招商銀行股イ分有限公司 半期報告書
提出書類 | 半期報告書 |
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提出日 | |
提出者 | 招商銀行股イ分有限公司 |
カテゴリ | 半期報告書 |
EDINET提出書類
招商銀行股イ分有限公司(E05986)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年9月24日
【中間会計期間】 自 2019年1月1日 至 2019年6月30日
【会社名】 招商銀行股份有限公司
(China Merchants Bank Co., Ltd.)
【代表者の役職氏名】 総裁 田 惠宇
( Tian Huiyu, President )
業務執行副総裁 劉 建軍
( Liu Jianjun, Executive Vice President)
【本店の所在の場所】 中華人民共和国 深圳市福田区深南大道7088号
(7088 Shennan Road, Futian District, Shenzhen,
People's Republic of China )
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 島崎文彰
【代理人の住所又は所在地】 東京都文京区後楽二丁目3番27号 テラル後楽ビル2階
島崎法律事務所
(03) 5802-5860
【電話番号】
【事務連絡者氏名】 弁護士 島崎文彰
【連絡場所】 東京都文京区後楽二丁目3番27号 テラル後楽ビル2階
島崎法律事務所
(03) 5802-5860
【電話番号】
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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( 注)1.本書に記載の「香港ドル」または「 HK$ 」は香港ドルを、「人民元」は中国の法定通貨を、「円」は日本円を指す。本
書において便宜上一定の香港ドルまたは人民元金額は(香港ドルの場合は)2019年9月3日の株式会社三菱UFJ銀行が
建値した対顧客電信直物売買相場の仲値である1香港ドル=13.56円により、(人民元金額の場合は)2019年9月3日
の中国外貨取引センター公表の仲値である1人民元=14.90円により円に換算されている。
2.当行の会計年度は、1月1日に始まり12月31日をもって終了する1年間である。
3.本書中の表において記載されている計数は、単位未満の数値を原則として四捨五入しているため、合計は計数の総和
と必ずしも一致しないことがある。
4.本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の語は以下の意味を有するものとする。
「当行」 招商銀行股份有限公司
「当グループ」 招商銀行股份有限公司およびその子会社
「CBIRC」 中国銀行保険監督管理委員会
「IFRS」 国際財務報告基準
「中国」 中華人民共和国
「香港証券取引所」 香港聯合交易所有限公司
「上海証券取引所」 上海証券交易所
「当半期」または「報告期 2019年1月1日から2019年6月30日までの6ヵ月間
間」
5.本書には、当グループの財政状態、経営成績および事業の展開に関する一定の将来の見通しの記述が含まれている。
当行は、「予定である」、「可能性がある」、「予想している」、「しようとする」、「努めている」、「計画して
いる」、「予測している」、「目指している」 といった用語および類似の表現を用いて 将来の見通しの記述を示して
いる。かかる記述は、現在の計画、見積りおよび予想に基づくものである。当行は、かかる将来の見通しの記述に反
映された予想が合理的なものであると考えているが、かかる予想が実現するかまたは正確であると判明する保証はな
い。そのため、かかる予想を当グループの約束であるとみなすべきではない。投資家は、かかる記述に過度に依拠す
るべきではなく、投資リスクについて注意を払うべきである。かかる将来の見通しの記述は、将来の事由または当グ
ループの将来の財政状態、事業もしくはその他業績に関連するものであり、実際の結果とは 大きく異なる原因となる
可能性のあるいくつかの不確実性に影響されるものであることに留意されたい。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
当半期中、中国の会社制度、当行の定款に規定される制度、外国為替管理制度および課税上の取扱いについて、2018
年に係る当行の有価証券報告書からの重要な変更はなかった。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(単位:別段の記載がない限り、百万人民元)
6月30日現在/6月30日に終了した6ヵ月間 12月31日現在/
(未監査) 12 月31日終了年度
2019年 2018年 2017年 2018年 2017年
(2)
正味営業収益 138,338 126,103 113,032 248,444 221,037
(百万円) (2,061,236) (1,878,935) (1,684,177) (3,701,816) (3,293,451)
税引前利益 64,873 58,945 49,942 106,497 90,680
(百万円) (966,608) (878,281) (744,136) (1,586,805) (1,351,132)
当行株主帰属純利益 50,612 44,756 39,259 80,560 70,150
(百万円) (754,119) (666,864) (584,959) (1,200,344) (1,045,235)
資本金 25,220 25,220 25,220 25,220 25,220
(百万円) (375,778) (375,778) (375,778) (375,778) (375,778)
株主資本合計 567,886 500,715 419,377 540,118 480,210
(百万円) (8,461,501) (7,460,654) (6,248,717) (8,047,758) (7,155,129)
総資産 7,193,181 6,537,340 6,199,690 6,745,729 6,297,638
(百万円) (107,178,397) (97,406,366) (92,375,381) (100,511,362) (93,834,806)
1株当たり配当
(単位:人民元) - - - 0.94 0.84
(円) - - - (14) (13)
1株当たり利益
(単位:人民元)
-基本的 2.01 1.77 1.56 3.13 2.78
(円) (30) (26) (23) (47) (41)
-希薄化後 2.01 1.77 1.56 3.13 2.78
(円) (30) (26) (23) (47) (41)
営業活動による正味資
金の流出 (55,023) (65,624) (55,876) (35,721) (5,660)
(百万円) (-819,843) (-977,798) (-832,552) (-532,243) (-84,334)
投資活動による正味資
金の流入/(流出) 11,071 159,259 (82,469) 19,718 (84,471)
(百万円) (164,958) (2,372,959) (-1,228,788) (293,798) (-1,258,618)
財務活動による正味資
金の流入 69,196 40,220 47,719 94,333 22,663
(百万円) (1,031,020) (599,278) (711,013) (1,405,562) (337,679)
現金および現金同等物
- 期末現在 569,265 595,449 440,146 543,683 460,425
(百万円) (8,482,049) (8,872,190) (6,558,175) (8,100,877) (6,860,333)
(3)
従業員数(人) 86,318 71,765 70,325 74,590 72,530
当行株主帰属平均総資
(4) (4) (4)
産利益率(%) 1.45 1.39 1.29 1.24 1.15
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当行株主帰属平均自己
(4) (4) (4)
資本利益率(%) 19.47 19.61 19.11 16.57 16.54
内部モデル手法による
コアTier1自己資本比率
(5)
(%) 11.42 11.61 12.42 11.78 12.06
内部モデル手法による
Tier1自己資本比率
(5)
(%) 12.19 12.51 12.42 12.62 13.02
内部モデル手法による
(5)
自己資本比率(%) 15.09 15.08 14.59 15.68 15.48
注:
(1) 上記の主要な経営指標は、当グループの統計基準に基づき計算されている。ただし、2018年および2017年6月30日現在なら
びに2018年および2017年12月31日現在の従業員数は、当行の統計基準に基づき計算されている。
(2) 正味営業収益は、正味受取利息、正味受取手数料、その他正味収益ならびに関連会社および合弁事業に対する持分利益の和
である。
(3) 2019 年6月30日現在の従業員数には、当行、招商永隆銀行有限公司(以下「WLB」という。)、招銀金融租賃有限公司(以下
「CMBFLC」という。)、招銀国際金融控股有限公司(以下「CMBIC」という。)、招商基金管理有限公司(以下「CMFM」と
いう。)、招商信諾人寿保険有限公司(以下「CIGNA&CMB 生命保険 」という。)および 招聯消費金融有限公司(以下
「MUCFC」という。)の従業員数が含まれている。同一の統計基準に基づき計算した場合、2018年12月31日現在の従業員数
は 86,417 人であった。
(4) 年間換算ベースで計算されている。
(5) 報告期間末現在、標準的手法による当グループの自己資本比率、Tier1自己資本比率およびコアTier1自己資本比率はそれぞ
れ12.60%、10.86%および10.17%であった。
2【事業の内容】
リテール金融業務
報告期間中に、当行のリテール金融業務の利益は急成長を続け、税引前利益は、前年同期から20.86%増の38.302 十億
人民元となった。 リテール金融業務による正味営業収益は前年同期から20.38%増の74.212十億人民元となり、当行の正
味営業収益の57.38%を占めた。リテール金融業務の収益のうち、正味受取利息は、前年同期から28.86%増加して48.393
十億人民元となり、リテール金融業務からの正味営業収益の65.21%を占めた。また、正味非利息収益は、前年同期から
7.17%増の25.819十億人民元となり、リテール金融業務からの正味営業収益の34.79%を、また、当行の正味非利息収益
の57.68%を占めた。報告期間中に、当行のリテール金融業務におけるバンクカードからの受取手数料は9.556十億人民
元であり、前年同期から19.09%増加した。個人向けウェルスマネジメントからの受取手数料は10.626十億人民元とな
り、リテール金融業務からの正味受取手数料の42.00%を占めた。
2019年は、「リテールファイナンス3.0」のデジタル変革にとって重要な年である。リテール金融業務における競争
の激化に伴い、当行はイノベーションおよびブレークスルーを強化し、専門能力の開発を深化させ、ウェルスマネジメ
ント、プライベートバンキング、クレジットカード、個人向け貸付および消費者金融などのリテール業務における中核
的競争力を引き続き高めた。当行は同時に、「デジタルバンク」戦略を堅持することで、リテール金融業務における差
別化された競争上の優位性を強化するために、プラットフォームに支援され、ビッグデータに牽引され、最高の顧客体
験の提供を目指し、毎月のアクティブユーザー数(MAU)を「北極星指標」とする、「全顧客、全商品および全販路」
を網羅したサービス体系の構築に努め、新たなデジタル顧客獲得および経営モデルを構築し、リテールファイナンス
3.0のデジタル変革の実施を進めた。
ホールセール金融業務
報告期間中の当行のホールセール金融業務からの税引前利益は22.067十億人民元であった。当行のホールセール金融
業務の正味営業収益は、前年同期から4.59%減少して54.853十億人民元となり、これは当行の正味営業収益の42.41%に
相当した。うち、ホールセール金融業務からの正味受取利息は36.997十億人民元となり、ホールセール金融業務の正味
営業収益の67.45%を占めた。また、ホールセール金融業務の正味非利息収益は17.856十億人民元となり、ホールセール
金融業務の正味営業収益の32.55%および当行の非利息収益の39.89%を占めた。
3【関係会社の状況】
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親会社
当行には、親会社は存在しない。
子会社および関連会社
当半期中に重大な変更はなかった。
4【従業員の状況】
(注)
2019年6月30日現在の当グループの従業員数は86,318人 (派遣社員を含む。)であった。当行の従業員の職務別
内訳は、リテール金融業務に38,218人、ホールセール金融業務に17,235人、運営管理業務に14,799人、一般管理業務に
7,987人、リスク管理に4,268人、研究開発に2,963人ならびに事務および販売支援に848人である。また、学歴別内訳
は、大学院修了者が16,603人、大学本科卒業者が56,181人、大専卒業者が9,999人および中専卒業者以下が3,535人であ
る。
注:当行、WLB、CMBFLC、CMBIC、CMFM、CIGNA&CMB生命保険およびMUCFCの従業員数が含まれている。同一の統計基準に基づき計
算した場合、2018年12月31日現在の従業員数は86,417人であった。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
事業発展戦略
報告期間中に、当行は「軽量型業務銀行」という発展戦略および「一体両翼」という戦略的ポジショニングを堅持し
た。当行は、中国の銀行業界の段階的発展の動向を把握しつつ、ステージ2.0で達成された構造および質の優位性なら
びに「デジタル銀行」および「最高の顧客体験を提供する銀行」へと発展するための絶え間ない取組みに基づいて、ス
テージ3.0に向けたビジネスモデルの全面的なアップグレードを一層推進した。
報告期間における当行のIT費用は3.633十億人民元であり、前年同期から63.87%増加し、当行の正味営業収益の2.81%
を占めた。報告期間末現在、当行では合計1,601件のフィンテック・イノベーション・プロジェクトが宣言され、うち
1,169件が承認された。そのうち、リテール、ホールセール、リスク、技術および組織文化変革などを対象とした500件
のプロジェクトが開始され、使用に供されており、ステージ3.0モデルを探求するための強固な支援となった。
2019 年下半期の見通しおよび対策
2019年下半期には、世界経済の成長が減速する中で、米国経済の成長機運は減衰しつつあり、ヨーロッパ経済は低迷
を続け、さらに米中貿易摩擦と地政学的リスクの影響とが相俟って経済活動の不確実性は著しく増大してきた。中国の
サプライサイドの改革は苦境に陥っており、中国の経済成長が下方圧力に晒されている。貿易摩擦は中長期的に継続し
て、中国の経済発展の方向性に影響する重要な要因となる可能性が高い。「住宅は居住用であり、投機用ではない」と
いう政策を指針として、2019年下半期にも不動産市場の規制および統制は引き続き厳格なものとなり、不動産投資が相
当な圧力に晒される見込みである。利益成長の減速によって製造部門に対する投資も下方圧力を受けているが、製造部
門への投資の安定化を意図した各種政策がある程度下支えする可能性がある。積極的な財政政策および地方政府の特別
債に対する新たな規制の影響の下で、インフラ投資の回復が予想され、固定資産投資への下方圧力が部分的に相殺され
る見込みである。減税および自動車や家電製品などの産業に対する有利な政策が、弱い消費をある程度支援する可能性
がある。輸出は、引き続き貿易摩擦の圧力を受けることが予想される。需要の低迷により、消費者物価上昇率(CPI)
の中央値は6月から低下し、生産者物価指数(PPI)は低水準にとどまる見込みである。米連邦準備制度理事会の利下
げとそのバランスシートの縮小の停止後、米中の金利スプレッドに変動はないことが予想され、人民元の為替レート
は、合理的かつバランスのとれた水準で引き続き基本的に安定する見込みである。
2019年下半期の中国のマクロ経済政策では、「着実な成長」と「リスク防止」のバランスを維持することが引き続き
テーマとなっている。健全な通貨政策が「合理的に十分な流動性を維持する」ことを目指す一方で、積極的な財政政策
では「精緻な実施」に重点が置かれている。中央政府は、信用の安定性の維持を基盤として、金融供給構造を引き続き
最適化し、市場に立脚した融資の価格設定メカニズムを発展させ、企業融資コストの削減に向けて金融機関に指導を行
うことが見込まれる。また、サプライサイドの構造改革を深化させ、消費を拡大し、製造業への投資を安定させ、「改
革手法」を通じて新たなインフラの整備を加速させる予定である。全体として、マクロ経済政策に支えられて中国経済
は下半期も安定した実績が予想され、構造調整が深化し、経済リスクおよび金融リスクは全般的に制御可能であること
が見込まれる。
このような複雑な状況において、当行は戦略的な決定を維持し、デジタル時代における銀行業務の新たなモデルの探
