関東鉄道株式会社 意見表明報告書
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関東鉄道株式会社(E04135)
意見表明報告書
【表紙】
【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年8月1日
【報告者の名称】 関東鉄道株式会社
【報告者の所在地】 茨城県土浦市真鍋一丁目10番8号
【最寄りの連絡場所】 茨城県土浦市真鍋一丁目10番8号
【電話番号】 029(822)3710
【事務連絡者氏名】 総務部長 鈴木 篤
【縦覧に供する場所】 関東鉄道株式会社
(茨城県土浦市真鍋一丁目10番8号)
(注1) 本書中の「当社」とは、関東鉄道株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、京成電鉄株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において、計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和
と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注5) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は
日時を指すものとします。
(注6) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第
1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
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1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名称 京成電鉄株式会社
所在地 千葉県市川市八幡三丁目3番1号
2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1) 意見の内容
当社は、2019年7月31日開催の取締役会において、公開買付者による当社の普通株式(以下「当社株式」といいま
す。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)の実施について、下記「(2) 本公開買付けに関する
意見の根拠及び理由」に基づき、本公開買付けについては賛同の意見を表明するとともに、本公開買付けにおける
当社普通株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の妥当性に関する判断について
は、当社は中立の立場を取り、意見を留保させていただき、本公開買付けへの応募については、株主の皆様の判断
に委ねる旨を決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全
員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
① 本公開買付けの概要
当社は、公開買付者より、本公開買付けの概要につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、本書提出日現在、非上場会社であり有価証券報告書提出会社である当社株式を3,051,728株(所
有割合(注1):30.07%)直接所有し、公開買付者の完全子会社である千葉交通株式会社が間接的に所有(注2)す
る1,620株(所有割合):0.02%)と合計して3,053,348株(所有割合):30.09%)所有することにより、当社を持分法
適用関連会社としております。今般、公開買付者は、2019年7月31日開催の取締役会において、当社を公開買付
者の連結子会社化することを目的として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2019年6月25日に提出した第148期有価証券報告書に記載された2019年3月31
日現在の当社の発行済株式総数(10,200,000株)から、2019年3月31日現在の当社が所有する自己株式数
(52,728株)を控除した株式数(10,147,272株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、別途の
記載がある場合を除いて比率の計算において同様に計算しています。)をいいます。
(注2) 公開買付者は、千葉交通株式会社との間でその所有する当社株式(1,620株)について、本公開買付けに応
募する旨の合意を行っていないとのことです。
公開買付者は、強固な協力関係を目指し当社を連結子会社化することを目的としつつも、当社の経営の独自性
を一定程度維持し、茨城エリアにおけるノウハウを活かした事業展開について、当社が裁量を持って経営する観
点から当社を完全子会社化することは企図しておらず、応募を希望する全ての当社株主の皆様に対して広く売却
機会を確保するため、買付予定数の上限及び下限を設定していないとのことです。従いまして、本公開買付けに
応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の全部の買付け等を行うとのことです。
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② 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
公開買付者によれば、公開買付者は、1909年7月に設立され、東京都、千葉県及び茨城県を基盤に、運輸業、
流通業、不動産業、レジャー・サービス業、建設業などを展開し、本書提出日現在において、公開買付者の子会
社78社及び関連会社9社(当社を含みます。以下、公開買付者並びにその子会社及び関連会社を「公開買付者グ
