クイーンズランド州財務公社 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | クイーンズランド州財務公社 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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クイーンズランド州財務公社(E06036)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年12月27日
【会計年度(又は事業年度)】 自 平成30年7月1日 至 令和元年6月30日
【発行者の名称】 クイーンズランド州財務公社
(Queensland Treasury Corporation)
【代表者の役職氏名】 フィリップ・ノーブル
(Philip Noble)
最高経営責任者
(Chief Executive)
【事務連絡者氏名】 弁護士 田 中 収
【住所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1025
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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第1【募集(売出)債券の状況】
募集債券の状況
該当事項なし。
売出債券の状況
該当事項なし。
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第2【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし。
第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
該当事項なし。
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし。
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
注記(1) 本書中、「豪ドル」または「ドル」と表示された金額はすべてオーストラリア・ドル、また
「米ドル」はすべてアメリカ合衆国ドルを意味する。
株式会社三菱UFJ銀行が発表した2019年12月20日現在の豪ドルおよび米ドルの東京外国為替
市場における対顧客電信直物売買相場の仲値は、それぞれ1豪ドル=75.45円および1米ドル
=109.43円である。
(2) クイーンズランド州財務公社、クイーンズランド州およびオーストラリア連邦の会計年度
は7月1日から翌年6月30日までである。本書中、2019年6月30日に終了する会計年度は
「2018/19年」または「2018年-19年」と表示し、他の会計年度も同様に表示する。2018年
12月31日に終了する暦年は「2018年」と表示し、他の暦年も同様に表示する。
(3) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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(1) 【設立】
(1 )設立年月日、設立の目的および根拠ならびに沿革
クイーンズランド州財務公社(以下「QTC」という。) は、1988年7月1日に、クイーンズランド州の中
央借入機関であったクイーンズランド州政府開発公社の後継の機関として設立された。しかしながら、
QTCの業務範囲は1988年クイーンズランド州財務公社法(以下「公社法」という。)に従って拡大した。
公社法に基づいてQTCは資本市場事業に関する継続的な戦略を決定し実行するため、クイーンズランド
州財務公社資本市場理事会(1991年8月29日設立)(以下「理事会」という。)を設立した。
公社法に定められたQTCの目的は以下のとおりである。
( イ)公法人(公社法において定義される。)およびクイーンズランド州(以下「クイーンズランド州」
または「州」という。)に対し金融資源および金融サービスを提供するための金融機関として行為す
ること
( ロ)QTC、公法人およびクイーンズランド州の財政状態を強化すること
( ハ)QTCが以下のいずれかの目的を持つと認める金融その他の取決めを締結し、遂行すること
( ⅰ)クイーンズランド州の財政的利益の増進
( ⅱ)クイーンズランド州またはその一部の開発
( ⅲ)クイーンズランド州の居住者もしくはその集団またはクイーンズランド州と関連を現に有しもし
くは将来有する見込みのある者もしくはその集団の利益となること
上記の目的を達するべく、公社法はさらにQTCの機能を以下のように定めている。
( イ)クイーンズランド州自体、その公法人またはその他の者のために、オーストラリア連邦(以下「オー
ストラリア連邦」、「オーストラリア」または「連邦」という。)もしくは他の地域において借入、融
資を受けること
( ロ)金員の貸付もしくはその他の方法で資金の調達をすること
( ハ)州の公法人のための中央借入・資金調達機関として行為すること
( ニ)公法人の代理として、金融の取決めの交渉、締結および履行を行うこと
( ホ)州財務大臣、公法人その他の者の資金の運用の手段を提供すること
( ヘ)QTCの金融に関する権利および義務を管理することもしくは管理させること
QTC は、州の中央金融機関として、地方自治体を含めたクイーンズランド州の各種公法人の行うインフ
ラストラクチャー事業の資金を供給するために、オーストラリアおよび海外の資本市場において資金調
達を行う。
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(2 )法的地位および特別権限
QTC は、公社法に従って設立された。同法の下、QTCの前身であるクイーンズランド州政府開発公社は
現在「クイーンズランド州財務公社」と名称を変えて存続している。
公社法の規定により、州財務次官が「クイーンズランド州財務公社」の名称と形体を有する単独法人
を構成するとされ、またこの名称と形体の下で永続的な地位と公印を有するとされている。QTCは女王を
代表し、また公社法の規定に従って、女王の有するすべての権限、特権、権利および救済権を享有し、
これらを行使することができる。
公社法第15条の規定により、QTCの利益は統合基金に帰属しQTCのすべての損失は同基金の負担とな
る。
(3 )保証条項
公社法第32条は、QTCの発行するすべての記名式債券は州財務大臣により保証される旨規定している。
QTCの国内豪ドル債券は記名債であり、したがって、同法第32条の保証の適用を受ける。
QTC の他の債務については、公社法第33条は、州総督の承認を得て州財務大臣がこれを保証することが
できる旨規定している。現在まで、QTCのすべての海外におけるミディアム・ターム・ノートの発行およ
び債券の発行ならびにコマーシャル・ペーパー・プログラムは州財務大臣により保証されている。QTCの
行うスワップ、オプション、先物取引および外国為替取引のような金融取引については、現在までのと
ころ州財務大臣は保証していない。
2010 年10月10日以来、ISDA協約に基づいてQTCから相手方に対して法律上支払われるすべての金額は、
公社法第33条に従って発行された保証書に従って、すべて州財務大臣により保証される。
公社法第32条または第33条に基づいてなされる保証に従って州財務大臣によって支払われるすべての
金額は、クイーンズランド州政府の整理公債基金の勘定とされ、かかる基金からの支払は適宜充当され
る。
(4 )日本との関係
なし。
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(2) 【資本構成】
次の表は、2017年期末、2018年期末および2019年期末現在のQTCキャピタル・マーケット業務の資本構
成を示すものである。
(単位:千豪ドル)
2017年期末 2018年期末 2019年期末
負債:
国内における借入金 95,624,681 94,346,327 100,099,099
海外からの借入金 2,838,301 2,186,122 1,913,573
175,192 95,210 (108,883)
デリバティブ
金融負債合計 98,638,174 96,627,659 101,903,789
資本:
資本合計 339,601 433,933 509,856
98,977,775 97,061,592 102,413,645
州の公的行政機関であるQTCは、株式資本を有しない。
上記表内の数値は、長期資産セグメントを含まない((4)「業務の概況 - その他の金融サービス 」を参
照のこと。)。
(3) 【組織】
前記のとおり、クイーンズランド州財務次官は「クイーンズランド州財務公社」の名称と形体の下に単
独法人として構成される。現在のクイーンズランド州財務次官はフランキー・キャロル氏である。
QTC の権限、機能および義務は以下2つの理事会に委任されている。
・一定の退職年金および長期資産に関するものを除く、QTCのすべての業務を運営するクイーンズランド
州財務公社資本市場理事会
・2008年7月に設立され、クイーンズランド州政府からQTCに委託された一定の退職年金およびその他の
長期資産に関する助言を行う州投資諮問委員会(旧長期資産諮問委員会)((4)「業務の概況 - その他の
金融サービス 」を参照のこと。)
理事会は、以下6人の役員により構成されている。
・ジェラルド・ブラッドリー氏(理事長)
・ジム・ステニング氏
・アン・パーキン氏
・トニアン・ダウヤー氏
・カレン・スミス-ポメロイ氏
・ナヴィレ・イデ氏
理事会構成員は、公社法第10条第(2)項に基づき、州財務大臣による推薦および州財務次官との協議のう
え、理事会構成員各自の適格性、経験、技能、戦略的能力ならびにQTCの業績および企業目標の達成への貢
献に対する取組みを考慮し、州総督により任命される。州総督はいつでも構成員のすべてまたはいずれか
を解任することができる。
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理事会は州財務次官に対して責任を有する。構成員は少なくとも年に9回、または必要とされた場合に集
会を開く。理事会は、以下のものを含む理事会の職務および機能を定めた書面による憲章を有している。
・管理および説明責任の各システムを含むQTCの業務の監視
・QTCの戦略的方向性および重要企業戦略目標の承認
・重要政策および企業業績目標の承認
・運営が見込まれる経営の中でのリスク選好の設定
・経営陣により提案された年間予算の承認
・市場および出資者への財務およびその他の報告の承認
・報酬枠組みの承認
・合意結果に対する財務、経営および企業業績の監視
・適切な資源の入手可否についての査定を含むQTCの経営状況ならびに戦略および政策の遂行の監視およ
び評価
・リスク管理制度ならびに内部コンプライアンスおよび統制の検討および監視
・関連するすべての法律、税金および規制義務の実施状況の監視
・最高経営責任者の任命
・経営管理開発および後継者育成の監督
日常業務およびQTCの経営に対する責務は、最高経営責任者理事会および経営チームに委任されている。
最高経営責任者は、フィリップ・ノーブル氏である。
最高経営責任者は理事会により任命され、経営陣は最高経営責任者が選出する。
2019 年6月30日現在、QTCの正規職員数は約192名である。
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(4) 【業務の概況】
(1)業務
QTC は州全体の業績に重点を置いており、クイーンズランド州およびその公共部門機関(地方自治体を
含む。)に対し、広範な金融サービスを提供している。QTCは、以下の方法により顧客(以下に定義され
る。)を支援している。
・最も費用対効果の高く、また流動性リスクおよび借換リスクを最小に抑える方法で資金を国内およ
び海外市場から借入することによる負債の調達および管理
・オーバーナイト・ファシリティおよび期限付きファシリティならびに管理されたキャッシュ・ファ
ンドを提供する保守的なリスク管理の枠組み内での、顧客の余剰資金残高の有効活用
・広範な金融リスク管理助言サービスの提供
借入、貸付および負債管理
QTC は様々な債券を発行することによって国内外の資本市場から資金の借入を行い、また、かかる資金
は政府の業務部門、国有企業、地方自治体および公法人(以下「政府機関」または「顧客」という。)
を含む様々な政府機関に対して貸し付けられるのが主である。
QTC は費用対効果に優れた資金を供給するために、コマーシャル・ペーパー、ミディアム・ターム・
ノートおよび公債に係る資金調達ファシリティの基盤を世界規模で確立してきた。2019年6月30日現在、
QTCの合計借入額は 89.957 十億ドルであった 。この額は、2019年6月30日時点での為替レートの使用を基
準として 1.687 十億ドルに相当する 海外の資金調達プログラムのもとで発行された債券を含む。外貨借入
金はクロス通貨スワップ取引および為替予約により、すべて豪ドルに変換された。
QTC の借入および貸付機能は分離されている。これにより、QTCは秩序だって市場における借入を行う
ことができ、同時に、政府機関から資金調達の要求を受けた際、多額の借入を行うことによるQTCの利率
に対して起こりうるマイナス影響が低減される。
借入余剰金はQTCの借換リスク、顧客の金利リスク、およびQTCの流動性リスクを管理するために保有
される。QTCの有する高レベルの流動性を確保するため、かかる余剰金は、信用度の高い取引先に対して
行われる流動性の高い投資と共に、資金調達プールに保有される。
2019 年6月30日現在、QTCの顧客に対する貸付金は合計87.130十億ドル(市場価格)であり、そのうち
27.666十億ドルは、州政府保有法人に対するものであった。
QTC の貸付および負債管理の一環として、QTCは政府機関が資金調達に利用可能なデット・プロダクツ
を確立した。
QTC の負債の管理における戦略は、概して、資金調達のコストを下げることによって顧客のために価値
を創造すること、ならびに債券発行における規模の経済および顧客債務の優れた管理を通して、金融リ
スク管理を改善することである。
QTC は、すべてのポートフォリオ管理活動を承認された方針の中で行っており、リスク管理および法令
遵守の厳格な監視のためのシステムが設定されている。
短・中期投資
QTC は顧客に対し、オーバーナイト・ファシリティ、管理された短期ファンド(キャッシュ・ファン
ド)および固定金利預入れを含む、投資によるソリューションを提供している。
QTC のキャッシュ・ファンドは、ブルームバーグのオーストラリア債券バンク・ビル・インデックスに
基づき、平均ベンチマーク期間がおよそ45日間の豪ドル建短中期資本保証キャッシュ・ファンドを管理
している。キャッシュ・ファンドは、顧客の一時的な余剰資金を用いて、短期金融資産およびターム資
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産証券のポートフォリオに投資し、次の目的を達すべく運用される。即ち、(ⅰ)短期金融資産および
ターム資産証券(典型的には5年未満の間)から得られる利回りを最大にし、それらの資産を、許容でき
る 市場リスクおよび信用リスクの範囲で運用し、(ⅱ)顧客の需要を充たすよう十分な流動性を維持する
ことである。
その他の金融サービス
QTC は、顧客に対し以下のとおり広範な金融リスク管理助言サービスを提供している。
・金融リスクが特定され、また効果的に管理されていることを保証するためのサポート
・財務および商業に関する考慮事項への助言
・金融取引および金融構造に関する専門知識
・重要なプロジェクトの結果を実現するためのプロジェクト管理サポート
・金融市場および民間機関との連携
QTC はまた、行政上の協定に基づき、 クイーンズランド州政府 から譲渡された資産ポートフォリオを保
有する。かかる資産は資産ポートフォリオ(長期資産)セグメントに属する投資であり、保険や長期勤
続休暇など州の退職年金およびその他の長期債務の資金をまかなうために蓄積されていた。これと引き
換えに、QTCは固定利付債券を発行した。その結果、州がかかる債券の固定金利による収益を受領する一
方、QTCは価格の変動による影響および資産ポートフォリオの対価を受けることになる。
州投資諮問委員会(旧長期資産諮問委員会)は、QTCの日々のキャピタル・マーケット業務に含まれて
いない長期資産の監督に責任を負っている。長期資産は、QICリミテッドにより管理されるユニット・ト
ラストで保有されている。
この協定に基づく2019年6月30日現在の資産の市場価値は合計 29.346 十 億豪ドルに達し、金融負債 の市
場価格29.346十 億豪ドルと一致した。
公社法第15条の規定により、QTCの利益はクイーンズランド州の統合基金に帰属し、QTCのすべての損
失は同基金の負担となる。
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(2 )QTCによる借入
次の表は、2017年期末、2018年期末および2019年期末現在のQTCの借入総額を示すものである。
(単位:百万豪ドル)
2017年期末 2018年期末 2019年期末
種類
(1)
4,471 4,245 5,010
国内コマーシャル・ペーパー
(2)
91,153 90,101 95,090
国内における借入
(3)
922 1,165 676
海外コマーシャル・ペーパー
(3)
1,917 1,021 1,237
海外からの借入
合計 98,463 96,532 102,013
(1) 時価。
(2) 時価。各種公的機関による借入で、現在QTCにより管理、返済されているものを含む。
(3) 時価。現行の為替レートで換算したものである。
上記の金額は、政府機関に対して貸付けられているか、満期間近の負債にかかるQTCの借換の必要性を
充たすため、もしくは政府機関の資金調達の必要性を充たすために投資、保有されているか、または、
ポートフォリオ管理の目的で保有されている。
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(5) 【経理の状況】
以下のページに記載されているのはQTCの財務書類である。QTCの財務計算に関する書類は発生主義によ
り作成されている。すべての金融資産および金融負債は時価で評価されている。財務書類は、2009年財務
執行責任法およびオーストラリア会計審議会の採用するオーストラリア会計基準に従い作成されている。
財務書類はオーストラリア会計基準および国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に適合している。
QTCは非営利法人指定を受けているが、営利法人同様IFRSの基準を遵守することとしている。
包括的利益計算書
(2019 年6月30日に終了した会計年度)
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
注記
キャピタル・マーケット業務
損益を通じて公正価格により評価される金融
商品にかかる純利益/(損失)
金融資産にかかる利益 3 8,806,820 3,333,057
金融負債にかかる損失 3 (8,677,303) (3,239,917)
129,517 93,140
その他の収入
手数料収入 78,061 82,915
リース収益 253 27,494
1,398 -
工場および機械の処分にかかる利益 7
79,712 110,409
費用
一般管理費 ▶ (74,328) (73,734)
リース資産の減価償却 7 (113) (21,282)
- (243)
工場および機械の処分にかかる損失
(74,441) (95,259)
所得税支払前のキャピタル・マーケット業務
134,788 108,290
からの利益
所得税の支払 5 (8,865) (13,958)
所得税支払後のキャピタル・マーケット業務
125,923 94,332
からの利益
長期資産
長期資産への投資からの純利益
ユニット・トラストの公正価格の純変動 1,666,822 2,000,286
固定利付債券の利息 (1,879,573) (2,095,376)
固定利付債券の公正価値の純変動 311,415 -
(98,664) (98,608)
管理手数料
長期資産からの利益/(損失) - (193,698)
課税後の当期純利益/(損失)合計 125,923 (99,366)
資産保持者に帰属する包括的利益/(損失)
125,923 (99,366)
合計
包括的利益/(損失)合計の構成:
キャピタル・マーケット業務 125,923 94,332
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長期資産 - (193,698)
包括的利益/(損失)合計 125,923 (99,366)
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
(注)財務書類においては、QTCの中央金融機関としての主要な財務管理の役割と州の退職年金その他長期資産の移行
後の付随的役割を区別するため、キャピタル・マーケット業務と長期資産業務を別個に表示している(注記1参
照)。
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貸借対照表
( 2019 年 6 月 30 日現在 )
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
注記
資産-キャピタル・マーケット業務
現金および現金同等物 6 1,577,139 640,668
受取債権 6,709 7,484
売却目的で保有する資産 7 49 59,385
損益を通じて公正価格により評価される金融資産 8 21,175,900 20,528,480
デリバティブ金融資産 9 289,989 130,115
貸付金 10 87,129,775 81,951,783
有形固定資産 14 3,942 4,585
無形資産 14,968 17,051
4,524 4,695
繰延税金資産
110,202,995 103,344,246
資産-長期資産
29,345,910 30,487,950
損益を通じて公正価格により評価される金融資産 16
29,345,910 30,487,950
資産合計 139,548,905 133,832,196
負債-キャピタル・マーケット業務
支払債務 24,331 29,551
デリバティブ金融負債 9 398,872 95,210
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
-利付債務 11(a) 102,012,672 96,532,449
-預金 11(b) 7,183,040 6,213,544
74,224 39,559
その他の負債
109,693,139 102,910,313
負債-長期資産
損益を通じて公正価値により評価される金融負債 16 29,345,910 -
- 29,766,334
償却後原価により評価される金融負債 16
29,345,910 29,766,334
負債合計 139,039,049 132,676,647
(1)
509,856 1,155,549
純資産
資本-キャピタル・マーケット業務
509,856 433,933
留保利益
509,856 433,933
資本-長期資産
- 721,616
留保利益
- 721,616
資本合計 509,856 1,155,549
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添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
(1) 会計方針の変更(注記2(a)参照)により、長期資産セグメントの純資産がゼロのため、当年度の純資産の項目は
キャピタル・マーケット業務セグメントの純資産を表している。長期資産セグメントの負債は、現在公正価値に
より評価されており、これまで存在していた資産および負債の間の会計上の不一致を解消している。その結果、
長期資産セグメントは、QTCの純資産の項目に寄与しなくなる。
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資本変動表
(2019 年6月30日に終了した会計年度)
(単位:千ドル)
キャピタル・
注記
長期資産
マーケット業務
留保利益 留保利益 資本合計
2017/18年期首現在 339,601 915,314 1,254,915
94,332 (193,698) (99,366)
当期利益
2017/18年期末現在 433,933 721,616 1,155,549
2018/19年期首現在 433,933 721,616 1,155,549
会計方針の変更による影響純
2(a) - (721,616) (721,616)
額
当期利益 125,923 - 125,923
所有者との取引:
(50,000) - (50,000)
引き当てられたまたは支払わ 24
れた配当金
2018/19年期末現在 509,856 - 509,856
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
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資金収支表
(2019 年6月30日に終了した会計年度)
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
注記
キャピタル・マーケット業務
営業活動により得られた資金
貸付からの受取利息 3,338,472 3,499,874
投資資産およびその他源泉からの受取利息 752,084 689,971
受取手数料 78,059 87,494
物品・サービス税純額 (463) (25)
利付債務にかかる支払利息 (4,304,482) (4,257,305)
預金の支払利息 (169,947) (192,704)
一般管理費 (70,375) (77,444)
(15,944) (13,538)
所得税の支払
営業活動に使用された資金純額 15(a) (392,596) (263,677)
投資活動により得られた資金
投資資産の売却による手取金額 48,862,702 48,538,404
投資資産に関する支払 (49,456,035) (49,831,212)
顧客への貸付金純額 (535,943) 2,326,299
無形資産売却からの手取金額/(無形資産に関する支払) (8) 46
有形固定資産売却からの手取金額 60,621 11,189
(29) (1,074)
有形固定資産に関する支払
投資活動により(使用された)/得られた資金純額 (1,068,692) 1,043,652
金融活動により得られた資金
利付債務からの手取金額 54,086,609 53,165,066
利付債務の返済 (52,608,312) (53,762,986)
顧客預金純額 969,462 (1,166,155)
(50,000) (500,000)
配当の支払
金融活動により得られた/(使用された)資金純額 15(b) 2,397,759 (2,264,075)
現金および現金同等物の純増加/(減少)額 936,471 (1,484,100)
期首現在の現金および現金同等物 640,668 2,124,768
期末現在の現金および現金同等物 6 1,577,139 640,668
長期資産
長期資産業務により生じた対外資金変動はない(注記1参照)。
添付の注記はこれらの財務書類の一部を構成する。
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2019 年6月30日に終了した会計年度の財務書類の注記
1 一般情報
QTCは、公社法に基づき、同法第5条(2)項に従って単独法人として指名される財務次官により構成され
る。QTCは、オーストラリア連邦クイーンズランド州に本拠地を置き、その主たる事業所はクイーンズラン
ド州ブリスベン市イーグル・ストリート111番地に所在する。QTCの親事業体は、クイーンズランド州であ
る。
キャピタル・マーケット業務
QTCは、クイーンズランド州政府の中央財政当局である。また、QTCは、州(公共部門機関)、地方自治
体および大学に対し、広範な金融サービスを提供している。QTCのキャピタル・マーケット業務には、負債
によるファンディング、現金管理、金融リスク管理についての助言サービスおよび専門家公共財政教育が
含まれる。
これらのサービスは、QTCが貸付の際にその資金のコストに見合った利率で、負債管理の利益およびコス
トの双方をクイーンズランド州財務省に転嫁することによって、原価回収基準で提供される。QTCは、資産
管理のリターンをQTCの顧客に還元し、資産の売却または満期到来まで貸借対照表上のクレジット・スプ
レッドの変動に関連する未実現損益を保有する。
QTCのキャピタル・マーケット業務はまた、損益を生み、その多くは資本および流動性の目的のために
QTCが保有する金融市場商品による純利益を反映している。QTCはこれらの業務を行うにあたり、自己資本
政策を考慮し、そのリスクを管理するため、十分な資本を維持している。
長期資産
QTCは、クイーンズランド州政府がQTCに譲渡した資産ポートフォリオを保有している。これらの資産
は、州の退職年金およびその他の長期債務の資金をまかなうために保有されている。長期資産は、QICリミ
テッド(以下「QIC」という。)により管理されるユニット・トラストによって保有されている。これと引
き換えに、QTCは、債券の帳簿価額の6.5%(2018年度は7.0%)の州の固定利付債券を発行している。固定
利付債券と長期資産との直接の関係を認識すると、固定利付債券についてQTCが支払うリターンおよび長期
資産についてQTCが受け取るリターンの差異は、財務書類上、毎年市場価格の調整として計上される。
2018/19年において、長期資産諮問委員会(以下「LTAAB」という。)は、QTCの日々のキャピタル・
マーケット業務に含まれていない長期資産の管理に責任を負っていた。2018/19年より後の期間における
LTAABの構成については、注記25を参照のこと。
2 重要な会計方針およびその他の説明情報
財務報告書の作成において採用された主要な会計方針は、下記および関係する財務書類の注記に記載さ
れる。
(a) 作成基盤
2019年6月30日に終了した会計年度の汎用財務書類は、オーストラリア会計基準(以下「AASB」とい
う。)およびオーストラリア会計審議会によって採用された解釈、2009年金融説明責任法、2009年財政
および業績管理基準ならびにクイーンズランド州政府機関財務報告要件(法定組織に適用あるもの)に
従い作成された。
IFRS の遵守
QTCの財務書類は、国際会計基準審議会 が公表したIFRSに適合している。QTCは、営利法人と同様に
IFRSの要件を遵守することとしている。
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会計方針、開示、基準および解釈指針の変更
新しい会計基準
当該会計年度に有効であるすべての新しいまたは改訂された会計基準は、キャピタル・マーケット業
務セグメントおよび長期資産セグメントの両方において採用された。
QTCは当年度において、AASB第15号(顧客との契約から生じる収益)およびAASB第9号(金融商品)
(これはAASB第139号(金融商品:計上および評価)に代わるものである。)を初度適用した。
キャピタル・マーケット業務
AASB第15号(顧客との契約から生じる収益) - AASB第15号は、収益計上の金額および時期を決定する
際に事業体が適用すべき原則を規定している。AASB第15号は、AASB第9号(金融商品)の規定が適用され
る金融商品からの収益を、明確に除外している。QTCは、貸付金、現金管理サービスおよび保証の提供な
らびに顧客への助言の提供による手数料収入についてはAASB第15号の規定を適用している。AASB第15号
において、手数料収入は、顧客の指令により、顧問契約上の履行義務に応じた期間にわたって計上され
る。これは、QTCが従前の会計基準の規定に従って適用していた収益計上と一致している。
AASB第9号(金融商品) - AASB第9号に基づき、QTCは引き続き、QTCのキャピタル・マーケット業務の
金融商品の大部分を、損益を通じた公正価格(以下「FVTPL」という。)により測定している。その他の
金融資産(受取債権など)は、引き続き償却後原価で測定される。FVTPLにより測定されない資産につい
ては、AASB第9号において、事業体は、各報告期間末時点で当該金融資産が減損しているか否かを判定し
なければならない。
AASB第9号は、金融資産に係る減損損失の決定に関して、新しい「予想信用損失(以下「ECL」とい
う。)」モデルを導入しており、これによって損失を従来の基準よりも早期に計上する。貸倒引当金
は、当初の計上時および当該金融資産の残存期間にわたり、全期間のECLに相当する額により測定する。
QTCにとって、ECLモデルの適用は、重要な財務要素を含まない売掛債権または契約資産の価値を評価
する場合にのみ関係する。QTCは、クイーンズランド州政府の財務政策に概ね沿ったECLモデルを採用
し、これを各報告期間末現在の延滞債務者に適用している(注記2(l)参照)。
長期資産
AASB第9号(金融商品) - AASB第9号の適用により、長期資産セグメントの金融資産の変動について損
益を通じて公正価格により測定するという現行の運用は変更されない。
しかしながら、QTCは、AASB第9号の採用にあたり、固定利付債券についてはFVTPLで測定する金融負債
に指定することを選択した。従来、固定利付債券は償却後原価で測定されていた。
固定利付債券につきFVTPLで測定する金融負債への指定は、長期資産セグメントにおいて金融資産の価
値と金融負債の価値との間で従来生じていた会計上のミスマッチを解消または大幅に軽減するために行
われた。これは、固定利付債券と長期資産の関係性を考慮すると、固定利付債券の価値を報告するため
のより適切な基準であると考えられる(注記16参照)。
AASB第9号の経過規定を適用するにあたり、比較情報の修正再表示は行っていない。ただし、2018年7
月1日現在、固定利付債券の償却後原価と公正価格の差額について、留保利益の調整を行っている。
下記の表は、長期資産セグメントへのAASB第9号の初度適用に際して行われた修正を示している。
AASB第139号 AASB第9号
AASB第139号 AASB第9号
留保利益
に基づく に基づく
に基づく に基づく
調整額
当初の帳簿価額 新たな帳簿価額
(単位:千ドル)
当初の分類 新たな分類
(単位:千ドル) (単位:千ドル)
金融資産
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ユニット・トラストおよび
30,487,950 30,487,950 -
その他の持ち分への投資- FVTPL FVTPL
QIC
金融資産合計 30,487,950 30,487,950 -
金融負債
29,766,334 30,487,950 721,616
固定利付債券 償却後原価 FVTPL
金融負債合計 29,766,334 30,487,950 721,616
未採用の基準および解釈指針
特定の新しい会計基準が公表されたが、今報告期間には強制適用されない。これらの基準は、2019年1
月1日以降に開始する年次報告期間から強制適用される。QTCにおいて、かかる会計年度は2019/20年で
ある。これらの基準および解釈指針の重大な変更による影響についてのQTCの評価は以下のとおりであ
る。
下記のものを除き、公表されているものの未だ効力が発生していないオーストラリア会計基準および
解釈指針の採用は、QTCの財務書類に重大な影響を及ぼすことはないと予測される。しかしながらかかる
