OPコーポレート・バンク・ピーエルシー(OP Corporate Bank plc) 有価証券報告書 第12期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
提出書類 | 有価証券報告書-第12期(平成30年1月1日-平成30年12月31日) |
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提出日 | |
提出者 | OPコーポレート・バンク・ピーエルシー(OP Corporate Bank plc) |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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OPコーポレート・バンク・ピーエルシー(OP Corporate Bank plc)(E27113)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第 24 条第 1 項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2019 年 6 月 27 日
【事業年度】 自 2018 年 1 月 1 日 至 2018 年 12 月 31 日
【会社名】 OP コーポレート・バンク・ピーエルシー
(OP Corporate Bank plc)
【代表者の役職氏名】 ローリ・イロニエミ
(Lauri Iloniemi)
グループ ・ホールセール・ファンディング部門責任者
(Head of Group Wholesale Funding)
ペッカ・モイシオ
(Pekka Moisio)
グループ流動性・市場リスク部門取締役
【本店の所在の場所】 フィンランド共和国 ヘルシンキ市 00510
ゲブハルディナウキオ 1
(Gebhardinaukio 1, 00510 Helsinki, Finland)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 吉井 一浩
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町 1-1-1
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1061
【事務連絡者氏名】 弁護士 井上 貴美子
同 牧 大祐
同 小野 領斗
【連絡場所】 東京都千代田区大手町 1-1-1
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
【電話番号】 03-6775-1157/1365/1444
【縦覧に供する場所】 該当事項なし。
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( 注 1) 本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の用語は下記の意味を有するものとする。
「 CRD Ⅳ」とは、 ( ⅰ )CRD Ⅳ指令、 ( ⅱ )CRD Ⅳ規則並びに ( ⅲ )CRD Ⅳ指令及び CRD Ⅳ規
則により義務付けられる範囲において、当行又は当行及びその子会社
に適用され、かつ金融商品が (( 場合により ) 単体又は連結で ) 当行又は
当行及びその子会社の法定資本に含まれるにあたり充足されるべき要
件を ( 単独で又はその他の法令若しくは規制と併せて ) 規定する一切の
法定資本に関する法令若しくは規制、又はその他の要件 ( 疑義を避ける
ために付言すると、欧州銀行監督機構 ( 又はその後継機関若しくは代替
機関 )( 以下「 EBA 」という。 ) により公表された一切の規制における技
術的基準を含む。 ) をいう。
「 CRD Ⅳ規則」とは、 2013 年 6 月 26 日付の金融機関及び投資会社の財務健全性の要件を規定す
る欧州議会及び欧州理事会による規則 (EU 規則第 575/2013 号 )( 改正又は
差換えを含む。 ) をいう。
「 CRD Ⅳ指令」とは、 2013 年 6 月 26 日付の金融機関の活動並びに金融機関及び投資会社の財務
健全性の監督を目的とする欧州議会及び欧州理事会による指令 (EU 指令
第 2013/36 号 )( 改正又は差換えを含む。 ) をいう。
「 OP カスタマー・サービシズ」と OP カスタマー・サービシズ・リミテッド ( 従前の OP プロセス・サービシ
は、 ズ・リミテッド ) をいう。
「 OP バンク・グループ」とは、 2007 年 9 月までの、 OP フィナンシャル・グループを指す名称をいう。
「 OP- ポヨラ・グループ」とは、 2015 年 1 月までの、 OP フィナンシャル・グループを指す名称をいう。
「 OP フィナンシャル・グループ」 ( a )OP 協同組合、 ( b ) 会員協同組合銀行、 ( c )OP コーポレート ・バン
とは、 ク・ピーエルシー、 ( d )OP 協同組合の子会社 ( 本書の日付現在に存在す
るかそれ以降に設立されるかにかかわらず ) 及び ( e ) その時々に存在す
る連合法第 1 章第 2 条に記載される協同組合銀行を除く会員信用機関 (OP
カード・カンパニー・ピーエルシー、 OP モーゲージ・バンク及び OP カ
スタマー・サービシズ・リミテッドを含むがそれらに限られない。 ) を
いう。
「 OP 協同組合」とは、 OP フィナンシャル・グループの中核機関 ( 従前の OP- ポヨラ・グループ
中央協同組合 )( フィンランド語では「 OP Osuuskunta 」という。 ) をい
う。
「 OP ヘルシンキ」とは、 ヘルシンキ地域協同組合銀行をいう。
「 OP 協同組合 ( 連結 ) 」とは、 OP 協同組合及び当該親会社又はそのいずれかの子会社により完全に、
又はその過半数を所有される機関をいう。
「会員協同組合銀行」とは、 連合法に基づき、 OP フィナンシャル・グループを構成する約 153 行の OP
協同組合銀行をいう。
「会員信用機関」とは、 当行、 OP カード・カンパニー・ピーエルシー、 OP モーゲージ・バン
ク、 OP カスタマー・サービシズ・リミテッド及び OP ヘルシンキを含む
会員協同組合銀行をいう。
「 OP 協同組合銀行」とは、 OP 協同組合の金融コンソーシアムの会員協同組合銀行をいう。
「協同組合銀行法」とは、 協同組合銀行及びその他の信用機関に関するフィンランドの法律 ( Laki
osuuspankeista ja muista osuuskuntamuotoisista
luottolaitoksista, 423/2013)( 改正を含む。 ) をいう。
「協同組合法」とは、 フィンランドの協同組合法 ( Osuuskuntalaki, 421/2013)( 改正を含
む。 ) をいう。
「信用機関法」とは、 フィンランドの信用機関法 ( Laki luottolaitostoiminnasta,
610/2014)( 改正を含む。 ) をいう。
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「当行」又は「 OP コーポレート・ OP コーポレート ・バンク・ピーエルシー をいう。
バンク」とは、
「投資サービス法」とは、 フィンランドの投資サービス法 ( Sijoituspalvelulaki, 747/2012)( 改
正を含む。 ) をいう。
「フィンランド」とは、 フィンランド共和国をいう。
「当グループ」又は「 OP コーポ 当行及びその子会社をいう。
レート・バンク・グループ」と
は、
「連合法」とは、 フィンランドの預金受入銀行の連合に関する法律 ( Laki
talletuspankkien yhteenliittymästä, 599/2010)( 改正を含む。 ) をい
う。
( 注 2) 別段の記載がある場合を除き、「ドル」、「米ドル」及び「 US$ 」はアメリカ合衆国の通貨を指し、「ユーロ」、
「 EUR 」及び「 € 」は欧州連合の機能に関する条約 ( 改正を含む。 ) に基づき欧州経済通貨統合の第 3 段階の開始時に
導入された単一の通貨を指し、「円」、「日本円」及び「¥」は日本国の通貨を指し、「加盟国」は欧州経済地域
の加盟国を指す。 2019 年 6 月 ▶ 日 ( 日本時間 ) 現在、株式会社三菱 UFJ 銀行が提示した対顧客電信売買相場の仲値は、 1
ユーロ= 121.39 円であった。本書におけるユーロから日本円への換算額は、読者の便宜のためにのみ記載するもの
であり、ユーロ額が上記レートで日本円に換算されることを示すものと解してはならない。
( 注 3) 本書中の表における数値が四捨五入されている場合、合計の数値は必ずしも関連する各数値の合計と一致しない。
( 注 4) 本書中における経営陣の現在の予測、考え、見積り、予想、見通し及び想定を表現しているすべての将来の見通し
に関する記述は、経営環境の将来的な発展並びに当グループ及びその様々な機能による将来的な財務実績に対する
現在の見解に基づくものであり、実際の結果は将来の見通しに関する記述と大幅に異なる可能性がある。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
日本において下された判決の強制執行
日本の裁判所において下された判決は、フィンランドにおいて強制執行することができず、その強制執行
にはフィンランドの強制執行権原 ( すなわち、フィンランドの裁判所の判決 ) が必要となる。かかる効力を得
るためにフィンランドの裁判所の判決又は命令を求める場合、日本の裁判所の判決が、関係する訴訟の事実
問題に関する状況証拠及び当該問題に適用のある準拠法の証拠となる。
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当行は、フィンランド法に基づき、公開有限責任会社として組織されている。当行は、フィンランドの有
限責任会社法 (624/2006)( 改正を含む。 )( 以下「会社法」という。 ) に定める規制に服する。会社法は、とり
わけ、当行の組織、定款、資産の分配及び資本の構造に関する規則を定めている。
当行は、信用機関として行為するための免許を有しており、また、さらには信用機関法、有限責任会社で
ある商業銀行及びその他の信用機関に関する法 (1501/2001)( 改正を含む。 )( 以下「商業銀行法」という。 ) 並
びに連合法に規定されるフィンランドの規制に服する。
信用機関法は、フィンランドの信用機関に関する自己資本規制、事業活動、報告義務等を規制する主要な
法律である。信用機関に関する欧州連合の指令及び規則の施行は、フィンランド国内では大部分において信
用機関法によって完了した。当行は、 CRD Ⅳ規則に基づき、その法定資本要件を算出している。当行のよう
な預金受入銀行の事業活動は、信用機関法に基づき、下記のような業務で構成することが認められている。
(1) 一般からの預金及びその他の払戻しが可能な資金の獲得
(2) その他の資金の獲得
(3) 信用供与及びその他の方法での資金供給並びにその他の資金供給の促進
(4) ファイナンス・リース
(5) 一般的な支払送金及びその他の支払取引
(6) 電子マネーの発行、関連データの処理及びその他の事業のための電子機器に関するデータの蓄積
(7) 代金回収
(8) 為替
(9) 信託業務
(10) 証券取引及びその他の証券業務
(11) 保証業務
(12) 信用照会業務
(13) 証券仲介業務、住宅会社への関与及び住宅貯蓄活動に関連する家族住宅不動産の仲介業務
(14) 上記 (1) ないし (13) で言及される業務と同等又は密接に関連するその他の業務
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また、預金受入銀行は、郵便業務の免許保有者と締結した契約に基づく郵便サービスに従事することが可
能であり、さらに、同じグループ又は預金受入銀行間の連合組織に属する事業の管理に関するサービスを提
供 することができる。
預金受入銀行の定款又は規則には、当該預金受入銀行が投資サービス法第 1 章第 15 節及び第 2 章第 3 条 に基づ
く投資サービスを提供するか否かが記載される。当行の定款に基づき、当行は、かかるサービスを提供する
ことができる。
商業銀行法には、有限責任会社である信用機関に対する追加条項が含まれている。同法は、例えば信用機
関の合併、分割及び清算といった取決めの履行に関するさらなる要件を課すことにより会社法を補完する。
当行は、連合法に基づく預金受入銀行の連合組織のメンバーであるため、中核機関の他の会員信用機関の
清算を防止するために必要なすべての支援策への参加及び連合法に記載される他の会員信用機関の負債返済
に対する義務を負う。ただし、連合法に従い、会員信用機関の支払義務は、自己資本若しくは連結自己資本
が最低自己資本要件を下回るか、又は支払義務を履行した結果最低自己資本要件を下回ることとなる会員信
用機関には、適用されない。
さらに、当行の業務は、別立ての章で記載のとおり、当行の定款に従う。定款は、当行を統制する基本原
則について定めている。会社法の規定が強行法規でない限り、当行を統制する規則は主に定款において合意
することが認められている。会社法に加え、会員信用機関及び銀行を規制する上述の法は、当行の定款の規
制に関する諸要件について定めている。
当行のシリーズ A 株式は、 2014 年 9 月 30 日にナスダック・ヘルシンキ証券取引所から上場廃止となった。
「第2 企業の概況-2 沿革」も参照のこと。
会社組織
会社法に基づき、有限責任会社は、取締役会を有しなければならない。監督委員会の選任は任意であ り、
当行は、監督委員会は設置していない。 会社法上は、常務取締役の選任は任意であるが、商業銀行法上は、
常務取締役及び 専務取締役の選任は 当行に 義務付けられており、当行はいずれも任命した。 当行の取締役会
は、本書提出日現在、会長 1 名及び取締役 ▶ 名で構成されている。
株式資本
信用機関に要求される最低資本金は、法的形態にかかわらず 5,000,000 ユーロである。当行の株式資本は、
本書提出日現在、 427,617,463.01 ユーロである。
株式
OP 協同組合は、 2014 年に当行の全株式について公開買付を完了し、 2014 年 10 月 7 日付で当行の唯一の株主と
して株主登録簿に登録された。 OP 協同組合は、 2014 年 11 月 18 日、当行の唯一の株主として、当行の株式を振
替証券制度の適用外とし、当行のシリーズ A 株式及びシリーズ K 株式を単一のシリーズの株式に統合すること
を決定した。当行の株式資本は、株式 1 株につき議決権 1 個及び均等の権利が付帯される単一の種類の普通株
式で構成される。当行の発行済株式総数は、 201 8 年 12 月 31 日現在、 319,551,415 株である。
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会社法に基づき、株式の譲渡又は取得に関する規制は、買戻条項及び同意条項の形においてのみ会社の定
款に含めることができる。定款に組み込まれた買戻条項においては、株主、会社又はその他の個人は、会社
以外の株主によって第三者に譲渡される予定の株式を買い戻す権利を有すると定めることができる。同意条
項 に関しては、譲渡による株式の取得に、当該会社の同意を必要とすることができる。当行の定款にはいか
なる買戻条項及び同意条項も含まれていない。
議決権
会社法に基づき、株主総会で扱われるすべての議題において、株式 1 株につき議決権 1 個が付帯する。しか
し、株式の種類ごとに異なる議決権を有するよう定款で定めることができる。また、株式が議決権を有さ
ず、又は株主総会で扱われる特定の議題に関して議決権を有しないことを定款に規定することもできる。株
主総会で扱われる各議題に関して、かかる条項は、会社の株式の一部にのみ関連する可能性がある。
定款に別段の定めのない限り、すべての株主は、株主総会への出席に係る株式が表章する全議決権を行使
することができる。会社法に別段の定めがない限り、過半数の投票によって支持された議案は、株主総会の
決議を構成する。決議が特定多数決によってなされなければならない場合、株主総会における 3 分の 2 以上の
議決権及び株式が表章する支持を受けた議案により決議が構成される。会社法又は定款に別段の定めがない
限り、下記の決議は特定多数決によって決議される。
(1) 定款の変更
(2) 指定株式の発行
(3) オプション及び株式に付与されるその他の特別の権利の発行
(4) 公開会社の自己株式の取得及び償還
(5) 自己株式の指定取得
(6) 合併
(7) 分割
(8) 清算の開始及び清算の結了
種類株式の権利の変更といった定款の変更に関連する諸問題については、株主総会への出席に係る各種類
株式の中でさらに特定多数決がなされる必要がある。とりわけ会社の利益若しくは純資産に関する株主の権
利が定款の条項により減じられる場合、又は上述の買戻条項若しくは同意条項を定款に導入することにより
株主が株式を取得する権利が制限される場合の定款の改正には、それぞれ各株主の承諾を得る必要がある。
株主総会
株主は、株主総会において意思決定の権利を行使する。さらに、株主は、株主総会を開催せずに全会一致
で株主総会の権限の範囲内の事項を決定することができる。
株主総会は、会社法に基づく権限の範囲内の事項について決定を行う。また、常務取締役及び取締役会の
一般的な権限の範囲内の事項について株主総会が決定を行うことを定款に定めることができる。また、個別
の事由について、上記の定款における特別の規定なしに、株主は、取締役会又は常務取締役の一般的な権限
の範囲内の事項について全会一致で決定を行うことができる。
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会社法は、定時株主総会及び臨時株主総会という 2 種類の株主総会を認めている。定時株主総会は、とりわ
け財務書類の承認、貸借対照表に示された利益の使途及び取締役の任命について決定を行う。臨時株主総会
は、 例えば定款の規定に従って又は必要であると取締役会が考えた場合に開催される。
取締役会
取締役会は、会社の管理及び適切な組織運営の統制を行う ( 一般的な権限 ) 。取締役会は、会社の会計及び
財務の統制に対する適切な調整について責任を負う。
定款において特定多数決が求められていない限り、過半数の見解が取締役会の決定となる。当行のような
公開有限責任会社では、取締役の任期は、取締役が任命された翌年の定時株主総会の閉会をもって終了す
る。
常務取締役
常務取締役は、取締役会により任命される。常務取締役は、取締役会による指示及び命令に従い、会社の
業務執行・経営を引き受ける ( 一般的な権限 ) 。さらに、常務取締役は、会社の会計が法律を遵守しており、
財務が信頼性のある方法で執り行われていることを確認する。常務取締役は、取締役の義務の履行に必要な
情報を取締役に提供する。
経営陣の責任
取締役会及び常務取締役は、会社の目的に従い、相当な注意義務をもって会社の利益を向上させる。定款
に別段の定めがない限り、会社の目的は株主の利益を創出することである。したがって、経営陣は、会社及
びその株主に対する受託者の義務を負う。
取締役及び常務取締役は、故意又は過失による受託者の義務の違反の結果として生じた会社の損害に対す
る責任を負う。また、損害が定款又は経営陣に受託者の義務を課す規定以外の会社法の規定の違反に起因す
るものである場合、取締役及び常務取締役は、故意又は過失により、会社、株主又は第三者に対して与えた
損害に対して同様の責任を負う。
資産の分配
会社の資産は、会社法の規定に従う場合のみ、以下の方法で株主に分配することができる。
(1) 利益の分配 ( 配当 ) 及び非制限株主資本の準備金からの資産の分配
(2) 株式資本の減少
(3) 自己株式の取得及び償還
(4) 会社の解散及び登録抹消
業務上の妥当な理由なく会社の資産を減少させる又は負債を増加させる上記以外の取引は、違法な資産の
分配である。さらに、分配を決定する時点において、会社が破産状態にある場合、又は分配により会社が破
産状態になることが知られている若しくは知られるであろう場合、資産の分配を行ってはならない。
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また、会社法には少数株主への配当に関する規定も含まれている。定時株主総会において、総株式の 10 分
の 1 以上を保有する株主による要求があった場合、会計期間における半分以上の利益から定款に基づき分配を
行うことができない額を控除した額が、配当として分配される。
資本の構造及び会計
会社の株主資本は制限株主資本と非制限株主資本に分類される。制限株主資本は、株式資本及び会計法
( Kirjanpitolaki , 1336/1997 )( 改正を含む。 ) に定義される再評価準備金等の一定の準備金により構成され
る。非制限株主資本は、当会計期間及び前会計期間における利益並びに制限株主資本に帰属するものとして
別個に定義されていない準備金により構成される。
投資した非制限株主資本の準備金は、会社の非制限株主資本の一部である。準備金は、とりわけ株式発行
の決定に従い株式資本として記帳されない株式及び会計法に基づき負債として記帳されない株式の申込価格
の一部として、その他の準備金として記帳されない他の株式による流入額とともに記帳される。
会社法の一定の規定に加え、財務書類及び年次報告書は、会計法及び信用機関法の規定に従い作成され
る。グループの親会社としての役割により、当行は連結財務書類を作成しなければならない。会社は、とり
わけ株式の種類毎の発行済株式数並びに会社の構造及び会社の資金調達に関する調整についての情報により
構成される財務書類に関し、年次報告書も公表する。
当行は、信用機関法の意味における信用機関であるため、これに関する欧州連合の規制及び地域で直接的
に適用がある又は地域で施行されている厳格な資本要件を遵守しなければならない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は当行の定款の概要である。
事業ライン
当行は OP フィナンシャル・グループの会員協同組合銀行の中核金融機関であり、商業銀行として、信用機
関法に記載の事業活動に従事している。中核金融機関としての当行の特別な目的は、協同組合及び OP フィナ
ンシャル・グループに属するその他の機関の運営を促進することである。当行は、金融機関及び保険会社並
びにその他の組織における株式及びその他の持分を保有し、管理することができ、また、投資活動に従事す
ることができる。当行は投資サービス法第 1 章第 1 5 節に規定される投資サービスを提供する。
預金受入銀行の連合組織の構成
当行、連合組織の中核機関としての OP 協同組合、連結グループに属する他の会社、連結グループに属する
中核機関の会員信用機関及び会員会社、並びに上記の機関が共同で半数超の持分を有する信用機関、金融機
関及びサービス会社が、連合法に記載の連合組織を構成している。当行は、 OP 協同組合の一員であり、上記
の連合組織の一員である。
当行には、中核機関の他の会員信用機関の清算を防止することを目的とした所要の支援措置に参加し、連
合法第 5 節に記載のとおり他の会員信用機関の負債を支払う義務がある。
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中核機関は、連合法に定める当行の業務を監督し、当行が遵守しなければならない、上記第 5 節に規定され
る運営原則を確認し、また、流動性及び自己資本の充実を確保するため、リスク管理、良好なコーポレー
ト・ガバナンス並びに内部統制に関する指示のほか、連合組織の連結財務書類の作成における統一会計方針
の 遵守に関する指示を当行に与える。
年次株主総会
年次株主総会は事業年度の終了日から 6 ヶ月以内の取締役会が指定した日に開催されるものとする。
年次株主総会では、財務書類及び取締役会報告書が提示されるものとし、財務書類の承認、貸借対照表に
提示された利益の配分、取締役会の構成員及び常務取締役の責任の免除、取締役会の構成員数及びその報酬
並びに監査役報酬が決定され、取締役会の構成員及び監査役が選任され、かつ年次株主総会招集通知に記載
のその他の事項について検討が行われるものとする。
頭取兼最高経営責任者
当行の頭取兼最高経営責任者は取締役会により任命される。
2【外国為替管理制度】
本書提出日現在、フィンランドにおいて、日本で発行された当行の社債 ( 以下「本社債」という。 ) の社債
権者 ( 以下「本社債権者」という。 ) への元本の支払い又は利息の支払いを制限する外国為替管理制限は存在
しない。また、本書提出日現在、フィンランド国外に居住する本社債権者が保有する本社債を処分し、フィ
ンランド国外における本社債の処分からの対価を受領する権利に影響を与える制限は存在しない。
フィンランドへ移転できる額又はフィンランドから移転できる額の上限は存在しない。フィンランド国外
の本社債権者への利息の支払いを行う場合、当行はフィンランドの税務当局に報告するよう義務付けられて
いる。かかる情報は、本社債権者が居住する国の当局にも伝達される場合がある。
3【課税上の取扱い】
(1) フィンランドの租税
以下は、当行のフィンランドの現行法及び慣行の理解に基づく一般的な性質の記載である。かかる記載
は、本社債権者である者の地位にのみ関連する。かかる記載は、ディーラー等の一定の種類の者には適用さ
れない場合がある。本社債を保有しようとする者は、専門のアドバイザーに相談すべきである。また、フィ
ンランドの税法は、遡及的に改正される可能性もあることに留意すべきである。
本社債の課税
フィンランドにおける現行の国内税法に基づき、本社債に係る支払いは、フィンランドによって若しくは
フィンランド内において、又はその自治体若しくはその他の下部行政主体若しくはそれらの課税当局若しく
はそれらの域内における課税当局によって、課されるか又は徴収される一切のいかなる性質の税金、関税及
び費用も免除される。ただし、かかる支払いに関する本社債の保有者が、かかる本社債を所持していること
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又はこれにより収入を受領していること以外に、フィンランドに関連していることを理由とする課税を除
