株式会社エードット 有価証券報告書 第7期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)
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株式会社エードット(E34748)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年9月27日
【事業年度】 第7期(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
【会社名】 株式会社エードット
【英訳名】 ▶ dot co.,ltd
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 伊達 晃洋
【本店の所在の場所】 東京都渋谷区松濤一丁目5番3号
(2019年7月1日から本店所在地 東京都渋谷区渋谷二丁目16番1号が上記
に移転しております。)
【電話番号】 03-6865-1322
【事務連絡者氏名】 管理部部長 小松 信哉
【最寄りの連絡場所】 東京都渋谷区松濤一丁目5番3号
【電話番号】 03-6865-1322
【事務連絡者氏名】 管理部部長 小松 信哉
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
回次 第3期 第4期 第5期 第6期 第7期
決算年月 2015年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月 2019年6月
(千円) - - 825,671 1,451,562 2,133,221
売上高
(千円) - - 104,662 122,794 167,600
経常利益
親会社株主に帰属する当期純
(千円) - - 73,629 87,034 108,982
利益
(千円) - - 73,629 87,034 108,515
包括利益
(千円) - - 197,241 294,240 1,003,560
純資産額
(千円) - - 434,844 616,140 1,396,796
総資産額
(円) - - 114.34 168.81 426.20
1株当たり純資産額
(円) - - 44.89 50.06 57.17
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当
(円) - - - - 51.24
期純利益
(%) - - 45.4 47.8 70.9
自己資本比率
(%) - - 37.3 35.4 17.0
自己資本利益率
(倍) - - - - 35.16
株価収益率
営業活動によるキャッシュ・
(千円) - - 10,161 78,414 88,088
フロー
投資活動によるキャッシュ・
(千円) - - △ 43,934 2,248 △ 148,836
フロー
財務活動によるキャッシュ・
(千円) - - 72,281 37,895 560,856
フロー
現金及び現金同等物の期末残
(千円) - - 165,701 293,425 793,065
高
(名) - - 37 61 89
従業員数
(注)1.売上高には消費税等は含まれておりません。
2.第5期及び第6期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株
式は非上場であったため、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。第7期の潜在株式調整後
1株当たり当期純利益については、当社株式が2019年3月29日に東京証券取引所マザーズに上場したため、
新規上場日から第7期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。
3.第5期及び第6期の株価収益率は当社株式が非上場であったため記載しておりません。
4.第5期から第7期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」
(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、
監査法人A&Aパートナーズにより監査を受けております。
5.従業員数は、契約社員を含む就業人員数であります。臨時従業員数は、従業員の100分の10未満であるた
め、記載を省略しております。
6.2017年12月1日付で普通株式1株につき50株の株式分割を行っておりますが、第5期の期首に当該株式分割
が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
7.第5期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。
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(2)提出会社の経営指標等
回次 第3期 第4期 第5期 第6期 第7期
決算年月 2015年6月 2016年6月 2017年6月 2018年6月 2019年6月
(千円) 300,560 516,401 799,269 1,326,111 1,803,752
売上高
(千円) 17,201 47,313 78,504 31,228 113,651
経常利益
(千円) 12,634 34,612 55,306 22,086 62,537
当期純利益
(千円) 10,000 15,250 43,180 48,580 340,983
資本金
(株) 310 32,500 34,500 1,743,000 2,323,500
発行済株式総数
(千円) 22,639 67,751 178,918 211,805 859,148
純資産額