索を加速させていく。かかる探索は、具体的には以下を網羅している。第一に、当行はリテール金融部門のデジタル化
をさらに推進する。当行は、顧客獲得の面では、門戸をさらに開放し、規模を拡大することを中核的な任務として、デ
ジタル顧客獲得モデルの効率性の最適化および向上を継続し、同時に店舗のリノベーションを行い、給与計算サービ
ス・プロセスを改革し、サービス内容を拡充し、従来の販路のデジタル化によるアップグレードを推進していく。変革
の面では、サービス機能の拡大およびサービス体験の改善を通じて、カードを所持していないアプリユーザーの当行顧
客への転換を引き続き模索していく。また顧客管理の面では、デジタル化されたインテリジェントかつ集中的な手法で
個人顧客管理能力を引き続き追求し、確立していく。また、シナリオ構築の面では、当行は引き続き金融サービスおよ
び非金融サービス機能を拡充し、当行のアプリの中核的競争力を強化していく。また、サービス面では、成績の振るわ
ない項目を迅速に最適化し、改善することができる可視化され、リアルタイムで対応可能な全面的にプロセス指向の顧
客体験監視システムを引き続き改善していく。第二に、当行はホールセール金融部門の体系的な管理を改善していく。
当行は、顧客および商品という2つの重要な要因について資産構成を最適化する予定である。当行は、本店および支店
で戦略的顧客へのサービス提供を継続しながら、新たな成長エンジンとなる会社を積極的に獲得する機会を捉え、特色
ある製品およびサービスを有する安定した構造を備えた十分な数の小規模企業顧客の顧客グループを構築し、認知、制
度、プロセスおよび商品の面でプロジェクト・ファイナンスおよびサプライチェーン・ファイナンス能力を強化してい
く。当行は、顧客サービス制度と顧客担当者管理制度という2つの主要制度の構築を引き続き推進して専門能力を確立
し、デジタル・プラットフォーム構築およびインダストリアルインターネットに基づくホールセール金融業務のデジタ
ル化を加速させる。第三に、当行はリスクの本質についての洞察を深め、リスクに係る常識に回帰し、早期警告、格付
けおよび限度額の管理などのリスク管理基盤を確立しつつ、包括的なリスク管理システムを完成させる。当行は、第1
の防御ラインを強化し、当行の業務の基礎に回帰しながら、商業的な持続可能性の原則に基づき業務の実行可能性を慎
重に判断していく。また、顧客選別能力(特に様々な業種のサブグループに関する専門知識)を引き続き強化し、レ
ピュテーション・リスクおよびコンプライアンス・リスクの管理制度を改善し、完成させていく。第四に、当行は、フ
ロントオフィス業務に権限を付与し、基層部門の負担を軽減するために、3.0モデルに向けて管理および組織文化を推
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進していく。管理モデルについては、当行は、統制から権限の付与へ、垂直的運営から統合へ、そして最終的には「軽
量型管理」へと移行していく。また、思想的概念の面では、経験的思考および権威主義からデータ価値の重視へ、そし
て 最終的には「ライトな企業文化」に移行していく。
2【事業等のリスク】
リスク管理
当行は、 「包括性、専門性、独立性を備え、均衡のとれた管理」の原則の下で、リスク調整後の価値創造に焦点を当
てたリスク管理システムの構築を強化した。本店のリスク・コンプライアンス管理委員会は、リスク選好、戦略、方針
および取締役会が承認した権限に関する全行的な最重要のリスク管理方針を検討および決定する責任を負う。
報告期間中、国内外の複雑で変動の激しい経済環境および銀行業務におけるリスクの増大を背景として、当行は引き
続きリスク管理システム全体を改善し、あらゆる種類のリスクに積極的に対応し、防止した。
信用リスク管理
当行は、マクロ経済および金融情勢に密着し、「コンプライアンスとリスク統制に基づき、質を最優先とする」とい
う経営理念を堅持しつつ、「一流のリスク管理銀行」としての地位を確立し、全面的にリスク管理能力を改善すること
を目指して、全行的に計画を実施し、重点分野でブレークスルーを起こし、「一時的な解決策」を模索するために様々
な措置を講じると同時に「最終的な解決策」を適用した。
第一に、当行は総合的なリスク管理システムを包括的に検討し、体系的に構築した。情報技術、リスク測定、中央集
中管理、ポートフォリオ管理およびリスクの俯瞰などの手段で、機構、商品およびプロセスという複数の側面から総合
的リスク管理システムを再検討し、管理の死角を排除することで、当行は総合的なリスク管理を強化した。第二に、当
行は、顧客、産業および商品という3つの側面から資産構成を継続的に最適化した。当行は、本店および支店の戦略的
顧客が主導する信用資産の配分を堅持することで、新たな成長エン ジンのための政策研究および与信のひな形の開発を
深化させ、 戦略的新興産業および従来的な産業の変革と向上などの新たな成長エンジン産業への信用供給を増加させ
た。また、デジタル化された顧客獲得、オンライン融資およびその他のモデルを通じて、マイクロファイナンス融資お
よび中小企業への与信を推進し、プロジェクトファイナンス、インダストリアルインターネット、直接融資などにおけ
る専門技術を育成した。第三に、当行は、リスクを大局的に防止および管理しつつ、多面的なリスク検査を継続的に実
施した。重点分野の顧客に関連するリスクに細心の注意を払いながら、当行は報告期間中に、大規模なリスクに晒され
ている顧客、インターバンク顧客、P2P、プライベートエクイティ機構および協同機構に対するリスク検査を引き続き
実施し、リスク事前警告および報告メカニズムを最適化し、大規模なリスクの監視および統制システムを構築した。ま
た、早期の事前警告と早期処分を達成するためにリスク特定の感度および洞察を高めた。第四に、当行は 不良資産を効
果的に処分するために、不良資産の処分経路を増やした。当行は、不良資産の償却および資産の証券化を継続的に推進
する一方で、不良資産の現金での回収を強化しており、債務の株式への転換を積極的に追求し、複数の手段でリスク資
産を管理し、不良資産の適法な処分を効果的かつ効率的に実現した。第五に、当行はリスク管理基盤を確固たるものと
し、最終的な解決に向けたリスクおよびコンプライアンス管理の変革を加速させた。当行は、専門的なリスク管理能力
の構築を重視することで、システムの体系的管理を強化し、業務プロセスを確立し、業務パラダイムを構築し、融資後
の監視および検査メカニズムを実施して、与信プロセス全体の最適化を継続的に推し進めた。第六に、当行はフィン
テック・サービスの利用を深化させた。当行は、行内外のデータに基づいて、ビッグデータ・リスク・データのモデル
化および分析プラットフォームを構築し、機械学習アルゴリズムに基づいたオンライン顧客インテリジェンス格付シス
テムを独自に開発し、顧客に関する知識グラフを改善し、政策のインテリジェントな解釈および策定を推進し、インテ
リジェントな事前警告システムを改善し、継続的かつ深層的な変革を目指してリスク管理を強化した。
報告期間中、当行の資産の質は上記の方法で効果的に管理された。当行の信用リスク管理の詳細については、「第6
-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記41(a)を参照されたい。
大規模なリスク・エクスポージャーの管理
CBIRCが公布した「商業銀行の大規模なリスク・エクスポージャーの管理措置」(銀保監会2018年1号令)によれ
ば、大規模なリスク・エクスポージャーとは、商業銀行の正味Tier 1資本の2.5%超を上回る、かかる銀行の単一の顧客
または関連する顧客グループに対する信用リスク・エクスポージャー(銀行勘定およびトレーディング勘定における
様々な信用リスク・エクスポージャーを含む。)をいう。当行は、顧客集中リスクを効果的に統制するために、大規模
なリスク・エクスポージャーの管理をリスク管理システム全体に組み込み、大規模なリスク・エクスポージャーの変動
を測定し、動的に監視している。報告期間末現在、規制機関によって免除されている顧客を除き、大規模なリスク・エ
クスポージャーの基準に達していた当行の単一の非金融機関顧客、非金融機関顧客グループ、単一の金融機関顧客およ
び金融機関顧客グループはすべて、規制上の要件を遵守していた。
カントリー・リスク管理
カントリー・ リスクとは、ある国もしくは地域の借手もしくは債務者が銀行に対する義務を履行できないかもしくは
履行を拒絶する原因となりうる損失、かかる国もしくは地域の当行の業務上のプレゼンスに対する損失またはかかる国
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もしくは地域における当行へのその他の損失を招く可能性がある、かかる国または地域における経済的、政治的および
社会的な変化および事由のリスクをいう。カントリー・リスクは、経済情勢の悪化、政治的および社会的混乱、資産の
国 有化または収用、政府の対外債務の否認、外国為替管理ならびに国または地域における通貨の下落から発生する可能
性がある。
当行は、カントリー・リスクの管理 をリスク管理システム全体に組み込んでいる。 関連する規制要件に従い、当行は
カントリー・リスク構成の変化を動的に監視し、外部の格付結果を参照しつつ当行のソブリン格付モデルを用いてカン
トリー・リスクの限度を設定し、四半期ごとにカントリー・リスクを評価し、引当金を計上した。報告期間末現在、カ
ントリー・リスクに晒されている当行の資産はわずかであり、カントリー・リスクの水準は低い。さらに、当行は、規
制上の要件に従ってカントリー・リスクについて十分な引当金を設定した。その結果、カントリー・リスクが当行の事
業に重大な影響を及ぼすことはないと予想される。
市場リスク管理
当行の市場リスクは、トレーディング勘定および銀行勘定から発生する。金利リスクおよび為替リスクが、当行が晒
されている主な市場リスクである。
金利リスク管理
トレーディング勘定
当行は、トレーディング勘定の金利リスクの測定および管理のために、定量的指標、市場リスク価値指標(トレー
ディング勘定業務に関連する様々な通貨および期間の金利リスク要因を対象とするVaR)、金利ストレステスト損失指
標、金利感応性指標および累積損失指標を含む様々なリスク指標を利用している。リスク測定に使用される金利リスク
要因は、トレーディング勘定の下のすべての業務を網羅しており、金利または債券の約110のイールドカーブで構成さ
れている。VaRには一般的なVaRおよびストレスVaRが含まれ、これらは双方ともヒストリカル・シミュレーション法を
使用して計算され、信頼水準99%、観測期間250日および保有期間10日が採用されている。金利ストレステストのシナリ
オには、様々な程度の金利の平行移動、急激な変動および複雑な変動ならびに投資ポートフォリオの特性に基づいて設
計された様々な不利な市場シナリオが含まれる。うち、極端な金利シナリオでは、最大300ベーシス・ポイントの変動
および極端に不利な市場情勢が含まれることがある。主要な金利感応性指標は、債券の期間ならびに金利が1ベーシ
ス・ポイント不利な変動を示した場合の債券および金利デリバティブの市場価値の増減を反映する。日常的なリスク管
理については、年初の取締役会のリスク許容度、業務計画およびリスク予想に従ってトレーディング勘定の下の金利リ
スク業務の年間承認額および市場リスク限度額が設定され、市場リスク管理部門がその日常的な監視および継続報告に
責任を負う。
2019年上半期には、経済に対する下方圧力が続き、国内の様々な経済データが低下し続けた。特に、2019年5月以
降、金融市場の金利は継続的に下降傾向にあり、中央銀行がSLF(常設貸出ファシリティ)および再割引額を増加さ
せ、証券の短期残高を増加させ、中小規模の銀行金利をさらに引き下げたことで、平均金利が全般的に低下した。しか
しながら、経済のファンダメンタルズが依然として全体的に弱く、債務不履行が発生し続けたため、市場は融資に慎重
なままであり、低格付の銀行間預金スプレッドの差別化が進み、社債のスプレッドは高水準を維持した。海外では、米
国経済が減速した。2019年6月、連邦準備制度理事会はインフレ期待を引き下げ、一部の理事は穏健派となり、米国の
長期金利は大幅に下落して長短金利が逆転したため、市場金利の引下げに対する全体的な期待が高まった。
当行のトレーディング勘定の投資範囲は、人民元建て債券、特に国内利付債に重点が置かれ、信用債券投資は厳格に
管理された。国内および国外の債券イールドが下降基調にあるため、トレーディング勘定の投資ポートフォリオの市場
価値および変動利益がともに増加し、様々な金利リスク指標は目標の範囲内にあった。
銀行勘定
当行は、 銀行勘定の金利リスクを毎月測定し、分析するために、 主に リプライシング・ギャップ分析、デュレーショ
ン分析、ベンチマーク相関分析、シナリオ・シミュレーションおよびその他の方法を採用している。リプライシング・
ギャップ分析は、主に資産および負債のリプライシング期間の分布およびミスマッチを監視する。デュレーション分析
は、主な種類の商品の期間および当行全体の資産と負債の期間のギャップの変化を監視する。ベンチマーク相関分析
は、当行の内部モデルを用いて計算されたベンチマーク相関係数に基づいて、異なる価格設定ベンチマーク金利曲線の
間および各曲線上の異なる期間の点の間に存在するベンチマーク・リスクを評価する。シナリオ・シミュレーション
は、金利リスクの分析および測定を行うための当行の主要なアプローチであり、金利ベンチマークの影響、平行移動お
よびイールドカーブの形の変化、実際に発生したことのある金利の極端な変動ならびに将来において最も可能性が高い
と専門家が判断した金利の変動を含む複数の通常のシナリオおよびストレス・シナリオからなる。翌1年間の正味受取
利息(NII)および経済価値(EVE)の指標の変動は、金利変動シナリオのシミュレーションを通じて計算される。一定
のシナリオのNII変動率およびEVE変動率は、当行全体の金利リスク限度額指標システムに含められている。
報告期間中には、中央銀行の通貨政策は全般的に穏健な基調を維持し、市場金利は低水準で変動した。当行は、外部
のリスク環境の変化を密に監視し、マクロ・モデリングによって市場金利の動向を綿密に分析し、予測しつつ、金利リ
スクの積極的な管理戦略を柔軟に調整した。当行は、債券の投資期間を適度に管理し、合理的に十分な流動性の機会を
捉え、能動的負債によって長期資金を獲得して、流動性と収益性のバランスを維持した。同時に、当行は市場指向の金
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利改革の深化に関する中央銀行の政策の動向に緊密な注意を払い、金利統合の影響の分析および対策の研究を強化し
た。当行は、2018年5月にCBIRCが公布した「商業銀行の銀行勘定の金利リスク管理指針(改訂版)」に従って、銀行
勘 定の様々な金利リスク管理要件を実行した。ストレステストの結果は、様々な指標が限度額および警告前の値の範囲
内に収まっており、銀行勘定に関連する金利リスクは比較的低い水準にとどまっていることを示していた。
為替リスク管理
トレーディング勘定
当行は、リスクの測定および日常的な管理のために、リスク・エクスポージャー指標、市場リスク価値指標(トレー
ディング勘定業務に関連する様々な通貨の為替リスク要因を対象とするVaR)、為替シナリオ・ストレステスト損失指
標、為替感応性指標および累積損失指標を含む様々なリスク指標を利用している。リスク測定については、選定された
為替リスク要因が、トレーディング勘定の下のあらゆる取引通貨建ての直物価格および先渡価格に適用される。市場価
値リスク指標は一般的なVaRおよびストレスVaRからなり、信頼水準99%、観測期間250日および保有期間10日に基づくヒ
ストリカル・シミュレーション法を使用して計算されている。為替ストレステストのシナリオは、 人民元に対する各取
引通貨の5%、10%、15%または15%超の不利な変動、為替オプションの変動性の変化などを網羅している。主な為替レー
ト感応度指標は、デルタ、ガンマ、ベガおよび為替デリバティブのその他の指標である。 日常的な管理については、年
初の取締役会のリスク許容度、業務計画およびリスク予想に従ってトレーディング勘定の下の為替リスク業務の年間承
認額および市場リスク限度額が設定され、市場リスク管理部門がその日常的な監視および継続報告に責任を負う。
2019年上半期には、米中貿易摩擦が世界の外国為替市場における最も重要な牽引要因となった。米ドル/人民元の為
替レートの変動幅は、交渉の状況に伴って双方向に増大した。ヨーロッパおよび米国の様々な経済データは予想を下
回った。国際的に定評のある多数の機関は世界経済がさらに後退する可能性があると判断し、市場リスクの回避傾向が
高まり、金の価格は1オンス当たり1,300米ドル以上という高水準に達した。
かかる状況を背景として、当行は自己勘定業務のエクスポージャー、感応性指標およびストップロスなどの限度額指
標の統制を強化し、トレーディング勘定のすべての為替リスク指標は目標範囲内にあった。当行は、安定したスプレッ
ド収益を得るために主に顧客を代理した 外国為替 取引業務および貴金属業務に依拠した。
銀行勘定
当行の銀行勘定の主な為替リスクは、当行が保有する人民元以外の通貨建ての資産と負債の為替ポジションのミス
マッチによるものである。当行は、為替リスクの厳格な管理を通じて、銀行勘定の為替リスクを許容可能な範囲内に維
持してきた。
当行の銀行勘定の為替リスク測定のためのデータは、主にデータベースによるものであり、当行は主に 外国為替 エク
スポージャー分析、シナリオ・シミュレーション分析、ストレステストおよびその他の手法を測定および分析のために