会計基準および解釈指針により、現在の情報開示方法が若干変更される可能性がある。
AASB第16号(リース) - AASB第16号は、2019年1月1日以降に開始する会計年度から適用される。この
新基準は、賃借人側の会計処理を変更し、その結果貸借対照表におけるほぼすべてのリースが計上され
ることになる。かかる基準は、賃借人に関して、資産を使用する権利および将来のリース契約の現在価
値にかかる負債の計上を要求する。このことにより、QTCの現在のイーグル・ストリート111番地におけ
る主たる事業所のリースおよび駐車場のリースが貸借対照表に計上されることになる。貸借対照表に追
加される現行のリース契約の現在価値は、(資産としておよび負債としての両方で)11.7百万ドルであ
る。QTCが賃貸人となっているリースに関しては、本基準はほぼ変更がなく、QTCは、オペレーティン
グ・リースとファイナンス・リースとの区別を継続することになる。
AASB第16号では、既存のオペレーティング・リースについて(完全遡及適用アプローチよりもむし
ろ)累積的アプローチによる計上を認めている。QTCは、累積的アプローチを採用することを選択してお
り、すなわち比較情報の修正再表示を行う必要がない。ただし、本基準の初度適用による影響額は、初
度適用日現在の留保利益の期首残高の調整額として計上される。
評価基準
本財務書類は、別段の記載がある場合を除き、資産および負債の公正価格評価に基づき作成されてい
る。公正価格は、取引を行う十分な知識および意思を有する独立当事者間において資産が交換されまた
は負債が決済される価格をいう。
機能通貨および表示通貨
財務書類は、QTCの機能通貨である豪ドルによって表示される。
資産および負債の分類
貸借対照表は、流動性基準により表示されている。資産および負債は、流動性の高い順で表示されて
おり、流動および固定の区別はされていない。
(b) 外貨
外貨取引は、まず当該取引日に適用される為替レートで豪ドルに換算される。決算日に、外貨により
QTCが受取りまたは支払う額は、利率および経過利息を考慮に入れ、決算日現在の為替レートを使って評
価されている。為替差損益は包括的利益計算書に計上されている。
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(c) 担保
QTCは、合意された市場上限に従って担保の提供を要求するカウンターパーティと様々な取引を行って
いる。かかる上限を超えれば、QTCは、取引を担保するためにカウンターパーティに対し資産を担保に供
することが必要となるかまたはカウンターパーティから資産を担保に受けられることもある。担保とし
て提供または受領された資産は主に現金の形による。
(d) 金融資産および金融負債
金融資産は、当初の計上時に損益を通じて公正価格で分類され、以下を含む。
・現金および現金同等物
・損益を通じて公正価格により評価される金融資産
・金融派生商品
・貸付金
金融負債は、損益を通じて公正価格で評価され、以下を含む。
・利付債務
・預金
金融資産および金融負債は、貸借対照表上、金融商品の契約規定の当事者にQTCがなった時点、すなわ
ち取引の決済日に計上される。金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローについての契約上の権
利が期間満了したかまたは譲渡されかつQTCの支配下になくなった時点で、その計上が廃止される。金融
負債は、契約に規定される義務が終了したか、取り消されたかまたは期間満了した時点で、貸借対照表
上から抹消される。
金融資産および金融負債は、損益を通じて公正価格により評価され、公正価格は、利用可能であれ
ば、公表される市場の出口価格を参照する。市場価格が利用可能でない場合には、公正価格は、プライ
シングモデルまたは他の広く認められている評価技法に基づいて見積もられる。
QTCは、取引される金融商品の公正価格を決定する基盤として、リスクポジションを相殺する中間市場
価格を使用する。一般に、金利および外国為替リスクを管理するために使用される金融デリバティブを
伴う借入資金のリスクの性質は、貸し付けられる資金のそれと緊密に一致する。他のすべてのケースで
は、重要な場合には、売値-買値のスプレッドが適用される。
損益を通じて公正価格により評価される金融資産および金融負債にかかる利益および損失は、包括的
利益計算書において計上される。
(e) 金融商品の相殺
QTCは、法的強制力のある相殺権があり、純額ベースで決済するかまたは資産を実現し同時に負債を決
済する意図がある場合に、金融資産と金融負債を相殺する(注記12(c)(iv)参照)。
(f) 買い戻し合意
買い戻し合意の下で売却された有価証券は、損益を通じて公正価格により評価される金融資産カテゴ
リーの中で保有され、一方買い戻し債務は、損益を通じて公正価格により評価される金融負債として開
示される。
(g) リース収入
QTCが貸主であるオペレーティング・リースから得られるリース収入は、リース期間にわたり定額法で
収益として計上される。
(h) 手数料収入
手数料収入は、以下を含む。
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・QTCの貸付および預り金の管理から得られる収入を意味する、管理手数料収入は、顧客の指令に従い
サービスが提供されたときに後から計上される。
・経済的利益がQTCに流入し、確実に評価できる可能性が高い範囲で、サービスの提供される期間にお
いて計上される報酬。
・金融保証にかかる収益は、開始時および契約期間にわたり継続的に計上される。金融保証にかかる
債務不履行の可能性は保証委託により極めて低いため、受取収益は公正価格を反映している。
(i) 損益
州総督が別に定める場合を除き、 公社法は、すべての利益を州の統合基金の利益とし、すべての損失
を州の統合基金の負担とすることを要求している。 州の統合基金への利益の還元は、配当の形で実行さ
れ、配当は、QTCの資本要件を考慮した上で理事会の承認に従って提供される。
(j) 受取債権
受取債権は、報告日においてその公正価値に近似する償却後原価により測定される。売掛金は、販売
時またはサービス提供時の金額、すなわち合意された購入価格/契約価格により計上される。その他の
債権は、一般に企業の通常の営業活動以外の取引から発生し、売掛金と同様の条件により評価額で計上
される。
(k) 無形固定資産
コンピュータ・ソフトウェアライセンスの取得にかかる費用および特定ソフトウェアの開発にかかる
費用は、資産勘定に計上される。これらの資産は、通常3年から10年の予想利益期間において定額法で償
却される。
(l) 減損
受取債権 :売掛金およびその他の債権に対する貸倒引当金は、全期間の予想信用損失を反映し、合理
的で裏付けのある予測情報を組み入れている。QTCの債務者に影響を及ぼす経済的変化および関連する業
界データは、QTCの減損評価の一部を構成する。クイーンズランド州政府機関またはオーストラリア政府
機関に対する受取債権については、その重要性に基づき貸倒引当金を計上していない。
債務者の未払金を回収する合理的な見込みがない場合には、債務は貸倒引当金に対する受取債権を直
接減額することにより償却される。償却された債務額が貸倒引当金を超過した場合、超過額は減損損失
として計上される。
非金融資産 :非金融資産の帳簿価額は、各々の報告日付または減損の兆候が生じた際に見直される。
減損の兆候がある場合、その資産の回収可能価額が決定される。資産の帳簿価額が回収可能価額を超え
る額は、減損損失として計上される。資産の回収可能価額は、資産の公正価格から処分コストを控除し
た額または使用価値のいずれか高い方として決定される。
(m) 従業員の手当
過去の役務の対価として既存もしくは生成中の債務が存在する場合には、給与、退職年金、年次休
暇、長期勤続休暇および短期インセンティブ(以下に定義される。)を含む従業員の手当が負債として
計上される。この負債は、債務を確実に評価できることを前提とした給付見込額が基準となる。この金
額は、翌12ヶ月以内に支払われる場合には、割引前の基準で評価される。長期勤続休暇等、支払日が
12ヶ月を超えることが見込まれる金額については、将来の給付増加が予想され、オーストラリア政府債
利回りを使用して割引がなされる。病気休暇は給付が確定したものではないので、取得された際に、費
用が病気休暇について計上される。
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(n) 端数整理
金額は、別段の記載がある場合を除き、千ドル未満を四捨五入している。
(o) 比較される数値
前年の比較される数値に重要な調整は行われていない。
(p) 判断および予測
財務書類の作成には、会計上の見積もりの使用を要する。見積もりおよび潜在価値の推定は、継続的
に見直しが行われる。会計上の見積もりの修正は、見積もりが修正される期間および将来において影響
を受ける期間において認められている。より高度な判断または複雑性を内包する領域、または財務書類
にとって仮定または見積もりが重要となる場合がある分野は以下のとおりである。
金融資産および金融負債の公正価格
金融資産および金融負債(デリバティブを含む。)は、入手可能な市場価格の見積もりを参照するこ
とにより公正価格が算出される。活発な市場では取引されない金融商品の公正価格は、類似した商品の
市場の見積もりを参照するか、または評価技術を使用して決定される。評価技術は、スワップ・カーブ
またはカウンターパーティーの信用度の変化に応じて調整される類似商品に対するカウンターパー
ティーの信用スプレッドへ、売買マージンを適用することができる。マージンは、商品につき取引が活
発ではない場合、当初の購入マージンに基づいて適用することができる。
活発な市場の見積もりが入手不可能な場合、評価または推定方法の選択が必要となる場合がある(注
記13および18参照)。
クイーンズランド・トレジャリー・ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッド(QTH)への
出資
クイーンズランド州財務省は、QTHの60%の実質持分および議決権の76%を有している。残りの40%の
実質持分および24%の議決権は、QTCが保有している。QTCは、QTHに対する投資につき、事業体、エクス
ポージャーもしくは変動リターンに対する権利またはかかるリターンに影響を及ぼす権利に対して支配
または重大な影響を有さないため、持分法を適用していない。クイーンズランド州財務省は、重要な取
引を支配し、QTHのすべてのリスクを負いかつ利益を享受し、したがって、QTHはクイーンズランド州財
務省の財務書類に連結されている。
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3 損益を通じて公正価格により評価される金融商品にかかる純利益/(損失)
会計方針
損益を通じて公正価格により評価される金融資産および金融負債にかかる利益および損失は、以下の項
目から構成される。
・発生主義で計上される純受取利息および純支払利息
・決済日に計上される投資対象の売却および借入の期限前弁済による市場金利の変動から生じる純実現
損益
・投資、一定の貸付および借入による市場金利の変動から生じる純未実現損益
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
損益を通じて公正価格により評価される金融資産にかかる純利益
現金および現金同等物 12,866 13,255
損益を通じて公正価格により評価される金融資産 780,530 487,326
デリバティブ 67,997 127,260
7,945,427 2,705,216
貸付金
8,806,820 3,333,057
損益を通じて公正価格により評価される金融負債にかかる純損失
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
-短期 (167,142) (156,987)
-長期 (7,855,728) (2,739,881)
預金 (170,417) (191,600)
デリバティブ (467,602) (135,499)
(16,414) (15,950)
その他
(8,677,303) (3,239,917)
当該会計年度においては、長期利回りが下落したため、市場価格が大幅に上昇し、金融資産から生じる
受取利息および金融負債にかかる支払利息が増加した。それに対し、前会計年度においては、利回りは比
較的安定したままであったため、前会計年度の金融資産および金融負債の市場価格は緩やかに上昇した。
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▶ 一般管理費
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
給与および関係費用
41,422 38,669
退職積立金 3,450 3,395
請負 2,000 542
顧問手数料 3,917 6,837
情報およびレジストリサービス 2,972 2,773
有形固定資産の減価償却 673 973
無形固定資産の償却および減損 2,092 2,092
賃料 3,302 3,252
情報および通信技術 9,737 10,341
4,763 4,860
その他の管理費用
74,328 73,734
5 所得税費用
会計方針
QTCは、1997年所得税法(その後の改正を含む。)第50条の25に基づき所得税の支払を免除されている。
QTCは、所得税に代わる支払をクイーンズランド州政府の統合基金に対して行う。所得税負債の計算は、
QTCのキャピタル・マーケット業務によって管理される特定の活動による収入に基づいて行われる。長期資
産セグメントに、所得税は課税されない。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
当期税
8,638 15,943
227 (1,985)
繰延税金費用/(収益)
当年度計上された所得税費用合計 8,865 13,958
所得税費用および会計上の税引前利益との間の数値調整
税引前当期利益/(損失) 134,788 (85,408)
非課税ポートフォリオからの差引利益/(損失)
-キャピタル・マーケット業務 105,303 61,773
- (193,698)
-長期資産
課税ポートフォリオからの営業利益 29,485 46,517
課税ポートフォリオにかかるオーストラリアの30%税率における税金
8,846 13,955
19 3
控除できない効果額
所得税費用 8,865 13,958
6 現金および現金同等物
会計方針
現金および現金同等物は、手元現金および容易に換金可能な流動性の高い投資である要求払預金(11AM
の現金保有額)を含む。
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(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
(1)
1,577,139 42
銀行預金
- 640,626
短期金融市場預金
1,577,139 640,668
(1) 2018年8月から、銀行預金は短期ファンドに投資し、日々の流動性を向上させるために使用されている。かかる変
更は、国内のオーバーナイト11AM現物市場における運用変更のためである。
7 売却目的で保有する資産
会計方針
売却目的で保有する固定資産は、経営陣が、現状では即時に売却可能であり、今後12ヶ月以内において
これらの売却の可能性が非常に高いと判断した資産で構成されている。固定資産は売却目的で保有する資
産に分類され、帳簿価額純額で計上される。販売原価控除後のその後の公正価格の増減は、包括的利益計
算書において計上される。減価償却率は、以下のとおりである。
資産分類 減価償却率
工場および機械 10-30%
決算日において売却可能だった工場および機械の帳簿価額の調整額は、以下のとおりである。かかる調
整額は、当年度中は街路清掃車から成り、前年度中はQTCが州政府全体のリース・ファシリティのもとで地
方自治体部門会社向けにリースするバスおよびフェリーが含まれていたが、これらは2018年7月2日に売却
された。かかる取引の売却益は、1.4百万ドルであった。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
決算日現在原価
245 166,167
(196) (106,782)
減価償却および減損累計額
帳簿価額純額 49 59,385
変動
期首現在帳簿価額純額 59,385 92,101
処分 (59,223) (11,434)
(113) (21,282)
減価償却費
期末現在帳簿価額純額 49 59,385
8 損益を 通じて 公正価格により評価される金融資産
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
割引証券
6,492,812 4,948,971
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有価証券報告書
(1)
1,665,784 1,384,150
連邦証券および州発行証券
変動利付債券 8,227,251 8,245,590
定期預金 3,265,525 4,952,090
1,524,528 997,679
その他の投資
21,175,900 20,528,480
(1) QTCは自己株式の保有を維持している。かかる自己株式保有は、相殺されており、よって損益を通じて公正価格に
より評価される金融資産および金融負債より除外されている。
2019年6月30日現在、金融資産9,844.2百万ドル(2018年度は8,033.6百万ドル)が12ヶ月経過した後に満
期を迎える予定である。
9 デリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債
会計方針
すべてのデリバティブは、損益を通じて公正価格により評価され、その損益は損益計算書において計上
される。デリバティブは、貸借対照表上、公正価格が正である場合には資産に、負である場合には負債に
計上される。
QTCは、資産・負債管理の一環として、金利、為替および信用リスクへのQTCのエクスポージャーをヘッ
ジするため、金融派生商品を利用する。さらに金融派生商品は、長期変動金利または長期固定金利へのエ
クスポージャーを分散するためにも利用される。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
デリバティブ金融資産
金利スワップ 204,482 38,614
クロス通貨スワップ 70,087 31,035
外国為替契約 7,673 47,047
7,747 13,419
先物取引契約
289,989 130,115
デリバティブ金融負債
金利スワップ (355,569) (31,635)
クロス通貨スワップ (27,345) (20,104)
外国為替契約 (1,830) (2,287)
(14,128) (41,184)
先物取引契約
(398,872) (95,210)
デリバティブ(純額) (108,883) 34,905
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有価証券報告書
2019年6月30日現在、デリバティブの純負債ポジションのうち124.0百万ドル(2018年度は純資産ポジ
ションのうち15.3百万ドル)に、12ヶ月超の償還日が設定されている。
10 貸付金
会計方針
QTCは、その顧客のために借入を行い、QTCの資金のコストに見合った利率に、QTCの業務のコストをカ
バーするための一般管理費を加えて貸付を行う。
貸付金は、当初引き出された金額が計上される。当初の計上後、貸付金は、基礎となる債務ポートフォ
リオまたは固定金利貸付の場合、割引キャッシュ・フロー法のいずれかを参照し、公正価格で貸借対照表
に記載される。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
州政府部局
33,382,054 31,382,607
州政府保有法人 27,666,064 26,006,139
公法人 19,367,116 18,017,825
地方自治体 6,302,676 6,136,975
(1)
112,961 121,626
QTC関係法人
298,904 286,611
その他の法人
87,129,775 81,951,783
(1) QTC関係法人は、DBCTホールディングズ・プロプライアタリー・リミテッドを含む。
2019年6月30日現在、顧客預金4.5十億ドル(2018年度は4.6十億ドル)は、引出しファシリティに入金さ
れ、貸借対照表において貸出金額と相殺された。2019年6月30日現在、貸付金の総額は、91.6十億ドル
(2018年度は86.6十億ドル)であった。
2019年6月30日現在、返済金86,209.3百万ドル(2018年度は81,628.9百万ドル)を12ヶ月経過した後に受
領する見込みである。
11 損益を通じて公正価格により評価される金融負債
(a) 利付債務
利付債務は、主として短期政府債券、オーストラリア債券および変動利付債券から構成される。オー
ストラリア債券は、QTCの国内債券、資本指数化債券および公債を含む。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
利付債務
短期
政府債券 5,010,470 4,244,895
676,157 1,165,092
コマーシャル・ペーパー
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有価証券報告書
5,686,627 5,409,987
長期
豪ドル建て債券 91,134,633 85,766,730
変動利付債券 3,608,199 4,009,753
ミディアム・ターム・ノート 1,237,416 1,021,030
345,797 324,949
その他
96,326,045 91,122,462
利付債務合計 102,012,672 96,532,449
QTCの借入は、公社法に基づき、クイーンズランド州政府によって保証される。2019年6月30日現在、
債務証券87,886.3百万ドル(2018年度は81,328.6百万ドル)が12ヶ月超経過した後に決済される見込み
である。
外貨建て商品は完全にヘッジされるため、外国為替相場の変動による純エクスポージャーは存在しな
い。外国為替相場の変動によるQTCのエクスポージャーおよびかかるエクスポージャーをヘッジするため
に使用されるデリバティブの詳細は、注記12(a)(i)に記載されている。
金融負債の帳簿価額と、満期時に債務保有者に対し契約上支払われるべき金額の差額は次の表のとお
りである。
(単位:千ドル)
公正価格 満期時の弁済金額 差額
2018/19年期末現在
利付債務
短期
政府債券 5,010,470 5,020,000 (9,530)
676,157 677,517 (1,360)
コマーシャル・ペーパー
5,686,627 5,697,517 (10,890)
長期
豪ドル建て債券 91,134,633 79,312,983 11,821,650
変動利付債券 3,608,199 3,600,000 8,199
ミディアム・ターム・ノート 1,237,416 1,009,641 227,775
345,797 337,331 8,466
その他
96,326,045 84,259,955 12,066,090
利付債務合計 102,012,672 89,957,472 12,055,200
(単位:千ドル)
公正価格 満期時の弁済金額 差額
2017/18年期末現在
利付債務
短期
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政府債券 4,244,895 4,255,000 (10,105)
1,165,092 1,167,841 (2,749)
コマーシャル・ペーパー
5,409,987 5,422,841 (12,854)
長期
豪ドル建て債券 85,766,730 77,940,564 7,826,166
変動利付債券 4,009,753 4,000,000 9,753
ミディアム・ターム・ノート 1,021,030 964,587 56,443
324,949 323,888 1,061
その他
91,122,462 83,229,039 7,893,423
利付債務合計 96,532,449 88,651,880 7,880,569
(b) 預金
顧客預金は、QTCキャッシュ・ファンドまたはワーキング・キャピタル・ファシリティにおいて受け入
れられる。かかる預金の投資から発生する収益は日々預金者に発生する。貸借対照表に記載される数値
は、決算日における預金の市場価値を表示する。
保有担保および買い戻し条件付き売却有価証券は預金として開示されている。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
顧客預金
地方自治体 3,529,042 2,549,851
公法人 2,663,595 2,706,450
州政府部局 583,216 73,233
州政府保有法人 96,161 83,376
(1)
93,747 83,172
QTC関係法人
166,018 173,671
その他の預金者
7,131,779 5,669,753
保有担保
51,261 72,860
買戻契約 - 470,931
51,261 543,791
預金合計 7,183,040 6,213,544
(1) QTC関係法人は、クイーンズランド・トレジャリー・ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッドならび
にその子会社であるブリスベン・ポート・ホールディングス・プロプライアタリー・リミテッド、DBCTホール
ディングズ・プロプライアタリー・リミテッドおよびクイーンズランド・ロッタリー・コーポレーション・プロ
プライアタリー・リミテッドを含む。
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2019年6月30日現在、7,072.4百万ドル(2018年度は5,616.0百万ドル)が12ヶ月以内に満期を迎える予
定である。
12 金融リスク管理
QTCの事業は、資金調達リスク、市場リスク(外国為替リスク、金利リスク、ベーシス・スプレッド・リ
スクおよびクレジット・スプレッド・リスク)、流動性リスクおよび信用リスクといった様々な金融リス
クを有している。QTCの金融リスク管理は、金融リスクを最小限に留め、変動性を管理することを中心と
し、QTCおよびその顧客の財務実績に対する金融リスクの潜在的悪影響を軽減することを目指している。
QTCは、金融リスクを管理するため、為替予約、金利スワップおよび先物取引契約といった金融派生商品を
利用している。
金融リスク管理のための強力なシステムが設定されている。金融リスク方針の遵守が毎日チェックされ
ている。独立性を確保するために、金融リスクの測定および監視は、取引チームとは別個のチームによっ
て行われている。
すべての金融リスク管理活動は、金融市場リスク指針で定めるとおり、理事会の承認した方針の範囲内
で行われており、新しい金融商品は、QTCの理事会により承認されている。金融市場リスク方針の違反は、
すべて、最高経営責任者ならびに資金調達および市場委員会会議において段階的に処理され、次回の理事
会会議において提出される。
QTCは、キャピタル・マーケットにおける活動を行うにあたり、自己資本政策を考慮している。QTCは、
法的、規制上または会計上の資本保有要件を有しないが、自己資本政策は、QTCが事業活動およびリスク分
析を支援するための自己資本管理方法を定めている。QTCの自己資本政策は、借入リスク、流動性リスク、
市場リスク、信用リスクおよびオペレーショナル・リスクを補填するために保有すべき資本水準を決定す
るため、ストレスシナリオを使用している。かかる資本水準は、最適な自己資本として知られている。最
適な自己資本は、計算されたうえ、QTCの実質資本と定期的に比較され、報告書が経営陣および理事会に提
出される。
(a) 市場リスク
市場リスクは、金融市場価格における不利な動きによって、ポジションに損失を被るリスクのことで
ある。QTCは、外国為替リスクおよび金利リスクの形で市場リスクを有している。市場リスクに対する
QTCのエクスポージャーは、借入および投資活動によるものである。これには、クイーンズランド州の公
共部門企業が必要時にいつでも資金を調達できることを確保し、かつ満期を迎える貸付の借換に関する
リスクを低減させるための需要に先立った借入を含んでいる。
市場価格変動の結果、残存リスクポジションがあり、これにより、実現会計損益および未実現会計損
益を当年度中に計上する可能性がある。これらの取引が満期まで保有されるか否かにより、未実現損益
が次期会計期間において逆転する可能性もある。
(ⅰ) 外国為替リスク
QTCは、外貨での借入が可能な資金調達ファシリティを有している。QTCのキャッシュ・ファンドは、
外貨建て資産に投資する場合がある。QTCは、外貨借入および海外投資に伴う為替レートの変動によるリ
スクをヘッジするため、先物為替予約およびクロス通貨スワップの両方を行っている。次の表は、クロ
ス通貨スワップと先物為替予約が外貨借入および海外投資に対してもたらしたヘッジ効果を豪ドル換算
で要約したものである。
(単位:千ドル)
借入 海外投資 デリバティブ契約 純エクスポージャー
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2018 /19年 2017 /18年 2018 /19年 2017 /18年 2018 /19年 2017 /18年 2018 /19年 2017 /18年
米ドル (363,517) (927,228) 389,833 424,185 (26,316) 503,043 - -
英ポンド - (230,613) - - - 230,613 - -
スイス・フラン (160,821) (149,701) - - 160,821 149,701 - -
円 (198,559) (183,492) - - 198,559 183,492 - -
(650,261) (631,496) - - 650,261 631,496 - -
ユーロ
(ⅱ) 金利リスク
QTCは、顧客指令に規定される存続期間の特性に基づき、顧客に貸付を行う。QTCは、資産および負債
管理ポートフォリオ内で顧客への貸付の存続期間の特性およびQTCの資金間の差異を管理する。存続期間
は、金融商品または金融商品のポートフォリオの金利感応度を直接測定するものであり、金利の変動に
よる金融商品および金融商品のポートフォリオの価値の変化を数値化する。顧客への貸付およびQTCの資
金間の差異の管理にかかる費用または利益は、すべてクイーンズランド州財務省へ転嫁されるため、QTC
は、当該ポートフォリオに関する金利リスクから効果的に保護されている。
QTCのキャッシュ・ファンドへの顧客預金は、顧客に代わって投資され、かかる投資から得た利益は、
クレジット・スプレッドの変動による時価での損益を除き、QTCの顧客へ還元される。QTCは、一般的に
これらの投資を満期まで保有するため、リターンにおける信用証拠金の変動による時価での影響は、通
常、資産の耐用年数につき転嫁される。
QTCの先立った借入および信用の質が高く、流動性の高い資産への余剰金投資の結果である金利リスク
は、デュレーション・リスク、イールド・カーブ・リスク、価格差リスクおよびバリュー・アット・リス
ク(以下「VaR」という。)を考慮して管理されている。イールド・カーブに沿った金利動向が得られな
いというリスクを管理するため、QTCは、期間ごとにおける純金利リスクが測定できるように、ポート
フォリオのキャッシュ・フローを一定の期間ごとに運用している。QTCは、金利リスク管理を行うために
金利スワップ、金利先渡契約および先物取引契約を締結している。
QTCの資金および流動性ポートフォリオにおいて、中期から長期の固定利率での借入の金利エクスポー
ジャーを変動利率での借入と交換するために、金利スワップを利用することができる。また、しばしば
変動から固定へのスワップは固定利率の資金を創設するために行うことができる。資金および流動性
ポートフォリオにおいて金利スワップを用いる場合、QTCは価格差リスクを有する。価格差リスクは、ス
ワップ・カーブとQTC・イールド・カーブとの間での変動に対する、時価でのエクスポージャーを表す。
QTCは、理事会の承認したVaRの枠組みを用いて、QTCが影響を受ける市場リスクを管理しており、これ
は定義されたストレステストおよびPVBP(1ベーシス・ポイント当り現在価値の変動)などのその他の方
法によって補完される。VaRによる評価により、任意の保有期間における潜在的な時価での損失が99%の
信頼度で予測される。QTCは、ヒストリカル・シミュレーション・アプローチにより、10営業日の保有期
間を用いてVaRを計算する。
VaR の影響
期末現在のVaRならびに当該会計年度におけるエクスポージャーの最小値、最大値および平均値は、以
下のとおりである。
(単位:百万ドル)
(1)
2017/18年
金利リスクにかかるVaR
2018/19年
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期末現在 17 11
当期平均 23 14
会計年度-最小 15 11
会計年度-最大 53 24
(1) 2019年度のVaRの算出には、現在、QTCのキャッシュ・ファンドの保有資産の価値に対する、クレジット・スプ
レッドの変動の時価での潜在的影響が反映されている。
(b) 流動性および資金調達リスク
QTCは、強固な内部枠組みを有し、これにより、広範な流動性シナリオ分析および予測が、州の流動性
ポジションに関する適切な将来予測の見通しが存在することを確認するための仮定の感度を理解するた
めに行われる。
QTCの債券は、資本リスクの加重が0%であるバーゼルⅢ改革に基づくオーストラリアの銀行向けレベ
ル1(慎重に要求される。)の資産である。平常時および困難な市況において、QTCの債券は、多くの需
要が見込まれる。債券発行能力は、流動性の潜在的源泉とみなされる。
QTCは、今日見積もられ、将来に予測される最低流動性要件を満たすために適切な流動性(これにより
流動資産に適したヘアカットが可能となる。)を保有する。QTCは、以下のシナリオを同時に容易に満た
すための最低流動性要件を測定する(これらは、その妥当性を確認するため、少なくとも年に一度検討
される。)。
・S&Pの流動性比率-12ヶ月間において債務返済額以上の流動資産比率を保持し、クイーンズランドの
流動性評定に最大限の利益を提供する。
・流動性予測-12ヶ月間において最低予測流動性残高を保持する。
・日々の現金残高-QTCの貸借対照表上の短期的な資産および負債からのキャッシュ・フロー純額に備
えて、銀行の現金保有額、RBA(以下に定義される。)レポ適格証券および譲渡可能預金証書を、最
低必要額で保有する。
加えて、QTCは、公共部門企業の預金および州の長期資産の形で、流動資産を保有する。QTCは、これ
らの資産を流動性危機における流動性の潜在的源泉と考えている。
QTCは、中期から長期の資金調達ファシリティの中核として豪ドル建てベンチマークの債券ファシリ
ティを、また短期資金調達ファシリティの中核として国内政府債券ファシリティを保有している。さら
に、QTCは、海外市場で資金調達機会を利用するために、ユーロ建ておよび米国のミディアム・ターム・
ノート・ファシリティならびにユーロ建ておよび米国のコマーシャル・ペーパー・ファシリティを保有
している。QTCは、これらのファシリティにより、国内外の金融市場取引に迅速に参加することができ
る。
預金および支払債務を除き、負債の満期分析は、契約期間中における未払元本(額面)および利息の価