(千円) 143,225 224,215 411,654 491,044 1,236,360
総資産額
(円) 14.60 41.69 103.72 121.51 369.76
1株当たり純資産額
- - - - -
1株当たり配当額
(円)
(1株当たり中間配当額) ( - ) ( - ) ( - ) ( - ) ( - )
(円) 8.19 21.78 33.72 12.70 32.80
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当
(円) - - - - 29.40
期純利益
(%) 15.8 30.2 43.5 43.1 69.5
自己資本比率
(%) 77.6 76.6 44.8 11.3 11.7
自己資本利益率
(倍) - - - - 61.28
株価収益率
(%) - - - - -
配当性向
(名) 11 17 34 49 60
従業員数
(%) - - - - -
株主総利回り
(比較指標:「-」) ( - ) ( - ) ( - ) ( - ) ( - )
(円) - - - - 3,455
最高株価
(円) - - - - 1,977
最低株価
(注)1.売上高には消費税等は含まれておりません。
2.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第3期は潜在株式が存在しないため、第4期から第6期
は潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため期中平均株価が把握できないため、記載して
おりません。第7期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社株式が2019年3月29日に東京
証券取引所マザーズに上場したため、新規上場日から第7期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなし
て算定しております。
4.第3期から第6期の株価収益率は、当社株式が非上場であったため記載しておりません。
5.主要な経営指標等の推移のうち、第3期及び第4期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13
号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定による監査
証明を受けておりません。
6.第5期から第7期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38
年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、監査法人
A&Aパートナーズの監査を受けております。
7.従業員数は、契約社員を含む就業人員数であります。臨時従業員数は、従業員の100分の10未満であるた
め、記載を省略しております。
8.2015年12月17日付で普通株式1株につき100株、2017年12月1日付で普通株式1株につき50株の株式分割を
行っておりますが、第3期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり
当期純利益を算定しております。
9.2019年3月29日をもって東京証券取引所マザーズに株式を上場いたしましたので、株主総利回り及び比較指
標については記載しておりません。
10.最高株価及び最低株価は東京証券取引所マザーズにおけるものであります。
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なお、2019年3月29日をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載し
ておりません。
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2【沿革】
当社の創業者である伊達晃洋は、農業ブランドコンサルティングや流通プロモーション、PRに精通する会社に在
籍し、メーカーの流通支援を行う部署の立ち上げ等を経験後、2012年7月に当社を創業いたしました。
年月 概要
2012年7月 イベントプロモーション運用サービスを軸としたセールスプロモーションサービス(以下、SPサービ
スという)の提供を目的として、東京都中央区日本橋に㈱エードットを設立(資本金3,000千円)
2015年1月 本社を東京都渋谷区南平台町1番9号に移転
2015年12月 本社を東京都渋谷区桜丘町24番4号に移転
2015年12月 サービス・商品の広報活動の支援を目的としてパブリック・リレーションズサービス(以下、PRサー
ビスという)を開始
2016年4月 スポーツをテーマとした『アスラボ』サービスを提供する完全子会社の㈱アスラボ(旧:㈱エードッ
ト・マネジメント)を設立
2016年8月 クリエイティブサービスの提供を目的として、完全子会社の㈱カラス(現連結子会社)を設立
2016年12月 バズ(情報の話題拡散)サービスの提供を目的として、完全子会社の㈱噂(現連結子会社)を設立
2017年6月 本社を東京都渋谷区渋谷二丁目16番1号に移転
2017年7月 SPサービスの一部である「イベントプロモーション運用サービス」を事業譲渡
2017年9月 完全子会社の㈱UMIU(2016年12月設立)を㈱エードット・アジアに社名変更し、アジアを中心とし
たインバウンド・アウトバウンドに関するブランディングサービスの提供を開始
2018年4月 採用活動や人材育成に関するコンサルティングサービスを目的として、完全子会社の㈱Spark(現
連結子会社)を設立
2018年7月 コンサルティングサービスの提供を目的として、完全子会社の㈱ARUYOを設立
