西オーストラリア州理財公社 有価証券報告書
| 提出書類 | 有価証券報告書 |
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| 提出者 | 西オーストラリア州理財公社 |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第１項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年12月24日
【会計年度】 自 平成30年７月１日 至 令和元年６月30日
【発行者の名称】 西オーストラリア州理財公社
(Western Australian Treasury Corporation)
【代表者の役職氏名】 Kaylene Gulich
(西オーストラリア州理財公社最高執行役員)
【事務連絡者氏名】 弁護士 松 添 聖 史
弁護士 渡 邊 大 貴
【住所】 東京都港区六本木一丁目９番10号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー＆マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がなければ、「豪ドル」又は「ドル」と表示されたすべての金額はオーストラリア・ドルを意味
する。2019年12月16日現在のオーストラリア・ドルの東京における対顧客外国為替相場の仲値は１オーストラリア・
ドル＝75.27円である。
(2) 西オーストラリア州理財公社、西オーストラリア州及びオーストラリア連邦の会計年度は７月１日から翌年６月30日
までである。2019年６月30日に終了した会計年度は本書中2018/19年又は2018/19年度と表示されており、他の会計年
度についても同様である。2018年12月31日に終了した暦年は本書中2018年と表示されており、他の暦年についても同
様である。
(3) 本書中、表中の数字は四捨五入されているため、合計は各々の数字の総和と必ずしも一致しない。
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第１ 【募集（売出）債券の状況】
該当事項なし
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第２ 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近５年間の会計年度（又は事業年度）別為替相場の推移】
該当事項なし
(2) 【当会計年度（又は事業年度）中最近６月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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第３ 【発行者の概況】
１ 【発行者が国である場合】
該当事項なし
２ 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
３ 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
１ 設立及び法的地位
西オーストラリア州理財公社(以下「WATC」という。)は、1986年西オーストラリア州理財公社法(以下「公
社法」という。)に基づき、当分の間州大蔵次官により構成される法人として1986年７月１日に設立された。
1998年11月に公社法の改正が行われ、WATCを州大蔵次官により構成される法人として設立した規定が廃止さ
れ、かわりに同様の機能、責任及び説明義務を有する６名から成る取締役会を創設する規定が設けられた。
WATCは公営企業であり、公営機関としての地位、免責特権及び特権を享受する。
２ 企業統治
WATCの取締役会(以下「取締役会」という。)は、公社法(改正済)に基づくWATCの業務遂行に責任を持つ。
WATCが、州、顧客及びその他の関係者のためにその業務を確実に遂行するため、取締役会は(大臣の承認を
受けて)WATCの戦略的な方向付けを定め、方針及び原則を設定し、その下でWATCは運営を行う。
なお、WATCの担当大臣は、法学士、理学修士、立法議会議員、大蔵大臣、金融、アボリジナル問題、土地担
当大臣であるベン・ワイアット氏である。
取締役会が設定する組織統治方法は、WATCの法的義務の遵守、WATCの業務運営、WATCの業績の監督を可能に
するものである。
取締役会はWATCの運営管理及び戦略的指揮の実施については、最高執行役員の責務と考え、同人を信頼す
る。
取締役会の構成
取締役会の構成員は、公社法第5B条に基づき決定され、以下のとおりである。
(ⅰ)会長－大蔵次官
(ⅱ)副会長－大蔵次官が適宜任命する大蔵省職員
(ⅲ)WATCの最高執行役員又は最高執行役員代理、及び
(ⅳ)大臣が任命する商業又は財務経験を有する３名以内の者。任命取締役である。
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任命取締役の在任期間は任命書に明示された期間(３年以内)であるが、適宜再任される。
2019年６月30日現在のWATCの取締役は以下のとおりである。
名前 役職 任命日 任期満了
マイケル・バーンズ 取締役会会長 法定 法定
マイケル・コート 取締役会副会長 2017年７月１日 該当なし
(1)
最高執行役員 法定 法定
ケイリーン・グリッチ
キャサリン・ナンス 取締役 1998年７月15日 2019年12月31日
スーザン・マーフィー 取締役 2019年１月１日 2021年12月31日
グレアム・サール 取締役 2009年１月１日 2019年12月31日
注：(1) 最高執行役員は執行責任を持つ唯一の取締役である。
取締役会の秘書役は、最高財務責任者のスティーブン・ラフ氏であった。
取締役会の責任
取締役会は公社法に基づくWATCの業務遂行につき責任がある。業務は以下のとおりである。
(ⅰ)金銭を借入れ、西オーストラリア州の公的部門に対し金銭を貸付ける。
(ⅱ)公社法の目的とする借入計画を策定・実行する。
(ⅲ)WATCの財政に関する権限と義務を管理する。
(ⅳ)債務管理、資産管理及びプロジェクト・ファイナンス、ストラクチャード・ファイナンスを含む財務事項
につき助言を行う。
(ⅴ)大蔵省及びその他政府機関の投資を管理する。
(ⅵ)公的機関の財務リスク管理を補佐する。
(ⅶ)WATCの設立以前に借入れた債務の管理につき州を補佐する。
この役割を果たすため、取締役会はWATCの業務を管理し監督する。すなわち、
(ⅰ)毎年のWATCの「戦略的開発計画書」及び「公社の目的声明書」を(大臣の承認を得て)検討し設定する。
(ⅱ)WATCの実績を監視する。
(ⅲ)会計、リスク管理、予算、法令遵守、情報技術及び内部管理方針、システム、報告手順が適切になされて
いるかを確認する。これらには、「リスク管理方針」及び「事業継続計画」が含まれる。
業績評価
良い統治の一環として、取締役会は毎年、取締役の業績の評価を行う。
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取締役会委員会
その責務を実行する助けとして、取締役会は監査委員会と人事・報酬委員会を設けている。
監査委員会
監査員会はWATCの取締役会の小委員会であり、取締役会への助言を行う。監査員会の権限、任務及び責任は
監査員会憲章に概略が説明されている。監査委員会の目的は、取締役会が以下に関する監督責任を遂行する手
助けをすることである。
・WATCの金融口座及び財務書類の作成及び完全性
・WATCが財務報告及び不正行為リスクの特定及び管理に利用する、内部統制、方針及び手続
・外部監査人による財務書類の年次監査
・外注した内部監査機能の実績及び業務範囲
・財務報告及び不正に関する情報システムの品質、完全性及び信頼性。
監査委員会は取締役会と監査人（外部及び内部）の間のコミュニケーション手段として行為し、取締役会が
監査人の活動から生ずる重要な事項及び情報に確実に注意を向けるようにする。
監査委員長は各会合の後で、委員会の所見及び勧告を含めて、取締役会に報告を行う。
2019年６月30日現在の監査委員会のメンバーは、以下のとおりである。
氏名 役職
キャサリン・ナンス 委員長
マイケル・コート 委員
スーザン・マーフィー 委員
監査委員会の書記役は、コンプライアンス・オフィサーのトーマス・ブランチであった。
監査委員会のメンバーは、非執行取締役である。
WATCの外部監査はアーンスト・ヤングのサービスを利用する会計検査庁長官により行われ、年次監査を行
う。内部監査機能は2020年６月30日までは、KPMGに外部委託されている。
人事・報酬委員会
人事・報酬委員会は最高執行役員を含むWATCの全職員の雇用条件に適用される包括的な報酬及び方針につい
て検討を行い取締役会に助言を行う。
取締役会の承認を得て、人事・報酬委員会は外部の報酬制度の専門家を利用し、最高執行役員を含むWATC職
員の適正な報酬の水準及びその他の雇用条件につき助言を受ける。
任命取締役に支払われる報酬及び手当は、公共部門管理大臣の助言を受けて大蔵大臣が決定する。最高執行
役員の勤務条件は、大臣の同意を必要とする。
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2019年６月30日現在の人事・報酬委員会のメンバーは、以下のとおりである。
氏名 役職
マイケル・バーンズ 委員長
ケイリーン・グリッチ 委員
キャサリン・ナンス 委員
グレアム・サール 委員
報酬委員会の書記役は、人事マネージャーである、レベッカ・リッジウェイであった。
３ 西オーストラリア州政府との関係
州の中央借入機関として、WATCは州及び西オーストラリア州内の準政府機関に代わり、オーストラリア国内
及び国外において借入を行う。近年、多数の地方政府機関もWATCを通じての借入を選んでいる。
1998年改正公社法により、WATCは、投資を含む金融資産及び負債の管理につき西オーストラリア州の政府機
関を補佐することも可能となった。
４ 州保証
公社法第13条第１項に基づき、WATCが公社法のもとで負担した又は引受けた金銭債務は西オーストラリア州
を代表する大蔵大臣により保証される。公社法第13条第１項によって生じる保証に基づく大蔵大臣のいかなる
金銭債務も、同法第13条第２項に基づき必要な範囲で使用される西オーストラリア州統合基金に請求され、支
払われる。
５ 法規制
WATCの機能を規制する法規制は以下から成る。
(a) 公社法(改正済)及びそれに基づく諸規則
公社法は、WATCの権限並びにその借入及び貸付機能を規定する。
借入の全ての責任は、WATCの取締役会が負う。
大蔵大臣はWATCへの書面による通知をもって、その借入の権限行使に制限を加え、また適宜かかる制限を
変更することができる。WATCの債務は、WATCがかかる制限に違反したことを理由として、又はかかる制限の
影響により、強制執行不能となることはない。WATCと取引を行う者は、WATCがかかる制限に従っていたか又
は従っているかにつき調査する義務はなく、また考慮する必要はない。
(b) 2006年財政管理法
州及び特別立法に基づく公的機関の財政管理及び監査に関する規定、並びに、各省庁及び特別立法に基づ
く公的機関による年次報告に関する規定が設けられている。
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(c) 統一表示枠組み
統一表示枠組み（UPF）は、オーストラリアの州、特別地域及び連邦の政府が詳細な政府全体の財務書類
（比較ベースでの予測及び結果の両方を含む。）を開示することを求め、オーストラリア会計基準AASB第
1049号「政府全体及び一般政府部門財務報告」の要件と共に、財務上の必要額の予測及び結果の透明性のあ
る開示を全ての管轄法域において確実に利用可能にする。西オーストラリア州の政府全体の財務開示は、本
書において詳述される西オーストラリア州公的部門財務実績に関する説明の基礎を構成する。
UPFは、既に終了した以前の「ローン評議会割当て」の取決めを廃止するために2018/19年度中に改正され
た。西オーストラリア州を含む管轄法域は、UPFに基づき、「政府全体の財務書類」に借入必要額（予測及
び結果）を含み、これは本書の他の箇所で説明される。
６ 日本との関係
なし。
(2) 【資本構成】
WATCの2018年６月30日及び2019年６月30日現在の資本構成(監査済)は以下のとおりである。
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
借入金
短期債務(６月30日から1か月以内に満期を迎える債務)
－国内借入 9,801.4 8,096.1
237.9 0.0
－海外借入
10,039.3 8,096.1
長期債務(６月30日から12か月を超えて満期を迎える債務)
－国内借入 43,796.9 44,489.6
0.0 0.0
－海外借入
43,796.9 44,489.6
６月30日現在額面価額 53,836.2 52,585.7
６月30日現在公正価値 57,670.5 54,663.4
資本
留保利益 142.5 131.5
3.0 3.0
準備金
資本合計 145.5 134.5
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(3) 【組織】
2019年６月30日現在、WATCは73名(男性47名、女性26名)の職員を雇用していた。2019年６月30日現在のWATCの
取締役及び上級職員は以下のとおりである。
取締役
マイケル・バーンズ 取締役会会長
マイケル・コート
取締役会副会長
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
キャサリン・ナンス 取締役
スーザン・マーフィー 取締役
グレアム・サール 取締役
上級職員
ケイリーン・グリッチ 最高執行役員
ロス・モールトン チーフ・オペレーティング・オフィサー
スティーブン・モーホール 顧客サービス本部長
ヴィンス・シンキナ 部長（金融市場）
スティーヴ・ラフ チーフ・ファイナンシャル・オフィサー
ウィリアム・マクウェン チーフ・リスク・オフィサー
ロバート・ベケット 部長（情報及び通信技術）
リサ・ブラディ 部長（顧客外国為替及びトレジャリー・サービス）
ピーター・シーズ 部長（法務及びコンプライアンス）
リチャード・マッケンジー 部長（顧客借入金融及び投資）
デービッド・レッツ 部長（助言サービス）
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2019年６月30日現在のWATCの組織構成は以下のとおりである。
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(4) 【業務の概況】
１ 概要
WATCは西オーストラリア州の中央借入機関であり、公社法に基づき、オーストラリア内外においてあらゆる
通貨での借入を行い、WATCから金銭を借入れることを法的に授権されている準政府機関、地方自治体及びその
他の自治体（州政府を含む。）への貸付を行い、借入計画を立案及び実行し、またWATCの財政に関する権限と
義務の管理をなす権限を賦与されている。この幅広い役割の中に、WATCの主たる業務は資金調達・債務管理、
資産・投資管理、財務助言サービス、財務リスク管理並びにトレジャリー・マネジメント（資金管理）サービ
ス及びシステムを含む。
ヴィジョン、目標、価値
西オーストラリア州理財公社（WATC）は、顧客である公共部門が健全な財務リスク管理の成果を達成する支
援のために公共部門の顧客と協働し、州の一元化された財務サービス提供者としての役割を果たす。
ヴィジョン
西オーストラリア州の公共部門のために最良の財務ソリューションを提供していると認められること。
目標
・高品質で費用効率の高い商品及びサービスを西オーストラリア州の公共部門に提供する。
・顧客の借入ニーズを可能な限り最小コストで満たすよう確実に資金を調達するために国内外の資本市場へ
の迅速なアクセスを維持する。
・公社法及びWATCの取締役会のリスク選好に従いWATCの業績を最適化する。
価値
WATCは以下の企業価値に従い、全ての事業取引を行う。
卓越性（Excellence） － WATCは卓越性の追求を創造的に考え、継続的に改善することに挑戦する。
パートナーシップ（Partnership） － WATCは成果の達成に向けて、顧客及び同僚に敬意を払い、協力的
かつ協調をして業務を行う。
誠実性（Integrity） － WATCは開かれていて、誠実で説明責任を果たす。WATCは最高の職業上、倫理上
の基準を忠実に守る。WATCは約束を尊重する。
コミットメント（Commitment） － ハードワークと決定を通じて、WATCは西オーストラリア州のために最
良の成果を提供する。
主要な業務分野
WATCは、４つの主要な業務分野の役割と責任を通じて、WATCのビジョンをうまく提供することができる。
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顧客サービス
「顧客サービス」部門は、WATCの顧客との協働で、借入金融、投資、外国為替、トレジャリー管理、財務リ
スク管理及び財務助言サービスにおける、包括的な一連の高品質、費用効果の高い金融商品及びサービスを提
供することを目指す。これらの商品及びサービスは、WATの顧客のために健全な財務リスク管理を推進、支援
及び提供すべく設計されている。顧客と協働して業務を進めることで、WATCはこれらの商品及び/又はサービ
スの最も適切な利用により各顧客の個別の事業上の要求を確実に達成する。
金融市場
「金融市場」部門は、国内外の資本市場における業務、資産負債管理機能、WATCの流動性ポートフォリオの
管理、顧客を代理しての投資管理機能、外国為替管理取引並びに経済分析及び金融市場分析を実行する。
リスク及びコンプライアンス
「リスク」は、WATCの業績への悪影響を避けるために、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リス
ク及び流動性リスクを測定及び監視し、執行役員及び取締役会に全てのリスク事項への指針を提供し、かつ公
社組織内でのリスクに関する良い文化を発展させる責任がある。
「法務及びコンプライアンス」は、法制、政策及びWATCのコーポレート・ガバナンス慣行の遵守の管理、
WATCの借入及びその他契約（金融市場の契約及び顧客との契約を含む。）のオリジネーション及びドキュメン
テーションの監督及びそれらに関する指針の提供を担当する。
コーポレート・サポート
WATCのオペレーションを支援する追加的な機能には、会計、総務、トレジャリーオペレーション、マーケ
ティング及びコミュニケーション、プロジェクト・マネジメント、人事、情報管理及び通信技術の分野を含
む。
２ 2018/19年度業績の概要
商品価格の上昇、GST（物品サービス税）改革及び継続的な歳出抑制を反映し、西オーストラリア州の財政
状態には明らかな反転の兆候があった。これらの要因が合わさり、2013/14年度以来初めて、2018年５月の州
予算の予測より２年早く、2018/19年度には営業黒字をもたらした。その結果、WATCの新規借入プログラム
は、当初2018年５月には27億ドルと推定されたが、今年度中ゼロであった。重要なことは、顧客が2018/19年
度に4億8,500万ドルを返済したことであり、これは過去10年以上で初めての顧客債務の減少であった。
このような州財政の改善は、2019/20年度以降予想される経済活動の持ち直し及び規律ある歳出管理と相
まって、2018年10月のスタンダード・アンド・プアーズ(AA+、アウトルックは「ネガティブ」から「安定
的」)及び2019年６月のムーディーズ・インベスターズ・サービス(アウトルック「ポジティブ」のAa2からア
ウトルック「安定的」のAa1)の信用格付けの更新につながった。
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しかし、こうしたプラスの展開にかかわらず、西オーストラリア州の経済・財政状態は依然として、世界的
及び国内的な経済・地政学的要因に対して脆弱である。世界経済の弱点が顕在化し、ほとんどの中央銀行は金
利引上げから緩和バイアスに焦点を合わせた。オーストラリア準備銀行は、国の経済に対する懸念を表明し、
2019年６月の会合で政策金利を25ベーシス・ポイント引下げた。市場は、2019年後半にはさらなる金利引下げ
が続くと予想する。
このような世界的な傾向を反映して、10年物のオーストラリア国債利回りが2017/18年度末の2.63％から
2018/19年度末には1.32％へとほぼ半減するなど、当年度中に金利は大幅に低下した。また、州の経済及び財
政状態の改善予測が達成され、また上回ったため、WATCもオーストラリアの他州との金利差の改善を享受し
た。
WATCは、2018/19年度の50億ドルの借換えコミットメント、2019/20年度に満期となる20億ドルの借換え、
2019/20年度の顧客借入及び流動性構築の予めの資金調達を満たすために、2018/19年度に80億ドルの借入を
行った。主要な貸借対照表指標の継続的な管理により、12か月以内満期の負債は18.7％、流動資産ポートフォ
リオのカバー率は129.5％であった。これらは、WATCの取締役会の目標(それぞれ、20％未満及び100％以上)の
中に十分に納まった。
税引前純利益は4,170万ドル(2017/18年度の3,480万ドルから増加)であり、WATCは統合勘定への配当及び税
相当額の3,440万ドルの支払いを行う。
WATCのチームは、長年にわたりWATCの顧客を支援し、数多くの顧客フォーラムを主催し、70件以上のアドバ
イザリー・エンゲージメントを成功裏に完了させ、100億ドルを超える州の資産の投資を管理し、外国為替リ
スクの管理を支援してきた。西オーストラリア州の利益のために金融ソリューションを提供することに、WATC
は依然として重点を置く。
WATCの営業を支える中核システムである、資金管理システムの交換業務は順調に進展した。大蔵省が支援す
る調達プロセスの成功の後、現在WATCのシステムの構造及び設計は非常に進んでおり、2020年初頭には導入が
完了する計画である。
３ 目標に対する成果
WATCの取締役会は、WATCの年間業績目標を設定する。これらの目標は、公社法第16I条第２項に基づき毎会
計年度開始時に大蔵大臣に対して提出される「企業趣旨声明（Statement of Corporate Intent）」の一部を
構成する。
金利の節減予想
目標：節減率＞0.00％
結果：債券の信用格付け及び満期までの期間を参照する顧客に対する金利節減率は、0.00％を上回った。
目標達成。WATCは2018/19年度も引き続き顧客に対して大幅な金利の節減を提供する。
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顧客満足の評価
目標：90％の顧客満足度
結果：100％の顧客満足度
目標達成。各助言サービスの完了時に受けるフィードバックにおいて、顧客の100％が提供された助言の
質、顧客のプロジェクトへの付加価値並びにWATCの全体的な能力及び提供されたサービスについて満足又は
それ以上と評価した。
管理費用比率
目標：管理費用比率＜0.050％
結果：管理費用比率＝0.034％
目標達成。WATCは管理費の純額を抑制することにより、引き続き州へ規模の利益を提供する。
税引前利益
目標：利益＝3,410万ドル
結果：利益＝4,170万ドル
目標達成。民間部門の金融機関と異なり、WATCの第１の目標は、税引前利益を最大化することではなく、
むしろ西オーストラリア州及び州の公共部門の機関に費用効率のよい金融商品及びサービスを提供しつつ、
適切な利益を維持することである。
職員のエンゲージメント評価
目標：職員のエンゲージメント評価＞65％
結果：職員のエンゲージメント評価＝56％
目標未達成。職員のエンゲージメントを引き続き改善する目的で、2018/19年度中に様々な取組みが導入
された。
５年間のKPI（主要な業績評価指標）の概要
2018/19年度 2017/18年度 2016/17年度 2015/16年度 2014/15年度
金利の節減予
達成 達成 達成 達成 達成
想＞0.00％
顧客満足の評
100％ 99％ 100％ 100％ 100％
価
管理費用比率 0.034％ 0.034％ 0.037％ 0.039％ 0.044％
41.7百万ド 34.8百万ド 17.6百万ド 16.0百万ド 23.1百万ド
税引前利益
ル ル ル ル ル
職員のエン
ゲージメント 56％ 56％ 46％ 51％ 40％
評価*
*使用する方法が2017/18年度に変更された。
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５年間の財務情報
2018/19年度 2017/18年度 2016/17年度 2015/16年度 2014/15年度
（単位：百万ドル）
財務実績
法人税相当額
41.7 34.8 17.6 16.0 23.1
控除前の利益
財政状態
資産合計 59,483.4 55,985.8 54,987.8 50,976.1 42,823.5
資産増加率
6.2 1.8 7.9 19.0 7.0
(％)
負債合計 59,337.9 55,851.3 54,868.3 50,861.7 42,709.8
資本 145.5 134.5 119.5 114.4 113.7
４ 顧客への価値の提供
WATCは、公的機関がより良い財務上の決定を行う手助けをすることにより、公共部門の財政管理において重
要な役割を果たす。
WATCの活動、商品及びサービスを通じて州の価値が生み出されており、公的機関が情報を得た上での決定を
行い、財務上の目的を達成するのに十分な支援及び知識を持つことを確実にする。
パートナーシップ
WATCは、各顧客と密接に連携し、各顧客のビジネス要件を理解し、財務リスクの特定、定量化、管理を支援
し、各顧客が自己の組織にとって最善の財務上の意思決定を行うために必要な情報を得られるように支援す
る。例えば、契約期間中の為替リスクの影響を十分に評価するために、対象者の入札に必要な情報が含まれて
いることを確認するために、WATCは顧客に代わって入札要求書類を検討した。さらに、一連の重要な投資対効
果検討書の作成を支援し、主要資産の交換のための様々な選択肢を評価し、潜在資産の価値を理解し最大化す
るために州を支援する継続的な専門家の資源を提供した。
WATCはまた、西オーストラリア州の地方政府に低コストの負債による融資と安全な投資を提供することで、
地域社会の発展を支援する。WATCは、負債金融や投資の適切な利用及び効率的な運用において地方政府を積極
的に推進及び支援する。また、WATCの助言サービスはまた、評議会による最適な財務意思決定を促進するため
の重要な情報を提供するために、リースと所有の分析を提供するなど、地方政府も利用可能である。さらに、
地方政府が財政、資産管理、サービス提供の成果を改善するために負債を活用し管理する助けとするために、
WATCは一連の有益な文献を作成した。
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知識の交換
WATCは、顧客が十分な情報に基づいた財務上の意思決定を行うことができるよう、顧客に情報、スキル、資
源の提供を継続する。2018/19年度において、WATCは、州と連邦の予算、経済、グリーン・ボンド、通貨及び
金利など、様々なトピックスを網羅した多くのイベントを開催した。WATCはまた、外国為替リスク管理に関す
る意識と理解を深めるための「外国為替教育セミナー」を継続的に開催した。2013年の開始以来、西オースト
ラリア州の公共部門全体の機関から950人以上がセミナーに参加した。
加えて、州の経済及び財政上の地位が、既存の投資家及び潜在的な投資家により理解されることが重要であ
る。このため、WATCは多数の固定金利会議に参加し、大蔵次官であるマイケル・バーンズ氏及びWATCの最高執
行役員であるケイリーン・グリッチ氏が2019年１月に投資家向けの期中経済・財政最新情報を発表し、さらに
大蔵大臣であるベン・ワイアット氏による2019/20年西オーストラリア州予算後の投資家向けプレゼンテー
ションで2018/19年度を締めくくった。
リーダーシップ
WATCは、金融市場に関する専門的知識と、様々な金融リスクの技術と手続きに関する高度なスキルを有して
おり、西オーストラリア州の公共部門に専門的、独立したプロフェッショナルな助言及び革新的な解決策を提
供することができる。州に利益を与えるWATCの特徴的な専門知識の例として、WATCがウェストポート・プロ
ジェクトで主導的な商業的役割を果たしていることが挙げられる。このウェストポート・プロジェクトでは、
WATCは、検討中の様々なオプションの商業的分析、複数基準分析プロセスへの重要なインプットを提供するこ
とで運輸省を支援し、また、政府全体の主要な戦略的情報通信技術イニシアチブの詳細な独立したレビューを
実施した後、ICTの実施と有効性の著しい改善につながる将来の行動に向けた一連の提言を提示した。
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公的機関の対公社債務額面残高純額 ― 2019年６月30日現在
(単位：千豪ドル)
2018年７月１日 2018/19年中の 2019年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
オールバニ市議会
13,503 1,110 14,613
動物資源局 534 (159) 375
アーマデール市議会 29,140 16,496 45,636
アシュバートン地方議会 4,566 (753) 3,813
オーガスタ・マーガレット・リバー地方議会 9,751 (354) 9,397
バッセンディーン町議会 811 (132) 680
ベイズウォーター市議会 20 (4) 16
ベルモント市議会 15,338 (676) 14,662
ビバリー地方議会 1,801 (130) 1,671
ボッディントン地方議会 2,285 (230) 2,055
ボイアップ・ブルック地方議会 526 (53) 473
ブリッジタウン・グリーンブッシュ地方議会 2,240 (41) 2,199
ブルックトン地方議会 1,478 (153) 1,325
ブルーム地方議会 2,319 1,080 3,399
ブルームヒル-タンベラップ地方議会 1,220 (59) 1,160
ブルース・ロック地方議会 140 (69) 71
バンベリ市議会 12,954 (435) 12,518
バンベリ水道公社 334 (62) 272
バッセルトン市議会 35,234 (302) 34,931
バッセルトン水道公社 1,123 (281) 842
ケンブリッジ町議会 2,269 (1,162) 1,107
キャニング市議会 6,746 1,871 8,617
ケーペル地方議会 6,688 (657) 6,031
カナマー地方議会 232 (40) 192
カーナーヴォン地方議会 495 (123) 372
チャップマン・ヴァレー地方議会 258 (99) 159
チタリング地方議会 1,729 539 2,268
クレアモント町議会 11,751 (604) 11,148
コックバーン市議会 20,000 (2,500) 17,500
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(単位：千豪ドル)
2018年７月１日 2018/19年中の 2019年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
コリー地方議会
1,212 14 1,226
クールガーディ地方議会 693 2,787 3,480
クーロウ地方議会 120 134 254
コリジン地方議会 1,781 (124) 1,657
コートスロー町議会 4,219 (475) 3,744
郊外住宅局 28,924 (3,629) 25,296
クランブルック地方議会 395 (92) 303
カバリング地方議会 151 121 272
カンダーディン地方議会 1,311 (74) 1,237
カーティン工科大学 34,807 (4,125) 30,682
ダルワリン地方議会 877 2,583 3,460
ダンダラガン地方議会 435 (69) 366
ダーダナップ地方議会 2,605 (362) 2,243
デンマーク地方議会 2,711 (274) 2,437
ダービー・ウェスト・キムバリー地方議会 7,604 (147) 7,457
ドニーブルック・バリングアップ地方議会 236 (31) 205
ダウリン地方議会 1,065 353 1,418
ダンブレイアン地方議会 863 180 1,044
ダンダス地方議会 433 (46) 387