額の返済に関する契約上の資金収支に基づき計算された。
キャッシュ・ファンドおよびワーキング・キャピタル・ファシリティに計上されている預金は、請求
次第払戻される。一方、株券貸付および買戻契約の担保として保有している預金はかかる有価証券がQTC
に対して交付されたときに払戻される。
現金および受取債権を除き、資産の満期分析は、契約期間中における未払元本(額面)および利息の価
額の返済に関する契約上の資金収支に基づき計算された。
顧客への貸付金に関しては、一部の貸付金はインタレスト・オンリー型であり、元本部分については
返済日が確定していない(顧客の事業の質および当該事業の財務の健全性に基づき貸付が行われ
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る。)。完全な満期分析を行うため、当該貸付金の元本部分は5年超の期間区分に分類され、当該期間区
分中においては利息の支払は想定されていない。
決算日現在、QTCが保有する金融資産および金融負債に関する契約上の資金収支は、次の表のとおりで
ある。
(単位:千ドル)
2018 /19年期末現在における契約上の満期
0~3ヶ月 3~6ヶ月 6~12ヶ月 1~5年 5年超 総額 公正価格
金融資産
現金および
1,577,139 - - - - 1,577,139 1,577,139
現金同等物
受取債権 6,709 - - - - 6,709 6,709
(1)
1,058,432 1,177,372 1,468,018 14,632,239 74,038,140 92,374,201 87,129,775
貸付金
損益を通じて公正
2,968,764 8,274,482 3,936,258 13,548,190 1,561,012 30,288,706 21,175,900
価格により測定す
る金融資産
金融資産合計 5,611,044 9,451,854 5,404,276 28,180,429 75,599,152 124,246,755 109,889,523
金融負債
支払債務 (24,331) - - - - (24,331) (24,331)
預金 (6,816,861) (22,134) (4,298) (8,199) (96,192) (6,947,684) (7,183,040)
損益を通じて公正
価格により測定す
る金融負債
-短期 (3,847,833) (1,649,683) (200,000) - - (5,697,516) (5,686,627)
(1,253,580) (127,241) (10,152,005) (40,494,648) (52,552,420) (104,579,894) (96,326,045)
-長期
金融負債合計 (11,942,605) (1,799,058) (10,356,303) (40,502,847) (52,648,612) (117,249,425) (109,220,043)
デリバティブ
金利スワップ (62) (2,065) 13,272 (62,045) (113,248) (164,148) (151,087)
クロス通貨スワッ
(5,185) (4,874) (30,712) (128,873) (392,486) (562,130) 42,742
プ
外国為替契約 7,822 (1,446) - - - 6,376 5,843
94,700 - - - - 94,700 (6,381)
先物取引契約
デリバティブ(純額) 97,275 (8,385) (17,440) (190,918) (505,734) (625,202) (108,883)
純(負債)/資産 (6,234,286) 7,644,411 (4,969,467) (12,513,336) 22,444,806 6,372,128 560,541
累計 (6,234,286) 1,410,125 (3,559,342) (16,072,678) 6,372,128 - -
(1) QTCによる貸付金の大部分は、当該顧客の事業の質および財務の健全性に基づいて行われる。したがって、当該事
業が継続企業であること、ならびに負債資本比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオ等の主要な信用評価
指標の基準を継続して充たすことを前提として、資金の貸付が行われる。このため、貸付金ポ-トフォリオの大部
分は、貸付の満期が5年超であり、また資金調達が基礎となる事業の状況に基づいて行われるよう、当該貸付の金
利リスクは顧客の事業リスクに基づいて管理される。この結果、QTCが有する負債の満期は、資産の満期よりも短
くなる可能性がある。このため、QTCは、金利リスクは有しないものの、定期的に負債の借換を行わなければなら
ない。
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(単位:千ドル)
2017 /18年期末現在における契約上の満期
0~3ヶ月 3~6ヶ月 6~12ヶ月 1~5年 5年超 総額 公正価格
金融資産
現金および
640,668 - - - - 640,668 640,668
現金同等物
受取債権 7,484 - - - - 7,484 7,484
貸付金 1,332,075 1,212,306 1,432,167 15,448,446 73,486,751 92,911,745 81,951,783
損益を通じて公正
6,690,126 3,862,733 2,186,803 7,227,083 1,717,974 21,684,719 20,528,480
価格により測定す
る金融資産
金融資産合計 8,670,353 5,075,039 3,618,970 22,675,529 75,204,725 115,244,616 103,128,415
金融負債
支払債務および配
(29,551) - - - - (29,551) (29,551)
当
預金 (6,075,055) (22,371) (4,348) (14,964) (97,999) (6,214,737) (6,213,544)
損益を通じて公正
価格により測定す
る金融負債
-短期 (5,322,841) (100,000) - - - (5,422,841) (5,409,987)
(1,515,388) (2,480,881) (9,677,846) (40,135,077) (51,180,448) (104,989,640) (91,122,462)
-長期
金融負債合計 (12,942,835) (2,603,252) (9,682,194) (40,150,041) (51,278,447) (116,656,769) (102,775,544)
デリバティブ
金利スワップ (6,283) (1,568) (6,238) (31,577) 64,911 19,245 6,979
クロス通貨スワッ
(30) (2,447) (18,858) (94,208) (510,400) (625,943) 10,931
プ
外国為替契約 44,516 - - - - 44,516 44,760
(27,765) - - - - (27,765) (27,765)
先物取引契約
デリバティブ(純額) 10,438 (4,015) (25,096) (125,785) (445,489) (589,947) 34,905
純(負債)/資産 (4,262,044) 2,467,772 (6,088,320) (17,600,297) 23,480,789 (2,002,100) 387,776
累計 (4,262,044) (1,794,272) (7,882,592) (25,482,889) (2,002,100) - -
(c) 信用リスク
(ⅰ) 金融市場における相手方
信用リスクは、QTCの金融市場リスク方針に厳密に従って、定期的に評価、測定および管理がなされ
る。信用リスクのエクスポージャーは、相手方の債務支払能力を定期的に分析することによって管理さ
れている。
信用リスクは、相手方すべてによる債務不履行の場合の投資およびデリバティブ契約に関する決算日
現在のQTCの潜在的な損失の見積もり(バーゼルⅢに基づく方法を用いて測定される。)である。デリバ
ティブ契約のエクスポージャーは、デリバティブがQTCのすべてのクレジット・サポート・アネックスに
基づく日々の信用極度額のない時価評価であるために、商品価値に適用される想定「追加」要因のみに
基づくのに対して、非デリバティブ投資に関する信用リスクは、当該商品の市場価値または額面価格の
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いずれか高い方に基づき計算される。QTCはデリバティブの信用エクスポージャーを限定する担保約定
((ⅳ)マスター・ネッティング約定を参照のこと。)を活用している。
すべてのデリバティブ契約は、信用極度額をゼロとする担保約定に従っており、重要な場合には、信
用評価調整(CVA)および債務評価調整(DVA)の影響が反映されている。ただし、これは、担保約定お
よび相手方の高い信用度により、通常は必要とされない。したがって、公正価格の決定において信用リ
スクは重要な要素とはならない。
下記の表は、QTCの期末現在における信用リスクのエクスポージャーを示したものである。
(単位:千ドル)
(1)
2018 /19年期末現在における信用格付
(2)
AAA AA+ AA AA- A+ A 合計
その他
現金および
- - - 1,577,139 - - - 1,577,139
現金同等物
(3)
1,373,518 879,541 118,354 15,687,028 1,998,084 932,111 100,616 21,089,252
金融資産
- - - 50,014 11,694 - - 61,708
デリバティブ
1,373,518 879,541 118,354 17,314,181 2,009,778 932,111 100,616 22,728,099
6% ▶% 1% 76 % 9% ▶% 0% 100 %
(1) S&Pまたはそれと同等の機関による信用格付。
(2) 長期格付のA-ならびに短期格付のA-1+およびA-2を含む。
(3) 金融資産は未決済の額面金額に基づいている。かかる金融資産は主に割引証券、連邦証券および州発行証券、変
動利付債券ならびに定期預金から成る。
(単位:千ドル)
(1)
2017 /18年期末現在における信用格付
(2)
AAA AA+ AA AA- A+ A 合計
その他
現金および
- - - 640,668 - - - 640,668
現金同等物
(3)
1,422,968 585,896 257,043 15,041,095 2,140,943 1,572,754 180,356 21,201,055
金融資産
- - - 42,436 11,360 - - 53,796
デリバティブ
1,422,968 585,896 257,043 15,724,199 2,152,303 1,572,754 180,356 21,895,519
6% 3% 1% 72 % 10 % 7% 1% 100 %
(1) S&Pまたはそれと同等の機関による信用格付。
(2) 長期格付のA-ならびに短期格付のA-1+およびA-2を含む。
(3) 金融資産は未決済の額面金額に基づいている。かかる金融資産は主に割引証券、連邦証券および州発行証券、変
動利付債券ならびに定期預金から成る。
QTCは、相手方の信用の質の高さに強いこだわりを持ちながら、保守的な信用リスクの管理方法を採用
している。QTCは、相手方の信用リスクの限度を決定するにあたり、格付基準方法を用いており、QTCの
資本市場の相手方の自己信用査定を行うQTCの信用リスク分析チームによって補完される。各相手方の信
用リスクの限度は、主に相手方の所在国、信用測定基準、資金調達プログラムの規模、資産構成および
原証券の質を勘案したうえで決定される。
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QTCの信用リスクは、銀行事業、とりわけ国内の銀行事業に集中している。国内の銀行に対するエクス
ポージャーは、オーストラリアの金融市場の構成を反映しており、かかる金融市場自体が、国内の銀行
か らの発行により支配されている。市場構成と一致させることは、堅実なポートフォリオ管理を決定し
ていることの特徴であるとみなされる。QTCは、BBB+またはそれ以上の格付の関係者に対する投資が義務
付けられている。QTCは、組織的に重要な国内銀行(AA-の格付け有する。)に対し、約69%のエクス
ポージャーを有している。
(ⅱ) 貸付の相手方
エクスポージャーが低い民間企業を除く貸付の相手方は、クイーンズランド州政府の下部主体であ
り、当該貸付の約67.5%(2018年度は67.6%)は明示的な州政府の保証を受けている。したがって、こ
れらのエクスポージャーは、QTC全体の信用リスクには含まれていない。
(ⅲ) QTCの債務の信用リスクと公正価格の連動性
QTCの借入は州政府により保証される。またオーストラリア政府保証の借入(2019年度は786百万ド
ル)は連邦により保証される。したがって、公正価格の決定において信用リスクは重要な要素とはなら
ない。公正価格の変動は主に相場変動に起因する。
(ⅳ) マスター・ネッティング約定
QTCは、国際スワップデリバティブズ協会(以下「ISDA」という。)のマスター契約に基づき、すべて
のデリバティブ取引を行っている。QTCは現在、債務不履行事由が生じた場合におけるマスター・ネッ
ティング約定を行っておらず、そのため包括的利益計算書においてすべての金融派生商品を総額ベース
で表示している。QTCはまた、それぞれのISDAマスター契約について クレジット・サポート・アネック ス
(CSA)を付しており、これらに基づき毎営業日に担保が移転される。これはさらに、QTCの信用リスク
を軽減する。
下記の表は、相殺されるか、または法的強制力のあるマスター・ネッティング約定およびその他同様
の契約に基づくが相殺されない金融商品を示したものである。「純額」の欄は、すべての相殺権が行使
された場合のQTCの貸借対照表上での影響を示している。
(単位:千ドル)
貸借対照表上で相殺されていない
関連する金額
貸借対照表上の 受領または差入
金融商品担保 純額
総額および純額 現金担保
2018/19年
デリバティブ資産
-マスター・ネッティング約定
289,989 - (289,461) 528
に基づくもの
デリバティブ負債
-マスター・ネッティング約定
(398,872) - 398,872 -
に基づくもの
純エクスポージャー (108,883) - 109,411 528
2017/18年
デリバティブ資産
-マスター・ネッティング約定
130,115 - (128,347) 1,768
に基づくもの
デリバティブ負債
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-マスター・ネッティング約定
(95,210) - 95,210 -
に基づくもの
純エクスポージャー 34,905 - (33,137) 1,768
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13 公正価格序列
公正価格で測定される金融商品は、AASB第13号(公正価値測定)に規定される序列に従って分類されて
いる。公正価格序列は、使用されるインプットの可観測性に基づき、3つのレベルに分類される。
レベル1 - 活発な市場において、同一の資産および負債につき、QTCが測定日にアクセス可能な相場価格
(調整は行われない。)。
レベル2 - 資産または負債に関して、直接的または間接的に観測可能な、レベル1に含まれる相場価格以
外のインプット。
レベル3 - 観測可能な市場情報に基づかない資産または負債に関するインプット(観測不能なインプッ
ト)。
すべての損益を通じて公正価格により評価される金融商品は、取引相場価格または観測可能なインプッ
トのいずれかを参照し、かかる商品に対して重要な調整を施さずに評価される。そのため、レベル3に分類
される損益を通じて公正価格により評価される金融商品は存在しない。
レベル1に分類される金融資産は、主に短期取引可能銀行預金、活発な市場が形成されている連邦債券お
よび準政府債券ならびに先物取引契約から構成される。レベル1に分類される金融負債は、QTCのベンチ
マーク債券から構成される。
レベル2に分類される金融資産には、取引が活発ではない企業の社債および準政府債券、一定の金融市場
証券、変動利付債券、定期預金、QTCの貸付金ならびにすべての店頭デリバティブが含まれる。公正価格を
決定するうえの主要なインプットには、銀行間金利、スワップ、債券および先物市場における取引相場金
利、スワップ・カーブに対する売買マージンおよびカウンターパーティーの信用度の変化に応じて調整さ
れる類似商品に対するカウンターパーティーの信用スプレッドなどのベンチマークとなる金利が含まれ
る。マージンは、商品につき取引が活発ではない場合、当初の購入マージンに基づいて適用することがで
きる。QTCの貸付金は、基礎となる負債ポートフォリオに基づいて価格が設定される。
レベル2に分類される金融負債には、コマーシャル・ペーパー、政府債券、ミディアム・ターム・ノー
ト、変動利付債券および顧客預金が含まれる。公正価格を決定するうえの主要なインプットには、銀行間
金利、スワップおよび債券市場における取引相場金利などのベンチマークとなる金利が含まれる。評価に
は、LIBORまたはスワップ・カーブに対する固定のマージンを含めることができる。顧客預金は、主に元本
保証のQTCのキャッシュ・ファンドに蓄えられる。
店頭デリバティブは、通常レベル2として評価され、為替先渡、為替スワップ、金利スワップおよびクロ
ス通貨スワップを含む。公正価格を決定するうえの主要なインプットには、スワップ市場における取引相
場金利、直物為替レート・カーブおよびベーシス・カーブが含まれる。
QTCは、買値と売値のスプレッドの範囲内における公正価値測定の実務的かつ一貫性のある方法として、
市場仲値による価格設定を適用する。
商品の公正価格序列レベルへの分類は、毎年見直され、評価インプットに重大な変更が存在し、振替え
が行われたとみなされた場合、当該報告期間末にその効力が生じる。QTC資本指数化債券およびQTC2047債
券は、当年度において取引相場価格を提供するのに十分な価格決定要素があったことおよび直近の取引に
より流動性が改善したことから、レベル2からレベル1に振り替えられた。
(単位:千ドル)
観測可能な
相場価格
インプット 合計
2018/19年期末現在
(レベル1)
(レベル2)
金融資産
現金および現金同等物 1,577,139 - 1,577,139
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損益を通じて評価される金融資産 16,331,753 4,844,147 21,175,900
貸付金 - 87,129,775 87,129,775
7,747 282,242 289,989
デリバティブ金融資産
金融資産合計 17,916,639 92,256,164 110,172,803
金融負債
損益を通じて評価される金融負債
-短期 - 5,686,627 5,686,627
-長期 91,134,633 5,191,412 96,326,045
預金 - 7,183,040 7,183,040
14,128 384,744 398,872
デリバティブ金融負債
金融負債合計 91,148,761 18,445,823 109,594,584
(単位:千ドル)
観測可能な
相場価格
インプット 合計
2017/18年期末現在
(レベル1)
(レベル2)
金融資産
現金および現金同等物 640,668 - 640,668
損益を通じて評価される金融資産 12,054,074 8,474,406 20,528,480
貸付金 - 81,951,783 81,951,783
13,419 116,696 130,115
デリバティブ金融資産
金融資産合計 12,708,161 90,542,885 103,251,046
金融負債
損益を通じて評価される金融負債
-短期 - 5,409,987 5,409,987
-長期 86,315,997 4,806,465 91,122,462
預金 - 6,213,544 6,213,544
41,184 54,026 95,210
デリバティブ金融負債
金融負債合計 86,357,181 16,484,022 102,841,203
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14 有形固定資産
会計方針
5,000ドル以上の原価またはその他の価値を含む項目は、有形固定資産として報告される。貸手としての
価値を含む項目は、取得した年度に費用処理される。有形固定資産は、減価償却累計額および評価損累計
額を控除した原価で評価される。減価償却費は、資産の推定耐用年数につき定額法で算定される。減価償
却率は、以下のとおりである。
資産分類 減価償却率
情報関連機器およびオフィス設備 6-40%
資産の現存価額、耐用年数および減価償却の方法は、必要に応じ、各会計年度の終了時に見直されかつ
調整される。
有形固定資産の帳簿価額の調整額は次のとおりである。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
決算日現在原価
5,608 6,168
(1,666) (1,583)
減価償却および減損累計額
帳簿価額純額 3,942 4,585
変動
期首現在帳簿価額純額 4,585 4,483
追加 30 1,075
(673) (973)
減価償却費
期末現在帳簿価額純額 3,942 4,585
15 資金収支表に対する注記
(a) 税引後利益と営業活動からの資金純額の調整
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
当期利益 125,923 94,332
営業利益における現金以外の資金収支
利付債務にかかる損失 4,174,631 1,422,117
預金にかかる損失/(利益) 36 (17)
貸付金にかかる(利益)/損失 (4,616,513) 790,966
損益を通じて公正価格により評価される金融資産にかかる
(133,276) 12,243
(利益)/損失
減価償却および償却 2,878 24,590
設備投資の処分にかかる利益 (1,398) -
貸倒懸念債権 1 323
資産および負債における変動
損益を通じて公正価格により評価される金融資産の減少 23,612 22,363
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繰延税金資産の減少/(増加) 171 (1,985)
貸付金の減少/(増加) 7,771 (13,692)
受取債権の減少/(増加) 775 (3,583)
利付債務の減少 (7,086) (2,631,089)
預金の増加/(減少) 434 (1,087)
29,445 20,842
支払債務およびその他の負債の増加
営業活動により使用された資金純額 (392,596) (263,677)
(b) 金融活動により生じた負債の調整
(単位:千ドル)
期首現在 公正価値 外国為替 その他現金
資金収支 期末残高
2018/19年期末現在
残高 の変動 の変動 以外の変動
(1)
96,627,659 1,478,297 3,815,434 359,197 130,957 102,411,544
利付債務
預金 6,213,544 969,462 (36) - 70 7,183,040
- (50,000) - - 50,000 -
配当の支払
102,841,203 2,397,759 3,815,398 359,197 181,027 109,594,584
(単位:千ドル)
期首現在 公正価値 外国為替 その他現金
資金収支 期末残高
2017/18年期末現在
残高 の変動 の変動 以外の変動
(1)
98,638,174 (597,920) (1,359,678) (62,439) 9,522 96,627,659
利付債務
預金 7,428,891 (1,166,155) 17 - (49,209) 6,213,544
500,000 (500,000) - - - -
配当の支払
106,567,065 (2,264,075) (1,359,661) (62,439) (39,687) 102,841,203
(1) デリバティブを含む。
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長期資産
16 損益を通じて公正価格により評価される金融商品
会計方針-分類および評価
金融商品は、当初の計上時に以下のカテゴリーに分類される。
・損益を通じて公正価格により評価される金融資産
・損益を通じて公正価格により評価される金融負債
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
損益を通じて公正価格により評価される金融資産は、ユニット・トラストにおいて保有される投資を
含み、ユニット・トラストへの投資は、QICが保有および管理する投資から構成され、現金、国際株およ
びその他多様な商品を含む。かかる投資は、計上されている未払手数料およびGSTの未収還付税額の控除
を調整してQICが見積もる、原価に近いユニット・プライスに基づいた市場価格で評価される。
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
損益を通じて公正価格により評価される金融負債は、資産ポートフォリオと引き換えに、州政府に対
して発行された固定利付債券から構成される。当該固定利付債券は当初、取得した金融資産の公正価格
と等しい額面価格で計上された。預金や引出しは、州政府の長期負債の変動に基づいて、債券へ/から
行われた。債券は、50年(取引日である2008年7月1日から)または州政府の長期負債が消滅する日のい
ずれか長い方の年限をもって償還する。負債の消滅/決済時に、資産と負債との間に差額があれば、州
により負担され、また資産の超過は返済される。固定利付債券の利息は毎月資産計上され、利率は毎年
見直される。
損益を通じて公正価格により評価される金融負債は、ポートフォリオのサポート資産の変動(時価の
変動を含む。)を固定利付債券の時価の変動として反映することにより評価される。これにより、この
セグメントにおける金融資産と金融負債の間の会計上のミスマッチは除去される。
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
損益を通じて公正価格により評価される金融資産
ユニット・トラストおよびその他の持ち分への投資-QIC
当年度中の動向
期首残高 30,487,950 31,714,459
純引出し (2,710,198) (3,128,187)
支払手数料 (98,664) (98,608)
1,666,822 2,000,286
ユニット投資信託の公正価格により評価される純増減
期末残高 29,345,910 30,487,950
トラストの原資産は以下の種類の資産から構成されている。
防御的資産
現金 9,149,487 7,854,382
固定利付資産 2,524,976 4,811,272
成長資産
株式 2,299,396 3,821,700
多様な選択的資産 5,855,766 5,534,400
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非上場資産
インフラストラクチャー 3,368,382 3,018,799
プライベート・エクイティ 2,839,975 2,577,068
3,307,928 2,870,329
不動産
29,345,910 30,487,950
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
損益を通じて公正価格により評価される金融負債
固定利付債券
当年度中の動向
期首残高 29,766,334 -
(1)
721,616 -
期首残高の調整
利息 1,879,573 -
純引出し (2,710,198) -
(311,415) -
固定利付債券の公正価格により評価される純増減
期末残高 29,345,910 -
(単位:千ドル)
2018/19年 2017/18年
償却後原価により評価される金融負債
固定利付債券
当年度中の動向
期首残高 - 30,799,145
利息 - 2,095,376
- (3,128,187)
純引出し
期末残高 - 29,766,334
(1) 会計方針の変更については注記2(a)を参照のこと。
17 金融リスク管理
長期資産は、QIC保有の、非上場のユニット・トラストに投資される。ユニット・トラストは、デリバ
ティブを含む多様な金融商品への投資を保持しているため、かかる長期資産は、信用リスク、流動性リス
クおよび市場リスクを有する。市場リスクは利率、為替相場ならびに資産および資本の価格の変動に伴い
発生する。しかしながら、これらの投資は長期的な性質のものであるため、投資期間中に、市場の変動の
均衡が取れると期待されている。
長期資産諮問委員会(LTAAB)は、クイーンズランド州政府が規定する枠組み内での長期資産に関しその
投資の目標、リスク分析および戦略を決定した。LTAABは、求められるリスク分析に沿う投資目標を達成す
るための、戦略的な資産配分を形成する役割を担った。リスク管理指針は、リスクを顕出・分析するとと
もに適切なリスクの限度管理を設定するために設けられた。リスクはこれらの限度を順守して監視され
る。今後この役割は、州投資諮問委員会が担うことになる。
QICは、LTAABに対し、その任務軽減のための支援を提供した。QICの役割には、設定された目的およびリ
スク管理の範囲内で目的を達成するため、投資商品の目的、リスク分析および戦略的な資産配分を提言す
ることを含む。QICは、主要な投資管理者として投資戦略を実施する任務を有する。また、QICが提供する
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投資助言およびサービスに対する独立した評価は、QICの活動および業績に関する定期的な戦略的検証も含
め、外部コンサルタントによって行われた。
QTCの固定利付債券に関する債務に適用される利率は、債券の帳簿価額に基づき、2018年7月1日に6.5%
(2018年度は7.0%)に設定された。
(a) 流動性リスク
長期資産業務によりQTCから生じた対外資金変動はない。長期資産に関する預金およびその払戻しは、
対応する固定利付債券(FRN)の価値に変動をもたらす。FRNに関する財務利息は、長期資産に関する利
益および手数料として資産勘定に計上されている。そのため、かかる日々の資金収支の変動はQTCに流動
性リスクを発生させない。
(b) 信用リスク
QICは長期資産のための投資戦略を執行する責任を有する。投資戦略は、信用リスクを最小限に留める
ため、広範囲の資産類型にわたる大きく多様化されたポートフォリオを対象としている。
(c) 市場リスク
長期資産の保有によりQTCは、ユニット・トラストへの投資およびかかるトラストを通じた純資産価値
の潜在的な変動の結果として、利率リスク、為替リスクならびに資産の価格変動リスクおよび資本の価
格変動リスクを含む市場リスクを有する。ポートフォリオは、利率、外貨または信用リスクに直接影響
を及ぼさないため、資産が投資されたファンドのユニット・プライスは、市場によるこれら既存のリス
クの認識に反応して変動する。
市場リスクは、LTAABに承認された投資戦略に従ってQICが保有する、ユニット・トラストへの投資に
おける多様なポートフォリオによって緩和される。投資戦略は、広範囲の資産類型にわたる多様化され
たポートフォリオを対象としている。
QICは、投資管理契約に基づき、慎重な管理を行っている。かかる契約の下では、デリバティブ商品は
投機目的での活用が許されていない反面、既存のポジションへのヘッジ商品としての活用もしくは全体
的な投資利益およびポートフォリオの変動目標の達成を支えるための効率的取引および資産配分目的で
の活用がなされている。
ファンドへの投資に適用される、主要な市場リスクに関する感度分析は、QICによって行われている。
QICは、主要なリスク変数につき合理的に考えられる範囲での変動を与えて分析を行っており、これには
ASX200、MSCIワールドexオーストラリア・証券インデックス、RBA公式キャッシュレート、イングランド
銀行公式キャッシュレートおよび不動産の資本還元率が含まれる。
QTCの投資ポートフォリオ全体の為替エクスポージャーは100%ヘッジされている。このため、為替
レートの変動に対する感度は、アセット・クラスの水準では測定されていない。
主要なリスク変動のこれらの変化に基づき、様々な評価方法を適用して、期末時点において適用を受
ける投資の価値の合理的に考えられる変動は下記のとおりである。
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2018/19年期末 変動 利益/資本
低(%) 高(%) 減少(千ドル) 増加(千ドル)
(1)
>-1% <1% (23,772) 23,772
現金および固定利付資産
株式 -10% 10% (230,226) 230,226
(2)
-10% 10% (586,266) 586,266
多様な選択的資産
インフラストラクチャー -10% 10% (336,663) 336,663
プライベート・エクイティ -10% 10% (284,332) 284,332
-10% 11% (317,829) 369,330
不動産
(1,779,088) 1,830,589
変動 利益/資本
2017/18年期末
低(%) 高(%) 減少(千ドル) 増加(千ドル)
(1)
>-1% <1% (60,850) 60,850
現金および固定利付資産
株式 -10% 10% (382,624) 382,624
(2)
-10% 10% (554,231) 554,231
多様な選択的資産
インフラストラクチャー -10% 10% (301,882) 301,882
プライベート・エクイティ -10% 10% (257,826) 257,826
-8% 9% (234,206) 248,164
不動産
(1,791,619) 1,805,577
(1) 現金および固定利付資産には、金利リスクのエクスポージャーおよびヘッジ商品に対するインフレのオーバーレ
イが含まれる。
(2) 多様な選択的資産には、価格リスクおよび金利リスクに対するエクスポージャーがいずれも含まれる。
18 公正価格序列
金融商品は、注記13のとおり、AASB第13号(公正価値測定)に規定される序列に従って分類されてい
る。
(単位:千ドル)
観測可能な 観測不能な
インプット インプット 合計
2018/19年期末現在
レベル2 レベル3
金融資産
現金 9,149,487 - 9,149,487
固定利付資産 2,524,976 - 2,524,976
株式 2,299,396 - 2,299,396
多様な選択的資産 - 5,855,766 5,855,766
インフラストラクチャー - 3,368,382 3,368,382
プライベート・エクイティ - 2,839,975 2,839,975
- 3,307,928 3,307,928
不動産
金融資産合計 13,973,859 15,372,051 29,345,910
金融負債
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- 29,345,910 29,345,910
固定利付債券
金融負債合計 - 29,345,910 29,345,910
2017/18年期末現在
金融資産
現金 7,854,382 - 7,854,382
固定利付資産 4,811,272 - 4,811,272
