ニュー・サウス・ウェールズ財務公社 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | ニュー・サウス・ウェールズ財務公社 |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社(E06025)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年12月23日
【事業年度】 自 2018年７月１日 至 2019年６月30日
【発行者の名称】 ニュー・サウス・ウェールズ財務公社
（New South Wales Treasury Corporation）
【代表者の役職氏名】 デイビッド・デヴェラル（David Deverall）
主席執行役員（Chief Executive）
【事務連絡者氏名】 弁護士 島崎文彰
【住所】 東京都千代田区神田小川町一丁目７番地
小川町メセナビル４階
島崎法律事務所
【電話番号】 (03)5843-9631
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、「ドル」または「豪ドル」とはすべてオーストラリア・ドルを、また「米ドル」とはすべ
てアメリカ合衆国ドルを意味する。2019年12月10日現在、日本の主要銀行が建値した豪ドルに対す
る日本円の対顧客電信売買相場の中値は１豪ドル＝74.20円であった。
(2) ニュー・サウス・ウェールズ財務公社、ニュー・サウス・ウェールズ州およびオーストラリア連邦
の会計年度は７月１日から翌年６月30日までである。本書中、2019年６月30日に終了した会計年度
は「2018/19年」と表示し、他の会計年度も同様に表示する。2018年12月31日に終了した暦年は
「2018年」と表示し、他の暦年も同様に表示する。
(3) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第１【募集（売出）債券の状況】
募集債券
該当なし。
売出債券
該当なし。
公社は2019年７月１日以降、公社は日本において債券の募集または売出しを行っていない。
第２【外国為替相場の推移】
該当事項なし。
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第３【発行者の概況】
１ 【発行者が国である場合】
該当事項なし。
２ 【発行者が地方公共団体である場合】
該当 事項なし。
３ 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
別段の記載のあるものを除き、「第３ 発行者の概況」中の統計資料はニュー・サウス・ウェールズ財務
公社が作成または提供したものである。
(1) 【設立】
① 設立の年月日、設立の目的と根拠
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社（以下「公社」という。）は、ニュー・サウス・ウェールズ
州の1983年財務公社法（以下「財務公社法」という。）に基づいて、1983年６月10日に設立された。
公社の目的は、ニュー・サウス・ウェールズ州の2018年政府部門金融法（以下「GSF法」という。）に
規定するニュー・サウス・ウェールズ州（以下「州」または「ニュー・サウス・ウェールズ」とい
う。）の公的機関およびニュー・サウス・ウェールズ州政府のための中央借入機関として行為するこ
とである。この役割には、これら顧客向けの、資金調達、ポートフォリオ管理、投資管理および助言
サービスの提供が含まれる。
② 法律の改正
2018年12月１日、1987年公的機関金融法（PAFA）は、1984年政府関係機関年次報告書法、1985年省
庁年次報告書法およびこれら法律のいずれかに基づく諸規則とともに廃止された。
同12月１日付で2018年政府部門金融法の一部施行も実施されたが、これは2018年政府部門金融法
（廃止および改正）法（類似法）とともに従前の金融取決めおよび年次報告制度に代わるものであ
り、公社の事業の特定部分に影響を及ぼし、公社法に関連する変更をもたらした。
GSF法は、段階的導入が予定されており、GSF法の一部規定は2019年７月１日付で施行されたが、新
しい報告の取決めは2021年までに段階的に開始する予定である。
③ 法的地位、特別な権限および目的
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府およびGSF法に規定するすべてのニュー・サウス・
ウェールズの公的機関のための中央借入機関として行為する。地方自治体も1987年の財務公社法の改
正により、公社を通じての借入を選択することができる。GSF法に規定する州の公的機関は、財務省前
払金およびニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣が決定するその他の資金調達の場合を除き、すべ
ての借入を公社を通じて行わなくてはならない。
さらに、公社は公社自身や顧客の資産および負債ポートフォリオの管理とＴコープＩＭファンドの
監督を通じて資産および負債の管理にも積極的に関与している。ニュー・サウス・ウェールズ州政府
がその資金管理業務を公社に集中させる決定をした結果、顧客向けの投資管理サービス提供における
公社の役割は大幅に高まってきている。公社は現在、108十億ドルの資金を管理している。
公社の借入れおよび投資の権限は、GSF法により定められている。
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公社が獲得した資金融通に関して公社が発行した有価証券は、GSF法の規定に従って州政府により保
証されている。公社の借入金に対する州政府保証は、さらなる議会の承認を必要とせずに統合基金よ
り 支払われる。
公社は以下の広範な目的を有する。
－州政府および州の公的機関のために可能な限りの低コストで資金を調達すること。
－公社とその顧客の金融資産および負債ポートフォリオの管理のために効果的かつ効率的な金融
サービスを提供すること。
－政府および公的機関に対して、金融市場と資産管理に関する正確で有用なアドバイスを提供する
こと。
④ 日本との関係
設立に関し日本との関係はない。
(2) 【資本構成】
公社は、政府系機関として、公式の資本金を有していない。公社の利益剰余金からなる一般準備金
は、払込資本金の代りに保有されるものである。公社の貸借対照表に内在するリスクを軽減するための
十分な資本基盤を提供するために、一般準備金が維持されている。
( 単位：百万ドル)
2018 年 2019 年
６月30日現在 ６月30日現在
負債
金融機関短期借入金 4,475.0 6,436.9
未決済債務 0.0 0.0
政府顧客借入金 2,695.7 860.1
借入金 57,882.4 65,885.1
デリバティブ金融商品債務 439.7 930.4
未払法人税（相当額） 8.5 7.0
27.3 139.6
その他の負債および引当金
65,528.6 74,259.1
正味借入金債務合計
293.4 262.7
純資産
293.4 262.7
利益剰余金
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(3) 【組織】
公社は、理事会（Board of Directors）が決定する方針および理事会による指示に従って、主席執行
役員がこれを運営する。
ニュー・サウス・ウェールズ州財務省次官、別の財務省職員および主席執行役員は、理事職に就く。
現在の理事は以下のとおりである。
ピーター・ワーン (Peter Warne) 理事会会長
マイケル・プラット (Michael Pratt)
理事会副会長
デイビッド・デヴェラル (David Deverall)
主席執行役員
ロブ・ウィットフィールド (Rob Whitfield)
非執行理事
ケリー・ショット (Kerry Schott)
非執行理事
フィリップ・ガードナー (Phillip Gardner)
非執行理事
ジェニー・ボディントン (Jenny Boddington)
非執行理事
アンヌ・ブレナン (Anne Brennan)
非執行理事
グレゴリー・クーパー (Gregory Cooper)
非執行理事
マイケル・ドワイヤー (Michael Dwyer)
非執行理事
各人とも勤務地はニュー・サウス・ウェールズ州2000、シドニー市フィリップ・ストリート126、ドイ
チェ・バンク・プレイス７階である。
公社の上席役員は、以下のとおりである。
デイビッド・デヴェラル 主席執行役員
(David Deverall)
スチュアート・ブレントノール 最高投資責任者
(Stuart Brentnall)
キャサリン・セイモア ゼネラル・マネージャー － 顧客関係担当
(Katharine Seymour)
ポール・スミス 最高業務運営責任者
(Paul Smith)
イアン・マカリスター 最高リスク責任者代行
(Iain McAlister)
ケイティ・マクドナルド ゼネラル・マネージャー － 人事および職場担当
(Katy McDonald)
サイモン・リング ゼネラル・マネージャー － 金融市場担当
(Simon Ling)
マイク・ドートン ゼネラル・マネージャー － テクノロジー担当
(Mike Daughton)
主席執行役員によって、あるいはその権限によって、公社の名において、または公社を代表してなさ
れたいかなる行為も、公社によってなされたものとみなされる。
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(4) 【業務の概況】
① 概要
公社はGSF法に規定するすべてのニュー・サウス・ウェールズ州の公的機関に代って資金調達、借入
金の配分および管理を行う責任を有している。
公社はあらゆる形態の資金調達を行う権限を有し、公社が借入れた資金は、州政府および関係公的
機関に貸付けられる。かかる公的機関は、財務公社法により、財務省前払金およびニュー・サウス・
ウェールズ州財務大臣が決定するその他の形態による借入を除き、すべての借入を公社から行うこと
を義務づけられる。公社が調達した資金は、関係公的機関に対して支払をする時まで公社により投資
運用される。公社はまた、公的機関に対して投資管理サービスを提供している。
公社は、当年度中、州のAAAの格付を引続きサポートしたが、かかる格付はニュー・サウス・ウェー
ルズの予算が公表された後、すべての大手格付機関によって再確認された。強力な流動性ポジション
を維持するという公社の戦略は、格付機関による評価にプラスの貢献をした。公社は、主に州の債務
の返済および/またはポジション替えを通じて、州の電力資産のリサイクル・プログラム支援を継続し
た。公社はまた、引続き、資金の集中管理モデルの規模およびその他の利益ならびにニュー・サウ
ス・ウェールズ・インフラストラクチャー・フューチャー・ファンド（NIFF）の設立を実現した。
② 借入
オーストラリアにおいて、公社は記名式債券の発行により長期借入を行い、約束手形(コマーシャ
ル・ペーパー)の発行により短期資金を調達している。これらにはそれぞれ州政府保証が付与されてい
る。
公社は非常に広範囲にわたる借入権限を有しており、海外からの借入も行うことができるが、その
場合には通常州政府保証が必要とされる。
下表は、過去２会計年度の６月30日における公社の借入金残高（市場価値で表示）を比較したもの
である。
( 単位：百万ドル)
2018 年６月30日現在 2019 年６月30日現在
負債
金融機関短期借入金 4,475.0 6,436.9
未決済債務 0.0 0.0
政府顧客借入金 2,695.7 860.1
借入金 57,882.4 65,885.1
デリバティブ金融商品債務 439.7 930.4
未払法人税（相当額） 8.5 7.0
27.3 139.6
その他の負債および引当金
65,528.6 74,259.1
正味借入金債務合計
注 数値は 2018/19年公社財務書類より引用されている。
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③ 公的機関への貸付
公社は、州の中央借入機関として、政府および州所有の公社を含む政府機関の代わりに借入を行
う。政府顧客貸付金については、財務書類に対する注記の注９を参照のこと。
公社は、公的機関に対し、公社が当該資金を調達したのと概ね同じ条件で貸付を行う。これらの貸
付は貸付先機関の所得および収入を担保としている。元利金の支払は、債権者に対する公社の債務の
弁済義務の履行を可能とするために、貸付を受けた機関が公社に対して行う。
公社の貸付先顧客機関の個別の資金需要を満たすために約束手形の発行を通じてオーストラリア市
場において行われる短期資金調達は、そのまま顧客にバックツーバック・ベースで転貸される。
現在公社は、いくつかのシンジケート・ローンならびにユーロ米ドル、ユーロ豪ドルおよびユーロ
円債を含む主な国際市場における起債により海外での借入を行っている。
公社の海外での中期借入れを補うためにユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムが1989
年に設けられた。ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムにより様々な仕組みの多通貨建
債券の発行が可能になっている。
公社は、主な資本市場への参入がオーストラリア国内で同等の借入をするコストよりも低コストで
可能な場合、これら市場において資金調達を行う方針をとっている。
④ 投資
公社はニュー・サウス・ウェールズの公的機関から預金を受入れ、これにより資金をまとめ、短期
金融市場において競争的に貸出しを行うことができる。2019年６月30日現在におけるこれら資金の価
額は860.1百万ドルであった。
1989年６月30日、公社はＴコープＩＭファンドを導入した。これらのファンドにより高い利回りと
多様な投資機会が顧客である全ての公的機関にもたらされている。基本的に、公的機関の資産は翌日
物の現金からより長期の投資まで、ひとつにまとめられ、オーストラリアの有力な投資運用機関に預
けられる。公社は投資信託への投資を管理するほか、これらファンド・マネージャーのマネージャー
として行為している。
2019年６月30日現在、ＴコープＩＭファンドは、合計で約59.2十億ドルの資産を保有していた。公
社はまた、現金および固定収入ポートフォリオ、インフラストラクチャー・ポートフォリオの管理を
するほか、特定の顧客の指示に基づいて個別対応のサービスを提供している。こうしたサービス提供
による運用資金総額は、2019年６月30日現在47.6十億ドルであった。
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⑤ 2019/20年の借入計画
2019/20年中の中長期の資金調達所要額は13.3十億ドルと予想される。この所要額は、公的機関顧客
向けの新規貸付金9.7十億ドルおよび満期を迎える負債の借換えのための3.6十億ドルを反映してい
る。
短期資金調達は、2019/20年において現在の７十億ドルの水準をほぼ維持するものと予想される。
指標銘柄債の発行プログラムは、再び2019/20年の中長期資金調達の大半を占めるものとみられる。
資金調達の最終額およびその構成は、市況および公社の顧客の借入需要に左右されるであろう。
⑥ 日本との関係
1985年４月に、公社は、日本の銀行および保険会社との間で13十億円のシンジケート・ローン契約
を締結することにより、日本の資本市場に参入した。それ以降、公社は日本の金融機関団との様々な
シンジケート・ローン契約およびプライベート・ローンを締結し、また1990年代には各種のサムライ
債およびショーグン債を発行した。
2005年までは、公社は日本の円建債市場において最も多く債券を発行する外国債の発行体のひとつ
であった。また公社がユーロ市場において発行した多くのシリーズの債券の売出しが日本の資本市場
において行われた。
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(5) 【経理の状況】
財務書類
財務公社法は、公社に年次報告書の作成を義務づけている。1984年政府関係機関年次報告書法は、
ニュー・サウス・ウェールズの各政府関係機関に対してその活動に関する年次報告書を作成し、これを
議会に提出することを義務づけ、また当該年次報告書に適用ある基準の概要を定めている。
公社のように1984年政府関係機関年次報告書法の適用を受ける政府関係機関は、1983年財政監査法に
より権限を定められている会計検査官により監査される。同法は、政府関係機関の財務書類の記載内容
についても規定している。
公社の財務書類は、1983年財政監査法、2015年財政監査規則およびニュー・サウス・ウェールズ州財
務大臣令に準拠して作成されている。財務書類はまた、オーストラリア会計基準、およびオーストラリ
ア会計基準審議会によるその他権威ある基準にも準拠している。
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包括利益計算書 (Statement of Comprehensive Income)
(2019 年６月30日終了年度)
2019 年 2018 年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
損益を通じて公正価値により測定された金融
商品にかかる純収入 ３ 137,373 102,297
80,487 76,189
手数料収入 ４
純収入合計 217,860 178,486
営業費用 ５ (77,365) (75,723)
(16,482) (13,952)
取引費用 ５
営業費用および取引費用合計 (93,847) (89,675)
法人税相当額控除前利益 124,013 88,811
法人税相当額 １(c) (37,176) (26,636)
当期利益 86,837 62,175
その他包括損失
損益に組替えられない項目：
確定給付制度にかかる
保険数理上の損失 (93) (24)
当期包括利益合計 86,744 62,151
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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貸借対照表 (Balance Sheets)
(2019 年６月30日現在)
2019年 2018年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
資産
(1)
現金および当座資産 ６ 2,182,026 1,766,780
(1)
金融機関短期貸付金 ７ 4,303,826 5,982,670
保有有価証券 ８ 5,196,538 4,599,959
デリバティブ債権 13 978,764 502,811
政府顧客貸付金 ９ 61,798,872 52,912,735
その他の資産 21 55,754 49,821
5,995 7,274
有形固定資産 22
資産合計 74,521,775 65,822,050
負債
金融機関短期借入金 10 6,436,864 4,474,986
未決済債務 - 22
政府顧客借入金 11 860,119 2,695,665
借入金 12 65,885,112 57,882,426
デリバティブ債務 13 930,445 439,661
未払法人税相当額 6,984 8,558
139,592 27,317
その他の負債および引当金 23
負債合計 74,259,116 65,528,635
純資産 262,659 293,415
資本
利益剰余金 17 262,659 293,415
資本合計 262,659 293,415
(1) 比較数値は、これらの分類において保有されている資産の性質をよりよく反映するため、修正再表示されている。かか
る変更の詳細は、注１(a)に記載される。
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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資本変動計算書 (Statement of Changes in Equity)
利益剰余金 資本合計
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
2017年６月30日現在資本合計 17 231,264 231,264
当期利益 62,175 62,175
(24) (24)
その他包括損失
62,151 62,151
当期包括利益合計
所有者の立場での所有者との取引：
未払配当金 23 - -
2018年６月30日現在資本合計 17 293,415 293,415
当期利益 86,837 86,837
その他包括損失 (93) (93)
当期包括利益合計 86,744 86,744
所有者の立場での所有者との取引：
未払配当金 23 (117,500) (117,500)
2019年６月30日現在資本合計 17 262,659 262,659
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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キャッシュ・フロー計算書 (Statement of Cash Flows)