東ピルバラ地方議会 5,748 (948) 4,800
イディース・コーワン大学 93,800 (21,686) 72,114
発電及びリテール公社 142,234 (115,200) 27,034
電力ネットワーク公社 7,177,992 96,825 7,274,817
エスペランス地方議会 1,746 133 1,880
エクスマウス地方議会 2,263 (264) 1,999
FES省 38,996 (2,440) 36,556
フリマントル市議会 9,266 (1,719) 7,547
フリマントル港湾局 184,702 (11,932) 172,770
ジンジン地方議会 2,383 (182) 2,201
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(単位：千豪ドル)
2018年７月１日 2018/19年中の 2019年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
グノーワンジェラップ地方議会
1,913 (1,164) 750
ゴスネルズ市議会 12,145 (1,386) 10,759
政府職員老齢退職年金委員会 156,739 (48,778) 107,961
グレータージェラルトン市議会 24,122 14,253 38,375
ホールズ・クリーク地方議会 991 (78) 913
ハーヴェイ地方議会 1,210 (276) 934
住宅局 4,646,034 106,623 4,752,657
アーウィン地方議会 2,496 772 3,269
ジェラムンガップ地方議会 992 (203) 789
ジューンダラップ市議会 13,616 (3,202) 10,414
カラムンダ市議会 5,607 (653) 4,954
カルグーリー・ボールダー市議会 10,233 (386) 9,847
カラサ市議会 428 (81) 346
カタニング地方議会 2,968 (184) 2,784
ケラーバリン地方議会 1,597 517 2,114
ケント地方議会 426 (84) 343
キンバリー港湾局 12,963 (1,266) 11,697
コジョナップ地方議会 395 67 461
コンディニン地方議会 1,734 1,550 3,284
クリン地方議会 1,337 (85) 1,252
ウィナナ市議会 22,071 (777) 21,294
レイク・グレース地方議会 1,330 (250) 1,080
ラバトン地方議会 748 625 1,374
マンドラ市議会 29,205 (29,205) 0
マンジマップ地方議会 4,741 (506) 4,235
メルヴィル市議会 2,400 (317) 2,083
メレディン地方議会 1,323 (231) 1,092
大都市再開発局 390,669 (142,711) 247,957
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(単位：千豪ドル)
2018年７月１日 2018/19年中の 2019年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
ミッド・ウェスト港湾局
12,684 (1,774) 10,910
ミンジェニュー地方議会 641 (115) 525
教育大臣 334,587 14,941 349,527
財務大臣（1991年州供給公社法（改正済）に基づく権
24,355 (18,922) 5,433
限を利用）
漁業大臣 20,814 (3,598) 17,217
ムーラ地方議会 948 139 1,087
モラワ地方議会 382 (75) 307
モスマン・パーク町議会 5,957 (233) 5,724
マウント・マグネット地方議会 161 (45) 117
マウント・マーシャル地方議会 1,202 (109) 1,093
ムキンブディン地方議会 619 87 706
マンダリン地方議会 11,791 (603) 11,188
マーチソン地方議会 19 1,548 1,568
マードク大学 4,312 (385) 3,927
マレー地方議会 3,664 (179) 3,485
ナンナップ地方議会 51 307 358
ナランビーン地方議会 1,044 (93) 950
ナロジン地方議会 922 220 1,142
ネッドランズ市議会 9,999 (2,443) 7,556
ノーサン地方議会 2,008 273 2,281
ノーサンプトン地方議会 892 383 1,275
ナンガリン地方議会 578 (44) 534
ペパーミント・グローブ地方議会 814 (28) 786
ペレンジョリ地方議会 1,000 (252) 748
パース市議会 23,132 (7,449) 15,683
ピルバラ港湾局 154,721 (22,856) 131,864
ピンジェリー地方議会 2,971 602 3,572
プランタジネット地方議会 2,810 (841) 1,970
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(単位：千豪ドル)
2018年７月１日 2018/19年中の 2019年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
ポート・ヘドランド町議会
21,403 (21,403) 0
公共輸送局 2,263,511 109,207 2,372,718
クァレーディング地方議会 599 (79) 520
ラヴェンソープ地方議会 1,896 (202) 1,694
地域電力公社 679,714 18,986 698,700
ロッキンガム市議会 11,618 (1,556) 10,062
サーパンティン・ジャラデール地方議会 3,868 2,313 6,181
シャーク・ベイ地方議会 234 (71) 163
サウスパース市議会 10,257 (1,505) 8,753
大都市南部地域議会 19,052 (3,391) 15,661
南部港湾局 26,313 (7,689) 18,624
サビアコ市議会 7,796 (485) 7,311
スワン市議会 43,434 (7,042) 36,392
タミン地方議会 321 (51) 271
2004年ローン(共同会社)法第6(1)条に基づき権限を行
34,965 (5,647) 29,318
使する農業・食品大臣
西オーストラリア州を代理する大蔵大臣 26,402,775 (436,732) 25,966,043
スリー・スプリングス地方議会 207 (66) 141
トゥーディエー地方議会 2,059 (235) 1,824
トゥレイニン地方議会 548 (54) 494
西オーストラリア大学 145,780 (3,150) 142,630
アッパー・ガスコイネ地方議会 901 (71) 830
ヴィクトリア・パーク町議会 6,596 (2,355) 4,241
ヴィクトリア・プレインズ地方議会 239 (45) 194
ヴィンセント市議会 14,897 (948) 13,948
ワギン地方議会 691 (52) 638
ワンダリング地方議会 795 (321) 474
ワナルー市議会 60,778 0 60,778
ワルーナ地方議会 424 (59) 365
水道公社 5,910,000 70,000 5,980,000
ウェスト・アーサー地方議会 893 (86) 807
西オーストラリア州土地局 219,000 6,500 225,500
ウェストニア地方議会 156 (70) 85
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(単位：千豪ドル)
2018年７月１日 2018/19年中の 2019年６月30日
公的機関名
現在の残高 貸付金額－純額 現在の残高
ウィックピン地方議会
81 (29) 52
ウィリアム地方議会 908 (92) 816
ウィルナ地方議会 3,333 385 3,718
ウォンガン・バリデュー地方議会 529 (172) 357
ヤルカチェム地方議会 130 (19) 111
ウィンダム・東キンバリー地方議会 4,291 (912) 3,378
ヤルグー地方議会 547 (91) 456
2,327 (224) 2,103
ヨーク地方議会
合計 49,812,434 (485,147) 49,327,287
(注) 四捨五入のため合計は一致しない。
５ 成功する財務管理
WATCは、国内外の資本市場へのアクセスを通じて、可能な限り低いコストで州のイニチアチブに資金を提供
する。
2018/19年度に、WATCは顧客に71億ドルを貸付け、債券を80億ドル発行し、104億ドルを超える投資資金を運
用した。
顧客ニーズに対する資金供与
2018/19年度中、WATCは約80億ドルの指標銘柄債券及び変動金利債券を発行した。これは2018/19年度満期の
50億ドルの借換え、さらに2019/20年度に満期を迎える20億ドルの借換え、５億ドルは2019/20年度の顧客の必
要な借入に対する予めの資金調達に使用され、約５億ドルが流動資産の購入に充当された。さらに、WATCは顧
客及び自己の流動性需要を満たすために短期の国内及び海外ユーロコマーシャル・ペーパー・プログラムも利
用した。WATCは主に債務借換えのために顧客に71億ドルの資金を供与することにより、州の活動に貢献した。
借入が増加した公的機関は、例えば建設産業に対する経済刺激策も提供する低価格の住宅所有向け暫定的財務
ソリューションを支援するキースタート及びメトロネット・フォレストフィールド空港リンクのようなプロ
ジェクトを支援する公共輸送局など、拡大する政府目標に向けて調達資金を利用した。最も重要なことは、顧
客の債務返済が新規ローン及び借換えの金額を上回ったことである。10年にも及ぶ年平均38億ドルの増加か
ら、2018/19年度は発行済の顧客債務合計が４億8,500百万ドルも減少した。これは州にとり、重要かつプラス
の成果である。
投資運用
WATCは、投資ポートフォリオの運用を含む包括的な財務管理サービスの提供を通じて、公共部門の財政管理
に重要な役割を果たしている。2019年６月30日現在、WATCは104億ドルを超える投資資金をWATCの自己名義及
びWATCの顧客名義で運用していた。これには３件の顧客を代理して運用する５つの投資ポートフォリオを含
み、平均年間投資残高は48億ドルを超える。これらの投資ポートフォリオは、設定されたベンチマークを上回
るリターンを達成した。
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コスト削減
2018/19年度には、一般的な金利水準が低下し、WATCと同等の格付けを有する同業発行体との相対性が大幅
に縮小したことから、WATC顧客の借入コストは低下した。これは、州の借入プログラムの管理が成功したこと
に加えて、州の歳入が改善した結果である。WATCが公共部門の機関に卸売価格での外国為替市場へのアクセス
を提供することにより、州の追加的な節減を実現し。2018/19年度は、20の顧客に代わり、９通貨で１億6,000
万ドルを超える為替取引を行った。
さらに、スタンダード＆プアーズが西オーストラリアの信用格付け向上を裏付ける評価の一環として、2018
年10月、S&Pは州の流動資産について改善の表明を正式に認めた。これは、公共銀行口座(PBA)以外で保有され
ている公的機関の流動性金融資産の毎月のデータ収集をWATCが維持・拡大することによって達成された。ま
た、PBA内に保有する流動性金融資産の目標水準に対して10億ドルを削減することに役立った。これにより、
州の借入必要額が減少し、2017/18年度州予算において以前発表された節減（予算期間中に4,400万ドルの純利
息費用が見込まれる。）の実現が可能となった。
６ WATCの業績の最適化
WATCが州に対して資本市場への迅速なアクセス及び幅広い種類の金融商品を提供する能力は、WATCのシステ
ム及びプロセスとともに、その豊富な経験及び専門知識により支えられている。
WATCは絶えず、顧客と関与し、そのシステムとプロセスの効率性を高め、WATCの職員と能力に投資する方法
の改善を目指す。
公的機関の関与の合理化
６月、WATCは、州の財政、経済、金融市場、顧客の借入れ及びそれらの相互の関連性についての顧客フォー
ラムを開催した。これには、新たな借入限度額が承認された後、WATCが各顧客と緊密に連携して債務資金調達
目標を評価し、リスク選好度を定義し、顧客が債務管理戦略を支える最も適切な負債商品を選択するのを支援
する方法を説明することを含む。
顧客が短期から中期的な現金余剰を効率的に管理することを支援するため、2018/19年度に新たな包括的投
資ファシリティが導入され、顧客はWATCの全ての直接投資商品にアクセスできるようになった。これには、比
較可能な銀行商品が十分に提供されていない場面に焦点を当てた実用的な代替投資である、新しい定期預金
ファシリティが含まれる。
クライアント・ポータルの展開は2018/19年度も継続し、州政府の90％以上、地方政府顧客の75％以上が現
在登録されている。また、通常の借入商品について過去の金利時系列を提供するなど、多くの新たな特色が導
入された。さらに、会計年度末の一連の自助サービスが現在利用可能となっており、これにより顧客は、クラ
イアント・ポータル上で公式の監査報告書にアクセスすることができ、また、監査法人への一時的なアクセス
を許可することができるようになっている。
システムの改善とキャパシティ・ビルディング
入札及びデュー・デリジェンス・プロセスの成功後、WATCは新しい財務管理システムを導入するための大規
模な取組みを開始した。これまで20年近くにわたり使用してきた既存技術に代替し、このシステムは、WATCの
金融市場業務や顧客の貸付、投資及び外国為替などの管理の中核である。WATCはまた、内部効率がどこで得ら
れるかを確かめるために、関連するプロセスを検討する機会を利用した。
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職員への投資は、WATCの現在と将来に向けたヴィジョンと目標を達成するためにWATCが最善な位置にあるこ
とを確実にする。そのため、職員に関連する方針、プロセス、活動及び実務を特定し、円滑にし、指針を与え
るための人的資源戦略計画が策定された。
重要なリスクの効果的な管理及び監視
WATCはダイナミックな市場で事業を展開しており、これは顧客、投資家、州、WATCの取締役会及びその他の
利害関係者に対するWATCの責任を果たす能力に重大な影響を与える可能性のある機会及びリスクを伴う。WTAC
の事業は、グローバルな金融市場での事業活動に関連する、戦略的リスク、オペレーショナル・リスク、コン
プライアンス・リスク及び財務リスクにさらされている。WATCは、コーポレート・ガバナンス、組織のシステ
ム及びプロセスとともに、重要なリスクを特定し、評価し、管理し、継続的に監視するための健全な枠組みを
提供するリスク管理体制を有している。
2018/19年度、取締役会は、オペレーショナル・リスク管理方針の改訂を承認した。これは、WATCの事業に
許容できない影響を及ぼす恐れのあるオペレーショナル・リスクの測定と制御の方法を定める。オペレーショ
ナル・リスクとその制御の定期的な監視と報告を通じて、容認できないリスク関連事象にWATCがさらされるこ
とを低減することができ、そのような事象が仮に発生した場合の影響が軽減される。
これと同時に、WATCの為替リスク管理方針が、依然としてWATCの事業、目的及び取締役会のリスク選好に関
連し、反映していることを確実にするために、その見直しが行われた。これには、引き続き意図された為替リ
スクの緩和を確実にするために、ヘッジ戦略の見直しが含まれている。
また、WATCは、2019年６月30日までの取締役会による貸借対照表の債務基準目標の両方、すなわち12か月以
内に満期を迎える債務は債務総額の20％未満及び満期を迎える債務のカバレッジ・レシオは100％以上を達成
した。
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(5) 【経理の状況】
以下に掲げる2019年６月30日に終了した２年間についての財務データは、WATCが公表する監査済の財務書類に
基づくものである。
WATCは、2006年財政管理法に基づき、適切な会計帳簿を作成しなければならない。会計検査庁長官はいつでも
WATCの検査をすることができ、最低年１回一定の財務情報を監査しなければならない。
WATCは６月30日に終了する12か月間のWATCの活動に関する年次報告書を、大臣が毎年６月30日から90日以内に
議会に上程できるように、大臣宛てに提出しなければならない。同報告書は、その報告の対象である期間のWATC
の財務書類及びその他所定の情報を含まなければならない。
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包括利益計算書
2019 年６月30日終了の年度
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
収益
収入
投資収益 90.9 82.0
公的機関からの受取利息 1,532.2 1,486.2
1.9 1.6
手数料収入
収入合計 1,625.0 1,569.8
その他収益合計 0.0 0.0
収益合計 1,625.0 1,569.8
費用
費用
借入に係る支払利息 1,511.0 1,453.9
起債費用 1.1 1.5
減価償却費 0.2 0.2
無形資産償却費 0.2 0.1
管理費用(注４) 17.4 16.0
53.4 63.3
公正価値の変動(純額)(注６)
費用合計 1,583.3 1,535.0
法人税相当額控除前の利益 41.7 34.8
法人税相当額費用(注７) 12.5 10.4
当期純利益
29.2 24.4
その他包括利益 0.0 0.0
当期包括利益合計 29.2 24.4
包括利益計算書は、付随の注記と併せて読むべきである。
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財 政 状 態 計 算 書
2019 年６月30日現在
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
資産
現金性資産(注８) 141.5 236.1
投資(注９) 5,477.3 3,681.0
受取債権及びその他金融資産(注10) 948.6 780.3
公的機関への貸付金(注11) 52,912.9 51,286.8
税金資産(注12) 1.1 1.0
有形固定資産(注13) 0.4 0.4
1.6 0.2
無形資産(注14)
資産合計 59,483.4 55,985.8
負債
未払債務及びその他金融負債(注16) 1,651.3 1,174.4
借入金(注17) 57,670.5 54,663.4
納税債務(注18) 12.6 10.4
3.5 3.1
引当金(注19)
負債合計 59,337.9 55,851.3
純資産 145.5 134.5
資本
留保利益 142.5 131.5
3.0 3.0
準備金
資本合計 145.5 134.5
財政状態計算書は、付随の注記と併せて読むべきである。
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資 本 変 動 表
2019 年６月30日終了の年度
(単位：百万豪ドル)
準備金 留保利益 資本合計
2017年７月１日現在残高 3.0 116.4 119.4
当期純利益
0.0 24.4 24.4
0.0 0.0 0.0
その他包括利益
当期包括利益合計
0.0 24.4 24.4
所有者としての立場での所有者との取引：
資本処分 0.0 0.0 0.0
0.0 (9.3) (9.3)
所有者への分配
合計 0.0 (9.3) (9.3)
2018年６月30日現在残高 3.0 131.5 134.5
3.0 131.5 134.5
2018年７月１日現在残高
当期純利益
0.0 29.2 29.2
0.0 0.0 0.0
その他包括利益
当期包括利益合計
0.0 29.2 29.2
所有者としての立場での所有者との取引：
資本処分 0.0 0.0 0.0
0.0 (18.2) (18.2)
所有者への分配
合計 0.0 (18.2) (18.2)
2019年６月30日現在残高 3.0 142.5 145.5
資本変動表は、付随の注記と併せて読むべきである。
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キャッシュ・フロー表
2019 年６月30日終了の年度
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
営業活動からのキャッシュ・フロー
公的機関への貸付金受取利息 1,525.9 1,455.2
投資受取利息 114.3 112.6
投資資産売却及び満期手取金 4,360.9 4,340.2
投資支払 (6,382.6) (4,624.5)
公的機関への貸付金 (8,300.9) (14,058.6)
公的機関からの貸付金返済 8,799.9 9,173.6
公的機関を代理してのその他支払 (0.2) (0.1)
借入による手取金 16,771.7 18,706.9
借入金返済 (15,452.3) (15,016.1)
手数料収入 1.9 1.7
支払利息及びその他資金調達費用 (1,762.8) (1,686.1)
管理及び起債費用 (18.8) (17.5)
(10.4) (5.2)
税相当額支払
営業活動に使用された現金(純額)(注21ｂ)
(353.4) (1,617.9)
投資活動からのキャッシュ・フロー
有形固定資産支払 (0.2) (0.2)
(1.6) (0.1)
無形資産支払
投資活動に使用された現金(純額)
(1.8) (0.3)
財務活動からのキャッシュ・フロー
(18.2) (9.3)
配当支払い
財務活動に使用された現金(純額) (18.2) (9.3)
現金及び現金同等物の減少(純額) (373.4) (1,627.5)
779.0 2,406.5
期首現金及び現金同等物残高
期末現金及び現金同等物残高(注21ａ) 405.6 779.0
上記には、以下が含まれる
州政府へのキャッシュ・フロー
配当支払い (18.2) (9.3)
(10.4) (5.2)
税相当額支払い
州政府への現金(純額)
(28.6) (14.5)
キャッシュ・フロー表は、付随の注記と併せて読むべきである。
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財務書類に対する注記(2019年６月30日終了年度)
(注１) 西オーストラリア州理財公社（WATC）は、1986年西オーストラリア州理財公社法に基づき、州の中央融資
機関として、1986年７月１日に設立された。WATCの所在地は、西オーストラリア州、パース、セント・
ジョージズ・テラス225、12階である。
概要
2019年６月30日に終了する年度のWATCの財務書類は、オーストラリア会計基準に基づき作成されている。
「オーストラリア会計基準」という用語は、オーストラリア会計基準委員会(AASB)により発行された基準及
び解釈を含む。財務報告はまた国際財務報告基準にも準拠する。
これらの会計書類を作成するにあたり、WATCはその業務運営に関係する場合、AASBが発行する施行日から
の新基準及び修正基準並びに解釈を採用している。
オーストラリア会計解釈は、AASB1048「基準の解釈及び適用」を通じて採択され、国際会計基準審議会
（IASB）の解釈に対応するもの、及びオーストラリアにおいてのみ適用されるものに分類される。
基準の早期採用
WATCは、大蔵大臣指示(TI)第1101号「オーストリア会計基準及びその他発表の適用」により特に認められ
ない限り、オーストラリア会計基準又は解釈を早期に採用することはできない。2019年６月30日に終了する
年次報告期間について発行済み又は修正済みである（が施行されていない）オーストラリア会計基準のう
ち、WATCにより早期採用されているものはない。
(注２) 重要な会計方針の概要
(a) 会計の一般制度
(ⅰ)WATCは、大蔵大臣の指示により適用されるオーストラリア会計基準、AASBの枠組み、会計基礎概念に
関する記述及びその他公式見解に従った一般目的の財務書類を作成する非営利報告団体である。この内
いくつかのものは大蔵大臣の指示により、適用、開示、フォーマット及び用語の改訂のため修正され
る。
財務管理法及び大蔵大臣の指示は財務書類を作成するにあたっての法的規定であり、オーストラリア
会計基準、AASBの枠組み、会計基礎概念に関する記述及びその他公式見解に優先するものである。
もし何らかの修正が必要とされ、報告結果に重大な財務的影響を及ぼす場合は、修正内容の詳細及び
その財務的影響につき財務書類の注記に記載される。
(ⅱ)別途記載しない限り、財務書類の数字は豪ドルで表示され、すべての金額は百万豪ドル単位に四捨五
入されている。
(ⅲ)財務書類の作成にあたり採用された会計方針は、別途記載しない限り、表示のすべての期間を通じて
統一的に適用されている。
(ⅳ)比較情報は、当年度の表示と一致するよう調整されている。
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(b) 作成の基礎
財務書類は、以下に注記するもの除き、取得原価主義を用いて発生主義により作成されている。
WATCはその職務を果たすために投資、公的機関への貸付金及び借入金を維持し、AASB139「金融商品：
認識及び測定」の規定に準拠し、これらの金融資産及び金融負債を損益を通じて公正価値するものとして
指定することを選択している。WATCは、その業務を毎日公正価値ベースに基づき管理しているので、これ
を選択する資格基準を満たしている。AASB139に基づき、すべてのデリバティブ金融商品もまた、損益を
通じて公正価値ベースで計上されている。もともと、金融資産及び金融負債の評価に使用される市場取引
レートは信用リスクの割引を含む。
重要な会計上の判断及び見積り
財務書類に認識される金額に最も大きな影響を及ぼす会計方針を適用する過程においてなされた判断
は、投資、公的機関への貸付金及び借入金の測定のために呼び値に代わり中間価格を使用することに関連
する。
WATCはこれらの金融資産及び負債のリスクの危険性を最小化することを目指す。これらの項目のリス
ク・ポジションが相殺される範囲で、WATCがそれらを保有するならば、なんらかのオープン・ポジション
(正味残高)に適用される呼び値とともに中間価格が使用される。
金融資産及び金融負債の価値評価においてなされる主要な仮定は、注20において開示される。
(c) 収入
収入は、受領済み又は受領可能な対価の公正価値で認識され、かつ測定される。収入は次に示すように
認識される。
手数料収入
提供したサービスに関する手数料収入はサービスが提供された期間に認識される。
利息
受取利息は生じたときに実効利率法を用いて認識され、ポートフォリオ管理において実現する類似性
質の項目を含む。金融資産に関する実現損益もまた、利息として認識される。
(d) 有形固定資産
原価が5,000豪ドル以上の有形固定資産の項目は、資産として認識され、資産を利用するコストは耐用
期間にわたり費用化(減価償却)される。原価が5,000豪ドル未満の有形固定資産の項目は、包括利益計算
書に直接計上される(個々が類似項目の一群の一部を構成し、全体としては重要である場合を除く。)。
有形固定資産のすべての項目は、当初、原価で認識される。当初の認識の後、有形固定資産は、原価か
ら減価償却累計額及び何らかの価値の減損を差引いて記帳される。
減価償却は定額法を用いて予想耐用年数を基に計算される。各種減価償却資産に使用される予想耐用年
数は下記のとおりである。
2019年 2018年
・コンピュータ機器
３～５年 ３～５年
・その他機器 ５～10年 ５～10年
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減損
有形固定資産の帳簿価格は、事象又は環境の変化が帳簿価格の回収不能の可能性を示唆したときに、減
損につき検討される。個別では多額のキャッシュ・インフローを生み出さない資産については、回収可能
額は資産が属する現金をもたらすユニットについて決定される。このような兆候があり、帳簿価格が回収
可能額の見積もりを上回る場合、資産又は現金を生み出すユニットは回収可能額に減額される。
有形固定資産の回収可能額は、公正価値から売却費用を控除した額と減価償却後の取替原価の大きい方
である。
減損損失は包括利益計算書において認識される。
(e) 無形資産
コンピュータ・ソフトウェアは、WATCが財務書類に計上する唯一の無形資産である。資産利用の原価
は、耐用期間にわたり費用化(償却)される。
別個に取得した無形資産は、取得日の原価で資産化される。当初の認識の後、各種類の無形資産にコス
ト・モデルが適用される。これら資産の耐用期間は有限として査定される。無形資産は期間３年で償却さ
れる。
減損の兆候がある場合、無形資産の減損が検査される。耐用期間もまた、年次ベースで検査され、適用
ある場合、見込みベースで調整が行われる。
(f) 投資
WATCは、投資を損益を通じて公正価値評価する金融資産として分類する。WATCは満期保有又は売却可能
に分類される投資を保有しない。
投資は、約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定される。本
方針から生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。公正価値は、投資がリスクを相
殺するポジションに保有される範囲で、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は買い呼び値を
適用して、算定される。オーストラリア連邦及び州政府の投資は、ポートフォリオ管理の目的から保有さ
れている。これらの投資は一般的に満期まで12か月を超えるものであるが、通常の業務においてはWATCの
指標銘柄債券を経済的にヘッジするために利用され、従って12か月以内に換金される予定で保有される。
(g) 公的機関への貸付金
公的機関への貸付金は、約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で
測定され、貸借対照表において資産に記帳される。本方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書
の勘定に記帳される。公正価値は、公的機関への貸付金がリスクを相殺するポジションに保有される限り
は、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は買い呼び値を適用して、算定される。一般的な状
況では、公的機関への貸付金は、満期時に更新又は再貸付される。
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(h) 借入金
借入金は約定日の公正価値で当初認識され、その後報告日現在に適用される公正価値で測定される。本
方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。公正価値は、借入金がリスクを
相殺するポジションに保有される限りは、市場で値付けされた中間価格を用いて、それ以外は売り呼び値
を適用して、算定される。一般的な状況では、借入金は、満期時に乗換えられるか借換えられる。起債費
用は発生したときに包括利益計算書に計上される。
(i) デリバティブ金融商品
デリバティブはもっぱら金利及び外国為替リスクを経済ヘッジするために利用される。デリバティブは
すべて、約定日付で公正価値で貸借対照表において認識される。デリバティブはすべて、取引目的で保有
されるものとして分類されている。デリバティブの帳簿価格は、契約の有効期間中、公正価値で再測定さ
れる。本方針より生ずる未実現収益(損失)は包括利益計算書の勘定に記帳される。
(j) 外貨換算
外貨建取引は、約定日に適用される為替レートで約定日付で豪ドル建勘定に記帳される。報告期間末日
現在、すべての貨幣性資産及び負債は、2019年６月30日現在の為替レートで換算されている。為替差益
(損)は、包括利益計算書に記帳される。WATCの機能通貨及び表示通貨は、ともにオーストラリア・ドル
(豪ドル)である。
(k) 資金調達コスト
資金調達コストは負担したときに費用として認識される。支払利息は生じたときに認識され、関係のあ
るポートフォリオ管理において実現する類似性質の項目を含む。金融負債に関する実現損益もまた、利息
として認識される。
(l) 職員給付
(ⅰ)病気休暇
病気休暇については、与えられた権利ではなく、また会計年度中に取得された病気休暇は、通常の病
気休暇枠の使用を超えないと予想されるため、引当金を設定していない。
(ⅱ)年次休暇