利用している。 外国為替エクスポージャー測定では、主に短辺法および相関法を利用している。シナリオ ・シミュレー
ションおよび ストレステスト分析は、すべての為替レートの変動に係る為替リスクを管理するための当行の2つの重要
な為替リスク管理ツールであり、標準シナリオ、ヒストリカル・シナリオ、フォワード・ルッキングなシナリオおよび
ストレス・シナリオを含む。先見的な為替レートの変動および過去の極端な変動のシナリオに基づき、各シナリオは当
行の損益への影響をシミュレートすることができる。一定のシナリオが損益に与える影響および純資本に対するその割
合は、限界指標として日常的な管理において参照されている。当行は、測定モデルの有効性を検証するために、関連す
るモデルパラメータについてバックテストおよび評価を定期的に実施している。
当行は、銀行勘定の為替エクスポージャーおよびシナリオ ・シミュレーション 結果を定期的に測定および分析し、限
度額の枠組みの下で為替リスクを月次ベースで監視および報告し、為替変動の傾向に応じて為替エクスポージャーを調
整している。銀行勘定の関連する為替リスクを軽減するため、当行の監査部門が当行の為替リスクの全般的な監査に責
任を負っている。
報告期間中、当行は、為替レートの変動を注視し、国内外のマクロ経済情勢に鑑みて為替レートの変動の影響の分析
を主導し、経営陣が意思決定を行うための科学的な参照基準として貸借対照表の最適化計画を提案した。2019年の複雑
な国際経済情勢に直面して、当行は米国のマクロ経済および米中貿易摩擦の分析を強化して、為替リスク・エクスポー
ジャーを合理的な範囲内に抑制した。報告期間末現在、当行の為替リスクは概ね安定しており、すべてのコア限界指
標、一般的なシナリオおよびストレステストの結果は規制限度要件を満たしている。
当行の市場リスク管理の詳細については、「第6-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記41(b)を参照さ
れたい。
オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクとは、内部制度の不適切性もしくは欠陥、人事制度もしくはITシステムの不備または外部
の事象から生じる損失リスクを指す。オペレーショナル・リスクが様々な側面および広い範囲にわたることを考慮し
て、当行のオペレーショナル・リスク管理では、費用と収益のマッチングおよびインプットとアウトプットのバランス
という原則に基づいて、オペレーショナル・リスク管理システムの構築を積極的に強化し、内部統制制度を実施し、継
続的に各種業務を穏健に実行し、オペレーショナル・リスクを一定水準の損失に削減または防止していく。当行は、オ
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ペレーショナル・リスク管理プロセスにおいては、取締役会が設定したリスクの限度内で、リスク管理メカニズムのさ
らなる改善、重点分野におけるリスク防止および統制の強化、リスクの監視および事前警告の実施、評価メカニズムの
改 善ならびにオペレーショナル・リスク文化の醸成などの措置を通じて、オペレーショナル・リスク管理の能力および
有効性をさらに向上させ、オペレーショナル・リスクの損失を防止し、削減していく。
報告期間中、制度上のオペレーショナル・リスクおよび重大なオペレーショナル・リスクから生じる損失を防ぐため
に、当行は引き続きオペレーショナル・リスク管理システムを改善した。第一に、当行は、オペレーショナル・リスク
管理の重点および指針を精緻化した。第二に、当行は重点分野に関連するリスクの管理を強化し、P2P、プライベート
エクイティ・ファンド、無認可法人支払いおよび割引商業手形などの分野のリスク検査を実施し、リスク管理および統
制を強化した。第三に、当行は管理ツールを最適化し、改善した。主要なリスク指標の検証を通じて、当行は様々な観
点から指標を検討・調整して、オペレーショナル・リスク報告メカニズムをさらに強化し、オペレーショナル・リスク
評価メカニズムおよびオペレーショナル・リスクの経済的資本配分計画を最適化した。第四に、当行は外部委託関連リ
スクの管理を強化し、外部委託関連リスクの管理方針の実行を推し進め、外部委託対象となる商品およびサービスの種
類を慎重に評価し、外部委託関連リスクの監視範囲を拡大した。第五に、当行はITリスク管理および事業継続管理を強
化し、情報技術プロセス点検を実施した。第六に、当行はオペレーショナル・リスク管理システムの性能をさらに向上
させ、オペレーショナル・リスク・データ分析プラットフォームの稼働を推進した。第七に、当行は支店への権限付与
を促進し、支店のオペレーショナル・リスク管理能力を高めるために国内外の支店でオペレーショナル・リスク管理担
当者向けに様々な研修を実施した。
流動性リスク管理
流動性リスクとは、当行が、資産の増加、期日が到来した債務の返済またはその他の支払義務に対応するための十分
な資金を適時に合理的なコストで獲得できないことをいう。当行の流動性リスク管理は、慎重性、先見性および包括性
の原則に基づき継続的な管理に従っている。当行は流動性リスクに対して慎重な姿勢を維持しており、これは当行の現
在の発展段階にとって比較的適切である。
流動性リスク管理の方針策定、戦略的実施および監督機能を分離するという原則に基づいて、当行は流動性リスク管
理統治機構を設置して、取締役会、リスク・資本管理委員会、監査役会、上級役員、専門委員会および関連部門の流動
性リスク管理に関する責任および報告ルートを明確化し、流動性リスク管理の有効性を改善した。
2019年上半期に、中央銀行は慎重な金融政策を維持し、流動性は比較的十分な状態を維持していた。市場環境および
当行の流動性の構成に応じて、当行は流動性管理を強化するために以下の措置を講じた。第一に、当行は引き続き主要
顧客グループに対するマーケティング戦略の指針の強化などの措置を通じて自己勘定預金の増加を促進し、様々な措置
を通じてコア預金の着実な成長を促した。第二に、資産と負債の円滑な運用を実現するために、信用資産投資を動的に
支援し、資産構成の最適化を継続した。第三に、当行はあらゆる面および経路で能動的負債の管理を強化し、相手方と
の協力を強化し、多岐にわたる資金調達経路を拡大し、自己資金調達能力を向上させた。第四に、当行は徹底的かつ洗
練された、先を見越した流動性リスク管理を行った。定量的モデリングならびに動的測定および動的計算を使用するこ
とにより、当行はマクロ経済の研究および判断ならびに当行全体の流動性に関する動的予測を強化し、自行の流動性プ
ロファイルおよび市場金利の動向に応じて短期および中長期の能動的負債業務を柔軟に行った。これには、中央銀行か
らの中期貸出ファシリティおよび中央銀行による公開市場操作への積極的な参加が含まれる。また、適切な機会を捉え
て金融債を発行して、積極的なリスク管理を強化した。第五に、当行は事業ラインの流動性リスク管理を強化した。具
体的には、手形事業やウェルスマネジメント事業などの独立型事業ラインについては、流動性リスクの限度額を個別に
設定し、資産と負債の期間のマッチング管理を強化した。第六に、当行は流動性危機管理計画および緊急時対応計画の
試験および改善を行い、定期的な流動性緊急時訓練によって流動性リスク事由への対応能力を効果的に向上させた。
報告期間末現在、当行の流動性カバレッジ比率は172.69%であり、CBIRCの最低要件を72.69パーセンテージ・ポイン
ト上回っていた。安定調達比率は120.86%であり、CBIRCの最低要件を20.86パーセンテージ・ポイント上回っていた。
これは、当行が事業の持続可能で健全な発展のニーズを満たすために十分な資金源を有していたことを示している。人
民元建て預金総額の11%および外貨建て預金総額の5%をPBOCに預け入れることが要求された。要約すれば、当行の流動
性指標は依然として健全な水準にあり、預金は安定成長を維持し、流動性準備は十分であり、流動性は全般的に安全な
水準にあった。
当行の流動性管理は、業界の中でも高水準を維持しており、2018年5月にCBIRCが公布した「商業銀行の流動性リス
ク管理措置」の様々な要件を満たしていた。
当行の流動性リスク管理の詳細については、「第6-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記41(c)を参照
されたい。
レピュテーション・リスク管理
レピュテーション・リスクとは、当行の経営、管理およびその他の活動または外部の事件によって、当行が関連する
ステークホルダーから否定的な評価を受ける可能性があるリスクを指す。レピュテーション・リスク管理は、コーポ
レート・ガバナンスおよび当行のリスク管理制度全体の重要な部分であり、当行およびその子会社によって行われるす
べての活動、業務および事業を網羅している。当行は、レピュテーション・リスク管理制度を確立し、関連要件を策定
し、損失および悪影響を最大限に軽減するために、レピュテーション・リスクを効果的に防止し、レピュテーションの
問題への対処を主導した。
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報告期間中、当行は、否定的な世論に対する支店の自動事前警告機能を実現するために、既存の世論監視システムの
アップグレードを繰り返し実施し、その結果、世論への対応の効率が効果的に向上した。当行は、適時、適度、公開、
透 明、秩序および有効という管理原則に基づき、世論をリアルタイムで分析し、ソリューションを動的に調整すること
に重点を置いて、重大なレピュテーション・リスク事由についての関連情報を公表し、それによって当該事由から生じ
る悪影響を最小限に抑えた。
コンプライアンス・リスク管理
コンプライアンス・リスクとは、法律、規則および基準を遵守しなかった結果、法的制裁、規制上の処罰、重大な経
済的損失およびレピュテーション上の損失を被るリスクを指す。当行の取締役会は営業活動のコンプライアンスに最終
責任を負い、取締役会のリスク・資本管理委員会にコンプライアンス・リスク管理の監督を委任している。本店のリス
ク・コンプライアンス管理委員会は、上級経営陣の下で全行的なコンプライアンス・リスクを管理する組織である。当
行は、リスク・コンプライアンス管理委員会、コンプライアンス監督者、コンプライアンス責任者、本店および支店の
法務・コンプライアンス部門ならびに支店および準支店レベルのコンプライアンス監督者からなる管理組織構造の構築
を通じてコンプライアンス・リスク管理の3つの防衛線および二重の報告メカニズムを設置し、リスク管理技術および
管理手続きを継続的に改善し、コンプライアンス・リスクの有効な統制を実現するために完全かつ有効なコンプライア
ンス・リスク管理制度を構築した。
現在、金融規制が強化され、銀行に対するコンプライアンスに関する圧力が高まっている。当行はこのような背景に
対して、以下の内部統制コンプライアンス管理措置を採用することによって様々な規制政策および制度上の要件を厳格
に実施し、コンプライアンス・リスク管理および統制を強化した。第一に、「2019年内部統制およびコンプライアンス
業務に関する指針」を策定および公表し、内部統制コンプライアンス管理計画を全行的に打ち出すこと。第二に、
CBIRCの要件および当行の具体的な取決めに従って、「混乱の是正およびコンプライアンスの推進」を実施し、長期的
な是正メカニズムを形成し、それによって当行の質の高い発展の基礎を築くこと。第三に、政策ならびに新規則の通達
および公布の理解を強化し、新商品、新事業および主要プロジェクトに関連するコンプライアンス・リスクを特定およ
び評価し、法律およびコンプライアンスの枠組みの中で価値の創出を支援し、新たな規制上の要件に従って関連する内
部規則を改訂および改善し、実務に基づき制度を効果的に実施すること。第四に、複数のレベルのコンプライアンス教
育および研修を積極的に実施し、「支店のリーダーおよびコンプライアンス責任者向けのコンプライアンス・コース」
および「準支店のリーダーおよびコンプライアンス監督者向けのコンプライアンス・セミナー」活動を秩序立てて推進
して、法令を遵守した経営に対する従業員の意識を全行的に高めること。第五に、従業員の行動管理を強化し、従業員
の異常行動に対する調査を定着させ、それに立脚して規制上の要件および内部管理に従って特別調査を実施すると同時
に、軽度の違反項目リストおよび違反行為を行った従業員名簿の維持ならびに解雇に関する適切な調査の実施などの従
業員の行動管理ツールを運用する取組みを強化すること。第六に、問題の是正の効率および違反の説明責任を継続的に
強化し、内部統制およびコンプライアンスの評価の強度を高め、内部統制およびコンプライアンスの有効性および峻厳
性を確保すること。
マネーロンダリング防止管理
当行は、比較的健全なマネーロンダリング防止の内部統制システムを確立している。当行は、マネーロンダリング防
止に関する関連法令の要件および当行自身の実際の状況に基づいて、マネーロンダリング防止管理システム一式を策定
している。また、当行は、マネーロンダリング防止監視システムを開発し、導入し、マネーロンダリング防止組織シス
テムを構築し、当行全体の事業の健全な運営を確保するために専用のマネーロンダリング防止チームを設置している。
報告期間中、当行はマネーロンダリング防止義務を履行し、マネーロンダリング防止のコンプライアンスおよび有効
性を確保するために様々な措置を講じた。かかる措置には、「金融機関法人に対するマネーロンダリングおよびテロ資
金供与対策のリスク管理指針(試行)」および「銀行および金融機関のマネーロンダリング防止およびテロ資金供与対
策に関する管理措置」に従って当行のマネーロンダリング防止のコンプライアンス管理システムおよび制度システムの
最適化を進め、マネーロンダリングに関する自己査定を全行的に実施し、マネーロンダリング防止の質を飛躍的に高
め、様々な種類のマネーロンダリングについて詳細な調査を行い、業務および商品のマネーロンダリング・リスクの識
別、評価および管理を継続的に強化し、マネーロンダリング防止のコンプライアンス要件を業務プロセスおよびシステ
ムに効果的に埋め込むためにマネーロンダリングに関連するあらゆる種類のリスクを防止し、人工知能のマネーロンダ
リング防止への応用を積極的に促進し、マネーロンダリング防止監視システム、マネーロンダリング防止名簿システム
およびリスク格付システムを継続的に最適化し、全行的にマネーロンダリング防止の有効性の改善を体系的に支援する
ために顧客デューデリジェンス・システムを開発し、立ち上げ、「反マネーロンダリング顧客の特定作業の強化に関す
る中国人民銀行通達」およびその他の規制政策を厳格に遵守し、送金先の特定の継続的な実施に取り組み、報告された
疑わしい取引に対する追跡的なリスク管理措置を実施し、高リスク顧客の管理および統制を強化することが含まれるが
これらに限定されない。
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半期報告書
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営状況全般の概要
当半期中に当グループは、「軽量型業務銀行」という戦略的方向性および「一体両翼」という戦略的ポジショニング
を引き続き堅持し、積極的かつ健全に業務を行った。当行の経営状況は全般的に満足のいくものであり、「質、効率お
よび規模」の動的でバランスの取れた発展が達成された。このことは、主に以下の点に反映されている。
収益は安定して増加した。報告期間における当グループの株主帰属純利益は50.612十億人民元であり、前年同期より
13.08%増加した。正味受取利息は87.407十億人民元と、前年同期から13.50%増加しており、正味非利息収益は50.931十
億人民元と、前年同期から3.75%増加した。当行株主に帰属する平均総資産利益率(ROAA)および当行普通株主に帰属
する平均自己資本利益率(ROAE)は、前年同期からそれぞれ0.06 パーセンテージ・ポイント増および0.14パーセンテー
ジ・ポイント減の 、それぞれ1.45%および19.47%となった。
資産および負債の規模が着実に拡大した。報告期間末現在、当グループの資産合計は7,193.181十億人民元で、前年
末から6.63%増加した。顧客貸付金合計は4,323.530十億人民元であり、前年末から9.93%増加した。負債合計は
6,619.186十億人民元で、前年末から6.72%増加した。顧客預金は合計4,699.738十億人民元であり、前年末から6.80%増
加した。
不良債権は残高および比率ともに減少し、不良債権引当率は引き続き穏健な水準にあった。報告期間末現在、当グ
ループの不良債権残高は、前年末から384百万人民元減少して合計53.221十億人民元となった。不良債権比率は1.23%で
あり、前年末から0.13パーセンテージ・ポイント低下した。不良債権引当率は394.12%であり、前年末から35.94パーセ
ンテージ・ポイント上昇した。
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損益計算書の分析
主要な財務成績
報告期間中の当グループの税引前利益は64.873十億人民元で、前年同期より10.06%増加した。実効法人所得税率は
21.60%であり、前年同期から2.28パーセンテージ・ポイント低下した。報告期間における当グループの主な損益項目の
増減を下表に示す。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月 2018年1月-6月 増減
正味受取利息 87,407 77,012 10,395
正味受取手数料 38,971 37,469 1,502
