀行法に基づく
「関係者」の規定およびカナダ証券管理局ガイドラインにおける「独立性」の定義を盛り込んだ取締役の独立
性に関する方針を採用している。また本方針は、当グループの監査委員会および人事委員会のそれぞれの委員
に対して、追加の基準も定めている。取締役の独立性に関する方針は、sedar.comにおいて証券当局に提出さ
れ、rbc.com/governanceにおいて閲覧可能である。
取締役の独立性の査定
取締役は、RBCと関係性を有さず、かつ、取締役会が、独立した判断の妨げとなるRBCとの直接的または間接
的な重要な関係が一切ないと判断した場合にのみ独立している。
取締役会は、取締役の独立性を判断するため、個人バンキングおよび個人金融サービスに関する情報を含
む、RBCとの間の私的および公的な関係に関する情報を使用する。取締役会は、この情報を下記の情報源等を
通じて収集する。
・ 毎年実施される詳細にわたるアンケート への取締役の回答
・ 取締役の経歴情報
・ 取締役、取締役との関係を有する関係法人およびRBCとの間の関係性についての内部記録および報告書
取締役会は、取締役およびRBCとの間の関係性を、当グループの取締役の独立性に関する方針に規定される
重要度の基準を使用して考査する。取締役会はまた、これらのいずれかの関係性が取締役の独立した判断を妨
げることが合理的に予測しうるか否かの判断において関連するとみなされるその他の事実および状況を考慮す
る。取締役会は、かかる関係性および重要性の本質および範囲を、取締役およびRBCに対してのみならず取締
役が関係している法人に対しても考慮する。
銀行法上、CEOは取締役会の構成員でなければならない。CEOは、唯一の独立していない取締役である。
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他の取締役会の構成員に対する対処方針
いずれの取締役も、RBCの他に3社以上の公開会社の取締役を務めていない。
取締役は、取締役職(公開または非公開であるかにかかわらない。)、雇用および顧問またはコンサルタン
トとしてのすべての役職を含むすべての新たな専門的行為を行う前に、取締役会議長、ガバナンス委員会委員
長および事務局に事前に通知しなければならない。取締役会議長およびガバナンス委員会委員長は、取締役
が、そのRBCへの責任を果たすために確実に十分な時間と力を有することができるか評価し、独立した判断に
影響を与えうる状況が生じる可能性を判断する。
取締役の兼任方針 同じ公開会社の取締役を務めることができるRBCの取締役は、2名以内と規定されてい
る。現在、その他の公開会社の取締役会で、他のRBCの取締役と役員を務めているRBCの
取締役はいない。
公開会社監査委員会 RBCの監査委員会の委員は、3社以上の他の公開会社の監査委員会の委員を務めること
における業務 ができない。
独立性の維持
取締役会は、取締役会の独立性を維持するために、その他の重要な方法を定めた。
経営陣への接触 いずれの独立取締役も、RBCの経営陣および従業員に無制限に接触することができる。
社外顧問 独立したアドバイスの入手を確保するために、各取締役会の委員会および各取締役(取
締役会議長の承認による)は、RBCの費用で社外顧問を雇うことができる。
非公開会議 取締役間のオープンかつ率直な協議を促進させるため、取締役会および委員会の議長
は、経営陣が出席しない会議を開く。
2019 会計年度中、経営陣が出席しない会議は、すべての取締役会および定期委員会において開かれた。
取締役の指名、自己啓発および評価
取締役に適した候補者の選定
当行は、高い将来性のある候補者を認識するために、独立系の調査会社を定期的に雇っている。
取締役会は、その構成員の多様性、資質、能力および経験からその強みを引き出す。
ガバナンス委員会は取締役会の刷新を監督しており、取締役会に選任される候補者を指名する。委員会の目
的のために不可欠なものは、急速に変化し競争が激化しつつあるグローバル市場および進化する規制環境の中
で、規律の強いリスクを伴ったRBCの将来の戦略的目標をサポートする才能と経験を有する取締役で構成され
る取締役会を構築することである。その後、各年次総会においてRBCの株主により取締役が選出され、次の年
次総会までの期間を務める。
毎年、委員会は、取締役会に選任または再任される候補者の資質を取締役会 議長 と協働して検討し、取締役
会が全体として有するべきであると判断するその能力および経験を評価する。この検討の一環として、委員会
は、各取締役の主要な能力および経験を示すマトリックスを作成している。
委員会は、当グループの戦略的目的をサポートするために求められる技能および能力の評価について、取締
役会および役員の有効性の査定の結果を検討する。
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2019 年度、委員会は、取締役候補者の継続的評価の一環として、独立した第三者コンサルタントを起用し、
取締役会で必要とされるスキルおよび経験に関する2016年の取締役会構成を見直した。当該コンサルタント
は、銀行の長期的戦略、取締役およびCEOとの面談、取締役会の既存のスキルおよび能力ならびに次の取締役
の退任について検討した。また、当グループのカナダ、米国および世界の同業者と比較して、当グループの運
用を評価した。
以下により認識され ・レファレンス・スキ ・ガバナンス委員会に 2015年以降、5名の新
る: ル・マトリックス よる推薦 たな取締役が株主によ
り選出されている。
・調査会社 ・資格の査定 ・取締役会による承認
・取締役 ・多様性の考慮 ・株主による選出
・経営陣 ・独立性の検討
・株主 ・コンフリクト・
チェック
・個人およびその他の ・面接手続
利害関係者
指名の方法
株主 株主は、取締役会議長に候補者を提案することができる。
銀行法に基づく提案 銀行法に基づき、資格のある株主は、取締役として指名されるべき者を正式
に提案することができる。
プロキシー・アクセ 取締役会は、株主が取締役指名届を提出するための新たな方法を提供するプ
ス・ポリシーに基づく ロキシー・アクセス・ポリシーを採用した。このポリシーは、
指名 rbc.com/governanceで確認することができる。
個人およびその他の利
個人およびその他の利害関係者もまた、取締役会議長に候補者を 提案 するこ
害関係者
とができる。
連絡情報は当行の 株主総会議決権行使参考書類 の末尾に記載されている。
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取締役会のための候補者の評価
ガバナンス委員会および取締役会 議長 はともに、すべての適格な個人を検討し、潜在的候補者の最新リスト
を常時維持する。事業および職務における専門知識(金融サービス業界やリスク管理に関する専門知識を含
む。)、大規模企業における上級職レベルでの関与、国際経験ならびに功績を有し、最高のレベルで業務を行
い、また当グループの戦略的目的に関連する地理的地域への居住経験があり、精通した独立候補者が、取締役
会により選任されている。顧客の繁栄と地域社会の発展を支援するという銀行の目的を達成するために、すべ
ての取締役候補者は、ESG案件の経験を有することが求められる。さらに、取締役候補者全員が、清廉で顧客
を最優先し、多様性および受容、説明責任および協力を含むRBCの価値観に対するコミットメントを共有す
る。
新任取締役および現職取締役に当行が期待する技能、コミットメントおよび行動は、当グループの取締役の
有効性に関するフレームワークに定められている。取締役会の多様性方針及およびバランスのとれた多様な取
締役会への当グループのコミットメントに従い、ガバナンス委員会はまた、指名するための候補者を検討する
際、ジェンダーおよびジェンダー以外の多様性、 年齢、地理、背景ならびに民族 といったその他の重要な要素
を検討する。
取締役会規模の検討
今年は、14名の候補者が取締役として選定されている。
取締役会の最適な規模を検討する際には、取締役会は、2つの競合する優先事項の間の均衡を保つ。
・RBCの短期的および長期的な戦略的目標に合致し、当行の多様な顧客および株主の基盤を反映する経験、
視点およびバックグラウンドの多様性を必要とするビジネス・ニーズ、ならびに
・オープンかつ効果的な対話および綿密かつ迅速な意思決定が可能な程度に小規模であるニーズ
規制要件および継承計画も取締役会のその最適な規模の決定において重要な役割を果たす。
過半数投票原則
取締役会の過半数投票原則は、無競争選挙において指名を受けた取締役が、当該候補者に投票された票の少
なくとも過半数(50%プラス1票)により選任されなかった場合に、直ちに辞任届を提出しなければならない
旨を定めている。取締役会は、90日以内に辞任の承認を検討する。例外的な場合を除き、取締役会は辞任を受
諾し、かかる辞任は即日効力を生じる。
辞任届を提出する取締役は、当該辞任が検討される取締役会または委員会の会合に参加しないものとする。
RBCは、取締役会の決定に従い、直ちにニュース・リリースを発表する。取締役会が辞任を承認しないと決定
した場合は、かかる決定の理由をニュース・リリースにすべて言明するものとする。
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在職期間の原則
当グループは、在職期間の制限を組み入れた在職期間の原則を設けており、かかる目的は以下のとおりであ
る。
・経験の利点と新しい観点の必要性とのバランスを取ること、および
・継続的な取締役会の更新を実現すること
*
取締役の任期は15年または年齢70歳に達した場合のいずれか早い方。
取締役
新任取締役は、年齢に関係なく、少なくとも6年の任期を果たすことができる。
取締役会議長 取締役会議長の任期は8年である。
委員会委員長 委員会委員長の任期は3年であり、関連委員会のリーダーシップに要求された見解を検討
した上で、適切な場合、最長2年延長することができる。
*
2011年5月27日より前に取締役会の一員となった取締役に関しては、任期は2012年3月1日から開始する。
任期の制限は、当グループの年次の取締役査定の有効性に優先しない。取締役の再選定に関しては、戦略的
な目的を前提とした取締役会およびRBCの需要を踏まえ、取締役査定の有効性および相互査定の結果を考慮に
入れる。
以下の場合、取締役は、その辞任届を取締役会 議長 に提出することが求められている。
・適格性、独立性もしくはその他の資格に変更があった場合
・取締役が、取締役会の利益相反ガイドラインに基づく資格規定を充足しなくなった場合、または
・取締役が、銀行法もしくはその他の適用ある法令に基づき、適格性を失った場合
ガバナンス 委員会 は、辞任を承諾するべきかどうかについて、取締役会に勧告を行う。辞任届を提出する取
締役は、協議または意思決定過程に参加しない。
取締役に適切な能力を身に着けさせるために
取締役会は、新任取締役がその役割について徹底したイントロダクションを受け、またすべての取締役が継
続中の進歩に注力できるように、必要な資源を入手できるよう、尽力している。ガバナンス委員会は、新任取
締役の交代を可能な限り円滑にし、取締役会およびRBCに対し価値のある貢献を行うために適切な能力を取締
役に身に着けさせる責任を担っている。
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ガバナンス委員会は、迅速で適応性のある取締役会を推進するために、3つの重要な柱を含むプリンシプル
ベースのアプローチを採用した。
重要な柱 取締役の活動および資源
オリエンテーションおよ ・当グループのガバナンス原則およびガバナンス方針(当行の行動規範および
びオンボーディング 取締役の独立性に関する方針を含む。)をカバーする詳細なオリエンテー
ションガイド
・グループ・エグゼクティブおよびシニア・マネジメントと行う戦略・事業の
徹底検証
・取締役の義務並びにRBCの内部統制および実務について助言するためのガバナ
ンス、法務および業務担当主要幹部とのオンボーディング・セッション
・委員会への出席(かかる取締役が委員でない場合でも)
・エグゼクティブ・スポンサーおよび事務局とともに行う委員会委員長向けオ
リエンテーション
受容 ・新たな取締役と経験豊富なメンバーを組み合わせたメンターシップ・プログ
ラム
・取締役会のカルチャーおよびダイナミクスに関する取締役の理解を高めるこ
とを目的とした取締役会議長および委員会委員長との1対1のミーティング
・当グループの戦略目標に関する認識を深め、オープンな対話や建設的な関係
を促進するための上級経営陣との継続的な交流
自己啓発 ・教育講座および教材
・ビジネス・規制環境(当グループの事業および運営の特殊かつ複雑な側
面を含む。)に関する上級幹部によるプレゼンテーション
・RBCスピーカー・シリーズ(事業・市場の動向、機関投資家の見通し、消
費者動向、金融機関のデジタル・ディスラプション、政治・経済情勢、
業界・規制の新たな動向やダイナミックな市場等の主要トピックに関す
る最新情報を取締役に提供する、外部のゲストスピーカーによるプレゼ
ンテーションで構成されるプログラム)
・委員会の枠を越えた共同教育講座で取り上げられる共通の懸念や監督と
いった分野
・関連トピックに関する情報が得られるオンライン・リソース・ライブラ
リー(RBCの外部で教育を受ける機会を含む。)
取締役は、自身が当該委員会の委員であるかないかに関係なく、すべての委員
会の委員会会議および教育講座に参加することができる。取締役はまた、教育
資料および当グループの事業に関連する事項についての更新を取締役会間にお
いて受領する。
・個人に合わせたプログラム
・経歴、経験および個人の関心ある分野に基づき取締役それぞれのニーズ
に応えるプログラム
・大手金融機関の取締役に関連する機会(グローバル・リスク・インス
ティテュート、グループ・オブ・サーティ、バンク・ガバナンス・リー
ダーシップ・ネットワーク等)
・企業取締役機関(カナダ)および全米企業取締役協会(米国)への加入
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当グループの業務にさらに習熟できるよう、取締役会は定期的に当グループの事業ツアーにも参加し、従業
員とのタレント・ディナーに出席している。2019年4月、取締役会およびその委員会はハリファックス市で会
議を開催した。この会議は、現地事務所への訪問、カナディアン・バンキングおよびウェルス・マネジメント
の地域チームによるプレゼンテーションならびに従業員および上級幹部との交流を通じて、当グループのカナ
ダ大西洋州における事業の知識を深める機会を提供した。
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四半期 教育に係るプレゼンテーション 出席
2019 年度 サイバー・セキュリティに関する年次最新情報およびサイバー領域 取締役会
の検索
第1四半期
ダボス2019-RBCへの報告 取締役会
気候変動の管理-機会、リスクおよび開示 取締役会
RBCブランド戦略 取締役会
RBC iShareおよび上場投資信託業界の革新 取締役会
資金調達における応力状態の影響 監査
SOXプログラムに関する最新情報 監査
規制・政府関連事項に関する最新情報 ガバナンス
「リスク・レンズ」を通じたRBCベンチャーズ リスク
資金調達における応力状態の影響 監査およびリスク
2019 年度 グローバル・インベストメント・バンキングにおける信用される 取締役会
パートナーとしての成長およびリターンの推進
第2四半期
RBCを邪魔するもの-出荷の未来 取締役会
大西洋地域におけるRBC 取締役会
「リスク・レンズ」を通じたビジネス・フィナンシャル・サービス リスク
サイバー・リスクおよび最新技術 リスク
第三者リスク検診 リスク
最新の法的リスク 監査およびリスク
2019 年度 パーソナル&コマーシャル・バンキングにおける繰延費用 監査
第3四半期
国際会計報告基準(IFRS)第9号-引当金は、サイクルを通じてど 監査
のように機能するか
将来に備えた人材戦略 人事
プライバシー・リスク、姿勢および未来像 リスク
2019 年度 コーポレート&インベストメント・バンキング:民間資本の台頭お 取締役会
よび新規参入による脱仲介ならびに技術の販売およびトレーディン
第4四半期
グへの影響の加速
アジアにおける技術プラットフォームの台頭および金融機関への影 取締役会
響についての協議
ギャラリー・ウォーク-RBCベンチャーズの支払いおよびホーム・ 取締役会
ベンチャーズ/エコシステム空間
カナダ連邦選挙の展望 取締役会
2035年の世界:パーソナル&コマーシャル・バンキングにおける重 取締役会
要な動向および影響
監査報告:新基準および改正された基準 監査
取締役会の構成における重要な動向ならびに取締役のスキルおよび ガバナンス
経験
リーダーシップ戦略に関する最新情報 人事
モデル・リスク機械学習および人工知能 リスク
運用の回復力 リスク
カナダにおけるFINTRACの役割およびAMLの進化 監査およびリスク
RBCスピーカー・シリーズ・プレゼンテーション
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取締役、委員会および各議長の評価
独立したコンサルタントが内密に評価の管理を行う。
取締役会およびその委員会は、監督、ガイダンスおよび経営の建設的課題において継続的に改善するコミッ
トメントの一環として、それぞれの有効性の年次評価を行う。かかる評価は、ガバナンス委員会により管理さ
れており、また、取締役会議長および各委員会委員長に対する個別評価、ならびに各役員の相互査定も含まれ
る。この結果は、取締役会が翌年の優先事項および行動計画を発展させるための情報を提供する。かかる評価
はまた、取締役が選定または再選定の際に必要な、ガバナンス委員会による技能および能力の査定の一部をな
す。
当グループの取締役に対する期待
当グループの取締役の有効性に関するフレームワークは、取締役会が、各取締役が適切な能力を身に着ける
ために必須であるとみなす重要な資質および行動を特定する。かかるフレームワークは、当該評価における相
互査定の構成要素の基礎となり、取締役会の組織的および個別のレベルでの改善へのコミットメントを反映し
ている。
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年次評価
取締役会および各委員会の年次評価は、取締役会および委員会の進行、資料、経営上層部との対話ならびに
全体的な有効性等の面についての各グループ・エグゼクティブからの情報提供により補足される。当グループ
は、ベスト・プラクティスおよび規制指針に沿うように当グループの評価および有効性に関するフレームワー
クを毎年見直す。
優先事項およびアクション・プランの更新は、1年を通して定期的に、委員会委員長および取締役会議長に
より取締役会および委員会に提供される。かかるアプローチにより、有効性の評価が取締役会およびその委員
会が機能する上で継続的な原動力となる要素になる。
フィードバックはアンケー 独立したコンサルタントが 優先事項およびアクション・
ト、取締役会議長と委員会委 フィードバックを分析し、報 プランは取締役会、委員会、
員長間の会議および取締役会 告書を作成する。 委員会委員長および取締役会
議長と取締役間の1対1の会 議長についても作成される。
議を通じて集められる。 取締役会とガバナンス委員会
が取締役会および取締役会議 独立取締役に対してそれぞれ
取締役会はすべての取締役お 長報告書を確認する。ガバナ の自己啓発機会が指示され
よびグループ・エグゼクティ ンス委員会委員長が、取締役 る。
ブにより評価される。 会議長の有効性について、取
締役会に報告する。 報告書および相互査定は、再
取締役会議長は、CEOを含むす 選定プロセスにおいて検討さ
べての取締役により評価され ガバナンス委員会および関連 れる。
る。 ある委員会が委員会および委
員会委員長報告書を確認す
委員会および委員会委員長は る。取締役会議長が委員会委
委員会委員および関連ある上 員長報告書を確認する。
級経営陣により評価される。
取締役会議長が独立取締役報
告書および相互フィードバッ
各独立取締役は個別評価およ
び相互査定を行う。 クを確認する。
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(2) 【役員の状況】
(注) 当該「役員の状況」の項において、「RBC」および「当行」はロイヤル・バンク・オブ・カナダを指す。
男性の取締役および執行役員の数: 16名
女性の取締役および執行役員の数: 7名
(取締役および執行役員のうち女性の比率: 30%)
(2020年2月26日現在)
① 取締役および役員
( ⅰ) 取締役
各取締役は、次の年次総会までを任期として選出されている。
銀行法は、当行の取締役の少なくとも過半数が、当該取締役が選任または任命された時点でカナダの居住者
であることを義務づけており、勅許銀行の取締役として任命されるための資格に関するその他の制限を設けて
いる。
以下は、本書提出日現在の取締役の氏名、最初に取締役として選出または任命された年、主要な職務、就任
しているその他の主要な取締役ならびに、2020年1月1日現在、それぞれの取締役が直接もしくは間接を問わ
ず、実質的に所有または支配もしくは管理している普通株式の数を示したものである。
アンドリュー・A・チザム、カナダ、オンタリオ州、トロント、60歳
チザム氏は、2016年7月7日から当行の取締役会の一員を務めている。チザム氏は、法人理事である。同氏
は、2012年から2014年までニューヨークにあるゴールドマン・サックス(グローバルな投資銀行)でシニア・
ストラテジー・オフィサーを務め、その後2016年4月に退任するまで同社において顧問取締役を務めた。同氏
のゴールドマン・サックスにおける30年間に及ぶキャリアには、多岐にわたる革新的な上級管理職のポジショ
ンが含まれた。かかる役職には、2002年から2012年まで務めた国際金融機関部門の部長職ならびに2011年から
2015年まで務めた全社コミットメント委員会の共同委員長を含む。チザム氏は、RBC USグループ・ホールディ
ングス・エルエルシーの取締役である。同氏は、ウェスタン大学のリチャード・アイヴィー・スクール・オ
ブ・ビジネスの諮問委員会の委員長であり、同学派の持続性イニシアチブの顧問でもある。同氏はまた、ク
イーンズ大学のスミス・スクール・オブ・ビジネスの持続可能な金融研究所の諮問委員会の一員であり、エ
バーグリーンの取締役ならびにアークターン・ベンチャーズ、リスクシンキング・AIおよびレセプティビ
ティ・インクの顧問でもある。同氏は、リチャード・アイヴィー・スクール・オブ・ビジネスでMBAおよびク
イーンズ大学で商学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、チザム氏は当行の普通株式を4,085株保有していた。
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ジャセイント・コテ、カナダ、ケベック州、モントリオール、61歳
コテ女史は、2014年9月1日から取締役会の一員を務めている。コテ女史は、ハイドロ・ケベック電力公社
(電気サービス供給会社)の取締役会長である。同女氏は、2009年から2014年までリオ・ティント・アルキャ
ン(金属鉱業会社)の社長兼最高経営責任者を務め、また同女氏が退任する2014年まで顧問役を務めた。それ
以前には、リオ・ティント・アルキャンのプライマリー・メタル事業グループの社長兼最高経営責任者を務め
た。コテ女史は、1988年にアルキャン・インクに加わり、26年間に及ぶキャリアの中で次第に様々な上級管理
職を務めた。コテ女史は、セント・ジャスティン・ユー・エイチ・シー財団およびアロプロフの理事長であ
り、モントリオール神経学研究所の諮問委員会の一員である。同女史は、ラバル大学で理学士号を取得してい
る。
2020 年1月1日現在、コテ女史は当行の普通株式を2,000株保有していた。
トゥース・N・ダルヴァラ、米国、ニューヨーク州、ニューヨーク、64歳
ダルヴァラ氏は、2015年1月1日付で取締役に指名された。ダルヴァラ氏は、MIOパートナーズ・インク
(マッキンゼー・アンド・カンパニーの社内資産管理・運用部門)の共同最高経営責任者である。同氏は、
2015年の退任後、2016年にはマッキンゼー・アンド・カンパニーの上級顧問兼名誉取締役を務めた。同氏は、
33年間のマッキンゼーでの在任中に戦略的事項から業務的事項に至るまで幅広いアドバイスを金融機関に対し
て行い、アメリカにおけるマッキンゼーのリスク管理および銀行・証券実務を牽引した。ダルヴァラ氏は、ミ
シガン大学ロス・スクール・オブ・ビジネスの諮問委員会およびニューヨーク・フィルハーモニックの理事会
の一員である。同氏は、コロンビア大学ビジネス・スクールのエグゼクティブズ・イン・レジデンスの一員で
ある。ダルヴァラ氏は、ミシガン大学でMBAを取得し、またインド工科大学で電気工学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、ダルヴァラ氏は当行の普通株式を1,439株保有していた。
デビッド・F・デニソン、O.C.、FCPA、FCA、カナダ、オンタリオ州、トロント、67歳
デニソン氏は、2012年8月29日から当行の取締役会の一員を務めている。デニソン氏は、エレメント・フ
リート・マネジメント・コーポレーション(グローバルなフリート管理解決会社)の取締役会議長である。同
氏は、2005年から2012年までカナダ年金制度投資委員会の委員長兼最高経営責任者を務めた。これらの役職に
就任する以前は、同氏は、フィデリティー・インベストメンツ・カナダ・リミテッドの社長であった。デニソ
ン氏は、ベル・カナダの取締役およびザ・カナディアン・ビジネス・ホール・オブ・フェイムの代表を務めて
いる。さらに同氏は、シンガポール政府投資公社の投資戦略委員会、投資委員会および国際諮問委員会の一員
であり、中国投資有限責任公司の国際諮問理事の一員でもある。デニソン氏は、トロント大学で数学および教
育学の学士号を取得した。同氏は、公認職業会計士およびオンタリオ州公認職業会計士協会の会員である。同
氏は、カナダ勲章のオフィサー級受章者である。
2020 年1月1日現在、デニソン氏は、当行の普通株式を1,180株保有していた。
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アリス・D・ラベルジュ、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、バンクーバー、63歳
ラベルジュ女史は、2005年10月18日から当行の取締役会の一員を務めている。ラベルジュ女史は企業取締役
である。同女史は、フィンセントリック・コーポレーションの社長兼最高経営責任者兼取締役を2005年まで務
め、これまでマクミラン・ブローデル・リミテッドの最高財務責任者兼財務担当上級副社長であった。ラベル
ジュ女史は、BCキャンサー基金の取締役およびカナダ公共会計責任委員会の理事である。ラベルジュ女史は、
ブリティッシュ・コロンビア大学でMBAおよびアルバータ大学で理学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、ラベルジュ女史は当行の普通株式を5,000株保有していた。
マイケル・H・マッケイン、カナダ、オンタリオ州、トロント、61歳
マッケイン氏は、2005年10月18日から当行の取締役会の一員を務めている。マッケイン氏は、メープル・
リーフ・フーズ・インク(食品加工会社)の社長兼最高経営責任者であり、マッケイン・キャピタル・イン
ク、MaRSディスカバリー地区ならびに依存症および精神衛生基金研究所の理事を務めている。同氏はまた、カ
ナダビジネス評議会の一員であり、メープル・リーフ・センター・フォー・アクション・オン・フード・セ
キュリティの名誉会長を務めており、ウェスタン大学のリチャード・アイヴィー・スクール・オブ・ビジネス
の諮問委員会の一員でもある。マッケイン氏はウェスタン大学で名誉経営学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、マッケイン氏は当行の普通株式を15,063株保有していた。
デビッド・I・マッケイ、カナダ、オンタリオ州、トロント、56歳
マッケイ氏は、2014年8月1日から当行の取締役会の一員を務めている。マッケイ氏は、RBCの総裁兼最高
経営責任者である。2014年の任命前は、2012年から2014年までパーソナル&コマーシャル・バンキングのグ
ループ最高責任者を務め、2008年から2012年までカナディアン・バンキングのグループ最高責任者であった。
マッケイ氏は、RBCでのキャリアを1988年にスタートし、革新的な上級役職を務めるようになった。同氏は、
ホスピタル・フォー・シック・チルドレンの理事を務めており、カタリスト・カナダ・アドバイザリー・ボー
ドおよびカナダビジネス評議会の一員でもある。同氏はまた、ビジネス・高等教育ラウンドテーブルの産業共
同委員長でもある。同氏は、ウェスタン大学のリチャード・アイヴィー・スクール・オブ・ビジネスでMBAを
取得しており、またウォータールー大学で数学の学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、マッケイ氏は当行の普通株式を36,740株保有していた。
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ヘザー・ムンローブラム博士、O.C.、O.Q.、博士号、FRSC、カナダ、ケベック州、モントリオール、69歳
ムンローブラム博士は、2011年6月17日から当行の取締役会の一員を務めている。ムンローブラム博士は、
カナダ年金制度投資委員会 の理事長である。同女史は、マギル大学の名誉プリンシパルおよび副総長であり、
2003年から2013年までプリンシパルおよび副総長を務めた。同女史は、それ以前は、トロント大学の副学長
(研究および国際関係)を務めた。 同女史は、カナダ・ガードナー基金の理事長であり、マギル大学のタネン
バウム開放科学研究所の指導者評議会の共同議長であり、スタンフォード大学行動科学高等研究センターの理
事長である。同女史は、トライラテラルの一員である。またムンローブラム博士は、チャペル・ヒルのノース
カロライナ大学で疫学において哲学博士号を取得した。同女史は、ウィルフリッド・ローリエ大学で社会活動
学修士号ならびにマクマスター大学で文学士号および社会活動学士号を取得した。同女史は、カナダ勲章のオ
フィサー級受章者、ケベック勲章のオフィサー級受章者およびカナダ王位協会の特別会員である。
2020 年1月1日現在、ムンローブラム博士は当行の普通株式を1,660株保有していた。
キャスリーン・P・テイラー、カナダ、オンタリオ州、トロント、62歳
テイラー女史は、2001年11月20日から当行の取締役会の一員を務めている。テイラー女史はRBCの取締役会
議長である。同女史は、フォー・シーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツの前社長兼最高経営責任者であ
り、1989年から2013年まで様々な上級管理職を務めた。同女史はまた、アトラス・パートナーズ・エルエル
ピーの理事長であり、カナダ年金制度投資委員会の理事である。テイラー女史は、シックキッズ基金の理事
長、ホスピタル・フォー・シック・チルドレンの理事会メンバーならびにマギル大学の学長の国際諮問委員会
およびヨーク大学のシューリック・スクール・オブ・ビジネスの学部長諮問評議会の一員である。同女史は
シューリック・スクール・オブ・ビジネスでMBAおよび法律の名誉博士号、オズグッド・ホール・ロースクー
ルで法律の学位ならびにトロント大学で名誉文学士号を取得している。カナダ勲章のメンバー級受章者であ
る。
2020 年1月1日現在、テイラー女史は当行の普通株式を31,640株保有していた。
マリアン・ターケ、米国、ニューヨーク州、ニューヨーク、54歳
ターケ女史は、2020年1月1日から当行の取締役会の一員を務めている。ターケ女史は、ナショナル・フッ
トボール・リーグ(NFL)の最高執行責任者である。2017年にNFLネットワークの会長に就任する以前、ターケ
女史は、ベル・カナダで12年間、上級指導者の職に次々と就き、直近ではベル・メディアの社長を務めた。そ
れ以前、ターケ女史は、ベル・メディアのメディア・セールス、ローカル・テレビおよびラジオならびにベ
ル・カナダのフィールド・オペレーション担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めた。同女史
は、クイーンズ大学のスミス・スクール・オブ・ビジネスの諮問委員会の委員長を務めている。ターケ女史
は、クイーンズ大学でMBAおよび土木工学士号ならびにトロント大学で工学修士号を取得している。
2020 年1月1日現在、ターケ女史は当行の普通株式を1,000株保有していた。
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ブリジット・A・ヴァンクラリンゲン、米国、ニューヨーク州、ニューヨーク、56歳
ヴァンクラリンゲン女史は、2011年6月17日から当行の取締役会の一員を務めている。ヴァンクラリンゲン
女史は、IBMコーポレーション(情報技術会社)のグローバル・インダストリーズ、プラットフォームおよび
ブロックチェーンの上級副社長である。同女史は、2004年にIBMに入社後、IBMグローバル・ビジネス・サービ
シズの上級副社長、IBM北米支店のゼネラル・マネジャーおよびIBMグローバル・ビジネス・サービシズのゼネ
ラル・マネジャーを含む様々な役職を務めている。同女史は、IBMに入社する前、米国デロイト・コンサル
ティングの金融サービス部門のマネージング・パートナーであった。ヴァンクラリンゲン女史は、ニューヨー
ク歴史協会の理事長およびニューヨーク市のパートナーシップの理事長である。同女史は、南アフリカ大学で
産業および組織心理学における商学修士号、南アフリカのウィットウォータースランド大学で商学士号ならび
にヨハネスブルグ大学で名誉商学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、ヴァンクラリンゲン女史は当行の普通株式を1,539株保有していた。
ティエリー・バンダル、米国、ニューヨーク州、ママロネック、59歳
バンダル氏は、2015年7月8日から当行の取締役会の一員を務めている。バンダル氏は、アクシウム・イン
フラフトラクチャー・US・インク(投資管理会社)の社長である。同氏は、2005年から2015年に退任するま
で、ハイドロ・ケベック電力公社の総裁兼最高経営責任者を務めた。同氏は、HECモントリオール校の国際諮
問委員会に従事し、マギル大学の名誉理事および学長の国際諮問委員会の委員を務めている。同氏はまた、カ
ナダ工学アカデミーの一員でもある。同氏は、HECモントリオール校で財政におけるMBAおよびモントリオール
理工科大学で工学の学位号を取得している。
2020 年1月1日現在、バンダル氏は当行の普通株式を1,119株保有していた。
フランク・ヴェテッシ、カナダ、オンタリオ州、トロント、56歳
ヴェテッシ氏は、2019年7月10日付で取締役に指名された。ヴェテッシ氏は、2012年からデロイト・カナダ
のマネージング・パートナー兼最高経営責任者を務め、2007年から2019年6月に退任するまで、デロイトのグ
ローバル・エグゼクティブの一員であった。デロイトにおける14年間に及ぶキャリアで、ヴェテッシ氏は、ア
メリカ執行委員会の委員長および財務顧問のグローバル・マネージング・パートナーを含む上級職の一員を務
めた。ヴェテッシ氏は、2016年から2019年まで、デロイト・カナダの最高包括責任者も務めた。ヴェテッシ氏
は、ホスピタル・フォー・シック・チルドレンの理事の一員であり、デビッド・コーンフィールド・メラノー
マ基金の取締役、リドー・ホール基金の取締役およびヨーク大学のスクラッチ・スクール・オブ・ビジネスの
学部長の諮問委員を務めている。ヴェテッシ氏は、ヨーク大学のスクラッチ・スクール・オブ・ビジネスで
MBAおよび経営学士号を取得している。
2020 年1月1日現在、ヴェテッシ氏は、当行の普通株式9,570株を保有していた。
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ジェフリー・ヤブキ、米国、ウィスコンシン州、ブルックフィールド、59歳
ヤブキ氏は、2017年10月19日から当行の取締役会の一員を務めている。ヤブキ氏は、ファイサーブ・インク
(金融サービス技術ソリューションズのグローバルな先導的プロバイダー)の社長兼最高経営責任者である。
2019年7月の任命までの間、同氏は、2005年から社長兼最高経営責任者を務めている。それ以前に同氏は、
H&Rブロック・インクの執行副社長兼最高執行責任者を務め、25年を超えて金融サービスを中心にリーダー
シップの役割を果たしてきた。同氏は、金融サービスの持株会社である、イクソニア・バンチャーズ・インク
の取締役会の一員を務めている。同氏は、ミルウォーキー美術館の理事も務めている。カリフォルニア州州立
大学で理学士号(経営学および会計)を取得しており、以前は公認会計士の資格を有していた。
2020 年1月1日現在、ヤブキ氏は当行の普通株式を6,900株保有していた。
( ⅱ) 執行役員
以下は、本書提出日現在の執行役員の氏名、略歴および2019年10月31日現在、それぞれの執行役員が直接も
しくは間接を問わず、実質的に所有または支配もしくは管理しているロイヤル・バンク・オブ・カナダの普通
株式の数を示したものである。
デビッド・I・マッケイ、総裁兼最高経営責任者、カナダ、オンタリオ州、トロント、56歳
デビッド・マッケイ氏は、カナダ最大の銀行であり、時価総額に基づき世界最大手の1行であるRBCの総裁
兼CEOである。革新の確固たる擁護者であり、大きなアイデアおよび創造性を有するマッケイ氏は、顧客のた
めに洞察力およびデータの権限を引き出すことに役立つ人工知能と機械学習へのRBCの投資を支える指導的な
存在である。同氏の地元市場では、RBC Future Launch(若い人たちが変化する世界において成功するために
必要なスキルを高めることを支援する10年間で500百万ドル規模の取組み)の支援および開発を通して、カナ
ダの将来の繁栄および将来の仕事のために若者を育てることを熱心に支援している。
マッケイ氏は、1983年にコンピュータープログラミングの協力学生としてRBCに入行した 後、RBCのリテール
銀行部門に異動した。同氏は、2008年にカナディアン・バンキングのグループ最高責任者となった。当該部門
を率いた任期中、マッケイ氏は、銀行のリテール業務の改革ならびにRBCが急速に変化する消費者の要求に応
じ、かかる要求に合わせて進化できるようにした新技術の導入に役立った。
2014 年に総裁兼CEOに任命された直後に、同氏は、シティ・ナショナル・コーポレーションの買収を指揮
し、米国の機関顧客、法人顧客および富裕層顧客とともに拡大するためのプラットフォームを構築した。
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マッケイ氏は、ウォータールー大学で数学の学士号および名誉数学博士号を取得している。同氏はまた、
ウェスタン・オンタリオ大学のリチャード・アイヴィー・スクール・オブ・ビジネスでMBAおよび名誉法学博
士号ならびにライアソン大学で名誉学位を取得している。同氏は、ホスピタル・フォー・シック・チルドレン
(シックキッズ)の理事を務めるほか、カナダビジネス評議会の一員および取締役であり、カタリスト・カナ
ダ・アドバイザリーボードに従事する。同氏は、職場と教室をより良く結びつける方法を見つけるために職、
カナダのトップ・ビジネス、大学およびカレッジを一緒にする、ビジネス・高等教育ラウンドテーブルの委員
長である。
2020 年1月1日現在、マッケイ氏は当行の普通株式を37,231株保有していた。
ロッド・ボルジャー、最高財務責任者、カナダ、オンタリオ州、トロント、53歳
最高財務責任者として、ロッド・ボルジャー氏はファイナンス、税務および業績管理ならびにインベス
ター・リレーション、コーポレート・トレジャリーおよび法務グループに従事している。同氏は、その他のグ
ループ・エグゼクティブのメンバーとともに、RBCの全般的な戦略の方向性を定める責任を負っている。さら
に、ボルジャー氏はRBCの資産負債委員会の議長を務める。
現在の役職に就く前、ボルジャー氏は、RBCのファイナンス&管理部門のエグゼクティブ・ヴァイス・プレ
ジデントを務め、社外、取締役会および経営陣に対する報告、会計方針、業績管理、財務管理システムならび
に財務運用リスクの全般に従事していた。さらに、ボルジャー氏は、ウェルス・マネジメント、インシュアラ
ンスおよびインベスター&トレジャリー・サービスに対する財務責任を負っていた。
2011 年、ボルジャー氏は、バンク・オブ・アメリカおよびシティグループにおける金融サービスに関する豊
富な経験を経て、RBCに入行した。バンク・オブ・アメリカにおいては、グローバル・テクノロジー&オペ
レーション、グローバル・コーポレート・バンク、グローバル・プロダクト・ソリューションおよびプレミ
ア・バンキング・アンド・インベストメントのCFOを務めた。シティグループにおいては、副CFOおよび国内リ
テール銀行のコントローラに従事し、世界規模の合併、買収、分割における企業会計方針について責任を負っ
ていた。それ以前は、米国および英国のプライスウォーターハウスクーパーズに10年以上勤めた。
ボルジャー氏は、トロントにある複数のコミュニティに対して多岐にわたる支援プログラムおよびサービス
を提供するマルチ・サービスの非営利機関であるディクソン・ホール・ネイバーフッド・サービシズの会長を
務めている。バーゼルの金融安定理事会が設立した開示強化タスクフォースの一員であった。
同氏は、ワシントンD.C.のジョージタウン大学で会計の学士号を取得している。また同氏は、ニューヨーク
市のコロンビア大学でMBAを取得した。同氏は、1991年にニュージャージー州においてCPA(インアクティブ)
を取得した。同氏は、結婚して3人の子供がおり、カナダのトロントに住んでいる。
2020 年1月1日 現在、ボルジャー氏 は当行の普通株式を5,289株保有していた。
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マイケル・ドビンズ、最高ストラテジー&コーポレート・ディベロップメント責任者、カナダ、オンタリオ
州、トロント、51歳
最高ストラテジー&コーポレート・ディベロップメント責任者として、ドビンズ氏はRBCのグループ・エグ
ゼクティブとともにRBCの全般的な戦略を発展させ、合併および買収に対してリーダーシップを提供する責任
を負っている。また、ドビンズ氏は、新しく革新的な方法でカナダ人との関係性を構築および深化させること
で銀行業務を超えるソリューションを創造することに注力するグループである、RBCベンチャーズを率いてい
る。
ドビンズ氏は、RBCのイノベーション審議会の議長を務めている。当審議会は、戦略的パートナーシップに
おける投資の監督に加え、データ、セキュリティおよび顧客経験の分野における調査ならびに高度機能の発展
に注力するRBCのイノベーション研究所と協力する責任を負う。また、ドビンズ氏は、RBC・バンク・U.S.の会
長を務め、シティ・ナショナル・バンクの取締役でもある。
同氏はグループ・エグゼクティブの一員として、RBCの全般的な戦略の方向性を定める責任を負っている9
名の執行役員のうちの1人である。
現在の役職に就く前、RBC最大のバンキング部門であるパーソナル・フィナンシング・プロダクツのエグゼ
クティブ・ヴァイス・プレジデントを務めた。さらに、同氏は、RBC最大の買収となったシティ・ナショナ
ル・バンクの買収と統合両方において同氏が指揮した米国戦略に対する責任を負っていた。
ドビンズ氏は、2010年、消費者バンキング部門のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めていた米
国のキャピタル・ワンを経てRBCに入行した。また、ドビンズ氏は、チャーター・ワン・バンクおよびシティ
バンクにおける25年のキャリアのなかで、管理職を歴任した。ドビンズ氏は、デラウェア大学で学位を取得し
ている。
ドビンズ氏とその家族は、WEおよびその他地元の慈善団体を積極的に支援し資金提供を行っている。ドビン
ズ氏はフューチャープレナーズ・カナダの理事会の一員でもある。ドビンズ氏、妻のニッキーと2人の息子は
トロントに住んでいる。
2020 年1月1日 現在、ドビンズ氏は当行の普通株式を4,577株保有していた。
ヘレナ・ゴシュリング、最高人事責任者、カナダ、オンタリオ州、トロント、58歳
RBC の最高人事責任者であるヘレナ・ゴシュリング女史は、人事に関するグローバルな職責を担っている。
ゴシュリング女史は、RBCの全般的な戦略の方向性を定める責任を負う、RBCのグループ・エグゼクティブの一
員である。
ゴシュリング女史は1985年にRBCに入行し、リテール・バンキング、人事および国内官庁において上級職
(バンクーバー、カルガリーおよびトロントでの配属を含む。)を歴任した。2006年に人事部門に復帰し、複
数の管理職を務めた後、2017年にCHROに任命された。
現在の役職に就く前は、幹部や潜在能力が高い人材の管理(リーダーシップの養成および承継計画を含
む。)について責任を負う人事部門のシニア・ヴァイス・プレジデントであった。RBCのグループ学習機能お
よび変革管理や組織設計をサポートする専門知識を集積する組織効率性センターも担当した。また、テクノロ
ジー&オペレーションズおよびグローバル・ファンクションズをサポートする人事部門のビジネス・チームを
指揮した。
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ゴシュリング女史は、RBCでの34年間に信頼できるアドバイザー、変化の支持者、従業員の熱心な擁護者-
RBCの従業員の潜在能力の開発および世界中で選ばれるトップエンプロイヤーとしてのブランドの強化に貢献
するリーダーシップの資質-として注目された。
ゴシュリング女史は、RBCの記録的な2016年全国従業員寄付キャンペーンの共同代表を務め、カナダの地域
社会の繁栄に貢献するために職務範囲を超えて個人寄付を行うことを従業員に奨励した。青少年糖尿病調査財
団(JDRF)のライド・フォー・リサーチ(研究支援活動)を長年支援しており、現在カナダのJDRFの理事を務
めている。同女史はまた、C.D.ハウ・インスティテュートの人的資本政策審議会の一員であり、ザ・モザイ
ク・インスティテュートの元理事会メンバーでもある。
ゴシュリング女史は、ブリティッシュ・コロンビア州、バンクーバーにあるサイモン・フレーザー大学で経
営学学士号を取得している。
ゴシュリング女史は結婚して1人の息子がおり、カナダ、オンタリオ州、オークビルに住んでいる。
2020 年1月1日 現在、ゴシュリング女史は当行の普通株式を14,224株保有していた。
ダグラス・A・グスマン、RBCウェルス・マネジメント部門、RBCインシュアランス部門およびRBCインベス
ター&トレジャリー・サービス部門のグループ最高責任者、カナダ、オンタリオ州、トロント、55歳
RBC ウェルス・マネジメント部門、RBCインシュアランス部門およびRBCインベスター&トレジャリー・サー
ビス部門のグループ最高責任者として、グスマン 氏 は、富裕層の顧客の資産管理ニーズをグローバルに満たす
RBCの業務ならびに資産管理および信託商品を提供するチームを指揮している。同氏はまた、個人、法人およ
び団体の顧客に対して広範な保険、資産および再保険のソリューションRBCインシュアランス部門を監督して
いる。さらに、他の グループ・エグゼクティブ とともに、グスマン 氏 は、RBC の全般的な戦略の方向性を定め
る責任を負っている。
この任命の前、グスマン 氏 は、マネージング・ディレクターならびに当行のグローバルなインベストメン
ト・バンキング・チームおよび米国の都市財政に責任を負っているグローバル・インベストメント・バンキン
グ、RBCキャピタル・マーケッツの責任者であった。同氏は、RBCキャピタル・マーケッツの多くの最重要顧客
に対する上位顧客の補償の責任を負っており、当行の経営委員会およびローン・コミットメント委員会の一員
であった。
2005 年にRBCに入行する前、同氏は、ニューヨークおよびトロントのゴールドマン・サックスにおいてマ
ネージング・ディレクターであったが、同社で同氏は、グローバル金属・鉱業 事業およびカナディアン ・イン
ベストメント・バンキング事業のそれぞれに責任を負って、共同指揮していた。
同氏は、セント・ミカエル病院の理事会およびウェスタン大学のアイヴィー・ビジネス・スクールの諮問委
員会の一員である。
グスマン 氏 は、アイヴィーでHBA、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA(ベーカー・スカラー)を取得し
ている。同氏は、結婚して2人の子供がおり、カナダのトロントに住んでいる。
2020 年1月1日 現在、グスマン 氏 は当行の普通株式を4,622株保有していた。
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グレアム・ヘップワース、最高リスク責任者、カナダ、オンタリオ州、トロント、47歳
当行の最高リスク責任者として、グレアム・ヘップワース氏は、企業全体ベースでリスクの戦略的管理を監
視している。同氏は、RBCの全体的な戦略指示の指揮を執るグループ・エグゼクティブの一員である。同氏
は、2018年に最高リスク責任者に就任した。
ヘップワース氏は、1997年にグループ・リスク管理のアナリストとしてRBCに入行し、外国為替商品に注力
している。2001年、同氏はローン・ポートフォリオのリスク分析、経済資本および経済方針に注力した、GRM
のポートフォリオ管理チームの副主任の役職に就いた。ヘップワース氏は、米国におけるキャピタル・マー
ケッツの取引業務に対する市場リスク部門の責任者として、2004年にニューヨークに転勤した。2011年、ヘッ
プワース氏は、ヨーロッパ&アジア事業の最高リスク責任者としてロンドンに転勤した。
直近でヘップワース氏は、エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント、リテール&コマーシャル信用リスク
部門に在籍し、RBCのインシュアランス、ウェルス・マネジメントおよびパーソナル&コマーシャル・バンキ
ング(P&CB)に対して初期のリスク管理サポートを提供する数々のチームを率いた。
ヘップワース氏は、公認財務アナリストの資格を有し、ウォータールー大学で数学修士号を取得している。
2020年1月1日現在、ヘップワース氏は、当行の普通株式を642株保有していた。
クリストフ・ノース、最高管理責任者、カナダ、オンタリオ州、トロント、51歳
クリストフ・ノース氏は、最高管理責任者として、ブランド、マーケティング、シチズンシップおよびコ
ミュニケーション、グローバル調達ならびに企業不動産の各業務を世界的に担当している。また、データ、分
析、生産性および効率性等のRBCの将来に向けた重要な企業機能を近代化し拡張するため、RBCにおける戦略お
よび変革イニシアチブにおいてリーダーシップと見識を提供している。RBCのその他のグループ・エグゼク
ティブとともに、ノース氏はRBCの全般的な戦略の方向性を定める責任を負っている。
ノース氏は、デジタル戦略およびデジタル変革、オペレーティング・モデルの設計、技術の近代化および企
業全体のコスト運用の改善に関し、20年を超えて大手金融機関に助言を行ってきた経験を有する熟練の執行役
員である。RBCへの入行以前、ノース氏は、マッキンゼーのパートナーとしてコア・テック変革チームおよび
アジャイル変革チームを牽引し、オリバー・ワイマンのパートナーとしてデジタル、技術および分析の実務を
世界規模で指揮した。精力的な指導者であるノース氏は、RBCを含む多数の金融機関において、デジタル、ソ
フトウェア開発、技術変革およびオペレーションの暫定的な執行役員としての職務にも従事している。
ノース氏は、革新管理およびバリューチェーン・パートナーシップにおける功績が評価されており、サービ
スが十分に行き届いていない地域に住む家族のために幼児期の識字能力を育成する非営利団体ペアレント・
チャイルド+の支援者でもある。
これまでのキャリアにおいて、ノース氏は、ヨーロッパ、アメリカ、中東およびオーストラリアの各組織に
従事している。同氏は、ドイツのダルムシュタット大学でMBA/MSと同等の学位を取得している。ノース氏
は、結婚して1人の子供がいる。
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2020 年1月1日現在、ノース氏は当行の普通株式を保有していなかった。
ネイル・マクローリン、パーソナル&コマーシャル・バンキングのグループ最高責任者、カナダ、オンタリ
オ州、トロント、50歳
ネイル・マクローリン氏は、パーソナル&コマーシャル・バンキングのグループ最高責任者として、RBCの
売上および支店配分、オペレーションおよびアドバイス・センターに加えて、パーソナル&コマーシャル・
フィナンシャル・サービシズ、クレジットカードおよび支払、デジタル・ソリューションを含むカナダおよび
カリブ海地域におけるRBCのバンキング事業に対して責務を負っている。他のグループ・エグゼクティブとと
もに、RBCの全般的な戦略の方向性を定める責任を負っている。
現在の役職に就く直前には、RBCのカナディアン・バンキング部門のビジネス・フィナンシャル・サービス
担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントとして、戦略の方向性を定めるとともに、広範な事業金融ネッ
トワークを通じて中小企業および商業顧客にサービスを提供するすべての事業ラインを指揮する責任を負って
いた。
マクローリン氏は1998年にRBCに入行し、カナディアン・バンキングにおいて多岐にわたる上級管理職(ク
レジットカードおよび個人向けローンの各事業ラインならびに販売および運営上の役割を含む。)を歴任し
た。また、ブランド、マーケティング、広告およびスポンサーシップを指揮する役割を担うマーケティング&
チャネル・ストラテジーのシニア・ヴァイス・プレジデントを務め、デジタル・チャネル、物理的な販売ネッ
トワーク、顧客に関する知識・判断および顧客情報管理チームについて直接的な責任を負っていた。マクロー
リン氏は、与信判断、詐欺、取立、オペレーショナル・リスクおよびコマーシャル・アドバイザリー・グルー
プについて責任を負うカナディアン・バンキング業務におけるリスク・オペレーションのシニア・ヴァイス・
プレジデントも務めた。
マクローリン氏は、商学士号およびMBAを取得している。妻と2人の子供とともにトロントに住んでおり、
現在はチルドレンズ・ウィッシュ財団オンタリオ支部の理事である。
2020 年1月1日 現在、マクローリン氏は当行の普通株式を6,167株保有していた。
デリク・ネルドナー、RBCキャピタル・マーケッツの最高執行責任者兼グループ最高責任者、カナダ、オン
タリオ州、トロント、46歳
RBC キャピタル・マーケッツの最高経営責任者兼グループ最高責任者として、デリク・ネルドナー氏は、同
社を世界的に監督する責任を負い、キャピタル・マーケッツ経営委員会とともに、同氏は、世界中の従業員が
行うRBCのコーポレート&インベストメント・バンキング業務およびグローバル・マーケッツ業務の包括的戦
略を策定する。
現在の役職に就く前、ネルドナー氏は、インベストメント・バンキングのグローバル・ヘッドを務めた。同
氏は、1995年からRBCに勤め、RBCのエネルギー・インベストメント・バンキング業務を数年にわたり主導する
など、インベストメント・バンキングのあらゆる側面に従事している。
同氏は、ホスピタル・フォー・シック・チルドレン(シックキッズ)基金の理事会メンバーであり、トロン
トおよびヨーク地域ユナイテッド・ウェイのメジャー個人寄付キャンペーン諮問委員会の委員である。
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ネルドナー氏は、アルバータ大学で金融学の商学士号を取得し、公認財務アナリストの資格を有している。
2020 年1月1日 現在、ネルドナー氏は当行の普通株式を12,359株保有していた。
ブルース・ロス、テクノロジー&オペレーションズのグループ最高責任者、カナダ、オンタリオ州、トロン
ト、57歳
ブルース・ロス氏は、RBCのテクノロジー&オペレーションズのグループ最高責任者として、アプリケー
ション開発、インフラおよび企業経営を含むRBCのグローバル・テクノロジーおよびグローバル・オペレー
ションズの戦略および全般的な経営管理に従事している。さらに、グループ・エグゼクティブの一員として、
同氏は、RBCの全般的な戦略の方向性を定める責任を負っている9名の執行役員のうちの1人である。
ロス氏は、テクノロジーおよび経営分野において28年を超える経験を有する熟練の執行役員である。RBCへ
の入行以前、同氏は、IBM北米支店グローバル・テクノロジー・サービシズ部門のゼネラル・マネジャーで
あった。同氏は、IBMの遂行チームの一員であり、会社の業務の方向性を定めていた。同氏は、新興市場、ク
ラウドおよびアナリティクスに対する投資を含む事業の長期的方向性を定めるIBMの戦略チームの一員でも
あった。同氏の前職には、IBMヨーロッパ支店グローバル・テクノロジー・サービシズ部門のゼネラル・マネ
ジャー、IBMカナダ支店のゼネラル・マネジャーおよび支店長ならびに英国支店、アイルランド支店および南
アフリカ支店のグローバル・テクノロジー・サービシズ部門のゼネラル・マネジャーが含まれる。ロス氏の責
任範囲には、金融機関に対し堅固なリーダーシップおよびサービスをグローバルに提供することが含まれる。
ロス氏は、カナダの様々なビジネスおよびコミュニティ組織の一員として活動しており、インターナショナ
ル諮問委員会およびウェスタン・オンタリオ大学の理事会メンバーを務めている。同氏はまた、2017年トロン
トおよびヨーク地域ユナイテッド・ウェイ・キャンペーン諮問委員会の委員でもある。近年は、ザ・オンタリ
オ・ブライアン・インスティテュート・リアイゾン・カウンシルの議長を務めるようになった。また、コン
ファレンス・ボード・オブ・カナダの理事を務めたほか、カナダ経営者評議会の一員であった。ロス氏は専門
技術者であり、ウェスタン・オンタリオ大学を卒業している。同氏は、結婚して2人の子供がおり、カナダの
トロントに住んでいる。
2020 年1月1日 現在、ロス氏は当行の普通株式を3,877株保有していた。
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② 役員の報酬等
当グループの報酬方針
経験豊富、専心的かつ有能な取締役は、 戦略目標 の達成ならびに経営陣に対する効果的な指導および監督を
提供するために必要不可欠である。
ガバナンス委員会は、取締役報酬に対して責任を有し、以下を考慮して年に1回非常勤取締役報酬の金額お
よびその形式を検討する。
・RBCの規模、複雑性、地理的範囲
・取締役に期待される時間的責務
・求められる全般的な専門知識および経験
・正当かつRBCに特に優秀な取締役を引き付けるのに十分な報酬の必要性
・取締役と株主の間の利益の一致
決定プロセス
ガバナンス委員会は、業界のベスト・プラクティスに照らして、また、RBCと類似した規模、複雑性および
地理的範囲を有する企業(金融機関を含む。)からなるカナダの主要な比較対象グループを参考にして、取締
役報酬の形態および競争力を評価する。規模、複雑さ、事業構成、母国以外での事業規模、財務状況が類似し
ている、米国および国際金融機関のより広範な参照対象グループについても検討した。
カナダの比較対象グループ
金融機関 金融機関以外
バンク・オブ・モントリオール BCE
バンク・オブ・ノバ・スコシア カナディアン・ナショナル鉄道
カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・
エンブリッジ
コマース
マニュライフ・ファイナンシャル サンコー・エナジー
サンライフ・ファイナンシャル トランスカナダ
トロント・ドミニオン・バンク
米国および国際参照対象グループ
米国金融機関 国際金融機関
シティグループ ANZバンキング・グループ
JPモルガン・チェース・アンド・コー コモンウェルス・バンク・オブ・オーストラリア
メットライフ ナショナル・オーストラリア・バンク
PNCファイナンシャル ウェストパック・バンキング・コーポレーション
プルデンシャル・ファイナンシャル
USバンコープ
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報酬構造
当グループは、効果的かつ透明性のある報酬構造を信頼している。各非常勤取締役は、当該年度中の責務、
参加および作業(2つの取締役会委員会への所属を含む。)に対する一定の年間報酬が支払われる。取締役会
議長および委員会委員長は、それぞれ追加報酬を受領する。
取締役はまた、RBCの要請により、取締役会、委員会およびその他の会議または業務に出席するために要し
た旅費およびその他の費用の払い戻しを受ける。
2019 会計年度は、RBCの取締役に対して以下のとおり報酬が支給された。
年間報酬 (ドル)
取締役 250,000
取締役会議長 275,000
委員会委員長 50,000
RBC のCEOとしてのデビッド・マッケイ氏は、取締役報酬を受領しない。
非常勤取締役は、ストック・オプションを受領せず、RBCの年金制度に参加しない。
取締役および株主の利益の合致
取締役会は、下記の3つの措置により当グループの取締役と株主の利益を効果的に合致させることができる
と考えている。
1.株式所有要件
取締役会の一員となってから5年以内に、取締役は、総額で少なくとも750,000ドルまたは取締役報酬の合
計の3倍に相当するRBCの株式資本を保有しなければならない。当該投資の一部として、取締役は少なくとも
RBCの普通株式1,000株を所有しなければならない。
2.取締役員報酬の投資
取締役のRBCの株式資本への投資は、取締役向け株式購入制度(RBCの普通株式向け)および取締役向け劣後
株式ユニット制度(取締役向け劣後株式ユニット(DDSU)向け)を通じて促進される。DDSUは当グループの普
通株式と同等の価値を有する想定単位である。DDSUは、取締役により充当または償還された場合、その価値
は、TSX の RBC の普通株式の直前の5取引日の 平均終値を用いて計算される。
取締役は、年間取締役報酬の株式部分のうち少なくとも150,000ドルを RBC の普通 株式または DDSU に投資しな
ければならない。取締役が少なくとも RBC の 普通株式1,000株を所有するまで、取締役報酬の株式部分は株式に
て支払われる。株式は市場価格で購入される。取締役は、年間取締役報酬の現金部分のうち最大100%を DDSU
または普通株式に 投資することができる。取締役は取締役会を退任しない限り、年間取締役報酬の株式部分で
購入した株式の売却または DDSU の償還をすることはできない。
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3.RBCの証券の取引およびヘッジに関する制限
取締役は、 以下の行為をすることができない。
・直接または間接を問わず、所有していないRBCの証券またはその対価の全額を支払っていないRBCの証券の
売却(空売り)
・直接または間接を問わず、RBCの証券についてのコールもしくはプットの購入または売却
・RBCの証券についてコールもしくはプットの購入または売却と同等の影響を生じさせる株式の現金化取引
の実行、またはRBCの証券の市場価値の減少をヘッジまたは相殺するよう設計されたその他の金融商品取
引の実行
子会社の取締役会の構成員に対する報酬
非常勤取締役は、RBCの子会社の取締役を務めることを求められる場合があり、サービスの対価が支払わ
れ、旅費およびその他の経費を払い戻される。チザム氏は、当グループの米国の中間持株会社(IHC)であ
る、RBC USグループ・ホールディングス・エルエルシーにおいて、取締役を務めている。2019会計年度中、チ
ザム氏に対して、取締役報酬135,000米ドルの按分額が支払われた。チザム氏は、2019会計年度の報酬をDDSU
にて受領した。
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取締役報酬表
下表は、2019会計年度における非常勤取締役に対して支払われた報酬総額を表示したものである。あらゆる
立場で会計年度の一部の職務を行う取締役は、按分に基づく報酬を受けた。
2019 年度 を通して 、取締役は その報酬の84% を株式にて受領した。
受取報酬 その他の報酬すべて 合計 RBC の報酬の割当て
取締役
(ドル) (ドル) (ドル) (ドル)
株式/DDSU 現金
(1)
250,000 102,584 352,584 352,584 -
A・チザム
(2)
300,000 - 300,000 300,000 -
J・コテ
(3)
300,000 - 300,000 300,000 -
T・ダルヴァラ
(4)
300,000 - 300,000 300,000 -
D・デニソン
(5)
291,666 - 291,666 220,833 70,833
A・ラベルジュ
M・マッケイン 250,000 - 250,000 250,000 -
H・ムンローブラム 250,000 - 250,000 150,000 100,000
(6)
20,833 50,000 70,833 20,833 -
T・レンイー
(7)
525,000 - 525,000 150,000 375,000
K・テイラー
B・ヴァンクラリンゲン 250,000 - 250,000 250,000 -
(8)
262,500 - 262,500 262,500 -
T・バンダル
(9)
83,333 - 83,333 83,333 -
F・ヴェテッシ
J・ヤブキ 250,000 - 250,000 250,000 -
合計 152,584 3,485,916 2,890,083 545,833
(1) 「その他の報酬すべて」の項目の報酬は、RBC USグループ・ホールディングス・エルエルシーにおける取締役会
の役務に関する取締役報酬の按分額を反映している。米ドル建ての報酬は、2019会計年度の最終取引日(2019年
10月31日)のカナダ銀行の外国為替相場の終値である1米ドル=1.3160カナダドルによりカナダドルに換算され
ている。
(2) 報酬にはガバナンス委員会委員長報酬を含む。
(3) 報酬にはリスク委員会委員長報酬を含む。
(4) 報酬には監査委員会委員長報酬を含む。
(5) ラベルジュ氏は、2019年8月20日付で人事委員会の委員長および委員を辞任し、当該委員長報酬の按分額を受領
した。
(6)レンイー氏は、2018年11月20日に辞任した。同氏は、取締役会会議1回、ガバナンス委員会会議1回およびリスク
委員会会議1回に出席した。同氏の貢献に感謝し、RBCは、同氏が選んだ慈善団体に50,000ドルを寄付した。レン
イー氏は、かかる寄付からいかなる金銭的利益も受領していない。
(7) 報酬には取締役会議長報酬を含む。
(8) バンダル氏は、2019年8月20日付で人事委員会の委員長に任命され、当該委員長報酬の按分額を受領した。
(9) ヴェテッシ氏は、2019年7月10日付で取締役に任命され、年次取締役報酬の按分額を受領した。
特別手当
当行の知る限り、取締役または執行役員と、当行またはその子会社との間に既存のまたは潜在的な重大な利
益相反はない。
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(3) 【監査の状況】
① 監査委員会
( ⅰ) 監査委員会の構成
監査委員会は、フランク・ヴェテッシ(委員長)、アンドリュー・A・チザム、ジャセイント・コテ、マイ
ケル・H・マッケイン、マリアン・ターケおよびジェフリー・W・ヤブキにより構成される。取締役会は、監査
委員会の各委員が、適用あるカナダおよび米国の法令に基づく独立性基準を組み入れた、当グループの取締役
独立性方針に従い独立しており、いずれの委員も、取締役会およびその委員会の一員もしくは当グループの1
つ以上の子会社の取締役会の一員としての勤務に対する通常の過程での報酬以外に、当グループから直接また
は間接に、いかなる報酬も受領していないと判断した。監査委員会の委員全員が、ナショナル・インスツルメ
ンツ第52-110-監査委員会およびNYSEのコーポレート・ガバナンス基準の意味において、財務知識を有する者
である。金融リテラシーの判断基準を検討するにあたり、取締役会は、金融機関の貸借対照表、損益計算書、
キャッシュ・フロー計算書を読解する能力に着目する。取締役会は、デビッド・F・デニソン、ジャセイン
ト・コテ、フランク・ヴェテッシおよびジェフリー・W・ヤブキのそれぞれが、SECにより定義される「会計監
査委員会の財務専門家」として適格であると判断した。
( ⅱ) 監査委員の関連する学歴および経験
各委員の一般的な職歴に加え、監査委員としての責務遂行に関連する各監査委員の学歴および経験は、以下
のとおりである。
アンドリュー・A・チザム(商学士号、MBA)は、クイーンズ大学で商学士号を、ウェスタン・オンタリオ大
学でMBAを取得した。チザム氏は、ゴールドマン・サックスで31年間にわたり様々なリーダーシップを発揮し
てきた。同氏はまた、2014年から2016年4月に退任するまで、同社の諮問取締役を務め、2016年7月から、当
グループの監査委員会の一員を務めている。
ジャセイント・コテ(理学士号)は、ラバル大学で理学士号を取得した。コテ女史は、2009年から2014年に
おいてリオ・ティント・アルキャンの社長兼最高経営責任者を務め、2007年10月にリオ・ティント・アルキャ
ンがアルキャン・インクを買収した後、同社のプライマリー・メタル事業グループの社長兼最高経営責任者を
務めた。コテ女史は、2014年10月から当グループの監査委員会の一員を務めている。
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マイケル・H・マッケイン(経営学士号)は、ウェスタン・オンタリオ大学で名誉経営学士号を取得した。
マッケイン氏は、メープル・リーフ・フーズ・インク(食品加工会社)の社長兼最高経営責任者である。マッ
ケイン氏は、2017年4月から当グループの監査委員会の一員を務めている。
マリアン・ターケ(MBA)は、クイーンズ大学で土木工学士号およびMBAを取得し、トロント大学で工学修士
号を取得した。ターケ女史は、ナショナル・フットボール・リーグの最高執行責任者である。ターケ女史は、
2020年1月から当グループの監査委員会の一員を務めている。
フランク・ヴェテッシ(経営学士号、FCA)は、スクラッチ・スクール・オブ・ビジネスで経営学士号を取
得し、公認会計士であり、カナダ公認会計士協会の会員である。ヴェテッシ氏は、2012年から2019年6月まで
デロイト・カナダのマネージング・パートナー兼最高経営責任者を務めた。ヴェテッシ氏は、2019年7月から
当グループの監査委員会の一員を務めている。
ジェフリー・W・ヤブキ(理学士号)は、ロサンゼルスのカリフォルニア州立大学で理学士号(経営学およ
び会計学)を取得し、以前は公認会計士の資格を有していた。ヤブキ氏は、ファイサーブ・インクの社長兼最
高経営責任者であり、1999年から2005年までH&Rブロック・インクの執行副社長兼最高執行責任者を含む様々
な上級職を務めていた。ヤブキ氏は、ファイサーブ・インクの取締役である。
( ⅲ) 監査委員会の目的および職務
目的
監査委員会は、当行の取締役会(以下、「取締役会」という。)による、(ⅰ)当行の財務諸表の完全性、
(ⅱ)外部監査人の資格、実績および独立性、(ⅲ)当行の内部監査機能の遂行状況、(ⅳ)内部統制ならびに(ⅴ)
法令上の要件の遵守の監督を支援する責任を負っている。
外部監査人
銀行法により付与された株主の権限に従うことを条件として、委員会は、監査報告書の準備もしくは発行ま
たはその他の監査、審査もしくは証明の業務に従事する登録公認会計事務所(外部監査人を含む。)の任命
(またはその取消し)を勧告する。委員会は、報酬を決定し、財務報告に関する経営陣との意見の相違の解決
を含め、これらの会計事務所の業務を監督する。当該会計事務所は、委員会に直接報告する。
さらに、外部監査人の監督の一部として、委員会は、
a) 外部監査人と会合し、年次監査計画、監査結果、年次報告書に関する監査報告書ならびに適用法により
要求されるその他すべての報告書、財務報告書および取引を検討ならびに協議する
b) すべての監査報酬および条件ならびに外部監査人により当行に提供される許可された非監査業務の条
件を承認する。かかる承認は、具体的にまたは適用法に従い委員会が採用した承認前の方針および手続
に従って行われる
c) 外部監査人が提起する懸念(監査を実施する際に直面する可能性のある問題およびかかる懸念に対す
る経営陣の対応を含む。)を検討する
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d) 監査結果に関する外部監査人と経営陣との間の重要なやり取りを検討する
e) 経営陣および当行の内部監査人の意見を考慮に入れて、関連する経験、地理的範囲、職業的懐疑心、
勤務および意思疎通の質ならびに独立性および客観性を含む、外部監査人の資格と実績を毎年評価する
f) 外部監査人ならびに当行の間で独立性および客観性に影響を及ぼす可能性のあるすべての関係を記述
した正式な書面を検討する
g) 毎年、外部監査人が監査から撤退するリスクを評価する
h) 年次監査済財務諸表および四半期財務諸表ならびに関連する経営者の議論および分析について、外部
監査人および経営陣と協議する
i) パートナー、従業員および元パートナーならびに現在および元外部監査人の従業員に関する採用方針
を検討する
j) 外部監査人のリードパートナーの資格、実績および独立性を検討ならびに評価し、リード監査パート
ナー、補助監査パートナーおよびその他の稼働している監査チームパートナーのローテーションを実施
するための時期ならびにプロセスについて議論する
k) 少なくとも年1回、(ⅰ)外部監査人の内部品質管理手順および(ⅱ)直近の内部品質管理の検討もしく
は外部監査人の同等の検討により、または過去5年以内に政府当局もしくは専門家当局により行われた
照会もしくは調査により、外部監査人により行われた1または複数の独立した監査を尊重して提起され
た重要な問題ならびに当該問題に対処するために講じられた措置を記載した外部監査人による報告書を
入手し、検討する
内部統制
委員会は、以下の活動に従事することにより内部統制の監督を支援する。
a) 財務報告に係る内部統制、不正および過失の防止ならびに発見に係る内部統制を含む、内部統制の適切
なシステムを実施および維持することを経営陣に要求すること
b) 内部統制システムを評価および承認し、最高監査責任者(CAE)および経営陣と定期的に会合を行い、
これらのシステムの妥当性および有効性を評価すること
c) 組織が統制下にあるという合理的な保証を経営陣から定期的に受けること
d) 財務報告に係る内部統制の整備もしくは運用における重大な不備または重大な弱点および財務報告に係
る当行の内部統制において重要な役割を果たしている経営陣もしくはその他の従業員が関与した不正の
発見に関するCEOおよびCFOからの報告を検討すること
e) 当行の開示方針の検討および承認ならびに当行の開示統制および開示手続の有効性に関する報告書を検
討すること
f) 当行の開示統制、開示手続、財務報告に係る内部統制の設計および有効性ならびに当行の四半期財務諸
表および年次財務諸表の完全性に関する証明に関連するCEOおよびCFOによる手続を検討すること
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内部監査人
委員会はCAEと定期的に会合し、年次内部監査計画の検討および承認ならびに内部監査活動の検討を行う。
委員会は、内部監査部門から経営陣に報告された問題点ならびに経営陣の対応および/または是正措置を検討
し、CAEと協議する。また、委員会は、特定された統制の弱点の状況ならびに当行の内部統制システムの適切
性および遵守の程度を評価する。委員会がCAEとともに検討する可能性のあるその他の問題には、監査範囲、
情報へのアクセス、資金限界または内部監査機能が直面するその他の問題が含まれる。
② 会計監査
( ⅰ) 外国監査公認会計士等
当行の財務諸表は、プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー(PwC)により監査される。入札
手続を経て、取締役会は、2016年1月29日付でPwCを当グループの監査人に指名した。かかる指名は、2016年
4月6日付年次総会および特別総会において、当行の株主によって承認された。
( ⅱ) 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容
入札手続を経て、取締役会は、2016年1月29日付でPwCを当グループの監査人に指名した。かかる指名は、
2016年4月6日付年次総会および特別総会において、当行の株主によって承認された。2019年10月31日および
2018年10月31日に終了した年度に係るPwCおよびその関係会社に対する報酬は、各カテゴリーの内容を含み、
下記に記載のとおりである。
(1)
(単位:百万ドル) 2019年10月31日に終了した年度
2018年10月31日に終了した年度
ミューチュアル・ ミューチュアル・
銀行および 銀行および
合計 合計
(2) (2)
子会社 子会社
ファンド ファンド
監査報酬 38.5 2.5 41.0 35.8 2.3 38.1
監査関連報酬 8.0 - 8.0 7.0 - 7.0
税務報酬 0.1 0.3 0.4 0.1 0.3 0.4
その他全報酬 0.4 0.5 0.9 0.4 0.5 0.9
報酬合計 47.0 3.3 50.3 43.3 3.1 46.4
(1) 2018年度の金額は、2018年10月31日に終了した年度に係る追加の監査報酬0.5百万ドルを反映させるために修正されてい
る。
(2) ミューチュアル・ファンドの欄には、当行の子会社によって管理される特定のミューチュアル・ファンドについてPwCが提
供した専門業務に対して支払われた報酬を含む。当行の子会社は、その他の運営費用以外に、定額の管理報酬によって支
払われるミューチュアル・ファンドのための毎年の監査、法令による監査機関への届出およびその他の業務に関連して提
供された専門業務についての監査報酬についても責任を負う。
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監査報酬
監査報酬は、当行の財務報告の内部管理の有効性の監査および当行子会社の財務諸表監査を含む当行の年次
連結財務諸表に対するすべての統合監査に関連して監査人より提供された専門業務に対して支払われた。さら
に監査報酬は、目論見書およびその他募集文書の、一般的に当グループの独立監査人のみが合理的に提供でき
る業務を含む、法令による監査機関への届出業務に関連する業務に対して支払われた。
監査関連報酬
監査関連報酬は、保証業務および当行の年次連結財務諸表の監査または精査業務に合理的に関連する関連業
務であり、監査報酬のカテゴリーに計上されなかった費用である。これらの業務には、下記が含まれる。
・伝統的に当グループの独立監査人によって行われた特別認証業務
・契約または取引上必要となる内部管理の有効性の報告
・当行の様々な年金計画の財務諸表の監査
・各種トラストおよびリミテッド・パートナーシップの監査
税務報酬
税務報酬は、税務申告書およびその補正書類の精査、ならびに定期税務明細票および計算の補助を含む税務
関連の遵守業務に支払われた。
その他全報酬
当該業務は、当行および一部子会社の財務情報を含む財務諸表、関連継続開示およびその他公開書類ならび
に決算およびその他研究出版物のフランス語への翻訳作業からなる。
( ⅲ) その他重要な報酬の内容
該当事項なし。
( ⅳ) 外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
上記「(ⅱ) 外国監査公認会計士等に対する報酬の内容」を参照のこと。
( ⅴ) 監査報酬の決定方針
監査委員会は、監査業務および非監査業務の許容範囲内のその他の業務について、監査委員会の事前の承認
を必要とする方針を採用した。
(4) 【役員の報酬等】
上記「3(2)② 役員の報酬等」の項を参照のこと。
(5) 【株式の保有状況】
該当事項なし。
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第6 【経理の状況】
(1) 財務書類として本書に記載された当行およびその子会社(以下総称して「RBC」という。)の原文(英文)の
連結財務諸表は、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表した国際財務報告基準(以下「IFRS」と
いう。)に準拠して作成されている。
IASB が公表したIFRSと日本において一般に公正妥当と認められる会計原則との主要な相違で当行にとって重要
かつ関連のあるものは、「4 カナダと日本における会計原則及び会計慣行の相違」に記載されている。
(2) 本書記載のRBCの連結財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省
令第59号)(以下「財務諸表等規則」という。)第131条第1項の規定に準拠して作成されている。
(3) 本書記載の原文(英文)の連結財務諸表は、2019年および2018年10月31日現在の連結貸借対照表、同日に終了
した事業年度の関連する連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書および連結キャッシュ・フ
ロー計算書、ならびに関連する注記からなる。原文(英文)の連結財務諸表および2019年10月31日現在の財務報
告に係る内部統制の有効性は、RBCのカナダにおける独立登録会計事務所であるプライスウォーターハウスクー
パース エルエルピーの監査(米国公開企業会計監視委員会(PCAOB)の基準に基づく。)を受けている。添付
の原文(英文)の連結財務諸表はまた、RBCのカナダにおける独立監査人であるプライスウォーターハウスクー
パース エルエルピーの、カナダにおいて一般に公正妥当と認められる監査基準(CAS)に準拠した監査も受け
ている。プライスウォーターハウスクーパース エルエルピーは外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年
法律第103号)第1条の3第7項に規定されている外国監査法人等をいう。)であり、その監査は「金融商品取引
法」(昭和23年法律第25号)第193条の2第1項第1号に規定されている監査証明に相当すると認められる。原
文(英文)の独立登録会計事務所の監査報告書および独立監査人の監査報告書は本書に添付されている。
(4) RBC の原文(英文)の連結財務諸表、独立登録会計事務所の監査報告書および独立監査人の監査報告書は、RBC
がカナダにおいて証券監督局に提出したものと実質的に同一であり、日本文はこれを翻訳したものである。
(5) RBC の原文(英文)の連結財務諸表はカナダドルで作成表示されている。「円」で表示されている金額は「財
務諸表等規則」第134条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円(2020年2月3日現在の株式会社三菱UFJ銀行
の対顧客電信直物売買相場仲値)の換算レートを用いて計算している。金額は百万円単位(四捨五入)で表示され
ている。なお、円表示額は単に読者の便宜のためのものであり、カナダドル額が上記のレートで円に換算される
ことを意味するものではない。日本円に換算された金額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場
合がある。
(6) 円換算額および「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 カナダと日本における会計原則及び会計慣
行の相違」までの記載事項は、RBCの原文(英語)の連結財務諸表には含まれておらず、当該事項における連結
財務諸表への参照事項を除き、上記(3)の監査の対象にもなっていない。
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1 【財務書類】
( 1)連結貸借対照表
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
資産
$ 26,310 \ 2,156,368 $ 30,209 \ 2,475,930
現金および預け金
利付銀行預け金 38,345 3,142,756 36,471 2,989,163
有価証券 (注記4)
トレーディング 146,534 12,009,927 128,258 10,512,026
投資(関連する引当金を除く) 102,470 8,398,441 94,608 7,754,072
249,004 20,408,368 222,866 18,266,097
売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金 306,961 25,158,524 294,602 24,145,580
貸出金 (注記5)
リテール 426,086 34,922,009 399,452 32,739,086
ホールセール 195,870 16,053,505 180,278 14,775,585
621,956 50,975,514 579,730 47,514,671
信用損失引当金(注記5) (3,100) (254,076) (2,912) (238,668)
618,856 50,721,438 576,818 47,276,003
個別分離運用型基金資産純額 (注記16) 1,663 136,299 1,368 112,121
その他
手形引受見返 18,062 1,480,362 15,641 1,281,936
デリバティブ(注記8) 101,560 8,323,858 94,039 7,707,436
有形固定資産(注記9) 3,191 261,534 2,832 232,111
のれん(注記10) 11,236 920,903 11,137 912,789
その他の無形資産(注記10) 4,674 383,081 4,687 384,147
その他の資産(注記13) 49,073 4,022,023 44,064 3,611,485
187,796 15,391,760 172,400 14,129,904
$ 1,428,935 $ 1,334,734
資産合計 \117,115,513 \109,394,799
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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( 1)連結貸借対照表 (続き)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
負債および資本
預金 (注記14)
個人 $ 294,732 \ 24,156,235 $ 270,154 \ 22,141,822
企業および政府 565,482 46,346,905 533,522 43,727,463
銀行 25,791 2,113,830 32,521 2,665,421
886,005 72,616,970 836,197 68,534,706
個別分離運用型基金負債純額 (注記16) 1,663 136,299 1,368 112,121
その他
手形引受 18,091 1,482,738 15,662 1,283,658
空売りした有価証券に関連する債務 35,069 2,874,255 32,247 2,642,964
買戻し条件付売却資産および貸付有価証券に関連
226,586 18,570,989 206,814 16,950,475
する債務
デリバティブ(注記8) 98,543 8,076,584 90,238 7,395,906
未払保険金および保険給付負債(注記15) 11,401 934,426 10,000 819,600
その他の負債(注記18) 58,137 4,764,909 53,122 4,353,879
447,827 36,703,901 408,083 33,446,483
劣後無担保社債 (注記19) 9,815 804,437 9,131 748,377
負債合計 1,345,310 110,261,608 1,254,779 102,841,687
株主に帰属する持分 (注記21)
優先株式 5,707 467,746 6,309 517,086