この給付は報告日までの職員のサービスについて報告日現在で認識され、決済時に適用する予定の報
酬率を用いて、債務が決済されるとき支払われる予定の金額の現在価値で測定される。
(ⅲ)長期有給休暇
報告日から12か月以内に決済が予定される長期有給休暇債務は、職員給付引当金として認識され、債
務が決済されるとき支払われる予定の額面金額で測定される。報告期間末日から12か月を超えて決済が
予定される長期有給休暇債務は、職員給付引当金として認識され、報告日までの職員が提供したサービ
スに関して行われる将来支払予想額の現在価値で測定される。将来の支払予想額を査定する際には、将
来の予想給与水準、職員離職の経験値及び勤続年数を考慮する。将来支払の予想額は、予測将来キャッ
シュ・アウトフローと可能な限り近い満期の条件をもつ国債の報告期間末日現在の市場利回りを用いて
割引かれる。
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(ⅳ)老齢退職手当
州政府職員老齢退職年金委員会(GESB)及びその他の基金提供者が法的な要件に従い、以下に詳述する
年金制度を管理する。職員に対する個別の制度への加入に関する適格基準は、開始日と実施日により異
なる。
適格な職員は、1987年以来新規加入者を受付けていない確定給付年金制度である州年金制度、又は
1995年以来新規加入者を受付けていない確定給付一時金制度であるゴールド・ステート老齢退職手当制
度(GSS)に拠出する。これらいずれの制度にも加入していなかった、2007年４月16日より前に雇用を開
始した職員は、ウェスト・ステート老齢退職手当制度(WSS)の非拠出加入者になった。2007年４月16日
以降に就業した職員は、GESBスーパー制度(GESBS)の加入者になった。2012年３月30日から、WSS又は
GESBSの既存加入者及び新たな職員は、自身の好きな年金基金提供者を選択できる。WATCは1992年連邦
政府年金保証(管理)法に従い、職員に代わりGESB又は他の基金提供者への拠出を行う。これらの積立て
制度への拠出は、州年金制度又はGSSの加入者ではない職員に関するWATCの退職手当負担債務を消滅さ
せる。
WATCはまた、以前は公的部門の者であった現在のスタッフの以前の勤務の結果、非積立型年金債務を
有する。これら将来の支払債務は、報告日現在、貸借対照表において引当てられている。この制度に基
づく負債は、予想ユニット法を用いてマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティングにより毎年
計算される。予想される将来支払いは、予想将来キャッシュ・アウトフローに可能な限り適合する満期
条件を持った国債の市場利回りを用いて、報告日付で現在価値に割引かれる。
GSS、WSS及びGESBS（当期勤務の退職手当費用はWATCからGESBに支払われる。）は、拠出型制度と定
義される。GSS、WSS及びGESBSに基づく当期勤務の退職手当負担債務は、GESBへの雇用主の拠出支払い
と同時に消滅する。
GSSは、職員及び政府全体の報告の目的で、確定給付制度である。しかし、代理人の見解からは、給
付の振替とは別に、AASB119のもとでは、確定拠出制度と定義される。
確定給付制度の年金費用は、以下の要因から構成される。
・ 当期勤務原価
・ 利息費用(割引の繰入れ)
・ 保険数理損益
・ 過去勤務債務
確定給付制度の保険数理損益は、直ちに包括利益計算書において収益又は費用として認識される。
確定拠出制度の年金費用は、拠出が期限を迎えたときに認識される。
(m) 配当政策
WATCの配当政策は、堅実な商業慣行に矛盾せず、かつWATCの財政的健全性を損なわない適切な配当を
WATCが州に行うことを確保するよう定式化されている。WATCの方針は、配当としてWATCの税引後利益の
75％を州統合勘定に支払う旨を定める。ただし、大蔵大臣の承認する調整を受ける。現会計年度の配当金
は、取締役会により宣言され、翌会計年度に支払われる。
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(n) 法人税
WATCは課税相当額制度(TER)の中で事業を行っている。これにより、法人税に関して相当額が州大蔵省
に支払われる。州政府が承認したTERの指針及び指示は、税金に関する負債の算定を決定する。
TERへの参加の結果、WATCはオーストラリア会計基準AASB112「法人税」を遵守することが求められてい
る。
ある会計期間の法人税費用又は収入は、資産及び負債の課税標準とその財務書類上の帳簿価格の一時的
差異、並びに未使用の税損失に帰すべき繰延税金資産・負債の変動により調整された当該期間の課税所得
に対する支払うべき税金である。
繰延税金資産及び負債は、資産が回収又は負債が清算されたときに適用が予想される税率(制定済み又
は実質的に制定された税率を基礎とする)で、一時的差異について認識される。当該税率は、繰延税金資
産又は負債を測定するために控除可能かつ課税可能な一時差異の累積額に適用される。資産又は負債の当
初認識から生ずる特定の一時的差異には例外がある。繰延税金資産又は負債が、取引の時点で、経常利益
又は課税損益のいずれにも影響を与えない取引において生ずる場合、これら一時的差異に関連して繰延税
金資産又は負債は認識されない。
繰延税金資産は、控除可能な一時的差異及び未利用の税金損失を利用できる将来の課税額が利用できる
可能性が高い場合に限り、これらの一時的差異及び損失について認識される。
その他包括利益に認識される金額に起因する当期及び繰延税金残高は、その他包括利益に認識され、資
本に直接起因するものは直接資本に認識される。
繰延税金資産の帳簿価格は各報告日において見直され、繰延税金資産の全部又は一部の使用を可能とす
るような十分な課税利益が今後利用できない可能性がある場合、減額される。
(o) 資産の減損
各報告日現在、WATCは資産の減損の兆候がないかを査定する。減損の兆候がある場合、WATCは回収可能
額の正式な見積もりを行う。資産の帳簿価格が回収額を上回る場合、当該資産は減損しているとみなさ
れ、回収可能額まで減額される。
回収可能額は、公正価値から売却費用を差引いた額と減価償却後の取替原価の大きい方である。減損の
リスクは、一般に、資産の減価償却が著しく低く評価されている場合、取替原価が下落している場合、又
は耐用期間に大幅な変更がある場合に限られる。各種類の資産は、減価償却累積額が資産の将来の経済的
利益の消費水準又は満了を反映しているかを検証し、取替原価の下落による減損リスクの有無を評価する
ために、毎年見直しが行われる。
(p) 受取債権
受取債権は原価で認識される。受取債権は一般に30日以内に決済されるため、帳簿価格は公正価値に近
似する。徴収不能額の引当金は、資産の減損の兆候がある場合に引き当てられる。WATCの顧客の性質に起
因する未徴収である金額の兆候はない。
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(q) 未払債務
未払債務は、WATCが資産又はサービスの購入の結果、将来の支払いをなす義務を負うことになったとき
に、支払うべき金額で認識される。帳簿価格は公正価値に近い。なぜなら30日以内に一般的に決済される
からである。
(r) 現金及び現金同等物
貸借対照表の現金資産は、銀行預金及び手持現金から構成される。帳簿価格は、その性質上短期である
ため、公正価値に近い。キャッシュ・フロー表の目的上、現金及び現金同等物は、手持ち現金及び当初満
期が３か月以内の直ちに周知の金額の現金に交換可能な短期預金を含み、価値の変動リスクが小さいもの
である。
(s) 未払賃金(給与)
未払給与は、職員に払うべきであるが会計年度末において未払いの金額を表す。なぜなら、ある会計年
度の最後の給与期間末は会計年度末と一致しないからである。未払給与は会計年度末から２週間以内に精
算される。WATCは未払給与の帳簿価格は公正価値と同額であると考える。
(t) スワップ公正価値準備金
WATCは、顧客の長期資金需要を満たすために調達した中・長期債務に対する金利及び外為エクスポー
ジャーを低減するために、金利及び通貨スワップを締結する。
会計基準に従い、スワップの公正価値の変動は、包括利益計算書に計上される。この方針により生み出
された純利益を独立して特定するために利用できる任意の資本準備金が設定されている。これは将来、取
引の満期において留保利益に振替えることができる。
(注３) 会計方針変更の開示
オーストラリア会計基準の最初の適用
WATCは、2018年７月１日以後に開始する年次報告期間から有効なすべてのオーストラリア会計基準を採択
した。WATCに財務上の影響を与えたものは無かった。
発行済みであるがまだ有効でないオーストラリア会計基準の将来の影響
WATCは、TI第1101号「オーストリア会計基準及びその他発表の適用」又はTI第1101号の適用除外により特
別に認められない限り、オーストラリア会計基準を早期採用することができない。WATCは、WATCに影響を与
えるかもしれない発行済みの以下のいずれのオーストラリア会計基準も早期に適用していない。適用ある場
合、WATCはこれらのオーストラリア会計基準をその適用日から適用する予定である。
AASB16「リース」は、AASB117「リース」に基づくファイナンス・リースと同様の方法で１つの貸借対
照表モデルの下に全てのリースを計上することを借主に求める。WATCは同基準が2020年６月30日終了年
度に最初に適用されるときに大きな財務上の影響があるとは予想しない。
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AASB2018-7「オーストラリア会計基準の修正－重要の定義」。WATCは同基準が2021年６月30日終了年度
に最初に適用されるときに大きな財務上の影響があるとは予想しない。
AASB2018-8「オーストラリア会計基準の修正－非営利事業体の資産の利用権」。WATCは同基準が2020年
６月30日終了年度に最初に適用されるときに大きな財務上の影響があるとは予想しない。
以下の新基準及び修正はWATCに影響を与えると予想されない。
AASB 修正 影響を受ける基準
AASB17 「保険契約」
AASB1058 「非営利事業体の所得」
AASB1059 「サービス免許協定：譲与者」
AASB2014-10 「オーストラリア会計基準の修正－投資家及びその関連会社若しくはジョイン
ト・ベンチャー間の資産の処分又は拠出」
AASB2016-8 「オーストラリア会計基準の修正－非営利事業体向けオーストラリアの実施ガ
イダンス[AASB1004＆1058]」
AASB2017-6 「オーストラリア会計基準の修正－マイナス報酬の前払い機能」
AASB2017-7 「オーストラリア会計基準の修正－関連会社及び合弁会社における長期持分」
AASB2018-1 「オーストラリア会計基準の修正－2015年-2017年サイクルの年次改正」
AASB2018-4 「オーストラリア会計基準の修正－非営利公的部門ライセンサー向けオースト
ラリアの導入ガイダンス」
AASB2018-7 「オーストラリア会計基準の修正－事業の定義」
AASB Int 23 「所得税取扱いに関する不明確さ」
以下の新基準及び修正の影響は、まだ完全には決定されていない。
AASB 修正 影響を受ける基準
AASB2018-2 「オーストラリア会計基準の修正－制度の改正、縮小または清算」
AASB2019-1 「オーストラリア会計基準の修正－概念的枠組みの参照」
(注４) 管理費用
職員給付費用
以下の職員給付費用が管理費用に含まれる。
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
給与
9.7 9.0
労働災害補償費用 0.1 0.0
退職年金費用 1.0 1.0
0.1 0.0
長期休暇引当金
10.9 10.0
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管理費用
職員給付費用 10.9 10.0
サービス及び契約 2.2 2.1
設備保守 1.8 1.5
宿泊費 0.8 0.8
1.7 1.6
その他コスト
17.4 16.0
(注５) 為替差益/差損
WATCは、その海外借入を通じて発生した費用の支払いのため外貨建の銀行口座に残高を有している。2019
年６月30日現在、為替相場の変動を考慮に入れた場合、残高について１千豪ドルの利益が発生した(2018年
６月30日：損益なし)。
(注６) 公正価値変動(純額)
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
未実現利益/（損失）－投資
32.4 (2.0)
未実現利益/（損失）－公的機関への貸付金 1,605.7 (54.9)
未実現（損失）/利益－借入金 (1,933.3) 38,5
241.8 (44.9)
未実現利益/（損失）－デリバティブ
公正価値変動（純額）
(53.4) (63.3)
金利変動の加算
投資利息 90.9 82.0
公的機関からの利息 1,532.2 1,486.2
(1,511.0) (1,453.9)
借入利息
112.1 114.3
損益を通じて公正価値評価される金融資産及び金融負債の純
58.7 51.0
利益
WATCは長期目標を達成するためポートフォリオ基準で営業を管理する。総額80.4百万豪ドル（2018年：
84.6百万豪ドル）の実現損失は受取利息及び支払利息に反映される。公正価値変動の純額は、原証券の期間
中実現されるべき未実現公正価値の調整を表す。
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(注７) 法人税相当額
会計上の利益に対する見かけ上の法人税相当額費用は、下記のとおり、会計上の法人税相当額費用と一致
する。
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
会計上の利益 41.7 34.8
税率30％の法人税相当額(2018年：30％)
12.5 10.4
課税利益決定において控除不能/課税不能費用の税効果
0.0 0.0
諸費用(雑費)
法人税相当額費用 12.5 10.4
以下の増減から成る法人税相当額費用：
当期法人税相当額費用 12.6 10.3
(0.1) 0.1
一時的差異の発生及び解消に関する繰延税金利益
法人税相当額費用総額
12.5 10.4
繰延税金資産：
1.1 1.0
職員引当金
合計(注12)
1.1 1.0
(注８) 現金性資産
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
銀行預金
141.5 236.1
0.0 0.0
海外銀行口座
141.5 236.1
平均残高 189.4 197.6
受取利息 3.9 4.2
平均利率 2.04％ 2.10％
現金性資産は銀行口座に保有する資金のみを表示し、金融市場投資は含まない。WATCの指標銘柄債券ライ
ンの満期を円滑に行うため、債券の満期前には翌日物銀行口座に通常より大きい現金残高が残されている。
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(注９) 投資－公正価値
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
投資－デリバティブ以外
投資は以下から構成される。
短期金融市場への投資 2,998.5 2,650.2
政府債券 2,478.8 1,030.8
社債 0.0 0.0
合計 5,477.3 3,681.0
満期による分類
コール 40.0 0.0
３か月以内 724.0 1,276.1
３か月から12か月 2,976.5 1,423.9
１年から５年 1,677.6 981.0
59.2 0.0
５年超
合計 5,477.3 3,681.0
金利更改による分類
コール 40.0 0.0
３か月以内 1,229.8 1,587.8
３か月から12か月 2,976.4 1,273.3
１年から５年 1,171.9 819.9
59.2 0.0
５年超
合計 5,477.3 3,681.0
格付別投融資額の割合
AAA 17.97％ 9.67％
AA 69.78％ 78.39％
A 12.25％ 11.94％
0.00％ 0.00％
BBB
100.00％ 100.00％
平均残高
4,167.6 3,905.8
受取利息 87.0 77.8
平均利率 2.09％ 1.99％
WATCは、その余剰資金を西オーストラリア州理財公社法に従い投資する。評価方法の詳細な情報は注20に
記載されている。すべての投資は損益を通じて公正価値評価する金融資産として分類されている。投資の種
類を固定金利から変動金利とする分類変更のため、前年の金利更改による分類は修正されている。合計は変
更がない。
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(注10) 受取債権及びその他金融資産
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
未収受取利息
302.2 302.8
58.1 102.3
その他債権
360.3 405.1
588.3 375.2
その他金融資産(注11b及び17b)
948.6 780.3
未収受取利息は顧客になされた貸付及び金融機関の投資に関連した発生利息から構成される。その他債権
は2019年６月30日より前に開始し、2019年６月30日より後の期日で決済される金融商品取引を示す。その他
金融資産の詳細は、注20において説明する。
(注11) 公的機関への貸付金－公正価値
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
11a. 公的機関への貸付金－デリバティブ以外
52,912.9 51,286.8
満期による分類
３か月以内 1,482.2 1,533.5
３か月から12か月 7,494.4 5,605.1
１年から５年 25,623.6 28,000.7
18,312.7 16,147.5
５年超
合計 52,912.9 51,286.8
金利更改による分類
３か月以内 16,617.4 16,843.2
３か月から12か月 5,888.1 5,976.2
１年から５年 13,306.7 13,128.3
17,100.7 15,339.1
５年超
合計 52,912.9 51,286.8
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(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
11b. 公的機関への貸付金－デリバティブ
3.3 (2.1)
満期による分類
３か月以内 (0.1) 0.3
３か月から12か月 0.0 0.1
１年から５年 0.1 0.0
3.3 (2.5)
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
3.3 (2.1)
デリバティブ合計
金利更改による分類
３か月以内 (5.2) (11.5)
３か月から12か月 0.0 0.1
１年から５年 0.1 0.0
8.4 9.3
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
3.3 (2.1)
デリバティブ合計
平均残高 50,945.5 49,275.7
受取利息 1,532.2 1,486.2
平均利率 3.01％ 3.02％
WATCは州政府及び西オーストラリア州内の地方政府機関に資金を貸付ける。通常の場合ではこれらの貸付
金は更新又は再貸付される。州政府への貸付金(全体の98.8％(2018年：98.7％))は州により保証されてお
り、他方地方政府への貸付金(全体の1.2％(2018年：1.3％))は証書により担保されており、地方政府法の規
定に基づき、地方政府の一般会計に対し請求できる。公的機関への貸付は組織的市場において標準化された
形式では取引されていない。評価方法の詳細な情報は注20に記載される。
(注12) 税金資産
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
繰延税金資産
1.1 1.0
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(注13) 有形固定資産
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
設備(原価)
3.2 3.0
2.8 2.6
控除：減価償却累計額
有形固定資産合計
0.4 0.4
調整表
設備
期首残高 0.4 0.4
加算 0.2 0.2
処分／除去 0.0 0.0
減価償却 (0.2) (0.2)
0.0 0.0
処分に関する累積減価償却
期末残高
0.4 0.4
(注14) 無形資産
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
無形資産(原価)
10.2 8.6
8.6 8.4
控除：償却累計額
無形資産合計
1.6 0.2
調整表
無形資産
期首残高 0.2 0.2
加算 1.6 0.1
処分 0.0 0.0
償却 (0.2) (0.1)
0.0 0.0
処分に関する累積償却
期末残高
1.6 0.2
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(注15) 資産の減損
2019年６月30日現在、有形固定資産及び無形資産の減損の兆候はなかった。
WATCは、本報告期間中、無期限の耐用年数を持つのれん又は無形資産を保有しておらず、また報告日現
在、利用可能となっていない無形資産はない。
(注16) 未払債務
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
未払利息（償却原価）
587.8 565.7
1,063.5 608.7
その他未払債務（償却原価）
1,651.3 1,174.4
未払債務は未払利息並びに債務商品及び未提示手形に関連する種々の未払勘定から成る。未払利息は金融
機関に対するものである。その他金融負債の詳細は注20で説明する。その他未払債務は、2019年６月30日よ
り前に開始し、2019年６月30日より後の期日で決済される金融商品取引を含む。
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(注17) 借入金－公正価値
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
17a. 借入金－デリバティブ以外
57,670.5 54,663.4
満期による分類
３か月以内 2,071.5 2,008.9
３か月から12か月 8,023.4 6,096.8
１年から５年 28,522.5 29,952.5
19,053.1 16,605.2
５年超
借入金合計（公正価値） 57,670.5 54,663.4
金利更改による分類
３か月以内 10,826.0 10,920.9
３か月から12か月 5,120.7 5,073.3
１年から５年 22,670.7 22,197.8
19,053.1 16,471.4
５年超
借入金合計（公正価値） 57,670.5 54,663.4
17b. 借入金－デリバティブ
(585.0) (377.3)
満期による分類
３か月以内 0.1 0.3
３か月から12か月 (15.4) 6.1
１年から５年 (453.3) (377.3)
(116.4) (6.4)
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
(585.0) (377.3)
デリバティブ合計
金利更改による分類
３か月以内 538.0 967.5
３か月から12か月 (84.1) (188.2)
１年から５年 (768.4) (952.8)
(270.5) (203.8)
５年超
受取債権及びその他金融資産(注10)として表示される
(585.0) (377.3)
デリバティブ合計
平均残高 55,261.6 53,383.3
支払利息 1,511.0 1,453.9
平均利率 2.73％ 2.72％
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WATCは国内及び海外資本市場で資金を調達する。西オーストラリア州理財公社法第13条第１項に基づき、
WATCの財務上の債務は西オーストラリア州の代理として大蔵大臣により保証されている。WATCの借入は種々
の市場及び満期にわたり多様化されている。評価方法についての詳しい情報は、注20に記載されている。
借入金－額面金額
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
６月30日からの期間12か月以下の債務
国内 9,801.4 8,096.1
237.9 0.0
海外
10,039.3 8,096.1
６月30日からの期間12か月を超える債務
国内 43,796.9 44,489.6
0.0 0.0
海外
43,796.9 44,489.6
６月30日現在残高(額面金額) 53,836.2 52,585.7
海外借入
豪ドル建及び外貨建借入を含む。外貨建借入は貸借対照表日現在適用される為替レートを用いて換算され
る。2019年６月30日現在、WATCは外貨建借入を保有していなかった。報告日現在において、一切の外貨建借
入について、経済上のヘッジ、スワップ又は先物契約が結ばれるか、外貨建資産に投資されている。従っ
て、海外借入の通貨換算によって生ずる為替差益(損)は、外貨契約、海外投資又は連続した貸付について発
生するこれに対応する差損(益)と相殺され、為替差益(損)の純額は発生しない。
(注18) 納税債務
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
当期法人税相当額債務
12.6 10.4
0.0 0.0
繰延税金債務
12.6 10.4
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(注19) 引当金
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
年次休暇
1.2 1.0
長期有給休暇 2.0 1.8
0.3 0.3
退職手当(確定給付制度)
3.5 3.1
ゴールド・ステート老齢退職手当制度
会計方針
保険数理上の損益は発生した年度において包括利益計算書に直ちに認識される。
本制度情報
本制度によりもたらされる利益の性質
以前の州年金制度加入者の一部がゴールド・ステート・スーパー（老齢退職手当制度）に移行した。彼
らの移行された給付に関して、加入者は退職、死亡又は傷病の場合に一時金で給付を受取る。これは雇用
期間中の給与に関係づけられ、公的部門の雇用を離職後の支払猶予期間中指数化方式で計算される。
規制上の枠組みの説明
本制度は2000年州老齢退職年金法（西オーストラリア）及び2001年州老齢退職年金規則（西オーストラ
リア）に基づき運用される。
制度は老齢退職年金産業（監督）（SIS）法の正式な対象ではないが、西オーストラリア州政府は、
（政府覚書において）制度をSIS法制の精神に基づき運用することを約束している。
義務が免除された公的部門老齢年金制度（SIS法に定義される。）として、本制度は最低資金要件に従
わない。
憲法で保護された年金基金（所得税評価法に定義される。）として、本制度は税金を払う必要がない。
本制度のガバナンスに対する他の法人の責任の説明
政府職員老齢年金委員会（GESB）は本制度のトラスティーであり、本制度のガバナンスの責任がある。
トラスティーとして、GESBは本制度の受益者の最善の利益のためにのみ行為する法律上の義務がある。
GESBには以下の役割がある。
・本制度の管理及び本制度の規則に従って必要ある場合に受益者への支払い、
・本制度資産の運用及び投資（本報告の負債は資産により裏付けられない）、及び
・上記の政府覚書の遵守。
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有価証券報告書
リスクの説明
本制度によりWATCは多数のリスクにさらされる。確定給付に関連するより重要なリスクは以下の通りで
ある。
・インフレーション・リスク （将来の給付額がそれに基づく）賃金又は給与が仮定よりも急激に上
昇し、及び/又は（繰延給付の物価スライド制に影響を与える）インフレーションが仮定よりも高く
なり、確定給付額及び関連する雇用者拠出を増加させるリスク。
・法律上のリスク ― 確定給付を提供するコストを上昇させる法律の変更が行われるリスク。
重要な事実の説明
本年度中に確定給付債務に影響を与える制度の改正、縮小又は清算はなかった。
確定給付負債/(資産)(純額)の調整表
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
期首の確定給付負債/（資産）（純額）
0.3 0.5
(+) 当期の勤務費用
0.0 0.0
(+) 純利息
0.0 0.0
(+) 過去の勤務費用/削減
0.0 0.0
(+) 決済による(利益)/損失
0.0 0.0
(-) 本制度資産の実際の利回りから受取利息を控除
0.0 0.0
(+) 人口動態の仮定変更から生ずる実際の（利益）/損失
0.0 0.0
(+) 財務上の仮定変更から生ずる実際の（利益）/損失
0.0 0.0
(+) 債務実績から生ずる実際の（利益）/損失
0.0 0.0
(+) 資産上限の効果の調整
0.0 0.0
(-) 雇用主拠出 0.0 0.2
確定給付負債／(資産)(純額) 0.3 0.3
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本制度資産の公正価値調整表
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
期首の本制度資産の公正価値
0.0 0.0
(+) 受取利息
0.0 0.0
(+) 本制度資産の実際の利回りから受取利息を控除
0.0 0.0
(+) 雇用主拠出
0.0 0.2
(+) 本制度参加者による拠出
0.0 0.0
(-) 支払い給付
0.0 0.2
(-) 税金、プレミアム及び費用
0.0 0.0
(+) 振替による
0.0 0.0
(+) 蓄積部門への拠出
0.0 0.0
(+) 決済
0.0 0.0
(+) 為替レート変動 0.0 0.0
期末の本制度資産の公正価値
0.0 0.0
確定給付債務（DBO）の調整表
期首の確定給付債務の現在価値 0.3 0.5
(+) 当期の勤務費用
0.0 0.0
(+) 利息費用(支払利息)
0.0 0.0
(+) 本制度参加者による拠出
0.0 0.0
(+) 人口動態の仮定変更から生ずる保険数理上の(利益)/損
0.0 0.0
失
(+) 財務上の仮定変更から生ずる保険数理上の(利益)/損失
0.0 0.0
(+) 債務実績から生ずる保険数理上の(利益)/損失
0.0 0.0
(-) 支払い給付
0.0 0.2
(-) 税金、プレミアム及び費用
0.0 0.0
(+) 振替による
0.0 0.0
(-) 蓄積部門への拠出
0.0 0.0
(+) 過去の勤務費用/削減
0.0 0.0
(+) 決済による利益/損失
0.0 0.0
(+) 決済
0.0 0.0
(+) 為替レート変動 0.0 0.0
期末の確定給付債務の現在価値
0.3 0.3
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資産上限の効果の調整
資産上限は、確定給付負債/（資産）の純額へ影響を与えない。
本制度資産の公正価値
移転済給付を補助するために現在の職員のためのゴールド・ステート・スーパーの資産は存在しない。
従って、以下は存在しない。
・本制度資産の公正価値、
・本制度資産の割当資産、
・雇用主により発行される金融資産、
・雇用主が使用する資産、及び
・資産-負債を一致させる戦略。
報告日付の重要な保険数理上の仮定
2019年 2018年
開始年DBO及び当年度の確定給付コストを決定する仮定
割引率 2.60％ 2.26％
予想給与増加率 2017/18年 - 1.50％
2018/19年 1.50％ 1.10％
2019/20年 1.50％ 1.00％
2020/21年 1.50％ -
その後 4.20％ 3.70％
CPI(消費者物価指数) 2.50％ 2.50％
評価日現在のDBOを決定する仮定
割引率 1.40％ 2.60％
予想給与増加率 2018/19年 - 1.50％
2019/20年 1.50％ 1.50％
2020/21年 1.50％ 1.50％
その後 4.20％ 4.20％
CPI(消費者物価指数) 2.50％ 2.50％
割引率は2027年11月満期の州政府債券に基づいている。使用される減少率(例えば、死亡率及び退職率)
