ビーシーイー・インク 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | ビーシーイー・インク |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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ビーシーイー・インク(E05757)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月27日
【事業年度】 自 2018年1月1日 至 2018年12月31日
【会社名】 ビーシーイー・インク
(BCE Inc.)
【代表者の役職氏名】 社長兼最高業務執行役員
(President and Chief Executive Officer)
ジョージ・A・コープ
(George A. Cope)
【本店の所在の場所】 カナダ H3E 3B3 ケベック州ベルダン市,カルフール・アレクサ
ンダー・グラハム・ベル、ビルディングA、7階、1
(1 Carrefour Alexander-Graham-Bell, Building A, 7th Floor
Verdun, Qu é bec Canada H3E 3B3)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 北 澤 正 明
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディ
ング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 岡本 裕馬
同 鷹尾 征哉
同 千葉 大成
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディ
ング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 なし
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第一部 【企業情報】
(注) 1 本書において、「当社」および「BCE」とは、文脈上の必要に応じて、ビーシーイー・インクまたはビーシーイー・
インク、ベル・カナダ、これらの子会社、共同支配企業および関連会社の総称である。「ベル」とは、文脈上の必
要に応じて、ベル・カナダまたはベル・カナダ、その子会社、共同支配企業および関連会社の総称である。
「MTS」とは、文脈上の必要に応じて、2017年3月17日まではマニトバ・テレコム・サービシズ・インクまたはマ
ニトバ・テレコム・サービシズ・インクおよびその子会社の総称のいずれかを指し、「ベルMTS」とは、2017年3
月17日以降は、マニトバ州におけるMTSおよびベル・カナダの事業の総称を指すものである。
別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「ドル」はカナダドルを指す。別段の記載がある場合を除き、および
別の日付が記述された書類からの参照に含まれる情報を除き、本書の情報は2019年3月7日付けのものである。
2 日本国内の普通銀行によって報告された円表示によるカナダドルの東京外国為替市場における年度末現在の対顧客
換算率(仲値)は下記の通りである。
12月31日終了年度
2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
98.42円 103.63円 87.18円 86.46円 89.95円 81.52円
本書において便宜上記載されている日本円への換算は、別段の表示がない限り、1カナダドル=80.8円(2019年5
月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行における対顧客直物電信売買相場仲値)の換算率により計算されている。
3 本書において、「従業員」とはBCEの役員を含むが役員でない取締役は含まない。
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無形資産
当社は、当社が保有する、または当社が使用を許諾されている知的財産権により保護された様々な著作物
(「IP資産」)を使用する。当該IP資産は、ブランド名、名称、デザイン、ロゴ等の商標、コンテンツ、番組
および音楽作品の著作権、放送信号、ソフトウェアおよびアプリケーション、ドメイン名、特許権または当社
および当社従業員が保有もしくは開発した発明の特許出願、ならびに当社が所有する、またはライセンスを受
けた各種著作権物、商標、特許およびその他の知的財産権を含むが、これらに限らない。当社は、様々な事業
活動においてIP資産を利用して価値を生み出す。このため、当該IP資産は、当社の事業とその成功にとって重
要である。当該IP資産を保護する上で、当社は、著作権法、商標法、特許法その他の知的財産法が定める法的
保護、ならびにライセンス契約の条項の双方に依拠している。
特にベル・ブランドは当社製品のポジショニングにおいて重要な役割を果たす。当社のブランディングは、
簡潔であり、全ての顧客により良いカスタマー・エクスペリエンス(顧客体験/満足度)を提供するという当
社の戦略を直接サポートするものである。当社の商標権は、その登録が随時更新され(該当する場合)、商業
目的で当社またはそのライセンシーにより使用される限り、永久的に存続する。顧客名簿等のその他の無形の
専有情報もまた、当社の業務において重要な役割を果たす。
当社は、当社のIP資産を保護、更新および防御するために合理的かつ適切な措置(侵害者の告訴を含む。)
を講じている。また、当社は、他社の知的財産権を侵害しないよう、細心の注意を払っている。しかし、様々
な法域において知的財産を保護している法律が、当社IP資産を十分に保護する、または今後も保護し続ける保
証はなく、また、当社が、当社IP資産の内容そのもの、または当社IP資産に対する権利を主張する第三者の請
求を防ぐ、または当該請求に対して抗弁することに成功する保証はない。
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商標
以下は、ビーシーイー・インク、同社の子会社、共同支配企業、関連会社または当社が持分を有するその他
の会社が、使用許諾に基づいて保有または使用する商標で、本書において言及または使用されているものを示
す。BCEは、ビーシーイー・インクの商標である。AAAセキュリティ、アリアント、オルト・テレビ、ベル、ベ
ル・カナダ、ベル・センター、ベル・コネクテッド・カー、ベル・メディア、ベル・モビリティ、ベルMTS、
ベル・スマート・ホーム、ベル・トータル・コネクト、ベルTV、ファイブ、レッツ・トーク、MTS、Q9、Q9
ネットワークス、ローム・ベター、トゥデイ・ジャスト・ゴット・ベター、TV Everywhereおよびホール・
ホームWi-Fiは、ベル・カナダの商標である。アストラル、アストラル・メディア、BNN、Canal D、Canal
Vie、Comedy、クレイヴ、CTV、CTV 2、CTVムービーズ、CTVニュース・チャンネル、CTVスーパー・ハブ、CTV
スローバック、CTV Two、eTalk、スナッカブルTV、スペース、スーパー・エクラン、ザ・ローンチ、ザ・ムー
ビー・ネットワーク、ザ・ソーシャル、TMNおよびTMNアンコールは、ベル・メディア・インクの商標である。
ラッキー・モバイルは、ベル・モビリティ・インクの商標である。アラームフォースは、アラームフォース・
インダストリーズ・インクの商標である。アクシアは、アクシア・ネットメディア・コーポレーションの商標
である。ブルームバーグは、ブルームバーグ・エル・ピーの商標である。ブラボーは、ブラボー・メディア・
エルエルシーの商標である。コメディー・セントラルは、コメディ・パートナーズの商標である。ディスカバ
リーは、ディスカバリー・コミュニケーションズ・エルエルシーの商標である。E Zロックは、ベル・メディ
ア・ラジオ・ジーピーの商標である。エクスプレスビュは、ベル・エクスプレスビュ・リミテッド・パート
ナーシップの商標である。グレンテル、Tboothワイヤレス、WIRELESSWAVEおよびWIRELESS etc.は、グレンテ
ル・インクの商標である。HBOカナダは、ホーム・ボックス・オフィス・インクの商標である。iHeartRadio
は、iHMアイデンティティ・インクの商標である。メープル・リーフ・スポーツ・アンド・エンターテインメ
ント、MLSE、トロント・メープル・リーフスおよびトロント・ラプターズは、メープル・リーフ・スポーツ・
アンド・エンターテインメント・パートナーシップの商標である。モントリオール・カナディアンズは、クラ
ブ・ド・ホッケー・カナディアン・インクの商標である。ノーザンテルは、ノーテル・ネットワークス・リミ
テッドの商標である。ノースウェステルおよびエヌ・ノースウェステル・デザインは、ノースウェステル・イ
ンクの商標である。RDS、RDSダイレクト、TSNおよびTSNダイレクトは、ザ・スポーツ・ネットワーク・インク
の商標である。ショータイムは、ショータイム・ネットワークス・インクの商標である。スターズは、スター
ズ・エンターテイメント・エルエルシーの商標である。テレベックは、テレベック・リミテッド・パートナー
シップの商標である。ザ・ソースは、ザ・ソース(ベル)エレクトロニクス・インクの商標である。トロン
ト・アルゴノーツは、アルゴノーツ・ホールディングス・リミテッド・パートナーシップの商標である。トロ
ントFCは、MLSカナダ・エルピーの商標である。ヴァージン・モバイル、ヴァージン・モバイル・カナダおよ
びヴァージン・ラジオは、ヴァージン・エンタープライジズ・リミテッドの商標である。
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当社は、当社の商標は、当社の成功にとって重要であると考え、これらを保護、更新および防御するために
適切な措置を講じている。本書において使用されるその他の商標は、当該商標の各所有者の資産である。
© BCE Inc., 2019. All rights reserved.(不許複製・禁無断転載)
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第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
カナダにおいては、カナダ会社法(Canada Business Corporations Act、「CBCA」)に基づき連邦下で会社
を設立するか、または各州の会社法に基づき会社を設立する方法がある。会社(連邦法人または州法人かを問
わない。)は、競争法および破産法等の特定の連邦法、ならびに事業を行う州の特定の州法に服する。カナダ
において連邦証券法は存在しないが、各州は、州内の取引を規制する独自の証券法を有している。
当社に適用される法制度は、カナダの連邦議会が制定した法律であるCBCAである。
以下にBCEを含む会社に適用されるCBCAの特定の条項の概要を示す。
1名以上の個人は、定款に署名し、カナダ国内の登録事業所および会社の取締役を記載する通知と共にそれ
をCBCAに基づき任命された会社法局長(Director)に送付することによって、会社を設立することができる。
会社法局長は、定款の受領後、設立証明書を発行する。会社は、設立証明書記載の日付に設立される。定款
は、(i)会社の名称、(ii)登録事業所のカナダ国内の所在場所、(iii)会社が発行可能な株式の種類およ
び発行可能株式総数(種類株式が二つ以上ある場合、各種類株式に付される権利、特権、制限および条件)、
(iv)会社の株式の発行、譲渡または所有権の制限があるときは、その旨および当該制限の性質、(v)会社
の取締役の人数(一般的に、最低および最大人数を記載)、ならびに(vi)会社が継続して行う事業に対する
制限を記載する必要がある。CBCAに定める特定の変更(資本構成の変更、名称の変更または取締役の最低人数
もしくは最大人数の増減等)に関する定款変更は、特別決議によって行うことができる。特別決議とは、当該
決議に投票した株主の投票総数の3分の2以上の多数をもって可決となる決議をいう。取締役は、変更に従っ
て定款を書き換えた上で、CBCAに従ってそれを会社法局長に送付し、会社法局長は、修正設立証明書を発行す
る。修正定款は、修正設立証明書記載の日付に効力を生じ、原始定款およびその全ての変更に優先する。
会社は、会社の事業および業務全般を統制するために附属定款を採用することができる。会社またはその取
締役に特定の権限を付与するために附属定款を採択する必要はない。CBCAに基づき設立された会社は、行為能
力を有しており、CBCAの定めに従い自然人としての権利、権限および特権を有しており、カナダ国内全域およ
びカナダ国外においては当該法域が許可する範囲内で事業を営むことができる。
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会社は、CBCAに基づき会社、証券および会計記録を保持することが義務付けられている。また、各年次株主
総会において、取締役の承認を受けた財務諸表と共に会社の会計監査人の監査報告書(該当がある場合)を株
主に提出しなければならない。年次財務諸表は、登録株主全員に送付しなければならず、また、会社が発行し
た有価証券の一部が、公衆に対して公募する、または公募したものであり、その残存期間がある場合で、2名
以上により保有されている場合、CBCAに基づき年次財務諸表を会社法局長にも送付しなければならない。会社
が発行した有価証券の一部が、公衆に対して公募する、または公募したものであり、その残存期間がある場合
で、2名以上により保有されている会社は、CBCAに基づき、会社の取締役3名以上から構成される監査委員会
を設置しなければならず、その過半数は会社またはその関係会社の役員または従業員であってはならない。
(a)株主
株主総会は、前回の株主総会の後、15ヵ月以内に必ず毎年招集しなければならない。また、取締役は、その
裁量により臨時株主総会を招集することができ、また、会社の発行済株式の5パーセント以上を保有し、開催
予定の株主総会に係る議決権を有する株主の要請がある場合は臨時株主総会を招集しなければならない。CBCA
に基づき、株主総会は、定款で開催場所を定めている場合、または当該株主総会の議決権を有する全ての株主
が同意する場合、カナダ国外で開催することができる。財務諸表および監査報告書の審議、取締役の選任なら
びに現任会計監査人の再任のみが、年次株主総会で取り扱われる特別事案とみなされない事案である。
定款に別段の定めがない限り、会社の株主は、株主総会において1株につき1個の議決権を有する。附属定
款に別段の定めがない限り、株主総会での投票は挙手により行われるものとするが、挙手による投票の前後
に、当該株主総会において投票権を有する株主または代理人が投票を請求した場合は除く。各人は、挙手によ
る投票において、保有株数にかかわらず1個の議決権を有する。株主総会において投票権を有する株主は、委
任状により代理人(株主に限定されない。)を指名して株主総会に出席させ、行為させることができる。附属
定款に別段の定めがない限り、上記において言及される投票権は、規則(もしあれば)に従って、その全てを
電話、電子的またはその他の通信手段により行使することができる(会社が当該通信手段を提供している場
合)。附属定款は、株主総会で必要とされる定足数を定めることができる。株主総会の決議は通常、「通常決
議」により行われる。通常決議とは、当該決議に係る株主の投票の過半数により採択された決議をいう。定款
の変更は、上記記載の特別決議により採択される必要がある。
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(b)経営および運営
取締役は、CBCAに定める特定の制限のもとで、会社の事業および業務を経営する。会社は、発行済有価証券
の一部が公衆に対して公募する、または公募したものであり、その残存期間がある場合で、2名以上により保
有されている場合、3名以上の取締役を要し、そのうちの少なくとも2名は会社または関係会社の役員または
従業員であってはならない。会社の取締役の25パーセント以上は、カナダ居住者でなければならない。ただ
し、会社の取締役の人数が4名未満の場合、少なくともそのうちの1名がカナダ居住者でなければならない。
また、会社がカナダ国内で指定産業の業務を行う場合、または会社が議会法もしくは議会法に基づく規則によ
り、個別にもしくはカナダ国内で指定産業の業務を行うために、カナダ人による所有・支配を特定の水準で実
現もしくは維持することが求められ、もしくは株主1名が保有、所有もしくは支配することのできる議決権付
株式数を制限し、もしくはこれに関する制限を遵守することが求められる場合、会社の取締役の過半数は、カ
ナダ居住者でなければならない。取締役は、1つ以上の取締役委員会に対して、一部の例外を除き、取締役の
権限を委譲することができる。
取締役会で採択された決議と、当該決議の投票権を有する取締役全員の署名が付された書面決議は、同じ効
力をもつ。取締役の行為は、その選任もしくは任命方法に不正があり、またはその適格性に欠陥があったとし
ても、有効である。株主は、臨時株主総会の通常決議により、1名以上の取締役を解任することができる。定
款は、取締役選任にかかる累積投票について定めることができる。取締役の任期は、選任後3回目の年次株主
総会の終結時に満了する。定款に別段の定めがない限り、一般的には定足数を満たす取締役により取締役の欠
員を埋めるための新任取締役を補充できる。
(c)役員
定款または附属定款に従って、取締役は、CBCAに従い、会社の役員を指名し、ならびに会社の事業および業
務を管理するための権限を委譲する役員を指名することができる。
(d)会社の資金調達および株式
定款または附属定款に従って、取締役がCBCAに従って決定する時期、人物および対価をもって株式を発行す
ることができる。定款は、新株予約権について定めることができる。株式に追加払込義務はなく、株式の対価
は発行前に全額払い込まなければならない。株式は、記名式無額面株式とする。定款は、二つ以上の種類株式
(クラスまたはシリーズ)について定めることができる。
(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
ビーシーイー・インクは、2004年8月1日付け定款(合併用)、2006年7月10日付け定款(再編用)、2007
年1月25日付け定款(修正用)、2007年1月25日付け定款(修正用)、2011年6月29日付け定款(修正用)、
2014年9月22日付け定款(修正用)、および2014年11月11日付け定款(修正用)に準拠する (総称して「定
款」という。) 。
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(a)株式
定款は、ビーシーイー・インクの発行可能株式のクラスおよび上限が、(1) 普通株式は無制限、(2) 第一優
先株式はシリーズ発行可能(無制限)、(3) 第二優先株式もシリーズ発行可能(無制限)、および(4) クラス
B株式は無制限であることを定めている。本書日付現在、普通株式および第一優先株式(シリーズR、S、T、
Y、Z、AA、AB、AC、AD、AE、AF、AG、AH、AI、AJ、AK、AL、AM、AN、AOおよびAQ)は、発行済みである。本書
日付現在、クラスB株式、第一優先株式(シリーズK、L、P、Q、U、V、W、X、APおよびAR)および第二優先株
式はいずれも発行されていない。
定款は、普通株主は保有株式1株につき1個の議決権を有すが、クラスB株主、第一優先株主、および第二
優先株主は、定款に別段の定めのある場合を除いては、議決権を有さないことを定めている。ビーシーイー・
インクの配当金が、ある定められた期間について未払いである場合、第一優先株主(シリーズK、L、P、Q、
R、S、T、U、V、W、X、Y、Z、AA、AB、AC、AD、AE、AF、AG、AH、AI、AJ、AK、AL、AM、AN、AO、AP、AQおよ
びAR)は、保有株式1株につき1個の議決権を有する。
全てまたは一部の株式に係る権利、優先権、制限または条件の変更は、株主の特別決議により行うことがで
きる。種類株主(クラス。場合によってはシリーズの株主)は、当該クラスまたはシリーズ株式に付帯する権
利、優先権、制限または条件の変更提案があった場合、クラスまたはシリーズ毎に個別に投票する権利を有す
る。次に、第一優先株主および第二優先株主は、1株当たり5,000個の議決権を有するシリーズLの第一優先株
主を除き、1株当たり1個の議決権をする。
(b)株主総会
ビーシーイー・インクが服する法律に従って、ビーシーイー・インク株主総会は、取締役、取締役会議長ま
たは社長が決定する場所にて開催することができる。CBCAに基づき、株主総会は、定款で開催場所を定めてい
る場合、または当該株主総会において投票権を有する全ての株主が開催場所について同意する場合、カナダ国
外で開催することができる。BCEの定款は、カナダ国外の様々の場所で株主総会を開催する可能性について定
めている。株主総会の時期および開催場所を記載した招集通知は、開催日の21日から60日前までに、ビーシー
イー・インクの株主総会において投票権を有する各株主、各取締役および会計監査人に対して送付されるもの
とする。
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(c)取締役
ビーシーイー・インクの定款は、取締役の最低人数を5名、最大人数を20名と定めている。さらに、同定款
は、取締役の当該最大人数を条件として、取締役会は法律が認める欠員の補充に加えて、1名以上の取締役を
選任することができる旨を定めている(当該取締役の任期は、次の年次株主総会の終結時に満了する。)。た
だし、これにより選任された取締役の人数の合計は、前回の年次株主総会で選任された取締役の人数の3分の
1を上回らない。ビーシーイー・インクの附属定款は、取締役の人数はビーシーイー・インクの定款の規定に
従って取締役の決議により随時決定する旨を定めている。
現在、取締役定員数は、14名に定められている。
(d)委員会および役員
ビーシーイー・インクは、取締役の決議により各種取締役委員会について定めている。現在、決議で定めら
れたビーシーイー・インクの取締役委員会は、コーポレート・ガバナンス委員会、経営資源および報酬委員
会、監査委員会ならびに年金基金委員会(以下「年金基金委員会」または「年金委員会」という。)である。
コーポレート・ガバナンス委員会(以下「コーポレート・ガバナンス委員会」または「ガバナンス委員会」と
いう。)、経営資源および報酬委員会、監査委員会ならびに報酬委員会それぞれの目的は、以下の通りであ
る。
(i)コーポレート・ガバナンス委員会
コーポレート・ガバナンス委員会の目的は、(i)当社のコーポレート・ガバナンス・ガイドラインの
作成および実行、(ii)取締役会のメンバーに相応しい個人の特定、(iii)取締役会およびその委員会の
構成の決定、(iv)取締役会および委員会業務の対価としての取締役報酬額の決定、(v)取締役会議長、
取締役会、取締役会委員会、委員会議長、および各取締役の評価プロセスの策定および監督、ならびに
(vi)当社の業務遂行、企業倫理、重要情報の開示およびその他の事項に関する当社の方針の検討および
取締役会承認の申請について、取締役会を支援することにある。
(ii)経営資源および報酬委員会
経営資源および報酬委員会の目的は、(i)役員およびその他経営幹部の報酬、指名、評価および後任
者への引継、ならびに(ii)当社の安全衛生方針および慣行に関する監督責任について取締役会を支援す
ることにある。
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(iii)監査委員会
監査委員会の目的は、(i)当社の財務諸表および関連情報の完全性、(ii)適用される法的要件およ
び規制要件の当社の遵守、(iii)社外監査人の独立性、適格性および任命、(iv)当社の社外監査人およ
び社内監査のパフォーマンス、(v)経営陣の内部統制の効果に関する評価および報告責任、ならびにvi)
当社の企業リスク管理手続の監督について取締役会を支援することにある。
(iv)年金基金委員会
年金基金委員会の目的は、(i)当社の年金制度および年金基金(「本基金」)の管理、資金調達、お
よび投資、ならびに(ii)本基金およびマスター・トラスト・ファンドと呼ばれる参加子会社の年金基金
の集団投資のために当社が拠出しているユニット型合同運用ファンドに関連する取締役会の監督責任につ
いて取締役会を支援することにある。
2 【外国為替管理制度】
本提出日現在、カナダにおいて、カナダの会社から非カナダ居住者に対する配当金もしくは売上高の支払ま
たは清算資産の分配に課される外国為替管理制限は存在しない。
カナダ投資法(Investment Canada Act、「ICA」)は、カナダ事業を営むカナダの会社の支配権の取得に適
用される。企業体の議決権持分の過半数または当該議決権持分の3分の1以上に係る受益所有権の取得(事実
上の支配が議決権付株式の所有権を取得したことにより行われる場合)は、支配権の取得とみなされる。BCE
の支配権の取得を構成するのに十分な株式数の取得は、当該投資がカナダにとって「実質的利益」をもたらす
かどうかを判断するために、同法に基づくカナダ政府の産業大臣の審査の対象となる。非カナダ人は、審査が
終了し、大臣がICAに基づき適格認定を行い、または行ったとみなされるまで、審査対象となっている投資を
実行してはならない。
また、現在、BCEの業務に適用される業界を限定する法律(電気通信法、放送法および無線通信法)は、外
資規制を行っており、非カナダ人によるBCEの実質的支配を禁じている。
3 【課税上の取扱い】
(1)非カナダ居住者に対するカナダの課税
(a)BCE株式の配当金に対する源泉徴収税
非カナダ居住者に対して支払われた、または送金されたBCE株式の配当金の源泉徴収税率は、協定により減
額されない限り、25パーセントとする。
日加租税条約(Canada-Japan Income Tax Convention)(1986年。その後1999年の議定書により改定)に基
づき、日本に居住し、カナダに「恒久的施設」(permanent establishment)を持たない個人または会社に対
して支払われた、または送金されたBCEの配当金に対する源泉徴収税率は、15パーセントに軽減された。
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(b)BCE株式の処分に対する所得税
非カナダ居住者によるBCE株式の処分益は、当該処分が「取引の性質を有する投機(adventure in the
nature of trade)」または当該非居住者がカナダ国内で営む事業から得た収益とみなされない限り、通常は
カナダの所得税は課されない。
(2)租税条約
「(1)非カナダ居住者に対するカナダの課税 (a)BCE株式の配当金に対する源泉徴収税」を参照のこと。
4 【法律意見】
ビーシーイー・インクの秘書役補佐でありカナダ国ケベック州法曹協会の会員であるミゲル・バズ氏から、以
下の旨の法律意見書が提出された。
(a) ビーシーイー・インクはカナダ法に基づいて適式に組織、設立され、かつ有効に存続している。
(b) ミゲル・バズ氏が知りかつ信ずる限り、本書第一部 第1「本国における法制等の概要」のうちカナダの法