ループ」といいます。)により構成されているとのことです。公開買付者グループでは、東京都・千葉県・茨城県
を中心に、「総合生活企業グループ」として交通運輸事業の中の鉄道事業を中核としつつ、以下のとおり幅広く
多角的に事業を展開し、時代の流れとともに変化するお客様のニーズに常に応え、「お客様に喜ばれる良質な商
品・サービスを、安全・快適に提供していく」ことを目指しているとのことです。
(ⅰ) 鉄道事業
公開買付者グループの核である公開買付者を中心に、公共交通機関として直通運転や相互乗り入れによる鉄
道ネットワークを活かし、千葉県内・東京都内への通勤・通学をはじめ、地域の快適な移動手段の提供に努め
ているとのことです。また、都心から成田空港を結ぶ公開買付者が運行するスカイライナーは、在来線で国内
最速となる時速160kmで走行し、日暮里駅から空港第2ビル駅までを最短36分で結んでおり、空港から都市
部への所要時間について世界の主要空港と比べても遜色のない空港アクセスを実現していると考えているとの
ことです。加えて、インバウンド市場におけるアジアを中心にした広告宣伝の強化を含む積極的な営業施策の
実施及び海外プロモーションによる情報発信を展開し、訪日外国人の受入体制を整え、需要の取り込みを強化
しているとのことです。
(ⅱ) バス事業
東京都、千葉県及び茨城県において地域に根ざした路線を設定しネットワークを築いているとのことです。
高速バス路線においては、成田空港、東京ディズニーリゾート®、東京駅、羽田空港を主な拠点として、首都
圏近郊を中心に各地方の中核都市にも路線を展開しているとのことです。成田空港については、成田空港の早
朝や深夜時間帯の航空機発着に対応した輸送サービスを展開し、東京駅と成田空港の間を結ぶ高速バスを運行
しているとのことです。
(ⅲ) タクシー事業
主に東京都、千葉県及び茨城県を営業区域として事業を展開し、また、スマートフォンのアプリを活用した
お客様への配車サービスを行うなどお客様の利便性向上を図っているとのことです。
(ⅳ) 流通業
地域に密着したスーパーマーケットの運営やコンビニエンスストアの新規出店などにより、駅周辺スペース
の開発や生活サービスを拡充するとともに、百貨店業を展開し、お客様にご満足いただける商品やサービスを
提供することで、公開買付者グループ全体の沿線及びブランド価値の向上を図っているとのことです。
(ⅴ) 不動産業
沿線エリアに密着した不動産の販売、賃貸、仲介、管理及びリフォーム事業を行っており、お客様が安心し
て、永く充実した日々を過ごし、「住んで良かった」と思えるようなまちづくりを行っているとのことです。
(ⅵ) レジャー・サービス業
飲食・映画・テーマパーク事業、ホテル事業や旅行業などを展開しお客様に楽しさと潤いを提供していると
考えているとのことです。
公開買付者グループを取り巻く外部環境としては、2019年のラグビーワールドカップ日本大会の開催や2020年
の東京オリンピック・パラリンピックの開催による訪日外国人の増加に伴う成田空港やLCC(低価格運賃で運航
サービスを提供する航空会社)国内線利用者の増加による成長が見込まれる一方、将来的な沿線人口の減少や少子
高齢化などの影響による先行き不透明な状況が続くものと認識しているとのことです。
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こうした中、公開買付者では、2010年度から2021年度における「京成グループ長期経営計画「Evolution
Plan」(以下「Eプラン」といいます。)を2010年3月に策定し、公開買付者グループのあるべき姿として「グ
ループ事業の中核である交通運輸事業の競争力・収益力を更に強化するとともに、千葉県北西部並びに東京都東
部を地盤として地域に密着した堅実な総合生活産業を展開し、地域経済を代表する企業グループの地位を拡充す
る。」ことを掲げたとのことです。また、「グループシナジーを最大化すべく、グループ本社機能を更に強化
し、グループ全体で一体的な経営を推進する一方、M&Aや事業提携も視野に入れる。」といった長期の経営方
針に従い、交通運輸事業を中心に、堅実な事業成長の下、更なる財務体質の強化を図り、流通業、不動産業、レ
ジャー・サービス業、建設業など生活関連事業分野において、一定の利益を確保しつつ、沿線価値の更なる向
上、グループシナジーの最大化の実現を目指すこととしたとのことです。「Eプラン」の対象とする2021年度ま
での期間においては、3ヶ年からなる中期経営計画に基づいて戦略を具体化し、実現に向けて取り組んでおり、
最終年度となる2019年度から2021年度の中期経営計画「E4プラン」を現在、推進しているとのことです。「E
プラン」の最終ステップとなる「E4プラン」は、インバウンド市場の深耕や、既存事業の強化による収益拡大
等により「Eプラン」目標を達成するとともに、自治体等と連携して沿線の魅力向上に取り組むほか、グループ
経営体制の充実並びにコーポレート・ガバナンスの強化により、公開買付者グループの成長ビジョンを描いてい
くとのことです。
一方、当社グループは、本書提出日現在、当社及びその連結子会社14社で構成されており、茨城県の県央、県
西、県南、鹿行の各地域及び千葉県の一部を事業エリアとし、運輸業のほか、不動産業、流通業、レジャー・
サービス業などを展開しております。当社は、1922年9月に鹿島参宮鉄道株式会社として設立され、1965年6月
に常総筑波鉄道株式会社と合併(以下「当社本合併」といいます。)し、現商号に変更しました。公開買付者と当
社の資本関係については、公開買付者は鹿島参宮鉄道株式会社の株式については1959年9月から及び常総筑波鉄
道株式会社の株式については1959年3月からそれぞれ所有しており、その後の当社本合併に伴い、当社株式
2,925,288株(鹿島参宮鉄道株式会社の株式は1,398,882株、常総筑波鉄道株式会社の株式は1,526,406株で、当時
