オレンジ 有価証券報告書
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オレンジ(E05839)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019年6月28日
【事業年度】 自 2018年1月1日 至 2018年12月31日
【会社名】 オレンジ
(Orange)
【代表者の役職氏名】 最高経営責任者代行 ラモン・フェルナンデス
(Chief Executive Officer Delegate, Ramon Fernandez)
【本店の所在の場所】 フランス共和国 75015 パリ、オリヴィエ・ドゥ・セール78
(78 rue Olivier de Serres, 75015 Paris, France)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 濃 川 耕 平
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番2号 大手門タワー
西村あさひ法律事務所
【電話番号】 03-6250-6200
【事務連絡者氏名】 弁護士 上 里 一 海
弁護士 宮 國 尚 介
弁護士 山 口 玲
弁護士 樫 野 平
弁護士 大 西 絢 子
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番2号 大手門タワー
西村あさひ法律事務所
【電話番号】 03-6250-6200
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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注1 本報告書において、別異に記載された場合及び文脈上別異に解釈される場合を除き、下記の用語は下記
の意味を有するものとする。
「オレンジSA」又は「当社」 子会社を含まない親会社のオレンジ
「オレンジ」又は「当グループ」 親会社のオレンジ及びその連結子会社
「EU」 欧州連合
「当社株式」 1株当たり額面4ユーロの当社普通株式
「フランス」又は「フランス政府」 フランス共和国
注2 本報告書に記載の「ユーロ」は欧州連合に属する諸国の単一通貨を、「円」は日本国の通貨をそれぞれ
指すものとする。本報告書において便宜上記載されているユーロから日本円への換算は、1ユーロ=
123.93円(2019年5月7日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表による対顧客電信売・買相場の仲値)により、
計算されている。
注3 本報告書中の表で計数が四捨五入されている場合、提示されている合計は表示された計数の総和と必ず
しも一致しない。
注4 本報告書には、第一部、第2「3 事業の内容」「3.1 世界のデジタル・サービス市場」、「3.2 オ
レンジのグループ戦略」及び「3.3 営業活動」、第3「3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」(特に「1.1 概要」)並びに第3「1 経営方針、経営環境及び対
処すべき課題等」「見通し」における記述をはじめとする、将来予測に関する記述が含まれている。
オレンジは、これらの記述が合理的な前提に基づいているものであると信ずるが、将来予測に関する記
述は、様々なリスクと不確実性によって左右される。また予測される事態が発生するか否か、設定され
た目標が実際に達成されるか否かといったことについては、確約することはできない。
実際の業績を設定された目標とは大幅に異なる結果とさせる可能性がある重大要素及びオレンジの実際
の業績は、第一部、第3「2 事業等のリスク」に記載されている。法律上、特にフランス金融市場庁
(Autorité des Marchés Financiers)(AMF)の一般規則第223-1条以下に基づき必要とされる場合を除
き、オレンジは、将来予測に関する記述を更新する義務を負わない。
注5 ウェブサイトへの参照記載は、追加情報が取得できる範囲を示すだけのために含まれている。いかなる
ウェブサイトに記載された情報も、本報告書に組み込まれているものではない。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社は株式会社( société anonyme (S.A.))であり、これは、ストック・コーポレーション又は公開有限責任会社
と同種の法人である。
当社に適用がある法的枠組みは、主としてフランス商法第2編に規定がある。また、当社は1990年7月2日のフラ
ンス法第90-568号(1996年7月26日の法第96-660号及び2003年12月31日の法第2003-1365号により改正)の規定に
服する。後者の改正は、特に、フランス政府による民間投資家への持分の譲渡を認める規定を含んでいた。
以下は、当社を含む株式会社に適用されるフランス商法の主要規定の概略である。
株式会社の公募による設立には定款を作成して、創立総会の承認を受けなければならない。定款は株式会社が
登録されることになる商事裁判所書記官室に提出される必要がある。
定款は株式会社の準拠する根本規則を定めた文書である。定款には特に株式会社の商号、存続期間、登録事務
所の所在地、目的、資本金の額、授権株数及び株式の譲渡性につき制限があればかかる制限を定めることを要
する。
a) 資 本 金
株式会社の最低資本金は37,000ユーロである。株式について異なる種類を設けることができ、また、会社は無
議決権株式と優先株式を発行することができる。
株式の所有は、会社の株主名簿への登録(記名株式の場合)によって又は金融仲介業者の実質株主の個々の口座
への記帳(無記名株式の場合)によって表章される。フランス国外で流通する株式は、ユーロクリア・フランス
が発行する株券により表章される。かかる株券はフランス国外に限り、有効である。
株式を譲渡するためには、株主は場合に応じて会社又は金融仲介業者に対して譲渡指図を行わなければならな
い。定款中に引受権に関する規定を置くか株主間契約によるかいずれかによらない限り、既存株主間の株式の
譲渡に制限を加えることはできない。
株主総会の承認により、会社は、最大10%の自己株式を取得することができる。株主総会は、以下のような株
式買戻制度の条件及び目的を定めなければならない。すなわち、(a)会社の資本を減少させる場合、(b)利益分
配プラン又は株式オプション制度に基づき従業員に対して交付する株式を供給する場合、又は(c)金融サービス
提供者との間で締結された流動性契約を通して株式の流動性を確保する場合である。
フランス商法は次のような株式の会社間の相互保有を禁止している。すなわち、もしある会社が他の会社の株
式を10%以上直接所有している場合、当該他の会社は前者の会社の株式を所有することができない。さらに、
会社がその子会社又はその支配する会社を通じて間接的に自己株式の処分権限を有する場合、それらの株式に
ついて議決権行使は認められない。
株主の責任は所有株式の額面金額を限度とする。
b) 株式資本の増減
会社の株式資本は、金銭若しくは現物出資により、又は留保利益の資本組入れにより、臨時株主総会の決議を
もって増加することができる。臨時株主総会はまた、一定の期間と金額の範囲内で取締役会に対し株式資本を
増加する権限を授権できる。株主はその資本出資を増加させる義務を負うものではない。
株式資本を減少させるためには、株式を消却するか又は額面金額を引き下げることを決議する臨時株主総会を
開催することを要する。
c) 株式転換可能な証券の発行
取締役会は臨時株主総会の授権により、その所持人が転換、交換、償還、ワラントの呈示又はその他の方法で
会社の株式資本の一部を表章する既発行又は新規発行の証券をいつでも又は特定の日に取得することのできる
証券を発行することができる。
d) 経 営
フランス商法は有限責任会社の株主に企業の統治について2種類の選択肢を認めている。
・ 単一の機関(取締役会)による統治。但し、最高経営責任者の地位には、取締役会会長又は取締役でない者
のいずれも就くことができる。
・ 監査役会及び執行役会(又は執行委員会)からなる二層制機構による統治。
オレンジは、取締役会及び最高経営責任者を設置する。
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(a) 取締役会
株式会社の取締役会は、通常3人以上18人以内の取締役からなる。
加えて、公開株式会社の資本のガバナンス及び取引に関連する2014年8月20日付のフランス政府命令No.2014-
948に従い、取締役会は、フランス政府の会社に対する直接又は間接の株式保有の割合に応じて、フランス政府
により任命された取締役も含まなければならない(従業員により選任された取締役は、かかる計算の上では取締
役の総数に含まれない。)。かかる規則に従い、公共部門は、取締役会における3人の代表(政令により任命され
る1人の代表及びフランス政府により提案された株主総会により任命される2人の取締役)を引き続き有する。
取締役はフランス人若しくは外国人又は法人でもよいが、法人の場合はその常任代表者として自然人を指定し
なければならない。
取締役は、最長任期6年で株主総会において選任される。取締役は株主により事前の通知、理由の開示又は補償
なしに解任されうる。
従業員により選任された取締役は他の取締役と同一の権能及び権限を有するものとする。かかる取締役は最長
任期を6年間として選任されるものとし、任務の懈怠が立証された場合において、裁判所の命令によってのみ解
任される。
会社が取締役に金銭を貸し付けることは厳しく禁止されている。また、いかなる会社も取締役のために当座貸
越をしてはならず、また債務を保証してはならない。この規制は役員、会社の常任取締役、またその配偶者及
び相続人並びに仲介人にも適用される。
会社とその取締役の1人との間のいかなる契約も、その締結前に、取締役会により承認されなければならず、か
かる議題について当該取締役は投票できない。フランス法はさらに、かかる契約の締結直後、会社の監査役か
らの特別報告の提出があったときは、かかる契約を定時総会に承認のために提出することを要求している。
取締役会は会社の事業戦略を策定し、かかる戦略の実行を監視する。取締役会は会社を経営する全権限を有
し、かかる権限は会社の目的及び株主総会に法律上認められた権限による制約を受ける。決議は出席取締役の
多数決により承認される。可否同数の場合は定款に別段の定めがない限り会長が決定権を有する。定足数は取
締役の総数の半数である。
取締役会会長は、取締役会を代表し、その手続の取りまとめと進行を行い、その手続を株主総会に報告する。
(b) 最高経営責任者(CEO)
会社の総括経営は、取締役会会長(その場合は、取締役会会長兼最高経営責任者の役職にある。)又は取締役会
が指名し最高経営責任者の役職にある他の者により執行される。取締役会は、総括経営の執行について、これ
ら2つの方法のうちいずれにするかを決定する。
最高経営責任者は第三者との関係で会社を代表し、経営管理について責任を負う。最高経営責任者は、会社の
目的による制限並びに株主総会及び取締役会に法律上認められた権限に服しながら、会社の名前において行為
する広汎な権限を有する。最高経営責任者の提案により取締役会は1人又は複数(5人を上限とする。)の最高経
営責任者代行を任命することができる。
e) 株式に付帯する権利
(a) 株主総会
株主は総会を通じて会社に対する支配権を行使する。総会には定時株主総会及び臨時株主総会の2種類がある。
定時株主総会
定時株主総会は、定款変更以外の一切の決議を行うために招集される会議である。定時株主総会は、少なくと
も年に1回、各事業年度末から6ヶ月以内に(又は延期の場合、裁判所命令により定められた期間内に)、かかる
事業年度の年次連結財務書類を承認するために招集される。第1回招集においては、会議は、議決権を有する株
式の少なくとも5分の1に係る株主が出席している、委任状により代理されている又は郵送により投票している
場合のみ、有効に審議することができる。第2回招集においては、 定足数 の要件はない。決議は、出席株主、委
任状により代理された株主又は郵送により投票した株主が有する票の過半数によりなされる。
臨時株主総会
臨時株主総会のみが、定款の一切の規定を変更する権限を有する。準備金、利益又は資本剰余金からの増資に
適用される法的規定に従って、臨時株主総会の決議は、第1回招集においては、議決権を有する全株式の少なく
とも4分の1(第2回招集においては5分の1)に係る株主が出席している、委任状により代理されている又は郵送に
より投票している場合のみ有効である。第2回招集の場合の 定足数 に達しなかった場合、第2回会議は、招集さ
れた日から2ヶ月以内の日に延期されうる。同様の条件の下で、第2回会議では、出席株主、委任状により代理
された株主又は郵送により投票した株主の3分の2の多数により決議が行われる。
定款により複数の種類株式が定められている場合は、臨時株主総会の承認がなければ複数の種類株式の権利内
容に変更を加えることができない。さらに関係する種類の株式の株主の種類株主総会により当該決議が承認さ
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れなければならない。株主の全員一致の承認がなければ株主総会において既存株主の経済的責任を加重するこ
とはできない。
(b) 議 決 権
一般に株式の議決権の数は、保有する株式の発行済株式に対する割合に比例しなければならない。1株は少なく
とも1個の議決権を有する。但し、実体経済の回復を狙った2014年3月29日法(フロランジュ法)は、少なくとも2
年間同一の保有者により記名の形で登録されている全ての株式について、2016年4月3日から2倍の議決権を付与
する。これは、かかる法律の効力が発生した後に、定款が修正され、この適用から外れた場合を除く。
直接又は間接的に保有する上場会社の株式又は議決権の全株式又は議決権総数に占める割合が5%、10%、
20%、3分の1、50%及び3分の2を上回り又は下回ることとなる株主又は共同して行為する株主グループは、会
社及び Autorité des Marchés Financiers (AMF)にその旨(保有株式総数、保有議決権数及び将来において株式の
割当を受ける権利を有する転換社債等の数)を通知しなければならない。また、10%、15%、20%又は25%超を
保有する場合には、AMF及び会社に対して、今後6ヶ月間の保有意図の申告がなされることを必要とする。かか
る通知を怠った場合、正規な通知が行われた後2年間は、当該水準を超える株式について議決権を行使できな
い。かかる通知義務に違反した場合、会社の会長、株主又はAMFの請求により、商事裁判所は当該株主の全部又
は一部の議決権を最長5年間停止することができ、刑事罰及び罰金を課す場合もある。
上場会社の株主間契約で、株主譲渡について優先的取り決めがあるものはAMFに開示されなければならない。
AMFの規制上、一定の場合においてAMFが認めた免除が得られるときを除き、(i)発行済株式又は議決権の3分の1
を上回る株式を取得しようとする者及び(ii)すでに発行済株式又は議決権の3分の1以上2分の1以下を保有する
者であって、1年以内に会社に対する持分を発行済株式又は議決権の2%以上増加した者は、会社の残りの株式
を取得することを目的として、公開買付を行わなければならない。
(c) 配 当
配当及び利益処分は株主により承認されなければならない。それらは利益を上回ることはできない。さらに、
各年、純利益の最低5%を、法定準備金の残高が資本金の名目額の10%に達するまで、同準備金に組入れること
を要する。定款により第1回の配当を決めることができる。株式会社は中間配当を支払うこともできる
(「(2) 提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。)。取締役会が、中間配当の支払い、その金額及
び支払日について決定する。
(d) 清 算
会社の清算の場合は、全負債及び清算費用支払い後の残余金は株主の間でそれぞれの持分に応じて分配され
る。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
当社の登記事項及び登録番号は第2「2 沿革」を参照のこと。
以下の情報は、当社の株式資本に関する重要な情報の要約と、適用あるフランス法及び当社定款の重要な規定
である。
a) 事業目的
フランス国内及び国外における当社の事業の目的は、特にフランス郵便及び電気通信法に準拠しており、以下
の通りである。
・ フランス国内外においてあらゆる電気通信サービスを提供すること。
・ 公共サービスに関連する業務、中でも、必要に応じて、ユニバーサル電気通信サービス及び義務的サービ
スを提供すること。
・ 上記サービスを提供するために必要なあらゆる公共電気通信ネットワークを構築、開発、運営し、またこ
れらネットワークとフランス国内外における他の公共ネットワークとの相互接続を確保すること。
・ その他一切のサービス、設備、端末機器、電気通信ネットワークを提供し、音響映像サービス、特にラジ
オ、テレビ及びマルチメディア放送サービスの配給のための全てのネットワークを構築し、運営するこ
と。
・ 全ての不動産及び事業資産を創設、取得、賃借又は運営すること、上記事業目的に関係のある全ての建造
物、事業資産、工場、作業所を賃借し、設置し、運営すること。
・ 上記事業目的に関連する全てのプロセス及び特許を取得、購入、運営又は譲渡すること。
・ 上記事業目的に関連しうる全ての取引につき、新会社の設立、出資、証券若しくは法人に対する権利の引
受又は購入、利益参加、合併、提携その他の手段を通じて直接的又は間接的に参加すること。
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・ より一般的に、上記事業目的若しくはこれに類似若しくは関連する目的又は当社の事業拡大に資すると考
えられる全ての目的に直接的、間接的あるいは全体的、部分的の如何を問わずに関連する全ての同業者間
取引、商取引及び金融取引、又は動産若しくは不動産関連の取引に参加すること。
b) 経営及び管理機関に関する規定
(a) 取締役会
第5「4 役員の状況」を参照のこと。
定款第13条の規定により、取締役会は最少で12人、最多で22人により構成される。
2008年5月27日の株主総会により変更された定款に従い、各新取締役は4年の任期で任命される。
取締役の選任については、「(1) 提出会社の属する国・州等における会社制度」「d) 経営」「(a)取締役
会」を参照のこと。
(b) 取締役会会長
取締役会内規の第1条は、会長の役割及び義務を規定している。
会長は取締役会を代表しており、異常事態を除き、取締役会の名の下に行動及び発言する権限を持っている唯
一の人物である。会長は、取締役会の仕事を整理及び操縦し、良好な統治の原則に沿って法人の効率的な経営
を確保する。会長は経営統括と協力し、取締役会と当社の株主との間の連絡窓口としての機能を果たし、当社
の財務情報の質を監視する。取締役会会長と最高経営責任者の役割が分割されている場合、会長は、経営統括
と密接に協力し、公的機関、当グループの主要な提携先、及びその主要な顧客とのフランス内外における上位
関係において、当社を代表することも可能である。この場合、会長は、最高経営責任者により当グループの事
業に関連する重要な出来事及び状況を定期的に伝えられ、取締役会及びその委員会に提供する必要のある情報
を最高経営責任者に要求することもできる。会長は、取締役会及び監査委員会の仕事の準備をするために、法
定監査人と会うこともできる。会長は、内規において規定された条件に基づき、取締役会の委員会の会合に出
席することができる。
1990年7月2日のフランス法第90-568号の第29-1条及び第29-2条により、取締役会会長は、当社が雇用する公務
員を指名し管理する権限も有する。
当社の定款に従い、取締役会会長は70歳までその地位を占めることができる。
(c) 統括管理
会長兼最高経営責任者は、当社の名において行為する広範な権限を付与されている。会長兼最高経営責任者
は、その権限を、当社の目的の制限の範囲内で、かつ法律及び取締役会内規が明示的に後者に留保する制限に
従って、行使する。会長兼最高経営責任者は、かかる業務について、最高経営責任者代行ら及び経営委員会の
助力を受けている。
取締役会内規の第2条は、当社が以下を行う前に、会長兼最高経営責任者は取締役会の事前の承認を取得しなけ
ればならないと定めている。
・ 連結範囲内の1取引当たり200百万ユーロを超える投資又は投資の引き揚げで、かつ合計連結エクスポー
ジャー額が、当該投資に係る取締役会の事前の承認を超えるもの。
・ 当グループの主な領域(FTTH、4G等)における主要な複数年度の技術プログラムに基づく、新規の投資(通信
スペクトルの取得を除く。)で、1年当たりの平均額が、かかる年度中に予算が計上された当グループの投
資の2.5%を超えるもの。
これに加えて、連結収益の10%以上にあたる領域における、当グループによる通信スペクトルの取得は、取締
役会に対する事前の提示の対象とされなければならない(後者が、最大入札価格を定める。)。
投資又は投資の引き揚げは、場合によっては、かかる子会社の統治組織による独立した検査の対象にとどま
る。
さらに、当社の戦略の範囲外に当たり、かつ20百万ユーロを超える取引に係る投資又は投資の引き揚げは、ま
ず最初に取締役会の承認を得なければならない。かかる場合、取締役会は、当該取引に関する重要な新たな展
開の情報を提供されていなければならない。
最高経営責任者はまた、取締役会により決定された上限内で、当社が社債若しくは同等の有価証券を発行し、
又はシンジケート・バンク・ファシリティを手配することを可能とする、取締役会からの年次の承認を取得し
なければならない。
経営委員会は、会長兼最高経営責任者の権限の下で、当グループの運営及びその戦略の実施の調整に責任を負
う。経営委員会は、事業上、労働関係及び技術的目標並びに財務資源の分配に関する目標の達成を監視する。
経営委員会の会議は 通常 毎週開催される。経営委員会の構成は、第5「4 役員の状況」「4.3 経営委員会
(Executive Committee)」に記載されている。
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Stéphane Richard氏は、経営委員会の各委員に、一連の権限及び署名権を委任した。各委員は、各自の責任の
範囲内においてそれらを適用する。
c) 各種類の既存株式に付帯する権利、優先権及び制限
オレンジは、普通株式のみを発行している。各株式は、その株式に係る資本の額に応じて、保有者に企業の収
益及び資産の一部分の権利を付与する。さらに、各株式は、法及び定款の規定に従い、保有者に投票する権利
及び株主総会において代表される権利を付与する。1株の株式の保有は、法律上、定款及び株主総会決議の遵守
を当然に伴う。
定款には、株主に対して2倍又はそれ以上の議決権を定める規定はない。しかし、 法律の規定に従い 、登録株式
の形で少なくとも2年間同一の保有者により保有された全ての株式について、2倍の議決権 が付与される 。
株主は、当社の資本への出資の限度内における損失にのみ責任を負う。
配当の支払い
株主総会で承認をうけた配当金支払いの条件は、株主総会、又は当該総会に代わって取締役会が決定する。し
かし、現金配当は、裁判所の延長命令がない限り、事業年度終了後最長9ヶ月以内に支払われなければならな
い。定時株主総会は、法的要件を条件として、各株主に支払配当金の全て又は一部について、現金又は株式で
の配当支払いを選択する権利を付与することができる。
事業年度中又は事業年度末に作成され、かつ法定監査人に監査された貸借対照表が、当社が前事業年度の終了
時以後に必要な減価償却、償却及び引当金の認識後、並びに、繰越損失(もしあれば)及び留保利益を含む法律
又は定款により要求される準備金への割当金の合計額の控除後、利益を得たと示す場合、当該事業年度の財務
書類の承認前に中間配当を支払うことができる。かかる中間配当の金額は、かかる方法で決定された利益の金
額を超えることができない。
支払期日から5年後以内に請求されなかった配当は、失効したものとみなされ、フランス国家に帰属する。
株式の売却及び移転
株式は、適用のある法及び規制の規定に従って、自由に譲渡できる。株式は、株式口座に登録され、口座から
口座への振替指図によって移転される。
d) 株主の権利を修正するために必要な措置
株主の権利は、法により認められているように修正されうる。臨時株主総会のみが、定款の一切の規定を変更
する権限を有する。但し、臨時株主総会は、株式併合から生じた適切に執行された処置の場合を除き、株主の
責任を加重することはできない。
e) 株主総会への参加及び株主総会の招集に関する規則
上記「(1) 提出会社の属する国・州等における会社制度」「e) 株式に付帯する権利」を参照のこと。
株主総会へのアクセス及び参加並びに株主総会における投票権
株主総会は、会議の 2営業日 前の真夜中(パリ時間)までに、株主(又は株主がフランス居住者でない場合、株主
の口座を有する仲介業者)の名前で口座に株式が登録され、これにより株主総会への出席権が確立された、払込
済の株式に係る全ての株主により構成される。
株式は、当社により維持される口座に株主自身の名前で、又は権限のある仲介業者により維持される無記名株
式口座に、前段落に規定された期限までに登録されていなければならない。
取締役会は、必要と判断した場合、株主に対して株主総会出席票を交付し、会議の際に出席票を提示すること
を要求することができる。
テレビ会議又は法及び規制の条件に従った個人を特定できるその他の通信手段を通して参加する株主は、株主
総会の 定足数 及び過半数の計算において、出席したものとみなされる。取締役会は、法的及び規制上の要件に
従い、特に、個人特定の手段の有効性を確認して、株主総会においてかかる株主の参加及び票をまとめる。
いかなる株主も、法及び規制の要件に従い、会議に出席せず投票し、又は、株主の選択する他の自然人若しく
は法人に代理権を付与することができる。株主は、法及び規制の要件に従い、投票用紙又は委任状を、紙媒体
で又は電磁的な通信手段を通して、株主総会前日の午後3時(パリ時間)までに送付することができる。伝達方法
は、会議通知及び参加通知において、取締役会により規定される。
本節で規定された期限までに、当社によって株主に提供された用紙によって票を送付した株主は、会議に出席
した又は会議において代理されたものとみなされる。
票又は委任状を送付するための用紙並びに出席証明書は、適用のある法及び規制によって規定された条件の下
で、電磁的方式で適切に署名することにより、記載することができる。このために、会議の主催者により開設
されたインターネット・サイトにおいて、直接、証明書の電子署名の記録をすることができる。
フランス居住者でない株主は、法的要件に従って株主総会に参加することができる登録仲介業者により、株主
総会において代表されることができる。
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株主総会の通知
株主総会は、取締役会により、又は、取締役会がこれを行わない場合、法定監査人若しくはこのために権限を
与えられた者により招集される。会議は、本店又は招集通知に記載されたその他の場所において開催される。
法により規定された例外はあるが、通知は、株主総会の少なくとも15日前になされなければならない。株主総
会が必要な 定足数 の不足により審議できない場合、第2回会議及び、適用される場合は、第2回延会が、最初の
通知において使用された方法と同様の方法で、会議の少なくとも10日前までに招集されなければならない。
フランス非居住者の代理
フランスの非居住者である株主は、当該株主の代理人として登録名義人となっている仲介業者を株主総会にお
ける代理人とすることができる。但し、当該仲介業者は以下の要件を満たしていることを条件とする。
・ 共同口座又は複数の専有口座の形態による当該仲介業者の登録を、オレンジの適格口座運営機関に対して
行っていること。
・ 適格口座運営機関において1又は複数の口座を開設する際に、法の定める条件に従い、他人の代理として株
式を保有する仲介業者であることを宣言していること。
・ 議決権行使の対象となるフランス非居住者の身元情報を、オレンジ又は適格口座運営団体の要請により開
示することを表明していること。
上記要件をみたす仲介業者は議決権を行使することができ又は一般委任状を受領している株式につき委任状を
送付することができる。但し、仲介業者が登録されていない場合又は議決権行使若しくは委任状の対象となる
フランス非居住者の身元情報が開示されていない場合は、かかる議決権行使若しくは委任状は有効とされな
い。
フランス非居住者による当社株式の保有
フランス商法上、フランス非居住者又はフランス国外の株主がフランス法人の証券を保有し又は議決権を行使
することに対する制限はない。
フランス通貨金融法に基づき、EUの居住者以外の者がフランス法人の支配権を取得するときは事前の承認は不
要である(但し、防衛及び公衆衛生上等の注意を払うべき一定の経済分野への投資は例外である。)。但し、フ
ランス非居住者は、フランス法人の資本又は議決権の33 1/3%以上(取得した者の意図、取得した者の取締役を
選任する権限、取得した者へのかかる法人の経済的な依存度等の一定の要因を考慮して、支配権を構成する場
合は、これより低い割合)を取得するときは、これに関する行政届出をフランス当局に対して行わなければなら
ない。上記は、全ての株主に適用される株式保有の開示及びその他の事項に関する、フランスの様々な法律上
及び規制上の要件(及び当社の定款の定め)に追加されて適用されるものである。
f) 法定監査人
当社の計算書類は法令に従って選任され、職務を遂行する2人の法定監査人により監査される。
法定監査人の拒否、妨害、辞任、死亡の場合に代替する2人の副法定監査人を置いている。
g) 年次計算書類及び連結計算書類
取締役会は当社の活動に関する正しい帳簿書類を作成し、法令及び取引に関する標準的慣行に従い年次計算書
類及び連結計算書類を作成する。
2【外国為替管理制度】
現在のフランス為替管理規制の下では、オレンジがフランス非居住者に対して送金することができる支払額の
制限はない。但し、外国為替管理に関する法律及び規制は、フランス居住者が非居住者に対して行う全ての資
金の支払い又は移転(配当支払い等)が、権限のある仲介機関により取り扱われることを要求している。フラン
スでは、全ての登録銀行及び実質的に全ての金融機関が、公認仲介機関である。
3【課税上の取扱い】
以下は、フランスの非居住者で、かつフランス内で行う営業に関連して当社株式を保有していない者である当
社株式の所持人による当社株式の保有及び処分に関する重要なフランス税法の取扱いの一般的要約である。か
かる要約は本報告書提出日現在効力を有する法律に基づいており、今後の適用あるフランス税法又は二重課税
防止に係る租税条約の変更に服する。
以下の記述は、概要を示すのみのものであり、当社株式の購入又は保有に関する全ての税法上の効果を完全に
分析又は列記したものではない。
当社株式の購入を予定している投資家は、当社株式の保有と処分に関する税法上の取扱いについては、自らの
税務顧問に相談されたい。
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3.1 配当に対する課税
フランスの国内法上、フランスの会社は、通常30%の源泉徴収税を非居住者に対して支払われる配当(会社が配
当可能準備金を有する場合、株式資本剰余金からの分配を含む。)から控除しなければならない。但し、株主が
非協力国又は領域としてリストに記載された管轄に設立され又は居住している場合は、フランスの会社により
支払われる配当に、75%のより高い源泉徴収税率が適用される。さらに、株主の税務上の居住地にかかわら
ず、非協力国又は領域に所在する金融機関に開設された銀行口座に配当金が支払われる場合、75%の源泉徴収
税が適用される(適用可能な二重課税防止に係る租税条約のより有利な規定の対象となる。)。
一定の非居住者は、1995年3月3日付の「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日
本国政府とフランス共和国政府との間の条約」及びこれを改正する2007年1月11日付の「所得に対する租税に関
する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約を改正する議定
書」(以下、併せて「日仏租税条約」という。)に基づき、配当に対する軽減税率の適用を受ける。
すなわち、日仏租税条約の規定によって定義された、日本に居住する、法によって認められた受益者は、配当
支払日までに所定の会計手続をとることにより、当社から支払われる配当に適用される源泉徴収税の限度税率
が最大10%に軽減される。
3.2 資本利得税
フランスの国内法上、フランスの居住者ではない株主(非協力国又は領域の居住者を除く。)は、直前5年間のい
ずれかの時点において当社に対する配当受領権の25%以上を単独で又は共同で有していた(間接的な保有を含
む。)場合を除き、一般に当社株式の処分によって生じた資本利得についてフランスの租税を課せられない。
株式保有割合にかかわらず、株主が非協力国又は領域において設立され又は居住する場合、当社株式の譲渡か
ら発生した資本利得は、75%の源泉徴収税率の対象となる。
さらに、日仏租税条約のもとでは、以下が成り立つ。
・ 日仏租税条約の規定により定義された日本国の居住者である株主は、調査中の課税期間の間のいずれかの
時点において、関係者と共同して、25%以上の当社の株式資本を有し、かつ、当該株主がかかる期間の間
に当社の資本の5%以上に相当する数の当社株式を処分した場合、当社株式の譲渡から得られた資本利得に
ついて、フランスの租税を課せられる可能性がある。
・ 同条約の規定により定義された日本国の居住者である株主は、当社株式の譲渡から得られた資本利得につ
いて、譲渡された株式が、フランスにおいて当該株主が有する恒久的施設に属する事業資産の一部を構成
するものである場合、フランスの租税を課せられる可能性がある。
3.3 贈与税及び相続税
贈 与 税
贈与は、基本的に相続の場合と同様の税制に服する(下記参照のこと。)。
相 続 税
フランス非居住者からフランス法人の株式を相続により取得した者に対しては、フランスの相続税( droits de
succession )が課せられる。相続税は、場合によっては贈与の受益者によって支払われる。
フランスは、遺産及び贈与に係る課税についていくつかの条約を結んでおり、かかる条約によれば締約国の居
住者は一定の要件を充足することにより課税の免除又は税額控除を受けることができるが、日本との間にかか
る条約は存在しない。
3.4 不動産資産税
Impôt sur la fortune immobilière として知られるフランスの不動産資産税は、 impôt de solidarité sur la
fortune として知られるフランスの資産税に代わり、その効力は2018年1月1日に発生した。
より有利な租税条約がなければ、フランスの不動産資産税は、フランスの課税上、フランスの居住者でなく、
当社株式資本の10%未満を(直接又は間接に)所有する個人投資家の当社株式には適用されない。但し、所有株
式によって、株主が当社に対して影響力を及ぼしうるときは、この限りではない。
3.5 金融取引税及び株式譲渡に係る登録税
フランス一般税法第235条 ter ZDに従い、一定の有価証券の購入は、0.3%のフランスの金融取引税の対象であ
る。但し、発行者の時価総額が、課税年度の前年の12月1日時点で10億ユーロを超えていることを条件とする。
時価総額が 2018年 12月1日時点で10億ユーロを超えている会社のリストは、 2018年12月17日 に、フランス税務当
局のオフィシャル・ガイドラインにおいて公表されており、オレンジは、 2018年 12月1日時点で時価総額が10億
ユーロを超えていた会社として当該リストに含まれている。したがって、オレンジの株式の購入は、かかる税
金の対象である。
3.6 日本における課税
第8「2 実質株主に対する株式事務」「(8) 本邦における配当等に関する課税上の取扱い」を参照のこと。
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4【法律意見】
オレンジのグループ・ジェネラル・カウンセルであるCédric Testut氏により、下記の趣旨の法律意見書が提出
されている。
(1) 当社は、フランス法に基づき株式会社(société anonyme)として適法に設立され、有効に存続しており、本
報告書に記載の通り事業を遂行し、財産を所有する完全な権限と能力を有する。
(2) 同氏の知悉する限りにおいて、本報告書に記載されているフランス共和国の法律に関する記述は、全ての
重要な点につき真実かつ正確である。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移
連結損益計算書に関する指標
国際財務報告基準に基づく数値
(単位:百万ユーロ。但し、1株当たりのデータはユーロ単位であ
る。) 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
収益(純額) 41,381 40,859 40,708 40,236 39,445
営業利益 4,829 4,778 3,917 4,742 4,571
金融費用(純額) (1,362) (1,715) (2,097) (1,583) (1,638)
継続事業による連結当期純利益 2,158 2,011 869 2,510 1,360
非継続事業による(1株当たり)当期純利益 0 29 2,253 448 (135)
(親会社の株主に帰属する)当期純利益 1,954 1,843 2,813 2,652 925
親会社の株主に帰属する1株当たり利益
継続事業による連結当期純利益
基本的(1) 0.63 0.58 0.10 0.72 0.36
希薄化後(1) 0.62 0.58 0.10 0.72 0.36
非継続事業による(1株当たり)当期純利益
基本的(1) 0.00 0.01 0.85 0.17 (0.05)
希薄化後(1) 0.00 0.01 0.85 0.17 (0.05)
当期純利益
基本的(1) 0.63 0.59 0.95 0.89 0.31
希薄化後(1) 0.62 0.59 0.95 0.89 0.31
1株当たりの当期の配当 0.70 0.65 0.60 0.60 0.60
(1) 比較可能ベースの1株当たり利益。
連結財政状態計算書に関する指標
国際財務報告基準に基づく数値
2018年 2017年 2016年 2015年(3) 2014年
(単位:百万ユーロ)
無形資産(1) 41,247 41,250 41,581 41,398 36,595
有形固定資産(純額) 27,693 26,665 25,912 25,123 23,314
資産合計 96,592 95,349 95,411 91,430 88,404
正味金融債務(2) 25,441 23,843 24,444 26,552 26,090
親会社の株主に帰属する資本 30,669 30,975 31,241 30,907 29,559
(1) のれん及びその他の無形資産を含む。
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(2) 正味金融債務の構成要素は、連結財務書類に対する注記11.3に記載されている。
(3) 2016年1月1日時点の連結財政状態計算書に関する指標に対するIFRS第15号適用の効果は、連結財務書類に対する注記2.3.2に記載され
ている。
連結キャッシュ・フロー計算書に関する指標
国際財務報告基準に基づく数値
2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
(単位:百万ユーロ)
営業活動により生じたキャッシュ純額 9,506 10,174 8,750 9,527 8,802
投資活動に使用したキャッシュ純額 (8,552) (7,941) (4,879) (9,406) (6,352)
有形固定資産及び無形資産の購入 (7,642) (7,527) (8,492) (7,771) (6,111)
財務活動に使用したキャッシュ純額 (1,131) (2,738) (1,883) (3,924) (154)
現金及び現金同等物 - 期末残高 5,634 5,810 6,355 4,469 6,758
事業データ
2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
固定電話回線数(百万)(1) 40.2 41.7 42.7 43.5 42.7
移動体通信顧客数(百万)(1)(2) 203.6 202.3 190.6 201.2 185.3
ブロードバンド(主にADSL) 20.1 19.4 18.5 18.1 16.0
顧客数(百万)(1)
従業員数(期末全従業員) 150,711 151,556 155,202 156,191 156,233
(1) 2018年1月1日以降の顧客基盤は、完全連結事業体の顧客のみに対応している。以前はこれらの事業体における当グループの持分に応
じて認識されていた関連会社及びジョイント・ベンチャーの顧客(チュニジア、モーリシャス、イラク及び赤道ギニア)は、考慮され
ていない。結果として、2017年及び2016年のデータは調整されている。2015年及び2014年のデータは調整されていない。
(2) 仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。2018年1月1日以降の全ての国における移動体通信サービスの顧客基盤の認識は、当グ
ループの定義に一致している(もはや、現地の定義とは一致していない。)。結果として、2017年及び2016年のデータは調整されてい
る。この調整は、モロッコ、コートジボワール、ヨルダン及びカメルーンに影響を与えている。2015年及び2014年のデータは調整さ
れていない。
(2) 最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移(単体のデータ)
項目名 2018年12月31日 2017年12月31日 2016年12月31日 2015年12月31日 2014年12月31日
株式資本
株式資本(単位:ユーロ) 10,640,226,396 10,640,226,396 10,640,226,396 10,595,541,532 10,595,541,532
発行済普通株式数(単位:株) 2,660,056,599 2,660,056,599 2,660,056,599 2,648,885,383 2,648,885,383
当期の事業及び利益(単位:百万ユーロ)
-記号のルール:収益/(費用)
売上税引前収益 23,071 23,203 23,390 23,603 23,673
法人税引前、従業員利益分配前、並びに減価 5,713 4,602 5,711 5,836 (4,301)
償却費、償却費及び引当金控除前利益
法人税 (426) 79 (200) (169) (136)
従業員利益分配 (144) (145) (146) (160) (155)
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税引後、従業員利益分配後、並びに減価償却 2,533 2,634 2,328 4,506 1,742
費、償却費及び引当金控除後利益
純利益分配 1,858 1,729 1,596 1,594 1,588
1株当たり利益(単位:ユーロ)
税引後及び従業員利益分配後利益 1.93 1.71 2.02 2.08 (1.73)
(減価償却費、償却費及び引当金控除前)
税引後、従業員利益分配後、並びに減価償却 0.95 0.99 0.88 1.70 0.66
費、償却費及び引当金控除後利益
1株当たり配当金 0.70 0.65 0.60 0.60 0.60
従業員(単位:従業員数を除き、百万ユーロ)
当期の平均従業員数 68,871 72,098 76,301 80,741 85,165
(フルタイム従業員及びこれに類する者)
当期の人件費合計 4,155 4,184 4,222 4,277 4,183
従業員給付支払額(社会保障、社会福利厚生 2,358 2,285 2,285 2,268 2,306
制度等)(1)
(1) インセンティブ・ボーナスを含む(オレンジSAにより支払われたインセンティブ・ボーナスを算出するために用いられた給料の総額
は、2018年度上半期のイクアント・フランスの給料の再表示後、2018事業年度において、4,111百万ユーロである。)。
2【沿革】
会社の名称
オレンジ
登録地及び登録番号
パリ商業・会社登録( Registre du commerce et des sociétés (RCS)) 380 129 866
APE(主な事業)コード: 6110Z
設立年月日及び存続期間
オレンジは1996年12月31日に、フランス会社法に従って、存続期間を99年として設立されたフランスの 株式会
社(société anonyme) である。早期解散又は存続期間の延長がない限り、当社は2095年12月31日にその期間が満
了する。
登記上の住所
フランス共和国、パリ(15区)、オリヴィエ・ドゥ・セール78
電話番号: +33 (0)1 44 44 22 22
事業発展上の主要な出来事
オレンジ(旧フランス テレコム)は、フランスの既存の電気通信事業者である。当グループの起源は、郵便電信
電話省であり、その後、電気通信総局となった。1990年には独立した公益法人の地位を付与され、1991年1月1
日に、フランス テレコムと改名された。1996年12月31日、フランス テレコムは、 société anonyme (株式会社)
になった。1997年10月、フランス テレコムの株式は、パリ及びニューヨークの証券取引所に上場し、これによ
り、フランス政府は、公衆及び当グループの従業員に対して、その株式の25%を売却することが可能となっ
た。その後、公共部門は、その持分を53%まで徐々に減少させた。2003年12月31日付の法律により、当社の民
間セクターへの移転が承認され、2004年から2008年の間に、公共部門はさらに26%の資本を売却し、2014年及
び2015年に、再び4%の資本を売却した。2018年12月31日現在、フランス政府は、直接に又はBpifrance
Participationsと共同して、株式資本の22.95%を保有していた。
1990年代以降、フランス テレコムの活動分野及びその規制環境及び競争環境は、重大な変化を経験した。規制
緩和及び競争の激化を背景に、1999年から2002年の間、当グループは、新規サービスの開発戦略を推進し、ま
た多くの戦略的投資により、国際的成長を加速させた。これらは、特に、移動体通信事業者のオレンジPlc及び
オレンジ・ブランド(1994年に設立された。)の取得、並びにポーランドの既存事業者であるTelekomunikacja
Polskaへの支配的出資を含んでいた。
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2005年以降、当グループはスペインの移動体通信事業者であるアメナを、次いで2015年に固定回線事業者の
ジャズテルを買収することにより、スペインに戦略的に事業を拡大した。スペインは、当グループで2番目に大
き な規模を有する市場であり、2018年度連結収益の13%近くを占める。
同時に、当グループは、非戦略的な子会社及び所有財産を売却し、資産ポートフォリオの合理化を図った。
過去12年間に当グループは、すでに進出している市場に重点を置き、価値創出につながる買収を選択的に行う
方針を追求してきた。
この戦略は、当グループが歴史的に拠点を持つアフリカ及び中東の新興市場(特にカメルーン、コートジボワー
ル、ギニア、ヨルダン、マリ及びセネガル)を主な対象として、エジプトのモビニルの買収(2010年)、モロッコ
のメディ・テレコムの買収(2015年)、さらに最近ではアフリカの多数の事業者(リベリア、ブルキナファソ、シ
エラレオネ及びコンゴ民主共和国)の買収(2016年)を通じて遂行された。
また、かかる戦略は、英国における事業活動をEE社のブランドの下で結合させたドイツ テレコムとのジョイン
ト・ベンチャー(2010年)及び2016年のEE社の売却、並びにオレンジ・スイス(2012年)、オレンジ・ドミニカー
ナ(2014年)、オレンジ・アルメニア(2015年)及びテレコム・ケニア(2016年)の売却にもつながっていた。
企業向けサービスの一環として、及び2000年にイクアントを買収して以降、オレンジは、デジタル転換でグ
ローバル・プレイヤーになるという戦略を追求し続けており、2018年のBusiness&Decision社及びBasefarm社
の取得など、複数の対象を絞った買収を通じたサービス(とりわけ、サイバー・セキュリティ及びクラウド・
サービスの分野)へのシフトを加速させてきた。
事業多角化は、オレンジ・グループのEssentials2020戦略の主要な柱の1つである。2016年にグルパマ・バンク
(現オレンジ・バンク)を買収し、この会社は2017年11月に新たなバンキング・サービスを開始したが、この買
収はモバイル金融サービス・セクターへ事業を拡大するという目標を示す事例である。
2006年に、オレンジは、当グループが事業を展開した大半の国、何よりフランス及びスペインにおいて、イン
ターネット、テレビ及び携帯電話の各サービスについて当グループの主力ブランドとなった。2013年には、当
社は、オレンジという名称を採用し、かかるオレンジ・ブランドの下、フランスにおいてあらゆる種類の電話
サービスを提供している。かかる方針の下、2013年にはTelekomunikacja Polskaによるオレンジ・ブランドの
採用、2016年にはエジプトのモビニル、ベルギーのモビスター、モロッコのメディ・テレコムによるオレン
ジ・ブランドの採用、また2017年には当グループのアフリカのいくつかの子会社によるオレンジ・ブランドの
採用が続いた。世界の企業向けサービスはオレンジ・ビジネス・サービスのブランドで提供されている。
オレンジの戦略及び事業モデルに関するさらなる情報は、「3 事業の内容」「3.2 オレンジのグループ戦
略」を参照のこと。
日本における活動
日本には、当社の全額出資子会社であるオレンジ・ジャパン株式会社がある。以下は、2018年12月31日現在の
当該子会社に関する情報である。
設立日 : 1989年5月29日
株式資本 : 3億4,215万円
社長 : Jean-Michel Serre
従業員数 : 5人
日本におけるサービス及び商品 : 通信分野における戦略イニシアチブ及びパートナーシップ
3【事業の内容】
オレンジは、世界の主導的な電気通信事業者の1つであり、2018年の収益は410億ユーロ、2018年12月31日時点
の全世界の従業員数は151,000人(フランスの92,000人の従業員を含む。)であった。当グループは、27ヶ国に存
在し、2018年12月31日時点において、全世界で264百万人の総顧客基盤を有している(204百万移動体通信顧客及
び20百万固定回線ブロードバンド顧客を含む。)。オレンジはまた、オレンジ・ビジネス・サービスのブランド
の下で、多国籍企業に対する電気通信サービスの主導的なプロバイダーである。2015年3月、当グループは、新
しい戦略計画である「Essentials2020」を公表した。これは、顧客経験をその戦略の中心に置き、顧客がデジ
タル・ユニバース及び新世代ネットワークの力から十分に恩恵を受けることができることを目指すものであ
る。
3.1 世界のデジタル・サービス市場
デジタル・サービス市場は、より広大な情報通信技術(ICT)セクターの下位部門である。これは、ITサービス及
びソフトウェア、電気通信サービス、テレビ及びビデオ・サービス、インターネット・サービスを合わせたも
(1)
のである。一方、デジタル・サービス市場には、自動的に付加価値の一部となる半製品のネットワーク機器
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及びデバイスは含まれない。デジタル・サービス市場は経済成長の必須の要素であり、新たなサービスと新た
な用途を普及させることで重要な価値創出源となっている。
グローバル・デジタル・サービス市場は、2018年に4.5%成長したことで、市場総額が33,830億ユーロとなり、
堅調な拡大を続けている。この市場の成長は、インターネット・サービス・セクターの拡大(2018年は13.6%拡
大)、並びにIT及びデジタル・コンテンツの拡大(各5.6%拡大)により後押しされた。電気通信サービスの収益
(2)
は11,870億ユーロであった。2018年は1.1%の緩やかな成長を記録した 。
情報源:IDATE-Digiworld Yearbook 2019年。
(2)
地域別の市場成長率
デジタル・サービス市場で、北米地域は、経済及び産業の発展により後押しされ、世界の収益の37%を占め、
29%のアジア太平洋地域を抑えてトップの座を維持した。その次は欧州でデジタル・サービス市場の24%を占
めたが、その割合は徐々に低下している。一方、ラテン・アメリカ(5%)及びアフリカ(4.6%)は合わせて世界
市場の10%を占めている。
新興国のデジタル・サービスは、購買力の制約、競争圧力、及び、時にサービスの質が理由で、成長率が低下
した。アジア太平洋地域の市場では、インドの需要低下及び中国の大幅な減速が影響した。サハラ以南のアフ
リカの成長率は5%を超えそうにない。世界の人口に占めるアフリカの割合は、2020年の17%に比べ、2050年に
は25%になると予想されていることから、オレンジ・グループのプレゼンスが高いアフリカ中東地域の潜在力
は、アクセス・インフラ及び機器のいずれにおいても依然として高い。この地域では現在、デジタル・エコシ
ステムが構築されつつある。このエコシステムは形が出来上がりつつあり、経済のあらゆる分野(貿易、農業、
政府、モバイル決済等)にITを統合するため、現地の状況に適応した仕組みになりつつある。
電気通信サービスの主要な傾向及び変化
超高速固定回線ブロードバンド及びモバイルの発達並びに世界的なスマートフォンの高い普及率により、帯域
(2)
に対する需要が高まっている 。
電気通信サービスの成長への回帰は2017年に始まったが、欧州では依然として弱い。したがって、欧州での電
気通信サービスの割合は、事業者間の熾烈な競争やOTTサービスの発展により低下傾向にある。アメリカの市場
でも過去2年間は減少しているが、同程度の規模にもかかわらず、2倍の収益、通信量及び投資額がある。最後
に、その他の地域での成長率は依然として堅調だが、新興市場では減速が確認されている。
サービスの融合と市場の統合
固定回線及び移動体通信ネットワーク・インフラの両方を持つ事業者に競争優位性を提供している融合は、特
に欧州において成長を続けている。それは、いわゆる クアドラプル・プレイ のサービス(音声、インターネッ
ト、テレビ、モバイル)の発達及び移動体通信ネットワークでのWi-Fiの利用の拡大につながっている。
電気通信事業者とコンテンツ事業者との融合は、北米及び英国市場だけに見られる特徴である。米国では、
2018年6月に発表された、テレビ・チェーンのHBO及びCNNを所有するTime Warnerメディア・グループのAT&Tに
よる買収が競争当局により認可された。
欧州では、2014年から2015年の電気通信事業者間の合併で融合と移動体通信事業者数減少の必要性が満たされ
たことから、その後は統合の流れが鈍化している。しかし、オランダでの移動体通信事業者Tele2とTモバイル
の合併は2018年11月末に欧州委員会により認可された。固定通信事業者及び移動体通信事業者間の融合案件に
関しては、2018年5月に発表された、ドイツ、ハンガリー、チェコ共和国及びルーマニアにおけるボーダフォン
とLiberty Globalの合併が進行中である。スウェーデンでのTele2とTelecom Hemとの合併は2018年10月に欧州
委員会により認可された。さらに、2018年には、Iliadとその創業者がアイルランドの事業者であるEirの過半
数の持分を取得した。
世界中のネットワークの発達及び電気通信利用の拡大
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アフリカ及び中東では、インターネットのアクセス・ネットワークが主に移動体通信ネットワークの展開を通
じて発達している一方で、欧州ではネットワークへの投資が超高速ブロードバンド・アクセスに集中してお
り、 固定回線光ファイバーの発達、4G移動体通信ネットワーク・パフォーマンスの改善及び初めての5Gテスト
が見られる。同時に、事業者はそのネットワークをアップグレードさせて柔軟性と管理の単純さを高め(仮想化
による。)、オープン化を進めている(APIによる。)。
新たなネットワークの展開、既存ネットワークの容量の増加、及びスマートフォンの普及率の成長の複合的影
響により、利用は増加し続けている。利用の爆発的増加は、主に多数のスクリーン(コンピューター、スマート
フォン、タブレット、コネクテッド・テレビ、コネクテッド・ウォッチ)を通じてアクセス可能な動画及びイン
ターネット・サービスの発達により後押しされている。さらに、低消費電力デバイスを接続する長距離無線
ネットワーク技術(LPWA)及び5Gの発達により、現在はまだ数が少ないコネクテッド・デバイスの数を増加でき
るだろう。
消費者及び企業の期待
デジタル技術は、家族、家庭、健康、娯楽、仕事及びマネーといった日々の生活のあらゆる領域に徐々に広が
り続けている。ドモティクス、自動車部門、医療、金融サービス、エネルギー及び小売など、ますます多くの
産業が影響を受けている。大手インターネット・プレイヤーはビッグデータ及び人工知能の手法によって収集
及び分析されたデータの収益化により収益を生み出している。
こうした状況の中、消費者は通信ネットワークの質と信頼性のみならず、個人データの保護及び事業者との信
頼関係を強く期待している。プライバシーに対する市民の権利の保護を確保するため、2018年5月、欧州連合は
加盟国内の個人データ保護の新たな法的枠組みである一般データ保護規則(GDPR)を施行した。(第3「1 経営
方針、経営環境及び対処すべき課題等」「通信事業の規制」を参照のこと。)。
企業のデジタル化(IoT、ビッグデータ)は、顧客関係及び内部プロセスをよりよく理解し、管理することによっ
て、業績及び効率性を向上させる。さらに、拡大するサイバー攻撃の脅威に直面し、サイバー・セキュリティ
のニーズが高まっている。そのため、企業はこうした変革プロセスの2つの側面における支援を必要としてい
る。
増加中の人工知能(AI)
アメリカ及びアジアのIT巨大企業による投資に加えて、ビッグデータ、アルゴリズムの進化、及びかなり低コ
ストでの演算能力の利用可能性により、人工知能の性能は加速した。アマゾン及びグーグルといった主要な世
界的参加者は、欧州ではまだあまり発達していないパーソナル・アシスタント音声市場において立場を得てい
る。
AIの出現は、消費者向けサービスとともに企業内でのプロセスも大きく変化させるはずである。AIは、顧客関
係におけるチャットボット・ソリューション(ユーザーに話しかけるソフトウェア・ロボット)の開発など、新
たな付加価値サービスを作り上げる機会を切り拓くものである。これは、顧客関係及びIT、マーケティング、
サポート機能など、ほぼ全ての主要な事業ラインにおいて運営効率を大きく改善することができる。
(1) 注記:電気通信事業者のネットワーク機器、IT企業のサーバー、テレビ業界関連企業の制作放送機器。
(2) 情報源:IDATE-Digiworld Yearbook 2019年。収益の地域毎の内訳に関連した情報は2017年との比較。
3.2 オレンジのグループ戦略
2015年、オレンジは、常に「全ての個人を自らに最も重要なものに結び付ける」ことで「顧客に比類のない顧
客経験を提供する」という2020年のオレンジの野心的目標に焦点を合わせる戦略計画、 Essentials2020 を開始
した。これは、模範的な基本サービス、品質及び信頼できるアクセス、顧客が望む時と場所を問わない顧客と
の接続、さらに個々の顧客に合わせたサービスの選択肢を提供することなどを含んでいる。
オレンジは、 Essentials2020 戦略実行により、再度、利益を生み出し、EBITDAを増加させることができた。
オレンジは、あらゆる種類の顧客(何よりも価格を重視する顧客及び特に高水準のサービスを期待する顧客、一
個人、極めて小規模の企業又は多国籍企業であっても問わない。)に対応している。当グループは、設定した使
命のために一連の主要な強みを活用することができる。当グループは2018年末におけるそのブランド及び
151,000人の従業員を基盤として、欧州、アフリカ及び中東の住宅市場並びに全世界あらゆる場所の企業向け市
場にプレゼンスを確立している。
オレンジの目標は以下の5つの主要推進要因に分類される。
1. 豊かな接続の提供。
2. 顧客関係の刷新。
3. 思いやりのあるデジタル企業モデルの構築。
4. 法人顧客の変容の支援。
5. 資産を活用した多角化。
また、戦略計画は、デジタルかつ効率的で責任がある企業の枠組みの中で達成される。
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1. 豊かな接続の提供
スクリーンの増加、インターネットでの動画の一般化、オンライン・サービスとコンテンツに対する顧客の
ニーズの高まりが移動体通信データの使用及び通信量を爆発的に増大させている。さらに、デジタル革命が顧
客の新たな期待を生み出し、その行動を変容させる中で、接続の重要性が一段と高まっている。全ての顧客に
効率的なネットワークを提供するだけではもはや不十分で、個々の顧客及び各機会に合わせたサービスを提供
しなければならない。オレンジは、個人か法人かを問わず、全ての顧客により豊かな接続性を提供したいと考
えている。
この意欲的な目標を実現するため、当グループは2018年向けに発表した年間目標に沿って2018年に74億ユーロ
を投資した。通信量の急増に対応し、顧客の期待に応えるため、超高速ブロードバンドへの投資を明確に最優
先とする。これにより、オレンジは固定回線か移動体通信かを問わず、欧州でのブロードバンド・サービス及
び融合サービスの開発が可能になる。特に以下の領域への投資が行われている。
超高速固定回線ブロードバンドの開発及び融合
光ファイバー一般家屋敷設通信システム(FTTH)は、市場シェアの回復、顧客ロイヤルティ及び顧客当たりの平
均収益(ARPU)の改善を通じた、オレンジの価値創造の源泉である。2018年末現在、超高速固定回線ブロードバ
ンドの顧客数は、前年比33%増加し、6.3百万人を記録した。
当グループは2018年に光ファイバーの展開を加速した。2018年末現在、超高速ブロードバンドに接続可能な世
帯数は32.5百万世帯で(前年比5.9百万世帯の増加で、22.4%増)、そのうちスペインが13.8百万世帯、フランス
が11.8百万世帯、その他の欧州諸国が6.4百万世帯となっている。
欧州全体において、超高速固定回線ブロードバンド・ネットワークの展開は、固定回線と移動体通信の融合に
おける競争上の優位性を提供する。当グループは2018年末時点で顧客数が10.9百万人の融合顧客のリーダーと
なってなり、前年比で5.5%増加した。これには、フランスの6.1百万人、スペインの3.1百万人、欧州の他の地
域における1.6百万人が含まれる。
当グループの Love 融合サービスは、欧州のあらゆる地域で利用可能である。融合は、法人顧客に提供される
サービスの改善も可能にする。
超高速ブロードバンド移動体通信ネットワーク(4G及び4G+)の展開
超高速移動体通信ブロードバンドの開発は当グループが拠点を持つ全ての地域で続け、オレンジは地理的受信
地域への大規模な投資を継続している。2018年の4G及び4G+の移動体通信サービスへの投資は、引き続き持続的
な増加を見せた。4Gサイトの展開はフランス、スペイン並びにアフリカ及び中東、特に、マリ、モロッコ、セ
ネガル及びコートジボワールで加速した。フランスにおける当グループの移動体通信ネットワークへの投資の
効果はARCEPの2018年の年次調査に表れ、オレンジはネットワークの質で8年連続第1位となった。
ネットワーク近代化の継続
当グループは、将来の顧客ニーズを予測し、ネットワークの俊敏性を高め、自動的な適合を可能にするように
更新している。そのためオレンジは、通信量とニーズの進化に応じてリアルタイムかつ機動的なプログラムを
可能にすることを目標として、ネットワークのオールIPへの移行、クラウド及びネットワーク機能の仮想化の
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促進を継続している。オレンジは、そのネットワーク及び情報システムの運営効果を改善するため、当社が保
有する人工知能の専門知識の活用も始めた。
オレンジは、海底ケーブル市場で世界をリードしており、ネットワークは450,000キロメートル、すなわち地球
の円周の10倍である(100%保有、又は国際コンソーシアムを通じた保有)。インターネット及び大半の国際通信
(通信量の99%超)はこの海底ケーブルを利用している。2018年に、オレンジはPEACE(Pakistan&East Africa
Connecting Europe)ケーブルの設置に貢献した。このPEACEケーブルは全長12,000キロメートルで、パキスタ
ン、ジブチ、ケニア、エジプト及びフランスをつなぎ、後に南アフリカもつなぐことになる。このケーブルは
地球上の最も人口が多い3大陸の結びつきを強化することになる。
当グループはまた、5Gの到来に向けて準備を進めている。5Gは、モバイル・インターネットの新たな利用とモ
ノのインターネットによく適しており、さらに、新たな経済モデルの誕生を可能にするであろう。2018年に、
オレンジはフランス及び欧州で初の5G最終技術試験を実施した。当グループは2019年に欧州の17都市(フランス
(リール、パリ、マルセイユ及びナント)、スペイン、ポーランド、ベルギー、ルクセンブルク並びにルーマニ
ア)に5Gネットワークを展開し、商用前段階の利用を開始する。
当グループの将来に向けての目標は、FTTH及びその将来的な開発において引き続きトップに立つこと、並びに
5Gにおいてトップ企業になることである。当グループはまた、コア・ネットワークのコストと二酸化炭素排出
量の最適化を継続しながら、新たな関連する販売機会を生かしたいと考えている。
詳細については、第4「2 主要な設備の状況」「2.1 オレンジのネットワーク」及び第3「5 研究開発活
動」「5.1 研究及びイノベーション」を参照のこと。
豊かなコンテンツ体験
特に超高速ブロードバンドにおける、当グループのネットワークの質によって、利用の拡大を支援すること及
びマルチスクリーン体験を提供することで顧客の需要に対応することが可能となる。利用の拡大も質の高いコ
ンテンツへのアクセスに基づく。この分野における当グループの戦略は、選択・強調・パッケージ化を可能と
するコンテンツ集約に重点を置くことによって配信業者としての役割を強化し、顧客の期待に簡潔かつ柔軟に
対応する魅力的なコンテンツを提供することを含む。
特に事業者のテレビ・デコーダーをもはや必要としないインターネット経由のコンテンツの開発及び配信(テレ
ビの画面上で視聴するストリーミング・コンテンツ・サービス)により、2018年に競争が激化したことから、オ
レンジはコンテンツを通した価値を創造する戦略を継続している。
詳細については、「3.3.5.2 コンテンツ活動」を参照のこと。
2. 顧客関係の刷新
最終顧客と直接つながるようになったことから、顧客との関係は重要な成功要因である。特にオーバーザトッ
プ・プラットフォームとの競争に直面している場合、その重要性は高い。したがって当グループは特に以下を
通じて、顧客との良好な関係を構築することを目指している。
・ オレンジ・ブランドの力。
・ ステップの数及び中間物を制限することによるカスタマー・ジャーニーの簡素化。
・ 顧客経験の向上。
ブランドのアイデンティティ
オレンジは強力なブランドを有しており、Top 100 BrandZランキングにおいて65位にランクされている(情報
源:Kantar Milwardbrownの調査Top 100 Most Valuable Global Brands in 2018)。米国及び中国の特定のブラ
ンドが躍進したため、オレンジのブランド・ランキングは2017年に比べて3位後退した。
最適化されたカスタマー・ジャーニー
超高速ブロードバンドの発達及びスマートフォンの急速な成長が顧客に自主性、速度、継続的可用性を提供す
る中で、移動体通信サービスは顧客関係において不可欠なものになってきている。当グループは、スマート
フォンの普及に伴い、物理的な販売拠点ネットワークの最適化とその役割の見直しを行った。スマートフォ
ン、特に、顧客用アプリケーションである My Orange はますます顧客に対する重要な窓口になりつつある。この
アプリケーションにより、顧客は自分のスマートフォンからインターネット及び移動体通信サービスを管理
し、オレンジと容易にコンタクトを取り、問題を解決することができる。現在このアプリケーションのアク
ティブ・ユーザーは18.5百万人である。
現在、物理的店舗は、より高度な接客及び助言業務並びに最も複雑な取引に焦点を合わせている。そのコンセ
プトは、テーマ別(家庭、家族、仕事、健康及び娯楽)に組織され、スマート・ストアとして知られるより大規
模かつ快適な店舗で提供される卓越したサービスの1つである。オレンジは、2018年末現在、883のスマート・
ストアを有している。これにより、当グループは、「 My Orange 」又は電子商取引ソリューションといったセル
フケア・ソリューションを通じてスマート・ストア及びデジタル・チャンネルを組み合わせ、最適化されたカ
スタマー・ジャーニーを提供する。
顧客経験の向上
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新しい顧客関係管理ツールは、顧客の利用に応じてより的確に照準を定めたサービスの提供を可能にする。こ
のツールの目的は、顧客との接点の如何を問わず、顧客をより詳しく知り、顧客のニーズと期待に応じてカス
タ マイズしたソリューションを提案するため、顧客とオレンジとの関係の履歴を再構築することである。2018
年10月に公表されたLes Echosのe-CAC 40調査によれば、デジタル成熟度においてオレンジはフランスの大企業
の中で5位であった。
オレンジは、人工知能における自社の高名な専門性をますます利用するようになっている。当グループは、モ
バイル・バンキング・サービスに人工知能ソリューション(IBMのWatson)を統合し、Djingoスマート・スピー
カーを2019年春にオレンジ・ストアで販売することを発表した。Djingoは、全てのオレンジ・サービスの主要
なインターフェースになる。詳細については、第3「5 研究開発活動」「5.1 研究及びイノベーション」を
参照のこと。
信頼のおける事業者
サービスの一環として、オレンジは、顧客の本人確認(モバイル・コネクト)、健康データ(オレンジ・ヘルスケ
ア)及び一部の顧客の資金(オレンジ・バンク、オレンジ・マネー)をすでに保護している。既存のサイバー・セ
キュリティ及びデジタル・アイデンティティ・サービスに加え、オレンジは、顧客のデジタル生活を保護し、
手助けする、信頼のおける事業者になることを目指している。
自社のサービスに無料でアクセスできることを売りにしている一部のインターネット大手企業とは異なり、オ
レンジはビジネス・モデルの基盤を顧客の個人データの活用ではなく、むしろ「サブスクリプション」に置い
ている。オレンジは Show Hello のイベントで、顧客及び従業員の代表とともに、データの利用に関する倫理委
員会を創設することを発表した。
2018年5月に一般データ保護規則(GDPR)が施行されたが、オレンジはそれに備えて当グループを横断する広範囲
のプロジェクトを発足させていた。
3. 思いやりのあるデジタル企業モデルの構築
オレンジは、そこに所属していることに全ての従業員(女性及び男性)が誇りを感じる会社であろうとしてい
る。事業業績の保証である従業員満足度を測定するために、オレンジはフランスでは半年毎の調査、フランス
以外では年1回の調査を行う従業員満足度計画を導入した。
当グループは、人間指向及びデジタルな雇用者になるという約束に関して、3つの優先事項に後押しされ、社内
改革を継続している。
・ 熱意ある従業員を信頼する。
・ 新たな取り組みを促進し、常に顧客重視の姿勢を強めることで集団的機敏さを高める。
・ 社内で専門能力を育成し、新たな人材を引き付けることで将来必要とされるスキルを確保する。業務分野
及びスキルの強力かつ急速な変化は、大きな社会的課題になってきている。
2018年12月に、オレンジは、3つの主要なテーマに基づく2019年から2021年の期間の新たな世代間契約に署名
し、意欲的な雇用者であるとの方針を固めた。そのテーマとは、若い世代の受け入れ、シニア雇用者対策及び
定年退職に向けた準備、並びにノウハウの移転、特に世代間での移転である。
オレンジは10年以上にわたり職場で男女平等を達成すべく取り組んできた。重視してきた4つの主な分野は、責
任あるポジション及びあらゆる管理者層への女性の登用、技術領域を含めたあらゆる業務分野でのバランスの
取れた男女構成、同一賃金、並びにプライベート・ライフ及びワーク・ライフの調和である。
オレンジは環境及びエネルギー移行に携わっている。2018年7月にオレンジは、特に、エネルギー管理に関し企
業の社会的責任指標を導入する新たなインセンティブ契約に署名した。
将来必要とされるスキルを開発するため、Orange Cyberdefenseは、企業のデジタル転換の核となる将来のサイ
バー・セキュリティの専門家を養成することを目的にMicrosoft及びECE Parisと提携した。
高い評価を受ける人材開発方針
2019年2月に、4年連続でオレンジは Top Employer Global 2019という世界認証を取得した。これは、最良の人
材方針及び慣習を認めるものである。オレンジは、世界でTop Employers Global 2019に認証された企業14社の
1社であり、その中で唯一の電気通信事業者である。
さらに2018年10月4日に、オレンジは、 Top Employer Africa 2019の認証を6年連続で取得し、欧州大陸で最も
優れたTop Employersである3社の一角を占めている。
4. 法人顧客の変容の支援
機会、効率性及び成長をもたらし、デジタル革命は企業の活動、組織、ツール(顧客関係及び従業員関係)、並
びにプロセスを根底から変革している。こうした状況の中、オレンジは企業のデジタル転換をサポートする信
頼できるパートナーとしての地位を確立している。そのために当グループは、中小企業から多国籍企業に至る
まで、各顧客の業界、業務分野、プロセス及びセキュリティの制約上のニーズ及び特性に配慮している。存在
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している場所ではどこでも接続性のサプライヤーであるという従来の役割に加えて、当グループは、以下の4つ
の主要領域に注力している。
・ 従業員のより優れた移動性、接続性及び協業性を可能にするデジタル・ワーク・ソリューションの提供。
・ 特に企業に新たな可能性をもたらすアプリケーション及びコネクテッド・オブジェクトを通じた業務分野
プロセスの改善。
・ 多国籍企業へのプライベート及びハイブリッド・クラウド・ソリューションの提供。
・ 今日、重要性が一層高まっている課題である企業の全ての重要な活動分野を保護するセキュリティ・ソ
リューション。
2018年に、オレンジ・ビジネス・サービスはデジタル転換の国際的プレイヤーになるという戦略を追求し、
サービスの拡大を加速させた。さらに、構造的に重要なEnovacom(e-healthのトップ企業)、Business&
Decision社(国際的コンサルティング及びシステム統合グループ)、並びにBasefarm Holding(クラウドに極めて
重要なアプリケーションのインフラ及び管理サービスに関する欧州の主要企業)の買収により、B2B事業の多様
化を引き続き図っている。
詳細については、「3.3.4 企業向け」を参照のこと。
5. 資産を活用した多角化
オレンジは、新たな成長分野を開拓するため、その資産が活用でき、顧客の目から見て正当なプレイヤーとな
れる領域に注力している。インターネット接続機器とモバイル金融サービスが普及した結果、サイバー防衛は
企業と政府にとって重要な課題となっている。
コネクテッド・オブジェクトとモバイル金融サービスは顧客の日常生活を根本から変容させており、オレンジ
はこの分野における真の付加価値サービスを提供できると考えている。これらのサービスは高度な接続性を必
要とし、当グループの主要な資産である顧客関係、デジタルの専門知識、物理的及びデジタルの販売力、イノ
ベーションの能力、ブランドの強み(顧客の信用及び信頼の構築)、ネットワーク及び国際的なプレゼンスとの
様々な相乗効果を生み出す。
サイバー防衛は、顧客に将来のソリューションを提供する上で必要とされる全ての資産を当グループが保有す
る新たな領域である。当グループは2018年10月に、アフリカのフランス語圏でサイバー防衛のトップ企業を作
るため、モロッコのカサブランカにOrange Cyberdefenseを設立した。
当グループの新たな経営委員会が2018年5月2日に始動した。多様化と国際化が進んだ15人のチームは、
Essentials2020 計画を通じて得られた成果、特に、超高速ブロードバンド・ネットワークの展開及び顧客経験
の改善に自ら取り組むことで得られた成果を活用し、オレンジのマルチサービス事業者への転換を確実に成功
させるという役割を負っている。
コネクテッド・オブジェクト
当グループは、コネクテッド・デバイスのバリュー・チェーン全体(コネクテッド・デバイスの販売、関連する
付加価値サービスの提供、特に Datavenue (オープンな仲介プラットフォーム)を使用したコネクテッド・デバイ
スからのデータの管理)にわたってプレゼンスを持ちたいと考えている。
2018年11月に、オレンジ・ビジネス・サービスはフランスでのIoTへの取り組みを目的にLTE-M技術を導入し
た。オレンジ・ビジネス・サービスはまた、LTE-Mエコシステムの促進という、開発者としての新たな課題に着
手した。LTE-M技術は、ベルギーですでに利用され、ルーマニアでは2018年末に導入済みで、スペインでは2019
年の利用開始が予定されている。
モバイル金融サービス
モバイル金融サービスの成長見通しは、欧州のみならずアフリカにおいても大きい。アフリカでは、関連する
大半の国でモバイルの普及率が銀行口座を保有している人の比率を大きく上回っており、顧客はスマートフォ
ンの普及の結果、ますます多くの支払いを移動体通信機器を利用して簡単かつ柔軟に行うことを望んでいる。
モバイル金融サービスでのオレンジの意欲的な目標は、以下のことを2023年までに達成することである。
・ 欧州でのオレンジ・バンクの顧客数が4百万人、ネット・バンキング利益が500百万ユーロとなること。
・ アフリカ及び中東での収益が800百万ユーロを上回り、アクティブなオレンジ・マネーの顧客数が30百万人
を超えること。
詳細については、第3「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」
「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。
効率的で責任あるデジタル企業
当グループは、倫理的な企業として、エコシステム及び事業を行う環境を尊重することにより、CSRの実績に関
する目標を達成したいと考えている。
企業の責任
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増加するデバイス(スマートフォン、タブレット、コネクテッド・オブジェクト)及びエネルギー消費型の利用
の拡大に関連した社会的及び環境上の課題に対処するため、オレンジは2つの優先事項に取り組んでいる。それ
は、 顧客1人当たりの二酸化炭素排出量を2020年までに(2006年との比較で)50%削減すること、並びに組織及び
プロセス内で循環経済の原則の統合を促進することである。2018年末時点で、顧客1人当たりの二酸化炭素排出
量が2006年から56.6%削減された。オレンジは、アフリカにおけるエネルギー移行の重要なプレイヤーになる
意思を維持し、2018年3月に、太陽エネルギーの利用サービスを新たな5ヶ国の農村地域の住民に拡大した。
2018年株主総会のために、オレンジは3度目の統合年次報告書を発行し、株主及びその全ての読者にも、企業プ
ロジェクトがいかにしてあらゆる人によって共有される持続的な価値を構築することを目指しているかを示し
た。
業務効率
オレンジは、 Explore2020 プログラムの実施を通じて、業務効率を改善し続けている。2015年以降、オレンジ
は、総額35億ユーロの削減を達成し、そのため、2015年から2018年の期間中に当初予想された総額30億ユーロ
の削減を超えた。
2019年から2020年までの期間にわたり、オレンジは、かかる期間に追加で総額10億ユーロの削減を達成するた
めに、デジタル化、単純化、共有を主な手法として活用する努力を継続する。
2018年以降、当グループは、ユニット・コストを徐々に削減するためのLean Capexプログラムも活用した。こ
れは、結果的に2020年末までに最大10億ユーロの削減をもたらす。これは当グループの目的に合わせて、一部
が再投資される。
意欲的目標
その中心及び新たな事業領域におけるオレンジの戦略は、健全な財政状態を維持しながら新たな成長を創出す
ることを目指している。事業については、当グループは、2015年3月に提示された Essentials2020 計画の実行を
評価することを可能とするいくつかの重要指標を追跡する。
2つの世界的概況指標は、オレンジの顧客のデジタル体験に関する Essentials2020 の意欲的な中心的目標を反映
している。
・ 顧客推薦の観点でのリーダーシップ指標( ネット・プロモーター・スコア (NPS))。これは、あらゆる戦略計
画の要因を包括する。オレンジは2018年より前に顧客の75%においてNPSで1位になる目標を設定した。
2017年には、68%がオレンジを1位とし、非常に良好な結果を達成した。しかし、2018年は、一部の国で価
格の競争圧力が強まり、このスコアが57%に低下した。したがって、75%のグローバル目標はまだ達成さ
(3)
れていない。しかし、当グループは、23ヶ国中15ヶ国 で1位を維持しており、特にフランスでは高いス
(4)
コアを獲得し、オレンジが全てのセグメントで1位となった 。
・ オレンジ・ブランドの力を計測する指標となる ブランド・パワー指数 。オレンジの目標は、2018年までに
その市場全てでこの指標を継続的に改善することを確実にすることであった。2018年には、2014年と比較
して、固定回線ブロードバンド及び融合の ブランド・パワー指数 が10ヶ国中7ヶ国で上昇し、移動体通信の
ブランド・パワー指数 は25ヶ国中15ヶ国で上昇した。
さらに、オレンジは要因毎に1つの目標を持っている。
・ 1つ目のより強化された接続に関する要因では、オレンジは2018年末までに固定回線及び移動体通信ネット
ワークの顧客の平均データ速度を2014年比で3倍にするという自身の目標を立てている。2018年末には、
2014年と比較して、光ファイバーの展開の結果、固定回線ネットワークの平均データ速度は7.6倍に上昇
し、移動体通信ネットワークの平均データ速度は3.1倍に上昇した。
・ 2つ目の顧客関係に関する要因では、オレンジは2018年までに欧州の顧客との接触のデジタル化を50%に高
めることを目指していた。2018年に、オレンジの顧客との接触の52%はデジタル・チャンネルによるもの
であった。
・ 3つ目の思いやりのあるデジタル企業モデルに関する要因では、オレンジは顧客関係で選んだものと対称的
な推薦ベースの指標を選択した。2018年に、従業員の81%がオレンジを雇用主として推薦した。
・ 4つ目の企業向け市場に関する要因では、オレンジはその企業向け事業モデルのITサービスに向けた転換の
成功を計測することを選択した。当グループは、オレンジ・ビジネス・サービスの収益構成に占めるIT統
合サービスの割合を2020年までに10ポイント高めることを目指している。2018年に、IT統合サービスの収
益は、同等比較ベースでOBS収益の36%を占めた。すなわち、2014年比で8ポイントの増加であった。
・ 最後に、新たなサービス、特にコネクテッド・デバイス及びモバイル金融サービスへの多角化の成功を計
測する最後の要因である指標を選択した。このような新サービスの目標は、2018年の当グループの収益に
10億ユーロ超、貢献することであった。2018年の収益は、インターネット接続デバイス機器市場が予想ほ
ど成長しなかったため、862百万ユーロとなり、この目標は達成されていない。
財務目標
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財務構成要素については、第3「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「見通し」及び第5「2
配当政策」を参照のこと。
(3) ルクセンブルク及び中央アフリカ共和国では指標が計測されていない。
(4) フランスでは、携帯電話、ブロードバンド、融合及び低コストの4つのセグメントで指標が計測されている。
3.3 営業活動
オレンジは、消費者、企業及びその他の通信事業者に対して、固定回線電話通信、移動体電気通信、データ伝
送及びその他の付加価値サービスを含む幅広いサービスを提供している。これには、モバイル金融サービスが
含まれる。当グループは、27ヶ国(当グループが少数株主持分を保有する2ヶ国を含む。)で事業を行っている。