2019年 2018年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
営業活動による流入/（流出）キャッシュ・フロー
受取利息およびその他の金融収益 2,207,415 2,239,106
支払利息およびその他の金融費用 (2,144,600) (2,180,171)
受取手数料 96,747 78,873
税相当額の支払 (38,750) (27,603)
財貨・サービス税の支払 (5,178) (3,581)
営業費用および取引費用の支払 (97,174) (90,022)
政府顧客への貸付実行 (7,194,632) (4,268,301)
政府顧客からの貸付金返済 1,600,221 2,130,112
342,677 (340,616)
その他の金融商品による流入/（流出）現金純額
営業活動に使用した現金純額 30 (5,233,274) (2,462,203)
投資活動による流入/（流出）キャッシュ・フロー
有形固定資産および無形資産の購入 (5,915) (9,196)
1,266,216 47,182
保有金融市場証券からの現金純額
投資活動による現金純額 1,260,301 37,986
財務活動による流入/（流出）キャッシュ・フロー
借入金および短期有価証券発行による手取金 61,502,241 69,031,325
借入金および短期有価証券の返済 (57,392,712) (67,377,237)
- (80,000)
支払配当金
4,109,529 1,574,088
財務活動による現金純額
保有現金増加/（減少）純額 136,556 (850,129)
1,765,780 2,615,909
現金および現金同等物期首残高
現金および現金同等物期末残高 29 1,902,336 1,765,780
添付の注記は本財務書類の一部を構成する。
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財務 書類 に対する注記
１ 作成の基準および会計の発展
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社（以下「公社」という。）は、ニュー・サウス・ウェールズ州の
州政府、公的機関およびその他の公的主体向けに金融サービスを提供している。
本財務書類の作成にあたって採用されている重要な会計方針は、財務書類に対する本注記および後段の
注記において報告されている。会計方針は、前年度のものと合致している。必要に応じて、財務書類に
は、当年度の表示との整合性を図るため修正再表示された比較情報が示されている。
本財務書類は、2019年８月22日のニュー・サウス・ウェールズ財務公社の理事会決議に従って、発行が
承認された。
（ａ）作成の基準
ニュー・サウス・ウェールズ財務公社の財務書類は、一般目的の財務書類であり、1983年財政監査
法、2015年財政監査規則およびニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣令の規定に準拠して作成されて
いる。財務書類はまた、オーストラリア会計基準およびオーストラリア会計基準審議会（以下「AASB」
という。）によるその他権威ある基準にも準拠して作成されている。
オーストラリア会計基準は、オーストラリア版の国際財務報告基準（以下「IFRS」という。）および
オーストラリア会計解釈指針を含んでいる。添付の注記を含む本財務書類は、IFRSを遵守している。
財務書類は、「営利」法人の基準に基づいて作成されている。
財務書類は、発生主義会計に基づき作成されている。金融資産および金融負債は、公正価値測定基準
により計上されている。有形固定資産は、取得時における対価の公正価値により計上されている。従業
員給付は、現在価値基準で認識されている。その他の資産、負債および引当金はすべて、当初は歴史的
原価により測定され、回収可能額または決済額に基づいて報告されている。
すべての金額は、オーストラリア・ドルで表示されており、別段の記載がない限り千ドル単位に四捨
五入されている。
資産および負債は、貸借対照表において流動性の順に表示されている。
当年度中、売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券は、貸借対照表日付で金融機関短期貸付金か
ら現金および当座資産に組替えられた。前期の比較情報についても1,002.0百万ドルの組替が行われてい
る。
（ｂ）外貨建取引
外貨建取引はまず、取引日現在の為替レートで豪ドルに換算される。期末において、外貨建の貨幣項
目は、その日現在の直物為替レートで豪ドルに換算される。この結果生じる為替差額は包括利益計算書
において認識される。
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（ｃ）所得税
1936年所得税法および1997年所得税法により、公社は連邦所得税を免除されている。しかし、公社
は、税金に相当する金額の支払をニュー・サウス・ウェールズ州政府に対してなさねばならない。公社
の負担は、2019年６月30日までの１年間の当期利益の30％（2018年：30％）相当額と定められた。
（ｄ ）財貨・サービス税（GST）
収益、費用および資産（債権を除く。）は、財貨・サービス税（GST）を控除して認識される。費用に
かかる税務当局から回収できないGSTの金額は、営業費用の別途項目として認識される。資産にかかる回
収できないGSTの金額は、取得原価の一部として認識される。債権および債務は、GST込みで認識され
る。キャッシュ・フローは、税込みでキャッシュ・フロー計算書に計上される。投資活動および財務活
動から生じるキャッシュ・フローのGSTのうち、オーストラリア税務当局から回収可能または当局に対し
て未払いの部分は、営業活動によるキャッシュ・フローとして分類される。
（ｅ ）当年度中に適用された基準および解釈指針
公社は、2018年7月１日に開始する年次報告期間に以下の基準および改訂を初度適用した：
AASB９号「金融商品」（および適用ある改訂）
AASB９号「金融商品」およびそれに関連する改訂基準は、従前、AASB 139号「金融商品：認識および
測定」の範囲内にあった金融資産および金融負債にかかる新たな認識および測定要件を明記している。
この基準は、公社に対して引続き金融資産および金融負債を損益を通じて公正価値で測定することを
求めているため、この基準の適用は公社に影響を及ぼさなかった。
AASB 15号「顧客との契約から生じる収益」（および適用ある改訂）
AASBは、収益の認識にかかる新たな基準を発行した。これは財貨およびサービスにかかる契約を対象
とするAASB 118号ならびに建設契約を対象とするAASB 111号に代わるものである。新基準は、従来のリ
スク便益基準に代えわって、財貨またはサービスの支配が顧客に移転した時点で収益が認識されるとい
う原則に基づいている。
公社の主たる所得源泉は、利息、および新しい収益基準の対象範囲外である金融商品の公正価値の変
動から生じる。また、新しい認識規則の適用は、公社の手数料収入の関係で財務書類において認識され
る金額に重大な影響を及ぼしていない。
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（ｆ）発行済みであるが、まだ効力を生じていない関連基準および解釈指針
財務書類の承認日現在、以下に掲げる基準および解釈指針が、発行済みであるが、まだ効力を生じて
いなかった。
有効となる
初度適用が予定さ
年次報告期間の
れる会計年度の終
基準/解釈指針 開始日 了日
AASB 16 号「リース」 2019 年１月１日 2020 年６月30日
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州財務省通達19/04「オーストラリア会計基準に基づくオプショ
ンおよび主な方針決定の指令」に従って、新しい会計基準、改訂および解釈指針を早期適用していな
い。
AASB 16号「リース」（2019年１月１日付で発効）
リースに関する新基準により、短期リースおよび少額リースのみを例外として、ほぼすべてのリース
を貸借対照表上で認識することになる。この基準により、AASB 16号の範囲内のリースの借り手は「使用
権資産」および将来のリース支払額の現在価値である関連するリース債務を認識することを義務づけら
れることになる。
この基準の適用の結果、事業用地にかかる公社のオペレーティング・リース（注25を参照）は初めて
貸借対照表上で認識されることとなる。その結果、貸借対照表上で認識される資産および負債はわずか
に増加し、オペレーティング・リース費用に代わる利息および減価償却費により費用の認識額がわずか
に変化することになる。
（ｇ）重要性が極めて高い会計上の見積りおよび重要な判断
財務書類の作成は、経営陣に対して、注15に記載するとおり、金融資産および金融負債の公正価値の
決定に際して高い水準の判断および見積りをすることを義務づけている。見積りおよび判断は、定期的
に評価され、過去の経験および将来事象の期待に基づいて行われる。公社は、財務書類の作成に用いら
れた見積りは合理的であると考えている。
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２ セグメント情報
公社は、以下の事業セグメントを有している。
1) 金融市場
この部門は、政府顧客に対する融資ならびに債券発行およびバランスシートのリスク管理業務を通じ
て行う関連する資金調達について責任を負う。この部門は、負債管理、通貨管理および助言サービスも
提供する。
金融市場業務からの収益は、そのすべてが注３において開示される金融資産および金融負債からの収
益および費用の純額ならびに注４において開示される関連受取手数料からなる。
2） 投資運用
この部門は、現金および固定収入ならびにインフラストラクチャー・ポートフォリオの直接管理、Ｔ
コープＩＭファンドを通じた「マネージャー・オブ・マネージャーズ」サービスならびにその他個別の
きめ細かいサービスを含む資金管理業務を提供している。
投資運用業務からの収益は、注４において開示するとおり受取手数料の形をとる。
公社の収益の大部分は、ニュー・サウス・ウェールズ州の州政府および共通の支配下にあると考えられ
るその機関から生じる。当年度中、セグメント間の売上げはなかった。
公社は、その主な役割の性質および立法の目的から、資金の一部を海外の金融市場から調達するほか
は、オーストラリア国内で事業を行っている。したがって、本財務書類において地域別セグメント報告は
なされていない。
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３ 損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる損益純額
会計方針
損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる損益純額は、貸付業務および関連す
る資金調達業務ならびに関連するリスクの管理からの収益に関係している。収益は、主に金融資
産および金融負債（資産にかかる稼得利息または負債にかかる支払利息を含む。）の公正価値変
動の差額から生じる。
公社は、金融資産および金融負債を、損益を通じた公正価値により測定することを義務づけら
れる。新基準AASB９号「金融商品」に基づく分類要件では、ある主体の金融資産および金融負債
の管理に関するそのビジネス・モデルが考慮されている。公社は、そのバランスシートを公正価
値基準で管理している。このことは、理事会が承認したリスク管理方針に沿ったリスク、制限、
評価およびパフォーマンスの測定および報告を通じて示されている。したがって、すべての金融
資産および金融負債は、貸借対照表日現在の公正価値基準で評価され、ある評価日から次の評価
日までに当該評価の結果生じる損益は、包括利益計算書において認識される。
2019 年 2018 年
損益を通じて公正価値により指定された金融資産 (千ドル) (千ドル)
受取利息－政府顧客 1,940,288 1,922,815
受取利息－金融機関 260,855 279,112
3,301,210 (294,902)
金融資産の公正価値の増加/（減少）
5,502,353 1,907,025
支払利息－政府顧客 (44,759) (2,250)
支払利息－金融機関 (2,156,325) (2,172,185)
(3,132,213) 410,241
金融負債の公正価値の（増加）/減少
(5,333,297) (1,764,194)
為替純利益 746 1,097
(32,429) (41,631)
デリバティブにかかる純損失
損益を通じて公正価値により指定された金融商品にかかる純収入 137,373 102,297
デリバティブ金融商品は、金利リスクおよび為替リスクを管理するために利用されている。デリバティ
ブ金融商品にかかる損益は、金融資産および金融負債の公正価値の変動によりほぼ相殺されている。
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４ 受取手数料
会計方針
受取手数料は、主として顧客資産ポートフォリオの管理を通じて、またＴコープＩＭファンド
の受託者および/またはマネージャーとして、投資運用業務から得られる。
提供したサービスにかかる受取手数料は、サービスが提供された期に認識される。
2019 年 2018 年
(千ドル) (千ドル)
投資運用手数料
(1)
顧客資産運用委託手数料 49,970 47,091
(1)
ＴコープＩＭファンド運用手数料 28,085 24,459
ニュー・サウス・ウェールズ州政府系法人からの
(1)
その他の手数料収入 298 287
1,035 2,356
金融機関からのその他の手数料収入
79,388 74,193
金融市場
(1)
負債ポートフォリオ管理手数料 740 1,510
ニュー・サウス・ウェールズ州政府系法人からの
その他の手数料収入 335 486
24 -
金融機関からのその他の手数料収入
1,099 1,996
80,487 76,189
(1) 注26において開示するとおり、運用対象のファンドおよびポートフォリオにかかる稼得手数料に関係している。
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５ 営業費用および取引費用
会計方針
営業費用および取引費用は、関連するサービスが提供された期に、または負債が生じたとき
に、認識される。
減価償却費および償却費は、資産の見積耐用年数にわたって定額法により計算される。
オペレーティング・リースにかかるリース料は、費用として認識され、リース期間にわたって
発生する。受取リース報奨金は、オペレーティング・リースにかかるリース費用全体に不可欠な
部分としてリース期間にわたって認識される。
営業費用
2019 年 2018 年
(千ドル) (千ドル)
給与、賃金および給付金 49,983 47,589
情報技術 8,446 10,439
市場情報サービス 5,300 4,642
減価償却費および償却費 2,077 1,340
オペレーティング・リースにかかるリース料 1,989 2,299
9,570 9,414
その他の営業費用
77,365 75,723
上記の営業費用には、以下の特定項目が含まれる。
2,163 1,672
コンサルタント手数料
2,163 1,672
ニュー・サウス・ウェールズ州監査局に対する監査人報酬
公社の財務報告の監査 338 320
85 84
その他のサービス
423 404
退職年金費用
確定拠出制度 2,507 2,542
21 40
確定給付制度
2,528 2,582
取引費用
債券発行手数料 4,800 2,475
11,682 11,477
その他の取引費用
16,482 13,952
その他の取引費用には、顧客投資ポートフォリオの管理に関連した費用ならびに先物の仲介および決済
手数料といったその他金融市場関連の費用が含まれる。
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金融商品
会計方針
a) 金融商品の概要
公社の金融商品は、注６ないし13において開示する現金および当座資産、金融市場証券、貸
付金、借入金およびデリバティブからなる。
すべての金融資産、金融負債およびデリバティブは、取引日、すなわち公社が商品の契約条
項の当事者となった日に、貸借対照表において認識される。未決済債権は、貸借対照表日現在
認識済であるが未決済の取引にかかる公社の未収金額からなる。未決済債務は、貸借対照表日
現在認識済であるが未決済の取引にかかる公社の未払金額からなる。
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する公社の契約上の権利が失効した日
をもって、認識除外となる。金融負債は、公社の契約上の義務が消滅した日をもって、認識除
外となる。
売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券は、公社が所有に伴うリスクおよび経済価値を
取得しない場合、貸借対照表において現金および当座資産に保持される（注６）。担保として
提供を受けた有価証券は、公社が当該有価証券のリスクおよび経済価値に実質的に晒されてい
ないため、貸借対照表には計上されない。
買戻し契約に基づいて売却された有価証券は、所有に伴うリスクおよび経済価値のほぼすべ
てが公社に残る場合、財務書類において保有有価証券（注８）に保持される。取引相手からの
合意された買戻し金額にかかる負債は、通常90日以内の期間内に有価証券を買戻す義務が存在
するため、金融機関短期借入金（注10）において認識される。
b) 公正価値測定
公社は、AASB 13号「公正価値測定」に従って、金融資産および金融負債を測定している。
活発な市場が存在する場合には、公正価値は期末現在の特定の市場相場価格／利回りを参照し
て決定される。活発な市場が存在しない場合は、有価証券から発生が見込まれる将来のキャッ
シュ・フローを市場利回りおよび当該有価証券に見合ったマージンを用いて現在価値に割引く
ことにより最もうまく公正価値が見積もられる評価方法が選択されるように判断される。かか
るマージンは、当該有価証券の信用力および流動性を考慮に入れたものである。政府顧客貸付
金の評価に用いられる市場利回りは、公社が発行した類似の債務証券の利回りに由来している
（詳細は注18を参照）。
公社は、そのリスク管理戦略に従って、ネット・エクスポージャーを基準とした金融資産お
よび金融負債を通じて、市場リスクを管理している。その結果、公社は、特定のリスク・エク
スポージャーにかかる正味資産ポジションを売却して受取る、または正味負債ポジションを移
転して支払われる価格に基づいて、金融資産および金融負債のグループを測定するため、AASB
13号「公正価値測定」において認められる例外を利用している。
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６ 現金および当座資産
2019 年 2018 年
( 千ドル) ( 千ドル)
現金および短期貸付（無担保） 1,081,651 764,804
1,100,375 1,001,976
売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券
2,182,026 1,766,780
現金および当座資産には、容易に現金化可能な資産が含まれる。
７日間以内の短期貸付は国内の金融機関向けに行われ、元金は満期日に、また利息は月末に支払われ
る。
売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券は、流動性の高い債務証券により担保が付されており（注
19）、30日未満の満期となっている。
７ 金融機関短期貸付金
2019 年 2018 年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
短期銀行預金 4,064,084 5,890,164
239,742 92,506
現金担保 19
4,303,826 5,982,670
一定のデリバティブ取引に関して金融機関に支払われるべき金額を支援するために、公社から現金担保
が提供されることがある（注19）。
８ 保有有価証券
2019 年 2018 年
( 千ドル) ( 千ドル)
変動利付債 1,101,590 349,571
譲渡性預金証書 1,469,791 1,663,287
(1)
準政府債券 1,909,770 1,326,165
国際機関債 624,318 1,169,367
その他連邦政府およびニュー・サウス・ウェールズ州政府
91,069 91,569
関連有価証券
5,196,538 4,599,959
(1) 買戻し契約に基づいて売却された有価証券599.4百万ドル（2018年：なし）を含む。
保有有価証券は、主として流動性要件をカバーするために利用される。上記の金額のうち、2,442.1百万
ドル（2018年：2,569.8百万ドル）は、貸借対照表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
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９ 政府顧客貸付金