株式 3,821,700 - 3,821,700
多様な選択的資産 - 5,534,400 5,534,400
インフラストラクチャー - 3,018,799 3,018,799
プライベート・エクイティ - 2,577,068 2,577,068
- 2,870,329 2,870,329
不動産
金融資産合計 16,487,354 14,000,596 30,487,950
ユニット・トラストへの投資は、QICによって公正価格による方法を用いて評価され、未払手数料が調整
される。QICは、測定日におけるユニット・プライスに基づいて、純資産価値を報告する。
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(a) レベル3金融資産および金融負債 - 重要な観測不能なインプットを用いる評価技法
公正価格序列においてレベル3であるユニット・トラストへの投資の評価は、かかるユニット・トラス
トの基礎となる資産の価格に基づく。非上場の外部管理される投資スキームへの投資は、QICによって、
ファンドマネージャーにより通知される入手可能な直近の純資産価値に基づき評価される。かかるファ
ンドが非流動資産への投資を行う場合、すぐに入手できる観測可能な市場価格がないため、投資は独立
した価格算定者により価格が設定される。
場合によって、QICにより通知される価格は、2019年6月30日より前の日付に関連する原投資の外部運
用者により提供される未監査の評価ステートメントに基づく。QICは引き続き、外部運用者からの最新の
評価および監査済財務書類のその後の受領から生じるかかる投資の価値への潜在的影響に関する、QTCへ
の最新の通知をモニターし、提供する。
QTCは、投資の公正価格を報告するために、該当する報告日にQICにより提供されるユニット・プライ
スを用いる一方で、下記の表は、レベル3公正価格および重要な観測不能なインプットにつきユニット・
プライスを計算するために用いられる評価技法を示している。
アセット・クラス 評価技法 観測不能なインプット
評価モデルは、資産から生じると予想
関連業界基準に従い、独立した外部価
され、リスク調整後割引率を用いて割
多様な選択的資産 格算定者または外部運用者により提供
り引かれる将来のキャッシュ・フロー
される評価に基づく。
純額を考慮する。
評価モデルは、資産から生じると予想
業界基準に従い、独立した外部価格算
され、リスク調整後割引率を用いて割
インフラストラクチャー 定者または外部運用者により提供され
り引かれる将来のキャッシュ・フロー
る評価に基づく。
純額を考慮する。
インターナショナル・プライベート・
エクイティ・アンド・ベンチャー・ 評価モデルは、資産から生じると予想
キャピタル・バリュエーションのガイ され、リスク調整後割引率を用いて割
プライベート・エクイティ
ドラインに従い、独立した外部価格算 り引かれる将来のキャッシュ・フロー
定者または外部運用者により提供され 純額を考慮する。
る評価に基づく。
オーストラリア不動産協会の評価およ 評価モデルは、資産から生じると予想
び不動産基準に従い、独立した外部価 され、リスク調整後割引率を用いて割
不動産
格算定者または外部運用者により提供 り引かれる将来のキャッシュ・フロー
される評価に基づく。 純額を考慮する。
評価は、レベル3インプットを用いて
長期資産セグメントに対応する資産の
固定利付債券 導き出される関連資産の公正価格に基
価値に基づく。
づく。
(b) レベル3公正価格の変動の調整
下記の表は、2018/19年のレベル3公正価格に関する利益および損失の内訳を示している。
( 単位:千ドル)
未実現の
(1) (1)
期首残高 期末残高
アセット・クラス
(1)
配分 決済
相場変動
多様な選択的資産
5,534,400 (902,388) 100,353 1,123,401 5,855,766
インフラストラクチャー 3,018,799 (221,542) 530,119 41,006 3,368,382
プライベート・エクイティ 2,577,068 (352,154) 580,026 35,036 2,839,975
不動産 2,870,329 (107,196) 173,328 371,467 3,307,928
(1) 上記表内の数値は、資産を保有するユニット・トラストの変動に基づく。
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固定利付債券の変動は注記16に記載されている。
(c) レベル3 - 感度分析
注記17には、レベル3として分類されるものを含むすべてのアセット・クラスに関する市場価格の変動
に対する影響が示されている。
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その他の情報
19 偶発債務
決算日に発生していた偶発債務は、以下のとおりである。
・QTCは、クイーンズランド州の様々な公共部門企業の商業活動を支援するために、2.27十億ドル(2018
年度は2.09十億ドル)まで保証している。それぞれの場合においてQTCは、該当する公共部門企業より
保証に対する再補償を得ている。
・QTCは、金融市場におけるQTCの債券の流動性を支えるために、株式の貸付を行うことができる。
2018/19年期末現在、金融機関に貸し付けられたQTCの保有株式はなかった(2018年度は7百万ド
ル)。
20 関連当事者間取引
QTCの関連当事者とは、QTCが支配し、支配され、共通の支配下にあるか、または重大な影響を及ぼすこ
とのできる法人をいい、クイーンズランド州、クイーンズランド州財務省、州政府部局、公法人(大学を
除く。)および州政府保有法人の支配下にある法人ならびにQTCの主要経営陣およびその関連当事者が含ま
れる。大学に加えて、地方自治体もQTCの関連当事者にはあたらない。
(a) 究極支配法人
直接支配企業は、QTCの単独法人としてのクイーンズランド州財務次官であり、究極支配法人は、ク
イーンズランド州である。かかる任務に関し、同財務次官に対してQTCから報酬は支払われていない。
(b) 主要経営陣
主要経営陣に関する開示情報は、注記21に記載されている。
(c) 会社への投資
関連会社および他の会社への投資に関する詳細は、注記23に記載されている。
(d) 関連当事者との取引
当年度における関連当事者との取引には、以下が含まれる。
・貸付として77,288.9百万ドル(2018年度は72,537.5百万ドル)および受取利息として7,038.9百万ド
ル(2018年度は2,360.1百万ドル)
・余剰資金投資として2,232.0百万ドル(2018年度は1,792.3百万ドル)および支払利息として50.1百
万ドル(2018年度は67.8百万ドル)
・受取手数料として61.0百万ドル(2018年度は64.2百万ドル)
・クイーンズランド州財務省への配当の支払として50百万ドル(2018年度は500百万ドル)
QTCは、QICにより管理されるユニット・トラストに対する投資を通じて、随時間接的にQTCの債券に対
する小額の投資を保有することができる。QTCはかかる資産に対する直接的な法的所有権を有していない
ため、財務書類において調整は行われていない。QTCは、長期資産を通じて、QICへの管理手数料として
97.6百万ドル(2018年度は98.3百万ドル)およびクイーンズランド州財務省理事会事務サービスに0.7百
万ドル(2018年度はなし)を支払った。
主な関連当事者間で行われる個々の重要な取引の性質および金額については、下記のとおり開示され
ている。
・QTCは、コンサルタントからの助言の入手において政府機関の代理人として行為することがある。か
かる状況で、QTCには、助言に関連して重大なリスクまたは利益は存在せず、コンサルタントの費用
については政府機関により払戻される。払戻しとして受領した資金は財務書類においてコンサルタ
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ント費用を相殺し、正味の影響はない。会計年度中にQTCに払戻された費用額は、合計9.5百万ドル
(2018年度は4.5百万ドル)であった。
・QTCは、クイーンズランド・トレジャリー・ホーディングス・プロプライアタリー・リミテッドおよ
びその関連会社(以下「QTHグループ」という。)の株式を保有している。QTHグループは、96.6百
万ドル(2018年度は83.0百万ドル)のQTCへの預金および113.0百万ドル(2018年度は121.6百万ド
ル)の貸付を有し、かかる預金および貸付は、QTCの一般条件に照らしたアームスレングス・ルール
によって規律される。QTCは、原価回収基準で、QTHグループに企業事務サービスも提供し、これら
のサービスの提供に関する受取手数料は0.4百万ドル(2018年度は0.4百万ドル)である。
(e) 代理業務
QTCは、顧客を代理して、以下の代理業務を行う。
・QTCは、クイーンズランド州財務省を代理して、州政府保有法人の現金管理ファシリティに基づき
サービスを提供する。QTCは、このファシリティのリスクおよび利益を受けておらず、したがって貸
借対照表上でこれらの預金を計上しない。QTCは、このサービスに対して手数料を請求する。年度末
現在のこのファシリティに基づく預金残高は、2,272.1百万ドル(2018年度は2,284.3百万ドル)で
あった。
・QTCは、顧客を代理して、随時デリバティブ取引を行うことができる。これらの業務では、バック
ツーバックの関係にあるQTCおよび顧客間の契約ならびにQTCおよび市場間の契約が存在する。この
ようにして、QTCはこれらの契約によるリスクおよび利益を受けておらず、貸借対照表上でこれらを
計上しない。年度末現在のこれらのデリバティブ業務の名目価値は、48.3百万ドル(2018年度は
60.6百万ドル)であった。
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21 主要経営陣
主要経営陣とは、理事会および経営管理チームの構成員であり、QTCの活動を計画、管理および統括する
権限および責任を有する者をいう。
(a) QTCの理事会
QTCは、その権限を2つの理事会(資本市場理事会および長期資産諮問委員会)に委任した。いずれの
委員会も、公社法第10条第(2)項に基づき、州総督により任命される。
(b) 執行役員
経営管理チームは、戦略的指示および主要な組織活動の統括について定める。
(c) 報酬の方針
資本市場理事会-理事
理事会の報酬の変更は、クイーンズランド州財務省ならびに州首相府および州内閣による検討により
報酬が州政府の政策に相応することが要求される。州内閣による変更の認可は、州総督による承認の前
であることが要求される。報酬は直近では、2012年7月1日付で増額された。
長期資産諮問委員会-理事
長期資産諮問委員会の理事に対してQTCから当年度の報酬は支払われていない。
執行役員および従業員
QTCの従業員(執行役員を含む。)は、個別の契約によって雇用され、公社法に従って任命される。
QTCの従業員の大部分は、QTCの運営する金融市場から人材を集めているため、QTCの雇用環境がこれらの
市場において競争力を有しているということが極めて重要である。報酬枠組みは、QTCの理事会により年
に一度承認される固定報酬および変動報酬(年間の短期インセンティブ(以下「STI」という。)の機会
形式による。)により構成される。いずれの報酬も市場競争力があり、業績に連携するものである。
報酬ガバナンス
理事会のヒューマン・リソース委員会は、報酬慣行および報酬手配の統治に対して責任を負ってお
り、理事会は報酬に関する事項について絶対的な責任と意思決定を負っている。QTCは、金融サービス業
界に属する機関の報酬データを収集する金融機関報酬グループ(以下「FIRG」という。)より、年間産
業別ベンチマーク・データを受領する。QTCは、FIRGの構成員内の関連組織に対応付けられたデータの一
部を活用している。QTCが引き続き役割を市場と整合させるべく、外部コンサルタントより分析および助
言を得る。
固定報酬
QTCの各従業員の固定報酬は、各年の7月に見直され、FIRGの報酬データによって評価される。固定報
酬の基準は、関連するFIRGのデータベースの従来基準での一部におけるFIRGの市場平均評価によって設
定され、各従業員の報酬基準を決定する際には、職務範囲、経験、技能および業績が考慮される。
変動報酬-短期インセンティブ
QTCの変動報酬枠組みは、適格な従業員に対して、会計年度における業績を調整する年間の短期インセ
ンティブの機会を提供する。かかる機会は、組織、部、グループおよび個人の傑出した業績を区別し、
報酬を与え、かかる基準における業績をインセンティブ業績と調整するために設けられる。また、「目
標」とするSTI業績をFIRGのデータベースの保守的な市場ポジション(QTCの同業者グループにおける
FIRGの構成員の平均インセンティブ見込額等)と整合させ、各年において理事会レベルで承認を受ける
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ことにより、市場における競争力を確保することを目指す。2018/19年について、STI報酬は、適格なス
タッフに対して2019年7月に支払われた。
変動報酬-執行役員
2018/19年について、執行役員が企業、部および個人のKPIに対して堅調な業績を達成した場合、固定
報酬総額の割合に基づき短期インセンティブ報酬を受ける資格を有することとなる。短期インセンティ
ブは業績不良の際は支払われないが、業績見込みを上回るパフォーマンスについては目標値の50%を上
限とする追加のプレミアムが支払われるというリスクを負う。
執行役員の業績は、企業、部および個人のKPIに対して査定される業績によって調整される。2018/19
年について、執行役員が「目標」とする短期インセンティブの額は自らの固定報酬総額の45%から60%
とする。そのため、各執行役員の短期インセンティブの「目標」達成機会の比重は、40%が個人の業績
に、30%が部の業績に、また、30%がQTCの戦略的企業計画2017-21および営業方針2018/19で定められ
た目標の達成率に基づくこととなる。
QTCの委員会によって検討および承認される年間業績評定に記載される、QTCの2018/19年の総体的な
業績は、QTCの州全土、依頼者、資金調達および操作的活動に渡って非常に堅調だとみなされている。期
待を上回ると評価された企業業績を基準に、執行役員に支払われた短期インセンティブはふり幅があ
り、固定報酬総額の56%から80%であった。
(d) カテゴリー別の報酬
(単位:ドル)
2018/19年 2017/18年
キャピタル・マーケット業務
理事
(1)
323,488 328,326
短期雇用手当
(4)
29,361 19,366
退職手当
合計 352,849 347,692
執行役員
(2)
4,076,728 3,868,859
短期雇用手当
(3)
68,703 67,709
長期雇用手当
(4)
106,260 115,403
退職手当
合計 4,251,691 4,051,971
(1) 理事の短期手当には理事会給与および委員会給与が含まれ、理事長に関しては駐車場の供与も含まれる。
(2) 執行役員の短期手当には賃金、年次休暇、短期インセンティブならびに(該当する場合は)駐車場の供与および
自動車手当等、金銭以外による手当が含まれる。
(3) 長期雇用手当には、長期勤続休暇が関連する。
(4) 退職手当には、QTCにより拠出される退職年金積立金が含まれる。
(ⅰ) 理事
理事報酬の主要種別金額の詳細は以下のとおりである。
(単位:ドル)
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短期雇用手当 退職手当 合計
2018/19年 2017/18年 2018/19年 2017/18年 2018/19年 2017/18年
ジェラルド・ブラッド
125,251 128,748 10,529 - 135,780 128,748
リー(理事長)
(1)
- - - - - -
アリソン・レイナー
トニアン・ダウヤー 42,357 40,210 4,024 3,820 46,381 44,030
アン・パーキン 43,856 43,856 4,166 4,166 48,022 48,022
カレン・スミス-ポメロ
42,357 38,077 4,024 3,877 46,381 41,954
イ
ステファン・ロバーツ
- 37,225 - 3,683 - 40,908
(2)
ジム・ステニング 40,210 40,210 3,820 3,820 44,030 44,030
(3)
29,457 - 2,798 - 32,255 -
ナヴィレ・イデ
合計 323,488 328,326 29,361 19,366 352,849 347,692
(1) クイーンズランド州財務省の代表者にはいかなる報酬も支払われていない。
(2) 2018年6月1日に辞職した。
(3) 2018年10月1日に選任された。
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(ⅱ) 執行役員
執行役員報酬の主要種別金額の詳細は以下のとおりである。
(単位:ドル)
短期雇用手当 退職手当 長期手当 合計
短期インセ
2019年6月30日 基本 金銭以外
ンティブ
最高経営責任者
720,151 511,200 16,601 20,461 20,624 1,289,037
副最高経営責任者
兼経営理事
567,145 473,475 16,659 20,531 15,490 1,093,300
資金調達および市
場
経営理事
顧客へのアドバイ 367,830 219,375 15,651 20,531 11,598 634,985
ス
経営理事
コーポレート・ 353,527 230,850 15,651 24,206 10,109 634,343
サービス
経営理事
337,932 202,500 28,181 20,531 10,882 600,026
財務データおよび
コンプライアンス
合計 2,346,585 1,637,400 92,743 106,260 68,703 4,251,691
(単位:ドル)
短期雇用手当 退職手当 長期手当 合計
短期インセ
2018年6月30日 基本 金銭以外
ンティブ
最高経営責任者
699,060 469,239 15,855 19,986 21,971 1,226,111
副最高経営責任者兼
経営理事
535,046 461,700 14,661 20,049 14,219 1,045,675
資金調達および市場
経営理事
348,378 224,775 12,056 19,587 10,643 615,439
顧客へのアドバイス
経営理事
リスクおよび財務業 348,474 208,125 14,240 20,033 10,141 601,013
務
経営理事
317,419 170,000 29,831 35,748 10,735 563,733
コーポレート・サー
ビス
合計 2,248,377 1,533,839 86,643 115,403 67,709 4,051,971
(e) その他の取引
QTCの資本市場理事会の構成員の役職は、年次報告書のコーポレート・ガバナンスの項目において開示
される。QTCの単独法人としての財務次官に対してQTCから報酬は支払われていないか、または支払われ
る予定はない。
会計年度内において、QTCおよび主要経営陣が支配する法人の間の取引または主要経営陣への貸付もし
くは主要経営陣からの借入はなかった。
22 監査人報酬
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外部監査人(クイーンズランド州の会計検査院長)は、QTCに対するコンサルティング業務を行っていな
い。QTCの監査人に支払われたもしくは支払われうる金額(物品・サービス税を除く。)は以下のとおりで
あ る。
( 単位:ドル)
2018 /19年 2017 /18年
監査サービス
359,000 379,250
QTCの財務諸表の監査および審査
23 関連会社への出資
以下の関連会社の株式を原価にて有している。
名称 主な業務
クイーンズランド・トレジャリー・
クイーンズランド州のために保有され、多数の子会社の株式および戦
ホールディングズ・プロプライアタリー・
略的投資金を保有する持株会社
リミテッド(QTH)
クイーンズランド・ロッタリー・
ゴールデン・カスケット・ロッタリーのライセンスおよび商標を保有
コーポレーション・プロプライアタリー・
する
リミテッド
長期リース契約に基づき賃借しているマッカイに近接するダルリンプ
DBCTホールディングズ・
プロプライアタリー・リミテッド
ル湾における石炭積出港の所有権および施設の保有
クイーンズランド・エアポート・
99年間のリース契約に基づき賃借しているマッカイ空港の土地および
ホールディングス(マッカイ)
設備の保有
プロプライアタリー・リミテッド
クイーンズランド・エアポート・
99年間のリース契約に基づき賃借しているケアンズ空港の土地および
ホールディングス(ケアンズ)
設備の保有
プロプライアタリー・リミテッド
99年間のリース契約に基づき賃借しているブリスベン港の所有権およ
ブリスベン・ポート・ホールディングス・
プロプライアタリー・リミテッド
び設備の保有
QTHはブリスベン・オーストラリアで設立され、同地に本拠地を置く。QTHは、上記の会社の100%の実質
持分を有している。QTCは、QTHに対する投資につき、持分法を適用していない(「注記2 (p) 判断および
予測」参照)。
24 配当
毎年、理事会は、公社の財政状態を考慮して、宣言する適正水準の配当を決定する。50百万ドル
(2017/18年は500百万ドル)の配当がクイーンズランド州政府に対して2019年6月に支払われた。
25 決算日後の事象
会計年度末より、QTCのキャピタル・マーケット業務セグメント、当該業務の結果もしくはQTCの将来に
おける形勢に著しく影響を及ぼした、あるいは及ぼす可能性のあるその他の事態または状況は見受けられ
ない。
2019 /20年以降、LTAABは州投資諮問委員会(SIAB)として再構成される。同委員会の委員には、財務次
官(委員長)、財務・経済・財政調整次官代理(職権上の委員)および3名の外部委員等がいる。
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(6) 【その他】
なし。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
クイーンズランド州の概況
クイーンズランド州
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(1) 概況
クイーンズランド州は6つのオーストラリアの州のうちで2番目に広大な面積を有し、最も広い居住地
域を持つ州である。面積は1.7百万平方キロメートルで、亜熱帯気候に属する人口稠密の南東部から熱帯
気候に属する人口稀薄の北部ケープ・ヨーク半島に及ぶオーストラリア全土の25%にあたる北東部を占
めている。クイーンズランド州の地形および気候は多種多様の農作物の生産に適しており、最も重要な
ものとして食肉、穀物、砂糖および綿花がある。さらに、クイーンズランド州は広範囲にわたる鉱床お
よびガス鉱床(広大な石炭の鉱床および世界的に最も有名なボーキサイトの鉱床の1つを含む。)、多様な
産業基盤、非常に発達した港湾および交通網ならびに教養ある労働力を有している。約1万キロメートル
に及ぶ鉄道および18.4万キロメートルに及ぶ道路等の陸上交通網は州の資源の開発を支えている。
クイーンズランド州はオーストラリアで3番目に人口の多い州で、2018年6月末現在、人口は約5.01百
万人であり、オーストラリアの総人口の20.1%を占めている。クイーンズランド州の人口の約3分の2は
穏やかな気候と発達した産業基盤を有する州の南東部のブリスベン市、ゴールドコースト市およびサン
シャインコースト地域に住んでいる。州の人口の残りは広範囲にわたって分布しており、クイーンズラ
ンド州をオーストラリアの中で最も人口密度の低い州にしている。
クイーンズランド州の州都であるブリスベン市には周囲の大都市圏も含めて約2.4百万人が住んでい
る。クイーンズランド州には他に住民5万人を超える人口密集地域が9都市ある。
(2) 政治
オーストラリア連邦は、1901年1月1日、ニュー・サウスウェールズ、ビクトリア、クイーンズラン
ド、南オーストラリア、西オーストラリアおよびタスマニアの6つの英国植民地が連邦政府の州として結
合し、国家連合として形成された。さらにこの6つの州に加えて、オーストラリアは北部準州および首都
キャンベラ市のあるオーストラリア首都特別地域等のいくつかの準州を持つ。
連邦議会は特定の事項に関してのみ立法行為を行うことができる。これらの事項には対外・各州間の
貿易、外交、国防、移民、租税、銀行業務、保険、結婚・離婚、通貨・計量・測量、郵便・通信および
疾病・老齢年金が含まれる。いくつかの事項に関して連邦は独占的権限を付与されており、すなわち各
州はこれらの領域において立法行為を行うことができない。他の事項に関して連邦および各州は平等の
権限を有しており、それによって連邦および各州は共に立法行為を行うことができる。各州は憲法に具
体的に記載されていない事項に関する立法権限を有している。連邦および各州が立法行為を行う平等の
権限を有している領域において矛盾のある場合、連邦法が優先し、州法はこれに矛盾する限度で無効で
ある。
各州の権限は教育、公衆保健、警察および司法、運輸、道路および鉄道、産業、鉱業および農業、公
共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道ならびに灌漑に関する監督に及ぶ。
クイーンズランド州は憲法上の責任とされているこれらの機能に関する自治権および監督権を有して
いるが、クイーンズランド州は連邦の一部を形成するものであり、多くの重要な点において州の経済実
績や見通しはオーストラリア全体のそれと互いに密接に関係している。特に、オーストラリア全体の経
済管理に対する一義的な責任は連邦政府が有している。たとえば、連邦政府は国家予算政策、財政政策
および外交政策に対して責任がある。さらに、ほとんどの賃金レートは従来連邦および州の調停機関や
仲裁機関を通して中央集権的に決定されてきたが、過去20年間の法制度によって中央集権的な賃金決定
から企業ごとの合意への移行の基盤が確立されている。
クイーンズランド州の立法権は州議会にある。州議会は立法議会という1つの議会から成り、18歳以上
のすべての州民の義務投票により3年未満の任期で選任される。
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2017 年11月に直近の州議会選挙が行われた。オーストラリア労働党は、(国会の93議席数のうち)48
議席を獲得し、圧倒的過半数を形成し、州政権二期目となった。現在の首相はアナスタシア・パラ
シェー首相であり、同氏は2006年に州議会議員となった。次期州議会選挙は2020年10月に行われ、その
後 は、直近の4年の固定任期の開始後、4年ごとに行われることが予定されている。
州の行政権は、形式的にはクイーンズランド州総督により行使されている。総督は女王を代表し行政
評議会の助言を受ける。行政評議会は、総督および州の大臣により構成される。大臣は立法議会の過半
数を制する政党または連合政党の党員である。首相を含めて現在では18人の大臣がいる。実際には、州
の行政権は必要な場合には総督により形式的に批准される内閣の決定をもって、内閣(クイーンズランド
州においてはすべての大臣により構成される。)によって行使される。連邦の場合と同様に、特殊な場合
を除き、総督が内閣の助言に基づき行動することは、オーストラリアの政治体制において慣例となって
いる。
州のすべての歳入および歳出にはクイーンズランド州議会の許可が必要とされる。州の会計(QTCの会
計を含む。)は、州総督により指名を受けた州の会計検査院長により継続的に監査され、州の会計検査院
長は各年の財政活動につき毎年州議会に報告する。
各大臣は1または複数の政府部門および関連する法定機関の業務に関して議会に対して責任を負ってい
る。各部門は、独立の公務員を置いており、2009年財務執行責任法の下、各部門用に議会が支給する資
金の財政管理に責任を有する長官が置かれている。
州の司法制度は主に土地裁判所、少年裁判所、治安判事裁判所、地方裁判所、最高裁判所およびク
イーンズランド州民事・行政審判所から成る。控訴裁判所は最高裁判所の一部門である。クイーンズラ
ンド州の裁判官は内閣の助言に基づき行動する州総督により代表される女王により任命される。
特別な機能を実行し、または特定の地域サービスを実施するため、議会特別法に基づいていくつかの
個別の機関がクイーンズランド州において設立されている。これらの機関は、「法定機関」、「公法
人」、「準政府機関」、「地方機関」、「地方自治体」、「国有企業」あるいは「政府所有企業」と
様々に呼ばれている。
(3) 経済
( イ)概況
クイーンズランド州は、農業、資源、建設、観光業、製造業およびサービス業を含む多様な産業に
よって支えられた現代的で活力ある経済を有している。
過去20年間にわたり、クイーンズランド州の経済成長は全国平均を概して上回っている。近年の資
源投資ブームおよび関連するLNG(以下に定義される。)輸出の大幅な増加を受けて、経済成長は、今
後数年の国家経済成長に即してさらに広範囲に大きく成長すると予測されている。
農業、林業および漁業は、とりわけ農村および地方の地域において、クイーンズランド州の多様な
経済の重要な一部であり、州の財産の大切な一部である。クイーンズランド州の農産物の大部分が輸
出用に生産されており、外貨収入に重要な貢献をしている。
クイーンズランド州は十分に発展した石炭産業および鉱物産業を有しており、天然ガス産業は近年
急速拡大を見せ、主要な国際的輸出部門の1つへと変革した。クイーンズランド州の石炭およびボーキ
サイトの埋蔵量は世界でもトップクラスであり、概して高品質で入手しやすい。
クイーンズランド州は、冶金用石炭の海上輸送による世界最大の輸出者であり、州の石炭の大部分
が現在のところボーエン盆地で生産されている。多種多様の鉱物(ボーキサイト、銅、亜鉛、鉛、銀
および金が最も多い。)がクイーンズランド州において生産されている。鉱物鉱山はマウント・アイ
ザの周囲の地域に最も集中している。
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クイーンズランド州の天然ガス産業は1960年代から運営されているが、石炭層ガスの抽出技術の発
展およびグラッドストンの液化天然ガス(以下「LNG」という。)プラントへの多額の投資により、当
該 部門にアジアの主要な輸出市場への門戸が開かれた。LNGは、クイーンズランド州で石炭に次ぎ2番
目に重要な輸出用商品となった。
クイーンズランド州で生産される資源の大部分が海外で利用されている。石炭、LNGおよび鉱物の海
外輸出は2017/18年におけるクイーンズランド州の国際財やサービスの輸出の約65%を占めた。
歴史的に、製造業はクイーンズランド州の経済にとってオーストラリアの他の州ほど重要とされて
いない。クイーンズランド州の製造業はクイーンズランド州内の鉱物加工および農作物を含む経済の
需要を充たすように特化されてきた。しかしながら、近年製造業部門は多様化し、高付加価値ハイテ
ク産業にまで拡大している。
国際観光および各州間観光はまた、クイーンズランド州の経済に大きく寄与する部門である。ク
イーンズランド州には、その国際的な都市やユニークな地方ばかりでなく、グレート・バリア・リー
フ、広大なビーチ、アイランド・リゾート、熱帯雨林等の自然の魅力が数多い。
すべての近代経済がそうであるように、クイーンズランド州は建設、卸売業および小売業、通信、
経営および財務といった様々な部門に関するサービス活動ならびに観光部門を含む広範囲にわたる
サービス部門を有している。
過去20年間におけるクイーンズランド州の経済において重要な構造的変化があった。製造部門の重
要性はかかる期間を通じて徐々に減少し、他方で金融、保険および専門的・科学的・技術的サービス
部門の重要性は増加した。
経済政策
クイーンズランド州政府は、力強い経済を構築し、すべてのクイーンズランド州民に改善した雇用
機会を提供しつつ、州の財政管理に関して責任ある取組みを保証することに注力している。
2015 年以降、継続的な国家予算において説明されたパラシェー政権の経済計画は、経済繁栄および
雇用の推進ならびに州全域での生活水準の向上に不可欠なものであり、以下のとおり重点的に取り組
んでいる。
・ クイーンズランド州民が利用できる経済的機会を増やすこと
・ それらの機会を獲得し十分に活用するためにクイーンズランド州民の能力を向上させること
・ それらの機会がもたらす繁栄および質が改善された生活をすべてのクイーンズランド州民が共
用できるよう確保すること
当該経済計画は、以下の6つの重要な政策手段を通してこれらの成果を出すことに注力している。
1. 起業家精神およびイノベーションの育成
2. 事業投資および輸出の促進
3. 生産性の高いインフラの提供および促進
4. 人材の育成
5. 土地および天然資源の利用の最適化
6. 革新的、積極的かつ迅速に対応する公的部門の指揮
当該経済計画の重要な政策の1つである、「生産性の高いインフラの提供および促進」に沿うよう
に、クイーンズランド州政府は2018/19年予算において説明された、クイーンズランド州政府の実質
的で有意義な資本稼動プログラムを実行している。これは経済および事業の成長機会を開き、民間部
門投資および州全域にわたる革新の促進剤として機能している。
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当該経済計画に沿い、クイーンズランド州政府はまた、生産能力ならびに州の伝統産業、新興産業
および新規産業の回復力(これは、持続可能な経済成長の促進ならびにクイーンズランド州の世帯、
コミュニティおよび地域の継続的な繁栄に不可欠である。)の構築に対し継続的に注力し続けてい
る。
経済成長
クイーンズランド州の経済は、2017/18年において前年の2.0%から上昇して3.4%成長した。
2017/18年における実質州内総生産(以下「GSP」という。)の成長率は、主に家計消費の増加、事業
投資の回復および調整項目(とりわけ各州間の貿易および在庫変動を含む。)によるものであった。
海外輸入の堅調な増加によって、海外純輸出は成長を損ねた。一方、住宅投資も減少した。
実質経済成長-クイーンズランド州およびオーストラリア
(a)
(独自連続数値基準)
クイーンズランド州GSP オーストラリアGDP
(a) (a)
年度
成長率(%) 成長率(%)
十億ドル 十億ドル
2012/13 304.3 2.8 1,597.1 2.6
2013/14 310.9 2.2 1,638.1 2.6
2014/15 314.1 1.0 1,676.4 2.3
2015/16 322.0 2.5 1,724.1 2.8
2016/17 328.4 2.0 1,764.5 2.3
2017/18 339.5 3.4 1,814.5 2.8
(a) 2016/17年を参照年度とする連続数値基準による。
出所:オーストラリア統計局5220.0
主要経済指標
次の表は、クイーンズランド州の特定の主要経済指標を示すものである。
クイーンズランド州主要経済指標
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
海外貿易輸出(十億ドル)
44.8 46.5 47.9 66.5 74.3
小売業総取引高(十億ドル) 57.0 58.6 60.2 61.9 62.5
民間総設備投資(十億ドル) 83.6 71.4 63.2 65.3 69.3
(a)
30.8 32.1 29.9 43.9 n.a.