普通株式 17,587 1,441,431 17,617 1,443,889
利益剰余金 55,981 4,588,203 51,112 4,189,140
その他の資本項目 4,248 348,166 4,823 395,293
83,523 6,845,545 79,861 6,545,408
非支配持分 102 8,360 94 7,704
資本合計 83,625 6,853,905 79,955 6,553,112
負債および資本合計 $ 1,428,935 \117,115,513 $ 1,334,734 \109,394,799
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
デビッド・I・マッケイ デビッド・F・デニソン
総裁兼最高経営責任者 取締役
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有価証券報告書
( 2)連結損益計算書
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
受取利息および受取配当金 (注記3)
$ 24,863 \ 2,037,771 $ 21,249 \ 1,741,568
貸出金
有価証券 6,827 559,541 5,670 464,713
売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金 8,960 734,362 5,536 453,731
預け金およびその他 683 55,979 566 46,389
41,333 3,387,653 33,021 2,706,401
支払利息 (注記3)
預金およびその他 12,988 1,064,496 9,842 806,650
その他の負債 8,231 674,613 4,905 402,014
劣後無担保社債 365 29,915 322 26,391
21,584 1,769,025 15,069 1,235,055
受取利息純額 19,749 1,618,628 17,952 1,471,346
利息以外の収益
保険料、投資および手数料収入(注記15) 5,710 467,992 4,279 350,707
トレーディング収益 995 81,550 1,150 94,254
投資運用および保管手数料 5,748 471,106 5,377 440,699
投資信託報酬 3,628 297,351 3,551 291,040
有価証券委託手数料 1,305 106,958 1,372 112,449
サービス手数料 1,907 156,298 1,800 147,528
引受業務およびその他のアドバイザリー手数料 1,815 148,757 2,053 168,264
トレーディング以外の外国為替差損益 986 80,813 1,098 89,992
カード・サービス収益 1,072 87,861 1,054 86,386
与信手数料 1,269 104,007 1,394 114,252
投資有価証券に係る利得純額 125 10,245 147 12,048
共同支配企業および関連会社からの持分法利益
76 6,229 21 1,721
(注記12)
その他 1,617 132,529 1,328 108,843
26,253 2,151,696 24,624 2,018,183
収益合計 46,002 3,770,324 42,576 3,489,529
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
( 2)連結損益計算書 (続き)
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
信用損失引当金繰入額 (注記4および注記5) 1,864 152,773 1,307 107,122
保険契約者に対する給付、保険金および新契約費
4,085 334,807 2,676 219,325
(注記15)
利息以外の費用
人件費(注記17および注記22) 14,600 1,196,616 13,776 1,129,081
設備費 1,777 145,643 1,593 130,562
施設費 1,635 134,005 1,558 127,694
通信費 1,090 89,336 1,049 85,976
専門家報酬 1,305 106,958 1,379 113,023
その他の無形資産の償却費(注記10) 1,197 98,106 1,077 88,271
その他 2,535 207,769 2,401 196,786
24,139 1,978,432 22,833 1,871,393
税引前利益 15,914 1,304,311 15,760 1,291,690
法人所得税(注記23) 3,043 249,404 3,329 272,845
$ 12,871 \ 1,054,907 $ 12,431 \ 1,018,845
当期純利益
以下に帰属する純利益:
$ 12,860 \ 1,054,006 $ 12,400 \ 1,016,304
株主
非支配持分 11 902 31 2,541
$ 12,871 \ 1,054,907 $ 12,431 \ 1,018,845
基本的1株当たり利益 (単位:カナダドル/円)
$ 8.78 \ 720 $ 8.39 \ 688
(注記24)
希薄化後1株当たり利益 (単位:カナダドル/円)
8.75 717 8.36 685
(注記24)
普通株式1株当たり配当 (単位:カナダドル/円) 4.07 334 3.77 309
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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( 3)連結包括利益計算書
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
$ 12,871 \ 1,054,907 $ 12,431 \ 1,018,845
当期純利益
その他の包括利益(損失)、税引後 (注記23)
その後に純損益に振り替えられる項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する債
務証券および貸出金に係る未実現利得(損失)純
増減
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
債務証券および貸出金に係る未実現利得(損 192 15,736 (70) (5,737)
失)純額
純損益に認識された信用損失引当金繰入額 (14) (1,147) (9) (738)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
債務証券および貸出金に係る損失(利得)純額 (133) (10,901) (94) (7,704)
の純損益への振替
45 3,688 (173) (14,179)
為替換算調整額
未実現為替換算差益(差損) 65 5,327 840 68,846
ヘッジ活動からの為替換算差益(差損)純額 5 410 (237) (19,425)
為替換算差損(差益)の純損益への振替 2 164 - -
純投資ヘッジ活動に係る損失(利得)の純損益へ
1 82 - -
の振替
73 5,983 603 49,422
キャッシュ・フロー・ヘッジの純増減
キャッシュ・フロー・ヘッジに指定されたデリ
(559) (45,816) 150 12,294
バティブに係る利得(損失)純額
キャッシュ・フロー・ヘッジに指定されたデリ
(135) (11,065) 107 8,770
バティブに係る損失(利得)の純損益への振替
(694) (56,880) 257 21,064
その後に純損益に振り替えられることのない項目:
従業員給付制度の再測定(注記17) (942) (77,206) 724 59,339
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
定された金融負債に係る信用リスクに起因する 51 4,180 123 10,081
公正価値の変動純額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するも
のとして指定された持分証券に係る利得(損失) 25 2,049 (2) (164)
純額
(866) (70,977) 845 69,256
その他の包括利益(損失)合計、税引後 (1,442) (118,186) 1,532 125,563
$ 11,429 \ 936,721 $ 13,963 \ 1,144,407
包括利益(損失)合計
以下に帰属する包括利益合計:
$ 11,419 \ 935,901 $ 13,931 \ 1,141,785
株主
非支配持分 10 820 32 2,623
$ 11,429 \ 936,721 $ 13,963 \ 1,144,407
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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( 4)連結持分変動計算書
2019 年10月31日終了年度
その他の資本項目
FVOCI で測 キャッ
その他の
自己株式 自己株式 利益剰余 株主に帰 非支配
定する有価 シュ・
優先株式 普通株式 資本合計
為替換算 資本項目
-優先 -普通 金 属 持分
証券および フロー・
合計
する持分
貸出金 ヘッジ
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万
百万 百万 百万 百万 百万
カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド
カナダドル カナダドル カナダドル カナダドル カナダドル
ル ル ル ル ル ル ル
$ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $
期首残高
6,306 17,635 3 (18) 51,112 (12) 4,147 688 4,823 79,861 94 79,955
移行調整額(注記
- - - - (94) - - - - (94) - (94)
2)
$ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $
調整後期首残高
6,306 17,635 3 (18) 51,018 (12) 4,147 688 4,823 79,767 94 79,861
資本の変動
株式資本の発行 350 136 - - - - - - - 486 - 486
消却を目的とした
- (126) - - (904) - - - - (1,030) - (1,030)
普通株式の購入
優先株式の償還 (950) - - - - - - - - (950) - (950)
自己株式の売却 - - 182 5,340 - - - - - 5,522 - 5,522
自己株式の購入 - - (184) (5,380) - - - - - (5,564) - (5,564)
株式に基づく報酬 - - - - (23) - - - - (23) - (23)
普通株式に係る配
- - - - (5,840) - - - - (5,840) - (5,840)
当
優先株式およびそ
- - - - (269) - - - - (269) (2) (271)
の他に係る配当
その他 - - - - 5 - - - - 5 - 5
当期純利益 - - - - 12,860 - - - - 12,860 11 12,871
その他の包括利益
(損失)合計、 - - - - (866) 45 74 (694) (575) (1,441) (1) (1,442)
税引後
$ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $
期末残高
5,706 17,645 1 (58) 55,981 33 4,221 (6) 4,248 83,523 102 83,625
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( 4)連結持分変動計算書 (続き)
2018 年10月31日終了年度
その他の資本項目
FVOCI で測 キャッ
株主に帰
定する有価 シュ・ その他の
自己株式 自己株式 非支配
利益剰余 属
証券および フロー・ 資本項目
優先株式 普通株式 -優先 -普通 持分 資本合計
為替換算
金 する持分
貸出金 ヘッジ 合計
百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万 百万
百万 百万 百万 百万
カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド カナダド
カナダドル カナダドル カナダドル カナダドル
ル ル ル ル ル ル ル ル
$ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $
期首残高
6,413 17,730 - (27) 44,801 299 3,545 431 4,275 73,192 599 73,791
資本の変動
株式資本の発行 - 92 - - - - - - - 92 - 92
消却を目的とした
- (187) - - (1,335) - - - - (1,522) - (1,522)
普通株式の購入
優先株式の償還 (107) - - - 2 - - - - (105) - (105)
信託資本証券の償
- - - - - - - - - - (500) (500)
還
自己株式の売却 - - 259 5,479 - - - - - 5,738 - 5,738
自己株式の購入 - - (256) (5,470) - - - - - (5,726) - (5,726)
株式に基づく報酬 - - - - (10) - - - - (10) - (10)
普通株式に係る配
- - - - (5,442) - - - - (5,442) - (5,442)
当
優先株式およびそ
- - - - (285) - - - - (285) (37) (322)
の他に係る配当
その他 - - - - 136 (138) - - (138) (2) - (2)
当期純利益 - - - - 12,400 - - - - 12,400 31 12,431
その他の包括利益
(損失)合計、
- - - - 845 (173) 602 257 686 1,531 1 1,532
税引後
$ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $
期末残高
6,306 17,635 3 (18) 51,112 (12) 4,147 688 4,823 79,861 94 79,955
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( 4)連結持分変動計算書 (続き)
2019 年10月31日終了年度
その他の資本項目
FVOCI で
キャッ
測定する その他の
自己株式 自己株式 非支配
シュ・
優先株式 普通株式 利益剰余金 株主に帰属 資本合計
有価証券 為替換算 資本項目
-優先 -普通 持分
フロー・
する持分
および貸 合計
ヘッジ
出金
* * * * * * * * * * * *
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \
期首残高
516,840 1,445,365 246 (1,475) 4,189,140 (984) 339,888 56,388 395,293 6,545,408 7,704 6,553,112
移行調整額(注
- - - - (7,704) - - - - (7,704) - (7,704)
記2)
\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \
調整後期首残高
516,840 1,445,365 246 (1,475) 4,181,435 (984) 339,888 56,388 395,293 6,537,703 7,704 6,545,408
資本の変動
株式資本の発行 28,686 11,147 - - - - - - - 39,833 - 39,833
消却を目的とし
- (10,327) - - (74,092) - - - - (84,419) - (84,419)
た普通株式の購入
優先株式の償還 (77,862) - - - - - - - - (77,862) - (77,862)
自己株式の売却 - - 14,917 437,666 - - - - - 452,583 - 452,583
自己株式の購入 - - (15,081) (440,945) - - - - - (456,025) - (456,025)
株式に基づく報
- - - - (1,885) - - - - (1,885) - (1,885)
酬
普通株式に係る
- - - - (478,646) - - - - (478,646) - (478,646)
配当
優先株式および
- - - - (22,047) - - - - (22,047) (164) (22,211)
その他に係る配当
その他 - - - - 410 - - - - 410 - 410
当期純利益 - - - - 1,054,006 - - - - 1,054,006 902 1,054,907
その他の包括利
益(損失)合計、 - - - - (70,977) 3,688 6,065 (56,880) (47,127) (118,104) (82) (118,186)
税引後
\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \
期末残高
467,664 1,446,184 82 (4,754) 4,588,203 2,705 345,953 (492) 348,166 6,845,545 8,360 6,853,905
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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( 4)連結持分変動計算書 (続き)
2018 年10月31日終了年度
その他の資本項目
FVOCI で測
キャッ
定する有
シュ・ その他の
自己株式 自己株式 株主に帰属 非支配
価証券お
フロー・ 資本項目
優先株式 普通株式 -優先 -普通 利益剰余金 する持分 持分 資本合計
よび貸出 為替換算
ヘッジ 合計
金
* * * * * * * * * * * *
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 百万円
\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \
期首残高
525,609 1,453,151 - (2,213) 3,671,890 24,506 290,548 35,325 350,379 5,998,816 49,094 6,047,910
資本の変動
株式資本の発
- 7,540 - - - - - - - 7,540 - 7,540
行
消却を目的と
した普通株式の - (15,327) - - (109,417) - - - - (124,743) - (124,743)
購入
優先株式の償
(8,770) - - - 164 - - - - (8,606) - (8,606)
還
信託資本証券
- - - - - - - - - - (40,980) (40,980)
の償還
自己株式の売
- - 21,228 449,059 - - - - - 470,286 - 470,286
却
自己株式の購
- - (20,982) (448,321) - - - - - (469,303) - (469,303)
入
株式に基づく
- - - - (820) - - - - (820) - (820)
報酬
普通株式に係
- - - - (446,026) - - - - (446,026) - (446,026)
る配当
優先株式およ
びその他に係る - - - - (23,359) - - - - (23,359) (3,033) (26,391)
配当
その他 - - - - 11,147 (11,310) - - (11,310) (164) - (164)
当期純利益 - - - - 1,016,304 - - - - 1,016,304 2,541 1,018,845
その他の包括
利益(損失)
- - - - 69,256 (14,179) 49,340 21,064 56,225 125,481 82 125,563
合計、
税引後
\ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \
期末残高
516,840 1,445,365 246 (1,475) 4,189,140 (984) 339,888 56,388 395,293 6,545,408 7,704 6,553,112
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
( 5)連結キャッシュ・フロー計算書
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
営業活動によるキャッシュ・フロー
$ 12,871 \ 1,054,907 $ 12,431 \ 1,018,845
当期純利益
非資金項目およびその他の調整
信用損失引当金繰入額 1,864 152,773 1,307 107,122
減価償却費 627 51,389 569 46,635
繰延法人所得税 (519) (42,537) 459 37,620
その他の無形資産の償却費および減損損失 1,307 107,122 1,083 88,763
共同支配企業および関連会社に対する投資の純
(74) (6,065) (1) (82)
増減
投資有価証券に係る損失(利得) (213) (17,457) (149) (12,212)
事業処分損(益) (158) (12,950) (40) (3,278)
営業資産および負債の純増減に対する調整
未払保険金および保険給付負債 1,401 114,826 218 17,867
未収および未払利息の純増減 199 16,310 162 13,278
当期法人所得税 (26) (2,131) (2,707) (221,866)
デリバティブ資産 (7,521) (616,421) 984 80,649
デリバティブ負債 8,305 680,678 (1,889) (154,822)
トレーディング有価証券 (18,276) (1,497,901) 2,297 188,262
貸出金(証券化を除く) (42,672) (3,497,397) (41,477) (3,399,455)
売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保
(12,359) (1,012,944) (73,626) (6,034,387)
金
買戻し条件付売却資産および貸付有価証券に関
19,772 1,620,513 63,730 5,223,311
連する債務
空売りした有価証券に関連する債務 2,822 231,291 2,239 183,508
預金(証券化を除く) 49,808 4,082,264 48,499 3,974,978
ブローカーおよびディーラーに係る未収入金お
(480) (39,341) 147 12,048
よび未払金
その他 (2,413) (197,769) 3,238 265,386
営業活動による(に使用された)正味キャッシュ 14,265 1,169,159 17,474 1,432,169
投資活動によるキャッシュ・フロー
利付銀行預け金の増減 (1,874) (153,593) (3,809) (312,186)
投資有価証券の売却および満期による収入 65,377 5,358,299 57,108 4,680,572
投資有価証券の購入 (72,435) (5,936,773) (59,286) (4,859,081)
有形固定資産およびその他の無形資産の取得純額 (2,261) (185,312) (1,980) (162,281)
処分による収入 173 14,179 14 1,147
取得に使用されたキャッシュ (106) (8,688) (65) (5,327)
投資活動による(に使用された)正味キャッシュ (11,126) (911,887) (8,018) (657,155)
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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( 5)連結キャッシュ・フロー計算書 ( 続き)
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万 百万
* *
百万円 百万円
カナダドル カナダドル
財務活動によるキャッシュ・フロー
信託資本証券の償還 - - (500) (40,980)
劣後無担保社債の発行 1,500 122,940 - -
劣後無担保社債の返済 (1,100) (90,156) - -
普通株式の発行(発行費用控除後) 105 8,606 72 5,901
消却を目的とした普通株式の購入 (1,030) (84,419) (1,522) (124,743)
優先株式の発行(発行費用控除後) 350 28,686 - -
優先株式の償還 (950) (77,862) (105) (8,606)
自己株式の売却 5,522 452,583 5,738 470,286
自己株式の購入 (5,564) (456,025) (5,726) (469,303)
配当金支払額 (6,025) (493,809) (5,640) (462,254)
非支配持分に対する配当/分配金支払額 (2) (164) (37) (3,033)
子会社の短期借入金の増減 (263) (21,555) - -
財務活動による(に使用された)正味キャッシュ (7,457) (611,176) (7,720) (632,731)
現金および預け金に係る為替レートの変動の影響 419 34,341 66 5,409
現金および預け金の純増減 (3,899) (319,562) 1,802 147,692
現金および預け金の期首残高(1) 30,209 2,475,930 28,407 2,328,238
現金および預け金の期末残高 (1) $ 26,310 \ 2,156,368 $ 30,209 \ 2,475,930
営業活動によるキャッシュ・フローは以下を含む:
$ 19,984 \ 1,637,889 $ 13,513 \ 1,107,525
利息支払額
利息受取額 39,500 3,237,420 31,386 2,572,397
配当金受取額 2,209 181,050 1,706 139,824
法人所得税支払額 2,977 243,995 5,818 476,843
(1) 当行は、中央銀行およびその他の規制当局において預け金残高を維持することが求められる。2019年10月31日現在の当
該預け金残高合計は、26億カナダドル(2018年10月31日-24億カナダドル、2017年10月31日-23億カナダドル)であっ
た。
(*) 訳者注:円金額は、無監査の参考情報であり、「第6 経理の状況」(5)の記載にある通り、「財務諸表等規則」第134
条の規定に基づき、1カナダドル=81.96円の換算レートを用いて計算している。
本書記載の注記は、当連結財務諸表の不可欠な一部である。
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(6)連結財務諸表に対する注記
(訳者注:表中の$はカナダドルを表す。文中の「ドル」も、別途記載される場合を除き、カナダドルを表す。)
注記1 全般的情報
ロイヤル・バンク・オブ・カナダおよびその子会社(以下「当行」という。)は、個人向け銀行業務および商業銀
行業務、ウェルス・マネジメント、保険、投資家およびトレジャリー・サービス、ならびに資本市場商品および資
本市場サービスを含む、多様化した金融サービスを世界的に提供している。当行の事業セグメントについての詳細
は、注記28を参照のこと。
親銀行であるロイヤル・バンク・オブ・カナダは、カナダで設立しカナダを本拠地とする、カナダの銀行法に基
づくスケジュールIの銀行である。当行の本社は、カナダ オンタリオ州 トロント ベイ・ストリート200 ロイヤ
ル・バンク・プラザに所在している。本店の所在地は、カナダ ケベック州 モントリオール プレイス・ヴィル・
マリー1である。当行の普通株式は、トロント証券取引所およびニューヨーク証券取引所に上場しており、ティッ
カー・シンボルは「RY」である。
当連結財務諸表は、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表した国際財務報告基準(以下「IFRS」と
いう。)に準拠して作成されている。別途記載される場合を除き、金額はカナダドルで表示されている。表中の情
報は、別途記載される場合を除き、百万ドルで記載されている。当連結財務諸表は、カナダの銀行法のサブセク
ション308にも準拠している。銀行法は、カナダの金融機関監督庁(「以下「OSFI」という。)が指定する場合を除
き、当行の連結財務諸表はIFRSに従って作成すべきことを規定している。別途記載される場合を除き、注記2で概
説した会計方針は、すべての表示期間に継続して適用されている。
取締役会は2019年12月3日に連結財務諸表の公表を承認した。
注記2 重要な会計方針、見積りおよび判断の要約
当連結財務諸表の作成に使用された重要な会計方針(OSFIが要求する会計処理を含む。)の要約は、以下の通りで
ある。これらの会計方針は、すべての重要な点において、IFRSに準拠している。別途記載される場合を除き、すべ
ての表示期間に同一の会計方針が適用されている。
全般
見積りおよび仮定の使用
当行の連結財務諸表の作成において、経営陣は、資産、負債、当期純利益および関連する開示の報告金額に影響
を与える主観的な見積りおよび仮定を行う必要がある。経営陣による見積りは、過去の実績および合理的であると
考えられるその他の仮定に基づいて行われる。見積りにおける不確実性の主な発生要因には、金融商品の公正価値
の算定、信用損失引当金、未払保険金および保険給付負債、年金およびその他の退職後給付、法人所得税、のれん
およびその他の無形資産の帳簿価額、訴訟引当金、ならびにクレジットカード顧客ロイヤルティ報奨制度に基づく
繰延収益の算定等がある。このため、実際の結果はこれらおよびその他の見積りと異なる場合があり、当行の将来
の連結財務諸表に影響を与える可能性がある。当行の見積りおよび仮定の使用に関する詳細は、当注記の関連する
会計方針を参照のこと。
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重要な判断
当連結財務諸表を作成するにあたり、経営陣は、特定の資産および負債の帳簿価額ならびに期中に計上された収
益および費用の報告金額に影響を与える重要な判断を行うことが要求される。重要な判断は、以下の分野で行われ
ており、連結財務諸表の注記に記載されている。
組成された企業の連結 注記2 実効金利法の適用 注記2
注記7
金融商品の公正価値 注記2 金融資産の認識の中止 注記2
注記3 注記6
信用損失引当金 注記2 法人所得税 注記2
注記4 注記23
注記5
従業員給付 注記2 引当金 注記2
注記17 注記25
注記26
のれんおよびその他の無形資産 注記2
注記10
連結の基礎
当行の連結財務諸表は、親会社であるロイヤル・バンク・オブ・カナダ、および特定の組成された企業を含むそ
の子会社の、連結会社間の取引、残高、収益および費用を消去した後の、資産および負債ならびに経営成績を含ん
でいる。
連結
子会社(組成された企業を含む。)は、当行が支配を有する企業である。当行は、企業への関与により生じる変動
リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該投資先に対するパワーにより当該リターンに影
響を及ぼす能力を有している場合には、当該企業を支配している。当行は、企業のリターンに最も重要な影響を及
ぼす活動(関連性のある活動)を指図する現在の能力を与える既存の権利を有している場合には、当該企業に対する
パワーを有している。パワーは議決権を基に判定するか、組成された企業の場合には他の契約上の取決めを基に判
定する場合もある。
当行が代理人の立場で企業に対するパワーを行使している場合には、企業を支配していることにはならない。当
行は、当行が代理人として行動しているかどうかの判定に際しては、次の要因について、当行と投資先および契約
上の取決めの他の当事者との全体的な関係を考慮している。その要因とは、(ⅰ)当行の意思決定権限の範囲、(ⅱ)
他の当事者が保有する権利、(ⅲ)当行が権利を有する報酬、および(ⅳ)リターンの変動性に対する当行のエクス
ポージャーである。
支配の判定は、現在の事実と状況に基づき、継続的に行っている。別の要素や状況を単独でまたは全体的に評価
するかによって、当該要素や状況が、別の当事者が企業を支配していることを示す場合もある。当行が企業に対す
る支配を有しているかの判定にあたり関連する要素および状況を全体的に評価する際に、重要な判断が行われる。
具体的には、当行が関連性のある活動に関して実質的な意思決定権を有しているか、また当行がパワーを本人また
は代理人のいずれの立場で行使するかを評価する際に、判断が行われる。
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当行は、当行が支配を獲得した日からすべての子会社を連結し、当行による支配が終了した時点で連結を中止し
ている。連結に関する当行の結論は、当行の連結財務諸表における資産、負債、収益および費用の区分および報告
金額に影響を与える。
当行の連結子会社に対する非支配持分は、当行の連結貸借対照表上、当行の株主に帰属する持分とは別に独立項
目として表示されている。非支配持分に帰属する当期純利益は、当行の連結損益計算書において別個に開示されて
いる。
共同支配企業および関連会社に対する投資
当行が重要な影響力を有している関連会社およびリミテッド・パートナーシップに対する当行の投資は、持分法
により会計処理されている。持分法は、当行が共同支配を有する共同支配企業に対する持分にも適用されている。
持分法では、投資は当初取得原価で計上され、取得日後の投資先の純損益に対する当行の持分(投資先のその他の
包括利益(以下「OCI」という。)に対する当行の比例的持分を含む。)を認識することでその帳簿価額が増減する。
売却目的で保有する非流動資産および非継続事業
非流動資産(および処分グループ)は、その帳簿価額が、継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合
には、売却目的保有に分類される。この条件に該当するのは、当該資産を現状のままで直ちに売却可能で、経営陣
が売却を確約しており、かつその売却が1年以内に実行される可能性が非常に高い場合である。売却目的保有に分
類された非流動資産(および処分グループ)は、これまでの帳簿価額と、売却コスト控除後の公正価値のいずれか低
い金額で測定され、重要性がある場合には、当行の連結貸借対照表上、その他の資産とは別個に表示される。
処分グループは、次のいずれかの条件を満たす場合に非継続事業として分類される。すなわち、(ⅰ)営業上およ
び財務上、他の当行の営業活動と区別できる構成単位であり、(ⅱ)独立の主要な事業分野を表すか、または主要な
事業分野または営業地域を処分する統一された単一の計画の一部である場合である。非継続事業に分類された処分
グループは、当行の連結損益計算書において当行の継続事業とは別個に表示される。
会計方針の変更
第1四半期において、当行はIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という。)を適用
した。IFRS第15号の経過措置にて認められる通り、当行は比較期間の数値を修正再表示しない選択適用を行ってい
る。ゆえに、下記に記載されている通り、比較情報はすべて当行が従前まで適用していた会計方針に従って表示さ
れている。IFRS第15号を適用した結果、特定の報酬の認識の時期をその履行義務の移転時期に一致させたため、
2018年11月1日(適用開始日)現在の当行の期首利益剰余金が94百万ドル(1)(税引後)減少している。
(1)金額は修正再表示されている。
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金融商品
金融資産の分類
金融資産は当初認識時に公正価値で測定され、当行の金融商品の管理に関する事業モデルおよび商品の契約上の
キャッシュ・フローの特性に基づいて、純損益を通じて公正価値(以下「FVTPL」という。)で測定するもの、その
他の包括利益を通じて公正価値(以下「FVOCI」という。)で測定するもの、または償却原価で測定するもののいず
れかに分類され、事後測定される。
負債性金融商品は、以下の両方の要件を満たし、かつ、当該資産がFVTPLで測定するものとして指定されていな
い場合、償却原価で測定される。(a)当該資産が、下記の通り、キャッシュ・フローの回収のために保有(以下
「HTC」という。)する事業モデルにおいて保有されている。(b)金融商品の契約条件により、元本および元本残高
に対する利息の支払のみ(以下「SPPI」という。)であるキャッシュ・フローが生じる。
負債性金融商品は、下の両方の要件を満たし、かつ当該資産がFVTPLで測定するものとして指定されていない場
合、FVOCIで測定される。(a)当該資産が、下記の通り、キャッシュ・フローの回収と売却のために保有(以下
「HTC&S」という。)する事業モデルにおいて保有されている。(b)金融商品の契約条件により、特定の日にSPPIで
あるキャッシュ・フローが生じる。
その他の負債性金融商品はすべてFVTPLで測定される。
資本性金融商品は、資産が売買目的で保有されておらずFVOCIで測定するものとして指定するという取消不能の
選択を当行が行う場合を除き、FVTPLで測定される。この選択は、金融商品ごとに実施される。
事業モデルの評価
当行は、事業目的達成のための金融資産ポートフォリオの管理方法を最もよく反映するレベルで、事業モデルを
決定する。当行の事業モデルの決定は判断を伴うが、以下を含め関連性のある客観的証拠に裏付けられている。
・当行の事業の経済活動により、どのように利益がもたらされるか(例えば、トレーディング収益、利回りの引
き上げ、あるいは資金調達またはその他のコストのヘッジ活動)、またこのような経済活動がどのように評価
され主要な経営陣へ報告されているか
・第一部 第3 2 事業等のリスク」のリスクの各項および「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析」の「リスク管理」の項に記載されている通り、当行の業績に影響を及ぼ
すような重要なリスク(例えば、市場リスク、信用リスクまたはその他のリスク等)、またこれらのリスクを管
理するための活動
・事業モデルの一環として管理する貸出金または有価証券ポートフォリオの売却に関する過去の実績および将来
の予想
・報酬がどの程度事業モデルの経済的業績に直結しているかという当行の事業管理職の報酬構造
当行の事業モデルは、以下の3つの区分に分類され、収益獲得のための主要な戦略を示している。
・HTC:この事業モデルの目的は、契約上の元本および利息のキャッシュ・フローを回収するために貸付金および
有価証券を保有することにある。売却はこの目的に付随的なものであり、重要性がないか頻度が低いことが予
想される。
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・HTC&S:契約上のキャッシュ・フローの回収および売却のいずれも当事業モデルの目的達成に必要不可欠なもの
である。
・その他の公正価値事業モデル:これらの事業モデルは、HTCおよびHTC&Sのいずれでもなく、主に資産が売買目
的または公正価値ベースで管理されている事業モデルを示す。
SPPI 評価
HTC またはHTC&Sの事業モデルにて保有される金融商品は、その契約上のキャッシュ・フローが元本および利息の
支払のみから構成されているかを判断するために評価される。SPPIの支払いは、基本的な融資の取決めにおいて通
常期待されるものである。元本の金額には、融資の取決めによる額面の返済金額が含まれており、利息は主に、信
用リスクおよび特定の期間における元本残高に関する貨幣の時間価値への対価を含む、基本的な融資のリターンに
関するものである。利息には、金融資産を特定の期間保有することに伴うその他の基本的な融資のリスクおよびコ
スト(流動性リスク、サービシング・コストまたは管理コスト等)、ならびに利益マージンも含まれる。
契約上の条件により、基本的な融資の取決めと不整合なリスクまたはキャッシュ・フローの変動性が生じる場合
は、関連する金融資産はFVTPLで測定するものとして分類され、測定される。
有価証券
トレーディング有価証券には、その性質によりFVTPLで測定するものとして分類される有価証券およびFVTPLで測
定するものとして指定された有価証券すべてが含まれる。売却済み未購入のトレーディング有価証券の引渡義務
は、負債として公正価値で計上されている。これらの有価証券に係る実現および未実現の利得および損失は、通常
「トレーディング収益」または「利息以外の収益-その他」に計上されている。トレーディング有価証券に係る受
取配当金および受取利息は、「受取利息」に計上されている。空売りされた利付証券および持分証券に関して発生
した利息および配当金は、「支払利息」に計上されている。
投資有価証券には、FVOCIおよび償却原価で測定するものとして分類されるすべての有価証券が含まれる。すべ
ての投資有価証券は、公正価値で当初計上され、その後は各分類に従って測定される。
償却原価で計上される投資有価証券は、実効金利法を用いて測定され、下記の通り、当行の信用損失引当金に関
する方針に従って算定された信用損失引当金を控除した金額で表示されている。償却原価で測定される有価証券の
プレミアムまたはディスカウントの償却を含む受取利息は、「受取利息」に計上される。償却原価で測定される有
価証券について認識された減損利得または損失は、「信用損失引当金繰入額(以下「PCL」という。)」に計上され
る。償却原価で測定される負債性金融商品が売却された場合、売却時に、売却による収入額と有価証券の償却原価
との差額が「利息以外の収益」の「投資有価証券に係る利得純額」に計上される。
FVOCI で計上される債務証券は公正価値で測定され、公正価値の変動により生じた未実現利得および損失は「そ
の他の資本項目」に計上される。減損利得および損失はPCLに計上され、同時に「その他の資本項目」に含まれる
公正価値の累積変動額が減額される。FVOCIで測定される負債性金融商品が売却された場合、利得または損失累計
額は、「その他の資本項目」から「利息以外の収益」の「投資有価証券に係る利得純額」に振り替えられる。
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FVOCI で計上される持分証券は公正価値で測定される。公正価値の変動により生じた未実現利得および損失は
「その他の資本項目」に計上され、その後実現時に純損益に振り替えられることはない。FVOCI持分証券からの配
当金は、「受取利息」に計上される。
当行は、すべての有価証券につき決済日基準により認識を行っている。FVTPLで測定される有価証券に係る取引
日と決済日間の公正価値の変動は、収益として計上される。FVOCIで測定される有価証券に係る取引日と決済日間
の公正価値の変動は、債務証券に係る為替相場の変動(これは「利息以外の収益-その他」に計上される。)を除
き、OCIに計上される。
公正価値オプション
信頼性をもって測定可能な公正価値を有する金融商品は、その取得または発生が売却または買戻しを主な目的と
したものでなかった場合でも、当初認識時にFVTPLで測定するものとして指定することができる(公正価値オプショ
ン)。金融資産に係る公正価値オプションは、指定を行わない場合に資産または負債の測定またはそれらに係る利
得および損失の認識を異なる基準で行うことから生じるであろう測定または認識の不整合(以下「会計上のミス
マッチ」という。)を、その指定を行うことにより除去または大幅に低減する場合に、使用することができる。金
融負債に係る公正価値オプションは、(ⅰ)選択が会計上のミスマッチを除去すること、(ⅱ)金融負債が、文書化さ
れたリスク管理戦略または投資戦略に従い公正価値ベースで管理されるポートフォリオの一部であること、または
(ⅲ)金融商品または非金融商品である主契約に組込デリバティブが含まれており、当該デリバティブが主契約と密
接に関連していない場合に、選択することができる。これらの金融商品は、保有または発行されている間、FVTPL
の区分からの分類変更はできない。
FVTPL で測定するものとして指定された金融資産は公正価値で計上され、公正価値の変動により発生する未実現
利得または損失はすべて、当行が金融資産を保有する事業目的により「トレーディング収益」または「利息以外の
収益-その他」に含まれる。
FVTPL で測定するものとして指定された金融負債は公正価値で計上され、当行の自己の信用リスクの変動による
公正価値の変動はOCIに計上される。OCIに認識された当行の自己の信用リスクの金額は、その後に純損益に振り替
えられることはない。当行の自己の信用リスクの変動によらないその他の公正価値の変動は、当行が当該金融負債
を保有する事業目的により「トレーディング収益」または「利息以外の収益-その他」に計上される。当初認識時
に、自己の信用リスクの変動による影響をOCIに表示することが純損益における会計上のミスマッチを創出または
拡大することになると当行が判断した場合には、FVTPLで測定するものとして指定された当行の債務の公正価値の
変動の全額を純損益に認識している。この判断を行うにあたり、当行は、当該負債の信用リスクの変動の影響が、
FVTPLで測定されるもう一つの金融商品の公正価値の変動により純損益において相殺されることが見込まれるかど
うかを評価する。このような見込みは、当該負債の特性と他の金融商品の特性との経済的関係を基礎とする。この
判断は当初認識時に行い、見直しは行わない。FVTPLで測定するものとして指定された当行の負債性金融商品に係
る公正価値調整の決定にあたり、当行は、契約期間にわたる契約上のキャッシュ・フローに基づく当該金融商品の
現在価値を、期首および期末時点の当行の実効調達金利を用いて算定している。
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公正価値の算定
金融商品の公正価値は、測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取る
であろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格である。当行は、市場参加者が価格設定にあたり考
慮するであろうすべての要素(一般に認められている評価方法を含む。)を織り込んだ上で、公正価値を算定してい
る。
取締役会は、主に監査委員会およびリスク委員会を通じて、金融商品の評価に対するモニタリングを行ってい
る。監査委員会は、公正価値で測定される金融商品の表示および開示についてレビューを行い、リスク委員会は、
当該商品の評価に関するガバナンス体制および統制プロセスの十分性を評価している。
当行は、評価方法および技法に関する方針、手続および統制を設定し、公正価値の合理的な見積りを確保してい
る。主な評価プロセスおよび統制としては、損益の分解、独立した価格検証(以下「IPV」という。)およびモデル
の検証基準があるが、これらに限定されない。これらの統制プロセスは、ファイナンス部門またはグループ・リス
ク管理部門のいずれかが運用しており、関連する事業部門およびそのトレーディング部門からは独立している。損
益の分解は、一定のポジションの公正価値の変動について説明を行うプロセスであり、トレーディング・ポート
フォリオについては日次で実施している。公正価値で測定される商品はすべて、IPV(トレーディング部門の評価額
を外部の市場価格および他の関連市場データに照らして検証するプロセス)の対象である。市場データの情報源に
は、取引価格、ブローカーおよび価格算定業者が含まれる。当行は、第三者による価格算定サービスおよび価格の
うち、最も継続的に正確性を有するものを優先している。正確性の程度については、第三者の価格をトレーダー価
格やシステム上の値、その他の価格算定サービスの価格、また入手可能な場合には実際の取引データと比較するこ
とにより時間をかけて判断している。価格が古くなる等の問題がない限り、価格算定サービスまたはブローカーか
らの同一商品の相場価格は通常調整されない。同一商品について複数の相場価格を受領した場合、公正価値は、価
格範囲外の異常値を取り除いた後の、受領価格の平均または最も信頼性の高い業者からの見積もりに基づいてい
る。取引価格または相場価格が入手できない場合には、他の評価技法が使用される。一部の評価プロセスでは、公
正価値の算定にモデルを使用している。当行は、体系的かつ一貫した方法でモデルの使用を管理している。評価モ
デルの使用は、当行のモデルリスク管理の枠内で認めている。この枠組みは、特にモデルの開発基準、検証過程お
よび手続、ならびに承認権限について規定している。モデルの検証により、モデルを意図した使用に確実に合致し
たものとし、モデルに用いるパラメータを設定している。モデルはすべて、モデルの設計および開発から独立した
一定の能力を有する担当者が定期的に再検証している。当行のモデルのリスク・プロファイルは、取締役会に年に
1回報告されている。
IFRS 第13号「公正価値測定」は、特定の要件が満たされた場合に、会計方針の選択により、金融商品のポート
フォリオの公正価値を正味のオープン・リスク・ポジションに基づいて測定するという例外措置を認めている。当
行は、この方針を選択適用し、デリバティブを主とする金融商品の特定のポートフォリオの公正価値を、市場リス
クまたは信用リスクに対する正味エクスポージャーに基づいて算定している。
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当行は評価調整を計上し、当行のデリバティブ・ポートフォリオの契約相手先の信用度、契約相手先の担保の実
際のディスカウント・カーブと担保付デリバティブの標準的なオーバーナイト・インデックス・スワップ(以下
「OIS」という。)ディスカウンティングとの差異、無担保および担保不足の店頭(以下「OTC」という。)デリバ
ティブに係る調達評価調整(以下「FVA」という。)、取引開始時の未実現利得または損失、呼び値スプレッド、観
察可能でないパラメータならびにモデルの限界を適切に反映している。デフォルト率(以下「PD」という。)および
回収率の推定等のインプットの選択には重要な判断が必要となるため、これらの調整は主観的となる可能性があ
る。これらの調整を行うことで、公正価値が、市場参加者が金融商品の値付けに使用するであろう仮定を基に算定
した金額となることも意図している。取引の実勢価格は、経営陣の判断により過去に見積った計上金額とは異なる
可能性がある。したがって、評価調整は、「利息以外の収益」の「トレーディング収益」または「その他」に認識
される未実現利得および損失に影響を与える場合がある。
当行のデリバティブ・ポートフォリオの信用リスクに対して評価調整を計上し、公正価値となるようにしてい
る。信用評価調整(以下「CVA」という。)には、当行の契約相手先の信用度、現在および潜在的な将来の取引の時
価評価、ならびにマスター・ネッティング契約および担保契約等による信用リスクの軽減の影響が考慮されてい
る。CVAの金額は、契約相手先ごとのデフォルト時エクスポージャー(以下「EAD」という。)、PD、回収率、ならび
に市場要因と信用要因の相関に関する見積りから算定される。EADは、デフォルト発生時に予想されるデリバティ
ブ関連資産および負債の評価額であり、基礎となるリスク要因を使用するモデルにより見積られる。PDは、通常、
信用プロテクションの市場価格および契約相手先の信用格付けから推定される。市場データが入手できない場合
は、市場参加者がこれらのインプットを用いて公正価値を算定する際に使用する仮定や調整を織り込んで見積られ
る。相関は、信用要因と市場要因が相互に関連してどのように動くのかに関する統計的な測定値である。相関は、
過去のデータを使用して見積られる。CVAは日次で計算され、その変動は「利息以外の収益-トレーディング収
益」に計上される。
また、FVAを計算し、無担保および担保不足のOTCデリバティブの評価に、調達に係るコストと便益を織り込んで
いる。当該デリバティブの予想将来キャッシュ・フローは割り引き、インプットとしてファンディング・カーブ、
インプライド・ボラティリティおよび相関を用いることで、デリバティブの調達に係るコストと便益を反映させて
いる。
金融商品の公正価値が相場価格から得られない、または他の観察可能な市場取引で裏付けることができない場合
に、観察可能な市場データを組み込んだ評価技法に基づき、金融商品の契約開始時の未実現利得または損失を反映
するよう、必要に応じて評価調整を行っている。
呼び値に係る評価調整は、資産または負債ポジションをそれぞれ買い呼び値または売り呼び値で評価せずに、金
融商品を仲値で評価する場合に必要となる。この評価調整では、仲値と買い呼び値または売り呼び値のいずれかと
のスプレッドを考慮している。
一部の評価モデルでは、市場で観察可能なオプション価格等の要素に対してパラメータの調整が必要となる。パ
ラメータの調整は、商品や最適化の方法の選択等の要素の影響を受けることがある。評価調整は、パラメータの調
整の不確実性やモデルの限界を軽減するためにも見積られる。
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公正価値の算定には、評価技法へのインプットに優先順位を設定しているヒエラルキーを用いている。この公正
価値ヒエラルキーが最も高い優先順位を与えているのは、同一の資産または負債に関する活発な市場における無調
整の相場価格(レベル1)であり、最も優先順位が低いのは、観察可能でないインプット(レベル3)である。このヒ
エラルキーに基づく公正価値の算定には、入手可能な場合はいつでも、観察可能な市場データを使用することが要
求されている。レベル1のインプットは、測定日における当行がアクセスできる同一の資産または負債に関する活
発な市場における無調整の相場価格である。レベル2のインプットは、活発な市場における類似の資産または負債
に関する相場価格、活発ではない市場における同一または類似の資産または負債に関する相場価格、および観察可
能であるか資産または負債のほぼ全期間にわたり観察可能な市場データの裏付けがあるモデルのインプット等であ
る。レベル3のインプットは、資産または負債の公正価値にとって重大な観察可能でない1つまたは複数のイン
プットである。観察可能でないインプットを公正価値の測定に使用するのは、測定日に観察可能なインプットが入
手可能でない場合に限られる。評価に用いるインプットの入手可能性は、評価技法の選択に影響を及ぼす場合があ
る。金融商品のヒエラルキーの開示上の区分は、公正価値測定にとって重大なインプットのうち最も低いレベルに
基づいている。
観察可能な価格またはインプットが入手可能でない場合、他の関連する情報源(過去のデータ、類似取引からの
代替情報等)の評価や、補外法または補間法等、公正価値の算定には経営陣の判断が必要となる。より複雑または
流動性の低い商品については、モデルのインプットの選択が主観的となりインプットが観察可能でないことがある
ため、使用するモデルの決定、モデルのインプットの選択、また場合によっては活発に取引されていない金融商品
のモデル評価額または相場価格に対する評価調整の適用にあたり、重要な判断が必要となる。観察可能でないイン
プットは本質的に不確実となるが、これは通常の事業環境で取引が生じるであろう価格水準の判断に利用可能な市
場データがほとんどないか全くないためである。このような場合にはすべて、当該インプットに応じたパラメータ
の不確実性および市場リスクに係る評価調整ならびにその他のモデルリスクに係る評価調整について、評価を行っ
ている。
貸出金
貸出金は、公正価値で当初認識され、その後上記の金融資産の分類方針に従って測定される負債性金融商品であ
る。当行の貸出金の大部分は実効金利法を用いて償却原価で計上され、帳簿価額総額から信用損失引当金を控除し
た金額で示されている。
貸出金に係る利息は、実効金利法を用いて「受取利息」に認識される。この計算に使用する見積将来キャッ
シュ・フローには、資産の契約条件から決定される将来キャッシュ・フローおよび実効金利の一部とみなされたす
べての手数料が含まれる。またこの金額には、取引コストおよび他のすべてのプレミアムまたはディスカウントが
含まれる。貸出金の組成、条件変更、または再交渉等の業務に関連する手数料は、繰り延べられ、当該貸出金の予
想期間にわたり実効金利法により「受取利息」に認識される。貸出の組成が合理的に予想される場合には、コミッ
トメントおよびスタンドバイ手数料も、その結果として生じる当該貸出金の予想期間にわたり実効金利法により
「受取利息」として認識される。それ以外の場合には、当該手数料は「その他の負債」に計上され、コミットメン
トまたはスタンドバイ期間にわたり償却され、「利息以外の収益」に計上される。モーゲージ貸出金に係る将来の
繰上返済手数料は、組成時点の実効金利の一部には含まれない。繰上返済手数料が期日前のモーゲージ貸出金の更
新時に受領された場合は当該手数料は実効金利の一部に含まれ、更新されなかった場合は当該手数料は繰上返済日
に「受取利息」に認識される。
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償却原価またはFVOCIで測定するものとして計上された貸付金の減損損失は、下記の通り、3つのステージから
成る減損モデルに基づいて、各貸借対照表日に認識される。
信用損失引当金
信用損失引当金(以下「ACL」という。)は、FVTPLで測定するものとして分類または指定された金融資産および
FVOCIで測定するものとして指定された持分証券(これらは、減損評価の対象外とされる。)を除き、すべての金融
資産に適用される。減損評価の対象となる資産には、貸出金、債務証券、利付銀行預け金、手形引受、受取債権お
よび未収利息ならびにファイナンス・リース債権およびオペレーティング・リース債権が含まれる。償却原価で測
定される貸出金に係るACLは、「信用損失引当金」として表示される。FVOCIで測定される債務証券に係るACLは、
「その他の資本項目」に表示される。償却原価で計上されるその他の金融資産は、当行の連結貸借対照表上、ACL
控除後の純額で表示される。
減損評価の対象となるオフバランス・シート項目には、金融保証および未使用のローン・コミットメントが含ま
れる。オフバランス・シート項目に係るACLは、個別に算定され「その他の負債-引当金」に含まれる。
当行は、各貸借対照表日のACLを、3つのステージから成る予想信用損失減損モデルに従って測定している。
・正常な金融資産
・ステージ1-金融資産の当初認識時から、資産の当初認識時以降の信用リスクが相対的に著しく増大した日
までの間は、報告日からの12ヶ月間にデフォルトから生じると予想される信用損失相当の信用損失引当金が
認識される。
・ステージ2-金融資産の当初認識時以降に信用リスクが相対的に著しく増大した場合は、資産の残存期間に
わたる予想信用損失相当の信用損失引当金が認識される。
・減損した金融資産
・ステージ3-金融資産の信用が減損していると判断される場合には、資産の残存期間にわたる予想信用損失
相当の信用損失引当金が認識される。受取利息は、当該資産の帳簿価額総額ではなく、信用損失引当金控除
後の帳簿価額を基に計算される。
ACL は、関連する期間にわたりデフォルトから生じると予想される確率加重かつ割引後の回収不能額の見積りで
ある。ローン・コミットメントの信用損失の見積りでは、関連期間にわたり使用が予想されるコミットメント部分
が検討される。金融保証の信用損失の見積りは、保証契約に基づき求められる予想支払額を基礎とする。ファイナ
ンス・リース債権に係る信用損失の見積りは、リース債権の測定に使用されたキャッシュ・フローと整合する
キャッシュ・フローを基礎とする。
購入および新規の組成、認識の中止または満期、ならびに損失予想の変化またはステージの移動によるリスク、
パラメータおよびエクスポージャーの変化に起因して求められるACLの増減は、PCLに計上される。償却および過年
度に償却した金額の回収は、ACLを増減するように計上される。
ACL は、貸借対照表日における当行の金融資産に係る予想信用損失の偏りのない見積りを表している。ACLの計算
にあたり行う仮定および見積りには、判断が必要とされ、これには3ステージ間の移動や、将来予測的な情報の適
用が含まれる。基礎となる仮定および見積りにより各期間の引当金が変動し、ひいては当行の業績に重要な影響を
与える可能性がある。
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予想信用損失の測定
予想信用損失は、一定範囲の生じ得る結果に基づいており、内外の格付、過去の信用損失の実績ならびに将来
キャッシュ・フローに関する予想等、すべての利用可能な合理的で裏付け可能な情報が検討される。予想信用損失
の測定は、主に金融商品のPD、デフォルト時損失率(以下「LGD」という。)およびEADの積を、報告日まで割り引い
た金額に基づいている。正常な金融資産に係る予想信用損失のステージ1とステージ2の主な違いは、それぞれの
算定期間である。ステージ1では、最長12ヶ月間の予測PD、LGDおよびEADを見積るが、ステージ2では、金融商品
の残存期間にわたる予測PD、LGDおよびEADを見積る。
予想信用損失の見積りは、各個別エクスポージャーに対して実施される。関連するパラメータは、将来予測的な
情報を適宜織り込むことが認められたセグメント化されたポートフォリオを用いて集合的にモデル化される。モデ
ル化において考慮されないその他の特性を反映するため、最終的な予想信用損失の決定においては、専門家の信用
に関する判断が行われる。
割合は少ないものの、当行のポートフォリオのうち詳細な過去情報および/または損失実績が欠如する部分につ
いては、当行は上記とは異なる簡素化された測定アプローチを適用している。これらのアプローチは、各ポート
フォリオについて信頼性があり裏付け可能な、利用可能情報を最大化するよう設定されており、集合的な性質を
もっていると言える。
予想信用損失は、実効金利を用いて報告期間日まで割り引かれる。
予想期間
ステージ2およびステージ3の金融商品に係る信用損失引当金は、金融商品の予想残存期間にわたる予想信用損
失を反映している。ほとんどの金融商品の予想期間は、契約上の残存期間に限定されている。
ただし、次の特性をもつ一部の金融商品については例外規定が定められている。(a)金融商品が貸出金部分と未
使用コミットメント部分の両方を含んでいる、(b)当行が、返済を要求し未使用コミットメントを解約する契約上
の能力を有している、(c)信用損失に対する当行のエクスポージャーは、契約上の通知期間に限定されない。この
例外規定が適用される商品の予想期間は、契約上の残存期間を超える可能性があり、かつ、当行の通常の信用リス
ク管理行動によって当行の信用損失に対するエクスポージャーが軽減されない期間である。当該期間は、商品およ
びリスク区分ごとに異なり、同様のエクスポージャーに関する当行の過去の実績および当行の定期的なクレジッ
ト・レビューの一環として実施された信用リスク管理行動に基づいて見積られる。この例外規定の適用となる商品
には、クレジットカード、当座貸越枠および特定のリボルビング与信枠が含まれる。この例外規定の適用となる金
融商品の決定、ならびに当行の過去の実績および信用リスクの軽減措置に基づく適切な残存期間の見積りには、重
要な判断が必要とされる。
信用リスクの著しい増大に関する評価
信用リスクの著しい増大を評価するためには、重要な判断が必要とされる。ステージ1とステージ2の間の移動
は、報告日現在の金融商品の信用リスクが、当初認識日から相対的に著しく増大したかどうかに基づく。本評価に
おいて、信用リスクは、発生が予想される損失ではなく、金融商品の全期間PDに基づく。評価は、通常は金融商品
ごとに実施される。
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当行では、信用リスクの著しい増大に関する評価を、少なくとも四半期ごとに3つの要素に基づいて実施してい
る。以下のいずれかの要素により、信用リスクが著しく増大していることを示す場合、金融商品はステージ1から
ステージ2に移動する。
( 1)当行は、信用リスクの著しい増大の基準を、当初認識時と比較した場合の全期間PDの変化率および絶対値の
変動の両方に基づいて設定した。当行のホールセール・ポートフォリオについては、信用リスクの著しい増
大の決定において、借手のリスク格付けの格下げの事実が必要である。
( 2)信用リスクが著しく増大した状態をより適切に反映させるため、追加的に定性的レビューを行い、ステージ
に関する結果を評価し、必要に応じて調整を行う。
( 3)期日経過30日以上の金融商品は通常、当行のその他の指標が信用リスクの著しい増大を示していない場合で
も、信用リスクが著しく増大しているとみなされる。
ステージ1からステージ2への移動基準は、その逆も同様の基準である。金融資産のステージ2への移動後に、
信用リスクが当初認識時から相対的に著しく増大したともはやみなされなくなった場合、金融資産はステージ1に
再移動する。
報告日において信用リスクの低い一部の金融商品については、信用リスクは当初認識時から相対的に著しく増大
してはいないと推定される。金融商品のデフォルト・リスクが低く、借手が、経済状況または事業環境に不利な変
化が生じる期間を含め、近い将来および長期のいずれにおいても契約上の義務を履行する能力を有する場合、信用
リスクは低いとみなされる。一部の利付銀行預け金、売戻し条件付購入資産、保険契約者への貸出金および当行の
マルチセラー型導管体に対する流動性ファシリティについては、信用リスクが低いと識別されている。
将来予測的な情報の使用
各ステージの予想信用損失の測定および信用リスクの著しい増大の評価においては、過去の事象および現在の状
況に関する情報、ならびに将来事象および経済状況に関する合理的で裏付け可能な予測が検討される。見積りおよ
び将来予測的な情報の適用においては、重要な判断が必要とされる。
ステージ1およびステージ2の信用損失引当金の見積りに使用されるPD、LGDおよびEADのインプットは、対象と
なるポートフォリオの信用損失に最も密接に関連するマクロ経済変数(またはマクロ経済変数の変動)に基づきモデ
ル化されている。当行の予想信用損失の算定に使用される各マクロ経済シナリオには、当行のモデルにおいて5年
間(その後の期間は長期平均に変更される。)に関連するとして使用されたマクロ経済変数の予測すべてが含まれて
いる。当行の予想信用損失モデルに使用されるマクロ経済変数には、失業率、国内総生産の成長率、株主資本配当
率の指標、コモディティ価格およびカナダの住宅価格等が含まれるが、これに限定されるものではない。モデルで
の使用方法により、マクロ経済変数は、国、地方/州、またはより細分化されたレベル別に予測される。
当行のステージ1およびステージ2における予想信用損失の見積りは、最低でも3つの将来マクロ経済シナリオ
を織り込み割り引いた確率加重の見積りである。当行の基本シナリオは、当行の内部経済アナリストグループが発
行したマクロ経済予測に基づいている。上振れシナリオおよび下振れシナリオは、合理的に起こりうる代替的なマ
クロ経済状況に基づく当行の基本シナリオに対して相対的に変化する。一定のセクターについては広域な潜在的信
用損失をとらえるために、追加的なより厳しい下振れシナリオが設定されている。追加的な下振れシナリオの識別
を含めたシナリオの設定は、少なくとも年に一度、また状況によってはより頻繁に実施される。
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シナリオは、起こりうる結果を広範囲でとらえるように設定され、また各シナリオが示す結果の範囲にある相対
的発生可能性についての当行の最善の見積りに従って加重されている。シナリオの加重では、過去の頻度、現在の
傾向および将来予測的な状況が考慮され、四半期ごとに更新される。検討されるすべてのシナリオは、同一確率の
予想信用損失を有するすべてのポートフォリオに適用される。
信用リスクの著しい増大に関する当行の評価は、予想信用損失の算定と同一のマクロ経済シナリオを用いて、確
率加重された報告日現在の将来予測的な全期間PDの変動に基づいて行われる。
デフォルトの定義
予想信用損失の測定に使用されるデフォルトの定義は、当行の内部信用リスク管理に使用されるデフォルトの定
義と同一である。当行のデフォルトの定義は、商品により異なり、また財務特約条項や延滞日数等の定量的要素お
よび定性的要素の両方が検討される。リテールおよびホールセールの借手については、下記の場合を除き、当行に
対する重要な債務について借手の返済が90日超遅延した時点、および/または保有担保があれば正式な所有権を取
得する等当行が遡及措置を行わない限り借手が全額返済を行う可能性が低いと当行がみなした場合に、デフォルト
となる。一部のクレジットカード残高については、支払いが180日遅延した時点でデフォルトとなる。当該残高に
ついては、期日経過90日を超える期間の利用は合理的であり、過去のクレジットカード・ポートフォリオにおける
償却および回収率の実績に関する観測可能なデータに裏付けられている。使用したデフォルトの定義は、その他の
デフォルトの定義の方がより適切である等状況が変化した場合を除き、すべての金融商品に対して複数期間にわた
り継続適用されている。
信用減損している金融資産(ステージ3)
金融資産に係る信用減損の評価は、各貸借対照表日ごとに、また状況によりさらに評価が必要となる場合はより
頻繁に実施される。信用減損の証拠としては、借手の著しい財政的困難、破産またはその他の財務的再編の可能
性、および借手の支払状況の悪化またはデフォルトと相関する経済状況から証拠付けられる測定可能な見積将来
キャッシュ・フローの減少等が挙げられる。ステージ3にある資産は、報告日において信用減損しているとはもは
やみなされなくなった場合に、ステージ2に戻される。報告日現在の信用リスクが当初認識時から相対的に著しく
増大したとはもはやみなされない場合、資産はステージ1に戻されるが、これはステージ3からステージ2への移
動と同一の報告期間にも生じる場合もある。
金融資産が信用減損していると識別された場合、予想信用損失は、資産の総帳簿価額と、見積将来キャッシュ・
フローを金融商品の当初の実効金利で割り引いた現在価値との差額として測定される。使用済および未使用の構成
要素を有する減損した金融資産の予想信用損失は、金融商品の残存期間にわたり使用されると予想されるローン・
コミットメント部分に関する信用損失も反映する。
金融資産が信用減損している場合、資産の総帳簿価額に基づいて収益を未収計上する、通常の発生主義ベースで
の利息の認識は中止される。その代わり、受取利息は総帳簿価額から関連ACLを控除した資産の償却原価に対して
当初の実効金利を適用することにより算定される。減損処理後、減損の当初認識から割引の振戻しとして、受取利
息が認識される。
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ステージ3にある信用減損している貸出金のACLは借手ごとに設定され、減損している貸出金に係る損失は、個
別に重要な貸出金について識別するか、または特定の貸出金を参照せずに、ポートフォリオ別のレートを使用して
集合的に評価および決定される。
貸出金の個別評価(ステージ3)
個別に重要な貸出金が減損していると識別された場合、当行は、識別された信用損失をカバーするため個別に評
価されたACLを計上することにより、貸出金の帳簿価額を見積実現可能価額まで減額する。個別に評価されたACL
は、当初の融資契約条項に基づき算定された元本および利息のうち回収されないと予想される価額、ならびに元本
および/または利息の回収遅延の影響(貨幣の時間価値)を反映している。個別に重要な各貸出金の見積実現可能価
額は、見積将来キャッシュ・フローを各貸出金の当初の実効金利で割り引いた現在価値である。将来キャッシュ・
フローの金額および時期について、合理的に信頼性のある見積りを行うことができない場合、見積実現可能価額
は、比較可能な貸出金の観察可能な市場価額、貸出金に付された担保の公正価値、および経営陣の判断に基づくそ
の他の合理的かつ裏付可能な方法を用いて決定される。
一定範囲の生じ得る結果には、被評価者である特定の借手の状況に関連する範囲において、マクロ経済およびマ
クロ経済以外のシナリオが含まれる可能性がある。予想将来キャッシュ・フローの見積りに使用される仮定は、現
在および予想される将来経済状況を反映しており、通常は、ステージ1およびステージ2の測定に使用されるもの
と同一である。
予想信用損失の決定には、信用減損の証拠の評価ならびに将来キャッシュ・フローの金額および時期の見積りの
評価において重要な判断が必要とされる。回収見込額の増減は、PCLに直接的な影響を及ぼし、ACLの増減を生じさ
せることがある。
貸出金の集合的評価(ステージ3)
集合的に評価された貸出金は、貸出金の種類、業種、地理的所在地、担保の種類、延滞状況およびその他の関連
する要因を考慮の上、類似のリスク特性に基づきグルーピングされる。
集合的に評価されたACLは、(ⅰ)当初の融資契約条項に基づき算定された元本および利息のうち回収されないと
予想される価額、ならびに(ⅱ)元本および/または利息の回収遅延の影響(貨幣の時間価値)を反映している。
元本および利息の予想回収額は、類似の信用リスク特性を有する比較可能なポートフォリオの過去の損失実績を
参照して、現在の環境および予想される将来の状況を調整の上、ポートフォリオごとに見積られる。集合的に評価
されたACLの決定においては、減損している貸出金残高に対してポートフォリオ固有のカバレッジ率が適用され
る。貨幣の時間価値要素は、共通の特性を有する貸出金グループに適用された割引要素を用いて算定される。割引
要素は、比較可能な貸出金グループの予想回収パターンを表しており、またそれらグループの過去の実績を現在お
よび予想される将来の経済状況および/または事業の要素を調整の上で反映している。予想信用損失の決定には、
減損の証拠の評価、ならびに将来キャッシュ・フローの金額および時期の見積りの評価において重要な判断が必要
とされる。回収見込額の増減は、PCLに直接的な影響を及ぼし、ACLの増減を生じさせることがある。
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貸出金の償却
現実的に回収の見込みがない場合、貸出金および関連するACLの一部または全額が償却される。担保付貸出金の
場合、通常、担保の実現による入金額を受領後に償却される。担保の正味実現可能価額が確定しており、かつ今後
の合理的な回収見込みがない場合には、より早期に償却されることがある。クレジットカード債権については、通
常、支払いが180日遅滞した時点で残高および関連する信用損失引当金が償却される。個人向け貸出金は、通常、
支払いが150日遅延した時点で償却される。
条件変更
金融資産に係る当初の条件が再交渉または条件変更され、それにより契約上のキャッシュ・フローに影響を及ぼ
すような金融資産の契約条件の変更が生じることがある。このような条件変更の取り扱いは主に、再交渉を実施す
るために行われたプロセス、ならびに予想される変更の内容および範囲に基づいている。信用を理由として実施さ
れる条件変更は、主に不良債権のリストラクチャリングに関するものであり、通常は当初の金融資産の条件変更と
して取り扱われる。信用以外を理由として実施される条件変更は、通常は当初のキャッシュ・フローの終了とみな
されるため、当初の金融資産の認識の中止および新しい金融資産の認識として取り扱われる。
条件変更により、金融資産の認識の中止が生じない場合は、金融資産の帳簿価額は、再交渉または条件変更され
た契約上のキャッシュ・フローを当初の実効金利で割り引いた現在価値として再計算され、利得および損失が認識
される。当該金融資産については上記の通り、信用リスクの当初認識時からの相対的な著しい増大および信用減損
の評価が引き続き同じように行われる。条件変更された金融資産は、信用減損していると識別された状況がもはや
存在せず、客観的に当初の信用減損が認識された後に生じた事象に関するものである場合、ステージ3から移動す
る。条件変更された金融資産は、全期間PD、期日経過およびその他の定性的検討事項の変化に基づいて信用リスク
の著しい増大を識別するための相対基準をもはや満たさない場合、ステージ2から移動する。金融資産は、信用リ
スクの著しい増大および信用減損について継続的に監視される。
条件変更により、当初の金融資産の認識が中止され、新しい金融資産が認識された場合、新しい金融資産は、再
交渉の時点で信用減損が生じていると判断されない限り、通常はステージ1として計上される。信用リスクの著し
い増大の評価においては、新しい金融資産の当初認識日は条件変更日である。
デリバティブ
デリバティブが他の金融商品または主契約に組み込まれている場合、当該混合契約は混合金融商品である。混合
金融商品のキャッシュ・フローの一部は単独のデリバティブと同様に変動する。主契約がIFRS第9号の適用範囲に
ある金融資産である場合、当注記2の「金融資産の分類」の項に記載される分類および測定の基準が混合金融商品
全体に適用される。主契約が金融負債またはIFRS第9号の適用範囲にはない金融資産であり、その組込デリバティ
ブの経済的特性およびリスクが主契約と明確かつ密接に関連していない場合、上記の公正価値オプションを選択し
た場合を除き、組込デリバティブは区分処理される。主契約は、関連する会計基準に従って会計処理される。
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デリバティブは、主にトレーディング活動において利用される。デリバティブは、金利、通貨、信用およびその
他の市場リスクに対する当行のエクスポージャーを管理するためにも利用されている。最も頻繁に利用されるデリ
バティブ商品は、金利および外国為替スワップ、オプション、先物、先渡取引、エクイティ・スワップならびに信
用デリバティブである。すべてのデリバティブ商品は、当行の連結貸借対照表上、公正価値で計上されている。
デリバティブが、トレーディング活動において使用される場合、これらデリバティブに係る実現および未実現の
利得および損失は、「利息以外の収益」の「トレーディング収益」に認識される。公正価値がプラスのデリバティ
ブは「デリバティブ資産」として報告され、また、公正価値がマイナスのデリバティブは「デリバティブ負債」と
して報告される。金融資産と金融負債の相殺に関する当行の方針に従い、特定のデリバティブ資産およびデリバ
ティブ負債の正味の公正価値は、適宜資産または負債として報告される。評価調整は、「デリバティブ資産」およ
び「デリバティブ負債」の公正価値に含まれている。支払プレミアムおよび受取プレミアムは、それぞれ「デリバ
ティブ資産」および「デリバティブ負債」に計上されている。
当行は、デリバティブを当行のエクスポージャー管理に利用する場合、以下のヘッジ会計の項に記載の通り、各
デリバティブにつきヘッジ会計の適用の可否を判断している。
金融資産の認識の中止
当行の連結貸借対照表上、金融資産の認識の中止を行うのは、金融資産のキャッシュ・フローに対する当行の契
約上の権利が消滅した場合、当行が当該資産のキャッシュ・フローを受け取る権利を保持しているが特定のパスス
ルー規定において第三者に当該キャッシュ・フローを支払う義務を引き受けている場合、または当行がキャッ
シュ・フローを受け取る当行の契約上の権利を移転し当該資産のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転してい
る場合、である。当行が譲渡資産のリスクと経済価値のほとんどすべてを保持している場合には、当該譲渡資産は
当行の連結貸借対照表上認識の中止を行わず、担保付の資金調達取引として会計処理される。当行が当該資産の所
有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを保持も移転もしていない場合に、当該資産に対する支配を放棄して
いれば、当該資産の認識を中止している。当行が譲渡資産に対する支配を保持している場合には、当行の継続的関
与の範囲で当該譲渡資産の認識を継続している。
経営陣の判断は、譲渡資産のキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したかどうか、または当行が譲渡
資産に係るキャッシュ・フローを受け取る権利は保持しているが当該キャッシュ・フローを引き渡す義務を有して
いるかどうかの判断に用いる。金融資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんどすべてを移転した場合に、当
行は譲渡資産の認識を中止している。経営陣は、当行が譲渡資産のリスクと経済的価値のほとんどすべて移転した
かどうかの評価にあたり、譲渡の前後における譲渡資産の正味キャッシュ・フローの金額および時期の変動性に対
する当行のエクスポージャーについて考慮している。当行がサービシング権を保持する譲渡において、市場予測に
照らしたサービシングの便益の評価にあたり経営陣の判断を用いている。サービシングの便益が公正価値を上回る
場合、サービシング資産が当行の連結貸借対照表の「その他の資産」に認識される。サービシングの便益が公正価
値を下回る場合には、サービシング負債が当行の連結貸借対照表の「その他の負債」に認識される。
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金融負債の認識の中止
契約で特定された当行の債務が失効、免責または取り消しとなった場合に、当行は連結貸借対照表上、金融負債
の認識を中止している。当行は、譲渡された金融負債の帳簿価額と支払対価との差額を当行の連結損益計算書に認
識している。
利息
利付金融商品に係る利息はすべて、連結損益計算書の「受取利息」および「支払利息」に認識される。実効金利と
は、金融資産または負債の予想期間にわたる見積将来キャッシュ・フローを当初認識時の正味帳簿価額まで割り引
く利率である。将来キャッシュ・フローの時期および金額は不確実であるため、実効金利の算定には重要な判断が
用いられる。
受取配当金
受取配当金は、支払いを受ける権利が確定した時点で認識される。これは、上場持分証券については配当落日で
あり、非上場の持分証券については通常、株主の配当承認日である。
取引コスト
FVTPL で測定するものとして分類または指定された金融商品に係る取引コストは、発生時に費用計上される。そ
の他の金融商品に係る取引コストは、当初認識時に資産計上される。償却原価で測定される金融資産および金融負
債に関して資産計上された取引コストは、金融商品の見積期間にわたり実効金利法により償却され、純損益に計上
される。固定または決定可能な支払金額も固定の満期も有しない、FVOCIで測定される金融資産に関して資産計上
された取引コストは、当該資産の認識の中止時または減損の発生時に純損益に認識される。
金融資産と金融負債の相殺
金融資産および金融負債に認識されている金額を相殺する法的に強制可能な権利が存在し、かつ純額で決済する
かまたは資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図が存在する場合に、その金融資産および金融負債は貸借対
照表上相殺される。
売戻し条件付購入資産および買戻し条件付売却資産
当行は、売戻契約(以下「売戻し条件付契約」という。)に基づき有価証券を購入および保有している。当行は、
当該購入有価証券の市場価値をモニタリングし、必要な場合には追加担保を受領している。当行は、契約相手先が
債務不履行となった場合には、保有担保を現金化する権利を有している。売戻し条件付契約は、担保付の貸付取引
として扱われる。また当行は、買戻契約(以下「買戻し条件付契約」という。)に基づき有価証券を売却している。
買戻し条件付契約は、担保付の借入取引として扱われる。当行の連結貸借対照表上、売戻し条件付契約に基づき受
領した有価証券は認識せず、買戻し条件付契約に基づき引き渡した有価証券については認識の中止を行っていない
(ただし、所有に伴うリスクと経済価値を取得または放棄した場合を除く。)。
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売戻し条件付契約および買戻し条件付契約は当行の連結貸借対照表上、FVTPLで測定されるものとして分類また
は指定され公正価値で計上される場合を除き、有価証券を当初取得または売却した金額でそれぞれ計上している。
当行の連結損益計算書上、売戻し条件付契約に係る受取利息は「受取利息」に、買戻し条件付契約に係る支払利息
は「支払利息」に含まれている。FVTPLで測定するものとして指定された売戻し条件付契約および買戻し条件付契
約に係る公正価値の変動は、「利息以外の収益」の「トレーディング収益」または「その他」に含まれている。
ヘッジ会計
当行は、IFRS第9号ではなく、IAS第39号に従ってヘッジ会計を継続適用することを選択した。
当行は、金利リスク、為替リスク、信用リスクおよびその他の市場リスクに対する当行のエクスポージャーを管
理するために、ヘッジ戦略上、デリバティブおよび非デリバティブ商品を利用している。ヘッジ会計が適用可能な
場合、開始時にヘッジ関係の指定および文書化を行い、ヘッジ取引開始にあたっての特定のリスク管理目的および
戦略について詳細に記載している。文書化の際には、ヘッジ対象となる具体的な資産、負債または予想キャッ
シュ・フロー、ヘッジ対象リスク、利用するヘッジ手段の種類、および有効性評価の方法を特定している。当行
は、ヘッジの開始時およびその後の期間において、ヘッジ手段がヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フロー
の変動を相殺する上で「非常に有効である」かについて評価を行っている。ヘッジは、次の要件をいずれも満たす
場合にのみ、非常に有効であると判断される。すなわち、(ⅰ)ヘッジの開始時およびヘッジ期間を通じて、ヘッジ
がヘッジ対象リスクに起因する公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であると見込
まれることと、(ⅱ)ヘッジの実際の結果が予め定めた範囲内であることである。予定取引のヘッジの場合、予定取
引の実行可能性が非常に高く、かつ、キャッシュ・フローの変動可能性に対するエクスポージャーが最終的に報告
純損益に影響し得るものである必要がある。ヘッジ会計の中止は、ヘッジ手段がもはやヘッジとして有効ではない
と判断された場合、ヘッジ手段またはヘッジ対象が終了または売却された場合、もしくは予定取引の実行可能性が
非常に高いとはいえなくなった場合に行われる。ヘッジ関係ごとに区分したデリバティブおよび非デリバティブ商
品、ならびにヘッジ関係の指定がないデリバティブの公正価値については、注記8を参照のこと。
公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジでは、ヘッジ対象の帳簿価額はヘッジ対象リスクに起因した公正価値の変動について調整され、
当該公正価値の変動は「利息以外の収益」に認識される。ヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ関係が有効な範
囲でヘッジ手段のデリバティブの公正価値の変動と相殺され、当該公正価値の変動も「利息以外の収益」に認識さ
れる。ヘッジ会計が中止された場合には、ヘッジ対象の帳簿価額は調整されなくなり、ヘッジ対象の帳簿価額に対
する公正価値調整額の累計額は、ヘッジ対象の予想残存期間にわたり償却され、当期純利益に計上される。
当行は、金利変動に起因した固定利付商品の公正価値の変動に対する当行のエクスポージャーのヘッジに、主に
金利スワップを利用している。
