エスエイピー・エスイー 有価証券報告書 第31期(平成30年1月1日－平成30年12月31日)
| 提出書類 | 有価証券報告書-第31期(平成30年1月1日－平成30年12月31日) |
|---|---|
| 提出日 | |
| 提出者 | エスエイピー・エスイー |
| カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月 27 日
【事業年度】 自 2018年1月1日 至 2018年12月31日
【会社名】 エスエイピー・エスイー
(SAP SE)
【代表者の役職氏名】 ルカ・ムシッチ
最高財務責任者
(Luka Mucic, Chief Financial Officer)
ミヒャエル・プレートナー博士
コーポレート・カウンセル
(Dr. Michael Ploetner, Corporate Counsel)
【本店の所在の場所】 ドイツ連邦共和国 69190 ヴァルドルフ ディートマ・ホップ・アレー 16
(Dietmar-Hopp-Allee 16, 69190 Walldorf, Federal Republic of Germany)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 花水 康
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【事務連絡者氏名】 弁護士 原田 亮
弁護士 崎岡 優希
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目1番1号 大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03(6775)1000
【縦覧に供する場所】 該当なし
( 注) 1. 本書において、別途記載がない限り、「SAP」、「当社」または「当グループ」とは、SAP SEおよび
その子会社を意味する。
2. 本書において、「ユーロ」および「€」とは、 別途記載がない限り、 欧州連合の法定通貨を意味す
る。文書中一部の財務データについては、便宜のためユーロから日本円（「円」）への換算がなされ
ている。この場合の換算は、別途記載がない限り、1ユーロ＝121.74円（株式会社三菱UFJ銀行が2019
年5月31日に提示した対顧客電信売買相場の仲値）により計算されている。
3. 文書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計欄に記載されている数値は計数の総和と必ずしも
一致しない場合がある。
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第一部【企業情報】
第１【本国における法制等の概要】
１【会社制度等の概要】
（１）【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当社は、ドイツに登記上の住所を有する欧州会社（ Societas Europaea 、以下「SE」という。）であるため、ド
イツ法および欧州法、とりわけ欧州会社法に関する理事会規則（EC）No. 2157/2001（以下「SE規則」とい
う。）、欧州会社法に関する2001年10月8日付理事会規則No. 2157/2001の施行に関するドイツ法（以下「SE-AG」
という。）、ドイツ株式会社法（ Aktiengesetz 、以下「AktG」という。）、ドイツ証券取引法
（ Wertpapierhandelsgesetz 、以下「WpHG」という。）およびドイツ証券買収法（ Wertpapieruebernahmegesetz 、
以下「WpÜG」という。）の適用を受けるが、一部の規定は上場している会社のみに適用される。SEは独自の法人格
を有する。SEの会社財産のみが、会社債権者に対する債務の引当財産となる。SEの最低株式資本は120,000ユーロ
であり、株式に割り当てられる。当該株式は、（一般に）公証人の認証がなくとも譲渡可能であるが、譲渡の要件
は、株式の種類（特に、無記名式株式と記名式株式、預託株式と非預託株式）および通常定款によって追加される
可能性のある要件に応じて定まる。
以下の記述はドイツに登記上の住所を有する欧州会社の特徴について、さらに具体的に説明したものである。
設立および登記手続
SE の設立は、SE規則の規定およびSEがその登記上の事務所を設立するEU加盟国における株式会社に適用される法
律の規定の適用を受ける。そのため、ドイツに登記上の事務所を有するSEの設立は、通常、ドイツ株式会社法に基
づくドイツ株式会社の設立に適用される法律の適用を受ける。
ドイツを拠点とするSEは1名以上の株主によって設立される。SEの設立手続には、通常定款の公証人による認証
および設立時株主による当初株式の引受けが必要である。また、SEのコーポレート・ガバナンス体制については、
一層または二層の体制から選択することができる。二層体制においては二つの管理組織が存在し、一方は業務を運
営し、他方は運営を監督するのに対し、一層体制においては一つの管理組織のみが存在し、これは、会社を運営
し、その活動の基本方針を決定し、またそれらの実施を監督する。SAP SEは二層構造を有する。
SE が一層または二層のいずれの構造を有するかによって、設立時株主は、会社の当初監査役会または理事会およ
び当初監査役を任命する。当該任命は、公証人の認証を必要とする。二層構造における当初監査役会は、当初取締
役会を任命する。設立時株主は、SEの設立に関する一切の詳細な記載を含む設立報告書を書面により作成しなけれ
ばならない。取締役会および監査役会または理事会は設立手続を精査し、特定の状況においては（例えば、取締役
会または監査役会もしくは理事会の構成員が株式を引受ける場合、または株式が現物出資を対価として発行された
場合）、設立報告書は独立監査役の監査を必要とする。SEの設立は、管轄権のあるドイツの商業登記簿に登記され
なければならない。公証人の立会いの下、すべての設立時株主ならびに取締役会および監査役会または理事会の当
初の構成員が、場合に応じて登記申請に署名する必要がある。SEは登記によって独立した法人格を得る。登記まで
の間にSEのためにSEを代表する人物は、あらゆる債務の発生について、個人責任を負う。SEは、証券取引所に上場
することができる。
法的形態をSEに変更する転換を、設立時ドイツ事業体（例えば、SAP AGからSAP SEへの転換の場合のようなドイ
ツ株式会社）が行う場合、ドイツ株式会社法の設立規定（定款の採用、設立費用、設立報告、設立監査、会社の登
記申請、裁判所による審査、商業登記簿への登記等）は、SE規則の規定によって修正され、SE規則の規定が優先す
る。
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株主有限責任の原則
商業登記簿への登記によって、SEは、その債務について、株式資本を含むその資産のみによって責任を負うこと
となり、一方、株主の責任はその出資額に限定される。
定款の内容
ドイツを拠点とするSEの定款の必要的記載事項は、SE規則およびSEに適用されるドイツ株式会社法
（ Aktiengesetz 、AktG）に規定されており、制限なく、以下を含む。
・ 会社の名称および登記上の所在地
・ 会社の目的
・ 会社の株式資本の総額およびその構成
・ 株式の種類（無記名式株式または記名式株式）
・ 一層または二層の組織体制の選択
・ 取締役会の構成員の人数または当該人数を決定するための規則
定款はその他の事項についても規定することができるが、SE規則およびAktGの規定と異なる定めをすることは明
示的に許されている場合にのみ可能である。
最低株式資本、株式の種類
SE の最低株式資本は、120,000ユーロである。株式は、少なくとも1株当たり1.00ユーロもしくはその倍数額の額
面株式（ Nennbetragsaktien ）、または無額面株式（ Stueckaktien ）によって発行することができる。株主は、1株
以上の株式を保有することができる。ドイツに登記上の住所を有するSEに適用されるドイツ法および欧州法は、さ
らに無記名式株式（すなわち、氏名が記載された保有者ではなく持参人に対して発行され、SEが株式名簿に登録し
ていない株式―無記名式株式が圧倒的多数である。）および記名株式（すなわち、氏名が記載された保有者に対し
て発行され、保有者の氏名がSEの株式名簿に登録されている株式―記名式株式はまれである。）を区別している。
定款には、発行される株式の種類が明記されなければならない。無記名式株式は、払込みが完了しない限り発行す
ることができない。無記名式株式の譲渡性を制限することはできないが、記名式株式については、定款で、SEの承
諾がある場合にのみ譲渡され得る旨規定することができる。さらに、株式は、普通株式または優先株式として発行
することができる。後者は、議決権を付して、または議決権なしで発行することができる。複数の議決権を有する
株式は認められない。
資本の拠出および維持
株式資本への出資は、現金または定款もしくは株主総会の決議により認められる場合には現物出資によって行う
ことができる。
株式が金銭出資により発行される場合は、少なくとも各株式の額面価額の25％（もしあればプレミアムの全額を
加算したもの）が、SEまたは増資の実施を商業登記簿に登記するための届出前に支払われなければならない。未払
額の支払要求は、取締役会または理事会が場合に応じて行う。
SE に適用される法律は、とりわけ、株式資本が支払われ、維持されることを確実なものとすべく構成されてい
る。出資は、特にそれによってSEの純資産が登記済株式資本を下回るか否かにかかわらず、株主に対して払い戻す
ことはできない。
株式の譲渡
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SE の株式は比較的容易に譲渡できる。SEの株式の譲渡は、公証人によって認証された譲渡証書の締結を必要とし
ない。定款において、記名式株式の譲渡に関する制限を課すことができる（無記名式株式の譲渡については制限で
きない。）。
通知の要件
非上場のSEの登記済株式資本の25％を超える株式を直接または間接に保有した場合、当該株主は、SEに対し書面
で当該保有について通知しなければならない。株式保有が登記済株式資本または議決権の50％を超えた場合にも、
同様の通知を再び行う必要がある。適切な通知を行わない場合、当該株式に付される株主の権利は停止される。株
式保有が当該閾値を下回った場合、同様の通知を行う必要がある。上場SEの場合には、関連株主は、一切の直接的
または間接的な株式保有で、SEにおける議決権総数の3％、5％、10％、15％、20％、25％、30％、50％、もしくは
75％を超えた場合（または下回った場合）、SEおよびドイツ連邦金融監督庁（ Bundesanstalt fuer
Finanzdienstleistungsaufsicht 、以下「BaFin」という。）に通知しなければならない。
二層の組織構造を有するSEの取締役会
取締役会は、SEの経営について単独で責任を負う。株主総会も監査役会も、取締役会に対しSEの経営に関する拘
束力を有する指示を与えることはできない。3百万ユーロを超える資本を有するSEは、定款が別途規定する場合を
除き、少なくとも2名からなる取締役会を設置しなければならない。個人のみが取締役会の構成員に任命されるこ
とができる。取締役会の構成員のうち1名は、雇用および社会問題について責任を有する者として指定されなけれ
ばならない。
取締役会の構成員は、監査役会によって任命される。取締役会の役員は最長6年間の任期で任命される（ただ
し、任期は追加で6年を上限として延長することができる。）。当該任命後は、監査役会の決議により、正当な理
由によってのみ取消すことができる。
取締役会の構成員が法的にSEを代表する方法（個別、共同等）については、定款に明記しなければならない。取
締役会の能力は、SEの運営に関する特定の行為について、監査役会の合意を要する旨規定することにより、定款
で、および選択によっては監査役会で、内部的に制限されなければならない。ただし、当該制限は、第三者に対す
る取締役会の行為の有効性に影響しない。
取締役会の構成員は、会社の運営において、良識ある善良な管理者の注意を払わなければならず、また、自身の
行為について異議を述べられた場合には、かかる義務を尽くしたことの立証責任を負わなければならない。株主総
会の法的決議に従って行為したものでない限り、かかる義務に違反した取締役会の構成員は、連帯して、会社が
被った一切の損害について責任を負う可能性がある。
二層の組織構造を有するSEの監査役会
二層体制のSEは、取締役会の監督および取締役会への助言を行う監査役会を有する。SEの監査組織の構成員数ま
たは当該人数を決定するための規則は、定款で定められる。SEは、10,000,000ユーロを超える資本金を有する場
合、監査役会の規模は21名までに制限される。また、監査役会の従業員代表に対し、欧州会社における従業員の関
与に関するドイツ法（ Gesetz über die Beteiligung der Arbeitnehmer in einer Europäischen Gesellschaft
SE-Beteiligungsgesetz ）によって求められる場合、構成員数は、3で割り切れる数でなければならない。
ドイツを拠点とするSEは、従業員の共同決定に関するドイツの法規制の適用を受けない。当該法規制では、とり
わけ、2,000名を超える従業員を有するドイツ法に基づく株式会社（以下「AG」という。）において、監査役会の
構成員数は、従業員の平等な参加の原則を遵守しなければならず、すなわち構成員の2分の1は株主により指名さ
れ、残りの半数はAGおよびその（ドイツの）子会社の従業員により指名されなければならない旨を定めている。た
だし、（SAP AGからSAP SEへの転換の場合のように、）法的形態をAGからSEに変更する転換の形でSEが設立される
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場合、SEにおける従業員参加は、転換前にAGにおいて存在した当該参加に関するすべての要素について、少なくと
も同等の方法が保証されなければならない。これは、従業員の平等な参加の原則が転換前のAGの監査役会に適用さ
れ た場合、当該原則は転換後のSEの監査役会にも適用されることを意味する。この場合、SEの監査役会の50％は、
SEおよびその欧州子会社の従業員代表により構成されなければならない。
SE-AG 第17条(2)に従い、株式が証券取引所に上場され、かつ監査役会において従業員が平等に代表となるSEの監
査役会は、男女各30％以上で構成されなければならない。かかる最低比率は、監査役会で新たに指名を行う際は常
に遵守されなければならない。
監査役会は、構成員の過半数の投票によって構成員の中から議長および1名または複数の副議長を選任する。法
律に別段の規定がない限り、監査役会は単純多数決によって運営される。賛否同数の場合は、議長が決定票を有す
る。
監査役会の構成員は、定款でより短い任期が定められる場合を除き、最長約6年間の任期で任命される。任期
は、監査役会が選任された年から5事業年度後の、監査役会および取締役会の行為を正式に承認する株主総会の終
了時に満了する。定款に別段の定めがない限り、再選も可能である。
株主総会で選出されたすべての監査役会構成員は、投票総数の4分の3をもって可決した株主決議により解任する
ことができる。法令に基づき、ドイツの従業員により選出されたすべての監査役会構成員は、SEおよびその（ドイ
ツの）子会社の従業員による投票総数の4分の3をもって解任することができ、ドイツ以外の従業員代表の解任につ
いては、当該従業員代表の出身国における規則の適用を受ける。
監査役会の主な役割は以下のとおりである。
・ 取締役会の構成員の任命と解任
・ 取締役会の行為の法的側面および業務上の側面の精査を含む、取締役会の監督
・ 取締役会構成員との取引においてSEを代表すること
・ 株主決議の有効性に関連する訴訟において（取締役会とともに）SEを代表すること
・ 定款または監査役会によって要求される場合、取締役会の特定の主要な業務上の決定を承諾すること
・ 法定監査役を雇用し、年次財務書類の精査および承諾を行うこと
監査役会の構成員は、取締役会の構成員と同様の注意を払わなければならず、かかる義務に違反した場合は、会
社が被った一切の損害について責任を負う可能性がある。とりわけ、監査役会の構成員は、会社およびその業務に
関する一切の機密情報を開示してはならない。かかる守秘義務は、任期終了後も継続する。
株主
SE の株主は、総会で株主決議を採択することで権能を行使する。一般的に、SEは経常的業務を行うために毎会計
年度末から数えて6ヶ月以内に総会を開催する。当該年次総会において、前会計年度の年次財務書類が株主に提出
され、株主は、とりわけ配当の支払を含む剰余金処分、ならびに、場合によっては、前会計年度における取締役会
および監査役会または理事会の構成員の行為の免責に関連した決議を採択する。
二層構造を有するSEにおける取締役会は、総会を招集する権利（特定の場合には義務）を有する。加えて、法令
または定款により、他の人物に総会招集権限を付与することができる。強行法規または定款において特別多数によ
ると定められている場合を除き、株主総会の決議は単純多数（投票総数の過半数）によって行うものとされてい
る。例えば、定款の一切の変更、株式資本の増加または減少、他社との間の支配的な契約（すなわち、会社が他社
の支配下に入る契約または会社の利益の譲渡を合意する契約）、全資産の譲渡および法的形態の変更に関する決議
は、投票総数の75％の多数票が必要である。
年次総会において、株主は、とりわけ、取締役会が作成し監査役会が承認した年次財務書類に記載された前事業
年度の利益処分について決定する。SEの株主は、決定を行う際に会社に対して忠実義務を負う。SEの株主は、同等
の状況においては平等に取り扱われなければならない。
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会計上の義務および開示規定
SE は、年次財務書類の様式および内容の詳細な要件を定めるドイツ商法の規定に従って会計帳簿を保存し、年次
財務書類を作成しなければならない。さらに、中規模企業および大企業は、その年次財務書類について監査を受け
なければならない。（監査済の）年次財務書類は、各会計年度の12ヶ月以内に連邦官報（ Bundesanzeiger ）に提出
され、公表されなければならない。
（２）【提出会社の定款等に規定する制度】
コーポレート・ガバナンス
二層取締役会制度を有する欧州会社であるSAP SEは、監査役会、取締役会および年次株主総会の3つの独立した
機関によって運営されている。その規則は、欧州法およびドイツ法、従業員によるSAP SEへの関与に関する合意
（以下「従業員関与合意」という。）、ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード、ならびに当社の定款
（ Satzung ）によって規定され、以下に要約される。
監査役会
監査役会は、取締役会の構成員を選任および解任し、会社の経営の監督および経営についての助言を行う。現在
の事業、事業展開および事業計画について協議するために、監査役会は定期的に会合を行う。当社取締役会は、取
締役会が策定した企業戦略に関して監査役会と協議を行うものとする。取締役会が監査役会の承認を得なければな
らない取引の種類は、定款に記載されている。また、監査役会は、その同意を要する取引の具体的な種類を指定す
る。それに応じて、監査役会は、取締役会が提出する当社の年度予算、および、事後的に発生した、承認された年
度予算に合致しない特定の事項についても承認しなければならない。監査役会はまた、SAP SEおよび取締役会の構
成員の間の取引においてSAP SEを代表する責任を負う。
監査役会は、年次株主総会において、監査委員会の推薦に基づき、独立外部監査役の選任議案を提出する。監査
役会はまた、監査役の独立性、監査委員会に委託した業務を監督する責任を負う。
SE 規則第40条(3)第一文に基づき、監査役会の構成員数および当該構成員数を決定するための規則を定款に定め
ることとなっている。また、SE-AG第17条(1)に基づき、株式資本が10,000,000ユーロを超えるSAP SEのような会社
の監査役会の規模は、21名までに制限される。これらの規定およびEIAに鑑み、SAP SEの定款では、監査役会を18
名で構成する旨定めている。また、EIAには、SAP SEの株主は、将来的に監査役会の規模を12名に縮小することが
可能である旨定められている。
SAP SE の現監査役会は18名で構成されている。このうち9名は年次株主総会において株主代表として選出され、
残る9名はSAP SE労使協議会ヨーロッパによってEIA（詳細は以下を参照のこと。）に基づき従業員代表に指名され
た。SE-AG第17条(2)に従い、SAP SEの監査役会は男女各30％以上でなければならない。この監査役会の比率は、監
査役会で新たに指名を行う際は常に遵守されなければならない。 2018年度において、年初から2018年5月17日まで
は3名の女性が監査役会の株主代表、2名の女性が従業員代表であり、2018年5月17日から2018年12月31日までは 5名
の女性が株主代表、2名の女性が従業員代表で あった 。したがって、 2018年を通して 監査役会の女性の割合は最低
比率である30％ に達 しており、 2018年5月17日から2018年12月31日までの期間においてはこの比率を上回った 。18
名全員の任期は2019年度年次株主総会の終了時に終了する。
SAP SEの監査役会の従業員代表を指名する手続は、EIAに準拠する。EIAに従って、初の監査役会において従業員
代表のために確保されていた9議席は次のとおりに割り当てられた。すなわち、最初の6議席はドイツ、7議席目は
フランス、8議席目もドイツ、そして9議席目は、SAP SE労使協議会ヨーロッパが決定する、最初の8議席を占めた
国以外の欧州国に割り当てられた。ドイツに割り当てられた最初の6議席の従業員代表は、主たる勤務地をドイツ
とする当社の全従業員により直接投票で決定された。EIAに従い、フランスに割り当てられた7議席目の従業員代表
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は通常、監査役会における従業員代表の選出または指名に関するフランス法の適用規則に従って決定される。8議
席目および9議席目については、SE労使協議会により、ドイツおよびスロバキア出身のSAP SE労使協議会ヨーロッ
パ 構成員が従業員代表として指名された。
年次株主総会で株主によって選任された監査役会のすべての構成員は、年次株主総会における投票総数の4分の3
によって解任することができる。EIAに基づき指名された監査役会のすべての構成員は、SE労使協議会による指名
のために当該従業員代表を推薦した団体の申し出に基づきSAP SE労使協議会ヨーロッパによって、または従業員代
表が直接選任された場合は議決権を有する従業員の過半数によって、解任することができる。
監査役会は、投票総数の過半数によって構成員の中から議長および1～2名の副議長を選任する。監査役会議長と
して選出できるのは、株主代表のみである。監査役会議長を選任する場合、監査役会における株主代表としての年
数が最長である構成員は、その会議の議長を務め、賛否同数の場合に決定投票を行う。
法律または定款に別段の規定がない限り、監査役会の決議は投票総数の単純多数によって可決される。賛否同数
の場合は、議長の投票によって、議長が決議に参加しない場合は副議長（ただし、株主代表であることを条件とす
る。）の投票によって、決定される（決定投票）。
監査役会の構成員は、場合により、6年を超える期間にわたって選任または指名されることはできない。SAP SE
初の監査役会における従業員代表を除き、監査役会の構成員の任期は、監査役会の構成員の任期が開始された年度
の4事業年度後の、監査役会の行為を正式に承認する年次株主総会の終了時点で満了となる。再任は可能である。
当社の監査役会は、通常年に4回会議を行う。監査役会の構成員の報酬は、定款により定められる。
ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（GCGC）に定められるように、当社の監査役会の十分な数の構成員
が独立性を有する。監査役会の構成員として任命されるため、また在任中において、構成員は、独立性、利益相
反、ならびに経営、監督、および他の統治機関上の地位の重複に関する特定の基準を遵守しなければならない。構
成員は、その業務において当社に対し忠実でなければならず、当社と競合する会社のいかなる地位をも引受けては
ならない。構成員は、インサイダー取引の禁止のほか、市場濫用に関する2014年4月16日付欧州議会および理事会
規則（EU）No. 596/2014ならびにドイツ証券取引法における取締役の取引に関する各規則の適用を受ける。監査役
会の構成員は、当該構成員およびSAP SE間の特定の契約上の合意に関連する事項について投票することはできな
い。さらに、監査役会の構成員の報酬が定款に規定されるため、監査役会の構成員は、自らの報酬について投票す
ることができないが、例外として、定款変更についての株主総会決議においては議決権を行使することができる。
監査役会は、その構成員の中から委員会の委員を任命し、法律で認められた範囲において、かかる委員会に監査
役会の代わりに決定する権限を委譲することができる。現在、監査役会には以下の委員会がある。
監査委員会
監査委員会（ Prüfungsausschuss ）の業務の中心は、当社の対外的な財務報告の監督、当社のリスク管理、内部
統制（財務報告プロセスの効果についての内部統制を含む。）、企業監査 、サイバーセキュリティに関する事項 お
よび法令遵守に関する事項である。ドイツの法律に従い、監査委員会は、会計報告または会計監査の分野の専門家
を1名以上含んでいる。監査委員会の業務の中には、 2018 年度年次報告書Form 20-Fを含む、ドイツおよび米国の規
制に基づき作成された当社の四半期および年度末の財務報告の議論が含まれる。監査委員会は外部の独立監査役の
任命を監査役会に勧告し、監査の焦点となる分野を決定し、重要な会計方針を議論し、発行された監査報告書およ
び監査役によって認識された監査上の問題に基づく予測および精査を行う。また、監査委員会は監査報酬について
の交渉を監査役との間で行い、監査役の独立性および資質の監督を行う。当社の企業監査 オフィス 、当社の法務コ
ンプライアンス・インテグリティ・オフィス 、当社のグローバル・セキュリティ・オフィス および当社のリスク管
理オフィスは、要請があった場合または特定の事項の発生があった場合 や定期的に監査委員会に対して 報告を行う
が、いずれにしても少なくとも (ⅰ)四半期 に1回（法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィスおよびリス
ク管理オフィス） 、(ⅱ) 年に2回（企業監査） および(ⅲ)年に1回（グローバル・セキュリティ・オフィス） 、 報告
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を行う。法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィスは、CFOおよび 監査委員会 に対する定期的な報告に加
え、取締役会 に対して毎年報告を行う。
監査委員会は、当社の外部の独立監査役によって提供されるすべての監査業務および非監査業務についての、事
前承認に関する手続を定めた。
監査委員会は、年次財務書類の採択、年次連結財務書類および統合報告書の承認ならびに配当案に関して、監査
役会が行うすべての審議および決議のための準備作業も行う。また、監査委員会と金融投資委員会は共同で、監査
役会によるグループ年間計画承認決議をすべて作成する。
監査役会は、監査委員会会長のエアハルト・シィポライトをサーベンス・オクスリー法407条に基づき定められ
たSECの規則に定義される監査委員会の財務専門家、およびドイツ株式会社法に定義される独立財務専門家とする
ことを決定した。
総務報酬委員会
総務報酬委員会（ Präsidial- und Personalausschuss ）は、監査役会の業務について調整および会議の準備を行
い、またコーポレート・ガバナンスに関する事項を扱う。また、本委員会は、とりわけ取締役会の構成員の報酬な
らびに取締役会の構成員の役員委任契約における決定、修正および終了に関する監査役会による人事決定につい
て、必要な準備業務を行う。
ドイツ株式会社法は、報酬委員会が監査役会に代わって取締役の報酬を決定することを禁止しており、監査役会
全体で取締役報酬を決定することを義務付けている。同法は、株主総会に対し、取締役の報酬システムについての
議決権を付与している。ただし、かかる投票は、監査役会に対する法的拘束力を有しない。
金融投資委員会
金融投資委員会（ Finanz- und Investitionsausschuss ）は、一般的な財務の問題を扱う。さらに、本委員会は
定期的に知的財産および会社の買収、ベンチャー・キャピタルに対する投資および他の投資について取締役会と協
議し、監査役会に当該投資について報告する。本委員会は、個別の投資金額が一定の上限額を上回る場合は当該投
資の承認について、また、監査役会によるグループ年間計画承認決議をすべて（監査委員会と共同で）作成するこ
とについて責任を負う。
技術戦略委員会
技術戦略委員会（ Technologie- und Strategieausschuss ）は、技術の取引を監視し、監査役会に詳細な技術的
な助言を提供する。
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指名委員会
指名委員会（ Nominierungsausschuss ）は、株主の代表のみから構成され、年次株主総会に推薦する監査役会の
構成員に相応しい候補の認定に責任を負う。
特別委員会
特別委員会（ Sonderausschuss ）は、大規模訴訟等の重大かつ例外的なリスクから生じる問題を審議する。
人事組織委員会
人事組織委員会（ Ausschuss für Mitarbeiter- und Organisationsangelegenheiten ）は、取締役会より下位の
経営陣レベルの主要人事および大規模組織改変につき審議し、取締役会および監査役会に対し助言を行う。人事組
織委員会は、当社における女性の機会均等についても助言を行う。
監査役会およびその委員会の任務および手続は、SE規則およびドイツ株式会社法を含む欧州法およびドイツ法の
規定、定款、およびGCGCの勧告を反映した各手続規則（これがある場合）に明記されている。
サーベンス・オクスリー法の規定に従って、当社は取締役会または監査役会の構成員に対して融資を提供しな
い。
取締役会
取締役会は、当社の業務を運営し、その戦略の作成に責任を負い、第三者との取引において当社を代表する。取
締役会は、当社の運営および業務戦略について定期的に監査役会に報告し、要請により、特別報告書を作成する。
取締役会と監査役会に同時に属することはできない。
取締役会および監査役会は、当社の利益のために緊密に協力する。取締役会はSAPグループの事業の発展および
潜在的な業務上のリスクに影響を及ぼす一切の重要な事項について定期的に、迅速かつ包括的な情報を監査役会に
提供する必要がある。さらに、取締役会と監査役会の議長とは定期的にかつ相互に連絡を取り合わなければならな
い。取締役会は、当社の業務において重要な例外的事項について監査役会の議長に迅速に報告しなければならな
い。監査役会の議長は、それに応じて監査役会に報告を行い、必要に応じて臨時監査役会を招集する。
定款に従って、取締役会は少なくとも2名の構成員から構成されなければならない。 2018 年度年次報告書Form
20-Fの日付現在、SAP SEの取締役会は、 10 名の構成員から構成されている。取締役会のいずれかの2名の構成員が
共同で、または取締役会の1名の構成員および特別代理権者（Prokurist）が共同で、SAP SEを法的に代表すること
ができる。監査役会は、取締役会の各構成員を最長5年間の任期で任命する（再任は可能である。）。特定の状況
においては、取締役会の構成員はその任期が満了する前に監査役会によって解任されることがある。取締役会の構
成員は、当該構成員とSAP SEの間の特定の契約上の合意に関する事項について投票することができず、当社および
第三者の間で締結された契約上の合意で、監査役会に事前に開示も承認もされていないものについて当該構成員が
重要な利害を有する場合、SAP SEに対し責任を負う可能性がある。さらに、取締役会の構成員の報酬は監査役会に
よって設定されるため、取締役会の構成員は、自らの報酬について投票することができないが、例外として、株主
総会における取締役の報酬システムに関する決議については、拘束力のない投票をする権利を有する。
ドイツ法に基づき、SAP SEの監査役会の構成員および取締役会の構成員は、SAP SEに対し忠実義務および注意義
務を有する。当該構成員は、善良かつ勤勉な実業家が有する水準の注意義務を尽くさなければならず、それに異議
が申し立てられた場合は、注意義務を尽くしたことにつき立証責任を負う。取締役会および監査役会は、SAP SEの
株主および当社従業員の利益を考慮し、一定程度は一般社会の利益を考慮する。その任務に違反した構成員は、年
次株主総会の適法な決議に従って行動した場合を除き、その結果生じた損害について連帯して責任を負う。
当社は、従業員向けの企業行動指針を導入した。従業員の行動指針は、マネージャーおよび取締役会の構成員に
も等しく適用される。当該指針の規則は監査役会の構成員にも適用され遵守される。
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ドイツ法に基づき、SAP SEの取締役会は、SAPグループの一切の主要なリスクを評価しなければならない。さら
に、経営陣がリスクを軽減するため、またリスクに対処するために採用するすべての手段は記録されなければなら
な い。したがって、当社の経営陣は、会社の地位を危うくする不利な展開が合理的に見て早期に認識されるように
するため、企業規模のリスク監視システムの導入など適切な手段を採用してきた。
法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィスは、2006年に当社の法務および規制方針の遵守を監督および
調整するために当社の取締役会によって設置された。法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィスの長を務
めるグローバル・コンプライアンス最高責任者はSAP SEの最高財務責任者に直接報告を行い、また監査役会の監査
委員会に対して直接的な連絡手段を有し、報告義務を負う。法務コンプライアンス・インテグリティ・オフィス
は、従業員向けの当社の企業行動指針に基づき、地域的な質問または問題の連絡窓口としての業務を行う100を超
える地域の子会社のコンプライアンス担当者のネットワークを管理する。法務コンプライアンス・インテグリ
ティ・オフィスは、法務および規制遵守方針についての認識と理解を高めるため、当社の従業員に対してトレーニ
ングの提供および連絡を行う。従業員のヘルプラインも、報復を恐れることなく、疑問を提起し、または問題とな
る行為を報告することができる各地域において支持されている。
年次株主総会
当社の株主は、株主総会で議決権を行使する。取締役会は、各事業年度の最初の6ヶ月間に開催される必要があ
る、年次株主総会を招集する。監査役会または取締役会は、株式会社の利益において必要な場合は、臨時株主総会
を招集することができる。さらに、総計でSAP SEの発行済株式資本の最低5％を有する株主は、臨時株主総会を招
集することができる。総会に出席する意図を適切な時期に通知した場合、基準日時点の株主は株主総会に出席およ
び参加する権利を有する。
年次株主総会において、株主は、とりわけ前事業年度の取締役会および監査役会の行為を正式に承認すること、
会社の分配可能な利益の割当の承認を行うこと、および独立外部監査役の任命を行うことが求められる。監査役会
の株主代表は、一般的に、 最長 約5年間の任期で年次株主総会において選任される。また株主は、自己株式の買戻
しについての承認、当社の増資または減資の手段に関する決議、および定款の変更の可決を求められることがあ
る。年次株主総会は、取締役会による要請がある場合のみ、経営に関する決定を行うことができる。
当社の株式に付される権利
有価証券を所有する権利（非居住者または外国の保有者が米国預託証券（以下「ADR」という。）または普通株
式を保有し、議決権を行使し、または配当もしくは当該株式に関する他の支払を受領する権利を含む。）に関し
て、ドイツ法またはSAP SEの定款によって課される制限はない。
ドイツ株式会社法によれば、株主の権利を株主の承諾なく変更することはできない。定款により、株主の権利の
変更に関して適用される欧州法およびドイツ法によって定められる条件より厳しい条件を設けることはできない。
議決権
各SAP SE普通株式は一票を有する。累積投票は、適用される欧州法およびドイツ法の下では認められない。法律
によって特定の過半数の可決要件が定められている場合を除き、会社の定款においては、株主決議について、法律
に規定されている過半数とは異なる可決要件を定めることができる。SAP SEの定款第21条(1)においては、法律ま
たは定款によって過半数以上の多数による可決が定められる場合を除き、決議は年次株主総会において有効投票総
数の過半数によって採択される旨定められている。SAP SEの定款ならびに適用される欧州法およびドイツ法の下で
は、特に以下の事項については、当該事項が提起された株主総会において、有効投票総数の75％以上によって承認
されなければならない。
・ 定款に定める当社の企業目的の変更
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・ 増資および減資
・ 新株式または自己株式を購入するための株主の新株引受権の排除
・ 解散
・ 他社との合併または統合
・ 全資産または実質的な全資産の譲渡
・ ドイツ株式会社への再転換を含む会社形態の変更
・ 他のEU加盟国への登記移転
・ その他の（定款第21条(2)第一文に基づく）定款に対するあらゆる修正。ただし、ドイツ法に基づき設立さ
れた株式会社に関する、単純多数による可決を要する定款の修正については、SAP SEの定款第21条(2)第二
文において、発行済資本の半分以上が表章されている場合は有効投票総数の単純多数を満たすこと、または
かかる定足数が存在しない場合は法律により定められる過半数（SE規則第59条によれば投票総数の3分の2）
を満たすことと定められている。
配当請求権
「第5 2 配当政策」を参照のこと。
新株引受権
株主は、発行済資本に占める持株の割合に応じて、株式の追加発行に応募する新株引受権（Bezugsrecht）を有
する。特定の状況においては、新株引受権は株主総会決議（株主総会における、有効投票総数の75％以上による承
認）または当該株主総会決議によって権限を付与された取締役会によって、監査役会の承認を得た上で排除される
ことがある。
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２【外国為替管理制度】
ユーロは完全に交換可能な通貨である。現在、ドイツは、国連および欧州連合によって採択された、適用のある
決議に定められた特定の分野への投資を除き、資本の輸出または輸入を制限していない。ただし、統計上の目的の
みのために、ドイツ在住の各個人または会社（以下「居住者」という。）は、特定の重要でない例外を除き、ドイ
ツ国外に居住する個人または会社（以下「非居住者」という。）から受領した一切の支払または非居住者に対して
行った一切の支払が12,500ユーロを超える場合（または同等の外貨）は、かかる支払をドイツ連邦銀行（ Deutsche
Bundesbank ）に報告しなければならない。さらに、ドイツ居住者（個人および特定の金融機関を除く。）は、非居
住者に対する債権または債務が総額で5百万ユーロ（または同等の外貨）を超える場合、各暦月の末日に当該債権
または債務について報告しなければならない。さらに、ドイツに拠点を置く会社で非居住者に対する債権または債
務が500百万ユーロを超えるものは、デリバティブ商品につき発生している非居住者に対する債権または債務につ
いて各暦四半期の末日に報告しなければならない。居住者はまた、全資産が3百万ユーロを超えるドイツ国外会社
のあらゆる株式または議決権の10％以上を直接的または間接的に保有する場合、当該株式または議決権について毎
年ドイツ連邦銀行に報告する義務を有する。3百万ユーロを超える資産を有するドイツに所在する会社は、あらゆ
る株式または議決権の10％以上が直接的または間接的に非居住者に保有されている場合、当該株式または議決権に
ついて毎年ドイツ連邦銀行に報告しなければならない。
３【課税上の取扱い】
日本に居住する個人に対する一般的な課税
ドイツに居住していない日本の居住者は、一般的に、ドイツ源泉所得に対してのみ課税される（ドイツ制限納税
義務）。ドイツ在住でない個人は、以下のすべての条件を満たした場合に、ドイツにおける制限的な納税義務のみ
を負う。
・ ドイツ国内に個人的な利用のための住居を有しないこと。
・ ドイツ国内に「主居住地」を有しないこと。これは、2暦年間に6ヶ月間連続でドイツに滞在したことがない
ことを意味する。
ドイツ所得税法は、農林業所得、給与所得、自由営業所得、事業所得、不動産所得、投資所得、およびキャピタ
ル・ゲインからの所得を含む複数の所得の分類の区別を設けている。日本の居住者で、ドイツの非居住者であり、
上記のいずれかの分類から生じるドイツ源泉所得を受領する場合、ドイツ所得税法の適用を受ける。
ドイツにおける制限納税義務者が受領する配当に対する課税
制限納税義務者が受領した配当は、ドイツ源泉とみなされる場合はドイツ所得税の課税対象となる。ドイツ所得
税法により、配当を支払う会社の所在地または企業経営の拠点がドイツ国内にある場合、配当はドイツ源泉とな
る。
2009 年より、課税対象の配当などの課税対象となる投資所得は、一律25％の課税となり、かかる税は支払者に
よって源泉徴収される。連帯付加税（固定源泉徴収税の5.5％）が付加される。一般的に、固定源泉徴収税は確定
税額である。一般的に、源泉徴収された配当は、ドイツの所得税申告において申告される必要はない。
一般的に、適用される二重課税防止条約に基づき、現在多くの非居住株主について税率が引き下げられている。
税率および手続は、適用される条約に従って異なる可能性がある。ドイツおよび日本間の二重課税防止条約は、ド
イツ会社の非居住株主について税率を15％（連帯付加税を含む。）まで減税している。二重課税防止条約に従って
実際に適用される税率に減税するためには、非居住株主は、支払った源泉徴収税の還付（配当の25％に連帯付加税
を加算したものと配当の15％の差額）を申請する必要がある。還付の申請がある場合は、特別なドイツ語の還付申
請 書 が ド イ ツ 連 邦 中 央 税 務 庁 （Bundeszentralamt für Steuern, D-53221 Bonn, Germany;
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http://www.bzst.bund.de）に提出されなければならない。該当する申請書は、ドイツ連邦中央税務庁またはドイ
ツ大使館および領事館で入手できる。詳細については、非居住株主は各自の税務顧問に相談することが望ましい。
ドイツにおける 制限納税義務者が受領する 株式売却益に対する課税
ドイツにおいて制限納税義務のみを有する日本居住者には、当該非居住株主が、当社の登録株式資本の1％以上
を占める株式を、株式の売却または処分の直前5年間のいかなる時点においても、直接・間接を問わず保有してい
る場合、ドイツの所得税のみが課される。さらに、ドイツと日本の間で締結された二重課税防止条約の規定も考慮
されなければならない。ドイツと日本の間の二重課税防止条約によれば、この点に関しては当該個人の居住する国
が課税の権利を有するとされることから、所得はドイツにおいて課税対象とはならない。
ドイツにおける贈与税および相続税
死亡または贈与による財産の譲渡は課税の対象となる。故人および贈与者は譲渡人とみなされ、受益者および受
贈者は譲受人とみなされる。
故人の死亡日または贈与日時点で譲渡人または譲受人のいずれか一方がドイツ居住者である場合、国際的な純資
産の譲渡は課税の対象となる。譲渡人または譲受人のいずれもドイツ居住者ではない場合、普通株式がドイツにお
ける恒久的施設または固定的拠点の事業資産の一部である場合、または、当該譲渡の対象となる普通株式が、当社
の登録株式資本の10％以上を占め、かつ故人または贈与者のそれぞれが、関係当事者と共同で、譲渡の際に、直
接・間接を問わず保有し、または保有するとみなされていたポートフォリオを形成する場合、ドイツに所在する財
産の譲渡のみが課税の対象となる。
譲渡人と譲受人の親族関係により、20,000ユーロ（親族関係がない場合）から500,000ユーロ（譲渡人の配偶者
の場合）までの人的控除が付与される。税率は、親族関係および譲渡された課税対象の財産の価額によって決まる
累進税である。例えば、 2018 年における税率は以下を含む。
・ 譲渡人の配偶者および子：30％まで
・ 父母および孫：43％まで
・ 親族関係がない場合：50％まで
二重課税を防ぐため、ドイツはデンマーク、ギリシャ、スウェーデン、スイスおよび米国との間で相続税に関す
る租税条約を締結した。ただし、日本との間では、相続税に関する租税条約は締結されていない。
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４【法律意見】
当社のコーポレート・カウンセルであるミヒャエル・プレートナー博士により、以下の趣旨の法律意見書が関東
財務局長宛に提出されている。
( ⅰ) 当社は、ドイツ連邦共和国法および欧州連合法に基づき適式に設立され、有効に存続している会社であ
る。
( ⅱ) 有価証券報告書におけるドイツ連邦共和国および欧州連合の現行法に関する記述は、あらゆる重要な点に
おいて真実かつ正確である。
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第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ 2018 年度 2017 年度 2016 年度 2015 年度 2014 年度
損益計算書データ：12月31日に終了する年度
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益 4,993 3,769 2,993 2,286 1,087
ソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益 15,628 15,780 15,431 14,928 13,228
クラウドおよびソフトウェア収益 20,622 19,549 18,424 17,214 14,315
総収益 24,708 23,461 22,062 20,793 17,560
営業利益 5,703 4,877 5,135 4,252 4,331
税引後利益 4,088 4,0 46 3,629 3,056 3,280
親会社株主に帰属する利益 4,083 4,008 3,642 3,064 3,280
(1)
1 株当たり利益
基本(単位：ユーロ) 3.42 3 . 35 3.04 2.56 2.75
希薄化後(単位：ユーロ) 3.42 3.35 3.04 2.56 2.74
その他のデータ：
期中加重平均発行済株式数
基本 1,194 1,197 1,198 1,197 1,195
希薄化後 1,194 1,198 1,199 1,198 1,197
財政状態報告書データ：12月31日現在
現金および現金同等物 8,627 4,011 3,702 3,411 3,328
資産合計 51,491 42,484 44,262 41,390 38,565
(2)
流動金融負債
1,125 1,561 1,813 841 2,561
(2)
長期金融負債
10,553 5,034 6,481 8,681 8,980
発行済資本金 1,229 1,229 1,229 1,229 1,229
資本合計 28,877 25,515 26,382 23,295 19,534
(1) 1株当たり利益の計算においては、親会社株主に帰属する利益が分子であり、期中加重平均発行済株式数が分母である。1
株当たり利益に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(C.6)を参照のこと。
(2) 残高には、主に債券、私募および銀行ローンが含まれる。「流動」とは残余期間が1年以下のものと定義され、「長期」
とは残余期間が1年を超えるものと定義される。2014年の大幅な増加は、長期銀行ローンおよび3つのトランシェ・ユーロ
債の発行に起因し、これらはConcurの買収に関連して行われた。当社の金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する
注記(E.3)を参照のこと。
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２【沿革】
当社の正式な会社名は、SAP SE である。SAP SE は、英語ではSAP European Company （ Societas Europaea または
「SE」 ）と訳される。SAP SE は、ドイツおよびヨーロッパの法律に基づきドイツ連邦共和国において設立された。
以下において文脈上必要な場合、SAP SE とは、当社の前身または旧法的形態および旧名称、すなわち
Systemanalyse und Programmentwicklung GbR（1972-1976)、SAP Systeme, Anwendungen, Produkte in der
Datenverarbeitung GmbH（1976-1988）、 「SAP Aktiengesellschaft Systeme, Anwendungen, Produkte in der
Datenverarbeitung 」（ 1988 ጀ㈀ ）および「SAP AG」（ 2005 ጀ㈀ ）をも指す。当社の本店、本社および登録事務
所は、ドイツの69190 ヴァルドルフ、ディートマ・ホップ・アレー16にある。当社の電話番号は、+49-6227-7-
47474である。
2018 年、SAPグループの法人数削減活動の一環として、当社は特定の子会社を以下の重要な当社子会社と統合し
た。すなわち、 SAP France、SAP America および SAP (Schweiz) AG である。
３【事業の内容】
1972 年に設立された当社は、ドイツのヴァルドルフに本社を置くグローバル企業である。当社の正式な会社名は
1)
SAP SEである。当社は、企業向けアプリケーション・ソフトウェア 市場の主導者であり、有数のアナリティクス
およびビジネス・インテリジェンス会社でもある。世界規模でいえば、すべての取引収益のうち77％超が当社のシ
ステムに関連している。180超の国々に 425,000 超の顧客を擁するSAPグループは世界的な存在感を示しており、
96,000名超の従業員を雇用している。
当社の普通株式は、フランクフルト証券取引所に上場している。 SAP SE の普通株式を表章する米国預託証券
（ADR）は、ニューヨーク証券取引所（NYSE）に上場している 。当社は、ドイツDAX、TechDAX、ダウ・ジョーン
ズ・ユーロSTOXX50、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド指数およびダウ・ジョーンズ・サステナビ
リティ・ヨーロッパ指数を構成する銘柄である。2018年12月31日現在、当社はDAXにおいて時価総額の点で最も価
値ある企業である。当社は、12年連続でダウ・ジョーンズ・サステナビリティ指数において最も持続可能なソフト
ウェア会社であると評価された。
2018 年12月31日現在、 SAP SE は、自社の製品、ソリューションおよびサービスを開発、流通および提供する 265
社の 子会社の世界規模グループを直接的または間接的に支配している。当社の子会社、関係会社その他のエクイ
ティ投資の一覧表は、 連結財務諸表に対する注記( G.10 ) を参照のこと。
1) 企業向けアプリケーション・ソフトウェアとは、とりわけビジネス・プロセスをサポートし自動化することを目的として
開発されたコンピュータ・ソフトウェアである。
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４【関係会社の状況】
（1）親会社
当社に親会社は存在しない。
（2）子会社および関連会社
2018 年12月31日現在、SAP SEは、自社の製品、ソリューションおよびサービスを開発、流通および提供する 265
社の子会社の世界規模グループを直接的または間接的に支配している。
以下の表は、 2018 年のSAPグループの総収益に基づき、当社の最も重要な子会社について示すものである。これ
らの子会社はすべて、 SAP SE に 完全所有されている。
2018 年
2018 年度
12 月 31 日現在
(1)
総収益
当社との
(1)
資本合計
名称 所在地 事業内容 所有割合
関係
( 単位：
( 単位：
千ユーロ)
千ユーロ )
販売・マーケティング、コ
SAP Deutschland SE
ンサルティング、トレーニ
(*)
& Co. KG 、 商取引
ドイツ 100 ％ 4,199,201 1,567,774
ング、顧客サポート、研究
(2)(3)
ヴァルドルフ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP France 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
フランス 100 ％ 1,051,242 1,606,922
ング、顧客サポート、研究
ルヴァロワ・ペレ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ( UK ) Limited 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
英国 100 ％ 1,227,572 –47,515
(4)(6)
フェルサム
ング、顧客サポート、研究
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP (Schweiz) AG、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
スイス 100 ％ 822,547 84,935
ング、顧客サポート、研究
ビール
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Nederland
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
B.V. 、
オランダ 100 ％ 613,282 145,553
ング、顧客サポート、研究
(5)
スヘルトヘンボス
開発、および管理
SAP Italia Sistemi
Applicazioni
販売・マーケティング、コ
Prodotti in Data ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
イタリア 100 ％ 563,346 427,184
ング、顧客サポート、研究
Processing
開発、および管理
S.p.A. 、
ヴィメルカーテ
SAP España –
Sistemas,
販売・マーケティング、コ
Aplicaciones y
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
スペイン 100 ％ 491,270 336,419
Productos en la
ング、顧客サポート、研究
Informática,
開発、および管理
S.A. 、
マドリード
販売・マーケティング、コ
LLC SAP CIS、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
ロシア 100 ％ 472,531 62,725
ング、顧客サポート、研究
モスクワ
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP America, Inc.、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100 ％ 5,363,074 14,320,071
ニュータウン・スク
ング、顧客サポート、研究
エア
開発、および管理
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Concur
販売・マーケティング、コ
Technologies, ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100 ％ 1,545,720 7,340,513
ング、顧客サポート、研究
Inc. 、
開発、および管理
ベルビュー
販売・マーケティング、コ
Ariba, Inc. 、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100 ％ 1,168,287 3,972,022
ング、顧客サポート、研究
パロアルト
開発、および管理
SuccessFactors,
販売・マーケティング、コ
Inc. 、
(*)
商取引
米国 ンサルティング、研究開 100 ％ 867,910 3,609,046
サウス・サンフラン
発、および管理
シスコ
SAP National
販売・マーケティング、コ
Security Services,
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
米国 100 ％ 552,326 426,052
Inc.、
ング、顧客サポート、研究
ニュータウン・スク
開発、および管理
エア
SAP Industries,
販売・マーケティング、コ
ンサルティング、トレーニ
Inc. 、
(*)
商取引
米国 100 ％ 638,394 691,709
ング、顧客サポート、研究
ニュータウン・スク
開発、および管理
エア
販売・マーケティング、コ
SAP Canada, Inc.、
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
カナダ 100 ％ 865,582 465,034
ング、顧客サポート、研究
トロント
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP ジャパン株式会
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
社、 日本 100 ％ 980,832 192,939
ング、顧客サポート、研究
東京
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP China Co.,
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
Ltd. 、
中国 100 ％ 949,367 –184,135
ング、顧客サポート、研究
(6)
上海
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP Australia Pty
オースト ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
100 ％ 733,060 42,366
Ltd. 、
ラリア ング、顧客サポート、研究
シドニー
開発、および管理
販売・マーケティング、コ
SAP India Private
ンサルティング、トレーニ
(*)
商取引
インド 100 ％ 621,942 344,218
Limited 、
ング、顧客サポート、研究
バンガロール
開発、および管理
(*) 主にソフトウェア・ライセンスの売買。
(1) これらの数値は、連結消去仕訳前の当社の現地のIFRS財務書類に基づいており、そのため連結財務書類に含まれるこれら
の企業の貢献を反映していない。グループ通貨への換算は、資本金については期末最終為替レートに基づいており、収益
および純利益／損失については期中平均為替レートに基づいている。
(2) 事業体の 個人的責任を負うパートナーは SAP SE である。
(3) ドイツ商法（HGB）第264条(3)または第264b条に従い、子会社は法定の単体財務書類を作成するに当たり、財務諸表に対
する注記および事業の概況の記載、独立監査および開示等の一定の法的要件の適用が免除されている。
(4) 2006 年 英国会社法第 479A 条から第479C条に従い、この事業体は、2018年12月31日に終了する会計年度または2018年9月30
日に終了する会計年度それぞれに関してSAP SEが当該事業体の債務に対し保証を提供していることに基づき、財務書類の
監査が免除されている。
(5) オランダ民法第 2 編403条に従い、この事業体は、 2018 年12月31日に終了する会計年度または2018年9月30日に終了する会
計年度それぞれに関してSAP SEが当該事業体の債務に対し保証を提供していることに基づき、財務書類の作成、独立監査
および開示等、法定の単体財務書類の作成に関する一定の法的要件の適用が免除されている。
(6) SAP SE によって発行されたサポートレターを保有している事業体。
５【従業員の状況】
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以下の表 は、部門別、およびEMEA（ヨーロッパ、中東およびアフリカ）、南北アメリカ（北米およびラテンアメ
リカ）、APJ（アジア太平洋日本）からなる地域別の従業員数の概要を示したものである。
地域および部門別従業員数
2018 年12月31日 2017 年12月31日 2016 年12月31日
正規職員相当
南北 南北 南北
EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計
6,341 4,268 5,374 15,983 5,869 3,895 4,719 14,482 6,406 4,184 5,412 16,002
クラウドおよびソフトウェア
8,120 5,736 5,620 19,476 7,536 4,878 4,965 17,379 6,535 4,119 3,967 14,621
サービス
12,478 5,651 8,930 27,060 11,349 5,250 8,273 24,872 10,525 4,860 7,977 23,363
研究開発
9,843 9,452 4,918 24,213 9,196 9,169 4,854 23,219 8,542 8,999 4,435 21,977
販売・マーケティング
2,906 1,970 1,147 6,024 2,676 1,781 1,047 5,504 2,629 1,746 1,018 5,393
一般管理
2,160 951 631 3,742 1,732 855 501 3,087 1,584 788 454 2,827
インフラストラクチャー
41,848 28,029 26,620 96,498 38,357 25,827 24,359 88,543 36,222 24,696 23,265 84,183
SAP グループ(12月31日現在)
657 952 434 2,043 149 133 7 289 37 172 0 209
このうち買収によるもの
40,496 27,454 25,759 93,709 37,512 25,459 24,029 86,999 34,932 23,532 22,145 80,609
SAP グループ(月末平均)
2017 年度のSAPデジタル・ビジネス・サービスの再編成に伴い、一部の従業員はクラウドおよびソフトウェアか
らサービスへと再配置された。したがって、2017年度の数値は2016年度と完全に比較可能なものではない。
従業員数および人件費
2018 年12月31日現在、当社は世界において正規職員相当(full-time equivalent、FTE)の従業員 96,498 名を有し
た（ 2017 年12月31日： 88,543 名)。これは、 2017 年度に比べて 7,955 名の増加である。 2018 年度の平均従業員数は、
93,709 名であった（ 2017 年度：86,999名）。
当社が定義するところのFTE数とは、人員配置率を考慮した、常勤雇用契約で雇用されている人数をいう。学
生、当社に雇用されているが出産育児休暇等の理由により現在労働していない者、および6ヶ月未満の有期契約の
派遣社員は、当社の従業員数から除外されている。除外されている派遣社員数は大きなものではない。
2018 年度における当社の従業員一人当たりの人件費は減少し、約124,000ユーロとなった（ 2017 年度：約134,000
ユーロ）。この減少は、主に2018年度における株式報酬費用および平均給与費用が前年度と比較して減少したこと
に起因する。人件費総額を平均従業員数で割った金額を従業員一人当たりの人件費としている。
従業員数および従業員報酬に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記( B.2 ) を参照のこと。
従業員および労使関係
世界的な規模において、当社の従業員および労使関係は極めて良好であると当社は考えている。
企業レベルでは、欧州経済領域の当社従業員は SAP SE 労使協議会（Works Council、WoC）（ヨーロッパ）によっ
て代表される。法律および当社との契約により、SAP SE WoC（ヨーロッパ）は国境を越えた問題に関する情報を受
領する権利および取締役会またはその代表者に助言を求める権利を有する。
法人レベルでは、SAP SE労使協議会（ドイツ）がSAP SEの従業員を代表する。SAP Deutschland SE & Co. KG
（SAP Germany）、Concur (Germany) GmbHおよびSAP Business Compliance Services GmbHの従業員は、別の労使
協議会によって代表される。その他の従業員代表には、団体労使協議会（SAP SEおよびSAP Germanyの労使協議会
のメンバーにより構成される。）、すべての団体におけるグループレベルの重度障害者の代表者（ドイツ）、およ
び役員の代表としての代表者委員会が含まれている。
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SAP France 、SAP France HoldingおよびSAP Labs France SASそれぞれの従業員は、個別の団体協約に従ってい
る。SAP France、SAP France Holding、SAP Labs France SASおよびConcur (France) SASはそれぞれ、フランスの
労使協議会により代表される。代表される組合は、SAP FranceおよびSAP Labs France SASの各社と契約の交渉を
行 う。
また、SAP España Sistemas, Aplicaciones y Productos en la Inform á tica, S.A. 、SAP Belgium NV/SA. 、
SAP Israel、SAP Nederland B.V.、SAP Italia Sistemi Applicazioni Prodotti in Data Processing S.p.A. 、SAP
China Beijing、チェコ共和国におけるすべての事業体（SAP R, spol. ▲ r.o.、SAP Services s.r.o.、Ariba
Czech s.r.o.およびConcur Czech (s.r.o.)）、 SAP Brasil Ltda 、SAP sistemi, aplikacije in produkti za
obdelavo podatkov d.o.o. （スロベニア）、SAP Romania SRL 、SAP Argentina S.A. 、SAP Svenska Aktiebolag （ス
ウェーデン）、SAP UK Ltd.およびSAP Ireland Ltd. を含む他の様々なSAP関連会社の従業員は、労使協議会、労働
者代表、 従業員協議フォーラムおよび／または労働組合により代表される。 また、これらの従業員の一部は、団体
協約に従っている。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社の概要
上記「第2 3 事業の内容」を参照のこと。
当社の目的
我々は、大規模な社会変革およびデジタル崩壊によって引き起こされる世界的な不確実性の時代を生きている。
世界最大の課題には、テクノロジー主導の革新と企業のリーダーシップを組み合わせなければ対処することができ
ないものもある。
当社の目的は、世界にとってより良い経済、社会および環境を創造する力を顧客に与えることにより、「世界が
より良くなる支援を行い、人々の暮らしを豊かにする」ことである。当社の革新により、当社は顧客が最高のパ
フォーマンスを発揮できるよう支援することができる。最高とは、世界最大の課題に対処する上で当社の顧客が
人々と情報をつなぐことができるという意味である。こうした理由により当社は、革新の推進、平等性の促進およ
び国境と文化を超えた好機の拡大を行うためのエンジニアリング・ソリューションに注力している。当社の幅広い
顧客基盤および約18,800の提携先からなるエコシステムにより、当社は集団としての経済的、社会的および環境的
影響力を増幅させることができる。
当社は、国連の持続可能な開発目標（UN SDGs）を支援することに取り組んでいる。テクノロジー主導の革新
は、UN SDGsの全17項目にわたって当社がその顧客およびエコシステムとともにイニシアティブを発揮する際の基
盤となるものである。
インテリジェント・エンタープライズ
多くの企業は現在、3つの重要な課題の対処に苦戦している。すなわち、崩壊の世界に適応するためにいかにし
て次世代顧客エクスペリエンスを提供するか、革新の資金を調達するためにいかにして費用シナジーを最大にする
か、およびトップの人材を呼び込み、雇用し続けるためにいかにして従業員エンゲージメントを高めるか、という
ことである。
企業は、これらの課題を解決するためにデータ主導型の洞察を利用しようとしている。デジタル経済における勝
者は、保有するデータからインテリジェンスと洞察を抽出し、競争相手より早く行動できる者である。当社は、統
合バリューチェーンにおいて、人工知能（AI）／機械学習（ML）、モノのインターネット（IoT）およびアナリ
ティクス等の技術を利用した予測的洞察の投入を通じて業務プロセス全体を再考することにより、顧客がマーケッ
トプレイスで勝ち抜くことを支援することができる。当社の革新により、当社の顧客は、そのエクスペリエンスを
提供し継続的に改善するためにユーザーとリアルタイムで関わり合うことができる。
当社は、以下の3つの主要な営業成果に注力することによりインテリジェント・エンタープライズを実現するこ
とができる。
・ 需要の予測から、顧客の独自のニーズに基づく製品設計、製品にとって最良のサプライヤーの手配、製造、
顧客満足度を最大化する製品またはサービスの提供に至るまで、エンドツーエンドの顧客エクスペリエンス
を再考すること。
・ AI／MLを基盤とする次段階的な業務プロセスの自動化を通じて生産性に大胆な変化をもたらすこと。AI／ML
は、業務プロセスのあらゆる部分（財務、サプライチェーン、製造、調達、出張および人材資源）に組み込
まれることとなる。これを行うに当たって重要となるのは、業務プロセスのサイクル時間の改善およびあら
ゆる場所におけるスピードへの注力である。
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・ フルタイムおよび臨時の労働者全体にわたって総合的な従業員エンゲージメントを実現し、タッチレスのプ
ロセスおよび音声／チャット利用可能なシステムの推進を通じた従業員の効率性の改善を行うことによっ
て、企業が従業員の貢献意欲を高める方法を変革すること。
当社が顧客に約束していることは、顧客が今日の課題に対応できるよう支援することおよび予想される将来の課
題に備えることである。当社の戦略は、当社の顧客のためにインテリジェント・エンタープライズを実現すること
である。インテリジェント・エンタープライズに関する当社のビジョンは、イベント駆動型のリアルタイム・ビジ
ネスである。当社は、強力なインテリジェント・アプリケーションを構築すべくAI／ML等の技術を用いて当社のソ
フトウェアにあるデータの力を利用することにより、これらの目標を達成することができる。SAP HANAおよびSAP
Cloud Platformにより、当社はそのポートフォリオのあらゆる部分にインテリジェンスを組み込むことができる。
これにより企業は、生産性を大胆に変革することができ、また、革新、顧客エクスペリエンスおよび新たなビジネ
スモデルに一層注力することができる。インテリジェント・エンタープライズは、当社の顧客にとってのビジネス
の将来、当社顧客の従業員にとっての労働の将来、そして当社顧客の顧客にとってのエクスペリエンスの将来を当
社がどのように見通しているかを表している。
インテリジェント・エンタープライズの実現
当社の総合的なエンドツーエンドのポートフォリオは、事業価値、データ駆動型革新、豊富な顧客エクスペリエ
ンスの洞察および組み込みインテリジェンスを提供することにより、インテリジェント・エンタープライズを可能
にする。当社は、当社が提供する広範なプラットフォームおよび豊富なアプリケーション・ポートフォリオの中に
インテリジェント技術を組み込んでいる。当社のソフトウェア、技術およびサービスは、当社が取り扱う25の業界
および12のライン・オブ・ビジネス（LoB）に関して、以下のとおり、インテリジェント・エンタープライズの3つ
の中核要素に対処するものである。
・ LoBアプリケーションのインテリジェント・スイート。これは、クラウドにおける次世代エンタープライ
ズ・リソース・プランニング（ERP）のほか、顧客エクスペリエンス、製造およびサプライチェーン、ネッ
トワークおよび支出管理ならびに従業員エンゲージメントのためのソリューションを含む。インテリジェン
ト・スイートは、エンドツーエンドのシナリオのために産業固有のビジネス・プロセスごとに統合および差
別化される。
・ 顧客によるそのアプリケーション・フットプリント全体におけるデータ・オーケストレーションの管理を支
援するデジタル・プラットフォーム。これには、次世代データ管理ソリューションを用いた分散データ・サ
イロに対するリアルタイムの可視性のほか、統合および業務プロセスの革新に関するビジネス・プラット
フォームとしてのオープン・クラウド・プラットフォームが含まれる。
・ 顧客によるその中核業務プロセスの最適化、リアルタイムの洞察の抽出およびそのビジネスモデルの改革を
支援する、AI／ML、IoT、先進アナリティクス等のインテリジェント技術。このインテリジェンスは、アプ
リケーション間で統合され、当社が各顧客に対して個別の結果を提供するのを助ける。
顧客の変革を支援する上で当社従業員は重要であるため、当社従業員の革新力はインテリジェント・エンタープ
ライズ実現の鍵となる。当社は、市場においてトップの人材を集め、雇用し続けることができる職場環境を作るこ
とに努めている。当社は、従業員が当社でのキャリアのあらゆるステージにおいてそのスキルを成長させることが
できるよう全力で取り組んでいる。
エクスペリエンス・マネジメントへの拡大
すべてのデジタル・インタラクションは、顧客に好ましい影響を与える機会である。各デジタル・インタラク
ションは、顧客満足度、従業員エンゲージメント、提携先との協力およびブランドの影響力を測る機会である。ま
た、エンドユーザーおよび顧客が企業または製品に対してどのような認識を抱いているかを把握する機会でもあ
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る。エクスペリエンス・データをオペレーショナル・データと結合することにより、当社は、インテリジェント・
エンタープライズの実現を顧客に対するインテリジェント・エクスペリエンスの提供へと拡大することができる。
成功している企業の多くは、問題発生時に問題に対処するだけではなく、発生前に問題を予測し軽減しようとす
る。エクスペリエンス・マネジメントは、人々が企業との間で経験するインタラクションをリアルタイムで分析
し、改善の好機を特定するプロセスである。従業員調査ならびにサービス・センターにおけるチケットおよび要求
を分析し、かかる情報を組織データと結び付けることにより、当社はより高水準の従業員エンゲージメントおよび
顧客維持を支えることができる。顧客が有形製品またはデジタル製品をどのように経験しているかに関するフィー
ドバックをリアルタイムで得ることにより、当社は、顧客がより良い設計を行うのを支援することができる。あら
ゆる顧客インタラクションの感情を理解し、これを価格およびサービス提供に関するオペレーショナル・データと
関連付けることにより、当社は顧客による売上実績向上の推進ならびにより良い製品およびサービスの創出を支援
することができる。
当社の影響力
当社のビジョンは、世界がより良くなる支援を行い、人々の生活を豊かにすることである。当社は、当社の顧客
がインテリジェント・エンタープライズとなり、より良い、より持続可能な経済、環境および社会を創出すること
ができるソフトウェアおよび技術ソリューションを導入している。
当社の影響力
当社の目的は、国連の持続可能な開発目標（SDGs）への貢献を通じて実現する。当社は、当社の顧客がインテリ
ジェント・エンタープライズとなるのを可能にするソフトウェアおよび技術ソリューションを導入している。これ
は、世界最大の課題に対処すべく人々と情報を結び付けることを意味する。
当社がインテリジェント・エンタープライズを実現し、エクスペリエンス・エコノミーにおける顧客の成功を支
援することは、より良い、より生産的な世界のために不可欠である。革新の可能性をすべて解放することにより、
当社は、企業および政府が自らを取り巻く経済、社会および環境に影響を与える方法を変革することができる。こ
のようにして当社は、世界をより良くする支援を行い、人々の生活を豊かにするという目的を達成しようとしてい
る。
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当社のビジネスモデル
当社は、顧客の業務上のニーズを特定した上で、かかる業務上のニーズに対処するソフトウェア、サービスおよ
びサポートを開発および提供することにより、価値を生み出している。このプロセス全体を通じて顧客および提携
先と緊密に協力することは、当社が継続的に当社のソリューションを改良し、さらなる業務上のニーズを特定し、
高い価値を顧客に提供するための一助となる。
結果
ソフトウェアを開発し、当社のソフトウェアおよびサービスを顧客に提供し、顧客からフィードバックを受領す
ることにより、当社は、成長、収益性、従業員エンゲージメントおよび顧客ロイヤルティを含む当社に関する実績
を速やかに生成する。顧客のための価値創造は、顧客の事業のサポートならびに顧客のビジョンおよび目的の達成
の支援を行うソフトウェアおよびサービスを顧客が実装したときに実現する。
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インプット
この価値創造プロセスは孤立した状態で生じるものではない。これは、外部からのインプットによって有効とな
るものであり、中でも最も重要なのは、顧客の洞察およびより幅広い利害関係者との対話、金融資本、従業員の専
門性、知的財産、第三者の製品およびサービス、ならびに当社が依拠するITインフラである。
影響
当社のソリューションは、当社の顧客に、そして顧客を通じて世界に多大な影響を与える。以下は様々な分野に
おける当社の影響力を示したいくつかの事例である。
経済：
当社のソフトウェアは、有意義な仕事の提供を支援し産業およびインフラを強化することにより、国連のSDGs
8、9、10および12を支えている。例えば、当社のソフトウェアは以下について支援を行う。
・ 企業が、経済的繁栄と適正な額の給料が支払われる仕事を世界中の人々にもたらすことに一層取り組むこ
と。
・ 組織が、廃棄物ゼロの世界を目指して資源利用を最適化すること。
このようにして当社のソフトウェアは、将来世代の存続を保証するのに必要な責任ある成長慣行を支えている。
社会：
当社のソフトウェアは、より良い医療、教育および技術アクセスを通じた平和で公正な社会の創出を支援するこ
とによって、国連のSDGs 1、2、3、4、5、7、11および16を支えている。例えば、
・ がん、糖尿病その他の病気の予防、治療および治癒に関していうと、当社の技術は複雑な医療問題の中心に
位置するものである。当社は、世界の若者、働く大人、身体障害者および失業者に対しデジタル経済の中で
成功するための適正な技能を与えることにも全力で取り組んでいる。
・ 都市では人口増加とインフラの老朽化に直面している。モノのインターネットに関する当社のソリューショ
ンは、都市が持続可能であり続け、市民によるより楽しく安全な生活の享受を後押しできるよう、資源の管
理および監視を支援することができる。
環境：
当社のソフトウェアは、水、クリーンエネルギーおよび責任ある開発に対する需要に応えることによって、国連
のSDGs 6、13、14および15を支え、環境保護を支援している。例えば、
・ 我々は皆、気候変動の影響を受けている。当社の技術は、当社の顧客がその全体的な資源生産性を向上さ
せ、炭素排出量の削減を目的とした事業変革を行うことを支援する。
・ 世界人口の着実な増加により、人類は今後、何十億人もの人々に水、食料および住居を提供することが必要
となる見込みである。当社のソリューションは、当社の顧客が水の浪費を削減し、すべての人々のために
水・衛生の持続可能な管理を支援する一助となる。
さらに当社は、SDG 17に対処するに当たり、協力は有益であることを認識しており、幅広いパートナーシップに
参加している。
当社の成功の評価
当社は、当社を導くため、以下の財務目標および非財務目標を用いている。
・ 成長
・ 収益性
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・ 顧客ロイヤルティ
・ 従業員エンゲージメント
以下の表は、上記の目標に対する実績の評価に用いられる具体的なKPIの概要を示すとともに、当該実績と当社
の目標を比較したものである。
2018年度の見通しおよび結果
2018 年度結果
2018 年度見通し*
戦略目標 KPI （非IFRS、為替変動を
（非IFRS、為替変動を
考慮しない場合）
考慮しない場合）
クラウド・サブスクリプション 51.50 億ユーロから
52.05 億ユーロ
およびサポート収益 52.50 億ユーロ
211.50 億ユーロから
成長 クラウドおよびソフトウェア収益 215.77 億ユーロ
213.50 億ユーロ
252.00 億ユーロから
総収益 259.61 億ユーロ
255.00 億ユーロ
74.25 億ユーロから
収益性 営業利益 74.80 億ユーロ
75.25 億ユーロ
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア 21 から23 –5.0
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84% から86% 84%
* 見通しは2018年1月に発表され、財務目標は2018年4月、7月および10月に上方修正された。上記の2018年度見通しの数値は、
2018年10月に上方修正された見通しを反映している。
2019年度の見通し
2019 年度見通し
2018 年度結果
戦略目標 KPI （非IFRS、為替変動を
（非IFRS）
考慮しない場合）
クラウド・サブスクリプション
50.3 億ユーロ 67 億ユーロから70億ユーロ
およびサポート収益
成長 クラウドおよびソフトウェア収益 206.6 億ユーロ 224 億ユーロから227億ユーロ
営業利益よりわずかに低いパーセ
総収益 247.4 億ユーロ
ンテージで堅調に増加
収益性 営業利益 71.6 億ユーロ 77 億ユーロから80億ユーロ
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア –5.0 +1.0
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84% 84% から86%
2020年度および2023年度の目標
2018 年度結果 2020 年度目標 2023 年度目標
戦略目標 KPI
（非IFRS） （非IFRS） （非IFRS）
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86 億ユーロから
クラウド・サブスクリプション
50.3 億ユーロ 3倍超
91 億ユーロ
およびサポート収益
成長
クラウドおよびソフトウェア収益 206.6 億ユーロ
286 億ユーロから
総収益 247.4 億ユーロ 350 億ユーロ超
292 億ユーロ
85 億ユーロから
7.5% から10% CAGR
収益性 営業利益 71.6 億ユーロ
90 億ユーロ
安定的に増加
顧客ロイヤルティ 顧客ネット・プロモーター・スコア –5.0
84% から86%
従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメント指数 84%
「第3 2 事業等のリスク」、「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」お
よび「第3 4 経営上の重要な契約等」も参照のこと。
２【事業等のリスク】
経済、政治、社会および規制に関するリスク
世界の経済的および政治的環境：世界経済および金融市場における不確実性、ならびに、国家参加型紛争、テロ
攻撃、社会不安、戦争または国際的な対立による社会的および政治的な不安定要素は、当社の事業活動を阻害し、
または当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
グローバル企業である当社は多数の外部要因に影響を受けているが、これらは予測が難しく、当社の影響力も及
ばず、制御することができない。これらの要因のいずれも、経済全体および当社の事業に重大な悪影響を及ぼす可
能性がある。
とりわけ以下の潜在的な事象は、当社の事業にリスクをもたらす可能性がある。
・ 一般的な経済状況、政治情勢、社会情勢、環境状態、市況、および不安感（トルコ、ベネズエラ、英国／EU
離脱等）
・ 世界の経済状況の継続的な悪化（正確な予測への影響）または各国政府の予算の制約
・ 米中間等の関税紛争
・ 金融市場における不安定性の発生、世界経済危機および財政の慢性的不均衡、減速する経済状況または新興
市場における混乱
・ ソフトウェアを購入するための資金調達能力を低下させる、顧客に対する与信の高い障壁
・ 顧客、提携先および主要な供給業者の倒産件数の増加
・ 当社の事業に影響を及ぼすテロ攻撃その他の暴力行為、市民の暴動、自然災害または流行病
かかる事象のいずれも、当社の事業活動、財政状態、利益およびキャッシュ・フローにマイナスの影響を及ぼす
ため、当社の目標達成能力を制限するおそれがある。
国際法令：ドイツ、米国およびその他の地域における法律、規制上の要件および基準は依然極めて厳しいもので
ある。当社は、世界的な事業活動および事業プロセスにより、しばしば対立する多数の法律および規則、方針、基
準その他の要件ならびに時折対立する法規制上の要件に直面し、また当社の事業、財政状態、利益およびキャッ
シュ・フローを損なう可能性があるリスクにさらされる。
当社はグローバル企業であり、現在南北アメリカ地域（ラテンアメリカおよび北米）、アジア太平洋日本
（APJ）地域、中国、香港、マカオおよび台湾（大中華圏）地域、ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地
域、ならびに中央・東ヨーロッパ（MEE）地域における180を超える国および地域で当社の製品およびサービスを販
売している。当社は、ドイツおよび米国で上場しており、ドイツに所在する欧州会社として、欧州、ドイツ、米国
およびその他の地域のガバナンスに関する法規制上の要件に従う。
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これらの国における当社の事業は、国際的事業固有のリスクにさらされている。当該リスクには、とりわけ以下
のものが含まれる。
・ 特定の国において業務の妨げとなり得る税務上の制約
・ 会計基準および税法の改正（税制措置に関する対立および重複、ならびにデジタル・ビジネスモデルにとっ
て不利益となる新しい税構想の導入を含むがこれらに限定されない。）
・ 差別的、保護主義的または対立的な財政方針および税法（2017年末に成立した米国税制改革に含まれる特定
の保護貿易政策等）。また、当社の2018年度年次報告書Form 20-Fの日付現在、米国税務当局である内国歳
入庁（IRS）による当該政策の解釈に関する指針を示す規則が欠如していること
・ 法令改正、政治判断（例えば英国のEU離脱、政権選択選挙）または様々な国における労使協議会の必要な関
与、労働組合の承認および移民法によって生じた労働規制
・ 保護貿易政策、輸出入規制ならびに貿易制裁（ロシア等）、対抗的または敵対的な制裁（米国およびロシア
等）および貿易禁止（イラン等）（各国固有のソフトウェア認証要件を含むがこれに限定されない。）
・ 各国固有の制裁に対する違反（北朝鮮に対する国連の制裁またはイランその他の特定の国に対する米国の制
裁要求等）
・ 法律（EU一般データ保護規則（GDPR）または中華人民共和国サイバーセキュリティ法等）および規則（解釈
を含む。）、政権選択選挙の結果に関連する事項、改革の欠如、データ保護およびプライバシー規則、規制
上の要件および基準（PCIデータ・セキュリティ・スタンダード（PCI DSS）等）の遵守および厳格な執行
・ 当社製品のローカライゼーションおよび現地の法規制上の要件の遵守に付随する費用
・ ある法域における知的財産権および契約上の権利の執行困難
2017年に制裁違反の可能性に関する調査が開始され、継続中である。かかる潜在的な制裁違反に関する詳細は、
連結財務諸表に対する注記(G.4)を参照のこと。
当社が新たな国々および市場に進出し、ならびに／または新興・高リスク市場を含むこれらの市場で当社の事業
活動を拡大することにより、これらのリスクが強まる可能性がある。それぞれの現地の法規制を当社の事業に適用
することは、当該法規制がいずれ改正される可能性があるために時折不確かであり、また法域間でしばしば対立が
生じる可能性がある。さらに、これらの法令および政府による執行の手法は、当社の製品およびサービスが継続的
に進化するのと同じように、引き続き変化し、進展する。こうした変化する法規制を遵守するには多大な費用がか
かり、製品または事業慣行の変更を余儀なくさせる可能性がある。遵守しなければ、罰則が課されるか、または不
遵守であるとされる行為を理由に差止命令が下される可能性がある。政府当局はこれらの法令を適用する上で相当
程度の裁量権を行使する可能性があり、当社に課される制裁は重大である可能性がある。一つまたは複数の上記要
因は、世界的にまたは一つもしくは複数の国もしくは地域における当社の業務に悪影響を及ぼす可能性があり、ひ
いては当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
法務および知的財産：知的財産侵害または当社が第三者技術の十分なライセンスを取得もしくは維持できないこ
と等に関して当社に提起された申立および訴訟は、当社の事業、財政状態、利益、キャッシュ・フローおよび評判
に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当社が当社の知的財産を十分に保護または行使できない場合も同様の悪影
響が生じる可能性がある。
当社のソリューション・ポートフォリオが増加し、当社が企業買収を行うことによりオープンソース・コードを
含む第三者業者のコードの使用が増加し、当社がその製品・サービスをもって新たな業界に進出することにより製
品・サービスの機能上の範囲の重複が増加し、また、製品の考案、製造または販売を行わない特許不実施主体が知
的財産侵害請求を行っているため、当社が知的財産侵害請求を含む申立および訴訟を受ける可能性は引き続き存在
すると当社は考えている。また、当社が成功するためには、当社の知的財産を保護し擁護することが極めて重要で
ある。
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訴訟その他の申立の結果は、本質的に不確実性を有しており、例えば以下のリスクにつながる可能性がある。
・ 当社が買収した事業に関するものを含む申立および訴訟が当社に対し提起されるおそれがある。
・ 当社は第三者技術（当社製品に組み入れ、または当社顧客に再販しているクラウドおよびウェブサービスを
含む。）に全体的に依存している場合がある。
・ 当社が第三者の知的財産権を侵害しているか、これらの技術に対するライセンスの範囲外使用または不正使
用をしている旨を当該第三者が主張してきており、また、今後主張してくる可能性がある。
・ 当社は、第三者からの一定のオープンソース・ソフトウェア・コンポーネントを当社のソフトウェアに統合
している。オープンソース・ライセンスにより、かかるコンポーネントまたはソフトウェアコードが統合さ
れるソフトウェアを、オープンソースの条件に基づき自由にアクセス可能な状態にするよう求められる場合
がある。
・ 当社の努力にかかわらず、当社が当社に帰属するとみなす技術および情報を、第三者が承認なしに取得、使
用または売却することを阻止できない可能性がある。また、当社の所有権は、異議の申立、無効化、法的強
制力の否定またはその他の方法により影響を受ける可能性がある。さらに、国によっては、法律および裁判
所は、当社の法的または知的財産権を行使するため効果的な方法を提供するものではない場合がある。最後
に、当社は法的手続において判決により確定した債務を全額回収することができない可能性がある。
・ 従業員、提携先またはその他の第三者による開示または不正利用を受ける知的財産も存在する。
第三者は、当社が所有しているとみなす技術や情報をリバース・エンジニアリングまたはその他取得および使用
する可能性がある。したがって、当社は、不正に模倣または利用を行う第三者から当社の所有権を保護することが
できない場合がある。当社に対して係属中の一部またはすべての申立および訴訟の不利な結果により、事業を行う
当社の能力を妨げる重大な損害賠償命令または侵害差止命令が当社に対してまたは将来的に当社に対してなされる
場合があり、当社の評判、事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可能性がある。第三
者により、当社にとって不利な条件によるロイヤルティおよびライセンスに関する取決めの締結が求められ、製品
の発送が遅延され、当社製品が差止命令の対象となり、製品の全体的または部分的な再設計が求められ、顧客によ
る投資判断が遅延され、また当社の評判が損なわれる可能性がある。第三者による請求により、当社製品の一部ま
たは当社が依存する第三者（当社以外）のソフトウェア製品を、オープンソース条件に基づき自由に利用できるよ
う求められる可能性がある。
当社が所有権を行使するため実施する法的措置は、提携先またはその他第三者に対する執行を伴う場合があり、
当該提携先またはその他第三者の製品を利用する当社および当社の顧客の能力に悪影響を及ぼす可能性がある。
訴訟その他の申立の結果は、本質的に不確実性を有する。当該訴訟に対する経営陣の見解も今後変更される可能
性がある。訴訟その他の申立の実際の結果は、前期における経営陣の査定（IFRSに基づくかかる訴訟および申立に
関する会計は、この査定に基づいている。）と異なる場合がある。
データ保護およびプライバシー：ますます複雑化および厳格化し、場合によっては相反する、データ保護および
プライバシーに関する適用法に違反した場合、または当社の製品およびサービスに関して当社顧客の契約上の要求
を十分に満たすことができない場合、民事上の責任および罰金、ならびに顧客の喪失および当社の評判の失墜につ
ながる可能性がある。
世界的なソフトウェアおよびサービス・プロバイダーとして、当社は、当社がどこで事業を行おうとも現地の法
律を遵守する義務がある。データ保護要件については、EUは2016年5月に、EU内のデータ保護法の統一を促進する
ことを目的とする「一般データ保護規則（General Data Protection Regulation）」（GDPR）を施行した。GDPR
は、2018年5月25日からすべてのEUおよびEEA加盟国に適用されている。加盟国は、制限の範囲内で、国内規則を追
加することによりGDPRを補足することができる。かかる法律を既に施行している加盟国も存在する。
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さらに、データ保護およびプライバシーその他の基準に関する世界中の変わりゆく規則および新法（EUのeプラ
イバシー規則案等）は、マーケティング目的や個人のオンライン活動の追跡目的での個人情報の利用にますます焦