資源生産額(十億ドル)
農業生産額(十億ドル) 12.0 13.3 14.6 14.9 14.7
(b)
2,320 2,327 2,366 2,369 2,467
被雇用者数(千人)
(b)
6.0 6.5 6.2 6.2 6.0
失業率(%)
(b)
2.8 1.9 1.6 1.7 1.7
消費者物価の上昇率(%)
週平均普通就業時間所得(ドル)
1,090 1,106 1,118 1,123 1,150
(b)
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(a) 石油およびガスを除く。
(b) 年間平均
(注) すべての金銭価値は時価である。
n.a. 2017/18年のデータは入手不能
出所:オーストラリア統計局5220.0、5368.0、6202.0、6302.0、6401.0、8501.0、クイーンズランド州農業水産省、ク
イーンズランド州天然資源・鉱山・エネルギー省
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( ロ)クイーンズランド州経済の構造
次の表は、2016/17年および2017/18年におけるクイーンズランド州とオーストラリアの州内/国
内総生産における各項目の年間成長率の変化および貢献度が示されている。
経済成長の構成要素
(a)
( 独自連続数値基準 )
クイーンズランド州 オーストラリア
GSPの成長率に GDPの成長率に
年間成長率 年間成長率
対する貢献度 対する貢献度
(%) (%)
( パーセントポイント ) ( パーセントポイント )
2016/ 2017/ 2016/ 2017/ 2016/ 2017/ 2016/ 2017/
17年 18年 17年 18年 17年 18年 17年 18年
家計消費
2.2 2.8 1.3 1.6 2.4 2.9 1.3 1.6
民間投資 1.6 4.8 0.3 1.0 (3.1) 5.0 (0.6) 1.0
住宅 3.4 (4.8) 0.2 (0.3) 2.5 (0.1) 0.1 0.0
事業投資 (1.2) 12.7 (0.1) 1.3 (9.5) 9.9 (1.0) 0.9
非住宅建設 (6.3) 16.3 (0.4) 1.0 (16.8) 11.9 (1.1) 0.6
工場および施設 7.0 7.7 0.3 0.3 2.4 7.1 0.1 0.3
その他の民間投資 7.5 (1.7) 0.2 (0.1) 5.2 1.9 0.2 0.1
(b)
2.1 3.3 1.6 2.6 0.9 3.4 0.7 2.6
最終民間需要
(b)
5.4 4.2 1.3 1.0 6.5 3.5 1.5 0.8
最終公共需要
海外輸出 6.9 1.4 1.7 0.4 5.4 3.4 1.1 0.7
海外輸入 6.2 14.0 (1.0) (2.3) 4.7 6.6 (0.9) (1.4)
調整項目 n.a. n.a. (2.0) 1.5 n.a. n.a. (0.1) 0.1
統計上の誤差 n.a. n.a. 0.4 0.2 n.a. n.a. 0.0 0.0
州内/国内総生産 2.0 3.4 2.0 3.4 2.3 2.8 2.3 2.8
(a) 2016/17年を参照年度とする連続数値基準による。
(b) 「最終需要」は最終消費支出に民間総設備投資を加えたものから成る。
n.a. 該当なし
出所:オーストラリア統計局5220.0
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オーストラリア統計局による州の年次会計(5220.0)のデータ(上記表を参照のこと。)に基づけ
ば、主な特色として、以下のものが挙げられる。
・クイーンズランド州における家計消費は、前年の2.2%の増加に続き、2017/18年において2.8%
増加した。家計所得の成長率は、雇用の堅調な増加の結果として、2017/18年において上向い
た。
・住宅投資は、2017/18年において、2013/14年から2015/16年までの3年連続の堅調な増加の後、
4.8%減少した。長期間にわたる低金利および強い投資意欲(特にブリスベンの賃貸の利回りが主
要な南部の州都における賃貸の利回りより高かったことによる。)は、近年の住宅投資を後押し
している。しかしながら、投資家に対する融資基準の厳格化ならびにシドニーおよびメルボルン
における不動産価格の下落による悪影響への懸念と併せて、特にブリスベン内部におけるアパー
トの着工数が急増したことは、2018/19年および2019/20年において住宅投資が抑えられること
を示唆している。
・クイーンズランド州における事業投資は、2017/18年においては12.7%増加し、LNG建設のブーム
が落ち着き4年間減少した後の初めて増加した年となった。当該年度における増加は、技術建設
(18.9%増加)によるものであり、太陽光発電所への投資に後押しされた。工場および施設への
投資(7.7%増加)および新規ビルの建設(7.0%増加)は、2017/18年において堅調に増加し
た。
・海外輸出は、石炭の輸出の回復に後押しされ、2017/18年において1.4%増加した。海外輸入は、
資本財の輸入の増加により、2017/18年において14.0%増加した。結果として、海外純輸出は
2017/18年におけるクイーンズランド州の経済成長を1.9パーセントポイント損ねた。
海外への商品輸出
クイーンズランド州は、オーストラリアで2番目に大きな輸出州であり、オーストラリアの2017/18
年における商品輸出合計の23.6%を占めている。
クイーンズランド州の海外商品輸出の名目値は、石炭およびLNGの輸出価格の上昇により、2017/18
年において11.7%増加した。
クイーンズランド州の石炭の輸出額は、3種類すべての石炭(特に強粘結炭)の価格の上昇および量
の増加の両方を反映して、2017/18年において4.4十億ドル増加して40.3十億ドルとなった。強粘結炭
の量は、本年度において、2017年4月および5月における大型サイクロン「デビー」による石炭鉄道イ
ンフラストラクチャーの深刻な崩壊からの立ち直りによって増加した。
クイーンズランド州財務省は、LNG輸出額は、2017/18年において2.1十億ドル増加して10.7十億ド
ルになると予想している。かかる増加は、石油価格に連動した輸出価格の上昇により牽引されたもの
である。LNGの輸出量は、現在ほぼ頭打ちとなっており、2016/17年には59.6%の増加、2015/16年に
は654.3%の増加であったのに対して、2017/18年においては4.8%の増加であった。
食肉輸出額は、輸出量の増加に牽引されて、2017/18年において8.7%増加して5.1十億ドルとなっ
た。乾燥した天候であったため牧畜業者による畜牛の売り払いが進み、近年著しく落ち込んでいた牛
肉輸出量が増加に転じた。
これらの利益を一部相殺したのが、穀物(特にヒヨコ豆)の輸出の名目価値の減少であった。ヒヨ
コ豆の輸出額は、生産量の低下および2017年12月からのインド政府(これまでクイーンズランド州に
とって最大のヒヨコ豆輸出市場)による関税導入による需要の低下の両方を反映して、2017/18年に
おいて50%超減少した。
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クイーンズランド州の海外への商品輸出高
(時価で評価。単位:百万ドル)
(a) (p)
2015/16年 2016/17年
輸出分類 2017/18年
(b)
農産品
食肉 5,308 4,658 5,062
織物用繊維 522 873 247
穀物および穀物調製品 452 527 272
野菜・果物 1,109 1,853 1,191
家畜飼料 153 132 135
1,609 1,720 1,761
その他の農産物
小計
9,153 9,762 8,669
天然鉱物
(c)
21,339 35,842 40,272
石炭・コークス・練炭
(d)
4,336 4,478 5,575
鉄鉱石
石油・石油製品・石油原料 105 80 104
(e)
5,111 8,654 10,710
ガス(天然および製造)
14 17 22
その他の天然鉱物
小計
30,904 49,071 56,682
(b)
加工鉱物・金属
(b)
4,152 3,943 3,747
非鉄金属
226 263 287
その他の加工鉱物・金属
小計
4,377 4,207 4,033
その他の製造品
機械製品・非輸送機器 1,166 1,276 1,390
化学製品・肥料(天然肥料を
758 639 873
除く)・プラスチック製品等
輸送機器 369 400 516
革・ゴム・その他の原料・家
256 244 253
具・衣類等
483 497 552
その他の製造品および飲料
小計
3,032 3,056 3,583
製造品合計(加工鉱物・金属その他の合計) 7,409 7,263 7,617
機密 400 390 1,329
(b)
47,866 66,486 74,297
製品・商品の海外輸出合計
(p) 暫定計数
(a) 標準国際貿易分類(SITC)(第3改訂版)に基づく。
(b) 砂糖および一部の金属加工品の輸出は州レベルでは入手できず、これにより州合計が実際の輸出額よりも少なく
なった。
(c) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省による石炭輸出見積額を含む。
(d) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省によるアルミニウム輸出見積額を
含む。
(e) オーストラリア統計局により機密データとされているクイーンズランド州財務省による液化天然ガス輸出見積額を
含む。
(注) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
クイーンズランド州は輸出用に多種にわたる鉱物や農産物を生産している。大規模な受入能力を持
つ鉄道および港湾施設の開発は、クイーンズランド州の世界市場における競争力を高め、主要なアジ
ア市場およびヨーロッパ市場との接触を容易にした。
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2017 /18年の会計年度中、豪ドル為替レートは平均0.78米ドル(前年と比べて2.8%の上昇だが、5
年前と比べると24.5%の下落)となった。持続する豪ドルの下落は、海外の購入者については相対的
に 安価となるため、経済の非鉱業部門を刺激する重要な要素(農業およびサービスの輸出を含む。)
と見られている。2018/19年のこれまでのところ、豪ドルは米ドルに対してさらに下落しており、
2018年11月において、平均0.72米ドルであった。
クイーンズランド州は幅広い海外市場に向けて輸出を行っているが、クイーンズランド州の商品の
主要な輸出先は、全輸出の約82%を占めるアジア諸国である(下記表を参照のこと。)。2017/18年
において、中国は、州の海外向けの商品輸出額の30.4%を占め、2016/17年から4.3パーセントポイン
トそのシェアを増加させ、引き続きクイーンズランド州の最大の輸出市場であった。日本は2012/13
年以前の数十年間においてクイーンズランド州の最大の輸出市場であったが、その合計輸出額に占め
る割合は、主に中国向け輸出の増加により低下傾向にある。その他の2017/18年の主要輸出市場はイ
ンド、韓国およびEUであった。
次の表は、近年のクイーンズランド州の主要輸出先を示している。
クイーンズランド州の製品輸出の主要海外市場
(時価で評価。全体に対する割合。表示単位:%)
(p)
2015/16年 2016/17年
2017/18年
北アジア合計
57.1 58.3 61.4
中国 23.4 26.2 30.4
日本 16.7 15.6 15.8
韓国 12.7 12.0 10.6
台湾 3.5 3.9 4.0
香港 0.8 0.6 0.5
南アジア合計 20.1 21.9 20.6
インド 11.3 13.9 13.2
インドネシア 1.7 1.5 1.6
マレーシア 1.2 1.1 1.4
タイ 1.2 0.9 0.6
シンガポール 1.4 1.5 0.8
北米 5.2 3.6 2.9
アメリカ合衆国 4.2 2.4 2.1
カナダ 1.0 1.2 0.8
(a)
7.3 7.9 7.3
EU
ニュージーランド 1.7 1.4 1.4
ブラジル 1.4 2.0 1.7
その他 7.1 4.9 4.8
(a) 英国を含む。
(p) 暫定計数
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
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観光輸出
(1)
2017 /18年のクイーンズランド州における海外からの訪問者 の宿泊数は、0.1%減少して53.8百
万泊となった。全地域のうち、2017/18年において中国が一国では最多の8.96百万泊の海外訪問宿泊
者を送り込み、英国およびニュージーランドがそれぞれ4.87百万泊で続いた。アジアからの訪問者の
宿泊数は、過去5年間にわたって堅調に増加しており(37.8%増加して26.88百万泊)、中国(90.8%
増加して8.96百万泊)、インド(94.5%増加して2.01百万泊)および日本(30.4%増加して3.40百万
泊)がかかる期間における増加への最大の貢献国となっている。
(1) オーストラリア政府観光調査局からのデータの問題により、2018年3月四半期および2018年6月四半期に
おいて、旅行者(休暇を過ごす人々または友人もしくは親戚を訪問する人々であると定義される。)を
別個に集計することができない。したがって、報告された数字はすべての訪問者の合計である。
(a)
クイーンズランド州への海外からの訪問者 宿泊数(出発地別)
(単位:千泊)
2015/16年 2016/17年 2017/18年
中国
6,524 6,982 8,958
ニュージーランド 5,417 5,173 4,865
日本 3,140 3,766 3,399
台湾 2,970 3,801 3,146
韓国 3,602 3,267 2,783
その他のアジア諸国 7,950 8,282 8,589
英国 5,020 5,183 4,874
ドイツ 2,538 2,527 2,222
その他の欧州諸国 5,753 6,012 6,363
アメリカ合衆国 3,130 2,718 2,679
5,923 6,200 5,958
その他の諸国
合計 51,968 53,912 53,838
(a) データの問題により、2017/18年において、旅行者を別個に集計することができなくなった。したがっ
て、訪問者宿泊数の合計が表示されている。
出所:オーストラリア政府観光調査局
各州間の訪問者もクイーンズランド州の重要な観光市場であり、従来海外からの観光よりもクイー
ンズランド州の経済活動に貢献している。(入手可能な直近年度である)2016/17年において、ク
イーンズランド州の各州間の観光の総付加価値(GVA)は3.1十億ドルであり、ニュー・サウスウェー
ルズ州(3.2十億ドル)をわずかに下回り、全州で2番目に多かった。
クイーンズランド州への各州間の訪問者の宿泊数は、前年における3.4%の増加に続き、2017/18年
においては5.8%増加した。
海外からの商品輸入
クイーンズランド州の2017/18年における海外貿易商品輸入の名目値は、16.5%増加して45.7十億
ドルであった。輸入額の増加は、鉱物燃料・石油・潤滑油(2.0十億ドル増)、その他の機械製品およ
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び輸送機器(1.8十億ドル増)、道路走行車両(1.2十億ドル増)ならびにその他の工業製品(1.2十億
ドル増)の増加によるものであった。
クイーンズランド州の近年の輸入額の詳細は、下記の表に示されるとおりである。
クイーンズランド州の海外からの商品輸入高
(時価で評価。単位:百万ドル)
2017/18年
(a) (p)
2015/16年 2016/17年 増加率
輸入分類 2017/18年
(%)
動物・食品・飲料・たばこ 1,939 2,000 2,058 2.9
鉱物燃料・石油・潤滑油 5,903 6,914 8,928 29.1
化学製品 2,215 2,250 2,312 2.8
道路走行車両 7,181 7,463 8,699 16.6
その他の機械製品および輸送機器 7,838 8,897 10,666 19.9
その他の工業製品 8,798 8,847 9,997 13.0
2,288 2,823 2,998 6.2
その他
商品の海外輸入合計 36,162 39,194 45,660 16.5
(a) 標準国際貿易分類に基づく。
(p) 暫定計数
(注) 数値は百万ドルの位に四捨五入されている。
出所:オーストラリア統計局、未公表外国貿易データ
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人口および雇用
(入手可能な直近のデータである)2018年6月30日現在、クイーンズランド州の推定居住人口は、
5.01百万人であり、オーストラリア人口の20.1%であった。クイーンズランド州の人口増加率は、
2012年9月四半期から2015年9月四半期までは落ち着いていたが、最近の数四半期に勢いを増した。
2018年6月までの1年において、クイーンズランド州の人口は1.7%増加したが、これは、同期間におけ
る国の人口の増加が1.6%であったのを少し上回った。
各州間の純移動の増加は、2018年6月四半期までの1年において引き続き回復し、2006年9月四半期ま
での1年以降で最高水準である24,698人に増加した。海外からの純移動はわずかに減少し、2017年6月
四半期までの1年における34,075人から2018年6月四半期までの1年においては29,628人となった。2018
年6月四半期までの1年において、自然増加(出生から死亡を差し引いた数)は30,221人であった。
年平均では、クイーンズランド州の雇用は、前年度の0.1%の成長率に引き続き、2017/18年には
4.2%成長した。雇用成長は、クイーンズランド州の南東部(4.7%増)がクイーンズランド地方
(2.7%増)を上回った。クイーンズランド州の南東部における高い成長は、医療(14.8%増)ならび
に(それよりは低いものの)小売業(6.4%増)および教育(7.4%増)に集中した。
クイーンズランド州の労働力参加率は、高い雇用成長に後押しされた人々が労働市場に再参入した
ため、2017/18年において1.4パーセントポイント上昇した。2017/18年における雇用と概ね合致し
て、労働力が増加した(4.0%増)ことをうけて、年平均失業率は、6.2%から6.0%にわずかに低下し
た。
2017 /18年において、医療、教育、農業および支援サービスがクイーンズランド州の雇用成長の最
大の牽引要素であり、行政雇用の減少を補って余りあった。鉱業部門における雇用(2017/18年にお
いて雇用合計の約2.5%を占めた。)は、2017/18年においてある程度回復したが、依然として2013/
14年のピーク時をはるかに下回っている。2010/11年以降クイーンズランド州で最大の雇用創出部門
である医療は、過去5年間、クイーンズランド州の雇用成長の41%を占めている。
以下の表は、クイーンズランド州およびオーストラリアのその他の地域における産業部門別の雇用
および2017/18年までの5年間にわたる年平均成長率を示している。
(a)
クイーンズランド州における産業部門別被雇用者数
2012/13年
から
2012/ 2013/ 2014/ 2015/ 2016/ 2017/
2017/18年
13年 14年 15年 16年 17年 18年
までの
(千人) (千人) (千人) (千人) (千人) (千人)
年平均変動
率(%)
農業・林業・漁
65.3 55.4 54.9 58.8 52.5 63.0 (0.7 )
業
鉱業 71.4 77.3 64.8 57.9 57.5 61.0 (3.1 )
製造業 160.5 177.5 167.0 169.1 164.6 170.5 1.2
電力・ガス・水
30.1 33.4 32.1 31.1 24.6 33.0 1.9
道・廃棄物処理
建設 228.7 229.2 216.5 208.4 229.4 239.1 0.9
卸売業 75.7 67.7 69.7 68.6 64.5 64.4 ( 3.2 )
小売業 245.2 269.0 252.0 255.4 253.9 262.4 1.4
ホテル・飲食
162.9 148.9 177.4 166.9 181.1 182.2 2.3
サービス
運輸・郵便・倉
133.8 125.5 122.7 132.9 132.5 140.7 1.0
庫
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情報メディア・
電気通信サービ 30.5 30.5 31.5 32.9 35.8 28.5 (1.4)
ス
金融・保険サー
60.8 53.9 59.1 67.0 63.3 62.2 0.4
ビス
賃貸借・不動産
48.6 48.0 48.1 48.9 50.1 47.9 (0.3)
サービス
専門・科学・技
162.0 163.9 182.4 177.3 171.9 169.3 0.9
術サービス
行政支援サービ
80.2 83.5 82.1 85.5 80.2 90.7 2.5
ス
行政・安全 148.4 151.3 152.2 150.1 162.8 149.8 0.2
教育・研修 176.9 175.8 181.7 197.8 189.3 203.4 2.8
医療・社会扶助 276.7 282.1 292.7 314.7 312.9 352.0 4.9
芸術・娯楽サー
35.7 39.9 42.3 41.6 43.2 45.2 4.9
ビス
その他のサービ
95.3 102.9 105.5 104.4 102.3 106.5 2.2
ス
(b)
2,288.9 2,315.7 2,334.9 2,369.5 2,372.5 2,471.8 1.5
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の総月間数
と一致しない。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所:オーストラリア統計局6291.0.55.003
(a)
オーストラリアのその他の地域における産業部門別被雇用者数
2012/13年
から
2012/ 2013/ 2014/ 2015/ 2016/ 2017/
2017/18年
13年 14年 15年 16年 17年 18年
までの
(千人) (千人) (千人) (千人) (千人) (千人)
年平均変動
率(%)
農業・林業・漁
236.1 256.6 262.6 262.2 252.0 266.4 2.4
業
鉱業 192.4 185.8 156.8 163.2 161.5 161.7 (3.4)
製造業 774.6 750.3 748.9 711.6 744.9 736.8 (1.0)
電力・ガス・水
112.8 117.5 110.1 112.6 112.9 115.9 0.5
道・廃棄物処理
建設 758.2 793.6 815.1 842.4 857.2 933.0 4.2
卸売業 353.3 324.8 320.2 304.5 299.3 301.4 (3.1)
小売業 965.1 952.0 986.5 1,015.9 986.8 1,025.9 1.2
ホテル・飲食
619.7 610.6 643.0 662.8 683.2 709.0 2.7
サービス
運輸・郵便・倉
450.7 463.3 481.5 491.7 487.1 500.5 2.1
庫
情報メディア・
電気通信サービ 191.2 166.8 181.4 178.2 180.8 192.9 0.2
ス
金融・保険サー
355.5 361.6 352.1 367.6 374.4 369.0 0.7
ビス
賃貸借・不動産
148.0 155.5 164.0 163.7 159.3 164.3 2.1
サービス
専門・科学・技
746.2 740.7 791.2 821.0 847.8 858.9 2.9
術サービス
行政支援サービ
313.0 302.9 310.2 338.6 350.7 325.3 0.8
ス
行政・安全 556.9 596.6 577.9 591.7 614.8 588.6 1.1
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教育・研修 717.5 720.6 744.3 744.5 793.9 822.7 2.8
医療・社会扶助 1,089.5 1,113.8 1,144.2 1,225.8 1,252.6 1,323.1 4.0
芸術・娯楽サー
174.3 162.8 185.7 187.3 176.8 201.9 3.0
ビス
その他のサービ
354.5 379.9 374.5 369.1 384.4 392.6 2.1
ス
(b)
9,109.7 9,155.6 9,350.3 9,554.0 9,720.3 9,989.8 1.9
合計
(a) 年平均
(b) 産業別雇用数の推定値は、各四半期の中間月に集計される。したがって、産業別雇用の総数は被雇用者の総月間数
と一致しない。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
出所:オーストラリア統計局6291.0.55.003
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物価
ブリスベンにおける消費者物価指数は、2017/18年においては1.7%の上昇となり、2016/17年と同
じ変化率であった。これに対し、1993/94年におけるオーストラリア準備銀行によるインフレ目標政
策採用以降のブリスベンの消費者物価指数の平均年間増加率は2.7%である。また、全国消費者物価指
数は、2017/18年においては1.9%の上昇となった。
収入
クイーンズランド州の2017/18年における平均週間収入の増加率は2.5%であり、これに対して全国
の増加率は2.4%であった。入手可能な直近の平均週間収入および1人当り家計収入の数値は以下のと
おりである。
収入測定
2017 /18年における 2017 /18年における
州
1 人当り家計収入(ドル) 平均週間収入(ドル)
クイーンズランド 58,985 1,150
ニュー・サウスウェールズ 66,167 1,232
ビクトリア 56,872 1,163
南オーストラリア 60,806 1,075
西オーストラリア 70,386 1,326
タスマニア 55,362 1,030
オーストラリア連邦 63,030 1,199
出所:オーストラリア統計局5220.0および6302.0
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賃金政策
企業レベルでの賃金交渉は1991年10月にオーストラリアで導入され、オーストラリアにおいて構造
化された賃金交渉の主要な方法として、徐々に中央集権的賃金決定の「裁定制度」に置き換わって
いった。
2016 年5月現在(入手可能な最新のデータ)、クイーンズランド州の被雇用者の64.9%が団体交渉協
約又は裁定制度によって保護されている。それに比べ、個別契約により保護されている被雇用者は
32.2%であった。
2009 年12月31日、クイーンズランド州の立法により、民間部門の労使関係に係る州の権限がオース
トラリア連邦に移管された。2010年1月1日に施行されたこの移管は、全国の労使関係制度に関する
オーストラリア連邦の立法に合致するものである。全国労使関係制度は、すべてのクイーンズランド
州の民間部門の被雇用者に適用される。クイーンズランド州の公共部門および地方政府の職員は、概
ね州の労使関係制度の下にとどまる。2018年6月現在、クイーンズランド州における州および地方の公
共部門の被雇用者は、合計373,700人であり、クイーンズランド州の被雇用者総数の15.0%を占めてい
る。
2013 年9月に(オーストラリア自由党が率いる)連立が連邦政府を発足させ、2016年7月に再選され
た。現在の連邦政府の政策は企業内交渉を推進しており、引き続きより地方分権的な制度への移行を
行っている。
( ハ)クイーンズランド州経済の主要部門
次の表は、クイーンズランド州とオーストラリアの産業別総付加価値の主な構成要素を示すもので
ある。
(a)
2017 /18 年主要産業部門別
クイーンズランド州GSPおよびオーストラリアGDP(仮想市場法、2016/17年基準)
クイーンズランド州
クイーンズランド州
オーストラリアGDP のオーストラリア
部門 GSP
(百万ドル) に対する割合
(百万ドル)
(%)
農業・林業・漁業 10,634 45,450 23.4
鉱業 32,095 138,181 23.2
製造業 20,310 105,171 19.3
建設 29,297 141,036 20.8
(b)
225,687 1,260,420 17.9
サービス業
合計 318,022 1,690,257 18.8
(a) 産業別総付加価値に基づく。総付加価値は、基準価格での生産額から購入者価格での中間消費額を減算したもので
ある。生産額の基準価格での評価は、個々の産業の生産高についての物品税の負担および補助金の変化により生じ
る偏差を控除している。
(b) 電力・ガス・水道・廃棄物処理、卸売業、小売業、ホテル・飲食サービス、運輸・郵便・倉庫、情報メディア・電
気通信、金融・保険サービス、賃貸借・不動産サービス、専門・科学・技術サービス、行政支援サービス、行政・
安全、教育・研修、医療・社会扶助、芸術・娯楽サービス、その他のサービスおよび住宅不動産運用を含む。
出所:オーストラリア統計局5220.0
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鉱業
過去10年間にわたって鉱業部門は、クイーンズランド州経済に多大な貢献をしてきた。
クイーンズランド州は石炭、ボーキサイト、金、銅、銀、鉛および亜鉛等の資源の莫大な埋蔵量の
みならず、コールシームガスの莫大な「非在来型」資源も有している。
クイーンズランド州において、コールシームガスを原料とする液化天然ガス(CSG-to-LNG)に関す
る3つの主要なプロジェクトが2015年に生産を始め、総資本支出は60十億ドルを上回る。
クイーンズランド・カーティスLNGプロジェクトの最初のガスは2015年1月に輸出され、2015/16年