律問題に関する部分の記述は、実質的に真実かつ正確である。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 下記の財務情報は、2018年12月31日、2017年12月31日、2016年12月31日、2015年12月31日および2014年12月
31日に終了した事業年度の財務情報を、国際財務報告基準(「IFRS」)に準拠して示すものである。
要求されるように、2018年1月1日に当社は以下の改訂会計基準を採用した。
i)IFRS第15号
2014年5月、国際会計基準審議会(「IASB」)は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を公表し
た。IFRS第15号は、契約がIAS第17号「リース」またはその他のIFRSの適用範囲内である場合を除き、財また
はサービスの販売契約から生じる収益を計上するための原則を確立している。IFRS第15号では、財またはサー
ビスの顧客への移転と引き換えに受け取ることが見込まれる対価と同額の収益を、以下の5つのステップによ
り認識する。
1. 顧客との契約を識別する
2. 契約上の履行義務を識別する
3. 取引価格を算定する
4. 取引価格を契約上の履行義務に配分する
5. 履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する
また、当該新基準は、本人か代理人なのか、知的財産のライセンス、契約コスト、ならびに有形固定資産等の一定の非
金融資産の売却から生じる利得および損失の計測および認識に関するガイダンスも定めている。新基準はこの他にも追加
の開示を求めている。
当社は、2017年度の表示にIFRS第15号を遡及適用した。当社の2017年12月31日終了年度の損益計算書および
キャッシュ・フロー計算書、ならびに2017年1月1日および2017年12月31日現在の財政状態計算書にIFRS第15
号を適用することによって生じる影響は、2018年度12月31日終了年度の監査済連結財務諸表の注記34「IFRS第
15号の適用」に記載されている。
IFRS第15号は、主に収益認識のタイミングならびに当社がベル・ワイヤレス・セグメントの製品およびサー
ビスからの収益を分類する方法に影響を与える。また、IFRS第15号は、契約獲得コストの会計処理方法にも影
響を与える。
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・ 複数要素契約の下では、充足された履行義務に配分される収益は、他の履行義務の充足を条件としない金
額に制限されなくなる。契約期間中に認識される収益合計の大部分は影響を受けないが、収益の認識は
早められ、関連する現金の流入前に反映される可能性がある。これにより、認識されているが顧客に対
して未請求となっている収益の金額に対応した契約資産が貸借対照表上に認識される。当該契約資産は
顧客との契約期間にわたり認識される。
・ 充足された履行義務に配分された収益が条件付でない金額に制限されなくなるため、一定の顧客契約期間
中に認識される収益合計のうち、引き渡された製品に帰属する金額の割合が増加する。これにより、対
応する金額分のサービス収益が減少する。
・ 販売手数料および顧客との契約獲得の他の増分コストは、財政状態計算書上に認識され、関連する商品ま
たはサービスの顧客への移転の期間およびパターンと整合的で規則的な基礎で償却される。ただし、以
下の事項を除く。
IFRS第15号の下で、当社は以下の実務上の便法を適用した。
・ 同一の年次報告期間中に開始して終了した、完了した契約、および2017年1月1日よりも前に完了した契
約は、修正再表示されていない。
・ 2017年1月1日よりも前に条件変更された契約は修正再表示されていない。これらの条件変更の合計の影
響は、充足した履行義務と未充足の履行義務の識別 、取引価格の算定および充足した履行義務と未充足
の履行義務への取引価格の配分を行う際に反映される。
・ 顧客から対価を受ける当社の権利が、現在までに移転された商品およびサービスの顧客にとっての価値に
直接対応している場合には、当社は請求する権利を有している金額で収益を認識する。このような契約
および当初予想される期間が1年以内の契約の一部である履行義務に関して、残存履行義務に配分した
取引価格の金額および当社が当該金額をいつ収益として認識すると見込んでいるかの説明は開示されて
いない。
・ 償却期間が1年以内となる予定の契約獲得コストは、直ちに費用計上する。
ii) IFRS 第9号
2014年7月、IASBはIFRS第9号「金融商品」を公表した。IFRS第9号は、金融資産、金融負債および非金融
商品項目を売買するいくつかの契約の認識および測定に関する要件を定めている。新基準は、金融資産が管理
されている事業モデルおよびそのキャッシュ・フローの特徴を反映した、金融資産の単一の分類および測定方
法を定めている。その他にも、金融負債について、事業体の自己の信用リスクに関する指針を定め、リスク管
理措置と会計処理をより密接に合わせるために、ヘッジ会計モデルを修正している。新基準はこの他にも追加
の開示を求めている。
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当社は、IFRS第9号「金融商品」(2014年7月修正)および結果として生じる他のIFRSへの関連する修正を
遡及適用した。ただし、以下で述べるヘッジ会計の変更については、将来に向かって適用した。経過措置に従
い、比較期間は修正再表示していない。IFRS第9号の適用は、2018年1月1日現在の当社の金融商品の帳簿価
額に重要な影響を及ぼさなかった。IFRS第9号適用の結果、当社の2018年1月1日現在の欠損金は4百万ドル
増加した。
IFRS第9号は、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」の分類および測定のモデルを、償却原価、FVOCIおよ
び純損益を通じた公正価値(「FVTPL」)で金融資産を分類し測定する単一のモデルに置き換えている。この
分類は、金融資産を管理する事業モデルおよびその契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいており、IAS
第39号の満期保有、貸付金および債権ならびに売却可能の区分を削除している。しかし、IFRS第9号の適用
は、当社の金融資産の測定基準を変更しなかった。
・ 現金および現金同等物ならびに売掛金およびその他の債権は、IFRS第9号の下でも引き続き償却原価で測
定する。
・ IAS第39号の下でFVTPLで測定していたデリバティブ商品は、IFRS第9号の下でも引き続き同様に測定す
る。ヘッジ会計に適格なデリバティブ商品は、IFRS第9号の下でも引き続き公正価値で測定する。公正
価値の変化は、その他の包括利益(損 失)に認識される。
・ IAS第39号の下でFVOCIで測定していた、持分証券に対するポートフォリオ投資は、IFRS第9号の下でも引
き続き同様に測定する。
IFRS第9号の下での金融資産の減損は、IAS第39号の発生損失モデルとは反対に、ECLに基づく。IFRS第9号
は、償却原価で測定する金融資産および契約資産に適用し、ECL測定時に過去、現在および将来予測的な情報
を含む要素の検討を当社に要求している。当社は、売掛金および契約資産に関して、全期間のECLに基づく損
失を測定する単純化したアプローチを使用している。回収不能とみなされた金額は直接償却し、損益計算書の
「営業原価」に認識する。
当社は、ヘッジ会計上の関係の当社のリスク管理の目的および戦略との整合性の確保を要求するIFRS第9号
の一般ヘッジ会計モデルを採用した。当社はまた、ヘッジ有効性の評価において、遡及的な評価が要求されな
くなったため、より定性的で将来予測的なアプローチを採用している。
・ IFRS第9号に基づき、当期間に決済された非金融資産の予定購入のキャッシュ・フロー・ヘッジに関連す
る金額は、当該非金融資産の認識時に「その他の包括利益(損 失) 累計額」からその当初の原価に振り
替えられる。IAS第39号の下では、当該金額は「その他の包括利益(損 失) 」から振り替えられた。その
他の予定購入のキャッシュ・フロー・ヘッジに関連する金額は、IFRS第9号の下で、引き続き「その他
の包括利益(損 失) 」から純利益に振り替えられる。
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iii) IFRS 第2号
2016 年6月、IASBは、IFRS「株式報酬」を改訂した。IFRS第2号は、業績条件を含む現金決済型の株式報酬
取引、源泉徴収義務に関し純額決済の要素を有する株式報酬取引、および株式報酬取引の現金決済型から持分
決済型への変更に関する分類および測定を明確化している。
IFRS第2号の改訂は、当社財務諸表に重大な影響を与えていない。
当社は、必要に応じて、2017年1月1日より下記の改訂会計規準を遡及適用した。
iv)IAS7号
2016年1月、IASBは、IAS7号「キャッシュ・フロー計算書」を改訂した。当該改訂は、資金調達における
キャッシュ・フローに起因する変化、子会社その他の事業の支配権の得喪に起因する変動、為替変動の影響お
よび公正価値の変動を含む、財務活動に起因する負債の変動についての開示を充実させることを要求してい
る。要求される充実した開示は、BCEの2017年度監査済連結財務諸表の注記27「キャッシュ・フローに関する
追加情報」に記載されている。
v)IAS19号
2011年6月、IASBは、IAS19号「従業員給付」を改訂した。積立型給付制度の年次財務費用は、純利息費用
または純利息収益を含む。これは、確定拠出(「DB」)年金資産または債務の純額に割引率を乗じて算出され
るものであり、財務費用および年金資産の期待運用収益に取って代わるものであり、これによって年金資産の
現行の期待運用収益を、割引率と同率の収益率に引き下げる。企業は、DB債務および年金資産の公正価値の変
化を、3つの要素(勤務費用、DB年金債務(資産)の純利息、およびDB年金債務(資産)の再測定)に分類し
なければならない。当該変化は、数理計算上の損益の認識に関する回廊アプローチを排除して、DB制度から生
じるリスクに関する開示を改善している。当該改訂による当社財務諸表または連結キャッシュ・フロー計算書
への影響はなかった。
vi)IFRS11号
2011年5月、IASBは、各投資家の契約上の権利・義務に従って、共同支払の取決めを共同支配事業(joint
operation)または共同支配企業(joint venture)のいずれかに分類する、IFRS11号「共同支配の取決め」を
発行した。共同支配事業については、会社は、資産、負債、収益および費用の共同支配事業の持分を認識す
る。共同支配企業に対する投資は、持分法が適用される。IFRS11号を採用したことによって、イヌクシュク・
リミテッド・パートナーシップ(「イヌクシュク」)に対する当社の50パーセントの持分は、共同支配事業と
なった。イヌクシュクは以前は共同支配企業に分類され、持分法が適用されていた。IFRS11号による当社損益
計算書またはキャッシュ・フロー計算書に重大な影響はなかった。
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(1) (1) (1) (1)
2018 年度
2017 年度 2016 年度 2015 年度 2014 年度
収益(百万ドル) 23,468 22,757 21,719 21,514 21,042
継続事業からの 利益 (百万ドル) 2,973 3,050 3,087 2,730 2,718
純利益(百万ドル) 2,973 3,050 3,087 2,730 2,718
普通株主に帰属する純利益(百万ドル) 2,785 2,866 2,894 2,526 2,363
普通株式(払込剰余金を含む)(百万ドル) 21,206 21,253 19,530 19,250 17,858
発行済普通株式総数 (株) 898,200,415 900,996,640 870,706,332 865,614,188 840,330,353
純資産 合計(百万ドル) 20,689 20,625 17,854 17,329 15,239
資産合計(百万ドル) 57,100 55,802 50,108 47,993 46,297
(2)
36.23 36.96 35.63 36.11 32.92
普通株主 持分 比率 (% )
(3)
23.03 22.89 20.51 20.02 18.13
普通株式1株当たり株式資本(ドル)
普通株式1株当たり年間配当金宣言額
3.0200 2.8700 2.7300 2.6000 2.4700
(ドル)
第1四半期0.7550 第1四半期0.7175 第1四半期0.6825 第1四半期0.6500 第1四半期0.6175
第2四半期0.7550 第2四半期0.7175 第2四半期0.6825 第2四半期0.6500 第2四半期0.6175
普通株式1株当たり四半期配当(ドル)
第3四半期0.7550 第3四半期0.7175 第3四半期0.6825 第3四半期0.6500 第3四半期0.6175
第4四半期0.7550 第4四半期0.7175 第4四半期0.6825 第4四半期0.6500 第4四半期0.6175
普通株式1株当たり純利益-基本的
3.10 3.20 3.33 2.98 2.98
(ドル)
普通株式1株当たり純利益-希薄化後
3.10 3.20 3.33 2.98 2.97
(ドル)
従業員数(千人) 53 52 48 50 57
(4)
17.40 18.87 17.43 17.94 17.88
株価収益率(倍率)
営業活動によるキャッシュ・フロー(百
7,384 7,358 6,643 6,274 6,241
万ドル)
投資活動に用いられたキャッシュ・フ
(4,386) (5,437) (4,584) (4,114) (3,570)
ロー(百万ドル)
財務活動による(用いられた)キャッ
(3,198) (2,149) (1,819) (2,113) (2,440)
シュ・フロー(百万ドル)
(1)当社は、必要に応じて、2018年1月1日より2017年度の業績についてIFRS第15号を遡及適用している。2017年度より前
の業績は、IAS第18号「収益」に基づき報告されている。
(2)純資産合計を資産合計で除した数値。
(3)純資産合計を発行済普通株式総数で除した数値。
(4)12月31日付けビーシーイー・インク普通株式の終値を、12月31日を最終日とする12ヶ月の継続事業からの普通株式1株
当たり純利益で除した数値。
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2 【沿革】
(1) 設立、再編成および名称の変更
テレ・ダイレクト・リミテッドは、ベル・カナダの全額出資子会社として1970年に設立され、1979年事業会
社法のもとで存続していた。1982年6月22日、テレ・ダイレクト・リミテッドは、名称をベル・カナダ・エン
タープライゼズ・インクに変更した。1983年4月28日に行われた再編成(「再編成」)により、ベル・カナダの
普通株式および優先株式の株主は自動的に1株につき1株の割合でベル・カナダ・エンタープライゼズ・イン
クの普通株式および優先株式の株主となった。この再編成の結果、ベル・カナダ・エンタープライゼズ・イン
クがベル・カナダおよびベル・カナダ・エンタープライゼズ・インク企業グループのその他の会社の新しい親
会社として設立された。
1988年1月1日を効力発生日として、ベル・カナダ・エンタープライゼズ・インクの名称はビーシーイー・
インクに変更された。当社は、ベル・カナダ・エンタープライゼズの商標でも知られている。
(2) ベル・カナダの沿革
ベル・カナダは1880年にカナダ議会特別法により設立され、当時「ザ・ベル・テレフォン・カンパニー・オ
ブ・カナダ/ラ・コンパニ・カナディエンヌ・ドゥ・テレフォン・ベル」と呼称されていた。べル・カナダの
当初の目的は、カナダ全域に対して電話サービスを提供することにあったが、当初からブリティッシュ・コロ
ンビア州では別の会社が電話事業を行っていた。べル・カナダは、1885年にプリンス・エドワード島の施設お
よび事業を売却し、さらに1889年までにノヴァ・スコシア州およびニュー・ブランズウィック州における事業
の売却を完了した。1900年代初め、カナダのプレーリー3州において電話事業の州政府による所有が強く望ま
れるようになり、べル・カナダは1908年にマニトバ州およびアルバータ州、1909年にサスカチュワン州の施設
および事業を売却した。
べル・カナダはその歴史を通じて、オンタリオ州およびケベック州で営業する数多くの電話会社を取得し、
これらの会社の多くはべル・カナダに併合された。べル・カナダは現在、カナダ最大の通信サービス会社であ
り、カナダで最も人口の多い2州であるオンタリオ州およびケベック州、ならびにマニトバ州およびカナダの
大西洋沿岸諸州を中心にサービスを提供している。
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1882年にベル・カナダは電話機製造のための製造部門を編成した。1895年にはこれとは別に、ベル・カナダ
の製造子会社としてノーザン・エレクトリック・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー・リミテッ
ド(「NEMC」)が設立され、前記事業を継承した。1914年1月5日、ノーザン・エレクトリック・カンパニー・
リミテッドがカナダ法に準拠して設立され、NEMCおよびインペリアル・ワイア・アンド・ケーブル・カンパ
ニー・リミテッドの資産と事業を買収した。ノーザン・エレクトリック・カンパニー・リミテッドの名称はそ
の後、1976年3月にノーザン テレコム リミテッド、1999年4月にノーテル・ネットワークス・コーポレー
ション(「ノーテル」(注)文脈上別段の解釈を要する場合を除き、ノーテルとはノーテル・ネットワーク・
コーポレーションおよびその連結子会社をいう)に変更された。ノーテルはカナダ事業会社法に基づき、1982
年1月4日に2つの全額出資子会社と統合された。1973年公開会社となったノーテルに対するベル・カナダの
持分は、1970年代から1980年代初期に組織再編成が行われるまでの間に約54パーセント(完全希薄化ベースで
は約51パーセント)にまで減少した。組織再編成の一環として、ノーテルはビーシーイー・インクの子会社と
なった。1998年、ノーテルに対するビーシーイー・インクの所有割合は約41パーセントに減少し、ノーテルは
ビーシーイー・インクの関連会社となった。1999年12月31日現在、ノーテルに対するビーシーイー・インクの
所有割合は39.2パーセントであった。2000年1月26日、ビーシーイー・インクは、ノーテルに対する約37パー
セントの持分を自社普通株式の株主に対して付与する計画について発表した。その後、この計画は株主および
裁判所の承認を受け、2000年5月に付与が完了した。かかる付与に伴い、ノーテルに対するビーシーイー・イ
ンクの所有持分は約2パーセントに減少した。2001年3月、ビーシーイー・インクはノーテル普通株式約47.9
百万株の短期先物売買予約の実施、および同数のノーテル普通株式の売却により約37億ドルの売却益を計上し
た。2006年7月28日、ベル・カナダ年金基金は、当社からノーテル残余持分14.9百万株を購入した。
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(3) 組織再編成以後の歴史
1987年後半に、以前BCEコムコー・インク(「コムコー」)が所有していた分を含む、ビーシーイー・インク
のカナダにおける移動体通信の投資持分を保有するためにBCEモバイル・コミュニケーションズ・インク
(「BCEモバイル」)が設立された。1988年12月31日現在、ビーシーイー・インクはBCEモバイルの持分の80.6
パーセントを所有し、残りは一般の株主が保有していた。なお、1997年12月31日現在の所有率は約65.3パーセ
ントであった。所有率の減少は、ビーシーイー・インクによるBCEモバイル普通株式の売却の他、BCEモバイル
による普通株式の追加発行によるものであった。1987年5月にビーシーイー・インクは、メモテク・データ・
インク(現社名テレグローブ・インク、以下「テレグローブ」という。)の持分を取得した。テレグローブは、
当時カナダ唯一の海外通信サービス会社であった、テレグローブ・カナダ・インク(「テレグローブ・カナ
ダ」)の親会社であった。ビーシーイー・インクは1992年3月、テレグローブ株式持分を一部手離す一方、第
三者からBCEモバイル普通株式を取得する取引を実施した。ベル・カナダは1999年、16億ドルでベル・モビリ
ティ・インク(「ベル・モビリティ」)(旧ビーシーイー・モバイル)の非公開化を行った。1992年12月31日現在
のビーシーイー・インクのテレグローブ持分は、完全希薄化ベースで約22.8パーセントであった。1998年12月
31日現在、ビーシーイー・インクはテレグローブに対する約20パーセントの株式持分を有していた。テレグ
ローブに対するビーシーイー・インクの所有持分の減少は、テレグローブが普通株式の発行を通じてエクセ
ル・コミュニケーションズ・インクを100パーセント買収したため、テレグローブに対するビーシーイー・イ
ンクの追加投資が相殺されたことによるものである。
2000年11月1日、ビーシーイー・インクは保有していなかったテレグローブの発行済普通株式の全部を取得
し終えた。購入価格の総額74億ドルは、現金240百万ドルおよび1株当たり41.20ドル(2000年11月1日の市場
価格の最高値および最低値の平均を反映している)のビーシーイー・インク普通株式72億ドル相当分(普通株式
約174百万株が発行された)から構成されていた。
2001年8月26日、テレグローブおよび特定の子会社はエクセル・コミュニケーションズ・グループ(「エク
セル」)の北米事業をヴァーテック・テレコム・インク(「ヴァーテック」)の関連会社に売却する正式契約に
調印した。当該取引に含まれていない英国事業は、2001年度中に閉鎖された。取引は2002年4月5日に完了
し、最終手取金約227.5百万米ドルは、無担保5年間利息付約束手形の形式で支払われた。
2002年4月24日、ビーシーイー・インクは、テレグローブに対する今後の長期資金拠出を中止することを発
表した。2002年5月15日から年末にかけて、テレグローブおよびその特定子会社は、カナダと米国を含む様々
な国々で破産法に基づく更生申請を行った。当社経営陣は、テレグローブの純資産に対する当社持分の正味実
現可能価額の評価を完了し、それをゼロとすることを決定した。その結果、新CICAハンドブック・セクション
3062の経過的規定に従い、2002年1月1日付けで計上された期首利益剰余金に対する経過的営業権減損7,516
百万ドルに加え、2002年度の第2四半期には、非継続事業からの損失73百万ドルが計上された。2002年9月19
日、テレグローブは、主力電気通信事業を売却する契約を締結したことを発表した。当該取引は、2003年6月
に完了している。2002年12月31日、ビーシーイー・インクは、裁判所の承認を取得した後に、テレグローブの
普通株式および優先株式全てを額面価額で裁判所が任命する監督員に売却した。
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1997年9月、BCEは国際通信事業グループを再編成し、当時間接的な全額出資子会社であったベル・カナ
ダ・インターナショナル・インク(「BCI」)を別個にカナダの公開会社として設立した。BCIは、無線通信分野
に重点を置いてカナダ国外、特にラテン・アメリカおよびアジア太平洋地域における通信システムに対する持
分を保有している。BCEの国際通信事業に対する残りの持分は、主として、ケーブル・アンド・ワイヤレス・
コミュニケーションズ・ピーエルシー(「CWC」)に対する14.25パーセントの間接的な株式持分および米国の
ケーブル・テレビ運営業者であるジョーンズ・インターケーブル・インク(「ジョーンズ」)に対する30.3
パーセントの間接的な株式持分で構成されている。1998年6月、ビーシーイー・インクはCWCに対する株式持
分を売却し、約23億ドルの正味現金手取金を得た。1999年4月、ビーシーイー・インクはジョーンズに対する
投資を売却し、508百万米ドルの手取金を得た。
1997年10月6日、BCIは普通株式の初めての公募を完了し、総額約438百万ドルの正味手取金を調達した。
ビーシーイー・インクは当時BCIに対する73.7パーセントの間接的な持分を保有し、残りは一般株主が保有し
ていた。
2001年12月3日、BCIは短期的な資金のコミットメントの充足を可能にすることを意図した資本増強計画を
発表した。BCIに対するビーシーイー・インクの所有割合は、この計画の実施により約62パーセントに希薄化
された。
BCIに対する当社の投資は、2002年1月1日付けで非継続事業に再分類された。さらに、2002年6月30日以
降、BCIの財務成績は連結の対象から外されており、正味実現可能価額に対するBCI投資の評価減として、2002
年度第2四半期には費用191百万ドル、第4四半期には費用125百万ドルが計上された。かかる費用は、非継続
事業の損失として計上されている。
2002年2月15日、BCIは、資本増強計画の一環として株主割当増資を完了した。ビーシーイー・インクは、
当該株主割当増資に基づいてBCIが取得した手取金総額約440百万ドルのうち、約390百万ドル分について権利
を行使した。BCIは2002年2月15日、資本増強計画に関連するその他の取引もいくつか完了した。
2002年7月12日、BCIの株主および債券保有者は同社の債務整理計画を承認し、2002年7月17日には、同債
務整理計画について裁判所の承認(テレコム・アメリカスに対するBCI持分のアメリカ・モバイルへの売却を含
む)を取得した。2002年7月24日、BCIは総額366百万米ドルの対価でかかる売却を完了した。
BCIは、裁判所の任命する監督員の支援を受けながら裁判所の監督下で債務整理計画を進めている。これに
は残余資産の処分、BCIに対する債権の処理および株主に対する最後の分配が含まれる。
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1992年、ビーシーイー・インクが1992年12月31日現在で57.5パーセントの株式持分および25パーセントの議
決権を間接的に所有していたアルエット・テレコミュニケーションズ・インク(「アルエット」)は、主として
北米地域内の地点間を結ぶ衛星通信サービスを提供するテレサット・カナダ(「テレサット」)の株式を、
100パーセント所有することとなった。ビーシーイー・インクはそれまでベル・カナダを通じ、同社の株式持
分を間接的に所有していた。1997年12月31日現在、ビーシーイー・インクはアルエットに対し間接株式持分
58.7パーセント、議決権持分26.1パーセントを有していた。2001年12月31日現在、ビーシーイー・インクのア
ルエットに対する所有権は100パーセントであった。ビーシーイー・インクは2006年12月18日、中核的通信事
業への集中戦略に沿って、PSPインベストメンツとローラル・スペース・アンド・コミュニケーションズ・イ
ンクとが設立した買収会社に、衛星サービスを提供する子会社のテレサットを34.2億ドルで売却することを発
表した。本取引は、2007年10月に完了した。本取引の一環としてベルTVは、衛生容量への継続的なアクセスを