本項目における当グループの事業は、以下のセグメントに基づいて記載されている。かかるセグメントとは、
フランス、スペイン、欧州、アフリカ及び中東、企業向け、海外通信事業及びシェアード・サービス、オレン
ジ・バンクである(連結財務書類に対する注記1「セグメント情報」を参照のこと。)。
オレンジの様々な事業セグメントにおける2018年の業績及び主要な経営指標は、第3「3 経営者による財政
状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において詳述されている。
特に記載されていない限り、本項目に記載された市場シェアは、金額ベースの市場シェアに基づくものであ
り、顧客に関連するデータは、コネクテッド・オブジェクト専用SIMカード(Machine to Machine)を含まない。
3.3.1 フランス
オレンジは、フランスの既存電気通信事業者である(第3「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フローの状況の分析」「1.1 概要」を参照のこと。)。その事業の大半はオレンジSAによって実施さ
れ、同社はオレンジ・グループの親会社でもある。
(6) (5)
フランス事業セグメントには、フランスの 消費者及び従業員50人未満の企業 向けの全ての固定回線及び移
動体通信サービス、並びに通信事業者向けサービスが含まれる。従業員50人超の企業向けに展開された活動並
びにコンテンツ活動及びオレンジ・バンクの活動は、本報告書の「3.3.4 企業向け」、「3.3.5.2 コンテン
ツ活動」及び「3.3.6 オレンジ・バンク」で、それぞれ扱われている。
2018年に、フランス事業セグメントは、当グループの連結収益の42.6%を創出した。
市 場
2018年9月30日現在で、フランスの電気通信事業者の収益は12ヶ月移動ベースで1.1%減少した(情報源:
ARCEP、2018年第3四半期)。固定回線ナローバンド電話の収益は、回線数の恒常的減少の結果として減少傾向が
継続した一方で、固定回線ブロードバンド収益は、アクセス数の増加によって成長が継続した。激しい競争に
もかかわらず、移動体通信サービス収益は、アクセス数の持続的な増加により後押しされ、増加した。
フランスのブロードバンド及び超高速ブロードバンド・インターネット市場は、4つの主要事業者によって独占
され、4社がブロードバンド顧客の99%以上を占めている。オレンジは、市場シェアが2017年末と比較して0.1
ポイント減少して40.3%となり、この市場でFree、Altice-SFR、Bouygues Telecomを超えて市場のリーダーに
(7)
なっている(顧客数で、それぞれ第2位、第3位、第4位) 。
フランスの移動体通信市場は固定回線市場と同じ4つの事業者によって独占されていて、この4社が移動体通信
顧客の89%を占めている(M2Mを除く。)。市場シェアが2017年の32.9%と比較して2018年には32.5%となり、オ
レンジは競合他社であるAltice-SFR、Free Mobile及びBouygues Telecom(M2Mを除く移動体通信顧客数で、それ
(7)
ぞれ第2位、第3位、第4位)及び全てのMVNOを超えて依然としてこの市場のリーダーでもある 。
オレンジの事業活動
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オレンジ・フランスの主な中核事業は、小売及び中小企業向け市場における固定回線、ブロードバンド及び超
高速ブロードバンドのインターネット並びに携帯電話サービスの提供である。この戦略は、融合、超高速固定
及 び移動体通信ブロードバンド、並びに当グループの「比類のない」顧客経験に支えられている(「3.2 オレ
ンジのグループ戦略」を参照のこと。)。
オレンジは、小売移動体通信市場のサービスを4つの主なカテゴリーに分割している。4つのカテゴリーとは、
基本的な通信とインターネット接続を求めている顧客用の2時間無料通話+100MB又は2時間無料通話+5GB、高性
能インターネット接続と余裕ある通信量の双方を満たす10GB、インターネットのさらなるヘビーユーザーの
ニーズに応える50GB、さらに最高性能のスマートフォンを望むとともにフランスと国外の双方において大量の
データ通信を行うニーズのある顧客向けの100GB及び150GBである。
オレンジは、エントリー・レベルの市場を含む全ての市場セグメントに参加しており、コミットメントも電話
機もないインターネットでのみ利用可能な4種類の移動体通信の契約をSoshブランドの下で販売されている手頃
な価格で提供している。Soshは、2018年12月末現在で3.8百万人の移動体通信の顧客を有していた。
2015年以降、オレンジは、エントリー・レベルのパッケージを含む、4Gサービスのみを販売していた。
オレンジは、複数回線契約の開発による最重要のオープン・サービスを通じて、家族中心の戦略を推進してい
る。オープン移動体通信サービスは従来の移動体通信サービスと同じラインアップで利用可能で、同等のサー
ビスが含まれている。
オレンジは、プリペイド・サービスが減少し続ける中、小売及び中小企業向け市場のサービスをセグメント化
する戦略により、引き続き加入者基盤を拡大できている。
同時に、オレンジのネットワークをホストとするMVNO顧客基盤は、12ヶ月移動ベースで安定的に推移してい
る。
オレンジは、小売ブロードバンド・インターネット市場のサービスを2つの主要なカテゴリーに分割している。
基本的なインターネットとテレビのサービスを求める顧客用に作られた Livebox 、及び最高速とプレミアム・テ
レビの経験を望む顧客のニーズを満たす Livebox Up である。機器に関しては、2018年10月に、オレンジは新し
いHDTVデコーダーを発売した。
また、2018年8月末よりSoshがブロードバンド・インターネット市場でサービスを開始しており、インターネッ
ト専用の、何ら義務を負うことのない低価格サービスを受けられるようになった。
オレンジとSoshのブロードバンド・インターネットへのアクセス・サービスは、可能な地域ではFTTH技術で、
利用できない地域ではADSLで提供されている。オレンジはFTTH利用の販売でトップ企業であり、2018年末現在
の加入者ポートフォリオは2.6百万人近くになっている。
電気通信市場が民間に開放されて以来、オレンジは、ユニバーサル・サービス提供の一部で責任を負う事業者
として活動してきた。こうしたサービスには、希望すれば全ての市民が利用可能な基本的なサービスの最小
セットが含まれ、これには、低料金での一般公開固定回線ネットワークへの接続や質の良い電話サービスの提
供が含まれている。第3「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「通信事業の規制」「1.2.3 固定
回線電話、ブロードバンド及び超高速ブロードバンド・インターネットに関する規制」を参照のこと。
さらに、オレンジは、通信事業者にもサービスを提供しており、このサービスには、ARCEPの規制を受ける競合
事業者向けの相互接続サービス並びにアンバンドリング及び卸売サービス(ADSL及び光ファイバー)、並びに超
高速光ファイバーのネットワークの構築及びマーケティング・サービスが含まれる。2018年1月1日付で、ARCEP
によって規制されるアンバンドリング・サービスの価格が引き下げられた。
フル・アンバンドリング、ADSL契約の卸売及び第三者インターネット・サービス・プロバイダーへのNaked
ADSL接続の卸売が堅調に拡大する中、従来型電話サービス事業の収益は減少が続いている。
オレンジはまた、ウェブサイト上で広告活動を展開しており、この広告は、マルチスクリーン・フォーマット
(ウェブ、移動体通信及びタブレット)で見ることができる。ユニーク・ビジターは1ヶ月当たり27百万人を超え
る。日々最も訪問されているフランスのウェブサイトとして、Orange.frは、グーグル、フェイスブック、
YouTube、アマゾン及びウィキペディアに次いで第6位に位置し、1日当たりのユニーク・ビジターは8.8百万人
を数える。移動体通信のスクリーン上で、毎月16.8百万人の移動体通信ユーザー及び4.1百万人のタブレット・
ユーザーがオレンジにアクセスしている(情報源:Médiamétrie and Médiamétrie//NetRatings - Audience
Internet Global、2018年11月)。
激しい競争と市場の再編を背景に、オレンジはまた、特にモバイル金融サービスの継続的開発を通じて革新を
継続した(「3.3.6 オレンジ・バンク」を参照のこと。)。
販 売
オレンジは、オレンジのオンラインストア(Orange.frで利用可能)及びSosh(Sosh.fr経由)では100%デジタル顧
客経験を実現してデジタル開発戦略を推進しており、Soshサービスはデジタル・チャンネルのみで利用可能で
ある。2018年には、後者は販売活動の26.4%を占め、これは前年比で5.5ポイントの上昇である。デジタル技術
は、顧客の間で高まっている自主性と即時性のニーズに対応できる。オレンジの契約管理アプリである My
Orange は、2018年12月には5.0百万人のユニーク・ビジター数を記録した。
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販売するサービスの種類別の専用カスタマーセンターは、販売活動の19.2%を占め、これは前年比で1.4ポイン
トの減少だった。このように、デジタル・チャンネルの開発は、コールセンターへの圧力を継続して緩和し、
外 部委託の利用を削減している。
フランス全体に広がっている小売店舗のネットワークは、2015年に開始されたスマート・ストア・コンセプト
の展開を継続している。2018年末現在、このネットワークはオレンジが所有する394店(16店のメガストア及び
180店のスマート・ストアを含む。)及び201店の Générale de Téléphone ストア(78店のスマート・ストアを含
む。)で構成され、販売活動の50.4%を占めた。これは、前年比で2.7ポイントの減少である。
最後に、直接マーケティング、戸別訪問、及び複数事業者ネットワークを含むその他の経路は、販売活動の4%
を占め、これは前年比で1.3ポイントの減少だった。
ネットワーク
オレンジの商業的リーダーシップは、固定回線及び移動体通信ネットワークにおけるリーダーシップに部分的
に基づいている。
固定回線ネットワークでは、オレンジは、2018年に超高速ブロードバンド計画を引き続き加速させて1年間で
2.7百万回線のFTTH回線を敷設し(2017年は2.2百万回線)、フランスでの記録を更新した。2018年は、光ファイ
バーの敷設の69%をオレンジが実施した(情報源:ARCEP、2018年第3四半期)。2018年末現在、オレンジのFTTH
接続は11.8百万回線となった。
農村地域の家庭及び専門顧客のインターネット経験を大幅に向上させることを目指して固定回線ネットワーク
速度を改善する活動は継続し、都市中心部での光ファイバーの展開(加入者接続ノードの光化及び予備配線盤へ
の光ファイバー)並びに地方自治体のFTTHパブリック・イニシアチブ・ネットワーク(PIN)への参加が行われ
た。オレンジは、PINの展開という専門分野で、多大な成功を収めた。2018年に、地方当局の光ファイバー・
ネットワークの運営に関し6つの新たな契約(ブルゴーニュ-フランシュ=コンテ、ジロンド、ヴィエンヌ-
ドゥー=セーヴル、オルヌ及びヴァール、並びにグアドループでの海底ケーブル)を締結した。
移動体通信ネットワークに関しては、2018年には4G展開が継続してフランス人口のカバー率は98.6%に達し
(8)
(2017年末と比べて2.7ポイントの上昇)、フランスでいまだ最高の4Gカバー率となっている 。2018年末現
在、オレンジはフランス(メトロポリタン・フランス、海外県及び海外領土)で19,053の4Gサイトを展開してい
(9)
る (情報源:ANFr、2019年1月1日)。
この展開には、観光地、スタジアム、鉄道(LGV及びTER)、地下鉄及び高速道路ネットワークにおける受信地域
の継続的な拡大が含まれる。
2018年に、オレンジの移動体通信ネットワークは8年連続でARCEPにより第1位に評価された(情報源:ARCEP、
2018年10月)。
クラスター、送信及び輸送ネットワークに関して、オレンジは、(i)通信量の急増へ対応するために固定回線ブ
ロードバンド・アクセス技術(VDSL及びFTTH)を単純化し、(ii)従来型電話サービスからIP電話への転換を目指
した作業を実行した。
(5) それぞれ小売及びPro-SME向け市場。
(6) メトロポリタンフランス、海外県及び海外領土。
(7) 情報源:オレンジの見積り。
(8) 情報源:オレンジの見積り。
(9) メトロポリタンフランス、海外県及び海外領土。
3.3.2 スペイン
当グループは、1998年の電気通信市場の自由化以降、スペインで営業している。当初は固定回線電話市場で営
業を行い、2005年には携帯電話事業者のアメナを買収し、そして2006年にオレンジ・ブランドを採用した。
2015年に固定回線電話事業者のジャズテルを買収し、オレンジは、ジャズテルの光ファイバー・サービス地域
を通じて融合サービスでの地位を確立した。当グループはまた、2012年におけるMVNOのSimyoの買収と2018年の
República Móvilの買収によって、市場の全てのセグメントをカバーするマルチブランド戦略が確立し、低価格
市場でのプレゼンスが強化された。
2018年に、オレンジは連結収益の12.8%をスペインで生み出し、スペインは当グループにとって2番目に重要な
市場となった。
市 場
2014年に市場統合が始まって以降、電気通信市場は4事業者が独占している。4社とは、テレフォニカ(Movistar
のブランドで営業し、2014年にD+を買収した既存事業者)、オレンジ、ボーダフォン(2014年にONOを買収)及び
MásMóvil Ibercom(当初はMVNOで、2016年にYoigoを買収し、その後オレンジの固定回線及び移動体通信ネット
ワークにアクセスする商業契約を締結)である。
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この4社の融合事業者は、合わせて市場の90%超を支配し、テレフォニカが第1位、次がオレンジ(2018年の市場
シェアは、ブロードバンド・インターネットが26.7%、移動体通信が25.8%に達した。)、その後にボーダフォ
(8)
ン が続いている 。
主要ブランドを通じたB2B及びB2Cセグメントでの競争に加えて、これら4つの事業者は、低価格市場でもその他
のブランドを通じて競争している。オレンジはジャズテル、アメナ、Simyo及びRepública Móvil、テレフォニ
カはTuenti及びO2、ボーダフォンはLowi、MásMóvilはPepephoneである。
スペインにおけるオレンジの活動
オレンジはスペインで、融合サービスと次世代ネットワークの構築を重視し、サービスと事業分野( X by
Orange 、卸売等)のイノベーションに重点を置くマルチブランドの商業戦略を推進している。オレンジの運営戦
略では、4Gネットワークの潜在力とFTTHネットワークの潜在力を結び付けている。2018年は、テレビ顧客数が
増加したこと、及び顧客基盤において融合に向かう流れが一層進んだことで、この戦略は引き続き機能した。
移動体通信市場では、オレンジは融合及び移動体通信のみの両方の顧客に対して幅広いラインアップの4Gサー
ビスを開発した。オレンジの戦略は、全ての顧客セグメントのニーズを満たすため、低価格サービス向けのも
のを含めて、料金に対して価値が高く超高品質のサービスを提供することに重点を置いている。2018年に、オ
レンジは、顧客の間で高まっているデータ及びサービスへの需要に対応するため、自社のサービスを改善し
た。
オレンジはまた、品質が良く、高画質のマルチデバイス向けテレビ用コンテンツを配信している。2018年に、
オレンジは、技術水準とコンテンツの面でテレビ用プラットフォームを大きく発展させ、サッカーの試合など
のプレミアム・コンテンツを放送することでサービスの向上を図った結果、テレビ浸透率が17%を超えた
(10)
。2018年8月以降、スペインで全てのサッカーのコンテンツを顧客に提供している事業者は、オレンジと
Movistarだけである。
さらにオレンジは、低価格市場でも主要なプレイヤーであり、アメナ、Simyo及びRepública Móvilのブランド
で、移動体通信のみの融合サービスをオンラインで提供している。
固定回線ブロードバンド市場では、オレンジがFTTH顧客基盤の拡大でトップを維持した。
B2B市場では、スモールオフィス・ホームオフィス(Sohos)並びに中小企業(SME)が高品質のデジタル・サービス
を利用できるよう、オレンジが2018年に X by Orange を開始した。大企業のデジタル・パートナーとしては、オ
レンジは、ビッグデータ、モノのインターネット及びサイバー・セキュリティ・サービスなどに関する最先端
技術を開発し、重要な顧客の業務効率の改善及び競争力の強化に役立っている。
他の事業者との差別化を図る目的で、オレンジは2018年に、Smart Wi-Fi(家庭で顧客にとって最適な無線信号
を確保)及びWi-Fi with me(顧客はどこでもインターネットに接続可能)など、いくつかの革新的ソリューショ
ンを導入した。オレンジはまた、スペインでGoogle Home Assistantを提供できる唯一の事業者であり、Pixel
3スマートフォンを売り出す独占権も認められていた。
また、オレンジは、機器市場においても革新的であり、最高のスマートフォン、タブレット、ビデオゲーム機
及びスマートテレビを一括して販売し、各顧客のニーズに合わせた販売を行っている。
ネットワーク
オレンジは、FTTHネットワークの展開を継続し、2018年には1.9百万世帯が新たに接続可能になった。2018年、
オレンジはボーダフォン及びMásMóvilとの間で署名したネットワーク共有契約の結果、自身の光ファイバー・
ネットワーク経由で13.8百万世帯に超高速ブロードバンド接続を提供することができた。
(10)
オレンジはまた、4Gネットワークの普及を図っており、2018年には人口の96.9%をカバーした 。5Gに関し
ては、オレンジは、顧客経験を改善する目的で、5Gの実際の利用シナリオを構築し、この技術の利点を実証す
るための国家的試験プログラムを開始した。
(8) 情報源:オレンジの見積り。
(10) 情報源:オレンジの見積り。
3.3.3 欧 州
フランス及びスペイン外では、当グループは欧州の6ヶ国で営業し、超高速固定回線及び移動体通信ブロードバ
ンドの展開並びに新たなサービスの開始を通じた融合戦略を実行している。2018年に、オレンジは全ての欧州
諸国で Love 融合サービスを開始した。どの国でも、オレンジは現地の状況を考慮し、その子会社の力を活用し
て融合戦略を開発する。
・ ポーランドでは、当グループは既存事業者であり、固定回線では第1位、移動体通信では第2位である。
・ ベルギー及びルクセンブルクでは、当グループは、パートナーシップを通じた融合サービスを開始した。
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・ 中欧のその他の国(ルーマニア、スロバキア及びモルドバ)では、移動体通信のリーダーである当グループ
は、光ファイバーの展開、LTE経由固定回線展開のための4G利用、及びパートナーシップにより融合プレイ
ヤーとなっている。
ポーランド
当グループは、2000年に既存事業者のTelekomunikacja Polska(オレンジ・ポルスカと改名)の持分を取得し、
それ以降ポーランドで営業している。2006年に、オレンジは、当グループのブランド方針に従って移動体通信
事業の単独ブランドになった。2012年には、ポーランドで当グループが提供する全ての固定回線電話サービス
の単独ブランドにもなった。オレンジは、ワルシャワ証券取引所に上場されているオレンジ・ポルスカの株式
の50.67%を保有している。2018年に、当グループは、連結収益の6.2%をポーランドで創出した。
ポーランドには、オレンジ、Tモバイル(ドイツ テレコムが全所有)、Polkomtel(衛星グループのCyfrowy
Polsat Pay-TVが所有し、Plusのブランド名で営業を行う。)及びP4(Tollerton Investments Ltd及びNovator
Telecom Poland SARLが支配し、Playのブランド名で営業を行う。)の4つの大手携帯電話事業者が存在する。
2018年末現在、これら4社の携帯電話事業者はポーランドのSIMカードの総数の98%を占め、オレンジの市場
(10)
シェアは2018年12月末現在27.9%で、Playに続いて第2位であった 。
ブロードバンド・インターネット市場では、オレンジはトップの事業者で、2018年第3四半期の市場シェアは
(10)
28.4%である 。主な競合他社は、ケーブルテレビ事業者(主に、UPC Polska、Vectra及びMultimedia
Polska)、及び従来型電気通信事業者のNetiaである。電気通信市場では統合が進んでおり、Cyfrowy Polsatグ
ループがNetiaを買収し、続いて、2018年8月にVectraがMultimedia Polskaの買収を発表した。このような動向
はポーランドにおけるオレンジの融合戦略の有効性を示すものだが、競争を加速させる可能性がある。
ポーランドにおけるオレンジの活動
ポーランドにおけるオレンジの主な戦略的目標は、固定回線及び移動体通信ブロードバンド・アクセスのパッ
ケージを金融インセンティブと合わせて販売することにより、融合のリーダーになることである。オレンジ
は、融合により競合他社との差別化を図り、家庭のメディア通信費のより大きな割合を獲得できており、融合
は顧客の定着にとって有効なツールである。2018年に、オレンジは、融合サービスである Love に重点を置くこ
とでこの戦略を推進し、2018年10月には Love の顧客が1百万人を超えた。 Love の基本的なパッケージには低価格
での固定及び移動体通信サービスが含まれている。このパッケージは、より高速な固定回線ブロードバンド、
追加のSIMカード、追加のテレビ・コンテンツなどの付加価値サービスへ拡張することができる。
オレンジは、地域の競争環境、人口密度に関係する潜在的可能性、顧客のニーズを考慮に入れることで、大都
市、中小規模の町及び農村地域で差別化されたアプローチに焦点を合わせている。大都市では、オレンジは固
定回線サービスと携帯電話サービスのクロスセルを通じて移動体通信市場における優れた立場を利用し、FTTH
受信地域の発展及び固定回線ブロードバンド市場のシェア改善に焦点を合わせている。農村地域では移動体通
信技術が依然としてブロードバンド・アクセスの第1のソリューションである。
2018年に、固定音声回線の数は減少が継続し、人口構造的要因、及び全てのネットワークにわたって無制限の
電話を提供する携帯電話サービスの魅力が高まっていることにより、電話顧客(従来型のPSTN又はVoIP)は純減
となった。
2017年9月に発表したように、オレンジ・ポルスカは、新たな戦略的計画であるOrange.oneの実行を2018年も継
続した。この計画は、長期的な価値創造を目的とし、2020年までの会社の戦略的ビジョンを定めている。
2018年7月にオレンジはTモバイルと提携し、非規制対象エリアの一部のTモバイル顧客にオレンジの光ファイ
バー・ネットワークへのアクセスを認めた。この10年間の提携は、オレンジの光ファイバー・ネットワークの
利用を最大化し、この投資のいち早い回収に貢献することになる。
ネットワーク
2018年に、オレンジはポーランドでFTTHネットワークの展開を推進し、接続可能な世帯数を3.4百万世帯近くに
拡大させた。VDSLの受信地域は5.3百万世帯であり、光ファイバー・ネットワークが優先されていることから
2017年以降大きく変化してはいない。
オレンジはLTEサービス(4G)を10,882ヶ所の基地局を通じて提供している。4Gの通信量の高い伸びに対応するた
め、オレンジは2018年にスペクトルの再配分に重点的に取り組み、2G及び3G技術への配分を引き下げることで
4Gへの配分を高めた。オレンジはまた、スペクトル・アグリゲーションを可能にするサイト数の増加に重点を
(11)
置いた。2018年末現在、オレンジの4Gネットワークは人口の99.8%をカバーしている 。
(10) 情報源:オレンジの見積り。
(11) 情報源:オレンジの見積り。
3.3.4 企業向け
オレンジ・ビジネス・サービスのブランドの下で事業を行っているオレンジは、企業のデジタル転換を支援す
る世界的リーダーの1社である。インフラ事業者、技術インテグレーター及び付加価値サービス提供者として、
オレンジ・ビジネス・サービスには、フランスの主要顧客、地方当局及び中小企業並びに世界中の多国籍企業
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のデジタル転換の実行及び通信プロジェクトの実施を支援するためのフルラインアップのサービス・ポート
フォリオがある。オレンジ・ビジネス・サービスは、顧客のデータを収集、移転、保管、加工、分析及び共有
し、 価値を創造するための高い専門性を顧客に提供する一方、あらゆる段階でのこうしたデータの高度な保護
を確実に実施している。2018年に、オレンジ・ビジネス・サービスの事業を含む企業向けセグメントは、当グ
ループの連結収益に16.7%の貢献をした。
市 場
通信サービス及びITサービスのB2B市場は、情報の加工及び送信に用いられる技術をまとめた、より広いICT市
場の一部である。2018年のこの市場は、世界で1.2兆ユーロ(1.4兆ドル)超の規模(情報源:Gartner、2018年第3
四半期)を持ち、恒常為替ベースで3%拡大した。この市場規模の地域別内訳は、北米が39%、アジア太平洋が
26%、欧州が24%である。コンサルティング及び統合サービス並びにマネージドサービス及びクラウド・イン
フラ・サービスの市場は2018年に拡大し、金額ベースでそれぞれ世界市場の29%及び28%を占めた(情報源:
Gartner、2018年第3四半期)。
B2B電気通信サービス市場は、多数の参加者、特に、電気通信事業者、ネットワーク・インテグレーター、管理
ITサービス・プロバイダー及びインターネット又はデジタル・プレイヤー(GAFAM)間で共有されている。参加者
が多いため、市場シェアに関して入手できる信頼できる有意味な情報は存在しない。
オレンジ・ビジネス・サービスの事業
オレンジ・ビジネス・サービス(OBS)は、パッケージ化又はオーダーメイドされたもの、及び統合、管理された
又はクラウドのような様々な方法を使用するものを含む幅広い製品及びサービスを提供し、主要な課題(接続
性、モビリティ、プロセスのストリーム化、顧客とのやりとりの流動性及びプロジェクトのサポート)を中心に
構成されているビジネスのデジタル転換に協力することを目指している。
OBSは、そのサービスのポートフォリオを4つの主要な種類の製品及びサービスを中心に構成した。
・ 固定回線電話(従来型及びIP)及び電話会議サービス。
・ 企業向け携帯電話サービス。
・ 一定のサービス保証水準を含むネットワークサービス(移動体通信及び固定回線接続、データ伝送、ハイブ
リッド・ネットワーク、固定回線及び移動体通信の融合サービス)。
・ 以下を含むITサービスの提供及び統合ソリューション。
・ 一体型コミュニケーション及び連携サービス( トリプル・プレイ 又は クアドラプル・プレイ での電話、
メッセージング及びビデオ会議ソリューションの相互運用性)。
・ IT/クラウド・ソリューション(仮想化、システム統合、ビジネス・アプリケーション、API、コネクテッ
ド・オブジェクトのためのビルディング・ブロック、ビッグデータ及び分析)。
・ インフラ及びユーザーをカバーする管理及び統合された又はクラウド・サイバー防衛ソリューション(安
全な職場環境及びインフラ、サイバー防衛、経営及びガバナンス)。これは、Cybersoc(セキュリティ・
オペレーション・センター)から監督されている。
・ 多様な領域でのコンサルティング及び顧客サービス(ニーズ分析、ソリューション・アーキテクチャー、
展開及び敷設支援、ユーザー訓練、サービス及びソリューションの管理)。「オールIP」への切り替え、
Machine to Machine及びモノのインターネットの採用、サービス品質の監督及び管理、クラウド・イン
フラ・ソリューションへの切り替え、企業のデジタル転換。
これらのサービスはまた、セクター横断的な事業ソリューション(金融、交通、エネルギー、政府及び公共セク
ター、地理位置情報及びフリート管理等)を展開するために利用されている。
OBSは、国際的パートナーに依存し、顧客が事業を行う地域及び自社のプレゼンスが包括的ソリューションを提
供していない地域でサービス及び地理的受信地域を補完している。OBSは最も発展した市場において、日本の
NTTコミュニケーションズ又は米国のAT&Tのようなトップ事業者又はこれと直接競合する事業者と、この種の
パートナーシップを可能であれば創設しようとしている。
OBSはまた、事業の各分野において優れた国際的なパートナーのエコシステムと密接な連携を図っている。
2018年に、OBSは、世界中の顧客を支援するために一連の主要な契約を締結した。特に、世界中でのネットワー
クの拡張とデジタル化においてはSiemens AGと、配電網をスマートグリッドへと転換する産業プロジェクトで
はEnedisと、フランスでの水道メーター遠隔検針サービスのデジタル化についてはNova Veolia及びその子会社
であるBirdzと、漁船団で使われる燃料を制御するIoTソリューションの開発ではDobroflot Group of
Companiesと契約を交わした。
2018年に、オレンジ・ビジネス・サービスはデジタル転換のグローバル・プレイヤーになるという戦略も追求
し、いくつかの買収を通してサービスへの転換を加速させた。
・ 2,500人の従業員を持つ国際的コンサルティング及びシステム統合グループであるBusiness&Decision社。
フランス及び海外における事業者及びデータ・サービス・インテグレーターとしてのOBSのリーダーシッ
プを補強することが目的。
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・ Basefarm(インフラ、クラウド・サービス、重要アプリケーション管理及びデータ分析の分野での欧州の有
力企業)。
・ 健康情報システムの交換、共有及びセキュリティのためのソフトウェア発行者であるEnovacom。
3.3.5 海外通信事業及びシェアード・サービス
海外通信事業及びシェアード・サービスのセグメントの営業活動には以下のものが含まれる。
・ 海外通信事業者部門が引き受ける海外通信事業者の活動(国際的及び長距離ネットワークの展開、海外通信
事業者への国際電話及びサービスの販売並びに海底ケーブルの敷設及び保守)。
・ OCS及びオレンジ・スタジオのコンテンツにおける活動。
このセグメントにはまた、当グループのその他の横断的活動が含まれ、特に研究及びイノベーション(第3
「5 研究開発活動」「5.1 研究及びイノベーション」を参照のこと。)、又は不動産(第4「2 主要な設備
の状況」「2.2 不動産」を参照のこと。)が含まれ、並びに本社機能を含むサポート及び共有活動も含まれ
る。
このセグメントの営業活動は、当グループの2018年の連結収益の2.3%を占めた。
3.3.5.1 海外通信事業者の事業
卸売事業者の市場は、世界的な卸売業者、多国籍小売業者(オレンジを含む。)及び地域的な業者又は専門家の3
つの業者カテゴリーで構成されている。
卸売市場の顧客基盤は音声市場専門業者(電話専門店、プリペイド・カード販売店)、国内の固定回線及び移動
体通信の小売業者(MVNOを含む。)、インターネット・アクセス及びコンテンツのプロバイダー並びにオーバー
ザトップ企業によって構成される。海外通信事業者はまた、お互いに卸売トラフィックを販売する。
オレンジの海外通信事業者は、海外市場において幅広いソリューションを提供している。その事業は長距離
ネットワークの大規模インフラを基に構築されている。オレンジが小売市場及び卸売市場両方に存在すること
は、オレンジが、小売業者のニーズに特に十分に適したソリューションを展開できることを意味している。オ
レンジは1,000を超える顧客を有している。
当グループは、海底ケーブルの設計、建設及び運営に深く関与している点で独特である。オレンジは、複数の
ケーブル・システムを所有又は共同所有しており、海底ケーブルの世界最多所有者のうちの1つである。これに
より通信量の大西洋横断の増加に対応することができるようになった。
当グループの卸売活動は、以下を基にしている。
(12)
・ シームレスな国際的なネットワーク 並びに世界中のポイント・オブ・プレゼンスでの音声及びデータ
(13)
を支援するIPX プロトコル・ネットワーク。
・ 220超の諸国における末端ユーザーとの専用のIPルートによる世界的ネットワーク、200超のインターネッ
ト・サービス・プロバイダーとの接続及び100超の諸国における単一IPネットワーク・ホップでの接続性。
・ 99.99%のネットワーク利用可能性、年中無休・24時間集中化されたネットワーク監視。
2018年に、オレンジの海外通信事業者が報告した音声通信量は、依然として安定していた一方で、データ通信
量は37%増加した。
サービス
音声サービス
(13)
オレンジの音声ネットワークは、交換式又はオールIP ルートにより360社の事業者に接続され、接続先は
1,200を超え、年中無休・24時間体制の技術サポートを行っている。
移動体通信事業者へのサービス
(13) (13)
オレンジは、高付加価値サービス及びGRX/IPX 伝送サービス付きで相互接続並びにSS7 及びLTEシグナリ
ングサービスを提供することにより世界で200社超の移動体通信事業者を支援している。オレンジはローミン
グ、3G/4G及びメッセージング・ソリューションも提供している。
(13) (13)
オレンジはGSMA 規格の準備に関わっており、LTE及びIPX接続を直接又はピアリング契約 を通じて拡大し
た。当グループは、SS7セキュリティ・サービス、セキュア・メッセージング・サービス(SMS)及びビッグデー
タなどの付加価値のある移動体通信サービス・ソリューションを提供している。
オレンジは、IPXでの4Gローミング接続をますます多くの事業者に提供し、その受信地域の拡大を継続してい
る。かかるサービスにより、移動体通信事業者は顧客に4Gローミング・サービスを提供することができる。
2017年6月に欧州で無料ローミングの効力が発効してから、オレンジ・フランスを経由する国際音声通信量は約
40%増加した。
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インターネット及び伝送サービス
オレンジの調整可能ソリューションは、インターネット・サービス・プロバイダー及びコンテンツ・プロバイ
ダーの固有のニーズに対応している。このサービスには、2018年のDunant海底ケーブル(米仏間)及びKanawa(フ
ランス領ギアナでインターネット接続を可能とする。)への投資を含め、全ての大陸における広範囲の接続サー
ビスが含まれる。
2018年に、オレンジは、特にルーマニアで新しいポイント・オブ・プレゼンスを最近展開したことで欧州にお
けるインターネット受信地域を拡大し、より高速な接続速度及び強化されたセキュリティを提供している。
融合サービス
(13)
オレンジは、 Multiservice IP eXchange サービスを通じてIPXソリューション を提供している。このサービ
スは、事業者に単一接続上での音声及び移動体通信データのサービスをアクセスできるようにしている。サー
ビス品質及びネットワーク費用の最適化も可能である。
セキュリティ及び不正防止サービス
顧客の事業の価値を保護するため、Orange International Carriersは本人確認情報及びプライバシーの保護並
びにネットワーク、移動体通信及び音声通信の保護をカバーするソリューションを提供している。
不正防止及びセキュリティ・サービスのポートフォリオは、IP及びSS7のトランジット・ネットワークの保護並
びに音声及びメッセージング(SMS)の不正防止を目的とした、音声、インターネット及び移動体通信サービスの
ソリューションからなっている。
こうしたサービスには、監査、発見及び保護機能並びに分析報告書の提供が含まれている。また、ポートフォ
リオには、特にサイバー犯罪の危険へ対処するためのサービスが含まれており、現在、Orange International
Carriersの顧客は、こうしたサービスの一部を自身の顧客に再販できるようになっている。
オレンジ・マリン
オレンジ・マリンは、初期の調査及びエンジニアリングの段階から大陸間接続の設定及び既存ケーブルのメン
テナンスに至るまで、海底ケーブルにおける主要プレイヤーである。オレンジ・マリンは、全ての海洋に、
(28,000キロメートルの埋設ケーブルを含む)240,000キロメートル超の海底ケーブルを敷設した。その船舶は、
故障したケーブルを800回近く修理し、そのうちの一部は水深5,000メートルで実施された。オレンジ・マリン
は、6隻のケーブル敷設の船団を有している。これは世界全体の船団の15%を占めており、世界で最も経験のあ
る船団の1つである。
(12) 第3「技術用語集」を参照のこと。
(13) 銀行、貯蓄、生命保険及び信用市場の観察に関するSoFiaの調査報告書。
3.3.5.2 コンテンツ活動
マルチサービス事業者として、コンテンツ配信活動(テレビ、ビデオ・オンデマンド、音楽、ビデオゲーム)
は、オレンジの戦略の主要部分であり、2018年末現在、9.5百万を超える世帯がテレビ・ユニバースに接続して
いる。こうした活動が当グループの超高速ブロードバンド、光ファイバー及び4Gサービスの促進に貢献してい
る。2017年、当グループは、横断的事業体であるオレンジ・コンテンツを創設した。これは、コンテンツ戦略
を管理し、この活動において全てのグループ国をサポートすることが目的である。
オレンジのコンテンツ戦略は、主に権利保有者及びサービス発行者とのパートナーシップ構築に基づいてい
る。オレンジは、利用可能な最高の娯楽サービスを紹介することによって、それらを自社のブロードバンド・
ネットワークを通じて顧客に提供するために、アグリゲーター及び配信者としての役割に重点を置いている。
オレンジはまた、子会社のオレンジ・スタジオ及びそのプレミアムOCSサービス(旧オレンジ・シネマ・シリー
ズ)を通じた映画及びシリーズものの制作、共同制作及び公開に関し意欲的な戦略を策定している。こうしたプ
ログラムは全て、リニア・ブロードキャスト方式及びオンデマンドで利用可能である。こうしたプログラム
は、フランスのほとんどの配信会社によって提供され、またインターネットのライブ配信も行われている。
2018年末現在、OCSには2.9百万人の加入者がいる。
2018年に、オレンジは、2つの国際的シリーズ「The Name of the Rose」と「Devils」の制作に多額の投資を行
い、この番組はOCSで放送される予定である。また、映画「Les Chatouilles」を共同制作し、この作品はカン
ヌ映画祭にノミネートされた。さらに、2018年末に、オレンジ・スタジオは、オリジナル作品を基にした2つの
シリーズものの制作を開始した。同時に、オレンジ・スタジオは、カタログの充実を継続するとともに、UGCと
の契約を通じ海外販売活動に着手した。
2018年に、オレンジはまた、OCSを通じてフランス及び欧州の映画制作会社に投資するための専門映画組織への
投資を更新し、今後3年間での投資額を125百万ユーロに引き上げた。さらにオレンジは、劇場で上映開始され
た映画をOCSで放送するまでに必要とされる期間を短縮する新たなメディア・タイムラインに同意した。
欧州では、当グループは、コンテンツ・サービス、特に、融合サービスの主要な構成要素であるテレビに関連
したサービスの展開を進めている。そのため、オレンジはスペインで、サッカー中継(ラ・リーガ及びチャンピ
オンズリーグ)をベースとしたテレビ・チャンネルのパッケージを販売しており(この販売権は2018/2019年シー
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ズンに向け更新された。)、また4Kのオレンジ・シリーズ・チャンネルを開始した。当グループの欧州の他の子
会社もまた、このテレビ戦略を推進しており、例えば、スロバキアでは、衛星放送サービスをスタートさせ、
2018 年8月にはチャンピオンズリーグの試合を独占的に放映するオレンジ・スポーツ・チャンネルを始めた。
アフリカにおいてもオレンジは、引き続きテレビ・サービスの拡大を図り、制作にも踏み切った(特にセネガル
でのDiamond Houseシリーズ)。また、移動体通信セクターでは、オレンジは、いくつかのコンテンツ発行者(ビ
デオ、ゲーム及び音楽)と2018年に販売パートナーシップを結んだ。ビデオ・オンデマンド・セグメントでは、
オレンジは、主要な配信会社のカタログの中のプログラムを提供している。
音楽市場は、2018年にストリーミングにより後押しされて事業が拡大し、回復が明らかとなった。2018年半ば
に、オレンジは、2010年以降の当グループのパートナーであるディーザーに再投資した。有料顧客数が引き続
き増加し、サービスは現在、フランス、スペイン、ルーマニア、ルクセンブルク及びコートジボワールで提供
されている。同時に、オレンジは、オレンジ・ラジオ・サービスを引き続き展開しており、現在、17ヶ国で利
用が可能である。
ビデオゲーム・セクターでは、2018年に、オレンジTVゲームのストリーミング・サービスが引き続き成長し
た。移動体通信セグメントでは、スペインでOrange Juegosのサービスが再開し、アフリカ諸国では勢いが持続
する中、オレンジのモバイル・ゲーム顧客数が1百万人の大台を超え、無制限契約及びFreemiumのゲームが引き
続き成功を収めた。アフリカでのeSportsの一大ブームを受けて、オレンジは2018年に初のOrange eSports
Experienceを企画した。このイベントは、初の全アフリカのビデオゲーム競技会で、ダカールの決勝には約
10ヶ国から人々が集まった。
3.3.6 オレンジ・バンク
事業多角化は、オレンジ・グループの Essentials2020 戦略の主要な柱の1つである。2017年11月2日のオレン
ジ・バンクの設立は、モバイル金融サービスへの多角化に対する当グループの意欲を表している。オレンジは
特に顧客の利用方法や顧客が期待するものをよく理解しているため、このサービスは著しく成長する見込みが
ある。アフリカではここ数年間、オレンジ・マネーが提供する決済及び送金サービスが成功を収めていること
から、当グループは、オレンジ・バンクでは、スムーズで各顧客に合わせたサービスを基盤としたシンプルな
サービスの提供を目指している。
当グループは、フランスに続いてスペインで、2019年末にオレンジ・バンクを開始する予定である。
銀行市場
フランスの銀行市場ではまだ、従来型の銀行が大きなシェアを占めているが、一部の新たなモデルが成果を表
し始めている。2018年には、オンライン・バンクの市場シェアが3%となった(情報源:KANTAR-TNS、2018年2
(13)
月) 。
広範囲に及ぶ変化が進行中の銀行業界全体で、高度なデジタル化が起こった。参加者は、6つの主要なカテゴ
リーに分けられる。
・ 主要な従来型銀行ネットワーク(サービスを新しい状況に徐々に適応させている。)。例えば、郵便貯金銀
行は、2019年にマ・フレンチ・バンクを設立する準備を進めている。
・ オンライン銀行。その一部は従来型主要銀行ネットワークの子会社であり、主に2000年代に発達した
(Boursorama Banque、ING Direct等)。
・ ネオバンク。2010年代に設立され、モバイル・アプリケーション及び単純化された顧客経験を基礎とす
る。いくつかは銀行免許を持っているが、他は銀行免許を持っていない(N26、Revolut、Compte Nickel
等)。
・ フィンテック(金融プラットフォーム、支払手段、口座アグリゲーター)。
・ アップル・ペイ、フェイスブック・メッセンジャーの支払機能、サムスン・ペイ、Androidペイ等というモ
バイル決済ソリューションを提供する技術巨大企業。銀行免許を通じて、このような企業は今では金融
サービスを直接提供できる。
・ 最後に、大規模小売店(Carrefour、Leclerc、Fnac Dartyなど)。モバイル金融サービスのバリューチェー
ンにおいてシェアを獲得することを目指している。このようなブランドの一部はすでに銀行子会社を有し
ており、銀行口座から消費者金融まで幅広いサービスを提供している。その他の企業は、顧客ロイヤル
ティの創出、顧客理解の改善、及び決済関係データを失うことによる「中抜き」の回避を目的に支払手段
を提供している。
オレンジ・バンクの事業
オレンジ・バンクは、銀行及び電気通信セクターの最前線に位置している。そのビジネス・モデルでは、全て
の競合他社の特長を1つのサービスにまとめることを目指している。
元々は顧客のモバイル利用をモデルとしており、オレンジ・バンクのサービスに収入、貯蓄又は最低残高に関
する制約はない。口座及び付随する銀行カードに対する銀行手数料はかからない(一定の利用条件が適用され
る。)。全ての基本的な銀行サービス(銀行口座、銀行カード、小切手帳、当座貸越の設定、預金口座、様々な
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保険、個人ローン)が提供される。顧客は全ての銀行サービスを移動体通信機で利用できる。銀行口座を開設す
る際は、顧客は200店を超える認定ストアのネットワークが利用できる。
通信機能に大きく依存しているオレンジ・バンクのイノベーションにより、顧客は、クレジットカード又は移
動体通信機による非接触決済、銀行口座残高の即時確認、クレジットカードの使用の一時的停止及び再開並び
にSMSによる送金といったサービスを利用できるようになった。顧客対応は、24時間年中無休の仮想アドバイ
ザーのDjingoが銀行の最初の窓口になっている。Djingoの導入以来、1百万を超す顧客との応対があり、そのう
ち50%が、カスタマー・リレーションシップ・センターへ取り次がれることなく、仮想アドバイザーによって
完全に処理された。
2018年は、3月に個人ローン・サービスを開始したことで、特に注目すべき年となった。オレンジ・バンクはま
た、いくつかの賞を受賞し、特に、2018年7月には、格付機関のD-Ratingにより「ベスト・デジタル・カスタ
マー・エクスペリエンス」に格付けされた(400項目の基準をもとに評価された18行の中で第1位)。
2018年12月31日現在、オレンジ・バンクの顧客数は248,000人である。
(13) 銀行、貯蓄、生命保険及び信用市場の観察に関するSoFiaの調査報告書。
4【関係会社の状況】
連結財務書類に対する注記18「主要な連結会社」を参照のこと。
5【従業員の状況】
当グループの従業員数の推移の概要
2017年
従業員数-期末実働従業員
2018年 2017年 ( 見積り ) 2016年
オレンジSA 81,257 84,246 84,246 88,092
フランス国内の子会社 10,628 8,513 10,076 8,126
フランス国内合計(1) 91,885 92,759 94,322 96,218
フランス国外の子会社(1) 58,826 58,797 60,208 58,984
150,711
グループ合計
■■
151,556 154,530 155,202
(1) 財務連結の範囲:収益が連結されている会社は当該範囲に含まれる。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
2017年
従業員/契約形態別
2018年 2017年 ( 見積り ) 2016年
正社員契約 147,123 148,122 151,042 151,491
臨時社員契約 3,588 3,434 3,488 3,711
150,711 151,556 154,530 155,202
グループ合計
■■
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
従業員/事業分野別 2018年 2017年 2016年
顧客 49.7% 49.3% 48.9%
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イノベーション 2.4% 2.4% 2.3%
サポート機能 13.3% 13.6% 13.1%
コンテンツ及びマルチメディア 0.3% 0.4% 0.4%
情報システム 9.7% 9.4% 9.1%
ネットワーク 22.5% 23.4% 23.9%
その他 2.1% 1.5% 2.3%
グループ合計(1) 100.0% 100.0% 100.0%
(1) 当グループの報告範囲は、当グループの財務書類において連結された全ての会社で構成される。
従業員/性別別 2018年 2017年 2016年
女性 36.1% 36.1% 36.1%
男性 63.9% 63.9% 63.9%
100.0% 100.0% 100.0%
グループ合計(1)
■■
(1) 当グループの報告範囲は、当グループの財務書類において連結された全ての会社で構成される。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
従業員/年齢別 2018年 2017年 2016年
30歳未満 13.2% 12.4% 12.5%
30歳以上50歳以下 53.7% 52.5% 51.2%
50歳超 33.1% 35.1% 36.3%
100.0%
グループ合計(1)
■■
100.0% 100.0%
(1) 当グループの報告範囲は、当グループの財務書類において連結された全ての会社で構成される。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
従業員/地域別(1) 2018年 2017年 2016年
フランス 60.9% 62.1% 62.9%
スペイン 3.8% 3.6% 3.4%
ポーランド 9.0% 9.9% 10.3%
その他の欧州諸国 8.3% 7.3% 6.8%
アフリカ 11.6% 11.2% 10.7%
アジア太平洋 4.0% 3.7% 3.5%
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北米及び南米 2.4% 2.2% 2.4%
100.0% 100.0% 100.0%
グループ合計(2)
■■
(1) 表示方法は、地理的表示に限定されるよう見直された(以前は、特定の組み合わせの組織ユニットが含まれていた。)。
(2) 当グループの報告範囲は、当グループの財務書類において連結された全ての会社で構成される。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
雇用及び離職
外部からの正社員雇用数 2018年 2017年 2016年
オレンジSA 1,701 1,542 2,084
フランス国内の子会社 1,503 1,197 903
フランス国内合計(1) 3,204 2,739 2,987
フランス国外の子会社(1) 7,948 7,176 7,214
11,152
グループ合計
■■
9,915 10,201
(1) 財務連結の範囲:収益が連結されている会社は当該範囲に含まれる。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
正社員辞職数 2018年 2017年 2016年
オレンジSA 178 137 126
フランス国内の子会社 571 375 297
フランス国内合計(1) 749 512 423
フランス国外の子会社(1) 4,847 4,107 3,729
5,596
グループ合計
■■
4,619 4,152
(1) 財務連結の範囲:収益が連結されている会社は当該範囲に含まれる。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
正社員解雇数 2018年 2017年 2016年
オレンジSA 43 39 38
フランス国内の子会社 39 51 40
フランス国内合計(1) 82 90 78
フランス国外の子会社(1) 2,005 1,908 2,349
2,087
グループ合計
■■
1,998 2,427
(1) 財務連結の範囲:収益が連結されている会社は当該範囲に含まれる。
KPMGによりレビューされた項目: 合理的な保証 。
■■
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報 酬
報酬-オレンジSA 2018年(1) 2017年 2016年
平均月間総報酬(単位:ユーロ) 4,213 4,083 3,977
男性 4,329 4,196 4,093
女性 4,012 3,885 3,771
(1) 2018年の数値は、暫定的なものである。
インセンティブ
(単位:百万ユーロ) 2018年 2017年 2016年
オレンジSAインセンティブ 180(1) 200(2) 190
追加的なオレンジSAインセンティブ 16
(1) 2018年12月31日現在で支払われた額。
(2) 更新された2017年の額。
利益分配
(単位:百万ユーロ) 2018年 2017年 2016年
当グループの特別利益分配準備金 148(1) 150(2) 154
(1) 2018年12月31日現在で支払われた額。オレンジSAの勘定において支払われた144百万ユーロを含む。
(2) 更新された2017年の額。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
第2「3 事業の内容」「3.2 オレンジのグループ戦略」を参照のこと。
見 通 し
これらの好調な業績をもとに、オレンジ・グループはその適応能力を駆使して新たな課題に対応し、かつ成長
軌道を維持していく。
2019年1月1日からのIFRS第16号「リース」(連結財務書類に対する注記2.4.2を参照のこと。)の適用により、当
グループは財務指標の見直しを行ったが、オレンジの目標に変更はなく、2017年12月7日の投資家の日に提示し
た情報と一致している。
当グループが2019年第1四半期より使用するIFRSによって定義されていない財務指標は、「3 経営者による財
政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.6 追加情報」に記載されている。これに基づ
き、当グループの見通しは以下の通りとなる。
・ 比較可能ベースでは、2019年のEBITDAaL(リース調整後EBITDA)の伸びは、2018年に達成した水準を下回
る。これは、特にフランスとスペインにおいて依然として市場環境が極めて競争的なこと、及びePresseと
オーディオブック・サービスによるプラスの効果が終了したことにより説明できる。
・ 比較可能ベースでは、2019年の経済的Capexは2018年と比べて若干減少する。
・ 比較可能ベースでは、2019年の「EBITDAaL - 経済的Capex」の指標は2018年よりも高くなる。
・ 通信事業のEBITDAaLに対する正味金融債務の目標とする割合は、中期的に約2倍で維持されている。
2018年以降の見通しに関する詳細な情報については、第2「3 事業の内容」「3.2 オレンジのグループ戦
略」を参照のこと。
かかる将来予測に関する記述は、多くのリスク及び不確実性にさらされており、これによって、実際の結果
は、将来予測に関する記述において期待されたものと著しく異なる可能性がある。最も重要なリスクは、
「2 事業等のリスク」に記載されている。
本項目に記載されている将来に関する事項は、2018連結事業年度末現在において判断したものである。
通信事業の規制
オレンジ・グループが事業を行うほとんどの国々において、オレンジ・グループは、主として通信ライセンス
の取得及び更新と関連して製品やサービスの提供に適用される様々な規制上の義務を遵守し、電気通信市場に
おける効果的な競争を維持することを目指す当局による監督に従わなければならない。また一部の国では、オ
レンジは、固定回線電気通信市場においてこれまで優越的地位にあったことから、特定の規制上の制約も受け
ている。電気通信セクターの規制に関連するリスクは、「2 事業等のリスク」「2.2 法的リスク」に記載さ
れている。
1.1 欧州連合
1.1.1 法的枠組み及び規制枠組み
欧州連合は、電気通信に関する規制の統一を目的とする共通の法的枠組みを定めている。それは加盟国に対し
て拘束力を有し、各国の規制当局はこれを履行しなければならない。
欧州連合の全体的な法的枠組みは、2018年12月20日に施行された新たな欧州電子通信コード(「1.1.2 2018年
における主な出来事」を参照のこと。)により変更された。この改正コードには2002年のテレコム・パッケージ
に基づく4つの主要な指令が含まれている。
・ 電気通信ネットワーク及びサービスのための共通規制枠組み。
・ 電気通信ネットワーク及びサービスの承認。
・ 電気通信ネットワーク及び関連施設へのアクセス及び相互接続。
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・ 電気通信ネットワーク及びサービスに関するユニバーサル・サービス及びユーザーの権利。
また、テレコム・パッケージには、2002年7月12日付の電気通信セクター内での個人データの処理及びプライバ
シーの保護に関する プライバシー及び電気通信指令 No.2002/58/ECについての指令が含まれる。
さらに、2018年12月11日付規則(EU)No.2018/1971により、欧州電子通信規制者団体(BEREC)を設置する2009年11
月25日付規則(EC)No.1211/2009が廃止され、置き換えられた。
この新しい規制枠組みは、いくつかの追加的文言による肉付けが行われた。
関連市場の分析
2014年10月9日、欧州委員会は、各国の規制当局の市場分析が義務付けられることで事前規制の対象となる可能
性のある商品及びサービスの4つの関連市場を特定した新たな勧告(2014/710/EC)を採択した(2007年の以前の勧
告では7つ)。
・ M1:特定の場所で提供される個別の公共電話網における卸売通話着信。
・ M2:個別の移動体通信ネットワークにおける卸売音声着信。
・ M3/a:特定の場所で提供される卸売ローカル・アクセス。
・ M3/b:特定の場所で大衆市場商品向けに提供される卸売セントラル・アクセス。
・ M4:特定の場所で提供される卸売高品質アクセス。
ローミング
特に、欧州連合内の国際ローミングに対する追加料金を廃止することを目的とする2015年11月25日付規則(EU)
No.2015/2120(電気通信単一市場パッケージ - TSMとも呼ばれる。)、及び卸売ローミング市場に関する規則を
(1)
定める2017年5月17日付規則(EU)No.2017/920では、以下の取扱いとなっている 。
・ 公正な利用において、2017年6月15日以降に国際ローミング小売料金と欧州内通信(音声、SMS及びデータ)
の国内料金とを調整することを課す。
・ EU外で携帯電話を使用する顧客のために、欧州の事業者における価格の透明性の要件及びビル・ショック
の防止措置を拡大する。
・ MVNO及び再販売業者のために欧州ローミング・サービスへの規制下でのアクセス権を付与し、卸売市場に
新たな上限を設定する。
・ 音声:2017年6月15日以降、1分当たり0.032ユーロ(税金を除く。)。
・ SMS:2017年6月15日以降、1SMS当たり0.01ユーロ(税金を除く。)。
・ データ(税金を除く価格)。
2016年4月30日 2017年6月15日 2018年1月1日 2019年1月1日 2020年1月1日 2021年1月1日 2022年1月1日
0.05ユーロ/MB 7.7ユーロ/GB 6.0ユーロ/GB 4.5ユーロ/GB 3.5ユーロ/GB 3.0ユーロ/GB 2.5ユーロ/GB
卸売ローミング料金に関する規制の起こりうる修正の前に、予備的見直しが2019年に向けて予定されている。
欧州内でのローミングの価格規制が適用されている移動体通信サービスのサプライヤーは、乱用又は過剰使用
を防ぐために、このようなサービスの消費に関して自社の顧客に合理的な利用方針を適用することができる。
この選択肢にもかかわらず、特別かつ例外的な環境下にあり、欧州内でのローミングを国内価格で提供するこ
とによりサプライヤーの国内価格モデルの実行可能性が脅かされる場合は、サプライヤーは国の規制当局に対
し、欧州内でのローミングの使用に追加料金を請求することへの許可を申請することができる。但し、追加料
金は卸売ローミング料金の上限を限度とする。
通話着信料金
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2009年5月7日、欧州委員会は欧州連合内での固定回線の音声通話着信料金及び携帯音声通話接続料金を規制す
る勧告(2009/396/EC)を採択した。欧州委員会は、各国当局が以下の原則を適用すべきと勧告している。
・ 各加盟国内での第1に様々な事業者の固定回線の音声通話着信料金及び第2に携帯電話接続料金の均一化。
新規参入者のために固定回線の通話着信料金又は携帯電話接続料金に4年間の移行期間を設定して非均一な
料金を認めることができる。
・ 効率的な事業者に向けた、当該サービスの「回避可能費用」に対応する通話着信料金(すなわち、携帯音声
通話接続料金について1分当たり約1ユーロセント、固定回線の音声通話着信料金についてはより低い料
金)。
欧州におけるオレンジの携帯音声通話接続料金の推移(単位:1分当たりユーロセント)
情報源:Cullen International。
全期間について2018年12月31日の為替レート。
欧州におけるオレンジの固定回線の音声通話着信料金の推移(単位:1分当たりユーロセント)
情報源:Cullen International。数値は、現地レベルでの料金である。
全期間について2018年12月31日の為替レート。
欧州電子通信コードに従い、2020年末までは欧州委員会によって、固定回線の音声通話着信料金及び携帯電話
接続料金に欧州での上限が設定される。
(1) これらの規則により、欧州連合内の公共移動体通信ネットワークを使用したローミングに関する2012年6月13日付規則No.531/2012
(ローミングIII)は改正された。これらの規則は、2016年12月15日に採択された欧州内でのローミングの合理的な利用規則に関する実
施法によって補完される。
1.1.2 2018年における主な出来事
欧州電子通信コード
2018年12月 欧州電子通信コードの施行
個人データの保護
2018年5月 個人データ保護規則の改正の施行
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新たな欧州電子通信コードの採択
2018年12月17日付の欧州連合官報において、新たな欧州電子通信コードが公表された(EU指令2018/1972)。これ
は2018年12月20日に施行された。加盟国は24ヶ月以内にこれを国内法に置き換えなければならない。
当該コードには、極めて高度な接続ネットワークの展開及び採用を支援する規制目標が含まれており、これ
は、独占から競争への移行から電気通信ネットワークへの投資へと規制の目標を変更すべきとするオレンジの
要求と一致している。
加えて、著しい市場支配力を有する事業者に課された アクセス義務 に適用される規則がプラスの方向に調整さ
れた。
1) 実際には、一般的にアクセス義務は、固定回線アクセス・インフラの場合であり、かつ競合企業が3社未満
の場合に限定されるものとする。
2) 各国当局は専ら、積極的に投資リスクを共有する競合企業を対象に、新たな光ファイバー・インフラへのア
クセスを承認するべきである。この原則に対する免除措置には、厳格な条件及び欧州委員会による拒否権が
適用される。
3) (再現が技術的にも経済的にも非効率な)加入者に固定回線アクセス・インフラへのアクセスを提供する義務
が、全インフラ所有者に対称的に適用される形で各国の規制当局によって課されることがある。このような
義務は欧州委員会とBERECの共同拒否権の対象である。
移動体通信サービスに必要な 無線周波数の割当 に関しては、当該コードにより、加盟国に対して拘束力のある
欧州規則(スペクトル・ライセンスの最低期間を含む。)が強化される。これは、欧州の軽度の監視の下、各国
で施行される。「範囲が限定された無線アクセス・ポイント」(当該コード第2.23条に定義される。)の展開及
び5Gスペクトルの可用性スケジュールを促進する規定も採択された。
通信サービスの規制 に関しては、末端ユーザーの保護を目的とした大半の義務は、インターネット・アクセ
ス・サービス及び公共番号計画リソースを使用したサービスが対象であり、サービス・プロバイダーとは無関
係である。番号計画とは無関係の個人間通信サービスやシグナル転送サービスといったその他のサービスは、
限られた数の義務のみが適用されている。しかし、当該コードでは、欧州内通話及びSMSの競争市場に関する規
則が再導入され、 ローミングIII と呼ばれる2012年規則の上限に合わせて上限が課される(1分当たり0.19ユー
ロ、1SMS当たり0.06ユーロ)。
ユニバーサル・サービス義務 に関しては、当該コードにより、利用可能で手頃だが、特定のユニバーサル・
サービス・サプライヤーを指定し、業界が提供する資金調達システムを使用するという原則が維持されている
インターネット・アクセス・サービスを提供するという目標が促進される。加えて、当該コードは、手頃な移
動体通信サービスの提供に向けてユニバーサル・サービス義務を拡大する機会も提供している。
当該コード及びこれに関連するBERECの責任とガバナンスの変更に関する規則によって、新たに欧州の規制当局
が設立されることはない。しかし、当該コードにより、末端ユーザーの権利を完全に標準化する原則が採用さ
れ(但し、例外がある。)、アクセス規則及びスぺクトルに関して欧州委員会が行使する支配力が強化される。
個人データの保護
2018年5月25日に新たな一般データ保護規則(GDPR)が施行された。1995年の欧州指令を置き換えるGDPRは、公共
及び民間事業体の両方を対象とする汎用規則であり、これにより、欧州における個人データ保護の管理が統一
される。
GDPRの原則には以下が含まれる。
・ 欧州連合各国において直ちに直接適用可能な単一ルール。
・ 欧州市場を対象とした情報社会の全てのインターネット・ユーザー及びサービス・プロバイダーへの適
用。
・ インターネット企業の対話相手としてデータ保護の責任を負う単一の監督機関(インターネット企業が主た
る事務所を有するEU加盟国のもの)。
・ 個人データの処理を明示的に対象とする明確な同意。
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・ 利用が推奨されている仮名化プロセスの定義。
・ 消費者に情報を提供する義務の強化。
・ 「忘れられるデジタル権利」の導入。
各国の個人データ保護機関の権限は拡大される。これらの機関には、欧州規則に違反した企業に対して当該企
業の年間総売上高の最大4%の罰金を科す権限が付与される。加えて、GDPRの施行は、2002年7月12日付プライ
バシー及び電子通信に関する指令No.2002/58/ECで言及されている同意の概念と罰則の意味に変化をもたらすこ
とから、当該指令の履行に間接的に影響を及ぼす。欧州委員会は、2002年の指令を新たなセクター規則に置き
換えたいと考えているが、新たな文言に対する政治的な同意は得られていない。
1.2 フランス
1.2.1 法的枠組み及び規制枠組み
法的枠組み
電気通信セクターは、主にフランス郵便及び電気通信法と、電子商取引、情報社会、消費者保護及び個人デー
タ保護に関連する法規定の適用を受ける。
フランスは、欧州テレコム・パッケージ(2009年改正)を、規制を実行するために、2011年8月24日付の命令及び
2012年3月12日付の政令により置き換えた。
オレンジ・グループが製作又は提供するオーディオビジュアル通信サービスは、このセクターに適用される個
別の規則の適用を受け、1986年9月30日付の通信の自由に関する法律第86-1067号の適用を受けている。
規制当局
郵便及び電気通信規制当局(ARCEP) は、1996年7月26日付の法律によって設けられた独立行政組織であり、これ
らのセクターにおけるフランスの全国的規制当局として活動している。電気通信セクター内において、ARCEPの
主要な使命は、問題の市場に存在する事業者に対する規制を定義することである。準拠していない事業者には
制裁を科す権限を持ち、ネットワーク・アクセス及び相互接続に関する技術的条件や価格条件に関する事業者
間の紛争を裁定する力を持っている。ARCEPは、スペクトルと番号資源の割当も行っている。ARCEPはまた、ユ
ニバーサル・サービス義務への拠出金の規模を決定し、当該拠出金の交付の仕組みの監督も行っている。
フランス競争政策局 は、開かれた市場競争の確保と公共経済政策の遵守の確保を担当する独立政府機関であ
る。同局は、電気通信セクターを含め、全ての事業セグメントを管轄する。同局は、反競争的行為に対する制
裁権限と共に諮問権限も有している。また、合併・買収の監督にも責任を負っている。
ANFr(国立周波数庁( Agence nationale des fréquences )) は、無線周波数の利用の計画、管理及び規制と、特定
の無線通信施設の設置の調整を担当する。周波数スペクトルは、11の規制当局(行政部門、ARCEP、視聴覚最高
評議会(CSA))によりカバーされている。ARCEPとCSAは、それぞれが規制する周波数の利用者への割当を管掌し
ている。
CSA( Conseil Supérieur de l ' Audiovisuel ) は、1989年1月17日付の法律により設けられた独立行政組織であ
る。1986年9月30日付の法律に従ってオーディオビジュアル通信の自由を保護する責務を負っている。
1.2.2 携帯電話規制
2018年における主な出来事
スペクトル
2018年1月 900MHz、1,800MHz及び2,100MHzの周波数利用権限の更新が合意される(「ニュー・ディー
ル」と呼ばれている。)。
2018年7月 900MHz、1,800MHz及び2,100MHz帯域における事業者の現在の権限にニュー・ディールの約
定が含まれる。
2018年8月 900MHz、1,800MHz及び2,100MHz周波数の更新に関する権限割当の手続きが開始される。
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2018年10月 ARCEPが1.5GHz、3.4-3.8GHz及び26GHz帯域における新たな5G周波数の割当に関する協議を
開始する。
2018年11月 ニュー・ディールによりもたらされる900MHz、1,800MHz及び2,100MHz周波数の再割当の枠
組みにおいて、周波数利用権限が割り当てられる。
その他
2018年6月 移動体通信事業者が負担する原価の会計及び報告(会計分離)に関する義務について規定し
た決定をARCEPが公表する。
ARCEPによって行われた業務に続き、2018年1月14日に、全国(特に農村地域)において移動体通信のカバー範囲
の拡大を保証するために、フランス政府、ARCEP及び移動体通信事業者4社(オレンジ、SFR、Bouygues Telecom
及びFree Mobile)との間で契約が締結された。当該契約(「ニュー・ディール」と呼ばれている。)は、予想さ
れていた10年間にわたる900MHz、1,800MHz及び2,100MHz帯域の周波数利用権限の再割当に向けて行われた交渉
の成果である。事業者は、競売の排除及び現行手数料の維持と引き換えに、2018年からカバー範囲の拡大に取
り組むことになった(以下を参照のこと。)。
スペクトル
フランス本土における主要なオレンジの周波数割当
700MHz ・ 2015年12月、10MHz二重の権限が20年間付与された。このような周波数は技術中立
的である。
800MHz ・ 2012年1月、超高速移動体通信ブロードバンド(4G)の展開に関して、10MHz二重の権
限が20年間付与された。このような周波数は技術中立的である。
900MHz ・ 2006年3月、10MHz二重について付与されていた2Gの権限が15年間更新された。この
権限は2018年7月に変更され、周波数が技術中立的になった。ニュー・ディールに
基づき、2031年3月まで8.7MHz二重が再割当された。
1,800MHz ・ 2006年3月、20MHz二重の権限が15年間更新された。このような周波数は、2016年5
月から技術中立的になっている(関連帯域で4Gを運用するオプションがある。)。こ
のような周波数は、ニュー・ディールの一環として2031年まで同量で再割当され
た。
2.1GHz ・ 2001年8月、14.8MHz二重について3Gの権限が20年間付与された。
・ 2010年6月、4.8MHz二重について3Gの権限が20年間付与された。
・ 2017年9月、オレンジに対して技術中立性の導入が発表された。
・ 2021年8月に失効する14.8MHz二重に関して、ニュー・ディールの一環として2031年
8月まで10MHz二重が再割当された。
2.6GHz ・ 2011年10月、超高速移動体通信ブロードバンド(4G)の展開に関して、4Gサービス用
に20MHz二重の権限が20年間付与された。このような周波数は技術中立的である。
ニュー・ディール
2018年7月3日のARCEPの決定により、2021年より前の期間におけるニュー・ディールに基づくカバー範囲へのコ
ミットメント(下記参照のこと。)が、900MHz、1,800MHz及び2,100MHz帯域に関する現在の事業者権限の枠組み
において直ちに適用される。
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2018年8月2日に900MHz、1,800MHz及び2,100MHz帯域の周波数の割当に関する適用手続きの要請が始まった。
2018年11月15日には、関連する周波数を利用するための権限がARCEPによって承認された。このような権限は、
2021 年からオレンジにおいて有効となる。
5G帯域(3.4-3.8GHz、26GHz及び1.4GHz)
2018年7月16日に政府とARCEPがフランスにおける5Gのロードマップに関する情報を提供した。
この点において、3つの帯域が検討されている。すなわち、2019年末又は2020年初めに割り当てられる3.4-
3.8GHz、26GHz及び1.4GHz帯域である。これら3つの帯域での5Gの新たな周波数の割当に関する最初の協議が
2018年10月26日に始まった。割当の手続きに関する2回目の協議は2019年4月に行われると発表されている。
携帯電話のカバー範囲
ニュー・ディール契約
ニュー・ディールに基づき、事業者は以下にコミットメントした。
・ 受信地域を拡大し、これに関連して、事業者が完全に責任を負うことになる既存のプログラム(「都市中心
部の不感地域」プログラム、「800の戦略地域」プログラム及び「フランス・モバイル」プログラム)に代
えて、各事業者が全国で少なくとも新たに5,000ヶ所(大半は複数の事業者によって共有される。)をカバー
することにターゲットを絞ったプログラムのペースを加速させること。
・ 2020年末までに全ての移動体通信局に4Gを配備し、また2020年末までに「都市中心部の不感地域」プログ
ラム実施地域の75%、2022年末までにはその100%に4Gを配備することにより、4G受信を一般化すること。
・ 交通経路のカバーを加速させ、主要な道路と鉄道路線の4Gカバーを徹底すること。契約には、地方の鉄道
のカバーに関する規定も含まれている。
・ 次の2つにおいて、建物内での受信を一般化すること。すなわち、2019年末までに互換性のある携帯電話を
持つ顧客の80%に対してWi-Fiを通した音声及びSMSのサービスによる恩恵をもたらすという目標の下、こ
れらのサービスの利用を徐々に可能にすること、及び、希望する公開企業及び個人に対し、妥当な料金
で、各建物での屋内の複数事業者によるカバーの改善を可能にするサービスを提供すること。
・ 全国(特に農村地域)で受信品質を改善すること。事業者の義務には、「良好な受信地域」を有するという
新たな業務基準が適用される。これは、「大半のケースでは建物外で、また一部のケースでは建物内で通
話及びSMSの交換が可能であること」と定義されている。
都市部で4G受信地域を展開・提供する義務(「ニュー・ディール」によって生じる義務を含む。)
2017年 2019年 2020年 2022年 2022年 2023年 2024年 2025年 2027年
(人口に対する割合) 2030年末
1月 10月 12月 1月 12月 10月 1月 12月 1月
地域鉄道網
(各地域における鉄道
内のカバー率(鉄道線
路に対する割合)) 60% 80%
地域鉄道網
(鉄道内における全国
的なカバー率(鉄道線
路に対する割合)) 60% 80% 90%
地域鉄道網
(鉄道線路に沿った全
国的なカバー率(鉄道
線路に対する割合)) 90%
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優先高速道路
(外部のエリアに対す
る割合) 100%
優先高速道路
(車両内部からのエリ
アに対する割合) 100%
不感帯 プログラムの
都市中心部(1) 75% 100%
90%
超高速ブロードバン
(800MHz)
ド(3)の優先展開地域
50% 92% 97.70%
(2)において
40%
(800MHz) (700MHz) (700MHz) (700MHz)
各県において 90% 95%
都市領域全体 60% 75% 98% 99.60%
(1) 人口の1%及び3,300の都市中心部。
(2) 人口の18%、国の63%。
(3) 展開された機器により理論上の最大速度60Mbpsが可能になる場合、事業者は超高速ブロードバンドを提供する義務を果たしている。
事業者は、ARCEPによって義務付けられた「良好な受信地域」という条件の下、遅くとも2024年3月までに人口
の99.6%、2028年3月には99.8%に対してモバイル無線電話サービスを提供する義務を負っている。また事業者
は、2020年末までに5W超の全てのオレンジのネットワーク施設から超高速ブロードバンド・アクセスを提供し
なければならない(都市中心部の不感帯プログラム実施地域を除く。このような地域では2020年末までに75%、
2022年末までに100%を目標としている。)。
2018年12月末時点で、オレンジの4Gカバー範囲は人口の98.6%、国の87.1%である。
インフラの共有
ニュー・ディール契約には、ネットワーク共有に関する条項が含まれている。アクティブ共有(目標とするカ
バー率に関する規定の一環として、全ホスト施設において4つの事業者に義務付けられている。)に加え、事業
者は、優先展開地域では事前のパッシブ共有を確保するという他の事業者の要求に従う一般的な義務も負って
いる。しかし、当該契約では、ARCEPが条件を満たしているとみなしたアクセス・サービスが、十分な数の施設
において妥当な料金で利用可能な場合は、この義務は免除される。
オレンジの移動体通信事業に関する原価会計及び会計分離に関する義務
2018年6月19日にARCEPは、移動体通信事業者に課される原価の会計及び報告に関する義務について規定した決
定No.2018-0685を公表した。この決定は、決定No.2013-0520に代わるものである。前回の決定と同様に、この
決定もオレンジ、SFR、Bouygues Telecom、Free Mobile、SRR及びオレンジ・カリブに適用される。この新たな
決定は、主として事業者の義務を単純化するものである。
卸売携帯電話接続市場の分析
固定回線及び携帯電話接続市場は、2017年から2020年までのサイクルでARCEPの決定No.2017-1453によって規制
されている。この決定は、通話着信料金に関する原価志向の義務を確認するものである。最終の決定におい
て、コール・ターミネーションに関する上限水準は撤廃された。オレンジを含む移動体通信事業者は、2017年
以降、料金を据え置いている。
1.2.3 固定回線電話、ブロードバンド及び超高速ブロードバンド・インターネットに関する規制
2018年における主な出来事
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光ファイバー・ネットワークの展開
2018年5月 ・ 人口密度があまり高くない地域でのFTTH契約の条件を巡るFreeとオレンジの間の紛
争の解決に関するARCEPの決定。
2018年7月 ・ FTTHネットワークの展開の一貫性に関する勧告をARCEPが採用。
2018年8月 ・ フランス郵政電子通信法第L.33-13条に従って行われるFTTHの展開に関してオレンジ
が提案したコミットメントを政府が承認。
2018年12月 ・ THD Bretagneが運営するブルターニュ地方の公的機関主導のネットワークについて
のFTTHビットストリーム・サービスの要請を巡るCoriolis、THD Bretagne及び
Megalis間の紛争の解決に関するARCEPの決定。
2018年12月 ・ 人口密度が非常に高い地域以外にある特定のFTTH共有ポイントの完全性を遵守する
ようオレンジに通知するARCEPの決定No.2018-1597-RDPI。
ブロードバンド及び超高速ブロードバンド市場の分析
2018年3月 ・ 2018年の卸売高品質銅線アクセスの料金を公表。
2018年7月 ・ 小売企業向け光ファイバー・プロ・サービス(市場分析3a義務)及びパッシブFTTH
サービス(最適なアクセス及び最適なPM)の再販売サービスの開始。
2018年11月 ・ 活性化されたFTTHサービス(最適なイーサネット企業及び最適なイーサネットLAN)の
開始。
2018年12月 ・ 卸売電話サービス・アクセス(VGAST)料金及び関連する2019年から2020年の非住宅ア
クセス用通話発信に関する料金枠組みについての2018年12月5日付決定No.2018-
1523。
相互接続
2018年4月 ・ VoIP相互接続を巡るFree SAS、Free Mobile及びオレンジ間の紛争の解決に関する
ARCEPの決定。
その他
2018年10月 ・ ユニバーサル・サービスの構成要素である「接続」及び「電話」サービスを提供す
る事業者の指定に関する2017年11月27日付の政令において定められたサービスの質
に関する義務を遵守しなければならない旨をオレンジに通知するARCEPの決定
No.2018-1276-RDPI。
2018年12月 ・ 大衆市場及び企業市場用の卸売サービスの質を遵守するようオレンジに通知する
ARCEPの決定No.2018-1596-RDPI。
オレンジの固定回線サービスが対象となる事前非対称規制は、小売市場の有効な競争を確保する卸売サービス
(通話発着信、卸売回線レンタル、アンバンドリング、土木工学インフラへのアクセス、ビットストリーム、
FTTHネットワークの最終セグメントへの受動的アクセス及びキャパシティ・サービス)のみに関するものであ
る。
人口密度があまり高くない地域でのFTTH契約の条件を巡るFreeとオレンジの間の紛争の解決に関するARCEPの決
定
2017年末にFreeはARCEPに対し、人口密度があまり高くない地域におけるオレンジFTTHネットワークへの共同出
資アクセスの条件を巡るオレンジとの紛争について、裁定を下すよう要請した。
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2018年5月17日付の決定において、ARCEPはFreeによる以下の要求を認めた。
・ オレンジはFreeに対し、FTTHネットワークの技術的及び商業的な運営を続けるオレンジの決定に従い、少
なくとも40年間の所定の期間は中密度地域(MDA)におけるFTTHネットワークへのアクセスを提供しなければ
ならない。
・ 契約において、共同出資ネットワークの主な料金と費用の間の関係を定義し、かつ資本的支出と営業費用
を分離して表示した費用に関する報告をオレンジがFreeに送付する旨を規定しなければならない。この問
題は、パリ控訴裁判所に提出された。
・ 契約において、FreeがFree MobileのBTSに関連して共同出資したネットワークにおける余剰光ファイバー
へのアクセスに関する技術的条件及び料金条件について詳述しなければならない。
受信地域拡大地図の公表
2018年2月22日にARCEPは、ネットワーク受信地域及び固定位置でのインターネット・アクセス・サービス地図
の内容と公表手順、並びに裏付け情報の伝達方法に関する決定No.2018-0169を可決した。この決定により、事
業者は以下を行わなければならない。(i)各建物のレベルにおいて利用可能な情報と併せて、速度別及び技術別
の固定回線サービスの受信地域地図を公表する。(ii)受信地域地図をARCEPに送付する。(iii)受信地域地図の
作成に使用した裏付けネットワーク・データをARCEPに提供する。
固定回線電気通信サービスに関する規制:費用志向の卸売サービスの料金変更
2017年12月21日にARCEPは、2018年から2020年における銅線ローカル・ループのフル・アンバンドリングの料金
枠組みに関する決定を可決した。この決定により、今後3年間のフル・アンバンドリングの月額アクセス料金及
びNakedビットストリーム・アクセスの月額料金に上限が設定された。
2017年の料金 2018年の料金の 2019年の料金の 2020年の料金の
枠組み 枠組み 枠組み
合計 9.45ユーロ 9.31ユーロ 9.41ユーロ 9.51ユーロ
アンバンドリング
Naked DSLアクセス
ビットストリーム 12.93ユーロ 13.19ユーロ 13.30ユーロ 13.41ユーロ