は、2016年10月までにすべてのLNG「輸送列車」が運転可能となり、実質的なLNG輸出の最初の施行年
度となった。LNGは、クイーンズランド州において石炭に次いで第2位の輸出品となり、2017/18年の
予想額面価格が10.7十億ドル近くとなっている。
2017 /18年においてクイーンズランド州は全国総鉱業生産の23.2%(CVM)を占めた。かかる産業の
生産量は2017/18年までの5年間に平均年間成長率6.8%の成長であった。
2017 /18年において、クイーンズランド州の鉱業部門は州の産業別総付加価値合計の10.1%(CVM)
を占め、61,000名が鉱業部門において直接的雇用(雇用全体の2.5%)であった。
クイーンズランド州の鉱業部門は輸出による利益の高い主要部門であり、資本投資および地域発展
に大きく貢献している。鉱業はまた、州の多くの主要付加価値産業の基盤を提供している。
石炭
石炭はクイーンズランド州の最も重要な輸出品目である。2017/18年における石炭の輸出額(オー
ストラリア統計局により機密データとされている微粉炭および噴射炭等の石炭の輸出額についてのク
イーンズランド州財務省による見積もりを含む。)は、クイーンズランド州の商品輸出合計の54.2%
を占めた。石炭の価格(6.6%上昇)が上昇し、石炭輸出量も増加した(前年の大型サイクロン「デ
ビー」からの復興で5.4%の増加)ために、石炭の輸出額は12.4%上昇し、2017/18年には40.3十億ド
ルとなった。
以下の表は、クイーンズランド州の2011/12年から2016/17年において生産された特定の鉱物生産
額およびその生産量を示すものである。
(a)
クイーンズランド州の資源生産額
(単位:百万ドル)
鉱物 2011/12年 2012/13年 2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年
黒炭 29,709 22,761 22,872 23,116 22,403 37,270
銅精鉱 2,157 1,626 1,657 349 247 220
金地金 709 562 444 545 585 436
ボーキサイト 596 688 894 663 1,055 1,195
鉛精鉱 1,877 2,922 2,383 941 731 384
亜鉛精鉱 1,641 1,052 1,089 2,291 1,293 952
820 804 1,454 4,239 3,626 3,476
その他
(b)
38,519 30,415 30,792 32,145 29,941 43,933
合計
(a) 石炭の場合、輸送もしくは配送費用またはコークス、練炭等の副産物生産に要する費用は含まない。
(b) 原油および天然ガスは含まない。
出所:クイーンズランド州天然資源・鉱山・エネルギー省
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クイーンズランド州の資源生産量
鉱物 2011/12年 2012/13年 2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年
黒炭(千トン) 187,614 208,328 230,122 251,392 243,586 240,699
銅精鉱(千トン) 1,063 920 822 185 138 122
金地金(kg) 25,207 18,224 20,898 19,280 20,307 17,383
ボーキサイト(千トン) 21,560 25,276 26,235 27,434 28,102 30,041
鉛精鉱(千トン) 672 1,463 1,273 494 366 226
亜鉛精鉱(千トン) 1,916 1,208 1,103 2,106 1,297 724
原油(百万リットル) 460 434 562 522 445 384
(a)
8,546 7,969 9,007 13,273 27,335 32,194
天然ガス(十億リットル)
(a) 在来型および非在来型
出所:クイーンズランド州天然資源・鉱山・エネルギー省
農業
クイーンズランド州の農業、林業および漁業部門は、2017/18年においてクイーンズランド州の産
業別総付加価値の3.3%ならびにオーストラリア農業総生産の23.4%(CVM)を占めた。クイーンズラ
ンド州の農産物の大部分は伝統的に輸出され、クイーンズランド州の外貨収入に重要な貢献をしてい
る。
2017 /18年においてクイーンズランド州の農業総生産額面額の半分超は、牛肉、加工用砂糖きび、
穀類および綿花の4つの農産物から構成されており、それらは主に輸出のために生産されている。
また、クイーンズランド州は、主に国内市場向けの熱帯甘橘系果物、米、綿花、野菜、木材、落花
生、菜種油、卵および酪農品を生産している。
クイーンズランド州農業水産省によれば、2017/18年におけるクイーンズランド州の農産物の額面
価格は、7.2%減少した。これは、穀類(33.7%減の1.3十億ドル)、畜牛(6.4%減の5.4十億ドル)
およびサトウキビ(22.9%減の1.1十億ドル)の生産総額の減少に起因する。
次の表は、クイーンズランド州の2017/18年までの過去5年間の主要部門別の農業総生産額面額およ
び生産量を示すものである。
クイーンズランド州の主要農業総生産額面額および生産量
(a)
総額(単位:百万ドル) 2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年
2017/18年
畜牛 3,890 5,076 5,861 5,744 5,379
家禽 494 588 590 650 640
豚 262 270 320 294 232
羊および子羊 61 66 58 10 11
加工用砂糖きび 1,165 1,239 1,209 1,460 1,125
羊毛 80 61 62 66 75
穀類 890 1,203 1,343 1,886 1,250
果物・野菜 2,751 2,684 2,893 2,921 3,054
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酪農製品(乳製品全般) 231 235 237 233 225
綿花 698 383 466 985 884
その他 1,446 1,503 1,537 1,576 1,807
農産物合計
11,968 13,308 14,576 15,825 14,682
生産高
牛肉および子牛肉(千トン) 1,176 1,244 1,107 1,025 1,077
砂糖きび(千トン) 29,219 30,816 32,655 34,410 31,472
(b)
5,762 4,909 3,971 4,763 5,042
羊毛(トン)
小麦(千トン) 1,036 987 1,316 1,502 683
リント綿花(千トン) 298 194 234 316 344
(a) 総額は、クイーンズランド州農業水産省により提供された予測値であるが、「その他」に含まれる苗床を除く。こ
れはクイーンズランド州財務省による見積値であり、オーストラリア統計局の過去データと一致する。
(b) 仲介業者によって受領され、羊毛製造者から販売業者が購入した課税羊毛
出所:オーストラリア統計局7215.0;オーストラリア統計局7218.0;クイーンズランド州農業水産省、クイーンズラン
ド州農業動向(2018年4月更新);オーストラリア製糖工場協議会;オーストラリア政府農業・水資源省;オース
トラリア穀物報告書(2018年9月)
その他の第一次産業
林業および伐採
2017 /18年におけるクイーンズランド州の林業および伐採の生産額は、3.8%増加したと予測され、
270百万ドルとなった。木材需要の大部分は、住居の新築および改築・増築の需要により決定される。
漁業
2017 /18年におけるクイーンズランド州の漁業の生産額は12.9%増加したと予測され、377百万ドル
となった。漁業生産額の47%は商業的漁業によるものであり、その他は水産養殖および遊漁業による
生産額であった。
製造業
2017 /18年において製造業部門はクイーンズランド州の産業別総生産額の6.4%(CVM)を占めた。
2017/18年においてオーストラリア全体の製造業生産高におけるクイーンズランド州のシェアは
19.3%であった。
クイーンズランド州の製造業では歴史的に見てサービス業ならびに州内の農作物および鉱物資源の
加工業が発展してきた。大部分の産業国と同様、サービス提供中心の産業への比重の移行に伴い、
オーストラリアにおいて製造業は相対的に見て次第に重要性を喪失した。
2017 /18年におけるクイーンズランド州の加工鉱物および金属製品を含む製品の海外輸出名目総額
は、前年から0.9%増加し、15.8十億ドルであった。
建設
クイーンズランド州の建設業は、2017/18年には州内の雇用の9.7%を創出し、直接的に州のGVAに
9.2%寄与した。
・2017/18年の住宅投資は、過去4年間にわたり累積で45.1%の増加後、4.8%減少した。
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・クイーンズランド州の住宅投資は、特にブリスベン中心部の2013/14年および2015/16年の
間の空前のアパート建設急増により、回復期に入っていて、市場での供給過剰の懸念を引き
起こしている。
・当時から、パイプラインに相当量の作業が残っているということは、クイーンズランド州の
住宅投資が以前の住宅サイクルと比較して経済成長抑制に向かっていることを示しているに
もかかわらず、連棟の住宅の承認および建設が著しく減少した。
・非居住用建物(店舗、事務所、工場等)および土木建設(炭鉱、港、道路等)によって構成され
る非住宅建設は、2017/18年において16.3%増加した。
・LNGプロジェクトの建設の完了後、クイーンズランド州における新規の土木建設は、3年連続
での減少に続き、2017/18年に18.9%増加した。2017/18年の成長回復は、主に相当数の大
規模な太陽光発電プロジェクトによる発電費用ならびに送電、分配およびパイプラインの設
備の建設によって進められた。
・非居住用建物の建設は、2017/18年に7.0%増加した。当年の成長は、ホテル、オフィスおよ
びエンターテイメント/娯楽施設の建設によるものであり、倉庫建設の減少を相殺するだけ
にとどまらなかった。
サービス
運輸
クイーンズランド州は15の貿易港を有し、その多くはそれぞれの地域の主要生産物を処理する施設
を備えている。さらに、クイーンズランド州は2つの地域港と南東にあるメアリーバラから北西にある
バークタウンの間に等間隔に設置された多くの非貿易港を有している。クイーンズランド州の鉄道網
は10,000キロメートル超の路線を有しており、電化された基幹線とクイーンズランド州中央部の主要
な炭鉱のための重貨物線が含まれる。
鉄道貨物には競争が導入されている。民間企業のパシフィック・ナショナルはクイーンズランド州
で活動を行っている。一方、石炭および貨物部門についてクイーンズランド・レール(現在は「オー
リゾン(Aurizon)」)は従前政府所有であったが、民営化された。鉄道貨物運送事業者は、クイーン
ズランド州の貨物輸送に従事する道路運送企業とも競合している。概ね鉄道により運送される物資と
しては、石炭および鉱物が挙げられる。相当量のコンテナ貨物が鉄道および道路の両方により輸送さ
れる。
クイーンズランド州の公共道路網は安全性および発展可能性を維持するために常に改善され、拡大
されつつある。
クイーンズランド州は主要な国際空港を2つ、それらに次ぐ国際空港(2016年10月に国際線事業を開
始した、トゥーンバにある私営空港であるブリスベン・ウエスト・ウェルキャンプ空港を含む。)を5
つ有しており、また、大規模な商業用国内空港や個人用飛行場もある。ブリスベン空港は、シドニー
空港とメルボルン空港に次いで国内で3番目に利用の多い空港である。
通信
クイーンズランド州では、連邦の郵便システムおよび多くの主要な電気通信会社により、州規模で
のサービスが提供されている。双方向衛星通信は遠隔地域で利用可能となっており、僻地居住者に対
して教育その他のサービスを提供している。クイーンズランド州は、オーストラリア放送公社および
スペシャル・ブロードキャスティング・サービスによって主に運営される広範囲な非商業テレビ網を
有しており、さらに3つの商業テレビ放送網(各々が多数のサブチャンネルを有する。)および地域テ
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レビ局が州内において運営されている。クイーンズランド州ではケーブル・テレビおよび衛星放送テ
レビのサービスが広く行われており、包括的な商業および公営ラジオ放送網もある。
また、ブロードバンド・インターネットサービスが州内のすべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は、ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス/ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノー
ド、固定無線および衛星技術から成る「マルチ・テクノロジー・ミックス」を通じて提供される予定
の連邦のブロードバンド網(以下「NBN」という。)を現在完成しつつある。NBNは、連邦の全敷地に
対し最低25メガビット/秒、および敷地内固定回線の90%に対し最低50メガビット/秒のデータ・ダウ
ンロード・レートを可能な限り早く提供するという目標値を設定している。2018年11月29日現在、ク
イーンズランド州で、総計1,559,607の世帯/企業につきサービスの準備が整い、総計921,584の世
帯/企業についてはサービスを稼働させたと発表されている。
観光業
観光業は、2016/17年においてクイーンズランド州の生産額(基準価格での総付加価値)全体の推
定3.9%を占めた(入手可能な最新時での予測)。クイーンズランド州の観光業の発展は、一定の自然
の利点、すなわち、休暇に理想的な気候ならびにグレート・バリア・リーフとその島々、数百キロ
メートルに及ぶ砂浜、広大な未開発地域、山景、国立公園、熱帯の北部、ダーリング・ダウンスおよ
び未開拓の奥地等のオーストラリアの自然の魅力が最も良く揃っていることに負うところが大きい。
ブリスベン市の南部に位置するゴールド・コーストは、オーストラリアで最大の最も人気のあるリ
ゾート地である。ゴールド・コーストはサーフィン、釣り、クルージングその他様々なスポーツ活動
のための施設を提供している32キロメートルに及ぶ砂浜で知られている。ゴールド・コーストの西に
位置するマクファーソン・レンジの未開発の熱帯雨林で覆われた丘陵地域は、登山、叢林地帯散策、
乗馬、国立公園、滝およびパノラマの景観等によりゴールド・コーストの魅力を広げている。ゴール
ド・コーストの自然の魅力は、テーマパーク、世界規模のゴルフコース、運河の伸長、および国際的
に定評のあるレストランならびに娯楽場等の開発により補強されている。
グレート・バリア・リーフは国内外の旅行者にとって大きな魅力である。そして、リゾート地は、
島および海岸地方の中央部において開発されている。グレート・バリア・リーフの水質は世界で最良
の漁場を提供し、ケアンズは黒かじきで有名な釣りの大会の国際的な舞台となっている。ウィットサ
ンデー・コーストはウィットサンデー群島に近いオーストラリア本土にあり、過去10年間グレート・
バリア・リーフとその島々の人口増加に対応して発展してきた。この地域は、日帰り旅行による珊瑚
礁と島のある休日を提供し、名所へのクルージングやヨットのチャーター施設も提供している。
2017 /18年において、総計2.7百万人の海外からの訪問者が、クイーンズランド州を旅行した。それ
らの訪問者は、クイーンズランド州に合計で53.8百万泊滞在し、その平均滞在期間は19.7泊であっ
た。2017/18年において、クイーンズランド州における海外からの訪問者数は4.1%増となった一方
で、訪問者の宿泊数は若干減少した(0.1%減)。
伝統的に、クイーンズランド州においては国内旅行が海外旅行より大きな市場であったが、国内旅
行の相当部分は州内旅行(クイーンズランド州の住民がクイーンズランド州内を旅行)によるもので
ある。2017/18年は、州間の訪問者が前年から5.8%増加し、クイーンズランド州において合計38.2百
万泊の滞在となった。
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(4) 財政
( イ)クイーンズランド州政府の財政
州の予算方針
各会計年度の予算は通常州財務大臣により会計年度が始まる前の6月に立法議会に提出され、当会計
年度の歳入歳出決算見積もりの明細ならびに翌会計年度および次年度以降の3会計年度の歳入歳出の予
算が含まれる。歳入調達の承認は州議会の様々な現行法に定められており、歳出は毎年、歳出法に基
づく州議会の承認を得る。
予算は通常6月に州議会に提出され、歳出法が8月から9月頃に州議会により予算審議を経て可決され
る。歳出法により、翌会計年度(すなわち予算年度)の歳出案が承認される。これらの歳出法はま
た、歳出法案が国王の裁可を得るまでの翌々会計年度の当初2~3ヶ月間のクイーンズランド州政府の
通常公務を行うにあたり十分な支出の総額を承認する。立法議会のための歳出法が1つとその他すべて
の機関のための歳出法が1つある。
2015 /16年州予算および財政および経済に関する中間概観(以下「MYFER」という。)
2015 /16年州予算は、パラシェー政権に委ねられた最初の予算であり、以下に重点が置かれた。
・州経済およびフロントサービス提供を活性化するための重要な対策を伴う同政権の選挙公約
・ビジネスの生産性および効率性を高め、スキルおよび研修、地域の成長を向上させ、イノベー
ションを促進することを目指すイニシアチブの統一的なプログラム(ワーキング・クイーンズラ
ンド)
・政府所有企業を売却すること、増税することまたはサービスを縮小することなしに一般政府債務
を大幅に削減すること
・財政原則の見直し
自然災害救済復興協定に基づく支払を除外した場合、2015/16年予算における歳入増は、将来見積
期間の平均年率にして4.3%と見積もられ、これに対して経常支出の増加率は平均4.1%と見積もられ
た。純経常収支は、2015/16年において1,213百万ドルの黒字をもたらすと予想された。
2015 /16年予算では、MYFERにおいて拡大されたクイーンズランド州政府の債務行動計画の概要が示
された。
政府所有のエネルギーネットワーク、発電および小売の各事業の統合を選択する可能性の見直し
後、経営を合理化し、急速に変化しつつあるエネルギー市場の課題に対応できるより良い体制とする
ため、MYFERでは、エネルジェクスとアーゴン・エナジーを統合する決定の概要が示された。効率的節
減のプログラムが発電会社に適用されることとなる。効率の良さおよび統合により、2015/16年から
2019/20年までの節減合計は680百万ドルと見積もられている。
2016 /17年州予算およびMYFER
2016 /17年州予算は、2016年6月に提出され、以下に重点が置かれた。
・雇用の創出に必要な要素としての、またクイーンズランド州経済をより多様かつ強固な基盤を持
つよう発展させるための、革新、投資およびインフラ。ここには405百万ドルのクイーンズランド
前進パッケージ(Advance Queensland package)、100百万ドルの地域再雇用パッケージ
(Regional Back to Work package )および2十億ドルの州インフラ・ファンドといった施策が含
まれる。
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・農村支援パッケージ(Rural Assistance Package)、我が地域建設プログラム(Building our
Regions Program)の延長および旱魃支援対策の延長等の支援策を通じた、移行期にある経済の影
響が特に大きい農村社会および地域社会への支援
・債務の追加的削減の提示およびこれと同時に、2十億ドルの州インフラ・ファンドを含むインフラ
投資による生産性強化に向けた戦略の設定
2016 /17年予算が示す概要では、経常支出の予測増加率が2019/20年に至る4年間において平均年率
2.9%であり、年率3.2%と予測される同期間の歳入増加率より抑えられた持続可能な増加率となって
いる。純経常収支は、2016/17年において867百万ドルの黒字をもたらすと予想された。
2016 /17年MYFERは、予想を上回る歳入の好調および豪ドル安により、2015/16年州財政報告書に記
載のとおり970百万ドルの黒字決算となったことを背景に、2011/12年以降初めてMYFERにおいて予算
の予測値を上方修正して表示している。さらに、石炭価格が一時急騰したことは、鉱区使用料収入を
通じて2十億ドルを若干超える2016/17年の予想純経常黒字に寄与し、短期的将来の予算の収支をいっ
そう改善する因子となった。
2017 /18年予算およびMYFER
2017 /18年州予算は、2017年6月に提出され、州の300十億ドルの経済をより革新的に、多様にかつ
生産的に移行することを可能にすると同時に、継続的な成長のサポートおよびクイーンズランド州に
おける雇用の創出に重点が置かれた。
2017 /18年予算が示す概要では、経常支出の予測増加率が2020/21年に至る5年間において平均年率
3.2%であり、年率3.0%と予測される同期間の歳入増加率よりわずかに高い持続可能な増加率となっ
ている。
これにもかかわらず、純経常収支は、2016/17年の2.82十億ドルの黒字および2017/18年から
2020/21年までの平均344百万ドルの黒字により、2017/18年予算において毎年黒字になると予想され
た。
2017 /18年MYFERは、2017年12月18日に公表され、再選したパラシェー政権の最初の経済および財政
の見直しであった。2017/18年MYFERは、クイーンズランド州政府が黒字の拡大およびより低い債務水
準を達成しながら、すべての選挙公約を約束どおりに行うことおよび雇用の重視を維持することを確
認した。
2020 /21年に至る5年間において歳入は、2017/18年予算における3.0%の予想と比較して、主に鉱
区使用料および課税収入の増収が原因となって平均年率3.2%の成長が予想されている。同期間に歳出
増加率は、2017/18年予算における3.2%の予想と比較して、3.3%と予想されている。
2018 /19年予算およびMYFER
2018 /19年予算は、2018年6月12日に提出され、パラシェー政権の掲げた公約に基づいて施策が配置
され、重点が置かれたのは、雇用を創出するインフラストラクチャーの整備、およびクイーンズラン
ド州の人口増加により必要となるサービスの実現であった。
政府は、地域社会が必要とするサービスおよびインフラストラクチャーを持続可能な財政運営を通
じて実現するとの公約を具体的に示した。オーストラリア政府からの資金供給の大幅な削減により
2018/19年の歳入が減少するとの予想にもかかわらず、将来見積もりは各年とも純経常黒字の予想と
なった。経常支出の伸びは、2021/22年に至る5年間において平均年率2.9%の持続可能な増加率と予
測されている。
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一般政府部門の33.2十億ドルを含む4年間にわたる45.8十億ドルの資本計画は、経済成長を支援し、
生産性を向上させ、雇用機会を提供し、急激な人口増加圧力に対応できるインフラストラクチャーを
提供するため予算に計上された。この水準の投資は、一部借入金による資金の手当てが見込まれた。
こ うした事情があってなお、一般政府の借入金は、将来見積もりにおいて各年とも2017/18年予算に
おける予測よりも低下する予想となった。2021/22年における一般政府借入は、2014/15年にピーク
に達した水準を引き続き下回ると予測された。
重要な点は、クイーンズランド州の増加する人口の需要に対応するため、クイーンズランド州政府
の2018/19年の資本運用計画に4.9十億ドルの道路および輸送インフラへの投資が盛り込まれたことで
ある。ここには、5.4十億ドルのクロス・リバー・レール・プロジェクトに関連した計画、調達および
開発を継続して進展させるためのクロス・リバー・レール実施当局(Cross River Rail Delivery
Authority)への2018/19年の割当て733百万ドルが含まれた。
2018 /19年MYFERは、2018年12月13日に公表された。MYFERにおいては、2018/19年に524百万ドルの
純経常黒字が予測され、予算における見積もりから歳入増による376百万ドルの改善となった。また、
MYFERにおいては、予測されるGST歳入の大幅な減少にもかかわらず、一般政府部門の純経常収支は、
将来見積期間を通じて黒字が維持される予測となった。
2018 /19年の歳入増加率は、2017/18年における3.4%の成長の後を受けて1.6%と予想された。
2021/22年に至る4年間の歳入は、平均年率1.7%の成長と予測された。これは、予算における予測と
同じ成長率であった。
2021 /22年に至る4年間の歳出は、平均年率2.4%の成長と見積もられた。予算における予測成長率
は2.1%であった。この4年間の歳出増は、オーストラリア政府と取り決めた学校資金調達契約に関連
した、クイーンズランド州政府が計画する教育に係る資金調達の増加のための引当金の追加が一因で
ある。
一般政府部門の借入は、2021年6月において、2018/19年の予算における予測よりも152百万ドル減
少した見積もりとなった。しかしながら、2021/22年の会計年度において連邦政府からクイーンズラ
ンド州に交付されるGST歳入の予測額が555百万ドル減少する影響により、2021/22年の借入金は、
2018/19年の予算よりも584百万ドル増加する見込みである。
債務行動計画
債務行動計画は、2015/16年予算において発表された。債務行動計画においては、将来見積もりに
対して目的とする一般政府債務の削減を達成するため、以下の対策の概要が示された。
・クイーンズランド州政府のエネルギーネットワーク事業(アーゴン・エナジー、エネルジェクス
およびパワーリンク)の資本構造を見直すことにより、同産業界の他の企業に足並みをそろえた
より競争力のあるギアリング比率となるようにすること
・発生基準よりもむしろ臨時ベースで長期勤続休暇に対する資金を提供すること
・確定給付型の老齢退職年金拠出の投資を一時的に停止すること(ただし、完全積立の状態を維持
する。)
2015 /16年MYFERにおいて、債務行動計画は、クイーンズランド州政府の非ネットワーク事業の資本
構造の変更(グラッドストン・ポート・コーポレーション、ノース・クイーンズランド・バルク・
ポート・リミテッドおよびサンウォーター・リミテッドの再生、スタンウェル・コーポレーション・
リミテッドからの資本の回収およびすべての政府所有企業の配当支払率の100%への変更(CSエナ
ジー・リミテッドを除く。)を含む。)を反映するために拡大された。
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2016 /17年予算において、債務のさらなる削減が提示され、これと同時に、2十億ドルの州インフ
ラ・ファンドを含むインフラ投資による生産性強化に向けた戦略が設定された。確定給付年金制度の
良好な財務状況を考慮して、クイーンズランド州政府は、過去のクイーンズランド州政府による同制
度 への超過拠出金から4十億ドルを返還することを決定した。
2017 /18年予算において、クイーンズランド州政府保険資金(QGIF)の資産からの500百万ドルの再
配分およびQTCの過去の余剰分からの500百万ドルの還流を含む、債務水準を下げるための追加的構想
が公表された。
こうした積極的なバランスシート管理戦略が重要な役割を果たし、2017/18年の借入金は、2014/
15年予算における見積額と比較して17十億ドル近くの減少となることが確保された。
財政原則
2009 年金融説明責任法は、州財務大臣が財政責任憲章を作成し、立法議会に上程することを義務付
けている。財政責任憲章は、クイーンズランド州政府の財政目的およびかかる目的を支援する財政原
則を定めるものである。
州財務大臣は、クイーンズランド州政府がかかる憲章に記載されている優先事項に対して生じた進
展について、立法議会に定期的に報告しなければならない。この報告は、予算書類およびMYFERにおい
て毎年公表される。
パラシェー政権は最初の予算において、 クイーンズランド 州政府の財政に対する責任ある慎重な管
理に関する5つの財政原則を打ち出した。クイーンズランド州財務省が作成した クイーンズランド 州財
政検討報告書を考慮の上、 クイーンズランド 州政府は、一般政府部門の債務および純経常黒字額の規
模に関して原則を改正した。これにより、2016/17年予算において導入された公務員数の増加率を管
理する新しい原則を含む以下の6つの財政原則が、直近の予算の枠組みを規定した。
・原則1-一般政府部門 債務の対歳入比率で測定される、クイーンズランド州の関連のある債務負担
の継続的な削減を目指すこと
・原則2-一般政府部門への新たな資本投資の資金が借入よりもむしろ主に経常的な歳入を通じて調
達できるような純経常黒字を目指すこと
・原則3- 資本計画は、雇用および経済を支え、未処理分発生のリスクを低減するための一貫した
ワークフローを確保するよう管理されることとなる。
・原則4-一般政府部門自体の歳入源を、将来見積もりに対して平均して、名目州内総生産の8.5%
以下で維持することを確保することにより、 競争力のある税制を維持すること
・原則5-保険数理士の助言に従い、老齢退職年金およびワークカバー等の長期負債に対する完全積
立を目指すこと
・原則6-常勤換算職員総数の将来見積もりにおける平均増加率が、人口増加率を上回らないよう確
保することにより、持続可能な公共サービスを維持すること
2018 /19年の財政および経済に関する中間概観において説明されたように、クイーンズランド州政
府の財政原則の達成度は顕著に前進した。
原則 指標
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一般政府債務の対歳入比率
(単位:%)
2018/19年予算 2018/19年MYFER
一般政府債務の対歳入比率で測定され
る、クイーンズランド州の関連のある
2017/18年 54 54