点を当てているが、これらは当社の製品およびサービス（特にクラウド・サービス）の使用および導入を制限する
可 能性のあるコンプライアンス基準の増加に起因して当社にさらなる負担を課すおそれがあり、また、顧客の期待
に応えることを一層困難かつ複雑にするおそれがある。
これは、当社にとってリスクの増加につながる可能性があり、ひいては当社の事業に損害を与え、当社の成長を
制限する可能性がある。
当社および／または当社が起用するいずれかの下請業者が、個人データの処理においてEU GDPRをはじめとする
適用データ保護およびプライバシー法を遵守しない場合、例えば以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 影響を受ける個人、顧客およびデータ保護監督当局に対する、違反の強制開示
・ データ保護監督当局による調査および行政処分（不遵守となっているデータ処理行為を是正または停止する
旨の指示等で、これには不遵守下請業者の起用中止の指示が含まれる。）
・ 当社の年間グループ売上高の4％を上限とする罰金
・ 顧客による損害賠償請求
・ 当社の評判の失墜
・ デジタル化時代における、クロスボーダーのデータ移転に関する法的要件の複雑性の増加
また、ドイツ連邦憲法擁護庁およびセキュリティ業界の専門家は、個人データを含む企業データの取得または侵
害を目的とした世界中で増加するサイバー攻撃に関連するリスクを警告している。当社は、サイバー攻撃の手法が
引き続き進化し複雑性を増すと見込んでいる。これは、攻撃および侵入の予測および防止を困難にする可能性があ
るため、とりわけ以下の分野のリスクにつながる。
・ 最近のサイバー攻撃の顕著な事例（ランサムウェアの使用がハッカーの好む手法であった。）に見られる、
個人データを含む企業データの取得または侵害を目的とした世界中で増加するハッカー攻撃
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
コーポレート・ガバナンスおよびコンプライアンス・リスク
情報の不正開示：機密情報の不正な開示を防止するための当社による統制および取組みは、効果的ではない可能
性がある。
当社の戦略、新技術、合併および買収、未発表の財務成績、顧客データまたは個人データ等の事項に関連する機
密情報および内部情報は、時期尚早にまたは不注意により開示される可能性があり、ひいては市場での誤解および
市場の不安定性を招く可能性がある。
かかる開示は、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 例えば従業員によるソーシャル・メディアの不適切な利用による、機密情報および知的財産の漏洩、欠陥製
品、生産停止、供給不足、データ（個人データを含む。）の漏洩
・ 複数の規制当局に届け出て、適用される規制要件を遵守し、適切な場合にはデータ保有者に届け出る必要性
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の市場での地位に悪影響を及ぼし、罰金および罰則が課せられることに
つながる。さらに、当社の事業、評判、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可能性があ
る。
倫理的行動：従業員の故意の不正行為による非倫理的行動および当社品質基準の不遵守は、当社の事業、財政状
態、利益および評判に深刻な損害を与える可能性がある。
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世界市場における当社の主導的地位は、世界各地の利害関係者からの長期的かつ持続可能な信頼の上に成り立っ
ている。企業の透明性、金融市場とのオープンなコミュニケーションおよび一般に認められている事業健全性基準
の遵守等は、当社の包括的なアプローチである。2003年1月29日付で取締役会により採用されて以来必要に応じて
更 新されてきた当社の企業行動規範により、現行の指針および当社で期待される事業慣行が成文化され、また補足
される。
しかし、当社は、例えば以下に関連するリスクに直面する可能性がある。
・ 当社品質基準の不遵守、ならびに規則、規制および法的要件（ドイツの腐敗防止法、米国海外腐敗行為防止
法、英国贈収賄防止法および従業員、ベンダー、販売業者または代理業者の賄賂を禁止するその他の現地の
法律を含むがこれらに限定されない。）に関連する遵守違反
・ 刑事責任、罰金および被害者による請求を招くこととなる、個々の従業員または提携先の非倫理的かつ詐欺
的行動
・ 契約獲得のための支援の提供をはじめとする外部の第三者との共謀
・ 特に腐敗認識指数が高い国々および新興市場における、詐欺および腐敗行為ならびに事業上の困難
・ 高リスク地域における公共部門取引の調査の増加
・ 公共部門、医療、銀行業または保険事業等の、規制が厳しい業界における事業活動への影響
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、評判、財政状態、株価、利益およびキャッシュ・フローは悪影
響を受ける可能性がある。
2017年および2018年に当社は、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性のある、倫理的行動の観点での不遵守に対
し、明確な声明の発表および断固とした措置を行わなければならない事態に直面した。当社は南アフリカにおいて
公共部門との取引を引き続き調査中である。かかる贈収賄禁止法違反の疑いに関する詳細は、連結財務諸表に対す
る注記(G.4)を参照のこと。
環境および持続可能性：当社が、顧客、提携先もしくは他の利害関係者の期待、または気候変動、エネルギー制
約および当社の社会的な投資戦略に関して一般に認められている基準を満たすことができない場合、当社の事業、
業績および評判は悪影響を受ける可能性がある。
エネルギーおよび排出マネジメントは、社会、環境および経済におけるリスクおよび機会の総合的な管理に必要
不可欠な要素である。
当社はこの観点からリスクを特定した。これは以下を含むが、これらに限定されない。
・ 顧客、提携先もしくは他の利害関係者の期待、または気候変動、エネルギー制約および当社の社会的な投資
戦略に関して一般に認められている基準を満たすことができないこと
・ 以前発表した温室効果ガス排出量に関する目標を達成できないこと
・ 持続可能性投資指数における当社の格付を維持できないこと
当社が、特定された分野において利害関係者の期待に応えることができない場合、持続可能性投資指数における
当社の格付は低下する可能性があり、これは当社の評判、利益および株価に悪影響を及ぼす可能性がある。
金融リスク
売上および収益状況：当社の売上および収益状況は市場変動の影響を受けやすく、当社の予測は正確でない可能
性がある。
当社の収益および経営成績は四半期ごとに、場合によっては大幅に変動する可能性があり、過去にもそのように
変動してきた。当社の全体的な収益、中でも特に当社のソフトウェア収益は、多くの理由により予測をすることが
困難であり、とりわけ以下に関連するリスクにつながる可能性がある。
・ パイプラインの開発および実現における困難
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・ 多くの当社製品の販売サイクルが長い こと
・ 当社または競合他社が新しい製品・サービスまたは製品・サービスの機能強化を導入する時期の問題
・ 各顧客取引の規模が大きく、複雑で、決済までの期間が長い こと
・ クラウド・サブスクリプション・モデル等のライセンスモデルおよび展開モデルの導入 ／適応
・ 新たなビジネスモデルの採用およびそれへの転換により、前払モデルから利用回数制またはサブスクリプ
ション・ベースでの支払モデルへの変更が増加するため、各サービス期間が通常1年から3年、最長で5年に
及ぶこと
・ 顧客予算の変化 、または顧客の技術購入における季節性
・ 関連保守およびサービス収益の成長に悪影響を及ぼす可能性のあるソフトウェアの売上の減少
・ 予想収益の減少または収益認識の遅延もしくは収益認識に長期間を要する展開モデル
・ 買収企業がその販売パイプラインを正確に予測できないこと
・ 多額の営業費用、または多額の研究開発費を相殺できるほど収益が伸びないこと
近年では、販売取引数が増加し、平均取引規模がおおよそ一定となる傾向にある。しかし、一つまたはいくつか
の大規模な販売機会の喪失または遅延は、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼ
す可能性がある。
流動性：外部要因により、当社の流動性に影響を与え、金融資産に付随するおよびその評価に関連するデフォル
ト・リスクを増加させる可能性がある。
経済の低迷等のマクロ経済要因は、当社の将来的な流動性に悪影響を与える可能性がある。当社は、流動性、為
替相場、利子率、カウンターパーティおよび株価に関するリスク等の財政リスクを管理するため、世界的かつ集中
的な財務管理手法を用いている。その主な目標は、いかなるときも当社の義務を満たす適切な水準でSAPグループ
の流動性を維持することである。
ただし、負のマクロ経済要因は、グループの流動性総資産の投資に付随するデフォルト・リスクを増加させ、と
りわけ以下のリスクにつながる可能性がある。
・ グループ流動性資産の不足
・ 金融負債の返済不能
・ 将来の重大な減損費用につながる可能性のある、金融投資のデフォルト・リスクの増加
・ 事業上および／または戦略上の財務弾力性の制約
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の金融資産の価値は影響を受ける可能性があり、ひいては当社の事業、
財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
会計方針および判断の利用：当社の会計処理において、経営陣は方針を利用し、予測を適用している。これは、
当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
IFRSを遵守するため、経営陣は、会計方針の策定および適用ならびに判断の適用（見積および仮定を行い利用す
ることを含むが、これらに限定されない。）が求められている。かかる方針および判断は、公表している当社の財
務統計に影響を及ぼす。
かかる方針および判断の利用は、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 基準の策定者および規制機関による新たな声明、ならびに現行の基準の慣行または共通解釈の変更により、
当社は現行の方針を改定せざるを得ない可能性がある。かかる変更により当社のプロセスに大幅な変更が生
じる場合、当社は、当該変更を速やかに実施するのに苦戦する可能性がある。
・ 当社の経営陣が判断の基とする事実、状況および仮定は、時が経つにつれ変更される場合があるため、当社
は従来採用していた判断を変更しなければならなくなる。
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上記のリスクはいずれも、公表している当社の財務統計に重大な変更をもたらす可能性があり、当社の事業、財
政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。
通貨、金利および株価の変動：世界中で事業を展開する企業である当社は、通貨、金利および株価の変動に関連
する様々な金融リスクにさらされており、これは、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローに悪影
響を及ぼす可能性がある。
当社は世界中で事業を行っているため、当社の事業の大部分は外貨建てで行われている。当社の2018年度におけ
る収益の約72.1％が外貨建てで行われた事業によるものである。そのため、かかる外貨建て事業の収益は当社の報
告通貨であるユーロに換算される。
これは、とりわけ以下のリスクにつながる可能性がある。
・ 前期比の変動
・ 通貨の上昇もしくは下落による為替相場リスク、または通貨切り下げに関連するリスク（通貨体制の法的お
よび／または行政的変更）
・ 金利の変動
・ 株式報酬支払に関する現金支出に影響を及ぼす株価の変動
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
保険：当社の保険は不十分であり、無保険の損失が生じる場合がある。
当社は、当社が適切と考え、また現在の産業慣行と一致する水準で、多様なリスクから当社を保護する保険を維
持している。当社の目的は、合理的な費用で財務損失を排除または最小限にすることである。
それでもなお、当社は、とりわけ以下の分野のリスクにさらされる可能性がある。
・ 制限を超過し、または当社の保険の対象範囲外となる可能性があり、当社の保険契約に基づく補償を制限ま
たは阻止する可能性がある損失
・ 将来商業的に合理的な期間にわたって十分な保険を維持できないこと
・ 特定の種類のリスクは現在合理的な費用で保険をかけられないこと
・ 保険会社が請求による支払義務を果たす財務能力を有している保証はないこと
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
ベンチャー・キャピタル：当社は、ベンチャー・キャピタル投資に関し、多額の損失を被る場合がある。
当社は、当社の連結ベンチャー投資ファンドであるSapphire Venturesを通じて、有望な新技術に関する事業に
引き続き投資する予定である。
これは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 投資は純損失をもたらし、および／または投資家から追加の支出を必要とする場合がある。
・ 事業計画に対する変更は、Sapphire Venturesが投資している企業の業績に影響を与える場合がある。
・ 持分証券に関連する資本損失および減損の税控除は制限される場合が多く、当社の実効税率に悪影響を及ぼ
す場合がある。
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
人的資本に関するリスク
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人的労働力：各地に分散する従業員を勧誘し、育成し、雇用し続け、効率的に管理することができない場合、当
社は効率的かつ好調な事業および業務の運営ができず、素晴らしい新ソリューション、新サービスの開発が不可能
と なる場合がある。
当社の成功は、高度な技術および専門知識を有する男女両方の人員および指導者に関する計画プロセス、十分な
資源配分、ならびに当社の配置戦略を、当社の全般的な戦略と適切に同調させることに依拠している。特定の地域
ならびに特定の技術およびソリューション分野において当社は、インフラのニーズおよび現地の法規制または税務
規制を考慮の上、短期および長期の技能要件に応じた極めて高い成長目標を引き続き設定している。クラウド分野
における高度な技術および専門知識を有する労働者の確保および増員に成功することは、大手クラウド企業となる
ための主要な成功要因である。こうした人員およびビジネス専門家の利用可能性は限られているため、当社の業界
における競争は激しい。
当社は、とりわけ以下の分野のリスクに直面する可能性がある。
・ 人員計画プロセス、十分な資源配分および配置戦略を、当社の全般的な戦略と同調させることができないこ
と
・ 対象の市場に規模を合わせるために有能かつ参加意識の高い人員を特定し、勧誘し、開発し、意欲を起こさ
せ、十分に補償し、雇用し続けることができないこと
・ 高度な技術および専門知識を有する人員を順調に雇用し続け、その技術を向上させ、増員することができな
いこと
・ 引き継ぎの管理が不十分であり、または適当な後任者を見つけられないこと
・ 買収事業の主要人員の喪失
・ 社内性別多様性目標の達成を含む短期および長期の人員および技能の要件を遵守できないこと
・ 適切な福利厚生および報酬プログラムがないまたはそれらの実施が不十分であること
・ ビジネス専門家およびコンサルタントの利用可能性および規模の拡張可能性の欠如
・ 従業員数およびインフラのニーズの変更および現地の法規制または税務規制の変更により、当社の費用と収
益に不釣合いが生じること
・ 第三者企業の大規模配信ネットワークを効果的に管理する際の課題
かかる事象が一つでも生じた場合、各地に分散した従業員を勧誘し、育成し、雇用し続け、効率的に管理する当
社の能力は低下する可能性があり、これにより当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を
受ける可能性がある。
オペレーショナル・ビジネス・リスク
販売およびサービス：クラウドを含む当社のソフトウェアおよびサービスの販売および実装は、当社の管理が及
ばないこともある多くの重大なリスクにさらされている。
当社の顧客が複雑性を克服できるようにし、また当社の顧客の事業が最良の状態で運営されるよう支援するソフ
トウェアおよびサービスのソリューションを確実に実装することは、当社の事業の中核的な要素である。当社のソ
フトウェアの実装およびクラウドベース・サービスの提供は、当社、提携先、顧客またはこれらの組み合わせによ
り先導される。
しかし、当社はとりわけ以下の分野のリスクに直面する可能性がある。
・ 実装が予定より長期にわたり、または当初予想していた程の利益を生み出せない等の実装リスク、スコープ
の逸脱、ソリューションの複雑性、統合および移行に関する個別のニーズもしくは機能要件の変更、また
は、スケジュールの遅延につながりもしくはスコープにおけるソリューションの保守サイクルを超過する可
能性のある不十分なマイルストーンの管理および追跡
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・ スコープ、統合能力およびものの見方を含む顧客期待値マネジメントが不十分であること、ならびに当社ソ
リューションの目的をもった選択、実装および利用を行わないこと
・ 顧客のコミットメントおよび個々の参加意識の欠如（資源コミットメントの欠如を含む。）が、遅延、また
は推奨される最良の慣行からの逸脱につながること
・ 買収技術の効果的な実装における課題
・ インストールの長期化または多額の第三者コンサルティング費用
・ 誤った計算または予測により、費用が定額契約で合意された料金を超過すること
・ 販売段階において確約したサービスを提供できないこと
・ プロジェクトの成果／結果に対する認識の相違に起因する顧客の支払の遅延
・ サービス、サポートおよびアプリケーション管理に関して、サブスクリプション・モデルに基づく契約モデ
ルおよび消費モデルが不十分であること
・ リスク・エクスポージャーの増加につながる可能性のある標準条項からの逸脱
・ 顧客が、ソリューション開発に関する声明を将来のソフトウェアの機能について約束するものであると誤解
するおそれがあること
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
パートナー・エコシステム：当社は、効果的なパートナー・エコシステムを調整し、維持し、促進することがで
きない場合、収益は期待どおりに増加しない可能性がある。
活気あるオープンなパートナー・エコシステムは、当社の成功および成長戦略の基本的な柱となっている。当社
はパートナーシップ契約を締結しており、これにより当社のプラットフォームに関する共同革新を促進し、市場カ
バー率を最適化するすべての市場ルートを有利に拡大し、クラウドの提供を最適化し、かつすべての市場セグメン
トにおいて高品質のサービス能力を提供している。提携先は、当社のプラットフォームを共同革新し、当社の技術
を組み込み、当社のソフトウェアを転売および／または導入することにより、当社の全般的なソリューションの
ポートフォリオが市場に浸透することを促進させる重要な役割を担っている。
こうしたパートナーシップは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 当社の規模拡大ニーズを支える正規提携先ネットワークを構築および実現できないこと
・ 当社の提携先から十分なコミットメントを得られないことにより、マーケット・リーチのスピードおよび影
響力が損なわれること
・ 当社の製品またはサービスのモデルが競合他社と比較して戦略的でないおよび／または魅力的でないこと
・ 提携先は、当社が受諾可能な条件でもしくは一切、当社との現行の契約を更新しないもしくは新規契約を締
結しない、または当社との競合を開始する可能性がある。
・ 対象市場の規模に応じた販促、販売およびサポートができるよう十分な提携先人材を育成することを怠るこ
と
・ 提携先は、当社のプラットフォームに関する十分な数の新ソリューションおよびコンテンツを開発しないま
たは顧客の期待に沿う高品質の製品およびサービスを提供しない可能性がある。
・ 提携先は、製品の採用を有利に促進する当社のソリューションを特にSAP S/4HANA、SAP C/4HANAおよびSAP
Cloud Platformのような革新に十分組み込まない可能性がある。
・ 提携先は適用される法務コンプライアンス規則を遵守しない可能性がある。
・ 提携先およびその製品は当社の顧客または当社が期待する品質条件を遵守しない可能性がある。
・ 提携先は、当社のビジネスモデルの転換に従った速やかなビジネスモデルの転換を行わない可能性がある。
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・ 提携先は、サービス・プロビジョニングに関して顧客の期待に応えることができず、またはそのための能力
を有しない可能性がある。
・ 提携先は、通商禁止対象の国またはリスクの高い国において契約条件を遵守できない可能性がある。
かかるリスクが一つでも現実化した場合、当社の製品およびサービスに対する需要ならびに提携先のロイヤル
ティおよび提供能力は、悪影響を受ける可能性がある。その結果、当社は他のベンダーとの競争で優勢になるため
に事業規模を調整することができなくなり、ひいては当社の評判、事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フ
ローに悪影響が出る可能性がある。
クラウドの運用：当社は、混乱時または業績低迷時に当社の重要な情報および資産、事業活動、クラウド製品・
サービスならびに関連インフラストラクチャーを適切に保護することができない可能性がある。
当社は、当社のインフラストラクチャーの利用可能性に非常に依存しており、当社のクラウドのポートフォリオ
において使用されるソフトウェアは本質的に複雑である。
これは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 顧客が期待するまたは顧客に対して約束した速やかで効率的な方法により、クラウド・サービスを提供およ
び運用する能力の不足および欠如
・ 大企業の顧客のために運用規模を拡大する能力に対する顧客の懸念
・ データセンターの運用またはシステムの安定性・利用可能性に関する欠陥またはこれらの機能停止
・ 当社のクラウド・アプリケーション・ポートフォリオの利用可能性の中断は、顧客のサービスレベル合意書
に潜在的な影響を及ぼす可能性がある
・ システムの機能停止もしくは中断、人為的もしくはその他のエラーによる当社のネットワークの不具合、安
全性への違反、またはクラウド・アプリケーションに対するユーザーのアクセス数の変動
・ データの損失もしくは破損につながるハードウェアの不具合もしくはシステム・エラー、または収集データ
の不完全性
・ 不完全なクラウド・ポートフォリオまたは認証表示は、顧客による誤解につながる可能性がある
・ 第三者から購入またはリースしたハードウェアの使用権の喪失によるクラウド・アプリケーション提供能力
の停滞
・ インフラストラクチャーおよび運用の規模拡大の必要性は、コスト増およびマージンへの影響につながる可
能性がある
・ 提携先のデータセンターのコロケーションに関連する当社の品質基準の不遵守
・ 当社における総保有コスト（TCO）の増加
・ クラウド・サービスに対する顧客の需要は、当社のデータセンターの設備投資では対応できない可能性があ
る
・ PCIデータ・セキュリティ・スタンダード（PCI-DSS）等の適用認証要件の不遵守
これらの事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける
可能性がある。
サイバーセキュリティおよびセキュリティ：サイバーセキュリティ攻撃もしくは違反、当社製品、インフラスト
ラクチャーもしくはサービスにおける未検出のセキュリティ脆弱性、または経済スパイは、重大な法的および経済
的リスクにつながる可能性があり、概して当社の顧客、提携先、財政状態、業務、評判および事業に重大な悪影響
を及ぼす可能性がある。
本業による成長および買収による成長を継続し、クラウドを通じたすべてのソリューション・ポートフォリオを
提供し、当社顧客の事業の要素をクラウドでホストまたは管理し、大容量のデータを処理し、より多くのモバイ
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ル・ソリューションをユーザーに提供するにつれ、当社は、次第に複雑化するセキュリティ環境に直面する。当社
が事業を行っている、グローバル・サイバーセキュリティ脅威のある空間（当社が当社製品に統合する第三者の
デー タ、製品およびサービスを含む。）がますます悪意性を増し、IT製品およびIT企業を標的とした脅威アクター
により採用される手法が引き続き進歩し一層進化していることにより、こうしたセキュリティ環境の複雑性は増強
される。かかる脅威アクターには、国家および犯罪組織等の極めて高度な知識を有する者が含まれるが、これらに
限定されない。大手クラウド企業であり、世界で最大かつ最も知名度のある複数の顧客に対するサービス・プロバ
イダーでもある当社は、当然、目立つ標的であり、様々な種類および程度のサイバーセキュリティ攻撃を日常的に
経験している。その結果、当社は、とりわけ以下の分野におけるリスクおよびこれに関連する影響にさらされる。
・ 未検出のセキュリティ上の欠陥および脆弱性
・ ネットワーク上の攻撃、混乱、被害および／または不正アクセス、盗難、破壊、産業および／または経済ス
パイ、重大かつ組織的な犯罪、その他の違法行為ならびに暴力的な過激主義およびテロ行為により、当社の
事業運営およびサービス提供がリスクにさらされること
・ データの不正使用、ソーシャル・エンジニアリング、悪用もしくは当社の施設への侵入者、またはシステム
が使用不可能な状態にされること
・ 国家主導の経済スパイまたは競合会社主導の産業スパイ、および犯罪活動（クラウド・サービスおよびホス
ト型オンプレミス・ソフトウェアに対するサイバー攻撃および違反を含むがこれらに限定されない。）
・ バックアップ、災害復旧および事業継続性マネジメントに関するプロセスの停止
・ クラウド・サービス・プロバイダーが安全かつ順調にクラウド・サービスを提供できない場合、クラウド・
ソリューションに対する顧客の信頼に悪影響を及ぼす可能性がある
・ 特定されたセキュリティ問題に関し、その複雑性および相互依存性を原因としてレスポンスタイムが長くな
ることは、当社および顧客にとってセキュリティ上の脅威につながる可能性がある
・ 顧客システムまたは当社が運営するシステムは、ハッカーが脆弱性を悪用することで損なわれる可能性があ
る
・ セキュリティ措置の違反（例えば、従業員による過失もしくは不正行為、システムの脆弱性、故障、また
は、従業員、ユーザー、提携先もしくは顧客を唆して当社のシステム、データもしくは顧客データへのアク
セスを入手しようとする第三者の試みに起因するものを含むが、これらに限定されない。）
・ 復旧費用、ならびに顧客、提携先、当局（国家、連邦および非米国の当局を含む。）および第三者サービ
ス・プロバイダーによる多額の契約上および法律上の請求で、当社に多額の費用および責任を生じさせ、ま
たは当社にその事業慣行の是正を求める可能性のある命令もしくは同意判決の発行につながるおそれのある
もの
・ 巧妙な攻撃を検知し、防止し、軽減しようとするための多額の費用（法律およびセキュリティに関する第三
者専門家およびコンサルタントの費用、保険料、追加の人員および技術、組織改革、ならびに顧客および提
携先がその事業を維持するためのインセンティブを含むが、これらに限定されない。）
・ サイバーセキュリティ攻撃の巧妙さおよび頻度が増した場合、当社は、セキュリティ違反または情報の喪失
を、当該違反後長い間発見することができず、または全く発見することができない可能性があり、また、攻
撃の予測または十分な軽減措置の実施ができない可能性がある
・ 当社のサイバーセキュリティおよびセキュリティ手順は、絶え間なく進化・出現する脅威に追いつけない可
能性がある
・ クラウド・ソリューションを含む当社の製品およびサービスに関する現在または将来の安全性および信頼性
に係る顧客の懸念および信頼喪失
・ 当社のブランド、評判、競争上の地位、株価および長期的な株主価値に対する重大な損害
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かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは重大な悪影響を受
ける可能性がある。
技術および製品：当社の技術および／または製品は、未検出の欠陥、コーディング・エラーまたは構成エラーに
直面し、期待どおりに統合できず、または顧客の期待に応えられない可能性がある。
当社製品の戦略および開発への投資（新製品の発売および機能強化を含む。）は、とりわけ以下の分野のリスク
にさらされている。
・ ソフトウェア製品およびサービスは、市場ニーズまたは顧客の期待に十分に応えることができない可能性が
ある。
・ 当社は、当社のプラットフォームおよびソリューションを統合し、製品およびクラウド・サービスのポート
フォリオを完成させ、当社のユーザー・インターフェース・デザインと技術を調和させ、買収した技術およ
び製品を統合し、またはSAP HANAプラットフォームおよびSAP HANA Cloud Platformを基盤とするパッケー
ジ、サービスもしくは新ソリューションを市場に提供するに当たり、これらを期待どおりの速さで行うこと
ができない可能性がある。
・ 新しい製品、サービスおよびクラウド・オファリング（第三者技術を含む。）は、当社が品質に関するあら
ゆる適正評価を行ったにもかかわらず、出荷後において、現地の基準および要件を遵守せず、未検出もしく
は検出済の欠陥を含み、または顧客が考えるビジネスに不可欠なソリューションとして十分に成熟していな
い可能性がある。
・ すべての顧客セグメントに関して十分なソリューション・パッケージおよび範囲を定義および提供できない
こと
・ 欠陥解決プロセスにおいて顧客が期待する期限および品質を満たすことができないこと
・ 新製品・サービスに関する顧客リファレンスの欠如
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
戦略上のリスク
市場シェアおよび利益：ソフトウェア業界における競争の激化、市場統合、技術革新および新規ビジネスモデル
により、当社の市場シェアおよび利益は減少する可能性がある。
クラウド・コンピューティングの市場は拡大しており、オンプレミス・ソリューション市場と比較して目覚まし
い成長を見せている。クラウド事業の業績を維持または改善するためには、顧客が当社との契約を当初の契約期間
満了時に更新し、追加のモジュールまたは追加の機能を購入すること、および当社が新規顧客を獲得することが重
要である。また当社は、需要に応じて、かつ競合他社より前に、SAP HANAビジネス・データ・プラットフォーム、
新技術およびSAP Cloud Platformに基づく新ソリューションを市場に出す必要がある。これには、SAP S/4HANA、
SAP C/4HANA等のインテリジェント・エンタープライズをサポートする革新的アプリケーション、またはモノのイ
ンターネット、機械学習、ロボットによる業務自動化（RPA）（ルールに基づく反復的な業務を自動化する。）、
デジタル・アシスタント（音声による認識およびインタラクションを含む。）およびブロックチェーン等のより新
しい技術等が含まれる。
以上を考慮すると、これは、とりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 競合するクラウド市場の動向により既存のオンプレミス顧客を喪失する可能性があること
・ クラウド事業の拡大および既存の当社顧客によるオンプレミス・ライセンスからクラウド・サブスクリプ
ションへの移行に起因する収益への悪影響は、関連する保守およびサービス収益にも悪影響を及ぼす可能性
があること
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・ 複雑性が増すとともにソリューションおよびサービスの採用が不十分となった場合、また、当社のインテリ
ジェント・エンタープライズ戦略の遂行中に当社のソリューションおよびサービスのポートフォリオに関し
て 失敗があった場合、大手クラウド企業としての当社の地位は失われ、顧客による採用は減少する可能性が
ある。
・ 顧客および提携先は、クラウドへの移行および適応に消極的になり、競合するクラウド・オファリングを検
討する可能性がある。
・ 既存の顧客は、契約（保守またはクラウド・サブスクリプション等）を取消しもしくは更新せず、または別
の製品およびサービスを購入しないことを決定する可能性がある。
・ クラウド事業の市場はこれ以上発展せず、または予想より発展が遅い可能性がある。
・ クラウド分野における競合他社同士の戦略的提携および／またはその成長に連動した効率性の向上は、価格
設定およびソリューション統合能力の点で市場での競争を大幅に激化させる可能性がある。
・ 従来の競合会社、新興競合会社、そしてとりわけ協力関係にある競合会社との競争による価格圧力、費用の
増加および市場シェアの喪失
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
合併および買収：当社は、効率的または適切に企業を買収および統合することができない可能性がある。
当社は、事業を拡大するため、事業、製品および技術の買収を行っており、今後も買収を継続的に行うことを見
込んでいる。こうした買収の一部は徐々に規模が拡大し、当社にとっての戦略的重要性も増している。潜在的な買
収、および買収した事業、製品または技術の統合に関する経営交渉には、経営陣および従業員両方の時間、集中お
よび資金が必要となり、当社は予想外の事業上の困難にさらされる。
事業、製品および技術の買収は、当社をリスクにさらす可能性があり、これにはとりわけ以下の分野のリスクが
含まれる。
・ 買収のデュー・デリジェンス過程における誤った情報または推定（事業環境ならびに／またはビジネスモデ
ルおよびライセンスモデルに関連する情報または推定を含む。）
・ 取得した技術またはソリューションを当社のソリューション・ポートフォリオおよび戦略と首尾よく有利に
統合することができないこと
・ 取得した事業体、事業、その文化または言語のすべてについて、適用される現地の法律の制約の範囲内でう
まく統合することができないこと
・ 被買収企業の顧客または提携先のニーズに応えられないこと
・ 認識されていなかった、買収企業の（法律上、税務上、知的財産上の）重大な債務
・ 被買収企業における内部統制、開示統制・手続および方針の実施、復活または維持の失敗
・ 相反する慣行または方針（コンプライアンス要件）
・ 被買収企業の会計、人事およびその他事務システムの不十分な統合
・ 被買収企業の研究開発（R&D）、販売・マーケティング活動、ならびにセキュリティおよびサイバーセキュ
リティ手順を整理し、またはうまく統合することができないこと
・ 負債の発生または予期しない多額の資本支出
・ 既存の当社基準（当社のオープンソース製品基準等の適用製品基準を含む。）の不遵守
・ 企業結合により取得したのれんその他の無形資産の減損
・ 被買収企業による規制要件（例えば、会計基準、輸出管理法および貿易制裁で、買収により当社が潜在的な
罰金および不遵守是正義務を含む責任および債務を負うこととなるもの）の不遵守
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かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
革新：当社がソリューション・ポートフォリオの戦略を効果的に立てられず、または技術および製品の急速な革
新、機能強化、新規ビジネスモデルならびに変化する市場の期待に対応することができない場合、当社は効果的に
競争することができない可能性がある。
当社の将来の成功は、当社が技術およびプロセス革新ならびに新規ビジネスモデルに対応する能力に加え、当社
が新製品および新サービスを開発し、当社の既存の製品およびサービスのポートフォリオを強化・拡大し、当社が
買収により取得した製品およびサービスを統合する能力に左右される。当社が成功するためには、当社の製品およ
び市場開拓（go-to-market）手法をクラウドベースの配信・消費モデルに適合させることによって、変化する顧客
の要求を満たし、製品の普及、顧客満足度および顧客の定着の点で適切な水準を確保する必要がある。
以上の傾向を考慮すると、これはとりわけ以下の分野のリスクにつながる可能性がある。
・ 競合会社より前にまたは競合他社と同程度に好条件で、新しいビジネスモデル、ソリューション、ソリュー
ションの性能向上、インテリジェント技術、統合およびインターフェースならびに／またはサービスを市場
に提供することができないこと
・ （特にSAP S/4HANA、SAP C/4HANAおよびSAP Cloud Platform等の革新に関して、）技術改善の準備および展
開、または、当社の製品、サービス、プロセスおよびビジネスモデルを技術的変化、規制上の要件の変更、
新たな業界基準、顧客および提携先の要求の変化に適応させること（いずれもインテリジェント・エンター
プライズ戦略を支えることとなる。）ができないこと
・ 当社の新しいソリューション、技術およびビジネスモデルならびに提供・消費モデルに関する不確実性によ
り、当社の顧客はまず、リファレンス・カスタマーを通じた概念実証および全体的な統合シナリオを待ち、
より成熟したバージョンが出るのを待つ可能性がある。
・ 当社の新ソリューション、技術、ビジネスモデルおよび柔軟な消費モデルの採用が鈍化し、または全く採用
されないこと
・ 当社の製品および技術に関する戦略は成功せず、当社の顧客および提携先は当社の技術プラットフォーム、
アプリケーションもしくはクラウド・サービスを十分迅速に取り入れることができず、もしくは市場にある
他の競合ソリューションの採用を検討し、または特に製品ポートフォリオをさらなる市場へと拡大する際に
当社の戦略が顧客の期待に沿うものでない可能性がある。
・ オープンソース・ソフトウェア・イニシアチブまたは類似モデルとの競争の激化。そこでは、競合会社が自
由におよび／または当社に不利な条件のもとでソフトウェアおよび知的財産を提供する可能性がある。
・ 顧客の使用事例および試用システムによるリファレンスの増加を促進できないこと
かかる事象が一つでも生じた場合、当社の事業、財政状態、利益およびキャッシュ・フローは悪影響を受ける可
能性がある。
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３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
（1）業績等の概要
「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
（2）生産、受注及び販売の状況
「第2 3 事業の内容」および「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を
参照のこと。
（3）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
概要
当社の主要な収益源および種類の異なる収益の損益計算書における分類方法に関する情報は、連結財務諸表に対
する注記(A.1)を参照のこと。
財務実績：検討および分析
経済および市場
世界経済の動向
2018 年の世界経済は依然として底堅く、引き続き安定したペースで拡大したが、同時に減速の兆候が見られた。
1）
欧州中央銀行（ECB）はその2018年12月の経済報告 においてこのように報告した。全体として、より緩和的な財
政状態のため、2018年においてサービス業は製造業よりも、また先進経済は新興市場よりも良い業績を上げた。
ECBによると、経済活動は夏に起きた金融不安にさらされた新興市場（アルゼンチンおよびトルコを含む。）にお
いて最も大幅に鈍化した。
ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域について、ユーロ圏の実質GDPは様々な理由から増加し、全体と
して底堅いままであるが、ECBがこの1年間で期待したよりも低い水準となった。これは主に、商品輸出への需要の
減少および一時的な業界特有の開発（例えば、ドイツにおける自動車生産）のためである。一方で、サービス輸出
はわずかに増加し、建設業では堅調な成長が見られた。また、力強い労働市場が個人消費を支えたと同時に、企業
の投資活動は内需、有利な財政状態および財務体質の改善から恩恵を受けた。
南北アメリカ地域に関して、2018年は米国において経済活動が回復し、依然として底堅い。しかし、下半期に米
国および中国が互いの輸出品に対して関税を導入し、中国との貿易摩擦が激化した。
アジア太平洋日本（APJ）地域では、2018年は経済活動の回復が見られたが、日本においては財政刺激策の終わ
りも見られた。その結果、自然災害に関する一時的な要因も手伝い、第3四半期において日本経済は縮小さえし
た。その一方で、米国との貿易摩擦にもかかわらず、中国における経済活動は依然として堅調であった。ECBによ
ると、安定した輸出、堅調な消費、財政状況の緩和および政府方針の支援によって中国経済は強化された。
IT 市場
3）
米国を拠点とする市場調査会社International Data Corporation （IDC）はその最新のレポート に、2018年はデ
ジタル変革のさなかにあったと記載した。これは、当社が以前の年次報告書および半期報告書においても説明した
とおりである。IDCの調査は46％の企業が2018年にその「実験」段階を終え、デジタル対応商品およびサービスに
とどまらず、統合的なデジタル戦略および構造を選んだことを示している。このように、あらゆる規模のほぼすべ
ての産業および組織において、デジタル変革は競争力を高めることにより新たな収益源の創造を手助けし、世界経
済に莫大な影響を与えた。
IDC によると、モノのインターネット（IoT）は2018年においても重要な課題であった。これは、業務をより効率
的に運営し、業務プロセスへの洞察を得て、リアルタイムで決断を下す手助けとなったためである。世界中のIoT
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への支出は、2018年は7,254億米ドル（14.9％増）にのぼり、そのうちEMEA地域では1,595億米ドル（18.8％増）、
南北アメリカ地域では2,129億米ドル（15.0％増）、およびAPJ地域では3,530億米ドル（13.1％増）となった。こ
れ らの支出のうち最大の割合を占めたのはデバイス部門であり、続いてアプリケーション・ソフトウェア、プラッ
5）
トフォーム、および現在進行中のサービスとなった 。
IDC によると、2018年にはパブリック・クラウド・プラットフォームへのさらなる移行がなされ、ブロック
チェーン、データ管理、モバイルおよびセキュリティといったアプリケーションおよびサービスの世界において、
2）
これらのプラットフォームは抜本的改革の主要な起点となった 。しかし、これらのシステムのクラウドへの採用
を推進したのは、そのワークロードがクラウド・コンピューティングの拡張性および弾力性を必要とする、機械学
▶）
習および先進的アナリティクスへの需要が大部分であった 。
ERP の合理化および近代化は、データ管理の収益化を通じて新たな収益源を開発することを目的としており、
3）
2018年におけるもう一つの焦点であった 。人工知能（AI）は数あるテクノロジーおよびソリューションのうちの
一つとなり、以前より多くのデバイス、アプリ、およびサービスに広がった。このテクノロジーを使用している企
業は、2018年において、その収益の21％をこれにより生んだとIDCは計算している。
出典：
1
欧州中央銀行、経済報告8/2018号、2018年12月27日発行
（http://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb201808.en.pdf）
2
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2019 Predictions, Doc #US44403818, 2018 年10月付
3
IDC FutureScape: Worldwide Digital Transformation 2019 Predictions, Doc #US43647118, 2018 年10月付
▶
IDC FutureScape: Worldwide Intelligent ERP 2019 Predictions, Doc #US43262918, 2018 年10月付
5
IDC Market Forecast: Worldwide Internet of Things Forecast, 2018 – 2022, 2018 年9月付
当社への影響
世界的なデジタル変革の速度は一層増し、当社は引き続きこの非常に大きなトレンドの著しい恩恵を受けた。当
社のどのポートフォリオにおいても、またどの地域においても堅調な勢いは著しいものであり、当社のより予測可
能な収益の割合は過去最高に達した。
全体的な経済状態
取締役会の評価
2018 年度、年間を通じて複数回引き上げたにもかかわらず、当社はすべての財務目標を達成しまたは上回った。
急速に拡大する当社のクラウド事業は、サポート収益の堅調な成長と相まって、堅調な売上増加に結びつき、よ
り予測可能な収益の割合を引き続き押し上げた。力強い売上に加え、厳しい経営統制により、当該年度において2
桁の営業利益成長率を達成した。
2018 年、1株当たり利益（EPS）（IFRS）は増加した一方で、営業キャッシュ・フローおよびEPS（非IFRS）は減
少した。営業キャッシュ・フローの減少は主に予想を上回る株式報酬、税金および保険料によるものであった。
要約すると、当社の着実なクラウドの急成長、ポートフォリオの品質および幅広さならびに受注は、当社の2019
年における継続的で力強い、利益を上げる成長のためには最適な手助けとなる。そのため、当社は2019年度の経営
見通しならびに2020年度および2023年度中期目標を達成することができると確信している。
2018 年度の見通しに対する実績（非IFRS）
過年度と同様に、当社の2018年度の営業利益関連目標および公表されている見通しは、為替変動を考慮しない場
合での当社の非IFRSの財務指標に基づいていた。そのため、次項では、IFRS指標から導かれる非IFRS数値の観点か
らのみ、当社の見通しに対する実績について論じる。その次の項のIFRS経営成績では、国際財務報告基準
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（IFRSs）の観点からのみ数値を論じる。したがって、当該項目の数字についてはIFRS数値である旨を特に表記し
ていない。
2018 年度の見通し（非IFRS）
2018 年度初頭に当社は、当社の2018年度の非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益が為替変動
を考慮しない場合で48億ユーロから50億ユーロの範囲になると予想した（2017年度：37.7億ユーロ）。当該範囲
は、為替変動を考慮しない場合で27％から33％の成長率に相当する。当社は、2018年度通年の非IFRSクラウドおよ
びソフトウェア収益が為替変動の影響を考慮しない場合で207億ユーロから211億ユーロの範囲内になると予想した
（2017年度：195.5億ユーロ）。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で6％から8％の成長率に相当する。さら
に、当社は非IFRS総収益を、為替変動を考慮しない場合で246億ユーロから251億ユーロの範囲とすることを目標と
した（2017年度：234.6億ユーロ）。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で5％から7％の成長率に相当する。
また、当社は2018年度通年の非IFRS営業利益が為替変動を考慮しない場合で73億ユーロから75億ユーロの範囲にな
ると予想した（2017年度：67.7億ユーロ）。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で8％から11％の成長率に相
当する。当社は、2018年度通年の実効税率（IFRSおよび非IFRS）が27.0％から28.0％の範囲（2017年度：19.5％
（IFRS）および22.8％（非IFRS））になると予想した。
2018 年4月5日、当社はCallidus Software Inc.（CallidusCloud）の買収を完了した。本件買収および第1四半期
における当社の堅調な売上利益を考慮し、当社は2018年4月に出した見通しをすべての指標について修正した。結
果として、当社は 非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益が為替変動を考慮しない場合で49.5億
ユーロから51.5億ユーロの範囲に達すると予想した。当社は非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益の見通しにつ
いても上方修正し、為替変動の影響を考慮しない場合で208.5億ユーロから212.5億ユーロの範囲とした。当社は、
非IFRS総収益が為替変動の影響を考慮しない場合で248億ユーロから253億ユーロの範囲内に収まると予想した。当
社はまた、2018年度の非IFRS営業利益の見通しについても上方修正し、為替変動の影響を考慮しない場合で73.5億
ユーロから75億ユーロの範囲とした。
2018 年7月、当社のクラウド事業の堅調な勢いに鑑み、当社は非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサ
ポート収益の2018年度の見通しを再度上方修正し、為替変動の影響を考慮しない場合で50.5億ユーロから52億ユー
ロの範囲とした。したがって、当社は他の指標の見通しについても次のとおり修正した。すなわち、非IFRSクラウ
ドおよびソフトウェア収益の見通しは為替変動を考慮しない場合で210.25億ユーロから212.5億ユーロの範囲へと
引き上げられ、非IFRS総収益の見通しは為替変動を考慮しない場合で249.75億ユーロから253億ユーロの範囲へと
引き上げられ、そして非IFRS営業利益の見通しは為替変動を考慮しない場合で74億ユーロから75億ユーロの範囲へ
と引き上げられた。当社は、2018年度通年の実効税率（IFRSおよび非IFRS）が27.0％から28.0％の範囲になると予
想してきたが、今や当該範囲の上限に達すると予想される。
2018 年10月、引き続き堅調な当社のクラウド事業の勢いに鑑み、当社は非IFRSクラウド・サブスクリプションお
よびサポート収益の見通しについて三度目の上方修正をし、為替変動の影響を考慮しない場合で51.5億ユーロから
52.5億ユーロの範囲とした。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で36.5％から39％の成長率に相当する。その
結果、当社は非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益の見通しについても、為替変動を考慮しない場合で211.5億
ユーロから213.5億ユーロの範囲へと引き上げた。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で8％から9％の成長率
に相当する。当社は、非IFRS総収益が為替変動の影響を考慮しない場合で252億ユーロから255億ユーロの範囲内に
収まると予想した。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で7.5％から8.5％の成長率に相当する。当社はまた、
2018年度の非IFRS営業利益の見通しについても上方修正し、為替変動を考慮しない場合で74.25億ユーロから75.25
億ユーロの範囲とした。当該範囲は、為替変動を考慮しない場合で9.5％から11％の成長率に相当する。当社は、
2018年度通年の実効税率（IFRS）が27.0％から28.0％の範囲の上限になると予想してきたが、今や実効税率（非
IFRS）は26.5％から27.5％と予想される。
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2018 年度の 見通しと比較した実績（非IFRS）
当社は、4月、7月および10月に公表した、すべての指標に対する上方修正後の見通しに達するまたはそれを超え
る業績を上げた。
2018 年度の見通しと実績の比較
改定後の
2018 年度見通し 改定後の 改定後の
2018 年度見通し
（2017年度
2018 年度見通し 2018 年度見通し
2018 年度実績
（第3四半期
統合報告書の
（第1四半期 （第2四半期
計算書）
報告ベース）
計算書） 計算書）
クラウド・サブスクリプショ
51.5 億ユーロから
48.0 億ユーロから 49.5 億ユーロから 50.5 億ユーロから
ンおよびサポート収益
52.1 億ユーロ
52.5億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しな
50.0億ユーロ 51.5億ユーロ 52.0億ユーロ
い場合)
クラウドおよびソフトウェア
211.5 億ユーロから
207.0 億ユーロから 208.5 億ユーロから 210.25 億ユーロから
収益
215.8 億ユーロ
213.5億ユーロ
(非IFRS、為替変動を考慮しな
211.0億ユーロ 212.5億ユーロ 212.5億ユーロ
い場合)
総収益
252.0 億ユーロから
246.0 億ユーロから 248.0 億ユーロから 249.75 億ユーロから
(非IFRS、為替変動を考慮しない 259.6 億ユーロ
255.0億ユーロ
251.0億ユーロ 253.0億ユーロ 253.0億ユーロ
場合)
営業利益
74.25 億ユーロから
73 億ユーロから75.0 73.5 億ユーロから 74.0 億ユーロから
(非IFRS、為替変動を考慮しない
74.8 億ユーロ
75.25億ユーロ
億ユーロ 75.0億ユーロ 75.0億ユーロ
場合)
実効税率(IFRS) 27.0% から28.0% 27.0% から28.0%* 27.0%
26.5% から27.5%
実効税率(非IFRS) 27.0% から28.0% 27.0% から28.0%* 26.3%
* 2018 年度半期報告書において当社はこれまでの見通しを承認したが、今や当該範囲の上限に達すると予想される。
特に中国・米国間の貿易摩擦から生じている経済的および外交的緊張 に加え、英国のEU離脱交渉の潜在的な結果
および影響に関する不確実性が存在したにもかかわらず、2018年度の新規顧客・既存顧客ともに引き続き当社のソ
リューションおよびサービスに対する投資に高い意欲を示した。
2018 年度の 非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益は、為替変動を考慮しない場合で2017年度
の37.7億ユーロから52.1億ユーロに増加した。したがって、指針としていた51.5億ユーロから52.5億ユーロの範囲
内となった。これは、為替変動を考慮しない場合で38％の増加である。
2018 年度において、当社のクラウド関連売上の成功度および将来のクラウド・サブスクリプション収益を測る指
標の一つである新規クラウド受注額は、18.1億ユーロに増加し（2017年度：14.5億ユーロ）、25％増となった（為
替変動を考慮しない場合、28％）。この堅調な成長に加えて、当社のクラウド・バックログ（既存のクラウド契約
に基づく未だ請求を行っていない将来の収益）は、101億ユーロ（2017年度：75億ユーロ）に達し、35％増となっ
た（為替変動を考慮しない場合、30％）。当社は、こうした献身的な事業が、2019年度以降もクラウド・サブスク
リプションおよびサポートの成長に貢献すると予想している。
堅調なクラウド事業と同様、当社の従来のオンプレミス事業は、為替変動を考慮しない場合、前年度と同等に堅
調な水準で2018年度も好業績を収めた。2018年度の非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益は、為替変動を考慮し
ない場合で2017年度の195.5億ユーロから215.8億ユーロに成長した。これは、為替変動を考慮しない場合で10％増
に相当する。したがって、当該収益は4月、7月および10月に上方修正した2018年度の見通し以上の成績を収めた。
当社の2018年度の総収益（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で11％増の259.6億ユーロとなり（2017年
度：234.6億ユーロ）、たびたび上方修正した見通しを超えた。
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2018 年度の営業費用（非IFRS）は、為替変動を考慮しない場合で11％増の184.8億ユーロとなった（2017年度：
166.9億ユーロ）。
当社の2018年度の費用基盤は、当社の急成長するクラウド事業への移行による影響を引き続き受けた。当社は
2018年度の当初の見通しにおいて、クラウド・サブスクリプションおよびサポートの売上総利益率が2017年度と少
なくとも同水準か、2017年度からわずかに増加すると予想した。2018年度のクラウド・サブスクリプション売上総
利益率は、為替変動を考慮しない場合で前年比0.7パーセント・ポイント増加し63％となった。当社は事業変革へ
の投資を継続したにもかかわらず、主に当社のクラウド・オファリングの効率性向上によって利益率が上昇した。
2018 年度の当社の様々なクラウド・オファリングに係るすべてのクラウド・サブスクリプションおよびサポート
売上総利益率は、以下のとおりプラスに転じた。
当社の2018年度のビジネス・ネットワーク事業のクラウド・サブスクリプション売上総利益率（非IFRS）は、さ
らに1.1パーセント・ポイント増（為替変動を考慮しない場合）の78％となり、早くも当社の2020年度に向けた長
期目標である80％に迫る結果となった。この素晴らしい業績は、SAP Ariba およびSAP Concurの事業における売上
総利益率が引き続き好調に成長したことに起因する。
サービスとしてのインフラストラクチャー（IaaS）のクラウド・オファリングに関する2018年度のクラウド・サ
ブスクリプション売上総利益率（非IFRS）は引き続き好調であった。2018年度のクラウド・サブスクリプション売
上総利益率（非IFRS）は13％であり、これは、為替変動を考慮しない場合で6.5パーセント・ポイント改善したこ
とを反映している。
サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム（SaaS/PaaS）のクラウド・オファリング
に関する2018年度の収益性は、為替変動を考慮しない場合で60％（非IFRS）であった。さらなる開発への継続的な
投資に加え、当社の様々なサービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォームの製品・サービス
を単一のプラットフォームに統合しているにもかかわらず、当社の長期目標が70％であるのに対し、当社は利益率
をさらに2.4パーセント・ポイント増加させることができた。
当社のクラウド事業および従来のオンプレミス事業の双方において効率性が改善し、引き続き営業利益の拡大を
押し上げた。2018年度の非IFRS営業利益は、為替変動を考慮しない場合で10％増の74.8億ユーロとなった（2017年
度：67.7億ユーロ）。その結果、当社は当年度も事業変革への投資を継続したにもかかわらず、2017年度の好業績
を上回ることができた。当社の営業利益が好調に推移したのは、主に顧客および製品に焦点を当てた投資判断の影
響によるものであり、これはとりわけ、研究開発、サービス、クラウドおよび販売等の正規職員相当従業員数の
7,955名の増員（そのうち5,912名が本業）につながった。こうした人材資源の増加に加えて、当社は革新分野およ
び成長市場に的を絞った投資を継続した。その結果、為替変動を考慮しない場合の非IFRS営業利益は74.8億ユーロ
となり、当社が10月に上方修正した見通しの範囲（74.25億ユーロから75.25億ユーロ）の中間値を超えた。
当社の実効税率は27.0％（IFRS）、26.3％（非IFRS）であり、これは、27.0％から28.0％（IFRS）の範囲の下端
であり、26.5％から27.5％(非IFRS)という修正後の見通しを下回っている。これは主に、過年度までの税制に起因
する。
2018 年度における、当社の為替変動を考慮しない場合の非IFRS収益および非IFRSの成績は、好調な事業開発に加
え、以下の要素によって生じた。
・過年度の数字を調整しないまま、2018年度の初め、新収益認識基準IFRS第15号が採用された。収益は以前の収
益認識基準のもとでの数字よりも1.6億ユーロ高く（非IFRS、為替変動を考慮しない場合）、一方で営業費用
（非IFRS、為替変動を考慮しない場合）は新基準を適用したところ2.5億ユーロ低くなった。IFRS第15号の適
用に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.5)を参照のこと。
・当社の買収による収益および利益は、それぞれの買収日における成績に反映されている。当社最大の買収であ
るCallidus Software Inc.（CallidusCloud）は、クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益（非
IFRS、為替変動を考慮しない場合）に1.6億ユーロのプラスの影響を与え、また、為替変動を考慮しない場合
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で営業利益に0.5億ユーロのプラスの影響を与えた。当社の2018年度における買収に関する詳細は、連結財務
諸表に対する注記(D.1)を参照のこと。
・アルゼンチンおよびベネズエラにおけるハイパーインフレーションという財務上の評価に加え、当社の為替変
動影響排除の手順のために、為替変動を考慮しない場合での当社の非IFRS数値は、ハイパーインフレーション
によるさらなる影響を受けている。すなわち、当社の現在の数値に前年の為替レートを適用することで、これ
らの数値が為替レートの変動に応じて調整される。一方、2018年度の為替変動を考慮しない場合での数値は、
それぞれのインフレ率の変動に応じた調整がされていない。これにより、非IFRSソフトウェア収益は為替変動
を考慮しない場合で1.5億ユーロ、非IFRSソフトウェア・サポート収益は為替変動を考慮しない場合で1.5億
ユーロ、および当社の非IFRS総収益は為替変動を考慮しない場合で4.6億ユーロの恩恵を受けた。一方で営業
費用（非IFRS、為替変動を考慮しない場合）は3.4億ユーロのマイナスの影響を受け、その結果、当社の非
IFRS営業利益（非IFRS）は為替変動を考慮しない場合で1.2億ユーロの増加となった。通貨換算およびハイ
パーインフレーションに関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(IN.1)を参照のこと。
営業成績（IFRS）
この営業成績（IFRS）の項は、IFRS指標による成績に限って議論する。そのため、IFRSの数値について特にその
旨を表記していない。
当社の事業地域は、ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域、南北アメリカ地域、ならびにアジア太平洋
日本（APJ）地域の3つに分けられる。当社は、顧客の所在地に基づいて、収益額を各地域に配分する。地理的地域
ごとの収益に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.1)を参照のこと。
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収益
総収益
2018 年度の総収益は24,708百万ユーロであり、2017年度の23,461百万ユーロから5％（1,247百万ユーロ）増加し
た。
収益増加の主な原因は、クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益が1,224百万ユーロ増加し、4,993百
万ユーロとなったことである。クラウドおよびソフトウェア収益は2018年度の総収益の83％を占めている（2017年
度：83％）。2018年度のサービス収益は、2017年度の3,912百万ユーロから4％増加し4,086百万ユーロとなり、こ
れは総収益の17％であった（2017年度：17％）。
収益類型ごとの収益
地域の実績に関する詳細は、「地域ごとの収益」の項を参照のこと。
クラウドおよびソフトウェア収益
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益とは、当社との契約期間中、当社がホストする特定のソフト
ウェア・ソリューションにアクセスすることを顧客に許可する契約から得られる収入をいう。ソフトウェア収益
は、顧客に対するソフトウェアの販売またはライセンス供与から得られる手数料に起因する。サポート収益とは、
顧客に対する技術的サポート・サービスおよび不特定のソフトウェアのアップグレード、アップデート、拡張の提
供から得られる手数料を示している。当社の収益類型に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.1)を参照の
こと。
2018 年度のクラウドおよびソフトウェア収益は、2017年度の19,549百万ユーロから5％増の20,622百万ユーロと
なった。
クラウドおよびソフトウェア
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2018 年度のクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益は、2017年度の3,769百万ユーロから4,993百万
ユーロに増加した。
クラウド・サブスクリプションおよびサポート
為替の逆風を受け、当社の2018年度のソフトウェア収益は、2017年度の4,872百万ユーロから225百万ユーロ減少
し、4,647百万ユーロとなった。2018年度の当社の顧客基盤は引き続き拡大した。2018年度の（契約締結件数に基
づく）ソフトウェア受注件数の15％は新規顧客からの受注である（2017年度：15％）。ソフトウェア受注額合計は
前年度から9％減少した。新しいソフトウェアに関して締結された契約総件数は1％減少し58,530件となり（2017年
度：59,147件）、2018年度の平均受注額は82千ユーロとなった（2017年度：89千ユーロ）。当社が2018年度中に受
けたすべてのソフトウェア受注のうち29％は5百万ユーロを超える取引に起因する一方（2017年度：30％）、39％
は1百万ユーロを下回る取引に起因するものであった（2017年度：40％）。
2018 年度および過年度を通じて当社の顧客基盤が安定し、当社のソフトウェアに対する需要が継続したこと、な
らびに当社のサポート製品・サービスへの関心が続いていることから、2018年度のサポート収益は2017年度の
10,908百万ユーロから10,981百万ユーロに増加した。SAP Enterprise Support の製品・サービスが当社のサポート
収益に最も貢献した。1％（73百万ユーロ）のサポート収益増加は主に、当社のSAP Product Support for Large
EnterprisesサービスおよびSAP Enterprise Support サービスに起因する。2018年度の新規顧客によるSAP
Enterprise Supportの受容率は引き続き非常に高く、98％であった（2017年度：99％）。
2018 年度のソフトウェアおよびサポート収益は、2017年度の15,780百万ユーロから1％（152百万ユーロ）減の
15,628百万ユーロとなった。
当社は、より予測可能な収益を、当社のクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益とソフトウェア・サ
ポート収益の合計と定義する。前年度と比較すると、当社の2018年度におけるより予測可能な収益は2017年度の
14,677百万ユーロから15,975百万ユーロに増加した。これは9％の増加である。2018年度において、より予測可能
な収益は総収益の65％を占めた（2017年度：63％）。
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より予測可能な収益
サービス収益
サービス収益とは、専門サービス、プレミアム・サポート・サービスおよびその他のサービス（トレーニング・
サービスおよびメッセージング・サービス等）による収益を合わせたものである。専門サービスは主に、当社のク
ラウド・サブスクリプションおよびオンプレミス・ソフトウェア製品の実装に関連する。当社のプレミアム・サ
ポート製品・サービスは、顧客の要望に合わせたハイエンドなサポート・サービスにより構成される。メッセージ
ング・サービスとは主に、ある携帯電話事業者から別の携帯電話事業者への電子メールの送信である。
2018 年度のサービス収益は4,086百万ユーロであり、2017年度の3,912百万ユーロから4％（175百万ユーロ）増加
した。
市場の需要が堅調であったため、2018年度のコンサルティング収益およびプレミアム・サポート収益は3,356百
万ユーロとなり、2017年度の3,215百万ユーロから4％（141百万ユーロ）増加した。2018年度のコンサルティング
およびプレミアム・サポート収益は、サービス収益合計の82％を占めており（2017年度：82％）、また、総収益の
14％を占めている（2017年度：14％）。
2018 年度のその他のサービス収益は5％（34百万ユーロ）増加し731百万ユーロであった（2017年度：697百万
ユーロ）。
EMEA 地域
2018 年度のEMEA地域からの収益は11,104百万ユーロであり（2017年度：10,415百万ユーロ）、総収益の45％を占
めている（2017年度：44％）。これは前年度比で7％の増加である。ドイツにおける収益は9％増の3,658百万ユー
ロとなった（2017年度： 3,352 百万ユーロ）。ドイツはEMEA地域の総収益の33％を占めている（2017年度：
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32％）。その他のEMEA地域の収益は主として英国、フランス、スイス、オランダおよびイタリアから得られてい
る。EMEA地域のクラウドおよびソフトウェア収益は合計で9,339百万ユーロとなった（2017年度：8,759百万ユー
ロ）。 これは当該地域における総収益の84％を占めている（2017年度：84％）。
EMEA 地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2018 年度のEMEA地域のクラウド・サブスクリプション収益は40％増の1,441百万ユーロとなった（2017年度：
1,029百万ユーロ）。2018年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は2％増の7,898百
万ユーロとなった（2017年度：7,730百万ユーロ）。
南北アメリカ地域
2018 年度の当社の総収益に占める南北アメリカ地域の収益の割合は39％である（2017年度：40％）。南北アメリ
カ地域の総収益は4％増の9,713百万ユーロとなった。米国における収益は6％増の7,880百万ユーロとなった。南北
アメリカ地域で得られた総収益に占める米国の割合は81％である（2017年度：80％）。南北アメリカ地域のその他
の国における収益は、ラテンアメリカにおける厳しいマクロ経済情勢により、4％減の1,832百万ユーロとなった。
南北アメリカ地域のその他の国における収益は、主としてカナダ、ブラジルおよびメキシコから得られている。南
北アメリカ地域におけるクラウドおよびソフトウェア収益は合計で7,973百万ユーロとなった（2017年度：7,666百
万ユーロ）。これは当該地域における総収益の82％を占めている（2017年度：82％）。
南北アメリカ地域：クラウドおよびソフトウェア収益
2018 年度の南北アメリカ地域におけるクラウド・サブスクリプション収益は27％増の2,941百万ユーロとなった
（2017年度：2,321百万ユーロ）。2018年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は
5,032百万ユーロに減少した（2017年度：5,345百万ユーロ）。
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APJ 地域
2018 年度の当社の総収益に占めるAPJ地域の収益の割合は16％であった（2017年度：16％）。APJ地域における総
収益は5％増の3,891百万ユーロとなった。日本における収益は9％増の963百万ユーロであった。日本における収益
はAPJ地域における収益全体の25％を占めている（2017年度：24％）。APJ地域のその他の国における収益は4％増
加した。APJ地域のその他の国における収益は主としてオーストラリア、インドおよび中国から得られている。
2018年度のAPJ地域におけるクラウドおよびソフトウェア収益は合計で3,310百万ユーロとなった（2017年度：
3,124百万ユーロ）。これは当該地域における総収益の85％を占めている（2017年度：84％）。
APJ 地域：クラウドおよびソフトウェア収益
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2018 年度のAPJ地域におけるクラウド・サブスクリプション収益は46％増の611百万ユーロとなった（2017年度：
419百万ユーロ）。2018年度のソフトウェア・ライセンスおよびソフトウェア・サポート収益は2017年度の2,705百
万ユーロから2,699百万ユーロとわずかに減少し、前年比成長率は0％となった。
営業利益および営業利益率
当社は特にクラウドおよびサービスにおいて2018年度に記録的な収益を達成した。総収益は5％（1,247百万ユー
ロ）増加し、24,708百万ユーロとなった（2017年度：23,461百万ユーロ）。
一方、当社の営業費用は2％（421百万ユーロ）増加し19,005百万ユーロであった（2017年度：18,584百万ユー
ロ）。この増加の原因は主に、研究開発への継続的投資と収益関連のクラウド・サブスクリプションおよびサポー
ト活動であった。収益増加に伴い、当社はサービス分野へも投資を継続した。同時に、2018年度に株価が下落した
ことにより株式報酬費用が減少し、830百万ユーロとなった（2017年度：1,120百万ユーロ）。リストラクチャリン
グ費用はさらに減少し、19百万ユーロとなった（2017年度：182百万ユーロ）。当社の従業員数（正規職員相当
数、すなわちFTEとして表される。）は、前年度比7,955名増加し96,498名となった。
全体として、当社の収益成長は費用の増加を上回り、営業利益は17％増加して5,703百万ユーロとなった（2017
年度：4,877百万ユーロ）。
営業利益
営業利益率
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これらの影響が営業利益にもたらす総合的な結果として、2018年度の当社の営業利益率は2.3パーセント・ポイ
ント増加し、23.1％となった（2017年度：20.8％）。2018年度の当社の収益および業績は、前向きな事業展開に加
え、以下の特殊な効果による影響を受けた（為替変動を考慮しない場合における、当社の非IFRSの業績に与える影
響については、2018年度の見通しに対する実績の項を参照のこと。）。
・2018年度、IFRS第15号の適用はソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益に170百万ユーロのプラスの影
響を与えた。その他の反対効果と相まって、結果として当社の収益に合計158百万ユーロの影響を与えた。当
社の営業費用は239百万ユーロの恩恵を受け、当社の営業利益は399百万ユーロのプラスの影響を受けた。IFRS
第15号の適用に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.5)を参照のこと。
・Callidus Software Inc.（CallidusCloud）の買収はその完了日以降、当社のクラウド・サブスクリプション
およびサポート収益に126百万ユーロのプラスの影響を与え、また、当社の営業利益に70百万ユーロのマイナ
スの影響を与えた。当社の2018年度における買収に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(D.1)を参照の
こと。
・アルゼンチンおよびベネズエラにおけるハイパーインフレーションという財務上の評価によって当社の総収益
は19百万ユーロ減少し、また、当社の営業利益は12百万ユーロ減少した。通貨換算およびハイパーインフレー
ションに関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(IN.1)を参照のこと。
当社収益費用の各要素の変化は以下のとおりである。
クラウドおよびソフトウェア費用
クラウドおよびソフトウェア費用は、主にクラウド・ソリューションの展開・運用費用、顧客特有のビジネス要
件に対応したカスタム・ソリューションの開発費用、顧客サポート費用、無形資産に関連する償却費用、ならびに
データベースおよび当社が顧客に対してサブライセンスしたその他の補足的な他社製品に関して当該他社に支払っ
たライセンス費用および手数料により構成されている。
2018 年度のクラウドおよびソフトウェア費用は7％増の4,160百万ユーロとなった（2017年度：3,893百万ユー
ロ）。
費用に影響を与えたのは主に、増大する顧客の需要に応えて、クラウド・アプリケーションの提供および運用の
ために前年度から追加で408百万ユーロを費やしたことであった。これらの投資は収益成長に貢献した。2018年度
の当社のクラウド・サブスクリプションおよびサポートの利益率は、2017年度の56.0％から2.6パーセント・ポイ
ント増加し、58.6％となった。この利益率の改善はクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益における堅
調な成長に起因し、32％増の4,993百万ユーロとなった（2017年度：3,769百万ユーロ）。また、クラウド・サブス
クリプションおよびサポートに係る対応する費用の増加率はこれより低く、25％増の2,068百万ユーロとなった
（2017年度：1,660百万ユーロ）。
ソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益が1％減少し15,628百万ユーロとなり（2017年度：15,780百万
ユーロ）、またこれに伴ってソフトウェア・ライセンスおよびサポート費用が6％減少し2,092百万ユーロとなった
（2017年度：2,234百万ユーロ）ことにより、当社はソフトウェア・ライセンスおよびサポート利益率を0.8パーセ
ント・ポイント増の86.6％とすることができた（2017年度：85.8％）。2018年度のクラウドおよびソフトウェアの
売上総利益率（クラウドおよびソフトウェア収益に対するクラウドおよびソフトウェア利益の比率（パーセント表
示））は、0.3パーセント・ポイント減少し79.8％となった（2017年度：80.1％）。この減少は主に、クラウドお
よびソフトウェアの収益構成の変化に起因しており、現在クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益の割
合が高くなっている。インフラストラクチャー費用により、かかる収益は現在利益率が低く、同時に、利益率の高
いソフトウェアおよびサポート収益の割合が低下している。
サービス費用
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サービス費用は、主にコンサルティング、プレミアム・サービスおよびトレーニング・コースに係る費用ならび
にコンサルティングおよびトレーニング資源の購入に係る費用により構成されている。
当社は、2018年度のサービス収益を前年度比4％増の4,086百万ユーロに増加させることができた（2017年度：
3,912百万ユーロ）。当社のサービス事業は、従来のソフトウェアのライセンス供与およびコンサルティング収益
からクラウド・ソリューションのサブスクリプション収益へ移行しているため、当社は需要増加への対応能力を拡
大することにより引き続き投資していく。その結果、サービス費用は5％増の3,302百万ユーロとなった（2017年
度：3,158百万ユーロ）。当社のサービスの売上総利益率（サービス収益に対するサービス利益の比率（パーセン
ト表示））はおおむね横ばいの19.2％となった（2017年度：19.3％）。
研究開発費用
当社の研究開発（R&D）費用は、主に研究開発要員の人件費、研究開発活動を支援するために当社が抱える独立
請負業者に対する費用、および研究開発活動のために当社が使用するコンピュータ・ハードウェアおよびソフト
ウェアの償却費により構成されている。
当社の研究開発の年間平均従業員数が9％増加したことにより人件費が増加したため、2018年度の研究開発費用
は2017年度の3,352百万ユーロから8％増加し3,624百万ユーロとなった。そのため、2018年度の総収益に占める研
究開発費用の比率は14.7％に増加した（2017年度：14.3％）。詳細は、「第3 5 研究開発活動」を参照のこと。
販売・マーケティング費用
販売・マーケティング費用は、主に人件費、直接販売費用および当社の製品・サービスのマーケティング費用に
より構成されている。
2018 年度の販売・マーケティング費用は6,781百万ユーロであり、2017年度の6,924百万ユーロから2％減少し
た。この減少は主に、新会計基準IFRS第15号の適用およびその結果として販売手数料が資産計上されることによる
ものである。詳細は、連結財務諸表に対する注記(A.5)を参照のこと。その結果、2018年度の総収益に占める販
売・マーケティング費用の比率（パーセント表示）は2.1パーセント・ポイント減少し27.4％であった（2017年
度：29.5％）。
一般管理費
当社の一般管理費は、主に経理および事務部門の人件費により構成されている。
2018 年度の一般管理費は1,098百万ユーロであり、2017年度の1,075百万ユーロから2％増加した。この増加は主
に、当社の成長に関連する取引高の拡大に基づき、一般管理分野の雇用創出に関連する人件費が増大したことに起
因する。堅調な業績により、総収益に占める一般管理費の比率は前年度から0.1パーセント・ポイント改善し4.4％
となった（2017年度：4.6％）。
セグメント情報
2018 年度末において 当社は、アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門、SAPビジネス・ネットワー
ク部門ならびに顧客エクスペリエンス部門という3つの報告対象となるセグメントを有している。
当社のセグメント報告に関する詳細は、 連結財務諸表に対する注記(C.1)および(C.2)を参照のこと。
アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門
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有価証券報告書
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2017
( 非IFRS)
2018 年度 年度 変動(％)
変動(％)
実際の
為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
為替に
を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
基づく
ない場合 く場合 く場合 ない場合
場合
1,829 1,894 1,403 30 35
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益 –
1)
SaaS/PaaS
58 57 59 – 2pp – 2pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率 –
1)
SaaS/PaaS ( ％)
488 506 328 49 54
2)
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益 – IaaS
13 14 7 6pp 7pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率 –
2)
IaaS ( ％)
2,317 2,400 1,732 34 39
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益
48 48 49 – 1pp – 2pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率
(％)
20,806 21,892 20,218 3 8
セグメント収益
73 73 74 – 1pp – 1pp
売上総利益率(％)
8,746 9,183 8,478 3 8
セグメント利益
42 42 42 0pp 0pp
セグメント利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2) サービスとしてのインフラストラクチャー
アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門において、クラウド・サブスクリプションおよびサポート
収益は2018年度に堅調な増加を記録した。当社のデジタル・コア商品ならびにデータベースおよびデータ管理ソ
リューションの根強い需要に加え、市場におけるSAP Cloud Platform の一層の成功により、SaaS/PaaSの収益は30％
（為替変動を考慮しない場合、35％）増加した。SAP S/4HANA クラウドおよびSAP Leonardo 、将来に向けた当社の戦
略的な商品についても、極めて順調に発展し、高い成長率を達成した。
当社のソフトウェア・サポート収益は2018年度にわずかに改善した。当該収益は1％（為替変動を考慮しない場
合、5％）増加し10,968百万ユーロとなった。クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益への移行のため
に前年の水準を若干下回った（為替変動を考慮しない場合、0％減）ソフトウェア・ライセンス収益を含む、当社
の2018年度のソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益合計は、15,201百万ユーロに達した。
全体として、2018年度のこのセグメントにおけるより予測可能な収益源の収益割合は、2017年度の62.4％から
1.4パーセント・ポイント増加し63.9％となった。
同期間中のセグメントの収益原価は、7％（為替変動を考慮しない場合、14％）増の5,625百万ユーロとなった
（2017年度：5,262百万ユーロ）。この費用の増加は主に、当社のクラウド・インフラストラクチャーの拡大およ
び当社のクラウド・アプリケーションの提供・運営に対する投資の増加に起因する。これは主にSaaS/PaaS事業に
当てはまり、SaaS/PaaS事業の利益率は結果的に前年度から2パーセント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、
2パーセント・ポイント）減少した。これらの費用は、成熟度の向上とともに効率性の大幅な改善を達成した当社
のIaaS事業により一部相殺された。IaaS事業は、6パーセント・ポイント（為替変動を考慮しない場合、7パーセン
ト・ポイント）の利益率増加を達成して当事業年度を終えた。
SAP ビジネス・ネットワーク部門
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有価証券報告書
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2017 変動 変動
( 非IFRS)
2018 年度 年度 ( ％) ( ％)
実際の
為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
為替に
を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
基づく
ない場合 く場合 く場合 ない場合
場合
2,178 2,265 1,840 18 23
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益 –
1)
SaaS/PaaS
78 78 77 1pp 1pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率 –
1)
SaaS/PaaS ( ％)
2,178 2,265 1,840 18 23
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益
78 78 77 1pp 1pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率
(％)
2,629 2,733 2,261 16 21
セグメント収益
69 69 68 1pp 1pp
売上総利益率(％)
531 545 388 37 40
セグメント利益
20 20 17 3pp 3pp
セグメント利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
SAP ビジネス・ネットワーク部門は、2018年度にクラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率を
再度1パーセント・ポイント増加させ、78％となった。2018年度のセグメントの収益原価は、12％（為替変動を考
慮しない場合、17％）増の813百万ユーロとなった（2017年度：725百万ユーロ）。
セグメント収益は16％ （為替変動を考慮しない場合、21％）増加し2,629百万ユーロとなった。その結果、SAPビ
ジネス・ネットワーク部門は、2018年度のセグメント売上総利益率について1パーセント・ポイント（為替変動を
考慮しない場合、1パーセント・ポイント）増の69％を達成した（2017年度：68％）。
顧客エクスペリエンス部門
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ
2017 変動 変動
( 非IFRS)
2018 年度 年度 ( ％) ( ％)
実際の
為替変動 実際の為 実際の為 為替変動
為替に
を考慮し 替に基づ 替に基づ を考慮し
基づく
ない場合 く場合 く場合 ない場合
場合
528 539 200 >100 >100
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益 –
1)
SaaS/PaaS
67 67 59 7pp 8pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率 –
1)
SaaS/PaaS ( ％)
528 539 200 >100 >100
クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益
67 67 59 7pp 8pp
クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率
(％)
951 970 643 48 51
セグメント収益
79 79 80 –1pp –1pp
売上総利益率(％)
138 139 85 62 63
セグメント利益
14 14 13 1pp 1pp
セグメント利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2018 年度中に新たに設置された顧客エクスペリエンス部門は総収益において48％もの堅調な成長を記録した。
（為替変動を考慮しない場合、51％）。この好調な推移は、主に当社のクラウド・サブスクリプションおよびサ
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ポート収益における164％（為替変動を考慮しない場合、170％）の堅調な成長による影響を受けた。Callidus
Software Inc.の買収および当社のクラウド戦略により、ソフトウェア・ライセンスおよびサポート収益と比較し
て クラウド収益割合が増加した。クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率80％というCallidus
の積極的な貢献により、クラウド・サブスクリプションおよびサポート売上総利益率は7パーセント・ポイント
（為替変動を考慮しない場合、8パーセント・ポイント）増加した。しかし、クラウド提供費用の内部的配分の変
更により、2017年度に比べてクラウド・サブスクリプションおよびサポート費用が増加した。2018年度第2四半期
における買収以来、セグメントのクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益に156百万ユーロ、およびセ
グメントの営業利益に53百万ユーロと、Callidusはプラスに貢献した。
クラウド・サブスクリプション収益および利益率の調整
単位：別途記載がない限り、百万ユーロ 2018 年度 2017 年度 変動(％) 変動(％)
(非IFRS)
実際の為替 為替変動を 実際の為替 実際の為替 為替変動を
に基づく 考慮しない に基づく に基づく 考慮しない
場合 場合 場合 場合 場合
SAP ビジネス・ネッ 2,178 2,265 1,840 18 23
トワーク部門
クラウド・サブスクリプションおよび
1)
3)
サポート収益 –SaaS/PaaS
その他 2,361 2,434 1,604 47 52
合計 4,539 4,700 3,443 32 36
クラウド・サブスクリプションおよび
488 506 328 49 54
2)
サポート収益 –IaaS
クラウド・サブスクリプションおよび
5,027 5,205 3,771 33 38
サポート収益
SAP ビジネス・ネッ 78 78 77 1pp 1pp
トワーク部門
クラウド・サブスクリプションおよび
1)
3)
サポート売上総利益率 –SaaS/PaaS (％)
その他 60 59 57 3pp 2pp
合計 68 68 67 1pp 1pp
クラウド・サブスクリプションおよび
13 14 7 6pp 7pp
2)
サポート売上総利益率 –IaaS (％)
クラウド・サブスクリプションおよび
63 63 62 1pp 1pp
サポート売上総利益率(％)
1) サービスとしてのソフトウェア／サービスとしてのプラットフォーム
2) サービスとしてのインフラストラクチャー
3) その他にはアプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門、顧客エクスペリエンス部門、ならびにその他が含まれる。
アプリケーション、テクノロジーおよびサービス部門および顧客エクスペリエンス部門について、単独の収益および利益率の
数値は前のページにて開示されている。
純財務収益
純財務収益はマイナス47百万ユーロに変化した（2017年度：188百万ユーロ）。当社の財務収益は371百万ユーロ
であり（2017年度：476百万ユーロ）、財務費用は418百万ユーロとなった（2017年度：288百万ユーロ）。
財務収益は主に、株式売却益およびIFRS第9号に関連する評価替え合計227百万ユーロ（2017年度：382百万ユー
ロ）、貸付金・債権およびその他の金融資産（現金、現金同等物、および短期投資）からの受取利息合計62百万
ユーロ（2017年度：49百万ユーロ）、ならびにデリバティブ収益合計77百万ユーロ（2017年度：44百万ユーロ）に
よって構成されている。
財務費用は、主として金融債務に係る支払利息合計106百万ユーロ（2017年度：89百万ユーロ）、デリバティブ
によるマイナスの影響額合計206百万ユーロ（2017年度：116百万ユーロ）、およびSapphire Venturesによる投資
の売却に係る損失またはIFRS第9号に関連する評価替え合計44百万ユーロ（2017年度：27千ユーロ）から構成され