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キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジ関係においては、ヘッジ手段であるデリバティブの税引後の公正価値変動の有効部
分はOCIに認識され、関連する予定取引が発生する時点で純損益に振り替えられる。一方、非有効部分は「利息以
外の収益」に認識される。ヘッジ会計が中止された場合には、これまで「その他の資本項目」に認識されていた累
計額は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が「受取利息純額」に影響を与える期間に、「受取利息純額」に
振り替えられる。デリバティブに係る未実現利得および損失は、ヘッジ対象が売却または期限前解約された時点、
または予定取引の発生が見込まれなくなった時点で、直ちに当期純利益に振り替えられる。
当行は、変動利付資産または負債に関連するキャッシュ・フローの変動性のヘッジに、主に金利スワップを利用
している。
純投資ヘッジ
在外営業活動体に対する純投資に係る当行の外貨エクスポージャーのヘッジにおいては、ヘッジ手段に係る税引
後の為替差損益の有効部分はOCIに認識され、非有効部分は「利息以外の収益」に認識される。これまで「その他
の資本項目」に認識されていた金額またはその一部は、在外営業活動体の処分または一部の処分が行われた時点
で、当期純利益に認識される。
当行は、為替契約および外貨建負債を利用して、カナダドル以外の機能通貨を有する在外営業活動体に対する純
投資に係る当行の外貨エクスポージャーを管理している。
保証
金融保証契約は、特定の債務者が負債性金融商品の当初または変更後の契約に従った期日の到来時に支払いを行
わないことにより契約保有者に発生する損失を、その保有者に対し補償するために特定の支払い(現金、その他の
資産、自己株式またはサービスの提供による。)を行うことが、偶発的に当行に要求される契約である。保証の開
始時点において、保証の発行により引き受けた債務の公正価値が当行の連結貸借対照表に負債として認識される。
金融保証契約は、当初認識後、(ⅰ)当初認識額から償却累計額を控除した金額と(ⅱ)報告期間末時点の現在の債務
を決済するために必要となる支出の現在価値に関する当行の最善の見積額のいずれか高い金額で再測定される。
金融保証契約がデリバティブの定義を満たす場合、当該契約は貸借対照表日ごとに公正価値で測定され、当行の
連結貸借対照表の「デリバティブ」に含めて報告される。
保険および個別分離運用型基金
生命保険を主とする長期契約の保険料は、「利息以外の収益-保険料、投資および手数料収入」に、期日到来時
点で認識される。損害保険を主とする短期契約の保険料、および事務管理サービスに対する手数料は、関連する契
約期間にわたり、「保険料、投資および手数料収入」に認識される。保険料の未経過部分である短期契約の未経過
保険料は、「その他の負債」に計上されている。当行の保険事業が行う投資は、FVOCIおよび償却原価で測定され
る金融商品に分類される。ただし、生命保険契約および医療保険契約ならびに一部の損害保険契約に係る保険給付
負債の裏付けとなる投資については、FVTPLで測定するものとして指定され、公正価値の変動は「保険料、投資お
よび手数料収入」に計上される。
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未払保険金および保険給付負債は、現在の保険金請求額および将来の保険給付の見積額である。生命保険契約に
係る負債は、カナダの資産負債法(以下「CALM」という。)により算定される。この方法は、死亡率、罹病率、保険
契約の失効および解約、投資利回り、契約者配当金、運営および契約維持費、ならびに不利な変動に対する安全割
増に関する仮定が織り込まれている。これらの仮定は、少なくとも年1回見直され、また実績や市況に応じて更新
される。損害保険に係る負債は、既報告および未報告の請求額に対する引当の見積額である。生命保険および損害
保険に係る負債は、「未払保険金および保険給付負債」に計上されている。未払保険金および保険給付負債の増減
は、見積りが変更された期間に、当行の連結損益計算書の「保険契約者に対する給付、保険金および新契約費」に
計上されている。
保険契約者に対する給付および保険金発生額に関する出再保険料および再保険金は、適宜、収益および費用とし
て報告される。未収再保険金(支払済みの給付および未払保険金に関連)は、「その他の資産」に計上されている。
新規の保険契約に係る新契約費は、募集手数料、保険料税、一定の引受業務費用、およびその他の費用から構成
され、これらの費用は新規契約の獲得ごとに異なる。生命保険商品に係る繰延新契約費は、CALMにより「未払保険
金および保険給付負債」に非明示的に認識される。損害保険については、当該費用は「その他の資産」に分類さ
れ、保険期間にわたり償却される。
個別分離運用型基金は、原基金が保有する投資の市場価値に給付額が直接連動する、当行発行の保険契約商品で
ある。この保険契約の取決めは、基礎となる個別分離運用型基金資産は当行名義であるが、当該基金の投資成績に
係るリスクと経済価値は個別分離運用型基金の保険契約者が負担する内容となっている。この契約に係る負債は、
契約上の債務に基づき数理計算上の仮定を用いて算定され、少なくとも、関連する原基金または原指数の値を参照
して計算された解約額または移管額相当となる。個別分離運用型基金の資産および負債は、当行の連結貸借対照表
上別個に表示されている。個別分離運用型基金の投資成績に係るリスクと経済価値は当該基金の保険契約者が負担
するため、個別分離運用型基金が稼得した投資収益と当該基金に発生した費用は相殺されており、当行の連結損益
計算書上別個に表示されていない。当行が分離運用型基金から得る受取手数料には、運用報酬、危険保険料、保険
契約管理料および解約控除金が含まれており、これらの手数料は、「利息以外の収益-保険料、投資および手数料
収入」に計上されている。当行は、個別分離運用型基金に関して、最小限の死亡給付金および償還価額保証を提供
している。これらの最低保証に関連する負債は、「未払保険金および保険給付負債」に計上されている。
保険契約負債の十分性を確保するため、貸借対照表日ごとにすべての保険契約ポートフォリオについて負債の十
分性テストが実施される。当該テストでは、契約上の将来キャッシュ・フロー、保険金請求処理費用および管理
費、ならびに負債に対応する資産の投資収益に関する現在の最善の見積額が考慮される。当該テストの結果、負債
の計上額が不足していることが判明した場合には、「その他の資産」に含まれる繰延新契約費の減額および/また
は「未払保険金および保険給付負債」の増額により、不足額を当行の連結損益計算書の費用に即時認識している。
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従業員給付-年金およびその他の退職後給付
当行の確定給付年金費用は、「利息以外の費用-人件費」に計上されており、その内訳は当期の勤務に対する従
業員年金給付費用、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額、過去勤務費用および清算損益である。確定給付制
度債務の純額の再測定は、数理計算上の差異および制度資産に係る収益(確定給付負債の純額に係る利息純額に含
まれている金額を除く。)から構成されており、発生した期間にOCIに即時認識している。数理計算上の差異は、実
績による修正(事前の数理計算上の仮定と実際の結果との差異の影響)、および数理計算上の仮定の変更の影響から
構成されている。OCIに認識された金額は、その後に純損益に振り替えられることはない。過去勤務費用は、制度
改訂または縮小により生じた確定給付制度債務の現在価値の変動であり、純損益に即時認識している。
確定給付年金制度ごとに、当行は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を、当
行の連結貸借対照表の「その他の負債-従業員給付負債」に確定給付負債として認識している。純額で確定給付資
産となる制度については、当該純額を当行の連結貸借対照表の「その他の資産-従業員給付資産」に資産として報
告している。
確定給付費用および債務の計算には、重要な判断が必要となる。これは認識額が、割引率および多様な数理計算
上の仮定(医療費趨勢率、予想昇給率、退職年齢、ならびに死亡率および退職率等)の影響を受けるためである。こ
れらの制度の長期的な性質により、当該見積りおよび仮定は、固有のリスクや不確実性の影響を受ける。当行の年
金およびその他の退職後給付制度の割引率は、優良社債の市場利回りを参照して決定される。割引率は、現在入手
可能な利回りがベースであり、市場の流動性に関する経営陣の評価を伴うため、将来の利回りの代わりに用いてい
るにすぎない。数理計算上の仮定は、当行の制度について各国の現在の実務を踏まえて設定しているが、国ごとの
統計値は将来の従業員行動に関する見積りにすぎないため、実績と異なる可能性がある。当該仮定は、最低年1回
経営陣が決定し、年金数理人によるレビューが行われている。上記の仮定の変更は、当行が認識する給付債務、費
用および再測定の金額に影響を与えることがある。
確定拠出年金制度への当行の掛金は、当該掛金と交換に従業員が勤務を提供した時点で費用処理される。確定拠
出年金費用は、「利息以外の費用-人件費」に計上されている。
株式に基づく報酬
当行は、一定の幹部従業員および当行の非従業員取締役に対して、株式に基づく報酬制度を提供している。
従業員に付与したストック・オプションの会計処理では、報酬費用が該当する権利確定期間にわたり認識される
とともに、資本が同額増加する。公正価値は、オプション評価モデルを使用して算定される。当該モデルでは、オ
プションの行使価格、現在の株価、リスク・フリー・レート、オプションの行使可能期間にわたる株価の予想ボラ
ティリティ、およびその他の関連要素が考慮される。オプションが行使された時点で、行使価格である入金額に資
本に当初計上していた金額を加えた額が、普通株式の貸方に計上される。当行のその他の株式に基づく報酬制度に
は、幹部従業員に対する業績後配株式制度および後配株式ユニット制度(以下「当制度等」という。)がある。当制
度等に係る債務は、各制度の権利確定期間にわたり計上される。当制度等は現金により決済される。
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現金決済型の報奨に係る当行の未払債務は、貸借対照表日ごとに公正価値に修正される。株式決済型の報奨に係
る当行の資本に認識される予想債務は、付与日における当行の普通株式の公正価値に基づいている。当行の債務の
変動(関連するヘッジ控除後)は、当行の連結損益計算書の「利息以外の費用-人件費」に計上されるとともに、現
金決済型の報奨については「その他の負債」が、株式決済型の報奨については「利益剰余金」が同額増加する。報
酬費用は、関連する制度の権利確定スケジュール(見積失効分控除後)に基づいて、制度参加者が報奨を稼得した年
度に認識される。
退職資格を有するか、権利確定期間中に退職資格を有することになる従業員に付与されたオプションおよび報奨
による報酬費用は、従業員が付与日に退職資格を有している場合は直ちに、または付与日から従業員が退職する資
格を有することになる日までの期間にわたり認識される。
従業員貯蓄および持株制度への当行の拠出は、発生時に費用計上される。
法人所得税
法人所得税は、当期税金および繰延税金から構成され、当行の連結損益計算書に認識される。ただし、資本に直
接認識される項目に関連するものについては、資本に認識される。
利益に対する当期の未払法人所得税は、利益が生じた期の各管轄区域の適用税法に基づき、貸借対照表日までに
制定または実質的に制定されている税率を用いて計算され、費用として認識される。繰延税金は、税務上の金額と
会計上の資産および負債の帳簿価額の一時差異に関して認識される。繰延税金資産または負債は各一時差異につき
算定されるが、当行の子会社、支店および関連会社および共同支配企業に対する持分に係る利益に対して、予測可
能な期間内に一時差異が解消される見込みがなく、当行が解消する時期をコントロールできる場合は除く。繰延税
金資産および負債は、貸借対照表日に制定または実質的に制定されている税率および税法に基づき、資産が実現す
る期または負債が決済される期に適用されると見込まれる税率で算定される。当期税金資産と負債は、同一の税務
当局が、同一の納税主体または別々の納税主体であるが同一の納税グループ(純額での納税を意図するもの)内の納
税主体のいずれかに対して課したものであり、かつ相殺する法的権利がある場合に相殺される。繰延税金資産と負
債も、同様の条件が満たされる場合に相殺される。当行の連結損益計算書には、非課税または税務上損金不算入と
なる項目が含まれているため、法人所得税の額は法定税率に基づく金額と異なる結果となる。
一時差異および税務上の繰越欠損金の累計額である繰延税金は、「その他の資産」および「その他の負債」に計
上されている。当行は、四半期ごとに繰延税金資産の計上額について再検討を行い、当行の繰延税金資産に関連す
る便益の実現可能性が高いかどうかを判断している。この再検討には、肯定的および否定的根拠の両方を用いた評
価が含まれる。
当行は、営業活動を行っている様々な管轄区域の法人所得税法に従っており、複雑な税法の解釈については当行
と関係税務当局との間で異なる可能性がある。関連税法の解釈、および税金費用の算定(関係税務当局の調査また
は不服審査の対象となっている税務ポジションに関する当行の最善の見積りを含む。)には、重要な判断が必要で
ある。当行は、四半期ベースで再評価を行い、入手可能な情報に基づき当行の最善の評価を織り込んでいるが、関
係税務当局の決定に基づき追加的な負債および税金費用が発生する可能性がある。
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当行の繰延税金資産または負債の算定にも、経営陣の重要な判断が必要である。これは、認識額が、将来の課税
所得および資産が実現する期または負債が決済される期に適用されると見込まれる税率に関する当行の予測に左右
されるためである。当行の予測の変化により、当行の連結貸借対照表上の繰延税金資産または負債、および連結損
益計算書上の繰延税金費用に変化が生じる。
企業結合、のれんおよびその他の無形資産
すべての企業結合は、取得法を用いて会計処理されている。別途記載のある場合を除き、非支配持分(該当ある
場合)は、識別可能資産および負債の公正価値に対する非支配持分の比例的な取り分で認識されている。識別可能
な無形資産は、のれんとは別に認識され、「その他の無形資産」に計上されている。のれんは、取得日において、
事業の取得のために支払われた取引価格が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額である。
のれん
のれんは、減損テストにあたり資金生成単位または資金生成単位のグループに配分される。当該テストは、内部
管理目的でのれんを監視する最小の単位で実施される。減損テストは毎年8月1日現在、または減損の客観的な兆
候がある場合にはより頻繁に、資金生成単位(以下「CGU」という。)の回収可能価額をその帳簿価額と比較するこ
とにより実施される。CGUの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額であ
る。使用価値とは、CGUから生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値である。処分コスト控除後の
公正価値とは、市場参加者間の秩序ある取引において、CGUの売却から得られる金額から処分コストを控除した額
である。CGUの公正価値は、割引キャッシュ・フロー法等の評価技法を用いて見積られ、第三者に売却した場合の
対価を反映するための調整が加えられる。入手可能な範囲で、外部証拠(同一業種内の類似の事業に係る拘束力の
ある売却契約または最近の取引等)が検討される。
当行のCGUの回収可能価額の算定に使用するモデルのインプット、特に、将来キャッシュ・フロー、割引率およ
び永久成長率の見積りには重要な判断が伴うが、これはキャッシュ・フローの時期および金額の不確実性および当
該インプットの将来予測的な性質によるものである。将来キャッシュ・フローは、業績予測、事業戦略、資本投資
計画および株主へのリターンを基に見積られた、経営陣が合意した財務計画に基づいている。割引率は、CGU固有
のリスク、および期待インフレ率の相違を反映した為替エクスポージャー調整後の銀行全体の資本コストをベース
としている。銀行全体の資本コストは、資本資産評価モデルに基づいている。CGU固有のリスクには、カント
リー・リスク、事業/オペレーショナル・リスク、地理的リスク(政治リスク、通貨切下げリスクおよび政府による
規制を含む。)、為替リスクおよび価格リスク(商品の価格設定リスクおよびインフレを含む。)がある。永久成長
率は、CGUが営業活動を行っている国の国内総生産の予想長期成長率およびインフレを反映している。これらの仮
定の変更は、「利息以外の費用」に認識される減損損失の金額に影響を与える可能性がある。
CGU の帳簿価額には、CGUに配分された資産、負債およびのれんの帳簿価額が含まれる。回収可能価額が帳簿価額
を下回る場合、減損損失は最初にCGUに配分されたのれんの帳簿価額を減額するよう配分され、次に各資産の帳簿
価額に基づいた比例按分によって、CGUのその他の非金融資産に配分される。減損損失は、減損が識別された期の
純損益に費用として計上される。のれんは取得原価から減損損失累計額を控除して表示される。のれんの減損損失
のその後の戻入れは禁止されている。
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CGU の一部を処分する際、CGUの売却部分に関連するのれんの帳簿価額は、処分に係る利得または損失の算定に含
まれる。当該帳簿価額は、CGU全体に対する処分した部分の公正価値の割合に基づいて算定される。
その他の無形資産
無形資産は、識別可能な非貨幣性資産であり、個別にまたは企業結合を通じて取得するか、自己創設したもので
ある。企業結合を通じて取得した無形資産は、分離可能である場合または契約もしくはその他の法的権利から生じ
ている場合で、その公正価値を信頼性をもって測定することができる場合に、のれんとは別個に認識される。個別
に取得した無形資産の取得原価には、購入価格および当該資産の意図した利用のための準備に直接起因する原価が
含まれる。自己創設した無形資産の取得原価には、当該資産の生成、製造および当該資産を経営陣の意図した方法
で稼働可能にする準備に必要な、直接起因する原価のすべてが含まれる。資産計上の要件を満たさない研究開発費
は、費用処理される。無形資産は、当初認識後、取得原価から償却累計額および減損損失累計額(該当がある場合)
を控除した金額で計上される。耐用年数を確定できる無形資産は、見積耐用年数(コンピューター・ソフトウェア
は3年~10年、顧客関係は10年~20年)にわたり定額法で償却される。当行は、耐用年数が確定できない無形資産
は保有していない。
無形資産は、報告期間ごとに減損の兆候の有無について検討される。無形資産に減損の兆候がある場合には、当
該無形資産の帳簿価額とその回収可能価額との比較により、減損テストが実施される。個々の資産の回収可能価額
を見積ることができない場合、当行は、当該資産が属するCGUの回収可能価額を見積る。当該資産(またはCGU)の回
収可能価額がその帳簿価額を下回る場合、当該無形資産の帳簿価額は回収可能価額まで切り下げられ、減損損失が
計上される。
直近の減損損失認識後、当該資産(またはCGU)の回収可能価額の算定に使用された見積りに変更が生じた場合に
は、過去に認識された減損損失は戻し入れる。減損損失をその後に戻し入れる場合、当該資産(またはCGU)の帳簿
価額は、資産の回収可能価額と、減損が生じていなかったら算定されていたであろう帳簿価額(償却費控除後)のい
ずれか低い金額に修正される。
これらの見積りの主観的な性質により、当行の無形資産の耐用年数および回収可能価額の算定、および特定の事
象または状況が減損の客観的証拠に該当するかの評価には、重要な判断が必要となる。当行の無形資産の回収可能
価額の見積りは、将来キャッシュ・フローおよび割引率等の特定の主要なインプットの影響を受ける。将来キャッ
シュ・フローは、業績予測と事業戦略を基に見積った販売予測および配分費用に基づいている。割引率は、資産固
有のリスク調整後の銀行全体の資本コストをベースとしている。これらの仮定の変更は、「利息以外の費用」に認
識される減損損失の金額に影響を与える可能性がある。
その他
為替換算
外貨建の貨幣性資産および負債は、貸借対照表日現在の実勢レートでカナダドルに換算されている。これらの項
目の換算および決済から生じた為替差損益は、連結損益計算書の「利息以外の収益」に認識されている。
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取得原価で測定される非貨幣性資産および負債は、取引日レートでカナダドルに換算されている。
カナダドル以外の機能通貨を用いている当行の在外営業活動体の資産および負債は、貸借対照表日現在の実勢
レートでカナダドルに換算され、当該在外営業活動体の収益および費用は、報告期間の平均為替レートで換算され
ている。
当行の在外営業活動体の換算から生じる未実現利得または損失は、関連するヘッジの有効部分と併せて税効果考
慮後の金額で「その他の資本項目」に計上されている。在外営業活動体の処分または一部の処分が行われた時点
で、当該為替換算差損益累計額(純額)の対応する部分が、「利息以外の収益」に計上される。
有形固定資産
有形固定資産は、土地、建物、リース物件改良費、コンピューター機器、備品、設備およびその他の付帯設備等
であり、取得原価から減価償却累計額(ただし、減価償却を行わない土地を除く。)および減損損失累計額を控除し
た価額で表示されている。取得原価は、購入価格、当該資産を意図した用途での使用に必要な場所および状態に置
くことに直接起因する費用、および処分コストの当初見積額から構成される。減価償却費は、資産の見積耐用年数
(建物は25年~50年、コンピューター機器は3年~10年、ならびに備品、設備およびその他の付帯設備は5年~10
年)にわたり、主に定額法により計上されている。リース物件改良費の償却期間は、リース物件の改良部分の耐用
年数、またはリース期間に最初の更新期間(更新されることが合理的に確実な場合)を加えた期間のいずれか短い期
間であり、10年を超えることはない。減価償却方法、耐用年数および残存価額は、報告期間ごとに再検討され、必
要に応じて変更される。処分に係る利得および損失は、「利息以外の収益」に計上されている。
有形固定資産は、報告期間ごとに減損の兆候の有無について検討される。資産の減損の兆候がある場合、当該資
産の帳簿価額とその回収可能価額との比較により、減損テストが実施される。
減損認識後、減価償却費は、当該資産の見直し後の帳簿価額を反映するように、将来の期間において調整され
る。その後減損の戻入れが行われた場合、資産の帳簿価額は、資産の回収可能価額と、減損損失が発生していなけ
れば算定されていたであろう帳簿価額(減価償却控除後)のいずれか低い金額に修正される。将来の期間に関する減
価償却費は、当該見直し後の帳簿価額を反映するように調整される。
引当金
引当金は、時期または金額が不確実な負債である。当行が過去の事象の結果として現在の法的債務または推定的
債務を有しており、当該債務の決済のために資源の流出が必要となる可能性が高く、かつ当該債務の金額を信頼性
をもって見積ることができる場合に、引当金が認識される。引当金は、報告日における現在の債務を決済するため
に必要となる対価の最善の見積額として測定される。現在の債務が存在するかの判断、および流出の確率、時期お
よび金額の見積りには、重要な判断が必要となる。当行は、訴訟、不確実な税務ポジション、資産除去債務および
その他の項目に関連して、引当金を計上している。
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当行は、係属中の訴訟手続の結果、関連税務当局の調査または不服審査の対象となっている税務ポジションおよ
び資本的資産の処分により発生が見込まれる費用について見積りを行う必要がある。これらの見積りは将来予測的
な性質のため、当行の将来キャッシュ・フローの時期および金額の予測には、重要な判断が必要となる。当行は、
報告期間末時点で入手可能なすべての情報に基づき引当金を計上し、最新の予想を反映させるよう四半期ごとに修
正を行っている。これら事項の解決やその最終的な解決時期については予測できない場合がある。実際の結果が当
行の予想と異なる場合、認識済みの引当金を上回る費用が発生する可能性がある。必要に応じて、当行は紛争案件
における当行の立場を毀損することがないように、引当金に関する開示を限定する際に判断を用いている。
引当金の決済に必要な経済的便益の一部または全部を第三者(保険者等)から回収することが予想される場合、補
填を受けることがほぼ確実であれば、別個の資産が認識される。
手数料および報酬-2018年11月1日より適用された会計方針(IFRS第15号)
手数料および報酬は、主に投資運用および保管手数料、投資信託報酬、有価証券委託手数料、サービス手数料、
引受業務およびその他のアドバイザリー手数料、カード・サービス収益および与信手数料等に関するものであり、
顧客との該当するサービス契約に基づき認識される。
投資運用および保管手数料ならびに投資信託報酬は、通常、顧客との契約条件に基づき日次または期間末の純資
産価額(以下「NAV」という。)に対する一定割合として計算され、契約条件に応じて月次、四半期ごと、半年ごと
または一年ごとに支払われる。投資運用および保管手数料は、当行の顧客が投資運用会社の投資能力を求める場合
に、通常、運用資産(以下「AUM」という。)を基に算定されるか、または、投資戦略が顧客または指定の第三者の
運用会社から指示される場合に、管理資産(以下「AUA」という。)を基に算定される。投資信託報酬は、投資信託
の日次のNAVを基に算定される。投資運用および保管手数料ならびに投資信託報酬は、認識した収益の重要な取消
が生じない可能性が非常に高い場合に、顧客へのサービス提供期間にわたり認識される。
有価証券委託手数料およびサービス手数料のうち、特定の取引形態でのサービス提供に関連するものは、サービ
スの履行時に認識される。サービスが一定の期間にわたり提供される場合は、サービスが提供されるにつれて収益
を認識する。
引受業務およびその他のアドバイザリー手数料は、主に債務証券または持分証券の新規発行に関する引受業務お
よび様々なアドバイザリー・サービスに関連するものである。引受業務手数料は、通常、発行により調達した資金
に対する割合で表され、サービスが完了した時点で認識される。アドバイザリー手数料は、エンゲージメントの関
与範囲やその種類により、固定額の場合もあれば、将来の事象を条件とする場合もあり様々である。アドバイザ
リー手数料はサービスが提供される期間にわたり認識され、収益の金額の重要な取消が生じない可能性が非常に高
い範囲でのみ認識される。
カード・サービス収益は、主に売上交換収益およびカードの年会費が含まれる。売上交換収益は取引額に対する
固定割合として計算され、カード取引が決済された時点で認識される。年会費は、固定報酬で、12ヶ月間にわたり
認識される。
与信手数料は、主にシンジケート・ローンのアレンジや未実行与信枠による信用供与により稼得される。与信手
数料の認識時期は、提供するサービスの性質により異なる。
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稼得した手数料および報酬に関連してサービス手数料やその他のコストが発生した場合、当行に顧客との契約を
履行する一義的な義務があるか、また稼得した手数料および報酬の価格を当行が決定する裁量権を有しているかど
うかにより、当該コストを総額ベースで「利息以外の費用-その他」または「利息以外の費用-人件費」に計上す
る。これには判断を伴う可能性がある。
手数料および報酬-2018年11月1日より前に適用されていた会計方針(IAS第18号「収益」)
ポートフォリオ運用報酬およびその他の運用アドバイザリー報酬ならびにサービス報酬は、該当するサービス契
約に基づき認識される。特定のサービス期間にわたるサービス(資産管理、ウェルス・マネジメント、フィナン
シャル・プランニングおよび保管サービス等)の提供に関連する報酬は、サービスの提供期間にわたり認識され
る。投資運用および保管手数料は、通常、日次または期間末の純資産価額に対する一定割合として計算され、契約
条件に応じて月次、四半期ごと、半年ごとまたは一年ごとに支払われる。運用報酬は、当行の顧客が投資運用会社
の投資能力を求める場合に、通常、AUMを基に算定される。管理手数料は、投資戦略が顧客または指定の第三者の
運用会社から指示される場合に、AUAを基に算定される。成功報酬は、特定のベンチマークまたはパフォーマンス
目標を超えた時点で稼得され、当該ベンチマークまたはパフォーマンス目標が達成された場合にのみ認識される。
特定の取引種類のサービスの提供に関連する手数料(引受手数料および仲介手数料)は、サービスの完了時に認識さ
れる。
手数料および報酬の稼得に伴いサービス料およびその他の費用が発生する場合で、当行がサービスの提供に関連
する重大なリスクおよび経済価値を有する場合は、これらの費用は「利息以外の費用-その他」または「利息以外
の費用-人件費」のいずれかに適宜総額で計上される。
リース
リースとは、貸手が一括払または複数回の支払いを得て、契約期間中、資産の使用権を借手に移転する契約であ
る。ファイナンス・リースとは、リース資産の所有に伴うリスクおよび経済価値のほとんどすべてを借手に移転す
るリースであり、所有権は最終的に移転する場合もしない場合もある。オペレーティング・リースは、ファイナン
ス・リース以外のリースである。
オペレーティング・リース
当行がオペレーティング・リースの借手の場合、支払リース料を定額法でリース期間にわたり「利息以外の費
用」に計上している。
ファイナンス・リース
当行がファイナンス・リースの借手の場合、リース資産および関連リース債務の双方を、当行の連結貸借対照表
の「有形固定資産」、「その他の無形資産」および「その他の負債」に当初計上している。その金額は、リース開
始日にそれぞれ算定した、リース資産の公正価値または最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額とな
る。リースに直接起因する初期直接コストは、ファイナンス・リース資産に認識される。
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1株当たり利益
1株当たり利益は、普通株主に帰属する当期純利益を、期中発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算され
る。普通株主に帰属する当期純利益は、優先株主の優先配当額、優先株式の償還に係る利得(損失)(関連する法人
所得税控除後)および非支配持分に帰属する当期純利益を控除した後の金額で算定される。
希薄化後1株当たり利益には、潜在的な希薄化が反映されている。潜在的希薄化が生じ得るのは、有価証券また
は契約がその保有者に将来普通株式を取得する権利を付与しており、その権利が一定の事象の発生を条件としてい
ない場合に、その有価証券または契約に基づき、普通株式が追加で発行されることが想定される場合である。当行
の選択により現金または普通株式で決済される契約に関する希薄化後1株当たり利益の計算は、当該契約は株式で
決済されるという仮定に基づき行われている。このような種類の契約に関連する収益および費用は、普通株主に帰
属する当期純利益から除外され、発行されるであろう追加の株式数は、希薄化後1株当たり利益の計算に含めてい
る。これには一部の転換可能株式が含まれており、当該転換可能株式は期首、または発行日の方が遅い場合は発効
日に、転換されたものと仮定される。行使価格が当行の普通株式の平均株価を下回っているストック・オプション
については、自己株式方式を用いて行使されたものと見なし、その入金額は普通株式の期中平均株価での買戻しに
使用されたと仮定される。当該ストック・オプションにより発行され、入金額で買い戻される普通株式の増加数
は、希薄化後1株当たり利益の計算に含めている。
株式資本
当行は、当行が発行する金融商品を、契約上の取決めの実質に従って金融資産、金融負債または資本性金融商品
として分類している。
当行が保有している当行の普通株式は、資本に自己株式として分類され、加重平均原価で会計処理されている。
自己株式の売却時に、売却による収入額と当該自己株式の取得原価との差額は、「利益剰余金」に認識される。当
行が発行した金融商品は、現金またはその他の金融資産を引き渡す契約上の義務がない場合には、資本性金融商品
として分類されている。資本性金融商品の発行に直接起因する増分コストは、税効果考慮後の金額が当該収入額か
らの控除として資本に計上されている。保有者の転換時に当行の可変数の普通株式で決済される金融商品、および
関連する未払分配金は、当行の連結貸借対照表上負債に分類されている。これらの商品に係る配当金および分配金
は、当行の連結損益計算書上「支払利息」に分類されている。
会計方針および開示の今後の変更
以下の基準は、公表済であるが、当行には未だ適用となっていない。
IFRS 第16号「リース」(以下「IFRS第16号」という。)
2016 年1月、IASBは、リースの認識、測定、表示および開示の原則を規定するIFRS第16号を公表した。当該基準
は借手がリースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分して認識することを要求する現在の基
準を削除し、大半のリースに関して貸借対照表上、使用権資産とリース負債の認識を求める単一の会計モデルを導
入した。また、借手はリース負債の利息費用および使用権資産の減価償却費を損益計算書上認識する。
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当行に対しては、IFRS第16号は2019年11月1日に発効となる。当行は、適用開始日である2019年11月1日現在の
連結貸借対照表を調整してIFRS第16号を適用し、比較期間の修正再表示は行わない予定である。IFRS第16号への移
行にあたり、当行は、以下を含む特定の実務上の便法を適用する予定である。
・当行の不動産リースについては、非リース構成部分とリース構成部分の区別を行わないことを選択する。
・一部の不動産については、リースごとに、リース開始日からIFRS第16号が適用されていたかのように使用権資
産を測定することを選択する。
・短期リースおよび少額資産リースに関する認識の免除規定を適用する。
現在の見積りでは、2019年11月1日にIFRS第16号を適用することにより資産合計および負債合計は約50億ドル増
加するが、これは主に、従前オペレーティング・リースに分類していた有形固定資産によるものである。また、利
益剰余金は1億ドル(税引後)減少する見込みである。IFRS第16号の適用により普通株式等Tier1比率も14ベーシ
ス・ポイント低下する見込みである。
IFRS 解釈指針委員会の解釈指針第23号「法人所得税の税務処理に関する不確実性」(以下「IFRIC第23号」とい
う。)
2017 年6月、IASBは、法人所得税の税務処理に不確実性がある場合に、IAS第12号「法人所得税」に基づき税金
資産および負債を認識および測定するためのガイダンスを提供するIFRIC第23号を公表した。当行に対しては、
IFRIC第23号は2019年11月1日に発効となる。当行はこの解釈指針の適用による当行連結財務諸表への影響はない
と予想している。
金利ベンチマーク改革
2019 年9月に、IASBは、IFRS第9号「金融商品」、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」およびIFRS第7号
「金融商品:開示」の修正(以下「修正」という。)を公表した。この修正は、代替的な金利へ移行する前の期間に
生じる金利ベンチマーク改革に伴う不確実性の潜在的影響について、救済措置を設けるためにヘッジ会計の特定の
規定を修正するものである。この修正は、当行に対しては、2020年11月1日に発効となり、早期適用も認められ
る。代替的な金利へ移行するために、当行は影響を受ける主要な領域(顧客契約の変更、資本および流動性計画、
財務報告、ならびに評価、システム、プロセス、教育およびコミュニケーションを含む。)に焦点を当てて、包括
的な全社的プログラムおよびガバナンス体制を確立した。
当行は現在、当行連結財務諸表に対する適用による影響を評価している。
財務報告に関する概念フレームワーク(以下「概念フレームワーク」という。)
2018 年3月に、IASBは、概念フレームワークの改訂版を公表した。当該改訂版は、2010年に公表された概念フ
レームワーク(前のバージョン)を置き換えるものである。概念フレームワークの改訂版は、2020年11月1日に発効
する予定である。当行は現在、当行連結財務諸表に対する適用による影響を評価している。
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IFRS 第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」という。)
2017 年5月、IASBは、保険契約の認識、測定、表示および開示に関する指針を提供する包括的な国際的保険会計
基準を定めるためにIFRS第17号を公表した。IFRS第17号は、3つのアプローチのいずれかを用いて、現在履行価値
で保険契約負債を測定することを企業に要求している。この新基準は、当行に対しては2021年11月1日に発効し、
実務上不可能でない限り比較数値の修正再表示による遡及適用が行われる。2019年6月に、IASBは、発効日を1年
延期することを含めた、IFRS第17号の修正に関する公開草案を公表した。当行は、IASBの進展を今後も注視する予
定である。当行は現在、この基準および修正案の適用による当行連結財務諸表に対する影響を評価している。
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注記3 金融商品の公正価値
金融商品の帳簿価額および公正価値
以下の表は、金融商品の分類毎の帳簿価額と公正価値の比較である。組込デリバティブは、主契約と一体で表示
されている。測定上は、当該組込デリバティブが区分処理の要件を満たす場合には公正価値で測定されている。
2019 年10月31日現在
帳簿価額および公正価値 帳簿価額 公正価値
FVTPL で測定 FVTPL で測定 FVOCI で測定 FVOCI で測定
するものと するものと するものと するものと
して分類 して指定 して分類 して指定 償却原価で 償却原価で
帳簿価額 公正価値
された された された された 測定された 測定された
(百万カナダドル) 合計 合計
金融商品 金融商品 金融商品 金融商品 金融商品 金融商品
金融資産
$ - $ 22,283 $ - $ - $ 16,062 $ 16,062 $ 38,345 $ 38,345
利付銀行預け金
有価証券
トレーディング 137,600 8,934 - - - - 146,534 146,534
投資(関連する引当金を除
- - 57,223 463 44,784 45,104 102,470 102,790
く)
137,600 8,934 57,223 463 44,784 45,104 249,004 249,324
売戻し条件付購入資産および
246,068 - - - 60,893 60,894 306,961 306,962
借入有価証券担保金
貸出金(関連する引当金を除
く)
リテール 275 242 95 - 423,469 424,416 424,081 425,028
ホールセール 7,055 1,856 451 - 185,413 184,645 194,775 194,007
7,330 2,098 546 - 608,882 609,061 618,856 619,035
その他
デリバティブ 101,560 - - - - - 101,560 101,560
その他の資産(1) 3,156 - - - 50,375 50,375 53,531 53,531
金融負債
預金
$ 140 $ 17,394 $ 277,198 $ 277,353 $ 294,732 $ 294,887
個人
企業および政府(2) 151 111,389 453,942 452,536 565,482 564,076
銀行(3) - 3,032 22,759 22,773 25,791 25,805
291 131,815 753,899 752,662 886,005 884,768
その他
空売りした有価証券に関連
35,069 - - - 35,069 35,069
する債務
買戻し条件付売却資産およ
び貸付有価証券に関連す - 218,612 7,974 7,974 226,586 226,586
る債務
デリバティブ 98,543 - - - 98,543 98,543
その他の負債(4) (1,209) 91 61,039 61,024 59,921 59,906
劣後無担保社債 - - 9,815 9,930 9,815 9,930
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2018 年10月31日現在
帳簿価額および公正価値 帳簿価額 公正価値
FVTPL で測定 FVTPL で測定 FVOCI で測定 FVOCI で測定
するものと するものと するものと するものと
して分類 して指定 して分類 して指定 償却原価で 償却原価で
帳簿価額 公正価値
された された された された 測定された 測定された
(百万カナダドル) 合計 合計
金融商品 金融商品 金融商品 金融商品 金融商品 金融商品
金融資産
$ - $ 20,274 $ - $ - $ 16,197 $ 16,197 $ 36,471 $ 36,471
利付銀行預け金
有価証券
トレーディング 121,031 7,227 - - - - 128,258 128,258
投資(関連する引当金を除
- - 48,093 406 46,109 45,367 94,608 93,866
く)
121,031 7,227 48,093 406 46,109 45,367 222,866 222,124
売戻し条件付購入資産および
219,108 - - - 75,494 75,490 294,602 294,598
借入有価証券担保金
貸出金(関連する引当金を除
く)
リテール 69 190 94 - 397,102 394,051 397,455 394,404
ホールセール 7,129 1,540 458 - 170,236 168,087 179,363 177,214
7,198 1,730 552 - 567,338 562,138 576,818 571,618
その他
デリバティブ 94,039 - - - - - 94,039 94,039
その他の資産(1) 1,373 - - - 46,205 46,205 47,578 47,578
金融負債
預金
$ 150 $ 14,602 $ 255,402 $ 255,115 $ 270,154 $ 269,867
個人
企業および政府(2),(3) (11) 102,597 430,936 431,158 533,522 533,744
銀行(4) - 7,072 25,449 25,462 32,521 32,534
139 124,271 711,787 711,735 836,197 836,145
その他
空売りした有価証券に関連
32,247 - - - 32,247 32,247
する債務
買戻し条件付売却資産およ
び貸付有価証券に関連す - 201,839 4,975 4,976 206,814 206,815
る債務
デリバティブ 90,238 - - - 90,238 90,238
その他の負債(3),(5) (1,434) 18 55,766 55,729 54,350 54,313
劣後無担保社債 - - 9,131 9,319 9,131 9,319
(1) 「手形引受見返」および「その他の資産」に認識される金融商品が含まれている。
(2) 企業および政府の預金には、規制を受ける預金受入機関(銀行以外)からの預金が含まれている。
(3) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるために比較情報は組替えられている。
(4) 銀行の預金とは規制を受ける銀行および中央銀行からの預金をいう。
(5) 「手形引受」および「その他の負債」に認識される金融商品が含まれている。
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純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産
当行は、FVTPLで測定するものとして指定された当行の金融資産について、信用リスクの変動に起因する公正価
値の変動を、当該商品の公正価値の期中の変動合計額と適切なリスク・フリー・イールドカーブを使用して計算し
た公正価値の変動額との差額として測定している。FVTPLで測定するものとして指定された貸出金および債権の信
用リスクの変動に起因する公正価値の変動額は、2019年10月31日および2018年10月31日終了年度において重要性は
なかった。2019年10月31日現在、信用デリバティブまたは類似商品が信用リスクに対する最大エクスポージャーを
軽減する効果は514百万ドル(2018年10月31日-ゼロドル)であった。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債
当行は、FVTPLで測定するものとして指定された当行の金融負債について、自己の信用スプレッドの変動および
弁済までの予想期間を考慮して、信用リスクの変動に起因する公正価値の変動を測定している。
2019 年10月31日現在および同日終了年度(1)
依然として保有するポジション
に関してOCIに計上された信用リ
帳簿価額と契約
契約上の
スクの変動に起因する公正価値
帳簿価額 上の満期金額と
満期金額
の変動
の差額
期中 累計(2)
(百万カナダドル)
定期預金
$ 17,307 $ 17,394 $ 87 $ 3 $ 22
個人
企業および政府(3) 110,763 111,389 626 (76) 210
銀行(4) 3,031 3,032 1 - -
131,101 131,815 714 (73) 232
買戻し条件付売却資産および
218,604 218,612 8 - -
貸付有価証券に関連する債務
その他の負債 91 91 - - -
$ 349,796 $ 350,518 $ 722 $ (73) $ 232
2018年10月31日現在および同日終了年度(1)
依然として保有するポジション
に関してOCIに計上された信用リ
帳簿価額と契約
契約上の
スクの変動に起因する公正価値
帳簿価額 上の満期金額と
満期金額
の変動
の差額
期中 累計(2)
(百万カナダドル)
定期預金
個人 $ 14,726 $ 14,602 $ (124) $ (41) $ 19
企業および政府(3),(5) 102,640 102,597 (43) (134) 285
銀行(4) 7,067 7,072 5 - -
124,433 124,271 (162) (175) 304
買戻し条件付売却資産および
201,924 201,839 (85) - -
貸付有価証券に関連する債務
その他の負債 18 18 - - -
$ 326,375 $ 326,128 $ (247) $ (175) $ 304
(1) 依然として保有するポジションに関して純損益に計上された信用リスクの変動に起因する公正価値の変動はない。
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(2) 変動累計額は、FVTPLで測定する負債として当初指定された時点から測定されている。2019年10月31日終了年度の、過去
にOCIに計上されていた4百万ドルの公正価値損失(2018年10月31日-7百万ドルの公正価値損失)は、当期に認識が中止
された金融負債に関連するものである。
(3) 企業および政府の定期預金には、規制を受ける預金受入機関(規制を受ける銀行以外)からの金額が含まれている。
(4) 銀行の定期預金とは規制を受ける銀行および中央銀行からの金額をいう。
(5) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるために比較情報は組替えられている。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして分類および指定された金融商品に係る利得(損失)純額
主にトレーディング有価証券、デリバティブ、トレーディング負債を含むFVTPLで測定するものとして分類され
た金融商品、ならびにFVTPLで測定するものとして指定された金融資産および負債は、公正価値で測定され、実現
および未実現の利得および損失は「利息以外の収益」として認識される。
以下の日に終了した年度
(百万カナダドル)
2019 年10月31日 2018年10月31日
利得(損失)純額(1)
$ 3,564 $ (265)
純損益を通じて公正価値で測定するものとして分類(2)
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定(3),(4) (1,821) 2,067
$ 1,743 $ 1,802
商品ライン別(1)
$ 1,534 $ 1,535
金利および信用(4),(5)
株式 (144) (164)
為替およびコモディティ 353 431
$ 1,743 $ 1,802
(1) 当行の保険業務に関連する以下の金額は除外されており、当該金額は連結損益計算書の「保険料、投資および手数料収
入」に含まれている。FVTPLで測定するものとして指定された金融商品に係る利得純額1,303百万ドル(2018年10月31日-
400百万ドルの損失)。
(2) ヘッジ関係に指定されているデリバティブは除外している。これらのデリバティブに係る利得(損失)純額については注
記8を参照のこと。
(3) 2019年10月31日終了年度のFVTPLで測定するものとして指定された金融負債に係る公正価値損失純額(当行の自己の信用
リスクの変動に帰属する額を除く。)1,810百万ドル(2018年10月31日-2,052百万ドルの利得)は、「利息以外の収益」に
計上されている。
(4) 2019年度第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預け金の評価額の利息部分を、従来は「トレーディング収益」に含
めて表示していたが、「受取利息純額」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えら
れている。
(5) クロス・カレンシー・金利スワップについて認識された利得(損失)を含む。
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金融商品に係る受取利息純額
金融資産および金融負債から生じる受取利息および受取配当金ならびに関連する資金調達コストは「受取利息純
額」に計上されている。
以下の日に終了した年度
(百万カナダドル)
2019 年10月31日 2018年10月31日(1)
受取利息および受取配当金(2),(3)
$ 12,103 $ 7,800
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品(4)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品 1,132 802
償却原価で測定する金融商品 28,098 24,419
41,333 33,021
支払利息(2)
$ 10,507 $ 6,542
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品(4)
償却原価で測定する金融商品 11,077 8,527
21,584 15,069
$ 19,749 $ 17,952
受取利息純額
(1) 金額は修正再表示されている。
(2) 当行の保険業務に関連する以下の金額は除外されており、当該金額は連結損益計算書の「保険料、投資および手数料収
入」に含まれている。受取利息486百万ドル(2018年10月31日-479百万ドル)、支払利息4百万ドル(2018年10月31日-4
百万ドル)。
(3) 2019年10月31日終了年度において受取配当金2,057百万ドル(2018年10月31日-1,561百万ドル)が含まれており、連結損
益計算書上の「受取利息および受取配当金」に表示されている。
(4) 2019年度第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預け金の評価額の利息部分を、従来は「トレーディング収益」に含
めて表示していたが、「受取利息純額」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えら
れている。
金融商品から生じる手数料収入
2019 年10月31日終了年度において、当行は銀行サービスにより5,270百万ドル(2018年10月31日-5,426百万ドル)
の手数料を稼得した。2019年10月31日終了年度において、当行はまた、リテール顧客および法人顧客に対する、投
資運用、信託、保管、引受業務、ブローカー業務およびその他の同様の信託サービスにより12,117百万ドル(2018
年10月31日-11,944百万ドル)の手数料を稼得した。これらの手数料は、「利息以外の収益」に含まれている。
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経常的に公正価値で測定され公正価値ヒエラルキーを使用して区分された資産および負債の公正価値
以下の日現在
2019 年10月31日 2018 年10月31日
以下を使用した 以下を使用した
相殺に係る
公正価値測定 公正価値測定
相殺に係る調整 公正価値 公正価値
調整
(百万カナダドル)
レベル1 レベル2 レベル3 レベル1 レベル2 レベル3
金融資産
$ - $ 22,283 $ - $ 22,283 $ - $ 20,274 $ - $ 20,274
利付銀行預け金 $ $
有価証券
トレーディング
以下による発行済または保証
付の債務:
カナダ政府(1)
連邦 14,655 5,474 - 20,129 8,342 6,231 - 14,573
州および地方 - 11,282 - 11,282 - 11,350 - 11,350
米国の州、地方および政府機
2,050 39,584 58 41,692 2,068 31,030 66 33,164
関(1)
その他のOECD加盟国政府(2) 2,786 3,710 - 6,496 1,151 9,018 - 10,169
モーゲージ担保証券(1) - 482 - 482 - 1,001 - 1,001
資産担保証券
CDO 以外の証券(3) - 1,333 2 1,335 - 1,023 110 1,133
社債およびその他の債券 1 23,643 21 23,665 2 22,303 21 22,326
株式 38,309 1,925 1,219 41,453 30,847 2,547 1,148 34,542
57,801 87,433 1,300 146,534 42,410 84,503 1,345 128,258
投資
以下による発行済または保証
付の債務:
カナダ政府(1)
連邦 - 657 - 657 - 238 - 238
州および地方 - 2,898 - 2,898 - 1,554 - 1,554
米国の州、地方および政府機
210 20,666 - 20,876 - 18,136 - 18,136
関(1)
その他のOECD加盟国政府 - 4,251 - 4,251 - 1,470 - 1,470
モーゲージ担保証券(1) - 2,675 27 2,702 - 2,174 - 2,174
資産担保証券
CDO - 7,300 - 7,300 - 6,239 - 6,239
CDO 以外の証券 - 849 - 849 - 863 - 863
社債およびその他の債券 - 17,537 153 17,690 - 17,227 192 17,419
株式 42 127 294 463 42 127 237 406
252 56,960 474 57,686 42 48,028 429 48,499
売戻し条件付購入資産および借入
- 246,068 - 246,068 - 219,108 - 219,108
有価証券担保金
貸出金 - 9,294 680 9,974 - 8,929 551 9,480
その他
デリバティブ
金利契約 1 46,095 349 46,445 1 33,862 222 34,085
為替契約 - 40,768 48 40,816 - 43,253 53 43,306
信用デリバティブ - 169 - 169 - 38 - 38
その他の契約 2,852 12,674 11 15,537 5,868 11,654 296 17,818
評価調整 - (712) 15 (697) - (631) 6 (625)
デリバティブ総額合計 2,853 98,994 423 102,270 5,869 88,176 577 94,622
相殺に係る調整 (710) (710) (583) (583)
デリバティブ合計 101,560 94,039
その他の資産 1,119 1,960 77 3,156 1,020 288 65 1,373
$ 62,025 $ 522,992 $ 2,954 $ (710) $ 587,261 $ 49,341 $ 469,306 $ 2,967 $ (583) $ 521,031
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以下の日現在
2019 年10月31日 2018 年10月31日
以下を使用した 以下を使用した
相殺に係る 相殺に係る
公正価値測定 公正価値測定
公正価値 公正価値
調整 調整
(百万カナダドル)
レベル1 レベル2 レベル3 レベル1 レベル2 レベル3
金融負債
預金
$ - $ 17,378 $ 156 $ 17,534 $ - $ 14,362 $ 390 $ 14,752
個人 $ $
企業および政府(4) - 111,540 - 111,540 - 102,591 (5) 102,586
銀行 - 3,032 - 3,032 - 7,072 - 7,072
その他
空売りした有価証券に関連す
20,512 14,557 - 35,069 17,732 14,515 - 32,247
る債務
買戻し条件付売却資産および
貸付有価証券に関連する債 - 218,612 - 218,612 - 201,839 - 201,839
務
デリバティブ
金利契約 - 39,165 934 40,099 - 29,620 726 30,346
為替契約 - 40,183 27 40,210 - 41,836 32 41,868
信用デリバティブ - 282 - 282 - 94 - 94
その他の契約 2,675 15,776 206 18,657 4,369 13,730 380 18,479
評価調整 - 12 (7) 5 - 29 5 34
デリバティブ総額合計 2,675 95,418 1,160 99,253 4,369 85,309 1,143 90,821
相殺に係る調整 (710) (710) (583) (583)
デリバティブ合計 98,543 90,238
その他の負債 102 (1,280) 60 (1,118) 170 (1,654) 68 (1,416)
$ 23,289 $ 459,257 $ 1,376 $ (710) $ 483,212 $ 22,271 $ 424,034 $ 1,596 $ (583) $ 447,318
(1) 2019年10月31日現在、住宅用および商業用モーゲージ担保証券(以下「MBS」という。)が、トレーディング有価証券のす
べての公正価値レベルにそれぞれ22,365百万ドルおよびゼロドル(2018年10月31日-16,776百万ドルおよびゼロドル)、
投資有価証券のすべての公正価値レベルにそれぞれ6,474百万ドルおよび2,046百万ドル(2018年10月31日-4,713百万ド
ルおよび1,348百万ドル)含まれている。
(2) OECDは経済協力開発機構を表す。
(3) CDOは債務担保証券を表す。
(4) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
経常的に公正価値で測定される当行の重要な資産および負債の公正価値は、以下の評価技法およびインプットを
用いて算定され、公正価値ヒエラルキーの表に区分されている。
利付銀行預け金
当行の利付銀行預け金の大半はFVTPLで測定するものとして指定されている。これらのFVTPL預け金は、短期の銀
行預け金から構成され、公正価値ヒエラルキーの表では利付銀行預け金に含まれている。これらの商品の公正価値
は、割引キャッシュ・フロー法を用いて算定される。評価モデルのインプットには、適宜、金利スワップカーブお
よび信用スプレッドが含まれる。これらは、インプットが観察可能なため、ヒエラルキーのレベル2に区分され
る。
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政府債(カナダ、米国およびその他のOECD加盟国政府)
政府債は、公正価値ヒエラルキーの表において、カナダ政府債、米国の州、地方および政府機関債、その他の
OECD加盟国政府債ならびに空売りした有価証券に関連する債務に含まれている。活発な市場における政府発行また
は政府保証付の債務証券の公正価値は、最新の取引価格、ブローカーの相場価格または第三者の業者価格を参照し
て算定され、ヒエラルキーのレベル1に区分される。活発な市場で取引されない有価証券の公正価値は、有価証券
の価格、または活発に取引される類似の政府証券の価格から算定したインプライド・イールドおよびリスク・スプ
レッドを用いた評価技法のいずれかに基づいている。取引価格、ディーラーの相場価格または業者価格に照らして
観察可能な価格または金利インプットを有する有価証券は、ヒエラルキーのレベル2に区分される。インプットが
観察可能でない有価証券は、ヒエラルキーのレベル3に区分される。
社債および米国地方債
社債および米国地方債の公正価値は、公正価値ヒエラルキーの表において、社債およびその他の債券、米国の
州、地方および政府機関債ならびに空売りした有価証券に関連する債務に含まれており、最近実行された取引価
格、ブローカーの相場価格、価格情報サービス、また場合によっては指標の利回り(カナディアン・ディーラー・
オファード・レート、LIBORおよび他の類似する参照金利)および同等の有価証券のリスク・スプレッド等の金利イ
ンプットを使用した割引キャッシュ・フロー法のいずれかを用いて算定される。観察可能な価格または金利イン
プットを有する有価証券は、ヒエラルキーのレベル2に区分される。インプットが観察可能でない有価証券は、ヒ
エラルキーのレベル3に区分される。
資産担保証券およびモーゲージ担保証券
資産担保証券(以下「ABS」という。)およびMBSは、公正価値ヒエラルキーの表において、資産担保証券、モー
ゲージ担保証券、カナダ政府債、米国の州、地方および政府機関債、ならびに空売りした有価証券に関連する債務
に含まれている。ABSおよびMBSの評価のためのインプットは、入手可能な場合には、同一有価証券の取引価格、
ディーラーまたはリード・マネージャーの相場価格、ブローカーの相場価格および業者価格となる。同一有価証券
の価格が容易に入手可能でない場合、当行は、業界の標準モデルに、比較可能な商品の取引価格、ディーラー相場
価格または業者価格から推定される割引マージン、利回り、デフォルト率、期限前償還率および予想損失率等をイ
ンプットとして使用している。有価証券の価格およびインプットが観察可能な場合には、ABSおよびMBSはヒエラル
キーのレベル2に区分される。それ以外の場合には、ヒエラルキーのレベル3に区分される。
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株式
株式は、上場および非上場の普通株式、プライベート・エクイティ、ミューチュアル・ファンドおよび特定の償
還制限のあるヘッジファンドから構成されており、株式および空売りした有価証券に関連する債務に含まれてい
る。普通株式の公正価値は、入手可能な場合には活発な市場における相場価格に基づき、ヒエラルキーのレベル1
に区分される。活発な市場における相場価格が容易に入手可能でない場合、公正価値は、類似の有価証券の市場相
場価格に基づくか、または評価技法(収益倍率、および予測キャッシュ・フローおよび割引率をインプットとする
割引キャッシュ・フロー法等)によって算定される。プライベート・エクイティは、インプットが観察可能でない
ため、ヒエラルキーのレベル3に区分される。ヘッジファンドは、純資産価額(以下「NAV」という。)により評価
される。当行が翌四半期末前にNAVでヘッジファンドを償還できる場合には、当該ファンドはヒエラルキーのレベ
ル2に区分される。それ以外の場合には、ヒエラルキーのレベル3に区分される。
貸出金
貸出金には、ベースメタル・ファイナンス、法人向け貸出金、銀行引受手形、および資産担保ファイナンス・
ローンが含まれる。公正価値は、次のインプットを用いて入手可能な場合には市場価格または割引キャッシュ・フ
ロー法により算定される。すなわち、類似の格付けおよび類似の残存期間を有する資産の市場金利、ベースメタル
のコモディティ価格および市場のスプレッド、LGD、入手可能な場合には信用デリバティブの価格から推定される
期待デフォルト率、ならびに関連する価格算定情報(約定金利、開始日および期日、償還価格、利払いの頻度およ
び日数計算の慣行等)である。市場価格または観察可能なインプットを有する貸出金はヒエラルキーのレベル2に
区分され、公正価値に重要な影響を及ぼす観察可能でないインプットを有する貸出金はヒエラルキーのレベル3に
区分される。
デリバティブ
取引所取引デリバティブ(金利オプション、エクイティオプションおよび先物等)の公正価値は、市場相場価格に
基づき、ヒエラルキーのレベル1に区分される。OTCデリバティブは、主に金利契約、為替契約および信用デリバ
ティブから構成される。取引所取引またはOTCの金利デリバティブ、為替デリバティブおよびエクイティ・デリバ
ティブは、公正価値ヒエラルキーの表において、それぞれ金利契約、為替契約およびその他の契約に含まれる。
OTCデリバティブの公正価値は、市場相場価格または第三者の合意価格の情報が入手可能でない場合には、評価モ
デルを使用して算定される。割引キャッシュ・フロー法やブラック・ショールズ・オプション・モデル等の評価モ
デルには、金利および為替レート、エクイティおよびコモディティの価格(指数を含む。)、信用スプレッド、対応
する市場のボラティリティ水準、ならびにその他の市場に基づく価格決定要因に関する観察可能なインプットまた
は観察可能でないインプットが利用される。公正価値に対するその他の調整には、呼び値、CVA、FVA、OIS、パラ
メータおよびモデルの不確実性、ならびに取引開始時の未実現利得または損失がある。デリバティブ商品は、観察
可能な市場インプットが入手可能であるか、または観察可能でないインプットが公正価値に対して重要でない場
合、ヒエラルキーのレベル2に区分される。それ以外の場合には、ヒエラルキーのレベル3に区分される。
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借入れたまたは売戻契約に基づき購入した有価証券および貸付けたまたは買戻契約に基づき売却した有価証券
これらの商品は、公正価値ヒエラルキーの表において、売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金ならび
に買戻し条件付売却資産および貸付有価証券に関連する債務に含まれている。これらの契約の公正価値は、金利
カーブをインプットとして用いる割引キャッシュ・フロー法等の評価技法を使用して算定される。これらは、イン
プットが観察可能なため、ヒエラルキーのレベル2に区分される。
預金
当行の預金の大半は償却原価で測定されるが、一部の預金はFVTPLで測定するものとして指定されている。これ
らのFVTPL預金には、顧客預金、譲渡性預金および約束手形の発行、ならびに金利連動型債券および株式連動型債
券が含まれている。これらの商品の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法およびデリバティブ・オプション評価
モデルを用いて算定される。評価モデルのインプットには、適宜、指標イールドカーブ、信用スプレッド、金利、
エクイティおよび金利のボラティリティ、配当ならびに相関関係が含まれる。これらは、観察可能でない信用スプ
レッド、ボラティリティ、配当ならびに相関率の重要性に応じて、ヒエラルキーのレベル2または3に区分され
る。
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重要な観察可能でないインプットを用いた公正価値測定に関する定量的情報(レベル3商品)
以下の表は、重要なレベル3の金融商品の公正価値、公正価値の算定に使用した評価技法、観察可能でないイン
プットの範囲および加重平均を示している。
2019 年10月31日現在 (価格、パーセンテージおよび比率を除き百万カナダドル)
公正価値 インプットの値の範囲(1),(2)
公正価値ヒエラルキー
重要な観察可能 加重平均/
の表における表示
でないインプッ インプット
商品 科目 資産 負債 評価技法 ト(3) 低 高 の分布
非デリバティブ金融商品
オークション・レート 割引キャッシュ・
割引マージン 1.60% 3.00% 1.65%
証券 フロー
米国の州、地方および
58 デフォルト率 3.00% 3.00% 3.00%
政府機関債
資産担保証券 2 期限前償還率 8.00% 8.00% 8.00%
回収率 96.50% 96.50% 96.50%
$ 20.00
社債 価格ベース 価格 $131.78 $110.30
社債およびその他の
割引キャッシュ・
24 信用スプレッド 1.02% 11.34% 6.18%
フロー
債券
貸出金 680 信用補完 11.82% 15.75% 13.13%
$ 65.50 $ 65.67
政府債および地方債 価格ベース 価格 $100.00
米国の州、地方および 割引キャッシュ・
- 利回り 4.70% 6.63% 5.80%
政府機関債 フロー
モーゲージ担保証券 27
社債およびその他の
150
債券
未公開株式、ヘッジ
ファンド投資および 類似企業の市場価
EV/EBITDA 倍率 4.00X 24.90X 10.23X
関連するエクイ 格
ティ・デリバティブ
株式 1,513 価格ベース P/E 倍率 9.70X 29.90X 16.11X
割引キャッシュ・
デリバティブ関連負債 10 EV/Rev 倍率 0.90X 5.93X 3.55X
フロー
流動性割引(4) 10.00% 40.00% 17.64%
割引率 10.00% 12.00% 10.45%
NAV/ 価格(5) n.a. n.a. n.a.
デリバティブ金融商品(6)
金利デリバティブおよ
割引キャッシュ・
び金利連動型仕組債 デリバティブ関連資産 380 金利 1.27% 2.16% 均等
フロー
(7)
オプション価格算 CPI スワップ・
デリバティブ関連負債 943 1.40% 2.00% 均等
定モデル レート
金利-金利相関 19.00% 67.00% 均等
為替-金利相関 29.00% 56.00% 均等
為替-為替相関 68.00% 68.00% 均等
エクイティ・デリバ
割引キャッシュ・
ティブおよび株式連 配当利回り 0.10% 8.77% 下方
フロー
動型仕組債(7)
オプション価格算 エクイティ(EQ)
デリバティブ関連資産 11 34.00% 95.40% 中位
定モデル -EQ相関
預金 156 EQ -為替相関 (71.40)% 30.50% 中位
EQ ボラティリ
デリバティブ関連負債 180 4.00% 110.00% 上方
ティ
その他(8)
デリバティブ関連資産 32
その他の資産 77
預金 -
デリバティブ関連負債 27
その他の負債 60
$ 2,954 $ 1,376
合計
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2018 年10月31日現在 (価格、パーセンテージおよび比率を除き百万カナダドル)
公正価値 インプットの値の範囲(1),(2)
公正価値ヒエラルキー
重要な観察可能 加重平均/
の表における表示
でないインプッ インプット
商品 科目 資産 負債 評価技法 ト(3) 低 高 の分布
非デリバティブ金融商品
オークション・レート 割引キャッシュ・
割引マージン 1.32% 2.70% 1.95%
証券 フロー
米国の州、地方および
45 デフォルト率 3.00% 3.00% 3.00%
政府機関債
資産担保証券 110 期限前償還率 4.00% 5.50% 4.56%
回収率 96.50% 97.50% 96.59%
社債 価格ベース 価格 $ 72.00 $123.06 $103.84
社債およびその他の
割引キャッシュ・
28 信用スプレッド 0.90% 11.30% 4.50%
フロー
債券
貸出金 551 信用補完 11.80% 15.80% 13.10%
$ 65.50 $ 66.41
政府債および地方債 価格ベース 価格 $100.00
米国の州、地方および 割引キャッシュ・
21 利回り 3.50% 7.60% 5.75%
政府機関債 フロー
モーゲージ担保証券 -
社債およびその他の
185
債券
未公開株式、ヘッジ
ファンド投資および 類似企業の市場価
EV/EBITDA 倍率 6.16X 17.80X 14.46X
関連するエクイ 格
ティ・デリバティブ
株式 1,385 価格ベース P/E 倍率 9.10X 26.41X 18.26X
割引キャッシュ・
デリバティブ関連負債 24 EV/Rev 倍率 0.90X 6.63X 4.86X
フロー
流動性割引(4) 10.00% 40.00% 18.27%
割引率 10.52% 10.52% 10.52%
NAV/ 価格(5) n.a. n.a. n.a.
デリバティブ金融商品(6)
金利デリバティブおよ
割引キャッシュ・
び金利連動型仕組債 デリバティブ関連資産 260 金利 2.30% 3.00% 均等
フロー
(7)
オプション価格算 CPI スワップ・
デリバティブ関連負債 740 1.90% 2.10% 均等
定モデル レート
金利-金利相関 19.00% 67.00% 均等
為替-金利相関 29.00% 56.00% 均等
為替-為替相関 68.00% 68.00% 均等
エクイティ・デリバ
割引キャッシュ・
ティブおよび株式連 配当利回り 0.30% 8.40% 下方
フロー
動型仕組債(7)
オプション価格算 エクイティ(EQ)
デリバティブ関連資産 281 (55.00)% 100.00% 中位
定モデル -EQ相関
預金 390 EQ -為替相関 (71.40)% 30.50% 中位
EQ ボラティリ
デリバティブ関連負債 328 8.00% 164.00% 上方
ティ
その他(8)
デリバティブ関連資産 36
その他の資産 65
預金 (5)
デリバティブ関連負債 51
その他の負債 68
$ 2,967 $ 1,596
合計
(1) インプットの値の低および高は、特定の商品区分の金融商品グループの評価に使用された、実際のインプットの最高値
および最低値である。当該インプットの範囲は、インプットの不確実性の程度は反映していないが、当該商品区分に含
まれる他の原商品の影響を受ける。したがって、インプットの範囲は、各貸借対照表日現在で保有する原商品の特性に
基づいて毎期変動する。記載のある場合、インプットの値の加重平均は、当該商品区分内の商品の相対的な公正価値に
基づいて計算されている。デリバティブの加重平均は、比較可能な測定基準とはならないため、この表には表示されて
いない。代わりに、各商品区分の範囲に含まれる重要な観察可能でないインプットの分布がこの表に示されている。
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(2) 価格ベースのインプットは、特定の債務証券にとって重要であり、外部の指標、類似の代替的な商品または四半期末前
の取引データに基づいている。これらの商品の価格インプットは額面当たり100ドルごとのドル建てで表示されている。
例えば、インプットの価格が105ドルの場合、当該商品は、額面価額を上回るプレミアム価額で評価されている。
(3) 頭字語は以下を表す。(ⅰ)企業価値(EV)、(ⅱ)利息、税金、減価償却費および償却費計上前利益(EBITDA)、(ⅲ)株価/収
益(P/E)、(ⅳ)収益(Rev)、(ⅴ)消費者物価指数(CPI)、(ⅵ)金利(IR)、(ⅶ)為替(FX)、および(ⅷ)エクイティ(EQ)であ
る。
(4) 流動性割引のインプットを用いた有価証券の公正価値は合計255百万ドル(2018年10月31日-207百万ドル)であった。
(5) ヘッジファンドのNAVは、負債控除後の資産の公正価値の合計をファンドの口数で除した金額である。未公開株式はNAV
または評価技法に基づき評価されている。1口当たりNAVまたは1株当たり価格の範囲は、投資の多様な性質により価格
が分散しているため、ヘッジファンドまたは未公開株式に関しては開示されていない。
(6) 各デリバティブ商品区分内の集中と分散の程度により、インプットの特定の範囲が広くなったり、インプットが当該範
囲にわたり不均等に分布したりする場合がある。この表において、当行は、インプットの多くが範囲の上方、中位、下
方のいずれに集中しているか、または当該範囲にわたり均等に分布しているかを示している。
(7) 仕組債には、エクイティ・デリバティブまたは金利デリバティブのインプットに類似した観察可能でないインプットを
用いたエクイティまたは金利の組込デリバティブが含まれている。
(8) その他には、主に、コモディティ・デリバティブ、為替デリバティブ、条件付対価、銀行が保有する生命保険および取
得請求権付または取得条項付株式が含まれている。
n.a.該当なし
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観察可能でないインプットへの感応度および観察可能でないインプット間の相関
利回り、信用スプレッド/割引マージン
金融商品の利回りは、評価モデルにおいて将来キャッシュ・フローを割り引くために使用される金利である。利
回りの単独での上昇は、公正価値測定額を減少させ、低下はその逆である。信用スプレッド/割引マージンは、負
債性金融商品の利回りとベンチマーク商品の利回りとの差異である。ベンチマーク商品は、高い信用格付けおよび
類似の満期を有したものであり、多くの場合は政府債が該当する。このため、信用スプレッド/割引マージンは、
見積キャッシュ・フローの不確実性に対して求められる市場リターンを反映した、資産の将来キャッシュ・フロー
の現在価値の算定に使用される割引率となる。商品の信用スプレッド/割引マージンは、割引キャッシュ・フロー
法に使用される利回りの一部となる。
調達スプレッド
調達スプレッドは、調達金利または預金金利に固有の信用スプレッドである。調達スプレッドの単独での縮小
は、当行の負債の公正価値の増加を生じさせ、拡大はその逆である。
デフォルト率
デフォルト率は借手が貸出金を予定通りに返済できない割合である。通常、デフォルト率の低下は貸出金の公正
価値を増加させ、上昇はその逆である。この影響は、政府保証付貸出金よりも、政府保証付以外の貸出金に関して
より顕著になる。
期限前償還率
期限前償還率は、貸出金が予想回収スケジュールよりも早期に回収される割合である。期限前償還は貸出金の将
来キャッシュ・フローを変動させる。貸出金利が現在の再投資金利を下回る場合、期限前償還率の単独での上昇は
公正価値の増加を生じさせ、期限前償還率の単独での低下は公正価値の減少を生じさせる。期限前償還率は通常、
金利と負の相関にある。
回収率および予想損失率
回収率は、貸出金のデフォルト時の回収可能額に関する見積りである。回収率は、回収額を回収期限到来済みの
貸出金残高で除したもので、パーセンテージで表示されている。回収額の逆の概念は予想損失である。予想損失率
は、貸出金のデフォルト時に回収されない貸出額に関する見積りである。予想損失率は、損失金額を回収期限到来
済みの貸出金残高で除したもので、パーセンテージで表示されている。通常、回収率の上昇または予想損失率の低
下は貸出金の公正価値を増加させ、それらの低下または上昇はその逆である。
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ボラティリティ率
ボラティリティは、将来の価格変動の可能性を測定するもので、多くの場合、価格変動の標準偏差として測定さ
れる。ボラティリティは、デリバティブおよび発行仕組債の評価に使用されるオプション価格算定モデルへのイン
プットとなる。ボラティリティは、エクイティ、金利、コモディティおよび為替のオプションの評価に使用され
る。ボラティリティ率の上昇は、基礎となる価格またはレートの変動可能性の増加を意味する。ボラティリティ率
の上昇は、オプションの条件に応じて、オプションの公正価値を増加または減少させることがある。ボラティリ
ティ率の決定は、基礎となる市場価格、権利行使価格および満期等の様々な要素(ただしこれらに限定されない。)
に左右される。
配当利回り
配当利回りは、株価に対する基礎となる株式の予想配当額を年率で表したものである。配当利回りは株価先渡お
よびオプションのモデルのインプットとして使用される。配当利回りの上昇は先渡価格を減少させ、低下はその逆
である。配当利回りの上昇は、オプションの条件に応じて、オプションの価値を増加または減少させる。
相関率
相関は、2つの異なる変数が変動した場合の当該変数間の線形関係である。商品の支払額が相関する変数によっ
て決定される場合、相関は、デリバティブ契約および発行仕組債の評価へのインプットとなる。変数が正の相関に
ある場合、一方の変数の増加は他方の変数を増加させる。変数が負の相関にある場合、一方の変数の増加は他方の
変数を減少させる。変数は、単一の資産種類もしくは市場(エクイティ、金利、コモディティ、信用および外国為
替)内、または別々の資産種類の変数間(エクイティと外国為替、または金利と外国為替)で参照される場合があ
る。相関の変動は、金融商品の条件に応じて、当該金融商品の公正価値を増加または減少させる。
金利
金利は、元本または想定元本に課される金額の割合である。金利の上昇は、金融商品の割引キャッシュ・フロー
価値を減少させ、低下はその逆である。
消費者物価指数スワップ・レート
CPI スワップ・レートは、輸送、食品および医療等の消費財およびサービスを総合した平均価格の上昇割合であ
る。CPIスワップ・レートの上昇はインフレ・スワップの支払額を増加させ、低下はその逆である。
EV/EBITDA 倍率、P/E倍率、EV/Rev倍率および流動性割引
未公開株式の評価インプットには、EV/EBITDA倍率、P/E倍率ならびにEV/Rev倍率がある。これらは、純利益また
は収益見積額の倍率を基に、会社の企業価値または株式の価値の計算に使用される。これらの倍率の上昇は、すべ
ての種類の倍率に係る公正価値を増加させ、低下はその逆である。評価額を裏付ける取引がほとんど、またはまっ
たく存在しない場合には、流動性割引が適用されることがある。
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信用補完
信用補完は証券化された取引の評価インプットであり、シニア・トランシェの貸出金に対するロス・プロテク
ションの金額である。信用補完は取引規模に対するパーセンテージで表示される。信用補完の上昇は信用スプレッ
ドの縮小とトランシェの公正価値の増加となり、低下はその逆である。
観察可能でないインプット間の相関
観察可能でないインプット(上記の割引マージン、デフォルト率、期限前償還率、ならびに回収率および予想損
失率を含む。)は、互いに独立していないことがある。例えば、割引マージンは、デフォルト率、期限前償還率ま
たは回収率および予想損失率の変動の影響を受ける場合がある。デフォルト率が低下する場合、または回収率が上
昇する場合、割引マージンは通常縮小する。
経常的に公正価値で測定されレベル3に区分された商品の公正価値測定額の変動
2019 年10月31日終了年度
OCI に 依然として保
純損益に 計上 決済 有するポジ
計上 された (売却) ションに関し
された 利得 および レベル3 て純損益に計
購入
公正価値 利得 (損失) その他 レベル3 からの 公正価値 上された利得
(百万カナダドル) 期首残高 (損失) (1) (発行) (2) への振替 振替 期末残高 (損失)
資産
有価証券
トレーディング
以下による発行済または
保証付の債務:
米国の州、地方および
$ 66 $ - $ 1 $ - $ (9) $ - $ - $ 58 $ -
政府機関
資産担保証券
CDO 以外の証券 110 15 - - (123) - - 2 3
社債およびその他の債券 21 1 1 - (2) - - 21 1
株式 1,148 (76) 2 333 (226) 39 (1) 1,219 (20)
1,345 (60) ▶ 333 (360) 39 (1) 1,300 (16)
投資
資産担保証券 - - - 27 - - - 27 n.a.
社債およびその他の債券 192 (3) 24 - (60) - - 153 n.a.
株式 237 - 16 5 36 - - 294 n.a.
429 (3) 40 32 (24) - - 474 n.a.
貸出金 551 40 2 830 (481) 55 (317) 680 19
その他
正味デリバティブ残高(3)
金利契約 (504) (79) - (197) 217 (7) (15) (585) (42)
為替契約 21 12 - - (6) ▶ (10) 21 32
その他の契約 (84) 131 2 (131) 18 (38) (93) (195) 115
評価調整 1 - - - 21 - - 22 -
その他の資産 65 28 - - (16) - - 77 27
$
$ 1,824 $ 69 $ 48 $ 867 $ 53 $ (436) $ 1,794 $ 135
(631)
負債
預金
$
$ (390) $ (38) $ - $ (102) $ (214) $ 559 $ (156) $ -
個人
29
企業および政府 5 - - - - - (5) - -
その他
その他の負債 (68) (16) (1) 1 24 - - (60) (12)
$
$ (453) $ (54) $ (1) $ (101) $ (214) $ 554 $ (216) $ (12)
53
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2018 年10月31日終了年度
依然として保
純損益に OCI に 有するポジ
計上 計上 決済 ションに関し
された された (売却) レベル3 て純損益に計
購入
公正価値 利得 利得 および レベル3 からの 公正価値 上された利得
(百万カナダドル) 期首残高 (損失) (損失) (1) (発行) その他(2) への振替 振替 期末残高 (損失)
資産
有価証券
トレーディング
以下による発行済または保
証付の債務:
米国の州、地方および政
$ 508 $ 16 $ (3) $ - $ (455) $ - $ - $ 66 $ (1)
府機関
資産担保証券
CDO 以外の証券 196 28 2 - (116) - - 110 1
社債およびその他の債券 30 (2) - - (2) - (5) 21 (1)
株式 923 (160) 37 395 (170) 125 (2) 1,148 (24)
1,657 (118) 36 395 (743) 125 (7) 1,345 (25)
投資
資産担保証券 - - - - - - - - n.a.
社債およびその他の債券 29 (30) 6 125 (144) 206 - 192 n.a.
株式 220 - 20 - (3) - - 237 n.a.
249 (30) 26 125 (147) 206 - 429 n.a.