ベルTVに保証する一連の商業契約を、テレサットと締結した。
2001年1月9日、2000年9月15日に前もって発表されていたビーシーイー・インク、ザ・トムソン・コーポ
レーション(「トムソン」)およびザ・ウッドブリッジ・カンパニー・リミテッド(「ウッドブリッジ」)による
カナダのマルチメディア会社の設立の取引が実行された結果、放送、出版、およびニュー・メディアの分野を
扱うカナダのマルチメディア会社であるベル・グローブメディア・インク(「ベル・グローブメディア」)が設
立された。ビーシーイー・インクはベル・グローブメディア・インクの70.1パーセントを所有しており、同社
の主要な資本拠出は、CTVインク(「CTV」)の100パーセント持分およびシンパティコ・ライコス・インク(「シ
ンパティコ・ライコス」)に対する71パーセントの間接持分である。トムソンはベル・グローブメディアの20
パーセントを所有しており、ザ・グローブ・アンド・メールおよびグローブ・インタラクティブの全ての資産
および事業を拠出した。ウッドブリッジはベル・グローブメディアの9.9パーセントを所有しており、385百万
ドルを拠出した。ベル・グローブメディアの設立資本総額は約40億ドルであった。ビーシーイー・インクは
2005年12月31日現在、ベル・グローブメディアの68.5パーセントを所有していた。2006年8月30日、ビーシー
イー・インクは規制当局の認可を取得した後に、オンタリオ・ティーチャーズ・ペンション・プラン・ボード
(「ティーチャーズ」)、トルスター・コーポレーションおよびザ・ウッドブリッジ・カンパニー・リミテッ
ドの各々に対する、ベル・グローブメディアの20パーセント、20パーセントおよび8.5パーセントの売却を完
了した。これを受けて、ベル・グローブメディアに対するビーシーイー・インクの持分は、68.5パーセントか
ら20パーセントに低下した。当社は、当該取引の一環として、一定の重要な権利を留保しており、既存および
将来のコンテンツへのアクセスを確保するためにベル・グローブメディアとの間に商業契約を締結した。ベ
ル・グローブメディアは、当該取引の完了後、CHUMリミテッドの株式公開買付けを終えており、その結果、ベ
ル・グローブメディアに対するビーシーイー・インクの所有割合は、20パーセントから約15パーセントに低下
した。ベル・グローブメディアは2007年1月1日付けで、CTVグローブメディア・インクへの社名変更を行っ
た。
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2002年11月29日、ベル・カナダとその関連会社数社は、コールバーグ・クラヴィス・ロバーツ・アンド・カ
ンパニー・エルピーの完全支配下にあるイエロー・ページ・グループおよびティーチャーズのプライベート・
エクイティ部門であるオンタリオ・ティーチャーズ・マーチャント・バンクに対する現金約30億ドル(買収費
用差引後および買収機関に対する約10パーセントの持分取得後は、28億ドル)による印刷電話帳事業および電
子電話帳事業の売却を完了した。その結果、23億ドルの資産売却益(税引前)が計上された。
2002年4月、ベル・カナダとマニトバ・テレコム・サービシズ・インク(「MTS」)は、ベル・ウェスト・イ
ンク(「ベル・ウェスト」)を設立した。ベル・ウェストは、アルバータ州およびブリティッシュ・コロンビア
州に所在するベル・ネクシアの有線資産に対するベル・カナダの持分と、ベル・イントリグナ・インクに対す
るベル・カナダおよびMTSそれぞれの投資を統合することで設立された。ベル・ウェストは、アルバータおよ
びブリティッシュ・コロンビアの両州で電気通信サービスを提供し、ベル・ブランドのもとで業務を行った。
当該取引の結果、ベル・カナダおよびMTSはそれぞれベル・ウェストの60パーセントおよび40パーセントを所
有している。2004年8月3日、ベル・ウェストに対するMTSの所有持分40パーセントを646百万ドルで購入した
ベル・カナダは、ベル・ウェストの100パーセントの所有割合を獲得した。
2006年1月、CGIグループ・インク(「CGI」)は、ビーシーイー・インクが保有するCGIのクラスA株式100
百万株を、ビーシーイー・インクに対する現金手取金859百万ドルで買い戻した。
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2006年7月7日、ビーシーイー・インクとアリアント・インク(「アリアント」)は、ベル・アリアント・
リージョナル・コミュニケーションズ・インカム・ファンド(「ベル・アリアント・ファンド」)を設立し
た。ベル・アリアント・ファンドは、オンタリオ州およびケベック州農山村部にあるベル・カナダの旧地方有
線事業と、カナダ大西洋岸にあるアリアントの旧有線事業、情報技術および関連業務とを統合したものであ
り、ベル・ノルディック・グループ・インクを通じて、ベル・カナダが間接的に所有していたノーザンテル・
リミテッド・パートナーシップ(「ノーザンテル」)およびテレベック・リミテッド・パートナーシップ
(「テレベック」)の旧持分63.4パーセントを所有していた。当社は、当該取引の一環として、アリアントの
無線資産を買収し、アリアントの子会社であるダウンイースト・リミテッドの株式を取得した。当社は、当該
取引のクロージング時にベル・アリアント・ファンドに対する間接持分73.5パーセントを所有していたが、そ
の後2006年7月10日に、ビーシーイー・インクの普通株式保有者に対する資本の払戻しを目的としたトラス
ト・ユニットの分配により、持分を約45パーセントに引き下げた。これに伴い、ビーシーイー・インクの発行
済普通株式数は、75.8百万株減少した。ベル・アリアント・ファンドは2006年7月10日、トロント証券取引所
(「TSX」)での取引を開始した。ベル・アリアント・ファンドの業績は引き続き、ビーシーイー・インクの
連結対象とされている。2006年第4四半期、ベル・アリアント・ファンドは、ノーザンテルおよびテレベック
の残余持分36.6パーセントの保有者であるベル・ノルディック・インカム・ファンド(「ベル・ノルディッ
ク」)の全ユニットを取得する提案を発表した。当該取引(ベル・ノルディックからベル・ノルディックのユ
ニット保有者に支払われた1ユニット当たり4.00ドルの特別分配金(または131百万ドル)、およびベル・ノ
ルディック・ユニット1ユニットと交換に発行されたベル・アリアント・ファンド・ユニット0.4113ユニット
(合計13.5百万ユニット)を含む)は、2007年1月末に完了した。ベル・ノルディック・ユニットのTSXでの
取引は、2007年1月29日の営業終了時に終了し、2007年1月30日の営業終了時に上場廃止となった。2011年1
月1日、ベル・アリアント・ファンドは、カナダ会社法第192条に基づく再編計画(「再編計画」)を完了
し、同計画に従って、その組織構造を会社組織へと変更した。再編計画に基づき、ビーシーイー・インクおよ
びベル・カナダは、いくつかの手順に従って、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・イ
ンカム・ファンドおよびその関連会社に対する、実質的に全ての直接および間接持分を、ベル・アリアント・
リージョナル・コミュニケーションズ・インカム・ファンドの承継会社であるベル・アリアント・インクの普
通株式と交換した。再編計画の完了直後、BCEは、ベル・アリアント・インクの普通株式100,376,270株を直接
的および間接的に保有していて、これは、ベル・アリアント・インクの発行済普通株式の44.1パーセントに相
当するものであり、残りの持分は市場を通じ保有されている。さらに、再編計画の下では、ベル・アリアン
ト・リージョナル・コミュニケーションズ・ホールディングス・インク(旧ベル・アリアント・リージョナ
ル・コミュニケーションズ・インク)および7538332カナダ・インク(いずれもベル・アリアント・リージョ
ナル・コミュニケーションズ・インカム・ファンドの関連会社)は、ベル・アリアント・リージョナル・コ
ミュニケーションズ・インクとして存続するために、カナダ会社法に基づき合併した。合併においては、ベ
ル・カナダは、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・ホールディングス・インクの議決
権付普通株式1株を、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・インクの議決権付普通株式
1株と交換した。ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・インクの発行済株式の残りの株
式は、ベル・アリアント・インクが所有していた。
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ベル・アリアント・インク、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・リミテッド・パー
トナーシップ(「ベル・アリアント・エルピー」)、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーション
ズ・インク、6583458カナダ・インク、ビーシーイー・インクおよびベル・カナダとの間の2011年1月1日付
け修正証券所有者契約に基づき、ビーシーイー・インクは、ベル・アリアント・インクまたはベル・アリアン
ト・リージョナル・コミュニケーションズ・インクにつき、ベル・アリアント・インクに対する最低水準の持
分を維持していることを条件として、取締役の過半数を選任する権利や、特定の行為に対する拒否権等、いく
つかの権利を有していた。
2014年、本書に記載の通り、ビーシーイー・インクは、未保有であったベル・アリアント・インクの発行済
株式を全て買い取った。
2006年12月12日、ビーシーイー・インクは、以前発表した、企業構造の単純化計画について継続することを
発表した。当社は同日、ベル・カナダの優先株式の株主は、2007年1月31日に発効した再編計画に基づき、そ
の保有する優先株式をビーシーイー・インクの優先株式と交換することを要請される予定であることを発表し
た。2007年2月1日、ビーシーイー・インクは、ベル・カナダの全ての公共債を保証する契約を締結し、その
結果、ベル・カナダは、ビーシーイー・インクと別に開示書類を作成し、届け出る義務がなくなった。
2007年6月30日、ビーシーイー・インクは、当時ティーチャーズ・プライベート・キャピタル(ティー
チャーズの民間投資部門)、プロビデンス・エクイティ・パートナーズ・インクおよびマディソン・ディア
ボーン・パートナーズ・エルエルシーの関係会社(ならびに、その後メリルリンチ・グローバル・プライベー
ト・エクイティも加わる)を主体としていたインベスター・グループが所有する法人(「買主」)による、
ビーシーイー・インクの全発行済普通株式および優先株式の買収案による非公開化に関する正式契約を締結し
たことを発表した。本取引は、再編計画(「再編」)に基づいて完了する予定であった。
2008年7月4日、ビーシーイー・インクおよび買主は、2007年6月29日付け正式契約をさらに変更した最終
変更契約(the Final Amending Agreement、「最終変更契約」。最終変更契約と正式契約を併せて「正式契
約」という。)を締結した。最終変更契約の締結の結果、1)買取価格は、普通株式1株当たり42.75ドルに
据え置かれ、2)買主および貸主のグループは、ビーシーイー・インク買収案の資金調達のために、交渉およ
び締結を終えた与信に関する書類(締結済与信契約書およびその他特定の主要な借入契約を含む)を交付し、
3)正式契約で企図されている状況において買主が支払うべき違約金は、12億ドルに増加し、4)クロージン
グは2008年12月11日以前に行われ、5)ビーシーイー・インクは、クロージング前に、その普通株式に対する
配当金は支払わないが、その優先株式に対する配当金の支払いは継続することとなった。2008年12月12日、
ビーシーイー・インクは正式契約を、その条項に従い、解除した。
正式契約の条件の下、ビーシーイー・インクは、非公開化が完了するまで、過去の慣習と合致した通常の事
業過程において、その業務を遂行し、その子会社の業務を遂行させることに合意し、また、合併、資産の売却
および買収を含む、特定の活動を制限することに明示的に合意した。限定的な例外はあるものの、2007年下半
期および2008年度中、当該取引は行われなかった。
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ビーシーイー・インクによる、非公開化に関連する正式契約の終了に伴い、当該契約の条項に従ってビー
シーイー・インクは、2008年12月12日、普通株式の配当金の支払いの再開と共にビーシーイー・インクの株主
に価値を還元する計画、および自己株式買入消却プログラム(normal course issuer bid、「2008年度/2009
年度NCIB」)を発表した。
次世代技術および将来のサービスの拡大の道筋を提供するために、当社は、2008年7月21日に終了した先進
的無線通信サービス(Advanced Wireless Service、「AWS」)周波数帯域競売において、新しい無線通信免許
を購入した。BCEは、オンタリオ州(トロントおよび周辺地域を含む)、カナダ大西洋岸諸州、およびカナダ
北部における20MHzの周波数帯域、ならびにケベック州およびカナダ西部における10MHzの周波数帯域を、総額
741百万ドルの資金を用いて取得した。
2009年7月1日、当社は、まだ当社が保有していなかったヴァージンに対する残りの持分50パーセントを、
総投資額161百万ドルで取得した。本取引の一環として当社は、ヴァージン・グループと長期ブランド・ライ
センス契約を締結した。
また、2009年7月1日、当社は、全国家電小売業者であるザ・ソース(The Source)のほぼ全ての資産を総
投資額161百万ドルで取得した。当該資産は、当社の完全子会社であるザ・ソース(ベル)エレクトロニク
ス・インクが保有している。ザ・ソース(ベル)エレクトロニクス・インクの小売店舗では、一連のベル・レ
ジデンシャル・サービスが利用可能となった。
2009年12月1日、ベル・カナダは、モルソン一族が率いる共同事業体の一部として、モントリオール・カナ
ディアンズ・ホッケー・クラブおよびベル・センターに対する少数株主持分を取得した。ベル・カナダの投資
額は約50百万ドルであった。当該投資は、カナディアンズとの関係における、ベル・カナダのマーケティング
効果および宣伝効果を向上させた。
2010年12月1日、ベル・カナダは、ケベック州の一流データ・ホスティング・プロバイダである、ハイパー
テック・アベイラビリティ・サービシズのホスティング部門の資産を取得した。当該買収によって、ベル・カ
ナダは、モントリオールの最先端データ・センターにおいて100,000平方フィートのホスティング・スペース
を有することになり、コロケーションおよびマネージド・データ・センターを、法人および民間セクターの顧
客に提供する能力を向上することができた。
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2011年4月1日、ビーシーイー・インクは、CTVインク(「CTV」)(旧CTVグローバルメディア・インク。
現在の名称はベル・メディア・インク)、ビーシーイー・インク、ザ・ウッドブリッジ・カンパニー・リミ
テッド、1565117オンタリオ・リミテッド(「ウッドブリッジ・ホールドコー」)、ウッドブリッジ・インベ
ストメンツ・インク(「ウッドブリッジ・インベストメンツ」)、ティーチャーズおよびトルスター・コーポ
レーション(「トルスター」)との間で2010年9月10日に締結した取引契約(「取引契約」)に基づき、未保
有であったCTVの残りの持分85パーセントを取得した。ビーシーイー・インクは、ウッドブリッジ・ホールド
コー、ティーチャーズおよびトルスターの各社がCTVに対して保有する、クラスA普通株式の全てを取得した
(購入価格は、総額約13億ドル)。当社の現在の持分15パーセントの価値を合わせると、当該取引の株式価値
は、約15億ドルとなった。対応する借入債務約17億ドルと合わせた総取引価額は、約32億ドルであった。ま
た、ビーシーイー・インクは、ウッドブリッジ・インベストメンツに対する特定の債務を引き受け、CTVの上
位債務を全額弁済した。いずれも当該取引に対応する17億ドルの借入債務の一部を構成する。対価の支払いの
一部として、ビーシーイー・インクは、普通株式21,729,239株をウッドブリッジ・ホールドコーに対して発行
した。ビーシーイー・インクは、取引の完了と共に、CTVの資産およびその他ベルのコンテンツ資産を有する
新たな事業部門、ベル・メディアを公表した。
2012年8月22日、BCEは、BCEグループの年金制度債務を賄うための年金ファンド投資を保有する独立ファン
ド、BCEマスター・トラスト・ファンド(「マスター・トラスト」)と共に、ロジャース・コミュニケーショ
ンズ・インク(「ロジャース」)と共同でメープル・リーフ・スポーツ・アンド・エンターテインメント・リ
ミテッド(「MLSE」)の純持分75パーセントを取得した。キルマー・スポーツ・インクは、これと同時にMLSE
持分を20.5パーセントから25パーセントに増やした。BCEによる現金拠出は398百万ドルとなり、MLSEの間接持
分の28パーセントを占める一方、マスター・トラストの拠出額は、135百万ドルであった。BCEおよびマス
ター・トラストは合計してMLSEの37.5パーセントを所有するが、これはロジャースの持分と同等である。マス
ター・トラストとの間の取決めにより、マスター・トラストがそのプット・オプションを行使した場合、BCE
は、合意した最低価格以上の価格でマスター・トラストの持分を買い戻さなければならない。MLSEは、トロン
ト・メープル・リーフス、トロント・ラプターズ、トロント・マーリーズ、およびトロントFCを有する、ス
ポーツおよびエンターテインメント企業である。MLSEはこの他にも、エア・カナダ・センター、ならびにメー
プルリーフ・スクエアの分譲マンションおよび商業コンプレックス等の不動産およびエンターテインメント資
産をトロント市内に有しており、スポーツ専門テレビ・チャンネルを運営し、また、プロバスケットボール協
会(National Basketball Association、「NBA」)のカナダ国内の独占パートナーである。
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2012年10月16日、BCE、ティーチャーズ、プロビデンス・エクイティ・パートナーズ・エルエルシー(「プ
ロビデンス」)およびマディソン・ディアボーン・パートナーズ・エルエルシー(「マディソン・ディアボー
ン」)から成るインベスター・グループは、カナダのデータ・センター・オペレータQ9を買収した。購入価
格11億ドルのうち、資本金として、ティーチャーズ、プロビデンスおよびマディソン・ディアボーンは合計で
430百万ドルを拠出し、BCEは185百万ドルを提供した。Q9による新たな資金の借入もまた、買収価格の一部と
なった。また、当社のビジネス・マーケッツ部門およびQ9は、双方の事業の継続的な発展を目的とする商業
契約を締結した。買収の完了および商業契約の締結と同時に、BCEとそのパートナーは、BCEの非公開化案の終
了後2008年に始まった遡及的な違約金手続について和解した。当該和解の下、BCEは非現金対価(Q9の持分の
増加およびQ9に対するパートナーの全ての持分を有利な価格で取得できるオプションを有する将来のQ9の完
全な所有権を含む。)を受領した。
2016年8月8日、BCEは、Q9の持分のうち、未だ保有していない全ての持分を取得することについて合意に
至ったことを発表した。Q9に対する持分35.4パーセントを保有していたBCEは、残りの64.6パーセントを共同
投資家から取得した。取引額は、約680百万ドルにのぼる(当該額は、Q9の純債務を含むが、BCEの従前から
の所有割合を除く。)。同取引は、2016年10月3日に完了した。2017年1月1日、Q9グループ傘下の様々な
企業および旧ベル・アリアント・インクの一部の子会社は、ベル・カナダと合併した。
2013年7月5日、BCEは、アストラル・メディア・インク(「アストラル」)の発行済株式の100パーセント
を、2,876百万ドルの現金と397百万ドルの債務返済を対価として取得した。アストラルは、専門および有料テ
レビ・チャンネル、ラジオ局およびデジタル・メディア資産をカナダ全土で運営し、またアウト・オブ・ホー
ム(自宅外)広告サービスを提供する、メディア企業であった。当社は、ケベック州の仏語放送、コンテンツ
費用の抑制、およびクロス・プラットフォーム・イノベーションならびにデジタル、テレビ、ラジオおよびア
ウト・オブ・ホーム広告に跨がる広告パッケージにおける競争地位の向上を目的としてアストラルを取得し
た。取引を承認するために、競争局およびカナダ・ラジオ・テレビ・電気通信委員会(「CRTC」)は、BCE
が、アストラルの11のテレビ資産ならびに10のアストラルおよびベル・メディアの英語放送のラジオ局を売却
することを求めた。2014年、当社は、当該テレビ資産およびラジオ局の売却を完了し、合計720百万ドルの収
益を得た。BCEは、8つのアストラルのテレビ・サービス(仏語放送のスーパー・エクラン、シネポップ、
Canal Vie、Canal D、VRAK TVおよびZtélé)ならびに英語放送のサービス(HBOカナダを含むザ・ムービー・
ネットワークおよびTMNアンコール)を保持した。また、BCEは、77のアストラルのラジオ局、およびアストラ
ルの全国的なアウト・オブ・ホーム広告事業を保持した。
2014年4月2日、ベルは、カナダ産業省の無線周波数帯競売の開催後、全国的な700MHzの周波数帯域におい
て、480百万MHz-pop(訳者注:(周波数)×(当該周波数がカバーする人口))に対する31の免許を566百万
ドルで獲得した。これにより、ベルが保有する様々な周波数帯域の合計は、全国で4,200百万MHz-popを超え
た。
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2014年7月23日、BCEは、ベル・アリアント・インクの発行済普通株式の未保有株の全株を合計約39.5億ド
ルで取得することを発表した。ベル・アリアント・インクの株主は、ベル・アリアント・インクの普通株式1
株当たり31.00ドルを現金で受け取るか、BCE普通株式0.6371株を受け取るか、または両者の組合せを受け取る
かを選択することができる。ただし、現金または株式の選択が上限を超えた場合、比例配分方式がとられる。
同日、BCEは、ベル・アリアント・プリファード・エクイティ・インク(「プレフコ」)の全発行済優先株
式とBCEが新規発行する第一優先株式を、既存のプレフコ優先株式と同じ交換条件で交換することを発表した
(「優先株式交換」)。ベル・アリアントの非公開化は、2014年10月31日に完了し、優先株式交換は、2014年
11月1日に完了した。ベル・アリアントの非公開化は、BCEの企業構造を簡素化し、全社的な営業効率および
資本投資効率を改善させると同時に、年間フリー・キャッシュ・フローの堅調な増加によってBCEのブロード
バンド投資戦略および配当成長目標をサポートすることを目標として実施された。BCEは、ベル・アリアン
ト・インクの財務成績を既に連結化しているため、ベル・アリアント・インクの非公開化は、株式取引として
計上された。
2014年11月20日、ベル・カナダおよびベル・アリアント・エルピーは、ベル・アリアント・エルピーの全て
の変動金利型の中期債券(元本総額23億ドル。総称して「ベル・アリアント・エルピー債」)と、BCEが保証
するベル・カナダ債を、ベル・アリアント・エルピー債と同じ交換条件(クーポン、満了期間および償還価格
を含む。)のもとに交換を完了した(「ベル・アリアント社債交換」)。ベル・アリアント社債交換は、資本
構造を簡略化する、および公開債を一つの発行体に集中させて経営の効率化を図るという、BCEの戦略の一部
を成す。上述の取引の結果、ベル・アリアント・インク、プレフコ、ベル・アリアント・リージョナル・コ
ミュニケーションズ・インクおよびベル・アリアント・エルピー各社の継続開示義務は、2014年12月18日付け
で終了した。2014年12月31日、ベル・アリアント・インクは解散した。
一連の企業再編を経て、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・インクおよびベル・ア
リアント・エルピーの全ての資産は、2015年7月1日付けで適宜ベル・カナダまたはベル・モビリティ・イン
クに移転した。
2014年11月28日、BCEは、カナダに拠点を置くデュアル・キャリアであり、複数のブランドのモバイル製品
の販売業者であり、2015年12月31日現在、ベル・モビリティおよびロジャースの無線製品およびサービスを販
売する営業所をカナダ国内で360店舗経営しているグレンテルの全発行済株式を取得するための正式契約を締
結したことを発表した。カナダ国外では、グレンテルは2015年12月31日現在、米国、オーストラリアおよび
フィリピンにおいて小売店を所有、運営およびフランチャイズ展開している。2014年12月24日、BCEは、グレ
ンテルの取得完了後、グレンテルの持分50パーセントをロジャースに売却することを発表した。
2015年5月20日、BCEは、グレンテルの全発行済普通株式の取得を、合計592百万ドルの対価(このうち296
百万ドル(手元現金を除くと正味284百万ドル)は現金、残高はBCE普通株式5,548,908株の発行により支払わ
れた。)で完了した。取得の完了直後、BCEは、グレンテルの未払債務約112百万ドルの未払債務を返済し、グ
レンテルの普通株式と引き換えに53百万ドルを拠出した。これに続いて同日の2015年5月20日、BCEは、グレ
ンテルの持分50パーセントを、合計約473百万ドルの現金対価(資産処分に関する現金および取引費用を除く
と正味407百万ドル)でロジャースに売却した。
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2015年4月21日、ベル・モビリティは、カナダ産業省のAWS-3周波数帯競売の一環として、主要な都市部お
よび農山村部の市場において、AWS-3無線周波数帯を取得した。ベル・モビリティは、AWS-3無線周波数帯に
おいて、169百万MHz-popに対する13の免許を500百万ドルで獲得した。
2015年5月12日、ベル・モビリティは、2500MHz無線周波数帯において、243百万MHz-popを29百万ドルで新
たに獲得した。当該獲得により、数多くの都市部および農山村部の市場におけるベル・モビリティの2500MHz
周波数帯の保有量が増加した。
2016年第1四半期、BCEは、コーラス・エンターテインメント・インク(「コーラス」)との取引を完了し
た。同取引においてコーラスは、カナダ国内のHBOコンテンツ権を放棄し、カナダ西部および北部において
ムービー・セントラルおよびアンコール・アベニューの有料テレビ・サービスを廃止した。これによりベル・
メディアは、全国の全てのプラットフォームにおいてHBOカナダの唯一のオペレータとなり、また、TMNを全国
的な有料テレビ・サービスへと成長させることが可能になった。TMNは、2016年3月1日に全国でサービスを