債務負担の継続的な削減を目指すこと
2018/19年 56 56
2019/20年 61 62
2020/21年 66 65
2021/22年 68 69
一般政府の純経常キャッシュ・フローが
非金融資産中の純投資に占める割合
(単位:%)
一般政府部門への新たな資本投資の資
2018/19年予算 2018/19年MYFER
金が借入よりもむしろ主に経常的な歳
入を通じて調達できるような純経常黒
2017/18年 99 107
字を目指すこと
2018/19年 60 70
2019/20年 40 44
2020/21年 44 48
2021/22年 53 44
一般政府の非金融資産購入
(単位:百万ドル)
資本計画は、雇用および経済を支え、
2018/19年予算 2018/19年MYFER
未処理分発生のリスクを低減するため
の一貫したワークフローを確保するよ
2017/18年 4,905 5,127
う管理されることとなる。
2018/19年 5,927 5,981
2019/20年 7,557 7,240
2020/21年 7,396 7,451
2021/22年 7,081 7,182
GSPに対する一般政府自体の歳入源
一般政府部門自体の歳入源を、将来見
2018/19年予算 8.2%
積もりに対して平均して、名目州内総
2018/19年MYFER 8.4%
生産の8.5%以下で維持すること
将来見積もりに対する平均 8.1%
保険数理士の助言に従い、老齢退職年 保険数理士の最終見直し(2018年6月現在)時点において、老齢退職
金およびワークカバー等の長期負債に 年金の発生負債は完全積立の状態であった。2018年6月30日現在、
対する完全積立を目指すこと ワークカバー制度もまた完全積立の状態であった。
常勤換算職員(FTE)総数の将来見積も
FTE増加率
りにおける平均増加率が、人口増加率
将来見積もりに対する平均: 1.7%
を上回らないよう確保することによ
人口増加率
り、持続可能な公共サービスを維持す
将来見積もりに対する平均: 1¾%
ること
表1
主要財務総計
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
決算 決算 決算 決算
一般政府部門
収入 49,970 50,780 56,194 58,087
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49,551 50,112 53,369 56,335
費用
純経常収支
420 668 2,825 1,753
非金融資産購入額 4,635 4,044 4,620 5,127
財政収支 (576) (495) 560 (586)
非金融公社部門
収入 11,420 11,864 14,650 13,652
9,790 10,264 12,251 11,759
費用
純経常収支
1,629 1,601 2,398 1,893
非金融資産購入額 3,173 2,773 2,708 2,509
財政収支 848 1,179 2,101 1,797
非金融公共部門
収入 56,178 57,393 64,855 66,175
55,860 56,821 61,278 64,378
費用
純経常収支
318 572 3,577 1,797
非金融資産購入額 7,811 6,852 7,291 7,644
財政収支 (1,461) (1,054) 1,050 (647)
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経常収支
2017 /18年における決算
統一発表体制(以下「UPF」という。)ベースでは、一般政府部門は、2016/17年における修正表示
された剰余金2,825百万ドルと比較して、2017/18年において 1.753 十億ドルの経常黒字を計上した。
2017/18年における経常黒字は、2005/06年以来2番目に多かった。財政収支は、2016/17年における
560 百万ドルの黒字から減少し、2017/18年は586百万ドルの赤字となった。一般政府財政赤字は、経
常黒字の大幅な減少および2016/17年と比較して資本財の購入額が増加したことによる。
実績に基づくと、一般政府支出は2017/18年において 2,966 百万ドル(5.6%)増加した。支出合計
は、2018/19年予算における2017/18年の決算見積を 412 百万ドル下回った。これは主として、予想を
下回る従業員数およびその他経常支出によるものである。
収入
一方、収入は、助成金収入、ロイヤルティ収入および課税収入が増加したことによって、2016/17
年において 10.7 %増加した後、2017/18年において 3.4 %(または 1,893 百万ドル)増加した。
連邦助成金は、州の収入の主要部分を成し、一般政府収入予算のほぼ半分を占めており、税金がそ
の約4分の1を占めている。2017/18年において、連邦助成金およびその他の助成金は 583 百万ドル増加
した。これは主として、GST歳入の増加を反映している。
2017 /18年における課税収入が、2016/17年( 325 百万ドル)と比較して増加した主な要因は、譲渡
税の減少により一部相殺された、給与税、土地税および自動車登録の増加により説明される。
2017 /18年を通して石炭価格が引き続き上昇していることを受けて、石炭のロイヤルティが増加
し、ロイヤルティ収入は、2017/18年において、2016/17年を419百万ドル上回った。
支出
2017 /18年において、一般政府支出はUPFベースで 2,966 百万 ドル増加した。最大の増加は、医療、
社会保障および教育分野における増加であり、フロントラインサービスを活性化するという政府の公
約を反映するものである。
2017 /18年における支出の増加は、医療サービスおよび入学者数に対する継続的な要求のための支
援財源の増加、ゴールド・コーストで開催された 2018 年コモンウェルスゲームズ の最終準備および実
施に関する支出ならびにクイーンズランド州の児童性的虐待被害者のための国家賠償制度への参加に
よる予想経費ための引当金の確保によるものである。
一般政府部門における減価償却費は 256 百万ドル増加して 3.325 十億ドルとなった。これは主とし
て、道路および病院に関するインフラストラクチャーの増加を反映している。
助成金費用は一般政府部門において、2017/18年から2019/20年における太陽光発電補助制度の義
務を担う、単発の太陽光発電促進制度 の2016/2017年の費用 とともに、地方自治体への連邦財政援助
助成金により、520百万ドル減少した。これらの減少を相殺したのが、NDIS(以下に定義される。)の
ための資金調達および私立学校への助成金の増加であった。
非金融資産購入額および借入金
下記表2は、州の非金融資産購入額および借入金についてのデータを示すものである。
表2
非金融資産購入額および借入金
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
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2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
決算 決算 決算 決算
非金融資産購入額
一般政府部門 4,635 4,044 4,620 5,127
非金融公社部門 3,173 2,773 2,708 2,509
(1)
7,811 6,852 7,291 7,644
非金融公共部門
借入金
一般政府部門 43,105 35,486 33,240 31,530
非金融公社部門 32,128 37,436 38,644 37,992
非金融公共部門 75,233 72,922 71,884 69,522
(1) 現行のローン評議会統一発表体制の取決めに基づき、予算および将来見積もりデータは、正確な事業活動計画の作
成が困難であることから、公共金融公社(PFC)には要求されない。この部門について資本支出は推定されていな
い。
州の純資産(または資本)とは、州の資産が負債を超過した額をいう。これはクイーンズランド州の
住民に代わって公共部門機関により保有される投資評価額である。
2017 /18年における一般政府部門の純資産は、2017/18年期末現在195,708百万ドルとなった。
2017 /18年期末現在において、一般政府部門における借入は31,530百万ドルとなり、2016/17年を
1,710百万ドル下回った。これは、2017/18年予算を2,228百万ドル下回る。
借入金総額の減少は、主に経常キャッシュ・フローの改善(主にロイヤルティ収入の増加によ
る。)による。
資本計画
UPF ベースで、一般政府の非金融資産購入額(すなわち、資本支出)は、2017/18年において5,127
百万ドルとなり、2016/17年発生分よりも507百万ドル増加した。
2016 /17年と比較したかかる増加は、主として運輸および教育に関するインフラストラクチャーに
関連する支出によるものである。
将来見積もり
下記表3は、UPFベースによる州の将来見積もりの概要を示すものである。
2018 /19年MYFERにおいて一般政府の費用は、2021/22年に至る4年間において、平均して年間2.4%
増加すると予測されている。
表3
主要財務総計予測(概要) - 2018/19年MYFER
(単位:百万ドル)
2018/19年 2019/20年 2020/21年 2021/22年
予測額 予測額 予測額 予測額
一般政府部門
収入 59,002 59,614 60,403 62,167
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費用 58,478 59,421 60,258 62,048
純経常収支 524 193 145 119
非金融資産購
5,981 7,420 7,451 7,182
入額
財政収支 (2,632) (3,710) (3,416) (3,305)
非金融公社部門
収入 12,662 12,322 12,510 12,835
費用 11,182 11,035 11,405 11,663
純経常収支 1,479 1,287 1,104 1,172
非金融資産購
3,115 3,514 3,028 3,001
入額
財政収支 906 442 782 941
非金融公共部門
収入 66,564 66,962 68,193 70,228
費用 66,033 66,805 67,983 69,945
純経常収支 531 157 210 284
非金融資産購
9,095 10,933 10,478 10,182
入額
財政収支 (3,198) (4,591) (3,674) (3,372)
下記表4は、州の非金融資産購入額および借入金についての最新の予測値・見積値のデータを示すも
のである。
表4
非金融資産購入額および借入金
(UPF ベース)
(単位:百万ドル)
2018/19年 2019/20年 2020/21年 2021/22年
予測額 予測額 予測額 予測額
非金融資産購入額
一般政府部門 5,981 7,420 7,451 7,182
非金融公社部門 3,115 3,514 3,028 3,001
非金融公共部門 9,095 10,933 10,478 10,182
借入金
一般政府部門 33,242 36,787 39,436 42,874
非金融公社部門 38,367 39,088 40,038 40,631
非金融公共部門 71,609 75,875 79,473 83,505
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( ロ)オーストラリア連邦との財政上の関係
1927 年よりも前は、各州と連邦が、各々、国内および海外金融市場での借入を行っていた。限られ
た資本市場の規模および州と連邦の間での固有の競争により、1927年にこれらの市場から借入を行う
際には協力し合うことが各々の利益に叶う旨認識され、金融協定が締結された。この協定により、連
邦および各州政府の公募借入の決定・調整を行うオーストラリア借入委員会および州政府借入委員会
プログラム(以下「借入プログラム」という。)が設立された。
1970 年代初めまで、借入プログラムは、州による資本支出のための主要資金調達源であった。しか
しながら、各州は、資本支出の資金調達を行うために準政府機関による借入により多く依存する必要
性を認識した。ほとんどの州が、準政府機関の借入を調整するために、QTCのような中央借入機関を設
立した。
1990 年6月の借入委員会会議において、金融協定に基づき各州に代わって連邦が発行した債券に関す
る債務を徐々に各州が承継すべきであり、各州が自己の名義で国内および海外市場から借入を行える
ように金融協定を改正することが合意された。
かかる債務は現在、すべて各州と準州に承継された。また借入委員会は1990年6月30日以降州および
準州に対する連邦政府証券の追加の割当は行わなかった。
全体として、これらの制度により民間部門に対する連邦の債務は各州および準州の債務に承継され
た。かかる承継は、公共部門全体の財政状態を変更するものではないが、連邦と州の間の財政関係に
重要な構造上の変革をもたらすものであった。これらの承継によって、各州および準州は自己の債務
の資金調達と債務管理に対する全責任を負うことになったため、その結果として個々の州政府の財政
および債務管理戦略は地域社会および金融市場によるより多くの審査を受けることとなった。
1993 /94年以降、借入委員会による新たな検査・報告の制度が連邦および各州政府の資金調達活動
に適用された。かかる借入委員会の制度の主要な特徴は、総借入額から各州・準州の赤字/黒字に
よって示される純借入額を基準とした合計額へと焦点が移行したことである。これは、後者が公共部
門の経済に対する影響を示すより重要な指標であるためである。
借入委員会の制度の下で、連邦と各州および各準州は、借入の性質を持つが正式な借入を構成しな
い取引(例えばファイナンス・リースおよびオペレーティング・リース)を反映すべく調整された純
借入額に基づき、希望する割当額(借入委員会割当て(以下「LCA」という。)と呼ばれている。)を
通知する。制度は、借入委員会が特定のLCAの厳格な遵守を強制しようとすることではなく、予算編成
過程への信頼を確保することに重点を置いている。
2018 年以降、借入委員会は、各州・準州の管理上の負担を軽減するために、統一発表体制(UPF)か
ら借入委員会が課す報告義務を除外することについて全会一致で合意した。各州と連邦は今後、予算
およびその他の財務書類において、借入委員会割当てについての報告を行わない。
借入委員会はまた、UPFの運営を借入委員会から連邦財政関係委員会(CFFR)に移管することについ
ても合意した。これらの決定により責任が軽減されたことに鑑み、連邦は、将来の状況により再招集
が必要となる場合を除き、借入委員会を招集しない予定である。
かかる変更は各州の負担を軽減するためのものであり、クイーンズランド州の資金調達業務に影響
を及ぼすことは予期されていない。
州の借入保証
2009 年3月25日、オーストラリア政府は、州政府借入金に対する任意保証を、各州の信用格付に基づ
く費用にて期限付きで提供する旨を発表した。連邦議会を通過した当該法案は、2009年6月29日に国王
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の裁可を得た後、2009年7月24日に施行された。2009年6月16日、クイーンズランド州は、償還期限が
(その当時において)12ヶ月から15年のすべての豪ドル建ベンチマーク債券ラインに当該保証を適用
す る意向である旨を発表した。2009年9月18日、オーストラリア準備銀行(以下「RBA」という。)
は、QTCの一部の厳選された国内債券につき、連邦政府保証(以下「CGG」という。)の適用申請を承
認し、CGGの適格証書を発行した。
2010 年2月7日、オーストラリア政府は2010年12月31日より後に引き受けられた新しい州債券の保証
につき、これを撤回することを発表した。現存するすべてのCGG債券は、償還期限または債券が州政府
によって買い戻され消却される時点まで保証され続けることとなる。
CGG が撤回されて以来QTCは、州政府保証(以下「SGG」という。)利回り曲線を再構築するために、
現存するCGG債券と並行して、また満期ギャップをなくすべくSGG債券を発行している。QTCはまた、投
資家に対してCGG債券をSGG債券に交換する機会の提供を継続している。
連邦の助成金
第二次世界大戦以後、連邦は単独の所得税賦課機関として活動しており、年間の一般歳入助成金が
連邦によって各州に支払われている。連邦は、また、憲法上、消費税、物品・サービス税および関税
を課す独占的な権限を有している。連邦政府は、富裕税、財産税または贈与税は課していない。州政
府は、給与税、印紙税および土地保有税を課し、地方自治体は不動産の課税評価額に基づき地方税を
課す。
1985 年の州首相の会合においてこれまで行われていた税割当制度は州に対する財政援助助成金に代
えられるべきであるという合意がなされた。連邦助成金委員会は、水平的財政調整原則に基づく一般
目的による助成金の割当てについて引き続き提言を行っていた。この原則は、各州政府が同じように
自己の財源からの歳入を高めるように努め、かつ同レベルの効率性でサービス提供を行った場合、各
政府は同水準のサービスおよび関連するインフラを提供することができるよう助成金を受ける必要が
あるとするものである。
連邦から州政府に対して特定の目的のためまたは条件付きで提供される助成金に加えて、財政助成
金が支払われた。これらの特定の目的のために提供される助成金は、連邦となって以来ほとんどの期
間存続してきたが、その連邦助成金としての重要性は1970年代から著しく増加している。
物品・サービス税(GST)に関する連邦と州との関係
2000 年7月1日付の包括的な消費税である物品・サービス税(以下「GST」という。)の導入は、連邦
政府により遂行された国家税制改革の基礎を成すものであった。かかる改革は、連邦および州間の財
政上の関係に重大な変化をもたらすものであった。オーストラリアのすべての政府は「連邦・州間財
政関係の改革に関する政府間協定」を締結した。
かかる協定の主な特徴として以下のものが含まれる。
・GST歳入の各州に対する全額交付。州間にGST歳入を分配する方法として、水平的財政調整原則が
承認された。
・州に対する財政援助助成金の廃止
・多くの州税制の廃止。クイーンズランド州の場合、国内税制の全体的な効率化を強化するため、9
つの税の段階的な廃止を含む。
2018 /19年において、クイーンズランド州は、約14.630十億ドルのGST歳入を受領する予定である。
クイーンズランド州は、現在、必要とするGST分配額が1人当り等額を超過する旨連邦助成金委員会に
より評価されている。
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連邦財政関係に関する政府間協定
2008 年3月26日、オーストラリア政府間評議会は、連邦財政関係のために新たな枠組みを実施するこ
とに同意した。この新しい枠組みは、州政府の役割および責任ならびに成果主義に基づいた公的説明
責任を一層明確にしつつ、州政府によるサービス提供に関する連邦規定を大幅に削減することを目的
としていた。
2009 年1月1日、新たな取決めである「 連邦財政関係 に関する政府間協定」の運営が開始された。新
しい枠組みの主な特徴として以下のものが含まれる。
・支払の全体水準を低下させることなく、特定の目的のために提供される助成金の数の削減。新た
な国内取決めを背景に、当該助成金をヘルスケア、学校、技術および労働力開発、障害者への
サービス、ならびに住宅に関する分野の5つのより幅広い資金の流れに集約した。
・政府によるサービス提供の質、効率性および有効性の改善によるオーストラリア国民の福利改善
の成果への集中。ただし、州によるサービスに関する成果の達成手段や実施の方法に関する連邦
規定の削減、達成した成果または実施した活動に関する国民への説明責任の強化を伴う。
・交付の適格性の維持および目的との関連性を確保するための定期的な検証を伴いながら新しい国
内取決めを継続させることによる、各州に対するより確実性の高い交付
・特定のプロジェクトの実行を支援し、国家的に重要な改革を促進し、またはかかる改革の実行に
対して報奨を付与するための、連邦による各州に対する国家連携に係る交付
・GST歳入の各州に対する全額交付の継続
州政府、準州政府およびオーストラリア政府の優先事項が時折異なり、また競合することがあるた
め、クイーンズランド州およびその他の政府の継続的な課題は、当該枠組みの当初の意図が維持され
ることである。
2017 /18年において、GST歳入により構成される一般歳入助成金はクイーンズランド州政府の歳入の
26.1%、特定の目的のために交付される助成金は13.1%、その他機関への移転中の助成金はクイーン
ズランド州政府の歳入の5.2%にまで相当した。
国民医療保健改革
国民医療保健改革協定(以下「NHRA」という。)が2012年7月1日に発効した。本制度により、ク
イーンズランド州は2018/19年において4.522十億ドルを受領する予定である(2021/22年までの4年
間で19.891十億ドル)。2016/17年および2017/18年におけるオーストラリア政府による資金供給の
増加は、病院での補完的活動のための効率的費用の45%に基づくものである。
NHRA に基づき、オーストラリア政府による資金供給の増加は、病院での補完的活動のための効率的
費用の45%に基づくものであり、2017/18年には50%まで引き上げられた。オーストラリア政府は、
2014/15年連邦予算において指数化制度を改定し、2017/18年以降の資金供給は、消費者物価指数
(CPI)および人口増加の組合わせに連動することとした。
しかしながら、2016年4月、オーストラリア政府間評議会の会議で、オーストラリア政府および州
は、より長期的な制度の検討に先立ち、2017年7月1日から2020年6月30日までの公立病院のつなぎ資金
供給に関する基本合意書(Heads of Agreement)を締結した。これにより、オーストラリア政府の資
金供給と活動レベルの間の関係が維持される。当該合意の条件に基づき、オーストラリア政府は、年
率6.5%の拠出増加上限まで、効率的成長の45%を資金供給する。区分別に資金供給されたサービスに
ついては、オーストラリア政府は効率的成長の45%を資金供給する。
国民身体障害保険計画(以下「NDIS」という。)
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(クイーンズランド州とオーストラリア政府間の双務協定に従い)クイーンズランド州の3年間での
NDISへの移行は2016年7月1日に始まり、2019年7月1日に「計画全体」が実行開始される予定である。
障 害を持つ対象者は、クイーンズランド州の居住地によって異なる時期にNDISに移行する。
オーストラリア政府の障害者サービスに対する大きな改革は、今後において、クイーンズランド州
への国民身体障害特定目的支出(以下「NDSPP」という。)に影響を及ぼすこととなる。2019年7月1日
より、オーストラリア政府は、専門的な障害者サービスに関連する政府間支出(NDSPPを含む。)をク
イーンズランド州へ行わなくなる。さらに、州および準州は現在、障害ケア・オーストラリア基金の
利用のための国家連携協定に関してオーストラリア政府と交渉中である。
Quality Schools
オーストラリア政府によるQuality Schools政策に基づくクイーンズランド州の公立学校のための資
金調達は、2018/19年に1.745十億ドルとなる(2021/22年までの4年間で7.889十億ドル)。私立学校
のための資金調達は、2018/19年に2.494十億ドルとなる(2021/22年までの4年間で11.027十億ド
ル)。
2018 年12月、クイーンズランド州政府は、オーストラリア政府との間で、2019暦年から2023暦年を
カバーする5年間の学校資金調達契約を新たに締結した。これにより、クイーンズランド州のすべての
学校および学校部門の資金調達が確実なものとなり、今後5年間におけるクイーンズランド州政府によ
る学校の資金調達への拠出が設定され、2019年から2023年におけるオーストラリア政府からクイーン
ズランド州の公立学校および私立学校への約24.3十億ドルの資金供給が確保された。
2018 年度連邦補助金委員会(以下「CGC」という。)によるGST歳入分配補正係数に関する報告
2018 年3月、CGCは、GSTの分配を決定するために州の状況の変化を考慮した、CGCによるGST歳入分配
補正係数に関する報告-2018年更新(以下「2018年CGC最新報告」という。)の結果を公表した。2018
年CGC最新報告では、2018/19年に1,208百万ドルの基礎的影響を伴う、GST歳入のクイーンズランド州
の比率の減少が提言された。2018年CGC最新報告の結果には、各州のGST比率に関する方法の変更の影
響のほかに、各州の状況の変化およびCGCの査定において用いられたデータの修正の影響が包含され
る。
クイーンズランド州のGST比率の減少には、NDRRA(自然災害救援復興協定)支出(オーストラリア
政府からの拠出控除後)の減少および石炭価格の上昇による鉱区使用料の徴収能力の向上を含め、財
政力に関して州が制御できない要因の影響が適正に認識されている。CGCの査定には2年の時間差があ
ることから、かかる要因は2018/19年におけるGST比率に影響する。かかる減少は、クイーンズランド
州の地価上昇率が平均を下回り、それにより州の課税対象地価の割合が減少し、GST比率が増加したこ
とにより、一部相殺された。
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( ハ)公債
クイーンズランド州の公共部門の負債は、いくつかの独立した範疇から成っている。
-連邦に対する公債
-連邦に対する他の州債務
-保証付のQTCの債務およびその他の保証付借入債務
-偶発債務
1995 年4月に連邦政府およびクイーンズランド州政府は、クイーンズランド州が連邦に対する負債を
事前償還するという契約(金融協定)を締結した。この契約は1995年7月に遂行された。
連邦に対する州債務
金融協定に基づいて州に対して貸付けられた資金に加え、連邦政府は、連邦と州との間で合意され
た多様なプログラムに従って、州に資金を貸付けている。一般的に、これらの資金は、合意されたプ
ログラムの条項に従って他の者に貸付けられ、州への返済は最終借入者の収入からなされる。クイー
ンズランド州による貸付の場合、その債務は一般的に最終借入者の有形資産上の州の担保権によって
担保されている。
次の表は、この範疇の負債に基づいて連邦が行った貸付残高の概要を示すものである。
連邦に対する州債務(期末現在)
(単位:百万ドル)
2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
連邦および州住宅建設
391 379 369 351 337 323 308 293
その他(自然災害救済
53 93 98 203 288 191 178 169
協定を含む)
合計 444 472 467 554 625 514 486 463
他の保証付債務および偶発債務
1996 年公法人財務調整法および公法人財務調整規則によって修正規定された1982年公法人財務調整
法の規定によると、公法人によって締結された金融上の協定は、クイーンズランド州政府を代理する
州財務大臣による保証を受けることがある。同法はまた、同法により置換えられた旧法の下で与えら
れた同種の保証を維持している。さらに、1982年公法人財務調整法に基づくその他の公法人による借
入に対する保証は、2012年経済発展法の下でこれを行うことができる。保証はまた住宅購入のための
資金を貸付けている住宅共同組合によってなされる借入に関しても与えられている。
クイーンズランド州政府は、また、サンコープ保険金融公社(以下「サンコープ」という。)により
1996年12月1日以前に出されたすべての保険証券を保証する。サンコープは、サンコープ建設組合およ
びクイーンズランド州産業開発公社と共に1996年12月1日付でメットウェイ銀行と合併した。1996年州
金融機関およびメットウェイ合併助成法に従って、1996年12月1日以前にサンコープによって出された
保険証券、保険契約または保障は、クイーンズランド州政府により引き続き保証されることとなる。
豪ドルの為替相場
QTC およびクイーンズランド州の債務が額面表示され、相当外国為替に対して豪ドルで示される主要
通貨の為替相場は以下の表に示すとおりである。
通貨(年間平均) 2012/13年 2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
米ドル 1.0273 0.9184 0.8372 0.7285 0.7542 0.7754
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日本円 89.84 92.79 95.54 85.01 82.27 85.56
スイス・フラン 0.9675 0.8307 0.7892 0.7135 0.7476 0.7526
英ポンド 0.6550 0.5653 0.5305 0.4917 0.5949 0.5760
ユーロ 0.7949 0.6771 0.6961 0.6564 0.6919 0.6499
ニュージーランド・
1.2496 1.1065 1.0757 1.0907 1.0587 1.0853
ドル
出所:トムソン・ロイター
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オーストラリア連邦の概況
(1) 政治および外交
国家組織および政党
オーストラリアにおける連邦の立法権は、女王、上院および下院で構成される連邦議会に付与されて
いる。オーストラリアにおいて女王の権限を代表する者は連邦総督である。
上院議員および下院議員は共に全有権者の義務投票によって選出される。上院議員は、6年を任期とし
て6州から12名ずつ選出される。各州から選出される上院議員は3年ごとにその半数が改選される。さら
に、オーストラリア首都特別地域およびオーストラリア北部特別地域からそれぞれ2名ずつの上院議員が
選出されており、これら上院議員の任期は次回の下院の総選挙までとなっている。