く。支払者には、支払いを受ける者が税法上フィンランドの居住者ではないことを確認する義務がある。支
払 いを受ける者には、支払者に対して、自身が非居住者の投資家であることを開示する義務がある。支払い
を受ける者がかかる情報の開示を怠った場合であって、フィンランド 法において 本社債に関する支払いから
源泉徴収又は控除を行う 必要がある場合、 当行は、本社債に関する支払いから源泉徴収又は控除を行うこと
ができ 、かつ当行が 支払いを受ける者 に対しいかなる加算金を支払う必要もない 。
フィンランドのキャピタル・ゲイン税
本社債権者が税務上、フィンランドの非居住者であり、またフィンランドにおける恒久的施設又は固定の
事業所を通じて取引又は事業を行っていない場合、本社債の売却又は償還により実現した利益に対して、
フィンランドの関税又は税金は課されない。
(2) 日本における課税上の取扱い
(ⅰ) 日本の居住者が支払いを受ける本社債の利息は、日本の租税に関する現行法令上 20.315 % ( 所得税、
復興特別所得税及び地方税の合計 ) の源泉所得税を課される。さらに、日本の居住者は、申告不要制
度又は申告分離課税を選択することができ、申告分離課税を選択した場合、 20.315 % ( 所得税、復興
特別所得税及び地方税の合計 ) の税率が適用される。日本の内国法人が支払いを受ける本社債の利息
は、 15.315 % ( 所得税及び復興特別所得税の合計 ) の源泉所得税を課される。当該利息は当該法人の課
税所得に含められ、日本の所得に関する租税の課税対象となる。ただし、当該法人は当該源泉所得税
額を、一定の制限の下で、日本の所得に関する租税から控除することができる。
(ⅱ) 本社債の譲渡又は償還による損益のうち、日本の居住者に帰属する譲渡益又は償還差益は、 20.315 %
( 所得税、復興特別所得税及び地方税の合計 ) の税率による申告分離課税の対象となる。ただし、特定
口座のうち当該口座内で生じる所得に対する源泉徴収を日本の居住者が選択したもの ( 源泉徴収選択
口座 ) における本社債の譲渡又は償還による所得は、確定申告を不要とすることができ、その場合の
源泉徴収税率は、申告分離課税における税率と同じである。日本の内国法人に帰属する譲渡損益又は
償還差損益は当該法人のその事業年度の日本の租税の課税対象となる所得の金額を構成する。
(ⅲ) 日本の居住者は、本社債の利息、譲渡損益及び償還差損益について、一定の条件で、他の債券や上場
株式等の譲渡所得、利子所得及び配当所得と損益通算及び繰越控除を行うことができる。
(iv) 本社債に係る利息及び償還差益並びに本社債の譲渡により生ずる所得で、日本に恒久的施設を持たな
い日本の非居住者及び外国法人に帰属するものは、日本の所得に関する租税は課されない。
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4【法律意見】
当行のフィンランド法に関する法律顧問であるハンズ・スネルマン・アトーニーズ・リミテッドより、 大
要、以下の趣旨の法律意見書が出されている。
( イ ) 当行は、 フィンランド 法に基づく公開有限責任会社である銀行として適法に設立され、かつ有効に存続
しており、本書に記載された事業を営み、その財産を所有及び運用するすべての権限及び権能を与えら
れている。
( ロ ) 本書中の フィンランド の法令に関するすべての記述は、すべての重要な点において真実かつ正確であ
る。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
OP コーポレート・バンク・ピーエルシー
連結
12 月 31 日に終了した年度
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
*
収益合計 ( 百万ユーロ ) 1,139 1,173 1,037 1,117 1,046
税引前利益 ( 百万ユーロ ) 584 652 504 535 439
税引後利益 ( 百万ユーロ ) 470 527 402 430 352
包括利益合計 ( 百万ユーロ ) 493 466 416 400 241
株主資本合計 ( 株主資本、百万ユー
ロ ) 3,408 3,741 4,005 4,149 4,147
総資産額 ( 百万ユーロ ) 50,498 58,964 62,974 64,445 66,710
1 株当たり株主資本 ( ユーロ ) 10.38 11.38 12.19 12.8 12.7
1 株当たり利益 ( シリーズ A 株式 )
** ** ** ** **
( ユーロ ) 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
1 株当たり利益 ( シリーズ K 株式 )
** ** ** ** **
( ユーロ ) 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
***
Tier 1 比率 ( % )
13.4 15.0 15.5 16.7 15.5
株主資本利益率 ( % ) 14.3 14.8 10.4 10.6 8.5
** ** ** ** **
株価収益率 ( % ) 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし 該当なし
営業活動から生じた ( に使用した )
純資金 ( 百万ユーロ ) 719 2,850 569 6,617 -3,500
投資活動から生じた ( に使用した )
純資金 ( 百万ユーロ ) 34 11 -106 -67 23
財務活動から生じた ( に使用した )
純資金 ( 百万ユーロ ) 881 1,636 367 -2,609 3,258
現金及び現金同等物 ( 百万ユーロ ) 4,306 8,803 9,633 13,575 13,355
従業員数 ( 人 ) 2,503 2,295 2,454 2,452 2,507
* 2010 年以降の当グループの利益分析において、収益合計に債権の減損は含まれていない。
)
**
OP 協同組合の公開買付完了後、 2014 年 11 月 28 日に、当行の株式は振替証券制度の適用外となり、 シリーズ A 株
)
式及びシリーズ K 株式は単一のシリーズの株式に統合された。 2014 年 12 月 31 日以降の 1 株当たり利益及び株価
収益率は公表されていない。
***
当グループは 2014 年 12 月 31 日、 2015 年 12 月 31 日、 2016 年 12 月 31 日、 2017 年 12 月 31 日及び 2018 年 12 月 31 日現在
)
のその自己資本を、 2014 年 1 月 1 日に施行された EU 資本要件規則及び指令 (EU 規則第 575/2013 号 )( 以下「 CRR 規
則」という。 ) に従って示した。
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単体
12 月 31 日に終了した年度
2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年
税引前利益 ( 百万ユーロ ) 486 350 592 529 466
税引後利益 ( 百万ユーロ ) 425 225 462 394 278
株式資本 ( 百万ユーロ ) 428 428 428 428 428
純資産額 ( 株主資本、百万ユーロ ) 2,092 2,142 2,474 2,698 2,649
総資産額 ( 百万ユーロ ) 47,274 55,038 58,870 60,492 62,743
従業員数 ( 人 ) 657 632 680 672 686
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2【沿革】
( 従前 OKO バンク・ピーエルシー ( 以下「 OKO バンク」という。 ) 及びポヨラ・バンク・ピーエルシーとして知
られていた ) 当行は、 1902 年 5 月 14 日、名称をオスースカッソイェン・ケスクスラインアラハスト・オサケ
ウィヒティエ ( Osuuskassojen Keskuslainarahasto-Osakeyhtiö ) とし、ヘルシンキにおいて期限の定めなく設
立された。 OKO バンクは、 2008 年 3 月 1 日にポヨラ・バンク・ピーエルシーに名称を変更した。ポヨラ・バン
ク・ピーエルシーは、 2016 年 ▶ 月 ▶ 日に OP コーポレート・バンク・ピーエルシーに名称を変更した。当行は、
フィンランド法に基づき、公開有限責任会社として組織されている。
以下、 OP フィナンシャル・グループの一員としての当行の沿革の概要である。
20 世紀初期
1902 年 5 月 14 日、オスースカッソイェン・ケスクスラインアラハスト・オサケウィヒティエ ( 協同組合有限
責任会社中央貸出基金 ) が設立された。
1912 年、 パロヴァックトゥス・オサケウィヒティエ・ポヨラ (2005 年に OP- ポヨラが取得し、後に損害保険
会社に発展 ) は、ヘルシンキ証券取引所に参加した。
戦時中及び戦後 (1939 年 -1955 年 )
戦後の復興期において、協同信用組合組織の市場シェアはまず貸付において増加し、数年内には、預金に
おいて最大 10 パーセント・ポイント増加した。このフィンランドの銀行史上最も急激な市場シェアの変化の
結果、協同組合銀行は老舗銀行グループと同格となった。
1941 年、 OKO バンクは、住宅抵当金融銀行業務を開始した。
1950 年代
1950 年代初期には、農村部から都市部への移住が増大した。これはまた協同信用組合の業務の中心が都市
部へ移行することを意味し、協同信用組合に対して住宅ローンを提供し、新たな都市生活者のための住宅建
築に携わるという課題を示した。
1955 年から 1969 年の間、協同信用組合の市場シェアは順調に拡大し、協同信用組合の新しい環境への順応
性を証明した。
協同信用組合に対する多額の預金を受けて、中核銀行としての OKO バンクに預けられた資金は増加した。そ
の結果、 OKO バンクは、事業に資金を提供するためのより良い地位を築くこととなった。 OKO バンクは、債券
を発行することにより、主としてドイツから資金を調達し、中小企業に対する貸付を増加させた。
1970 年代
1970 年、新たな銀行法が施行され、地方銀行は商業銀行とほぼ同等の立場になった。協同信用組合は、協
同組合銀行となった。 1974 年、協同組合銀行は実際に採用されていたアプローチを受け入れ、それに従い、
一般銀行として全国民に平等にサービスを提供した。
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協同組合銀行の市場シェアは 1970 年代初期から順調に拡大した。 1980 年代中期、フィンランド・マルッカ
(FIM) の市場シェアは約 25 %に達した。協同組合銀行は顧客の間で好評となり、このことが協同組合銀行の成
功に大きく貢献した。顧客は、協同組合銀行をパーソナル・バンキングを中心に扱う信頼性のある銀行とみ
な した。
1976 年、 OKO バンク及び 5 つの西ヨーロッパの協同組合銀行は、ロンドンに中央協同組合銀行のためにユニ
コ・バンキング・グループを設立した。
1980 年代
第 2 次世界大戦以降に導入された銀行システムは、 1980 年代において緩和された。銀行資金は、統制が解除
され、銀行事業の本質が変化した。かつての「調整者」は、短期間で「金銭の売主」となった。しかし、協
同組合銀行及びそれらの中核銀行である OKO バンクは前進し、着実な進歩を遂げた。
地方銀行及び貯蓄銀行の競合グループの問題が顕在化すると、市場シェアは著しく増加し始めた。
1987 年、 OP ファンド・マネジメント・カンパニー・リミテッドが設立され、初のミューチュアル・ファン
ドである OP- トゥオット及び OP- カスヴを市場に導入した。
1989 年、 OKO バンクは上場会社となった。 OKO バンクは、新規株式公開を計画し、ヘルシンキ証券取引所に
その株を上場すると、約 60,000 の新規株主を得た。
1990 年代
1990 年代初期、フィンランドにおける銀行事業は類を見ない危機に直面した。この困難にもかかわらず、
OP バンク・グループは独力で危機的な時期を乗り切った。
1991 年、 OP バンク・グループはフィンランド最大の銀行グループとなった。 1993 年におけるスオメン・
サーストンパンキ・エスエスピー・オーワイの健全なビジネスの競合銀行グループへの売却は、 OP バンク・
グループの地位をより強固なものにした。預金の市場シェアは最高で約 34 %まで上昇した。
OP バンク・グループの全国規模のプレーヤーとしての役割は、貸付構造において見られる。 1996 年には、
調達した貸付の約 52 %が個人顧客口座で占められ、法人顧客は 36 %、農業及び林業の顧客は 11 %を占めた。
この 10 年間で、 OP バンク・グループはまた、世界的なレベルにおいても電子サービスの先駆者となった。
1991 年、エストニアにおいて損害保険会社が設立され、後に OP インシュアランス・リミテッド ( 従前のポヨ
ラ・インシュアランス・リミテッド ) の子会社であるシーサム・インターナショナルとなった。
1996 年、 OP ・ e サービシズが開始された。これは、ヨーロッパで初のオンライン銀行で、世界では 2 番目で
あった。
1997 年、中央協同組合銀行協会を協同組合銀行が連合した中核機関としての協同組合に転換する決断が下
された。 OP フィナンシャル・グループの協力モデルは徹底した改革を経験した。
21 世紀
2005 年、 OP バンク・グループは、以前保険グループであったポヨラ・グループ・ピーエルシーの筆頭株主
となった。 OP フィナンシャル・グループにとって歴史的意義を持つことであるが、損害保険に参入した OP バ
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ンク・グループによってこれまでに行われた取引の中で最大であった。結果として、 OP バンク・グループ
は、フィンランドにおける主要な金融サービス・グループとなった。
2007 年 9 月には、 OP- ポヨラ・グループがかかる金融サービス・グループの新たな名称となった。
2008 年 3 月には、 OKO バンクは、ポヨラ・バンク・ピーエルシーに改名された。
OP- ポヨラ・グループは新たな中心的組織とともに 2011 年を迎えた。それにより ( 現在の OP 協同組合の前身
である )OP- ポヨラ・グループ中央協同組合は 2 つの事業体に分かれ、中核機関としての OP- ポヨラ・グループ
中央協同組合は OP フィナンシャル・グループの事業を統制及び監督し、中核機関から分離したサービス企業
である OP- サービシズ・リミテッドは、 OP- ポヨラ・グループ及びその会員協同組合銀行の共有サービスの発
展及び生成の任務を負った。
2012 年、 OP- ポヨラ・グループは設立 110 周年記念を祝った。
2012 年 8 月 31 日、 OP- ポヨラ・グループの中核機関である OP- ポヨラ・グループ中央協同組合は、フィンラン
ドの新たな生命保険会社であるオーラム・インベストメント・インシュアランス・リミテッド ( 以下「オーラ
ム」という。 ) の全株式をオールド・ミューチュアル・グループの一員であるスキャンディア・ライフ・アシュ
アランス・カンパニー・リミテッドから取得した。オーラムは 2015 年 12 月 31 日に OP ライフ・アシュアラン
ス・カンパニー・リミテッドに統合された。
2012 年 9 月、 OP- ポヨラ・グループは OP- ポヨラ・グループ中央協同組合 ( 連結 ) がすべての人事グループを対
象とし、 2015 年末までに年間削減額 150 百万ユーロを達成することを目標とした再編成プログラムを開始する
ことを発表した。この目標は計画どおりに達成された。
2014 年 10 月、 ( 従前、 OP- ポヨラ・グループ中央協同組合として知られていた )OP 協同組合による当行の全株
式の公開買付後、当行は、 OP 協同組合の完全子会社となった ( 「4 関係会社の状況- OP フィナンシャル・グ
ループの一員としての当行」を参照のこと。 ) 。
2014 年 10 月 6 日、 OP フィナンシャル・グループはブランドを刷新すると発表した。従前の「 OP- ポヨラ」は
「 OP 」に変更された。「 OP- ポヨラ・グループ」の新名称である「 OP フィナンシャル・グループ」は、 2015 年
1 月 1 日より採用された。
2014 年 11 月 14 日、 OP 協同組合は、 OP 協同組合 ( 連結 ) の構造改革を継続的に計画することを発表した。 2015
年に、当行は部分的分割を実施し、これにより、当行の一定の資産及び負債は、当該分割のために設立され
た会社である OP オミスタス・ 1 ・オー・ワイに移管された。 OP 協同組合は、 OP オミスタス・ 1 ・オー・ワイの
株式 100 %を保有している。かかる部分的分割の後、グループ財務部門、コーポレート・バンキング事業部、
資本事業部及び損害保険部門は当行に残存している。当行のその他のすべての事業は分割により、 OP オミス
タス・ 1 ・オー・ワイへ移管された。新会社へ移管された事業には、ウェルス・マネジメント部門及びカー
ド・財産管理業務が含まれていた。当グループは、さらなる組織再編の可能性につき検討中であり、これに
より、例えば、損害保険部門は、当グループから移管され、 OP 協同組合の直接所有となる可能性がある。 OP
フィナンシャル・グループ全体における銀行業務は、適用ある法令に規定されるとおり、引続き連帯責任の
範囲の対象となる。
2016 年 ▶ 月 1 日、ヘルシンキ OP バンク・リミテッドは有限責任会社から協同組合銀行に転換され、ヘルシン
キ地域協同組合銀行に名称を変更した。 OP 協同組合は、ヘルシンキ地域協同組合銀行に対し、会計法第 1 章第
5 節に定義される支配的影響力を持つ。
2016 年 ▶ 月 ▶ 日、ポヨラ・バンク・ピーエルシーは OP コーポレート・バンク・ピーエルシーに名称を変更し
た。
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2017 年 12 月 18 日、 OP フィナンシャル・グループは、現在 OP インシュアランス・リミテッドが保有するバル
ト諸国を拠点とする子会社であるシーサム・インシュアランス・エー・エス ( ラトビア及びリトアニアの支店
を 含む。 ) の、すべての株式資本をヴィエンナ・インシュアランス・グループ ( 以下「 VIG 」という。 ) に売却
すると発表した。売却は、 2018 年 8 月 31 日に完了した。
2018 年 6 月 6 日、 OP 協同組合の監督委員会は、執行取締役会及び上級経営陣の担当範囲の再編の決定を発表
した。
2019 年 3 月 15 日、 OP インシュアランス・リミテッド及びエウローッパライネン・インシュアランス・カンパ
ニー・リミテッドは、後者を前者に統合する合併計画を受諾した。かかる合併の登記予定日は 2019 年 10 月 31
日である。
2019 年 ▶ 月 24 日、 OP コーポレート・バンクは、証券保管及び決済事業及び保管事業の別の子会社への移管を
決定した。かかる移管は 2019 年 8 月末までに実行される予定である。
OP フィナンシャル・グループは、 OP インシュアランス・リミテッドがポヨラ・インシュアランス・リミ
テッドに商号を変更した際に、 2019 年 6 月 1 日付で損害保険事業においてポヨラの名称を採用した。同時に、
ポヨラ・ヘルス・リミテッドの商号はポヨラ・ホスピタル・リミテッドに変更された。
「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-当グループの業務に関するリスク-当グループの予定される
組織再編に関するリスク」を参照のこと。
3【事業の内容】
当行は、会員協同組合銀行の中核金融機関であり、商業銀行として信用機関法に定められる事業運営に従
事している。当行の特別な目的は、中核金融機関として、協同組合銀行及び OP フィナンシャル・グループに
属する他の機関の活動を促進することである。
当行は、信用機関法第 5 章第 2 節及び投資サービス法第 1 章第 15 節及び第 2 章第 3 節に従い、投資サービスを提
供する権限を付与されている。これらの事業以外に、当行は会員協同組合銀行の中核金融機関であり、 OP
フィナンシャル・グループの流動性管理及び国際業務について責任を負っている。当行は、本国及び海外の
双方において顧客にサービスを提供することに注力している。提携を通じ、当行は海外においても費用効率
が良く、現地に適応した銀行サービスを顧客に提供することができる。当行は、エストニア、ラトビア及び
リトアニアにおいて支店を運営している。さらに、エストニア、ラトビア及びリトアニアで金融会社の運営
に従事している子会社を有している。当行は、当行の中国の顧客に対して業務を行い、フィンランドで事業
を行う意欲のある中国企業を支援する駐在員事務所を中国の上海にも有している。
フィンランド特許・登記庁における当行の登記番号は 0199920-7 であり、所在地はヘルシンキであるため、
当行にはフィンランドの法律が適用される。当行の会計期間は、 1 暦年である。当行の A 株式は、 2014 年 9 月 30
日にナスダック・ヘルシンキ証券取引所から上場廃止となり、 2014 年 11 月 28 日にシリーズ A 株式及びシリーズ
K 株式は単一のシリーズの株式として統合された。
当行は公的機関による監督下にある信用機関である。信用機関法及び EU 理事会規則第 1024/2013 号に基づく
監督は、欧州中央銀行 ( その承継機関又は代替機関を含め、以下「 ECB 」という。 ) が実行している。当行はま
た、連合法の定めに従い、 OP 協同組合の監督下にある。
当グループは、バンキング部門及び損害保険部門の 2 つの事業部門並びにこれらの部門を支えるその他業務
部門により構成されている。
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2018 年 12 月 31 日の
連結税引前利益に
事業ライン 事業部/業務 主要な市場分野 戦略的役割 占める割合
バンキング部門 法人顧客及び機関 法人顧客事業部 フィンランド 良好な収益性及 81 %
投資家に向けた融 及び近隣地域 び市場でのより
資及び財務管理ソ 強固な地位
リューション
損害保険部門 個人顧客、法人顧 個人顧客事業部 フィンランド 市場の平均より 26 %
客及び機関投資家 法人顧客事業部 及び近隣地域 も高い成長率、
に向けた保険ソ バルト諸国事業部 市場における
リューション リーダーシップ
の強化及び良好
な収益性の維持
その他業務部門 当グループ及びそ ファイナンス事業部 - 当グループの目 -7 %
の事業ラインの支 リスク管理事業部 標の達成に尽力
援 人事部 する事業ライン
中核銀行業務及び 企業内コミュニケー の統制、支援及
財務 ション事業部 び促進
OP フィナンシャ
ル・グループの流
動性及び資金調達
の管理
当行のバンキング部門は、拡大する OP フィナンシャル・グループのバンキング部門の一部として、法人顧
客及び機関投資家に向け、資金調達及び財務管理のニーズに応えるソリューションを提供している。法人顧
客事業部は、法人顧客及び機関投資家に対し、融資及び資金管理のサービス並びに貿易融資のサービス、貸
付金及び保証の供与並びにリースサービス及び売掛金を担保とした融資を提供している。法人顧客事業部の
サービスは、株式及び債券の発行のアレンジ、保管サービス、株式、外国為替、金融市場、デリバティブ商
品並びに投資リサーチを含む。法人顧客事業部は、その顧客及び当行の双方が国際市場において提示した注
文を執行しており、また国際デリバティブ市場、ユーロ圏の国債市場及び社債市場における積極的なプレイ
ヤーである。顧客は、フィンランド国内外の企業及び機関投資家により構成されており、収益は手数料純額
及びトレーディング収益から生じている。 当行は、バルト諸国全土の支店を通じて法人顧客向けサービスを
提供している。バルト諸国における法人顧客向けサービスには決済及び流動性管理並びに運転資本、リース
及び投資資金融資が含まれる。 2018 年末のバルト諸国における銀行事業の規模は、当行のコーポレート・エ
クスポージャー合計の約 6.3 %となった。
フィンランドでは、当グループの下記 3 社が損害保険部門の事業を行っている。 OP インシュアランス・リミ
テッドは総合損害保険会社であり、 A- インシュアランス・リミテッドは商業輸送に対する損害保険に注力し
ており、エウローッパライネン・インシュアランス・カンパニー・リミテッドは旅行保険に特化している。
損害保険部門の一連の商品には、法人顧客及び個人顧客に向けた損害保険が含まれる。 OP インシュアラン
ス・リミテッドは、そのバルト諸国を拠点とする子会社であるシーサム・インシュアランス・エー・エスの
すべての株式資本 ( ラトビア及びリトアニアの支店を含む。 ) を VIG に売却した。当事者は、関連する売買契約
を 2017 年 12 月 18 日に調印し、売却は 2018 年 8 月 31 日に完了した。
損害保険部門は、ポヨラ・ヘルス病院ネットワーク (5 つの病院 ) を通じて個人顧客及び法人顧客のための
健康福祉サービスを提供する、ポヨラ・ヘルス・リミテッドも含む。 OP フィナンシャル・グループの新しい
計画によると、 2019 年 6 月 1 日に、ポヨラ・ヘルス・リミテッドは産業保健サービス部門をメヒライネンに売
却し、従前予定されていた医療センターは一切開設しない。 2019 年 6 月 1 日付でポヨラ・ヘルス・リミテッド
は名称をポヨラ・ホスピタル・リミテッドに変更した。将来的に、ポヨラ病院は整形外科及びスポーツ診療
行為のみに特化する。
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事業部門は、 OP フィナンシャル・グループのレベルで指示されるそれぞれの目標及び戦略を有し、運営モ
デルは各事業部門の性質に応じて設計されている。事業部門は、その活動を通じ当グループの戦略の実施に
向 け尽力する。
グループ財務部門は、 OP フィナンシャル・グループの資金調達及び流動性管理を担当しており、同時に、
OP フィナンシャル・グループの流動性バッファーに関する投資事業の管理も行っている。また、グループ財