2018年10月 日本と中国間におけるインバウンド・アウトバウンドに関わるコンサルティング事業を行う、合弁会社
の北京伊藤商貿有限公司(現連結子会社)を設立
2019年3月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
2019年5月 子会社である㈱アスラボを株式譲渡
2019年6月 子会社である㈱ARUYOを解散
2019年7月 本社を東京都渋谷区松濤一丁目5番3号に移転
2019年7月 子会社である㈱エードット・アジアを㈱円卓に社名変更
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3【事業の内容】
当社は、「夢を応援する社会をつくる」ということをミッションに掲げ、顧客の企業としてのブランド価値や商
品・サービスのブランド価値を高めるため、グループ各社と連携し、一般消費者へのイメージアップや認知度・購買
意欲の向上等を図るためのソリューションを提供するブランディング事業を行っております。
「ブランド」は、差別化要因としてユーザーの意識の中に構築されるポジティブイメージであり、情報や視覚、接
触、体験等を通じて蓄積される無形の資産です。当社グループはそうした無形の資産であるブランドを顧客企業その
ものや商品・サービスに関して構築するため、種々のソリューションサービスを提供しております。当社グループは
下表のとおり、様々なサービスを内製化しており、主に当社が「SPサービス」や「PRサービス」を、子会社の㈱
カラスが「クリエイティブサービス」を、同㈱噂が「バズサービス」を提供しております。当社は、顧客の顕在化し
たニーズだけではなく潜在的なニーズも引き出し、各ニーズに合うような様々なサービスを組み合わせた提案を行
い、グループ各社との連携により、元請から下請に至る多段階構造ではなくワンストップでソリューションを提供す
ることが可能となっております。更に、各サービスの内製化により迅速な対応及び顧客へのコストメリットの創出が
可能です。
その他、アジアを中心としたインバウンド・アウトバウンドに関するブランディングを行う「クロスボーダー・ブ
ランディングサービス」や採用活動や人材育成に関するコンサルティングを行う「人材サービス」があります。
会社名 主な役割 分類
・グループ全体の事業統括窓口であり、グループ各社と連携してブラン
ディング事業を統括
㈱エードット ・SPサービス、PRサービスの提供 当社
・グループ全体の経営企画、財務、経理、人事、総務、内部統制、監査を
担当
㈱カラス ・クリエイティブサービスの提供
㈱噂 ・バズサービス(情報の話題拡散)の提供
㈱エードット・アジア
・アジアを中心としたインバウンド・アウトバウンドに関するブランディ
(注)
ングを行うクロスボーダー・ブランディングサービスの提供
連結子会社
・採用活動や人材育成に関するコンサルティングを行う人材サービスの提
㈱Spark
供
・中国進出を目指す日本企業、日本進出を目指す中国企業に向けたクロス
北京伊藤商貿有限公司
ボーダー・コンサルティングサービスの提供
(注)2019年7月1日付で、㈱エードット・アジアは、㈱円卓に社名を変更しました。
主要サービスの具体的な内容は、以下のとおりです。
(1)SPサービス
SPサービスは、商品やサービスの売上の拡大を目的とした一般消費者の認知度・購買意欲の向上等、顧客企業
が抱える課題解決のための各種ソリューションを提供しております。具体的には、プレゼントキャンペーンや他商
品とのタイアップ施策等の店頭プロモーションの企画・制作、試供品等の配布により需要を喚起するサンプリン
グ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNSという)・デジタルコンテンツ等と連動したキャン
ペーンやイベントの企画・運営、TVCMの制作及びそれに伴うタレント等のキャスティングの企画・交渉・手配
等、顧客企業のニーズに合わせ様々なソリューションを提供しております。
(2 )PRサービス
PRサービスでは、顧客企業の商品・サービスがメディアに記事・ニュースとして取り上げられ消費者の注目を
集めるよう、商品やサービスのPR戦略の企画立案から携わり、メディアプロモート、PRイベントの実施・運営
等を行っております。従前、消費者はTVCMから多くの情報を得ておりましたが、現在はスマートフォンの普及
等によりTVCM以外のインターネット等のメディアから得る情報量が大幅に増加しております。そのため当社の
PRサービスでは、顧客企業の商品・サービスの認知度や消費者の購買意欲を向上させるために、TVCMだけに
偏ることなく、新聞、WEB、雑誌、ラジオ等様々な媒体へのアプローチする提案を行っております。
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(3)クリエイティブサービス
当社のクリエイティブサービスは、顧客企業のブランドイメージや商品・サービスの強みをキャッチコピーやロ
ゴ・マーク等により具現化することで、消費者に選ばれるブランドづくりを支援しております。具体的にはマーケ
ティング・ブランディング戦略の策定から、CI※1、VI※2の立案、ホームページ等Webサイトの企画・制
作、コピーライティング、ポスター・グラフィックの企画・制作等を行い、企業や商品・サービスのイメージを視
覚的に印象付けることを行っております。
※1 CIとはコーポレート・アイデンティティの略で、企業が自社の理念や特性をロゴやキャッチコピー等に
より明確にすることで、企業内外に統一したイメージをつくり、企業の存在価値を高める企業戦略のこと
であります。
※2 VIとはビジュアル・アイデンティティの略で、マークやロゴをはじめ、名刺、封筒、Webサイトなど
により企業理念・ビジョン、商品の価値等を可視化し社会に伝える企業戦略であり、CIを構成する要素