下院は、3年を超えない期間を任期とする150名の議員により構成される。各州の下院議員の定員はほ
ぼその人口に比例している。
一定の場合には連邦総督は上下両院を同時に解散することができる。
次の表は過去7回の上院および下院の選挙結果を示したものである。
連邦選挙結果
2016 年 2016 年
2013 年 2013 年
1998 年 2001 年 2004 年 2007 年 2010 年 1998 年 2001 年 2004 年 2007 年 2010 年
(4) (4)
上院 下院
7月 7月
(3) (3)
10 月 11 月 10 月 11 月 8月 10 月 11 月 10 月 11 月 8月
9月 9月
(5) (5)
オーストラ オーストラ
29 28 28 32 31 25 26 67 65 60 83 72 55 69
リア労働党 リア労働党
自由党/国 自由党/国
35 35 39 37 34 33 31 80 82 87 65 73 90 75
(2) (2)
民党 民党
オーストラ
(7)
無所属 1 2 - 1 1 3 - - - - 1 1 1
2
リア緑の党
統一オース
オーストラ
トラリア党
9 8 ▶ - - - 1
リア民主党
(8)
カッター・
(7)
ワン・ネー
2
1 1 - - - - オーストラ 1 1
ション党
(9)
リア党
オーストラ
1 2 ▶ 5 9 10 9 無所属 1 3 3 2 ▶ 2 3
リア緑の党
センター・
アライアン
家族第一党 - - 1 1 - 1 - 1
(6)
ス党
民主労働党 - - - - 1 -
統一オース
(9)
トラリア党
- - - - - 1
1
(8)
自由民主党 - - - - - 1 1
オーストラ
リア自動車 1
愛好者党
センター・
アライアン
1 2
(6)
ス党
デリン・ヒ
1
ンチ正義党
オーストラ
1
リア保守党
(1)
計 76 76 76 76 76 76 76 計 148 150 150 150 150 150
150
(1) 選挙区の再編成により、北部特別地域および西オーストラリア州は下院において新規の2議席を得た。
(2) 自由党/国民党には、自由国民党(Qld)、北部准州自由党が含まれる。
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(3) 西オーストラリア州における選挙結果に関する請願は高等裁判所に申し立てられ、選挙結果訴訟裁判所の管轄と
なった。2014年4月、西オーストラリア州の上院議員の半数改選選挙が行われた。上記の表は、かかる特別な選挙
後の上院の状況および2015年12月に向けての政党の勢力地図を反映している。
(4) 選挙結果訴訟裁判所は、不適格とみなされた上院議員の交代のため、2017年3月の南オーストラリア州、2017年4
月の西オーストラリア州ならびに2017年11月のクイーンズランド州および西オーストラリア州の上院結果の特別
計算を指示した。上記の表は、2018年11月14日現在の上院の構成を示している。
(5) 上記の表は、2018年11月14日現在の下院の構成を示しており、2016年7月の選挙後に実施された補欠選挙を含む。
(6) 2016年の連邦選挙の時点で同政党はニック・クセノフォンチームとして知られ、2018年6月8日にセンター・アラ
イアンス党に党名変更された。
(7) 無所属の上院議員はフレイザー・アニング(クイーンズランド州)およびティム・ストアラー(南オーストラリ
ア州)である。両者は、マルコム・ロバーツ(ワン・ネーション党)およびスカイ・カコシュケ・ムーア(ニッ
ク・クセノフォンチーム/センター・アライアンス党)それぞれに代わって高等裁判所により当選の宣言を受け
た。
(8) 旧パーマー統一党。
(9) 2018年6月18日に、ブライアン・バーストン上院議員はワン・ネーション党を離党し、統一オーストラリア党に入
党した。
出所:オーストラリア選挙管理委員会およびオーストラリア連邦議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所ならびに州および
特別地域の裁判所に付与されている。限定された特定の事項に関して、高等裁判所は固有の裁判管轄権
を有している。高等裁判所はまた、連邦裁判所ならびに各州および特別地域の上級裁判所からの上訴に
つき管轄権を有する。
オーストラリアの国際社会における関係は、主要貿易国として、また人道的支援の大口拠出国として
の役割を反映している。オーストラリアの外交政策は、同盟国との間の堅固な二国間関係とともに、多
国間協調主義および地域主義への参加によって導かれる。主要な懸案事項は、自由貿易、テロリズム、
アジアとの経済協力およびアジア太平洋地域の安定である。オーストラリアは、国連およびイギリス連
邦に参加している。
オーストラリア政府は、他国との関係において体制の違いは無視できないが、逆にそれだけがオース
トラリアの政策を決定する主要な原理ではないと考えている。共通の価値観および体制は協調を容易に
するものであるが、それらがなくても共通の利害関係さえあれば協調できないということはない。
次の表はオーストラリアが加盟している主な国際金融機関を示すものである。
加盟年
国際通貨基金
1947
国際復興開発銀行 1947
国際金融公社 1956
国際開発協会 1960
投資紛争解決国際センター 1975
多数国間投資保証機関 1996
アジア開発銀行
通常財源 1966
特別基金 1970
欧州復興開発銀行 1991
アジアインフラ投資銀行 2015
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次の表はオーストラリアが加盟している主な非金融国際機関を示すものである。
加盟年
イギリス連邦
1949
国際連合
1945
(付属機関および構成機関を含む。)
地域経済委員会
アジア太平洋経済社会委員会
地域外会員 1947
地域会員 1963
専門機関
国際労働機関 1920
食糧農業機関
1945
(世界食糧計画-第1回拠出1962年)
国際連合教育科学文化機関 1946
国際民間航空機関 1947
万国郵便連合 1899
世界保健機関 1948
国際電気通信連合 1934
世界気象機関 1949
国際海事機関 1952
国際農業開発基金 1977
世界知的所有権機関 1972
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加盟年
政府間機関
国際原子力機関 1957
関税および貿易に関する一般協定 1948
経済協力開発機構 1971
欧州移住政府間委員会 1954
世界観光機関 1979
国際エネルギー機関 1979
南太平洋委員会 1947
南太平洋経済協力機関 1975
南太平洋フォーラム漁業機関 1979
錫生産国連合 1983
国際ボーキサイト連合 1974
世界貿易機関 1994
銅輸出国政府間評議会 1975
東アジア首脳会議 2005
中堅国機構 2013
太平洋諸島地域機構 多年度
インド洋地域フォーラム 多年度
アジア欧州会合 2010
アジア太平洋経済協力 1989
東南アジア諸国連合 1974
20か国財務相・中央銀行総裁会議
1999
(G20)
アジア中南米協力フォーラム 1998
(2) 最近の経済の動向
オーストラリア経済は、27年連続での経済成長を記録した。オーストラリアの実質国内総生産(以下
「GDP」という。)は、2016/17年の2.3%の成長率と比較して、2017/18年において2.8%上昇した。そ
れに対し、OECD全体での成長率は2017/18年では2.6%、2016/17年では2.1%となり、G7経済の成長率
(2017/18年では2.2%、2016/17年では1.8%)を上回った。
次の表は、2013/14年から2017/18年までの期間における産業構成要素別のオーストラリアのGDPを示
したものである。
(1)
産業別総付加価値
(CVM 基準年2016/17年)
(単位:百万豪ドル)
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2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
農業、林業および漁業 46,756 47,423 43,676 47,868 45,450
鉱業 116,106 124,869 132,468 134,325 138,181
製造業 107,176 105,474 103,125 102,059 105,171
電気、ガス、水道および廃棄物処
41,960 42,593 43,537 43,893 44,741
理
建設業 144,097 140,403 138,679 134,196 141,036
卸売業 61,580 63,453 65,590 69,606 70,095
小売業 69,715 71,966 74,350 75,916 77,734
ホテルおよび飲食サービス 37,562 39,117 40,757 41,102 42,798
運輸、郵便および倉庫 79,127 79,388 80,895 83,053 83,707
情報、メディアおよび電気通信 36,755 39,408 42,283 43,883 45,081
金融および保険サービス 134,659 141,088 148,061 153,106 158,361
賃貸借および不動産サービス 45,798 47,833 51,647 53,090 53,626
専門、科学および技術サービス 104,813 106,823 110,660 117,804 122,953
行政支援サービス 52,106 53,444 54,686 56,176 58,409
行政および安全 88,819 89,258 92,532 92,653 92,783
教育および研修 77,890 79,674 82,040 83,346 85,012
保健および社会扶助 103,354 109,087 113,250 119,265 126,823
芸術および娯楽サービス 13,364 13,564 14,049 14,082 14,582
その他のサービス 29,457 30,085 30,409 30,934 31,982
住宅不動産運用 140,998 141,633 144,701 148,204 151,733
基準価格における総付加価値 1,528,492 1,565,228 1,606,874 1,644,561 1,690,257
(1) 産業別総付加価値は税金を控除し補助金を加えた実質総生産額を表す。
出所:オーストラリア統計局カテゴリー番号5204.0、オーストラリア国民経済計算体系、2017/18年
農業
2017 /18年までの5年間にわたって農業、林業および漁業は平均して産業別総付加価値の2.9%を占め
た。オーストラリアの主要な農産物には、牛および子牛、小麦、全乳、羊毛、羊および子羊、果物、野
菜、大麦、菜種油および鶏肉が含まれる。
鉱物およびエネルギー
オーストラリアは鉱物資源の量も種類も豊富な国である。オーストラリアは鉄鉱石、石炭、ボーキサ
イト、銅、鉛、亜鉛、ニッケルおよび砂鉱の主要生産国であると同時に、世界最大の輸出国の1つでもあ
る。
1960 年代の半ば以降、天然資源開発はオーストラリアの経済成長において重要な役割を果たしてい
る。また、鉱物および半加工金属の輸出収入はオーストラリアの輸出収入総額のさらに重要な構成要素
の1つとなっている。
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さらに、液化天然ガス(LNG)の産出高増加を目指した現在の拡張投資により、LNGはオーストラリア
の主要な輸出品の1つとなった。
中国は、オーストラリアにとって最大の輸出市場として日本を上回った。2017/18年には、オースト
ラリアの商品輸出のうち33.6%が中国向けであったのに対し、日本向けのものは15.3%であり、日本は
オーストラリアにとって2番目に大きな輸出先となった。主として価格の上昇により、2017/18年におけ
るオーストラリアの対中商品輸出の名目値は11.2%増加した(105.6十億豪ドルとなった)一方、対日商
品輸出の名目値は16.2%増加した(48.1十億豪ドルとなった)。
製造業
2007 /08年にかけた過去30年間、製造業は実質的に総じて拡大したが、それ以降概して縮小した。 1 つ
には近年の為替レートの下落によって、オーストラリアにおける製造業の生産高は、2011/12年以来初
めて増加した(2017/18年においては3.0%増)。本年度における増加は、食品、飲料およびたばこ製品
(7.3%増)ならびにその他の製造業(6.4%増)により牽引され、機械および機器製造業における減少
(2.8%減)を補って余りあるものであった。
製造業生産高の産業別総付加価値に占める割合は、1989/90年の5.0%(入手可能な最初の名目デー
タ)から2017/18年の6.2%まで徐々に低下した。この変化は主としてサービス部門の重要性の増大によ
るものであり、ほとんどの西側先進国と一致している。
オーストラリアにおける製造業は、大都市に集中している。これは市場に近接していることおよび労
働力が豊富であるということ以外に、輸送や通信面で潜在的なスケールメリットがあることを反映して
いる。
運輸業
オーストラリアでは、国土面積が広いことおよび国内の各種資源が広範囲に分散しているために、運
輸が経済活動上重要となっている。憲法上、州間および国際間の運輸ならびに特別地域との間および特
別地域内での運輸については連邦議会が規制権限を有している。各州は、憲法および連邦議会が制定す
る法律の範囲内で、各州内における運輸活動を規制できる。
通信業および放送業
オーストラリアの郵便事業はオーストラリア郵便公社(オーストラリア・ポスト)が、多くの民間宅
配事業者と共同で担当している。過去20年間にわたり、オーストラリアの電気通信業は市場競争に対し
て開かれており、現在は多くの電気通信サービス業者が競争的環境の下で業務を遂行している。
また、ブロードバンド・インターネットサービスは連邦内すべての主要都市において利用可能であ
る。連邦政府は現在、ナショナル・ブロードバンド・ネットワーク(以下「NBN」という。)を構築中で
あり、これらは、ファイバー・トゥ・ザ・プレミシス/ベースメント、ファイバー・トゥ・ザ・ノー
ド、固定式ワイアレスおよびサテライト通信から構成される「マルチテクノロジー混合型」ネットワー
クを通じて提供することが期待されている。NBNは目標を修正し、国内の全世帯では最低25メガビット毎
秒、また固定式を使用している世帯の90%では最低50メガビット毎秒のデータ転送レートを提供すると
している。2018年11月8日現在、クイーンズランド州において合計1,531,466世帯/企業がサービスを受
ける準備が整っていると公表されている一方、合計908,091世帯/企業において、導入されたサービスが
稼動している。
政府が出資するオーストラリア放送公社(ABC)は、全国ネットのラジオ、テレビおよびオンライン・
サービスを提供しており、政府所有の特別放送公社(SBS)により多文化および多言語の放送サービスも
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提供されている。これらの事業に加えて、オーストラリアには多くの商業ラジオ局および商業テレビ局
がある。
(3) 通貨および金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦に与えている。オーストラリアの銀行券の発行量に関する
法令上の制限は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させ得る。
オーストラリアの銀行券はRBA当局によって5ドル、10ドル、20ドル、50ドルおよび100ドルの券種で発
行および印刷され、RBAの全支店における発券センターを通じて商業銀行に配布される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行、商業銀行、住宅金融組合および信用組合で構成されてい
る。一般に、中央銀行であるRBAの義務、権限および業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すな
わち発券業務の管理、通貨および流動資産の管理業務、連邦政府証券の運用、連邦のための国庫および
金融代理業務ならびに外国為替業務の管理等である。
RBA からの支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関および資本市場
オーストラリアにおいて、銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、州および連邦の財務サー
ビス提供者を含めて、金融市場会社、金融会社、証券化業者、保険会社およびファンド・マネージャー
である。これらの金融機関は共に広範囲な金融サービスを提供し、金融制度およびオーストラリア経済
の発展に重要な貢献をしてきた。実際、2017/18年においては金融・保険サービスがオーストラリアの
最大産業であり、総付加価値率は9.5%であった。
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(4) 貿易および国際収支
概況
オーストラリアの経済において外国との貿易は重要な役割を果たしている。
2017 /18年までの5年間のオーストラリアの輸出入商品の構成は、次のとおりである。
商品別商品輸出入
(単位:百万豪ドル)
(P)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年
2017/18年
輸出
食肉 9,861 12,972 12,255 11,060 12,605
穀物 9,317 8,888 7,987 9,345 7,933
織物用繊維 4,888 4,404 4,221 5,131 6,200
(1)
16,003 16,596 18,928 21,313 20,638
その他の農産物
(2)
40,148 38,039 34,542 54,237 60,404
石炭、コークスおよび練炭
金属 108,330 89,596 79,981 95,439 100,104
その他の鉱物燃料、潤滑油および
31,184 28,946 24,906 31,431 42,864
関連原料
(3)
13,261 13,506 16,585 18,979 19,296
非貨幣用金
機械および輸送機器 14,206 15,532 15,972 14,878 14,579
その他の製品 17,748 18,040 19,820 20,520 22,399
(4)
7,974 8,033 8,227 8,546 7,492
その他
商品輸出合計 272,921 254,551 243,423 290,880 314,514
輸入
食品、動物、飲料およびたばこ 14,230 15,587 17,322 17,354 17,890
粗金属、非食品(燃料を除く) 2,544 3,218 3,215 3,257 3,842
鉱物燃料、潤滑油および関連原料 43,235 33,897 24,735 26,922 34,652
金属製品 14,822 16,492 14,739 12,727 14,747
機械および輸送機器 94,077 99,429 106,981 104,616 124,479
その他の製品 72,229 76,950 84,768 83,699 86,177
その他 11,195 11,395 11,504 15,433 19,319
商品輸入合計 252,333 256,968 263,264 264,008 301,104
商品貿易収支 20,588 (2,417) (19,841) 26,872 13,410
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」の
項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(P) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
2013 /14年から2017/18年までの各会計年度のオーストラリアの貿易の地域分布の構成比は次の表の
とおりである。
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地域別商品貿易分布(主要国)
(P)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年
2017/18年
輸出 % % % % %
中国 33.5 29.4 30.8 32.7 33.6
日本 17.7 17.3 14.5 14.2 15.3
韓国 7.5 7.1 7.0 6.7 6.6
インド 3.0 3.8 3.9 5.2 5.1
アメリカ合衆国 3.7 5.0 5.4 4.1 3.7
ニュージーランド 2.8 3.2 3.5 3.0 2.9
台湾 2.6 2.6 2.5 2.8 2.9
英国 1.3 1.4 2.9 2.5 2.0
カナダ 0.4 0.5 0.7 0.6 0.5
(1)
14.3 15.5 14.2 14.9 14.7
その他のアジア諸国
(2)
3.7 3.8 4.4 4.7 4.4
その他の欧州諸国
その他の諸国 9.4 10.3 10.2 8.7 8.3
輸出合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
輸入 % % % % %
中国 19.8 22.2 23.3 23.1 22.5
アメリカ合衆国 10.3 10.7 11.4 11.2 9.9
日本 7.3 7.1 7.3 7.8 7.3
韓国 4.7 5.5 5.0 4.2 7.2
ニュージーランド 3.1 3.0 2.9 2.9 2.6
英国 2.5 2.4 2.9 2.5 2.4
インド 1.1 1.5 1.8 1.7 1.8
台湾 1.6 1.9 1.7 1.6 1.4
カナダ 0.8 0.9 0.8 0.8 0.7
(1)
20.0 18.5 17.4 17.2 16.5
その他のアジア諸国
(2)
17.2 16.1 17.2 17.4 16.9
その他の欧州諸国
その他の諸国 11.7 10.4 8.4 9.6 10.8
輸入合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1) オーストラリア統計局に定義される東南アジア、北東アジアおよび南・中央アジア(日本、韓国、インド、台湾
および中国を除く。)を含む。
(2) オーストラリア統計局に定義される北西ヨーロッパおよび南東ヨーロッパ(英国を除く。)を含む。
(P) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
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対日貿易
2009 /10年に中国が日本を上回るまで、オーストラリアにとって日本は最大の商品輸出市場であっ
た。次の表は、オーストラリアと日本との2017/18年までの5年間の商品貿易の構成を示したものであ
る。
オーストラリアの対日商品貿易
(単位:百万豪ドル)
(P)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年
2017/18年
輸出
食肉 1,732 2,175 2,186 2,294 2,511
穀物 609 517 587 677 720
織物用繊維 43 40 47 42 47
(1)
1,310 1,723 1,776 1,743 1,969
その他の農産物
(2)
13,299 11,804 11,203 15,174 17,099
石炭、コークスおよび練炭
金属 13,080 10,793 7,372 8,263 8,996
その他の鉱物燃料、潤滑油およ
858 518 552 637 711
び関連原料
(3)
22 26 38 22 0
非貨幣用金
機械および輸送機器 166 206 211 233 275
その他の製品 655 659 734 733 828
(4)
16,552 15,488 10,566 11,546 14,895
その他
商品輸出合計 48,327 43,949 35,272 41,364 48,051
輸入
食品、動物、飲料および
85 101 132 146 168
たばこ
粗金属、非食品(燃料を除く) 32 31 33 32 42
鉱物燃料、潤滑油および関連原
3,429 3,067 2,588 2,523 3,030
料
金属製品 1,180 1,636 1,120 388 481
機械および輸送機器 11,090 10,944 11,812 12,707 13,872
その他の製品 1,974 1,923 2,033 2,048 2,138
その他 613 534 1,422 2,815 2,289
商品輸入合計 18,403 18,236 19,140 20,659 22,019
(1) オーストラリア統計局の再分類により、甘蔗原料糖の輸出は、「その他の農産物」の項目ではなく、「その他」
の項目に含まれている。
(2) 石炭輸出データの一部項目は非公開となり、「その他」の項目に含まれている。
(3) 金鉱および金精鉱を除く。
(4) 非公開項目を含む。
(P) 暫定貿易データ
出所:オーストラリア統計局、未発表貿易データ
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国際収支
次の表は、2017/18年までの5年間におけるオーストラリアの国際収支の詳細を示している。
(1)
国際収支-経常取引
(単位:百万豪ドル)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
商品
輸出 273,820 255,524 244,147 291,408 315,031
輸入 (263,785) (268,719) (271,476) (277,917) (302,901)
商品貿易収支 10,035 (13,195) (27,329) 13,491 12,130
サービス
受取 62,502 68,967 75,377 81,951 85,635
支払 (79,372) (80,441) (85,645) (84,519) (91,546)
サービス(純額) (16,870) (11,474) (10,268) (2,568) (5,911)
商品・サービス収支 (6,835) (24,669) (37,597) 10,923 6,219
収益
受取 49,069 53,157 51,842 54,710 57,543
支払 (90,898) (86,368) (91,796) (102,700) (116,606)
収益(純額) (41,829) (33,210) (39,956) (47,990) (59,063)
移転
受取 8,114 8,573 8,883 8,897 9,151
支払 (10,248) (10,354) (9,757) (10,664) (10,429)
移転(純額) (2,134) (1,781) (874) (1,767) (1,278)
経常収支 (50,798) (59,660) (78,427) (38,834) (54,122)
(1) 商品貿易収支は、集計時期、算定方法の不適合および機密性の問題により輸出データとは異なるものであ
る。四捨五入により、データの合計は合致しない場合がある。
出所:オーストラリア統計局カテゴリー番号5302.0、国際収支および国際投資ポジション
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国際収支-金融取引
(単位:百万豪ドル)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
直接投資
55,701 40,186 61,332 63,403 59,555
ポートフォリオ投資 40,280 47,623 (34,617) 4,081 9,307
デリバティブ投資 (18,650) 4,931 (3,392) 3,362 (8,446)
その他の投資 (16,954) (33,406) 55,030 (17,948) (16,544)
準備資産 (10,730) 2,122 2,394 (19,631) 8,929
金融収支 49,644 61,455 80,747 33,267 52,802
出所:オーストラリア統計局カテゴリー番号5302.0、国際収支および国際投資ポジション
外貨準備
2017 /18年までの5年間におけるオーストラリアの公的外貨準備は、国際通貨基金の外貨準備持高を含
めると次のとおりである。
(1)
公的外貨準備
(6月30日現在)
(単位:百万豪ドル)
2013/14年 2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年
金および外貨 68,421 75,904 79,064 97,625 92,990
豪ドル建証券合計 77,049 87,635 87,647 101,154 104,323
ローンおよび貸付金 ▶ 3 2 2 2
決済項目 569 714 381 296 511
その他資産 910 975 1,147 1,249 1,362
資産合計 146,953 165,231 168,241 200,326 199,188
(1) 豪ドルへの換算は表示された日における外国為替市場レートに基づいている。ただし、金はロンドン金市場
の当該月の平均価格で評価され、その月の末日の為替レートで豪ドルに換算されている。
出所:RBA
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豪ドルの為替レート
2017 /18年において1豪ドルは前年の 0.7542 米ドルから平均 0.7754 米ドル と 2.8 %上昇した。2017/18
年中、日本円に対し1豪ドルは下落し、平均 85.56 円であった。ただし、平均では前年比で 4.0 %上昇し
た。
豪ドルは2011年7月下旬に1.10米ドルを超える最高値となり、その後2年間の大半にわたり、等価に近
い水準で推移した。ただし、その後豪ドルは弱含みで、2018年10月末までにおよそ 0.7085 米ドルとなっ
た。
豪ドルの下落は、大規模な観光産業および教育産業を含む、オーストラリアの輸出を下支えする要因
になろう。
為替レート(日次)
(出所:トムソン・ロイター)
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