ARCEPの決定に従い、ネットワーク企業の定額税( IFER )の変更を考慮するために、2019年のフル・アンバンドリ
ングの料金及びNaked ADSLについて計画された変更が調整された。これまでは銅線回線のみに課されていた税
金の課税対象は拡大され、ケーブル・ネットワーク及びFTTHも対象に含まれた。敷設後5年未満の回線は除外さ
れている。無差別性の原則に従い、オレンジが支払う税金の減額分の一部は、卸売料金の引き下げという形で
代替的事業者に転嫁されている。
2018年12月末に最終的に可決された新たな IFER の価値に基づき、2019年の料金はそれぞれ、フル・アンバンド
リングが月額9.27ユーロ、Naked DSLアクセスが月額13.16ユーロとなる。
光ファイバー・ネットワークに関する規制
超高速ブロードバンド卸売サービスに適用される規制上の枠組み
フランスにおける超高速ブロードバンドの展開に関する現在の規制上の枠組みは、ネットワークの末端セグメ
ントに関する対称規制の原則を確認し、事業者による共有を促進するものであり、自治体との事前協議を経て
共同融資が行われる可能性がある。
・ 小売価格の事前規制はない。
・ 代替的事業者が自社の水平ネットワークをオレンジのインフラ上に導入できるようにする土木工学インフ
ラへのアクセスの非対称規制:費用を反映した料金による無差別的アクセス。
・ ネットワークの末端セグメントを事業者間で共有する原則。
・ 光ファイバーの非対称アクセス(アンバンドル又はビットストリーム)に関する義務はなく、これは2017年
12月14日にARCEPが公表した3a及び3b市場分析決定によって確認されている。
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・ ネットワーク末端セグメントへのアクセスの対称規制(人口密度が非常に高い地域以外を含む。):FTTH
ネットワーク末端セグメントへの受動的アクセスを合理的で無差別的な条件で提供する義務は、フランス
の 領土全体で建物に光ファイバーを配備する全ての事業者に対して同じように適用される。アクセスは、
合理的な位置にある共有アクセス・ポイントから行われなければならない(ARCEPの決定No.2009-1106は、
人口密度があまり高くない地域に関するARCEPの決定No.2010-1312によって補完されている。)。料金は、
効率性、関連性、監査可能性、無差別性の原則に従ったものでなければならない。
(2)
2010年9月20日にARCEPは、自らが決定したFTTH規制の枠組みは欧州委員会によるNGA の勧告で定義された原
則を遵守しており、ブロードバンド及び超高速ネットワークに適用されるとの見解を発表した。ARCEPは、優越
(3)
的地位にある事業者は超高速回線の末端セグメントへのアクセス及びOCN からのアクセスを提供すると同時
に、投資を行っている事業者に対するリスク・プレミアムと国内環境への適応の原則を認めることを義務付け
る非対称規制を勧告している。欧州委員会はARCEPの見解を承認している。
オレンジの「L.33-13」展開コミットメント
2018年初めにオレンジは、フランス郵政電子通信法第L.33-13条に従い、FTTHの展開に関するコミットメント提
(4)
案を正式に決定し、2011年に続いて2013年と2015年にAMII に基づいて行った、それ以前のコミットメントを
確認した。
オレンジは、AMIIエリアのFTTH展開範囲内で以下を確実にするためにコミットメントを行うことを提案した。
(i)2020年末までに住宅及び専門設備の100%をFTTH販売サービスにアクセス可能にする(オンデマンド接続可能
な設備を最大8%含み、第三者の反対がある場合を除く。)。(ii)2022年末までに住宅及び専門設備の100%を接
続可能にする(第三者による反対がある場合を除く。)。
このようなコミットメント提案では、2018年5月末にオレンジとSFRが合意に達した取り決めが考慮された。当
該取り決めにより、SFRの利益のためにオレンジは236の自治体から撤退することになった。
2018年6月12日付のARCEPの見解に続き、2018年7月26日にオレンジのコミットメント提案(及びSFRの提案)がフ
(5)
ランス政府に受理された 。
FTTHネットワークの完了
ARCEPはオレンジに対し、遅くとも2019年12月31日までに460の共有アクセス・ポイントのリストを完成させる
義務(ARCEPの決定No.2018-1597-RDPIの別表に記載された通り。)を遵守しなければならない旨を通知した。
オレンジは、460の共有アクセス・ポイントを完成させる義務について、その遵守を遅くとも2020年1月31日ま
でに証明するか、又は直面している困難について説明しなければならない。この点についてARCEPは、「オレン
ジは、特定の設備を接続可能にすることを妨げている著しい困難について報告する場合、この問題の解消に必
要なリソースを実行したが、解消できなかったことを示す適切な裏付け証拠を全て提出しなければならない」
と述べた。
THD Bretagneが運営するブルターニュ地方の公的機関主導のネットワークにおけるFTTHビットストリーム・
サービスを巡るCoriolis、THD Bretagne(オレンジの子会社)、Megalis間の紛争の解決に関するARCEPの決定
ARCEPは2018年12月11日付の決定において、ブルターニュ地方におけるMegalisの公的機関主導のネットワーク
の運営を行っているTHD Bretagne(オレンジの子会社)に対し、4ヶ月以内にCoriolis Telecomに対して「超高速
光ファイバー回線への活性化された卸売アクセスに関するサービスを提供し、これにより同社の末端ユーザー
へのサービス提供を可能にし、技術的条件及び料金条件を示し、Coriolisによりサービスの署名が行われた時
点で、最大9ヶ月以内に回線の活性化を提供する」(第1条)よう命じた。ARCEPはサービスの技術的条件及び料金
条件について言及せず、当事者を交渉に戻した。
関連市場の分析
ブロードバンド及び超高速ブロードバンド市場
2017年12月14日にARCEPは、2017年12月から2020年12月までの期間の固定回線ブロードバンド及び超高速ブロー
ドバンド市場の第5分析サイクルの結果として、以下の決定を公表した。
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・ 市場3aに対する決定No.2017-1347(特定の場所で提供される卸売ローカル・アクセス):銅線ローカル・
ループでのアンバンドリング、土木工学インフラへのアクセス、光接続ノードへの配信を伴うローカル
FTTH ループ又はビットストリームへの受動アクセス、サービスの質を有する受動FTTHサービス。
・ 市場3bに対する決定No.2017-1348(特定の場所で大衆市場商品向けに提供される卸売セントラル・アクセス
のための市場):地域銅線ビットストリーム又はFTTH。
・ 市場4に対する決定No.2017-1349(高品質卸売アクセス):LPT、SDSL、FTTO及びFTTE卸売サービス。
・ オレンジ・ローカル・ループの土木インフラへのアクセスに関する財務条件を設定した2017年12月14日付
のARCEPの決定No.2017-1488。これは、すでに2010年に決定されていた規則の大半を維持した。
これらの決定は、依然として様々な市場における唯一の優越的プレイヤーであるオレンジに以前課されていた
ほぼ全ての義務を延長するものである。
一般市場では、ARCEPはFTTHの対称的枠組みのみを維持しており、オレンジにインプット同等性の義務を課して
いない。オレンジは、(i)2018年9月1日までに適格性プロセスに関して、2018年12月31日までにオーダー・プロ
セスに関して情報システムをアップグレードすること、(ii)人口密度が非常に高い地域での光接続ノード/共有
ポイントに関する商業契約をARCEPに提示すること、及び(iii)2019年半ばまでに建物内のオレンジの共有アク
セス・ポイントに第三者の事業者を接続させる上で実証されている困難な問題の事例を低減することに取り組
んだ。
企業向け市場では、新しい救済の導入により卸売市場におけるオレンジの義務は増加が見られた。
・ FTTHインフラ上で品質が強化されたサービスのオプションを提供する義務。
・ 企業向けの活性化されたアクセス・サービスの中間市場を専門とする新規インフラ・プレイヤーに適合し
た、ローカル共有光ループへの受動アクセスに関する卸売サービスを提供する義務。
・ 企業向け市場の小売サービス(FTTHプロ)の再販売サービスを提供する義務。
固定回線電話
2018年から2020年の非住宅顧客向け関連固定回線市場の分析(第5ラウンド)の一環として、ARCEPは2017年12月
21日に非住宅向け市場のみを対象とする電話サービス・アクセスの卸売サービスを正式決定する義務を制限す
る決定No.2017-1568を採択した。
現在、卸売非住宅向け回線のレンタル料金は、2018年12月5日付の決定No.2018-1523により管理されている。
2019年及び2020年の契約の上限は、これまでの上限から変動していない(アナログは月額12.32ユーロセント、
デジタルは月額18.57ユーロセント)。契約に関連して事業者接続ポイントで徴収される通話発信料金の上限
は、2019年は1分当たり0.6584ユーロであり、2020年には1分当たり0.6958ユーロになる。
固定回線音声通話接続
2017年12月の決定No.2017-1453に続き、ARCEPは2018年から2020年の料金の上限を撤廃した。料金はコストに基
づき決定しなければならない。
Free及びFree Mobileとのオレンジの相互接続
2018年4月12日に紛争が解決し、オレンジは、FreeのネットワークへのVoIP相互接続に関連する主に7つの技術
的なポイントのうち、5つで勝利した。
ユニバーサル電話サービス
2017年11月27日に公表された命令で、オレンジはユニバーサル固定電話サービスの「接続」及び「電話サービ
ス」の部分のサービスを3年間にわたって提供する事業者に指定され、この期間中にPSTNアクセスの終了が実施
される。この指定には新しいサービス品質モニタリング指標が組み込まれている。
さらに、2018年4月24日付決定No.2018-0401によって、ARCEPは2016年におけるユニバーサル・サービスの純費
用、及び営業貢献利益の計算に使用する規則を設定した。
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2018年6月のARCEPによる罰則手続き(フランス郵政電子通信法第L.36.11条)の設定に続き、2018年10月にオレン
ジはサービス義務のユニバーサル・サービス品質の遵守に関する通知を受けた。ARCEPは、2018年は11月と12月
に、2019年は四半期毎に中間義務を設けた。
大衆市場及び企業向け市場の卸売サービスの提供の品質
2018年9月のARCEPによる罰則手続き(フランス郵政電子通信法第L.36.11条)の設定に続き、2018年12月にオレン
ジはARCEPより通知を受け、2019年第1四半期から以下の全サービスの生産及び販売後サービスのプロセスに関
連する指標を遵守するよう義務付けられた。
・ 大衆市場:アンバンドル、復元時期の保証がない活性化されたサービス(DSLアクセス)。
・ 企業市場:LPT、銅線アクセス(DSLE、C2E、CELAN)、光アクセス(CE2O、C2E、CELAN)。
(2) 次世代アクセス・ネットワーク。
(3) 光接続ノード。
(4) AMIIエリアとは、インフラ事業者による投資の意向表明を要請する対象であったエリアである。
(5) 2018年7月31日付官報で公表された政令。
1.3 スペイン
1.3.1 法的枠組み及び規制枠組み
2009年の テレコム・パッケージ は、2011年5月のユニバーサル・サービスの規定に関する勅令No.726/2011及び
2012年3月31日付の勅令No.13/2012により、スペイン法に導入された。
電気通信セクターは、2007年7月3日付の競争原則の実施に関する法律No.15/2007の対象でもある。
2013年6月4日付法律No.3/2013によって設立された公正市場取引委員会(CNMC)は、電気通信及び競争問題の規制
当局を含む異なる経済セクターの規制当局を統一する。
2016年11月4日より、エネルギー・観光・デジタル化省(MINETAD)は、認可、スペクトルの割当、電話ナンバリ
ング、ユニバーサル・サービスの費用承認、サービスの質及び消費者と非優越的事業者との間の紛争を管理す
る担当をしている。
1.3.2 携帯電話規制
携帯音声通話接続料金
携帯電話接続市場分析の第4ラウンド(市場2/2014)の一環として、CNMCは2018年1月18日に、携帯電話接続料金
を1分当たり1.09ユーロセントから2020年1月に1分当たり0.64ユーロセントまで徐々に引き下げる決定
No.002/17/m2-2014を採択した。かかる料金は欧州経済領域から発信された通信量のみに適用される。
決定された上限は以下の通りである。
(単位:1分当たりユーロセント) 2018年1月30日 2018年1月31日- 2019年1月1日- 2020年1月1日
2018年12月31日 2019年12月31日
まで 現在
MNO、フルMVNO 1.09 0.70 0.67 0.64
スペクトル
2018年5月にMINETADは、3.6-3.8GHz周波数帯域の200MHzの競売手続きを開始し、競売は2018年7月26日に終了し
た。オレンジは、132百万ユーロで20年間にわたって60MHzブロックを取得した。
オレンジに割り当てられる国内の周波数及び失効年の概要
800MHz 900MHz 1,800MHz 2.1GHz 2.6GHz 3.5GHz
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20MHz二重
15MHz二重
10MHz二重 10MHz二重 20MHz二重 20MHz二重 (2030年)
+5MHz
(2031年) (2030年) (2030年) (2030年) 60MHz
(2020年)
(2038年)
内部の情報源。
携帯電話の受信地域
800MHz帯域において4G周波数を保有する全ての事業者は、2020年1月1日までに最低でも30Mbit/sの速度を提供
しなければならない。この義務は、居住者5,000人未満の自治体の人口の90%に恩恵をもたらす。また規制当局
は、無差別的な条件の下で妥当な価格でインフラを共有する義務を含む提案も行った。
携帯電話接続市場(市場2/2014)の市場分析第4ラウンド
CNMCは、2018年1月18日付決定002/17/m2-2014によって、欧州の勧告に従い、効率的な一般事業者のための長距
離超過費用モデルに対応して、欧州経済領域からの通信に対する上限を設定した。また、同一グループ内の企
業を含む事業者間で締結した全ての相互接続に関する合意についてのCNMCへの通知、及びスペインとは異なる
料金が適用されている欧州経済領域以外の地域からの携帯電話接続に関する合意の通知という新たな透明性の
規則を導入した。
5G計画(3.5GHz及び700MHz帯域)
2018年7月2日、経済省が「第2回割当」に向けたロードマップを承認した。電気通信のための700MHz帯域の自由
化に続き、700MHz帯域TNTの470-694MHz帯域への移行が、欧州連合により設定された期限(2020年6月30日)より
も3ヶ月早い2020年3月に終了する見通しである。
1.3.3 固定回線電話、ブロードバンド及び超高速ブロードバンド・インターネットに関する規制
卸売ブロードバンド・アクセス市場:市場3a及び3b/2014並びに4/2014の分析の第3ラウンド
CNMCは、市場3a及び3b/2014並びに4/2014の分析の第3ラウンドを2016年2月25日に採択し、以下が決定された。
・ 市場3a:
・ 前回の2009年市場分析で導入された銅線ネットワーク・アンバンドリング義務を維持し、テレフォニカ
の土木工学インフラへのアクセスを維持すること。
・ スペインの他の地域において仮想アンバンドル・ローカル・アクセス(VULA)サービスが利用可能となる
ことを前提として、スペイン人口の35%に相当する、効果的に競合していると思われる66の都市のファ
イバー・ネットワークの事前非対称義務をテレフォニカに対して課さないこと。
・ 市場3b:
・ 既存のブロードバンド回線の58%をカバーする競合的とみなされたスペインの地域において事前の規制
上の義務を漸次的に撤廃していくこと、及び非競合的とみなされたスペインの他の地域において、テレ
フォニカのネットワークへのアクセス義務を維持し、帯域制限のない原価ベース課金によるNEBAの銅線
サービスを提供すること。
・ 新世代ネットワーク(NGA)について競合的と宣言された66自治体に相当する地域(人口の約3分の1)におい
て、2016年9月からファイバー・ビットストリーム・サービス(NEBAサービスと呼ばれる。)を提供する義
務を撤廃すること。
・ NGAについて非競合的と宣言されたが、銅線については競合的とみなされるゾーン(人口の約3分の1)にお
いて、2018年3月まで経済的再現性試験を満たす料金でのNEBAファイバー・サービスを課すこと。
・ 銅線を含めて非競合的と宣言された残りの地域において、期限を設定せずに経済的再現性試験を満たす
料金でのNEBAファイバー・サービスを課すこと。
・ 市場4:
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・ スペイン全土で銅線の原価ベース課金により、ファイバーの経済的再現性試験を満たすNEBAビジネス・
サービスを提供する義務を維持すること。
NEBA参照サービスの改定(ビットストリーム)
2018年3月19日にCNMCは、テレフォニカのサービスのための「再現性試験」(ERT)を承認した。これにより、光
ファイバーの卸売価格の設定が可能になる。ローカルNEBAサービス(活性化されたローカル・サービス)及び
NEBA光ファイバー・アクセス(活性化されたサービス)の月額料金は、テレフォニカによって17.57ユーロに設定
された。規制当局は、テレフォニカのNEBAローカル・サービス及びNEBA光ファイバー・サービスの卸売価格に
よって、既存の事業者が提供する主な光ファイバー製品を代替的事業者が再現できるようになることを、ERT試
験によって確認した。
1.4 ポーランド
1.4.1 法的枠組み及び規制枠組み
オレンジの事業は、2004年7月16日付の電気通信法(電気通信に関する2002年の欧州 テレコム・パッケージ を
ポーランド法化したもの)並びに、2007年2月16日付の競争及び消費者保護に関する法律の適用を受ける。2009
年に発行されたEU指令を導入する2012年12月の法律は、2013年1月21日に施行された。電気通信ネットワーク及
びサービスの開発についての2010年5月7日付の法律は、公的資金が使用されている電気通信及びその他の技術
インフラへのアクセスを規定している。
2015年11月に設置されたデジタル省が、電気通信を担当する。
電気通信局(UKE)は、特に、電気通信規制と周波数管理に加え、放送サービスに関する特定の機能を担当する。
競争及び消費者保護当局(UOKiK)は、競争法の適用、企業合併の管理及び消費者保護を担当する。
デジタル・ポーランド
2018年9月11日、デジタル省は国内の超高速ブロードバンド計画の最新化に向けて公の協議を開始した。この協
議の結果は2019年に公表される。
1.4.2 携帯電話規制
携帯電話接続料金
2013年7月1日以降、全ての事業者の対称的な携帯音声通話接続料金は、1分当たり0.0429ズロチ(2018年12月31
日現在、1分当たり1.00ユーロセント)となっている。欧州委員会の勧告に従い、この料金は純粋な長期増分費
用に基づいている。これは、効率的な事業者の差額費用の変化に基づいてのみ変更可能である。
スペクトル
オレンジに割り当てられる周波数及び失効年の概要
800MHz 900MHz 1,800MHz 2.1GHz 2.6GHz
15MHz二重
10MHz二重 7MHz二重 10MHz二重 15MHz二重
+5MHz
(2030年) (2029年) (2027年) (2030年)
(2022年)
内部の情報源。
2016年12月14日に欧州委員会の立会いの下で欧州理事会と欧州議会の間で成立した政治的合意を受け、2020年
から全ての加盟国において、700MHzスペクトル帯域は移動体通信ネットワーク専用とされることになった。UKE
は、近隣諸国との調整過程を開始した。
インフラの共有
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オレンジとTモバイル・ポルスカの間の2011年からのネットワーク共有契約が2016年12月にLTEに拡大された。
2018年5月22日にオレンジとTモバイルは、900MHz及び1,800MHz帯域の周波数スペクトルの共有を終了すると決
定した。
Roaming Like at Home規制の適用
特定の顧客カテゴリーにおける通信量の急増に対処するために、2017年末にオレンジは、規制で許可されてい
る通りローミング顧客に追加料金を請求するために、規制当局のUKEに適用除外の申請書を提出した。規制当局
は、2018年4月16日付の決定によって1年間の適用除外を認めた。オレンジは、6月18日よりプリペイド・サービ
スの音声及びデータに追加料金を適用すると決定した。しかし、契約顧客には追加料金は適用されなかった。
許可された追加料金は以下の通りである。
発信:1分当たり0.0407ズロチ
着信:1分当たり0.0163ズロチ
SMS:0.0081ズロチ
MMS/1MB:0.0060ズロチ
5 G
「ポーランド5G」プロジェクトの一環として、デジタル化省、UKE及び移動体通信事業者は主要な周波数帯域
(700MHz、3.4-3.8GHz及び2.6GHz)でのスペクトルの可用性評価について多角的協定を締結した。
議会は電気通信法修正を採択し、事業者は新技術の試験のため、又は周波数の再割当のために、この周波数帯
域を無料で利用することが認められる。5G試験のために20都市が選ばれた。現在、オレンジは3都市(クラク
フ、グリヴィツェ、ワルシャワ)で試験を行っている。
1.4.3 固定回線電話、ブロードバンド及び超高速ブロードバンド・インターネットに関する規制
非競合的と定義されるエリアにおけるオレンジの固定回線サービスに関する事前規制は、卸売サービスにのみ
関連している。
市場1及び3/2003の規制緩和
2018年6月26日、欧州連合は市場1及び3/2003(住宅及び非住宅顧客向けの固定位置での公共電話網へのアクセ
ス)の規制を緩和する決定を承認した。規制緩和の決定では、2年間(事業者と個人顧客により締結された契約に
おける最長期間に相当する。)の移行期間が提供されている。
卸売ブロードバンド・アクセス市場(市場5/2007)の分析
2014年10月7日、UKEは卸売ブロードバンド・アクセス市場に関する決定を行った(第3市場の分析サイクル)。こ
の決定は、ポーランドの76の自治体を事前規制から除外している。2018年2月14日、規制緩和地域についての決
定の一部が、手続き上の不備を理由にワルシャワ控訴裁判所によって取り消された。しかし、オレンジはこれ
らの規制緩和地域において商業ベースで卸売サービスを提供している。
これら以外では全て、オレンジの義務(アクセス、無差別性、透明性、会計分離、原価に基づく料金に関して)
は維持される。2019年には別の市場分析が計画されており、2019年1月11日にUKEによる最初の協議が行われ
た。
卸売固定回線ブロードバンド・アクセス市場(市場4/2007)の分析
銅線及びファイバーに関する市場分析の第2ラウンドの一環としての2014年6月2日の決定の中で、UKEはポーラ
ンドにおけるオレンジの義務(アクセス、無差別性、透明性、会計分離、原価に基づく料金)を維持した。2019
年には別の市場分析が計画されており、2019年1月11日にUKEによる最初の協議が行われた。
固定回線市場に対する参照サービス
この参照サービスは、全ての卸売固定回線サービスに適用される。すなわち、通話発信及び着信、卸売回線レ
ンタル、部分的アンバンドリング及びフル・アンバンドリング並びにビットストリーム・アクセスである。
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2018年9月4日、欧州委員会は、固定回線アクセス卸売サービスの契約料金引き下げ及び番号ポータビリティ手
数料の廃止を目的としたオレンジ参照サービスに対する変更を、意見なしで認めた。
固定回線通話着信料金
2018年5月30日にUKEは、75社の事業者を対象とした固定回線通話着信料金の引き下げについて公の協議を開始
した。提案された草案によると、オレンジに適用される料金は、1分当たり0.013ズロチ(平均実質料金)から
0.0032ズロチに引き下げられる。公の協議及び欧州連合との協議の結果を踏まえ、UKEは2018年12月19日に改め
て公の協議を行った。
1.5 オレンジ・グループが事業を行うその他のEU諸国
1.5.1 ベルギー
携帯音声通話接続
ベルギー郵便電気通信庁(BIPT)は2017年5月26日付の決定において、効率的な一般事業者の長期増分費用モデル
に基づき、オレンジの携帯電話接続料金を1分当たり0.99ユーロセントに設定した。
スペクトル
オレンジに割り当てられる周波数及び失効年の概要
800MHz 900MHz 1,800MHz 2.1GHz 2.6GHz
15MHz二重+5MHz
10MHz二重 12MHz二重 25MHz二重 20MHz二重
(2033年) (2021年) (2021年) (2027年)
(2021年)
内部の情報源。
第4の事業者を対象とする周波数の割当及び周波数の予約の更新
2018年7月26日、連邦政府は700MHz、1,500MHz及び3,600MHz帯域に関する国王令の草案を承認した。帯域の割当
に関する詳細な手続きは、今後の国王令によって決定される。BIPTは、第4の移動体通信ネットワーク事業者に
周波数を確保するとの方針を発表した。2018年6月26日にBIPTは、こうした変更の移動体通信市場への影響に関
する報告書を公表した。2019年下半期のスペクトルの競売に向けて準備を行うために、7月末に閣僚会議はライ
センスに関する国王令を承認した。2018年9月にBIPTは、1,400MHz周波数のスケジュールと競売プロセスに関す
る協議について公表した。2018年末に政治的変化が起きたため、政府がいつ競売の枠組みについて最終決定す
るのか不明である。加えて、2018年10月25日にBIPTは、欧州連合での470-790MHz周波数帯域の使用に関する
2017年の欧州規則を適用し、700MHz帯域のための「国のロードマップ」を公表した。
ケーブル卸売ブロードバンド市場
2017年7月、電気通信セクターの規制当局会議によって市場の再調査に関する協議が行われた。再調査は、セン
トラル・アクセス(銅線/光ファイバー対ケーブル)向けとテレビ(IP-TV対ケーブル)向けに異なる卸売市場が存
在していると結論付けた。2018年5月25日に欧州委員会は、卸売ブロードバンド市場(市場3a及び3b/2014)に関
する決定の草案と卸売テレビ放送市場について、コメントした。欧州委員会は、意見を付したものの、銅線及
び光ファイバー・ネットワーク向けと、同軸ケーブル向けの2つのセントラル・アクセス卸売市場を定義すると
いう提案を阻止しなかった。これを踏まえ、2018年6月29日に電気通信セクターの規制当局会議による最終決定
が承認された。
その一方で、市場分析に関する欧州委員会の書面による見解について、Telenetが欧州共同体司法裁判所(CJEC)
に不服申立てを提出した。これと並行して、市場分析に関する決定について、ケーブル事業者(Telenet、
Brutélé、Nethys)が国家控訴裁判所に不服申立てを提出した。手続きのスケジュールは、まだ決定されていな
い。
1.5.2 ルーマニア
携帯音声通話接続
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2014年4月1日以降、携帯電話接続料金は1分当たり0.96ユーロセントとなっている。2017年7月に終了した公の
協議の後、規制当局(ANCOM)は2014年の料金を維持すると決定した。しかし、欧州委員会による詳細な調査を受
け、 2018年5月1日付でANCOMは固定回線通話着信料金を1分当たり0.84ユーロセントに引き下げることに決め
た。
スペクトル
オレンジに割り当てられる周波数及び失効年の概要
3.4GHz-
800MHz 900MHz 1,800MHz 2.1GHz 2.6GHz
3.8GHz
25MHz二重
15MHz二重
10MHz二重 10MHz二重 20MHz二重 20MHz +10MHz二重
+5MHz
(2029年) (2029年) (2029年) (2029年) +45MHz
(2020年)
(2025年)
内部の情報源。
2018年5月22日、ANCOMは5Gスペクトル(700MHz帯域を含む。)の競売を2019年末まで延期すると発表した。
オレンジは、2018年8月14日に2K Telecomが3.5GHz帯域における2x10MHzブロックの割当について行った民間の
競売において、3.35百万ユーロで追加の周波数を獲得した(期限は2025年)。
2018年12月、ルーマニア政府は特別指令114/2018により、電気通信を含む複数の産業に影響を及ぼす施策を承
認した。当該指令には以下が含まれている。
・ 新たなライセンスについて:最低競売価格は、産業収益の2%又は4%(周波数による。)に周波数の有効年
数を乗じたもの。
・ ライセンスの更新について:規制手数料は、産業収益の4%に周波数の残存有効年数を乗じたもの。
加えて、同指令では、ANCOMの運転費への電気通信事業者による寄与を収益の最大3%に拡大し、必要な認可を
受けずにインフラを展開した場合の罰金を収益の最大10%に拡大すると規定されている。
卸売ブロードバンド市場
2015年11月に完了した市場3a及び3bの分析第2ラウンドにおいて、ANCOMは、小売ブロードバンド市場では効果
的な競合が行われており、したがって2つの卸売市場に義務を課すべきではないと考えていた。
1.5.3 スロバキア
携帯音声通話接続
2013年7月29日、規制当局RUは移動体通信事業者3社の通話着信料金について、1分当たり1.226ユーロセントの
上限を課す決定を発表した。
市場分析の第4ラウンドの一環として、RUは全ての事業者の携帯電話接続料金を1分当たり0.749ユーロセントに
設定する決定案を2016年11月18日に欧州委員会に提出した。2016年12月15日に、欧州委員会は市場分析につい
てコメントしなかった。
費用モデルの再検討後、RUは2017年9月30日に新たな決定案を欧州委員会に提出した。決定案には、国内第4位
の事業者であるSwanに有利になる着信料金の非対称性が導入された。RUは2018年1月1日より適用される料金を
設定し、Swanを除く事業者の携帯電話接続料金は1分当たり0.825ユーロセントとなるが、Swanの料金は1分当た
り0.608ユーロセントとなる。規制当局はまた、事業規模に基づいた着信料金の計算方法において、かつてない
ほど大幅な引き上げを提案した。Swanに有利となる可能性のある料金の非対称性に関して、BERECが公表した反
対意見を根拠として、欧州委員会による詳細な調査(第2段階)の後、スロバキア規制当局は決定案の修正を余儀
なくされた。
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スペクトル
オレンジに割り当てられる周波数及び失効年の概要
3.4GHz-
800MHz 900MHz 1,800MHz 2.1GHz 2.6GHz
3.8GHz
15MHz二重
20MHz二重
10MHz二重 10MHz二重 (2021年) 30MHz二重
+5MHz -
(2028年) (2021年) +5MHz二重 (2028年)
(2026年)
(2026年)
内部の情報源。
卸売ブロードバンド及び超高速固定回線ブロードバンド市場
スロバキアの規制当局は、3a、3b及び4/2014市場の分析の第3ラウンドを完了し、2018年1月19日に市場3a及び
3bについて、2016年11月7日に市場4についての決定を公表した。規制当局は以下の方法で規制を緩和した。
・ 市場3aにおいて、ローカル銅線ループにおけるアンバンドリングを維持する一方でローカル・サブループ
のアンバンドリングを除外すること、及びNGAサービスの規制的義務を経済的再現性試験及びインプット
の技術的同等性に制限すること。
・ 市場3bにおいて、規制価格に代えて、2Pサービス及びマルチキャストIPTV卸売アクセス・サービスの再現
性試験を課すこと。
・ 市場4において、その競争的な特徴を理由に、セクター別の規制上の義務は撤廃された。
2018年10月17日、RUは固定回線の物理的インフラ(土木)へのアクセスに関する料金の上限を公表した。月額手
数料の上限は、ダクトへのアクセス(1メートル当たり月額0.257ユーロ)、HDPEチューブ(1メートル当たり月額
0.128ユーロ)、マイクロチューブ(1メートル当たり月額0.116ユーロ)である。これにより、インフラに関する
アクセス料金は大幅に引き下げられる。
1.6 オレンジ・グループが事業を行う非EU諸国
以下の表は、オレンジが事業を行うアフリカ及び中東において2018年12月31日現在保有しているライセンスの
種類と失効期限を示したものである。
MEA地域におけるライセンスの更新
現在のライセンスの満期日 ライセンスの種類
2G - 3G
ボツワナ 2022年4月
ボツワナ 2025年8月 4G
ブルキナファソ 2020年4月 2G
ブルキナファソ 2022年9月 3G
2G - 3G - 4G
カメルーン 2030年1月
コートジボワール 2032年4月 グローバル(1)
2G - 3G - 4G及び
エジプト 2031年10月
固定回線仮想ライセンス
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2G - 3G - 4G
ギニアビサウ 2025年4月
ギニア 2022年1月 2G及び3G
2G - 3G
ヨルダン 2019年5月
ヨルダン 2030年9月 4G
ヨルダン 2024年5月 固定回線
グローバル(2G - 3G - 4G)
リベリア 2030年7月
2G - 3G - 4G
マダガスカル 2025年4月
グローバル(2G - 3G - 4G)
マリ 2032年7月
モロッコ 2024年8月 2G
モロッコ 2031年12月 3G
モロッコ 2035年4月 4G
モロッコ 2036年4月 固定回線
2G - 3G - 4G
モーリシャス 2021年11月
モーリシャス 2025年11月 固定回線
2G - 3G
ニジェール 2022年12月
グローバル(1)(2G - 3G)
中央アフリカ共和国 2027年5月
2G - 3G
コンゴ民主共和国 2031年10月
コンゴ民主共和国 2038年5月 4G
グローバル(1)
セネガル 2034年8月
(2G - 3G - 4G及び固定回線)
2G - 3G
シエラレオネ 2031年7月
チュニジア 2024年7月 グローバル(1)(4Gを除く。)
チュニジア 2031年3月 4G
情報源:国家規制当局からのデータ。
(1) グローバル:事業者が利用可能な技術を全て利用することにより固定回線及び移動体通信の両サービスを提供することを認めるライ
センスの種類をいう(国によってグローバル・ライセンスに4G技術は含まれない。)。
銀行事業の規制
規制の数の増加に伴い、銀行及びファイナンス・セクターにおけるいくつかの大規模な改革がオレンジ・バン
クの事業に影響を及ぼしている。
・ MiFID II:2014年5月、欧州連合はMiFID IIと呼ばれる金融商品市場の新たな枠組み(MiFID指令及びMiFIR
規則)を採用した。この枠組みは、特に2016年6月23日付及び2017年6月22日付の政府命令によりフランス法
に置き換えられ、2018年1月3日に施行された。このような規制の目的は、金融市場の安全性、透明性及び
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運営を改善し、投資家の保護を強化することである。このような規制は特に、顧客の知識、経験、財務状
況及び投資目的を踏まえた金融商品の適合性や、提供されるサービス及び契約する金融商品にかかる費用
と 手数料に関し、顧客に提供される情報の改善をもたらすものである。また、このような規制により、金
融商品が含まれる取引の監督当局への報告に関連する義務も増えた。
・ AML/CFT:2018年4月18日付政令No.2018-284は、2016年12月1日に施行された命令2016-1635を補完するもの
である。命令2016-1635により、マネーロンダリング又はテロ資金供与を目的とする金融システムの利用防
止に関する2015年5月20日付第4次欧州指令EU2015/849がフランス法に置き換えられた。これにより、マ
ネーロンダリング防止の枠組みが強化され、金融機関は顧客毎のリスク・プロファイルの決定と適切な監
視プロファイルの割当が義務付けられた。
・ AIFM:AIFMに関する2011年6月8日付指令No.2011/61/EUを改正するための2018年7月12日付委任規則
No.2018/1618。指令No.2011/61/EUは、オルタナティブ投資ファンド運用者のための統一的な枠組みを構築
するものであり、資産保護の向上、投資家への情報の向上、及び預託機関とサブ・カストディアンの責任
の標準化を目的としている。
・ CRS:G5諸国に次いでG20諸国の後押しを受け、国際的租税回避防止に向けた取組みの一環として、2014年7
月21日にOECDより税情報の自動的交換に関する「共通報告基準(CRS)」が公表され、2014年12月9日付指令
No.2014/107/EUによって欧州連合内で導入された。フランスでは2016年1月1日にCRS規則が施行され、
100ヶ国以上が情報交換を約束している。2017年9月時点で50ヶ国以上(フランスを含む。)がCRSに基づく情
報交換を開始している。フランスの制度は2018年7月3日付政令No.2018-569(2018年11月1日から適用され
た。)によって補完された。
・ サパンII法:透明性、汚職防止及び経済の近代化に関する2016年12月10日付の法律である。この法律に
は、貯蓄者と投資家の保護を目的とする措置も含まれており、特に、モーゲージにおいて信用保険の代用
となるものを要求する枠組みの提供、及び14日間の期間は支払保証保険を免除する選択肢の提供が規定さ
れている。
・ 保険販売に関する2016年1月20日付指令No.2016/97(2018年5月16日付政府命令2018-361及び2018年6月1日付
政令により、フランス法に置き換えられた。)は、消費者保護の強化と規制の統一化を目的としており、特
に、標準の情報書類の作成、利益相反防止の改善、商品のガバナンス規則の設定、販売業者への継続的な
教育訓練の義務付け、及び販売業者の助言義務の範囲設定を規定している。
・ 電子化:金融セクターにおける契約関係の電子化に関する2017年10月4日付命令(2018年4月1日に施行)は、
十分なレベルの消費者保護を確保しながら仮想通信媒体の利用を促進することを目的としている。但し、
特定のケースにおいて顧客は紙媒体を請求することができ、顧客に提供される文書を十分に長期にわたり
利用可能とすることを要求できる。
・ PSD2:欧州での単一決済サービス市場構築の一環として、2015年11月25日付指令(EU)No.2015/2366(PSD2。
2017年8月9日に国内法に転換された。)が出され、新たな決済サービスに合わせて既存の規則が変更されて
決済の安全性に関するルールが強化された。これにより、特に、強力な顧客本人確認及び個人のセキュリ
ティ・データの保護に関する要件が課された。
2【事業等のリスク】
本報告書に記載されている情報に加え、投資を行おうとする者は、投資決定をする前に以下に述べるリスクを
慎重に考慮されたい。当社は2018連結事業年度末現在において、これらのリスクは、(i)オレンジSA及び/又は
その子会社の事業、財政状態、収益、評判又は見通し並びに(ii)オレンジの利害関係者に重大な悪影響を及ぼ
す可能性があると考える。さらに、いまだ認識されていない又は2018連結事業年度末現在、オレンジが重大で
あると考えていない他のリスク及び不確実性によって類似の悪影響が生じることがあり、これらのリスクが現
実化した場合には、投資家が投資した額の全部又は一部を喪失する可能性もある。
本項目では、リスクを、以下の4つのカテゴリーに分けて示す。
・ オレンジ:
・ オレンジの事業活動に関する事業リスク(2.1を参照のこと。)。
・ 法的性質を有するリスク(2.2を参照のこと。)。
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・ 金融リスク(2.3を参照のこと。)。
・ オレンジ及びその利害関係者:オレンジの事業の会社、社会及び環境への影響に関する主な「非財務」リ
スク、及び人権尊重、腐敗防止措置及び税回避に関するそのような事業の影響(2.4を参照のこと。)。
これらのカテゴリーは、重要性の順に表示されているわけではない。しかしながら、事業等のリスクは、各カ
テゴリー内において、2018連結事業年度末時点における当社の判断に従い重要度の高いものから順次記載す
る。本項目に記載されている将来に関する事項は、2018連結事業年度末現在において判断したものである。オ
レンジは、特に新たな外部的又は内部的事実の発覚により、それらの相対的な重要性に対する考え方をいつで
も変更する可能性がある。
リスクについては、以下に示すように、本報告書の他の項目においても詳しく検討されている。
・ 規制に関するリスク及び規制圧力については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「通信事
業の規制」及び「銀行事業の規制」並びに連結財務書類に対する注記16「訴訟」を参照のこと。
・ 当グループが関与している訴訟に関するリスクについては連結財務書類に対する注記9「税金」及び注記16
「訴訟」並びに第6「3 その他」の該当箇所を参照のこと。
・ 金融リスクについては下記の箇所を参照のこと。
・ 資産の減損については、連結財務書類に対する注記7、8及び10。
・ デリバティブについては、連結財務書類に対する注記11.8。
・ 金利リスク、通貨リスク、流動性リスク、約款、信用リスク並びにカウンターパーティ・リスク及び株
式市場のリスクの管理については、連結財務書類に対する注記12。
・ さらに全般的な観点に立った、オレンジ・グループ内におけるリスク管理の方針は、経営報告書の不可欠
な一部を成す、第5「5 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(1) コーポレート・ガバナンスの状
況」「活動及びリスク管理枠組み」で検討されている。
2.1 事業活動に関するリスク
事業活動に関するリスクには、主に電気通信セクターに関するリスク並びにオレンジの戦略及び事業に関する
リスクが含まれる。従業員、環境及び社会に重大な結果を引き起こす可能性があるリスクは、2.4で表示されて
いる。
オレンジの収益の相当部分は、事業者間の激しい競争によって価格及び顧客に融合サービスを提供する事業者
の能力に圧力がかかっている成熟市場で生み出されている。
オレンジが事業を行う主な市場は、成熟し、飽和状態ですらある。そのような環境下で、オレンジは、主に価
格並びに融合サービス(超高速固定回線及び移動体通信ブロードバンド)及びより多くのデータを提案する能力
に影響を及ぼす極めて強度の競争に直面している。したがって、オレンジは、イノベーションへの多額の投資
を実施しており、そのブロードバンド及び超高速アクセス・ネットワークの配備を強化し、マルチ・サービス
事業者モデルに移行する方針の実行を継続し、固定費を削減している。
オレンジがそのような競争的環境に対応する戦略を実行しない場合、市場シェアの一部を失い、利益率が低下
する可能性がある。
競争に関する詳細については、第2「3 事業の内容」「3.3 営業活動」を参照のこと。
オレンジは、ネットワーク配備を強化し、サービスの品質を維持することをフランス当局に確約したが、資源
の利用可能性や規制上の立場の変化による制約を受ける可能性がある。
オレンジは、地域の固定回線及び移動体通信ブロードバンドと超高速ネットワークの両方を強化し、そのネッ
トワークのサービス品質を維持することをフランスの公的機関及び自治体に確約した。それらの確約は、オレ
ンジ及びその下請業者の人材、産業及び財務上の資源の利用可能性、並びに2018年のCapexを最高水準とする当
グループの目標によって制約される可能性がある。そのような状況が生じた場合、オレンジの利益やイメージ
が影響を受ける可能性がある。
オレンジは、サイバー攻撃、人為的ミス又は悪意の行為及びネットワークの飽和により、ネットワーク及び
サービスの中断が生じるリスクにさらされている。
ネットワーク及びITシステムへのサイバー攻撃、ハードウェアやソフトウェアの使用不能、根幹的なハード
ウェアやソフトウェアの人為的ミス若しくは妨害行為、主要なサプライヤーの障害、増加する利用のニーズに
対するネットワークの容量不足によって又は新しいアプリケーションやソフトウェアの実装期間中に、顧客に
提供されるサービスに損傷や障害が発生する可能性がある。
経済の機能における電気通信の極めて重大な特性により、電気通信事業者はこうした中断リスクの中でも特に
悪意のある行為及びサイバー攻撃にさらされている。オレンジがネットワーク保護のために対策を講じている
にもかかわらず、かかる攻撃の頻度が高いことから、サービスが中断するリスクは高まっている。
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オールIP技術の導入によるネットワークの合理化、サービス・プラットフォームの大規模化及び少数の建物へ
設備を再配置したことなどが原因で、今後は、そうしたサービスの中断によって影響を受ける顧客の数が増加
し、また同時に複数の国で影響が出る可能性がある。
かかる事象が生じた場合、その影響を定量化することは難しいが、オレンジの評判は大きく失墜し、責任が発
生し、通信量及び収益の減少が利益と見通しに影響を及ぼす結果に至る可能性がある。かかる事象が全国的規
模又は複数の国で生じた場合、関係する国のセキュリティに潜在的に影響を及ぼす危機が発生する可能性もあ
る。
モバイル金融サービスの開発に伴い、オレンジは同セクターに内在するリスクにさらされる。
オレンジは、その Essentials2020 計画に沿って、銀行・決済サービスと送金サービスの両方でモバイル金融
サービスを開発している。このような開発のため、オレンジは、マネーロンダリング、テロリスト金融、経済
制裁プログラムの不遵守など、このセクターに固有のリスクや、不正行為、サイバー攻撃又はサービスの中断
など、特に金融サービス・セクターの重要な一般的なリスクにさらされている。
さらに、特に実施されている強化されたコンプライアンス及び内部統制システムが不十分であることが判明し
た場合、規制対象機関の地位を有する当グループの事業体は、適用される銀行又は金融規制違反のリスクに直
面する可能性がある。
かかるリスクが現実化した場合、当グループの財政状態、戦略の完了及びイメージが重大な影響を受ける可能
性がある。
オレンジの事業地域は幅広く、その活動の範囲も大きくなっているため、地政学、マクロ経済及び規制のリス
クも拡大する。
オレンジの成長は、新興市場における活動に部分的に依存している。これらの地理的領域における政治的不安
定、又は経済的、規制的、税的若しくは社会的情勢の変化は、かかる投資決定がなされた時点において期待さ
れていた収益性の見通しに疑問を投げかけ、当グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性がある。
特定の国々に対して課せられた国際的経済制裁も、これらの国で生み出される投資の価値若しくは永続性又は
当グループの事業取引の将来に影響を与える可能性がある。
オレンジの重要なサプライヤーの集中度の高さは、当グループの事業に対するリスクである。
特にネットワーク・インフラ、ITシステム及び携帯電話機セクターにおいて、オレンジの重要なサプライヤー
は、集中度が非常に高い市場で事業を行っている。そのような集中のため、当グループの事業には、それら重
要なサプライヤー又はその本国に対する国際的な経済制裁の導入などの原因を問わず、サプライヤーの1社が不
履行に陥るリスクや商慣行の変更を決定するリスクがある。その結果、オレンジの事業、利益及び評判が影響
を受ける可能性がある。
オレンジの技術的インフラは、意図的又は偶発的な損傷、又は地球温暖化によってその頻度が高まっている天
災が引き起こす損害に対して脆弱である。
天災、戦争中の意図的な損害、テロ行為、社会的不安、又は、火災などの他の偶発的出来事が、オレンジの施
設に重大な損害をもたらし、そのためにサービスが中断し、高額の修理費用を生じさせる可能性がある。気候
変動に関連した天候上の出来事(洪水、嵐、熱波)の頻度及び激しさは高まっているようであり、それが事故を
悪化させ、関連する損害を増やす可能性がある。より長期的には、海面の上昇が海岸近くの局や施設に影響を
及ぼす可能性がある。より一般的には、大規模な災害によって生じた損害について、保険でカバーされない部
分について結果的にオレンジが多額の費用を負担し、それがその財務状態や見通しに影響する可能性がある。
ネットワーク及び技術の急速な利用拡大及び発展は、インターネット業界の国際的なプレイヤーにオレンジの
顧客との直接のつながりを確立することを可能にする。
付加価値サービスのためのネットワーク利用の増加は、強力なプレイヤーであるオーバーザトップ(OTT)サービ
ス・プロバイダー及びインターネット巨大企業の台頭をもたらした。これらのプレイヤーとの競争は、技術の
発展及び多様なコネクテッド・デバイスが提供する個々のアクセス・サービスにまで広がっている。この動向
は、オレンジを含め、顧客との直接的な関係が付加価値を生み出す事業者の地位を矮小化するおそれがある。
この直接的な関係の一部又は全てを他のプレイヤーに奪われることは、オレンジの収益、利益率、財政状態及
び見通しに影響を与える可能性がある。
(1)
オレンジには、特にサイバー攻撃による、個人(自然人) 以外の利害関係者に帰属する保有データの開示又は
不適切な変更のリスクがある。
オレンジの事業には、そのインフラに保存されているかネットワークによって伝達されるデータで、法人顧客
若しくは政府機関、サプライヤー若しくはパートナー、又はその他の第三者若しくは経済的プレイヤーなどの
個人以外の第三者に帰属するものの損失、開示、第三者への無許可の伝達又は不適切な変更というリスクがあ
る。
そのようなリスクは、(i)新たなサービス又はアプリケーションの導入、(ii)接続機器の分野での新規事業開
発、(iii)特にオレンジ所有のデータを狙った悪意のある行為(サイバー攻撃等)、又は(iv)オレンジ又は当グ
ループの外部委託業者の不注意又は過失のために実現する可能性がある。
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そのようなリスクが実現した場合、当グループに賠償責任が生じ、その評判が大きな影響を受ける可能性があ
り、それが将来の利益に重大な影響を及ぼすことになる。
(1) 個人データに関しては「2.4 非金融リスク」を参照のこと。
新たな成長源を見つけるためのオレンジの多角化戦略は、期待されたリターンをもたらさない可能性があり、
オレンジが事業モデル又は破壊的イノベーションに適応できなかった場合は損なわれる可能性がある。
オレンジの戦略は、モバイル金融サービス(モバイル・バンキングを含む。)、コネクテッド・オブジェクト及
びサイバー・セキュリティに特に重点を置きながら、事業を多角化することである。当グループが持つ強み(デ
ジタルの経験、販売力、イノベーションの能力及びブランドのイメージ)を足がかりとするものの、このような
新規事業の開発には多大なリソースが必要であり、対応するサービスが十分な反応を集めて投資に対するリ
ターンをもたらす保証はない。
また、イノベーション及び多様な事業モデルの発展にオレンジが十分迅速に適応できなかった場合は、市場
シェアを失い、収益性及び将来の業績が損なわれるおそれがある。
地理的拡大及び新事業への多角化の戦略と組み合わされたブランドの方針は、オレンジ・ブランドのイメー
ジ・リスクである。
オレンジは、あまつさえ政治・経済状況が不安定な新興市場において電気通信事業者としての事業を遂行する
等、必ずしも従来の中核事業ではないもの( モバイル・バンキング 、サイバー・セキュリティ等)を成長の推進
力に選んでいる。当グループは主要資産であるオレンジ・ブランドの価値を維持することに細心の注意を払っ
ているが、特に成熟した携帯電話セクターでは、事業実行リスクによって当社のイメージが悪影響を受ける可
能性がある。オレンジのブランドに重大な損害が生じた場合、当グループの財務状態及び見通しが影響を受け
る可能性がある。
オレンジの事業の範囲及びネットワークの相互接続は、オレンジが通信又はモバイル金融サービス・セクター
に特有の様々な技術的不正のリスクにさらされていることを意味する。
オレンジは、その通信又はモバイル金融サービスに関する異なるタイプの不正のリスクに直面しており、それ
が当社への直接の影響又は顧客への影響を及ぼす可能性がある。ますます複雑化する技術や、ネットワーク仮
想化、新たなサービス又はアプリケーションの導入迅速化により、大規模なデータ処理の発展に刺激されて発
見や制御がより困難なタイプの不正行為も現れる可能性があり、これは、可能性のある攻撃の範囲、特にサイ
バー攻撃の範囲を拡大する。深刻な不正行為が発生した場合、オレンジの収益、利益率、サービス品質及び評
判が影響を受ける可能性がある。
2.2 法的リスク
オレンジの事業は、高度に規制された市場において行われており、その事業活動及び業績は、域外適用のもの
を含む法律上又は規制上の変更によって、又は政府政策上の変更によって著しい影響を受ける可能性がある。
オレンジが事業を行うほとんどの国々において、オレンジは、主として電気通信ライセンスの取得及び更新と
関連して製品やサービスの提供に適用される様々な規制上の義務を遵守し、電気通信市場における効果的な競
争を維持することを目指す当局による監督に従わなければならないため、その事業活動を柔軟に運営すること
ができない。さらに、一部の国々では、オレンジは、固定回線電気通信市場においてこれまで優越的地位に
あったことにより、規制上の制約を受けている。
オレンジの事業活動及び利益は、場合によっては域外適用の性質を持つ法律上若しくは規制上の変更、政府政
策上の変更、又は特に、以下の事項に関連する規制当局又は競争当局による決定によって著しい悪影響を受け
る可能性がある。
・ 不利益な条件における、固定回線又は移動体通信事業者のライセンスの修正若しくは更新、さらには取消
し。
・ (特に、ローミング又はインフラ共有に関連する)ネットワーク接続を統制する条件。
・ サービス料金。
・ 電気通信会社に対する新しい税金の導入又は既存の税金の増加。
・ 消費者法制。
・ 合併政策。
・ ケーブル等の競業する業界の事業者に影響する規制。
・ データ・セキュリティを統制する規制。
・ 銀行取引及び財務活動に関する規制並びに経済制裁に関する法律及び規則などの遵守を求める類似の規
制。
このような決定によって、当グループの収益及び業績が著しい影響を受ける可能性がある。
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規制に関するリスクについてのさらなる情報については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」
「通信事業の規制」及び「銀行事業の規制」を参照のこと。
オレンジは、とりわけ規制当局、競合他社又は政府当局との間の紛争に継続的に関与しており、これらの結果
は、業績や財政状態に重大な悪影響を与える可能性がある。
オレンジは、一般的に、また事業を行う全ての国々において、適用のある個別の規制及び事業者ライセンスの
諸条件を全て遵守していると考える。しかし、当社は、かかる問題を通常取り締まることとなっている監督当
局や規制当局の判断を予測することはできない。オレンジが、事業を行う国の当局から、適用される規制の違
反のため、損害賠償若しくは罰金の支払い、又は特定の活動の一時的な中断を命じられた場合、当グループの
財政状態及び業績は、悪影響を受ける可能性がある。
加えて、オレンジは、とりわけフランスとポーランドにおいては、一定の市場で優越的な地位を有しているた
め、競合他社や規制当局との法的手続に関与することが多く、オレンジに対して提起された申立ては、重大な
ものとなることがある。過去には、協調行為又は優越的地位の濫用に対して数千万ユーロ、さらには数億ユー
ロもの罰金が当グループに課せられた。最後に、当グループは、非常に多額の罰金が課せられる可能性のあ
る、重要な商業的訴訟の対象になりうる。訴訟の結果は、本質的に予測できないものである。
欧州競争当局に関する手続きの場合、法的に規定されている罰金の最高は、過失ある会社(又は場合により、当
該会社が属する当グループ)の連結収益の10%である。
オレンジが関与した主たる法的手続については、連結財務書類に対する注記9「税金」及び注記16「訴訟」に詳
述されている。現在継続中の法的手続の一部又は全部は、その進展具合や結果次第では、オレンジの業績や財
政状態に重大な悪影響をもたらす可能性がある。
2.3 金融リスク
流動性リスク
オレンジの業績及び見通しは、資本市場の利用条件が厳しくなった場合、影響を受ける可能性がある。
銀行及び保険会社の資本を強化することを目指す「バーゼルIII」規制及び「ソルベンシーII」規制による金融
セクターのプルーデンシャル規制の強化により、会社は、債券市場での資金調達の割合を高めることを強いら
れている。
オレンジは、その資金を主に債券市場から調達している。マクロ経済状況の好ましくない事態への進展によ
り、オレンジは借入金に適用される市場金利及び/又は利率の上昇により、通常の資金調達手段の利用が制約さ
れるか、大幅に高コストになる可能性がある。
金融市場を利用できない場合、及び/又は、合理的な条件で資金を確保することができない場合、それがオレン
ジに対して重大な悪影響を及ぼす可能性がある。当グループは、特に、利用可能な現金の相当な部分を、負債
の返済又は支払い、投資の損失又は株主に対する報酬に割り当てることが必要となる可能性がある。かかる全
ての場合において、オレンジの業績、キャッシュ・フロー、より一般的には財政状態や財務の柔軟性に悪影響
が及ぶ可能性がある。
連結財務書類に対する注記12.3「流動性リスク管理」(特に、オレンジが利用できる様々な資金調達源、オレン
ジの負債に関する支払期日及びオレンジの信用格付の変更について提示する。)及び注記12.4「財務比率」(オ
レンジ・グループの、財務比率に関する限定的なコミットメント、及び債務不履行又は重要な事態の悪変更に
関する限定的なコミットメントについての情報を含む。)を参照のこと。
資産減損のリスク
経済的、政治的又は規制的環境に影響を及ぼす変化は、特にのれんを中心とした資産減損を引き起こす可能性
がある。
2018年12月31日現在、買収及び売却の完了を受けてオレンジが認識したのれんの総価値は、329億ユーロであっ
た(関連会社及びジョイント・ベンチャーののれんを含まない。)。
のれん及び固定資産を含む長期資産の簿価は、利用された仮定と異なる事業環境における変化に感応性があ
る。経済環境や買収時の前提・目標に影響するような永続的で重大な不都合を伴う出来事や状況が発生した場
合、オレンジは、資産が減損したと認識する。
過去5年間にわたり、オレンジは、ポーランド、コンゴ民主共和国(DRC)、カメルーン及びエジプトにおける持
分について、大きな減損損失を計上した。2018年12月31日現在、のれんの減損の累計額は、58億ユーロであっ
た(関連会社及びジョイント・ベンチャーののれんの減損を含まない。)。
今後、新たな出来事や不都合な状況により、資産の現在価値の見直しが必要となり、追加的に重大な減損が発
生し、オレンジの業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに、売却又は証券取引所への上場の場合、特定の子会社の価値は、株式及び債券市場の変化により影響を
受ける可能性がある。
のれん並びに回収可能額(とりわけ主要な仮定及び感応性)に関するさらなる情報については、連結財務書類に
対する注記7「減損損失及びのれん」及び注記8.2「固定資産の減損」並びに「3 経営者による財政状態、経
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営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.2.2 グループの調整後EBITDAから営業利益へ」を参照のこ
と。
市場リスク
金利リスク
オレンジの事業活動は金利の変動により影響を受ける可能性がある。
通常の事業過程において、オレンジは、資金調達のほとんどについて資本市場(特に債券市場)を利用し、少な
い割合について銀行借入れを利用する。
オレンジの流動負債の大部分は固定金利であるため、オレンジが市場金利上昇のおそれにさらされるのは一定
限度である。当グループは、将来の資金調達において、依然として持続的な金利上昇のおそれにさらされてい
る。
金利変動に対するエクスポージャーを限定するために、オレンジは、適宜金融商品(デリバティブ)を使用する
が、これらの取引によって完全に当該エクスポージャーが限定されるとは限らず、また、適切な金融商品が合
理的な価格で入手可能であるとも限らない。オレンジが金融商品を使用できない場合、又は金融商品戦略が効
果的でないことが判明した場合、キャッシュ・フロー及び収益は悪影響を受ける可能性がある。
さらに、一般的に、金利変動に対するヘッジ費用は、市場の流動性及び銀行の状況、並びにより広範なマクロ
経済状態(投資家がどのように認識するか)によって上昇することがある。
金利リスクの管理及び金利の変動に対する当グループの状況の感応度分析については、連結財務書類に対する
注記12.1「金利リスク管理」に提示されている。
外国為替リスク
オレンジの業績及び財政状態は、為替レートの変動の影響を受ける。
一般的に、2018年における為替市場は、特に新興国において依然としてボラティリティが高かった。これは、
為替レートの動向に関する不確実性を抑制しなかった。
オレンジが重大な外国為替リスクを受ける主な通貨は、ポーランドズロチ、エジプトポンド、米ドル及び英ポ
ンドである。特定の通貨の平均為替レートの期間内における差異は、当該通貨による収益及び費用に重大な影
響を及ぼす可能性があり、それがオレンジの業績に著しく影響する可能性がある。一例を挙げると、2016年11
月にエジプトポンドは50%近く下落した。主要通貨に加え、オレンジは、他の通貨圏、特にアフリカ及び中東
においても事業を行っている。かかる地域の通貨の価値が下落すれば、当グループの連結収益及び利益は悪影
響を受ける。2018年度のデータによれば、当グループの子会社が事業に主に用いる主要通貨が、ユーロに対し
て10%増加すると、理論的には、連結収益が858百万ユーロ(-2.07%)、EBITDA報告額が258百万ユーロ(-
2.15%)減少する。
当グループの連結財務書類を作成する際、外国子会社の資産と負債は、当該事業年度の決算日レートにてユー
ロに換算される。この換算は、連結貸借対照表、資産並びに負債及び資本に、子会社の売却の場合は純利益
に、マイナスの影響を及ぼし、それがかなりの額となる場合がある。
外国為替リスク管理及び外国為替レートの変動に対する当グループの状況の感応度分析は、連結財務書類に対
する注記12.2「為替リスク管理」に記載されている。
オレンジは、連結財務書類に対する注記12.2「為替リスク管理」に記載されている形で、商取引(事業の運営に
由来する。)及び金融取引(債務に由来する。)の外国為替リスクを管理する。
特に、オレンジは、外国為替のリスクに対するエクスポージャーをヘッジするためにデリバティブを利用して
いるが、適切なヘッジ商品が妥当な価格で利用できることを保証することはできない。
オレンジが当該リスクの一部をヘッジするためにヘッジ商品を用いなかった場合、オレンジのキャッシュ・フ
ロー及び業績は影響を受ける可能性がある。
連結財務書類に対する注記11.8「デリバティブ商品」を参照のこと。
信用格付のリスク
オレンジの格付機関の見通しに変更が生じた場合、借入コストが増大し、特定の状況下では、オレンジが必要
とする資本の獲得が制限される可能性がある。
格付機関によるオレンジの信用格付は、オレンジのコントロールが及ばない要因、つまり電気通信業界全体又
はオレンジが事業活動を行う一定の国又は地域に影響を与える状況に基づいて定まる部分がある。オレンジの
信用格付は、特に、経済状況の変化、当グループの業績の悪化又はその投資家基盤の変化の結果、いつでも格
付機関によって変更されうる。オレンジの格付の長期間に及ぶ多段階での引き下げは、オレンジの業績と財政
状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
金融取引における信用リスク及び/又はカウンターパーティ・リスク
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オレンジが金融契約を有する銀行又はその他の機関の債務超過又は財政状態の悪化が、オレンジの財政状態に
対して重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
事業の通常の過程において、オレンジは、為替レート及び金利リスクを管理するために、金融機関を取引相手
として、デリバティブを使用している。デリバティブを契約した取引相手の銀行全てについて現金担保が用意
されている。もっとも、これらの取引相手の1つ以上がその義務を履行しない場合、未処理の信用リスクが残る
可能性はある。
さらに、当社が契約を有する銀行のいくつかが流動性問題に直面した場合、又はもはや債務を履行することが
できなかった場合には、オレンジは、将来、償還日が2023年である60億ユーロの未利用のシンジケート・クレ
ジット・ファシリティを利用するのが困難になるおそれがある。
最後に、利用可能な現金の投資についても、オレンジが投資を行った金融機関が破綻する場合、オレンジは、
カウンターパーティ・リスクにさらされる。連結財務書類に対する注記12.5「信用リスク及びカウンターパー
ティ・リスク管理」を参照のこと。
国際銀行システムは、金融機関が相互依存する形になっている。その結果、1つの機関の破綻(又はそれら金融
機関の1つの財政状態に関する風説でさえも)が、他の機関のリスクを増大させることがあり、これがオレンジ
のカウンターパーティ・リスクに対するエクスポージャーを増大させる可能性がある。
顧客関連の信用リスク及びカウンターパーティ・リスクについては、連結財務書類に対する注記4.3「売掛金」
及び注記12.5「信用リスク及びカウンターパーティ・リスク管理」を参照のこと。
2.4 非金融リスク
オレンジの連結非財務書類(CNFS)の範囲に含まれる各種非金融リスクは特定・評価されており、その事業に関
連するオペレーショナル・リスク、法務リスク及び金融リスクで使用されるのと同じ手法を使用して管理され
る。
オレンジは、CNFSの一部として、その事業が生み出す可能性がある重大な従業員関連、環境及び社会のリスク
(自社に対するものか利害関係者に対するものかを問わない。)、並びに腐敗リスク及び税回避措置や企業倫理
に関する事項を提示する。それらのリスクは、当グループの重大性マトリックスに沿って評価される。
税回避、食品廃棄及び食糧不安に対する措置、動物の幸福の尊重及び責任を持った食品慣行は全て、オレンジ
の非金融リスク評価の一部として考慮された。但し、そのようなリスクは、当グループの運営又は評判に対す
るリスクを引き起こす可能性が高いとはみなされなかった。
オレンジは、特にサイバー攻撃のため、個人データ、特に顧客データの開示又は不適切な変更のリスクにさら
されている。モバイル金融サービスへの多角化のために、そのようなリスクは高まっている。
人権及び基本的自由を侵害するリスクに関して、オレンジの事業には、そのインフラに保存されているかネッ
トワークによって伝達される顧客、従業員又は一般の個人データの損失、開示、第三者への無許可の伝達又は
不適切な変更というリスクがある。これにはその銀行情報が含まれ、これはさらに、オレンジのモバイル金融
サービス事業の基盤でもある。
そのようなリスクは、特に(i)新たなサービス又はアプリケーションの導入、(ii)接続機器又は移動体通信サー
ビスの分野での新規事業の開発、(iii)特に個人データをターゲットにする悪意のある行為(サイバー攻撃等)、
(iv)オレンジ又は当グループの外部委託業者の不注意又は過失、又は(v)法的又は規制上の手続きを尊重しない
政府の要請によって実現する可能性がある(最後の項目の詳細については、下記を参照のこと。)。
オレンジは、様々な国において、厳格性が高まっている法律(例えば、(2016年4月27日付一般データ保護規則
(EU)2016/679(GDPR))に基づいて賠償責任を負う可能性がある。このような法律は、個人の権利並びに事業者及
び金融サービスのプロバイダー等のデータ処理業者の義務を強化している。
それらのリスクが実現した場合、開示又は変更データの所有者が相当な損失を被る可能性、当グループに賠償
責任が発生する可能性、その評判及びイメージが大きな影響を受ける可能性がある。
オレンジは、腐敗、又は企業倫理を遵守しない個人若しくはグループの行為のリスクや、又は詐欺的な行為に
関するリスクにすらさらされている。
オレンジは、その事業、並びに世界中のそのサプライヤー、下請業者及びパートナーの事業を通して、その腐
敗防止方針を強化する取り組みにもかかわらず、腐敗した慣行に関する問題にさらされるか、若しくは巻き込
まれる可能性、又は詐欺的な若しくは署名した国際協約、倫理綱領、サプライヤー行動規範を遵守しない行為
の犠牲者になる可能性があり、これは、直接的又は間接的なつながりが確立されている個人による場合も企業
による場合もある。さらに、特に現行の強化された内部統制システムが不十分であることが判明した場合、適
用される腐敗防止法規の不遵守に関する特定の問題又はリスクが生じる可能性がある。そのような行為は、オ
レンジ自身、その顧客、ビジネス関係者又は従業員をターゲットにする可能性がある。
いずれの場合も、当グループに賠償責任が発生し、オレンジの収益、利益率、サービス品質及び評判が影響を
受ける可能性がある。
将来、オレンジは、多数の従業員の退職や事業の変化により、事業に必要とされるスキルを獲得・保持するこ
とが困難になる可能性がある。
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多数の退職者及びフランスでのキャリアが終わりに近いパートタイム従業員や、新技術の開発に関して必要と
される新たなスキル、雇用市場の高需要セグメントでの当グループの開発優先のため、オレンジの事業活動を
効 率的に進め、戦略を成功裏に実行する能力が影響を受ける可能性がある。そのようなリスクが実現した場
合、オレンジの利益及び見通しが影響を受け、下記の人的リスクの一部が高まる可能性がある。
オレンジは健康及び安全性に関する内外の様々な人的リスクに直面している。
人材指向のデジタル雇用者になるという Essentials2020 戦略計画に明記されているオレンジの約束は、個人の
安全、社会心理的リスク、又は特定の国若しくは地域における緊張の高まり及び社会不安に関連した様々な人
材要因による影響を受ける可能性がある。そのようなリスクが実現した場合、その結果は個人を物理的又は心
理的に無能力にする可能性がある。そのようなリスクはまた、当グループの戦略の展開を鈍化させ、当グルー
プのイメージ、運営及び業績に重大な影響をもたらす可能性がある。
電気通信機器の電磁場にさらされることや、通信サービス及び機器の過剰又は不適切な使用は、人の健康を潜
在的に害する可能性がある。
電気通信機器の電磁場にさらされることによる健康上のリスクの可能性に関する懸念が多くの国々で提起され
ていることを受けて、公的当局は拘束力を持つ規制を概ね承認し、保健当局は様々な予防利用措置を講じてい
る。
公衆によるリスクの認知によって顧客数が減少し、顧客の利用量が低下し、顧客1人当たりの消費量が減少し、
特に携帯電話アンテナの設置に対する訴訟が増加し、新しい施設の開設が難しくなり、それに伴って5Gネット
ワークの展開が危ぶまれ、規制が厳しくなる可能性がある。その結果、受信地域の縮小、サービスの質の低下
及びネットワーク配置コストの増大を招く可能性がある。
健康専門家の間にはコンセンサスが存在し、また世界保健機関(WHO)をはじめとする保健当局はこれまで、国際
非電離放射線防護委員会(ICNIRP)により推奨される限度を下回る電磁場にさらされることによる健康上のリス
クは一切見当たらないとしている。しかしながら、追加の科学的調査が5G用に使用される一定の帯域(ミリ波)
で行われる必要がある。オレンジは、国際的機関及びこれらの問題の調査のために招集された科学委員会によ
る将来の科学的調査又は将来の研究の結果を予測することはできない。いつか健康上の悪影響が科学的に証明
された場合、オレンジの事業、そのブランドイメージ並びに当グループの収益及び財政状態に重大な影響を与
える可能性がある。オレンジへの潜在的な影響を超えて、これは、デジタル社会の発展を非常に抑制する可能
性がある。
同様に、接続デジタル機器の広範囲にわたる利用可能性は、過剰な使用を引き起こし、使用者、特に若年成人
や子供にマイナスの身体的(途絶する概日リズム、眼精疲労、身体を動かさない生活様式に関する問題等)及び
精神的(行動中毒)な影響を及ぼす可能性がある。また、不適切なコンテンツやネットいじめ、誤情報にさらさ
れるリスク、並びに情報過多のリスクを高める。
この広範囲にわたる利用可能性が最も弱い人々にとってのリスクと認められた場合、オレンジのサービスの利
用減少及び評判の低下をもたらす可能性がある。社会的に、このようなリスクが認識されると、デジタル・
ツールに対する不信が生じ、イノベーションを抑制する可能性がある。
オレンジの事業の範囲、世界中に存在するその多数の拠点、及び様々なパートナーとのその事業上の関係のた
め、当グループには、人権及び基本的自由を侵害するリスクがある。
オレンジは、その事業、並びに世界中のそのサプライヤー及び下請業者の事業を通じて、直接的又は間接的な
つながりがある第三者が関係する人権及び基本的自由(例えば、強制労働、児童の権利の侵害、非適切又は差別
的な労働条件、結社又は表現の自由の妨害、又はプライバシー侵害)の侵害に関するリスクがある。
そのようなリスクが実現した場合、オレンジ又は事業上の関係がある違反者に対して、そのイメージや評判の
重大な影響が発生し、また賠償責任がもたらされる可能性がある。
また、オレンジは、事業を行う国において、正式な法律又は規制上の要件を満たさない自治体の命令に従うこ
とを求められる可能性がある。そのような命令は、オレンジが運営する一部のネットワークを(全て、一部又は
特定の地域で)停止すること、又は通信を傍受すること、又は個人データを第三者に開示することを含む可能性
がある。したがって、そのような命令に従うことは、表現の自由又は基本的自由を揺るがす可能性がある。
オレンジが適用される法律又は規制を遵守しない場合、そのような命令は、オレンジ又は関係国のイメージ又
は評判に重大な影響を及ぼす可能性がある。また、市民社会又はそのような要請の対象に関しては、表現の自
由やプライバシー尊重の侵害を含む可能性もある。
オレンジのサービスの性質や新技術の開発のため、その環境への影響を減らすことに関してオレンジによって
なされた確約が損なわれる可能性がある。
オレンジは、そのサービスの性質や社会的影響力のため、自社の環境汚染源を制限し、特に廃棄物管理に関し
て循環経済の原理を実行する一方で、顧客の環境上の影響を低下させる新たなソリューションを提供しなけれ
ばならない。オレンジは、2020年までに顧客当たりの二酸化炭素排出量を、2006年の排出量を基準として50%
削減することを確約している。特に固定回線ネットワークの技術的過渡期及び携帯5Gの導入中にその環境行動
計画が不十分と判明した場合、オレンジは、その確約を維持できない可能性があり、その場合はオレンジのイ
メージに悪影響が及ぶ。気候変動との戦いに対するオレンジの貢献がその確約の水準に達しない場合、システ
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ミックな環境リスクが高まり、オレンジのインフラに影響する可能性がある(2.1の「オレンジの技術的インフ
ラは、意図的又は偶発的な損傷、又は地球温暖化によってその頻度が高まっている天災が引き起こす損害に対
し て脆弱である。」を参照のこと。)。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本項目は、オレンジの将来予測に関する記述を含む。かかる将来予測に関する記述は、多くのリスク及び不確
実性にさらされており、これによって、実際の結果は、将来予測に関する記述において期待されたものと著し
く異なる可能性がある。最も重要なリスクは、「2 事業等のリスク」に詳述されている。本項目に記載され
ている将来に関する事項は、2018連結事業年度末現在において判断したものである。
以下の説明は、IFRS(国際財務報告基準、連結財務書類に対する注記2を参照のこと。)に従って作成された連結
財務書類に基づいている。当グループは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を2018年1月1日から遡
及適用し、公表済みの2016年度及び2017年度の比較期間の再表示を行うことを決めた。また、当グループは、
2018年1月1日以降IFRS第9号「金融商品」を適用している。但し、基準で認められている通り、2016年度及び
2017年度の比較期間については再表示しない(連結財務書類に対する注記2.3を参照のこと。)。
調整後EBITDA、EBITDA報告額、Capex、「調整後EBITDA - Capex」指標、正味金融債務、通信事業の調整後
EBITDAに対する正味金融債務の割合及び比較可能ベースのデータは、IFRSによって定義されていない財務指標
である。かかる指標の算出に関する詳細情報及びオレンジ・グループがこれらの指標が読者にとって役立つと
考え、これらの指標を利用する理由については、「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」及び「金融
用語集」を参照のこと。
実績ベースのデータは、当期の連結財務書類に記載された過去の期間に対応するデータである。実績ベースの
データから2017及び2016事業年度の比較可能ベースのデータへの変換は、「1.5.1 比較可能ベースのデータ」
に記載されている。
2018年5月2日に発足したオレンジ・グループの経営委員会の新たな組織(「1.1.3 主な出来事」を参照のこ
と。)は、当グループに、その事業セグメントの定義を変更することなく、そのセグメント情報がどのように表
示されるかについて見直しを実施させた。セグメント情報は、現在、スペインとその他の欧州諸国を区別する
(「1.3 事業セグメント別の分析」冒頭及び連結財務書類に対する注記1.7を参照のこと。)。2017及び2016事
業年度の実績データ、比較可能ベースのデータ及び顧客基盤は、この変更を反映するために修正されている。
特記がない限り、以下の項目で示されるセグメント情報は、セグメント間取引の消去前の情報として理解され
る。
以下の項目に提示されている変更は、百万ユーロ単位で表示されているものの、計算は千ユーロ単位のデータ
に基づいて行われている。
1.1 概 要
1.1.1 財務データ及び従業員情報
業績データ
2017年比較 2017年 実績ベース
比較可能ベー 2016年
可能ベース 実績ベース スのデータの のデータの
実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 のデータ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益(2) 41,381 40,837 40,859 1.3% 1.3% 40,708
調整後EBITDA(1) 13,005 12,660 12,680 2.7% 2.6% 12,564
通信事業 13,151 12,721 12,741 3.4% 3.2% 12,576
通信事業の調整後 31.8% 31.2% 31.2% 30.9%
EBITDA/収益
オレンジ・バンクの
事業 (147) (62) (62) (136.3)% (136.3)% (12)
EBITDA報告額(1) 11,977 11,849 11,863 1.1% 1.0% 11,601
通信事業 12,124 11,910 11,924 1.8% 1.7% 11,613
オレンジ・バンクの
事業 (148) (62) (62) (138.4)% (138.4)% (12)
営業利益 4,829 4,778 1.1% 3,917
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通信事業 4,997 4,870 2.6% 3,832
オレンジ・バンクの
事業 (169) (93) (80.9)% 85
Capex(1) 7,442 7,191 7,209 3.5% 3.2% 6,971
通信事業 7,406 7,131 7,148 3.9% 3.6% 6,956
通信事業のCapex/収益 17.9% 17.5% 17.5% 17.1%
オレンジ・バンクの
事業 36 60 61 (40.4)% (40.4)% 15
調整後EBITDA - Capex(1) 5,563 5,469 5,471 1.7% 1.7% 5,593
通信事業 5,745 5,590 5,593 2.8% 2.7% 5,620
オレンジ・バンクの
事業 (183) (122) (123) (49.2)% (49.2)% (27)
通信ライセンス 200 314 318 (36.3)% (36.9)% 1,521
ファイナンス・リースを
通じて資金調達された投
資 136 44 43 209.6% 209.4% 91
平均従業員数(フルタイム
従業員及びこれに類する
者)(3) 135,943 139,476 138,038 (2.5)% (1.5)% 141,257
従業員数(期末実働従業
員)(3) 150,711 154,534 151,556 (2.5)% (0.6)% 155,202
(1) 「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」及び「金融用語集」を参照のこと。
(2) 通信事業の収益。オレンジ・バンクの銀行業務収益純額(NBI)は、その他の営業収益において認識される(連結財務書類に対する注記
4.2を参照のこと。)。
(3) 「金融用語集」を参照のこと。
当期純利益
2017年 2016年
実績ベース 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 のデータ のデータ
営業利益 4,829 4,778 3,917
金融費用(純額) (1,362) (1,715) (2,097)
法人税 (1,309) (1,052) (951)
継続事業による連結当期純利益 2,158 2,011 869
非継続事業による税引後当期純利益(EE社) - 29 2,253
連結当期純利益 2,158 2,040 3,122
親会社の株主に帰属する当期純利益 1,954 1,843 2,813
非支配持分 204 197 309
正味金融債務
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2017年 2016年
実績ベース 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 のデータ のデータ
正味金融債務(1) 25,441 23,843 24,444
(1) 「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」、「金融用語集」及び連結財務書類に対する注記11.3を参照のこと。オレンジによ
り定義され使用される正味金融債務には、かかる概念に関連しないオレンジ・バンクの事業は含まれない。
オレンジ・グループの金融債務に関するリスクについての詳細情報は、「2 事業等のリスク」「2.3 金融リ
スク」を参照のこと。
1.1.2 2018年業績の要約
年間業績は、2018事業年度について発表された全ての目標が達成されたことを示している。激しい競争にもか
かわらず、当グループの収益、調整後EBITDA及び「調整後EBITDA - Capex」指標は全て増加した。
2018年の 収益 は、2017年と比較して実績ベース及び比較可能ベースの両方で1.3%増加、総額41,381百万ユーロ
となった。データ・サービス及びモバイル金融サービスの収益増加により後押しされたアフリカ及び中東の収
益増加(比較可能ベースで5.1%増加)は、2018年の当グループの成長のほぼ半分に貢献した。比較可能ベースで
は、スペイン(2.2%増)、欧州(1.7%増)及びフランス(0.9%増)の収益成長はコンバージェンス・サービスによ
るものである。
商業活動 は、コンバージェンス・サービス並びに超高速固定回線及び移動体通信ブロードバンドに焦点を合わ
せた戦略のため、依然として活発であり、当グループはいまだに非常に競争的な環境下で引き続きその顧客基
盤を成長させることができた。コンバージェンス・サービス(2018年12月31日現在の顧客は10.9百万人)は前年