の当社の発行済株式総数8,500,000株に対する所有割合は34.42%)となったとのことです。また、その後の複数回
による公開買付者による追加取得及び一部売却(差引で382,181株(当時の当社の発行済株式総数8,500,000株に対
する所有割合にして4.50%)の減少)、並びに1992年11月に公開買付者が当社の株主割当増資により当社株式
508,621株(株主割当増資後の当時の当社の発行済株式総数10,200,000株に対する所有割合にして4.99%)を引受け
たことにより、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式3,051,728株を所有し、当社を持分法適用関連会社とし
ているとのことです。
当社グループの主力の運輸業のうち、鉄道事業では、沿線地域との連携により需要喚起策を展開し、収益力を
強化しております。また、新造車両の導入や設備の老朽化対策を計画的に推進し、旅客サービスの向上を図ると
ともに、自然災害や踏切事故防止対策を積極的に進めております。バス事業では、茨城県の水戸、つくば、土
浦、鹿嶋などの主要都市を営業エリアとして一般路線を展開しており、全路線において交通系ICカードを使用
可能としたほか、全車両を低床バスとするなど利便性の向上を図っております。また、高速バス路線として都市
間高速バス(水戸駅~東京ディズニーリゾート®線ほか10路線)、空港連絡バス(茨城空港~東京駅線ほか5路線)、
夜行高速バス(水戸駅~京都・大阪線)を運行しております。なお、運輸業においては、さらなる安全輸送の確保
のため、安全に関する内部監査を継続的に実施し、運輸安全マネジメント体制の強化に努めております。
不動産業では、事業環境の変化や市場動向に対応した販売を引き続き実施するとともに、収益物件の取得や保
有資産の有効活用、賃貸物件のリニューアルにより空室解消に努め、安定収益の確保を図っております。
流通業、レジャー・サービス業などにおきましても、積極的な営業活動を展開することにより、収益力の強化
に努めております。
当社グループを取り巻く事業環境は、人口減少・高齢化の急速な進展及び人材不足など厳しい状況が続くもの
の、つくばエクスプレス沿線開発の進展及び交通ネットワークの拡充、茨城空港の旅客数増加が見込まれるな
ど、各事業において需要の増加が予想されます。
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このような状況の中、当社グループは、時代の変化に的確に対応し、お客様や社会から選ばれる成長企業を目
指すために、10年後のあるべき姿を示す長期ビジョンとして「関鉄ビジョン100」を策定し、同ビジョンの実現を
目指すための第一段階として2019年度から2021年度までの3ヶ年の中期経営計画(Catch Up Plan)を策定しまし
た。なお、同計画では、公共交通機関の使命である安全・安心・快適な輸送サービスの提供に努め、積極的な営
業施策の推進及び地域社会との連携強化に取り組み、収益力・競争力を強化していくこととしております。
公開買付者は、これまで当社を持分法適用関連会社とし、鉄道事業における営業施策・安全施策等での情報交
換、資材等の共同購入及び大規模自然災害時の復旧支援並びにバス事業における高速バスの共同運行など緩やか
な連携を行ってきましたが、当社のバス事業における収益強化など経営基盤の更なる強化による企業価値向上を
図り、公開買付者グループの経営体制を一層強化するためには、連結子会社化による強固な協力関係を構築し、
公開買付者グループでのスケールメリット、事業ノウハウ等を有効活用するとともに、実務担当者間で従来以上
に緊密化した連携を図り、グループ一体となって経営を遂行することが必要であると考えたとのことです。この
ような状況の中、2018年8月下旬、公開買付者は、当社を連結子会社化することによる事業シナジー創出の可能
性について検討を開始し、その結果、バス事業の収益強化などの一定以上の効果が見込まれることから2019年1
月上旬に当社を連結子会社化することが必要不可欠であると判断するに至ったとのことです。その後、公開買付
者は、2019年3月下旬に当社に対して本公開買付けの提案を行い、2019年4月上旬より当社と本公開買付けの実
施の是非及び実施の方法についての具体的な協議・検討を開始しました。その後、公開買付者は、2019年4月下
旬から2019年6月中旬まで当社へのデュー・ディリジェンスを行ったうえで、2019年7月10日に本公開買付価格
を含む諸条件を記載した意向表明書を当社に対して提出しました。なお、公開買付者は、当社を連結子会社化す
ることにより、具体的に以下のメリットが期待できると考えているとのことです。
(ⅰ) 事業エリアの拡大並びに幅広い連携強化による収益の拡大
当社グループの事業エリアである茨城県の県央、県西、県南、鹿行の各地域には、水戸の偕楽園をはじめと
する観光名所や、鹿島臨海工業地帯、水郷筑波国定公園の筑波山、霞ケ浦、水郷などがあり、文化・産業・自
然に大変恵まれた地域であると認識しているとのことです。また、近年交通インフラの整備が進み、茨城空港
に加え、圏央道の茨城県内区間の全通、外環道の延伸などにより、首都圏のみならず関東近県へのアクセスが
格段に向上しているほか、今後、圏央道の4車線化や東関東道水戸線の延伸も計画されています。
今般、当社を連結子会社化することにより、両者間の関係をより緊密なものとし、当社の主力であるバス事
業における公開買付者グループとの連携強化や、上記観光資源と交通ネットワークを活用した収益の拡大を果
たしていきたいと考えているとのことです。
加えて、公開買付者グループ及び当社グループによるノウハウの相互提供や販路拡大等のシナジー効果追求
によって、商品・サービスの一層の充実と更なる収益拡大を実現することで、茨城エリアへの関与を強めつ
つ、グループ一体となって地域の活性化にも貢献したいと考えているとのことです。
(ⅱ) グループ経営推進体制の充実及びコーポレート・ガバナンスの強化