の一つであります。
(4)バズサービス
従来のマスメディアに代わって情報インフラとなりつつあるSNS等での話題化が重要なマーケティング手法の
1つとなっております。当社のバズサービスでは、SNS利用者がSNS上で情報を拡散したくなるような企画の
立案、キャッチコピー・グラフィック等の制作を通じ、より多くの消費者に情報を届け、顧客企業の商品・サービ
スの認知度・購買意欲向上につながるよう支援をしております。
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4【関係会社の状況】
議決権の所有
(又は被所有)
名称 住所 資本金 主要な事業の内容 関係内容
割合(%)
(連結子会社)
当社から制作物及びサー
クリエイティブ
100.0
㈱カラス 東京都渋谷区 2,000千円 ビスを受託
サービス
役員の兼任あり
当社からサービスを受託
100.0
㈱噂 東京都渋谷区 2,000千円 バズサービス
役員の兼任あり
クロスボーダー・
㈱エードット・アジア
当社からサービスを受託
100.0
東京都渋谷区 7,770千円 ブランディング
(注)6
役員の兼任あり
サービス
㈱Spark
100.0
東京都渋谷区 8,880千円 人材サービス 当社からサービスを受託
コンサルティング
株式会社ARUYO
100.0
東京都渋谷区 9,900千円 当社からサービスを受託
サービス
(注)3
コンサルティング事
北京伊藤商貿有限公司
60.1
中国北京市 249万元 役員の兼任あり
業
(注)2
(注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2.特定子会社に該当しております。
3. 2018年7月2日に、株式会社ARUYOを設立しました。2019年6月30日に、株式会社ARUYOは解散し
ました。
4. 2018年10月18日に、北京伊藤商貿有限公司を設立しました。
5. 2019年5月31日付で、株式会社アスラボは株式譲渡により連結子会社から除外いたしました。
6. 2019年7月1日付で、株式会社エードット・アジアは株式会社円卓に商号を変更いたしました。
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2019年6月30日現在
セグメントの名称 従業員数(名)
89
ブランディング事業
89
合計
(注)1.従業員数は、契約社員を含む就業人員数であります。臨時従業員数は、従業員の100分の10未満であるた
め、記載を省略しております。
2.当社グループはブランディング事業の単一セグメントであるため、ブランディング事業として合計従業員数
を記載しております。
3. 前連結会計年度末に比べ従業員が18名増加しております。主な増加理由は、業容の拡大に伴い期中採用が増
加したことによるものであります。
(2)提出会社の状況
2019年6月30日現在
従業員数(名) 平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均年間給与(千円)
60 29.80 1.63 3,879
従業員数(名)
セグメントの名称
60
ブランディング事業
60
合計
(注)1.従業員数は、契約社員を含む就業人員数であります。臨時従業員数は、従業員の100分の10未満であるた
め、記載を省略しております。
2.当社はブランディング事業の単一セグメントであるため、ブランディング事業として合計従業員数を記載し
ております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
労働組合は組成されておりませんが、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(経営方針)
当社は、「夢を応援する社会をつくる」をミッションとして掲げ、従来の広告手法にとらわれないアクションで、
企業・ブランド・地域・人、それぞれが持つ魅力を最大限に引き出し、顧客の成長を生み出すことを目標としていま
す。その実現に向け、当社グループは顧客及び顧客の商品やサービスのブランド力を高める「ブランディング事業」
を展開しており、「SPサービス」、「PRサービス」、「クリエイティブサービス」、「バズサービス」、「クロ
スボーダー・ブランディングサービス」、「人材サービス」、「コンサルティングサービス」、「クロスボーダー・
コンサルティングサービス」といった各サービスを提供することで顧客のニーズに応えていくものであります。
(経営環境)
当社を取り巻く経営環境は、IT等を中心とした技術革新を背景にしたスマートフォンや動画メディアの普及によ
り生活者の情報接点が変化しており、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどの既存広告媒体への広告出稿が伸び悩みを見
せております。情報量が急激に増加し、更に顧客ニーズが多様化している中で、消費者から選ばれる商品・サービス
となるためには、既存広告媒体を中心とした広告手法にとらわれないマーケティング活動を行い、商品やサービスの
ブランド価値を高めていく必要があります。当社グループでは、顧客ニーズに合わせて各サービスを複合的に組み合
わせた形で提案し、更にワンストップで提供することによって、顧客の商品やサービスのブランディングに寄与して
おります。
(対処すべき課題)
上記記載の通り顧客ニーズが従来のマスマーケティングを中心とした広告手法から従来の手法にとらわれないマー
ケティング手法に変化している現在の広告市場において、当社グループは顧客のニーズに合ったサービス提案をする
ことにより事業規模の拡大を推進すべく、以下の課題に積極的に対処してまいります。
(1)優秀な人材の育成及び確保と事業領域の拡大