務部門は当行の財務リスク及び金利リスクの管理を担当する内部銀行としての役割も担っている。さらに、
OP フィナンシャル・グループの流動性準備金の管理及びホールセール資金調達も担当している。
「4 関係会社の状況-グループの再編成」及び「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営
成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」も参照のこと。
4【関係会社の状況】
親会社並びに主要な子会社及び関連会社
当グループ
現在の当グループは、当行及びその子会社により構成されている。事業運営に従事している最も重要な子
会社は、 OP インシュアランス・リミテッド、 A- インシュアランス・リミテッド、エウローッパライネン・イ
ンシュアランス・カンパニー・リミテッド及びポヨラ・ヘルス・リミテッドである。 OP フィナンシャル・グ
ループは、 OP インシュアランス・リミテッドがポヨラ・インシュアランス・リミテッドに商号を変更した
際、 2019 年 6 月 1 日付で、損害保険事業においてポヨラの名称を採用した。同時に、ポヨラ・ヘルス・リミ
テッドの商号はポヨラ・ホスピタル・リミテッドに変更された。
2013 年に、 OP インシュアランス・リミテッドは、整形外科的疾患及び損傷の検査及び治療を専門とした、
外来手術のための病院であるオマサイラーラ・オー・ワイをヘルシンキに設立した。 2016 年 8 月、オマサイ
ラーラ・オー・ワイは、その名称を ポヨラ・ヘルス・リミテッドに変更した。 OP フィナンシャル・グループの
ヘルス・サービス事業の焦点の一端として、 2019 年 6 月 1 日に、ポヨラ・ヘルス・リミテッドはポヨラ・ホスピ
タル・リミテッドに改名された。ポヨラ・病院は、ヘルシンキ、タンペレ、オウル、クピオ及びトゥルクに
所在する。 OP フィナンシャル・グループの計画では、ポヨラ・ホスピタル・リミテッドは将来的には病院事
業の発展に重点を置く予定であり、従前の計画で明示していた新たな医療センターは開設しない。さらに、
ポヨラ・ヘルス ・リミテッドは、 2019 年 6 月 1 日に産業保健サービス部門をメヒライネンに売却し、将来的には
整形外科及びスポーツ診療行為のみに特化する。
(2018 年 12 月 31 日現在 )
株式資本 議決権割合
名称 所在地 主要な事業内容 (千ユーロ ) (% )
親会社
*
OP 協同組合 ヘルシンキ 金融サービス、 OP フィナンシャ -
5,886,158
ル・グループの中核機関
子会社
OP インシュアランス・ ヘルシンキ 保険 業務 17,000 100
**
リミテッド
A- インシュアランス・ ヘルシンキ 保険業務 5,000 OP コーポレート・バンク・
ピーエルシーの
リミテッド
完全子会社
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カイヴォカドゥン PL ハリント・ ヘルシンキ 証券取引、非行為的 5,000 100
オー・ワイ
OP ファイナンス・エー・エス エストニア 銀行業務 640 100
OP ファイナンス・エス・アイ・ ラトビア 銀行業務 6,750 100
エー
UAB OP ファイナンス リトアニア 銀行業務 166 100
ポヨラ・ヘルス・リミテッド ヘルシンキ 医療サービス業 100 OP インシュアランス・
リミテッドの
完全子会社
エウローッパライネン・ ヘルシンキ 保険業務 2,520 OP インシュアランス・
インシュアランス・ リミテッドの
カンパニー・リミテッド 完全子会社
連結財務書類に含まれる組成され
た事業体
リアル・エステート・ファン ヘルシンキ 不動産投資 *** OP インシュアランス・
ヅ・オブ・ファンヅ・Ⅱ・
リミテッドが 22.2% を
ケー・ワイ
保有する
リアル・エステート・ファン ヘルシンキ 不動産投資 *** OP インシュアランス・リミ
ド・フィンランドⅢ・ケー・ワ テッドが 24.5% を
イ
保有する
関連会社
オッソ・インフラストラク ヘルシンキ インフラへの投資 *** 40
チューリⅠケー・ワイ
ヨーロピアン・リアル・エステー 英国 不動産投資 *** 40
ト・シニア・デット・ 2
* 協同組合資本
)
** OP インシュアランス・リミテッドは、当行の特定子会社に該当する。
)
*** 有限責任組合
)
OP フィナンシャル・グループ の一員としての当行
当行は、 OP 協同組合の最も重要な完全子会社である。
OP 協同組合は、 2014 年 2 月に発表した公開買付を完了し、会社法第 18 章第 6 節に基づく仲裁裁判所の決定に
より、当行の全株式を取得した。スクイーズアウト手続に関与した当行の少数株主は、仲裁裁判所が決定し
た償還価格及びそれに係る利息のみを受領した。 2014 年 10 月 29 日、 OP 協同組合は償還価格につき確定部分を
支払った。 2015 年 2 月 20 日に、仲裁裁判所はスクイーズアウト価格に関する裁定を下し、裁定に対する不服は
申し立てられず、裁定は確定した。
2015 年 6 月 17 日に、当行は部分的分割に基づく分割計画に署名し、これにより、当行の一定の資産及び負債
は、 2 015 年 12 月 30 日に当該分割のために設立された会社である OP オミスタス・ 1 ・オー・ワイに移管された。
2016 年に、 OP オミスタス・ 1 ・オー・ワイは OP 協同組合に統合された。 OP 協同組合は、当行の株式を 100 %保
有している。かかる部分的分割後、グループ財務部門、法人顧客事業部、資本事業部及び損害保険部門は当
行に残存した。当行のその他のすべての事業は分割により、 OP オミスタス・ 1 ・オー・ワイへ移管された。新
会社へ移管された事業には、ウェルス・マネジメント部門及びカード・財産管理業務が含まれていた。 2015
年 12 月 30 日、当該分割は、フィンランド特許登録庁が保有する商業登記に登録された。
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当グループは未だ再編成の計画を作成中であり、かかる計画に基づき、損害保険部門を当行から移管し、
OP 協同組合の直接保有とする予定である。かかる移管の実施、方法及びスケジュールは、未だ決定されてい
ない。
2017 年 5 月 1 日に、当行のバック・オフィス業務は、 OP フィナンシャル・グループの一元化されたサービス
に移管された。バック・オフィス業務を一元化することは、 OP フィナンシャル・グループの戦略に沿ってい
る。
「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-当グループの業務に関するリスク-当グループの予定される
組織再編に関するリスク」を参照のこと。
OP フィナンシャル・グループは、 1997 年 7 月 1 日、現在の形態 ( 損害保険事業を除く。 ) で事業を開始した。
OP フィナンシャル・グループは、連合法の規制に従い、金融コンソーシアムを形成するフィンランドの預金
受入銀行及び関連事業体の連合組織である。連合法、信用機関法、協同組合銀行法及び協同組合法が、 OP
フィナンシャル・グループに適用される、協同組合銀行の主要な法律上の枠組みを定めている。
適用ある法律に従い、 OP フィナンシャル・グループは、 (a)OP フィナンシャル・グループの中核機関である
OP 協同組合、 (b) 会員協同組合銀行、 (c)OP フィナンシャル・グループの中核銀行である当行、 (d)OP 協同組合
の連結グループに属する会社及び (e) 下記に記載される会員信用機関から成る。
連合法第 1 章第 2 節に従い、会員信用機関は、当行、 OP カード・カンパニー・ピーエルシー、 OP モーゲー
ジ・バンク、 OP カスタマー・サービシズ及び OP ヘルシンキを含む会員協同組合銀行により構成されている。
当該会員信用機関及び OP 協同組合は、連合法に従い、互いの債務及び義務に対する責任を負う。
当行は、 OP 協同組合の子会社及び連合した企業の一部であるため、連合されたその他の事業体による影響
を受ける。かかる影響は、 OP 協同組合による当行の所有並びに相互の債務及び義務に係る連帯責任に基づい
ている。さらに戦略的視点から見ると、当行は OP フィナンシャル・グループの商業銀行であり、会員協同組
合銀行の中核銀行として活動している。
連合法に基づき、 OP 協同組合は、流動性、自己資本及びリスク管理の確保を目的としたガイドライン並び
に OP フィナンシャル・グループの連結財務書類の作成に際し一貫した会計原則を適用するためのガイドライ
ンを会員信用機関に対し発行する責任を負う。 OP 協同組合は、 OP フィナンシャル・グループの自己資本充実
度に関する内部評価プロセスについても責任を負う。 OP 協同組合は、会員信用機関及びその連結グループの
経営を監視する義務並びに会員信用機関の内部監督に関し指示を行う責任も負う。しかしながら、ガイドラ
インを発行し、監督を実行する義務は、 OP 協同組合に会員信用機関の事業運営に関する決定権限を与えるも
のではない。各会員信用機関は、それぞれの自己資金の範囲内において、独立して事業を運営する。
グループの再編成
OP インシュアランス・リミテッドは、バルト諸国に拠点を置く子会社であるシーサム・インシュアラン
ス・エー・エス ( ラトビア及びリトアニアの支店を含む。 ) のすべての株式資本を VIG に売却した。当事者は、
関連する売買契約を 2017 年 12 月 18 日に調印し、売却は 2018 年 8 月 31 日に完了した。
当行は、エストニア、ラトビア、リトアニアの法人顧客に銀行業務を提供する子会社及び支店を有する。
当行は、バルト諸国における銀行事業に関し様々な戦略的選択肢を検討した。かかる精査は 2019 年の第 1 四半
期に完了し、当行はバルト諸国における現行の銀行業務を継続することを決定した。
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当グループは未だ再編成の計画を作成中であり、かかる計画に基づき、損害保険部門を当行から移管し、
OP 協同組合の直接保有とする予定である。かかる再編を実施する具体的な方法やスケジュールはまだ決定さ
れていない。
OP コーポレート・バンクは、中核銀行業務 ( グループ財務部門 ) を OP 協同組合が完全所有する子会社に分離
する選択肢を検討した。かかる検討及び 2019 年 2 月 ▶ 日付の OP 協同組合の執行取締役会の決定を受け、当該分
離は実行されないこととなった。したがって、中核銀行業務は OP コーポレート・バンクの一部として残り続
ける。
OP フィナンシャル・グループの重要指標
親会社グループである OP フィナンシャル・グループの最近の重要指標は以下のとおりである。
12 月 31 日に終了した年度
2016 年 2017 年 2018 年
**
*
2,989 2,943
3,063
収益合計 ( 百万ユーロ )
**
1,138 1,017
税引前利益 ( 百万ユーロ ) 1,031
**
915 794
税引後利益 ( 百万ユーロ ) 817
**
764 723
包括利益合計 ( 百万ユーロ ) 727
**
10,237 11,835
純資産額 ( 株主資本、百万ユーロ ) 11,084
**
133,747 140,382
総資産額 ( 百万ユーロ ) 137,205
Tier 1 比率 ( % )
20.3 20.3 20.6
CET1 比率 ( % ) 20.1 20.1 20.5
**
9.4 6.9
株主資本利益率 ( % ) 7.7
**
-4,249
263
営業活動から生じた ( に使用した ) 純資金 ( 百万ユーロ ) 4,634
**
-246 -145
投資活動に使用した純資金 ( 百万ユーロ ) -295
財務活動から生じた ( に使用した ) 純資金 ( 百万ユーロ ) 845 -666 3,573
現金及び現金同等物 ( 百万ユーロ ) 9,571 13,245 12,423
従業員数 ( 人 ) 12,227 12,269 12,066
* 債権の減損を除く収益合計が表示されている。
)
** IFRS 第 9 号の適用に関連して行われた制度の変更に従い、 OP フィナンシャル・グループは、個人顧客向貸付金
)
の貸付実行時に支払われた、オフィス及びアレンジに係る手数料のための貸付金の手数料につき、実行利率
法を適用し、貸付期間にわたり按分して償却することとした。完全な遡及的適用は技術的に不可能であるた
め、損益計算書の 2017 年の手数料のみが修正されている。かかる変更により、 2017 年の第 1 四半期から第 2 四
半期の純手数料収益は 27 百万ユーロ減少し、純利息収益は ▶ 百万ユーロ増加した。その結果、前年度の税引前
利益は 19 百万ユーロ減少した。 2017 年 12 月 31 日現在の貸借対照表上では、顧客からの債権は 47 百万ユーロ減
少し、税金資産は 10 百万ユーロ増加し、株式は 37 百万ユーロ減少した。これらの手数料は、個人顧客向貸付
金の平均貸付期間にわたり、今後数年で按分して償却される。
損益計算書における「関連会社における持分利益/損失」の行は、純投資収益に分類され、貸借対照表の関
連会社の利息の行は、貸借対照表の投資資産に分類される。多くの関連会社は、 IFRS 第 9 号に基づく損益計算
書を通じた公正価値で測定された プライベート・エクイティ・ファンドの投資会社である。 2017 年のデータ
は、新しい分類に基づき調整された。貸借対照表のトレーディングの行の金融資産は、その性質を鑑み、将
来的に投資資産に分類される。 2017 年のデータは新しい分類に基づき調整された。
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OP フィナンシ ャル・グループ及び当行の企業構造 ( 本書の日付現在 )
OP フィナンシャル・グループ
1.9 百万のオーナー顧客 ( うち 90 %が一般世帯 )
100 %所有
155 行の OP フィナンシャル・グループ会員協同組合銀行
100 %所有
OP 協同組合
主要子会社
*
OP コーポレート ・バンク・ OP アセット・マネジメント・リミ
ピヴォ・ウォレット・オー・ワイ
*
*
テッド
ピーエルシー
チェックアウト・フィンランド ・オー・
OP プロパティ・マネジメント・リミ *
・ OP インシュアランス・
ワイ
*
**
テッド
リミテッド
OP ライフ・アシュアランス・カンパ
***
ヘルシンキ地域協同組合銀行
*
ニー・リミテッド
*
OP モーゲージ・バンク
OP ファンド・マネジメント・カンパ
*
OP カード・カンパニー・
ニー・リミテッド
*
ピーエルシー
OP カスタマー・サービシズ・
*
リミテッド
*
OP- サービシズ・リミテッド
* OP 協同組合の 100 %所有
)
** 将来的に、その子会社とともに当行から OP 協同組合の直接所有に移管される予定である。
)
*** OP 協同組合が 3 分の 2 を支配
)
連帯責任: OP 協同組合及び連帯責任の範囲内に属する OP フィナンシャル・グループの会員信用機関は、下線を付して示し
ている。
デジタルかつローカルな金融サービス及びサービスの総合的提供
OP フィナンシャル・グループの一部である当グループは、法人顧客及び機関投資家に対し、バンキング及
び損害保険といった多様なサービスを、また、個人顧客に対しては、広範な損害保険サービスを提供してい
る。 OP フィナンシャル・グループはまた、法人顧客及び個人顧客向けの銀行サービス、生命保険サービス及
び財産管理サービスを提供している。
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2016 年に確認された戦略は、引続き OP フィナンシャル・グループの基盤を構成するが、 OP フィナンシャ
ル・グループは、その経営環境の変化に伴い、戦略の焦点を明確化することを望んだ。 OP フィナンシャル・
グループのビジョンは、従業員、顧客、パートナー及び株主の観点から、フィンランドの主要かつ最も魅力
あ る金融サービス・グループになることである。ポヨラ・ヘルス・リミテッドは、その戦略を明確化し、整形
外科及びスポーツ診療行為のみに特化する。 OP フィナンシャル・グループは、バンキング、損害保険及び財
産管理サービスにおけるフィンランド最大の専門家グループであることを自負しており、最高のサービス及
びカスタマー・エクスペリエンスの保証を目指すべく、高度な専門知識を有するとともに、継続的な取組み
を実践している。当グループは、 OP フィナンシャル・グループの構成銀行とともに、個人顧客に対し OP ポイ
ントを主眼とする最高のオーナー顧客ベネフィットを約束する。ロイヤリティ・ベネフィット及びパート
ナーシップ・ベネフィットは、顧客維持を強化する。
OP フィナンシャル・グループは、高品質のデジタル・チャンネル及びフィンランドにおける最も広大な支
店網を通じて事業を行う。さらに、企業に対しては、海外パートナーと共同で、当グループの国際サービス
を提供している。
OP フィナンシャル・グループ及び OP 協同組合に関する情報
連合法に従い、預金受入銀行の連合組織は、当該組織の中核機関である OP 協同組合、会員協同組合銀行の
中核銀行として機能する当行、中核機関のその他の会員信用機関、中核機関及び会員信用機関の連結グルー
プに属する会社並びに上記の 1 つ又は複数の事業体が単独で又は連帯して議決権の過半数を保持している信用
機関及び金融機関並びにサービス会社から成る。協同組合銀行法及び連合法に従い、預金受入銀行の連合組
織は連結ベースで監督され、中核機関及び会員信用機関は、下記に明記されるとおり、最終的に互いの債務
及び義務に対して連帯責任を負っている。 OP フィナンシャル・グループの規模は、 OP フィナンシャル・グ
ループが信用機関及び金融機関又はサービス会社以外の会社を含んでいるため、預金受入銀行の連合組織の
範囲とは異なる。 預金受入銀行の連合組織に属さない会社のうち、もっとも重要なのは保険会社である。預
金受入銀行の連合組織は、保険会社と共に、金融・保険コングロマリットを形成する。
OP 協同組合は、 1997 年 5 月 23 日にフィンランド特許登録庁が管理する商業登記に登録された。 OP 協同組合の
事業識別コードは 0242522-1 である。 OP 協同組合の登記された住所は、フィンランド共和国 ヘルシンキ市
00510 ゲブハルディナウキオ 1 、 OP 協同組合であり、電話番号は +358 10 252 010 である。 OP フィナンシャ
ル・グループの事業年度は、 1 暦年である。
OP フィナンシャル・グループの連帯責任 (Joint Liability)
OP フィナンシャル・グループは、 (a)OP フィナンシャル・グループの中核機関である OP 協同組合、 (b) 約 155
行の会員協同組合銀行、 (c)OP フィナンシャル・グループの中核銀行である当行、 (d)OP 協同組合の連結グ
ループに属する会社及び (e) 下記に記載される協同組合銀行以外の会員信用機関から成る。
連合法第 1 章第 2 節に従い、会員信用機関は、当行、 OP カード・カンパニー・ピーエルシー、 OP モーゲー
ジ・バンク、 OP カスタマー・サービシズ及び OP ヘルシンキを含む会員協同組合銀行により構成されている。
当該会員信用機関及び OP 協同組合は、協同組合銀行法及び連合法に従い、互いの債務及び義務に対する責任
を負うが、当該責任は保証債務ではない。新たな構成員の承認については、 OP 協同組合の監督委員会が決断
を下す。
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OP フィナンシャル・グループは会計法に定められている企業グループ又は信用機関法に定められている連
結グループを形成していない。銀行監督に関するフィンランドの法律に基づき、 OP フィナンシャル・グルー
プは連結ベースで監督されている。
連合法の下、 OP 協同組合は、リスク管理、優れたコーポレート・ガバナンス及び内部統制のガイドライン
並びに会員信用機関に対して OP フィナンシャル・グループの連結財務書類を作成する際の、流動性及び自己
資本の充実を目的とした統一された会計基準の適用のためのガイドラインを発行する責任を担っている。 OP
協同組合はまた、会員信用機関の財政状態について適用される規則及び規制、関連する監督機関が公布する
あらゆる規定並びに当該機関の制定法及び定款に係るコンプライアンスを監督する。ガイドラインの発行及
び監督義務を負うものの、 OP 協同組合は、会員信用機関又は会員協同組合銀行の事業活動を決定する権限は
与えられていない。各会員信用機関は、自己資金の範囲内で、単独で事業を営む。
要約すれば、連合法は、 OP フィナンシャル・グループの連帯責任につき、以下の事柄を規定している。
(a) OP 協同組合は、各会員信用機関に対し、かかる会員信用機関の清算を防ぐために必要な金額を支払わな
ければならない。 OP 協同組合は、会員信用機関が自己資金で支払う能力のない会員信用機関の債務につ
いて、支払いを行う責任がある。
(b) 会員信用機関は、 OP 協同組合が上記の支援活動の一環で別の会員信用機関に支払った金額又は債務者で
あるかかる会員信用機関から支払いを受けていない債権者のために、期限が到来した債務の支払いとし
て債権者に対して支払った金額に比例した割合を、 OP 協同組合に支払わなければならない。
(c) 各会員信用機関の負債額は、 OP 協同組合が 1 つの会員信用機関を代理してその債権者に支払った金額
が、最新の承認済み貸借対照表合計に比例して会員信用機関間に振り分けられる。さらに、 OP 協同組合
の債務超過に際し、会員信用機関は、協同組合法第 14 章に記載されるとおり、 OP 協同組合の負債を支払
う無限責任を負う。
(d) いずれかの会員信用機関の資金が、信用機関法又は連合法で設定されている最低額を下回った場合、場
合により、 OP 協同組合は、かかる会員信用機関の清算を防ぐ支援活動に使用するために他の会員信用機
関から、返済可能な追加的支払いを回収し、入金を受けることができる。かかる方法で会員信用機関か
ら回収できる支払いの年間総額は、各会計期間につき、各会員信用機関の最新の承認済みの貸借対照表
合計の 1,000 分の 5 を上限とする。
(e) 会員信用機関から支払期日を過ぎた債権 ( 元本債務 ) の支払いを受けていない債権者は、元本債務が満期
になり次第、 OP 協同組合からの支払いを要求することができる。連合法に従い、結果として OP 協同組合
が当該債務の支払いの責任を負う。かかる支払いを行った場合、 OP 協同組合は、上記 (b) で記述されて
いるとおり、会員信用機関から、支払いに比例した割合を回収する権利を有する。
OP フィナンシャル・グループの保険会社、 OP- サービシズ・リミテッド及びその他の非銀行系子会社等の会
員信用機関以外の事業体は、連帯責任の範囲内に属さない。
OP フィナンシャル・グループ及び当グループの事業活動の構造
OP 協同組合は、 OP フィナンシャル・グループ全体の戦略的所有機関並びに OP フィナンシャル・グループの
コントロール、 OP フィナンシャル・グループの運営及び監督を担う中核機関としての役割を果たす。
OP 協同組合 ( 連結 ) は、 OP 協同組合及び当該親会社又はそのいずれかの子会社により完全に、又はその過半
数を所有される機関により構成されている。
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OP 協同組合のその他の子会社
OP- サービシズ・リミテッドは OP フィナンシャル・グループの会社が必要とする、商品及びサービス開発、
事業サポートサービス、対内的サービス及び ICT サービス等のサービスを提供し、開発及び維持している。
OP- サービシズ・リミテッドの認可事業は、 2012 年 6 月 1 日、新たに設立された OP カスタマー・サービシズに
移行された。両社は、 OP 協同組合の完全子会社である。 OP カスタマー・サービシズは、 2012 年 5 月 7 日に信用
機関免許を取得し、 2012 年 5 月 21 日には決済及び口座オペレーター免許を取得した。
OP ライフ・アシュアランス・カンパニー・リミテッドは、 OP フィナンシャル・グループの生命保険及び年
金保険事業を集権化された方法で管理し、また、当該事業の発展を担う。 OP ライフ・アシュアランス・カン
パニー・リミテッドのポートフォリオは、生命保険、年金保険、投資保険及び定期保険のサービスを含む。
OP ファンド・マネジメント・カンパニー・リミテッドは、 OP フィナンシャル・グループのミューチュア
ル・ファンドを管理している。当該会社は、ファンド単位の売却の際、会員協同組合銀行及び OP ヘルシンキ
のサービスネットワークに加え、 OP フィナンシャル・グループのオンラインサービスを利用している。
会員協同組合銀行を通じて業務を行う OP モーゲージ・バンク ( フィンランド語では「 OP-
Asuntoluottopankki Oyj 」という。 ) の唯一の目的は、不動産担保付カバードボンドの発行により、 OP 会員協
同組合銀行の資金調達を行うことである。
OP カード・カンパニー・ピーエルシーは、会員協同組合銀行の個人顧客向けに無担保消費者ローンを提供
している。
2016 年及び 2017 年に、ピヴォ・ウォレット・オー・ワイは、複数の新しいモバイル決済方法をローンチし
た。
チェックアウト・フィンランド・オー・ワイは、フィンランドのウェブショップのための支払サービスの
プロバイダーである。 2017 年 9 月、チェックアウト・フィンランド・オー・ワイは、ペイメント・ハイウェ
イ・サービスの取得により、法人向けのモバイル決済の提供を強化した。ペイメント・ハイウェイ・オー・
ワイはチェックアウト・フィンランド・オー・ワイへの統合が実行された。合併は、 2018 年 8 月 31 日に登記さ
れた。
OP ヘルシンキは、ヘルシンキ都市圏におけるリテール・バンキングに従事している。 OP 協同組合は、 OP ヘ
ルシンキに対し、会計法第 1 章第 5 節に定義される支配的影響力を持つ。
その他の機関
OP バンク・グループ年金ファンドの目的は、 OP フィナンシャル・グループの法定年金保障を管理すること