2019 年 2018 年
( 千ドル) ( 千ドル)
ニュー・サウス・ウェールズ州の公的部門顧客向け：
－政府系法人 36,628,446 30,582,806
－水道部門 12,861,815 10,820,790
－電力部門 6,185,418 5,764,671
－運輸部門 2,666,438 3,114,328
－その他の部門 2,811,943 2,262,302
644,812 367,838
－地方政府
61,798,872 52,912,735
政府顧客貸付金は、単利付、固定利付、変動利付またはインフレ指数連動基準による資金融通からな
る。
資本連動貸付金については、利息および額面金額がインフレの変動に四半期ごとに連動する。貸借対照
表日現在のこれら貸付金の公正価値は、合計7,457.4百万ドル（2018年：7,348.0百万ドル）であった。
年度ごとの連動貸付金は、一定の額面金額と、固定の実質金利および最新の調整済み消費者物価指数を
含む変動する利息からなる。貸借対照表日現在のこれら貸付金の公正価値は、合計1,984.8百万ドル（2018
年：1,949.1百万ドル）であった。
ニュー・サウス・ウェールズ州の公的部門顧客向けの貸付金は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府に
より保証されている。上記の金額のうち、58,421.5百万ドル（2018年：50,832.8百万ドル）は、貸借対照
表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
10 金融機関短期借入金
2019年 2018年
額面 公正価値 額面 公正価値
注 ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
約束手形 5,420,074 5,407,231 4,348,278 4,338,382
現金担保 19 163,990 163,984 135,610 135,604
短期借入金 279,900 279,690 1,000 1,000
買戻し契約に基づいて売却された
585,088 585,959 - -
有価
6,448,852 6,436,864 4,484,888 4,474,986
約束手形は、通常６カ月までの期間で、公社が発行する短期有価証券である。
一定のデリバティブ取引に関して金融機関から支払を受けるべき金額を支援するために、公社に現金担
保が提供されることがある（注19）。
短期借入金には、当座借越および国内金融機関から借入れた翌日物預金が含まれる。これらの翌日物預
金は無担保で借入れられ、満期日に元利金が返済される。
買戻し契約に基づいて売却された有価証券は、現金担保により担保されている（注19）。公社は、通常
90日以内の期間の合意された日に有価証券を買戻す義務を負う。
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11 政府顧客借入金
2019年 2018年
額面 公正価値 額面 公正価値
( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
顧客預り金
－政府系法人 406,524 409,687 2,306,825 2,307,283
449,997 450,432 388,060 388,382
－その他
856,521 860,119 2,694,885 2,695,665
預り金は、要求払いまたは１年以内の定期で顧客から無担保で受取ったものであり、利息は満期日に支
払われる。
12 借入金
2019年 2018年
額面 公正価値 額面 公正価値
( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
指標銘柄債
－国内債 46,692,401 52,671,980 42,168,260 45,391,719
- - 63,960 66,907
－グローバル・エクスチェンジャブル債
指標銘柄債合計 46,692,401 52,671,980 42,232,220 45,458,626
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート 817,609 1,074,385 789,744 969,039
資本連動債券 6,065,409 7,161,477 6,254,921 7,176,221
変動利付債券 2,430,000 2,432,552 3,435,500 3,441,141
2,365,408 2,544,718 875,111 837,399
その他借入金
58,370,826 65,885,112 53,587,496 57,882,426
国内指標銘柄債およびグローバル・エクスチェンジャブル債については、利息が半年ごとに支払われ、
額面金額が満期日に償還される。グローバル・エクスチェンジャブル債は、所有者のオプションにより国
内指標銘柄債に転換可能である。グローバル・エクスチェンジャブル債プログラムに基づいて最後に発行
された債券は、2019年４月に満期を迎えた。
ユーロ・ミディアム・ターム・ノートは主幹事会社を通じて、ユーロ市場および日本の個人投資家市場
向けに発行される。これらは満期日に償還され、利息は１年または半年ごとに支払われる。公正価値でみ
ると、1,065.4百万ドル（2018年：969.0百万ドル）のユーロ・ミディアム・ターム・ノートが、貸借対照
表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
資本連動債券は、四半期ごとの利付で、額面金額がインフレに連動する国内債券である。資本連動債券
は、すべて貸借対照表日から12カ月以降に満期を迎える予定である。
変動利付債券は、四半期ごとに変動する利息が支払われ、額面金額が満期日に償還される。変動利付債
券は、すべて貸借対照表日から12カ月以降に満期を迎える予定である（2018年：公正価値で2,631.0百万ド
ル）。
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その他借入金には、ワラタ債券、サステナビリティ債券プログラムに基づいて発行された債券およびそ
の他の国内非指標銘柄債が含まれる。貸借対照表日現在のワラタ債券およびサステナビリティ債券の公正
価値は、それぞれ468.9百万ドル（2018年：773.6百万ドル）および1,997.6百万ドル（2018年：なし）で
あった。公正価値でみると、2,418.2百万ドル（2018年：421.7百万ドル）のその他借入金が貸借対照表日
から12カ月以降に満期を迎える予定である。
公社のすべての金融負債はニュー・サウス・ウェールズ州政府によって保証されている（注14）。公社
は、その借入金に関連して、資産およびその他の担保の形態で追加の担保を提供していない。
発行済の指標銘柄債券の満期日別内訳は以下のとおりである。
2019 年 2018 年
利息 額面 公正価値 額面 公正価値
満期日 (％／年) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル) ( 千ドル)
2019年３月20日 3.50 - - 2,510,226 2,563,300
(1)
2019年４月１日 6.00 - - 516,595 540,523
2020年５月１日 6.00 2,814,370 2,958,786 4,598,924 4,969,518
(1)
2020年６月１日 6.00 77,424 81,484 82,894 89,696
2021年４月８日 4.00 3,196,446 3,387,792 3,722,946 3,939,646
2022年３月１日 6.00 5,158,450 5,922,693 5,488,450 6,312,662
2023年４月20日 4.00 4,540,254 5,048,454 4,427,094 4,773,255
(1)
2023年５月１日 6.00 582,617 695,702 605,317 712,647
2024年８月20日 5.00 5,943,990 7,142,280 5,636,690 6,507,926
2026年５月20日 4.00 2,968,528 3,471,955 2,498,528 2,723,526
2027年５月20日 3.00 4,599,450 5,090,535 3,134,450 3,166,738
2028年３月20日 3.00 5,609,820 6,247,286 5,061,020 5,107,412
2029年４月20日 3.00 4,937,100 5,490,406 1,685,000 1,683,276
2030年２月20日 3.00 5,372,298 5,996,903 1,711,333 1,703,712
2030年５月１日 6.00 344,004 486,414 366,753 474,810
2034年３月20日 3.50 325,950 385,829 - -
221,700 265,461 186,000 189,979
2037年11月20日 3.50
46,692,401 52,671,980 42,232,220 45,458,626
(1) 連邦政府は、2019年６月30日現在、公正価値で合計777.2百万ドル（2018年：1,342.9百万ドル）の借入金に保
証を付していた。金融負債に関するその他の開示（注14）を参照。
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13 デリバティブ
デリバティブ金融商品とは、その価値が原金融商品の価値（もしくは価値の変動）、参照レートまたは
指数に依拠する（または由来する）契約または合意である。
デリバティブ金融商品には、スワップ、先日付の顧客貸付金、先物および先物為替予約が含まれる。先
日付の貸付金は、他の顧客貸付金と一致した基準で値決めされる。その他すべてのデリバティブ金融商品
について、公社は、プライス・メーカーではなく、デリバティブの利用におけるプライス・テーカーであ
る。
一定のデリバティブ取引の市場価値が取引相手との間で合意された限界値を超える場合には、公社が担
保を取得するか、または提供することがある（注19）。
正味エクスポージャー
期末現在残存している公社のデリバティブ金融商品取引の公正価値は、次のとおりである。
2019 年 2018 年
(千ドル) (千ドル)
デリバティブ債権
通貨スワップ 80,659 60,896
金利スワップ 871,388 392,069
先物為替予約 26,175 48,529
先日付貸付金 - 1,317
542 -
コモディティ・スワップ
978,764 502,811
デリバティブ債務
通貨スワップ (27,949) (17,246)
金利スワップ (870,171) (417,303)
先物為替予約 (27,595) (1,559)
取引所上場先物 (4,188) (3,553)
(542) -
コモディティ・スワップ
(930,445) (439,661)
デリバティブに基づく正味債権 48,319 63,150
デリバティブ金融商品の大部分（取引所上場先物、コモディティ・スワップおよび過年度については先
物為替予約を除く。）は、貸借対照表日から12カ月以降に回復される予定であるか、または決済されるこ
とになっている。
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14 金融負債に関するその他の開示
州政府保証
公社のすべての金融負債は、2018年政府部門金融法第6.5章第6.26条および第6.27条に基づいてニュー・
サウス・ウェールズ州政府によって保証されている。
連邦政府保証
公社が発行した特定の指標銘柄債券で、借入金（注12）として認識されているものは、2009年７月24日
付の州および特別地域の借入金に対するオーストラリア政府保証制度（以下「保証制度」という。）に
従って、オーストラリア連邦により保証されている。2010年２月７日、連邦は、保証制度に基づく「最終
発行日」を2010年12月31日とすることを発表した。最終発行日現在残存する公社発行の連邦政府保証指標
銘柄債券はすべて、保証制度の規定に従って引続き連邦の保証を受けている。
金融取決め
公社は十分な資金調達基盤を確保するために、国内およびオフショアの資本市場を利用することができ
る。公社は、オーストラリアの発行体が利用できる最高位の信用格付を有しているが、これはニュー・サ
ウス・ウェールズ州政府の保証に由来するものである。
公社の国内指標銘柄、非指標銘柄および約束手形の発行のほか、以下の海外プログラムが実施されてい
る。
2019年限度額 2018年限度額
(1)
グローバル・エクスチェンジャブル債 18十億豪ドル 18十億豪ドル
マルチ・カレンシー・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート 10十億米ドル 10十億米ドル
マルチ・カレンシー・ユーロ・コマーシャル・ペーパー 10十億米ドル 10十億米ドル
2019年 2018年
日本の発行登録 3,000億円 3,000億円
(1) グローバル・エクスチェンジャブル債プログラムに基づいて最後に発行された債券は、2019年４月に満期を迎え
た。
これらのプログラムは、資金の供給者に対して、契約上の拘束力を有するものではない。
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15 公正価値測定
金融資産および金融負債は、損益を通じた公正価値として計上されている。
公社の貸付金および借入金はニュー・サウス・ウェールズ州政府により、また特定の指標銘柄借入金は
連邦政府により、保証されている(注12)。そのため、公正価値の決定において信用リスクは重要なファク
ターとなっていない。したがって、公正価値の変動は、主として市場の情勢の変化から生じる市場利回り
および価格の変動に起因する。
公社は、金融資産および金融負債の公正価値の決定において、割引キャッシュ・フロー評価手法を用い
ている。
公正価値測定は、測定に使用される入力値の主観性を反映した公正価値ヒエラルキーを利用して分類さ
れている。公正価値ヒエラルキーの各レベルおよび入力値は以下のとおりである。
レベル１ ： 同一の資産または負債の活発な市場における（調整なしの）相場価格
レベル２ ： 資産または負債に関して、直接的に（すなわち、価格として）もしくは間接的に（すなわ
ち、価格に由来するものとして）観察可能な、レベル１に含まれる相場価格以外の入力値。
これには、適切なベンチマークに由来するマージンと組み合わせた相場価格または観察可能
な価格が含まれる。
レベル３ ： 観察可能な市場データに基づかない、資産または負債の入力値（すなわち、観察不能な入力
値）。
公社は、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間末に認識する方針をとっている。
公正価値ヒエラルキーに基づく公正価値により測定された公社の金融資産および金融負債（レベル別）
は、下表のとおりである。帳簿価額が公正価値の合理的な近似値である場合には、公正価値で測定された
のでない金融資産および金融負債にかかる公正価値情報は、この表に含まれない。
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2019年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
売戻条件付契約に基づいて購入した
有価証券 - 1,100,375 - 1,100,375
金融機関短期貸付金 239,742 4,064,084 - 4,303,826
保有有価証券 3,700,083 1,496,455 - 5,196,538
デリバティブ債権 - 978,764 - 978,764
政府顧客貸付金 10,311 61,788,561 - 61,798,872
23,512 - - 23,512
先物証拠金
金融資産 3,973,648 69,428,239 - 73,401,887
金融負債
金融機関短期借入金 (443,676) (5,993,188) - (6,436,864)
政府顧客借入金 (171,826) (688,293) - (860,119)
借入金 (61,779,593) (3,378,480) (727,039) (65,885,112)
(4,188) (926,257) - (930,445)
デリバティブ金融商品債務
金融負債 (62,399,283) (10,986,218) (727,039) (74,112,540)
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レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2018年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
売戻条件付契約に基づいて購入した
有価証券 - 1,001,976 - 1,001,976
金融機関短期貸付金 92,506 5,890,164 - 5,982,670
保有有価証券 2,910,531 1,689,428 - 4,599,959
デリバティブ債権 - 502,811 - 502,811
政府顧客貸付金 - 52,912,735 - 52,912,735
14,578 - - 14,578
先物証拠金
金融資産 3,017,615 61,997,114 - 65,014,729
金融負債
金融機関短期借入金 (136,605) (4,338,381) - (4,474,986)
未決済債務 (22) - - (22)
政府顧客借入金 (175,672) (2,519,993) - (2,695,665)
借入金 (55,534,271) (1,711,836) (636,319) (57,882,426)
(3,553) (436,108) - (439,661)
デリバティブ債務
金融負債 (55,850,123) (9,006,318) (636,319) (65,492,760)
レベル３の金融商品－重要な観察不能な入力値を用いた評価手法により決定された公正価値
下表は、レベル３の金融商品の要約である。
2019 年 2018 年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
727,039 636,319
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート 12
期末残高 727,039 636,319
レベル３のユーロ・ミディアム・ターム・ノートは、公社が発行した外貨建の固定利付有価証券（借入
金）である。これらの有価証券の評価は、原有価証券の市場相場価格およびその他の観察可能な入力値に
由来する。公社は、有価証券の取引活動が制限されていることを踏まえて、市場相場価格にいっそうのリ
スク調整を加えた。公社は、これらの有価証券にかかるキャッシュ・フローに関連した通貨エクスポー
ジャーを完全にヘッジするため、通貨スワップを利用しており、関連するこれら通貨スワップは公正価値
ヒエラルキーの下でレベル２に分類される。
公正価値に重大な影響を及ぼす観察不能な入力値間に大きな相互関係はない。
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レベル３の公正価値変動の調整
下表は、貸借対照表におけるエクスポージャーの変動の、2019年６月30日現在レベル３に分類されてい
る金融商品への調整を要約したものである。
2019年 2018年
(千ドル) (千ドル)
期首残高 (636,319) (620,887)
(1)(2)
未実現利益/（損失） (103,986) (28,108)
(1)
13,266 12,676
支払利息
期末残高 (727,039) (636,319)
(1) 包括利益計算書上、損益を通じて公正価値により測定された金融商品にかかる損益純額に含まれている。
(2) これらの損益は、公正価値ヒエラルキーの下でレベル２に分類される関連する通貨スワップによる損益により概
ね相殺されている。
レベル３の金融商品－感応度分析
貸借対照表日現在、レベル３のユーロ・ミディアム・ターム・ノート有価証券の評価に用いられた市場
価格（利率）が0.01％変動すると、公正価値に約+/-1.2百万ドル（2018年：+/-1.0百万ドル）の影響があ
るであろう。この感応度分析は、注18に詳述する公社による市場リスクの管理において検討されるべきで
ある。
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16 金融資産と金融負債の相殺
下表は、貸借対照表において相殺された金融資産および金融負債ならびに貸借対照表上では相殺されて
いないが公社の取引相手との強制力のあるマスター・ネッティング契約の対象となっている金融資産およ
び金融負債を表示している。
貸借対照表に対する相殺の効果 相殺されない関連金額
金融商品担
貸借対照表 マスター・
保および
において ネッティン
貸借対照表 マージン
グ取決め
相殺された に表示され （受取）/支
総額 総額 る純額 対象額 払 純額
2019年 注 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