公開買付者の連結子会社という関係性の下で、当社の内部統制の強化及びコンプライアンス体制の強化等を
図ることにより、当社の健全な事業成長を支える経営基盤を構築し、グループ経営推進体制の一層の充実を実
現していきたいと考えているとのことです。
(ⅲ)収益性の一層の向上
上記(ⅰ)に記載の施策実施による収益拡大等を図るとともに、業務効率化、コスト削減等、公開買付者グ
ループのスケールメリットを活かした施策を更に推し進め、グループの収益性の一層の向上を図りたいと考え
ているとのことです。
(ⅳ)京成ブランドの価値向上
上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の実施により生み出される交通アクセスの利便性や商品・サービスの安全性等の付加価値
を沿線のお客様に広く還元することで沿線ロイヤリティの強化を実現するとともに、京成ブランドの更なる価
値向上を図り、茨城県内におけるグループのプレゼンス強化を実現していきたいと考えているとのことです。
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以上の検討、協議及び判断を踏まえ、公開買付者は、2019年7月31日開催の取締役会において、当社を連結子
会社化することを目的として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
当社は、公開買付者との協議・検討、公開買付者の意向、下記「(4) 本公開買付価格の公正性を担保するため
の措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社にお
ける独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」記載の株式価値算定書、「③ 当社における独立し
た法律事務所からの助言」に記載の法的助言を踏まえた上で、2019年7月31日開催の取締役会において、本公開
買付けの諸条件について、慎重に協議しました。
その結果、当社は、本公開買付けについては、当社が公開買付者の連結子会社となることにより、公開買付者
グループとの連携強化を通じて収益力の強化及び事業基盤の拡充等のシナジーを創造していくことが、今後の当
社の成長と企業価値の向上に寄与するものであると判断しました。また、当社は非上場会社であるため当社株式
を現金化する機会が限られていることも勘案し、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の
売却の機会を提供するものであると判断しました。そのため、当社は、2019年7月31日開催の取締役会におい
て、審議及び決議に参加した取締役(取締役8名中、出席取締役5名)の全員一致により、本公開買付けに賛同の
意見を表明することを決議いたしました。
一方で、本公開買付価格については、(ⅰ)下記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、株式会社日本政策
投資銀行(以下「日本政策投資銀行」といいます。)の算定における類似企業比較法による算定結果のレンジの範
囲内であり、不合理な価格ではないと考えられるものの、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「D
CF法」といいます。)の算定結果のレンジの下限を下回っていること、(ⅱ)公開買付者が本公開買付け後にいわ
ゆる二段階買収の手続を実施することを予定していないとのことから、当社の株主の皆様において本公開買付け
後も当社株式を所有し続けることが可能であることから、本公開買付価格の妥当性に関する判断については、当
社は中立の立場を取り、意見を留保させていただき、本公開買付けへの応募については、株主の皆様の判断に委
ねる旨を併せて決議いたしました。
(3) 算定に関する事項
当社は、本公開買付価格の適正性を判断するにあたり、本公開買付けに関して当社及び公開買付者から独立した
第三者算定機関である日本政策投資銀行に当社株式の株式価値の算定を依頼しました。日本政策投資銀行は、当社
及び公開買付者の関連当事者には該当しません。なお、日本政策投資銀行は、当社及び公開買付者に対して融資を
行っておりますが、同行は金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)第36条第2項及び金融
商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4等の適用法令に従
い、適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、貸付人の地位とは独立した立場で、当社の株式価値の
算定を行っております。当社は、当社の株式価値算定にあたり適切な弊害防止措置が講じられていると判断し、日
本政策投資銀行を算定機関に選定しました。
日本政策投資銀行は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法
を検討の上、類似企業比較法及びDCF法の各手法を用いて当社の株式価値の算定を行い、当社は日本政策投資銀
行から2019年7月30日付けで当社株式の価値算定書(以下「本算定書」といいます。)を取得しました。なお、当社
は日本政策投資銀行から、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりませ
ん。
本算定書によると、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値は以下のと
おりです。
類似企業比較法 332円から607円
DCF法 613円から1,279円
類似企業比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じ