比5.5%増加、コンバージェンス・サービスに関連したSIMカードは8.0%増加、オレンジの欧州の有力コンバー
ジェンス・サービス事業者としてのその立場を確認するものとなった。2018年12月31日現在、超高速固定回線
ブロードバンドの顧客は前年比33.2%増の6.3百万人、4G移動体通信の顧客は同21.7%増の56百万人となった。
移動体通信顧客基盤は合計で、前年比0.6%増加した。最後に、2018年12月31日現在、248,000人の顧客がオレ
ンジ・バンクのサービスに加入している。
2018年の 調整後EBITDA は13,005百万ユーロと、2017年と比較して実績ベースで2.6%増加、比較可能ベースで
2.7%増加した。通信事業の調整後EBITDA(13,151百万ユーロ)は、堅調な業績及び2015年から2018年に全体で35
億ユーロの節約を実現するという目標を上回った Explore2020 事業効率化プログラムの継続により後押しされ、
比較可能ベースで前年比3.4%増加した。2018年の通信事業に占める調整後EBITDAの比率は31.8%で、実績ベー
スと比較可能ベース両方で2017年と比較して0.6ポイント上昇した。
2018年の EBITDA報告額 は11,977百万ユーロと、実績ベースで2017年と比較して114百万ユーロ(1.0%)増加し
た。増加は、主に調整後EBITDAの増加及び重要な訴訟に関する経費純額の減少によるものである。但し、この
増加は、2018年12月に3年間延長されたフランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フランスの高齢従業員
の雇用に関する契約に関連する。)について認識された費用(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)によって
部分的に相殺された。
2018年の 営業利益 は4,829百万ユーロと、実績ベースで2017年と比較して51百万ユーロ(1.1%)増加した。増加
は、主にEBITDA報告額の増加並びにのれん及び固定資産の減損損失の減少(主に近年実施された追加投資のため
の減価償却費及び償却費の増加によって部分的に相殺された。)によるものである。
2018年の 連結当期純利益 は2,158百万ユーロと、2017年の2,040百万ユーロから118百万ユーロ増加した。増加
は、主に金融費用(純額)の改善(基本的にBTグループに対する投資の影響における変動による。)及び営業利益
の増加(法人税費用の増加によって部分的に相殺された。)によるものである。
2018年の Capex は7,442百万ユーロと、実績ベースで2017年と比較して3.2%、比較可能ベースで3.5%増加し
た。2018年の通信事業収益に占めるCapexの比率は17.9%で、2017年と比較して実績ベース及び比較可能ベース
の両方で0.4ポイント上昇した。この水準の資本的支出は、2018年の年間目標の74億ユーロに沿ったものであ
り、また超高速固定回線及び移動体通信ブロードバンド・ネットワークを展開する当グループの継続的取り組
みを反映している。その結果、2018年12月31日現在、当グループの超高速ブロードバンド接続を利用する世帯
は、世界全体で32.5百万世帯と、前年比22.4%増加した。
正味金融債務 は2018年12月31日現在で25,441百万ユーロとなり、2017年12月31日から1,598百万ユーロ増加し
た。通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融債務の割合は、2018年12月31日現在1.93であり、当グループの
中期目標である約2の目標に沿ったものとなった。
1.1.3 主な出来事
2018年に当グループは、主にターゲットを絞った資本投資による当グループのネットワークの品質、融合及び
コンテンツ製品の奥行き、並びに特にモバイル金融サービス及びコネクテッド・デバイスの新たなサービスへ
の多角化に依拠する Essentials2020 戦略計画を引き続き実行した。事業セグメントにおいては、オレンジ・ビ
ジネス・サービスがビジネス顧客のデジタル転換事業を補完するために2018年に複数の買収を行った。さらに
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当グループは、業務効率化及び経費管理のプログラム( Explore2020 による。)並びに投資プログラム(Lean
Capexによる。)も引き続き実施している。
2018年3月、オレンジの会長兼最高経営責任者のStéphane Richard氏は、当グループの経営委員会を更新し、15
人のメンバーから成る新しいより多角的及び国際的なチームを設立すると発表した。当該チームの任務は、
Essentials2020 を通じて達成した進展を利用し、オレンジのマルチ・サービス事業者への転換を主導すること
である。新たな経営委員会は、2018年5月2日付で業務を開始した。
ネットワークへの投資
2018年のネットワークへの投資(通信ライセンスを除く。)は、当グループのCapexの62%を占めた。特に、ブ
ロードバンド及び超高速ブロードバンド・インターネット接続を提供するネットワークの敷設は、
Essentials2020 戦略計画の5つの手段の1つである。フランスにおいて、オレンジは、ネットワークの敷設に対
して2015年から2018年の間に90億ユーロを投資し、そのうち30億ユーロが光ファイバーに関するものであっ
た。
超高速固定回線ブロードバンド・ネットワーク
当グループは、超高速固定回線ブロードバンド・ネットワークの展開を加速し続け、前年比で新たに5.9百万世
帯が接続可能になった。2018年12月31日現在、オレンジが全世界で有する超高速ブロードバンドに接続可能な
世帯は32.5百万世帯(前年比22.4%増)となり、そのうちスペインは13.8百万世帯、フランスは11.8百万世帯、
残りの欧州は6.4百万世帯であった。フランスでは、2018年末現在で光ファイバーの対象市場の世帯及び商業施
設11.8百万のうち、自己資本のみを利用し9.3百万の光ファイバー接続を構築した。オレンジは、フランスにお
いて光ファイバー・ネットワークの69%を敷設し(情報源:ARCEP)、2018年に地方自治体の光ファイバー・ネッ
トワークの運営に関して新たに6つの契約(Bourgogne-Franche-Comté、Gironde、Vienne-Deux Sèvres、Orne及
びVar、並びにグアドループの海底ケーブル。下記参照のこと。)に署名した。オレンジは、特に、人口が希薄
なエリアにおける敷設を推進し、2018年は2017年と比較して40%増加した。加えて、2018年5月にオレンジは、
「AMII」エリア(投資の意向表明要請の対象となるエリア)での光ファイバーの展開に関して、フランス政府と
契約を締結した(連結財務書類に対する注記14.1を参照のこと。)。
2018年4月、オレンジはさらに、小売市場で事業を行っている欧州諸国において衛星を利用した超高速ブロード
バンド・インターネット・アクセスのサービス向上を図るためのEutelsatとの商業協定を発表した。この契約
により、当グループは、全ての欧州顧客にデジタル・サービスへの高品質なアクセスを提供できるようにな
る。これには、従来型の超高速ブロードバンド・ネットワークの導入が時々困難な農村地域の顧客も含まれて
いる。
フランスの固定回線電話ネットワークの近代化
フランスにおいて、オレンジは、今後も固定回線電話サービスを維持するために、1970年代に敷設された公衆
交換電話網(PSTN)技術を段階的に交換してきた。現在国際的な通信標準であるIP(インターネット・プロトコ
ル)ベースの技術は、すでにフランスで11百万人近くのオレンジの顧客により利用されている。オレンジは、段
階的に、オレンジの古いSTN技術を全ての固定回線電話顧客のために交換する。2018年11月15日以降、オレンジ
は、フランス本土においてIPを利用した固定回線電話のみを販売している。
超高速ブロードバンド移動体通信ネットワーク(4G/4G+/5G)
2018年もオレンジは4G及び4G+ネットワークの敷設を続けた。フランス及びスペインでは、主に、都市部以外で
のカバー率の拡大及び主要都市での速度の向上を目指して投資を行った。2018年12月31日現在、4Gの人口カ
バー率は、フランスで98.6%、スペインで96.9%、ポーランドで99.8%に達した。フランスでは、2019年末ま
でにオレンジのほぼ全ての3Gの施設が4Gに移行する。さらに、成長中の顧客の利用ニーズを充足させるため、
オレンジ4G+はすでに数々の都市で敷設されている。アフリカ及び中東では、特にマリ、モロッコ及びセネガル
において現在も展開を続けている。これらの投資により、2018年12月31日現在でオレンジが全世界で有する4G
顧客の数は56.2百万人(前年比21.7%増)となり、そのうちフランスは15百万人、スペインは9.8百万人、欧州は
14.8百万人、アフリカ及び中東は16.7百万人であった(関連会社及びジョイント・ベンチャーを除く。)。
加えて、モバイル・インターネット通信量の強力な拡大を背景に、当グループは、5G技術の到来に向けて積極
的に準備を進めており、特に、技術及びイノベーション・パートナーとの共同開発で、欧州において新たに大
規模な試験を実施することになった。5Gは、4Gの最大10倍の速度のより高性能なネットワーク及び莫大な規模
でオブジェクトを接続できるモノのインターネットのための新たな完全ネットワークを約束する。光ファイ
バーインフラが僅かな国において5Gは、超高速接続の代替手段にもなる。2018年にオレンジは、フランス及び
欧州において最初の確定的な技術実験を行った。既存の4Gの施設に展開される5Gは、2019年に欧州の17の都市
で敷設され、十分な数の5Gスマートフォンが利用可能となる2020年から商業利用の準備が整う。
オレンジはフランスの移動体通信ネットワークで第1位に
2018年10月にARCEP( Autorité de Régulation des Communications Electroniques et des Postes :フランスの
郵便及び電気通信規制当局)が発表したフランス本土における移動体通信事業者のサービスの質に関する年次調
査の結果によると、オレンジは8回連続でフランスの移動体通信ネットワークで第1位に位置付けられた。全体
的に見て、オレンジは、193個の測定基準のうち181個で第1位又は同点首位となっている。
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この調査ではまた、フランス農村地域における移動体通信のカバーに向けた当グループの継続的な努力が証明
され、住民数10,000人未満のコミュニティにおける音声サービスについて、オレンジは今年も、首位又は同点
首位にランクされた。さらに2018年1月、オレンジ及びフランスの他の移動体通信事業者は、フランス全土にお
け る住民のブロードバンドへのアクセスについて、ARCEPの協力の下でフランス政府と契約(「ニュー・ディー
ル」と称する。)を締結した。また、2021年に失効する900MHz、1,800MHz及び2,100MHz周波数の利用権限は、料
金の引き上げ又は財務上の競売なしに、2018年からの事業者のカバー率義務の拡大と引き換えに2031年まで延
長される。これに関連して、オレンジは、フランスの他の移動体通信事業者と共に、全国で最低5,000の新たな
エリアのカバーに合意した。
海底ケーブル
新たなパートナーシップを通じて、オレンジは、海底ケーブル市場における立場を強化してきた。当グループ
の目標は、上昇し続けるデータ交換容量を扱うために、グローバル・ネットワーク上で提供するサービスの品
質を向上し、同時に費用を最適化することである。
2018年5月にオレンジ・インターナショナル・キャリアは、マルセイユとパンマール(海底ケーブルの主な地理
的位置の2ヶ所である。)間で、15の海底ケーブルを相互接続し、従って、アジア、中東及び西アフリカの接続
を向上する新たな陸上ケーブルサービスを開始することを発表した。2018年9月にオレンジは、MainOne海底
ケーブルへの投資による西アフリカ沿岸の接続性の向上を発表した。2018年10月にオレンジは、米国とフラン
スを15年超ぶりに接続する海底ケーブル、Dunantプロジェクトの一環としてGoogleとのパートナーシップを発
表した。6,600キロメートルのケーブルは、2020年後半にサービス開始の準備が整う予定である。さらに、オレ
ンジとPCCWグローバルは、2018年10月に新たなPEACE(Pakistan&East Africa Connecting Europe)海底ケーブ
ルを設置するためのパートナーシップ契約を発表した。当該ケーブルは、12,000キロメートルで、パキスタ
ン、ジブチ、ケニア、エジプト及びフランスを接続し、2020年に運転可能となる予定である。最後に、オレン
ジは、2019年1月に、フランス領ギニア、マルティニーク及びグアドループを接続するカナワケーブルを正式に
運転開始した。当該ケーブルは、1,750メートルで、オレンジの自己資本を財源とする。
マルチ・サービス及び拡張サービス戦略
コンテンツ・サービス、モバイル金融サービス及びコネクテッド・デバイスは、当グループの多角化の主な領
域であり、 Essentials2020 戦略計画の5つの手段の1つ及び拡張サービス展開のより幅広い戦略の一部を構成す
る。
モバイル金融サービス(オレンジ・バンク - オレンジ・マネー)
2018年11月末にオレンジは、モバイル金融サービスを拡大する目標を公表した。
欧州に関して、当グループの目標は、オレンジ・バンクのサービス(フランス、スペイン、ポーランド、ベル
ギー及びスロバキアにおいて。)及びオレンジ・マネーのサービスを通じた拡張サービス(ルーマニア及びモル
ドバにおいて。)を通じて、2023年までに欧州7ヶ国においてモバイル金融サービスを展開することである。当
グループは、かかる期日までに4百万人の顧客を持つことを目指している。オレンジ・バンクは、2017年11月に
フランス本土でサービス開始し、2018年12月31日現在で248,000人の顧客にサービスを提供した。2018年3月
に、オレンジ・バンクは、個人向けローン・サービスにより銀行商品ラインを拡張した。2018年10月には、フ
ランス海外県において銀行商品が発売された。
アフリカ及び中東に関しては、当グループの目標は、オレンジ・マネーを19ヶ国に拡大し、2023年に30百万人
を超えるアクティブ顧客を持つことである。2008年にサービス開始したオレンジ・マネーは、今日、アフリカ
及び中東の15ヶ国(関連会社及びジョイント・ベンチャーを除く。)において、毎月サービスを利用する者15百
万人を含む、39百万人の顧客を持つ。当グループのもう1つの目標は、必要な認可が取得できることを前提に、
オレンジ・バンク・アフリカのサービス開始を通じて、アフリカの4ヶ国(コートジボワール、セネガル、マリ
及びブルキナファソ)で追加のバンキング・サービス(与信、貯蓄及び保険商品)をパートナーと共に開始するこ
とである。さらに、アフリカ大陸における2大モバイル・マネー事業者であるオレンジとMTNは、2018年11月に
アフリカ大陸全体で相互利用可能なモバイル支払を可能とする共同事業であるMowaliの設立を発表した。
コンテンツ
オレンジのコンテンツ戦略は、市場で最高のコンテンツ・サービスを可能な限り最も広範囲に提供すること並
びにオレンジ・スタジオ及びOCSを通じた映画及びシリーズへの投資を優先する。これは、2018年に締結した一
連の新たな契約によって強化された。
・ オレンジは、2018年1月と3月にそれぞれM6グループ及びTF1グループ・チャンネルとの間で、配信契約及び
両グループのチャンネルに関連したノンリニア・サービスを更新した。これらの契約により、オレンジTV
の顧客は2つのグループの番組の強化されたサービス及び機能を楽しむことができるようになる。2018年12
月31日現在、オレンジのIPTV及び衛星テレビの顧客数は9.6百万人(そのうちフランスの顧客は7.0百万人)
となり、前年比で6.1%増加した。
・ 2018年にオレンジは、OCSを通じてフランス及び欧州の映画製作への投資を行うために、映画業界の組織と
の契約を延長し、今後3年間(2019年から2021年)で125百万ユーロの投資を約束した。
・ 2018年4月、オレンジとFnac Dartyは、デジタル読書の戦略的パートナーシップを強化して新たなオーディ
オブック・サービスを開始すると発表した。これにより、デジタル読書の新たな方法の普及が促進されて
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いる。2017年10月初めに開始された「ePresse」(デジタル・プレス)及び「izneo by Fnac」(デジタル・コ
ミック)サービスに続き、2018年5月からオレンジの顧客は「Kobo by Fnac」オーディオブック・サービス
を 通じて100,000のオーディオブックと3百万のeブックへのアクセスが可能になった。
・ 2018年4月、オレンジとVivendi社は、CanalOlympiaムービー・シアター・ネットワーク(Vivendi社が中央
及び西アフリカで経営しているトップのムービー・シアター及びショー・ネットワーク)とのパートナー
シップを締結したと発表した。今後数年間で数十件のシアターを作る計画である。
モノのインターネット(IoT)
モノのインターネット(IoT)市場の急上昇を支援するために、オレンジ・ビジネス・サービスは、2018年11月に
フランスでのLTE-M(Long-Term Evolution for Machines)技術の導入を発表した。これは、フランスの移動体通
信ネットワーク上でコネクテッド・デバイス専用となる最初の技術である。オレンジの4Gネットワーク上に敷
設されるこの技術は、移動中、建物又は地下にあるデバイス間でのエンリッチ化されたデータ(データ、音声、
メッセージング)の交換を促進し、物流トラッキング、遠隔監視、医療リモート・アシスタンス及び車両運行管
理にも必要である。2018年末現在、人口の98%超がカバーされた。2019年以降、LTE-M技術に特定の国際ローミ
ング及びその他の機能が利用可能となる。
このエンド・トゥ・エンド技術は、非常に低いエネルギー消費量でデバイスを接続するネットワークの選択肢
® ®
として存続するLoRa などの既存のIoT専用ネットワーク製品を補完する。LoRa (Long Range)ネットワークは、
現在30,000を超える市及び町、フランス本土の人口の95%をカバーする。
さらに2018年4月には、オレンジ・ビジネス・サービスがフランス及び欧州においてDatavenue Marketのポータ
ルサイトを開始すると発表した。これにより、コネクテッド・デバイスのサプライヤーは、完全に独立した方
法かつ低コストでIoTプロジェクトの試験を行った上でその正当性を立証したいと考えている企業や開発業者と
接点を持つことが可能になる。
最後に、オレンジとグルパマは、2019年1月に所有物の遠隔監視分野の事業を行うProtectlineと称する合弁会
社の設立の合意を発表した。この会社は、51%がオレンジに、49%がグルパマにより保有される。オレンジ
は、2019年の春に、所有物の遠隔監視製品をフランスの固定回線及び移動体通信小売顧客向けに導入する。
法人顧客のデジタル転換
Essentials2020 戦略計画の一環として、オレンジは、自らを、デジタル転換を行う企業のパートナーと位置付
けている。この目的のために、オレンジは、買収及び合弁会社の設立を通じて事業を追加してきた。
2018年6月の買収及び2018年下半期の追加取得により、オレンジは、Business&Decision社の資本の88.2%を、
総額36百万ユーロ(現金取得控除後。)で取得した。同社はデータ及びデジタル技術専門の企業であり、ビジネ
ス・インテリジェンス(ビジネス・データの構造化分析)及び顧客関係管理(CRM)事業を行っている。また、オレ
ンジは資本の残りの4.9%に関する相互拘束のオプションによる利益を受ける(連結財務書類に対する注記3.2を
参照のこと。)。
2018年8月、オレンジはさらに、Basefarm Holdingの全株式を、総額230百万ユーロ(現金取得控除後。)で取得
した(連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。同社は、インフラ、クラウド・サービス、重要なアプリ
ケーションの管理、及びデータ分析事業を行う欧州の企業である。オレンジ・ビジネス・サービスは、今後、
その半数超がフランス国外で勤務するクラウドの専門家である2,200人の従業員と共に、クラウドにおける収益
の半分超を海外で獲得すること及び2022年まで年25%の成長を目指す。
2018年2月にオレンジは、e-healthの分野で事業を行っているEnovacomも買収した。当該買収は、フランス国内
及び海外で医療の組織と利害関係者のデジタル転換で主要パートナーになるというオレンジ・ヘルスケア(ヘル
スケア事業を行う子会社)の戦略の一環である。
最後に、2019年2月にオレンジは、SecureDataグループ及びその子会社SensePostの買収を発表した。
SecureDataは、欧州で最大の市場である英国で最大のサイバー・セキュリティ・サービスの独立プロバイダー
である(連結財務書類に対する注記17を参照のこと。)。
オレンジ、人間指向のデジタル企業
明日に必要な技能の確保、集団的機敏さの開発及び個人の献身性の促進により、人間指向のデジタル企業モデ
ルを構築することは、 Essentials2020 戦略計画の優先事項の1つである。
2018年12月に、オレンジは、若者の統合、退職準備の補助及び知識移転をカバーする新たな世代間契約を3つの
フランスの労働組合と締結した。2019年1月1日に発効するこの契約は、2019年、2020年及び2021年をカバーす
る。この契約上、オレンジは、当グループがフランスにおいて常に平均4,000人の若者をワークスタディに、
2,400人をインターンとして受け入れることに合意した。さらに、当グループは、これらの者が研修を終えた際
に、最低2,000人をワークスタディ又はインターンシップから正社員として雇用することに合意した。最後に、
オレンジは、2015年のフランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」を3年間延長し、退職前の3年間に従業員が自
らの予定を調整できるようにした。当該制度の延長の利益を受ける従業員の数は、推定6,000人である(連結財
務書類に対する注記6を参照のこと。)。
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2018年6月及び12月に、オレンジは、株式買戻制度に基づき6.9百万株の自己株式を101百万ユーロで取得した
(連結財務書類に対する注記13.2を参照のこと。)ことを発表した。この購入は、(i)9.1百万株に及ぶ「オレン
ジ・ヴィジョン2020」無償株式報奨制度及び(ii)取締役の複数年変動報酬(2018年-2020年長期奨励給制度
(LTIP)) の一環としての業績連動株式報酬制度に関連する義務を履行するために行われた。これらの制度は、当
グループの全従業員及び取締役(雇用の継続及び業績の条件による。)を Essentials2020 戦略計画の成功に関与
させることを目的として設立された(連結財務書類に対する注記6.3を参照のこと。)。
さらに、2018年12月に、オレンジは、人々の購買力の問題に対する誓約として、最低所得層の従業員20,000人
に対する特別「連帯手当」の支給を発表した。
業務効率化( Explore2020 )
2018年もオレンジは業務効率化プログラム( Explore2020 )を継続した。2017年12月には目標を見直し、2015年か
ら2018年の期間において、当初計画した総額30億ユーロを上回る節減を目指してきたため、営業費用において
予想されていた増加を抑制するのに寄与した。
2015から2018事業年度までに全体で、同期間で35億ユーロの総節約額という目標が達成され(2015年に953百万
ユーロ、2016年に758百万ユーロ、2017年に934百万ユーロ及び2018年に893百万ユーロ)、従って、本来の目標
を18%超過した。2018年において、この金額は、調整後EBITDAの計算に含まれる営業費用681百万ユーロ及び
Capexに含まれる営業費用211百万ユーロの両方に関係していた。
オレンジは、2019年から2020年の期間に、デジタル化、簡素化及び共有を主な推進手段として使うことによっ
て、2019年から2020年の期間に10億ユーロの追加的総節減額を達成するコストに関する取り組みを継続する予
定である。投資に関して、オレンジは、単位経費を15%ずつ段階的に削減し、2020年に総額10億ユーロの節減
を実現すること(当グループの目標に基づいて一部を再投資する。)を目標とするプログラムであるLean Capex
に準拠する予定である。
1.2 グループの業績及び資本的支出の分析
1.2.1 グループの収益から調整後EBITDAへ
本項目では、「1.5.2 調整後EBITDA及びEBITDA報告額」及び連結財務書類に対する注記1で提示された表示調
整に従い、費用タイプ別に当グループの収益から調整後EBITDAへの変換を示している。
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
ベースの ベースの データの データの ベースの
2018年 データ(1) データ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益 41,381 40,837 40,859 1.3% 1.3% 40,708
外部購入費(2) (18,563) (18,319) (18,381) 1.3% 1.0% (18,186)
その他の営業収益及び費用(2)(3) 264 250 253 4.8% 4.7% 275
人件費(2)(3) (8,268) (8,264) (8,200) 0.1% 0.8% (8,340)
営業税及び賦課金(2)(3) (1,809) (1,844) (1,851) (2.0)% (2.3)% (1,893)
調整後EBITDA 13,005 12,660 12,680 2.7% 2.6% 12,564
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 「金融用語集」を参照のこと。
(3) 調整したデータ(「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」及び連結財務書類に対する注記1を参照のこと。)。
1.2.1.1 収 益
1.2.1.1.1 収益の変化
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2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
セグメント別の収益(2)
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
フランス
18,211 18,048 18,046 0.9% 0.9% 17,896
スペイン
5,349 5,232 5,231 2.2% 2.3% 4,909
欧州
5,687 5,593 5,578 1.7% 2.0% 5,482
アフリカ及び中東
5,190 4,940 5,030 5.1% 3.2% 5,245
企業向け
7,292 7,308 7,251 (0.2)% 0.6% 7,346
海外通信事業及びシェアード・
1,534 1,633 1,651 (6.1)% (7.1)% 1,812
サービス
消去
(1,882) (1,917) (1,928) (1,982)
グループ合計
41,381 40,837 40,859 1.3% 1.3% 40,708
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 通信事業の収益(連結財務書類に対する注記1.1及び4.1を参照のこと。)。オレンジ・バンクの銀行業務収益純額(NBI)は、その他の営
業収益において認識される(連結財務書類に対する注記4.2を参照のこと。)。
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
サービス別の収益(2)
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
コンバージェンス・サービス
7,068 6,427 6,427 10.0% 10.0% 5,646
移動体通信のみのサービス
10,272 10,140 10,202 1.3% 0.7% 10,614
固定回線のみのサービス
9,604 9,927 9,994 (3.2)% (3.9)% 10,353
IT及び統合サービス
2,349 2,191 2,077 7.2% 13.1% 2,050
通信事業者向けサービス
7,931 8,050 8,065 (1.5)% (1.7)% 8,103
機器の販売
3,245 3,191 3,185 1.7% 1.9% 3,020
その他の収益
912 911 909 0.2% 0.3% 922
グループ合計
41,381 40,837 40,859 1.3% 1.3% 40,708
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 通信事業の収益(連結財務書類に対する注記1.1及び4.1を参照のこと。)。オレンジ・バンクの銀行業務収益純額(NBI)は、その他の営
業収益において認識される(連結財務書類に対する注記4.2を参照のこと。)。
2018年と2017年の比較
2018年のオレンジ・グループの収益は総額41,381百万ユーロとなり、2017年と比較して実績ベースで1.3%、比
較可能ベースで1.3%増加した。
実績ベース では、当グループの収益は2017年から2018年の間に1.3%(522百万ユーロ)増加した。これには、以
下が含まれる。
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・ 外国為替変動のマイナスの影響189百万ユーロ。これは主に、ユーロに対する米ドル(84百万ユーロ)、エジ
プトポンド(27百万ユーロ)、ヨルダンディナール(18百万ユーロ)及びアルゼンチンペソ(10百万ユーロ)の
価 値の変動に起因するものであった。
・ 上記は、以下により相殺されて余りあるものであった。
・ 連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(167百万ユーロ)。これは主に、2018年6月5日の
Business&Decision社の買収並びに2018年8月14日のBasefarm Holding及び2018年2月21日のEnovacomの
買収による影響を含む。
・ 比較可能ベースでの有機的な変化(544百万ユーロの収益増加)。
比較可能ベース では、当グループの収益は2017年から2018年の間に1.3%(544百万ユーロ)増加した。これは主
に以下の要因に起因するものであった。
・ アフリカ及び中東諸国での収益の250百万ユーロの増加(5.1%増)は、ソナテル・サブグループ(主にギニ
ア、セネガル及びマリ)、エジプト及びコートジボワール・サブグループ(主にブルキナファソ)、モロッコ
及びコンゴ民主共和国(DRC)の好調な業績により後押しされた、連結対象17ヶ国のうち13ヶ国で計上された
増加によるものである。移動体通信のみのサービスの増加は、データ・サービス及びオレンジ・マネーの
機運を反映している(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)(通信事業者向けサービス、特に海外通信事
業者向けサービス、及び着信移動体通信通信量の減少によって部分的に相殺された。)。
・ フランスでの収益の163百万ユーロの増加(0.9%増)。この変化は、主に(i)デジタル読書サービスを含めた
ことによるプラスの影響(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)、(ii)顧客基盤の増加と12ヶ月融合ARPO
(「金融用語集」を参照のこと。)の上昇により後押しされたコンバージェンス・サービスの成長、及び
(iii)影響度は低いが、移動体通信機器の販売の増加によるが、(iv)固定回線のみのナローバンド・サービ
ス(従来型電話)の減少傾向、移動体通信のみのサービスの縮小(主に契約サービスのコンバージェンス・
サービスへの移行及びプリペイド・サービスの構造的な減少に関係する。)及び通信事業者向けサービスの
減少(FTTHの成長は、国内ローミング及びアンバンドリングからの予想される収益減少を部分的に相殺した
のみである。)によって部分的に相殺された。
・ 移動体通信及び固定回線ブロードバンド市場参入の激しい競争を背景としたスペインでの収益の117百万
ユーロの増加(2.2%増)。この変化は、主に(i)12ヶ月融合ARPOの上昇(超高速ブロードバンド及びコンテン
ツ・サービスへのアクセス増加により後押しされた。)によるコンバージェンス・サービスの展開及び顧客
基盤の成長、並びに(ii)通信事業者向けサービスの増加(着信移動体通信通信量の減少は、超高速ブロード
バンドの成長、その他の固定収益の増加及び国内ローミングの増加により相殺されて余りあるものであっ
た。)によるものである。
・ 欧州での収益の94百万ユーロの増加(1.7%増)。これは、主に以下によるものであった。
・ (i)ポーランド、ベルギー及びルーマニアのコンバージェンス・サービスの堅調な成長、及び影響度は低
いが、(ii)ルーマニアの移動体通信機器の販売の増加、並びに(iii)ポーランドの移動体通信事業者向け
サービス(国内ローミング、着信移動体通信)並びにIT及び統合サービスの成長。
・ 上記は、(i)ポーランドにおける固定回線のみのサービスの縮小(従来型電話の構造的減少)及び機器の販
売の減少、(ii)ポーランド及びルーマニアの移動体通信のみのサービスの減少(コンバージェンス・サー
ビスへの移行に関係する。)、並びに(iii)ベルギーの仮想移動体通信事業者(MVNO)向けサービスの減少
によって部分的に相殺された。
これらのプラスの項目は、以下によって部分的に相殺された。
・ 海外通信事業及びシェアード・サービスからの収益の99百万ユーロの減少(6.1%減)。これは主に、海外通
信事業者向け事業の縮小(アフリカ及びマグレブの音声市場の縮小)によるものである。
・ 影響度は低いが、企業向けサービスからの収益の減少16百万ユーロ。固定回線のみのサービス(音声サービ
ス及びデータ・サービス)及び移動体通信機器の販売は、2つの期間の間で減少したが、これは、IT及び統
合サービスの成長によってほぼ全て相殺された。
2017年と2016年の比較
2017年のオレンジ・グループの収益は総額40,859百万ユーロとなり、2016年と比較して実績ベースで0.4%、比
較可能ベースで1.2%増加した。
実績ベース では、当グループの収益は2016年から2017年の間に0.4%増加(151百万ユーロの増加)した。これに
は、以下が含まれる。
・ 外国為替変動のマイナスの影響(485百万ユーロ)。これは主に、ユーロに対するエジプトポンドの価値の変
動(517百万ユーロのマイナスの影響)に起因するものであった。
・ 上記は、以下により相殺されて余りあるものであった。
・ 連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(160百万ユーロ)。これは基本的に、2016年のアフ
リカにおける事業体(ブルキナファソ及びシエラレオネのエアテル、コンゴ民主共和国(DRC)のOasis
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(ティゴ)及びリベリアのセルコム・テレコミュニケーションズ)の買収による影響額186百万ユーロを含
む。
・ 比較可能ベースでの有機的な変化(476百万ユーロの収益増加)。
比較可能ベース では、当グループの収益は2016年から2017年の間に1.2%(476百万ユーロ)増加した。これは主
に以下の要因に起因するものであった。
・ スペインでの収益の322百万ユーロの増加(6.6%増)。この変化は、主に(i)コンテンツ・サービス及び超高
速ブロードバンド・アクセスの展開により後押しされた、コンバージェンス・サービスからの収益の大幅
な増加、(ii)通信事業者向けサービス(国内及びビジターのローミング)からの収益の増加、並びに(iii)影
響度は低いが、固定回線のみのサービス及び機器の販売からの収益の増加によるものである。
・ フランスでの収益の150百万ユーロの増加(0.8%増)。この業績は、主に(i)コンバージェンス・サービス及
び固定回線通信事業者向けサービスからの収益の増加、2017年10月初め以降、デジタル読書サービスを含
めたことによるプラスの影響、及び移動体通信機器の販売の増加によるが、(ii)固定回線のみのナローバ
ンド・サービス(従来型電話)からの収益の減少傾向及び移動体通信のみのサービスからの収益の減少に
よって部分的に相殺された。2つの期間の間で、2017年6月15日のEU諸国のローミング追加料金終了の影響
は、ビジターのローミングの増加が顧客のローミングの減少を埋め合わせたことから、フランスの収益に
ついてほぼ中立である。
・ アフリカ及び中東諸国での収益の149百万ユーロの増加(3.0%増)。これは、ソナテル・サブグループ(主に
マリ及びギニア)及びコートジボワール・サブグループ(主にブルキナファソ及びコートジボワール)並びに
モロッコの好調な業績に後押しされたものである。
・ 欧州での収益の24百万ユーロの増加(0.4%増)。この業績は、主に(i)コンバージェンス・サービスからの
収益の増加(主にポーランド及びベルギー)によるものであり、これに加えて、影響度は低いが、ルーマニ
アの機器の販売の増加並びにポーランド及びルーマニアの移動体通信事業者向けサービスからの収益の増
加によるものであるが、(ii)欧州諸国ほぼ全てでの移動体通信のみのサービスからの収益の減少、及び
ポーランドでの固定回線のみのサービス(従来型電話)からの収益の減少によって部分的に相殺された。
これらのプラスの項目は、以下によって部分的に相殺された。
・ 海外通信事業及びシェアード・サービスからの収益の155百万ユーロ(8.6%)の減少。これは主に、海外通
信事業者向け固定回線サービスの不調によるものである。
・ 企業向けサービスからの収益の65百万ユーロ(0.9%)の減少。これは基本的に、(i)固定回線のみのサービ
ス(データ・サービス及び音声サービス)からの収益の減少によるが、(ii)IT及び統合サービスからの収益
の増加並びに移動体通信機器及びサービスからの収益の増加によって部分的にのみ相殺された。
1.2.1.1.2 顧客数の変化
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
顧客(2)(3)
ベースの ベースの データの データの ベースの
2018年 データ(1) データ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:千。期末時点。)
コンバージェンス・サービス顧客数 10,890 10,319 10,319 5.5% 5.5% 9,285
移動体通信サービス顧客数(3) 203,618 202,479 202,329 0.6% 0.6% 190,588
うち、 コンバージェンス・
18,671 17,292 17,292 8.0% 8.0% 15,120
サービスの顧客
移動体通信のみのサー
184,947 185,187 185,037 (0.1)% (0.0)% 175,469
ビスの顧客
うち、 契約顧客
70,840 74,214 74,115 (4.5)% (4.4)% 69,134
プリペイド顧客
132,778 128,265 128,214 3.5% 3.6% 121,455
固定回線ブロードバンド・サービス 20,145 19,386 19,386 3.9% 3.9% 18,514
顧客数
うち、 超高速ブロードバン
6,345 4,762 4,762 33.2% 33.2% 3,306
ド・アクセスの顧客
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うち、 コンバージェンス・
10,890 10,319 10,319 5.5% 5.5% 9,285
サービスの顧客
固定回線のみのサービ
9,256 9,067 9,067 2.1% 2.1% 9,229
スの顧客
固定回線電話顧客数 40,199 41,706 41,706 (3.6)% (3.6)% 42,650
グループ合計(2)(3)(4) 263,962 263,573 263,423 0.1% 0.2% 251,777
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 2018年1月1日以降の顧客基盤は、完全連結事業体の顧客のみに対応している。関連会社及びジョイント・ベンチャーの顧客(以前は、
これらの事業体における当グループの持分に応じて認識されていた。)は考慮されていない。結果として、過去の期間のデータは調整
されている。この調整は、チュニジア、モーリシャス、イラク及び赤道ギニアに影響を与えている。
(3) 2018年1月1日以降の全ての国における移動体通信サービスの顧客基盤の認識は、当グループの定義に一致している(もはや、現地の定
義とは一致していない。)。結果として、過去の期間のデータは、調整されている。この調整は、モロッコ、コートジボワール、ヨル
ダン及びカメルーンに影響を与えている。仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。
(4) 移動体通信サービス、固定回線ブロードバンド及びナローバンド・サービス、並びに固定電話の顧客数。
1.2.1.2 調整後EBITDA
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
ベースの ベースの データの データの ベースの
2018年 データ(1) データ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
調整後EBITDA 13,005 12,660 12,680 2.7% 2.6% 12,564
通信事業 13,151 12,721 12,741 3.4% 3.2% 12,576
通信事業の調整後EBITDA/収益 31.8% 31.2% 31.2% 30.9%
オレンジ・バンクの事業 (147) (62) (62) (136.3)% (136.3)% (12)
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
2018年と2017年の比較
2018年のオレンジ・グループの調整後EBITDAは、13,005百万ユーロ(内訳は、通信事業の13,151百万ユーロとオ
レンジ・バンク事業の147百万ユーロの損失)となり、2017年と比較して、実績ベースで2.6%、比較可能ベース
で2.7%増加した。2018年の収益に対する通信事業の調整後EBITDAの割合は31.8%となり、2017年と比較して、
実績ベースで0.6ポイント、比較可能ベースで0.6ポイント上昇した。
2017年から2018年の調整後EBITDAは、デジタル読書サービスを含めることで111百万ユーロ増加(「1.1.3 主な
出来事」を参照のこと。)、2018年のプラスの影響は158百万ユーロ(2017年は47百万ユーロ)であった。
実績ベース では、当グループの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に以下の要因を反映して2.6%(325百万
ユーロ)増加した。
・ 外国為替変動のマイナスの影響(28百万ユーロ)。これは主に、ユーロに対する米ドルの実績によるもので
あった。
・ 上記は、(i)連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(8百万ユーロ)、並びに(ii)比較可能
ベースでの有機的な成長による調整後EBITDAの345百万ユーロの増加により相殺されて余りあるものであっ
た。
比較可能ベース では、当グループの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に以下の要因を反映して2.7%増加
した。
・ デジタル読書サービスを含めたこと(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)による収益の1.3%(544百万
ユーロ)の増加。
・ サービス手数料及びオペレーター間費用(「金融用語集」を参照のこと。)の3.2%(162百万ユーロ)の減
少。これは、(i)主に海外通信事業者向けサービスの相互接続料金の減少(通信量の減少に関係する。)、及
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びスペインの相互接続手数料の減少(特に2018年2月の全国携帯電話接続料金の引き下げによる。)、並びに
(ii)影響度は低いが、企業向けサービス・ネットワーク料金の減少(ベルギーのケーブル・サービスの開発
と 関連した成長により部分的に相殺された。)によるものである。
・ 2018年の税務リスク消滅後の引当金の戻し入れによる、主にアフリカ及び中東諸国における調整後営業税
及び賦課金(「金融用語集」を参照のこと。)の2.0%(35百万ユーロ)の減少。
・ 調整後その他の営業収益及び費用(「金融用語集」を参照のこと。)の4.8%(14百万ユーロ)の増加。これは
主に、(i)スペイン及びポーランドにおける、主にシェアード・サービスの固定資産売却益の増加(不動産
ポートフォリオの合理化の一環として2018年に実施した売却の考慮後。)、並びに影響度は低いが、(ii)事
業上の為替レートの改善によるものであり、(iii)(新たなオレンジ・バンク顧客を獲得するための費用に
よる)銀行業務収益純額の減少並びに減損損失及び売掛金の損失の増加によって部分的に相殺された。
これらのプラスの項目は、以下によって部分的に相殺された。
・ その他の外部購入費(「金融用語集」を参照のこと。)の5.4%(163百万ユーロ)の増加。特にフランス(地方
自治体によって管理されるネットワークの運営に関連した再販のための購入。)、アフリカ及び中東諸国
(ネットワーク開発及び経費に関連した不動産関連費用)、ポーランド(エネルギー販売の傾向を反映)並び
に企業向けサービスにおける増加。
・ 販売費用及びコンテンツ費用(「金融用語集」を参照のこと。)の1.8%(127百万ユーロ)の増加。これは主
に、(i)商業的な機運に沿ったスペインのサッカー関連の権利の増加、(ii)2017年及び2018年のコンテンツ
分野におけるパートナーシップの契約、延長及び更新(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)により、基
本的に欧州及びフランスにおいてサービス増強が可能になったこと、並びに(iii)主にアフリカ及び中東諸
国(大部分オレンジ・マネーの事業拡大による。)並びにルーマニア(移動体通信機器の販売の増加に合致す
る。)における販売費用の増加によるものである。
・ 主にアフリカ及び中東諸国での(主にネットワーク開発、特に4Gサイトの開発による。)その他のネット
ワーク費用及びIT費用(「金融用語集」を参照のこと。)の3.8%(116百万ユーロ)の増加。
調整人件費(「金融用語集」を参照のこと。)は、0.1%(4百万ユーロ)の増加で、概ね安定している。2つの期間
の間で、フルタイム従業員及びこれに類する者(「金融用語集」を参照のこと。)の平均数が2.5%減少(主にフ
ランス及びポーランドにおけるフルタイム従業員及びこれに類する者の3,533人の減少に相当する。)した影響
は、特に(i)フランス等での賃金政策の影響、及び(ii)株式報酬の増加(主に「オレンジ・ヴィジョン2020」無
償株式報奨制度及び「 長期奨励給制度(LTIP)2018-2020 」に関連した費用の2018年における認識による。)
(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)によって相殺された。
2017年と2016年の比較
2017年のオレンジ・グループの調整後EBITDAは、12,680百万ユーロ(内訳は、通信事業の12,741百万ユーロとオ
レンジ・バンクの事業の62百万ユーロの損失)となり、2016年と比較して、実績ベースで0.9%、比較可能ベー
スで2.1%増加した。2017年の通信事業の収益に対する調整後EBITDAの割合は31.2%となり、2016年と比較して
実績ベース及び比較可能ベースの両方で0.3ポイント上昇した。
実績ベース では、当グループの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に以下の要因を反映して0.9%(116百万
ユーロ)増加した。
・ 外国為替変動のマイナスの影響(156百万ユーロ)。これは主に、ユーロに対するエジプトポンドの価値の変
動(165百万ユーロのマイナスの影響)に起因するものであった。
・ 上記は、(i)連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(11百万ユーロ)、及び(ii)比較可能ベー
スでの有機的な成長による調整後EBITDAの261百万ユーロの増加により相殺されて余りあるものであった。
比較可能ベース では、当グループの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に以下の要因を反映して2.1%(261
百万ユーロ)増加した。
・ 収益の1.2%(476百万ユーロ)の増加。
・ 調整人件費の1.7%(140百万ユーロ)の減少。これは主に、(i)平均従業員数(フルタイム従業員及びこれに
類する者。)の2.7%の減少(主にフランス及びポーランドにおけるフルタイム従業員及びこれに類する者の
3,794人減少に相当する。)、及び(ii)2016年に オレンジ・アンビション2016 従業員持株制度を認識したこ
との反対効果によるものである。
・ サービス手数料及びオペレーター間費用の2.8%(147百万ユーロ)の減少。2017年6月15日のEU諸国における
ローミング追加料金の終了によるマイナスの影響は、(i)海外通信事業サービスによる通信量の減少(活動
の減少に関連する。)及び企業向けサービスの減少(実質的に衛星放送サービスの減速による。)、並びに
(ii)アフリカ及び中東諸国の相互接続費用の減少(通話着信料金及び音声利用の変更に関連する。)により
相殺されて余りあるものであった。
これらのプラスの項目は、以下によって部分的に相殺された。
・ 販売費用及びコンテンツ費用の5.2%(349百万ユーロ)の増加。これは主に、(i)コンテンツ分野における
パートナーシップの新規契約、延長及び更新により、特にフランスにおいてサービス増強が可能になった
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こと、及び(ii)商業的な機運に沿ったスペインのサッカー関連の権利の増加、並びに(iii)主にアフリカ及
び中東諸国(オレンジ・マネー及びデータ・サービスの事業拡大による。)並びに企業向けサービスにおけ
る 販売費用の増加(2017年下半期の大型移動体通信機器販売契約による。)によるものである。
・ 調整後その他の営業収益及び費用の24.1%(79百万ユーロ)の減少。これは固定資産売却手取金、税額控除
及び助成金、売掛金の延滞損害金の減少に主に起因する調整後その他の営業収益の減少によるものであ
る。
・ その他のネットワーク費用及びIT費用の1.7%(51百万ユーロ)の増加。特にアフリカ及び中東諸国(特に、
とりわけ4Gサイトの展開による移動体通信ネットワークの拡張による。)並びに企業向けサービスにおけ
る増加(統合及び情報技術サービスの拡大に沿っている。)。
1.2.2 グループの調整後EBITDAから営業利益へ
本項目では、費用タイプ別に当グループの調整後EBITDAから営業利益への変換を示している(「1.5.2 調整後
EBITDA及びEBITDA報告額」及び連結財務書類に対する注記1を参照のこと。)。
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
ベースの ベースの データの データの ベースの
2018年 データ(1) データ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
調整後EBITDA 13,005 12,660 12,680 2.7% 2.6% 12,564
重要な訴訟 (33) (271) (271) 10
特定の人件費 (812) (374) (374) (525)
投資及び事業ポートフォリオの 17 - (5) 59
見直し
事業再編及び統合費用 (200) (166) (167) (499)
その他の特定の事項 - - - (8)
EBITDA報告額 11,977 11,849 11,863 1.1% 1.0% 11,601
減価償却費及び償却費 (7,047) (6,846) (6,728)
企業結合による影響 - (27) 97
事業体の清算に伴う為替換算調整 1 (8) 14
額の組替
のれんの減損 (56) (20) (814)
固定資産の減損 (49) (190) (207)
関連会社及びジョイント・ベン 3 6 (46)
チャーの持分法投資利益(損失)
営業利益 4,829 4,778 1.1% 3,917
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.2.2.1 EBITDA報告額
2018年のオレンジ・グループのEBITDA報告額は11,977百万ユーロとなり、2017年と比較して、実績ベースで
1.0%(114百万ユーロ)増加した。2017年のオレンジ・グループのEBITDA報告額は11,863百万ユーロとなり、
2016年と比較して、実績ベースで2.3%(262百万ユーロ)増加した。
実績ベース では、当グループの調整後EBITDAからEBITDA報告額への変換は、以下によるものであった。
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・ 2018年は、以下の通り総額1,028百万ユーロのマイナス。
・ 重要な訴訟に関する33百万ユーロの純費用。これは、様々な紛争に関するリスクの再評価に対応するも
のである。
・ 特定の人件費の812百万ユーロ。その内訳は、フランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フランス
の高齢従業員の雇用に関する契約に関連する。)(連結財務書類に対する注記1.7及び6を参照のこと。)に
係る773百万ユーロ及び関連する割増金の39百万ユーロである。2018年に計上された費用は、主にフラン
スの2015年「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)を3年間延長したことによる(「1.1.3 主な出来事」を
参照のこと。)。
・ 投資及び事業ポートフォリオの見直しに関連する17百万ユーロの純利益。
・ 事業再編及び統合費用の200百万ユーロ(連結財務書類に対する注記5.3を参照のこと。)。これは主に、
従業員退職制度及び不動産ポートフォリオの合理化に関連している。
・ 2017年は、以下の通り実績ベースで総額817百万ユーロのマイナス。
・ 重要な訴訟に関する271百万ユーロの純費用。これは、様々な紛争に関するリスクの再評価に対応するも
のである。
・ 特定の人件費の374百万ユーロ。その内訳は、主にフランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フラ
ンスの高齢従業員の雇用に関する契約に関連する。)(連結財務書類に対する注記1.7及び6を参照のこ
と。)に係る310百万ユーロ及び関連する割増金の85百万ユーロである。
・ 投資及び事業ポートフォリオの見直しに関連する純費用の5百万ユーロ。
・ 事業再編及び統合費用の167百万ユーロ(連結財務書類に対する注記5.3を参照のこと。)。これは主に、
従業員退職制度(基本的にポーランドのもの)及び不動産ポートフォリオの合理化に関連している。
・ 2016年は、以下の通り実績ベースで総額963百万ユーロのマイナス。
・ 重要な訴訟に係る純利益の10百万ユーロ。
・ 特定の人件費の525百万ユーロ。その内訳は、フランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フランス
の高齢従業員の雇用に関する契約に関連する。)(連結財務書類に対する注記1.7及び6を参照のこと。)に
係る432百万ユーロ及び関連する割増金の93百万ユーロである。
・ 投資及び事業ポートフォリオの見直しに関連する59百万ユーロの純利益。これは主に、Fime(企業向け
サービス。連結財務書類に対する注記1.7を参照のこと。)の売却による49百万ユーロの利益から成る。
・ 499百万ユーロの事業再編及び統合費用(連結財務書類に対する注記5.3を参照のこと。)。これは主に、
(i)主としてフランスにおける販売ネットワーク(M6 Mobileの終了及び特定の間接的販売業者との契約の
解消に係る費用)、(ii)主にスペインにおける従業員退職制度、(iii)不動産の最適化、及び(iv)スペイ
ンにおけるジャズテルの事業活動の統合に係る費用に関連している。
・ 失敗に終わったBouygues Telecomとの交渉に関連する取引費用の8百万ユーロ。
1.2.2.2 営業利益
2017年 2016年
実績ベースの 実績ベースの
2018年 データ データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
営業利益 4,829 4,778 3,917
通信事業 4,997 4,870 3,832
オレンジ・バンクの事業 (169) (93) 85
2018年と2017年の比較
2018年のオレンジ・グループの営業利益は4,829百万ユーロ(内訳は、通信事業の4,997百万ユーロとオレンジ・
バンク事業の169百万ユーロの損失)となり、実績ベースで2017年の4,778百万ユーロから1.1%(51百万ユーロ)
増加した。 実績ベース でのこの増加は、主に以下によるものであった。
・ EBITDA報告額の増加114百万ユーロ。
・ のれん及び固定資産の減損損失の105百万ユーロの減少(連結財務書類に対する注記7及び8.2を参照のこ
と。)。これは、以下を認識したことに関連している。
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・ 2018年の105百万ユーロの減損(主にヨルダンの56百万ユーロ及びニジェールの43百万ユーロ)。ヨルダン
では、のれんの減損は、主に不透明な政治及び経済環境並びに固定回線及び移動体通信データ市場への
厳 しい競争圧力の影響を反映している。ニジェールでは、電気通信市場は、依然として困難な事業環境
下で価値を失い続けている。当社は、経済・金融環境のため、予防措置として、現在の最善の見積りに
従ってオレンジのエクスポージャーをカバーするために固定資産の減損を認識する。
・ 2017年の210百万ユーロの減損損失(主にコンゴ民主共和国の120百万ユーロ、ニジェールの52百万ユー
ロ、ルクセンブルクの19百万ユーロ)(下記「2017年と2016年の比較」を参照のこと。)。
・ 影響度は低いが、2016年のグルパマ・バンクの買収(現在はオレンジ・バンク)による2017年の27百万ユー
ロの損失の認識の反対効果(連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。
・ 上記は、主にフランス及びスペインでの減価償却費及び償却費の201百万ユーロの増加によって部分的に相
殺された(連結財務書類に対する注記8.1を参照のこと。)。この増加は主に、(i)特に、超高速ブロードバ
ンド・ネットワークの展開(光ファイバー及び4G)に関して近年増加した資本的支出、(ii)フランスで予定
されているプラットフォーム停止から生じる加速償却、並びに(iii)リース用電話機器、 ライブボックス 及
び顧客の敷地に設置された機器の減価償却の増加によるものである。
2017年と2016年の比較
2017年のオレンジ・グループの営業利益は4,778百万ユーロ(内訳は、通信事業の4,870百万ユーロとオレンジ・
バンク事業の93百万ユーロの損失)となり、実績ベースで2016年の3,917百万ユーロから22.0%(861百万ユーロ)
増加した。 実績ベース でのこの増加は、主に以下によるものであった。
・ のれん及び固定資産の減損損失の811百万ユーロの減少(連結財務書類に対する注記7及び8.2を参照のこ
と。)。これは、以下を認識したことに関連している。
・ 2017年の210百万ユーロの減損(主に、コンゴ民主共和国(DRC)の120百万ユーロ、ニジェールの52百万
ユーロ及びルクセンブルクの19百万ユーロ)。コンゴ民主共和国の減損は、依然として不透明な政治及び
経済環境、購買力の明らかな低下とこれによる電気通信製品及びサービスの消費への影響、並びに継続
的な規制圧力を反映している。ニジェールの減損は、不透明な政治及び経済環境、強力な税及び規制圧
力による影響を示唆するものである。ルクセンブルクの減損は、強力な競争圧力を示すものである。
・ 2016年の1,021百万ユーロの減損損失。これは主に、ポーランドの494百万ユーロ、エジプトの232百万
ユーロ、コンゴ民主共和国の109百万ユーロ、カメルーンの90百万ユーロ、ルーマニアの55百万ユーロ及
びニジェールの26百万ユーロに起因している。ポーランドでは、減損損失は、主にADSL市場での競争力
の低下、移動体通信市場における収益想定の減少、及び格付機関による同国のソブリン格付引き下げに
よる税引後割引率の上昇を反映している。エジプトでは、減損損失は、2016年に付与された4Gライセン
スの金銭的条件、エジプトポンドの急激な下落、及び政治・経済的不確実性の高まりを反映している。
コンゴ民主共和国では、減損損失は、政治・経済的不確実性、購買力の低下と電気通信製品及びサービ
スの消費への波及的影響、並びに規制負担の増加(特に、顧客本人確認の実施に関連する。)を反映して
いる。カメルーンでは、減損損失は、メッセージング・サービス及びオーバーザトップ・プロバイダー
のVoIPの増加による音声収益の減少、並びに移動体通信市場での競争の高まりを反映している。ルーマ
ニアでは、2016年1月1日からのIFRS第15号の採用(連結財務書類に対する注記2.3.2を参照のこと。)のた
め、当グループは、現金生成単位(CGU)の帳簿価額純額を再評価し、のれんの減損損失55百万ユーロを計
上した。
・ EBITDA報告額の262百万ユーロの増加。
・ 関連会社及びジョイント・ベンチャーの持分法投資利益(損失)が52百万ユーロ増加し(連結財務書類に対す
る注記10を参照のこと。)、2016年の46百万ユーロの損失と比較して2017年は6百万ユーロの利益になった
こと。
・ 上記は、以下により部分的に相殺された。
・ グルパマ・バンク(現在はオレンジ・バンク)の買収による影響。これに伴い2016年に97百万ユーロの利
益を認識したことに対し、2017年は27百万ユーロの損失を認識した(連結財務書類に対する注記3.2を参
照のこと。)。
・ 減価償却費及び償却費の118百万ユーロの増加(連結財務書類に対する注記8.1を参照のこと。)。この増
加は主に、(i)特に、欧州(特にフランス及びスペイン)における超高速ブロードバンド・ネットワークの
展開(4G及びFTTH)に関して近年増加した投資、(ii)フランスにおける一部の固定資産の加速償却の増
加、及び(iii)特にフランス及びスペインにおけるリース用電話機器、ライブボックス及び顧客の敷地に
設置された機器の減価償却費の増加に起因しており、(iv)2016年末のユーロに対するエジプトポンドの
切り下げによる減価償却費及び償却費へのプラスの影響により部分的に相殺された。
1.2.3 グループの営業利益から当期純利益へ
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2017年 2016年
実績ベースの 実績ベースの
2018年 データ データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
営業利益 4,829 4,778 3,917
総金融債務のコスト (1,341) (1,274) (1,407)
正味金融債務に支出する資産の(損)益 9 11 23
為替差(損)益 (4) (63) (149)
その他金融費用(純額) 25 (17) (31)
BT持分による影響 (51) (372) (533)
金融費用(純額) (1,362) (1,715) (2,097)
法人税 (1,309) (1,052) (951)
継続事業による連結当期純利益 2,158 2,011 869
非継続事業による税引後当期純利益(EE社) - 29 2,253
連結当期純利益 2,158 2,040 3,122
親会社の株主に帰属する当期純利益 1,954 1,843 2,813
非支配持分 204 197 309
2018年と2017年の比較
2018年のオレンジ・グループの連結当期純利益は、2017年の2,040百万ユーロと比較して118百万ユーロ増加
し、総額2,158百万ユーロとなった。増加は、主に以下によるものであった。
・ 金融費用(純額)の353百万ユーロの改善(連結財務書類に対する注記11.2を参照のこと。)。そのほとんど
は、BTグループへの321百万ユーロの投資に関連して、2017年の372百万ユーロの費用に対して2018年に51
百万ユーロの費用を認識したこと(連結財務書類に対する注記11.7を参照のこと。)の効果の変化によるも
のである。
・ 営業利益の51百万ユーロの増加。
・ 上記は、法人税の257百万ユーロの増加によって部分的に相殺された(連結財務書類に対する注記9.2を参照
のこと。)。
・ (i)3%の配当税に関する紛争からの304百万ユーロの税金収益による2017年のフランスでの反対効果、但
し、(ii)2017事業年度に適用される例外的な付加税による78百万ユーロの追加法人税費用によって部分
的に相殺された。
・ 激しい競争圧力が認識済み繰延税金資産回収価額に及ぼしたマイナスの影響を反映するスペインでの
2018年の繰延税金費用86百万ユーロの認識。
非支配持分は、2017年の197百万ユーロに対して、2018年は204百万ユーロとなった(連結財務書類に対する注記
13.6を参照のこと。)。非支配持分を考慮すると、親会社の株主に帰属する当期純利益は、2017年の1,843百万
ユーロから111百万ユーロ増加し、2018年は総額1,954百万ユーロとなった。
2017年と2016年の比較
2017年のオレンジ・グループの連結当期純利益は、2016年の3,122百万ユーロと比較して1,082百万ユーロ減少
し、総額2,040百万ユーロとなった。減少は、主に以下によるものであった。
・ 2016年に非継続事業による当期純利益(すなわち、EE社)として2,253百万ユーロのプラスの結果を認識した
ことの反対効果(連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。これは、(i)EE社に関する売却益の2,080
百万ユーロ、及び(ii)2016年1月(売却前)におけるEE社からの配当金受取額の173百万ユーロに対応するも
のである。
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・ 法人税の101百万ユーロの増加(連結財務書類に対する注記9.2を参照のこと。)。これは主に、2016年にス
ペインに関連する256百万ユーロの繰延税金費用を認識したことの反対効果によるものである。当該費用
は、 2016年のスペインにおいて、繰越欠損金の利用を管理する規則が不利に変更されたことによる貸借対
照表上の繰延税金資産の減少を反映している。
・ 上記は、以下により部分的に相殺された。
・ 営業利益の861百万ユーロの増加。
・ 金融費用(純額)の382百万ユーロの改善(連結財務書類に対する注記11.2を参照のこと。)。これは主に、
(i)BTグループへの投資に関連して(連結財務書類に対する注記11.7を参照のこと。)、2016年の533百万
ユーロの費用に対して2017年に372百万ユーロの費用を認識したことの効果(持分の減損は、外国為替リ
スクのヘッジによる効果及び配当金により部分的に相殺された。)、(ii)総金融債務のコストの改善(主
に、ヘッジ効果後の社債の金利低下による。)、及び(iii)金融為替収益の改善に起因している。
非支配持分は、2016年の309百万ユーロに対して、2017年は197百万ユーロとなった(連結財務書類に対する注記
13.6を参照のこと。)。非支配持分を考慮すると、親会社の株主に帰属する当期純利益は、2016年の2,813百万
ユーロから970百万ユーロ減少し、2017年は総額1,843百万ユーロとなった。
1.2.4 グループの当期純利益から包括利益純額へ
連結当期純利益から連結包括利益への変換は、連結財務書類の「連結包括利益計算書」に記載されている。
1.2.5 グループの資本的支出
2017年 比較可能
2017年 実績 2016年
比較可能 ベースの
有形固定資産及び無形資産に対する投資
実績 ベースの 実績
ベースの データの
(2)
ベースの データの ベースの
データ 増減率
2018年 (1) データ (1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
Capex 7,442 7,191 7,209 3.5% 3.2% 6,971
通信ライセンス 200 314 318 (36.3)% (36.9)% 1,521
ファイナンス・リースを通じて資金 136 44 43 209.6% 209.4% 91
調達された投資
グループ合計 7,778 7,549 7,570 3.0% 2.7% 8,583
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 連結財務書類に対する注記1.3及び8を参照のこと。
2017年から2018年の間における当グループの有形固定資産及び無形資産に対する投資の増加は、Capexの増加、
及び影響度は低いが、ファイナンス・リースを通じて資金調達された投資の増加(通信ライセンスの取得の減少
によって部分的に相殺された。)によるものであった。2016年から2017年の間における当グループの有形固定資
産及び無形資産に対する投資の減少は、主に、2016年に記録された主要な通信ライセンスの取得(主に4G)の反
対効果に起因していた。
金融投資(「金融用語集」を参照のこと。)については、「1.4 キャッシュ・フロー、持分及び金融債務」に記
載されている。
1.2.5.1 資本的支出
1.2.5.1.1 Capex
2017年 比較可能
2017年 実績 2016年
比較可能 ベースの
実績 ベースの 実績
ベースの データの
ベースの データの ベースの
データ 増減率
2018年 (1) データ (1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
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Capex 7,442 7,191 7,209 3.5% 3.2% 6,971
通信事業 7,406 7,131 7,148 3.9% 3.6% 6,956
通信事業のCapex/収益 17.9% 17.5% 17.5% 17.1%
オレンジ・バンクの事業 36 60 61 (40.4)% (40.4)% 15
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
2018年と2017年の比較
2018年のオレンジ・グループのCapexは7,442百万ユーロ(通信事業の7,406百万ユーロ及びオレンジ・バンク事
業の36百万ユーロを含む。)となり、2017年と比較して、実績ベースで3.2%、比較可能ベースで3.5%増加し
た。通信事業の収益に対するCapexの割合は、2018年は17.9%であり、2017年と比較して実績ベース及び比較可
能ベースの両方で0.4ポイント上昇した。
実績ベース では、当グループのCapexは、2017年から2018年の間に以下の要因を反映して3.2%(233百万ユーロ)
増加した。
・ 外国為替変動のマイナスの影響26百万ユーロ。
・ 上記は、(i)連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(8百万ユーロ)、並びに(ii)比較可能
ベースでの有機的な成長(Capexの251百万ユーロの増加)により相殺されて余りあるものであった。
比較可能ベース では、当グループのCapexは、2017年から2018年の間に3.5%(251百万ユーロ)増加した。これ
は、主に以下の要因によるものであった。
・ 主にフランス、並びに影響度は低いが、アフリカ、中東諸国(特にヨルダン、モロッコ及びセネガル)及び
ポーランドでの超高速固定回線ブロードバンド・ネットワーク(光ファイバー)に関する資本的支出の増加
(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)。2018年の当グループの資本的支出は、大部分フランス及びスペ
インにおける他の事業者からの共同出資による恩恵を受けた。2018年12月31日現在、スペインの13.8百万
世帯、フランスの11.8百万世帯、ポーランドの3.4百万世帯、ルーマニアの2.3百万世帯(テレコム・ルーマ
ニアとの相互ネットワーク共有契約締結による。)など、32.5百万世帯(前年比22.4%の増加)が超高速ブ
ロードバンドに接続している。
・ 主にフランス、並びに影響度は低いが、アフリカ、中東諸国(特にマリ、モロッコ及びセネガル)及びポー
ランドでの超高速ブロードバンド移動体通信ネットワーク(4G)に関する資本的支出の増加(「1.1.3 主な
出来事」を参照のこと。)。2018年12月31日現在、4Gのカバー率は、フランスの人口の98.6%、スペインの
96.9%、ポーランドの99.8%、ベルギーの99.7%、ルクセンブルクの97.4%、ルーマニアの96.9%、スロ
バキアの94.0%、モルドバの98.0%である。アフリカ及び中東では、2018年12月末現在で12ヶ国(関連会社
及びジョイント・ベンチャーを除く。)が4G受信地域である。
・ 影響度は低いが、(i)主にスペインの変革プロジェクト、シェアード・サービス、並びにアフリカ及び中東
諸国の情報システムの再設計に関する、IT及び顧客サービス・プラットフォームへの投資の増加、並びに
(ii)主にアフリカ及び中東諸国での、及びシェアード・サービスについてのネットワーク不動産、店舗及
びその他の資産への追加の投資(不動産ポートフォリオの適合及び近代化に関連する。)。
・ 上記は、(i)特にアフリカ及び中東諸国で、同地域への近年の莫大な資本的支出の後、2G/3G移動体通信
ネットワークへの投資が減少したこと、並びに(ii)特にフランスの ライブボックス 費用の最適化、及び企
業向けサービスの顧客プロジェクト需要の減少によるリース用携帯端末、 ライブボックス 及び顧客の敷地
に設置された機器への投資の減少によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
2017年のオレンジ・グループのCapexは7,209百万ユーロ(通信事業の7,148百万ユーロ及びオレンジ・バンク事
業の61百万ユーロを含む。)となり、2016年と比較して、実績ベース及び比較可能ベースで3.4%増加した。通
信事業の収益に対するCapexの割合は、2017年は17.5%であり、2016年と比較して実績ベースで0.4ポイント、
比較可能ベースで0.3ポイント上昇した。
実績ベース では、当グループのCapexは、2016年から2017年の間に以下の要因を反映して3.4%(238百万ユーロ)
増加した。
・ (i)連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(総額23百万ユーロ)。これは主に、2016年6月22
日のブルキナファソにおけるエアテルの買収による影響(14百万ユーロ)を含んでおり、(ii)外国為替変動
のマイナスの影響(20百万ユーロ。主に、ユーロに対するエジプトポンドの価値の変動による悪影響(27百
万ユーロ)に起因していた。)により部分的に相殺された。
・ 比較可能ベースでの有機的な変化(Capexの235百万ユーロの増加)。
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比較可能ベース では、当グループのCapexは、2016年から2017年の間に3.4%(235百万ユーロ)増加した。これ
は、主に以下の要因によるものであった。
・ 超高速ブロードバンド移動体通信ネットワーク(4G)への投資の増加。これは主に、アフリカ及び中東諸国
(展開が加速、2017年12月末現在11ヶ国に4G受信地域を有する。関連会社及びジョイント・ベンチャーを除
く。)、並びにフランス及びスペイン(公共スペース、観光地及び交通網におけるネットワーク品質の向上)
におけるものである。
・ 主にフランス、ポーランド、ベルギー並びにアフリカ及び中東諸国における超高速固定回線ブロードバン
ド・ネットワーク(VDSL及びFTTH)への投資の増加。
・ 影響度は低いが、2017年末のオレンジ・バンクのサービスの営業開始に伴うオレンジ・バンクによるITへ
の投資。
・ 上記は、ネットワーク資産、店舗及びその他の不動産への投資の減少により、部分的に相殺された。
1.2.5.1.2 通信ライセンス
2018年の通信ライセンスの取得(連結財務書類に対する注記8.3を参照のこと。)は、総額200百万ユーロとな
り、主に(i)スペインの149百万ユーロ(142百万ユーロでの5Gライセンスの取得)、(ii)コンゴ民主共和国の21百
万ユーロ(4Gライセンスの取得)及びセネガルの21百万ユーロ(追加の4G周波数ブロックの取得の第1トランシェ)
が含まれていた。
2017年の通信ライセンスの取得は、 実績ベース で318百万ユーロとなり、主に(i)マリの152百万ユーロ(既存の
ライセンスを更新して4Gライセンスを含むユニバーサル・ライセンスの取得)、(ii)セネガルの76百万ユーロ
(既存のライセンスを更新して4Gライセンスを含むユニバーサル・ライセンスの取得の第2トランシェ)、及び
(iii)ヨルダンの49百万ユーロ(追加の3G周波数ブロックの取得)が含まれていた。
2016年の通信ライセンスの取得は、 実績ベース で1,521百万ユーロとなり、主に(i)ポーランドの719百万ユーロ
(800MHz帯域における2つの5MHz周波数ブロック及び2,600MHz帯域における3つの5MHz周波数ブロックの取得)、
(ii)エジプトの377百万ユーロ(1,800MHz及び2,100MHz帯域における2つの10MHz周波数ブロック並びに1つの固定
回線仮想ネットワーク事業者ライセンスの取得)、(iii)コートジボワールの146百万ユーロ(主に、4Gを含むユ
ニバーサル・ライセンスに係るライセンスの更新)、(iv)ヨルダンの142百万ユーロ(2G/2G周波数ブロックの更
新)、及び(v)セネガルの76百万ユーロ(既存のライセンスを更新して4Gライセンスを含むユニバーサル・ライセ
ンスの取得の第1トランシェ)が含まれていた。
1.2.5.2 投資コミットメント
投資コミットメントは、連結財務書類に対する注記14で説明されている。
1.2.5.3 投資計画
Essentials2020 戦略計画の一環として、当グループはネットワークと顧客経験の質によって差別化するという
当グループの戦略を推進する。この戦略は、ネットワークの優位性を強化し、拡張されたサービスを提供する
というターゲットを絞った投資に基づくものである。また、当グループは、単位原価を15%段階的に減らすこ
とを目的とするその新たな投資最適化プログラム、Lean Capexに注力している。同プログラムにより、2020年
までの総節約額は10億ユーロに上るが、これは、オレンジがその変革を加速するために、当グループの目標に
沿って部分的に再投資される。当グループ全体の投資は、2018年にピークを付けた後、わずかに減少する予定
である。
2019年は、超高速ブロードバンド・インターネット・アクセスを提供する FTTx固定回線ネットワーク (光ファイ
バー及びその他の超高速ブロードバンド技術)に対する投資が加速する。これは主にフランス及びスペインに関
係するもので、当グループが超高速固定回線ブロードバンド・ネットワークの市場リーダーの地位を維持する
ことを可能にする。オレンジは、フランスにおいて超高速ブロードバンドの普及について中心的な役割を果た
しており、現在FTTH投資を待っている地域での設置についてその80%を担当している。また、2021年末までに
人口密度が非常に高い及びやや高い地域で20百万世帯及び企業に接続サービスを提供する目標の達成も目指し
ている。スペインでは、オレンジは、特に費用を最適化するためのインフラ共有契約を最大化することによっ
て、高い水準の超高速ブロードバンド配備を維持する。オレンジは、2020年末までに16百万近くの世帯を超高
速ブロードバンドに接続することを目標としている(スペインの世帯のほぼ60%をカバー)。ポーランドでは、
オレンジは、EU補助金を利用して、その融合戦略を支援する野心的な投資計画を続けている。オレンジは、
2020年末までに5百万超の世帯を接続することを目標に光ファイバー接続を強化する予定である。ルーマニアで
は、2019年にテレコム・ルーマニアとのインフラ共有契約に基づき、既存のカバー範囲を補完する光ファイ
バーが配備される予定である。スロバキアでは、光ファイバー・ネットワークの配備は2019年も継続される。
ベルギーでは、ケーブル・ネットワークによって発展したテレビ及びインターネット・サービスを通して融合
戦略の普及が続く予定である。モルドバでは、超高速固定回線ブロードバンド・ネットワークの配備が継続、
融合戦略を支援する既存のカバー範囲を拡大する。
4G移動体通信ネットワーク への投資は2019年も継続する。目標は、オレンジが活動する全ての欧州諸国につい
て人口の96%超をカバーすることである。フランスでは、オレンジは、2019年末までに人口の99%をカバーす
るに十分な配備率を維持することによってプレミアム移動体通信事業者戦略を追求する。また、 ニュー・
ディール 契約(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)の一部として、政府の代表であるフランスの通信規制機
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関、ARCEPが課した規制上のコミットメントを果たすために、農村地帯でのネットワークも強化する予定であ
る。スペインでは、オレンジは、顧客体験を向上させることにさらに焦点を合わせた投資により、4Gネット
ワー クの配備を進める。ポーランドでは、2019年以降の投資は、国内のカバー率を改善することに集中する。
ルーマニア及びスロバキアでは、当グループは、人口カバー率を引き上げるために投資を継続する。オレンジ
はまた、アフリカ及び中東諸国でもその4Gネットワークの設置を続ける予定である。
また、モバイル・インターネット通信量の大幅な増加を背景として、当グループは、5G技術の到来に積極的に
備えている。2019年、5Gの配備は、 Massive MIMO スマート・アンテナ技術(疑似バックグラウンド放射を削減し
つつ、ユーザーのための信号の品質を引き上げる。)により、既存の4Gの施設で行われる。5Gは、十分な5Gス
マートフォンが利用可能になれば、2020年の導入前の2019年に欧州の17の都市で配備される(「1.1.3 主な出
来事」を参照のこと。)。
最後に、オレンジの顧客との関係を向上させる目標の一環として、2018年末現在、世界中の16ヶ国で883店のス
マート・ストアを開設している。当グループの野心的な目標は、2020年末までにフランス、スペイン、欧州並
びにアフリカ及び中東諸国で1,400店を超えるスマート・ストアを開設することである。
1.3 事業セグメント別の分析
セグメント情報の表示の変更
2018年5月2日に発足したオレンジ・グループ経営委員会の新たな組織(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)
は、当グループに、その事業セグメントの定義を変更することなく、そのセグメント情報がどのように表示さ
れるかについて見直しを実施させた(連結財務書類に対する注記1.7を参照のこと。)。
資源の配分及びオレンジの様々な要素の実績の評価に関する決定は、事業セグメント・レベルで会長兼最高経
営責任者(最高経営意思決定者)によって行われる。事業セグメントは、主に地理的ベースで組織されている。
したがって、事業セグメントは以下の通りとなっている。
・ フランス(企業向けを除く。)。
・ スペイン。
・ ポーランド、ベルギー、ルクセンブルク及び中欧諸国各国(モルドバ、ルーマニア及びスロバキア)。欧州
全体は、同地域の事業セグメントを含む。
・ ソナテル・サブグループ(セネガル、マリ、ギニア、ギニアビサウ及びシエラレオネの事業体で構成され
る。)、コートジボワール・サブグループ(コートジボワール、ブルキナファソ及びリベリアの事業体で構
成される。)並びにその他のアフリカ及び中東諸国各国(主に、ボツワナ、カメルーン、中央アフリカ共和
国(CAR)、コンゴ民主共和国(DRC)、エジプト、ヨルダン、マダガスカル、モロッコ及びニジェール)。表示