は、2018年６月30日現在でスキームの保険数理的な見直しに使用されたものと同じで、2018年12月20日付保
険数理レビューに関する報告書において概要が報告されている。
2018年６月30日現在で使用された給与増加率は、最初の３年間は年率1.50％、その後は年率4.20％と仮定
した。
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感受性分析
複数のシナリオに基づく2019年６月30日現在の確定給付債務は、以下のとおりである。
シナリオA及びBは割引率の感受性に関係する。シナリオC及びDは予想給与増加率及び物価指数の感受性
に関係する。
シナリオA：年率0.5％低い割引率の仮定
シナリオB：年率0.5％高い割引率の仮定
シナリオC：年率0.5％低い予想給与増加率及び物価指数の仮定
シナリオD：年率0.5％高い予想給与増加率及び物価指数の仮定
基準のケース シナリオA シナリオB シナリオC シナリオD
年率マイナス 年率プラス 年率マイナス 年率プラス
0.5％ 0.5％ 0.5％ 0.5％
割引 割引 給与 給与
割引率 年率1.40％ 年率0.90％ 年率1.90％ 年率1.40％ 年率1.40％
給与増加率 年率4.20％ 年率4.20％ 年率4.20％ 年率3.70％ 年率4.70％
確定給付債務
284 289 281 282 287
(単位：千豪ドル)
確定給付債務は上記で概説した仮定の変更により再計算されているが、その他すべての債務は維持され
る。
資金調達の取決め
WATCは要求に応じて支払い給付に見合う拠出を行う。
予想拠出
(単位：百万豪ドル)
2020年
予想雇用主拠出
0.1
確定給付債務の満期構造
WATCの確定給付債務の加重平均デュレーションは2.8年である。
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(注20) 金融商品及びリスク管理
方針
リスク管理ガバナンス
WATCの取締役会（取締役会）は、1986年西オーストラリア州理財公社法に基づきWATCがその職務を遂行す
ることに責任を持つ。
これらの職務を遂行するにあたり、取締役会は適切なリスク管理方針、システム、報告手順を確実に整え
るようにする。この点からその義務の遂行を助けるために、取締役会は、市場リスク、信用リスク、流動性
及び資金調達リスク並びにオペレーショナル・リスクを対象とするリスク管理方針を実施している。
WATCは、月次ベースで会合を行い、リスク管理に関する以下の機能に責任をもつ、資産及び負債管理委員
会（ALCO）を創設した。
・WATCのリスク管理プロセス及び戦略についての助言の提供、
・WATCがリスク・エクスポージャーの水準を合意された水準に維持することに関する事項についての助
言、
・WATCに影響を与える可能性のあるリスクの進展に関する助言の提供、及び
・WATCのリスク管理方針の毎年の見直しから生ずる勧告に関する助言の提供。
WATCは顧客へ提供する財務サービスに関連するリスクを負う。これらのサービスは貸付、財務リスク管理
及び投資業務を含む。WATCが管理する主要なリスクは、以下のとおりである。
・金利リスク、
・為替レート・リスク、
・信用リスク、
・流動性リスク、
・資金調達リスク、及び
・オペレーショナル・リスク
WATCは、これらのリスクの軽減を賄う適切な資本を確実に維持する。この点から、オーストラリア・プル
デンシャル・レギュレーション・オーソリティー（APRA）は、銀行の市場リスク、信用リスク及びオペレー
ショナル・リスクの自己資本の計量のために指針を定める。WATCは自己資本及びオペレーショナルリスクの
要件を決定するにあたり、これらの基準及びバーゼル合意に基づく公表を指針とする。
WATCは、その方針として、巨額の為替レート・リスクを負わず、すべてのその他財務リスクを最小化する
ことを目指す。
WATCは、顧客の資金調達需要を満たすため調達する債券の外国為替及び金利のエクスポージャーを低減す
るために、金利及び通貨スワップを締結する。会計基準に従い、スワップの公正価値の変動は包括利益計算
書上に計上される。未実現の損益はWATCの現金利益又は損失を意味しない。
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スワップ・ポートフォリオの未実現公正価値信用感応度分析
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
未実現公正価値（損）益
(23.9) 1.7
ベーシス・ポイント感応度 0.2 0.2
信用スプレッドの80ベーシス・ポイントの増加 17.5 18.6
信用スプレッドの50ベーシス・ポイントの増加 10.9 11.7
信用スプレッドの30ベーシス・ポイントの増加 6.6 7.0
信用スプレッドの80ベーシス・ポイントの減少 (17.5) (18.6)
信用スプレッドの50ベーシス・ポイントの減少 (10.9) (11.7)
信用スプレッドの30ベーシス・ポイントの減少 (6.6) (7.0)
金利リスク
金利リスクは、金利の変動が損失の原因となるリスクである。
WATCの金利リスク自己資本は、99％の信頼水準及び10日間の流動性期間に基づくVaR(バリュー・アット・
リスク)モデルに対する過去のデータによる検証の結果により３から４のリスク乗数を使用して決定され
る。
VaRモデルは、通常の市場環境において市場リスクを測定するために設計されている。同モデルは、通常
の市場環境に影響を与えるリスク要因において発生する一切の変化は、通常の分布を伴うと仮定する。分布
は指数的に加重された経験データを用いて計算される。VaRは情報を提供するために過去のデータに大きく
依拠していて、明確にリスク要因の将来の変更及び修正を予想できないという事実のために、大きな市場の
動きの見込みは、リスク要因の変化が通常の分布仮定と一致しない場合、過小評価される可能性がある。
VaRはまた、リスク要因に置かれた仮定及び特定の商品に関するかかる要因間の関係のために過小又は過大
に評価される可能性がある。ポジションは一日中変動することがあるが、VaRは各営業日の終了時にポート
フォリオのリスクを表示するのみで、99％の信頼水準を超えて発生する可能性のある損失は考慮しない。実
際には、実績はVaRの計算と異なり、（特に）計算はストレスを受けた市場状況において意味のある損益の
指標を提供しない。VaRモデルの信頼性を決定するために、実際の結果が仮定の有効性及びVaR計算に使用さ
れるパラミーターを検証するために監視されている。
WATCは金利リスクの最小化を非常に重視する。当然のことながら、貸付及び市場支援業務から生ずるWATC
の金利リスク・エクスポージャーはすべて、経済上ヘッジされている。これらのヘッジング契約の効果は、
WATCのVaR及び自己資本を最小にするために継続的に見直しを受ける。
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VaR 及びその他金利リスクに敏感な尺度を使用する市場エクスポージャーは、毎日評価される。リスクの
制御は、毎月、また必要ある場合より頻繁に実施されるストレス・テストの使用により、さらに向上する。
ストレス・テストは、極端な市場の状況において発生する可能性のある損失見込み額の目安を与える。スト
レス・テストはまた、WATCが金利の動きに敏感なカーブ上の範囲を強調する。
WATCの市場リスクに関連するVaR測定を以下に詳述する。
バリュー・アット・リスク（VaR）
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
年間１日平均残高
0.9 1.2
年間最低値 0.6 0.9
年間最高値 1.3 1.7
年度末残高 0.9 1.0
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金利リスク・エクスポージャー
以下の表は、報告日現在のWATCの金利リスク・エクスポージャーの詳細である。
加重平均 ３か月から
コール ３か月以内 １年から５年 ５年超 無利息 合計
実効利率 12 か月
2019 年 (％) (単位：百万豪ドル)
金融資産：
現金及び現金同等物
2.04 141.5 141.5
受取債権
－デリバティブ以外
360.3 360.3
－デリバティブ
(543.2) 84.1 768.5 278.9 588.3
投資
2.09 40.0 1,229.8 2,976.4 1,171.9 59.2 5.477.3
公的機関への貸付金
16,617.4 5,888.1 13,306.7 17,100.7 52,912.9
3.01
181.5 17,304.0 8,948.6 15,247.1 17,438.8 360.3 59.480.3
金融負債：
未払債務
1,651.3 1,651.3
借入金
10,826.0 5,120.7 22,670.7 19,053.1 57,670.5
2.73
0.0 10,826.0 5,120.7 22,670.7 19,053.1 1,651.3 59,321.8
加重平均 ３か月から
コール ３か月以内 １年から５年 ５年超 無利息 合計
実効利率 12 か月
2018 年 (％) (単位：百万豪ドル)
金融資産：
現金及び現金同等物
2.10 236.1 236.1
受取債権
－デリバティブ以外
405.1 405.1
－デリバティブ
(979.0) 188.3 952.8 213.1 375.2
投資
1.99 1,587.8 1,273.3 819.9 3,681.0
公的機関への貸付金
16,843.2 5,976.2 13,128.3 15,339.1 51,286.8
3.02
236.1 17,452.0 7,437.8 14,901.0 15,552.2 405.1 55,984.2
金融負債：
未払債務
1,174.4 1,174.4
借入金
10,920.9 5,073.3 22,197.8 16,471.4 54,663.4
2.72
0.0 10,920.9 5,073.3 22,197.8 16,471.4 1,174.4 55,837.8
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為替レート・リスク
外国為替リスクは、為替レートの変動による損失のリスクである。WATCの方針は、営業目的の外貨建銀行
口座の少額な残高を維持する必要から発生するわずかなエクスポージャーを除き、為替リスクを一切負わな
いというものである。
実務上、WATCの外貨建て債務はすべて、以下の１以上の形態で、外貨建資産に対応させるか、裏付けられ
ている。
・外貨建貸付、
・クロス・カレンシー・スワップに基づく外貨建債権、
・先物為替契約による外貨建債権、及び/又は
・外貨建投資。
WATCはまた、西オーストラリア州理財公社法第９条（１）項(g)に従い、顧客に代わり、外国為替取引及
び通貨オプションを引受ける。各市場取引は、顧客との取引により相殺され、WATCは為替リスクを負わな
い。
信用リスク
信用リスクは、取引相手がWATCに対する財務上の義務を果たさないことによる財務上の損失リスクであ
る。
WATCの制定法は、西オーストラリア州の公的部門の機関又は成文法によりWATCからの借入を承認された企
業体への貸付のみを許可する。WATCは公的部門の機関へのエクスポージャー（融資残高）をカバーするため
の資本を、WATCとかかる機関との関係の性質を理由として、分けて確保していない。その結果、WATCの信用
リスクは、投資、デリバティブ及び地方政府の取引相手方に主に限定される。
WATCは、WATCの信用エクスポージャーの多様性を確保し、また取引相手の信用の質の最低基準を設定する
ことにより、信用リスクの軽減を意図する包括的な信用リスク管理方針を維持している。WATCはまた、デリ
バティブ商品に関する信用リスクを相殺規定及びクレディット・サポート・アネックス（CSA）を持つISDA
基本契約書の利用により軽減する。
信用リスクをカバーするのに必要な資本は、投資の市場価値、投資の満期及び取引相手の信用状態により
変動する。資本はまた、WATCのデリバティブ・エクスポージャーに関連する信用リスクをカバーするために
分けて確保されている。
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投資の信用エクスポージャー（格付別）
(単位：％)
2019年 2018年
AAA
17.97 9.67
AA 69.78 78.39
A 12.25 11.94
0.00 0.00
BBB
100.00 100.00
デリバティブの信用エクスポージャー（格付別）
AAA 0.00 0.00
AA 92.74 90.79
7.26 9.21
A
100.00 100.00
流動性リスク
流動性リスクは、過度の損失又は資金調達コストを負担することなしに、期限の到来したときに財務上の
責任を果たすために利用可能な十分な資金を保有するWATCの能力に関係する。
WATCは、以下を含む多くの方法でこのリスクを最小化する。
・流動資産の保有及び/又はスタンドバイ枠は、APRAのプルデンシャル基準「APS210号」に指示された最
低水準以上を確保する。
・50日間のキャッシュ・フロー予測を毎日、並びに10日間及び10週間のキャッシュ・フロー予測を毎週、
作成する。
・悪い市場状況につき、シナリオ分析を実施する。
・あらゆる市場及びあらゆる借入期間で、資金調達活動を多様化する。
・日中流動性需要に対処するために、日中当座貸越枠へアクセスする。
流動資産の最低レベルを維持することにより、WATCは不測の巨額の正味キャッシュ・アウトフロー又は一
時的な市場混乱を満たす十分な流動性を確実に持つようにする。
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流動性表
以下は、見積り利息支払いを含み、相殺契約の影響を除外した、金融負債の契約満期を示す。
３か月から
３か月以内 １年から５年 ５年超 合計
12 か月
2019 年 (単位：百万豪ドル)
金融負債：
借入
2,589.7 9,190.6 30,968.4 18,501.5 61,250.2
－デリバティブ以外
2,589.7 9,190.6 30,968.4 18,501.5 61,250.2
デリバティブ
－デリバティブ未払債務 13.9 59.3 76.2 1.8 151.2
78.6 204.2 431.4 33.7 747.9
－デリバティブ受取債権
デリバティブ（純額） (64.7) (144.9) (355.2) (31.9) (596.7)
合計 2,525.0 9,045.7 30,613.2 18,469.6 60,653.5
３か月から
３か月以内 １年から５年 ５年超 合計
12 か月
2018 年 (単位：百万豪ドル)
金融負債：
借入
2,602.9 7,531.1 33,318.3 17,015.0 60,467.3
－デリバティブ以外
2,602.9 7,531.1 33,318.3 17,015.0 60,467.3
デリバティブ
－デリバティブ未払債務 28.7 61.7 120.2 16.1 226.7
83.5 203.8 319.1 3.9 610.3
－デリバティブ受取債権
デリバティブ（純額） (54.8) (142.1) (198.9) 12.2 (383.6)
合計 2,548.1 7,389.0 33,119.4 17,027.2 60,083.7
資金調達リスク
資金調達リスクは、資金調達が必ずしもいつでも利用できるとは限らないリスクである。これは資金調達
枠の多様化が不足している場合、又は特定期間の資金需要が過度である場合に発生する可能性がある。
このリスクはWATCが資金調達活動を国内及びオフショアの市場全体並びに借入期間を多様化すること並び
に流動性の高い投資ポートフォリオを維持することにより最小化される。
取締役会は、ALCOに、適切な資金調達枠及び資金源を確実に維持するよう求める。さらに、取締役会は、
資金調達リスクの適切な管理を確実にするために、ALCOがその役内で運営しなければならない最短債務満期
及び流動性カバレッジ目標を定める。
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オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、内部プロセス、人員及びシステムの不十分若しくは失敗又は外部の事象か
ら生ずる損失リスクである。
WATCのオペレーショナル・リスク管理方針は、オペレーショナル・リスクを特定、評価、制御及び監視す
る方法を記載する。この方針の主要な目的は、以下のとおりである。
・オペレーショナル・リスクが一貫した方法で管理されることを可能とする文化を促進する。
・オペレーショナル・リスク管理に関して職員が自分たちの責任を明確に理解するようにする。
・事業目標が満たされるように、効果的にオペレーショナル・リスクを特定し、管理する。
・WATCのオペレーショナル・リスク・エクスポージャーに対応した資本レベルを算定する。
必要資本
WATCの資本方針に基づき、確定した最低資本金額が、市場リスク、信用リスク及びオペレーショナル・リ
スクをカバーするために留保されなければならない。WATCは留保利益及び準備金を資本とみなす。
市場リスク、信用リスク及びオペレーショナル・リスク自己資本の最低額の計算は、APRAのプルデンシャ
ル基準及びバーゼル合意の指示に従う。WATCの必要資本総額の算定は、毎日実施され、WATCの利用可能資本
と比較される。
WATCの必要資本総額は、顧客への貸付の水準及びプロファイル、市場支援業務の取引高及び適切な資金調
達/ヘッジ商品の利用可能性の関数として、時間の経過により変動する。従って、資本保有レベルを慎重に
管理するために、WATCは必要資本の予測（通常３年超）を行う。この情報は、予測期間の予想されるエクス
ポージャーをカバーするのに利用できる十分な資本を確保するために保有されるべき最低資本金額を取締役
会が決定するのに利用される。
WATCの必要資本の見直しは最低１年に１度は行われる。
WATCの市場リスク管理方針に従い、VaRが10日間の流動性期間及び99％の信頼間隔を使用して計算され
る。WATCの市場リスク自己資本を決定するために、計算されるVaR統計は３を乗じる。
APRA基準に合致して、WATCは「裏付け検査」結果を監視し、裏付け検査の結果がWATCのVaR モデルがバラ
ンスシートのボラティリティを低く見積もっていることを示す場合、APRA指標に合致した水準にリスク乗数
を増加させる。APRA基準に基づき認められる最小乗数は３であり、最大は４である。
マネジメント
投資、公的機関への貸付金、借入金及びデリバティブ金融商品は損益を通じて公正価値評価されるものと
して指定されている。残高は、貸借対照表における公正価値で記録され、未実現の損益は包括利益計算書に
計上される。公正価値は金融資産と負債がリスクポジションを相殺して保有される限度において、市場で取
引される中間価格を用いて導かれる。信用リスクは公正価値を決める決定的な要因ではない。なぜなら、
WATCの負債は州を代理する大蔵大臣により保証されており、従って公正価値の変動は主に価格とイールドの
市場に関連した動きに原因があるからである。
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自らの任務を遂行するにあたって、WATCは資本市場からのネットの借り手である。満期構造及び商品利用
の面でのWATCの資金調達の選考は、最低コストで資金を調達するために投資家の選考と均衡しなければなら
ない。この点から、WATCは、資金調達ポートフォリオの満期プロファイルを貸付ポートフォリオの満期プロ
ファイルに近づけることにより、ある程度の市場リスクを受け入れる。負担する残りの市場リスクを経済上
ヘッジし、かつ最小限にするためにスワップ、金利先物契約及び先物等のデリバティブ商品が使用される。
これらの契約で交換される金額は、デリバティブの想定元本金額とその他条件を参照して計算される。与
信額は取引相手方の不履行の場合の報告日におけるWATCの与信評価額を表わす。WATCはデリバティブ取引か
ら生ずる与信エクスポージャーを決定するため、APRAの「カレント・エクスポージャー・メソッド」を採用
している。2019年６月30日現在、WATCは、取引の相手方は全てその債務を履行すると確信している。
金利リスク管理に使用されるデリバティブ商品の想定元本金額、正味公正価値及び与信額の詳細は以下の
とおりである。
(単位:百万豪ドル)
想定元本金額 正味公正価値 与信額
2019年６月30日現在
先物 53.0 (0.1) 0.0
金利スワップ 12,316.2 589.4 754.1
金利先渡契約 345.0 (1.0) 0.0
2018年６月30日現在
先物 195.4 0.0 0.0
金利スワップ 12,997.3 374.8 581.0
金利先渡契約 690.0 0.3 0.3
金利スワップは、変動利率のエクスポージャーを生み出すために固定金利の指標銘柄債券及び金利スワッ
プを発行することにより、資金調達リスク及び金利リスクを管理するために随時利用される。時には変動か
ら固定へのスワップもWATCの公的機関への貸付に適合させるため変動金利借入から固定金利借入へと変更す
るのに利用される。金利スワップでは、WATCは相手方とあらかじめ決定された間隔で、合意された想定元本
金額を参照して計算される固定金利額と変動金利額の差を交換することに合意する。金利スワップもまた、
期限付変動金利資金を公的機関へ貸付けるために利用される。2019年６月30日現在、WATCはこの方法で総額
17,107.7百万豪ドル（2018年：17,895.4百万豪ドル）の資金を貸付けていた。
金利先渡契約は、期限の到来した時点で現金支出に対する確定した収益又は費用を保証するためにWATCに
より利用される。これらの契約は特定の期間中、想定元本金額に対する金利を設定する。先物契約は、本来
金利先渡契約と同じ目的で利用される。WATCが利用する契約は、銀行手形、３年及び10年の債券契約であ
る。
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WATCは豪ドルへのスワップ後の全て込みの費用が同様の国内借入より低い場合に外貨建借入を行う。WATC
はポートフォリオに基づき金利リスクを管理する一方、借入取引の一環として外貨建借入における為替リス
クを管理する。2019年６月30日現在、WATCは外国通貨スワップ及び先渡し契約を保有していなかった（2018
年：外国通貨スワップ及び先渡し契約を保有していなかった）。さらに、WATCは顧客のために、58.8百万豪
ドル（2018年：81.5百万豪ドル）の外国為替取引を取決めていた。これら取引は顧客に引続いて貸付けら
れ、従ってWATCはリスクを負わない。これらの外国為替先物取引による公的機関からの受取債権及び第三者
への支払いに関する公正価値(0.03百万豪ドル)は、それぞれ注11b及び注17bに含まれている。
全ての金融資産及び金融負債が報告日において公正価値で認識されている。評価のために、WATCはキャッ
シュ・フローを現在価値に割引くため可能な限り市場取引金利を使用する。市場取引金利がない株式は、適
切なゼロ・クーポン・イールド曲線を使って評価される。これには、市場に近似させるために信用リスクに
対する十分な考慮を含む。６月30日現在、WATCが評価目的で使用した市場金利は以下のとおりである。
2019年６月30日現在 2018年６月30日現在
クーポン
市場金利 市場金利
翌日
― 1.25％ 1.50％
90日間 ― 1.20％ 2.11％
180日間 ― 1.22％ 2.22％
2019年10月15日 7.00％ ― 2.06％
2020年７月22日 2.50％ 1.16％ 2.23％
2021年７月15日 7.00％ 1.16％ 2.32％
2022年10月20日 2.75％ 1.21％ 2.52％
2023年10月16日 6.00％ 1.25％ 2.59％
2024年７月23日 2.50％ 1.35％ 2.75％
2025年７月23日 5.00％ 1.42％ 2.82％
2026年10月21日 3.00％ 1.58％ 3.01％
2027年10月21日 3.00％ 1.69％ 3.09％
2028年７月20日 3.25％ 1.76％ 3.14％
2029年７月24日 2.75％ 1.86％ ―
公正価値の階層
以下の表は、公正価値で記録される金融商品の評価方法による分析である。異なるレベルは、以下のよう
に定義されている。
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レベル１：特定の資産又は負債について、活発な市場での公表価格
レベル２：直接的（すなわち、価格として）又は間接的（すなわち、価格から導かれる）な、資産又は負
債について観察可能な、レベル１の中に含まれる公表価格以外の情報、及び
レベル３：観察可能な市場データに基づかない、資産又は負債についての情報（観測できない情報）
公正価値階層のレベル間の移動は、報告期間末に起こったとみなされる。2019年６月30日終了年度中にレ
ベル間の移動はなかった。
レベル１ レベル２ レベル３ 合計
2019年６月30日
損益を通じて公正価値評価されるものとして
(単位：百万豪ドル)
指定された金融資産
投資 2,147.7 3,329.6 0.0 5,477.3
公的機関への貸付金 0.0 52,912.9 0.0 52,912.9
0.0 3.3 0.0 3.3
デリバティブ金融資産
資産合計 2,147.7 56,245.8 0.0 58,393.5
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融負債
借入金 45,762.9 11,907.6 0.0 57,670.5
0.0 (585.0) 0.0 (585.0)
デリバティブ金融負債
負債合計 45,762.9 11,322.6 0.0 57,085.5
2018年６月30日
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融資産
投資 1,267.7 2,413.3 0.0 3,681.0
公的機関への貸付金 0.0 51,286.8 0.0 51,286.8
0.0 (2.1) 0.0 (2.1)
デリバティブ金融資産
資産合計 1,267.7 53,698.0 0.0 54,965.7
損益を通じて公正価値評価されるものとして
指定された金融負債
借入金 43,146.8 11,516.6 0.0 54,663.4
0.0 (377.3) 0.0 (377.3)
デリバティブ金融負債
負債合計 43,146.8 11,139.3 0.0 54,286.1
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レベル２資産又は負債の価値を決定するために使用された評価技術は、レベル１インプットを用いた一連
のゼロ・クーポン・イールド・カーブの生成又は特定のカーブのスプレッドでの資産・負債の評価である。
インプットはWATCの指標銘柄ライン上の価格、銀行手形スワップ・レート、金融市場レート、為替レート、
発行者レート及び指標銘柄レート間の観察されるスプレッド、カーブ上の特定ポイントのカーブ間の観察さ
れるスプレッドを含む。これらのインプットは観察可能な基準に対する見積もりの結果を改善するために毎
日修正される。
投資は、利用可能な場合識別可能な資産の活発な市場の公表価格を用いて、又は適切なゼロ・クーポン・
イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
公的機関への貸付金は、WATCのゼロ・クーポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・
ベースで評価される。
デリバティブ金融資産及び負債は、金利スワップ、金利先渡契約及び外貨スワップなどの店頭デリバティ
ブを含み、WATCのゼロ・クーポン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価さ
れる。
借入金は、利用可能な場合識別可能な負債の活発な市場の公表価格を用いて、又はWATCのゼロ・クーポ
ン・イールド・カーブを利用した割引キャッシュ・フロー・ベースで評価される。
(注21) キャッシュ・フロー表に対する注記
21ａ．現金の一致
キャッシュ・フロー表においては、現金は手持ち現金、銀行預金、金融市場商品への投資、銀行当座借
越の純額を含む。キャッシュ・フロー表の各報告期末に示された現金は、以下のとおり財政状態計算書の
関連項目と一致する。
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
銀行預金(注８)
141.5 236.1
短期金融市場投資 264.1 542.9
0.0 0.0
海外銀行口座(注８)
405.6 779.0
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21ｂ．営業活動に使用された現金(純額)と当期包括利益合計の一致
(単位：百万豪ドル)
2019年 2018年
当期包括利益合計
29.2 24.4
減価償却費 0.2 0.2
無形資産の償却 0.2 0.1
受取債権の減少/(増加) 0.6 (14.4)
未払利息の増加 19.1 37.8
その他の債務の(減少)/増加 (0.7) 0.3
当期法人税相当額費用 12.6 10.3
顧客機関を代理してのその他支払 (0.2) (0.1)
繰延税金資産の(増加)/減少 (0.1) 0.1
税相当額支払い (10.4) (5.2)
職員給付の増加/(減少) 0.4 (0.3)
プレミアム/ディスカウントの償却 (254.4) (255.9)
公正価値調整 53.4 63.3
投資現金の増加 (2,021.7) (284.3)
貸付現金の減少/(増加) 499.0 (4,885.0)
1,319.4 3,690.8
借入現金の増加
営業活動に使用された現金 (353.4) (1,617.9)
21ｃ．資金調達制度
WATCは直ちに現金化できるかなりの流動資産ポートフォリオを保有している。これらの資産は高い流動
性の金融市場投資並びにやや長期の州政府債券及び連邦政府債券から構成される。
(注22) 取締役及びその他経営幹部の報酬
WATCは経営幹部に大臣、WATCの取締役及び上級役員を含むことを決定した。しかし、WATCは大臣に報酬を
支払う義務はない。大臣の報酬に関する開示は州財政の年次報告書に含まれている。
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取締役の報酬
WATCの現在の取締役は、M.バーンズ（会長）、M.コート（副会長）、K.グリッチ（最高執行役員）、G.
サール（取締役）、S.マーフィー（取締役）及びC.ナンス（取締役）である。K.グリッチ以外の取締役はす
べて、執行責任を持たない。当該年度中、報酬、給与、退職給付金及びその他の給付金の総額が下記の範囲
に入る取締役の人数は以下のとおりである。
2019年 2018年
0
2 3
10,000豪ドル～ 20,000豪ドル
*2 ―
20,001豪ドル～ 30,000豪ドル
**1 ―
40,001豪ドル～ 50,000豪ドル
1 2
190,001豪ドル～200,000豪ドル ***1 ―
360,001豪ドル～370,000豪ドル ****1 ―
450,001豪ドル～460,000豪ドル ― 1
* サール氏は年度途中で公的部門から退職し、報酬の資格を得た。したがって、この給与は年度の一部のみを表
示する。
* シーブルック氏は年度途中で取締役会を退任した。
** マーフィー氏は年度途中でシーブルック氏と交代したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
*** グリッチ氏は年度途中でコリンズ氏と交代したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
**** コリンズ氏は年度途中で退任した。
2019年 2018年
(単位：豪ドル)
WATC取締役の報酬総額 655,034 543,456
内訳：
短期雇用給付 592,753 479,296
その他長期雇用給付 16,078 18,627
退職給付 46,203 45,533
ここに含まれる退職給付金は、取締役に関してWATCが負担する退職給付費用を示す。
州年金制度の加入者である取締役はいない。
その他経営幹部の報酬
その他の経営幹部は、V.シンキナ（金融市場部長）、S.ラフ（チーフ・ファイナンシャル・オフィサー兼
会社秘書役）、W.マクウェン（チーフ・リスク・オフィサー）、S.モーホール（顧客サービス本部長）、R.