その他の正味収益 11,252 10,780 472
営業費用 (40,401) (35,729) (4,672)
関連会社および合弁事業に対
する持分利益 708 842 (134)
予想信用損失 (33,064) (31,429) (1,635)
税引前利益 64,873 58,945 5,928
法人所得税費用 (14,015) (14,076) 61
当期純利益 50,858 44,869 5,989
当行株主帰属純利益 50,612 44,756 5,856
正味営業収益
報告期間中の当グループの正味営業収益は138.338十億人民元であり、前年同期から9.70%増加した。うち、正味受取
利息の割合は63.18%であり、正味非利息収益の割合は36.82%であった。
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受取利息
報告期間において、当グループは144.517十億人民元の受取利息を計上した。これは、前年同期から10.17%の増加で
あった。かかる増加は主に、利付資産が増加し、資産構成の継続的な最適化およびリスク価格設定の改善によって利付
資産の収益率が上昇したためであった。顧客貸付金からの受取利息は、引き続き当グループの受取利息の最大の構成要
素であった。
顧客貸付金からの受取利息
報告期間中の当グループの顧客貸付金からの受取利息は、前年同期から15.91%増加して109.078十億人民元となっ
た。
表示期間における当グループの顧客貸付金の平均残高、受取利息および平均収益率(年間換算)の区分別内訳を下表
に示す。平均残高は、日次残高の年間平均をいう(以下も同様である。)。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年1月-6月 2018年1月-6月
年間換算平均 年間換算平均
平均残高 受取利息 収益率(%) 平均残高 受取利息 収益率(%)
法人向け貸付金 1,776,755 38,739 4.40 1,729,842 36,121 4.21
個人向け貸付金 2,124,449 66,144 6.28 1,828,601 53,730 5.93
割引手形 242,116 4,195 3.49 174,715 4,255 4.91
顧客貸付金 4,143,320 109,078 5.31 3,733,158 94,106 5.08
当半期における当行の顧客貸付金の満期構成については、短期貸付の平均残高は1,643.571十億人民元であり、受取
利息は50.559十億人民元であり、年間換算平均収益率は6.20%に達した。中長期貸付は、平均残高が2,204.512十億人民
元、受取利息が52.493十億人民元および年間換算平均収益率が4.80%であった。短期貸付の平均収益率が中長期貸付の
平均収益率を上回ったのは、短期貸付のうち、クレジットカード貸越および小規模金融ローンの収益率が比較的高かっ
たことに主に起因していた。
投資からの受取利息
報告期間中の当グループの投資からの受取利息は、前年同期から0.61%増加して24.246十億人民元となった。年間換
算投資平均収益率は、市場金利の低下の影響を受けて、前年同期から11ベーシス・ポイント低下して3.69%となった。
銀行およびその他金融機関に対する預け金および債権からの受取利息
報告期間中に、当グループの銀行およびその他金融機関に対する預け金および債権からの受取利息は、前年同期から
17.42%減少して7.386十億人民元となった。また、銀行およびその他金融機関に対する預け金および債権の年間換算平
均収益率は、前年同期から44ベーシス・ポイント減の2.63%であった。これは主に、市場金利の低下期間に資産構成を
継続的に最適化し、インターバンク資産の配分を削減するという当グループの取組みによるものであった。
支払利息
報告期間中の当グループの支払利息は57.110十億人民元であり、前年同期より5.44%増加した。これは主に、有利子
負債の規模が拡大し、また、預金獲得競争の激化によって預金の費用率が上昇したためであった。
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顧客預金に対する支払利息
報告期間中の当グループの顧客預金に対する支払利息は前年同期から14.99%増加して34.113十億人民元となった。こ
れは主に、預金規模が拡大し、また、預金獲得競争の激化によって預金の費用率が上昇したためであった。ただし、当
グループでは要求払預金が比較的大きな割合を占めているため、預金の費用率の上昇は、満足のいく水準を保ってい
た。
表示期間における当グループの法人預金および個人預金の平均残高、支払利息および平均費用率(年間換算)を下表
に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年1月-6月 2018年1月-6月
年間換算平均 年間換算平均
平均残高 支払利息 費用率(%) 平均残高 支払利息 費用率(%)
法人預金
要求払 1,578,246 6,497 0.83 1,550,063 6,507 0.85
定期 1,294,388 17,769 2.77 1,232,905 16,533 2.70
小計 2,872,634 24,266 1.70 2,782,968 23,040 1.67
個人預金
要求払 1,070,921 1,962 0.37 1,012,600 1,480 0.29
定期 553,001 7,885 2.88 402,614 5,147 2.58
小計 1,623,922 9,847 1.22 1,415,214 6,627 0.94
顧客預金合計 4,496,556 34,113 1.53 4,198,182 29,667 1.43
銀行およびその他金融機関からの預金および短期借入金に対する支払利息
報告期間中の当グループの銀行およびその他金融機関からの預金および短期借入金に対する支払利息は9.679十億人
民元であり、前年同期から22.18%減少した。これは主に、自己勘定預金が着実に増加し、負債構成がさらに最適化さ
れ、市場金利の低下を受けてインターバンク負債の金額が減少したためであった。
発行債券に対する支払利息
報告期間中の当グループの発行債券に対する支払利息は、前年同期から23.69%増加して8.177十億人民元となった。
これは主に、発行債券の金額が増加したためであった。
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正味受取利息
報告期間中の当グループの正味受取利息は87.407十億人民元で、前年同期から13.50%増加した。
表示期間における当グループの資産および負債の平均残高、受取/支払利息ならびに平均収益率/費用率(年間換
算)を下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年1月-6月 2018 年1月-12月 2018 年1月-6月
年間換算 年間換算
平均 平均 平均
収益率 収益率 収益率
平均残高 受取利息 (%) 平均残高 受取利息 (%) 平均残高 受取利息 (%)
利付資産
顧客貸付金 4,143,320 109,078 5.31 3,825,123 196,370 5.13 3,733,158 94,106 5.08
投資 1,325,061 24,246 3.69 1,278,915 48,267 3.77 1,279,833 24,098 3.80
中央銀行預け金 484,370 3,807 1.58 510,760 7,961 1.56 521,914 4,027 1.56
銀行およびその他
金融機関に対する
預け金および債権 566,310 7,386 2.63 630,169 18,313 2.91 587,170 8,944 3.07
合計 6,519,061 144,517 4.47 6,244,967 270,911 4.34 6,122,075 131,175 4.32
年間換算 年間換算 年間換算
平均 平均 平均
費用率 費用率 費用率
平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%)
有利子負債
顧客預金 4,496,556 34,113 1.53 4,269,523 61,987 1.45 4,198,182 29,667 1.43
銀行およびその他
金融機関からの預
金および短期借入
金 833,267 9,679 2.34 863,041 23,028 2.67 877,510 12,438 2.86
発行債券 446,214 8,177 3.70 340,151 14,530 4.27 310,083 6,611 4.30
中央銀行からの借
入金 319,099 4,880 3.08 348,093 10,982 3.15 351,247 5,447 3.13
(注)
リース負債 12,873 261 4.09 / / / / / /
合計 6,108,009 57,110 1.89 5,820,808 110,527 1.90 5,737,022 54,163 1.90
正味受取利息 / 87,407 / / 160,384 / / 77,012 /
正味利息スプレッ
ド / / 2.58 / / 2.44 / / 2.42
正味利息収益率 / / 2.70 / / 2.57 / / 2.54
注:当グループは、2019年1月1日付でIFRS第16号「リース」(以下「新リース基準」という。)の適用を開始した。新リース
基準に従って、当グループは、リース契約(短期リースおよび少額リース契約を除く。)について、リース期間の開始日に
支払われなかったリース料の現在価値に基づいてリース負債を認識し、その後、実効金利法を使用して各期間のリース負債
の支払利息を計算し、支払利息として認識した。前年の対応する期間の比較数値は調整対象ではなかった。
報告期間中の当グループの利付資産の平均収益率(年間換算)および有利子負債の平均費用率(年間換算)はそれぞ
れ4.47%および1.89%であり、前年同期からそれぞれ15ベーシス・ポイント増および1ベーシス・ポイント減となった。
正味利息スプレッドおよび正味利息収益率は、ともに前年同期より16ベーシス・ポイント上昇して、それぞれ2.58%お
よび2.70%となった。
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下表は、表示期間における当グループの金額および金利の変動による受取利息および支払利息の増減の内訳を示して
いる。金額の変動は、平均残高(日次残高の年間平均)の変動に基づいて測定され、金利の変動は、平均金利の変動に
基 づいて測定される。金額と金利の双方の変動による受取利息および支払利息の増減は、金額の変動による受取利息お
よび支払利息の増減に含められている。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月対2018年1月-6月
増加/(減少)要因
純増/(減)
金額 金利
利付 資産
顧客貸付金 10,798 4,174 14,972
投資 828 (680) 148
中央銀行預け金 (295) 75 (220)
銀行およびその他金融機関に対する預け
金および債権 (272) (1,286) (1,558)
受取利息の増減 11,059 2,283 13,342
有利子負債
顧客預金 2,264 2,182 4,446
銀行およびその他金融機関からの預金お
よび短期借入金 (514) (2,245) (2,759)
発行債券 2,495 (929) 1,566
中央銀行からの借入金 (492) (75) (567)
リース負債 261 - 261
支払利息の増減 4,014 (1,067) 2,947
正味受取利息の増減 7,045 3,350 10,395
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表示期間における当グループの資産および負債の平均残高、受取/支払利息ならびに年間換算平均収益率/費用率を
下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年1月-3月 2019年4月-6月
年間換算 年間換算
平均収益率 平均収益率
平均残高 受取利息 (%) 平均残高 受取利息 (%)
利付資産
顧客貸付金 4,067,414 53,678 5.35 4,218,393 55,400 5.27
投資 1,300,031 11,934 3.72 1,349,815 12,312 3.66
中央銀行預け金 480,041 1,882 1.59 488,651 1,925 1.58
銀行およびその他金融機関
に対する預け金および債権 630,772 4,115 2.65 502,555 3,271 2.61
合計 6,478,258 71,609 4.48 6,559,414 72,908 4.46
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年1月-3月 2019年4月-6月
年間換算 年間換算
平均費用率 平均費用率
平均残高 支払利息 (%) 平均残高 支払利息 (%)
有利子負債
顧客預金 4,456,186 16,637 1.51 4,536,482 17,476 1.55
銀行およびその他金融機関
からの預金および短期借入
金 805,263 4,680 2.36 860,963 4,999 2.33
発行債券 425,419 4,091 3.90 466,780 4,086 3.51
中央銀行からの借入金 353,312 2,712 3.11 285,262 2,168 3.05
リース負債 11,915 120 4.08 13,821 141 4.09
合計 6,052,095 28,240 1.89 6,163,308 28,870 1.88
正味受取利息 ╱ 43,369 ╱ ╱ 44,038 ╱
正味利息スプレッド ╱ ╱ 2.59 ╱ ╱ 2.58
正味利息収益率 ╱ ╱ 2.72 ╱ ╱ 2.69
2019年第2四半期には市場の流動性が比較的潤沢であったため、市場収益率は大幅に低下した。2019年第2四半期に
は、当グループの正味利息スプレッドは、2019年第1四半期から1ベーシス・ポイント低下して2.58%となった。う
ち、利付資産の平均収益率(年間換算)は、2019年第1四半期から2ベーシス・ポイント低下して4.46%となり、有利
子負債の平均費用率(年間換算)は、2019年第1四半期から1ベーシス・ポイント低下して1.88%となった。正味利息
収益率は、2019年第1四半期より3ベーシス・ポイント低下して2.69%となった。
正味非利息収益
報告期間中に、当グループは50.931十億人民元の正味非利息収益を計上した。これは、前年同期から3.75%の増加で
あった。その内訳は以下のとおりである。
(注)
正味受取手数料は、前年同期から4.01%増加して38.971十億人民元となっ た。うち、決済および清算手数料 は、
主に 電子決済収益が増加したため、(同一の統計基準で計算して)前年同期から1.215十億人民元(22.67%)増加し
た。バンクカード手数料収益は、主にバンクカードPOS取引収益の増加によって、前年同期から1.528十億人民元
(18.80%)増加した。代理手数料収益は、主にファンドの代理販売収益が減少したため、(同一の統計基準で計算し
て)前年同期から854百万人民元(9.47%)減少した。信用コミットメントおよび貸付業務からの手数料は、主に国内
ファクタリングおよび国際保証による手数料収益が減少したため、(同一の統計基準で計算して)前年同期から349百
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万人民元(8.84%)減少した。保管および信託業務からの手数料は、主に保管手数料が減少したため、前年同期から154
百万人民元(1.24%)減少した。
(注)2018年度に係る年次報告書の発行以降、当グループは、手数料収益の構成項目の統計基準を調整した。クロスボーダーの
融資業務に関連する手数料の一部は「決済および清算手数料」から「信用コミットメントおよび貸付業務からの手数料」
に調整され、子会社のファンド管理手数料収益は「代理手数料」および「その他」から「保管および信託業務からの手数
料」に調整され、子会社の証券仲介手数料収益は「 保管および信託業務からの手数料 」から「代理手数料」に調整され、
前年同期の比較数値にも対応する調整がなされた。
その他の正味非利息収益は、前年同期から2.91%増加して11.960十億人民元となった。うち、投資純利益は7.260十億
人民元であり、前年同期から1.118十億人民元(18.20%)増加した。これは主に手形および債券の売買スプレッドによ
る収益の増加によるものであった。公正価値の変動による純利益は、前年同期から1.068十億人民元減少して-12十億人
民元となった。これは主に、非標準的手形投資、債券およびデリバティブの評価額の減少によるものであった。その他
の正味収益は、主にリース業務による収益が増加したため、前年同期から655百万人民元(32.38%)増の2.678十億人民
元となった。
事業セグメント別では、リテール金融業務からの正味非利息収益は前年同期から7.08%増の26.160十億人民元とな
り、当グループの正味非利息収益の51.36%を占めた。ホールセール金融業務からの正味非利息収益は前年同期から
6.88%減の18.098十億人民元となり、当グループの正味非利息収益の35.54%を占めた。その他業務からの正味非利息収
益は前年同期から27.74%増の6.673十億人民元となり、当グループの正味非利息収益の13.10%を占めた。