デリバティブ債権
（先物を除く。） 981,493 (2,729) 978,764 (622,702) (158,012) 198,050
デリバティブ債権－先物 251 (251) - - - -
デリバティブ債権合計 13 981,744 (2,980) 978,764 (622,702) (158,012) 198,050
売戻条件付契約に基づい
て購入した有価証券 ６ 1,100,375 - 1,100,375 - (1,096,467) 3,908
(1)
先物マージン債権 2,459 - 2,459 - (2,459) -
先物証拠金 21 23,512 - 23,512 - (1,729) 21,783
金融資産 2,108,090 (2,980) 2,105,110 (622,702) (1,258,667) 223,741
金融負債
デリバティブ債務
（先物を除く。） (928,986) 2,729 (926,257) 622,702 231,127 (72,428)
デリバティブ債務－先物 (4,439) 251 (4,188) - 4,188 -
デリバティブ債務合計 13 (933,425) 2,980 (930,445) 622,702 235,315 (72,428)
買戻し契約に基づいて
売却された有価証券 10 (585,959) - (585,959) - 585,959 -
金融負債 (1,519,384) 2,980 (1,516,404) 622,702 821,274 (72,428)
( 1) 注21のその他の債権および未収金に含まれている。
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貸借対照表に対する相殺の効果 相殺されない関連金額
金融商品担
貸借対照表 マスター・
保および
において ネッティン
貸借対照表 マージン
グ取決め
相殺された に表示され （受取）/支
総額 総額 る純額 対象額 払 純額
2018年 注 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
デリバティブ債権
（先物を除く。） 502,811 - 502,811 (307,013) (127,435) 68,363
デリバティブ債権合計 13 502,811 - 502,811 (307,013) (127,435) 68,363
売戻条件付契約に基づい
て購入した有価証券 ６ 1,001,976 - 1,001,976 - (1,001,976) -
(1)
先物マージン債権 490 - 490 - (490) -
先物証拠金 21 14,578 14,578 - (3,063) 11,515
金融資産 1,519,855 - 1,519,855 (307,013) (1,132,964) 79,878
金融負債
デリバティブ債務
（先物を除く。） (436,108) - (436,108) 307,013 90,456 (38,639)
デリバティブ債務－先物 (3,553) - (3,553) - 3,553 -
デリバティブ債務合計 13 (439,661) - (439,661) 307,013 94,009 (38,639)
金融負債 (439,661) - (439,661) 307,013 94,009 (38,639)
(1) 注21のその他の債権および未収金に含まれている。
公社が認識された金額を相殺する法的に強制力のある権利を現に有しており、かつネット・ベースで決
済するか、または資産の実現と負債の清算を同時に行う意図がある場合には、金融資産と金融負債の相殺
が認められており、純額が貸借対照表において報告される。一般的な市場慣行に沿って、公社は、貸借対
照表上における相殺基準を満たしていない取決めを締結している。これは、相殺する権利が将来事象の発
生時にのみ強制可能であるために、公社が認識済みの金額を相殺する法的に強制力のある権利を現に有し
ていないためである。よってこれらの金額は貸借対照表上では相殺されておらず、別途表において表示さ
れている。表には、貸借対照表において相殺された金融資産および金融負債の総額も示されている。「純
額」の欄には、すべての相殺権が行使された場合の公社の貸借対照表に対する影響が示されている。
貸借対照表において相殺されない関連金額
デリバティブ資産および負債
公社は、公社と市場の取引相手との間の国際スワップ・デリバティブ協会（ISDA）契約に定めるマス
ター・ネッティング取決めに基づくデリバティブ取引を行っている。取引相手の信用デフォルトなど一定
の状況下では、ISDA契約に基づくすべての残存取引は公社によって解約され、解約価額が決定され、唯一
の純額のみがすべての取引の決済における取引相手に対する債務/債権となる。金融担保とは、債務不履
行の場合に担保の実現を可能にすることにより、取引相手間の正味エクスポージャーをカバーするために
得られる現金をいう。
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買戻し契約およびリバース・レポ契約
買戻し契約（買戻し契約に基づいて売却された有価証券）およびリバース・レポ契約（売戻条件付契約
に基づいて購入した有価証券）は、グローバル・マスター・リパーチャス・アグリーメントなどのネッ
ティング契約に基づく相殺の対象となっている。これらのネッティング契約のもとでは、同一の取引相手
とのすべての取引残高は相殺が可能で、債務不履行の場合には一括清算ネッティングが適用される。これ
らの取決めは、取引相手に債務不履行があった場合には、金融担保によって支援される。
17 財務リスク
目的および方針
公社は、市場リスク（金利リスクおよび為替リスク）、信用リスクならびに流動性リスクを含むさまざ
まな財務リスクを管理し、監視している（それぞれ注18、19および20を参照）。
これらのリスクが引受けられ、管理される範囲は、理事会方針、経営指針および顧客との契約に基づい
て設定されている。公社は理事会方針ならびに経営陣および顧客による制限の遵守状況を監視している。
こうした監視は、営業部門から適切に分離されている。情報は日々要約され、監視され、検討されたうえ
で、定期的に理事会に報告されている。
財務手続きのあらゆる側面は、ディーリング、決済、会計および法令遵守の間で分離されている。ま
た、建玉制限、流動性制限および取引相手信用制限も設定されている。これらの制限は、ディーリングお
よび決済の機能から独立して監視されており、これら制限の利用の概要は日々経営陣に報告されている。
公社の貸付および関連する資金調達活動の性格上、公社の貸借対照表において満期と金利改定にギャッ
プが発生し、これは日々変化する。公社の理事会はこうしたギャップから生じるリスクを特定しており、
こうしたリスクを慎重に制限するための理事会方針を確立している。理事会の制限に従ってリスクを管理
するにあたって、公社はデリバティブ金融商品を利用している。
デリバティブは、貸借対照表における一定の資産および負債についての金利リスクおよび為替リスクを
管理するために利用される。
資本
ニュー・サウス・ウェールズ州政府は、法律上、公社に対する出資を義務づけられていない。利益剰余
金は、払込資本金の代りに保有されるもので、公社の事業に内在するリスクに見合った資本基盤を提供す
る。また、公社のすべての金融負債は、2018年政府部門金融法第6.5章第6.26条および第6.27条に基づいて
ニュー・サウス・ウェールズ州政府により保証されている。
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18 市場リスク
金利リスク
公社の債務証券に等しいか、またはこれに由来し、評価のために利用される金利は次のとおりである。
2019年６月30日現在 2018年６月30日現在
市場金利 市場金利
利率 （満期までの利回り） （満期までの利回り）
％／年 （％／年） （％／年）
名目
翌日物 - 1.250 1.500
90日満期 - 1.165 2.041
180日満期 - 1.179 2.132
2020年５月１日満期 6.000 1.084 2.071
(1)
2020年６月１日満期 6.000 1.004 1.969
2021年４月８日満期 4.000 1.109 2.169
2022年３月１日満期 6.000 1.117 2.282
2023年４月20日満期 4.000 1.197 2.442
(1)
2023年５月１日満期 6.000 1.092 2.324
2024年８月20日満期 5.000 1.300 2.583
2026年５月20日満期 4.000 1.473 2.786
2027年５月20日満期 3.000 1.601 2.912
2028年３月20日満期 3.000 1.697 2.991
2029年４月20日満期 3.000 1.814 3.076
2030年２月20日満期 3.000 1.901 3.158
2030年５月１日満期 6.000 1.866 3.107
2032年12月20日満期 4.250 2.023 3.183
2034年３月20日満期 3.500 2.119 -
2037年11月20日満期 3.500 2.214 3.377
2040年11月20日満期 5.000 2.241 3.413
2041年４月26日満期 6.000 2.241 3.413
資本連動
2020年11月20日満期 3.750 0.098 0.371
2025年11月20日満期 2.750 0.199 0.829
2035年11月20日満期 2.500 0.701 1.252
(1) 連邦政府保証によって保証されている証券。注14を参照。
公社は、金融商品により発生するキャッシュ・フローまたは想定キャッシュ・フローに照らし合せて、
金利リスクに対するエクスポージャーを測定する。かかるキャッシュ・フローは、適切な市場利回りおよ
びマージンで現在価値に割引かれる。金利リスクは、固定金利商品のように金利の変動に応じて価値が変
動する「公正価値金利リスク」、および変動金利商品のように市場金利の変動に応じて金利が改定される
「キャッシュ・フロー金利リスク」の形態をとりうる。
公社は、貸借対照表に内在する市場リスク・エクスポージャーの測定にあたって、バリュー・アット・
リスク（VaR）モデルを利用している。VaRは、99％の信頼区間と10日間の保有期間を用いた２年間のヒス
トリカル・シミュレーションを基準として測定される。
VaRは日々計算され、10日間で予想されうる損失見積額（この金額を超える可能性は１％）を示してい
る。
歴史的データベースは、銀行手形、銀行手形先物、債券先物、連邦および準政府債券、変動利付ノー
ト、資本連動債券ならびに金利スワップを含む、公社が直面する主な市場リスク・エクスポージャーに関
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連する観測を含んでいる。シミュレーションの過程では、アウトライト金利水準の動き、利回り曲線およ
び各種有価証券間の基本的なスプレッドの変化を把握する。すべての歴史的データの観測は均等に加重さ
れ る。
市場リスクの見積りとして、VaRには以下を含む一定の制限がある。
(a) ヒストリカル・シミュレーション基準に基づくVaRの計算は、将来のリターンが過去と同じ分布に
なるであろうことを暗黙の前提としている。そうでない場合は、VaRは実際の損失より上下するこ
とがある。
(b) 急速に変化する市場においては、モデルの反応が鈍く、結果として信頼区間におけるVaRが統計上
の予想を上回ることがよく起こる。
(c) モデルは、信頼区間での期待損失を定量化するが、これはVaRを上回る日における損失の潜在的な
規模を示すものではない。
公社の2019年６月30日現在の貸借対照表によると、10日間で可能性のある最大損失は7.4百万ドル（2018
年：6.0百万ドル）で、この最大額を超える可能性は１％である。2019年６月30日終了年度の平均VaRは、
4.9百万ドル（2018年：7.5百万ドル）であった。
為替リスク
公社は、為替レートの変動に対して重大なエクスポージャーを持たないように確保することをその方針
とし、手続きをとっている。豪ドル建資産の資金を賄うために約束手形（注10）またはユーロ・ミディア
ム・ターム・ノート（注12）を通じて外貨で行う借入れから生じる為替リスクは、豪ドルの通貨スワップ
および先物為替予約を締結することによってカバーされている。
公社が顧客との間で先物為替予約を締結する場合、これらは対応する市場の取引相手との先物為替予約
によってカバーされている。公社が受託者または管理者として行為する投資ファンドにおける為替リスク
は、かかるファンドへの投資家がこれを負担する。
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19 信用リスク
以下に記載する例外を除き、あらゆる種類の金融資産について、貸借対照表日現在の最大信用リスク・
エクスポージャーはすでに開示されている公正価値に等しい。
政府顧客貸付金および債権は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府により保証されているため、信用リ
スクは発生しないものとみなされる。
公社が保有する特定の有価証券はオーストラリア連邦政府によって保証されている（注14を参照）。か
かる有価証券は注12において別途特定されている。
デリバティブ金融商品は、スワップ、先日付貸付金、先物為替予約および先物を含んでいる。公社は、
公社の活動から生じる市場リスクをヘッジする目的で、かつ政府顧客とバック・トゥー・バック取決めに
基づく市場の取引相手との間の仲介役として行為する場合には、デリバティブ契約を締結する。政府顧客
に代わって締結したデリバティブについては、公社は取引相手に債務不履行があった場合には顧客から補
償を受け、これによってかかるデリバティブ取引の信用リスクは大幅に軽減する。
公社は、信用リスクを軽減するために、信用デフォルト・スワップのような信用デリバティブを利用し
ていない。
デリバティブ金融商品についての信用エクスポージャーの計算については、満期日までの期間および額
面金額を参照して決定される潜在的エクスポージャーの額を時価に加算することが市場における慣例であ
る。追加の信用エクスポージャーについては、下記の信用リスクの集中の表に記載される。
額面価額が時価を上回る金融商品については、最大の潜在的信用エクスポージャーを反映するため、額
面金額と時価の差額が開示される。
追加の信用エクスポージャーについては、下記の信用リスクの集中の表に記載される。
担保
公社は、特定の取引相手とのデリバティブ取引に基づいて支払われるべき金額を支えるために担保を取
得または提供している。担保には、合意された時価の基準値を上回った場合に取得または提供される現金
もしくは適格有価証券が含まれることがある。かかる取決めは公社と各取引相手の間で合意されるもの
で、原デリバティブ取引に適用される業界の標準契約の付属文書の形式を取っている。債務不履行があっ
た場合には、公社は直ちに現金担保を不履行当事者に対する債権の金額と相殺する権利を有する。貸借対
照表日現在、かかる取決めに基づき受取った担保は164.0百万ドル（2018年：135.6百万ドル）であった。
信用リスクについて受取った担保の正味影響については下記を参照されたい。
2019年 2018年
注 (千ドル) (千ドル)
デリバティブ金融商品 167,065 145,871
(163,984) (135,604)
受取った担保の帳簿価額 10
正味信用リスク 3,081 10,267
公社は、貸借対照表日現在、こうした取決めに基づいて、239.7百万ドル（2018年：92.5百万ドル）の担
保を支払った。注７を参照。
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リバース・レポ契約（売戻条件付契約に基づいて購入した有価証券）
期末現在、公社は売戻条件付契約に基づいて1,100.4百万ドル（2018年：1,002.0百万ドル）の有価証券
を購入していた（注６）。これらの金融商品は、法的に譲渡され、取引相手に債務不履行があった場合に
現金化が可能な、流動性の高い債務証券により担保が付されている。公社は、提供された有価証券のリス
クおよび経済価値に実質的に晒されていないため、これらの有価証券は貸借対照表に計上されていない。
リバース・レポ契約の諸条件は、業界の標準的な契約に拠っている。債務不履行の場合には、公社は直ち
に担保を不履行当事者に対する債権の金額と相殺する権利を有する。こうした相殺取決めの効果について
は、注16において開示する。
買戻し契約（買戻し契約に基づいて売却された有価証券）
期末現在、公社は、買戻し契約に基づいて売却された有価証券が599.4百万ドル（2018年：なし）あった
（注８）。買戻し契約に基づいて売却された有価証券は、現金担保によって担保される。債務不履行が
あった場合には、公社は直ちに現金担保を不履行当事者に対する債権の金額と相殺する権利を有する。買
戻し契約の諸条件は、現行のオーストラリアの市場慣行を反映した業界の標準的な契約に拠っている。こ
うした相殺取決めの効果については、注16において開示する。
これら有価証券にかかる実質的にすべてのリスクおよび経済価値を保持しているため、公社は引続きこ
れらの有価証券を貸借対照表において認識し、受取った担保を負債として認識している。取引相手は、公
社に有価証券を返却する義務を負い、公社は、通常90日以内の期間内に有価証券を買戻す義務を負う。
下表は、譲渡された金融資産および関連する負債の帳簿価額ならびに報告日現在の信用リスクに対する
正味影響額を示したものである。
2019年 2018年
注 (千ドル) (千ドル)
買戻し契約に基づいて売却された有価証券 ８ 599,360 -
10 (585,959) -
受取った担保の帳簿価額
正味信用リスク 13,401 -
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信用リスクの集中
(1)
信用格付別－2019年
その他の
(2)
AAA AA+ AA AA- A+ A 格付 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および
当座資産 - - - 1,981,313 200,713 - - 2,182,026
金融機関
短期貸付金 - - - 2,858,835 792,382 652,609 - 4,303,826
(6)
保有有価証券 1,545,741 1,347,187 - 807,156 972,718 198,851 324,885 5,196,538
デリバティブ
金融商品 - - - 527,312 235,500 4,789 211,163 978,764
- - - - - - 23,512 23,512
先物証拠金
1,545,741 1,347,187 - 6,174,616 2,201,313 856,249 559,560 12,684,666
デリバティブに対す
る追加的な潜在的エ
クスポージャー - - - 143,163 71,859 250 34,507 249,779
金融商品に対する追
加的な潜在的エクス
- - - - 3,946 1,149 115 5,210
ポージャー
1,545,741 1,347,187 - 6,317,779 2,277,118 857,648 594,182 12,939,655
(1)
信用格付別－2018年
その他の
(2)
AAA AA+ AA AA- A+ A 格付 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および
当座資産 13 - - 1,766,598 169 - - 1,766,780
金融機関
短期貸付金 - - - 5,392,546 585,024 - 5,100 5,982,670
(6)
保有有価証券 1,730,512 977,919 202,100 - 550,061 646,578 492,789 4,599,959
デリバティブ
金融商品 1,317 - - 254,831 176,473 13,084 57,106 502,811
- - - - - - 14,578 14,578
先物証拠金
1,731,842 977,919 202,100 7,413,975 1,311,727 659,662 569,573 12,866,798
デリバティブに対す
る追加的な潜在的エ
クスポージャー - - - 127,453 70,996 3,020 5,722 207,191
金融商品に対する追
加的な潜在的エクス
- 205 3,661 - 1,080 3,422 2,211 10,579
ポージャー
1,731,842 978,124 205,761 7,541,428 1,383,803 666,104 577,506 13,084,568
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取引相手別－2019年
(3) (4) (5)
政府 銀行 その他 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および当座資産 - 2,182,026 - 2,182,026
金融機関短期貸付金 - 4,303,826 - 4,303,826