当社グループは、これまで適任な人材を採用し、サービスラインナップを増やすことで事業領域を拡大してまい
りました。サービスラインナップを充実させることで、多様な顧客ニーズに対応した最適な提案が可能になり顧客
からの高い評価が得られると考えております。しかしながら同時に、顧客が顧客自身や商品・サービスの認知・販
売促進のために求めるサービスは、当社グループのサービスラインナップの枠を超えた領域にも及んでおり、当社
グループが更に顧客ニーズに合ったサービス提案を行うためには、より一層サービスラインナップを充実させ、事
業領域を拡大することが必要であると認識しております。
当社グループが提供するサービスの品質は、サービスを提供する人材に依存する部分があるため、当社グループ
のサービス力の源泉は、発想豊かな優秀な人材により支えられていると認識しております。優秀な人材にとって魅
力のあるプロジェクトの提供を続けることで人材流出の防止を図るとともに、新卒・中途採用を積極的に展開し、
併せて既存社員の育成に努めてまいります。
(2)営業活動の更なる積極展開
当社グループは、まだ社歴が浅く小規模である一方、知名度の高い大手企業と多く取引を行い、金額の大きな案
件を受注することがあるため、顧客1社当たりの売上高の比率がグループ売上高に対して比較的大きくなる傾向が
あります。そのため、特定の取引顧客に対する依存を避け、当社の財政状態及び経営成績が更に安定化するよう、
より一層営業活動を強化し、新規顧客の獲得に努めてまいります。
(3)コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。新たなサービス領域の開拓のために適任な人
材獲得の施策の一つとして、子会社の社長というポジションを用意することがあり、また、サービス領域を拡大す
る際にはこれを専門に行う会社を設立する方針であるため、今後において更に子会社が増加することが想定されま
す。そのため、当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスの更なる
強化が重要な課題であります。当社グループの規模の拡大に応じた適切な体制の構築が必要となり、経営の透明
性、効率性及び健全性を確保するとともに経営責任を明確にすることが重要と認識しております。今後において
は、内部管理体制の更なる強化を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいりま
す。
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2【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある
事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、
投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以
下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合
の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に
検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当
社グループが判断したものであります。
(1)景気の変動
企業の広告宣伝・広報関連予算は企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり
ます。当社グループの売上は、当該予算に依拠する傾向が強いことから、今後景況感が悪化した場合、当社グルー
プの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)災害・事故等に関わるリスク
企業の広告宣伝・広報関連予算は、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の
混乱、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、その影響を受けやすい傾向に
あります。したがって、これらの災害・事故等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり
ます。
(3)特定の取引先への依存
当社グループは成長過程にあり、大型案件の受注や取引規模の拡大に至った際など、特定の取引先への依存度が
高い状態になる傾向があります。当社グループは、特定の取引先からの受注や失注が業績に大きな影響を及ぼすこ
とのないように、更に新規顧客を獲得する努力をしておりますが、大型取引先の方針の変更や当社グループの新規
取引先獲得の進捗如何によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)業歴が浅いこと
当社グループは、各分野でサービス開始からの業歴が浅い状況にあります。第4期事業年度においてPRサービ
ス、第5期事業年度においてクリエイティブサービス、バズサービス、第6期事業年度においてクロスボーダー・
ブランディングサービス、人材サービス、当事業年度においてコンサルティングサービス、クロスボーダー・コン
サルティングサービスを開始しており、提供サービスの内容が変化しております。
当社グループは、投資家の投資判断に寄与するよう、財務情報だけでなく、会社の方針等の非財務情報もIR情
報として積極的に開示していく方針でありますが、投資家が当社グループの将来の業績予想を行う等のために当社
グループの過去の業績トレンドを活用することは、有用性が限定的となる可能性があります。
(5)業績の変動要因