されるアフリカ及び中東諸国全体は、同地域の事業セグメントを含む。
・ 企業向けサービスは、フランス及び世界各国における企業向け通信ソリューション及びサービスを対象と
している。
・ 海外通信事業及びシェアード・サービス(IC&SS)は、(i)国際的・長距離通信ネットワークの展開、海底
ケーブルの敷設・維持管理及び海外通信事業者向けの販売・サービス、並びに、(ii)グループ全体(当グ
ループに共通の情報システム、研究開発及びその他の活動)にまたがるサポート業務及び部門横断的業務、
コンテンツに関する業務、並びにオレンジ・ブランドを含む、シェアード・サービスを対象とする。
・ オレンジ・バンク。
2017及び2016事業年度の実績ベースのデータ、比較可能ベースのデータ及び顧客基盤は、同変更を反映するた
めに再表示されている。
セグメント情報に関する詳細については、連結財務書類に対する注記1を参照のこと。
セグメント別の業績データ
以下の表は、オレンジ・グループのセグメント別の主要業績データ(財務データ及び労働力)を、(i)2018事業年
度、(ii)比較可能ベース(2018年との比較)及び実績ベースによる2017事業年度、並びに(iii)比較可能ベース
(2017年との比較)及び実績ベースによる2016年のデータで示している。
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業及び
アフリカ 通信事業 通信事業 ジ | |
フランス スペイン 欧州 企業向け
シェアー
12月31日に終了 及び中東 消去 合計 ・ プ プ
ド・サービ
した事業年度 ス バ 消 合
(単位: ン 去 計
百万ユーロ) ク
2018年
収益 18,211 5,349 5,687 5,190 7,292 1,534 (1,879) 41,384 - (3) 41,381
調整後EBITDA 7,076 1,700 1,508 1,667 1,245 (45) - 13,151 (147) 1 13,005
EBITDA報告額 6,348 1,660 1,502 1,655 1,153 (194) - 12,124 (148) 1 11,977
営業利益 3,198 555 339 659 765 (519) - 4,997 (169) 1 4,829
Capex 3,656 1,120 953 1,008 353 316 - 7,406 36 - 7,442
通信ライセンス (1) 149 10 42 - - - 200 - - 200
平均従業員数 56,102 6,695 21,823 14,956 22,963 12,621 - 135,160 783 - 135,943
オ
レ グ グ
海外通信事 ン ル ル
業及び
アフリカ 通信事業 通信事業 ジ | |
フランス スペイン 欧州 企業向け
シェアー
12月31日に終了 及び中東 消去 合計 ・ プ プ
ド・サービ
した事業年度 ス バ 消 合
(単位: ン 去 計
百万ユーロ) ク
2017年-比較可能
ベースのデータ(1)
収益 18,048 5,232 5,593 4,940 7,308 1,633 (1,916) 40,838 - (1) 40,837
調整後EBITDA 6,879 1,568 1,460 1,585 1,306 (77) - 12,721 (62) 1 12,660
EBITDA報告額 6,446 1,564 1,422 1,565 1,258 (345) - 11,910 (62) 1 11,849
Capex 3,451 1,115 899 999 385 282 - 7,131 60 - 7,191
通信ライセンス 11 10 - 293 - - - 314 - - 314
平均従業員数 59,680 6,569 22,706 15,210 22,163 12,485 - 138,813 663 - 139,476
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海外通信事 ン ル ル
業及び
アフリカ 通信事業 通信事業 ジ | |
フランス スペイン 欧州 企業向け
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12月31日に終了 及び中東 消去 合計 ・ プ プ
ド・サービ
した事業年度 ス バ 消 合
(単位: ン 去 計
百万ユーロ) ク
2017年-実績ベース
のデータ
収益 18,046 5,231 5,578 5,030 7,251 1,651 (1,926) 40,861 - (2) 40,859
調整後EBITDA 6,878 1,567 1,456 1,612 1,306 (78) - 12,741 (62) 1 12,680
EBITDA報告額 6,444 1,563 1,417 1,591 1,258 (349) - 11,924 (62) 1 11,863
営業利益 3,368 555 240 522 889 (704) - 4,870 (93) 1 4,778
Capex 3,451 1,115 897 1,021 382 282 - 7,148 61 - 7,209
通信ライセンス 11 10 - 297 - - - 318 - - 318
平均従業員数 59,622 6,565 22,636 15,210 20,807 12,535 - 137,375 663 - 138,038
オ
レ グ グ
海外通信事 ン ル ル
業及び
アフリカ 通信事業 通信事業 ジ | |
フランス スペイン 欧州 企業向け
シェアー
12月31日に終了 及び中東 消去 合計 ・ プ プ
ド・サービ
した事業年度 ス バ 消 合
(単位: ン 去 計
百万ユーロ) ク
2016年-比較可能
ベースのデータ(1)
収益 17,896 4,909 5,554 4,881 7,316 1,806 (1,979) 40,383 - - 40,383
調整後EBITDA 6,730 1,353 1,578 1,506 1,330 (43) - 12,454 (35) - 12,419
EBITDA報告額 6,129 1,226 1,562 1,471 1,239 (193) - 11,434 (35) - 11,399
Capex 3,431 1,086 886 954 335 267 - 6,959 15 - 6,974
通信ライセンス - 51 747 685 - - - 1,483 - - 1,483
平均従業員数 63,094 6,399 23,255 15,783 20,125 12,670 - 141,326 506 - 141,832
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オ
レ グ グ
海外通信事 ン ル ル
業及び
アフリカ 通信事業 通信事業 ジ | |
フランス スペイン 欧州 企業向け
シェアー
12月31日に終了 及び中東 消去 合計 ・ プ プ
ド・サービ
した事業年度 ス バ 消 合
(単位: ン 去 計
百万ユーロ) ク
2016年-実績ベース
のデータ
収益 17,896 4,909 5,482 5,245 7,346 1,812 (1,982) 40,708 - - 40,708
調整後EBITDA 6,729 1,351 1,558 1,658 1,336 (56) - 12,576 (12) - 12,564
EBITDA報告額 6,128 1,224 1,543 1,638 1,292 (212) - 11,613 (12) - 11,601
営業利益 3,304 278 (169) 68 916 (565) - 3,832 85 - 3,917
Capex 3,421 1,086 874 962 336 277 - 6,956 15 - 6,971
通信ライセンス - 51 728 742 - - - 1,521 - - 1,521
平均従業員数 63,094 6,401 23,255 15,368 20,316 12,680 - 141,114 143 - 141,257
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.3.1 フランス
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
フランス
ベースの ベースの データの データの ベースの
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) データ 増減率(1) 増減率 データ
18,211 18,048 18,046 0.9% 0.9% 17,896
収益
7,076 6,879 6,878 2.9% 2.9% 6,729
調整後EBITDA
38.9% 38.1% 38.1% 37.6%
調整後EBITDA/収益
6,348 6,446 6,444 (1.5)% (1.5)% 6,128
EBITDA報告額
3,198 3,368 (5.0)% 3,304
営業利益
3,656 3,451 3,451 6.0% 6.0% 3,421
Capex
20.1% 19.1% 19.1% 19.1%
Capex/収益
(1) 11 11 NA NA -
通信ライセンス
56,102 59,680 59,622 (6.0)% (5.9)% 63,094
平均従業員数
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.3.1.1 収益 - フランス
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2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
フランス
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
18,211 18,048 18,046 0.9% 0.9% 17,896
小売サービス(2)
10,974 10,798 10,798 1.6% 1.6% 10,777
コンバージェンス・サービス
4,458 4,045 4,045 10.2% 10.2% 3,598
移動体通信のみのサービス
2,348 2,409 2,409 (2.6)% (2.6)% 2,612
固定回線のみのサービス
4,168 4,344 4,344 (4.1)% (4.1)% 4,567
- 固定回線のみのブロードバン
2,565 2,535 2,535 1.2% 1.2% 2,493
ド・サービス
- 固定回線のみのナローバン
1,603 1,809 1,809 (11.4)% (11.4)% 2,074
ド・サービス
通信事業者向けサービス
5,342 5,390 5,388 (0.9)% (0.8)% 5,294
機器の販売
1,410 1,386 1,386 1.7% 1.7% 1,340
その他の収益
485 474 474 2.5% 2.5% 485
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 「金融用語集」を参照のこと。
2018年と2017年の比較
実績ベース では、フランスの収益は、2017年から2018年の間に165百万ユーロ増加した。これは、(i)連結範囲
の変更及びその他の変更のプラスの影響2百万ユーロ、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(163百万
ユーロの収益増加)によるものである。
比較可能ベース では、フランスの収益は、2017年から2018年の間に163百万ユーロ増加した。これは、主に(i)
デジタル読書サービスを含めたことによるプラスの影響(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)、(ii)コン
バージェンス・サービスの収益増加、(iii)特に地方自治体によって管理されるネットワークの配備及び運営の
一部である光ファイバーの普及、並びに(iv)影響度は低いが、機器の販売の増加によるが、(v)固定回線のみの
ナローバンド・サービス(従来型電話)の減少傾向、国内ローミング収益の予想される減少、及びアンバンドリ
ングの規制価格下落によって部分的に相殺された。
フランスの移動体通信及び固定回線顧客基盤は、実績ベースと比較可能ベース両方で、2017年から2018年の非
常に激しい競争環境に耐えた。
・ 2018年12月31日現在の顧客は21.7百万人と、移動体通信の総顧客基盤は前年比0.4%の縮小にとどまった。
契約顧客は前年比2.1%増加した。この増加は、(i)オープン融合サービス(2018年12月31日現在で9.3百万
人)に伴うプレミアム・サービスの成長及び(ii) SIMのみ のサービス(Soshデジタル・サービスを含む。)
(2018年12月31日現在で3.8百万人)の普及によるエントリー・レベルのサービスの成長の両方を反映するも
のである。また、2018年12月31日現在の4G顧客は15.0百万人と、前年比9.9%増加した。
・ 2018年12月31日現在の固定回線ブロードバンドの総顧客基盤は11.5百万人で、前年比2.1%増加(232,000人
の新規顧客)した。この人数の増加は、基本的に(i)2018年12月31日現在で計2.6百万人と、29.7%増加した
光ファイバー・サービスの普及(593,000人の新規顧客)、及び(ii)2.6%成長し、2018年12月31日現在で6.1
百万人となった融合サービスの機運により後押しされた。また、2018年12月31日現在で7.0百万人がIPTV及
び衛星テレビ・サービスに加入しており、2.7%増加した。
比較可能ベース では、コンバージェンス・サービスの収益は、2つの期間の間で413百万ユーロ増加した。これ
は、主に以下によるものであった。
・ 2018年12月31日現在で6.1百万人と、融合サービスの顧客基盤は前年比2.6%増加した。増加は、
「Sosh+Livebox」融合サービス停止の悪影響を受けたもののオープン・サービスの成功により後押しされ
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た。また、2018年12月31日現在の融合サービス移動体通信顧客が9.7百万人(前年比5.5%増)、すなわち融
合サービス顧客当たり保有携帯電話1.6台と、世帯当たりの携帯電話保有数の増加も寄与した。融合サービ
ス 顧客は、2018年12月31日現在で小売固定回線ブロードバンド顧客基盤の59.5%を占めた。
・ 価値の増加。この点で、12ヶ月融合ARPO(「金融用語集」を参照のこと。)は、主にデジタル読書サービス
を含めたことのプラスの影響のため、2017年12月31日から2018年12月31日の間に3.2%増加した。
比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスの収益は61百万ユーロ減少した。これは、主に(i)移動体通信
のみのサービスの顧客基盤が(契約サービスから融合サービスへの移行のために)4.7%減少したこと、及びプリ
ペイド顧客基盤の構造的な減少によるが、(ii)12ヶ月移動体通信のみのARPO(「金融用語集」を参照のこと。)
が1.7%増加したことによって部分的に相殺された。
比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスの収益は、従来型電話の減少傾向(11.4%又は207百万ユーロの
減少)及び融合サービスへの顧客移行のため、2つの期間の間で176百万ユーロ減少した。固定回線のみのブロー
ドバンド・サービスの収益は、12ヶ月固定回線のみのブロードバンドARPO(「金融用語集」を参照のこと。)の
2.1%の増加及び固定回線のみのブロードバンド顧客基盤の前年比1.5%の増加により後押しされ、前年比1.2%
増加した。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスの収益は、2つの期間の間で48百万ユーロ減少した。これは、主
に以下によるものであった。
・ (i)国内ローミング収益の構造的減少、並びに(ii)アンバンドリング率の低下及び超高速ブロードバンド・
ネットワーク、特にFTTHへの顧客移行の加速による卸売ADSLアクセスの収益減少。他の事業者に販売され
た銅電話線の数は、2018年12月31日現在で計13.1百万と、前年比4.6%減少した。
・ 上記は、光ファイバー・ネットワークの構築、運営及び売却による収益の増加によって部分的に相殺され
た。
比較可能ベースでは、機器の販売による収益が2つの期間の間で24百万ユーロ増加した。これは、主に移動体通
信機器の販売が増加したことによるものである。
2017年と2016年の比較
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、フランスの収益は、2016年から2017年の間に150百万ユーロ
(0.8%)増加した。これは、主に(i)コンバージェンス・サービス及び通信事業者向け固定回線サービスの収益
増加、2017年10月初め以降のデジタル読書サービスを含めたことのプラスの影響、及び機器の販売の増加によ
るが、(ii)固定回線のみのナローバンド・サービス(従来型電話)の収益減少傾向及び移動体通信のみのサービ
スの収益減少によって部分的に相殺された。2つの期間の間で、2017年6月15日にEU諸国のローミング追加料金
が終了したことの影響は、ビジターのローミングの増加が顧客ローミングの下落をほぼ埋め合わせたことか
ら、フランスの収益に関してほぼ中立である。
激しい競争にもかかわらず、実績ベースと比較可能ベース両方でフランスの移動体通信及び固定回線顧客基盤
は2016年から2017年に増加した。
・ 2017年12月31日現在の顧客は21.8百万人と、移動体通信の総顧客基盤は前年比0.6%増加した。契約顧客は
前年比4.0%増加した。この増加は、(i)オープン融合サービス(2017年12月31日現在で8.7百万人に達して
いた。)に伴うプレミアム・サービスの成長、及び(ii) SIMのみ のサービス(Soshデジタル・サービスを含
む。)(2017年12月31日現在で3.6百万人)の普及によるエントリー・レベルのサービスの成長の両方を反映
するものである。また、2017年12月31日現在の4G顧客は13.6百万人と、前年比20.8%増加した。
・ 2017年12月31日現在の固定回線ブロードバンドの総顧客基盤は11.2百万人で、前年比3.1%増加(339,000人
の新規顧客)した。この増加は、基本的に(i)2017年12月31日現在で計2.0百万人と、37.6%増加した光ファ
イバー・サービスの普及(546,000人の新規顧客)、及び(ii)8.5%成長し、2017年12月31日現在で、当該時
点の小売固定回線ブロードバンドの総顧客基盤の59.3%を表象する6.0百万人となった融合サービスの機運
により後押しされた。また、2017年12月31日現在で6.9百万人がIPTV及び衛星テレビ・サービスに加入して
おり、3.8%増加した。
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、コンバージェンス・サービスの収益は前年比447百万ユーロ
(12.4%)増加した。増加は、以下の両方を反映している。
・ オープン・プレミアム・サービスの機運により後押しされた、融合サービス顧客基盤の8.5%の増加(前年
比466,000人増)。2017年12月31日現在、融合サービスのSIMカード数は、前年比11.7%増加した。
・ 2017年10月初旬からデジタル読書サービスを含めたことのプラスの影響(特に第4四半期)による、12ヶ月融
合ARPOの1.3%の増加。
実績ベースと比較可能ベース両方において、移動体通信のみのサービスの収益は、203百万ユーロ減少した
(7.7%減)。これは、主に以下によるものであった。
・ 主に顧客のより魅力的な融合サービスへの移行及びプリペイド・サービスの前年比16.7%の減少から生じ
た移動体通信のみの顧客基盤の6.3%の減少。
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・ 契約顧客数の減少がプリペイド・サービスの顧客数の減少を下回った顧客ミックスの好ましい変化にかか
わらない、移動体通信のみのARPOの前年比1.8%の減少。
実績ベースと比較可能ベース両方において、固定回線のみのサービスの収益は、223百万ユーロ(4.9%)減少し
た。これは、(i)固定回線電話収益の減少傾向から生じた固定回線のみのナローバンド・サービスにおける265
百万ユーロ(12.8%)の減少によるが、(ii)固定回線のみのブロードバンド・サービスにおける42百万ユーロ
(1.7%)の増加によって部分的に相殺された。
2つの期間の間における固定回線のみのブロードバンド・サービスの収益の増加は、以下によるものであった。
・ 12ヶ月固定回線のみのブロードバンドARPOの3.7%の増加。これは、(i)付加価値の上昇を伴う光ファイ
バー・サービスの比率の拡大、及び(ii)影響度は低いが、2017年10月初め以降、デジタル読書サービスが
含まれたことのプラスの影響に支えられた。
・ 上記は、主に顧客のより魅力的な融合サービスへの移行による、固定回線のみのブロードバンド顧客基盤
の前年比2.4%の減少(127,000人減)により部分的に相殺された。
実績ベースと比較可能ベース両方において、通信事業者向けサービスの収益は94百万ユーロ(1.8%)増加した。
これは主に以下によるものであった。
・ (i)ADSLアクセスの卸売販売に関連する収益の増加(アンバンドリング料金の引き上げに支えられた。)、並
びに(ii)光ファイバー・インフラ整備及びこれらのネットワークの共有による収益の増加。他の通信事業
者に売却された銅線回線の数は、2017年12月31日現在で計13.7百万回線となり、前年比で1.9%減少した。
この減少は、他の事業者に売却されたFTTHアウトレットの数の増加により、部分的に相殺された。
・ ビジターのローミング及びネットワーク共有による収益の増加。
・ 上記は、国内ローミング契約の収益の予想された減少によって部分的に相殺された。
1.3.1.2 調整後EBITDA - フランス
2018年と2017年の比較
実績ベース では、フランスの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に198百万ユーロ増加した。これは(i)連
結範囲の変更及びその他の変更によるマイナスの影響(1百万ユーロ)を反映し、(ii)比較可能ベースでの有機的
な変化により相殺されて余りあるものである(すなわち、調整後EBITDAの197百万ユーロの増加)。
2017年から2018年の間、調整後EBITDAは、デジタル読書サービスを含めたことから111百万ユーロ増加
(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)、2018年のプラスの影響は158百万ユーロ(2017年は47百万ユーロ)と
なった。
比較可能ベース では、フランスの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に197百万ユーロ増加した。これは主
に、以下に起因していた。
・ (i)163百万ユーロの収益の増加、(ii)進行中の転換計画のために主に平均従業員数(フルタイム従業員及び
これに類する者)の減少から生じた人件費の減少、及び(iii)影響度は低いが、その他の営業費用の減少並
びに販売費用及びコンテンツ費用の減少。
・ 上記は、(i)主に地方自治体によって管理されるネットワークの運営に関連した再販のための購入から生じ
たその他の外部購入費の増加、及び(ii)その他の営業利益の減少によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、フランスの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に149百万ユーロ増加した。これは(i)連
結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(1百万ユーロ)、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変
化(すなわち、調整後EBITDAの148百万ユーロの増加)に起因していた。
比較可能ベース では、フランスの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に148百万ユーロ増加した。これは主
に、以下に起因していた。
・ 人件費の減少。これは主に、(i)転換計画の加速(店舗での接触及び顧客関係の低下、並びにデジタル活動
の増加に伴う。)により可能になった平均従業員数(フルタイム従業員及びこれに類する者)の減少、及び
(ii)影響度は低いが、2016年に オレンジ・アンビション2016 従業員持株制度を認識したことの反対効果に
よるものである。
・ 収益の150百万ユーロの増加。
・ 上記は、(i)コンテンツ費用の増加(主に、コンテンツ分野における新規契約、パートナーシップの延長及
び更新により、サービス増強が可能になったことによる。)並びに(ii)その他の営業収益及び費用の減少に
より部分的に相殺された。
1.3.1.3 営業利益 - フランス
2018年と2017年の比較
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実績ベース では、フランスの営業利益は、2017年から2018年の間に170百万ユーロ減少した。これは主に、以下
に起因していた。
・ (i)主に「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フランスの高齢従業員の雇用に関する契約に関連する。)及
び関連する特別手当についての特に2018年12月に行われた制度の3年間の延長(「1.1.3 主な出来事」を参
照のこと。)から生じた特定の人件費の307百万ユーロの増加、(ii)事業再編及び統合費用の102百万ユーロ
の増加、並びに(iii)主に近年実行された投資(光ファイバーの配備など)の増加に関係する減価償却費及び
償却費の75百万ユーロの増加。
・ 上記は、(i)調整後EBITDAの198百万ユーロの増加、及び(ii)重要な訴訟に関する115百万ユーロの費用を
2017年に認識したことの反対効果によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、フランスの営業利益は、2016年から2017年の間に64百万ユーロ増加した。これは主に、以下
に起因していた。
・ (i)2016年に事業再編及び統合費用の166百万ユーロを認識したことの反対効果(主に、販売ネットワークの
合理化による。)(「1.2.2.1 EBITDA報告額」を参照のこと。)、(ii)特定の人件費の128百万ユーロの減少
(主に、フランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)及び関連する特別手当に係るものである。)、及び
(iii)調整後EBITDAの149百万ユーロの増加。
・ 上記は、以下により部分的に相殺された。
・ 減価償却費及び償却費の250百万ユーロの増加。これは主に、(i)超高速固定回線及び移動体通信ブロー
ドバンド・ネットワーク(4G及びFTTH)の展開に関して近年行われた投資の増加、(ii)一部の固定資産の
加速償却、並びに(iii)リース用電話機器、 ライブボックス 及び顧客の敷地に設置された機器の減価償却
に起因している。
・ 重要な訴訟に関する115百万ユーロの費用を認識したこと。
1.3.1.4 Capex - フランス
2018年と2017年の比較
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、フランスのCapexは、2017年から2018年の間に205百万ユーロ増加
した。これは、主に超高速固定回線及び移動体通信ブロードバンド・ネットワーク(他の事業者の共同出資によ
る光ファイバー及び4G。「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)への投資の増加に起因していた。2018年12月
31日現在、フランスの超高速ブロードバンド接続は11.8百万世帯で、前年比29.8%増加した。また、2018年12
月31日現在、4Gネットワークはフランスの人口の98.6%をカバーしたが、これは前年比2.7ポイントの上昇であ
る。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、フランスのCapexは、2016年から2017年の間に30百万ユーロ増加した。これは、(i)連結範囲
の変更及びその他の変更によるプラスの影響(10百万ユーロ)、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(す
なわち、Capexの20百万ユーロの増加)に起因していた。
比較可能ベース では、フランスのCapexは、2016年から2017年の間に20百万ユーロ増加した。これは、主に超高
速固定回線及び移動体通信ブロードバンド・ネットワーク(4G及び光ファイバー)への投資の増加に起因してい
た。
1.3.1.5 通信ライセンスの取得 - フランス
2018年及び2016年に、フランスで通信ライセンスの取得は認識されなかった。2017年の通信ライセンスの取得
は11百万ユーロであった。
1.3.1.6 追加情報 - フランス
2017年 比較可能
フランス
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:千。期末時点。)
2018年
データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
コンバージェンス・サービス
コンバージェンス・サービス 6,132 5,978 5,978 2.6% 2.6% 5,512
顧客数
12ヶ月融合ARPO 64.8 62.8 62.8 3.2% 3.2% 61.9
(単位:ユーロ)(3)
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移動体通信サービス
移動体通信サービス顧客数(2) 21,725 21,803 21,803 (0.4)% (0.4)% 21,677
融合サービスの顧 9,746 9,237 9,237 5.5% 5.5% 8,267
うち、
客
移動体通信のみの 11,979 12,566 12,566 (4.7)% (4.7)% 13,410
サービスの顧客
うち、 契約顧客 19,234 18,847 18,847 2.1% 2.1% 18,130
プリペイド顧客 2,491 2,956 2,956 (15.7)% (15.7)% 3,547
12ヶ月移動体通信のみのARPO 17.2 16.9 16.9 1.7% 1.7% 17.2
(単位:ユーロ)(3)
固定回線サービス
固定回線ブロードバンド・ 11,460 11,228 11,228 2.1% 2.1% 10,889
サービス顧客数
うち、 超高速ブロードバ 2,592 1,999 1,999 29.7% 29.7% 1,452
ンド・アクセスの
顧客
うち、 融合サービスの顧 6,132 5,978 5,978 2.6% 2.6% 5,512
客
固定回線のみの 5,328 5,250 5,250 1.5% 1.5% 5,377
サービスの顧客
12ヶ月固定回線のみのブロー 38.7 38.0 38.0 2.1% 2.1% 36.6
ドバンドARPO
(単位:ユーロ)(3)
固定電話回線数 28,619 29,580 29,580 (3.3)% (3.3)% 30,103
うち、 小売り(4) 15,480 15,804 15,804 (2.0)% (2.0)% 16,038
従来型固定電話回 5,515 6,345 6,345 (13.1)% (13.1)% 7,173
うち、
線(PSTN)
事業者 13,102 13,736 13,736 (4.6)% (4.6)% 14,008
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。
(3) 「金融用語集」を参照のこと。
(4) この数値には、(i)一般的アナログ回線(フル・アンバンドリングの回線を除く。)及びNumeris(ISDN)回線が含まれており、各Numeris
回線を1回線として計上している。また、(ii)オレンジが小売顧客に直接販売したナローバンド(Naked ADSL)電話契約を要しない回
線、(iii)光ファイバー(FTTH)、並びに(iv)固定回線4G及びその他のアクセスが含まれる。
1.3.2 スペイン
2017年 比較可能
比較可能 2017年実績 ベースの 実績ベース 2016年
スペイン
ベースの ベースの データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) データ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益
5,349 5,232 5,231 2.2% 2.3% 4,909
調整後EBITDA
1,700 1,568 1,567 8.4% 8.5% 1,351
調整後EBITDA/収益
31.8% 30.0% 30.0% 27.5%
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有価証券報告書
EBITDA報告額
1,660 1,564 1,563 6.1% 6.2% 1,224
営業利益
555 555 0.1% 278
Capex
1,120 1,115 1,115 0.4% 0.5% 1,086
Capex/収益
20.9% 21.3% 21.3% 22.1%
通信ライセンス
149 10 10 ns ns 51
平均従業員数
6,695 6,569 6,565 1.9% 2.0% 6,401
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.3.2.1 収益 - スペイン
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
スペイン
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
5,349 5,232 5,231 2.2% 2.3% 4,909
小売サービス
3,855 3,810 3,808 1.2% 1.2% 3,590
コンバージェンス・サービス
2,143 2,078 2,078 3.1% 3.1% 1,855
移動体通信のみのサービス
1,215 1,231 1,229 (1.3)% (1.1)% 1,260
固定回線のみのサービス
496 501 501 (1.0)% (1.0)% 475
通信事業者向けサービス
810 753 754 7.5% 7.4% 676
機器の販売
684 669 669 2.3% 2.3% 643
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
2018年と2017年の比較
実績ベース では、スペインの収益は、2017年から2018年の間に118百万ユーロ増加した。これは、(i)連結範囲
の変更及びその他の変更のプラスの影響1百万ユーロ、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(収益の117
百万ユーロの増加)によるものである。
比較可能ベース では、スペインの収益は、2017年から2018年の間に117百万ユーロ増加した。これは、主に(i)
コンバージェンス・サービスの収益増加、(ii)固定回線通信事業者向けサービスの収益増加、及び(iii)影響度
は低いが、機器の販売の増加によるものである。
比較可能ベースでは、スペインの移動体通信及び固定回線顧客基盤は激しい競争に耐えた。
・ 2018年12月31日現在、移動体通信の総顧客基盤は16.2百万人で、2017年12月31日時点と比べて、1.8%増加
した。2018年12月31日現在の契約サービスの顧客は計13.5百万人で、前年比2.3%増加、プリペイド・サー
ビスの顧客(2018年12月31日現在で2.7百万人)は同期間に5.7%減少した。2018年12月31日現在、4G顧客の
数は9.8百万人で、前年比4.7%増加した。
・ 2018年12月31日現在、固定回線ブロードバンドの総顧客基盤は4.1百万人であった。超高速固定回線ブロー
ドバンド顧客基盤は前年比27.6%増と大幅に増加して、2018年12月31日現在で2.9百万人となった。2018年
12月31日現在、デジタルテレビ・サービスの顧客も前年比14.5%増加した。増加は、コンテンツ・サービ
ス(特にサッカー及び選択式のプレミアム・サービスの強化)に後押しされ、テレビ・サービスの普及率は
17%を超えた。
比較可能ベース では、コンバージェンス・サービスの収益は、2つの期間の間で65百万ユーロ増加した。これ
は、主に(i)融合サービスの継続的な拡大、及び(ii)対応する顧客基盤の同期間の増加(2018年12月31日現在の
顧客数は3.1百万人で、前年比1.1%増加)による。同期間、12ヶ月融合ARPOの顧客は前年比1.3%増加した。
2018年12月31日現在、融合サービスは小売固定回線ブロードバンド顧客基盤の84.7%を占める。
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比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスの収益は、2つの期間の間に16百万ユーロ減少した。これは基
本的にプリペイド・サービスの顧客数が前年比5.7%減少したことから生じた同サービスの収益減少による。但
し、 2018年12月31日までの12ヶ月間で移動体通信のみのARPOが0.8%増加した一方、移動体通信のみの顧客基盤
は前年比0.4%増加した。
比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスからの収益は、2017年12月31日から2018年12月31日の間に5百万
ユーロ減少した。固定回線のみのブロードバンド及びナローバンド・サービスの収益減少(前年比6.6%の減少)
は、企業向けソリューション及び固定回線ネットワークの30.4%の収益増加によって部分的に相殺された。ま
た、12ヶ月固定回線のみのブロードバンドARPOは、前年比2.3%増加した。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスの収益は、2つの期間の間に56百万ユーロ増加した。これは、
(i)超高速ブロードバンド・アクセス及び国内ローミングの増加によるが、(ii)着信移動体通信通信量の減少
(2018年2月以降の通話着信料金の低下の影響)によって部分的に相殺された。
比較可能ベースで、2つの期間の間、機器の販売からの収益は、IoT販売活動(スマート・セキュリティ)の改善
により15百万ユーロ増加した。
2017年と2016年の比較
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、スペインの収益は、2016年から2017年の間に322百万ユーロ
(6.6%)増加した。これは、主に(i)コンテンツ・サービス及び超高速ブロードバンド・アクセスの成長に後押
しされたコンバージェンス・サービスの強力な収益増加、(ii)通信事業者向けサービス(国内及びビジターの
ローミング)の収益増加、並びに(iii)影響度は低いが、固定回線のみのサービス及び機器の販売による収益の
増加によるものである。
比較可能ベースでは、スペインの移動体通信及び固定回線顧客基盤は、2016年から2017年の間に増加した。
・ 2017年12月31日現在、移動体通信の総顧客基盤は15.9百万人で、前年比1.1%増加した。契約顧客(M2Mを除
く。)は前年比1.8%増加した。また、2017年12月31日現在、4G顧客は、前年比18.2%増加、9.3百万人と
なった。
・ 2017年12月31日、固定回線ブロードバンドの総顧客基盤は4.2百万人で、前年比0.5%増加(20,000人の新規
顧客)した。増加は、基本的に(i)2017年12月31日現在で40.4%増の計2.3百万人(650,000人の新規顧客)と
なった超高速固定回線ブロードバンド顧客基盤の拡大、及び(ii)2017年12月31日現在、1.9%増加して3.1
百万人(同日付の小売固定回線ブロードバンド顧客基盤の83.1%に相当する。)となった、融合サービスの
機運による。また、2017年12月31日現在、626,000人がIPTV及び衛星テレビ・サービスに加入しており、
23.4%増加した。
比較可能ベース では、コンバージェンス・サービスの収益は前年比223百万ユーロ(12.0%)増加した。増加は、
以下の両方を反映している。
・ 特に進行中のサービス強化による12ヶ月融合ARPOの6.5%の増加。
・ 融合サービス顧客基盤の1.9%の増加(前年比57,000人の新規顧客の増加)。増加は、(i)超高速ブロードバ
ンド・アクセスの機運、及び(ii)サッカー・チャンピオンシップの放送などコンテンツ・サービスの開発
による。2017年12月31日現在、融合サービスのSIMカード数は、前年比3.9%増加した。
比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスの収益は31百万ユーロ減少(2.5%の減少)した。これは、主に
以下によるものであった。
・ 主に顧客のより魅力的な融合サービスへの移行及びプリペイド・サービスの前年比11.7%減少から生じた
移動体通信のみの顧客基盤の0.5%の減少。
・ 上記は、進行中のサービス強化から生じた移動体通信のみのARPOの前年比1.2%の増加によって部分的に相
殺された。
比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスによる収益は26百万ユーロ(5.4%)増加したが、これは主に以下
によるものであった。
・ 2つの期間の間の固定回線のみのブロードバンド・サービス収益の3.8%の増加。固定回線のみのブロード
バンド顧客基盤の3.3%の減少(特に顧客のより魅力的な融合サービスへの移行による。)は、固定回線のみ
の12ヶ月ブロードバンドARPOの3.1%の顧客の増加に相殺されて余りあるものであった。
・ 企業向けソリューション及び固定回線ネットワークからの収益増加。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスによる収益は78百万ユーロ(11.6%)増加した。これは、主に他
の通信事業者に提供される移動体通信サービスの増加による。増加は、(i)国内ローミングの増加、及び(ii)ビ
ジターのローミングの増加によるが、2017年6月15日のEU諸国でのローミング追加料金の終了が影響した。
比較可能ベースでは、機器の販売からの収益は26百万ユーロ(4.0%)増加した。これは、移動体通信機器の販売
の増加によるものである。
1.3.2.2 調整後EBITDA - スペイン
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有価証券報告書
2018年と2017年の比較
実績ベース では、スペインの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に133百万ユーロ増加した。これは、(i)
連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの影響1百万ユーロ、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な成長
(調整後EBITDAの132百万ユーロの増加)による。
比較可能ベース では、スペインの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に132百万ユーロ増加した。これは、
主に(i)収益の117百万ユーロの増加、(ii)主に2018年に認識された固定資産売却から生じたその他の営業利益
の増加、並びに(iii)サービス手数料及びオペレーター間費用の減少(2018年2月の国内携帯電話接続料金の低下
による。)によるが、(iv)主に商業的な機運に沿ったサッカーに関する権利及びサービスの強化によるコンテン
ツ費用の増加によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、スペインの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に216百万ユーロ増加した。これは、(i)
連結範囲の変更及びその他の変更による2百万ユーロのプラスの影響、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な
変化(調整後EBITDAの214百万ユーロの増加)に起因していた。
比較可能ベース では、スペインの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に214百万ユーロ増加した。これは主
に、収益の322百万ユーロの増加によるものであり、(i)主に、サッカー関連の権利の拡大による販売費用及び
コンテンツ費用の増加、並びに(ii)事業の発展に関連するネットワーク費用の増加により部分的に相殺され
た。
1.3.2.3 営業利益 - スペイン
2018年と2017年の比較
実績ベース では、スペインの営業利益は、2017年から2018年の間に安定していた。これは、調整後EBITDAの133
百万ユーロの増加が、(i)基本的に超高速ブロードバンド・ネットワーク(4G及び光ファイバー)展開の一環とし
て近年実施した投資の増加のために減価償却費及び償却費が97百万ユーロ増加したこと、並びにリース用電話
機器、 ライブボックス 及び顧客の敷地に設置された機器の減価償却が増加したこと、並びに(ii)重要な訴訟に
関する31百万ユーロの費用を2018年上半期に認識したことによって、ほとんど相殺されたことによる。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、スペインでの2016年から2017年の間における277百万ユーロの営業利益の増加は、主に(i)調
整後EBITDAの216百万ユーロの増加、並びに(ii)2016年に事業再編及び統合費用の127百万ユーロを認識したこ
と(主に、従業員退職制度及びジャズテルの統合費用による。)の反対効果によるものであり(「1.2.2.1
EBITDA報告額」を参照のこと。)、(iii)減価償却費及び償却費の62百万ユーロの増加(主に、超高速固定回線及
び移動体通信ブロードバンド・ネットワーク(FTTH及び4G)に関して近年行われた投資の増加に起因している。)
により部分的に相殺された。
1.3.2.4 Capex - スペイン
2018年と2017年の比較
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、スペインのCapexは、2017年から2018年の間に5百万ユーロ増加し
た。これは、主に情報システム及びサービス・プラットフォームへの投資が増加したことによるが、超高速ブ
ロードバンド・ネットワークについて他の通信事業者から受けた共同出資によって相殺された(「1.1.3 主な
出来事」を参照のこと。)。
2017年と2016年の比較
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、スペインのCapexは、2016年から2017年の間に29百万ユーロ増加し
た。これは、主に超高速移動体通信ネットワーク(4G)への投資が増加したことによる。
1.3.2.5 通信ライセンスの取得 - スペイン
スペインの通信ライセンスの取得は、2018年においては、149百万ユーロであり、主に5Gライセンスの取得に対
応したものであった(連結財務書類に対する注記8.3を参照のこと。)。スペインの通信ライセンスの取得は、
(i)2017年においては10百万ユーロ、並びに(ii)2016年においては、2,600MHz及び3,500MHz帯域における4G周波
数ブロックの取得に関する51百万ユーロであった。
1.3.2.6 追加情報 - スペイン
2017年 比較可能
スペイン
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:千。期末時点。)
2018年
データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
コンバージェンス・サービス
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有価証券報告書
コンバージェンス・サービス顧 3,116 3,082 3,082 1.1% 1.1% 3,024
客数
12ヶ月融合ARPO 58.2 57.4 57.4 1.3% 1.3% 53.9
(単位:ユーロ)(3)
移動体通信サービス
移動体通信サービス顧客数(2) 16,186 16,043 15,893 0.9% 1.8% 15,727
うち、 融合サービスの顧客 5,881 5,776 5,776 1.8% 1.8% 5,557
移動体通信のみの 10,305 10,267 10,117 0.4% 1.9% 10,170
サービスの顧客
うち、 契約顧客 13,477 13,169 13,069 2.3% 3.1% 12,531
プリペイド顧客 2,709 2,874 2,823 (5.7)% (4.1)% 3,196
12ヶ月移動体通信のみのARPO 12.4 12.3 12.3 0.8% 0.8% 12.2
(単位:ユーロ)(3)
固定回線サービス
固定回線ブロードバンド・サー 4,155 4,152 4,152 0.1% 0.1% 4,132
ビス顧客数
うち、 超高速ブロードバン 2,883 2,260 2,260 27.6% 27.6% 1,610
ド・アクセスの顧客
うち、 融合サービスの顧客 3,116 3,082 3,082 1.1% 1.1% 3,024
固定回線のみのサー 1,039 1,071 1,071 (3.0)% (3.0)% 1,107
ビスの顧客
12ヶ月固定回線のみのブロード 31.5 30.8 30.8 2.3% 2.3% 29.9
バンドARPO
(単位:ユーロ)(3)
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。
(3) 「金融用語集」を参照のこと。
1.3.3 欧 州
2017年 比較可能
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
欧州
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益 5,687 5,593 5,578 1.7% 2.0% 5,482
調整後EBITDA 1,508 1,460 1,456 3.3% 3.6% 1,558
調整後EBITDA/収益 26.5% 26.1% 26.1% 28.4%
EBITDA報告額 1,502 1,422 1,417 5.6% 6.0% 1,543
営業利益 339 240 41.2% (169)
Capex 953 899 897 6.1% 6.2% 874
Capex/収益 16.8% 16.1% 16.1% 15.9%
94/637
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有価証券報告書
通信ライセンス 10 - - ns ns 728
平均従業員数 21,823 22,706 22,636 (3.9)% (3.6)% 23,255
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.3.3.1 収益 - 欧州
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
欧州
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
5,687 5,593 5,578 1.7% 2.0% 5,482
小売サービス
3,516 3,442 3,445 2.1% 2.1% 3,435
コンバージェンス・サービス
467 304 305 53.5% 53.4% 193
移動体通信のみのサービス
2,194 2,252 2,254 (2.6)% (2.7)% 2,332
固定回線のみのサービス
697 757 757 (7.9)% (7.9)% 803
IT及び統合サービス
158 129 129 22.2% 22.1% 107
通信事業者向けサービス
1,150 1,133 1,133 1.4% 1.5% 1,079
機器の販売
868 847 840 2.4% 3.3% 789
その他の収益
153 171 160 (9.4)% (3.5)% 179
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
欧州
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
5,687 5,593 5,578 1.7% 2.0% 5,482
ポーランド
2,605 2,593 2,590 0.5% 0.6% 2,585
ベルギー及びルクセンブルク
1,280 1,252 1,245 2.3% 2.8% 1,248
中欧諸国(2)
1,813 1,756 1,750 3.2% 3.6% 1,652
消去
(11) (8) (7) 29.3% 29.3% (3)
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 中欧諸国:モルドバ、ルーマニア及びスロバキアの事業体。
2018年と2017年の比較
実績ベース では、欧州の収益は、2017年から2018年の間に109百万ユーロ増加した。これは、(i)4百万ユーロの
外国為替差益、(ii)連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの影響(11百万ユーロ)、並びに(iii)比較可能
ベースでの有機的な変化(94百万ユーロの収益増加)による。
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有価証券報告書
比較可能ベース では、欧州の収益は、2017年から2018年の間に94百万ユーロ増加した。これは、主に(i)コン
バージェンス・サービスの増加(ポーランド、ベルギー及びルーマニア)、並びに影響度は低いが、(ii)統合及
び ITサービスの増加、(iii)機器の販売の増加、及び(iv)通信事業者向けサービスの増加(主にポーランド)によ
るが、(v)移動体通信のみのサービス及び固定回線のみのサービスの減少(主にポーランド)並びにその他の収益
の減少によって部分的に相殺された。
比較可能ベースでは、2017年から2018年における欧州での移動体通信及び固定回線顧客基盤の変化は、主に
ポーランド、ベルギー及びルクセンブルクでの移動体通信及び固定回線顧客基盤の良好な進展を反映してい
る。
・ 2018年12月31日現在、移動体通信の総顧客基盤は33.8百万人で、ベルギー及びポーランドの移動体通信顧
客基盤の増加に沿って前年比1.6%増加した。契約サービスの増加(前年比3.3%増)は、特にポーランド及
びベルギーの Love サービスによる融合サービスの増加による。2018年12月31日現在、4G顧客の数は14.8百
万人で、前年比22.3%増加した。
・ 2018年12月31日現在、固定回線ブロードバンド顧客基盤は3.3百万人で、全ての欧州諸国での超高速ブロー
ドバンド顧客基盤の大幅な増加により前年比10.5%増加した。増加は、主に(i)超高速ブロードバンド・
サービス、特にベルギーのケーブル・サービスの成長、並びに(ii)主にポーランド及びルーマニアにおい
て1年で382,000人の新規顧客を獲得するなど、成長を続ける融合サービスに後押しされた。また、2018年
12月31日現在、IPTV及び衛星テレビ・サービスの加入顧客は1.8百万人で、前年比17.9%増加した。
比較可能ベース では、コンバージェンス・サービスの収益は163百万ユーロ増加したが、これは主にほとんどの
欧州諸国で顧客が融合サービスに移行したことによる。融合サービスの顧客基盤は前年比30.3%増加(主にポー
ランド、ベルギー及びルーマニア)して、2018年12月31日現在で1.6百万人となった。2018年12月31日現在、融
合サービスの顧客は消費者向け固定回線ブロードバンドの顧客基盤の50.3%を占め、前年比7.6ポイント上昇し
た。
比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスによる収益は、2つの期間の間に58百万ユーロ減少した。これ
は、主にほとんど全ての国、特にポーランドで生じた顧客の融合サービスへの移行により移動体通信のみの顧
客基盤が0.7%減少したことを特に反映している。
比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスによる収益は、2つの期間の間に60百万ユーロ減少(ほとんどは
ポーランド)した。これは、主に(i)ポーランドでの固定回線電話収益の減少傾向、及び(ii)顧客の融合サービ
スへの移行(ポーランドで非常に顕著)による。
比較可能ベースでは、IT及び統合サービスの収益は、2つの期間の間に29百万ユーロ増加した。これは、主に
ポーランドでの企業向け市場に関係している。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスは、2つの期間の間に17百万ユーロ増加した。これは、主に(i)
国内ローミングの成長(ポーランド、スロバキア)、ビジターのローミングの成長(ベルギー、ルーマニア)、及
びポーランドの着信移動体通信通信料の増加によるが、(ii)ベルギーでの仮想移動体通信事業者(MVNO)の減少
によって部分的に相殺された。
比較可能ベースでは、機器の販売は、2つの期間の間に21百万ユーロ増加した。これは、特にルーマニアでのス
マートフォンの普及による移動体通信機器の販売の増加による。
比較可能ベースでは、その他の収益は、2つの期間の間に18百万ユーロ減少した。これは、主にベルギーで、ま
た影響度は低いが、ポーランドで電力サービスの成長にもかかわらず、その他の収益が減少したことによる。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、欧州の収益は、2016年から2017年の間に96百万ユーロ増加した。これは、(i)特にズロチの対
ユーロのエクスポージャーから生じた72百万ユーロの外国為替差益、及び(ii)比較可能ベースでの有機的な変
化(24百万ユーロの収益増加)による。
比較可能ベース では、欧州の収益は、2016年から2017年の間に24百万ユーロ(0.4%)増加した。これは、主に以
下によるものであった。
・ (i)コンバージェンス・サービスの収益増加(主にポーランド及びベルギー)、並びに影響度は低いが、(ii)
ルーマニアでの機器の販売増加、並びに(iii)ポーランド及びルーマニアでの移動体通信事業者向けサービ
スの増加による。
・ 上記は、(i)ほとんど全ての欧州諸国における移動体通信のみのサービスの収益減少、及び(ii)ポーランド
での固定回線のみのサービスの収益減少によって部分的に相殺された。
2つの期間の間、2017年6月15日の欧州連合諸国でのローミング追加料金の終了は、顧客ローミングの減少がビ
ジターのローミングの増加によって一部しか埋め合わせることができなかったことから、欧州の収益にわずか
に悪影響を及ぼした。
比較可能ベースでは、2016年から2017年における欧州の移動体通信及び固定回線顧客基盤の変化は、主にポー
ランドでの顧客基盤の変化を反映している。
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・ 2017年12月31日現在、移動体通信サービスの総顧客基盤は33.2百万人で、主にポーランド及びルーマニア
で前年比4.8%減少した。契約顧客(M2Mを除く。)は前年比2.4%増加した。また、2017年12月31日現在、4G
顧客は12.1百万人で、前年比34.9%増加した。
・ 2017年12月31日現在、固定回線ブロードバンドの総顧客基盤は3.0百万人で、主にポーランド、ルーマニア
及びベルギーで前年比19.1%増加(474,000人の新規顧客)した。増加は、基本的に(i)固定回線超高速ブ
ロードバンド顧客基盤の成長(1年間で2倍になり、2017年12月31日現在で計488,000人)及び(ii) Love 融合
サービスの良好な機運(68.2%増加し、2017年12月31日現在で1.3百万人)により後押しされた。2017年12月
31日現在、IPTV及び衛星テレビ・サービスの加入者は1.5百万人で、前年比15.9%増加した。
比較可能ベース では、コンバージェンス・サービスの収益は、2つの期間の間に107百万ユーロ(54.3%)増加し
た。これは、主にほとんどの欧州諸国における顧客の融合サービスに対する需要と移行による。融合サービス
の顧客基盤は前年比68.2%増加(主にポーランド、ルーマニア及びベルギー)、2017年12月31日現在で1.3百万人
となった。融合サービスの顧客は、2017年12月31日現在の消費者向け固定回線ブロードバンド顧客基盤の
42.7%を占めており、前年比12.4ポイント上昇した。
比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスによる収益が前年比101百万ユーロ(4.3%)減少した。これ
は、主に移動体通信のみのサービスの顧客基盤が8.0%減少したことを反映している。減少は、主に(i)ほとん
ど全ての国、特にポーランドにおける顧客の融合サービスへの移行、並びに(ii)特にポーランド及びベルギー
における顧客の本人確認義務から生じたプリペイド・サービスの大幅な減少による。
比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスによる収益は、2つの期間の間に63百万ユーロ(7.7%)減少(ほと
んどはポーランド)した。これは、主に(i)ポーランドにおける固定回線電話収益の減少傾向、及び(ii)顧客の
融合サービスへの移行(ポーランドで特に顕著)による。
比較可能ベースでは、IT及び統合サービスの収益は、2つの期間の間に20百万ユーロ(18.0%)増加した。これ
は、主にポーランドの企業向けサービス市場の良好な機運に関係している。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスの収益は、2つの期間の間に40百万ユーロ(3.7%)増加した。こ
れは、主にポーランド、ルーマニア、及び影響度は低いが、スロバキアで他の通信事業者への移動体通信サー
ビス提供が増加したことによる。ビジターのローミングの成長(2017年6月15日の欧州連合諸国でのローミング
追加料金終了の影響による。)及び着信移動体通信通信量の増加が、ベルギーの仮想移動体通信事業者(MVNO)の
減少を特に相殺した。
比較可能ベースでは、機器の販売は、2つの期間の間に41百万ユーロ(5.1%)増加した。これは、ルーマニア、
また影響度は低いが、スロバキア、ベルギー及びモルドバで移動体通信機器の販売が増加したことによるが、
ポーランドでの機器の販売の減少によって部分的に相殺された。
1.3.3.2 調整後EBITDA - 欧州
2018年と2017年の比較
実績ベース では、欧州の調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に52百万ユーロ増加した。これは、(i)2百万
ユーロの外国為替差益、(ii)連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの影響(2百万ユーロ)、並びに(iii)比
較可能ベースでの有機的な変化(48百万ユーロの調整後EBITDAの増加)による。
比較可能ベース では、欧州の調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に48百万ユーロ増加した。これは、基本
的に以下によるものであった。
・ (i)94百万ユーロの収益の増加、(ii)不動産ポートフォリオの最適化の一環としての、主にポーランドでの
固定資産売却益、(iii)主にポーランドでの販売費用の減少、並びに(iv)主にポーランドでの人件費の減
少。
・ 上記は、以下によって部分的に相殺された。(i)コンテンツ費用の増加、(ii)ネットワーク費用の増加(主
にベルギーでのケーブル・サービス顧客基盤の増加に対応した同国ネットワーク・アクセス接続料金の増
加)、及び(iii)ポーランドでの電力販売の開発に関連した費用。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、欧州の調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に102百万ユーロ減少した。これは(i)20百万
ユーロの外国為替差益及び(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(調整後EBITDAの122百万ユーロの減少)を含む
ものであった。
比較可能ベース では、欧州の調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に122百万ユーロ減少した。これは、基本
的に以下によるものであった。
・ (i)主に2017年6月15日に欧州連合諸国でローミング追加料金が終了したこと(特に顧客からの他の欧州諸国
への通信量が大幅に増加した。)による相互接続費用の増加、(ii)ポーランド及びルーマニアでの人件費の
増加、並びに(iii)ベルギーのケーブル・サービスの開発に対応したネットワーク料金の増加。
・ 上記は、24百万ユーロの収益増加によって部分的に相殺された。
1.3.3.3 営業利益 - 欧州
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2018年と2017年の比較
実績ベース では、欧州の営業利益は、2017年から2018年の間に99百万ユーロ増加した。これは、主に(i)調整後
EBITDAの52百万ユーロの増加、(ii)事業再編及び統合費用の33百万ユーロの減少、並びに(iii)ルクセンブルク
に関するのれんの減損19百万ユーロが2017年に認識された反対効果(下記「2017年と2016年の比較」を参照のこ
と。)による。
2017年と2016年の比較
比較可能ベース では、欧州の営業利益は、2016年から2017年の間に409百万ユーロ増加した。これは、主に以下
によるものであった。
・ 以下の認識に関連してのれんの減損が530百万ユーロ減少したこと(連結財務書類に対する注記7を参照のこ
と。)。
・ 2017年の主に激しい競争圧力を反映したルクセンブルクに関連した19百万ユーロの減損。
・ 2016年の(i)ポーランドの494百万ユーロ、及び(ii)ルーマニアの55百万ユーロに関する549百万ユーロの
減損。ポーランドの減損損失は、主にADSL市場での競争力の低下、移動体通信市場の収益想定の悪化、
及び格付機関による同国ソブリン格付の引き下げによる税引後割引率の上昇を反映している。ルーマニ
アでは、2016年1月1日からのIFRS第15号採用のため(連結財務書類に対する注記2.3.2を参照のこと。)、
当グループは、現金生成単位(CGU)の正味帳簿価額を再評価し、55百万ユーロののれんの減損損失を計上
した。
・ 上記は、(i)102百万ユーロの調整後EBITDAの減少、並びに(ii)主に2017年のポーランドの従業員退職制度
から生じた事業再編及び統合費用の増加24百万ユーロ(「1.2.2.1 EBITDA報告額」を参照のこと。)によっ
て部分的に相殺された。
1.3.3.4 Capex - 欧州
2018年と2017年の比較
実績ベース では、欧州のCapexは、2017年から2018年の間に56百万ユーロ増加した。これは、(i)1百万ユーロの
外国為替差益、(ii)連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの影響(1百万ユーロ)、並びに(iii)比較可能
ベースでの有機的な変化(54百万ユーロのCapex増加)による。
比較可能ベース では、欧州のCapexは、2017年から2018年の間に54百万ユーロ増加した。これは、特に移動体通
信及び固定回線超高速ブロードバンド・ネットワーク(4G及びFTTH)への、特にポーランドで進行中の投資
(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)による。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、欧州のCapexは、2016年から2017年の間に23百万ユーロ増加した。これは、(i)12百万ユーロ
の外国為替差益、及び(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(11百万ユーロのCapex増加)による。
比較可能ベース では、欧州のCapexは、2016年から2017年の間に11百万ユーロ増加した。これは、主に(i)移動
体通信及び固定回線超高速ブロードバンド・ネットワーク(FTTH)への、特にポーランド及びスロバキアで進行
中の投資、並びにベルギーのケーブルによる融合サービスの開発(顧客IT及び機器)から生じた投資の加速によ
るが、(ii)移動体通信ネットワークへの投資が、2016年に実施された巨額の投資の後、減少したことによって
部分的に相殺された。
1.3.3.5 通信ライセンスの取得 - 欧州
2018年の欧州の通信ライセンスの取得は10百万ユーロで、主にポーランドに関係するものであった。2017年に
欧州において通信ライセンスの取得は認識されなかった。
2016年の欧州の通信ライセンスの取得は、実績ベースで728百万ユーロであった。これは、(i)ポーランドにお
ける719百万ユーロの超高速移動体通信ブロードバンド(4G)ネットワークに割り当てられた800MHz帯域における
2つの5MHz周波数ブロック及び2,600MHz帯域における3つの5MHz周波数ブロックの取得、並びに(ii)ルーマニア
の9百万ユーロに係るものであった。
1.3.3.6 追加情報 - 欧州
2017年 比較可能
欧州
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:千。期末時点。)
2018年
データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
コンバージェンス・サービス
コンバージェンス・サービス 1,642 1,259 1,259 30.3% 30.3% 749
顧客数
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うち、 ポーランド 1,236 1,035 1,035 19.4% 19.4% 666
ベルギー及びルク 167 97 97 71.2% 71.2% 31
センブルク
中欧諸国(4) 239 127 127 87.9% 87.9% 52
12ヶ月融合ARPO(3)
102.0 105.9 105.9 (3.6)% (3.6)% 120.4
ポーランド(単位:ズロチ)
74.7 72.2 72.2 3.4% 3.4% 50.1
ベルギー(単位:ユーロ)
移動体通信サービス
移動体通信サービス顧客数(2) 33,750 33,211 33,211 1.6% 1.6% 34,901
融合サービスの顧 3,045 2,279 2,279 33.6% 33.6% 1,297
うち、
客
移動体通信のみの 30,705 30,931 30,931 (0.7)% (0.7)% 33,605
サービスの顧客
うち、 契約顧客 22,219 21,502 21,502 3.3% 3.3% 20,679
プリペイド顧客 11,531 11,709 11,709 (1.5)% (1.5)% 14,222
うち、 ポーランド 14,805 14,424 14,424 2.6% 2.6% 15,799
ベルギー及びルク 4,342 4,038 4,038 7.5% 7.5% 3,956
センブルク
中欧諸国(4) 14,603 14,749 14,749 (1.0)% (1.0)% 15,146
12ヶ月移動体通信のみのARPO
(3)
21.6 22.9 22.9 (5.6)% (5.6)% 22.4
ポーランド(単位:ズロチ)
18.3 18.1 18.1 0.9% 0.9% 17.6
ベルギー(単位:ユーロ)
固定回線サービス
固定回線ブロードバンド・ 3,261 2,951 2,951 10.5% 10.5% 2,477
サービス顧客数
うち、 超高速ブロードバ 784 488 488 60.8% 60.8% 243
ンド・アクセスの
顧客
うち、 融合サービスの顧 1,642 1,259 1,259 30.3% 30.3% 749
客
固定回線のみの 1,619 1,692 1,692 (4.3)% (4.3)% 1,729
サービスの顧客
12ヶ月固定回線のみのブロー
ドバンドARPO(3)
56.6 57.6 57.6 (1.8)% (1.8)% 60.3
ポーランド(単位:ズロチ)
固定電話回線数 4,043 4,442 4,442 (9.0)% (9.0)% 4,853
3,920 4,306 4,306 (9.0)% (9.0)% 4,695
うち、 ポーランド
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124 136 136 (9.2)% (9.2)% 159
ベルギー及びル
クセンブルク
- - - - - -
中欧諸国(4)
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。
(3) 「金融用語集」を参照のこと。
(4) 中欧諸国:モルドバ、ルーマニア及びスロバキアの事業体。
1.3.4 アフリカ及び中東
2017年 比較可能
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
アフリカ及び中東
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益 5,190 4,940 5,030 5.1% 3.2% 5,245
調整後EBITDA 1,667 1,585 1,612 5.2% 3.4% 1,658
調整後EBITDA/収益 32.1% 32.1% 32.1% 31.6%
EBITDA報告額 1,655 1,565 1,591 5.7% 4.0% 1,638
営業利益 659 522 26.2% 68
Capex 1,008 999 1,021 0.9% (1.3)% 962
Capex/収益 19.4% 20.2% 20.3% 18.3%
通信ライセンス 42 293 297 (85.5)% (85.7)% 742
平均従業員数 14,956 15,210 15,210 (1.7)% (1.7)% 15,368
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
アフリカ及び中東は、依然として政治的又は経済的不安定に見舞われており、場合によっては、税又は規制圧
力を受けているため、当グループの子会社及び持株会社の事業及び業績は影響を受けることがあり、将来も影
響を受け続ける可能性がある。一部では、これらの状況により、当グループは資産について減損を計上した(連
結財務書類に対する注記7、8.2及び10を参照のこと。)。これらのリスクに係るさらなる情報については、
「2 事業等のリスク」を参照のこと。
1.3.4.1 収益 - アフリカ及び中東
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
アフリカ及び中東
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
5,190 4,940 5,030 5.1% 3.2% 5,245
小売サービス
4,265 3,966 4,038 7.5% 5.6% 4,130
移動体通信のみのサービス
3,809 3,538 3,600 7.6% 5.8% 3,686
固定回線のみのサービス
435 422 431 3.1% 0.8% 437
IT及び統合サービス
21 6 7 238.2% 217.0% 7
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通信事業者向けサービス
811 878 894 (7.6)% (9.2)% 1,026
機器の販売
85 65 66 31.0% 27.7% 81
その他の収益
29 31 32 (5.5)% (7.9)% 8
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
アフリカ及び中東
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
5,190 4,940 5,030 5.1% 3.2% 5,245
ソナテル・サブグループ(2)
1,674 1,582 1,597 5.8% 4.9% 1,489
コートジボワール・サブグループ(3)
1,132 1,093 1,096 3.5% 3.3% 945
エジプト
660 606 633 9.0% 4.4% 1,135
モロッコ
562 529 535 6.2% 5.0% 509
ヨルダン
387 398 416 (2.7)% (7.0)% 439
カメルーン
297 281 281 5.6% 5.6% 278
コンゴ民主共和国(DRC)
257 228 239 12.3% 7.3% 215
その他の国(4)
283 272 283 4.0% 0.0% 283
消去
(62) (49) (50) 24.9% 24.9% (48)
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) ソナテル・サブグループ:セネガル、マリ、ギニア、ギニアビサウ及びシエラレオネの事業体。
(3) コートジボワール・サブグループ:コートジボワール、ブルキナファソ及びリベリアの事業体。
(4) その他の国:主に、ボツワナ、中央アフリカ共和国(CAR)、マダガスカル及びニジェール。
2018年と2017年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東の収益は、2017年から2018年の間に160百万ユーロ増加した。これは、(i)
主にエジプトポンド、モロッコディルハム、ヨルダンディナールの、また影響度は低いが、ギニアフランの対
ユーロでの変動から生じた90百万ユーロの外国為替差損を含むが、これは、(ii)比較可能ベースでの有機的な
変化(250百万ユーロの収益増加)に相殺されて余りあるものであった。
比較可能ベース では、アフリカ及び中東諸国の収益は、2017年から2018年の間に250百万ユーロ増加した。これ
は、主に(i)ソナテル・サブグループ(主にギニア、セネガル及びマリ)の92百万ユーロ、(ii)エジプトの54百万
ユーロ、(iii)コートジボワール・サブグループ(主にブルキナファソ)の39百万ユーロ、(iv)モロッコの33百万
ユーロ、並びに(v)コンゴ民主共和国(DRC)の29百万ユーロの収益増加による。
比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスの収益は、271百万ユーロ増加した。これは、データ・サービ
ス及びオレンジ・マネーの商業的な機運、並びに特に豊富なサービスの開発による発信音声サービスのほぼ安
定した状態を反映している。2018年12月31日現在、オレンジ・マネー・サービスの収益は334百万ユーロで、オ
レンジ・マネーの実働顧客基盤の25.3%の増加(2018年12月31日現在で15.1百万人)と歩調を合わせて、前年比
39.8%増加した。2018年12月31日現在、オレンジ・マネーの総顧客基盤は、39.2百万人となった。2018年12月
31日現在、移動体通信のみの顧客基盤は計120.6百万人で、2017年12月31日と比べて0.7%減少した。2つの期間
の間に、アフリカ及び中東諸国での移動体通信のみの顧客基盤は増加したが(エジプトを除く。)、これは、エ
ジプトでの移動体通信のみの顧客基盤が同国の規制変更(特に間接販売に関する規制の枠組みの変更による影響
に関連する。)によって減少したことにより相殺されて余りあるものであった。
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比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスの収益は、2つの期間の間に13百万ユーロ増加した。これは、主
にモロッコで固定回線のみのブロードバンド・サービスの収益が増加したことによるが、これが特にコートジ
ボ ワール・サブグループ及びヨルダンでの音声利用の減少を相殺した。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスの収益は、2つの期間の間に67百万ユーロ減少した。これは、主
に海外通信事業者向けサービス及び着信移動体通信量の減少(特にソナテル・サブグループ)を反映している。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東の収益は、2016年から2017年の間に215百万ユーロ減少した。これは、以下
に起因していた。
・ 外国為替変動のマイナスの影響(550百万ユーロ)(主に、ユーロに対するエジプトポンドの実績による。)。
・ 上記は、(i)連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(2016年にアフリカで買収した事業体(ブ
ルキナファソ及びシエラレオネのエアテル、コンゴ民主共和国のOasis(ティゴ)、並びにリベリアのセルコ
ム・テレコミュニケーションズ)による影響に関連する186百万ユーロ)、及び(ii)比較可能ベースでの有機
的な成長(収益の149百万ユーロの増加)により部分的に相殺された。
比較可能ベース では、アフリカ及び中東の収益は、2016年から2017年の間に149百万ユーロ(3.0%)増加した。
これは主に、(i)ソナテル・サブグループ(主に、マリ及びギニアにより後押しされた。)からの収益の91百万
ユーロの増加、(ii)コートジボワール・サブグループ(ブルキナファソ及びコートジボワールにより後押しされ
た。)からの収益の44百万ユーロの増加、及び(iii)モロッコにおける収益の31百万ユーロの増加によるもので
あり、(iv)コンゴ民主共和国(DRC)における収益の18百万ユーロの減少(特に、この国の経済状況の悪化を背景
とする。)により部分的に相殺された。
比較可能ベースでは、移動体通信のみのサービスの収益は、2つの期間の間に225百万ユーロ(6.7%)増加した。
これは、主にデータ・サービス及びオレンジ・マネーの機運に後押しされたことによる。アフリカ及び中東の
移動体通信のみの顧客基盤は、契約サービス及びプリペイド・サービスにより後押しされ、2017年12月31日現
在で121.4百万人となり、2016年12月31日から10.5%(11.5百万人の新規顧客)増加した。この増加は、より堅調
となった販売、及び2016事業年度に多くの国でプリペイド・サービスに関する顧客の本人確認要件が厳格化さ
れたことの反対効果によるものであった。4Gサービスは11ヶ国で利用可能であり(関連会社及びジョイント・ベ
ンチャーを除く。)、2017年12月31日現在で顧客数は11.1百万人となっている。
比較可能ベースでは、固定回線のみのサービスの収益は、2つの期間の間に16百万ユーロ(3.9%)増加した。こ
れは、固定回線のみのブロードバンド・サービス及び企業向け固定回線ネットワークの増加を反映している
が、固定回線のみのナローバンド・サービスの減少によって部分的に相殺された。2017年12月31日現在、固定
回線のみのブロードバンドについて総顧客基盤は797,000人で、前年比5.8%増加した。
比較可能ベースでは、通信事業者向けサービスの収益は、2つの期間の間に107百万ユーロ(10.7%)減少した。
これは、主に海外通信事業者向けの固定回線サービスが減少したことによる。
1.3.4.2 調整後EBITDA - アフリカ及び中東
2018年と2017年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東の調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に55百万ユーロ増加した。これ
は、(i)24百万ユーロの外国為替差損並びに連結範囲の変更及びその他の変更のマイナスの影響(3百万ユーロ)
を含むが、(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(82百万ユーロの調整後EBITDA増加)により相殺されて余りあ
るものであった。
比較可能ベース では、アフリカ及び中東の調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に82百万ユーロ増加した。
これは、主に以下に起因していた。
・ (i)250百万ユーロの収益増加、(ii)サービス手数料及びオペレーター間費用の減少、並びに(iii)2018年の
税リスクの消滅による引当金の戻し入れによる営業税及び賦課金の減少。
・ 上記は、(i)その他のネットワーク費用及びIT費用の増加(主に移動体通信局上で行われる業務、特に4G施
設の展開の増加による。)、(ii)販売費用の増加(特にオレンジ・マネーの成長に関係する。)、(iii)人件