(6)
保有有価証券 2,268,609 2,276,947 650,982 5,196,538
デリバティブ金融商品 197,948 780,816 - 978,764
- - 23,512 23,512
先物証拠金
2,466,557 9,543,615 674,494 12,684,666
デリバティブに対する追加
的な潜在的エクスポー
ジャー 33,519 216,260 - 249,779
金融商品に対する追加的な
- 5,210 - 5,210
潜在的エクスポージャー
2,500,076 9,765,085 674,494 12,939,655
取引相手別－2018年
(3) (4) (5)
政府 銀行 その他 合計
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
現金および当座資産 13 1,766,767 - 1,766,780
金融機関短期貸付金 - 5,982,670 - 5,982,670
(6)
保有有価証券 1,741,164 1,663,287 1,195,508 4,599,959
デリバティブ金融商品 49,927 452,884 - 502,811
- - 14,578 14,578
先物証拠金
1,791,104 9,865,608 1,210,086 12,866,798
デリバティブに対する追加
的な潜在的エクスポー
ジャー 4,234 202,957 - 207,191
金融商品に対する追加的な
3,866 6,713 - 10,579
潜在的エクスポージャー
1,799,204 10,075,278 1,210,086 13,084,568
(1) スタンダード・アンド・プアーズによる信用格付またはそれと同等のもの。公社の取引相手リスク方針に従っ
て、「格下げ方向のクレジット・ウォッチ」に該当する取引相手は１等級引下げられる。
(2) その他の格付には、長期格付がBBB+格であるもの、または取引相手の長期格付がない場合、短期格付がA-2格以下
であるものが含まれる。
(3) 外国政府、オーストラリア連邦政府およびその他オーストラリアの州政府。
(4) 関連するオーストラリアの法律または海外の法域においてこれに相当する法律に基づいて銀行として認可されて
いる法人。
(5) その他の取引相手には国際機関が含まれる。
(6) 保有するAAA格の政府有価証券には、オーストラリア連邦による保証が付された合計64.4百万ドル（2018年：65.4
百万ドル）が含まれる。
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20 流動性リスク
公社は、理事会が定める最低限の健全性と最大範囲内で十分な水準の流動性を維持している。最低限の
健全性水準は、負債合計に対する比率で定義され、予期しない償還請求に対応し、かつ一時的な市場の混
乱に対処するために保有される。顧客の資金調達需要、満期到来のコミットメントおよびバランスシート
管理活動を含むさまざまな状況に対応するために、追加的な流動性水準が承認された最大限の範囲まで維
持されている。
以下の表は、契約上の（割引かれていない）キャッシュ・フローを期間別に要約したものである。金額
は、公正価値または割引キャッシュ・フローに基づく貸借対照表の金額とは異なる。
１カ月以下 １～３カ月 ３～12カ月 １～２年 ２～５年 ５年超 合計
2019 年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
現金および当座資産 2,182,473 - - - - - 2,182,473
金融機関短期貸付金 692,161 656,421 2,978,388 - - - 4,326,970
保有有価証券 437,316 414,520 1,980,700 835,735 920,797 759,684 5,348,752
政府顧客貸付金 313,251 945,133 3,936,286 5,512,219 17,752,755 39,477,591 67,937,235
その他の資産 18,469 23 105 141 410 - 19,148
23,512 - - - - - 23,512
先物証拠金
金融資産 3,667,182 2,016,097 8,895,479 6,348,095 18,673,962 40,237,275 79,838,090
金融負債
金融機関短期借入金 (2,771,265) (1,551,926) (2,127,000) - - - (6,450,191)
政府顧客借入金 (613,026) (204,471) (43,608) - - - (861,105)
借入金 (26,657) (558,363) (4,600,456) (7,516,174) (15,235,218) (44,554,389) (72,491,257)
債務、未払費用およ
(4,974) - - - - - (4,974)
びその他引当金
金融負債 (3,415,922) (2,314,760) (6,771,064) (7,516,174) (15,235,218) (44,554,389) (79,807,527)
正味金融資産/(負債) 251,260 (298,663) 2,124,415 (1,168,079) 3,438,744 (4,317,114) 30,563
デリバティブ
デリバティブ債権 12,737 62,113 188,975 299,803 706,825 650,371 1,920,824
(22,080) (50,588) (187,567) (228,208) (579,620) (806,782) (1,874,845)
デリバティブ債務
正味デリバティブ (9,343) 11,525 1,408 71,595 127,205 (156,411) 45,979
241,917 (287,138) 2,125,823 (1,096,484) 3,565,949 (4,473,525) 76,542
純額
累計額 241,917 (45,221) 2,080,603 984,118 4,550,067 76,542 -
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１カ月以下 １～３カ月 ３～12カ月 １～２年 ２～５年 ５年超 合計
2018 年 (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
金融資産
現金および当座資産 1,767,182 - - - - - 1,767,182
金融機関短期貸付金 546,796 2,070,972 3,412,255 - - - 6,030,023
保有有価証券 111,685 1,473,403 549,399 1,110,601 1,116,398 433,106 4,794,592
政府顧客貸付金 571,228 472,344 2,567,536 5,552,113 19,561,659 33,303,162 62,028,042
その他の資産 26,411 - - - - - 26,411
14,578 - - - - - 14,578
先物証拠金
金融資産 3,037,880 4,016,719 6,529,190 6,662,714 20,678,057 33,736,268 74,660,828
金融負債
金融機関短期借入金 (2,139,865) (2,080,022) (265,000) - - - (4,484,887)
未決済債務 (22) - - - - - (22)
政府顧客借入金 (227,887) (1,071,389) (1,424,024) - - - (2,723,300)
借入金 (44,416) (1,413,930) (4,867,500) (6,753,890) (21,594,956) (32,272,772) (66,947,464)
債務、未払費用およ
(8,537) - - - - (8,537)
びその他引当金
金融負債 (2,420,727) (4,565,341) (6,556,524) (6,753,890) (21,594,956) (32,272,772) (74,164,210)
正味金融資産/(負債) 617,153 (548,622) (27,334) (91,176) (916,899) 1,463,496 496,618
デリバティブ
デリバティブ債権 38,980 84,229 203,735 271,279 643,549 482,146 1,723,918
(24,463) (57,605) (205,521) (251,763) (554,865) (757,384) (1,851,601)
デリバティブ債務
正味デリバティブ 14,517 26,624 (1,786) 19,516 88,684 (275,238) (127,683)
631,670 (521,998) (29,120) (71,660) (828,215) 1,188,258 368,935
純額
累計額 631,670 109,672 80,552 8,892 (819,323) 368,935 -
契約上のコミットメントについては注25において開示する。特定のニュー・サウス・ウェールズ州公的
部門顧客のための保証および未実行のローン・コミットメントについては注27において開示する。
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21 その他の資産
会計方針
債権、無形資産、前払金および預金を含むその他の資産は、回収可能額に基づいて報告されて
いる。
債権および無形資産は、減損の証拠について定期的に査定が行われる。減損の証拠が見つかっ
た場合には、帳簿価額が見直され、必要に応じて資産の回収可能額に評価減される。
コンピューター・ソフトウェアは無形資産として分類され、資産の見積耐用年数にわたって定
額法で償却される。見積耐用年数は、一般にコンピューター・ソフトウェアが作動した日から最
長５年である。資産の耐用年数は、定期的に見直され、適宜調整される。無形資産は、当初は取
得原価で測定される。無形資産は、活発な市場が存在する場合に限り、その後公正価値で測定さ
れる。公社の無形資産については活発な市場が存在しないため、資産は取得原価から償却費累計
額および減損を控除して計上される。各実施段階にあるシステム・プロジェクトは、当該プロ
ジェクトが作動するまでは、償却を開始しない。
リース債権は、ファイナンス・リース取決めに基づくリース期間にわたって借り手に対する債
権額からなる。
2019 年 2018 年
注 ( 千ドル) ( 千ドル)
未収手数料および債権 13,862 21,188
現金および当座資産からの未収利息 1,897 2,192
無形資産 6,730 1,712
先物証拠金 23,512 14,578
前払退職年金 24 - 103
リース債権 668 -
その他の前払金 4,465 4,295
4,620 5,753
その他の債権および未収金
55,754 49,821
無形資産の調整：
期首帳簿価額 1,712 194
追加 5,837 1,799
(819) (281)
償却
期末帳簿価額 6,730 1,712
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22 有形固定資産
会計方針
賃借物件改良費、事務用設備・備品、コンピューター・ハードウェアおよび車輌からなる有形
固定資産は、減価償却費累計額および減損を控除した費用で計上されているが、これは公正価値
に近似している。費用には当該項目の取得または建設に直接帰属する経費が含まれている。
減価償却費は、資産が作動した日から、以下の見積耐用年数にわたって定額法により計算され
る。
・賃借物件改良費（修繕引当金を含む。）： 賃借期間（2025年５月31日に期限が到来す
る。）
・設備および車輌
・コンピューター・ハードウェア： ３年
・車輌： ５年
・事務所設備・備品： 賃借期間（2025年５月31日に期限が到来する。）
資産の残余価値、耐用年数および減価償却方法は定期的に見直され、変動の効果は将来予測基
準で認識される。資産の性質および重要性から、独立した評価を要しない。資産の残余価値は、
定期的に見直される。減損の兆候がある場合、帳簿価額は必要に応じて資産の回収可能額まで減
額される。
有形固定資産の項目の処分または除却による損益は、資産の売却手取金と帳簿価額との差額と
して決定され、包括利益計算書において認識される。
有形固定資産にかかる支出は、それが公社の資産基盤に重要な強化をもたらす認識可能な資産
に関連しており、かつかかる資産が継続的便益を公社に提供することが見込まれる場合には、資
産計上される。
賃借物件改良費 設備および車輌 合計
2019年 2018年 2019年 2018年 2019年 2018年
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
期首現在公正価値 5,363 4,123 2,564 1,538 7,927 5,661
(493) (3,515) (160) (1,010) (653) (4,525)
期首現在減価償却費累計額
4,870 608 2,404 528 7,274 1,136
期首現在帳簿価額
当期中の変動：
公正価値の増加 - 4,927 44 2,333 44 7,260
(1)
処分および評価減純額 - - (65) (63) (65) (63)
(704) (665) (554) (394) (1,258) (1,059)
減価償却費
4,166 4,870 1,829 2,404 5,995 7,274
期末現在帳簿価額
期末現在公正価値 4,927 5,363 2,460 2,564 7,387 7,927
(761) (493) (631) (160) (1,392) (653)
期末現在減価償却費累計額
期末現在帳簿価額 4,166 4,870 1,829 2,404 5,995 7,274
( 1) 2018年には、公社のかつての事業用地に関連して合計4.8百万ドルの全額償却済資産の処分が含まれている。
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23 その他の負債および引当金
会計方針
その他の負債および引当金は、実際のまたは予想される決済額に基づいて報告される。
公社が過去の事象の結果として現在の義務（法的または推定）を有しており、公社がかかる義
務の決済を義務づけられる可能性があり、かかる義務の金額について信頼できる見積りが可能な
場合に、引当金が認識される。
従業員給付引当金には、年次有給休暇、長期勤続休暇およびその他の従業員受給権にかかる引
当金が含まれる。これらの引当金は、報告日現在の累積された未使用の受給資格について将来支
払われるべき予想金額および関連負債（給与税など）を示している。
年次有給休暇引当金は、法定および契約上の義務に基づいて認識され、決済時に適用があると
見込まれる報酬率を用いて名目価値で測定される。長期勤続有給休暇引当金は、期末までに従業
員が提供した役務について、予想される将来の給与水準、過去の従業員離職率および勤続年数を
考慮して当該従業員に支払われる将来の見積キャッシュ・アウトフローの現在価値に相当する。
公社が支払うべき配当金は、1983年財政監査法に従って、ニュー・サウス・ウェールズ州財務
大臣がこれを決定する。また、当期の配当決定の基準は、当年度末に先立って理事会決議に記録
される。
2019 年 2018 年
(千ドル) (千ドル)
従業員給付引当金 12,956 13,915
債務、未払費用およびその他引当金 4,974 8,537
リース報奨金 4,162 4,865
117,500 -
未払配当金
139,592 27,317
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24 退職年金
会計方針
確定給付制度から生じる前払退職年金拠出金を示す金額は資産として認識され、その他の資産
（注21）に含まれている。保険数理上の損益は、発生した期に包括利益計算書において認識され
る。
以下の基金は、閉鎖型のニュー・サウス・ウェールズ州公的部門退職年金制度の投資を信託保有してい
る。
州公的機関退職年金制度（SASS）
州退職年金制度（SSS）
州公的機関非拠出型退職年金制度（SANCS）
これらの基金は、いずれも確定給付型制度であり、従業員の最終給付額の少なくとも一部分は加入者の
給与と加入年数の積に由来している。すべての制度は、新規加入を停止している。すべての基金資産は、
(1)
商業ベースで投資されている 。退職年金債務を減らすために、マーサー・アドミニストレーション・
サービシズに対して支払を行うことができる。かかる支払額は、マーサー・アドミニストレーション・
サービシズによって投資準備勘定において保有されている。確定給付債務の加重平均期間は14.9年（2018
年：8.4年）である。
SASS、SSSおよびSANCSの保険数理士による評価は、オーストラリア会計基準AASB 119号「従業員給付」
の要件に基づいている。この基準は、未払給付の価値を算出する際に、評価利率として市場により決定さ
れたリスク調整後の割引率を適用することを義務づけている。AASB 119号の要件を満たすために、報告日
現在次の主な保険数理上の仮定が用いられた。
2019年 2018年
％／年 ％／年
(2)
６月30日現在割引率 3.2 3.7
現在の年金債務を裏付ける予想資産収益率 7.4 7.4
消費者物価指数予想上昇率 －2018/19年度から2019/20年度まで
1.8 2.3
－2020/21年度 2.0 2.5
－2021/22年度から2022/23年度まで 2.3 2.5
－それ以降 2.5 2.5
(1) 公社は、年金制度の受託者であるSASトラスティ・コーポレーションに対して投資運用サービスを提供している。
かかる業務の遂行にあたって公社が稼得する手数料は、包括利益計算書に含まれている。
(2) この率は、質の高い社債の利回りを反映している。
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前払拠出金（純額）の変動の調整
合計
SASS SANCS SSS 2019年 2018年
(千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル) (千ドル)
期首現在正味（資産）/負債 (90) 6 (19) (103) (132)
従業員拠出金 - (10) - (10) (34)
包括利益計算書において認識され
90 ▶ 19 113 63
た正味費用
期末現在正味（資産）/負債 - - - - (103)
25 契約上のコミットメント
2019年 2018年
(千ドル) (千ドル)
オペレーティング・リース約定
１年以内 3,566 3,517
１年超～５年以内 15,716 15,183
５年超 3,962 8,187
(1)
合計（GSTを含む。） 23,244 26,887
その他の支出約定
１年以内 2,605 338
１年超～５年以内 10,839 -
3,328 -
５年超
(1)
合計 16,772 338
(1) 上記のオペレーティング・リース約定合計は、2.1百万ドル（2018年：2.5百万ドル）の財貨・サービス税（GST）
を含んでいるが、その一部はオーストラリア国税庁から還付される見込みである。
オペレーティング・リース約定は、公社が占有する事業用地に関して、プロパティ・ニュー・サウス・
ウェールズ（以下「PNSW」という。）に対する支払義務に関連するものである。公社は、PNSWとの間で占
有契約を締結している。この契約の下で、
・PNSWは、公社の現在の事業用地の占有権を、２回の５年間賃借更新オプションを付して、2018年６月
１日から2025年５月31日まで付与することに同意している。
・公社は、その事業用地にかかる賃料、費用および経費を負担する。
・公社は、賃借事業用地にかかる賃料、費用および経費の合計額の2.1％（GSTを除く。）の管理手数料
をPNSWに対して支払わなければならない。
その他の支出約定には、重要な情報技術関連契約にかかる外貨建の実施およびライセンス費用が含まれ
る。
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26 受任業務および運用ファンド
公社は、ＴコープＩＭファンドの受託者および資金管理者として行為するほか、顧客に代わって資産お
よび負債ポートフォリオの管理にあたっている。これに関連する負債および資産は、公社の貸借対照表に
おいては認識されない。こうした業務に関して公社が稼得する手数料は、発生主義により包括利益計算書
に計上される。
2019 年 2018 年
(千ドル) (千ドル)
(1)
運用ファンド 106,847,428 93,880,756
これらファンドの運用者は、以下のとおりである：
－外部ファンド・マネージャー 79,701,990 67,801,684
27,145,438 26,079,072
－公社
運用ファンドの合計 106,847,428 93,880,756
管理負債ポートフォリオ 40,529,223 34,163,087
(1) ＴコープＩＭファンド内の資金は59,319.5百万ドル（2018年：47,753.0百万ドル）であった。
27 偶発債務および契約債務