当社グループは、顧客ニーズに応じて価格や利益率の異なる複数のサービスを組み合わせて提案しており、受注
する案件毎に提供するサービスや、案件毎の収益性が異なります。当社グループは、利益の確保を重視した営業活
動を展開しており、目標の売上総利益を確保できるよう案件の組成に努めております。しかしながら、実際の受注
案件の内容によっては、当社の売上高や売上総利益率は想定した水準から乖離する可能性があります。
また、顧客のニーズによっては、収益性の低いサービスの提供を余儀なくされる場合があります。そうしたケー
スが多く発生した場合、想定した売上高から十分な売上総利益を確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす
可能性があります。
(6)広告業界における取引慣行
当社グループでは、一定期間にわたって取引先の営業活動を支援するリテナー取引においては、業務受託時に契
約文書を締結しております。一方、スポット業務の受注等においては、業界慣習上、引合いから活動開始に至るま
での時間が極めて短期間で進行する場合があり、契約文書を締結しないまま業務を遂行する案件もあります。当社
グループは、契約文書を締結しない場合においても、注文書や受注に関するメールログ等の受注記録を必ず保存す
ることにより取引先との間で受注内容の齟齬を生じさせない対応を徹底しておりますが、取引先との認識の食い違
い等により当社の業務に対し取引先との取引が成立しない事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及
ぼす可能性があります。
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(7)特定人物への依存
代表取締役社長伊達晃洋及び取締役副社長仲亀敦の2名は、当社創業のメンバーであり、当社グループの経営方
針の決定、新規取引先開拓等、事業の推進上の重要な役割を担っております。当社グループでは、過度にこれら2
名に依存しないよう、経営幹部役職員の拡充、育成及び権限委譲による分業体制の構築等により、経営組織の強化
に取り組んでおりますが、何らかの理由によりこれら2名による業務執行が困難となった場合、当社グループの業
績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)人材の確保
当社グループは、サービス領域の拡大により多様な顧客ニーズに対応した最適な提案が可能になり、顧客からの
高い評価を得られております。顧客への迅速な対応と顧客にとってのコストメリットを得られるため、サービス領
域を内製化する方針であることから、人材が最も重要な経営資源であると認識しております。したがって、当社グ
ループが今後も事業を拡大し、成長を続けていくためには、優秀な人材の更なる確保や定着が重要課題となりま
す。当社グループでは、新卒採用・中途採用を積極的に実施するとともに、社内教育に注力することで、優秀な人
材の確保や定着に努めておりますが、人材マーケットの環境変化等により、優秀な人員の適時確保が困難になった
場合や、人材が流出してしまう場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)内部管理体制の構築
当社グループは成長過程にあり、業容拡大に伴う従業員の増加や新規事業展開に伴うリスク管理強化のため、
コーポレート・ガバナンスと内部管理体制の強化に努めております。しかしながら、業容拡大や新規事業展開に比
してこれらの施策が順調に推移しない場合、不祥事や不測の事態の発生等により、当社グループの業績に影響を及
ぼす可能性があります。
(10)知的財産権
当社グループは社歴が浅く、第三者の知的財産権を侵害しない体制として、社内教育の実施や顧問弁護士等によ
る調査・チェックを実施しておりますが、万が一、当社が事業推進において第三者の知的財産権を侵害した場合に
は、当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の訴訟を提起される可能性があり、当社グループの業績に影響
を及ぼす可能性があります。
(11)情報管理
当社グループは、事業を推進していく中で、顧客の機密情報や個人情報を扱う機会があります。情報管理につい
ては必要な措置を講じており、その一環として2015年11月にプライバシーマークを取得しております。しかしなが
ら、不測の事態によりこれらの情報が流出した場合には、社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に
対する賠償金の支払い等により、当社グループの財政状態や業績に影響を与える可能性があります。
(12)新規事業展開
当社グループは現在までの事業活動を通して培ったノウハウを生かし、更なる成長を目指して事業コンセプトそ
のものの検討から行なう事業開発事業やアジアを中心としたインバウンド・アウトバウンドに関するブランディン
グサービスを中心とした海外事業等の関連・周辺事業への積極展開を推進していく予定です。新規事業展開にあ
たっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計
画通りの成果が得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)中国事業に関する長期の業務委託契約
当社は更なる成長を図るべく、日本国内事業に留まらず、中国関連の事業強化を行っております。その一環とし
て、中国の国家戦略である商品追跡管理プロジェクト「維信312」の日本展開を推進する運営会社と業務委託契約
を締結し、同社に対し2018年10月から7年契約の業務委託料を一括支払いし、「維信312」関連のプロモーション