ている。資金調達手段に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
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法人所得税
2018 年度の実効税率は27.0％であった（2017年度：19.5％）。実効税率の前年度比増加は、主に2017年度に認識
されたSAP SE に対する知的財産権のグループ内譲渡に関する臨時的な税制上の優遇がなくなったことおよび米国税
制改革に加えて、会社間の資金調達に関する税効果に起因するが、これらは繰延税金資産に対する評価引当金およ
び収益の地域配分の変化に一部相殺された。法人所得税に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(C.5)を参照
のこと。
税引後利益および1株当たり利益
2018 年度の税引後利益は4,088百万ユーロに増加した（2017年度：4,046百万ユーロ）。
税引後利益
基本的1株当たり利益は3.42ユーロに増加した（2017年度：3.35ユーロ）。2018年度の発行済株式総数は1,194百
万株に減少した（2017年度：1,197百万株）。
1 株当たり利益
配当
当社は、2018年度に当社が生み出した利益を株主が適切に享受すべきであると考える。当社の配当方針は、合計
で税引後利益の40％以上となる配当を支払うことである。
取締役会および監査役会は、配当金総額を7％引き上げ、1株当たり1.50ユーロ（2017年度：1.40ユーロ）とする
ことを年次株主総会において提案した。この提案に基づき、全体的な配当性向（ここでは利益に対する配当総額の
比率を意味する。）は44％となった（2017年度：41％）。
株主が上記提案を承認したことにより、配当として分配された総額は1,790百万ユーロとなった。2018年度、当
社は2017年度の税引後利益から配当金として1,671百万ユーロを分配した。
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1 株当たり配当
単位：ユーロ／前年度比較
財務（IFRS）
概要
世界的財務管理
当社は、流動資産の管理ならびに金利および為替エクスポージャーの監視のため、世界的かつ集中的な財務管理
を行っている。当社の財務管理の主たる目的は、グループの流動性を常にその金融債務に見合う適切な水準に維持
することにある。グループの方針に沿ってグループ全体の流動資産を統合し、監視し、投資することを可能とする
ため、SAPグループの会社の多くは、自社の流動性をグループの集中的な管理に委ねている。高水準の流動性資産
は、当社の柔軟性、安定性および独立性の維持を助けるものである。加えて、現在、必要があれば、追加的な流動
性のための種々の信用供与枠利用も可能となっている。上記信用枠の詳細については、「信用枠」の項を参照のこ
と。
当社は、信用、流動性、金利、株価および為替レートに係る各リスクを全グループベースで管理している。当社
は、投機目的（すなわち当社が対応する潜在取引を有しないデリバティブ取引を行うこと）でなく、上記目的のみ
のために厳選されたデリバティブを利用している。デリバティブの利用に関する取決めならびに財務リスクに関す
るその他の取決めおよび手続については、全世界においてグループ内の全企業に適用される当社の財務指針として
文書化されている。各財務リスク管理および当社のリスクエクスポージャーのより詳細な情報については、連結財
務諸表に対する注記(F.1)および(F.2)を参照のこと。
流動性管理
当社の現金、現金同等物および短期投資の主な源は、当社の事業の営業により生み出された資金である。過去数
年間において、当社の現金の主な使途は、当社の事業および当社の成長の結果必要となった資本的支出の支援、金
融債務の迅速な返済、事業買収、当社株式に係る配当の支払、ならびに公開市場における当社株式の買入れであっ
た。2018年12月31日現在、当社の現金、現金同等物および短期投資は、主にユーロおよび米ドルにより保有されて
いた。通常、投資に際して当社は、BBB以上の格付の発行体またはファンドの金融資産のみに投資しており、また
取引先を分散し、短期投資を中心とし、かつ標準的な投資商品を用いることにより幅広く分散されたポートフォリ
オを特徴とする、慎重な投資政策をとっている。2018年度におけるBBBを下回る信用格付の発行体の金融資産に対
する投資は重要なものではない。
当社は、当社の流動資産が未使用の信用枠と相まって、2019年度の事業上および財務上の需要を十分に満たすも
のであり、予想される営業キャッシュ・フローと併せて、債務の返済および現在当社が予定している必要な短期・
中期的な資本的支出を支えるものと考えている。また、必要な追加資金すべてをフリー・キャッシュ・フローから
調達できない場合、当社は資金調達取引を締結する可能性がある（大型買収の資金調達等）。
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当社は事業拡大のために、これまで事業買収、ならびに商品および技術の取得を行ってきた。当社は、今後の当
社のキャッシュポジションおよび将来の市況に応じて、買収資金の確保、財務柔軟性の維持、および返済リスクの
限 定のために追加的な社債を発行する場合がある。したがって、当社は引き続き資本市場において利用可能な資金
調達手段の選択肢、資金調達の可能性に関する動向、およびこれら資金調達手段にかかる費用のモニタリングを行
う。強固なフリー・キャッシュ・フローにより、近年当社は短期間で追加債務を返済することができた。金融債務
に関する詳細は、「キャッシュ・フローおよび流動性」の項を参照のこと。
資本構成管理
当社の資本構成管理は、投資家、債権者、および顧客の信用のために強固な財務内容を維持し、当社事業の成長
を支えることを主たる目的としている。当社は、資本市場を通じて合理的な条件で必要資金を調達可能にする資本
構成を維持しつつ、高度の独立性、信用、財務柔軟性を確保することを目指している。
資本構成およびその分析に関する詳細は、連結財政状態計算書の分析および連結財務諸表に対する注記(E.1)を
参照のこと。
SAP SEの長期信用格付は、 Moody's が「A2」、 Standard&Poor's が「A」で、どちらも見通しは「安定的」であっ
た。
配当方針に加えて、将来的に自社株を買い戻すことにより、当社は過剰流動性を当社株主に還元する可能性があ
る。
信用枠
当社は、必要があれば、各種の信用枠を通じて追加の資本源を利用することができる。
高い財務柔軟性を維持するため、SAP SE は2017年11月20日に、当初期間を5年間とし2度の1年更新オプション
（このうち1回が2018年11月に実行された。）が付いた25億ユーロのシンジケート回転信用枠契約を締結した。こ
れは2013年から利用していた20億ユーロの従来の信用枠に代わるものであり、一般的な企業目的のために使用する
ことができる。将来可能な信用枠の利用は、いかなる財務制限条項にも服さない。信用枠に基づく借入には、各通
貨についてEURIBORまたはLIBORに0.17％のマージンを上乗せした利息が発生する。当社はまた、未使用の信用枠に
関して年利0.0595％のコミットメント・フィーを支払わなければならない。現在までのところ、当社はこの信用枠
を使用しておらず、また、現時点においてその予定もない。
2018 年12月31日現在、SAP SE は、上記に加えて合計424百万ユーロの追加の信用枠が利用可能であった。当社の
一部の子会社は、市場の実勢金利での資金借入を可能とする信用枠を利用可能としている。2018年12月31日現在、
この取決めを通じて約21百万ユーロが利用可能であった。2018年12月31日現在、当社の外国子会社につき、これら
の信用枠に重要な未返済の借入はない。
2018 年11月12日、予定されているQualtricsの買収に係る資金調達のため、当社は70億ユーロの信用枠契約を締
結した。2018年12月10日、予定されている買収について早期に資金を再調達するため、当社は合計45億ユーロ、満
期が2年から12.25年となる5つのトランシェ・ユーロ債を発行した。当該資金は、これに応じた信用枠を解除する
ために使用され、その結果2018年12月31日時点で当社は25億ユーロが利用可能であった。信用枠は2019年1月23日
に全額引き出され、3年の期間内で臨機応変に返済することができる。
金融負債
「金融負債」とは融資、私募債および社債の額面金額と定義される。
金融負債の満期日構成
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有価証券報告書
2018 年12月31日現在の金融負債の額面金額には、ユーロ建て（10,050百万ユーロ）と米ドル建て（1,273百万
ユーロ）の金額が含まれる。金融債務の約30％は変動金利で保有され、その一部は金利スワップを使用し固定金利
から変動金利にスワップされたものである。
当社は、2019年11月に750百万ユーロのユーロ債を返済する予定である。加えて、当社はQualtricsに関する25億
ユーロの買収のためのタームローンのうち一部を返済する可能性があり、KfWからのプロモーショナル・ローン50
百万ユーロの最初のトランシェを返済する予定である。
金融負債
金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
キャッシュ・フローおよび流動性
グループ流動性
単位：百万ユーロ 2018 年度 2017 年度 変動
現金および現金同等物 8,627 4,011 4,617
短期投資 211 774 –563
グループ流動性 8,838 4,785 4,053
短期金融負債 –759 –1,299 540
純流動性1 8,080 3,486 4,594
長期金融負債 –10,572 –4,965 –5,607
純流動性2 –2,493 –1,479 –1,013
当社の連結財務書類に記載のとおり、グループ流動性は、現金および現金同等物（銀行預金、マネーマーケット
ファンド、および当初の満期が3ヶ月以内である定期預金等）および短期投資（その他の金融資産に含まれる定期
預金および債務証券のうち、当初の満期が3ヶ月超であり満期までの残余期間が1年未満の投資等）から構成されて
いる。2018年12月31日現在のグループ流動性は、主にユーロ建てと米ドル建てで構成された。当社の流動性に関す
る詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)を参照のこと。
グループ流動性合計が2017年度比で増加した原因は、主としてQualtricsの買収に係る借入による受取金および
当社の営業活動からの現金流入にある。これらは、買収、配当金支払、資本支出および借入の返済のための現金支
出に相殺された。
当社の損益報告書における現金、現金同等物、短期投資および当社の金融負債の影響に関する詳細は、「営業成
績（IFRS）」の項に記載する純財務収益の分析を参照のこと。
グループ流動性の変化
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有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書の分析
単位：百万ユーロ 変動 (％)
2018 年度 2017 年度
営業活動による純キャッシュ・フロー 4,303 5,045 –15
投資活動による純キャッシュ・フロー –3,066 –1,112 >100
財務活動による純キャッシュ・フロー 3,283 –3,406 <-100
2018 年度の営業活動からの現金流入額は、743百万ユーロ減の4,303百万ユーロであった（2017年度：5,045百万
ユーロ）。これは、特に法人所得税の支払が増加したこと、従業員のタイム・クレジットに関する保険料の支払が
前年度より増加したこと、および株式報酬が増加したこと（2018年度：10億ユーロ、2017年度：8億ユーロ）に起
因する。2018年度の当社の売掛金回収期間（days sales outstanding 、 DSO ）（請求書を発行後、顧客から現金を受
領するまでの平均日数）は、引き続き70日間であった（2017年度：70日間）。
2018 年度の投資活動による現金支出は3,066百万ユーロであった（2017年度:1,112百万ユーロ）。2017年度が291
百万ユーロであったのに対し、2018年度、当社は買収（主にCallidus）に関して合計2,140百万ユーロを支払っ
た。2018年度の無形資産および有形固定資産の購入に係る資本支出は183百万ユーロ増加し1,458百万ユーロとなっ
た。現在および予定している資本支出の詳細は、「資産」および「投資目標」の項を参照のこと。
2018 年度の財務活動による現金流入純額は、2017年度の現金支出純額が3,406百万ユーロであったのに対し、
3,283百万ユーロとなった。2018年度、当社はCallidusおよびQualtrics買収の資金調達ためのユーロ債を6,000百
万ユーロ、ならびに米ドル債を300百万米ドル発行した。現金支出は、1,150百万ユーロのユーロ債および150百万
米ドルの米国私募債を満期時に返済したことに起因する。2017年度の現金支出は、1,000百万ユーロのユーロ債を
返済したこと、および442.5百万米ドルの米国私募債を満期時に返済したことに起因する。
2018 年度の配当金支払額は1,671百万ユーロとなり、1株当たりの配当額が1.25ユーロから1.40ユーロに増加した
ことから、前年度の配当金支払額1,499百万ユーロを上回った。2017年度に当社は500百万ユーロの自社株買戻しを
行った（2018年度：0ユーロ）。
資産（IFRS）
連結財政状態計算書の分析
総資産は前年度比21％増の51,491百万ユーロとなった。
資産
2018 年度の流動資産合計は11,930百万ユーロから39％増加し16,620百万ユーロとなった。これは、主にユーロ債
の発行による現金流入に基づき現金および現金同等物が増加したことに起因する。
のれん、無形資産および有形固定資産に対する投資
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2018 年度の非流動資産合計は14％増の34,871百万ユーロとなった（前年度：30,554百万ユーロ）。当該変化の主
な要因として、主に外国為替関連の再評価およびCallidusの買収によるのれんの追加計上が挙げられる。
負債
単位：パーセント
2018 年度の流動負債はわずかに3％増加し10,481百万ユーロとなった（2017年度：10,210百万ユーロ）。
2018 年度の非流動負債合計は、80％増加し12,133百万ユーロとなった（前年度：6,759百万ユーロ）。これは、
CallidusおよびQualtrics買収の資金調達ためのユーロ債を発行したことに起因する。2018年度の当社の財務活動
に関する詳細は、「財務（IFRS）」の項を参照のこと。
株主資本比率（総資産に占める株主資本の比率）は56％に減少した（前年度：60％）。
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株主資本比率
現在進行中の主要な投資および売却
「第4 1 設備投資等の概要」を参照のこと。
競争力ある無形資産
現在および将来の当社の発展の基礎となる資産は、連結財務書類には表示されていない。これは、2018年度末の
（発行済株式総数に基づく）SAP SEの時価総額が1,068億ユーロであった（2017年度：1,148億ユーロ）のに対し、
連結財務書類上の当社株式の簿価が289億ユーロであったこと（2017年度：255億ユーロ）からも明らかである。こ
れは、当社株式の時価総額が簿価の4倍近くであることを意味する。上記差額は主として、適用される会計基準に
より、特定の内部創出無形資産を（全く、あるいは公正価値により）連結財務書類に記録することが認められない
ために発生するものである。このような無形資産には、顧客資本（顧客基盤および顧客関係）、従業員ならびにそ
の知識および技術、当社のパートナーのエコシステム、社内で開発したソフトウェア、当社の革新力、当社が築き
上げたブランド（特にSAPブランドそのもの）、ならびに当社の組織が含まれる。
2018 年12月31日現在、当社は発行済株式総数に基づく時価総額においてドイツで最も高い価値を有する企業と
なっている。
2018 年度中、当社のブランド価値は高い水準を維持した。Interbrandが発表する年次調査「Best Global
Brands 」によると、当社は世界で最も価値あるブランドの21位に位置付けられている（2017年：21位）。ドイツの
その他のブランドと比較すると、SAPブランドはメルセデスベンツとBMWに次いで第3位であり、テクノロジー業界
の他のブランドとの比較においては世界第9位を占めている。Interbrandによれば、SAPブランドの価値は前年度比
1％増の229億米ドルと算定されている（2017年度：226億米ドル）。BrandZに至っては、2018年度のBrandZによる
最も価値のある世界的ブランドランキングトップ100において、当社を世界で最も価値のあるブランドの17位と認
めた。当該ランキングは当社のブランド価値を前年度比23％増の550億米ドルと見積もっている。
当社の研究開発分野における過去および現在の投資の成果も、当社の競争力ある無形資産の重要な要素となって
いる。
当社の顧客資本は2018年度も成長を続けた。2018年度末現在、当社は様々な市場セグメントにおいて413,000以
上の顧客を有していた（2017年度：378,000）。当社は180を超える国において顧客にサービスを提供している。
当社の従業員基盤および当社独自のソフトウェアの価値は、従業員関連活動によって向上した。
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SAP SEの経済状態に関する報告
SAP SEは265の企業からなるSAPグループの親会社であり、ドイツ連邦共和国ヴァルドルフに本拠地を置く。SAP
SEはグループ持株会社であり、グループの、ドイツを拠点とする開発、サービスおよびサポートに関する担当人員
の大部分を雇用している。
SAP SEは、SAPソフトウェアの知的財産の大部分を所有しており、ソフトウェア・ライセンス料を主な収益源と
しているほか、グループ全体の研究開発費用の大部分を負担している。
SAP SEの年次財務書類は、会計指令転換法（BilRUG）に基づくドイツ商法およびドイツ株式会社法における報告
基準に準拠して作成されている。SAP SEの年次財務報告書の全文および非適格監査報告書は、公表およびドイツの
企業登記簿（Unternehmensregister）への記載のために、ドイツのオンライン連邦官報（Elektronischer
Bundesanzeiger）のオペレーターに提出される。これらの文書は、請求によりSAP SEから入手することができる。
利益
SAP SEの損益計算書は費用性質法に基づく分類を行っており、記載の単位は百万ユーロである。
SAP SE 損益計算書－ドイツ商法(縮約版)
単位：百万ユーロ 2018 年度 2017 年度
総収益 14,244 13,634
その他営業利益 1,073 1,074
サービスおよび原材料費用 –8,384 –8,079
人件費 –2,097 –2,035
減価償却費および減損費 –603 –295
その他営業費用 –2,246 –2,053
営業利益 1,987 2,246
財務利益 745 1,745
税引前利益 2,732 3,991
法人所得税 –788 –1,124
税引後利益 1,943 2,867
その他諸税 –13 –11
純利益 1,929 2,856
2018 年度のSAP SEの総収益は4％増の14,244百万ユーロとなった（2017年度：13,634百万ユーロ）。製品収益は
8％増の11,768百万ユーロとなった（2017年度：10,928百万ユーロ）。過年度同様、製品収益は主としてSAP SEの
子会社から支払われたライセンス料から得られた。
2018 年度のサービス収益は1％増の534百万ユーロ（2017年度：529百万ユーロ）となり、その他収益は11％減の
1,941百万ユーロ（2017年度：2,176百万ユーロ）となった。
SAP SEの営業利益は、12％減少し1,987百万ユーロとなった（2017年度：2,246百万ユーロ）。その他営業利益は
1百万ユーロ減少して1,073百万ユーロとなった（2017年度：1,074百万ユーロ）。SAP SEのサービスおよび原材料
費用は4％増の8,384百万ユーロとなった（2017年度：8,079百万ユーロ）。主にグループ内費用割当において受け
たサービスが増加したことにより、提供を受けたサービスは509百万ユーロ増の6,427百万ユーロ（2017年度：
5,918百万ユーロ）となった。グループ全体にて引き続き研究開発業務に対して投資を行ったこと、ならびに収益
および投資に関連するクラウド・サブスクリプションおよびサポート費用が増加したことが当該増加の主要因と
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なった。これはライセンスおよび引当金費用が10％減少し1,929百万ユーロとなった（2017年度：2,135百万ユー
ロ）ことにより一部相殺された。
SAP SEの人件費（主としてSAP SEが雇用するソフトウェア開発者、サービスおよびサポート従業員、ならびに事
務スタッフの人件費）は、3％増の2,097百万ユーロとなった（2017年度：2,035百万ユーロ）。減価償却費および
減損費は104％増加し、603百万ユーロ（2017年度：295百万ユーロ）となった。これは主に2017年度末にhybris事
業の譲渡の過程で取得した無形資産の減価償却費によるものであった。その他営業費用は、193百万ユーロ増の
2,246百万ユーロとなった（2017年度：2,053百万ユーロ）。当該増加は主に、66百万ユーロ増となった債権の評価
損および67百万ユーロ増となったレンタル費用に起因する。
財務利益は前年度比1,000百万ユーロ減の745百万ユーロとなった（2017年度：1,745百万ユーロ）。当該減少は
主に、関係会社への投資から得られる利益の減少736百万ユーロ、金融資産の評価損の増加245百万ユーロ、純受取
利息の減少79百万ユーロ、ならびにその他の証券および金融資産として保有される貸付金から得られる利益の減少
9百万ユーロに起因する。当該財務収益の減少は損益移転契約からの利益の増加69百万ユーロにより一部相殺され
た。
SAP SEの税引前利益は1,259百万ユーロ減の2,732百万ユーロとなった（2017年度：3,991百万ユーロ）。法人所
得税は336百万ユーロ減少し788百万ユーロとなった（2017年度：1,124百万ユーロ）。税引後当期純利益は前年度
比927百万ユーロ減の1,929百万ユーロとなった（2017年度：2,856百万ユーロ）。
資産および財政状態
2018 年度のSAP SEの総資産は41,324百万ユーロとなった（2017年度：34,770百万ユーロ）。
12 月31日現在のSAP SE バランスシート －ドイツ商法(縮約版)
単位：百万ユーロ
2018 年度 2017 年度
資産
無形資産 1,999 2,146
有形固定資産 1,495 1,282
金融資産 27,363 25,939
固定資産 30,857 29,367
棚卸資産 1 1
売掛金およびその他の資産 5,016 4,215
有価証券および流動資産 4,909 731
短期資産 9,926 4,947
前払費用および繰延費用 273 226
繰延税金 266 227
相殺による余剰金 2 3
資産合計 41,324 34,770
資本および負債
株主資本 16,452 16,171
引当金 1,711 1,671
負債 23,150 16,917
繰延利益 11 12
株主資本および負債合計 41,324 34,770
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有形固定資産は213百万ユーロ増加して1,495百万ユーロとなった（2017年度：1,282百万ユーロ）が、これは主
にITインフラストラクチャーの交換および購入ならびに新ビル建設に関係する。金融資産は、主に子会社への資本
拠出1,692百万ユーロ（このうち1,137百万ユーロがCallidusの買収に係るSAP America Inc.に対するものであ
る。）に起因して、前年度比1,424百万ユーロ増の27,363百万ユーロとなった（2017年度：25,939百万ユーロ）。
当該増加は関連会社への投資の評価損245百万ユーロにより一部相殺された。
売掛金およびその他の資産が801百万ユーロ増加した主たる要因は、関連会社に対する売掛金が734百万ユーロ増
加したことにある。
有価証券および流動資産は4,178百万ユーロ増加して4,909百万ユーロとなった（2017年度：731百万ユーロ）。
当該増加は、主にQualtricsの買収に係る借入による受取金によるものであった。
SAP SEの株主資本は2％増の16,452百万ユーロとなった（2017年度：16,171百万ユーロ）。2017年度の配当の支
払に関連して1,671百万ユーロの支出があったのに対し、2018年度の純利益により1,929百万ユーロ増加し、また従
業員に対する株式報酬を支払うための株式の発行により22百万ユーロの資金流入があった。株主資本比率（総資産
に対する株主資本の比率）は40％であった（2017年度：47％）。
引当金は、40百万ユーロ増の1,711百万ユーロとなった（2017年度：1,671百万ユーロ）。
その他の引当金は、主に商品およびサービスの未決済請求額に対する引当金がさらに増加したことにより78百万
ユーロ増加し1,128百万ユーロとなった（2017年度：1,050百万ユーロ）。対照的に、税金に対する引当金は40百万
ユーロ減少し、575百万ユーロとなった（2017年度：615百万ユーロ）。
負債は6,233百万ユーロ増加し23,150百万ユーロとなった（2017年度：16,917百万ユーロ）。この増加は、主に
SAP SEの資金調達および流動性の集中管理による子会社からの資金供与の増加、ならびにCallidusおよび
Qualtrics買収の資金調達ためにユーロ債を合計6,000百万ユーロ発行したことを原因として、主に関連会社に対す
る負債が1,266百万ユーロ増加したことによるものであった。この負債の増加は、社債の返済合計1,150百万ユーロ
により一部相殺された。
機会およびリスク
SAP SEは、実質的にSAPグループと同じ機会とリスクに直面している。詳細については、「第3 2 事業等のリス
ク」および「予想される動向」を参照のこと。
予測される動向
世界経済における将来の傾向
欧州中央銀行（ECB）は、世界的な経済活動は2019年において減速するが2021年の間は安定した状態を維持し、
2007年から2008年にかけての金融危機以前の成長率を下回る率で成長すると予想している。これがECBの2018年12
1）
月の経済報告 における要点である。先進経済は、徐々に衰えつつあるものの、あと数年は引き続き緩和的な金融
政策および財政状況の支援の恩恵を受ける可能性がある。しかし、新興市場における財政状況の引き締めは、これ
までよりはるかに世界的な活動に悪影響を与える可能性がある。とはいえ、2018年における金融市場の混乱の影響
を受けたこれらの新興市場が2019年には回復するとECBは予想している。
ヨーロッパ、中東およびアフリカ（EMEA）地域について、ECBはユーロ圏におけるGDP成長率に係る以前の見通し
をわずかに下方修正した。地理的要因、保護主義の脅威、および金融市場のボラティリティが当該地域の経済活動
を圧迫する可能性がある。しかし、ユーロ圏の短期的見通しは、英国のEU離脱の最終的な手法に大きく左右され
る。中央・東ヨーロッパ諸国については、力強い投資、堅調な消費者支出および労働市場の改善に支えられ短期的
にはGDP成長率は堅調であるが、中期的には活動は減速するとECBは予測している。ロシアでは、内需の改善に支え
られ2019年も引き続き景気が回復する可能性はあるが、原油価格の推移に大きく左右されることになる。
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南北アメリカ地域については、2019年、米国が減税および支出増を含む大規模な財政刺激策を提供し、その年の
経済活動の回復につながるが、その後低迷するとECBは予測する。また、米国・中国間の貿易摩擦が激化し、信用
や投資に悪影響を及ぼす可能性がある。ECBによると、2019年、労働市場の改善および継続的な金融措置により、
ブ ラジルにおける経済活動が加速する可能性がある。
アジア太平洋日本（APJ）地域について、日本における経済活動は緩和的な金融政策の恩恵を受けて短期的には
回復するとECBは予測する。しかしその後は、生産能力の限界に近づくため、日本における経済拡大のペースは再
度減速する可能性がある。中国に関しては、ECBは米国・中国間の貿易摩擦による強い影響を強調する。さらに、
中国の住宅市場が低迷する可能性があり、中期的には中国における拡大のペースは次第に落ち着き、結果として中
国経済は穏やかに減速し均衡を取り戻すとECBは予測する。
成長率については、国際通貨基金（IMF）が2019年末までの中期的視点において経済動向を以下のとおり予測し
ている。
経済動向―GDP成長率前年比
単位：％ 2017 年 2018 年p 2019 年p
世界 3.7 3.7 3.7
先進経済 2.3 2.4 2.1
発展途上・新興経済 4.7 4.7 4.7
ヨーロッパ、中東およびアフリカ(EMEA)
ユーロ圏 2.4 2.0 1.9
ドイツ 2.5 1.9 1.9
発展途上・新興ヨーロッパ 6.0 3.8 2.0
中東、北アフリカ、アフガニスタンおよびパキスタン 2.2 2.4 2.7
サハラ砂漠以南のアフリカ 2.7 3.1 3.8
南北アメリカ
米国 2.2 2.9 2.5
カナダ 3.0 2.1 2.0
中南米、カリブ海諸国 1.3 1.2 2.2
アジア太平洋日本(APJ)
日本 1.7 1.1 0.9
発展途上・新興アジア 6.5 6.5 6.3
中国 6.9 6.6 6.2
p ＝計画（projection）
出典：International Monetary Fund (IMF), World Economic Outlook October 2018, Challenges to Steady Growth
(https://www.imf.org/~/media/Files/Publications/WEO/2018/October/English/main-report/Text.ashx?la=en) 14頁
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IT 市場：2019年度以降の見通し
2)
米国を拠点とする市場調査会社Internatinal Data Corporation（IDC）はその最新の発表 において、デジタル
革新のペースおよびボリュームの拡大は今後3～5年のうちに急激に加速し、すべてのテクノロジーおよびあらゆる
規模の企業を巻き込むこととなると報告している。IDCによると、2022年までに世界のGDPの60％超がデジタル化さ
れ、2019年から2022年のIT関連支出は7兆米ドルにまで達する可能性がある。組織はその事業の一部をデジタル化
するにとどまらず、「デジタル・ネイティブ」なIT環境を構築するようになる。
IDC は、1年当たり平均13.6％成長中であり2022年には1.19兆米ドル規模（うち48.2％はアジア太平洋日本
（APJ）地域）に達する世界規模のモノのインターネット（IoT）市場が主要な市場の一つとなると見込んでいる
4)
。同時に、デバイスに対する支出割合が減少し、IoTプラットフォーム、分析およびアプリケーション・ソフト
ウェア、ならびに継続中のサービスに対して支出をする余地が生まれる。2022年までに支出割合としては最大の
25.1％をソフトウェアが占めるようになるとIDCは予測している。
3)
さらに、今後数年間に成長を遂げるもう一つのテクノロジーとして、IDCはブロックチェーンを挙げている 。
2021年までに世界のメーカーおよび小売業者の3分の1近くが、デジタルへの信用を構築し優れた業界内のバリュー
チェーンを確立するためにブロックチェーン技術を利用するようになり、これにより取引に係る費用は35％削減さ
れるとIDCは見込んでいる。
しかし、今後数年間において最も重要となる成長市場の一つは人工知能（AI）に係るテクノロジーおよびソ
リューションである。IDCによると、AIソリューションに対する企業の投資は1年当たり平均46.2％増加し2021年に
は520億米ドルを超える可能性がある。2020年には企業の80％においてビジネス・エコシステムのどこからでも
データをAIソリューションにアクセスさせることができるようになっている可能性がある。
AI ソリューションをさらに「エッジ」まで拡張することで、企業の競争力が強化され新たな収益源が生まれると
IDCは言う。2022年までに組織のクラウド・インフラストラクチャーの40％超に「インテリジェント・コア」を中
心に据えたエッジロケーションが含まれるようになる可能性がある。そうなればAIは携帯情報端末、携帯電話、
ウェアラブル、スイッチ、ドローン、テレビ、飛行機、監視カメラ、自動運転車およびスマートビルディングと
2)
いったエンドポイントのデバイスおよびシステムの25％を網羅できるようになる 。
出典：
1
欧州中央銀行、経済報告8/2018号、2018年12月27日発行
(http://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb201808.en.pdf)
2
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2019 Predictions, Doc #US44403818, 2018年10月付
3
IDC FutureScape: Worldwide Digital Transformation 2019 Predictions, Doc #US43647118, 2018 年10月付
▶
IDC Market Forecast: Worldwide Internet of Things Forecast, 2018-2022, 2018年9月付
地域別の増加率については、米国を拠点とする別のIT市場調査会社Gartnerが2019年末までの中期的視点におい
てIT消費増加率を以下のとおり予測している。
IT 市場の動向―前年比IT消費増加率
単位：％
2017 年e 2018 年p 2019 年p
為替変動を考慮しない
世界
IT 全体 3.7 3.1 3.2
ソフトウェア 9.7 8.5 8.5
サービス 4.1 4.5 4.7
ヨーロッパ、中東およびアフリカ(EMEA)
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IT 全体 2.9 2.2 2.0
ソフトウェア 9.0 7.9 7.8
サービス 3.7 4.2 4.5
南北アメリカ
IT 全体 3.0 2.9 3.4
ソフトウェア 10.1 8.4 8.4
サービス 4.1 4.5 4.7
アジア太平洋日本(APJ)
IT 全体 5.6 4.5 4.1
ソフトウェア 10.0 10.2 10.1
サービス 4.8 5.0 5.2
e ＝推定（estimate）、p＝計画（projection）
表は、Gartner Market Databook, 4Q18 更新版, #376398, 表2-1「Regional End-User Spending on IT Products and Services in
Constant U.S. Dollars, 2016 – 2022 (Millions of Dollars) 」に基づき当社が作成した。
本報告書におけるGartner Report（「Gartner報告書」）は、シンジケート契約サービスの一部としてGartner, Inc.
（「Gartner」）により公表される調査意見または見解を示すものであり、事実を提示するものではない。各Gartner報告書は
当該報告書の公表日（2018年度統合報告書の日付ではない。）時点の見解を述べており、Gartner報告書に示される意見は予告
なしに変更される場合がある。
当社への影響
2018 年度の業績は、当社の見事な弾性ならびに当社のイノベーション戦略および成長戦略によってもたらされて
いる事業の推進力を再び実証した。経済上および政治上の不安要素が絶えず変化する中、当社のビジネスモデル
は、より予測可能な収益の割合の高さを通じて持続的なキャッシュ・フローを確保する。当社は成長に対して変わ
らず強い野心を抱いており、クラウド、IoT、AI、機械学習およびブロックチェーンといった戦略的成長分野に引
き続き投資を行う。これらは、今後数年間のうちに顧客にとって重要かつ優先的な投資対象となることが見込まれ
る。加えて、Qualtricsの提供する「エクスペリエンス管理」と当社の「オペレーショナル・データ管理」を組み
合わせることに注力することにより、当社の対応可能な市場範囲は格段に広がる。
財務目標および展望
収益および営業利益の目標および展望（非IFRS）
2019 年度の見通し
当社は、2019年度について以下の見通しを示している。
・非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、33％から
39％増加し67億ユーロから70億ユーロの範囲内になると予想される（2018年度：50.3億ユーロ）。
・非IFRSクラウドおよびソフトウェア収益は、為替変動の影響を考慮しない場合、8.5％から10％増加し224億
ユーロから227億ユーロの範囲内になると予想される（2018年度：206.6億ユーロ）。
・非IFRS営業利益は、為替変動の影響を考慮しない場合、7.5％から11.5％増加し77億ユーロから80億ユーロの
範囲内になると予想される（2018年度：71.6億ユーロ）。
加えて当社は、営業利益をわずかに下回る程度の力強い成長率にて総収益が増加すると予想している。上記にお
いて説明されるクラウドおよびソフトウェア収益のうち、ソフトウェア・ライセンス収益については1桁台半ばの
減少が見られると予想される。
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当社の2019年度通年の業績見通しが為替変動を考慮しないものであるのに対し、実際の為替に基づく数値は年度
内の月日の経過とともに変動する為替の影響を受けるものと予想される。2019年度通年について予想される為替変
動については、以下の表を参照のこと。
単位：パーセント・ポイント 2019 年度
クラウド・サブスクリプションおよびサポート +1 パーセント・ポイントから+3パーセント・ポイント
クラウドおよびソフトウェア 0 パーセント・ポイントから+3パーセント・ポイント
営業利益 +1 パーセント・ポイントから+3パーセント・ポイント
当社は、報告対象セグメントにおいて利益を拡大できるよう努力を続けている。当社はすべての報告対象セグメ
ントにおいてセグメント別利益が増加すると見込んでいる。
以下の表は、当社の非IFRS財務指標とIFRS財務指標の差異の予測値を項目ごとに示している。
非IFRS指標
単位：百万ユーロ 2019 年度予測 2018 年度実績
収益調整 100–150 33
株式報酬費用 1,200–1,500 830
買収関連費用 750–900 577
リストラクチャリング費用 800–950 19
2019 年度中、当社は主要な戦略的成長分野に一層焦点を当てる。当社は、社内の構造および手続をさらに単純化
すること、ならびに組織の体制、スキルおよび資源配分のいずれもが変わりゆく顧客の需要に確実に応えるもので
あり続けるようにすることを目的に、2015年度以来となる全社的なリストラクチャリング・プログラムを実施す
る。リストラクチャリング費用は800百万ユーロから950百万ユーロとなると見積もられ、その大部分は2019年度の
第1四半期に計上される予定である。当該リストラクチャリング・プログラムの実施に伴い、2019年度は550百万
ユーロから750百万ユーロの資金流出が見込まれる。2020年度については、リストラクチャリングによるキャッ
シュ・フローへの影響は小さくなると当社は予想している。リストラクチャリング費用を除いた場合、当該プログ
ラムは、2019年度についてはわずかながらコスト面でプラスの影響をもたらし、2020年度については年間で750百
万ユーロから850百万ユーロのコストを削減し戦略的成長分野に対する投資の追加資金を生む。当該リストラク
チャリング・プログラムの下で概ね4,400名の従業員が当社を去ることとなると当社は見込んでいるが、当社は主
要な戦略的成長分野への投資を継続する。2019年度中の当社の従業員の増加ペースは2018年度と同等になると予想
され、その数は2019年度末までに100,000人を超える。当社の財務見通しおよび財務目標には、今後見込まれるコ
スト削減および再投資が完全に反映されている。
当社は2019年度通年の実効税率（IFRS）は26.5％から27.5％（2018年度：27.0％）、実効税率（非IFRS）は
26.0％から27.0％（2018年度：26.3％）になると予想する。
新会計基準であるIFRS第16号「リース」の影響
当社は2019年1月1日付でリース会計に係る新たなIFRS基準（IFRS第16号「リース」）を採用した。当社の2019年
度の利益、資産および負債、ならびにキャッシュ・フローは当該新方針の影響を受ける。IFRS第16号が当社の利益
に対して実際にもたらす影響は、当該基準の採用時に有効であったリース契約のみならず2019年度中に新たに締結
されまたは終了するリース契約にも左右される。IFRS第16号の採用に関する詳細ならびに当社の損益計算書、財政
状態計算書およびキャッシュ・フロー計算書に対して推定される影響については、連結財務諸表に対する注記
(IN.1)を参照のこと。
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提案されている配当金
当社は2019年度について、その合計が前年度の税引後利益の40％以上となるように配当を支払う予定である。こ
れはすなわち1株当たり1.50ユーロの配当となる（ただし、2019年5月の年次株主総会において株主の承認を得るこ
とを前提とする。）。詳細については、「財務業績：検討および分析」の項を参照のこと。
中期見通し
このセクションにおける数値は、すべて非IFRS指標のみに基づくものである。
当社は、堅実に営業利益を増加させながら、より予測可能な収益を拡大させたいと考えている。当社の戦略目標
は、特に成長、収益性、顧客ロイヤルティおよび従業員エンゲージメントという主要な財務・非財務目標に重点を
置いている。
2019 年度以降を見据え、当社は2018年7月に示したきりとなっていた2020年度目標を更新した。当該更新は、当
社のクラウドの着実かつ急速な成長、クラウドおよびソフトウェアの強い勢い、ならびに営業利益の拡大および
Qualtricsの買収を反映するものである。
現在当社は、2020年度の状況として以下を想定している。
・86億ユーロから91億ユーロの非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益（これまでの目標：82
億ユーロから87億ユーロ。2018年度：50.3億ユーロ）
・286億ユーロから292億ユーロの非IFRS総収益（これまでの目標：280億ユーロから290億ユーロ。2018年度：
247.4億ユーロ）
・85億ユーロから90億ユーロの非IFRS営業利益（変更なし。2018年度：71.6億ユーロ）
目標の更新後、2020年度に係る総収益および営業利益の範囲の中間値は、営業利益率が30.3％となることを示す
ようになった。当社は現在、2020年度以降には営業利益率がさらに増加すると見込んでいる。
当社はより予測可能な収益（クラウド・サブスクリプションおよびサポート収益とソフトウェア・サポート収益
の合計とする。）の占める割合は2020年度には70％から75％となると見込んでいる（2018年度：65％）。
2020 年度までに、当社のパブリック・クラウド製品によって生み出される収益がクラウド・サブスクリプション
およびサポート収益の半分強を占めるようになり、当社のビジネス・ネットワーク製品が40％をわずかに下回り次
点となると当社は見込んでいる。2020年度にはこれらの製品の生み出すクラウド・サブスクリプションおよびサ
ポート収益はそれぞれ、プライベート・クラウド製品の生み出すクラウド・サブスクリプションおよびサポート収
益を著しく上回ると見込まれる。
当社の2020年度までの収益増加の軌道は、継続的かつ力強いクラウドの成長およびソフトウェア・サポート収益
の継続的な成長によって描かれると当社は予想する。ソフトウェア収益は1桁台半ば程度の割合で減少すると当社
は見込んでいる。これらすべてにより、クラウドおよびソフトウェア収益は2020年度までに1桁台後半の成長を遂
げると見込まれる。
当社は、今後数年間の間にクラウド事業の収益性を大幅に改善するための努力もしている。2019年度には、過去
の効率性に基づいた投資からの利益、ひいてはクラウドの売上総利益率の増加が見られるようになると当社は見込
んでいる。当社はこうした収益性の改善が今後数年間のうちに加速すると予想している。
以下の中期目標を達成するため、当社の各クラウド・オペレーティング・モデルに係る個別の売上総利益率は今
後数年間、それぞれ異なる割合で増加し続けると当社は見込んでいる。
当社はビジネス・ネットワーク製品の売上総利益率は2020年度には80％を超えると予想している（2018年度：
78％）。
当社は、パブリック・クラウド製品の売上総利益率は2020年度に約70％（2018年度：60％）に達し、その後2年
間のうちに約80％まで拡大すると見込んでいる。
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これまで当社はプライベート・クラウド製品の売上総利益率は2020年度には約40％（2018年度：13％）に達する
と見込んでいた。現在、当社は当該売上総利益率は30％から35％の範囲内となると予想している。
当社はクラウドの売上総利益率は2020年度には約71％となると引き続き見込んでいる。
当社はソフトウェア・ライセンスおよびサポートの売上総利益率は2020年度も2018年度（2018年度：87％）と同
水準にとどまると予想している。
加えて、当社はサービスの売上総利益率が2020年度には2018年度（2018年度：23％）の水準をわずかに上回ると
見込んでいる。
2020 年度までに利益性を向上させることを追及する中で、当社のコスト率（総収益に対する費用の割合）は2020
年度までに次のように変化すると見込まれる。すなわち、研究開発については現在の水準を維持する。販売・マー
ケティングおよび一般管理費についてはわずかに減少すると見込まれている。
当社は2023年度目標も発表した。今後5年間のうちに当社は以下を達成できるものと見込んでいる。
・非IFRSクラウド・サブスクリプションおよびサポート収益を3倍以上にすること（2018年度：50.3億ユーロ）
・非IFRS総収益を350億ユーロ超まで増加させること（2018年度：247.4億ユーロ）
・非IFRS営業利益を7.5％から10％の年間成長率（CAGR）にて増加させること（2018年度：71.6億ユーロ）
・より予測可能な収益の割合を80％に近づけること
投資目標
2019 年度および2020年度の当社の投資支出（企業結合を除く。）は、主に本書の「資産（IFRS）」の項に記載す
る建設事業からなる。当社は、建設事業に係る投資額は2019年度について約359百万ユーロになると予想する。
データセンターの拡大は、2019年度に予定されている投資においても重要な側面となっている。加えて、当社は現
時点で想定される将来的な規模拡大に対応するため、オフィススペースの拡張も目指している。2020年度の建設事
業に係る投資額については、約400百万ユーロを見込んでいる。2019年度の資本的支出の合計額は、約15億ユーロ
になると見込まれる。2020年度の資本的支出は、2019年度と同水準となると予想される。
Qualtrics の買収は、規制当局その他の適用のある許認可を取得した上で、2019年1月23日に完了した。当社は
Qualtricsの株式の100％を1株当たり約35米ドルにて取得し、現金にて支払われた対価は約71億米ドルに相当す
る。現金による支払に加え、当社は引受けた株式報酬に関連する負債およびクロージング後の費用として約9億米
ドルを負担する。購入価格の支払の一部に充てるため、当社は2019年1月23日にQualtrics関連の25億ユーロの信用
枠を満額引き出した。当該信用枠の与信期間は3年であり、当社のフリー・キャッシュ・フローまたは資本市場に
おけるさらなる借換えによって柔軟に返済することができる。
Qualtrics の業績は、Qualtricsの買収に際して「顧客およびエクスペリエンス管理」に名称が変更された当社の
顧客エクスペリエンス部門の業績に反映される。
当該取引を除き、当社は2019年度および2020年度については大規模な買収を予定していない。当社が優先すべき
は、まずQualtricsの買収により生じた債務を返済することである。そのため、当社は買収先を吸収する小規模な
買収により補完をしつつ、本業の成長に焦点を当てるつもりである。
流動性目標および財政目標
2018 年12月31日現在の純流動性はマイナスであった。当社は、未使用の信用枠を組み合わせた当社の流動資産が
2019年度も営業・資金調達のニーズを充分に満たし、また予想される営業キャッシュ・フローとともに債務の返済
ならびに現在計画している短期的および中期的な設備投資要件を支えると考えている。
2019 年度については、リストラクチャリング（約550百万ユーロから750百万ユーロの増加）、株式報酬（主に
Qualtricsの影響により約300百万ユーロの増加）、および諸税（約300百万ユーロの増加）に係る資金流出は2018
年度と比較し増加すると当社は見込んでいる。対照的に、営業キャッシュ・フローについてはIFRS第16号による
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キャッシュ・フローの組替えの恩恵を300百万ユーロから400百万ユーロ受けると予想される。これらすべての影響
を考慮した場合、2019年度の営業キャッシュ・フローは概ね2018年度と同等になると当社は予想する。資本的支出
の 水準は変化しないにもかかわらず、（IFRS第16号に対応し定義が見直された）フリー・キャッシュ・フローはや
や減少すると見込まれる。2020年度には、主にリストラクチャリングに係る資金流出が減少しかつ運営事業が利益
を生むかたちで成長することにより、営業キャッシュ・フローおよびフリー・キャッシュ・フローの双方が前年度
比で大幅に増加すると当社は見込んでいる。
当社は、2019年11月に750百万ユーロのユーロ債について、払戻しを行う意向である。加えて、当社はQualtrics
の買収に係る25億ユーロのターム・ローンの一部を返済する可能性があり、またKfWとの50百万ユーロのプロモー
ショナル・ローンにつき最初のトランシェの払戻しも予定している。
2019 年度の非財務目標および2020年度に向けた意欲的な目標
財務目標に加え、当社は、2つの非財務目標、すなわち顧客ロイヤルティおよび従業員エンゲージメントにも尽
力している。
2019 年度から2020年度までの間、当社は従業員エンゲージメント指数を84％から86％とすることを目標としてい
る（2018年度：84％）。
当社は顧客ロイヤルティを顧客ネット・プロモーター・スコア（NPS）を使用して評価している。2019年度につ
いては、当社は顧客NPSを+1.0（2018年度：-5）とすることを目指しており、2020年度以降も着実に上昇させられ
るものと見込んでいる。
当社の見通しおよび展望の根拠となっている前提
当社の見通しおよび展望を作成するに当たり、当社は2018年度統合報告書の作成時点において既知であった、当
社の将来の事業に影響を及ぼしうるあらゆる事象を考慮した。Qualtricsの買収についても当社の見通しおよび展
望に反映されている。
SAP SEに関する見通し
SAP SEの主たる収益源は、子会社に対し、当社のソフトウェア・ソリューションを販売し保守する権利について
SAP SEが請求するライセンス料である。そのため、営業の観点から見たSAP SEの業績は、SAPグループのクラウド
およびソフトウェア収益と密接に結びついている。
SAP グループについて2019年度に予想される為替変動の影響を考慮しない非IFRSクラウドおよびソフトウェア収
益の増加によって、SAP SEの製品収益は為替変動を考慮しない場合6.5％から8.0％の範囲内で増加すると当社は見
込んでいる。
買収その他の特別な事由に係る特別な影響がないと仮定した場合、予告済の全社的なリストラクチャリング・プ
ログラムおよびSAP SEレベルで負担する予定のリストラクチャリング費用を背景として、SAP SEの営業利益もわず
かに減少すると見込まれる。
2020 年度から2023年度に係るSAPグループの財務目標は、収益および利益のさらなる増加をもたらすものであ
る。当該増加によって、SAP SEにも同程度の収益および利益の増加がもたらされると当社は予想している。
当社は、SAP SEが今後も子会社からの利益移転および配当の形で投資利益を得続けるものと考えている。当社が
SAPグループに期待する成長は、SAP SEの投資収益にプラスの効果をもたらすはずである。
流動性、財政、投資および配当金に関するSAPグループについての見通しは、SAP SEにも同様に当てはまるもの
である。
この見通しの基礎となっている前提には、経済およびSAPグループの業績予測に関する前述の事項が含まれる。
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外国為替変動に対するエクスポージャー
当社の報告通貨はユーロであるが、当社の事業の大部分はユーロ以外の通貨によって行われている。グループ企
業は通常その事業を各々の機能通貨で行っているため、進行中の通常業務における当社の為替相場変動リスクは、
重大なものではないと考えられている。ただし、当社は、時折、機能通貨以外の通貨で、外貨建債権、債務および
その他の金銭科目を発生させることがある。関連する外国為替相場変動リスクを軽減するために、これらの取引の
大半は、当社の連結財務諸表に対する注記(F.1)に記載のとおりヘッジされている。外貨に関する追加情報につい
ても、注記(F.1)を参照のこと。
2018 年度の総収益の約72％（2017年度：72％）は、ユーロ非加盟諸国における営業に起因するものであった。財
務報告のために当社は当該収益をユーロに換算した。ユーロの為替相場の変動は当社の総収益に対し、2018年度は
1,219百万ユーロの悪影響を、2017年度は301百万ユーロの悪影響を、2016年度は164百万ユーロの悪影響をもたら
した。
上記で述べた外国為替相場変動の影響は、現地通貨における当期の数値を前年同月の月平均の為替相場でユーロ
に換算することにより計算されている。「営業成績」の項に含まれる当社の収益に対する分析は、同様に計算され
た為替変動の影響につき折に触れて言及している。
オフバランスシート取引
複数のSAP企業が、オフィススペース、ハードウェア、車およびその他特定の機器に関するオペレーティング・
リース契約を締結している。当該取引は、オフバランスシート・ファイナンスの一形態として言及される場合があ
る。当該オペレーティング・リース契約に基づく賃借料は、下記に「約定債務」として記載されている。当社は、
既に開示されているものを除き、開示が求められる重要なオフバランスシート取引は存在しないと考えている。
約定債務
以下の表は、2018年12月31日現在の当社のオンバランスシートおよびオフバランスシートの約定債務を表してい
る。
期間別の支払期限
約定債務
単位：百万ユーロ 合計 1年未満 1年から3年 3年から5年 5年超
1)
金融負債
12,552 1,149 2,207 2,507 6,689
1)
デリバティブ金融負債
72 60 12 0 0
3)
オペレーティング・リース債務
1,442 351 494 261 336
3)
購入債務
2,133 827 792 498 17
3)
出資債務
187 187 0 0 0
2)
その他の長期非金融負債
501 0 343 16 142
合計 16,888 2,573 3,849 3,282 7,184
(1) 金融負債およびデリバティブ金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(E.3)および(F.1)を参照のこと。
(2) その他の長期非金融負債に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(B.3)、(B.5)および(G.2)を参照のこと。
(3) 出資債務、購入債務およびオペレーティング・リース債務については、連結財務諸表に対する注記(D.5)、(D.7)および
(G.3)を参照のこと。上表には、当社の年金およびその他の退職後給付制度に対する想定拠出額は含まれていない。かか
る拠出に関する詳細は、連結財務諸表に対する注記(B.4)を参照のこと。
当社は、当社の既存の現金、当社の営業活動によるキャッシュ・フローおよび当社の資金調達活動により、これ
らの約定債務を返済する予定である。上記約定債務の返済時期は、支払が定められている当該債務の支払スケ
ジュールに基づく。支払スケジュールの定められていないその他の債務については、最も可能性の高い現金支払時
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期の予測がなされている。これらの将来のキャッシュ・フローの最終的な支払時期は、当該予測と異なる場合があ
る。
補償および保証に基づく債務
一般的に、当社のソフトウェア・ライセンス契約およびクラウド・サブスクリプション契約には、当社のソフト
ウェア製品が第三者の知的財産権を侵害した場合に当該顧客の債務を補償する一定の条項が定められている。さら
に、当社は、所定のコンサルティング契約や開発に関する取引において、機能または性能保証を行う場合がある。
また、当社は、一般的に当社のソフトウェアに関し通常6ヶ月から12ヶ月間の保証を行っている。当社の製品保証
債務は、その他引当金に含まれる。その他引当金に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(A.4)、
(B.5)および(B.6)を参照のこと。債務および偶発債務に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記
(A.4)、(D.5)、(D.7)、(G.3)および(G.4)を参照のこと。
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４【経営上の重要な契約等】
買収
当社はその短期、中期および長期目標に向かって進むため、当社のソリューション・ポートフォリオの持続可能
な成長を確保する技術革新への投資に引き続き注力する。当社は引き続き、従業員の潜在的な才能を十分に引き出
し、革新を促進するために当社のエコシステムとの間に戦略的パートナーシップを形成する。さらに、 当社は当社
のソリューション提供を補完し、主要な戦略的市場を一層網羅するために、的を絞った買収を行う場合がある。
当社は2018年4月に、CallidusCloudの名で販売されているクラウド・ベースの顧客関係管理（CRM）ソリュー
ションを提供するCallidus Software Inc.を買収し、これにより当社およびその顧客には差別化されたクラウド・
ベースのCRMソリューションが提供されることとなった。これは当社がCRM市場の競争において指導的地位を得る支
えとなる。当社はCallidusCloudの商品をSAP Hybrisソリューションとともに顧客エクスペリエンス・ソリュー
ションのSAP C/4HANAパッケージに統合し、顧客エクスペリエンス部門の一部として計上している。Callidus
Software Inc.の買収に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(D.1)を参照のこと。
2018年11月に、当社は今日の経済における組織の成長を可能にするエクスペリエンス管理ソフトウェアの分野に
おける世界的パイオニアQualtrics International, Inc.を買収する意向を表明した。取引は2019年1月23日に完了
した。エクスペリエンス管理は、顧客、従業員、製品およびブランドに関する外からのフィードバックをリアルタ
イムで取得し、その価値を活用することに重点を置いている。エクスペリエンス経済の強化を目的に、当社と
Qualtricsは手を組みエクスペリエンス・データとオペレーショナル・データを組み合わせることで新たなエクス
ペリエンス管理部門に勢いをつけることを目指している。これにより、企業が顧客と関わる中で顧客、従業員、製
品およびブランドに関するエクスペリエンスを提供しかつこれらを絶えず改善し続けるための、他とは一線を画す
商品が生み出される。Qualtricsの業績は、2019年に行われたQualtricsの買収に際して「顧客およびエクスペリエ
ンス管理」に名称が変更された当社の顧客エクスペリエンス部門の業績に反映される。Qualtrics International,
Inc.の買収に関する詳細については、連結財務諸表に対する注記(G.9)を参照のこと。
Sapphire Ventures
当社は、本業の成長および買収に対する投資に加え、Sapphire Venturesが運用するベンチャー・キャピタル・
ファンドを通じて、業界トップの事業を築くことを目指す起業家を支援している。Sapphire Venturesは現在、35
億米ドル超を運用しており、5つの大陸で160社を超える企業に投資している。これには、成長段階のテクノロジー
企業および初期段階のベンチャー・キャピタル・ファンド等が含まれる。Sapphire Venturesは、専門性、人脈、
地理的にアクセス可能な範囲および資本の強化を通じて、企業の成長を促進する力となる機会を追求している。
Sapphire Venturesは、ヨーロッパ、イスラエルおよび米国の企業に特に重点を置いている。Sapphire Venturesを
通じたベンチャー企業への投資に加え、当社はSapphire Venturesによって運用される、企業向けソフトウェアの
スタートアップ企業に対する戦略的な早期投資に焦点を当てた特化型ファンドであるSAP.iOファンドを有してい
る。SAP.iOファンドの活動の一環として、当社は多様性および一体性の促進を目的にテクノロジー分野における少
数派グループに対して投資可能資産の最大40％を投資することにもコミットしてきた。これらの投資活動の一例と
して、テクノロジー分野に身を置く女性への投資が挙げられる。
５【研究開発活動】
研究開発への投資
当社のR&Dへの強いコミットメントは、当社の支出に反映されている（下図を参照のこと。）。
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2018 年度について、当社の営業費用合計に占めるR&D費用の割合を反映したIFRS R&D比率は、1.1パーセント・ポ
イント増加し19.1％（2017年度：18.0％）となった。当社の非IFRS R&D比率も前年度（2017年度：18.4％）と比較
し1.0パーセント・ポイント増加し19.4％となった。2018年度末時点で、開発業務における当社の正規職員相当
（FTE）数は27,060名であった（2017年度：24,872名）。FTEで算出した場合、当社のR&Dの従業員数は総従業員数
の28％を占めた（2017年度：28％）。
R&D 総費用には、当社の従業員に係る人件費のほか、当社の製品を納品および強化するために当社が協力を受け
るプロバイダーおよび提携先による業務およびサービスの外部費用も含まれている。当社はさらに、下記事項のた
めの外部費用も負担している。
・ 製品の翻訳、ローカライゼーションおよび検査
・ 様々な市場における製品の認証の取得
・ 弁理士のサービスおよび報酬
・ 当社の製品戦略に関するコンサルティング
・ 当社のR&D従業員の専門能力開発
特許
当社は革新および機密情報等の知的財産の保護に積極的に取り組んでいる。当社のソフトウェアの革新により、
当社は引き続きビジネス・ソリューションおよびサービスにおけるリーダーとしての市場での地位を強化してい
る。当社はR&Dに投資したことにより、多数の特許を生み出した。2018年12月31日現在、当社は世界各地に合計
9,542件超の有効な特許を有している。そのうち700件は2018年度に取得し、有効となったものである。
当社の知的財産は当社の成功にとり重要なものであるが、当社は当社の事業全体が特定の特許またはその集合体
に依存しているとは考えていない。
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第４【設備の状況】
１【設備投資等の概要】
現在進行中の主要な投資および売却
当社は、2018年度中、様々な建設プロジェクトを継続し、また様々な場所で新たな建設活動を開始した。当社
は、一部の資金をプロモーショナル・ローンにより調達しているヴァルドルフの新しいオフィスビル一棟を除き、
これらすべてのプロジェクトを営業キャッシュ・フローにより賄う予定である。このうち最も重要な当社のプロ
ジェクトは以下のとおりである。
建設プロジェクト
単位：百万ユーロ
国 施設所在地 概要 予定費用 2018 年12月 完成予定
総額 31 日までに
負担した費用
ドイツ ヴァルドルフ 約450名の従業員を収容する 2019 年1月
新たなオフィスビル 38 27
ドイツ ザンクト・レオン＝ 約450名の従業員を収容する 2019 年4月
ロート 新たなオフィスビル 38 24
ドイツ ヴァルドルフ 約700名の従業員を収容する 2019 年2月
新たなオフィスビル 74 66
ドイツ ヴァルドルフ 新たなデータセンター第2段階 52 34 2019 年7月
ブラジル サン・レオポルド 約700名の従業員を収容する 2020 年12月
新たなオフィスビル 33 2
ブルガリア ソフィア 約1,200名の従業員を収容する 2021 年9月
新たなオフィスビル 46 0
ドイツ ミュンヘン 約850名の従業員を収容する 2021 年12月
新たなオフィスビル 100 0
インド バンガロール 約4,000名の従業員を収容する 2022 年12月
新たなオフィスビル 97 13
予定している投資支出に関する詳細は、「投資目標」を参照のこと。報告年度中に重要な売却はなかった。
過去3年間の主要な投資および売却
2018年度の当社の有形固定資産に対する主な投資（企業結合を除く。）は合計1,302百万ユーロ（2017年度：
1,196百万ユーロ、2016年度：933百万ユーロ）となった。2018年度の有形固定資産に対する主な投資は、2017年度
と比較して増加したが、これは主にITインフラストラクチャー（データセンター等）の交換および購入ならびに新
たなビルの建設によるものであった。2016年度から2017年度の増加は、主に、ITインフラストラクチャー（データ
センター等）の交換および購入によるものであった。
取得技術および顧客関係等の無形資産に対する当社の投資は、2017年度の227百万ユーロ（2016年度：158百万
ユーロ）から、2018年度は791百万ユーロになった。のれんに割り当てられた当社の投資は、2017年度の205百万
ユーロ（2016年度：57百万ユーロ）から、2018年度は1,609百万ユーロに増加した。2018年度における増加は、主
にCallidusの買収に起因するものである（追加情報については、注記(D.1)を参照のこと。）。2017年度における
これらの増加は、2016年度に行われた複数の小規模買収よりも多額ののれんを計上させた買収1件によるものであ
る。買収に関連する投資の詳細については、当社の連結財務諸表に対する注記(D.2)および(D.3)を参照のこと。
当社が営業を行う主要な市場の詳細（最近3年間の総収益の業種別および地域別の内訳を含む。）については、
本書の「営業成績（IFRS）」の項を参照のこと。
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２【主要な設備の状況】
当社の本社は、ドイツ、ヴァルドルフに位置し、約465,000平方メートルのオフィスおよびデータセンター・ス
ペース（隣接するザンクト・レオン・ロットの当社の設備を含む。）を所有し、占有している。当社はまた、ドイ
ツのその他様々な場所にオフィススペースを所有・賃借しており、その合計は約160,000平方メートルになる。世
界約70ヶ国において、当社は、およそ1,870,000平方メートルを占有している。ドイツの本社を除くほとんどの場
所は、賃借している。当社はまた、ニュータウン・スクエアおよびパロ・アルト（米国）、バンガロール（イン
ド）、サン・レオポルド（ブラジル）、ロンドン（英国）、ラアナナ（イスラエル）、コロラド・スプリングス
（米国）ならびにドイツ国内外のその他数ヶ所において不動産を所有している。
当社が占有するオフィスおよびデータセンター・スペースには、EMEA地域の約380,000平方メートル（ドイツを
除く。）、北およびラテンアメリカ地域の約430,000平方メートルならびにAPJ地域の約435,000平方メートルが含
まれる。
これらのスペースは、研究開発、当社のデータセンター、顧客支援、販売・マーケティング、コンサルティン
グ、研修、管理ならびにメッセージングを含む様々な会社機能のために利用されている。当社のすべての設備は、
実質的に十分に活用または転貸されている。地理的地域ごとの非流動資産に関する説明は、当社の連結財務諸表に
対する注記(D.6)を参照のこと。また、当社の地域ごとの作業空間の生産能力を概算するには、機能エリアおよび
地理的地域ごとの当社の正規職員相当従業員数を記載した「第2 5 従業員の状況」を参照のこと。
当社は、当社の設備が良好な運営状態にあり、当社の現在の使用方法に適していると考える。当社の財産には何
らの重大な負担も付されていない。当社は、当社の重要な資産の使用に影響を及ぼしうるいかなる環境問題による
制限もないと考えている。当社は現在、将来の事業拡大能力を高めるため、様々な場所で建設活動に着手してい
る。当社の重要な建設活動は、上記「現在進行中の主要な投資および売却」に記載のとおりである。
３【設備の新設、除却等の計画】
「第3 3 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
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第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
（2018年12月31日現在）
(*)
未発行株式数 ( 株 )
授権株数(株) 発行済株式総数 ( 株 )
1,728,504,232 1,228,504,232 500,000,000
(*) 定款に規定する授権資本IおよびIIの合計。この数値に、新株予約権は含まれていない。
②【発行済株式】
（2018年12月31日現在）
記名・無記名の別及び額 上場金融商品取引所名又は
種 類 発行数(株) 内 容
面・無額面の別
登録認可金融商品取引業協会名
シュトゥットガルト証券取引所
フランクフルト証券取引所
完全議決権株式であ
ハンブルグ証券取引所
り、権利内容に何ら
無記名式無額面株式 普通株式 1,228,504,232 ミュンヘン証券取引所
限定のない標準とな
デュッセルドルフ証券取引所
る株式
ベルリン証券取引所
ハノーバー証券取引所
計 － 1,228,504,232 － －
(1) 株式はすべて口座振替方式により記録および取引され、株券は発行されない。
(2) アメリカ合衆国では、当社の株式は、米国預託証券（ADR）の形式でニューヨーク証券取引所に上場されている。
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当なし。
（３）【発行済株式総数および資本金の推移】
（2018年12月31日現在）
発行済株式総数 ( 株 ) 資本金(ユーロ)(括弧内は円)
商業登記年月日 摘 要
増減数 残高数 増減額 残 高
1,228,504,232
2013 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(149,558,105,204)
1,228,504,232
2014 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(149,558,105,204)
1,228,504,232
2015 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(149,558,105,204)
1,228,504,232
2016 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(149,558,105,204)
1,228,504,232
2017 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(149,558,105,204)
1,228,504,232
2018 年12月31日 - 1,228,504,232 - 状況
(149,558,105,204)
（４）【所有者別状況】
（2018年12月31日現在）
個人 法人、ブローカー、商会 その他 計
(*) (*) (*)
株主数(人) 該当なし 該当なし - 該当なし
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(*) (*)
所有株式数 該当なし 該当なし - 1,228,504,232
所有株式数の割合
(*) (*)
該当なし 該当なし - 100.0 ％
(％)
(*) 当社 の株式は無記名式であるため、株主数を把握することができない。
（５）【大株主の状況】
SAP SEの株式資本は、無記名の形でのみ発行される普通株式で構成される。そのため、SAP SEには原則として、
株主を特定し、または特定の株主の保有株式数を判断する手段がない。SAP SEの普通株式は、米国においては、
ADRの形式で取引される。現在、各ADRは、SAP SEの普通株式1株に相当する。2019年2月8日現在、預託機関により
提供された情報によると、記録上、60,474,033個のADRが、816名の登録された保有者により保有されている。かか
るADRを基礎付ける普通株式は、当該時点における発行済普通株式（自己株式を含む。）の4.92％に相当した。SAP
SEは、無記名式普通株式のみ発行しているため、米国に住所を有する個人が直接保有する普通株式数を判断するこ
とはできない。
以下の表は、2019年2月8日現在、(ⅰ)SAP SEが知る発行済普通株式の5％以上を実質的に保有する各個人または
グループ、および(ⅱ)本人からSAP SEに対して報告のあった、監査役会の役員であるすべての個人ならびに取締役
会の役員であるすべての個人およびグループの実質所有権について、当社が認識している範囲内の普通株式の実質
所有権に関する情報が記載されたものである。SAP SE株式の性質に鑑みて把握できる範囲内では、過去3年間にお
いて、大株主が所有する所有権の割合に著しい変動はなかった。大株主は、いずれも特別議決権を有しない。
（2019年2月8日現在）
発行済株式総数
所有株式数
氏名又は名称 住 所 に対する
( 株)
所有株式数の割合
ディートマ・ホップ(Dietmar
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
67,864,344 5.524 ％
(1)
Hopp)(合計)
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
監査役会議長、ハッソ・プ
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
ラットナー(Hasso Plattner)
77,226,053 6.286 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
(2)
(合計)
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
取締役会構成員全体(9名) 60,214 0.005 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
監査役会構成員全体(18名) 77,242,795 6.288 ％
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
取締役会構成員および監査役
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
77,303,009 6.292 ％
(3)
会構成員全体(27名)
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
取締役会構成員および監査役
会構成員が所有する2019年2
ドイツ連邦共和国、ヴァルドルフ
月8日から60日以内に付与・ 0 該当なし
69190、ディートマ・ホップ・アレー16
行使されるオプションおよび
転換社債(合計)
(4)
BlackRock, Inc.
米国、デラウェア州、ウィルミントン 73,937,685 6.019 ％
合 計 － 219,105,038 17.835 ％
(1) 上記の情報は、ディートマ・ホップならびにその他の関係者および関連会社が2019年2月13日に提出したスケジュール13G
に基づいている。
(2) ハッソ・プラットナーが単独の議決権および処分権を行使するHP Endowment GmbH & Co. KGおよびHasso Plattner
Single Asset KGを含む。
(3) 当社は、ハッソ・プラトナーを除く監査役会および取締役会の各構成員は、2019年2月8日現在、いずれも SAP SE 普通株式
の1％未満を実質的に保有するのみであると考えている。
(4) ドイツ法の定めるところにより、BlackRock, Inc.は当社に対し、5％を超える当社の発行済株式を保有している旨通知し
た。BlackRock, Inc.は2019年2月8日現在の保有株式数を当社に通知する必要はなく、かかる情報を提供していない。上
記の情報は、BlackRock, Inc.が2019年2月6日に提出したスケジュール13Gに基づいている。
当社は現時点において、後日当社の支配権に変更を生ずるような合意の存在を一切認識していない。
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２【配当政策】
配当金配当政策
配当は、年次株主総会の承認を条件として、SAP SEの年度末単体財務書類に基づき、SAP SEの監査役会
（ Aufsichtsrat ）および取締役会（ Vorstand ）により共同で提示される。配当は、SAP SEの年次株主総会において
その前年度分が正式に公表される。SAP SEの年次株主総会は、通常、各年度の第2四半期に開催される。配当は、
年次株主総会の3営業日後に株主のためにカストディアン銀行に送金される。配当基準日におけるADRの登録所有者
は、配当が公表された年度について、その公表された配当に係る支払を受ける権利を有する。当該保有者に支払わ
れるべき現金配当は、ユーロ建てで預託機関に支払われ、一定の例外はあるものの、預託機関によって米ドルに転
換される。
ADR の所有者に対して支払われる配当は、ドイツにおける源泉徴収税の対象となる可能性がある。
支払済の年間配当金
以下の 表は、各年度において普通株式 1 株当たりに対して支払われた年間配当金をユーロにて記載したものであ
る。現在、当社の各 ADR は、 SAP SE の普通株式 1 株に相当する。したがって、各 ADR の最終配当金は SAP SE の普通株
式 1 株当たりの配当金に相当し、ユーロ・米ドルの換算レートにより決定する。 以下の 表は、配当支払を受領する
ドイツの納税者が利用可能な税額控除を反映していない。
12 月31日に終了する年度 普通株式1株当たりに支払われた配当金(ユーロ)
2014 年度 1.10
2015 年度 1.15
2016 年度 1.25
2017 年度 1.40
(1)
2018 年度 1.50
(1) 配当支払は、2019年5月15日に開催されたSAP SEの年次株主総会において承認された。
普通株式における配当の金額は、SAP SEにより分配される利益の金額により決定されるが、これは当社の財務業
績次第という部分がある。加えて、ADRの保有者が受領する配当の金額は、換算レートの変動により影響を受ける
可能性がある。将来の配当の時期、宣言、金額および支払は、SAP SEの将来の収益、資金需要および他の関連のあ
る要素の影響を受けるが、いずれの場合もSAP SEの取締役会および監査役会により提案され、年次株主総会により
承認される。
３【株価の推移】
以下の表は、下記に示す期間について、ドイツ株価指数（DAX）の最高および最低終値とともにフランクフルト
証券取引所のXetra取引システムにおける普通株式の最高および最低売値（終値）を表示し、またNYSEにおけるADR
の最高および最低売値（終値）を表示している（ロイター提供の情報による。）。
（１）【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
(1)
普通株式1株当たりの価格 DAX 1ADR 当たりの価格
最高 最低 最高 最低 最高 最低
( ユーロ)
( ポイント) ( 米ドル)
( 括弧内は円)
事業年度別
最高および最低
2014 年度 62.55 50.90
10,087.12 8,571.95 85.45 64.14
(7,614.84) (6,196.57)
2015 年度 74.85 54.53
12,374.73 9,427.64 80.91 63.37
(9,112.24) (6,638.48)
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2016 年度 82.81 64.90
11,481.06 8,752.87 92.36 72.02
(10,081.29) (7,900.93)
2017 年度 100.35 82.43
13,478.86 11,509.84 116.45 86.30
(12,216.61) (10,035.03)
2018 年度 107.80 82.47
13,559.60 10,381.51 126.61 95.00
(13,123.57) (10,039.90)
四半期別
最高および最低
2017 年度 91.98 82.43
12,312.87 11,509.84 98.46 86.30
第1四半期 (11,197.65) (10,035.03)
第2四半期 96.10 90.36
12,888.95 12,000.44 108.59 96.18
(11,699.21) (11,000.43)
第3四半期 92.69 87.14
12,828.86 11,945.88 110.33 102.71
(11,284.08) (10,608.42)
第4四半期 100.35 93.17
13,478.86 12,861.49 116.45 110.10
(12,216.61) (11,342.52)
2018 年度 96.44 82.47
13,559.60 11,787.26 116.33 101.66
第1四半期 (11,740.61) (10,039.90)
第2四半期 104.30 84.06
13,169.92 11,957.90 121.38 103.29
(12,697.48) (10,233.46)
第3四半期 107.80 97.81
12,860.40 11,955.25 126.61 112.86
(13,123.57) (11,907.39)
第4四半期 106.68 85.79
12,339.03 10,381.51 123.27 95.00
(12,987.22) (10,444.07)
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（２）【当該事業年度中最近6ヶ月間の月別最高・最低株価】
(1)
普通株式1株当たりの価格 DAX 1ADR 当たりの価格
最高 最低 最高 最低 最高 最低
( ユーロ)
( ポイント) ( 米ドル)
( 括弧内は円)
月別最高および最低
2018 年
7月 104.68 97.81
12,860.40 12,238.17 121.96 115.18
(12,743.74) (11,907.39)
8月 104.70 98.65
12,737.05 12,163.01 122.21 112.86
(12,746.18) (12,009.65)
9月 107.80 98.76
12,435.59 11,955.25 126.61 115.33
(13,123.57) (12,023.04)
10月 106.68 91.68
12,339.03 11,191.63 123.27 103.37
(12,987.22) (11,161.12)
11月 95.17 88.04
11,579.10 11,066.41 109.49 99.98
(11,586.00) (10,717.99)
12月 92.51
85.79
11,465.46 10,381.51 105.29 95.00
(10,444.07)
(11,262.17)
93.10 84.31
2019 年
11,281.79 10,416.66 106.94 95.46
1月
(11,333.99) (10,263.90)
2月(2019年2月8日まで) 92.91 90.79
11,367.98 10,906.78 106.27 103.46
(11,310.86) (11,052.77)
(1) DAXは、継続的に更新される、ドイツの優良株会社30社の資本加重型業績指数である。原則として、DAXに含まれる株式
は、その証券取引所における出来高および発行会社の浮動株時価総額に基づき選択される。DAXに対する調整は、資本変
動、新株予約権および配当について行われる。
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４【役員の状況】
(1) 当社の取締役および取締役会役員
取締役会 （本書日付現在）
取締役会は、男性6名および女性2名で構成されている（女性役員の比率は25％である。）。
任期が
初めて
＊
氏 名
役職 生年月日 経歴
選任された年
満了する年
ビル・マクダーモット
最高経営責任者
1961 年
(1) 2008 2021
(Bill McDermott) 8 月18日
( CEO )
アデア・フォックス・マルティン
グローバル顧客営業 1964 年
(2) 2017 2020
(Adaire Fox-Martin)
代表 6 月11日
クリスチャン・クライン
1980 年
最高執行責任者 (3) 2018 2021
(Christian Klein)
6 月4日
ミヒャエル・クライネマイヤー
SAP デジタル・ビジネ 1957 年
(4) 2015 2020
(Michael Kleinemeier)
ス・サービス 3 月13日
ジェニファー・モルガン
クラウド事業 1971 年
(5) 2017 2020
(Jennifer Morgan)
グループ代表 3 月13日
ルカ・ムシッチ
1971 年
最高財務責任者(CFO) (6) 2014 2021
(Luka Mucic)
9 月10日
ユルゲン・ミュラー
1982 年
最高技術責任者 (7) 2019 2022
(Jürgen Müller)
▶ 月22日
ステファン・ライズ
1966 年
最高人事責任者 (8) 2016 2024
(Stefan Ries)
3 月31日
＊ 2019年2月20日にベルント・ロイケルトと監査役会は、ベルント・ロイケルトが当社を退社することおよび同日付で同氏が
取締役会の構成員でなくなることにつき相互に合意した。2019年4月5日付でロバート・エンスリンはSAP SEの取締役会の
構成員を辞任した。
(1) CEO（Vorstandssprecher）であるビル・マクダーモットは、57歳であり、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にて
経営管理学の修士号を取得している。2002年に当社に入社し、2008年7月1日に取締役会の構成員となった。2010年2月7
日、同氏はジム・ハガマン・スナーべとともに共同CEOとなり、ジム・ハガマン・スナーべが2014年5月に当時の共同CEO
としての役目を終えた時点において、ビル・マクダーモットは単独のCEOとなった。CEOとしての任務とは別に、同氏は戦
略、ガバナンス、デジタル管理、事業開発、コーポレート・ディベロップメント、グローバル・コーポレート案件、法人
監査およびグローバル・マーケティングの責任者を務める。同氏は、欧州CEO円卓会議、米国経済協議会および世界経済
フォーラムにおいて、その一員である当社を代表している。当社に入社する前、同氏は複数のテクノロジー企業において
グローバル役員を務めていた。
(2) アデア・フォックス・マルティンは、55歳であり、アイルランドのトリニティ・カレッジの卒業生である。2008年に当社
に入社し、2017年に取締役会の構成員となった。グローバル顧客営業の代表として、同氏は世界各地における当社の顧客
営業の責任者を務めている。当社に入社する前、アデア・フォックス・マルティンはOracle Corporationにおいてアジア
太平洋日本の公共部門の代表者を務めていた。
(3) クリスチャン・クラインは、39歳であり、ドイツのマンハイムに所在する産学協同教育大学にて国際経営管理学の学位を
取得している。1999年に当社に入社し、2018年に取締役会の構成員となった。クリスチャンは当社の最高執行責任者
（COO）であり、インテリジェント・エンタープライズ・グループ委員会を率いている。同氏は、当社の中核的アプリ
ケーションの世界規模での開発および販売、グローバル・ビジネス営業、ITサービスならびにクラウド・インフラストラ
クチャーの責任者を務めている。
(4) ミヒャエル・クライネマイヤーは、62歳であり、ドイツのパーダーボルン大学において商業マネジメントの学位を取得し
ている。同氏は1989年に当社に入社し、2015年11月に取締役会の構成員となった。同氏は、グローバル・サービス提供お
よび地域別フィールド・サービスを含むSAPデジタル・ビジネス・サービス組織を率いている。
(5) ジェニファー・モルガンは、48歳であり、米国バージニア州ハリソンバーグのジェームズ・マディソン大学の卒業生であ
る。2004年に当社に入社し、2017年に取締役会の構成員となった。クラウド事業グループの代表として、同氏はSAP
Ariba、SAP Concur、SAP Fieldglass、SAP SucessFactors、SAP C4/HANA、SAP顧客エクスペリエンスおよびQualtricsを
含む、当社のクラウドに係るライン・オブ・ビジネスの責任者を務めている。当社に入社する前、ジェニファー・モルガ
ンはSiebel SystemsおよびAccentureにおいて様々な管理職に就いていた。
(6) ルカ・ムシッチは、47歳であり、ドイツのハイデルベルク大学において法学の修士号を取得しており、またフランスの
ESSECおよびドイツのマンハイム・ビジネス・スクールにおいて共同エグゼクティブMBAを取得している。同氏は、1996年
に当社に入社し、2014年7月に最高財務責任者（CFO）および取締役会の構成員となった。同氏は、投資家向け広報活動、
データ保護およびプライバシーならびにグローバル・セキュリティーを含む、財務および管理の責任者を務める。
(7) ユルゲン・ミュラーは、37歳であり、ドイツのポツダム大学にあるソフトウェア工学専門のハッソ・プラットナー・イン
スティテュート（HPI）においてビジネス情報科学の博士号を取得している。同氏は2013年に当社に入社し、2019年に取
締役会の構成員となった。ユルゲンは当社の最高技術責任者（CTO）であり、技術・革新委員会を率いている。同氏は技
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術および革新に係る戦略、SAP HANA、SAPクラウド・プラットフォーム、SAPレオナルドおよびSAPアナリティクスの責任
者である。当社に入社する前、ユルゲンはHPIにおいてハッソ・プラットナーのリサーチ・チェアの共同代表を務めてい
た。
(8) ステファン ・ライズは、53歳であり、ドイツのコンスタンツ大学において経済学の修士号を取得している。同氏は、2002
年に当社に入社し、2016年4月に取締役会の構成員となった。同氏は、人事戦略、事業変革、リーダーシップ育成および
才能育成を含む世界各地の人事に対し責任を負う、最高人事責任者である。また同氏は労働関係担当取締役も務めてい
る。
2018 年12月31日現在、ドイツその他の国において、当社以外の企業の他の監査役会または同等の統治機関のメン
バーを務めるSAP SEの取締役会の構成員は、当社の連結財務諸表に対する注記(G.5)に記載されている。SAP SE
は、年金、早期退職の場合に支払われるべき手当、および契約終了後の競業禁止期間に係る抑止報酬の他には、取
締役会の構成員との間で、役員の業務雇用終了時の手当に関する契約を締結していない。
当社の知る限り、監査役会および取締役会の構成員の間に家族関係はない。
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監査役会 （本書日付現在）
監査役会は、男性9名および女性9名で構成されている（女性役員の比率は50％である。）。
初めて選任 任期が満了
役職 氏 名 生年月日
された年 する年
ハッソ・プラットナー博士、議長
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso
監査役会議長 1944 年1月21日 2003 2022
(1)(4)(7)(8)
Plattner)
マルグレート・クライン・メイ
従業員、SAP OB・OG関係担当副社
ガー、副議長(Margret Klein-
1964 年9月5日 2012 2024
長
(2)(4)(5)
Magar)
ペッカ・アラ・ピエティラ
Huhtamäki Oyj の取締役会議長
1957 年1月13日 2002 2022
(1)(4)(8)(9)
(Pekka Ala-Pietilä)
従業員、サポート専門家、SAP SE
パナギオティス・ビシリタス
労使協議会およびSAP SE労使協議 1968 年8月31日 2007 2024
(2)(4)(5)(6)
(Panagiotis Bissiritsas)
会(ヨーロッパ)会員
アイチャ・エバンズ
Zoox, Inc.の最高経営責任者およ
1969 年3月2日 2017 2024
(1)(4)(7)(9)
(Aicha Evans)
び取締役会構成員
ダイアン・グリーン
Alphabet, Inc.の取締役会構成員
1955 年6月9日 2018 2023
(1)(7)(8)
(Diane Greene)
ゲッシェ・ユースト博士
ベルリン芸術大学デザイン・リ
1974 年11月30日 2015 2023
(1)(7)(9)
(Prof. Dr. Gesche Joost)
サーチ研究室教授および室長
モニカ・コヴァーチカ・ディミト
従業員、チーフ・プロジェクト・
ローヴァ
マネージャー、SAP SE労使協議会
1975 年10月29日 2019 2024
(2)(7)
(Monika Kovachka-Dimitrova)
(ヨーロッパ)会員
(9)
ラース・ラマデ
従業員、欧州・アジアのスポン
1971 年4月6日 2002 2024
(2)(4)(7)
(Lars Lamadé)
サーシップ担当代表
ベルナルド・リオトー
Balderton Capitalのマネージン
1962 年6月17日 2008 2023
(1)(4)(7)(8)
(Bernard Liautaud)
グ・パートナー
ゲラルド・オズワルド
Oswald Consulting GmbHのマネー
1953 年6月20日 2018 2024
(1)(5)(6)(7)(9)
(Gerhard Oswald)
ジング・ディレクター
従業員、ユーザー・エクスペリエ
クリスティーネ・レギッツ
ンス担当副社長、製品専門家チー 1966 年3月15日 2015 2024
(2)(6)(7)
(Christine Regitz)
フ
Merck KgaA のグループ一般理事会
フリーデリーケ・ローチュ博士
1972 年10月31日 2018 2024
構成員およびグループ法務・コン
(1)(5)(6)
(Dr. Friederike Rotsch)
プライアンス責任者
従業員、シニア・オペレーショ
ハイケ・ステック
ン・マネージャー、SAP SE労使協
1961 年3月7日 2019 2024
(2)(7)(9)
(Heike Steck)
議会およびSAP SE労使協議会
(ヨーロッパ)会員
従業員、SAP SE労使協議会および クリスタ・ヴェルジェーン・クノッ
プフ
SAP SE労使協議会(ヨーロッパ)会 1961 年12月8日 2019 2024
(2)(7)(9)
(Christa Vergien-Knopf)
員
グンナー・ウィーデンフェルズ博士
Discovery Communications, Inc.