て、当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値を332円から607円と分析しております。
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DCF法では、当社の2020年3月期から2022年3月期までの事業計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提
として、2020年3月期以降に当社が将来創出すると見込まれるキャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割
引くことにより当社の株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値を613円から1,279円と分析しておりま
す。なお、当社の事業計画においては、大幅な増減益は見込んでおりません。また、当社の事業計画には、本公開
買付けの実行により実現することが期待されるシナジー効果については加味しておりません。
(4) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
担保するための措置
本書提出日現在において当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該
当しませんが、公開買付者が当社株式を3,051,728株(所有割合:30.07%)直接所有し、公開買付者の完全子会社で
ある千葉交通株式会社が間接的に所有する1,620株(所有割合:0.02%)と合計して3,053,348株(所有割合):
30.09%)所有することにより、当社を持分法適用関連会社としていることを考慮し、公開買付者及び当社は、本公
開買付けの手続の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置など本公開買付価格の公正性を
担保するために、以下の①から⑤までの措置を講じております。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実
施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関として
フィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)から2019年7月30
日付けで取得した株式価値算定書(以下「公開買付者算定書」といいます。)を参考にしたとのことです。なお、
公開買付者は、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得してい
ないとのことです。
みずほ証券は、類似企業比較法及びDCF法の各手法を用いて当社株式の価値算定を行ったとのことです。上
記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりであるとのことです。
類似企業比較法: 340円から642円
DCF法 : 436円から775円
類似企業比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じ
て、当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値を340円から642円と分析しているとのことです。
DCF法では、当社の2020年3月期から2022年3月期までの事業計画、一般に公開された情報等の諸要素を前
提として、公開買付者が2019年4月下旬から2019年6月中旬まで当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの
結果を踏まえて調整した、2020年3月期以降に当社が将来創出すると見込まれるキャッシュ・フローを一定の割
引率で現在価値に割引くことにより当社の株式価値を分析し、当社株式1株当たりの株式価値を436円から775円
と分析しているとのことです。なお、DCF法の前提とした当社の将来の財務予測について、大幅な増減益を見
込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、当社の事業計画の内容は、本公開買付けにより生じ
ることが期待されるシナジーを考慮していないとのことです。
公開買付者は、みずほ証券から取得した公開買付者算定書における当社の株式価値の算定結果を参考にしつ
つ、当社に対して2019年4月下旬から2019年6月中旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社による
本公開買付けへの賛同の有無及び本公開買付けに対する応募の見通し、当社との協議の結果等を総合的に勘案
し、最終的に2019年7月31日開催の取締役会において本公開買付価格を500円とすることを決定したとのことで
す。
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② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者から提示された本公開買付けの買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保す
るために、当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関である日本政策投資銀行に対して当社の株式価値算
定を依頼し、2019年7月30日付けで本算定書を取得しました。本算定書の概要は上記「(3) 算定に関する事項」
をご参照ください。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けに関する意思決定過程等における透明性及び公正性を確保するため、当社及び公開買付