貸出金 477 (3) (3) 450 (291) 16 (95) 551 14
その他
正味デリバティブ残高(3)
金利契約 (455) 21 - 67 73 7 (217) (504) (3)
為替契約 21 (10) (4) 11 2 5 (4) 21 (5)
その他の契約 (181) 34 (2) (88) (42) (36) 231 (84) 79
評価調整 (16) - - - 17 - - 1 -
その他の資産 - (5) - 71 (1) - - 65 (5)
$ 1,752 $ (111) $ 53 $ 1,031 $ (1,132) $ 323 $ (92) $ 1,824 $ 55
負債
預金
$ (465) $ (36) $ (4) $ (301) $ 44 $ (431) $ 803 $ (390) $ (8)
個人
企業および政府 - - - 5 - - - 5 -
その他
その他の負債 (24) - (1) (53) 10 - - (68) ▶
$ (489) $ (36) $ (5) $ (349) $ 54 $ (431) $ 803 $ (453) $ (4)
(1) 当該金額には、レベル3の商品に関連した、在外子会社の連結により生じた為替換算差損益が含まれている(該当ある場
合)。当該連結により生じた為替換算差損益を除き、OCIに認識された投資有価証券に係る未実現利得は2019年10月31日
終了年度に43百万ドル(2018年10月31日-利得33百万ドル)であった。
(2) その他には、純損益に認識されたプレミアムまたはディスカウントの償却が含まれている。
(3) 2019年10月31日現在の正味デリバティブには、デリバティブ資産423百万ドル(2018年10月31日-577百万ドル)、および
デリバティブ負債1,160百万ドル(2018年10月31日-1,143百万ドル)が含まれている。
n.a.該当なし
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経常的に公正価値で計上する商品の公正価値ヒエラルキーのレベル間での振替
レベル1とレベル2との間の振替、ならびにレベル3への振替およびレベル3からの振替は、当期間末に行われ
たと仮定されている。当期間中にレベル3に振り替えられた資産または負債の当期間の公正価値の変動はすべて、
上記の調整表の純損益に計上された実現/未実現利得(損失)総額の欄から除外されているが、当期間中にレベル3
から振り替えられた資産または負債の当期間の公正価値の変動はすべて、上記の調整表の同欄に含まれている。
レベル1と2との間の振替は、公正価値が、活発な市場の市場相場価格を基に入手したものであるか(レベル1)
否かによって決まる。
2019 年10月31日終了年度のレベル1からレベル2への振替額には、その他の契約(デリバティブ関連資産1,996百
万ドルおよびデリバティブ関連負債621百万ドルから構成)、トレーディングに報告されている米国の州、地方およ
び政府機関債1,250百万ドル、ならびに空売りした有価証券に関連する債務202百万ドルが含まれている。2018年10
月31日終了年度のレベル1からレベル2への振替額には、トレーディングに報告されている米国の州、地方および
政府機関債529百万ドル、ならびに空売りした有価証券に関連する債務809百万ドルが含まれている。
2019 年10月31日終了年度において、レベル2からレベル1への重要な振替はなかった。2018年10月31日終了年度
のレベル2からレベル1への振替額には、トレーディングに報告されている米国の州、地方および政府機関債65百
万ドル、ならびに空売りした有価証券に関連する債務96百万ドルが含まれている。
レベル2とレベル3との間の振替は主に、あるインプットの市場における観察可能性の変化、または観察可能で
ないインプットが金融商品の公正価値に与える影響の重要性の変化のいずれかに起因している。
2019 年10月31日終了年度のレベル2からレベル3への重要な振替額には、個人預金214百万ドル(観察可能でない
インプットの重要性の変化に起因)が含まれている。
2018 年10月31日終了年度のレベル2からレベル3への重要な振替額には、トレーディングに報告されている株式
125百万ドル、社債およびその他の債券206百万ドル、ならびに個人預金431百万ドルが含まれている。
2019 年10月31日終了年度のレベル3からレベル2への重要な振替額には、以下が含まれている。
・貸出金317百万ドル(観察可能でないインプットの重要性の変化に起因)
・その他の契約に含まれる店頭エクイティオプション86百万ドル(デリバティブ関連資産459百万ドルおよびデリ
バティブ関連負債373百万ドルから構成、インプットの市場における観察可能性の変化に起因)
・個人預金559百万ドル(観察可能でないインプットの重要性の変化に起因)
2018 年10月31日終了年度のレベル3からレベル2への重要な振替額には、以下が含まれている。
・金利契約に含まれる金利スワップ217百万ドル(デリバティブ関連資産244百万ドルおよびデリバティブ関連負
債27百万ドルから構成)
・その他の契約に含まれる店頭エクイティオプション231百万ドル(デリバティブ関連資産703百万ドルおよびデ
リバティブ関連負債934百万ドルから構成)
・個人預金803百万ドル
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合理的に考え得る代替的な仮定の使用によるレベル3の金融商品の公正価値のプラスおよびマイナスの変動
金融商品の観察可能でないインプットのうちの1つまたは複数が公正価値の測定に重要な影響を及ぼす可能性が
ある場合、当該金融商品は公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分される。財務諸表の作成において、これらの観
察可能でないインプット・パラメータに関して、市場の実勢または経営陣による判断と整合するような適正な水準
が選択される。価格またはレートが観察可能でない性質であるため、これらのレベル3の金融商品の評価について
不確実性が存在する可能性がある。
以下の表は、合理的に考え得る代替的な仮定の使用によるレベル3の金融商品の公正価値への影響を要約してい
る。この感応度の開示は、レベル3の金融商品の公正価値における相対的な不確実性の潜在的影響を示すことを意
図している。以下の感応度の報告に際し、当行は、(ⅰ)評価要素の変動が公正価値のプラスとマイナスの変動を相
殺しており、(ⅱ)相殺している商品がいずれもレベル3に区分されており、かつ(ⅲ)エクスポージャーが純額で管
理および報告されている場合には、残高を相殺している。感応度全般に関して、実際には、合理的に考え得る代替
的な仮定のすべてが同時に実現する可能性は低い。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
合理的に考 合理的に考
合理的に考 合理的に考
え得る代替 え得る代替
え得る代替 え得る代替
的な仮定の 的な仮定の
的な仮定の 的な仮定の
使用による 使用による
使用による 使用による
公正価値の 公正価値の
公正価値の 公正価値の
プラスの プラスの
レベル3の マイナスの レベル3の マイナスの
(百万カナダドル) 公正価値 変動 変動 公正価値 変動 変動
有価証券
トレーディング
以下による発行済または保証付
の債務:
米国の州、地方および政府
$ 58 $ 1 $ (1) $ 66 $ - $ (1)
機関
資産担保証券 2 - - 110 7 (10)
社債およびその他の債券 21 - - 21 - -
株式 1,219 13 (14) 1,148 12 (12)
投資
モーゲージ担保証券 27 1 (1) - - -
社債およびその他の債券 153 15 (13) 192 19 (16)
株式 294 26 (27) 237 24 (26)
貸出金 680 9 (12) 551 5 (7)
デリバティブ 423 6 (3) 577 20 (18)
その他の資産 77 - - 65 - -
$ 2,954 $ 71 $ (71) $ 2,967 $ 87 $ (90)
$ (156) $ ▶ $ (4) $ (385) $ 12 $ (11)
預金
デリバティブ (1,160) 20 (17) (1,143) 47 (54)
その他
その他の負債 (60) - - (68) - -
$ (1,376) $ 24 $ (21) $ (1,596) $ 59 $ (65)
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感応度についての結果
2019 年10月31日現在、他の合理的に考え得る代替的な仮定をレベル3の資産ポジションに適用した場合、公正価
値は71百万ドルの増加および71百万ドルの減少(このうち、それぞれ43百万ドルおよび42百万ドルが「その他の資
本項目」に計上)となる。これらの仮定をレベル3の負債ポジションに適用した場合は、公正価値は24百万ドルの
減少および21百万ドルの増加となる。
レベル3の評価インプットおよび合理的に考え得る代替的な仮定の策定方法
以下は、レベル3商品の評価に使用した観察可能でないインプットおよび感応度の算定に使用した合理的に考え
得る代替的な仮定の策定方法の要約である。
金融資産または金融負債 感応度の手法
資産担保証券、社債、政府 感応度は、十分な数の価格が入手されている場合、呼び値スプレッドもしくはイ
債、地方債および貸出金 ンプットの価格の±1標準偏差をとることによるか、信用スプレッド等のイン
プット・パラメータを調整するか、または業者価格の高値と安値を合理的に考え
得る代替的な仮定として利用して算定される。
オークション・レート証券 ARSの感応度は、個々の金融商品の市場に係る公正価値の不確実性について一定の
合理的な範囲に応じて、割引マージンを13%から17%の間で減少、また27%から
31%の間で増加させることで算定される。割引マージンの変動は、学生ローンABS
市場の月次の変動の実績を反映している。
未公開株式、ヘッジファンド 未公開株式への直接投資の感応度は、(ⅰ)公正価値の算定に割引キャッシュ・フ
投資および関連するエクイ ロー法を使用している場合には割引率を2%変化させること、(ⅱ)株価倍率に基
ティ・デリバティブ づくモデルを使用している場合には比較可能な企業の株価倍率の範囲を基に株価
倍率を変化させること、または(ⅲ)代替的な評価アプローチを使用することによ
り算定される。未公開株式ファンド、ヘッジファンドおよび関連するエクイ
ティ・デリバティブのNAVはファンド・マネージャーにより提供されているため、
これらの投資について他の合理的に考え得る代替的な仮定はない。
金利デリバティブ 金利スワップおよびクロス・カレンシー・スワップの感応度は、これらのイン
プットの±1標準偏差、および適切な場合にはモデルとパラメータの不確実性に
相当する金額を使用して算定される。
エクイティ・デリバティブ レベル3のポジションの感応度は、価格決定サービスの市場データ(ボラティリ
ティ、配当または相関を適宜含む。)の±1標準偏差により観察可能でないモデル
のインプットをシフトすることによって算定される。
銀行資金および預金 預金の感応度は、一定の±ベーシス・ポイントでファンディング・カーブをシフ
トさせることにより算定される。
仕組債 金利連動型および株式連動型の仕組債の感応度は、インプットを±1標準偏差変
化させることにより算定される。その他の預金に対する感応度は、一定の±ベー
シス・ポイントでのファンディング・カーブの合理的な変動を見積ることにより
算定される。
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償却原価で計上されている金融商品の公正価値ヒエラルキー別に区分した公正価値
2019 年10月31日 現在
公正価値が帳簿価額に近似していない可能性
公正価値が
常に帳簿価 公正価値
以下による公正価値測定
額に近似 合計
合計
(1)
(百万カナダドル)
レベル1 レベル2 レベル3
$ 16,062 $ - $ - $ - $ - $ 16,062
利付銀行預け金
償却原価で測定される有価証券(2) - 523 44,581 - 45,104 45,104
売戻し条件付購入資産および借入有価証
48,784 - 12,110 - 12,110 60,894
券担保金
貸出金
リテール 66,647 - 352,717 5,052 357,769 424,416
ホールセール 6,596 - 173,274 4,775 178,049 184,645
73,243 - 525,991 9,827 535,818 609,061
その他の資産 49,761 - 469 145 614 50,375
187,850 523 583,151 9,972 593,646 781,496
預金
個人 195,583 - 81,179 591 81,770 277,353
企業および政府 296,166 - 155,646 724 156,370 452,536
銀行 15,093 - 7,671 9 7,680 22,773
506,842 - 244,496 1,324 245,820 752,662
買戻し条件付売却資産および貸付有価証
7,974 - - - - 7,974
券に関連する債務
その他の負債 50,601 - 445 9,978 10,423 61,024
劣後無担保社債 8 - 9,864 58 9,922 9,930
$ 565,425 $ - $ 254,805 $ 11,360 $ 266,165 $ 831,590
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2018年10月31日現在
公正価値が帳簿価額に近似していない可能性
公正価値が
常に帳簿価 公正価値
以下による公正価値測定
額に近似 合計
合計
(1)
(百万カナダドル)
レベル1 レベル2 レベル3
$ 16,197 $ - $ - $ - $ - $ 16,197
利付銀行預け金
償却原価で測定される有価証券(2) - 470 44,897 - 45,367 45,367
売戻し条件付購入資産および借入有価証
57,099 - 18,391 - 18,391 75,490
券担保金
貸出金
リテール 65,847 - 323,114 5,090 328,204 394,051
ホールセール 8,889 - 154,781 4,417 159,198 168,087
74,736 - 477,895 9,507 487,402 562,138
その他の資産 45,559 - 480 166 646 46,205
193,591 470 541,663 9,673 551,806 745,397
預金
個人 184,887 - 69,606 622 70,228 255,115
企業および政府 270,349 - 160,010 799 160,809 431,158
銀行 15,218 - 10,235 9 10,244 25,462
470,454 - 239,851 1,430 241,281 711,735
買戻し条件付売却資産および貸付有価証
4,264 - 712 - 712 4,976
券に関連する債務
その他の負債(3) 46,195 - 406 9,128 9,534 55,729
劣後無担保社債 - - 9,260 59 9,319 9,319
$ 520,913 $ - $ 250,229 $ 10,617 $ 260,846 $ 781,759
(1) 一定の金融商品は、短期的な性質(要求払商品、または当初満期が3ヶ月以内の商品)かつ信用リスクに重要性がないた
め、帳簿価額が常に公正価値に近似していることから、レベルに割り当てられていない。
(2) 当行の連結貸借対照表の「有価証券-投資(関連する引当金を除く)」に含まれている。
(3) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えされている。
償却原価で計上し、上記の表に開示している金融資産および負債の公正価値は、以下の評価技法およびインプッ
トを使用して算定している。
償却原価で測定される有価証券
政府債、社債およびABSの公正価値は、相場価格に基づいている。一定のOECD加盟国以外の政府債の公正価値
は、業者価格、または他国の政府債のイールドカーブをインプットに用いた割引キャッシュ・フロー法に基づいて
いる。ABSについて市場価格を入手できない場合、その公正価値は割引キャッシュ・フロー法を用いて算定され
る。評価モデルに含まれるインプットには、一般的に、市場金利、比較可能な有価証券から算出したスプレッドお
よびイールド、期限前償還率、ならびにLGDが含まれる。
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売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金ならびに買戻し条件付売却資産および貸付有価証券に関連する債
務
長期商品に使用する評価方法は、当注記の「経常的に公正価値で測定され公正価値ヒエラルキーを使用して区分
された資産および負債の公正価値」の項に記載している。短期商品の帳簿価額は、通常、公正価値に近似してい
る。
貸出金―リテール
リテール貸出金には、住宅モーゲージ、個人および小規模企業向け貸出金ならびにクレジットカードが含まれ
る。住宅モーゲージならびに個人および小規模企業向け貸出金に関して、当行では、適宜、商品の種類、約定金
利、期日までの期間および信用評価等の特定の属性に基づいてポートフォリオを分けている。これらの貸出金の公
正価値は、実勢金利、顧客との約定または公示金利、顧客への割引、信用スプレッド、期限前償還率およびロー
ン・トゥ・バリュー比率等の適用されるインプットを用いた割引キャッシュ・フロー法により算定される。また、
クレジットカード債権の公正価値は、ポートフォリオの利回り、償却率および月次返済率をインプットとして、割
引キャッシュ・フロー法に基づいて計算している。短期貸出金および変動利付貸出金の帳簿価額は、通常、公正価
値に近似している。
貸出金―ホールセール
市場価格が入手可能な場合、ホールセールの貸出金は市場価格に基づいて評価される。それ以外の場合、公正価
値は、次のインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法により算定される。すなわち、類似の格付けおよび類似
の残存期間を有する資産の市場金利および市場のスプレッド、LGD、入手可能な場合にはクレジット・デフォル
ト・スワップの価格から推定される期待デフォルト率、および関連する価格算定情報(約定金利、開始日および期
日、償還価格、利払いの頻度および日数計算の慣行等)である。
預金
預金は、要求払預金、通知預金および定期預金(当行の長期資金調達のために当行が発行した優先預金債を含
む。)から構成される。定期預金の公正価値は、以下の複数の評価技法のうちのいずれかで算定される。(ⅰ)定期
預金および類似商品に関して、当行は満期までの期間を基にポートフォリオを分けている。これらの商品の公正価
値は、当該期間に新たに販売した場合の顧客金利等をインプットとして、割引キャッシュ・フロー法により算定し
ている。(ⅱ)優先預金債に関して、当行は実際の取引価格、業者価格、または市場金利のイールドカーブおよび当
行の資金調達スプレッドをインプットとして用いた割引キャッシュ・フロー法を使用している。要求払預金、通知
預金および短期の定期預金の帳簿価額は、通常、公正価値に近似している。
その他の資産およびその他の負債
その他の資産およびその他の負債には、一定のコモディティに関連する債権および債務が含まれている。コモ
ディティに関連する債権および債務の公正価値は、市場金利、契約相手先の信用スプレッド、当行の資金調達スプ
レッド、コモディティ先渡価格および直物価格等の適用可能なインプットを用いて、割引キャッシュ・フロー法に
より計算されている。
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劣後無担保社債
劣後無担保社債の公正価値は、入手可能な場合、市場価格、ディーラーの相場価格または業者価格に基づいてい
る。価格が観察可能でない場合は、市場金利や信用スプレッド等の適用可能なインプットを用いて、割引キャッ
シュ・フロー法により公正価値が算定される。
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注記4 有価証券
有価証券の帳簿価額
2019 年10月31日現在
満期までの期間(1)
満期日の
3ヶ月 3ヶ月 1年 5年
合計
10 年超
定めなし
(百万カナダドル) 以内 から1年 から5年 から10年
トレーディング(2)
以下による発行済または保証付の
債務:
$ 1,974 $ 11,265 $ 7,783 $ 1,778 $ 8,611 $ - $ 31,411
カナダ政府
米国の州、地方および政府機関 771 7,122 8,601 9,537 15,661 - 41,692
その他のOECD加盟国政府 538 1,418 2,211 1,466 863 - 6,496
モーゲージ担保証券 - - - - 482 - 482
資産担保証券 359 63 308 267 338 - 1,335
社債およびその他の債券
銀行引受手形 433 - - - - - 433
譲渡性預金 586 383 75 20 6 - 1,070
その他(3) 1,369 2,773 8,268 2,827 6,925 - 22,162
株式 - - - - - 41,453 41,453
6,030 23,024 27,246 15,895 32,886 41,453 146,534
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定 (2)
以下による発行済または保証付の
債務:
カナダ政府
連邦
償却原価 - 5 596 - 54 - 655
公正価値 - 5 595 - 57 - 657
利回り(4) - 1.1% 1.4% - 4.2% - 1.7%
州および地方
償却原価 - ▶ 954 13 1,907 - 2,878
公正価値 - ▶ 953 14 1,927 - 2,898
利回り(4) - 4.8% 2.7% 4.5% 2.8% - 2.8%
米国の州、地方および政府機関
償却原価 1,597 1,085 3,290 829 13,986 - 20,787
公正価値 1,598 1,087 3,294 844 14,053 - 20,876
利回り(4) 2.1% 1.8% 2.0% 2.9% 2.7% - 2.5%
その他のOECD加盟国政府
償却原価 236 178 3,839 1 - - 4,254
公正価値 236 178 3,836 1 - - 4,251
利回り(4) 1.2% 2.1% 2.4% 3.8% - - 2.3%
モーゲージ担保証券
償却原価 - - - 206 2,503 - 2,709
公正価値 - - - 205 2,497 - 2,702
利回り(4) - - - 3.0% 2.7% - 2.7%
資産担保証券
償却原価 1 - 8 3,982 4,190 - 8,181
公正価値 - - 8 3,972 4,169 - 8,149
利回り(4) 0.0% - 3.2% 3.2% 3.1% - 3.2%
社債およびその他の債券
償却原価 1,564 3,222 12,668 79 122 - 17,655
公正価値 1,565 3,225 12,673 89 138 - 17,690
利回り(4) 1.4% 1.9% 2.0% 2.0% 3.1% - 1.9%
株式
取得原価 - - - - - 248 248
公正価値(5) - - - - - 463 463
償却原価 3,398 4,494 21,355 5,110 22,762 248 57,367
公正価値 3,399 4,499 21,359 5,125 22,841 463 57,686
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2019 年10月31日現在
満期までの期間(1)
満期日の
3ヶ月 3ヶ月 1年 5年
合計
10 年超
定めなし
(百万カナダドル) 以内 から1年 から5年 から10年
償却原価で測定(2)
以下による発行済または保証付の
債務:
カナダ政府 682 1,978 9,831 1,515 - - 14,006
米国の州、地方および政府機関 297 478 1,680 2,018 12,190 - 16,663
その他のOECD加盟国政府 2,252 1,431 1,634 - - - 5,317
資産担保証券 - 9 616 - - - 625
社債およびその他の債券 400 1,853 5,717 145 58 - 8,173
償却原価(引当金を除く) 3,631 5,749 19,478 3,678 12,248 - 44,784
公正価値 3,631 5,822 19,628 3,746 12,277 - 45,104
$ 13,060 $ 33,272 $ 68,083 $ 24,698 $ 67,975 $ 41,916
有価証券の帳簿価額合計 $249,004
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2018 年10月31日現在
満期までの期間(1)
満期日の
3ヶ月 3ヶ月 1年 5年
合計
10 年超
定めなし
(百万カナダドル) 以内 から1年 から5年 から10年
トレーディング(2)
以下による発行済または保証付の
債務:
$ 1,860 $ 7,237 $ 7,983 $ 2,244 $ 6,599 $ - $ 25,923
カナダ政府
米国の州、地方および政府機関 595 3,715 9,836 5,119 13,899 - 33,164
その他のOECD加盟国政府 1,367 3,932 3,456 635 779 - 10,169
モーゲージ担保証券 - - 114 93 794 - 1,001
資産担保証券 126 14 215 369 409 - 1,133
社債およびその他の債券
銀行引受手形 326 - - - - - 326
譲渡性預金 300 84 48 3 25 - 460
その他(3) 2,120 4,058 6,720 3,099 5,543 - 21,540
株式 - - - - - 34,542 34,542
6,694 19,040 28,372 11,562 28,048 34,542 128,258
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定 (2)
以下による発行済または保証付の
債務:
カナダ政府
連邦
償却原価 - - 173 15 56 - 244
公正価値 - - 169 15 54 - 238
利回り(4) - - 1.7% 1.8% 4.5% - 2.3%
州および地方
-
償却原価 51 673 236 618 - 1,578
-
公正価値 51 672 234 597 - 1,554
-
利回り(4) 1.7% 2.9% 2.0% 4.0% - 3.1%
米国の州、地方および政府機関
償却原価 1,355 132 2,766 635 13,112 - 18,000
公正価値 1,355 131 2,768 643 13,239 - 18,136
利回り(4) 2.4% 2.1% 2.3% 3.2% 3.0% - 2.8%
その他のOECD加盟国政府
償却原価 225 86 1,090 67 1 - 1,469
公正価値 225 86 1,091 67 1 - 1,470
利回り(4) 0.6% 2.4% 2.3% 1.4% 4.2% - 2.0%
モーゲージ担保証券
償却原価 - - 59 193 1,924 - 2,176
公正価値 - - 59 193 1,922 - 2,174
利回り(4) - - 1.6% 3.4% 2.9% - 2.9%
資産担保証券
償却原価 - - - 2,662 4,442 - 7,104
公正価値 - - - 2,657 4,445 - 7,102
利回り(4) - - - 3.6% 3.4% - 3.4%
社債およびその他の債券
償却原価 4,119 1,769 10,785 399 367 - 17,439
公正価値 4,120 1,772 10,783 390 354 - 17,419
利回り(4) 1.5% 1.8% 2.0% 3.0% 4.1% - 1.9%
株式
取得原価 - - - - - 222 222
公正価値(5) - - - - - 406 406
償却原価 5,699 2,038 15,546 4,207 20,520 222 48,232
公正価値 5,700 2,040 15,542 4,199 20,612 406 48,499
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2018 年10月31日現在
満期までの期間(1)
満期日の
3ヶ月 3ヶ月 1年 5年
合計
10 年超
定めなし
(百万カナダドル) 以内 から1年 から5年 から10年
償却原価で測定(2)
以下による発行済または保証付の
債務:
カナダ政府 1,762 1,427 10,863 2,381 - - 16,433
米国の州、地方および政府機関 69 115 2,231 2,177 9,736 - 14,328
その他のOECD加盟国政府 2,601 1,386 2,800 - - - 6,787
資産担保証券 - 5 1,035 29 - - 1,069
社債およびその他の債券 253 1,434 5,566 161 78 - 7,492
償却原価(引当金を除く) 4,685 4,367 22,495 4,748 9,814 - 46,109
公正価値 4,687 4,360 22,286 4,635 9,399 - 45,367
$ 17,079 $ 25,447 $ 66,409 $ 20,509 $ 58,474 $ 34,948
有価証券の帳簿価額合計 $222,866
(1) 実際の満期日は、違約金の有無にかかわらず債務の期限延長または期限前償還が借手に認められている場合があるた
め、上記の契約上の満期日とは異なる可能性がある。
(2) トレーディング有価証券およびFVOCI有価証券は、公正価値で計上されている。投資有価証券に含まれる、償却原価で測
定する有価証券は、償却原価で計上されており、信用損失引当金控除後の額で表示されている。
(3) 主な内訳は、社債、国際機関債およびコマーシャル・ペーパーである。
(4) 加重平均利回りは、それぞれの有価証券の約定金利および期末の帳簿価額を用いて算定されている。
(5) トレーディング目的で保有していない一部の持分証券は、FVOCIで測定するものとして指定されている。2019年10月31日
終了年度において、当行はFVOCIで測定する持分証券129百万ドル(2018年10月31日-8百万ドル)を処分した。処分日現
在の利得累計額は1百万ドル(2018年10月31日-(1)百万ドル)であった。
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FVOCI で測定する有価証券に係る未実現利得および損失(1),(2)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
取得原価/ 未実現 未実現 取得原価/ 未実現 未実現
公正価値 公正価値
(百万カナダドル)
償却原価 利得総額 損失総額 償却原価 利得総額 損失総額
以下による発行済また
は保証付の債務:
カナダ政府
$ 655 $ 3 $ (1) $ 657 $ 244 $ - $ (6) $ 238
連邦(3)
州および地方 2,878 43 (23) 2,898 1,578 2 (26) 1,554
米国の州、地方およ
20,787 215 (126) 20,876 18,000 285 (149) 18,136
び政府機関(3)
その他のOECD加盟国
4,254 2 (5) 4,251 1,469 2 (1) 1,470
政府
モーゲージ担保証券
2,709 1 (8) 2,702 2,176 1 (3) 2,174
(3)
資産担保証券
CDO 7,334 1 (35) 7,300 6,248 1 (10) 6,239
CDO以外の証券 847 ▶ (2) 849 856 9 (2) 863
社債およびその他の債
17,655 45 (10) 17,690 17,439 22 (42) 17,419
券
株式 248 218 (3) 463 222 186 (2) 406
$ 57,367 $ 532 $ (213) $ 57,686 $ 48,232 $ 508 $ (241) $ 48,499
(1) 2019年10月31日現在、償却原価で計上されているキャッシュ・フローの回収のために保有する有価証券(信用損失引当金
控除後)44,784百万ドル(2018年10月31日-46,109百万ドル)を除く。
(2) 2019年10月31日現在のFVOCIで測定する債務証券に係る未実現利得および損失総額には、信用損失引当金(3)百万ドル
(2018年10月31日-11百万ドル)が含まれ、それらは純損益および「その他の資本項目」に認識される。
(3) MBSの大半は住宅用である。商業用MBSに関連する取得原価/償却原価、未実現利得総額、未実現損失総額および公正価値
は、2019年10月31日現在、それぞれ2,051百万ドル、1百万ドル、6百万ドルおよび2,046百万ドル(2018年10月31日-そ
れぞれ1,442百万ドル、ゼロドル、6百万ドルおよび1,436百万ドル)である。
投資有価証券に係る信用損失引当金
以下の表は、FVOCIおよび償却原価で計上されている債務証券に係る引当金の期首残高から期末残高への調整を
ステージごとに示している。調整項目には以下が含まれる。
・対応する引当金の再測定前に発生すると推定された、ステージ間の移動。
・期中新たに認識された資産(条件変更に伴い認識の中止が行われた資産を含む。)に関連する引当金を反映す
る、購入。
・期中信用損失が発生することなく認識の中止が行われた資産(条件変更に伴い認識の中止が行われた資産を含
む。)に関連する引当金を反映する、売却および満期。
・将来予測的なマクロ経済状況および一部返済、ステージ間の移動に伴う測定額の変更、ならびに時間の経過に
よる時間価値の割引の振戻し等の、モデルへのインプットまたは仮定が変更されたことによる影響を含む、リ
スク、パラメータおよびエクスポージャーの変化。
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信用損失引当金-FVOCIで測定する有価証券 (1)
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
正常 減損 正常 減損
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
合計 合計
1 2 3(2) 1 2 3
(百万カナダドル)
$ ▶ $ 7 $ - $ 11 $ 3 $ 22 $ - $ 25
期首残高
信用損失引当金繰入額
ステージ1への移動 - - - - 5 (5) - -
ステージ2への移動 - - - - - - - -
ステージ3への移動 - - - - (36) - 36 -
購入 5 - - 5 85 - - 85
売却および満期 (3) (7) - (10) (47) (17) 25 (39)
リスク、パラメータおよび
(2) 1 (8) (9) (8) 7 - (1)
エクスポージャーの変化
償却 - - - - - - (62) (62)
為替レートおよびその他 - (1) 1 - 2 - 1 3
$ ▶ $ - $ (7) $ (3) $ ▶ $ 7 $ - $ 11
期末残高
(1) FVOCIで測定される債務証券に係る予想信用損失は、関連する有価証券が公正価値で計上されるため、貸借対照表におい
て別個に認識されていない。純損益に認識された信用損失累積額は「その他の資本項目」として表示される。
(2) 購入した信用減損している有価証券に係る引当金の増減を反映している。
信用損失引当金-償却原価で測定する有価証券
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
正常 減損 正常 減損
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
合計 合計
1 2 3 1 2 3
(百万カナダドル)
$ 6 $ 32 $ - $ 38 $ 9 $ 45 $ - $ 54
期首残高
信用損失引当金繰入額
ステージ1への移動 - - - - 3 (3) - -
ステージ2への移動 - - - - (7) 7 - -
ステージ3への移動 - - - - - (2) 2 -
購入 7 - - 7 5 - - 5
売却および満期 (1) - - (1) (3) (11) - (14)
リスク、パラメータおよび
(6) (15) - (21) (2) (3) - (5)
エクスポージャーの変化
償却 - - - - - - (2) (2)
為替レートおよびその他 (1) 2 - 1 1 (1) - -
$ 5 $ 19 $ - $ 24 $ 6 $ 32 $ - $ 38
期末残高
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内部リスク格付別の信用リスク・エクスポージャー
以下の表は、FVOCIで測定される債務証券の公正価値および償却原価で測定される有価証券の帳簿価額総額を示
している。リスク格付は、「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
の「信用リスク」の項に記載される内部格付マッピングにおいて示される、予想信用損失の測定に使用された報告
日現在の内部格付に基づいている。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
正常 減損 正常 減損
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
合計 合計
1 2 3(1) 1 2 3(1)
(百万カナダドル)
投資有価証券
FVOCI で測定される有価証
券
$ 56,671 $ 1 $ - $ 56,672 $ 46,956 $ 479 $ - $ 47,435
投資適格
投資不適格 400 1 - 401 500 33 - 533
減損 - - 150 150 - - 125 125
$ 57,071 $ 2 $ 150 $ 57,223 $ 47,456 $ 512 $ 125 $ 48,093
減損対象外(2) 463 406
$ 57,686 $ 48,499
償却原価で測定される有価
証券
$ 43,681 $ 46 $ - $ 43,727 $ 44,958 $ 119 $ - $ 45,077
投資適格
投資不適格 695 386 - 1,081 367 703 - 1,070
減損 - - - - - - - -
$ 44,376 $ 432 $ - $ 44,808 $ 45,325 $ 822 $ - $ 46,147
信用損失引当金 5 19 - 24 6 32 - 38
$ 44,371 $ 413 $ - $ 44,784 $ 45,319 $ 790 $ - $ 46,109
償却原価
(1) 購入した信用減損している有価証券150百万ドルを含む(2018年10月31日-125百万ドル)。
(2) 減損対象外のFVOCIで測定される投資有価証券は、FVOCIで測定するものとして指定された持分証券を表す。
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注記5 貸出金および信用損失引当金
地域別およびポートフォリオ別の貸出金(引当金控除後)
2019 年10月31日 現在
その他の 信用損失 引当金控除
カナダ 米国 合計
(百万カナダドル)
海外 引当金(1) 後合計
リテール(2)
$ 287,767 $ 17,012 $ 3,312 $ 308,091 $ (402) $ 307,689
住宅モーゲージ
個人 81,547 7,399 3,304 92,250 (762) 91,488
クレジットカード(3) 19,617 439 255 20,311 (791) 19,520
小規模企業(4) 5,434 - - 5,434 (50) 5,384
ホールセール(2),(5) 124,312 53,782 17,776 195,870 (1,095) 194,775
$ 518,677 $ 78,632 $ 24,647 $ 621,956 $ (3,100) $ 618,856
貸出金合計
未使用の貸出金コミットメント
208,336 5,063 801 214,200 (225)
-リテール
未使用の貸出金コミットメント
101,017 176,022 54,982 332,021 (70)
-ホールセール
2018年10月31日現在
その他の 信用損失 引当金控除
カナダ 米国 合計
(百万カナダドル)
海外 引当金(1) 後合計
リテール(2)
$ 265,831 $ 13,493 $ 3,147 $ 282,471 $ (382) $ 282,089
住宅モーゲージ
個人 82,112 7,172 3,416 92,700 (841) 91,859
クレジットカード(3) 18,793 368 254 19,415 (725) 18,690
小規模企業(4) 4,866 - - 4,866 (49) 4,817
ホールセール(2),(5) 103,069 59,442 17,767 180,278 (915) 179,363
$ 474,671 $ 80,475 $ 24,584 $ 579,730 $ (2,912) $ 576,818
貸出金合計
未使用の貸出金コミットメント
199,395 4,007 1,250 204,652 (90)
-リテール (6)
未使用の貸出金コミットメント
96,146 169,910 53,797 319,853 (64)
-ホールセール (6)
(1) FVOCIで測定される貸出金に係る引当金ゼロドル(2018年10月31日-1百万ドル)を除く。
(2) 地域別情報は、借手の居住地に基づいている。
(3) クレジットカード事業は単一のポートフォリオとして管理され、個人および法人カードの両方を含む。
(4) 一括管理されている小規模企業のエクスポージャーが含まれている。
(5) 顧客別に管理されている小規模企業のエクスポージャーが含まれている。
(6) 金額は修正再表示されている。
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貸出金の期日および金利感応度
2019 年10月31日現在
期日(1) 金利感応度
1年未満 1年から 金利
合計 合計
5年超 変動 固定
(2) 5年 不感応
(百万カナダドル)
$ 216,610 $ 187,721 $ 21,755 $ 426,086 $ 114,736 $ 304,448 $ 6,902 $ 426,086
リテール
ホールセール 154,445 30,512 10,913 195,870 27,329 165,502 3,039 195,870
$ 371,055 $ 218,233 $ 32,668 $ 621,956 $ 142,065 $ 469,950 $ 9,941 $ 621,956
貸出金合計
信用損失引当金 (3,100) (3,100)
貸出金合計(信用損失
$ 618,856 $ 618,856
引当金控除後)
2018年10月31日現在
期日(1) 金利感応度
1年未満 1年から 金利
合計 合計
5年超 変動 固定
(2) 5年 不感応
(百万カナダドル)
$ 217,188 $ 163,291 $ 18,973 $ 399,452 $ 123,826 $ 268,793 $ 6,833 $ 399,452
リテール
ホールセール 144,208 27,789 8,281 180,278 31,016 147,970 1,292 180,278
$ 361,396 $ 191,080 $ 27,254 $ 579,730 $ 154,842 $ 416,763 $ 8,125 $ 579,730
貸出金合計
信用損失引当金 (2,912) (2,912)
貸出金合計(信用損失
$ 576,818 $ 576,818
引当金控除後)
(1) 一般に、契約上の金利改定日または期日のいずれか早い方を基礎とする。
(2) 違約金なしに顧客の裁量で金利改定が可能な、変動利付貸出金が含まれている。
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信用損失引当金
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018 年10月31日
信用損失 為替レー 信用損失 為替レー
引当金 償却 トおよび 引当金 償却 トおよび
(百万カナダドル)
期首残高 繰入額 純額(1) その他 期末残高 期首残高 繰入額 純額(1) その他 期末残高
リテール
$ 382 $ 68 $ (37) $ (11) $ 402 $ 378 $ 47 $ (43) $ - $ 382
住宅モーゲージ
個人 895 526 (474) (12) 935 826 513 (431) (13) 895
クレジットカード 760 590 (518) - 832 693 534 (468) 1 760
小規模企業 51 41 (28) (3) 61 49 33 (28) (3) 51
ホールセール 979 661 (397) (78) 1,165 1,010 156 (142) (45) 979
手形引受見返 21 5 - (2) 24 20 - - 1 21
$ 3,088 $ 1,891 $ (106) $ 3,419 $ 2,976 $ 1,283 $ (1,112) $ (59) $ 3,088
$(1,454)
以下として表示:
$ 2,912 $ 3,100 $ 2,749 $ 2,912
信用損失引当金
その他の負債-
154 295 207 154
引当金
手形引受見返 21 24 20 21
その他の資本項目 1 - - 1
(1) 償却された貸出金は、通常、償却後の一定期間、回収に向けた継続的努力が行われることになる。2019年10月31日終了
年度に償却された貸出金の契約上の未返済残高のうち、回収活動の実施対象ではなくなった部分は179百万ドル(2018年
10月31日-83百万ドル)であった。
以下の表は、各主要商品区分について、貸出金およびコミットメントに係る引当金の期首残高から期末残高への
調整をステージごとに示している。
調整項目には以下が含まれる。
・モデル変更(通常、予想信用損失の見積りに使用される定性的モデルに対する重要な変更の影響やそれにより
発生する可能性のあるステージ分類の影響から成る。)
・対応する引当金の再測定前に発生すると推定された、ステージ間の移動。
・期中新たに認識された資産(条件変更に伴い認識の中止が行われた資産を含む。)に関連する引当金を反映す
る、組成。
・期中信用損失が発生することなく認識の中止が行われた資産(条件変更に伴い認識の中止が行われた資産を含
む。)に関連する引当金を反映する、満期。
・将来予測的なマクロ経済状況、既存のファシリティの一部返済および追加引出、ステージ間の移動に伴う測定
額の変更、ならびにステージ1およびステージ2における時間の経過による時間価値の割引の振戻し等の、モ
デルへのインプットまたは仮定が変更されたことによる影響を含む、リスク、パラメータおよびエクスポー
ジャーの変化。
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信用損失引当金-リテールおよびホールセール
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
正常 減損 正常 減損
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
合計 合計
(百万カナダドル)
1 2 3 1 2 3
住宅モーゲージ
$ 142 $ 64 $ 176 $ 382 $ 140 $ 65 $ 173 $ 378
期首残高
信用損失引当金繰入額
モデル変更 - - - - 20 2 ▶ 26
ステージ1への移動 87 (66) (21) - 59 (59) - -
ステージ2への移動 (13) 16 (3) - (18) 23 (5) -
ステージ3への移動 (3) (31) 34 - (2) (16) 18 -
組成 51 - - 51 63 1 - 64
満期 (14) (10) - (24) (13) (10) - (23)
リスク、パラメータおよび
(104) 104 41 41 (110) 56 34 (20)
エクスポージャーの変化
償却 - - (45) (45) - - (51) (51)
償却済債権回収 - - 8 8 - - 8 8
為替レートおよびその他 - - (11) (11) 3 2 (5) -
$ 146 $ 77 $ 179 $ 402 $ 142 $ 64 $ 176 $ 382
期末残高
個人
$ 242 $ 512 $ 141 $ 895 $ 278 $ 427 $ 121 $ 826
期首残高
信用損失引当金繰入額
モデル変更 23 (48) - (25) (10) 1 (6) (15)
ステージ1への移動 544 (537) (7) - 712 (712) - -
ステージ2への移動 (87) 88 (1) - (140) 141 (1) -
ステージ3への移動 (2) (142) 144 - (3) (157) 160 -
組成 101 1 - 102 107 5 - 112
満期 (31) (112) - (143) (33) (130) - (163)
リスク、パラメータおよび
(517) 758 351 592 (668) 938 309 579
エクスポージャーの変化
償却 - - (600) (600) - - (552) (552)
償却済債権回収 - - 126 126 - - 121 121
為替レートおよびその他 (1) - (11) (12) (1) (1) (11) (13)
$ 272 $ 520 $ 143 $ 935 $ 242 $ 512 $ 141 $ 895
期末残高
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有価証券報告書
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
正常 減損 正常 減損
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
合計 合計
(百万カナダドル)
1 2 3 1 2 3
クレジットカード
$ 161 $ 599 $ - $ 760 $ 251 $ 442 $ - $ 693
期首残高
信用損失引当金繰入額
モデル変更 - - - - (65) 64 - (1)
ステージ1への移動 452 (452) - - 693 (693) - -
ステージ2への移動 (81) 81 - - (123) 123 - -
ステージ3への移動 (2) (341) 343 - (2) (227) 229 -
組成 5 - - 5 11 2 - 13
満期 (5) (27) - (32) (12) (60) - (72)
リスク、パラメータおよび
(358) 800 175 617 (592) 947 239 594
エクスポージャーの変化
償却 - - (655) (655) - - (599) (599)
償却済債権回収 - - 137 137 - - 131 131
為替レートおよびその他 1 (1) - - - 1 - 1
$ 173 $ 659 $ - $ 832 $ 161 $ 599 $ - $ 760
期末残高
小規模企業
$ 17 $ 16 $ 18 $ 51 $ 15 $ 15 $ 19 $ 49
期首残高
信用損失引当金繰入額
モデル変更 11 (7) - ▶ - - - -
ステージ1への移動 18 (18) - - 31 (31) - -
ステージ2への移動 (3) 3 - - (5) 5 - -
ステージ3への移動 - (9) 9 - - (11) 11 -
組成 13 - - 13 10 - - 10
満期 (5) (8) - (13) (4) (9) - (13)
リスク、パラメータおよび
(22) 32 27 37 (31) 48 19 36
エクスポージャーの変化
償却 - - (36) (36) - - (35) (35)
償却済債権回収 - - 8 8 - - 7 7
為替レートおよびその他 - 1 (4) (3) 1 (1) (3) (3)
$ 29 $ 10 $ 22 $ 61 $ 17 $ 16 $ 18 $ 51
期末残高
ホールセール
$ 274 $ 340 $ 365 $ 979 $ 251 $ 352 $ 407 $ 1,010
期首残高
信用損失引当金繰入額
モデル変更 - - - - (17) (12) (6) (35)
ステージ1への移動 145 (133) (12) - 207 (207) - -
ステージ2への移動 (33) 36 (3) - (66) 93 (27) -
ステージ3への移動 (5) (57) 62 - (2) (43) 45 -
組成 239 44 - 283 227 46 - 273
満期 (162) (165) - (327) (153) (179) - (332)
リスク、パラメータおよび
(178) 331 552 705 (176) 289 137 250
エクスポージャーの変化
償却 - - (440) (440) - - (207) (207)
償却済債権回収 - - 43 43 - - 65 65
為替レートおよびその他 1 - (79) (78) 3 1 (49) (45)
$ 281 $ 396 $ 488 $ 1,165 $ 274 $ 340 $ 365 $ 979
期末残高
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主なインプットおよび仮定
予想信用損失の測定は、相互関連する多数のインプットおよび仮定を含むため計算が複雑である。予想信用損失
の変動の主な要因には、以下のものが含まれる。
・主として内部リスク格付の変更に反映される、借手または金融商品の信用の質の変化。
・将来予測的なマクロ経済状況、特に当行のモデルが補正されるマクロ経済変数で、対象となるポートフォリオ
の信用損失に最も密接に関連する変数の変化。
・シナリオの設定および各シナリオに割り当てられたウェイト付けの変更。
・上記インプットのいずれかの変動により生じる、ステージ間の移動。
内部リスク格付
内部リスク格付は、「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の
「信用リスク」の「ホールセール信用リスク」および「リテール信用リスク」の各項に記載されている通り、リス
ク管理の枠内で付与される。内部リスク格付の変更は、主にPDのパラメータに反映され、当該パラメータは、関連
するリスクセグメント別、またはリスク格付別に過去の損失実績に将来予測的な情報を調整した上で見積られる。
将来予測的なマクロ経済変数
ステージ1およびステージ2の信用損失引当金の見積りに使用されるPD、LGDおよびEADのインプットは、対象と
なるポートフォリオの信用損失に最も密接に関連するマクロ経済変数(またはマクロ経済変数の変動)に基づきモデ
ル化されている。当行の予想信用損失の算定に使用される各マクロ経済シナリオには、当行のモデルにおいて5年
間(その後の期間は通常2年から5年の期間内の長期平均に変更される。)に関連するとして使用されたマクロ経済
変数の予測すべてが含まれている。モデルでの使用方法により、マクロ経済変数は、国、地方/州、またはより細
分化されたレベル別に予測される。これらのマクロ経済変数には、下記の通り、ポートフォリオごとまたは地域ご
とに異なる、1つ以上の変数が含まれる。
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以下の表は、正常な貸出金、コミットメントおよび手形引受に係るACLを見積る際にモデルで使用された主要な
マクロ経済変数を示している。下振れシナリオは、最初の12ヶ月以内に不利なマクロ経済事象が発生し、その状況
が最長2年間悪化した後、残りの期間で回復するとした場合を反映している。このシナリオは過去の実績を基礎と
しており、金融政策上の対応により予測期間内に経済が長期的に持続可能な成長率に戻ると仮定している。上振れ
シナリオは、金融政策上の対応が行われない中で、最初の2年間に基本シナリオよりも安定した経済成長を遂げ、
その後予測期間内に持続可能な成長率に戻る場合を反映している。
2019 年10月31日現在
基本シナリオ 上振れシナリオ 下振れシナリオ
今後 2年から 今後 2年から 今後 2年から
要因 12 ヶ月 5年 12 ヶ月 5年 12 ヶ月 5年
失業率(1)
カナダ 5.8% 6.0% 5.4% 4.8% 6.6% 6.8%
米国 3.8% 4.2% 3.7% 3.4% 4.8% 5.3%
国内総生産成長率(2)
カナダ 1.6% 1.8% 2.4% 2.1% (2.0)% 2.8%
米国 1.7% 1.5% 2.1% 1.9% (2.3)% 2.6%
原油(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)
59 68 69 70 43 56
平均価格(米ドル)(3)
カナダ住宅価格指数上昇率(4) 4.5% 4.7% 5.3% 2.5% (9.2)% 5.8%
2018年10月31日現在
基本シナリオ 上振れシナリオ 下振れシナリオ
今後 2年から 今後 2年から 今後 2年から
要因 12ヶ月 5年 12ヶ月 5年 12ヶ月 5年
失業率(1)
カナダ 5.8% 6.0% 5.7% 5.1% 6.8% 7.1%
米国 3.6% 4.1% 3.6% 3.3% 4.8% 5.3%
国内総生産成長率(2)
カナダ 1.7% 1.7% 2.3% 2.1% (2.0)% 2.7%
米国 2.1% 1.4% 2.1% 1.9% (2.3)% 2.6%
原油(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)
76 72 88 76 56 61
平均価格(米ドル)(3)
カナダ住宅価格指数上昇率(4) 0.1% 3.9% 5.3% 2.5% (9.2)% 5.8%
(1) 当該期間における四半期平均失業率である。
(2) 当該期間における前四半期比平均成長率を年換算したものである。
(3) 当該期間における1バレル当たりの四半期平均価格である。
(4) 上昇率は、2年から5年の期間にわたるものを年換算して算出されている。
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当行のリテール・ポートフォリオの信用損失を決定する主要な変数は、カナダの失業率、カナダの国内総生産成
長率およびカナダの住宅価格指数である。また、カナダの翌日物金利もリテール・ポートフォリオに影響を及ぼ
す。当行のホールセール・ポートフォリオは、上記の表のすべての変数から影響を受けるが、具体的な変数はセク
ターごとに異なる。他の変数(10年物米国BBB格社債の利回り、10年物米国国債の利回り、TSX指数およびS&P 500指
数、天然ガス価格(ヘンリーハブ)、ならびに商業不動産価格指数が含まれるが、これらに限定されない。)も当行
のホールセール・ポートフォリオに影響を及ぼす。
次のマクロ経済変数の上昇は、通常、予想信用損失の増加と相関する。該当する変数は、カナダおよび米国の失
業率、カナダの翌日物金利、10年物米国BBB格社債の利回り、10年物米国国債の利回りである。
次のマクロ経済変数の上昇は、通常、予想信用損失の減少と相関する。該当する変数は、カナダの住宅価格指
数、カナダおよび米国の国内総生産成長率、TSX指数、S&P 500指数、原油価格、天然ガス価格および商業用不動産
価格指数である。
上述のシナリオに加えて、エネルギーおよび不動産セクターについてはさらに2つの下振れシナリオが設定され
ている。当行がエネルギーセクターに追加した下振れシナリオは、今後12ヶ月の平均原油価格(ウエスト・テキサ
ス・インターミディエイト)は1バレル当たり25ドルであり、その後2年から5年の間に1バレル当たり平均価格
45ドルまで回復する(2018年10月31日-1バレル当たり27ドルおよび45ドル)シナリオである。不動産セクターに追
加した下振れシナリオは、住宅価格指数が、今後12ヶ月で30%下落し、その後2年から5年の間で平均上昇率が年
換算で11%まで回復する(2018年10月31日-(30)%および11%)シナリオである。
シナリオの設定およびウェイト付け
当行のステージ1およびステージ2に係る予想信用損失の見積りでは、5つの異なる将来のマクロ経済シナリオ
を検討している。シナリオは、起こりうる結果を広範囲でとらえるように設定され、また報告日時点で各シナリオ
が示す結果の範囲にある相対的発生可能性についての当行の予想に従って加重されている。その後、各シナリオ
は、過去の頻度、現在の傾向および時の経過とともに変化する将来予測的な状況を考慮するよう加重される。基本
シナリオは、上記で識別した各マクロ経済変数の予想金利、価値、または利回りについての予測に基づいている。
上振れシナリオおよび下振れシナリオの設定は、基礎とする予測値を調整して、基本シナリオよりも、合理的に発
生可能なシナリオおよびより楽観的またはより悲観的なウェイト付けをそれぞれ策定することにより行われる。上
述の通り、追加的な2つの下振れシナリオにより、当行のポートフォリオにわたる潜在的な予想損失の非線形性を
捉えている。
当行の5つのシナリオそれぞれが当行ポートフォリオに与える影響は様々である。これは、ポートフォリオごと
に各マクロ経済変数の変動に対する感応度が異なるためである。
これら複数のシナリオをウェイト付けした影響により、2019年10月31日現在、当行の正常貸出金のACLは、当行
の基本シナリオと比較して376百万ドル(2018年10月31日-290百万ドル)増加した。
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ステージ間移動
ステージ1およびステージ2の間の移動は、注記2に記載の通り、当初認識時からの信用リスクの著しい増大の
相対的な評価に基づいている。12ヶ月にわたる予想信用損失から全期間の予想信用損失への移行、またはその逆に
よる影響は、商品ごとに異なり、また移動日時点の予想残存期間によっても異なる。ステージの移動により、予想
信用損失の重大な変動がもたらされる可能性がある。
以下の表は、当行の引当金について、すべての正常貸出金がステージ1にあると仮定した場合と、当該資産につ
いて実際に計上されたACLを比較することにより、当行ACLに対するステージ分類の影響を示したものである。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
ステージ1 ステージ1
ステージ分類 および ステージ分類 および
ACL -すべての ACL-すべての
による による
正常貸出金が ステージ2の 正常貸出金が ステージ2の
(百万カナダドル) ステージ1 影響 ACL ステージ1 影響 ACL
$ 1,737 $ 826 $ 2,563 $ 1,526 $ 841 $ 2,367
正常貸出金(1)
(1) ステージ1およびステージ2にある貸出金およびコミットメントを表す。
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内部リスク格付別の信用リスク・エクスポージャー
以下の表は、償却原価で測定される貸出金の総帳簿価額およびIFRS第9号の減損規定の対象となる未使用の貸出
金コミットメントの総契約額を示している。リスク格付は、「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」の「信用リスク」の項に記載されるホールセールおよびリテール・ファシリ
ティの内部格付マッピングにおいて示される、報告日現在の予想信用損失の測定に使用される内部格付に基づいて
いる。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018 年10月31日
ステージ3 ステージ3
(百万カナダドル)
ステージ1 ステージ2 (1) 合計 ステージ1 ステージ2 (1) 合計
リテール
貸出金残高-住宅モーゲージ
$ 238,377 $ 6,764 $ - $ 245,141 $ 222,026 $ 3,688 $ - $ 225,714
低リスク
中リスク 14,033 1,347 - 15,380 13,681 1,369 - 15,050
高リスク 2,843 2,722 - 5,565 2,577 2,897 - 5,474
格付なし(2) 40,030 726 - 40,756 34,670 578 - 35,248
減損 - - 732 732 - - 726 726
295,283 11,559 732 307,574 272,954 8,532 726 282,212
減損対象外(3) 517 259
合計 308,091 282,471
貸出金残高-個人
$ 71,619 $ 1,944 $ - $ 73,563 $ 71,763 $ 1,256 $ - $ 73,019
低リスク
中リスク 5,254 3,011 - 8,265 6,124 1,925 - 8,049
高リスク 843 1,874 - 2,717 998 1,672 - 2,670
格付なし(2) 7,293 105 - 7,398 8,595 64 - 8,659
減損 - - 307 307 - - 303 303
合計 85,009 6,934 307 92,250 87,480 4,917 303 92,700
貸出金残高-クレジットカード
$ 13,840 $ 103 $ - $ 13,943 $ 13,185 $ 100 $ - $ 13,285
低リスク
中リスク 2,250 1,827 - 4,077 2,234 1,632 - 3,866
高リスク 137 1,432 - 1,569 139 1,331 - 1,470
格付なし(2) 677 45 - 722 764 30 - 794
合計 16,904 3,407 - 20,311 16,322 3,093 - 19,415
貸出金残高-小規模企業
$ 2,200 $ 107 $ - $ 2,307 $ 2,004 $ 46 $ - $ 2,050
低リスク
中リスク 2,163 563 - 2,726 2,230 102 - 2,332
高リスク 138 196 - 334 95 178 - 273
格付なし(2) 10 - - 10 166 1 - 167
減損 - - 57 57 - - 44 44
合計 4,511 866 57 5,434 4,495 327 44 4,866
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以下の日現在
2019 年10月31日 2018 年10月31日
ステージ3 ステージ3
(百万カナダドル)
ステージ1 ステージ2 (1) 合計 ステージ1 ステージ2 (1) 合計
未使用の貸出金コミットメント
-リテール(4)
$ 196,743 $ 1,894 $ - $ 198,637 $ 182,426 $ 1,270 $ - $ 183,696
低リスク
中リスク 8,251 246 - 8,497 10,794 239 - 11,033
高リスク 851 208 - 1,059 3,740 166 - 3,906
格付なし(2) 5,861 146 - 6,007 5,937 80 - 6,017
合計 211,706 2,494 - 214,200 202,897 1,755 - 204,652
ホールセール-貸出金残高
$ 47,133 $ 97 $ - $ 47,230 $ 46,869 $ 324 $ - $ 47,193
投資適格
投資不適格 119,778 11,940 - 131,718 106,027 10,190 - 116,217
格付なし(2) 5,862 320 - 6,182 6,692 411 - 7,103
減損 - - 1,829 1,829 - - 1,096 1,096
172,773 12,357 1,829 186,959 159,588 10,925 1,096 171,609
減損対象外(3) 8,911 8,669
合計 195,870 180,278
未使用の貸出金コミットメント
-ホールセール(4)
$ 222,819 $ 18 $ - $ 222,837 $ 220,626 $ 92 $ - $ 220,718
投資適格
投資不適格 96,191 9,007 - 105,198 87,894 6,995 - 94,889
格付なし(2) 3,986 - - 3,986 4,246 - - 4,246
合計 322,996 9,025 - 332,021 312,766 7,087 - 319,853
(1) 2019年10月31日現在、信用減損している貸出金の86%(2018年10月31日-88%)は全額または一部担保が付されていた。
信用減損している資産に対して保有する担保の種類および担保に関する当行の方針の詳細については、第一部 第3
3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「信用リスクの軽減」の項を参照のこと。
(2) 内部リスク格付が付与されていない場合、当行は承認済みのその他の信用リスク評価または格付手法、方針およびツー
ルを使用して当行の信用リスクを管理している。
(3) 減損対象外の項目は、FVTPLで測定されるものとして保有する貸出金である。
(4) 金額は修正再表示されている。
延滞しているが減損していない貸出金 (1)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
1日から 30 日 から 1日から 30日から
90 日 以上 合計 90日以上 合計
(百万カナダドル) 29 日 89 日 29日 89日
$ 3,173 $ 1,369 $ 186 $ 4,728 $ 2,995 $ 1,402 $ 179 $ 4,576
リテール
ホールセール 1,543 460 3 2,006 1,246 468 - 1,714
$ 4,716 $ 1,829 $ 189 $ 6,734 $ 4,241 $ 1,870 $ 179 $ 6,290
(1) 表示金額には、売却または借り換え等の理由により決済が行われるまで返済が滞るモーゲージ貸出金等の事務プロセス
の結果として延滞している貸出金が含まれている可能性がある。事務プロセスにより生じた延滞している貸出金は、債
務者の支払債務履行能力を表すものではない。
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注記6 金融資産の認識の中止
当行は、貸出金または有価証券等の金融資産を組成された企業またはその他の第三者に譲渡する取引を行ってい
る。買戻し条件付き契約、有価証券貸付契約に基づく譲渡資産、および当行のカナダ住宅モーゲージ貸出金の証券
化取引における譲渡資産の大半は、期限前償還リスク、信用リスク、価格リスク、金利リスクおよび為替リスクと
いった譲渡資産のリスクと経済価値のほとんどすべてに当行が引き続きさらされているため、認識の中止の要件を
満たさない。
認識が中止されない譲渡金融資産
カナダ住宅モーゲージ貸出金の証券化
当行は、国民住宅法MBS(以下「NHA MBS」という。)プログラムに基づき、MBSプールを組成し、保険付カナダ住
宅モーゲージ貸出金を定期的に証券化している。NHA MBSプログラムに基づき証券化したすべての貸出金は、カナ
ダ・モーゲージ・アンド・ハウジング・コーポレーション(以下「CMHC」という。)または第三者である保険会社に
よる保証が要求される。当行は、不動産の当初の評価額に対する貸出額の割合(ローン・トゥ・バリュー(以下
「LTV」という。)比率)が80%以上の場合は、借手にモーゲージ保険料の支払いを要求している。当該プログラム
に基づき証券化された住宅モーゲージ貸出金のLTV比率が80%未満の場合には、当行は当行の負担で当該モーゲー
ジを保証する必要がある。NHA MBSプログラムでは、当行が発行したMBSに係るすべての支払いに関して、当行が所
要資金を抵当権設定者から回収するか保険会社から回収するかにかかわらず、当行が責任を負う。借手のモーゲー
ジが不履行に陥り、当該回収または担保権執行プロセスにより回収した金額が元本残高、未収利息および当該貸出
金残高に係る回収費用の合計を下回る場合には、当行は保険会社に保険金を請求している。当該保険請求手続き
は、保険会社の方針に従い保険会社が管理しており、通常最大12ヶ月分の利息、販売費およびその他の対象費用を
加えた未払いの貸出金残高の全額をカバーしている。保険金の請求が否認された場合には、当行の連結損益計算書
上の「信用損失引当金繰入額」に損失が認識される。2019年度および2018年度に損失として計上された金額は当行
の連結財務諸表上重要性はなく、また、モーゲージの不履行を理由に提起された訴訟に起因した重要な損失は発生
しなかった。
当行は、NHA MBSプールを、カナダ・モーゲージ債券(以下「CMB」という。)プログラムに基づき、主に政府がス
ポンサーの組成された企業に売却している。当該組成された企業は、定期的に政府保証付CMBを発行し、第三者投
資家へ売却している。CMBの発行による収入は、当該組成された企業が、特定のCMBシリーズの発行に参加している
適格なNHA MBS発行者からNHA MBSプールを購入する際に使用される。当行の継続的関与としては、当行が証券化し
た基礎となる住宅モーゲージ貸出金のサービシング(当行自身または第三者のサービサー経由による)が挙げられ
る。また、当行は、金利スワップの契約相手先となっており、CMBの投資家に支払うべき利息を当該組成された企
業に対して支払い、原資産であるMBSおよび再投資資産に係る利息を受領している。当該スワップの一環として、
当行は、CMBの満期時の返済義務を履行するために、原モーゲージ貸出金に関して受領した元本支払額の元本再投
資専用口座を維持することも要求されている。当行は、回収した元本支払額を、スワップ契約に規定されている許
容される投資に再投資している。
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有価証券報告書
当行は、当行が所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転していないため、当該組成された企業に譲
渡したNHA MBSプログラムの貸出金の一部は認識中止の要件を満たしていないと判断した。その結果、これらの譲
渡したMBSは、引き続き住宅モーゲージ貸出金に分類され、当行の連結貸借対照表に認識されている。譲渡したMBS
に関して受領した現金は、担保付借入金として扱われ、対応する負債は当行の連結貸借対照表の「預金-企業およ
び政府」に計上されている。
買戻し条件付売却有価証券および貸付有価証券
当行は、買戻し条件付契約および有価証券貸付契約等の取引も行っている。この取引において、当行は、将来買
い戻す契約に基づき資産を譲渡し、当該資産に関連するリスクと経済価値のほとんどすべてを保持している。これ
らの譲渡資産は当行の連結貸借対照表に引き続き計上され、担保付借入取引として会計処理されている。
以下の表は、認識中止の要件を満たさない譲渡資産の帳簿価額および公正価値、ならびに関連する負債に関する
情報を提供している。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018 年10月31日
カナダ カナダ
住宅 買戻し 住宅 買戻し
モーゲージ 条件付 モーゲージ 条件付
貸出金(1), 売却 貸付 貸出金(1), 売却 貸付
(百万カナダドル) (2) 有価証券(3) 有価証券(3) 合計 (2) 有価証券(3) 有価証券(3) 合計
認識中止の要件を満たさない
$ 32,794 $ 220,250 $ 6,336 $ 259,380 $ 34,105 $ 202,543 $ 4,271 $ 240,919
譲渡資産の帳簿価額
関連する負債の帳簿価額 32,615 220,250 6,336 259,201 33,975 202,543 4,271 240,789
$ 220,250
$ 32,757 $ 6,336 $ 259,343 $ 33,490 $ 202,544 $ 4,271 $ 240,305
譲渡資産の公正価値
220,250
関連する負債の公正価値 33,143 6,336 259,729 33,916 202,544 4,271 240,731
$ (386) $ - $ - $ (386) $ (426) $ - $ - $ (426)
正味ポジションの公正価値
(1) 最初の証券化の際に主としてカナダ・ハウジング・トラストに譲渡したカナダ住宅モーゲージ貸出金、および最初の証
券化後に資金調達に利用したその他の許容された投資を含む。
(2) CMBの投資家は、譲渡資産に対してのみ法的遡及権を有しており、当行の資産全般に対する遡及権は有しない。
(3) 担保資産の超過担保額は含まない。
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注記7 組成された企業
当行は通常の事業の過程において、当行の資金調達ニーズや投資ニーズ、また当行の顧客のニーズに応えるため
に、組成された企業と多様な金融取引を行っている。組成された企業とは、支配の決定に際して、議決権または類
似する権利が決定的な要因とならない企業である。組成された企業は通常、狭義かつ明確に定義された目的を達成
するために設立され、その継続的活動には制限が設けられている。当行は、注記2に記載した当行の会計方針に準
拠して、組成された企業を支配している場合には、当該企業を連結している。これ以外にも、当行が組成された企
業のスポンサーであるか持分を有している場合もあるが、当該企業については連結していない可能性がある。
連結している組成された企業
当行は、以下に記載した組成された企業を連結しており、当該企業の資産および負債は当行の連結貸借対照表に
計上されている。これらの組成された企業の第三者投資家は、通常、当該企業の資産に対してのみ遡及権を有して
おり、当行の資産全般に対する遡及権は有していない(ただし、これらの企業に対して当行が契約上の義務を怠っ
た場合はこの限りではない)。通常の事業の過程において、連結している各組成された企業の資産は、通常、当該
企業の債務の決済に限り使用される。
RBC が管理するマルチセラー型導管体
当行は通常、当行が管理するマルチセラー型導管体に対して所有権を保持しておらず、また通常、その資産に対
する権利も支配も有していない。しかし、当行は、導管体の重要な営業活動を指示する実質的な権限を有しファー
スト・ロスを負担する投資家が存在しないマルチセラー型導管体を通じて、資産担保コマーシャル・ペーパー(以
下「ABCP」という。)を発行している。当行は、取引特定型およびプログラム全体に対する流動性、信用および融
資ファシリティをこの導管体に対して提供することを通じて、マルチセラー型契約におけるパフォーマンスからの
リターンの変動性に対するエクスポージャーを有しており、また関連性のある活動について意思決定を行うパワー
を有しているため、この導管体を連結している。2019年10月31日現在の当行の連結貸借対照表上、この導管体に保
有されている金融資産12億ドルが貸出金に含まれており(2018年10月31日-24億ドル)、この導管体によって発行さ
れたABCPの7億ドルが預金に含まれている(2018年10月31日-13億ドル)。
クレジットカード証券化ビークル
当行はクレジットカード債権の一部について、組成された企業を通じてリボルビング方式で証券化している。当
該組成された企業は、クレジットカード債権のプールに対する共有持分を購入し、このクレジットカード債権の原
プールに対する共有持分を担保とした期限付の優先債および劣後債を発行している。当該期限付債券を購入した投
資家は、クレジットカード債権の原プールに対する共有持分に対してのみ遡及権を有している。
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当行は、クレジットカード債権のサービシング業務、および当該組成された企業の管理会社としての役割を引き
続き提供している。当行はまた、譲渡した資産に対する留保持分、現金準備残高の随時提供、および一定の劣後債
の保持を通じて、クレジットカード債権の原プールにおけるリスクも保持している。さらに、当行は、投資として
または値付け業務のために一部の優先債を保有することがある。また当行は、当該組成された企業に先行的費用の
支払いのための劣後貸出を行っており、当該企業の金利および為替リスク・エクスポージャーをヘッジする金利お
よびクロス・カレンシー・スワップ契約の相手先にもなっている。
当行は当該組成された企業を連結しているが、これは将来の発行の時期や規模および当行が開始時に予め定めた
その他の関連性のある活動に関して、当行は意思決定を行うパワーを有しているためである。また当行は、重要な
資金調達に係る便益を得るとともに、留保持分を通じて基礎となるクレジットカード債権のパフォーマンスによる
変動性にさらされている。2019年10月31日現在、当行のクレジットカード証券化ビークルが発行した71億ドルの債
券が、当行の連結貸借対照表の預金に含まれている(2018年10月31日-85億ドル)。
担保付コマーシャル・ペーパー・ビークル
当行は、当行に貸出を行い、第三者投資家にコマーシャル・ペーパーを発行してその貸出資金を調達するファン
ディング・ビークルを設立した。当該組成された企業のコマーシャル・ペーパーはRBCと同等の信用格付を有して
いるが、これは満期となるコマーシャル・ペーパーの決済に際し他の資金源からの資金が不足する場合には、当行
が当該企業に対して資金を供給する義務があるためである。当行は、当該貸出金の保証として担保を差し入れてお
り、差し入れた有価証券の市場リスクおよび信用リスクにさらされている。
当行は当該組成された企業を連結しているが、これは当行が、関連性のある活動に関して意思決定を行うパワー
を有し、当該ストラクチャーの唯一の借手であり、さらに供与している信用補完を通じて残余の所有リスクの過半
にさらされているためである。2019年10月31日現在、当該ビークルが発行したコマーシャル・ペーパー162億ドル
が当行の連結貸借対照表の預金に含まれている(2018年10月31日-166億ドル)。
カバード・ボンド
当行は、RBCカバード・ボンド・ギャランター・リミテッド・パートナーシップ(以下「ギャランター・エル
ピー」という。)に、モーゲージを定期的に譲渡し、資金調達活動の補完や当行のカバード・ボンド・プログラム
に基づく資産担保要件の裏付けを行っている。ギャランター・エルピーは、カバード・ボンド・プログラムに基づ
く利息および元本支払を保証する目的で設立された。ギャランター・エルピーが保証しているカバード・ボンド
は、RBCの直接の無担保かつ無条件の債務である。したがって投資家は、当行がカバード・ボンドの支払いを行わ
ず、かつギャランター・エルピーのモーゲージ資産がカバード・ボンドの支払債務に対して不足している場合に、
当行に対する遡及権を有する。当行は、ギャランター・エルピーのジェネラル・パートナー、リミテッド・パート
ナー、スワップの契約相手先、貸手および流動性の供給者としての役割を果たすとともに、原商品であるモーゲー
ジのサービサーおよび当該カバード・ボンドの登録発行体となっている。
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当行はギャランター・エルピーを連結しているが、これはジェネラル・パートナーとしての当行の役割を通じ
て、当行が関連性のある活動に関して意思決定を行うパワーを有し、かつ原商品であるモーゲージのパフォーマン
スの変動性にさらされているためである。2019年10月31日現在、譲渡した発行済モーゲージの総額は539億ドル
(2018年10月31日-530億ドル)であり、カバード・ボンド398億ドルが当行の連結貸借対照表の預金に計上されてい
る(2018年10月31日-369億ドル)。
地方債のTOBストラクチャー
当行は、課税および非課税の地方債を、テンダー・オプション・ボンド(以下「TOB」という。)ストラクチャー
に販売している。このストラクチャーは、信用補完(以下「CE」という。)信託とTOB信託から構成されている。CE
信託は、当行から債券を購入し、その資金はTOB信託への信託証券の発行により調達している。その後TOB信託は、
短期投資家に対して変動利付証券を発行し、残余証券は当行が保有している。当行は、当該変動利付証券の販売取
次業者であるとともに、TOB信託に流動性ファシリティを提供している。TOB信託では、売り出したが販売できな
かった変動利付証券の買取が当行に義務付けられている。また当行は、CE信託に信用状を交付しており、これに基
づき原債券に損失が生じた場合の資金提供も義務付けられている。当行は、残余証券に係る利息を得ており、また
販売取次業者としての業務ならびに流動性ファシリティの提供および信用状の交付に関して、市場取引をベースと
した手数料を受領している。
当行が残余証券の保有者となっている場合、当行はCE信託およびTOB信託の双方を連結しているが、これは当行
が、基礎となる地方債の選定および当該ストラクチャーの終了を含む関連性のある活動に関して意思決定を行うパ
ワーを有しており、かつ基礎となる地方債のパフォーマンスの変動性にさらされているためである。2019年10月31
日現在、当行の連結貸借対照表上、連結対象のTOBストラクチャーに関連して地方債83億ドルが投資有価証券に含
まれており(2018年10月31日-71億ドル)、対応する変動利付証券87億ドルが預金に含まれている(2018年10月31日
-76億ドル)。
RBC が運用する投資信託
当行は、ミューチュアル・ファンドおよび合同運用ファンドのスポンサーかつ運用会社であり、当該ファンドで
は当行が当該ファンドの投資決定を指図する能力を有している。当行は、当行の関与(運用報酬または成功報酬の
他、当初投入資本である直接的投資を含む。)が本人として行動していることを示す場合には、これらのミュー
チュアル・ファンドおよび合同運用ファンドを連結している。2019年10月31日現在、連結対象ファンドが保有して
いるトレーディング有価証券465百万ドル(2018年10月31日-548百万ドル)、および第三者が保有しているファン
ド・ユニットに相当するその他の負債95百万ドル(2018年10月31日-128百万ドル)が、当行の連結貸借対照表に計
上されている。
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非連結の組成された企業
当行は、連結対象ではない一定の組成された企業への関与を有しているが、当該企業との取引および関与に関連
するものについて、当行の連結貸借対照表上、資産および負債を計上している。
以下の表は、当行の連結貸借対照表に計上されている資産および負債、ならびに非連結の組成された企業への関
与に関連した損失に対する当行の最大エクスポージャーを表示している。また以下の表は、非連結の組成された企
業の種類別の規模(当行が持分を保有している当該非連結の組成された企業の総資産で測定)についても表示してい
る。
2019 年10月31日 現在
ストラク
マルチセ RBC 以外が運
チャード・ 第三者証券
ラー型導管 用する投資 その他 合計
ファイナン 化ビークル
体(1) 信託
(百万カナダドル) ス
オンバランス・シート資産
$ 75 $ - $ 1,865 $ - $ 503 $ 2,443
有価証券
貸出金 - 2,718 - 6,392 1,517 10,627
デリバティブ 97 - - - 83 180
その他の資産 - 60 - - 244 304
$ 172 $ 2,778 $ 1,865 $ 6,392 $ 2,347 $ 13,554
オンバランス・シート負債
$ 20 $ - $ - $ - $ - $ 20
デリバティブ
その他の負債 30 - - - - 30
$ 50 $ - $ - $ - $ - $ 50
$ 38,032 $ 6,446 $ 2,123 $ 10,756 $ 2,667 $ 60,024
損失に対する最大エクスポージャー(2)
$ 37,192 $ 17,571 $ 412,046 $ 84,282 $ 293,423 $ 844,514
非連結の組成された企業の総資産
2018年10月31日現在
ストラク
マルチセ RBC以外が運
チャード・ 第三者証券
ラー型導管 用する投資 その他 合計
ファイナン 化ビークル
体(1) 信託
(百万カナダドル) ス
オンバランス・シート資産
$ 65 $ - $ 2,721 $ - $ 906 $ 3,692
有価証券
貸出金 - 2,301 - 6,292 1,647 10,240
デリバティブ - - - - 52 52
その他の資産 - 176 - - 288 464
$ 65 $ 2,477 $ 2,721 $ 6,292 $ 2,893 $ 14,448
オンバランス・シート負債
$ 84 $ - $ - $ - $ - $ 84
デリバティブ
その他の負債 - - - - - -
$ 84 $ - $ - $ - $ - $ 84
損失に対する最大エクスポージャー(2) $ 38,342 $ 5,477 $ 2,981 $ 10,215 $ 3,556 $ 60,571
非連結の組成された企業の総資産 $ 37,590 $ 15,776 $ 523,176 $ 67,446 $ 454,567 $1,098,555
(1) 非連結の組成された企業の総資産は、既存の購入コミットメントに基づき当該導管体が購入しなければならなくなる可
能性がある資産の最大額である。この購入コミットメントのうち、当該導管体が購入済みの金融資産の合計額は、2019
年10月31日現在236億ドル(2018年10月31日-247億ドル)である。
(2) これらの非連結の組成された企業への当行の関与に起因した損失に対する最大エクスポージャーは、主に投資、貸出
金、デリバティブの公正価値、流動性および信用補完ファシリティから構成されている。マルチセラー型導管体の損失
に対する最大エクスポージャーは、主に流動性のバックストップファシリティおよび信用補完ファシリティの想定元本
であるため、オンバランス・シート資産の額より多額である。注記25を参照のこと。
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以下は、非連結の組成された企業の重要な種類別に当行の関与について記載したものである。
マルチセラー型導管体
当行は、マルチセラー型ABCP導管体プログラムを管理している。マルチセラー型導管体は、主に顧客から金融資
産を購入し、ABCPの発行によりその購入資金を調達している。
一定のマルチセラー型導管体契約では、当行は当行が管理しているマルチセラー型導管体に対して所有権を保持
しておらず、その資産に対する権利も支配も有していない。当行は事務受託者として、資金調達活動のコーディ
ネーション、取引の構築、ドキュメンテーションならびに実行およびモニタリング等のサービス提供に対して残余
手数料を受領している。各マルチセラー型導管体が発行しているABCPは、導管体自体の名義になっており、導管体
が所有する金融資産への遡及権があり、流動性ファシリティおよび/または信用補完ファシリティへ当行が参加し
ている場合を除き当行への遡及権は有しない。
当行は、取引特定型およびプログラム全体に対する流動性ファシリティを、マルチセラー型導管体に提供してい
る。加えて、当行は、マルチセラー型導管体が流動性ファシリティ等の他の資金源から満期となるABCPの決済資金
を調達できない場合には、当行が資産を購入または資金を提供することを義務付けるプログラム全体に対する信用
補完を、マルチセラー型導管体に提供している。場合によっては、当行または別の第三者が、多様な形態をとりう
る取引特定型の信用補完を提供することもある。これらの流動性および信用ファシリティの提供に対して、当行
は、市場に基づく手数料を受領している。
一部の取引について、当行は為替先渡契約および金利スワップの契約相手先となり、導管体を通じた顧客の固定
利付資産および/または外貨建資産の証券化を、円滑に行えるようにしている。これらのデリバティブにより、当
行は為替リスクおよび金利リスクにさらされているが、これらのリスクはそれぞれ当行の為替トレーディング・デ
スクおよびスワップ・デスクが一元管理している。原資産の信用リスクについては、以下に記載の信用補完により
軽減している。
各取引には、第三者である売り手が提供する取引特定型のファースト・ロス・プロテクションを組み入れてい
る。この補完は、超過担保、余剰スプレッド、金融資産の劣後クラス、保証または信用状を含むが、これらに限ら
ず多様な形態をとり得る。この信用補完の金額は変動するが、通常、損失実績額の倍数をカバーする規模としてい
る。
関連のない第三者(以下「損失が見込まれる投資家」という。)は、契約金額を上限として、マルチセラー型導管
体の債権者および当行に先立ち、マルチセラー型導管体の資産に将来生ずる可能性のある損失を負担することにな
る。このマルチセラー型導管体のファースト・ロス・ポジションを引き受ける見返りとして、各マルチセラー型導
管体は、損失が見込まれる投資家に、リスク・ポジションに相応するリターンを支払う。損失が見込まれる投資家
は、当該導管体の経済的業績に重要な影響を及ぼす活動(資産購入コミットメントおよび流動性ファシリティの最
初の選択および承認、当該取引およびファシリティの更新および修正の承認、資産の売却または譲渡、資産の運用
成績の継続的なモニタリング、損失の低減、ならびにABCPの負債の管理等)の過半を指図する実質的なパワーを有
している。
上記のとおり当行は導管体を支配していないため、これらのマルチセラー導管体を連結していない。
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ストラクチャード・ファイナンス
当行は、学生ローンへの長期投資のための資金を短期優先債および劣後債の発行により調達する特定の信託(以
下「米国ARS信託」という。)から、米国ARSを購入した。当行は、基礎となる学生ローンに債務不履行が生じた場
合には、これらの米国ARS信託に係る損失を被ることになる。ただし、当該学生ローンの元本および未収利息は、
米国政府機関により保証されている。当行は、これらの事業体の一部の入札取次業者としての役割を担っている
が、入札過程でこれらの事業体が発行した債券を購入する法的な義務はない。当行は、米国ARS信託の業績に最も
重要な影響をもたらす活動である、当該信託の投資および資金調達活動に関して意思決定を行うパワーを有してい
ないため、当行は当該信託を連結していない。
さらに当行は、一定の地方債のTOBストラクチャーへの投資も行っているが、連結はしていない当該ストラク
チャーは、前述の連結対象である地方債のTOBストラクチャーと類似しているが、残余証券は第三者が保有してい
る。当行は、この変動利付証券については、売り出したが販売できなかった場合に利用が認められる流動性ファシ
リティを提供している。当行は、当該ストラクチャーの関連性のある活動に関して意思決定を行うパワーを有して
いないため、当該ストラクチャーを連結していない。当該プログラムに譲渡した資産は、当行の連結貸借対照表
上、認識の中止を行っている。
当行は、組成された企業に対して、シニア・ウェアハウス・ファイナンスを行っている。この組成された企業
は、期限付ローン担保証券(以下「CLO」という。)の発行取引を目的としたローン獲得のために第三者が設立した
ものである。ウェアハウスの期間中は、第三者である1以上の出資者から劣後ファイナンスも行われている。当行
は、当該期限付CLO取引のアレンジャーおよび募集代理人としての役割を果たしている。当該期限付CLOの販売によ
る収入は、当行からのシニア・ウェアハウス・ファイナンスの返済に充当され、この時点で当行の当該取引への関
与はなくなる。当行はこれらのCLOストラクチャーを連結していないが、これは当該企業の関連性のある活動(原負
債ポートフォリオの最初の選択およびその後の管理を含む。)に関する意思決定を行うパワーを有していないため
である。
当行は、非関連の組成された企業に対して、シニア・ファイナンスを行っている。この組成された企業は、ロー
ン獲得のために第三者が設立したものである。これらのファシリティは、CLOウェアハウス・ファシリティよりも
長期間にわたる傾向があり、損失実績額の倍数をカバーするために設定された信用補完の恩恵を受ける。当行はこ
れらのストラクチャーを連結していないが、これは当該企業の関連性のある活動(原負債ポートフォリオの最初の
選択およびその後の管理を含む。)に関する意思決定を行うパワーを有していないためである。
RBC 以外が運用する投資信託
当行は、ミューチュアル・ファンド、ユニット型投資信託およびその他の投資信託等の第三者との間で、手数料
を対価にエクイティ・デリバティブ取引を行っている。これらの取引では、投資家に参照する投資信託に対する希
望のエクスポージャーを提供するとともに、当行はこの参照投資信託に投資を行うことにより、当該デリバティブ
に対する当行のエクスポージャーを経済的にヘッジしている。また当行は、複数の信託の保管機関または管理会社
にもなっている。当行は、第三者が管理している当該参照投資信託の投資活動を指図するパワーを有していないた
め、当該投資信託については連結していない。
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当行は、一定の第三者投資信託に流動性ファシリティを提供している。当該信託は、無担保の変動利付優先株式
を発行し、非課税の地方債のポートフォリオに投資している。当行は、未使用の流動性コミットメントにより優先
株式の流動性リスクにさらされており、使用済のコミットメントにより基礎となる地方債の信用リスクにさらされ
ている。当行は、当該投資信託の投資活動を指図するパワーを有していないため、これらの第三者管理の信託を連
結していない。
第三者証券化ビークル
当行は、一定の第三者に資金提供を行うことを目的として設立された証券化ビークルに対する持分を保有してい
る。これらの事業体の活動は、スポンサーとの特定の金融資産の売買に限られている。当行は、他の金融機関と同
様に、コミットメントの上限まで資金を提供する義務を負うとともに、当該原資産に係る信用損失(各種信用補完
考慮後)にさらされている。補完は、超過担保、余剰スプレッド、金融資産の劣後クラス、保証または信用状を含
むが、これらに限らず多様な形態をとり得る。この信用補完の金額は変動するが、通常、損失実績額の倍数をカ
バーする規模としている。当行は当該ビークルの関連性のある活動(事業体の投資および資金調達活動を含む。)に
関して意思決定を行うパワーを有していないため、当該事業体を連結していない。
その他
その他の非連結の組成された企業には、運用投資信託、信用投資商品およびタックス・クレジット・ファンドが
ある。
当行は、当行が投資決定の指図を行い得る、ミューチュアル・ファンドおよび合同運用ファンドのスポンサーか
つ運用会社となっている。当行は、当行が他のユニット保有者に代わって代理人として意思決定を行うパワーを行
使する場合には、当該ミューチュアル・ファンドおよび合同運用ファンドを連結しない。
当行は、通常、信用デリバティブを現物商品に作り変えるため、信用リスクを分散するため、また投資家の個別
のニーズを満たすカスタマイズされた信用商品を創出するために、組成された企業を利用している。当行は、デリ
バティブ契約(信用デリバティブを含む。)を締結して、これらの組成された企業からプロテクション(信用プロテ
クション)を購入し、投資家のニーズを満たすために利回り、通貨または原資産の信用リスク等の各種リスク要因
を変化させている。当行は、一定の組成された企業の単独のアレンジャーおよびスワップの引受先となっており、
当該企業のためにその他の管理機能を担っている場合もある。当行は、関連性のある活動(担保および参照ポート
フォリオの選択を含む。)に関して意思決定を行うパワーを有しておらず、また当該企業の便益またはリスクの過
半にさらされていないため、これらの信用投資商品にかかる組成された企業を連結していない。
当行は、基礎となる低所得者向住宅供給、歴史的建造物復興プロジェクトにつき受領したタックス・クレジッ
ト、新たな市場のタックス・クレジットまたは再生可能エネルギーのタックス・クレジットを、第三者に移転する
ための特定の信託を設定した(以下「タックス・クレジット・ファンド」という。)。当行は、当行がそのファンド
を管理し、資金調達をアレンジし、これらのタックス・クレジット・ファンドの事務管理業務を行う責任を負うこ
とから、タックス・クレジット・ファンドのスポンサーである。当行は当該タックス・クレジット・ファンドを連
結していないが、これは当該ファンドの第三者投資家が原投資を選択する意思決定を行うパワーを有しており、当
該ファンドの残りの所有権および税務上のリスクの過半を負担しているためである。
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当行は、また、第三者により組成され、支配されている、再生可能エネルギー税額控除対象企業に対する受動的
持分を購入している。当行は、関連性のある活動に関して意思決定を行うパワーを有しておらず、当行の投資は、
トレーディング目的で保有しているより規模の大きなポートフォリオの一部として管理されているため、これらの
第三者ファンドを連結していない。
非連結の組成された企業に対するその他の持分
通常の事業の過程において、当行は、一定の第三者により組成された企業(ミューチュアル・ファンド、上場投