であり、 OP バンク・グループ年金基金は、対象者に対する追加的年金保障の管理を行うことである。 OP フィ
ナンシャル・グループの収益連動型法定年金を管理する OP バンク・グループ年金基金の代表委員会は、 2018
年 7 月 31 日に、約 1,068 百万ユーロの価値を有する年金負債及び収益連動型法定年金保険ポートフォリオの管
理をイルマリネン相互保険年金会社に移管することを決定した。関連する保険ポートフォリオは OP バンク・
グループ年金基金の年金負債合計の約 90.8 %を占めた。 かかる移管は、 2018 年 12 月 31 日に実行された。当初
の計画によれば、残存する年金負債はイルマリネン相互保険年金会社に後日移管される予定であるが、 2020
年末より早まることはない。
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事業ライン及び主要市場
OP フィナンシャル・グループに属する会社は、 OP フィナンシャル・グループ内の区分に応じて、主に国内
市場における金融サービス及び関連事業に従事している。会員協同組合銀行は顧客中心の事業に集中してい
る。
OP 協同組合は、 OP フィナンシャル・グループ全体の戦略的所有機関並びに当グループのコントロール、当
グループの運営及び監督を担う中核機関としての役割を果たす。 2014 年 ▶ 月 24 日の会議において、 OP 協同組合
の監督委員会は、 OP 協同組合 ( 連結 ) の経営及び組織の構造に重要な変更を行うことを決定した。これは OP
フィナンシャル・グループ全体及び OP 協同組合 ( 連結 ) の経営を変更すること、特に、よりビジネス主導の手
法を用いて OP フィナンシャル・グループをさらに統合された構造にすることを目標としている。 ( ⅰ ) バンキ
ング部門及び ( ⅱ ) 損害保険部門の 2 つの事業ラインが、 OP フィナンシャル・グループ全体の経営の基盤を形成
している。
2018 年 6 月 6 日に中央協同組合の監督委員会によってなされた決定によると、 OP フィナンシャル・グループ
の事業の中核は銀行事業及び保険事業である。銀行業務は 2 つの担当範囲に分割された。 1 つ目の担当範囲に
は、個人顧客サービス及び会員協同組合銀行との提携が含まれる。銀行業務における 2 つ目の担当範囲は、法
人・機関投資家事業部である。保険事業には、個人顧客向け及び法人顧客向けの損害保険事業及び生命保険
事業並びに健康及び福祉事業が含まれる。 OP フィナンシャル・グループは、 2019 年の初回の中間報告から、
その新しい部門構造に基づいた財務報告を開始する。
2018 年 9 月 26 日、 OP フィナンシャル・グループの中央協同組合の監督委員会は、残りの戦略期間において OP
フィナンシャル・グループが主要戦略として焦点を当てる分野を決定した。監督委員会は新たなビジョンも
決定した。 2016 年に確認された戦略は、引き続き OP フィナンシャル・グループの基盤を構成するが、当グ
ループは経営環境の変化に伴い、その戦略の焦点を明確化した。
OP フィナンシャル・グループのビジョンは、従業員、顧客、パートナー及び株主の観点から、フィンラン
ドの主要かつ最も魅力ある金融サービス・グループになることである。戦略において焦点を当てる主要な分野
は、エクセレント・エンプロイー・エクスペリエンス、ベスト・カスタマー・エクスペリエンス及びオー
ナー顧客数を少なくとも 2 百万へ増加させることである。その他の 2 つの戦略的焦点を当てる分野において
は、開発生産性の最大化及び経費を上回る速度の利益の成長を後押しする。
かかる戦略及びビジョンを実施するため、 OP フィナンシャル・グループはその実務の改革を開始した。新
しい迅速な実務は、仕事の意義を重視し、仕事の達成感を拡大し、これによりカスタマー・エクスペリエン
ス及び職場における効率を改善し、経費削減の可能性を生む。
迅速な実務は、初めに OP フィナンシャル・グループの中央協同組合で段階的に導入される。新たな業務モ
デルの実施は組織再編と共に開始した。関連する情報及び従業員との協議プロセスは OP 協同組合において
2018 年 10 月 1 日に開始し、 2018 年 11 月 13 日に終了した。かかるプロセスは OP コーポレート・バンクにも適用さ
れる。新しい組織は 2019 年 1 月 1 日に発足した。業務モデルの開発及び再編の計画は 2019 年の春にも継続され
た。組織的な変更は、 OP フィナンシャル・グループ OP 協同組合 ( 連結 ) の 100 百万ユーロ経費削減計画の一部で
ある。
2018 年 12 月 31 日現在、 OP フィナンシャル・グループは約 365 ヶ所で営業している。 OP フィナンシャル・グ
ループのオーナー顧客の数は 1.9 百万であり、銀行業務顧客及び損害保険業務顧客の重複数は 1.8 百万を超え
る。 OP フィナンシャル・グループの多チャネル・サービス・ネットワークは支店、オンライン、モバイル及
び電話サービスを含む。 OP フィナンシャル・グループは個人顧客向けのサービスを支店及びデジタルの両方
において提供する。 OP フィナンシャル・グループは、すべてのチャンネルにおいて、継続的かつ適切な対面
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を創造することにより部門で最良の多チャンネル・カスタマー・エクスペリエンスを提供することを目指し
ている。
2018 年 12 月 31 日現在で、 OP フィナンシャル・グループの従業員数は 12,066 人であった。 OP フィナンシャ
ル・グループは、 OP バンク・グループ年金ファンド、 OP バンク・グループ年金基金及び保険会社を通じてそ
の年金制度の資産を調達してきた。年金基金及び保険会社における追加的年金に関する制度並びに従業員年
金法により調達された、年金基金により管理される老齢年金制度及び障害年金制度は、確定給付型年金制度
として扱われる。従業員年金法に基づく賦課制度への出資は確定給付型年金制度として扱われる。
フィンランド銀行の金融市場統計によると、 2018 年 12 月、 OP フィナンシャル・グループの預金の市場シェ
アは 39.6 %だった。同統計によると、 2018 年 12 月の OP フィナンシャル・グループの貸付金ポートフォリオは
市場シェアの 36.0 %に相当した。フィンランド投資資金調査報告書によると、 2018 年 12 月 31 日の OP フィナン
シャル・グループのミューチュアル・ファンド市場における市場シェアは 20.5 %だった。生命保険支払統計
によると、 2017 年 12 月の OP フィナンシャル・グループの生命保険料収入のシェアは 21.8 %だった。フィンラ
ンド金融サービス連合 ( Federation of Finnish Financial Services ) による「フィンランドの保険会社 2017
年版 ( Insurance Companies in Finland 2017 publication ) 」によると 2017 年 12 月 31 日の OP フィナンシャル・
グループのフィンランド損害保険市場におけるシェアは 33.0 %だった。
2019 年の初回の中間報告書から、その中間報告書及び財務書類において、 OP フィナンシャル・グループは
その新しい部門制に基づいた財務報告を開始した。 OP コーポレート・バンク・グループの部門構造はそれに
伴い更新された。健康及び福祉事業は損害保険部門に含まれる。業務部門に属さない業務はその他業務部門
に分類されており、 OP フィナンシャル・グループ及びその事業をサポートする機能 ( グループ財務部門及び流
動性バッファー等 ) を含む。セグメント別の報告は、当行の連結財務書類に適用されている会計方針に基づい
ている。
オーナー・メンバーシップ
協同組合活動は、 OP フィナンシャル・グループにとって観念的な基盤であり、戦略的目標の起点となって
いる。 OP フィナンシャル・グループは約 ▶ 百万の顧客を抱え、うち 1.9 百万 (2018 年 12 月 31 日現在 ) が会員協同
組合銀行のオーナー顧客である。オーナー顧客とは、会員協同組合銀行のサービスを利用し、かつ当該会員
協同組合銀行の構成員である顧客をいう。このようなオーナーシップ及びカスタマーシップの組合せによ
り、顧客関係を通じ、自然に各銀行業務の利益及び付加価値がオーナー顧客及び顧客に向けられる。故に、
協同組合事業の基本的な目標は、オーナーの利益を最大化することではなく、可能な限り競争的に、協同組
合のオーナー顧客及び顧客が必要としているサービスを提供することである。
オーナー・メンバーシップとは、会員協同組合銀行の顧客関係の顕著な特徴である。オーナー・メンバー
シップは、関連する会員協同組合銀行の運営管理及び意思決定に参加する機会を提供している。さらに、
オーナー・メンバーシップは、会員協同組合銀行の銀行業務の状況に焦点をおくことで利益をもたらしてい
る。会員協同組合銀行は、協同組合としての法人形態を有し、意思決定に内在する基本的な価値観は、 1 メン
バーにつき 1 票の原則である。会員協同組合銀行のうち、最高意思決定機関は、会員協同組合銀行の監督委員
会を選出する協同組合会議又は協同組合総会である。監督委員会は、会員協同組合銀行の執行取締役会を選
出する。組合出資金を支払い、メンバーシップを申請することにより、会員協同組合銀行のオーナー顧客に
なることが可能となる。主に個人から構成されているオーナー顧客は、当該メンバーの中からメンバーであ
る銀行の運営管理スタッフを選出する。会員協同組合銀行の基本資本は、協同組合資本及び追加的協同組合
資本により構成される。 2018 年 12 月 31 日に、会員協同組合銀行のオーナー顧客によって、銀行の利益持分及
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び協同組合普通資本に対する合計 3.2 十億ユーロの出資が行われた ( 未監査 ) 。利益持分とは、オーナー顧客に
よる、会員協同組合銀行の資本に対する任意の資本出資である。
会員協同組合銀行
会員協同組合銀行は、リテール・バンキングに従事している独立した地方の預金受入銀行である。これら
の銀行は、その事業領域において、近代的かつ競争的な銀行サービスを一般世帯の顧客、中小規模の法人顧
客、農業及び林業の顧客並びに公的機関の事業体に向けて提供している。
OP 協同組合の運営
OP フィナンシャル・グループの中核機関である OP 協同組合の最高意思決定権は、総会及びかかる総会に
よって選任された監督委員会にある。業務上の意思決定権は、監督委員会によって選任され、主に経営執行
役によって構成される執行取締役会にある。
OP 協同組合の監督委員会
OP 協同組合の監督委員会は、 36 名の構成員から成る ( 規則に基づき、構成員は 32 名以上 36 名以下でなければ
ならない。 ) 。監督委員会の委員長はヤーコ・ペコネン ( Jaakko Pehkonen ) 氏であり、副委員長はオリ・タ
ルッカネン ( Olli Tarkkanen ) 氏及びメルヴィ・ヴァイサネン ( Mervi Väisänen ) 氏である。監督委員会の任務
は、執行取締役会及び頭取によって運営される OP 協同組合のコーポレート・ガバナンスを監督し、 OP 協同組
合の業務が協同組合法を遵守し、 OP フィナンシャル・グループにとって最善の利益になるよう、専門的かつ
慎重な方法で運営されていることを確保することである。フィンランドの会員協同組合銀行は、会員協同組
合銀行の地域的な共同体である 6 の連合体に分かれている。各連合体は、各々の地域から、 OP 協同組合の監督
委員会のための候補者を選任する。
監督委員会は、 OP フィナンシャル・グループの戦略、その他の共同目的及び運営方針を確認する。監督委
員会は、頭取である代表取締役会長、その他の執行取締役及び監査部門の責任者を選任及び解任する。監督
委員会はまた、 OP 協同組合規則によって規定されたその他の任務も行う。
執行取締役会
執行取締役は、個々に指定された責任分野及び組織的な事業体について、運営責任を有する。
執行取締役会は、 OP 協同組合内において、経営権限を有する。執行取締役は、監督委員会によって選任さ
れ、さらなる通知があるまでは職務を遂行するものとする。
執行取締役会の会長は、頭取である代表取締役会長が務める。執行取締役会の副会長は、代表取締役副会
長が務める。監督委員会の決定に従い、執行取締役会には、この他に、 ▶ 名から 9 名のその他の執行取締役が
含まれる。本書提出日現在、執行取締役会は、代表取締役会長、代表取締役副会長及び 6 名の執行取締役に
よって構成されていた。
本書提出日現在、執行取締役会は、以下のメンバーにより構成されている。
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氏名 役職
ティモ・リタカリオ ( Timo Ritakallio ) 社長兼グループ代表取締役会長、会長
トニー・ヴェプサライネン ( Tony Veps ä l ä inen ) 業務部門
エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
副会長
ヴェサ・アホ ( Vesa Aho ) 最高財務責任者
カトヤ・ケイターニェミ ( Katja Keitaanniemi ) バンキング部門法人顧客・機関投資家事業部
エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
オリ・レフティラ ( Olli Lehtil ä ) 保険顧客部門
エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
ユーホ・マルムブルグ ( Juho Malmberg ) 技術開発部門
エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
ハリー・ヌメラ ( Harri Nummela ) バンキング部門個人顧客・中小企業顧客事業部
エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
ティーア・テュオヴィネン ( Tiia Tuovinen ) 法務サービス部門/コンプライアンス部門
ゼネラル・カウンセル
理学修士号 ( 経済及び経営管理学 ) を有し、公認内部監査人であるサカリ・リヒティネン ( Sakari Lehtinen )
(49 歳 ) は、 2019 年 5 月 1 日付で、執行取締役会に出席する権利を有する、 OP フィナンシャル・グループの最高
監査責任者に任命された。執行取締役の事業所住所は、フィンランド共和国 ヘルシンキ市 00510 ゲブハル
ディナウキオ 1 、 OP 協同組合である。
取締役会
2019 年 3 月 20 日の年次協同組合会議にて、 OP 協同組合の定款を修正することが決定された。定款の修正の目
的は、三段階のガバナンス構造 ( 最高経営責任者としての社長兼グループ代表取締役会長-取締役会-監督委
員会 ) を採用することである。これは、現行の内部の執行取締役会に替わり、 OP 共同組合は OP 共同組合の取締
役ではない者により構成される取締役会を有することを意味する。新しい構造では、取締役会は、 OP 共同組
合の意思決定 (OP フィナンシャル・グループ全体にとって重要であり、かつ監督委員会の承認を要すると定款
に規定される原則の決定を除く。 ) を担当することになる。取締役会は、 OP 共同組合の監督責任も有すること
になり、現行の監督委員会 ( リスク管理委員会、監査委員会及び報酬委員会 ) は取締役委員会となる。採用さ
れた定款及び新しいガバナンス構造は 2020 年 1 月 1 日実施される。
頭取
頭取の職務は、執行取締役会によって定められたガイドライン及び規則に従って、 OP 協同組合の日々の業
務を運営することである。 2017 年の監督上の検証において、 ECB は、中央協同組合の執行取締役会会長及び中
央協同組合の頭取の役割が 2018 年の第 1 四半期末までに分離されるよう要求した。現在の OP 協同組合の頭取
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は、ヴェサ・アホ氏である。 OP 協同組合の頭取の事業所住所は、フィンランド共和国 ヘルシンキ市 00510
ゲブハルディナウキオ 1 、 OP 協同組合である。
利益相反
OP フィナンシャル・グループの管理部門及び運営部門の構成員の、 OP フィナンシャル・グループに対する
職務と、個人の利益及び/又はその他の職務との間に、利益相反は存在しない。
監査役
直近 2 事業期間の監査役は、フィンランド共和国 ヘルシンキ FI-00101 トゥーロンラーデンカトゥ 3A に所
在するケーピーエムジーオーウーアーベーであった。
最近の出来事
OP フィナンシャル・グループは、法定年金保険を相互保険年金会社に移管した。
OP フィナンシャル・グループの収益連動型法定年金を管理する OP バンク・グループ年金基金の代表委員会
は、約 1,068 百万ユーロの価値がある年金負債及び収益連動型法定年金保険ポートフォリオの管理をイルマリ
ネン相互保険年金会社に移管することを決定した。移管されたソルベンシー資本は合計 263 百万ユーロとなっ
た。関連する保険ポートフォリオは OP バンク・グループ年金基金の年金負債合計の約 90.8 %を占めた。
OP バンク・グループ年金基金の代表委員会は、 2018 年 7 月 31 日に移管を承諾し、かかる移管は、 2018 年 12 月
31 日に実行された。残存する年金負債は、イルマリネン相互保険年金会社に後日移管される予定であるが、
2020 年末より早まることはない。残存部分は、主に 2015 年 12 月 31 日にイルマリネン相互保険年金会社から OP
バンク・グループ年金基金に移管された OP インシュアランス・リミテッドの年金負債により構成される。
移管により、 OP コーポレート・バンクの CET1 比率は 0.1 パーセント・ポイント改善し、 OP フィナンシャル・
グループの CET1 比率は 0.4 パーセント・ポイント改善した。また、移管により OP コーポレート・バンクの税引
前利益も 34 百万ユーロ増加した。年金負債の移管により、 OP フィナンシャル・グループの財務書類に項目が
設けられ、これにより OP フィナンシャル・グループの 2018 年の利益は 286 百万ユーロ増加した。
OP フィナンシャル・グループは、ファイナンス・フィンランドに加盟した。
OP フィナンシャル・グループは、 2019 年 1 月 1 日付でファイナンス・フィンランドに加盟し、サービス・セク
ター・エンプロイヤーズ・パルタを脱退した。この決定を通じて、 OP フィナンシャル・グループは、フィン
ランド金融部門の開発、提携及び競争力を強化する狙いがあった。
リスク負担能力及び自己資本
OP フィナンシャル・グループにおけるリスク管理の主要な目標は、 OP フィナンシャル・グループに所属す
るすべての事業体のリスク負担能力を確保すること及びすべての事業体が、個々の事業体又はグループ全体
の収益性、自己資本若しくは事業の継続性を危うくし得る過度のリスクを負わないよう保証することであ
る。
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OP フィナンシャル・グループ内におけるリスク管理の目的は、 OP フィナンシャル・グループの戦略の遂行
に影響する脅威と好機とを峻別することである。
OP 協同組合は、 OP フィナンシャル・グループのグループレベルでの自己資本管理並びにあらゆる関連シス
テムの適正性及び妥当性の確保に対する責任を負っている。 OP フィナンシャル・グループの各機関は、各自
のリスク管理及び自己資本管理に対する責任を負っている。 金融コングロマリット として、 OP フィナンシャ
ル・グループは、金融・保険コングロマリットの監督に関する法律 ( Laki rahoitus- ja
vakuutusryhmittymien valvonnasta , 699/2004 )( 以下「 FiCo 」という。 ) の規定に従い、自己資金の最低自己
資金額に対する比率によって OP フィナンシャル・グループのリスク負担能力を測定する。 2016 年 1 月 1 日以
降、ソルベンシー Ⅱに従って 金融・保険コングロマリット・ソルベンシーが算出され、前年度の数値はそれ
に従って更新される。ソルベンシー Ⅱの数値は未監査である。 強力なリスク負担能力は、予期せぬ損失に対
するバッファーとして作用し、事業発展のための基盤を築く。
OP フィナンシャル・グループに関して、 1) 信用機関法及び CRD Ⅳ 規則に基づく自己資本、並びに 2)FiCo( 改
正を含む。 ) に基づく自己資本並びに 3) 保険会社法 ( Vakuutusyhti ö laki , 521/2008 ) に基づく自己資本の 3 つの
自己資本比率が計算される。
信用機関法に基づく自己資本に関して、 OP フィナンシャル・グループの運営は、 2010 年 7 月 1 日施行の連合
法に基づいている。連合法の定める連帯責任及び保証条件に関する規制のため、預金受入銀行の連合組織に
は、信用機関法及び CRD Ⅳ 規則の自己資本規制に従って算出される最低資本額が設定されている。預金受入
銀行の連合組織は、その中核機関 (OP 協同組合 ) 、当該中核機関の会員信用機関及びその連結グループに属す
る会社から成る。 OP フィナンシャル・グループの保険会社は預金受入銀行の連合組織に属さないが、それら
に対して行われる投資が、信用機関の自己資本規制に従って算出される自己資本に重要な影響を与える。か
かる自己資本値は、 預金受入 銀行の連合組織における自己資本と言われている。自己資本比率の法定下限値
は 8 %であり、 Tier 1 比率の法定下限値は 6 %であり、 CET1 比率は 4.5 %である。自己資本維持バッファーが
2.5 %であることから、 CET1 要件は 7 %に、自己資本要件の合計は 10.5 %に増加する。国内法令を通じて施行
される自己資本バッファーの要件が、自己資本要件にさらに追加される予定である。 2015 年 7 月に、フィンラ
ンド金融監督庁 ( 以下「 FIN-FSA 」という。 ) は、 2016 年 1 月 7 日付で発効した、その他のシステム上重要な機関
( 以下「 O-SII 」という。 ) としての OP フィナンシャル・グループのための O-SII バッファーの要件を 2 %に、ま
た、 2019 年 7 月 1 日に発効する システミック・リスク・バッファーを 2 %に設定した 。 O-SII 及び システミッ
ク・リスク・バッファーは累積されないので、現時点では、システミック・リスク・バッファーは OP フィナ
ンシャル・ グループの資本要件をさらに超えることはない。
また、 OP フィナンシャル・グループは、 FiCo の規定する金融・保険コングロマリットでもある。コングロ
マリットは、自己資本規制に関する諸規定の統制を受ける。さらに、 OP フィナンシャル・グループは保険会
社法に基づく保険グループである。 OP フィナンシャル・グループの自己資本は、 金融・保険コングロマリッ
トの自己資本と同じである。
信用機関法に基づく自己資本
預金受入銀行 の連合組織における自己資本
資本構成及び自己資本
OP フィナンシャル・グループは CRR 規則に基づき信用機関のための連合組織の自己資本を表示している。
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2018 年 2017 年
資本基盤 ( 単位:百万ユーロ ) 12 月 31 日 12 月 31 日
OP フィナンシャル・グループ株式資本 11,835 11,121
OP フィナンシャル・グループ株主資本における保険会
社の影響の消去 189 92
公正価値評価差額準備金、キャッシュ・フロー・ヘッ
ジ -33 -16
CET1 資本 ( 控除前 ) 11,991 11,197
無形資産 -710 -717
年金負債の超過積立及び評価調整 -76 -31
自己ファンドから控除される協同組合資本 -147 -148
利益分配案 -94 -90
ECL マイナス 予想損失の不足額 -288 -320
CET1 10,677 9,891
経過規定が適用される劣後ローン 80 81
その他 Tier 1 資本 (AT1)
80 81
Tier 1 資本 (T1)
10,757 9,973
社債 995 1,121
Tier 2 資本 (T2)
995 1,121
資本基盤合計 11,752 11,093
健全性に基づく評価調整 27 百万ユーロ ( 前年度は 20 百万ユーロ ) は、 CET1 資本から控除されている。
監督者の許可に基づき、 2019 年 1 月に顧客に払い戻された 147 百万ユーロ ( 前年度は 148 百万ユーロ ) の終了した協同組合
資本出資は CET1 資本から差し引かれた。当グループは、劣後ローンへの古い資本性商品に関して、経過規定を適用した。
自己資本比率およびレバレッジ比率の計算において、当グループは IFRS 第 9 号の経過規定を適用していない。
リスク・エクスポージャー残高(単位:百万ユーロ)
クレジット・リスク及びカウンターパーティ・
リスク 41,602 39,383
標準的アプローチ (SA) 3,878 3,859
*
中央政府及び中央銀行エクスポージャー 293 18
信用機関エクスポージャー 7 8
コーポレート・エクスポージャー 2,561 2,423
リテール・エクスポージャー 961 1,057
株式投資 12 -
*
その他 43 353
内部格付に基づくアプローチ (IRB)
37,724 35,525
信用機関エクスポージャー
1,083 1,054
コーポレート・エクスポージャー
23,474 21,438
リテール・エクスポージャー
5,276 4,959
**
株式投資 6,659 7,002
その他
1,233 1,072
市場及び決済リスク ( 標準的アプローチ ) 1,319 1,179
オペレーショナル・リスク ( 標準的アプローチ ) 4,136 3,958
価格調整 175 205
リスク・エクスポージャー合計額 47,233 44,725