(a) 当年度中、公社は、承認された顧客である公的機関に短期流動性ファシリティを提供した。これらの
ファシリティはリボルビング・ベースで提供されている。期末現在、総ファシリティは3,943.0百万ドル
（2018年：6,923.0百万ドル）であり、未実行額は3,810.5百万ドル（2018年：6,876.8百万ドル）であっ
た。実行済のコミットメントは、貸借対照表上で政府顧客貸付金（注９）として認識されている。
(b) 公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州の他の公的部門顧客のために、第三者との契約に基づく当該
顧客の履行について保証を行っている。貸借対照表日現在、これらの保証額は合計74.7百万ドル（2018
年：84.0百万ドル）であ李、この金額は要求払いである。
かかる保証に基づいて支払われた金額は、ニュー・サウス・ウェールズ州の公的部門の参加機関から
回収可能である。この融資には、ニュー・サウス・ウェールズ州政府の保証が付されている。
(c) 公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府に対する車輌融資として、総額650.0百万ドル（2018
年：650.0百万ドル）のコミットメントを提供している。期末現在、これらのコミットメントに基づく未
実行額は543.7百万ドル（2018年：443.8百万ドル）であった。実行済の約定は、貸借対照表上で政府系
法人に該当する政府顧客貸付金（注９）として認識されている。
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28 関連当事者
主要経営陣
主要経営陣には、公社の経営について権限および責任を有する理事および執行役員が含まれる。主要経
営陣の報酬は、以下に開示するとおりである。
理事および執行役員の当年度の報酬
2019 年 2018 年
(千ドル) (千ドル)
短期従業員給付 4,993 5,381
退職後給付 207 212
その他の長期従業員給付 303 15
- 419
退職給付
5,503 6,027
上記の報酬総額は公社から支払われ、非執行理事への報酬596,000ドル（2018年：612,000ドル）を含ん
でいる。
公社の主要経営陣が、公社の取引先である法人の主要経営陣を兼任しているとみなされる場合は、かか
る取引は公社の通常の商業条件に基づき、商業ベースで行われる。
閣僚
公社のポートフォリオ担当大臣（ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣）を含むニュー・サウス・
ウェールズ州政府の閣僚は、公社および各州政府系法人の関連当事者とみなされる。
ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣は、ポートフォリオ担当大臣としての資格において、公社が行
う一定の取引（公社における公的部門の資金の投資および政府顧客への貸付業務を含む。）の授権につい
て責任を負う。
その他の法律上の関係
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州議会の1983年財務公社法に基づいて設立された公法人である。
公社はオーストラリアに所在し、その主たる事務所は、ニュー・サウス・ウェールズ州2000、シドニー
市、フィリップ・ストリート126、ドイチェ・バンク・プレイス７階に置かれている。
公社から支払われる配当金は、1983年財政監査法に従ってニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣がこ
れを決定する。公社の財政収支は、毎年ニュー・サウス・ウェールズ州の州財政報告に連結されている。
2018年政府部門金融法は、ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣により特別の免除が認められない限
り、ニュー・サウス・ウェールズ州政府機関が公社からのみ借入を行うことを義務づけている。
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その他のニュー・サウス・ウェールズ州の政府機関
1983年財務公社法の下で、公社の主たる目的は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府、公的機関および
その他公共団体向けに、またはこれらのために、金融サービスを提供することである。より具体的には、
公社は、ニュー・サウス・ウェールズ州政府およびニュー・サウス・ウェールズ州の公的機関との関連で
以下の業務に従事することができる。
・資金提供
・資産および負債の運用、管理または運用に関する助言
・投資資金の引受け
公社の顧客は、すべてニュー・サウス・ウェールズ州の政府系法人またはその他公共団体である。公社
は、公社の通常の取引条件に基づいて顧客との取引を行っている。
29 キャッシュ・フロー計算書－現金および現金同等物の調整
キャッシュ・フロー計算書の目的上、現金および現金同等物には、以下のものが含まれる。
2019年 2018年
注 (千ドル) (千ドル)
現金および当座資産 ６ 2,182,026 1,766,780
(279,690) (1,000)
短期借入金 10
現金および現金同等物 1,902,336 1,765,780
30 営業活動によるキャッシュ・フローの当期利益への調整
2019年 2018年
(千ドル) (千ドル)
営業活動に使用された現金純額 (5,233,274) (2,462,203)
加算／(減算)調整：次の項目から生じるもの
－顧客貸付金の純変動 5,594,411 2,138,189
－金融資産・負債にかかる期末現在未収利息の純変動 (79,317) (38,238)
－その他の金融商品の純変動 (342,677) 340,616
－その他の資産の純変動 779 20,298
6,798 (8,313)
－その他の負債および引当金の純変動（配当を除く。）
(53,280) (9,651)
加算／(減算)：純利益に寄与するが営業キャッシュ・
フローを発生させないもの
－確定給付制度にかかる保険数理上の損失 93 24
－有形固定資産および無形資産の処分損/（益） 37 (8)
－金融商品売却益 45,842 129,476
－金融商品にかかる未実現公正価値の減少/（増加） 96,222 (56,326)
(2,077) (1,340)
－減価償却費および償却費
当期利益 86,837 62,175
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31 財務活動から生じる負債の調整
2019年 2018年
(千ドル) (千ドル)
期首残高 65,053,077 64,037,273
キャッシュ・フロー：
借入金および短期有価証券発行による手取金 61,502,241 69,031,325
借入金および短期有価証券の返済 (57,392,712) (57,392,712)
4,019,490 (638,284)
非現金項目の変動
期末残高 73,182,095 65,053,077
財務活動には、貸借対照表上で金融機関短期貸付金、政府顧客貸付金および借入金において保有される
金融商品が含まれる。
32 後発事象
貸借対照表日後の事象で、2019年６月30日現在の財務書類に重大な影響を及ぼし得るものはない。
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(6) 【その他】
報告書においてすでに開示されたもののほかに、直近の会計年度末(2019年６月30日)以降、重要な事
実は発生していない。
公社は、負担したまたは引受けたそのすべての国内外の債務についてその期日における支払を履行し
てきた。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
ニュー・サウス・ウェールズ州の概況
(a) 位置、面積、地形および人口
ニュー・サウス・ウェールズ州は南緯29度線から39度線、東経141度線から154度線の間に位置して
いる。面積は801,600平方キロメートルで、オーストラリアのほぼ10分の１を占める。
ニュー・サウス・ウェールズ州の人口は、約8,071,100人である。ニュー・サウス・ウェールズ州の
人口の過半数を占める約4.9百万人がシドニーの首都圏に集中している。他の主要な地方都市には
ニューカッスル（486,704人）ならびにウロンゴング（302,739人）が含まれる。
州は自然の特徴により南北に広がりながら、沿岸地帯（幅が北部の80キロメートルから南部の30キ
ロメートルまで変化している）、台地、台地の西部勾配地帯、西部平原地帯(州面積の約３分の２を占
める)の主な４つに区分される。
州全体は温暖域内に位置しており、気候は一般に穏やかで極端な寒暖差はほとんどない。シドニー
の夏の平均気温は22度、冬は13度である。これに対して、西内陸部で同緯度のミルデュラ（州の南
端）では夏29度、冬11度である。降雨量は州の中でも大きく異なり、北部では年間平均がおよそ1,500
ミリメートルであるのに対し、南部ではおよそ800ミリメートルである。北西部では年間平均降雨量が
およそ200ミリメートルである。季節は９、10、11月が春、12、１、２月が夏、３、４、５月が秋、
６、７、８月が冬である。
(b) 政治および外交
(i) オーストラリア連邦との関係
オーストラリア連邦は、オーストラリア連邦憲法（英国議会で制定された法律）に基づき誕生し
た。ニュー・サウス・ウェールズおよび他の５つの英領植民地は、1901年１月１日にオーストラリ
ア連邦の名の下に連邦州となった。
連邦政府は、国防、外交、貿易および通商、郵便および電信、通貨および銀行業務、保険、年金
ならびに社会福祉など、各州共通の利害である特定事項に関する法律を制定する権限を与えられて
いる。また、連邦政府は、関税および消費税の課税については専権を有しているが、その他すべて
の課税分野については州政府と共同で課税する権限を有している。1942年以来、連邦政府は唯一の
所得課税当局となっているが、各州は連邦から財政援助金の支払を受けており、各州はその居住者
から徴収される個人所得税に付加税を課したり、還付を認める権限を有している。
ニュー・サウス・ウェールズの主権は、他の諸州と同様に連邦憲法において明確に定められてい
る。各州政府は、連邦政府に特に付与されていないすべての権限、例えば土地、鉱業、教育、保
健、運輸および鉄道、水道および灌漑、工業および農業、警察および司法、高速道路、公共事業、
港湾設備、林業、電力ならびにガスなどの分野に関する権限を保持している。
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(ⅱ) 政治機構および政党
ニュー・サウス・ウェールズ州の立法権は、統治君主および立法議会（下院）と立法評議会（上
院）の２議院から成っている。両院とも法案を発議することはできるが、歳入の支出や課税に関す
る法案は下院が先議権を有する。法案は両院で可決されなければならないが、上院は歳出予算すな
わち財政法案については否決することができない。
財政法案に関して両院間で意見の相違がある場合、憲法の規定は伝統的権利として下院が財政を
掌握することを認めている。通常の年間役務支出関連法案は、上院による修正を付してまたはこれ
を付さないで、総督に裁可のために提出され、上院の賛成がなくても法案は成立しうる。下院で通
過した（歳出予算案以外の）法案に対する反対に打ち勝つために、憲法では３カ月をおいた後、下
院は再度その法案を通過させることができるとしている。その法案が再度上院で否決された場合、
下院はその法案を選挙人投票に諮ることができる。
2019年３月、州総選挙が行われた。 グラディス・ベレジクリアン 首相が率いる自由党と国民党の
２期目となる現連立政府が、下院における過半数を下回ったものの４年任期の３期目に選出され、
政府が構成されている。次回の州総選挙は、2023年３月に行われる予定である（ただし、憲法に
従ってこれより早く選挙が行われることがある。）。
2019年12月現在のニュー・サウス・ウェールズ州議会の構成は次の通りである。
下院 上院
オーストラリア労働党(ALP)
36 14
自由党／国民党 48 17
無所属 3 1
その他 6 10
- -
欠員
計 93 42
州の行政権は、州総督（通常、州政府の助言に基づいて行為する。）および州の閣僚により構成
される行政評議会に帰属している。閣僚は、下院において過半数を占める政党、あるいは連立政権
に属する政党の議員の中から任命される。実質上、行政権は州首相と閣僚からなる内閣によって行
使される。
州の司法権は、最高裁判所を頂点とする州裁判所の組織に付与されている。州最高裁判所の判決
に対してオーストラリア最高裁判所に上訴することができる。
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(ⅲ) 州政府機関および地方行政機関
ニュー・サウス・ウェールズ州政府の各省庁によって行使される行政機能の他に、省庁以外の多
くの州政府機関があり、これらの機関はその機能および権限を議会の制定する法律により直接付与
されている。
地方行政機関は、州議会により付与された権限を行使する市、地方および区の評議会からなる。
これらの各機関は、各地域の住民および不動産所有者によって選出された代表によって構成されて
いる。これらの機関は、主に土地利用計画、郊外道路、図書館および地域建築基準の保全を含む地
域サービスを行っている。
いくつかの地方行政区域を包括する郡評議会は、これを構成している各区評議会の地域住民に対
するサービスを提供している。郡評議会の評議員は、その構成評議会の評議員から選出される。郡
評議会は、州議会により付与された権限、特に配電事業を行っている。
(ⅳ) 外交
ニュー・サウス・ウェールズ州自体は他国と外交関係を維持していない。ニュー・サウス・
ウェールズ州は、特別ミッションを通じてニュー・サウス・ウェールズ州の企業による外国貿易や
州内への外国からの投資の促進にも努めている。
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(c) 経済
(ⅰ) ニュー・サウス・ウェールズ州の経済
本項では、経済実績を検討し、かつ2019/20年予算の基礎となる経済予想について詳述する。歳
入、歳出は、ともに経済環境の影響を受ける。税金、利払費用および省庁の費用に影響を与える要
因としては、経済的要因が最も重要である。
(ii) 最近の業績
ニュー・サウス・ウェールズ州は、近年目覚ましい経済成長を記録している。州経済は、2017/18
年までの４年間にトレンドを上回る年平均約３％の成長を示し、人口１人当たりの成長率はどの州
をも上回った。
(iii) 2019/20年の見通し
ニュー・サウス・ウェールズ州経済は、近年異例の強さを示している。雇用創出数と2013/14年以
降の国の経済成長への州の貢献の双方において、ニュー・サウス・ウェールズ州は優れていた。堅
固な経済のファンダメンタルズ、政府の記録的なインフラ・プログラムおよび政策刺激の波によ
り、短期的には課題があるにもかかわらず、州の経済は引続き好調に推移するであろう。
本年において経済成長は緩やかになったが、特に失業率が依然として低い労働市場においては、
経済セグメントは回復力がある。
緩やかな家計所得の伸び、住宅市場の減速および干ばつが経済の勢いを変えるきっかけとなっ
た。その結果、2018/19年および2019/20年のニュー・サウス・ウェールズ州経済の成長は、トレン
ドをわずかに下回ると予測されている。
大規模な公共インフラ・プログラム、商業ビル活動の活発化および堅調な輸出部門が州の回復力
を支えており、家計部門の弱さを部分的に相殺するものと予想される。
労働市場の状況はきわめて堅調である。雇用の伸びは平均を大きく上回り、求人は高い水準に
あって、女性を中心に労働参加率が記録的高水準となるなど、「就業意欲効果」が促進された。地
方の労働市場における余剰資源は依然として逼迫している。ニュー・サウス・ウェールズ州におけ
る失業率のトレンドは40年振りの低水準に近く、引続きすべての州の最低となっている。しかし、
賃上げ圧力は依然として抑えられており、これは多くの先進諸国経済における一貫したテーマであ
る。
インフレ圧力が限定的であり、かつ国の経済成長がトレンドを下回るという状況にあって、６月
のオーストラリア準備銀行（RBA）による金利引下げの決定は、失業率の低下と、インフレをその目
標範囲内に戻すことにおいていっそう迅速な進展を遂げるというRBAの意向を反映するものであっ
た。こうしたキャッシュ・レートへの引上げおよびさらなる金利引下げに対する市場の期待は、特
に消費者部門および住宅部門において経済の支えとなるであろう。
低金利は、2019年末以降、住宅市場の状況安定化を支えるものと期待される。ただし、低中所得
税額控除の増額と賃金の一層の伸びも消費者主導の景気回復を牽引し始めるため、現在の家計消費
の低迷は2020年央頃までには収まらないものと予想される。一方、住宅投資は、2019/20年には1/2
パーセント・ポイント、2020/21年には1/4パーセント・ポイント、経済成長を損うものと予想され
る。
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(a)
経済活動および見通し
2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年 2021/22年 2022/23年
ニュー・サウス・ウェールズ州 実績 実績 予想 予想 予測 予測
実質州最終需要 3.4 2.75 2.5 2.5 - -
実質州内総生産 2.6 2.25 2.25 2.5 2.50 2.5
雇用 3.2 3.25 1.5 1.5 1.25 1.25
(b)
失業率 4.8 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5
(c)
シドニー消費者物価指数 2.0 1.75 2 2 2.25 2.5
賃金物価指数 2.1 2.5 2.5 2.75 3 3
名目州内総生産 4.5 3.5 3.5 4.5 4.75 5
(a) 別段の表示のない限り、年平均変動率（％）。
(b) 年間平均（％）。
(c) ６月30日までの１年間の変動率。予想は0.1パーセント・ポイント単位に四捨五入されている。
出所：オーストラリア統計局要覧 5206.0号、5220.0号、6202.0号、6401.0号、6345.0号、3101.0号および
ニュー・サウス・ウェールズ州財務省
家計消費
家計資産の大幅な圧縮と所得の伸び悩みを受けて、家計消費の伸びは昨年減速した。消費者は、
当初住宅市場の弱体化に対する回復力を示した。住宅価格および住宅取引の低迷の影響は、2018年
下半期に実現したが、2019年にも継続している。家計消費は、2019年３月四半期までの１年間にわ
ずかに1.8％増加した。
昨年の半ば以来、裁量的支出の顕著な減速が見られた。これは、裁量的支出が資産および住宅取
引の変化により敏感であることと一致している。この減速は、必需品および必需サービスに対する
継続的な需要によって、部分的に相殺されている。
消費者支出は、資産の変化と比較して所得の変化に対してよりいっそう敏感であるが、住宅価格
下落の度合いが消費者支出に及ぼした影響は以前の予想を上回った。
住宅投資
住宅投資は、近年州の経済成長の重要な牽引役であった。しかし、住宅建設は、このサイクルの
ピークを過ぎた可能性が高く、現在の活動は2018年半ばの最高記録を９パーセント下回っている。
とはいえ、昨年の住宅建設は、州最終需要に占める割合でみると、10年間での最高近くで推移して
いる
住宅価格の値下がりおよび取引件数の減少は、住宅建設承認および着工に影響を及ぼしたが、建
設中の住宅工事が進捗すると、短期的には活動が順調に減速するはずである。
承認される新しい住宅プロジェクトのフローは減少し、承認待ちのプロジェクトの在庫も減少し
てきている。このことは、既存の案件が処理された後の活動水準の低下を示唆している。住宅価格
や、より厳しい予約販売および信用要件を含むその他の障害を踏まえて、デベロッパーのセンチメ
ントは低下している。こうした状況を考えると、特に集合住宅の場合、承認はさらに落込むものと
予想される。
住宅着工件数も減少した。案件の最大部分を占める集合住宅の着工は、2018年第４四半期に22％
落込んだ。
継続している順調な人口の増加および2019年後半からの住宅価格の安定に対する期待によって、
より多くのプロジェクトの開始が奨励されるはずである。住宅市場の状況が今後12カ月間にどのよ
うに展開するかが、住宅投資および家計消費にとって重要になってくるであろう。
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事業投資
事業投資の堅調な動きは継続すると予想され、経済成長の主要な牽引力となる。調査対象となっ
た事業環境および投資意欲といったいくつかの広範な先行指標は、需要の低下に伴って昨年は緩和
されたが、おおむね平均水準を維持している。さらに、インフラストラクチャーおよび非住宅建設
プロジェクトのパイプラインが上昇しており、いくつかのセクターにおける基本的な推進力は、好
ましい投資環境を示している。
商業部門をはじめとする非居住用建物（特にオフィスビル）は、プロジェクトの記録的なパイプ