資信託、および政府がスポンサーとなっているABSビークルを含む。)に対する受動的持分の売買を行っている。こ
れらの企業に対する当行の投資は、トレーディング目的、流動性目的またはヘッジ目的で保有しているより規模の
大きなポートフォリオの一部として管理されている。当行は、これらの企業を組成しておらず、スポンサーでもな
く、また当該企業の継続的な活動に関する意思決定を行うパワーも有していない。当行の損失に対する最大エクス
ポージャーは、貸借対照表上の当該企業に対する投資額が上限となる(上表には含まれていない。)。2019年および
2018年10月31日現在、これらの企業に対する当行の投資は、当行の連結貸借対照表上のトレーディング有価証券お
よび投資有価証券に含まれている。トレーディング有価証券および投資有価証券の詳細については、注記3および
注記4を参照のこと。
当行がスポンサーとなっている企業
当行は、持分は有しているが連結していない、一定の組成された企業につきスポンサーとなっている。当行が組
成された企業のスポンサーであるかの判断に際して、当行は、当該企業の目的および事業内容、当行の当初および
継続的関与、ならびに当該企業の劣後持分の保有の有無等、定性的および定量的要因の両面について検討を行って
いる。当行は、一定の信用投資商品、税額控除対象企業、RBCが運用するミューチュアル・ファンド、および商業
用モーゲージ証券化ビークルのスポンサーであると判断している。当行は、2019年10月31日終了年度において、帳
簿価額696百万ドル(2018年10月31日-352百万ドル)の商業用モーゲージを、当行がスポンサーとなっている証券化
ビークルに譲渡したが、当行は当報告期間末現在、当該証券化ビークルの持分を保有していない。
組成された企業に提供した財政的支援
2019 年および2018年10月31日終了年度において、当行は、連結している組成された企業または非連結の組成され
た企業に対して契約上の義務がない場合には、財政的支援も財政的以外の支援も行っていない。また当行は、かか
る支援を将来的に提供する意図も有していない。
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注記8 デリバティブ金融商品およびヘッジ活動
デリバティブ商品は、金融デリバティブまたは金融以外のデリバティブのいずれかに分類される。金融デリバ
ティブは、基礎となる金利、為替レート、信用リスク、および株式または株価指数によって価値が決まる金融契約
である。金融以外のデリバティブは、その価値が貴金属、コモディティ商品または指数によって決まる契約であ
る。デリバティブの想定元本は、支払額を計算するための基準額として使用される契約価額である。想定元本は、
通常、契約当事者間で交換されることはなく、当行のEADを反映するものでもない。
金融デリバティブ
先渡および先物
先渡契約は、OTC市場において契約相手先と取引される標準化されていない契約であり、他方、先物は、金額お
よび決済日について標準化された契約で、正式な先物取引所で売買される。先渡および先物の例は、以下に記載の
通りである。
金利先渡(以下「金利先渡取引」という。)および金利先物は、予め決められた将来の日に、特定の価格で、金利
に感応する金融商品を売買する契約上の義務である。
為替予約および為替先物は、特定の決済価格で、予め決められた将来の日に、ある通貨を別の通貨と交換する契
約上の義務である。
株式先渡および株式先物は、予め決められた将来の日に、固定価額(以下「特定の価格」という。)で株価指数、
株式バスケットまたは単一の株式を売買する契約上の義務である。
スワップ
スワップは、想定元本に適用される合意されたレートを基礎とする一連のキャッシュ・フローを、契約当事者2
者が交換するOTC契約である。スワップ契約の例は、以下に記載の通りである。
金利スワップは、ある単一通貨の想定元本に適用される異なる金利を基礎とする一連の支払いを、契約当事者2
者が交換する取り決めである。一部の金利スワップは中央清算機関としての役割を担う決済機関を通じて取引およ
び決済される。クロス・カレンシー・スワップでは、ある通貨の固定支払額と別の通貨の固定受取額との交換が行
われる。クロス・カレンシー金利スワップでは、2つの異なる通貨で金利と想定元本双方の交換が行われる。
エクイティ・スワップは、株価指数、株式バスケットまたは単一の株式の価値の変動を基礎とするキャッシュ・
フローを、一方の契約当事者が他方の契約当事者に支払うか、他方の契約当事者から受け取ることに合意する契約
である。
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オプション
オプションは売り手(ライター)が買い手に、義務ではなく、権利を付与する契約上の取り決めである。その権利
とは、有価証券、為替レート、金利、または他の金融商品もしくはコモディティを、特定の価格で、予め決められ
た将来の日またはその日までに購入する権利(コール・オプション)または売却する権利(プット・オプション)であ
る。オプションの売り手(ライター)は、買い手の権利の現金決済額を支払うことで、契約を手仕舞うこともでき
る。売り手(ライター)は、この権利の対価として、買い手からプレミアムを受け取る。当行が締結している各種の
オプション契約には、金利オプション、通貨オプション、エクイティ・オプションおよび指数オプションが含まれ
るが、これに限定されない。
信用デリバティブ
信用デリバティブは、基礎となる金融商品(以下「参照資産」という。)に関連する信用リスクを、一方の契約当
事者から別の契約当事者に移転するOTC契約である。信用デリバティブには、クレジット・デフォルト・スワッ
プ、クレジット・デフォルト・バスケットおよびトータル・リターン・スワップが含まれる。
クレジット・デフォルト・スワップは、債務不履行や倒産等の特定の信用事象により生じる参照資産の価値の下
落に対するプロテクションを提供する。その仕組みはオプションに類似しており、買い手が、参照資産に影響を及
ぼす信用事象の発生を条件とする支払いの対価として、クレジット・デフォルト・スワップの売り手にプレミアム
を支払う。
クレジット・デフォルト・バスケットはクレジット・デフォルト・スワップに類似するが、基礎となる参照金融
商品は単一の資産ではなく、資産グループである。
トータル・リターン・スワップは、一方の契約当事者が、参照資産または資産グループの価値の変動を基にした
金額の現金(これらの資産に係る受取利息等のリターンを含む。)を、実勢市場調達金利を基にした金額と交換に他
方の契約当事者に支払うか他方の契約当事者から受け取ることに合意する契約である。
その他のデリバティブ商品
その他の契約は、安定価値およびエクイティ・デリバティブ契約である。
非金融デリバティブ商品
その他の契約には、OTCと取引所の両市場における貴金属およびコモディティ・デリバティブ契約等の非金融デ
リバティブ商品も含まれる。
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トレーディング目的で発行されたデリバティブ
当行のデリバティブ取引の大半は、顧客取引から生じる販売およびトレーディング業務、ならびに関連する市場
リスクのヘッジに関係している。販売業務には、顧客がリスクを修正または削減できるようにするデリバティブ商
品の組成およびマーケティングが含まれる。トレーディング業務には、値付け、ポジション調整および裁定業務が
含まれる。値付けには、スプレッドと取引量を基に収益獲得を目的とした、他の市場参加者に対する買い呼び値お
よび売り呼び値の値付けが含まれる。ポジション調整は、価格、レートまたは指数の有利な動きから利益を得るこ
とを目的とした、デリバティブ取引の積極的な管理に関係している。裁定業務は、市場間および商品種類間の価格
差を特定し、そこから利益を得ることに関係している。トレーディング目的で使用されるデリバティブの実現およ
び未実現利得または損失は、直ちに「利息以外の収益」の「トレーディング収益」に認識される。
トレーディング目的以外で発行されたデリバティブ
当行は、トレーディング目的以外にも、主にヘッジ目的でデリバティブを利用しており、当行の融資、貸出、投
資業務および資産/負債管理に係る金利リスク、信用リスク、エクイティ・リスクおよび為替リスクの管理に関係
している。
金利スワップは、融資および投資業務等、既存および/または予定資産および負債について、その価格改定の特
性または満期特性を変えることによって、金利リスクに対する当行のエクスポージャーを管理することに利用され
ている。買建オプションは、償還可能預金および消費者向け商品に組み込まれたその他のオプションをヘッジする
ために利用されている。当行は、クロス・カレンシー・スワップおよび為替予約により、外貨リスクに対する当行
のエクスポージャーを管理している。当行は、信用エクスポージャーの管理に、主に信用デリバティブを利用して
いる。当行は、信用リスクを第三者に移転する信用デリバティブを購入することにより、当行の信用ポートフォリ
オに関連する業種の集中およびシングルネーム・エクスポージャーを軽減している。
一部のデリバティブおよび現物商品は、明確にヘッジに指定され、ヘッジ会計の要件を満たしている。また当行
は、ヘッジ会計を適用できない特定のエクスポージャーを経済的にヘッジするために、またはヘッジ会計を実施す
ることが経済的に実行可能ではないと考えられる場合に、適宜デリバティブ取引を行っている。この場合の公正価
値の変動は、「利息以外の収益」の「その他」に反映される。
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満期日までの期間ごとのデリバティブの想定元本(絶対値)
2019 年10月31日現在(1)
満期までの期間
トレーディ トレーディ
1年から
1年以内 5年超 合計
ング ング以外
(百万カナダドル) 5年
店頭取引契約
金利契約
$ 2,014,752 $ 179,624 $ 387 $ 2,194,763 $ 2,186,862 $ 7,901
金利先渡取引
スワップ 3,294,746 5,026,410 3,331,025 11,652,181 11,180,497 471,684
買建オプション 83,247 462,599 174,042 719,888 719,888 -
売建オプション 77,601 464,906 182,690 725,197 725,197 -
為替契約
為替予約 1,715,266 30,523 985 1,746,774 1,724,606 22,168
クロス・カレンシー・
79,264 50,416 55,166 184,846 177,622 7,224
スワップ
クロス・カレンシー・
469,910 894,250 425,301 1,789,461 1,743,465 45,996
金利スワップ
買建オプション 54,756 14,409 3,061 72,226 72,226 -
売建オプション 54,985 14,969 3,383 73,337 73,337 -
信用デリバティブ(2) 2,693 14,724 3,437 20,854 20,341 513
その他の契約(3) 201,489 90,436 18,463 310,388 303,893 6,495
取引所取引契約
金利契約
先物-買建 107,054 118,805 187 226,046 226,046 -
先物-売建 363,947 120,247 46 484,240 484,240 -
買建オプション 56,657 36,985 - 93,642 93,642 -
売建オプション 59,840 16,395 - 76,235 76,235 -
為替契約
先物-買建 28 - - 28 28 -
先物-売建 - - - - - -
その他の契約 214,725 44,245 - 258,970 258,970 -
$ 8,850,960 $ 7,579,943 $ 4,198,173 $ 561,981
$20,629,076 $20,067,095
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2018年10月31日現在
満期までの期間
トレーディ トレーディ
1年から
1年以内 5年超 合計
ング ング以外
(百万カナダドル) 5年
店頭取引契約
金利契約
$ 1,895,613 $ 8,788 $ - $ 1,904,401 $ 1,904,401 $ -
金利先渡取引
スワップ 4,535,040 4,377,512 2,856,403 11,768,955 11,424,094 344,861
買建オプション 101,663 155,985 27,273 284,921 284,921 -
売建オプション 87,254 156,886 37,217 281,357 281,357 -
為替契約
為替予約 1,397,520 30,688 616 1,428,824 1,420,575 8,249
クロス・カレンシー・
30,358 4,379 1,170 35,907 27,545 8,362
スワップ
クロス・カレンシー・
347,477 767,742 365,880 1,481,099 1,430,437 50,662
金利スワップ
買建オプション 33,202 11,037 1,807 46,046 46,046 -
売建オプション 37,716 12,250 4,515 54,481 54,481 -
信用デリバティブ(2) 1,578 5,263 3,424 10,265 9,752 513
その他の契約 81,720 66,686 17,409 165,815 161,323 4,492
取引所取引契約
金利契約
先物-買建 38,825 22,465 11 61,301 61,301 -
先物-売建 32,424 23,072 6 55,502 55,502 -
買建オプション 2,587 3,312 - 5,899 5,899 -
売建オプション 2,544 1,291 - 3,835 3,835 -
為替契約
先物-買建 277 - - 277 277 -
先物-売建 340 - - 340 340 -
その他の契約 228,549 59,308 372 288,229 288,229 -
$ 8,854,687 $ 5,706,664 $ 3,316,103 $ 417,139
$17,877,454 $17,460,315
(1)当行は、デリバティブの想定元本の算定に使用するカウンターパーティ信用リスクの測定方法について、自己資本比率規
制(以下「CAR」という。)ガイドラインに準拠した標準的手法(以下「SA-CCR」という。)を2018年11月1日から将来に向
かって適用している。
(2) 想定元本5億ドル(2018年10月31日-5億ドル)の信用デリバティブは、経済的ヘッジである。トレーディングの信用デ
リバティブは、プロテクション買建126億ドル(2018年10月31日-62億ドル)およびプロテクション売建77億ドル(2018年
10月31日-36億ドル)から構成されている。
(3) SA-CCR手法の場合、その他の契約のうち77億ドルのシンジケート・ローンのデリバティブは除外されている。
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デリバティブ商品の公正価値(1)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018 年10月31日
(百万カナダドル)
プラス マイナス プラス マイナス
トレーディング目的の保有または発行
金利契約
$ 30 $ 31 $ 308 $ 232
金利先渡取引
スワップ 39,669 32,570 29,340 25,501
買建オプション 5,898 - 3,211 -
売建オプション - 6,756 - 3,471
45,597 39,357 32,859 29,204
為替契約
為替予約 11,263 11,755 13,367 12,929
クロス・カレンシー・スワップ 529 223 174 258
クロス・カレンシー・金利スワップ 26,569 26,188 26,837 25,849
買建オプション 1,242 - 1,540 -
売建オプション - 898 - 1,272
39,603 39,064 41,918 40,308
信用デリバティブ 169 279 38 89
その他の契約 15,356 18,517 17,668 18,300
100,725 97,217 92,483 87,901
トレーディング目的以外の保有または発行
金利契約
スワップ 848 742 1,226 1,142
848 742 1,226 1,142
為替契約
為替予約 116 118 31 33
クロス・カレンシー・スワップ 193 527 212 423
クロス・カレンシー・金利スワップ 904 501 1,145 1,104
1,213 1,146 1,388 1,560
信用デリバティブ - 3 - 5
その他の契約 181 140 150 179
2,242 2,031 2,764 2,886
以下考慮前の公正価値総額合計: 102,967 99,248 95,247 90,787
一括管理された評価調整 (697) 5 (625) 34
貸借対照表上の相殺要件を満たす
(710) (710) (583) (583)
ネッティング契約の影響
$ 98,543 $ 94,039 $ 90,238
$101,560
(1) 公正価値は、特定の中央清算機関において日次変動証拠金を関連するデリバティブの公正価値の決済に用いたとみなす
選択が認められており、この影響が反映されている。
満期日までの期間ごとのデリバティブ商品の公正価値(1)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
1年から 1年から
(百万カナダドル) 1年未満 5年超 合計 1年未満 5年超 合計
5年 5年
$ 25,342 $ 28,568 $ 47,650 $ 101,560 $ 28,241 $ 29,197 $ 36,601 $ 94,039
デリバティブ資産
デリバティブ負債 25,495 26,503 46,545 98,543 26,720 27,013 36,505 90,238
(1) 公正価値は、特定の中央清算機関において日次変動証拠金を関連するデリバティブの公正価値の決済に用いたとみなす
選択が認められており、この影響が反映されている。
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デリバティブ関連の信用リスク
デリバティブ取引による信用リスクは、取引の1つ以上が当行にとってプラスの市場価値を持つ場合に、契約相
手先が契約義務の不履行を起こす可能性から生じる。そのため、デリバティブ関連の信用リスクを示すのは商品の
プラスの公正価値であり、通常、契約の想定元本のごく一部である。
当行は、デリバティブ取引にも、信用エクスポージャーを生じさせる他の取引の管理に使用している同一の与信
承認、限度額およびモニタリングの基準を適用している。これには、契約相手先の信用度の評価、ならびにポート
フォリオの規模、分散の程度および満期構成の管理が含まれる。すべての商品の与信状況は、継続的に所定の限度
額と比較され、定型化された例外報告プロセスの対象となっている。当行は、すべての信用リスク・エクスポー
ジャーに、単一の内部格付けシステムを用いている。ほとんどの場合、これらの内部格付けは外部の格付機関によ
る信用格付けに近似している。
相殺はデリバティブによる信用エクスポージャーの削減を可能にする手法であり、通常、マスター・ネッティン
グ契約を利用して行われ、注記2の当行の会計方針に従って特定の要件が満たされた場合に行われる。マスター・
ネッティング契約は、債務不履行が生じた場合に、その契約がカバーする金融商品のすべてを一括して純額決済す
ることを定めるものである。ただし、信用リスクの削減は、当行の同一契約相手先に対する金融債務を、当該契約
相手先の当行に対する金融債務と相殺可能な範囲が限度となる。当行は、マスター・ネッティング契約を最大限活
用して、デリバティブ関連の信用エクスポージャーを削減している。マスター・ネッティング契約により削減され
た当行の全体としての信用リスク・エクスポージャーは、報告日後に大幅に変動する可能性があるが、それは、そ
のエクスポージャーが契約の対象となる各取引および基礎となる市場相場の変動の影響を受けるためである。デリ
バティブ取引から生じる当行の信用エクスポージャーの測定額は、当該ネッティングが強制可能であることが適切
な法的分析(信用リスクの取引方針に文書化されている。)により裏付けられる場合には、ネッティングの効果を受
けて減少する。
担保の利用も、デリバティブ関連の契約相手先の信用リスクの管理する上で、重要な信用リスク軽減の方法であ
る。一部の契約相手先との間の契約に含められている値洗い条項(典型的にはクレジット・サポート・アネックス
の形式による)は、デリバティブ・ポジションの現在の市場価値が所定の基準値を超えた場合に、契約相手先に当
該ポジションの当該市場価値の支払いまたは担保提供を要求する権利を当行に付与するものである。
2018 年11月1日より、再構築コストおよび信用相当額は、CARガイドラインに基づくOSFIのモデル方式ではない
規制上のSA-CCRに準拠して算定されている。再構築コストは、マスター・ネッティング契約および該当する証拠金
を考慮後の、利益が生じているポジションのすべての未決済契約の公正価値の総額に、規制上の係数を調整した額
を表している。信用相当額は、再構築コストに潜在的な将来の信用エクスポージャーに係る追加金額を加え、さら
に規制上の係数を調整した額として定義されている。リスク調整後残高は、信用相当額に適切なリスク・ウェイト
を適用して算定され、リスク・ウェイトには内部格付手法に基づくモデル承認を反映したものが含まれている。
2018年10月31日現在、再構築コストおよび信用相当額は、契約相手先のリスクに関するOFSIのモデル方式ではない
規制上のカレント・エクスポージャー方式に基づき算定されている。
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デリバティブ関連の信用リスク (1)
以下の日現在
2019 年10月31日(2) 2018年10月31日
再構築 信用 リスク調整 再構築 信用 リスク調整
(百万カナダドル)
コスト 相当額(3) 後残高(4) コスト 相当額(3) 後残高(4)
店頭取引契約
金利契約
$ 18 $ 73 $ 19 $ 307 $ 324 $ 13
金利先渡取引
スワップ 6,487 15,911 6,229 9,671 20,321 3,363
買建オプション 149 547 326 610 857 407
売建オプション - 256 113 - - -
為替契約
為替予約 2,333 15,822 3,899 4,589 10,944 3,439
スワップ 3,047 15,678 4,001 9,342 13,718 5,002
買建オプション 404 908 285 443 1,100 478
売建オプション ▶ 213 67 - - -
信用デリバティブ(5) 156 613 40 71 770 153
その他の契約 1,972 10,766 4,853 9,709 9,959 4,303
取引所取引契約 5,439 19,630 393 2,912 11,285 225
$ 20,009 $ 80,417 $ 20,225 $ 37,654 $ 69,278 $ 17,383
(1) CARガイドラインに準拠して、マスター・ネッティング契約控除後の金額を表示している。
(2) 当行は、再構築コスト、信用相当額およびリスク調整後残高の算定にあたり、CARガイドラインに準拠したSA-CCRを2018
年11月1日から将来に向かって適用した。
(3) 2018年11月1日より、CARガイドラインに準拠して、信用相当額は担保を含む。2018年10月31日現在、信用相当額は、差
し入れられた担保160億ドルを含む。
(4) リスク調整後残高はCARガイドラインに準拠して算定されており、CVA130億ドル(2018年10月31日-120億ドル)を除外し
ている。
(5) 2018年10月31日の金額は、プロテクション買建に関連するトレーディング目的以外で発行された信用デリバティブを除
外している。
信用格付け別および契約相手先種類別のデリバティブ商品の再構築コスト
2019 年10月31日現在(1)
信用格付け(2) 契約相手先種類(3)
OECD
合計 合計
AAA,AA A BBB BB 以下 銀行 加盟国 その他
(百万カナダドル)
政府
$ 27,126 $ 38,812 $ 20,620 $ 16,409 $ 48,509 $ 18,126 $ 36,332
プラスの再構築コスト総額 $102,967 $102,967
マスター・ネッティング契約
23,146 35,088 16,719 8,005 82,958 47,376 17,705 17,877 82,958
および該当する証拠金の影響
再構築コスト
$ 3,980 $ 3,724 $ 3,901 $ 8,404 $ 20,009 $ 1,133 $ 421 $ 18,455 $ 20,009
(ネッティング契約控除後)
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2018 年10月31日現在
信用格付け(2) 契約相手先種類(3)
OECD
合計 合計
AAA,AA A BBB BB 以下 銀行 加盟国 その他
(百万カナダドル)
政府
$ 25,458 $ 32,693 $ 21,215 $ 95,247 $ 42,937 $ 18,749 $ 33,561 $ 95,247
プラスの再構築コスト総額 $15,881
マスター・ネッティング
14,544 24,255 15,046 3,748 57,593 36,081 8,348 13,164 57,593
契約の影響
再構築コスト
$ 10,914 $ 8,438 $ 6,169 $ 37,654 $ 6,856 $ 10,401 $ 20,397 $ 37,654
$12,133
(ネッティング契約控除後)
(1) 当行は、再構築コストの算定にあたり、CARガイドラインに準拠したSA-CCRを2018年11月1日から将来に向かって適用し
た。
(2) 主要な契約相手先種類についての当行の内部リスク格付けは、外部の格付機関による格付けに近似している。格付け
AAA、AA、AおよびBBBは投資適格であり、格付けBB以下は投資不適格である。
(3) 契約相手先種類は、CARガイドラインに準拠して定義されている。
ヘッジ関係におけるデリバティブ
当行は、金利または為替レートの変動により生じる損益および資本のボラティリティを最小化するために、ヘッ
ジ会計を適用している。金利および通貨の変動により、資産および負債の市場価格の増減または予想キャッシュ・
フローの変動のいずれかが生じる。ヘッジ関係が有効である場合には、ヘッジ手段の利得、損失、収益および費用
は、ヘッジ対象の利得、損失、収益および費用を相殺する。
ヘッジ関係に使用されるデリバティブは、貸借対照表の「その他の資産―デリバティブ」または「その他の負債
政府」ならびに「劣後無担保社債」に計上される。ヘッジの非有効性に関連する損益は「利息以外の収益」に計上
され、OCIのヘッジ剰余金から純損益に振り替えられた金額は、キャッシュ・フロー・ヘッジについては「受取利
息純額」に、純投資ヘッジについては「利息以外の収益」に計上される。
当行は、ヘッジ関係の有効性を、デリバティブ(ヘッジ手段)の公正価値またはキャッシュ・フローの変動とヘッ
ジ対象リスクに起因するヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動との関連性を基に評価および測定
を行っている。現物商品が為替リスクのヘッジとして指定された場合、ヘッジの有効性の評価および測定に含まれ
るのは為替リスクによる価値の変動のみである。
非有効性の潜在的要因は、ヘッジ手段とヘッジ対象との差異に起因する可能性がある。
・ 例えば、金利再設定の頻度およびタイミングならびに支払頻度等のヘッジ対象とヘッジ手段の観点から
のミスマッチ。
・ ヘッジ対象とヘッジ手段の再設定の頻度の差異を考慮したヘッジ対象とヘッジ手段の割引係数の差異。
・ ヘッジ関係の開始時においてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値がゼロではないことによるヘッ
ジ対象の観点からミスマッチ。
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以下は、当行がヘッジを決定する各リスク・エクスポージャーに対するリスク管理戦略について記載したもので
ある。
金利リスク
当行は、融資および投資業務等、既存および/または予定資産および負債について、その価格改定の特性を変え
ることによって、金利リスクに対する当行のエクスポージャーを管理するために金利契約を利用している。当該ス
ワップは、公正価値ヘッジまたはキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかに指定され、大部分は、様々な管轄区域
の銀行間取引金利(以下「IBOR」という。)が参照されている。一部のスワップは、市場が2021年末までに代替的な
リスクフリーレートまたはリスクフリーに近いレートを採用していくため、金利ベンチマーク改革の影響を受け
る。
公正価値ヘッジについて、当行は、ベンチマーク金利の変動による固定利付商品の公正価値の変動を管理するた
めに金利契約を利用している。当該金利スワップはベンチマーク金利リスクを管理するために一対一の個別ベース
で締結され、その条件は特定の固定利付商品に極めて一致するものである。
さらに当行は、住宅モーゲージ資産および資金調達負債からの金利リスクを管理するために金利スワップを公正
価値ヘッジに利用している。当該ポートフォリオからの当行のエクスポージャーは、新規貸出金の組成、既存の貸
出金の返済、および証券化されたモーゲージの売却とともに変動する。したがって、当行は当該ポートフォリオに
ダイナミック・ヘッジを適用しており、ヘッジ関係が隔週または月次ベース等、より頻繁にリバランスされる。
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、当行は、ベンチマーク金利の変動による変動利付商品のキャッシュ・フ
ローの変動性に対するエクスポージャーを管理するために金利スワップを利用している。特定のIBORを参照する変
動利付商品および予定取引は、金利ベンチマーク改革の影響を受けることになる。特定のエクスポージャーを管理
するために一部の金利デリバティブは一対一の個別ベースで締結されるが、他の金利デリバティブは資産および負
債のポートフォリオの金利リスクを管理するために締結される。
為替リスク
当行は、為替リスクに対するエクスポージャーを、キャッシュ・フロー・ヘッジについてはクロス・カレン
シー・スワップで、純投資ヘッジについては為替予約で管理している。また、特定の現物商品は、適宜純投資ヘッ
ジに指定される。
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、当行は、当行の発行済外貨建固定利付負債および発生可能性が非常に高
い予定取引に係る為替レートの変動により生じるキャッシュ・フローの変動性を管理するために、クロス・カレン
シー・スワップおよび為替予約を利用している。これらのスワップの満期構成や返済条件は、為替レートの変動に
よるキャッシュ・フローのボラティリティを制限するために、当行の外貨建エクスポージャーの満期構成や返済条
件とマッチしている。
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純投資ヘッジについて、当行は、在外営業活動体に対する投資から生じる為替リスクを管理するために、為替予
約と外貨建預金負債等の現物商品(その一部は金利ベンチマーク改革の影響を受けるIBORを参照している)の組み合
わせを利用している。当行の最も重要なエクスポージャーには、米ドル、英ポンドおよびユーロが含まれる。為替
予約を利用して在外営業活動体に対する純投資をヘッジする場合、当該為替予約の割引前のスポット部分のみが
ヘッジ手段に指定される。したがって、先渡レートの変動や割引の効果によるヘッジ手段の公正価値の変動は、
ヘッジの有効性評価に含まれない。在外営業活動体は、デリバティブの負債または想定元本の範囲のみがヘッジさ
れる。したがって、当行は通常、在外営業活動体に対する純投資のヘッジに著しい非有効性が発生するとは予想し
ていない。
株価リスク
当行は、一部の主要な従業員向けの現金決済型の株式に基づく報酬制度に関連して予想される支払キャッシュ・
フローの変動性を緩和するために、インデックス付きRBC株価の変動に対する金利支払と配当利益を交換すること
により、トータル・リターン・スワップをキャッシュ・フロー・ヘッジに利用している。
信用リスク
当行は、主に信用デリバティブを利用して、信用エクスポージャーを経済的ヘッジしている。当行は、信用リス
クを第三者に移転する信用デリバティブを購入することにより、当行の信用ポートフォリオに関連する業種の集中
およびシングルネーム・エクスポージャーを軽減している。
ヘッジ関係に指定されたデリバティブ商品
以下の表は、ヘッジ関係ごとのデリバティブ商品の公正価値およびデリバティブ以外の負債の元本金額ならびに
ヘッジ関係の指定がないデリバティブを示している。
デリバティブおよびデリバティブ以外の商品 (1)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
ヘッジ関係において ヘッジ関係において
ヘッジ手段として ヘッジ手段として
指定されたもの 指定されたもの
キャッ キャッ
ヘッジ関 ヘッジ関
シュ・ シュ・
係の指定 係の指定
公正価値 フロー・ 純投資 公正価値 フロー・ 純投資
(百万カナダドル) なし なし(2)
ヘッジ ヘッジ ヘッジ ヘッジ(2) ヘッジ(2) ヘッジ
資産
$ 146 $ 77 $ 52 $ 404 $ 12 $ 13 $ 93,610
デリバティブ商品 $101,285
負債
デリバティブ商品 187 526 70 97,760 ▶ 413 28 89,793
デリバティブ以外の商品 - - 27,688 n.a. - - 25,565 n.a.
(1) 公正価値は、特定の中央清算機関において日次変動証拠金を関連するデリバティブの公正価値の決済に用いたとみなす
選択が認められており、この影響が反映されている。
(2) 金額は修正再表示されている。
n.a.該当なし
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
以下の表は、ヘッジ関係の種類ごとのヘッジ手段の想定元本および加重平均レートの満期分析ならびにそれらの
帳簿価額を提供している。
公正価値ヘッジ
2019 年10月31日現在
想定元本 帳簿価額(1)
(平均レートを除き、
1年から
1年以内 5年超 合計 資産 負債
百万カナダドル) 5年
金利リスク
金利契約
$ 4,625 $ 20,439 $ 3,909 $ 28,973 $ 2 $ 187
固定利付資産に係るヘッジ
固定利付負債に係るヘッジ 16,003 48,361 9,065 73,429 144 -
加重平均固定金利
固定利付資産に係るヘッジ 1.9 % 2.2 % 2.7 % 2.2 %
固定利付負債に係るヘッジ 1.7 % 1.8 % 1.8 % 1.7 %
2018年10月31日現在
想定元本 帳簿価額(1),(2)
(平均レートを除き、
1年から
1年以内 5年超 合計 資産 負債
百万カナダドル) 5年
金利リスク
金利契約
$ 2,518 $ 12,778 $ 4,668 $ 19,964 $ 311 $ ▶
固定利付資産に係るヘッジ
固定利付負債に係るヘッジ 14,946 47,658 7,432 70,036 93 -
加重平均固定金利
固定利付資産に係るヘッジ 1.1% 2.4% 2.8% 2.3%
固定利付負債に係るヘッジ 1.6% 1.8% 1.8% 1.8%
(1) 特定の中央清算機関において日次変動証拠金を関連するデリバティブの公正価値の決済に用いたとみなす選択が認めら
れており、帳簿価額にはその影響が反映されている。
(2) 金額は修正再表示されている。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
キャッシュ・フロー・ヘッジ
2019 年10月31日現在
想定元本 帳簿価額(1)
(平均レートを除き、
1年から
1年以内 5年超 合計 資産 負債
百万カナダドル) 5年
金利リスク
金利契約
$ 17,327 $ 11,729 $ 1,696 $ 30,752 $ - $ -
変動利付資産に係るヘッジ
変動利付負債に係るヘッジ 200 54,610 4,803 59,613 - -
加重平均固定金利
変動利付資産に係るヘッジ 2.1 % 2.0 % 2.6 % 2.1 %
変動利付負債に係るヘッジ 2.6 % 1.9 % 2.4 % 2.0 %
為替リスク
$ 2,937 $ 63 $ 88 $ 3,088 $ 2 $ 526
クロス・カレンシー・スワップ
カナダドル-スイスフランの
- - - -
加重平均為替レート
カナダドル-ユーロの加重平均
- 1.48 1.55 1.52
為替レート
米ドル-ユーロの加重平均為替
1.33 - - 1.33
レート
2018年10月31日現在
想定元本 帳簿価額(1),(2)
(平均レートを除き、
1年から
1年以内 5年超 合計 資産 負債
百万カナダドル) 5年
金利リスク
金利契約
$ 12,686 $ 12,805 $ 1,615 $ 27,106 $ - $ -
変動利付資産に係るヘッジ
変動利付負債に係るヘッジ 2,000 38,256 3,978 44,234 - -
加重平均固定金利
変動利付資産に係るヘッジ 2.2% 2.4% 2.7% 2.3%
変動利付負債に係るヘッジ 2.1% 1.9% 2.5% 2.0%
為替リスク
$ 326 $ 2,978 $ 3,457 $ 12 $ 368
クロス・カレンシー・スワップ $ 153
カナダドル-スイスフランの
1.27 - - 1.27
加重平均為替レート
カナダドル-ユーロの加重平均
- - 1.52 1.52
為替レート
米ドル-ユーロの加重平均為替
- 1.33 - 1.33
レート
(1) 特定の中央清算機関において日次変動証拠金を関連するデリバティブの公正価値の決済に用いたとみなす選択が認めら
れており、帳簿価額にはその影響が反映されている。
(2) 金額は修正再表示されている。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
純投資ヘッジ
2019 年10月31日現在
想定元本/元本 帳簿価額
(平均レートを除き、
1年から
1年以内 5年超 合計 資産 負債
百万カナダドル)
5年
為替リスク
$ 8,701 $ 14,843 $ 4,144 $ 27,688 $ 27,859
外貨建負債 n.a.
カナダドル-米ドルの加重平均
1.31 1.29 1.31 1.30
為替レート
カナダドル-ユーロの加重平均
- - 1.51 1.51
為替レート
カナダドル-英ポンドの加重
- 1.69 - 1.69
平均為替レート
$ 5,355 $ - $ - $ 5,355 $ 52 $ 70
為替予約
カナダドル-米ドルの加重平均
1.33 - - 1.33
為替レート
カナダドル-ユーロの加重平均
1.47 - - 1.47
為替レート
カナダドル-英ポンドの加重
1.67 - - 1.67
平均為替レート
2018年10月31日現在
想定元本/元本 帳簿価額
(平均レートを除き、
1年から
1年以内 5年超 合計 資産 負債
百万カナダドル) 5年
為替リスク
$ 3,457 $ 18,233 $ 3,875 $ 25,565 $ 25,043
外貨建負債 n.a.
カナダドル-米ドルの加重平均
1.20 1.28 1.31 1.27
為替レート
カナダドル-ユーロの加重平均
- - 1.53 1.53
為替レート
カナダドル-英ポンドの加重
1.91 1.69 - 1.73
平均為替レート
$ 3,372 $ - $ - $ 3,372 $ 13 $ 28
為替予約
カナダドル-米ドルの加重平均
1.31 - - 1.31
為替レート
カナダドル-ユーロの加重平均
1.49 - - 1.49
為替レート
カナダドル-英ポンドの加重
1.68 - - 1.68
平均為替レート
n.a.該当なし。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
以下の表は、ヘッジ関係ごとのヘッジ対象の詳細を示している。
公正価値ヘッジ - ヘッジ対象に指定された資産および負債
2019 年10月31日現在 および同日に終了した年度
帳簿価額に含まれる
帳簿価額 ヘッジ対象に対する
公正価値調整累計額
ヘッジ非有効部分
資産 負債 資産 負債 貸借対照表項目 の算出に使用され
(百万カナダドル) る公正価値の変動
金利リスク
有価証券-投資(関連
$ 29, 985 $ 569
固定利付資産(1) $ - $ - する引当金を除く); $ 1,028
貸出金-リテール
預金-企業および政府;
固定利付負債(1) - 74,099 - 693 (2,045)
劣後無担保社債
2018年10月31日現在および同日に終了した年度
帳簿価額に含まれる
帳簿価額 ヘッジ対象に対する
公正価値調整累計額
ヘッジ非有効部分
資産 負債 資産 負債 貸借対照表項目 の算出に使用され
(百万カナダドル) る公正価値の変動
金利リスク
有価証券-投資(関連
$ 20,172 $ (529)
固定利付資産(1) $ - $ - する引当金を除く); $ (650)
貸出金-リテール
預金-企業および政府;
固定利付負債(1) - 68,714 - (1,302) 1,018
劣後無担保社債
(1) 2019年10月31日現在、ヘッジ損益の調整を中止したヘッジ対象に関して貸借対照表に引き続き計上されている公正価値
ヘッジ調整累計額は、固定利付資産については53百万ドルの損失、固定利付負債については170百万ドルの損失である
(2018年10月31日-それぞれ105百万ドルおよび277百万ドル)。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
キャッシュ・フロー・ヘッジおよび純投資ヘッジ-ヘッジ対象に指定された資産および負債
2019 年10月31日現在 および同日に終了した年度
キャッシュ・フロー・
ヘッジ非有効部分
ヘッジ/為替換算剰余金
貸借対照表項目 の算出に使用され
る公正価値の変動
(百万カナダドル)
継続ヘッジ 非継続ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジ
金利リスク
有価証券-投資(関連する引当金を
$ (608) $ 163 $ 84
変動利付資産 除く);
貸出金-リテール
預金-企業および政府;
変動利付負債 1,274 (372) 70
預金-個人
為替リスク
有価証券-投資(関連する引当金を
固定利付資産 除く); (5) (1) -
貸出金-リテール
固定利付負債 預金-企業および政府 125 9 -
純投資ヘッジ
為替リスク
在外子会社 n.a. (7) (5,407) (871)
2018年10月31日現在および同日に終了した年度
キャッシュ・フロー・
ヘッジ非有効部分
ヘッジ/為替換算剰余金
貸借対照表項目 の算出に使用され
る公正価値の変動
(百万カナダドル)
継続ヘッジ 非継続ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジ
金利リスク
有価証券-投資(関連する引当金を
$ 308 $ (187) $ (171)
変動利付資産 除く);
貸出金-リテール
預金-企業および政府;
変動利付負債 (769) 706 477
預金-個人
為替リスク
有価証券-投資(関連する引当金を
固定利付資産 除く); 19 (4) -
貸出金-リテール
固定利付負債 預金-企業および政府 60 95 -
純投資ヘッジ
為替リスク
在外子会社 n.a. 315 (5,365) (923)
n.a.該当なし。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
指定したヘッジ関係の有効性
2019 年10月31日終了年度
ヘッジ手段の 純損益に認識さ OCI に認識され ヘッジ剰余金
公正価値の れるヘッジの るヘッジ手段の
から純損益に組
価値の変動
(百万カナダドル) 変動 非有効部分(1) 替えられた金額
公正価値ヘッジ
金利リスク
$ (1,060) $ (32) $ - $ -
金利契約-固定利付資産
金利契約-固定利付負債 2,032 (13) - -
キャッシュ・フロー・ヘッジ
金利リスク
金利契約-変動利付資産 605 8 582 (25)
金利契約-変動利付負債 (1,261) (5) (1,265) 220
為替リスク
クロス・カレンシー・スワップ-固定利付資産 5 - 8 5
クロス・カレンシー・スワップ-固定利付負債 (125) - (193) (106)
純投資ヘッジ
為替リスク
外貨建負債 (50) - (50) -
為替予約 57 - 57 (2)
2018年10月31日終了年度
ヘッジ手段の 純損益に認識さ OCIに認識され ヘッジ剰余金
公正価値の れるヘッジの るヘッジ手段の
から純損益に組
価値の変動
(百万カナダドル) 変動 非有効部分(1) 替えられた金額
公正価値ヘッジ
金利リスク
$ 605 $ - $ -
金利契約-固定利付資産 $ (45)
金利契約-固定利付負債 (1,000) 18 - -
キャッシュ・フロー・ヘッジ
金利リスク
金利契約-変動利付資産 (318) (11) (275) (37)
金利契約-変動利付負債 751 (1) 674 101
為替リスク
クロス・カレンシー・スワップ-固定利付資産 (19) - (10) (7)
クロス・カレンシー・スワップ-固定利付負債 (61) - (137) (165)
純投資ヘッジ
為替リスク
外貨建負債 (331) - (331) -
為替予約 16 - 17 -
(1) 純損益に認識されるヘッジの非有効部分には、ヘッジの有効性評価から除外されている損失70百万ドルが含まれてお
り、経済的なヘッジによって相殺されている(2018年10月31日-46百万ドル)。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
資本項目の調整
以下の表は、資本の各項目のリスクカテゴリーごとの調整およびヘッジ会計に関連するその他の包括利益の分析
を提供している。
2019 年10月31日 終了年度 2018年10月31日終了年度
キャッシュ・ キャッシュ・
フロー・ 為替換算剰余金 フロー・ 為替換算剰余金
(百万カナダドル) ヘッジ剰余金 ヘッジ剰余金
$ 688 $ 4,147 $ 431 $ 3,545
期首残高
キャッシュ・フロー・ヘッジ
公正価値変動の有効部分:
金利リスク (683) 399
為替リスク ( 185 ) (147)
株価リスク 108 (18)
純損益に振り替えられる純額:
継続中のヘッジ:
金利リスク 24 44
為替リスク 104 172
株価リスク (93) 7
指定解除されたヘッジ:
金利リスク (2 19 ) (108)
為替リスク - -
在外営業活動体に対する純投資のヘッジに
係る利得純額
外貨建債務 ( 50 ) (331)
為替予約 57 17
在外営業活動体に係る為替換算差額 66 841
為替換算差損(差益)の純損益への振替 - 2 - -
純投資ヘッジ活動に係る損失(利得)の
- 2 - -
純損益への振替
当期の剰余金の変動に係る税金 250 (3) (92) 75
$ (6) $ 4,221 $ 688 $ 4,147
期末残高
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
注記9 有形固定資産
2019 年10月31日 終了年度
備品、
コンピュー 設備および リース物件
土地 建物 建設仮勘定 合計
ター機器 その他の 改良費
付帯設備
(百万カナダドル)
取得原価
$ 153 $ 1,399 $ 2,123 $ 1,373 $ 2,726 $ 264 $ 8,038
期首残高
増加(1) - - 195 129 81 591 996
建設仮勘定からの振替 - ▶ 84 82 262 (432) -
処分 - (10) (68) (29) (65) - (172)
為替換算 - - 3 (1) 2 - ▶
その他 - 2 (12) 3 (5) 9 (3)
$ 153 $ 1,395 $ 2,325 $ 1,557 $ 3,001 $ 432 $ 8,863
期末残高
減価償却累計額
$ - $ 669 $ 1,556 $ 1,051 $ 1,930 $ - $ 5,206
期首残高
減価償却費 - 45 273 113 196 - 627
処分 - (8) (61) (26) (56) - (151)
為替換算 - - 1 - 1 - 2
その他 - (3) (11) (1) 3 - (12)
$ - $ 703 $ 1,758 $ 1,137 $ 2,074 $ - $ 5,672
期末残高
$ 153 $ 692 $ 567 $ 420 $ 927 $ 432 $ 3,191
期末正味帳簿価額
2018年10月31日終了年度
備品、
コンピュー 設備および リース物件
土地 建物 建設仮勘定 合計
ター機器 その他の 改良費
付帯設備
(百万カナダドル)
取得原価
$ 157 $ 1,363 $ 1,875 $ 1,314 $ 2,586 $ 153 $ 7,448
期首残高
増加(1) - - 255 43 61 374 733
建設仮勘定からの振替 - 7 44 56 184 (291) -
処分 (5) (17) (50) (41) (73) - (186)
為替換算 1 5 ▶ ▶ 8 - 22
その他 - 41 (5) (3) (40) 28 21
$ 153 $ 1,399 $ 2,123 $ 1,373 $ 2,726 $ 264 $ 8,038
期末残高
減価償却累計額
$ - $ 608 $ 1,367 $ 984 $ 1,819 $ - $ 4,778
期首残高
減価償却費 - 44 246 100 179 - 569
処分 - (10) (48) (34) (55) - (147)
為替換算 - 2 1 2 6 - 11
その他 - 25 (10) (1) (19) - (5)
$ - $ 669 $ 1,556 $ 1,051 $ 1,930 $ - $ 5,206
期末残高
$ 153 $ 730 $ 567 $ 322 $ 796 $ 264 $ 2,832
期末正味帳簿価額
(1) 2019年10月31日現在、当行は有形固定資産を取得する契約上のコミットメントを合計338百万ドル(2018年10月31日-273
百万ドル)保有していた。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
注記10 のれんおよびその他の無形資産
のれん
2019 年10月31日終了年度
US ウェル インター
カナディ グローバ
ス・マネ ナショナ インベス
カナディ カリビア アン・ウ ル・アセ キャピタ
ジメント ル・ウェ インシュ ター&ト
アン・バ ン・バン ェルス・ ット・マ ル・マー 合計
(シティ・ ルス・マ アランス レジャリー
ンキング キング マネジメ ネジメン ケッツ
ナショナ ネジメン ・サービス
ント ト
(百万カナダドル) ルを含む) ト
$ 2,528 $ 1,729 $ 1,067 $ 11,137
期首残高 $ 579 $ 1,986 $ 2,870 $ 118 $ 112 $ 148
取得 27 - - - 71 - - - - 98
処分 - - - (20) - - - - - (20)
為替換算 - (2) - 19 2 2 - - - 21
$ 2,555 $ 1,727 $ 1,067 $ 11,236
期末残高 $ 579 $ 1,985 $ 2,943 $ 120 $ 112 $ 148
2018 年10月31日終了年度
US ウェル インター
カナディ グローバ
ス・マネ ナショナ インベス
カナディ カリビア アン・ウ ル・アセ キャピタ
ジメント ル・ウェ インシュ ター&ト
アン・バ ン・バン ェルス・ ット・マ ル・マー 合計
(シティ・ ルス・マ アランス レジャリー
ンキング キング マネジメ ネジメン ケッツ
ナショナ ネジメン ・サービス
ント ト
(百万カナダドル) ルを含む) ト
$ 2,527 $ 1,694 $ 1,049 $ 10,977
期首残高 $ 576 $ 2,006 $ 2,745 $ 120 $ 112 $ 148
取得 1 - - - 80 - - - - 81
処分 - - - - (8) - - - - (8)
為替換算 - 35 3 (20) 53 (2) - - 18 87
$ 2,528 $ 1,729 $ 1,067 $ 11,137
期末残高 $ 579 $ 1,986 $ 2,870 $ 118 $ 112 $ 148
当行は、各CGUの帳簿価額と回収可能価額を比較して、年次の減損テストを実施している。CGUの回収可能価額
は、CGUの帳簿価額が使用価値を超過する場合を除き、使用価値で表される。CGUの帳簿価額が使用価値を超過する
場合、CGUの処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方がその回収可能価額となる。当行の年次の
減損テストは、8月1日時点で実施している。
2019 年度および2018年度の当行の年次の減損テストにおいて、CGUであるカリビアン・バンキングおよびイン
ターナショナル・ウェルス・マネジメントの回収可能価額は、当該処分コスト控除後の公正価値に基づいていた。
テストを実施したその他のすべてのCGUの回収可能価額は、当該使用価値に基づいていた。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
使用価値
当行は、期間5年の割引キャッシュ・フロー法を用いて使用価値を算定しているが、例外的にUSウェルス・マネ
ジメント(シティ・ナショナルを含む。)CGUでは、シティ・ナショナルの取得に伴う戦略的成長計画に整合させた
6年間のキャッシュ・フロー予測を使用している。将来キャッシュ・フローは、経営陣承認済みの財務計画をベー
スに、業績予想、事業戦略、将来キャッシュ・フローの実現に必要な資金および株主還元を基に見積っている。将
来キャッシュ・フローの重要な要素には、純預貸利ざやおよび平均利付資産がある。予測期間にわたりこれらの要
素に配分する額は、過去の実績、内外の経済予測、および経済状況が当行の経営成績に及ぼす影響についての経営
陣の予測に基づいている。最初のキャッシュ・フロー予測を超える期間のキャッシュ・フローは、長期の名目成長
率(以下「永久成長率」という。)を使用して一定の割合で増加すると仮定している。ただし、USウェルス・マネジ
メント(シティ・ナショナルを含む。)CGUについては、当事業に対する当行の成長予想に合わせた中期成長率を適
用し、10年目以降に永久成長率に戻している。永久成長率は、CGUが業務を行っている国の国内総生産およびイン
フレに関する現在の市場の評価に基づいている。各CGUの予想将来キャッシュ・フローの現在価値の算定に使用し
た割引率は、各CGUがさらされているリスク調整後の当行全体の資本コストに基づいている。CGU固有のリスクとし
ては、カントリー・リスク、事業/オペレーショナル・リスク、地理的リスク(政治リスク、通貨切り下げリスクお
よび政府による規制を含む。)、為替リスクおよび価格リスク(商品の価格設定リスクおよびインフレ等)がある。
使用価値の見積りは、割引キャッシュ・フロー・モデルのインプットの決定において重要な判断を伴うととも
に、将来キャッシュ・フロー、割引率および予測期間を超える期間のキャッシュ・フローに適用される永久成長率
の変動に最も影響を受ける。合理的に考え得る変更を使用される主要なインプットおよび仮定に適用して回収可能
価額を再計算することにより、感応度テストを実施している。税引後の割引率は1%上昇させ、永久成長率は1%
減少させ、将来キャッシュ・フローは10%減少させた。2019年8月1日現在、上記の通り個々の主要なインプット
または仮定について合理的に考え得る変更を行っても、CGUの帳簿価額が使用価値に基づく回収可能価額を超過す
ることはなかった。
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ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
割引キャッシュ・フロー・モデルに用いた永久成長率および税引前の割引率は、以下に要約されている。
以下の日現在
2019 年8月1日 2018年8月1日
割引率(1) 永久成長率 割引率(1),(2) 永久成長率
資金生成単位グループ
カナディアン・バンキング 10.2 % 3.0 % 10.0% 3.0%
カリビアン・バンキング 11.9 4.2 11.8 4.3
カナディアン・ウェルス・マネジメント 11.2 3.0 11.2 3.0
グローバル・アセット・マネジメント 11.1 3.0 11.0 3.0
USウェルス・マネジメント(シティ・ナショナル
11.2 3.0 11.0 3.0
を含む)
インターナショナル・ウェルス・マネジメント 10.8 3.0 10.1 3.0
インシュアランス 11.0 3.0 11.0 3.0
インベスター&トレジャリー・サービス 10.9 3.0 11.2 3.0
キャピタル・マーケッツ 11.8 3.0 12.4 3.0
(1) 税引前の割引率は、税引後の割引率に基づいて黙示的に決定される。
(2) 割引率は過年度から修正されている。
処分コスト控除後の公正価値-カリビアン・バンキング
CGU であるカリビアン・バンキングに関して、当行は、5年間の将来キャッシュ・フローを予測する割引キャッ
シュ・フロー法を用いて、処分コスト控除後の公正価値を算定した。キャッシュ・フローは、事業計画を基に、第
三者に売却した場合の対価と整合させるための調整を加えている。最初の5年間を超えた期間のキャッシュ・フ
ローは、名目長期成長率を使用して一定の割合で増加すると仮定している。将来キャッシュ・フロー、永久成長率
および割引率は、上記と同一の係数に基づいている。この公正価値測定は、重要なインプットの一部が観察可能で
ないため、公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分される。
当行は、将来キャッシュ・フロー、割引率および予測期間を超える期間のキャッシュ・フローに適用される永久
成長率の変動に最も影響を受ける割引キャッシュ・フロー・モデルのインプットを決定するために重要な判断を用
いる。これらの主要なインプットの感応度については、合理的に考え得る変更を当該仮定に適用することにより、
テストを実施している。2019年8月1日現在、当行のカリビアン・バンキングCGUの処分コスト控除後の公正価値
に基づく回収可能価額は、CGUの帳簿価額の126%であった。税引後の割引率を1.8%上昇させ、その他の個別要因
を一定に保った場合、回収可能価額は帳簿価額に近似する。永久成長率の2.4%の低下または将来キャッシュ・フ
ローの21%の減少を含めた、個々の主要なインプットまたは仮定の合理的に考え得るその他のいかなる変更によっ
ても、CGUの帳簿価額が処分コスト控除後の公正価値に基づく回収可能価額を超過することはなかった。
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処分コスト控除後の公正価値-インターナショナル・ウェルス・マネジメント
CGU であるインターナショナル・ウェルス・マネジメントに関して、当行は、マルチプル法に基づく手法を用い
て、処分コスト控除後の公正価値の算定を行った。CGU内の各事業は、第三者に売却した場合の対価を反映するよ
う、価格管理資産(以下「P/AUA」という。)倍数または価格収益(以下「P/Rev」という。)倍数のいずれかを適宜用
いて、評価を行った。2019年度において、当行は、8月1日現在の管理資産に2.25%のP/AUA倍数(2018年8月1日
は2.5%)を適用し、当該テスト実施日前12ヶ月間の収益に2.5倍のP/Rev倍数(2018年8月1日は2.5倍)を適用した。
これらの倍数は、比較可能な事業の過去の取引を基に合理的に考え得る範囲のインプットから推定した当行の最善
の見積りを表している。この公正価値測定は、重要なインプットの一部が観察可能でないため、公正価値ヒエラル
キーのレベル3に区分される。
処分コスト控除後の公正価値の見積りは、適切な評価アプローチおよびインプットの決定にあたり重要な判断を
伴うとともに、P/AUA倍数およびP/Rev倍数の変化に最も影響を受ける。これらの主要なインプットの感応度テスト
は、それぞれの倍数を、合理的に考え得るインプットの範囲の最低値まで減少させることにより実施した。2019年
8月1日現在、上記の通り個々の主要なインプットまたは仮定について合理的に考え得る変更を行っても、CGUの
帳簿価額が処分コスト控除後の公正価値に基づく回収可能価額を超過することはなかった。
その他の無形資産
2019 年10月31日終了年度
顧客リスト
コア預金
自己創設ソ その他のソ 開発中のソ
および顧客 合計
フトウェア フトウェア フトウェア
無形資産
(百万カナダドル)
関係
帳簿価額総額
$ 5,984 $ 1,582 $ 1,750 $ 1,768 $ 1,146 $ 12,230
期首残高
増加 42 49 - - 1,184 1,275
企業結合による取得 - 16 - 6 - 22
振替 1,009 42 - - (1,051) -
処分 - (1) - - - (1)
減損損失 (94) (6) - - (42) (142)
為替換算 - 1 1 7 (2) 7
その他の変動 - 1 (184) (8) 5 (186)
$ 6,941 $ 1,684 $ 1,567 $ 1,773 $ 1,240 $ 13,205
期末残高
償却累計額
$ (4,501) $ (1,226) $ (654) $ (1,162) $ - $ (7,543)
期首残高
当年度の償却費 (793) (121) (159) (124) - (1,197)
処分 - - - - - -
減損損失 30 2 - - - 32
為替換算 (1) (1) 1 (6) - (7)
その他の変動 9 (11) 185 1 - 184
期末残高 $ (5,256) $ (1,357) $ (627) $ (1,291) $ - $ (8,531)
$ 1,685 $ 327 $ 940 $ 482 $ 1,240 $ 4,674
期末正味残高
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2018年10月31日終了年度
顧客リスト
コア預金
自己創設ソ その他のソ 開発中のソ
および顧客 合計
フトウェア フトウェア フトウェア
無形資産
(百万カナダドル)
関係
帳簿価額総額
$ 5,143 $ 1,432 $ 1,715 $ 1,753 $ 892 $ 10,935
期首残高
増加 40 79 - - 1,111 1,230
企業結合による取得 - - - 16 - 16
振替 798 51 - - (849) -
処分 (1) (1) - - (2) (4)
減損損失 (1) - - - (7) (8)
為替換算 16 11 35 (1) ▶ 65
その他の変動 (11) 10 - - (3) (4)
$ 5,984 $ 1,582 $ 1,750 $ 1,768 $ 1,146 $ 12,230
期末残高
償却累計額
$ (3,825) $ (1,094) $ (487) $ (1,022) $ - $ (6,428)
期首残高
当年度の償却費 (669) (112) (153) (143) - (1,077)
処分 1 1 - - - 2
減損損失 - - - - - -
為替換算 (11) (7) (14) 3 - (29)
その他の変動 3 (14) - - - (11)
$ (4,501) $ (1,226) $ (654) $ (1,162) $ - $ (7,543)
期末残高
$ 1,483 $ 356 $ 1,096 $ 606 $ 1,146 $ 4,687
期末正味残高
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注記11 重要な処分
ウェルス・マネジメント
2019 年10月30日、当行は、英国において当行のプライベート・デット投資を展開していたグローバル・アセッ
ト・マネジメント事業について、ダイヤル・キャピタル・パートナーズへの売却を完了した。この取引の結果、当
行は、売却益142百万ドル(税引前、税引後134百万ドル)を「利息以外の収益」に計上した。処分グループに含まれ
ていた資産、負債および資本に重要性はない。
注記12 共同支配企業および関連会社
以下の表は、持分法により会計処理している共同支配企業および関連会社に対する当行の持分の帳簿価額、なら
びに当該企業からの持分法利益の要約である。
共同支配企業 関連会社
以下の日現在および同日に終了した年度
2019 年 2018年 2019 年 2018年
10 月31日 10月31日 10 月31日 10月31日
(百万カナダドル)
$ 178 $ 165 $ 474 $ 521
帳簿価額
以下に対する当行の持分:
$ 107 $ 113 $ (31) $ (92)
純利益
当行は、当行の経営成績に対して個別に重要性のある共同支配企業および関連会社を保有していない。
2019 年10月31日終了年度に、当行は共同支配企業および関連会社に対する持分について減損損失2百万ドル
(2018年10月31日-減損損失12百万ドル)を認識した。
当行の子会社、共同支配企業および関連会社の一部は、それらが事業を行っている管轄区域における規制当局の
規制対象となっている。これらの子会社、共同支配企業および関連会社が当該規制対象となっている場合には、そ
れらの資産に対する当行の持分を、現金配当、貸出金または前払金の形で当行に移転することを制限される可能性
がある。2019年10月31日現在、これらの子会社、共同支配企業および関連会社の拘束純資産は、349億ドル(2018年
10月31日-339億ドル)であった。
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注記13 その他の資産
以下の日現在
2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日
$ 15,629 $ 14,467
現金担保
差入証拠金 5,688 4,940
ブローカー、ディーラーおよび顧客からの未収入金 2,511 2,868
受取債権および前払金 4,569 4,047
共同支配企業および関連会社に対する投資 652 686
従業員給付資産 147 626
保険関連資産
証券担保貸付 926 991
契約者貸付 95 99
再保険資産 748 656
その他 78 163
繰延税金資産 1,989 1,475
未収還付税金 5,553 5,456
未収利息 2,866 2,641
貴金属 416 361
コモディティに関連する債権 4,232 1,898
その他 2,974 2,690
$ 49,073 $ 44,064
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注記14 預金
以下の日現在
2019 年 10月31日 2018年10月31日
要求払い 要求払い
通知(2) 定期(3) 合計 通知(2) 定期(3) 合計
(百万カナダドル)
(1) (1)
$ 143,958 $ 49,806 $ 100,968 $ 294,732 $ 135,101 $ 48,873 $ 86,180 $ 270,154
個人
企業および政府(4) 253,113 13,867 298,502 565,482 238,617 8,606 286,299 533,522
銀行 8,363 920 16,508 25,791 8,750 299 23,472 32,521
$ 405,434 $ 64,593 $ 415,978 $ 886,005 $ 382,468 $ 57,778 $ 395,951 $ 836,197
無利息 (5)
$ 93,163 $ 5,692 $ 137 $ 98,992 $ 88,119 $ 5,086 $ - $ 93,205
カナダ
米国 34,632 - - 34,632 34,098 - - 34,098
ヨーロッパ(6) 760 - - 760 564 - - 564
その他の国外 5,225 5 - 5,230 5,495 5 - 5,500
有利息 (5)
カナダ 228,386 15,306 333,118 576,810 213,747 15,112 292,641 521,500
米国 4,704 39,626 41,776 86,106 2,478 33,099 67,211 102,788
ヨーロッパ(4),(6) 33,073 825 30,090 63,988 32,930 1,412 25,749 60,091
その他の国外 5,491 3,139 10,857 19,487 5,037 3,064 10,350 18,451
$ 405,434 $ 64,593 $ 415,978 $ 886,005 $ 382,468 $ 57,778 $ 395,951 $ 836,197
(1) 要求払い預金は、引出通知を求める権利が当行にない預金であり、貯蓄預金および当座預金の両方が含まれている。
(2) 通知預金は、当行が法的に引出通知を要求できる預金である。これらの預金は、主に貯蓄預金である。
(3) 定期預金は、確定期日に支払われる預金であり、定期預金、保証付投資証書および類似商品が含まれている。
(4) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
(5) 預金の地域別の区分は、預け入れ場所および収益の認識場所に基づいている。2019年10月31日現在の米ドル建て、英ポ
ンド建て、ユーロ建ておよびその他の外貨建預金は、それぞれ3,210億ドル、230億ドル、450億ドルおよび310億ドル
(2018年10月31日-3,090億ドル、200億ドル、380億ドルおよび310億ドル)である。
(6) ヨーロッパには、英国、ルクセンブルグ、チャンネル諸島、フランスおよびイタリアが含まれている。
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定期預金の契約上の満期
以下の日現在
2019 年 10月31日 2018年10月31日
(百万カナダドル)
1年以内:
$ 94,585 $ 89,553
3ヶ月未満
3ヶ月から6ヶ月 62,814 59,109
6ヶ月から12ヶ月 92,507 80,773
1年から2年 50,055 51,798
2年から3年 31,852 45,550
3年から4年 31,373 21,127
4年から5年 21,130 23,863
5年超(1) 31,662 24,178
$ 415,978 $ 395,951
1口当たり100,000ドル以上の定期
$ 379,000 $ 362,000
預金の総額(2)
(1) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
(2) 1口当たり100,000ドル以上の定期預金の総額は修正再表示されている。
平均預金残高および平均金利
以下の日に終了した年度
2019 年 10月31日 2018年10月31日
(パーセンテージを除き、
平均残高 平均金利 平均残高 平均金利
百万カナダドル)
$ 650,555 $ 603,582
カナダ 1.60 % 1.28%
米国 129,903 1.17 131,715 1.00
ヨーロッパ(1) 63,333 1.15 59,916 0.91
その他の国外 26,290 1.20 23,788 1.11
$ 870,081 $ 819,001
1.49 % 1.20%
(1) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
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注記15 保険
リスク管理
保険リスクは、引受時の当行の見込みに対して、保険事故の発生時期、頻度または程度が変動するリスクであ
る。地理的多様性および事業構成のため、当行の集中リスクの度合いは高くはない。生命保険および医療保険事業
の場合、地域固有の特性に重要性はないため、集中リスクは主要な懸念事項にはならない。また、当行のリスク特
性を改善し保険金請求一件当たりの負債額を限定するために、当行の保険事業の大半で再保険を利用している。当
行は、引受に係るガイドラインを用いて、引受リスクおよび価格決定リスクを管理している。当該ガイドラインで
は、引受可能な事業分野、内容および種類、商品ラインごとの価格決定方針、ならびに契約文言の一括管理に関す
る詳細を定めている。保険金請求の不適切な処理または支払いに係るリスクについては、一連の情報技術(IT)シス
テム統制および経験豊富な従業員によるマニュアル・プロセスにより軽減している。これらと詳細な各種方針およ
び手続と併せて、すべての保険金請求が適時、適切かつ正確な方法で処理されることを確保している。
再保険
通常の事業の過程において、当行の保険事業では、当行のリスク特性の改善、重大なリスクに対する損失エクス
ポージャーの制限および将来の成長に向けた余力拡大のために、リスクを他の保険会社および再保険会社に再保険
している。これらの出再保険契約は、当行の保険子会社の保険契約者に対する当行の直接の債務を免除するもので
はない。当行は、再保険業者の財政状態について評価し、当行の信用リスクの集中をモニターして、再保険業者の
支払不能による損失エクスポージャーを最小化している。以下の表では、「利息以外の収益」に含まれる再保険の
金額(出再保険料)について記載している。
保険料および保険金純額
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
(百万カナダドル)
$ 4,209 $ 4,236
保険料総額
再保険者への出再保険料 (225) (204)
$ 3,984 $ 4,032
保険料純額
$ 3,990 $ 2,615
保険金および給付金総額(1)
保険金および給付金に対する再保険業者の分担額 (241) (224)
$ 3,749 $ 2,391
保険金純額
(1) 生命保険契約負債を担保する投資の公正価値の変動が含まれ、大部分は収益において相殺される。
未払保険金および保険給付負債
すべての数理計算上の仮定は、カナダ・アクチュアリー会の実務基準およびOSFIの規定を併用して設定されてい
る。保険負債の測定に最も大きな影響を与える仮定、それらの決定に用いられるプロセス、および2019年10月31日
現在で使用された仮定は、以下の通りである。
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生命保険
死亡率および罹病率-死亡率の見積りは、標準簡易生命保険被保険者死亡表に基づき、当行の実績を適宜反映し
て修正される。罹病率の仮定は、医療保険契約の請求発生率および解約率に関して設定され、業界の実績と当行の
実績の組合せに基づいている。
将来の投資利回り-仮定は、事業ラインごとの現在の利回り、再投資の仮定、および将来の信用損失に対する引
当を基に、金利シナリオ・テスト(保険数理基準が定める最小負債額の算定のための所定のシナリオを含む。)によ
り策定されている。
保険契約者の行動-特定の保険契約の保険契約者は、給付金および保険料を変更し、さらに終身保険に変更する
契約上の権利を有している。すべての保険契約者は、失効による解約権を有している。失効とは保険料の不払いに
よる契約解除である。失効に関する仮定は、主に当行の最近の実績を基に、最近の業界の実績が適宜加味されてい
る。
重要な保険における仮定
以下の日現在
2019 年 2018年
10 月31日 10月31日
生命保険
カナディアン・インシュアランス
死亡率(1) 0.12 % 0.11%
罹病率(2) 1.82 1.82
将来の再投資利回り(3) 3.69 3.80
失効率(4) 0.50 0.50
インターナショナル・インシュアランス
死亡率(1) 0.57 0.52
将来の再投資利回り(3) 3.06 3.14
(1) 保険契約の最大ポートフォリオの平均年間死亡率
(2) 個人および団体疾病保険のポートフォリオの平均純支払率
(3) 保険事業の最終再投資利回り
(4) 相対的に高い解約率により収益性を維持する終身生命保険(解約返戻金抑制型契約)の最大ポートフォリオの最終契約解
除率(失効率)
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未払保険金および保険給付負債
以下の表は、期末現在の保険負債に係る当行の負債総額および再保険業者の負担額を要約している。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
総額 出再 純額 総額 出再 純額
(百万カナダドル)
生命保険契約負債
$ 601 $ 9,982 $ 493 $ 9,489
生命保険、医療保険および年金 $11,339 $10,738
投資契約(1) 38 - 38 42 - 42
$ 601 $ 493 $ 9,531
$11,377 $10,776 $10,024
生命保険以外の保険契約負債
$ 29 $ - $ 29 $ 26 $ - $ 26
未経過保険料準備金(1)
保険金支払準備金 62 2 60 18 3 15
$ 91 $ 2 $ 89 $ 44 $ 3 $ 41
$ 603 $ 496 $ 9,572
$11,468 $10,865 $10,068
(1) 投資契約および未経過保険料準備金の保険負債は、連結貸借対照表の「その他の負債」に計上されている。
生命保険契約負債の調整表
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
総額 出再 純額 総額 出再 純額
(百万カナダドル)
$ 493 $ 9,531 $ 9,687 $ 393 $ 9,294
期首残高 $10,024
新規契約および有効な契約 1,479 103 1,376 502 83 419
仮定および方法の変更 ( 122 ) 5 ( 127 ) (173) 17 (190)
投資契約の純増減 (4) - (4) 8 - 8
$ 601 $ 493 $ 9,531
期末残高 $11,377 $10,776 $10,024
未払保険金および保険給付負債の前期比での純増は、生命保険負債と医療保険負債を担保する資産市場の変動お
よび事業の成長を起因とした生命保険負債と医療保険負債および再保険の純増によるものであった。当期におい
て、当行は保険給付負債の算定に使用する主要な保険数理計算の方法および仮定をすべて見直した結果、保険負債
は127百万ドル純減した。この内訳は、(ⅰ)株式および商業用不動産投資に係る成長率の仮定を見直したことによ
る保険数理計算上の引当金の修正による104百万ドルの減少、(ⅱ)再保険契約の再交渉による78百万ドルの減少、
(ⅲ)評価システムおよびデータの変更による17百万ドルの減少、ならびに、(ⅳ)主として死亡率、罹病率、維持費
および損害保険マージンの不利な乖離および費用に関する仮定に起因する保険リスク関連の仮定の見直し(保険契
約負債の総額および出再額に影響)による72百万ドルの増加である。
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感応度分析
以下の表は、本注記に開示している保険契約負債の計算に使用した、保険数理計算上の仮定の合理的に考え得る
変動に対する当該負債の感応度を表している。各変数の変動率を現在用いている保険数理計算モデルの一連の仮定
に適用することで、純損益に与え得る影響額を算定している。本分析は、ある仮定を変更するがその他の仮定は一
定として実施しており、このような状況が実際に起こる可能性は低い。
以下の日に終了した年度の
当期純利益への影響
2019 年 2018年
(パーセンテージを除き、百万カナダドル) 変数の変動
10 月31日 10月31日
$ (7) $ (2)
市場金利の上昇(1) 1%
市場金利の低下(1) 1 ▶ -
株式の市場価値の増加(2) 10 1 6
株式の市場価値の減少(2) 10 (3) (8)
維持費の増加(3) 5 (33) (29)
生命保険 (3)
年金受給者の死亡率のマイナスの変動 2 (205) (131)
保険契約者の死亡率のマイナスの変動 2 (60) (59)
罹病率のマイナスの変動 5 (205) (188)
失効率のマイナスの変動 10 (247) (226)
(1) 市場金利に対する感応度は、最終再投資利回りの仮定は一定として現在の再投資利回りを引き上げることによるイールド
カーブの100ベーシス・ポイントのシフトが当期予想利益に及ぼす影響を含む。当該感応度は、保険数理上の債務の想定
される再投資利回りに対する影響と、イールドカーブのシフトによる資産および負債の公正価値の変動との両方から構
成されている。
(2) 株式の市場価値の変動に対する感応度は、保有株式資産の公正価値の変動の差異が当期予想利益に及ぼす影響、および
保険数理上の債務への部分的な相殺影響から構成されている。
(3) 維持費および生命保険の保険数理上の仮定の変更に対する感応度は、すべての有効な契約の存続期間における所定の仮
定の不利な変更により増加した負債を認識することで、当期予想利益に及ぼされる影響を含む。
注記16 個別分離運用型基金
当行は、保険契約者による個別分離運用型基金への投資を可能とする、一定の個別変額保険契約を提供してい
る。これらの基金の投資収益は、保険契約者に直接引き渡される。投資額は、満期保証および死亡給付保証を提供
するオプションを保険契約者が選択した場合を除き、保険契約者のリスク負担となる。保証に係る負債は、「未払
保険金および保険給付負債」に計上される。
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個別分離運用型基金の純資産は公正価値で計上される。当行のすべての個別分離運用型基金の純資産は公正価値
ヒエラルキーのレベル1に区分される。個別分離運用型基金負債の公正価値は、個別分離運用型基金の純資産の公
正価値に等しい。個別分離運用型基金の純資産および個別分離運用型基金負債は、連結貸借対照表上、別建てで表
示される。以下の表は、当期の純資産の内訳および純資産の変動を表している。
個別分離運用型基金の純資産
以下の日現在
2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日
$ 31 $ 19
現金
ミューチュアル・ファンドへの投資 1,631 1,348
その他の資産(負債)、純額 1 1
$ 1,663 $ 1,368
純資産の変動
以下の日に終了した年度
2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日
$ 1,368 $ 1,216
純資産、期首残高
増加(減少):
保険契約者からの預り金 557 537
実現および未実現利得(損失)純額 124 (40)
利息および配当 39 31
保険契約者への支払 (386) (342)
運用管理費 (39) (34)
$ 1,663 $ 1,368
純資産、期末残高
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注記17 従業員給付-年金およびその他の退職後給付
制度の特徴
当行は、受給資格のある従業員に年金および退職後給付を支給する多数の制度を運営している。当該年金制度の
受給者の大半はカナダに居住しており、その他の受給者は主に米国、英国およびカリブ海地域に居住している。投
資判断、制度の給付および拠出の決定等の当該年金に係る取決めは、当行から法的に分離された現地の年金委員会
もしくは受託者、または経営陣が行っている。重要な制度変更には、取締役会の承認を必要としている。
当行の確定給付年金制度は、勤続年数、拠出額および退職時の平均所得を基に給付を行っている。当行の主たる
確定給付年金制度では新規加入を見合わせており、新規従業員は、通常、確定拠出年金制度への加入資格を有して
いる。確定拠出制度の個々の特徴は、制度の所在地によって異なる。また、当行は、特定の役員および上級経営陣
向けの、登録(適格)年金制度以外の補完的な年金制度(通常、非積立方式または一部積立方式による。)も提供して
いる。
当行の確定拠出年金制度は、従業員および事業主の拠出累計額に基づき年金給付を行う制度である。事業主の拠
出額は従業員の年間所得の一定割合を基準とし、事業主の拠出負担額は従業員の拠出額および勤続年数によって決
まる場合がある。
当行の主たるその他の退職後給付制度では、医療保険、歯科保険、障害保険および生命保険による保障を行って
おり、主にカナダに居住する現職および退職従業員の多くが対象となっている。これらの制度は、法令で定める場
合を除いて非積立方式である。
当行は、毎年10月31日現在で給付債務および年金資産の測定を行っている。すべての制度を予測単位積増方式に
より評価している。当行は、現行の年金規制に基づき従業員給付債務の支払所要額を数理計算により算定し、これ
に従い登録確定給付年金制度への積立を行っている。当行の主たる年金制度に係る直近の積立金の数理計算上の評
価は2019年1月1日に完了しており、次回の評価は2020年1月1日に完了する予定である。
2019 年10月31日終了年度の当行の年金制度(確定給付制度および確定拠出制度)ならびにその他の退職後給付制度
に対する拠出総額は、それぞれ551百万ドルおよび72百万ドル(2018年10月31日-594百万ドルおよび65百万ドル)で
あった。2020年度の当行の年金制度およびその他の退職後給付制度に対する拠出総額は、それぞれ549百万ドルお
よび78百万ドルとなる見込みである。
リスク
確定給付年金制度およびその他の退職後給付制度は、その制度設計上、投資成果、給付債務の評価に用いる割引
率の低下、制度加入者の寿命の伸び、今後の昇給に影響を及ぼす将来のインフレ水準、および将来の医療費の増大
等の様々なリスクを当行に与えている。主たる確定給付年金制度への新規加入を見合わせ、確定拠出年金制度への
移行を進めることで、これらのリスクは徐々に低下する見込みである。
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以下の表は、役員退職に係る取決めを含む、世界規模での当行の重要な年金制度およびその他の退職後給付制度
のすべてに関する財政状態を示している。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
その他の その他の
確定給付 退職後 確定給付 退職後
(百万カナダドル)
年金制度 給付制度 年金制度 給付制度
カナダ
$ 13,679 $ 1 $ 12,587 $ 1
制度資産の公正価値
確定給付債務の現在価値 14,428 1,722 12,270 1,522
$ (749) $ (1,721) $ 317 $ (1,521)
積立(不足)純額
国外
$ 1,106 $ - $ 977 $ -
制度資産の公正価値
確定給付債務の現在価値 1,089 98 948 100
$ 17 $ (98) $ 29 $ (100)
積立(不足)純額
合計
$ 14,785 $ 1 $ 13,564 $ 1
制度資産の公正価値
確定給付債務の現在価値 15,517 1,820 13,218 1,622
$ (732) $ (1,819) $ 346 $ (1,621)
積立(不足)純額合計
アセット・シーリングの影響 (1) - (1) -
積立(不足)純額合計、アセット・シーリングの
$ (733) $ (1,819) $ 345 $ (1,621)
影響控除後
当行の連結貸借対照表における認識額
$ 147 $ - $ 626 $ -
従業員給付資産
従業員給付負債 (880) (1,819) (281) (1,621)
積立(不足)純額合計、アセット・シーリングの
$ (733) $ (1,819) $ 345 $ (1,621)
影響控除後
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以下の表は、役員退職に係る取決めを含む、世界規模での当行の重要な年金制度およびその他の退職後給付制度
のすべてに関する財政状態の変動を分析したものである。
以下の日現在または同日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
確定給付 その他の 確定給付 その他の
年金制度 退職後 年金制度 退職後
(百万カナダドル)
(1) 給付制度 (1) 給付制度
$ 13,564 $ 1 $ 13,573 $ 1
制度資産の期首公正価値
利息収益 532 - 476 -
再測定
制度資産に係る収益(利息収益を除く)
910 - (268) -
為替レートの変動 9 - (10) -
拠出-事業主 339 72 409 65
拠出-制度加入者 48 18 49 19
支払 (601) (90) (586) (84)
支払-清算に関する支払 - - (64) -
その他 (16) - (15) -
$ 14,785 $ 1 $ 13,564 $ 1
制度資産の期末公正価値
$ 13,218 $ 1,622 $ 14,005 $ 1,845
給付債務期首残高
当期勤務費用 297 39 359 34
過去勤務費用 1 - (13) (25)
清算損益 - - 13 -
利息費用 510 65 484 66
再測定
人口統計上の仮定による数理計算上の差損(益) (4) (7) (164) (66)
財務上の仮定による数理計算上の差損(益) 1,977 196 (828) (140)
実績修正による数理計算上の差損(益) 59 (23) (22) (32)
為替レートの変動 12 - (15) 5
拠出-制度加入者 48 18 49 19
支払 (601) (90) (586) (84)
支払-清算に関する支払 - - (64) -
$ 15,517 $ 1,820 $ 13,218 $ 1,622
給付債務期末残高
$ 29 $ 1,671 $ 27 $ 1,481
非積立方式の制度債務
全額または一部積立方式の制度債務 15,488 149 13,191 141
$ 15,517 $ 1,820 $ 13,218 $ 1,622
給付債務合計
(1) 積立不足の年金制度に係る給付債務および制度資産の公正価値は、2019年10月31日現在それぞれ14,329百万ドルおよび
13,449百万ドル(2018年10月31日-それぞれ685百万ドルおよび404百万ドル)であった。
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年金費用およびその他の退職後給付費用
以下の表は、世界規模での当行の重要な年金制度およびその他の退職後給付制度に関する、当行の年金費用およ
びその他の退職後給付費用の内訳である。
以下の日に終了した年度
年金制度 その他の退職後給付制度
2019 年 2018年 2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日 10 月31日 10月31日
$ 297 $ 359 $ 39 $ 34
当期勤務費用
過去勤務費用 1 (13) - (25)
清算損益 - 13 - -
利息費用(収益)純額 (22) 8 65 66
その他の長期給付に関する
- - 13 (4)
再測定
管理費用 16 15 - -
$ 292 $ 382 $ 117 $ 71
確定給付年金費用
確定拠出年金費用 212 185 - -
$ 504 $ 567 $ 117 $ 71
2019 年10月31日終了年度の勤務費用は、カナダの年金制度で293百万ドル(2018年10月31日-354百万ドル)、およ
び国外の年金制度で5百万ドル(2018年10月31日-(8)百万ドル)であった。2019年10月31日終了年度の利息費用
(収益)純額は、カナダの年金制度で(21)百万ドル(2018年10月31日-4百万ドル)、および国外の年金制度で(1)百
万ドル(2018年10月31日-4百万ドル)であった。
年金およびその他の退職後給付の再測定
以下の表は、世界規模での当行の重要な年金制度およびその他の退職後給付制度に関する、OCIに計上された再
測定額の内訳である。
以下の日に終了した年度
確定給付年金制度 その他の退職後給付制度
2019 年 2018年 2019 年 2018年
(百万カナダドル)
10 月31日 10月31日 10 月31日 10月31日
数理計算上の差(益)損:
$ (4) $ (164) $ (11) $ (65)
人口統計上の仮定の変更
財務上の仮定の変更 1,977 (828) 186 (134)
実績修正 59 (22) (22) (35)
制度資産に係る収益
(910) 268 - -
(割引率による利息を除く)
$ 1,122 $ (746) $ 153 $ (234)
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2019 年10月31日終了年度にOCIに計上された再測定額は、カナダの年金制度で1,102百万ドルの損失(2018年10月
31日-633百万ドルの利得)、および国外の年金制度で20百万ドルの損失(2018年10月31日-113百万ドルの利得)で
あった。
投資方針および戦略
確定給付年金制度資産は、当行の長期にわたる年金債務の支払いに備えて、慎重に投資が行われている。年金制
度の投資戦略は、資産種類や地理的場所を多様化させた投資構成を維持することである。これは、積立状況に対す
る個々の投資リスクの削減を図りつつ、年金債務の支払いに充当する期待収益の最大化を目的としている。投資
は、年金債務の価値に影響を及ぼす主要なリスク要因である金利および信用スプレッドに対する年金債務の感応度
について慎重に検討した上で実施しているので、制度資産の投資は資産/負債の枠組みに準拠している。資産構成
を構築する際に検討する要素としては以下があるが、これらに限定されない。
・ 基礎となる給付債務の内容(当該債務の期間および期間構成等)
・ 加入者の構成(通常の退職者、解雇者および死亡者の予想を含む)
・ 年金制度の財政状態
・ 複数の資産種類を含めることで得られる分散効果
・ 期待運用収益(資産および負債の相関関係を含む。)および当該年金制度の流動性要件
資産配分方針の実行に際し、当行は、債務証券、持分証券およびオルタナティブ投資に投資することができる。
一定の投資(普通株式、BBBを下回る格付けの債券、ならびに住宅および商業モーゲージ等)については、確定給付
年金制度資産の市場価値の一定割合を超えて保有することはできない。当行はデリバティブ商品を利用できるが、
原証券のパフォーマンスをより効果的に反映するシンセティック投資か、制度内の財務リスクのヘッジ手段として
のいずれかである。当行の信用リスク・エクスポージャーの管理上、中央清算されないデリバティブ商品の契約相
手先については、最低限の信用格付けを満たすことと、担保契約の締結を要求している。
当行の確定給付年金制度資産は、主に債務証券、持分証券およびオルタナティブ投資から構成されている。当該
持分証券は、通常、活発な市場における無調整の市場相場価格を有しており(レベル1)、また当該債務証券は、通
常、活発な市場における類似の資産に関する市場相場価格を有している(レベル2)。オルタナティブ投資およびそ
の他には、現金、ヘッジファンド、およびプライベート・ファンド投資(インフラ、不動産リース、プライベー
ト・エクイティおよび債務等)が含まれている。プライベート・ファンド投資の市場相場価格は、通常入手できず
(レベル2またはレベル3)、これらのファンドの資産は、独立の評価機関の評価、または観察可能な市場のイン
プットを用いて算定した価格のいずれかにより評価されている。
2019 年10月31日終了年度における確定給付年金投資の運用は、期待投資収益の改善を目指しながら、リスクを軽
減する投資と戦略への配分を高めることに注力し、分散投資を維持した。資産と負債の期間のミスマッチを軽減
し、それにより金利変動による積立状況の変動を減らせるよう、債務証券への配分を徐々に増やしている。長期債
務証券は、金利変動に対する価格感応度が高いことを前提に、制度負債に係るリスクに対して有効な経済的ヘッジ
になると考えられるが、これは、制度負債は主に長期債券の金利(インプット)を用いて割り引くためである。
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確定給付年金制度資産の配分(1)
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
活発な市場で 活発な市場で
制度資産合計 制度資産合計
(パーセンテージを除き、 公正価値 の取引の有無 公正価値 の取引の有無
に占める割合 に占める割合
百万カナダドル) (2) (2)
持分証券
$ 1,544 $ 1,259
カナダ 10 % 100 % 10% 100%
国外 3,215 22 98 3,243 24 99
債務証券
カナダ国債 3,014 21 - 2,643 19 -
外国国債 396 3 - 288 2 -
社債およびその他の債券 3,458 23 - 3,265 24 -
オルタナティブ投資
3,158 21 13 2,866 21 15
およびその他
$ 14,785 35 % $ 13,564 36%
100 % 100%
(1) 制度資産の配分は、直接的にまたはファンドを介して間接的に保有している原投資を基にしているが、これは当行の投
資の方針および戦略手法のためである。
(2) 活発な市場での資産の相場の有無に関する当行の判断が直接投資を基に行われた場合、制度資産合計の36%(2018年10月
31日-40%)が、活発な市場での相場があるものに分類される。
持分証券への制度資産の配分割合は、カナダの年金制度で33%(2018年10月31日-33%)、国外の制度で16%
(2018年10月31日-23%)であった。債務証券への配分割合は、カナダの年金制度で47%(2018年10月31日-46%)、
国外の制度で44%(2018年10月31日-42%)であった。オルタナティブ投資およびその他への配分割合は、カナダの
年金制度で20%(2018年10月31日-21%)、国外の制度で40%(2018年10月31日-35%)であった。
2019 年10月31日現在の当該制度資産には、当行の普通株式(公正価値104百万ドル(2018年10月31日-95百万ド
ル))が1百万株(2018年10月31日-1百万株)、および当行の債務証券が57百万ドル(2018年10月31日-49百万ドル)
含まれている。2019年10月31日終了年度の、制度資産として保有されている当行の普通株式に係る受取配当額は、
4百万ドル(2018年10月31日-4百万ドル)であった。
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満期構成
以下の表は、当行の確定給付年金制度債務に関する満期構成である。
2019 年10月31日 現在
カナダ 国外 合計
(制度加入者数および加入年数を除き、百万カナダドル)
制度加入者数 69,084 名 7,635 名 76,719 名
$ 551 $ 50 $ 601
2019年度給付支払額(実績)
2020年度給付支払額(見込) 610 50 660
2021年度給付支払額(見込) 630 52 682
2022年度給付支払額(見込) 650 52 702
2023年度給付支払額(見込) 670 52 722
2024年度給付支払額(見込) 690 53 743
2025年度から2029年度給付支払額(見込) 3,709 258 3,967
確定給付の加重平均支払期間 16.0 年 19.2 年 16.2 年
重要な仮定
確定給付年金費用およびその他の退職後給付費用の算定に用いた重要な仮定の決定方法は、以下の通りである。
割引率
カナダの年金制度およびその他の退職後給付制度に係る測定日ごとの将来の給付支払見込額はすべて、算出した
カナダのAA格付け社債のイールドカーブによるスポット・レートで割り引いている。算出したイールドカーブは、
AA格付け社債の短期・中期の実際のレートおよび長期の推定レートに基づいている。AA格付け社債の推定レート
は、A格付け社債、AA格付け社債およびAA格付け州債の観察された利回りから算定される。国外の年金制度および
その他の退職後給付制度に係る測定日ごとの将来の給付支払見込額は、すべて各国のAA格付け社債のイールドカー
ブによるスポット・レートで割り引いている。30年を超えるスポット・レートは、30年物スポット・レートと同率
で設定している。割引率は、割引率のカーブ全体を用いて算定した場合の割引後の金額と同額を算出する、同等の
単一のレートである。この評価手法は、再投資収益に関する仮定の影響は受けない。
将来の昇給率
将来の昇給に関する仮定は、適宜、制度ごとに個別に策定している。各仮定は、市場ごとの価格インフレに関す
る仮定や給与方針に加えて、関連する現地の法令や制度固有の規定に基づき設定している。
医療費の趨勢率
医療費の計算は、制度の最近の実績と市場予測を用いて策定した、短期と長期双方の趨勢に関する仮定に基づき
行っている。
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給付債務の算定における加重平均による仮定
以下の日現在
確定給付年金制度 その他の退職後給付制度
2019 年 2018年 2019 年 2018年
10 月31日 10月31日 10 月31日 10月31日
割引率 3.0 % 4.0% 3.3 % 4.1%
将来の昇給率 3.3 % 3.3% n.a. n.a.