1977 年9月6日 2019 2022
(1)(3)(5)(6)
(Dr. Gunnar Wiedenfels)
の最高財務責任者
従業員、SAP EMEAノースのアク
ティブ品質マネジメントにおける
ジェームズ・ライト
UKおよびアイルランドの品質マ 1962 年11月1日 2019 2024
(2)(5)(6)(7)
(James Wright)
ネージャー、SAP SE労使協議会
(ヨーロッパ)会員
従業員、SAP SE労使協議会議長お
ラルフ・ザイガー
よびSAP SE労使協議会(ヨーロッ 1968 年3月16日 2019 2024
(2)(4)(9)
(Ralf Zeiger)
パ)会員
(1) 2019年5月15日にSAP SEの株主により選任された。
(2) 2019年5月15日のSAP SE年次株主総会閉会時を以て着任するものとして、SAP SE労使協議会ヨーロッパにより指名され
た。
(3) 監査委員会財務専門家
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(4) 総務報酬委員会の委員
(5) 監査委員会の委員
(6) 金融投資委員会の委員
(7) 技術戦略委員会の委員
(8) 指名委員会の委員
(9) 人事組織委員会の委員
監査委員会および総務報酬委員会を含む、監査役会の委員会およびその任務の詳細については、コーポレート・
ガバナンスの項を参照のこと。
SAP SEの定款および従業員によるSAP SEへの関与に関する合意に基づき、SAP SEの監査役会の構成員は、9名の
株主代表および9名の欧州の従業員代表で構成される。現在の9名の従業員代表は、2019年5月15日のSAP SE年次株
主総会閉会時を以て着任するものとして、SAP SE労使協議会ヨーロッパにより指名された。
SAP SE監査役会の現在の構成員の一部は、2018年12月31日現在、ドイツその他の国においてSAP SE以外の企業の
監査役会またはそれと同等の統治機関のメンバーを務めていた。詳細は、当社の連結財務諸表に対する注記(G.5)
を参照のこと。従業員の年金債務の他には、SAP SEは、監査役会のいずれの構成員との間にも構成員の雇用または
業務の終了時の手当にかかる契約を締結していない。
(2) 当社の取締役および取締役会構成員への報酬
取締役会および監査役会構成員に対する報酬
報酬に関する本報告は、報酬システムにつき説明し、2018年度の取締役会および監査役会構成員に対する報酬に
適用される基準を概説し、報酬額を開示するものである。
取締役会構成員に対する報酬
2018年度報酬システム
取締役会構成員の報酬は、急速に発展する業界に身を置くグローバル企業を率いる取締役会構成員の厳しい任務
を反映するよう意図されている。その報酬水準は、高度な技能を有する取締役を世界市場、とりわけソフトウェア
業界において獲得し当社を支える上で、他に引けを取らないことを目指している。当社の取締役会の報酬が、ダイ
ナミックなビジネス環境において成功を収める熱心な仕事ぶりに対する持続的なインセンティブとなることを当社
は目標としている。
各取締役会構成員の報酬は個別の役職および業績に基づき、総務報酬委員会の力添えの下、監査役会によって各
会計年度の最初の定例会において決定される。以下の図表に示すとおり、当該報酬には業績に基づく要素と業績に
基づかない要素が含まれる。
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業績に基づく報酬の金額は、主にあらかじめ設定された財務目標値（主要業績指標（KPI））に対する当社の業
績および当社の株価に依拠し、そこには一定のハードルおよび上限が設けられている。当該KPIならびにその目標
値 および加重係数は、各計画年度につき監査役会が決定し、当該年度の当社予算に基づき調整される。
監査役会は、各取締役会構成員について固定報酬要素および2つの業績ベース要素によって構成される個別の合
計目標報酬を設定する。当該目標報酬は、当社のグローバル戦略、市場での地位、事業の業績および経済の今後の
見通し、ならびに当社と同程度の国内および国際企業において支払われる報酬額を基準に設定される。監査役会
は、取締役会に対する報酬と当社の役員および役員以外の当社の従業員に対する給与とを比較し、当社内の他の者
に対して適用される報酬体系も考慮する。各業績ベース要素は、すべてのKPIの目標達成率を100％とした場合に対
応する。監査役会は、各会計年度の最初の会議（2018年度については2018年2月21日）において当該報酬目標を見
直し、評価し、適切な場合には修正する。監査役会は、当該アプローチによって報酬の適切性が確保されると考え
ている。
報酬体系は、当社の価値の長期的上昇を支えるために設計されている。そのため長期インセンティブ要素に圧倒
的な比重が置かれ、CEOについては報酬目標の3分の2超、各取締役会構成員の報酬目標については50％超を占め
る。
監査役会は、臨時的かつ予測不能な事態が生じた場合、当社の利益のため、その合理的裁量において支払前の業
績ベース報酬を増減させることができる。2018年5月に支払われた報酬額については、一切修正は行われなかっ
た。
当社の取締役会報酬の個別要素に関する詳細は、以下に記載のとおりである。
業績に基づかない報酬
固定報酬
1)
固定報酬は、12回の均等分割払いにて、当該取締役会構成員の母国の通貨 において毎月支払われる。
1) 母国の通貨とは、当該取締役会構成員の主たる居住地の通貨をいう。
諸手当
契約上保証されている諸手当は主に、保険負担、現物支給手当、住宅2軒の維持費、航空機の使用、および地域
別条件に基づく税金のグロスアップ等の追加手当によって構成される。
業績に基づく報酬
短期インセンティブ
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1年間の短期業績に基づく報酬（短期インセンティブ（STI））は、一連の財務目標（KPI）に基づき決定され
る。
STI2018については、為替変動を考慮しない2018年度の新規クラウド受注額、前年度と比較した為替変動を考慮
しない2018年度の非IFRSのクラウドおよびソフトウェア収益の成長、ならびに為替変動を考慮しない2018年度の非
IFRSの営業利益率が財務KPIに設定されている。KPIおよびその各目標値は、当該年度の当社の予算から導き出され
る。
財務KPIに係る目標達成率（加重されたもの）が75％未満であった場合、財務KPIに関してSTIは支払われない。
この場合、これらのKPIに関する目標達成率は0となる。
2019年2月20日、監査役会は、合意された目標に対する当社実績の評価を行い、取締役会全体に係るSTI2018の金
額を決定した。その結果、目標達成率は93％（クラウドおよびソフトウェア収益の成長125.8％、営業利益率の増
加92.2％、および新規クラウド受注額64.9％）となった。
1)
2018年度のSTI報酬は、2019年5月の年次株主総会後に支払われる。 報酬は取締役会構成員の母国の通貨 におい
て支払われる。すべての取締役会構成員が、適切な取引期間規制に基づき当社の株式を報酬の実際の支払額の最低
5％購入することを義務付けられている。当該株式は3年間の保有が条件となっている。
1) 母国の通貨とは、当該取締役会構成員の主たる居住地の通貨をいう。
長期インセンティブ
複数年度にまたがる長期業績に基づく報酬（長期インセンティブ（LTI））は、取締役会構成員の長期的な在任
（以下「長期在任」という。）を確保するために為替変動を考慮しない非IFRSの営業利益の年間目標達成率を評価
すること、および主要な同業者グループ（以下「同業グループ」という。）の株価と比較した場合の当社の株価に
係る長期業績（以下「長期業績」という。）を評価することを目的としている。
LTI2016プランは2016年1月1日にその効力を生じた。当該プランは、各トランシェにつき4年間の確定期間が定め
られた仮想株式プログラムである。
当該プランに基づき、新たなLTIトランシェが毎年付与される。各付与においては、まず付与額がユーロにて決
定される。当該付与額は、取締役会構成員の契約上のLTI目標額および営業利益に係る前年度の目標達成率（為替
変動を考慮しない非IFRS）に基づき決定される。当該目標達成率に鑑み、付与額は契約上のLTI目標額に対して
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80％から120％の範囲内において増減させ調整することができる。2017年度の営業利益に係る目標達成率は95.4％
であった。これを踏まえ、監査役会は2018年度の付与額を契約上のLTI目標額の95.4％に設定した。
株価のさらなる上昇に取締役会構成員が参画するように、当該付与額は仮想株式（単元株式）に換算される。付
与時の価格は、当社の第4四半期業績公表後20取引日間のXETRAにおける当社株式の終値の算術平均とする。2018年
度トランシェの付与日は、2018年2月21日であった。
同方法において付与される単元株式は、60％の業績単元株式（PSU）と40％の残留単元株式（RSU）によって構成
されており、いずれも確定期間は約4年間とされ、当該期間中、取締役会構成員は当社の運営に積極的に貢献しな
ければならない。単元株式の価格は、当社の株価に応じてプラスにもマイナスにも変動する。確定期間終了時点に
て、該当の単元株式は失効することがなくなる。
LTIの付与手続
決済時の支払額は、確定期間終了に続く当社の第4四半期業績公表後20取引日間のXETRAにおける当社株式の終値
の単純算術平均とする。支払額の上限は付与額の300％に設定されている。LTIトランシェは、当該年度の年次株主
総会終了後にユーロにて支払われる。外国為替レートに係る潜在的リスクについては、取締役会構成員自身が負う
ものとする。
取締役会構成員に対する支払の対象となる最終的な単元株式の数は、当初付与された数とは異なる可能性が高
い。最終的に支払の対象となるPSUの数は、確定期間の終了時点における、同業グループ指標と比較した場合の当
社株式の成績次第で変動する。これは業界内での当社の業績に比重を置くためである。対照的に、RSUの最終的な
付与数は固定されている。ただし、いずれの種類の単元株式も特定の条件下においてトランシェの期間中いつでも
失効する可能性がある（以下の「LTIの失効規則」の図表を参照のこと。）。
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PSUの計算
当社の株価の成績は、付与額と支払額を比較し測定される。当社は当社の株価の成績と同業グループ指標の成績
との差異を算出する。当社の株価が上昇しかつ同業グループ指標の成績を超えた場合、かかるプラスの業績に報い
るために、算出された当該差異は倍増される。PSUの計算に関する以下の例は、1,000のPSUが付与されたと仮定し
た場合に起こり得る結果を示すものである。
当社の株価の成績が同業グループ指標を上回った場合
当社の株価の成績 +18 ％
同業グループ指標の成績 +10 ％
+18 ％ –(+10％)
差異 +8 ％
(+8 ％ x 2) + 100％
差異を倍増した業績要因 116 ％
最終的なPSUの数 116 ％ x 1,000 1,160
当社の株価の成績が同業グループ指標を大幅に上回った場合：
上限に到達
当社の株価の成績 +30 ％
同業グループ指標の成績 –5％
+30 ％ –(–5％)
差異 +35 ％
(+35 ％ x 2) + 100％
差異を倍増した業績要因 170 ％
上限 150 ％
150 ％ x 1,000
最終的なPSUの数 1,500
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同業グループ指標の成績が当社の株価を上回った場合
当社の株価の成績 +5 ％
同業グループ指標の成績 +10 ％
+5 ％ –(+10％)
差異 –5％
–5％ + 100％
業績要因 95 ％
95 ％ x 1,000
最終的なPSUの数 950
同業グループ指標の成績が当社の株価を上回った場合：
下限に到達
当社の株価の成績 –10 ％
同業グループ指標の成績 +50 ％
–10 ％ –(+50％)
差異 –60 ％
–60 ％ + 100％
差異を倍増した業績要因 40 ％
下限は50％ 0％
最終的なPSUの数 0％ x 1,000 0
同業グループ指標には現在、以下に挙げる当社の国際的な大手競合他社が含まれている。すなわち、
Microsoft、IBM、Oracle、Salesforce、Adobe、VMWare、Workday、ServiceNow、SymantecおよびTableauである。
監査役会は内部および外部の推薦に基づき当該グループを決定しており、例えば特定の競合他社が上場を廃止した
場合等、必要に応じてグループの調整を行う。同業グループ指標は、加重時価総額に基づく株価指標として算出さ
れる。同業グループ内の各競合他社の株価の最大15％が組み込まれる。結果として、より小規模かつ不安定な競合
他社の比重がその規模に比べて大きくなるため、当該指標は極めて意欲的なものとなっている。当該指標は毎日
Deutsche Börseグループによって算出されており、ISINコードDE000A2BLEB9にて追跡可能である。
同業グループ指標の構成および比重
LTIの失効規則
取締役会構成員のサービス契約が単元株式の付与年の翌年から3年以内に終了した場合、以下に掲げる当該退任
またはサービス契約の終了の状況に応じて、PSUおよびRSUの双方の全部または一部が失効する。PSUおよびRSUの一
部が失効した場合、失効割合は4年間の確定期間に係る各付与分に比例するものとする。これは確定期間中、構成
員が付与分の25％ずつを毎年取得する扱いとなることを意味する。未取得分は失効する。
LTI の失効規則
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1) 4つのトランシェに基づく計算例（付与割当100％、付与から確定まで株価が一定、かつ業績条件を考慮しない場合）：
取締役会構成員の契約は4年目より後に終了（2019年12月31日）
2) 定義については、早期業務終了保証の項を参照のこと。
取締役会構成員が不当な不利益を被ることを防ぐため、従来のRSUマイルストーン・プランからLTI2016プランへ
の変更に当たっては、移行規則が必要であった。RSUマイルストーン・プランにおいては確定期間が1年間であった
のに対し、LTI2016プランにおいては4年間であるという確定期間の違いによって、取締役会構成員が当社を退職し
た場合に不利益が生じる。確定期間に係る当該不利益の補償として、RSUマイルストーン・プランに参加していた
取締役会構成員に対しては個別に均衡金額が設定された。
均衡金額は、以下を前提として支払われてきた。
・ 目標達成率が営業利益目標（為替変動を考慮しない非IFRS）について60％以上となること
・ 2017年度および2016年度につき雇用関係が継続していること（1名については2018年度についても雇用関係
が継続していること）
取締役会構成員が当社を退職する際、期間比例の考え方に基づく場合PSUが失効するときは、均衡金額に相当す
る数のPSUが当該取締役会構成員に対して付与される。以下の図表は、RSUマイルストーン・プランに基づき1,000
ユーロ、LTI2016プランに基づき1,500ユーロが付与され、期間比例の考え方に基づき2019年12月31日付で付与分が
失効したと仮定した場合の均衡金額の算出方法の例を示すものである。
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回収規定
虚偽の情報が提供されたことを原因として目標が全く達成されずまたは支払額の計算時に想定された範囲の目標
達成率に至らず、STIまたはLTIよりなされた支払の全部または一部が正当でなかったことが後に発覚した場合に、
取締役会構成員に対して当該支払の返却を要求する契約上の権利を、当社は有している。かかる場合、当該取締役
会構成員は、実際に支払われた金額のうち実際の目標達成率に基づき支払われるべき金額の超過分を当社に対して
返金する義務を負う。契約上合意された当該返金請求権は、ドイツ民法（BGB）第812条に基づく不当利得返還請求
権を補足するものである。
最低および最高報酬
最低報酬額は、固定報酬額に加算されるLTIおよびSTIの支払額がゼロであった場合の報酬額を表している。
最高報酬額は、合計目標報酬額の最大362％（CEO）および317％（CEOを除く取締役会構成員）である。これは
STIおよびLTIの支払額が以下のとおり最大となった場合に実現する。
・ すべての財務KPIについて目標達成率が140％となった場合、STIの支払額は最高額となる。
・ LTIトランシェの最高支払額は、契約上の目標額の468％である。
以下のすべての条件が累積的に充足された場合、LTIの支払額は最高額となる。
・ LTIトランシェの付与額が、その最高額である契約上の目標額の120％に設定されること。
・ 当社の株価が同業グループ指標の成績を25パーセント・ポイント以上上回ること（上限である当該年度の当
初PSU割当の150％に到達）。
・ 当社の株価が付与額の3倍以上（年間平均上昇率にして約32％に相当）となること（株価の上昇の上限）。
2022年度に取締役会全構成員に対してLTIの最高支払額である123百万ユーロが支払われた場合、株主も2018年度
から2022年度にかけて2,000億ユーロ以上増加する時価総額の大幅な上昇による恩恵を受けることとなる。
以下の図表は、取締役会構成員の2018年度目標報酬（ユーロ）における固定報酬要素と業績ベース報酬要素の関
係性、ならびに支払われる可能性のある最低報酬および最高報酬を示すものである。グラフの高さは報酬額の絶対
値を示すものではない。
2018年度報酬計画
業績ベース報酬の目標額と支払額の関係性の概要
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STIの合計目標達成率は、目標額と支払額の関係を反映するものである。2014年度から2017年度のSTIは既に支払
済である。
STI の合計目標達成率
パーセント 2018 年度 2017 年度 2016 年度 2015 年度 2014 年度
93.0 88.2 104.4 147.5 109.5
2016年度から2018年度トランシェのLTI目標額と理論上の支払額の関係は、年度末現在の当社の株価に基づくも
のである。2014年度トランシェは、各目標額と2018年5月の実際の支払額との関係性を示している。2015年度トラ
ンシェは、各目標額と2019年5月に支払予定の支払額との関係性を示している。
LTI の目標額と支払額との関係
パーセント LTI2016 プラン RSU マイルストーン・プラン
2015
2018 年度 2017 年度 2016 年度 2015 年度
2014 年度
1) 1) 1) 2)
トランシェ トランシェ トランシェ トランシェ
トランシェ
2018 年12月31日 90.87 82.65 55.50 233.77 119.61
2017 年12月31日 該当なし 107.76 126.97 240.73 119.61
1) 年度末現在の当社の株価に基づく理論上の支払額を考慮
2) 2015年度の目標達成率に加えて、31.62％から37.38％の範囲内の個別調整要因も考慮
2018年度の報酬額
当社は、取締役会の報酬の開示をドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（以下「GCGC」という。）が推奨
するところに従って行う。また、以下の表はドイツ会計基準（以下「GAS 17」という。）の定めに従った、ドイツ
商法（ Handelsgesetzbuch または「HGB」 ）第314条および第315条の規定に基づく勘定調整表である。GCGCの推奨に
基づき、該当年度につき付与された報酬価額および該当年度につき支払われた金額に当たる獲得利益を、GCGCにお
いて推奨される参照図表に基づき以下に開示する。ドイツHGBおよびGAS 17に規定される開示規則とは対照的に、
GCGCにおいては、IAS 19に基づくサービス費用に当たる年金費用が取締役会報酬に含まれており、年間変動報酬の
目標数値ならびに変動報酬要素に対し獲得可能な報酬の最大額および最小額を追加開示することが求められてい
る。
取締役会構成員の報酬
ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード
単位：千ユーロ
ビル・マクダーモット(Bill McDermott) ロバート・エンスリン(Robert Enslin)
CEO 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
1) 1) 1) 1) 1) 1) 1) 1)
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 1,314.7 1,314.7 1,314.7 1,374.3 1,314.7 1,374.3 800.2 800.2 800.2 836.5 800.2 836.5
諸手当 794.7 794.7 794.7 1,271.9 794.7 1,271.9 105.1 105.1 105.1 368.1 105.1 368.1
2)
合計 2,109.4 2,109.4 2,109.4 2,646.2 2,109.4 2,646.2 905.3 905.3 905.3 1,204.6 905.3 1,204.6
年間変動報酬 2,193.0 0 3,070.2 2,093.7 1,846.7 2,486.9 1,327.3 0 1,858.2 1,267.2 1,117.7 1,505.2
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複数年変動報酬
LTI2016 プラン 6,876.6 0 28,535.4 7,741.2 2,270.3 0 9,420.8 2,555.7
RSU マイルストーン・プ 5,251.0 5,787.6 1,248.8
ラン2015
SAP SOP 2010 および 10,178.3
2011
合計 11,179.0 2,109.4 33,715.0 12,481.1 9,207.1 21,099.0 4,502.9 905.3 12,184.3 5,027.5 3,271.8 2,709.8
サービス費用 568.3 568.3 568.3 686.2 568.3 686.2 235.8 235.8 235.8 194.1 235.8 194.1
GCGC に基づく合計 11,747.3 2,677.7 34,283.3 13,167.3 9,775.4 21,785.2 4,738.7 1,141.1 12,420.1 5,221.6 3,507.6 2,903.9
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単位：千ユーロ クリスチャン・クライン(Christian Klein)
アデア・フォックス・マルティン(Adaire Fox-Martin)
取締役会構成員
取締役会構成員 (2018 年1月1日から)
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 700.0 700.0 700.0 466.7 700.0 466.7 700.0 700.0 700.0 700.0
諸手当 54.6 54.6 54.6 82.4 54.6 82.4 13.1 13.1 13.1 13.1
2)
合計 754.6 754.6 754.6 549.1 754.6 549.1 713.1 713.1 713.1 0 713.1 0
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 755.6 666.5 1,125.8 0 1,576.1
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 2,128.8 0 8,833.7 1,680.0 1,793.2 0 7,441.2
RSU マイルストーン・プ
ラン2015
SAP SOP 2010 および
2011
合計 4,009.2 754.6 11,164.4 2,984.7 1,421.1 549.1 3,632.1 713.1 9,730.4 0 713.1 0
サービス費用
GCGC に基づく合計 4,009.2 754.6 11,164.4 2,984.7 1,421.1 549.1 3,632.1 713.1 9,730.4 0 713.1 0
単位：千ユーロ ミヒャエル・クライネマイヤー(Michael Kleinemeier) ベルント・ロイケルト(Bernd Leukert)
取締役会構成員 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
諸手当 29.1 29.1 29.1 29.0 29.1 29.0 10.3 10.3 10.3 30.3 10.3 30.3
2)
合計 729.1 729.1 729.1 729.0 729.1 729.0 710.3 710.3 710.3 730.3 710.3 730.3
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 992.9 1,175.3 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 992.9 1,175.3
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 2,128.8 0 8,833.7 2,396.4 2,397.7 0 9,949.7 2,699.3
RSU マイルストーン・プ 1,248.8
ラン2015
SAP SOP 2010 および
2011
合計 3,983.7 729.1 11,138.9 4,251.2 1,722.0 1,904.3 4,233.8 710.3 12,236.1 4,555.4 2,952.0 1,905.6
サービス費用
GCGC に基づく合計 3,983.7 729.1 11,138.9 4,251.2 1,722.0 1,904.3 4,233.8 710.3 12,236.1 4,555.4 2,952.0 1,905.6
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
単位：千ユーロ ジェニファー・モルガン(Jennifer Morgan) ルカ・ムシッチ(Luka Mucic)
取締役会構成員 取締役会構成員
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
1) 1) 1) 1)
(最小) (最大) (最小) (最大)
固定報酬 634.3 634.3 634.3 430.4 634.3 430.4 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0
諸手当 128.4 128.4 128.4 48.4 128.4 48.4 11.8 11.8 11.8 11.0 11.8 11.0
2)
合計 762.7 762.7 762.7 478.8 762.7 478.8 711.8 711.8 711.8 711.0 711.8 711.0
年間変動報酬 1,052.0 0 1,472.8 674.2 594.6 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 992.9 1,175.3
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 2,128.8 0 8,833.7 1,680.0 2,128.8 0 8,833.7 2,396.4
RSU マイルストーン・プ 949.5
ラン2015
SAP SOP 2010 および
2011
合計 3,943.5 762.7 11,069.2 2,833.0 1,357.3 478.8 3,966.4 711.8 11,121.6 4,233.2 2,654.2 1,886.3
サービス費用 51.4 51.4 51.4 8.9 51.4 8.9
GCGC に基づく合計 3,994.9 814.1 11,120.6 2,841.9 1,408.7 487.7 3,966.4 711.8 11,121.6 4,233.2 2,654.2 1,886.3
単位：千ユーロ ステファン・ライズ(Stefan Ries)
取締役会構成員 取締役会合計
付与報酬 受領報酬 付与報酬 受領報酬
2018 年度 2018 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
(最小) (最大)
固定報酬 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 700.0 6,949.2 5,907.9 6,949.2 5,907.9
諸手当 21.9 21.9 21.9 22.4 21.9 22.4 1,169.0 1,863.5 1,169.0 1,863.5
2)
合計 721.9 721.9 721.9 722.4 721.9 722.4 8,118.2 7,771.4 8,118.2 7,771.4
年間変動報酬 1,125.8 0 1,576.1 1,125.8 992.9 883.1 11,327.1 9,293.9 8,197.1 8,401.1
複数年変動報酬
LTI2016 プラン 1,793.2 0 7,441.2 2,018.7 23,646.2 23,167.7
RSU マイルストーン・プ 8,698.1 5,787.6
ラン2015
SAP SOP 2010 および 10,178.3
2011
合計 3,640.9 721.9 9,739.2 3,866.9 1,714.8 1,605.5 43,091.5 40,233.0 25,013.4 32,138.4
サービス費用 855.5 889.2 855.5 889.2
GCGC に基づく合計 3,640.9 721.9 9,739.2 3,866.9 1,714.8 1,605.5 43,947.0 41,122.2 25,868.9 33,027.6
1) 固定報酬および年間変動報酬は米ドルにて付与される。米ドルのユーロ換算においては、固定報酬については各期間の平
均為替レートが、年間変動報酬については各年度末の為替レートが適用される。
2) 保険負担、社用車および航空機の私的利用、現物支給手当、住宅2軒の維持費、取締役会構成員への指名に際しての異動
のための支払および関連補助、納税申告書の作成に係る費用の払戻、ならびに該当地域の条件に即したグロスアップ計
算。ビル・マクダーモットに対して支給される諸手当は、主に該当地域の条件に即したグロスアップ計算および住宅2軒
の維持費によって構成される。
GAS 17に関連するHGB第314条(1)(6a)に基づく、報酬合計の勘定調整表
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有価証券報告書
単位：千ユーロ ビル・マクダーモット ロバート・エンスリン アデア・フォックス・マル クリスチャン・クライン ミヒャエル・クライネマイ
ティン ヤー
2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
GCGC に基づく合計
11,747.3 13,167.3 4,738.7 5,221.6 4,009.2 2,984.7 3,632.1 0 3,983.7 4,251.2
年間変動目標報酬の付与に係る減 –2,193.0 –2,093.7 –1,327.3 –1,267.2 –1,125.8 –755.6 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8
額
年間変動報酬の実際の割当に係る 2,039.5 1,846.7 1,234.4 1,117.7 1,046.9 666.5 1,046.9 1,046.9 992.9
増額
サービス費用の減額 –568.3 –686.2 –235.8 –194.1
報酬合計 11,025.5 12,234.1 4,410.0 4,878.0 3,930.3 2,895.6 3,553.2 0 3,904.8 4,118.3
単位：千ユーロ ベルント・ロイケルト ジェニファー・モルガン ルカ・ムシッチ ステファン・ライズ 取締役会合計
2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度 2018 年度 2017 年度
GCGC に基づく合計
4,233.8 4,555.4 3,994.9 2,841.9 3,966.4 4,233.2 3,640.9 3,866.9 43,947.0 41,122.2
年間変動目標報酬の付与に係る減 –1,125.8 –1,125.8 –1,052.0 –674.2 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8 –1,125.8 –11,327.1 –9,293.9
額
年間変動報酬の実際の割当に係る 1,046.9 992.9 978.4 594.6 1,046.9 992.9 1,046.9 992.9 10,534.0 8,197.1
増額
サービス費用の減額 –51.4 –8.9 –855.5 –889.2
報酬合計 4,154.9 4,422.5 3,869.9 2,753.4 3,887.5 4,100.3 3,562.0 3,734.0 42,298.4 39,136.2
縦割り支払比率
縦割り支払比率は、CEOおよびCEOを除く取締役会構成員に対して付与された合計報酬と役員および年度末時点に
おいて雇用されていた全従業員に対して付与された合計報酬とを比較するものである。付与された合計報酬の比較
可能性を担保するため、固定報酬、年間変動報酬および複数年変動報酬のみがその対象とされる。役員とは、取締
役会に次ぐ第一および第二の経営幹部に当たるグローバル・エグゼクティブ・チーム（GET）およびシニア・エグ
ゼクティブ・チーム（SET）の構成員を指す。
2018 年度
比率 CEO 取締役会
(CEOを除く。)
平均年間報酬 10,384.3 3,942.3
(単位：千ユーロ)
役員 906 11 ▶
役員を含む従業員 99 105 40
2017 年度
比率 CEO 取締役会
(CEOを除く。)
平均年間報酬 11,209.2 3,880.0
(単位：千ユーロ)
役員 923 12 ▶
役員を含む従業員 101 111 39
2016 年度
比率 CEO 取締役会
(CEOを除く。)
平均年間報酬 11,785.4 4,090.8
(単位：千ユーロ)
役員 823 14 5
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役員を含む従業員 99 119 41
長期インセンティブに関する株式報酬に係る情報
取締役会構成員は、LTI2016プランに基づき発行された単元株式を受領し、現在保有しまたは過去に保有してお
り、RSUマイルストーン・プラン2015に基づき発行されたRSUを現在保有しまたは過去に保有していた。当該プログ
ラムの条件および詳細については、連結財務諸表に対する注記(B.3)を参照のこと。
LTI2016 プランに基づく付与
付与年度 合計単元株式数 (RSU) (PSU) 付与時点における 付与時点における 付与時点における
RSU1口当たりの付 PSU1口当たりの付 合計付与価額
残留単元株式 業績単元株式
与価額 与価額
(40％) (60％)
数量 数量 数量 ユーロ ユーロ 千ユーロ
ビル・マクダーモット(CEO) 2018 年度 85,841 34,336 51,505 79.01 80.84 6,876.6
2017 年度 89,217 35,687 53,530 83.60 88.88 7,741.2
ロバート・エンスリン 2018 年度 28,340 11,336 17,004 79.01 80.84 2,270.3
2017 年度 29,454 11,782 17,672 83.60 88.88 2,555.7
アデア・フォックス・マルティン 2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,128.8
2017 年度 18,539 7,416 11,123 85.91 93.76 1,680.0
クリスチャン・クライン 2018 年度 22,385 8,954 13,431 79.01 80.84 1,793.2
(2018 年1月1日から)
ミヒャエル・クライネマイヤー 2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,128.8
2017 年度 27,619 11,048 16,571 83.60 88.88 2,396.4
ベルント・ロイケルト 2018 年度 29,931 11,972 17,959 79.01 80.84 2,397.7
2017 年度 31,109 12,444 18,665 83.60 88.88 2,699.3
ジェニファー・モルガン 2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,128.8
2017 年度 18,539 7,416 11,123 85.91 93.76 1,680.0
ルカ・ムシッチ 2018 年度 26,574 10,630 15,944 79.01 80.84 2,128.8
2017 年度 27,619 11,048 16,571 83.60 88.88 2,396.4
ステファン・ライズ 2018 年度 22,385 8,954 13,431 79.01 80.84 1,793.2
2017 年度 23,265 9,306 13,959 83.60 88.88 2,018.7
合計 2018 年度 295,178 118,072 177,106 23,646.2
2017 年度 265,361 106,147 159,214 23,167.7
取締役会構成員による保有
LTI2016 プラン
単元株式の数量 付与年度 2018 年1月1日 付与 2018 年12月31日
現在の保有数 現在の保有数
残留単元株式 業績単元株式
(40％) (60％)
2018 年度 0 34,336 51,505 85,841
ビル・マクダーモット(CEO)
2017 年度 89,217 0 0 89,217
2016 年度 122,423 0 0 122,423
2018 年度 0 11,336 17,004 28,340
ロバート・エンスリン
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
2017 年度 29,454 0 0 29,454
2016 年度 40,417 0 0 40,417
2018 年度 0 10,630 15,944 26,574
アデア・フォックス・マルティン
2017 年度 18,539 0 0 18,539
クリスチャン・クライン(2018年1月1日から) 2018 年度 0 8,954 13,431 22,385
2018 年度 0 10,630 15,944 26,574
ミヒャエル・クライネマイヤー
2017 年度 27,619 0 0 27,619
2016 年度 37,898 0 0 37,898
2018 年度 0 11,972 17,959 29,931
ベルント・ロイケルト
2017 年度 31,109 0 0 31,109
2016 年度 42,687 0 0 42,687
2018 年度 0 10,630 15,944 26,574
ジェニファー・モルガン
2017 年度 18,539 0 0 18,539
2018 年度 0 10,630 15,944 26,574
ルカ・ムシッチ
2017 年度 27,619 0 0 27,619
2016 年度 37,898 0 0 37,898
2018 年度 0 8,954 13,431 22,385
ステファン・ライズ
2017 年度 23,265 0 0 23,265
2016 年度 23,987 0 0 23,987
合計 570,671 118,072 177,106 865,849
2018年度に付与された単元株式は3.08年、2017年度に付与された単元株式は2.08年、2016年度に付与された単元
株式は1.08年の残存期間を有する。
RSU マイルストーン・プラン2015
RSU の数量 付与年度 2018 年1月1日 行使分 2018 年12月31日
現在の保有数 現在の保有数
ビル・マクダーモット(CEO) 2015 年度 113,667 0 113,667
2014 年度 59,488 59,488 0
ロバート・エンスリン 2015 年度 39,985 0 39,985
2014 年度 14,148 14,148 0
ミヒャエル・クライネマイヤー 2015 年度 5,221 0 5,221
ベルント・ロイケルト 2015 年度 41,578 0 41,578
2014 年度 14,148 14,148 0
ルカ・ムシッチ 2015 年度 41,130 0 41,130
2014 年度 10,757 10,757 0
合計 340,122 98,541 241,581
上表は、RSUマイルストーン・プラン2015に基づき取締役会構成員に発行されたRSUの保有状況を示すものであ
る。このプランは、1年間の業績期間（同期間終了後RSUは失効することがなくなる。）とさらに3年間の保有期間
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を経て支払が行われる現金決済型の長期インセンティブ・スキームである。当該プランは、暦上の2012年から2015
年に関して発行される4つのトランシェ・プランから構成される。2015年度に付与されたRSUは0.08年の残存期間を
有 する。
株式報酬に係る総費用
単位：千ユーロ 2018 年度 2017 年度
ビル・マクダーモット(CEO) 2,155.8 7,684.4
ロバート・エンスリン 727.0 2,181.9
アデア・フォックス・マルティン 796.1 309.7
クリスチャン・クライン(2018年1月1日から) 442.2 -
ミヒャエル・クライネマイヤー 914.2 1,509.8
ベルント・ロイケルト 775.2 2,287.4
ジェニファー・モルガン 796.1 309.7
ルカ・ムシッチ 675.8 2,059.0
ステファン・ライズ 772.0 1,049.3
合計 8,054.4 17,391.2
株式報酬プランに係る総費用は、IFRS第2号（株式報酬）に従って計上されており、取締役会の活動により生じ
る債務のみによって構成される。
業務終了手当
通常の業務終了保証
退職年金制度
以下の退職年金制度はここに列挙する取締役会の構成員たる各個人に適用される。
・ アデア・フォックス・マルティン、クリスチャン・クライン、ミヒャエル・クライネマイヤー、ベルント・
ロイケルト、ルカ・ムシッチおよびステファン・ライズは、62歳の退職年齢に達し取締役会の職を退任する
場合には退職年金を、または通常の退職年齢に達する前に就業不能もしくは永久的無能力となった場合には
健康診断の結果に応じた障害年金を受領する権利を有する。生存している扶養家族の年金は、取締役会の元
構成員が死亡した場合に支払われる。障害年金は、確定済退職年金の給付額の100％であり、退職年金に切
り替わる受益者の62歳の誕生日まで支払われる。生存している扶養家族の年金は、死亡時の退職年金または
確定済障害年金の給付額の60％である。かかる権利は、SAP SEに対して履行強制が可能である。現行の年金
支払は調整のため年度ごとに精査され、該当する場合は年金負債保険の剰余金に従って増額される。任期が
62歳の退職年齢に達する前に終了した場合、年金給付は、最長在任可能期間に対する実際の在任期間に比例
して減少する。適用される退職年金制度は、拠出型である。拠出額は、適用収入基準以下の適用報酬の4％
に、適用収入基準を上回る適用報酬の14％を加算した額である。当該計算において、適用報酬とは年間基本
給与の180％を指す。適用収入基準は、随時改定される（西）ドイツの国家年金制度における法定年収基準
である。
・ ビル・マクダーモットは、米国の従業員退職所得保障法（ERISA）により「非適格退職制度」に分類される
SAP Americaの年金制度の適用分に基づき、将来給付を受ける権利を有している。当該「非適格」年金制度
は、退職の際に年金の毎月払いまたは一括払いのいずれかを提供するキャッシュバランス型制度である。当
該年金は、受益者の65歳の誕生日から受給可能となる。一定の条件の下、当該制度では早期支払または傷病
手当も提供される。「非適格」年金制度は、2009年1月1日以降廃止された。本制度において取得された給付
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を受ける権利に基づく利息は継続して発生する。当該権利の一部は、ビル・マクダーモットが当社の取締役
会構成員となる前に取得したものである。
・ 当社は、ビル・マクダーモット、ロバート・エンスリン、およびジェニファー・モルガンの第三者年金制度
に対する拠出を「ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード」の表に記載のとおり行った。対応する当社
の拠出は、ビル・マクダーモット、ロバート・エンスリンおよびジェニファー・モルガンによる本年金制度
への支払に基づいている。
取締役会構成員に対する確定給付債務（DBO）の合計および確定給付負債（資産）の純額
単位：千ユーロ ビル・ アデア・ クリスチャン・ ミヒャエル・ ベルント・ ルカ・ ステファ 合計
マクダー フォックス・ クライン クライネマイ ロイケルト ムシッチ ン・ライズ
1) 1)
モット マルティン (2018 年1月1日 ヤー
1) 1) 1)
(CEO) から)
1)
2017 年1月1日現在のDBO 1,459.2 - - 154.9 451.6 444.6 257.9 2,768.2
2017 年1月1日現在の - - - 181.4 389.7 347.6 116.7 1,035.4
制度資産控除後市場価値
2017 年1月1日現在の 1,459.2 - - -26.5 61.9 97.0 141.2 1,732.8
確定給付負債(資産)の純額
2017 年度のDBO変動 -148.7 93.5 - 117.0 132.9 141.3 86.7 422.7
2017 年度の制度資産変動 - 100.7 - 164.5 151.2 143.1 159.1 718.6
2017 年12月31日現在のDBO 1,310.5 93.5 - 271.9 584.5 585.9 344.6 3,190.9
- 100.7 - 345.9 540.9 490.7 275.8 1,754.0
2017 年12月31日現在の
制度資産控除後市場価値
2017 年12月31日現在の 1,310.5 -7.2 - -74.0 43.6 95.2 68.8 1,436.9
確定給付負債(資産)の純額
2018 年度のDBO変動 106.2 89.9 112.8 66.7 -16.1 -42.1 -67.2 250.2
2018 年度の制度資産変動 - 156.3 141.3 161.7 153.9 145.0 143.5 901.7
2018 年12月31日現在のDBO 1,416.7 183.4 112.8 338.6 568.4 543.8 277.4 3,441.1
- 257.0 141.3 507.6 694.8 635.7 419.3 2,655.7
2018 年12月31日現在の
制度資産控除後市場価値
2018 年12月31日現在の 1,416.7 -73.6 -28.5 -169.0 -126.4 -91.9 -141.9 785.4
確定給付負債(資産)の純額
1) ここに示す値は、アデア・フォックス・マルティン、クリスチャン・クライン、ミヒャエル・クライネマイヤー、ベルン
ト・ロイケルト、ルカ・ムシッチおよびステファン・ライズが取締役会構成員向けの退職年金制度により受け取る年金受
給額のみを反映したものである。
以下の表は、業績主義および給与連動制度による当社からの手当に基づく、退職予定年齢である62歳に達した場
合の取締役会の各構成員の取締役会構成員在任時に係る年間年金受給額を示している。
年間年金受給額
単位：千ユーロ 2018 年12月31日に権利確定 2017 年12月31日に権利確定
105.1 89.5
ビル・マクダーモット(CEO)
1)
7.3 2.9
アデア・フォックス・マルティン
4.1 -
クリスチャン・クライン(2018年1月1日から)
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14.8 9.8
ミヒャエル・クライネマイヤー
24.6 19.4
ベルント・ロイケルト
23.2 18.1
ルカ・ムシッチ
12.6 8.5
ステファン・ライズ
1) ビル・マクダーモットの権利については、SAP Americaの年金制度に基づく権利のみを示している。
これらは確定した権利である。取締役会構成員が引き続き取締役会にとどまった結果、当該構成員のための拠出
が増加した場合は、退職予定年齢時に実際に支払われるべき年金額は、表に示されている金額よりも高くなる。
契約後競業禁止条項
各取締役会構成員の契約には12ヶ月間の契約後競業禁止条項が含まれている。当該競業禁止期間中、取締役会構
成員は、構成員としての契約報酬平均の50％に相当する抑止支払金を受領する。当該平均は直前3年間の契約報酬
に基づき算出される。取締役会構成員につき発生したその他一切の業務上の収入は、当該構成員の報酬から控除さ
れる。
以下の表は、契約後競業禁止抑止支払金の理論上の純現在価値を表している。当該計算は以下を前提としてい
る。
・ 取締役会構成員が現在の契約期間満了時に当社を退職すること。
・ 退職前の最終平均契約報酬額が2018年度報酬と同額であること。
実際の契約後競合禁止に関する支払額は、退職時期および退職時の報酬水準ならびに目標達成度により、これら
とは異なる金額となる可能性が高い。
契約後競業禁止抑止支払金の純現在価値
単位：千ユーロ 契約期間満了日 契約後競業禁止抑止支払金の
純現在価値
1)
ビル・マクダーモット(CEO) 2021 年3月31日 5,493
ロバート・エンスリン 2021 年3月31日 2,197
アデア・フォックス・マルティン 2020 年4月30日 1,964
クリスチャン・クライン(2018年1月1日から) 2020 年12月31日 1,772
ミヒャエル・クライネマイヤー 2019 年12月31日 1,952
ベルント・ロイケルト 2021 年3月31日 2,070
ジェニファー・モルガン 2020 年4月30日 1,934
ルカ・ムシッチ 2021 年3月31日 1,937
ステファン・ライズ 2024 年3月31日 1,716
合計 21,035
1) 本金額の計算に当たり、次の割引率が適用されている：ビル・マクダーモット0.16％（2017年度：0.16％）、ロバート・
エンスリン0.16％（2017年度：0.16％）、アデア・フォックス・マルティン0.04％（2017年度：0.01％）、クリスチャ
ン・クライン0.13％、ミヒャエル・クライネマイヤー0.03％（2017年度：-0.01％）、ベルント・ロイケルト0.16％
（2017年度：0.16％）、ジェニファー・モルガン0.04％（2017年度：0.01％）、ルカ・ムシッチ0.16％（2017年度：
0.16％）、およびステファン・ライズ0.71％（2017年度：-0.09％）。
早期業務終了保証
退職金
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全取締役会構成員との間の標準契約には、任期満了前に業務を終了した場合（例えば、取締役の選任が当社によ
り理由なく取消された場合、役員が就業不能になった場合、または支配権の変更に伴う場合）、SAP SEは当該取締
役 に対し、残りの全任期に対する報酬目標の残部分を、早期支払に伴う適切な減額を行った上で支払う旨規定され
ている。ドイツ・コーポレート・ガバナンス・コード（GCGC）第4.2.3条に基づき、支配権の変更に伴う早期業務
終了の場合の支払額は、2018年度より合計年間報酬の2倍または退職金上限の150％を超えてはならないこととなっ
た。退職取締役の当社における取締役会構成員としての役務の提供期間が1年未満である場合または退職取締役自
身の責任において当人がSAP SEを退職した場合には、当該取締役は当該退職金の支払を受ける権利を有しない。監
査役会は、クリスチャン・クラインを取締役会の構成員に指名するに当たり、同氏が当社に長期にわたり在籍し成
功を収めていることに鑑みて、1年間の最低在任期間の制限を放棄した。
取締役会役員の取締役会における任期が満了し、またはその任命が組織変更もしくは再編もしくは支配権の変更
のため、またはそれらの結果、存在しなくなった場合、SAP SEおよび各取締役会構成員は、当該事由の発生後8週
間以内に、6ヶ月前の通知を行うことにより任用契約を終了させる権利を有する。以下の場合、支配権の変更が生
じたとみなされる。
・ 第三者がドイツ有価証券取得および買収法に基づきSAP SE株主に対して強制的な買収の申入れを行わなけれ
ばならない場合
・ SAP SEが他の会社と合併し従属会社になる場合
・ SAP SEを従属会社として支配権移転契約または利益移転契約が締結された場合
取締役会構成員の契約は、支配権の変更に関連して当該役員のSAP SE取締役会構成員としての選任が取消された
場合、任期満了前でも終了し得る。
契約後競業禁止条項
前述の契約後競業禁止期間に係る抑止報酬は、契約の早期終了の際も支払われる。
恒久的な障害
取締役構成員が恒久的な障害を負った場合、契約は、恒久的に職務を行えないと判断された四半期の末日付で終
了する。当該取締役会構成員は、上述の退職年金制度における障害年金に加えて、かかる恒久的な障害があると判
断された日からさらに12ヶ月間にわたり月額基本給与（固定報酬）を受領する。
旧取締役会構成員に対する支払
2018 年度、当社は2018年1月1日より前に退職した取締役会構成員に対し、2,054,300ユーロ（2017年度：
1,997,000ユーロ）の年金給付を行った。年度末時点の旧取締役会構成員のDBOは38,373,500ユーロ（2017年度：
39,993,100ユーロ）であった。これらの債務の支払に充てるため、31,615,100ユーロ（2017年度：31,944,100ユー
ロ）の制度資産が利用可能である。
取締役会：その他の情報
当社は、2018年度またはその前年度において、当社の取締役会の構成員に対し報酬の増額または信用の供与を
行っておらず、また当該構成員のための融資契約も締結していない。
法律が許容する範囲において、SAP SEおよびドイツその他の場所に所在する関連会社は、第三者からの請求に関
して、各取締役および役員に対する補償を行い、かつこれらの者に損害を被らせない。これを目的として、当社は
取締役および役員（D&O）グループ賠償責任保険を維持している。この保険は、年間契約であり、毎年更新され
る。当該保険は、経営上の作為および不作為に起因する金銭的損失について、被保険者グループの個人的責任を補
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償する。現在のD&O保険には、ドイツ株式会社法第93条(2)項により義務付けられているとおり、SAP SEの取締役会
構成員個人の免責金額が含まれている。
監査役会構成員の報酬
報酬システム
監査役会構成員の報酬は、当社の通常定款第16条に準拠する。
監査役会の各構成員は、当該構成員の支払った費用の償還に加え、年間基本報酬165,000ユーロを受領する。議
長に対しては年間275,000ユーロ、副議長に対しては年間220,000ユーロが支払われる。さらに、当社は監査役会構
成員がその報酬について支払う付加価値税も償還する。
監査役会構成員は、追加の年間固定報酬として、監査委員会の委員を務めた場合には16,500ユーロを、その他の
監査役会委員会の委員を務めた場合には当該年度中に同委員会が開催されることを条件として11,000ユーロを受領
する。監査委員会の議長は27,500ユーロを、その他委員会の議長は22,000ユーロを受領する。固定報酬は、年度終
了後に支払われる。
在任期間が1事業年度に満たない監査役会構成員は、役務の提供を開始した月から毎月、年間報酬の12分の1を受
領する。これは、議長および副議長について増額される報酬ならびに委員会の委員長および委員に対する報酬にも
適用される。
2018 年度の監査役会構成員の報酬
単位：千ユーロ 2018 年度 2017 年度
固定報酬 委員会の業務 合計 固定報酬 委員会の業務 合計
に対する報酬 に対する報酬
ハッソ・プラットナー博士
275.0 88.0 363.0 275.0 88.0 363.0
(Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner)(議長)
マルグレート・クライン・メイガー
220.0 22.0 242.0 220.0 27.5 247.5
(Margret Klein-Magar)(副議長)
ペッカ・アラ・ピエティラ
165.0 40,3 205.3 165.0 33.0 198.0
(Pekka Ala-Pietilä)
パナギオティス・ビシリタス
165.0 38.5 203.5 165.0 38.5 203.5
(Panagiotis Bissiritsas)
マルティン・デュフェック
165.0 38.5 203.5 165.0 33.0 198.0
(Martin Duffek)
アイチャ・エバンズ
165.0 29.3 194.3 82.5 11.0 93.5
(Aicha Evans)(2017年7月1日から)
アニヤ・フェルドマン教授
165.0 19.3 184.3 165.0 22.0 187.0
(Prof. Anja Feldmann)(2018年12月31日まで)
ダイアン・グリーン
110.0 2.8 112.8 NA NA NA
(Diane Greene)(2018年5月17日から)
ヴィルヘルム・ハールマン博士
68.5 13.8 82.3 165.0 44.0 209.0
(Prof. Dr. Wilhelm Haarmann)(2018年5月17日まで)
アンドレアス・ハーン
165.0 22.0 187.0 165.0 22.0 187.0
(Andreas Hahn)
ゲッシェ・ユースト博士
165.0 22.0 187.0 165.0 22.0 187.0
(Prof. Dr. Gesche Joost)
ラース・ラマデ
165.0 22.0 187.0 165.0 22.0 187.0
(Lars Lamadé)
ベルナルド・リオトー
165.0 33.0 198.0 165.0 33.0 198.0
(Bernard Liautaud)
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クリスティーネ・レギッツ
165.0 22.0 187.0 165.0 22.0 187.0
(Christine Regitz)
フリーデリーケ・ローチュ博士
110.0 18.3 128.3 NA NA NA
(Dr. Friederike Rotsch)(2018年5月17日から)
エアハード・シィポライト博士
165.0 46.8 211.8 165.0 33.0 198.0
(Dr. Erhard Schipporeit)
ローベルト・シュシュニック・ファウラー
165.0 22.0 187.0 165.0 16.5 181.5
(Robert Schuschnig-Fowler)
セバスティアン・ズィック博士
165.0 22.0 187.0 165.0 22.0 187.0
(Dr. Sebastian Sick)
ジム・ハガマン・スナーベ
NA NA NA 82.5 11.0 93.5
(Jim Hagemann Snabe)(2017年6月30日まで)
ピエール・ティオレ
165.0 11.0 176.0 165.0 11.0 176.0
(Pierre Thiollet)
クラウス・ウハレア博士
(Prof. Dr.-Ing. Dr.-Ing. E.h. Klaus Wucherer) 68.5 6.9 75.4 165.0 16.5 181.5
(2018 年5月17日まで)
合計 3,162.0 540.4 3,702.4 3,135.0 528.0 3,663.0
当社は2018年度中、監査役会構成員より1,206,500ユーロ（2017年度：1,269,700ユーロ）に相当する役務の提供
を受けた（監査役会の従業員代表が、当社の従業員としての権限において提供した役務を含む。）。当該金額に
は、（2018年5月17日まで監査役会構成員であったヴィルヘルム・ハールマンがパートナーを務める）ドイツ
Frankfurt am Mainに所在するLinklaters LLPに対し2018年度中に支払われた手数料0ユーロ（2017年度：106,900
ユーロ）が含まれる。
監査役会の長期インセンティブ
当社は、監査役会の職務について、監査役会構成員に対し株式報酬を提供していない。従業員選任構成員が報奨
として受領した株式報酬は、当該構成員の当社従業員としての地位に基づくものであり、監査役会における職務に
基づくものではない。
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監査役会：その他の情報
当社は、2018年度またはその前年度に、当社の監査役会の構成員に対して報酬の増額または信用の供与を行って
おらず、また当該構成員のための融資契約も締結していない。
監査役会の議長であるハッソ・プラットナーは、2003年5月に監査役会に加入した後、当社とコンサルティング
契約を締結した。この契約に報酬に関する規定はない。契約に基づき当社が負担する費用は、経費の償還に係るも
ののみである。
法律が許容する範囲内において、当社は、第三者からの請求に対し、監査役会構成員に対する補償を行い、かつ
彼らに損害を被らせない。これを目的として、当社は取締役および役員（D&O）グループ賠償責任保険を維持して
いる。GCGC第3.8条に基づき、各監査役会構成員は損失の最低10％を免責金額として負担する。当該免責金額は、
当該構成員の年間固定報酬の1.5倍を上限とする。
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５【コーポレート・ガバナンスの状況等】
（１）【コーポレート・ガバナンスの状況】
「第1 1 (2) 提出会社の定款等に規定する制度」および「第5 4 (2) 当社の取締役および取締役会構成員
への報酬」を参照のこと。
（２）【監査報酬の内容等】
①【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
2018 年度 2017 年度
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
単位：百万ユーロ 関連する報酬 関連する報酬 関連する報酬 関連する報酬
3 0 3 0
提出会社
(365.22 百万円) (0 百万円) (365.22 百万円) (0 百万円)
6 0 7 0
連結子会社
(730.44 百万円) (0 百万円) (852.18 百万円) (0 百万円)
9 0 10 0
計
(1,095.66 百万円) (0 百万円) (1,217.40 百万円) (0 百万円)
②【その他重要な報酬の内容】
2018 年5月17日に開催された年次株主総会において、当社の株主は、KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
を、2018年度における当社の独立監査役に選任した。KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaftは2002年度より
当社の主監査役を務めている。KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaftおよび国際的なKPMGネットワークにお
けるその他の事務所は、当社に対し、2018年度および過年度にかかる監査およびその他の専門サービスについて、
下記の報酬を請求した。
単位：百万ユーロ 2018 年度 2017 年度 2016 年度
KPMG AG KPMG 合計 KPMG AG KPMG 合計 KPMG AG KPMG 合計
(ドイツ) 国外 (ドイツ) 国外 (ドイツ) 国外
ファーム ファーム ファーム
3 6 9 3 7 10 3 6 9
監査報酬
(365.22 (730.44 (1,095.66 (365.22 (852.18 (1,217.40 (365.22 (730.44 (1,095.66
百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 1 1
監査証明業務に関連
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (121.74 (121.74
する報酬
百万円) 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 0 0
税務報酬
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他すべての報酬
(0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円) (0 百万円)
3 6 9 3 7 10 3 7 10
合計
(365.22 (730.44 (1,095.66 (365.22 (852.18 (1,217.40 (365.22 (852.18 (1,217.40
百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円) 百万円)
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監査報酬は、当社の連結財務書類とSAP SEおよびその子会社の法定財務書類の監査について、KPMGから請求され
た報酬総額である。監査証明業務に関連する報酬は、当社の財務書類の監査またはレビューの実施に合理的に関係
し、監査報酬として計上されていない保証その他関連業務について、KPMGから請求された報酬である。
③【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
「②その他重要な報酬の内容」を参照のこと。
④【監査報酬の決定方針】
該当なし。
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第６【経理の状況】
1 本書記載の連結財務書類は、ドイツ商法の規定に従い国際財務報告基準に基づいて作成されている。なお、日本文の財務書
類はこれを翻訳したものであり、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」（昭和38年
大蔵省令第59号、以下「財務諸表等規則」）第131条第1項の規定の適用を受けている。
2 本書記載の連結財務書類は、会計監査人であるKPMG AGの会計監査を受けており、添付のとおり監査報告書を受領している。
本書記載の連結財務書類は「金融商品取引法施行令」（昭和40年政令第321号）第35条の規定に基づく「財務諸表等の監査証明
に関する内閣府令」（昭和32年大蔵省令第12号）第1条の2の規定により、金融商品取引法第193条の2の規定に基づく監査は受
けていない。
3 本書記載の連結財務書類の原文は、ユーロで表示されている。日本円への換算は2019年5月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行
が公表した対顧客電信直物売・買相場の仲値である1ユーロ＝121.74円で換算され、端数は四捨五入されている。なお、円表示
額は単に便宜上の表示のためだけのものであり、ユーロ額が上記のレートで円換算されることを意味するものではない。円表
示額は、四捨五入のため合計欄の数値が総数と一致しない場合がある。
▶ 円換算額及び「第6 経理の状況」の「2 その他」から「3 日本とドイツ（国際財務報告基準）における会計原則及び会計慣
行の相違」までにおける記載事項は、原文の連結財務書類には含まれてはおらず、当該事項における連結財務書類への参照事
項を除き、会計監査の対象にもなっていない。
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１【財務書類】
IFRS 連結財務諸表
SAP グループ連結損益計算書
12月31日に終了した事業年度
2018 2017 2016
注記
百万 百万 百万
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ 百万円
クラウド・サブスクリプション及
びサポート収益 4,993 607,848 3,769 458,838 2,993 379,303
ソフトウェアライセンス収益 4,647 565,726 4,872 593,117 4,859 615,908
ソフトウェアサポート収益 10,981 1,336,827 10,908 1,327,940 10,571 1,339,663
ソフトウェアライセンス及びサ
ポート収益 15,628 1,902,553 15,780 1,921,057 15,431 1,955,571
クラウド収益及びソフトウェア収
益 20,622 2,510,522 19,549 2,379,895 18,424 2,334,874
4,086 497,430 3,912 476,247 3,639 461,044
サービス収益
(A.1)
24,708 3,007,952 23,461 2,856,142 22,062 2,795,917
営業収益合計 (C.2)
クラウド・サブスクリプション
及びサポート原価 -2,068 -251,758 -1,660 -202,088 -1,313 -166,396
ソフトウェアライセンス及びサ
ポート原価 -2,092 -254,680 -2,234 -271,967 -2,182 -276,525
クラウド及びソフトウェア原価 -4,160 -506,438 -3,893 -473,934 -3,495 -442,921
-3,302 -401,985 -3,158 -384,455 -3,089 -391,469
サービス原価
-7,462 -908,424 -7,051 -858,389 -6,583 -834,264
原価合計
17,246 2,099,528 16,410 1,997,753 15,479 1,961,654
売上総利益
研究開発費 -3,624 -441,186 -3,352 -408,072 -3,044 -385,766
販売費 -6,781 -825,519 -6,924 -842,928 -6,265 -793,963
一般管理費 -1,098 -133,671 -1,075 -130,871 -1,005 -127,364
リストラクチャリング費用 (B.6) -19 -2,313 -182 -22,157 -28 -3,548
-20 -2,435 1 122 -3 -380
その他の営業収益/費用（純額）
-19,005 -2,313,669 -18,584 -2,262,416 -16,928 -2,145,285
営業費用合計
5,703 694,283 4,877 593,726 5,135 650,759
営業利益
その他の営業外収益/費用（純
額） (C.3) -56 -6,817 -36 -4,383 -234 -29,655
金融収益 371 45,166 476 57,948 230 29,148
金融費用 -418 -50,887 -288 -35,061 -259 -33,964
-47 -5,722 188 22,887 -29 -4,816
金融収益（純額） (C.4)
5,600 681,744 5,029 612,230 4,872 616,288
税引前利益 (C.2)
-1,511 -183,949 -983 -119,670 -1,242 -155,751
税金費用 (C.5)
4,088 497,673 4,046 492,560 3,629 460,537
税引後利益
親会社株主持分 4,083 497,064 4,008 487,934 3,642 462,058
非支配持分 6 730 38 4,626 -13 -1,647
基本1株当たり利益(ユーロ) (C.6) 3.42 416.00 3.35 408.00 3.04 385.00
希薄化後1株当たり利益(ユーロ) (C.6) 3.42 416.00 3.35 408.00 3.04 385.00
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
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SAPグループ連結包括利益計算書
12月31日に終了した事業年度
2018 2017 2016
注記
百万 百万 百万
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ 百万円
税引後利益 4,088 497,673 4,046 492,560 3,629 460,537
損益に組替調整されない項目
確定給付年金制度の再測定(税
引前) 12 1,461 29 3,530 -10 -1,267
確定給付年金制度の再測定に関
連する法人税等 -1 -122 -7 -852 2 253
確定給付年金制度の再測定(税引
後) 11 1,339 22 2,678 -8 -1,014
損益に組替調整されない項目に対
11 1,339 22 2,678 -8 -1,014
する税引後その他の包括利益
後に損益に組替調整される項目
為替換算差額に係る利得（損
失）（税引前） 910 110,783 -2,730 -332,350 865 109,621
為替換算差額に係る組替調整額
（税引前） 0 0 0 0 -1 -127
為替換算差額(税引前) 910 110,783 -2,730 -332,350 864 109,495
為替換算差額に関連する法人税
等 0 0 -2 -243 -25 -3,168
為替換算差額(税引後) (E.2) 910 110,783 -2,732 -332,594 839 106,326
売却可能金融資産の再測定に係
る利得（損失）（税引前） 0 0 114 13,878 -18 -2,281
売却可能金融資産に係る組替調
整額（税引前） 0 0 -250 -30,435 -26 -3,295
(F.2)
売却可能金融資産(税引前) (F.3) 0 0 -136 -16,557 -44 -5,576
売却可能金融資産に関連する法
人税等 0 0 1 122 1 127
売却可能金融資産(税引後) (E.2) 0 0 -135 -16,435 -43 -5,449
キャッシュ・フロー・ヘッジ/
ヘッジ費用に係る利得（損失）
（税引前） -10 -1,217 81 9,861 -24 -3,042
キャッシュ・フロー・ヘッジ/
ヘッジ費用に係る組替調整額
（税引前） -22 -2,678 -41 -4,991 8 1,014
キャッシュ・フロー・ヘッジ/ (F.1)
ヘッジ費用（税引前） (F.3) -32 -3,896 39 4,748 -15 -1,901
キャッシュ・フロー・ヘッジ/
ヘッジ費用に関連する法人税等 9 1,096 -10 -1,217 ▶ 507
キャッシュ・フロー・ヘッジ/
-23 -2,800 29 3,530 -11 -1,394
ヘッジ費用(税引後) (E.2)
損益に組替調整される項目に対す
887 107,983 -2,838 -345,498 785 99,483
る税引後その他の包括利益
898 109,323 -2,816 -342,820 777 98,469
税引後その他の包括利益
4,986 606,996 1,229 149,618 4,406 558,879
包括利益合計
親会社株主持分 4,980 606,265 1,191 144,992 4,418 560,527
非支配持分 6 730 38 4,626 -13 -1,647
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠の一部である。
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有価証券報告書
SAP グループ連結財政状態計算書
12月31日現在
2018 2017
注記
百万ユーロ 百万円 百万ユーロ 百万円
資産の部
現金及び現金同等物 (E.3) 8,627 1,050,251 4,011 488,299
その他の金融資産 (D.5)(E.3) 448 54,540 990 120,523
営業債権及びその他の債権 (A.2) 6,362 774,510 5,899 718,144
その他の非金融資産 (A.3)(G.1) 889 108,227 725 88,262
293 35,670 306 37,252
未収税金
16,620 2,023,319 11,930 1,452,358
流動資産
のれん (D.2) 23,725 2,888,282 21,271 2,589,532
無形資産 (D.3) 3,227 392,855 2,967 361,203
有形固定資産 (D.4) 3,553 432,542 2,967 361,203
その他の金融資産 (D.5)(E.3) 1,536 186,993 1,155 140,610
営業債権及びその他の債権 (A.2) 118 14,365 118 14,365
その他の非金融資産 (A.3)(G.1) 1,301 158,384 687 83,635
未収税金 397 48,331 352 42,852
繰延税金資産 (C.5) 1,015 123,566 1,037 126,244
34,871 4,245,196 30,554 3,719,644
非流動資産
51,491 6,268,514 42,484 5,172,002
資産合計
負債及び資本の部
営業債務及びその他の債務 1,486 180,906 1,151 140,123
未払税金 611 74,383 597 72,679
金融負債 (E.3) 1,125 136,958 1,561 190,036
その他の非金融負債 (B.5)(G.2) 4,120 501,569 3,982 484,769
(A.4)(B.4)
引当金 (B.5)(B.6) 110 13,391 149 18,139
3,028 368,629 2,771 337,342
契約負債/繰延収益 (A.1)
10,481 1,275,957 10,210 1,242,965
流動負債
営業債務及びその他の債務 129 15,704 119 14,487
未払税金 495 60,261 434 52,835
金融負債 (E.3) 10,553 1,284,722 5,034 612,839
その他の非金融負債 (B.5)(G.2) 501 60,992 514 62,574
(A.4)(B.4)
引当金 (B.5)(B.6) 270 32,870 328 39,931
繰延税金負債 (C.5) 97 11,809 251 30,557
88 10,713 79 9,617
契約負債/繰延収益 (A.1)
12,133 1,477,071 6,759 822,841
非流動負債
22,614 2,753,028 16,969 2,065,806
負債合計
資本金 1,229 149,618 1,229 149,618
資本剰余金 543 66,105 570 69,392
利益剰余金 27,407 3,336,528 24,769 3,015,378
その他の資本の構成要素 1,234 150,227 508 61,844
-1,580 -192,349 -1,591 -193,688
自己株式
親会社株主持分 28,832 3,510,008 25,484 3,102,422
非支配持分 45 5,478 31 3,774
28,877 3,515,486 25,515 3,106,196
資本合計 (E.2)
51,491 6,268,514 42,484 5,172,002
負債及び資本合計
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
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有価証券報告書
SAPグループ連結資本変動計算書
12月31日に終了した事業年度
非支配 資本
親会社株主持分
持分 合計
資本金 資本 利益 その他の資本の構 自己株式 合計
剰余金 剰余金 成要素
注記
(E.2) (E.2) (E.2) (E.2)
百万ユーロ
2016 年1月1日
1,229 558 20,033 2,561 -1,124 23,257 28 23,285
3,642 3,642 -13 3,629
税引後利益
-8 785 777 777
その他の包括利益
包括利益
3,634 785 4,418 -13 4,406
株式報酬 16 16 16
配当 -1,378 -1,378 -1,378
株式報酬による自己株式の再発行 25 25 50 50
-2 -2 6 ▶
その他
1,229 599 22,287 3,346 -1,099 26,361 21 26,383
2016 年12月31日
4,008 4,008 38 4,046
税引後利益
その他の包括利益 22 -2,838 -2,816 -2,816
包括利益 4,029 -2,838 1,191 38 1,229
株式報酬 -43 -43 -43
配当 -1,499 -1,499 -66 -1,565
自己株式の取得 -500 -500 -500
株式報酬による自己株式の再発行 13 8 22 22
ハイパーインフレーション -17 -17 -17
非支配株主持分の変動 -33 -33 35 2
2 2 2 ▶
その他
1,229 570 24,769 508 -1,591 25,484 25,515
31
2017 年12月31日
IFRS第15号の適用
83 83 83
135 -160 -25 -25
IFRS第9号の適用
1,229 570 24,987 347 -1,591 25,542 31 25,573
2018 年1月1日
4,083 4,083 6 4,088
税引後利益
その他の包括利益 11 887 898 898
包括利益 4,093 887 4,980 6 4,986
株式報酬 -40 -40 -40
配当 -1,671 -1,671 -13 -1,684
株式報酬による自己株式の再発行 13 11 24 24
株式発行 7 7 7
ハイパーインフレーション -8 -8 -8
非支配株主持分の変動 0 19 19
-2 -2 3 1
その他
1,229 543 27,407 1,234 -1,580 28,832 45 28,877
2018 年12月31日
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
SAPグループ連結資本変動計算書（続き）
12月31日に終了した事業年度
非支配 資本
親会社株主持分 持分 合計
資本金 資本 利益 その他の資本の構 自己株式 合計
剰余金 剰余金 成要素
注記
(E.2) (E.2) (E.2) (E.2)
百万円
149,618 67,931 2,438,817 311,776 -136,836 2,831,307 3,409 2,834,716
2016 年1月1日
税引後利益
443,377 443,377 -1,583 441,794
その他の包括利益
-974 95,566 94,592 94,592
包括利益
442,403 95,566 537,847 -1,583 536,386
株式報酬
1,948 1,948 1,948
配当
-167,758 -167,758 -167,758
株式報酬による自己株式の再発行
3,044 3,044 6,087 6,087
-243 -243 730 487
その他
149,618 72,922 2,713,219 407,342 -133,792 3,209,188 2,557 3,211,866
2016 年12月31日
税引後利益
487,934 487,934 4,626 492,560
その他の包括利益
2,678 -345,498 -342,820 -342,820
包括利益
490,490 -345,498 144,992 4,626 149,618
株式報酬
-5,235 -5,235 -5,235
配当
-182,488 -182,488 -8,035 -190,523
自己株式の取得
-60,870 -60,870 -60,870
株式報酬による自己株式の再発行
1,583 974 2,678 2,678
ハイパーインフレーション
-2069.58 -2,070 -2,070
非支配株主持分の変動
-4017.42 -4,017 4,261 243
243.48 243.48 243.48 486.96
その他
2017 年12月31日 149,618 69,392 3,015,378 61,844 -193,688 3,102,422 3,774 3,106,196
IFRS第15号の適用
10,104 10,104 10,104
16,435 -19,478 -3,044 -3,044
IFRS 第9号の適用
149,618 69,392 3,041,917 42,244 -193,688 3,109,483 3,774 3,113,257
2018 年1月1日
税引後利益
497,064 497,064 730 497,673
その他の包括利益
1,339 107,983 109,323 109,323
包括利益
498,282 107,983 606,265 730 606,996
株式報酬
-4,870 -4,870 -4,870
配当
-203,428 -203,428 -1,583 -205,010
株式報酬による自己株式の再発行
1,583 1,339 2,922 2,922
株式発行
852 852 852
ハイパーインフレーション
-974 -974 -974
非支配株主持分の変動
2,313 2,313
-243.48 -243.48 365.22 121.74
その他
2018 年12月31日 149,618 66,105 3,336,528 150,227 -192,349 3,510,008 5,478 3,515,486
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
SAPグループ連結キャッシュ・フロー計算書
12月31日に終了した事業年度
2018 2017 2016
注記
百万 百万 百万
ユーロ 百万円 ユーロ 百万円 ユーロ 百万円
税引後利益 4,088 497,673 4,046 492,560 3,629 441,794
税引後利益から営業活動による正
味キャッシュ・フローへの調整:
(D.2)-
償却費 (D.4) 1,362 165,810 1,272 154,853 1,268 154,366
税金費用 (C.5) 1,511 183,949 983 119,670 1,242 151,201
金融収益（純額） (C.4) 47 5,722 -188 -22,887 29 3,530
営業債権に対する貸倒引当金の
増減 -67 -8,157 -32 -3,896 51 6,209
その他の非貨幣取引の調整 -14 -1,704 -34 -4,139 39 4,748
営業及びその他債権の増減 136 16,557 -309 -37,618 -675 -82,175
その他の資産の増減 -454 -55,270 -355 -43,218 -248 -30,192
営業債務、引当金及びその他の
債務の増減 93 11,322 389 47,357 513 62,453
契約負債/繰延収益の増減 -561 -68,296 718 87,409 368 44,800
利息の支払額 -251 -30,557 -200 -24,348 -190 -23,131
利息の受取額 99 12,052 88 10,713 79 9,617
-1,687 -205,375 -1,332 -162,158 -1,477
法人税の支払額(還付後の純額)
営業活動より生じたキャッシュ・
4,303 523,847 5,045 614,178 4,628 563,413
フロー
企業結合（取得現金及び現金同
等物控除後） -2,036 -247,863 -291 -35,426 -106 -12,904
企業結合による金融派生商品の
-103 -12,539 0 0 0
入金
企業結合に伴う支出合計（取得
現金及び現金同等物控除後） (D.1) -2,140 -260,524 -291 -35,426 -106 -12,904
無形固定資産及び有形固定資産
の取得 -1,458 -177,497 -1,275 -155,219 -1,001 -121,862
無形固定資産及び有形固定資産
の売却による収入 57 6,939 97 11,809 63 7,670
他の会社の株式又は負債性金融
商品の取得による支出 -1,013 -123,323 -2,914 -354,750 -1,549 -188,575
株式又は負債性金融商品の売却
1,488 181,149 3,272 398,333 793 96,540
による収入
投資活動より生じたキャッシュ・
-3,066 -373,255 -1,112 -135,375 -1,799 -219,010
フロー
配当金の支払い (E.2) -1,671 -203,428 -1,499 -182,488 -1,378 -167,758
非支配株主への配当金の支払い -7 -852 -45 -5,478 0 0
自己株式の取得による支出 (E.2) 0 0 -500 -60,870 0 0
自己株式の再発行による収入 0 0 0 0 27 3,287
借入による収入 (E.3) 6,368 775,240 27 3,287 443 53,931
借入金の返済 (E.3) -1,407 -171,288 -1,391 -169,340 -1,800 -219,132
0 0 2 243 3 365
非支配株主との取引
財務活動より生じたキャッシュ・