モールトン（チーフ・オペレーティング・オフィサー）及びR.リッジウェイ(人事マネジャー)である。当該
年度中、報酬、給与、退職給付金及びその他の給付金(権利の支払いを含む。)の総額が下記の範囲に入る取
締役以外のその他経営幹部の人数は以下のとおりである。
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2019年 2018年
90,001豪ドル～100,000豪ドル
- *1
170,001豪ドル～180,000豪ドル 1 1
200,001豪ドル～210,000豪ドル - 1
220,001豪ドル～230,000豪ドル 1 -
230,001豪ドル～240,000豪ドル - 1
240,001豪ドル～250,000豪ドル 1 -
250,001豪ドル～260,000豪ドル - 1
280,001豪ドル～290,000豪ドル 1 -
300,001豪ドル～310,000豪ドル 1 1
320,001豪ドル～330,000豪ドル 1 -
410,001豪ドル～420,000豪ドル - **1
* モールトン氏は年度途中でヌーンズ氏と交代したため、この給与は年度の一部のみを表示する。
** ヌーンズ氏は年度途中で退任した。
2019年 2018年
(単位：豪ドル)
その他経営幹部の報酬総額 1,565,028 1,684,100
内訳：
短期雇用給付 1,346,786 1,521,323
その他長期雇用給付 73,083 15,833
退職給付 145,159 146,944
ここに含まれる退職給付金は、取締役以外のその他経営幹部に関してWATCが負担する退職給付費用を示
す。
州年金制度の加入者であるその他経営幹部はいない。
(単位：豪ドル)
2019年 2018年
取締役及び経営幹部の報酬総額
2,220,062 2,227,556
内訳：
短期雇用給付 1,939,539 2,000,619
その他長期雇用給付 89,161 34,460
退職給付 191,362 192,477
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(注23) 監査人の報酬
(単位：豪ドル)
2019年 2018年
財務書類及び経営指標の監査について会計検査庁に支払われる
179,401 176,750
報酬・未払報酬額
(注24) 関連当事者間取引
WATCは、西オーストラリア州により完全に所有され、支配されている。WATCの関連当事者には以下を含
む。
・全ての大臣及びその身近な家族、並びにそれらが支配又は共同支配する事業体
・全ての上級役員及びその身近な家族、並びにそれらが支配又は共同支配する事業体
・州政府全体の統合財政書類に含まれる、その他法定機関及び州政府の部局（それらの関連機関を含む）
・州政府全体の財政書類に含まれる事業体の関係会社及び合弁会社
・政府職員老齢退職年金委員会（GESB）。
政府関連事業体との重要な取引
州の中央借入機関としての役割において、WATCは、州の保証が付された資金を各種州政府機関に貸付け
る。2019年６月30日現在、機関への貸付総額の98.8％（2018年：98.7％）が州政府の機関への貸付であっ
た。貸付はWATCの借入コストに管理費を賄う利鞘を加えて提供され、様々な満期を持つ。満期構造、利息及
び平均金利の詳細は、注11に示す。
さらに、WATCは通常業務において、様々な政府部局及び機関からサービスを受けている。これらの取引は
独立当事者間ベースで行われており、GESBへの年金支払及び大蔵省への宿泊施設賃料の支払を含む。
関連当事者との重要な取引
WATCは経営幹部若しくはその身近な家族又はそれらの共同支配する事業体との間で重要な関連当事者取引
を行わなかった。
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(注25) 補足説明
25ａ．2018/19年の実績と予算との比較
実績 予算 差額 注釈
(単位：百万豪ドル)
収入
投資収益 90.9 61.3 29.6 1
公的機関からの受取利息 1,532.2 1,640.3 (108.1) 2
1.9 1.8 0.1
手数料収入
収益合計 1,625.0 1,703.4 (78.4)
費用
借入に係る支払利息 1,511.0 1,646.2 (135.2) ▶
起債費用 1.1 4.4 (3.3)
減価償却費 0.2 0.4 (0.2)
無形資産の償却 0.2 0.5 (0.3)
管理費用 17.4 17.8 (0.4)
53.4 0.0 53.4
公正価値変動(純額) 3
1,583.3 1,669.3 (86.0)
法人税相当額控除前の利益
41.7 34.1 7.6
法人税相当額費用 12.5 10.2 2.3
当期純利益 29.2 23.9 5.3
その他包括利益 0.0 0.0 0.0
包括利益合計 29.2 23.9 5.3
注釈：予算額との差異の理由
１．投資収益が予算より増加した理由は、投資残高が予想より大きかったことによる。
２．公的機関からの受取利息が予算より減少したのは、金利が予想より低かったこと及び公的機関顧客の
借入プログラムが予想より低かったことによる。
３．公正価値変動(純額)及び受取利息、支払利息の関係は注６で述べられている。予算は未実現の利益又
は損失を独立して認識しない。
４．借入に係る支払利息が予算より減少した理由は、金利及び債務水準が予想より低かったことによる。
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25ｂ．2018/19年と前年度との比較
2019年 2018年 増減 注釈
(単位：百万豪ドル)
収入
投資収益 90.9 82.0 8.9 1
公的機関からの受取利息 1,532.2 1,486.2 46.0 2
1.9 1.6 0.3
手数料収入
収益合計 1,625.0 1,569.8 55.2
費用
借入に係る支払利息 1,511.0 1,453.9 57.1 ▶
起債費用 1.1 1.5 (0.4)
減価償却費 0.2 0.2 0.0
無形資産の償却 0.2 0.1 0.1
管理費用 17.4 16.0 1.4
53.4 63.3 (9.9)
公正価値変動(純額) 3
1,583.3 1,535.0 48.3
法人税相当額控除前の利益
41.7 34.8 6.9
法人税相当額費用 12.5 10.5 2.0
当期純利益 29.2 24.3 4.9
その他包括利益 0.0 0.0 0.0
包括利益合計 29.2 24.3 4.9
１．投資収益が前年度に比し増加(8.9百万豪ドル)したが、これは主に投資残高の増加による。
２．公的機関からの受取利息は、主に前年の顧客の債務水準の増加の効果により、前年度より増加(46.0百
万豪ドル)した。
３．公正価値変動（純額）は、主に金利の変動により、前年度より減少（9.9百万豪ドル）した。
４．借入に係る支払利息は、債務水準の上昇の結果、前年度より増加(57.1百万豪ドル)した。
(注26) 契約
2019年６月30日現在、契約済み未払いの約定はない(2018年：０)。
(注27) 後発事象
WATCの2019年６月30日付財務書類に重大な影響を及ぼすような後発事象は、貸借対照表日以後発生してい
ない。
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(6) 【その他】
2019年６月30日以降、本書の提出日までに発生した重要な事実はない。
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(7) 【西オーストラリア州の概況】
１ 概要
(a) 位置、面積及び人口
西オーストラリア州はオーストラリア大陸の約３分の１を占めており、2,530,000平方キロメートルの面
積を占め、これは西ヨーロッパ全体を上回る面積である。海岸のほぼ全域に沿った狭い平野及び州の内陸部
全体を覆う「グレート・プラトー」として知られる台地の主要な２地域からなる非常に平坦な地形である。
西オーストラリア州は南部地域の地中海性気候から州北部の熱帯気候まで変化に富む気候を有している。
2019年３月、西オーストラリア州の推計人口は約260万人であり、オーストラリアの人口2,530万人の
10.3％を占めた。西オーストラリア州の年間人口増加率は、2019年３月四半期に年平均ベースで0.9％であ
り、国全体の増加率（1.6％）を下回った。西オーストラリア州はオーストラリアの州及び特別地域の中で
４番目に人口が多い州であった。
オーストラリア連邦
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(b) 政治及び外交
オーストラリア連邦と各州との憲法上の関係
西オーストラリア州は、北部特別地域及びオーストラリア首都特別地域とともに、オーストラリア連邦
を構成する６つの主権を有する連邦州の１つである。ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリア、クィー
ンズランド、南オーストラリア、西オーストラリア及びタスマニアの６つの英領植民地が、連邦制度によ
る州として統合された1901年１月１日に、オーストラリア連邦は連邦国家として誕生した。連邦議会は、
国防、社会福祉、外交、貿易・通商、通貨及び銀行業務等の国益に関する一定の事項について法律を制定
する権限を持つ。連邦議会は関税及び物品税を課す専権を与えられている。憲法上は各州が所得税を賦課
する権限を留保しているが、1942年以降、オーストラリア連邦政府が所得税を賦課する唯一の当局になっ
た。各州議会は、憲法に基づきオーストラリア連邦政府に付与された事項以外のあらゆる事項につき権限
を有している。各州が有する権限には以下の事項がある。教育、公衆衛生、警察及び裁判、運輸、道路及
び鉄道、工業、鉱業、農業、公共事業、港湾、林業、電気、ガス、水道及び灌漑。
西オーストラリア州政府
西オーストラリア州の行政権は、王位（総督が代理する）及び議会に付与されている。総督が州の統治
主権の代表者であり、行政評議会の助言を得て州行政の統治権を行使する。行政評議会は、首相及びその
助言を得て総督が選任する閣僚により構成されている。内閣は、立法議会の大多数を占める政党又は連立
政党に属する議員から選任される大臣で構成される。
州議会
立法評議会及び立法議会から構成される議会が西オーストラリアの立法府を構成している。
2017年３月、オーストラリア労働党が政権党に選ばれた。それ以前は、オーストラリア自由党が2008年
９月及び2013年３月の選挙後、国民党との連立で政権を担った。首相は、マーク・マッガーワン閣下であ
る。西オーストラリア州議会の現在の構成は以下のとおりである。
立法評議会 議員数 立法議会 議員数
オーストラリア労働党 14 オーストラリア労働党 40
自由党 9 自由党 13
オーストラリア国民党 ▶ オーストラリア国民党 6
グリーンズ党(西オーストラリア) ▶
ポーリン・ハンソン・ワン・
3
ネーション
自由民主党 1
1
猟師・漁師・農家党
合計
36 合計 59
出典：西オーストラリア州議会
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立法評議会
立法評議会は州内６の選挙区を代表する36名で構成され、審査機関として機能する。任期は４年間であ
る。
立法議会
立法議会には59の選挙区をそれぞれ代表する59名の議員が在籍している。議員は議会の存続期間(４年
を限度とする。)をその任期として選出される。
州の首相は立法議会に議席を有し、議員の過半数を有する政党又は政党連合の党首が就任する。歳入の
調達又は公金の歳出に係る法律は、すべて立法議会にこれを提出しなければならない。
行政府
行政府は、18世紀の大英帝国で発展し一般に「議員内閣制」として知られている制度を基礎にしてい
る。内閣は、立法議会の過半数を占める政党又は政党連合に属する議員の中から選ばれた各省大臣で構成
される。州憲法上、少なくとも１名の大臣が立法評議会の評議員の中から選ばれなければならない。西
オーストラリア州では、他のオーストラリアの州と同様、首長たる大臣は「首相」に任命される。
(c) インフラストラクチャー及びサービス
西オーストラリア州は、信頼のおける港湾、道路、空港、通信及びエネルギー供給などの国際的レベルの
インフラストラクチャーを有している。西オーストラリア州は、また、拡大しつつあるアジア市場への近接
性から利益を得ており、十分に確立した高い品質の教育及び住宅に加えて、高い技術力をもった革新的な労
働力を擁している。西オーストラリア州はまた、包括的な事業サービス及び社会サービスを提供する。
２ 経済
(a) 最近の経済動向の概要
西オーストラリア州の州内総生産（GSP）は、2017/18年の2.5％成長の後、2018/19年には1.0％成長し、
2,606億ドルとなった。産業別ベースでは、鉱業が西オーストラリア州における最大の産業であり、2018/19
年中の州の名目GSPの36.1％を占めた。名目ベースで鉱業は、2018/19年に31.8％増加し、名目GSPの成長
（10.6％）に9.6ppの貢献をした。2018/19年中の「鉱業」の力強い成長に、「運輸業、郵便及び倉庫業」
（9.4％）及び「製造業」（7.4％）が続いた。
2018/19年、西オーストラリア州の１人当たり名目GSPは109,565ドルで、全州中第２位であり、オースト
ラリアの１人当たり名目国内総生産の77,347ドルをかなり上回っていた。
より直近のデータでは、州内最終需要（SFD）で測定した州内経済は、2018/19年に1.1％の減少を示し
た。これは主に、州の巨大LNGプロジェクトの建設が終了したため、事業投資が8.7％減少したことによるも
のであった。
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経済指標の概要
６月30日終了の各年
2018/19年
オーストラ
リア全体に
最近 占める西
５年間の オーストラ
年平均 リア州の割
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 成長率 合
実質GSP/GDP
(％) (％)
(単位：百万ドル)：
西オーストラリア州 253,346 256,383 251,941 258,120 260,640 0.9 13.8
オーストラリア 1,708,151 1,755,478 1,797,041 1,849,880 1,884,969 2.5
１人当たり名目GSP/GDP
(単位：ドル)：
西オーストラリア州 99,661 94,182 97,330 99,955 109,565 0.1 該当なし
オーストラリア 68,730 69,249 72,324 74,680 77,347 1.0
小売業（連鎖数量測度）
(単位：百万ドル)：
西オーストラリア州 32,399 33,258 33,968 34,035 33,976 1.2 10.8
オーストラリア 273,316 286,992 298,511 307,916 315,795 3.7
(1)
人口(単位：百万人) ：
西オーストラリア州 2.541 2.556 2.574 2.594 未公表 未公表 未公表
オーストラリア 23.816 24.191 24.602 24.981 未公表 未公表
消費者物価指数の
年間伸び率(％)：
パース 1.8 1.0 0.6 0.9 1.3 1.5 該当なし
オーストラリア 1.7 1.4 1.7 1.9 1.6 1.8
注：(1) 人口データは年度末ベースである。2019年６月の人口データは発表されていない。
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0、8501.0、3101.0及び6401.0
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(b) 産業構造及び最近の主要産業の状況
20世紀前半の概ね農業を基本とする経済から、西オーストラリア州は各種鉱物及びエネルギー製品の主要
な生産者兼輸出者となった。鉱業部門は生産額で測定した州最大の産業であり、投資及び輸出を通じて経済
成長に大きな影響を与える。鉱業は2018/19年の州のGSPの36％、名目GSP合計の2,856億ドルのうち1,031億
ドルを占めた。
鉱業部門は規模及び生産額にもかかわらず、資本集約的生産構造であるため高い労働生産性が特徴であ
り、したがって2019年８月までの年間平均では州の総労働人口のわずか8.1％しか雇用していない。総雇用
に占める割合は、州の「保健及び社会扶助」（11.9％）、「建設業」（9.1％）、「小売業」（9.7％）の方
が大きく、「教育及び訓練」（8.0％）とほぼ同等である。
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(1)
産業別西オーストラリア州内総生産（粗付加価値）
６月30日終了の各年(時価)
2018/19年
西オースト
ラリア州の
粗付加価値 2018/19年
に占める割 国民生産に
産業 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 合 占める割合
(単位：百万ドル) (％) (％)
農業、林業、漁
5,485 5,276 6,667 5,921 5,986 2.1 14.7
業
鉱業 67,619 57,085 71,979 78,249 103,143 36.1 55.5
製造業 13,049 12,651 12,656 13,524 14,528 5.1 13.2
電気、ガス、水
4,699 4,671 4,556 4,636 4,794 1.7 9.8
道及び廃棄物
建設業 28,284 26,249 20,537 20,363 17,649 6.2 12.1
卸売業 8,259 8,145 8,217 8,272 8,606 3.0 10.3
小売業 7,967 8,074 8,125 8,076 8,189 2.9 10.2
4,411 4,504 4,356 4,375 4,550 1.6 10.2
宿泊及び飲食業
運輸業、郵便及
10,143 10,118 10,472 10,103 11,049 3.9 12.3
び倉庫業
情報メディア、
2,738 2,763 2,723 2,751 2,667 0.9 6.2
電気通信業
金融及び保険業 10,498 10,365 10,754 11,536 11,922 4.2 7.0
賃貸及び不動産
5,368 5,357 5,296 5,150 5,363 1.9 9.2
業
専門家、科学技
13,758 13,451 12,830 13,399 13,832 4.8 10.7
術サービス
管理及び支援
6,529 6,018 5,760 5,794 6,049 2.1 9.0
サービス
行政及び安全 9,212 10,567 10,240 10,357 10,641 3.7 10.5
教育及び訓練 8,618 8,898 8,939 9,189 9,401 3.3 10.3
保健及び社会扶
12,247 12,643 13,279 14,175 14,430 5.1 10.5
助
芸術及び娯楽
1,343 1,332 1,318 1,354 1,319 0.5 8.4
サービス
その他サービス 3,660 3,641 3,914 4,094 4,373 1.5 12.6
住宅所有 17,046 17,015 16,780 16,721 16,090 5.6 10.3
全産業合計 240,933 228,820 239,397 248,041 274,580 96.2 15.1
全産業税金マイ
ナス製品補助金 10,369 10,641 10,574 10,575 10,187 3.6 8.2
合計
全産業統計誤差
701 490 -446 -495 796 0.3 14.7
合計
州内総生産合計
252,004 239,951 249,525 258,120 285,563 100.0 14.7
(2)
注：(1) 粗付加価値（GVA）は基準価格表示生産価値から購入者価格での中間消費価値を差引いたものである。産
業別総生産を記載するために、この用語が使用される。基準価格表示生産価値は、個々の産業の産出全体
にわたる物品税及び補助金の発生による変動に起因する歪曲を除去する。時価表示の州のGVAは直接まと
められないので、オーストラリアの産業別GVAは要素所得の割合を用いて州に配分されている。
(2) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0
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対外貿易
西オーストラリア州は輸出指向の経済であり、2018/19年、州の純輸出は名目GSPの44％を占めた。西
オーストラリア州の製品輸出名目価値は2018/19年に23.6％増加し、1,647億ドルとなり、オーストラリア
の輸出総額の44.2％を占めた。この増加は世界的なコモディティ価格の好調さ及び一部製品の輸出量の増
加に起因する。西オーストラリア州は2018/19年に1,292億ドルの貿易黒字を記録した。
西オーストラリア州の貿易収支（名目）
６月30日終了の各年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
(単位：百万ドル)
輸出 110,775 99,635 120,398 129,698 161,872
輸入 35,956 34,650 30,381 40,117 32,625
貿易収支 74,819 64,985 90,017 89,581 129,247
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0
西オーストラリア州の主要な製品輸出品目は、鉱物及びエネルギー製品（主に鉄鉱石、金、液化天然ガ
ス、原油及び石油製品）であり、農産物（主に小麦、キャノーラ、羊毛、食肉、家畜及び甲殻類）が続
く。2018/19年の西オーストラリア州の輸出相手先の上位８か国は、中国、日本、韓国、シンガポール、
英国、台湾、香港及びアラブ首長国連邦である。
西オーストラリア州の主要輸出品目(2018/19年)
品目 金額(百万ドル) 構成比(％)
鉄鉱石 76,442 47.2
機密品目（例：液化天然ガス及びアルミナ） 44,410 27.4
金 16,626 10.3
石油 5,128 3.2
小麦 2,777 1.7
銅鉱石 1,801 1.1
原料鉱物 1,544 1.0
食肉 846 0.5
12,297 7.6
その他
合計
161,872 100
商品輸出合計の構成比（％）は四捨五入のために100％にならない可能性がある。
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0
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中国は西オーストラリア州の最大の輸出先であり、2018/19年の西オーストラリア州の輸出総額の
50.3％を占める。原材料（特に鉄鉱石）に対する需要の伸びが、過去10年間で中国向け輸出を年率平均
12.0％増加させる基盤となった。中国の急速な産業化が西オーストラリア州の大量の原材料、主として鉄
鉱石、機密品目（液化天然ガス及びアルミナ）及び金を必要とする。2018/19年の中国への年間輸出額
は、2017/18年の695億ドルから814億ドルに増加した。
日本は西オーストラリア州の第２の輸出先であり、2018/19年の西オーストラリア州の輸出総額の
14.8％を占めた。日本への主な輸出には、機密品目（大部分は液化天然ガス）、鉄鉱石及び小麦がある。
2018/19年の日本への輸出額は、2017/18年の189億ドルから240億ドルへと増加した。
西オーストラリア州の主要な輸出先（2018/19年）
国名 金額(百万ドル) 構成比(％)
中国 81,364 50.3
日本 24,011 14.8
韓国 9,465 5.8
シンガポール 6,910 4.3
英国 4,958 3.1
台湾 4,109 2.5
香港（中国特別行政区） 3,592 2.2
アラブ首長国連邦 2,723 1.7
マレーシア 2,684 1.7
タイ 2,600 1.6
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0
2018/19年の西オーストラリアの主な海外からの輸入品は、プラント、建造物及び設備（州の資本集約
型事業投資を反映している。）、石油、製造品及び金（製錬後再輸出用）であった。西オーストラリア州
の輸入元の上位５か国（金額ベース）は、中国、米国、パプアニューギニア、日本及びマレーシアであ
る。
経済の見通し
西オーストラリア州の経済（GSPにより測定）は、2017/18年に2.5％成長した後、2018/19年は実質ベー
スで1.0％成長した。これに対し国の経済は2017/18年は2.9％、2018/19年は1.9％の成長であった。
2018/19年におけるGSPの成長は、州内経済（州内最終需要（SFD）により測定）の1.2％の縮小を上回っ
た、純輸出の増加により支えられた。州の経済成長は、純輸出の一層の堅調な増加と共に、過去７年間で
初めてとなる事業投資の実質的増加により支えられ、2019/20年には3.5％への上昇が予想される。GSPは
2020/21年以降は年率３％の成長が予測され、輸出量が安定するのに伴い（鉄鉱石及びLNGプロジェクトは
産出能力で稼働中）、州内経済が成長の主たる推進役を引き継ぐ。
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西オーストラリア州の資源コモディティに対する高水準の需要（特に中国）が継続する期間は、資源企
業に輸出能力の拡大のための州への投資に対する前例のないインセンティブを与えた。事業投資は
2012/03年に過去最大の808億ドルに達し、州のピルバラ地域における大規模石油・ガスプロジェクト及び
鉄鉱石の開発により支えられた。これらの大型資源プロジェクトの段階的な完成は、2013/14年から
2018/19年の間に事業投資が急激に縮小する原因となり、この期間を通じて平均年率13.2％で減少した。
事業投資は、最後に残っている建設中の大型LNGプロジェクトの試運転の結果、2017/18年には安定した
（0.7％の減少）。しかし、事業投資はその後引き続き減少している。事業投資は2018/19年に341億ドル
へと9.1％減少した。2018/19年、西オーストラリア州の事業投資は、オーストラリア全体の事業投資の
15.9％を占めた（2012/13年の29.4％から減少）。
特に鉄鉱石及び原油製品の現在の生産を持続させる投資は、2019/20年から事業投資の成長を回復させ
る支えとなるであろう。この移行が起きるのに伴い、GSPの成長は2021/22年に向けて、3％から3.75％の
間の成長と予想される。
西オーストラリア州の家計消費は2018/19年は0.9％の成長であり、2017/18年の1.5％成長から低下し、
長期の平均成長率である年率3.8％よりかなり低い。年次ベースの成長への貢献は、主に非裁量的（すな
わち基幹的）項目によるものであった。家計消費の成長率は、予想される国内経済状況の改善に合わせて
2022/23年までに徐々に3.5％に達するまで上昇すると予測される。
住宅投資は、2016/17年の24％の縮小から減少率がかなり低下し、2017/18年に2.8％の減少で底を打っ
たと思われた。しかし、2018/19年はさらに3.9％の減少となった。販売及び賃貸向けにリストに挙げられ
た不動産物件の数は比較的高いが、供給は2016年12月の最高と比較して穏やかになった。同時に、住宅需
要の重要な牽引役（人口、賃金及び雇用）は、低い水準からではあるが、改善しているか、改善の兆候を
示している。西オーストラリア州不動産研究所のデータは、住宅価格中央値は2016/17年の3.1％の落込み
から改善し、2017/18年に0.5％の低下であった。賃貸空き家率は、ピークである2017年6月四半期の7.3％
から2018年9月四半期の3.9％へと減少した。これは均衡に向かう住宅市場の動きに一致する。住宅投資合
計は、人口増及び労働市場活動の改善に一致し、2018/19年から成長が回復すると予測される。
州の労働市場は、雇用合計の成長が全国の成長率2.3％より低い0.8％であるが、2018/19年に回復が継
続した。2018/19年の失業率は、全ての州の中でも高いほうの6.1％であったが、これはオーストラリアの
州全体でまた最高の率でもある、州の参加率の増加を反映した。労働市場の大幅な余剰能力は賃金の成長
を抑制しているが、西オーストラリア州はオーストラリアのどの州よりも高い平均週賃金（AWE）を維持
している。将来的に、雇用総数は2018/19年の1.5％から2021/22年の2.25％の間の成長が予想される。す
なわち、失業率は同期間を通して５％に向かう段階的な減少傾向と考えられる。
商品輸出は2018/19年に、LNG及び鉄鉱石の輸出の増加に支えられて、2017/18年の4.9％成長の後、
1.5％成長した。これに対してオーストラリア全体の成長は2.7％であった。最近完成したLNGプロジェク
トによる生産増が継続するため、輸出は中期的にはGSP成長の主要な部分であり続けると予想される。
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(c) 物価指数（CPI）
これまでのところ、パースのインフレ率は、オーストラリアのインフレ率に近似しており、時として生ず
る偏差は、政府課徴金の変更時期又は住宅価格若しくは賃料の変動などの要因を反映している。しかし、
2016年３月から2019年６月の間、パースのインフレ率は、州経済の全般的な低調さを反映し、オーストラリ
アのインフレ率より顕著に低かった。最近の結果は、長期間の関係の正常化を示唆し、パースの年間インフ
レ率は2019年に全国のインフレ率に収束しつつある。
パースのCPIは2019年９月までの１年間に1.4％上昇し、これに対して全国は1.6％であった。パースのイ
ンフレ率の主要な牽引役は、タバコ価格の引上げを反映した「アルコール及びタバコ」、休暇及びアコモ
デーション価格の上昇による「食料及び非アルコール飲料」及び「娯楽及び文化」である。国全体のインフ
レーションは「アルコール及びタバコ」、「食料及び非アルコール飲料」及び「娯楽及び文化」が牽引し
た。パースのCPIは短期では段階的に上昇し、2021/22年までにオーストラリア準備銀行の目標幅２％から
３％の中間へ戻ると予想されている。
(d) 労働市場及び賃金
雇用は、2019年10月に年平均で0.8％増加した。雇用の成長は、フルタイムの雇用（2019年10月の年平均
成長に1.3パーセンテージ・ポイント（pp）貢献した。）により支えられたが、パートタイムの雇用は0.6pp
縮小した。
産業全体で、2019年８月まで（最新データ）の年平均で雇用の成長率が最も力強かったのは、「専門家、
科学技術サービス」、「鉱業」並びに「小売業」であった。
労働需要の先行指数は昨年を通じて安定した。雇用省のインターネット求人指標の年平均成長率は、前年
の15.6％と比較して、2019年９月に2.5％へと低下した。これは西オーストラリア州の求人数が、2016年後
半からの成長強化の期間の後に昨年大きく安定したことを反映する。
州の季節調整済失業率は2019年10月までの12か月間に平均６％で、これに対し前年は6.1％であった。西
オーストラリア州の労働市場の就業率は、2019年10月までの１年間で平均68.3％であり、すべての州の中で
最高である。
労働市場は今後の予測の間、雇用成長率予測が2.25％へと増加し、徐々に改善が予想される。また失業率
は2022/23年までに5.25％への低下傾向が予想される。
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西オーストラリア州の産業別雇用人口
前年から
(1) (2)
(2)
2019年８月 年変化率
の増加数
(単位：千人) (％)
農業、林業、漁業 41.7 -4.1 -9.9
鉱業 108.9 11.1 11.4
製造業 88.1 6.3 7.7
電気、ガス、水道及び廃棄物 21.3 1.8 9.4
建設業 123.3 -7.2 -5.5
卸売業 42.0 8.9 26.9
小売業 130.9 11.1 9.3
宿泊及び飲食業 88.5 -7.9 -8.2
運輸、郵便及び倉庫業 65.7 2.0 3.2
情報メディア及び電気通信業 12.1 -2.7 -18.1
金融及び保険業 28.2 0.9 3.2
賃貸及び不動産業 22.8 2.5 12.1
専門家、科学技術サービス 107.4 15.7 17.1
管理及び支援サービス 40.4 -3.7 -8.4
行政及び安全 86.7 1.7 2.0
教育及び訓練 108.1 -4.6 -4.1
保健及び社会扶助 160.4 -11.4 -6.6
芸術及び娯楽サービス 24.7 -5.5 -18.3
52.8 -1.8 -3.4
その他サービス
合計 1,349.9 13.0 1.0
注：(1) 2019年８月までの１年間の平均。オーストラリア統計局は産業別雇用人口データを２月、５月、８月及び
11月のみ発表する。
(2) 年間の平均増減率（2019年８月までの４四半期の平均と2018年８月までの４四半期を比較）。
出典：オーストラリア統計局、目録6291.0.55.003
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西オーストラリアの賃金の伸びは、州の賃金価格指数（WPI）の増減の測定によると、過去最低の上昇率
であった（WPIシリーズは1997年９月中間期から開始した。）2017年９月の年平均1.3％成長の底値から、
2018/19年には1.6％へとわずかに増加した。将来的には、州のWPIの成長率は、労働市場状況の穏やかな改
善と連動し、徐々に上昇すると予想される。
(1)
AWE は2018年５月まで１年間の0.3％減少の後、2019年５月まで年率平均で1.6％低下したが、全州の中
で最高を維持した。
西オーストラリア州及びオーストラリアの労働力
６月30日終了の各年度の平均
2019年６月
までの５年 2019年６月の
間の平均 西オーストラ
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 年間伸び率 リア州の割合
労働人口(単位：千人)：
(％) (％)
西オーストラリア州 1,395 1,399 1,389 1,417 1,432 0.8 10.7
オーストラリア 12,384 12,626 12,793 13,153 13,413 1.9
総雇用数(単位：千人)：
西オーストラリア州 1,320 1,315 1,303 1,332 1,344 0.6 10.6
オーストラリア 11,622 11,885 12,066 12,432 12,727 2.1
就業率(％)：
西オーストラリア州 68.5 68.2 67.3 68.3 68.3 該当なし 該当なし
オーストラリア 64.7 65.0 64.8 65.5 65.7 該当なし
失業率(％)：
西オーストラリア州 5.4 6.0 6.2 6.1 6.1 該当なし 該当なし
オーストラリア 6.2 5.9 5.7 5.5 5.1 該当なし
出典：オーストラリア統計局、目録6202.0
脚注：(1) AWEは構成の変化により影響を受ける。構成の変化に関与しうるいくつかの側面がある。フルタイム、
パートタイム、臨時及び若年雇用者の比率の時間による変動、産業内及び産業間での職業の配分の変動、産業
間の雇用の配分の変動、並びに男性及び女性被雇用者の比率の変動が含まれる。AWEの推定は労働時間の変化
によっても影響を受ける。
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３ 財政
(a) 法的枠組
西オーストラリア州の財政を統制する法は、主として以下に規定されている。
・1889年憲法、
・1899年改正憲法、
・2006年財政管理法（FMA）、
・2000年政府財政責任法（GFRA）、
・1995年州金融協定法、
・個別の公社（法定機関）を設立する授権法、及び
・定期的な借入法（統合勘定借入を授権する。直近の当該法は2017年借入法（2017年７月３日付女王承
認））。
州の財政システムの中核には、州議会のみが課税をなし、統合勘定より支出を充当（認可）する権限を持
つという基本的原則がある。
上記の最初の三法に基づき、統合勘定、大蔵大臣特別目的勘定及び大蔵大臣貸付勘定として知られる、法
定の会計（以上を、個別の政府機関が管理する特別目的会計の制度とあわせて「公共会計」と総称する。）
が創設されている。
一定の州政府商取引企業（GTE）を例外とするが、機関はFMAの対象である。FMAは統合勘定への、及び統
合勘定からの、並びに個々の法定機関の銀行勘定からの、公金の受入れ及び支払い方法を規定し、これらの
取引は現金主義会計を使用して統合勘定に記録されることを定める。FMAはまた、影響を受ける機関に発生
主義で会計帳簿の詳細を維持し、オーストラリア会計基準に従い作成される監査済財務書類の提出により事
業の報告を行うことを要求する。
FMAの対象ではないGTEは、自己に適用される立法により規定される自身の統制、財務管理、監査及び報告
の要件を有している。これら要件のいくつかは、会社法から直接導かれる。
大半の政府機関は６月30日を報告日とする。６月30日以外の報告日である政府機関は、６月30日までの管
理用の決算書若しくは直近の財務書類を使用するが、これらの財務書類の使用は統合財務書類に大きな影響
を与えない。
会計検査庁長官が政府各省、法定機関及び政府全体の会計書類の監査、並びに州議会へのその発見事項の
報告について責任を負う。
2006年会計検査法が会計検査庁長官の職位を創設し、その任命、任期、職務、責任及び権限に関する要件
を詳述する。同法はまた、給与の永続的給付及び罷免に対する保護により会計検査庁長官の独立性を保証す
る。ただし、州議会の議決による場合を除く。
州と銀行との取引は、主にオーストラリア連邦銀行パース支店に保有する中央公共銀行勘定を通じて行わ
れる。公共銀行勘定で取引する機関は自己資金を自己の細分銀行勘定を通じて管理する。いくつかの機関は
その制定法により、自己名義で公共銀行勘定以外に資金の預入又は投資をすることができる。
1889年憲法により統合勘定が創設される。1889年憲法第64条に基づき、別途法律により担保されていない
税金、課徴金、賦課金等から州へ支払うべき金額は、すべて統合勘定へ払込まねばならず、歳出法により認
可される場合のみ支出することができる。法律は、統合勘定が支出できる目的については制限を設けていな
い。