者から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人大江橋法律事務所(以下「大江橋法律事務所」といいま
す。)を選任し、同法律事務所より、本公開買付けに関する意思決定過程、意思決定方法その他の留意点につい
て、必要な法的助言を受けております。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「③ 当社にお
ける独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、日本政策投資銀行から2019年7月30日付で取得した本算
定書及び大江橋法律事務所から得た本公開買付けの意思決定等に関する法的助言を踏まえながら、本公開買付価
格を含む本公開買付けの諸条件について、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、当社は、2019年7月31日開催の取締役会において、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及
び理由」の「② 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の各判断に基づき、本公開買付けに賛同す
る意見を表明するとともに、本公開買付価格の妥当性に関する判断については、当社は中立の立場を取り、意見
を留保させていただき、本公開買付けへの応募については、株主の皆様の判断に委ねる旨を決議いたしました。
なお、当社取締役8名のうち、代表取締役社長である松上英一郎氏は過去において公開買付者の取締役を務め
ていたことがあること、常務取締役である宮島宏幸氏は公開買付者からの出向者であり過去において公開買付者
の取締役を務めていたことがあること、小林敏也氏は公開買付者の代表取締役社長であることから、利益相反の
疑いを回避するため、いずれも当社取締役会における本公開買付けに関する審議及び決議には一切参加しておら
ず、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、当該取締役会におい
て、監査役4名のうち、三枝紀生氏を除く当社の社外監査役2名を含む3名は、当社取締役会が上記の決議を行
うことにつき異議がない旨の意見を述べております。なお、当社の監査役である三枝紀生氏は、公開買付者の代
表取締役会長を兼務していることを踏まえ、上記取締役会の本公開買付けに関する審議には一切参加しておら
ず、上記の取締役会の決議に際しても意見を述べることを差し控えております。
⑤ 本公開買付価格の公正性を担保する客観的状況の確保
公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、法令に
定められた最短期間が20営業日であるところ、41営業日に設定しております。このように、公開買付期間を比較
的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保す
るとともに、公開買付者以外にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に
配慮しております。
また、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項
を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておら
ず、上記公開買付期間の設定と合わせ、対抗的な買付け等の機会を確保することにより、本公開買付けの公正性
を担保することを企図しております。
(5) 本公開買付け後の経営方針
公開買付者によれば、本公開買付けの目的達成のため、必要に応じた事業再編等を実施する予定ではあるもの
の、その具体的な内容・実施時期並びに再編後の経営体制等は現時点で未定であり、本公開買付け終了後に当社と
協議の上で決定する予定とのことです。
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EDINET提出書類
関東鉄道株式会社(E04135)
意見表明報告書
(6) 本公開買付け後の株券等の取得予定
公開買付者は、当社を連結子会社化することを目的として本公開買付けを実施するものであり、現時点におい
て、本公開買付けによりその目的を達成した場合には当社株式を追加で取得することを予定していないとのことで
す。一方で、本公開買付けを通じて連結子会社化する目的を達成するに至らない場合の対応方針については、現時
点では未定であり、当社と協議の上で検討する予定とのことです。なお、本公開買付け後にいわゆる二段階買収の
手続を実施する予定はないとのことです。
(7) 本公開買付けによる上場廃止の可能性の有無
当社は非上場会社のため、該当事項はありません。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
氏名 役職名 所有株式数(株) 議決権の数(個)
松上 英一郎 代表取締役社長 14,000 14
酒寄 新一 常務取締役 総務部担当 10,000 10
大塚 聡 常務取締役 経理部・開発部担当 10,000 10
武藤 成一 常務取締役 自動車部担当 10,000 10
宮島 宏幸 常務取締役 鉄道部担当 10,000 10
廣瀬 貢司 取締役 総務部付部長 1,000 1
桑原 靖幸 常勤監査役 7,000 7
計 7名 62,000 62
(注) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7 【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
8 【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以上
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