ECB の決定に基づくリスク加重フロア 4,893 4,492
リスク加重フロアを含むリスク・エクスポージャー合
計額 52,126 49,216
*
行政エクスポージャー 261 百万ユーロ ( 前年度のその他のエクスポージャーは 283 百万ユーロ ) は、 CET1 資本から控
)
除される代わりに、 250 %のリスク加重で処理される繰延税金資産を表す。
**
株式投資のリスク加重は、 OP フィナンシャル・グループにおける保険会社持分 6.4 十億ユーロを含む。
)
2018 年 2017 年
比率 ( 単位:% ) 12 月 31 日 12 月 31 日
CET1 資本比率 20.5 20.1
Tier 1 比率
20.6 20.3
自己資本比率 22.5 22.5
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2018 年 2017 年
比率 ( 全面適用 )( 単位:% ) 12 月 31 日 12 月 31 日
CET1 資本比率 20.5 20.1
Tier 1 比率
20.5 20.1
自己資本比率 22.4 22.4
2018 年 2017 年
リスク加重フロアを除く比率 ( 単位:% )
12 月 31 日 12 月 31 日
CET1 資本比率 22.6 22.1
Tier 1 比率
22.8 22.3
自己資本比率 24.9 24.8
CET1 資本比率へのリスク加重フロアの影響は -2.1 パーセント・ポイントであった。
2018 年 2017 年
資本要件 ( 単位:百万ユーロ ) 12 月 31 日 12 月 31 日
資本基盤 11,752 11,093
資本要件 7,448 7,027
資本要件に対するバッファー 4,304 4,067
14.3 %の資本要件は 8 %の最低要件、 2.5 %の自己資本維持バッファー、 2.0 %の O-SII のバッファー、 ECB により設定さ
れた 1.75 %の最低要件 (P2R) 及び海外エクスポージャーのための国別の変動する自己資本維持バッファーから成る。 ECB の
P2R は 2017 年 1 月 1 日から発効されている。
2018 年 2017 年
レバレッジ比率 ( 単位:百万ユーロ ) 12 月 31 日 12 月 31 日
Tier 1 資本 (T1)
10,757 9,973
エクスポージャー合計 125,510 127,027
レバレッジ比率 ( % ) 8.6 7.9
企業の最低レバレッジ比率を示すレバレッジ比率は、委員会委任規則に基づき表示される。当該規則によれば、最低比
率は 3 %である。
OP フィナンシャル・グループは、補完的協同組合資本及び劣後ローンへの古い資本性商品に関して、経過
規定を適用した。
FiCo に基づく自己資本
2018 年 2017 年
( 単位:百万ユーロ ) 12 月 31 日 12 月 31 日
OP フィナンシャル・グループ株式資本 11,835 11,121
ハイブリッド債、及び社債 1,075 1,202
資本基盤から控除されたその他のセクター特定項
目 -349 -236
のれん及び無形資産 -1,501 -1,525
*
保険事業評価差異 735 824
決議配当 -94 -90
**
資本基盤から控除された IFRS 項目 -46 3
ECL マイナス予想損失の不足額 -262 -294
コングロマリット資本基盤合計 11,393 11,005
** *
信用機関法定資本要件 6, 528 6,107
*
保険事業運営のための法定資本要件 1,199 1,340
コングロマリット最低資本基盤合計 7,727 7,447
コングロマリット自己資本 3,666 3,558
コングロマリット自己資本比率 ( 資本基盤/最低
資本基盤 )( % ) 147 148
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* 保険会社のソルベンシー及びソルベンシー資本要件 ( 以下「 SCR 」という。 ) 予想に基づく公正価値及び
)
帳簿価額の差額
** 年金負債の超過積立及び公正価値評価差額準備金のキャッシュ・フロー・ヘッジ部分
)
*** リスク・エクスポージャーの合計額× 14.3 %
)
数値には経過規定及びリスク加重フロアが考慮されている。リスク加重フロアにより、その比率は約 15 パーセント・ポ
イント引き下げられた。
FiCo による OP フィナンシャル・グループの自己資本は、連結手法を用いて計算される。かかる手法におい
ては、銀行・保険業に係る規制の下では、資本資源には含まれるが株主資本には含まれない資産が、コング
ロマリットの貸借対照表における株主資本に加えられる。当該コングロマリットに属する他の事業体の損失
補填に利用できない項目は、資本資源に含めることができない。
金融・保険コングロマリットの最低資本基盤は、信用機関の連結最低自己資本及び保険会社の SCR から成
る。
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5【従業員の状況】
従業員及び報酬
主に OP フィナンシャル・グループの内部組織再編により、バンキング部門及び損害保険部門において、従
業員数は 2018 年末水準に比べ増加した。さらに、 2018 年 5 月にポヨラ・ヘルスのトゥルクの病院が診療を開始
したことにより 健康福祉サービスにおける 人員が増加した。損害保険部門の比較値は、シーサム・インシュ
アランス・エー・エスの従業員数又は 328 人を含む。
2018 年 12 月現在、従業員の平均給与は、 1 ヶ月当たり 3,923 ユーロである。当グループの従業員の平均年齢
は 41.6 歳であり、継続雇用の平均年数は 10.3 年である。
2018 年 12 月 31 日現在、当グループの従業員のうち合計 663 人 (2017 年 12 月 31 日は 628 人 ) がバンキング部門、
1,791 人 (2017 年 12 月 31 日は 1,774 人 ) が損害保険部門、 53 人 (2017 年 12 月 31 日は 50 人 ) がその他業務部門で勤務
していた。
OP フィナンシャル・グループ及び当行の変額報酬の制度は、当行独自の短期報酬及び OP フィナンシャル・
グループ全体の長期報酬から成る。 OP フィナンシャル・グループ全体の長期計画は、経営陣向けインセン
ティブ制度及びその他の従業員のための従業員年金から成る。インセンティブ制度を作成するにあたり、 OP
フィナンシャル・グループは金融部門の報酬制度に関する規制を考慮した。
2017 年から 2019 年の長期報酬制度が決定された。規則として、 2017 年から 2019 年の報酬制度はそれまでの 3
年間の実績測定期間に観察された原則に従う。 OP フィナンシャル・グループの従業員年金報酬制度は 1 年間の
実績測定期間でも継続する。
OP 協同組合の監督委員会は、 OP フィナンシャル・グループの税引前利益、カスタマー・エクスペリエンス
及びデジタル・サービスの利用の長期実績測定基準を設定した。経営陣向けインセンティブ制度及び OP フィ
ナンシャル・グループの従業員年金において OP フィナンシャル・グループ全体の目標は同じである。
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第3【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題】
(1) 経営方針・経営戦略等
「第2 企業の概況-4 関係会社の状況」、「2 事業等のリスク-当グループの業務に関するリスク
-戦略 リスク」及び「3 経営者による 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照
のこと。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
「2 事業等のリスク-当グループの業務に関するリスク-戦略リスク」 及び 「3 経営者による財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
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2【事業等のリスク】
本社債への投資には一定のリスクが伴う。下記のリスク要因は、当行の考える本社債への投資に伴う主要
なリスクである。当行は、以下のリスク要因が、本社債における義務を履行する当行の能力に影響を与える
可能性があると考えている。これらのリスクのいずれかが現実化した場合、本社債の価格は下落することが
あり、投資家はその投資金額の全部又は一部を失う可能性がある。「2 事業等のリスク」において言及され
るすべての将来の見通しに関する記述は、本書提出日現在の評価に基づくものである。本社債への投資を予
定する投資家は、以下の事項を慎重に検討すべきである。
当グループの業務に関するリスク
当グループの予定される組織再編に関するリスク
本書の日付現在、当行は OP 協同組合の完全子会社である。
当グループは、組織再編の可能性につき検討中であり、これにより、例えば損害保険部門は、当行から移
管され、 OP 協同組合の直接所有となる可能性がある。かかる再編を実施する具体的な方法やスケジュールは
まだ決定されていない。
OP コーポレート・バンクは、中核銀行業務 ( グループ財務部門 ) を OP 協同組合が完全所有する子会社に分離
する選択肢を検討した。かかる検討及び 2019 年 2 月 ▶ 日付の OP 協同組合の執行取締役会の決定に従い、当該分
離は実行されないこととなったため、中核銀行業務は OP コーポレート・バンクの一部として残る。本社債の
要項は、当行が上記の提案に沿って認められた特定の組織再編を実施することを許容している。
今後起こりうるさらなる組織再編はシナジー効果を生み出すものと予測されている。このシナジーの大部
分は、 OP 協同組合 ( 連結 ) のレベルで生み出されるものと見込まれている。上記にかかわらず、上記の組織再
編案又はその代替案が実行された場合、当グループ又は当行の事業及びその財政状態はその影響を受ける可
能性がある。例えば、損害保険部門の移管により、当グループの利益及びバランスシートは縮小する。その
他の組織再編案は、当行の事業により生み出される収益合計を、現状から減少させる可能性がある。かかる
さらなる組織再編は、完了した場合、当グループ又は当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼ
す可能性がある。
さらなる組織再編の方法にかかわらず、当行の現在のすべての業務は、引続き OP 協同組合により直接的に
又は間接的に 100 %保有されることが企図されている。上記にかからわず、組織再編が成功するという保証は
なく、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
事業状況及び一般経済
当行の業務の収益性は、複数の要因からの影響を受けるが、その最も重要なものはフィンランド又は世界
における一般的な経済情勢、金利及び株価のボラティリティ、為替相場の変動並びに競争状況である。財政
及び一般物価、所得並びに雇用水準の変動、並びに企業の投資意欲の変動、家計の貯蓄水準及び保険金請求
の変動等の要因は、当行の事業の取引高及び実績並びに当行の財政状態に影響を及ぼす可能性がある。フィ
ンランド又は世界における景気の悪化は、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
近年、ユーロ圏の経済は好調な速度で成長しており、失業率は著しく低下した。近年、フィンランド経済
は回復し、現在は十分に好調な速度で成長している。
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近年の大半、インフレは中央銀行の目標をはるかに下回ったまま留まった。インフレ目標に到達するた
め、 ECB は特別措置をとり、これにより金利が前例のない低水準に引き下げられた。 ECB は、その資産買入プ
ログラムに属する有価証券の純買入れを終了したが、金利は低水準に留まった。
グローバルな金融市場の流動性、株価の水準及びボラティリティ、為替相場、商品価格及び金利、インフ
レ並びに信用枠及び信用コスト等の要因は、当行の顧客の活動レベルに重大な影響を及ぼす可能性がある。
金利の上昇により、数多くの顧客が債務を履行できなくなるリスクが高まるため、当行の貸借対照表上及び
オフバランスシート上の資産価値に悪影響を及ぼす可能性がある。またボラティリティの上昇により、当行
の取引ポートフォリオが損失を被る可能性もある。金融不安及び経済変動の可能性は、当行が顧客向けに実
施する取引の取引高の減少を招く可能性があり、これは報酬・手数料等からの収益の減少へとつながる可能
性がある。例えば、国内外の金利水準の上昇又は証券市場の低迷は、運用資産の流れ及び当行が運用資産か
ら得る手数料に影響を及ぼす可能性がある。
当行の経営陣の意見によれば、経済の見通し及び経営環境において、不確実性が存在する。当行の主要な
リスクは、信用スプレッド、金利、株価、株価のボラティリティ、債権の減損及び資金調達費用の変動、顧
客の行動の変化、並びに一般的な経営環境に関連している。当行の経営陣は、投資資産を慎重に選択し、リ
スクを分散させ、当行の人材の専門技術を向上させ、かつリスク管理を効果的に実施することにより、投資
及び取引における潜在的なマイナスの影響を軽減できる可能性がある。それにもかかわらず、一般的な経営
環境における変化は、概して当行の経営陣が管理できる範囲を超えている。
クレジット・リスク
銀行にとって最も重要なリスクは、クレジット・リスクである。当行の貸付金ポートフォリオの潜在的な
評価減を予測することは困難であり、一般的な経済情勢、顧客及び取引先の信用格付の変動、顧客による信
用管理又は顧客の貸付金の返済能力の変動、担保ポジションの実現価値、産業内における構造的及び技術的
な変革を含む多くの要因並びに法律上及びその他の規制要件等のその他の外部要因に依拠している。
クレジット・リスク管理の目的は、特定のクレジット・リスクの価格を顧客に対して設定し、かかる価格
を信用利鞘に含め、かつ担保を設定し、財務上の制限を設けることにより信用利鞘を最小限に抑えることで
ある。しかしながら、クレジット・リスクの見積り及びその価格設定並びに担保の実現価値及び実現時期は
不確定であるため、評価減が生じた場合には、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があ
る。見積損失が将来における実際の損失を反映するという保証はない。かかる見積りが不正確又は不適切で
あると判明した場合には、当行の事業、業績及び財政状態は悪影響を受ける可能性がある。
2017 年 12 月 31 日から 2018 年 12 月 31 日までの間における当行の貸付金ポートフォリオの成長率は、 11.0 %で
あった。国内総生産、輸出及び資本支出の成長率に関する不確実性は依然として存在し、企業の支払不履
行、倒産、利鞘の変動及び失業率に影響を与える可能性がある。また当行の貸付金ポートフォリオの成長率
は、その他の要因の中でもとりわけ、当行が信用度基準を満たす顧客向けに貸出高を増やすことができない
場合又は政府債務等の要因からの影響を受ける債券発行市場の不安定な相場に起因して資金調達へのアクセ
スが減少した場合に制約を受ける可能性がある。
利息収入の発生にかかわらず、当行の貸付金ポートフォリオの成長によりマイナスの影響が生じる可能性
もある。現在の市場環境における貸付金ポートフォリオの成長は、当行の顧客による債務不履行の可能性が
ある場合、後に債権の減損を生じさせる結果となる可能性がある。当行が貸付金ポートフォリオの利鞘と同
時に高い信用度を維持できない場合には、当行は資金調達費用の増加を相殺するのに十分な利息収入を生み
出すことができないか又は信用損失を被る可能性があり、当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を
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及ぼす可能性がある。当行は、貸付先が契約上の条件に従って貸付金を返済しないリスク及びかかる貸付金
の支払いを保証する担保が不十分であるリスクにさらされている。このため、当行は大幅な信用損失を被る
可 能性があり、利益に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行は、その貸付金ポートフォリオ及びクレジット・リスクについて定期的な検証及び分析を行ってい
る。貸付金ポートフォリオ及び保証ポートフォリオに関連する減損費用の減少及び低水準の不良債権にもか
かわらず、当行の法人顧客の一部は、依然として厳しい経営環境に直面している。当行のリスク・エクス
ポージャーに関連する最大の懸念点は、未だ貸付金ポートフォリオにおける将来の減損費用に関連してい
る。現在の市場状況の重大性及び継続期間が不確実なことから、将来における債権の減損の規模を予測する
ことは困難である。しかしながら、現在の市場状況においては、当行は数々の延滞債権に直面する可能性が
ある。信用損失及び延滞債権の水準が予想よりも高い場合には、当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪
影響を及ぼす可能性がある。
クレジット・リスクの集中
当行の法人顧客向けの信用、保証及びその他のエクスポージャーの大部分は、フィンランドの法人顧客に
関連する債務で構成されている。また当行のエクスポージャーの合計には、比較的大口の顧客固有のクレ
ジット・リスクの集中も含んでいる。大口法人顧客のエクスポージャーとは、控除及びクレジット・リスク
軽減のその他の認識後に、顧客リスクをカバーする資本基盤の 10 %を超えるエクスポージャーである。 2018
年 12 月 31 日現在の大口顧客のエクスポージャーの計算に用いる当グループの資本基盤は、合計 4.9 十億ユーロ
(2017 年 12 月 31 日は 4.8 十億ユーロ ) となった。引当金及びその他のクレジット・リスク緩和の認識後にエクス
ポージャーが資本基盤の 10 %を超えた顧客は 1 社のみであった。 2018 年末の大口顧客のエクスポージャーの金
額は合計 0.5 十億ユーロとなった。
2018 年 12 月 31 日現在、法人及び住宅協会に対するエクスポージャーの観点から測った場合に最も重要な業
界は、 12.9 % (2017 年 12 月 31 日は 14.1 % ) を占めるエネルギー、 11.1 % (2017 年 12 月 31 日は 9.4 % ) を占めるサー
ビス業及び 10.7 % (2017 年 12 月 31 日も 10.7 % ) を占める貿易業を含む。しかしながら、当行の事業、業績及び
財政状態は、産業固有の集中よりも、フィンランドの地理的なリスク集中による悪影響をより強く受ける可
能性がある。当行の予想信用損失及び信用損失の水準は、フィンランドの経済状況が予想よりも回復しな
かった場合又は大口の貸付先が債務不履行に陥った場合に増加する可能性がある。かかる事由が実現した場
合には、当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
また当行は、フィンランドにおけるいくつかの産業に関連し、産業目的の買い手及び財務目的の買い手 ( プ
ライベート・エクイティ投資家を含む。 ) 向けの買収融資に参入した。当行はいくつかの案件では主要な貸し
手であったが、他方、融資総額のうちの少額の割合を占める買収融資に数多く参加した。この場合、とりわ
け貸し手の利益保護に関する行為及び組織再編の可能性に関する貸し手の共同意思決定に対する当行の影響
力は、通常限定的である。例えば、財務目的の買い手 ( プライベート・エクイティ投資家を含む。 ) により買
収された企業又は当行が融資を行ったその他の企業が債務を履行できなかった場合には、当行の事業、業績
及び財政状態は重大な悪影響を受ける可能性がある。
金銭、外国為替及び資本市場における価格変動
当行が直面する最も重大な市場リスクは、金利、外国為替、信用スプレッド、株価及びボラティリティに
伴うリスクである。金利水準、イールド・カーブ及び信用スプレッドの変動は、当行の事業、業績及び財政
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状態に影響を及ぼす可能性がある。為替相場の変動は、外国通貨建の資産及び負債の価値並びに当行の利益
に影響を及ぼし、外国為替取引からの収益に影響を及ぼす可能性がある。金融市場の価格変動は、当行の投
資 ポートフォリオ及び取引ポートフォリオの価値、流動性準備金並びに運用資産から生じる収益に変動をも
たらす可能性がある。当行は、取締役会が定めた市場リスク管理の原則及び方針に準拠している。リスク管
理の原則及び方針は、当グループがそのリスク負担能力を超える市場リスクにさらされないことの確保を目
的とする。しかしながら、経済状況及び/又は市場状況の変化並びにかかる変化が当行の事業、業績及び財
政状態に与え得る影響を正確に予測することは困難である。金融市場が予測に反した動きを示した場合及
び/又は作成された見積り及び予測が不正確又は不適切であると判明した場合には、当行の事業、業績及び
財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
市場価格の変動に加えて、仕組商品市場、非公開株式市場又は不動産市場等の特定の市場における非流動
性又は一般的な金融市場における流動性の減少は、当行に影響を及ぼす可能性がある。当行は、特定の資産
を売却できないか又は特定の資産を割引価格で売却することを求められる可能性があり、その場合、当行の
事業、業績及び財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
不安定な経済状況及び市場状況に伴う市場リスクが、上記のとおり当行の事業、業績及び財政状態に悪影
響を及ぼさないという保証はない。
システミック・リスク
国内及び世界の金融システム及び資本市場の相互関連性により、金融機関における困難は、例えば貸出、
取引、決済及びその他の金融機関間の関連性を通じて、その他の機関に波及する可能性がある。かかるリス
クは「システミック・リスク」と呼ばれる。したがって、支払いの不履行及び銀行取付騒動等、銀行又はそ
の他の金融機関における財政難は、金融部門において国内及び国際的な規模で業務を行うその他の会社にお
いて、流動性の問題、損失及び支払いの問題等、様々な困難な問題に繋がる可能性がある。当行に関して
は、システミック・リスクは当行が日常的に業務を行う市場に重大なマイナス影響を及ぼす可能性があり、
したがって、当行の事業、業績及び財政状態全体は悪影響を受ける可能性がある。
流動性リスク及び資金調達の実現可能性
OP フィナンシャル・グループの中核銀行としての当行は、 OP フィナンシャル・グループ全体の流動性並び
に金融市場及び資本市場からの資金調達について責任を負う。流動性リスクとは、当行がその支払義務を履
行できなくなるリスク、返済期限の到来した貸付金の借換えができなくなるリスク及び貸し主としての債務
を履行できなくなるリスクを意味する。かかるリスクは、市場状況が大幅に悪化し、当行が適切な流動性を
維持できなくなった場合に実現する。さらに当行の信用格付の大幅な格下げは、当行による資金調達の実現
可能性及びその価格に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当行の業績及び財政状態を弱体化させる可
能性がある。さらに、当行が限定的な人数の投資家に対して大規模な割当てを行った場合、流動性が制限さ
れる可能性がある。
競争
当行が事業を行う市場の中でも、金融サービス市場は、激しい競争が続いている市場である。革新的な競
争は、定評のある参加者及び絶え間なく参入する新規の市場参加者の両方によって成り立つ。当行のすべて
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の事業部門において、市場の激しい競争は今後も継続すると予想されており、これにより当行の事業、業績
及び財政状態は悪影響を受ける可能性がある。
自己資本
当行の銀行業免許はとりわけ、適用ある規制 ( 信用機関法、連合法及び CRD Ⅳ規則 ) に従って自己資本規制
を満たすことに依拠している。これらの規制及び規則に基づき、 2014 年 11 月 ▶ 日以降、 ECB が FIN-FSA から監督
責任を継承したことを受け、信用機関である当行は、 OP フィナンシャル・グループの一部として ECB により監
督されている。当行の資本構造及び自己資本比率は、当行の信用格付並びに資金調達業務の実現可能性及び
費用に影響を及ぼす可能性がある。さらに、十分に充実した資本基盤がない場合には、当行の成長及び戦略
的な選択肢が制約を受ける可能性がある。不測の大幅な損失により、当行が望む資本構造を維持できなくな
る状況が生じる可能性がある。
自己資本の算出は、リスク・エクスポージャーの合計額に対する当行の自己資本比率を表している。資本
ポジションは、例えば、税引後利益、配当金の分配、のれん、公正価値評価差額準備金の変動及び保険会社
への投資並びに減損額と予想債権の減損額の差異による影響を受ける。リスク加重資産は、例えば、貸出
額、貸付金並びにその他の債権及び資産のリスク格付並びに市場リスク及びオペレーショナル・リスクによ
る影響を受ける。当行の顧客の信用度を低下させるリスクが存在し、これは現在の規制に基づくリスク加重
項目を増加させる。さらに当行の自己資本は、将来における追加資本の利用可能性に関連している。また当
行の損害保険会社は、損害保険会社向けに設定された自己資本規制を満たさなければならない。損害保険会
社がこれらの自己資本規制を満たすことができなかった場合には、当行は保険会社に資本を供給することを
求められる可能性があり、又は当行の成長及び戦略的目標の実現に影響を及ぼす可能性がある。
株主資本の減少又はリスク・エクスポージャーの額の増加等の自己資本ポジションにおけるマイナスの変
化は、当行の資金調達の実現可能性及びその費用に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当行の事業、
業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