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統合勘定からの資金の歳出は２つの種類に分けられる。年間歳出と継続的（又は無期限的）歳出である。
年間歳出は歳出法に基づき議会により毎年承認される。これら歳出の詳細は、歳出法を補足し、各機関又
はその他団体に付与された項目別の統合勘定支出明細を含む、統合勘定見積書及び予算書（すなわち、予算
書第２）に記載される。
年間歳出と継続的歳出に加えて、大蔵大臣は、FMA第23条の下で、各省及び法定機関との間で、各省が受
取った特定の歳入は、それぞれが留保できることを規定した、純歳出契約を締結することができる。かかる
歳入は統合勘定の貸方に記入されない。しかし歳入及び対応する歳出は、省が行ったサービスの費用総額を
議会で議論するため予算書に含まれる。制定法によらない省の場合は、その運営は歳出法に定められたサー
ビスと目的に制限される。
現在２つの基本的な年間歳出法があり、毎年６月30日に失効する。１つは経常サービスのためのものであ
り、もう１つは資本目的のためである。
無期限歳出は、会計年度末に失効しない制限なしの歳出を含む法令を議会が承認した場合に発生する。か
かる歳出は通常公務員の権利を保護するために行われ、州議会議員及び特定の公務員の給与等から、各種老
齢退職手当、年金支払、及び各種契約の下での債務までを対象とする。歳出は統合勘定から支払われ、した
がって予算書に含まれ、統合勘定の取引に報告される。
大蔵大臣貸付勘定は、FMAに規定される毎年の認可に従い、事業及びサービスへの臨時的な融資又は公的
機関の役員への大蔵大臣による貸付金を、貸付がなされた口座を有する議会又は団体又は個人の支出から控
除されるべき貸付金と共に記録する。毎年の認可は前年の年間歳出予算の３％に設定されている。
GFRAは、大蔵大臣に対して、会計基準、一般に公正妥当と認められている会計原則に従う完全発生主義
(2)
ベースで、かつ国内及び国際的に認められた統計基準を利用する政府財政統計 ベースで、州の財政につ
いての報告を求める。これらの要求は、オーストラリア会計基準AASB1049「政府全体及び一般政府部門の会
計報告」に一致する表示の使用と共に導入された。
GFRAは、効率的かつ包括的な財政の枠組みが州財政管理のために毎年適切な状態であることを確保する。
この枠組みの中心は「財務戦略説明書」であり、これを通じて州政府は公的部門全体の財務計画を明確に表
現しなければならない。一連の財政目標が業績測定のために使用され、中期の予想期間の財務戦略を運用す
る。
統合勘定が（通常、部門内の政府機関が行うインフラストラクチャーへの投資を支援するために）借入を
しなければならない場合、借入額は、借入法を通じて議会により上限が課されている。借入法により、大蔵
大臣は、公共目的のために借入法のその時の未使用額合計を超過しない範囲で、金員の借入をなすことがで
きる。これらの法はまた、借入法の権限に基づき調達した関連する債務返済費用に、恒久的に統合勘定の現
金を充当する。
脚注：(2)「政府財政統計」（GFS）という用語は、政府の財政活動を測定する一連の統計を指し、これらの活動が経済
の他部門へ与える影響を反映する。オーストラリアのGFS体系は、統一された体系的な方法で分類された、オース
トラリアの公的部門の機関についての統計的情報を提供するように設計されており、これはオーストラリア統計
局によりオーストラリア国内で維持される広範な体系である国民所得計算の一部を構成する。
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1995年金融協定法は、1986年以前の州による連邦からの借入にかかる支払利息についての連邦及び州間の
協定に関するものである。同法の対象である連邦に対する西オーストラリア州の債務は、2005年７月に完全
に消滅した。
(b) 予算事項及び財政政策
2000/01年度以後、州の予算の焦点は、オーストラリア統計局の政府財政統計(GFS)基準により定義される
一般政府部門の発生主義会計である。この基準の使用は、すべてのオーストラリアの政府（連邦、州及び特
別地域）による、公的部門財政の統一表示枠組み(UPF)の目的でGFS発生主義会計を採用する決定を反映す
る。2000年３月、オーストラリア・ローン評議会は発生主義UPFに合意した。
2007年10月、オーストラリア会計基準委員会（AASB）は、AASB1049「政府全体及び一般政府部門の会計報
告」を発表した。この基準は、2008年７月１日以降に開始する報告期間に適用される。2008年３月、州、特
別地域及び連邦政府はAASB1049の概念及び表示形式を満たすためのUPFの変更に合意した。UPFが発表され、
2008/09年予算の発表（2008年５月８日）以降この形式で西オーストラリア州内で使用されている。他の
オーストラリアの管轄地域は、2008年にそれぞれの同様の予算において政府全体の予測及び実績について同
じ方法を採用した。AASB1049は、発生主義のGFS及びオーストラリア会計基準に基づく２つの従前の政府全
体の財務シリーズを１つの表示へと「調和」させる。これらの形式間の財務合計の差異は大きくない。本書
の記述はすべてAASB1049に基づき作成された、又はそれに従った情報及びデータに基づく。
GFSの財政表示について以前そうであったように、AASB1049の開示はストック及びフローの情報から成り
立つ。フローは時間を通じて発生し、歳入及び歳出（損益計算書）並びに現金の支払及び受取（キャッシュ
フロー計算書）を含む。貸借対照表は資産及び負債のストックを測定する。
発生主義による予算表示は、政府機関を
・一般政府部門、
・公的金融企業、
・公的非金融企業
に分類する。
一般政府部門の大半の機関は、その財政上の義務を果たす上で議会からの歳出に依存し、従って州政府の
政策決定及び財務管理により直接影響を受ける機関のグループである。
大蔵省は、州財政の管理者としての役割から、GFRAにより要求される財務戦略説明書を組込んだ毎年の州
予算を作成する責任がある。予算に含まれる資産投資計画（AIP）及びその他財務計画は、州政府が定めた
指針と政策の範囲内で作成される。
一般政府部門の歳入は、以下を含む。
・ 租税、
・ 連邦政府からの経常的交付金及び資本的交付金(一般目的及び/又は特定目的)、
・ 財・サービスの販売収入、
・ 公的企業の配当金及び税相当額支払い、及び
・ 鉱業及び採取産業の事業者からのロイヤルティー。
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一般政府部門の歳出は、給与、減価償却、老齢退職年金、経常及び資本移転、利子及びその他営業費用を
含む。これらの歳出は、補助金計画の交付費用、並びに
・ 教育、
・ 保健(病院を含む。)、
・ 法の執行及び秩序(警察、裁判所及び矯正サービスを含む。)、
・ 公共輸送
等の重要な政府サービス提供の経費を対象とする。
資本の性質を持つ支出は、病院・保健所、学校・教育施設の建設、土地取得及び公営住宅供給並びに政府
建物の建設及び維持など公共事業に関するものである。資本支出は、州の財務書類において日々の営業費用
とは明確に区別することができる。
西オーストラリア州は、オーストラリアの他州及び特別地域の大半と同様に、「見出し」の予算指標とし
て一般政府部門の営業収支の純額に重点を置く。営業収支(純額)は資本資産の取得費用を含まないが、非現
金(例えば、発生済の退職年金権利及び資本減耗(減価償却))を含む。発生済費用全額を含めることにより、
営業収支(純額)は公共サービスを提供する全費用を含む。これは、時間的経過に沿った州政府の財務方針の
持続性を測る良い尺度となり、また公共サービスの現在の水準を示す。営業収支の純額は、UPF報告の一部
としての連邦、すべての州及び特別地域により提示される予算情報において明らかであり、UPF報告は連
邦、州及び特別地域等、地域ごとの直接比較を可能とする。西オーストラリア州同様、オーストラリアの大
半の他州及び特別地域は、見出しの予算指標として営業収支（純額）に重点を多く。
一般政府部門の投資/貯蓄収支は貸付純額の合計により測定される。この合計は、損益計算書の歳入全額
と減価償却以外の歳出費用全額を含む。この合計はまた、資本支出(純額)を含むが、資本の使用(すなわ
ち、減価償却)を含まない。重ねてであるが、すべてのオーストラリアの管轄地域は、UPF予算及び年度中の
その他政府全体の財務開示においてこの合計を含む。
(c) 州政府の財政戦略
州政府は責任ある財務管理に尽力すると共に、西オーストラリア州のコミュニティに質の高いサービスを
提供する。以下の政府全体の財政目標において進展が反映されている。
州政府（2017年３月選任）は、2017/18年予算において新たな一連の財政目標を発表し、これらの目標は
州の現在の財政状況により適切であり、州の財政を持続可能なポジションに回復させる意思決定を支援する
ことに重点を置く。目標は2018/19年及び2019/20年の予算において変更がなく、以下のとおりであった。
・ 一般政府部門の営業黒字（純額）に向けて前進する。対前年比の営業赤字の削減により測定する。
・ 公的部門全体の現金黒字に向けて前進する。
・ 以下により、規律ある一般政府支出管理を維持する。
－ 公的部門の賃金を州政府の賃金政策に合わせる。
－ 主要なサービス提供機関の反復支出が資源契約にある予算支出の限度額を満たすようにする。
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・ 一般政府部門が保有する公的部門全体の純債務の比率を低くする。
州政府は2020/21年までに財政目標の全てを満たす道筋にのっている。
以下の表は、2019/20年予算とこれらの目標との予想される整合性の状況である。
財政目標との予想整合性
2019/20年
予算推計
財政目標
一般政府部門の営業黒字（純額）に向けた前進 達成
公的部門全体の現金黒字に向けた前進 達成
以下により、規律ある一般政府支出管理を維持
－ 公的部門の賃金を州政府の賃金政策に合わせる 達成
－ 主要なサービス提供機関の反復支出が予算支出の限度額 達成
を満たす
公的部門全体の一般政府部門が保有する債務純額の比率を低減 未達成
2019/20年業績予測
2019/20年に、５つの新財政目標のうち、４つが達成できると予想される。州政府は2020/21年までに全て
の財政目標を満たす道筋にのっている。一般政府部門に帰属する純債務の比率を低下させる目標は、一般政
府部門の純営業収支が2018/19年から黒字となると予想されるものの、公的部門全体が2020/21年まで依然と
して現金赤字ポジションであると予想されるので、2021年６月30日まで達成されないと予想される。これら
の目標に関する詳細は、2019/20年予算の予算書第３において入手できる。
2018/19年財政目標との整合性
2018/19年の財政目標の結果は、2018/19年州財政年次報告書（2019年９月27日発表）において報告され、
2018/19年予算の時点での予想に一致している。
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2018/19 年財政目標との整合性
2018/19年 2018/19年 2018/19年
(1)
財政目標 予算推計 実績
推計結果
一般政府部門の純営業黒字に向けた進展
- 一般政府部門純営業収支（百万ドル） -906 466 1,317
- 整合性 達成 達成 達成
公的部門全体の現金黒字に向けた進展（百万ドル）
- 公的部門全体の現金黒字/赤字 -2,961 -1,720 -924
- 整合性 達成 達成 達成
以下を通じた規律ある一般政府歳出管理の維持
- 公的部門の賃金成果を州政府の賃金政策に合わ
せる
- 整合性 達成 達成 達成
- 主要なサービス提供機関の反復支出を予算支出
限度額に合わせる
- 整合性 達成 未達成 達成
一般政府部門が保有する公的部門全体の純債務の割合
66.2 64.5 64.8
を減少させる
- 整合性 未達成 未達成 未達成
注：(1) 2019年１月１日以降に開始する報告期間に有効となる新会計基準の2019/20年予算推計への影響を除く。
www.ourstatebudget.wa.gov.au において閲覧可能な2019/20年予算書第３「経済及び財政見通し」の
Appendix 1の注記９を参照のこと。
西オーストラリア州の信用格付
2019年６月、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは西オーストラリア州長期債務格付を、以前の
2019年１月のAa2（アウトルック「ポジティブ」）からAa1（アウトルック「安定的」）に引き上げた。S&P
グローバルは、2013年９月以降、州の長期債務格付AA+（2018年10月以降、アウトルック「安定的」であ
り、2019年10月にこれを再確認した。）を維持している。
2018/19年財政結果
2018/19年州財政年次報告書（ARSF、2019年９月27日に発表）において公表された2018/19年の一般政府の
損益計算書、貸借対照表及びキャッシュフロー計算書の詳細を以下の表に示す。これらの表はまた2019/20
年の予算推計も提供する。これらはそれぞれ西オーストラリア州の直近の実績及び予算予測である。
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ARSFに説明される重要な結果は以下のハイライトを含む。
・ 2018/19年に一般政府部門の営業収支は13億ドルを記録し、2017/18年の６億1,800万ドルの赤字から
著しく回復し、2013/14年以来初めての黒字となった。
・ 2019/20年予算において推計された2018/19年の４億6,600万ドルの営業黒字（2019/20年予算の予算書
第３に詳述する新会計基準の遡及調整を除く。）に比較して、黒字の大幅な増加は主に以下を反映
する。
－ 政府は引き続き歳出管理に重点を置き、一般政府歳出は2017/18年の1.9％増の後、2018/19年は
2.5％増であった。
－ 輸出量が予想を下回ったことにより一部相殺されたものの、６月四半期中の鉄鉱石価格の上昇
（２億8,800万ドルの純増）、
－ 過去のロイヤルティーの支払い（２億5,000万ドル）に関するBHPとの和解。
・ 2018/19年のインフラストラクチャーに対する資本支出は、2017/18年の投資水準並みで50億ドルで
あった。
・ 予想を上回る好調な営業収支及び資産投資プログラムが予想より少なかったことが現金に与えた影響
を反映し、９億2,400万ドルの現金赤字が2018/19年の公的部門合計に記録された。これは2019/20年
予算において推計された17億ドルの赤字と比較して７億9,600万ドルの改善を示し、2007/08年以降
最低の現金赤字額である。
・ 2019年６月30日、公的部門純債務合計は355億ドル（2018年６月30日現在から８億5,600万ドル増加。
2007/08年以来最低の年間増加である。）であった。これは純債務は非常に早く最高値に近づいてい
ることを示す。
2019/20年予算の財政予測
2019/20年及び現時点の今後の見積もりは、
・ 歳入は予算期間に年率平均2.8％で成長する見込みである。2019/20年予算において実施された会計基
(3)
準の変更 を除外し、一般政府歳入は2019/20年から2021/22年に2018年12月の「2018/19年度中間検
討」の発表以来、16億ドル増加すると推計される。これは主にコモディティ価格が予想より上昇し
たこと（2019年１月のブラジルにおける鉱滓ダム災害後の鉄鉱石価格の高騰を含む。）によるロイ
ヤルティー収入の増加及び米ドル/豪ドル為替レートが想定よりわずかに低かった結果である。加え
て、連邦による補助金収入（主にインフラストラクチャー）が連邦と州政府の交渉により増加した
が、GST及びGST追加資金の純減により相殺された。
脚注：(3) 多数の新会計基準が、オーストラリアにおいて2019年１月１日以降に開始する報告期間から実施される。
これらは2019/20年予算予測（及び比較のために過年度の予算について遡及調整）において実施された。下記
「オーストラリア会計基準の改正」の予算書第３からの抜粋を参照のこと。
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・ 一般政府歳出は2019/20年に1.5％、そして将来の推計期間を通じて年率平均1.3％の増加が予測され
ている。この低い増加率は、政府の予算改善及び責任ある財政管理（公的部門の賃金政策1,000ドル
を含む。）への継続的なコミットメントを反映する。
・ 歳入改善の見通し及び継続的な歳出抑制は2019/20年に一般政府部門の営業黒字15億ドルを、そして
将来の推計期間に毎年黒字をもたらすと予想される。政府が州のインフラストラクチャー需要のた
めに資金を借り入れる必要を制限し、最終的に将来世代への債務負担を削減するとおり、継続的な
営業黒字達成は、依然として政府の財政戦略の中核である。
・ インフラ支出は、予算期間において228億ドルと予測され、約91億ドル（40％）が道路及び公共輸送
に割り当てられる。この予算における新たな投資支出の大半は、既存資金の優先順位の変更及び新
資金源の確保（道路に対する連邦からの多額の追加資金を含む。）により資金調達される。
予算予測は、2018/19年最終結果の調整昇給の影響及び2019/20年度中間検討（2019年12月31日までに発表
の予定）の中の2019年５月予算以降の進展により更新される予定である。
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一般政府 損益計算書
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
(1) (1) (1) (1) (1) (2)
実績 実績 実績 実績 実績 予算推計
(単位：百万ドル)
取引の結果
歳入
租税 8,858 9,038 8,545 8,540 8,616 9,088
(3)
8,051 7,407 8,091 8,529 10,210 9,607
経常的交付金及び補助金
(3)
1,263 895 513 1,263 873 943
資本的交付金
財・サービス販売 2,129 2,186 2,320 2,516 2,734 2,724
利息収入 185 192 196 170 168 160
公的企業からの収入
他部門企業からの配当 1,187 1,415 837 1,718 1,350 1,203
税相当額 592 631 534 677 642 641
ロイヤルティー収入 4,603 4,126 5,272 5,231 6,713 6,375
その他 532 594 604 688 701 594
(3)
27,400 26,485 26,913 29,332 32,006 31,334
歳入計
歳出
給与 11,089 11,383 11,610 12,193 12,269 12,520
老齢退職給付
当期コスト 1,107 1,167 1,166 1,199 1,213 1,228
退職手当利息 266 218 156 177 135 138
(3)
430 370 358 359 447 234
その他雇用コスト
(3)
1,235 1,359 1,320 1,343 1,445 1,865
減価償却
(3)
2,057 2,195 2,393 2,432 2,538 2,751
サービス及び契約
(3)
5,131 5,518 5,772 5,852 5,645 5,704
その他総営業費用
利息
(3)
21 20 38 73 89 194
リースに係る利息
その他利息 523 644 744 813 859 811
(3)
5,465 5,164 5,280 5,061 5,426 4,123
経常移転
(3)
507 469 549 442 625 235
資本移転
(3)
27,831 28,506 29,387 29,949 30,689 29,801
歳出計
(2)(3)
-431 -2,021 -2,474 -618 1,317 1,533
収支(純額)
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その他経済フロー－営業利益に
含まれるもの
資産／負債に係る純利益 -21 -148 -193 -132 59 -60
貸倒引当金 -36 -54 -41 -51 2 -14
会計方針の変更/過年度の訂正
-504 110 143 -41 -172 -784
(3)
(3)
-561 -91 -91 -224 -111 -858
その他経済フロー合計
(3)
-992 -2,111 -2,564 -842 1,206 675
営業利益
その他エクイティの増減すべて
営業利益に組替えられない項目
再評価 2,229 -2,549 -3,042 -811 -1,374 851
生命保険数理純利益/-損失－
98 -589 659 211 -814 -261
(3)
老齢退職給付
エクイティに直接認識する利
-4 8 15 -9 0 -60
(3)
益
公的企業部門の純資産の変動
3,140 -1,192 254 -5,502 -1,661 -227
(3)
その他すべて - - - - - -
その他エクイティの増減すべて
5,463 -4,322 -2,113 -6,111 -3,849 303
(3)
の合計
(3)
4,472 -6,433 -4,677 -6,954 -2,642 978
純資産の増減合計
主要な財務数字総計
(3)
-431 -2,021 -2,474 -618 1,317 1,533
収支(純額)
控除：非金融資産の正味取得
非金融資産の購入 2,667 2,475 2,341 2,438 2,540 2,505
在庫変動 -9 15 -11 -3 - -
非金融資産のその他変動 90 15 240 513 146 -
控除：
非金融資産の売却 134 102 132 82 100 137
(3)
1,235 1,359 1,320 1,343 1,445 1,865
減価償却
(3)
1,378 1,043 1,119 1,524 1,142 502
非金融資産の正味取得合計
(3)
-1,809 -3,064 -3,592 -2,141 175 1,030
貸付／-借入(純額)
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2)2019/20年州予算（2019年５月９日発表）。2019/20年予算に詳述する、2019/20年から実施の新会計基準の影響を含
む（予算書第３を参照のこと）。
(3)2019/20年からの新会計基準の実施により影響を受けた項目。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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一般政府 貸借対照表（６月30日現在）
(1) (1) (1) (1) (1) (2)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
実績 実績 実績 実績 実績 予算推計
(単位：百万ドル)
資産
金融資産
現金及び預金 785 820 778 862 601 1,178
貸付金 678 711 717 741 713 775
投資、貸付金及びプレース
3,571 4,042 4,278 5,682 4,470 2,924
メント
売掛債権、未収入金 2,660 2,921 3,099 3,212 3,999 3,127
株式及びその他エクイティ
他の公的部門企業への投
48,846 47,654 47,909 42,406 40,745 42,148
(3)
資－持分法
他の公的部門企業への投
7,455 8,180 9,019 9,377 10,000 10,876
資－直接投資
他の企業への投資 44 48 51 48 20 15
その他金融資産 - 8 8 8 8 8
金融資産合計 64,038 64,384 65,859 62,337 60,556 61,052
(3)
非金融資産
土地 38,837 38,551 37,269 36,406 35,600 36,185
(3)
45,003 43,256 42,640 44,709 45,344 51,034
有形固定資産
生物学的資産 2 ▶ 8 3 3 3
在庫
土地在庫 106 113 98 - - -
その他在庫 69 84 73 70 71 69
無形資産 609 650 680 627 626 582
売却目的資産 27 32 111 125 43 34
投資資産 9 8 7 7 7 7
その他 249 484 665 248 245 378
(3)
84,911 83,182 81,551 82,196 81,940 88,291
非金融資産合計
(3)
148,949 147,566 147,410 144,532 142,496 149,343
資産合計
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負債
預金 417 518 646 553 686 847
貸付金受取 407 392 376 360 343 377
借入金
(3)
594 560 771 1,184 1,156 4,551
リース負債
その他借入金 13,008 17,819 22,801 26,924 26,589 26,807
未積立年金 7,573 7,939 7,043 6,541 7,062 6,817
その他従業員給付 3,292 2,892 2,911 3,033 3,197 3,103
買掛金、未払金 1,071 1,228 1,294 1,277 1,425 1,301
(3)
1,287 1,352 1,380 1,425 1,445 1,562
その他負債
(3)
27,649 32,700 37,221 41,297 41,903 45,365
負債合計
純資産 121,299 114,866 110,189 103,236 100,593 103,978
内訳：
払込エクイティ - - - - - -
(3)
11,012 8,460 6,553 5,907 6,850 6,528
累積剰余金
(3)
110,287 106,406 103,636 97,329 93,743 97,450
その他準備金
(3)
121,299 114,866 110,189 103,236 100,593 103,978
純資産
覚書事項
(3)
36,389 31,684 28,638 21,040 18,653 15,687
正味金融資産
(3)
19,912 24,150 28,290 30,744 32,091 37,352
正味金融負債
正味債務
(3)
14,427 19,289 24,594 29,022 28,774 32,582
債務総額
控除：流動性金融資産 5,034 5,572 5,773 7,285 5,784 4,877
控除：正味債務に影響するコン
88 - - - - -
バージェンス差異
(3)
9,306 13,717 18,820 21,737 22,990 27,705
正味債務
27,
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2)2019/20年州予算（2019年５月９日発表）。2019/20年予算に詳述する、2019/20年から実施の新会計基準の影響を含
む（予算書第３を参照のこと）。2019年６月30日現在の資産負債残高は、2019/20年州予算の時点では推定であった
が、2018/19年の最終結果により影響を受ける可能性がある。2019/20年及びその後の推定年については、2019/20年
度中間検討（2019年12月31日までに発表の予定）において修正され、開示される。
(3)2019/20年からの新会計基準の実施により影響を受けた項目。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
一般政府 キャッシュフロー計算書
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
(1) (1) (1) (1) (1) (2)
実績 実績 実績 実績 実績 予算推計
(単位：百万ドル)
営業活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
税金受取 8,822 9,099 8,404 8,506 8,911 9,104
交付金及び補助金受取 9,394 8,310 8,529 9,773 11,082 11,762
財・サービスの売却による
2,153 2,324 2,362 2,723 2,599 2,750
受取
受取利息 180 187 193 158 173 155
配当及び税同額 1,865 2,087 1,484 2,280 2,092 1,863
その他受取 6,799 5,922 7,218 7,230 7,659 8,519
現金受取合計 29,213 27,929 28,191 30,670 32,517 34,153
現金支払
賃金、給与、補足及び年金 -12,546 -13,374 -13,141 -13,801 -13,766 14,233
(3)
-7,761 -8,083 -8,608 -8,759 -8,473 -8,693
財・サービスの支払
(3)
-537 -631 -758 -860 -950 -1,080
支払利息
交付金及び補助金支払 -5,767 -5,485 -5,389 -5,125 -5,635 -5,519
配当及び税同額 - - - - - -
その他支払 -1,562 -1,648 -1,836 -1,727 -1,679 -1,574
(3)
-28,173 -29,221 -29,732 -30,271 -30,503 -31,099
現金支払合計
営業活動による純キャッシュフ
1,040 -1,291 -1,541 399 2,014 3,054
(3)
ロー
投資活動によるキャッシュフ
ロー
非金融資産への投資からの
キャッシュフロー
非金融資産の購入 -2,667 -2,475 -2,341 -2,438 -2,540 -2,505
非金融資産の売却 134 102 132 82 100 137
非金融資産への投資からの
-2,533 -2,373 -2,210 -2,357 -2,441 -2,367
キャッシュフロー合計
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有価証券報告書
金融資産への投資からの
キャッシュフロー
現金受取
政策目的 18 140 14 13 33 10
流動性目的 5 101 83 76 308 65
現金支払
政策目的 -566 -798 -861 -573 -790 -1,272
流動性目的 -22 -136 -46 -57 -66 -33
金融資産への投資からの
-565 -694 -809 -541 -516 -1,230
キャッシュフロー合計
投資活動による純キャッシュフ
-3,098 -3,067 -3,018 -2,898 -2,956 -3,598
ロー
財務活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
貸付金受取 16 16 16 16 17 17
借入金 2,065 5,194 5,166 4,318 61 1,750
預金受取 - - - - - -
その他財務活動受取 448 41 46 156 253 181
財務活動による現金受取合計 2,529 5,250 5,227 4,490 330 1,948
現金支払
貸付金支払 -16 -16 -16 -16 -17 -17
借入金返済 -79 -97 -168 -182 -513 -1,434
預金支払 - - - - - -
(3)
-424 -447 -418 -271 -214 -564
その他財務活動支払
(3)
-519 -560 -602 -469 -744 -2,014
財務活動による支払い合計
財務活動による純キャッシュフ
2,010 4,691 4,626 4,020 -414 -66
ロー
現金及び現金同等物の純増 -48 333 66 1,521 -1,355 -610
期首現金及び現金同等物 4,488 4,440 4,773 4,839 6,360 4,276
期末現金及び現金同等物 4,440 4,773 4,839 6,360 5,005 3,666
主要な財務数字総計
営業活動による純キャッシュフ
1,040 -1,291 -1,541 399 2,014 3,054
(3)
ロー
非金融資産への投資からの純
-2,533 -2,373 -2,210 -2,357 -2,441 -2,367
キャッシュフロー
(3)
-1,493 -3,664 -3,751 -1,958 -426 687
現金黒字/-赤字
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2)2019/20年州予算（2019年５月９日発表）。2019/20年予算に詳述する、2019/20年から実施の新会計基準の影響を含
む（予算書第３を参照のこと）。
(3)2019/20年からの新会計基準の実施により影響を受けた項目。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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有価証券報告書
公的部門 損益計算書 総計
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年 2019/20年
(1) (1) (1) (1) (1) (2)
実績 実績 実績 実績 実績 予算推計
(単位：百万ドル)
取引の結果
歳入
租税 8,376 8,529 8,058 8,053 8,097 8,561
(3)
8,051 7,407 8,091 8,529 10,210 9,607
経常的交付金及び補助金
(3)
1,263 895 513 1,263 873 943
資本的交付金
(3)
19,095 21,614 20,661 21,128 23,488 35,028
財・サービス販売
利息収入 648 635 597 585 639 685
ロイヤルティー収入 4,603 4,126 5,272 5,231 6,713 6,375
その他 1,256 1,110 979 1,031 1,193 1,099
(3)
43,292 44,316 44,172 45,819 51,214 62,297
歳入計
歳出
給与 12,314 12,627 12,811 13,297 13,382 13,787
老齢退職給付
当期コスト 1,230 1,296 1,287 1,305 1,323 1,352
退職手当利息 266 218 156 177 135 138
その他雇用コスト 298 257 277 263 350 261
(3)
3,226 3,354 3,399 3,362 3,431 3,974
減価償却
(3)
2,991 3,179 3,309 3,285 3,306 3,422
サービス及び契約
(3)
17,600 20,279 19,554 19,726 22,084 33,114
その他総営業費用
利息
(3)
119 108 130 162 174 291
リースに係る利息
その他利息 1,387 1,535 1,584 1,526 1,583 1,700
その他資産費用 - - - - - -
(3)
3,886 3,683 3,927 3,975 4,411 2,989
経常移転
(3)
440 340 482 365 319 174
資本移転
(3)
43,756 46,875 46,916 47,442 50,498 61,203
歳出計
(3)
-464 -2,559 -2,744 -1,623 716 1,094
収支(純額)
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その他経済フロー－営業利益に
含まれるもの
資産／負債に係る純利益 327 -131 187 111 254 111
貸倒引当金 -45 -68 -102 -66 -16 -47
会計方針の変更/前年度の訂正
-688 -743 -1,008 -1,192 -310 -890
(3)
(3)
-405 -942 -923 -1,147 -72 -827
その他経済フロー合計
(3)
-870 -3,501 -3,667 -2,769 644 267
営業利益
その他エクイティの増減すべて
営業利益に組替えられない項目
再評価 4,724 -4,176 -2,803 -5,632 -2,444 1,084
生命保険数理純利益－老齢退
60 -610 638 206 -850 -260
(3)
職給付
エクイティに直接認識する利
557 1,854 1,155 1,241 8 -113
(3)
益
その他すべて - - - - - -
その他エクイティの増減すべて
5,341 -2,932 -1,010 -4,184 -3,286 711
(3)
の合計
(3)
4,472 -6,433 -4,677 -6,954 -2,642 978
純資産の増減合計
主要な財務数字総計
収支(純額) -464 -2,559 -2,744 -1,623 716 1,094
控除：非金融資産の正味取得
非金融資産の購入 5,777 5,237 5,137 5,052 4,965 5,646
在庫変動 173 1,024 -449 -321 614 74
非金融資産のその他変動 418 171 371 596 273 175
控除：
非金融資産の売却 913 701 576 567 654 705
(3)
3,226 3,354 3,399 3,362 3,431 3,974
減価償却
(3)
2,229 2,376 1,085 1,398 1,767 1,217
非金融資産の正味取得合計
(3)
-2,693 -4,935 -3,829 -3,021 -1,051 -123
貸付／-借入(純額)
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2)2019/20年州予算（2019年５月９日発表）。2019/20年予算に詳述する、2019/20年から実施の新会計基準の影響を含
む（予算書第３を参照のこと）。