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表示期間中の当グループの正味非利息収益の主要な構成要素を下表に示す。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月 2018年1月-6月
受取手数料 42,512 40,398
バンクカード手数料 9,654 8,126
決済および清算手数料 6,574 5,359
代理手数料 8,168 9,022
信用コミットメントおよび貸付業務からの手数料 3,601 3,950
保管および信託業務からの手数料 12,278 12,432
その他 2,237 1,509
差引:支払手数料 (3,541) (2,929)
正味受取手数料 38,971 37,469
その他の非利息収益 11,960 11,622
その他の正味収益 11,252 10,780
公正価値の変動による純利益 (12) 1,056
投資純利益 7,260 6,142
外国為替純利益 1,326 1,559
その他の正味営業収益 2,678 2,023
関連会社および合弁事業に対する持分利益 708 842
正味非利息収益合計 50,931 49,091
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営業費用
報告期間中の当グループの営業費用は、前年同期より13.08%増加して40.401十億人民元となった。うち、当グループ
の人件費は前年同期より14.18%増加し、その他一般管理費は前年同期より12.90%増加した。営業費用の増加は主に、当
グループが3.0デジタル・ビジネス・モデルの変革を実施し、フィンテック戦略を推進し、顧客数を増加させ、経営お
よびサービス能力を強化し、デジタル店舗の建設、2大アプリの運用および様々なフィンテック・イノベーションのた
めの費用をさらに投入し、ITハードウェア、ソフトウェアおよび研究開発のための人的資源への投資を行ったためで
あった。報告期間中の当グループの費用収益比率は、前年同期から0.73パーセンテージ・ポイント増の27.58%であり、
当行の費用収益比率は、前年同期から1.06パーセンテージ・ポイント増の27.81%であった。
表示期間における当グループの営業費用の主要な構成要素を下表に示す。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月 2018年1月-6月
人件費 24,575 21,523
税金および課徴金 1,143 987
固定資産および投資不動産の減価償却費 2,924 2,503
無形資産の償却費 465 472
(注)
使用権資産の減価償却費および償却費 2,154 N/A
賃貸料 N/A 2,144
その他一般管理費 9,023 7,992
保険請求引当金 117 108
合計 40,401 35,729
注:当グループは、2019年1月1日以降、新リース基準を実施している。新リース基準に基づき認識された使用権資産について
は、減価償却費および償却費が発生する。短期リースおよび少額リースについては、費用は当期に直接認識しなければなら
ない。
予想信用損失
報告期間において、当グループの予想信用損失は、前年同期から5.20%増加して33.064十億人民元となった。表示期
間における当グループの予想信用損失の主な内訳を下表に示す。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月 2018年1月-6月
顧客貸付金 29,512 30,378
金融投資 1,737 1,259
銀行およびその他金融機関に対する預け金および債権 (194) (106)
財務保証および貸付コミットメントに関連する予想信用損失 1,740 (166)
その他資産 269 64
予想信用損失合計 33,064 31,429
予想信用損失の中で最大の構成要素は、顧客貸付金に対する予想信用損失であった。報告期間中の顧客貸付金に対す
る予想信用損失は、前年同期から2.85%減少して29.512十億人民元となった。貸付金に対する減損引当金に関する詳細
については、下記「貸付金の質の分析」を参照されたい。
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貸借対照表の分析
資産
報告期間末現在、当グループの資産合計は7,193.181十億人民元で、前年末から6.63%増加した。これは主に当グルー
プの顧客貸付金の増加によるものであった。
数値を比較可能とするために、本項「資産」においては、金融商品は引き続き、未収利息を除いた同一の統計基準で
分析された。ただし、「当グループの資産合計の構成要素」の表では、財政部の要求に従って、実効金利法を用いて計
算された未収利息が含まれている。
表示日現在の当グループの資産合計の構成要素を下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
顧客貸付金(総額) 4,332,823 60.24 3,941,844 58.43
(1)
貸付金に対する減損引当金 (209,772) (2.92) (191,895) (2.84)
顧客貸付金(純額) 4,123,051 57.32 3,749,949 55.59
投資証券およびその他金融資産 1,747,704 24.30 1,714,490 25.42
現金、貴金属および中央銀行預け金 553,194 7.69 500,020 7.41
銀行およびその他金融機関に対する預
け金および債権ならびに売戻契約に基
づく購入額 556,853 7.74 612,957 9.08
のれん 9,954 0.14 9,954 0.15
(2)
その他資産 202,425 2.81 158,359 2.35
資産合計 7,193,181 100.00 6,745,729 100.00
注:
(1)期末現在の「貸付金に対する減損引当金」には、償却原価で測定される顧客貸付金に対する減損引当金および償却
原価で測定される顧客貸付金に係る未収利息に対する減損引当金が含まれていた。145百万人民元の減損損失引当
金は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される顧客貸付金の簿価から差し引かれていない。詳細について
は、「第6-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記16(a)を参照されたい。
(2)有形固定資産、使用権資産、無形資産、投資不動産、繰延税金資産およびその他資産を含む。
顧客貸付金
報告期間末現在の当グループの顧客貸付金の総額は4,323.530十億人民元(未収利息を除く。)で、前年末から9.93%
増加した。顧客貸付金の総額が資産合計に占める割合は60.11%で、前年末より1.81パーセンテージ・ポイント上昇し
た。当グループの顧客貸付金に関する詳細については、下記「貸付金の質の分析」を参照されたい。
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投資証券およびその他金融資産
当グループの投資証券およびその他金融資産は、上場および非上場の人民元建ておよび外貨建ての金融商品により構
成される。
当グループの投資証券およびその他金融資産の項目別内訳を下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
デリバティブ金融資産 27,533 1.60 34,220 2.02
損益を通じて公正価値で測定される
投資 341,560 19.78 327,643 19.36
- 債券
126,755 7.34 132,849 7.85
- 非標準的信用資産
170,046 9.85 173,988 10.28
(注)
- その他
44,759 2.59 20,806 1.23
償却原価で測定される債券投資 912,572 52.86 903,268 53.36
- 債券
742,311 43.00 657,926 38.87
- 非標準的信用資産
178,770 10.35 252,884 14.94
- その他
551 0.03 538 0.03
- 差引:減損損失引当金
(9,060) (0.52) (8,080) (0.48)
その他の包括利益を通じて公正価値で
測定される債券投資 429,382 24.87 414,691 24.50
その他の包括利益を通じて公正価値で
指定される持分投資 5,763 0.33 4,015 0.24
関連会社および合弁事業に対する投資 9,685 0.56 8,871 0.52
投資 証券およびその他金融資産合計 1,726,495 100.00 1,692,708 100.00
注:持分投資、ファンド投資、ウェルスマネジメント商品、貴金属契約のロングポジションなどを含む。
デリバティブ金融商品
報告期間末現在、当グループが保有していたデリバティブ金融商品の主な区分および金額を下表に示す。詳細につい
ては、「第6-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記41(f)を参照されたい。
(単位:百万人民元)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
公正価値 公正価値
想定元本 資産 負債 想定元本 資産 負債
金利デリバティブ 4,537,578 14,006 (13,713) 4,382,713 16,150 (14,812)
通貨デリバティブ 1,510,306 12,914 (16,499) 1,605,849 17,630 (21,321)
その他デリバティブ 119,413 613 (602) 116,624 440 (437)
合計 6,167,297 27,533 (30,814) 6,105,186 34,220 (36,570)
上表は、各貸借対照表の日付現在の当グループのデリバティブの想定元本および公正価値を示している。想定元本と
は、貸借対照表の日付現在、満期が到来していないかまたは完了していない取引の金額のみを表しており、予想最大損
失額を表すものではない。
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報告期間中には人民元の為替レートは外的事由の影響を受け、双方向のボラティリティが増大し、様々な金融資産の
価格変動リスクに回避に関する顧客の意識が高まった。当グループは、金融市場におけるデリバティブ取引の専門的な
優位性を引き続き活用し、市場リスクのヘッジのためにデリバティブ商品を積極的に利用した。その結果、サービスを
提 供した顧客数および取引規模が比較的急速に拡大した。
損益を通じて公正価値で測定される投資
報告期間末現在の当グループの損益を通じて公正価値で測定される投資は、前年末から4.25%増の341.560十億人民元
であった。債券投資および非標準的手形投資がその主な項目であった。債券投資は、投資収益を増加させるために、主
に債券市場における取引機会を捉えるという当グループのニーズを満たすために行われた。報告期間中には、当グルー
プは総合的な市場調査を通じて積極的な取引戦略を採択し、高格付の債券および比較的価値の高い長期利付債への投資
を増加させた。ポートフォリオの全体的な期間および規模は、前年度末とから大幅に増加した。一方、当グループは、
収益ポートフォリオをさらに強化するために、金利スワップおよびその他のデリバティブ取引ツールを積極的に利用し
てリスクをヘッジした。報告期間中に、手形の非標準化信用資産投資が、資産管理に関する新規則およびその移行期間
の関連取決めに厳密に従って行われ、投資業務が整然と実施された一方で、手形市場の金利の変化に沿って、市場価値
の変動を軽減し、帳簿収益を可能な限り増加させるために資産構造が微調整された。詳細については、「第6-1 中
間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記17(a)を参照されたい。
償却原価で測定される債券投資
報告期間末現在、当グループの償却原価で測定される債券投資残高は、前年末から1.03%増の912.572十億人民元で
あった。うち、債券投資は、主に中国政府および政策銀行が発行した債券に対して行われた。かかる区分の投資は、銀
行勘定の金利リスク管理、流動性リスク管理および安定した収益流入の必要性に基づき、当グループの資産および負債
の戦略的配分のために長期保有されてきた。詳細については、「第6-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する
注記17(b)を参照されたい。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される債券投資
報告期間末現在、当グループのその他の包括利益を通じて公正価値で測定される債券投資残高は、前年末から3.54%
増の429.382十億人民元であった。かかる投資は主に、主に当グループの業績の改善を目的として行われた。報告期間
中に、人民元建て債券の市場金利の変動に伴い、当グループは変化を密接に監視し、市場金利の変動に基づきポート
フォリオの年限を適時に延長し、ポートフォリオの年限を長期に維持しつつ、国債、地方債および価値が比較的高いそ
の他の金利関連資産の増加に注力し、資産構成を最適化し、信用リスクを効果的に回避した。詳細については、「第6
-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注記17(c)を参照されたい。
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当グループの債券投資合計の発行者別内訳
(単位:百万人民元)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
(注)
公的機関 738,697 641,102
政策銀行 315,585 291,041
商業銀行およびその他金融機関 144,007 174,934
(注)
その他 100,159 98,389
債券投資合計 1,298,448 1,205,466
注:「公的機関」は、中国の財政部、地方政府および中央銀行を含む。「その他」は主に企業をいう。
その他の包括利益を通じて公正価値で指定される持分投資
報告期間末現在、当グループのその他の包括利益を通じて公正価値で指定される持分投資残高は、前年末から43.54%
増の5.763十億人民元であった。これは主に、増分投資および既存投資の評価額の増加によるものであった。かかる投
資は主に、当グループが支配権、共同支配権または重大な影響力を有さない投資対象に対して当グループが保有する非
トレーディング持分投資からなっていた。詳細については、「第6-1 中間財務書類」に掲げる財務書類に対する注
記17(d)を参照されたい。
関連会社および合弁事業に対する投資
報告期間末現在、当グループの関連会社および合弁事業に対する投資の純額は9.685十億人民元であり、前年末から
9.18%の増加であった。これは主に、合弁事業投資収益の増加によるものであった。報告期間末現在、当グループの関
連会社および合弁事業に対する投資にかかる減損引当金残高はゼロであった。詳細については、「第6-1 中間財務
書類」に掲げる財務書類に対する注記18および注記19を参照されたい。
のれん
報告期間末現在、当グループののれんの減損引当金残高は579百万人民元であり、のれんの簿価は9.954十億人民元で
あった。
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負債
報告期間末現在の当グループの負債合計は6,619.186十億人民元で、前年末から6.72%増加した。これは主に、顧客預
金が安定的に増加したためである。
数値を比較可能とするために、本項「負債」においては、金融商品は引き続き、未払利息を除いた同一の統計基準で
分析された。ただし、「当グループの負債合計の構成要素」の表では、財政部の要求に従って、実効金利法を用いて計
算された未払利息が含まれている。
表示日現在の当グループの負債合計の構成要素を下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
顧客預金 4,727,134 71.42 4,427,566 71.39
銀行およびその他金融機関からの預金
および短期借入金ならびに買戻契約に
基づく売却額 818,155 12.36 752,917 12.14
中央銀行からの借入金 334,509 5.05 405,314 6.54
損益を通じて公正価値で測定される金
融負債 43,127 0.65 44,144 0.71
デリバティブ金融負債 30,814 0.47 36,570 0.59
発行債券 501,902 7.58 424,926 6.85
(注)
その他 163,545 2.47 110,687 1.78
負債合計 6,619,186 100.00 6,202,124 100.00
注:未払給与、未払法人税、契約負債、リース負債、引当金、繰延税金負債およびその他負債を含む。
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顧客預金
報告期間末現在、当グループの顧客預金合計は、前年末から6.80%増の4,699.738十億人民元(未払利息を除く。)で
あった。顧客預金は当グループの負債合計の71.00%を占め、当グループの主な資金源であった。