デリバティブ・ポジションに関するリスク
当行は、顧客及び当行の自己勘定の両方のために、先渡し、先物及び外国為替の契約及びオプション等の
デリバティブ取引を行うことにより、デリバティブ事業に従事している。 2018 年 12 月 31 日現在、デリバティ
ブの額面総額は 256,491 百万ユーロ (2017 年 12 月 31 日は 246,303 百万ユーロ ) であり、その金利デリバティブの
額面価格は 216,494 百万ユーロ (2017 年 12 月 31 日は 196,148 百万ユーロ ) であった。デリバティブ資産の公正価
値は 3,188 百万ユーロ (2017 年 12 月 31 日は 4,250 百万ユーロ ) であり、デリバティブ負債は 2,742 百万ユーロ
(2017 年 12 月 31 日は 4,208 百万ユーロ ) であった。デリバティブ契約の価値は、とりわけ、契約の原資産の価値
の変動、価格変動、金利水準及びクレジット・リスクによる利鞘の変動並びに契約の満期日に左右される。
デリバティブ事業に関連するリスクには、原資産又は原証券の公正価値を評価することができないリスク及
び市場状況を理由に当行が有利な条件で又は一切のデリバティブ・ポジションを確立することができないリ
スクが含まれる。さらにデリバティブ事業に伴うリスクには、デリバティブのカウンターパーティが契約に
より生じる債務を理解していないか若しくはその債務を履行することができないリスク又は当行に対して契
約のカウンターパーティが設定した担保が不適切であると判明するリスクが含まれる。デリバティブ事業の
オペレーショナル・リスクには、とりわけ、不適切なドキュメンテーション及び担保管理に関連する潜在的
な手続上のリスクが含まれる。前述のリスクが実現した場合には、当行の事業、業績及び財政状態に重大な
悪影響を及ぼす可能性がある。
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リスク管理はデリバティブ事業の中核的な役割を担い、当行はデリバティブ事業に関するリスク管理を継
続的に行っている。デリバティブ事業の成長により、リスク管理の需要が高まっている。例えばシステム、
方 法及び手続の不備又は人為ミスの可能性があるため、当行のリスク管理が将来において、当行のデリバ
ティブ事業に関するすべてのリスクを完全に管理できる保証はない。リスク管理の継続的な発展にかかわら
ず、当行のリスク管理は、取引高がより多く、より複雑な商品に関するリスクを効率的に管理するのに不十
分である可能性がある。当行のリスク管理が不適切であると判明した場合には、当行の事業、業績及び財政
状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
2013 年 2 月に、当行は、欧州市場インフラ規則 (EU 規則第 648/2012 号 ) に従い、集中決済を採用した。金融機
関を相手方とする標準的な OTC デリバティブ取引は、ロンドン・クリアリング・ハウスにおいて決済される。
会員信用機関の連帯責任に関するリスク
連合法の下、 OP 協同組合及び会員信用機関は、自らの債務につき、連帯して責任を負う。
OP 協同組合は、会員信用機関の清算を阻止するために必要な金額を会員信用機関に対して支払う義務を負
う。 OP 協同組合は、会員信用機関自身の資金から支払うことができない会員信用機関の債務につき責任を負
う。
会員信用機関は、 OP 協同組合が上記の支援行為として他の会員信用機関に支払った金額の按分額又は債務
者からの支払いを受領していない返済期限の到来した債務の支払いとして、 OP 協同組合が他の会員信用機関
の債権者に対して支払った金額の按分額を、 OP 協同組合に対して支払う義務を負う。さらに、 OP 協同組合の
定款に従い、 OP 協同組合が破産した際には、協同組合法第 14 章に記載されているとおり、会員信用機関は OP
協同組合の債務を支払う無限責任を負う。このことは、当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及
ぼす可能性がある。
会員信用機関の債務のうち、 OP 協同組合が 1 つの会員信用機関に代わって債権者に支払った金額は、会員信
用機関の直近の確定貸借対照表の合計に比例して会員信用機関の間で按分される。
会員信用機関間の連帯責任にかかわらず、本社債の返済を保証債務として直接的に保証するものではな
い。本社債に関する支払義務は、当行のみの義務であり、 OP 協同組合が義務を負うものでも、保証するもの
でもない。
買収及び売却に関するリスク
当行は随時、戦略的な買収及びパートナーシップを検討することがある。当行が買収及び戦略的なパート
ナーシップに関する計画を成功裏に遂行する保証はなく、また買収及びその遂行が期待どおりに実現する保
証もない。当行は、潜在的な買収及びパートナーシップの事業、収益性及びその他の事項に関する評価を、
不正確かつ不完全な情報及び仮定を基に行わなければならず、その情報及び仮定は誤りであったと判明する
可能性がある。
当行は、統合及びその相乗効果に関する期待が実現すると保証することはできない。
当行はまた、将来的に、その事業の一部を売却することを検討する可能性がある。事業の将来的な売却
は、潜在的な購入者のための融資の枠及び条件等、多数の要因の影響を受ける可能性があり、これらは当行
のコントロールを超えている。当行が有益な方法で資産を売却できること、またかかる売却が応諾可能な条
件により行えることの保証はない。
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バルト諸国の営業領域に関するリスク
当行は、バルト諸国全土の支店を通じて法人顧客向けサービスを提供している。バルト諸国における法人
顧客向けサービスには、決済、流動性管理及び運転資本、リース及び投資資金融資が含まれる。 2018 年 12 月
31 日現在、バルト諸国における銀行事業の規模は、当行のコーポレート・エクスポージャー合計の約 9.7 %
と、未だに小さい。
当グループは、フィンランドにおいて銀行事業の豊富な経験を有しているが、バルト諸国における銀行事
業の分野は、フィンランドの市場のものと大幅に異なり、異なる経営環境、法律、行政、労働規制及び税制
に関連する追加的なリスクを伴う。当行は、バルト諸国の銀行市場の調査に努めているが、バルト諸国にお
ける事業の業績が当行の期待に応えるものとなる保証はない。
2017 年 12 月 18 日に、 OP フィナンシャル・グループは、その損害保険会社である子会社であるシーサム・イ
ンシュアランス・エー・エス ( ラトビア及びリトアニアの支店を含む。 ) のすべての株式を VIG に売却すると発
表した。 OP フィナンシャル・グループのバルト諸国における損害保険事業の売却は 2018 年 8 月 31 日に完了し
た。
バルト諸国における事業の失敗は、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
当行に関するクレジット・リスク
本社債の保有者は、当行に対するクレジット・リスクを負う。保有者が本社債に係る支払いを受領できる
か否かは、当行の支払義務の履行能力に依拠し、当行の支払義務の履行能力は当行の事業の発展に依拠す
る。
規制の遵守
当行は、高度に規制された業界において業務を行っており、その業務はとりわけフィンランド、バルト諸
国及び欧州連合における規制を含む広範な監督制度及び規制制度に服している。当行は、とりわけ最低自己
資本金及び自己資本、財務情報及び財政状態に関する報告、負債及び配当金の支払いに関する規制、並びに
連合に関する規制において定められる要件を満たさなければならない。さらに当行による一部の決定には、
関係当局による事前の承認又は通知が必要となる可能性がある。
1 つ又は複数の監督当局により、適用ある規制が適用されるか又は実施される可能性がある。当局は、適用
ある規制に従い、 1 つ又は複数の規制に関連する当行の業務に対する質問を行う場合がある。当行が規制に違
反するか又は規制への遵守を怠っていることが認められた場合、かかる違反は、罰金、公的処分及び当行の
評判の低下、強制的な業務停止又は極端な場合には営業許可の見直し若しくは撤回をもたらすその他の結果
へとつながる可能性がある。また当行は、当行の業務から生じた損害についても責任を負う可能性がある。
金融危機により、銀行の自己資本要件に関する規制の枠組みがさらに厳しくなった。 2013 年 6 月 27 日、 EU 官
報において、資本要件指令及び規則 (CRD Ⅳ指令 /CRD Ⅳ規則 ) が公表された。これらの規則及び規制は 2014 年
1 月 1 日に施行され、 2014 年から 2019 年の間には、 EU においてバーゼルⅢ基準を施行する予定である。これら
の規制の変更は、例えば、銀行の資本基盤の質の改善、自己資本要件の周期的性質の緩和、銀行の債務削減
及び流動性リスクに対する定量的限度枠の設定等を行うことを目的としていた。
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当行の観点からは、これらの規制における最も重要な個別の変更点は、銀行主導の金融・保険コングロマ
リットにおける保険会社持分の取扱いに関係するものである。 2013 年 11 月 27 日に、 OP フィナンシャル・グ
ループの一部としての当行は、 FIN-FSA より、コングロマリットにおける保険会社持分をリスク加重資産とし
て 取り扱うための許可を受けた。 2015 年 10 月に、 OP フィナンシャル・グループの一部としての当行は、 ECB よ
り、従前の慣行に従って、コングロマリットにおける保険会社持分をリスク加重資産として取り扱うための
許可を受けた。これにより当行は、保険持分に対し、約 280 %のリスク加重を適用した。
国内法令を通じて施行される自己資本バッファーの要件は、自己資本要件にさらに追加される予定であ
る。 2016 年の初めに、 O-SII として、 OP フィナンシャル・グループは 2 %の O-SII バッファーに準拠することを
要求されたが、これは当行には適用されない。 2018 年 12 月、 FIN-FSA は、銀行にカウンターシクリカル ( 景気
連動抑制的 ) バッファーを課さない旨、再度決定した。しかし、 FIN-FSA は、 2018 年初頭から住宅モーゲー
ジ・ローンのリスク加重の最低水準を 15 %に設定した。最低リスク加重の増加も当行の自己資本に重大な影
響はない。 FIN-FSA は、四半期毎にマクロ・プルーデンス政策に関する決定を行う。
OP フィナンシャル・グループの一員として、信用機関である当行は、 ECB の監督下にある。
保険セクターのソルベンシーⅡ規制は、保険会社の資本基盤の質の改善、リスク管理の改善、リスクに基
づく自己資本要件の強化及びヨーロッパにおける保険セクターのソルベンシー要件の統一を目的とした。こ
れらの規制は、 2016 年 1 月 1 日に施行された。
変更が影響を与え得るその他の分野には、とりわけ以下のものが含まれる。
・中央銀行及び規制当局による金融政策、金利政策及びその他の政策
・当行が事業を行う特定の市場への投資家の投資決定に多大な影響を与え得る政府又は規制上の政策の一
般的変更
・デリバティブ市場等における規制要件の変更
・競争及び価格決定の環境における変化
・財務報告の環境における変化
法律、当局の規制及び手続並びにこれらの適用に関する解釈の変更並びに判決は、当行の事業、業績及び
財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
バーゼルⅢ/ CRD Ⅳの実施
金融機関の自己資本に適用される規制は、バーゼル銀行監督委員会が公表したバーゼルⅢ措置を実施する
ため、 EU 全土を通じて変更された。欧州立法提案パッケージは、総称して CRD Ⅳとして知られる第 ▶ の自己資
本要件指令及び新たな自己資本要件規則により構成される。 CRD Ⅳ規則は、フィンランドにおいて 2014 年 1 月
1 日に施行された。 CRD Ⅳ指令は、フィンランドにおいて 2014 年 8 月 15 日に施行された信用機関法を通じて実
施された。
CRD Ⅳは、最低自己資本比率の増加、自己資本の定義及びリスク加重資産の計算方法の変更、レバレッ
ジ、流動性及び資金調達に関する新たな措置の導入を含む、銀行に適用される健全性に関する規制制度の重
大な変更を取り入れた。 CRD Ⅳは、一定の強化された自己資本要件や、最終的な実施は 2020 年まで予定され
ていない CRD Ⅳレバレッジ比率及び安定調達比率等の特定のその他の措置に関して移行期間を認めている。
最低資本要件は、移行措置なく 2014 年 1 月 1 日に施行された。信用機関法によると、自己資本維持バッファー
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は 2015 年 1 月 1 日以降、 O-SII バッファーは 2016 年 1 月 1 日以降、システミック・リスク・バッファーは 2018 年 7
月 1 日以降、すべて移行措置なく適用されている。
フィンランドに適用された CRD Ⅳ要件は、 EU の立法府により合意される CRD Ⅳへのさらなる変更、 EBA によ
る拘束力のある規制における技術的基準又は ECB のこれらの要件の解釈、並びに銀行に対し適用する方法の変
更 (CRD Ⅱ及びⅢに基づいて付与された個別モデルへの承認に関するものを含む。 ) の結果、変更される可能性
がある。これにより、変更後の要件を満たすため、自己資本の増加、レバレッジ及びリスク加重資産の縮
小、法主体の構造の変更 ( 自己資本の発行及び配分並びに OP フィナンシャル・グループのための資金調達に関
するものを含む。 ) 、 OP フィナンシャル・グループの事業構成若しくは既存のその他の事業の変更並びに/又
は当行の資本基盤を強化するためのその他の措置をとる等、さらなる経営陣による対応が必要となる可能性
がある。
2016 年 11 月 23 日、欧州委員会は、欧州機関の回復力を高める措置及び金融安定性の強化を含む CRD Ⅳ、金
融機関及び投資会社の再生と破綻処理のための枠組みを設定する EU 指令及び EU 規則第 806/2014 号の改革 ( 以下
「欧州銀行改革」という。 ) に関するさらなるパッケージを発表した。 2018 年 5 月 25 日、理事会は欧州銀行改
革に対する姿勢について合意し、欧州議会が交渉可能になり次第、欧州議会と交渉を開始するよう社長職に
依頼した。欧州議会は、 2018 年 6 月の本会議にて欧州銀行改革におけるその立場を確認した。欧州銀行改革の
修正文書は 2018 年 11 月 30 日に COREPER により是認され、 2018 年 12 月 ▶ 日に ECOFIN 理事会により承認された。こ
れらの文書は完成しており、 EU 官報における最終的な公表待ちである。最も重要な変更には、 EU 規制上のト
レーディング勘定の抜本的改定 (FRTB) 及びカウンターパーティー信用リスクエクスポージャーの計測に係る
標準的手法 (SA-CCR) の実施が含まれる。多くの題目において、委任規則が新しい文書の実施に影響を及ぼ
す。
2017 年 12 月 7 日、バーゼル銀行監督委員会は、バーゼルⅢ改革を最終決定する枠組みを発行した。枠組み
は、標準化されたアプローチの頑健性及びリスク感度の強化、 IRB アプローチの利用の抑制、レバレッジ比率
の最終決定、そして標準化されたアプローチに基づく頑健な自己資本最低基準の導入を目指す。提案された
改革が欧州議会及び理事会に公式に承認されるまで、かかる改革が採用されるか否か、いつ採用されるか、
また、それらが現行の提案どおりの方法で採用されるかについての保証はない。本書の日付現在、改革の最
終実施のタイミング及びその影響は不透明である。
欧州における実質的な破綻状態にある銀行の破綻処理の枠組み及び損失吸収
再生・破綻処理指令及びフィンランドにおける実施
信用機関及び投資会社の再生と破綻処理のための枠組みを設定する EU 指令第 2014/59 号 ( 以下「 BRRD 」とい
う。 ) は、 2015 年 1 月 1 日 ( ベイルイン・ツールについては 2016 年 1 月 1 日 ) を実施期限として 2014 年 7 月に施行さ
れた。 BRRD( ベイルイン・ツールを含む。 ) は、とりわけ新しいフィンランドの信用機関及び投資会社の処理
に関する法律 ( Laki luottolaitosten ja sijoituspalveluyritysten kriisinratkaisusta, 1194/2014)( 改正
を含む。 )( 以下「危機処理法」という。 ) 及び新しいフィンランドの金融安定化当局に関する法律 ( Laki
rahoitusvakausviranomaisesta, 1195/2014)( 改正を含む。 )( 以下「金融安定化当局法」という。 ) を含む、
2014 年 12 月 19 日に可決された新たな包括立法により、フィンランドにおいて 2015 年 1 月 1 日より施行された。
危機処理法に基づき所管の破綻処理当局 ( 現在の金融安定化当局 ( Rahoitusvakausvirasto )( 以下「 FIN-RA 」
という。 ) に対して付与される権限には、とりわけ、所管の破綻処理当局に対し、破綻に瀕した金融機関の一
定の無担保負債 ( 本社債が含まれ得る。 ) の元本金額又は利息の全額若しくは一部を減額するための権限、及
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び/又は一定の債務 ( 本社債が含まれ得る。 ) を、 OP フィナンシャル・グループの存続主体 ( もしあれば ) の株
式を含む別の有価証券に転換するための権限を付与する、資本性商品に関する、法定の「元本削減及び転換
権 限」並びに別の破綻処理ツールである「ベイルイン・ツール」が含まれる。ベイルイン・ツールは、破綻
した又は破綻しそうな機関の資本を再構成するために利用することができ、当局が、破綻処理を通じてかか
る機関を再構築し、その再編成及び再構築後の信頼を回復する。資本性商品の「元本削減及び転換権限」
は、ある機関又はそのグループが実質的な破綻状態に陥った時点で、かつ、破綻処理措置が講じられる前
に、 Tier 1 及び Tier 2 資本性商品が損失を全額吸収することを確保するために利用することができる。
さらに、危機処理法において FIN-RA に対して付与される権限には、以下の破綻処理ツールが含まれる。
( ⅰ ) 該当する金融機関又はその事業のすべて若しくは一部を、株主の同意を要することなく、また、本来適
用される手続上の要件を遵守することなく、商業的な取引条件で売却するよう指図する権限、 ( ⅱ ) 該当する
金融機関の事業のすべて若しくは一部を「ブリッジ・バンク」 ( 公的に管理される企業 ) に対して譲渡する権
限、及び ( ⅲ ) 該当する金融機関の資産を、長期にわたる運用を可能にするために資産運用事業体に対して譲
渡する権限である。危機処理法はまた、 FIN-RA が破綻処理ツールを実施する権限を付与する。かかる権限に
は、債務証書の債務者として、該当する金融機関を取り換えるか又は代理する権限、債務証書の条件を変更
する権限 ( 満期日及び/又は利息額を変更する権限、及び/又は支払いを一時停止させる権限を含む。 ) 、及
び/又は上場及び金融商品の売買を中止する権限が含まれる。
BRRD はまた、 EEA 加盟国が、最終手段として、追加的な金融安定化ツール ( すなわち、公的資本支援及び一
時的な公的所有ツール ) を通じて臨時的公的金融支援を提供することを許容する。かかる臨時的金融支援は EU
における国家支援の枠組みに従って提供されなければならない。
「ベイルイン」の権限の適用はすべて、通常の倒産処理手続ににおける請求の序列に従うものとする。し
たがって、かかる適用による社債権者への影響は、かかる序列に従ったその順位に依拠し、これは、預金者
その他の債権者に付与された優先権を含む。欧州銀行改革の一端として、欧州委員会は、 2016 年 11 月 23 日
に、倒産の序列における無担保債務の優先順位に関する BRRD の修正に関する欧州議会及び理事会の指令につ
いての提案 ( 以下「 MREL 提案」という。 ) を公表した。その後、 MREL 提案は、 2018 年 5 月 25 日に理事会により
( 一定の修正を加えた上で ) 合意され、 2019 年又はそれより後に導入されると予想される。
MREL 提案の結果、 2017 年 12 月 12 日に EU 指令第 2017/2399 号 ( 以下「修正指令」という。 ) が採用された。修正
指令は、 EU で設立された、信用機関及び金融機関の連結の範囲内で発行する通常債務、長期債務、無担保債
務の支払不能時の優先順位に新しい階層を加える。修正指令の条項に従い、 2018 年 11 月 15 日、フィンランド
の法律の改正 ( 危機処理法の改正を含む。 ) が発効した。フィンランドにおける、修正指令を受けた新しい法
律の施行は、支払不能の際に、資本性証券及び資本性証券の適格性を有しない劣後債務よりは優先するが、
他のシニア債務よりは劣後する、新たなクラスの非優先シニア債務を導入した。これは、フィンランドにお
いて、投資サービス法 ( 改正を含む。 ) の改正を通じて非優先シニア債務の導入が実施される。信用機関法
は、第 1 章の新たな第 4a 条を通じて、信用機関の債権者の支払順序に関して拡大され、これにより信用機関が
倒産した場合について、債権者の支払順序に関する法律 ( Act on the Order of Payment of Creditors )( Laki
velkojien maksunsaantij ä rjestyksest ä , 1992/1578)( 改正を含む。 )( 以下「フィンランド優先順序法」とい
う。 ) に除外項目が設けられる。その他の場合においても、フィンランド優先順序法はこれらの機関に適用さ
れる。フィンランドの法律のその他の改正には、とりわけ、機関の自己資本に含まれる項目の額面価格を減
らすこと、及び特定のその他の貸借対照表上の項目を減らし、転換する義務 ( 危機処理法第 6 章第 1 条 ) 並びに
債務の削減及び実施を転換する義務 ( 危機処理法第 8 章第 3 条 ) の改正が含まれる。
破綻処理ツールは、該当する金融機関の倒産処理手続が開始されるより前に、 FIN-RA が、危機処理法に含
まれる破綻処理に関する該当条件を満たしていると判断した場合にのみ利用されることが意図されている。
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危機処理法には、ベイルイン・ツールの適用に関連して株主及び債権者の保護規定が含まれている。当該規
定は、これらの者が通常の倒産処理手続に基づき該当する金融機関が解散した場合に負担していたであろう
額 を上回る額の損失を負担しないことを保証することを目的としている。「ベイルイン」の権限の行使によ
る社債権者への処置が、通常の倒産処理手続における序列に基づく場合より不利な内容であった場合、社債
権者は、機関による独立した評価に基づき、危機処理法に従った補償を受ける権利を有する (BRRD に基づく
「債権者を不利にしない」原則と呼ばれる。 ) 。かかる一切の補償は、かかる社債権者が実際に被った損失に
ついて当該社債権者を補償する可能性は低く、かかる補償の回復には大幅な遅延が生じる可能性が高い。通
常の倒産処理手続において社債権者が分配を一切受領しなかったであろう場合、補償は一切ない。
破綻処理権限の行使又はかかる行使の勧告は、本社債の価値に重大な悪影響を及ぼし、本社債権者が本社
債に対して有する投資の価値の一部又は全部を失うことにつながる可能性がある。特に、当行及び本社債に
関するベイルイン・ツールの行使又はかかる行使の勧告は、本社債権者の権利、本社債に対する投資の価格
若しくは価値、及び/又は当行が本社債に基づく自らの債務を履行する能力に対して悪影響を及ぼし、本社
債権者がかかる社債に対する投資の価値の一部又は全部を失うことにつながる可能性がある。
元本削減及び転換権限の契約上の認識に関する欧州委員会委任規則
EU 指令第 2014/59 号の第 55 条 (3) に基づく元本削減及び転換権限の契約上の認識に関する規制技術基準 ( 以下
「 RTS 」という。 ) に関する欧州委員会委任規則 (EU) 第 1075/2016 号は、 2016 年 7 月に発効した。 RTS は、債権者
が、元本削減及び転換権限に服するかもしれないことを認識する明確な契約上の条件を記載することを求め
る EU 指令第 2014/59 号から除外される債務のリストをさらに定めている。加えて、 RTS は、 EU 指令第 2014/59 号
の第 55 条 (1) に基づき、契約条項に示されていなければならない必須項目の一覧を明記している。
破綻処理当局が EU 指令第 2014/59 号の第 55 条を相応の方法で適用できるよう、欧州銀行改革によりその修正
が提案された。自己資本及び適格負債の最低要件 ( 以下「 MREL 」という。 ) において考慮されない負債につい
て、銀行にとり、ベイルイン承認条項を含むことが法的、契約的、経済的に実行不可能であり、放棄するこ
とが銀行の破綻処理の実行可能性を妨げるものではないと当局が判断した場合、破綻処理当局は、特定の種
類の負債に関する規則の遵守の放棄を許可すると予測される。ただし、かかる放棄を実際に許可するかは、
破綻処理当局の完全なる裁量によるものされている。
単一破綻処理メカニズム
BRRD は、単一破綻処理メカニズム及び単一破綻処理基金の枠組み内での信用機関及び一定の投資会社の破
綻処理に関する統一規則及び統一手続を定め、 EU 規則第 1093/2010 号を改正する、直接拘束力のある EU 規則第
806/2014 号 ( 以下「 SRM 規則」という。 )( 単一破綻処理メカニズムを、以下「 SRM 」という。 ) により補完され
ており、本規則は 2016 年 1 月 1 日から完全に適用された。
SRM は、単一監督メカニズムの適用を受けている事業体に適用されている。 ECB の選択基準に従って、当行
を含む OP フィナンシャル・グループは現在、 BRRD に関するフィンランドにおける実施措置に代わり、再生・
破綻処理に関する主要な規約として、 SRM の適用を受けている。