(3)2019/20年からの新会計基準の実施により影響を受けた項目。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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有価証券報告書
公的部門 貸借対照表 総計 （６月30日現在）
(1) (1) (1) (1) (1) (2)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
実績 実績 実績 実績 実績 予算推計
(単位：百万ドル)
資産
金融資産
現金及び預金 1,631 1,873 2,136 2,079 1,517 2,229
貸付金 4,429 4,729 3,710 4,345 4,782 5,373
投資、貸付金及びプレース
15,190 18,322 18,613 16,733 19,567 14,034
(3)
メント
売掛債権、未収金 3,747 4,140 4,190 4,976 5,825 5,225
エクイティ‐他社への投資 1,670 1,544 2,101 1,854 1,920 2,084
その他金融資産 7 18 14 13 13 13
(3)
26,674 30,626 30,764 30,001 33,624 28,959
金融資産合計
非金融資産
土地 54,084 53,233 50,870 45,508 43,809 44,701
(3)
98,636 97,324 98,534 100,294 101,099 107,535
有形固定資産
生物学的資産 316 334 334 332 345 322
在庫
土地在庫 2,281 2,172 2,065 1,902 1,852 2,025
その他在庫 3,477 4,501 4,052 3,731 4,345 3,870
無形資産 1,129 1,097 1,119 1,085 1,028 974
売却用非流動資産 879 147 135 183 59 93
投資資産 59 297 262 77 67 61
(3)
454 634 806 408 381 510
その他
(3)
161,315 159,740 158,178 153,520 152,985 160,092
非金融資産合計
(3)
187,989 190,366 188,942 183,521 186,610 189,051
資産合計
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有価証券報告書
負債
預金 52 27 26 23 11 11
貸付金受取 407 392 376 360 343 377
借入金
(1)
1,481 1,414 1,589 1,971 1,902 4,501
リース負債
その他借入金 42,771 50,438 54,431 55,408 59,072 56,278
未積立年金 7,710 8,068 7,166 6,636 7,165 6,891
その他従業員給付 3,763 3,345 3,310 3,398 3,577 3,478
買掛金、未払金 5,705 6,370 6,235 6,473 7,211 6,612
(1)
4,800 5,446 5,619 6,016 6,736 6,925
その他負債
(3)
66,690 75,499 78,753 80,285 86,017 85,073
負債合計
(3)
121,299 114,866 110,189 103,236 100,593 103,978
純資産
内訳：
払込エクイティ - - - - _ _
(3)
31,630 29,555 27,900 26,555 26,673 27,184
累積剰余金
(3)
89,669 85,312 82,289 76,680 73,920 76,794
その他準備金
(3)
121,299 114,866 110,189 103,236 100,593 103,978
純資産
覚書事項
(3)
-40,016 -44,873 -47,989 -50,285 -52,392 -56,114
正味金融資産
(3)
40,016 44,873 47,989 50,285 52,392 58,198
正味金融負債
正味債務
(3)
44,712 52,271 56,423 57,763 61,329 61,167
債務総額
控除：流動性金融資産 21,250 24,924 24,459 23,157 25,867 21,636
控除：正味債務に影響するコン
88 - - - - -
バージェンス差異
(3)
23,374 27,347 31,964 34,606 35,462 39,531
正味債務
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2)2019/20年州予算（2019年５月９日発表）。2019/20年予算に詳述する、2019/20年から実施の新会計基準の影響を含
む（予算書第３を参照のこと）。2019年６月30日現在の資産負債残高は、2019/20年州予算の時点では推定であった
が、2018/19年の最終結果により影響を受ける可能性がある。2019/20年及びその後の推定年については、2019/20年
度中間検討（2019年12月31日までに発表の予定）において修正され、開示される。
(3)2019/20年からの新会計基準の実施により影響を受けた項目。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
100/128
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有価証券報告書
公的部門 キャッシュフロー計算書 総計
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
2019/20年
(2)
(1) (1) (1) (1) (1)
予算推計
実績 実績 実績 実績 実績
(単位：百万ドル)
営業活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
税金受取 8,281 8,526 7,912 8,017 8,392 8,565
交付金及び補助金受取 9,394 8,310 8,529 9,773 11,082 11,762
財・サービスの売却による
19,860 22,009 20,847 21,407 23,693 24,145
(3)
受取
受取利息 748 667 609 604 661 689
配当及び税同額 - - - - - -
その他 8,065 7,156 8,355 8,460 8,807 9,548
(3)
46,347 46,668 46,252 48,260 52,635 54,711
現金受取合計
現金支払
賃金、給与、補足及び年金 -13,917 -14,834 -14,586 -15,101 -15,062 -15,637
(3)
-20,123 -22,112 -21,342 -21,489 -23,421 -23,610
財・サービスの支払
(3)
-1,699 -1,940 -2,068 -1,899 -2,017 -2,073
支払利息
交付金及び補助金支払 -4,001 -3,711 -3,773 -3,712 -4,129 -4,123
配当及び税同額 - - - - - -
(3)
-4,244 -4,266 -4,596 -4,581 -4,620 -4,573
その他支払
(3)
-43,983 -46,863 -46,366 -46,782 -49,248 -50,017
現金支払合計
営業活動による純キャッシュフ
2,364 -195 -114 1,478 3,386 4,694
(3)
ロー
投資活動によるキャッシュフ
ロー
非金融資産への投資からの
キャッシュフロー
非金融資産の購入 -5,777 -5,237 -5,137 -5,052 -4,965 -5,646
非金融資産の売却 913 701 576 567 654 705
非金融資産への投資からの
-4,864 -4,536 -4,561 -4,485 -4,310 -4,942
キャッシュフロー合計
101/128
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西オーストラリア州理財公社(E06033)
有価証券報告書
金融資産への投資からの
キャッシュフロー
現金受取
政策目的 18 140 14 13 21 10
流動性目的 7,056 4,850 6,136 6,189 6,495 7,219
現金支払
政策目的 -17 -16 -13 -16 -19 -10
流動性目的 -6,732 -4,457 -7,678 -7,249 -8,784 -7,928
金融資産への投資からの
325 516 -1,541 -1,063 -2,286 -709
キャッシュフロー合計
投資活動による純キャッシュフ
-4,539 -4,020 -6,102 -5,548 -6,597 -5,651
ロー
財務活動によるキャッシュフ
ロー
現金受取
貸付金受取 - - - - - -
借入金 16,256 18,612 16,150 18,015 21,444 19,900
預金受取 - - - - - -
その他財務活動受取 454 49 45 57 98 49
現金受取合計 16,711 18,660 16,195 18,072 21,542 19,949
現金支払
貸付金支払 -16 -16 -16 -16 -17 -17
借入金返済 -13,242 -11,333 -10,477 -14,181 -19,990 -18,849
預金支払 - - - - - -
(3)
-421 -391 -413 -251 -188 -438
その他財務活動支払
(3)
-13,679 -11,740 -10,906 -14,448 -20,194 -19,303
現金支払合計
財務活動による純キャッシュフ
3,032 6,921 5,289 3,624 1,348 646
(3)
ロー
現金及び現金同等物の純増 857 2,706 -927 -446 -1,863 -311
期首現金及び現金同等物 8,383 9,239 11,946 11,019 10,573 8,203
期末現金及び現金同等物 9,239 11,946 11,019 10,573 8,710 7,892
主要な財務数字総計
営業活動による純キャッシュフ
2,364 -195 -114 1,478 3,386 4,694
(3)
ロー
非金融資産への投資からの純
-4,864 -4,536 -4,561 -4,485 -4,310 -4,942
キャッシュフロー
(3)
-2,500 -4,731 -4,675 -3,007 -924 -248
現金黒字/-赤字
注： (1)州財政年次報告書で公表された実績値（毎年９月28日までに発表）。2019/20年から適用の新会計基準の影響を除
く。
(2)2019/20年州予算（2019年５月９日発表）。2019/20年予算に詳述する、2019/20年から実施の新会計基準の影響を含
む（予算書第３を参照のこと）。
(3)2019/20年からの新会計基準の実施により影響を受けた項目。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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(d) 連邦と州の財政上の関係
オーストラリアの連邦制度は、他の国の連邦制度といくつかの点で実質的に相違している。
・ オーストラリアの税収入について連邦政府が優位性を有しており、その結果連邦からの資金移転に対
(4)
する全州 の依存度が高い。
・ 州間での交付金の配分により、支出及び課税基盤の相違にもかかわらず、州は同等のサービスを提供
することが可能となっている。
・ 2018年までオーストリア連邦の制度には、オーストリア連邦、州及び特別地域の大蔵大臣の毎年の会
合で各管轄法域の借入必要額を検討、承認する「ローン評議会割当て」という独特のシステムがあっ
た。この集権的な監督は不必要になってきたという認識から、この取決めは2018年に終了した。
－ 統一表示枠組み（UPF）は、全てのオーストラリアの州、特別地域及び連邦の政府が詳細な政府
全体の財務書類（比較ベースでの予測及び結果の両方を含む。）を開示することを求める。
－ さらに、オーストラリア会計基準AASB1049「政府全体及び一般政府部門の会計報告」の要件は、
資金調達の必要額の予測及び結果の透明な開示が全ての管轄法域において利用できることを確実にす
る。西オーストラリア州の政府全体の財務開示は、本書において詳述される西オーストラリア州公的
部門財務実績に関する説明の基礎を構成する。
－ 格付会社による州財政の厳しい監視もある。
・ 連邦政府は州に対する財政的保護を提供し、必要がある場合州を支援する。例えば、
－ クイーンズランド州の洪水の後のインフラストラクチャー再建のために、すべてのオーストラリ
アの所得税納税者に臨時洪水税の賦課を導入した。
－ オーストラリア連邦最高裁判所が1997年に州売上税を憲法上無効とした際に、州を代理して
「セーフティ・ネット」の取決めに基づき税を徴収した。
－ 世界金融危機の影響が残る中、州の借入について（有料で）保証を提供した。
－ 西オーストラリア州の非常に低いGSTシェアに対処するためにひも付きでない追加資金の提供を
通じて、2019/20年以降、GSTの下限70％を実施した。
脚注：(4) 以下の「州」という用語には、特別地域を含む。
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以下の表は、西オーストラリア州への連邦政府からの交付金の詳細を示す。
(1)
連邦からの交付金
2017/18年 2018/19年 2019/20年 2020/21年 2021/22年 2022/23年
実績 実績 予算推計 将来推計 将来推計 将来推計
(単位：百万ドル)
一般目的交付金
GST歳入 2,249 3,200 3,581 3,165 3,338 5,466
(2)
- 434 814 1,824 1,900 -
連邦-下限70％の資金援助
(3)
723 916 862 692 544 436
北西大陸棚交付金
一般目的交付金合計 2,972 4,550 5,257 5,681 5,782 5,902
6,820 6,533 5,292 6,020 5,298 5,765
ひも付き交付金
連邦からの交付金合計 9,792 11,083 10,549 11,701 11,080 11,667
注：(1) 経常的交付金及び資本的交付金を含む。
(2) 2019/20年の支払の一部を、予め2018/19年に受領した。2022/23年以降は、下限は連邦から直接的ではなく、GST歳
入交付金プールの中から供給される。
(3) 原油物品税の取決めの変更に対する連邦の補償を含む。
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
出典：西オーストラリア州2019/20年予算書及び2018/19年州財政年次報告書
(e) 税制
西オーストラリア州政府は、2019/20年予算において、以下の歳入施策を公表した。
・年間所得が10万ドル以下の新規研修労働者に対する給与税控除の撤廃が2019年７月１日から廃止され、
2019/20年から2022/23年の間に推計で１億900万ドルが調達される。この措置は、既存の研修労働者の
給与税控除を撤廃し、研修生の免除を年間所得が10万ドル以下の新規労働者に限定するために、2017年
12月１日から行われた同様の変更に続くものである。これらの変更は、政府の援助の対象をより的確に
するために行われた。この施策による節約分は、訓練の場での資金に向けられた。
・大都市圏地域改良税（MRIT）の拡張案を進めず、将来推計全体に組み込まれていた2,200万ドルの収入
を除外する。ピール及びグレイト・バンベリ地域へのMRIT拡張案からの収益は、2015/16年予算以降、
この変更が法制化されていないにもかかわらず、将来推計に含まれてきた。
政府は2019年10月31日に、2020年１月１日から給与税控除の基準額を85万ドルから95万ドルに、その後
2021年１月１日から100万ドルに引上げることを発表した。実施コストを含めると、これにより2019/20年に
は一般政府の営業収支が1,550万ドル減少し、2022/23年までの４年間で総額１億7,110万ドル減少させると
予測される。この措置による財務への影響の見積もりは、2019/20年度中間検討に反映される予定である。
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(f) 借入協定
西オーストラリア州は州の機関並びに一定のその他公的及び民間企業が発行した債務を保証する（下記
「(g)借入及び偶発債務 － 西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務」を参照）。連邦と州の間の1994
年財政協定により、西オーストラリア州は自己の名において国内外市場で何らの制限も受けずに借入を行う
ことができる。
(g) 借入及び偶発債務
未償還債務
西オーストラリア州は州機関が発行した債券を保証し、貸借対照表に記録されていない将来事象により引
き起こされる負債を負担する可能性がある（以下の「西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務」を参照
のこと）。連邦と州の間の1994年財政協定により、州は国内外において自己の名において制限なしに借入を
行うことを許可されている。
借 入(６月30日現在)
公的部門合計
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
(単位：百万ドル)
銀行当座借越し 304 - - - -
(1)
1,481 1,414 1,589 1,971 1,902
ファイナンス・リース － 保証付
国内借入 42,415 49,719 54,074 55,408 59,072
(2)
52 719 357 - -
外国借入
合計
44,252 51,852 56,021 57,379 60,974
(注) 借入はすべて、西オーストラリア州大蔵大臣による保証が付されている。
注：(1) ファイナンス・リース - リース債務は、デフォルト時にリース資産に対する権利が貸主に戻るので、有効に保証
されている。
(2) 外国借入 - 2018年６月30日及び2019年６月30日現在、公的部門合計には、外貨建て借入はなかった。
出典：州財政年次報告書（毎年９月28日までに発表される。）
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
西オーストラリア州政府は、発行又は引継いだ全ての債務及び保証の履行を求められた全ての間接債務の
元本、プレミアム(もしあれば)及び利息の全額の支払を行ってきた。これらの債務は満期になると取決めら
れた通貨で即時に支払が行なわれてきた。
州はまた、適切な財務上の柔軟性を利用できる場合、余剰資金を使用した債務の繰上げ返済により、積極
的にリスク削減の機会を追求する。
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西オーストラリア州の偶発資産及び偶発債務
偶発資産及び負債は、一定の条件下で将来具体化する可能性のあるベネフィット及びコストの可能性であ
る。統合財務書類は、以下に注記する重要な定量化可能又は定量化不可能な偶発資産及び負債について引当
金を設定していない。
本項で説明される偶発事象についての詳細は、関連する機関の年次報告書にも記載されている。
以下の表は、2019年６月30日終了年度の、西オーストラリア州の重要な定量化できる偶発資産及び偶発債
務を示している。州の貸借対照表において既に定量化されている債務及び未積立年金債務はこの開示におい
て除外されている（これらの債務は既に明白に記録されているため）。州の公的部門の機関もまたさまざま
なより少額の（重要でない）偶発債務を保有する可能性があるが、これらは公的機関の年次報告書において
開示されている。
偶発資産及び偶発債務（ ６月30日終了年度）
2018年 2019年
(単位：百万ドル)
偶発資産
(a)
22 27
一般政府
(b)
20 18
公的非金融企業
合計 42 45
偶発債務
(c)
311 368
保証、補償及び抵当に基づく偶発債務
(d)
562 500
政府機関のその他の偶発債務
(e)
82 81
公立大学年金債務に関連する偶発債務
合計
955 949
(a) から(e)：以下の説明を参照。
偶発資産は通常、契約に関する訴訟の解決の見込みから構成される。典型的には、偶発債務は保証、補償
及び担保並びに法律上及び契約上の請求権から成る。最終的には、これらは財務予測にリスク又はベネ
フィットの可能性がある。偶発資産及び債務は2018/19年州財政年次報告書（ARSF）に全てが報告され、大
幅な変更はその後の財務情報の公表（2019/20年度中間検討及び四半期財務報告を含む。）において注記さ
れる。2019年６月30日現在の偶発資産及び負債について、以下で再説明する。
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(a) 定量化可能な偶発資産 ― 一般政府部門
重要な偶発資産が以下の公的機関について認識されている。
・WA保健省は、主に西オーストラリア州内の病院に州を越えて移送された患者についての1,200万ドル
（2018年：400万ドル）の偶発資産を保有している。
・水・環境規制省は、主にアーマデール市に関係する未払いの廃棄物課税に対する州の請求から受領す
る可能性のある利益に関する800万ドル（2018年：400万ドル）の偶発資産を保有している。
その他の少額の偶発資産は、700万ドル（2018年：1,400万ドル）の残額から成る。
(b) 定量化可能な偶発資産― 公的非金融企業部門
シナジー社（発電及びリテール公社）は、供給業者との契約上の紛争に起因する1,800万ドル（2018年
６月30日：1,800万ドル）の偶発資産を保有しており、この紛争は有利に解決すると予想される。
(c) 保証、補償及び抵当に基づく偶発債務
公共信託受託者共通基金
公共信託受託者共通基金への預託は毎年６月30日付で第三者のために保有される残高を含む。共通基金
に保有される残高への保証は2019年６月30日現在、合計３億5,600万ドル（2018年６月30日：２億9,900万
ドル）であった。
水道公社
水道公社は契約に基づき水道公社の任務を保証するために、通常の業務の中で銀行保証を発行してい
る。2019年６月30日現在、これらの保証の金額は1,200万ドル（2018年６月30日現在：1,200万ドル）で
あった。
(d) その他偶発債務
アスベスト被害補償基金
2015 年10月16日に、連邦大蔵大臣及びすべての州・特別地域の大蔵大臣はアスベスト被害補償基金
（AICF）のデフォルトリスクを分担する方法につき合意した。デフォルトリスク合計に対する各州及び特
別地域の分担は、（連邦が合意したとおり、デフォルトリスクの３分の１の責任を負った後）基金の創設
以来、各法域において支払われた請求額の割合を反映する。直近の保険数理評価に従い、2019年３月31日
までの12か月間に、全請求の約13％が西オーストラリア州で提出され、これは2,790万ドルの見積もり偶発
債務に相当する。デフォルトリスクを分担する取決めは財務上に直接の影響を持たず、ローンのデフォル
トシナリオは、ジェームス・ハーディーPtyリミテッド（AICFに直接責任を持つ。）が管財人の管理下に置
かれ、これ以上補償の支払いのために当該ファンドに拠出できなくなった場合のみ発生する。
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幹線道路局長
道路建設の目的で買収された土地の所有者により、及び道路工事契約に基づくサービスにつき、請求が
提起されている。2019年６月30日現在の２億9,400万ドル（2018年６月30日：２億5,000万ドル）の偶発債
務は、所有者の請求額と独立評価に基づき幹線道路局長により決定された予想決済価格の差額を反映し、
道路工事契約に基づき提供されたサービスに関して請負業者より提出されている賠償請求も含んでいる。
西オーストラリア州計画委員会
「メトロポリタン、ピール及びグレーター・バンベリ地域スキーム」の運用に基づき、土地保有者に補
償の支払いが生ずる可能性のある土地、又は西オーストラリア州計画委員会（WAPC）の所有地として取得
する不動産に対する留保がある。同委員会は、毎年、かかる補償及び取得の優先順位を定める。土地保有
者はWAPCが提供する補償に対して、仲裁又は裁判所への訴訟のいずれかにより争う場合がある。かかる紛
争の解決は、WAPCの通常の事業の一部であり、生じる追加支払は、メトロポリタン地域改良基金及び地域
土地取得資金の財源の中で管理されている。この偶発債務の現在の推定は、約7,400万ドル（2018年６月30
日：8,500万ドル）である。
WA 保健省
WA 保健省 には、4,400万ドル（2018年６月30日：3,700万ドル）の偶発債務がある。これは主に、保健省
の西オーストラリア州外の病院に州を越えて移送された病人（2,100万ドル）、南部大都市医療サービスの
施設運営の問題（1,700万ドル）及びリスクカバーから回収できない西オーストラリア州カントリー医療
サービスとの継続中の訴訟（300万ドル）から成る。
住宅補償保険
住宅補償保険（HII）の偶発債務は、鉱山、産業規制及び安全省が管理する。HIIの将来の請求債務
（FCL）は、2019年６月30日現在で保険数理上の査定をされている。FCLは現在有効なHII保険契約について
将来発生する可能性のある事象の結果生ずる可能性のある将来の請求費用の見積額である。FCLは約2,000
万ドル（2018年：2,000万ドル）と査定されている。HIIに対する定量化できない偶発債務の開示も後述さ
れる。
シナジー社（発電及びリテール公社）
シナジー社は、現在供給業者と契約上の紛争にあり、紛争の解決の時期及び財務上の影響は不明確であ
る。したがって、800万ドル（2018年６月30日：1,200万ドル）の偶発債務が開示され、これは2019年６月
30日現在の紛争からの公社の見積りエクスポージャーを示す。
各種政府機関
その他の定量化できる偶発債務には、各政府機関の年次報告書に報告されるとおり、これらの機関につ
いて総額2,700万ドル（2018年６月30日：１億1,400万ドル）の様々な法律上及び契約上の請求権を含む。
昨年の偶発債務の減少は、主に、司法省に関する変更を反映する。
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(e) 公立大学年金債務に関連する偶発債務
2000年州退職年金法(SSA)により、1987年州政府雇用者退職年金法及び1938年退職年金及び家族給付法が
廃止された。これらの法に基づき運用されてきた制度はSSAの下で継続する。州はこれらの制度の下で支払
われる給付を保証する。この保証のもとでの州政府雇用者の資格は、貸借対照表上の未積立の年金債務の一
部として認識される。しかし、公立大学の雇用者は、（連邦政府が実行する高等教育機関の国の管理を認め
て）政府全体の財政報告上は、州の雇用者ではない。
公立大学年金債務の保証は、2019年６月30日付でこれらの資格の年金数理的査定価値をもとに8,100万ド
ル（2018年６月30日：8,200万ドル）である。
定量化不可能な偶発資産
ベル回収訴訟
西オーストラリア州保険委員会は最終的にベル清算の分配手続きから具体化する偶発資産を所有すると
考える。同委員会が最終的に受領する可能性のある回収の総額はまだ確認されていない。
同委員会はまた清算人の訴訟への資金供与に関連する訴訟費用及び損害賠償に対するエクスポージャー
の可能性がある。訴訟結果の不確実性のために、報告期間末時点での同委員会に対するこれらの損害賠償
の財務上の影響の可能性を見積もるのは現実的でない。
その他 － 係争中の訴訟
多数の政府機関が現在異なる訴訟に関与しており、全て異なる段階にある。訴訟の多様性及び性質並び
にこれら訴訟の結果に関する不確実性のため、有利な結果が現れる場合に公的機関に与えられる可能性の
あるベネフィットの見込みを信頼できる程度定量化することはできない。
定量化不可能な偶発債務
汚染用地
2003 年汚染用地法に基づき、政府機関は、汚染用地を知りえたとき、及び疑いのあるときは、水・環境
規制省（DWER）に報告を求められている。同法に基づき、DWERはこれらの場所を人の健康、環境及び環境
問題へのリスクを基準に分類する。ある場所が「汚染 － 要改善」又は「汚染の可能性 － 要調査」に分
類された場合、政府機関は調査又は改善修復の費用につき責任をもつ場合がある。DWERは政府機関により
報告されている場所の分類をまだ終えていない。政府機関が分類過程の結果を査定できないため、ありう
る財務上の影響額を見積もる、又は支出の金額又は時期に関する不確実性を明確にすることは不可能であ
る。政府機関は、汚染用地が特定されるのに伴い、それを改善修復する進行中の管理計画を持つことを求
められている。
林産品委員会（FPC）
FPC は、将来契約される供給義務を満たすのに利用されるはずの、現在の松資源の不足の可能性を確認
した。2019年６月30日終了年度中、可能性、時期及び不足可能性の金額についての不確実性の程度は高
く、従って同委員会は将来起こるかもしれない潜在的な義務の信頼に足る見積りの大きさを決定すること
ができない。同委員会は緩和策の開発及び実施のために更なる分析を行っている。
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WA 保健省
被雇用者の産業労使関係報奨と賃金制度の構造の一貫性のない解釈のために、保健支援サービス
（HSS）は大都市東部保健サービスについて公休日の代休（TOIL）休暇の計算の誤りを認識した。看護師の
集団についてシステムの解決が実施された。HSSは同じくTOILを得るその他の被雇用者分類について作業中
である。この再計算の費用は、現時点では信頼性に足る見積もりができない。
住宅補償保険
上記の定量化可能なHII偶発債務に加えて、当時の商業大臣を通じて州は、以前、民間保険会社である
QBE及びコーリデン（現在はグレート・レークス・オーストラリア）と免責契約を締結した。これは建設業
者又は建設グループの死亡、破産状態又は失踪から生ずるHII制度に基づく巨額の損失に対する補償準備金
を提供した。
以前のHIIの取決めをカバーする民間保険会社との覚書は、2013年６月30日に失効した。以前のHIIの取
決めにおいては、州は1,000万ドルを超える建設業者の倒産に対する損失のために民間部門の保険会社に再
保険をかけた。これらはその後州政府が長期オプションを考慮できるように2013年10月31日まで延長され
た。
2013 年11月１日以降、州は建設業者又は建設グループの死亡、破産状態又は失踪から生ずる財務上の損
失を新たに発生するコスト基準でカバーする新たなHII保険の条項を全額引き受けている。この取決めは、
長期の市場ベースのHIIソリューションを開発する追加的な時間を提供するために、2020年６月30日まで延
長された。2015年７月１日から、HII保険契約の保険料は、鉱山、産業規制及び安全省が管理する住宅補償
保険再保険勘定に払込まれ、これらの保険契約から生ずる請求は新たに発生するコスト基準でなく、再保
険勘定から充足されている。
経済規制庁による調査
2019 年４月、経済規制庁(ERA)は、2016年３月から2017年７月の間に西オーストラリア卸電力市場(WEM)
で行われた、バランシング申請におけるシナジー社の価格設定に関する調査を終了した。ERAは、バランシ
ング申請における短期的な発電限界費用の合理的な予想を上回る価格を市場参加者が提示する行動が市場
支配力に関係する場合には、これを禁止するWEM規則の条項にシナジー社が違反したと見なした。ERAは、
シナジーがWEM規則に違反したかどうかを確定し、違反している場合、金銭的ペナルティー命令を求めるた
めに、シナジー社を電力審査委員会(ERB)に照会した。
シナジー社はこの点に関して何らかの不正行為や責任も否定し、ERBの前でERAの主張を抗弁するつもり
である。ERBが、シナジー社が市場規則に違反しているとした場合、ERBはペナルティの金額について広い
裁量権を有しているため、現段階では潜在的な賠償額を見積もることはできない。
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ジェームス・ポイント・プロプリエタリー・リミテッド
ジェームス・ポイント・プロプリエタリー・リミテッド（JPPL）は、JPPLが多目的港湾を建設、所有及
び運営し、ジェームス・ポイント港で港湾サービスを提供する予定であった契約についての違反の申立て
に関連して、州に対して西オーストラリア州最高裁判所に訴訟を提起した。
ネイティブ・タイトル
1993 年連邦ネイティブ・タイトル法(改正済)は、1975年10月31日以後に発生したネイティブ・タイトル
の権利及び利益の損失又は損害に対して補償を支払う州政府の法的責任を構成する。
2015 年６月８日、州政府は、６つの南西部ネイティブ・タイトル和解先住民土地利用協定(ILUA)を締結
した。この契約は、オーストラリア史上最大かつ最も包括的なアボリジニの土地をめぐる権利を解決する
州政府のコミットメントを表すものとして重要であった。国家ネイティブ・タイトル審判所の登録官は
2018年10月17日に６つの全てのILUAを登録したが、その後これらはさらなる訴訟の対象となっており、こ
のため最終登録及び和解の開始が遅れている。
開始には遅延があるものの、６つのILUAの登録が未処理であるまま、西オーストラリア州政府は和解開
始の条件のうち３つを満たした。これには、Noongar族を西オーストラリア州南西部の伝統的所有者として
正式に承認する、2016年WA Day付の「2016年Noongar（Koorah、Nitja、Boordahwan）（過去、現在、未
来）承認法」の宣言、2016年土地管理（南西部ネイティブ・タイトル和解）法の宣言及び西オーストラリ
ア州水関連法附則改正の官報を含む。
ILUA の最終的な登録により、この和解が開始され、西オーストラリア州南西部におけるネイティブ・タ
イトルの権原主張はすべて解決される。和解の開始は、 Noongar 共同体への 交渉による利益パッケージの見
返りとして、西オーストラリア州政府及び土地利用者に、ネイティブ・タイトルの権利と利益を放棄し、
西オーストラリア州南西部に対する全ての「将来の行為」義務を撤廃することによって、長期的な費用便
益をもたらすであろう。
パース空港Pty リミテッド
2016 年４月に、公共輸送局は、パース空港Pty リミテッドに対して、パース空港内外でフォーレスト
フィールド空港リンク・プロジェクトの建設に関連して発生する身体障害、第三者物品損害及び間接的損
害によりパース空港Pty リミテッドが被る又は負担する損害又は債務に関して補償を供与した。公共輸送
局はこの補償に基づく請求に対する州のエクスポージャーを減らすために適切な保険を備えている。
南部港湾局バルク・ローダー
南部港湾局は、BHPビリトン・ニッケル・ウェスト社向けのバルクのニッケルを積込む契約を締結して
いる。BHPビリトン・ニッケル・ウェストは、現在エスぺランスからバルクのニッケルを輸出していない。
しかしながら、この状況は変わるかもしれない。港湾局の責任状況は決定されておらず、契約の取決めに
基づく請求がある場合の財務上の影響（あるとすれば）を決定するために現在利用可能な情報は十分でな
い。
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シナジー社（発電及びリテール公社）
シナジー社は、アスベストの危険性が認識されるより前に、その絶縁性と耐火性のためにアスベストを
利用した火力発電所のポートフォリオを運営している。シナジー社は、適切にアスベストを管理する最新
の工程を有し、継続的にこれらのリスクに対処している。しかし、アスベストから生まれる病気、例えば
石綿症は進むのに長い年月がかかる可能性がある。そのためシナジー社は、過去において同社の火力発電
所の１つにおいてアスベストに接触した労働者及びその他請負人に対して債務を負う可能性がある。労災
保険及び第三者損害賠償責任保険はこの債務可能性の全額をカバーしない。従って、シナジー社の作業場
の１つにおいてアスベストに晒されたことから出現する可能性がある診断が未確定の疾病に対して偶発債
務が発生する。この債務の大きさは全く不確実で、何らかの正確性をもって計量することはできない。
児童性的虐待の被害者による民事訴訟に関する法定出訴期間の撤廃－2018年民事責任法の改正（児童性的
虐待訴訟）
過去の児童性的虐待の被害者による民事訴訟の法定出訴期間を撤廃するための「2018年民事責任法の改
正（児童性的虐待訴訟）」が2018年７月１日施行された。法定出訴期間の撤廃により、虐待が発生した組
織（州設立の機関を含む。）は損害賠償請求の可能性にさらされる。この改革の実施は、結果として生じ
る訴訟の解決に合わせて発生ベースで査定され、資金の積立てが行われる予定の、州に対する定量化でき
ない債務を意味する。州政府はまた、「組織的児童性的虐待に対する全国救済制度」に基づく将来の請求
のために、資金を保有する口座を設定した。これはこの偶発債務から発生するいかなる潜在的な民事上の
責任からも独立している。
州全体の建造物被覆監査
2017 年９月、鉱山、産業規制及び安全省は、可燃性の建造物被覆による危険性について全ての政府省庁
及び機関に連絡し、それぞれの建物ポートフォリオについて監査を行うことを要求した。直近で公表され
た結果は、レビューをされた範囲の建造物の結果であり、50の建造物について詳細なリスク査定の後合格
であり、14の建造物は修繕措置が必要であり、２つの建造物について修繕措置が完了している。修繕の内
容及び費用は不確実であり、現時点では定量化できない。
その他訴訟
多数の政府機関は現在異なる訴訟手続きに関与しており、すべてが様々な段階にある。請求の多様性及
び性質のために、これらの訴訟のありうる結果については不確実性があり、州が法的責任があると判明し
た場合、影響の可能性を確実に計量することはできない。
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その他偶発債務
偶発債務は、様々な法令に基づき一定の状況下で、随時発生する可能性がある。かかる将来の債務の可
能性についての状況は変動し、法に基づく条項により義務の可能性が発生する場合、より詳細に数量化さ