下表は、表示日現在の当グループの顧客預金の商品別および顧客別の内訳を示したものである。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
(注)
法人預金
要求払 1,695,441 36.07 1,645,684 37.39
定期 1,333,140 28.37 1,192,037 27.09
小計 3,028,581 64.44 2,837,721 64.48
個人預金
要求払 1,078,895 22.96 1,059,923 24.09
定期 592,262 12.60 503,030 11.43
小計 1,671,157 35.56 1,562,953 35.52
顧客預金合計 4,699,738 100.00 4,400,674 100.00
注:当グループは、当期中に預金計算規則の一部を最適化し、それに応じて2018年末現在の比較数値が調整されてい
る。
報告期間中には、当グループの顧客預金の年間平均日次残高に占める要求払預金の年間平均日次残高の割合は58.92%
であり、前年より1.72パーセンテージ・ポイント低下した。うち、法人要求払預金の年間平均日次残高が法人顧客預金
の年間平均日次残高に占める割合は54.94%と、前年より0.72パーセンテージ・ポイント低下し、個人要求払預金の年間
平均日次残高が個人顧客預金の年間平均日次残高に占める割合は65.95%と、前年より4.19パーセンテージ・ポイント低
下した。
株主資本
報告期間末現在、当グループの株主資本は573.995十億人民元であり、前年末から5.59%増加した。うち、利益剰余金
は、前年末から9.41%増となる300.173十億人民元であった。投資再評価準備金は、主にその他の包括利益を通じて公正
価値で指定される持分投資の評価額が上昇したことで、前年末から17.26%増加して6.487十億人民元となった。
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貸付金の質の分析
報告期間中に、当グループの貸付金の規模は着実に拡大し、不良債権は残高および割合ともに減少して資産の質が引
き続き最適化された。引当率は引き続き安定しており、リスク損失吸収能力はさらに改善した。報告期間末現在、当グ
ループの不良債権残高は、前年末から384百万人民元減少して53.221十億人民元となり、不良債権比率は前年末から
0.13パーセンテージ・ポイント減の1.23%であった。不良債権引当率は、前年末から35.94パーセンテージ・ポイント増
の394.12%であった。貸付金に対する引当率は、前年末から0.03パーセンテージ・ポイント低下して4.85%であった。
5区分の債権分類による貸付金の内訳
表示日現在における当グループの5区分の債権分類を下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
金額 割合(%) 金額 割合(%)
正常 4,213,998 97.47 3,820,100 97.13
要注意 56,311 1.30 59,329 1.51
破綻懸念 17,264 0.40 13,526 0.34
実質破綻 23,186 0.54 25,041 0.64
破綻 12,771 0.29 15,038 0.38
顧客貸付金合計 4,323,530 100.00 3,933,034 100.00
不良債権合計 53,221 1.23 53,605 1.36
5区分の債権分類制度においては、当グループの不良債権は、破綻懸念債権、実質破綻債権および破綻債権に分類さ
れる。報告期間中に、当グループの5区分の債権分類制度はさらに最適化され、不良債権の金額および比率はともに減
少した。報告期間末現在の要注意債権は56.311十億人民元と、前年末から3.018十億人民元減少した。要注意債権の割
合は1.30%であり、前年末から0.21パーセンテージ・ポイントの低下であった。
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貸付金および不良債権の商品別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日現在 2018 年12月31日現在
不良債権 不良債権
貸付金 割合 貸付金 割合
(1) (1)
残高 (%) 不良債権 比率 (%) 残高 (%) 不良債権 比率 (%)
法人向け貸付金 1,833,884 42.42 36,613 2.00 1,773,929 45.10 37,758 2.13
運転資本貸付金 903,385 20.90 25,571 2.83 884,660 22.49 25,698 2.90
固定資産貸付金 502,646 11.63 4,907 0.98 470,521 11.97 5,067 1.08
貿易金融 160,483 3.71 1,750 1.09 157,093 3.99 2,465 1.57
(2)
その他 267,370 6.18 4,385 1.64 261,655 6.65 4,528 1.73
(3)
割引手形 250,589 5.79 - - 149,766 3.81 - -
個人向け貸付金 2,239,057 51.79 16,608 0.74 2,009,339 51.09 15,847 0.79
小規模金融ロー
ン 383,357 8.87 3,460 0.90 350,534 8.91 4,682 1.34
住宅ローン 1,035,609 23.95 2,564 0.25 928,760 23.62 2,610 0.28
クレジットカー
ド ・ローン 652,635 15.09 8,496 1.30 575,490 14.63 6,392 1.11
(4)
その他 167,456 3.88 2,088 1.25 154,555 3.93 2,163 1.40
顧客貸付金合計 4,323,530 100.00 53,221 1.23 3,933,034 100.00 53,605 1.36
注:
(1)各区分の不良債権の同区分の貸付金総額に対する百分率を表す。
(2)主にファイナンス・リース、M&Aファイナンスおよび法人向け抵当貸付などのその他法人向け貸付金からなる。
(3)当行では、会計処理の目的上、いったん延滞となった割引手形を法人向け貸付に振り替える。
(4)「その他」の区分は、主に一般消費ローン、商業住宅ローン、自動車ローン、住宅リフォーム・ローン、教育ロー
ンおよび金融資産を担保とするその他個人向け貸付金からなる。
2019年上半期、当グループは個人向け貸付業務を積極的に拡大し、クレジットカード・ローンおよび自己居住用住宅
ローン事業を安定的に発展させ、民間小規模金融ローンを積極的に支援した。個人向け貸付金の割合は増加し、資産の
質は安定的かつ制御可能であった。報告期間末現在、個人向け貸付金の割合は0.70パーセンテージ・ポイント上昇して
51.79%となった。個人向け貸付の不良債権は、前年末から761百万人民元増加して16.608十億人民元となった。個人向
け貸付の不良債権比率は0.74%と、前年末から0.05パーセンテージ・ポイント低下した。うち、クレジットカード・
ローンの不良債権比率は、「共同債務」リスクなどの外的要因の影響によって、前年末から0.19パーセンテージ・ポイ
ント上昇して1.30%となった。
報告期間末現在、当グループの法人向け貸付金の割合は2.68パーセンテージ・ポイント低下して42.42%となり、法人
向け貸付金の不良債権比率は前年末から0.13パーセンテージ・ポイント低下して2.00%となった。うち、すべての種類
の法人向け貸付金の不良債権比率は、金額および比率ともに減少した。
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貸付金および不良債権の業種別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日現在 2018 年12月31日現在
不良債権 不良債権
貸付金 割合 貸付金 割合
(1) (1)
残高 (%) 不良債権 比率 (%) 残高 (%) 不良債権 比率 (%)
法人向け貸付金 1,833,884 42.42 36,613 2.00 1,773,929 45.10 37,758 2.13
不動産開発 341,615 7.90 1,649 0.48 316,490 8.05 3,263 1.03
輸送・倉庫・
郵便サービス 303,638 7.02 2,430 0.80 287,027 7.30 1,674 0.58
製造業 263,594 6.10 17,319 6.57 282,543 7.18 18,760 6.64
卸売・小売 168,748 3.90 4,590 2.72 170,489 4.33 6,867 4.03
電力・熱供給・
ガス・水道 148,305 3.43 1,170 0.79 146,662 3.73 827 0.56
リース・
商業サービス 145,516 3.37 4,146 2.85 126,095 3.21 576 0.46
金融 114,947 2.66 96 0.08 114,137 2.90 3 -
建設 94,498 2.18 1,256 1.33 90,110 2.29 1,080 1.20
情報通信、ソフ
トウェア・IT
サービス 66,130 1.53 724 1.09 70,012 1.78 710 1.01
水保全、環境
および公益事業 53,866 1.25 266 0.49 55,916 1.42 294 0.53
鉱業 40,095 0.93 2,246 5.60 37,545 0.95 3,019 8.04
(2)
その他 92,932 2.15 721 0.78 76,903 1.96 685 0.89
割引手形 250,589 5.79 - - 149,766 3.81 - -
個人向け貸付金 2,239,057 51.79 16,608 0.74 2,009,339 51.09 15,847 0.79
顧客貸付金合計 4,323,530 100.00 53,221 1.23 3,933,034 100.00 53,605 1.36
注:
(1)各区分の不良債権の同区分の貸付金総額に対する百分率を表す。
(2)主に農業、林業、畜産業、漁業、宿泊および飲食、医療および社会福祉などからなる。
当半期中に、当グループは重要な国家戦略計画に従い、実体経済の発展を引き続き支援し、信用構成を継続的に最適
化し、戦略的新興産業、先進製造業および現代サービス業などの新たな成長の牽引産業への与信を拡大した。当グルー
プは、国家のマクロ産業政策に従って、融資を削減および回収しなければならない産業、不動産業および地方政府の資
金調達プラットフォームなどの重要分野について信用戦略を動的に調整した。当グループは、高い債務水準を有する顧
客、「ゾンビ企業」、過剰生産能力および低い業務効率を有する顧客などの高リスク顧客への貸付の付与の削減および
中止を加速させた。報告期間中、マクロ経済が低迷し、一定の大規模法人顧客に不良債権が生じたなどの要因の影響を
受け、一定の業種(リース・商業サービス、電力・熱供給・ガス・水道、輸送・倉庫・郵便サービスを含む。)に関連
する不良債権比率が上昇した。
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貸付金および不良債権の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日現在 2018 年12月31日現在
不良債権 不良 債権
貸付金 割合 貸付金 割合
(1) (1)
残高 (%) 不良 債権 比率 (%) 残高 (%) 不良 債権 比率 (%)
(2)
本店 726,053 16.79 10,582 1.46 650,128 16.53 6,567 1.01
長江デルタ 865,252 20.02 8,320 0.96 793,637 20.18 10,334 1.30
環渤海 552,006 12.77 7,635 1.38 503,588 12.80 8,708 1.73
珠江デルタおよび
台湾海峡西側 733,449 16.96 7,334 1.00 667,011 16.96 7,009 1.05
中国東北部 150,070 3.47 5,115 3.41 146,198 3.72 5,583 3.82
中国中部 436,826 10.10 3,589 0.82 384,094 9.77 5,005 1.30
中国西部 414,045 9.58 8,213 1.98 380,675 9.68 7,975 2.09
海外 133,628 3.09 414 0.31 123,337 3.13 456 0.37
子会社 312,201 7.22 2,019 0.65 284,366 7.23 1,968 0.69
顧客貸付金合計 4,323,530 100.00 53,221 1.23 3,933,034 100.00 53,605 1.36
注:
(1)各区分の不良債権の同区分の貸付金総額に対する百分率を表す。
(2)本店には、クレジットカード・センター、オフショア・ファイナンス・センターおよび本店営業部が含まれる。
地域ごとに経済特性および顧客基盤が異なるため、当グループは異なる地域の支店および準支店向けに区分ごとに差
別化したリスク監督管理を実施した。リスク集中地域については、当グループは、与信基準を選択的に引き上げ、与信
権を動的に調整して地域のシステミック・リスクの発生の防止を目指した。報告期間末現在、中国中部への貸付金およ
び本店による貸付金残高の割合が増加した一方で、中国東北部、長江デルタ、中国西部、海外、環渤海および子会社に
付与した貸付金残高の割合は減少した。一定の大規模法人顧客に不良債権が生じ、クレジットカードの不良債権が増加
したため、本店の不良債権比率が前年末から0.45パーセンテージ・ポイント上昇した一方で、その他の地域の不良債権
比率は前年末から低下した。
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貸付金および不良債権の担保別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日現在 2018 年12月31日現在
不良 債権
不良債権
比率 (%)
貸付金 割合 貸付金 割合
(注)
(注)
残高 (%) 不良 債権 比率 (%) 残高 (%) 不良 債権
無担保貸付 1,446,489 33.46 12,938 0.89 1,320,545 33.57 9,752 0.74
保証付貸付 474,248 10.97 17,231 3.63 441,212 11.22 20,332 4.61
抵当付貸付 1,782,993 41.23 15,722 0.88 1,653,517 42.04 20,769 1.26
質権付貸付 369,211 8.54 7,330 1.99 367,994 9.36 2,752 0.75
割引手形 250,589 5.80 - - 149,766 3.81 - -
顧客貸付金合計 4,323,530 100.00 53,221 1.23 3,933,034 100.00 53,605 1.36
注:各区分の不良債権の同区分の貸付金総額に対する百分率を表す。
報告期間末現在、抵当付貸付および質権付貸付は前年末から6.47%増加した。保証付貸付は前年末から7.49%増加し、
無担保貸付は前年末から9.54%増加した。一定の大口顧客に不良債権が生じたため、質権付貸付の不良債権比率は前年
末から1.24パーセンテージ・ポイント上昇した。無担保貸付の不良債権比率は前年末から0.15パーセンテージ・ポイン
ト上昇した一方、保証付貸付および抵当付債券の不良債権比率はともに低下した。
単一の借入人上位10社に対する貸付金
(単位:百万人民元、%を除く。)
(内部モデル手法
による )
純資本に 貸付全体に
2019 年6月30日
現在の 占める割合 占める割合
借入人上位10社 業種 貸付金残高 (%) (%)
A 輸送・倉庫・郵便サービス 27,600 4.14 0.64
B 製造業 13,600 2.04 0.31
C 不動産開発 12,570 1.88 0.29
D 不動産開発 11,106 1.67 0.26
E 電力・熱供給・ガス・水道 8,654 1.30 0.20
F 輸送・倉庫・郵便サービス 8,309 1.25 0.19
G 金融業 8,210 1.23 0.19
H 鉱業 7,996 1.20 0.18
I 不動産開発 7,570 1.13 0.18
J 不動産開発 7,375 1.10 0.17
合計 112,990 16.94 2.61
報告期間末現在、当グループの最大の単一借入人の貸付金残高は27.600十億人民元で、内部モデル手法に基づく当グ
ループの純資本の4.14%を占めた。単一の借入人上位10社の貸付金残高は合計112.990十億人民元であり、内部モデル手
法に基づく当グループの純資本の16.94%、標準的手法に基づく当グループの純資本の18.06%および当グループの貸付金
残高合計の2.61%を占めた。
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貸付金の延滞期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
貸付金残高 割合(%) 貸付金残高 割合(%)
3ヵ月以内の延滞 24,459 0.57 19,731 0.50
3ヵ月超1年以内の延滞 20,513 0.47 16,447 0.42
1年超3年以内の延滞 15,934 0.37 19,130 0.49
3年超の延滞 6,328 0.15 6,695 0.17
延滞貸付金合計 67,234 1.56 62,003 1.58