開始させることができた。BCEは、総額218百万ドルの現金対価をコーラスに支払った(このうち21百万ドルは
2015年に支払った。)。
2017年1月3日、ベル・メディアは、シースロク・メディア・リミテッド(「シースロク」)の全発行済普
通株式を、合計161百万ドルの現金対価で取得した。シースロクは、カナダ国内の主要な都市部の大型屋外広
告に特化している。同取得により、アウト・オブ・ホーム(「OOH」)広告の電子看板業界において存在感を
増すことが可能となる。
2017年3月17日、BCEは、MTSの全発行済普通株式を総額2,933百万ドルの対価で購入し、また、総額972百万
ドルの未払債務を負い、当初2016年5月2日に発表された、MTSの取得を完了した。BCEは、MTSの全発行済普
通株式を、1株当たり40ドルで取得したが、このうち55パーセントはBCE普通株式の発行により支払われ、45
パーセントは現金で支払われた。現金部分の1,339百万ドルは、借入れによって調達され、同取引額の株式部
分については、BCEが約27.6百万株の普通株式を発行することより調達した。統合後の会社によるマニトバ州
内の業務は現在、ベルMTSとして知られている。2017年4月1日、BCEは、MTSが所有していた後払い式無線通
信加入契約者の約4分の1および15店の小売店舗、ならびにマニトバ州内のネットワーク資産のテラスに対す
る売却を完了させ、総額318百万ドルの売却収入を得た。また、規制当局の承認を得るための条件として、BCE
は、エクスプローネット・コミュニケーションズ・インク(「エクスプローネット」)に対して、エクスプ
ローネットによるモバイル無線通信サービス開始時に、MTSが従前保有していた700MHzのうちの40MHz、AWS-1
および2500MHzの無線周波数帯、24,700名の無線通信サービス顧客、小売店舗6店を譲渡することに合意し
た。エクスプローネットには、マニトバ州において自社ネットワークを構築するまでの間、ベルMTSから、マ
ニトバ州都市部の暫定的な救済ネットワークに対する3年間のアクセス権およびその他の運営上のメリットが
与えられる。
(4) 所有権の変遷
AT&Tは1880年から1945年までべル・カナダの実質的な所有者としての地位を維持してきた(所有率の最高は
1890年の47パーセントであった。)。しかし、1945年に21.7パーセントであったAT&Tの普通株式の所有割合
は、その後次第に減少し、1975年には2パーセントとなり、同年、AT&Tはべル・カナダの全ての保有株式を売
却した。
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1999年6月1日、ビーシーイー・インクおよび現在はSBCコミュニケーションズ・インク(「SBC」)の全額
出資子会社であるアメリテック・コーポレーションは、1999年3月24日に発表された戦略的提携関係を締結し
た。提携の条件に基づき、SBCは約51億ドルでベル・カナダに対する20パーセントの間接的な少数持分を取得
した。ビーシーイー・インクは引き続き、ベル・カナダに対する80パーセントの間接的持分を保有していた。
2002年7月1日から2002年12月31日まで、および2004年7月1日から2004年12月31日までの両期間中随時、
(ⅰ)SBCはその保有するベル・カナダの株式の全てをビーシーイー・インクに売却するオプションを有してお
り、(ⅱ)ビーシーイー・インクはSBCの保有するベル・カナダの株式の全てを購入する権利を有していた。い
ずれの場合もその売買価格は公正市場価格に1.25を乗じた価格とされていた。2002年6月28日、ビーシー
イー・インクはSBCの保有するベル・カナダ・ホールディングス・インク(「BCH」)持分20パーセントを63億ド
ルで買い戻した。
べル・カナダの普通株式はカナダにおいては1905年にTSX、1911年にモントリオール証券取引所、1970年に
バンクーバー証券取引所に上場された。1955年にはべル・カナダの普通株式はアムステルダム証券取引所(オ
ランダ)に上場され、また1975年から1976年にかけて、ブリュッセル証券取引所(ベルギー)、パリ証券取引所
(フランス)、デュッセルドルフ証券取引所(ドイツ)、フランクフルト・アム・マイン証券取引所(ドイツ)、
バーゼル、ジュネーブおよびチューリッヒの各証券取引所(スイス)(現在はスイス証券取引所)、ロンドン証券
取引所(英国)、ニューヨーク証券取引所(「NYSE」)(米国)にそれぞれ上場された。1995年、スイス国内の
ジュネーブ、バーゼルおよびチューリッヒの各証券取引所が統合され、スイス証券取引所が設立された。
1983年の再編成により、べル・カナダの普通株式は1株につき1株の割合でビーシーイー・インクの普通株
式と交換され、ビーシーイー・インクはこれらの普通株式の前記各証券取引所への上場を継続した。1985年11
月19日、ビーシーイー・インクの普通株式は東京証券取引所に上場され、取引が開始された。1993年1月4
日、ビーシーイー・インクはブリュッセル証券取引所の上場を廃止した他、同年3月31日にはアムステルダム
証券取引所、同年4月2日にはパリ証券取引所、同年6月30日にはフランクフルト・アム・マイン証券取引
所、さらに同6月30日にはデュッセルドルフ証券取引所の上場を廃止した。1996年3月21日、ビーシーイー・
インクは東京証券取引所に対し正式にその普通株式の上場廃止を申請したことを発表した。この上場廃止につ
いては東京証券取引所および日本の大蔵大臣から正式な承認を受け、ビーシーイー・インクの普通株式は1996
年6月29日に東京証券取引所から上場廃止された。カナダの証券取引所の再編成の結果、1999年12月6日、
ビーシーイー・インクの普通株式はモントリオール証券取引所およびバンクーバー証券取引所から上場廃止さ
れた。2000年11月23日、ビーシーイー・インクの普通株式はロンドン証券取引所(英国)から上場廃止された。
2006年12月31日現在、ビーシーイー・インクの普通株式は、トロント証券取引所(カナダ)、ニューヨーク証券
取引所(米国)およびスイス証券取引所(スイス)に上場されていた。2007年5月31日、ビーシーイー・インクの
普通株式は、スイス証券取引所(スイス)から上場廃止された。ビーシーイー・インクはカナダで、最も登録
株主数の多い会社のうちの1つである。
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3 【事業の内容】
序論
概況
当社は、2018年1月1日から、過去の報告期間(2017年度各期)についてIFRS第15号「顧客との契約から生
じる収益」の遡及適用を行った。また、当社は、当期の表示との首尾一貫性を保つために、過年度の数値の一
部を修正再表示している。
BCEは、住宅、法人および卸売顧客のあらゆる通信需要に応える様々なソリューションを提供する、カナダ
最大の通信会社である。BCEの株式は、トロント証券取引所およびニューヨーク証券取引所で取引されている
(TSX、NYSE:BCE)。
当社の営業成績は、ベル・ワイヤレス、ベル・ワイヤラインおよびベル・メディアの3つのセグメント別に
報告されている。
ベル・ワイヤレスは、全国の当社の住宅、中小規模法人顧客および大企業顧客に無線音声およびデータ通信
用製品およびサービスを提供している。
ベル・ワイヤラインは、主にオンタリオ州、ケベック州、大西洋沿岸諸州およびマニトバ州の当社の住宅、
中小規模法人顧客および大企業顧客にデータ通信(インターネット接続サービスおよびインターネット・プロ
トコル・テレビジョン(「IPTV」)を含む。)、市内電話、長距離通信その他通信サービスおよび製品を提供
している。一方、衛星テレビ・サービスおよび法人顧客向け接続サービスは、全国で利用可能となっている。
また、同セグメントは、再販売会社および当社以外のキャリアとの間で市内電話、長距離通信、データ通信お
よびその他のサービスを売買する当社卸売事業を含む。
ベル・メディアは、従来型テレビ、専門テレビおよび有料テレビ、ストリーミング・サービス、デジタル・
メディア・サービス、ラジオ放送サービス、およびOOH広告サービスを全国的に提供している。
BCEは、カナダ最大の通信会社である。
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また、当社は、下記を含む多くの資産に投資している。
・ メープル・リーフ・スポーツ・アンド・エンターテインメント・リミテッド(「MLSE」)に対する28
パーセントの間接的な株式持分。
・ グレンテル・インク(「グレンテル」)に対する50パーセントの間接的な株式持分。
・ モントリオール・カナディアンズ・ホッケー・クラブ、evenko、ケベック州モントリオールのベル・セ
ンターおよびケベック州ラヴァルのプレース・ベルを運営する組織に対する18.4パーセントの間接的な
株式持分。
BCE 連結業績
BCE 2018 年度 BCE 2018 年度 BCE 2018 年度
(1)
営業収益 純利益
調整済EBITDA
23,468 百万ドル 2,973 百万ドル 9,535 百万ドル
2017 年度 比3.1パーセント増 2017 年度 比2.5パーセント減 2017 年度 比2.7パーセント増
BCE 2018 年度 BCE 2018 年度 BCE 2018 年度 BCE 2018 年度
フリー・キャッシュ・
(1)
普通株主に帰属する純利益 営業活動による
調整済純利益
(1)
キャッシュ・フロー
フロー
2,785 百万ドル 3,151 百万ドル 7,384 百万ドル 3,567 百万ドル
2017 年度 比 2.8 パーセント減 2017 年度 比 3.0 パーセント増 2017 年度 比 0.4 パーセント増 2017 年度 比 4.4 パーセント増
BCE 顧客接続件数
住宅向けネットワーク ・
アクセス・ サービス
(2)(3) (2)(4) (4)
無線 通信 合計 高速インターネット テレビ
(4)(5)
(「NAS」)線
+4.8パーセント +3.8パーセント +0.7パーセント (7.5)パーセント
2018 年度末現在 2018 年度末現在 2018 年度末現在 2018 年度末現在
加入契約者数 加入契約者数 加入契約者数 加入契約者数
9.6 百万名 3.9 百万名 2.9 百万名 3.0 百万名
当社の目標
当社の目標は、カナダを代表する通信会社として顧客に認識してもらうことにある。当社の主要な事業目標
は、住宅顧客、法人顧客および卸売顧客に包括的な通信サービスを提供するカナダ随一のプロバイダとしての
立場、ならびにカナダで最も優良なコンテンツ制作会社としての立場をさらに強固にすることによって、加入
契約者数を増加させて利益をあげるとともに、収益、営業利益、フリー・キャッシュ・フロー、および投資資
本収益率を最大化することにある。当社は、様々な事業部門に当社ネットワーク、インフラ、販売経路ならび
にブランドおよびマーケティング資源を活用できる機会を活かして、顧客および株主の双方に価値を提供した
いと考えている。当社の戦略は、6つの戦略的優先事項に着目して、これらを実行することに重きを置いてい
る。BCEの事業計画の基礎となる6つの戦略的優先事項は、以下の通りである。
1.ブロードバンド・ネットワークおよびサービスへの投資
2.無線通信サービスの促進
3.有線通信サービスの活用
4.メディアにおけるリーダーシップの拡大
5.顧客サービスの向上
6.競争力のある費用構造の実現
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(1)調整済EBITDA、調整済純利益およびフリー・キャッシュ・フローは、非 GAAP 指標であり、国際財務報告基準
(「IFRS」)に基づく標準的な意味を持たない。したがって、他社が提示する同様の数値との比較対象となりにく
い。
(2)2018年度第1四半期初め、当社は、後払い式無線通信加入契約者基盤から16,116名の加入契約者を除去する調整を
行った。これに伴い、固定無線インターネット加入契約者を移行させた高速インターネット加入契約者数は増加し
た。
(3)2018年度第4四半期初め、当社は、当社後払い式無線通信加入契約者基盤から、BCEがMTSを取得したことに起因し
て当社がエクスプローネット・コミュニケーションズ・インク(「エクスプローネット」)に譲渡した20,000名の
加入契約者を除去する調整を行った。
(4)2018年度第1四半期初め、主に2018年度第1四半期に行われた小規模な取得に起因して、当社の高速インターネッ
ト加入契約者基盤は19,835名、当社IPTVは14,599名および住宅NASは23,441名増加した。
(5)法人NASは、音声からインターネット・プロトコル(「IP」)への移行に伴って減収を伴わないNASの損失が発生
し、KPIとの関連性が薄くなったことから、2018年1月1日から当社NAS加入契約者基盤から除去された。過去の報
告期間については、遡及適用を行った。
BCE について
当社の営業成績は、ベル・ワイヤレス、ベル・ワイヤラインおよびベル・メディアの3つのセグメント別に
報告している。当社の事業について理解を深めるために、当社製品ラインについて下記に記載する。
当社製品およびサービス
ベル・ワイヤレス
セグメントの説明
・ 全国の住宅および法人顧客に、統合デジタル
無線音声およびデータ通信製品およびサービ
スを提供している。
・ ベル・モビリティ・インク(「ベル・モビリ
ティ」)の営業成績、および当社の完全子会
社であり、全国家電小売業者であるザ・ソー
ス(ベル)エレクトロニクス・インク
(「ザ・ソース」)の無線関連製品の売上を
含む。
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当社ネットワークおよび通信可能地域
当社は、無線周波数免許を所有し、これが所有する様々な周波数帯およびカナダ全国の地域は、合計で48億
MHz-Popを超える。これは、平均でカナダ人1名当たり約137MHzの周波数に相当する。
当社の携帯基地局の大部分は、最新のネットワーク・インフラ技術であり、より信頼性の高い接続方法であ
る光ファイバーで繋がっている。
全国規模の無線ブロードバンド・ネットワークである当社の第四世代(「4G」)ロング・ターム・エボ
リューション(「LTE」)およびLTEアドバンスト(「LTE-A」)は、世界標準に適合しており、カナダのほぼ
全人口に対して、高品質かつ信頼性の高い音声および高速データ・サービスを提供している。
・ 2018年12月31日現在、LTEは、カナダ全土の人口の99パーセントに普及しており、LTE-Aは、カナダ人口
の約91パーセントに普及している。
・ 容量および対象エリアを拡大させるために無線周波数帯の再割当を継続的に行うことによって、当社の
LTEおよびLTE-Aサービスは拡大する。
・ 建物内のカバレッジを向上させて、より強いLTE信号をもたらす。
(1)
・ LTE-Aは、理論値で下り最大毎秒1ギガビット(「Gbps」 )を超えるモバイル・データ・アクセス
速度(予想平均速度は、毎秒25メガビット(「Mbps」)から220Mbps)を提供し、LTEは、最大150Mbps
(2)
(平均通信速度は、18Mbpsから40Mbps)を提供する 。
・ LTE対象エリア以外では、高速パケット・アクセス・プラス(「HSPA+」)ネットワーク(最大通信速
度は、42Mbps(平均通信速度は、7Mbpsから14Mbps))に戻す。
・ 230カ国を超える海外渡航先で国際音声通話およびデータ・ローミングが利用可能である。これは、LTE
国際ローミングが可能な178カ国の海外渡航先を含む。
当社は、企業顧客の拠点17,000箇所において、ワイヤレス・フィデリティ(「Wi-Fi」)のアクセス・ポイ
ントを運営している。
当社の全国の小売販売店舗は、2,360店を超える。これは、約1,360店のベル・ブランドおよびザ・ソースの
店舗、グレンテルが運営する店舗(WIRELESSWAVE、Tbooth wirelessおよびWIRELESS etc.)ならびにその他第
三者ディーラーおよび小売店舗を含む。
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当社製品およびサービス
・ 音声およびデータ料金プラン:これは、後払い式および前払い式のいずれかで提供される。ビデオ通
話、ソーシャル・ネットワーク、メッセージ・サービスおよびモバイル・アプリケーションのための高
速インターネット接続、ならびに数多くの通話機能を提供する。
・ 特別プラン:タブレット端末、モバイル・インターネット、スマートウォッチおよびコネクテッド・
カーのための特別プラン。
・ 豊富な品揃えのデバイス:4G LTEおよびLTE-A対応の優れたスマートフォンおよびタブレット端末、モ
バイル・インターネット用ハブおよびスティック、モバイルWi-Fiデバイスおよびコネクテッド・シン
グス(スマートウォッチ、ベル・コネクテッド・カー、トラッカー、スマート・ホーム、ライフスタイ
ル製品およびバーチャル・リアリティ)。
・ モバイル・コンテンツ:スマートフォンおよびタブレット端末で利用できる、40を超えるライブ・チャ
ンネルおよびオンデマンド・チャンネル。
・ 海外渡航:230カ国以上の海外渡航先で当社以外の無線通信サービス・プロバイダと提携して提供する
ローミング・サービス。178カ国以上の海外渡航先でLTEローミングを提供し、また、Roam Better機能
およびTravel Passesも提供する。
・ モバイル・ビジネス・ソリューション:プッシュ・トゥ・トーク、フィールド・サービス・マネジメン
ト、労働安全およびモビリティ・マネジメント。
・ モノのインターネット(Internet of Things、「IoT」)ソリューション:アセット・マネジメント、
スマート・ビルディング、スマート・シティ、車両管理およびその他のIoTサービス。
(1)理論値で下り最大1Gbpsを超える速度は現在、キングストンおよびトロントで提供されており、今後も提供エリア
は拡大予定である。
(2)ネットワークの通信速度は、場所、電波強度および顧客の使用するデバイスによって異なる。対応デバイスを必要
とする。
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ベル・ワイヤライン
セグメントの説明
・ データ通信(インターネット接続およびIPTVを含む。)、
音声(市内電話および長距離通信から成る。)ならびにそ
の他の通信サービスおよび製品を、主にオンタリオ州、ケ
ベック州、大西洋沿岸諸州およびマニトバ州の住宅顧客、
中小規模法人顧客および大企業顧客に提供する。一方、衛
星テレビ・サービスおよび法人顧客向け接続サービスは、
全国で利用可能となっている。また、当社は、競争力ある
地域通信事業者(「CLEC」)サービスを、アルバータ州お
よびブリティッシュ・コロンビア州で提供している。
・ 再販売業者および当社以外のキャリアとの間で市内電話、
長距離通信、データ通信その他のサービスを売買する当社
卸売事業の成績、およびカナダのノーザン・テリトリーに
電気通信サービスを提供するノースウェステル・インク
(「ノースウェステル」)の有線事業の成績を含む。
・ ザ・ソースにおけるワイヤライン関連製品の売上を含む。
当社ネットワークおよび通信可能地域
・ オンタリオ州、ケベック州、大西洋沿岸諸州およびマニトバ州ならびにカナダのノーザン・テリトリー
に広がる、広範なローカル・アクセス・ネットワーク。
・ オンタリオ州、ケベック州、大西洋沿岸諸州およびマニトバ州の9.5百万件の住宅および法人をカバー
する、fibre-to-the-node(「FTTN」)およびfibre-to-the-premise(「FTTP」)方式のブロードバン
ド光ファイバー・ネットワーク。2018年末、当社のFTTPダイレクト光ファイバーによる通信網は、約
4.6百万の住宅および商業立地を網羅している。これは、FTTPサービス区域としてはカナダ最大であ
る。
・ 国内のプロバイダの中で最大のIPマルチ・プロトコル・ラベル・スウィッチングのサービス区域を有す
る。これによって当社は、法人顧客に仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network、
「VPN」)サービスでIPトラフィックを提供することができ、また、リアルタイム音声およびテレビ・
サービスの帯域幅を最適化することができる。
・ 8つの州の28箇所に設置されたデータ・センターは、カナダ最大の規模を有する。これによって当社
は、データ・センター・コロケーションおよびホスティング・サービスを全国の法人顧客に提供するこ
とができる。
・ 全国に約1,360店のベル・ブランドおよびザ・ソースの店舗を有する。
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当社製品およびサービス
住宅
・ テレビ:IPTVサービス(ファイブ・テレビおよびオルト・テレビ)および衛星テレビ・サービス。ベ
ル・ファイブ・テレビは、フル・ハイ・デフィニション(「フルHD」)および4K高解像度(「4K」)
のホール・ホーム・パーソナル・ビデオ・レコーダー(「PVR」)、4K Ultra HD対応番組、オンデマ
ンド・コンテンツおよびワイヤレス・レシーバー、ファイブ・テレビ・アプリ、Restartならびにクレ
イヴ、NetflixおよびYouTubeへのアクセス等の革新的な機能を提供している。アプリ専用のテレビ放送
ライブ・ストリーミング・サービスであるオルト・テレビは、従来のテレビ・セットトップボックス
(「STB」)を要せずして、ラップトップ、スマートフォン、タブレット端末、Apple TV、Amazon Fire
TVおよびその他のデバイス上で、最大500のライブおよびオンデマンド・チャンネルを提供している。
・ インターネット:光ファイバー・ブロードバンド技術またはデジタル加入者線(「DSL」)を用いた、
豊富なオプション(ホール・ホームWi-Fi、利用無制限、セキュリティ・サービスおよびモバイル・イ
ンターネット等)を備えた高速インターネット接続。ファイブ・インターネットという名称で販売され
ている当社のインターネット・サービスは、FTTPで下り最大1.5GbpsまたはFTTNで下り最大100Mbpsの通
信速度を提供する。また、当社は、ヴァージン・モバイルのブランドの下に下り最大通信速度100Mbps
のインターネット・サービスを提供する。
・ ホーム・フォン:市内電話サービス、長距離通話および先端的通話機能。
・ スマート・ホーム:ベル・スマート・ホームがオンタリオ州、ケベック州およびカナダ大西洋州で提供
し、ベルMTS傘下のAAAセキュリティがマニトバ州で提供しているホーム・セキュリティ、監視および
オートメーション・サービス。
・ バンドル:月会費が割安になる、テレビ、インターネットおよびホーム・フォン・サービスの複数の
サービスをまとめたバンドル製品。
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法人
・ インターネットおよびプライベート・ネットワーク:法人向けインターネット、イーサネット、IP
VPN、ウェーブレングス、グローバル・ネットワーク・ソリューション、バーチャル・ネットワーク・
サービスおよびマネージドWi-Fi。
・ 通信サービス:IPテレフォニ、市内および長距離通信、音声会議、テレビ会議、ウェブ会議およびウェ
ブキャストならびにコンタクト・センター・ソリューション。
・ クラウドおよびデータ・センター:クラウド・コンピューティング、クラウド・サービス、バックアッ
プおよび災害復旧、コロケーション・ホスティングならびにバーチャル・データ・センター。
・ その他:セキュリティ、マネージド・サービスおよび専門サービス。
ベル・メディア
セグメントの説明
・ ビデオ、ラジオ、OOH広告およびデジタ
ル・メディアにおいて優れた資産を有す
る、カナダを代表するコンテンツ制作企
業。
・ 収益源は、主に広告料および加入契約者
料金である。
・ 従来型テレビ、ラジオ、OOHおよびデ
ジタル・メディアの収益源は、広告
料である。
・ 専門テレビの収益源は、加入契約者
料金および広告料である。
・ 有料テレビの収益源は、加入契約者
料金である。
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当社資産および対象地域
ビデオ
・ 17年連続でカナダ随一のテレビ・ネットワークとなったCTVを含む、30の従来型テレビ局。
・ カナダで最も視聴率の高い専門テレビ・チャンネルであるTSNおよびカナダ随一の仏語放送のスポー
ツ・ネットワークであるRDSを含む、33の専門および有料テレビ・チャンネル。
・ カナダでHBOを独占配信するクレイヴを含む、消費者へ直接(direct-to-consumer、「D2C」)スト
リーミング配信を行う3つのサービス。
ラジオ
・ 全国の58箇所の市場における、109の認可済ラジオ局。
OOH広告
・ ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、オンタリオ州、ケベック州、およびノヴァ・スコシア
州における31,000を超える広告面のネットワーク。
デジタル・メディア
・ 200を超えるウェブサイトと30を超えるアプリ。
放映権
・ スポーツ:主要スポーツ資産に係る、長期メディア権ならびにスーパーボウル、グレイ・カップおよび
国際アイスホッケー連盟(「IIHF」)ワールド・ジュニア・チャンピオンシップのカナダ公式放送局。
また、次のスポーツ中継も行っている。トロント・メープル・リーフス、モントリオール・カナディア
ンズ、ウィニペグ・ジェッツおよびオタワ・セネターズ戦、カナディアン・フットボール・リーグ
(「CFL」)、ナショナル・フットボール・リーグ(「NFL」)、ナショナル・バスケットボール・アソ
シエーション(「NBA」)、メジャー・リーグ・サッカー(「MLS」)、国際サッカー連盟(「FIFA」)
のワールドカップ関連のイベント、カーリングのシーズン・オブ・チャンピオンズ、メジャーリーグ
ベースボール(「MLB」)ゴルフのメジャー選手権、モンスターエナジーNASCARカップシリーズ、
フォーミュラ・ワン、テニスのグランドスラム、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシッ
プ(「UFC」)および全米大学体育協会(「NCAA」)マーチ・マッドネス等のスポーツ中継も行ってき
た。
・ HBO:当社のリニア放送、オンデマンド放送およびオーバーザトップ(「OTT」)プラットフォームにお
いて、HBOの現シーズン、過去シーズンおよびライブラリ内の全番組の国内独占放送を行うための長期
契約。
・ ショータイム:ショータイムが所有する過去、現在および将来における番組に係る長期コンテンツ・ラ
イセンス契約および商標契約。
・ スターズ:米国有数の有料テレビ・サービス「スターズ」をカナダに展開するためにライオンズゲート
と締結した長期契約。
・ iHeartRadio:デジタルおよびストリーミング音楽サービスに係る、カナダ国内における独占パート
ナーシップ。
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その他資産
・ カナダ最大の制作専用スタジオであるパインウッド・トロント・スタジオの過半数の株式。
・ ライブ・コメディー・イベントであり、テレビ番組制作も行うジャスト・フォー・ラフスとのパート
ナーシップ。
・ 北米有数のスポーツおよびその他イベントを運営し、放送設備を提供するドーム・プロダクションズ・
パートナーシップの株式持分。
当社製品およびサービス