医療費の趨勢率(1)
-医療 n.a. n.a. 3.5 % 3.5%
-歯科 n.a. n.a. 3.1 % 3.1%
(1) 当行のその他の退職後給付制度について、確定給付債務に係る給付費用見込額の測定に用いた趨勢率の仮定は最終趨勢
率でもある。
n.a.該当なし。
死亡率の仮定
死亡率の仮定は、確定給付年金制度に基づく当行の債務の測定上、重要である。当該仮定は、各国固有の統計値
を基に設定している。将来の寿命の伸びを考慮の上、必要に応じて織り込んでいる。以下の表は、主な制度に使用
している死亡率の仮定を要約したものである。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
現在以下の年齢の加入者が 現在以下の年齢の加入者が
65 歳時点の平均余命 65歳時点の平均余命
65 歳 45 歳 65歳 45歳
(年)
男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性
国
カナダ 23.7 24.1 24.7 25.0 23.7 24.1 24.7 25.0
米国 20.6 22.6 22.2 24.1 20.6 22.7 22.3 24.2
英国 23.5 25.2 25.1 27.0 23.4 25.2 25.0 26.9
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感応度分析
適用する仮定は、確定給付年金制度およびその他の退職後給付制度の債務の価値に重要な影響を及ぼす可能性が
あり、過去の実績および市場のインプットに基づいている。以下の表に示す主要な仮定に関する債務の増(減)は、
他の仮定はすべて一定であることを前提として算定している。実際には、仮定の一部の変更は相関し得るため、こ
のようなことが生じる可能性は低い。以下の表は、2019年度における主要な仮定に関する感応度分析を示してい
る。
債務の増(減)
その他の
確定給付年金制度
退職後給付制度
(百万カナダドル)
割引率
$ (2,248) $ (239)
割引率が100ベーシス・ポイント上昇した場合の影響
割引率が100ベーシス・ポイント低下した場合の影響 2,834 304
将来の昇給率
将来の昇給率が50ベーシス・ポイント上昇した場合の影響 66 1
将来の昇給率が50ベーシス・ポイント低下した場合の影響 (70) (1)
死亡率
寿命が1年伸びた場合の影響 425 36
医療費の趨勢率
医療費の趨勢率が100ベーシス・ポイント上昇した場合の影響 n.a. 81
医療費の趨勢率が100ベーシス・ポイント低下した場合の影響 n.a. (68)
n.a.該当なし。
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注記18 その他の負債
以下の日現在
2019 年 2018年
10 月31日 10月31日
(百万カナダドル)
$ 16,195 $ 13,907
現金担保
支払債務および未払費用 1,598 1,531
給与および関連する報酬 7,416 7,073
ブローカー、ディーラーおよび顧客に対する未払金 3,241 4,078
譲渡可能証券 1,671 1,693
未払利息(1) 3,496 3,072
繰延収益 2,563 2,259
未払税金 2,202 2,071
貴金属預り証 431 346
未払配当金 1,567 1,482
保険関連負債 387 364
繰延税金 82 84
引当金 581 507
従業員給付負債 2,699 1,902
コモディティに関連する負債 8,487 7,315
その他 5,521 5,438
$ 58,137 $ 53,122
(1) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
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注記19 劣後無担保社債
当該社債は無担保の債務であり、預金者およびその他の一定の債権者の請求に対する支払いに劣後する。以下に
表示された金額は、これら無担保社債の当行の自己保有分控除後の金額であり、金利リスクの管理に用いられる公
正価値ヘッジの影響を含む。
以下の日現在
(パーセンテージおよび外貨を除き、百万カナダドル)
外貨建
2019 年 2018年
満期 最短の額面償還日 利率
(単位:百万) 10 月31日 10月31日
$ - $ 103
2019年8月12日(1) 9.00% US$75
2022年7月15日 5.38% US$150 206 208
2023年6月8日 9.30% 110 110
2024年7月17日(2),(3) 2019年7月17日 3.04% - 998
2024年12月6日 2019年12月6日 2.99% (4) 1,999 1,978
2025年6月4日(3) 2020年6月4日 2.48% (4) 997 988
2026年1月20日(3) 2021年1月20日 3.31% (5) 1,483 1,443
2026年1月27日(3) 4.65% US$1,500 2,023 1,813
2026年9月29日(3) 2021年9月29日 3.45% (6) 1,009 988
2027年11月1日 2022年11月1日 4.75% TT$300 59 59
2029年7月25日(3) 2024年7月25日 2.74% (7) 1,486 -
2083年10月1日 すべての利払日 (8) 224 224
2085年6月29日 すべての利払日 (9) US$174 229 229
$ 9,825 $ 9,141
繰延金融費用 (10) (10)
$ 9,815 $ 9,131
無担保社債の条件は以下の通りである。
(1) 劣後無担保社債の残高75百万米ドル全額が、2019年8月12日に元本の100%に償還日まで(ただし償還日を含まない)の未
払利息を加算した額で償還された。
(2) 劣後無担保社債の残高1,000百万ドル全額が、2019年7月17日に元本の100%に償還日まで(ただし償還日を含まない)の
未払利息を加算した額で償還された。
(3) 当該社債には、実質破綻コンティンジェント・キャピタル(以下「NVCC」という。)条項が含まれている。これは、当該
社債がバーゼルⅢの規制上のTier2資本の条件を満たすために不可欠な条項である。NVCC条項は、OSFIが当行が実質破
綻状態にあると判断した場合、またはカナダの連邦政府もしくは州政府が当行が資本注入を受け入れたか受入に同意し
た旨を公式に発表した場合には、当該社債を当行の不定数の普通株式に転換することを求めるものである。このような
場合、各社債は、係数1.5を用いた自動転換の算定式に従い普通株式に転換され、その転換価格は(ⅰ)最低価格5.00ドル
と、(ⅱ)トロント証券取引所に上場する当行普通株式の出来高加重平均取引価格に基づいた当行普通株式の現在の市場
価格のいずれか高い額に基づく。発行株式数は、当該社債の額面価格(当該債券の未収および未払利息を含む。)を転換
価格で除した額に、係数を乗じて算定される。
(4) 金利は、最短の額面償還日までは所定の利率、その後は、3ヶ月物カナダ銀行間取引金利(以下「CDOR」という。)にプ
ラス1.10%である。
(5) 金利は、最短の額面償還日までは所定の利率、その後は、3ヶ月物CDORにプラス2.35%である。
(6) 金利は、最短の額面償還日までは所定の利率、その後は、3ヶ月物CDORにプラス1.12%である。
(7) 金利は、最短の額面償還日までは所定の利率、その後は、3ヶ月物CDORにプラス0.98%である。
(8) 金利は、30日の銀行引受手形レートにプラス40ベーシス・ポイント。
(9) 金利は、米ドル3ヶ月物ロンドン銀行間仲値金利(LIMEAN)にプラス25ベーシス・ポイント。普通株式につき当行が宣言
した年間配当額を減額する場合、当該社債に係る利息支払額は当該減配額に応じて減額され、利息の減額は新たに発行
する普通株式の収入から支払われる。
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劣後無担保社債のすべての償還、解約および交換は、2022年7月15日に満期を迎える社債以外は、OSFIの同意お
よび承認が必要である。
満期予定
発行条件による満期日に基づく劣後無担保社債の満期予定の要約は、以下の通りである。
2019 年10月31日
(百万カナダドル)
1年以内 $ -
1年から5年 316
5年から10年 9,056
それ以降 453
$ 9,825
注記20 信託資本証券
当行は、革新的な資本性金融商品であるRBC信託資本証券(以下「RBC TruCS」という。)を、組成された企業であ
るRBCキャピタル・トラスト(以下「当トラスト」という。)を通じて発行した。
2018 年6月30日、当トラストは、発行済かつ流通していたすべてのRBC TruCS 2008-1を1ユニット当たり1,000
ドルの償還価格で現金償還した。
注記21 資本
株式資本
授権株式資本
優先-第1優先株式および第2優先株式(無額面、シリーズ発行可)の株式数には制限がない。発行可能な第1優
先株式および第2優先株式の払込価額の合計は、それぞれ200億ドルおよび50億ドルを超えることはできない。
普通-発行可能な株式(無額面)の数には制限がない。
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社外流通株式資本
以下の表は、当行の社外流通普通株式および優先株式の詳細である。
以下の日現在および同日に終了した年度
2019 年10月31日 2018 年10月31日
株式数 1株当たり 株式数 1株当たり
(株式数および1株当たり配当金を除き、
(単位: 金額 配当 (単位: 金額 配当
百万カナダドル)
千株) 宣言額 千株) 宣言額
発行済普通株式
$ 17,635 $ 17,730
期首残高 1,439,029 1,452,898
株式報酬制度に関連する発行(1) 1,900 136 1,466 92
消却を目的とした購入(2) (10,251) (126) (15,335) (187)
$ 17,645 $ 4.07 $ 17,635 $ 3.77
期末残高 1,430,678 1,439,029
自己株式-普通株式
$ (18) $ (27)
期首残高 (235) (363)
購入 (54,263) (5,380) (53,964) (5,470)
売却 53,916 5,340 54,092 5,479
$ (58) $ (18)
期末残高 (582) (235)
$ 17,587 $ 17,617
社外流通普通株式 1,430,096 1,438,794
優先株式
第1優先 (3)
非累積型、固定利付シリーズ
$ 300 $ 1.23 $ 300 $ 1.23
シリーズW 12,000 12,000
シリーズAA 12,000 300 1.11 12,000 300 1.11
シリーズAC 8,000 200 1.15 8,000 200 1.15
シリーズAD(4) - - - 10,000 250 1.13
シリーズAE 10,000 250 1.13 10,000 250 1.13
シリーズAF 8,000 200 1.11 8,000 200 1.11
シリーズAG 10,000 250 1.13 10,000 250 1.13
シリーズBH 6,000 150 1.23 6,000 150 1.23
シリーズBI 6,000 150 1.23 6,000 150 1.23
シリーズBJ 6,000 150 1.31 6,000 150 1.31
非累積型、5年配当率リセットシリーズ
シリーズAJ(5) - - 0.22 13,579 339 0.88
シリーズAL(5) - - 0.27 12,000 300 1.07
シリーズAZ 20,000 500 0.96 20,000 500 1.00
シリーズBB 20,000 500 0.96 20,000 500 0.98
シリーズBD 24,000 600 0.90 24,000 600 0.90
シリーズBF 12,000 300 0.90 12,000 300 0.90
シリーズBK 29,000 725 1.38 29,000 725 1.38
シリーズBM 30,000 750 1.38 30,000 750 1.38
シリーズBO(6) 14,000 350 1.27 - - -
非累積型、変動利付シリーズ
シリーズAK(5) - - 0.23 2,421 61 0.78
非累積型、固定利付/変動利付シリーズ
US$ 67.50 US$ 67.50
シリーズC-2 20 31 20 31
$ 5,706 $ 6,306
227,020 251,020
自己株式-優先株式
$ 3 $ -
期首残高(7) 114 6
購入 (8,021) (184) (10,215) (256)
売却 7,941 182 10,323 259
$ 1 $ 3
期末残高(7) 34 114
社外流通 優先株式 227,054 $ 5,707 251,134 $ 6,309
(1) ストック・オプションに関する29百万ドル(2018年-15百万ドル)の公正価値の調整を含む。
(2) 2019年10月31日終了年度に、当行は消却を目的として1株当たり帳簿価額12.29ドルの普通株式を平均コスト1株当たり
100.41ドルで購入した。2018年10月31日終了年度において、当行は消却を目的として1株当たり帳簿価額12.22ドルの普
通株式を平均コスト1株当たり99.29ドルで購入した。
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(3) 第1優先株式シリーズは、1株当たり25ドルで発行された。ただし、非累積型固定利付/変動利付第1優先株式シリーズ
C-2(以下「シリーズC-2」という。)は、1株当たり1,000米ドル(1預託株式当たり25米ドルに相当)で発行された。
(4) 2018年11月24日、当行は、発行済かつ流通している非累積型第1優先株式シリーズAD(10百万株)の全株式を、1株当た
り25ドルの償還価格で現金償還した。
(5) 2019年2月24日、当行は、発行済かつ流通している非累積型第1優先株式シリーズAKの全株式2.4百万株、発行済かつ流
通している非累積型5年配当率リセット第1優先株式シリーズAJの全株式13.6百万株、および発行済かつ流通している
非累積型5年配当率リセット第1優先株式シリーズALの全株式12百万株を、1株当たり25ドルで償還した。
(6) 2018年11月2日、当行は、非累積型5年配当率リセット第1優先株式シリーズBOを14百万株発行し、総額350百万ドルの
収入を稼得した。
(7) プラスの金額は、自己株式の売建を表している。
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優先株式の重要な条件
当期 1株当たり当期 最短償還日 償還価格
プレミアム 発行日
年間利回り 配当金(1) (2) (2),(3)
2019 年10月31日現在
優先株式
第1優先
非累積型、固定利付シリーズ
2010 年 2005 年
シリーズW(4) 4.90 % $ .306250 $ 25.00
2月24日 1月31日
2011 年 2006 年
シリーズAA 4.45 % .278125 25.00
5月24日 4月4日
2011 年 2006 年
シリーズAC 4.60 % .287500 25.00
11 月24日 11 月1日
2012 年 2007 年
シリーズAE 4.50 % .281250 25.00
2月24日 1月19日
2012 年 2007 年
シリーズAF 4.45 % .278125 25.00
5月24日 3月14日
2012 年 2007 年
シリーズAG 4.50 % .281250 25.00
5月24日 4月26日
2020 年 2015 年
シリーズBH(5) 4.90 % .306250 26.00
11 月24日 6月5日
2020 年 2015 年
シリーズBI(5) 4.90 % .306250 26.00
11 月24日 7月22日
2021 年 2015 年
シリーズBJ(5) 5.25 % .328125 26.00
2月24日 10 月2日
非累積型、5年配当率リセットシリーズ(6)
2019 年 2014 年
シリーズAZ(5) 3.70 % 2.21 % .231250 25.00
5月24日 1月30日
2019 年 2014 年
シリーズBB(5) 3.65 % 2.26 % .228125 25.00
8月24日 6月3日
2020 年 2015 年
シリーズBD(5) 3.60 % 2.74 % .225000 25.00
5月24日 1月30日
2020 年 2015 年
シリーズBF(5) 3.60 % 2.62 % .225000 25.00
11 月24日 3月13日
2021 年 2015 年
シリーズBK(5) 5.50 % 4.53 % .343750 25.00
5月24日 12 月16日
2021 年 2016 年
シリーズBM(5) 5.50 % 4.80 % .343750 25.00
8月24日 3月7日
2024 年 2018 年
シリーズBO(5) 4.80 % 2.38 % .300000 25.00
2月24日 11 月2日
非累積型、固定利付/変動利付シリーズ
2023 年 2015 年
US$ 16.875000
シリーズC-2(7) 6.75 % 4.052 % US$1,000.00
11 月7日 11 月2日
(1) 各シリーズの非累積型優先配当は、取締役会の宣言があった場合に、四半期ごとに支払われる。配当支払時期は、2
月、5月、8月および11月の24日(シリーズC-2については7日)またはその前後である。
(2) OSFI の同意およびカナダの銀行法の規定に従い、当行は、上記の日付以後に第1優先株式を償還することができる。シ
リーズAZ、BB、BD、BF、BK、BMおよびBOについては、最短償還日およびその後5年ごとの応答日の償還の場合には1株
当たり25ドルで現金償還できる。シリーズW、AA、AC、AE、AF、AG、BH、BIおよびBJについては、最短償還日から12ヶ月
以内の償還の場合には1株当たり26ドルで、その後は12ヶ月ごとに0.25ドル減少し、最短償還日から4年以降の償還の
場合には1株当たり25ドルで償還できる。シリーズC-2は、最短償還日およびそれ以降の配当日に1,000米ドルで償還で
きる。
(3) OSFI の同意およびカナダの銀行法の規定に従い、当行は消却を目的として、各シリーズの第1優先株式を取締役会が取
得可能と考える当該株式の最低価格で購入できる。
(4) トロント証券取引所の承認を条件として、当行は2010年2月24日以後に、第1優先株式シリーズWを当行の普通株式に転
換することができる。第1優先株式シリーズWは、2.50ドルまたはその時点の普通株式の加重平均取引価格の95%のいず
れか高い金額で、現在の償還価格を除して算定した普通株式数に転換される。
(5) 当該優先株式には、NVCC条項が含まれている。これは、当該株式がバーゼルⅢの規制上のTier1資本の条件を満たすた
めに不可欠な条項である。NVCC条項は、OSFIが当行が実質破綻状態にあると判断した場合、またはカナダの連邦政府も
しくは州政府が当行が資本注入を受け入れたか受入に同意した旨を公式に発表した場合には、当該商品を当行の不定数
の普通株式に転換することを求めるものである。このような場合、各優先株式は、係数1を用いた自動転換の算定式に
従い普通株式に転換され、その転換価格は(ⅰ)最低価格5ドルと、(ⅱ)トロント証券取引所に上場する当行普通株式の
出来高加重平均取引価格に基づいた当行普通株式の現在の市場価格のいずれか高い額に基づく。発行済株式数は、当該
優先株式の価額(25ドルに宣言済未払配当金を加算)を転換価格で除して算定される。
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(6) 配当率は、最短償還日およびその後5年ごとに、5年物カナダ国債利回りに上記プレミアムを上乗せしたレートにリ
セットされる。当該優先株式の保有者は、一定の条件の下で、最短償還日およびその後5年ごとに、3ヶ月物カナダ短
期国債利回りに上記プレミアムを上乗せしたレートで、非累積型変動利付第1優先株式に転換するオプションを有して
いる。
(7) 配当率は、最短償還日において3ヶ月LIBORに上記プレミアムを上乗せしたレートに変更される。シリーズC-2は、規制
上のTier1資本ではない。
配当支払制限
配当宣言を行った結果、自己資本規制、流動性規制またはカナダの銀行法に基づき発令された規制指令に抵触す
るか、抵触すると判断される場合、カナダの銀行法により、優先株式または普通株式につき配当宣言を行うことが
禁じられている。優先株主が受領する権利のあるすべての配当が、宣言され、支払われ、または配当原資が別個に
確保されない限り、当行は、いかなる場合にも普通株式に係る配当金を支払うことはできない。
現在、この制約による、当行の優先株式または普通株式に係る配当金の支払いに対する制限はない。
配当再投資制度
当行の配当再投資制度(以下「DRIP」という。)では、普通株主および優先株主が、現金配当ではなく、普通株式
を追加で受け取る方法が提供されている。この制度は、カナダまたは米国に居住する株主のみを対象としている。
当行のDRIPに必要な株式は、公開市場での株式購入または自己株式による株式発行のいずれかにより調達してい
る。2019年度および2018年度では、DRIPに必要な株式は、公開市場での株式購入により調達した。
将来発行可能な株式
2019 年10月31日現在、当行のDRIPならびに未行使ストック・オプションの潜在的な行使および株式報酬に関連し
て、42.9百万株の普通株式が将来発行可能である。さらに当行は、2009年2月26日に株主承認を得たRBCアンブレ
ラ貯蓄および株式購入制度に基づき、自己株式から38.9百万株まで普通株式を発行することができる。
注記22 株式に基づく報酬
ストック・オプション制度
当行は、一定の幹部従業員向けのストック・オプション制度を運営している。当該制度では、普通株式を購入で
きるオプションを定期的に付与している。付与したオプションの大部分の行使価格は、(ⅰ)付与日の前日と(ⅱ)付
与日の直前の連続する5営業日間で、トロント証券取引所における当行普通株式の取引単位(100株)当たり出来高
加重平均取引価格が高い方のいずれかの金額として決定される。付与した残りのオプションの行使価格は、付与日
におけるニューヨーク証券取引所の当行普通株式の終値である。オプションはすべて権利確定期間が4年であり、
権利行使可能期間は付与日後10年以内となる。
2019 年10月31日終了年度に計上した当該ストック・オプション制度の報酬費用は、6百万ドル(2018年10月31日
-6百万ドル)であった。権利未確定のオプションに係る報酬費用は、2019年10月31日現在で3百万ドル(2018年10
月31日-3百万ドル)であり、加重平均期間1.8年(2018年10月31日-1.1年)にわたり認識される。
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オプションの数および加重平均行使価格の変動の内訳は、以下の通りである。
ストック・オプションの変動および関連情報の要約
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
オプション数 加重平均 オプション数 加重平均
(株式数を除き、
( 単位:千) 行使価格(1) (単位:千) 行使価格(1)
1株当たりカナダドル)
$ 71.40
期首未行使残高 7,770 8,566 $ 64.96
付与 1,090 96.55 773 102.33
行使(2),(3) (1,900) 55.05 (1,440) 50.42
期中の失効 (10) 54.99 (129) 78.12
$ 79.88
期末未行使残高 6,950 7,770 $ 71.40
$ 64.24
期末現在の行使可能残高 2,980 3,726 $ 55.82
(1) 加重平均行使価格は、2019年10月31日および2018年10月31日現在の為替レートに基づく外貨建オプションの転換を反映
している。期中行使される外貨建オプションには、加重平均行使価格の換算に、決済日における為替レートが使用され
る。
(2) 期中に行使されたオプションについて受領した現金は105百万ドル(2018年10月31日-73百万ドル)であり、行使日現在の
加重平均株価は103.15ドル(2018年10月31日-101.81ドル)であった。
(3) 2019年度および2018年度に行使されたすべてのストック・オプションに対して、新たに普通株式を発行した。
2019 年10月31日現在の未行使オプション(行使価格の範囲別)
未行使オプション残高 行使可能オプション
加重平均
残存契約
未行使数 加重平均 行使可能数 加重平均
(株式数および年数を除き、
( 単位:千) 行使価格(1) ( 単位:千) 行使価格(1)
年数
1株当たりカナダドル) ( 単位:年)
36.46ドル- 52.23ドル $ 45.63
704 $ 45.63 2.35 704
52.60ドル- 69.17ドル
907 60.47 3.15 907 60.47
73.14ドル- 76.68ドル
1,490 74.57 5.92 818 74.76
78.59ドル- 90.23ドル
1,986 87.00 6.49 551 78.59
96.55ドル- 102.33ドル 1,863 98.95 8.70 - -
$ 64.24
6,950 $ 79.88 6.10 2,980
(1) 加重平均行使価格は、2019年10月31日現在の為替レートによる外貨建オプションの転換を反映している。
2019 年10月31日終了年度に付与したオプションの加重平均公正価値の見積りは、5.61ドル(2018年10月31日-
6.66ドル)であった。これは、付与日にブラック・ショールズ・モデルを適用し、付与したオプションの個々の条
件(権利確定期間や、オプションの予想存続期間と同等の実績期間における平均株価の実績ボラティリティを考慮
して見積られる株価の予想ボラティリティ等)を考慮の上、算定している。付与したオプションの公正価値の算定
に使用した仮定は、以下の通りである。
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仮定の加重平均
以下の日に終了した年度
(パーセンテージおよび年数を除き、
2019 年 2018年
1株当たりカナダドル) 10 月31日 10月31日
$ 94.09
付与日現在の株価 $ 101.83
リスクフリー金利 2.01 % 1.71%
予想配当利回り 3.77 % 3.66%
株価の予想ボラティリティ 12 % 13%
オプションの予想存続期間 6年 6年
従業員貯蓄および持株制度
当行は、貯蓄および持株制度を通じて、当行普通株式を所有する機会を多くの従業員に提供している。これらの
制度では、通常、従業員は、年間給与または給付基礎額(歩合制の従業員の場合)の1%から10%の拠出が可能であ
る。拠出が1%から6%の場合、当行は、普通株式への従業員拠出の50%をマッチング拠出している。RBCドミニ
オン・セキュリティーズ貯蓄制度については、従業員1人当たりの当行の年間拠出額の上限は4,500ドルとなって
いる。RBC英国株式インセンティブ制度については、従業員1人当たりの当行の年間拠出上限額は1,500ポンドであ
る。2019年10月31日終了年度に、当行は、これらの制度条件に従い、当行の普通株式の購入に対して、112百万ド
ル(2018年10月31日-97百万ドル)を拠出した。2019年10月31日現在、これらの制度に基づき保有されている普通株
式は、合計35百万株(2018年10月31日-35百万株)であった。
後配株式およびその他の制度
当行は、当行の役員、一定の幹部従業員および非従業員取締役向けに、後配株式ユニット制度を提供している。
当該制度では、参加者は、年間の短期変動インセンティブ賞与、コミッション、または取締役報酬のすべてまたは
一定割合を、後配株式ユニット(以下「DSU」という。)で受け取ることを選択できる。参加者は、年度の開始前
に、制度への参加を選択しなければならない。DSUには、普通株式の配当と同率で、追加のDSUが配当として付与さ
れる。参加者は、退職または雇用/取締役の地位の終了まで、DSUの転換は認められない。DSUの貨幣的価値は、転
換が行われる時点の普通株式の市場価値相当額となる。
当行は、キャピタル・マーケッツの一定の幹部従業員を対象とした、繰延賞与制度も提供している。繰延賞与は
RBCの株式ユニットに投資され、付与日後3年間の各応答日に一定割合の権利が確定する。権利が確定した金額は
それぞれ現金で支払われ、その支払額は、当初の株式ユニット付与数に累積配当株式数を加え、これに権利確定日
前直近5営業日のRBC普通株式の平均終値を用いて算定された金額に基づいている。
当行は、一定の幹部従業員に対して複数の業績後配株式報酬制度を提供しており、そのすべてが3年で権利確定
する。権利確定時点で当該報酬は現金で支払われ、その支払額は、当初のRBC株式ユニット付与数に累積配当株式
数を加え、これに権利確定日前直近5営業日のRBC普通株式の平均終値を用いて算定された金額に基づいている。
一部の制度の報酬額は、世界的な金融機関である特定の同業他社と比較した当行の株主総利回りに応じて、25%を
上限に増減する場合がある。
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当行は、米国の一定の幹部従業員に対して、非適格繰延報酬制度を継続している。この制度では、有資格の従業
員が年間所得の一部や様々な臨時ボーナスおよびリクルートメント・ボーナスを繰り延べることができ、繰り延べ
た所得を、当行普通株式の値動きに連動するRBCシェア・アカウント・ファンド等の一定の選択可能なファンドに
配分することができる。
以下の表は、後配株式およびその他の制度に基づき当年度に付与されたユニットを示している。
後配株式およびその他の制度に基づき付与されたユニット
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
1ユニット当たり 1ユニット当たり
(ユニット数および
付与されたユニット 付与されたユニット
加重平均 加重平均
1ユニット当たり
( 単位:千) (単位:千)
公正価値 公正価値
金額)
後配株式ユニット
$ 99.69
495 376 $ 100.71
制度
繰延賞与制度 3,423 105.12 4,820 95.18
業績後配株式
2,471 96.39 2,099 101.55
報酬制度
繰延報酬制度 116 94.06 91 103.55
その他の株式に
1,210 96.28 978 101.48
基づく制度
$ 97.85
7,715 $ 100.42 8,364
後配株式およびその他の制度に基づき付与した報酬に係る当行の債務は、当行普通株式の市場相場価格および適
宜一定の選択可能なファンドに基づき算定した公正価値で測定している。毎年、当行の債務は、制度参加者が追加
ユニットを獲得することによって増加し、失効、取消、権利確定されたユニットの決済によって減少する。加え
て、当行の債務は、当行の普通株式および特定のファンド・ユニットの市場価格の変動によって影響を受ける。業
績後配株式報酬制度については、業績条件の達成に関する見積りも当行の債務に影響を与える。
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以下の表は、制度参加者が獲得したユニット、後配株式およびその他の制度に基づくこれらのユニットに関連す
る当行の債務、ならびに当年度に認識した関連する報酬費用(戻入額)を示している。
後配株式およびその他の制度に基づく債務
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
(ユニット数を除
ユニット ユニット
帳簿価額 帳簿価額
き、百万カナダド
( 単位:千) (単位:千)
ル)
後配株式ユニット
$ 562 $ 446
5,288 4,631
制度
繰延賞与制度 8,820 937 10,347 990
業績後配株式
5,621 597 5,892 565
報酬制度
繰延報酬制度(1) 3,072 326 3,299 317
その他の株式に
1,787 185 2,140 202
基づく制度
24,588 $ 2,607 26,309 $ 2,520
(1) 当行普通株式の市場相場価格に基づき算定されない債務を除く。
後配株式およびその他の制度に基づき認識した報酬費用
以下の日に終了した年度
2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日
$ 77 $ 6
後配株式ユニット制度
繰延賞与制度 274 139
業績後配株式報酬制度 294 190
繰延報酬制度 250 80
その他の株式に基づく制度 106 78
$ 1,001 $ 493
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注記23 法人所得税
税金費用の内訳
以下の日に終了した年度
2019 年 2018年
10 月31日 10月31日
(百万カナダドル)
連結損益計算書上の法人所得税(還付)
当期税金
$ 3,256 $ 3,351
当年度税金費用
過年度調整 (26) (212)
過年度未認識の税務上の繰越欠損金、税額控除または
(31) (11)
過去の期間の一時差異から生じた戻入
3,199 3,128
繰延税金
一時差異の発生および解消 (114) 28
税率変更の影響 29 148
過年度調整 (57) 152
過年度未認識の税務上の繰越欠損金、税額控除または
(14) (127)
過去の期間の一時差異から生じた戻入純額
(156) 201
3,043 3,329
連結包括利益計算書および連結持分変動計算書上の
法人所得税(還付)
その他の包括利益
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
51 12
債務証券および貸出金に係る未実現利得(損失)純額
純損益に認識された信用損失に対する引当金 - (5)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
債務証券および貸出金に係る損失(利得)純額の (60) (52)
純損益への振替
未実現為替換算差益(損) 2 2
ヘッジ活動からの為替換算差益(損)純額 2 (77)
純投資ヘッジ活動に係る損失(利得)の純損益への振替 1 -
キャッシュ・フロー・ヘッジに指定された
(200) 84
デリバティブに係る利得(損失)純額
キャッシュ・フロー・ヘッジに指定された
(50) 8
デリバティブに係る損失(利得)の純損益への振替
従業員給付制度の再測定 (333) 256
純損益を通じて公正価値で測定するものとして
指定された金融負債に係る信用リスクに起因する 18 45
公正価値の変動純額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして
5 (5)
指定された持分証券に係る利得(損失)純額
株式に基づく報酬 (9) 15
(573) 283
$ 2,470 $ 3,612
法人所得税合計
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実効税率は19.1%であり200ベーシス・ポイント低下しているが、これは主に、低税率の管轄区域からの収益の
増加と、米国税制改革の影響により前年の繰延税金資産純額が評価減されたことに起因している。
以下の表は、連結損益計算書に計上した法人所得税と、カナダの法定税率で計算した金額との差額に関する分析
である。
法定税率への調整
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
(パーセンテージを除き、百万カナダドル)
$ 4,217 $ 4,176
カナダの法定税率による法人所得税 26.5 % 26.5%
以下による法人所得税の増加(減少)
子会社に適用される低い平均税率 (815) (5.1) (752) (4.8)
有価証券からの非課税所得 (310) (1.9) (285) (1.8)
税率変更 29 0.1 148 0.9
その他 (78) (0.5) 42 0.3
連結損益計算書に報告された法人所得税/
$ 3,043 $ 3,329
19.1 % 21.1%
実効税率
繰延税金資産および繰延税金負債は、税務上の繰越欠損金および繰越税額控除、ならびに税務上の資産および負
債と当行の連結貸借対照表上の資産および負債の帳簿価額との一時差異に係るものである。
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繰延税金資産および繰延税金負債の主な内訳
2019 年10月31日 現在および同日に終了した年度
資本を 純損益を
期首純資産 為替差額 その他 期末純資産
(百万カナダドル) 通じた変動 通じた変動
繰延税金資産/(負債)純額
$ 695 $ - $ 23 $ (2) $ - $ 716
信用損失引当金
繰延報酬 1,033 9 197 7 - 1,246
事業調整費用 3 - 7 - - 10
税務上の繰越欠損金および税額
203 - (10) - 9 202
控除
繰延収益 (48) - (11) (1) - (60)
その他の包括利益を通じて公正
(8) (33) (1) (1) - (43)
価値で測定する金融商品
有形固定資産および無形資産 (858) - (4) (4) (3) (869)
繰延費用 55 36 (47) 1 - 45
年金および退職後給付関連 295 339 (6) 3 - 631
その他 21 3 8 (3) - 29
$ 1,391 $ 354 $ 156 $ - $ 6 $ 1,907
内訳
$ 1,475 $ 1,989
繰延税金資産
繰延税金負債 (84) (82)
$ 1,391 $ 1,907
2018年10月31日現在および同日に終了した年度
資本を 純損益を
期首純資産 為替差額 その他 期末純資産
(百万カナダドル) 通じた変動 通じた変動
繰延税金資産/(負債)純額
$ 703 $ (6) $ 1 $ (3) $ - $ 695
信用損失引当金
繰延報酬 1,491 (15) (502) 59 - 1,033
事業調整費用 11 - (8) - - 3
税務上の繰越欠損金および税額
19 - 188 (4) - 203
控除
繰延収益 (11) - (37) - - (48)
その他の包括利益を通じて公正
48 19 (74) (1) - (8)
価値で測定する金融商品
有形固定資産および無形資産 (1,003) (1) 182 (36) - (858)
繰延費用 76 - (23) 2 - 55
年金および退職後給付関連 571 (260) (16) - - 295
その他 (54) 3 88 (16) - 21
$ 1,851 $ (260) $ (201) $ 1 $ - $ 1,391
内訳
$ 1,948 $ 1,475
繰延税金資産
繰延税金負債 (97) (84)
$ 1,851 $ 1,391
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繰延税金資産のうち税務上の繰越欠損金および繰越税額控除の額は、当行のカナダ、米国、カリブ海地域および
日本での事業の損失および税額控除に関連している。2019年10月31日現在、当年度または過年度に発生した税務上
の繰越欠損金および税額控除に関して、繰延税金資産202百万ドル(2018年10月31日-203百万ドル)が認識されてい
る。当該認識額は将来の課税所得に関する予測に左右される。経営陣の予測は、将来の業績により繰延税金資産を
利用するのに十分な課税所得が生じる可能性が高いとする仮定を裏付けている。この予測は、当行の事業活動に対
する継続的な流動性支援や資本支援(支援に関連して実行されるタックス・プランニング戦略を含む。)に依拠して
いる。
2019 年10月31日現在、潜在的な税額修正または将来の課税所得との相殺に利用可能な未使用の税務上の繰越欠損
金413百万ドル、税額控除365百万ドルおよび将来減算一時差異ゼロドル(2018年10月31日-443百万ドル、426百万
ドルおよび39百万ドル)につき、繰延税金資産の認識を行っていない。未使用の税務上の欠損金には、1年以内に
失効する分が1百万ドル(2018年10月31日-4百万ドル)、2年から4年で失効する分が7百万ドル(2018年10月31
日-2百万ドル)、および4年超で失効する分が405百万ドル(2018年10月31日-437百万ドル)含まれている。税額
控除には、1年以内に失効する分がなし(2018年10月31日-ゼロドル)、2年から4年で失効する分が60百万ドル
(2018年10月31日-45百万ドル)、および4年超で失効する分が305百万ドル(2018年10月31日-381百万ドル)含まれ
ている。また、将来減算一時差異は、1年以内に失効する分がなし(2018年10月31日-1百万ドル)、2年から4年
で失効する分がなし(2018年10月31日-1百万ドル)、4年超で失効する分がなし(2018年10月31日-37百万ドル)で
ある。
子会社、支店および関連会社に対する投資ならびに共同支配企業に対する持分に関する一時差異のうち、親銀行
で繰延税金負債を認識していない金額は、2019年10月31日現在179億ドル(2018年10月31日-146億ドル)である。
税務調査および査定
当行は当年度においてカナダの税務当局(以下「CRA」という。)から、課税年度2014年、2013年および2012年に
関する指摘を受けているが、これは、税務当局が一定の配当金に関する税額控除を否認したため、法人所得税約
756百万ドルを追加で納税するようロイヤル・バンク・オブ・カナダに提言するものであった。同一の事項につい
て、課税年度2011年、2010年および2009年に関する法人所得税約434百万ドルの追加納税および利息の指摘を受け
ており、当該指摘はそれらと整合したものである。当該金額は、これらの年度に支払う義務のある最大追加納税額
を表している。
2015 年のカナダ連邦予算で導入された法改正により、課税対象のカナダ法人との取引(年金基金や非居住事業体
といったカナダ国内で 納税義務のない投資者と ヘッジされた取引を含む。)から生じた配当金の税額控除は否認さ
れることになった。この改正は2017年5月1日から将来に向かって適用された。この指摘に関連する配当金には、
2015年の法改正の対象となるものと類似した取引における配当金と、法改正とは関係のない配当金の両方が含まれ
ている。
CRA は同様の理由により、その後の年度についても法人所得税の重大な追加納税を当行に指摘する可能性があ
る。当行は、すべての場合において当行の税務申告が適切であったと確信しており、当行の立場を積極的に堅持す
る予定である。
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米国の税制改革
2017 年12月に成立した米国減税・雇用法(以下「米国税制改革」という。)の条項の大部分は、暦年2018年の始め
または2018年に開始する事業年度に適用された。法人所得税率の35%から21%への引き下げを含むこの改正によ
り、主に前年の繰延税金資産純額に関連した評価減178百万ドル(142百万米ドル)が計上された。
注記24 1株当たり利益
以下の日に終了した年度
(株式数および1株当たり金額を除き、
2019 年10月31日 2018年10月31日
百万カナダドル)
基本的1株当たり利益
$ 12,871 $ 12,431
当期純利益
優先配当 (269) (285)
非支配持分に帰属する純利益 (11) (31)
普通株主に帰属する純利益 12,591 12,115
加重平均普通株式数(単位:千株) 1,434,779 1,443,894
$ 8.78 $ 8.39
基本的1株当たり利益(単位:ドル)
希薄化後1株当たり利益
$ 12,591 $ 12,115
普通株主に帰属する純利益
交換可能株式の希薄化の影響 15 15
交換可能株式の希薄化の影響を含む普通株主に
12,606 12,130
帰属する純利益
加重平均普通株式数(単位:千株) 1,434,779 1,443,894
ストック・オプション(1) 2,011 2,691
その他の株式に基づく報酬制度による
742 742
発行可能数
交換可能株式(2) 3,150 3,158
希薄化後平均普通株式数(単位:千株) 1,440,682 1,450,485
$ 8.75 $ 8.36
希薄化後1株当たり利益(単位:ドル)
(1) ストック・オプションの希薄化効果は、自己株式方式により計算している。未行使オプションの行使価格が当行普通株
式の平均株価を上回る場合、当該オプションは希薄化後1株当たり利益の計算から除外される。2019年10月31日終了年
度において、平均未行使オプション767,225個(平均行使価格102.33ドル)が希薄化後1株当たり利益の計算から除外され
ている。2018年10月31日終了年度において、平均未行使オプション657,353個(平均行使価格102.33ドル)が希薄化後1株
当たり利益の計算から除外されている。
(2) 交換可能優先株式が含まれている。
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注記25 保証、コミットメント、担保提供資産および偶発事象
保証およびコミットメント
当行は、保証およびその他のオフバランス・シート信用商品を利用して、顧客の資金調達ニーズに応えている。
以下の表は、当行が第三者に付与した保証およびコミットメントに関連した信用損失に対する当行の最大エクス
ポージャーを要約している。保証に係る信用リスクに対する最大エクスポージャーは、保証先がすべて債務不履行
になった場合の最大損失リスクであり、遡及条項、保険契約、または保有もしくは受入担保による回収可能性は考
慮していない。与信関連コミットメントに係る信用リスクに対する最大エクスポージャーは、コミットメントの全
額となる。いずれの場合にも、最大リスク・エクスポージャーは、当行の連結貸借対照表に負債として認識してい
る金額を大幅に上回っている。
信用損失に対する最大エクスポージャー
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
(百万カナダドル)
金融保証
$ 16,608 $ 15,502
金融スタンドバイ信用状
与信コミットメント
流動性補完ファシリティ 36,305 36,267
信用補完 1,692 2,128
荷為替および商業信用状 268 268
その他の与信コミットメント 225,911 223,954
その他の与信関連コミットメント
有価証券貸付補償 91,625 107,239
履行保証 7,061 6,955
その他 787 391
保証およびコミットメントに関する当行の信用調査のプロセス、担保の要求方針および保有担保の種類は、通
常、貸出金と同様である。当行の顧客は、1年以内に当行の保証およびコミットメントの決済を要求または利用す
る権利を通常有している。ただし、一部の保証については、所定の条件を満たした場合にのみ履行可能となる。こ
の条件については、担保要件と併せて後述している。保証およびコミットメントのすべてまたはほとんどすべてが
1年以内に実行または決済される可能性は極めて低く、契約は履行または決済されずに失効する可能性がある。
金融保証
金融スタンドバイ信用状
金融スタンドバイ信用状は、顧客が第三者に対する支払債務を履行できない場合に、当行が支払いを行うという
取消不能の保証である。一部の保証については、保証先は、顧客が債務不履行でない場合にも当行に支払いを要求
できる。これらの保証期間は、通常は5年から7年である。
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当該商品に関する当行の担保の要求方針および保有担保の種類は、通常、貸出金と同様である。担保を要求する
場合は、借手のリスクおよび取引の詳細に応じて顧客ごとに判断される。担保には、現金、有価証券およびその他
の資産が含まれる。
与信コミットメント
流動性補完ファシリティ
流動性補完ファシリティは、当行および第三者が管理するABCP導管体プログラムに対して、当該プログラムがコ
マーシャル・ペーパー市場にアクセスできない場合、または限られた状況ではあるが、当該プログラム所有の金融
資産につき予め定めた業績指標を達成できない場合に、代替的な資金調達源として提供されている。当該流動性
ファシリティの平均残存契約期間は、約4年である。
当該流動性補完ファシリティの条件として、当行は、当該プログラムが倒産または破産した場合に融資は求めら
れず、また通常、不良資産または不履行資産の買い取りも要求されない。
信用補完
当行は、当行が管理するマルチセラー型ABCPプログラムに対して、部分信用補完を提供している。これは、満期
となるコマーシャル・ペーパーの支払いに対して、原資産の回収および取引ごとの信用補完または流動性ファシリ
ティを合わせても不足があることが判明した場合に、コマーシャル・ペーパーの投資家を保護することを目的とし
て行われている。各資産プールは、当行または各取引に関係する他の第三者の信用補完により、高い投資適格とな
るべく組成されている。これらの信用ファシリティの平均残存契約期間は、約3年である。
荷為替および商業信用状
荷為替信用状および商業信用状は、当行が顧客のために、特定の条件の下で所定の金額を上限として、第三者が
振り出す荷為替手形の引受を確約した書状である。顧客との対象契約に基づいて担保としている場合もあれば、第
三者の預金またはその他の資産(関係する対象船積商品を含む。)を担保としている場合もある。
その他の与信コミットメント
与信コミットメントは、当行が借手に対する信用供与を一方的に取り消すことができない貸出金、銀行引受手形
または信用状の与信枠の未使用部分である。
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有価証券報告書
その他の与信関連コミットメント
有価証券貸付補償
有価証券貸付取引において、当行は、所定の契約条件に基づき、有価証券の有償での貸出しに合意している有価
証券所有者の代理人として行動する。借手は常時、借入有価証券の全額につき担保を供する必要がある。この証券
保管業務の一環として、有価証券の貸付けを行う顧客に対して補償を提供することがある。この補償は、借手が借
入有価証券の返却を行わず、かつ保有担保が当該有価証券の公正価値に満たない場合に、貸付有価証券の公正価値
が確実に貸手に返還されることを目的としている。通常、このような補償は利用されずに終了する。貸付有価証券
は要求時点で回収可能となるため、補償期間はさまざまである。当行が有価証券貸付取引に関して保有している担
保は、通常、現金、カナダ政府、米国政府もしくはその他のOECD加盟国政府が発行もしくは保証している有価証
券、または優良な負債性もしくは資本性金融商品である。
履行保証
履行保証は、顧客が特定の非金融契約の義務を履行できない場合に、当行が第三者である受益者に対して支払い
を行う取消不能の保証である。このような義務としては、通常、業務契約、サービス契約、契約履行保証、および
国際取引に関連する保証がある。これらの保証期間は5年から7年である。
当該商品に関する当行の担保の要求方針および保有担保の種類は、通常、貸出金と同様である。担保を要求する
場合は、借手のリスクおよび取引の詳細に応じて顧客ごとに判断される。担保には、現金、有価証券およびその他
の資産が含まれる。
補償
通常の事業の過程において、当行は、取引(売買契約、受託、代理、ライセンス供与、保管およびサービス契
約、清算システム契約、取引所会員としての参加、取締役/役員契約ならびにリース等)の契約相手先に対して、標
準的な契約条件として補償を提供している。これらの補償契約により、法規制(税制を含む。)の変更や取引の結果
契約相手先が被る可能性のある訴訟の賠償もしくは法的処罰により生じる費用を、当行が契約相手先に対して補償
する必要が生じる可能性がある。これらの補償条件は、契約内容によって異なる。このような補償契約の特徴によ
り、当行は、契約相手先への支払いの必要が生じる可能性のある潜在的な最大金額を合理的に見積ることはできな
い。当行はこれまでに、かかる補償に基づく多額の支払いを行った実績はない。
未確約の金額
未確約の金額は、当行が借手に対する信用供与をいつでも一方的に取り消すことができる未使用の信用ファシリ
ティである。これには、個人向けコミットメントと商業コミットメントの両方がある。2019年10月31日現在、当該
未確約の金額の合計残高は、2,870億ドル(2018年10月31日-2,640億ドル)であった。
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その他のコミットメント
当行は、一定の新規発行有価証券の引受会社となっており、このため単独でまたは複数の金融機関(シンジケー
ト団)とともに、投資家への転売目的で新規発行有価証券の購入を行っている。当該業務に関する2019年10月31日
現在の当行のコミットメント額は、35百万ドル(2018年10月31日-141百万ドル)であった。
当行は、直接、または小規模企業投資会社、不動産ファンドおよび低所得者用住宅税額控除ファンドを含む第三
者の投資ファンドを通して、非公開企業に投資している。これらのファンドは、通常、クローズド・エンド型のリ
ミテッド・パートナーシップとして組成されており、当行はそのリミテッド・パートナー持分を保有している。
2019年10月31日終了年度において、当行には、関連する契約の条件に基づき、これらのパートナーシップの資本金
として当行が拠出する義務を負う現金総額である未実行のコミットメント684百万ドル(2018年10月31日-948百万
ドル)がある。
担保提供資産および担保
通常の事業の過程で、当行は、連結貸借対照表に計上している通常の貸出、借入およびトレーディング業務にお
いて一般的かつ慣習的な条件で、資産を担保に供し、担保契約を締結している。以下は、担保提供資産および担保
に係る一般的な条件例である。
・担保提供資産のリスクと経済価値は、担保権設定者に属する。
・必要な条件を満たした場合、担保提供資産は担保権設定者に返還される。
・担保権者が担保提供資産の売却または再担保差入を行う権利は、個々の担保提供契約により決定する。
・債務不履行がなかった場合、担保権者は、債務の履行時に担保権設定者に同等資産を返還しなければならない。
当行は、大口ネット決済システム(Large Value Transfer System、以下「LVTS」という。)を利用する場合、カ
ナダ銀行に日中担保の差入を求められている。LVTSとは、リアルタイムの電子電信送金システムであり、ここで
は、終日カナダドル建ての大口または緊急の支払に係る全取引の処理が常時行われている。LVTSでの取引に差し入
れた担保資産は、通常、日々の決済終了時に返還される。そのため、当該担保提供資産の金額は下記の表に含まれ
ていない。2019年10月31日終了年度において、当行はカナダ銀行に対して、日次平均49億ドル(2018年10月31日-
40億ドル)の資産を日中担保として差入れていた。まれに決済上必要な場合に、カナダ銀行から、翌日払いの借入
を行う場合がある。この場合、同額の担保資産を当該借入の保証として差し入れている。2019年10月31日および
2018年10月31日に行われた翌日払いの借入はなかった。
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負債に対する担保提供資産および保有担保資産または再担保提供資産
以下の日現在
2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日
担保提供資産および担保の調達源
当行の資産
貸出金 $ 80,542 $ 79,798
有価証券 55,544 48,993
その他の資産 21,316 19,406
157,402 148,197
顧客の資産(1)
売却または再担保差入可能な受入担保 448,338 402,187
差引:売却も再担保差入もしていない受入担保 (49,325) (53,590)
399,013 348,597
$ 556,415 $ 496,794
担保提供資産および担保の使途
$ 146,590 $ 119,087
借入および貸付有価証券
空売りした有価証券に関連する債務 34,686 32,247
有価証券貸付または買戻し条件付売却有価証券に関連する債務 229,905 209,353
証券化 47,254 49,997
カバード・ボンド 42,103 36,959
デリバティブ取引 26,448 21,110
外国政府および中央銀行 5,963 5,058
清算システム、決済システムおよび預託機関 4,804 4,006
その他 18,662 18,977
$ 556,415 $ 496,794
(1) 主に有価証券貸付または買戻し条件付売却有価証券に関連する債務、有価証券貸付およびデリバティブ取引に関するも
の。
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リース・コミットメント
オペレーティング・リース・コミットメント
当行は、有形固定資産に関して多数の解約不能オペレーティング・リースに基づく義務を負っている。当該リー
スには、様々な条件、エスカレーション権および更新権が付されている。当該リース契約には、当行の配当金支
払、債券発行による資金調達または更なるリース契約の締結を行う能力に制限を課す条項は含まれない。解約不能
オペレーティング・リースによる将来の最低リース料総額は以下の通りである。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
土地および 土地および
機器 機器
(百万カナダドル) 建物 建物
将来の最低リース料総額
$ 721 $ 88 $ 684 $ 103
1年以内
1年超5年以内 2,251 101 2,081 137
5年超 3,039 - 2,816 -
6,011 189 5,581 240
差引:将来の最低サブリース料受取額 (25) - (11) -
$ 5,986 $ 189 $ 5,570 $ 240
将来の最低リース料の純額
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注記26 訴訟
当行は世界的な大手金融機関であり、絶えず変化する多種多様かつ複雑な法規制上の要件が適用される。当行
は、様々な管轄区域において、多様な法的手続(民事請求および民事訴訟、規制当局による検査、調査、監査なら
びに様々な政府規制機関および捜査当局による情報提供の要請を含む。)の対象となっている。これらの案件の中
には、新しい法理論や法解釈を要する場合があり、刑法および民法の下では先進的になり得る可能性がある。その
結果、一部の法的手続については、民事上、規制執行上または刑事上の罰則が課される可能性がある。当行は、す
べての訴訟手続の状況を継続的に見直し、当行の最善の利益になると当行が考える方法で解決するよう判断を行っ
ている。ここには重要な判断および不確実性が存在し、現在の未払額を考慮した場合に、これらの法的手続に対す
る財務またはその他のエクスポージャーの度合いが、特定期間の当行の経営成績に対して重要となる可能性があ
る。以下は、当行の重要な法的手続に関する説明である。
ロンドン銀行間取引金利(以下「LIBOR」という。)に関する規制当局による調査および訴訟
ロイヤル・バンク・オブ・カナダおよび他の米ドルのパネル銀行は、米ドルLIBORの設定に関して米国で申し立
てられた民事訴訟において被告となっており、これには米国ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所において併合
された多数の集団訴訟が含まれている。当該民事訴訟の訴状では、米国反トラスト法、米国商品取引法および州法
等の様々な米国法に基づき、当行および他のパネル銀行に対して請求の申立が行われている。
当該LIBOR訴訟の他にも、2019年1月、ロイヤル・バンク・オブ・カナダおよびRBCキャピタル・マーケッツ・エ
ルエルシーを含む多数の金融機関は、ニューヨークにおいて推定集団訴訟を提起された。これによれば、インター
コンチネンタル取引所が英国銀行協会からベンチマーク金利の管理を2014年に引き継いだ後に、LIBORの設定にお
いて得た不当利益が米国独占禁止法および不文律の原則に違反していたとされる。現在明らかになっている事実を
基に、現時点でこれらの訴訟の最終的な帰結および判決の時期を予測することはできない。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ・トラスト・カンパニー(バハマ)リミテッド訴訟
2015 年4月13日、フランスの調査裁判官は、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ・トラスト・カンパニー(バハマ)
リミテッド(以下「RBCバハマ」という。)に対して、移送決定(ordonnance de renvoi)の通知を行った。この移送
決定は、RBCバハマが受託会社を務めている信託に関して行った行為に関連して遺産税詐欺の共犯の容疑があると
して、RBCバハマとその他の非関連当事者を、フランスの刑事裁判所(tribunal correctionnel)に送検することを
命じたものである。RBCバハマは、フランスの法律に違反する行為は行っていないと考えており、フランスの法廷
で容疑について争った。2017年1月12日、フランスの裁判所は、RBCバハマを含めたすべての当事者に対して無罪
判決を言い渡し、2018年6月29日、フランスの控訴裁判所は無罪を支持した。当該無罪判決は上訴されている。
2016 年10月28日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダは、RBCバハマがフランスにおける訴訟で有罪判決を受ける
可能性があるにも関わらず、米国労働省より免除認定を受けた。当該免除認定により、ロイヤル・バンク・オブ・
カナダおよび現在または将来の関連会社は、従業員退職所得保障法(Employee Retirement Income Security Act)
に基づいて適格投資顧問業者に関する免除を、有罪判決の日から暫定的に1年間引き続き適用することが認められ
る。さらに長期にわたる免除認定を申請中である。
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RBC バハマは適用される税法その他の法律に基づく債務および潜在的債務を含む、受託者および信託の法的債務
の見直しを引き続き行う。現在明らかになっている事実を基に、現時点でこれらの事項の最終的な帰結を予測する
ことはできない。ただし、当行は、当該訴訟が最終的に決着した期の当行の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性
はあるものの、連結財政状態に対する重要な影響はないと考えている。
売上交換手数料訴訟
2011 年以降、カナダで7件の集団訴訟の提訴が開始されている。 その7件とは、「バンクロフト-スネル対ビ
ザ・カナダ・コーポレーション他」、「9085-4886 ケベック・インク対ビザ・カナダ・コーポレーション他」、
「コバーン・アンド・ワトソンズ・メトロポリタン・ホーム対バンク・オブ・アメリカ・コーポレーション他」
(以下「ワトソン」という。)、「マカロニーズ・ヘア・クラブおよびレーザー・センター・インク対BofA カナ
ダ・バンク他」、「1023926 アルバータ・リミテッド対バンク・オブ・アメリカ・コーポレーション他」、「ザ・
クラウン&ハンド・パブ・リミテッド対バンク・オブ・アメリカ・コーポレーション他」および「ハロー・ベイ
ビー・エクイップメント・インク対BofA カナダ・バンク他」である。 各訴訟の被告は、ビザ・カナダ・コーポ
レーション(以下「ビザ」という。)、マスターカード・インターナショナル・インコーポレーテッド(以下「マス
ターカード」という。)、ロイヤル・バンク・オブ・カナダおよびその他の金融機関である。集団訴訟の原告メン
バーは、ビザおよび/またはマスターカード・ブランドのクレジットカード払いを受け付けているカナダの加盟店
である。当該訴訟の主な主張は、2001年3月から現在までビザおよびマスターカードが、カード発行銀行と加盟店
獲得会社と共謀して既定の売上交換手数料および加盟店割引料を設定していること、ならびに特定のルール
(Honour All Cardsルール(訳者注:同じクレジット会社のカードであればクレジットもデビッドも利用できるルー
ル)およびNo Surchargeルール(訳者注:カード加盟店はカード利用者から既定の手数料以外は徴収できないルー
ル)に、加盟店割引料を増やす効果があることである。当該訴訟には、民事共謀、競争法違反、経済関係への介
入、および不当利得に関する申立が含まれている。この申立は、金額を特定せず一般的な懲罰的損害賠償を求めて
いる。ワトソンの訴訟では、2014年3月27日に当該訴訟を集団訴訟として一部認める決定が下されたが、上訴され
た。2015年8月19日にブリティッシュ・コロンビア州控訴裁判所は、中でも、原告集団代表の競争法第45条に基づ
く訴因については排斥し、同原告集団代表の不正手段による民事共謀の訴因については復活させる判決を下した。
2016年10月、ワトソンの第一審裁判所は、競争法第45条に関して排斥された主張を復活させるための原告の申立を
却下し、新たな訴因追加申立も却下した。カナダの最高裁判所は、競争法第45条に基づく訴因を排斥する判決の上
訴を求めるブリティッシュ・コロンビア州の集団訴訟の原告の申立を棄却した。ワトソンの訴訟の審理は2019年10
月14日から2020年10月19日に日程が変更された。
「9085-4886 ケベック・インク対ビザ・カナダ・コーポレーション他」の訴訟において、ケベックの裁判所は、
ケベックの加盟店の競争法に基づく2010年以降の損害賠償請求を棄却し、残りの請求については集団訴訟として認
定した。これらの加盟店は上訴し、2019年7月25日に、ケベック州控訴裁判所は当該上訴を認め、2010年3月12日
より後の請求および競争法第49条に基づく請求についても、競争法第45条に基づき加盟店が手続きを進めることを
認めた。
現在明らかになっている事実を基に、現時点でこれらの訴訟の最終的な帰結および判決の時期を予測することは
できない。
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外国為替問題
様々な規制当局は、為替取引に関して、ロイヤル・バンク・オブ・カナダを含む多数の銀行の独占禁止法違反の
可能性に関する調査を行っている。
2015 年以降、米国およびカナダのロイヤル・バンク・オブ・カナダおよび/またはRBCキャピタル・マーケッツ・
エルエルシーに対して、推定集団訴訟が提起されている。当該訴訟は、それぞれ複数の為替ディーラーに対して提
起され、特に世界的な為替取引での共謀行動について主張している。2018年8月、米国連邦地方裁判所は、RBC
キャピタル・マーケッツと集団訴訟の原告との和解案を最終的に承認した。2018年11月、従前に当該和解に参加し
ないとしていた一部の機関投資家の原告は、米国連邦地方裁判所において独自に訴訟を提起した。カナダにおける
複数の集団訴訟および様々な原告集団を代表すると推定されるもう1件の米国の集団訴訟が依然として係属中であ
る。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダはその裁量で、いつでも請求、訴訟、または同様の案件を解決することを選択
することができる。現在明らかになっている事実を基に、現時点で当該外国為替問題の最終的な帰結および最終的
な解決時期を予測することはできない。
その他の案件
当行は、当行の一定の慣行または行為が不適切であったとする多数のその他の訴訟において被告となっている。
訴訟は多岐にわたる複雑な問題を含んでおり、その解決時期は様々であり不確実である。経営陣は、当行が評価可
能な限りにおいて、これらの訴訟が当行に重要な財務上の影響を及ぼすことなく、最終的に有利に解決すると考え
ている。ただし、これは重要な判断が必要な領域であり、これらの訴訟による潜在的な負債が特定期間の当行の経
営成績に重大な影響を及ぼす可能性がある。
その他、当行の一定の慣行または行為に対して異議申立を行っている、様々なその他の訴訟手続が係属中であ
る。これは重要な判断が必要な領域であり、また一部の案件は現時点では見積不能であるが、当行は、当行が評価
可能な限りにおいて、これらのその他の訴訟手続から生じる負債総額が当行の連結財政状態および経営成績にとっ
て重要とはならないと考えている。
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注記27 関連当事者取引
関連当事者
関連当事者には、関連のある会社、当行の従業員給付のための退職後給付制度、経営幹部、取締役会(取締役)、
経営幹部および取締役の近親者、ならびに経営幹部、取締役またはその近親者が直接または間接に支配、共同支
配、または重要な影響力を有している企業が含まれる。
経営幹部および取締役
経営幹部は、当行の企業活動を直接的または間接的に計画し、指示を行い、そして支配する権限および責任を有
する者として定義されている。これにはグループ・エグゼクティブ(以下「GE」という。)と称される当行組織の上
級メンバーが含まれる。GEは、代表取締役および最高経営責任者、ならびに最高経営責任者に直接報告を行う者
(最高総務責任者、最高財務責任者、最高人事責任者、最高リスク管理責任者、最高戦略経営企画責任者ならびに
ウェルス・マネジメントおよびインシュアランス、キャピタル・マーケッツおよびインベスター&トレジャリー・
サービス、テクノロジー&オペレーション、パーソナル&コマーシャル・バンキングの各グループ責任者を含
む。)で構成されている。取締役は、企業活動の計画、指示、管理は行わず、事業運営について監督し、受託責任
を果たしている。
経営幹部および取締役の報酬
以下の日に終了した年度
2019 年10月31日 2018年10月31日
(百万カナダドル)
$ 26 $ 34
給与およびその他の短期従業員給付(1)
退職後給付(2) 2 2
株式に基づく報酬 44 42
$ 72 $ 78
(1) 年間変動短期インセンティブ賞与のうち、一部の役員がDSUの形での受取りを選択した部分が含まれている。詳細は注記
22を参照のこと。取締役は報酬を受領するが、給与やその他の短期従業員給付は受領しない。
(2) 取締役は退職後給付を受領しない。
経営幹部、取締役およびその近親者が保有するストック・オプション、株式報酬および株式
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
保有ユニット 保有ユニット
価値 価値
(ユニット数を除き、百万カナダドル) 数 数
$ 51 $ 37
ストック・オプション(1) 2,372,714 2,154,835
その他のオプション以外の株式に基づく報酬(1) 1,481,096 157 1,440,002 138
RBCの普通株式および優先株式 463,362 49 453,316 43
$ 257 $ 218
4,317,172 4,048,153
(1) 取締役は、ストック・オプションや、その他のオプション以外の株式に基づく報酬を受領しない 。
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経営幹部、取締役およびその近親者が関与した取引、取決めおよび契約
通常の事業の過程で、当行は、経営幹部、取締役およびその近親者に一定の銀行サービスを提供している。これ
らの取引は、類似の状況にある者との同等の取引と実質的に同一条件(金利および担保を含む。)で行われ、返済に
ついて通常を上回るリスクはなく、他に不利な点もなかった。
2019 年10月31日現在、経営幹部、取締役およびその近親者に対する貸出金の合計は、8百万ドル(2018年10月31
日-10百万ドル)であった。当行は2019年10月31日現在および同日終了年度ならびに2018年10月31日現在および同
日終了年度において、これらの貸出金にかかるステージ3の信用損失引当金は計上していない。経営幹部、取締役
またはその近親者に対する保証、担保およびコミットメントの提供はなかった。
共同支配企業および関連会社
通常の事業の過程で、当行は、共同支配企業および関連会社に、貸出金、有利子・無利子の預金等の一定の銀行
および金融サービスを提供している。これらの取引は、関連当事者との取引の定義を満たしており、第三者との同
等の取引と実質的に同一条件で行われた。
2019 年10月31日現在、共同支配企業および関連会社に対する貸出金は222百万ドル(2018年10月31日-225百万ド
ル)であった。共同支配企業および関連会社からの預金は180百万ドル(2018年10月31日-203百万ドル)であった。
当行は2019年10月31日現在および同日終了年度ならびに2018年10月31日現在および同日終了年度において、共同支
配企業および関連会社への貸出金にかかるステージ3の信用損失引当金は計上していない。2019年10月31日終了年
度において、共同支配企業および関連会社に対する保証の提供は1百万ドル(2018年10月31日-1百万ドル)であっ
た。
共同支配企業および関連会社が関与するその他の取引、取決めまたは契約
以下の日現在または同日に終了した年度
2019 年 2018年
(百万カナダドル) 10 月31日 10月31日
コミットメントおよびその他の偶発事象 $ 430 $ 621
提供したサービスに対して受け取ったその他の手数料 47 41
提供されたサービスに対して支払ったその他の手数料 128 150
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注記28 事業セグメント別業績
事業セグメントの構成
当行は、管理上、提供する商品およびサービスに基づき、5つの事業セグメント(すなわち、パーソナル&コ
マーシャル・バンキング、ウェルス・マネジメント、インシュアランス、インベスター&トレジャリー・サービス
およびキャピタル・マーケッツ)に分けている。
パーソナル&コマーシャル・バンキングは、個人や法人の日々の銀行、投資および融資へのニーズに対して、2
つの事業(すなわち、カナディアン・バンキングおよびカリブ海地域&米国バンキング)を通じて様々な金融商品お
よびサービスを提供している。カナダにおいて、当行は、大規模な支店ネットワーク、現金自動預払機、およびモ
バイル営業ネットワークを通じて、様々な金融商品およびサービスを提供している。カリブ海地域および米国で
は、対象とする市場において様々な金融商品およびサービスを提供している。パーソナル&コマーシャル・バンキ
ングの「利息以外の収益」は主に、投資信託報酬、サービス手数料およびカード・サービス収益から構成される。
ウェルス・マネジメントは、カナディアン・ウェルス・マネジメント、USウェルス・マネジメント(シティ・ナ
ショナルを含む。)、グローバル・アセット・マネジメントおよびインターナショナル・ウェルス・マネジメント
を含む、カナダ、米国、英国、ヨーロッパおよびアジアにおける当行の事業分野を通じて、富裕層や超富裕層の個
人および法人の財務上の目標達成を支援するための助言ベースのソリューションおよび戦略を総合的に提供してい
る。ウェルス・マネジメントの「利息以外の収益」は主に、投資運用および保管手数料、投資信託報酬ならびに有
価証券委託手数料から構成される。
インシュアランスは、カナダおよび世界において事業を展開しており、2つの事業分野(すなわち、カナディア
ン・インシュアランスおよびインターナショナル・インシュアランス)により運営して、生命保険、医療保険、住
宅保険、自動車保険、旅行保険、貯蓄保険、年金保険および再保険に関する幅広い助言やソリューションならびに
信用保険や企業保険サービスを個人、法人および団体顧客に提供している。カナダにおいて、当行は、自社の販売
網(外交販売員、相談センターおよびオンラインから構成)や、独立した保険アドバイザーおよびアフィニティ関係
を通じて、商品およびサービスを提供している。カナダ以外では、当行は再保険および再々保険市場で事業を行
い、生命保険、傷害保険および長寿保険の再保険商品をグローバルに提供している。インシュアランスの「利息以
外の収益」は主に、保険料、投資および手数料収入から構成される。
インベスター&トレジャリー・サービスは、世界中の機関投資家に資産業務、キャッシュ・マネジメント業務、
トランザクション・バンキング業務およびトレジャリー業務を提供している。また当行は、世界中の金融機関にカ
ナダドルのキャッシュ・マネジメント、コルレス銀行業務および貿易金融サービスを提供しており、当行の短期資
金調達および流動性管理業務を行っている。インベスター&トレジャリー・サービスの「利息以外の収益」は主
に、投資運用および保管手数料から構成される。
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キャピタル・マーケッツは、当行の主要な2つの事業分野(コーポレート・アンド・インベストメント・バンキ
ングおよびグローバル・マーケッツ)を通じ、世界中の企業、機関投資家、資産運用会社、政府、および中央銀行
に対して、バンキング、ファイナンスおよびキャピタル・マーケットの専門知識を提供している。 北米では、あ
らゆる種類の商品およびサービスを提供しており、これには、法人向け銀行業務および投資銀行業務、資本性およ
び負債性金融商品の組成および販売、ならびに営業および売買が含まれる。北米以外では、英国およびヨーロッ
パ、オーストラリア、アジアならびにその他の市場の限定的な地域に進出している。英国およびヨーロッパでは、
エネルギー、鉱業およびインフラ、工業、コンシューマー、ヘルスケア、テクノロジーならびに金融サービス分野
等の当行が専門知識を有する主要分野において多様な業務を提供している。キャピタル・マーケッツの「利息以外
の収益」は主に、トレーディング収益、引受業務およびその他のアドバイザリー手数料ならびに与信手数料から構
成される。
これらの5つの事業セグメントに配分されない全社レベルのその他業務(全社の資金調達、証券化、未配分資本
に係る費用純額および連結調整(課税対象ベース(以下「Teb」という。)により総額表示された金額の消去を含
む。)等)はすべて、コーポレート・サポートに含まれている。Teb調整により、税務上一定の優遇措置のある所得
(カナダの課税対象の法人配当金およびキャピタル・マーケッツで計上された米国の税額控除対象投資)に係る受取
収益については、法人所得税引当金から控除される実効税額相当につき、総額表示を行っている。経営陣は、キャ
ピタル・マーケッツの管理方法を反映させ、当行の課税所得と優遇措置が適用される所得による収入の比較可能性
を高めるために、当該Teb調整は必要と考えている。当行のTeb調整の適用は、他の金融機関の同種の調整額と同等
ではない場合がある。2019年10月31日終了年度のTeb調整は、450百万ドル(2018年10月31日-542百万ドル)であっ
た。
地域別セグメント
地域別セグメント報告について、当行のセグメントは、カナダ、米国およびその他国外に区分されている。取引
は、主に、経済状況の不利な変動に起因するリスクや経済の有利な変化に起因する成長見込みを最も反映する所在
地で記録される。この所在地は、事業を行っている法人および顧客の所在地と一致することが多い。取引は現地通
貨で計上され、カナダドルの変動に関して為替レートの変動の影響を受ける。
マネジメント・レポーティングの枠組み
当行のマネジメント・レポーティングの枠組みは、各事業セグメントの業績をそれぞれが単独の事業であるかの
ように測定することを目的とし、当該事業セグメントの管理方法を反映している。このアプローチでは、当行の事
業セグメントの業績が、これらの事業の遂行に該当するすべての収益および費用を含み、これらの結果を経営陣が
どのように考えるかを描写するものとなることを目的としている。当行は、セグメントの業績を定期的にモニター
し、資源配分や業績評価に関する意思決定を行っている。これらの事項は、当行の連結業績には影響しない。
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各事業セグメントの費用には、直接発生した、または事業セグメントのために全社レベルで提供された費用また
はサービスが含まれる。当行のいずれの事業セグメントにも直接帰属しないその他の費用については、マネジメン
ト・レポーティングの枠組みを適用している。この枠組みは、諸経費および間接費の事業セグメントへの配賦にあ
たり仮定および手法を用い、さらに継続的に経済的コストの測定を行い、当該コストを特定の事業セグメントの便
益とリスクに関連付けることで、事業セグメントへの資本配分や資金振替を行う際に有用となる。当行の事業セグ
メント間の活動および事業は、通常、市場相場で行われている。当行の5つの事業セグメントに配分されないその
他の全社レベルの業務はすべて、コーポレート・サポートに報告されている。
マネジメント・レポーティングの枠組みに用いた当行の仮定および手法が継続して妥当であることを確かめるべ
く、当行が定期的に再検討を実施している。資本の配分手法は多くの仮定を伴う。この仮定について、定期的に見
直しを行っている。
2019 年10月31日終了年度
パーソナ インベス
ウェルス・ キャピタ コーポレー
ル&コマー インシュア ター&トレ その他
マネジメン ル・マー ト・サポー 合計 カナダ 米国
シャル・バ ランス ジャリー・ 国外
ト ケッツ(1) ト(1)
(百万カナダドル)
ンキング サービス
$ 12,653 $ 2,993 $ - $ (44) $ 4,043 $ 104 $ 19,749 $ 14,375 $ 4,058 $ 1,316
受取利息純額(2)
利息以外の収益 5,212 9,150 5,710 2,389 4,245 (453) 26,253 14,037 6,411 5,805
収益合計 17,865 12,143 5,710 2,345 8,288 (349) 46,002 28,412 10,469 7,121
信用損失引当金繰
1,448 117 - - 299 - 1,864 1,512 282 70
入額
保険契約者に対す
る給付、保険金 - - 4,085 - - - 4,085 2,800 - 1,285
および新契約費
利息以外の費用 7,768 8,813 606 1,725 5,096 131 24,139 12,175 7,994 3,970
税引前純利益(損
8,649 3,213 1,019 620 2,893 (480) 15,914 11,925 2,193 1,796
失)
法人所得税(還付) 2,247 663 213 145 227 (452) 3,043 2,748 133 162
$ 6,402 $ 2,550 $ 806 $ 475 $ 2,666 $ (28) $ 12,871 $ 9,177 $ 2,060 $ 1,634
当期純利益
利息以外の費用は
以下を含む:
減価償却費およ
$ 632 $ 593 $ 48 $ 143 $ 408 $ - $ 1,824 $ 1,176 $ 486 $ 162
び償却費
その他の無形資
- - - 44 2 64 110 20 54 36
産の減損
$ 481,720 $ 106,579 $ 19,012 $ 144,406 $ 634,313 $ 42,905 $ 753,142 $ 399,792 $ 276,001
資産合計 $1,428,935
資産合計は以下を
含む:
有形固定資産お
$ 408 $ 565 $ 44 $ 142 $ 491 $ 621 $ 2,271 $ 1,326 $ 669 $ 276
よび無形資産
の増加
$ 481,745 $ 106,770 $ 19,038 $ 144,378 $ 634,126 $ (40,747) $ 669,543 $ 399,800 $ 275,967
負債合計 $1,345,310
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2018 年10月31日終了年度
パーソナ インベス
ウェルス・ キャピタ コーポレー
ル&コマー インシュア ター&トレ その他
マネジメン ル・マー ト・サポー 合計 カナダ 米国
シャル・バ ランス ジャリー・ 国外
ト ケッツ(1) ト(1)
(百万カナダドル)
ンキング サービス
受取利息純額(2),
$ 11,776 $ 2,602 $ - $ 297 $ 3,328 $ (51) $ 17,952 $ 13,076 $ 3,616 $ 1,260
(3)
利息以外の収益
5,140 8,324 4,279 2,294 5,070 (483) 24,624 12,698 6,080 5,846
(3)
収益合計 16,916 10,926 4,279 2,591 8,398 (534) 42,576 25,774 9,696 7,106
信用損失引当金繰
1,273 (15) - 1 48 - 1,307 1,259 41 7
入額
保険契約者に対す
る給付、保険金 - - 2,676 - - - 2,676 1,347 - 1,329
および新契約費
利息以外の費用 7,526 8,070 602 1,617 4,960 58 22,833 11,634 7,322 3,877
税引前純利益(損
8,117 2,871 1,001 973 3,390 (592) 15,760 11,534 2,333 1,893
失)
法人所得税(還付) 2,089 606 226 232 613 (437) 3,329 2,661 402 266
$ 6,028 $ 2,265 $ 775 $ 741 $ 2,777 $ (155) $ 12,431 $ 8,873 $ 1,931 $ 1,627
当期純利益
利息以外の費用は
以下を含む:
減価償却費およ
$ 579 $ 544 $ 36 $ 124 $ 363 $ - $ 1,646 $ 1,102 $ 389 $ 155
び償却費
その他の無形資
- - - 1 1 ▶ 6 ▶ 1 1
産の減損
$ 453,879 $ 93,063 $ 16,210 $ 136,030 $ 590,950 $ 44,602 $ 680,276 $ 384,921 $ 269,537
資産合計 $1,334,734
資産合計は以下を
含む:
有形固定資産お
$ 279 $ 431 $ 45 $ 187 $ 442 $ 579 $ 1,963 $ 1,196 $ 503 $ 264
よび無形資産
の増加
$ 453,878 $ 93,162 $ 16,289 $ 135,944 $ 590,582 $ (35,076) $ 600,619 $ 384,816 $ 269,344
負債合計 $1,254,779
(1) 課税対象ベース。
(2) 当行は業績指標として主に受取利息純額を用いているため、受取利息は支払利息控除後で報告されている。
(3) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預け金の評価額の利息部分を、従来は「トレーディング収益」に含め
て表示していたが、「受取利息純額」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられ
ている。
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注記29 金融商品に起因するリスクの性質および範囲
当行は、金融商品の保有によって、信用リスク、市場リスク、流動性リスクおよび資金調達リスクにさらされて
いる。当行のリスク測定ならびにこれらのリスクを管理するための目的、方針および手法は、「第一部 第3 3
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「信用リスク」の項のアスタリスク(*)を個
別に付した表および網掛け部分の本文で開示されている。これらの網掛け部分の本文および表は、当連結財務諸表
の不可欠な一部である。
信用リスクの集中は、当行の多くの取引相手先が類似の事業を営んでいるか、同じ地域に所在するか、または経
済特性が類似するために、契約義務を履行する能力が、経済、政治またはその他の状況の変化により同様の影響を
受ける場合に存在する。
信用リスクの集中は、変化が特定の業種または地域に影響を与える場合、当該変化に対する当行の業績の感応度
を示すものである。当行の一定のオンバランスおよびオフバランス・シートの金融商品に係る信用エクスポー
ジャーの額は、以下の表に要約されている。
2019 年10月31日現在
その他
カナダ % 米国 % ヨーロッパ % % 合計
(% の数値を除き、百万カナダドル)
国外
デリバティブ以外のオンバランス・シート
$ 646,567 $ 189,240 $ 60,554 $ 50,642 $ 947,003
69 % 20 % 6% 5%
資産(1)
マスター・ネッティング契約前の
19,544 19 % 23,250 23 % 53,752 52 % 6,421 6% 102,967
デリバティブ(2),(3)
$ 666,111 $ 212,490 $ 114,306 $ 57,063
64 % 20 % 11 % 5% $1,049,970
オフバランス・シート信用商品(4)
$ 367,907 $ 148,326 $ 29,462 $ 551,469
確定金額および未確定金額(5) 67 % 27 % 5% $ 5,774 1%
その他 67,410 58 % 15,246 13 % 31,934 28 % 1,491 1% 116,081
$ 435,317 $ 163,572 $ 61,396 $ 667,550
65 % 25 % 9% $ 7,265 1%
2018 年10月31日現在
その他
カナダ % 米国 % ヨーロッパ % % 合計
(% の数値を除き、百万カナダドル)
国外
デリバティブ以外のオンバランス・シート
$ 594,823 $ 184,040 $ 60,645 $ 50,486 $ 889,994
66 % 21 % 7% 6%
資産(1)
マスター・ネッティング契約前の
18,364 19 % 20,053 21 % 50,767 53 % 6,063 7% 95,247
デリバティブ(2),(3)
$ 613,187 $ 204,093 $ 111,412 $ 56,549 $ 985,241
62 % 21 % 11 % 6%
オフバランス・シート信用商品(4)
$ 345,545 $ 142,692 $ 31,530 $ 526,907
確定金額および未確定金額(5) 66 % 27 % 6% $ 7,140 1%
その他 79,399 61 % 14,852 11 % 34,849 27 % 987 1% 130,087
$ 424,944 $ 157,544 $ 66,379 $ 656,994
65 % 24 % 10 % $ 8,127 1%
(1) 売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金、貸出金ならびに手形引受見返が含まれている。カナダにおける最大
の集中は、オンタリオ56%(2018年10月31日-54%)、プレイリーズ16%(2018年10月31日-18%)、ブリティッシュ・コ
ロンビアおよび準州14%(2018年10月31日-14%)ならびにケベック10%(2018年10月31日-10%)であった。オンバラン
スの信用商品合計の35%(2018年10月31日-32%)超を占める業種はなかった。当行のセクターの分類は、業種別の信用
リスクに関する当行の見解と整合している。セクターは修正再表示されている。
(2) リスク格付けおよび取引相手先別の当行のデリバティブのエクスポージャーの詳細は注記8に記載されている。
(3) 一括管理された評価調整は除外されている。
(4) 残高は、当行の信用リスクに対する最大エクスポージャーを表す契約上の金額である。
(5) 当行の信用リスクに対する最大エクスポージャーを表している。リテールおよびホールセールのコミットメントは、当
行のコミットメント総額のうち、それぞれ43%および57%(2018年10月31日-42%および58%)を占めている。ホール
セールのポートフォリオにおける最大の集中は、金融サービス13%(2018年10月31日-14%)、公益事業11%(2018年10月
31日-11%)、不動産および不動産関連9%(2018年10月31日-9%)、その他のサービス7%(2018年10月31日-8%)、
ならびに石油およびガス7%(2018年10月31日-7%)である。当行のセクターの分類は、業種別の信用リスクに関する
当行の見解と整合している。セクターの割合は修正再表示されている。
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注記30 資本管理
規制自己資本および自己資本比率
OSFI は、カナダの預金受入機関に関して、リスクベースの資本およびレバレッジの目標を公式に設定している。
当行は、自己資本比率をバーゼルⅢの枠組みを用いて計算することを要求されている。バーゼルⅢでは、規制自己
資本には、普通株式等Tier1(以下「CET1」という。)資本、Tier1資本およびTier2資本が含まれる。CET1資本
は、主に普通株式、利益剰余金およびその他の資本項目から構成される。バーゼルⅢに基づく規制上の調整項目と
しては、のれんおよびその他の無形資産、一定の繰延税金資産、確定給付年金資産、銀行、金融会社および保険会
社に対する出資、ならびに予想損失に対する引当不足の控除がある。Tier1資本は、主にCET1と、その他Tier1
項目(一定の基準を満たす非累積型優先株式を含む。)から構成される。Tier2資本には、一定の基準を満たす劣後
無担保社債、一定の貸出金に係る信用損失引当金および子会社のTier2商品に対する非支配持分が含まれる。総自
己資本は、CET1資本、その他Tier1資本およびTier2資本の合計である。
規制自己資本比率は、CET1資本、Tier1資本および総自己資本を、リスク調整後資産で除して算出される。こ
のレバレッジ比率は、Tier1資本をエクスポージャー額で除して算定する。エクスポージャー額は、総資産(Tier
1資本の控除項目は除く。)と、信用エクスポージャー相当額に換算した一定のオフバランス項目から構成され
る。デリバティブおよび担保付資金調達取引についても、信用リスクおよびその他のリスクを反映させるための調
整を行う。
2019 年度および2018年度において、当行は、OSFIが課す、国内安定化バッファー(domestic stability buffer)
を含むすべてのPillar 1資本要件およびレバレッジ要件を満たしている。
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以下の日現在
2019 年 2018年
(%の数値および別段の記載がある場合を除き、百万カナダドル)
10 月31日 10月31日
自己資本(1)
$ 62,184 $ 57,001
CET1資本
Tier1資本 67,861 63,279
総自己資本 77,888 72,494
自己資本比率の計算に用いたリスク調整後資産(以下「RWA」と
いう。) (1),(2)
$ 512,856 $ 495,528
CET1資本RWA
Tier1資本RWA 512,856 495,993
総自己資本RWA 512,856 496,459
総自己資本RWAの内訳:(1)
$ 417,835 $ 401,534
信用リスク
市場リスク 28,917 32,209
オペレーショナル・リスク 66,104 62,716
$ 512,856 $ 496,459
総自己資本RWA
自己資本比率およびレバレッジ比率(1)
CET1資本比率 12.1 % 11.5%
Tier1資本比率 13.2 % 12.8%
総自己資本比率 15.2 % 14.6%
レバレッジ比率 4.3 % 4.4%
$ 1,570 $ 1,451
レバレッジ比率エクスポージャー(単位:十億カナダドル)
(1) 自己資本、RWAおよび自己資本比率は、バーゼルⅢの枠組みに基づきOSFIのCARガイドラインを用いて計算している。レ
バレッジ比率は、バーゼルⅢの枠組みに基づきOSFIレバレッジ要件ガイドラインを用いて計算している。
(2) 2018年度の数値は、それぞれ80%、83%および86%のCVA係数を含んでいた。
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注記31 金融資産と金融負債の相殺
当行の連結貸借対照表上相殺を行っているのは、金融資産と金融負債が強制可能な相殺の権利を現在与えるマス
ター・ネッティング契約の対象となっており、かつ、当該資産と負債を純額で決済するか当該資産の実現と負債の
決済を同時に実行する意図を有している場合である。デリバティブ契約ならびに買戻しおよび売戻し条件付契約に
ついては、これらの契約から生じるキャッシュ・フローの差金決済を常時行う市場の決済機能(例:中央清算機関
または決済機関)が存在する場合に、通常、相殺している。受入証拠金および差入証拠金は、市場の決済機能を通
じて同時決済されるため、通常、相殺している。
相殺の要件を満たさない額としては、マスター・ネッティング契約のうち、債務不履行またはその他の所定の事
象の発生時に限り、同一相手先との取引残高の相殺が可能となるものがある。当該マスター・ネッティング契約に
は、デリバティブ契約に係る国際スワップ・デリバティブ協会マスター・ネッティング契約または一定のデリバ
ティブ取引所あるいは清算機関との契約、ならびにレポ、リバースレポ、その他類似の担保付貸出および借入契約
に係る国際買戻標準契約および国際証券貸借標準契約が含まれる。
受入または差入金融担保のうち、マスター・ネッティング契約または類似の契約の対象であるが相殺の要件を満
たさないものとは、債務不履行時または所定の事象の発生時に担保が実行できる、契約相手先との間の正味エクス
ポージャーのカバーを目的として受領または差し入れた担保である。担保の一部については、債務不履行または他
の所定の事象が発生しない限り、売却または再担保差入が制限されている。
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以下の表は、連結貸借対照表上相殺している金融商品の金額、ならびに相殺の要件を満たしていないが強制可能
なマスター・ネッティング契約および類似の契約の対象となっている金額を示している。当該表示金額は、信用リ
スクに対する当行の実際のエクスポージャーを表すことを意図したものではない。
相殺、強制可能なマスター・ネッティング契約または類似の契約の対象となっている金融資産
2019 年10月31日 現在
相殺および強制可能なネッティング契約の対象となっている金額
マスター・ネッティン
グ契約または類似の契
約の対象ではあるが、
貸借対照表上の相殺要
件を満たさない金額(1)
強制可能な
ネッティン
貸借対照表 貸借対照表 貸借対照表 マスター・
グ契約の
上の相殺前 上相殺して 上表示して ネッティン 貸借対照表
の金融資産 いる金融負 いる金融資 グ契約の 受入金融 上認識して
対象でない
(百万カナダドル) の総額 債の金額 産の純額 差引額 いる合計額
金額
影響 担保(2)
売戻し条件付購入資
$ 374,617 $ 69,420 $ 305,197 $ 527 $ 303,539 $ 1,131 $ 1,764 $ 306,961
産および借入有価
証券担保金
デリバティブ資産
88,996 710 88,286 62,524 15,458 10,304 13,274 101,560
(3)
その他の金融資産 994 281 713 1 89 623 - 713
$ 464,607 $ 70,411 $ 394,196 $ 63,052 $ 319,086 $ 12,058 $ 15,038 $ 409,234
2018年10月31日現在
相殺および強制可能なネッティング契約の対象となっている金額
マスター・ネッティン
グ契約または類似の契
約の対象ではあるが、
貸借対照表上の相殺要
件を満たさない金額(1)
強制可能な
ネッティン
貸借対照表 貸借対照表 貸借対照表 マスター・
グ契約の
上の相殺前 上相殺して 上表示して ネッティン 貸借対照表
の金融資産 いる金融負 いる金融資 グ契約の 受入金融 上認識して
対象でない
(百万カナダドル) の総額 債の金額 産の純額 差引額 いる合計額
金額
影響 担保(2)
売戻し条件付購入資
$ 312,392 $ 18,379 $ 294,013 $ 481 $ 292,412 $ 1,120 $ 589 $ 294,602
産および借入有価
証券担保金
デリバティブ資産
81,770 583 81,187 57,010 14,720 9,457 12,852 94,039
(3)
その他の金融資産
1,636 814 822 - 244 578 - 822
(4)
$ 395,798 $ 19,776 $ 376,022 $ 57,491 $ 307,376 $ 11,155 $ 13,441 $ 389,463
(1) 金融担保は公正価値で表示している。金融商品および金融担保の開示金額は、貸借対照表上の正味エクスポージャーが
上限であり、超過担保は上記の表から除外されている。
(2) 現金担保116億ドル(2018年10月31日-107億ドル)および現金以外の担保3,075億ドル(2018年10月31日-2,967億ドル)が
含まれている。
(3) 貸借対照表上デリバティブ残高と相殺されている証拠金36億ドル(2018年10月31日-22億ドル)が含まれている。
(4) 金額は修正再表示されている。
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相殺、強制可能なマスター・ネッティング契約または類似の契約の対象となっている金融負債
2019 年10月31日 現在
相殺および強制可能なネッティング契約の対象となっている金額
マスター・ネッティン
グ契約または類似の契
約の対象ではあるが、
貸借対照表上の相殺要
件を満たさない金額(1)
強制可能な
貸借対照表 貸借対照表 貸借対照表 ネッティン
マスター・
グ契約の
上の相殺前 上相殺して 上表示して ネッティン 貸借対照表
の金融負債 いる金融資 いる金融負 上認識して
グ契約の 差入金融
対象でない
(百万カナダドル) の総額 産の金額 債の純額 差引額 いる合計額
金額
影響 担保(2)
買戻し条件付売却資
産および貸付有価
$ 294,758 $ 69,420 $ 225,338 $ 527 $ 224,506 $ 305 $ 1,248 $ 226,586
証券に関連する債
務
デリバティブ負債
84,624 710 83,914 62,524 13,540 7,850 14,629 98,543
(3)
その他の金融負債 492 281 211 1 - 210 - 211
$ 379,874 $ 70,411 $ 309,463 $ 63,052 $ 238,046 $ 8,365 $ 15,877 $ 325,340
2018年10月31日現在
相殺および強制可能なネッティング契約の対象となっている金額
マスター・ネッティン
グ契約または類似の契
約の対象ではあるが、
貸借対照表上の相殺要
件を満たさない金額(1)
強制可能な
ネッティン
貸借対照表 貸借対照表 貸借対照表 マスター・
グ契約の
上の相殺前 上相殺して 上表示して ネッティン 貸借対照表
の金融負債 いる金融資 いる金融負 グ契約の 差入金融 上認識して
対象でない
(百万カナダドル) の総額 産の金額 債の純額 差引額 いる合計額
金額
影響 担保(2)
買戻し条件付売却資
産および貸付有価
$ 225,193 $ 18,379 $ 206,814 $ 481 $ 206,106 $ 227 $ - $ 206,814
証券に関連する債
務
デリバティブ負債
76,877 583 76,294 57,010 11,446 7,838 13,944 90,238
(3)
その他の金融負債
991 814 177 - - 177 - 177
(4)
$ 303,061 $ 19,776 $ 283,285 $ 57,491 $ 217,552 $ 8,242 $ 13,944 $ 297,229
(1) 金融担保は公正価値で表示している。金融商品および金融担保の開示金額は、貸借対照表上の正味エクスポージャーが
上限であり、超過担保は上記の表から除外されている。
(2) 現金担保115億ドル(2018年10月31日-111億ドル)および現金以外の担保2,265億ドル(2018年10月31日-2,065億ドル)が
含まれている。
(3) 貸借対照表上デリバティブ残高と相殺されている証拠金13億ドル(2018年10月31日-23億ドル)が含まれている。
(4) 金額は修正再表示されている。
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注記32 貸借対照表に計上されている資産および負債の回収および決済
以下の表は、当行の連結貸借対照表に計上されている資産および負債につき、契約上の満期またはその他の一定
の仮定(以下の脚注に概要を記載)を基に、貸借対照表日現在における1年以内および1年超の回収または決済予定
額ごとに内訳を記載したものである。必要に応じて、当行は、様々な商品の流動性リスクを、過去の行動パターン
(契約上の満期と一致しているとは限らない。)を基に管理している。以下の1年以内の回収または決済予定額は、
特定の貸借対照表項目の流動性特性に関する当行の長期的な見解を反映していない可能性がある。
以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
(百万カナダドル)
1年以内 1年超 合計 1年以内 1年超 合計
資産
$ 24,822 $ 1,488 $ 26,310 $ 28,583 $ 1,626 $ 30,209
現金および預け金(1)
利付銀行預け金 38,345 - 38,345 36,471 - 36,471
有価証券
トレーディング(2) 137,772 8,762 146,534 121,152 7,106 128,258