3,283 399,672 -3,406 -414,646 -2,705 -329,307
フロー
現金及び現金同等物に対する為替
レート変動の影響 97 11,809 -218 -26,539 167 20,331
現金及び現金同等物の純増減 4,617 562,074 309 37,618 291 35,426
現金及び現金同等物期首残高 (E.3) 4,011 488,299 3,702 450,681 3,411 415,255
現金及び現金同等物期末残高 (E.3) 8,627 1,050,251 4,011 488,299 3,702 450,681
添付の注記は、連結財務諸表に不可欠な一部分である。
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SAP SE 及びその子会社
IFRS 連結財務諸表に対する注記
(IN.1) 前提
概要
SAP SEの登録所在地はドイツのヴァルドルフである（マンハイム下級裁判所の商業登記番号はHRB 719915）。
SAP SE及びその子会社（合わせて「我々」「SAP」「グループ」「会社」という）の2018年度の連結財務諸表は 国際財務報告
基準 (以下、IFRS ) に準拠して作成されている 。
我々は、2018年12月31日時点で有効かつ欧州連合（以下、EU）が承認している全てのIFRS基準及び解釈指針を適用してい
る。なお、有効であるがEUが未承認の基準又は解釈指針で、2018年、2017年、2016年12月31日終了事業年度の連結財務諸表に
影響の与えるものはない。そのため、我々の連結財務諸表は国際会計基準審議会（IASB）が公表し、EUの承認したIFRSに従っ
ている。
SAPの役員会は、監査役会への提出のため、当該連結財務諸表を2019年2月20日付で承認している。
連結財務諸表の全ての残高は、別途記載がない限り百万ユーロ単位で記載されている。なお、端数処理の影響により、当該
連結財務諸表内の数値の合計やパーセンテージは正確に一致しないことがある。
連結損益計算書又は 連結財政状態計算書から注記に直接引用している数値は、それぞれ 及び の記号が付されてい
る。
会計方針、経営者による判断、並びに見積りの不確実性に関する情報源
会計方針、判断、並びに見積りの開示方法
財務諸表の理解に資するため、各題目に、会計方針、経営者による判断、並びに見積りの不確実性に関する情報源（以下、
「会計方針、判断、並びに見積り」）について、その他の開示内容と共に記載している。その題目とは関係のない会計方針、
判断、並びに見積りについては、後のセクションに記載している。
会計方針、判断、並びに見積りについての記載を特定しやすくするため、当該記載には記号 を付し、グレーで囲ってい
る。会計方針、判断、並びに見積りには、現行のIFRSのフレームワークから選択された会計方法について記載されており、注
記の理解に特別重要でない限りは、公布されている根本的なIFRSガイダンスについては掲載していない。
会計方針、判断、並びに見積りが記載されている箇所の概要は下表のとおりである。
注記
会計方針、判断、並びに見積り
(IN.1) 前提
(A.1) 収益
(A.2) 営業債権及びその他の債権
(A.3) 資産計上された顧客との契約から生じるコスト
(A.4) 顧客関連引当金
(B.3) 株式報酬
(B.4) 年金制度及び類似の債務
(B.5) その他従業員関連債務
(B.6) リストラクチャリング
(C.1) セグメントの業績
(C.5) 法人所得税
(D.1) 企業結合
(D.2) のれん
(D.3) 無形資産
(D.4) 有形固定資産
(D.5) 持分投資
(E.3) 流動性
(F.1) 金融リスク要因及びリスク管理
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(F.2) 金融商品に関する公正価値の追加開示
(G.1) その他の非金融資産
(G.4) 訴訟及び損害賠償請求
(G.6) 取締役会及び監査役会報酬
一般的な会計方針
測定基準
本連結財務諸表は以下を除き、取得原価を基礎として作成されている。
- デリバティブ金融商品及び現金決済型株式報酬にかかる負債は公正価値で測定されている。IFRS第9号に従
い、単に元本又は利息の支払いだけではないキャッシュ・フローを持つ金融資産についても公正価値で測定さ
れている。
- 退職後給付は年金資産の公正価値を控除した確定給付債務の現在価値で測定されている。
- 外貨建貨幣性資産及び負債は期末為替相場で換算されている。
外貨及びハイパーインフレ
ユーロ以外の機能通貨を用いる海外子会社の収益、費用及び営業キャッシュ・フロー項目は、月次に平均為替相
場により換算する。外貨建取引の換算差額は、その他の営業収益/費用（純額）に計上される。
アルゼンチン及びベネズエラの子会社について、報告日時点の物価指数を基に現地通貨の一般購買力の変化を反
映させるため、今期の財務諸表を再表示することにより、ハイパーインフレ会計を適用している。再表示された
アルゼンチン及びベネズエラの子会社の財務諸表は、決算日レートに変換されている。この会計により最も大き
い影響を受けたのは、以下の項目である。
- 総収益 （2018年度に19百万ユーロの減少）
- 営業利益 （2018年度に12百万ユーロの減少）
- その他の営業外収益・費用 （2018年度に25百万ユーロの収益）
- 資本（利益剰余金及びその他の包括利益） （2018年12月31日時点で32百万ユーロの減少）
- 総負債 （2018年12月31日時点で19百万ユーロの増加）
我々に影響のある主要通貨の為替相場は以下の通り。
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為替相場
期末為替相場 期中平均為替相場
（1ユーロあたり） 2018 2017 2018 2017 2016
アメリカドル USD
1.1450 1.1993 1.1815 1.1315 1.1045
イギリスポンド GBP 0.8945 0.8872 0.8847 0.8770 0.8206
日本円 JPY 125.85 135.01 130.41 126.85 119.77
スイスフラン CHF 1.1269 1.1702 1.1549 1.1159 1.0886
インドルピー INR 79.7298 76.6055 80.7277 73.9595 73.9685
オーストラリアドル AUD 1.6220 1.5346 1.5799 1.4794 1.4850
クラウド及びソフトウェアの原価
クラウド及びソフトウェアの原価は、クラウド及びソフトウェア収益をうみだすための製品の製造サービスの提
供により発生した費用を含んでいる。従って、当項目にはこれらのサービスに関連する人件費、取得した無形固
定資産に係る償却費、外部へのライセンス料、出荷及び梱包費用及び有形固定資産に係る償却費（例えば、我々
がクラウドソリューションを提供するデータセンターの償却費）を含んでいる。
サービスの原価
サービスの原価は、コンサルティングやトレーニング、メッセージサービスなどに加えて、顧客やパートナーに
対するアプリケーション・マネージメント・サービスといった、収益を獲得するためのサービスの提供により発
生した費用を含んでいる。
研究開発費
研究開発費は、システム開発に係る人的資源及びハードウェア費用を含む、ソフトウェアソリューション(新製
品、アップデート、機能拡張)の開発活動に関連した費用を含んでいる。開発により内部でうみだされた無形資産
についての詳細な情報は、注記(D.3)を参照。
販売費
販売費は、我々のソフトウェア及びクラウドソリューション並びにサービス・ポートフォリオに関連する販売活
動から生じた費用を含んでいる。
一般管理費
一般管理費は、他の営業費用項目に直接的に帰属させることのできない、財務及び管理機能、人事並びに運営全
般に関する費用である。
経営者による判断及び見積りの不確実性に関する情報源
連結財務諸表の作成にあたっては、会計方針の適用や資産、負債、収益、費用の報告金額及び偶発債務の開示に
影響を与えるような判断、見積り及び仮定を経営者が実施する必要がある。
我々の判断、見積り、仮定は、過去及び将来の見込みの情報及び我々又は顧客が活動する地域や業界の経済的状
況を基にしている。これらの条件の変動は見積りに不利な影響を与える可能性がある。当社は、対象となってい
る不確実性について、その最終的な帰結を合理的に見積もっているものの、これらの事象の最終的な結果が、資
産、負債、収益、費用及び開示された偶発債務に反映されているものと一致すると保証することはできない。実
際の成果は当初見積りと相違しうる。
我々が判断、見積り、仮定を行うことを最も頻繁に又は特に求められる、つまり我々の経営成果を理解するのに
最も重要な会計方針には以下が含まれる。
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注記
重要な会計方針
(A.1) 収益認識
(A.2) 営業債権の評価
(B.3) 株式報酬の会計処理
(C.5) 法人所得税の会計処理
(D.1) 企業結合の会計処理
(D.2) のれんの会計処理
(D.3) 無形資産の会計処理（開発により内部で創設された無形資産の認識を含む）
(G.4) 法的偶発事象の会計処理
我々の経営陣は、これらの重要な会計方針について、監査役会の監査委員会と定期的に議論している。
未適用の公表済新会計基準
グループの財務諸表の発行日までに、公表済ではあるが未適用の基準及び解釈（グループに関係するもの）は、
以下に記載されている。我々は、その基準が有効になるときに、その基準を適用する予定である。
2016年1月13日に、IASBによりIFRS第16号「リース」が発行された。この新しい基準を、我々は2019年1月1日を適
用開始日として有効とする。当社は、修正遡及アプローチを適用することを決定し、そのアプローチでは基準の
適用による累積的な影響額が、適用日の利益剰余金の期首残高への調整として認識される。この新しい基準によ
り、基本的に全てのリースがリースの借手の貸借対照表で認識されるため、借手のリース会計処理に大きな影響
を与える。リースの借手は、原資産を使用する権利に相当する使用権資産及びリース料支払いの義務に相当する
リース債務を認識する。使用権資産の減価償却費及びリース債務の支払利息が認識されるため、リースに関連す
る費用の性質も変化する。これらの会計処理の変更は、以前IAS第17号のもとオペレーティングリースとして識別
されていたリースに適用される。当社は基準で言及されている実務的な便法を使用することを決定した（たとえ
ば、短期リースや少額リースの非資産計上、及びリースの延長又は終了の選択権がある契約のリース期間を決定
する際の事後的判断）。使用権資産を測定するときに、2つの方法があるが、当社は、より金額の大きいリース
（主に設備リース）については遡及アプローチを適用する一方、より金額の小さいリースについてはリース債務
と等しい金額で測定し、基準適用の直前に存在している前払及び未払リース料の金額で調整する。
IFRS第16号を適用する前に、SAPの経理部と事業部とを横断するプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトに
は、SAPを用いたリース会計及び報告に係るソリューションの適用、並びにFRS第16号のリース会計方針及び当該
方針をサポートする事業プロセスの策定が含まれる。さらに当社は、組織内の関連当事者のトレーニングを実施
した。
影響額の大部分は、リースした設備、データセンター及び車両によるものである。これらのオペレーティング
リースは、IAS第17号のもと、以前は簿外項目であった（リース料は、リース期間に賃借料に直接費用計上されて
いた）。2019年1月1日時点（IFRS第16号の適用日）で、総資産及び総負債の合計金額は、それぞれ約19億円及び
約20億円となると推定している。両者の差額は1億円未満であるが、適用日の利益剰余金への調整として記録され
る。この差異の主な要因は、減価償却費が定額法で計算されているのに対して、遡及して発生する利息につい
て、初期では高い利息が発生するが、次第に利息が減少することにある。以前は賃借料として分類されていた費
用の一部が利息費用として分類されることになり営業利益の外で計上されるため、IFRS第16号の適用は、2019年
度の営業利益に好ましい影響をもたらすと考えている。2019年1月1日時点のグループのリースに基づくと、1億円
を下回る金額の営業利益が増加すると考えられる。我々の利益への実際の影響額は、適用時に有効なリース契約
だけでなく、2019年に開始又は終了する新規のリース契約に依存する。IFRS第16号は、リース料のキャッシュ・
フロー計算書での表示方法についても影響を及ぼす。結果として、営業活動より生じるキャッシュ・フローは増
加し、財務活動より生じるキャッシュ・フローは減少することとなる。営業活動より生じるキャッシュ・フロー
は、約3億円から4億円の増加が予想される。
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セクションA – 顧客
このセクションは、当社の顧客との契約に関する開示について記載している。これらには当社が収益を認識する方法、収益
の内訳、並びに当社の売掛金及び顧客関連債務に関する情報が含まれているが、これらに限定されない。さらに、このセク
ションではIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用により生じる前期数値との最も重要な相違点を開示している
（注記(A.5)参照）。
(A.1) 収益
収益の分類
当社は、当社が提供するクラウドサービスの使用、オンプレミス・ソフトウェア製品のライセンス、標準化され
たプレミアムサポートサービス、コンサルティング、顧客特有のソフトウェアの開発、トレーニング、その他の
サービスにより顧客に請求する報酬から収益を獲得している。
クラウド及びソフトウェア収益は、連結損益計算書に記載の通り、クラウド・サブスクリプション及びサポート
収益、ソフトウェアライセンス収益並びにソフトウェアサポート収益の合計である。
－ クラウド・サブスクリプション及びサポート収益は、顧客に以下のサービスを提供することにより受け取る
報酬である。
● サービスとしてのソフトウェア(SaaS）、すなわち当社又は当社が契約した第三者が提供するクラウドベー
スのインフラストラクチャーにあるソフトウェア機能（標準機能、カスタムクラウド・アプリケーション
及び拡張機能を含む）を使用することができる権利を付与するサービス。この場合、顧客は当社が提供す
るクラウドのホスティング契約を解約することはできず、また、ソフトウェアを所有して自身のITインフ
ラストラクチャー上で使用したり、外部の第三者と契約してソフトウェアを提供、管理したりする権利を
持たない。SaaSには、当社のネットワーク事業の顧客が当社のクラウドベースの取引プラットフォーム上
で実行する取引に対する取引手数料及び代行手数料も含まれる。
● サービスとしてのプラットフォーム（PaaS）、すなわち、アプリケーションを開発、実行、管理するため
のクラウドベースのインフラストラクチャーを使用することができる権利を付与するサービス。
● サービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS)、すなわち、顧客がソフトウェアを所有する権利を有
し、当社又は当社が契約した第三者は当該ソフトウェアのためのホスティングサービス及び関連するアプ
リケーション管理を提供するサービス。
● 基本的なクラウド・サブスクリプション料に含まれる標準サポートを超えたプレミアムクラウド・サブス
クリプションサポートにかかるサービス。
－ ソフトウェアライセンス収益とは、ソフトウェアの販売に係る収益及び顧客の企業内使用によるライセンス
収益である。すなわち、顧客は企業内又は外部の第三者が提供するハードウェアへインストールするために
ソフトウェアの所有権を有する（オンプレミス・ソフトウェア）。ソフトウェアライセンス収益は、標準ソ
フトウェアの販売及び顧客固有のオンプレミス・ソフトウェア開発契約からの収益を含む。
－ ソフトウェアサポート収益は、オンプレミス・ソフトウェア製品に対する不特定の将来におけるソフトウェ
アアップデート、アップグレード及び機能強化並びに技術的製品サポートサービスといった、標準的サポー
トサービスを顧客に提供することによる報酬である。
サービス収益は主に専門的なコンサルティングサービス、プレミアムサポートサービス、トレーニングサービス
及びメッセージングサービスから得られる報酬である。
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会計方針、判断及び見積り
契約の識別
当社は、同一の顧客と複数の契約を締結することが多いが、会計上複数の契約がほぼ同時に締結され、経済的に
相互に関係していれば会計上は一つの契約として扱う。締結日が3か月間以上離れた契約については、当該契約を
同時期に締結したとみなせないため、結合しない。二つまたはそれ以上の契約が相互に関連しているかどうかの
評価にあたっては判断が必要となる。これらの判断には、複数の契約が単一の商業的目的を有するパッケージと
して交渉されているかどうか、ある契約の対価の額が他の契約の履行に依存するものかどうか、契約上のいくつ
かまたはすべての商品が単一履行義務であるかどうかの検討を含む。
既存の顧客との新たな取り決めは、新たな契約か顧客との過去の契約の修正のいずれかとなり得る。当該事項の
決定の行う際には、新規合意と既存契約に関連性があるかどうか、新規の商品とサービスは、以前の契約におけ
る商品及びサービスと強く相互関連しているかどうか、どのように新規合意の商品とサービスの価格が決められ
ているか、といった事項を都度考慮する。取引価格の変更が、契約の変更または変動対価における変更のいずれ
に該当するかを決定する際には、取引価格の変更が、契約の変更によるものか、もしくは既存契約の条項の適用
によるものかどうかを検討する。
履行義務の識別
当社の顧客との契約は、しばしば様々な製品とサービスを含む。 通常、“収益の分類“セクションで概説されて
いる製品及びサービスは別個の履行義務となり、製品とサービスに按分された取引手数料は、別個に収益認識さ
れる。しかしながら、財又はサービスが別個の履行義務であるかどうかを決定する際には、判断が必要である。
特に、当社の専門的なサービスと導入作業については、関連するオンプレミス・ソフトウェア、またはクラウド
サービスを著しく統合、カスタマイズもしくは変更しているかどうかを評価するために判断が必要である。この
ように、サービスの性質と、サービスが関連するオンプレミス・ソフトウェアまたはクラウドサービスの数量に
対する相対的な割合を検討する。通常、当社のクラウドサービスの導入サービスは、単純な設定作業を超えるも
のであり、別個の履行義務となるものである。同様に、当社のオンプレミス導入サービスとカスタム開発サービ
スは通常別個の履行義務とみなす。区分不能の財及びサービスは、単一の財及びサービスとして結合させる（結
合履行義務）。
財又はサービスを販売する際、顧客に追加的な財やサービス（例えば、更新可能なサービスの更新や、購入した
ソフトウェアの追加）を獲得するオプションを付与する場合がある。当社は、このようなオプションが、当該契
約を締結しなかった場合には得られなかった重要な権利（重要な権利オプション）を顧客に提供しているかどう
かを判断する必要がある。この判断にあたり、販売された財又はサービスを個別に販売する際に適用される割引
を超過するような割引が、当該オプションと共に販売される際に顧客に付与されるかどうかを判断する。
取引価格の決定
約束した財又はサービスの顧客への移転と交換に当社が権利を得ると見込まれる金額を決定する際には判断が必
要となる。この判断には、事後的な値引きや支払いの顧客における発生可能性、およびその程度、並びに、顧客
が契約上の対価を支払うと見込まれるかどうかについての見積りが含まれる。この判断にあたっては、個々の顧
客及び顧客層についての過去の経験を考慮している。
当社の代表的なクラウドサービスの場合、顧客はホスティング契約を解約することはできず、また、ソフトウェ
アの所有権を保持しないため、通常顧客に対してソフトウェアライセンスを付与しない。そのため、取引量基づ
くクラウド使用料は、売上高に基づくライセンスロイヤリティとして会計処理されるのではなく、見積り取引量
に基づいて取引価格が決定される。
非常に稀に、契約に重要な金融要素が含まれることがあるが、当社が顧客に約束した財又はサービスを移転した
時点と顧客が対価を支払う時点が一年以内である場合には、金融要素を考慮しない。
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取引価格の配分
契約内の履行義務に対して、取引価格を按分するための独立販売価格（SSPｓ）を特定するため、当社は以下のヒ
エラルキーを設定している。
－ 独立販売価格が、観察可能で顧客間で合理的な一貫性を有する場合（つまり、著しい変動がない場合）、独
立販売価格はそれぞれの過去実績に基づいて見積もる。通常、標準サポート提供と専門的なサービス提供
は、このアプローチを適用する。
－ 製品の販売価格が直接的に観察可能でない、または顧客によって著しく変動する場合、以下の見積もり方法
を用いる。非常に変動的な価格設定の更新可能製品については、価格が実質的である場合に限り、個々の契
約で予想される更新価格を考慮する。当社のクラウド・サブスクリプション製品は、このアプローチを適用
する。更新可能でない製品は見積りコストにマージンを加算して算出する。
－ 更新がなく、価格が著しく変動し、コストプラス法に基づいて見積もりための実質的な直接費用がない製品
については、取引価格を残余アプローチにより配分する。当社は特に標準的なオンプレミス・ソフトウェア
製品にこの手法を適用する。
独立販売価格を見積もる際は、判断が必要となる。財又はサービスの過去の価格の実績が著しく変動したかどう
かについての判断にあたり、価格変動性についての基準値を設定している。また、契約上の更新価格が実質的で
あるかどうかの判断にあたっては、契約上の更新価格が一定の最低価格を下回る際は、独立販売価格として扱う
ための基準価格を設定している。契約上の更新価格で契約が更新される見込みであるかどうかの判断にあたって
は、個々の更新履歴に基づくことにしている。重要なオプションの独立販売価格は、オプションを行使する確率
に基づいて判断する。この確率を見積もる際には、当社は過去の行使状況を考慮している。
当社は最も客観的で入手可能な入力パラメータを使用することを担保するため、定期的に、また、事実や状況が
変化する度に独立販売価格を見直している。
収益の認識
クラウド・サブスクリプション及びサポート収益は、サービス提供期間にわたって認識される。当社の履行義
務が、クラウドサービスに対する継続的なアクセス権、及び利用権を一定期間付与することである場合、収益は
時の経過に応じ、当該サービス提供期間に対して比例的に認識される。
ソフトウェア収益は、標準的なソフトウェア、もしくは顧客固有のソフトウェアを提供するかに応じて、一時
点、もしくは一定期間にわたって認識される。
－ 標準的なオンプレミス・ソフトウェア製品のライセンスは、通常、顧客にソフトウェアをダウンロードする
ためのアクセス権を付与することにより提供され、アクセス権が付与されたときにライセンス期間がスター
トする。そのようなオンプレミス・ライセンスの収益は、顧客がソフトウェアにアクセスし、ソフトウェア
に対する支配を得た時点で認識される。オンプレミス・ソフトウェア製品が、顧客に対し当社の知的財産に
単にアクセスする権利ではなく、使用権を付与しているかどうかについては、事後的なアップデートを含ま
ない当該ソフトウェアの有用性に基づいて判断する。
－ 代表的な顧客固有のオンプレミス・ソフトウェアの開発契約は、以下のようなものである。
● 顧客ごとの特定の要求に応じて作成されたソフトウェアであり、これらの製品は代替的な利用方法がな
い。
● 現時点までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利をもたらす。
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そのような開発契約については、ソフトウェア開発の進捗度に応じて一定の期間にわたり収益を認識する。履行
義務の完全な充足に向けての進捗度を測定する適切な方法を決定するには、判断が求められる。通常、ソフト
ウェアの開発においてこれまでに発生した直接費が開発作業を完了させるために合理的に見積もられる直接費の
合計に占める割合として、開発契約の進捗度を測定する（工事進行基準）。開発費用の実質的に全ての部分は開
発作業を実施しているエンジニアまたは第三者の開発作業の費用であるため、この進捗度の測定の方法は、顧客
への開発サービスの移転状況を忠実に表している。開発作業の完了までの総費用の見積りにあたっては、類似し
た過去のプロジェクトの実績を考慮する。
サポート収益は通常、サポート契約期間に亘って収益認識される。サービスを提供する準備が整っている場合
（学習コンテンツへのアクセス権など）、当社は経過時間に基づきサービス期間に比例的に収益を認識してい
る。消費に基づくサービス（個別に識別可能なコンサルティングサービス、プレミアムサポートサービス、メッ
セージサービス、及び暮らす集合形式のトレーニングサービスなど）はサービスが利用されるにつれて、一定の
比率で又は工事進行基準に基づいて認識される。工事進行基準を適用する際、顧客固有のオンプレミス・ソフト
ウェア開発契約と同様の方法及び同様の論拠と判断に基づいて、履行義務の充足の完了に向けた進捗度を測定す
る。あるサービスが提供準備の整っているサービスかサービスの消費に基づくものかの区別については、判断を
要する。
統合された履行義務の収益は、統合された履行義務を構成するすべての顧客に対する契約のうち、最も長い期間
にわたって認識される。
収益を一時点で認識するか、一定の期間にわたって認識するかを区別するにあたって、判断が必要となる。一定
の期間にわたって充足される履行義務について、当社のパフォーマンスをもっとも適切に反映する方法で進捗度
を測定する必要がある。一定の期間にわたって収益を認識するために発生原価を進捗度の測定に使用する場合
は、履行義務の充足に必要な総原価を見積もるために判断を要する。
上述の判断と見積りはいずれも認識される収益の金額及び時期に重要な影響を与える可能性がある。
契約残高
当社は履行義務が充足されていくにつれて、充足した履行義務に対応する債権を認識し、請求可能になった時点
で全額売上債権を認識する。この際、対価について無条件で受け取ることのできる権利であるかどうか、すなわ
ち債権の要件を満たしているかについて判断が必要となる。
契約負債は、主に収益認識前に期日の到来した請求又は顧客から受けた支払によって構成される。
通常、当社は標準的なオンプレミス・ソフトウェアに対する料金は、契約を締結し製品を提供した時点で請求し
ている。クラウド・サブスクリプションサービス、ソフトウェアサポートサービス、及びその他の複数期間契約
に対する期間定額料金は、通常、毎年または四半期毎に事前に請求される。契約負債残高の多くはそのような料
金の前払い勘定である。クラウド・サブスクリプションの実際取引量に基づく料金、及び非定期サービスに対し
て請求される料金は、サービスの提供に応じて請求している。契約タイプと地域によって支払条件と期間は変化
するが、通常、30日～60日以内を支払期限としている。
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地域別情報
下表の地域別収益の額は、顧客の所在地を基礎としている。下表の地域はEMEA（ヨーロッパ、中東及びアフリカ）、南北ア
メリカ（北米及び中南米）、APJ（アジア太平洋地域及び日本）である。
顧客所在地別総収益
2018 2017 2016
百万ユーロ
ドイツ 3,658 3,352 3,034
7,446 7,063 6,721
その他のEMEA地域
11,104 10,415 9,755
EMEA
米国 7,880 7,436 7,167
1,832 1,911 1,763
その他の南北アメリカ地域
9,713 9,347 8,931
南北アメリカ
日本 963 885 825
その他のアジア太平洋日本地域 2,928 2,814 2,552
3,891 3,699 3,377
アジア太平洋日本
24,708 23,461 22,062
SAP グループ
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地域別の主な収益分類
クラウド・サブスクリプション及びサポート収益 クラウド及びソフトウェア収益
百万ユーロ
2018 2017 2016 2018 2017 2016
EMEA
1,441 1,029 703 9,339 8,759 8,193
南北アメリカ 2,941 2,321 2,000 7,973 7,666 7,366
611 419 290 3,310 3,124 2,865
アジア太平洋日本
4,993 3,769 2,993 20,622 19,549 18,424
SAP グループ
セグメント別収益及び地域別セグメント収益の内訳に関しては注記(C.1)参照。
残存履行義務
残存履行義務に配分した顧客契約の取引価格の金額は、未認識の契約収益を表している。それらには、契約負債として認識さ
れている金額、および契約されているが未だ期限が到来していない金額が含まれる。
2018年12月31日現在の未充足又は部分的に未充足の履行義務に配分した取引価格は、313億ユーロである。この金額の大部分は
ソフトウェアサポート又はクラウド・サブスクリプション及びサポートの提供義務によるものであり、これらのサービスの契
約期間が通常1年又は複数年に跨っていることによる。
この金額の大部分は、各貸借対照表日から翌12ヶ月間にわたり収益認識されると見込んでいるが、当該見積もりには、将来の
契約変更の可能性を考慮する必要があるため、判断が必要となる。残存履行義務に配分される取引価格の金額、及び時の経過
による当該金額の変動は、以下の影響を特に受ける。
- 通貨価値の変動
- 貸借対照表日現在に残存するクラウド契約及びサポート契約の契約期間、および、当該契約の更新時期
過年度に充足した履行義務
当報告期間において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益は、主に工事進行基準の契約に関連する見積りの変
更および変動対価の見積りの変更から生じた132百万ユーロであった。
契約残高
2018年12月31日現在の契約負債は31億ユーロ （2018年1月1日: 35億ユーロ）である。
契約負債の増加は主に請求書の期限が到来したこと（70億ユーロ）に起因する。契約負債の減少は主に履行義務の充足（75
億ユーロ）によるものである。Callidusの買収は契約負債残高の増加に寄与した（詳細については、注記(D.1)参照）。
当報告期間に認識した収益のうち2018年1月1日現在の契約負債残高に含まれていた金額は、32億ユーロである。
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(A.2) 営業債権及びその他の債権
会計方針、経営者の判断並びに見積りの不確実性の発生要因
当社は、営業債権及び顧客との契約から生じる契約資産を償却原価から予想信用損失を差し引いた金額で測定し
ている。 当社はポートフォリオごとに貸倒引当金を計上することにより予想信用損失を計上している。 当社は、
債権の当初測定時に全期間にわたって発生すると予想される信用損失を考慮するという減損の簡便的アプローチ
を適用している。 これらの損失を見積もるために引当マトリクスを使用している。
さらに、信用減損の客観的証拠がある場合、当社は個々の債権に対する引当金を認識する。
回復の可能性が非常に低いと判断した場合、債権残高は部分的に又は全額貸倒れ処理される。
営業債権に対するデフォルトリスクの分析及び管理方法、引当マトリクスの損失率の決定方法、信用減損の決定
方法及び当社の貸倒れ処理の基準については、注記(F.1) 信用リスクに関するセクションを参照。
連結損益計算書上、純損益には引当マトリクスの適用による予想信用損失引当金、信用が毀損している顧客残
高、及びその他の営業収益/費用（純額）に含まれる貸倒れ及び関連する戻し入れによる収益/費用が含まれてい
る。為替レートの変動による損益は、その他の営業外収益/費用（純額）に含まれている。
予想信用損失引当金の決定には、重要な判断が必要となる。 当社は主に引当マトリクスのリスククラスにおける
信用損失に関する過去の経験及び滞留債権に関する現在のデータを考慮して判断している。 当社の過去のデフォ
ルト率は、将来の予想デフォルト率に対する合理的な近似値であると考えている。引当マトリクスの作成にあた
り、過去のデータに加えて、合理的かつ裏付け可能な将来の情報（例えば、カントリーリスク格付の変化、顧客
が所在する国のクレジットデフォルトスワップの変動）を考慮している。
売掛金が回収可能かどうかの評価には、デフォルトに関する仮定を設定する必要があるが、当該仮定は大幅に変
わる可能性がある。
この判断に際し、当社は特定の顧客の財務状況に関する入手可能な情報を評価し、信用損失が発生したかどうか
及び発生すると判断した場合、損失が合理的に見積り可能かどうかを判断する。信用損失が発生しており合理的
に損失を見積り可能であるならば、当該特定の顧客に対する引当金計上が必要である。過去の実績は将来の動向
を示していない可能性があるため、残りの債権に対する予想信用損失を主に当社の過去の損失実績に基づいて決
定することも同様に判断を要する。また、予想信用損失引当金の損失率に合理的かつ裏付け可能な将来見通しに
関する情報を含めることは、将来の成長に対する信頼性のある予測となっていない可能性もあるため、判断を必
要とする。 貸倒引当金に関する当社の見積りの変更は、報告された資産及び費用に重大な影響を与える可能性が
あり、実際の貸倒損失が当社の見積りを超えた場合、当社の利益は悪影響を受ける可能性がある。
営業債権及びその他の債権
2018 2017
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
営業債権（純額） 6,182 6 6,188 5,809 1 5,810
180 112 293 90 116 207
その他の債権
6,362 118 6,480 5,899 118 6,017
合計
2018年12月31日現在の契約資産は116百万ユーロ （2018年1月1日: 14百万ユーロ）である。
営業債権に対する財務リスク、信用リスクの管理方法並びに営業債権及び契約資産に対する引当金の詳細については、注記
(F.1)参照。IFRS第9号への以降に関する情報については、注記(F.3)参照。
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(A.3) 資産計上された顧客との契約から生じるコスト
会計方針、判断並びに見積り
顧客契約獲得のための増分コスト
資産計上された顧客との契約から生じたコストは財政状態計算書において非金融資産として分類される。
資産計上された顧客契約獲得のための増分コストは主に営業担当者に対する販売手数料からなる。特に当該手数
料が累積的な目標値に基づく場合や、１つの顧客契約における複数の履行義務に関連する場合、資産計上すべき
金額の決定に判断が必要となる。当社は顧客契約を獲得することが唯一の累積達成目標となっている場合にの
み、累積目標を達成する見込みのある顧客契約に対する手数料を資産計上している。複数の履行義務を有する契
約又はその可能性のある更新に対する手数料は、関連する履行義務及び更新の独立販売価格に配分される。
当社は通常、顧客契約更新のために販売手数料を支払うことはなく、支払ったとしても新しい契約に対する手数
料と同一の基準ではない。それゆえ、更新可能な新規契約に対して支払われる手数料は、これらの契約の予想さ
れる更新にも関連していると判断している。従って、当社は新規顧客契約に対して支払われた販売手数料を、契
約更新を含む予想契約期間にわたり定額法で償却している。契約期間の見積りには判断が必要となるが、個々の
契約における更新履歴を基に、当該更新履歴が将来の更新状況を適切に示すものではないと思われる兆候がある
場合は、当該部分の調整を行っている。償却期間は、提供するサービスの種類に応じて18ヶ月から8年である。顧
客契約獲得に係る資産計上したコストの償却費は、販売費に分類される。顧客契約を獲得するために発生した増
分コストの償却が1年以内であると見込まれる場合には、発生時に費用処理している。
顧客契約を履行するための費用
資産計上された顧客との契約を履行するためのコストは、IFRS第15号以外の基準の範囲に含まれていない限り、
主としてカスタム・クラウド開発契約の直接費用から構成される。これらの費用は開発の完了後から更新見込み
を含むクラウド・サブスクリプションの契約期間にわたり定額法で償却される。費用が直接的か間接的かどうか
の評価及び契約期間の見積りには判断が必要となるが、当社の過去の経験をもとに、償却期間は通常6年としてい
る。
カスタムクラウド・アプリケーション開発および拡張機能の契約を履行するための資産化されたコストの償却
は、クラウド・サブスクリプション及びサポート費用に含まれる。
資産計上された顧客との契約から生じた費用
2018
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計
資産計上された顧客契約獲得コスト 326 1,006 1,332
35 66 101
資産計上された顧客契約履行コスト
資産計上した契約コスト 361 1,072 1,433
889 1,301 2,191
その他非金融資産
資産計上された契約コストが その他
41 82 65
非金融資産に占める割合（％）
IFRS第15号適用前の2017年12月31日現在、資産計上した契約コストは696百万ユーロであり、そのうち199百万ユーロは流
動、497百万ユーロは非流動であった。
2018年の顧客契約獲得コスト及び顧客契約履行コストの償却費用は、それぞれ231百万ユーロ及び50百万ユーロであった。
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(A.4) 顧客関連引当金
会計方針、判断並びに見積り
顧客関連引当金は主に予想契約損失を含む。当社は情報が入手可能になり、状況が変化するにつれて、これらの
引当金を調整する。非流動引当金は、報告書日現在の予想決済額の現在価値によって測定されている。
さらに、これらの引当金には顧客関連の訴訟及び損害賠償請求から生じる債務も含まれている。当社はSAPソフト
ウェアの使用に基づいて提起された訴訟に対して補償を要求する顧客に関する訴訟、及び当社が提供した製品及
びサービスに不満を抱く顧客に関する訴訟を含む、様々な損害賠償請求及び法的手続に直面している。顧客関連
の訴訟および損害賠償請求から生じる債務は、当社の製品が第三者の特許、著作権、企業秘密、またはその他の
所有権を侵害しているとの損害賠償請求から生じる負債に対して、当社が顧客に補償する場合に生じる。
これらの事項には不確実性があるため、入手可能な最新の情報に基づいて引当金を計上している。 引当金計上の
要否、及び引当金の計上金額について、重要な判断が必要となる。 特に、以下の項目についての判断が必要とな
る。
－ 債務が存在するかどうか
－ 経済的便益の流出の可能性
－ 債務金額について、信頼性をもった見積りが可能かどうか
－ 債務を決済するために必要な支出額の見積り
各報告期間の末日に、当社は係争中の損害賠償請求及び訴訟に関連する潜在的な債務を再評価し、現在の最善の
見積りを反映するように引当金の金額を調整する。また、当社は、各報告期間の末日後、連結財務諸表の公表承
認前に入手した新しい情報を検討、評価し、報告期間末日に存在した状況に対し、追加情報を提供するかどうか
を判断している。当社の法令等に関連する偶発債務の会計処理の基礎となる見積りや仮定が変更する場合、又は
これらの見積り及び仮定と異なる結果が生じる場合は、計上された各引当金の帳簿価額に重要な調整又は追加が
必要となる可能性がある。これらの訴訟および損害賠償請求から生じる経済的便益の流出の予想される時期又は
金額は、一般的に訴訟及び損害賠償請求を解決するために必要な訴訟手続及び和解交渉の期間並びに複数の管轄
区域における法的紛争の結果の予測不可能性に左右されるため、不確実で推定することができない。
引当金を識別していない顧客関連の訴訟及び損害賠償請求に関連する偶発債務もあるが、上述した訴訟等に係る
不確実性のため、これらに係る財務上の影響を見積もることは合理的ではないと判断している。
(A.5) IFRS第15号の適用
2018年1月1日より、累積的キャッチアップアプローチ及び2018年1月1日現在完了していない契約にのみ新基準を適用する実
務上の便法を用いて、IFRS第15号「顧客との契約からの収益」を遡及的に適用開始した。 この実務上の便法の影響は、利益剰
余金に認識される移行調整額ならびに当社の収益および費用の両方に計上されている。
IFRS第15号の適用に際して、SAPはいくつかの会計方針を変更した。 累積的キャッチアップアプローチのもとでは、過年度数
値（財務諸表本表に表示されている前期比較数値を含む）は、新たな会計方針に準拠して修正再表示されていない。
会計方針の変更による2018年度の影響は下記の通りである。
－ ソフトウェアライセンス及びサポート収益は主に以下の要因により170百万ユーロ増加した。
● 過年度に付与された顧客のソフトウェア購入オプションの行使の結果生じるソフトウェア収益。
● ソフトウェアとサポートサービスの提供及び未特定のソフトウェア製品を将来提供する義務を組み合わせた、オンプ
レミス・ソフトウェア・サブスクリプション契約の収益認識パターンの修正。
● 顧客固有のオンプレミス・ソフトウェア開発契約と標準のオンプレミス・ソフトウェアの販売を組み合わせた契約の
認識パターンの修正
その他の相殺効果と合わせて、総収益に対して158百万ユーロの利得をもたらした。
－ 営業費用については、売上原価及び販売費が、資産計上される販売手数料の金額から償却費用を控除した純額239百万円
ユーロ改善した。
－ 上述した収益及び費用への影響とその他の軽微な影響により、純額で営業利益が約399百万ユーロ改善した。
2018年12月31日時点の貸借対照表項目については、IFRS第15号適用前と比較し以下の影響があった。
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－ 非流動のその他非金融資産及び流動のその他非金融資産が販売手数料の資産計上によってそれぞれ336百万ユーロ及び64百
万ユーロ増加した（2018年1月1日：非流動のその他非金融資産は132百万ユーロ、流動のその他非金融資産は26百万ユーロ
増加）。
－ 営業債権及びその他の債権、並びに契約負債は契約残高として認識される金額及び時期の変更によってそれぞれ132百万
ユーロ及び188百万ユーロ減少した（2018年1月1日：営業債権及びその他の債権は560百万ユーロ、契約負債は650百万ユー
ロ増加）。
－ 引当金は不利な顧客契約に対する引当金が減少したことより、4百万ユーロ減少した（2018年1月1日：25百万ユーロ減
少）。
－ 無形資産は特定のカスタム・オンプレミス・ソフトウェア開発契約の費用を資産計上したことにより、37百万ユーロ増加
した（2018年1月1日：14百万ユーロ増加）。
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セクションB – 従業員
このセクションは、従業員給付の枠組みについての財務的情報を記載している。このセクションは、注記 (G.6)及び当社の
Compensation Reportに記載のある主要な経営幹部についての報酬開示と併せて参照されたい。
(B.1) 従業員数
部門及び地域（EMEA（ヨーロッパ、中東及びアフリカ）,南北アメリカ（北米及びラテンアメリカ）、APJ（アジア太平洋日
本）ごとの従業員数は以下の通りである。
地域及び機能ごとの従業員数
2018年12月31日 2017年12月31日 2016年12月31日
南北 南北 南北
EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計 EMEA アメリカ APJ 合計
正規職員相当
クラウド及びソ
フトウェア 6,341 4,268 5,374 15,983 5,869 3,895 4,719 14,482 6,406 4,184 5,412 16,002
サービス 8,120 5,736 5,620 19,476 7,536 4,878 4,965 17,379 6,535 4,119 3,967 14,621
研究開発 12,478 5,651 8,930 27,060 11,349 5,250 8,273 24,872 10,525 4,860 7,977 23,363
販売及びマーケ
ティング 9,843 9,452 4,918 24,213 9,196 9,169 4,854 23,219 8,542 8,999 4,435 21,977
一般管理 2,906 1,970 1,147 6,024 2,676 1,781 1,047 5,504 2,629 1,746 1,018 5,393
2,160 951 631 3,742 1,732 855 501 3,087 1,584 788 454 2,827
インフラ
SAPグループ
41,848 28,029 26,620 96,498 38,357 25,827 24,359 88,543 36,222 24,696 23,265 84,183
(12月31日時点）
上記のうち取得
657 952 434 2,043 149 133 7 289 37 172 0 209
による増加人数
SAPグループ
40,496 27,454 25,759 93,709 37,512 25,459 24,029 86,999 34,932 23,532 22,145 80,609
（月次平均）
(B.2) 従業員給付費用
従業員給付費用の内訳
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
給与 9,025 8,693 7,969
社会保障費用 1,339 1,281 1,135
株式報酬費用 830 1,120 785
年金費用 330 312 270
従業員関連リストラクチャリング費用 19 180 33
52 57 37
リストラクチャリング計画に関連しない解雇給付
11,595 11,643 10,229
従業員給付費用
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(B.3) 株式報酬
会計方針、経営判断、並びに見積りの不確実性に係る情報源
株式報酬には、従業員に発行される現金決済及び持分決済による報酬が含まれる。それぞれの費用は、従業員給
付として認識され、従業員による活動毎に連結損益計算書に分類されている。
これらの報酬の大部分については、以下に詳細に記載されている。当社は、以下に記載されていないその他の株
式報酬制度があるが、それらは個別にも合計しても連結財務諸表において重要な金額ではない。
現金決済による報酬について経済的にヘッジを行っている場合、ヘッジ手段の公正価値の変動も従業員給付費用
として利益又は損失で認識されている。ヘッジ手段の公正価値は、現在の市場の推定値を反映した市場データに
基づいている。
株式報酬の公正価値を見積もる際に、予測株価の変動及び予測付与期間(株式報酬の行使又は期限切れまでの平均
残余期間の見積りを表している)等の一定の仮定を用いている。
また、これらの報酬の最終支払いは業、績達成指標及び行使日の株価に依存する。そのため、これらの仮定にお
ける変更、仮定から乖離した実績の変動により、株式報酬に係る負債の帳簿価格への重要な修正を必要とする場
合がある。LTI2016プランのもと付与された株式の公正価格は、同業他社(ピアグループインデックス)に対する業
績及び、インデックス価格とSAP株価の変動及び相関関係に依存する。
株式報酬の公正価値を見積もるにあたり、予測した価格変動が、最も感応度の高い過程であると考えている。現
金決済型の将来支出額については、当社の株価が最も関連する要素である。LTI2016プランについては、将来支出
は、株価だけでなくピアグループインデックスに対する業績が大きく影響する。これらの要素の変動は、評価モ
デルで計算される見積公正価格及び将来支出に大きく影響を与えることがある。
従業員に対してSAP株式の割引購入権を付与する場合があるが、この割引は、従業員による将来の役務提供に依存
しないことから、割引購入権が付与されたときに費用として認識される。
損益計算書の営業費用は、下記の株式報酬費用を含んでいる。
機能別の株式報酬費用
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
クラウド及びソフトウェア原価 78 115 89
サービス原価 142 158 101
研究開発費 210 269 190
販売費 312 442 292
一般管理費 88 135 113
株式報酬合計 830 1,120 785
内、現金決済型株式報酬に関するもの
674 963 678
156 157 107
内、持分決済型株式報酬に関するもの
a) 現金決済型株式報酬制度
長期インセンティブ2016プラン（LTI2016プラン）
LTI2016プランの目的は、年間営業利益(非IFRS、通貨の為替変動を非考慮)の達成に報いること、取締役会メンバーの長期的
な関与を確実とし、主要なピアグループと比較した長期的なSAPの株価の実績に報いることである。
このバーチャルシェアプログラムは、2016年1月1日に有効となった。LTIトランシェは毎年付与され、期間は4年である
（2016-2018トランシェ）。毎年の付与は、 ユーロ建ての付与総額が最初に決定される。付与総額は、執行役員の契約目標額と
前年度の営業利益目標達成度に基づいている。監査役会が営業利益目標達成度を考慮して契約目標額の80％から120％の間のレ
ベルで金額を設定する。付与総額は、付与価格で除すことにより株式ユニットという仮想の株式に変換される。付与単価は、
当社の第4四半期決算発表後20営業日における株価のXETRA終値の平均値として算出される。
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このように付与されたすべての株式ユニットは、60%の業績連動株式ユニット(PSUs)と40%のリテンション株式ユニット
(RSUs)に区分され、いずれも約4年間の権利確定期間がある。権利確定期間の終了後も、対応する株式ユニットは失効しない。
権 利確定期間の終了後には、SAP第4四半期の業績が公表されてから20営業日におけるSAP株式のXETRA終値の平均値として算出
された単価で決済される。支払価格は、付与価格の300％を上限としている。LTIトランシェは対応する年の株主総会後に現金
決済され、ユーロで支払われる。
最終的に支払がなされるPSUsの数は、当社株価の実績(ピアグループインデックスに対して絶対的かつ相対的なもの)に応じ
て変動する。対照的に、RSUsの最終的な数は固定されている。当社の絶対的な株価実績は、付与価格と支払価格を比較するこ
とによって測定される。同じ期間に当社の株価実績がピアグループインデックスと等しい場合、業績係数は100％に設定され
る。SAPの株価実績がピアグループインデックスよりも優れている場合(SAPの株価実績とピアグループインデックスの実績の差
として測定)、業績係数は、SAP株価が上回ったパーセンテージポイント分だけ上昇する。さらに、支払価格が付与価格よりも
高い場合、パーセンテージポイントは倍となる。業績係数の上限は150％である。ピアグループインデックスがSAPの株価より
も優れている場合、業績係数はピアグループインデックスのパフォーマンスのパーセンテージポイント分だけ低下する。業績
係数が50％以下の場合、すべてのPSUsが失効する。
取締役員会メンバーとの役務提供契約が、株式ユニットが付与された年度から3年以内に終了した場合、辞任の状況や役務提
供契約終了の状況に応じて、RSUsとPSUsの両方の一部又は全部が失効となる。
長期インセンティブ・プラン （LTI2015プラン）
LTI2015プランの下、2012年から2015年の間に、元グローバルマネジメントボードメンバーに株式ユニットを付与した(2012-
2015トランシェ)。
それぞれの株式ユニットは付与された年度末に権利確定している。株式ユニットは、支払時までに3年間の保有期間有するこ
とになっている。支払金額は、権利確定済み株式ユニットの数及びSAPの株価に依存し、それぞれの3年間の保有期間の最終会
計年度のSAP第4四半期の業績発表直後に決定される。
SAP ストック・オプション・プラン2010 (SOP 2010)
SOP 2010の下で、我々は2010年から2015年の期間にシニア・リーダーシップ・チーム、グローバルエグゼクティブのメン
バー、並びに 特別優れた評価と高い潜在能力をもつ 従業員に、また、2010年と2011年の役会メンバーに対して仮想のストッ
ク・オプションを付与した。付与の基礎値は、役員会決議日前5営業日にわたるSAP株式の平均終値に基づいている。
SOP 2010によって付与されたオプションにより、従業員はオプションを行使して一定額の現金を受け取る権利を有する。3年
間（取締役会メンバーは4年間）の権利確定期間の後、当該制度は、付与日から6年後( 取締役会メンバー は7年後 )に権利が失効
するまで、毎年11のあらかじめ定められた行使日が与えられる。 （4月を除く、各月の一定の日） 従業員は、当社に雇用され
ている場合に限り、オプションを行使することができる。彼らが会社を離れる場合、オプションは失効する。取締役員のオプ
ションは、一度付与されると失効しないが、付与年度に役務提供契約が終了する場合はオプションの数は比例的に減少する。
任期終了までに行使されなかったオプションは期限切れになる。
行使価格は付与時の基礎価格の110％(取締役会メンバーは115％)であり、2013トランシェは59.85ユーロ、2014トランシェは
60.96ユーロ、2015トランシェは72.18ユーロである。2018年に行使されたオプションの加重平均行使価格は67.59ユーロ(2017
年は58.16ユーロ)であり、2018年末時点の未行使オプションの加重平均行使価格は67.62ユーロ(2017年は67.55ユーロ)であっ
た。
金銭的利益は行使価格の100％で上限に達する。
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ムーブSAPプランを含むリストリクテッド・ストック・ユニット・プラン (RSUプラン)
役員及び特定の従業員をつなぎとめ、モチベーションを向上させるため、2014年から、当社株価及び最終的な権利確定後株
数で決まる現金受給の条件付き権利である仮想株式を付与した。付与されたRSUは、トランシェごとに以下の場合に権利確定さ
れる。
- 1～3年以上の勤務期間を経た場合、若しくは、
- 3年以上の勤務期間を経ている場合かつ主要な業績達成指標（KPI）を達成している場合
様々なトランシェの下で権利確定する業績連動株式ユニット（PSUs）の数は、付与された年の営業利益(非IFRS、継続した通
貨による)のKPI目標の達成状況に依存する。業績に応じ、権利確定するPSUの数は最初に付与された数の0％から200％の範囲で
変動する。KPI目標に対する2018年の業績は106.7%(2017年は78.2％、2016年は85.1％)であった。すべての株式ユニットは、権
利確定時に現金で払い出される。
未行使現金決済型株式報酬制度は、下記のパラメーターと仮定を用いて評価している。
現金決済型制度の2018年期末時点の公正価値と使用したパラメーター
LTI2016 LTI2015 SOP 2010 RSUプラン
プラン プラン (2015-2018
(2013-2015
(2016-2018 (2014-2015 トランシェ)
トランシェ)
特に記載のない
トランシェ） トランシェ）
限りユーロ
2018年12月31日時点
での加重平均公正価
値 65.89 86.93 20.67 85.24
測定日における公正
価値の測定方法につ
いての情報
使用したオプショ
ン価格モデル モンテ・カルロ その他*1 モンテ・カルロ その他*1
株価 86.93 86.93 86.93 86.93
満期日に基づくリ -0.70%から -0.67%から -0.69%から
スク・フリー利率 -0.55% N/A -0.25% -0.31%
17.9%から 22.8%から
予想変動率 21.4% N/A 38.5% N/A
予想配当利回り 1.63% N/A 1.63% 1.63%
2018年12月31日オプ
ション残高の加重平
均残存年数 2.4年 0.1年 1.2年 1.0年
*1 これらの報酬において、公正価値は評価日時点での株価から、もしあれば、各報酬の満期日までの将来の配当支払分の現在
価値を控除して算定している。
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現金決済型制度の2017年期末時点の公正価値と使用したパラメーター
LTIプラン LTIプラン SOP 2010 RSU
2016 2015 (2014-2017
(2011-2015
(2016-2017 (2013-2015 トランシェ)
トランシェ)
特に記載のない
トランシェ） トランシェ）
限りユーロ
2017年12月31日時点
での加重平均公正価
84.16
値 92.40 26.45 92.08
測定日における公正
価値の測定方法につ
いての情報
使用したオプショ
ン価格モデル モンテ・カルロ その他*1 モンテ・カルロ その他*1
株価 93.45 93.45 93.45 93.45
リスク・フリー利
率（満期日によ -0.63%から -0.62%から -0.70%から
る） -0.48% -0.81% -0.41% -0.32%
17.5%から 21.1%から
予想変動率 19.6% N/A 34.5% N/A
予想配当利回り 1.38% 1.38% 1.38% 1.38%
2017年12月31日オプ
ション残高の加重平
均残存年数 2.9年 0.8年 1.6年 1.1年
*1 これらの報酬において、公正価値は評価日時点での株価から、もしあれば、各報酬の満期日までの将来の配当支払分の現在
価値を控除して算定している。
SOP2010について、SAP社の株価の変動の予想は、同様の残存年数である取引済オプションから想定される変動と、付与され
たオプションと同じ見積残存年数を持つオプションの過去の行使価格および変動に基づいている。
LTI2016プランの評価に関して、2018年12月31日のピアグループのインデックス価格はUSD277.92(2017:USD247.24)であっ
た。このインデックスについての期待配当利回りは1.30%(2017:1.16%)、インデックスの期待変動率は19%-24%(2017:16%-
17%)、そして当社株価とこのインデックス価格の相関率は36%-42%(2017:41%-48%)であり、これらは当社株価とインデックス価
格の過去実績データに基づいている。
オプションの見積残存年数は、契約期間と、予想或いは過去の経験から推測される行使期間を反映している。リスク・フ
リー・レートは、同じ満期を持つドイツ政府債より取得している。配当利回りは、将来配当の予測に基づいている。
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現金決済型制度の株式報酬数の変動
LTIプラン LTIプラン SOP 2010 RSU
2016 2015 （2014-2018
(2011-2015
（2016-2018 （2013-2015 トランシェ）
トランシェ)
トランシェ） トランシェ）
（他に明記がない限り、単位: 千）
2016年12月31日現在残高 377 684 23,375 10,901
付与 295 0 0 7,835
KPI達成による調整 NA 0 NA -124
行使 0 -152 -7,769 -4,388
失効 -41 0 -1,134 -704
2017年12月31日現在残高 631 531 14,472 13,520
付与 295 0 0 8,512
KPI達成による調整 NA 0 NA 49
行使 0 -146 -6,913 -5,840
失効 0 0 -473 -977
2018年12月31日現在残高 926 385 7,086 15,264
行使可能株式報酬数残高
2017年12月31日現在 0 0 4,948 0
2018年12月31日現在 0 0 7,086 0
債務の帳簿価額合計（単位：百万ユーロ）
2017年12月31日現在 22 51 354 708
2018年12月31日現在 30 35 146 774
確定権利の本源的価値合計（単位：百万ユーロ）
2017年12月31日現在 5 49 172 0
2018年12月31日現在 3 34 137 0
行使したストック・オプションの加重平均株価
（単位：ユーロ）
2017年 NA 84.94 91.13 90.91
2018年 NA 88.27 100.61 88.67
費用計上額（単位：百万ユーロ）
2016年 7 7 183 458
2017年 14 9 221 712
2018年 8 -3 43 611
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株式報酬費用関連残高
2018 2017
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
株式報酬費用関連負債 714 316 1,030 815 340 1,154
その他非金融負債 4,120 501 4,621 3,982 514 4,496
株式報酬費用関連負債が
その他非金融負債に占める
17% 63% 22% 20% 66% 26%
割合
デリバティブ – 株式報酬費
用のコールオプション 68 0 68 90 0 90
その他金融資産 448 1,536 1,984 990 1,155 2,145
デリバティブ – 株式報酬費
用のコールオプションが
その他金融資産に占める割
15% 0% 3% 9% 0% 4%
合
デリバティブについてのより詳細な情報は、注記(F.1)を参照。
b) 持分決済型株式報酬制度
オウン・サップ・プラン（Own）
2016年に導入されたオウン・サップ・プラン（Own）に基づき、従業員は、保有期間の制限なく毎月当社株式を購入する機会
を有している。該当する従業員の投資は、毎月の基本給の一定割合に制限されている。当社は従業員投資額と等価の株式を40%
引きで提供し、非役員向けには月額20ユーロの補助金を提供している。当社の取締役会のメンバーはこの制度を利用出来な
い。
購入された株式数
2018 2017 2016
（百万）
Own 5.3 5.0 1.4
持分決済型株式報酬取引の結果、我々は従業員に対し当社株式を付与することをコミットしている。当該コミットメントを
果たすため、自己株式の再発行又は持分決済型プログラムの運営代理人による株式市場からの自己株式取得を行う予定であ
る。2016年から、運営代理人を通じてOwnに関連する義務を果たしている。
持株決済型株式報酬関連費用
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
Own 149 140 77
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(B.4)年金制度及び類似の債務
会計方針
年金費用には、確定給付及び確定拠出年金制度に関連した金額が含まれている。州年金制度に係る費用は、社会
保障費用に含まれている。退職後給付に係る資産及び負債の測定に用いる割引計算に使用される割引率は、予想
する年金の支払タイミングと金額が合致する優良社債や国債の利回りを基礎としている。利息費用(純額)及び確
定給付制度に関するその他の費用は、制度を利用する従業員の活動に応じて、従業員給付費用として連結損益計
算書において認識される。我々の国内確定給付年金は、主に適格保険契約によって全て資金調達される従業員出
資の年金制度により構成されているため、当期の勤務費用は、確定給付債務の帳簿価額を適格年金資産の公正価
値に調整した結果として、収益側となる可能性がある。これら調整金額は勤務費用に計上される。確定給付制度
に係る費用の総額は、関連する現在及び過去勤務費用並びに利息収益及び利息費用で構成される。
確定給付制度
確定給付債務（DBO）の現在価値及び年金資産の公正価値
2018 2017 2018 2017 2018 2017 2018 2017
その他退職後
国内制度 海外制度 給付制度 合計
（百万ユーロ）
確定給付債務の現在価値 886 857 418 382 132 118 1,436 1,357
年金資産の公正価値 878 848 355 319 59 56 1,292 1,223
確定給付債務（資産）の
純額 8 9 63 63 73 62 144 134
連結財務諸表の確定給付
債務(資産)の純額が、以
下の項目に占める割合
その他の非流動金融資産 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 0%
非流動引当金 3% 3% 24% 20% 27% 19% 54% 41%
国内制度のDBOの現在価値のうち824百万ユーロ（2017年は794百万ユーロ）は、最終給与に基づかない一括支払の制度に関連
しており、海外のDBOの現在価値のうち356百万ユーロ（2017年は329百万ユーロ）は、最終給与に基づかない年金支払制度に関
連している。
国内及び海外の年金債務、並びにその他退職後給付債務の評価にあたり、それぞれの測定日に使用された数理計算上の重要
な仮定の加重平均は以下のとおりである。
数理計算上の重要な仮定
国内制度 海外制度 その他退職後給付制度
（パーセント）
2018 2017 2016 2018 2017 2016 2018 2017 2016
割引率 2.3 2.3 2.1 1.0 0.8 0.6 4.2 3.9 4.0
下記の感応度分析表は、数理計算上の前提において合理的に考え得る変動によって、確定給付債務の現在価値がどのように
影響されるかを表している。下記の感度分析表は他の条件を一定とし、割引率に関する仮定が変動した場合を想定している。
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感応度分析
（百万ユーロ） 国内制度 海外制度 その他退職後給付制度 合計
2018 2017 2016 2018 2017 2016 2018 2017 2016 2018 2017 2016
以下の場合における、
確定給付債務の現在価
値：
割引率が50ベーシスポ
イント増加した場合 836 806 800 391 357 344 126 114 93 1,353 1,277 1,237
割引率が50ベーシスポ
イント減少した場合 940 912 913 450 411 398 141 123 101 1,531 1,446 1,412
年金資産への投資
国内給付制度に関する投資戦略は、全ての拠出額を安定的な保険証券に投資することである。
海外給付制度における投資戦略はそれぞれの給付制度を保有する国ごとの状況によって異なる。一般的に、全ての主な海外
の給付制度においては長期投資戦略を採用している。我々の投資方針は、種々の資産により構成されるリスク分散型ポート
フォリオに投資することであるが、確定給付債務及び年金資産は、時の経過に応じて変動し得るため、数理計算上のリスク及
びマーケット（投資）リスクにさらされることになる。各国の法令により、流動性資産を積み増しし、積立不足を減少させる
ことが必要な場合もある。
年金資産の配分
2018年 2017年
活発な市場における 活発な市場における 活発な市場における 活発な市場における
市場価格 市場価格が無い 市場価格 市場価格が無い
（百万ユーロ）
年金資産合計
387 905 350 873
資産区分
株式投資 116 0 105 0
社債 142 0 122 0
保険契約 5 905 5 873
2019年の国内及び海外の確定給付年金制度への拠出予定額は重要でない。確定給付制度の加重平均残存期間は、2018年12月
31日現在において12年、2017年12月31日現在において13年であった。
2018年12月31日における当社の確定給付制度による将来支給総額は、1,783百万ユーロ（2017年:1,670百万ユーロ）であると
見込まれている。このうちの80％は、満期が5年超であり、66％は 国内制度にかかるものである。
確定拠出制度/公的制度
当社は、国内及び海外の確定拠出制度も保持している。それらの制度に基づく拠出額は、従業員の給与に対する割合もしく
は従業員による拠出額に基づいている。さらに、ドイツと他のいくつかの国においては、政府、地方自治体、又は同様の機関
によって運営されている公的年金への拠出を行っている。
確定拠出制度及び公的制度に関する費用合計
2018 2017 2016
(百万ユーロ)
確定拠出制度
280 260 234
公的制度 630 603 529
費用合計
910 863 763
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(B.5) その他従業員関連債務
会計方針
長期の従業員給付に関する引当金は、再保険によって担保されている範囲において関連する年金資産と相殺され
る。
その他従業員関連債務非金融負債
2018 2017
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
その他従業員関連債務 2,866 185 3,051 2,599 175 2,774
その他非金融負債 4,120 501 4,621 3,982 514 4,496
その他従業員関連債務が
その他非金融負債に占める
70 37 66 65 34 62
割合（%）
その他従業員関連債務は、主に賞与及び未払販売報酬、未払有給休暇並びに従業員関連の社会保険に関するものである。
その他従業員関連引当金
2018
流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
その他従業員関連引当金
(2018年1月1日時点) 24 117 141
増加 53 44 97
行使 -48 -107 -155
戻入 -3 -2 -5
-1 0 -1
為替換算
その他従業員関連引当金
25 52 77
(2018年12月31日時点)
引当金合計 110 270 380
その他従業員関連引当金が 引当金合計に占め
23 19 20
る割合(%)
従業員関連引当金は、主に従業員への貸付、解雇手当及び永年勤続表彰費用である。これらの従業員関連引当金の大半は、
12カ月以内に請求される可能性があるが、当該期間に関連する資金流出が生じるとは考えていない。
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(B.6) リストラクチャリング
会計方針
以下の事象が発生する場合に限り、リストラクチャリング引当金を計上する。
－ ある事業の範囲又は事業遂行の方法に重要な変化をもたらす計画を立案し、かつ
－ 詳細に文書化されたリストラクチャリング計画が、取締役会、取締役会の一員又は取締役会のメンバーによ
る直接の報告によって承認され、かつ
－ 承認後、当該計画がすぐに開始され12か月以内に完了する見込みがあり、かつ
－ 計画の影響を受ける当事者に当該計画が通知されるか、又は計画が開始した場合
事業における変化が重要であるかどうかは、当社全体に対する影響よりも事業単位に対する影響に基づき判断を
行う。ある事業単位がリストラクチャリングの対象となるかどうかを判断するにあたっては、当該事業単位を所
管する固有の経営部門を設置しているかどうか、また、成果を発揮し、収益を生み出すのに必要なすべての経営
資源及び事業過程について管理可能かどうかを考慮する。そのため、事業における変化の重要性の有無は、事業
範囲及び事業遂行の方法と関連することになる。そのため、「重要性」は、必ずしも特定の金額的基準と関連付
けられるものではない。リストラクチャリングの規模又は性質、若しくはその両方が重要性の決定要素でなけれ
ばならない。
リストラクチャリング費用
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
従業員関連リストラクチャリング費用 -19 -180 -33
0 -2 5
不利な契約に関連したリストラクチャリング費用
-19 -182 -28
リストラクチャリング費用
リストラクチャリング引当金の主な構成要素は、人員整理にかかる解雇給付や不利な契約コストである。従業員関連のリス
トラクチャリングに伴う資金流出はその性質上、概ね短期のものである。設備に関連するリストラクチャリング引当金が実現
する時期は、設備のリースの残存期間に依存する。
2018年においては、過年度のリストラクチャリングプログラムの追加的費用及び収益性向上及び組織の効率化のための個々
の事業単位における活動を除いて、重要な新規のリストラクチャリングは発生していない。2017年においては、主にデジタル
ビジネスサービス (DBS) ボードエリアでDBSの変革に伴って実行されたリストラクチャリングがあった。当該変革は、多くのソ
フトウェアがクラウドへ移行してきているという需要の変化に対応したものである。
損益計算書上に個別に開示されていない場合、リストラクチャリング費用は、以下のとおり異なる費用項目に分類されてい
る。
機能別リストラクチャリング費用
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
クラウド及びソフトウェア原価 -3 -55 -3
サービス原価 -3 -118 -7
研究開発費 -3 -9 -7
販売費 -11 -2 -10
0 2 -1
一般管理費
-19 -182 -28
リストラクチャリング費用
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セクションC – 業績
当セクションでは、以前のセクションに記載のない当社の報告セグメント及び全社の業績について記載しており、セグメン
トの業績、法人所得税及び一株当たり利益についての情報を含んでいるが、これらに限定されない。
(C.1) セグメントの業績
一般的情報
2018年度末時点において、当社は、最高経営意思決定機関（以下、CODM）として会社の業績を評価し資源配分を決定する責
任を有する取締役会によって定期的にレビューされている4つの事業セグメントを有している。これらの事業セグメントは、主
に提供する製品及びサービスに基づいて組織されたものであり、それぞれ管理されている。特に、ビジネス・ネットワークア
クティビティ、顧客エクスペリエンスソリューション、並びにメッセージサービス、そして、その他事業に関連するかどうか
に基づいて分類されている。
アプリケーション、テクノロジー及びサービスセグメントは、主にソフトウェアライセンスの販売、クラウド・アプリケー
ションのサブスクリプション(但しその他のセグメントに含まれていないもの)、及び関連サービス（主として、サポートサー
ビスや種々の専門的サービス、プレミアム・サポート・サービス、ソフトウェア製品の導入、製品の使用方法についての研修
サービス等）によって収益を獲得している。サービス収益は、他にも顧客エクスペリエンスソリューションに関連するほとん
どすべてのサービス（顧客エクスペリエンスセグメントに含まれていないもの）によって構成されている。
SAPビジネス・ネットワークセグメントは、当社のクラウド・ベースの共同事業ネットワークの利用料やSAPビジネス・ネッ
トワーク（クラウド・アプリケーションや専門的サービス及び研修サービスを含む）に関連するサービスによって収益を獲得
している。SAPビジネス・ネットワークのセグメント内では、主にSAP Ariba、SAP Concur、SAP Fieldglassによって開発され
たクラウド・サービスを市場に販売している。
2018年4月5日、Calidus Software Inc.を買収し、アプリケーション、テクノロジー及びサービスセグメントの構造を変化さ
せた。Calidus事業を、既存の顧客エクスペリエンスアクティビティと統合し、新規にエンドツーエンド事業ユニットを構築し
た。この新規ユニットは、1つの事業セグメントとなり(名称は顧客エクスペリエンス)、顧客エクスペリエンス事業の中心とな
るオンプレミス及びクラウド・ベースの製品で構成されている。オンプレミスの顧客エクスペリエンスソリューションに関連
するサービス収益については、引き続きアプリケーション、テクノロジー及びサービスセグメントに計上されている。これは
ソフトウェアサポート収益を、その他のソリューションのサポートサービスと区分することができないためである。また、収
益は現在顧客エクスペリエンスセグメントに含まれている一方、関連する開発費用(2018: 16百万ユーロ、2017: 21百万ユー
ロ、2016: 19百万ユーロ)はアプリケーション、テクノロジー及びサービスセグメントに含まれているサービスもある。
さらに、従前ビジネスユニットであったデジタルインターコネクト事業を一つの事業セグメントとして取り扱うことになっ
たため、メッセージサービス事業のCODMに対する報告方法が変更になった。ただし、デジタルインターコネクトは規模を理由
に報告セグメントではない。
前年度のセグメント情報は、当年度の報告方法に従って修正再表示している。
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会計方針、判断及びマネジメント・レポーティング
当社の経営者に対する報告システム上、セグメント間の役務提供は費用の減少として計上しており、内部売上と
はしていない。セグメント間の役務提供は、主にプロジェクト単位でのセグメント間人材活用である。セグメン
ト間の役務提供に係るコストは、一定の間接費を含むが、利益は含まれていない内部チャージレートに基づいて
計上されている。
セグメント営業利益に影響する減価償却費及び償却費用のほとんどは、より広範な基盤整備費用の一部として各
セグメントに配分されるため、事業セグメントレベルでは個別に把握していない。各事業セグメントに直課され
る減価償却費や償却費用は、いずれの事業セグメントにおいても重要性がない。
経営者に対する報告システム上、外貨建取引の会計処理で使用する換算レート毎に様々なレポートがあり、実際
レート及び前年度レートの両方の数値がCODMに報告され、使用されている。実際通貨に基づくレポートは、財務
諸表で使用されている換算レートと同じ換算レートを用いている。一方で、前年度レートに基づくレポートは、
収益及び費用を前年同期の平均換算レートを使用して報告している。
当社は、営業利益指標を使用して事業セグメントの業績測定を行っている。ただし、事業セグメントの収益や利
益を測定するための会計方針は、損益計算書において営業利益を決定するためのIFRSに基づく会計方針とは以下
の点において異なる。
－ 事業セグメントの収益及び損益には、被買収企業が仮に買収されていなかったならば計上していたであろう
継続契約から得られる収益が含まれているが、IFRSでは買収時点で顧客契約の公正価値を算定するため、当
該継続契約から得られる収益は、収益として計上していない。
－ 事業セグメントの損益の測定にあたり、以下の費用を控除している。
・ 企業結合により取得した無形資産及び単独で取得した知的財産の償却費用又は減損損失（買収した仕掛
中の研究開発費を含む）、企業結合を契機とした既存の顧客関係に係る清算費用、買収関連の外部費用
といった買収関連費用
・ 株式報酬費用
・ リストラクチャリング費用
－ 財務、経理、法務、人材、事業運営及びマーケティングを含む一部の活動は、全社レベルでのみ管理されて
いる。それらの活動は、報告セグメントの結果には含まれていない。
報告対象ではない事業の収益及び費用並びに上述の全社レベルで管理されている一部の活動は、注記(C.2)のその
他の利益及びその他の費用の調整表に表示される。
セグメント資産・負債に関する情報、及びセグメントごと非流動資産の取得に関する情報は、取締役会に対する
定期的な報告に含まれていない。報告セグメント別ののれんについては注記(D.2)に記載。
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アプリケーション、テクノロジー及びサービス
2018 2017 2016
前年度 前年度
3) 3)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
クラウド利用料及びサポート
1)
SaaS/PaaS
1,829 1,894 1,403 1,423 1,074
クラウド利用料及びサポート
2)
IaaS
488 506 328 334 206
クラウド利用料及びサポート 2,317 2,400 1,732 1,758 1,280
ソフトウェアライセンス料 4,233 4,456 4,434 4,538 4,350
ソフトウェアサポート料 10,968 11,477 10,890 10,987 10,544
ソフトウェアライセンス及びサポート 15,201 15,933 15,325 15,524 14,894
クラウド及びソフトウェア 17,518 18,333 17,056 17,282 16,174
3,288 3,559 3,162 3,183 3,037
サービス
20,806 21,892 20,218 20,465 19,211
収益合計
クラウド利用料及びサービス原価
1)
SaaS/PaaS
-777 -818 -572 -581 -404
クラウド利用料及びサービス原価
2)
IaaS
-424 -436 -305 -307 -225
クラウド利用料及びサービス原価 -1,201 -1,254 -877 -888 -630
ソフトウェア、ライセンス及びサポー
ト原価 -1,899 -2,031 -1,948 -1,958 -1,896
クラウド及びソフトウェア原価 -3,101 -3,285 -2,825 -2,846 -2,525
サービス原価 -2,524 -2,695 -2,437 -2,453 -2,401
-5,625 -5,980 -5,262 -5,300 -4,926
売上原価
15,181 15,912 14,957 15,165 14,284
セグメント利益
-6,435 -6,729 -6,478 -6,549 -5,949
その他セグメント費用合計
8,746 9,183 8,478 8,616 8,335
セグメント利益
1)
Software as ▶ Service / Platform as ▶ Service
2)
Infrastructure as ▶ Service
3)
前年度レートは、当期の為替レートを使用する代わりに、前年の期中平均為替レートを使用し換算されている。そのため、
2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ比較され、また2017年の前年度レートの値は、2016年の実際
レートの値とのみ比較される。
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
SAP ビジネス・ネットワーク
2018 2017 2016
前年度 前年度
3) 3)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
クラウド利用料及びサポート
1)
SaaS/PaaS
2,178 2,265 1,840 1,870 1,595
クラウド利用料及びサポート
2)
IaaS
0 0 0 0 0
クラウド利用料及びサポート 2,178 2,265 1,840 1,870 1,595
ソフトウェアライセンス料 0 0 -1 -1 0
ソフトウェアサポート料 16 16 18 18 28
ソフトウェアライセンス及びサポート 16 17 17 18 27
クラウド及びソフトウェア 2,193 2,282 1,857 1,887 1,622
436 451 404 413 303
サービス
2,629 2,733 2,261 2,300 1,925
収益合計
クラウド利用料及びサービス原価
1)
SaaS/PaaS
-483 -503 -428 -435 -384
クラウド利用料及びサービス原価
2)
IaaS
0 0 0 0 0
クラウド利用料及びサービス原価 -483 -503 -428 -435 -384
ソフトウェア、ライセンス及びサポー
ト原価 -6 -7 -5 -5 -1
クラウド及びソフトウェア原価 -489 -510 -433 -440 -385
サービス原価 -324 -337 -292 -297 -247
-813 -847 -725 -737 -632
売上原価
1,816 1,886 1,536 1,563 1,293
セグメント利益
-1,285 -1,341 -1,148 -1,166 -953
その他セグメント費用合計
531 545 388 397 340
セグメント利益
1)
Software as ▶ Service / Platform as ▶ Service
2)
Infrastructure as ▶ Service
3)
前年度レートは、当期の為替レートを使用する代わりに、前年の期中平均為替レートを使用し換算されている。そのため、
2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ比較され、また2017年の前年度レートの値は、2016年の実際
レートの値とのみ比較される。
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有価証券報告書
顧客エクスペリエンス
2018 2017 2016
前年度 前年度
3) 3)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
クラウド利用料及びサポート
1)
SaaS/PaaS
528 539 200 203 119
クラウド利用料及びサポート
2)
IaaS
0 0 0 0 0
クラウド利用料及びサポート 528 539 200 203 119
ソフトウェアライセンス料 413 421 438 445 513
ソフトウェアサポート料 1 1 0 0 0
ソフトウェアライセンス及びサポート 414 422 437 445 514
クラウド及びソフトウェア 942 961 637 648 633
9 9 6 6 ▶
サービス
951 970 643 654 637
収益合計
クラウド利用料及びサービス原価
1)
SaaS/PaaS
-176 -178 -81 -82 -30
クラウド利用料及びサービス原価
2)
IaaS
0 0 0 0 0
クラウド利用料及びサービス原価 -176 -178 -81 -82 -30
ソフトウェア、ライセンス及びサポー
ト原価 -20 -20 -45 -45 -54
クラウド及びソフトウェア原価 -196 -198 -126 -127 -84
サービス原価 -3 -3 -1 -1 -1
-199 -202 -127 -127 -85
売上原価
751 768 516 527 552
セグメント利益
-613 -630 -431 -437 -388
その他セグメント費用合計
138 139 85 90 164
セグメント利益
1)
Software as ▶ Service / Platform as ▶ Service
2)
Infrastructure as ▶ Service
3)
前年度レートは、当期の為替レートを使用する代わりに、前年の期中平均為替レートを使用し換算されている。そのため、
2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ比較され、また2017年の前年度レートの値は、2016年の実際
レートの値とのみ比較される。
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有価証券報告書
地域別収益
2018年
実際通貨
アプリケーション、
テクノロジー及び SAPビジネス・ 顧客
サービス ネットワーク エクスペリエンス 報告セグメント合計
(百万ユーロ)
EMEA 10,178 443 416 11,037
7,197 1,915 421 9,532
南北アメリカ
3,431 271 114 3,817
APJ
20,806 2,629 951 24,386
セグメント収益合計
SAPグループの地域別の収益の詳細は、注記(A.1)参照のこと。
(C.2) セグメント情報と損益計算書の調整表
2018 2017 2016
前年度 前年度
1) 1)
レート レート
実際レート 実際レート 実際レート
(百万ユーロ)
アプリケーション、テクノロジー及びサービス 20,806 21,892 20,218 20,465 19,211
SAPビジネス・ネットワーク 2,629 2,733 2,261 2,300 1,925
顧客エクスペリエンス 951 970 643 654 637
24,386 25,596 23,122 23,419 21,773
報告セグメントのセグメント収益合計
その他の収益 356 365 341 346 294
為替換算の調整 0 -1,219 0 -301 0
収益の公正価値調整 –33 -33 -3 -3 -5
24,708 24,708 23,461 23,461 22,062
収益合計
アプリケーション、テクノロジー及びサービス 8,746 9,183 8,478 8,616 8,335
SAPビジネス・ネットワーク 531 545 388 397 340
顧客エクスペリエンス 138 139 85 90 164
9,415 9,867 8,951 9,103 8,840
報告セグメントのセグメント利益合計
その他の収益 356 365 341 346 294
その他の費用 -2,608 -2,751 -2,523 -2,529 -2,501
為替換算の調整 0 -317 0 -151 0
以下項目についての調整:
収益の公正価値調整 -33 -33 -3 -3 -5
買収関連費用 -577 -577 -587 -587 -680
株式報酬 -830 -830 -1,120 -1,120 -785
リストラクチャリング -19 -19 -182 -182 -28
5,703 5,703 4,877 4,877 5,135
営業利益
その他営業外収益・費用（純額） -56 -56 -36 -36 -234
-47 -47 188 188 -29