・ 全国の放送配信業者に提供する、多様かつ豊富なテレビ番組。
・ 様々な業種の地方広告主および全国広告主に提供する、当社テレビ、ラジオ、OOHおよびデジタル・メ
ディア資産を用いた広告。
・ オンデマンド・テレビ・ストリーミング・サービスに加入すれば、STB、モバイル・デバイス、Apple
TV、その他のストリーミング・デバイスおよびオンライン等の一つの媒体で、HBO、ショータイムおよ
びスターズの番組を含む豊富かつ優良なコンテンツをストリーミングできる、クレイヴ。クレイヴは、
カナダの多くのテレビ・プロバイダによって、OTTサービスとして、国内の全てのインターネット加入
契約者に対して直接提供されている。
・ 消費者に対して、ライブおよびオンデマンドのTSNおよびRDSコンテンツをストリーミング配信によって
直接提供するTSNダイレクトおよびRDSダイレクト。同サービスは、月額料金制で、パソコン、タブレッ
ト端末、モバイル・デバイス、Apple TVおよびその他のストリーミング・デバイス上で提供されるもの
である。。
・ 当社の従来型テレビ・ネットワークであるCTVおよびCTV Two、BNNブルームバーグ、TSN、RDSおよびそ
の他ブランドのニュース、ならびにスポーツおよびエンターテインメント・コンテンツへのライブおよ
びオンデマンドのアクセスが可能なモバイル・テレビ・サービスは、取引条件に基づき、カナダの全て
の無線通信業者に提供されている。
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BCE によるその他の投資
BCEは、この他にも、以下を含む多くの資産に投資している。
・ トロント市内の複数のスポーツ・チーム(トロント・メープ
ル・リーフス、トロント・ラプターズ、トロントFCおよびト
ロント・アルゴノーツを含む。)、不動産およびエンターテ
インメント資産を有するスポーツおよびエンターテインメン
ト企業であるMLSEに対する間接的な株式持分28パーセント。
・ カナダを拠点とするデュアル・キャリアであり、複数のブラ
ンドのモバイル製品の販売業者であるグレンテルに対する間
接的な株式持分50パーセント。
・ モントリオール・カナディアンズ・ホッケー・クラブ、
evenko(文化およびスポーツ・イベントのプロモーター兼プ
ロデューサー)、モントリオールのベル・センターおよびケ
ベック州ラヴァルのプレース・ベルを運営する組織に対する
間接的な株式持分18.4パーセント。
4 【関係会社の状況】
(1) 親会社
ビーシーイー・インクに親会社はない。
(2) 重要な子会社
以下の表は2018年12月31日現在の重要な子会社について、その所有割合、事業内容、普通株式による払込資
本金、設立の準拠法および主たる事務所の所在地を記載したものである。
準拠法 主たる事務所
会社名 所有割合 事業内容 払込資本金
(州または国) の所在地
BCEにより直接的 ケベック州
(1 )
通信サービス 24,991百万ドル カナダ
ベル・カナダ
に100%所有 モントリオール
ベル・カナダを
通してBCEにより ケベック州
ベル・モビリティ 通信サービス 4,681百万ドル カナダ
間接的に100%所 モントリオール
有
ベル・カナダを
通してBCEにより
オンタリオ州
ベル・メディア 放送サービス 7,916百万ドル カナダ
間接的に100%所
トロント
有
ベル・カナダを
ベル・エクスプレス
通してBCEにより
ビュ・リミテッド・ 通信サービス 2,442百万ドル カナダ オンタリオ州
間接的に100%所
パートナーシップ トロント
有
(1)BCEの業績の詳細については、「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
の分析 (1)業績等の概要」を参照。
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5 【従業員の状況】
下表は、2018年および2017年の12月31日現在のBCEの従業員数を示している。
12月31日現在の従業員数 2018年度 2017年度
ベル・ワイヤレス 6,584 6,742
ベル・ワイヤライン 39,896 38,452
ベル・メディア 6,310 6,485
(1 )
52,790 51,679
合計
(1)2018年度末のBCEの総従業員数は、2017年12月31日現在の51,679名より増加し、52,790名となった。これは主に、コー
ル・センターの従業員雇用および取得によるものであるが、自然減、定年退職および人員削減により一部相殺された。
2018年12月31日現在、BCEの従業員の約44パーセントは労働組合に加入しており、労働協約の対象となって
いる。
2018年度または2019年初めに批准された、250名以上の従業員を対象とする労働協約は、以下の通りであ
る。
・ 約1,865名の事務系および技術系従業員を対象とする、ユニフォー・アトランティック・コミュニケー
ションズ・ローカルズ(「ACL」)とベル・カナダとの間の労働協約は、2017年12月13日に失効した。新
しい労働協約は、2018年2月28日に批准された。
・ 約4,720名の事務系従業員を対象とする、ユニフォーとベル・カナダとの間の労働協約は、2017年11月30
日に失効した。新しい労働協約は、2018年3月7日に批准された。
・ 約5,680名の技術系従業員を対象とする、ユニフォーとベル・テクニカル・ソリューションズ・インクと
の間のいくつかの労働協約は、2018年5月6日に失効した。新しい労働協約は、2018年3月14日に批准さ
れた。
・ 約545名の技術系従業員および関連従業員を対象とする、国際電気労働者組合(「IBEW」)とベルMTSとの
間の労働協約は、2018年1月31日に失効した。新しい労働協約は、2018年3月28日に批准された。
・ 約335名の営業系従業員を対象とする、ユニフォーとベル・カナダとの間の労働協約は、2018年12月31日
に失効した。新しい労働協約は、2019年2月21日に批准された。
250名以上の従業員を対象とする以下の労働協約が、2019年に失効予定である。
・ 約840名の技術系従業員を対象とする、ユニフォーとエキスパーテック・ネットワーク・インストレー
ション・インク(「エキスパーテック」)との間の労働協約は、2019年11月30日に失効する。
・ 約760名の事務系従業員を対象とする、ユニフォーとベルMTSとの間の労働協約は、2019年12月19日に失効
する。
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250名以上の従業員を対象とし、既に失効した労働協約の状況を下記に示す。
・ 約705名の組合に加入する監督者および非監督者の管理職を対象とする、マニトバ州通信従業員協会-国
際専門技師連盟(TEAM-IFPTE第161支部)とベルMTSとの間の労働協約は、2019年2月19日に失効した。交
渉は、2018年11月16日に開始した。
・ 約710名の従業員を対象とする、ユニフォーとベル・メディア(CTVトロント・スペシャリティーズ)との
間の労働協約は、2018年5月31日に失効した。交渉は、2018年6月14日に開始し、当事者らは、組合員投
票により2019年2月13日に合意に達した。
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第3 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績
等の概要」、「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(2)生産、受注及び販売の状況」および「第3 事業の状況 2 事業等のリスク」を参照。
2 【事業等のリスク】
(1) 事業のリスク
リスクとは、当社の財務状態、財務成績、キャッシュ・フロー、事業または評判にマイナス影響を及ぼし得
る事象が、将来起こる可能性を意味する。ある事象が当社に与える実際の影響は、当社が現在予測するものと
大幅に異なる可能性がある。さらに、リスクに関する本書内の記載は、当社に影響を与える全てのリスクを網
羅しているわけではない。現時点で当社が認識していない、または重要視していないリスクおよび不確実性
が、当社の財務状態、財務成績、キャッシュ・フロー、事業または評判に重大な悪影響を与える可能性があ
る。
本セクションは、当社の財務状態、財務成績、キャッシュ・フロー、事業または評判に重大なマイナスの影
響を与え、当社の将来の見通しに関する言明に明示的にまたは黙示的に示された当社の予測から、実際の結果
が大幅に異なる要因となる主要なリスクを記載している。下表に示す通り、これらの主要な事業のリスクは、
本書内の他の箇所に既出であるため、当該リスクの詳細については、当該セクションを参照されたい。下表の
セクションに記述したリスクの記載は、参照することにより本セクションに組み込まれるものとする。
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本書内の他セクションで言及するリスク セクション参照情報
競争環境 「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要」
-「主な事業のリスク」
「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要」
-「セグメント別分析」
(各セグメントの「競争環境および業界の動向」セクショ
ン)
規制環境 「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要」
-「主な事業のリスク」
「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)生産、受注及び
販売の状況 ④ 規制環境」
安全管理 「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要」
-「主な事業のリスク」
ベル・ワイヤレス・セグメント、ベル・ワイヤ 「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及
ライン・セグメントおよびベル・メディア・セ
びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要」
グメントに特に関連するリスク
-「セグメント別分析」
(各セグメントの「主要な事業のリスク」)
当社の財務状態、財務成績、キャッシュ・フロー、事業または評判に重大な悪影響を及ぼす可能性のあるそ
の他の主なリスクを、以下に示す。
技術/インフラの変革
ネットワークの最適化、ITの展開および更新スケジュール、新技術の将来性の正確な評価、または正しい方
向に投資および進化を行うことができなければ、当社の事業および財務成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
グローバル化、競争の熾烈化および技術の進歩は、より迅速な市場の反応、ユーザ・エクスペリエンスの向
上およびコスト効率の高いデリバリーに対する顧客の期待を高めるものである。これらの期待に応えるために
は、ネットワーク中立性を有した、より協力的かつ総合的な開発環境における新しいサービスおよび製品技術
の展開が求められている。改善したネットワークおよびソフトウェア技術の可用性は、より質の高いかつより
高速な接続の基礎となり、IoTアプリケーションを著しく成長させることとなった。変化を起こすことは困難
を伴う可能性があり、業務の完遂に影響を与え得る、現時点では認識できていない障害に直面する可能性があ
る。また、当該移行は、当社のマルチ・プロダクト環境の複雑性と当社ネットワークおよびIT構造の複雑性と
が相まって、より困難を伴う可能性がある。さらに、新技術は、すぐに時代遅れとなる、またはその使用開始
が遅れる場合がある。顧客の需要および競合他社の活動に照らしてネットワークの最適化、ITの展開およびス
ケジュールの更新を行うことができなければ、また、ビジネス・モデルが常に変化を遂げる環境の中で、新技
術の将来性の正確な評価または正しい方向に投資および進化を行うことができなければ、当社事業および財務
成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
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特に、当社のネットワークおよびIT革新に関する活動は、ネットワーク機能の仮想化、ソフトウェア定義
ネットワークおよびクラウド技術等の新技術および進化・開発の途上にある技術を活用することを目指してお
り、当社のサービスの提供および業務に対する機動性を高め、当社の顧客に対しセルフ・サービスおよびイン
スタント・オン能力を提供し、最高品質およびカスタマー・エクスペリエンスを確保し、競争力のある費用構
造および急速に高まる容量を可能にする新たなネットワーク・インフラを開発するという当社の目標を達成す
るために、当社のネットワークおよびシステムの変革を行うことを目指している。これらの革新に関する活動
は、業務上および文化上の変革を要する。技術、製品開発および業務全体で調整を行うことは、適切なトレー
ドオフおよび資本配分の最適化を確保するためにその重要性を増している。
移行期間中、ネットワークの可用性およびパフォーマンスを維持しながら、当社の展開計画に沿ってこれを
達成することができなければ、当社は、不十分なサービス・パフォーマンスにより顧客を失う可能性があり、
これは、当社の業務上および財務上の目標を達成する当社の能力に悪影響を与える可能性がある。当社ネット
ワークならびに製品およびサービス・ポートフォリオの全ての面に対して、IPを活用できなければ、完全な顧
客志向型のアプローチを妨げ、総合的なセルフ・サービス、リアルタイム・プロビジョニング、コスト削減な
らびにデリバリーおよび消費の利便性を制限または阻害して、事業および財務成績に悪い影響を及ぼす可能性
がある。
次世代投資に集中することと並行して、当社にとって不利な規制上の決定は、投資決定の特定の性質、規
模、場所および時期に影響を与える可能性がある。特に、CRTCが導入した、FTTPまたは無線ネットワーク上の
卸売サービスの義務付けは、設備ベースのデジタル・インフラ・プロバイダが、特に小規模地域社会および農
山村部の次世代型有線および無線ネットワークに投資するインセンティブを削ぐことになる。規律ある戦略的
な方法で次世代機能に対する投資を継続できなければ、効果的に競争する、ならびに望ましい業績および財務
成績を達成する当社の能力が制限される可能性がある。
当社が望む技術/インフラの移行の達成に影響を与えるその他のリスクを、以下に挙げる。
・ 市有地および私有地におけるネットワークの構築および展開はそれぞれ、ネットワーク機器の設置に関す
る自治体または所有者の同意を要するため、FTTPの無線展開について、コストを増加させ、遅延を生じさ
せる可能性がある。
・ WTTPサービスの展開の完遂は、環境要因(樹木等)を含む様々な要因により影響を受け、サービス区域お
よび費用に影響が及ぶ可能性がある。
・ 当社は、高品質のネットワーク機器およびサービスを第三者の供給業者から適時にかつ合理的な費用で調
達できなければならない(詳細については、下記の「第三者の供給業者への依存」を参照のこと。)。
・ コンテンツの配信、販売、顧客エンゲージメントおよびサービス・エクスペリエンスに係るアプリへの依
存度の高まりは、新たなかつ稀少な能力(自社調達または外部調達を問わない。)への需要を高めるが、
当社がこのような能力を持ち合わせていない場合があり、また、これに付随する業務プロセスと現行の業
務とを統合する必要性を高める可能性がある。
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・ 新たな製品、サービスまたはアプリは、より収益性の高い当社の既存のサービスに対する需要を縮小させ
る、またはその価格を下落させる可能性もあり、これによって既存の技術の予測耐用年数が減少し、減価
償却費および償却費を増加させる可能性がある。
・ コンテンツの消費習性が変化し、視聴オプションが増える中、新規市場で競うために、代替的な配信方法
を開発し、顧客エンゲージメントおよび収益源を増加させる当社の能力は、これに要する多額のソフト
ウェア開発およびネットワーク投資によって妨げられる可能性がある。
・ 小売、事業および行政の分野におけるIoTの導入速度に合わせて関連する製品ソリューションの開発およ
び展開を適時にかつ首尾良く管理することは困難を伴う可能性がある。
・ 当社は、当社の事業目標を達成するために、「big data」等がもたらす新規機会を活用できなければなら
ないが、これは、変化の激しい顧客の見方ならびに法制上および規制上の進展等の多くの課題に晒されて
いる。当該分野において、社会的価値ならびに法制上および規制上の要件に配慮した販売、サービスおよ
び運用プラットフォームについて、市場をリードする能力を当社が身に付けられなければ、当社は、高度
な市場調査およびより積極的な顧客サービス・モデルを用いて当社の事業を成長させる重要な機会を逸失
する可能性がある。
カスタマー・エクスペリエンス
当社と顧客との連携のあらゆる側面において良好なカスタマー・エクスペリエンスを促進することは、当社
ブランドの毀損ならびに当社の事業および財務成績に対するその他の悪影響を回避する上で重要である。
サービスおよび価値に対する顧客の期待は常に進化することから、当社に求められる水準は常に引き上げら
れているため、その期待に応えられない場合、およびさらに安定および一貫したサービス・エクスペリエンス
を築き上げられない場合、当社製品およびサービスの差別化および顧客の忠誠心を妨げる可能性がある。効果
的な顧客サービスの土台は、高品質、一貫したかつシンプルなソリューションを迅速に、かつ相互に受諾可能
な条件に従って、顧客に届ける当社の能力に依拠している。しかしながら、大規模な顧客基盤および研修、監
視および交替・補充が継続的に必要な人材という背景において、複数の技術プラットフォーム、請求システ
ム、販売経路およびマーケティング・データベース、ならびに無数の料金プラン、販売促進活動および製品販
売に起因する当社業務の複雑性は、市場の変化に素早く反応する、およびコスト削減を行う当社の能力を制限
する可能性があり、これは、顧客の混乱または請求、サービスその他の誤りも引き起こす可能性があり、これ
は、顧客満足度、ならびに顧客の獲得および維持に悪影響を及ぼす可能性がある。サービスが複雑性を増すに
つれ、これらの課題は悪化する可能性がある。顧客の苦情がメディアの注目を集めた場合、当社のブランドお
よび評判が損なわれ、顧客の獲得および維持に悪影響を与える可能性がある。
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接続サービス、アプリおよびデバイスが多様化するにつれて、顧客は、ウェブサイト、セルフ・サービス・
オプション、ウェブ・チャット、コール・センター、Facebook、ツイッターその他のソーシャル・メディア媒
体を経由して、好きな時間、方法および場所で行動する習慣が身に付いている。このような新しいメディアを
積極的に活用できなかった場合、当社が提供するサービスの複数の局面においてこれらを取り入れられなかっ
た場合、および当該メディアが顧客の受けとめ方に与える可能性のある影響を理解しきれなかった場合、当社
の評判およびブランド価値に悪影響が及ぶ可能性がある。
運用実績
当社ネットワーク、ITシステムおよびデータ・センター資産は、サービスに対する期待に応えるための高品
質かつ一貫したサービスの基礎となるものである。
一貫した無線、有線およびメディア・サービスを、複雑かつ変化の絶えない経営環境下において顧客に提供
する当社の能力は、持続的な成功にとって必要不可欠である。特に、テレビおよびその他帯域幅消費型の当社
インターネットおよび無線ネットワークで動作するアプリケーションが求めるネットワーク容量は、過去に類
を見ない勢いで成長している。当社ネットワーク容量が予想外に圧迫されれば、当社のネットワーク・パ
フォーマンスおよび当社のサービス提供能力に悪影響が及ぶ可能性がある。当社の比較的新しいネットワーク
および当社の老朽化したネットワークに関する、ネットワークの可用性、通信速度、一貫性およびトラフィッ
ク管理に関する課題は、当社の事業および財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに、当社は、プロビジョニング、ネットワークの構築、配信、放送管理、請求および会計に関連する、
相互接続した数多くの運用/業務支援システムを利用するが、これは、当社の業務効率を抑制する可能性があ
る。効果的なガバナンスおよび運営枠組みにサポートされた、非常に効果的なITシステムを当社が実施または
維持できなければ、一貫性のないパフォーマンスおよび顧客の不満を招き、将来チャーンレートを増加させる
可能性がある。
以下に、当社の評判、事業運営および財務成績に影響を与える可能性のある、運用実績に関するリスクのそ
の他の例を挙げる。
・ 当社は、当社有線および無線ネットワークの容量を増やしてネットワークの混雑を緩和させるために、当
社の資本集約度の目標値において予定されている資本的支出に加えて、多くの資本的支出を強いられる可
能性があるが、当該資本的支出のために必要なキャッシュ・フローを十分に生み出せない、または資金を
十分に調達できない可能性があり、これは、サービスの低下を引き起こす可能性がある。
・ 企業の再編、システムの置換およびアップグレード、プロセスの再設計、人員削減ならびに取得事業の統
合は、意図された利益をもたらすことができない可能性があり、当社の継続的な業務に悪影響を及ぼす可
能性がある。
・ 当社の重要なITレガシー・システム・ポートフォリオを整備できない、および運用実績を積極的に改善す
ることができなければ、当社の事業および財務成果に悪影響が及ぶ可能性がある。
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・ レガシー・インフラストラクチャの老朽化により、当社は、サービスの中断または停止に悩まされる可能
性がある。ベンダーのサポートが利用できなくなっているまたはレガシー・ベンダーの業務が停止してい
る場合もある。
・ レガシー・ネットワークの動作ステイタスを維持するために必要なライフサイクル・マネジメントおよび
アップグレードを行うための、有能かつコスト効率の良い資源が不足する可能性がある。
当社の業務およびその継続性は、当社のネットワーク、ITシステム、機器およびその他の設備を、防御、検
査、維持および交換する当社の能力に依存している。
当社の事業、サービス業務、評判および業務の継続性は、当社ネットワークおよびITシステム、ならびにそ
の他インフラおよび設備を、情報セキュリティ攻撃、不正アクセスや不正侵入、火災、自然災害(地震、およ
び氷、雪や暴風、洪水、ハリケーン、竜巻等の悪天候、ならびに津波を含むが、これらに限らない。)、停
電、ビル空調設備の故障、戦争またはテロ行為、サボタージュ、破壊行為、近隣居住者による行為その他の事
象等から防御する、当社ならびに当社の契約商品プロバイダおよび契約サービス・プロバイダの能力に依存し
ている。突発的な事象が起きた場合に、サービスの一貫性を維持するために対応戦略および事業継続計画を設
定することは、効果的な顧客サービスの実現にとって重要である。特に、当社が、第三者の供給業者から機器
およびサービスを購入する能力に依拠する、前述のいずれかの事象が起こった場合、ならびに予定された当社
ネットワーク、機器およびその他の設備の十分な検査、メンテナンスまたは交換が完了しなかった場合、当社
の業務が(ネットワーク障害、請求のエラー、または顧客サービスの遅延等による障害に起因して)中断す
る、多大な資金を必要が必要となる、多大な修復費用を要する、ひいては当社の事業および財務成績に悪影響
を及ぼし、または既存の顧客を維持する、もしくは新規加入契約者を呼び込む当社の能力を損なう可能性があ
る。
当社の衛星テレビ・サービスを提供するために使用されている衛星は、当社の事業および財務成績に悪影響
を及ぼす可能性のある、重大なオペレーション・リスクに晒されている。
ベル・エクスプレスビュとテレサット・カナダ(「テレサット」)との間で取り交わされた一連の商業協約
に基づき、当社は現在、衛星についてテレサットと契約している。テレサットは、当該衛星の運営または運営
指揮を行っており、当該衛星は、非常に複雑な技術を利用しており、過酷な宇宙環境で動作している。そのた
め、軌道上で、重大なオペレーション・リスクに晒されている。これらのリスクには、軌道上で起こる機器故
障、誤作動、および当社の衛星テレビ・サービスを提供するために使用される衛星の実用性を縮小させる可能
性のある、通常アノマリー(異常)と呼ばれるその他の問題がある。戦争またはテロ行為、磁気嵐、静電風、
太陽風、または宇宙廃棄物もしくは流星物質も、当該衛星を損傷する可能性がある。当該衛星、当社の地上波
放送インフラ、または衛星を操作するテレサットの追跡、遠隔測定および制御装置の損失、失敗、製造上の欠
陥、損害または破棄はいずれも、当社の事業および財務成績に悪影響を及ぼす可能性があり、また、顧客によ
る当社の衛星テレビ・サービスの解約に繋がる可能性がある。
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第三者の供給業者への依存
当社は、事業の運営、新たなネットワークおよびその他の技術の展開ならびに新たな商品およびサービスの
提供に必要な製品およびサービスを継続して提供し、各種義務を遵守する上で、第三者の供給業者、委託業者
およびコンサルティング業者に依存しており、その一部は当社にとって極めて重要である。
当社は、その一部は当社事業に必要不可欠であるが、当社が業務管理および財務管理を担っていない製品お
よびサービスの供給については、第三者の主要供給業者および委託業者に依存している。購買時点での、およ
び取引関係にある期間中のリスクの完全な透明性を確保するためのベンダーの選別、ガバナンスと管理プロセ
ス乖離(契約の再交渉を含む。)があった場合、供給が中断される可能性があり、これは、当社の販売能力お
よび顧客にサービスを提供する能力、ならびに当社の事業上および財務上の目標を達成する能力に影響を与え
る可能性がある。また、かかる乖離があった場合、当社のベンダー基盤の管理不足、費用の増加および機会の
逸失をもたらす可能性がある。当社の第三者の供給業者および委託業者の一部は、国外に拠点を置いており、
これによって、異なる法律、地政学的環境および文化を有する外国の法域で営業することにより供給が中断さ
れるリスクおよび局地的な自然災害の可能性が増す。
変化する当社の内部方針およびガイドラインならびに規制要件を満たすために、当社は、機器ならびにその
他の製品およびサービスの第三者の供給業者および委託業者を選別し直さなければならない可能性がある。当
社と既存の供給業者または委託業者との関係を打ち切ることを当社が決定した場合、または政府機関等により
これを要求された場合、利用できる供給業者または委託業者の数が減り、費用、移行、サポート、サービス、
品質または継続性に関する問題を増やし、新たなネットワークおよびその他の技術を展開し、新たな製品およ
びサービスを提供する当社の能力を遅らせ、また、当社の事業および財務成績に悪影響を与える可能性があ
る。
一般的に、サービスの業務委託はリスクの移転を伴うものであるため、当社は、継続的な供給およびブラン