投資(関連する引当金を
17,283 85,187 102,470 16,795 77,813 94,608
除く)
売戻し条件付購入資産およ
306,828 133 306,961 294,049 553 294,602
び借入有価証券担保金
貸出金
リテール 108,382 317,704 426,086 97,414 302,038 399,452
ホールセール 48,737 147,133 195,870 43,280 136,998 180,278
信用損失引当金 (3,100) (2,912)
個別分離運用型基金の資産
- 1,663 1,663 - 1,368 1,368
純額
その他
手形引受見返 18,062 - 18,062 15,635 6 15,641
デリバティブ(2) 99,792 1,768 101,560 91,833 2,206 94,039
有形固定資産 - 3,191 3,191 - 2,832 2,832
のれん - 11,236 11,236 - 11,137 11,137
その他の無形資産 - 4,674 4,674 - 4,687 4,687
その他の資産 38,775 10,298 49,073 33,578 10,486 44,064
$ 838,798 $ 593,237 $ 1,428,935 $ 778,790 $ 558,856 $ 1,334,734
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以下の日現在
2019 年10月31日 2018年10月31日
(百万カナダドル)
1年以内 1年超 合計 1年以内 1年超 合計
負債
$ 719,933 $ 166,072 $ 886,005 $ 669,682 $ 166,515 $ 836,197
預金(3),(4)
個別分離運用型基金の負債
- 1,663 1,663 - 1,368 1,368
純額
その他
手形引受 18,091 - 18,091 15,657 5 15,662
空売りした有価証券に
32,668 2,401 35,069 29,725 2,522 32,247
関連する債務
買戻し条件付売却資産
226,582 ▶ 226,586 206,813 1 206,814
および貸付有価証券に
関連する債務
デリバティブ(2) 97,415 1,128 98,543 88,112 2,126 90,238
未払保険金および
1,726 9,675 11,401 1,691 8,309 10,000
保険給付負債
その他の負債(4) 41,612 16,525 58,137 36,906 16,216 53,122
劣後無担保社債 1,999 7,816 9,815 103 9,028 9,131
$ 205,284 $ 206,090
$1,140,026 $1,345,310 $1,048,689 $1,254,779
(1) 現金および預け金は、当行が使用できない現金残高を除き、1年以内に回収されると想定されている。
(2) FVTPLで測定されるものに分類されるトレーディング有価証券、およびトレーディング目的のデリバティブは1年以内と
して表示されているが、これは、殆どの場合この表示が、当行のトレーディング活動の短期的な性質を最も良く表すた
めである。トレーディング目的以外のデリバティブは、ヘッジ取引の回収または決済に従って表示されている。
(3) 要求払い預金4,050億ドル(2018年10月31日-3,820億ドル)は、契約に基づき、要求に応じて、または直前の通知により
払戻しが可能であることから、1年以内として表示されている。実際には、これらの預金は、当行の事業および流動性
ニーズの安定した基盤を形成している幅広い個人および顧客タイプに関連している。
(4) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
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注記33 親会社の情報
以下の表は、持分法で表示した子会社を含めた、法人であるロイヤル・バンク・オブ・カナダに関する情報を示
している。
要約貸借対照表
以下の日現在
2019 年 2018年
(百万カナダドル)
10 月31日 10月31日
資産
$ 14,264 $ 16,398
現金および預け金
利付銀行預け金 22,279 20,261
有価証券 118,716 111,072
銀行子会社および関連会社に対する投資(1) 37,234 34,547
その他の子会社および関連会社に対する投資 73,785 69,063
売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金 123,755 107,941
貸出金(信用損失引当金控除後) 526,078 494,922
銀行子会社への債権純額(1) - 4,329
その他の資産 152,422 137,821
$ 996,354
$1,068,533
負債および株主持分
$ 681,509 $ 642,271
預金(2)
銀行子会社に対する債務純額(1) 2,678 -
その他の子会社に対する債務純額 36,594 38,985
その他の負債(2) 254,678 226,475
975,459 907,731
劣後無担保社債 9,551 8,762
株主持分 83,523 79,861
$ 996,354
$1,068,533
(1) 銀行とは、主として規制を受ける預金受入機関および証券会社をいう。
(2) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預金に係る未払利息を、従来は「預金」に含めて表示していたが、
「その他の負債」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられている。
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要約損益計算書および包括利益計算書
以下の日に終了した年度
2019 年 2018年
(百万カナダドル)
10 月31日 10月31日
$ 27,630 $ 22,578
受取利息(1)
支払利息(2) 14,966 10,662
受取利息純額 12,664 11,916
利息以外の収益(2),(3) 5,569 6,119
収益合計 18,233 18,035
信用損失引当金繰入額 1,730 1,294
利息以外の費用 9,212 9,085
税引前利益 7,291 7,656
法人所得税 1,568 1,546
当期純利益(子会社の未分配利益に対する持分考慮前) 5,723 6,110
子会社の未分配利益に対する持分 7,137 6,321
$ 12,860 $ 12,431
当期純利益
その他の包括利益(損失)、税引後 (1,441) 1,532
$ 11,419 $ 13,963
その他の包括利益合計
(1) 子会社および関連会社に対する投資の受取配当金27百万ドル(2018年10月31日-12百万ドル)が含まれている。
(2) 2019年第4四半期より、FVTPLで測定される一部の預け金の評価額の利息部分を、従来は「トレーディング収益」に含め
て表示していたが、「受取利息純額」に含めて表示している。当該表示方法に整合させるため、比較情報は組替えられ
ている。
(3) 関連会社の利益(損失)に対する名目持分(2018年10月31日-(31)百万ドル)が含まれている。
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要約キャッシュ・フロー計算書
以下の日に終了した年度
2019 年 2018年
(百万カナダドル)
10 月31日 10月31日
営業活動によるキャッシュ・フロー
$ 12,860 $ 12,431
当期純利益
営業活動による正味キャッシュを算定するための調整:
子会社の未分配利益の増減 (7,137) (6,321)
預金の増減(証券化に係る預金を除く)(1) 39,238 38,331
貸出金の増減(証券化された貸出金を除く) (31,744) (26,281)
トレーディング有価証券の増減 2,350 3,730
買戻し条件付売却資産および貸付有価証券に関連する債
12,449 49,811
務の増減
売戻し条件付購入資産および借入有価証券担保金の増減 (15,814) (58,326)
空売りした有価証券に関連する債務の増減 797 2,600
その他の営業活動、純額(1) (8,149) 763
営業活動による(に使用された)正味キャッシュ 4,850 16,738
投資活動によるキャッシュ・フロー
利付銀行預け金の増減 (2,018) 603
投資有価証券の売却および満期償還による収入 37,963 30,355
投資有価証券の購入 (39,461) (32,561)
有形固定資産およびその他の無形資産の取得純額 (1,266) (1,173)
子会社に対する投資額の増減 332 93
子会社に対する資金提供純額の増減 4,616 (3,363)
投資活動による(に使用された)正味キャッシュ 166 (6,046)
財務活動によるキャッシュ・フロー
劣後無担保社債の発行 1,500 -
劣後無担保社債の返済 (1,100) -
普通株式の発行(発行費用控除後) 105 72
消却を目的とした普通株式の購入 (1,030) (1,522)
優先株式の発行(発行費用控除後) 350 -
優先株式の償還 (950) (105)
配当金支払額 (6,025) (5,640)
財務活動による(使用された)正味キャッシュ (7,150) (7,195)
現金および預け金の純増減 (2,134) 3,497
現金および預け金の期首残高 16,398 12,901
$ 14,264 $ 16,398
現金および預け金の期末残高
キャッシュ・フロー情報の補足開示
$ 14,574 $ 9,475
利息支払額(1)
利息受取額 25,883 20,490
配当金受取額 1,694 1,414
法人所得税支払額 1,789 3,562
(1) 2019年第4四半期より、FVTPLで計上される一部預け金の利息部分および一部預金の未払利息を、従来は「トレーディン
グ収益」および「預金」に含めてそれぞれ表示していたが、「受取利息純額」および「その他の負債」に含めてそれぞ
れ表示する方法に変更した。当該変更に整合させるため、比較情報は組替えられている。
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財務報告に係る内部統制の経営者報告書
ロイヤル・バンク・オブ・カナダの経営者は、財務報告に関する適切な内部統制を確立し、維持する責任を有し
ている。財務報告に係る内部統制は、財務報告の信頼性、および国際会計基準審議会が公表した国際財務報告基準
に準拠した外部報告目的の財務諸表の作成に関し、合理的な保証を提供するために、総裁兼最高経営責任者および
最高財務責任者により整備、または監督が行われ、取締役会、経営者および他の者により実施される手続である。
当社の財務報告に係る内部統制には、以下の方針および手続が含まれる。
・当社の資産に関連する取引および資産の処分を、合理的に詳細、正確かつ適正に反映する記録の維持に関係す
るもの、
・一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠した財務諸表の作成に必要な取引が記録されていることについ
て、また当社の収入および支出が当社の経営者および取締役の承認に基づいてのみ発生していることについ
て、合理的な保証を提供するもの、ならびに
・財務諸表に重要な影響を与える可能性のある当社の資産の未承認の取得、使用または処分の防止または適時発
見に関して合理的な保証を提供するもの。
財務報告に係る内部統制には固有の限界があることから、虚偽の表示が適時に防止または発見されない可能性が
ある。また、将来の期間における財務報告に係る内部統制の有効性の評価の予測には、状況の変化により統制が不
十分になるリスク、または方針もしくは手続の遵守の程度が低下するリスクが存在する。
当社の経営者は、総裁兼最高経営責任者および最高財務責任者の監督および参加の下、トレッドウェイ委員会組
織委員会が公表した「内部統制の統合的枠組み (2013 年版) 」に定められている規準に基づいて、 2019 年10月31日 現
在の当社の財務報告に係る内部統制の有効性を評価した。その評価に基づいて、経営者は、「内部統制の統合的枠
組み (2013 年版) 」に定められた規準に基づく 2019 年10月31日 現在の当社の財務報告に係る内部統制は有効であった
と判断した。
2019 年10月31日 現在の当社の財務報告に係る内部統制の有効性は、本書に含まれる独立登録会計事務所の監査報
告書に記載の通り、独立登録会計事務所であるプライスウォーターハウスクーパース エルエルピーの監査を受け
ている。
デビッド ・I・ マッケイ
総裁兼最高経営責任者
ロッド・ボルジャー
最高財務責任者
トロント市
2019 年12月3日
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2 【主な資産・負債及び収支の内容】
上記「第一部 第3 3(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
3 【その他】
(1) 後発事象
2019 年12月6日、当行は、2024年12月6日に満期を迎える発行済2.99%劣後無担保社債2,000百万ドルを、
元本の100%および2019年12月6日の償還日まで(償還日は除く。)の経過利息ですべて償還した。
2019 年12月17日、当行は、預託株式200,000株の現金による買付を行った。当該預託株式は、当グループの
固定金利/変動金利非累積型第一優先株式シリーズC-2(C-2優先株式)の株式の40分の1の持分を表し、未払
配当金を含む総対価は6百万米ドルである。買付されたC-2優先株式の預託株式および現物株は、その後消却
された。C-2優先株式は、Tier1規制上の自己資本に該当しない。
2019 年12月23日、当行は、NVCC劣後無担保社債1,500百万ドルを発行した。この社債には、2024年12月23日
まで年利2.88%の固定金利が付き、それ以降は2029年12月23日の満期まで3ヶ月のカナダ銀行間取引金利
(CDOR)プラス0.89%の金利が付く。
(2) 訴訟およびその他
上記「第一部 第6 1 財務書類」の監査済年次連結財務諸表の注記23「法人所得税」の「税務調査およ
び査定」および注記26「訴訟」を参照のこと。
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4 【カナダと日本における会計原則及び会計慣行の相違】
金融商品
当行は、2017年11月1日よりIFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)を適用した。IFRS第
9号により、金融商品の分類および測定、ならびに金融商品の減損の評価と測定に関する当行の会計方針に重
要な変更がもたらされた。IFRS第9号で認められる通り、当行は、IFRS第9号に基づくヘッジ会計原則ではな
く、国際会計基準第39号「金融商品:認識及び測定」に基づく現行のヘッジ会計原則を引き続き適用すること
を選択した。
IFRS 第9号の経過措置にて認められる通り、当行は比較期間の数値を修正再表示しない選択を行っているた
め、IFRS第9号の影響は2017年11月1日より開始する事業年度の財務報告においてのみ生じ、期首利益剰余金
に対して移行調整額が計上されている。
日本GAAPでは、IFRS第9号に相当する会計基準はなく、そのため、日本GAAPは2017年11月1日時点で会計原
則に変更はない。
分類
IFRS では、金融資産は当初認識時に、償却原価で測定されるもの、純損益を通じて公正価値(以下
「FVTPL」という。)で測定されるもの、またはその他の包括利益を通じて公正価値(以下「FVOCI」とい
う。)で測定されるものの3つの測定カテゴリーのうち、いずれかの区分に分類される。分類区分により、金
融商品の当初認識後の測定方法が決定される。
金融資産を償却原価、FVTPLまたはFVOCIのいずれかの区分へ分類する際は(a)金融商品の管理に関する事
業モデルおよび(b)契約上のキャッシュ・フローの特性の両方を評価する。
・ FVTPLで測定するものとして指定されていない金融資産(公正価値オプション)は、当該金融資産が、
契約上の元本及び利息であるキャッシュ・フローの回収のために金融資産を保有すること(以下「HTC」とい
う。)を目的とする事業モデルの中で保有され、かつ、金融商品の契約条件により、元本及び元本残高に対す
る利息の支払のみ(以下「SPPI」という。)であるキャッシュ・フローが生じる場合に、償却原価で測定され
るものとして分類および測定される。売却はこの目的に付随的なものであり、重要性がないか頻度が低いこと
が予想される。
・ FVTPLで測定するものとして指定されていない金融資産(公正価値オプション)は、当該金融資産が、
契約上のキャッシュ・フローの回収と売却(以下「HTC&S」という。)の両方が目的の達成に不可欠である事業
モデルの中で保有され、金融商品の 契約条件により、特定の日にSPPIであるキャッシュ・フローが生じる 場合
に、FVOCIで測定するものとして分類および測定される。
・ その他の金融資産はすべてFVTPLに分類および測定される。
・ 資本性金融商品は、 資産が売買目的で保有されておらず、 企業結合において取得企業が認識した条件付
対価でなく、 FVOCIで測定するものとして指定するという取消不能の選択を当行が行う場合を除き、 FVTPL で測
定される。この選択は、金融商品ごとに実施される。
・ デリバティブには、(i)その価値が特定された基礎変数に応じて変動し、(ⅱ)当初の純投資を全く要し
ないか、または市場要因の変動に対する反応が類似する他の種類の契約について必要な当初の純投資よりも小
さく、 (ⅲ)将来のある日に決済される金融商品が含まれる。
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IFRS では、金融負債は以下に示される負債を除き、償却原価に分類および事後測定される。
・ 売買目的保有の金融負債(キャッシュ・フロー・ヘッジに指定されたデリバティブを除くデリバティブ
金融商品を含む。)。
・ 当初認識時にFVTPLで測定するものとして指定された金融負債
・ 金融保証契約
・ 市場金利を下回る金利で貸付金を提供するコミットメント
日本GAAPでは、有価証券は、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式および関連会社株式、ま
たはその他有価証券に分類しなければならない。売買目的有価証券には、短期間の価格変動により利益を得る
ことを目的として保有する有価証券が含まれる。満期保有目的の債券には、償還期限まで所有するという積極
的な意思と能力に基づいて保有する社債およびその他の負債性証券が含まれる。その他有価証券には、売買目
的有価証券、満期保有目的の債券、ならびに子会社株式および関連会社株式ではない有価証券が含まれる。
特定の日に返済(通常は利息付)を受けることを条件に、貸手が借手に現金またはその他の資産を引き渡す
ことにより生じる、負債性証券ではない非デリバティブ金融資産は、貸付金または債権に分類される。金融負
債の分類に関する特定の指針はない。
デリバティブとは、(i)基礎変数、想定元本および/または決済金額を有し、(ⅱ)当初純投資が不要であ
るか、またはその他の契約と比べて当初純投資をほとんど必要とせず、また(ⅲ)純額決済を要求または容認
するか、もしくは実質的に純額決済と異ならない効果を有する金融商品である。
分類変更
IFRS では、金融商品を当初認識時に特定のカテゴリーに分類した後、別のカテゴリーへの振替/分類変更が
認められる状況を限定している。
・ 当初認識時に、純損益を通じて公正価値(以下「FVTPL」という。)で測定するものとして自主的に指定
された金融資産または金融負債は、保有期間中は同カテゴリーから分類変更することはできない。言い換
えると、金融資産または金融負債は、当初認識時にしか自主的にFVTPLに指定できない。しかし、ヘッジ
手段として指定された、または再指定されたデリバティブはこの限りではない。
・ FVOCIで測定される資本性金融商品である金融資産の分類変更は認められない。
・ 非デリバティブ金融資産は、特定の金融資産の管理に関する企業の事業モデルの目的が変更された場合
にのみ、分類が変更される。そのような変更は非常に稀であるとされ、外部的または内部的な変化の結果
として企業の最高幹部により決定される。これらの変更は、企業の事業活動にとって重要であり、外部当
事者に証明できるものでなくてはならない。
日本GAAPでは、売買目的またはその他有価証券から満期保有目的への分類変更は一般に認められていない。
売買目的からその他有価証券への分類変更については、限られた状況においてのみ認められている(企業の経
営者が外部の事業環境の変化または経営管理方針の変更によりトレーディング業務の廃止を決定した場合に
は、当該企業は売買目的として分類した有価証券をすべてその他有価証券に分類変更することができる。)。
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公正価値オプション
IFRS は、企業が当該指定をしないとすれば償却原価またはFVTOCIで測定していたであろう金融商品を、主と
して短期間のうちに売却もしくは買戻しを行う目的で取得したかまたは発生したものでなくても、当初認識時
にFVTPLとして指定するという取消不能の選択(公正価値オプション)を行うことを認めている。IFRS(金融機関
監督庁(OSFI)の要求事項による補足を含む。)では、金融商品は以下の要件を満たす場合に限り、公正価値オ
プションを通じてFVTPLとして分類することができる。
( ⅰ ) 金融資産については、 ( ⅰ ) 当該資産の測定またはそれらに関連する利得もしくは損失の認識を異なっ
たベースで行うことから生じる測定上または認識上の不整合を、その指定により解消または大幅に削
減する場合 ( 会計上のミスマッチ ) 、または ( ⅱ )IFRS 第9号の適用範囲ではない、主契約である金融商
品または非金融商品に組込デリバティブが含まれており 、 当該デリバティブが主契約に密接に関連し
ていない場合。
( ⅱ) 金融負債 については 、 ( ⅰ)その指定により会計上のミスマッチを解消する場合、 ( ⅱ)金融負債が、文
書化されたリスク管理戦略または投資戦略に従って、公正価値ベースで管理されるポートフォリオの
一部であり、経営幹部に対しても社内的にそのベースで報告されている場合、または ( ⅲ)主契約であ
る金融商品または非金融商品に組込デリバティブが含まれており、当該デリバティブが主契約に密接
に関連していない場合。
加えて、OSFIは通常、年間の総収益が62.5百万カナダドルを下回る会社への貸出金およびモーゲージ、また
は個人に対する貸出金およびモーゲージ、もしくはそれらの貸出金およびモーゲージで構成されるポートフォ
リオについては、公正価値オプションを使用しないように要求している。
日本GAAPには、公正価値オプションはない。
事後測定
FVTPL で測定するものに分類された金融資産(有効なヘッジ手段として指定されていないデリバティブ資産を
含む。)は、公正価値で測定される。ただし、売却またはその他の処分によって生じる予想取引コストは差し
引かれない。公正価値の変動は、当期の純損益に認識される。FVTPLで測定するものに分類されたまたは指定
された金融負債(ヘッジ手段として指定されていないデリバティブ負債を含む。)は公正価値で測定される。当
行自らの信用リスクに起因するFVTPLで測定するものに指定されたこれら負債の公正価値の変動は、その他の
包括利益(以下「OCI」という。)に認識される。OCIでの認識額は、その後に純損益に振り替えられない。
償却原価に分類され測定される金融資産および金融負債に係る収益および費用は、実効金利法を用いて認識
され、損失評価引当金を控除して表示される。
FVOCI に分類され測定される負債性金融資産は、公正価値で計上され、公正価値の変動(税効果考慮後)はOCI
に認識される。ただし、実効金利法を使用して計算された利息、信用減損に係る利得及び損失、ならびに為替
差損益は純損益に認識される。
FVOCI に分類され測定される資本性金融資産は、公正価値で計上され、公正価値の変動(税効果考慮後)はOCI
に認識される。ただし、企業の支払を受ける権利が確定している、投資の回収を目的としない配当は純損益に
認識される。
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認識の中止に際し、OCIに認識した負債性金融商品に係る利得および損失の累計額は純損益に振り替えられ
る。それに対し、資本性金融商品に係る利得および損失の累計額は認識の中止時においても純損益に振り替え
られることはない。
デリバティブ商品(ヘッジ関係に指定されたものも含む。)は公正価値で測定される。デリバティブ商品の公
正価値の変動は、当期の純損益に認識される。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジまたは在外営業活動体に
対する純投資の為替エクスポージャーのヘッジとして指定されたデリバティブの有効部分を除く。これらは
OCIで認識される。
IFRS では、公正価値は、測定日時点で、現在の市場の状況下で市場参加者間の秩序ある取引において、資産
を売却するために受け取るであろう価格または負債を移転するために支払うであろう価格として定義される。
デリバティブ商品を含む金融資産および金融負債の公正価値を算定する際には、企業自身の信用リスクおよび
相手先の信用リスクを考慮する。IFRSは、特定の要件が満たされた場合に、会計方針の選択により、金融商品
のポートフォリオの公正価値を正味のオープン・リスク・ポジションに基づいて測定するという例外措置を認
めている。当行は、この方針を選択適用し、デリバティブを主とする金融商品の特定のポートフォリオの公正
価値を、市場リスクまたは信用リスクに対する正味エクスポージャーに基づいて算定している。
取引コストは、FVTPLで測定するものとして分類された金融商品に関して生じる場合、費用計上される。
FVTPLで測定するもの以外に分類された金融資産(例えば、償却原価およびFVOCI)の当該資産の取得に直接起因
する取引コストは、当初の公正価値、または関連当事者取引の場合は当初認識額の一部として資産計上され
る。FVTPLで測定するもの以外に分類された負債の発行に伴い発生する取引コストは、負債の当初認識額から
控除される。
日本GAAPでは、売買目的有価証券は、公正価値で計上され、公正価値の変動額は各期の純損益に認識され
る。満期保有目的に分類された有価証券、ならびに貸出金および債権は、利息法または定額法による償却原価
で計上される。その他有価証券として分類された有価証券は、公正価値で計上され、評価差額金(税効果考慮
後)は純資産の部のOCIに含まれる。認識の中止に際し、その他有価証券として分類された有価証券に係る、
OCIに認識された利得および損失の累計額は純損益に振り替えられる。金融負債は、貸借対照表に、償却原価
で計上することが要求される。
デリバティブ商品は公正価値で測定され、公正価値の変動は各期の純損益に認識される。ただし、ヘッジ会
計に準拠しているデリバティブ商品を除く(下記の「ヘッジ会計」参照)。
時価とは、公正な評価額をいい、市場において形成されている取引価格、もしくは気配価格または指標等の
その他市場相場価格に基づく価額をいう。市場価格がない場合には、公正価値として、合理的に計算された価
額(適宜、信用リスクに関する調整が行われる。)が用いられる。
日本GAAPでは、金融資産(デリバティブを除く。)の取得により生じる取引コストは、当初認識時の算定額
(取得原価)に加算される。ただし、当該コストが経常的に発生する費用で、個々の金融資産との対応関係が明
確でない場合は、当初認識時に含めないことができる。また、社債発行費は、原則費用計上されるが、繰延資
産として計上することもできる。その他の付随費用は、発生主義に基づいて認識される。
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組込デリバティブ商品
IFRS では、組込デリバティブは、デリバティブでない主契約も含んだ複合または混合金融商品に組み込まれ
ており、組込デリバティブがなかった場合に契約によって求められるであろうキャッシュ・フローの一部また
は全部を、特定の金利、金融商品価格、コモディティ価格、外国為替レート、価格もしくはレートの指数、信
用格付けもしくは信用インデックス、またはその他の変数(非金融変数の場合には、変数が契約当事者に固有
のものではない場合に限る)に応じて修正することになるものである。
混合契約にIFRS第9号の適用範囲内の金融資産である主契約が含まれる場合、混合契約(すべての組込特性
を含む)は、IFRS第9号に基づく分類において全体として評価される。組込デリバティブは区分されず、混合
契約がSPPI要件を満たさない場合でも、混合契約である資産は、全体としてFVTPLで測定される。
主契約がIFRS第9号の適用範囲にない金融負債または金融資産である場合、組込デリバティブは当初認識時
に主契約からの区分処理について評価される。かかる組込デリバティブは、(a)組込デリバティブの経済的特
徴およびリスクが主契約の経済的特徴に密接に関連していない、(b)組込デリバティブと同一条件の独立の金
融商品ならばデリバティブの定義を満たしている、(c)混合金融商品が、公正価値で測定して公正価値変動を
純損益に認識するもの(FVTPL)でない場合は、主契約から分離され、デリバティブとして会計処理しなければ
ならない。
組込デリバティブが主契約との区分を求められるようになった場合、単独のデリバティブ商品に関する既存
の会計原則に基づき測定される。異なるリスク・エクスポージャーを有する複数の組込デリバティブがある場
合、それぞれ容易に分離でき、独立しているものは個々に会計処理される。
日本GAAPでは、(a)組込デリバティブにより関連する金融資産または金融負債の元本が毀損する可能性があ
る、(b)独立した金融商品がデリバティブの定義を満たす、(c)複合金融商品が、公正価値で測定され公正価値
変動を純損益に認識するものでない場合、組込デリバティブは主契約から分離され、デリバティブとして会計
処理される。したがって、日本GAAPは、組込デリバティブの特徴およびリスクが主契約である金融資産または
金融負債の特徴およびリスクと密接に関連していない組込デリバティブについて、組込デリバティブにより金
融資産または金融負債の元本が毀損しない場合には組込デリバティブは主契約から分離されないという点にお
いて、IFRSと異なる。日本GAAPには、複数の組込デリバティブの分離に関する特定の指針はない。
金融保証
IFRS では、金融保証契約とは、特定の債務者が負債性金融商品の当初または変更後の条件に従った期日の到
来時に支払を行わないことにより保証契約保有者に発生する損失を、その保証契約保有者に対し補償すること
を契約発行者に要求する契約をいう。契約発行者は、契約を一定の条件を満たすことを条件として保険契約と
して会計処理することを選択する場合を除いて、金融保証契約の定義を満たす契約はすべて金融負債として会
計処理する。債務不履行により発生した損失以外の、変数(例えば、金利、信用格付等)の変動に応じて支払が
求められる、あるいはデリバティブの定義を満たす金融保証契約は、デリバティブとして会計処理される。
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金融保証契約は、当初、保証の発行を引き受けた債務の公正価値で認識される。当初認識後は、金融保証契
約は、(i)当初認識額から収益認識累計額を控除した金額(償却累計額)と(ⅱ)IFRS第9号に基づいて算定され
た損失評価引当金のうちいずれか高い方の金額で測定される。ただし、これらの要件は、金融保証契約が当初
FVTPLに指定された場合、または金融保証契約が他の当事者への金融資産・金融負債の譲渡時に締結されるか
または保持されており、かつ金融資産の認識中止を妨げるか継続的関与を生じさせる場合には、適用されな
い。
日本GAAPでは、保証の発行に際して金融機関が引き受けた債務は、「支払承諾」として貸借対照表に認識さ
れる。対照勘定として、「支払承諾見返」が資産に計上される。当該債務および対照勘定は、保証額で当初認
識される。
金融資産の認識の中止
IFRS では、金融資産またはその一部の認識が中止されるのは、(i)キャッシュ・フローに対する権利が失効
している時、(ⅱ)譲渡人がキャッシュ・フローに対する権利、およびリスクと経済価値のほとんどすべてを移
転している場合、(ⅲ)リスクと経済価値のほとんどすべてを移転も保持もしていないが、金融資産に対する支
配が移転している場合である。リスクと経済価値のほとんどすべてを移転も保持もしておらず、かつ金融資産
に対する支配が移転していない場合には、譲渡人はその継続的関与の範囲で金融資産を認識することになる。
日本GAAPでは、(i)金融資産の契約上の権利を行使したとき、(ⅱ)契約に基づく権利を喪失したとき、また
は(ⅲ)契約上の権利に対する支配が譲受人に移転したときに金融資産の認識は中止される。
負債および資本
IFRS では、各金融商品またはその構成部分は、当初の認識時の契約上の合意の実質、ならびに金融負債およ
び資本性金融商品の定義に従って、負債または資本として当初認識時に分類される。企業が発行する金融商品
(優先株式を含む。)で、現金またはその他の金融資産を譲渡する契約上の義務を含んでいるもの、または保有
者による転換に基づく可変数の普通株式の発行により決済することができるもの、および関連する未払の分配
金は、負債として分類される。同様に、保有者の選択による転換社債は、金融負債および資本部分から構成さ
れる。負債として分類される金融商品(またはその構成部分)に係る配当金および利益分配金は、損益計算書
上、支払利息として表示される。
例外規定として、プッタブル金融商品ならびに清算時にのみ企業の純資産に対する比例的な持分を他の当事
者に引き渡す義務を企業に課す金融商品もしくはその構成部分は、IFRSの下での一定の条件を満たす場合に資
本性金融商品として分類される。
日本GAAPでは、発行体の金融商品は、通常、その商品の法的な形式に従って負債または資本のいずれかに分
類される。優先株式は資本とみなされる。転換社債は、その構成部分(主契約である社債および転換権)または
単一の混合金融商品のいずれかで表示される。ただし、企業が構成部分の区分処理を選択した場合、日本GAAP
に基づく区分処理の方法およびその結果算定される構成部分の帳簿価額はIFRSに基づくものと異なる可能性が
ある。また、転換権が行使されなかった場合には、資本に認識していた金額はその金融商品の期限到来時に純
損益に認識しなければならない。
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償却原価で測定する金融資産の減損
IFRS では、金融資産の減損は3つのステージから成る予想信用損失(以下「ECL」という。)減損モデルに基
づき測定される。
ECL は金融資産の予想存続期間にわたる信用損失の確率加重した見積りである。信用損失は、予想回収不能
額の現在価値である。回収不能額は、a)契約に従って企業が受け取るべきキャッシュ・フローと、b)企業が受
け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額である。ECLの見積りには、過去の事象や現在の状況に関
する情報および将来の経済状況の予測(将来予測的情報)といった、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な
合理的で裏付け可能な情報を反映することが求められる。
未使用のローン・コミットメント(代表的には、未使用分に対する限度額のあるクレジットカードを含むリ
ボルビング信用枠)については、回収不能額は、a)コミットメントの保有者がローンの引き出しを行った場合
に企業が受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、b)コミットメントが使用された場合に企業が受け取る
と見込んでいるキャッシュ・フローとの差額である。
損失評価引当金(以下「ACL」という。)はすべての金融資産に対して設定される。ただし、減損評価の対象
ではない、FVTPLで測定するものとして指定した金融資産およびFVOCIで測定するものとして指定した資本性商
品を除く。
各貸借対照表日のACLは、3つのステージから成るECL減損モデルに従って測定される。
・ 正常な金融資産
・ ステージ1 金融資産の当初認識時から、資産の当初認識時以降の信用リスクが相対的に著しく増大
した日までの間は、報告日から12ケ月間にわたり債務不履行から生じると予想される信用損失相当の損失
評価引当金が認識される。
・ ステージ2 金融資産の当初認識時以降に信用リスクが相対的に著しく増大した場合は、資産の残存
期間にわたる予想信用損失相当の損失評価引当金が認識される。
・ 減損した金融資産
・ ステージ3 報告日において信用が減損しているとみなされるが、購入時または組成時に信用減損し
ていなかった金融資産は、資産の残存期間にわたる予想信用損失相当の損失評価引当金が認識される。こ
の損失評価引当金は、帳簿価額総額(または減損調整前の償却原価)と将来キャッシュ・フローを資産の当
初実効金利で割引いた現在価値との差額として測定される。金利収益は、当該資産の帳簿価額総額ではな
く、損失評価引当金控除後の帳簿価額をもとに計算される。
金融商品の予想存続期間は、ECLが測定される最長の期間であり、金融資産に係る信用リスクに対するエク
スポージャーが存在する契約期間(延長オプションを含む。)に基づくものである。ローン・コミットメントお
よび金融保証契約については、当該期間は企業が信用を供与する現在の契約上の義務を有する最長の契約期間
である。
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一部の金融商品には、ローンと未使用コミットメント部分の両方を含んでいるものがあり、企業が返済を要
求し未使用コミットメントを解約する契約上の能力は、信用損失に対する企業のエクスポージャーを契約上の
通知期間に限定しない。このような商品について(かつ、当該商品についてのみ)、企業のECLの測定は、企業
が信用リスクに晒される期間、かつ、ECLが信用リスク管理行動によって軽減されない期間(たとえ当該期間が
最長の契約期間を超えて延長される場合でも)にわたり行う。
残存期間にわたるECLが認識された金融資産について、信用リスクがその後改善し、残存期間にわたるECLの
認識要件が満たされなくなった場合、損失評価引当金は12ヶ月のECLに相当する金額で測定される。
日本GAAPでは、償却原価で計上される満期保有目的の有価証券の公正価値が帳簿価額(償却原価)を下回って
著しく下落した場合、当該資産の帳簿価額は見積公正価値まで減額される。
債権は取得価額から貸倒引当金を控除した金額とされる。日本GAAPでは、貸倒見積高の算定にあたっては、
債務者の財政状態および経営成績等に応じて、債権を次の3つに区分する必要がある。
一般債権は経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権である。一般債権の貸倒見積高は、過
去の貸倒実績率等合理的な基準により見積られる。
貸倒懸念債権は、経営破綻の状態には至っていないが、債務の弁済に重大な問題が生じているか、または生
じる可能性の高い債務者に対する債権である。貸倒懸念債権の貸倒見積高は、次のいずれかの方法により見積
られる。
① 債権額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額し、その残額について債務者の財政状
態および経営成績を考慮して貸倒見積高を算定する方法(財務内容評価法)。
② 債権の元本の回収および利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積ることができる債権に
ついては、(a)合理的に見積られた、当初の約定利率で割り引いたキャッシュ・フローと、(b)債権の帳
簿価額との差額を貸倒見積高とする方法(キャッシュ・フロー見積法)。
破産更生債権等は、経営破綻または実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権である。貸倒見積高
は、債権額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額した残額とする。
満期保有目的の有価証券の減損損失の戻入処理は認められていない。債権の貸倒引当金は、貸倒見積高に基
づいて修正される。
FVOCI で測定する負債性金融商品である金融資産の減損
IFRS では、FVOCIで測定される負債性金融商品である金融資産について純損益に認識された貸倒引当金繰入
額は、償却原価で測定する金融資産と同様の原則に基づき算定される。ただし、これらの金融資産の帳簿価額
は公正価値であるため、財政状態計算書において損失評価引当金は計上されない。
日本GAAPでは、その他有価証券の公正価値が帳簿価額を下回って著しく下落した場合、OCI累計額に認識さ
れた未実現損失の累計額はOCI累計額から消去され、当該期間の純損益に認識される。減損損失の戻入処理は
認められていない。
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ヘッジ会計
IFRS 第9号で認められる通り、当行は、IFRS第9号に基づくヘッジ会計原則ではなく、国際会計基準第39号
に基づく現行のヘッジ会計原則を引き続き適用することを選択している。そのため、以下の原則はIAS第39号
に基づくものである。
IFRS では、デリバティブについてヘッジ会計を適用するための要件、および認められたヘッジ戦略としての
公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジ、在外営業活動体に対する純投資のヘッジのそれぞれについて
ヘッジ会計をどのように適用しなければならないかについて規定している。
公正価値ヘッジ関係においては、ヘッジ対象の帳簿価額は、ヘッジ対象リスクに起因した公正価値の変動に
応じて修正され、当該期間の純損益に認識される。ヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ関係が有効な範囲
で、ヘッジ手段のデリバティブの公正価値の変動と相殺され、純損益に認識される。ヘッジ会計が中止された
場合には、ヘッジ対象の帳簿価額は調整されず、ヘッジ対象の帳簿価額に対する公正価値調整額の累計額は、
ヘッジ対象の残存期間にわたり償却され、当期純利益に計上される。
キャッシュ・フロー・ヘッジ関係においては、ヘッジ手段のデリバティブの公正価値の変動の有効部分は、
OCIに認識される。非有効部分については、当該期間の純損益に認識される。ヘッジ会計が中止された場合に
は、OCIに認識されていた累計額は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が純損益に影響を与える期間に
純損益に振り替えられる。
在外営業活動体に対する純投資の為替エクスポージャーのヘッジにおいては、ヘッジ手段(デリバティブま
たは非デリバティブ)に係る為替差損益の有効部分は、OCIに認識される。非有効部分については、当該期間の
純損益に認識される。これまでOCIに認識されていた金額またはその一部は、在外営業活動体の処分または一
部の処分が行われた時点で、純損益に振り替えられる。
採用しているヘッジ戦略にかかわらず、法律または規制、もしくは新たな法律または規制の導入の結果とし
て生じた、清算機関とのヘッジ手段として利用しているデリバティブの更改の場合には、ヘッジ会計の終了と
はならない。
ヘッジ会計の中止は、ヘッジ手段がもはやヘッジとして有効ではないと判断された場合、ヘッジ手段または
ヘッジ対象が終了または売却された場合、もしくは予定取引の実行可能性が非常に高いとはいえなくなった場
合に行われる。
日本GAAPでは、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」が、デリバティブにヘッジ会計を適用す
るために満たすべき基準を規定している。
デリバティブ金融商品について、会計基準により定められたヘッジ会計の要件を満たす場合には、原則とし
て「繰延ヘッジ会計」(ヘッジ手段の公正価値の変動に係る損益を繰り延べ、ヘッジ対象に係る損益が認識さ
れるのと同一の会計期間に認識する。)を適用する。適格なヘッジについて繰延べられた利得または損失は、
OCI累計額に計上することが求められる。ヘッジ対象である資産または負債に係る相場変動等を損益に反映さ
せることができる場合には、「時価ヘッジ会計」(ヘッジ手段とヘッジ対象の両方の損益を同一の会計期間に
認識する。)を適用できる。
日本GAAPは、公正価値ヘッジおよびキャッシュ・フロー・ヘッジを区別していない。ただし、在外営業活動
体に対する純投資の為替エクスポージャーのヘッジの原則は、IFRSと日本GAAPで類似している。
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日本GAAPでは、ヘッジ関係が高い有効性を保っている場合、ヘッジ手段のデリバティブに係る損益の非有効
部分は、純資産に有効部分とともに繰り延べられるか、または非有効部分が合理的に区分できる場合は純損益
に認識することができる。
日本GAAPでは、ヘッジ関係にあるヘッジ手段のデリバティブに係る契約更改に関する規定はない。ヘッジ関
係にある契約期間中の契約更改は、ヘッジ会計の終了となる。
企業結合、のれんおよびその他の無形資産
IFRS では、すべての企業結合は、取得法を用いて会計処理される。取得した識別可能な資産および引き受け
た負債は、取得日公正価値で測定される。別途記載のある場合を除き、非支配持分(該当ある場合)は、識別可
能資産および負債の公正価値に対する非支配持分の比例的な取り分で認識されている。のれんは、取得した事
業に対して支払われた価格が、取得した識別可能な純資産の取得日における公正価値を超過する金額を表す。
取得した識別可能な純資産の公正価値が支払われた価格を上回る場合は、負ののれんまたは割安購入益のいず
れかが生じ、これは純損益に認識される。IFRSでは、のれんは企業結合から生じる相乗効果から利益を受け取
ることが見込まれる資金生成単位(以下「CGU」という。)またはCGUグループに配分される。この配分は、のれ
んが内部で監視されるレベル(企業の事業セグメントの規模に制限される)に基づいて行われる。
のれんの減損は年に1回、あるいは事象または状況が減損していることを示している場合はより頻繁に評価
される。のれんを含むCGUの帳簿価額が回収可能価額(売却コスト控除後の公正価値または使用価値のいずれか
高い方の金額と定義される)を上回る場合、そのCGUは減損しているとみなされる。使用価値は、CGUから生じ
る見積将来キャッシュ・フローの現在価値である。減損損失は、減損が識別された期間の純損益に認識され
る。減損損失は、まずのれんを減額することで配分され、残りはCGUのその他の資産にそれぞれの帳簿価額に
基づいて比例配分される。のれんの減損損失のその後の戻入は認められない。のれんは償却されない。
のれんが配分されているCGUの一部を売却する際、売却されるCGU部分に関連するのれんの帳簿価額は、その
売却損益の算定に含まれる。帳簿価額はCGUの合計額のうち売却対象部分に関連する公正価値に基づいて算定
される。
その他の無形資産は、区別できるか、契約上の権利またはその他の法的権利から生じたものであり、かつそ
の公正価値が信頼をもって測定できる場合、のれんとは区分して認識される。耐用年数を確定できるその他の
無形資産は、その見積耐用年数にわたり定額法で償却され、年1回減損の兆候の有無について検討される。減
損損失は純損益に認識される。
各報告日現在で、以前に認識した減損損失が減少していることが示されている場合、その他の無形資産の帳
簿価額は、回収可能価額と、減損が認識されていなかったとした場合に算定されていたであろう帳簿価額(償
却控除後)のいずれか低い方の金額まで修正される。
日本GAAPでは、企業結合の会計処理にパーチェス法の適用が求められる。日本GAAPに基づくパーチェス法
は、IFRSに基づく取得法と類似しているが、非支配株主持分の測定を取得日における被取得企業の識別可能資
産に対する現在の持分で行うことのみが認められている点は除く。日本GAAPでは、IFRSと異なり、非支配株主
持分を公正価値で直接測定することは認められていない。
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のれんは、譲渡対価が識別可能純資産の公正価値を上回る金額を表し、負ののれんはその逆を表す。のれん
は合理的な基準でそれぞれの資産グループに配分される。のれんは20年以内の期間にわたり定額法により償却
され、減損も評価される。減損を評価する際に、のれんを合理的な基準でそれぞれの資産グループに配分する
ことができる。負ののれんは識別可能資産および負債の認識および測定を再評価した後に、利益として認識さ
れる。
日本GAAPでは、減損損失は資産の減損の兆候が存在する場合に減損テストを行う。減損のテストでは、資産
の帳簿価額が資産からの割引前将来予想キャッシ・フローを超過する場合に減損損失を認識することとし、回
収可能価額を算定し、帳簿価額と回収可能価額の差額を算定して減損損失として測定する。のれんを含む資産
グループに帰属する減損損失は最初にのれんに配分され、その後各資産の帳簿価額に基づく比例按分等の合理
的な基準によりその他の資産に配分される。
取得したその他の無形資産は、分離可能かつ移転可能な場合に個別に認識される。取得原価は、分離可能な
その他の無形資産を含むすべての取得資産に配分される。
日本GAAPでは、その他の無形資産はすべて、通常定額法で償却される。のれんおよびその他の無形資産に係
る減損損失の戻入処理は認められていない。
従業員の将来給付
IAS 第19号「従業員給付」では、確定給付制度に関して、従業員の将来給付に係る負債および費用は、将来
給付の対価として、従業員が勤務を提供したときに認識される。
確定給付負債(資産)の純額は、各報告日現在で測定されなければならず、確定給付債務の現在価値から制度
資産の公正価値を控除したものとして算定され、確定給付資産の純額は資産上限額に対する制限に係る影響が
調整される。確定給付債務の現在価値は、予測単位積増方式を用いて計算されており、従業員の退職時までの
報酬水準ならびに健康、歯科、就業不能、生命保険の費用の予測に基づいている。IFRSは確定給付制度に関す
る数理計算上の評価の実施時期を指定しておらず、数理計算上の評価日から報告日までのその後の重要な事象
(市場価格および金利の変動を含む。)について調整することにより、期末より前に実施することが可能であ
る。
確定給付費用には、当期勤務費用、過去勤務費用に対する調整(制度改訂、縮小あるいは清算に係る利得ま
たは損失から生じる。)、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額、および確定給付負債(資産)の純額の再
測定に関する、従業員確定給付費用が含まれる。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、(i)数理計算上の差異(確定給付債務の現在価値の増加または減少に
より生じる。)、(ⅱ)制度資産に係る収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除
く。)、および(ⅲ)資産上限額の影響の変動(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除
く。)からなる。従業員退職後給付に係る確定給付負債(資産)の純額の再測定はOCIに認識され、その後の期間
に純損益に振り替えられることはない。しかし、OCIを通じて認識した累計額を資本の別の項目に振り替える
ことはできる。その他の長期従業員給付に係る確定給付負債(資産)の純額の再測定は、純損益に即時認識され
る。
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過去勤務費用は全額、(i)制度改訂または縮小が発生したとき、(ⅱ)制度改訂または縮小がリストラクチャ
リングの一環として発生した場合に、その関連するリストラクチャリングのコストが認識されるとき、および
(ⅲ)制度改訂または縮小が解雇給付に関係している場合に、その関連する解雇給付が認識されるとき、のいず
れか早い日に従業員給付費用として直ちに認識される。
確定給付債務は、優良社債の利回り、または十分に厚みのある優良社債の市場がない場合は国債の利回りを
用いて割り引かれる。制度資産は公正価値で評価される。確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は、報告
期間の開始日時点の確定給付債務を測定するのに用いられる割引率を適用することによって算定し、拠出およ
び給付支払による確定給付負債(資産)の純額の期中の変動を考慮に入れる。
確定給付制度資産がその債務を上回っている場合、認識される資産純額は制度からの返還または制度への将
来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値に限定される。
縮小は過去勤務費用を生じさせ、(i)縮小がリストラクチャリングの一環として発生した場合に、その関連
するリストラクチャリングのコストが認識されるとき、(ⅱ)縮小が解雇給付に関係している場合に、その関連
する解雇給付が認識されるとき、および(ⅲ)縮小が発生したとき、のいずれか早い日に認識される。清算によ
る利得および損失は、清算が発生したときに純損益に認識される。
日本GAAPでは、「退職給付に関する会計基準」に準拠して、退職給付は数理計算による評価方法に基づいて
認識される。
IFRS とは異なり、数理計算上の差異は、(a)制度の対象となる従業員グループの見積平均残存勤務期間以内
の一定の期間にわたって償却されるか、(b)発生した期に費用処理される。
IFRS とは異なり、過去勤務費用はすべて、(a)従業員の平均残存勤務期間以内の一定の期間にわたり規則的
な方法により償却されるか、(b)発生時に費用処理される。
純損益に認識されていない数理計算上の差異および過去勤務費用は、税効果考慮後に純資産の部(OCI累計
額)に認識され、不足額または超過額は負債(退職給付に係る負債)または資産(退職給付に係る資産)として認
識され、調整はなされない。当期に発生した数理計算上の差異および過去勤務費用のうち、純損益に認識され
ていない部分はOCIに認識される。過去の期間にOCI累計額に認識された数理計算上の差異および過去勤務費用
のうち、当期の純損益に認識された部分は、組替調整を行う。
確定給付債務は、期末における長期国債、政府機関債および優良社債の利回りに基づいた利率を用いて割り
引かれる。ただし、期中に割引率に著しい変動がない場合には、前期の割引率を使用することができる。
利息費用は、報告期間の期首の退職給付債務の測定に用いられた割引率の適用により算定され、資産の期待
運用収益は、報告期間の期首の年金資産に係る期待運用収益率に基づいて算定される。
日本GAAPでは、確定給付制度の制度資産が債務を上回る際に実施される、資産上限額のテストに関する特定
の指針は規定していない。
年金以外の退職後給付および雇用後給付について包括的な会計基準は存在せず、発生時に費用計上される。
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株式に基づく報酬
IFRS では、従業員に付与された持分決済型の株式に基づく報酬(株式、ストック・オプション、または他の
資本性金融商品)は、付与日現在の資本性金融商品の公正価値に基づいて測定され、認識される。報酬費用
は、従業員のサービスが提供される期間(権利確定期間)にわたって、勤務条件を満たしている場合の資本性金
融商品の数に基づき認識され、これに対応して資本が増加する。IFRSは、権利が確定したストック・オプショ
ンが行使されずに失効しても、過去に認識した報酬費用の戻入を認めていない。
現金決済型の株式に基づく報酬取引について、受け取った財またはサービスおよび発生した負債は、当初、
その負債の公正価値で測定される。各報告日および決済日に負債が公正価値で再測定され、公正価値の変動は
その期間の純損益に認識される。
日本GAAPでは、会社法(2006年5月1日)の発行日より後に従業員に付与された持分決済型の株式に基づく
報酬は、発行された資本性金融商品の公正な評価額に基づいて測定され、認識される。日本基準では、報酬費
用の認識、新株予約権の純資産への計上が求められている。IFRSと異なり、失効したストック・オプションに
対応する新株予約権は、権利が確定したストック・オプションが行使されずに失効した時点で純損益に認識さ
れる。会社法の発行日より前に付与されたものについては、包括的会計基準が存在しなかったため、費用は認
識されなかった。日本GAAPは、現金決済型の株式に基づく報酬取引に関する会計処理については言及していな
い。
子会社(組成された企業を含む)の連結
IFRS 第10号「連結財務諸表」では、企業の連結は支配の概念に基づいており、継続的に判定される。ある企
業が別の企業(組成された企業(以下「投資先」という。)を含む。)に対する支配を有している場合、連結が要
求される。企業が(i)投資先に対するパワー、(ⅱ)投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクス
ポージャーまたは権利、および、(ⅲ)企業のリターンの額に影響を及ぼすように投資先に対するパワーを用い
る能力を有する場合、支配は存在する。
企業は、投資先の関連性のある活動を指図する現在の能力を投資者に与える既存の権利を有する場合には、
投資先に対するパワーを有している。企業が、議決権の過半数を直接的にまたは子会社を通じて間接的に所有
する場合、あるいは議決権がないまたは決定的な要因とならない場合でも、その他の要因((ⅰ)投資先の目的
および設計、(ⅱ)関連性のある活動は何か、および当該活動に関する意思決定がどのように行われるか、なら
びに(ⅲ)企業の権利が関連性のある活動を指図する現在の能力を投資者に与えているかどうかを含む。)を考
慮する必要がある場合、パワーが存在している可能性がある。
投資先に対するパワー、および変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有する企業が、主に自
らの便益のためにそのパワーを用いる能力を有している場合、当該企業は本人であり、支配を有していると考
えられる。企業が主にその他の投資者/持分保有者の便益のためにそのパワーを用いる能力を有している場合
は、当該企業は代理人であり、支配を有しているとは考えられない。
IFRS に基づき連結が必要な場合、在外子会社の財務諸表が現地のGAAPに準拠している場合は、親会社との連
結前に、IFRS(つまり親会社が適用しているGAAP)に従って作成されなければならない。
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日本GAAPでは、IFRSと同様に、子会社および特別目的事業体の連結は支配の概念に基づいている。親会社お
よびその子会社(在外子会社を含む。)が採用する会計原則および手続は統一され、同一の取引および事象は一
貫して処理される。ただし、日本GAAPの親会社との連結目的においては、在外子会社の財務諸表(在外特別目
的事業体を含む。)の作成にUS基準またはIFRSの使用が認められている。
以下の特定の項目がグループの連結財務諸表にとって重要である場合、これらの項目については、連結手続
上日本GAAPと整合するように修正されなければならない。
(1) のれんの償却(のれんが償却されていない場合のみ)
(2) OCI で認識されその後損益にリサイクルされていない確定給付制度に係る数理計算上の差異
(3) 開発段階で発生した無形資産の資産計上
(4) 投資不動産の公正価値測定、ならびに有形固定資産および無形資産の再評価モデル
日本GAAPでは、特定の特別目的会社(例えば、資産の流動化に関する法律に基づいて設立された特別目的会
社)については、特別目的会社が適正な価額で譲り受けた資産から生ずる収益を当該特別目的会社が発行する
証券の所有者に享受させることを目的として設立され、当該特別目的会社の事業がその目的に従い適切に遂行
されているときは、当該特別目的会社に資産を譲渡した会社から独立しているものと認め、当該特別目的会社
に資産を譲渡した会社の子会社に該当しないものと推定される。したがって、当該要件を満たす特別目的会社
は、連結の範囲に含まれないことになる。
共同支配の取決めに対する持分の会計処理
IFRS 第11号「共同支配の取決め」では、企業は、関与している共同支配の取決めの種類を、共同支配事業ま
たは共同支配企業のいずれかに決定しなければならない。その際は、共同支配の取決めから生じる権利および
義務を検討する。共同支配事業とは、取決めに対する共同支配を有する企業が当該取決めに関する特定の資産
に対する権利および特定の負債に対する義務を有している共同支配の取決めである。共同支配企業とは、取決
めの共同支配を有する企業が当該取決めの純資産に対する権利を有している共同支配の取決めである。
IFRS は、共同支配事業者に対して、当該取決めに対する持分に関する資産および負債を認識し測定すること
を要求しており、共同支配投資者に対して、当該共同支配の取決めに対する持分の会計処理に関して、持分法
を適用することを要求している。
日本GAAPでは、共同支配の取決めに関するそれ自体の会計基準はない。企業会計基準第21号「企業結合に関
する会計基準」に従って、共同支配企業に対する持分には持分法が用いられる。
売却目的で保有する非流動資産および非継続事業
IFRS では、非流動資産(または処分グループ)は、その帳簿価額が継続的使用ではなく主に売却取引により回
収される場合に、売却目的保有に分類される。この条件を満たすためには、資産は現状のままで直ちに売却が
可能でなければならず、その売却の可能性が非常に高くなければならない。
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売却目的保有に分類された非流動資産(または処分グループ)は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値の
いずれか低い金額で測定され、重要性がある場合には貸借対照表上区分表示される。売却目的保有に分類され
た非流動資産(または処分グループ)に関連する収益または費用の累計額は認識され、損益計算書において区分
表示される。ただし、非流動資産(または処分グループ)が売却目的保有に分類された場合、比較貸借対照表は
修正再表示されない。
売却目的保有に分類された資産は償却または減価償却されない。
IFRS では、非継続事業とはすでに処分されたか、または売却目的保有に分類されている企業の構成単位で、
(i)独立の主要な事業分野または営業地域を表す、(ⅱ)独立の主要な事業分野または営業地域を処分する統一
された計画の一部である、または(ⅲ)転売のみを目的に取得した子会社である。
非継続事業は損益計算書上、区分表示され、関連するキャッシュ・フロー情報が開示される。非継続事業に
ついての損益計算書およびキャッシュ・フローの比較情報は再表示される。
日本GAAPでは、売却目的保有の非流動資産および非継続事業に関して明記した会計上の指針はない。
固定資産の減損
IFRS では、固定資産は事象または状況の変化が、その帳簿価額が回収可能でないことを示す場合には減損の
兆候の有無について検討されテストが実施される。
減損損失は、固定資産の帳簿価額がその回収可能価額(売却コスト控除後の資産の公正価値とその使用価値
のいずれか高い方の金額)を上回る場合に認識される。その後、評価された回収可能価額が増加した場合、過
去に認識した減損損失を戻し入れ、当該資産の帳簿価額はその回収可能価額まで増加される。減損損失の戻入
による資産の帳簿価額の増加額は、過年度に当該資産について認識された減損損失がなかった場合に算定され
ていたであろう帳簿価額(償却または減価償却控除後)を上回ることはできない。
日本GAAPでは、固定資産の減損損失は、その帳簿価額が固定資産の使用および使用後の処分により生じると
見込まれる割引前キャッシュ・フローの総額を上回る場合に認識される。減損損失は、固定資産の帳簿価額が
回収可能価額(処分費用見込額控除後の資産の時価またはその使用価値のいずれか高い方の金額)を上回る金額
として測定される。評価された回収可能価額がその後増加しても、減損損失は戻し入れない。
引当金
IFRS では、過去の事象から生じる法的債務あるいは推定的債務について、資源の流出の可能性が高く、その
金額を信頼性をもって見積ることができる場合に認識される。
引当金は、発生が見込まれる支出の最善の見積りとして測定され、割引の影響が大きい場合は割り引かれ
る。最善の見積額を算定する際に、関連するリスクと不確実性が考慮される。引当金は各報告期間末に再検討
され、新たな最善の見積りを反映するように修正される。
補填の権利は、回収がほぼ確実である場合に、関連する引当金額を上限として、別個の資産として認識され
る。
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有価証券報告書
国際財務報告解釈指針委員会(以下「IFRIC」という。)第21号「賦課金」は、IAS第37号「引当金」の適用範
囲にある賦課金支払負債の会計処理を示すものである。また、時期および金額が確定している賦課金支払負債
の会計処理も示す。この解釈指針では、債務を回避する現実的な契機が存在しない場合でも、法令で特定され
た債務発生事象が生じるまで賦課金は認識されないことを明確化している。債務発生事象が一定の期間にわた
り発生する場合、負債は徐々に認識される。
日本GAAPでは、引当金は、(i)将来の特定の費用または損失の発生可能性が高く、(ⅱ)その発生が当期以前
の事象に起因し、(ⅲ)その金額を合理的に見積ることができる場合に認識される。引当金はIFRSと同様に発生
が見込まれる支出の最善の見積りとして測定される。
将来の支出の割引や、補填の権利の認識について明記した規定はない。
資本調達費用および株式発行費用
IFRS では、発行する金融商品は、現金またはその他の金融資産を譲渡する契約上の義務がない場合は資本と
して分類される。資本性金融商品の発行に直接起因する取引費用は、手取金額からの控除(税効果考慮後)とし
て資本に含める。
自己の資本性金融商品(自己株式)の企業による買戻しは資本からの控除として認識される。自己株式の売却
に関連する利得または損失は、純損益ではなく利益剰余金に認識される。
日本GAAPでは、株式の発行に関連する取引費用は、通常、発生時に費用計上される。ただし、企業規模拡大
のための財務活動に係る場合には、繰延資産に計上することができ、3年以内のその効果が及ぶ期間で定額法
を用いて償却する。
1株当たり利益
IFRS では、1株当たり利益は、普通株主に帰属する純損益を、期中発行済普通株式の加重平均株式数(自己
株式を除く。)で除して計算される。普通株主に帰属する純損益は、優先株主の優先配当額、優先株式の償還
に係る利得(損失)(税効果考慮後)、および非支配持分に帰属する純損益を控除した後の金額で算定される。
希薄化後1株当たり利益には、将来、株主が普通株式を受け取ることができる有価証券または契約に基づ
き、追加の普通株式が発行されることが想定される場合、そのような権利における条件が満たされる範囲で、
その希薄化効果が反映される。
発行済コール・オプション、ワラントおよびそれらの同等物の希薄化効果は、希薄化後1株当たり利益に反
映されなければならない。IFRSでは、行使価格が発行体の普通株式の平均市場価格を下回っているストック・
オプションは行使されたものとみなし、受取金は普通株式を当期中の平均市場価格で買い戻すのに使用された
と仮定される。ストック・オプションにより発行され、受取金で買い戻される普通株式の増加数は、希薄化後
1株当たり利益の計算に含められる。
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有価証券報告書
転換可能証券の希薄化効果は、希薄化後1株当たり利益に反映されなければならない。IFRSでは分子は、転
換可能優先商品のリターン、転換可能金融負債に係るその他の収益変動額、および希薄化性転換可能証券の転
換を仮定した場合に生じる自由裁量のない収益または損失の変動(税効果考慮後)により調整される。転換可能
証券は、期首(または発行日の方が遅い場合には、発行日)に転換されたと仮定され、その結果生じる普通株式
が分母に含まれる。
報告日前または財務諸表の完成前のいずれかにおいて、普通株式に係る株式配当または株式分割により発行
済普通株式数が増加する場合、または逆株式分割により減少する場合、基本的および希薄化後1株当たり利益
の計算は、すべての表示期間についてかかる変動を反映するよう遡及調整される。
日本GAAPは、希薄化後1株当たり利益の開示が、1株当たり損失になる場合には要求されないことを除い
て、前述のIFRSの基準とは異ならない。
外貨換算
外貨建ての貨幣性資産および負債は、貸借対照表日現在の為替レートで企業の機能通貨に換算される。為替
差損益は各期の純損益に認識される。
取得原価で測定される非貨幣性資産および負債は、取引日の為替レートで求められた金額のままである。公
正価値で測定された非貨幣性資産および負債は、公正価値が算定された時の為替レートで換算される。
収益および費用は、対象となる取引が発生した日に換算されていた場合に求められていたであろう表示通貨
による金額とほぼ同じ金額となるような方法で換算される。
在外営業活動体の資産および負債は、貸借対照表日現在の為替レートで換算される。収益および費用(減価
償却費および償却費を含む。)は、収益および費用項目が期中に純損益に認識された日の換算レートで換算さ
れる。
在外営業活動体の財務諸表(または実質的に在外営業活動体に対する純投資の一部である貨幣性項目)の換算
による為替差損益の純額は、OCIに(税引後で)認識され、在外営業活動体に対する純投資が処分または一部処
分される際に、純損益に振り替えられる。
日本GAAPでは、機能通貨・表示通貨の概念がないことを除いて、IFRSの基準と重要な差異はない。したがっ
て、親会社および連結子会社はその資産、負債、収益および費用をそれぞれの国の通貨で測定している。
法人所得税
IFRS では、繰延税金資産および負債は、報告日における財務報告上の資産および負債の帳簿価額と、税務上
の金額との一時差異に関連して認識される。繰延税金は、企業結合ではなく、かつ会計上の利益にも課税所得
にも影響を与えない取引による資産または負債の当初認識に係る一時差異については、認識されない。繰延税
金は、報告日までに制定されたか実質的に制定されている税率または税法に基づき、一時差異が解消する期に
適用される税率で測定される。
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繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除および将来減算一時差異について、それらを利用でき
る課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識される。繰延税金資産は、各報告日に再検討され、関連する税
金の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で減額される。また、未
認識の繰延税金資産についてもその妥当性が、各報告日に再検討される。
当期税金負債または資産は、報告日現在で制定または実質的に制定されている税率を用いて、納付または還
付予定額のうち、未納または未収分について認識される。
当期税金および繰延税金は、企業結合に関連する範囲、または資本あるいはOCIに直接認識される項目に関
連する範囲を除いて、純損益に認識される。
当期税金資産および負債、ならびに繰延税金資産および負債はいずれも、同一の納税主体、または同一の報
告グループ(純額決済を意図している)内の別の納税主体のいずれかに対して、同一の税務当局が課している法
人所得税であり、かつ企業が相殺する法的強制力のある権利を有している場合に、相殺することができる。
日本GAAPでは、繰延税金資産の評価は回収可能性に基づいている。日本GAAPでは、繰延税金資産の回収可能
性は、将来の課税所得、既存の一時差異についての将来的な解消のタイミング、およびタックス・プランニン
グの戦略等の入手可能な証拠を考慮するより詳細な規定となっている。繰延税金資産の帳簿価額は、繰延税金
資産の一部またはすべての便益を実現するために十分な課税所得が生じる可能性が高くなくなった範囲で減額
される。
繰延税金負債および繰延税金資産は、当該負債が決済され、または当該資産が回収される期の施行後の税率
(立法化後の税率)で計上される。
保険
生命保険
現在、IFRSでは保険契約の測定モデルに関する規定はないため、IFRS第4号「保険契約」(以下「IFRS第4
号」という。)が認めるところにより、保険負債は、カナダ・アクチュアリー協会が定める基準に準拠したカ
ナダGAAPに従いカナダ資産負債法(以下「CALM」という。)により測定している。保険負債(未収再保険金控除
後)は、将来の保険料および正味投資収入の見積額と合算の上、保有契約に係る将来の給付金、契約者配当
金、税金(所得税を除く。)および費用の見積額の支払に十分となる額を表している。
保険負債総額の算定は、死亡率、罹病率、保険契約の失効および解約、投資利回り、契約者配当金、運営費
用および契約維持費に関する現在の仮定を用いた保険契約に係るキャッシュ・フローの予測を基に行ってい
る。仮定はそれぞれ、安全割増調整後の最善の見積りである。キャッシュ・フロー総額は、保険負債に対応す
る投資の収益率を用いて割り引いている。
保険負債の評価に用いるキャッシュ・フローは、未収再保険金の計算に用いた出再保険に係る予測キャッ
シュ・フローを反映させるよう調整を行っている。この未収再保険金は、評価日現在の有効な再保険契約を基
に算定した給付金額を表しており、貸借対照表上、関連した保険負債とは別個に表示している。
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保険収益は、保険契約者の支払期日到来時に認識し、生命保険商品に係る繰延新契約費は、CALMに従い未払
保険金および保険給付負債に含めて認識している。据置年金保険に対して受領した保険料は、預り金として会
計処理せず、保険収益に含めている。
IFRS 第4号において定義される保険契約に限り、前述のIFRSの規定の適用対象となる。カナダの生命保険会
社は、通常、収益認識時期のミスマッチを回避するために、保険負債に対応する運用資産を純損益を通じて公
正価値で測定する(FVTPL)資産に指定している。分離勘定で保有する運用資産は、貸借対照表上、負債に対応
する資産として認識している。
日本GAAPでは、保険会社の運用資産の認識および測定には一般的な会計原則が適用される。売買目的有価証
券およびその他有価証券は公正価値で評価され、満期保有目的有価証券は償却原価で評価される。貸付金は、
貸倒引当金控除後の元本残高で計上される。投資不動産および有形固定資産には定期的に減損テストを実施し
なければならない。実務上、保険会社の貸借対照表上の資産項目はすべて、規制当局の要求に従い定期的に資
産査定を実施しなければならない。
また、日本GAAPに基づく保険会社に特有なことであるが、資産・負債管理(ALM)目的上保有される確定満期
の金融商品(有価証券)は、一定の条件が満たされる場合、償却原価に基づいて計上され、純資産の部において
未実現保有損益は認識されない。さらに、保険会社は、条件を満たす場合、金利変動リスクの繰延ヘッジを
ポートフォリオ単位で利用することができる。
日本GAAPでは、新契約費は資産計上されず、発生した期間の損益として認識される。
日本GAAPでは、生命保険の保険負債は、主に、(i)責任準備金、(ii)危険準備金、(iii)保険契約者配当準備
金および(iv)普通支払備金および既発生未報告(以下「IBNR」という。)の支払備金から構成される。
責任準備金 -この準備金は、保有契約に基づく将来の保険給付に備えて積み立てる保険会社の債務である。
準備金の積立方法は、保険業法および関連規則に規定されている。平準純保険料式責任準備金は、主に、将来
の保険給付に対する準備金の基礎である。特定の契約群の場合、準備金の前提条件は、保険会社全体で統一的
な準備金水準を維持する目的で規制当局によって規定されている(標準責任準備金)。第三分野保険商品(すな
わち、個人向け傷害保険、医療保険、介護保険)に対する準備金の十分性は、ストレス・テストに基づき評価
され、必要な場合には不足を解消するために準備金を積み増す。
危険準備金 -この準備金は、重要な前提条件(例えば、金利、死亡率、罹病率等)の通常の変動を上回る不利
な動きに備えて積立てられる。現在、この準備金には4つの下位区分がある。
Ⅰ. 保険リスク
Ⅱ. 予定利率リスク
Ⅲ. 変額商品の最低保証リスク
Ⅳ. 第三分野商品の保険リスク
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保険契約者配当準備金 -この準備金は、有配当契約に対する保険契約者へ配当金を支払うために積立てられ
る。
普通支払備金および既発生未報告の支払備金 -この準備金は、損害保険(後述)に類似した既発生保険給付に
備えて積立てられる。
損害保険
IFRS の免除規定を選択適用した結果、損害保険に係る支払備金および責任準備金は、報告日現在の状況を基
に見積りを行っている。当該準備金には、報告日前に発生した保険事故による保険金支払に係る最終的なコス
トのすべて(被災残存財産、保険代位、再保険、インフレ、調整費用および保険金請求者に支払う金利等)を考
慮している。支払備金総額には、貸借対照表日までの報告済既発生事象に対する備金および既発生未報告備金
(IBNR備金)の見積合計額が含まれる。IBNR備金は、報告遅延の既発生事象と報告済支払備金の過少見積りの両
方に対応するため、数理計算上の予測方法を用いて算定される。
IFRS では、平衡準備金または未発生の自然災害事象に対する準備金の計上は認められていない。これらは偶
発事象とみなされ、規制自己資本要件によりカバーされている。
IFRS は、支払備金の算定に貨幣の時間的価値を含めることを容認しているが、要求はしていない。ただし、
規制上の財務報告規則では、規制当局への財務報告においては割引計算を適用することが求められている。割
引後支払備金は、割引率として保険会社の自己ポートフォリオの利回りを用いて貨幣の時間的価値を反映して
おり、割引額は通常、数理計算上算定された不利な変動に対する安全割増の増加により大部分が相殺される。
保険料収益は、関連する新契約費用とともに繰り延べられ、保険契約期間にわたり収益に認識される。未経
過保険料および繰延新契約費用の評価は、保険契約の未経過部分にわたる予想結果を考慮に入れた回収可能性
テストの対象となる。
保険料収益、保険金およびその他の費用、ならびに保険資産および保険負債は再保険を含めた総額で開示さ
れる。
IFRS 第4号において定義される保険契約に限り、前述のIFRSの規定の適用対象となる。損害保険会社は、投
資を売却可能に指定するのが最も一般的である。
日本GAAPでは、損害保険の保険負債は、主に、(ⅰ)責任準備金および(ⅱ)支払備金から構成される。日本
GAAPでは、新契約費を資産計上する実務はなく、発生した期間に損益として認識される。保険会社が保有する
運用資産の会計処理に関しては、生命保険での説明を参照のこと。
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責任準備金 -責任準備金はいくつかの準備金項目から構成され、その金額は保険業法および関連規則の規定
に従って算定される。責任準備金の中心的項目(「普通責任準備金」と呼ばれる。)は、(a)未経過保険料(収入
保険料の未経過部分について時間基準で通常決定される。)と(b)支払保険金および事業費ならびに支払備金繰
入を反映した初年度収支残との、いずれか大きい方である。強制加入の自動車損害賠償責任保険および地震保
険のような特定の契約種類の場合、準備金の計算は各商品を規制する法律の規定に従う。損害保険会社も、生
命保険分野に類似した第三分野商品(すなわち、個人向けの傷害保険、医療保険および介護保険)について負債
十分性テストの対象となる。損害保険会社は、強制加入の自動車損害賠償責任保険および地震保険を除くすべ
ての保険種類に対して、保有契約から発生する将来キャッシュ・フローの分析に基づく責任準備金の十分性を
評価し、必要な場合には積立不足を解消するために責任準備金を積み増す。
これらの責任準備金の構成項目の他に、自然災害等の大規模なリスクに備えて異常危険準備金を積立てる。
異常危険準備金は、要約すると、収入保険料に準備金係数を乗じたものとして算定される。異常危険準備金
は、各保険種類グループごとにあらかじめ設定されたベンチマーク(基準値)を上回る不利な損害率が発生した
場合に、その超えた額を取り崩すことが許容される。生命保険分野に要求されている通常を上回るリスクに係
る危険準備金の下位区分ⅡおよびⅣが損害保険分野にも適用される。
支払備金 -支払備金は、発生した損害に備えるものである。支払備金は、(ⅰ)報告済損害に対する普通支払
備金および(ⅱ)未報告の損害に対する既発生未報告備金(IBNR備金)から構成される。普通支払備金は、保険会
社の最善の見積りに基づいて報告済みの保険金支払請求事案ごとに算定される。IBNR備金は、保険数理上の評
価技法を用いて算定される。
利息および手数料
当行は、2018年11月1日に発効するIFRS第15号「 顧客との契約から生じる収益 」(以下「IFRS第15号」とい
う。)を適用した。IFRS第15号の経過措置にて認められる通り、当行は比較期間の数値を修正再表示しない選
択を行っているため、IFRS第15号の影響は2018年11月1日より開始する事業年度の財務報告においてのみ生
じ、期首利益剰余金に対して移行調整額が計上されている。
IFRS 第15号では、企業は、顧客に財またはサービスを移転する契約に関して、契約に基づく履行義務を完了
または充足し、かつ企業が契約における履行義務に配分した対価を回収する可能性が高い場合に、収益を認識
しなければならない。IFRS第15号は主に、 顧客との該当するサービス契約の手数料から生じる収益の認識に影
響を与える。
受取利息(支払利息)は稼得した(発生した)期に純損益に認識され、実効金利法を用いて測定される。受取配
当金は、支払を受ける権利が確定した時に認識される。
FVTPL で計上されるもの以外の金融商品の取得に関連する手数料は、実効金利の計算に含められる。FVTPLで
計上される金融商品の手数料は、発生時に純損益に認識される。
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有価証券報告書
投資運用および保管手数料ならびに投資信託報酬は、通常、日次または期間末の純資産価額に対する一定割
合として計算され、契約条件に応じて月次、四半期ごと、半年ごとまたは一年ごとに支払われる。投資運用お
よび保管手数料は、当行の顧客が投資運用会社の投資能力を求める場合に、通常、運用資産(以下「AUM」とい
う。)を基に算定されるか、または、投資戦略が顧客または指定の第三者の運用会社から指示される場合に、
管理資産(以下「AUA」という。)を基に算定される。投資信託報酬は、投資信託の日次の純資産価額(以下
「NAV」という。)を基に算定される。投資運用手数料および保管手数料ならびに投資信託報酬は、認識した収
益の重要な取消が生じない可能性が非常に高い場合に、顧客へのサービス提供期間にわたり認識される。
有価証券委託手数料およびサービス手数料のうち、特定の取引形態でのサービス提供に関連するものは、
サービスの履行時に認識される。サービスが一定の期間にわたり提供される場合は、サービスが提供されるに
つれて収益を認識する。
引受業務手数料およびその他のアドバイザリー手数料は、通常、発行により調達した資金に対する割合で表
され、サービスが完了した時点で認識される。アドバイザリー手数料はサービスが提供される期間にわたり認
識され、収益の金額の重要な取消が生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識される。
カード・サービス収益は、売上交換収益を含み、取引額に対する固定割合として計算され、カード取引が決
済された時点で認識される。年会費は、固定報酬で、当行は12ヶ月間にわたり認識している。
シンジケート・ローンのアレンジや未実行与信枠による信用供与により稼得される与信手数料は、提供する
サービスの性質に基づいて認識される。
日本GAAPでは、2018年3月に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」が公表され、当行であれ
ば、2021年11月1日以後開始する事業年度からに該当する。早期適用も認められる。企業会計基準第29号の原
則は、上記の領域を含めて、IFRS第15号に基づく原則と実質的に類似している。
現行の日本GAAPでは、受取利息および支払利息は名目利率を用いて測定される。金融資産(デリバティブを
除く。)の取得に関連する取引費用は、当該資産の取得原価に含められる。ただし、当該取引費用が通常発生
するもので、金融資産に明確に関連したものであるといえない場合には、取得原価に含めないことができる。
債務の発行費用は、通常発生時に費用計上されるが、社債発行費については繰延資産として認識することもで
きる。
また、現行の日本GAAPでは、収益の区分ごと(財の販売、役務の提供、および利息/ロイヤルティ/配当等)の
具体的な指針はないが、役務報酬に関する現行の日本の会計実務はIFRSの規定に類似しており、役務報酬は
IFRSと同様、適用される役務契約に基づき認識される。
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リース
IFRSでは(国際会計基準(IAS)第17号「リース」に規定されている通り)、リースの開始時において特定の資
産を使用することによってのみ履行可能であり、当該資産を使用する権利を移転する契約は、リースまたは
リースを含むものである。
リースは、契約により、リース資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてが貸手から借手に契約
により移転された場合に、ファイナンス・リースとして分類される。所有に伴うリスクと経済価値の実質的な
移転が行われていない場合は、リースはオペレーティング・リースに分類される。リースの分類はリース開始
時に行われ、リース契約が修正されない限りは変更されない。
ファイナンス・リースでは、借手は将来のリース料に係るリース資産および負債を認識する。オペレーティ
ング・リースでは、借手はリース期間にわたってリース料を費用として認識する。
日本GAAPの原則は、契約にリースが含まれているかどうかを決定するための指針がないことを除き、上記の
IFRSの原則と重要な差異はない。また、日本GAAPでは、リースをファイナンス・リースとして分類するには、
特定の数値基準を満たす必要がある。
1 IFRS第16号「リース」の適用に関連する会計方針および開示の今後の変更については、上記「第一部 第
6 1 財務書類」に掲載されている監査済年次連結財務諸表の「重要な会計方針、見積りおよび判断の要
約」の記載を参照のこと。IFRS第16号「リース」と日本GAAPの差異は、2019年10月31日現在は適用前であ
り、今後の変更に関連するものであるため、ここでは記載しない。
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第7 【外国為替相場の推移】
最近5年間のカナダドルと日本円間の為替相場は、日本国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日
刊新聞紙に掲載されているため、記載を省略する。
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第8 【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
該当事項なし。
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第9 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当行には、親会社等に該当する会社は存在しない。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本書提出までの間に、次の書類を提出している。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類 2019 年2月26日に関東財務局長に提出
(2) 上記(1)の有価証券報告書の訂正報告書 2019 年6月13日に関東財務局長に提出
(3) 金融商品取引法第24条の5第4項ならびに企業内 2019 年7月16日に関東財務局長に提出
容等の開示に関する内閣府令第19条第1項および
第2項第1号の規定に基づく臨時報告書
(4) 半期報告書およびその添付書類 2019 年7月30日に関東財務局長に提出
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第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
第1 【保証会社情報】
該当事項なし。
第2 【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第3 【指数等の情報】
該当事項なし。
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( 訳文)
独立監査人の監査報告書
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ
株主および取締役会各位
監査意見
私どもは、添付の連結財務諸表が、国際会計基準審議会が公表した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に
準拠して、2019年および2018年10月31日現在のロイヤル・バンク・オブ・カナダおよびその子会社(以下、併せて
「銀行」という。)の財政状態、ならびに同日に終了した年度に関する経営成績およびキャッシュ・フローを、す
べての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査範囲
銀行の連結財務諸表は、以下のものから構成される。
・2019年および2018年10月31日現在の連結貸借対照表
・同日に終了した事業年度の連結損益計算書
・同日に終了した事業年度の連結包括利益計算書
・同日に終了した事業年度の連結持分変動計算書
・同日に終了した事業年度の連結キャッシュ・フロー計算書
・連結財務諸表に対する注記(重要な会計方針の要約を含む。)
開示が必要な特定の事項は、連結財務諸表に対する注記の中ではなく、Management’s Discussion and
Analysisの中に表示されている。これらの開示は、連結財務諸表から相互参照され、監査済として識別されている
(訳者注:本書においては「第一部 第3 2 事業等のリスク」および「第一部 第3 7 財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況の分析」)。
監査意見の根拠
私どもは、カナダにおいて一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠して監査を行った。本基準のもとでの私
どもの責任は、本報告書の「連結財務諸表監査に対する監査人の責任」区分に詳述されている。
私どもは、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
独立性
私どもは、カナダにおける私どもの連結財務諸表監査に関連する倫理規定に準拠して、銀行から独立している。
私どもは、その他の倫理上の責任についても規定に準拠している。
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監査上の主要な事項
監査上の主要な事項とは、2019年10月31日に終了した年度の連結財務諸表監査において監査人の職業的専門家と
しての判断によって特に重要であると決定された事項をいう。監査上の主要な事項は、連結財務諸表監査の全体的
な過程および監査意見の形成において対応した事項であり、私どもは、当該事項に対して個別の意見を表明するも
のではない。
監査上の主要な事項 監査上の主要な事項に対する監査上の対応手続
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信用損失引当金(以下「ACL」という。)の評価
注記2「重要な会計方針、見積りおよび判断の 監査上の主要な事項に対応するために実施した
要約」、注記4「有価証券」ならびに注記5「貸 私どものアプローチには、特に、以下の手続が含
出金および信用損失引当金」を参照のこと。 まれる。
・将来のマクロ経済に関する複数のシナリオの
銀行の金融資産に対するACLは2019年10月31日 設計に関する統制、これらシナリオに対する
現在3,440百万ドルであり、これは貸借対照表日 ウェイト付けの決定および適用に関する統
現在の金融資産に対する予想信用損失の経営者の 制、ならびにACLを計算する上で基礎となる
見積りを表している。正常金融資産は、当初認識 インプットデータの網羅性と正確性に関連す
時から資産の信用リスクが当初認識時より相対的 る統制を含む、ACLの評価に関連する内部統
に著しく増大しない限りステージ1に分類され 制の有効性を検証した。
る。正常金融資産の信用リスクが当初認識時より ・ステージ1およびステージ2のACLの決定に
相対的に著しく増大した場合は、ステージ2に移 用いられたモデルの適切性の評価、モデルに
動される。減損した金融資産はステージ3に分類 使用された基礎データの網羅性、正確性およ
されるが、これは、資産が信用減損しているとみ び関連性の検証、ならびに金融資産の信用リ
なされた場合である。経営者により開示されてい スクの当初認識時からの著しく増大したかの
る通り、予想信用損失の測定には金融資産のデ 判定や将来のマクロ経済シナリオの決定およ
フォルト率、デフォルト時損失率、および報告日 びそれらに割り当てられたウェイト付けに関
における割引後のデフォルト時エクスポージャー 連する重要な仮定についての妥当性の評価を
等の相互関連する多数のインプットおよび仮定が 含む、ステージ1およびステージ2のACLの
含まれるため、その計算は複雑である。 決定に関する経営者のプロセスを検証した。
・専門的能力および知識を有する職業的専門家
経営者は、ステージ1およびステージ2の予想 を関与させ、予想信用損失の複雑な計算、な
信用損失の見積りに、将来のマクロ経済に関する らびに相互に関連するインプットおよび仮定
5つの異なるシナリオの見積もりを行っている。 の適切性を検証した。
各シナリオには起こりうる結果を広範囲で捉える ・マクロ経済に関するシナリオの決定に関連す
ための将来予測的情報が含まれ、また、報告日時 る経営者の仮定の評価に対しては、主に潜在
点での各シナリオの結果の範囲の相対的発生可能 的信用損失について非線形の性質を示した重
性に関する経営者の予想に基づいて加重される。 要な金融資産ポートフォリオの識別の評価、
経営者のシナリオには、基本シナリオ、上振れシ また、銀行の過去の損失実績に照らして、将
ナリオおよび下振れシナリオが含まれ、当該シナ 来のマクロ経済に関する5つのシナリオの下
リオは、基礎とする予測値を調整して、基本シナ での潜在的信用損失が妥当かどうかの評価を
リオよりも合理的に発生可能なより楽観的または 実施した。
より悲観的シナリオをそれぞれ策定することによ
り設定される。不動産およびエネルギー・セク
ターについては、さらに2つの下振れシナリオが
設定され、銀行の金融資産ポートフォリオ全体に
わたる潜在的信用損失の非線形の性質を捉えられ
るようにしている。
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私どもは、以下の理由により、ACLの評価を当
年度の連結財務諸表監査における特に重要な事項
として決定した。
・将来のマクロ経済シナリオの設計、ならびに
ステージ1およびステージ2のACLを決定す
るための各シナリオへのウェイト付けの割当
てには、経営者の重要な判断が求められる。
このため、これらのシナリオに関連する監査
手続の実施には、監査人による主観的判断が
必要となる。
・予想信用損失の測定には、多数のデータ、相
互関連するインプットおよび仮定が含まれる
複雑な計算であるため、監査証拠の評価に
は、重要な監査上の判断および重点的監査対
応手続が必要である。
・監査対応手続として、入手した監査証拠を評
価するため、専門的能力および知識を有する
職業的専門家を利用している。
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資金生成単位(以下「CGU」という。)であるカ
リビアン・バンキングののれんの減損評価
注記2「重要な会計方針、見積りおよび判断の 監査上の主要な事項に対応するための私どもの
要約」および注記10「のれんおよびその他の無形 アプローチには、特に、以下の手続が含まれる。
資産」を参照のこと。 ・CGUの回収可能価額の決定に係る統制を含
む、経営者ののれんの減損テストに係る統制
カリビアン・バンキングCGUに割り当てられた の有効性を検証した。
のれんは1,727百万ドルであった。経営者は、各 ・CGUの回収可能価額の決定に関する経営者の
CGUの帳簿価額と回収可能価額を比較して毎年8 プロセスの検証、割引キャッシュ・フロー・
月1日に減損テストを実施している。 モデルに関する適切性の評価、ならびにモデ
ルに使用された基礎データの網羅性、正確性
カリビアン・バンキングCGUについて経営者 および関連性の検証を行った。
は、事業計画に基づき5年間の将来キャッシュ・ ・割引率、永久成長率、ならびに将来キャッ
フロー(第三者に売却した場合の対価と整合させ シュ・フローおよび第三者に売却した場合の
るための調整が加えられる)を予測する割引 対価と整合させるための調整を含む、経営者
キャッシュ・フロー・モデルにより算定した、処 が用いた重要な仮定を評価した。
分コスト控除後の公正価値を回収可能価額として ・専門的能力および知識を有する職業的専門家
算定している。経営者は、最初の5年間を超えた を関与させて、経営者の割引キャッシュ・フ
期間のキャッシュ・フローについては、名目長期 ロー・モデルや割引率および永久成長率を含
成長率を使用して一定の割合で増加すると仮定し む特定の重要な仮定を評価した。
ている。経営者により開示されている通り、カリ ・永久成長率および将来キャッシュ・フローに
ブ海地域は引き続き様々な地域で課題を抱えてお 関連する経営者の仮定の評価には、(ⅰ)CGU
り、その結果、当年度の経済成長は低迷または緩 の現在および過去の業績、(ⅱ)外部の市場
やかであった。2019年8月1日現在、経営者の見 データや業界データとの整合性、および(ⅲ)
積りに基づく公正価値から処分コストを控除して これらの仮定と他の領域で入手した監査証拠
算定されたカリビアン・バンキングCGUの回収可 との整合性を踏まえて、経営者が用いた仮定
能価額は、帳簿価額の126%であった。経営者に が合理的であったかの評価手続が含まれる。
より開示されている通り、割引キャッシュ・フ
ロー・モデルを用いた公正価値の決定には、モデ
ルのインプットを決定するにあたり重要な判断を
用いる必要があり、またモデルは、将来キャッ
シュ・フロー、割引率および予測期間を超える期
間のキャッシュ・フローに適用される永久成長率
の変動に最も影響を受ける。税引後の割引率を
1.8%上昇させ、その他の個別要因を一定に保っ
た場合、回収可能価額は帳簿価額に近似する。
私どもは、以下の理由により、カリビアン・バ
ンキングCGUののれんの減損評価を、当年度の連
結財務諸表監査における特に重要な事項として決
定づけた。
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・将来キャッシュ・フローおよび第三者に売却
した場合の対価と整合させるための調整、割
引率ならびに永久成長率を含むCGUの公正価
値の決定には、経営者の重要な判断が求めら
れる。このため、経営者のCGUの回収可能価
額の計算に関する監査手続の実施および監査
証拠の評価には、監査人の主観的な判断が必
要である。
・監査上の対応として、これらの手続の実施お
よび入手した監査証拠の評価には、専門的能
力および知識を有する職業的専門家を利用す
る。
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不確実な税務ポジション
注記2「重要な会計方針、見積りおよび判断の 監査上の主要な事項に対応するための私どもの
要約」および注記23「法人税等」を参照のこと。 アプローチには、特に、以下の手続が含まれる。
・不確実な税務ポジションの評価に関連する統
銀行は、営業活動を行っている様々な管轄区域 制の有効性を検証した。
の法人所得税法に従っており、複雑な税法の解釈 ・不確実な税務ポジションに関連する将来
については経営者と関係税務当局との間で異なる キャッシュ・フローの金額の見積りに、経営
可能性がある。一部では、銀行は、取引からの配 者が用いたプロセスを検証した。
当金(納税義務のない投資者との取引を含む。)に ・使用された方法の適切性を評価した。
ついて税額控除を否認する指摘を受けている。経 ・使用された基礎データの網羅性、正確性およ
営者により開示されている通り、関連税法の解 び関連性を検証した。
釈、および銀行の税金費用の算定(関係税務当局 ・関係税務当局の調査または不服審査の対象と
の調査または不服審査の対象となっている税務ポ なっている税務ポジションの結果を見積もる
ジションに関する経営者の最善の見積りを含 ために経営者が使用した重要な仮定の妥当性
む。)には、重要な判断が求められる。これらの を評価した。
見積りは将来予測的な性質のため、経営者の将来 ・専門的能力および知識を有する職業的専門家
キャッシュ・フローの時期および金額の予測に を関与させて、関連税法の適用を含む重要な
は、重要な判断が求められる。経営者により開示 仮定、ならびに経営者が将来キャッシュ・フ
されている通り、経営者は、報告期間末時点で入 ローの金額の決定および予測において用いた
手可能なすべての情報に基づき不確実な財務ポジ 税務ポジションおよび証拠が関係税務当局に
ションに係る引当金を計上し、最新の予想を反映 より認められる可能性が高いかを評価した。
するようにしている。
私どもは、以下の理由により、不 確実な税務ポ
ジションを 、当年度の連結財務諸表監査における
特に重要な事項として決定した。
・関連税法の解釈および不確実な税務ポジショ
ンに係る将来キャッシュ・フローの金額の予
測には、経営者の重要な判断(高度な見積上
の不確実性を含む。)が求められる。このた
め、不確実な税務ポジションの評価に関する
監査手続の実施には、監査人の主観的判断が
必要となる。
・監査上の対応として、入手した監査証拠の評
価には、専門的能力および知識を有する職業
的専門家を利用する。
その他の記載内容
経営者は、その他の記載内容に対して責任を有している。その他の記載内容は、年次報告書のうち、Management
’s Discussion and Analysis、ならびに連結財務諸表およびそれに対する監査報告書以外の情報である。
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私どもの連結財務諸表に対する監査意見の対象範囲には、その他の記載内容は含まれておらず、したがって、私
どもは当該その他の記載内容に対していかなる保証の結論も表明しない。
連結財務諸表監査における私どもの責任は、上記で特定したその他の記載内容を通読し、通読の過程において、
その他の記載内容と連結財務諸表または私どもが監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか考慮す
ること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な虚偽記載の兆候があるかどうか検討するこ
とにある。
私どもは、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な虚偽記載があると判断した場合には、当該事実を
報告することが求められている。私どもは、その他の記載内容に関して報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者および統治責任者の責任
経営者は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示すること、および不正または誤謬による重要な虚偽
表示のない連結財務諸表を作成するために経営者が必要と判断した内部統制について責任を有している。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、銀行が継続企業として存続する能力があるかどうかを評価し、必
要がある場合には当該継続企業の前提に関する事項を開示する責任を有し、また、経営者が銀行の清算若しくは事
業停止の意図があるか、またはそうする以外に現実的な代替案がない場合を除き、継続企業の前提に基づいて財務
諸表を作成する責任を有している。
統治責任者の責任は、銀行の財務報告プロセスの監視を行うことにある。