金融収益（純額）
5,600 5,600 5,029 5,029 4,872
税引前利益
1)
前年度レートは、当期の為替レートを使用する代わりに、前年の期中平均為替レートを使用し換算されている。そのため、
2018年の前年度レートの値は、2017年の実際レートの値とのみ比較可能であり、また2017年の前年度レートの値は、2016年の
実際レートの値とのみ比較可能となっている。
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
(C.3) その他の営業外収益/費用 (純額)
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
外貨換算損益 (純額)
-31 -12 -210
内、損益を通じて公正価値で測定される金融資産 444 615 531
内、償却原価法で計上される金融資産(2017,2016:貸付金及び債権) 148 96 26
内、損益を通じて公正価値で測定される金融負債 -415 -435 -569
内、償却原価法で計上される金融負債 -202 -317 -174
その他営業外収益/費用 (純額)
-25 -24 -23
-56 -36 -234
その他の営業外収益/費用 (純額)
(C.4) 金融収益 （純額)
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
金融収益 371 476 230
内、損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得
(2017,2016: 売却可能金融資産の利得)
227 382 164
金融費用 -418 -288 -259
内、償却原価法で計上される金融負債の利息費用 -106 -89 -108
内、損益を通じて公正価値で測定される金融負債に係る利息費用
-206 -116 -114
(2017,2016: 売却可能金融負債の利息費用)
-47 188 -29
金融収益（純額）
(C.5) 法人所得税
会計方針、判断、並びに見積り
2018年において、法人所得税に関連する利息及びペナルティについてのIFRS解釈指針委員会によるアジェンダ決
定を適用した。その結果、それ自体は法人所得税の定義には当てはまらないが、法人所得税に関連する利息及び
ペナルティについて、以下のように記載されている。
- 財政状態計算書上、その他の非金融資産又はその他の非金融負債/引当金、かつ
- 損益計算書上、その内容に応じて、金融収益又はその他の営業外収益/費用
従前は、これらの項目は法人所得税として分類されていた。比較年度数値は、新しい分類に従って調整されてい
る。連結財政状態計算書への影響額は下表のとおりである。
2017年12月31日 2016年12月31日
時点の調整 時点の調整
(百万ユーロ)
その他の非金融資産 66 65
税金資産 -91 -80
-25 -15
その他の非流動資産合計
-25 -15
資産合計
税金負債 -36 -32
36 32
引当金
0 0
その他の非流動負債合計
0 0
負債合計
利益剰余金 -25 -15
-25 -15
親会社株主持分
-25 -15
資本合計
-25 -15
資本及び負債合計
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
法人所得税に関連する利息又はペナルティが、法人所得税の定義に該当するか、もし該当しなければ財務的性質
に該当するかの評価には、判断が要求される。この判断にあたって、現地の税制及び、グループ財務報告書につ
いての各国基準設定主体によるIFRSへの解釈指針を、特に考慮する。
我々は事業を運営する国々の多岐にわたる管轄の中で税法改正の影響を受ける。我々の通常の営業活動はSAPグ
ループ内での収益分配や費用払戻契約など、最終的にどこで税負担するのかが不確実な取引を含んでいる。加え
て、我々が支払う法人所得税額は一般的に継続して行われている各国の税務署の調査に影響を受ける。その結
果、我々のワールドワイドでの法人所得税引当金を決定するのに判断を要する。我々は、税法及びその解釈に基
づき、我々の税に関する不確実性についての最終的な結論を見積もった。これらの見積りの基礎となる仮定の変
化及びこれらの仮定と異なる結果は、未払法人税の帳簿価額に重要な修正をもたらす可能性がある。
繰延税金資産の価値が損なわれているかどうかの評価は、繰延税金資産の回収可能性が高いか決定するのに将来
の課税所得を見積る必要があるので、判断を必要とする。繰延税金資産の回収可能性を評価するのに、我々は過
去の課税所得の水準及び繰延税金資産の回収可能期間にわたる将来課税所得の予測を含む、入手可能な全ての有
利、不利な証拠を考慮する。将来の課税所得に関する判断は将来の市場状況及び将来のSAPの利益についての仮定
に基づいている。これらの前提の変更と当該前提とは異なる結果は繰延税金資産の帳簿価額に対して重要な修正
をもたらす可能性がある。
地域別税金費用
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
当期税金費用
ドイツ 733 935 866
1,019 716 537
海外
当期税金費用合計 1,752 1,651 1,403
繰延税金費用/収益
ドイツ 57 -584 -38
-298 -84 -123
海外
-241 -668 -161
繰延税金収益合計
1,511 983 1,242
税金費用合計
税金費用の主な内訳
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
当期税金費用/収益
当期の税金費用 1,665 1,623 1,412
87 28 -9
過年度の税金
当期税金費用合計 1,752 1,651 1,403
繰延税金費用/収益
一時差異の発生及び消滅 -501 -891 -403
260 223 242
繰越欠損金、研究開発費及び外国税額控除
-241 -668 -161
繰延税金収益合計
1,511 983 1,242
税金費用合計
地域別税引前利益
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
ドイツ 3,106 2,788 3,118
2,494 2,241 1,754
海外
5,600 5,029 4,872
合計
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以下は、ドイツ法人税率26.4% (2017年: 26.4%、2016年: 26.4%) によって計算した予測税金費用と実際税金費用の調整表であ
る。2018年ドイツ法人税率は、法人所得税率15.00% (2017年: 15.00%、2016年: 15.00%) とそれに課される5.5% (2017年: 5.5%、
2016年:5.5%)の連帯付加税、営業税10.6% (2017年: 10.6%、2016年:10.6%)を含んでいる。
税金費用と会計上の税引前利益との関係
2018 2017 2016
（別途記載のない限り百万ユーロ）
税引前利益 5,600 5,029 4,872
合算税率26.4%による法人所得税費用（2017：26.4%、2016：
26.4%） 1,478 1,327 1,286
以下の税効果：
外国税率 -147 -403 -107
税法及び税率の変更 0 -212 3
損金不算入の費用 106 82 78
課税対象とされない収益 -38 -95 -106
源泉課税 91 131 112
研究開発費及び外国税額控除 -33 -26 -36
過年度税金 -17 -26 -30
繰延税金資産、研究開発費控除及び外国税額控除の再評価 58 185 43
13 20 -1
その他
1,511 983 1,242
税金費用合計
実効税率（%） 27.0 19.5 25.5
繰延税金資産及び負債
2018 2017
（百万ユーロ）
繰延税金資産
無形資産 668 563
有形固定資産 28 10
その他金融資産 11 12
営業債権及びその他の債権 55 57
年金引当金 116 112
株式報酬 140 164
その他引当金及び債務 424 408
契約負債/繰延収益 229 77
未使用の繰越欠損金 150 202
研究開発費及び外国税額控除 21 166
181 75
その他
繰延税金資産 2,023 1,846
繰延税金負債
無形資産 628 617
有形固定資産 95 92
その他金融資産 133 115
営業債権及びその他の債権 153 125
年金引当金 12 9
株式報酬費用 0 1
その他引当金及び債務 18 29
契約負債/繰延収益 23 22
43 50
その他
1,105 1,060
繰延税金負債
918 786
繰延税金資産/負債（純額）
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有価証券報告書
繰延税金資産として認識されていない項目
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
未使用繰越欠損金
期限がないもの 575 375 338
翌年に期限が到来するもの 7 9 32
476 535 649
翌年以降期限が到来するもの
1,058 919 1,019
未使用の繰越欠損金合計額
509 524 33
将来減算一時差異
未使用の研究開発費及び外国税額控除
期限がないのもの 54 38 33
翌年に期限が到来するもの 0 2 1
18 34 30
翌年以降期限が到来するもの
72 74 64
未使用の税額控除合計額
未使用の欠損金のうち、213百万ユーロ（2017年：263百万ユーロ、2016年：309百万ユーロ）はUSの州税法上の繰越欠損金で
ある。
2018年度において、前期及び当期に繰越欠損金が生じている子会社は繰延税金負債47百万ユーロ（2017年：79百万ユーロ、
2016年：189百万ユーロ）を超過する部分に関して、将来の収益力に基づく十分な課税所得の稼得が見込めることから、当該超
過部分に係る繰延税金資産は回収可能であると判断し、繰延税金資産を計上している。
海外子会社の未分配利益について、およそ140.4億ユーロ（2017年度: 132.1億ユーロ）の繰延税金負債を認識していない。な
ぜなら当該一時差異の解消時期をコントロール出来る立場にあり、予測できる範囲内の近い将来に当該一時差異は解消しない
と見込まれるためである。
非課税取引に関連する訴訟
国内及び海外の税務当局により継続的な税務調査が行われている。現在、主にドイツ及びいくつかの海外当局との間で係争
中である。ドイツでの係争は、関係会社間の財務取引及び特定の資本投資に係るものであり、その他諸外国での係争は、支払
ライセンス料及び関係会社間サービス料の控除に係るものである。すべての係争において、我々にとって望ましい結果は訴訟
によってのみ得られると考えている。我々は当局の主張に合理性がないと考えており、関連する引当金は計上していない。仮
に我々の見解に反し、税務当局の主張が議論の末に裁判において認められることがあれば、課徴金を合計でおよそ1,746百万
ユーロ（2017年：1,884百万ユーロ）が課されることが見込まれている（関連する利息費用及びペナルティ842百万ユーロを含
む（2017年：869百万ユーロ））。
(C.6) 1 株当たり利益
2018 2017 2016
（別途記載のない限り百万ユーロ）
親会社の株主に帰属する利益 4,083 4,008 3,642
発行済み普通株式数（百万株） 1,229 1,229 1,229
自己株式による影響（百万株） -35 -31 -30
加重平均普通株式数－希薄化前（百万株） 1,194 1,197 1,198
株式報酬制度による希薄化効果（百万株） 0 1 1
1,194 1,198 1,199
加重平均普通株式数－希薄化後（百万株)
3.42 3.35 3.04
SAPの出資者に帰属する希薄化前1株当たり利益（ユーロ）
3.42 3.35 3.04
SAPの出資者に帰属する希薄化後1株当たり利益（ユーロ）
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セクションD - 投下資本
このセクションは、事業活動の基礎を形成する投資を含めた、非流動性資産について記載している。投下資本の増加は、
個々の資産取得又は企業結合を含んでいる。加えて購入義務及び資本拠出についての情報を本セクションにて開示する。
(D.1) 企業結合
会計方針、判断、並びに見積り
当社は、企業結合ごとに被取得企業の非支配持分を公正価値で測定するか、又は、被取得企業の識別可能な純資
産の非支配持分割合で測定するかを決定している。企業結合関連費用は、一般管理費として表示している。
企業結合の会計処理において、無形資産が識別可能かどうか、又は、のれんとして個別に計上すべきかどうかに
ついて判断が要求される。さらに、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日時点の公正価値の見積
りには多くの判断が含まれている。この公正価値の測定は、取得日における利用可能な情報及び経営者が合理的
とみなした見積り及び仮定に基づいている。これら判断、見積り、仮定は、以下のような様々な理由により財政
状態及び損益に重要な影響をもたらしうる。
－ 減価償却及び償却の対象となる資産に付された公正価値は、取得年度以降の営業損益に計上される減価償却
費及び償却費の金額に影響する。
－ 資産の見積り公正価値の事後の不利な変動は、減損損失による追加費用が発生することがある。
－ 見積もられた負債及び引当金の公正価値の事後の変動は、追加的な費用（見積り公正価値が増加した場合）
または収益（見積り公正価値が減少した場合）となりうる。
当社は、製品及びサービスのポートフォリオを拡大する目的で、戦略的に重要と考える特定領域のビジネスを買収してい
る。
2018年にいくつかの企業結合を実施したが、重要なものはCallidus Software Inc.( “ Callidus ” )に係るもののみであっ
た。
過年度の買収は、2017年度連結財務書類の注記(4)に記載されている。
Callidus の買収について
2018年4月5日付で、関連法規及びその他の承認を満たし、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)ソリュー
ションの事業に卓越したCallidus（NSDQ:CALD）の株式の100%を取得した。SAPは1株当たり36米ドル、現金で約24億米ドルの対
価を支払った。この買収は、セールス・パフォーマンス・マネジメント(SPM)及びコンフィギュア・プライス・クオーテーショ
ン(CPQ)領域における当社の地位及びソリューションを強化し促進することを目的としている。
Callidus 買収 ： 譲渡対価
(百万ユーロ)
現金支払 1,957
47
負債の引受
2,004
移転された対価の総額
負債は、権利未確定の株主報酬の引き受けによるものである。これは買収時にCallidusの従業員が保有していた持分対価型
株主報酬を金銭対価型株主報酬(失効要件付の)と交換することによるものである。それぞれの負債は、Callidusの従業員によ
る買収前の役務提供相当額を置き換えた金額であり、IFRS2号に従って決定された公正価値で測定されている。
Callidusの企業結合についての取得時の会計処理は未完了である。これは、税金資産及び負債の特定及び認識にあたり必要
な情報を収集しているためである。したがって、これらの項目について財務諸表にて認識している金額は、2018年12月31日時
点での暫定的なものである。
2018年度に計上された測定期間の調整（重要なものではない）は、主に無形資産（公正価値算定の最終値）並びに税金資産
及び税金負債（子会社への投資及び繰越欠損金から発生する繰延税金等）に関連するものである。
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Callidusの取得日時点における、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の暫定的な評価額の要約は下表のとおりであ
る。
Callidus 買収：認識された資産及び負債
（百万ユーロ）
現金及び現金同等物 63
その他の金融資産 64
営業債権及びその他の債権 32
その他の非金融資産 11
有形固定資産 26
無形資産 515
内、技術資産 121
内、顧客関係及びその他無形資産 390
内、ソフトウェア及びデータベースライセンス ▶
識別可能資産計 711
営業債務及びその他の債務 55
当期及び繰延税金債務 65
引当金及びその他の非金融債務 15
契約負債/繰延収益 55
識別可能負債計 190
識別可能な純資産 521
1,483
のれん
2,004
移転された対価の総額
買収によるのれんは、主にシナジー及びノウハウ並びに買収先の従業員のテクノロジースキルによるものである。
Callidus買収については、特に以下の領域のシナジーを見込んでいる：
- 当社の販売網を生かした各地域の既存当社顧客に対するCallidus製品の横断的な販売の機会
- Callidusの製品をSAP C/4 HANAに統合することによるカスタマー・エクスペリエンスの強化
- Callidusの販売及び事業運営における収益性の向上
Callidusの買収に係るのれん及び無形資産は、新たに設立されたカスタマー・エクスペリエンスのセグメントに配分した。
セグメント情報及びセグメント構造の変更に関する詳細は、注記(C.1)参照。
企業結合による、財務諸表への影響
2018年のCallidusの買収日から報告日までの、Callidusの事業の連結財務諸表に含まれる売上高及び損益は以下のとおり。
2018年度 Callidusの金額
報告値
（百万ユーロ）
24,708 180
売上高
4,088 -60
税引後当期純利益
Callidusが2018年1月1日付で連結されていたと仮定した場合、2018年度の売上は24,766百万ユーロ、税引後当期純利益は
4,071百万ユーロであったと試算される。
これらの額は、当社の会計方針に従って計算した後、以下のような重要な影響を調整して算定されている。
－ 2018年1月1日に有形固定資産および無形資産の公正価値を調整した場合に生じる、減価償却費および償却費の追加計上
－ 累積ベースでの、契約負債/繰延収益に関する公正価値の調整による影響
－ 企業結合後のSAPの資金調達状況および資産負債比率での借入コストの影響
－ 株主報酬費用などの従業員給付
－ 買収の過程で生じる取引コスト
－ 上記に関する税金の影響
試算された金額は、比較情報を提供する目的にのみ用いられる。また、これらの収益及び利益の試算額は、必ずしも将来の
業績や、実際に期初に買収が行われていた場合の業績を指し示すものではない。
(D.2) のれん
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会計方針、判断、並びに見積り
のれんの年次減損テストは、当社の内部管理目的でのれんをモニターする最小レベルである事業セグメントレベ
ルにて実施している。本テストは全ての事業セグメントで同時（第4四半期の期首）に行われている。
のれん及び無形資産について減損の判定を行う場合、テスト結果は、将来キャッシュ・フローの予測や経済リス
クに関する経営陣の最新の仮定及び見積りによる影響を大きく受けるが、これらは将来の成長について重要な判
断及び仮定を要する。それらは、以下を含む様々な要因により影響を受ける。
- 事業戦略の変更
- 社内の業績見通し
- 加重平均資本コストの見積り
のれん及びその他無形資産の減損テストの仮定に対する変化は、認識されたのれん及びその他無形資産の帳簿価
額と損益計算書に計上される減損損失の計上額に重要な修正をもたらす可能性がある。
のれんの減損テストの結果は、事業セグメントへののれんの配分に依存している。この配分は、どの事業セグメ
ントが企業結合によるシナジー効果による恩恵を受けるかついての見積りに基づいていることから、判断に基づ
くものである。
のれん
（百万ユーロ）
取得原価
2017年1月1日 23,415
外国為替換算差額 -2,249
企業結合による増加
205
2017年12月31日
21,371
外国為替換算差額 847
企業結合による増加 1,609
2018年12月31日
23,827
償却累計額
2017年1月1日 104
外国為替換算差額 -4
2017年12月31日
100
外国為替換算差額
2
2018年12月31日
102
帳簿価額
2017年12月31日 21,271
2018年12月31日 23,725
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2018年度のセグメント及び変化についての詳細な情報は、注記(C.1)を参照のこと。
下表のとおり、減損テストのために、のれんの帳簿価額はSAPの関連する事業セグメントに配分されている。
事業セグメント事ののれん
アプリケーショ
ン、テクノロ
ジー及びサービ SAP ビジネス カスタマー・エ
( 百万ユーロ) ス ネットワーク クスペリエンス その他 合計
2017 年12月31日 14,654 6,617 0 0 21,271
13,498 6,925 3,293 9 23,725
2018 年12月31日
2018年度末において、カスタマー・エクスペリエンスセグメントに配賦されたのれんには、2018年度のセグメント構成の変更
に伴い、アプリケーション、テクノロジー及びサービスセグメントから再配賦された1,656百万ユーロののれんを含んでいる。
事業計画が対象としている期間の経営者によるキャッシュ・フロー予測の前提となる主要な仮定は、以下の通りである。
主要な仮定 主要な仮定となる数値の決定根拠
予算上の収益成長率 当期に達成された収益成長率をベースにSAPのアドレッサブルクラウドおよび
データベース市場における期待値、つまり確立されたアプリケーション及びア
ナリティクス市場における期待成長率を織り込んだ値である。使用された数値
には我々の過去の経験とアドレッサブル市場における期待値が反映されてい
る。
予算上の営業上の利益 予算期間における予想営業上の利益であり、当期に達成した営業上の利益を
ベースに、効率化による利益改善を加味した値である。使用された数値には効
率化による期待利益の影響を除く、過去の実績値が反映されている。
割引率 当社の見積キャッシュ・フロー予測値は、割引率を用いて現在価値に割り引い
たものである（SAPビジネス・ネットワークセグメントには税引後割引率、そ
の他全てのセグメントには割引前割引率を使用）。税引前割引率は、加重平均
資本コスト（WACC)アプローチに基づいている。
永久成長率 事業計画を超えた期間の当社の見積キャッシュ・フローは、セグメント固有の
永久成長率を使用して計算されたものである。なお、この最終成長率は、当社
のセグメントが属している市場の長期平均成長率を超過するものではない。
主要な仮定と詳細な計画期間
アプリケーション、 SAP 顧客
（特に記載のない限りは％で
テクノロジー及びサービス ビジネス・ネットワーク エクスペリエンス
表示）
2018 2017 2018 2017 2018 2017
予算上の収益成長率
（予算期間の平均） 4.8 4.8 13.8 14.9 32.9 NA
税引前割引率 11.0 10.6 11.5 11.9 11.7 NA
税引後割引率 8.6 8.2 9.0 9.3 9.4 NA
永久成長率 3.0 2.9 3.0 3.0 3.0 NA
詳細な計画期間（年） 5 3 9 9 5 NA
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アプリケーション、テクノロジー及びサービス
セグメントの回収可能価額は使用価値の計算に基づいて決定されている。この計算には、実際の営業利益に基づくキャッ
シュ・フロー予測と、経営者に承認されたグループ全体の事業計画を使用している。
上記の主要な仮定についてのいかなる合理的に生じ得る変化によっても、アプリケーション、テクノロジー及びサービスセ
グメントの帳簿価格が回収可能価額を超えることはないと考えている。
SAP ビジネスネットワーク
セグメントの回収可能価額は、処分費用を除いた公正価値に基づいて決定されている。公正価値測定は、評価技法に用いら
れるインプットに基づくため、レベル3の公正価値に分類されている。キャッシュ・フロー予測は実際の営業利益、詳細な計画
期間についての見積り、並びにその後の永久成長率に基づくものである。この見積り結果は、経営者の見積りに基づいて決定
されており、また、市場参加者の仮定と整合的である。また、当社のセグメントは、近い将来重要な成長率を見込まれる比較
的未成熟な市場に属している。従って、当社の予測期間は、成熟したセグメントにおける予測期間よりも、長期かつ詳細な予
測となっている。
当社は、主要な仮定として、予算期間の最後にこのセグメントの33％(2017: 33%)の目標マージンを使用しており、これは市
場参加者（例えば、産業アナリスト）の予想値の範囲内である。
回収可能価格は、帳簿価格を13,580百万ユーロ（2017: 8,143百万ユーロ）上回っている。
下表は、主要な仮定がどれだけ変化すれば回収可能価格が帳簿価額と一致するかを示している。
仮定の変化に対する感応度
SAP
ビジネス・ネットワーク
（パーセンテージポイントの変化）
2018 2017
予想収益成長率
-11.8 -8.6
税引後割引率 6.6 4.3
予算期間終了時点における目標営業利益率 -22 -17
顧客エクスペリエンス
セグメントの回収可能価額は使用価値の計算に基づいて決定されている。この計算には、実際の営業利益に基づくキャッ
シュ・フロー予測と、経営者に承認されたグループ全体の事業計画を使用している。回収可能価格は、帳簿価格を8,476百万
ユーロ上回っている。
下表は、主要な仮定がどれだけ変化すれば回収可能価格が帳簿価額と一致するかを示している。
仮定の変化に対する感応度
顧客エクスペリエンス
2018 2017
（パーセンテージポイントの変化）
予想収益成長率
-8.3 NA
税引前割引率 10.2 NA
予算期間終了時点における目標営業利益率 -28 NA
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(D.3) 無形資産
会計方針、判断、並びに見積り
当社は、無形資産をその性質と使用用途に基づき分類している。ソフトウェア及びデータベース・ライセンスは
主に内部使用向けのもので構成されている一方、取得された技術資産は主に我々の製品に組み込まれる購入ソフ
トウェア及び仕掛中の研究開発(IPRD)である。顧客関係やその他の無形資産は、主に顧客関係及び取得した商標
権である。
のれんを除くすべての購入した無形資産は、有限の耐用年数を有している。購入した無形資産は、取得原価で計
上され、予想される経済的便益の費消状況に基づき、2年から20年の範囲における見積耐用年数にわたって償却さ
れる。
買収した仕掛中の研究開発プロジェクト資産は、5年から7年にわたって償却される（各プロジェクトの完了時/
マーケティング時から償却が開始する）。
一般的に、自己創設した無形資産は発生時に費用計上される一方、規格関連の顧客開発プロジェクト（IAS 38の
基準に継続的に満たすもの）で発生した開発費は8年の見積耐用年数で償却される範囲で資産化される。
無形資産の償却費用はその使途により、クラウド及びソフトウェア原価、サービス原価、研究開発費、販売費、
或いは一般管理費として分類される。
以下の決定に際し、判断が要求される。
－ 経済的便益をもたらすと期待される期間の見積りに基づく無形資産の耐用年数
－ 償却方法 - IFRSは信頼性をもって企業による資産の将来の経済的便益の消費パターンを予想できる場合以外
は定額法を要求しているため
償却期間及び償却方法はいずれも毎期計上される償却費の額に影響する。
開発に係る内部発生の無形資産を認識するかどうかの決定は、特に以下の点について重要な判断が必要となる。
－ 活動が研究局面であるか開発局面であるかの判断
－ 将来の市況、顧客の需要、その他の開発に関する仮定が必要となる無形資産の認識要件を満たしているかど
うかについての判断
－ 「技術上の実行可能性」の条件がIFRSで定義されていないため、資産の完成が技術的に実行可能かどうかの
決定について判断及び企業独自のアプローチが要求される
－ 開発により生じた無形資産を将来使用又は売却できるかについての判断、また使用または売却による将来の
経済的便益の可能性いついての判断
－ 原価を無形資産に直接的または間接的に帰属させることが可能かどうか及び原価が開発を完成させるために
必要であったかどうかの判断
これらの判断は、財政状態計算書上の無形資産の総額とともに、開発費用を損益計算書に認識するタイミングに
も影響を及ぼす。
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無形資産
ソフトウェア
顧客関係及びそ
及びデータ 取得技術/
の他無形
ベース 仕掛中の研究
ライセンス 開発 資産 合計
（百万ユーロ）
取得原価
2017 年1月1日 791 2,907 5,119 8,817
外国為替換算差額 -22 -278 -523 -823
企業結合による増加 0 51 73 124
その他増加 93 0 10 103
除却又は処分 -53 -688 -62 -803
2017 年12月31日
809 1,992 4,617 7,418
IFRS 第15号の適用
0 0 14 14
2018 年1月1日
809 1,992 4,631 7,432
外国為替換算差額
8 100 204 312
企業結合による増加 ▶ 148 410 562
その他増加 193 0 36 229
除却又は処分 -43 -62 -41 -146
移転 25 0 -28 -3
2018 年12月31日
996 2,178 5,212 8,386
償却累計額
2017 年1月1日 589 2,186 2,256 5,031
外国為替換算差額 -16 -208 -219 -443
償却 79 254 327 660
除却又は処分 -51 -688 -58 -797
2017 年12月31日
601 1,544 2,306 4,451
外国為替換算差額
6 77 87 170
償却 95 216 337 648
除却又は処分 -23 -62 -25 -110
2018 年12月31日
679 1,775 2,705 5,159
帳簿価額
2017 年12月31日 208 448 2,311 2,967
2018 年12月31日 317 403 2,507 3,227
重要な無形資産
帳簿価額 残存耐用年数
2018 2017 （年）
（特に記載のない限り百万ユーロ）
Sybase - 顧客情報 3 to 5
179 226
SuccessFactors - 顧客情報
225 261 7
Ariba - 顧客情報 7 to 9
323 366
Concur - 取得技術
114 180 3
Concur - 顧客情報 12 to 16
1,033 1,073
Callidus - 取得技術 ▶ to 6
103 0
10 to 14
Callidus - 顧客情報 384 0
2,361 2,106
重要な無形資産合計
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(D.4) 有形固定資産
会計方針、判断並びに見積り
有形固定資産は通常定額法を用いて減価償却される。資産の耐用年数の見積りには判断が用いられている。これ
らの見積もりにあたっては、同種資産についての過去の実績や現在及び将来における技術変化を考慮している。
有形固定資産の耐用年数
建物 ： 主として25 - 50 年
構築物 ： リース契約期間に基づく
情報技術機器 ： 2 - 6 年
オフィス家具 ： 4 - 20 年
車両 ： 4 - 5 年
有形固定資産
その他有形 前渡金及び
土地及び建物 固定資産 建設仮勘定 合計
（百万ユーロ）
2017 年12月31日 1,162 1,592 213 2,967
2018 年12月31日 1,344 1,985 224 3,553
増加
（企業結合によるものを除く）
2017 年度 96 933 167 1,196
2018 年度 199 1,026 77 1,302
有形固定資産の増加（企業結合による取得を除く）は、主にITインフラ設備（データセンター等）の交換及び購入によるも
の並びに新たな建物の建設によるものである。IFRS16号の初度適用の影響についての詳細は、注記(IN.1)を参照。
(D.5) 持分投資
会計方針、判断並びに見積り
当社は金融資産を「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」として指定していない。契約上のキャッ
シュ・フローや、個々の資産を保有するビジネスモデルに基づき、金融資産を通常以下のカテゴリに分類する。
「償却原価で測定される金融資産（AC）」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産（FVＯ
CI）」、「損益を通じて公正価値で測定される金融商品（FVTPL）」である。
元本及び利息以外のキャッシュ・フローの特性をもつような持分投資については、個々の投資ごとにFVTPLかFVＯ
CIに分類するかを個別に判断する。
FVTPL の持分証券に係る損益は、公正価値の変動による損益、処分による損益、並びに配当による損益を含んでい
る。一方で、FVOCIの持分証券に係る損益は配当のみが含まれ、金融収益にて純額表示されている。通常の方法に
よる持分証券の購入及び売却は、取引日に記録される。
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持分投資
（百万ユーロ） 2018 年 2017 年
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
持分証券 0 1,248 1,248 0 827 827
関連会社に対する投資 0 26 26 0 32 32
合計 0 1,274 1,274 0 859 859
その他金融資産 448 1,536 1,984 990 1,155 2,145
その他金融資産に対する割合
（％） 0 83 64 0 74 40
その他の持分投資の名称一覧については、注記（G.10）を参照。
ベンチャーキャピタルファンドに対する財政上のコミットメント
2018 2017
（百万ユーロ）
187 182
ベンチャーキャピタルファンドへの投資
SAP は、ベンチャーキャピタルへの投資を管理する関連当事者ではない第三者に対して投資しており持分を保有している。
2018年12月31日現在、これら投資を実行するコミットメントの合計額は418百万ユーロ（2017年：342百万ユーロ）にであり、
うち232百万ユーロ（2017年：161百万ユーロ）が実行された。このようなベンチャーキャピタルファンドに対する投資によ
り、これらの企業が属している市場固有のリスクにさらされている。発生しうる最大損失額は、投資した金額に将来回避不能
な拠出金額を加えた金額である。
満期
（百万ユーロ） 2018 年12月31日
ベンチャーキャピタルファンドに対する投資
満期 2019年 187
満期 2020年から2023年 0
満期 それ以降 0
187
合計
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(D.6) 地域別非流動資産
金融商品、繰延税金資産、退職後給付、保険契約から生じる権利を除いた非流動資産は下表のとおりである。
地域別非流動資産
2018 2017
（百万ユーロ）
ドイツ 4,184 3,714
4,742 4,338
その他のEMEA地域
8,926 8,052
EMEA
米国 22,123 19,300
258 201
その他の南北アメリカ地域
22,380 19,500
南北アメリカ
922 723
APJ
32,228 28,276
SAP グループ
地域別人員数の内訳については、注記（B.1）また、顧客所在地別収入の内訳については、注記（A.1）参照。
(D.7) 購入義務
2018 2017
（百万ユーロ）
有形固定資産及び無形固定資産の取得に関する契約義務 123 207
2,010 934
その他購入義務
2,133 1,141
購入義務
有形固定資産及び無形固定資産の取得に関する契約義務は、主に新規及び既存施設の建設や、ハードウェア、ソフトウェ
ア、特許、事務機器及び車両の購入に関連するものである。 その他購入義務は主として営業、コンサルティング、保守、ライ
センス契約、クラウドサービス及びその他の第三者との契約に関するものである。購入義務の増加は、主にクラウドサービス
に関連する新たな購入義務によるものである。過去このような購入義務の大部分は履行されている。
満期
2018 年12月31日
（百万ユーロ）
購入義務
満期が2019年のもの 827
満期が2020年から2023年のもの 1,290
17
満期が上記以降に到来するもの
2,133
合計
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セクションE – 資本構成、財務及び流動性
このセクションは、当社の資本構成の管理方法について述べている。高い資本比率、緩やかな財務レバレッジ、バランスの
とれた満期構成並びに十分な資金借入枠を基に、資本構成を管理している。
(E.1) 資本構成管理
資本構成管理の主たる目的は、投資家、債権者及び顧客の信頼に足る強固な財政基盤を維持し、事業拡大をサポートするこ
とにある。資金需要に応じて、市場から合理的な条件で資金調達を可能とし、高い独立性と信頼性並びに財務的柔軟性を確実
なものとすることができるような資本構成を維持する。
当社に対する長期債務格付けは、ムーディーズの格付けはA2、見通しは安定的であり、スタンダード&プアーズの格付けはA
である。スタンダード&プアーズは2018年に見通しをポジティブから安定的に更新した。
2018年12月31日 2017年12月31日
変動%
資本及び 資本及び
百万ユーロ 負債合計（%） 百万ユーロ 負債合計（%）
資本合計 28,877 56 25,515 60 13
流動負債合計 10,481 20 10,210 24 3
非流動負債合計 12,133 24 6,759 16 80
負債合計 22,614 44 16,969 40 33
11,331 22 6,264 15 81
うち、金融負債
51,491 100 42,484 100 21
資本及び負債合計
2018年において、1,150百万ユーロのユーロ債及び150百万USドルのアメリカ私募債を満期償還した。その返済は、300百万US
ドルのUSドル社債の発行により部分的に借り換えられた。Callidus及びQualtricsの買収のため、2年から12年の満期である、3
つのトランシェから構成される合計1,500百万ユーロのユーロ債及び5つのトランシェから構成される合計4,500百万ユーロの
ユーロ債を組んだ。その結果、金融負債の額面金額が負債及び資本合計に占める割合は7pp増加した。
(E.2) 総資本
資本金
当社は無額面にて株式を発行しており、想定額面は一株当たり1ユーロで計算される。全ての発行済株式は全額払込済であ
る。
発行済株式数
資本金 自己株式
（百万株）
2016年1月1日 1,228.5 -30.6
株式報酬制度による自己株式の再発行 0 0.7
2016年12月31日 1,228.5 -29.9
自己株式の取得 0 -5.4
株式報酬制度による自己株式の再発行 0 0.2
2017年12月31日 1,228.5 -35.1
株式報酬制度による自己株式の再発行 0 0.2
2018年12月31日 1,228.5 -34.9
授権株式
定款は、取締役会決議により資本金を増加させることができると定めている。
- 2020年5月19日まで、現金出資に対する無額面無記名株式の新規発行の上限を250百万ユーロとする（授権株式Ⅰ）。発行
は既存株主の法定の新株引受権に従う。
- 2020年5月19日まで、現金または現物出資に対する無額面無記名株式の新規発行の上限を250百万ユーロとする（授権株式
II）。監査役会の同意を条件に、取締役会は特定の場合において既存株主の法定の新株引受権を除外する権限がある。
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条件付株式
当社の株式資本は条件付資本の増加の影響を受ける。特定の株式報酬制度に基づいて、当社又は直接的又は間接的に支配さ
れている子会社が発行、保証した転換社債又はストック・オプションの保有者が、それらの転換権及び引受権の範囲において
権利行使可能であり、他にそのような権利が行使されることはない。2018年12月31日時点において、100百万ユーロ、株数にし
て100百万株の株式発行が可能である（2017年：100百万ユーロ）。
その他の資本の構成要素
（百万ユーロ） キャッシュ・フ
ロー・ヘッジ/
換算差額 売却可能金融資産 ヘッジ費用 合計
2016年1月1日 2,222 336 3 2,561
損益に組替調整される項目に対するその
他の包括利益（税引後） 839 -43 -11 785
2016年12月31日 3,062 292 -8 3,345
損益に組替調整される項目に対するその
他の包括利益（税引後） -2,732 -135 29 -2,838
2017年12月31日 330 157 21 508
IFRS第9号の適用 0 -158 -3 -160
2018年1月1日 330 0 18 347
損益に組替調整される項目に対するその
他の包括利益（税引後） 910 0 -23 887
1,239 0 -5 1,234
2018年12月31日
自己株式
2013年6月4日に開催された株主総会にて取締役会に付与された、自己株式取得に関する権限について、2018年5月17日に開催
されたSAP SEの株主総会の決議により、その時点で行使されていないものについては無効化され、2023年5月16日以前であれば
総額120百万ユーロを上限として、取締役会決議によって株主資本額に比例した金額で自己株式を取得可能とする権限に更新さ
れた。なお、当該授権により取得される自己株式は、これまでにSAP SEが取得、保有している自己株式、又はSAP SEに帰属す
るその他の自己株式と併せて、SAP SE社の発行済株式資本の10%を超過しないことを条件としている。自己株式は法的には発行
済株式とされるが、配当を受ける権利及び議決権を有さない。自己株式について消却するか売却することを選択できるほか、
あるいは会社の株式報酬制度に基づくオプション及び転換権に供する目的で使用することができる。また、自己株式を、他社
の合併又は取得の対価としても利用することもできる。
配当方針
将来的な自己株の取得や、総額で税引後利益の40％以上の年度配当を通じて、株主に流動性を還元できる状態を保持するこ
とを基本方針とする。2018年に2017年度の配当1,671百万ユーロ （一株当たり1.40ユーロ）を実施した。2017年に2016年度の
配当1,499百万ユーロ（一株当たり1.25ユーロ）、2016年に2015年度の配当1,378百万ユーロ（一株当たり1.15ユーロ）の配当
の支払を行った。配当に加え、2018年度は、自己株式の買戻しを通じて500百万ユーロの支払を株主に対して行った。
当社の株主に対する配当可能金額は、ドイツ商法（Handelsgesetzbuch）によって規定される会計原則のもとで作成された法
定財務書類で報告される当社の利益に基づく。2018年12月31日で終了する事業年度において、当社の取締役会は、当社の利益
から一株当たり1.50ユーロの配当（見積総額1,790百万ユーロ）を支払うことを提案する予定である。
(E.3) 流動性
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会計方針
非デリバティブ金融負債投資
当社の非デリバティブの負債性金融投資は、銀行預金及び現金同等物(満期3ヶ月以内の流動性の高い投資、たと
えば定期預金やマネーマーケットファンド)、貸付金及びその他金融債権、並びに取得債券投資で構成されてい
る。
当社は金融資産を「損益を通じて公正価値で測定される金融資産」として指定しておらず、契約上のキャッ
シュ・フローや、それぞれの資産を保有するビジネスモデルに基づき、金融資産を「償却原価（AC）」、「その
他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産（FVＯCI）」、「損益を通じて公正価値で測定される金融
商品（FVTPL）」に区分する。
元本及び利息以外のキャッシュ・フローの特性を持つ金融資産、たとえば、マネーマーケットファンド及びこれ
に類似するファンドは、FVTPLに分類される。
元本と利息のみからキャッシュ・フローが得られるその他すべての金融資産は通常ACに分類される。投資元本を
維持するために流動性を保持するという保守的な投資方針をとっているからである。
FVTPLの非デリバティブの負債性金融投資に係る損益は、金融収益（純額）で報告され、公正価値の変動及び処分
から生じる損益を含むその他の損益とは別に、利息損益が表示される。ACの非デリバティブ負債性金融投資に係
る損益は、金融収益（純額）で報告され、処分の損益並びに予想及び発生信用損失を含むその他の損益とは別
に、利息損益が表示される。為替換算レートの変動による損益は、その他の営業外収益・費用（純額）に含まれ
る。通常の方法による取得・売却は、取引日に認識される。
これらの金融資産について、減損アプローチを以下の通り適用しており、多くの判断が含まれる。
－ 銀行預金、定期預金、並びに社債やコマーシャルペーパーのような負債性証券には、低い信用リスクを適用
する。当社は信用損失のリスクを最小限に抑えるため、信用格付けのグレードが高い発行体の資産にのみ投
資を行っているからである。したがって、これらの資産は通常、信用損失モデルの３つの段階のうち、ス
テージ１に分類され、１２か月以内に予想される信用損失に等しい金額で損失引当金を計上する。当該引当
はそれぞれの報告日時点の状況に基づいて計算されており、クレジットデフォルトスワップスプレッドをも
とに計算された債務不履行の可能性に基づいて発生する損失金額で計上している。当社は最もリスクの低い
資産に投資しているが、大幅な上昇の可能性のある信用リスクを評価し、それが起こった場合の変化に適時
に対応するため、市場参加者による信用度の尺度として、クレジットデフォルトスワップスプレッドの動向
を注意深く考慮している。とりわけ、相手方が負債を全額返済できない可能性が高い場合、相手方に財政難
の情報があるとき、又は全体的な市場環境がかなり安定しているにもかかわらず、相手方のクレジットデ
フォルトスワップスプレッドが大幅な増加した場合には、銀行預金、定期預金及び負債性証券が債務不履行
となるかどうかを検討する。そのような金融資産は、顧客の破産等、回収されるという合理的な予想を有し
ていないと判断した場合には、その一部または全部を償却する。
－ 貸付金やその他の金融資産は、当初の認識から信用リスクの著しい増加があるかどうか決定するため、借り
手固有の内外の情報を考慮している。当社は、資産の支払期日を大幅に超過した場合、または借り手が支払
い義務を果たしそうにない場合には、債務不履行になるものとみなす。顧客の破産手続きが最終化される
か、回収のための手続を全て実行した状況等、金融資産の回収可能性はほとんどないと判断した場合には償
却を行う。
非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、銀行借入金、社債、私募債並びにその他金融負債から構成される。その他の金融負
債には、顧客から資金を預かり、顧客の従業員に対するクレジットカードの支払いやベンダーに対する支払い等
の諸経費の精算を顧客に代わって行うものが含まれる。これらの資金は現金及び現金同等物として表示してお
り、顧客の代理として経費の精算等のために支払を行う義務を負債計上している。
FVTPLと指定した金融負債はないため、通常、非デリバティブ金融負債をACに区分する。
ACの金融負債の費用及び利益・損失は、金融収益（純額）で表示される利息費用で構成される。為替換算レート
の変動による利益・損失は、その他の営業外収益・費用（純額）に含まれる。
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グループ流動性
2018 2017 △
（百万ユーロ）
現金及び現金同等物 8,627 4,011 4,617
211 774 -563
短期定期預金及び負債証券
8,838 4,785 4,053
グループ流動性
短期金融負債 -759 -1,299 540
-10,572 -4,965 -5,607
長期金融負債
-11,331 -6,264 -5,067
金融負債
-2,493 -1,479 -1,013
純流動性
当社は、資本構成の表中の比率を継続的にモニタリングすると同時に、グループの流動性及びネット流動性の比率に基づい
て、流動性と金融負債の構造を常に管理している。
グループの流動性は、銀行預金、マネーマーケット及びその他ファンド、定期預金並びに負債証券（1年未満の満期のもの）
で構成されている。金融負債は、銀行借入金、私募債及び社債の額面金額と定義している。ネット流動性は、グループの流動
性から金融負債を控除したものである。
現金及び現金同等物
2018 2017
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
銀行預金 2,918 0 2,918 2,558 0 2,558
定期預金 4,117 0 4,117 314 0 314
マネーマーケット及びその他ファン
ド 1,195 0 1,195 1,139 0 1,139
400 0 400 0 0 0
負債証券
-3 0 -3 0 0 0
予想貸倒引当金
8,627 0 8,627 4,011 0 4,011
現金及び現金同等物
非デリバティブ金融負債投資
2018 2017
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
定期預金 137 0 137 736 0 736
負債証券 77 0 77 39 0 39
退職給付制度に関する金融商品 0 165 165 0 155 155
57 91 147 58 105 163
貸付金及びその他金融債権
-3 0 -3 0 0 0
予想貸倒引当金
現金及び現金同等物 268 256 524 832 260 1,092
その他金融資産 448 1,536 1,984 990 1,155 2,145
非デリバティブ金融負債投資が
その他金融資産に占める割合(%) 60 17 26 84 23 51
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当初の満期が3か月以内の定期預金及び負債証券は、現金及び現金同等物として表示され、当初の満期が3か月より長い（グ
ループ流動性において投資と考慮されている）定期預金及び負債証券は、その他金融資産として表示されている。負債証券
は、主に金融及び非金融の企業及び地方自治体のコマーシャルペーパー及び購入社債で構成されている。
金融リスク及びリスクの性質のより詳細な情報については、注記(F.1)を参照のこと。
金融負債
2018 2017
額面金額 帳簿価額 額面金額 帳簿価額
流動 非流動 流動 非流動 合計 流動 非流動 流動 非流動 合計
（百万ユーロ）
社債 750 9,512 759 9,445 10,204 1,150 4,000 1,149 3,997 5,147
0 1,011 0 1,041 1,041 125 965 125 1,005 1,130
私募取引
9 49 9 49 58 24 0 24 0 24
銀行借入
有利子負債 759 10,572 768 10,536 11,303 1,299 4,965 1,298 5,002 6,301
金融負債 1,125 10,553 11,678 1,561 5,034 6,595
有利子負債が
金融負債に占め
る割合(%) 68 100 97 83 99 96
金融負債は、所有権移転留保及び業界の慣行による同様の権利を除き、無担保である。（金利スワップの影響を加味した）
有利子負債の実効金利は、2018年が1.33%、2017年が1.29%、2016年が1.25%であった。
金融負債に関連するリスクの情報については注記(F.1)を参照。公正価値に関する情報については、注記(F.2)を参照。
社債
2018年 2017年
残高 残高
額面金額
（百万 （百万
表面 実効 （百万。発行通
満期 発行価格 利子率 利子率 貨で表記） ユーロ） ユーロ）
ユーロ債 2.125%
6-2012 2019 99.307% （固定） 2.29% 750ユーロ 759 768
ユーロ債 0.000%
7-2014 2018 100.000% （変動） 0.00% 750ユーロ 0 750
ユーロ債 1.125%
8-2014 2023 99.478% （固定） 1.24% 1,000ユーロ 996 995
ユーロ債 1.750%
9-2014 2027 99.284% （固定） 1.87% 1,000ユーロ 992 991
ユーロ債 0.000%
11-2015 2020 100.000% （変動） 0.07% 650ユーロ 649 649
ユーロ債 1.000%
12-2015 2025 99.264% （固定） 1.13% 600ユーロ 595 594
ユーロ債 0.000%
13-2016 2018 100.000% （変動） 0.00% 400ユーロ 0 400
ユーロ債 0.000%
14-2018 2021 100.519% （変動） -0.15% 500ユーロ 502 0
ユーロ債 1.000%
15-2018 2026 99.576% （固定） 1.06% 500ユーロ 498 0
ユーロ債 1.375%
16-2018 2030 98.687% （固定） 1.50% 500ユーロ 494 0
ユーロ債 0.000%
17-2018 2020 100.024% （変動） -0.01% 500ユーロ 500 0
ユーロ債 0.250%
18-2018 2022 99.654% （固定） 0.36% 900ユーロ 897 0
ユーロ債 0.750%
19-2018 2024 99.227% （固定） 0.89% 850ユーロ 843 0
ユーロ債 1.250%
20-2018 2028 98.871% （固定） 1.38% 1,000ユーロ 988 0
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ユーロ債 1.625%
1,229 0
21-2018 2031 98.382% （固定） 1.78% 1,250ユーロ
ユーロ債合計 9,942 5,147
USドル債 3.306%
262 0
2018 2025 100.000% （変動） 3.35% 300USドル
社債合計 10,204 5,147
我々のユーロ債全ては、ルクセンブルグ証券取引所に上場されている。
私募債
額面金額 2017年 2016年
実効 （百万。 残高 残高
満期 表面利子率 利子率 発行通貨で表記） （百万ユーロ） (百万ユーロ)
アメリカ私募債
3.43% (固定)
トランシェ4-2011 2018 3.50% 150USドル 0 125
2.82% (固定)
トランシェ6-2012 2020 2.86% 290USドル 251 241
3.18% (固定)
トランシェ7-2012 2022 3.22% 444.5USドル 395 382
3.33% (固定)
トランシェ8-2012 2024 3.37% 323USドル 299 289
96 93
3.53% (固定)
トランシェ9-2012 2027 3.57% 100USドル
1,041 1,130
私募債
アメリカ私募債は、アメリカドルを機能通貨とする子会社により発行された。
財務活動によって生じる負債の調整表
金融負債の変動額は、財務活動によるキャッシュ・フローの借入によるキャッシュ・フローの金額と調整される。
キャッ
2017年 2018年
シュ・フ 為替 公正価値
12月31日 ロー 企業結合 換算差額 変動 その他 12月31日
（百万ユーロ）
流動有利子負債 1,299 -1,300 7 3 0 750 759
非流動有利子負債 4,965 6,308 0 49 0 -750 10,572
有利子負債（額面） 6,264 5,008 7 51 0 0 11,331
ベーシス・アジャストメン
ト 62 0 0 -1 -19 0 42
取引コスト -26 -48 0 0 0 3 -70
有利子負債(帳簿価額） 6,301 4,961 7 50 -19 3 11,303
未収利息 34 0 0 -1 0 14 47
金利スワップ -24 0 0 -1 17 0 -7
財務活動による総負債 6,311 4,961 7 48 -1 18 11,343
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キャッ
2016年 2017年
シュ・フ 為替 公正価値
12月31日 ロー 企業結合 換算差額 変動 その他 12月31日
（百万ユーロ）
流動有利子負債 1,435 -1,372 -1 -54 0 1,290 1,299
非流動有利子負債 6,390 8 0 -144 0 -1,289 4,965
有利子負債（額面） 7,826 -1,364 -1 -197 0 1 6,264
ベーシス・アジャストメン
ト 86 0 0 7 -31 0 62
取引コスト -32 0 0 0 0 7 -26
有利子負債(帳簿価額） 7,880 -1,364 -1 -191 -31 7 6,301
未収利息 45 0 0 -2 0 -9 34
金利スワップ -47 0 0 -1 24 0 -24
財務活動による総負債 7,878 -1,364 -1 -194 -7 -2 6,311
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セクションF – 金融リスク要因の管理
このセクションは、金融リスク要因及び為替リスク、金利リスク、株価リスク、信用リスク及び流動性リスクに関するリス
ク管理について説明している。さらに、このセクションにはIFRS第9号「金融商品」の適用を含む金融商品に関する情報が含ま
れている。
(F.1) 金融リスク要因及びリスク管理
会計方針
当社は為替リスク又は金利リスクをヘッジするためにデリバティブを使用し、判断を伴うIFRS第9号に基づくヘッ
ジ会計の基準を満たす場合にそれらをキャッシュ・フロー又は公正価値ヘッジとして指定している。
ヘッジ手段として指定されていないデリバティブ
多くの取引は経済的ヘッジを構成するため、金融リスクの固定に効果的に寄与しているが、IFRS第9号に基づく
ヘッジ会計の要件は満たさない。外貨建て及び認識された貨幣性資産及び負債に内在する通貨リスクをヘッジす
るために、基礎となる取引からの損益はデリバティブからの損益と同一期間に純損益に認識されるため、当社は
トレーディング目的のデリバティブ金融商品を会計ヘッジとして指定していない。
また、当社は時折、個別に会計処理することが要求される外貨組込デリバティブを含む契約を締結している。
FVTPLにおけるそのようなデリバティブの直物部分の公正価値の変動は、その他の営業外収益/費用（純額）に含
まれ、先物要素は金融収益（純額）に表示されている。
ヘッジ手段として指定されているデリバティブ
a) キャッシュ・フロー・ヘッジ
概して、当社は発生可能性の高い予定取引の為替リスクに対してキャッシュ・フロー・ヘッジ会計を適用してい
る。 為替リスクに関して、ヘッジ会計は、直物価格と、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定され適格なデリ
バティブの本源的価値に関連している。したがって、現在価値ベースで判断されたこれらの構成要素の有効部分
はその他の包括利益に計上される。ヘッジ関係から除外された先物要素及び時間的価値並びに外国為替ベーシ
ス・スプレッドは、ヘッジコストとしてその他の包括利益に分けて計上される。当該金額は重要ではないため、
ヘッジコストは当社の連結包括利益計算書および連結資本変動計算書においてキャッシュ・フロー・ヘッジの有
効部分と共に表示されている。デリバティブのカウンターパーティーの信用リスク調整及び無効部分を含むその
他全ての要素は、直ちに損益計算書の金融収益（純額）に認識される。その他の包括利益に累積された金額は、
ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同一期間に、損益計算書のその他の営業外収益／費用（純額）及び金融
収益（純額）に振り替えられる。
b) 公正価値ヘッジ
当社は一定の固定金利金融負債について公正価値ヘッジ会計を適用し、公正価値変動を金融収益（純額）に表示
している。
c) 有効性の評価とテスト
指定されたヘッジ関係の開始時に、当社は当社のリスク管理戦略およびヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的
関係を文書化している。通貨、満期及び金額はそれぞれ予定取引及び先物為替予約の直物要素又は通貨オプショ
ンの本源的価値と密接に関連しているため、主要な条件が一致することをもって経済的関係の存在及び将来に向
かってテストされたヘッジ関係の有効性は実証される。金利スワップについては、独立変数としてのヘッジ対象
の価値の変動とデリバティブの公正価値の変動との間の関係の有効性及び範囲が決定される回帰分析による統計
的手法を用いて将来に向かって有効性がテストされる。
無効の主な原因は以下の通り。
－ カウンターパーティー及び当社自身の信用リスクが先物為替予約及び金利スワップの公正価値に与える影響
（それぞれのヘッジ対象には反映されていない）
－ 当社のキャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ対象及びヘッジ対象取引のタイミングの相違
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当社は、市場リスク(すなわち、為替変動リスク、金利リスク及び株価リスク)、信用リスク及び流動性リスクといった様々
な金融リスクにさらされている。
当社は、グローバル財務部門、グローバルリスクマネジメント及びグローバルクレジットマネジメントを通じて、市場リス
ク、信用リスク、および流動性リスクをグループ全体で管理している。リスク管理方針はリスクを識別し、適切なリスク限度
を設定し、そしてリスクを監視するために設けられている。 リスク管理方針及びヘッジ戦略は、当社の内部ガイドライン（例
えば、財務ガイドラインおよびその他の内部ガイドライン）に記載されており、市況及び当社の事業の変化を反映するための
継続的な内部レビュー及び分析の対象となる。
当社はリスクを軽減するためにのみデリバティブ金融商品を購入し、対応する基礎取引なしにデリバティブを開始すると
いった投機目的はない。
為替変動リスク
為替変動リスク要因
当社はグローバル企業であるため、当社の事業活動は外貨変動リスクにさらされている。グループ内の各法人は主にそれぞ
れの機能通貨により業務を行っているため、継続的な通常業務における換算レートの変動に伴うリスクは重要であるとはみな
されない。しかし、機能通貨以外の通貨建ての取引により、外貨建ての営業債権、営業債務、及び、その他貨幣項目が発生す
る可能性がある。関連する為替変動リスクを緩和する為に、取引の大部分は以下の通り、ヘッジされている。
まれに、機能通貨以外の通貨での取引は組込外貨デリバティブをもたらすことがあり、当該デリバティブ部分は区分され、
損益を通じて公正価値が測定される。
加えて、SAPグループの知的財産所有会社は、外貨での関係会社間予測キャッシュ・フローに係るリスクにさらされている。
これらのキャッシュ・フローは子会社から各々の知的財産所有会社へのロイヤリティ支払いから生じるものである。当該ロイ
ヤリティは子会社の外部売上に連動している。ロイヤリティは殆どが子会社の現地通貨建てである一方、最大のロイヤリティ
のボリュームを持つ知的財産所有会社の機能通貨がユーロであるため、知的財産所有会社に為替変動リスクの集中をもたら
す。この種の最大の為替変動エクスポージャーは、例えばUSドル、イギリスポンド、日本円、スイスフラン及びオーストラリ
アドルのような重要な業務を行う子会社の通貨に関連している。
通常、投資及び財務活動に関して、当社は重要な為替換算リスクにはさらされていない。なぜならそれらの活動は通常、投
資または借入を行う企業体の機能通貨で行われているからである。
為替変動リスク管理
当社は主に損益の変動を減少させる目的で、貨幣性項目及び予定取引に基づく通貨変動リスクに対するエクスポージャーを
継続的に監視し、必要に応じて、デリバティブ金融商品、主として先物為替予約を用いてグループ全体の為替リスク管理戦略
を追求している。ヘッジ手段の大部分はヘッジ会計に関連するものとして指定されていない。
ヘッジ手段として指定されている通貨ヘッジ（キャッシュ・フロー・ヘッジ）
外貨建ての海外子会社からの重要な予測キャッシュ・フロー（ロイヤリティ）をヘッジするため、1:1のヘッジ比率で、当社
が使用する為替デリバティブの中で最長満期である12ヶ月までのデリバティブ商品、主に先物為替予約を締結している。
表示されている全ての事業年度において、発生可能性が高いものとして外貨キャッシュ・フロー・ヘッジ関係のヘッジ対象
として指定された予定取引で、発生可能性が低下した取引はこれまで無かった。よって、当社はいかなるキャッシュ・フ
ロー・ヘッジ関係も中止していない。また、全ての報告年度において非有効なヘッジは重要でないか又は存在しなかった。一
般に、ヘッジされた予定取引のキャッシュ・フローは、財政状態計算書日から12ヶ月内に発生し、毎月純損益に認識されるこ
とが期待される。
ヘッジ対象として指定された項目に関連する2018年12月31日現在の金額は以下の通りである。
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為替変動ヘッジにおける指定ヘッジ対象
予想ライセンス支払
（百万ユーロ） 2018
ヘッジ非有効部分の計算に使用される公 -4
正価値の変動
キャッシュ・フロー・ヘッジ -4
ヘッジコスト -2
ヘッジ会計が適用されなくなったキャッ 0
シュ・フロー・ヘッジ剰余金残高
ヘッジ手段として指定された2018年12月31日現在の金額は以下の通りである。
為替変動ヘッジにおける指定ヘッジ手段
予想ライセンス支払
（百万ユーロ） 2018
名目金額 533
帳簿価額
その他の金融資産 2
その他の金融負債 -9
OCIに認識された公正価値の変動 ▶
金融収益（純額）に認識されたヘッジの 0
非有効部分
OCIに認識されたヘッジコスト 2
OCIのキャッシュ・フロー・ヘッジから 22
その他の営業外収益（純額）に組み替え
られた金額
OCIのヘッジコストから金融収益（純 -5
額）に組み替えられた金額
2018年12月31日現在、当社は外貨の変動に対するエクスポージャーをヘッジするために以下のヘッジ手段を有している。
為替変動ヘッジにかかるヘッジ手段の詳細
満期
2018
1～6ヶ月 6～12ヶ月
先物為替予約
ネット・エクスポージャー（百万ユーロ） 337 195
EUR：GBP平均先物レート 89.42 90.21
EUR：JPY平均先物レート 130.91 130.06
EUR：CHF平均先物レート 1.15 1.14
EUR：AUD平均先物レート 1.61 1.62
為替レートエクスポージャー
リスクに対するエクスポージャーは以下の仮定に基づいている。
- SAPグループ内の各法人は、一般的にそれぞれの機能通貨により業務を行っている。例外的な場合や限られた経済環境下
においては、業務上の取引は機能通貨以外の通貨建てで行われ、関連する貨幣性商品の為替変動リスクをもたらす。それ
らの取引が、重要な場合には、為替変動リスクはヘッジされる。したがって、為替レートの変動は非デリバティブ貨幣性
金融商品及び関連収益又は費用に関して損益計算書上、及びその他の包括利益上重要な影響を与えない。
- 為替変動リスクをヘッジする目的で指定された単独のデリバティブはほぼ完全に、同期間の連結損益計算書上の為替レー
トの変動によるヘッジ対象の公正価値の変動と均衡している。結果として、ヘッジ対象とヘッジ手段は、為替変動リスク
にさらされず、利益に影響を与えない。
結果として、当社は以下に関連した外貨為替レートの変動にのみさらされている。
- その他の包括利益に影響を与える指定されたキャッシュ・フロー・ヘッジ関係にあるデリバティブの直物要素
- その他の営業外費用（純額）に影響を与える外貨組込デリバティブ
- その他の営業外費用（純額）に影響を与えるQualtricsの買収予定に関連して保有する外貨オプション
当社の12月31日現在の外貨エクスポージャー（及び平均最大/最小エクスポージャー）は以下の通りである。
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外貨エクスポージャー
（十億ユーロ） 2018 2017
全ての主要通貨に対しての期末時点でのエクスポージャー
6.3 0.9
平均エクスポージャー 2.1 0.9
最大エクスポージャー 6.3 1.0
最小エクスポージャー 0.7 0.9
為替レートの感応度
当社はユーロと全ての主要通貨間の為替レートの+/- 10％の変動について感応度を計算する（2017: ユーロとその他の主要通
貨間為替レートの+/- 10％の変動、2016年：ユーロとブラジルレアル間の為替レートの+/- 25％の変動及びユーロとその他の主
要通貨間為替レートの+/- 10％の変動）。2016年、2017年及び2018年12月31日において上述のように為替レートが増減した場
合、その他の営業外費用（純額）及びその他の包括利益に次のような影響がある。
外貨の感応度
その他包括利益への影響
その他営業外費用（純額）
への影響
（百万ユーロ）
2018 2017 2016 2018 2017 2016
指定されたキャッシュ・フロー・ヘッジ関係にあるデリバ
ティブ
全ての主要通貨の変動-10% （2017:全ての主要通貨-10%、 62 71 79
2016:ブラジルレアル — 25%、全ての主要通貨-10%）
全ての主要通貨の変動+10% （2017:全ての主要通貨+10%、 -62 -71 -79
2016:ブラジルレアル+25%、全ての主要通貨+10%）
組込デリバティブ
全ての通貨の変動-10% 11 15 23
全ての通貨の変動+10% -11 -15 -23
Qualtricsの買収に関連して開催されたFXオプション
-29 0 0
USDの変動-10%
559 0 0
USDの変動+10%
金利リスク
金利リスク要因
当社の投資の大部分は変動金利及び/又は短期(2018年：48％、2017年：79％)であり、当社の資金調達取引の大部分は固定金
利及び長期（2018年：83％、2017年：71％）であるため、主にユーロとドルでの投資及び財務活動の結果として、当社は金利
リスクにさらされている。
金利リスク管理
当社の金利リスク管理の目的は、固定及び変動キャッシュ・フローについてバランスのとれた仕組みを構築することによ
り、損益に与える影響を軽減させ、金利の効果を最大にすることである。そのため、当社は所与の投資及び有利子負債による
資金調達のポートフォリオに金利関連デリバティブ商品を加えることで金利リスクを管理している。当社の負債の純額の望ま
しい固定変動割合は、財務委員会により設定されている。
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ヘッジ手段として指定されているデリバティブ（公正価値ヘッジ）
資金調達取引から生じる金利リスクを投資と整合させるため、当社は受取金利スワップを用い固定金利の金融負債を変動金
利へ変更しており、このようにして、スワップした資金調達取引の公正価値を1:1で固定している。金利スワップを含む2018年
12月31日時点における有利子金融負債の合計残高の71%（2017年：49%）が、固定金利であった。
ヘッジ対象として指定された項目に関する2018年12月31日現在の金額は以下の通りである。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ対象
2018
（百万ユーロ） EUR建固定金利借入 USD建固定金利借入
想定元本 750 535
帳簿価額 749 534
その他の金融負債における累積公正価値調整 10 -32
非有効部分の測定に使用された公正価値の変動 10 1
ヘッジ損益について調整されなくなったヘッジ 0 -33
対象にかかる公正価値ヘッジの調整累積金額
ヘッジ手段として指定された2018年12月31日現在の金額は以下の通りである。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ手段
2018
EUR建借入に係る USD建借入に係る
（百万ユーロ） 金利スワップ 金利スワップ
想定元本 750 535
帳簿価額
その他の金融資産 10 1
その他の金融負債 0 -3
非有効部分の測定に使用した公正価値の変動 10 -2
2018年12月31日現在、当社は金利変動に対するエクスポージャーをヘッジするために以下のヘッジ手段を有している。
金利ヘッジにおける指定されたヘッジ手段
2018
満期
（百万ユーロ） 2019 2020 2022 2024
EUR建金利スワップ
想定元本 750
平均変動金利 0.613%
USD建金利スワップ
想定元本 253 194 88
平均変動金利 3.366% 3.341% 3.220%
全ての受取スワップの公正価値の調整、公正価値指定ヘッジ関係で保有されているヘッジ対象のベーシスの調整及び金融収
益（純額）で認識された両者の差は、開示されているいずれの年度においても重要でない。
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金利エクスポージャー
当社の12月31日時点での金利エクスポージャー（及び平均/最大/最小エクスポージャー）は次の通りである。
金利リスク・エクスポージャー
（十億ユーロ） 2018 2017
期末 平均 最大 最小 期末 平均 最大 最小
金利の公正価値リスク
投資 0.08 0.09 0.10 0.08 0.04 0.12 0.31 0.03
金利のキャッシュ・フロー・リスク
投資(現金含む) 4.24 4.16 5.65 3.50 3.80 3.78 4.10 3.52
資金調達 1.96 2.08 2.32 1.45 1.81 1.94 2.31 1.80
金利スワップ 1.28 1.31 1.36 1.27 1.35 1.75 2.22 1.35
金利の感応度
IFRS7号に従って当社の金利リスクに対するエクスポージャーの損益及び資本に対する影響を示すため、以下を考慮して感応
度分析を実施している。
－ 非デリバティブ固定金利金融商品が公正価値で認識されている場合のみ、金利の変動は非デリバティブ固定金利金融商
品の会計処理に影響する。したがって、当社は非デリバティブ金融負債を償却原価で評価していることから、そのよう
な金利の変動は、当社の非デリバティブ固定金利金融負債の帳簿価額を変動させない。各報告年度末において売却可能
として分類された固定金利金融資産への投資には重要性が無いため、資本関連の感応度分析において固定金利金融商品
を考慮していない。
－ 変動金利のある非デリバティブ金融商品からの損益は、もしそれらが有効なヘッジ関係によりヘッジされていない場
合、金利リスクの影響を受ける。そのため、変動金利による資金調達及び短期金融商品への投資活動に係る金利の変動
を収益関連の感度分析において考慮している。
－ 受取金利スワップを公正価値ヘッジとして指定することにより、金利の変動が金融収益（純額）に影響を与える。金利
スワップに関連する公正価値の変動は、ヘッジ対象の社債及び私募投信の固定金利の支払と相殺されることから感応度
計算に反映されていない。しかし、市場金利の変動は、金利スワップによる金利の支払額に影響を与える。結果とし
て、利息支払いに係る市場金利の影響は利益に関連した感応度計算に含まれている。
当社の感応度分析は、アメリカドルとユーロ圏では金利についての想定が異なるため、アメリカドル又はユーロ圏に対して
それぞれ+100又は+30ベーシス・ポイント(bps)のイールドカーブ上方シフト（201７年：アメリカドル+100bps、ユーロ圏
+25bps、2016年：アメリカドル+100bps、ユーロ圏+50bps）、及びアメリカドル又はユーロ圏に対してそれぞれ-25又は-10bps
のイールドカーブ下方シフト（201７年：-25bps、2016年：- 50bps）に基づいて感応度分析を行う。
2016年、2017年及び2018年12月31日時点での金利が上述のように上昇又は下降したとしても、当該金利変動は、変動金利投
資による金融収益（純額）に対して重要な影響を及ぼさない。また、金融収益（純額）への影響は以下の通りである。
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金利感応度分析
（百万ユーロ） 金融収益（純額）に対する影響
2018 2017 2016
指定された公正価値ヘッジ関係のあるデリバティブ
金利 対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+30 bps
（2017年：アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+25
-20 -26 -46
bps、2016年：アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+50
bps）
金利 対アメリカドル25 bps /対ユーロ圏-10 bps
（2017年：アメリカドル及び対ユーロ圏-25 bps、2016
5 9 29
年：アメリカドル及び対ユーロ圏-50 bps）
変動金利による資金調達
金利 対アメリカドル+100 bps /対ユーロ圏+25 bps
（2017年：対ユーロ圏+25 bps、2016年：対ユーロ圏+50 -24 -5 -21
bps）
金利 対アメリカドル25 bps /対ユーロ圏-10 bps
（2017年：ユーロ圏-25 bps、2016年：対ユーロ圏-50 ▶ 0 0
bps）
株価リスク
株価リスク要因
当社は株式への投資及びに株式報酬制度に関連して株価リスクにさらされている。
株価リスク管理
当社の上場株式投資は、世界中の不安定な株式市場の変動により影響を受ける現在の市場価格に基づいてモニタリングされ
ている。非上場株式投資は、被投資会社により提供される詳細な財務情報に基づきモニタリングされている。当社の上場株式
投資の公正価値は株価に依存し、一方で非上場株式投資の公正価値は、様々な観察不能な要素に影響を受ける。当社は株式報
酬制度に関するエクスポージャーについてもまたモニタリングしている。結果として生じる損益の変動を減らすため、当社は
デリバティブ商品を購入することによって株式に基づく報酬制度に関連するキャッシュ・フローのエクスポージャーをヘッジ
しているが、指定されたヘッジ関係を構築してはいない。
株価エクスポージャー
株式への投資による当社のエクスポージャーは1,248百万ユーロ（2017年：827百万ユーロ、2016年：952百万ユーロ）であっ
た。
当社の株式報酬制度からのエクスポージャーについては、注記（B.3）参照。
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株価の感応度
IFRS第7号ではヘッジ手段の基礎となる株式報酬を対象外としているが、デリバティブ商品のみを考慮に入れると当社の株価
リスク・エクスポージャーが適切に反映されないため、当社の株式報酬制度の感応度分析にはヘッジ手段とその基礎となる株
式報酬が含まれている。
株価の変動に対する当社の感応度は以下の通りである。
株価感応度
（百万ユーロ） 2018 2017 2016
株式への投資
株価の上昇及びそれぞれの観察不能なインプットの10％
65 56 84
増加 - 金融収益の増加（純額）
株価の下落及びそれぞれの観察不能なインプットの10％
-65 -56 -81
減少 - 金融収益の減少（純額）
株式報酬
株価の20％の上昇
- 株式報酬費用の増加
-279 -371 -333
- ヘッジ手段からの相殺利益の増加
57 65 52
株価の20％の下落
- 株式報酬費用の減少 262 337 296
- ヘッジ手段からの相殺利益の減少 -44 -46 -44
信用リスク
信用リスク要因
投資における信用リスクを軽減するため、当社は投資額の全額のうち特定の投資活動について取引先の債務不履行の場合に
のみ実行することができる担保権を受け取ることとなっている。
信用リスクを軽減するためのその他重要な契約をしていない場合においては、上述の契約を除く、現金及び現金同等物、短
期投資、貸付金及びその他の金銭債権、並びにデリバティブ金融資産として認識される金額の合計が信用リスクに対する最大
のエクスポージャーを表している。
信用リスク管理
預金、定期預金及び負債証券
当社の投資活動及びデリバティブ金融資産に対する信用リスクを軽減するため、当社は内部財務ガイドラインの要求に基づ
き、全ての活動は、承認された主要な金融機関及び高い格付けを得ている発行者とのみ行っている。その諸規定のガイドライ
ンでは格付けが最低でもBBBフラットである発行者からの資産にのみ投資するよう求めている。より低い格付けの発行体への投
資は例外的な場合のみである。2018年度及び2017年度においてそのような投資は重要ではない。当社の金融資産の加重平均格
－
付けはAからA の範囲にある。当社は、主に短期投資、標準的な投資商品、並びに様々な取引先と事業を行うことによる幅広い
ポートフォリオの多様化を特徴とする慎重な投資方針を追求している。
さらに信用リスクを軽減させるために、投資金額全額のうち特定の投資について、投資先が債務不履行となった場合に権利
行使できる担保を要求している。そのような担保として、当社は少なくとも投資適格の格付けを有する債券のみを受け入れて
いる。
加えて、取引先が商品、セクターあるいは地域ごとに類似の活動に従事している場合に存在する信用リスクの集中は、取引
先の世界的な分散及び各取引先に対する内部与信限度制度の順守によってさらに軽減される。この内部与信限度制度では、
個々の取引先との取引量を定義された限度額に制限すると規定しているが、当該限度額は、少なくとも1つの主要な格付機関、
各金融機関のTier 1資本、又はドイツ預金者保証基金や同様の保護スキームへ参加により入手可能な公式の長期信用格付け
よって決定される。当社は継続的にこれら取引先との取引限度額を厳格に遵守し続けている。クレジット・デフォルト・ス
ワップのプレミアムは、主に市場参加者による債務者の信用力の評価に左右されるため、当社はまた、市場のクレジット・デ
フォルト・スワップスプレッドの動きを注視して、発生しうるリスクの動きを評価し、これらが顕在化した場合には適宜に対
応する。
銀行預金、定期預金及び取得した債券やコマーシャルペーパーなどの債務証券については、一般的な減損アプローチを適用
する。信用損失のリスクを最小限に抑えるために、最低でも投資適格の最低格付けの発行体の高品質資産にのみ投資すること
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が当社の方針であるため、当社は低い信用リスクの例外規定を適用する。したがって、これらの資産は常に3段階の信用損失モ
デルの第1段階に割り当てられ、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額の損失引当金を計上する。当該損失引当金は書く報告書日
に おける当社のエクスポージャー、このエクスポージャーに対する債務不履行によって与えられる損失、及びデフォルト確率
の尺度としてのクレジット・デフォルト・スワップ・スプレッドに基づいて算定される。当社の投資が存続期間中、常に投資
適格の要件を満たすことを確かめるため、当社は公表されている外部の信用格付けをトラッキングすることにより信用リスク
の変化を監視している。取引相手の経済的困難に関する情報がある場合、又は全体的な市場環境がかなり安定しているにもか
かわらず、長期間にわたって取引相手のクレジット・デフォルト・スワップ・スプレッドが急激に増加した場合、特に、取引
先が債務を全額支払う可能性が低い場合には、銀行預金、定期預金および債務証券は債務不履行に陥っていると判断する。そ
のような金融資産は、例えば、金融資産の得意先の破産等の裏づけによって回復可能性が低いと考えられる場合、部分的に又
は全額が償却される。
営業債権
営業債権のデフォルトリスクは主に外部の格付けによる顧客の信用力の評価及び関係する顧客との過去の経験に基づいて、
別途管理されている。この評価に基づいて、各顧客に個別の与信限度額が設定され、与信限度額からの逸脱は経営管理者に
よって承認される必要がある。
当社は、すべての営業債権及び契約資産に対して、当初認識時に発生が予想される信用損失を考慮した引当マトリクスを利
用することにより、単純化された減損アプローチを適用する。引当金マトリクスの目的のために、各国におけるカントリーリ
スク評価といった市場情報に基づいて、顧客は様々なリスククラスに分類される。予想信用損失を反映するために使用される
損失率は、様々な滞留の段階を経て進行する債権の回収可能性及び過去数年間にわたる当社の信用損失実績に基づくロール
レート法を用いて決定される。これらの損失率は、過去のデータが収集された期間の経済状況、現在の状況、及び債権が存在
すると予想される期間にわたる経済状況の変化に係る差異を反映するための将来予測情報によって高められています。将来予
測情報は、カントリーリスクの格付けの変化又は当社が事業を行う顧客の国々のクレジット・デフォルト・スワップの変動に
基づいている。営業債権及び契約資産が信用減損しているという客観的な根拠があるかどうかを評価するために、当社は未払
債権を現地で継続的に観察している。営業債権及び契約資産が信用減損しているという根拠には、滞留債権の中でも、顧客の
重大な経済的困難に関する情報、又は支払計画の不履行が含まれる。取引先が債務を全額支払う可能性が低い場合、債権は債
務不履行に陥っているとみなすが、通常の業務の中で支払いが遅れる（例えば、90日を超えて延滞する）だけでは、必ずしも
顧客の債務不履行を示唆するわけではない。回復の可能性が低いと判断した場合、残高の一部または全部を償却する。回収可
能性が低いことは、例えば、顧客の破産手続きが完了した時や全ての執行手続が完了した時に証明されることがある。個人顧
客からの営業債権に対する債務不履行の影響は、当社の大規模な顧客基盤及び世界中の様々な業界、企業規模、及び国々へ分
布していることによって軽減されている。 当社の営業債権の詳細については、注記（A.2。）参照。
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信用リスクのエクスポージャー
現金、定期預金及び負債証券
2018年12月31日現在、現金、定期預金および債務証券による信用リスクに対する当社のエクスポージャーは以下の通りであっ
た。
現金、定期預金及び定期預金からの信用リスクへのエクスポージャー
相当する 非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
外部評価 加重平均損失率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
リスククラス1 - 低リスク
AAAからBBB- -0.1% 7,406 0 -5
リスククラス2 – 高リスク
BBからD 0.0% 34 0 0
リスククラス3 – 未評価
N/A -3.3% 30 0 -1
合計 -0.1% 7,470 0 -6
2017年12月31日現在、当社の定期預金、その他の貸付金及びその他の金融債権の大部分はドイツに集中していた。期限が超過
しているが減損していない定期預金、貸付金、又はその他の金融債権はなく、その時点で期日が超過しておらず、減損してい
ない資産の減損の兆候も見られなかった。
営業債権及び契約資産
2018年12月31日現在、営業債権からの信用リスクに対する当社のエクスポージャーは以下の通りであった。
営業債権及び契約資産からの信用リスクへのエクスポージャー
非信用減損分の 信用減損分の 予想信用損失
加重平均損失率 総帳簿価額 総帳簿価額 引当金
期日前又は期日の営業債権 -0.3% 4,288 0 -13
期日後１～30日の営業債権 -0.3% 749 15 -2
期日後30～90日の営業債権 -0.5% 551 8 -3
期日後90日以上経過した営業債権 -13.0% 558 125 -89
合計 -1.7% 6,146 148 -107
2018年の、営業債権及び契約資産に係る予想信用損失引当金（2017年：IAS第39号の貸倒引当金）の変動は以下の通りであ
る。
営業債権及び契約資産に係る予想信用損失引当金の変動
2018 2017
予想信用損失引当金 貸倒引当金
1月1日時点のIAS第39号での残高
-74 -89
IFRS第9号の適用 -25 0
1月1日時点のIFRS第9号での残高 -99 -89
認識された信用損失純額 -18 ▶
貸倒償却額 10 11
12月31日時点の残高 -107 -74
2017年12月31日時点の期日未経過かつ減損していない営業債権の詳細及び年齢表は以下の通りである。
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営業債権の年齢分析
2017
（百万ユーロ）
期日未経過かつ個別に減損していないもの 4,185
期日は経過しているが個別に減損していないもの
期日経過後 1-30日
695
期日経過後 31-120日
459
期日経過後 121-365日
266
95
期日経過後 365日超
期日は経過しているが個別に減損していないもの合計 1,515
110
個別に減損している債権（引当後の純額）
5,810
営業債権の帳簿価額（純額）
流動性リスク
流動性リスク要因
我々は、サプライヤー、従業員及び金融機関への負債による流動性リスクに晒されている。
流動性リスク管理
グループの流動性は、主として財務的義務を履行するのに適当な水準を維持するために、グローバル財務部により管理され
ている。
通常、流動性の主な財源は我々の事業運営から発生する資金である。グローバル財務部は全ての子会社についてその流動性
をセントラルに管理している。可能である場合には、子会社の余剰資金をセントラルでプールしており、それを事業運営や、
子会社の資金需要、市場投資に使用することができる。上記の説明の通り、高い信用力のある相手先あるいは証券発行者にの