ド競争力を維持するために、リスク管理に関する委託業者のアプローチが、当社独自の基準に沿うものである
かを確認するための適切な手順を踏まなければならない。さらに、クラウド・ベースのサプライヤー・モデル
が進化を続ける中、当社の調達およびベンダー管理実務もまた、これに伴うリスク・エクスポージャーに十分
に対処するための進化を続けなければならない。
また、会社のイニシアティブの一部は、第三者が提供する専門的なコンサルティング・サービスに大きく依
拠しており、当該第三者による不履行は、その業務が遂行されるまたは遅延するまで合理的に明らかとならな
いことがある。第三者への依存の規模、複雑性および度合いに応じて、第三者が提供する専門的なコンサル
ティング・サービスで、適切または適時に遂行されないものに関しては、改善戦略を実行するのは困難となる
ことがある。改善戦略を実行する際のかかる困難は、様々な義務(適用される法律および会計に関する要件を
含む。)を履行する当社の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の第三者の供給業者への依存に伴うその他のリスクの一例を、以下に挙げる。
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・ 限られた供給業者(このうちの何社かは世界市場を寡占している。)による製品およびサービスの需要
は、供給業者が当社より規模の大きな国際的な競合他社を好んで、その結果当該競業会社がより大量の製
品およびサービスを購入すれば、可用性の低下、ならびに当該製品およびサービスの提供に関するコスト
の増加または提供の遅延を招く可能性がある。さらに、当該供給業者またはその他の供給業者に影響を及
ぼす、製造に関する問題があれば、生産量の低下または製品もしくはサービス全体の供給不足を招く可能
性がある。これらの事象はいずれも、顧客の要求および需要を満たす当社の能力に悪影響を及ぼす可能性
がある。
・ クラウド・ベース・ソリューションは、当社の供給業者に影響のあるセキュリティ管理プロトコルがバイ
パスされれば、セキュリティおよび情報漏洩に晒されるリスクを高める可能性がある。
・ ベンダーの管理(特に初期口座の開設に関する管理)に関して、厳しい自己規律を維持できなければ、財
務上または業務上起こり得るリスクを覆い隠してしまい、将来は発生し得る問題の解決を困難にする可能
性がある。
・ 当社の業務にとって重要な製品およびサービスに製造上の欠陥があった場合、または適用される政府の規
則および基準(製品の安全に関わる取扱方法を含む。)を満たさない場合、適時に製品を販売する、およ
びサービスを提供する当社の能力に悪影響が及ぶ可能性がある。当社は、当社の供給業者と協力して、重
大な製品の欠陥(安全に関する事故を含む。)を特定し、適切な改善戦略を策定する。改善戦略は、製品
のリコールを含む場合がある。供給業者が、その製品のリコールに積極的に参加しようとしない場合、お
よび/または重要な金銭的責任を負担しようとしない場合、当該リコール・プログラムを合理的な費用お
よび/または適時に実施する当社の能力に悪影響が及ぶ可能性がある。上記にて言及する事象はいずれ
も、当社の業務および財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
・ 当社に供給された製品(ソフトウェアを含む。)およびサービスは、検査によっても明らかとならない、
セキュリティ問題(潜在的なセキュリティの問題を含むが、これに限らない。)を含む可能性がある。か
かるセキュリティ問題が発見された場合、当社は、社内でかつ当社の供給業者と協力して、改善戦略を特
定し、策定するよう努める。当社または供給業者が、セキュリティ問題を適時に是正することができない
場合、当社の事業および財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
・ 業務が一時的もしくは恒久的に停止した場合、または当社がサービスを提供するために利用している当社
以外の電気通信業者および供給業者のネットワークのサービスが中断した場合、当該電気通信業者および
供給業者のネットワークを利用してサービスを提供する当社の能力に影響が及ぶ可能性があり、その結
果、当社の事業および財務成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
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・ BCEは、コール・センター・サービスおよびテクニカル・サポート・サービスにつき、外部の多数の供給
業者および委託業者(うち一部は、海外に拠点を置く。)に当該業務を委託している。これらのベンダー
は、自らが提供するサポート・サービスに必要となる顧客情報およびBCE内部の情報にアクセスできる。
適切に対処されない情報へのアクセスおよびサービスの提供に関する問題は、当社の評判、顧客に提供さ
れるサービスの質および速さ、ならびに技術的な問題に対処する当社の能力に悪影響を及ぼす可能性があ
る。
人材
当社従業員および委託業者は、主要な資源であり、成功を生む企業文化と優れた業績を推進するためには、
効果的に管理しなければならない、広く複雑なリスクがある。
当社の事業は、その労働環境の中で、効率的かつ安全に担当業務を遂行すべき当社経営陣および非管理職社
員ならびに委託業者の努力、エンゲージメントおよび専門的知識に左右される。これらの基本的な期待を達成
できなければ、当社の組織文化、評判、事業および財務成績ならびに優秀な人材を集める当社の能力に悪影響
が及ぶ可能性がある。優秀な人材の獲得競争は熾烈であるため、幅広い職務、役割および責任について、優秀
な人材を得るために十分に対抗し、一流の採用候補者を特定して確保するための包括的な人材戦略を策定する
ことは必要不可欠である。当社の戦略的優先事項を推進するためのイニシアティブにおいて、従業員に適切に
研修を行い、士気を高め、報酬を与え、または配置しなければ、あるいは退職する従業員を効率的に置き換え
なければ、才能のある従業員を勧誘・維持し、社内全体の業績を上げる当社の能力に悪影響を及ぼす可能性が
ある。組合が代表する当社チーム・メンバーが積極的にエンゲージメントを図るかどうかは、競争力のある労
働条件および連続的なサービス(これらはいずれも当社の事業目標を達成するために必要不可欠である。)を
もたらす労働協約を結べるか否かに左右される。さらに、有する能力、多様性および人員規模が、事業運営上
の必要性に適合せず、成功する組織文化を築き上げることができなければ、当社は、業績を維持できなくなる
可能性がある。
人員に関連するその他のリスクは、以下を含む。
・ 当社事業の技術および業務の複雑性は増しており、市場において戦略的分野に熟練した従業員の需要は高
く、かかる熟練した従業員の採用、維持および育成を巡る環境は厳しい。
・ 主要な役職について、内部人材の育成、および外部候補者の特定を含む、完全かつ効果的な承継計画を策
定できなければ、適任の後任者が見つかるまで当社の事業の妨げとなる可能性がある。
・ 2018年12月31日現在、当社従業員の約44パーセントは組合に加入しており、労働協約の対象となってい
る。労働協約の再交渉は、人件費の増加を招く可能性があり、再交渉のプロセスにおいて、プロジェクト
の遅延ならびに業務の停止または遅延等の業務の混乱が生じ、これらは、顧客に対するサービス、ひいて
は、当社の顧客関係および財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
・ マンホール、電柱、携帯基地局、車両、海外報道局および戦闘地域等の特殊な環境で業務を行う人員の安
全は、負傷、サービスの中断、罰金および評判への影響を回避するためにも重点的に取り組む必要があ
り、また、効果的なプロセスおよび柔軟性を要する。
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・ 人員削減、継続的なコスト削減または再編成による従業員の士気およびエンゲージメントの低下は、当社
の事業および財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
財務管理
必要な資金調達を行えない場合、または営業活動によるキャッシュ・フローを十分に生み出せない場合、当
社は、新規事業に対する当社の資本的支出または投資を制限しなくてはならない、または資金を得るために、
資産の処分を試みなくてはならない。
資金需要を満たし、資本的支出のための資金を調達し、計画的成長のために資金調達を行う能力は、十分な
資金源へのアクセスおよび営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す当社の能力に依存しており、本書に
記載するリスクを含む様々なリスクに晒されている。
当社の資金調達能力は、公開株式、債券発行市場および金融市場ならびに銀行信用市場へのアクセス能力に
依存する。当該市場への当社のアクセス能力および資金調達のコストや利用可能な資金額は、資金調達時の市
況、当社事業の見通しおよび信用格付けに大きく左右される。資本市場の混乱、国内外における政治、経済お
よび金融市場不安、政府の政策、中央銀行の金融政策、銀行資本もしくはその他の規制の変更、全体的な銀行
貸出の減少または銀行業務もしくは銀行業界の統合に伴う銀行数の減少等のリスク要因は、利用可能資本およ
び資本調達の減少またはコストの増加を招く可能性がある。さらに、借入金の増加は、当社の信用格付けの低
下、資金調達コストの増加、および当社が利用可能な財源(株式の募集による方法を含む。)を縮小させる可
能性がある。事業の買収も、当社の見通し、および信用格付けにマイナスの影響を与えて、同様の悪影響を及
ぼす可能性がある。また、公開資本市場および銀行信用市場への参加者は、単一もしくは複数の企業に、また
は特定の業界に投資または信用を供与する能力を制限する内部方針を有している。
当社は、様々な金融機関に、コマーシャル・ペーパー・プログラムを支援する与信枠を含む、様々な与信枠
を受けている。当社は、特定の当該与信枠を随時更新する意思があるものの、それが当社にとって好ましい条
件で、または同様の額で更新される保証はない。
BCEの実際の財務成績または財務成績の予想数値が、証券アナリストが公表した予測と異なる場合、ならび
に当社事業または経営環境に影響を与える事象が発生した場合、BCE証券の価値は大きく変動することがあり
得る。一般的に、資本市場の大幅な低迷、またはBCE証券の市場価格の調整もしくは取引量の調整は、当社の
社債発行能力もしくは株式資本調達能力、上級執行役員およびその他幹部従業員を維持する能力、戦略的買収
を行う能力、または共同支配企業を立ち上げる能力に悪影響を与える可能性がある。
事業計画を実施する、あるいは金融債務を弁済するのに必要な資本に、妥当な条件でアクセスできない場合
またはキャッシュ・フローを生み出せない場合、当社は、継続中の資本的支出および新規事業向けの投資を制
限し、または資本の売却その他の処分により資本の追加調達を行わなければならない可能性がある。前述のい
ずれかを実施した場合、当社の営業活動によるキャッシュ・フローおよび成長予測に重大な悪影響が及ぶ可能
性がある。
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当社は、BCEの配当性向政策を維持する、配当を増加させる、あるいは配当金を宣言する保証はできない。
BCEの取締役会は、BCEの事業への投資を継続するために十分な財務上の柔軟性を確保すると同時に、株主へ
の還元を増加させることを目的として、BCEの配当性向政策の妥当性を随時検討している。現行の配当性向政
策の下、普通株式の配当の増加は、BCEのフリー・キャッシュ・フローの成長に直接関連するようになる。BCE
の配当性向政策、普通株式の配当の増加およびBCEの発行済株式に対する配当金の宣言は、BCEの取締役会の裁
量に服する。従って、BCEの配当性向政策が維持される、普通株式の配当が増加される、あるいは配当金が宣
言される保証はない。BCE取締役会によるBCEの配当性向政策、配当の増加および配当の宣言は、最終的には
BCEの業務および財務成績(これらは、様々な前提となる推測およびリスク(本書に言及されるものを含
む。)の影響を受ける。)に依存する。
当社は、様々な信用リスク、流動性リスクおよび市場リスクに晒されている。
信用リスク、流動性リスクおよび市場リスク(株価、金利および通貨変動を含む。)への当社のエクスポー
ジャーは、「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)業績等の概要」-「金融リスクの管理」およびBCEの2018年度連結財務諸表の注記26に詳述されてい
る。
金利、外国為替相場(特にカナダドル安)、BCE株価およびその他の市場環境の変動への当社のエクスポー
ジャーを特定し、管理することができなければ、事業機会の逸失、利鞘の縮小、キャッシュ・フロー不足、資
本的支出計画の未達、評判に対する損害、株価および債券の価格の下落ならびに市場競争下での資本調達の困
難性をもたらす可能性がある。
経済環境、年金規則および効果のないガバナンスは、当社の年金債務、流動性および財務成績に悪影響を及
ぼす可能性があり、当社は将来、退職後給付制度への拠出を強化しなければならない可能性がある。
多くの従業員が年金制度に加入しており、また、DB年金制度は世界経済環境の圧力、ならびに変化する規制
条件および報告義務に晒されていることから、当社の年金債務は、変動の可能性に晒されている。経済エクス
ポージャーおよび年金制度の改正を認識せず、あるいは、年金資産および債務の運用および調達を効果的に管
理しなければ、当社の流動性および財務成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
退職後給付制度資産および債務の評価に基づく当社退職後給付制度の資金需要は、退職後給付制度資産の運
用収益実績、長期金利、制度の年齢構成、ならびに適用規制および保険数理基準等の様々な要因に左右され
る。当該要因に変更があれば、今後の拠出額が現在の予測から大幅に変化する可能性があり、当社は将来、退
職後給付制度の拠出額の増加を強いられる可能性がある。これは、当社の流動性および財務成績に悪影響を及
ぼす可能性がある。
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当社の退職後給付制度資産が予定利益率を達成する保証はない。当社退職後給付制度資産の大部分は、公開
株式および債券への投資に利用されている。その結果、当社退職後給付制度資産が予定利益率を達成する可能
性は、資本市場の成果に著しく委ねられている。当社の年金制度支払義務の算出に用いられる割引率もまた、
市場環境の影響を受けることから、当社の現金資金需要に重大な影響を及ぼす可能性もある。
当社の2019年度拠出額(推定)は、2018年6月に提出された2017年12月31日現在の最新の退職後給付制度の
評価に基づいており、2018年度中の任意拠出金240百万ドルも考慮している。
法人所得税額および物品税額は、予想と大きく異なる可能性がある。
当社の複雑な業務は、様々な税法に服している。これに基づく新たな税法もしくは規則の採択、またはこれ
らの改正もしくは解釈の変更があれば、税率の引上げ、新税の導入または税務上の不利な取扱いをもたらす可
能性がある。さらに、当社は、現在入手可能な全ての情報に基づき法人所得税および物品税を適切に計上して
いる考えている。しかし、法人所得税の算出方法および物品税の適用性は多くの場合、税法および税法規則の
解釈に関する重要な判断を要する。当社の納税申告は、政府監査に服しており、当期税金資産または繰延税金
資産および税金負債その他負債の額に大幅な変更をもたらす可能性があり、場合によっては利息または罰金が
課される場合もある。
コスト削減を果たせなければ、あるいは予期せぬコストの高騰があれば、戦略的優先事項を達成する当社の
能力および当社の財務見通しに悪影響が及ぶ可能性がある。
当社は、対象を絞った当社のコスト削減については、引き続き積極的な目標値を掲げているが、段階的なコ
スト削減を継続的に行うことは困難であるため、コスト削減が成功裏に終わる保証はない。当社のコスト削減
の目標は、当社の供給業者との強気な交渉を必要とするが、当該交渉が成功裏に終えられるかどうかの保証は
なく、また、供給された代替製品またはサービスが業務上の問題を引き起こさない保証はない。
コスト削減を実現する当社の能力に係るリスク、または考え得るコスト増の一例を、以下に挙げる。
・ IP基盤のネットワークに移行すると同時に、適時にコスト削減を達成するためには、ネットワークの廃止
を規律正しく行えるかどうかに依存しているが、当該廃止は、顧客との間の契約上の約束、規制上の検討
事項およびその他の不測の事態に起因して遅延する可能性がある。
・ ネットワーク・サイト、サービス区域の拡大ならびに周波数免許の取得、コンテンツの獲得および機器の
調達に関して増加する営業費用を抑えられなかった場合、当社の財務成績にマイナスの影響を与える可能
性がある。
・ エネルギー価格の変動は、気候変動に対応する政府の方針による影響を一部受けており、これは、当社の
エネルギー需要を増加させるデータ需要の増加との相乗効果により、当社のエネルギー費用を当社の現在
の予測を上回せる可能性がある。
・ セキュリティに関する事象、業務上の困難、またはその他の理由に起因して当社の契約上の約束を果たせ
なかった場合、罰金または利益の逸失を招く可能性がある。
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詐欺行為の効果的な監視および管理方法を開発しなければ、財務上の損失および当社ブランドの毀損が生じ
る可能性がある。
顧客に望まれる、価値ある様々製品およびサービスを有し、多数の従業員を抱える公開会社として、BCE
は、詐欺行為に関しては、従業員および/または外部関係者による汚職、資産の不正流用および財務諸表の意
図的な改ざんについて検討する、ガバナンス、エクスポージャーの特定および評価、予防、発見および報告に
係る規律あるプログラムを必要とする。詐欺行為は、財務上の損失および当社ブランドの毀損を生じさせる可
能性がある。
当社に関連する具体的な例を以下に挙げる。
・ 他人名義での加入詐欺または盗難クレジットカードによる支払い。
・ 当社の有線または無線ネットワークを用いた架電販売活動等、ネットワークを利用した詐欺行為。
・ 著作権侵害およびベル・メディアのコンテンツの独占性を侵害するその他の不正利用は、無認可または違
法プラットフォームにユーザを誘導して、当社の配信収益および広告収益獲得能力に影響を与える可能性
がある。
・ ベル・カナダおよびベル・エクスプレスビュを含むテレビ事業者は、シグナル・セキュリティ・システム
の侵害または迂回を行ってサービスを盗用しようとする企みに直面しており、これらは、収益の逸失を招
く。
訴訟および法律上の義務
法的手続および適用法の改正ならびに当社の法律上および規制上の義務に積極的に対処できないことは、当
社の事業および財務成績に悪影響が及ぼす可能性がある。
当社は、業務の一環として様々な請求および法的手続の当事者となっている。原告にとって、大規模な集団
を代表して集団訴訟を提起して認証を得ることは、より容易になっている。また、証券法は、公開文書および
口頭陳述における不実表示の疑いで、流通市場の投資家が公開会社に対して提起する集団訴訟の導入を促進さ
せるものである。法規制またはその解釈の変更、新しい法規制の採択、および係属中または将来の訴訟(認定
集団訴訟の増加を含む。)は、その性質上、相当額の損害賠償費用および訴訟費用を生じさせる可能性があ
り、当社の事業および財務成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社が遵守すべき法律上および規制上の義務は、以下から生じるものを含む。
・ 「第3 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)
生産、受注及び販売の状況 ④ 規制環境」に詳述される、CRTC、ISED、競争局およびその他の政府機関
による決定、政策およびその他のイニシアティブ、ならびに規制に関する法律
・ 消費者保護およびプライバシーに関する法律
・ 税法
・ 会社法および証券取引法
・ 国際会計基準(IFRS)
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・ 環境保護および安全衛生に関する法律
・ クレジッドカードを用いた違法行為から守るための、ペイメント・カード業界の基準
上記のいずれかまたはその他の法律もしくは規制の義務に違反した場合、当社は、訴訟(集団訴訟を含
む。)ならびに多額の制裁金および課徴金に晒される可能性があり、また、当社の評判に傷が付く可能性もあ
る。
当社が当事者となっている主要な法的手続に関する詳細は、本書の「法的手続」と題するセクションを参照
されたい。
最後に、当社の従業員、供給業者またはその他の取引先が、適用法令および倫理基準(贈賄防止関連諸法な
らびに当社の方針および契約上の義務を含むが、これらに限らない。)に違反した場合、当社は、訴訟ならび
に多額の制裁金および課徴金に晒される可能性があり、また、当社の評判に傷が付くまたは請負契約への入札
資格を失う可能性もある。
健康問題および環境に関する懸念事項
無線通信装置および機器から放出される電磁波に関する健康問題、および伝染病その他の健康上のリスク
は、当社の事業に悪影響を与える可能性がある。
携帯電話、無線ネットワークおよび電波塔が健康上のリスクを及ぼすかどうかを評価するために、多く調査
が過去および現在においても行われている。一部の調査は、携帯電話の使用は特定の症状に関連していること
を示唆したが、その他の調査は、携帯電話の使用と健康被害との間に明確な因果関係はないと結論付けた。
2011年、世界保健機関の国際がん研究機関(「IARC」)は、携帯電話から放出される無線周波電磁界を「ヒト
に対して発がん性がある可能性があるかもしれない(possibly carcinogenic to humans)」に分類したが、
偶然、バイアスまたは交絡因子を根拠ある確信をもって除外できないことも示唆した。IARCは、長期に及ぶ頻
繁な携帯電話の利用に関する更なる調査も求めた。
ISEDは、無線周波機器の承認およびコンプライアンス評価について責任を負っており、家庭および職場にお
ける電磁波放射の曝露制限を定める、カナダ保健省の安全規則6(Safety Code 6)を、ISEDの曝露水準とす
ることとした。また、同規則は、無線周波電磁界を放つ携帯電話、Wi-Fi技術および基地局のアンテナ等の機
器の設置および操作に関する安全要件も定めている。ISEDは、無線機の設定を申請する、または操作する全て
の者が安全規則6を遵守することを強制した。
当社の事業は、無線周波数技術に大きく依存しており、当社の事業および財務成績に対して、以下を含む大
きな課題をもたらす可能性がある。
・ 当社は、顧客の健康被害があるとして、ならびに健康被害に関する当社のマーケティングおよび情報開示
に関して、現在、訴訟を提起されており、将来もその可能性がある。当該訴訟の結果は予測不能であり、
時間の経過と共に変化する可能性がある。
・ 科学的根拠および/または一般的な認識に変化があれば、政府による新たな規制、ならびにコンプライア
ンスを保つためのインフラおよび携帯端末の改良費用を生じさせる可能性がある。
・ 社会的な懸念は、市場の進化によって求められるようになった、当社の無線ネットワークを維持および/
または拡大するために必要なインフラの配備を遅らせる、あるいは配備不可能とさせる可能性がある。
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また、伝染病、流行病およびその他の健康上のリスクが発生し、当社の運用ネットワークの維持能力および
顧客へのサービス提供能力に悪影響を与える可能性がある。
これらの事象は、当社の事業および財務成績に悪影響を与える可能性がある。
気候変動および環境に対するその他の懸念事項は、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
地球の気候変動は、本セクションの「運用実績-当社の業務およびその継続性は、当社のネットワーク、IT
システム、機器その他の設備を、防御、検査、維持および交換する当社の能力に依存している。」にて言及さ
れる、天候に関連する事象が発生する頻度および程度等の当社の事業に対する脅威を一部増幅させる可能性が
ある。さらに、当社のいくつかの事業分野は、燃料の保管、温室効果ガス排出、有害残留物質の処分、ならび
に当社が販売・リースを行う生産が中止された電子製品の回収およびリサイクル等の環境に対する対価を引き
上げている。環境問題について、変化する政府および社会の要請を認識し、それに十分に対応できなければ、
罰金、機会の逸失、規制当局による追加調査を招く、あるいは当社のブランドおよび評判を害する可能性があ
る。
(2) 法的手続
当社は、通常の業務の過程において、損害賠償およびその他の救済措置を求める様々な請求および法的手続
の当事者となっている。特に、当社は、当社の消費者対面型の事業の性質上、多額の損害賠償金を請求される
ことがある集団訴訟に晒されている。本セクションは、2019年3月7日現在、当社が当事者となっている重要
な訴訟を説明している。かかるリストは、全てを網羅したものではなく、当社は、これ以外にも多数の法的手
続に関与している。訴訟手続の固有のリスクおよび不確実性により、当社は、請求および法的手続の最終的な
結果または時期を確実に予測することはできない。上記に従って、かつ、現在入手可能な情報および経営陣が
判断する2019年3月7日現在の係属中の請求および法的手続の実体から、当該請求および法的手続の最終的な
結果が当社の財務諸表または業務に重大な悪影響を与える可能性は低いと経営陣は考えている。当社は、強力
な抗弁を有していると考えており、積極的な防御を行うつもりでいる。
年金給付額のスライド調整率に関する(仮)集団訴訟
2018年1月16日、ベル・カナダ、ベル・モビリティ、ベル・メディアおよびエクスパーテックを相手取り、
2017年度について、ベル・カナダの年金制度に基づくスライド調整率が適切に計算されなかったと主張する訴
状が集団訴訟法(オンタリオ州)に基づきオンタリオ州上位裁判所に提出された。本訴訟は、ベル・カナダの
年金制度の現旧メンバーまたは当該制度に基づく給付を別途受ける権利を有する者で、2017年1月1日時点の
スライド調整率に基づく年金を受給する権利を有する者全て(居住地を問わない。)、ならびにその配偶者、
財産、相続人、受益者および死亡者の代理人から成る集団訴訟の認定を求めている。本訴訟は、ベル・カナダ
の年金制度に基づく契約違反、ならびに1985年年金給付基準法に基づく受託者義務および信任義務違反に対
し、150百万ドルまたはこれを上回る、裁判所が定める金額の損害賠償を求めている。同訴訟は未だ集団訴訟
として認定されていない。
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販促型価格設定に関する(仮)集団訴訟
2016年7月4日、ベル・カナダを含む複数の電気通信会社、銀行その他サービス・プロバイダを相手取って
集団訴訟を開始することの認定を求める申立てが、ケベック州の全ての顧客を代理してケベック州上位裁判所
に提出された。当該顧客については、2013年7月4日以降、一定期間の間、無償または割引価格にてサービス