案件等を受注するためのサポートを受けております。しかしながら、「維信312」関連プロモーション案件等の受
注が想定通りにいかない場合は計画した利益が上がらないリスクがあるほか、同社の財政状態によっては、資産計
上(前払費用及び長期前払費用)した、同社に支払った業務委託費の減損損失の発生や資金回収が不能となるリス
クを負っています。
当該契約の締結にあたっては、取締役会にて契約における採算性について十分な審議を行い、契約後においては
取締役会にて定期的に進捗状況等を確認しておりますが、計画した利益が計上されないリスクを完全に回避するこ
とは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼ
す可能性があります。
(14)中国合弁会社
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当社の子会社である「北京伊藤商貿有限公司」は株式会社共和JAPANの取締役との合弁会社であり、当該取締役
は同社の代表を兼務しております。同社は「日本と世界の架け橋となり、日本・中国社会へ貢献する」をミッショ
ンとして、中国進出を目指す日本企業、日本進出を目指す中国企業に向けたコンサルティングサービスをメインの
事 業領域として活動しております。
中国合弁会社につきましては社内で管理体制を構築し、主管部門が月次で経営成績や投資計画の進捗状況をモニ
タリングしております。しかしながら、事業環境の急変などにより、予期せぬ状況変化で事業計画からの大幅な乖
離が生じ、対象会社に損失が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があり
ます。
(15)配当政策
当社は、株主に対する利益還元と同時に、企業としての競争力の確保を経営の重要課題として位置づけておりま
す。当社グループは現在、未だ成長過程にあると考えており、そのため今後は更なる事業拡大を実現していくこと
が株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから創業以来配当は実施しておらず、今後
においても当面の間は内部留保の充実及び事業投資の推進を図る方針であります。将来的には、各事業年度の経営
成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点においては配当実施の可能性及びその実
施時期等については未定であります。
(16)新株予約権の付与
当社は、当社グループの役職員に対して新株予約権(ストック・オプション)を付与しており、将来的にも役職
員の更なるモチベーションの向上及び優秀な人材の確保のため、同様のインセンティブプランを実行することを検
討しております。
したがって、既に付与されている新株予約権ならびに将来的に付与される新株予約権の行使がなされた場合に
は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。2019年6月30日現在これらのストック・オプ
ションによる潜在株式数は261,900株であり、発行済株式総数2,323,500株の11.3%に相当しております。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度末の
期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と
いう。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、顧客ニーズに応じて複数のサービスを組み合わせて提供をしており、サービス毎に売上
高や売上総利益率は大きく異なっているため、売上総利益の確保を重視しております。例えば、テレビCM枠の購入
やタレントのキャスティング等の外注を要するテレビCM案件は、売上高は大きいものの、利益率が比較的低くなる
傾向にあります。そのため、売上総利益の確保を優先して策定をしております。
また当社グループは、ブランディング事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境は緩やかながらも回復基調で推移しまし
た。一方、不安定な国際情勢などの要因もあり、先行きは不透明な状況となっております。
当社が事業を展開する広告業の事業領域におきましては、景気の緩やかな回復から堅調に推移しており、2018
年(1~12月)の市場規模は5兆9,520億円(前期比99%)となりました。(※1)
このような環境のもと、当社を取り巻く事業環境としましては、スマートフォンや動画メディアの普及により
生活者のニーズが変化しており、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなど既存広告が伸び悩みを見せている中で、各企
業の広告ニーズが、自社及び自社の商品、サービスのブランド価値を高め、選ばれるブランドづくりを行うこと
に変化しつつあることを実感しております。
その中で当社グループは、SPサービス、PRサービス、クリエイティブサービス、バズサービス、人材サー
ビス、コンサルティングサービスといったソリューションを複合的に組み合わせることで、顧客が持つ商品や
サービスの価値を高めるプロデュース活動を行っております。
また、事業領域拡大・受注案件に対する人材補強のため人材投資を遂行し、従業員数を大幅に増加させまし
た。
その結果、当連結会計年度は売上高2,133,221千円(前期比47.0%増)、営業利益189,721千円(前期比52.3%
増)、経常利益167,600千円(前期比36.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益108,982千円(前期比25.2%
増)となりました。
(※1)2018年 経済産業省 特定サーヒ