み投資を行い流動性を確保しつつ、利回りの最適化を目指している。これにより高い水準の流動性資産及び市場性のある証券
は戦略的な貯えとなりSAPが柔軟性、健全性、および独立性を保持し続けることに貢献している。
効果的な運転資本及び資金管理に加えて、様々な金融機関との間で必要に応じて引き出し可能である適切な量の信用枠を手
配することにより日常の業務管理や財務責任履行のために固有の流動性リスクを軽減している。
高い財務柔軟性を維持するために、2017年11月20日、当社は、25億ユーロのシンジケート・クレジット・ファシリティー契
約を、当初借入期間5年間に1年延長できるオプション2回分を付けて締結した。2018年に、当該ファシリティーの当初契約は1
年延長され、2023年11月までとなった。ファシリティーの使用はいかなる財務制限条項からも制約を受けない。当該クレジッ
トファシリティーによる借入は、それぞれの通貨に対するEURIBORあるいはLIBORに17ベーシス・ポイントのマージンが加算さ
れた利息が発生する。我々はまた未使用の信用枠について年間5.95ベーシス・ポイントのコミットメントフィーを支払うこと
が求められている。当該信用枠は使用していない。
計画されていたQualtricsの買収の資金調達で、買収代金の支払いの一部を調達するため、2.5百万ユーロの買収ファシリ
ティーを手配した。当該ファシリティーの全期間は3年であり、SAPのフリーキャッシュ・フロー又は資本市場での再調達で随
時返済が可能である。当該ファシリティーでの引き出しについての詳細な情報については、注記(G.9)を参照のこと。
加えて、2018年及び2017年の12月31日時点でSAP SEはそれぞれ合計で445百万ユーロ及び510百万ユーロの使用可能な借入枠
があった。開示された全ての事業年度において、これら借入枠内での重要な借入はない。
流動性リスク・エクスポージャー
2018年12月31日現在における全ての金融負債の契約上の満期日までの分析について以下の表に記載する。契約上の相手方の
要求によりいつでも支払いが行われ得る金融負債についてはその可能性がある一番早い期間に区分している。変動金利の支払
いは、2018年12月31日時点で最新の固定された関連金利を用いて計算している。通常デリバティブ契約を総額で決済するた
め、全ての通貨及び金利デリバティブについて、そのデリバティブの公正価値がマイナスかどうかにかかわらず、受取額また
は支払額を個別に記載している。通貨デリバティブに関連するキャッシュ・アウト・フローは対応する直物レートを用いて換
算している。
非デリバティブ金融負債の契約上の満期
帳簿価額 契約上のキャッシュ・フロー
12/31/2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024以降
（百万ユーロ）
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非デリバティブ金融負債
- 営業債務
-1,265 -1,265 0 0 0 0 0
- 金融負債 -11,602 -1,149 -1,585 -622 -1,410 -1,097 -6,689
-12,866 -2,414 -1,585 -622 -1,410 -1,097 -6,689
非デリバティブ金融負債合計
帳簿価額 契約上のキャッシュ・フロー
12/31/2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023以降
（百万ユーロ）
非デリバティブ金融負債
- 営業債務
-952 -952 0 0 0 0 0
- 金融負債 -6,508 -1,554 -834 -957 -58 -429 -3,102
-7,460 -2,506 -834 -957 -58 -429 -3,102
非デリバティブ金融負債合計
デリバティブ金融負債及び金融資産の契約上の満期
契約上の 契約上の
帳簿価額 キャッシュ・フロー 帳簿価額 キャッシュ・フロー
12/31/2018 2019 2020以降 12/31/2017 2018 2019以降
（百万ユーロ）
デリバティブ金融負債及び資産
デリバティブ金融負債
ヘッジ手段として指定されていない通
貨デリバティブ -64 -84
キャッシュ・アウト・フロー -2,111 -11 -3,909 -309
キャッシュ・イン・フロー 2,062 0 3,857 292
ヘッジ手段として指定されている通貨
デリバティブ -9 -1
キャッシュ・アウト・フロー -340 0 -75 0
キャッシュ・イン・フロー 330 0 74 0
ヘッジ手段として指定されていない金
利デリバティブ 0 0
キャッシュ・アウト・フロー
キャッシュ・イン・フロー
ヘッジ手段として指定されている金利
デリバティブ -3 -1
キャッシュ・アウト・フロー -15 -27 -8 -15
13 26 8 14
キャッシュ・イン・フロー
-76 -61 -12 -86 -53 -18
デリバティブ金融負債合計
デリバティブ金融資産
ヘッジ手段として指定されていない通
貨デリバティブ 100 41
キャッシュ・アウト・フロー -4,025 0 -2,799 0
キャッシュ・イン・フロー 4,076 0 2,831 0
ヘッジ手段として指定されている通貨
デリバティブ 2 29
キャッシュ・アウト・フロー -203 0 -634 0
キャッシュ・イン・フロー 202 0 654 0
ヘッジ手段として指定されている金利
デリバティブ 11 24
キャッシュ・アウト・フロー -8 -14 -12 -43
19 15 25 56
キャッシュ・イン・フロー
113 61 1 93 65 13
デリバティブ金融資産合計
デリバティブ金融負債
37 0 -11 8 12 -5
及び資産 合計
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(F.2) 金融商品に関する公正価値の追加開示
会計方針
公正価値ヒエラルキーの異なるレベル間での振替については、振替をもたらした事象や状況の変化が発生した期
の期首時点に生じたものとみなして認識する。
金融商品の公正価値
当社は、通常の事業運営にあたり様々な金融商品を保有しており、それらは償却原価(AC)又は損益を通じて公正価値で測定
される金融商品(FVTPL)に分類される（2017年度は、貸付金及び債権(L&R)、売却可能資産(AFS)、トレーディング目的(HFT)並
びに償却原価(AC)であった）。金融商品を公正価値で測定するため、もしくはその公正価値を開示する必要があるため、公正
価値を決定する為に用いたインプット及びそれらの評価技法の重要性に基づき、金融商品を3つのレベルの公正価値ヒエラル
キーに分類している。
金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキーの内訳
2018年12月31日
測定分類 公正価値
分類 帳簿価額
償却 公正
原価 価値 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
（百万ユーロ）
資産
現金及び現金同等物 8,627
1)
銀行預金
AC 2,918 2,918
1)
定期預金
AC 4,514 4,514
マネーマーケット及び類似のファン
ド FVTPL 1,195 1,195 1,195
営業債権及びその他債権 6,480
1)
営業債権
AC 6,188 6,188
2)
その他債権
- 293
その他金融資産 1,984
債務証券 AC 77 77 77 77
株式 FVTPL 1,248 1,248 52 0 1,196 1,248
2)
関係会社への投資
- 26
定期預金 AC 134 134 134
2)
退職給付制度に関する金融商品
- 165
貸付金及びその他金融債権 AC 147 147 147 147
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - 2 2 2 2
金利スワップ - 11 11 11 11
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL 100 100 100 100
株式報酬費用コールオプショ
ン FVTPL 68 68 68 68
株式コールオプション FVTPL 5 5 5 5
負債
営業債務及びその他債務 -1,614
1)
営業債務
AC -1,265 -1,265
2)
その他債務
- -350
金融負債 -11,678
非デリバティブ金融負債
借入金 AC -58 -58 -58 -58
社債 AC -10,204 -10,204 -10,365 -10,365
私募債 AC -1,041 -1,041 -1,035 -1,035
その他非デリバティブ金融負債 AC -298 -298 -298 -298
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
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FX先物契約 - -9 -9 -9 -9
金利スワップ - -3 -3 -3 -3
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 FVTPL -65 -65 -65 -65
金融商品合計 純額 3,798 1,112 2,553 -9,041 -1,006 1,201 -10,175
金融商品の公正価値及び公正価値ヒエラルキーの内訳
2017年12月31日
測定分類 公正価値
分類 帳簿価額
償却 公正
原価 価値 レベル１ レベル２ レベル３ 合計
（百万ユーロ）
資産
1)
現金及び現金同等物
L&R 4,011 4,011
営業債権及びその他債権 6,017
1)
営業債権
L&R 5,810 5,810
2)
その他債権
- 207
その他金融資産 2,145
売却可能金融資産
債務証券 AFS 39 39 39 39
株式 AFS 827 827 87 8 732 827
2)
関係会社への投資
- 32
貸付金及びその他金融債権
2)
退職給付制度に関する金融商品
- 155
その他貸付金及びその他金融債権 L&R 899 899 899 899
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - 29 29 29 29
金利スワップ - 24 24 24 24
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 HFT 41 41 41 41
株式報酬費用コールオプション HFT 90 90 90 90
株式コールオプション HFT 11 11 11 11
負債
営業債務及びその他債務 -1,270
1)
営業債務
AC -952 -952
2)
その他債務
- -318
金融負債 -6,595
非デリバティブ金融負債
借入金 AC -24 -24 -24 -24
社債 AC -5,147 -5,147 -5,335 -5,335
私募債 AC -1,130 -1,130 -1,136 -1,136
その他非デリバティブ金融負債 AC -208 -208 -208 -208
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 - -1 -1 -1 -1
金利スワップ - -1 -1 -1 -1
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 HFT -84 -84 -84 -84
金融商品合計 純額 4,308 3,259 974 -5,209 -364 742 -4,830
1) 現金及び現金同等物、営業債権、営業債務の簿価は公正価値に近似しているため公正価値の開示は行わない。
2) 営業債権、営業債務、その他金融資産は、金融及び非金融資産（負債）を含んでいるため（例えば、その他税金、あるいは前払費用）、
表示されている非金融資産あるいは負債の簿価は、連結財政状態計算書の内訳と一致する。
商品分類による金融商品の公正価値
2018年12月31日
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帳簿 償却 公正
分類 価格 原価 価値
（百万ユーロ）
金融資産
損益を通る公正価値 FVTPL 2,617 2,617
償却原価 AC 13,978 13,978
金融負債
損益を通る公正価値 FVTPL -65 -65
償却原価 AC -12,866 -12,866
2017年12月31日
帳簿 償却 公正
分類 価格 原価 価値
（百万ユーロ）
金融資産
損益を通る公正価値 HFT 141 141
売却可能金融資産 AFS 865 865
償却原価 L&R 10,719 10,719
金融負債
損益を通る公正価値 HFT -84 -84
償却原価 AC -7,460 -7,460
公正価値の決定
公正価値測定に用いられた評価技法及びインプットに関しては下記の通り。
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継続的に公正価値で測定された金融資産
種類 公正価値 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能な 重要な観察不能な
ヒエラル インプット インプットと公正
キー 価値測定の相互関
係
その他の金融資産
マネーマーケッ レベル1 活発な市場における市場価 該当なし 該当なし
ト及び類似ファ 格
ンド
債務証券への投 レベル1 活発な市場における市場価 該当なし 該当なし
資 格
上場株式投資 レベル1 活発な市場における市場価 該当なし 該当なし
格
レベル2 活発な市場における市場価 該当なし 該当なし
格からそれぞれのプット・
オプションのプレミアムか
ら派生した譲渡制限部分の
割引額を控除したもの
非上場株式投資 レベル3 マーケットアプローチ。投 -同等の企業 以下の場合は、見
資先会社と比較可能な会社 （収益乗数は8.6- 積公正価値は、下
の収益乗数を用いた類似会 9.0) 記の場合増加（減
社比較法。 -投資先の収益 少）する
-販売可能性の不足 -収益の乗数がより
による割引額 大きい（小さい）
（10%-20%） -投資先の収益がよ
り高い（低い）
-流動性がより低い
（高い）
マーケットアプローチ。予 該当なし 該当なし
実分析結果、現金持高、直
近若しくは予定している取
引及び市場の類似企業など
様々な質的、量的要素を評
価するベンチャーキャピタ
ルメソッド。
最終ファイナンシング・ラ 該当なし 該当なし
ウンド評価
優先的分配権 該当なし 該当なし
純資産価値、それぞれの 該当なし 該当なし
ファンドから報告された公
正価格
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継続的に公正価値で測定された金融資産（続き）
種類 公正価値 公正価値の決定・評価技法 重要な観察不能な 重要な観察不能な
ヒエラル インプット インプットと公正
キー 価値測定の相互関
係
その他の金融資産（続き）
株式報酬費用コー レベル2 モンテカルロモデル。 該当なし 該当なし
ルオプション リスクフリーレート、デリバ
ティブの残存期間、配当利回
り、株価及び株価の変動を考
慮して計算。
株式コールオプ レベル3 マーケットアプローチ。投資 -収益乗数（2017年： 見積公正価値は、下
ション 先から得た実績値を基礎とし EBITDA乗数） 記の場合増加（減
た収益乗数（2017年：EBITDA -投資先の収益乗数 少）する
乗数）を利用して計算。 （2017年：EBITDA） -収益乗数（2017年：
EBITDA乗数）がより
大きい（小さい）
-投資先の収益乗数
（2017年：EBITDA）
がより大きい（小さ
い）
その他の金融資産/負債
先物為替予約 レベル2 額面法を用いた割引キャッ 該当なし 該当なし
シュ・フロー。先物為替レー
トによる将来キャッシュ・フ
ローの見積額をそれぞれの契
約上の残存期間に渡り、それ
ぞれの預金金利及びスポット
レートにより割り引いてい
る。
金利スワップ レベル2 割引キャッシュ・フロー。見 該当なし 該当なし
積将来キャッシュ・フロー
は、観察可能なイールドカー
ブと約定金利を用いて見積
り、これを信用リスクを反映
した割引率により、現在価値
に割引いている。
公正価値で測定されない金融資産
種類 公正価値ヒエラルキー 公正価値の決定・評価技法
金融負債
固定金利債
レベル1 活発な市場における市場価格
（金融負債）
割引キャッシュ・フロー。
固定金利私募債・借入
固定金利及び元本の将来キャッシュ・アウト・
レベル2
（金融負債） フローは、契約毎の期間に渡り報告書日時点の
市場金利を用いて割り引かれている。
その他非デリバティブ金融資産（負債）及び変動金利金融負債については、取得原価が公正価値と概ね近似すると考えてい
る。
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レベル１とレベル２の振替
処分の制限が解除され当該制限による割引が必要なくなったことによる株式投資のレベル2からレベル1への振替は2018年に
46百万ユーロであった(2017年は360百万ユーロ)。一方、レベル1からレベル2への移行は発生しなかった。
レベル３の公正価値の開示
以下の表は期首から期末における、非上場株式投資およびレベル3に分類される株式に対するコールオプションの公正価値の
調整を示す。
レベル3の公正価値の調整
（百万ユーロ） 2018 2017
1月1日 742 722
振替
レベル３への振替 0 0
レベル３からの振替 -12 -100
取得 409 257
売却 -143 -102
損益
損益の金融収益（純額）に含まれる 168 26
その他包括利益の売却可能金融資産に含まれる 0 28
その他包括利益の為替換算調整勘定に含まれる 38 -89
12月31日 1,202 742
報告期間末に所有している投資の未実現損益の変動 0 0
レベル３からの振替は、投資先の株式公開によるものである。合理的に可能性がある代替的仮定を反映する観察不能なイン
プットの変更は、報告日時点でFVTPL（2017年：売却可能金融資産）として保有される非上場株式の公正価値へ重要な影響を及
ぼさない。
(F.3) IFRS第9号の適用
2018年1月1日を適用開始日として、完全遡及適用からの例外を使用し、IFRS第9号「金融商品」の適用を開始している。IFRS
第9号は、金融商品、金融資産の減損及びヘッジ会計の分類及び測定に関連するIAS39の規定に替わるものである。金融資産の
異なる分類、新規の減損ルール、及びヘッジ費用の異なる取り扱いによる影響は、2018年1月1日時点の開始貸借対照表の利益
剰余金において認識している。比較数値は再表示されておらず、IAS第39号に基づいた数値となっている。
新しい会計方針は、金融商品について記載している注記に記述されている。注記(A.2)、(D.4)、(E.3)及び(F.1)参照のこ
と。
IFRS第9号の適用により、2018年1月1日時点で、期首利益剰余金が135百万ユーロ（税引後）増加する。その主な内容は以下
の通りである。
－ 営業債権及び契約資産並びに定期預金及び負債性投資に対する予想信用損失モデルの適用により、期首利益剰余金が31百
万ユーロ減少する。
－ その他の包括利益に含まれている、売却可能金融資産に係る損益の期首利益剰余金への組替により、期首利益剰余金が157
百万ユーロ増加する。
IFRS第9号の適用は、2018年1月1日時点で、その他の包括利益期首残高が160百万ユーロ（税引後）減少する。その主な内容
は以下の通りである。
－ その他の包括利益に含まれている、売却可能金融資産に係る損益の期首利益剰余金への組替により、期首その他の包括利
益が157百万ユーロ減少
以下の表は、IAS第39号においての金融資産及び負債の帳簿価格及び測定分類と、2018年1月1日のIFRS第9号への移行後の金
融資産及び負債の各分類の帳簿価格及び測定分類との調整表である。
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IFRS 第9号への移行後の帳簿価格及び測定分類の調整表
IAS第39号帳簿価格 IFRS第9号帳簿価格
2017年12月31日 IFRS9への移行 2018年1月1日
IAS39の IFRS9の
測定分 測定分
類では 類では
L&R AFS HFT AC ない 再分類 再測定 AC FVTPL ない
（百万ユーロ）
資産
現金及び現金同等物
1)
銀行預金
2,558 2,558
1)
定期預金
314 -3 311
マネーマーケット及び類似の
ファンド 1,139 0 1,139
営業債権 5,810 207 -25 5,785 207
その他金融資産
債務証券 39 0 39
株式 827 0 827
定期預金 736 -3 733
貸付金及びその他金融債権 163 163
デリバティブ資産
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 29 29
金利スワップ 24 24
ヘッジ手段として指定
なし
FX先物契約 41 41
株式報酬費用コール
オプション 90 90
株式コールオプショ
ン 11 11
負債
営業債務 -952 -318 -952 -318
金融負債
非デリバティブ金融負債
借入金 -24 -24
社債 -5,147 -5,147
私募債 -1,130 -1,130
その他非デリバティブ金融
負債 -208 -208
デリバティブ
ヘッジ手段として指定
FX先物契約 -1 -1
金利スワップ -1 -1
ヘッジ手段として指定なし
FX先物契約 -84 -84
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再分類の調整は、以下により行われる。
- 売却可能金融資産からFVTPLへの再分類
・ 売買可能金融資産に分類されていた上場及び非上場企業の株式は、2018年1月1日からFVTPLとして分類された。IAS第39
号とIFRS第9号の帳簿価格に相違はない。しかし、分類の変更により、当該株式に分配される資本のその他項目に累積
している金額を、2018年の期首利益剰余金へ再分類した。
- 売却可能金融資産からACへの再分類
・ 主に金融・非金融企業及び地方自治体の社債で構成されている負債性債券は、2018年1月1日に売却可能金融資産から償
却原価へ再分類された。当該資産のキャッシュ・フローは元本及び利息の支払いのみで構成され、契約上のキャッ
シュ・フロー受け取りのために保有するビジネスモデルとなっているためである。当該負債性債券の公正価格と償却原
価には重要な差異はなかったため、2018年の期首利益剰余金への重要な影響はなかった。
・ 2018年12月31日時点の負債性債券の公正価格とその償却原価には重要な差異はなかった。そのため、2018年に資本のそ
の他項目で認識した公正価値の損失は、もし債務証券が償却原価に分類されなかったとしても、重要な金額ではない。
- ACからFVTPLへの再分類
・ マネーマーケット及び類似ファンドへの投資は、償却原価からFVTPLへ再分類された。契約上のキャッシュ・フローは
元本及び利息の支払いのみで構成されていないからである。そのようなファンドは安定した純資産価値があるため、償
却原価と公正価値には差異がなく、そのため2018年の期首利益剰余金には影響を与えない。
再測定の調整は、以下により行われる。
- 営業債権及び契約資産への予想信用損失モデルの適用
・ 営業債権及び契約資産の全期間予想信用損失を計上する簡素的アプローチの適用することにより、引当金が25百万ユー
ロ増加し、2018年の期首利益剰余金に同額の影響を与えた。
- 銀行預金、定期預金及び債務証券への予想信用損失モデルの適用
・ 銀行預金、定期預金及び債務証券への通常の減損アプローチの適用は、予想信用損失引当金を6百万ユーロ増加させ、
2018年の期首利益剰余金に同額の影響を与えた。
・ 以下の表は、IAS第39号での期末減損引当金と、IFRS第9号での期首予想信用損失引当金との調整表である。
IFRS 第9号への移行後の予想信用損失引当金の減損についての調整表
IAS 第39号での損失引当金 IFRS 第9号での損失引当金
2017 年12月31日 再測定 2018 年1月1日
（百万ユーロ）
償却原価での金融資産
営業債権及び契約資産 74 25 99
銀行預金、定期預金、債務
証券並びに貸付金及びその
他債権 1 6 7
次へ
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セクションG - その他の開示項目
このセクションでは、取締役会、監査役会、関連当事者及びその他コーポレートガバナンスに関する事項を含む追加開示事
項及びその他の関連情報を記載している。
(G.1) その他の非金融資産
会計方針
前払費用は期限未到来又は未費消のコストを取得原価にて計上している。これらは対象期間において費用化され
る。
2018 2017
（百万ユーロ）
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
前払費用 305 131 436 264 123 387
その他税金資産 170 98 268 209 66 275
合計 475 229 704 472 189 662
889 1,301 2,191 725 687 1,411
その他の非金融資産
前払費用及びその他税金資産が
53 18 32 65 28 47
その他の非金融資産に占める
割合(%)
前払費用は主に、オペレーティング・リース、サポートサービス、及びソフトウェアのロイヤルティにかかる前払で構成され
ている。その他の税金資産は主に、付加価値税で構成されている。
(G.2) その他の税金負債
2018 2017
（百万ユーロ)
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
その他の税金負債 540 0 540 568 0 568
4,120 501 4,621 3,982 514 4,496
その他の非金融負債
その他の税金負債が その他の
13 0 12 14 0 13
非金融負債に占める割合(%)
(G.3) 財務コミットメント-オペレーティング・リース
（百万ユーロ） 2018 2017
オペレーティング・リース 1,442 1,459
オペレーティング・リースは主に残存解約不能リース期間が1年未満から50年のリース契約であり、事務所スペース、ハード
ウェア、及び車輛に関連するものである。一部のオペレーティング・リース契約は制限条項としてエスカレーション条項（例
えば、消費者物価指数を基にしたもの）及び更新オプションを含んでいる。
賃借費用及びオペレーティング・リース費用は、それぞれ2018年は708百万ユーロ、2017年は532百万ユーロ、2016年は458百万
ユーロである。
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満期
（百万ユーロ） 2018年12月31日
オペレーティング・リース
満期が2019年のもの 351
満期が2020年から2023年のもの 755
336
満期が上記以降に到来するもの
1,442
合計
(G.4) 訴訟、損害賠償請求並びに法的偶発事象
この注記は、知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求、所得税に関する訴訟（注記（C.5）参照）を除く非課税取引に関連
する訴訟及び贈収賄禁止法、輸出管理に関する事項の開示である。
会計方針、判断、並びに見積り
会計方針は注記(A.4)の訴訟、損害賠償請求を含む顧客に関連する引当金に示されており、その他の訴訟、法的偶
発事象についても同様に適用される。
訴訟及び損害賠償請求の結果は元来重要な不確実性にさらされている。経営者による訴訟に対する考え方も将来
変わる可能性がある。実際の訴訟及び損害賠償請求の結果は、過年度の経営陣による主張と異なる可能性もあ
り、事業活動や財政状態、利益、キャッシュ・フロー、評判へ重要な影響を与える結果となり得る。ほとんどの
訴訟及び損害賠償請求には個々の性質があり、損害賠償請求は、 原告により定量化されていないか、定量化され
た請求額が、過去の経験から、その訴訟を解決するために必要な支出として妥当でない場合のどちらかである。
ほとんどの 損害賠償請求が帰属している管轄区分の特性により、さらに裁判の結果を予測することは難しく、そ
れゆえに、SAPが費用を計上するとした場合においても、これらの訴訟や損害賠償請求が引き起こすであろう財務
的影響額について信頼性を持って見積もることは現実的ではない。
加えて、これらの訴訟や損害賠償請求から生じる経済的便益の流出について、予測される時期は不確実であり見
積もることが出来ない。なぜならそれらは通常、法的手続き及びそれらを解決するのに要求される交渉の期間に
依存するためである。
当社は通常の業務の過程からその時々に生じる様々な損害賠償請求及び訴訟にさらされており、それらには買収した会社に
関する訴訟手続及び損害賠償請求が含まれている。我々に対する損害賠償請求及び訴訟に対して、我々は積極的に正当性を主
張するつもりである。損害賠償請求及び訴訟について2018年12月31日現在計上されている引当金は、個別あるいは合計でSAPに
重要な影響を与えるものではない。
この注記において開示されている損害賠償請求及び訴訟のは以下の通りである。
知的財産訴訟及び損害賠償請求
知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求には、第三者が保有する単一の又は複数の知的財産権をSAPが侵害したとして、
第三者からの訴訟の通告又は提起するケースがある。ここでいう知的財産権とは、特許権、著作権及びその他の類似する権利
を含む。
引当金を認識していない知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求に対して偶発債務が存在するが、通常、訴訟や損害賠償
請求は不確実性を有するため、関連する偶発債務の財務的影響額を見積もることは現実的ではない。原告より賠償請求額が明
示されている知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求の賠償請求額の合計額は、2018年及び2017年12月31日時点において重
要ではない。我々の過去の経験に基づくと、ほとんどの知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求は法廷で却下されるか、当
初の賠償請求額よりも著しく低い金額により法廷外で和解する傾向があり、我々の連結財務諸表に対して重要でない。
2018 年12月31日現在係争中の知的財産関連の請求及び訴訟の解決は、個別にも全体としても当社の事業、財政状態、利益又は
キャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼすものではないと我々は考えている。
個別の知的財産に関連する訴訟及び損害賠償請求は、以下の通りである。
2018 年６月、Teradata Corporation、Teradata US,Inc 及びTeradata Operations, Inc（総称して、「Teradata」と呼ぶ）はSAP
SE 、SAP America,Inc 及びSAP Labs,LLCに対する民事訴訟をカルフォルニアの連邦裁判所へ申し立てた。Teradataの主張による
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と、SAPはTeradataの企業秘密を不正流用、商標権の侵害及び米国の独占禁止法に違反していたとしている。Teradataは金銭に
よる損害賠償請求及び差し止めを要求しているが、裁判は現状予定されていない。
2010 年2月、アメリカを本拠地とするテックセック株式会社（以降、テックセック）はアメリカにおいてSAP（子会社のサイ
ベースを含む）、及びその他多数の被告に対して訴訟手続を起こした。テックセックは、SAP及びサイベースの製品が、テック
セックの保有する5件の特許権に関して複数の侵害を行っていると主張している。訴状において、テックセックは不特定の金額
的損害賠償及び恒久的な使用差し止めを求めている。単一の被告に対してのみ訴訟手続きが進行している。SAP（子会社のサイ
ベースを含む）に対する訴訟手続は停止されたままである。
非課税取引に関連する訴訟
我々は、引き続き国内及び海外の税務当局による調査を受けている。ブラジルで営業活動を行うその他多数の企業ととも
に、我々は関係会社とのロイヤリティーの支払やサービス取引を非課税とすることについての評価や訴訟に関して、ブラジル
の当局との様々な訴訟手続に関与している。全ての対象年度においてこれらの問題に関連して発生する可能性のある合計金額
は約95百万ユーロ(2017年度：102百万ユーロ)である。我々は、これらの問題について勝訴すると考えており、これらの問題に
対して引当金を計上していない。
税金関連の訴訟については、注記（C.5）参照。
贈賄防止法及び輸出管理に関する事項
当社は南アフリカ、米国（連邦海外腐敗行為防止法（FCPA）を含む）及びその他の国において贈収賄防止法に違反する可能
性があるという通知及び内部告発を受けている。これに対し、SAPのリーガル・コンプライアンス・アンド・インテグリ
ティー・オフィスは、米国証券取引委員会（U.S.SEC）、米国司法省（U.S.DOJ）に加え、外部法律事務所及び南アフリカの地
方当局の協力を得て調査を実施している。地方当局、U.S.SEC、U.S.DOJとの協議、調査はは現在進行中である。SAPは外部法律
事務所及び調査に関連した当局に協力している。
申し立てされている行為により、FCPA及びその他の贈賄防止法に基づく金銭的罰則又はその他の制裁を受ける可能性があ
る。さらに、特定の管轄下では、当社のビジネス遂行上、悪影響を受ける可能性がある。包括的かつ徹底した調査及び対応す
る是正活動は継続中であり、個々の要因の複雑性、及び多数の未解決問題が存在する現段階では財務に影響を与えるリスクを
評価することは不可能である。
我々は、規則や方針の変更、より強固な内部統制の構築といった不正行為を防止するためのコンプライアンスプログラムの
強化を実施している。また、一部のビジネス・ユニットおいて新たな経営者を任命するとともに、コンプライアンススタッフ
を増員している。さらに我々は、リスクの高いマーケットにおける事業開発パートナー及び販売代理店の使用を禁止し、アフ
リカの国有企業及び機関とのすべての関係について体系的なレビューを実施した。我々は引き続き、米国、ドイツ、EU、南ア
フリカの全ての法律及びSAPが事業を展開しているすべての地域の法律と規制の遵守に取り組んでいる。
なお、一部の独立したSAPパートナーが当社の契約条件に違反し、輸出禁止国でSAP製品とサービスの販売を行った件につい
て引き続き調査している。これらのSAPパートナーは間接的事業活動に係る当社の厳格な手続きを遵守していなかった。当社か
ら独立した企業が当社のライセンス手続を遵守してないとしても、当社がそのような行為を阻止するには限界がある。当社
は、そのような違反行為を防止し軽減するために相当のリソースを費やしている。我々はまた、輸出禁止国における、我々か
ら未承認の行為を行う顧客への直接販売に関する提起についても調査している。この調査は外部法律事務所及びフォレンジッ
クアドバイザーの協力の下、SAPのリーガル・コンプライアンス・アンド・インテグリティー・オフィスと輸出管理チームに
よって行っている。
この件に関連して、SAPは、2017年9月、U.S.DOJと米国財務省外国資産管理局（OFAC）に、潜在的な輸出管理と経済制裁違反
について自主的に自己開示した。2017年10月に、SAPは、輸出制限事項に関するSECからのコメントレターに回答し、U.S.SECに
通知を提供した。SAPはまた、本件について米国商務省産業セキュリティー局（BIS）に開示を提供した。最終的に2012年の米
国イラン脅威削減及びシリア人権法第219条及び1934年米国証券安全法第13条に従い、SAPは、必要なイランの告知をSECに提出
した。これにより、 米国の制裁や輸出管理法に基づき罰金などの制裁が科される可能性がある。
当社は是正措置として、特定のエンドユーザーのSAP製品及びサービスに対するアクセス停止を行い、当社又はSAPパート
ナーとの今後の事業活動を停止している。当社は、新たな内部統制を含む輸出管理コンプライアンスプログラムの強化を実施
し、特に高リスク国に焦点を当てた輸出管理コンプライアンスチームを強化した。
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また、当社は高リスクの地域に拠点を置くSAPパートナーへ独立した第三者によるデューデリジェンスを要求している。当社
は、イラン及びその他輸出禁止国における販売、輸出、SAPソフトウェア及びサービスを制限する法律を含む、経済制裁及び輸
出管理に関する全ての米国、EU、及びドイツの法律を遵守することをコミットしている。
包括的かつ徹底的な調査と対応する改善活動は継続中であり、個々の要因の複雑性、及び多数の未解決問題が存在する現段
階ではリスクを評価することは不可能である。
上記の理由により、この点に関して贈賄防止法違反、輸出制限違反による現時点での義務の有無、また義務がある場合の金
額を確実に見積もることは現段階では不可能である。結果として、これらの潜在的な違反については、2018年の連結財務諸表
には表示していない。また、潜在的な違反により生じるいかなる法的偶発事象について財務的な影響を見積もることは不可能
である。
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(G.5) 取締役会
2018 年12月31日時点でのSAPの子会社を除く監査役会及
取締役会
びその他のコーポレートガバナンスメンバー
Bill McDermott （ビル・マクダーモット）
最高経営責任者（CEO） ANSYS, Inc. （アメリカ、ペンシルバニア、キャノンズ
戦略、ガバナンス、デジタルガバメント、事業開発、
バーグ）取締役
経営企画、総務、監査役、グローバル・マーケティン
Under Armour, Inc. （アメリカ、メリーランド、ボル
グ
ティモア）取締役
Dell Secure Works, Atlanta （アメリカ、ジョージア、
アトランタ）取締役
Robert Enslin （ロバート・エンスリン）
クラウド事業グループ Discovery Limited(ヨハネスブルク、南アフリカ)取締
SAP ビジネスネットワークセグメント(SAP Concur, SAP
役
Ariba 及びSAP Fieldglass を含む)、カスタマーアンドエ Docker, Inc.( サンフランシスコ、CA、アメリカ)取締役
クスペリエンスマネジメントセグメント（顧客アンド
クアルトリクスを含む）、SAPサクセスファクターの
ディベロップメントアンドデリバリー（アプリケー
ション、テクノロジーおよびサービスセグメントの一
部）
Adaire Fox-Martin （アデア・フォックス・マルティ
ン）
グローバル顧客営業 (EMEA、MEE、中華圏)グローバル
セールス、地域組織、ビジネスソリューションの販売
Christian Klein （クリスティアン・クライン）
最高執行責任者
インテリジェントエンタープライズグループ
SAP のコアアプリケーションにおけるグローバルディベ
ロップメントアンドデリバリー、グローバルビジネス
オペレーション、ITサービス、クラウドインフラスト
ラクチャー
Michael Kleinemeier （ミヒャエル・クライネマイヤー）
デジタル・ビジネス・サービス innogy SE （エッセン、ドイツ）監査役会メンバー
グローバルコンサルティングデリバリー、
E. Merck KG（ダルムシュタット、ドイツ）(2019年1月27
グローバルアンドリージョナルサポートアンドプレミ
日就任) 取締役
アムエンゲージメントファンクション、メンテナンス
ゴートゥマーケット、グローバルユーザーグループ
ス、モバイルサービス
Bernd Leukert （ベルント・ロイケルト）
SAP デジタル・ビジネス・サービス（Michael DFKI （カイザースラウテルン、ドイツ）監査役会メンバー
Bertelsmann SE & Co.KGaA（ギュータースロー、ドイツ）
Kleinemeier と共同代表）
グローバルサポートデリバリー、グローバルイノベー 監査役会メンバー
ションサービス、グローバルカスタマーサクセスグ TomTom N.V. （アムステルダム、オランダ）監査役会メン
ループ、グローバルユーザーグループ、デジタルイン
バー
ターコネクト、SAP HANA エンタープライズクラウド、ア
プリケーションイノベーションサービス、SAPイノベー
ティブビジネスソリューション、SAP セクレシー
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Jennifer Morgan （ジェニファー・モルガン）
グローバル顧客営業 (Americas and APJ) Bank of New York Mellon （ニューヨーク、NY、アメリ
グローバルセールス、地域組織、ビジネスソリュー カ） 取締役
ションの販売ライン
Luka Mucic （ルカ・ムシッチ）
最高財務責任者 (CFO) 、IRを含むグローバル財務管理、
データ保護及び個人情報対策、グローバルセキュリ
ティ
J ü rgen M ü ller （ユルゲン・ミュラー）（2019年１月１日就任）
最高情報責任者
テクノロジーアンドイノベーション
テクノロジーアンドイノベーションストラテジー、SAP
HANA、SAPクラウドプラットフォーム、SAPレオナル
ド、SAPアナリティクス
Stefan Ries （ステファン・ライズ）
最高人事責任者、労使関係監督、人事戦略、 監査役会メンバー（ ラインネッカーレーヴェン有限会社 ,
経営革新、指導力育成、人材開発 GmbH,クローナウ、ドイツ）
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2018 年12月31日時点でのSAPの子会社を除く監査役会及
監査役会
びその他のコーポレートガバナンスメンバー
(2),(4),(6),(7),(8)
Prof. Dr. h.c. mult. Hasso Plattner （ハッソ・プラットナー博士、議長）
監査役会議長
(1),(2),(4)
Margret Klein-Magar （マルグレート・クライン・メイガー）
副議長
SAP OB ・OG関係担当副社長、SAP SE シニアマネジャー代
表者委員会会長
(2),( ４),(5),(6),(7)
Pekka Ala-Pietil ä（ペッカ・アラ・ピエティラ）
Huhtam äki oyj の取締役会議長 Sanoma Corporation （フィンランド、ヘルシンキ）取
締役会長
Netcompany A/S( コペンハーゲン、デンマーク)取締役
会長
(1),(3),(4),(5)
Panagiotis Bissiritsas （パナギオティス・ビシリタス）
サポート専門家
SAP SE 労使協議会会員
(1),( ３),(4),(8)
Martin Duffek （マルティン・デュフェック）
製品マネジャー
(2),(4),(8)
Aicha Evans （アイシャ・エバンス）
シニアバイスプレシデント兼最高戦略責任者 インテル(サンタクララ、CA、アメリカ) 上級副社長 、最
高戦略責任者
(4)
Diane Greene （ダイアン・グリーン）(2018年5月17日就任)
Google Cloud 、Google LLC （マウンテンビュー、カル Alphabet Inc. （マウンテンビュー、カルフォルニア、米
フォルニア、米国）最高経営責任者 国）取締役
Stripe Inc. （サンフランシスコ、カルフォルニア、米
国）取締役（2019年1月31日就任）
(1),(2),( ４)
Andreas Hahn （アンドレアス・ハーン）
製品専門家、IoT水準
SAP SE 労使協議会会員
Prof. Dr. Gesche Joost （ゲッシェ・ユースト博士）
(4),(8)
ベルリン芸術大学デザイン・リサーチ研究室教授及び Ottobock SE & Co. KGaA 、ドゥーダーシュタット 、ドイ
室長
ツ）監査役会メンバー
ING-DiBa AG （フランクフルト、ドイツ）監査役会メン
バー
(1),(2),(7),(8)
Lars Lamad é（ラース・ラマデ）
スポンサーシップ担当代表(ヨーロッパ、アジア) Rhein-Neckar Lowen GmbH （クローナウ、ドイツ） 監査役
会メンバー
(2),(4),(6)
Bernard Liautaud （ベルナルド・リオトー）
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Balderton Capital のマネージング・パートナー（イギ nlyte Software Ltd. （イギリス、ロンドン）取締役
リス、ロンドン） Wonga Group Ltd. （イギリス、ロンドン）取締役（2018
年9月6日退任）
SCYTL Secure Electronic Voting SA （バルセロナ、ス
ペイン）取締役（2018年11月7日退任）
Vestiaire Collective SA （ルヴァロア＝ペレ、フラン
ス）取締役
Dashlane, Inc. （ニューヨーク、米国）取締役
Recorded Future, Inc. （ケンブリッジ、マサチュー
セッツ、米国）取締役
eWise Group, Inc. （レッドウッドシティ、カルフォル
ニア、米国）取締役
Qubit Digital Ltd. （ロンドン、イギリス）取締役
スタンフォード大学（スタンフォード、カルフォルニ
ア、米国）取締役
Aircall.io, （ニューヨークシティ、ニューヨーク、
米国）取締役
Virtuo Technologies ( パリ、フランス)取締役
The Hut Group, Manchester （マンチェスター、イギリ
ス）取締役
Peakon Aps （コペンハーゲン、デンマーク）取締役
（2018年2月5日就任）
Tim Talent SAS （パリ、フランス）取締役（2018年2月6
日就任）
Citymapper Ltd. （ロンドン、イギリス）取締役
Gerhard Oswald （ゲルハルト・オズワルド）（2018年1
月1日就任）
Osward Consulting GmbH （ヴァルドルフ、ドイツ） TSG 1899 Hoffenheim Fu ß ball-Spielbetriebs GmbH （ジン
スハイム、ドイツ）顧問委員会メンバー
(1),(4),
Christine Regitz （クリスティーネ・レギッツ）
(8)
ユーザー・エクスペリエンス担当副社長、製品専門家
チーフ
(3),(5),(7)
エアハード・シィポライト博士
独立経営コンサルタント タランクス株式会社（ドイツ、ハノーバー）監査役会
ドイツ証券取引所株式会社（ドイツ、フランクフル
ト・アム・マイン）監査役会
HDI 相互保険会社（ドイツ、ハノーバー）監査役会
ハノーバー再保険欧州株式会社（ドイツ、ハノー
バー）監査役会
フックスペトロルブ欧州株式会社（ドイツ、マンハイ
ム）監査役会
BDO 株式会社（ドイツ、ハンブルグ）監査役会
RWE 株式会社（ドイツ、エッセン）監査役会（2016年4
月20日就任）
innogy SE( エッセン、ドイツ)取締役会長(2018年1月1
日就任)
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Dr. Friederike Rotsch （フリーデリーケ・ローチュ博
(3),(5),(7)
士） （2018年5月17日就任）
Merck KgaA のグループ一般理事会構成員およびグループ
法務・コンプライアンス責任者
Dr. Erhard Schipporeit( エアハード・シィポライト博
(1),(4),(5),(9),(10)
士)
独立経営コンサルタント Talanx AG （ハノーファ、ドイツ）監査役会メンバー
Deutsche B örse AG （フランクフルト・アム・マイン、ド
イツ）監査役会メンバー（2018年5月16日退任）
HDI V.a.G. （ハノーファ、ドイツ）監査役会メンバー
Hannover R ü ckversicherung SE （ハノーファ、ドイツ）監
査役会メンバー
Fuchs Petrolub SE （マンハイム、ドイツ）監査役会メン
バー
BDO AG （ハンブルク、ドイツ）監査役会メンバー
RWE AG （エッセン、ドイツ）監査役会メンバー
innogy SE, （エッセン、ドイツ）監査役会長
Robert Schuschnig-Fowler （ローベルト・シュシュニッ
(1),(5),(8)
ク・ファウラー）
アカウント・マネージャー、シニア・サポート・コン
サルタント、SAP SE 労使協議会ヨーロッパ副議長、SAP
SE 労使協議会会員
Dr. Sebastian Sick （セバスティアン・ズィック博士）
(1),(2),(5),(7)
会社法部門責任者、Hans B öckler Foundation
(1),(4)
Pierre Thiollet （ピエール・ティオレ）
ウェブマスター、SAPフランス労使協議会会員、CHSCT
(衛生、セキュリティー及び労働条件委員会)秘書役
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2018 年度に監査役会を退任したメンバー
Prof. Anja Feldmann （アニヤ・フェルドマン教授）(2018年12月31日)
Prof. Dr.Wilhelm Haarmann （ヴィルヘルム・ハールマン博士）（2018年5月17日）
Prof. Dr.-Ing. Dr.-Ing. E.h. Klaus Wucherer （クラウス・ウハレア博士）（2018年5月17日）
情報は2018年12月31日時点。
(1) 従業員により選出された。
(2) 総務報酬委員会の委員
(3) 監査委員会の委員
(4) 技術戦略委員会の委員
(5) 金融投資委員会の委員
（G.6） 取締役会及び監査役会報酬
会計方針
以下の「取締役会報酬」の表に記載されて株式報酬の金額は、2016年1月1日に有効となった新しいLTI Plan2016
に基づいて取締役会メンバーに対して付与された、リストリクテッド・シェア・ユニット(RSUs)とパフォーマン
ス・シェア・ユニット（PSUｓ）の付与日の公正価値である。
「取締役会メンバーに対する株式報酬」の表において、株式報酬費用は、それぞれの会計期間においてIFRS2号
（株式に基づく報酬）に基づき利益又は損失に計上されている。
2018 年、2017年及び2016年における取締役会メンバーの総報酬額は以下の通りである。
取締役会報酬
2018 2017 2016
（千ユーロ）
短期従業員給付 18,652 16,634 19,206
(1)
株式報酬 23,646 25,723 23,942
(1)
小計
42,298 42,357 43,148
退職後給付 1,106 1,312 2,398
－ うち、確定給付 250 423 1,792
－ うち、確定拠出 856 889 606
(1)
合計
43,404 43,669 45,546
(1 ）役員報酬合計額の一部が各年に配分されている。
取締役会メンバーに対する株式報酬
2018 2017 2016
付与したRSUｓ数 118,072 117,929 147,041
付与したPSUs数 177,106 176,886 220,561
費用総額（千ユーロ） 8,054 19,068 14,233
取締役会メンバーの年金に係る確定給付債務（DBO）と、業績ベースの給与連動プランからなる給付をもとにした62歳以上の
取締役会メンバーへの年間年金受給額は以下の通りである。
取締役会メンバーに対する退職年金制度
2018 2017 2016
(千ユーロ)
12月31日時点のDBO 3,441 3,191 10,739
年間年金受給額 192 148 470
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監査役会のメンバーへの総報酬額は以下の通りである。
監査役会総報酬額
2018 2017 2016
(千ユーロ)
報酬総額 3,702 3,663 3,652
内、固定報酬 3,162 3,135 3,135
内、委員会報酬 540 528 517
監査役会のメンバーは自身の業務に対していかなる株式報酬も受け取っていない。監査役会において従業員を代表している
メンバーは、株式報酬を受け取っているが、それら株式報酬は従業員としての勤務に対するもののみであり、且つ、監査役会
におけるメンバーとしての彼らの地位とは無関係である。
取締役会メンバーへの支払/DBO額
2018 2017 2016
(千ユーロ)
支払 2,054 1,997 1,667
DBO（12月31日時点） 38,374 39,993 33,935
当社は、2018年、2017年及び2016年の会計年度において、取締役会及び監査役会のメンバーに対して、いかなる報酬の事前
提供又は信用供与も便益に対するコミットメントも行っていない。
(G.7) 役員報酬以外の関連当事者間取引
SAP ＳＥの特定の監査役会のメンバーは、他の企業に対して重要な責任を負う地位にあるか、もしくは昨年度中にその地位
にあった。当社はこれらの企業のうち何社かと通常の取引条件にて事業をおこなっており、独立第三者間取引にて合理的と考
えられる金額と同様の金額で製品、資産並びにサービスを売買している。
当社の監査役会長であり、SAPのチーフソフトウェア・アドバイザーであるハッソ・プラットナーにより支配されている会社
は、SAPへのコンサルティングサービスの提供、SAPよりスポーツスポンサー料の受取、SAP製品及びサービスの購入、及びSAP
への土地の売却を行っている。
2018 年5月17日に監査役会メンバーを退任したヴィルヘルム・ハールマンは、ドイツ、フランクフルト・アム・マインの弁護
士法人Linklaters LLP のパートナーとして業務に従事している。SAPは時折Linklaters LLPより法的及び類似サービスの提供を
受けている。
SAP SE の取締役会のメンバーは、SAPからサービス提供を受けた際に独立第三者間取引にて合理的と考えられる金額でその対
価を支払うことがある。
表示されている全ての期間において、上記取引に関連するすべての金額はSAPにとって金額的に重要でない。
当社が監査役会のメンバーが支配している会社への製品及びサービスの販売総額は、37百万ユーロ（2017年: 2百万ユー
ロ）、これらの会社からの製品及びサービスの購入額は、3百万ユーロ（2017年: 5百万ユーロ）、これらの会社へのスポン
サー及びその他の財務支援は４百万ユーロ（2017年: 4百万ユーロ）である。これらの会社との取引に伴う期末債権残高は3百
万ユーロ（2017年: 0百万ユーロ）、期末債務残高は28百万ユーロ（2017年: 0百万ユーロ）である。これら全ての残高は無担
保、無利息で、現金での精算が想定されている。これらの会社に対する我々の製品或いはサービス購入及びスポンサー及び財
務支援のコミットメント（最長5年）は、2018年12月31日現在で191百万ユーロ（2017年: 21百万ユーロ）である。
当社が取締役会及び監査役会のメンバーへのサービス提供金額は、0百万ユーロであった。（2017年: 0百万ユーロ） 監査
役会のメンバー（SAP従業員の監査役会における従業員代表としてのサービスを含む）から提供を受けているサービス総額は1
百万ユーロ（2017年:1百万ユーロ）である。これら取引による監査役会への2018年12月31日現在の未支払債務残高は0百万ユー
ロ（2017年: 0百万ユーロ）である。これら全ての残高は無担保、無利息で、現金での精算が想定されている。
我々の取締役会及び監査役会のメンバーに対する報酬の情報については、注記(G.6)を参照。
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(G.8) 主要な会計監査人に対する報酬及びサービス
2018 年5月17日に開催された年次株主総会において、SAPの株主はKPMG法人を2018年の当社の独立監査人として指名した。
KPMG法人は、2002年度より主要な監査人である。KPMG法人及びKPMGグローバルネットワークに属するその他の法人に対する、
2018年以前の監査及びその他専門家サービスについての報酬の状況は以下のとおりである。
監査及びその他専門家サービスに対する報酬
2018 2017 2016
（百万ユーロ）
海外の 海外の 海外の
KPMG法人 KPMG法人 KPMG法人
KPMG 合計 KPMG 合計 KPMG 合計
(ドイツ) (ドイツ) (ドイツ)
法人 法人 法人
監査報酬 3 6 9 3 7 10 3 6 9
監査関連報酬 0 0 0 0 0 0 0 1 1
税務報酬 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0
その他の報酬
3 6 9 3 7 10 3 7 10
合計
監査報酬は当社及びその子会社の法定財務書類の監査及び連結財務諸表の監査に対しKPMGにより請求された報酬の合計であ
る。監査関連報酬は、我々の財務諸表の監査及びレビューの実施に合理的に関連するが、監査報酬の項目には含まれていない
保証及び関連サービスに対しKPMGによって請求された報酬である。
(G.9) 後発事象
企業結合-Qualtricsの取得
2019 年1月23日に、我々は適用される規制及びその他の承認を満たし、Qualtricsの取得を完了した。
Qualtrics はカスタマー・リレーションシップ・マネージメント（CRM）ソリューションのリーディングカンパニーである。
Qualtricsの製品とSAPの製品を組み合わせることで、エンド・ツー・エンドの操作性と運用管理システムを顧客に提供するこ
とを目指している。
当社は、Qualtricsの株式の約100%を取得した。SAPは一株当たり35米ドル、現金で約71億米ドルの対価を支払った。当社は
現金での支払いに加えて、約９億USドルの負債及び株式報酬に関連する取得後発生費用について負担する。
この取引の財務的影響は、2018年12月31日現在の連結財務諸表には反映されていない。Qualtricsの経営成績及び資産・負債
は2019年１月23日以降の連結財務諸表において反映される予定である。
Qualtricsに支払った譲渡対価（暫定額）
（億ユーロ）
現金支払
62
3
負債の引受
移転された対価の総額
65
負債は、権利未確定の株主報酬の引き受けによるものである（上記の金額は権利の失効率などが確定していないため暫定的
なものである）。買収時に Qualtrics の従業員が保有していた株式を対価とする株主報酬を、金銭を対価とする(失効要件付
の)株主報酬に置き換えて引き受けている。それぞれの負債は、 Qualtrics の従業員による買収前の役務提供相当額を置き換え
た金額であり、IFRS2号に従って決定された公正価値で測定されている。
下の表は、 Qualtrics の買収時点における、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の暫定的な評価額を要約したもの
である。
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認識可能な資産及び負債の評価額
Qualtrics取得に係る資産・負債の暫定額
(億ユーロ)
現金及び現金同等物 1
営業債権及びその他の債権 1
有形固定資産 1
無形資産 2
技術資産 5
顧客関係及びその他無形資産 15
識別可能資産計 23
営業債務及びその他の債務 1
当期及び繰延税金債務 3
契約負債/繰延収益 1
その他の負債 1
識別可能負債計 6
識別可能な純資産 17
48
のれん
65
移転された対価の総額
Qualtrics の取得に係る会計処理は完了していない。公正価値評価プロセスを開始したばかりであり、上記にて開示された無
形固定資産や契約負債の公正価値は暫定的に決定されたものに過ぎない（無形固定資産の暫定的な価値はベンチマークに基づ
いている）。また、子会社への投資に係る繰延税金や未使用の税務上の損失等が確定できないため、上記の税金関連資産及び
負債は大きく変更となる可能性がある。また、取得した債権又は偶発債務の各区分に関する詳細な情報を提供することも現状
不可能である。
一般的に買収によって生じるのれんは、主にシナジー及び買収先の従業員のノウハウ、テクノロジースキルによるものであ
る。
Qualtrics ののれんは、特に以下の分野において予想されるシナジーを見込んだものである。
－ SAPの販売網を生かした、各地域の既存SAPの顧客への横断的な販売の機会
－ Qualtrics の製品とSAPの製品とを結合させることによるエンド・ツー・エンドの操作性と運用管理システムの提供
－ Qualtrics の事業における収益性の向上
Qualtrics の買収に伴う、のれんの各事業セグメントへの配分は、Qualtricsの事業統合によるシナジーが実際にどのように
事業セグメントにもたらされるかによって異なるが、現時点では具体的に特定されていない。
リストラクチャリング
主要な戦略的成長分野への注力を強化するとともに、企業構造とプロセスをさらに簡素化し、顧客の要求に対応できるよう
にするための組織体制、スキルセット及び資源の配分について、我々は2019年に全社的な構造改革プログラムを実施する予定
である。構造改革プログラムの主な特徴は2019年1月29日に発表した。構造改革費用は800百万ユーロから950百万ユーロとなる
見通しである。
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（G.10） 連結の範囲、子会社及びその他の持分投資
連結財務諸表に含まれる企業
合計
2016年12月31日 245
追加取得
10
-28
処分
2017年12月31日 227
追加取得
59
-21
処分
2018年12月31日 265
追加取得は、買収や設立に関連して追加となった法人である。処分は主に法人の合併や清算によるものである。
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子会社
2018 年 2018 年 2018 年
2018 年 税引後 12 月31日 12 月31日
現在持分 注記
現在従業員総数
1) 1) 1) 2)
収益総額 利益/損失 総額
2018 年12月31日現在 所有割合
% （千ユーロ） （千ユーロ） （千ユーロ）
会社の名称及び所在地
主要な子会社
Ariba Inc.,パロアルト, カ
ルフォルニア,アメリカ 100.0 1,168,287 212,728 3,972,022 1,872
Callidus Software Inc., カ
ルフォルニア,アメリカ 100.0 175,789 -52,016 2,053,873 810 4)
Concur Technologies, Inc.,
ベルビュー,ワシントン,アメ
リカ 100.0 1,545,720 1,787 7,340,513 3,569
LLC SAP CIS, モスクア, ロ
シア 100.0 472,531 23,133 62,725 837
SAP (Schweiz) AG, ビール,
スイス 100.0 822,547 68,029 84,935 767
SAP(UK) Limited, フェル
8)
トハム, イギリス
100.0 1,227,572 10,385 -47,515 1,794 10),17)
SAP America, Inc.,
ニュータウンスクェア, ペ
ンシルバニア, アメリカ
100.0 5,363,074 -514,481 14,320,071 8,184
SAP Argentina S.A., ブエ
ノスアイレス, アルゼンチ
ン 100.0 142,718 -25,540 -15,237 825 17)
SAP Asia Pte Limited, シ
ンガポール, シンガポー
ル 100.0 458,919 -28,224 21,625 1,262 17)
SAP Australia Pty Ltd, シ
ドニー, オーストラリア
100.0 733,060 -18,774 42,366 1,322
SAP Brasil Ltda, サンパ
ウロ, ブラジル
100.0 519,124 -33,903 -26,346 1,913
SAP Canada, Inc., トロン
ト, カナダ
100.0 865,582 53,734 465,034 2,999
SAP China Co., 上海, 中
国 100.0 949,367 -67,883 -184,135 5,272 17)
SAP Deutschland SE & Co. KG,
ヴァルドルフ, ドイツ
100.0 4,199,201 754,022 1,567,774 4,707 7),9)
SAP Espa ñ ▶ –Sistemas,
Aplicaciones y Productos en
la Inform ática,
S.A., マドリード, スペイン
100.0 491,270 24,691 336,419 652
SAP France, ルヴァロワ・ペ
レ,フランス 100.0 1,051,242 156,005 1,606,922 1,564
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SAP Hungary Rendszerek,
Alkalmaz ások é▲ Term ékek az
Adatfeldolgoz ásban
Informatikai Kft., ブダペス
ト,ハンガリー 100.0 112,448 1,775 21,073 956
SAP India Private
Limited, バンガロー, イ
ンド 100.0 621,942 72,674 344,218 2,028
SAP Industries, Inc.,
ニュータウン スクェア,
ペンシルバニア, アメリカ
100.0 638,394 118,321 691,709 338
SAP Italia Sistemi
Applicazioni Prodotti in
Data Processing S.p.A.,
ヴィメルカーテ, イタリア
100.0 563,346 39,332 427,184 710
SAP Japan Co., Ltd., 東
京, 日本
100.0 980,832 82,902 192,939 1,210
SAP Labs India Private
Limited, バンガロー, イ
ンド 100.0 477,630 40,051 132,888 8,282
SAP Labs, LLC, パロアル
ト, カルフォルニア, アメ
リカ 100.0 604,460 124,246 484,511 2,189
SAP M éxico S.A. de C.V.,
メキシコシティ,メキシコ 100.0 386,079 10,984 20,172 869 17)
SAP National Security
Services, Inc., ニュータ
ウン スクェア, ペンシル
バニア, アメリカ
100.0 552,326 130,945 426,052 448
SAP Nederland B.V., スヘ
ルトーヘンボス, オランダ
100.0 613,282 52,886 145,553 611 11)
SAP Service and Support
Centre (Ireland)
Limited, ダブリン, アイ
ルランド 100.0 180,364 15,930 65,128 1,628
SuccessFactors, Inc., 南
サンフランシスコ, カル
フォルニア, アメリカ
100.0 867,910 203,903 3,609,046 999
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
3)
その他の子会社
CallidusCloud Mexico,
“SAP Kazakhstan“
S. de R.L. de C.V., メ
LLP, アルマトイ, カ 100.0 100.0 ４)
キシコシティ, メキシコ
ザフスタン
110405, Inc.,
CallidusCloud
ニュータウン スクェ
Netherlands B.V., ロッ
100.0 100.0 ４),11)
ア, ペンシルバニア,
テルダム, オランダ
アメリカ
Abakus Europe CallidusCloud New
Limited, ロンドン, Zealand Corp., オーク
100.0 10 ) 100.0 ４)
イギリス ランド, ニュージーラン
ド
Abakus Ukraine
CallidusCloud Pty.
Limited Liability
100.0 Ltd., シドニー, オース 100.0 ４)
Company, キエフ, ウ
トラリア
クライナ
Ambin Properties
Proprietary
Christie Partners
Limited,
Holding C.V., スヘル
100.0 100.0 11)
Johannesburg, ヨハ
トーヘンボス, オランダ
ネスブルグ, 南アフ
リカ共和国
Apex Expert
C-Learning Pty. Ltd.,
Solutions LLC, アー
100.0 4) シドニー, オーストラリ 100.0 ４)
リントン, バージニ
ア
ア, アメリカ
Ariba Czech s.r.o., ClearTrip Inc.
プラハ, チェコ共和 100.0 (Mauritius), エベー 57.0
ヌ, モーリシャス
国
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有価証券報告書
所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Ariba India Private
ClearTrip Inc., ジョー
Limited, グルガオ
100.0 57.0
ジタウン, ケイマン諸島
ン, インド
Ariba International
Cleartrip MEA FZ LLC,
Holdings, Inc.,
100.0 ドバイ, アラブ首長国連 57.0
ウィルミントン, デ
邦
ラウェア, アメリカ
Ariba International
Cleartrip Packages and
Singapore Pte Ltd,
Tours Private Limited,
100.0 57.0 ４)
シンガポール, シン
ムンバイ, インド
ガポール
Ariba
ClearTrip Private
International,
Inc., ウィルミント 100.0 Limited, ムンバイ, イ 57.0
ン, デラウェア,
ンド
アメリカ
Ariba Slovak
Clicktools Limited,
Republic, s.r.o.，
100.0 100.0 ４),10)
ドーセット, イギリス
コシツェ，スロバキ
ア
Ariba Software
CNQR Operations Mexico
Technology Services
S. de. R.L. de. C.V.,
100.0 100.0
(Shanghai) Co.,
サン・ペドロ・ガルサ・
ガルシア, メキシコ
Ltd., 上海, 中国
Ariba Technologies
India Private Concur (Austria) GmbH,
100.0 100.0
Limited, バンガロー ウィーン, オーストリア
ル, インド
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Ariba Technologies
Concur (Canada), Inc.,
Netherlands B.V.,
100.0 11 ) 100.0
トロント, カナダ
スヘルトーヘンボ
ス，オランダ
Beijing Zhang Zhong
Hu Dong Information
Concur (France) SAS,
Technology 0 5) 100.0
パリ, フランス
Co., Ltd., 北京, 中
国
Concur (Germany) GmbH,
b-process ，パリ，フ
100.0 14 ) フランクフルト・アム・ 100.0 8),9)
ランス
マイン, ドイツ
Business Objects
Concur (Japan) Ltd.,
Holding B.V, スヘル
100.00 11 ) 73.8
東京, 日本
トーヘンボス, オラ
ンダ
Business Objects
Concur (New Zealand)
Option LLC, ウィル
100.00 Limited, ウェリントン, 100.00 15)
ミントン, デラウェ
ニュージーランド
ア, アメリカ
Business Objects
Concur (Philippines)
Software Limited,
100.00 Inc., マカティシティ, 100.00
ダブリン, アイルラ
フィリピン
ンド
Callidus Software
Concur (Switzerland)
(Canada) Inc., トロ
100.00 ４) GmbH, チューリッヒ, ス 100.00 13)
ント, カナダ
イス
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有価証券報告書
所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Callidus Software
Concur Czech (s.r.o.),
(Singapore) Pte.
100.00 ４) 100.00
プラハ, チェコ共和国
Ltd., シンガポール,
シンガポール
Callidus Software Concur Holdings
4), 8), 9)
GmbH, ミュンヘン, 100.00 (France) SAS, パリ, フ 100.00
ドイツ ランス
Callidus Software Concur Holdings
Hong Kong Ltd., 香 (Netherlands) B.V., ア
100.00 ４) 100.00 11)
港, 中国 ムステルダム, オランダ
Concur Technologies
Callidus Software
(Australia) Pty.
Ltd., ロンドン, イ
100.00 ４),10) 100.00
Limited, シドニー,
ギリス
オーストラリア
Callidus Software
Concur Technologies
Pty. Ltd., シド
(Hong Kong) Limited,
100.00 ４) 100.00
ニー, オーストラリ
香港, 中国
ア
CallidusCloud Concur Technologies
(India) Pvt. Ltd., (India) Private
100.00 ４) 100.00
ハイデラバード, イ Limited, バンガロール,
ンド インド
CallidusCloud
Concur Technologies
(Malaysia) Sdn.
(Singapore) Pte Ltd,
100.00 ４) 100.00 17)
Bhd., クアラルン
シンガポール, シンガ
プール, マレーシア
ポール
CallidusCloud
Concur Technologies
Holdings Pty. Ltd.,
(UK) Limited, ロンド
100.00 ４) 100.00 10)
シドニー, オースト
ン, イギリス
ラリア
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
CallidusCloud K.K., Contextor SAS, オル
100.00 ４) 100.00 4)
東京, 日本 セー, フランス
ConTgo Consulting
Limited, ロンドン, イ 100.00 10)
ギリス
ConTgo Limited, ロンド
100.00 10)
ン, イギリス
ConTgo Pty. Ltd., シド
100.00
ニー, オーストラリア
Crystal Decisions
(Ireland) Limited, ダ
100.00 12)
ブリン, アイルランド
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有価証券報告書
所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Crystal Decisions
PT SAP Indonesia, ジャ
Holdings Limited,
100.00 12) 99.0
カルタ, インドネシア
ダブリン, アイルラ
ンド
Crystal Decisions
Quadrem Africa Pty.
UK Limited, ロンド
100.00 10) Ltd., ヨハネスブルク, 100.00
ン, イギリス
南アフリカ
Datahug Limited, ダ
Quadrem Brazil Ltda.,
ブリン, アイルラン
100.00 4) リオデジャネイロ, ブラ 100.00
ド
ジル
Dorset Acquisition
Quadrem Chile Ltda.,
Corp., ダブリン, カ
100.00 4) サンティアゴ・デ・チ 100.00
ルフォルニア, アメ
レ, チリ
リカ
Quadrem International
Ebreez Egypt LLC,
Ltd., ハミルトン, バ
57.0 4) 100.00
カイロ, エジプト
ミューダ
EssCubed
Quadrem Netherlands
Procurement Pty.
100.00 B.V., アムステルダム, 100.00 11)
Ltd., ヨハネスブル
オランダ
ク, 南アフリカ
Extended Systems,
Quadrem Overseas
Inc., サンラモン,
Cooperatief U.A., アム
100.00 100.00 11)
カルフォルニア, ア
ステルダム, オランダ
メリカ
Fieldglass Europe
Quadrem Peru S.A.C.,
Limited, ロンドン, 100.00 10) 100.00
リマ, ペルー
イギリス
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Financial Fusion,
RevSym Inc., ダブリン,
Inc., サンラモン,
100.00 カルフォルニア, アメリ 100.00 4)
カルフォルニア, ア
カ
メリカ
RevSym Software India
Flyin Holding
Private Limited, バン
Limited, ドバイ, ア 57.0 4) 100.00 4)
ガロール, インド
ラブ首長国連邦
Flyin Travel and
Ruan Lian Technologies
Tourism Private
(Beijing) Co., Ltd.,
57.0 4) 100.00
Limited, ハイデラー
北京, 中国
ド, インド
Flyin Travel SAP (Beijing) Software
Limited, リマソー System Co., Ltd., 北
57.0 4) 100.00
ル, キプロス共和国 京, 中国
SAP Andina y de.Caribe
Flyin Travel S.A.E,
57.0 4) VE, カラカス, ベネズエ 100.00 17)
カイロ, エジプト
ラ
FreeMarkets Ltda.,
SAP AZ LLC, バクー, ア
サンパウロ, ブラジ 100.00 100.00
ゼルバイジャン
ル
Gigya Australia Pty
SAP Belgium NV/SA, ブ
Ltd, シドニー, オー 100.00 100.00
リュッセル, ベルリン
ストラリア
Gigya UK Ltd, ロン SAP Beteiligungs GmbH,
100.00 10) 100.00
ドン, イギリス ヴァルドルフ, ドイツ
GlobalExpense
SAP Bulgaria EOOD, ソ
Limited, ロンドン, 100.00 10) 100.00
フィア, ブルガリア
イギリス
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有価証券報告書
所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Hipmunk, Inc., サン SAP Business
フランシスコ, カル Compliance Services
100.00 100.00
フォルニア, アメリ GmbH, ジーゲン,
カ ドイツ
SAP Business Services
hybris (US) Corp.,
Center Nederland B.V.,
ウィルミントン, デ
100.00 100.00 11)
スヘルトーヘンボス, オ
ラウェア, アメリカ
ランダ
hybris GmbH, ミュン SAP Chile Limitada, サ
100.00 8),9) 100.00 17)
ヘン, ドイツ ンティアゴ, チリ
Inxight Federal
Systems Group,
SAP China Holding Co.,
Inc., ウィルミント 100.00 100.00
Ltd., 北京, 中国
ン, デラウェア, ア
メリカ
LeadFormix, Inc.,
SAP Colombia S.A.S.,
ダブリン, カルフォ
100.00 4) 100.00 17)
ボゴタ, コロンビア
ルニア, アメリカ
SAP Commercial
Learning Heroes
Services Ltd., バレッ
Ltd., チェシャー, 100.00 4),10) 100.00 17)
タ, マルタ共和国
イギリス
Learning Seat
SAP Costa Rica, S.A.,
Borrowings Pty.
100.00 4) 100.00 17)
サンノゼ, コスタリカ
Ltd., シドニー,
オーストラリア
Learning Seat Group
SAP R, spol. ▲ r.o.,
Pty. Ltd., シド
100.00 4) 100.00
プラハ, チェコ共和国
ニー, オーストラリ
ア
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有価証券報告書
所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Learning Seat
SAP Cyprus Limited, ニ
Holdings Pty. Ltd.,
100.00 4) 100.00
コシア, キプロス共和国
シドニー, オースト
ラリア
Learning Seat Pty.
SAP d.o.o., ザグレブ,
Ltd., シドニー, 100.00 4) 100.00
クロアチア
オーストラリア
LLC “SAP Labs“, SAP Danmark A/S, コペン
100.00 100.00
モスクワ, ロシア ハーゲン, デンマーク
SAP Dritte
LLC “SAP Beteiligungs- und
Ukraine”, キエフ, 100.00 17) Verm ögensverwaltungs 100.00
ウクライナ GmbH, ヴァルドルフ, ド
イツ
Merlin Systems Oy, SAP East Africa
エスポー, フィンラ 100.00 Limited, ナイロビ, ケニ 100.00 17)
ンド ア共和国
Nihon Ariba K.K., SAP Egypt LLC, カイロ,
100.00 100.00 17)
東京, 日本 エジプト
Noteshark, LLC,
SAP EMEA Inside Sales
シャンティイー,
S.L., マドリード, スペ
51.0 4) 100.00
バージニア, アメリ
イン
カ
SAP Erste Beteiligungs-
und
OrientDB Limited,
100.00 4),10) Verm ögensverwaltungs 100.00 8),9)
ロンドン, イギリス
GmbH, ヴァルドルフ, ド
イツ
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Outerjoin, Inc., ダ
SAP Estonia O Ü , タリ
ブリン, カルフォル
100.00 4) 100.00
ン, エストニア共和国
ニア, アメリカ
OutlookSoft
SAP Financial, Inc.,
Deutschland GmbH,
100.00 100.00
トロント, カナダ
ヴァルドルフ, ドイ
ツ
Plat.One Inc., パロ
SAP Finland Oy, エス
アルト, カルフォル
100.00 100.00
ポー, フィンランド
ニア, アメリカ
Plat.One Lab Srl, SAP Foreign Holdings
ボリアスコ, イタリ 100.00 GmbH, ヴァルドルフ, ド 100.00
ア イツ
Plateau Systems
LLC, サウスサンフラ
100.00
ンシスコ, カルフォ
ルニア, アメリカ
218/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
SAP France
SAP Puerto Rico GmbH, ヴァ
Holding, ルヴァロ
100.0 100.0 8),9),17)
ルドルフ, ドイツ
ワ＝ペレ, フランス
SAP Global
Marketing, Inc., SAP Retail Solutions
ニューヨーク, Beteiligungsgesellschaft
100.0 100.0
ニューヨーク, アメ mbH, ヴァルドルフ, ドイツ
リカ
SAP Hellas S.A., SAP Romania SRL, ブカレス
100.0 100.0
アテネ, ギリシャ ト, ルーマニア
SAP Saudi Arabia Software
SAP Hong Kong Co.,
100.0 17) Services Ltd, リヤド, サウ 100.0
Ltd., 香港, 中国
ジアラビア王国
SAP Hosting
SAP Saudi Arabia Software
Beteiligungs GmbH,
100.0 8),9) Trading Ltd, リヤド, サウジ 75.0 17)
ザンクト・レオン＝
アラビア王国
ロート, ドイツ
SAP India
SAP Sechste Beteiligungs-
(Holding) Pte Ltd,
und Verm ögensverwaltungs
100.0 100.0 8),9)
シンガポール, シン
GmbH, ヴァルドルフ, ドイツ
ガポール
SAP International
SAP Services s.r.o., プラ
Panama, S.A., パナ
100.0 100.0
ハ, チェコ共和国
マシティ, パナマ
219/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
SAP Siebte
SAP International,
Beteiligungs- und
Inc., マイアミ, フ
100.0 Verm ögensverwaltungs 100.0 8),9)
ロリダ, アメリカ
GmbH, ヴァルドルフ, ド
イツ
SAP sistemi, aplikacije
SAP Investments,
in produkti za obdelavo
Inc., ウィルミント
100.0 100.0
podatkov d.o.o., リュブ
ン, デラウェア, ア
リャナ, スロベニア
メリカ
SAP Ireland SAP Slovensko s.r.o.,
Limited, ダブリン, 100.0 12) ブラチスラヴァ, スロバ 100.0
アイルランド キア
SAP Ireland US -
Financial Services SAP Software and
Designated Activity 100.0 Services LLC, ドーハ, 49.0 5),17)
Company, ダブリン, カタール
アイルランド
SAP Svenska Aktiebolag,
SAP Israel Ltd., ラ
100.0 17) ストックホルム, ス 100.0 17)
アナナ, イスラエル
ウェーデン
SAP System Application
SAP Korea Ltd., ソ and Products Asia
100.0 100.0
ウル, 韓国 Myanmar Limited, ヤンゴ
ン, ミャンマー
220/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
SAP Systems,
Applications and
SAP Labs Bulgaria
Products in Data
EOOD, ソフィア, ブ 100.0 100.0
Processing (Thailand)
ルガリア
Ltd., バンコク, タイ
SAP Labs Finland
SAP Taiwan Co., Ltd.,
Oy, エスポー, フィ 100.0 100.0 17)
台北, 台湾
ンランド
SAP Technologies Inc.,
SAP Labs France
パロアルト, カルフォル
SAS, ムージャン, フ 100.0 100.0
ニア, アメリカ
ランス
SAP Training and
SAP Labs Israel
Development Institute
Ltd., ラアナナ, イ 100.0 100.0
FZCO, ドバイ, アラブ首
スラエル
長国連邦
SAP T ü rkiye Yazilim
SAP Labs Korea,
Ü retim ve Ticaret A.
100.0 100.0
Inc., ソウル, 韓国
Ş ., イスタンブール, ト
ルコ
SAP Latvia SIA, リ
SAP UAB, ヴィリニュス,
ガ, ラトビア共和国
100.0 100.0
リトアニア
100.0
SAP Malaysia Sdn.