を提供されたが、当該期間後は、通常価格でサービスを使用しない意思を表明する通知書を顧客が送付しない
限り、通常価格が適用された(無料もしくは割引の期間が一時的なものであったことを顧客に通知してあった
か否かを問わない。)。原告は、当該実務は、ケベック州消費者保護法に違反すると主張している。同訴訟に
おいて原告は、金額を特定しない損害賠償および懲罰的損害賠償を求めている。2018年5月14日、ケベック州
上位裁判所は、集団訴訟を開始することの認定を求める原告の申立てを棄却した。2018年7月4日、原告は、
同決定についてケベック州控訴裁判所に上訴した。同訴訟は未だ集団訴訟として認定されていない。
4G LTE無線通信システムに関する特許権侵害訴訟
2016年2月18日、ワイ-ラン・インクは、ベル・カナダおよびビーシーイー・インクを含む複数の電気通信
会社に対する訴訟を連邦裁判所に提起した。同訴訟は、被告らによるワイヤレス製品およびサービスを含む4
▶ LTE無線通信システムの利用および販売は、ワイ-ラン・インクの保有する3件の特許を侵害している、と
主張するものである。同訴訟は、宣言的救済および差止命令による救済、ならびに金額を特定しない損害賠償
または不当利得の返還を求めている。2016年6月9日、当該訴状は、ベル・カナダおよびビーシーイー・イン
クを被告から除名し、ベル・モビリティを追加して単独の被告とするよう修正された。2018年、ワイ-ラン・
インクは、被告らによる侵害を主張した3件の特許のうち2件を除外すべく訴状を修正した。さらに、訴状
は、ワイ-ラン・インクによる差止命令による救済の請求を取り下げるよう修正された。ベル・モビリティ
は、その無線通信システムを支える知的財産を提供している第三者に対して、全ての補償金の償還請求権を行
使する意向である。
サービス料の改訂に関する集団訴訟および(仮)集団訴訟
2015年11月27日、ベル・カナダ、ベル・エクスプレスビュおよびベル・モビリティに対する集団訴訟を開始
することの認定を求める申立てが、ケベック州上位裁判所に提出された。同訴訟は、有線電話サービス、イン
ターネット・サービス、ファイブ・テレビ・サービス、衛星テレビ・サービスまたは無線後払い式サービスの
月額料金を2012年11月以降に一方的に改定された顧客全員を代理して提起されている。原告は、被告らが交付
した料金の引上げまたはバンドル割引率の引下げに関する通知は、ケベック州消費者保護法を遵守していな
い、と主張している。同訴訟は、2012年11月以降に支払った月額料金の引上げ分、および/またはバンドル割
引率の引下げ分の返還、ならびに集団訴訟のメンバー1人につき100ドルの懲罰的損害賠償を求めている。
2017年7月10日、裁判所は、当該訴訟を集団訴訟として認定した。
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2018年12月12日、地域の子会社であるテレベック・リミテッド・パートナーシップおよびケーブルビジョ
ン・デュ・ノール・デュ・ケベック・インクに対する集団訴訟を開始することの認定を求める追加の申立て
が、ケベック州上位裁判所に提出された。同訴訟は、有線電話サービス、インターネット・サービス、テレ
ビ・サービスまたは無線後払い式サービスの月額料金を2015年12月以降に一方的に改定された顧客全員および
企業全社を代理して提起されている。原告は、被告らが交付した料金の引上げまたはバンドル割引率の引下げ
に関する通知は、ケベック州消費者保護法を遵守していない、と主張している。同訴訟は、2015年12月以降に
支払った月額料金の引上げ分、および/またはバンドル割引率の引下げ分の返還、ならびに集団訴訟のメン
バー1人につき100ドルの懲罰的損害賠償を求めている。同訴訟は未だ集団訴訟として認定されていない。
広告関連イニシアティブに関する(仮)集団訴訟
2015年4月14日および16日にそれぞれ、ベル・カナダおよびベル・モビリティに対する集団訴訟を開始する
ことの認定を求める申立てがケベック州上位裁判所に、ならびにベル・カナダおよびベル・モビリティを相手
取り、集団訴訟法(オンタリオ州)に基づきオンタリオ州上位裁判所に訴状が提出された(総称して「本訴
訟」という。)。本訴訟はいずれも、2013年11月16日から2015年4月13日までの間にモバイル・データ・サー
ビスに加入したベル・モビリティ顧客から成る全国的な集団の認証を求めている。原告らは、ベル・カナダお
よびベル・モビリティが「広告関連イニシアティブ」に基づき行ったとされる個人情報の不正利用および漏洩
に起因する契約違反、電気通信法違反、ケベック州消費者保護法違反、プライバシー侵害および不法行為訴権
の放棄に対する損害賠償を求めている。また、ケベック州の訴訟においては、金額を特定しない懲罰的損害賠
償も求めている。2017年11月16日、裁判所は、ケベック州の訴訟を停止した。本訴訟は未だ集団訴訟として認
定されていない。
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携帯電話の使用と健康問題に関する(仮)集団訴訟
2013年7月、ビーシーイー・インク、ベル・カナダ、ベル・モビリティ、ベル・アリアント・リージョナ
ル・コミュニケーションズ・リミテッド・パートナーシップ(ベル・アリアント・エルピー)ならびにその他
の無線キャリアおよびデバイス製造業者を含む25名を超える被告は、集団訴訟法(ブリティッシュ・コロンビ
ア州)に基づいて過去にブリティッシュ・コロンビア州最高裁判所に提出された訴状の送達を受けた。同訴訟
は、携帯電話を頭部につけた状態で合計1,600時間以上使用したことのあるカナダの全国民(その財産および
配偶者を含む。)を全国的規模の集団として認定することを求めている。また、同訴訟は、脳腫瘍と診断され
た者(その財産および配偶者を含む。)を下位集団として認定するよう求めた。訴状では特に、携帯電話のデ
ザインおよび検査に過失があったこと、携帯電話に伴う健康リスクについて警告を怠ったこと、過失による不
実表示、詐欺、保証違反、ならびに競争法違反、消費者保護法違反および取引慣行法違反があったとして、無
線キャリアたる被告の集団に対する責任を主張している。原告らは、金額不特定の損害賠償金(集団訴訟のメ
ンバーに携帯電話を販売したことにより被告らが得た収益の返済を含む。)および懲罰的損害賠償金を求めて
いる。2014年9月3日、ブリティッシュ・コロンビア州最高裁判所は、ビーシーイー・インクおよびベル・カ
ナダを原告から外す命令を下した。同訴訟は未だ集団訴訟として認定されていない。
IPTV システムに関するIP違反訴訟
2013年4月23日、メディアチューブ・コープおよびノース・ビュ・インクは、ベル・カナダおよびベル・ア
リアント・エルピー(現ベル・カナダ)を相手取って連邦裁判所において訴訟を提起した。当該請求は、被告
らが、IPTVシステムの開発および利用を通じて、ノース・ビュ・インクが所有し、メディアチューブ・コープ
に使用許可を与えている特許を侵害していると主張している。確認判決および差止命令による救済に加えて、
原告らは、IPTVサービスによる被告らの収益に関連する未払いのロイヤルティ(原告らは、当該ロイヤルティ
の金銭的価値は、350百万ドルを超えると予想している。)の形での損害賠償、または被告らの会計上の利益
額の損害賠償、ならびに懲罰的損害賠償を求めている。2017年1月4日、連邦裁判所は、ベル・カナダは特許
を侵害しておらず、懲罰的損害賠償には法的根拠がないとする議論に基づき、同訴訟を棄却した。原告らは、
同決定を連邦控訴裁判所に上訴した。原告ノース・ビュ・インクは、上訴を取り下げたため、メディアチュー
ブ・コープが唯一の上訴人として残っている。
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ビーシーイー・インク(E05757)
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2018年1月19日、ロヴィ・ガイズ・インクおよびティーボ・ソリューションズ・インクは、ビーシーイー・
インク、ベル・カナダ、ベル・アリアント・リージョナル・コミュニケーションズ・インク、ベルMTSインク
およびノーザンテル・リミテッド・パートナーシップに対する訴訟を連邦裁判所に提起した。同原告らは、こ
れとは別に、カナダ国内の他の通信事業者およびケーブル事業者に対し、同様の訴訟を提起した。同訴訟は、
被告らは、そのIPTVシステムの一部機能の製造、配信、販売および使用を通じて、被告らが様々に保有する6
件の特許を侵害している、と主張するものである。また、同訴訟は、被告らは、そのマーケティングおよび顧
客サポート業務を通じて、利用者に特許の侵害を誘発した、とも主張するものである。確認判決および差止命
令による救済に加えて、原告らは、IPTVサービスによる被告らの収益に関連する未払いのロイヤルティの形で
の損害賠償または被告らの会計上の利益額の損害賠償を求めている。2018年5月25日、原告らは、侵害を主張
した6件の特許のうち2件について、請求を取り下げた。ベル・カナダは、そのIPTVサービスを支える知的財
産を提供している第三者に対して、全ての補償金の償還請求権を行使する意向である。
遅延損害金の引上げに関する集団訴訟
2010年10月28日、ベル・カナダおよびベル・モビリティに対する集団訴訟を開始することの認定を求める申
立てが、ケベック州上位裁判所に提出された。同訴訟は、2010年6月以降に遅延損害金を請求されたカナダ国
内の全ての自然人および従業員が50名以内の企業を代表して提起されている。原告らは、ベル・カナダおよび
ベル・モビリティによる、支払日までに請求金額を支払わなかった顧客に対する遅延損害金の引上げ(1ヶ月
当たり2パーセントから1ヶ月当たり3パーセント)は無効であると主張している。集団訴訟では、ベル・カ
ナダおよびベル・モビリティが、集団訴訟のメンバーらに1ヶ月当たり2パーセントを超える遅延損害金を全
額返済することが求められている。集団訴訟は、かかる金額の返済に加えて、一般的損害賠償および懲罰的損
害賠償を求めている。2011年12月16日、裁判所は、訴訟を認定したが、ホーム・フォン、無線通信およびイン
ターネット・サービスに関する集団訴訟のメンバーを、ケベック州の住民に限定した。
2012年1月10日、ベル・エクスプレスビュに対するテレビ・サービスに関する同一の集団訴訟を開始するこ
との認定を求める申立て(後に、ベル・カナダを被告に追加するように修正された)が、ケベック州上位裁判
所に提出された。2014年12月19日、裁判所は、当該訴訟を集団訴訟として認定した。
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通話分数の切り上げに関する集団訴訟及び(仮)集団訴訟
2008年7月25日、2002年7月以降に請求の都合上、通話時間を1分単位で切り上げられた、カナダ国内の全
ての長距離通話の個人の顧客を代表して、ビーシーイー・インクを相手取り、集団訴訟法(オンタリオ州)に
基づきオンタリオ州上位裁判所に訴状が提出された(「第一切り上げ訴訟」)。2008年8月18日、2002年7月
以降にワイヤレス通話時間を1分単位で切り上げられたカナダ国内の全てのベル・モビリティ顧客を代表し
て、ベル・モビリティを相手取り、同様の訴状(「第二切り上げ訴訟」)が同裁判所に提出された。両訴訟と
も、ビーシーイー・インクおよびベル・モビリティが不実表示を行い、長距離通話の分数または無線通信時間
を算出する際に1分単位で切り上げることを開示しなかったと主張している。集団訴訟は、住宅向け長距離通
話および無線通信時間の1分毎の通話料金を切り上げた結果、ビーシーイー・インクおよびベル・モビリティ
が受領した全ての切り上げ分の返還を要請する。各訴訟は当初、一般損害賠償20百万ドル、損害賠償金の分配
を管理するための費用1百万ドル、および懲罰的損害賠償5百万ドルを請求している。2014年1月15日、第二
切り上げ訴訟は、全ての契約違反を含むべく修正され、一般損害賠償額が500百万ドル、懲罰的損害賠償額が
20百万ドル引き上げられた。2014年11月25日、第二切り上げ訴訟は、集団訴訟として認定された。第一切り上
げ訴訟は、未だ集団訴訟として認定されていない。
911 料金に関する(仮)集団訴訟
2008年6月26日、集団訴訟法(サスカチュワン州)に基づいて、ベル・モビリティおよびベル・アリアン
ト・エルピー(現在は、ベル・アリアント・エルピーの無線事業を引き継ぐベル・モビリティ)を含む複数の
通信サービス・プロバイダを相手方とする訴状が、ある顧客を代表して、サスカチュワン州裁判所女王座部に
提出された。本訴訟では、ビーシーイー・インクおよびベル・カナダも被告として指定されている。訴訟では
とりわけ、通信サービス・プロバイダから顧客に請求された特定の「911料金」に関する、契約および報告義
務の違反、詐欺、不実表示、通謀詐害が主張されている。原告らは、損害賠償、懲罰的損害賠償(金額は提示
されていない。)ならびに回収した「911料金」の金額の算出および擬制信託を求めた。当該訴訟は、通信
サービス・プロバイダのカナダ全土における全ての顧客を網羅する集団訴訟として認定されることを求めてい
る。2013年7月22日、原告らは、ビーシーイー・インクとベル・カナダを被告から除外し、不当利得ならびに
州の消費者保護法およびカナダの競争法の違反があったと主張する訂正訴状を提出した。同訴訟は未だ集団訴
訟として認定されていない。
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無線システムのアクセス料金に関する集団訴訟
2004年8月9日、一定の顧客を代表して、集団訴訟法(サスカチュワン州)に基づいて、ベル・モビリティ
およびベル・アリアント・エルピー(現在は、ベル・アリアント・エルピーの無線事業を引き継ぐベル・モビ
リティ)を含む複数の無線通信サービス・プロバイダを相手方とする訴状が、サスカチュワン州裁判所女王座
部に提出された。訴状ではとりわけ、無線通信サービス・プロバイダから顧客に請求された特定のシステム・
アクセス手数料およびシステムのライセンス使用料に関する、契約および報告義務の違反、詐欺、不実表示、
不当利得、通謀詐害が主張されている。原告らは、一般損害賠償請求および懲罰的損害賠償請求(金額は提示
されていない。)を行っている。2007年9月17日、裁判所は、不当利得のみを理由として、サスカチュワン州
についてはオプト・アウト型集団として、カナダのそれ以外の場所については、オプト・イン型集団として、
被告である無線通信サービス・プロバイダのカナダ全土の全顧客を対象とする全国的な集団に認証を与えた。
その他
当社は、当社の現行およびこれまでの通常の業務においてその他請求および法的手続に晒されている。これ
には、集団訴訟、雇用関連の紛争、契約上の紛争、競合他社との紛争、および顧客との紛争が含まれる。一部
の請求および法的手続における請求者は、損害賠償およびその他救済措置を要請している。救済措置が取られ
れば、当社は多額の支出を強いられる、または当社の事業慣行に変更が生じる可能性がある。
上述の規制環境について進展があったため、BCEの2019年度第1四半期報告書を参照されたい。
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3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
(注) 原則として2018年12月31日現在までの情報を示す。最新の情報については、「第2 企業の概況 2 沿革」および
「第2 企業の概況 3 事業の内容」を参照。
2018年および2017年の12月31日に終了した事業年度におけるBCEの営業成績は、以下に述べる通りである。
経営陣による解説および分析
経営陣による解説および分析(management's discussion and analysis、「本MD&A」)において、「当社」お
よび「BCE」とは、文脈上の必要に応じて、ビーシーイー・インクまたはビーシーイー・インク、ベル・カナ
ダ、これらの子会社、共同支配企業および関連会社の総称である。「ベル」とは、文脈上の必要に応じて、ベ
ル・カナダまたはベル・カナダ、その子会社、共同支配企業および関連会社の総称である。「MTS」とは、文
脈上の必要に応じて、2017年3月17日まではマニトバ・テレコム・サービシズ・インクまたはマニトバ・テレ
コム・サービシズ・インクおよびその子会社の総称のいずれかを指し、「ベルMTS」とは、2017年3月17日以
降は、マニトバ州におけるMTSおよびベル・カナダの事業の総称を指すものである。
本MD&Aは、2018年12月31日に終了した事業年度の監査済「第6 経理の状況 1 財務書類 (1)連結損益
計算書」と併せて読まれたい。
当社は、2018年1月1日から、過去の報告期間(2017年度各期)について国際財務報告基準(「IFRS」)第
15号「顧客との契約から生じる収益」の遡及適用を行った。また、当社は、当期の表示との首尾一貫性を保つ
ために、過年度の数値の一部を修正再表示している。
本MD&Aの作成にあたっては、別段の記載がない限り、本MD&Aの日付である2019年3月7日までに入手可能な
情報を取り入れている。
2018年12月31日に終了した事業年度のBCEの監査済連結財務書類、2018年12月31日に終了した事業年度のBCE
の2019年3月7日付けアニュアル・インフォメーション・フォーム(annual information form、「BCE 2018
AIF」)および最近の財務報告等を含むBCEに関する追加情報は、BCEのウェブサイト「BCE.ca」、SEDARのウェ
ブサイト「sedar.com」およびEDGARのウェブサイト「sec.gov」で見ることができる。
本MD&Aは、2018年および2017年の12月31日に終了した2事業年度における当社の事業運営、パフォーマン
ス、財務状態およびその他の事項について記載している。
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将来の見通しに関する言明に関する注意事項
BCEの2018年度有価証券報告書(本MD&Aを含む。特に、本MD&A内の「戦略的優先事項」、「事業の見通しお
よび前提となる推測」「セグメント別分析」および「流動性」と題されたセクションを含むが、これに限らな
い。)には、将来の見通しに関する言明が含まれている。当該将来の見通しに関する言明は、2019年の財務成
績予想、BCEの配当成長目標、普通株式配当性向政策および普通株式の2019年度年間配当、BCEの財務方針の目
標値および当該目標を達成するための進捗予定、2019年度に予想される現金需要を満たすために使用予定の資
金源、2019年度に予想される退職後給付制度への拠出額、ネットワークの配備計画および資本投資計画、BCE
の事業の見通し、目標、計画および戦略的優先事項、ならびに過去の事実を参照しないその他言明を含むが、
これらに限らない。現時点で当社が認識している、または予測する事実を使用した将来に関する言明を、将来
の見通しに関する言明という。一般的に将来の見通しに関する言明は、仮定、到達、指針、目的、見通し、企
画、戦略、目標等の語、およびその他の類似表現または未来形もしくは条件を表す動詞(例えば、「目指
す」、「予想する」、「信ずる」、「だろう」、「思われる」、「意図する」、「あろう」、「計画する」、
「求める」、「べきである」、「努力する」、「となる」等の語。)によって識別される。こうした将来の見
通しに関する言明は全て、「セーフハーバー(safe harbour)」条項を定めた証券に関するカナダの適用法令
および1995年米国民事証券訴訟改革法に準拠している。
BCEの2018年度有価証券報告書(本MD&Aを含む。)における将来に関する言明は、当社による別途記載があ
る場合を除いて、2019年3月7日時点の予測を記載しているため、当該日以降に変更される可能性がある。証
券に関する適用法令で義務付けられていない限り、当社は、最新情報、将来事項その他の結果を受けて、将来
の見通しに関する言明を更新または修正する義務を負わない。
将来の見通しに関する言明は、その性質により、内在するリスクおよび不確定性に晒されており、また、
様々な一般的、および特定の前提条件に基づくため、実際の結果または事象が、当該将来の見通しに関する言
明に明示的にまたは黙示的に示された当社の予測と大きく異なる可能性があり、よって、当社の事業の見通
し、目標、計画および戦略的優先事項が、達成されない可能性がある。これらの言明は、将来の業績または事
象を保証するものではないため、かかる将来の見通しに関する言明に信頼を置くべきではないことを申し添え
る。
将来の見通しに関する言明は、投資家およびその他関係者に、当社の目標、戦略的優先事項、事業の見通
し、および予想される事業環境を理解してもらうことを手助けするためにBCEの2018年度有価証券報告書(本
MD&Aを含む。)において提供するものである。ただし、当該情報は、その他の目的に使用することは適当でな
い可能性があることに言及しておく。
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当社は、BCEの2018年度有価証券報告書に含まれる将来の見通しに関する言明を行う際、経済、市場および
経営に関する特定の推測(特に本MD&A内の上記セクションに記載される将来の見通しに関する言明を含むが、
これらに限らない。)を行った。当該推測は、本MD&A内の「事業の見通しおよび前提となる推測」を含む様々
なセクション(当該セクションは、本注意事項のもとに本書に記載されている。)に記載される推測を含む
が、これに限らない。当社は、2019年3月7日現在、当社の推測が妥当であると考える。当社の推測が不正確
であった場合、実際の業績は、当社の予測と大幅に異なる可能性がある。
上述の将来の見通しに関する言明、およびBCEの2018年度有価証券報告書、特に本MD&Aに含まれるその他の
将来の見通しに関する言明において明示的または黙示的に明記されたものとは大幅に異なる結果または事象を
もたらす可能性のある重要なリスク要因(競争、規制、セキュリティ、技術、業務活動、経済、財務およびそ
の他のリスクを含むが、これに限らない。)は、「第3 事業の状況 2 事業等のリスク」(当該セクション
は、本注意事項のもとに本書に記載されている。)に記載または言及されるリスクを含むが、これに限らな
い。
上述のセクションおよび本MD&A内のその他セクションに記載のリスクだけが当社に影響を与えるリスクでは
ないことを述べておく。現時点で当社が認識していない、または重要視していないリスクおよび不確実性が、
当社の財務状態、財務成績、キャッシュ・フロー、事業または評判に重大な悪影響を与える可能性がある。将
来の見通しに関する言明は、当社による別段の記載がない限り、2019年3月7日より後に発表または発生する
可能性のある特別項目、資産の処分、現金化、合併、取得その他企業結合またはその他営業取引の潜在的影響
を反映していない。こうした取引および特別項目による財務上の影響は、複雑であり、かつ各取引または項目
固有の事実に依拠している。そのため、当社は予想される影響を、有意にまたは当社の事業に影響を及ぼす既
知のリスクと同じように説明することはできない。
戦略的優先事項
当社の成功は、BCEのチームが、カナダ最大手の通信会社として顧客に認識してもらうという当社の目標の
実現に向け、6つの戦略的優先事項の実行に専念することにより達成される。
1.ブロードバンド・ネットワークおよびサービスへの投資
当社は、当社住宅向けの全製品ラインにおける加入契約者数およびデータ使用量の継続的な増加をサポート
するために、ならびに法人市場顧客の需要を満たすために、有線および無線ブロードバンド・プラットフォー
ムに投資して、最先端の無線、テレビ、インターネットおよびその他のIPベースのサービスを提供する。
2018 年度実績
・ 当社のLTE-A無線ネットワークを拡大し、カナダの人口の91パーセントに普及させた(通信速度は、最大
260Mbps)(予想平均下り速度は、18Mbpsから74Mbps)。さらに、当社のクアッド・バンドLTE-Aは、人口
の24パーセント超をサービス区域とした(通信速度は、最大750Mbps)(一部地域における予想平均下り
速度は、25Mbpsから220Mbps)。
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・ カナダで初めて技術試験においてギガビット級LTE通信速度を達成し、当該高速通信速度の展開をトロン
トおよびキングストンで開始した。ベルは、LTE-A速度をギガビット級に引き上げるために、キャリア・
アグリゲーション、256QAM(quadrature amplitude modulation、直交振幅変調)および4x4MIMO
(Multiple Input Multiple Output)技術を組み合わせて、周波数スペクトル効率を向上させ、大容量化
を図った。
・ 当社のFTTPダイレクト光ファイバーのサービス区域の拡大を続け、7つの州の約4.6百万の住宅および法
人に普及させた。当社の長期ブロードバンド光ファイバープログラムの約50パーセントが、2018年末に完
了した。現在、FTTPのブロードバンド接続速度は、最大1.5Gbpsであるが、 高速化がすすむ通信速度をサ
ポートする機器が進化するにつれて、 将来的にはさらに高速化する見込みである。
・ オール光ファイバー・ブロードバンド・ネットワークの展開をトロント市内で開始した。同ネットワーク
によりインターネット速度は高速化し、1百万超の住宅および法人においてテレビおよびビジネスの接続
性を進化させた。ベルは、2015年にトロント・プロジェクトを開始し、トロント市およびトロント・ハイ
ドロと連携しながら、ネットワークを可及的速やかにかつ効率的に展開させるための革新的な設置技術お
よび新たな重設備を採用した。
・ オール光ファイバーの構築を開始し、トロントを中心として構成される、人口密度が高く、成長の著しい
グレーター・トロント・エリア(「GTA」)/905局番エリア内の1.3百万件の住宅および法人にオール光
ファイバーを引き込んだ。ベルは、 オシャワ市、クラリントン市、オリリア市およびチャタム・ケント地
域を含む、多くの地域で同プロジェクトを開始させた。
・ 第5世代(「5G」)指向MIMOおよび8T8R技術を用いた3.5ギガヘルツ(「GHz」)周波数帯の通信試験が
成功したことにより、wireless-to-the-premise(「WTTP」)をオンタリオ州およびケベック州の28の農
山村部で開始した。WTTPは、5Gを最大限に活用して、小規模かつ通信の恩恵を受けていない地域の住民
に対して高速インターネット・サービスを提供する固定無線技術である。ベルのWTTPソリューションは、
ブロードバンド回線速度を、当該地域で現在利用可能な平均通信速度の5倍から10倍に引き上げる見込み
である。また、ベルは、連邦政府のAccelerated Investment Incentive(投資加速奨励)プログラムが実
施されたことに伴って、農山村部における固定無線WTTPの拡大計画の対象世帯を800,000世帯から1.2百万
世帯に増やした。
2019 年度目標
・ LTE-Aネットワークのサービス区域を、カナダの人口の約94パーセントまで拡大させる。
・ 通信速度が最大750Mbps(理論値)のクアッド・バンドLTE-A(予想平均通信速度は、25Mbpsから
220Mbps)を、カナダ人口の約60パーセントに普及させる。