SRM は、 SRM の対象となる機関に対して破綻処理の権限を有する単一の欧州破綻処理委員会 ( 以下「 SRB 」と
いう。 ) を設置し、国内当局の権限に代わる又はこれを上回るものとした。 SRB は、その権限の対象となる事
業体 (OP フィナンシャル・グループを含む。 ) について破綻処理計画の策定及び採択を行う。これは、 SRB は、
BRRD の下、 ECB の直接監視下において信用機関のための国家当局の役割を果たすことを意味する。また、同委
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員会は、元本削減及び転換権限に基づき、 OP フィナンシャル・グループが常に満たすべき自己資本及び適格
負債の最低要件について、管轄当局と協議の上決定する ( 下記「自己資本及び適格負債の最低要件」を参照の
こ と。 ) 。また、 SRB は、 SRM に規定される早期介入の権限 ( 機関の破綻処理の準備のために、当該機関に対
し、その購入予定者と交渉させる権限を含む。 ) を行使する。
SRB は、 SRM に基づき、 BRRD における国内当局の権限と同様の、特定の破綻処理権限を行使する。 SRB が利用
できる破綻処理ツールには、事業売却ツール、ブリッジ機関ツール、資産分離ツール及びベイルイン・ツー
ルがある。さらに、 SRB は、資本性商品に関して「元本削減及び転換権限」を行使することができる。した
がって、「再生・破綻処理指令及びフィンランドにおける実施」における破綻処理ツール、権限及び本社債
権者に関連するリスクについての記載は、 SRM に基づき SRB に与えられるツール、権限及び本社債権者に関連
するリスクを準用して読まれなければならない。
自己資本及び適格負債の最低要件
BRRD( 及びその帰結としての危機処理法 ) 及び SRM 規則は、公的資金に頼ることなく重要な機能を継続させる
ことを可能にするために十分な損失吸収能力を確保することを目的として、企業に対し MREL を満たすことを
求める要件を導入した。すべての機関は、所管の破綻処理当局が定める個別の MREL 要件を 2016 年 1 月 1 日より
遵守しなければならない。 2016 年 5 月 23 日、欧州委員会は、企業毎に MREL を決定する際に破綻処理当局によっ
て検討される基準に関する技術的規制水準を採用した。かかる基準は、破綻処理当局に対し、適切な移行期
間 (4 年を上限とする。 ) を定めることを許容している。これにより、機関は、適用される MREL 要件を満たすた
めの合理的な期間を与えられる。 2019 年 1 月 16 日、 SRB は MREL の 2018 年度方針の第 2 部を発行した。 SRB は、
2020 年までに、すべての銀行グループについて、その権限内において拘束力のある MREL 目標を設定すること
を目指して着実に前進することを計画している。 SRB は、欧州銀行改革の最終的な法制度の成立に基づき 2019
年に MREL 方針を検討する。
2018 年 5 月 7 日、 FIN-RA は、危機処理法に基づき、初めて OP フィナンシャル・グループに対して MREL 要件を
設定した。 MREL は約 12.2 十億ユーロ又は 2016 年末のリスク加重資産の 27.6 %で、直ちに発効した。 OP フィナ
ンシャル・グループは当局により設定された要件を充足している。当行が作成した見積りによると、 2018 年
初頭の OP フィナンシャル・グループの MREL 比率は 38 %であった。同様の背景で、 OP フィナンシャル・グルー
プの破綻処理当局である欧州連合の SRB は、 OP フィナンシャル・グループのための破綻戦略を承認し、破綻措
置はシングル・ポイント・オブ・エントリーとして機能する当行に適用される。
MREL に含まれる対象となる項目には、「適格負債」 ( 特に、発行されかつ全額払込済みの、満期が 1 年以上
であるか又は投資家に 1 年以内の返済を受ける権利を付与せず、デリバティブから発生したものではない負債
を意味する。 ) と併せ、機関の自己資金 (CRD Ⅳの意味の範囲内において ) が含まれる。これらの目的において
「デリバティブ」としての適格性を有する負債の範囲は未だ最終的に決定されていないが、委員会の直近の
提案は、多くのストラクチャード商品は、 MREL の目的において適格負債ではない可能性があると指摘する。
MREL 要件は、該当する機関のベイルイン又は倒産において、その他の非劣後適格負債に対して事実上劣後す
る、契約上のベイルイン債の発行を通じても部分的に充足される。
MREL が完全に施行されるまで、 MREL 要件が OP フィナンシャル・グループに及ぼすであろう影響を予測する
ことは困難であるため、 OP フィナンシャル・グループに設定された MREL 要件を満たすために、 OP フィナン
シャル・グループに対し、要求された時間枠内において新たな要件を充足するため、 MREL の目的のために追
加の適格負債を発行し、追加の資本及び/又は適格負債を保有するよう、 MREL 要件により要求される可能性
があるというリスクが存在する。かかる行為はそのコンプライアンス費用を引き上げ、 OP フィナンシャル・
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グループの戦略の実行を遅延、限定又は制限する可能性があり、 OP フィナンシャル・グループの資本構造並
びにその事業、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性がある。 MREL 要件は市場全体に影響を及ぼすと予
測 され、これは OP フィナンシャル・グループが発行する有価証券 ( 当行が発行する社債を含む。 ) の格付及び
その競合相手への潜在的な悪影響を含み、かかる影響により OP フィナンシャル・グループの競争力の減少を
招くリスクがある。 OP フィナンシャル・グループは、 MREL 適格負債の発行が困難である場合、他の事業にお
ける貸付又は投資を削減しなければならない可能性がある。
預金者の優先権
BRRD が要求する改革の一環として、フィンランドの該当法令 ( 金融安定化当局に関する法律を含む。 ) の改
正が行われた。かかる改正は、破綻序列において、フィンランド預金保証スキームによる保護に適格な一定
の預金、かかる預金の保証外の要素及びある特定の状況においては、 EEA 信用機関の EEA 外にある支店の預金
のために優先権を設けるためのものであった。また、 EU 預金保険指令 (EU 指令第 2014/49 号 ) がフィンランドで
施行されたことにより、 2015 年 7 月より、法人預金 ( 預金者が公共機関又は金融機関である場合を除く。 ) 及び
一時的に価値の高い預金を含む、広範囲の預金をカバーするために、付保預金の性質及び数量が増加した。
すべてのかかる優先預金は、本社債権者を含む、当行のその他すべての保証されていない優先債権者より破
綻序列において上位に順位付けられる。さらに、付保預金は、ベイルイン・ツールの対象範囲から除外され
る。結果として、ベイルイン・ツールが FIN-RA 又は SRB により行使された場合、本社債は、他の優先預金のよ
うな当行の特定のその他の非劣後負債よりも、ベイルインの対象になりやすい。修正指令の実施後、フィン
ランドの法律へのさらなる改正が行われた。 2018 年 11 月 15 日以降、信用機関法の第 1 章には新たに第 4a 条が加
えられ、これにより信用機関の債権者の様々な異なる預金の支払順序がさらに明確化される。
法的リスク及び訴訟リスク
当行の顧客又はカウンターパーティからの当行に対する申立ては、訴訟手続へとつながる可能性がある。
これらのリスクには、とりわけ顧客に対する不適正な商品の販売 ( 不適正販売 ) から生じ得る責任及び当行が
証券取引の参加者に対して提供する助言から生じ得る責任又は証券の募集に関連する証券取引法若しくはそ
の他の法律に基づく責任が含まれる。当行の義務違反が見つかった場合には、当行に損害賠償の義務が生じ
る可能性がある。またかかる潜在的な訴訟は、当行の顧客及びカウンターパーティの間の評判にマイナスの
影響を及ぼす可能性がある。さらに当行は、契約上の義務に意図していた法的強制力がなかった場合又はか
かる契約上の義務が当行の利益に反する方法で強制執行された場合又は当行の知的所有権若しくは知的所有
権制度が適切に保護されていないか若しくは運用できる状態にないことが明らかになった場合に、重大な悪
影響を受ける可能性がある。
上記の法的リスクの現実化、当行が支払う可能性のある損害賠償又は当行の評判の喪失は重大であり、当
行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
税金リスク
税金リスクとは、税率若しくは税法の変更又はこれらの解釈の誤りに伴うリスクである。これらは課税金
の増加又は財務損失をもたらす可能性がある。当行は税金リスクの管理に多大な資金を費やしているが、か
かるリスクを管理できなかった場合には、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
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リスク管理
コアバリュー、戦略的目標及び財政目標は、当行のリスク管理及び自己資本管理の基礎を成す。当行のリ
スク管理の目的は、戦略実行に影響を及ぼす脅威と好機を見分けることである。その目標は、リスクが当行
のリスク負担能力に比例するものであるよう確保することにより、戦略において設定された目標の達成に資
することである。
当行の従業員は、リスク管理に関して発表されたガイドラインに従っており、かつ損失を軽減する措置を
実施しているが、必ずしもこれらの措置がリスクを管理し、統制するのに完全に適切であるとは限らない。
リスク管理目的で当行が使用する定性的なツール及び測定基準の一部は、過去に観測された市場の動向及び
将来の予測を用いることを前提としている。これらのツール及び測定基準は、将来におけるリスク・エクス
ポージャーを予測できないか又は不正確に予測する可能性があり、当行の損失につながる可能性がある。上
記の要因又はリスク管理におけるその他の失敗は、多大な損失を生じさせる可能性があり、当行の事業、業
績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、不適切又は失敗に終わったプロセス、システム若しくは外部の事由によ
りもたらされた財務損失又はその他の有害な結果 ( 評判及び信用の喪失又は低下 ) が生じるリスクである。か
かるリスクの発生は、結果として、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
オペレーショナル・リスクは本質的に定性的であり、これらを完全にヘッジすることは不可能である。し
かしながら、当行のオペレーショナル・リスク管理の目的は、オペレーショナル・リスクから予測不可能か
つ有害な結果を生じさせないことである。最も重大で、かつ特定されている当行のオペレーショナル・リス
クは、システム、事業プロセス、ドキュメンテーションの正確性及び資源配分に関連している。
システム及び情報のセキュリティー上のリスク
当行では日々の業務において多数の取引に関与しており、その多くは非常に複雑で、当行の IT システム及
び情報ネットワーク上の機密情報を含む情報の安全な処理、蓄積及び伝達に依拠している。当行は保護され
たシステムを利用しているが、当行の IT システム、 IT 機器及び IT ネットワークは、引続き、不正使用、コン
ピューター・ウィルス及びその他の有害な要因の影響を受けやすい可能性がある。
さらに当行の業務は、機密で、かつ安全なデータ処理に依拠している。その事業活動の一環として、当行
は顧客から提供された個人情報並びに銀行業務及び保険業務固有の情報を蓄積しており、これらの情報は
フィンランド及びバルト諸国において、プライバシーの保護及び銀行秘密に関する一定の規制に服してい
る。情報のセキュリティー上のリスクが現実化した場合には、当行に多大な費用が生じる可能性がある。シ
ステム及び情報のセキュリティー上の問題を解決することにより、当行の顧客サービスの中断又は遅延が生
じるおそれがあり、これにより、当行の評判が悪影響を受け、機敏な顧客が当行のサービスを放棄するか又
は当行に対して賠償を請求する可能性がある。さらに、当行が効果的に新たな IT システムを導入すること又
は新たな技術開発に適応することを怠った場合には、当行が多大な追加費用を被るか又は市場において優勢
に競争することができなくなる可能性がある。上記の要因はいずれも、当行の事業、業績又は財政状態に悪
影響を及ぼす可能性がある。
当行はまた、 IT システムの維持及び IT サービスの提供に関して、その上部団体である OP 協同組合の子会社
である OP- サービシズ・リミテッドにも大いに依拠している。当行は業務に欠かせない IT サービスを、契約上
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の取り決め及び一定の IT サービス要素に関する代替のサービス会社の利用の両方により、確実に提供するこ
とを目指してきたが、 OP- サービシズ・リミテッド及びその協力会社が IT システムを維持できなかった場合又
は 合意されたサービスを当行が要求したとおりに提供することができなかった場合には、当行の事業に重大
な悪影響を及ぼす可能性がある。
当行の事業活動の中断の可能性
電力供給及びデータ通信の障害又は水害及び火災損害等の突発的かつ不測の事由により、当行の事業は継
続不能の危機に晒される可能性がある。当行が、現在の事業継続計画の範囲内ではかかる事由を統制するこ
とができない場合、事業活動が中断する可能性がある。
中断に加え、不測の事由により、修理費及び修繕費、これらの事由の影響を受けた顧客からの損害請求、
保険料の増加並びに重複するバックアップシステムの必要性等による追加的な営業費用が生じる可能性があ
る。場合により、特定の不測のリスク向けの保険補償が利用できない可能性があり、その場合当行のリスク
は上昇する。
当行に関して、これらの種類のリスクを効果的に管理できない場合には、当行の事業、業績又は財政状態
全体に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
ブランド、当行の評判及び市場の風評に関するリスク
顧客の獲得のための競争にあたり、当行は、その他の要因の中でもとりわけ、フィンランドにおける当行
の有名かつ良好なブランド及び評判に依拠している。金融機関は、特にその支払能力及び流動性へのアクセ
ス能力に関する風評及び憶測により特に影響を受けやすいため、現在の混乱した市場環境において良い評判
を得ることは、バンキング部門及び保険部門にとって特に重要である。当行は、一定の範囲まで、自らの評
判に影響を与えることができる。しかしながら、当行のブランド及び評判は、当行ではコントロールできな
いその他の外部要因からの影響を受ける場合もある。当行は、このような風評による預金又は顧客の流出を
経験したことはないが、根拠に基づくか否かにかかわらず、風評又は憶測が将来影響を及ぼさないという保
証はない。
当行の業務並びに当行が提供するサービス及び商品の選定に関して、将来当行が行う可能性のある決定
は、当行のブランドにマイナスの影響を及ぼす可能性がある。さらに、引続き世界の経済状況が不確実かつ
不安定であり、特に金融サービス部門への影響が続く場合には、当行はとりわけ、その支払能力及び流動性
の状況に関する風評及び憶測に苦しむ可能性がある。当行の風評及びブランドに関する好ましくない展開並
びに当行の商品及びサービスに関する顧客の否定的な見解又は当行に関する市場の風評は、当行の事業、業
績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
損害保険業界に関するリスク
OP フィナンシャル・グループの損害保険事業は当グループの損害保険部門が現在その中心を担っており、
OP フィナンシャル・グループの生命保険事業及び年金保険事業は OP ライフ・アシュアランス・カンパニー・
リミテッドがその中心である。当グループは損害保険業界固有のリスクに服しており、かかるリスクは当行
の事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす。
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損害保険業界は包括的な規制に服する
当グループの現在の損害保険事業は、包括的な規制に服する。規制対象となる事項には、以下のものが含
まれる。
・保険会社又は保険会社を支配する会社の買収又は処分
・保険証券の承認又は提出
・投資の種類及び金額の制限
・保険契約の取消又は更新の権利の制限
・市場から撤退する権利又は保険代理店との関係を終了する権利
・保険業者及び保険代理店の許認可
・保険会社とその関連会社との間の取引
2009 年春に、 EU は、保険セクターに適用されるソルベンシー体制 ( 以下「ソルベンシーⅡ」という。 ) を新
たに導入した。規制は、 2016 年 1 月 1 日に発効した。規制に関するこれらの変更は、その損害保険会社を通じ
て当グループにも影響を及ぼす。保険セクターのソルベンシーⅡ規制における変更は、保険会社の資本基盤
の質の改善、リスク管理の改善、リスク・ベースのソルベンシー要件の強化及び欧州における保険セクター
のソルベンシー要件の調整を目的としている。 損害保険事業は、ソルベンシーⅡに基づくソルベンシー要件
を充足している。
さらに規制当局は、定期的に、保険会社の財務活動及び市場活動の調査を実施している。規制は一般的
に、株主よりむしろ、保険契約者の保護を目的としている。保険に関する現行法令が将来より厳格にならな
いという保証はなく、又は制限的な法律が新たに制定されない保証はないため、かかる法令の潜在的な影響
を予測することは不可能である。
激しい競争は事業及びその収益性に悪影響を及ぼす可能性がある
損害保険業界における競争は激しく、当グループの損害保険事業は、国内外の保険会社との激しい競争状
態に直面し続ける。会社間の競争は、例えば信用格付、財務力、評判、保険契約者及び保険代理店向けの
サービス、商品開発 ( 利息付き保険及び保険料率支払済保険を含む。 ) 並びに手数料を含む多数の要因に基づ
き測定される。競争環境の変化は、当行の事業及び業績に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
損害保険事業における市場及び数理計算上のリスク
当グループの各損害保険会社の取締役会は、当該会社のリスク負担能力における目標を設定し、リスクの
想定を制限する年間リスク管理計画を確定させる。損害保険部門において、投資業務は、当グループの各損
害保険会社の取締役会により毎年承認され、資産クラス、投資の構成、リスク制限並びに意思決定能力及び
意思決定権限により投資の基本配分及び範囲を定める投資計画及び投資授権に基づいている。投資計画に
は、資産及びデリバティブ契約の双方をヘッジとして用いることで損害保険の負債において金利リスクを
ヘッジするという目標が含まれる。
ランダムな損害請求に起因し、損害保険事業は当グループの収益のボラティリティを増幅させる。保険会
社の投資による市場リスクは、主として自己資金の公正価値評価差額準備金を反映している。
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損害保険リスクの選定及び価格設定に関連するリスク
顧客に提供される当グループの損害保険部門の商品には、例えば、個人顧客及び法人顧客向けの損害保
険、自動車保険、自動車賠償責任保険、義務的な従業員補償保険、旅行保険、責任及び傷害疾病保険が含ま
れる。損害保険の特定の種類の選定及び価格設定は、主に各種類の損害保険商品における過去の請求の統計
に基づいている。したがって、その後の実際の請求額の推移と比較した損害保険商品の正確な価格設定は、
販売の時点では完全な確実性はない。
当グループの損害保険部門は、保険の種類固有の制限及びリスク集中固有の制限の両方から、損害保険契
約の集中リスクを制限することを目指している。また損害保険部門は、損害保険契約書に適切な条件を盛り
込むことに重点を置くことにより、リスクを抑えることを目指している。最も重大な価格設定リスクは、損
害保険部門の保険商品の価格設定モデルに含まれるリスク・プレミアムの妥当性に関連する。収益性及び請
求報告がいかに効果的に監督されているかも、非常に重要である。さらに価格設定リスクは、損害保険契約
の価格設定並びに引受リスクの選定及び価格設定に対し、いかに収益性及び請求報告が良く考慮されたかが
関連する。それにもかかわらず、リスクが正確に評価され、保険料が損害保険契約から生じる請求の支払い
及び営業費用を賄うのに十分であるという保証はない。リスクの選定及び価格設定の失敗は、大幅な財務損
失をもたらし、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
損害保険の責任準備金の妥当性
当グループは、損害保険の責任準備金について、販売された損害保険契約に係る請求から生じる将来の見
積支払額を補填するのに十分な額となるよう安全な方法で規定することを試みている。当行の引受業務にお
いて支払われる現金は、主として請求に係る支払い及びこれらの請求の処理費用に関連している。損害保険
の責任準備金の予測は、常に、請求額の推移の偶発性、損害又は損失の発見の遅れ、コスト誘発インフレ又
は法令上の改正及び一般的な経済発展等のいくつかの不確実な要素を伴う。損害賠償の支払いに関する広範
な統計が未だ存在しない新たな種類の損害保険商品及び損害の発見が遅いか又は保険期間が長期の損害保険
商品に関しては、損害保険の責任準備金の妥当性に関する不確実性がより高い。
責任準備金が不十分であることが判明し、責任準備金を増加する必要がある場合には、損害保険業務の収
益性に悪影響を及ぼす可能性があり、これにより当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性が
ある。
分散不能保険リスク
当グループの損害保険部門の保険ポートフォリオは、損害又は損失を補償する非常に多数の損害保険契約
によって構成されており、そのため多額の請求が予想される。確率論における大数の法則によれば、一定の
事由が発生した際の数字上の相対的変動は、事由の回数が増加した場合に減少する。この理論は、分散可能
保険リスクに関連する。ただし、発生した損害又は損失が互いに完全に独立している限りにおいて、損害請
求の数字上の相対的変動は、一般的に保険ポートフォリオの保険リスクの数が増加した場合に減少する。
しかしながら、保険リスクは概して互いに完全に独立しておらず、このことは保険ポートフォリオが常に
分散不能残存リスクの要素を含んでいることを意味する。分散不能リスクは通常、例えば経営環境の変化又
はフィンランド全体に影響を及ぼす大規模な暴風雨等の自然災害を含む外部的な経営環境において生じる変
化に関連している。さらに分散不能リスクは、多くの保険契約に関連する未だ特定されていない潜在的な損
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害リスクを伴う場合がある。分散不能リスクは、損害保険業務の金銭価値上、最大の損害保険リスク ( 引受リ
スク ) であると説明できるが、その発生の可能性は非常に低い。これらのリスクが現実化すると、当グループ
の 損害保険部門は、予想を超える損失を被る可能性があり、当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響
を及ぼす可能性がある。
損害保険業界は経済変動に敏感である
損害保険業界、とりわけ損害保険市場は変動しやすい。過去に損害保険会社の業績が、不安定かつ時に予
測不能な変動を理由に、大幅に変動したことがあり、その多くが損害保険会社が直接的にコントロールでき
ないものであった。これらの変動には、とりわけ以下のものが含まれる。
・価格競争及び価格設定方法
・自然及び人為両方の壊滅的な事象の発生頻度又はその程度
・需要水準
・一般的な経済状況
・法律、法律上の先例及び法的解釈の変更
経済変動の潜在的な影響は、当行の事業、業績又は財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
自然及び人為両方の壊滅的な事象は、大幅な損失を生じさせる可能性がある
1 つ又は複数の壊滅的な事象は、大幅な損失を生じさせることがあり、当グループの損害保険会社の事業、
業績又は財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。起こりうる自然の壊滅的な事象の具体例には、と
りわけ暴風、ハリケーン、洪水、その他の厳しい状況及び火災が含まれる。壊滅的な事象は、その発生及び
程度の両方において本質的に予測不可能である。
また当グループの損害保険会社は、人為の壊滅的な事象の危険にもさらされており、その事業、業績及び
財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。将来において、人為の壊滅的な事象の発生頻度及び程度の
両方が高まる可能性がある。
自然又は人為の壊滅的な事象に係る請求は、当グループの損害保険会社の業績に大幅かつ周期的なボラ
ティリティを生じさせ、その事業、業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当行が事業を
拡大する能力にも影響を及ぼす可能性がある。被保険物の価値の増加及び地理的な集中並びにインフレの影
響は、壊滅的な事象による請求額を増幅させる可能性がある。
壊滅的な事象の発生による損害保険会社の損失の程度は、顧客が被った損失の保険金額の合計、影響を受
けた顧客の人数並びに事象の頻度及び程度に依拠する。さらに、損失の特性、請求が行われてから支払われ
るまでの時間及び影響を受ける保険契約の条件によっては、損害保険会社は、直前の通知により、多額の支
払いを求められる場合がある。当グループの損害保険会社は、投資資産を迅速にかつ不利な市場状況で清算
するか又は不利な費用で資金調達を行うことで、これらの債務の資金調達を行うことを余儀なくされる可能
性があり、これらはいずれも当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