顧客貸付金合計 4,323,530 100.00 3,933,034 100.00
報告期間末現在、当グループの延滞貸付金は67.234十億人民元であり、前年末から5.231十億人民元増加し、貸付金
全体に占める割合は前年末から0.02パーセンテージ・ポイント減の1.56%であった。延滞貸付金のうち、抵当付および
質権付貸付の割合は38.62%であり、保証付貸付の割合は27.86%であり、無担保貸付の割合は33.52%であった。無担保貸
付の大半は、クレジットカードの延滞債権であった。当グループは、延滞貸付金について保守的な分類基準を適用して
おり、90日超の延滞貸付金に対する不良債権の比率は1.24であった。
再編された貸付金
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019年6月30日現在 2018年12月31日現在
貸付金残高 割合(%) 貸付金残高 割合(%)
(注)
再編された貸付金 24,727 0.57 22,766 0.58
うち、90日超の延滞 16,576 0.38 16,218 0.41
注:再編後の不良債権をいう。
当グループは、貸付金の再編を厳格かつ慎重に統制した。報告期間末現在、当グループの再編された貸付金が貸付金
全体に占める割合は、前年末から0.01パーセンテージ・ポイント低下して0.57%となった。
差押資産および減損引当金
報告期間末現在、当グループの差押資産残高(金融商品を除く。)は827百万人民元であった。減損引当金179百万人
民元を控除後の正味簿価は648百万人民元であった。差押金融商品残高は、1,568百万人民元であった。
貸付金に対する減損引当金の増減
当グループは金融商品に関する新たな会計基準を適用し、マクロ調整を考慮に入れた上で、予想信用損失モデルなら
びに顧客のデフォルト確率およびデフォルト時損失率などのリスク定量化パラメータを利用して信用リスク損失に対す
る十分な引当金を繰り入れた。
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下表は、当グループの貸付金に対する減損引当金の増減を示したものである。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月 2018年
期首現在残高 192,000 151,520
当期繰入れ/戻入れ 29,512 59,252
(注)
減損貸付金割引の振戻し (165) (307)
過年度に償却された貸付金の回収額 4,468 7,453
当期償却/処分 (16,126) (26,197)
為替レート変動 68 279
期末現在残高 209,757 192,000
注:時間の経過に伴う現在価値の増大によって生じた減損貸付について発生する受取利息に相当する。
当グループは、安定的かつ保守的な引当方針を引き続き採用した。報告期間末現在、当グループの貸付金に対する減
損引当金残高は209.757十億人民元で、前年末から17.757十億人民元増加した。不良債権引当率は394.12%で、前年末か
ら35.94パーセンテージ・ポイント上昇した。貸付金に対する引当率は4.85%で、前年末から0.03パーセンテージ・ポイ
ント低下した。
自己資本比率の分析
資本に対する規制上の要件
当グループは引き続き業務構造を最適化し、資本管理を強化した。報告期間中に、当グループはCBIRCの様々な資本
要件を満たした。報告期間における当グループおよび当行に対するCBIRCの資本要件は、自己資本比率、Tier 1自己資
本比率およびコアTier 1自己資本比率の最低要件がそれぞれ8%、6%および5%であった。当グループは、上記の最低
資本要件に基づいて、準備資本、カウンターシクリカル資本および補完的資本についてさらに引当てを行った。うち、
準備資本、カウンターシクリカル資本および補完的資本に対する要件は、それぞれ2.5%、0%および0%であった。報告
期間中の当グループおよび当行の自己資本比率、Tier 1自己資本比率およびコアTier 1自己資本比率は、それぞれ
10.5%、8.5%および7.5%を下回ってはならない。
自己資本比率の計算範囲
当グループの自己資本比率の計算範囲には、招商銀行および「商業銀行資本管理規則(試行)」の要件に従って当行
が直接または間接に投資している金融機関が含まれる。当行の自己資本比率の計算のための事業体の範囲には、招商銀
行の国内および海外のすべての支店および準支店が含まれる。報告期間末現在、自己資本比率に関して連結の範囲内に
あった当グループの子会社には、WLB、CMBIC、CMBFLCおよびCMFMが含まれていた。
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規制上の要件に従って、当グループは、自己資本比率の連結計算範囲に工業および商業会社も保険業種の会社も含め
ていない。投資先の種類が異なれば、連結自己資本比率の計算の際の処理が異なる。
番号 投資先の種類 処理
1 過半数の議決権または支 連結自己資本比率の計算に含める。
配持分を有する金融機関
(保険会社を除く。)
2 過半数の議決権または支 連結自己資本比率の計算から除外し、すべての階層で資本から対応する資
配持分を有する保険会社 本投資を控除し、対応する不足資本(もしあれば)を控除する。
3 金融機関が発行した資本 連結自己資本比率の計算から除外し、コアTier 1自己資本投資が当行のコ
商品への多額の少数資本
アTier 1自己資本純額の10%を上回る部分を控除し、その他Tier 1自己資本
投資
投資およびTier 2自己資本投資の全額を対応する資本階層から控除する。
控除基準に満たない部分は、リスク加重資産として計算する。
▶ 金融機関が発行した資本 連結自己資本比率の計算から除外し、投資合計が当行のコアTier 1自己資
商品への少額の少数資本
本純額の10%を上回る部分をすべての階層で規制資本から控除する。控除基
投資
準に満たない部分は、リスク加重資産として計算する。
5 工業および商業会社の株 連結自己資本比率の計算から除外し、リスク加重資産として計算する。
式に対する投資
報告期間末現在、当行が過半数または支配持分を有する金融機関において、現地の規制要件に従って測定された、規
制上の資本不足はなかった。報告期間中に、当グループ内で資本移転に関する重大な制限はなかった。
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自己資本比率に関する情報
報告期間末現在、内部モデル手法による当グループの自己資本比率、Tier 1自己資本比率およびコアTier 1自己資本
比率はそれぞれ15.09%、12.19%および11.42%であり、標準的手法による値をそれぞれ2.49パーセンテージ・ポイント、
1.33パーセンテージ・ポイントおよび1.25パーセンテージ・ポイント上回っていた。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日 2018 年12月31日 前年末からの
当グループ 現在 現在 増減 (%)
(1)
内部モデル手法による自己資本比率
コアTier 1自己資本純額
504,913 482,340 4.68
Tier 1自己資本純額
539,007 516,433 4.37
純資本 667,028 641,881 3.92
リスク加重資産(並行実施期間中のフロア要
件を不適用) 3,690,186 3,530,424 4.53
うち:信用リスク加重資産 3,208,201 3,052,636 5.10
市場リスク加重資産 70,103 65,906 6.37
オペレーショナル・リスク加重資
産 411,882 411,882 -
リスク加重資産(並行実施期間中のフロア要
件を適用) 4,420,489 4,092,890 8.00
コアTier 1自己資本比率 0.36パーセンテージ
11.42% 11.78% ・ポイント減
Tier 1自己資本比率 0.43パーセンテージ
12.19% 12.62% ・ポイント減
自己資本比率 0.59パーセンテージ
15.09% 15.68% ・ポイント減
(2)
レバレッジ比率に関する情報
オンおよびオフバランスシート資産の調整済
残高 8,387,375 7,812,054 7.36
レバレッジ比率 0.18パーセンテージ
6.43% 6.61% ・ポイント減
注:
(1)「内部モデル手法」とは、旧CBRCが2012年6月7日に公布した「商業銀行資本管理規則(試行)」に規定された先
進的測定手法を指す(以下も同様である。)。内部モデル資本測定手法が実施された並行実施期間中に、商業銀行
は、資本フロア調整係数を用いて、最低所要資本および所要準備資本、資本控除合計額ならびに資本に含まれうる
余剰貸倒損失引当金の和と乗じてリスク加重資産額を調整しなければならない。資本フロア調整係数は、並行実施
期間中の1年目には95%、2年目には90%および3年目以降は80%とされる。2019年は、並行実施期間の実施から5
年目である。
(2) 2015年以降、2015年2月12日に旧CBRCが公布した「商業銀行レバレッジ比率管理規則(改訂)」に基づいてレバ
レッジ比率を計算しなければならない。2019年第1四半期末、2018年末および2018年第3四半期末現在の当グルー
プのレバレッジ比率は、それぞれ6.82%、6.61%および6.56%であった。
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報告期間末現在、内部モデル手法による当行の自己資本比率、Tier 1自己資本比率およびコアTier 1自己資本比率は
それぞれ14.92%、11.83%および11.04%であり、標準的手法による値をそれぞれ2.70パーセンテージ・ポイント、1.42
パーセンテージ・ポイントおよび1.32パーセンテージ・ポイント上回っていた。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日 2018 年12月31日 前年末からの
当行 現在 現在 増減 (%)
内部モデル手法による自己資本比率
コアTier 1自己資本純額
440,761 420,996 4.69
Tier 1自己資本純額
472,214 452,449 4.37
純資本 595,374 573,466 3.82
リスク加重資産(並行実施期間中のフロア
要件を不適用) 3,255,251 3,142,192 3.60
うち:信用リスク加重資産 2,819,126 2,698,166 4.48
市場リスク加重資産 52,371 60,272 (13.11)
オペレーショナル・リスク加重資
産 383,754 383,754 -
リスク加重資産(並行実施期間中のフロア
要件を適用) 3,991,705 3,694,893 8.03
コアTier 1自己資本比率 0.35パーセンテージ
11.04% 11.39% ・ポイント減
Tier 1自己資本比率 0.42パーセンテージ
11.83% 12.25% ・ポイント減
自己資本比率 0.60パーセンテージ
14.92% 15.52% ・ポイント減
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報告期間末現在、標準的手法による当グループの自己資本比率、Tier 1自己資本比率およびコアTier 1自己資本比率
はそれぞれ12.60%、10.86%および10.17%であり、前年末からそれぞれ0.46パーセンテージ・ポイント、0.18パーセン
テージ・ポイントおよび0.14パーセンテージ・ポイント低下していた。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日 2018 年12月31日 前年末からの
当グループ 現在 現在 増減 (%)
(注)
標準的手法による自己資本比率
コアTier 1自己資本純額
504,913 482,340 4.68
Tier 1自己資本純額
539,007 516,433 4.37
純資本 625,711 611,025 2.40
リスク加重資産 4,964,014 4,677,967 6.11
コアTier 1自己資本比率 0.14パーセンテージ
10.17% 10.31% ・ポイント減
Tier 1自己資本比率 0.18パーセンテージ
10.86% 11.04% ・ポイント減
自己資本比率 0.46パーセンテージ
12.60% 13.06% ・ポイント減
注:「標準的手法」とは、旧CBRCが2012年6月7日に公布した「商業銀行資本管理規則(試行)」の関連規定に従っ
た、信用リスクについては標準的手法、市場リスクについては標準的手法、オペレーショナル・リスクについては
基礎的指標手法をいう。以下も同様である。
報告期間末現在、標準的手法による当行の自己資本比率、Tier 1自己資本比率およびコアTier 1自己資本比率はそれ
ぞれ12.22%、10.41%および9.72%であり、前年末からそれぞれ0.44パーセンテージ・ポイント、0.14パーセンテージ・
ポイントおよび0.10パーセンテージ・ポイント低下していた。
(単位:百万人民元、%を除く。)
2019 年6月30日 2018 年12月31日 前年末からの
当行 現在 現在 増減 (%)
標準的手法による自己資本比率
コアTier 1自己資本純額
440,761 420,996 4.69
Tier 1自己資本純額
472,214 452,449 4.37
純資本 554,057 542,610 2.11
リスク加重資産 4,535,772 4,286,653 5.81
コアTier 1自己資本比率 0.10パーセンテージ
9.72% 9.82% ・ポイント減
Tier 1自己資本比率 0.14パーセンテージ
10.41% 10.55% ・ポイント減
自己資本比率 0.44パーセンテージ
12.22% 12.66% ・ポイント減
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信用リスク・エクスポージャー残高
報告期間中、内部格付手法(IRB手法)に基づく当行の信用リスクは、以下の6種類のリスク・エクスポージャーに
分類された。すなわち、ソブリン、金融機関、企業、個人、株式保有およびその他である。報告期間末現在の各種リス
ク・エクスポージャーの残高を下表に示す。
(単位:百万人民元)
リスク・エクスポージャーの
種類 法人 グループ
IRB手法の対象部分 金融機関 1,455,712 1,455,712
企業 1,830,624 1,830,624
個人 2,818,071 2,818,071
うち:
住宅ローン・エクスポージャー 1,050,392 1,050,392
適格個人向けリボルビング 1,317,621 1,317,621
その他個人向け 450,058 450,058
IRB手法の対象ではない部分 オンバランスシート 2,320,331 2,756,170
オフバランスシート 131,462 142,171
相手方 11,079 12,419
信用リスク軽減に関する情報
当グループは一般に、抵当および保証によって信用リスクを移転または軽減している。報告期間末現在、適格なリス
ク軽減商品によって付保されているリスク・エクスポージャーは以下のとおりである。
(単位:百万人民元)
適格保証および信
用デリバティブ商
リスク・エクスポージャーの種類 適格金融抵当 その他適格抵当 品 その他
オンバランスシート信用リスク 140,554 100,310 453,065 -
オフバランスシート信用リスク 55,702 8,266 89,960 -
相手方信用リスク 4,000 - - -
市場リスク資本の測定
当グループは、市場リスク資本の計算のために様々な手法を用いている。具体的には、当行の一般的な市場リスク資
本所要額の計算には内部モデル手法を、子会社の一般的な市場リスク資本所要額および当グループの特定の市場リスク
資本所要額の計算には標準的手法を用いている。
報告期間末現在、当グループの市場リスク資本所要額は5.608十億人民元であった。うち、内部モデル手法により計
算された一般的な市場リスク資本所要額は3.002十億人民元であり、標準的手法により計算された市場リスク資本所要
額は2.606十億人民元であった。市場リスク加重資産は70.103十億人民元であった。
当グループは、市場リスクの値を測定するためにヒストリカル・シミュレーション法を採用した。かかる手法は、以
下を含む特徴を有する。すなわち、すべての過去の数値を高精度で再評価することで計算していること、過去10年間の
市場の変化を慎重かつ安定的に網羅するヒストリカル・シナリオが用いられていること、市場リスク全般のエクスポー
ジャーが明確かつ直接的に要約・反映されていること、リスクの管理および統制を効果的に実行するために毎日のリス
ク監視に組み込まれていること。当グループのストレステストには、金利、為替レート、ボラティリティ、信用、株式
持分および商品を含む20以上の複数の要因を有するストレスシナリオが含まれ、これらはテールリスクを正確に反映
し、市場リスクの測定モデルの欠点を補うことができる。現在、ストレステストは毎日スムーズに行われている。2019
年上半期には、当グループの市場リスクのバックテストでコンプライアンス違反は発生しなかった。
当グループの内部モデル手法に基づく市場リスク資本所要額は、250日間の市場実績データ、99%の信頼水準および10
日の保有期間に基づく市場リスク価値を用いて計算された。報告期間末現在の当グループの市場リスク価値指標を下表
に示す。
(単位:百万人民元)
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報告期間中の
圧力下にある 報告期間中の