ラインおよび強力なファンダメンタルズに支えられ、傑出したパフォーマンスを発揮するものと期
待される。昨年のオフィスの建設承認は、低いオフィスの空室率、高い商業用不動産の価格および
賃料ならびにサービス部門における堅調な雇用の伸びに伴って、記録的な水準となった。サービス
の堅実な輸出に支えられて、短期間の宿泊施設および教育の承認も増加した。
労働市場
国家経済が2020/21年にある程度その勢いを取戻すと、全国の失業率は再び低下傾向となるであ
ろう。こうした労働市場の余剰能力の低下によって、 2020/21 年には賃金物価指数が２ 3/4％
（2019年の選挙前予算更新時の３％から修正）上昇すると予想され、引続き賃金の伸びに拍車をか
けるものと予想される。
賃金物価指数
賃金の伸びは、今後２年間に緩やかに回復し、家計所得の一層の伸びとインフレの基礎を提供す
るものと予想される。こうした改善は、堅実な労働市場の状況（全国および地方）、賃金凍結の減
少、賞与支払の増加、公表された 給与の増加および生産性の伸び率改善に伴うものである。
賃金物価指数は、緩やかな上昇傾向にあった。民間部門の賃金は、2019年３月四半期までの１年
間を通じて2.3％の成長率を維持したが、これは４年半で最も高い成長率である。職務レベルのマ
イクロデータから、雇用者の多くが長期に及んだ賃金凍結期間の後賃金上昇を受けたことが明らか
になっている。これは、過去２年間の総賃金成長率の上昇の大部分を支えた。
インフレ
徐々にではあるが、賃金の伸び率上昇と豪ドルの低下に伴ってインフレが加速するとの期待があ
る。しかし、複数の要因が最近インフレを抑制している。2018年末現在のガソリン価格の大幅な下
落と、1992年以来初となる四半期単位でのシドニーにおける家賃の値下がりにより、2019年３月四
半期には総合インフレ率が低下した。住宅賃貸空室率の上昇と公表された賃貸価格の下落は、賃貸
価格の伸びが当面の間引続き弱いことを示唆している。この家賃の減速、ならびに生計費に対する
政府の取組みおよび激しい小売競争により、インフレに対してさらなる下方圧力が生じ、消費者の
購買力が向上する可能性がある。
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(d) 州財政の実績および見通し
(ⅰ) 2018/19年のニュー・サウス・ウェールズ州予算の実績
予算収支
2018/19年の予算収支は、1,219百万ドルの黒字で、これは当初予算を207百万ドル下回り、前年を
3,206百万ドル下回った。前年と比較して黒字幅が縮小したのは、住宅用不動産市場における活動の
低下による譲渡税の減少（1.2十億ドル）と、合わせて2.3十億ドルの増加となった従業員費用およ
び交付金費用に反映されるいくつかの政府機関のフロントライン・サービス費用がおおむね予算計
上どおりの増加となったことを大きく反映している。
予算収支は、2019/20年予算において示された2018/19年にかかる修正見積りを416百万ドル上回っ
た。修正見積りと比較して、歳入は562百万ドル上回り、歳出は145百万ドル上回った。 州税収（180
百万ドル）、財貨およびサービスの販売にかかる政府機関自身の財源歳入（193百万ドル）、罰金、
手数料およびその他の歳入（89百万ドル）ならびにその他の配当金および分配金（138百万ドル）を
含む多くの歳入区分で、修正見積りをわずかに上回った。
2018/19年の歳入合計は、2017/18年の実績と比較して1,018百万ドル（1.3％）増加した。前年よ
り歳入が増加したのは、主として財貨およびサービスの販売の増加（482百万ドル）、鉱区使用料
（330百万ドル）および税収（117百万ドル）によるものであった。
財貨およびサービスの販売の増加は、主として大規模な鉄道プロジェクトについてニュー・サウ
ス・ウェールズ交通局（251百万ドル）およびシドニー・メトロ（211百万ドル）によって生み出さ
れた歳入の増加によるものであった。
鉱区使用料が330百万ドル増加したのは、輸出の豪ドル建での価値を上昇させた豪ドル価値の下落
と、石炭の輸出量増加によるものである。
歳出の増加は、主にフロントライン職員の増加を主因とする従業員費用の増加1,514百万ドル、そ
の他の営業費用の増加1,494百万ドル、交付金および補助金の増加837百万ドルならびに減価償却費
および償却費の増加381百万ドルによって牽引された。
歳出は2018/19年には前年比で5.5％増加したが、これは年間の歳出の増加を長期的な歳入の平均
増加率である5.6％未満に維持するという政府の財政目標に合致している。歳出の平均増加率は、
2012/13年以降の長期平均伸び率を下回っていた。
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(ⅱ) 歳入
一般政府部門の歳入は81,690百万ドルで、2017/18年より1,018百万ドル（1.3％）の増加であっ
た。
税収および連邦政府の交付金は、それぞれ歳入合計の約40％を占め、残りの20％は財貨およびサー
ビス税ならびにその他の歳入で分けられた。
税金
2018/19年の税収は31,443百万ドルで、2017/18年を117百万ドル上回った。譲渡税は、住宅用不動
産市場の減速を反映して、前年と比較して1,237百万ドル減少した。譲渡税収の減少は、給与税が522
百万ドル、土地税が481百万ドル、ギャンブル・賭博税が284百万ドルならびにその他の税金公課が67
百万ドル、それぞれ増加したことにより相殺された。
州の三大税収源は、不動産譲渡にかかる印紙税（譲渡税）、給与税および土地税であり、これらを
合わせると2018/19年の州税収の約73％を占めた。2018/19年の譲渡税（印紙税の主な要素である。）
は、2018/19年予算における予想を下回り（－3.4％）、住宅不動産の取引件数減少および値下がりを
反映して2017/18年を1,237百万ドル下回ったが、その一部はウェストコネックスの取引にかかる一時
的な追加譲渡税によって相殺された。
給与税は、ニュー・サウス・ウェールズ州において常勤雇用をはじめとする雇用の堅調な伸びが続
いたことを反映して、2017/18年と比較して2018/19年には522百万ドル（5.9％）増加した。
連邦およびその他の交付金
ニュー・サウス・ウェールズ州は、連邦政府から、一般目的交付金（GST）、連邦パートナーシッ
プ交付金の支払、特定目的交付金の支払およびその他少数の支払を受けている。2018/19年の連邦交
付金の総額は、前年より91百万ドル（0.3％）少ない31,282百万ドルであった。
一般目的交付金は、おおむねGSTにより構成されており、2018/19年には、2017/18年より48百万ド
ル（0.3％）少ない17,907百万ドルであった。連邦政府からのGST歳入は、各州間で分配される。GST
歳入は、徴収したGSTの総額（プール規模）、ニュー・サウス・ウェールズ州の人口比率および連邦
交付金委員会（CGC）が算出した相対性に依拠する。プール規模、人口比率または相対性に何らかの
変化があれば、州の財政収支に影響が及ぶ。2018/19年にGSTプールの予測が下方修正され、ニュー・
サウス・ウェールズ州の人口比率に微調整がなされたため、GST歳入は予想をわずかに下回った。
連邦パートナーシップ交付金および特定目的交付金の支払は合計12,961百万ドルで、2017/18年の
12,974百万ドルからおおむね横ばいであった。連邦パートナーシップ交付金は、主として連邦と
ニュー・サウス・ウェールズ州の間の国民障がい者保険制度（NDIS）協定に沿った障がい者ケア交付
金の減少（217百万ドル）および大規模道路プロジェクトの見直し（187百万ドル）に伴い、393百万
ドル減少した。特定目的交付金は、主として全国医療改革協定に基づく支払が増加したため、380百
万ドル増加した。
その他の交付金および助成金（連邦交付金を除く。）は、2018/19年には前年より78百万ドル増加
して566百万ドルであったが、これは主として保健省が受取った交付金および助成金の増加によるも
のである。
その他の歳入
その他の歳入には、財貨およびサービスの販売、政府系企業からの配当金、その他の配当金および
分配金、利息、罰金ならびに手数料が含まれる。
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政府系企業から受取る配当金は、かかる事業への投資に対する利益である。政府系企業は、州に対
する法人税相当額の支払も行っているが、これは民間部門の企業との競争上の中立性を確保するもの
で ある。
2018/19年の配当金、法人税相当額およびその他の分配金は、合計で3,866百万ドルであり、これは
前年より174百万ドルの増加である。これには以下のものが含まれる。
・ＴコープＩＭファンドのスキームからの利益1,715百万ドル。これは前年（2017/18年：1,686百
万ドル）より29百万ドルの増加である。
・財務公社からの配当金および法人税相当額の分配は155百万ドルで、前年より128百万ドルの増加
である。財務公社の配当金支払の時期および規模は、州の全商業資産にかかる所得を考慮する
ニュー・サウス・ウェールズ州財務大臣と協議のうえ決定される。
・水道部門からの配当金および法人税相当額の支払は1,290百万ドルで、前年より337百万ドルの増
加である。これは主にシドニー水道公社からの配当金および法人税相当額が330百万ドル増加し
たことによる。
・ランドコムからの分配金合計額は202百万ドル（2017/18年は316百万ドル）であった。
・2018/19年のオースグリッド・アンド・エンデバー・エナジーおよびエッセンシャル・エナジー
における保有持分からの配当金および法人税相当額は267百万ドルで、前年のエネルギー投資か
らの分配金より34百万ドル減少した。
・2018/19年のシドニー高速道路公社およびウェストコネックスにおける州の保有持分からの配当
金は167百万ドル（2017/18年：なし）であった。
2018/19年における財貨およびサービスの販売は8,990百万ドルで、前年より482百万ドル、5.7％の
増加であったが、これは工場設備の生産のためにニュー・サウス・ウェールズ交通局がレール・コー
ポレーション・ニュー・サウス・ウェールズに提供したサービスの手数料が増加したことなどを反映
している。
2018/19年の罰金、規制上の手数料およびその他の収益は、合計5,051百万ドルで、前年より321百
万ドルの増加であった。これは主として鉱区使用料が330百万ドル増加したことによる。
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(ⅲ) 歳出
一般政府部門の歳出は80,471百万ドルで、2018/19年予算における当初見積りを815百万ドル
（１％）上回った。歳出は、2017/18年より4,223百万ドル（5.5％）の増加であった。
従業員費用および老齢年金を合わせると、一般政府部門の歳出合計の約半分を占める。保守費、
ニュー・サウス・ウェールズ交通局が負担した大規模の鉄道プロジェクトの引渡し、光熱費、賃料、
病院医療用設備および供給品のための費用を含むその他の営業費用は、一般政府部門の歳出の約４分
の１を占めた。残りの歳出は、交付金および補助金、減価償却費および償却費ならびに利息に関連し
ていた。
従業員のための歳出（老齢年金を除く。）
従業員関連の歳出は、主として、フロントライン・サービスへの投資を増加させるという政府方針
決定を反映して、2017/18年より1,514百万ドル（4.8％）増加した。ニュー・サウス・ウェールズ州
の公的部門賃金政策および労務費上限といった、2011年から現在までの政府のイニシアチブは、従業
員費用の増加を管理するのに役立っている。増加の主な要因は以下のとおりである。
・賃金政策に沿った賃金の2.5％上昇（725百万ドル）
・とりわけニュー・サウス・ウェールズ州の保健、教育、司法およびサービスにおけるフロントラ
イン・サービスの増加（789百万ドル）
・労災補償の支払請求額を反映して毎年大きく変動しうる労災補償および長期勤続休暇費用（148
百万ドル）
・多くの州政府機関におけるリストラおよび短期従業員費用の減少（124百万ドル）の減少により
一部相殺された。
・2018/19年の老齢年金費用は4,464百万ドルで、前年（4,467百万ドル）並みであった。
交付金費用
経常的な交付金および補助金は、2017/18年より687百万ドル（5.3％）増の13,595百万ドルであ
り、資本交付金および補助金は、2017/18年より150百万ドル増の1,105百万ドルであった。交付金お
よび補助金費用の合計は、前年より837百万ドル（６％）の増加であった。これは、以下を反映した
ものである：
・高齢者、障がい者（障がい者保険制度を含む。）、在宅介護およびその他のコミュニティ・サー
ビスの提供について非政府組織から提供されたサービスに対してファミリー・アンド・コミュ
ニティ・サービシズにより支払われた交付金の増加（274百万ドル）
・地方評議会への資産の譲渡にかかるシドニー・メトロからの交付金（357百万ドル）
・連邦政府との新たな非政府学校資金協定にかかる教育省からの交付金の増加（126百万ドル）
・緊急干ばつ救済策の一環としてニュー・サウス・ウェールズ農村支援公社からの交付金の増加
（110百万ドル）
その他の歳出
その他の歳出は、減価償却費および償却費、利息ならびにその他の営業費用からなる。
減価償却費および償却費は、合計で2017/18年より381百万ドル増の5,192百万ドルであった。4,429
百万ドルの減価償却費は有形固定資産に関連するもので、2019年６月30日現在その正味帳簿価額は
221.8十億ドルであった。
2018/19年の支払利息は1,812百万ドルで、2017/18年から横ばいであった。
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その他の営業費用は、2017/18年より1,494百万ドル増の21,146百万ドルであった。これは、以下を
反映したものである。
・主として2018/19年における大規模の鉄道プロジェクトの増加に関連してニュー・サウス・
ウェールズ交通局が負担した費用の増加（616百万ドル）
・主としてレール・コーポレーション・ニュー・サウス・ウェールズが資金提供したプロジェクト
によるシドニー・メトロの費用229百万ドル（初年度営業費用）
・医療活動の活発化およびインフレの結果、保健省が負担した費用が増加（253百万ドル）し、巡
回医療従事者の費用、医療および外科用品、情報管理費用が増加した。
・ 教育ツールおよび情報技術リソースを含む学校運営費への投資の増加を反映して、教育省が負担
した費用が増加（213百万ドル）
・様々な政府機関における全般的な価格の上昇および量の増加
総合収支
一般政府部門の総合収支は、2017/18年の30,595百万ドルの利益に対して1,924百万ドルの損失であ
り、前年から32,519百万ドルの減少となった。総合収支は、当期について認識されたすべての歳入お
よび歳出項目の正味結果を示している。したがって、総合収支は、一般政府門内の経営成績と資本の
その他変動の合計である。
前年との比較で総合収支における重要な変動は、以下によるものである。
・前年には保険数理上の利益であったのに対して、2018/19年には老齢年金が保険数理上多額の損
失を計上し、前年比15,780百万ドルのマイナス変動をもたらした。2018/19年には、老齢年金債
務の評価に使用される割引率が政府債の利率に伴って低下し、その結果、前年には比較的小幅
な保険数理上の利益であったのに対して、多額の保険数理上の損失を計上することとなった。
・エクイティ投資およびその他部門への投資については、前年には6,296百万ドルの利益であった
のに対して、2018/19年には以下を反映して7,888百万ドルの損失であった：
－2018/19年における7,888百万ドルの損失は、主として、財務公社（2,936百万ドル）、レー
ル・コーポレーション・ニュー・サウス・ウェールズ（1,433百万ドル）、シドニー・トレイ
ンズ（754百万ドル）およびシティ・ウェスト・ハウジング（680百万ドル）をはじめとする
多くの公的非金融機関（PNFC）および公的金融機関（PFC）において純資産の価値が低下した
ことによるもので、前年における6,296百万ドルの利益は、主としてニュー・サウス・ウェー
ルズ土地住宅公社（4,781百万ドル）、財務公社（594百万ドル）およびシドニー水道公社
（508百万ドル）における増益によるものである。
・財政黒字の縮小（3,206百万ドル）
・長期勤続給付休暇およびレクリエーション休暇引当金ならびに保険金請求引当金にかかる債務の
保険数理上の調整により、債務にかかる損失が増加した（2,087百万ドル）
・有形固定資産の再評価にかかる利益の減少（10,383百万ドル）
・主としてウェストコネックスの売却益（13,201百万ドル）による、営業収支におけるその他の純
利益の増加（13,629百万ドル）
正味貸付
一般政府部門の正味貸付/（借入金）の成果は、2017/18年の正味2,580百万ドルの借入ポジション
に対して、2018/19年には9,280百万ドルの借入ポジションであり、これは、前年より6,700百万ドル
の正味借入増であった。これは主として、非金融資産の正味取得の3,493百万ドル増加および2017/18
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年のニュー・サウス・ウェールズ州公的部門の金融資産・負債管理と比較して3,206百万ドルの財政
黒字縮小によるものである。
(e) ニュー・サウス・ウェールズ州公的部門の金融資産・負債管理
(ⅰ) 州の財政戦略
ニュー・サウス・ウェールズ州政府は、責任ある財政管理に取組むと同時に、以下によってのみ
可能なサービスおよびインフラへの投資を行っている：
・不要な増税をすることなく黒字を維持すること
・可能な限り財政黒字および資産リサイクルの手取金を通じて資本支出の資金を賄うこと
・トリプルAの信用格付に見合った持続可能な債務水準を維持すること
・州の減債専用基金であるニュー・サウス・ウェールズ・ジェネレーションズ・ファンド（NGF）
を成長させること
2012年財政責任法（以下「FRA」という。）は、トリプルAの信用格付を維持するという法律上の
要件を付した政府の最終的な財政目標を定めている。ニュー・サウス・ウェールズは、かかる要件
を制定する唯一の法域であり、それによって同州は、オーストラリアにおいても国際的にもユニー
クな法域となっている。FRAには、トリプルA維持という目的のために法律に定められた財政目標お
よび健全な財務管理の原則が盛り込まれている。
政府は、経済が不安定な時期にはトリプルAという州の信用格付を維持することが重要であると考
えている。トリプルAという格付は、州の支払利息を可能な限り低く抑えるだけでなく、財政規律
および経済力の表れでもある。トリプルAとそれより格付の低い政府債の間のイールド・スプレッ
ドは、 経済的ストレスのある期間中には大幅に拡大する可能性があり、トリプルA格でない政府の
借入コストが上昇する。また、トリプルAの格付によって、州は市場に流動性がなくなったときに
ホールセールの資金調達市場を利用することができる。
2012年以降、政府は毎年FRAにより義務づけられた財政目標を実現してきた。
(ⅱ) 州部門全体の財政状態計算書
純資産は、資産合計と負債合計の差額を示す。州部門全体の純資産は、2019年６月30日に終了し
た年度に250,172百万ドルとなったが、これは前年（2018年：252,095百万ドル）より1,923百万ドル
の減少であった。この純資産の変動は、総合収支に対応しており、バランスシートでみると、金融
資産控除後の負債合計が17,140百万ドル純増し、これが非金融資産の15,216百万ドル増加によって
相殺されたことを反映している。
金融資産控除後の負債合計が純増したのは、老齢年金引当金が14,290百万ドル増加したことによ
るところが大きく、これは主に将来の債務の現在価値を算出するために使用された割引率が変更に
なった結果である。
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非金融資産
非金融資産の増加は、主として有形固定資産に対する追加および再評価によるもので、処分によ
り相殺されている。非金融資産には、公立学校、病院、道路、橋梁、輸送、公営住宅、スポーツ施
設、電力資産および水道資産といったインフラ項目が含まれる。
州部門全体が一般政府、PFCおよびPNFC部門を統合しているため、一般政府部門および州部門全体
の純資産は同額になる。
正味金融負債
2019年６月30日現在の正味金融負債は、予想州内総生産（GSP）の18.6％に相当する116,429百万
ドルで、これは2018年６月30日現在の99,289百万ドル（GSPの16.4％）より17,140百万ドルの増加で
あった。これは主として、2019年６月30日に実施された保険数理上の評価により老齢年金引当金が
14,290百万ドル増加し、その一部が主にウェストコネックス・グループにおける州の49％の持分
（6,424百万ドル）を認識した結果エクイティ投資が10,117百万ドル増加したことにより相殺された
こと、ならびにＴコープＩＭファンド・トラストに対する州のエクイティ投資の価値の増加（4,937
百万ドル）によるものである。
(単位：十億ドル)