・ LTE-Aのピーク速度(理論値)を、一部の都市部で4x4MIMO技術を用いて950Mbpsまで高速化させて、カ
ナダ人口の約40パーセントに普及させる。
・ 様々な市場において市場トライアルを行うことによって5Gに向けた準備を続け、モバイル・スモール・
セルの展開を続け、かつより多くのセル・サイトを高速光ファイバーのバックホールにつなげる。
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・ FTTPダイレクト光ファイバーおよび固定無線WTTPブロードバンドのサービス区域を、合計で5.3百万件超
の住宅および商業立地に拡大する。
・ FTTPのサービス地域の対象となる住宅および法人数を、モントリオールおよびGTA/905局番エリアを
中心として約500,000件増やし、5.1百万件とする。
・ 固定無線WTTPネットワークの構築を加速させて、138の農山村部の約200,000件の住宅に普及させる。
2.無線通信サービスの促進
当社の目的は、後払い式加入契約者を獲得および維持し、前払い式市場での当社のシェアを拡大し、当社が
取引を行う全ての地理的市場のプレミアム・スマートフォン加入契約者の利用者1名当たりの平均請求金額
(「ABPU」)を最大化し、当社無線ネットワークを活用し、かつデバイスおよびモバイル・コンテンツの主導
力を維持して無線データの普及率および使用量の成長を促進することによって、当社のベル・ワイヤレス事業
の収益性を確保して成長させることにある。
2018 年度実績
・ 国内無線キャリア3社のうち、当社の後払い式および前払い式正味アクティベーション総数に占める割合
を43パーセントにした。
・ 当社LTEネットワークの後払い式加入契約者数が当社の後払い式加入契約者全体に占める割合は、2017年
度末現在の88パーセントから増加し、91パーセントとなった。
・ 正味アクティベーション件数が32,129件となり、前払い式市場のシェアが拡大したことにより、前払い式
正味アクティベーション件数は2009年以降初めて増加した。これは、当社の低価格サービス、ラッキー・
モバイルに対する堅調な需要に牽引されたものである。
・ カナダの無線通信業界随一の総合ABPUを維持した。
・ スマートフォンおよびタブレット端末のラインアップに、AppleのiPhone XS、XS MaxおよびXRならびに
Apple Watch Series 4、サムスンGalaxy S9およびS9+、サムスンGalaxy Note9、GoogleのPixel 3お
よびPixel 3 XLならびにLG G7等の38の新しいデバイスを追加して、当社の4G LTEおよびLTE-Aデバイ
スの品揃えを拡充した。
・ ベルのコネクテッド・カー-ビルト・イン・サービスを搭載したフォードおよびリンカーンの対応車種
に、Wi-Fiホットスポット機能を搭載させた、カナダで初めての無線通信サービス・プロバイダとなっ
た。モバイル・ワーカー、通勤者および家族での長距離旅行に最適なコネクテッド・カーを用いれば、走
行中の車内または駐車中であれば車両から最大50フィートの範囲内で、ベルのブロードバンドLTE無線
ネットワーク上で閲覧、ストリーミングおよび共有を行うことができる。
・ 当社の 低価格前払い式無線通信サービスであるラッキー・モバイルを、マニトバ州、サスカチュワン州、
ケベック州、ニュー・ブランズウィック州、ノヴァ・スコシア州、プリンス・エドワード島およびニュー
ファンドランド・ラブラドール州で開始したことにより、10州全てで利用可能にした。
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・ IoTアプリケーションのラインアップを拡大することにより、データの送受信を行う様々なデバイスおよ
び アプリケーション を相互接続できるようになった。
・ キングストン市およびオリリア市と提携し、同市でベルのスマート・シティ・プラットフォームを採
用させて一連のコネクテッドIoTアプリケーションを提供することにより、同市の業務効率を改善さ
せた。
・ 法人、スマート・シティおよびIoTソリューションを採用しているその他の組織に対して、進化する
サイバー脅威を検出し、対応するための総合セキュリティ・サービスを提供する、マネージドIoTセ
キュリティ・サービスの販売を開始した。
・ 漏水発見技術で業界をリードするエコロジクス社と提携し、アルバータ州のメディスン・ハット社に
対して水管理ソリューションを実施した。
・ 法人および住宅顧客に対してベルの全国的なLTEモバイル・ネットワーク上で総合的な燃料タンク監
視ソリューションを提供するために、スーペリア・プロパンと複数年契約を締結した。
2019 年度目標
・ 既存の後払い式加入契約者アクティベーション件数の市場シェアの勢いを維持しつつ、当社の無線通信の
後払い式加入契約者基盤を、利益を確保しつつ拡大させる。
・ 総合ABPUを改善させる。
・ 顧客に製造業者の技術向上およびデータ通信速度の向上の便宜を供与し、当社サービスを最大限利用して
もらうために、最新の携帯端末およびデバイスを適時に販売する。
・ 当社の4G LTEおよびLTE-Aネットワークをスマートフォンで使用する、後払い式加入契約者数を引き続き
増やす。
・ ラッキー・モバイルを活用して、前払い式加入契約者の市場シェアを拡大させると同時に、手頃な価格の
無線通信サービス・オプションを国内で提供する。
・ VoLTE (voice and video over LTE) 技術の対象エリアを拡大して、VoLTE対応デバイスの展開を拡大させ
る。
・ IoTサービスおよびアプリケーションの商品化を引き続き推進することにより、新たな収益源の確立を促
進する。
・ 2019年2月、当社は、スマート・シティ・アクセラレータ・リサーチ・プログラムを開始させるために
マーカム市と提携した。同プログラムは、相互接続IoTアプリケーションの先進的ソリューションである
ベルのスマート・シティ・プラットフォームを導入して、行政の効率化および市民に対する同市サービス
の改善を図る。
3.有線通信サービスの活用
当社は、マルチ・プロダクトのバンドリングによる売上の成長、ならびに顧客満足度および顧客維持率の向
上をもたらす、魅力的な住宅顧客向けサービスを開発するために、光ファイバーを基盤とする当社のテレビお
よびインターネット・サービスに重きを置く。当該ブロードバンド・サービスは、従来型の有線音声サービス
のシェア減に拍車をかけている。
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当社法人市場において、当社は、ブロードバンド・ネットワークの拡大およびカナダ国内の法人に対する統
合ソリューションの提案力の強化により力を入れると同時に、従来型のネットワーク・サービスから、統合型
のデータ・ホスティング、クラウド・コンピューティングおよびマネージド・サービス・プロバイダへの当社
事業の移行を続けた。
2018 年度実績
・ 高速インターネットの加入契約者基盤は、2017年度比3.8パーセント増の3,933,931名(FTTP顧客1.2百万
名を含む。)となり、カナダ有数のインターネット・サービス・プロバイダ(「ISP」)としての地位を
築いた。
・ 加入契約者数は、2,853,081名であり、また、IPTV加入契約者数の合計は8.1パーセント増の1,675,706名
となり、カナダ最大のテレビ・プロバイダとしての地位を維持した。
・ ファイブ・インターネットのアクセス速度を1.5Gbpsまで高速化させたことにより、家庭用の通信速度と
しては国内最速となった。オンタリオ州、ケベック州および大西洋沿岸諸州では、無制限のギガビット・
ファイブ1.5サービスを開始させた。これにより、インターネット・サービスの下り速度は合計で最大
1.5Gpsとなり、上り速度は最大940Mbpsとなった。
・ PCMag誌の「2018年最速のISP(カナダ)」で首位を獲得し、同誌でこれまでにカナダ国内で記録されたイ
ンターネットのスピード・インデックスの中でも最も高く、最大の競合社を30パーセント以上上回る記録
を打ち出した。大西洋州岸諸州でベル・アリアント・ブランドのもとに提供している当社の業務は、通信
速度測定において第2位を記録し、マニトバ州のベルMTSは、初の10位以内に位置付けた。
・ WiFi アクセス・ポイントと、ベルのホーム・ハブ3000およびホーム・ハブ2000モデムのクラウド・ベース
のネットワーキング・インテリジェンスとを結合させた、独占的なホール・ホームWiFiサービスを導入し
て、家庭におけるインターネットの使用方法を調査し、また、全てのデバイスが最も強力なシグナルを受
信し、かつ可能な限り最速の通信速度を享受できるようにした。
・ IPTVサービスの改善を続けることによって、カナダ国内のテレビの革新を牽引した。
・ Download & Go機能の販売を開始した。これにより、オンタリオ州、ケベック州およびカナダ大西洋
州のファイブ・テレビ顧客は、PVRで録画した番組を、ファイブ・テレビ・アプリでダウンロードす
れば、インターネット接続がなくともiOSおよびAndroidのモバイル端末で視聴することが可能となっ
た。
・ オルト・テレビについて、AmazonファイヤーTVスティックおよび様々なAndroid TVデバイス(ソ
ニー、NVIDIA、Xiaomiおよびその他のGoogle認証端末を含む。)等、より多くの視聴方法を提供し
た。
・ 次世代型クラウド・ベースのメディアファースト・プラットフォームを活用することによって、ファ
イブ・テレビおよびオルト・テレビの顧客に対してより個人の趣向に合った、コンバージド・マルチ
スクリーンのテレビ・エクスペリエンスを可能にするための複数年契約を、エリクソンとの間で締結
した。
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・ 業界をリードするカナダの法人向けクラウド・ソリューションの当社ラインアップに、Amazonウェブ・
サービスを加えた。ベル・クラウド・コネクトは、ベルおよびマイクロソフト、IBMおよびこの度加わっ
たAmazon等のパートナーの柔軟なクラウド・コンピューティングおよびストレージ・ソリューションを、
ベルのブロードバンド・ネットワーク上で提供しており、プライベートのエンドツーエンド接続によって
高い信頼性、高速通信および強固なセキュリティ対策を提供している。
・ 仮想ネットワーク・サービス(「VNS」)プラットフォームの販売を開始し、ベルのプライベート・クラ
ウドに安全に備えられた、一連のオンデマンド型ネットワーク機能を企業顧客に提供した。カナダ初の
VNSであるベルVNSは、ハードウェア・ベースのネットワークをソフトウェア主導の仮想化されたネット
ワークに変換し、集中化させることによって、顧客のオンデマンドのニーズに応えるものである。
・ ベルは、IT・電気通信の世界的なアドバイザリー企業であるInternational Data Corporation
(「IDC」)の2018年度カナダ・セキュリティ・サービス・ベンダー評価報告書(2018 Canadian
Security Services Vendor Assessment Report)において、三年連続でカナダ国内のセキュリティ・サー
ビスにおけるリーダーとの評価を獲得した。IDCによるカナダ国内の大手セキュリティ・サービス・プロ
バイダの評価は、当社の優秀なチームおよび世界クラスのネットワークに裏付けられた、他社に類を見な
いベルの専門サービスの豊富な品揃え(クラウド・セキュリティ、高度な脅威の検出およびプロアクティ
ブ脅威軽減を含む。)を特に評価するものであった。
2019 年度目標
・ 当社の住宅向けIPTVおよびインターネット加入契約者基盤をさらに拡大させ、かつFTTPおよびWTTPの顧客
浸透率を高める。
・ 価格変更およびマルチ・プロダクトの世帯普及率の高まりを活かして、住宅ARPUを高める。
・ ファイブ・テレビおよびオルト・テレビをより高度な方法で視聴できるよう、引き続き当社のテレビ・
サービスを強化させる。
・ ファイブ・テレビ・アプリを、Chromecast等のより多くのデバイスで視聴可能にする。
・ 衛星放送の受信機のラインアップを更新して、ホール・ホームPVRならびにNetflixおよびYouTubeに
アクセスできるようにする。
・ 新サービスの提供および製品の革新によって製品の優位性を維持し、国内最大のWi-Fiエリアを提供し、
かつ家庭内でより良いカスタマー・エクスペリエンスを提供する。
・ 全てのベル・インターネットおよびテレビ・サービスの加入契約者が、ベルWi-Fiアプリを利用でき
るようにする。
・ 住宅向け有線NASの純減数の合計を緩和させる。
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・ ダイレクト光ファイバーの拡大ならびにインターネットおよびプライベート・ネットワーク、データ・セ
ンターおよびクラウドサービス、ユニファイド・コミュニケーション、セキュリティ・サービスならびに
IoT等の主要なポートフォリオにおける新たなソリューションに投資を行うことによって、法人顧客のエ
クスペリエンスを向上させ、電気通信製品およびサービスに対する法人顧客の支出全体を増加させる。
・ 法人向けサービス・ソリューションおよび接続件数の増加により一層の焦点を合わせて、大企業顧客の当
社シェアを増やす。
・ 大規模および中規模法人顧客の両者における新規顧客取引件数(純数)を増加させ、また、小規模法人顧
客の流出を抑える。
4.メディアにおけるリーダーシップの拡大
当社は、視聴者を増やすことを目的として、全てのスクリーンおよびプラットフォームに優良なスポーツ、
ニュース、エンターテインメントおよびビジネス・コンテンツを提供するよう努力している。また、当社は、
カナダ人の姿勢、意見、価値観および芸術的な創造性を反映させた番組制作および国内外のイベントの報道に
よって、世界に通用する独自のコンテンツを創造し、また、新サービスを導入して新たな収益源を確保してい
る。
2018 年度実績
・ 17年間連続で最も視聴率の高いカナダのテレビ・ネットワークとしてのCTVの地位を維持し、全ての主要
な視聴者層について、全国視聴率上位20番組のうち10番組を有し、他を引き離した。
・ TSNはカナダ国内で最も視聴率の高い専門テレビ・チャンネルとなり、RDSは、仏語放送のスポーツ・ネッ
トワークの首位の座を維持した。
・ TSNダイレクトおよびRDSダイレクトの販売を開始し、これにより消費者は 月額料金制でTSNおよびRDSのコ
ンテンツを直接利用可能となった。契約不要で月額料金の支払のみで利用可能なTSNダイレクトおよびRDS
ダイレクトは、デジタル加入契約者がパソコン、タブレット端末、モバイル・デバイス、Apple TV、サム
スンSmartTVおよびXbox Oneを経由して、TSNおよびRDSの番組にアクセスすることを可能とする。
・ TSNおよびRDSは、世界有数の総合格闘技団体であるUFCとの放送パートナーシップを延長した。同放送
パートナーシップは、TSN、RDSおよびベル・メディアのプラットフォームにおける大規模な放映権および
デジタル著作権を含む。
・ TMN、HBOカナダ、ショータイムおよびその他のプレミアム・コンテンツを融合させて単一のサービスにす
ることによって、インターネットを利用する全てのカナダ国民に対して、初めて現行のHBOの番組を直接
提供できるようにした、クレイヴの全く新しいストリーミング・サービスの販売を開始した。クレイヴ・
テレビの加入契約者数は、2018年度末に約2.3百万名に達した。
・ 米国の優れた有料テレビ・プラットフォームであるスターズをカナダ国内に紹介するために、また、ライ
オンズゲートが今後制作する映画について、カナダ国内で先行配信を行うために、ライオンズゲートと長
期契約を締結した。
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・ 20th Century FoxおよびFox Searchlight Films、Entertainment One、Sony Pictures Entertainment、
Universal PicturesおよびFocus Features、MGM Studios Inc.ならびにWarner Bros. International
Television Distributionを含む、 ほぼ全ての大手映画会社との長期独占契約を締結したことにより、 ハ
リウッドの大ヒット映画および人気映画シリーズを、リニア、オンデマンドおよびデジタル等の様々な環
境で提供できるようになった。
・ 広告収入で運営し、数千時間ものコンテンツを擁する2つの新たなビデオ・オン・デマンド(「VOD」)
サービスであるCTVムービーズおよびCTVスローバックの販売を開始した。これは、 CTV スーパー・ハブに
とって、カナダ国内のデジタル・プラットフォーム上で提供されるエンターテインメント・コンテンツの
優良な配信元となるための第一歩となった。
・ コムウェブ・スタジオ・ホールディングス・インク、キャッスルポイント・スタジオ・パートナーズ2リ
ミテッドおよびトロント市と協同してパインウッド・トロント・スタジオの過半数持分を取得し、段階的
な拡張に着手した。当該拡張により、新たな制作スペースの延べ面積は、サウンド・ステージとサポー
ト・スペースをあわせて200,000平方フィード(18,580平方メートル)となる。当該拡張により、パイン
ウッド・トロント・スタジオは、カナダ最大の制作専用スタジオとなり、増加するスタジオ利用者(国内
外の映画・テレビ番組制作会社)をより手厚くサポートすることが可能となる。
・ カナダ有数のマルチ・プラットフォームのビジネスニュースのブランド、BNNブルームバーグを設立・運
営するために、ブルームバーグ・メディアと提携した。BNNブルームバーグは、カナダ国内のビジネス意
思決定者に向けて、デジタル、テレビおよびラジオ上で、豊富な製品群を視聴者および広告主に提供す
る。
・ ベル・メディアは、VICEメディア(「VICE」)と長期契約を締結したことにより、VICEの米国におけるリ
ニア・ネットワークであるVICELANDオリジナルの新番組および数百時間に及ぶVICEの番組ライブラリのカ
ナダにおける独占配信元となった。
・ スナッカブルTV(モバイル向けの短尺動画用アプリ。スナック菓子のように手軽なコンテンツを求める視
聴者をターゲットとし、優良かつ共有可能なエンターテインメントを届ける。HBO、コメディ・セントラ
ル、Etalk等の独占コンテンツを取り扱う)を開始した。
・ ベル・メディアのOOH広告部門であるアストラルは、モントリオールを拠点とするプログラマティックOOH
広告のトップ企業であるキャンプサイト、および米国を拠点とするデジタルOOH広告のプログラマティッ
ク技術のトップ企業であるヴィスター・メディアとの間で、新たなパートナーシップ契約を締結した。同
契約により、カナダ全国に所在するアストラルの240もの大型デジタル標識および屋外装置は、プログラ
マティックなプラットフォームによりアクセス可能となる。
2019 年度目標
・ コンテンツ権および全てのプラットフォームにおけるベル・メディアの資産を現金化することによって、
また、OOHおよびデジタル広告プラットフォームによって、収益を拡大させると同時に、テレビ番組およ
びプレミアム・コンテンツのコストの高騰を抑える。
・ 全てのテレビおよびラジオ資産において、多くの視聴者層および高視聴率を維持する。
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・ クレイヴのオンデマンド・ストリーミング・サービスの規模を引き続き拡大させる。
・ 従来型テレビ放送、専門テレビ、有料テレビ放送、ストリーミングおよびスポーツ・サービスについて、
業界内のリーダーシップを強化する。
・ 2019年3月1日、当社は、有料テレビ・チャンネルのアンコールをスターズへと名称変更し、スター
ズの一連の優良番組ならびにライオンズゲートのヒット映画およびテレビ・シリーズを幅広く取り揃
えることにより、世界クラスのプラットフォームへ変革するための一助となった。また、インター
ネットにアクセスのある全てのカナダ国民が、クレイヴのアドオンとしてスターズを直接利用できる
ようになった。
・ 2019年1月、TSNおよびRDSは、そのTSNダイレクトおよびRDSダイレクト・ストリーミング・サービス
に1日だけ加入できるDay Passを発表した。1日単位で加入できる全く新しい同オプションは、カナ
ダ初の試みであり、TSNおよびRDSのチャンネルを契約なしで24時間視聴することを可能とする。
・ 放送事業者(broadcasting distribution undertakings、「BDU」)との契約の更新を完了させる。
・ 全てのスクリーンおよびプラットフォームに配信し、これらにおいて利用するために、自主制作およびコ
ンテンツ制作を行う。
・ TV Everywhereサービスを用いて、ライブおよびオンデマンド・コンテンツを拡充する。
・ カナダ国内における当社のOOH事業での主導的立場を構築する。
・ クロス・プラットフォームならびに総合的販売およびスポンサーシップを活用する。
・ 独自のパートナーシップおよび戦略的なコンテンツ投資により増収を目指す。
5.顧客サービスの向上
当社の目的は、コール・センター業務の効率化、設置および迅速な修理義務の達成、ネットワーク品質の向
上、ならびに顧客取引や現場の従業員とのやり取りを簡素化するためのプロセスの改良やセルフ・サーブ・
ツールの提供により、カスタマー・エクスペリエンス全体を向上させることにある。これらは全て、競合他社
との差別化、および長期的な顧客ロイヤルティの獲得を促進するものである。当社は、現場スタッフのサービ
ス力、ネットワーク、製品および配信チャンネルを向上させるために必要な投資を行って顧客を獲得および維
持することによって、これを実現する予定である。
2018 年度実績
・ ヴァージン・モバイル・カナダ(「ヴァージン・モバイル」)は、J.D.パワーによる2018年度カナダ無線
顧客ケア調査(J.D. Power 2018 Canada Wireless Customer Care Study)において、電話応対、店舗お
よびオンライン・サポートの堅調な実績ならびに企業サイト、ユーザ・フォーラムおよびソーシャル・メ
ディアの明瞭性が評価され、二年連続で総合顧客ケア満足度1位を獲得した。
・ 無線後払い式の解約率(チャーンレート)は、ネットワーク品質および顧客維持に対する投資に牽引され
て、0.03ポイント改善した。
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・ 2018年モバイル・ウェブ・アワードにおいて、MyBellアプリが2018年最優秀電気通信モバイル・アプリ
ケーション賞を受賞した。
・ MyBellアプリをアップデートし、顧客がインターネット・パッケージを変更できる機能および顧客のほぼ
全てのテレビ・サービスを管理することのできる機能(チャンネル・セレクションまたは番組パッケージ
の変更、ペイ・パー・ビューおよびオンデマンド・コンテンツの申込、ならびに受信機のアップグレード
を含む。)を追加した。
・ MyBell.caをモバイル対応のデザインに変更して、顧客が必要な情報に辿りつきやすいように、またオン
ラインで取引しやすいようにした。モバイル取引は、22パーセント増加した。
・ Bell.ca上で遠隔操作により顧客のモデムを再起動できる機能を導入した。これにより、顧客のインター
ネット接続に関するトラブルの40パーセント超を解決することができた。
・ Manage Your Appointmentウェブ・サービスを改良し、顧客が自らオンラインで予約を変更できるような
新たなセルフ・サービス機能を追加し、建物内に入館する際の暗証番号や駐車場の指示等、技術者にとっ
て便利な情報を掲載した。
・ FTTPの設置する際にかかる時間を、9パーセント短縮した。
・ FTTPの住宅向けファイブ・テレビの修理作業のトラック・ロール(出張サービス)を顧客1名当たり6
パーセント減らした。
・ 住宅向け設置作業の予約日を、これまでより33パーセント早めることができた。
2019 年度目標
・ セルフ・サービス・ツールの導入をさらに進める。
・ 全ての顧客に対して請求書等の複雑性を軽減させるために、顧客サービス・イニシアティブへの投資を継
続する。
・ 当社のコール・センターにかかる顧客の問い合わせ総数およびトラック・ロールの件数をさらに抑える。
・ 顧客満足度をさらに改善する。
・ カスタマー・エクスペリエンスの一貫性を達成する。
・ 顧客別の特性把握を引き続き進める。
・ FTTPの設定工事の所要時間を短縮させて、サービス品質を向上させる。
・ 新しい診断技術を活用することによって、顧客のためのトラブルシューティングの質を向上させ、かつ積
極的なサービス監視を行う。
・ 技術担当者が使用するツールの簡素化および刷新により、技術担当者の現場での作業を簡略化する。
・ トラブルシューティングおよび診断手続を改善して、複雑性の増す顧客およびデバイスに対応する。
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6.競争力のある費用構造の実現
費用抑制は、当社の財務成績の根幹を成すものである。コスト削減は、従来型有線音声サービスおよびデー
タ・サービスにおいて引き続き予想される減益、ならびに当社製品構成の成長サービスへのさらなる移行を
行っても安定した利益を維持するという当社の目標の鍵となる要素である。当社は、最大の業務効率および生
産性を得るために、可能な限り最もコスト効率の高い事業運営を行って上記目標を実現する。
2018 年度実績
・ 当社管理職層の純減(4パーセントにあたる約700の役職)を完了した。これにより、年間約75百万ドル
のコスト削減が期待できる。この変化は、新たにベルMTS、ベル・アリアントおよびその他の買収先を統
合したことを反映するものである。
・ ブロードバンドの新技術によって実現した、ベルのオール光ファイバー・ネットワークのサービス区域の
拡大およびサービスの革新により、生産性および費用効果の向上を実現した。
(1)
・ ベル・ワイヤラインおよびBCE調整済連結EBITDAマージン は、比較的安定的に推移した。
・ ベル・カナダにおける公募債の税引後の平均費用は、3.1パーセントに減少した。
2019 年度目標
・ 以下によってコスト削減を実現させる。
・ 2018年に完了した人員削減。
・ 供給業者との契約料金の低下。
・ 当社以外の有線ネットワークのトラフィックの削減。
・ FTTPの展開の拡大。
・ 革新的な製品を生み出し、顧客サービスを改善することにより見込まれる消費者行動の変化。
・ ベルMTSにおいて実現されるさらなる営業シナジー。
・ 営業費用構造を最適化させ、収益の傾向と一致させる。
(1)調整済EBITDAは、非GAAP指標であり、IFRSに基づく標準的な意味を持たない。したがって、他社が提示する同様の
数値との比較対象となりにくい。
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業績目標、見通し、前提(推測)およびリスク
本セクションは、当社の2018年度業績対目標値、2019年度の連結事業見通しおよび前提条件、ならびに主な
事業のリスクに関する情報を記載する。
2018 年度業績対見通し
財務見通し 2018 年度目標値 2018 年度業績 達成
2018 年度のBCEの収益は、当社の3つのセグメント全てで増収したことにより、前