費の増加、並びに(iv)その他の外部購入費(ネットワークの開発による資産費用及び経費)の増加によって
部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東の調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に46百万ユーロ減少した。これ
は、以下に起因していた。
・ 外国為替変動のマイナスの影響(187百万ユーロ)。これは主に、ユーロに対するエジプトポンドの実績によ
るものであった。
・ 上記は、(i)連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(35百万ユーロ。2016年にアフリカで買
収した事業体(ブルキナファソ及びシエラレオネのエアテル、コンゴ民主共和国のOasis(ティゴ)、並びに
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リベリアのセルコム・テレコミュニケーションズ)による影響に対応する。)、及び(ii)比較可能ベースで
の有機的な成長(調整後EBITDAの106百万ユーロの増加)により部分的に相殺された。
比較可能ベース では、アフリカ及び中東の調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に106百万ユーロ増加した。
これは、主に以下に起因していた。
・ (i)収益の149百万ユーロの増加、(ii)サービス手数料及びオペレーター間費用の減少(通話着信料金及び音
声利用の変更に関連している。)、並びに(iii)その他の営業費用の減少(2016年にエジプトポンドの下落に
よる事業上の為替レートのマイナスの影響を認識したことの反対効果による。)。
・ 上記は、(i)販売費用の増加(主に事業の拡大(特に、オレンジ・マネー及びデータ・サービス)に関連して
いる。)、(ii)営業税及び賦課金の増加、並びに(iii)その他のネットワーク費用及びIT費用の増加(主に、
移動体通信ネットワークの拡大(特に、4Gの施設の展開)に関連している。)により部分的に相殺された。
1.3.4.3 営業利益 - アフリカ及び中東
2018年と2017年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東の営業利益は、2017年から2018年の間に137百万ユーロ増加した。これは主
に、以下に起因していた。
・ 以下の認識に関連してのれん及び固定資産に係る減損損失が79百万ユーロ減少したこと(連結財務書類に対
する注記7及び8.2を参照のこと。)。
・ 2018年の(i)ヨルダンでの56百万ユーロの減損損失、及び(ii)ニジェールでの43百万ユーロの固定資産の
減損損失。ヨルダンでは、のれんの減損は、主に不透明な政治・経済状況及び固定回線・移動体通信
データ市場への厳しい競争圧力の影響を反映している。ニジェールでは、電気通信市場は、依然困難な
事業環境下で価値を失い続けている。当社は、経済・金融環境のため、予防措置として、現在の最善の
見積りに従ってオレンジのエクスポージャーをカバーするために固定資産の減損を認識する。
・ 2017年の181百万ユーロの減損(主にコンゴ民主共和国(DRC)の120百万ユーロ及びニジェールの52百万
ユーロ)(下記「2017年と2016年の比較」を参照のこと。)。
・ 55百万ユーロの調整後EBITDA増加。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東の営業利益は、2016年から2017年の間に454百万ユーロ増加した。これは主
に、以下に起因していた。
・ のれん及び固定資産に係る減損損失の288百万ユーロの減少(連結財務書類に対する注記7及び8.2を参照の
こと。)。これは、以下を認識したことに関連している。
・ 2017年の181百万ユーロの減損(主に、コンゴ民主共和国の120百万ユーロ、ニジェールの52百万ユー
ロ)。コンゴ民主共和国(DRC)の減損は、依然として不透明な政治及び経済環境、購買力の明らかな低下
とこれによる電気通信製品及びサービスの消費への影響、並びに絶え間ない規制圧力を反映している。
ニジェールの減損は、不透明な政治及び経済環境、強力な税及び規制圧力による影響に関連している。
・ 2016年の469百万ユーロの減損損失。減損損失は、主にエジプトの232百万ユーロ、コンゴ民主共和国
(DRC)の109百万ユーロ、カメルーンの90百万ユーロ、及びニジェールの26百万ユーロによる。エジプト
では、減損損失は、2016年に付与された4Gライセンスの財務条件、エジプトポンドの急落、及び政治・
経済の不透明性の高まりを反映している。コンゴ民主共和国では、減損損失は、政治・経済の不透明
性、電機通信製品・サービスの消費への波及効果を伴う購買力の低下、及び規制上の負担の増加(特に顧
客の本人確認の実施に関連する。)を反映している。カメルーンでは、減損損失は、メッセージング・
サービス及びオーバーザトップ(OTT)プロバイダーのVoIPの増加による音声収益の減少、及び移動体通信
市場の競争の激化を反映している。
・ 減価償却費及び償却費の154百万ユーロの減少。これは主に、2016年末のユーロに対するエジプトポンドの
切り下げによるプラスの影響に起因している。
・ 関連会社及びジョイント・ベンチャーの持分法投資利益(損失)の59百万ユーロの改善。これは、調整後
EBITDAの46百万ユーロの減少により部分的に相殺された。
1.3.4.4 Capex - アフリカ及び中東
2018年と2017年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東諸国のCapexは、2017年から2018年の間に13百万ユーロ減少した。これは、
(i)22百万ユーロの外国為替差損を反映しているが、(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(9百万ユーロの
Capex増加)によって部分的に相殺された。
比較可能ベース では、アフリカ及び中東諸国のCapexは、2017年から2018年の間に9百万ユーロ増加した。これ
は、主に(i)超高速移動体通信及び固定回線ブロードバンド・ネットワーク(4G及びFTTH)への、特に2018年12月
31日現在4Gサービスが提供されている12ヶ国(関連会社及びジョイント・ベンチャーを除く。)での継続的な投
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資(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)によるが、(ii)その他の投資の減少(特に過去数年間、この地域で
巨額の資本的支出が実行された2G/3G移動体通信アクセス・ネットワーク)によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、アフリカ及び中東のCapexは、2016年から2017年の間に59百万ユーロ増加した。これは、以下
に起因していた。
・ 連結範囲の変更及びその他の変更によるプラスの影響(25百万ユーロ。基本的に、2016年にアフリカで買収
した事業体(ブルキナファソ及びシエラレオネのエアテル、コンゴ民主共和国のOasis(ティゴ)、並びにリ
ベリアのセルコム・テレコミュニケーションズ)による影響に対応する。外国為替変動のマイナスの影響
(33百万ユーロ)により相殺されて余りあるものであった。)。
・ 比較可能ベースでの有機的な変化(Capexの67百万ユーロの増加)。
比較可能ベース では、アフリカ及び中東のCapexは、2016年から2017年の間に67百万ユーロ増加した。これは主
に、(i)超高速ブロードバンド移動体通信ネットワーク(4G)への投資の増加(2017年12月31日現在、11ヶ国(関連
会社及びジョイント・ベンチャーを除く。)で4Gを展開。)、並びに(ii)影響度は低いが、2016年に買収した事
業体における光ファイバーの展開及びネットワークの近代化によるものであった。
1.3.4.5 通信ライセンスの取得 - アフリカ及び中東
2018年のアフリカ及び中東での通信ライセンスの取得は42百万ユーロで、主に(i)コンゴ民主共和国(DRC)の21
百万ユーロ(4Gライセンスの取得)及び(ii)セネガルの21百万ユーロ(追加4G周波数ブロックの取得の第1トラン
シェ)に関係するものである。
2017年のアフリカ及び中東における通信ライセンスの取得は、 実績ベース で297百万ユーロとなった。これには
主に、(i)マリの152百万ユーロ(既存のライセンスを確実に更新して4Gライセンスを含めるユニバーサル・ライ
センスの取得)、(ii)セネガルの76百万ユーロ(既存のライセンスを確実に更新して4Gライセンスを含めるユニ
バーサル・ライセンスの取得の第2トランシェ)、及び(iii)ヨルダンの49百万ユーロ(3G周波数ブロックの追加)
が含まれていた。
2016年のアフリカ及び中東における通信ライセンスの取得は、 実績ベース で総額742百万ユーロとなった。これ
には主に、(i)エジプトの377百万ユーロ(1,800MHz及び2,100MHz帯域における2つの10MHz周波数ブロック並びに
固定回線仮想ネットワーク事業者ライセンスの取得)、(ii)コートジボワールの146百万ユーロ(主に、4Gを含む
ユニバーサル・ライセンスに係るライセンスの更新)、(iii)ヨルダンの142百万ユーロ(2G/2G周波数ブロックの
更新)、及び(iv)セネガルの76百万ユーロ(既存のライセンスを確実に更新して4Gライセンスを含めるユニバー
サル・ライセンスの取得の第1トランシェ)が含まれていた。
1.3.4.6 追加情報 - アフリカ及び中東
2017年 比較可能
アフリカ及び中東(2)(3)
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:千。期末時点。)
2018年
データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
移動体通信サービス
移動体通信サービス顧客数(3) 120,574 121,449 121,449 (0.7)% (0.7)% 109,927
うち、 契約顧客 4,527 10,723 10,723 (57.8)% (57.8)% 9,437
プリペイド顧客 116,047 110,726 110,726 4.8% 4.8% 100,490
ソナテル・サブグ 29,184 29,706 29,706 (1.8)% (1.8)% 27,318
うち、
ループ(4)
コートジボワール・ 23,257 21,785 21,785 6.8% 6.8% 18,863
サブグループ(5)
エジプト 29,475 34,117 34,117 (13.6)% (13.6)% 33,883
モロッコ 12,805 12,744 12,744 0.5% 0.5% 9,837
ヨルダン 2,102 2,199 2,199 (4.4)% (4.4)% 2,439
カメルーン 6,940 6,653 6,653 4.3% 4.3% 5,519
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コンゴ民主共和国 10,602 9,059 9,059 17.0% 17.0% 7,262
(DRC)
その他の国(6) 6,209 5,186 5,186 19.7% 19.7% 4,806
固定回線サービス
固定回線ブロードバンド・サー 1,020 797 797 27.9% 27.9% 754
ビス顧客数
固定電話回線数 959 955 955 0.3% 0.3% 960
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 2018年1月1日以降の顧客基盤は、完全連結事業体の顧客のみに対応している。関連会社及びジョイント・ベンチャーの顧客(以前は、
これらの事業体における当グループの持分に応じて認識されていた。)は考慮されていない。結果として、過去の期間のデータは調整
されている。この調整は、チュニジア、モーリシャス、イラク及び赤道ギニアに影響を与えている。
(3) 2018年1月1日以降の全ての国における移動体通信サービスの顧客基盤の認識は、当グループの定義に一致している(もはや、現地の定
義とは一致していない。)。結果として、過去の期間のデータは、調整されている。この調整は、モロッコ、コートジボワール、ヨル
ダン及びカメルーンに影響を与えている。仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。
(4) ソナテル・サブグループ:セネガル、マリ、ギニア、ギニアビサウ及びシエラレオネの事業体。
(5) コートジボワール・サブグループ:コートジボワール、ブルキナファソ及びリベリアの事業体。
(6) その他の国:主に、ボツワナ、中央アフリカ共和国(CAR)、マダガスカル及びニジェール。
1.3.5 企業向け
2017年 比較可能
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
企業向け
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益 7,292 7,308 7,251 (0.2)% 0.6% 7,346
調整後EBITDA 1,245 1,306 1,306 (4.7)% (4.6)% 1,336
調整後EBITDA/収益 17.1% 17.9% 18.0% 18.2%
EBITDA報告額 1,153 1,258 1,258 (8.4)% (8.4)% 1,292
営業利益 765 889 (13.9)% 916
Capex 353 385 382 (8.3)% (7.6)% 336
Capex/収益 4.8% 5.3% 5.3% 4.6%
平均従業員数 22,963 22,163 20,807 3.6% 10.4% 20,316
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.3.5.1 収益 - 企業向け
2017年 2017年 比較可能 実績 2016年
比較可能 実績 ベースの ベースの 実績
企業向け
ベースの ベース データの データの ベースの
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 データ
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益
7,292 7,308 7,251 (0.2)% 0.6% 7,346
固定回線のみのサービス
3,997 4,095 4,152 (2.4)% (3.7)% 4,304
音声サービス(2)
1,385 1,443 1,452 (4.1)% (4.6)% 1,515
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データ・サービス(3)
2,612 2,652 2,700 (1.5)% (3.3)% 2,789
IT及び統合サービス
2,312 2,206 2,092 4.8% 10.5% 2,067
サービス及び移動体通信機器(4)
983 1,007 1,007 (2.3)% (2.3)% 975
移動体通信のみのサービス
743 751 751 (1.1)% (1.1)% 775
通信事業者向けサービス
35 32 32 12.3% 12.3% 32
機器の販売
205 224 224 (8.4)% (8.4)% 168
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 音声サービスには、(i)従来型音声サービス(PSTNアクセス)、(ii)ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(VoIP)製品、(iii)
電話会議サービス、及び(iv)コールセンターへの着信通信量を含む。
(3) データ・サービスには、(i)オレンジ・ビジネス・サービスが依然として提供する従来型データ・ソリューション(フレーム・リ
レー、トランスレル、リース用回線、ナローバンド)、(ii)一定の成熟度に達したIP-VPNなどのサービス及び衛星又は光ファイバーア
クセスなどのブロードバンド・インフラ製品、(iii)衛星テレビ放送サービス、並びに(iv)Business Everywhereローミング・サービ
スを含む。
(4) サービス及び移動体通信機器には、(i)移動体通信のみのサービス、他の通信事業者に請求される企業向け着信移動体通信通信量に対
応した通信事業者向けサービス、及び(ii)企業に請求される移動体通信機器の販売を含む。
2018年と2017年の比較
実績ベース では、企業向けの収益は、2017年から2018年の間に41百万ユーロ増加した。これは、以下によるも
のであった。
・ 主にBusiness&Decision社、Basefarm及びEnovacomの買収による、連結範囲の変更及びその他の変更のプ
ラスの影響(151百万ユーロ)(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)。
・ 上記は、(i)主に米ドルの対ユーロでの価値変動による外国為替変動のマイナスの影響(94百万ユーロ)、及
び(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(16百万ユーロの収益減少)に相殺されて余りあるものであった。
比較可能ベース では、企業向けの収益は、2017年から2018年の間に16百万ユーロ減少した。これは、主に以下
によるものであった。
・ (i)固定回線のみのサービスの収益減少98百万ユーロ(音声サービスが58百万ユーロ及びデータ・サービス
が40百万ユーロ)、並びに(ii)影響度は低いが、サービス及び移動体通信機器の収益減少24百万ユーロ。
・ 上記は、IT及び統合サービスの収益増加106百万ユーロによってほとんど相殺された。
比較可能ベースでは、音声サービスの収益は、2つの期間の間に58百万ユーロ減少した(上記の表の脚注の定義
を参照のこと。)。これは、音声サービス、特に従来型固定電話(前年比6.4%の減少)の減少傾向、及び影響度
は低いが、電話会議サービスの減少を反映している。
比較可能ベースでは、データ・サービスの収益は、2つの期間の間に40百万ユーロ減少した(上記の表の脚注の
定義を参照のこと。)。これは、主に衛星放送サービスの減少25百万ユーロ、及び従来型サービスの自然な減少
による。
比較可能ベースでは、IT及び統合サービスの収益は、2つの期間の間に106百万ユーロ増加した。これは、主に
クラウド・サービスの増加(前年比10.1%増加)及びセキュリティ・サービスの増加(前年比12.3%増加)、並び
に2018年の新規契約締結による。
比較可能ベースでは、サービス及び移動体通信機器の収益は、2つの期間の間に24百万ユーロ減少した(上記の
表の脚注の定義を参照のこと。)。これは、(i)主に2017年下半期の重要な契約の反対効果から生じた移動体通
信機器の販売の減少19百万ユーロ、及び(ii)移動体通信のみのサービスの収益減少8百万ユーロによる。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、企業向けの収益は、2016年から2017年の間に95百万ユーロ減少した。これは、(i)主にFimeの
売却による連結範囲の変更及びその他の変更のマイナスの影響(25百万ユーロ)、(ii)外国為替変動のマイナス
の影響(5百万ユーロ)、並びに(iii)比較可能ベースでの有機的な変化(65百万ユーロの収益の減少)による。
比較可能ベース では、企業向けの収益は、2016年から2017年の間に65百万ユーロ(0.9%)減少した。これは、
(i)固定回線のみのサービスの収益減少150百万ユーロ(データ・サービスに関する85百万ユーロ及び音声サービ
スに関する65百万ユーロ)によるが、(ii)IT及び統合サービスの収益増加54百万ユーロ並びにサービス及び移動
体通信機器の増加31百万ユーロによって部分的に相殺された。
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比較可能ベースでは、音声サービスの収益は、2つの期間の間に65百万ユーロ(4.3%)減少した。これは、主
に、(i)従来型固定回線電話における減少傾向、並びに(ii)影響度は低いが、電話会議サービス及びコールセン
ターへの着信通信量の減少を反映しており、(iii)VoIPサービスの増加により部分的に相殺された。
比較可能ベースでの2つの期間の間におけるデータ・サービスによる収益の85百万ユーロ(3.0%)の減少は、主
に衛星放送サービスの減速及び従来型ネットワーク・サービスの自然減少によるものである。
比較可能ベースでの2つの期間の間におけるIT及び統合サービスの収益の54百万ユーロ(2.6%)の増加は、主に
クラウド・サービス(前年比21%増)及びサイバー・セキュリティ・サービス(前年比19%増)の増加によるもの
である。
比較可能ベースでの2つの期間の間におけるサービス及び移動体通信機器の収益の31百万ユーロ(3.2%)の増加
は、移動体通信機器の販売の増加(2017年下半期の主要な契約による。)を反映しており、欧州連合諸国におけ
るローミング追加料金の終了によるマイナスの影響による、移動体通信のみのサービスの減少により、部分的
に相殺された。
1.3.5.2 調整後EBITDA - 企業向け
2018年と2017年の比較
実績ベース では、企業向けの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に61百万ユーロ減少した。これは、(i)外
国為替変動のマイナスの影響(10百万ユーロ。但し、連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの影響10百万
ユーロによって完全に相殺された。)並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(61百万ユーロの調整後
EBITDA減少)による。
比較可能ベース では、企業向けの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に61百万ユーロ減少した。これは、
主に(i)人件費の増加(主に平均従業員数(フルタイム従業員及びこれに類する者)の増加に関係する。)、(ii)そ
の他の営業収益及び費用の減少、並びに(iii)16百万ユーロの収益減少によるが、(iv)サービス手数料及びオペ
レーター間費用の減少によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、企業向けの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に30百万ユーロ減少した。これは、(i)連
結範囲の変更及びその他の変更によるマイナスの影響(4百万ユーロ)、(ii)外国為替変動のマイナスの影響(2百
万ユーロ)及び比較可能ベースでの有機的な変化(調整後EBITDAの24百万ユーロの減少)を反映している。
比較可能ベース では、企業向けの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に24百万ユーロ減少した。これは基
本的に、以下の要因に起因していた。
・ (i)収益の65百万ユーロの減少、(ii)販売費用(電話機器の購入及びその他の製品の販売)の増加(2017年下
半期における主要な移動体通信機器販売契約による。)、及び(iii)IT費用の増加(IT及び統合サービスの
拡大に伴う。)。
・ 上記は、(i)サービス手数料及びオペレーター間費用の減少(主に、衛星放送サービスの減速による。)、並
びに(ii)その他の営業費用の減少により部分的に相殺された。
1.3.5.3 営業利益 - 企業向け
2018年と2017年の比較
実績ベース では、企業向けの営業利益は、2017年から2018年の間に124百万ユーロ減少した。これは、主に(i)
調整後EBITDAの減少61百万ユーロ、(ii)基本的にフランスの「高齢従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フランスの
高齢従業員の雇用に関する契約に係る手続き)及び関連する特別手当に関する、特に2018年12月に行われた引当
金の3年間の延長(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)による特定の人件費の増加53百万ユーロ、並びに
(iii)16百万ユーロの減価償却費及び償却費の増加による。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、企業向けの営業利益は、2つの期間の間に27百万ユーロ減少した。これは主に、(i)2016年に
投資及び事業ポートフォリオの見直しにより47百万ユーロの当期純利益を計上したことの反対効果(主に、Fime
の売却の49百万ユーロに関連している。)、及び(ii)調整後EBITDAの30百万ユーロの減少によるものであり、
(iii)事業再編及び統合費用の41百万ユーロの減少により部分的に相殺された。
1.3.5.4 Capex - 企業向け
2018年と2017年の比較
実績ベース では、企業向けのCapexは、2017年から2018年の間に29百万ユーロ減少した。これは、(i)外国為替
変動のマイナスの影響(5百万ユーロ。連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの影響8百万ユーロに相殺され
て余りあるものであった。)、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(32百万ユーロのCapex減少)によ
る。
比較可能ベース では、企業向けのCapexは、2017年から2018年の間に32百万ユーロ減少した。これは、顧客プロ
ジェクト需要の減少並びにネットワーク及びITシステムに関連する投資の最適化による。
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2017年と2016年の比較
実績ベース では、企業向けのCapexは、2つの期間の間に46百万ユーロ増加した。これには(i)外国為替変動のプ
ラスの影響(1百万ユーロ。連結範囲の変更及びその他の変更による悪影響(総額2百万ユーロ)により相殺されて
余りあるものであった。)、及び(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(Capexの47百万ユーロの増加)が反映さ
れていた。
比較可能ベース では、企業向けのCapexは、2016年から2017年の間に47百万ユーロ増加した。これは主に、加速
するITシステムの変革及びネットワークの仮想化に起因していた。
1.3.5.5 追加情報 - 企業向け
2017年 比較可能
企業向け
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:千。期末時点。)
2018年
データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
移動体通信サービス
フランスの移動体通信サービス 11,383 9,974 9,974 14.1% 14.1% 8,357
顧客数(2)
固定回線サービス
フランスの固定電話回線数(3) 2,424 2,576 2,576 (5.9)% (5.9)% 2,793
全世界のIP-VPNアクセス数(4) 357 352 352 1.4% 1.4% 351
うち、 フランスのIP-VPNア 299 295 295 1.5% 1.5% 295
クセス数(4)
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) 契約顧客。仮想移動体通信事業者(MVNO)の顧客を除く。
(3) この数値には、一般的アナログ回線(フル・アンバンドリングの回線を除く。)及びNumeris(ISDN)回線が含まれており、各Numeris回
線を1回線として計上している。
(4) オレンジ・グループ以外の顧客のアクセス数。事業者の市場を除く。
1.3.6 海外通信事業及びシェアード・サービス
2017年 比較可能
海外通信事業及びシェ
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
アード・サービス
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益 1,534 1,633 1,651 (6.1)% (7.1)% 1,812
調整後EBITDA (45) (77) (78) 39.7% 40.6% (56)
調整後EBITDA/収益 (3.0)% (4.7)% (4.8)% (3.1)%
EBITDA報告額 (194) (345) (349) 44.0% 44.7% (212)
営業利益 (519) (704) 26.2% (565)
Capex 316 282 282 11.9% 11.9% 277
Capex/収益 20.5% 17.2% 17.1% 15.3%
平均従業員数 12,621 12,485 12,535 1.1% 0.7% 12,680
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
1.3.6.1 収益 - 海外通信事業及びシェアード・サービス
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2017年 比較可能
海外通信事業及びシェ
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
アード・サービス
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
収益 1,534 1,633 1,651 (6.1)% (7.1)% 1,812
通信事業者向けサービス 1,150 1,268 1,275 (9.3)% (9.8)% 1,431
その他の収益 384 365 376 5.1% 2.3% 381
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
2018年と2017年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの収益は、2017年から2018年の間に117百万ユーロ減
少した。これは、(i)外国為替変動の悪影響(13百万ユーロ)、(ii)連結範囲の変更及びその他の変更によるマイ
ナスの影響(5百万ユーロ)、及び(iii)比較可能ベースでの有機的な変化(主に、収益の99百万ユーロの減少)に
起因している。
比較可能ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの収益は、2017年から2018年の間に99百万ユー
ロ減少した。これは、(i)特にアフリカ及びマグレブの音声市場減少による、118百万ユーロの海外通信事業者
向けサービスの減少によるが、(ii)その他の収益の増加19百万ユーロによって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの収益は、2つの期間の間に161百万ユーロ減少し
た。これは、(i)外国為替変動の悪影響(4百万ユーロ)、(ii)連結範囲の変更及びその他の変更によるマイナス
の影響(2百万ユーロ)、及び(iii)比較可能ベースでの有機的な変化(主に、収益の155百万ユーロの減少)に起因
している。
比較可能ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスからの収益は、2016年から2017年の間に155百万
ユーロ減少した。これは主に、海外通信事業者向けサービスにおける147百万ユーロの減少に起因していた。
1.3.6.2 調整後EBITDA - 海外通信事業及びシェアード・サービス
2018年と2017年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に33百万
ユーロ増加した。これは、(i)外国為替変動のプラスの影響(3百万ユーロ。連結範囲の変更及びその他の変更の
マイナスの影響2百万ユーロによって部分的に相殺された。)、並びに(ii)比較可能ベースでの有機的な変化(32
百万ユーロの調整後EBITDA増加)による。
比較可能ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの調整後EBITDAは、2017年から2018年の間に32
百万ユーロ減少した。これは、主に(i)海外通信事業者向け事業の減少から生じたサービス手数料及びオペレー
ター間費用の減少、及び主に固定資産の売却(不動産最適化の一部)によるその他の営業収益及び費用の増加に
よるが、(ii)99百万ユーロの収益減少及び人件費の増加によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの調整後EBITDAは、2016年から2017年の間に22百万
ユーロ減少した。これは、(i)12百万ユーロの外国為替差益並びに連結範囲の変更及びその他の変更のプラスの
影響(1百万ユーロ)を含むが、(ii)比較可能ベースにおける有機的な変化(35百万ユーロの調整後EBITDA減少)に
相殺されて余りあるものであった。
比較可能ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの調整後EBITDAは、2つの期間の間に35百万ユー
ロ減少した。これは主に、(i)収益の155百万ユーロの減少、(ii)ブランド開発費用の減少(主に、2016年にベル
ギー、エジプト及びモロッコでのブランド変更費用、並びに2016年欧州サッカー選手権(ユーロ2016)のスポン
サー費用を認識したことの反対効果による。)、並びに(iii)その他の営業収益及び費用の減少(特に、固定資産
の売却による収益の減少による。)に起因しており、(iv)サービス手数料及びオペレーター間費用の減少(海外
通信事業者へのサービスの減少による。)により部分的に相殺された。
1.3.6.3 営業利益 - 海外通信事業及びシェアード・サービス
2018年と2017年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの営業利益は、2017年から2018年の間に185百万ユー
ロ増加した。これは、主に(i)重要な訴訟の費用156百万ユーロが2017年に認識されたことの反対効果、(ii)33
百万ユーロの調整後EBIDTA増加、(iii)主に不動産の復元から生じた事業再編及び統合費用の減少23百万ユー
ロ、並びに(iv)証券及び事業ポートフォリオのプラスの影響21百万ユーロによるが、(v)主にフランスの「高齢
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従業員非常勤雇用制度」(TPS)(フランスの高齢従業員の雇用に関する契約に係る手続き)及び関連する特別手当
に関する、特に2018年12月の引当金の3年間の更新による特定の人件費の増加76百万ユーロ(「1.1.3 主な出来
事」 を参照のこと。)によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスの営業利益は、2016年から2017年の間に139百万ユー
ロ減少した。これは主に、以下に起因していた。
・ (i)2017年に重要な訴訟に関する費用の156百万ユーロを認識したこと、及び(ii)調整後EBITDAの22百万
ユーロの減少。
・ 上記は、(i)事業再編及び統合費用の23百万ユーロの減少(主に、不動産ポートフォリオの再編に関連して
いる。)、並びに(ii)特定の人件費の20百万ユーロの削減(主に、TPS(高齢従業員非常勤雇用制度)及び関連
する特別手当に係るものである。)により部分的に相殺された。
1.3.6.4 Capex - 海外通信事業及びシェアード・サービス
2018年と2017年の比較
実績ベース と 比較可能ベース 両方において、海外通信事業及びシェアード・サービスのCapexは、2017年から
2018年の間に34百万ユーロ増加した。これは、主に(i)不動産プロジェクトへの投資の増加(不動産ポートフォ
リオの適合及び近代化に合致)、並びに(ii)海底ケーブル(特に仏領ギアナ、マルティニーク及びグアドループ
を結ぶカナワ・ケーブル)への投資(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)による。
2017年と2016年の比較
実績ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスのCapexは、2つの期間の間に5百万ユーロ増加した。
これには(i)連結範囲の変更及びその他の変更による悪影響(10百万ユーロ)、並びに(ii)比較可能ベースでの有
機的な変化(すなわち、Capexの15百万ユーロの増加)が含まれている。
比較可能ベース では、海外通信事業及びシェアード・サービスのCapexは、2016年から2017年の間に15百万ユー
ロ増加した。これは主に、海底ケーブル(特にカナワ・ケーブル)への投資の増加によるものであった。
1.3.7 オレンジ・バンク
オレンジは、2018年3月にオレンジ・バンクの顧客に提供される個人向けローンの範囲を拡大する前、2017年11
月にフランス本土でその銀行事業及びデジタル・ソリューションであるオレンジ・バンクを開始した。2018年
10月以降、それらの商品は、フランス海外県でも販売されている。
2018年12月31日現在で248,000人の顧客がオレンジ・バンクのサービスに申し込んでいた(「1.1.3 主な出来
事」を参照のこと。)。
2017年 比較可能
比較可能 2017年 ベースの 実績ベース 2016年
オレンジ・バンク
ベースの 実績ベース データの のデータの 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ(1) のデータ 増減率(1) 増減率 のデータ
銀行業務収益純額(NBI)(2) 43 73 73 (41.1)% (41.1)% 21
銀行の与信リスクに係る (7) (6) (6) 18.2% 18.2% (2)
費用(3)
営業利益 (169) (93) (80.9)% 85
Capex 36 60 61 (40.4)% (40.4)% 15
平均従業員数 783 663 663 18.0% 18.0% 143
(1) 「1.5.1 比較可能ベースのデータ」を参照のこと。
(2) その他の営業収益として認識された銀行業務収益純額(NBI)(連結財務書類に対する注記1.2及び4.2を参照のこと。)。
(3) その他の営業費用において認識された銀行の与信リスクに係る費用(連結財務書類に対する注記1.2及び5.2を参照のこと。)。
1.3.7.1 営業活動
オレンジ・バンクに関するセグメント情報(営業利益、有形固定資産及び無形資産)は、連結財務書類に対する
注記1.2及び1.3に表示されている。
2018年と2017年の比較
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実績ベース では、オレンジ・バンクの営業利益は、2017年から2018年の間に76百万ユーロ減少した。これは、
主に以下によるものであった。
・ 銀行業務収益純額(NBI。連結財務書類に対する注記1.2を参照のこと。)の減少。減少は、主に(i)事業年度
中の口座増加に関連した新規顧客を獲得するための費用及び(ii)現金取引によるNBIの減少による。
・ 近年のオレンジ・バンクのサービス開始から生じた営業費用(IT保守及び開発、採用、新規投資の減価償却
及び償却等)の増加。
・ 上記は、2016年のグルパマ・バンク(現在のオレンジ・バンク)買収により27百万ユーロの損失が2017年に
認識されたことの反対効果(連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)によって一部相殺された。
実績ベース では、オレンジ・バンクのCapexは、2017年から2018年の間に25百万ユーロ減少した。これは、連結
範囲の変更及びその他の変更のマイナスの影響(1百万ユーロ)並びに比較可能ベースでの有機的な変化(24百万
ユーロのCapex減少)を反映している。
比較可能ベース では、オレンジ・バンクのCapexは、2017年から2018年の間に24百万ユーロ減少した。これは主
に、2017事業年度の投資のほとんどが新たなバンキング・サービスの開始に関するものであったため、2018年
に投資が減少したことによる。
2017年と2016年の比較
2017事業年度では、2017年11月2日よりフランス本土で利用可能となった新たなバンキング・デジタル・ソ
リューションであるオレンジ・バンクの準備を表示している。
実績ベース では、2017年のオレンジ・バンクの営業利益は93百万ユーロのマイナスとなった(これに対し、2016
年は85百万ユーロのプラス)。これは主に、(i)2017年に12ヶ月間にわたって銀行事業を統合したこと(これに対
し、2016年は3ヶ月間)、(ii)オレンジ・バンクのサービス開始に向けた準備で発生した費用(基本的に、外部購
入費及び人件費)、及び(iii)グルパマ・バンク(その後、オレンジ・バンクに名称変更)の買収による影響(2016
年の97百万ユーロの利益に対し、2017年に27百万ユーロの損失を認識したことによる。)(連結財務書類に対す
る注記3.2を参照のこと。)に起因していた。
実績ベース 及び 比較可能ベース の両方において、オレンジ・バンクのCapexは2016年から2017年の間に46百万
ユーロ増加した。これは主に、2017年下半期のオレンジ・バンク・サービスの開始に伴うITへの投資の増加に
よるものであった。
1.3.7.2 資産、負債及びキャッシュ・フロー
オレンジ・バンクに関するセグメント情報(営業利益、有形固定資産及び無形資産への投資、資産、負債及び
キャッシュ・フロー)は、連結財務書類に対する注記1に表示されており、オレンジ・バンクの事業(金融資産及
び負債、事業に関連する市場リスクの管理及び未認識の契約コミットメント)は、連結財務書類に対する注記15
に記載されている。
2018年12月31日現在の顧客に対するローン及び受取債権残高は、2018年1月1日現在の21億ユーロと比較して20
億ユーロであった(IFRS第9号適用の効果の統合後。)。リテール・ローンは総額の86.7%を占めていた。45.5%
は消費者ローンであった(連結財務書類に対する注記15.1.1を参照のこと。)。
2018年12月31日現在の顧客に対する債務(預貯金)残高は、前年比7.8%減の34億ユーロであった。これは主に、
リテール預金(主に、Elancio金融商品の販売終了に伴い、減少した。)から成っていた。機関投資家の預金は総
額の半分未満であった(連結財務書類に対する注記15.1.2を参照のこと。)。
オレンジ・バンクの事業に関連するリスクのさらなる情報については、「2 事業等のリスク」「2.3 金融リ
スク」を参照のこと。
1.4 キャッシュ・フロー、持分及び金融債務
財務書類の透明性を確保し、通信事業とオレンジ・バンクの事業の業績を切り離すために、分析及び財務コメ
ントを分離してこれらの2つの事業範囲を反映させている。したがって、「1.4.1 通信事業の流動性とキャッ
シュ・フロー」及び「1.4.2 通信事業の金融債務及び流動性ポジション」は通信事業について扱い、
「1.3.7 オレンジ・バンク」はオレンジ・バンクの事業を対象としている。
1.4.1 通信事業の流動性とキャッシュ・フロー
通信事業のキャッシュ・フローは、連結財務書類に対する注記1.6に表示されている。
2017年 2016年
通信事業のキャッシュ・フロー計算書の要約(1)
実績ベースの 実績ベースの
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ データ
営業活動により生じたキャッシュ純額 9,672 9,902 8,961
投資活動に使用したキャッシュ純額 (8,426) (7,962) (5,057)
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うち、有形固定資産及び無形資産の取得及び売却による収入(2) (7,655) (7,311) (8,306)
うち、EE社証券の売却による収入(3) - 50 4,481
財務活動に使用したキャッシュ純額 (1,499) (2,834) (2,004)
現金及び現金同等物の現金変動額 (253) (894) 1,900
現金及び現金同等物-期首残高 5,333 6,267 4,469
現金及び現金同等物の現金変動額 (253) (894) 1,900
現金及び現金同等物の非現金変動額 1 (40) (102)
現金及び現金同等物-期末残高 5,081 5,333 6,267
(1) 連結財務書類に対する注記1.6を参照のこと。
(2) 固定資産債務の変動控除後。
(3) 2016年において、これが現金部分であった(費用控除後の、取引による収入。連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。
1.4.1.1 営業活動(通信事業)により生じたキャッシュ純額
通信事業により生じたキャッシュ純額は、2018年において9,672百万ユーロであり、これに対し、2017年は
9,902百万ユーロ、2016年は8,961百万ユーロであった。
2018年にオレンジは、運転資本需要を積極的に管理する方針を実行した。運転資本需要の変動への(i)スペイン
における売掛金の売却、並びに(ii)商品・サービス及び固定資産に関する特定のサプライヤーへの支払期間の
延長による影響は、連結財務書類に対する注記4.3及び5.6にそれぞれ記載されている。
2018年と2017年の比較
通信事業により生じたキャッシュ純額の変動(2018年と2017年の比較)
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2017年の営業活動により生じたキャッシュ純額 9,902
EBITDA報告額の増加(減少) 200
運転資本需要の変動(1) (281)
営業税及び賦課金支払額の減少(増加) 155
利息支払額及びデリバティブに対する金利の影響(純額)(配当金受取額控除後)の減少(増加) 65
法人税支払額の減少(増加) (344)
その他(2) (25)
2018年の営業活動により生じたキャッシュ純額 9,672
(1) 「金融用語集」を参照のこと。
(2) うち、EBITDA報告額の計算に含まれる非貨幣影響額の除外の変動。
通信事業により生じたキャッシュ純額は、2017年から2018年の間に230百万ユーロ減少した。これは、主に以下
によるものであった。
・ 344百万ユーロの法人税費用支払額(主にフランス)。上記は、主に(i)2017年の配当に対する3%の税金の反
対効果、及び特に同税に係る紛争に関する2017年のフランス税務当局による304百万ユーロの返還(連結財
務書類に対する注記9.2を参照のこと。)、並びに(ii)2018年の繰越欠損金消滅による年度中の頭金増加か
らなるが、(iii)2017年に適用される例外的な付加税導入の反対効果(連結財務書類に対する注記9.2を参照
のこと。)によって部分的に相殺された。
・ 281百万ユーロの運転資本変動額。上記は、主に(i)2018年のその他の商品・サービスに係る買掛金増加が
2017年を下回ったこと、及び(ii)2018年の在庫総額増加が2017年を上回ったことによる。
・ 上記は、(i)200百万ユーロのEBITDA報告額増加、並びに(ii)155百万ユーロの営業税及び賦課金減少によっ
て部分的に相殺された。
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2017年と2016年の比較
通信事業により生じたキャッシュ純額の変動(2017年と2016年の比較)
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2016年の営業活動により生じたキャッシュ純額 8,961
EBITDA報告額の増加(減少) 311
運転資本需要の変動 390
企業向け市場でフランス競争当局から科された罰金(1) 350
その他 40
営業税及び賦課金支払額の減少(増加) (35)
利息支払額及びデリバティブに対する金利の影響(純額)(配当金受取額控除後)の減少(増加) (164)
法人税支払額の減少(増加) 322
その他(2) 117
2017年の営業活動により生じたキャッシュ純額 9,902
(1) 「連結キャッシュ・フロー計算書」並びに連結財務書類に対する注記5.7及び16.1を参照のこと。2016年には、罰金を支払ったことで
運転資本需要は350百万ユーロ悪化した。
(2) うち、EBITDA報告額の計算に含まれる非貨幣影響額の除外の変動。
通信事業の投資活動により生じたキャッシュ純額は、2016年から2017年の間に941百万ユーロ増加した。これは
主に、以下に起因している。
・ 運転資本需要の変動(390百万ユーロ)。大半は、企業向け市場での反競争的行為に関し、2016年にフランス
競争当局より科された350百万ユーロの制裁金を支払ったことの反対効果によるものである(「連結キャッ
シュ・フロー計算書」並びに連結財務書類に対する注記5.7及び16.1を参照のこと。)。
・ EBITDA報告額の311百万ユーロの増加。
・ 法人税支払額の322百万ユーロの減額。これは主に、配当に対する3%の税金を巡る紛争に関連して、2017
年にフランス税務当局より304百万ユーロが還付されたためである(連結財務書類に対する注記9.2を参照の
こと。)。
・ 利息支払額(純額)及びデリバティブに対する金利の影響(純額)(配当金受取額控除後)の164百万ユーロの増
加(主に、2016年にEE社から支払われた173百万ユーロの配当金を受け取ったことの反対効果によるもので
ある。)により部分的に相殺された(「連結キャッシュ・フロー計算書」を参照のこと。)。
1.4.1.2 投資活動(通信事業)に使用したキャッシュ純額
2018年の通信事業の投資活動に使用したキャッシュ純額は、2017年のマイナス7,962百万ユーロ及び2016年のマ
イナス5,057百万ユーロに対して、マイナス8,426百万ユーロとなった。
2018年と2017年の比較
通信事業の投資活動に使用したキャッシュ純額は、2017年から2018年の間に464百万ユーロ増加した。これは、
主に以下によるものであった。
・ 380百万ユーロのBT社証券売却による収入の影響(2017年の433百万ユーロに対して2018年は53百万ユーロ)
(費用控除後。連結財務書類に対する注記11.7を参照のこと。)。
・ ディジセル紛争に関する2018年のエスクロー額346百万ユーロの認識(連結財務書類に対する注記11.7及び
16.1を参照のこと。)。
・ 主にフランスでの、2つの期間の間のCapex増加に沿った有形固定資産及び無形資産の取得及び売却による
収入344百万ユーロ(固定資産債務の変動控除後)の増加(「1.2.5 グループの資本的支出」を参照のこ
と。)。
・ 2018年の230百万ユーロでのBasefarmの買収(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)。
・ 上記は、2017年に実施された公正価値での投資増加1,074百万ユーロ(現金同等物を除く。)への反対効果に
よって部分的に相殺された。
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2017年と2016年の比較
2016年から2017年の間に、通信事業の投資活動に使用したキャッシュ純額は2,905百万ユーロ増加した。これは
主に、以下に起因していた。
・ (i)2016年にEE社証券の売却による収入の現金部分(4,481百万ユーロ)(取引による収入から費用を控除)を
認識したことの反対効果、及び(ii)投資持分及びその他の金融資産の変化(2016年の65百万ユーロの増加に
対し、2017年は1,082百万ユーロの増加)。
・ 以下により部分的に相殺された。
・ 2016年にアフリカで行われた総額1,120百万ユーロの投資有価証券の取得(取得現金控除後)(ブルキナ
ファソ及びシエラレオネのエアテル、コンゴ民主共和国のOasis(ティゴ)並びにリベリアのセルコム・テ
レコミュニケーションズ。連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)の反対効果。
・ 有形固定資産及び無形資産の取得及び売却による収入(固定資産債務の変動控除後)の995百万ユーロの減
少。これは主に、通信ライセンスの取得が2016年と比べて2017年に大幅に減少したこと(主に、2016年の
ポーランド及びエジプトにおける4Gライセンス、並びに2015年にフランスで取得した700MHzのライセン
スに係る部分的な支払い(2016年から2018年までの段階的な支払い)。「1.2.5 グループの資本的支出」
を参照のこと。)に関連していた。
・ 2017年に行われたBT社証券の売却による収入(手数料控除後433百万ユーロ)(連結財務書類に対する注記
11.7を参照のこと。)。
1.4.1.2.1 有形固定資産及び無形資産の取得及び売却による収入
2017年 2016年
有形固定資産及び無形資産の取得及び売却による収入
実績ベースの 実績ベースの
(12月31日現在。単位:百万ユーロ。固定資産債務の変動控除後。)
2018年 データ データ
有形固定資産及び無形資産の取得(1) (7,606) (7,466) (8,477)
Capex (7,406) (7,148) (6,956)
通信ライセンス (200) (318) (1,521)
固定資産債務の増加(減少)(2) (241) 8 26
有形固定資産及び無形資産の売却による収入 192 147 145
通信事業合計 (7,655) (7,311) (8,306)
(1) ファイナンス・リースを通じて資金調達された投資は、取得時にはキャッシュ・フローに影響を与えない(「1.2.5 グループの資本
的支出」並びに連結財務書類に対する注記1.3及び8.4を参照のこと。)。
(2) 投資助成金の前受けを含む。
1.4.1.2.2 投資有価証券の取得及び売却による収入
2017年 2016年
投資有価証券の取得及び売却による収入(1)
実績ベースの 実績ベースの
(12月31日現在。単位:百万ユーロ。取得又は譲渡現金控除後。)
2018年 データ データ
投資有価証券の取得(取得現金控除後) (380) (84) (1,274)
Basefarmの100%の取得(2) (230) - -
Business&Decision社の88.2%の取得(2) (36) - -
Enovacomの100%の取得(2) (29) - -
ブルキナファソのエアテルの100%の取得 21 (10) (515)
シエラレオネのエアテルの100%の取得 19 - (305)
コンゴ民主共和国(DRC)のOasis(ティゴ)の100%の取得 - - (178)
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有価証券報告書
リベリアのセルコム・テレコミュニケーションズの (3) - (122)
100%の取得
その他の取得 (122) (74) (154)
投資有価証券の売却による収入(譲渡現金控除後) 110 515 4,588
BT社証券の売却による収入(3) 53 433 -
EE社証券の売却による収入(4) - 50 4,481
デイリーモーションの10%の売却による収入 - 26 -
その他の売却による収入 57 6 107
通信事業合計 (270) 431 3,314
(1) 連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。
(2) 「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。
(3) 連結財務書類に対する注記11.7を参照のこと。
(4) 2016年において、これが現金部分であった(費用控除後の、取引による収入。連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。
1.4.1.2.3 有価証券及びその他の金融資産におけるその他の変動
2017年 2016年
有価証券及びその他の金融資産の減少(増加)
実績ベースの 実績ベースの
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ データ
公正価値の投資(現金同等物を除く。) (31) (1,074) (345)
(470) (8)
その他 280
通信事業合計 (501) (1,082) (65)
1.4.1.3 財務活動(通信事業)に使用したキャッシュ純額
通信事業の財務活動に使用したキャッシュ純額は、2017年のマイナス2,834百万ユーロ、2016年のマイナス
2,004百万ユーロに対し、2018年はマイナス1,499百万ユーロであった。
2017年 2016年
財務活動に使用したキャッシュ純額
実績ベースの 実績ベースの
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 データ データ
中期及び長期債務の変動(1) 1,119 (278) 744
中期及び長期債務の発行 5,214 2,450 3,411
中期及び長期債務の償還及び返済 (4,095) (2,728) (2,667)
銀行当座借越及び短期借入金の増加(減少)(1) (251) 964 90
現金担保預金の変動額(純額)(1) 203 (1,138) (888)
デリバティブに係る為替レートの影響(純額) 7 (66) 201
劣後債のクーポン(2)(3) (280) (282) (291)
自己株式からの収入(の購入)(2) (98) (4) 2
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自己株式の購入 (101) - -
-オレンジ・ヴィジョン2020無償株式報奨制度
その他の自己株式の売却(購入) 3 (4) 2
資本の増加(減少)(2) (87) (66) 9
親会社の株主の資本の増加(減少)(4) - - 113
非支配持分の資本の増加(減少) (87) (66) (104)
子会社の支配の取得又は喪失を伴わない所有持分の変動 (6) 1 (16)
配当金支払額(2) (2,106) (1,965) (1,855)
親会社の株主への配当金支払額(3) (1,860) (1,729) (1,596)
非支配持分への配当金支払額 (246) (236) (259)
通信事業合計 (1,499) (2,834) (2,004)
(1) 連結財務書類に対する注記11を参照のこと。
(2) 連結財務書類に対する注記13を参照のこと。
(3) 「1.4.3 持分」を参照のこと。
(4) 2016年における オレンジ・アンビション2016 従業員持株制度のための資本の増加。
2018年と2017年の比較
通信事業の財務活動に使用したキャッシュ純額は、2017年から2018年の間に1,335百万ユーロ減少した。これ
は、主に以下によるものであった。
・ 2,764百万ユーロの中期及び長期債務の発行増加(連結財務書類に対する注記11.5及び11.6を参照のこ
と。)。
・ 現金担保の変動額(純額)(2017年の1,138百万ユーロの減少に対して2018年の203百万ユーロの増加)。変動
額(純額)は、主に当グループの通貨建ての債券をヘッジするために使われたデリバティブの公正価値の変
動(2017年の悪化に対して2018年は改善)を反映している(連結財務書類に対する注記12.5を参照のこ
と。)。
・ 上記は、(i)1,367百万ユーロの中期及び長期ローン返済増加、並びに(ii)当座借越及び短期借入金の変動
(2017年の964百万ユーロの増加に対して2018年は251百万ユーロの減少)によって部分的に相殺された。
2017年と2016年の比較
2016年から2017年の間に、通信事業の財務活動に使用したキャッシュ純額は830百万ユーロ増加した。これは主
に、以下に起因していた。
・ (i)中期及び長期債務の追加の961百万ユーロの減少(連結財務書類に対する注記11.5及び11.6を参照のこ
と。)、並びに(ii)影響度は低いが、デリバティブに係る為替レートの影響の変動(純額)及び現金担保預金
の変動額(純額)(連結財務書類に対する注記12.5を参照のこと。)。
・ 上記は、銀行当座借越及び短期借入金の874百万ユーロの増加により部分的に相殺された。
1.4.2 通信事業の金融債務及び流動性ポジション
オレンジ・グループの金融債務に関するリスクについてのさらなる情報は、「2 事業等のリスク」「2.3 金
融リスク」を参照のこと。
1.4.2.1 正味金融債務
正味金融債務(連結財務書類に対する注記11.3を参照のこと。)及び通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融
債務の割合は、IFRSによって定義されていない財務指標である。かかる指標の算出に関する詳細情報及びオレ
ンジ・グループがこれらを利用する理由については、「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」及び
「金融用語集」を参照のこと。オレンジにより定義され使用される正味金融債務には、かかる概念に関連しな
いオレンジ・バンクの事業は含まれない。
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2017年 2016年
実績ベースの 実績ベースの
(12月31日現在)
2018年 データ データ
正味金融債務(1)(2)
25,441 23,843 24,444
通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融債務の割合(1)
1.93 1.87 1.94
(1) 「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」を参照のこと。
(2) 単位:百万ユーロ。
2018年と2017年の比較
2017年12月31日から2018年12月31日の間に、正味金融債務は1,598百万ユーロ増加した。
正味金融債務の変動(2018年と2017年の比較)
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2017年12月31日現在の正味金融債務 23,843
通信事業の調整後EBITDA (13,151)
通信事業のCapex 7,406
通信ライセンスの支払い 422
Capex供給者の減少(増加)(1) 19
運転資本需要の増加(減少)(2) 199
利息支払額及びデリバティブに対する金利の影響(純額)(配当金受取額控除後) 1,208
法人税支払額 928
その他の営業項目(3) 954
投資有価証券の取得及び売却による収入(取得又は譲渡現金控除後)並びに子会社 276
の支配の取得又は喪失を伴わない所有持分の変動
劣後債のクーポン(4) 280
親会社の株主への配当金支払額(4) 1,860
非支配持分への配当金支払額 246
その他の金融項目(5) 951
ディジセルの訴訟引当金(5) 346
自己株式の購入-オレンジ・ヴィジョン2020無償株式報奨制度(6) 101
当グループによるオレンジ・バンクへの増資(7) 101
その他 403
2018年12月31日現在の正味金融債務 25,441
(1) 投資助成金の前受けを含む。
(2) 「金融用語集」を参照のこと。
(3) 主に、(i)事業再編及び統合費用に関連する支払額、並びに(ii)調整後EBITDAに含まれる非貨幣性影響額の除外。
(4) 「1.4.3 持分」及び連結財務書類に対する注記13を参照のこと。
(5) 連結財務書類に対する注記11.7及び16.1を参照のこと。
(6) 「1.1.3 主な出来事」及び連結財務書類に対する注記6.3を参照のこと。
(7) 連結財務書類に対する注記1.6を参照のこと。
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(8) 主に、2018年のBasefarm及びBusiness&Decision社の取得(「1.1.3 主な出来事」を参照のこと。)に主に対応する連結範囲の変更に
よる影響。
2017年と2016年の比較
2016年12月31日から2017年12月31日の間に、正味金融債務は601百万ユーロ減少した。
正味金融債務の変動(2017年と2016年の比較)
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2016年12月31日現在の正味金融債務 24,444
通信事業の調整後EBITDA (12,741)
通信事業のCapex 7,148
通信ライセンスの支払い 617
Capex供給者の減少(増加)(1) (307)
運転資本需要の増加(減少) (82)
利息支払額及びデリバティブに対する金利の影響(純額)(配当金受取額控除後) 1,273
法人税支払額 584
その他の営業項目(2) 917
投資有価証券の取得及び売却による収入(取得又は譲渡現金控除後)並びに子会社 (432)
の支配の取得又は喪失を伴わない所有持分の変動
BT社証券の売却による収入(3) (433)
その他 1
劣後債のクーポン(4) 282
親会社の株主への配当金支払額(4) 1,729
非支配持分への配当金支払額 236
その他の金融項目(5) 175
2017年12月31日現在の正味金融債務 23,843
(1) 投資助成金の前受けを含む。
(2) 主に、(i)事業再編及び統合費用に関連する支払額、並びに(ii)調整後EBITDAに含まれる非貨幣性影響額の除外。
(3) 費用控除後(連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。
(4) 「1.4.3 持分」及び連結財務書類に対する注記13を参照のこと。
(5) 主に、当グループの英ポンドに対するエクスポージャーの経済的ヘッジの影響。
1.4.2.2 金融債務の管理及び流動性ポジション
オレンジ・バンクの事業を除く資産、負債及び金融費用(純額)は、市場リスクの情報並びにオレンジ・バンク
の事業を除く金融資産及び負債の公正価値とともに、それぞれ連結財務書類に対する注記11及び12に記載され
ている。
2018年12月31日現在、通信事業の現金及び現金同等物は5,081百万ユーロとなり、通信事業の流動性ポジション
は13,964百万ユーロであった。2018年12月31日現在、通信事業の流動性ポジションは、2019年の総金融債務の
返済義務額を超過している(連結財務書類に対する注記12.3を参照のこと。)。
1.4.2.3 市場リスク及び金融商品に対するエクスポージャー
金利リスク、外国為替リスク、流動性リスク、信用リスク、カウンターパーティ・リスク、財務コベナンツ及
び株式市場リスクの管理に関しては、連結財務書類に対する注記12に記載されている。
金融市場から生じるリスクに関する詳細は、「2 事業等のリスク」「2.3 金融リスク」を参照のこと。
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1.4.2.4 オレンジの信用格付
オレンジの信用格付は、当グループの財務方針並びにリスク管理方針、特にソルベンシーリスク及び流動性リ
スクを評価するのに使用される追加的な業績指標であり、投資家が行う分析の代わりにはならない。格付機関
は、付与した格付を定期的に見直す。格付の変更は、将来の資金調達費用に影響を与え、又は流動性へのアク
セスを制限する可能性がある。
また、特定の融資残高についてのオレンジの信用格付変更は、ステップアップ条項に基づいて投資家に支払わ
れる報酬に影響する(ステップアップ条項:格付機関によってオレンジの長期信用格付が引き下げられたとき
に、契約上のルールに従って支払利息を増加させる条項。同条項は格付が改善した場合のクーポン金利引き下
げを定めることもある。但し、金利がローンの当初金利を下回ることはない(連結財務書類に対する注記12.3を
参照のこと。)。)。
2018年6月27日、格付機関の日本格付研究所は、オレンジの長期債務格付をA-からAに引き上げ、同時にオレン
ジの長期債務の見通しをポジティブから安定的に変更した。
2018年12月31日現在のオレンジの信用格付は以下の通りである。
オレンジの債券格付
スタンダード&
フィッチ・レー
(2018年12月31日現在)
プアーズ ムーディーズ ティングス 日本格付研究所
長期債務 BBB+ Baa1 BBB+ A
見通し 安定的 安定的 安定的 安定的
短期債務 A2 P2 F2 N/A
金融市場に関するリスク及び当社の信用格付の変遷に関する詳細な情報は、「2 事業等のリスク」「2.3 金
融リスク」を参照のこと。
1.4.3 持分
2018年12月31日現在、フランス政府は直接又はBpifrance Participationsと共同して、オレンジSAの資本の
22.95%及び議決権の29.47%を保有していた(連結財務書類に対する注記13を参照のこと。)。
オレンジによる配当金の支払いは、以下の通り行われた(連結財務書類に対する注記13.3を参照のこと。)。
・ 2018年においては、(i)2017事業年度に関する1株当たり0.40ユーロの配当金の残額、及び(ii)2018事業年
度に関する1株当たり0.30ユーロの中間配当金の支払い。
・ 2017年においては、(i)2016事業年度に関する1株当たり0.40ユーロの配当金の残額、及び(ii)2017事業年
度に関する1株当たり0.25ユーロの中間配当金の支払い。
・ 2016年においては、(i)2015事業年度に関する1株当たり0.40ユーロの配当金の残額、及び(ii)2016事業年
度に関する1株当たり0.20ユーロの中間配当金の支払い。
加えて、オレンジはその発行後、完全劣後債に係る利払いを繰り延べる権利を行使しなかったため、債券保有
者に対し、2018年には280百万ユーロ、2017年には282百万ユーロ、及び2016年には291百万ユーロを支払った
(連結財務書類に対する注記13.4を参照のこと。)。
資本管理については、連結財務書類に対する注記12.7に記載されている。持分の変動は、連結財務書類の「連
結株主持分変動計算書」及び連結財務書類に対する注記13に記載がある。
1.5 IFRSによって定義されていない財務指標
オレンジは、本報告書において、国際財務報告基準(IFRS)に従って公表されている財務指標の他に、IFRSに
よって定義されていない財務指標を公表している。以下に記載されているように、これらの数値は、補足的な
情報として示されているものであり、IFRSによって定義されている財務指標に代わるものではなく、それらと
混同されてはならない。
1.5.1 比較可能ベースのデータ
投資家が当グループの事業の年間変動を追跡できるようにするために、前期についての比較可能ベースのデー
タが示されている。実績ベースのデータから比較可能ベースのデータへの変換では、当年度の業績はそのまま
とし、前年度の業績については、比較対象期間について、比較可能な算出方法、連結範囲及び為替レートによ
り財務データが表示されるように再表示している。オレンジは、事業に対する本質的な影響を抽出するため
に、算出方法、連結範囲及び為替レートの変動が主要な経営指標に及ぼす影響について、その詳細を提供す
る。再表示の際には、当期に用いられた算出方法及び連結範囲、当期の連結損益計算書に用いられた平均為替
レートを、前年度の対応する期間のデータにも適用する。
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オレンジの経営陣は、これらの比較可能ベースでの指標を表示することは、これらの指標は当グループが営業
活動を監視するために内部で使用するものであるため、適切であると考えている。比較可能ベースにおける
データの変動は、有機的な事業の変化をより反映している。
比較可能ベースのデータは、IFRSによって定義される財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の指標と
は比較できない可能性がある。比較可能ベースのデータは、単なる追加的な情報として提供されており、当グ
ループの前年度又は過去の期の実績データの分析に代わるものとしてみなされるべきではない。
1.5.1.1 2017年の比較可能ベースのデータ
2017年の比較可能ベースのデータは、計算方法、範囲、為替レートの点で、2018年の実績ベースのデータと比
較可能である。
1.5.1.1.1 2017事業年度 - グループ全体
以下の表は、オレンジ・グループの主要業績データに関する、2017事業年度の実績ベースのデータから比較可
能ベースのデータへの変換を示している。
2017事業年度/グループ全体
EBITDA 平均
調整後
(2017年12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益 EBITDA 報告額 Capex 従業員数
40,859 12,680 11,863 7,209 138,038
実績ベースのデータ
(189) (28) (27) (26) -
外国為替変動(1)
(84) (28) (27) (6) -
米ドル(USD)
(27) (8) (8) (9) -
エジプトポンド(EGP)
(18) (6) (6) (3) -
ヨルダンディナール(JOD)
(10) - 1 - -
アルゼンチンペソ(ARS)
(9) - - (1) -
ロシアルーブル(RUB)
(8) (3) (3) (1) -
ギニアフラン(GNF)
(7) (1) (1) (1) -
マダガスカルアリアリ(MGA)
(26) 18 17 (5) -
その他
167 8 13 8 1,438
連結範囲の変更及びその他の変更
109 ▶ 3 1 1,080
Business&Decision社の取得
30 6 6 6 143
Basefarm Holdingの取得
13 (2) (2) 1 134
Enovacomの取得
15 - 6 - 81
その他
40,837 12,660 11,849 7,191 139,476
比較可能ベースのデータ
(1) 2017事業年度の平均為替レートと2018事業年度の平均為替レートにおける外国為替変動。
2017事業年度の実績ベースのデータから比較可能ベースのデータへの変換に含まれる変動には、主に以下が含
まれる。
・ 連結範囲の変更(「1.1.3 主な出来事」及び連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。これは主
に、以下の要因に伴うものである。
・ 2018年6月5日のBusiness&Decision社(企業向け)の買収。これは、比較可能ベースのデータでは2018年7
月1日に効力が生じた。
・ 2018年8月14日のBasefarm Holding(企業向け)の買収。これは、比較可能ベースのデータでは2018年10月
1日に効力が生じた。
・ 2018年2月21日のEnovacom(企業向け)の買収。これは、比較可能ベースのデータでは2018年3月1日に効力
が生じた。
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・ 2017事業年度と2018事業年度の平均為替レートの間の外国為替変動。
1.5.1.1.2 2017事業年度 - セグメント
以下の表は、オレンジ・グループの各セグメントの主要業績データに関する、2017事業年度の実績ベースの
データから比較可能ベースのデータへの変換を示している。
2017事業年度/セグメント
EBITDA 平均
調整後
(2017年12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益 EBITDA 報告額 Capex 従業員数
フランス
18,046 6,878 6,444 3,451 59,622
実績ベースのデータ
- - - - -
外国為替変動(1)
2 1 2 - 58
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
18,048 6,879 6,446 3,451 59,680
比較可能ベースのデータ
スペイン
5,231 1,567 1,563 1,115 6,565
実績ベースのデータ
- - - - -
外国為替変動(1)
1 1 1 - ▶
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
5,232 1,568 1,564 1,115 6,569
比較可能ベースのデータ
欧州
5,578 1,456 1,417 897 22,636
実績ベースのデータ
▶ 2 2 1 -
外国為替変動(1)
11 2 3 1 70
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
5,593 1,460 1,422 899 22,706
比較可能ベースのデータ
アフリカ及び中東
5,030 1,612 1,591 1,021 15,210
実績ベースのデータ
(90) (24) (23) (22) -
外国為替変動(1)
- (3) (3) - -
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
4,940 1.585 1,565 999 15,210
比較可能ベースのデータ
企業向け
7,251 1,306 1,258 382 20,807
実績ベースのデータ
(94) (10) (10) (5) -
外国為替変動(1)
151 10 10 8 1,356
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
109 ▶ 3 1 1,080
Business&Decision社の取得
30 6 6 6 143
Basefarmの取得
13 (2) (2) 1 134
Enovacomの取得
(1) 2 3 - (1)
その他の変更(2)
7,308 1,306 1,258 385 22,163
比較可能ベースのデータ
121/637
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オレンジ(E05839)
有価証券報告書
海外通信事業及びシェアード・サービス
1,651 (78) (349) 282 12,535
実績ベースのデータ
(13) 3 ▶ - -
外国為替変動(1)
(5) (2) - - (50)
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
1,633 (77) (345) 282 12,485
比較可能ベースのデータ
オレンジ・バンク
- (62) (62) 61 663
実績ベースのデータ
- - - - -
外国為替変動(1)
- - - (1) -
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
- (62) (62) 60 663
比較可能ベースのデータ
(1) 2017事業年度の平均為替レートと2018事業年度の平均為替レートにおける外国為替変動。
(2) セグメント間の組織内再編の影響(当グループレベルでは影響なし。)を含む。
1.5.1.2 2016年の比較可能ベースのデータ
2016年の比較可能ベースのデータは、計算方法、範囲、為替レートの点で、2017年の実績ベースのデータと比
較可能である。
1.5.1.2.1 2016事業年度 - グループ全体
以下の表は、オレンジ・グループの主要業績データに関する、2016事業年度の実績ベースのデータから比較可
能ベースのデータへの変換を示している。
2016事業年度/グループ全体
EBITDA 平均
調整後
(2016年12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益 EBITDA 報告額 Capex 従業員数
40,708 12,564 11,601 6,971 141,257
実績ベースのデータ
(485) (156) (155) (20) -
外国為替変動(1)
(517) (165) (164) (27) -
エジプトポンド(EGP)
64 16 16 11 -
ポーランドズロチ(PLN)
(16) (3) (3) (2) -
米ドル(USD)
(16) (4) (4) (2) -
その他
160 11 (47) 23 575
連結範囲の変更及びその他の変更
94 26 26 14 131
ブルキナファソのエアテルの取得
45 (6) (6) 2 43
コンゴ民主共和国(DRC)のOasis
(ティゴ)の取得
32 9 9 5 156
シエラレオネのエアテルの取得
15 6 6 ▶ 85
リベリアのセルコム・テレコミュニ
ケーションズの取得
(19) (3) (52) (1) (166)
Fimeの売却
- (23) (23) - 363
グルパマ・バンク(オレンジ・バンクに
名称変更)の買収
(7) 2 (7) (1) (37)
その他
122/637
EDINET提出書類
オレンジ(E05839)
有価証券報告書
40,383 12,419 11,399 6,974 141,832
比較可能ベースのデータ
(1) 2016事業年度の平均為替レートと2017事業年度の平均為替レートにおける外国為替変動。
2016事業年度の実績ベースのデータから比較可能ベースのデータへの変換に含まれる変動には、主に以下が含
まれる。
・ 連結範囲の変更(連結財務書類に対する注記3.2を参照のこと。)。これは主に、以下の要因に伴うものであ
る。
・ 2016年4月20日のコンゴ民主共和国(DRC)(アフリカ及び中東)のOasis(ティゴ)の買収。これは、比較可能
ベースのデータでは2016年1月1日に効力が生じた。
・ 2016年6月22日のブルキナファソ(アフリカ及び中東)のエアテルの買収。これは、比較可能ベースでは
2016年1月1日に効力が生じた。
・ 2016年4月5日のリベリア(アフリカ及び中東)のセルコム・テレコミュニケーションズの買収。これは、
比較可能ベースでは2016年1月1日に効力が生じた。
・ 2016年7月19日のシエラレオネ(アフリカ及び中東)のエアテルの買収。これは、比較可能ベースでは2016
年1月1日に効力が生じた。
・ 2016年5月31日のFime(企業向け)の売却。これは、比較可能ベースでは2016年1月1日に効力が生じた。
・ 2016年10月4日のグルパマ・バンクの買収(オレンジ・バンクに名称変更)。これは、比較可能ベースでは
2016年1月1日に効力が生じた。
・ 2016事業年度と2017事業年度の平均為替レートの間の外国為替変動。
1.5.1.2.2 2016事業年度 - セグメント
以下の表は、オレンジ・グループの各セグメントの主要業績データに関する、2016事業年度の実績ベースの
データから比較可能ベースのデータへの変換を示している。
2016事業年度/セグメント
EBITDA 平均
調整後
(2016年12月31日現在。単位:百万ユーロ)
収益 EBITDA 報告額 Capex 従業員数
フランス
17,896 6,729 6,128 3,421 63,094
実績ベースのデータ
- - - - -
外国為替変動(1)
- 1 1 10 -
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
17,896 6,730 6,129 3,431 63,094
比較可能ベースのデータ
スペイン
4,909 1,351 1,224 1,086 6,401
実績ベースのデータ
- - - - -
外国為替変動(1)
- 2 2 - (2)
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
4,909 1,353 1,226 1,086 6,399
比較可能ベースのデータ
欧州
5,482 1,558 1,543 874 23,255
実績ベースのデータ
72 20 19 12 -
外国為替変動(1)
- - - - -
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
5,554 1,578 1,562 886 23,255
比較可能ベースのデータ
アフリカ及び中東
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オレンジ(E05839)
有価証券報告書
5,245 1,658 1,638 962 15,368
実績ベースのデータ
(550) (187) (186) (33) -
外国為替変動(1)
186 35 19 25 415
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
94 26 26 14 131
ブルキナファソのエアテルの取得
45 (6) (6) 2 43
コンゴ民主共和国(DRC)のOasis
(ティゴ)の取得
32 9 9 5 156
シエラレオネのエアテルの取得
15 6 6 ▶ 85
リベリアのセルコム・テレコミュニ
ケーションズの取得
- - (16) - -
その他の変更(2)
4,881 1,506 1,471 954 15,783
比較可能ベースのデータ
企業向け
7,346 1,336 1,292 336 20,316
実績ベースのデータ
(5) (2) (2) 1 -
外国為替変動(1)
(25) (4) (51) (2) (191)
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
(19) (3) (52) (1) (166)
Fimeの売却
(6) (1) 1 (1) (25)
その他の変更(2)