2018 年６月 2019 年６月
実績 実績
正味債務 15.8 23.9
老齢年金引当金 56.4 70.7
従業員給付引当金 19.1 22.0
保険債務およびその他の引当金 15.4 18.2
(7.4) (18.3)
その他正味負債/（資産）
99.3 116.4
正味金融負債
GSP に対する正味金融負債の割合 16.4 ％ 18.6 ％
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正味債務
正味債務は、借入金、前受金および受入預金から、現金および現金同等物、公正価値による金融
資産、その他の金融資産および前払金を差し引いたものからなる。
2018/19年に、州部門全体の正味債務は8,147百万ドル増加した。2019年６月30日現在、正味債務
は、予想GSPの3.8％に相当する23,909百万ドルであった。2018年６月30日現在では、正味債務は、
GSPの2.6％に相当する15,762百万ドルであった。正味債務の増加は、歴史的な低金利を利用した将
来の借入所要額の事前調達、一般政府および水道事業による追加の借入れ、ならびに借入金の市場
価額の上昇によって、公正価値による借入金およびデリバティブが増加した（8.9十億ドル）結果で
ある。その一部は、主に事前調達された金額の投資による投資、貸付金および債券発行の増加（5.2
十億ドル）により相殺された。
正味債務の内訳：
(単位：十億ドル)
2018 年６月 2019 年６月
実績 実績
現金および現金同等物 14.0 9.0
投資、貸付金および債券発行 42.1 47.4
前払金 0.6 0.7
受入預金 (0.4) (0.3)
公正価値による借入金およびデリバティブ (63.8) (72.8)
償却原価による借入金 (7.5) (7.2)
前受金 (0.8) (0.8)
正味債務 15.8 24.0
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６月30日現在の
ニュー・サウス・ウェールズ州の州部門全体の部門別の財政状態計算書
(単位：百万ドル)
一般政府部門 公的非金融機関
2018年
2019年 (修正再表示) 2019年 2018年
資産
金融資産
現金および現金同等物 1,969 5,417 2,548 3,808
債権 7,491 6,721 1,211 1,253
投資、貸付金および債券発行
公正価値による金融資産 43,333 32,578 240 236
その他の金融資産 2,591 5,556 656 1,463
前払金 1,193 1,017 0 1
未収法人税相当額 32 128 9 3
繰延税相当額 2,245 2,192 109 112
エクイティ投資
他の公的部門企業への投資 98,990 112,911 … …
関連会社への投資 12,055 5,987 … …
8 722 189 167
その他
金融資産合計 169,907 173,228 4,963 7,041
非金融資産
在庫 399 327 474 499
森林資源およびその他の生物資産 10 9 1,171 984
売却目的保有資産 222 320 61 110
投資不動産 … … 648 644
有形固定資産
土地および建物 89,963 83,390 75,775 77,641
工場および設備 12,088 10,941 5,968 6,397
インフラ・システム 119,291 102,147 48,645 55,330
無形資産 3,694 3,691 1,108 1,050
6,707 7,426 170 226
その他
非金融資産合計 232,375 208,252 134,020 142,880
資産合計 402,282 381,480 138,983 149,921
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負債
受入預金 67 130 70 91
未払債務 7,079 7,251 2,136 2,516
公正価値による借入金および
デリバティブ 207 5 3 1,254
償却原価による借入金 37,656 32,441 24,558 24,855
前受金 756 797 478 374
従業員給付引当金 20,802 18,015 1,150 1,060
老齢年金引当金 67,696 54,200 3,010 2,218
未払法人税相当額 3 3 32 119
繰延税相当額引当金 108 112 2,246 2,192
その他の引当金 11,604 10,210 1,410 1,609
6,134 6,223 322 287
その他
負債合計 152,110 129,385 35,415 36,574
純資産 250,172 252,095 103,567 113,348
その他の財政総計
正味債務 (10,401) (11,195) 21,664 21,066
正味金融負債 81,194 68,068 30,453 113,348
(f) 債務不履行の有無
今日までニュー・サウス・ウェールズは発行しまたは引受けたすべての債務および保証の履行を求
められたすべての間接債務に対する元利金全額を常に支払ってきた。それらの債務は、所定の償還日
に所定の通貨で速やかに支払われている。
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(8) 【オーストラリア連邦の概況】
(a) 政治および外交
国家組織および政党
オーストラリア憲法のもとでは、オーストラリア連邦の立法権は、女王、上院および下院で構成さ
れる連邦議会に付与されている。オーストラリアにおいて女王の権威を代表する者は連邦総督であ
る。オーストラリアの各州には州における女王の代理人である州総督がいる。州総督の州における権
限は、同職の設立根拠となっている政府発行許可証によって付与されており、州総督はその職務遂行
方法を細かく定めた女王から発せられる指示に従ってこれらの権限を行使する。
1986年オーストラリア法の制定以来可決されたイギリス議会の法律で、オーストラリア連邦または
オーストラリアの州もしくは特別地域の法律の一部として連邦または州もしくは特別地域に及ぶか、
または及ぶとみなされるものはない。さらに、州の立法権にかつて存在した制約は、同法により撤廃
された。
上院は、連邦議会においてはSenate と呼ばれ、二院制の州議会においては Legislative Council
と呼ばれる。立法府は、1922年まで全ての州において二院制をとっていたが、この年クイーンズラン
ド州議会が上院を廃止し、一院制とした。また、連邦議会において下院は House of Representatives
であり、ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリアおよび西オーストラリアの各州議会では
Legislative Assembly、南オーストラリアおよびタスマニアの各州議会では House of Assembly と呼
ばれる。一院制のクイーンズランド州の議会は、Legislative Assembly と呼ばれる。７つの各議会の
立法権は、オーストラリアおよび州の憲法にそれぞれ定められている。二院制をとる州においては、
下院の方が規模が大きい。
各州議会の議員は、18才以上のオーストラリア国民で一定の居住資格を持つ者により選ばれる。連
邦議会に関しては、選挙権の資格は両院とも同じであり、18才以上のオーストラリア国民またはイギ
リス国民で連邦選挙名簿に登録されている者に選挙権が与えられている。
第46期オーストラリア連邦議会議員選出のため、2019年５月18日に2019年のオーストラリア連邦の
選挙が実施された。この選挙は、2016年の連邦同時解散選挙において選出された第45期議会の解散を
受けて告示された。下院（House of Representatives）の全151議席および上院（Senate）の76議席の
うち40議席が選挙の対象となった。
スコット・モリソン首相率いる第二次少数派連立政権は、野党指導者であるビル・ショーテンが率
いる野党労働党に対して３年任期３期目の政権を勝ち取った。
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2019年５月の選挙の前後における上院および下院の構成は以下のとおりである。
下院 上院
2019 年の 2019 年の
政党 前回選挙 選挙後 前回選挙 選挙後
76 77 30 35
保守連合
オーストラリア自由党 45 44 24 28
自由国民党 21 23 5 6
国民党 10 10 - -
地方自由党 0 - 1 1
オーストラリア労働党 69 68 26 26
オーストラリア緑の党 1 1 9 9
自由民主党 - - 1 -
正義党 - - 1 -
ワン・ネイション党 - - ▶ 2
ランビーのネットワーク - - 1 1
カッターのオーストラリア党 1 1 - -
中央同盟（CA） 1 1 3 2
保守党 - - 1 1
2 3 - -
無所属
150 151 76 76
合計
外交関係
主権国家として、オーストラリアは世界の大部分の国々と外交関係を維持している。オーストラリ
アは、54カ国に大使館を有するほか、27の高等弁務官事務所および30の総領事館を有している。
旧英国植民地として、オーストラリアは英連邦に属している。オーストラリアは国連の創設メン
バーであり、経済協力開発機構の加盟国である。
オーストラリアは特にアジア太平洋地域に属しており、APECおよびアセアン地域フォーラムの加盟
国である。
日本においては、オーストラリアは東京に大使館を置き、福岡、大阪および札幌に領事館を置いて
いる。
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(b) 経済
オーストラリア国内外の経済の見通し
オーストラリア経済は、干ばつや山火事の壊滅的な影響などの国内の課題だけでなく、世界経済が
勢いを弱めている中にあって回復力を示し続けている。経済活動が拡大を続ける一方で、こうした要
因により、選挙前経済財政見通し（以下「PEFO」という。）における予想よりも成長は減速した。
2019年当初３四半期におけるGDPの伸びは、2018年下半期より堅調であった。労働市場は依然として
好調で、国内需要は予想期間中に上昇するものと予測される。家計消費および非鉱業事業投資は、伸
び率が上昇するものと予想され、鉱業投資は７年ぶりの成長になるものと予想される。公的部門最終
需要は引続き経済成長に貢献するものと予測される。輸出の伸びは、豪ドル安、役務輸出に対する継
続的な需要および鉱業部門における生産拡大を反映して、堅調を維持するものと予想される。
実質GDPの伸びは、PEFO以降1/2パーセント・ポイント低下して、2019/20年には２ 1/4％になるもの
と予想され、その後2020/21年には２ 3/4％に上昇するものと予測される。
GDP成長率の回復は、対症療法的な政策設定などを反映したものである。2018/19年および2019/20年
の予算において公表された個人所得税の軽減は、家計の可処分所得を支え、政府のあらゆる階層によ
る生産的インフラへの継続的投資は、経済活動および雇用の支えとなっている。金融政策は引続き緩
和的であり、豪ドル安は経済の貿易依存度の高い部門に利益をもたらしている。
干ばつが農村に与えた影響は深刻で、農業によるGDPは2018/19年の成長を損い、2019/20年には減少
するものと予測される。平均的な季節条件に戻ると想定すると、農業生産および輸出が回復して
2020/21年には経済成長に貢献することになるであろう。ただし、農産品の輸出および農業GDPの伸び
率は将来の気象条件に左右されるであろう。
2019年７月以降、首都圏の住宅価格が上昇しているため、既存の住宅市場の持続的な回復も経済活
動を支援するであろう。2017年半ば以降2019年半ばにかけて首都圏の住宅価格が下落したことは、住
宅販売戸数、家計消費および建築承認に重くのしかかっている。住宅価格の低迷が支出および住宅販
売戸数に及ぼすマイナスの影響がなくなり、賃金上昇率が徐々に上昇するにつれ、不動産譲渡に関連
した消費および経済活動は回復するものと予測される。住宅投資は、数年にわたって堅調な成長を続
けた後、昨年記録的な高水準から落込み、最近の建築承認の不振が引続き経済活動に影響を及ぼすた
め、予想期間にわたってさらに落込むことが予想される。
鉱業投資ブームの巻戻しによる阻害要因は過去数年にわたって減少しており、鉱業会社が生産の維
持のために投資を行っているため鉱業投資は2019/20年には増加するものと予測される。これは７年ぶ
りのプラス成長となり、堅実なパイプラインが未着工であることから、特に非住宅建設活動におい
て、非鉱業事業投資の着実な伸びを伴うものと予想される。
労働市場の状況は、雇用の伸びが人口の増加率を上回り、OECDの平均を上回るなど、堅調に推移し
てきた。主要な雇用指標が、雇用の伸びは落着き、失業率は５ 1/4％を維持するであろうと示唆して
いるものの、雇用の伸びは経済活動の回復によって支えられるであろう。現在の雇用の伸びは、PEFO
における予想より徐々にではあるが、今後の予想において賃金の回復および消費者物価の伸びを支え
るものと予測される。他の先進諸国経済と同様、オーストラリアにおける賃金の伸びは、労働市場の
改善への対応がゆっくりである。
名目GDPは、PEFOにおける予想と同様、2019/20年には３ 1/4％の伸びと予想される。2020/21年にお
ける名目GDPの伸びは、鉄鉱石価格の下落が予想されることから、１ 1/2パーセント・ポイント低下し
て２ 1/4％となった。
2019年には世界経済の勢いは弱まった。これは、 世界的な貿易の流れおよび東アジアにおけるサプ
ライ・チェーンに対する貿易措置の直接的な影響を反映している。しかし、グローバルな不透明性の
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影響もますます大きくなり、企業信頼感および投資意欲を圧迫しているようにみえる。その結果、
2019年および2020年における世界の経済成長は、PEFOにおける予想を下回るものと予想される。こう
し た見通しは、公表されたすべての貿易政策措置が実施されることを前提としている。世界の経済成
長は、2019年には世界的な金融危機以来最も低成長となる３％、2020年には３ 1/4％と予想される。
主な貿易相手国の経済成長は、2019年には３ 1/2％、2020年には３ 3/4％と予想される。経済成長
は、多くの諸外国経済における最近の金融政策の緩和によって支えられ、2021年には回復するものと
予測される。
世界の貿易政策の展開は、依然としてグローバルな見通しにとって最大の不安材料である。緊張の
大幅な解消、とりわけ既存のおよび公表されている貿易障壁の解消は、グローバルな見通しにアップ
サイド・リスクをもたらすであろう。先ごろ米中間の貿易交渉が再開したことは明るい話題である。
逆に、米中間の緊張の高まり、あるいはその他の経済への緊張の一層の拡がりがあると、世界の経済
成長にとってはマイナスとなるであろう。多くの経済の金融部門の脆弱性や、度合いは低いが無秩序
なブレグジットなど、世界の経済成長見通しに対してその他さまざまな下振れリスクがある。
国内経済の予想をめぐっても不安材料がある。予想では、最近の消費の不振の一部がタイミングの
要因を反映したものであること、また税引後所得の増加に応じて家計の消費が増加するにつれて家計
の貯蓄率が落込むことを前提としている。しかし、消費者が依然として用心深く 、家計貯蓄率の低下
が予想よりも遅くなるというリスクがある。住宅投資も予想を下回る可能性がある。また、オースト
ラリアの企業は、拡大する世界的な不確実性の影響に対して免疫がなく、そのことが企業信頼感およ
び投資をさらに圧迫する可能性がある。アップサイド・リスクには、住宅市場のより急速な回復があ
り、これはより堅調な消費者支出を支えることになる一方で、ビジネス環境および信頼の回復は、非
鉱業事業投資の予想よりも強い回復に寄与する可能性がある。
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(c) 通貨・金融制度
通貨制度
オーストラリアの通貨制度においては十進法がとられており、１ドルは100セントである。豪ドル紙
幣の種類は５、10、20、50および100ドルであり、硬貨の種類は５、10、20、50セント、１ドルおよび
２ドルである。１ドル札および２ドル札は、1984年および1988年にそれぞれ硬貨となった。憲法によ
り、連邦は通貨発行の権限を持つ。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行、商業銀行、貯蓄銀行および特殊銀行３行で構成されてい
る。一般に、中央銀行である準備銀行の職責、権限、業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。
すなわち発券業務の管理、通貨および流動性の管理政策の実施、連邦政府証券の市場操作、連邦のた
めの金融および国庫代理業務ならびに為替管理等である。また、準備銀行は銀行預金者の利益を保護
する義務がある。準備銀行によるすべての金員の支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関および資本市場
オーストラリアにおいて銀行以外の金融機関のうち重要なものは、生命保険・損害保険会社、退職
年金基金、ファイナンス・カンパニー、恒久住宅信用協会、信用組合、融資業者および短期金融市場
の公認ディーラーである。これらの金融機関はオーストラリアの金融部門の資産の過半を占める。こ
れらの機関は共に広範な金融サービスを提供し、金融制度の発展およびオーストラリア経済の発展に
重要な貢献をしてきた。
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(d) 貿易および国際収支
貿易
オーストラリア経済において、外国貿易は重要な役割を果たしている。オーストラリアの対外貿易
収支は次の表に示すとおりである。
対外貿易収支(名目ベース)
( 単位：百万ドル)
2017/18 年 2018/19 年
輸出 404,026 470,421
輸入 396,365 420,297
貿易収支 7,661 50,124
出典：オーストラリア統計局要覧 5206.0号
2018/19 年における地域別の商品輸出入
( 単位：百万ドル)
相手国 輸出 輸入
日本 58,140 22,053
中国（特別行政区および台湾を除く。） 133,878 77,930
香港（中国の特別行政区） 7,879 620
ASEAN 40,705 50,911
大韓民国 25,073 12,292
インド 16,084 4,923
EU28 カ国 20,293 55,696
アメリカ合衆国 14,329 32,670
英国 7,760 7,220
ニュージーランド 9,891 7,850
台湾 12,284 5,157
出典：オーストラリア統計局要覧 5368.0号
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国際収支
次の表は、2018年および2019年に終了した２会計年度におけるオーストラリアの国際収支を示して
いる。
財貨およびサービスの要約
( 単位：百万ドル)
2017/18 年 2018/19 年
7,566 50,183
財貨・サービス収支
403,326 469,891
財貨・サービス受取合計
315,257 373,104
財貨受取合計
47,149 47,905
農産品
247,759 305,292
非農産品およびその他の財貨
88,069 96,787
サービス受取合計
-395,760 -419,708
財貨・サービス支払合計
-302,404 -319,192
財貨支払合計
-102,071 -103,951
消費財
-73,833 -77,750
資本財
-120,903 -132,574
中間品およびその他の財貨
-93,356 -100,516
サービス支払合計
出典：オーストラリア統計局要覧 5302.0号
(e) 豪ドルの為替レート
1983年12月12日より前には、オーストラリアは、管理為替相場制を採用しており、豪ドルの為替
レートは通貨の加重貿易指数に基づいて、当局によって日々決定されていた。
連邦政府は1983年12月12日から豪ドルの変動相場制移行を決定した。現在オーストラリアの為替
レートは豪ドルに対する全般的な需給によって決定されている。かかる豪ドルの変動相場制移行の決
定は、オーストラリアに過度の外貨が流入し、また豪ドルの切上げを見越して投機が高まるという異
例の時期の後に行われた。
市場原理に基づくすべての為替相場と同様に、豪ドルは時に大幅な変動を示してきた。以下は表示
日の米ドルおよび日本円に対する豪ドルの為替の中値を表している。
2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年
６月30日 ６月30日 ６月30日 ６月30日 ６月30日
１豪ドル当りの米ドル相当額 0.7711 0.74507 0.76891 0.74050 0.7020
１豪ドル当りの日本円相当額 94.406 76.8980 86.1870 82.0085 75.7107
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