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連結財務諸表監査に対する監査人の責任
私どもの監査の目的は、全体としての連結財務諸表に、不正または誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかに
関する合理的な保証を得て、監査意見を含む監査報告書を公表することにある。合理的な保証は、高い水準の保証
であるが、カナダにおいて一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠して行った監査が、すべての重要な虚偽表
示を常に発見することを確約(guarantee)するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬から発生する可能性が
あり、個別にまたは集計すると、当該連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合
に、重要性があると判断される。
私どもは、カナダにおいて一般に公正妥当と認められる監査基準に準拠して実施する監査の過程を通じて、職業
的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持する。私どもはまた、以下の事項を行う。
・不正または誤謬による連結財務諸表の重要な虚偽表示リスクを識別、評価し、当該リスクに対応した監査手続
を立案、実施し、監査意見の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。不正による重要な虚偽表示リス
クを発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示を発見できないリスクよりも高くなる。これは、不正
には、共謀、文書の偽造、取引等の記録からの除外、虚偽の陳述、および内部統制の無効化が伴うためであ
る。
・状況に応じて適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を理解する。ただし、これは、銀行
の内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
・経営者が採用した会計方針の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性を評価し、関連
する開示の妥当性を検討する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基
づき、銀行の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況に関して重要な不確実性が認め
られるかどうかを結論付ける。重要な不確実性が認められると結論付ける場合は、監査報告書において連結財
務諸表上の関連する開示に注意を喚起すること、または重要な不確実性に関する連結財務諸表の開示が十分で
ない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。私どもの結論は、監査
報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。ただし、将来の事象や状況により、銀行は継続企業として
存続できなくなる可能性がある。
・関連する注記を含めた全体としての連結財務諸表の表示、構成および内容を検討し、連結財務諸表が基礎とな
る取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するため、銀行内の企業および事業活動の財務情報に関する十分かつ適切な
監査証拠を入手する。私どもは、グループ監査の指示、監督および実施について責任を有する。私どもは、私
どもの監査意見に単独で責任を負う。
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私どもは、統治責任者に対して、特に、計画した監査の範囲とその実施時期、および監査の過程で識別した内部
統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項を報告している。
また、私どもは、統治責任者に、独立性についての職業倫理に関する規定を遵守している旨、並びに独立性に影
響を与えると合理的に考えられる事項、および該当する場合、関連するセーフガードについて報告を行う。
私どもは、統治責任者に報告した事項のうち、当年度の連結財務諸表監査で特に重要な事項を、監査上の主要な
事項と決定する。私どもは、これらの事項を監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表
が禁止されている場合や、極めてまれではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の
利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許職業会計士
公認会計士
トロント市、カナダ
2019 年12月3日
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Independent auditor's report
To the Shareholders and Board of Directors of Royal Bank of Canada
Our opinion
In our opinion, the accompanying consolidated financial statements present fairly, in all material respects, the financial
position of Royal Bank of Canada and its subsidiaries (together, the Bank) as at October 31, 2019 and 2018, and its financial
performance and its cash flows for the years then ended in accordance with International Financial Reporting Standards as
issued by the International Accounting Standards Board (IFRS).
What we have audited
The Bank's consolidated financial statements comprise:
・ the consolidated balance sheets as at October 31, 2019 and 2018;
・ the consolidated statements of income for the years then ended;
・ the consolidated statements of comprehensive income for the years then ended;
・ the consolidated statements of changes in equity for the years then ended;
・ the consolidated statements of cash flows for the years then ended; and
・ the notes to the consolidated financial statements, which include a summary of significant accounting policies.
Certain required disclosures have been presented elsewhere in the Management's Discussion and Analysis, rather than in the
notes to the consolidated financial statements. These disclosures are cross-referenced from the consolidated financial
statements and are identified as audited.
Basis for opinion
We conducted our audit in accordance with Canadian generally accepted auditing standards. Our responsibilities under those
standards are further described in the Auditor's responsibilities for the audit of the consolidated financial statements section of
our report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
Independence
We are independent of the Bank in accordance with the ethical requirements that are relevant to our audit of the consolidated
financial statements in Canada. We have fulfilled our other ethical responsibilities in accordance with these requirements.
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Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most significance in our audit of the
consolidated financial statements for the year ended October 31, 2019. These matters were addressed in the context of our audit
of the consolidated financial statements as a whole, and in forming our opinion thereon, and we do not provide a separate
opinion on these matters.
Key audit matters How our audit addressed the key audit matters
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Valuation of the Allowance for Credit Losses (ACL)
Our approach to addressing the matter involved the
Refer to Note 2, Summary of significant accounting following procedures, amongst others:
policies, estimates and judgments, Note 4, Securities
・ testing the effectiveness of controls relating to the
and Note 5, Loans and allowance for credit losses
valuation of the ACL, including controls over the
design of multiple future macroeconomic
The Bank's ACL for financial assets was $3,440
scenarios, the determination and application of the
million as at October 31, 2019, and represents
weightings for these scenarios, and the
management's estimate of expected credit losses on
completeness and accuracy of the data inputs
financial assets as at the balance sheet date. Performing
underlying the ACL calculation;
financial assets are categorized as Stage 1 from initial
・ testing management's process for determining the
recognition to the date on which the asset has
Stage 1 and Stage 2 ACL, including evaluating the
experienced a significant increase in credit risk relative
appropriateness of the models used to determine
to its initial recognition. Performing financial assets
the Stage 1 and Stage 2 ACL, testing the
transfer into Stage 2 following a significant increase in
completeness, accuracy, and relevance of
credit risk relative to the initial recognition. Impaired
underlying data used in the model, and evaluating
financial assets are categorized as Stage 3 when the
the reasonableness of significant assumptions
asset is considered to be credit-impaired. As disclosed
related to the determination of significant
by management, the measurement of expected credit
increases in credit risk relative to the initial
losses is a complex calculation that involves a large
recognition of the financial asset, the
number of interrelated inputs and assumptions such as
determination of the future macroeconomic
the financial asset's probability of default, loss given
scenarios and the weights assigned thereto;
default, and exposure at default discounted at the
・ testing the appropriateness of the complex
reporting date.
expected credit loss calculation and its interrelated
inputs and assumptions with the assistance of
Management's estimation of expected credit losses in
professionals with specialized skill and
Stage 1 and Stage 2 considers five distinct future
knowledge; and
macroeconomic scenarios, each of which includes
・ evaluating management's assumptions related to
forward-looking information designed to capture a wide
the determination of macroeconomic scenarios
range of possible outcomes and are weighted according
which involved evaluating the identification of
to management's expectation of the relative likelihood
material portfolios of financial assets that have
of the range of outcomes that each scenario represents
exhibited a non-linear nature of potential credit
at the reporting date. Management's scenarios include a
losses, and evaluating the reasonableness of
base case, upside and downside scenarios which are set
potential credit losses under the five future
by adjusting the base projections to construct
macroeconomic scenarios considering the Bank's
reasonably possible scenarios that are more optimistic
historical loss experience.
and pessimistic, respectively, than the base case. Two
additional downside scenarios are designed for the real
estate and energy sectors to capture the non-linear
nature of potential credit losses across the Bank's
portfolios of financial assets.
We determined that the valuation of the ACL is a
matter of most significance to the audit of the current
year consolidated financial statements due to:
・ significant judgment required by management
when designing the future macroeconomic
scenarios and assigning weights to each scenario
to determine the Stage 1 and Stage 2 ACL.This in
turn led to a high degree of auditor subjectivity in
performing audit procedures relating to these
scenarios;
・ significant auditor judgment and significant audit
effort necessary to evaluate audit evidence as the
measurement of expected credit losses is a
complex calculation that involves a large volume
of data, interrelated inputs and assumptions; and
・ the audit effort included the use of professionals
with specialized skill and knowledge to assist in
evaluating the audit evidence obtained.
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Goodwill Impairment Assessment of the Caribbean
Banking Cash Generating Unit (CGU)
Our approach to addressing the matter involved the
Refer to Note 2, Summary of significant accounting
following procedures, amongst others:
policies, estimates and judgments, and Note 10,
Goodwill and other intangible assets
・ testing the effectiveness of controls relating to
management's goodwill impairment test, including
The goodwill allocated to the Caribbean Banking CGU
controls over the determination of the recoverable
was $1,727 million. Management conducts an
amount of the CGU;
impairment test as of August 1 of each year by
comparing the carrying value of each CGU to its ・ testing management's process for determining the
recoverable amount. For the Caribbean Banking CGU, recoverable amount of the CGU, evaluating the
management calculated the recoverable amount as the appropriateness of the discounted cash flow
fair value less costs of disposal using a discounted cash model, and testing the completeness, accuracy,
flow model that projects future cash flows based on and relevance of underlying data used in the
model;
management forecasts, adjusted to approximate the
considerations of a prospective third-party buyer, over ・ evaluating the significant assumptions used by
a 5-year period. Cash flows beyond the initial 5-year management, including the discount rates, terminal
growth rates, and future cash flows and
period are assumed by management to increase at a
constant rate using a nominal long-term growth rate. As adjustments made thereto to approximate the
disclosed by management, the Caribbean continued to considerations of a prospective third-party buyer;
experience challenges in various regions resulting in
・ evaluating management's discounted cash flow
weak to moderate economic growth during the year. As
model and certain significant assumptions,
at August 1, 2019, the recoverable amount of the
including the discount rates and terminal growth
Caribbean Banking CGU, based on management's
rates with the assistance of professionals with
estimated fair value less costs of disposal, was 126% of
specialized skill and knowledge; and
its carrying amount. As management has disclosed, the
・ evaluating management's assumptions related to
determination of fair value using a discounted cash
terminal growth rates and future cash flows which
flow model requires the use of significant judgment to
involved evaluating whether the assumptions used
determine the inputs and the model is most sensitive to
by management were reasonable considering (i)
changes in future cash flows, discount rates, and
the current and past performance of the CGU; (ii)
terminal growth rates applied to cash flows beyond the
the consistency with external market data and
forecast period. If the post-tax discount rate was
industry data; and (iii) whether these assumptions
increased by 1.8%, holding other individual factors
were consistent with evidence obtained in other
constant, the recoverable amount would approximate
areas of the audit.
the carrying amount.
We determined that the goodwill impairment
assessment of the Caribbean Banking CGU is a matter
of most significance to the audit of the current year
consolidated financial statements due to:
・ significant judgment required by management
when determining the fair value of the CGU
including future cash flows and adjustments made
thereto to approximate the considerations of a
prospective third-party buyer, discount rates and
terminal growth rates. This in turn led to a high
degree of auditor judgment and subjectivity in
performing procedures over management's
calculation of the recoverable amount of the CGU,
and evaluating audit evidence; and
・ the audit effort included the use of professionals
with specialized skill and knowledge to assist in
performing these procedures and evaluating the
audit evidence obtained.
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Uncertain Tax Positions
Our approach to addressing the matter involved the
Refer to Note 2, Summary of significant accounting
following procedures, amongst others:
policies, estimates and judgments, and Note 23, Income
taxes
・ testing the effectiveness of controls relating to the
The Bank is subject to income tax laws in various
evaluation of uncertain tax positions;
jurisdictions where it operates and the complex tax laws
・ testing management's process used in estimating
are potentially subject to different interpretations by
the amount of future cash flows relating to
management and relevant taxation authorities. In some
uncertain tax positions;
cases, the Bank has received reassessments denying the
・ evaluating the appropriateness of the methods
tax deductibility of dividends from transactions
used;
including those with Tax Indifferent Investors. As
・ testing the completeness, accuracy, and relevance
disclosed by management, significant judgment is
of underlying data used;
required in the interpretation of the relevant tax laws,
・ evaluating the reasonableness of significant
and the determination of the Bank's tax provision,
assumptions used by management for estimating
which includes management's best estimate of tax
the results of tax positions that are under audit or
positions that are under audit or appeal by relevant
appeal by relevant taxation authorities; and
taxation authorities. The forward-looking nature of
・ professionals with specialized skill and knowledge
these estimates requires management to use a
were used to assist in assessing the significant
significant amount of judgment in projecting the timing
assumptions, including the application of relevant
and amount of future cash flows. As management has
tax laws and whether it is probable that the
further disclosed, management records provisions
relevant tax authorities will accept the tax
related to uncertain tax positions on the basis of all
positions and evidence used by management in
available information at the end of the reporting period
determining and projecting the amount of future
to reflect current expectations.
cash flows.
We determined that uncertain tax positions are a matter
of most significance to the audit of the current year
consolidated financial statements due to:
・ significant judgment required by management,
including a high degree of estimation uncertainty,
when interpreting the relevant tax laws and
projecting the amount of future cash flows relating
to uncertain tax positions. This in turn led to a high
degree of auditor judgment and subjectivity in
performing procedures to evaluate the uncertain
tax positions; and
・ the audit effort included the use of professionals
with specialized skill and knowledge to assist in
evaluating the audit evidence obtained.
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Other information
Management is responsible for the other information. The other information comprises the Management's Discussion and
Analysis and the information, other than the consolidated financial statements and our auditor's report thereon, included in the
annual report.
Our opinion on the consolidated financial statements does not cover the other information and we do not express any form of
assurance conclusion thereon.
In connection with our audit of the consolidated financial statements, our responsibility is to read the other information
identified above and, in doing so, consider whether the other information is materially inconsistent with the consolidated
financial statements or our knowledge obtained in the audit, or otherwise appears to be materially misstated.
If, based on the work we have performed, we conclude that there is a material misstatement of this other information, we are
required to report that fact. We have nothing to report in this regard.
Responsibilities of management and those charged with governance for the consolidated financial
statements
Management is responsible for the preparation and fair presentation of the consolidated financial statements in accordance with
IFRS, and for such internal control as management determines is necessary to enable the preparation of consolidated financial
statements that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, management is responsible for assessing the Bank's ability to continue as a
going concern, disclosing, as applicable, matters related to going concern and using the going concern basis of accounting
unless management either intends to liquidate the Bank or to cease operations, or has no realistic alternative but to do so.
Those charged with governance are responsible for overseeing the Bank's financial reporting process.
Auditor's responsibilities for the audit of the consolidated financial statements
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as a whole are free from
material misstatement, whether due to fraud or error, and to issue an auditor's report that includes our opinion. Reasonable
assurance is a high level of assurance, but is not a guarantee that an audit conducted in accordance with Canadian generally
accepted auditing standards will always detect a material misstatement when it exists. Misstatements can arise from fraud or
error and are considered material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the
economic decisions of users taken on the basis of these consolidated financial statements.
As part of an audit in accordance with Canadian generally accepted auditing standards, we exercise professional judgment and
maintain professional skepticism throughout the audit. We also:
・ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements, whether due to fraud or
error, design and perform audit procedures responsive to those risks, and obtain audit evidence that is sufficient and
appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the override of internal control.
・ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are appropriate in
the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Bank's internal control.
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・ Evaluate the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and related
disclosures made by management.
・ Conclude on the appropriateness of management's use of the going concern basis of accounting and, based on the audit
evidence obtained, whether a material uncertainty exists related to events or conditions that may cast significant doubt on
the Bank's ability to continue as a going concern. If we conclude that a material uncertainty exists, we are required to
draw attention in our auditor's report to the related disclosures in the consolidated financial statements or, if such
disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit evidence obtained up to the date
of our auditor's report. However, future events or conditions may cause the Bank to cease to continue as a going concern.
・ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including the disclosures,
and whether the consolidated financial statements represent the underlying transactions and events in a manner that
achieves fair presentation.
・ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business activities within
the Bank to express an opinion on the consolidated financial statements. We are responsible for the direction, supervision
and performance of the group audit. We remain solely responsible for our audit opinion.
We communicate with those charged with governance regarding, among other matters, the planned scope and timing of the
audit and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit.
We also provide those charged with governance with a statement that we have complied with relevant ethical requirements
regarding independence, and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to
bear on our independence, and where applicable, related safeguards.
From the matters communicated with those charged with governance, we determine those matters that were of most
significance in the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the key audit matters.
We describe these matters in our auditor's report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when,
in extremely rare circumstances, we determine that a matter should not be communicated in our report because the adverse
consequences of doing so would reasonably be expected to outweigh the public interest benefits of such communication.
PricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Professional Accountants, Licensed Public Accountants
Toronto, Canada
December 3, 2019
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出会社が別途保管
しております。
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( 訳文)
独立登録会計事務所の監査報告書
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ
株主および取締役会各位
財務諸表および財務報告に係る内部統制に対する意見
私どもは、添付のロイヤル・バンク・オブ・カナダおよびその子会社(以下、併せて「銀行」という。)の2019年
および2018年10月31日現在の連結貸借対照表、同日に終了した事業年度の関連する連結損益計算書、連結包括利益
計算書、連結持分変動計算書および連結キャッシュ・フロー計算書、ならびに関連する注記(以下、総称して「連
結財務諸表」という。)について監査を行った。私どもはまた、トレッドウェイ委員会支援組織委員会(以下
「COSO」という。)が発行した「 内部統制の統合的枠組み (2013年版)」で確立された規準に基づいて、2019年10月
31日現在の銀行の財務報告に係る内部統制監査を行った。
私どもは、上述の連結財務諸表が、国際会計基準審議会が公表した国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に
準拠して、2019年および2018年10月31日現在の銀行の財政状態、ならびに同日に終了した事業年度に関する経営成
績およびキャッシュ・フローを、すべての重要な点において適正に表示しているものと認める。私どもは、また、
銀行が2019年10月31日現在において、COSOにより公表された「 内部統制の統合的枠組み (2013年版)」で確立された
規準に基づいて、すべての重要な点において財務報告に係る有効な内部統制を維持しているものと認める。
監査意見の根拠
銀行の経営者は連結財務諸表、財務報告に係る有効な内部統制の維持、および付属の財務報告に係る内部統制の
経営者報告書に含まれる財務報告に係る内部統制の有効性の評価について責任を負っている。私どもの責任は、私
どもの実施した監査に基づいて、銀行の連結財務諸表および銀行の財務報告に係る内部統制に対する意見を表明す
ることにある。私どもは、米国公開企業会計監視委員会(以下「PCAOB」という。)に登録された会計事務所であ
り、米国連邦証券法、ならびに米国証券取引委員会およびPCAOBの適用規則および規制に準拠して、銀行から独立
していることが要求される。
私どもは、PCAOBの基準に準拠して監査を行った。これらの基準は、連結財務諸表に不正または誤謬による重要
な虚偽の表示がないか、また財務報告に係る有効な内部統制がすべての重要な点において維持されているかどうか
について合理的な保証を得るために、私どもが監査を計画し、実施することを要求している。
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私どもの連結財務諸表の監査には、不正または誤謬による連結財務諸表の重要な虚偽表示のリスクを評価するた
めの手続および当該リスクに対応する手続を実施することが含まれる。当該手続には、連結財務諸表の金額および
開示に関する証拠の試査による検証手続の実施が含まれる。また、私どもの監査には、経営者が適用した会計原則
ならびに経営者が行った重要な見積りを評価し、全体としての連結財務諸表の表示を評価することが含まれる。財
務報告に係る内部統制に対する私どもの監査には、財務報告に係る内部統制の理解、重要な欠陥が存在するリスク
の評価、および評価したリスクに基づく内部統制の整備および運用の有効性の検証および評価が含まれる。さら
に、私どもの監査には、私どもがその状況において必要であると考えたその他の手続の実施も含まれる。私ども
は、私どもの監査が、私どもの意見に対して合理的な基礎を提供しているものと確信している。
財務報告に係る内部統制の定義および限界
会社の財務報告に係る内部統制は、財務報告の信頼性、および一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠した
外部報告目的の財務諸表の作成に関し、合理的な保証を提供できるように立案された手続である。会社の財務報告
に係る内部統制には、以下の方針および手続が含まれる。(ⅰ)会社の資産の取引および処分を、合理的に詳細、正
確かつ適正に反映する記録の維持に関係するもの、(ⅱ)一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠した財務諸表
を作成するために必要な取引が記録されていることについて、また会社の収入および支出が会社の経営者および取
締役の承認に基づいてのみ発生していることについて、合理的な保証を提供するもの、ならびに(ⅲ)財務諸表に重
要な影響を及ぼす可能性のある会社の資産の未承認の取得、使用または処分の防止または適時発見に関して合理的
な保証を提供する方針および手続が含まれる。
財務報告に係る内部統制には固有の限界があることから、虚偽の表示が防止または発見されない可能性がある。
また、将来の期間における有効性の評価の予測には、状況の変化により統制が不十分となるリスク、または方針も
しくは手続の遵守の程度が低下するリスクが存在する。
監査上の主要な事項
下記に報告された監査上の主要な事項は、当期の連結財務諸表監査において発生し、監査委員会に報告されたま
たは報告が求められた事項で、(ⅰ)連結財務諸表の重要な勘定または開示に関連するもの、また(ⅱ)私どもが特に
困難な、主観的な、または複雑な判断を用いたものである。連結財務諸表全体に対する私どもの意見は、監査上の
主要な事項を報告することにより何ら変わることはなく、また、私どもの下記の監査上の主要な事項の報告は、監
査上の主要な事項またはそれらが関連する勘定科目または開示について別個の意見を提供するものではない。
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信用損失引当金(以下「ACL」という。)の評価
連結財務諸表に対する注記2、4および5に記載されている通り、銀行の金融資産に対するACLは2019年10月31
日現在3,440百万ドルであり、これは貸借対照表日現在の金融資産に対する予想信用損失の経営者の見積りを表し
ている。正常金融資産は、当初認識時から資産の信用リスクが当初認識時より相対的に著しく増大しない限りス
テージ1に分類される。正常金融資産の信用リスクが当初認識時より相対的に著しく増大した場合は、ステージ2
に移動される。減損した金融資産はステージ3に分類されるが、これは、資産が信用減損しているとみなされた場
合である。経営者により開示されている通り、予想信用損失の測定には金融資産のデフォルト率、デフォルト時損
失率、および報告日における割引後のデフォルト時エクスポージャー等の相互関連する多数のインプットおよび仮
定が含まれるため、その計算は複雑である。経営者は、ステージ1およびステージ2の予想信用損失の見積りに、
将来のマクロ経済に関する5つの異なるシナリオの見積もりを行っている。各シナリオには起こりうる結果を広範
囲で捉えるための将来予測的情報が含まれ、また、報告日時点での各シナリオの結果の範囲の相対的発生可能性に
関する経営者の予想に基づいて加重される。経営者のシナリオには、基本シナリオ、上振れシナリオおよび下振れ
シナリオが含まれ、当該シナリオは、基礎とする予測値を調整して、基本シナリオよりも合理的に発生可能なより
楽観的またはより悲観的シナリオをそれぞれ策定することにより設定される。不動産およびエネルギー・セクター
については、さらに2つの下振れシナリオが設定され、銀行の金融資産ポートフォリオ全体にわたる潜在的信用損
失の非線形の性質を捉えられるようにしている。
私どもがACLの評価に関連する手続の実施を監査上の主要な事項として決定するにあたり、主に検討したのは、
将来のマクロ経済シナリオの設計、ならびにステージ1およびステージ2のACLを決定するための各シナリオへの
ウェイト付けの割当てには、経営者の重要な判断が求められるということである。このため、これらのシナリオに
関連する監査手続の実施には、監査人による主観的判断が必要となる。さらに、予想信用損失の測定には、多数の
データ、相互関連するインプットおよび仮定が含まれる複雑な計算であるため、監査証拠の評価には、重要な監査
上の判断および重点的監査対応手続が必要である。また、監査対応手続として、入手した監査証拠を評価するた
め、専門的能力および知識を有する職業的専門家を利用している。
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連結財務諸表全体に対する私どもの意見を形成するにあたり、私どもは監査上の主要な事項に対応する手続を実
施し、また監査証拠を評価した。これらの手続には、将来のマクロ経済に関する複数のシナリオの設計に関する統
制、これらシナリオに対するウェイト付けの決定および適用に関する統制、ならびにACLを計算する上で基礎とな
るインプットデータの網羅性と正確性に関連する統制を含む、ACLの評価に関連する内部統制の有効性の検証が含
まれた。また、これらの手続には特に、ステージ1およびステージ2のACLの決定に用いられたモデルの適切性の
評価、モデルに使用された基礎データの網羅性、正確性および関連性の検証、ならびに金融資産の信用リスクの当
初認識時からの著しく増大したかの判定や将来のマクロ経済シナリオの決定およびそれらに割り当てられたウェイ
ト付けに関連する重要な仮定についての妥当性の評価を含む、ステージ1およびステージ2のACLの決定に関する
経営者のプロセスの検証も含まれた。予想信用損失の複雑な計算、ならびに相互に関連するインプットおよび仮定
の適切性の検証には、専門的能力および知識を有する職業的専門家を関与させた。マクロ経済に関するシナリオの
決定に関連する経営者の仮定の評価に対しては、主に潜在的信用損失について非線形の性質を示した重要な金融資
産ポートフォリオの識別の評価、また、銀行の過去の損失実績に照らして、将来のマクロ経済に関する5つのシナ
リオの下での潜在的信用損失が妥当かどうかの評価を実施した。
資金生成単位(以下「CGU」という。)であるカリビアン・バンキングののれんの減損評価
連結財務諸表に対する注記2および10に記載されている通り、カリビアン・バンキングCGUに割り当てられたの
れんは1,727百万ドルであった。経営者は、各CGUの帳簿価額と回収可能価額を比較して毎年8月1日に減損テスト
を実施している。カリビアン・バンキングCGUについて経営者は、事業計画に基づき5年間の将来キャッシュ・フ
ロー(第三者に売却した場合の対価と整合させるための調整が加えられる)を予測する割引キャッシュ・フロー・モ
デルにより算定した、処分コスト控除後の公正価値を回収可能価額として算定している。経営者は、最初の5年間
を超えた期間のキャッシュ・フローについては、名目長期成長率を使用して一定の割合で増加すると仮定してい
る。経営者により開示されている通り、カリブ海地域は引き続き様々な地域で課題を抱えており、その結果、当年
度の経済成長は低迷または緩やかであった。2019年8月1日現在、経営者の見積りに基づく公正価値から処分コス
トを控除して算定されたカリビアン・バンキングCGUの回収可能価額は、帳簿価額の126%であった。経営者により
開示されている通り、割引キャッシュ・フロー・モデルを用いた公正価値の決定には、モデルのインプットを決定
するにあたり重要な判断を用いる必要があり、またモデルは、将来キャッシュ・フロー、割引率および予測期間を
超える期間のキャッシュ・フローに適用される永久成長率の変動に最も影響を受ける。税引後の割引率を1.8%上
昇させ、その他の個別要因を一定に保った場合、回収可能価額は帳簿価額に近似する。
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私どもがカリビアン・バンキングCGUののれんの減損評価に関連する手続の実施を監査上の主要な事項として決
定するにあたり、主に検討したのは、将来キャッシュ・フローおよび第三者に売却した場合の対価と整合させるた
めの調整、割引率ならびに永久成長率を含むCGUの公正価値の決定には、経営者の重要な判断が求められるという
ことである。このため、経営者のCGUの回収可能価額の計算に関する監査手続の実施および監査証拠の評価には、
監査人の主観的な判断が必要である。さらに、監査上の対応として、これらの手続の実施および入手した監査証拠
の評価には、専門的能力および知識を有する職業的専門家を利用する。
連結財務諸表全体に対する私どもの意見を形成するにあたり、私どもは監査上の主要な事項に対応する手続を実
施し、また監査証拠を評価した。これらの手続には、CGUの回収可能価額の決定に係る統制を含む、経営者ののれ
んの減損テストに係る統制の有効性の検証が含まれた。また、これらの手続には特に、CGUの回収可能価額の決定
に関する経営者のプロセスの検証、割引キャッシュ・フロー・モデルに関する適切性の評価、ならびにモデルに使
用された基礎データの網羅性、正確性および関連性の検証も含まれた。手続にはまた、割引率、永久成長率、なら
びに将来キャッシュ・フローおよび第三者に売却した場合の対価と整合させるための調整を含む、経営者が用いた
重要な仮定の評価も含まれた。経営者の割引キャッシュ・フロー・モデルや割引率および永久成長率を含む特定の
重要な仮定の評価には、専門的能力および知識を有する職業的専門家を関与させた。永久成長率および将来キャッ
シュ・フローに関連する経営者の仮定の評価には、(ⅰ)CGUの現在および過去の業績、(ⅱ)外部の市場データや業
界データとの整合性、および(ⅲ)これらの仮定と他の領域で入手した監査証拠との整合性を踏まえて、経営者が用
いた仮定が合理的であったかの評価手続が含まれる。
不確実な税務ポジション
連結財務諸表に対する注記2に記載されている通り、銀行は、営業活動を行っている様々な管轄区域の法人所得
税法に従っており、複雑な税法の解釈については経営者と関係税務当局との間で異なる可能性がある。一部では、
注記23に記載されている通り、銀行は、取引からの配当金(納税義務のない投資者との取引を含む。)について税額
控除を否認する指摘を受けている。経営者により開示されている通り、関連税法の解釈、および銀行の税金費用の
算定(関係税務当局の調査または不服審査の対象となっている税務ポジションに関する経営者の最善の見積りを含
む。)には、重要な判断が求められる。これらの見積りは将来予測的な性質のため、経営者の将来キャッシュ・フ
ローの時期および金額の予測には、重要な判断が求められる。経営者により開示されている通り、経営者は、報告
期間末時点で入手可能なすべての情報に基づき不確実な財務ポジションに係る引当金を計上し、最新の予想を反映
するようにしている。
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私どもが不確実な税務ポジションに関連する手続の実施を監査上の主要な事項として決定するにあたり、主に検
討したのは、関連税法の解釈および不確実な税務ポジションに係る将来キャッシュ・フローの金額の予測には、経
営者の重要な判断(高度な見積上の不確実性を含む。)が求められるということである。このため、不確実な税務ポ
ジションの評価に関する監査手続の実施には、監査人の主観的判断が必要となる。さらに、監査上の対応として、
入手した監査証拠の評価には、専門的能力および知識を有する職業的専門家を利用する。
連結財務諸表全体に対する私どもの意見を形成するにあたり、私どもは監査上の主要な事項に対応する手続を実
施し、また監査証拠を評価した。これらの手続には、不確実な税務ポジションの評価に関連する統制の有効性の検
証が含まれた。また、これらの手続には特に、不確実な税務ポジションに関連する将来キャッシュ・フローの金額
の見積りに、経営者が用いたプロセスの検証が含まれた。これには、使用された方法の適切性の評価、使用された
基礎データの網羅性、正確性および関連性の検証、ならびに関係税務当局の調査または不服審査の対象となってい
る税務ポジションの結果を見積もるために経営者が使用した重要な仮定の妥当性の評価が含まれた。関連税法の適
用を含む重要な仮定、ならびに経営者が将来キャッシュ・フローの金額の決定および予測において用いた税務ポジ
ションおよび証拠が関係税務当局により認められる可能性が高いかの評価には、専門的能力および知識を有する職
業的専門家を関与させた。
プライスウォーターハウスクーパース エルエルピー
勅許職業会計士
公認会計士
トロント市、カナダ
2019 年12月3日
私どもは2016年より銀行の監査人を務めている。
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Report of Independent Registered Public Accounting Firm
To the Shareholders and Board of Directors of Royal Bank of Canada
Opinions on the Financial Statements and Internal Control over Financial Reporting
We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Royal Bank of Canada and its subsidiaries (together, the
Bank) as of October 31, 2019 and 2018, and the related consolidated statements of income, comprehensive income, changes in
equity and cash flows for the years then ended, including the related notes (collectively referred to as the consolidated financial
statements). We also have audited the Bank's internal control over financial reporting as of October 31, 2019, based on criteria
established in Internal Control – Integrated Framework (2013) issued by the Committee of Sponsoring Organizations of the
Treadway Commission (COSO).
In our opinion, the consolidated financial statements referred to above present fairly, in all material respects, the financial
position of the Bank as of October 31, 2019 and 2018, and its financial performance and its cash flows for the years then ended
in conformity with International Financial Reporting Standards as issued by the International Accounting Standards Board
(IFRS). Also in our opinion, the Bank maintained, in all material respects, effective internal control over financial reporting as
of October 31, 2019, based on criteria established in Internal Control – Integrated Framework (2013) issued by the COSO.
Basis for Opinions
The Bank's management is responsible for these consolidated financial statements, for maintaining effective internal control
over financial reporting, and for its assessment of the effectiveness of internal control over financial reporting, included in the
accompanying Management's Report on Internal Control over Financial Reporting. Our responsibility is to express opinions on
the Bank's consolidated financial statements and on the Bank's internal control over financial reporting based on our audits.
We are a public accounting firm registered with the Public Company Accounting Oversight Board (United States) (PCAOB)
and are required to be independent with respect to the Bank in accordance with the U.S. federal securities laws and the
applicable rules and regulations of the Securities and Exchange Commission and the PCAOB.
We conducted our audits in accordance with the standards of the PCAOB. Those standards require that we plan and perform
the audits to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements are free of material misstatement,
whether due to error or fraud, and whether effective internal control over financial reporting was maintained in all material
respects.
Our audits of the consolidated financial statements included performing procedures to assess the risks of material misstatement
of the consolidated financial statements, whether due to error or fraud, and performing procedures that respond to those risks.
Such procedures included examining, on a test basis, evidence regarding the amounts and disclosures in the consolidated
financial statements. Our audits also included evaluating the accounting principles used and significant estimates made by
management, as well as evaluating the overall presentation of the consolidated financial statements. Our audit of internal
control over financial reporting included obtaining an understanding of internal control over financial reporting, assessing the
risk that a material weakness exists, and testing and evaluating the design and operating effectiveness of internal control based
on the assessed risk. Our audits also included performing such other procedures as we considered necessary in the
circumstances. We believe that our audits provide a reasonable basis for our opinions.
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Definition and Limitations of Internal Control over Financial Reporting
An entity's internal control over financial reporting is a process designed to provide reasonable assurance regarding the
reliability of financial reporting and the preparation of financial statements for external purposes in accordance with generally
accepted accounting principles. An entity's internal control over financial reporting includes those policies and procedures that
(i) pertain to the maintenance of records that, in reasonable detail, accurately and fairly reflect the transactions and dispositions
of the assets of the entity; (ii) provide reasonable assurance that transactions are recorded as necessary to permit preparation of
financial statements in accordance with generally accepted accounting principles, and that receipts and expenditures of the
entity are being made only in accordance with authorizations of management and directors of the entity; and (iii) provide
reasonable assurance regarding prevention or timely detection of unauthorized acquisition, use, or disposition of the entity's
assets that could have a material effect on the financial statements.
Because of its inherent limitations, internal control over financial reporting may not prevent or detect misstatements. Also,
projections of any evaluation of effectiveness to future periods are subject to the risk that controls may become inadequate
because of changes in conditions, or that the degree of compliance with the policies or procedures may deteriorate.
Critical Audit Matters
The critical audit matters communicated below are matters arising from the current period audit of the consolidated financial
statements that were communicated or required to be communicated to the audit committee and that (i) relate to accounts or
disclosures that are material to the consolidated financial statements and (ii) involved our especially challenging, subjective, or
complex judgments. The communication of critical audit matters does not alter in any way our opinion on the consolidated
financial statements, taken as a whole, and we are not, by communicating the critical audit matters below, providing separate
opinions on the critical audit matters or on the accounts or disclosures to which they relate.
Valuation of the Allowance for Credit Losses (ACL)
As described in Notes 2, 4 and 5 to the consolidated financial statements, the Bank's ACL for financial assets was $3,440
million as at October 31, 2019, and represents management's estimate of expected credit losses on financial assets as at the
balance sheet date. Performing financial assets are categorized as Stage 1 from initial recognition to the date on which the asset
has experienced a significant increase in credit risk relative to its initial recognition. Performing financial assets transfer into
Stage 2 following a significant increase in credit risk relative to the initial recognition. Impaired financial assets are categorized
as Stage 3 when the asset is considered to be credit-impaired. As disclosed by management, the measurement of expected
credit losses is a complex calculation that involves a large number of interrelated inputs and assumptions such as the financial
asset's probability of default, loss given default, and exposure at default discounted at the reporting date. Management's
estimation of expected credit losses in Stage 1 and Stage 2 considers five distinct future macroeconomic scenarios, each of
which includes forward-looking information designed to capture a wide range of possible outcomes and are weighted according
to management's expectation of the relative likelihood of the range of outcomes that each scenario represents at the reporting
date. Management's scenarios include a base case, upside and downside scenarios which are set by adjusting the base
projections to construct reasonably possible scenarios that are more optimistic and pessimistic, respectively, than the base case.
Two additional downside scenarios were designed for the real estate and energy sectors to capture the non-linear nature of
potential credit losses across the Bank's portfolios of financial assets.
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The principal consideration for our determination that performing procedures relating to the valuation of the ACL is a critical
audit matter is that there was significant judgment required by management when designing the future macroeconomic
scenarios and assigning weights to each scenario to determine the Stage 1 and Stage 2 ACL. This in turn led to a high degree of
auditor subjectivity in performing audit procedures relating to these scenarios. In addition, significant auditor judgment and
significant audit effort was necessary to evaluate audit evidence as the measurement of expected credit losses is a complex
calculation that involves a large volume of data, interrelated inputs and assumptions. The audit effort also included the use of
professionals with specialized skill and knowledge to assist in evaluating the audit evidence obtained.
Addressing the matter involved performing procedures and evaluating audit evidence in connection with forming our overall
opinion on the consolidated financial statements. These procedures included testing the effectiveness of controls relating to the
valuation of the ACL, including controls over the design of multiple future macroeconomic scenarios, the determination and
application of the weightings for these scenarios, and the completeness and accuracy of the data inputs underlying the ACL
calculation. These procedures also included, among others, testing management's process for determining the Stage 1 and
Stage 2 ACL, including evaluating the appropriateness of the models used to determine the Stage 1 and Stage 2 ACL, testing
the completeness, accuracy, and relevance of underlying data used in the model, and evaluating the reasonableness of
significant assumptions related to the determination of significant increases in credit risk relative to the initial recognition of
the financial asset, the determination of the future macroeconomic scenarios and the weights assigned thereto. Professionals
with specialized skill and knowledge were used to assist in testing the appropriateness of the complex expected credit loss
calculation and its interrelated inputs and assumptions. Evaluating management's assumptions related to the determination of
macroeconomic scenarios involved evaluating the identification of material portfolios of financial assets that have exhibited a
non-linear nature of potential credit losses, and evaluating the reasonableness of potential credit losses under the five future
macroeconomic scenarios considering the Bank's historical loss experience.
Goodwill Impairment Assessment of the Caribbean Banking Cash Generating Unit (CGU)
As described in Notes 2 and 10 to the consolidated financial statements, the goodwill allocated to the Caribbean Banking CGU
was $1,727 million. Management conducts an impairment test as of August 1 of each year by comparing the carrying value of
each CGU to its recoverable amount. For the Caribbean Banking CGU, management calculated the recoverable amount as the
fair value less costs of disposal using a discounted cash flow model that projects future cash flows based on management
forecasts, adjusted to approximate the considerations of a prospective third-party buyer, over a 5-year period. Cash flows
beyond the initial 5-year period are assumed by management to increase at a constant rate using a nominal long-term growth
rate. As disclosed by management, the Caribbean continued to experience challenges in various regions resulting in weak to
moderate economic growth during the year. As at August 1, 2019, the recoverable amount of the Caribbean Banking CGU,
based on management's estimated fair value less costs of disposal, was 126% of its carrying amount. As management has
disclosed, the determination of fair value using a discounted cash flow model requires the use of significant judgment to
determine the inputs and the model is most sensitive to changes in future cash flows, discount rates, and terminal growth rates
applied to cash flows beyond the forecast period. If the post-tax discount rate was increased by 1.8%, holding other individual
factors constant, the recoverable amount would approximate the carrying amount.
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The principal consideration for our determination that performing procedures relating to the goodwill impairment assessment
of the Caribbean Banking CGU is a critical audit matter is that there was significant judgment required by management when
determining the fair value of the CGU including future cash flows and adjustments made thereto to approximate the
considerations of a prospective third-party buyer, discount rates and terminal growth rates. This in turn led to a high degree of
auditor judgment and subjectivity in performing procedures over management's calculation of the recoverable amount of the
CGU, and evaluating audit evidence. In addition, the audit effort included the use of professionals with specialized skill and
knowledge to assist in performing these procedures and evaluating the audit evidence obtained.
Addressing the matter involved performing procedures and evaluating audit evidence in connection with forming our overall
opinion on the consolidated financial statements. These procedures included testing the effectiveness of controls relating to
management's goodwill impairment test, including controls over the determination of the recoverable amount of the CGU.
These procedures also included, among others, testing management's process for determining the recoverable amount of the
CGU, evaluating the appropriateness of the discounted cash flow model, and testing the completeness, accuracy, and relevance
of underlying data used in the model. These procedures also included evaluating the significant assumptions used by
management, including the discount rates, terminal growth rates, and future cash flows and adjustments made thereto to
approximate the considerations of a prospective third-party buyer. Professionals with specialized skill and knowledge were
used to assist in evaluating management's discounted cash flow model and certain significant assumptions, including the
discount rates and terminal growth rates. Evaluating management's assumptions related to terminal growth rates and future
cash flows involved evaluating whether the assumptions used by management were reasonable considering (i) the current and
past performance of the CGU, (ii) the consistency with external market data and industry data; and (iii) whether these
assumptions were consistent with evidence obtained in other areas of the audit.
Uncertain Tax Positions
As described in Note 2 to the consolidated financial statements, the Bank is subject to income tax laws in various jurisdictions
where it operates and the complex tax laws are potentially subject to different interpretations by management and relevant
taxation authorities. In some cases, as described in Note 23, the Bank has received reassessments denying the tax deductibility
of dividends from transactions including those with Tax Indifferent Investors. As disclosed by management, significant
judgment is required in the interpretation of the relevant tax laws, and the determination of the Bank's tax provision, which
includes management's best estimate of tax positions that are under audit or appeal by relevant taxation authorities. The
forward-looking nature of these estimates requires management to use a significant amount of judgment in projecting the
timing and amount of future cash flows. As management has further disclosed, management records provisions related to
uncertain tax positions on the basis of all available information at the end of the reporting period to reflect current expectations.
The principal consideration for our determination that performing procedures relating to the uncertain tax positions is a critical
audit matter is that there was significant judgment required by management, including a high degree of estimation uncertainty,
when interpreting the relevant tax laws and projecting the amount of future cash flows relating to uncertain tax positions. This
in turn led to a high degree of auditor judgment and subjectivity in performing procedures to evaluate the uncertain tax
positions. In addition, the audit effort included the use of professionals with specialized skill and knowledge to assist in
evaluating the audit evidence obtained.
573/574
EDINET提出書類
ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(E05998)
有価証券報告書
Addressing the matter involved performing procedures and evaluating audit evidence in connection with forming our overall
opinion on the consolidated financial statements. These procedures included testing the effectiveness of controls relating to the
evaluation of uncertain tax positions. These procedures also included, among others, testing management's process used in
estimating the amount of future cash flows relating to uncertain tax positions. This involved evaluating the appropriateness of
the methods used, testing the completeness, accuracy, and relevance of underlying data used, and evaluating the
reasonableness of significant assumptions used by management for estimating the results of tax positions that are under audit or
appeal by relevant taxation authorities. Professionals with specialized skill and knowledge were used to assist in assessing the
significant assumptions, including the application of relevant tax laws and whether it is probable that the relevant tax
authorities will accept the tax positions, and evidence used by management in determining and projecting the amount of future
cash flows.
PricewaterhouseCoopers LLP
Chartered Professional Accountants, Licensed Public Accountants
Toronto, Canada
December 3, 2019
We have served as the Bank's auditor since 2016.
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は本書提出会社が別途保管
しております。
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