項目 リスク価値 一般的リスク価値
平均価値 704 191
最大価値 1,001 247
最小価値 537 133
期末価値 621 235
オペレーショナル・リスク資本の測定
当グループは、標準的手法を用いてオペレーショナル・リスク資本所要額を計算している。当グループは、標準的手
法の実施によって、完全なオペレーショナル・リスク管理枠組みを予備的に構築した。かかる枠組みによって、あらゆ
る種類のオペレーショナル・リスクを定期的かつ体系的に特定し、評価し、監視し、測定し、制御し、軽減することが
でき、当グループが当グループのオペレーショナル・リスクの全般的な状況および変化を動的に統制する一助となっ
た。さらに、当グループは、統制措置を採用し、経済的資本について引当てを行うことでリスク耐性を強化した。報告
期間末現在、当グループのオペレーショナル・リスク資本所要額は32.951十億人民元であり、オペレーショナル・リス
ク加重資産は411.882十億人民元であった。
資産証券化リスク・エクスポージャー
当グループは、標準的手法を用いて資産証券化リスク・エクスポージャー資本所要額を計算している。リスク・ウェ
イトは、適格な外部の格付機関の信用格付けおよび資産の証券化の種類に従って決定される。報告期間末現在、当グ
ループの資産証券化リスク・エクスポージャー資本所要額は1.207十億人民元であり、リスク加重資産は15.086十億人
民元であった。報告期間末現在、当グループの資産証券化リスク・エクスポージャーの残高は以下のとおりである。
(単位:百万人民元)
項目 伝統的 合成
オンバランスシート資産証券化リスク・エクスポージャー 8,152 -
オフバランスシート資産証券化リスク・エクスポージャー 296 -
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セグメント別経営成績
事業セグメント
当グループの主な事業には、ホールセール金融業務およびリテール金融業務が含まれる。表示期間における当グルー
プの各事業セグメントの経営成績の概要を下表に示す。
(単位:百万人民元)
2019年1月-6月 2018年1月-6月
税引前利益 正味営業収益 税引前利益 正味営業収益
ホールセール金融業務 23,150 56,240 23,965 58,002
リテール金融業務 38,820 75,348 32,090 62,910
その他業務 2,903 6,750 2,890 5,191
合計 64,873 138,338 58,945 126,103
報告期間中、当グループのリテール金融業務からの利益の割合は増加した。税引前利益は38.820十億人民元と、前年
同期から20.97%増加し、当グループの税引前利益合計に占める割合は59.84%と、前年同期から5.40パーセンテージ・ポ
イント増加した。正味営業収益は前年同期から19.77%増の75.348十億人民元となり、当グループの正味営業収益に占め
る割合は54.47%と、前年同期から4.58パーセンテージ・ポイント増加した。同時に、リテール金融業務の費用収益比率
は、前年同期から3.48パーセンテージ・ポイント低下して28.03%になった。
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地域セグメント
当グループの主要な店舗は、中国の主要な経済の中心地域およびその他の地域の一部の大都市に所在している。表示
期間における当グループの地域セグメント別業績を下表に示す。
(単位:百万人民元、%を除く。)
資産合計 負債合計 税引前利益合計
2019 年6月30日現在 2019 年6月30日現在 2019 年1月-6月
金額 割合(%) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
本店 3,291,469 46 2,857,278 43 11,944 18
長江デルタ 863,780 12 853,384 13 13,497 21
環渤海 569,020 8 563,651 9 7,463 11
珠江デルタおよび台湾海
峡西側 757,278 10 746,988 11 11,848 18
中国東北部 149,283 2 147,403 2 2,487 ▶
中国中部 437,255 6 434,116 7 4,560 7
中国西部 410,056 6 405,789 6 5,629 9
海外 214,890 3 209,884 3 1,079 2
子会社 500,150 7 400,693 6 6,366 10
合計 7,193,181 100 6,619,186 100 64,873 100
(単位:百万人民元、%を除く。)
資産合計 負債合計 税引前利益合計
2018 年12月31日現在 2018 年12月31日現在 2018 年1月-6月
金額 割合(%) 金額 割合(%) 金額 割合(%)
本店 3,129,174 46 2,739,929 44 5,955 10
長江デルタ 777,607 12 759,258 12 14,138 24
環渤海 526,143 8 513,813 8 8,829 15
珠江デルタおよび台湾海
峡西側 693,830 10 679,961 11 12,056 20
中国東北部 144,367 2 146,060 2 (827) (1)
中国中部 389,081 6 380,025 6 6,135 10
中国西部 380,152 6 371,913 6 7,032 12
海外 240,080 ▶ 234,741 ▶ 1,561 3
子会社 465,295 6 376,424 7 4,066 7
合計 6,745,729 100 6,202,124 100 58,945 100
キャッシュ・フローの状況
当半期に営業活動に使用された正味資金は、前年同期の65,624百万人民元に対し、55,023百万人民元であった。
当半期に投資活動によって生じた正味資金は、前年同期の159,259百万人民元に対し、11,071百万人民元であった。
これは主に、投資の売却手取金の減少によるものであった。
当半期に財務活動によって生じた正味資金は、前年同期の40,220百万人民元に対し、69,196百万人民元であった。こ
れは主に、相対銀行間譲渡性預金証書の返済の減少によるものであった。
2019年6月30日現在の現金および現金同等物の残高は569,265百万人民元であり、2018年6月30日現在から26,184百
万人民元減少した。
4【経営上の重要な契約等】
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当半期中、当行は事業に重要な影響を及ぼす契約を締結しなかった。
5【研究開発活動】
該当事項なし。
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第4【設備の状況】
1【主要な設備の状況】
当半期中、主要な設備に重要な変更はなかった。
2【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2019年6月30日現在)
授権株数(1) 発行済株式総数 未発行株式数(1)
- 25,544,845,601株(2) -
注
(1) 中国会社法は、授権株式の制度を定めていない。
(2) A株式20,628,944,429株、H株式4,590,901,172株、国外優先株式50,000,000株および国内優先株式275,000,000株
からなる。
②【発行済株式】
(2019年6月30日現在)
上場金融商品取引所名
記名・無記名の別および
種類 発行数 又は登録認可金融商品 内容
額面・無額面の別
取引業協会名
A株式:上海証券取引所 1株当たり
記名式額面1.00人民元 普通株式 25,219,845,601 株
H株式:香港証券取引所 1個の議決権
国内優先株式 275,000,000 株 上海証券取引所
記名式額面100.00人民元 (1)
国外優先株式 50,000,000 株 香港証券取引所
注:
(1) 優先株式の株主は通常、当行の株主総会を招集し、当行の株主総会に出席し、または株主総会において議決権を行使する
権利を有さない。ただし、とりわけ所定の期間にわたって優先株式の株主に所定の配当が支払われない場合、ならびに優先
株式に関連する定款の変更、当行の登録資本金の10%超の減少、当行の分割、合併、解散もしくは会社形態の変更、優先株
式の発行ならびに法律、行政規則、部門規則および当行定款に規定されたその他の場合を含む状況においてはこの限りでな
い。
詳細については、「第6-1 中間財務書類」に掲げる中間財務書類に対する注記34も参照されたい。
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし
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(3) 【発行済株式総数及び資本金の推移】
A株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2019年1月1日 20,628,944,429 20,628,944,429
(336,871百万円)
2019年6月30日 20,628,944,429 20,628,944,429
(336,871百万円)
H株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2019年1月1日 4,590,901,172 4,590,901,172
(74,969百万円)
2019年6月30日 4,590,901,172 4,590,901,172
(74,969百万円)
優先株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2018年12月31日 325,000,000 0
2019年6月30日 325,000,000 0
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(4) 【大株主の状況】
報告期間末現在、当行の普通株式の株主数は合計262,384人であった。うち、当行A株式の株主は229,181人であり、
当行H株式の株主は33,203人であった。当行A株式の株主および当行H株式の株主のいずれも、取引の一時停止に服す
る者はいない。当行は、それらの株主の所有者別状況に関する情報は保有していない。
報告期間末現在、当行の優先株式の株主(または名義人)の数は合計13人であった。うち、国外優先株式の株主(ま
たは名義人)は1人であり、国内優先株式の株主は12人であった。
2019年6月30日現在の当行の普通株式の株主上位10位は以下のとおりである。
持分(概算)
氏名 住所 株式の種類 株式数 (%)
HKSCCノミニーズ・リミテッド 香港 H株式 4,552,782,556 18.05
(1)
招商局輪船有限公司 中国北京市 A株式 3,289,470,337 13.04
中国遠洋運輸有限公司 中国北京市 A株式 1,574,729,111 6.24
和諧健康保険股份有限公司 中国上海市 A株式 1,258,949,171 4.99
-従来型保険商品
安邦人寿保険股份有限公司 中国北京市 A株式 1,258,949,100 4.99
-保守型投資組合
深圳市晏清投資発展有限公司 中国深圳市 A株式 1,258,542,349 4.99
深圳市招融投資控股有限公司 中国深圳市 A株式 1,147,377,415 4.55
深圳市楚源投資発展有限公司 中国深圳市 A株式 944,013,171 3.74
香港中央結算有限公司 香港 A株式 837,371,785 3.32
中国証券金融股份有限公司 中国北京市 A株式 754,798,622 2.99
合計 16,876,983,617 66.92
注:
(1)HKSCCノミニーズ・リミテッドが保有する株式は、HKSCCノミニーズ・リミテッドの売買プラットフォーム上で取
引される当行H株式の保有者の口座内の株式合計数である。香港中央結算有限公司は、投資家が保有する上海ス
トック・コネクト株式を含む当行株式を、ノミニー株主の資格において第三者のために保有するために第三者に
よって指定された機関である。
(2)報告期間末現在、上記の株主上位10位のうち、HKSCCノミニーズ・リミテッドは香港中央結算有限公司の完全所有
子会社である。招商局輪船有限公司、深圳市晏清投資発展有限公司、深圳市招融投資控股有限公司および深圳市
楚源投資発展有限公司は、招商局集団有限公司の子会社である。和諧健康保険股份有限公司および安邦人寿保険
股份有限公司は、安邦保険集団股份有限公司によって支配されている。当行は、その他の株主間の関係について
は了知していない。
(3)上記のA株式の株主は、証券口座を通じて当行の株式を保有していない。
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報告期間末現在の当行の国外優先株式の株主(または名義人)上位10位は以下のとおりである。
氏名 住所 保有株式数 持分(%)
ザ・バンク・オブ・ニューヨー 英国ロンドン 50,000,000 100
ク・デポジトリー(ノミニーズ)
リミテッド
注:
(1)優先株式の株主の持分は、当行が維持する優先株式の株主名簿に記載された情報に基づいて計算されている。
(2)当該優先株式の発行は国外非公開発行であるため、優先株式の株主名簿に記載された情報は、購入者の名義人の
情報である。
(3)当行は、優先株式の上記の株主と普通株式の上位10位の株主の間の関係または協調行為については了知していな
い。
(4)「持分」は、国外優先株式の株式数合計に対する、優先株式の株主が保有する国外優先株式の株式数の割合を表
す。
報告期間末現在の当行の国内優先株式の株主上位10位は以下のとおりである。
氏名 住所 保有株式数 持分(%)
中国移動通信集団有限公司 中国北京市 106,000,000 38.55
建信信託有限責任公司 中国合肥市 30,000,000 10.91
中銀資産管理有限公司 中国上海市 25,000,000 9.09
中国煙草総公司河南省公司 中国鄭州市 20,000,000 7.27
中国平安財産保険股份有限公司 中国深圳市 20,000,000 7.27
中国光大銀行股份有限公司 中国北京市 19,000,000 6.91
中国煙草総公司四川省公司 中国成都市 15,000,000 5.45
中国煙草総公司安徽省公司 中国合肥市 15,000,000 5.45
中国建設銀行股份有限公司広東省支店 中国広州市 10,000,000 3.64
中国煙草総公司遼寧省公司 中国瀋陽市 5,000,000 1.82
長江養老保険股份有限公司 中国上海市 5,000,000 1.82
華潤深国投信託有限公司 中国深圳市 5,000,000 1.82
注:
(1)優先株式の株主の持分は、当行が維持する優先株式の株主名簿に記載された情報に基づいて計算されている。
(2)中国煙草総公司河南省公司、中国煙草総公司四川省公司、中国煙草総公司安徽省公司および中国煙草総公司遼寧
省公司はすべて、中国煙草総公司の完全所有子会社である。それ以外には、当行は、上記の優先株式の株主間
の、または上記の優先株式の株主と当行の普通株式の上位10位の株主の間の関係または協調行為については了知
していない。
(3)「持分」は、国内優先株式の株式数合計に対する、優先株式の株主が保有する国内優先株式の株式数の割合を表
す。
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2【株価の推移】
当行A株式は、2002年4月9日から上海証券取引所に上場されている。当行H株式は、2006年9月22日から香港証券
取引所に上場されている。
当行のA株式およびH株式は、交換または代替が不可能である。上海証券取引所におけるA株式および香港証券取引
所におけるH株式の間で取引または決済は行われず、また、当行A株式および当行H株式の市場価格は異なる可能性が
ある。
【当該中間会計期間における月別最高・最低株価】
上海証券取引所(A株式)
(単位:人民元)
月 別 2019年1月 2019年2月 2019年3月 2019年4月 2019年5月 2019年6月
29.21 32.52 33.92 36.00 34.45 38.38
最 高
(435円) (485円) (505円) (536円) (513円) (572円)
24.57 29.15 30.53 34.08 32.42 33.90
最 低
(366円) (434円) (455円) (508円) (483円) (505円)
香港証券取引所(H株式)
(単位:香港ドル)
月 別 2019年1月 2019年2月 2019年3月 2019年4月 2019年5月 2019年6月
34.20 36.75 38.15 41.25 39.75 42.55
最 高
(464円) (498円) (517円) (559円) (539円) (577円)
27.60 33.10 35.20 38.80 36.20 36.95
最 低
(374円) (449円) (477円) (526円) (491円) (501円)
注:上記の当行A株式の株価は、上海証券取引所における当行A株式の終値の高値および安値である。上記の当行H
株式の株価は、香港証券取引所における当行H株式の終値の高値および安値である。
3【役員の状況】
2019年6月、羅勝氏が当行の非業務執行取締役に選任され、その取締役としての資格は2019年7月にCBIRCによって
承認された。
2019年6月、劉建軍氏および王良氏が当行の業務執行取締役に選任され、その取締役としての資格は2019年8月に
CBIRCによって承認された。
2019年6月、田宏