れる可能性がある。
既に完了している、又は間もなく完了するインフラストラクチャー・プロジェクトに関連する工事又は
業務に関して請求が発生する可能性がある。請求は通常、交渉期間があり、取り下げられる、その後（２
当事者間で合意される金額で）和解される、又は訴訟による等の代替的な解決過程へ進む。費用が交渉さ
れ、請求が解決した場合、これらは財務書類に反映される。
オーストラリア会計基準の改正
オーストラリアの会計基準制度はダイナミックであり、オーストラリア国内及び海外の財務報告の発展に合わせ
て更新されている。
2019年１月１日以降に開始する報告期間については、３つの新しい基準が適用されるため、2019/20年予算では
その影響が推定されており、政府機関及び政府全体の予測に含まれている。これらの基準は以下の通りである。
・ AASB第16号：「リース」。これはオペレーティング・リース及び関連するリース資産を初めて貸借対照表
に組み入れる。
・ AASB第15号：「顧客との契約から生じる収益」。これは、特に顧客との契約から生じる収益の性質、金
額、時期及び不確実性についての、収益認識規則を改定する。
・ AASB第1058号:「非営利事業体の所得」。これは、特に公的部門の事業体について、新しいAASB第15号の規
則の一部を簡略化したものである（顧客との契約の概念が曖昧になりうる場合）。
これらの変更は避けられず、オーストラリアの公的部門及び民間部門両方の財務報告に適用されることに留意す
ることが重要である。オーストラリアの新しい会計基準はまた、国際財務報告基準の更新に合わせて変更されてい
る。全ての州及び特別地域は、2019/20年予算において、新基準を組み込む予定である。
新基準を適用した結果、州及び特別地域の経済又は法的状況に重大な変更はない。さらに、支払リース及び収益
認識時期の見直しによる影響は、現金ベースで現行の会計基準に基づき作成された予測からほぼ変更がない。その
結果、州の信用格付は新基準から変更されることはなさそうであり、信用格付会社は、これらの測定の変更を「通
して見る」ことが期待される。
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AASB 第16号：リース
AASB第16号は、ファイナンス・リースの取扱いと同様に、オペレーティング・リースを金融債務として計上する
ことにより、貸借対照表上の借入金（従って、純負債）の価値を増加させる。
オペレーティング・リースは、公的部門と民間部門の両方の事業体にとって、何十年もの間、標準的な金融手段
であった。西オーストラリア州の公的部門にとり、これらのリースは典型的な賃貸契約であり、通常、事務所設
備、公務員の地域住宅、車両フリートの契約及び機器の賃借(コピー機から電力購入契約を通じた主要な経済プラ
ントまで)を利用する目的で使用されてきた。
AASB第16号は、2023年６月30日現在の公的部門の純債務総額の予測に22億ドルを加える。
AASB 第15号：顧客との契約から生じる収益及びAASB第1058号：非営利事業体の所得
この２つの基準からの主な変更点は、時間の経過とともに認識されるいくつかの収益の時期及び一部の収益と費
用の「グロスアップ」である。これらの変化は、経時的な営業収支に関しては、おおむね中立である(ただし、プ
ロジェクト工事の前払いされるインフラストラクチャー資金など、個々の年度は収入を受領する支出のタイミング
に応じて前後する可能性がある)。これらの変更は収入のタイミングに影響を与えるが、現金収入には影響しない
ので、純負債には重大な変化はない。
これらの基準の下では、事業体が顧客に提供する前に財又はサービスを「支配」している場合には、収益を認識
しなければならない。実務的には、これらの変更が2019/20年予算にもたらす重要な影響は、以下の通りである。
・ 州が第三者の代理人としての関係のみで活動し、原資産に対して支配力を行使しない場合(例えば、一般政
府の営業収入及び費用は、地方政府及び非政府学校のために通過移転する連邦資金を削除するために相当
する額だけ減額される。)、収入及び費用を除去する。
・ 過年度に前払いされた連邦歳入(最近の交通機関や病院インフラストラクチャーの資金など)を認識せず、
その後、その作業についての支出に合わせて将来年度に認識する。
・ 対価の受給権が発生した時点、又は顧客に財若しくはサービスが提供された時点で収益を認識する（特
に、これは非現金の貴金属取引(主に金の在庫)並びに現金取引を測定する、公的非金融法人部門における
金公社の収入及び費用をグロスアップする)。
予算のバックキャスティング・データ
過年度のAASB第16号のデータは存在しないが、現行の会計基準に基づくオペレーティング・リース契約は、AASB
第16号と広く整合的な一連の指標を提供するために、州の過去の一連の純債務を調整する基礎を提供する。オペ
レーティング・リースのコミットメント・データは、（費用の）AASB第117号「リース」の測定規則（新AASB第16
号の測定規則とは著しく異なり、明確ではない）に基づき、2008年６月30日から公的部門の財務諸表の注記におい
て利用可能である。このデータは変動が激しく、公的機関の年次報告書への重大な修正（最新の測定方法、公的機
関の監査に伴う変更、外部の会計アドバイザーからの助言などの問題を反映）を受ける。
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以下の表は、西オーストラリア州の一連の純債務の推移を示したものである。
６月30日現在西オーストラリア州純債務バックキャスト
2008 年６月30日から2018年６月30日まで
( 単位：百万ドル)
2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
一般政府部門
AASB第16号前
の６月30日現
在純債務
-3,409 -2,618 -1,076 236 2,050 4,742 6,973 9,306 13,717 18,820 21,737
GFSコンバー
ジェンス差額
を追加 88 88 88 88 88 88 88 88 - - -
オペレーティ
ング・リース
のコミットメ
ント 2,770 2,917 3,072 3,295 2,808 2,833 2,969 2,991 3,094 3,030 2,994
2019/20年予
算 -551 388 2,085 3,619 4,946 7,662 10,031 12,385 16,810 21,850 24,731
公的部門合計
AASB第16号前
の６月30日現
在純債務 3,634 6,688 9,896 12,026 14,523 18,188 20,754 23,374 27,347 31,964 34,606
GFSコンバー
ジェンス差額
を追加 88 88 88 88 88 88 88 88 - - -
オペレーティ
ング・リース
のコミットメ
ント 1,848 2,012 1,690 5,272 3,890 3,471 3,410 3,211 3,099 2,317 2,084
2019/20年予
算 5,570 8,788 11,674 17,386 18,501 21,748 24,253 26,673 30,446 34,280 36,690
2007/08年から2017/18年の西オーストラリア州財政年次報告書（ARSF）。これらの財政年次報告書
出典：
の注記において開示され、現行の会計基準に合わせて評価・報告されたオペレーティング・リース
のコミットメントで調整済（AASB第117号基準による測定）。個々のARSFの最終版の後、公的機関年
次報告書で公表された修正を含む。
2016/17年選挙前財政予測書がAASB第16号の影響を含めるために修正された場合、前政権下の公的部門純債務の
合計は、報告された411億ドルの予測値と比較して推計437億ドル増加したであろう。これは、予算書で報告された
AASB第16号採用前後の2020年６月30日現在の純債務の予測より41億ドル多い。
収益基準（AASB第15号及び第1058号）改正に対する影響は、以下のようにバックキャストされる。
・ 州が単純に第三者の「郵便ポスト」である場合、州全体の発生主義財務報告の時系列から収益及び費用の
除去
・ インフラストラクチャー・プロジェクト及びその他の将来年度の活動に対して(2014/15年から2018/19年
に)前払いされた連邦資金は、裏付けとなる仕事の支出と対応させるように時間を調整された。
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州が第三者の「郵便ポスト」として行為する取引の除去は、連邦に代わり州が地方政府及び非政府学校に渡すひ
も付き交付金に限定される。この場合、営業収支に影響を与えることなく、収入及び費用は同額が減額される。以
下の表は、関連する支出と対応させるために時間を調整した連邦の交付金の影響を要約したものである。これらの
変化は長期的には中立だが、調整した年度の収益と営業収支に影響を与える。
一般政府歳入への調整
支出に先立ち受領した連邦交付金
( 単位：百万ドル)
2014/ 2015/ 2016/ 2017/ 2018/ 2019/ 2020/ 2021/ 2022/
合計
15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年
インフラストラクチャー
資金調達
METRONET - - - -501 - 231 350 -147 67 -
GST補給交付金：
フォーレスト・
フィールド空港リン - -490 279 211 - - - - - -
ク
道路 -499 178 -26 155 69 104 18 1 - -
保健インフラストラ
- - - -188 7 19 60 48 25 -30
クチャー
経常資金
教育-大学アクセス - - - - 12 -14 2 - - -
収益に対する調整合計 -499 -312 253 -324 88 340 431 -98 92 -30
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
他のわずかな変更が収益及び費用に適用されるが、全体的な営業上の影響の面からは重要ではない。
一般政府営業収支
新会計基準の影響
( 単位：百万ドル)
2014/ 2015/ 2016/ 2017/ 2018/ 2019/ 2020/ 2021/ 2022/
合計
15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年
会計基準の変更前 -431 -2,021 -2,474 -618 466 1,224 2,170 2,237 2,459 3,012
会計基準の変更後 -930 -2,333 -2,221 -942 553 1,533 2,579 2,133 2,554 2,927
差異 -499 -312 253 -324 88 309 409 -104 95 -85
(注) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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(8) 【オーストラリア連邦の概況】
１ 政治及び外交
(a) 国家組織及び政党
オーストラリア連邦は1901年１月１日に、ニュー・サウス・ウェールズ、ビクトリア、クイーンズラン
ド、南オーストラリア、西オーストラリア及びタスマニアの６つの英領植民地が、英国議会で制定された
オーストラリア連邦憲法に基づいて「連邦」の州として統合されることによって、連邦国家として誕生し
た。これら諸州に加えて、オーストラリア首都特別地域(首都であるキャンベラを含む。)、オーストラリア
北部特別地域、ノーフォーク島、ココス(キーリング)諸島及びクリスマス島などの特別地域(Territories)
がある。ココス諸島及びクリスマス島は連邦政府により直接統治されている。
オーストラリアにおける連邦の立法権は、上院及び下院で構成される連邦議会に付与されている。オース
トラリアにおいて女王の権威を代表する者は連邦総督である。上院議員及び下院議員は共に全有権者の義務
投票によって選出される。上院議員は６年を任期として６州から12名ずつ選出される。各州から選出された
上院議員は３年ごとにその半数が改選される。さらに、オーストラリア首都特別地域及びオーストラリア北
部特別地域からそれぞれ２名ずつの上院議員が選出されており、これら４名の上院議員の任期は次回の下院
の総選挙までとなっている。下院は、３年を超えない期間を任期とする150名の議員により構成される。各
州の下院議員の定員はほぼその人口に比例している。一定の場合には連邦総督は上下両院を同時に解散する
ことができる。
下院が先議権を有する予算法又は税法に関する場合を除き、上院は下院と同等の権限を有している。税法
及び政府の経常サービスに関する予算法については、上院は修正権は有しないが、これを否決し又は修正要
求を付して下院に差し戻すことができる。
憲法上、連邦議会は特定の事項、例えば国防、外交、外国及び州相互間の貿易・通商、外国会社、オース
トラリア内に設立された商社又は金融会社、関税及び物品税、郵便・電信・電話といった郵政事業、通貨、
銀行業務、保険、移民、年金及び社会サービスに関する法律を制定する権限が与えられている。これらの権
限のうちいくつかは州議会の権限を排除して専権として連邦議会に与えられている。その他の権限は連邦議
会と州議会によって並行的に行使されているが、連邦議会によって制定された法律は（その権限の範囲内
で）、連邦法と州法との間に不一致がある場合はいつでも州法に優先する。連邦議会に付与されていない権
限は、憲法上一定の制限を受けるが州に帰属する。
連邦の行政権は憲法上形式的には総督に付与されている。連邦行政評議会が、オーストラリアの統治に関
して総督に助言することを目的として設けられている。この評議会は首相及び他の国務大臣によって構成さ
れている。各大臣は両院いずれかの議員であり、例外的な場合を除き、下院において過半数を占める政党又
は連合政権に属する政党の党員である。連邦政府はこれらの大臣によって構成されており、実際上の行政権
は首相と国務大臣により行使されている。
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2018年８月下旬、政権党であるオーストラリア自由党の引続く派閥間の緊張が、党首であるマルコム・
ターンブル氏の地位への挑戦を成功させた。前オーストラリア大蔵大臣であるスコット・モリソン氏がその
後自由党の党首に選ばれた。オーストラリア下院の過半数の議席を占める政党の党首として、スコット・モ
リソン氏は連邦総督により組閣の要請を受け、第30代オーストラリア連邦首相に宣誓就任した。自由党/国
民党の連立は、2019年５月18日に行われた連邦選挙まで続いた。選挙の結果、自由党/国民党の連立改造政
権となった。ほぼ３年間、世論調査では一貫して連立が劣勢であったので、この結果は番狂わせと見られ
た。2001年以来初めて、オーストラリアの連邦政府が、３期連続の任期を獲得した。
2019年11月30日現在の連邦議会の議席の内訳は以下のとおりである。
上 院 下 院
連立（政権） 35 オーストラリア・グリーンズ党 1
オーストラリア労働党 26 オーストラリア労働党 68
オーストラリア・グリーンズ党 9 センター・アライアンス 1
センター・アライアンス 2 無所属 3
無所属 1 カッター・オーストラリア党 1
ジャッキー・ランビー・ネット
1 クイーンズランド自由国民党 23
ワーク
ポーリン・ハンソンのワン・ネー
2 オーストラリア自由党 44
ション
国民党 10
合 計 76 合 計 151
出典：オーストラリア議会
オーストラリアにおける司法権はオーストラリア高等裁判所、その他の連邦裁判所並びに州及び特別地域
の裁判所に付与されている。一定の限定された事項に関して、高等裁判所は第一審裁判管轄権を有してい
る。高等裁判所はまた、連邦裁判所並びに各州及び特別地域の上級裁判所からの上訴につき管轄権を有す
る。
(b) 外交関係
オーストラリアの外交政策の基本は、自由で民主的な国家として繁栄し、オーストラリア並びに諸外国に
とって平和で繁栄的な環境の形成を助けることにある。オーストラリア政府は、他国との関係において体制
の違いは無視できないが、逆にそれだけがオーストラリアの政策を決定するものではないと考えている。共
通の価値観並びに思考があれば協調は容易であるが、それがないからといっても共通の利害関係さえあれば
協調できないという訳ではない。
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したがって、オーストラリアは、すべての諸外国、なかんずく、オーストラリアと目的を同じくする諸国
と友好的、協調的な関係を樹立し、世界の緊張緩和を目指す国際的な動きを全面的に支援するのをいとわな
い。国際連合、英連邦、その他の国際機関への加盟もオーストラリアの外交政策の重要な柱となっている。
上記諸機関並びに二国間関係においては、オーストラリアは近隣諸国との協調、世界の一般的緊張緩和及び
国際平和並びに安全保障の促進を通じて安全保障の推進と発展を目指している。
次の表は2018年11月現在オーストラリアが加盟している主な国際機関を示す。
主な金融機関
加盟年
・世界銀行グループ
- 国際復興開発銀行
1947
- 国際金融公社
1956
- 国際開発協会
1960
- 投資紛争解決国際センター
1991
- 多数国間投資保証機関
1999
・国際通貨基金（IMF） 1947
・アジア開発銀行 1966
・欧州復興開発銀行 1991
・アジアインフラ投資銀行 2015
主な非金融機関
加盟年
・国際連合
1945
・関税及び貿易に関する一般協定 1948
・イギリス連邦 1949
・経済協力開発機構 1971
・アジア太平洋経済協力（APEC） 1989
・ASEAN地域フォーラム 1994
・世界貿易機関 1995
・アジア太平洋フォーラム 1996
・環インド洋連合 1997
・G20 2008
・MIKTA（メキシコ、インドネシア、韓国、トルコ
2013
及びオーストラリア）
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２ 経済
(1)
(a) 国の経済見通し
オーストラリア経済は、一般政府及び家計消費並びに輸出の成長が牽引し、予想より広い基盤の源泉によ
る成長に向けた移行が起きつつあり、2018/19年中1.4％の成長であった。連邦の経済状況に対する最新で公
表された見通しは、2018年５月８日に発表された2018/19年予算におけるものであった。
西オーストラリア州同様、オーストラリア経済は成長が予想される。オーストラリアは2019/20年及び
2020/21年に実質ベースで2.75％の成長が見込まれる。オーストラリア経済は、世界経済（特にオーストラ
リアの主要貿易相手国）のプラスの見通しにより支えられている。国際通貨基金及びOECDは成長見通しを引
き下げる修正を行っているものの、世界全体の成長は金融緩和政政策及び堅調な労働市場により引き続き支
えられている。
雇用の継続的成長、賃金増加の回復、歴史的に低い金利及び連邦政府による個人所得税減税の措置（これ
は家計の可処分所得を支えるであろう。）に支えられ、国全体の家計消費は予測期間に回復が予測される。
連邦大蔵省は、消費の成長が2020/21年に３％に達する今後数年間の上昇を予想する。
住宅投資は、歴史的に見て高い水準を維持するものの、予測期間に成長から減少が予想される。これは
2018年に強化され、2019年にも継続した住宅価格の下落によるもので、一部供給と需要の均衡の取戻しを反
映する。価格の下落は、当該期間、シドニー及びメルボルンにおいて最大であった。したがって、住宅投資
は2019/20年に７％、2020/21年に４％の減少が予想される。
オーストラリアの雇用は、労働市場の好調さを反映し、2018年９月から2019年９月に2.4％成長した。雇
用の伸びは2019/20年及び2020/21年には1.75％と減速し、その後2021/22年及び2022/23年には1.5％へと低
下すると予測される。失業率は今後５％と予測されるが、WPIは2019/20年に2.75％増加し、2020/21年には
3.25％、2021/22年及び2022/23年には3.5％と増加が予想されている。賃金の増加は抑制されているが、経
済成長が潜在的なペースを上回り上昇し、雇用が増加するのに伴い、増加が予想される。
インフレ率は、今後上向くが今年は約1.5％であり、低い賃金上昇、小売業者間の持続的競争、賃貸価格
の伸びの低迷並びに電気通信機器及びサービスの価格低下に合わせて、オーストラリア準備銀行の目標幅
（２％から３％）内に維持されると予想される。インフレ率は2019/20年に2.25％、その後約2.5％を維持す
ると予想される。
公的最終需要は、「国家障害保険制度」の完全なスキームへの移行、並びに州・特別地域及び連邦の双方
による好調なインフラ投資（輸送プロジェクトへの巨額投資を含む。）を反映し、2019/20年に3.25％及び
2020/21年に３％の成長が見込まれる。
脚注：(1) この見通しは2018/19年連邦予算 から抜粋したものである。
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(b) 産業構造及び主要産業の最近の状況
次の表は、2018/19年に終了した５年間の国内総生産を産業構成要素別に示したものである。
産業別粗付加価値国内総生産 － ６月30日終了年度(時価)
(単位：百万ドル)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
農業、林業、漁業 38,546 39,909 47,621 45,418 40,605
鉱業 107,790 96,776 133,589 151,403 185,754
製造業 102,192 100,933 102,191 106,848 109,979
電気、ガス、水道及び廃棄物 41,671 41,046 43,823 46,281 48,797
建設業 132,471 131,333 133,559 141,667 146,130
卸売業 64,511 66,463 69,045 70,559 71,353
小売業 71,205 73,530 75,822 77,521 79,257
宿泊及び飲食業 38,543 40,390 41,267 42,661 44,648
運輸、郵便及び倉庫業 78,141 80,141 83,246 85,545 90,105
情報メディア及び電気通信業 43,735 44,000 43,813 44,330 42,883
金融及び保険業 138,430 145,301 152,282 160,971 169,440
賃貸及び不動産業 46,539 50,156 53,116 54,560 58,007
専門家、科学技術サービス 106,977 109,011 118,547 126,274 129,360
管理及び支援サービス 52,853 53,469 56,405 61,293 67,100
行政及び安全 84,562 91,226 93,157 95,653 100,905
教育及び訓練 77,428 80,819 83,624 87,295 91,237
保健及び社会扶助 108,400 112,969 119,362 127,111 136,792
芸術及び娯楽サービス 13,378 13,809 14,112 15,054 15,762
その他サービス 29,870 29,891 31,250 32,560 34,673
住宅所有 138,635 142,722 147,937 152,707 156,579
全産業合計 1,515,877 1,543,894 1,643,768 1,725,711 1,819,368
全産業税金マイナス補助金合
108,724 116,820 119,859 124,169 124,394
計
全産業統計誤差合計 0 0 0 0 3,484
合計 1,624,601 1,660,714 1,763,627 1,849,880 1,947,246
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0、表10
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(c) 通貨・金融制度
通貨制度
オーストラリア連邦の憲法は発券権を連邦政府に与えている。オーストラリア通貨の発行量に関する法
令上の制限は存在せず、需要に応じて発行量は自由に変動させうる。オーストラリアの銀行券はオースト
ラリア準備銀行(「準備銀行」)によって５ドル、10ドル、20ドル、50ドル及び100ドルの券種で印刷及び
発行され、準備銀行の全支店における発券センターを通じて商業銀行に配付される。
銀行制度
オーストラリアの銀行制度は、中央銀行(準備銀行)、商業銀行、貯蓄銀行及び特殊銀行で構成されてい
る。一般に、中央銀行である準備銀行の義務、権限、業務は諸外国の中央銀行の場合と同様である。すな
わち紙幣の管理及び発行、通貨及び流動性の管理政策、連邦政府証券の市場操作、連邦のための金融並び
に国庫代理業務及び為替管理の運営等である。また、準備銀行は銀行預金者の利益を保護する義務があ
る。準備銀行のすべての負債の支払に対しては、連邦が法的責任を負っている。
その他の金融機関及び資本市場
銀行以外の金融機関のうち比較的重要なものは、生命保険・損害保険会社、年金基金、金融会社、恒久
住宅信用協会、信用組合、融資業者及び短期資金市場の公認ディーラーである。これらの金融機関はオー
ストラリアの金融部門の資産の過半を占める。1980年以来、キャッシュ・マネジメント・トラストが民間
部門における投資先として重要性を増してきている。これらの機関は共に広範囲な金融サービスを行い、
金融制度の発展並びにオーストラリア経済の発展に重要な貢献をしてきた。
３ 貿易及び国際収支
(a) 概況
オーストラリアの経済において、外国貿易は重要な役割を果たしている。2018/19年までの５会計年度に
おけるオーストラリアの貿易・サービス収支は次の表に示すとおりである。
貿易・サービス収支（時価）
(単位：百万ドル)
2014/15年 2015/16年 2016/17年 2017/18年 2018/19年
輸出 324,739 319,105 374,201 403,910 470,648
輸入 -349,766 -356,039 -362,964 -396,217 -421,405
純輸出 -25,029 -36,934 11,239 7,696 49,243
出典：オーストラリア統計局、目録5220.0、表１
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(b) 商品及び地域別輸出入
2018/19年までの５年間のオーストラリアの産業別輸出入の構成は次のとおりである。
主要商品別輸出 － ６月30日終了年度
(単位：百万ドル)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
輸出(FOB価格)
農業 14,660 14,333 16,975 15,535 15,062
農業に対するサービス 1,624 1,341 1,926 2,221 2,762
森林及び材木 324 450 632 651 719
商業漁業 340 422 377 457 511
石炭鉱業 37,882 34,543 54,237 60,380 75,179
原油及びガス採掘 25,856 22,309 28,090 38,211 64,135
金属鉱業 67,578 59,036 72,659 73,107 100,123
その他鉱業 840 982 1,219 2,093 2,263
食品、飲料及びタバコ製造 25,774 26,917 27,367 29,220 33,975
繊維、衣料、履物及び
2,335 2,281 2,044 2,143 2,220
皮革製造
木材及び紙製品製造 1,197 1,342 1,354 1,555 1,922
印刷、出版及び記録メディ
275 310 300 315 335
ア
石油、石炭、化学及び
8,906 8,893 9,692 11,222 14,593
関連製品製造
非金属鉱産物製品製造 207 218 221 230 264
金属製品製造 32,772 34,203 37,528 40,877 50,175
機械及び機器製造 13,262 13,987 13,868 14,378 17,089
その他製造業 1,795 2,300 2,263 2,080 2,524
その他(上記以外) 18,925 19,556 20,128 19,804 23,125
輸出合計 254,552 243,423 290,880 314,479 406,976
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0、表32a及び表35a
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主要商品別輸入 － ６月30日終了年度
(単位：百万ドル)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
輸入(税関価格)
農業 1,481 1,604 1,677 1,666 1,808
農業に対するサービス 9 9 11 10 11
森林及び材木 106 127 120 152 153
商業漁業 155 163 167 175 178
石炭鉱業 34 26 39 71 60
原油及びガス採掘 15,027 7,882 8,861 12,028 13,776
金属鉱業 655 762 960 1,227 816
その他鉱業 337 323 251 247 251
食品、飲料及び
15,298 17,077 16,998 17,635 19,605
タバコ製造
繊維、衣料、履物及び
14,686 16,909 16,273 16,615 18,647
皮革製造
木材及び紙製品製造 5,077 5,385 5,186 5,557 5,885
印刷、出版及び記録メディ
1,664 1,726 1,581 1,595 1,532
ア
石油、石炭、化学及び
51,511 52,105 53,740 59,212 65,432
関連製品製造
非金属鉱産物製品製造 2,817 3,243 3,160 3,369 3,499
金属製品製造 22,573 23,210 21,635 23,045 22,756
機械及び機器製造 74,980 77,414 74,030 84,319 91,311
その他製造業 8,634 9,757 9,413 9,809 10,652
その他(上記以外) 7,159 4,938 7,690 12,248 5,412
輸入合計 256,969 263,262 264,007 301,161 306,665
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0、表32a及び表35a
(注) オーストラリア統計局は、輸出を「本船渡し」(f.o.b.)ベース(商品が物理的にオーストラリアを離れるときの価格、
すなわち主なオーストラリアの輸出港におけるf.o.b.)で、輸入を「税関価格」で測定する。
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(1)
地域別貿易（輸出）の割合（％） － ６月30日終了年度
輸出 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
中国 29.4 30.8 32.7 33.6 36.0
日本 17.3 14.5 14.2 15.3 15.6
韓国 7.1 7.0 6.7 6.6 6.7
インド 3.8 3.9 5.2 5.1 4.3
台湾 2.6 2.5 2.8 2.9 3.3
アメリカ合衆国 5.0 5.4 4.1 3.7 3.8
香港 3.6 3.6 4.4 3.6 2.1
ニュージーランド 3.2 3.5 3.0 2.9 2.7
シンガポール 3.2 2.2 2.0 2.5 2.8
インドネシア 2.0 2.0 2.1 2.1 1.7
その他 22.8 24.4 22.8 21.6 20.9
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
(1)
地域別貿易（輸入）の割合（％） － ６月30日終了年度
輸入 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
中国 22.2 23.3 23.1 22.5 25.4
アメリカ合衆国 7.1 7.3 7.8 7.3 7.2
日本 5.5 5.0 4.2 7.2 4.0
韓国 1.5 1.8 1.7 1.8 1.6
タイ 1.9 1.7 1.6 1.4 1.7
ドイツ 10.7 11.4 11.2 9.9 10.7
マレーシア 0.5 0.4 0.3 0.4 0.2
シンガポール 3.0 2.9 2.9 2.6 2.6
ニュージーランド 4.2 2.9 3.1 3.1 3.5
英国 2.1 2.2 1.7 1.5 1.6
その他 41.5 41.2 42.4 42.3 41.5
合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
出典：オーストラリア統計局、目録5368.0、表14ａ及び表14ｂ
注:(1) 四捨五入のため、合計は計数の和に一致しない場合がある。
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(c) 日本との貿易
日本は、2018/19年にオーストラリアの輸出の15.6％を占める、オーストラリアにとり中国に続き２番目
に重要な輸出市場である。日本への輸出額は2018/19年に581億ドルであり、これは前年より100億ドル以上
の増加であった。
日本は、2018/19年に、４％のシェアを占めるオーストラリアの第４位の輸入元であった。2018/19年の輸
入額は221億ドルであった。
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(d) 国際収支
次の表は2018/19年までの５年間のオーストラリアの国際収支を示している。
国際収支 － ６月30日終了年度
(単位：百万ドル)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
経常取引
商品輸出 255,464 244,029 291,464 315,257 373,104
商品輸入 -268,719 -271,563 -277,833 -302,404 -319,192
貿易収支 -13,255 -27,534 13,631 12,853 53,912
サービス受取 69,210 75,692 82,276 88,069 96,787
サービス支払 -80,725 -85,933 -85,056 -93,356 -100,516
サービス収支(純額) -11,515 -10,241 -2,780 -5,287 -3,729
貿易・サービス収支 -24,770 -37,775 10,851 7,566 50,183
所得・移転収支受取 61,731 61,061 63,714 68,098 79,167
所得・移転収支支払 -96,722 -101,224 -113,386 -126,923 -141,351
所得・移転収支(純額) -34,991 -40,163 -49,672 -58,825 -62,184
経常収支 -59,761 -77,938 -38,821 -51,259 -12,002
資本及び金融勘定
資本移転 -531 -695 -580 -849 -811
非金融資産移転 12 26 141 169 40
資本勘定 -519 -669 -439 -680 -771
直接投資 40,186 61,924 65,093 61,773 68,774
ポートフォリオ投資 47,623 -35,283 18,179 13,959 -81,878
その他投資 -33,406 55,111 -22,910 -15,222 42,128
金融デリバティブ 4,930 -4,211 -1,280 -11,282 -8,447
準備資産 2,122 2,394 -19,630 8,952 3,785
金融勘定 61,455 79,935 39,452 58,180 24,363
誤差脱漏 -1,174 -1,328 -192 -6,242 -11,590
資本・金融勘定収支 60,936 79,266 39,013 57,500 23,592
(注) 上記の表は、前述の表とは異なる情報源を利用しており、方法及び時期が異なるため数値は一致しない。
出典：オーストラリア統計局、目録5302.0、表30
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(e) 外貨準備
表示日現在におけるオーストラリアの公的外貨準備は、次のとおりである。
公的外貨準備 － ６月30日現在
(単位：百万ドル)
2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
外貨 55,652 59,296 73,735 65,139 64,910
金 3,915 4,566 4,146 3,739 4,440
その他 7,715 5,771 6,197 6,912 8,120
合計 67,282 69,633 84,078 75,790 77,470
合計（米ドル相当額） 51,672 51,710 64,673 56,016 52,824
出典：オーストラリア準備銀行2019年年次報告書
(f) オーストラリア・ドルの為替レート
1983年12月の変動相場制移行後、オーストラリア・ドルは個々の通貨に対してかなり不安定な動きを見せ
たが、加重貿易指数においてはより安定的な水準の付近で取引された。1984年１月から2019年11月までの加
重貿易指数は、最低は2001年に記録された46.4、最高は1984年３月に記録された85.6で、平均61.6であっ
た。
1983年末の変動制への移行後、豪ドルは米ドルに対して大きな幅で取引されたが、最高値は2011年７月の
1.11米ドル、最低値は2001年４月の0.48ドルであった。最近では変動相場制移行後の平均である約0.74米ド
ルよりわずかに低い米セントで取引されている。
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