SAP Ventures Investment
Bhd., クアラルン
100.0 GmbH, ヴァルドルフ, ド 100.0 8),9)
プール, マレーシア
イツ
SAP Vierte
SAP Malta
Beteiligungs- und
Investments Ltd.,
100.0 17) Verm ögensverwaltungs 100.0
バレッタ, マルタ共
GmbH, ヴァルドルフ, ド
和国
イツ
221/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
SAP MENA FZ L.L.C., SAP Vietnam Company
ドバイ, アラブ首長 100.0 Limited, ホーチミン, ベ 100.0
国連邦 トナム
SAP Middle East and
SAP West Balkans
North Africa
49.0 5),17) d.o.o., ベオグラード, 100.0
L.L.C., ドバイ, ア
セルビア共和国
ラブ首長国連邦
SAP Zweite
SAP Nederland
Beteiligungs- und
Holding B.V., スヘ
100.0 11) Verm ögensverwaltungs 100.0 8),9)
ルトーヘンボス, オ
GmbH, ヴァルドルフ, ド
ランダ
イツ
SAP New Zealand
SAP.io Fund, L.P., サン
Limited, オークラン
フランシスコ, カルフォ
100.0 0 6)
ド, ニュージーラン
ルニア, アメリカ
ド
Sapphire Fund
SAP Norge AS, リ
Investments II, L.P.,
サーカー, ノル 100.0 0 4),6)
パロアルト, カルフォル
ウェー
ニア, アメリカ
Sapphire Fund
SAP North West
Investments III, L.P.,
Africa Ltd, カサブ
100.0 0 4),6)
パロアルト, カルフォル
ランカ, モロッコ
ニア, アメリカ
Sapphire SAP HANA Fund
SAP Ö sterreich
of Funds, L.P., パロア
GmbH, ウィーン, 100.0 0 6)
ルト, カルフォルニア,
オーストリア
アメリカ
222/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
Sapphire Ventures Fund
SAP Per ú S.A.C., リ
I, L.P., パロアルト,
100.0 17) 0 6)
マ, ペルー
カルフォルニア, アメリ
カ
Sapphire Ventures Fund
SAP Philippines,
II, L.P., パロアルト,
Inc., マカティ, 100.0 0 6)
カルフォルニア, アメリ
フィリピン
カ
Sapphire Ventures Fund
SAP Polska Sp. z
III, L.P., パロアルト,
o.o., ワルシャワ, 100.0 0 6)
カルフォルニア, アメリ
ポーランド
カ
Sapphire Ventures Fund
SAP Portals Europe
IV, L.P., パロアルト,
GmbH, ヴァルドルフ, 100.0 0 4),6)
カルフォルニア, アメリ
ドイツ
カ
SAP Portals Holding
Beteiligungs
100.0
GmbH, ヴァルドル
フ, ドイツ
223/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有 所有
会社の名称及び所在地 注記 会社の名称及び所在地 注記
割合 割合
% %
SAP Portals Israel
Ltd., ラアナナ, イスラ 100.0
エル
SAP Portugal –
Sistemas, Aplica çõ es e
Produtos Inform áticos,
100.0
Sociedade Unipessoal,
Lda., ポルト・サル
ヴォ, ポルトガル
SAP
Projektverwaltungs-
100.0
und Beteiligungs GmbH,
ヴァルドルフ, ドイツ
SAP Public Services,
Inc., ワシントンDC, ア
100.0
メリカ
224/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有
会社の名称及び所在地 注記
割合
%
SAPV (Mauritius), エベーヌ, モーリシャス
0 6)
Saudi Ebreez Company for Electronic Services LLC ,
57.0 4)
リヤド, サウジアラビア王国
SFI II Blocker, LLC, パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
0 4),6)
SuccessFactors (Philippines), Inc., パシッグ, フィリピン
100.0
SuccessFactors Asia Pacific Limited, 香港, 中国
100.0
SuccessFactors Cayman, Ltd., グランドケイマン, ケイマン諸島
100.0
Sybase 365 Ltd., トルトラ島, ヴァージン諸島
100.0
Sybase 365, LLC, サンラモン, カルフォルニア, アメリカ
100.0
Sybase Angola, LDA, ルアンダ, アンゴラ共和国
100.0 16)
Sybase Iberia S.L., マドリード, スペイン
100.0
Sybase India Ltd., ムンバイ, インド
100.0
Sybase International Holdings Corporation, LLC, サンラモン, カルフォルニア, ア
100.0
メリカ
Sybase Philippines, Inc.,マカティシティ, フィリピン
100.0
Sybase Software (India) Private Ltd., ムンバイ, インド
100.0
225/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有
会社の名称及び所在地 注記
割合
%
Sybase, Inc., サンラモン, カルフォルニア, アメリカ
100.0
Systems Applications Products (Africa Region) Proprietary Limited, ヨハネスブル
100.0
ク, 南アフリカ
Systems Applications Products (Africa) Proprietary Limited, ヨハネスブルク, 南
100.0
アフリカ
Systems Applications Products (South Africa) Proprietary Limited, ヨハネスブル
70.0 17)
ク, 南アフリカ
Systems Applications Products Nigeria Limited, ヴィクトリア島, ナイジェリア
100.0 17)
Technology Management Associates Inc., ハーンドン, バージニア, アメリカ
100.0 4)
TomorrowNow, Inc., ブライアン, テキサス, アメリカ
100.0
TRX Europe Limited, ロンドン, イギリス
100.0 10)
TRX Luxembourg, S.a.r.l., ルクセンブルクシティ, ルクセンブルク
100.0
TRX Technologies India Private Limited, ラマン・長ー, インド
100.0
TRX UK Limited, ロンドン, イギリス
100.0 10)
226/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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所有
会社の名称及び所在地 注記
割合
%
TRX, Inc., ベルビュー, ワシントン, アメリカ
100.0
Volume Integration, Inc., バージニア, アメリカ
100.0
Webcom d.o.o., ベオグラード, セルビア
100.0 4)
Webcom, Inc., ダブリン, カルフォルニア, アメリカ
100.0 4)
1) これらの数値は連結修正仕訳を計上する前の現地のIFRS財務諸表を基に算出されている為、連結財務諸表に含まれている
会社の貢献利益を反映していない。グループ通貨への換算にあたっては、資本については期末換算レートを使用してお
り。収益及び純収入/損失については期中平均レートを使用している。
2) 2018年12月31日現在のFTEの取締役の経営陣を含んでいる。
3) 税引き後の損益と、HGB, 285 項及び313項に従って合計された資本の数値が、SAP S.E. の利益率、流動性、資本源泉及び財
務状態において、HGB, 313(2) 項3行目の4及び286(3)1行目の１により、重要性が低いと判断される場合は、開示されない。
4) 2018年に初めて統合された。
5) 他の株主とSAP SEが全体を支配することで合意している。
6) SAP SE には以下の企業が含まれる（SAP.io Fund, L.P, Sapphire Fund Investments II, L.P., Sapphire Fund Investments
III, L.P., Sapphire SAP HANA Fund of Funds, L.P., Sapphire Ventures Fund I, L.P., Sapphire Ventures Fund II, L.P.,
Sapphire Ventures Fund III, L.P, Sapphire Ventures Fund IV, L.P., SAPV (Mauritius), and SFI II Blocker, LLC ）。これ
らの企業の事業結果はSAPのIFRS第10号（連結財務諸表）に含まれている。
7) 事業体の個人的責任を負うパートナーはSAP SE である。
8) 損(益)移転契約がある事業会社。
9) HGB, 264(3) 項又は264b項に従って、子会社は法令で定められた財務書類を作成するにあたり、注記の記載・管理体制のレ
ビュー・独立監査人の監査の受諾及び一般への情報公開等一定の法的要件の適用が免除されている。
10) イギリス2006年会社法の479Aから479Cに従って、子会社は2018年12月31日又は2018年9月30日それぞれに終了する会計年度
に関する子会社の負債に対するSAP SE の保証に基づいて財務諸表の会計監査を免除されている。
11) オランダ民法2;403に従って、当該子会社は2018年12月31日又は2018年9月30日それぞれに終了する会計年度に関する子会社
の負債に対するSAP SE の保障に基づき、法令で定められた財務書類を作成するにあたり、注記の記載・管理体制のレ
ビュー・独立監査人の監査の受諾及び一般への情報公開等一定の法的要件の適用が免除されている。
12) 2014 年アイルランド会社法第6部第16章第365条に従い、2018年12月31日に終了する会計年度に関して、休止企業の免除資格
があることから、財務諸表の会計監査が免除されている。
13) スイス債務法727条第2項に従い、2018年12月31日又は2018年9月30日それぞれに終了する会計年度について、財務諸表の会
計監査が免除されている。
14) 当該企業は、会計年度の決算日を2018年12月31日から2019年6月30日に変更したため、フランス商法第L-123条の12の規定に
基づく財務諸表の作成及び監査が免除されている。財務諸表を作成し、監査を受ける義務は、通常12カ月ある決算期にの
み発生するが、事業体が決算日を変更した場合にはこれよりも短く、若しくは長くなる場合がある。
15) 1993 年ニュージーランド会社法第211条 (3) 及び2013年財務報告法第45条 (2) に基づき、当該事業体は除外を承認してお
り、2018年9月30日に終了した事業年度に関する監査済み財務諸表を提出する必要はない。
16) 2013 年10月1日付アンゴラ税法及び大統領令第147/13号により、当該企業は高額納税者としての資格を有しないため、2018
年12月31日に終了した会計年度に関する財務諸表の監査が免除されている。
17) SAP SE によって発行されたサポートレターを保有している企業
227/337
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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その他の持分投資
ジョイント・アレンジメント及び関連会社に対する投資
所有
会社の名称及び所在地
割合
%
China DataCom Corporation Limited, 広州, 中国
28.30
Convercent, Inc., デンバー, コロラド, アメリカ
37.32
Procurement Neg ócios Eletr ônicos S/A, リオデジャネイロ, ブラジル
17.00
Visage Mobile, Inc., ミルウォーキー, ウィスコンシン, アメリカ
4.50
Yapta, Inc., シアトル, ワシントン, アメリカ
45.71
持分投資 (5％以上の持分について)
会社の名称及び所在地
83North IV, L.P., ヘルツリーヤ, イスラエル
Alation, Inc., レッドウッドシティ, カルフォルニア, アメリカ
Alchemist Accelerator Fund I LLC,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
All Tax Platform - Solucoes Tributarias S.A., サンパウロ, ブラジル
Amplify Partners II L.P., メンローパーク, カルフォルニア, アメリカ
Amplify Partners III, L.P., メンローパーク, カルフォルニア, アメリカ
Amplify Partners, L.P., メンローパーク, カルフォルニア, アメリカ
AP Opportunity Fund, LLC, メンローパーク, カルフォルニア, アメリカ
Auth0, Inc., ベルビュー, ワシントン, アメリカ
Blue Yard capital I GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Catchpoint Systems, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Char Software, Inc., ボストン, マサチューセッツ, アメリカ
Contentful GmbH, ベルリン, ドイツ
Costanoa Venture capital II L.P., パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
Costanoa Venture capital III L.P., パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
Costanoa Venture capital QZ, LLC, パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
Culture Amp, Inc.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
Data Collective II L.P.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
Data Collective III L.P.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
Data Collective IV, L.P.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
会社の名称及び所在地
DataRobot, Inc., ボストン, マサチューセッツ, アメリカ
Dharma Platform, Inc., ワシントン DC, アメリカ
Digital Hub Rhein-Neckar GmbH, ルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン, ドイツ
EIT ICT Labs Germany GmbH, ベルリン, ドイツ
FeedZai S.A., リスボン, ポルトガル
Felix Ventures II, L.P., ロンドン, イギリス
Follow Analytics, Inc.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
GK Software AG, シェーネック, ドイツ
Greater Pacific Capital (Cayman) L.P., グランドケイマン, ケイマン諸島
IDG Ventures USA III, L.P.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
IEX Group, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
InfluxData, Inc.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
InnovationLab GmbH, ハイデルベルク, ドイツ
innoWerft Technologie- und Gr ü nderzentrum Walldorf Stiftung GmbH, ヴァルドルフ, ドイツ
JFrog, Ltd., ネタニヤ, イスラエル
Jibe, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Kaltura, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Kavacha TopCo LLC, ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Landlog Limited, 東京, 日本
LeanData, Inc., サニーベール, カルフォルニア, アメリカ
Livongo Health, Inc., マウンテンビュー, カルフォルニア, アメリカ
Local Globe VII, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Local Globe VIII, L.P., セント・ピーター・ポート, ガーンジー, チャンネル諸島
Looker Data Sciences, Inc., サンタクルス, カルフォルニア, アメリカ
Matillion Ltd., オルトリンアム, イギリス
Mosaic Ventures I, L.P., ロンドン, イギリス
MVP Strategic Partnership Fund GmbH & Co. KG, ミュンヘン, ドイツ
Narrative Science, Inc., シカゴ, イリノイ, アメリカ
Nor1, Inc., Santa Clara, カルフォルニア, アメリカ
Notation Capital II, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
Notation Capital, L.P., ブルックリン, ニューヨーク, アメリカ
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エスエイピー・エスイー(E24727)
有価証券報告書
会社の名称及び所在地
On Deck Capital, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
OpenX Software Limited, パサデナ, カルフォルニア, アメリカ
OpsRamp, Inc., サンノゼ, カルフォルニア, アメリカ
Pendo.io, Inc., ローリー, ノースカロライナ, アメリカ
Pheonix Labs Canada, ULC, バーナビー, ブリティッシュコロンビア, カナダ
Point Nine Annex GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund II GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund III GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Point Nine Capital Fund IV GmbH & Co. KG, ベルリン, ドイツ
Portworx Inc., Los Altos, カルフォルニア , アメリカ
Post for Systems, カイロ, エジプト
Project 44, Inc., シカゴ, イリノイ, アメリカ
PubNub, Inc.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
Punchh, Inc., サンマテオ, カルフォルニア, アメリカ
Realize Corporation, 東京, 日本
Reltio, Inc., レッドウッドショア, カルフォルニア, アメリカ
Return Path, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Ridge Ventures IV, L.P.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
Rome2rio Pty. Ltd., リッチモンド, オーストラリア
Scryer, Inc., ニューヨーク, ニューヨーク, アメリカ
Scytl, S.A., バルセロナ, スペイン
Smart City Planning, Inc., 東京, 日本
SportsTech Fund, L.P., パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
SportsTech Parallel Fund, L.P., パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
Spring Mobile Solutions, Inc., ソルトレイクシティ, ユタ, アメリカ
Storm Ventures V, L.P., メンローパーク, カルフォルニア, アメリカ
SumoLogic, Inc., レッドウッドシティ, カルフォルニア, アメリカ
SV Angel IV, L.P.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
T3C Inc., マウンテンビュー, カルフォルニア, アメリカ
The Currency Cloud Group Limited, ロンドン, イギリス
The SaaStr Fund, L.P., パロアルト, カルフォルニア, アメリカ
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エスエイピー・エスイー(E24727)
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会社の名称及び所在地
Upfront V, L.P., サンタモニカ, カルフォルニア, アメリカ
Wandera, Inc.,サンフランシスコ, カルフォルニア, アメリカ
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(G.11) ドイツ・コーポレートガバナンス・コード
ドイツ連邦政府は 2002 年 2 月にドイツ・コーポレートガバナンス・コード（以下、「コード」という）を公布し、随時この
コードを修正する委員会を導入した。コードには法的要請及び多くの勧告及び提案が含まれている。法的要請だけがドイツ企
業に遵守義務を負わせている。勧告についてはドイツ株式会社法 161 条にて、公開企業は毎年勧告についての導入の程度につい
て公的声明を出すことを要求している。企業はいかなる公的声明も出さずに提案から逸脱することができる。
2018 年及び 2017 年に、当社の取締役会及び監査役会は要請されている実行宣言を公表した。 2017 年の宣言は 2018 年 2 月に修正
されている。 2018 年の宣言は 2018 年 10 月末に公表された。これらの宣言は、我々の Web サイト (www.sap.com/corporate-
en/investors/governance) にて閲覧可能である。
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２【主な資産・負債及び収支の内容】
前掲の連結財務書類を参照のこと。
３【その他】
後発事象については、前掲の連結財務諸表の注記(G.9)を参照のこと。
重要な訴訟事件については、前掲の連結財務諸表の注記(G.4)を参照のこと。
４【日本とドイツ(国際財務報告基準)における会計原則及び会計慣行の相違】
SAP では、国際財務報告基準に準拠して連結財務書類を作成しており、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に
準拠して作成された財務書類とはいくつかの相違点がある。本考察はSAPにより適用される会計原則と日本の会計原則の間の全
ての相違を含むものではないが、相違のうち主要なものを以下に要約する。
(1) 財務書類
国際財務報告基準に従って作成されるSAPの財務書類は、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結
資本変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務書類に対する注記から構成されている。国際財務報告基準で
は、連結財務書類が主要財務書類とみなされる。
日本では、連結貸借対照表、連結損益計算及び連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー
計算書、連結附属明細表及び連結財務書類に対する注記の作成が求められており、IFRSと重要な相違は無い。
注記に関しては、国際財務報告基準においては、詳細な説明、特に連結貸借対照表及び連結損益計算書の詳細な説明を含ん
でおり、日本における連結貸借対照表注記、連結損益計算書注記及び連結附属明細表で開示が要求されている情報と、少なく
とも同等の内容を含んでいる。
(2) 会計方針の変更
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IAS8号「会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬」に従って、会計方針の
変更があった場合には、過年度の財務書類が遡及的に修正再表示される。なお、その場合、開示される最も古い比較年度の期
首財政状態計算書の作成が要求されている。
日本では、企業会計基準24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づき、会計上の変更及び過去の誤謬の
訂正から遡及修正が必要となっている。その場合においても、開示される最も古い比較年度の期首財政状態計算書の作成は要
求されていない。
(3) 企業結合
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IFRS3号「企業結合」に従い、全ての企業結合はパーチェス法を適用して
会計処理される。企業結合で取得したのれんは償却されない。代わりに取得者は、IAS36号「資産の減損」に従って、毎年、又
は減損の可能性を示す事象若しくはその状況の変化があった場合には、減損テストを実施する。
日本では、企業会計基準21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企
業結合は、取得とされ、パーチェス法が適用される。企業結合で取得したのれんは20年以内のその効果が及ぶ期間にわたっ
て、定額法その他合理的な方法により償却する。ただし、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、当該のれんが生じた事業
年度の費用として処理することができる。
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(4) 資産の減損
国際財務報告基準に準拠した財務書類では、無形資産及び有形固定資産の減損損失は、帳簿価額と回収可能価額を比較する
ことによって認識される。個別にテストできない資産については、他の資産又は他の資産グループから独立したキャッシュ・
フローを生み出す最小のグループ（資金生成単位）に基づき、回収可能価額を算定する。回収可能価額は、使用価値又は売却
費用控除後の公正価値としている。使用価値の見積にあたっては、割引キャッシュ・フロー法が用いられる。資産又は資金生
成単位の帳簿残高が回収可能価額を上回る場合は減損損失を認識する。減損損失を計上した当初の事由が消滅した場合、減損
損失の戻し入れが行われる。のれんにかかる減損損失は、戻し入れを行うことはできない。
日本では、長期性資産の割引前キャッシュ・フローが帳簿価額より低い場合に、当該帳簿価額と回収可能価額（正味売却価
額と使用価値のいずれか高い金額）の差額が減損損失として認識される。減損損失の戻し入れは禁止されている。
(5) 株式報酬
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IFRS2号「株式報酬」に基づき、持分決済型の株式報酬について及び現金
決済型の株式報酬について処理を行っている。持分決済型株式報酬において、権利不行使による失効が生じた場合には、新株
予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分はそのまま資本項目とする。
日本では、現金決済型の株式報酬についての定めはない。持分決済型の株式報酬については、企業会計基準第8号「ストック
オプション等に関する会計基準」に基づき、2006年5月1日以降に付与されたストックオプションについては定めがあるが、
2006年5月1日より前に付与されたストックオプションについては特に規定がなかった。また、権利不行使による失効が生じた
場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。
(6) 退職後給付
国際財務報告基準に準拠したSAPの財務書類では、IAS19号「従業員給付」に基づき、給付算定方式を用いた保険数理計算に
基づき退職年金及びその他の退職後の給付債務を測定している。各制度に対する年金数理計算の結果として個別の制度の積み
立て超過または積み立て不足の状態に対し資産または負債を認識している。予測と実際の差異及び前提条件の変更からもたら
される確定給付債務あるいは制度資産の金額の変動は保険数理計算上の差異となり、その他の包括利益に計上され、純損益へ
の振替は認められない。
日本では、2013年4月1日以後開始する事業年度末に係る連結財務諸表より、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務債
務は、発生時に連結貸借対照表において即時認識されることとなった。また、当該差異は、その他の包括利益累計額に計上さ
れ、平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理することとなり、当期に費用化された部分については、そ
の他の包括利益の調整（組替調整）を行うことになっている。
(7) 開発費用
国際財務報告基準で作成される財務書類では、IAS38号「無形資産」における一定の要件を満たした場合には、開発費用の資
産計上が要求される。
日本では、開発段階で発生した費用は発生時に費用計上される。
(8) ヘッジ会計
国際財務報告基準で作成される財務書類では、IAS39号「金融商品の認識と測定」に従って、キャッシュ・フロー・ヘッジに
関する会計処理が定められている。SAP社では、IFRS9号に従い、ヘッジ会計の指定を行ったヘッジ手段については公正価値で
評価し、有効なヘッジ部分に関する損益をその他の包括利益に計上する。その後ヘッジ対象取引が損益に影響した際に連結損
益計算書へ組み替える。ヘッジ関係が有効でなかった部分については、即時に連結損益計算書に計上される。
日本では、原則として、ヘッジ手段の公正価値の変動額は、純資産の部の「評価・換算差額等」として対応するヘッジ対象
に係る損益が実現されるまで繰り延べる(繰延ヘッジ)。ただし、想定元本、利息の受払条件及び契約期間がヘッジ対象となる
資産又は負債とほぼ同一である金利スワップについては、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産
又は負債に係る利息に加減して処理すること（金利スワップの特例処理）が認められている。
(9) 借入費用の資産化
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国際財務報告基準では、IASBが2007年3月にIAS23号(改訂)「借入費用」を公表しており、2009年1月1日以降に開始する報告
期間に適用しなければならない。国際財務報告基準の下では、適格資産の取得、建設又は製造を直接の発生原因とする借入費
用は、資産の取得価額の一部として資産化しなければならない。適格資産とは、意図した使用又は販売が可能となるまでに相
当 の期間を要する資産をいう。
日本では、借入費用を費用処理しなければならない。但し、自家建設の固定資産及び不動産開発事業支出金について支払利
子の資産化が容認されている。
(10) 特別損益の表示
国際財務報告基準では、損益計算書や包括利益計算書等において、いかなる収益又は費用のいかなる項目も、異常項目とし
て個別の勘定表示をすることは禁止されている。
日本では、特別損益に属するものはその内容を示す名称を付した科目をもって表示することと定められており、臨時かつ巨
額の項目は特別損益に計上される。従って、固定資産売却損益、投資有価証券売却損益及び災害損失等は特別項目とされる。
(11) 外貨関連事項
国際財務報告基準では、企業及びその在外事業体がそれぞれ機能通貨を決定し、機能通貨以外の通貨で表示されているか又
はそれによる決済を必要とする取引を外貨建取引として取り扱う。また、在外子会社か在外支店かに関わらず、在外事業体は
それぞれの機能通貨で記帳後、以下の手続により連結上の表示通貨へと換算する。
・資産と負債は、各報告期間の末日レートで換算する。
・収益と費用は、各取引日の為替レートで換算する。ただし、取引日レートに近似する場合には、期中平均レートが使用さ
れることも多い。
・換算差額については、資本の個別項目として認識される。
日本では、機能通貨に関する定めはなく、円以外の外国通貨で表示されている取引が外貨建取引となる。在外子会社の資産
と負債は決算日レートで、資本項目は取得日レートで、収益及び費用は原則として期中平均相場により換算する。在外支店に
おいては、外貨建取引は原則として本店と同様に処理（発生時の為替相場により換算）する。ただし、期中平均相場により換
算することもできる。在外子会社の換算差額は為替換算調整勘定に、在外支店の換算差額は当期の為替差損益に計上する。
(12) 収益認識
国際財務報告基準では、IFRS15号「顧客との契約から生じる収益」に従って、収益は、約束された財又はサービスの支配が顧
客に移転した時点で、これらの財又はサービスと交換に当社が受け取ると見込まれる対価を反映した金額により認識される。
当社の顧客との契約には、複数の財又はサービスを顧客に移転する約束が含まれている。財又はサービスを、別々に会計処理
する別個の履行義務として扱うか、又は一括して会計処理するかを決定するには、重要な判断が要求される場合がある。ま
た、別個の履行義務ごとの独立販売価格を決定するには判断が要求される場合がある。
日本では、当中間会計期間末において適用可能な国際財務報告基準のような包括的な規定はない。2018年3月30日に、企業会
計基準第29号「収益認識に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」が企
業会計基準委員会より公表されており、2021年4月1日以後開始する事業年度から適用され、2018年4月1日以後開始する事業年
度から早期適用も認められている。当該基準はIFRS第15号の基本的な原則を取り入れることを出発点とし、これまで日本で行
われてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で代替的な取扱いを追加するものであ
る。
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第７【外国為替相場の推移】
日本円とユーロの為替相場は、国内において時事に関する事項を掲載する2紙以上の日刊新聞紙に最近5年間の事
業年度について掲載されているため、その記載を省略する。
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第８【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1 ．日本における株式事務等の概要
(1) 日本における株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人
日本においては、株式の名義書換取扱場所および株主名簿管理人は存在しない。
(2) 株主に対する報償
該当なし。
(3) 株式の譲渡制限
一般的には該当なし。
(4) その他株式事務に関する事項
イ．決算期
12月31日
ロ．年次株主総会
年次株主総会は、毎年、SAP SEの取締役会および監査役会により決定された日時において開催される。
ハ．登録
当社に関しては、適用法および当社の定款に従って該当する株主総会の招集通知に定められた該当日ま
でに、株式保有の証明を当社に示した者のみが、株主総会に出席し、または当該総会における議決権を行
使するに当たって、株主とみなされる。株式保有の証明は、ドイツ語または英語による文書形式で預金機
関が発行する確認書を提出することにより行わなければならない。ドイツの強行法規に基づき、預金機関
が発行する確認書には、該当する株主総会の日の21日前の日が始まった時点（以下「基準日」という。）
の情報を記載しなければならない。
ニ．配当支払の基準日との無関係性
日本における株主を含む、当社から配当を受ける権利を有している株主は、利益の分配を決議する年次
株主総会の開催時点で当社株式を保有する者である。これは、基準日より後に株式を取得した株主にも配
当を受ける権利があることを意味する。ただし、当社株式は、利益の分配を決議する年次株主総会の当日
またはその前後に、「配当落ちの権利」として、株式市場において取引することができる。
個人株主は、カストディアン／名義人の関係において株式を所有する者と同様、配当を受ける資格を有
しているという点に留意されたい。
当社の配当政策については、「第5 2 配当政策」を参照のこと。
ホ．株券に関する手数料
該当なし。
2 ．日本における株主の権利行使に関する手続等
(1) 株主の議決権行使に関する手続
日本における当社の株主は、カストディアンに指示を与えることにより、議決権を行使することができる。
代理人による議決権行使の勧誘が行われる場合、カストディアンは、当社より十分な量の委任勧誘状を受け取り
次第、当該基準日現在における実質株主名簿に基づき、かかる委任勧誘状を実質株主に配布するものとする。
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(2) 配当請求等に関する手続
カストディアンは、当社より配当率、支払期日およびその他の関連情報の通知を受け取り次第、すべての受取配
当額を、配当支払日に当社株式を保有する株主の口座に振り込むものとする。配当の分配に係る上記手続上生じた
費用は、すべて当社が負担し、実質株主には一切これを請求しない。
「第5 2 配当政策」を参照のこと。
(3) 株式の譲渡に関する手続
当社株式に何ら制限が付されていない限り、当社株式の譲渡は、仲介人の口座については振替決済制度により効
力を発するものとする。
日本における株主は、その保護預り口座の振替により、当社株式に係る権限を譲渡することができる。
この場合、取引は、カストディアンに対して開設された口座間の帳簿振替により清算される。
(4) 配当金等に関する課税上の取扱い
イ．配当
実質株主に対する当社からの配当は、日本の税法上、配当所得として取り扱われる。
日本の居住者たる個人または日本の法人が支払を受ける配当金につき、当該配当の支払の際に徴収され
た連邦政府、州またはその他地方公共団体の源泉課税があるときは、この額を当該配当の支払額から控除
した残額に対して、日本の税法上、源泉徴収が行われる。源泉徴収税率は、当該配当を受ける期間に応
じ、以下の表に記載された税率となる。
配当課税の源泉徴収税率
配当を受けるべき期間 日本の法人 日本の居住者たる個人
2014 年1月1日～2037年12月31日 所得税15.315％ 所得税15.315％、住民税5％
2038 年1月1日～ 所得税15％ 所得税15％、住民税5％
日本の居住者たる個人の当社株主は、当社から支払われる配当については、日本において源泉徴収がな
された場合には確定申告をする必要はない。他方、日本において源泉徴収がなされなかった場合、日本の
居住者たる個人の当社株主は、収入および納税金額を報告するため、確定申告する義務を免れない。
2009年1月1日以降に当社から支払われる配当については、日本の居住者たる個人の当社株主は、申告分
離課税を選択することが可能である。
日本の居住者たる個人の当社株主が申告分離課税を選択した場合の確定申告の際の税率は、2014年1月1
日から2037年12月31日までに当社から当該個人株主に支払われる配当については20.315％（所得税
15.315％、住民税5％）、および2038年1月1日以降にSAP SEから当該個人株主に支払われる配当については
20％（所得税15％、住民税5％）である。
申告分離課税における配当所得の計算においては、2016年1月1日以降は上場株式や一定の公社債の売買
損等を控除することができる。
外国において課税された税額は、日本の税法上の規定に従い、二重課税を避けるため、外国税額控除の
対象となることがある（ただし、実質株主が源泉分離課税を選択した場合を除く。）。
ロ．売買損益
① 当社株式を保有する個人株主については、原則として、株式売買により生じる売買差益は、所得税課
税の対象となる。
納税者は、課税年度中に実現したすべての有価証券譲渡益（純額）の20％相当（2014年1月1日から
2037年12月31日までは20.315％）の税額を支払う。ただし、以下の条件を満たす者による当社株式の譲
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渡にかかる税率は、かかる譲渡が2014年1月1日から2037年12月31日までに行われた場合は20.315％、お
よび2038年1月1日以降に行われた場合は20％とする。
(a ）日本の居住者または非居住者のうち日本において恒久的施設を有する者であり、
かつ
(b ）当該譲渡が証券会社もしくは銀行を通じて行われるか、証券会社に対して行われるか、または適用
ある税法規制に定められたものである場合。
納税者は、税法規制に従い「特定口座制度」を使用した場合、納税申告書を提出しないことを選択
し、源泉課税を受けることを選択できる。
② 当社株式を保有する法人株主については、株式の売買損益は、課税所得の計算上会社の経常損益とし
て算入される。
③ 日本における当社株式の売買損益に係る上記の税務上の取扱いは、内国法人の株式の売買損益の取扱
いと同じである。
ハ．相続税
相続税は、故人の死亡に伴い相続または遺贈により財産を取得した個人に課せられる。ある人の死亡に
基づき財産を取得した時に日本に居住している相続人は、その国籍にかかわらず、無制限の相続税納付義
務を負う。無制限納税義務者は、その財産が日本の国内外にあるかを問わず、取得した全財産にかかる相
続税を負担する。
したがって、日本の居住者である実質株主が、ドイツにおいて発行された株式を相続または遺言により
取得した場合、日本の相続税法に基づき、当該株主には相続税が課せられる。
ただし、一定の状況下では、外国税額控除を受けられる場合がある。
(5) その他
該当なし。
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第９【提出会社の参考情報】
１【提出会社の親会社等の情報】
SAP SEの発行する有価証券は金融商品取引法第24条第1項第1号および第2号に該当しないため、該当事項はな
い。
２【その他の参考情報】
SAP SEは、当事業年度の開始日から本書提出日までの間において、下記の書類を関東財務局長に提出してい
る。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類 平成30年6月28日提出
(2) 半期報告書およびその添付書類 平成30年9月26日提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当なし。
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当なし。
第３【指標等の情報】
該当なし。
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（訳文）
独立監査人の報告書
SAP SE ( ヴァルドルフ) 御中
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査報告
監査意見
我々は、SAP SE(ヴァルドルフ)及びその子会社（以下、「SAP」若しくは「グループ」）により作成された、2018年12月31日
現在の連結財政状態計算書並びに、2018年1月1日から12月31日までの連結会計期間における連結損益計算書、連結包括利益計
算書、連結資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び重要な会計方針の要約を含む連結財務諸表に関連する注記
で構成される連結財務諸表について監査を行った。
また、我々は2018年1月1日から12月31日までの会計年度にかかるSAPグループによる結合グループ経営報告書及び、ヴァルド
ルフのSAP SEによる2018年1月1日から12月31日までの会計年度の経営報告書（以下、グループ経営報告書）を監査している。
我々の意見は、監査により得た知見に基づき、
－ 附属の連結財務諸表はすべての重要な点において、EUにより採用された国際財務報告基準及びHGB(Handelsgesetzbuch-ド
イツ商法)第315e条第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表した
IFRSに準拠している。また、連結財務諸表は2018年12月31日時点のグループの資産、負債、財政状態及び2018年1月1日か
ら年12月31日までの会計年度の経営成績について真実かつ公平な概観を与えている。
－ さらに附属のグループ経営報告書は全体として、グループの状態に関する適切な視点を提供する。全ての重要な点におい
て、グループ経営報告書は連結財務諸表と整合性があり、ドイツの法的要件に準拠し、将来の発展の機会とリスクを適切
に表示している。
HGB 第322条第3項第1号に従って、我々の監査意見は、連結財務諸表及びグループ経営報告の適切性について、いかなる制約
も付していない。
連結財務諸表に対する意見の基礎
我々はドイツ商法第317条及びEU法定監査規則 ((EU) NO.537/2014。以下、「EU法定監査規則」)並びにドイツ公認会計士協
会(IDW)が公表したドイツにおける一般に公正妥当と認められた連結財務諸表監査基準に準拠し、さらに国際監査基(ISA)及び
米国公開会社会計監視委員会（米国）のガイドラインにも準拠して連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査を行った。 こ
れらの基準に基づいた我々の責任についての詳細は「連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査に対する監査人の責任」の
セクションに記載されている。我々はヨーロッパ法及びドイツの商法及び職業法に準拠して独立性を保持しており、我々はそ
の他ドイツにおいて適用される倫理規則を遵守している。また、我々はEU法定監査規則第10条(2)fに準拠し、EU法定監査規則
第5条(1)において禁止されている非監査業務を提供していない。
我々は、入手した監査証拠が、監査意見の合理的な基礎を得るために十分かつ適切であったと判断している。
連結財務諸表監査における監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項は2018年1月1日から12月31日における連結財務諸表監査の中で、我々の職業的判断において最も重
要なものである。これらの検討事項は我々の連結財務諸表全体にかかる監査の過程で検討されたが、我々はこれらの論点につ
いて個別に意見を表明しない。
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収益
注記(A.1) - 収益、(A.5) - IFRS第15号の適用及びグループ経営報告のリスク・マネジメント及びリスクのセクションを参
照。
財務諸表リスク
2018 会計年度において、SAPは24.7億ユーロの収益を獲得した。その内15.6億ユーロはソフトウェアライセンス売上とサポー
ト業務に関連する収益である。IFRS第15号に基づくソフトウェアに係る収益の会計処理は複雑であるため、収益認識の会計処
理に誤謬が生じる固有リスクを負っている。SAPは顧客との契約の会計処理を管理するため詳細な方針、手続、プロセスを定義
している。それらを適用する際には、例えば複合契約が存在するかどうかの評価、異なる履行義務の識別、単独の履行義務に
対する独立販売価格の決定及び異なる履行義務に対する取引価格の配分においてしばしば重要な判断を必要とする。
SAP は異なるいくつかの種類の収益を獲得している。2017年よりSAPはSAPの収益会計プロセスの自動化のレベルを高めること
を目的としたRevenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューションを使用している。主にSAPの顧客との契約の数
が多く複雑であるため、新しいソフトウェア・ソリューションとこれらの契約に対して新しく設計されたプロセスの適用は誤
謬にかかる重要なリスクを負う。この誤謬にかかる重要なリスクに対応するために、SAPは連結財務諸表上の正確な収益認識を
確実にするためのプロセスとマニュアル統制を確立した。問題を防止又は是正するための内部のタスクフォースが設立されて
いる。追加的なプロセスと統制により受注や請求計画などの基礎となる証憑とRevenue Accounting and Reportingソフトウェ
ア・ソリューションで処理される収益とを照合させることに注力している。重要な逸脱に対する内部統制に焦点を当てた重要
性の基準値が決定される。
財務諸表リスクとして、貸借対照表日現在の収益認識にかかるカットオフが不正確であり、収益の期間帰属が正確にされな
いリスクがある。
新たな収益認識基準(IFRS第15号)は2018年1月1日の期首に有効となっている。IFRS第15号は、連結財務諸表において使用さ
れた移行方法及び将来期間における金額的影響を含む移行の影響、並びに従来の収益認識基準（IAS第11号及び第18号）に基づ
く会計方針を使用した場合に当期に計上されたであろう金額（複数会計基準による財務報告）を含む、新たに採用された基準
の影響に関する開示を規定している。
連結財務諸表に係る財務諸表リスクはIFRS第15号において要求された開示の正確さに関連している。
我々の監査アプローチ
ソフトウェアの収益認識に関して、我々はIFRSフレームワーク及びIFRS第15号におけるSAPの会計方針の遵守性を評価した。
我々は複合契約の識別、個別の履行義務の識別及びオンプレミスソフトウェア以外（残存価値アプローチが適用されているた
め）の全ての履行義務に対する独立販売価格の識別に係る、関連する内部統制の整備状況を検討し、運用状況の有効性をテス
トした。我々が個別に重要とみなした全てのソフトウェア契約とその他のソフトウェア契約から抽出したサンプルに対して、
以下の手続きを実施した。
－ 基本合意やその他の関連書類を閲覧し、SAPの会計/販売責任者と議論を行い、取引を理解した。
－ SAPから入手した会計処理に関する情報を裏付けるために、主要な契約条件について各顧客から外部確認書を入手した。
－ SAPが適切に全ての個別の履行義務を識別し、（相対的な）独立した販売価格またはオンプレミスソフトウェアに関しては
残余価格アプローチに基づきその履行義務に取引価格を配分しているかどうか評価した。
－ 収益が正しい期間に認識されていることを確認するため、それぞれの個別の履行義務に適用される収益認識の方針が適切
に適用されたかどうか評価した。
我々は、SAPの複合契約に含まれる個別の履行義務となる各成果物について、適用された会計方針の適切性の検討、基礎とな
る計算の正確性のテスト及びSAP計算の基礎となるデータの妥当性を確かめるための試査を行い、独立販売価格を評価した。
我々はまた、連結財務諸表での関連する開示の正確性についても評価した。
Revenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューション及び関連するプロセスに関して、我々は基礎となる証憑
とRevenue Accounting and Reportingソフトウェア・ソリューションを通じて処理される収益を照合するマニュアル統制の整
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備状況と運用状況の有効性をテストした。この点について、我々は統制を実行するためにSAPが使用するレポートが網羅的かつ
正確で経営者のテスト結果を評価しているかどうかについても評価を行った。ソフトウェアサポート収益の大部分につき、
我々 は実際のサポート収益と、昨年度のサポート収益を基に予測されたサポート収益、昨年度のサポート契約の損失率、及び
追加のサポート収益をもたらすソフトウェアの今年度の売上高を比較した。その他すべての重要な収益源につき、我々は正確
な収益認識を確かめるためサンプルを選定した。
新たに適用された収益認識基準に関連する開示について、我々は記載されている会計方針の変更、移行方法及び移行の影響
が正確であるかどうか評価した。我々はまた、内部統制及びSAPの複数会計基準による財務報告に関連した計算をテストし、開
示の正確性について評価した。
我々の所見
SAP は収益に係る会計処理を決定する適切なフレームワークを策定している。2018年度に導入されたソフトウェア契約の大部
分について、適用されるべきSAPの収益認識方針は明確であった。解釈の余地があるところで、SAPの判断は公平かつ適切で
あった。SAPは連結財務諸表の正確な収益認識を保証する適切なプロセスとマニュアル統制を確立した。使用された移行方法、
移行の影響及び複数会計基準による財務報告の記載を含む、新たに適用された基準の影響に関する開示は適切であり合理的な
過程に基づいている。
法人所得税に係るタックスエクスポージャーの予測
注記(C.5)税金費用、及びグループ経営報告書のリスク・マネジメント及びリスクのセクションを参照。
財務諸表リスク
SAP は移転価格、税法の変更及び関係会社間の財務取引の複雑性を伴う複数の税金管轄地域において事業活動を行っている。
税金にかかる偶発債務に対する引当計上の見積りには、税務案件及びタックスエクスポージャーに関する判断を要する。SAPは
自社のリスク評価をサポートする税金意見書を入手するために、定期的に外部の専門家を利用している。連結財務諸表のリス
クは不確実な税務処理に関する引当金の網羅性、測定及び開示に関連している。
我々の監査アプローチ
SAP が利用した外部の専門家の税金意見書を評価するために、我々は税金の専門家を利用した。我々は彼らが作成した意見書
とともに、外部の専門家の適格性、能力、客観性を評価した。我々は、当局と裁判所による現行の法律の運用についての知識
と経験に基づいて、関連する税務当局との対応、法人所得税引当金の算定に用いられた仮定を評価した。我々の国際的なネッ
トワークを通じて、現地の税法と規則それぞれに関する適切な知識を備えた税金の専門家を利用し、評価結果の報告を得た。
加えて、SAPの法人所得税及び不確実なタックス・ポジションの開示についての適切性を評価した。
我々の所見
2018 年12月31日における法人所得税のタックスエクスポージャーに係る引当金計上額についてのSAPの判断は適切である。
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SAP ビジネスネットワークののれんの帳簿価額の回収可能性
注記(D.2)のれんを参照。
財務諸表リスク
SAP は内部管理目的でのれんがモニタリングされている観測されるより小さい単位がないため、事業セグメント単位で年次の
のれんの減損テストを行った。以前の期間に実行された企業買収により、SAP Ariba、SAP Fieldglass及びSAP Concurによって
開発したクラウドを販売するSAPの主要なマーケットであるSAPビジネスネットワークセグメントにおいて、重要なのれんを計
上した。SAPビジネスネットワークに配賦されるのれんは2018年12月31日時点で重要(連結貸借対照表の合計額に対して13.4%)
である。それぞれののれんの減損テストは複雑であり、重要な判断が介在する。重要な仮定には、予算上の売上の伸び、予算
上の営業利益率、ピア・グループの決定を含む税前割引率及び永続成長率などが含まれる。
連結財務諸表のリスクは減損の決定及び認識の妥当性に関連する。
我々の監査アプローチ
SAP はSAPビジネスネットワークの回収可能価額の計算が適切であることを保証するように設計された統制を実施している。
我々はこれらの統制に対して整備状況及び運用状況の有効性をテストした。我々は評価方法の適切性と売却費用控除後の公正
価値の測定において使用された主要な仮定を評価し、割引キャッシュ・フロー及びその他の評価モデルを用いて算出された結
果の正確性をテストするため、評価の専門家を利用した。我々は公正価値の見積りを我々の予測値と比較することによってSAP
の仮定を評価し、各主要な仮定について感応度分析を行った。
我々の所見
のれんの減損テストの基礎となるアプローチは妥当であり、適用される会計と評価の原則に準拠している。 SAP は、回収可能価
額の決定に際し公平な一連の仮定を適用した。
米国ダブリンの Callidus Inc. 買収に係る会計処理
注記(D.1)企業結合を参照。
財務諸表リスク
2018 年4月5日、SAPは米国ダブリンのCallidus Inc.（以下「Callidus」）を買収した。取得原価は2,469百万ドルであった。
識別可能な取得資産及び引受負債への取得原価の配分によって、SAPは純資産を648百万ユーロ、のれんを1,483百万ユーロで計
上した。
IFRS 第3号により、識別可能な取得資産及び引受負債は、IFRS第3号に別段の定めがない限り、取得日の公正価値で計上され
ている。 SAPは、識別可能な取得資産及び引受負債を決定及び測定するために、外部の評価専門家を利用した。
取得資産及び引受負債の識別及び測定は複雑であり、取締役会の判断上の仮定に基づいている。取得した無形資産及び引受
負債の測定に使用される重要な仮定は、取得した事業の収益及びマージン、資産別の収益及びマージン調整、見積耐用年数、
ロイヤルティ及び離職率、並びに資本コストの予測を含む。
連結財務諸表のリスクは、取得資産及び引受負債の不十分な識別又は不正確な測定に関連している。さらに、連結財務諸表
に対する注記の開示が正確でないリスクがある。
我々の監査アプローチ
我々はSAPのビジネスモデルに関する当社の知識を用いて、IFRS第3号の要求事項への準拠性の観点から取得資産及び引受負
債の識別プロセスを評価した。 SAPは、取得資産及び引受負債が十分に識別され、正確に測定されること、及び注記の開示が
正確であることを保証するように設計された統制を実施している。我々はこれらの統制の整備状況と及び運用状況の有効性を
テストした。
当監査法人の評価専門家の支援をのもと、とりわけ重要な仮定の妥当性、並びに識別及び評価アプローチを評価した。
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我々は初めに財務部門及びM&A部門の従業員への質問、並びに関連する契約の評価に基づいて、買収について把握した。
取得原価の合計を基礎となる買収契約書及び支払いの証憑と突合した。
SAP が利用した外部の評価専門家の能力、スキル、及び客観性を評価した。さらに、使用した測定方法の一貫性と適用可能な
測定原則を検討した。
我々は公正価値測定に使用される期待収益及びマージンの成長について計画担当者と協議した。さらに、取締役会及び監査
役会によって承認された予算とこれらを照合し、クラウド企業に係る外部の市場見解と仮定との整合性を評価した。取得した
事業に関する知識、ソフトウェア業界における経験及び最近の比較可能な取引を考慮して、重要な仮定の妥当性を我々の予測
と比較することにより評価した。資本コストの基礎をなす仮定及びパラメーター、特に無リスク金利、市場リスクプレミアム
及びベータファクタを公に入手可能なデータと比較した。
数学的正確性を評価するために、我々はリスク指向アプローチを使用して選択された金額について再計算した。最後に、
我々はCallidusの買収に関する連結財務諸表に対する注記の開示が正確であるかどうかを評価した。
我々の所見
取得資産及び引受負債の識別及び評価の基礎となるアプローチは適切であり、適用可能な会計及び評価の原則に準拠してい
る。 SAP は公平な一連の主要な仮定及びパラメーターを適用した。
その他の情報
SAP SE の取締役会は連結財務諸表と監査報告以外の情報に対して責任を有している。その他の情報は SAP SE のウェブサイト
で公開されている統合報告書及びアニュアルレポート (Form 20-F) を含み、連結財務諸表、グループ経営報告書及び監査報告書
を除く。
我々の連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査意見はその他の情報を包含しておらず、従って、我々はそれらに
ついて意見やその他のいかなる形式の保証の結論も表明しない。
我々の連結財務諸表に対する監査報告書に関連して、我々の責任はその他の情報を読み取り、その他の情報が連結財務諸
表、グループ経営報告書又は我々の入手した監査証拠と著しく矛盾していないか、もしくは著しく誤っていないかを検討する
ことにある。
もし我々の実施した手続に基づいて、我々がその他の情報に重要な虚偽表示があると結論付けた場合は、我々はその事実を
報告することを求められる。その点において、報告事項はない。
加えて、 2018 年の統合報告書の選択された質的及び量的な持続可能性の開示について、我々は独立した保証業務を行うため
に従事した。この独立した保証契約の性質、程度及び結論に関しては、我々は、 2019 年 2 月 20 日付の独立性保証報告書を参照す
る。
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する取締役会及び監査役会の責任
SAP SE の取締役会は、すべての重要な点においてEUにより採用されたIFRS及びHGB (Handelsgesetzbuch- ドイツ商法 ) 第315e条
第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表したIFRSに準拠して、グルー
プの資産、負債、財政状態及び経営成績について真実かつ公正な概観を与える連結財務諸表を作成する責任を有している。ま
た、取締役会は、不正又は誤謬に起因する重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成することを可能とするために経営者が必
要と判断した内部統制に対する責任も負っている。
連結財務諸表の作成にあたって、取締役会は継続企業として存続するグループ能力 を評価する責任を有している。 取締役会
は該当する場合は継続企業の前提に関する事項を開示する責任も有している。さらに、取締役会はグループを清算又は事業活
動を停止する意思がある場合、又はそうする以外現実的な代替案が存在しない場合でない限り、継続企業の前提に基づいた財
務報告を行う責任を有している。
加えて、 取締役会は全体としてグループの状況について適切な見解を提供するグループ経営報告書を作成する責任がある。
当該報告書はすべての重要な点において連結財務諸表と一貫性があり、ドイツの法的要求に従い、将来の発展の機会とリスク
を適切に提示する 。さらに、 取締役会は、適用されるドイツの法的要件、ドイツ会計基準 17 号と 20 号 (GAS17,GAS20) 及び IFRS
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実務記述書「経営者による説明」に準拠してグループ経営報告書を作成するために、またグループ経営報告書における主張に
十分かつ適切な証拠を提供できるようにするために必要と判断した 取決めと基準（システム） に責任を負っている。
監査役会は、連結財務諸表及びグループ経営報告書作成のためのグループの財務報告プロセスを監督する責任を有してい
る。
連結財務諸表及びグループ経営報告書に対する監査人の責任
我々の目的は、連結財務諸表に全体として不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうか、またグループ経営報告書が
全体としてグループの状況について適切な見解を提示し、すべての重要な点において連結財務諸表及び監査で得た知見と一貫
しており、 ドイツの法的要件を適用し、将来の発展の機会とリスクを適切に提示するかどうか の合理的な保証を得ること、及
び連結財務諸表及びグループ経営報告書について監査意見を含んだ監査報告書を発行することである。合理的な保証とは、高
いレベルの保証であるが、 ドイツ商法第317条、EU法定監査規則及びドイツ公認会計士協会(IDW)が公表したドイツにおける一
般に公正妥当と認められた連結財務諸表監査基準に準拠した監査、さらに国際監査基準(ISA)及び米国公開会社会計監視委員会
（米国）のガイドラインに従っ た監査が、常に重要な虚偽表示を発見できることを保証するものではない。不正又は誤謬によ
り発生し得る虚偽表示は、個別又は集計して、連結財務諸表及びグループ経営報告書に基づいた財務諸表利用者の経済的意思
決定に影響を及ぼすと合理的に予期されるときに、重要であるとみなされる。
我々は職業的専門家としての判断を行使し、監査の全過程を通じて職業的懐疑心を保持する。我々はさらに、
－ 不正又は誤謬による連結財務諸表 及びグループ経営報告書 の重要な虚偽表示のリスクの識別及び評価し、これらのリスク
に対応した監査手続の策定及び実施し、監査意見の基礎を提供する十分かつ適切な監査証拠を得る。不正は共謀、偽造、
恣意的な省略、詐称、内部統制の無効化を伴う可能性があるため、不正による重要な虚偽表示が発見されないリスクは、
誤謬による重要な虚偽表示が発見されないリスクより高い。
－ 状況に応じた適切な監査手続を策定するために、 連結財務諸表の監査に関連する内部統制 及びグループ経営報告書の取決
めと基準（システム）を理解する。
－ 取締役会に使用される会計方針の適切性、取締役会による会計上の見積りの合理性及び関連する開示を評価する。
－ 取締役会による、継続企業を前提とした会計処理の妥当性、及び継続企業として存続するグループの能力に重要な疑義を
生じさせる事象又は状況に関連する重要な不確実性が存在するかどうかについて、入手した監査証拠に基づいて結論づけ
る。もし重要な不確実性が存在すると結論する場合、監査報告書において連結財務諸表及びグループ経営報告書の関連す
る開示について強調するか、もしくは、開示が不適切な場合は、監査意見を修正することが要求されている。我々の結論
は監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている。しかしながら、将来の事象もしくは状況がグループの継続企業
の前提を覆す可能性がある。
－ 連結財務諸表の開示を含め、全体的な表現、構造、内容を評価する。また、連結財務諸表がEUにより採用されたIFRS及び
ドイツ商法 (HGB) 第315e条第１項に従って適用されるドイツの商法による追加的要求事項並びに国際会計基準審議会が公表
したIFRSに準拠してグループの資産、負債、財政状態及び経営成績について真実かつ公正な外観を与えるような方法で基
礎となる取引及び事象を表示しているかどうかについて評価する。
－ 連結財務諸表及びグループ経営報告書の監査意見を表明するために、グループ内のビジネス活動及び企業の財務情報に関
して十分かつ適切な監査証拠を入手する。我々はグループ監査の方向性、監督、パフォーマンスに責任を有する。我々は
監査意見に対して単独で責任を負う。
－ グループ経営報告書の連結財務諸表との整合性、ドイツ法への準拠性、それが提供するグループの状況に関する見解を評
価する。
－ グループ経営報告書の中で取締役会によって提供される将来の情報に対して監査手続を実施する。十分かつ適切な監査証
拠に基づき、我々は特に将来の情報の基礎として取締役会によって使用された重要な仮定及び、これらの仮定からの将来
の情報の導出の適切性を評価する。我々は将来の情報及び基礎として用いられた仮定につき個別の意見を表明しない。将
来の事象が当該将来の情報と大きく乖離する重大な不可避のリスクが存在する。
我々は、とりわけ計画された監査の範囲及び時期、監査の期間中に発見された内部統制の重要な欠陥を含む重要な監査での
発見事項について、監査役会とコミュニケーションを取る。
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我々は、さらに、独立性に関する倫理規則に準拠したこと及び独立性に影響を及ぼすと合理的に考えられる全ての関係や
他の事項、もし該当があれば、関連するセーフガードについてコミュニケーションを取ることについての陳述書を監査役会に
提出する。
監査役会と協議した事項から、我々は、当期の連結財務諸表の監査において最も重要であり、それゆえ監査上の主要な検討
事項となる事項を決定した。我々は、法や規制が情報開示を妨げない限り、これらの事項について監査報告書に記載する。
その他の法令規則に基づく要求事項
PCAOB に従った連結財務諸表の財務報告に係る内部統制システムに関する報告書
連結財務諸表の財務報告に係る内部統制システムに関する監査人の意見
我々は、SAP SE ( ヴァルドルフ) とその子会社の2018年12月31日現在の連結財務諸表の財務報告に係る内部統制について監査
を行った。この統制システムは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会（以下、「COSO」という）が公表した2013年改訂版内
部統制の統合的フレームワークに定められた基準に基づいている。
我々は、SAPはすべての重要な点において、COSOが公表した2013年改訂版内部統制の統合的フレームワークに定められた基準
に基づき、2018年12月31日現在において連結財務諸表の財務報告に係る有効な内部統制を維持しているものと認める。
連結財務諸表に係る内部統制システムに関する取締役会及び監査役会の責任
SAP SE の取締役会は、連結財務諸表に係る内部統制に関する取締役会の報告書において記載されている様に、連結財務諸表
の財務報告に係る有効な内部統制システムを維持し、その有効性を評価する責任を有している。
会社の内部統制システムは、連結財務諸表に係る財務報告の信頼性及び一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠
した外部報告目的の財務書類作成に対して合理的な保証を提供するために整備されたプロセスである。連結財務諸表の財務報
告に係る内部統制システムには、(1)会社資産の取引及び処分を合理的な詳細さで正確かつ適正に反映した会計システムを保証
し、(2)一般に公正妥当と認められる会計原則の基準に準拠した財務書類の作成を可能にするために必要な取引が記録されるこ
とに関する合理的な保証を提供し、 (3)財務書類に重要な影響を及ぼす可能性のある未承認の資産の取得、使用又は処分を防
止又は適時に発見することについての合理的な保証を提供するための方針及び手続が含まれる。
財務報告に係る内部統制は、固有の限界があるため、重要な虚偽の表示を防止又は発見できない可能性がある。また、将来
の期間にわたる有効性の評価の予測には、状況の変化により内部統制が不適切となるリスク、又は方針や手続の遵守の程度が
低下するリスクを伴う。
監査役会は、連結財務諸表の財務報告に係るグループの内部統制システムを監督する責任を有している。
連結財務諸表の財務報告に係る内部統制に対する監査人の責任
我々の責任は、我々の監査に基づき、連結財務諸表の財務報告に係る内部統制についての意見を表明することにある。我々
は、公開会社会計監視委員会（米国）の基準に準拠して監査を行った。これらの監査の基準は、連結財務諸表の財務報告に係
る有効な内部統制がすべての重要な点において維持されているかどうかについて合理的な保証を得るために、我々が監査を計
画し実施することを求めている。連結財務諸表の財務報告に係る内部統制の監査は、財務報告に係る内部統制についての理
解、重要な欠陥が存在するリスクの評価、評価したリスクに基づく内部統制の整備及び運用状況の有効性についての検証及び
評価、並びに我々が状況に応じて必要と認めた手続きの実施を含んでいる。
我々は、我々が入手した監査証拠は、監査意見の合理的な基礎を得るために十分かつ適切であることを確信している。
EU 法定監査規則第10条に基づく詳細情報
我々は2018年5月17日に開催された定時株主総会でグループ監査人として選出された。2018年5月29日にSAP SEの監査役会の
監査委員会の委員長に任命され、2018年8月9日に追認された。2002年の会計年度から中断することなくグループ監査人を務め
ている。我々はこの監査報告書で表明されている意見はEU監査規則第11条に基づく監査委員会への追加報告(長文式監査報告
書)と首尾一貫していると宣言する。
財務諸表監査に加えて、我々はグループエンティティに対し、連結財務諸表及びグループ経営報告書上で開示されていない
以下のサービスを提供している。
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連結財務諸表監査に加えて、我々はSAP SEの財務諸表を監査し様々な子会社で財務諸表監査を実施した。さらに、統合報告
書2018の選択された定性的及び定量的な持続可能性の開示に関する保証業務、ドイツ証券取引法第20条に基づくEMIR監査
[WpHG]、 ソフトウェア製品に関する保証業務及びSAP SEの社債引き受け募集に係るコンフォートレター2通の発行を含む法律に
よって要求される、又は契約に基づくその他の保証業務を実施した。
業務執行社員
この独立監査人の報告書に関する業務執行社員は、ボードー・ラックヴィッツである。
マンハイム、2019年2月20日
KPMG AG
監査法人
( ラックヴィッツ) (シュナイダー)
( ドイツ公認監査士) (ドイツ公認監査士)
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Independent Auditor's Report
To SAP SE, Walldorf
Report on the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the Group
Management Report
Opinions
We have audited the consolidated financial statements of SAP SE, Walldorf, and its subsidiaries (the Group),
which comprise the consolidated statements of financial position as at December 31, 2018, consolidated income
statements, consolidated statements of comprehensive income, consolidated statements of changes in equity and
consolidated statements of cash flows for the financial year from January 1 to December 31, 2018 and notes to the
consolidated financial statements, including ▶ summary of significant accounting policies.
In addition, we have audited the combined group management report by the SAP Group and the management report of
SAP SE, Walldorf (“Group Management Report”) for the financial year from January 1 to December 31, 2018.
In our opinion, on the basis of the knowledge obtained in the audit,
－ the accompanying consolidated financial statements comply, in all material respects ,with the IFRSs as adopted
by the EU and the additional requirements of German commercial law pursuant to Section 315e (1) HGB
[Handelsgesetzbuch: German Commercial Code], as well as the IFRSs as adopted by the International Accounting
Standards Board and, in compliance with these requirements, give ▶ true and fair view of the assets,
liabilities and financial position of the Group as at December 31, 2018, and of its financial performance for
the financial year from January 1 to December 31, 2018 and
－ the accompanying Group Management Report as ▶ whole provides an appropriate view of the Group's position. In
all material respects, this Group Management Report is consistent with the consolidated financial statements,
complies with German legal requirements and appropriately presents the opportunities and risks of future
development.
Pursuant to Section 322 (3) sentence 1 HGB, we declare that our audit has not led to any reservations relating to
the legal compliance of the consolidated financial statements and of the Group Management Report.
Basis for the Opinions
We conducted our audit of the consolidated financial statements and of the Group Management Report in accordance
with Section 317 HGB and the EU Audit Regulation No. 537/2014 (referred to subsequently as “EU Audit
Regulation”) and in compliance with German Generally Accepted Standards for Financial Statement Audits
promulgated by the Institut der Wirtschaftsprüfer [Institute of Public Auditors in Germany] (IDW) as well as in
supplementary compliance with the International Standards on Auditing (ISAs) and guidelines of the Public Company
Accounting Oversight Board (United States).
Our responsibilities under those requirements, principles and standards are further described in the “Auditor's
Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the Group Management Report”
section of our auditor's report. We are independent of the group entities in accordance with the requirements of
European law and German commercial and professional law, and we have fulfilled our other German professional
responsibilities in accordance with these requirements. In addition, in accordance with Article 10 (2) point (f)
of the EU Audit Regulation, we declare that we have not provided non-audit services prohibited under Article 5
(1) of the EU Audit Regulation. We believe that the evidence we have obtained is sufficient and appropriate to
provide ▶ basis for our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management Report.
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Key Audit Matters in the Audit of Consolidated Financial Statements
Key audit matters are those matters that, in our professional judgment, were of most significance in our audit of
the consolidated financial statements for the financial year from January 1 to December 31, 2018. These matters
were addressed in the context of our audit of the consolidated financial statements as ▶ whole, and in forming
our opinion thereon, we do not provide ▶ separate opinion on these matters.
Revenue
Refer to note (A.1) – Revenue, note (A.5) – Adoption of IFRS 15, and Group Management Report, section Risk
Management and Risks.
The Financial Statement Risk
In the financial year 2018 SAP generated revenue of EUR 24.7 billion, of which EUR 15.6 billion relate to
revenues from sales of software licenses and support services. The accounting for revenue for software under IFRS
15 is complex and therefore bears the inherent risk that errors are made in the accounting for revenue
arrangements. SAP defined detailed policies, procedures and processes to manage the accounting for its customer
contracts, which are also described in the notes. Applying them often requires significant judgments, for example
in the assessment of whether ▶ multiple element arrangement exists, the identification of different performance
obligations, the determination of the stand-alone selling price of ▶ single performance obligation, and the
allocation of the transaction price to the different performance obligations.
SAP derives its revenue from different revenue classes. Since 2017 SAP has been using ▶ Revenue Accounting and
Reporting software solution for all revenue streams which aimed at increasing the level of automation in SAP's
revenue accounting processes. Primarily due to the high number and complexity of SAP's customer contracts, the
new software solution as well as the application of the newly designed processes to these contracts bear ▶
significant risk of error. In response to this significant risk of error, SAP established processes and manual
controls to ensure the accurate revenue recognition in the consolidated financial statements. An internal task
force was established by SAP to prevent and remediate issues. The additional processes and controls focused on
agreeing revenues processed through the Revenue Accounting and Reporting software solution to underlying source
documentation such as sales orders or billing plans. Thresholds were determined to focus the control performance
on significant deviations.
There is the financial statement risk that revenue recognition cut-off as at the balance sheet date is incorrect
and that revenues are allocated incorrectly.
The new revenue recognition standard (IFRS 15) has been effective beginning January 1, 2018. IFRS 15 stipulates
for the consolidated financial statements to disclose the impact of the newly adopted standard, including ▶
description of the transition method used and the transition effect including impact on future periods, as well
as the amounts that would have been recorded for the current period using the accounting policies under the old
revenue recognition standards (IAS 11 and 18) (dual-GAAP reporting).
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The financial statement risk for the consolidated financial statements relates to accuracy of the required
disclosures under IFRS 15.
Our Audit Approach
On software revenue recognition, we evaluated the compliance of SAP's accounting policies with the IFRS Framework
and IFRS 15. We considered the design and tested the operating effectiveness of the key controls implemented by
SAP on the identification of multiple-element arrangements, the identification of separate performance
obligations and the identification of the stand-alone selling price for all performance obligations other than on
premise software (due to the residual method being applied). For all software arrangements that we considered to
be individually significant and for ▶ sample of the remaining software arrangements, we also:
－ obtained an understanding of the transaction through inspection of the underlying contractual agreements and
other related documents as well as discussions with SAP's accounting and/or sales representatives;
－ obtained external confirmations of the key terms and conditions from the respective customers to corroborate
the information relevant for the accounting that we received from SAP;
－ assessed whether SAP appropriately identified all separate performance obligations and allocated the
transaction price to such performance obligations on the basis of (relative) standalone selling prices, or the
residual method for on premise software; and
－ evaluated whether the revenue recognition policies applicable to each separate performance obligation were
applied appropriately to ensure that revenue is recognized in the correct period.
We evaluated the stand-alone selling prices for each of the deliverables that typically qualify as separate
performance obligations in SAP's multiple-element arrangements by assessing the appropriateness of the
methodology applied, testing mathematical accuracy of the underlying calculations, and testing selections to
corroborate the data underlying SAP's calculations. We also assessed the accuracy of the related disclosures in
the consolidated financial statements.
On the Revenue Accounting and Reporting software solution and the related process we tested the design and
operating effectiveness of the manual controls that were implemented to agree revenues processed through the
Revenue Accounting and Reporting software solution to underlying source documentation. In this regard, we also
assessed whether the reports used by SAP to perform the controls were complete and accurate and evaluated the
results of management's testing. For the majority of software support revenue, we compared the actual support
revenue with the support revenue that is expected based on last year's support revenue, the loss rate of last
year's support contracts and the current year software sales that trigger additional support revenue. For all
other significant revenue streams we selected samples to determine the accurate revenue recognition.
On the disclosures relating the new applied revenue recognition standard we assessed whether the described policy
changes, transition method and transition impact are accurate. We tested the internal controls and calculations
related to SAP's dual-GAAP reporting and assessed the accuracy of the disclosures.
Our Observations
SAP has developed an adequate framework for determining the accounting treatment for its revenue. For the vast
majority of the software arrangements entered into during 2018, it was clear which of SAP's revenue recognition
policies should be applied. Where there was room for interpretation, SAP's judgment was balanced and appropriate.
SAP established adequate processes and manual controls to ensure accurate revenue recognition in the consolidated
financial statements. The disclosures on the impact of the newly adopted standard, including the description of
the transition method used, the transition effect and the dual-GAAP reporting are appropriate and based on
reasonable assumptions.
Measurement of the provision for income tax exposures
Refer to note (C.5) – Income Taxes, and Group Management Report section Risk Management and Risks.
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The Financial Statement Risk
SAP operates in multiple tax jurisdictions with complexities of transfer pricing, changing tax laws, and
intercompany financing transactions. The determination of provisions for tax contingencies requires SAP to make
judgments on tax issues and develop estimates regarding SAP's exposure to tax risks. SAP regularly engages
external experts to provide tax opinions to support their own risk assessment. The risk for the consolidated
financial statements relates to the completeness, measurement and disclosure of the provision for uncertain tax
treatments.
Our Audit Approach
We involved our tax specialists to evaluate the tax opinions of the external experts SAP engaged. We assessed the
competency, skill and objectivity of the external experts as well as the opinions they prepared. We evaluated
correspondence with the responsible tax authorities as well as the assumptions used to determine tax provisions
based on our knowledge and experiences of the current application of the relevant legislation by authorities and
courts. Through our international network we involved tax specialists with the appropriate knowledge on the
respective local tax rules and regulations who reported the results of their assessment to us.
Our Observations
SAP's judgments as to the amounts recognized as tax provisions for income tax exposures as at December 31, 2018
are appropriate.
Recoverability of the carrying amount of goodwill for SAP Business Network
Refer to note (D.2) – Goodwill.
The Financial Statement Risk
SAP performed the annual goodwill impairment test at the level of its operating segments as there are no lower
levels within SAP at which goodwill is monitored for internal management purposes. SAP's acquisitions executed in
prior periods led to ▶ material goodwill in the SAP Business Network Segment in which SAP mainly develops,
markets and sells its SAP Ariba, SAP Fieldglass and SAP Concur cloud offerings. Goodwill allocated to the SAP
Business Network is material as of December 31, 2018 (13.4 % of consolidated balance sheet total). The respective
impairment test is complex and involves significant judgment. The key assumptions relate to the budgeted revenue
growth, budgeted operating margins, pre-tax discount rates including the determination of the peer group and
terminal growth rates.
The risk for the consolidated financial statements relates to the appropriateness of the determination and
recognition of impairments.
Our Audit Approach
SAP has implemented controls designed to ensure that the calculation of the recoverable amount for SAP Business
Network is appropriate. We tested the design and operating effectiveness of these controls. We involved our
valuation specialists to assess the valuation methodologies applied and key assumptions used in measuring the
fair value less cost of disposal and to test the mathematical accuracy of the discounted cash flows and other
valuation models. We evaluated SAP's assumptions by comparing the fair value estimates to our own expectations
and performed independent sensitivity analysis for each key assumption.
Our Observations
The approaches underlying the impairment testing of goodwill are appropriate and consistent with the applicable
accounting and valuation principles. SAP applied ▶ balanced set of assumptions in determining the recoverable
amount.
Accounting for the acquisition of Callidus Inc., Dublin/USA
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Refer to note (D.1) – Business Combinations.
The Financial Statement Risk
On April 5, 2018 SAP acquired Callidus Inc., Dublin, USA (“Callidus”). The purchase price amounted to USD 2,469
million. In allocating the purchase price to identifiable assets acquired and liabilities assumed, SAP recorded
net assets in the amount of EUR 648 million, and goodwill in the amount of EUR 1,483 million. Pursuant to IFRS 3,
the identifiable assets acquired and the liabilities assumed are, unless specified otherwise in IFRS 3, recorded
at their fair value on the acquisition date. SAP engaged an external valuation expert to determine and measure
the identifiable assets acquired and the liabilities assumed.
The identification and measurement of the assets acquired and the liabilities assumed is complex and is based on
the Executive Board's judgmental assumptions. Significant assumptions used in the measurement of intangible
assets acquired and liabilities assumed comprise the projections of the acquired business's revenues and margins,
asset-specific revenue and margin adjustments, estimated useful lives, royalty and attrition rates, as well as
the cost of capital.
The risk for the consolidated financial statements relates to insufficient identification or incorrect
measurement of the assets acquired and the liabilities assumed. In addition, there is the risk that the
disclosures in the notes to the consolidated financial statements are not accurate.
Our Audit Approach
We assessed the process of the identification of the assets acquired and liabilities assumed in terms of
conformity with the requirements of IFRS 3 using our knowledge of SAP's business model. SAP has implemented
controls designed to ensure that the assets acquired and the liabilities assumed are sufficiently identified and
correctly measured and that the disclosures in the notes are accurate. We tested the design and operating
effectiveness of these controls.
With the support of our valuation specialists we assessed, among other things, the appropriateness of the
significant assumptions as well as the identification and valuation approaches. We initially obtained an
understanding of the acquisition based on inquires of employees in the finance and M&A departments as well as by
assessing the relevant contracts.
We agreed the total purchase price with the underlying purchase agreement and evidence of payment.
We assessed the competency, skills and objectivity of the external valuation expert engaged by SAP. Furthermore,
we considered the consistency of the measurement methods used and the measurement principles applicable.
We discussed the expected development of revenues and margins used in the fair value measurements with those
responsible for planning. Furthermore, we reconciled these with the budgets approved by the Executive Board and
approved by the Supervisory Board and assessed the consistency of the assumptions with external market views of
cloud companies. We assessed the appropriateness of significant assumptions by comparing them to our own
expectations based on our knowledge of the acquired business, our experience in the software industry and taking
into account recent comparable transactions. The assumptions and parameters underlying the cost of capital – in
particular the risk-free interest rate, the market risk premium and the beta factor – were compared with own
assumptions and publicly available data.
To assess the mathematical accuracy we recalculated amounts selected using ▶ risk-oriented approach. Finally, we
assessed whether the disclosures in the notes to the consolidated financial statements with respect to the
acquisition of Callidus are accurate.
Our Observations
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The approaches underlying the identification and valuation of the assets acquired and the liabilities assumed are
appropriate and consistent with the applicable accounting and valuation principles. SAP applied ▶ balanced set of
key assumptions and parameters. The disclosures in the notes to the consolidated financial statements are
appropriate.
Other Information
The Executive Board of SAP SE is responsible for the other information. The other information comprises the
Integrated Report published on the website of SAP SE and the Annual Report on Form 20-F, except for the audited
consolidated financial statements and the Group Management Report and our auditor's report thereon.
Our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management Report do not cover the other
information and consequently we do not express, an opinion or any other form of assurance conclusion thereon.
In connection with our audit , our responsibility is to read the other information and, in so doing, to consider
whether the other information
－ is materially inconsistent with the consolidated financial statements, with the Group Management Report or our
knowledge obtained in the audit, or
－ otherwise appears to be materially misstated. If, based on the work we have performed, we conclude that
there is ▶ material misstatement of this other information, we are required to report that fact. We have nothing
to report in this regard.
In addition, we were engaged to perform an independent assurance engagement on selected qualitative and
quantitative sustainability disclosures of the integrated report 2018. In regard to the nature, extent and
conclusions of this independent assurance engagement we refer to our Independence Assurance Report dated on
February 20, 2019.
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Responsibilities of the Executive Board and the Supervisory Board for the Consolidated Financial
Statements and the Group Management Report
The Executive Board of SAP SE is responsible for the preparation of the consolidated financial statements that
comply, in all material respects, with IFRSs as adopted by the EU and the additional requirements of German
commercial law pursuant to Section 315e (1) HGB as well as IFRS as adopted by the International Accounting
Standards Board and that the consolidated financial statements, in compliance with these requirements, give ▶
true and fair view of the assets, liabilities, financial position, and financial performance of the Group. In
addition, the Executive Board is responsible for such internal control as the Executive Board has determined
necessary to enable the preparation of consolidated financial statements that are free from material
misstatement, whether due to fraud or error.
In preparing the consolidated financial statements, the Executive Board is responsible for assessing the Group's
ability to continue as ▶ going concern. The Executive Board also has the responsibility for disclosing, as
applicable, matters related to going concern. In addition, the Executive Board is responsible for financial
reporting based on the going concern basis of accounting unless there is an intention to liquidate the Group or
to cease operations, or there is no realistic alternative but to do so.
Furthermore, the Executive Board is responsible for the preparation of the Group Management Report, that as ▶
whole, provides an appropriate view of the Group's position and is, in all material respects, consistent with the
consolidated financial statements, complies with the German legal requirements and appropriately presents the
opportunities and risks of future development. In addition, the Executive Board is responsible for such
arrangements and measures (systems) as the Executive Board has considered necessary to enable the preparation of
the Group Management Report that is in accordance with the applicable German legal requirements, the German
Accounting Standards number 17 and 20 (GAS 17, GAS 20) and the IFRS Practice Statement Management Commentary and
to be able to provide sufficient appropriate evidence for the assertions in the Group Management Report.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Group's financial reporting process for the preparation
of the consolidated financial statements and of the Group Management Report.
Auditor's Responsibilities for the Audit of the Consolidated Financial Statements and of the
Group Management Report
Our objectives are to obtain reasonable assurance about whether the consolidated financial statements as ▶ whole
are free from material misstatement, whether due to fraud or error, and whether the Group Management Report as ▶
whole provides an appropriate view of the Group's position and, in all material respects, is consistent with the
consolidated financial statements and the knowledge obtained in the audit, complies with the German legal
requirements and appropriately presents the opportunities and risks of future development, as well as to issue an
auditor's report that includes our opinions on the consolidated financial statements and on the Group Management
Report.
Reasonable assurance is ▶ high level of assurance, but is not ▶ guarantee that an audit conducted in accordance
with Section 317 HGB and the EU Audit Regulation and in compliance with German Generally Accepted Standards for
Financial Statement Audits promulgated by the Institut der Wirtschaftsprüfer (IDW) as well as in supplementary
compliance with ISAs and guidelines of the Public Company Accounting Oversight Board (United States) will always
detect ▶ material misstatement. Misstatements can arise from fraud or error and are considered material if,
individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic decisions of users
taken on the basis of these consolidated financial statements and this Group Management Report.
We exercise professional judgment and maintain professional scepticism throughout the audit. We also:
－ Identify and assess the risks of material misstatement of the consolidated financial statements and of the
Group Management Report, whether due to fraud or error, design and perform audit procedures responsive to
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those risks, and obtain audit evidence that is sufficient and appropriate to provide ▶ basis for our opinions.
The risk of not detecting ▶ material misstatement resulting from fraud is higher than for one resulting from
error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions, misrepresentations, or the override of
internal control.
－ Obtain an understanding of internal control relevant to the audit of the consolidated financial statements and
of arrangements and measures (systems) relevant to the audit of the Group Management Report in order to design
audit procedures that are appropriate in the circumstances.
－ Evaluate the appropriateness of accounting policies used by the Executive Board and the reasonableness of
accounting estimates made by the Executive Board and related disclosures.
－ Conclude on the appropriateness of the Executive Board's use of the going concern basis of accounting and,
based on the audit evidence obtained, whether ▶ material uncertainty exists related to events or conditions
that may cast significant doubt on the Group's ability to continue as ▶ going concern. If we conclude that ▶
material uncertainty exists, we are required to draw attention in the auditor's report to the related
disclosures in the consolidated financial statements and in the Group Management Report or, if such
disclosures are inadequate, to modify our respective opinions. Our conclusions are based on the audit evidence
obtained up to the date of our auditor's report. However, future events or conditions may cause the Group to
cease to be able to continue as ▶ going concern.
－ Evaluate the overall presentation, structure and content of the consolidated financial statements, including
the disclosures, and whether the consolidated financial statements present the underlying transactions and
events in ▶ manner that the consolidated financial statements give ▶ true and fair view of the assets,
liabilities, financial position and financial performance of the Group in compliance with IFRSs as adopted by
the EU as well as with IFRSs as adopted by the International Accounting Standards Board and the additional
requirements of German commercial law pursuant to Section 315e(1) HGB.
－ Obtain sufficient appropriate audit evidence regarding the financial information of the entities or business
activities within the Group to express opinions on the consolidated financial statements and on the Group
Management Report. We are responsible for the direction, supervision and performance of the group audit. We
remain solely responsible for our opinions.
－ Evaluate the consistency of the Group Management Report with the consolidated financial statements, its
conformity with German law, and the view of the Group's position it provides.
－ Perform audit procedures on the prospective information presented by the Executive Board in the Group
Management Report. On the basis of sufficient appropriate audit evidence we evaluate, in particular, the
significant assumptions used by Executive Board as ▶ basis for the prospective information, and evaluate the
proper derivation of the prospective information from these assumptions. We do not express ▶ separate opinion
on the prospective information and on the assumptions used as ▶ basis. There is ▶ substantial unavoidable risk
that future events will differ materially from the prospective information.
We communicate with the Supervisory Board regarding, among other matters, the planned scope and timing of the
audit and significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify
during our audit.
We also provide the Supervisory Board with ▶ statement that we have complied with relevant independence
requirements, and communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to
bear on our independence, and where applicable the related safeguards.
From the matters communicated with the Supervisory Board, we determine those matters that were of most
significance in the audit of the consolidated financial statements of the current period and are therefore the
key audit matters. We describe these matters in our auditor's report, unless law or regulation precludes public
disclosure about the matter.
Other Legal and Regulatory Requirements
Report on Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated Financial Statements pursuant to PCAOB
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Opinion on Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated Financial Statements
We have audited the internal control over financial reporting in the consolidated financial statements of SAP SE,
Walldorf, and its subsidiaries in place as at December 31, 2018. This control system is based on criteria set out
in the Internal Control – Integrated Framework (2013) issued by the Committee of Sponsoring Organizations of the
Treadway Commission (COSO).
In our opinion, SAP maintained, in all material respects, effective internal control over financial reporting in
the consolidated financial statements as at December 31, 2018 based on the criteria set out in the Internal
Control – Integrated Framework (2013) issued by the COSO.
Executive Board's and Supervisory Board's Responsibility for the Internal Control over Financial
Reporting in the Consolidated Financial Statements
SAP SE's Executive Board is responsible for maintaining effective internal control over financial reporting in
the consolidated financial statements and assessing its effectiveness, which is included in the Executive Board's
report on the internal control over consolidated financial reporting.
A company's internal control over financial reporting in the consolidated financial statements is ▶ process
designed to provide reasonable assurance regarding the reliability of financial reporting in the consolidated
financial statements and the preparation of financial statements for external purposes in accordance with
generally accepted accounting principles. A company's internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements includes policies and procedures to (1) ensure an accounting system that in
reasonable detail accurately and fairly reflects the transactions and dispositions of the company's assets, (2)
provide reasonable assurance that transactions are recorded as necessary to permit preparation of financial
statements in accordance with generally accepted accounting principles, and (3) provide reasonable assurance
regarding prevention or timely detection of unauthorized acquisition, use or disposition of the company's assets
that could have ▶ material effect on the financial statements.
Because of its inherent limitations, internal control over financial reporting may not prevent or detect material
misstatements. Also, projections of any evaluation of effectiveness to future periods are subject to the risk
that controls may become inadequate because of changes in conditions, or that the degree of compliance with the
policies or procedures may deteriorate.
The Supervisory Board is responsible for overseeing the Group's internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements
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Auditor's Responsibility for the Internal Control over Financial Reporting in the Consolidated
Financial Statements
Our responsibility is to express an opinion on the internal control over financial reporting in the consolidated
financial statements based on our audit. We conducted our audit in accordance with the standards of the Public
Company Accounting Oversight Board (United States). Those standards require that we plan and perform the audits
to obtain reasonable assurance about whether effective internal control over financial reporting in the
consolidated financial statements was maintained in all material respects. Our audit of internal control over
financial reporting in the consolidated financial statements included obtaining an understanding of internal
control over financial reporting, assessing the risk of material deficiencies in internal control, testing and
evaluating the design and operating effectiveness of internal control based on this assessment, and performing
such other procedures as we considered necessary in the circumstances.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide ▶ basis for our
opinion.
Further Information pursuant to Article 10 of the EU Audit Regulation
We were elected as group auditor at the annual general meeting on May 17, 2018. We were engaged by the Chairman
of the Audit Committee of the Supervisory Board of SAP SE on May 29, 2018, and this engagement was confirmed on
August 9, 2018. We have been the group auditor of SAP SE without interruption since the financial year 2002.
We declare that the opinions expressed in this auditor's report are consistent with the additional report to the
audit committee pursuant to Article 11 of the EU Audit Regulation (long-form audit report).
In addition to the financial statement audit, we have provided to group entities the following services that are
not disclosed in the consolidated financial statements or in the Group Management Report:
We audited the financial statements of SAP SE and performed various financial statement audits at subsidiaries.
Furthermore, other assurance services required by law or on ▶ contractual basis were performed, including an
assurance engagement on selected qualitative and quantitative sustainability disclosures of the Integrated Report
2018, an EMIR assurance service pursuant to section 20 of German Securities Trading Act [WpHG], assurance
services related to software products, and the issuance of two comfort letters in connection with debt offerings
of SAP SE.
German Public Auditor Responsible for the Engagement
The German Public Auditor responsible for the engagement is Bodo Rackwitz.
Mannheim, February 20, 2019
KPMG AG
Wirtschaftsprüfungsgesellschaft
[Original German version signed by:]
Rackwitz Schneider
Wirtschaftsprüfer Wirtschaftsprüferin
[German Public Auditor] [German Public Auditor]
上記は、監査報告書の原文に記載された事項を電子化したものであり、その原本は提出会社が別途保管しております。
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