7,316 1,330 1,239 335 20,125
比較可能ベースのデータ
海外通信事業及びシェアード・サービス
1,812 (56) (212) 277 12,680
実績ベースのデータ
(4) 12 12 - -
外国為替変動(1)
(2) 1 7 (10) (10)
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
1,806 (43) (193) 267 12,670
比較可能ベースのデータ
オレンジ・バンク
- (12) (12) 15 143
実績ベースのデータ
- - - - -
外国為替変動(1)
- (23) (23) - 363
連結範囲の変更及びその他の変更(2)
- (23) (23) - 363
グルパマ・バンク(オレンジ・バンクに
名称変更)の買収
- - - - -
その他の変更(2)
- (35) (35) 15 506
比較可能ベースのデータ
(1) 2016事業年度の平均為替レートと2017事業年度の平均為替レートにおける外国為替変動。
(2) セグメント間の組織内再編の影響(当グループレベルでは影響なし。)を含む。
1.5.2 調整後EBITDA及びEBITDA報告額
EBITDA報告額は、減価償却及び償却・企業結合による影響・事業体の清算に伴う為替換算調整額の組替・のれ
ん及び固定資産の減損・関連会社及びジョイント・ベンチャーの持分法投資利益(損失)前の営業利益である。
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有価証券報告書
調整後EBITDAは、重要な訴訟、特定の人件費、投資及び事業ポートフォリオの見直し、事業再編及び統合費
用、並びに、適切な場合には、体系的に特定されたその他の特定の事項の影響について調整したEBITDA報告額
である(連結財務書類に対する注記1.7を参照のこと。)。
調整後EBITDA、EBITDA報告額及び連結当期純利益の間の調整は、次に示す通りである。
2018年 2017年 2016年
実績ベースのデータ 実績ベースのデータ
(12月31日現在。
調整された 表示調整 連結損益計 調整された 表示調整 連結損益計 調整された 表示調整 連結損益計
単位:百万ユーロ)
データ (1) 算書 データ (1) 算書 データ (1) 算書
収益 41,381 - 41,381 40,859 - 40,859 40,708 - 40,708
(18,563) (18,563) (18,381) (18,381) (18,186) (18,186)
外部購入費 - - -
その他の営業収益 760 - 760 687 14 701 732 7 739
(496) (9) (505) (434) (290) (724) (457) (89) (546)
その他の営業費用
(8,268) (806) (9,074) (8,200) (374) (8,574) (8,340) (526) (8,866)
人件費
(1,809) (31) (1,840) (1,851) (1,846) (1,893) (1,808)
営業税及び賦課金 5 85
(5) (5)
売却(損)益 - 17 17 - - 59 59
(199) (199) (167) (167) (499) (499)
事業再編及び統合費用 - - -
(1,028) (817) (963)
調整後EBITDA 13,005 - 12,680 - 12,564 -
(33) (271) 10 (10)
重要な訴訟 33 - 271 - -
(812) (374) (525)
特定の人件費 812 - 374 - 525 -
(17) (5) 59 (59) -
投資及び事業ポートフォリ 17 - 5 -
オの見直し
(200) (167) (499)
事業再編及び統合費用 200 - 167 - 499 -
(8)
その他の特定の事項 - - - - - - 8 -
EBITDA報告額 11,977 - 11,977 11,863 - 11,863 11,601 - 11,601
(7,047) (6,846) (6,728)
減価償却費及び償却費 - - - - - -
(27)
企業結合による影響 - - - - - - - 97
(8)
事業体の清算に伴う為替換 - - 1 - - - - 14
算調整額の組替
(56) (20) (814)
のれんの減損 - - - - - -
(49) (190) (207)
固定資産の減損 - - - - - -
- - (46)
関連会社及びジョイント - - 3 - - 6
・ベンチャーの持分法
投資利益(損失)
営業利益 - - 4,829 - - 4,778 - - 3,917
(1,362) (1,715) (2,097)
金融費用(純額) - - - - - -
(1,309) (1,052) (951)
法人税 - - - - - -
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継続事業による連結当期純 - - 2,158 - - 2,011 - - 869
利益
非継続事業による当期純利 - - - - - 29 - - 2,253
益
連結当期純利益 - - 2,158 - - 2,040 - - 3,122
親会社の株主に帰属する当 - - 1,954 - - 1,843 - - 2,813
期純利益
197 - 309
非支配持分 - - 204 - - -
(1) 表示調整は、セグメント情報において確認された特定の勘定項目(連結財務書類に対する注記1を参照のこと。)を連結損益計算書にお
いて表示される営業利益及び費用の勘定項目に再配分するものである。
オレンジの経営陣は、調整後EBITDA及びEBITDA報告額を表示することは、これらが(i)当グループの業績及びセ
グメント業績の管理及び評価、並びに(ii)当グループの投資及び資源配分戦略の実施を目的に、当グループに
よって内部で使用される業績評価指標であるため、適切であると考えている。調整後EBITDA及びEBITDA報告
額、又はオレンジの競合他社が使用する類似の経営指標は、しばしば開示される指標であり、アナリスト、投
資家及び電気通信産業の関係者らによって幅広く利用されている。
調整後EBITDA及びEBITDA報告額は、IFRSによって定義される財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の
指標とは比較できない可能性がある。これらは、あくまで追加的な情報として提供されており、営業利益又は
営業活動が提供する現金に代わるものとしてみなされるべきではない。
1.5.3 Capex
通信ライセンス及びファイナンス・リースを通じて資金調達された投資を除く有形固定資産及び無形資産に対
する投資(Capex)は、連結キャッシュ・フロー計算書に表示されている通信ライセンス及び固定資産債務の変動
を除く有形固定資産及び無形資産の取得に対応する(ファイナンス・リースを通じて資金調達された投資は、取
得時点のキャッシュ・フローに影響を与えない。)。次の計算は、Capexから(i)連結キャッシュ・フロー計算書
に表示されている固定資産債務の変動を除く、有形固定資産及び無形資産の取得及び(ii)連結財務書類に対す
る注記1.3に表示されている有形固定資産及び無形資産への投資への変換を示す。
2017年 2016年
実績ベース 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 のデータ のデータ
7,442 7,209 6,971
Capex
200 318 1,521
通信ライセンス
7,642 7,527 8,492
有形固定資産及び無形資産の取得(1)
136 43 91
ファイナンス・リースを通じて資金調達された投資
7,778 7,570 8,583
有形固定資産及び無形資産への投資
(1) 固定資産債務の変動を除く。
ファイナンス・リースを通じて資金調達された投資(取得時にキャッシュ・フローに影響しない。)及び通信ラ
イセンスへの投資(かかるライセンス取得は、事業投資の日々の監視対象の一部ではない。)は、Capexに含まれ
ない。
Capexを表示することは、それが、事業セグメントそれぞれについて投資の利用の事業効率を測定することを目
的として、資源配分に、当グループによって内部で使用される指標であるため、意味があるとオレンジの経営
陣は考える。
CapexはIFRSによって定義されている財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の指標とは比較できない可
能性がある。Capexは、あくまで追加的な情報として提供されており、有形固定資産及び無形資産の取得又は有
形固定資産及び無形資産への投資に代わるものとしてみなされるべきではない。
1.5.4 調整後EBITDA - Capex
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「調整後EBITDA - Capex」は、調整後EBITDA(「1.5.2 調整後EBITDA及びEBITDA報告額」を参照のこと。)から
Capex(「1.5.3 Capex」を参照のこと。)を差し引いた額に対応する。
オレンジの経営陣は、「調整後EBITDA - Capex」を表示することは、これらが(i)当グループの業績及びセグメ
ント業績の管理及び評価、並びに(ii)当グループの投資及び資源配分戦略の実施を目的に、当グループによっ
て内部で使用される業績評価指標であるため、適切であると考えている。
「調整後EBITDA - Capex」はIFRSによって定義されている財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の指
標とは比較できない可能性がある。これは、あくまで追加的な情報として提供されており、営業活動により生
じたキャッシュ純額及び当グループの投資活動に配分されたキャッシュ純額の分析に代わるものとしてみなさ
れるべきではない。
1.5.5 正味金融債務
オレンジにより定義され使用される正味金融債務には、かかる概念に関連しないオレンジ・バンクの事業は含
まれない。正味金融債務は、(a)金融負債(営業活動に係る未払金(年度末決算日レートでユーロに換算され
る。)を除き、デリバティブ(資産及び負債)を含む。)から、(b)支払われた現金担保、現金、現金同等物及び公
正価値での金融資産を差し引いた額で構成される。また、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され、正味
金融債務に含まれる金融商品は、将来のキャッシュ・フローなど、(特に)正味金融債務に含まれない項目の
ヘッジのために設定される。これらのヘッジの影響は、その他の包括利益に計上されている。したがって、満
期日を迎えていないヘッジ金融商品に関連した構成要素の一部は、この一時差異を相殺するために総金融債務
に加えられている。
正味金融債務の内訳は、連結財務書類に対する注記11.3に表示されている。
正味金融債務は、当グループにより使用される財政状態の指標の1つである。正味金融債務は、頻繁に開示され
る指標である。正味金融債務は、アナリスト、投資家、格付機関及び欧州のあらゆる事業セクターにおけるほ
とんどのグループによって幅広く利用されている。
正味金融債務は、IFRSによって定義されている財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の指標とは比較
できない可能性があり、あくまで追加的な情報として提供されており、当グループの資産及び負債の全ての分
析に代わるものとしてみなされるべきではない。
1.5.6 通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融債務の割合
通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融債務の割合は、過去12ヶ月について計算された通信事業の調整後
EBITDA(「1.5.2. 調整後EBITDA及びEBITDA報告額」を参照のこと。)に対する当グループの正味金融債務
(「1.5.5 正味金融債務」を参照のこと。)の割合として計算される。正味金融債務(オレンジにより定義され
使用される。)には、オレンジ・バンクの事業(かかる概念に関連しない。)は含まれないため、正味金融債務
は、通信事業の調整後EBITDAで除される。加えて、範囲の変更が期末現在の当グループの正味金融債務に重要
な影響を及ぼす場合には、過去12ヶ月の当該事業体の調整後EBITDAを考慮して、通信事業の調整後EBITDAに対
する正味金融債務の割合の計算は調整が行われる。
2017年 2016年
実績ベース 実績ベース
(12月31日現在。単位:百万ユーロ)
2018年 のデータ のデータ
(a) 25,441 23,843 24,444
正味金融債務
(b) 13,151 12,741 12,576
通信事業の調整後EBITDA
1.93 1.87 1.94
(a/b)
通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融債務の割合
オレンジは、通信事業の調整後EBITDAに対する正味金融債務の割合を、当グループの負債を返済する能力を測
定し、さらに広げて、その財務の健全性を測定するために、使用している。かかる割合は、電気通信セクター
の会社で共通して使用されている。
1.6 追加情報
未認識の契約コミットメント
未認識の契約コミットメントは、連結財務書類に対する注記14及び15.3に記載の通りである。
2019年1月1日にIFRS第16号を適用
当グループは、IFRS第16号「リース」を、比較可能期間の再表示なしに、簡便的な遡及方法を用いて2019年1月
1日から適用する(連結財務書類に対する注記2.4.2を参照のこと。)。IFRIC及びIASBで現在議論が行われている
が、当グループは、リース債務及びリース契約に付随する使用権の認識から生じる貸借対照表への影響を55億
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オレンジ(E05839)
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ユーロから65億ユーロと見積もっている。また、当グループは、移行による使用権及びリース債務の当初認識
期間中に繰延税金を計上する。
2019年1月1日現在の資本への影響は重大なものではない。
2019年第1四半期の新たな財務指標
当グループによる2019年1月1日からのIFRS第16号適用の結果、オレンジは、IFRSによって定義されないその財
務指標を調整しなければならない。2019年第1四半期から、以下の財務指標が、当グループによって内部的に使
用される。
・ リース後のEBITDA (EBITDAaL)は、以下を控除する前の継続事業による連結当期純利益と一致する。法人
税、金融収益(賃借債務及び資金調達により取得した資産に関連する負債の利息を除く。)、関連会社及び
ジョイント・ベンチャーの持分法投資利益(損失)、のれん並びに無形及び有形資産の減損、事業体の清算
に伴う為替換算調整額の組替、企業結合による影響、有形固定資産及び無形資産の減価償却費及び償却
費、重要な訴訟の影響、特定の人件費、事業再編費用、取得及び統合費用、並びに資産、証券及び事業の
ポートフォリオ見直し。
・ 経済的Capex は、(i)有形固定資産及び無形資産への投資(通信ライセンス及び資金調達により取得した資産
を除く。)から(ii)売却された有形固定資産及び無形資産の売却価格を差し引いた額と一致する。
・ 「 EBITDAaL - 経済的Capex 」指標は、EBITDAaL( 上記 を参照のこと。)から経済的Capex( 上記 を参照のこ
と。)を差し引いた額と一致する。
・ 正味金融債務 は、IFRS第16号の適用範囲内のリース負債を除いたものである。
・ 通信事業のEBITDAaLに対する正味金融債務の割合 は、過去12ヶ月間について通信事業のEBITDAaL( 上記 を参
照のこと。)に対する当グループの正味金融債務( 上記 を参照のこと。)として算出される。
4【経営上の重要な契約等】
該当事項なし
5【研究開発活動】
情報通信技術(ICT)セクターでは、プレイヤー数の増加と新しい経済モデルの創出とともに、価値連鎖に主要な
変化が生じつつあり、オレンジ・グループにとって、イノベーションは成長の重要な原動力となっている。こ
れは、640人の研究者を含む約6,000人のコミュニティに支えられている。当グループは2018年も研究及びイノ
ベーションへの取り組みを続け、これらに700百万ユーロ(すなわち、収益の1.7%)を投入した。これらの金額
には、人件費並びに新商品及びサービスの研究及びイノベーションに関連する営業費用及び投資費用が含まれ
る。
5.1 研究及びイノベーション
オレンジは現在、フランスでデジタル研究に携わる中心的な民間企業になっている。当グループは、オープン
で、影響力があり、かつ他社との差別化が図れる研究アプローチを開発している。このアプローチでは、瞬時
に全員にアクセスが可能になり、進歩に対する前向きな視点が中心になっている。研究及びイノベーション
は、将来の成長への鍵であり、オレンジが競合相手との差別化を図る要因である。
研究及びイノベーションにおける目的を達成するため、オレンジは、4つの大陸にまたがる専門知識のネット
ワークを確立している。技術及びグローバル・イノベーション部門の従業員は革新的なエコシステムと密接に
連携を図っており、新興企業及び開発者はイノベーションを加速している。オレンジの研究者は、技術面の飛
躍的な進歩、新たな利用方法及び革新的な経済モデルを探求しており、将来のネットワークとサービスの展開
に必要な技術の発明を行っている。
新たな技術の波に対応し、将来の応用方法の開発を促進するため、オレンジ・グループの研究は9つの分野に分
かれている。デジタル個人生活、デジタル社会、デジタル新興市場、デジタル企業、アンビエント接続、ソフ
トウェアのインフラ、モノのインターネット(IoT)、データ及び知識並びに信頼性とセキュリティの9分野であ
る。2017年にはさらに、オレンジは、顧客、当グループ及びエコシステムに開放された3つの「統合研究」プ
ラットフォームを開始し、技術の飛躍的な進歩及び利用方法を明らかにして広めるとともに、重要な資産の構
築を図っている。
オレンジは、人工知能(AI)を責任ある方法で利用することにより、個人、社会及び地球にとって新たな展望が
開かれると確信している。AIは、都市及び地域、輸送、資源(エネルギー、金融リソース等)並びに知識の管理
を改善する。オレンジは130人を超える世界的に認知されている専門家を有し、また2020年までの間にAI分野で
200人を上回る新規採用を計画しており、フランスと欧州でのAI分野を支えるオレンジの貢献は大きくなってい
る。特に、オレンジは、マイクロソフトのAI Schoolと提携し、フランスのデジタル・エコシステムのメンバー
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オレンジ(E05839)
有価証券報告書
とともに新興企業を支援するとともに、責任あるAIに特化したシンクタンクであるImpact AIの設立を後押し
し、さらに、AIに関する欧州の計画に参加している。
オレンジは5Gネットワークの到来に備え、問題点、新たなビジネスモデル及び新たな利用方法の理解を深め、
したがって、5Gがもたらすあらゆるチャンスを生かせるよう、全ての関係者(研究機関、他の事業者、メー
カー、起業家及び大手企業)と積極的に準備を行っている。オレンジの場合、5Gの開発は、3つの主要分野が
ベースとなる。すなわち、今後の利用の拡大に合わせた移動体通信ブロードバンドの高度化(速度は4Gの10
倍)、光インフラがほとんどない国で超高速ブロードバンドへアクセスするための代替手段、最後に、企業のデ
ジタル転換を支援するための新たなサービスの展開である。
欧州の小売及び企業向け市場において、オレンジが重要なプレイヤーになることを目指す多角化分野が複数あ
り、モノのインターネット(IoT)はその中の1つである。2018年に、オレンジは、欧州での自社IoTネットワーク
( LoRa ®及びLTE-M)の展開を進めた。企業向け市場では、オレンジはすぐに利用可能なサービスに重点を置いて
おり、特に、商品や機器の位置を特定し、追跡するためのソリューションであるSmart Trackingを開始した。
これには、対象物を追跡するためのビーコン、接続、収集プラットフォーム(Live Objects)及び可視化ポータ
ルが含まれている。小売市場では、オレンジはスペインで Serena (高齢者向け電話相談サービス)及び Alarma de
Orange (遠隔監視サービス)を開始した。フランス市場では、2019年春に、 Maison Protégée (遠隔監視サービス)
及びMaison Connectée(機器を直接 Livebox に接続し、その機器を遠隔で操作し、使用状況を監視するととも
に、消費量を分析するサービス)のスタートが予定されている。
5G及びIoTに加え、オレンジは、接続イノベーションとしてネットワークの仮想化(仮想化により新サービスが
登場し、柔軟性が向上した。)と自動化に注力している。いわゆる自己組織化ネットワーク(SON)の特長を最新
世代の移動体通信ネットワークに統合している。
オレンジは、第6回 Show Hello において、企業のトップ、意思決定者、技術専門家及び報道関係者からなる
1,000人の聴衆を前に、主要なイノベーションを紹介した。これは、フランスのデジタル分野の代表的イベント
として、オレンジのイノベーション専門能力を明確にしている。今回紹介されたイノベーションの中に、欧州
AIアライアンスの枠組みの中でドイツ テレコムと共同開発したDjingoスマート・スピーカーがある。Djingo
は、音声制御も可能であり、オレンジのサービス全てで好まれるインターフェースになるはずである。Djingo
はまた、一部の関係企業との提携により、日常の幅広いサービスを提供するようにもなる。ドイツ テレコムも
自社のアシスタントのMagentaでそれを利用している。
5.2 知的財産及びライセンス供与
知的財産及びライセンス供与は、当グループの無形資産に含まれるオレンジの特許ポートフォリオを保護及び
管理するとともに、その価値を高めている。また、ソフトウェアの価値も高めている。知的財産及びライセン
ス供与は、学術及び産業パートナーに対する差別化による優位性をオレンジにもたらすとともに、訴訟が起き
た場合に当グループの利益を守ることにも役立つ。
2018年12月31日に、オレンジ・グループは、そのイノベーションを保護する6,857件の特許又は特許申請のポー
トフォリオをフランス内外で有していた。その価値を最大化するため、これらの特許の一部は、業界規格
(NFC、MPEG Audio、Wi-Fi、HEVC等)に関連する特許の特許群を通して、ライセンスを受けている。価値の最大
化は、移動体通信ネットワークのエンジニアリング・ツール等のソフトウェアにも関係するものである。
2018年には、標準化(5G、コーディング、ビデオ等)に対する主要な技術的貢献を含め、222件の新たな発明が特
許による保護を受けた。フランス内外のオレンジ・ラボ・ネットワークが、当グループの発明の多数を占めて
いる。2017年には、オレンジは欧州で特許を出願した電気通信事業者の中で上位3社に入り(情報源:欧州特許
庁、2017年主要技術分野毎出願者上位25)、フランスの全産業では出願者上位15位に入っている(情報源:
INPI、2017年主要特許出願者賞)。
5.3 オープン・イノベーション
オープン・イノベーション は、動向を把握し、パートナーのスキルの恩恵を得ることを目指す研究及びイノ
ベーションにとって、かつてないほど重要な戦略となっている一方で、持続的な発展を可能とするエコシステ
ムに依拠している。オレンジにおいて、この戦略は、以下に含まれる。
・ オレンジ開発者プログラム。このプログラムを通じて、当グループは、サービス基盤をアプリケーション
開発者に開放する。2018年末、オレンジには、識別、支払い、通信、IoT及びデータの領域において、60個
のセルフサービス・プログラミング・インターフェース(API)のカタログが揃えられていた。こうしたイン
ターフェースは、欧州並びにアフリカ及び中東の小売サービス、並びに全世界の企業向けサービスを対象
としている。
・ 新興企業及び中小企業の支援。オレンジは、2018年末に、 オレンジFab として知られる、15のスタートアッ
プ・アクセラレーターのネットワークを、4大陸にまたがる16ヶ国において開発した。 オレンジFab プログ
ラムは、2013年3月にシリコンバレーで創設され、同年にフランス、2014年以降はその他の国において国際
的に展開された。2018年には、このプログラムはチュニジアに広がった。オレンジは、選ばれた新興企業
のビジネス拡大を支援し、特定の国においては、経済面及び物流面の支援を提供している。2018年末時点
で、 オレンジFab は350社を超える新興企業の成長を促進したか、又は促進している。
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・ 2015年、ドイツ テレコム、シングテル及びテレフォニカとの連携を作り上げ、選ばれた新興企業がこれら
のパートナー4社のリソース及び市場にアクセスできるようにすることで、新しい欧州の(そして世界的で
さえある)リーダーの出現を促進している。これは「Go Ignite」として知られており、第3回がバルセロナ
で の2018年モバイル・ワールド・コングレス(2018 Mobile World Congress)で始まった。Go Igniteは、成
長段階にあり、6つの領域(人工知能(AI)、サイバー・セキュリティ、5G、ビッグデータ分析、顧客経験の
改善及びモノのインターネット(IoT))で販売可能なソリューションをすでに開発している新興企業向けに
設計されている。
・ オレンジは、様々な世界的ネットワーク及びイベント(特に French Tech ネットワーク及び Viva
Technology )においてプレゼンスを有し、2018年にはオレンジは約100社の新興企業の紹介を行った。
・ 研究及びイノベーションのエコシステムへの強い関与。オレンジは、共同研究プログラムの主要な担い手
であり、欧州の人工知能に関する最大手企業が参加する主要なAI4EUイニシアチブなど、50超の国内及び欧
州のプロジェクトに貢献している。オレンジはまた、欧州の5Gに関する官民パートナーシップに大きく関
与している。このパートナーシップには、最近の自律運転に関する国境を越えたプロジェクト(5GCroco)を
含む22のプロジェクトがある。さらに当グループは、オープンソース・コンソーシアムでの活動が増えて
いる。
・ フランスでのエクセレンスのエコシステムの形成。オレンジは、このエコシステムにおいて主要な役割を
果たしており、3,000を超える産学のプレイヤーのネットワークの中で7つの競争クラスターに関与してい
る(チェアを務める Images&Réseaux クラスターを含む。)。フランスと欧州が主権を確保するための技術の
開発への当グループの投資は、Technological Research Institute b < > com への関与によっても具体化
されており、オレンジは、技術ネットワーク、セキュリティ、ハイパーメディア及びAIの領域でその議長
となっている。
・ 一流の大学研究室及び2つの共同研究所(ネットワーク機能の仮想化に関するINRIAとの共同研究所及びアン
テナに関するニース大学との共同研究所)と締結した30件の研究契約。
・ 13のリサーチ・チェアに対する共同資金提供。PolytechniqueとTélécom Paris Techとの経済及び規制に関
するものや、Institut Mines-Télécomとの個人情報の価値と政策に関するものを含む。
最後に、オレンジは世界規模の大手企業と戦略的パートナーシップを形成する積極的な方針をとっており、こ
れにより、製品及びサービスのポートフォリオを強化し自身を新たなエコシステムへ開くことが可能となって
いる。
5.4 資本投資
オレンジ・グループは、オレンジ・デジタル・インベストメントが管理する様々な投資のベクトルを通じ、IT
産業の金融イノベーションにおいて重要な役割を果たしている。
・ オレンジ・デジタル・ベンチャーズを中心とした、モノ・コーポレート・ベンチャーとして知られる当グ
ループ完全所有の投資ビークル。オレンジのオープン・イノベーション戦略に沿ったこうしたビークルを
通じて、オレンジは、革新的な新興企業の少数持分を取得しており、特に、新しいタイプの接続、企業向
けデジタル・サービス(SaaS、ビッグデータ、人工知能、セキュリティ、プロセスのデジタル化等)、モバ
イル・バンキング及びモバイル決済(FinTech)、モノのインターネット、アフリカ及び中東地域のデジタ
ル・サービスといった分野を中心にしている。
このアプローチには2つの目的があり、それは、金融的性質の目的(売却によるキャピタル・ゲインの獲得)
と、新たな市場、破壊的なビジネスモデル及びアジャイル・プロジェクト管理への理解を獲得する目的で
ある。さらに、新興企業にとっては、資金源を獲得するだけでなく、当グループの専門知識と、適宜、当
グループが持つ顧客との関係(特に、B2B)を利用できる。
2018年に当グループは、モノ・コーポレート・ベンチャーの資金を使って新たに新興企業5社に投資した。
その5社は、Morphisec(サイバー・セキュリティ、イスラエル)、NGD(コンピューター・ストレージ、米
国)、Aire(クレジット・スコアリング、英国)、Africa's Talking(コミュニケーションAPI、ケニア)及び
Yoco(モバイル販売時点情報管理、南アフリカ)である。さらに、ポートフォリオの新興企業数社のリファ
イナンスを行ったことで、このスキームでの2015年以降の投資は20社に対して総額50百万ユーロ近くに
なった。
・ マルチ・コーポレート・ベンチャー(合弁会社)。オレンジは一般的に他の投資家パートナー(大半は事業会
社)と設立するが、時には単に金融会社と設立する場合もある。例には以下が含まれる。
・ パブリシス・グループとのパートナーシップの枠組みの中で設立され、アイリス・キャピタル・マネジ
メントにより運営される、アイリスネクスト・ファンド及び3つのオレンジ・パブリシス・ベンチャー
ズ・ファンド(グロース、グローバル及びアーリー・ステージ)。当グループは、管理レベルでも関わっ
ている。
・ 主にアフリカで投資する2つのファンド(パーテック・パートナーズが運用するパーテック・アフリカと
アフリクインベストが運用するフランコ - アフリカ・ファンド)。
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・ その他いくつかの「テーマ型」ファンド。360 Capital Partnersが運用するRobolution Capital(ロボッ
ト投資に注力)及びIdinvest Partnersが運用するÉcomobilité Ventures(デジタルモビリティ及び持続可
能なモビリティへの投資に注力)。
オレンジ・デジタル・インベストメントはまた、当グループが直接的に行う戦略的投資を通じて資金調達がで
きる、ディーザー、Jumia及びSoundhoundといった比較的成熟した新興企業若しくは後期段階にある新興企業を
モニタリングしている。
全体として、プライベート・エクイティ事業においては、当グループの(直接的又は間接的な株式投資による)
金融投資コミットメントは過去10年間に総額260百万ユーロを超えた。
技術用語集
API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース) :ヒューマン-マシン・インターフェースと類似
の方法でプログラム同士が相互に作用することを可能にするコンピュータ・プログラミング・インターフェー
ス。
ビット :バイナリー・ディジットの略。デジタル・システムで使用される、2進コード(0又は1)による基本的な
情報単位。
ビットストリーム :既存有力事業者により活性化されたブロードバンド接続を代替的事業者が貸し出すことを
可能にする卸売サービス。代替的事業者は、この方法により、彼らがアンバンドル・アクセスを提供しない地
域で小売ブロードバンド・サービスを提供できる。
コール・ターミネーション(相互接続料金又は通話料金) :1つの電話事業者が、他の事業者のネットワークを超
えて通話先へ電話の会話を伝送するために、かかる他の事業者に毎分支払う金額。これらの料金は規制されて
いる。
クラウド・コンピューティング :ローカル・サービス又はユーザーのワークステーションに従来から置かれた
電子データの保存及び処理のためのリモート・サービスの使用を伴う概念。
DSL(デジタル加入者線) :「交換電話網」(STN)の加入者と接続されている銅線を使って、デジタル・パケット
をブロードバンドで伝送することを可能にする技術。「ADSL」を参照のこと。
DWDM(高密度波長分割多重方式) :光ファイバー上での波長の多重化によるデジタル伝送技術で、長距離ネット
ワークにおける超高速ブロードバンド(最高10ギガビット毎秒)の情報転送を可能にする。
効率的な事業者 :規制当局が事業者により販売される卸売及び小売のサービスの価格を負担費用に適合させる
ことを要求する際に、かかる価格の規制に関連して用いられる考え方。ある事業者の実際の費用が、非効率で
あるがゆえに本来あるべき水準よりも高いことが判明した場合は、価格を決定するために使用される価格の根
拠から、該当する超過費用が差し引かれる。
イーサネット :元々ゼロックス社が開発した、ローカル・ネットワーク接続のための技術で、各パソコンにイ
ンストールしたネットワーク・インターフェース・カードと、10Mbit/sの速度でワークステーションをつなぐ
同軸ケーブルによってコンピュータを接続する。イーサネット・ネットワークでは、各ワークステーションは
いつでも伝送を開始できる。
フレーム・リレー :ネットワーク相互接続を標準化・簡易化するために設計された国際OSI( 開放型システム相
互接続 )規格のためのモデルの、最初の2つの階層のみを使用するデータ伝送プロトコル。高速で単一のアクセ
スを利用することにより、統計的多重化を通じて、複数の通信を同時に接続することが可能。
FTTH(光ファイバー一般家屋敷設通信システム) :光ファイバーを直接加入者宅に引き込み接続することにより
高速データ通信を可能にする通信システムで、 トリプル・プレイ ・サービスの利用に適する。
FTTx(光ファイバー敷設通信システム) :異なる方法による光ファイバー接続形式の総称。
フルMVNO :自身のコア・ネットワーク部品及び自身のアプリケーション・プラットフォームを運営するMVNO(仮
想移動体通信事業者)であり、ホスト事業者に無線容量を賃貸している。
Gbit/s又はギガビット毎秒 :伝送ネットワーク上で1秒間に10億(10の9乗)ビットが転送される速度。「ビッ
ト」を参照のこと。
Go又はギガオクテット :メモリ容量を導く計算に使用される単位。各単位が10億オクテットに相当する(オク
テットは8ビットからなるコンピュータ・コーディングの単位)。
GPON(ギガビット受動光ネットワーク) :受動FTTH光ネットワーク・アーキテクチャー。競合するポイント・
トゥ・ポイントFTTHアーキテクチャーとは区別される。ビデオ・オーバーIP(IPTV)等のオンデマンド放送に利
用される。
GRX(GPRSローミング交換) :サービス・プロバイダー間でローミングされるデータ通信の専用交換のために、サ
プライヤーが自社のIPXネットワーク上で提供するトランスポート・サービス。
GSMA(GSMアソシエーション) :世界220ヶ国の800社近い携帯電話事業者と製造会社を代表する業界団体。GSMAは
携帯電話の規格の決定及び公表に関与する。
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ICT(情報通信技術) :情報の処理及び伝送(主に計算、オーディオビジュアル、マルチメディア、インターネッ
ト及び電気通信)に利用される技術。
インターネット・プロトコル(IP) :2つある主要なネットワーク間の通信プロトコルの1つで、特にインター
ネット及びイントラネットのネットワークで利用される(もう1つはATM)。IPはパケット・スイッチングの原理
に基づいたインターネットに特有の伝送プロトコルである。
統合デジタル通信網(ISDN) :データ、音声及びビデオなどの統合化された情報の伝送のためのデジタル・ネッ
トワーク。オレンジでの商品名はNumérisである。
IPTV(インターネット・プロトコル・テレビ) :ブロードバンドのIP接続方法を用いるテレビ及び/又はビデオ配
信システム。
IP-VPN :「仮想プライベート・ネットワーク」を参照のこと。
IPX(IP eXchange) :異なる技術間の相互運用を可能にする相互接続サービスで、これにより異なる携帯電話、
固定回線電話及びインターネット事業者に加入している顧客間のIPベースの通信の安全な交換が可能となる。
ISDN :「統合デジタル通信網」を参照のこと。
LAN(ローカル・エリア・ネットワーク) :同一の場所にある同一の事業体のワークステーション又はパソコン
を、他の場所にある他のローカル・ネットワークに相互接続させ公衆ネットワークにリンクさせることを可能
にするネットワーク。
®
LoRa :コネクテッド・デバイスが少量のデータをナローバンドで交換することを可能にし、オブジェクトが使
用するエネルギーを削減する長距離技術。
LTE(長期エボリューション) :第4世代移動体通信ネットワーク基準(4G)のための技術的仕様を生み出した3GPP
の中で展開された基準。拡張して、LTEはいわゆる第4世代の移動体通信システムも指す。
LTE-M(LTEフォー・マシン) :ゲートウェイなしに、モノのインターネット機器を4Gネットワークに接続できる
技術。
M2M又はMachine to Machine :1つ又は複数の通信ネットワークを通じて、中央制御システム(サーバー)と任意
の種類の機器との間でなされる機械間の情報交換のこと。
MPLS(マルチプロトコル・ラベル・スイッチング) :ネットワークの速度及び効率性を改善し、求められる品質
の水準により事前に定義されたパスに従って、ルーターが情報を転送できるようにするルーティング技術。
多重化 :複数の情報を単一の伝送チャンネル上で同時に伝送する技術。
NFC(ニア・フィールド・コミュニケーション) :約10センチメートルの距離までのデバイス間で情報の交換がで
きる、短距離及び高周波数のワイヤレス通信のための技術。
NGN(新世代ネットワーク又は次世代ネットワーク) :IPベースの音声及びデータ・ネットワークに関する総称的
な考え方。単純なネットワークへの接続を提供するというアプローチから顧客へのサービスを開発するという
新たなアプローチへの転換を可能にする。
オンネット(通話) :同一ネットワーク上の2人の顧客間における通信。
オフネット(通話) :競合するネットワーク上の2人の顧客間における通信。
オーバーザトップ :インターネット上のオンデマンド・ビデオサービス等のサービスを、通信ネットワーク事
業者のインフラを利用して、当該ネットワーク事業者が同サービスを提供していない場合に提供する放送事業
者をいう。
ピアリング契約: 複数のデータ・サプライヤー同士がデータ通信を交換する目的で互いのネットワークを相互
接続する契約。
クアドラプル・プレイ :インターネット、テレビ、携帯電話及び固定回線電話接続を合わせて提供するサービ
ス。
リファーミング :特定の技術専用の周波数帯域を用いて別の技術を展開するプロセス。
シームレス・ネットワーク: 他の1社又は複数社の事業者又はサプライヤーの資源を使うネットワーク事業者又
はサービス・プロバイダーが提供する電気通信サービスで、場所にかかわらず接続の中断なく同一のネット
ワークにアクセスしているとの印象をユーザーに与えるもの。
交換電話網(STN) :ターミナル、加入者線、回路及び交換機から構成される音声転送ネットワーク。一定のデー
タ・サービスにアクセスする際にも使用される。
ルートのスイッチング: スイッチングは、コンピューター及び通信ネットワーク内の2つのフレーム伝送モード
の1つである。もう1つはルーティングである。
シグナリング・システム7(SS7) :通信自体に使用されるネットワークとは異なるネットワークによってデジタ
ル形式で転送される電話通信を管理(接続及び切断、保守及び監督、料金請求)するために必要な情報交換。
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SS7 :「シグナリング・システム7」を参照のこと。
ストリーミング :インターネット上のビデオ画像の放送及びリアルタイムの継続した視聴を可能にする技術。
トリプル・プレイ :インターネット接続、電話、テレビ・チャンネル・パッケージを含むブロードバンド契約
パッケージ。
UMTS(ユニバーサル移動体通信システム) :1.9GHzから2.2GHzの周波数帯域におけるブロードバンド通信(理論上
の対称速度は最大2Mbit/s)を可能とする第3世代(3G)の携帯電話の規格。
VDSL(超高速ビットレートDSL) :xDSLと同じ技術に基づく技術。VDSLの信号は、音声電話と同時に、かつこれを
妨害することなく、ペアの銅線により伝送される。VDSLは超高速を可能にする。
仮想プライベート・ネットワーク(VPN) :企業顧客によってのみ利用される公衆ネットワーク上のリソース群。
ボイスオーバー・インターネット・プロトコル(VoIP) :IP技術を利用した音声の転送サービス。
VoIP :「ボイスオーバー・インターネット・プロトコル」を参照のこと。
VSAT(超小型地球局) :直径3メートル以内の双方向の衛星放送受信アンテナを使用し、地上資源をほとんど必要
としない衛星通信技術。VSATは、電話又はインターネット・アクセスのための通信ネットワークを小さな敷地
に接続することに使用される。
Wi-Fi(ワイヤレス・フィデリティ) :2.4GHzの波長の電波を使用する無線装置を、11Mbit/s(802.11b標準)又は
54Mbit/s(802.11g標準)で接続する技術。イーサネット・プロトコルを拡張して無線サービスも含めることによ
り、Wi-Fiは会社及び個人に、数十メートルに及ぶ距離の範囲でネットワーク上の複数のコンピュータ又は共有
デバイスを無線で接続する能力を提供する。
WiMAX :70Mbit/sで作動する無線ブロードバンド伝送規格(802.16標準)。複数のWi-Fiアクセス・ポイントを光
ファイバー・ネットワークに接続することが可能になり、従ってWi-Fiネットワークの範囲を広げる。名目範囲
は50キロメートルであり、場合によっては単一のアクセス・ポイントによる都市レベルのネットワーク(MAN)の
構築が可能となる。
xDSL :「DSL」を参照のこと。
金融用語集
調整後EBITDA :重要な訴訟、特定人件費、投資及び事業ポートフォリオの見直し、事業再編及び統合費用、並
びに、適切な場合には、体系的に特定されたその他の特定の事項の影響について調整したEBITDA報告額(この用
語の定義を参照のこと。)をいう(連結財務書類に対する注記1を参照のこと。)。調整後EBITDAは、IFRSによっ
て定義されている財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の指標とは比較できない可能性がある(「3
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.5 IFRSによって定義されていな
い財務指標」を参照のこと。)。
調整後EBITDA - Capex :調整後EBITDA(この用語の定義を参照のこと。)からCapex(この用語の定義を参照のこ
と。)を控除した指標をいう。調整後EBITDA - Capexは、IFRSによって定義されている財務指標ではなく、他社
が使用する類似の名称の指標とは比較できない可能性がある(「3 経営者による財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローの状況の分析」「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」を参照のこと。)。
平均従業員数(フルタイム従業員及びこれに類する者) :報告期間中の実働従業員の平均数で、勤務時間により
比例換算している。正社員契約及び有期契約の両方を含む。
Capex :通信ライセンス及びファイナンス・リースを通じて資金調達された投資を除く有形固定資産及び無形資
産に対する投資(連結財務書類に対する注記1.3を参照のこと。)。Capexは、IFRSによって定義される財務指標
ではなく、他社が使用する類似の名称の指標とは比較できない可能性がある(「3 経営者による財政状態、経
営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」を参照のこ
と。)。
有形固定資産及び無形資産に対する資本的支出 :「Capex」を参照のこと。
通信事業者向けサービス :「収益」を参照のこと。
運転資本需要の変動 :運転資本需要の変動は、以下により構成される。
・ 営業のための運転資本需要の変動 。これは、(i)総棚卸資産の変動、(ii)総売掛債権の変動、(iii)その他
の商品及びサービスの買掛債務の変動並びに(iv)顧客契約資産及び負債の変動により構成される。
・ 営業を除く運転資本需要の変動 。これは、その他の資産及び負債(営業税及び賦課金に関する債権債務を除
く。)の変動を含む。
販売費用及びコンテンツ費用 :「外部購入費」を参照のこと。
融合ARPO :当期の融合サービスからの顧客1人当たりの平均収益(サービス当たりの平均収益(ARPO))は、(i)当
該期間中に顧客に請求した、小売融合サービスからの収益(IFRS第15号に従い、機器補助金の配分による影響額
を除く。)を、(ii)同期間中の小売融合サービスの顧客数の加重平均で除して計算する。顧客数の加重平均は、
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当該期間中の月次平均値を平均したものである。月次平均値は、月初と月末の顧客数の算術平均による。融合
ARPOは、融合サービス顧客1人当たりの月間の収益額で表示する。
融合サービス :「収益」を参照のこと。
比較可能ベースのデータ :当期と比較可能な算出方法、連結範囲及び為替レートで表示した前期のデータ
(「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.5.1 比較可能ベースの
データ」を参照のこと。)。実績ベースのデータから比較可能ベースのデータへの変換は、当期の業績はそのま
まとし、前年度の業績については、比較対象期間について、比較可能な算出方法、連結範囲及び為替レートに
より財務データが表示されるように調整した上で再表示している。再表示の際には、当期に用いられた算出方
法及び連結範囲、当期の連結損益計算書に用いられた平均為替レートを、前年度の対応する期間のデータにも
適用する。比較可能ベースのデータの変化は、有機的な事業の変化を反映する。比較可能ベースのデータは、
IFRSによって定義されている財務指標ではなく、他社が使用する類似の名称の指標とは比較できない可能性が
ある(「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.5 IFRSによって定
義されていない財務指標」を参照のこと。)。
実績ベースのデータ :当期の連結財務書類で報告されている、過去の期間に関するデータ。
機器の販売 :「収益」を参照のこと。
外部データ :考慮される連結範囲の内部フローの消去後のデータ。
外部購入費 :外部購入費には、次の費用が含まれる。
・ 販売費用及びコンテンツ費用 :端末及びその他の製品の購入、小売手数料等、広告費、販売促進費、宣伝
費及びリブランディング費用、並びにコンテンツ費用。
・ サービス手数料及び事業者間費用 :ネットワーク費用及び相互接続費用。
・ その他のネットワーク費用及びIT費用 :運用及び技術的保守に関する外部委託費用並びにIT費用。
・ その他の外部購入費 :資産計上された商品及びサービス費用の控除後の経費、不動産費用、その他のサー
ビス購入費及びサービス費用、機器及びその他の在庫供給購入費、コールセンター外部委託費用及びその
他の外部サービス。
金融投資 :投資有価証券の取得(取得現金控除後)、及び子会社における支配の取得を伴わない所有持分の変
動。
固定回線のみのブロードバンドARPO :当期の固定回線のみのサービスの顧客1人当たりの平均収益(サービス当
たりの平均収益(ARPO))は、(i)当該期間中に顧客に請求した、固定回線のみのブロードバンド・サービスから
の収益(IFRS第15号に従い、機器補助金の配分による影響額を除く。)を、(ii)同期間中の固定回線のみのブ
ロードバンド・サービスの顧客数の加重平均で除して計算する。顧客数の加重平均は、当該期間中の月次平均
値を平均したものである。月次平均値は、月初と月末の顧客数の算術平均による。固定回線のみのブロードバ
ンドARPOは、固定回線のみの顧客1人当たりの月間の収益額で表示する。
固定回線のみのサービス :「収益」を参照のこと。
IT及び統合サービス :「収益」を参照のこと。
人件費 :賃金及び従業員給付費用(資産計上された費用を除く。)、従業員利益分配費用、並びに株式ベース報
酬に関する費用。
移動体通信のみのARPO :当期の移動体通信のみのサービスの顧客1人当たりの平均収益(サービス当たりの平均
収益(ARPO))は、(i)当該期間中に顧客に請求した、移動体通信のみのサービスからの収益(IFRS第15号に従い、
Machine to Machine及び機器補助金の配分による影響額を除く。)を、(ii)同期間中の移動体通信のみのサービ
スの顧客数(Machine to Machineを除く。)の加重平均で除して計算する。顧客数の加重平均は、当該期間中の
月次平均値を平均したものである。月次平均値は、月初と月末の顧客数の算術平均による。移動体通信のみの
ARPOは、移動体通信のみの顧客1人当たりの月間の収益額で表示する。
移動体通信のみのサービス :「収益」を参照のこと。
正味金融債務 :オレンジにより定義され使用される正味金融債務には、かかる概念に関連しないオレンジ・バ
ンクの事業は含まれない。正味金融債務は、(a)金融負債(営業活動に係る未払金(決算日レートでユーロに換
算)を除き、デリバティブ金融商品(資産及び負債)を含む。)から、(b)支払われた現金担保、現金、現金同等物
及び公正価値での金融資産を差し引いた額で構成される。また、正味金融債務に含まれる、キャッシュ・フ
ロー・ヘッジとみなされる金融商品は、(とりわけ)将来のキャッシュ・フロー等正味金融債務に含まれない項
目をヘッジする。これらのヘッジの影響は、その他の包括利益に計上されている。したがって、満期日を迎え
ていないヘッジ金融商品に関連したこれらの構成要素は、この一時差異を相殺するために総金融債務に加えら
れている(連結財務書類に対する注記11.3を参照のこと。)。金融債務はIFRSによって定義される財務指標では
なく、他社が使用する類似の名称の指標とは比較できない可能性がある(「3 経営者による財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」を参照のこ
と。)。
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従業員数(期末実働従業員) :報告期間の末日において働いている従業員の数。正社員契約及び有期契約の両方
を含む。
営業税及び賦課金 :フランスの地域経済税(CET)及びネットワーク企業の定額税( IFER )、周波数の利用料及び電
子通信サービスに課される賦課金を含む税金及び賦課金。
その他の外部購入費 :「外部購入費」を参照のこと。
その他のネットワーク費用及びIT費用 :「外部購入費」を参照のこと。
その他の営業費用 :「その他の営業収益及び営業費用」を参照のこと。
その他の営業収益及び営業費用 :その他の営業費用控除後のその他の営業収益。その他の営業収益及び営業費
用は、以下により構成される。
・ その他の営業収益 :これは主に、固定資産の売却、銀行業務収益純額(NBI(銀行業務の収益及び費用の純
額)、連結財務書類に対する注記4.2を参照のこと。)、税額控除及び租税補助金、ユニバーサル・サービス
からの収益、特定の非連結会社に請求しているブランド・ロイヤルティ及びブランド管理報酬、減損処理
された売掛金からの収益、並びに回線障害に関連する収益に起因している。
・ その他の営業費用 :主に、通信事業の売掛金に係る減損及び損失、ユニバーサル・サービス費用、紛争、
営業為替収益、並びに銀行の与信リスクに係る費用(連結財務書類に対する注記5.2を参照のこと。)
その他の営業収益 :「その他の営業収益及び営業費用」を参照のこと。
その他の収益 :「収益」を参照のこと。
EBITDA報告額 :減価償却及び償却前・企業結合による影響前・事業体の清算に伴う為替換算調整額の組替前・
のれん及び固定資産の減損前・関連会社及びジョイント・ベンチャーの持分法投資利益(損失)前の営業利益(連
結財務書類に対する注記1を参照のこと。)。EBITDA報告額は、IFRSによって定義されている財務指標ではな
く、他社が使用する類似の名称の指標とは比較できない可能性がある(「3 経営者による財政状態、経営成績
及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.5 IFRSによって定義されていない財務指標」を参照のこと。)。
小売サービス :融合サービス、移動体通信のみのサービス、固定回線のみのサービス、並びにIT及び統合サー
ビスの総称。
収益 :収益(連結財務書類に対する注記1.1及び4.1を参照のこと。)には、以下が含まれる。
・ 融合サービス :融合サービスの収益には、融合サービスの小売顧客に請求した収益(機器の販売を除く
(この用語の定義を参照のこと。)。)が含まれる。融合サービスは、少なくとも1つの固定回線ブロー
ドバンド・アクセス(xDSL、FTTx、ケーブル、4G固定回線)及び移動体通信契約の組み合わせと定義さ
れる。
・ 移動体通信のみのサービス :移動体通信のみのサービスの収益には、移動体通信サービス(着信及び発
信(音声、SMS及びデータ))の顧客に請求した収益(融合サービス及び機器の販売を除く(これらの用語
の定義を参照のこと。)。)が含まれる。
・ 固定回線のみのサービス :固定回線のみのサービスの収益には、固定回線サービスの顧客に請求した
収益(融合サービス及び機器の販売を除く(これらの用語の定義を参照のこと。)。)が含まれる。これ
には、従来型固定回線電話、固定回線ブロードバンド・サービス及び企業向けネットワーク・ソ
リューションが含まれる(フランスを除く。フランスの企業向けソリューション及びネットワークのほ
とんどは、企業向け事業セグメントに記載されている。)。
・ IT及び統合サービス :IT及び統合サービスの収益には、一体型コミュニケーション及び連携サービス
(ローカル・エリア・ネットワーク及び電話、助言、統合、プロジェクト管理、ビデオ会議サービ
ス)、ホスティング及びインフラ・サービス(クラウド・コンピューティングを含む。)、アプリケー
ション・サービス(顧客関係管理及びその他のアプリケーション・サービス)、セキュリティ・サービ
ス、Machine to Machine事業関連のサービス(接続性を除く。)、並びに上記の製品及びサービスに関
連した機器の販売が含まれる。
・ 通信事業者向けサービス :他の通信事業者からの収益。これには、(i)(特に、移動体通信の着信、ビ
ジターのローミング、ネットワーク共有、国内ローミング及び仮想移動体通信事業者(MVNO)をまとめ
た)通信事業者向け移動体通信サービス、並びに(ii)他の通信事業者向け固定回線サービス(特に、国
内相互接続、海外通信事業向けサービス、高速及び超高速ブロードバンド・アクセス・サービス(光
ファイバー・アクセス、電話回線のアンバンドリング、xDSLアクセスの販売)、並びに卸売市場におけ
る電話回線の販売を含む。)が含まれる。
・ 機器の販売 :固定回線機器及び移動体通信機器の販売((i)IT及び統合サービスの供給に伴う機器の販
売並びに(ii)ディーラー及びブローカーに対する機器の販売を除く。)。
・ その他の収益 :その他の収益には、ディーラー及びブローカーに対する機器の販売、ポータルによる
収益、オンライン広告収益、当グループの複数の事業部門にまたがる収益、並びにその他の様々な収
益が含まれる。
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サービス手数料及び事業者間費用 :「外部購入費」を参照のこと。
法定データ :考慮される連結範囲の内部フローの消去前のデータ。
賃金及び従業員給付費用 :「人件費」を参照のこと。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
第3「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.2.5.1 資本的支出」
及び連結財務書類に対する注記14「未認識の契約コミットメント(オレンジ・バンクを除く)」を参照のこと。
2【主要な設備の状況】
以下の記述に併せて、連結財務書類に対する注記8.1「減価償却費及び償却費」、注記8.3「その他の無形資
産」及び注記8.4「有形固定資産」も参照のこと。
ネットワーク及び不動産
2.1 オレンジのネットワーク
オレンジ・グループにとって、ネットワークは戦略資産であり、したがって、継続的な監督、保守及び近代化
が必要である。
オレンジは2018年末において、消費者市場の顧客にサービスを提供するネットワークを約30ヶ国で運用し、法
人顧客にサービスを提供するネットワークを約200の国又は領域で運用した。 Essentials2020 戦略(第2「3
事業の内容」「3.2 オレンジのグループ戦略」を参照のこと。)に従い、オレンジは、運用場所を問わず、顧
客にますます大きな拡張された接続性を提供するため、引き続きネットワークの近代化を進めている。
当グループのそのネットワークへの投資(品質(柱、ケーブル及び鉄塔の交換)を維持するためのものを除く。)
は、以下の様々な面でネットワークを改善するために計画されている。
・ 超高速固定回線及び移動体通信ブロードバンド(FTTH及び4G)の発展、データ転送容量の増加及び接続待ち
時間の削減。これらの投資は、移動無線ネットワーク及び家庭用インターネット接続から海底ケーブルに
至るまで、全てのネットワークに関係するものである。
・ 全てのサービスをIPインフラに切り替えるプログラム(「オールIP」プログラム)の実施。
・ 新規のサービス及び利用により速く適応できるようするネットワークのネットワーク制御機能の漸進的な
仮想化(「プログラム性」)。
・ 顧客に対するサービスの質を改善するネットワーク運用の自動化。
ネットワーク・アーキテクチャーは、(i)アクセス・ネットワーク(固定回線又は移動体通信)、(ii)伝送ネット
ワーク及びIP転送ネットワーク、並びに(iii)サービス・コントロール・ネットワークに分類される。
アクセス・ネットワークは、個人顧客か法人顧客かを問わず、各顧客をつなぎ、1次レベルの顧客データの集約
を提供する。伝送ネットワーク及びIP転送ネットワークは、その間にあるアクセス・ネットワークをサービス
及びデータ・サーバー(世界の他の場所に所在することもある。)に接続する。アクセス、伝送ネットワーク及
びIP転送ネットワークを駆動するサービス・コントロール・ネットワークは、人と人をつなぎ、サービス(音
声、テレビ、インターネット・アクセス、データ)を管理する。
本項目で使用されるいくつかの技術用語を定義している用語集については、本報告書の「技術用語集」に掲載
している。
2.1.1 アクセス・ネットワーク
固定回線アクセス・ネットワーク
アナログ・アクセス及びADSL/VDSLブロードバンド・アクセス
銅線アクセスは1対の銅線で構成されており、各顧客を集約ポイントに接続し、分配及び転送ネットワークを経
由して集約ポイントにローカル・スイッチへのアクセスを提供する。アナログ音声サービス及びブロードバン
ド・アクセス・サービスを提供するために使用される。
オレンジは、小売市場、企業向け市場及び卸売市場にアナログ音声アクセス・サービス及びデータを提供する
ために、フランス及びポーランド並びにアフリカ及び中東(コートジボワール、ヨルダン、セネガル)の様々な
国々における、銅線アクセス・ネットワークを運用している。
(音声アプリケーション、インターネット・アクセス及びテレビ用の)固定回線ブロードバンドADSL/VDSLアクセ
スは、以下の国々で利用可能である。
・ フランス及びポーランド。ここでは、既存のローカル・ループの受信地域が100%に迫る勢いであった。
・ オレンジが銅線ローカル・ループの事業者であるアフリカ及び中東の国々。
・ オレンジがアンバンドルで又はビットストリームタイプ・サービスのいずれかを通して、既存の事業者の
ローカル・ループを利用しているその他の国々(エジプト、スペイン及びスロバキアを含む。)。
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・ ベルギー及びルーマニア。ここでは、ブロードバンド・サービスが第三者の事業者のネットワークを使っ
て提供されている。
・ モルドバ。ここでは、サン・コミュニケーションズの買収後、オレンジがケーブル・ネットワークを運営
している。
超高速ブロードバンド光ファイバー・アクセス
FTTH(光ファイバー一般家屋敷設通信システム)ネットワーク・アクセスにより、超高速ブロードバンド
(100Mbit/s以上)のアップストリーム及びダウンストリームが加わり、性能、特に応答時間が改良されることに
より、利用可能なブロードバンドADSL/VDSLサービスの提供範囲を拡大することができる。
フランスにおいて、約10年間、オレンジはGPON技術を利用するFTTHアクセスを展開してきた。これは、速度を
上げるために各アクセス・ポイントの容量を減らすことなく1つのファイバー上に複数の超高速ブロードバン
ド・アクセスをプールする技術である。FTTHネットワークの展開は、2007年にフランスのいくつかの主要都市
で開始され、その後、それは全ての大都市へ拡大された。2011年及び2012年の間、オレンジは、光ファイバー
の展開を加速させるため、他の通信事業者との間で共有契約を締結した。2018年末現在、オレンジはフランス
における光ファイバー・ネットワークを主導しており、11.8百万の世帯がオレンジ・ファイバーを利用可能
だった(第3「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.1.3 主な出
来事」を参照のこと。)。
スペインにおいても、オレンジは光ファイバーを展開しており、そのFTTHネットワークは、2018年末現在で
13.8百万の接続可能な世帯に到達している。FTTHネットワークはポーランドでも展開されて接続は約3.4百万世
帯に提供され、スロバキアでも接続可能な世帯は500,000世帯になっている。ヨルダン、コートジボワール、モ
ロッコ及びセネガルでもFTTHネットワークの展開が開始された。
無線及び衛星アクセス
様々なアフリカの国において3G/UMTS又はWiMAXを通じて固定回線サービスを利用することが可能である。これ
らのサービスは徐々に4G/LTE技術に移行しつつある。東欧の固定回線サービスは、銅線及び光ファイバー・
ネットワークの他、4G/LTEを通じて提供されている。
銅線、光ファイバー及び無線アクセスに加え、住宅用固定回線アクセス及び衛星テレビ・サービスも衛星設備
のレンタルを通じて販売されている。
移動体通信アクセス・ネットワーク
GSM(2G)、UMTS(3G)及びLTE(4G)アクセス・ネットワークは、容量の大きいコンテンツ(オーディオ、写真及びビ
デオ)の送受信をより容易にする、平均ビットレートが数十Mbit/sに及び、状態が最善のときは最大数百ビット
レートに及ぶ音声及びデータ通信サービスをサポートしている。当グループは、小売顧客向けの電気通信サー
ビスを提供している各国で移動体通信ネットワーク(2G/3G/4G)を展開している。
環境への影響及び営業費用を削減するため、オレンジは無線通信施設の半数超を競合他社と共有している。共
有は、「パッシブ」(マストに限定)と「アクティブ」(マスト及びアクティブ機器)のいずれかに該当しうる。
2018年の特徴として以下のものが挙げられる。
・ 当グループのネットワーク全体にわたって利用と通信量の増加が継続した。今後数年間にわたって続くこ
の増加に備え、当グループは容量及び性能の拡大を目的としてネットワークへの投資を行った。
・ 5G超高速ブロードバンドに関するニーズを予測し、5Gへの備えとして、特に、無線通信施設の光ファイ
バー接続の準備を行った。
・ 欧州における4G/4G+ネットワークの継続的な展開によって、人口のカバー率が拡大し、高速化された。
・ MEA地域では4G展開を継続し、2018年末時点では、この地域の20ヶ国中14ヶ国を商用カバーした。
・ モノのインターネット(IoT)に関しては、欧州諸国において、4GネットワークでのLTE-M技術の展開が継続
した。
2.1.2 伝送ネットワーク及びIP転送ネットワーク
国内ネットワーク
オレンジは、小売顧客が存在する各国に、伝送ネットワークに依存する国内IP転送ネットワークを有してい
る。このインフラは主に光ファイバーにより構成されているが、とりわけMEA諸国の代替的な又は純粋な移動体
通信ネットワークにおいては、無線リンクからも構成されている。このようなネットワークは、固定回線、移
動体通信、企業向け、及び卸売向けサービスの音声及びデータ通信に対応している。
フランスでは、専用の企業向けIPネットワークも稼働している。このネットワークの主な目的は、仮想プライ
ベート・ネットワーク(VPN)上での内部データ交換のために企業のフランスの拠点を接続すること、及びその企
業にインターネット接続を提供することである。これは、企業向けのボイスオーバーIP転送も提供する。
光リンクは、1波長当たり100Gbit/sまでの帯域幅を提供しており、高密度波長分割多重方式技術(DWDM)はファ
イバー1本当たり80波長を持つことを可能としている。オレンジは、より柔軟な伝送ネットワークにするために
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高度化された光機能の利用における、世界的なリーダーのうちの1つである。例えば、オレンジは、2013年、世
界で最初に、パリとリヨンの間の1波長当たり400Gbit/sの光リンクを展開した。
さらに、オレンジは、光ファイバーを法人顧客に直接接続し、超高速ブロードバンド・サービスを提供してい
る。
MEA地域では、オレンジは展開する地上伝送ネットワーク(国内及び複数国)のキロ数で第1位の電気通信事業者
である(20,000キロメートル超)。
国際ネットワーク
この国際ネットワークは、以下の3つのネットワークに依存する。
・ 欧州WELDON(広範囲長距離国内光ネットワーク)ネットワーク。フランス国内の長距離ネットワーク。2012
年4月から展開を開始し、フランクフルト、ロンドン、バルセロナ、マドリード、及び海底ケーブル・ス
テーションで利用できるように拡大されている。将来は必要に応じてフランス付近のその他の地域まで拡
大されることが予想されている。
・ TAT-14大西洋横断ケーブルシステムの2つのアームによって提供される北米バックボーン。
・ SEA-ME-WE3及びSEA-ME-WE4海底ケーブルによって提供されるシンガポールのアジア・バックボーン。
衛 星
オレンジは、衛星通信を利用し、フランス海外領土のグローバル・ネットワーク接続、他のキャリアへのIP又
は音声接続、並びにオレンジ・ビジネス・サービスの地上又は海上の顧客向けVSATサービス(超小型衛星通信地
球局)を提供し、アフリカの孤立した移動体通信の地域との接続及びその他の事業者とのIP又は音声接続を確保
している。これらのサービスを提供するために、オレンジは衛星事業者(ユーテルサット、インテルサット、
SES、アラブサット等)から宇宙セグメントを購入する。
海底ケーブル
国際通信量の大幅な増加及び競争の激しい市場に対処するために、オレンジは、海底ケーブルへの投資水準を
維持しており、顧客のニーズに応えるべくネットワークを拡張し続けている。ケーブル敷設に必要な投資コス
トは多額に上るため、これらの投資は、様々な関係者(事業者、民間企業、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、
Apple、Microsoft))と共同で、かつ、様々な形態(コンソーシアム、使用権の購入、伝送能力レンタル等)を活
用して実施される。
オレンジは、北大西洋、カリブ海、欧州-アジア、欧州-アフリカの様々なルートをカバーする約50のコンソー
シアムに参加している。2018年には、マルティニークとフランス領ギアナを結びつけるKanawaケーブルが敷設
され、各種ケーブルのアップグレードが実施され、さらに、いくつかの新プロジェクトも開始された(北大西洋
のDunant、並びに欧州、東アフリカ及びパキスタン間のPEACE)。
2.1.3 サービス・コントロール・ネットワーク
国内ネットワーク
コントロール・ネットワーク
オレンジは、アクセス及び伝送/IP転送ネットワークを有している全ての国において、コントロール・ネット
ワーク(別名シグナリング・ネットワーク)を運用している。このネットワークは、通話又はデータ接続、携帯
電話の位置データの更新、ローミング及びSMSを管理する。これらのネットワークは、例えば4Gローミングを管
理するために、新規格へのアップグレードを行っている。
固定回線音声ネットワーク
固定回線事業を営んでいる国々において、オレンジは、アナログ音声サービス及びISDNデジタル・サービスを
提供するために、交換電話網(STN)を運用している。これらのネットワークは、その利用が減少しているため、
最適化され続けている。フランスでは、オレンジは、2018年末にアナログ音声サービスの販売を終了し、2023
年末よりIP技術を用いた音声サービスのみの利用が可能となる最初の区域を発表した。
オレンジはまた、多くの国々で、IMS(IPマルチメディア・サブシステム)技術を利用した、家庭用及び企業用の
固定回線VoIPネットワークを展開した。
移動体通信音声ネットワーク
2015年まで、移動体音声通信量は全て、各国の移動体通信ネットワークにより交換モードで管理されていた。
2015年において、オレンジは、VoLTEサービス(VoIPオーバーLTE)及びVoWi-Fi(移動体通信 ボイスオーバーWi-
Fi )を提供するために、移動体通信IMSインフラを欧州において展開した。当該技術の最初の商業化は、ルーマ
ニアにおいて2015年9月になされたVoLTEの開始であった。2018年末現在、VoLTE及びVoWi-Fiは、当社の欧州
ネットワークにおける何百万人もの顧客によって使用された。
国際ネットワーク
音声ネットワーク
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オレンジは、小売顧客、法人及び事業者向け固定回線及び移動体通信市場におけるフランス着及びフランス発
音声通信量を管理し、子会社の国際通信の転送を一元化するため、国際交換ノード(CTI 4G)を有している。こ
れ らの交換機は、当初は回路技術(TDM)において、ボイスオーバーIP(VoIP)トラフィックを伝達するハイブリッ
ドNGNノードへと発展した。
オレンジはまた、国際ビジネスのために、国際IP MPLSネットワークに基づく音声サービスを提供するネット
ワークも運営している。
シグナリング・ネットワーク
オレンジは、2G及び3G移動体通信事業者の音声通信、ローミング及びSMSに伴うシグナリングを管理するため、
国際シグナリング・ネットワークを運用している。このネットワークは、SS7規格に加えてIP SIGTRAN及び
DIAMETER等の新規格も扱うことができるように開発が行われている。
付加価値サービスを移動体通信事業者に提供するために、複数の一元化されたプラットフォームが国際中継地
点において展開されている。
2.2 不 動 産
オレンジ・グループの不動産は、事務所、技術施設及び販売拠点により構成されている。2018年12月31日、オ
レンジの貸借対照表に記載された不動産資産は、2017年の25.4億ユーロに対して、純帳簿価額24.8億ユーロ
だった。
オレンジは、主要な変革推進要因の1つとして不動産を十分に活用し、約15の主要プロジェクト(2018年から
2023年にかけて遂行予定)から成る、フランス全国にわたる野心的なプログラムを進めている。
2018年末の時点で、オレンジは、フランスにおいて(面積5,000平方メートル超の敷地211ヶ所を含む)25,190ヶ
所の敷地を専有しており、その総面積は、賃貸の2百万平方メートル及び完全自己所有の3.5百万平方メートル
を含む5.5百万平方メートルであった。多くの海外子会社も大規模な不動産ポートフォリオを保有しており、特
にポーランドでは、1.6百万平方メートルの開発済みの土地を含む12.3百万平方メートルの土地を保有してい
る。
フランスでは、技術施設の84%が完全自己所有で、サービス施設は58%が賃貸である。
施設は、規模と目的の点で極めて多様性に富んでいる。
シャティヨンのオレンジ・ガーデンズ等の何ヶ所かのサービス・キャンパス及びリヨン2020プロジェクト(2020
年まで)、並びにイシ・レ・ムリノーの当グループの将来の本社は、数千人の従業員用に50,000平方メートル超
の面積を持っている。
技術施設(一部は入居されていない。)は、継続的に合理化が進められている。一部の建物を売却した一方で、
新たなニーズに対応するために建設が行われている。そのため、2020年には、ヴァル・ド・ルイユ及びシャル
トルに新たな2つのデータセンターが引き渡される。
2018年、当グループはスマート・ストア・コンセプトに合わせて販売拠点の変革を推進し、その一方でオレン
ジ・バンクの立ち上げ及び一部店舗にATMを設置する必要性についても考慮した。
オレンジは、自身のエネルギー及び環境方針の枠内で、建設中の建物に関して最良の環境認証を取得すること
を目指している。
2018年に、当グループは、グローバル・マネジメント・システム(GMS)認証アプローチを採用することを約束し
た。同アプローチは、すでに当社の複数の建物(特に、本社)を対象としており、当社が「高水準環境品質事業/
持続可能経営」の認証を取得するのを可能としている。2019年には、リール及びレンヌで現在建設中の新しい
建物についても同アプローチの対象とする予定である。
国際レベルでは、特にオレンジ・コートジボワールの本社を含む多くの重要なプロジェクトが進行中である
か、又はOrange Guinée又はオレンジ・マリの本社の建物及びダカールにおけるオレンジ・ソナテルの建物の拡
張のように、検討中のプロジェクトも存在する。
3【設備の新設、除却等の計画】
第3「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「1.1.3 主な出来事」
「ネットワークへの投資」を参照のこと。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2018年12月31日現在)
授権株数(株) 発行済株式総数(株) 未発行株式数(株)
該当なし* 2,660,056,599 該当なし*
* フランス法上、授権株という概念は存在しないが、株主総会はその時々に一定の範囲で、新株の発行に関する権限を取締役会に対して
与えることができる。
発行済株式数
2018年12月31日現在、オレンジSAの株式資本は10,640,226,396ユーロであり、全額払込済み額面4ユーロの株式
2,660,056,599株に分割される。過去2事業年度において、株式資本は増加しなかった。
授権資本の増加
2017年6月1日のオレンジSA株主総会において様々な財務上の権限が承認され、株式又はその他の証券の発行を
通じて増資する権限が取締役会に付与された。当該株式又はその他の証券には、優先引受権(公募、証券の拠出
等)の有無があり、特定の条件(当社株式の株式公開買付期間を除く、上限額等)が付される。
2018年5月4日のオレンジSA株主総会は、当グループの貯蓄制度の構成員のために増資を行う権限を取締役会に
委任した。
2019年5月21日の株主総会では、再度取締役会に増資を行う新たな権限を付与することが求められる。
②【発行済株式】
(2018年12月31日現在)
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名又は登録
種類 発行数(株) 内容
額面・無額面の別 認可金融商品取引業協会名
記名式又は無記名式額 ユーロネクスト・パリ及び
普通株式 2,660,056,599 該当なし
面株式(額面4ユーロ)** ニューヨーク証券取引所*
* 当社株式の主要な取引市場は、ユーロネクスト・パリ(Euronext Paris)であり、当社株式(銘柄:ORA(変更前:FTE))は同取引所に1997
年10月20日から上場されている。それ以前には、当社株式に関する公開取引市場は存在しなかった。当社株式(ISIN FR0000133308)は
ユーロネクスト・パリのユーロリスト(コンパートメントA)で取引されており、「CAC40インデックス」(代表的業種に属する40銘柄で
構成される指数)に組入れられている。また、当社株式は、ニューヨーク証券取引所に米国預託株式(ADS)の形式で上場されている。
BNPパリバは当社の株式名簿を保有しており、JPMorgan Chase Bank, N.A.はオレンジのADSの受託者として行為する。
** 当社株式の株主は記名式又は無記名式のいずれかを選択することができる。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし
(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
発行済株式総数(株) 資本金(ユーロ)
年 月 日 摘要
増減 残高 増減 残高
2014年12月31日 0 2,648,885,383 0 10,595,541,532
2015年12月31日 0 2,648,885,383 0 10,595,541,532
2016年12月31日 +11,171,216 2,660,056,599 +44,684,864 10,640,226,396 新株の発行*
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2017年12月31日 0 2,660,056,599 0 10,640,226,396
2018年12月31日 0 2,660,056,599 0 10,640,226,396
* 新株の発行形態:有償、オレンジ・アンビション従業員持株制度に係る発行。
** 新株予約権の残高及び新株予約権の行使により発行する株式の発行価格については、連結財務書類に対する注記6.3「株式報酬」を参
照のこと。
(4)【所有者別状況】
2018年12月31日 2017年12月31日 2016年12月31日
資本 議決権 資本 議決権 資本 議決権
所有者 株式数(株) 株式数(株) 株式数(株)
割合 割合 割合 割合 割合 割合
Bpifrance
Participations(1) 254,219,602 9.56% 8.21% 254,219,602 9.56% 8.26% 254,219,602 9.56% 8.29%
フランス政府 356,194,433 13.39% 21.26% 356,194,433 13.39% 20.92% 356,194,433 13.39% 21.00%
公共部門合計 610,414,035 22.95% 29.47% 610,414,035 22.95% 29.18% 610,414,035 22.95% 29.29%
当グループ従業員(2) 146,230,726 5.50% 9.20% 143,353,298 5.39% 8.80% 142,857,760 5.37% 8.43%
自己株式 7,214,100 0.27% 0.00% 497,625 0.02% 0.00% 22,423 0.00% 0.00%
浮動株 1,896,197,738 71.28% 61.33% 1,905,791,641 71.64% 62.02% 1,906,762,381 71.68% 62.28%
合計 2,660,056,599 100% 100% 2,660,056,599 100% 100% 2,660,056,599 100% 100%
(1) 企業向け公的金融及び投資グループ。
(2) 当グループの貯蓄制度の一環として、特に オレンジ・アクション 及び オレンジ・アンビション国際 ミューチュアル・ファンドを通じ
て、又は記名式の構成員によって直接保有されるものを含む。
当グループの貯蓄制度の公共部門(フランス政府及びBpifrance Participations)及び オレンジ・アクション ・
ミューチュアル・ファンド(旧 キャップ・オレンジ )は、2年超の期間にわたり、記名式で保有する株式について
複数議決権を有する(第1「1 会社制度等の概要」「(2) 提出会社の定款等に規定する制度」「c) 各種類
の既存株式に付帯する権利、優先権及び制限」を参照のこと。)。
フランス政府とBpifrance Participationsは、資本の22.95%及び株主総会における議決権の29.47%(複数議決
権を考慮)を共同で保有している。
2018年12月31日現在、ミューチュアル・ファンドは、当社資本の5.13%及び株主総会における議決権の8.58%
相当のオレンジ株式へ投資している。ミューチュアル・ファンドを管理する規則では、ファンド資産として保
有される証券に付帯する議決権は当該ファンドの監査役会が行使する旨規定している。監査役会が当該証券保
有者の事前の意見を収集しなければならないケースに関する規則について明示的な言及がない場合、監査役会
は、フランスの通貨金融法第L.214-164条に従い、株式公開買付又は交換オファーに対して、ファンド資産とし
て保有される証券の買付を決定する。
オレンジが認識する限りでは、本報告書提出日現在、フランス政府、Bpifrance Participations及び当グルー
プの従業員(特に オレンジ・アクション ・ミューチュアル・ファンドを通じて)以外で、直接的又は間接的に5%
超の資本又は議決権を保有する株主はいなかった。
(5)【大株主の状況】
(2018年12月31日現在)
発行済株式総数に
所有株式数
氏名又は名称 住所
対する所有株式数
(株)
の割合(%)
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経済・財政・産業省国庫局(Direction du
Trésor du Ministère de l'Economie, des
Finances et de l'Industrie)
フランス政府 356,194,433 13.39
フランス共和国 75572 パリ セデックス
12、ベルシー街139
フランス共和国 94710 メゾン=アルフォー
Bpifrance
ル セデックス、ジェネラル・ルクレール 254,219,602 9.56
Participations
通り27/31
フランス共和国 75015 パリ オリヴィエ・
ドゥ・セール78
当社グループの従業員 146,230,726 5.50
(グループ従業員株式ファンド「キャップ・
オレンジ」及び「オレンジ・アクション」
を通して行動)
計 - 756,644,761 28.44
* 当社は上場されているため、当社の株主は、株式資本の5%超を保有しない限り、公知となることはない。
5%超を保有する場合、かかる株主は、保有株式数及び当社の株式保有に係る意図を公表することとなって
いる。
** フランス政府の保有する株式の一部は2倍の議決権があり、Bpifrance Participationsと共同して、直接又
は間接に、議決権の29.47%を保有している。
2【配当政策】
オレンジは、2017事業年度については、1株当たり0.65ユーロの配当を支払った。
2018事業年度については、2019年5月21日の株主総会において、1株当たり0.70ユーロの配当が提案されてい
る。2018年12月6日に、0.30ユーロの中間配当が支払われているため、配当の残高(株主総会の承認の対象)は、
1株当たり0.40ユーロであり、2019年6月6日に現金で支払われる。配当落ち日は2019年6月4日であり、基準日は
2019年6月5日である。
2019事業年度については、取締役会は、2019年12月に支払いが計画されている1株当たり0.30ユーロの中間配当
と共に1株当たり0.70ユーロの配当を支払うことを2020年の株主総会に提案する予定である。
過去3事業年度に支払われた配当額は、以下の通りであった。
年度 株式数(自己株式を除く。) 1株当たり配当額(ユーロ) 40%の税額控除対象である配当の割合
2015年 2,659,400,794 0.60 100%
2016年 2,659,846,780 0.60 100%
2017年 2,658,547,775 0.65 100%
第1「1 会社制度等の概要」「(2) 提出会社の定款等に規定する制度」「c) 各種類の既存株式に付帯す
る権利、優先権及び制限」も参照のこと。
3【株価の推移】
(1)【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
下記の表は、ユーロネクスト・パリ*のユーロリスト・マーケットにおけるオレンジ普通株式(配当による調整
前)の過去の株価データ(2014年から2018年まで)を示したものである。
* オレンジの株式は、日本の金融商品取引所には上場していない。
(ユーロネクスト・パリS.A.)
回 次 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
決算年月 2014年12月31日 2015年12月31日 2016年12月31日 2017年12月31日 2018年12月31日
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オレンジ(E05839)
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最高 14.72 16.85 16.45 15.74 15.23
(ユーロ(円)) (1,824) (2,088) (2,039) (1,951) (1,887)
最低 8.73 12.86 13.10 13.57 13.40
(ユーロ(円)) (1,082) (1,594) (1,623) (1,682) (1,661)
(2)【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
(ユーロネクスト・パリS.A.、日中のデータ)
月 別 2018年7月 2018年8月 2018年9月 2018年10月 2018年11月 2018年12月
最高 14.90 14.69 13.95 14.05 15.16 14.98
(ユーロ(円)) (1,847) (1,821) (1,729) (1,741) (1,879) (1,856)
最低 13.98 13.95 13.50 13.47 13.96 13.95
(ユーロ(円)) (1,733) (1,729) (1,673) (1,669) (1,730) (1,729)
4【役員の状況】
男性の取締役、役員及び上級管理職の構成員の人数は18人であり、女性の取締役、役員及び上級管理職の構成
員の人数は10人である(女性が占める割合は約36%である。)。
4.1 取締役会
取締役会がコーポレート・ガバナンス及び内部統制に係る会長報告書を承認した日である2019年3月15日現在、
取締役会は、会長、7人の独立取締役、公共部門を代表する3人の取締役、従業員により選出された3人の取締役
及び従業員株主を代表する1人の取締役の15人の構成員により構成されている。
会長兼最高経営責任者
生年月日 当初就任日 任期満了日
(1)
Stéphane Richard氏
1961年8月24日 2022年株主総会後
2010年6月9日
(1) 任期は、2014年5月27日及び2018年5月4日の株主総会において更新された。
Stéphane Richard氏 (1961年生)は、2011年3月1日よりオレンジSAの会長兼最高経営責任者を務めている。同氏
は、2009年9月にオレンジ・グループに入社し、続いて、フランスにおける営業担当のマネージング・ディレク
ター代理、最高経営責任者代行及び2010年3月1日から、最高経営責任者の地位を占めた。1992年から2003年の
間、同氏は、続いて、 Compagnie générale des eaux 副最高財務責任者、Compagnie Immobilière Phénix最高経
営責任者、CGIS( Compagnie générale d'immobilier et de services )(現在のネクシティ)会長であった。2003
年から2007年の間、同氏はVeolia Environnementマネージング・ディレクター代理及びVeolia Transport最高
経営責任者を務め、またオレンジSAの取締役であった。2007年から2009年の間、同氏はフランスの経済・産
業・雇用大臣の主席補佐官を務めていた。同氏は経営大学院(HEC)及び国立行政学院(ENA)を卒業している。同
氏はフランスのレジオン・ドヌール勲章のナイトを受勲している。同氏はフランス国民である。
独立取締役
生年月日 当初就任日 任期満了日
イノベーション及び
(3)
Alexandre Bompard氏
1972年10月4日 2023年株主総会後
2016年12月7日
技術委員会構成員
(1)
Charles-Henri Filippi氏
GCSER委員会委員長 1952年8月15日 2020年株主総会後
2008年2月5日
(2)
Christel Heydemann氏
監査委員会構成員 1974年10月9日 2020年株主総会後
2017年7月26日
イノベーション及び
(3)
Helle Kristoffersen氏
1964年4月13日 2023年株主総会後
2011年6月7日
技術委員会構成員
Bernard Ramanantsoa氏
監査委員会委員長 1948年11月26日 2016年6月7日 2020年株主総会後
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Anne-Gabrielle
GCSER委員会構成員 1969年1月7日 2019年5月21日 2023年株主総会後
Heilbronner氏
(3)
Jean-Michel Severino氏
監査委員会構成員 1957年9月6日 2023年株主総会後
2011年6月7日
(1) 任期は、2012年6月5日及び2016年6月7日の株主総会において更新された。
(2) 2017年7月26日に、José-Luis Durán氏の後任として取締役会により選出された。任期は、2018年5月4日の株主総会において更新され
た。
(3) 任期は、2019年5月21日の株主総会において更新された。
Alexandre Bompard氏 (1972年生)は、2017年7月18日以降、Carrefourの会長兼最高経営責任者である。国立行政
学院(ENA)卒業後、財務調査局長(1999年から2002年)に就任した。その後、François Fillon社会労働連帯大臣
の技術顧問を務めた(2003年4月から12月まで)。2004年から2008年まで、Canal+グループにおいていくつかの職
務に従事した。Bertrand Méheut会長の主席補佐官を務め(2004年から2005年)、Canal+グループのスポーツ及び
広報担当取締役(2005年6月から2008年6月)を務めた。2008年6月、Europe 1及びEurope 1 Sportの会長兼最高経
営責任者に任命された。2011年1月、会長兼最高経営責任者としてFnacグループに入社した。そこでデジタル革
命と顧客の期待の変化という課題に対処する、同グループの野心的な変革計画「Fnac 2015」を遂行した。2013
年6月20日、Alexandre Bompard氏はFnacの新規株式公開も牽引した。2015年秋、FnacはDartyグループの株式公
開買付を行った。同氏は、2016年7月20日、Fnac及びDartyを統合した新会社の会長兼最高経営責任者に就任し
た。同氏は、パリ政治学院を卒業し、公法の修士号及び経済学の大学院課程学位(DEA)を取得した他、国立行政
学院(ENA)を卒業している。Alexandre Bompard氏は、フランス共和国より芸術文化勲章のナイトを受勲してい
る。同氏はフランス国民である。
Charles-Henri Filippi氏 (1952年生)は、Lazardのマネージング・ディレクターである。同氏は2011年から2017
年までシティーグループフランスの会長であった。同氏はフランスの政府及び行政機関で数年勤めた後、1987
年にCrédit Commercial de France(CCF)に入社した。同氏は1998年にCCFフランスの最高経営責任者に任命さ
れ、2001年にはHSBCの上級管理職に任命され、当グループのグローバル・カスタマー活動を担当した。同氏は
2004年3月にHSBCフランスの会長兼最高経営責任者となり、2007年8月から2008年12月31日までは非執行役員会
長であった。同氏はまた、2010年12月31日まで、CVC Capital Partners Franceのシニア・アドバイザーを務
め、2011年12月31日までウェインバーグ・キャピタル・パートナーズのパートナーを務めた。同氏は、
Octagones及びAlfinaという資産管理会社の創立者でもあり、2008年から2012年までこれらの会長を務めた。同
氏はフランス国民である。
Christel Heydemann 氏(1974年生)は、Schneider Electric Franceの会長であり、2017年4月からSchneider
Electric経営委員会の構成員である。同氏は、1997年にBoston Consulting Groupでキャリアをスタートさせ
た。1999年にAlcatelに入社し、特に同社とLucentの合併の状況の中で様々な上級職を務めた。2004年に
Alcatel-Lucentのセールス部門に異動し、SFR及びオレンジの戦略的な会計を担当した。2008年にはAlcatel-
Lucent Franceのフランス担当セールス・ディレクター兼経営委員会の構成員に任命された。2009年には米国の
HPとの戦略的提携について交渉を行い、2011年には人事・変革担当ヴァイス・プレジデント兼経営委員会の構
成員に昇進した。同氏は、2014年に戦略的提携担当シニア・ヴァイス・プレジデントとしてSchneider
Electricに入社し、パートナーのエコシステムの開発を通じてIoTソリューションの立ち上げを推進する責務を
担った。その後2016年2月に戦略・テクノロジー提携・開発担当シニア・ヴァイス・プレジデントに任命され
た。Christel Heydemann氏は、 エコール・ポリテクニーク 及び École Nationale des Ponts et Chaussées を卒
業している。同氏はフランス国民である。
Helle Kristoffersen氏 (1964年生)は、Totalグループのガス、再生可能エネルギー及び電力部門の戦略及び事
務担当のシニア・ヴァイス・プレジデントである。それ以前は、2012年1月から2016年9月までTotalグループの
戦略及び経済調査(Strategy and Economic Intelligence)担当の責任者を務め、2011年から2012年にかけては
戦略担当の取締役代理を務めた。1994年以降、同氏は主にAlcatelグループ(Alcatel-Lucentになり、現在は
Nokia)に勤務した。同グループにおいて多数の役職を務めた後、2005年から2008年にかけてグループ戦略
(Group Strategy)担当のヴァイス・プレジデントを務め、2009年1月から2010年12月にかけてバーティカルマー
ケット(Vertical Markets)担当のシニア・ヴァイス・プレジデントを務めた。同氏は、高等師範学校及び École
nationale de la statistique et de l'administration économique(ENSAE) の卒業生であり、フランスのレジ
オン・ドヌール勲章のナイトを受勲している。同氏はデンマーク生まれ、フランス国民/デンマーク国民であ
る。
Bernard Ramanantsoa氏 (1948年生)は、数社の企業の取締役の他、大学及び グランゼコール の理事を務めてい
る。兵役期間中の1971年及び1972年における École Nationale Supérieure de l'Aéronautique et de l'Espace
の講師からキャリアをスタートし、その後、SNCFに入社し、1978年に Grandes Lignesの マーケティング部門担
当長を務めた。1979年、HECの学部で、戦略と企業文化の関係を専門とする、経営戦略及び政策の教授に就任し
た。学部長兼研究責任者に任命された後、1995年から2015年までHECパリのマネージング・ディレクターを務め
た。同氏は、同校の国際色の顕著な向上に寄与した。経営管理分野において多数の情報発信や出版物の執筆を
している。1989年、技術及び企業戦略に関してHarvard L'Expansion Prizeを受賞し、1983年に企業戦略及び分
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散に対して Académie des Sciences Commerciales の賞を受賞した。同氏は、アルバン・ミシェル社出版の
「 Apprendre et Oser 」(「Learn and Dare」、)及びフランス戦略庁出版の「 L'enseignement supérieur
français par-delà les frontières: l'urgence d'une stratégie 」を執筆した。 École Supérieure
d'Aéronautique et de l'Espace (Sup'Aéro) で工学の学位、経営大学院(HEC)でMBA、パリ・ディドゥロ大学で
社会学大学院学位、パリ・ドフィーヌ大学で経営科学博士号、さらにパリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)で
哲学史の大学院学位を取得している。フランスのレジオン・ドヌール勲章のナイト、フランスの国家功労勲章
のオフィシエ、教育功労賞のナイト及びNational Malgache Orderのオフィシエを受勲している。同氏はフラン
ス国民/マダガスカル国民である。
Anne-Gabrielle Heilbronner氏 (1969年生)は、世界第3位の通信・広告会社であるPublicisグループの執行役会
(Directoire)構成員である。グループのジェネラル・セクレタリーとして、同氏は人事、調達、法務、コンプ
ライアンス及びガバナンス、CSERのほか、内部監査、統制及びリスク管理を担当している。執行役会構成員と
して、同氏はグループの変革に関する全ての戦略的決定に参加している。また同氏は、2013年のPublicisと
Omnicomとの合併、及び2015年の米国におけるSapientの買収にも従事した。
同氏は財政監察官としてキャリアをスタートさせ、その後、社会住宅融資のマネージャー代理として経済財務
省に入省した。2000年から2004年にかけては、Euris及びCasinoの全ての財務業務を監督する財務ディレクター
としてEurisで勤務した。EDFの株式公開戦略に寄与した後は、フランス国家改革大臣の首席補佐官(2004~2005
年)及び外務省の特別顧問(2005~2007年)の地位に就いた。SNCFの内部監査・リスク管理のディレクター時代
(2007~2010年)には、監査及びコンプライアンス機能(倫理、不正行為の撲滅等)の役割を発展・強化させ、そ
の後、Société Générale Corporate and Investment Bankingのシニア・バンカー及びマネージング・ディレク
ターとなり、上場企業のポートフォリオを担当した。
Anne-Gabrielle Heilbronner氏は財政監察官であり、フランス国立行政学院(ENA)、ESCPヨーロッパ及びパリ政
治学院を卒業している。また同氏は、税法・財政学の大学院学位、及び公法の修士号を取得している。同氏は
フランス国民である。
Jean-Michel Severino氏 (1957年生)は、サハラ以南のアフリカの中小企業への投資を専門にしている資産運用
会社、 Investisseurs et Partenaires のマネージャーである。同氏は、 Académie des Technologies の構成員で
もある。同氏は2010年4月までフランス国際開発省(AFD)の最高経営責任者を務め、世界銀行のアジア担当の副
総裁(Vice-President)を務めたこともある。Jean-Michel Severino氏は、財政監察官(Inspector)であり、国立
行政学院(ENA)、ESCP、パリ政治学院の卒業生であり、経済学の大学院課程学位(DEA)及び法学の学位を有して
いる。同氏はフランス国民である。
公共部門を代表する取締役
生年月日 当初就任日 任期満了日
(1)
イノベーション及び
Bpifrance Participations
N/A 2013年5月28日 2021年株主総会後
技術委員会構成員
代表:Nicolas Dufourcq氏
(2)
監査委員会構成員 1971年7月23日 2019年3月14日 2023年3月13日
Hélène Dantoine氏
(3)
(4)
GCSER委員会構成員 1968年5月22日 2023年株主総会後
Anne Lange氏
2015年5月27日
(1) OSEO、CDC Entreprises、FSI及びFSI Régionsが合併してできた、企業向け公的金融及び投資グループであり、株主総会により選任さ
れた。
(2) 政令により選任された。
(3) フランス政府及び取締役会の提言に基づき、株主総会により選任された。
(4) 任期は、2019年5月21日の株主総会において更新された。
Nicolas Dufourcq氏 (1963年生)は、2013年2月から公的投資銀行であるBpifrance SAの最高経営責任者を務めて
いる。同氏は経済・財政省でキャリアをスタートさせ、その後1992年に保健・社会省に入省した。1994年にフ
ランス テレコムに入社し、マルチメディア部門を創設した後、フランス テレコムのインターネット及び Pages
Jaunes 事業のための子会社のワナドゥーで会長に就任した。2003年にキャップジェミニに入社し、まず中南欧
地域の責任者に就任して再建計画を成功に導くことに貢献した。2004年9月、同氏は当グループの最高財務責任
者兼経営委員会構成員に任命された。2005年に財務、リスク管理、情報システム、デリバリー及び購買担当マ
ネージング・ディレクター代理に就任し、2007年からは当グループの主要取引先のモニタリングも担当してい
る。同氏はまた、STMicroelectronicsの監査役会非執行役員会長でもある。Nicolas Dufourcq氏は経営大学院
(HEC)及び国立行政学院(ENA)を卒業している。同氏はフランス国民である。
Hélène Dantoine氏 (1971年生)は、2019年3月1日よりフランス政府保有株式監督庁(APE)の首席補佐官代理を務
めている。同氏は、フランス外務省でキャリアをスタートさせ、国連人権・人道問題担当支部及び国際機関部
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門を歴任した。同氏は、その後、ニューヨークで国連のフランス政府代表部を務めた後、2005年に財務調査局
長に就任した。2009年及び2010年にはフランス外務省のアドバイザーを務め、2010年に財務調査局長に復帰し
た。 2011年からは、Totalグループの探鉱・生産部門において様々な役職を歴任し、2017年にはアフリカ(探鉱
子会社)のヴァイス・プレジデントを務める等した。2018年には、Total SAのグローバル政府・公共部門のシニ
ア・ヴァイス・プレジデントに任命された。国立行政学院、パリのパリ政治学院の卒業生であるHélène
Dantoine氏は、財務監察官であり、また、法学修士号と「ラテンアメリカ社会の研究」で大学院課程学位(DEA)
も有している。同氏はフランス国民である。
Anne Lange氏 (1968年生)は、Mentisの共同設立者で、2017年までMentis最高経営責任者を務めていた。Mentis
はモノのインターネット分野のソフトウェアを扱う新興企業で、主要グループに対して都市空間での移動体通
信及び運営ソリューションについて助言を行っている。同氏は、1994年に首相府の公共放送国家統制担当の行
政部門の責任者としてキャリアをスタートさせた。1998年、戦略計画の責任者としてThomsonに入社し、その
後、2000年に欧州eビジネス部門の責任者を務めた。2003年4月、同氏は首相府傘下機関のインターネット権利
フォーラムのジェネラル・セクレタリーに任命された。2004年から2014年までの間、欧州公共部門ヴァイス・
プレジデント、グローバル公共部門及びメディア業務担当シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
(米国を拠点)、シスコのインターネット・ビジネス・ソリューションズ・グループ公共部門のイノベーション
担当シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを歴任した。同氏はパリ政治学院及び国立行政学院
(ENA)を卒業している。同氏はフランス国民である。
従業員により選出された取締役
生年月日 当初就任日 任期満了日
Sébastien Crozier氏
監査委員会構成員 1968年1月31日 2017年12月3日 2021年12月2日
Fabrice Jolys氏
GCSER委員会構成員 1973年10月25日 2017年12月3日 2021年12月2日
イノベーション及び技術委員会
René Ollier氏
1960年8月22日 2017年12月3日 2021年12月2日
構成員
Sébastien Crozier氏 (1968年生)はCFE-CGCオレンジの社長であり、ADEAS(貯蓄保護及び従業員持株組合)の名誉
会長も務めている。同氏は、オレンジ・グループの中でG7及び2020年ドバイ国際博覧会のフランス館のスポン
サーシップに関する業務を担当している。同氏は1990年にAltenグループのテレマティックス事業でキャリアを
スタートさせ、その後当グループからスピンオフした子会社の上級管理職を担った。1994年にフランス テレコ
ム・マルチメディアに入社してオンライン・サービスの立ち上げ準備に携わり、ワナドゥーの立ち上げに参加
した。1997年にはその年パリで開催された最大規模のコンサートの1つでプロデューサーを務め、プルーズ・
ド・ルイイの会場に24時間超にわたって4万人を集客した。1998年には、電気通信事業者として、オンライン広
告及びインターネット・アクセス提供の分野でいくつかの新興企業を設立し、Fnac、M6及びSociété Générale
ブランドで1.3百万人超の顧客を獲得した。2001年にフランス テレコム(現オレンジ)がそれらを買収した後、
同氏は当グループに復帰し、2003年に企業向け部門の一部で戦略・イノベーション管理責任者に就任した。オ
レンジ・グループのため、イノベーション及び国際開発分野においてフランス国内と海外(アフリカ及びラテン
アメリカ)におけるいくつかの子会社の管理を担当した。2001年から2002年の大統領選挙では、ジャン・ピエー
ル・シュヴェヌマン候補のロジスティクス及びニュー・テクノロジー担当常設顧問を務めた。Sébastien
Crozier氏は、École Supérieure d'Ingénieurs en Electrotechnique et Electronique (ESIEE)を卒業してい
る。同氏はフランス国民である。
Fabrice Jolys氏 (1973年生)は現在、オレンジの販売員である。1997年にラ・ポストで財務アドバイザーとして
キャリアをスタートさせ、2000年まで勤務した。2001年にオレンジ・グループに入社し、2004年から労使関係
を担当した。Fabrice Jolys氏はブリタニーの地域経営陣における第一従業員代表者を務め、その後オレンジ・
ワークス・カウンシル中央委員会(CCUES)に加わり、経済委員会の委員長を務めた。オレンジSAの取締役会に加
わる前は、3年にわたり中央代表者代理を務めた。同氏はフランス国民である。
René Ollier氏 (1960年生)は現在、ルーアンにおけるUAT( Unité d'Assistance Technique )の事業者であり、
「3900」番にかけてきたオレンジの顧客に対応している。同氏はキャリアの全てを社内コールセンターでの仕
事に費やしてきた。1984年にオレンジの電話情報サービス部門(当時の「12」番)に入社した。2017年12月まで
SUD労働組合連盟の任命により中央派遣者代理を務め、それにより2011年から2017年までオレンジ・ワークス・
カウンシル中央委員会(CCUES)の組合代表者を務めた。同氏は現在も同連盟事務局の構成員である。同氏はフラ
ンス国民である。
株主総会で任命された従業員株主を代表する取締役
生年月日 就任日 任期満了日
147/637
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オレンジ(E05839)
有価証券報告書
イノベーション及び技術委員会
Luc Marino氏
1964年2月25日 2018年5月4日 2020年株主総会後
構成員
Luc Marino氏 (1964年生)は、 オレンジ・アクション ・ミューチュアル・ファンドの監査役会構成員を務めてい
る。同氏は、ネットワーク展開のパフォーマンス及び最適化、建築/工学並びにオレンジ内のマネジメント・プ
ロセスの変更について責任を負う。同氏は、1989年にフランス テレコムのセルジー・ポントワーズ支店におけ
る企業向けの販売でキャリアをスタートさせた。その後、同氏は、1995年から1997年までオレンジにおいてIT
プロジェクトの担当長となり、1997年から2002年までITプロジェクトの所有組織に異動した。同氏は、当グ
ループにおいてキャリアを継続し、複合的部門間プロジェクトに関するグループの支援及び運営を先導した。
同氏は、Télécom Sud Parisで工学の学位及びトゥールーズのポール・サバティエ大学の電子、電子工学、オー
トメーションの修士号を保有している。同氏はフランス国民である。
オレンジ・ワークス・カウンシル(CCUES)の中央委員会構成員及びワールドワイド・ワークス・カウンシルの代
表者は、取締役会会合に参加する。
取締役会の構成における異動
2019年3月14日に公布された省令により、オレンジSAの取締役会はHélène Dantoine氏をLucie Muniesa氏の後任
として政府担当者に任命した。
2019年5月21日の株主総会は、Mouna Sepehri氏に代わりAnne-Gabrielle Heilbronner氏を任命し、任期を2022
年12月31日に終了する事業年度の財務書類を承認する株主総会終了時までの4年間とした。
取締役会の概要説明
2019年5月21日 年齢 性別 国籍 株式数 その他の上 就任日 任期 取締役会に 委員会
場会社にお おける年功
現在 満了日 への参加
ける任期 権*
役員、取締役
Stéphane
2010年 2022年
Richard氏 57 男性 フランス 31,396 0 6月9日 総会 8年 N/A
取締役
Alexandre
2016年 2023年
Bompard氏 46 男性 フランス 1,000 1 12月7日 総会 2年 ITC
GCSER
Charles-Henri
2008年 2020年 委員会
Filippi氏(1)
66 男性 フランス 10,001 1 2月5日 総会 11年 (委員長)
2017年 2020年 監査
Christel
Heydemann氏
44 女性 フランス 1,000 1 7月26日 総会 1年 委員会
フランス及び 2011年 2023年 ITC
Helle
Kristoffersen氏
54 女性 デンマーク 1,747 2 6月7日 総会 7年 (委員長)
監査
Bernard
フランス及び 2016年 2020年 委員会
Ramanantsoa氏
70 男性 マダガスカル 1,000 0 6月7日 総会 2年 (委員長)
2019年 2023年 GCSER
Anne-Gabrielle
Heibronner氏
50 女性 フランス N/A 1 5月21日 総会 N/A 委員会
2011年 2023年 監査
Jean-Michel
Severino氏
61 男性 フランス 1,000 1 6月7日 総会 7年 委員会
公共部門を代表する取締役
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オレンジ(E05839)
有価証券報告書
Bpifrance
Participations
2013年 2021年
代表:Nicolas
Dufourcq氏 55 男性 フランス 254,219,602 1 5月28日 総会 6年 ITC委員会
2015年 2023年 GCSER
Anne Lange氏
50 女性 フランス 720 2 5月27日 総会 4年 委員会
2019年 2023年 監査
Hélène Dantoine氏
48 女性 フランス 0 0 3月14日 3月13日 N/A 委員会
株主従業員を代表する取締役
2018年 2020年
Luc Marino氏
54 男性 フランス 635 0 5月4日 総会 1年 ITC
従業員を代表する取締役
Sébastien 2017年 2021年 監査
Crozier氏 50 男性 フランス 3,287 0 12月3日 12月2日 1年 委員会
2017年 2021年 GCSER
Fabrice Jolys氏
45 男性 フランス 138 0 12月3日 12月2日 1年 委員会
2017年 2021年
René Ollier氏
58 男性 フランス 0 0 12月3日 12月2日 1年 ITC
* 前年に表示された年功権。
(1) 筆頭独立取締役。
監査委員会:監査委員会。
GCSER委員会:ガバナンス・企業の社会的及び環境責任委員会。
ITC:イノベーション及び技術委員会。
4.2 役 員
会長兼最高経営責任者
Stéphane Richard 氏は、2011年2月23日、取締役会により会長兼最高経営責任者に任命され、その効力は2011年
3月1日に発生した。同氏の取締役としての任期は、2014年5月27日の株主総会において更新され、同日、同氏は
取締役会により再び会長兼最高経営責任者に任命された。2018年5月4日の株主総会は同氏を取締役として再任
し、また、同日の取締役会でも同氏を任期4年の会長兼最高経営責任者として再任した。
Stéphane Richard氏の主要略歴は、「4.1 取締役会」を参照のこと。
最高経営責任者代行
2018年5月4日、取締役会は、Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏の最高経営責任者代行としての任期
を、会長兼最高経営責任者の任期と同期間に更新した。Ramon Fernandez氏は、財務、業績及び欧州担当の最高
経営責任者も務めている。Gervais Pellissier氏は、当グループの変革担当責任者であり、オレンジ・ビジネ
ス・サービスの社長でもある。
Ramon Fernandez氏 (1967年生)は、2016年1月1日よりオレンジSAの最高経営責任者代行を務めている。同氏は、
財務、業績及び欧州担当の最高経営責任者代行でもあった。同氏は、2014年9月1日に、当グループの財務及び
戦略を担当するマネージング・ディレクター代理として、オレンジ・グループに入社した。同氏は、フランス
財務総局でキャリアをスタートさせた後、1997年から1999年までワシントンの国際通貨基金に所属していた。
その後、フランス財務総局に戻り、複数の上級管理職(2001年までエネルギー、電気通信及び原材料局の局長、
2001年から2002年まで貯蓄及び金融市場局の局長、2003年から2007年の間は国際財務開発局の副局長及びパリ
クラブの副議長)を歴任した。また同氏は、経済・財政・産業大臣の特別顧問(2002年から2003年)、及びフラン
ス大統領の特別顧問(2007年から2008年)も務めた。2008年には、労働・社会関係・家族・連帯大臣主席補佐官
に任命された(2008年から2009年)。2009年3月より、フランス財務総局主席補佐官、フランス国債庁(France
Trésor Agency)総裁及びパリクラブ議長を務めた。オレンジ入社前に、世界銀行のフランス担当の総裁代理及
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びアフリカ開発銀行総裁であった同氏は、GDFスエズ及びCNPアシュアランスの取締役会、並びに預金供託公庫
の監査役会でフランス政府代表を務めていた。同氏は、パリ政治学院及び国立行政学院(ENA)を卒業している。
同 氏は、フランスのレジオン・ドヌール勲章のナイトを受勲している。同氏はフランス国民である。
Gervais Pellissier氏 (1959年生)は、1983年にBullに入社し、フランス、アフリカ、南米、東欧にて、財務及
び経営管理の分野における様々な職責を果たした。同氏は1994年に、順にBullのサービス・システム統合部門
の最高財務責任者に、続いてマネージドサービス部門の最高財務責任者に、そして管理部門のディレクターに
任命され、1998年にBullの最高財務責任者に任命された。2004年4月から2005年2月にかけて、同氏はBullの取
締役会会長代理兼最高経営責任者代理を務めた。2005年2月から2008年半ばにかけて、同氏はBullの取締役会副
会長であった。同氏は、スペインの事業ユニットの統合を監督し、当グループ内の地理的な統合についてアド
バイスするために、2005年10月にオレンジ・グループに入社した。2006年1月に、同氏は当グループのジェネラ
ル・マネジメント委員会の構成員に任命され、財務及びスペインにおける事業を担当した。また、2009年3月に
オレンジSAのマネージング・ディレクター代理に就任し、財務及び情報システムを担当した。2010年4月初旬に
当グループの新しい経営委員会が発足した後も、同氏は財務及び情報システム担当として、オレンジSAのマ
ネージング・ディレクター代理としての役割を継続した。2011年11月1日より、同氏はオレンジSAの最高経営責
任者代行を務めている。2014年9月から2018年4月まで、同氏は欧州(フランスを除く。)事業担当の最高経営責
任者代行を務めた。2018年5月からは、当グループの変革担当の最高経営責任者代行及びオレンジ・ビジネス・
サービスの社長も務めている。2015年より、同氏はウェンデルの監査役会及び監査委員会の構成員であり、
2018年からは筆頭独立取締役を務めている。同氏は、経営大学院(HEC)、バークレー及びケルン大学の卒業生で
ある。同氏は、フランスのレジオン・ドヌール勲章のナイト、フランスの国家功労勲章のオフィシエを受勲し
ている。同氏はフランス国民である。
4.3 経営委員会(Executive Committee)
フランス商法第L.225-37-4条の規定に従い、かつ、ジェンダーの多様性を奨励するため、オレンジは経営委員
会の女性代表者に関して細心の注意を払っている。
本報告書提出日現在、経営委員会は計15人のメンバー(Stéphane Richard氏を含む。)のうち5人が女性で構成さ
れている。
Christine Albanel氏 1955年6月25日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
企業の社会的責任、多様性、連帯及び包括担当
Jérôme Barré氏 1962年7月21日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
オレンジ卸売及び国際ネットワーク担当
Fabienne Dulac氏 1967年5月7日生 最高経営責任者代理
オレンジ・フランス担当
Ramon Fernandez氏 1967年6月25日生 最高経営責任者代行
財務、業績及び欧州担当最高経営責任者
Hugues Foulon氏 1968年12月14日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
戦略及びサイバー・セキュリティ活動担当
Nicolas Guérin氏 1968年8月19日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
グループ・ジェネラル・セクレタリー兼取締役会秘書
官
Mari-Noëlle Jégo-Laveissière氏 1968年3月13日生 最高経営責任者代理
技術及びグローバル・イノベーション担当
Valérie Le Boulanger氏 1962年5月18日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
人事担当
Paul de Leusse氏 1972年5月6日生 最高経営責任者代理
モバイル金融サービス担当
Béatrice Mandine氏 1968年4月14日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
当グループ及びブランドの内部及び外部コミュニケー
ション担当
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Alioune Ndiaye氏 1960年1月19日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
オレンジ中東及びアフリカ担当
Laurent Paillassot氏 1965年12月23日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
オレンジ・スペイン担当
Gervais Pellissier氏 1959年5月14日生 最高経営責任者代行
グループの変革担当及びオレンジ・ビジネス・サービ
ス社長
Helmut Reisinger氏 1967年2月26日生 シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
オレンジ・ビジネス・サービス担当
Stéphane Richard氏、Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏の主要略歴は、「4.1 取締役会」及び
「4.2 役員」を参照のこと。
Christine Albanel氏 (1955年生)は、企業の社会的責任、イベント、連帯及び包摂担当のシニア・エグゼクティ
ブ・ヴァイス・プレジデントである。同氏はまた、オレンジ基金の会長代理及びオレンジ・スタジオの会長で
ある。同氏は、フランス大統領の教育及び文化担当アドバイザー、2003年から2007年のÉtablissement Public
de Versailles(ベルサイユ公施設法人)の会長で、2007年から2009年の文化・教育大臣に任命された。同氏は
ジャック・シラク元大統領のスピーチライターを長年務め、かの有名なVel d'Hiv'スピーチも書いた。同氏
は、フランス国務院の構成員である。同氏は、近代文学の学位を取得している。
Jérôme Barré氏 (1962年生)は2018年5月2日より、オレンジ卸売及び国際ネットワークのシニア・エグゼクティ
ブ・ヴァイス・プレジデントを務めている。1985年にオレンジ・グループに入社し、イル・ド・フランス、後
にブリタニーにおけるネットワークの品質及び開発を担当した。1991年に地方自治体のフランス全国責任者に
任命された。1996年から2010年までの間、同氏は全国的な責務と運営管理任務に交互に従事した。1996年から
2000年まで、同氏はプロフェッショナル顧客部門担当のサービス及び品質責任者として消費者サービス部門に
所属し、後に小売及び顧客サービス部門の顧客サービス責任者を務めた。2000年から2006年までブルゴー
ニュ、次にフランシュ・コンテの地域責任者を務め、2006年から2010年まで北西センター(ノルマンディー南
部、ノルマンディー北部、中部地方)の地区責任者を務めた。2010年、労働争議を受けて当グループの人事担当
役員とともに職場のストレスに関する交渉を調整した後、同氏はオレンジ・フランスの消費者市場担当カスタ
マー・リレーションシップ・マネージメント及び顧客サービス責任者に任命され、そこで特にオレンジ運営指
示の作成に携わった。2011年4月、イル・ド・フランス地方でのオレンジの事業開発を担う、オレンジ・イル・
ド・フランスの責任者に任命された。2016年、同氏は、人事担当シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジ
デントに就任し、「デジタル指向及び思いやりのある雇用者」になるというオレンジの約束を推進する上で主
導的な役割を果たした。2018年3月、同氏は、卸売及び国際ネットワーク部門担当のシニア・エグゼクティブ・
ヴァイス・プレジデントに任命された。同氏は エコール・ポリテクニーク 及び国立高等電気通信大学(ENST)を
卒業している。
Fabienne Dulac氏 (1967年生)は、オレンジ・フランスの最高経営責任者代理を務めている。博士論文に着手
後、同氏はフランス内務省でキャリアを開始し、1993年にビジネス・コミュニティに参加し、インターネット
の誕生と新しいビジネス・セクター出現の時期にマルチメディア・サービスを開発した企業、VTCOMに所属し、
コミュニケーション及びマーケティング責任者を務めた。同氏は1997年にフランス テレコムに入社し、新設の
マルチメディア部門に在籍した。外部コミュニケーション担当部長としての責務は、ワナドゥー、Voila、
Mappyといった子会社のラインアップにおけるフランス テレコムの全てのマルチメディア活動が含むまでに広
がった。同氏は10年間にわたってマーケティング、事業開発、顧客関係の様々なポストに就任し、市場と当社
の転換のみならず、事業者の戦略の中心をなす新しい商業領域や顧客経験の動向を目の当たりにした。2008
年、オレンジ・フランスの販売及びオンライン顧客関係責任者に就任し、この分野にイノベーションを取り入
れ、販売及び顧客関係領域での社内のデジタル転換を促進している。2011年、同氏はオレンジ北部フランス部
門の責任者に就任し、5,500人以上の従業員を擁する運営事業体の経営責任を担った。2013年9月、オレンジ・
フランスのコミュニケーション担当のシニア・ヴァイス・プレジデントに任命され、その後、2014年8月にシニ
ア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントに就任した。同氏はパリ政治学院にて政治社会学の大学院課程
学位(DEA)、歴史修士号及び近代文学学士号を保有している。
Hugues Foulon氏 (1968年生)は、戦略及びサイバー・セキュリティ活動のシニア・エグゼクティブ・ヴァイス・
プレジデントを務めている。1994年にGénérale des Eaux(Veolia Group)でキャリアを開始し、同社では飲料水
プラント担当取締役、後に「Monégasque de Télédistribution」及び「Monégasque des Eaux」の取締役に任命
された。2000年にVivendi GroupのMonaco Telecomに業務部門を担当する最高経営責任者代理として入社し、電
気通信業界に初めて進出した。2005年に移動体通信事業向けの小売商業金融の取締役として当グループに入社
した。同氏は、2年間当該役職を務めた後、北アフリカへ移り、マロック・テレコムの統制担当取締役に就任し
た。2007年、同氏はオレンジへ復帰し、マーケティング及びイノベーション部門の経営管理担当取締役、取締
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役兼当グループの財務担当の最高経営責任者代行、その後、OMEAの最高財務責任者の役割を担った。その後、
会長兼最高経営責任者オフィス室長、当グループの経営委員会秘書官に任命された。同氏は エコール・ポリテ
ク ニーク とÉcole Nationale Supérieure de Techniques Avancées(ENSTA)を卒業した。Institut des Hautes
Etudes de Défense Nationale(IHEDN)の第66回「防衛政策」セッションの監査役でもある。
Nicolas Guérin氏 (1968年生)は、2018年3月1日よりグループ・セクレタリー・ジェネラル兼取締役会秘書官を
務めている。また、同氏は、Cercle Montesquieuの会長でもある。同氏はSFRで一定期間務めた後、1998年に当
グループの競争及び規制問題担当部門に加わった。Nicolas Guérin氏が加わった時期はこのセクターの規制緩
和がまさに実施されている最中であった。2003年に法務部門の責任者に就任し、2009年に当グループの取締役
会のジェネラル・カウンセル兼秘書官に就任した。この職において、同氏は、2012年のFreeとのローミング・
サービス契約を含む当グループの多くの構築プロジェクト、ジャズテルの買収によるアフリカ及び欧州での当
グループの確固たる地位を拡大するためのM&A取引、コンテンツ及びオレンジ・バンクを含む多角化プロジェ
クトに対する主要な貢献者である。また、同氏のサポートは、企業向け市場における規制要件、又は、より最
近では事業者とフランス政府との間で締結された移動体通信契約の次の段階における規制要件を実施する上で
不可欠なものである。同氏は、Institut de droit des affaires(IDA)を卒業しており、パリ第2大学(パンテオ
ン-アサス)におけるビジネス法及び税制の特別修士号も有する。
Mari-Noëlle Jégo-Laveissière氏 (1968年生)は、2018年5月2日より、技術及びグローバル・イノベーション部
門担当の最高経営責任者代理である。オレンジ・グループに1996年に入社して以来、同氏は、一連のプロジェ
クト及び管理職の地位に就いた。すなわち、International&Backbone Network Factoryの責任者、フランス
テレコム及びオレンジ・フランスSAの合併、グループ研究開発の責任者、オレンジ・フランスの消費者マーケ
ティング部門の責任者、並びに地域マネージャー(消費者及び企業顧客向けの技術及び商業サービスを担当)。
2014年、同氏はイノベーション、マーケティング及び技術(IMT)部門担当のシニア・エグゼクティブ・ヴァイ
ス・プレジデントに任命された。Mari-Noëlle Jégo-Laveissière氏は、パリ国立高等鉱業学校及び高等師範学
校を卒業している。同氏はまた、パリ第11大学(ウォータールー)における量子化学の博士号も有する。
Valérie Le Boulanger氏 (1962年生)は、2018年5月2日に当グループの人材担当取締役に任命された。Crédit du
Nordで銀行業界のキャリアを開始し、リスク管理、金融工学オペレーション、企業向けの銀行戦略及び販売方
針等の銀行事業に直接関係する役割を担っており、その後1998年にトレーニング部門責任者として人材担当部
門に入った。2004年にCrédit du Nord Groupにおいて企業関係部門の人材担当取締役に任命され、その後、従
業員関係担当取締役となり、後にCaisse d'épargne Île-de-France、そして後にBPCE Groupでこの役職に就い
た。Valérie Le Boulanger氏は、2016年8月に従業員関係担当取締役としてオレンジに入社し、フランス及び海
外における団体交渉と従業員関係並びに当グループにおける部門間プロジェクトに関する企業戦略の助言につ
いて責任を有している。同氏は、 École supérieure de commerce et d'Administration des Entreprises du
Havreの卒業生であり、経済学の学位を有している。
Paul de Leusse氏 (1972年生)は、モバイル金融サービス担当の最高経営責任者代理を務めており、また、オレ
ンジ・バンクの最高経営責任者でもある。同氏は、2018年5月、欧州及びアフリカにおいて当グループのモバイ
ル金融サービス事業を拡大するため、オレンジの経営委員会に加わった。同氏は、1997年から2009年にかけ
て、コンサルタントの仕事に従事した後、Oliver Wymanで、次いでBain&Companyで取締役を務めた。2009年、
同氏はCrédit Agricole SAの戦略担当取締役に任命された。2011年、同氏はCrédit Agricole Corporate and
Investment Bankに最高財務責任者として入社し、その後、最高経営責任者代行に任命された。2016年に、同氏
は、CA Indosuez Wealthの最高経営責任者に任命された。Paul de Leusse氏は、2011年から2018年の間Union
des Banques Arabes et Françaisesの取締役であり、2016年から2018年までFondation Grameen Crédit
Agricoleの取締役であった。Paul de Leusse氏は、 エコール・ポリテクニーク の卒業生であり、Ponts et
Chausséesの土木工学の学位を有している。
Béatrice Mandine氏 (1968年生)は、2018年5月2日より、内部及び外部コミュニケーション担当シニア・エグゼ
クティブ・ヴァイス・プレジデントを務め、2013年5月1日より、ブランド担当のシニア・エグゼクティブ・
ヴァイス・プレジデントを務めている。同氏は、2007年5月に、当グループの広報担当責任者としてオレンジに
入社した。同氏は、2010年11月に、外部コミュニケーション責任者代行に任命され、その後、2012年7月、コ
ミュニケーション及びブランド担当のシニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのXavier Couture氏
とともに、外部コミュニケーション担当のコミュニケーション責任者代理に任命された。Béatrice Mandine氏
は、1988年に、ル・フィガロ、マリ・クレール及びテレビチャンネルのラ・サンクのジャーナリストとして
キャリアをスタートさせた。1990年末、同氏は、内部コミュニケーション責任者として、Alcatelに入社した。
1992年、同氏は、Alcatel Radio Space&Defenseの広報担当者となり、翌年、Alcatel Alsthomの広報担当室に
加わった。1998年、同氏はAlcatelの消費者部門のメディア責任者に任命され、2000年、同氏はAlcatelの携帯
電話部門の広報・宣伝担当責任者に任命された。2004年半ば、同氏は、広報及び企業イメージ責任者として
Faureciaグループに入社した。同氏は、高等ジャーナリズム学院(ESJ)及び国際関係大学院研究所(IHEI)を卒業
している。
Alioune Ndiaye氏 (1960年生)は、2018年5月2日よりオレンジ中東及びアフリカ担当のシニア・エグゼクティ
ブ・ヴァイス・プレジデントである。Pechineyにて、製造のキャリアを開始した。その後、1986年にソナテル
に入社して計画、監査及び管理統制に従事し、同社の民営化事業にも参加した。同氏は、1992年から2002年ま
でソナテルの最高財務責任者であった。2002年に、同氏は、Ikatelを設立するために、最高経営責任者として
マリに戻った。数年後、Ikatelはオレンジ・マリとなった。Alioune Ndiaye氏は、10年間オレンジ・マリの最
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高経営責任者であった。2012年10月から、ソナテルSAの最高経営責任者並びにSonatel Mobiles、オレンジ・マ
リ、オレンジ・ビサウ、オレンジ・シエラレオネ及びFondation Sonatelの取締役会会長を務めた。同氏は、パ
リ・ ドフィーヌ大学及びイヴリーのInstitut National des Télécommunicationsの卒業生である。
Laurent Paillassot氏 (1965年生)は、オレンジ・スペインのシニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデン
トである。1989年にCompagnie Bancaire(Paribas Group)にてキャリアを開始し、1997年に金融業務を専門とす
るアメリカの戦略コンサルティング会社のMitchell Madison Groupに入社した。2000年にCaisse d'Epargne
Groupに入社し、最初にCaisse Nationale des Caisses d'Epargneの販売及びパートナーシップ担当取締役、後
にCaisse d'Epargne Financementの最高経営責任者に就任した。2005年から2007年まで、General Electric
Consumer Financeの子会社であるフランスのGE Money Bankの会長兼最高経営責任者も務めた。同氏は、2011年
から2014年にはLCL(Le Crédit Lyonnais)の最高経営責任者代行であった。同氏は、2014年に顧客経験及び モバ
イル・バンキング 担当の最高経営責任者代理としてオレンジに入社した。2016年3月以降、オレンジ・スペイン
の最高経営責任者である。Ponts et Chausséesの工学学位を有し(1989年)、INSEADでMBAを取得している(1996
年)。
Helmut Reisinger氏 (1967年生)は、パリに拠点を置く、オレンジ・ビジネス・サービス担当のシニア・エグゼ
クティブ・ヴァイス・プレジデントである。Alcatel Autricheの企業向け部門の責任者を9年間務めた後、設備
投資関連ファンドが所有する企業であるNextiraOne Germanyの最高経営責任者に任命され、同社の欧州経営委
員会構成員に加わり、その後、西欧向け通信ソリューションを専門とするAvaya, Incのヴァイス・プレジデン
トに就任した。2007年7月にオレンジ・ビジネス・サービスに入社し、欧州における運営の責任者となった。
2015年1月に、同氏の責任は拡大し、フランス以外の欧州、米州、アジア太平洋及びアフリカ/中東/ロシア/間
接事業を含む全ての商業活動を担当している。同氏は、ウィーン大学で経済学及び経営管理学の学位を取得
し、国際経営学博士号及びCEMSの修士号を有している。
4.4 取締役及び役員の役職
Stéphane Richard氏
現在の役職
オレンジ取締役、会長兼最高経営責任者
Opéra national de Paris取締役
France Industrie取締役
EURL Rieutord Capitalマネージャー
SCI du 18 rue Philippe-Hechtマネージング・パートナー
SCI Carré Gabrielマネージャー
SARL Carré Gabrielマネージャー
EURL Gingerマネージャー
海外
(1)
メディ・テレコムのAtlas Countries Services常任代表
取締役会会長兼GSMA取締役
過去5年間のその他の役職
Rieutord LLCマネージャー
(1)
オレンジ・フランス会長兼最高経営責任者
Cinémathèque Française取締役
Fondation du Collège de France取締役
Ramon Fernandez氏
現在の役職
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オレンジ最高経営責任者代行
(1)
オレンジ・バンク取締役会会長兼取締役
(1)
Compagnie Financière d'Orange Bank取締役会会長兼取締役
(1)
オレンジ中東及びアフリカ取締役
(1)
アイリス・キャピタル・マネジメント監査役会構成員
(1)
取締役会会長及びBuyIn取締役
Euler Hermesグループ戦略委員会構成員
海外
(1)(2)
オレンジ・ポルスカ監査役会構成員
(1)(2)
オレンジ・ベルギー取締役(2018年7月以降)
(2)
ユーロネクストNV監査役会構成員
過去5年間のその他の役職
(1)
オレンジ・スペイン取締役
GDFスエズ取締役会のフランス政府代表
CNPアシュアランス取締役会のフランス政府代表
預金供託公庫委員会のフランス政府代表
世界銀行フランス担当総裁代理
アフリカ開発銀行総裁
(1)
Institut Orange運営委員会構成員(2018年11月まで)
Euler Hermesグループ監査役会構成員及び指名報酬委員会構成員(2018年6月20日まで)
(1)
Médi Telecom取締役(2018年6月まで)
Gervais Pellissier氏
現在の役職
オレンジ最高経営責任者代行
(1)
オレンジ・ホライズン取締役
(2)
ウェンデル副社長、監査役会構成員及び筆頭独立取締役
Fondation des Amis de Médecins du Monde創立者兼取締役
海外
(1)(2)
オレンジ・ポルスカ監査役会副会長及び構成員並びに戦略委員会委員長
(1)
オレンジ・スペイン会長兼取締役
Fundación Orange会長
過去5年間のその他の役職
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(1)
オレンジ・スペインPlc取締役会会長
EE社取締役
(1)
メディ・テレコム取締役
(1)
デイリーモーション取締役
(2)
Sonae.com取締役
(1)(2)
オレンジ・ベルギー戦略委員会取締役兼構成員(2018年7月まで)
Alexandre Bompard氏
現在の役職
オレンジ取締役、イノベーション及び技術委員会構成員
(2)
Carrefour会長兼最高経営責任者
Fondation Carrefour取締役
過去5年間のその他の役職
Éditions Indépendantes取締役
(2)
Fnac Darty会長兼最高経営責任者 (2017年7月17日まで)
Fnac Darty Participations et Services会長兼最高経営責任者(2017年7月17日まで)
Fnac Darty取締役(2017年11月28日まで)
Darty Ltd取締役(2017年7月17日まで)
Banijayグループ監査役会構成員
Le Siècle構成員
Sébastien Crozier氏
現在の役職
オレンジ取締役、監査委員会構成員
FCPEオレンジ・アクション監査役会構成員
ADEAS名誉会長
CFE-CGCオレンジ会長
Manifeste pour l'Industrie会長
過去5年間のその他の役職
(1)
Orange Digital Horizons SAS会長
(1)
Orange Horizons SAS最高経営責任者
(1)
Orange Horizons South Africa Ltd会長
(1)
Orange Horizons Latina法定代理人
GIE Atout France取締役会構成員
Atadist副幹事
Hélène Dantoine氏
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現在の役職
該当なし
Nicolas Dufourcq氏
現在の役職
オレンジ取締役会Bpifrance Participations常任代表、イノベーション及び技術委員会構成員
Bpifrance S.A.取締役兼最高経営責任者
Bpifrance Participations会長兼最高経営責任者
Bpifrance Financement取締役兼最高経営責任者
Bpifrance Investissement社長
Bpifrance Assurance Export社長
FT1CI会長兼最高経営責任者
Digital New Deal取締役
En Temps Réel取締役
Euler Hermesグループ戦略委員会構成員
海外
(2)
STMicroelectronics監査役会非執行役員会長
過去5年間のその他の役職
Euler Hermesグループ監査役会構成員(2018年6月20日まで)
Bpifrance Financement会長(2018年9月26日まで)
Charles-Henri Filippi氏
現在の役職
オレンジ筆頭独立取締役及びGCSER委員会構成員
Lazardマネージング・パートナー(2018年3月以降)
(2)
ネクシティ取締役 、報酬及び指名委員会委員長
Piasa取締役
ADIE(Association pour le Droit à l'Initiative Économique)取締役
Fondation pour l'Opéra Comique会長
過去5年間のその他の役職
シティーグループフランス会長
L'Oréal取締役、人事及び報酬委員会委員長、監査委員会構成員並びに指名及びガバナンス委員会構成員
Femu Qui監査役会構成員
EURIS監査役会構成員
(2)
ネクシティアドバイザリー・ボード構成員
Association des Amis de l'Opéra Comique会長
Abertis国際アドバイザリー・ボード構成員
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Christel Heydemann氏
現在の役職
オレンジ取締役、監査委員会構成員
Schneider Electric France会長兼最高経営責任者
(2)
Schneider Electric経営委員会構成員
GIMELEC会長
Association AX取締役
France Industrie取締役
過去5年間のその他の役職
Fondation des Ponts et Chaussées取締役
Alcatel-Lucent人事取締役
Fabrice Jolys氏
現在の役職
オレンジ取締役、GCSER委員会構成員
過去5年間のその他の役職
該当なし
Helle Kristoffersen氏
現在の役職
オレンジ取締役、イノベーション及び技術委員会委員長
Totalグループのガス、再生可能エネルギー及び電力部門の戦略及び事務担当取締役
(2)
プジョー監査役会構成員
(2)
Direct Énergie取締役
海外
(2)
サンパワー取締役会構成員(米国)
過去5年間のその他の役職
Totalグループ戦略及び経済調査担当取締役
Alcatel-Lucentグループバーティカルマーケット担当シニア・ヴァイス・プレジデント
(2)
Valeo取締役
PSL ComUE取締役会構成員(2018年6月まで)
Anne Lange氏
現在の役職
157/637
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オレンジ取締役、GCSER委員会構成員
Imprimerie Nationale取締役
(2)
Pernod Ricard取締役
(2)
FFP取締役 (2018年5月以降)
海外
Econocom (Belgium)マネージング・パートナー
ADARAマネージング・パートナー
過去5年間のその他の役職
MENTIS創立者兼最高経営責任者
Luc Marino氏
現在の役職
オレンジ取締役、イノベーション及び技術委員会構成員
FCPEオレンジ・アクション監査役会構成員
過去5年間のその他の役職
該当なし
René Ollier氏
現在の役職
オレンジ取締役、イノベーション及び技術委員会構成員
過去5年間のその他の役職
該当なし
Bernard Ramanantsoa氏
現在の役職
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オレンジ取締役、監査委員会委員長
Oddo-BHF監査役会、監査委員会、リスク委員会及び指名委員会構成員
Établissement public du château de Versailles, du Musée et du Domaine National取締役
Institut Catholique de Paris取締役
Y SCHOOLS戦略委員会(旧ESC Troyesグループ)構成員
Le Choix de l'École(Teach for France)取締役
Aspen France取締役
Silverchair(SASU)会長
Institut Français des Administrateurs取締役
海外
Banque Franco-Lao取締役
Bred Bank Cambodia取締役
ESADE (Barcelona)アドバイザリー・ボード構成員
Sommet-Education (Switzerland)取締役
Saint-Gall University (Switzerland)アドバイザリー・ボード構成員
Getúlio Vargas Foundation (Brazil)アドバイザリー・ボード構成員
ShARE (Netherlands)アドバイザリー・ボード構成員
School of Management at Zhejiang University (China)アドバイザリー・ボード構成員
ISCAM (Madagascar)アドバイザリー・ボード構成員
過去5年間のその他の役職
HECマネージング・ディレクター
Fondation HEC取締役
Bureau of the Conférence des grandes écoles構成員
EQUIS(欧州アクレディテーション機関)アドバイザリー・ボード構成員
ALBARELLE監査役会構成員
CEIBS (China)、Academic Council構成員
ANVIE取締役
Anne-Gabrielle Heilbronner氏
現在の役職
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Publicis Groupe SAジェネラル・セクレタリー
Publicis Groupe Services SAS会長
Multi Market Services France Holdings SASディレクトリ委員会構成員
Wefcos SASの株主委員会におけるMulti Market Services France Holdings代表
Regie Publicitaire des Transports Parisiens Metrobus Publicite SAの取締役会における
Multi Market Services France Holdings代表
Somupi SAの取締役
Sanef SA監査委員会ディレクター及び構成員
海外
US International Holding Company, Inc.(USA)取締役
Publicis Groupe Investments BV (Netherlands)取締役
Publicis Groupe Holdings BV (Netherlands)取締役
Publicis Holdings BV (Netherlands)取締役
BBH Holdings Limited (UK)ディレクター・オブ・ディレクター
Sapient Corporation (USA)ディレクター・オブ・ディレクター
Publicis Limited (UK)取締役
Jean-Michel Severino氏
現在の役職
オレンジ取締役、監査委員会構成員
I&P SARL(Investisseurs et Partenaires)マネージャー
(2)
ダノン取締役兼監査委員会委員長
Emergence Développementマネージャー
EBI SA(エコバンク・インターナショナル)取締役会会長
Phitrust Impact Investors取締役
グラミン・クレディ・アグリコル基金取締役
Fondation Alstom取締役
Fondation Carrefour取締役
Fondation Avril取締役
Fondation Tunisie Développement取締役
FERDI(公益財団)取締役
海外
Adenia Partners取締役
I&P Développement取締役
I&P Gestion取締役
I&P Afrique Entrepreneurs取締役会会長
過去5年間のその他の役職
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ACET Ghana取締役
Africa Capacity Building Initiative取締役
Convergences取締役
Fondation Sanofi Espoir取締役
全ての取締役及び役員の勤務先住所は、各人の地位に関して、オレンジSAの登記上の住所(第2「2 沿革」
「登記上の住所」を参照のこと。)である。
2018年1月1日以降に任期が終了した取締役の2018年における役職
Hélène Marcy氏
(2018年5月4日まで取締役)
オレンジ取締役、イノベーション及び技術委員会構成員
CFE-CGCオレンジ取締役会構成員
ADEAS取締役会構成員
FCPEオレンジ・アクション監査役会構成員
Lucie Muniesa氏
(2018年10月30日まで取締役)
オレンジ取締役、監査委員会構成員
Consortium de réalisation取締役
パレ・ド・トーキョー(SAS)取締役
(2)
エンジー取締役
(1) オレンジが持分を所有する会社。
(2) 上場会社における地位。
4.5 取締役、役員及び上級管理職の報酬
4.5.1 役員に支払われた報酬及び給付に関する取締役会報告
当社は、特に報酬に関する事項については、Afep-Medefの上場会社コーポレート・ガバナンス・コードを一般
的な基準として参照する。
この報告は、2018年12月31日に終了した事業年度に取締役及び役員に支払われたか、又は支払われる予定で
あった全ての種類の報酬及び給付の項目別の合計額、並びにフランス商法第L.225-37-2条に従い、役職を根拠
に役員に支払われる報酬及び給付総額の固定及び変動要素の決定、配分及び割当の原則並びに基準を示してい
る。
この報告は、ガバナンス・企業の社会的及び環境責任委員会(GCSER委員会)の支援の下で作成された。
4.5.1.1 2018年の役員報酬の原則及び基準
役員報酬方針は取締役会によって定められ、GCSER委員会の提言に基づき、毎年改定される。
この報酬方針は以下の判断指針に基づいている。
完 全 性
報酬及び給付は全て、固定と変動、個人とグループ、そして短期と長期の報酬の適切なバランスを図るため
に、項目毎に、次に総合的に分析される。
コンプライアンス
報酬方針は、Afep-Medefコードの提言を受けて確立された。
利害の調整
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報酬方針は、当社が必要とする人材の獲得、動機付け及び維持のための経営上の手段であると同時に、透明性
及び業績連動に関する株主その他の利害関係者の期待に応えるための手段でもある。
同 等 性
調査を定期的に利用することで、報酬の水準及び構成が、規模及び複雑性の面で同等な企業に対して競争力を
有するものであることが確保される。同等な企業とは、一方でフランスの主要な産業グループを含み、他方で
電気通信セクターの国際的企業を含む。
取締役会は、いずれの役員についても、報酬(特に固定報酬)のいかなる変更もこれら2つの企業群との比較分析
に基づいて行うことを決定した。
かかる原則は、取締役会に上程する役員の報酬方針の準備と、それぞれの報酬額の提示の両方の作業において
GCSER委員会によって厳密に適用されている。
役員の報酬の構成
各役員の報酬の構成は、主として年間固定報酬及び年間変動報酬、並びに複数年変動報酬から成り立ってい
る。以下でこれらについて詳細に説明する。
固定報酬
役員の固定報酬は以下に基づく。
・ 責任の重要性及び複雑性。
・ 当該地位に就いている人の経験及び経歴。
・ 同等の地位に対する市場分析。
年間変動報酬
年間変動報酬の目的は、取締役会が当社の戦略に沿って各役員に設定した年間業績目標の達成に向け、役員を
動機付けることである。Afep-Medefコードに従い、可能性のある変動報酬額は固定報酬に対する比率で表示さ
れる。
この変動部分の割合は、期待される全体的業績を示す財務的(50%)及び非財務的(50%)パラメーターに適用さ
れる業績の水準によって決まる。変動部分は全体的に正確な目標に基づいて決定されるが、最も重要なことは
非財務指標を含む量的業績評価指標を基準とすることである。
複数年変動報酬
2015年及び2016年に、役員は2つの現金による長期奨励給制度(2015年から2017年のLTIP及び2016年から2018年
のLTIP)によって給付を受けた。
2017年以降、取締役会は役員の定着を図り、役員の利害と当社及び株主の利害を一致させるさらなる手段とし
て、LTIP制度(2017年から2019年のLTIP及び2018年から2020年のLTIP)を修正すると決定した。市場慣行に合わ
せ、新たなスキームは業績連動株式割当制度を基本とし、当社の長期的な業績全体に対する役員の直接的な貢
献を評価する基準に基づくものとする。このスキームはまた、オレンジ・グループで主要な地位を有する従業
員も給付の対象とする。
例外的な報酬
2018年まで取締役会は、特定の状況において役員に例外的な報酬を支払う原則を適用しており、その場合は詳
細を開示し、証拠によって裏付けなければならないとしていた(但し、株主の承認を条件とする。)。この選択
的規定は2018年まで使用されていなかったことから、取締役会は透明性を確保するために、2019年にこの規定
を使用できないことを可決した
出席報酬
役員は、当グループ傘下企業での義務及び任務遂行に対する出席報酬を受領しない。
役務終了に関連する制度
役員の役務の終了又は変更により支払うべき、若しくは支払う可能性のある報酬又は給付はなく、競業避止条
項を考慮したいかなる報酬の支払いも確約しない。
但し、役員が社外採用によって任命された場合、取締役会は法律に従い、Afep-Medefコードに準拠して、かか
る条項を適用する権利を留保する。
補足的年金制度
役員は、その役務に対して、義務的な基本制度及び補足的制度を超えたいかなる補足的年金制度の給付も享受
することはない。
役員が就任前に「マトリックス範囲外」に分類される従業員に設定された確定給付年金制度(2011年以降の採用
者には実施していない。)の権利を有していた場合、その制度の資格は一時的に停止し、在職期間中にいかなる
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権利も生じない。さらに、役務が終了した時点で役員が在職した期間は勤続年数又は報酬のいずれに関して
も、年金の計算に際して考慮しない。
現物給付
役員は、希望した場合、運転手付きの社用車、会長兼最高経営責任者については年間100時間、その他の役員に
ついては年間20時間を上限とするその役職に関連する個人的な法律上の支援のためのコンサルティング会社
サービス、インターネット又は電話アクセス、及びその職務を遂行するために必要な機器(特にIT機器)を得る
ことができる。
そ の 他
会長兼最高経営責任者及び最高経営責任者 代行 は、オレンジ・グループの役員に適用される死亡・障害及び補
足的な健康保険制度に加入している。
4.5.1.2 2018年に役員に支払われた又は分配された報酬額
(1)
以下の表1から表11は、Afep-Medefコード別表4において推奨されている標準的な表示形式に沿っている 。
(1) 出席報酬及び非常勤取締役に支払われたその他の報酬(表3)に関する情報は「4.5.2」に記載。
各役員に分配された報酬、ストックオプション及び株式の概要(Afep-Medefコードの表1)
(単位:ユーロ)
2018年 2017年
Stéphane Richard氏
当事業年度に係る報酬総額(詳細は表2) 1,870,762 1,744,999
当年度中に分配されたオプションの評価額 - -
当年度中に分配されたLTIP業績連動株式の評価額 392,875 238,750
Ramon Fernandez氏
当事業年度に係る報酬総額(詳細は表2) 1,104,471 1,066,198
当年度中に分配されたオプションの評価額 - -
当年度中に分配されたLTIP業績連動株式の評価額 202,050 162,350
Gervais Pellissier氏
当事業年度に係る報酬総額(詳細は表2) 1,112,387 1,173,305
当年度中に分配されたオプションの評価額 - -
当年度中に分配されたLTIP業績連動株式の評価額 202,050 162,350
IFRS第2号に従い、2017年から2019年のLTIP及び2018年から2020年のLTIPに基づき2017年及び2018年に付与され
た業績連動株式は、その付与日に評価された。したがって、透明性を目的として、これらの株式の評価額を上
記の表に示す。但し、2017年及び2018年の報酬に2015年から2017年のLTIP及び2016年から2018年のLTIPに関連
してそれぞれ支払われた現金がすでに含まれている限りにおいて、2つの合計額は、役員報酬を示すものではな
いため表示されていない。
各役員に支払われた報酬の概要(Afep-Medefコードの表2)
2018年 2017年
当事業年度に係る 当事業年度に係る
総額 支払予定額 当期中の支払総額 支払額 当期中の支払総額
(単位:ユーロ)
Stéphane Richard氏
固定報酬 932,930 932,930 900,000 900,000
変動報酬 626,124 533,250 533,250 640,906
複数年変動報酬(LTIP) 300,000 300,000 300,000 -
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特別報酬 - -
出席報酬(1) - -
現物給付 11,708 11,708 11,749 11,749
合計 1,870,762 1,777,888 1,744,999 1,552,655
Ramon Fernandez氏
固定報酬 600,000 600,000 600,000 600,000
変動報酬 294,235 296,250 296,250 300,000
複数年変動報酬(LTIP) 200,000 160,000 160,000 -
特別報酬 - -
出席報酬 N/A N/A N/A N/A
現物給付 10,236 10,236 9,948 9,948
合計 1,104,471 1,066,486 1,066,198 909,948
Gervais Pellissier氏
固定報酬 600,000 600,000 600,000 600,000
変動報酬 294,235 355,500 355,500 427,271
複数年変動報酬(LTIP) 200,000 200,000 200,000 -
特別報酬 - -
出席報酬 N/A N/A N/A N/A
現物給付 18,152 18,152 17,805 17,805
合計 1,112,387 1,173,652 1,173,305 1,045,076
(1) Stéphane Richard氏は、出席報酬を受領する権利を放棄している。
N/A:該当なし。
固定報酬
年間固定報酬の水準は毎年見直される。
2018年5月4日の株主総会で承認された決議に従い、Stéphane Richard氏の報酬は年間950,000ユーロに設定さ
れ、Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏の報酬は年間600,000ユーロに据え置かれた。
Stéphane Richard氏の新たな報酬は2018年5月4日から適用されている。
複数年変動報酬
2018年にStéphane Richard氏は、達成された目標に基づき年間固定報酬の80%、超過業績については最大100%
の変動報酬を受領する資格を得た。
2018年、Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏は、達成された目標に基づき、年間固定報酬の60%を上
限とする変動報酬を受領する資格を得た。
達成された目標及び結果
2018年の役員の年間変動報酬は、当グループの成長性、収益率、顧客経験及びCSRパフォーマンスに重点を置い
た4つの指標の加重平均に基づいている。期待される業績の水準は、当グループの予算に基づく財務指標を用い
て取締役会により設定された。
達成率を計算するために弾性曲線を作成したことで、各指標及びその達成水準について達成率を配分すること
ができる。
収益成長(20%)
2018年に役員に設定された収益成長目標(比較可能ベース)は、当グループの予算に沿っていた。
成長率は1.33%となり、弾性曲線ではこの指標の達成率は23%となる。
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営業活動におけるキャッシュ・フロー(30%)
(2)
2018年に役員に設定された営業活動におけるキャッシュ・フロー の目標は、当グループの予算に沿ってい
た。営業活動におけるキャッシュ・フローは5,563百万ユーロとなり、この指標の弾性曲線では、Stéphane
Richard氏の達成率は101.6%、Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏の達成率は100%であった。
(2) 調整後EBITDA - Capex(第3「金融用語集」を参照のこと。)。
顧客経験(17%)
顧客経験の指標は2つの下位指標に分かれている。1つは、大衆市場顧客経験指標(B2C顧客調査)で、結果の75%
を占め、2つ目はグローバルB2B顧客経験指標(B2B顧客調査)で、結果の25%を占める。
B2C及びB2B下位指標は、顧客による平均推薦スコア(MRS)である。
これらの調査は、フランス、欧州地域及びMEA地域の数ヶ国において、また、オレンジ・ビジネス・サービスの
企業顧客に対して実施されている。
2018年のB2C指標の目標は79.7であったが、最終的な値は78.8であった。
B2B指標については、目標は7.4であったが、実際の値は7.46であった。
B2C指標の弾性曲線では、役員の達成率は77.5%であった。
B2B指標に弾性曲線を適用すると、Stéphane Richard氏の達成率は103.8%、Ramon Fernandez氏及びGervais
Pellissier氏の達成率は100%であった。
CSRパフォーマンス(33%)
目標は、以下の6の指標の要素において全般的に進展を遂げることであった。
・ 3つは、外部機関によって毎年実施される従業員調査の結果に関連する。調査結果は、技能、集団的敏捷
性、献身の3つのトピックに基づいて評価される。
・ 3つは、共同規律における研修を受けた管理者の比率、内部ソーシャルネットワーク Plazza において活動す
る従業員の満足度、管理者ネットワークにおける女性の比率、という人材指標の変化に関連している。
各要素の結果は、以下の方法で測定される。
・ 目標が達成されなかった場合:結果は-1
・ 目標が達成された場合:結果は0
・ 目標を超過した場合:結果は+1
基準 2018年従業員経験目標 目標の達成
最小 実際 最大
従業員調査 -3 -1 3 2項目据え置き、1
項目低下
共同規律における研修を受けた管理者の比率 -1 1 1 結果87%>目標
Plazzaにおいて活動する従業員の満足度 -1 0 1 結果7.47=目標
管理者ネットワークにおける女性の比率 -1 0 1 結果31.9%=目標
合計 -6 0 6
2018年の結果は0であった。この指標に弾性曲線を適用すると、100%という評価となった。
変動報酬部分の金額
Stéphane Richard氏の達成率
基準 2018年従業員経験目標 実際
加重 閾値 目標 最大
収益の有機的な成長 20.00% 予算-0.5pt 予算 予算+1pt 4.60%
営業活動におけるキャッ 30.00% 予算-2.5% 予算 予算+5% 30.49%
シュ・フロー
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B2C顧客経験 12.75% 75.7 79.7 83.7 9.88%
B2B顧客経験 4.25% 7.0 7.4 7.8 4.41%
CSR業績 33.00% -6 0 6 33.00%
加重合計 100.00% 82.38%
Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏の達成率
基準 2018年従業員経験目標 実際
加重 閾値 目標 最大
収益の有機的な成長 20.00% 予算-0.5pt 予算 予算 4.60%
営業活動におけるキャッ 30.00% 予算-2.5% 予算 予算 30.00%
シュ・フロー
B2C顧客経験 12.75% 75.7 79.7 79.7 9.88%
B2B顧客経験 4.25% 7.0 7.4 7.4 4.25%
CSR業績 33.00% -6 0 0 33.00%
加重合計 100.00% 81.73%
役員のそれぞれの変動目標にこれらの達成率を適用すると、以下の変動部分の金額の通りとなる。
役員 固定報酬 目標 達成率 支払率 2018年変動部分
支払予定
(ユーロ) (%) (%) (%)
(ユーロ)
Stéphane Richard氏 950,000 80% 82.38% 65.91% 626,124
Ramon Fernandez氏 600,000 60% 81.73% 49.04% 294,235
Gervais Pellissier氏 600,000 60% 81.73% 49.04% 294,235
複数年変動報酬(2016年から2018年のLTIP)
Stéphane Richard氏、Ramon Fernandez氏及びGervais Pellissier氏は、その役務に対して2016年から2018年の
LTIPの結果を受け取り、これは2016年1月1日現在における年間固定現金報酬の40%を占める。
2016年から2018年のLTIPの基準
この制度の業績条件は、以下の2つの指標を用いて測定される。
・ 株主総利益率(TSR)(50%):制度の期間中におけるオレンジのTSRとストックス欧州600電気通信指数のTSR
との相対的変動。
・ 前年比で見たフランス国内(ローミングを除く。)及び国際的なオレンジの金額ベースの市場シェアの変動
を50%で加重したもの(3年間の計画期間のいずれの年においても成長した場合の各下位指標は25%、3年間
のうち2年間において成長した場合は16.67%、3年間のうち1年間において成長した場合は8.33%)。
この結果は、 Essentials2020 戦略計画(第2「3 事業の内容」「3.2 オレンジのグループ戦略」を参照のこ
と。)に基づく4つの基準(調整後EBITDA、多角的な収益、移動体通信及び固定回線の平均データ速度、移動体通
信のブランド・パワー)に従って調整される。各基準のスコアは、目標が達成された場合には+3.75%、達成さ
れなかった場合には-3.75%となる。
TSR
TSRは2016年から2018年の期間に達成された。オレンジのTSRは、電気通信ストックス欧州600(マイナス19%)を
7%上回った。したがって、スコアは50%となる。
市場シェアの価値
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金額ベースの国際的な市場シェアは、3年間の計画期間にわたって成長したが、フランスにおける市場シェアが
成長したのは2018年のみであった。したがって、この指標のスコアは33.33%となる。
指標 2016年 2017年 2018年 スコア
市場シェア、フランス国内(ローミングを 未達 未達 達成 8.33%
除く。)
国際的な市場シェア 達成 達成 達成 25.00%
合計 33.33%
調整基準
4つの調整基準の適用を合わせた結果は、中立となった。
基準 目標 結果 スコア
多角的な収益 10億ユーロ 未達 -3.75%
移動体通信及び固定回線のデータ速度 2014年から2018年で3倍の速度 達成 3.75%
ブランド・パワー 3分の2の国での増加 未達 -3.75%
調整後EBITDA 2018年予算を上回る 達成 3.75%
調整合計 0%
2016年から2018年のLTIPの額
調整前に2つの基準の結果を加算したことにより、結果は83.33%となった。
役員 固定報酬 目標 達成率 支払率 2016年から
2018年のLTIPの
(ユーロ) (%) (%) (%)
支払予定額
(ユーロ)
Stéphane Richard氏 900,000 40% 83.33% 33.33% 300,000
Ramon Fernandez氏 600,000 40% 83.33% 33.33% 200,000
Gervais Pellissier氏 600,000 40% 83.33% 33.33% 200,000
現物給付
2018年に役員は、社用車、その役職に関連する個人的な法律顧問サービス、及び電気通信サービス(インター
ネット又は固定回線)の提供を受けた。
当事業年度中に各役員に分配されたストックオプション(Afep-Medefコードの表4)
2018事業年度中、オレンジSAその他のいずれの当グループの会社も、ストックオプションを役員に付与してい
ない。
当事業年度中に各役員により行使されたストックオプション(Afep-Medefコードの表5)
該当事項なし。
当事業年度中に各役員に分配された業績連動株式(Afep-Medefコードの表6)
役員 付与日 付与された 付与の価値 株式の付与日 一部の売却が 業績条件
株式数 (ユーロ) 可能となる最
初の日
(IFRS公正価
値)
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Stéphane Richard氏 2018年7月25日 35,000 392,875 2021年3月31日 50% あり
2021年4月1日
Ramon Fernandez氏 2018年7月25日 18,000 202,050 2021年3月31日 50% あり
2021年4月1日
Gervais Pellissier氏 2018年7月25日 18,000 202,050 2021年3月31日 50% あり
2021年4月1日
当事業年度中に各役員に付与された業績連動株式(Afep-Medefコードの表7)
該当事項なし。
過去のストックオプションの付与(Afep-Medefコードの表8)
最後のストックオプション・プランは、2017年5月21日に満期を迎えた。Gervais Pellissier氏は、この最後の
プランからオプションを受け取った唯一の役員であるが、一切行使していない。
過去の業績連動株式の付与(Afep-Medefコードの表9)
2017年から2019 2018年から2020
年のLTIP 年のLTIP
株主総会開催日 2017年6月1日 2018年5月4日
取締役会開催日 2017年7月26日 2018年7月25日
Stéphane Richard氏に付与された株式の数 25,000 35,000
Ramon Fernandez氏に付与された株式の数 17,000 18,000
Gervais Pellissier氏に付与された株式の数 17,000 18,000
付与日 2020年3月31日 2021年3月31日
売却が可能となる最初の日 50% 50%
2020年4月1日 2021年4月1日
業績条件 あり あり
各役員に支払われた複数年変動報酬の概要(Afep-Medefコードの表10)
価値(ユーロ) 2015年から2017 2016年から2018
年のLTIP 年のLTIP
Stéphane Richard氏 300,000 300,000
Ramon Fernandez氏 160,000 200,000
Gervais Pellissier氏 200,000 200,000
役員に支給されたその他の給付(Afep-Medefコードの表11)
任期終了又は役職変更により
競業避止条項に基づき
補足的年金
役員 雇用契約 支払われるか又は支払われる
制度
支払われる報酬
可能性の高い報酬又は給付
Stéphane Richard氏 なし なし なし なし
Ramon Fernandez氏 なし なし なし なし
Gervais Pellissier氏 なし なし なし なし
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4.5.1.3 2019年の役員報酬の方針
取締役会は、2018年5月4日の株主総会における2018年の役員報酬に関する決議で承認された水準に留意してい
る。したがって、2019年の役員報酬を各要素に関して据え置き、報酬パッケージを一層当社の戦略に沿ったも
のにするために指標又は基準に少数の調整のみを行うとの提案が行われた。さらに、透明性と正確性を高める
ために2019年の報酬の要素を表示し、報酬方針を要約して表示する。
提案された変更の要約
報酬の要素 提案された変更 理由
複数年変動報酬 構成に変更はない オレンジにとって技能と能力は不
可欠であることから、管理者がほ
従業員調査及び人事指標の比重
ぼ必ず共同規律における研修を受
は、CSRパフォーマンス指標のそれ
けていることを認識し、全ての職
ぞれ70%と30%になる。
に影響を及ぼす指標(学習者NPS)の
新たに2つの人事指標を導入する。 使用を提案する。TFRACは、職場の
すなわち、学習者NPSと労働災害の 健全性と安全性というオレンジに
発生頻度(TFRAC)であり、これらは とって重要な課題を反映する指標
共同規律における研修を受けた管 である。
理者の割合及びPlazza満足度に代
わるものである。
業績連動株式 構成に変更はない 当社のCSR方針に従い、当社のコ
ミットメントを反映する新たな調
EBITDAに代えて、新たな調整指標
整基準の導入を提案する。顧客1人
を提案する。すなわち、顧客1人当
当たりの二酸化炭素排出量の変化
たりの二酸化炭素排出量の経時的
がこれに該当し、複数年にわたっ
な変化である。
てこれを追跡している。
例外的な報酬 株主に承認された報酬方針で意図 この選択肢が使用されたことはな
されていない例外的な報酬を今後 いが、役員報酬の透明性を高める
は禁止する。 ために廃止された。
固定報酬
役員の固定報酬は、2019年において据え置かれる予定である。
・ 会長兼最高経営責任者の年間固定報酬:950,000ユーロ
・ 最高経営責任者代行の年間固定報酬:600,000ユーロ
フランス商法第L.225-37-2条の規定に従い、この点には、役員に対するこれらの固定報酬水準を有効化する決
議が必要であり(事前の「支払いへの発言権」)、2019年5月21日の株主総会に承認決議案が提出される。
年間変動報酬
取締役会は、役員の変動報酬を計算する手順は、2019年において据え置かれることを決定した。
・ 目標が達成された場合の変動報酬の目標額:会長兼最高経営責任者の固定報酬の80%、最高経営責任者代
行の固定報酬の60%。
・ 目標を上回った場合は、会長兼最高経営責任者に最高100%の超過業績支払いを行い、最高経営責任者代行
には超過業績支払いは行われない。
役員 固定報酬 目標 目標額 最小 最大 達成可能な最
大の額
(ユーロ) (%) (ユーロ) (%) (%)
(ユーロ)
Stéphane Richard氏 950,000 80% 760,000 0.00% 100.00% 950,000
Ramon Fernandez氏 600,000 60% 360,000 0.00% 60.00% 360,000
Gervais Pellissier氏 600,000 60% 360,000 0.00% 60.00% 360,000
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年間変動報酬の構成
・ 財務指標は年間変動報酬の50%を占め、その内訳は以下の通りである。
・ 収益の成長を20%とする。
・ 営業活動におけるキャッシュ・フローを30%とする。
・ 非財務指標は年間変動報酬の50%を占め、その内訳は以下の通りである。
・ 顧客経験を17%とする。
・ 小売市場に関するB2C顧客経験(構成比率75%)
・ 企業向け市場に関するB2B顧客経験(構成比率25%)
・ CSRパフォーマンスを33%とし、その内訳は以下の通りである。
・ 信頼できる外部の会社によって毎年行われる従業員調査が70%。この結果は、技能、集団的機敏さ、
献身の3つのトピックに関連する従業員の認識に基づいて再度検討される。
・ 3つの人事及びCSRの指標( 学習者NPS 、労働災害の発生頻度(TFRAC)、管理者ネットワークにおける女性
の割合)が30%。
会長兼最高経営責任者
基準 2019年業績目標 幅
加重 閾値 目標 最大
収益の有機的な成長 20.00% 予算-0.5pt 予算 予算+1pt 0-25%
営業活動におけるキャッ 30.00% 予算-2.5% 予算 予算+5% 0-37.5%
シュ・フロー
B2C顧客経験 12.75% 75.0 79.0 83.0 0-15.94%
B2B顧客経験 4.25% 7.07 7.47 7.87 0-5.31%
CSR業績:従業員調査 23.10% -3 0 3 0-28.88%
CSR業績:人事の指標 9.90% -3 0 3 0-12.37%
加重合計 100.00% 0-125%
最高経営責任者代行
基準 2019年業績目標 幅
加重 閾値 目標 最大
収益の有機的な成長 20.00% 予算-0.5pt 予算 予算 0-20%
営業活動におけるキャッ 30.00% 予算-2.5% 予算 予算 0-30%
シュ・フロー
B2C顧客経験 12.75% 75.0 79.0 79.0 0-12.75%
B2B顧客経験 4.25% 7.07 7.47 7.47 0-4.25%
CSR業績:従業員調査 23.10% -3 0 0 0-23.10%
CSR業績:人事の指標 9.90% -3 0 0 0-9.90%
加重合計 100.00% 0-100%
採 用
当社従業員以外の者が役員に任命された場合も、同様の原則が適用され、事業年度の途中で就任した場合の支
払額は在職期間に応じて按分計算することが定められている。
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退 任
当グループを退職する場合、かかる役員の変動報酬部分は在職期間に応じて按分計算する。
長期奨励給制度
取締役会は、2019年から2021年の期間を対象に、先行制度に沿った新たな株式ベースのLTIPを導入することを
決定した。この株式ベースの制度に関する決議事項は、2019年5月21日の株主総会に諮られ、承認を受け、役員
及び当グループで主要な地位に就いている特定のメンバーに株式を無償で付与する権限が取締役会に与えられ
る。
将来、規制が改正された場合、又はその他の状況によって、当社が業績連動株式スキームを使用することが困
難になるか、不可能になった場合は、長期現金奨励給制度の利用を再度検討する可能性がある。また、2019年5
月21日の株主総会において決議事項第28号が承認されない場合、取締役会は2019年から2021年のLTIPにおいて
現金を支払うことを決定する可能性がある。
業績指標
取締役会は以下の2つの指標を適用した。それぞれが新規LTIPに占める比率は50%で、これまでと同様、3年間
の固定期間である。
・ 1つ目は市場の指標として、ストックス欧州600電気通信のベンチマーク指数と比較した、3事業年度にわた
る株主総利回りの相対パフォーマンスに基づく、株主総利益率(TSR)である。
(3)
・ 2つ目は、3事業年度にわたって測定し、毎年、予算予測と比較する有機的キャッシュ・フロー である。
これは、社内の財務指標として維持された。CGRSEによって促され、オレンジの中期的な目標に一層緊密に
リンクした今後数年間にわたる新たな指標を決定するための協議が進行中である。
(3) 有機的キャッシュ・フローとは、販売取引によって生み出されたキャッシュから、事業に必要な全てのコストと投資を支払ったもの
(ライセンス又は周波数帯の取得による支払金を除く。)を意味する。したがって、この指標はオレンジが金融債務の履行、配当の支
払い及び資本的支出を行うためのキャッシュ生成能力を表す。
業績の条件
・ 有機的キャッシュ・フロー:
有機的キャッシュ・フローは、取締役会が承認した予算に照らし合わせて、毎年評価を行い、検討される
LTIPの各年に目標が達成されたかどうかによって、制度目標の50%、33%、17%又は0%が配分される可能
性がある。
・ 結果が年次予算を下回った場合:報酬はない。
・ 結果が年次予算を上回ったか、又は同等であった場合:当該年の報酬を100%支給。
・ TSR:
・ オレンジのTSRが、制度の期間を通じてストックス欧州600電気通信参照指数の変化を上回る又は同等と
なった場合、100%支給される。但し、オレンジのTSRが目標を達成したがマイナスの場合は、結果は承
認のために取締役会に提示される。
・ オレンジのTSRの変化がベンチマーク未満となった場合:報酬はない。
調整基準
以下の基準は、 Essentials2020 戦略計画(第2「3 事業の内容」「3.2 オレンジのグループ戦略」を参照の
こと。)(計画を開始するに当たり、取締役会によって野心的な目的が設定されている。)にリンクしており、付
与する株式の数をプラス・マイナス15%調整することを意図したものである。
・ 多角的な収益:具体的にはM2Mからの収益とモノのインターネットからの収益により構成される。
・ 移動体通信及び固定回線のデータ速度:当社の固定回線及び移動体高速通信の顧客経験と、オレンジが速
度の向上に向けて行う極めて大規模な資本投資が反映される主要な基準である。これは、顧客のダウン
ロード速度をMbit/s(メガビット毎秒)で測定したものである。
・ ブランド・パワー:移動体通信顧客の間でどの程度ブランドが認知されているかを測定するもの。移動体
通信顧客は最大のセグメントであり、当グループのいずれの地理的市場においても存在している。
・ NPS:顧客に対して「オレンジの移動体通信/インターネットのサービスを家族や友人に推奨しますか?」
と質問する調査を行って、オンラインでの顧客推奨度の評価を可能にする。
・ 顧客1人当たりの二酸化炭素排出量の変化:各国のオレンジの事業ユニットから排出されるスコープ1とス
コープ2の二酸化炭素排出量の変化を経時的に測定する。これは顧客総数との相対的数値として測定し、各
顧客はその使用回数で加重する。
取締役会は、結果を以下の方法で調整することを決定した。
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・ 各基準の比重を3%とする。
・ 「達成か未達か」の原則に従い、目標を達成した場合は基準は+3%と評価され、達成できなかった場合は-
3%と評価される。
したがって、調整は-15%から+15%まで様々になることがある。最終結果は、2つの業績基準を加えた結果の比
率に(100%+調整)を乗じて得られ、0から100%を限度とする。
出席の条件
株式の取得は、最終取得期間の業績条件の評価日に役員がまだ在職していることを条件とする。
但し、受益者の役務が3年間のLTIP期間が満了する前に終了した特定の場合は、業績条件の達成は以下の例外的
条件によって評価する。
・ 受益者の雇用が死亡又は障害によって終了した場合、TSR及び有機的キャッシュ・フローの目標は3年間の
期間に達成されたものとみなす。
・ 受益者の役務が、雇用の更新を行わないことにより終了した場合。
・ TSR及び有機的キャッシュ・フローの業績は、雇用終了前の期間の各年度に承認された結果を考慮に入れ
て評価されるものとする。
・ 株式の分配は、役員として当社に在籍した期間に比例して行う。
また、制度の期間中に受益者が当グループに在籍したまま役員でなくなった場合は、制度に基づいて割り当て
られた株式に対する権利を維持することが定められた。
支給の上限
達成した目標を基準として役員に分配されうる業績連動株式の株数は、会長兼最高経営責任者は35,000株、そ
の他の役員は18,000株とする。
売買禁止期間
役員は、在職期間が終了するまで、受領する株式の50%以上を保有しなければならない。さらに、役員は、在
職期間が終了するまで、デリバティブ商品によってかかる株式のヘッジを行わないことを正式に確約した。
例外的な報酬
取締役会は、透明性を理由に、2019年は報酬方針で意図されていない例外的な報酬の選択肢を延長しないと決
定した。
出席報酬
役員は、当グループ傘下企業での義務及び任務遂行に対する出席報酬を受領しない。
役務終了に関連する制度
役員の役務の終了又は変更により支払うべき、若しくは支払う可能性のある報酬又は給付はなく、競業避止条
項を考慮したいかなる報酬の支払いも確約しない。
但し、役員が社外採用によって任命された場合、取締役会は法律に従い、Afep-Medefコードに準拠して、かか
る条項を適用する権利を留保する。
補足的年金制度
役員は、その役務に対して、義務的な基本制度及び補足的制度を超えたいかなる補足的年金制度の給付も享受
することはない。
役員が就任前に「マトリックス範囲外」に分類される従業員に設定された確定給付年金制度(2011年以降の採用
者には実施していない。)の権利を有していた場合、その制度の資格は一時的に停止し、在職期間中にいかなる
権利も生じない。さらに、役務が終了した時点で取締役が在職した期間は年功又は報酬のいずれに関しても、
年金の計算に際して考慮しない。
現物給付
役員は、希望した場合、運転手付きの社用車、会長兼最高経営責任者については年間100時間、その他の役員に
ついては年間20時間を上限とするその役職に関連する個人的な法律上の支援のためのコンサルティング会社
サービス、インターネット又は電話アクセス、及びその職務を遂行するために必要な機器(特にIT機器)を得る
ことができる。
そ の 他
会長兼最高経営責任者及び最高経営責任者 代行 は、オレンジ・グループの死亡・障害及び補足的な健康保険制
度に加入している。
4.5.2 非常勤取締役の報酬
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4.5.2.1 出席報酬
出席報酬
2019年2月20日の取締役会会合は、出席報酬の計算条件を定め、2018事業年度に以下の出席報酬を割り当てるこ
とを決定した。
フランス政府を代表する取締役に支払われる出席報酬は、政府予算に支払われる。また、従業員により選任さ
れた取締役は、彼らの出席報酬を労働組合組織に支払うよう申し出ている。
出席報酬 2019年支払総額 2018年支払総額 2017年支払総額
(単位:ユーロ) (2018事業年度分) (2017事業年度分) (2016事業年度分)
取締役
Alexandre Bompard氏 24,000 32,000 656
Bpifrance Participations 30,000 30,000 40,000
Sébastien Crozier氏(1) 50,000 2,778 N/A
Charles-Henri Filippi氏 63,000 57,000 48,986
Christel Heydemann氏 46,000 14,306 N/A
Fabrice Jolys氏(1) 48,000 2,778 N/A
Helle Kristoffersen氏 42,000 38,000 42,000
Anne Lange氏(2) 46,000 40,000 44,000
Luc Marino氏(1) 22,583
René Ollier氏(1) 40,000 4,778 N/A
Bernard Ramanantsoa氏 59,000 52,000 17,656
Mouna Sepehri氏 56,000 48,000 49,000
Jean-Michel Severino氏 48,000 44,000 50,000
前取締役
Daniel Bertho氏(1) N/A 33,194 42,000
Jean-Luc Burgain氏(1) N/A N/A 35,656
Ghislaine Coinaud氏(1) N/A 39,194 48,000
Bernard Dufau氏 N/A N/A 69,358
José-Luis Durán氏 N/A 15,694 34,000
Daniel Guillot氏(1) N/A 37,194 48,000
Claudie Haigneré氏 N/A N/A 18,344
15,417 38,000 10,344
Hélène Marcy 氏(1)
Lucie Muniesa氏(3) 34,306 42,000 43,071
Antoine Saintoyant氏(3) N/A N/A 2,929
合計 624,306 570,916 644,000
(1) 所属する労働組合に出席報酬を直接支払うよう要請した取締役。
(2) フランス政府の提言により、出席報酬の15%が政府予算に支払われる取締役。
(3) フランス政府を代表し、出席報酬が政府予算に支払われる取締役。
N/A:該当なし。
出席報酬の設定及び配分の原則
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法律に従い、毎年取締役に支払うことのできる出席報酬の最高額は株主総会により定められる。株主総会にお
いて新しい決定がされるまでは、従前の決議が効力を有する。この合計額は2014年5月27日の株主総会において
750,000 ユーロと決定された。これは、特に取締役会の委員会の業務量の増加によるものである。
株主総会により決定された上限の範囲内で、かつ、GCSER委員会の提言に基づき、取締役会は各年度の年頭に、
現在の事業年度の出席報酬額の計算手順と同様に、前年についてその構成員に割り当てる出席報酬額及びその
分配方法を決定する。取締役会は2019年2月20日の会合で、2018年に定めた分配のルールと出席報酬額の計算手
順を2019年も引き続き以下の通りとすることを決定した。
・ 1取締役当たり1年につき10,000ユーロの固定額、該当する場合は在職期間に応じて案分計算
・ 以下の通りである、取締役会及びその委員会の執務への出席率及び参加率に直接関連する額
・ 取締役会の会合及び戦略セミナー1回当たり2,000ユーロ
・ 監査委員会、GCSER委員会並びにイノベーション及び技術委員会の会合1回当たり2,000ユーロ
・ 前述の委員会の議長を務めるに当たり、委員会会合1回当たり追加で1,000ユーロ
・ 筆頭独立取締役の任務に対する年間15,000ユーロの固定報酬
4.5.2.2 その他の報酬
以下の表は、従業員により選出された取締役及び従業員株主を代表するため株主総会により選出された取締役
に支払われた報酬を示したものである(出席報酬(上記に記載済)は除く。)。
総額 2018年支払額 2017年支払額
(単位:ユーロ)
Sébastien Crozier氏(1) 203,819 11,719
Fabrice Jolys氏(1) 38,220 2,979
Hélène Marcy氏(3) 25,593 69,821
Luc Marino氏(2) 43,049 N/A
René Ollier氏(1) 36,728 2,543
(1) 2017年12月3日から。
(2) 2018年5月4日から。
(3) 2018年5月3日まで。
N/A:該当なし。
当該報酬を除いて、非常勤取締役及び役員は、出席報酬以外の報酬を受領していない。
さらに、オレンジSA又はその子会社のいずれの取締役会の構成員に関しても、かかる取締役の任期終了時の給
付を規定する取り決めはなされていない。
4.5.3 経営委員会の構成員の報酬
2018事業年度について、従業員の社会保障給付費を除き、オレンジSA及びその支配下にある会社から、オレン
ジの経営委員会の全ての構成員に対して支払わなくてはならない報酬総額(当年の途中における退任及び指名の
場合は、案分計算による。)は、12,811,203ユーロであった。
かかる額は、2018事業年度に関して支払予定の全ての報酬を含む(具体的には、給与総額、賞与(変動報酬及び
複数年変動報酬を含む。)、現物給付並びに利益分配及び報奨金(最後の2つの項目に関しては可能性のある雇用
者寄与分を除く。))。
2015年1月1日付で署名された、経営委員会の構成員(役員を除く。)の雇用契約には、1年の税込報酬額総額に基
づく15ヶ月分を超えない給与を契約上の退職手当(契約上の合意により規定された解雇手当を含む。)として規
定する条項が含まれていた。
経営委員会の構成員のいずれも、オレンジ・グループの子会社において務める取締役及び役員に対する出席報
酬を受領しない。
2018事業年度中、経営委員会の構成員は、ストックオプションを受け取っていない。
取締役会は、2つの長期奨励給制度(2017年から2019年のLTIP及び2018年から2020年のLTIP)を実施し、経営委員
会構成員に対して役員と同じ条件で適用している。2017年から2019年のLTIPは、最高経営責任者代理に14,000
株、シニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントに10,000株を予想している。2018年から2019年のLTIP
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は、事業ユニットを担当する最高経営責任者代理とシニア・エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントに
15,000株、その他の経営委員会構成員に10,000株を予想している。
2019年から2021年までの期間のLTIPは、2019年5月21の株主総会に提出される予定であり、経営委員会構成員に
対して役員と同じ条件で適用され、2018年から2020年のLTIPと同じ株式数が付与される。
上位10人の役員以外の従業員に付与されたストックオプション及びかかる者により行使されたオプション
2018事業年度中、オレンジSAその他のいずれの当グループの会社も、ストックオプションを従業員に付与して
いない。
2018年中、従業員である給付対象者によって行使されたオプションはない。2018年12月31日現在、従業員は一
切のオプションを保有していない。
4.5.4 株式所有
当社が把握している限り、2019年5月21日現在、各取締役及び各最高経営責任者代行が保有するオレンジ株式の
数は以下の表の通りである。
Stéphane Richard氏
31,396
René Ollier氏
0
Alexandre Bompard氏
1,000
Bpifrance Participations
254,219,602
Sébastien Crozier氏
3,287
Christel Heydemann氏
1,000
Charles-Henri Filippi氏
10,001
Fabrice Jolys氏
138
Helle Kristoffersen氏
1,747
Anne Lange氏
0
Luc Marino氏
635
Hélène Dantoine氏
0
Bernard Ramanantsoa氏
1,000
Anne-Gabrielle Heilbronner氏
NA
Jean-Michel Severino氏
1,000
Ramon Fernandez氏
1,573
Gervais Pellissier氏
34,635
5【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
取締役の任命については、第1「1 会社制度等の概要」「(2) 提出会社の定款等に規定する制度」「b)
経営及び管理機関に関する規定」「(a)取締役会」を参照のこと。
コーポレート・ガバナンス・コードの参照
オレンジは、2018年6月に改訂されたAfep-Medefの上場会社コーポレート・ガバナンス・コード(オレンジ、
Afep及びMedefのウェブサイトで確認できる。)を参照している。
フランスの商法第L.225-37条で規定されている 遵守又は説明(Comply or Explain) の原則に基づき、当社は、本
報告書提出日において、Afep-Medefコードの勧告を遵守していることを宣言する。
独立取締役
取締役の独立性に関する年次評価が、GCSER委員会の提案に基づき、2019年2月20日の取締役会において実施さ
れた。取締役の独立性を評価するに際し、取締役会はAfep-Medefコード上のコーポレート・ガバナンスに関す
る基準を全て考慮した。かかる基準には、取締役が独立していると判断されるためには、次の事項のいずれに
も該当してはならない旨が記載されている。
・ 過去5年以内に以下のいずれかに該当すること。
・ 当社の従業員又は執行役員。
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・ 当社の連結子会社の従業員、執行役員又は取締役。
・ 当社の親会社又は連結子会社の従業員、執行役員又は取締役。
・ オレンジが取締役会において直接的若しくは間接的に役職を占めている会社又は従業員がかかる役職に任
命され若しくは現在若しくは過去5年以内にオレンジの執行役員を務めていた者が取締役を務める会社の
執行役員であること。
・ 顧客、サプライヤー、商業銀行、投資銀行又はアドバイザーで、以下のいずれかに該当すること。
・ 当社又は当グループにとって重要な者。
・ 当社又は当グループが事業について重要なシェアを占める者。
当社又は当グループとの関係の潜在的な重要性の評価は、取締役会で議論されなければならない。かかる評価
において使用される質的及び/又は量的基準(継続性、経済的依存度、排他性等)はコーポレート・ガバナンスに
関する報告書に明示的に記載されなければならない。
・ 取締役又は役員と近親の家族関係がないこと。
・ 過去5年以内に、当社の法定監査人になっていないこと。
・ 12年超の間、当社の取締役でないこと。この基準に従い、独立取締役は、かかる12年間の期間が到来した
日にその地位を喪失する。
Afep-Medefコード(2018年6月付のバージョン)は、現在、独立性基準に関して各取締役の状況についての概要表
を表示するよう勧告している。当該基準に関しては、GCSER委員会による分析が実施済みであり、同概要表は本
項目末尾に表示されている。
取締役会は、2019年2月20日に、毎年同様、取締役と当社又は当グループとの関係の潜在的な重要性の評価につ
いて議論した。これを行うため、GCSER委員会は、最初に、本報告書を作成する際に取締役が行った年次宣言
(潜在的な利益相反の項目を含む。)を、次いで、オレンジ・グループとその取締役又はその取締役を雇用して
いる企業(又はその取締役が任期を有している企業)との間のあらゆる事業関係をレビューした。
かかる議論の後、Christel Heydemann氏、Helle Kristoffersen氏、Anne-Gabrielle Heilbronner氏、
Alexandre Bompard氏、Charles-Henri Filippi氏、Bernard Ramanantsoa氏及びJean-Michel Severino氏が、
Afep-Medefコードの基準に従い、独立とみなされた。すなわち、これは、取締役会の構成員15人中、7人にあた
る。
より具体的に言うと、GCSER委員会は、筆頭独立取締役の状況について、2018年3月に法人向け銀行Lazardのマ
ネージング・パートナーとして当該取締役が任命されたことを受け、レビューを実施した。また、GCSER委員会
は、独立取締役が任期を有する上場企業との事業取引の性質についてもカバーしている。GCSER委員会は主に、
当該企業の一部が事業通信サービスを対象としたオレンジ・ビジネス・サービスの顧客であることを明らかに
している。また、取締役会は、当社の取締役によって宣言・実施されたあらゆる潜在的なアドバイザリー・
サービス(Afep-Medefコードにおける新項目)についてもレビューした。
取締役会は、当該事業関係の性質及び程度、並びに上記の各取締役が行った独立性の宣言に照らして、これら
の関係はオレンジ・グループ及び当該取締役が所属する各グループ又は事業体のいずれにおいても重大でない
とみなした。したがって取締役会は、これらの関係は上記の各取締役の独立性に疑義を生じさせうるものでは
ないと結論付けた。
公共部門を代表する3人の取締役、並びに従業員又は従業員株主を代表する4人の取締役は、その定義上、Afep-
Medefコードに基づき独立とみなされることはできない。会長兼最高経営責任者のStéphane Richard氏は、同氏
が当グループについて負う執行機能を理由に、独立取締役とは考えられていない。
Afep-Medefコードに基づき、独立取締役の割合を計算する際に考慮されない、従業員及び従業員株主を代表す
る取締役を除くと、取締役会は、11人中7人の独立取締役を有している。これは取締役会の3分の2に近く、かか
る割合は、十分に、Afep-Medefコードの勧告の範囲内にある。
以下の表は、Afep-Medefコードに規定された独立性基準に関する各独立取締役の状況を示している。
取締役の独立性 Alexandre Charles-Henri Christel Helle Bernard Anne-Gabrielle Jean-Michel
Bompard氏 Filippi氏 Heydemann氏 Kristoffersen氏 Ramanantsoa氏 Heilbronner氏 Severino氏
基準1: 過去5年間にお