再保険により壊滅的な損失の回避を図ることはできるが、再保険の範囲、利用可能性及び価格に関連する
リスクを伴う場合がある。これらのリスクは、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
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内部的な慣習及び指針、再保険並びに蓄積リスクの監視を通じて壊滅的な損失の回避を図ることもできる
が、当グループの損害保険部門において講じられる措置は、必ずしも、かかる壊滅的な損失の発生により当
行の事業、業績又は財政状態が悪影響を受けることを阻止するものではない。
再保険の保険範囲の妥当性
当グループの損害保険部門は、リスクの軽減又は収益性の確保のために、当グループが単独で債務を負担
することができないか又は負担することを望まない、一定の限度を超えるリスクに再保険をかけている。再
保険の目的は、発生する請求の確率の変動を減らし、資本的支出の効率性を高めることである。適切な信用
格付を有する会社のみが、再保険会社として認められる。さらに、再保険会社 1 社に再保険をかけられるリス
クの最大限度も定められている。かかる限度は、関連リスクの特性及び会社の支払能力に依拠する。保険の
財務力格付が十分に高い会社のみが、再保険会社として認められる。損害保険の再保険は、一元的に合意さ
れる。リスク特有の再保険額は最大 5 百万ユーロであり、大災害再保険においては 5 百万ユーロであった。蓄
積損失を補填する大災害再保険の限度額は、 2019 年度における 175 百万ユーロである。さらに、ショートテー
ルの事業に基づく支払請求は、年間合計で 15 百万ユーロの補償を有していた。
それにもかかわらず、統計的手法及び統計的モデルに基づく再保険及びその最適化の必要性が、適切な方
法で決定される保証はない。またあらゆる状況において、 1 社又は複数の再保険会社がその引受業務を遂行で
きるという保証もない。不適切な再保険の範囲は、損害保険事業の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能
性があり、その結果、当行の事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
世界経済及び金融市場の混乱は、再保険業界に悪影響を及ぼす可能性がある。このことは、当グループの
損害保険会社の再保険プログラムに含まれる再保険会社に対し、財務上及び流動性の問題を引き起こす可能
性がある。数多くの請求がなされた場合、特定の再保険会社がその債務を履行できなくなる可能性があり、
これにより当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
テロ攻撃又は国家の安全に対する脅威は OP インシュアランス・リミテッドに悪影響を及ぼす可能性がある
とりわけウクライナ、シリア、イラク、アフガニスタン及び中東におけるテロ攻撃の脅威、国家の安全に
対する脅威、軍のイニシアティブ及び政情不安は、一般経済、市場状況及び政治情勢に重大な悪影響を及ぼ
し、また今後も及ぼし続け、損害保険会社の事業に関する多くのリスクを上昇させる可能性がある。当行は
テロ攻撃、国家の安全に対する脅威、軍のイニシアティブ及び政情不安が当行の事業、業績及び財政状態に
及ぼす影響を予測することはできない。
OP フィナンシャル・グループのその他の事業分野に伴うリスク要因
下記の要因は、 OP フィナンシャル・グループの一部としての当行にも関連する。
OP 協同組合 ( 連結 ) の組織再編に関するリスク
OP 協同組合は、当グループに今後起こりうる組織再編を検討している。「当グループの業務に関するリス
ク-当グループの予定される組織再編に関するリスク」を参照のこと。
この組織再編が成功するという保証はなく、そのことにより OP フィナンシャル・グループの事業、業績及
び財政状態に、重大な悪影響を及ぼす可能性がある。
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リテール・バンキング部門に関するクレジット・リスク
OP フィナンシャル・グループの個人向貸付金ポートフォリオに係る潜在的な評価減を予測することは困難
であり、多くの要因に依拠する。個人顧客の貸付金の返済能力に悪影響を及ぼす可能性のある最も大きな一
般経済上の要因は、失業及び金利水準である。さらに、住宅価格及び住宅市場の一般的な活動の変動は、顧
客の債務返済能力及び担保の実現価値の両方に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、これにより、 OP
フィナンシャル・グループの事業、業績及び財政状態はマイナスの影響を受ける可能性がある。
預金の流出に関するリスク
預金は、 OP フィナンシャル・グループの資金調達の大部分を占める。当座の財政状況又は事業の混乱が預
金の大幅な流出をもたらした場合には、 OP フィナンシャル・グループの資金調達構造が著しく変化し、資金
調達の平均費用が増加する。さらに、これにより OP フィナンシャル・グループの流動性は脅かされ、また OP
フィナンシャル・グループは、日々の業務又は全体の財政状態に影響を及ぼさずに、その時点及びそれ以降
のキャッシュ・フロー及び担保の需要 ( 予測されたもの及び予測されなかったものの双方を含む。 ) を満たす
ことができなくなる可能性がある。したがって、このことにより、 OP フィナンシャル・グループの事業、業
績及び財政状態はマイナスの影響を受ける可能性がある。
利息収入に関するリスク
銀行勘定における収益の創出は、金利水準の変動からの影響を著しく受ける。金利リスクは、資産及び負
債の金利固定期間又は金利基準が不一致である場合に生じる。純利息収益は、 OP フィナンシャル・グループ
の収益合計の大きな部分を占める。金利水準の変動は、 OP フィナンシャル・グループの事業、業績及び財政
状態に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、これにより OP フィナンシャル・グループの事業、業績及
び財政状態はマイナスの影響を受ける可能性がある。
運用資産の流出に関するリスク
現在の財政状態により OP アセット・マネジメントが運用資産を大幅に流出した場合又は OP アセット・マネ
ジメントによる投資に不服がある場合、現在の顧客はその資産を減少させるか、撤収するか又は他の資産運
用管理会社に移転することを選択する可能性がある。そのため、投資業務の好ましくない結果により、 OP ア
セット・マネジメントの報酬・手数料等の金額は減少する可能性がある。さらに、 OP アセット・マネジメン
トが満足のいく資産運用管理サービスを継続的に提供することができなかった場合には、新規の顧客を引き
つけ、又は現在運用している顧客の資産額を増加させることができない可能性がある。そのため、 OP アセッ
ト・マネジメントが投資業務で成果を上げられなかった場合には、 OP フィナンシャル・グループの事業、業
績及び財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。
生命保険業務に伴う市場リスク
投資業務は、生命保険事業において重要な役割を担う。生命保険会社は、顧客の収益を確保し、損害保険
の責任準備金がカバーする資産を取得し、かつ投資された保険料の利益を得るために投資を行う。長期的な
投資収益率の目標を達成するためには、リスク負担の管理が必要となる。投資商品の市場価格が不利に変動
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した場合には、投資ポートフォリオの市場価値が減少し、投資業務の収益性が悪化する可能性がある。投資
計画には、資産及びデリバティブ契約の双方をヘッジとして用いることで生命保険の負債において金利リス
ク をヘッジするという目標が含まれる。
生命保険業務に伴う引受リスク
生命保険に伴う最大の引受リスクは、死亡率、平均余命 ( すなわち寿命 ) 、勤労不能、顧客の行動及び営業
費用に関連するものである。保険料及び責任準備金の額はこれらに基づく前提により決定されるため、これ
らの要因は引受リスクの判断には極めて重要である。死亡率、平均余命、勤労不能、顧客の行動及び営業費
用に関する変動は、生命保険業務の収益性に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、これは OP フィナンシャ
ル・グループの収益性を悪化させる可能性がある。
戦略リスク
戦略リスクは、戦略を策定する際にリスクを分析し、経営環境の変化及び戦略の実現を継続的に監視し分
析することにより、管理されている。戦略リスクは、顧客の需要、異なる部門及び市場分野の開発並びに競
争状況の分析及び予測に基づく定期的な計画によって減少する。戦略的な方針は、確定する前に、 OP フィナ
ンシャル・グループ内で幅広く検証される。戦略リスクは慎重に管理されているものの、戦略リスクにより
OP フィナンシャル・グループの事業、業績及び財政状態が重大な悪影響を受ける可能性が依然として存在す
る。
2016 年 6 月 10 日、 OP フィナンシャル・グループは、現行の戦略を発表した。 かかる戦略は、サービス及び手
続のデジタル化によるカスタマー・エクスペリエンスの拡大 並びに革新を通じた顧客向けの価値の創造並び
にオープンバンキングの採用 に焦点を当てる。最新の戦略の背景にある理由は、金融部門においてデジタル
への転換が実施されていることであり、これ により競争は激化し、利鞘は減少し、かつ従来の事業モデルに
は変化がもたらさ れる。デジタル化は、カスタマー・エクスペリエンスを向上させ、新たな事業を創出し、
現行の手続を合理化する好機となる。 2018 年 6 月、 OP フィナンシャル・グループは新たな戦略を発表した。 OP
フィナンシャル・グループの新しいビジョンは、 フィンランドの主要かつ最も魅力ある金融サービス・グルー
プになることである。 OP フィナンシャル・グループははまた、継続的な戦略プロセスを構築しており、戦略的
予想は恒常的に課題に直面している。
事業のアップグレード及び合理化に必要な開発投資は、経費を増加させ、かかる投資からの利益が 経費の
引下げ又は収益の増加の形 により実現される前に、利益率を低下させる。 OP フィナンシャル・グループ ( 当行
を含む。 ) が戦略を成功裏に遂行することができなかった場合には、 OP フィナンシャル・グループの事業、業
績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。また競争が激化し、顧客の国際展開が進むにつれ、
OP フィナンシャル・グループの戦略は、競争力不足であるか又は将来の顧客の要求を満たすのに不十分であ
る可能性がある。 OP フィナンシャル・グループが戦略をこれらの要求に合うよう順応させることができな
かった場合には、 OP フィナンシャル・グループ及び当行の事業、業績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす
可能性がある。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 業績等の概要
「 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
(2) 生産、受注及び販売の状況
「 (1) 業績等の概要」を参照のこと。
(3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
以下の経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析の記載は、 2018 年 12 月 31 日
に終了した年度に関するものである。本項に含まれているすべての将来に関する記述は、当行の考え、見通
し、目標及び予想に基づき、かつ本書提出日現在の予測に基づいている。
・連結税引前利益は 439 百万ユーロ ( 前年度は 535 百万ユーロ ) であった。株主資本利益率は 8.5 % ( 前年度は
10.6 % ) であった。総資産利益率は 0.54 % ( 前年度は 0.67 % ) であった。
・純利息収益は 2 %上昇して 264 百万ユーロとなり、純保険料収益は 19 %上昇して 548 百万ユーロとなり、比
較可能な変動は -2 %である。投資収益は 46 %下落し、 210 百万ユーロとなった。
・費用は 8 %増加して 611 百万ユーロとなった。 2018 年末に、 OP フィナンシャル・グループは、従業員の収
益連動型法定年金保険及び関連するポートフォリオの大半の管理をイルマリネン相互保険年金会社に移
管した。かかる移管は OP コーポレート・バンクの年金費用を削減し、これにより税引前利益は 34 百万
ユーロ増加し、自己資本は 0.1 パーセント・ポイント増加した。
・債権の減損は低く留まり、 13 百万ユーロ ( 前年度は 12 百万ユーロ ) となった。
・ CET1 比率は、 15 %の目標値に対し 15.1 % ( 前年度は 16.0 % ) であった。
・バンキング部門の税引前利益は、 3 %増加して 354 百万ユーロとなった。貸付ポートフォリオは、 11 %増
加して 22.3 十億ユーロとなった。収益に対する費用の比率は 31.6 % ( 前年度は 31.4 % ) であった。
・損害保険部門の税引前利益は、 174 百万ユーロの純投資収益の減少により、 41 %減少して 114 百万ユーロ
となった。前年度、保険負債の割引率の減少により、保険金発生額は 102 百万ユーロ増加した。営業合算
率は 92.0 % ( 前年度は 96.1 % ) だった。
・その他業務部門の税引前利益は、純投資収益の減少により -30 百万ユーロ ( 前年度は -2 百万ユーロ ) となっ
た。流動性及び資金調達へのアクセスは引続き良好であった。
・ 2019 年の、貸付金ポートフォリオ及び貸付金の需要は引続き良好であると予想されており、損害保険部
門の保険料収入は適切な水準を維持すると予想されている。 2019 年通年の利益の予想は OP フィナンシャ
ル・グループ・レベルでのみ、その財務書類及び中間報告書にて提供される。
2018 年度 2017 年度
( 単位:百万ユーロ ) 第 1- 第 ▶ 四半期 第 1- 第 ▶ 四半期 増減 ( % )
税引前利益
バンキング部門 354 344 3.0
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損害保険部門 114 193 - ▶ 0.7
その他業務部門 -30 -2
グループ合計 439 535 -17.9
*
株主資本利益率 (ROE)( % )
8.5 10.6 -2.0
*
総資産利益率 (ROA)( % )
0.54 0.67 -0.1
損益計算書から得られる比較値は、前年度に計上された数値に基づいている。別段の記載がある場合を除き、 2017 年
12 月 31 日時点における貸借対照表及びその他のクロス・セクションの数値が比較値として利用されている。 2018 年 1 月
1 日、 OP コーポレート・バンクは IFRS 第 9 号「金融商品」を適用した。損益計算書から得られる比較値は、 2017 年の同
期に IAS 第 39 号に基づき計上された数値に基づいている。別段の記載がある場合を除き、 2017 年 12 月 31 日時点における
貸借対照表及びその他のクロス・セクションの IAS 第 39 号に基づく数値が比較値として利用されている。
* 変化率
)
OP コーポレート・バンクの財務目標 2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日 2019 年目標値
カスタマー・エクスピリエンス、ネットプロ
モータースコア (-100-+100) 71 69 70
CET1 比率 ( % ) 15.1 16.0 15
経済資本収益率 ( % ) 14.4 17.8 22
2020 年度の経費を
*
当事業年度の事業の経費 ( 継続した 12 ヶ月 )
2015 年度 (475) よ
( 百万ユーロ ) 593 534 り小さくする。
配当性向 ( % ) 49.9 49.7 50
* 健康福祉事業の経費及び収益連動型法定年金保険の管理の移管に関連して計上された収 益 34 百万ユーロ は除く。
)
OP フィナンシャル・グループの財務目標 2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日 2019 年目標値
カスタマー・エクスピリエンス、ネットプロモー
タースコア (-100-+100)
ブランド 23 22 25
サービス・エンカウンター 61 58 70
CET1 比率 ( % ) 20.5 20.1 22
経済資本収益率 ( % )( 継続した 12 ヶ月 ) 20.8 20.4 22
2015 年度レベ
当事業年度の事業の経費 ( 継続した 12 ヶ月 )
ルの 2020 年度
( 百万ユーロ ) 1,833 1,661 の経費 (1,500)
2.1
オーナー顧客 ( 百万ユーロ ) 1.9 1.8 (2019)
経営環境
2018 年最後の数ヶ月の間、世界経済の成長は減速し、経済信頼感は悪化した。経済動向は引続き比較的良
好であった。 2018 年の世界経済は 2017 年とほぼ同じくらい活発な水準で成長した。異なる国と国の間の経済
成長の格差は拡大した。部分的に一時的な要因により、ユーロ圏の経済成長は 1 年を通じて明らかに停滞し
た。失業率は引続き著しく低下し、インフレ率は上昇した。
ECB は金融政策の正常化を続けた。 10 月に、 ECB は資産買入プログラムに基づく純資産購入額を 1 ヶ月当たり
15 十億ユーロ未満に引き下げ、年末には完全に終了した。
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主要なリファイナンス金利は 1 年を通じて変動しなかった。欧州銀行間取引金利 (Euribor) は年末にわずか
に上昇した。長期市場金利は、年末の不安感の拡大により、年初と同水準にまで減少した。年末の急激な下
落 により、年初時点より株価は落ち込んだ。
フィンランド経済は、後期において引続き活発に成長した。予備情報によれば、 2018 年の経済成長率は
2017 年をわずかに下回った。成長は、以前に増して消費に集中した。雇用率は目覚しい改善を見せ、実質利
益は増加した。しかし、年末に向けて消費者信頼感は低下した。事業収益性はさらに改善し続けたが、固定
投資はわずかにしか増加しなかった。
住宅市場において、中古住宅の売上高は前年をわずかに下回った。需要は、主に 1990 年代初頭以降に完成
した新しい住宅に集中した。住宅価格はわずかにしか上昇しなかった。
経済の見通しは悪化し、不安感は確実に増した。最大のリスクは、世界経済及び国際経済に関連してい
る。金利に関する見通しは安定している。 ECB は、主要なリファイナンス金利を少なくとも 2019 年の夏までは
現行の水準に維持すると発表した。
2018 年の個人顧客向貸付合計は 2.2 %増加した。実行済みの住宅ローンは 1.7 %増加し、年末にかけて実行
された新規の住宅ローンの貸出金利は下げ止まった。企業向貸付及び住宅関連会社向貸付の年間成長率は加
速し、 12 月は 7.5 %となった。バンキング・バロメーターによると、個人顧客向貸付及び企業向貸付の需要は
著しく減少すると予想される。
2018 年の総預金高は 2.6 %増加した。個人顧客預金は 5.6 %増加し、法人預金は 3.5 %増加した。公共機関に
よる預金合計は約 13 %減少した。
フィンランドで登録されるミューチュアル・ファンドの価格は、 2018 年末に 110.1 十億ユーロとなった。当
年度中のファンドの純資産流入額は 3.9 十億ユーロ減少した。長期社債ファンド及びエクイティ・ファンドは
最も償還が多かった。
上向きな景況は、 2018 年におけるフィンランドの保険部門を支えたが、価格競争は寧ろ激化し、年末の資
本市場の混乱により業績は低迷した。
連結利益の分析
2017 年度
2018 年度
*
( 単位:百万ユーロ ) 第 1- 第 ▶ 四半期 第 1- 第 ▶ 四半期 増減 ( % )
純利息収益 264 259 1.8
純保険料収益 548 459 19.4
純手数料収益 -23 -17 34.2
純投資収益 210 390 -46.1
その他営業収益 47 26 81.4
収益合計 1,046 1,117 -6.3
人件費(収益連動型法定年金負債の移管を除く) 193 164 18.0
収益連動型法定年金負債の移管 -34
減価償却/償却費及び減損 83 64 29.0
その他営業費用 369 339 8.6
費用合計 611 568 7.6
債権の減損 -13 -12 2.9
オーナー顧客の OP ポイント -2 -2 3.0
一時的な適用免除 ( オーバーレイ・アプローチ ) 19
税引前総利益 439 535 - 17.9
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* 注記 3 会計方針の記載のとおり、 IFRS 第 15 号の適用に従い、 2017 年の比較値は、変更されている。
)
1 月から 12 月
連結税引前利益は 439 百万ユーロ ( 前年度は 535 百万ユーロ ) となった。収益合計は、損害保険部門の純投資
収益の減少及びデリバティブ業務の収益減少により減少した。純利息収益及び純保険料収益は前年度に比べ
増加した。その他営業収益は、バルト諸国における損害保険事業の売上によるキャピタル・ゲインにより増
加した。費用合計は金融当局に課された費用及び ICT 費用により増加した。収益連動型法定年金保険及び関連
するポートフォリオの管理をイルマリネン相互保険年金会社に移管することにより税引前利益は改善した。
減損損失は低く留まっている。
純利息収益は、 264 百万ユーロ ( 前年度は 259 百万ユーロ ) に増加した。デリバティブ業務により、その他業
務部門の純利息収益は増加したが、バンキング部門の純利息収益は減少した。バンキング部門の貸付金ポー
トフォリオは 11 %増加した。純保険料収益は 548 百万ユーロ ( 前年度は 459 百万ユーロ ) に増加した。保険料収
入は 2.4 %増加した。前年度、保険負債の割引率の引下げにより、純保険料収益は 102 百万ユーロ減少した。
保険金発生額は、 2017 年の割引率の引下げを除き、 5.4 %増加した。純保険料収益の比較可能な変動は -2 %で
ある。
純手数料収益は -23 百万ユーロ ( 前年度は -17 百万ユーロ ) となった。前年度に比べ、健康福祉サービスによ
る収益及び貸付による収益の増加により手数料収入は 1.5 %増加した。手数料支出は 4.6 %増加した。 OP コー
ポレート・バンク・グループが、損害保険及びデリバティブの販売について会員協同組合銀行に支払う手数
料により、手数料支出は増加し、純手数料収益は減少した。デリバティブ商品の販売について会員銀行に支
払われた手数料は、前年度比増加した。会員銀行に支払われた手数料を除き、手数料支出は送金サービス及
び証券仲介の費用低下により前年度比で減少した。
純投資収益は、 210 百万ユーロ ( 前年度は 390 百万ユーロ ) となった。損害保険部門の一部の株式商品につい
ては、オーバーレイ・アプローチが適用されており、これにより当事業年度の利益は 19 百万ユーロ改善し
た。オーバーレイ・アプローチの範囲内での投資の公正価値の変動は、資本の公正価値評価差額準備金とし
て計上される。純投資収益は合計 161 百万ユーロ減少した。損害保険部門の公正価値に基づく投資収益は
0.1 % ( 前年度は 3.5 % ) であった。
損益を通じて公正価値で認識される金融資産による純収益は、合計 167 百万ユーロ ( 前年度は 220 百万ユー
ロ ) となり、その他の包括的利益を通じて公正価値で認識される金融資産による純収益は 65 百万ユーロ ( 前年
度は 196 百万ユーロ ) となった。純投資利益はデリバティブ業務による 138 百万ユーロ ( 前年度は 207 百万ユー
ロ ) を含む。キャピタル・ゲイン及び損益を通じて認識される投資の公正価値の変動は合計 50 百万ユーロ ( 前
年度は 150 百万ユーロ ) となった。受取配当金及び利益分配金は 36 百万ユーロ ( 前年度は 50 百万ユーロ ) となっ
た。
その他営業収益は 47 百万ユーロ ( 前年度は 26 百万ユーロ ) に増加した。当事業年度において、合計 16 百万
ユーロがバルト諸国における損害保険業務の売上によるキャピタル・ゲインとして計上された。
費用合計は 7.6 %増加し、 611 百万ユーロ ( 前年度は 568 百万ユーロ ) となった。人件費は、収益連動型法定年
金保険の移管を除き、前年度を 30 百万ユーロ上回った。当事業年度中に、収益連動型法定年金保険及び関連
するポートフォリオの管理はイルマリネン相互保険年金会社に移管され、これにより税引前意利益は 34 百万
ユーロ改善された。減価償却/償却費は、主に、特に損害保険部門の 16 百万ユーロの ICT 投資に関連した減損
の増加により増加した。その他営業費用は、 ICT 費用の 19 百万ユーロの増加及び 23 百万ユーロの金融当局に課
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された費用の増加により増加した。他方で、管理費は 11 百万ユーロ減少した。大半の開発は当事業年度の事
業に関わる。 1 月から 12 月の開発支出は 97 百万ユーロ ( 前年同期は 98 百万ユーロ ) となった。これらは、ライセ
ン ス費用、購入したサービス、プロジェクト及び社内作業に関連するその他の外部費用を含む。資本に組み
入れられた開発支出は 34 百万ユーロ ( 前年同期は 46 百万ユーロ ) となった。
債権の減損の純額は 13 百万ユーロ ( 前年度は 12 百万ユーロ ) となった。貸付金の実現した貸倒損失及び予想
貸倒損失は 13 百万ユーロ ( 前年度も 13 百万ユーロ ) となった。その他の包括的な収益及びオフバランスシート
上のコミットメントを通じた公正価値で認識される貸借対照表上の項目の減損損失は軽微であった。 2018 年
の債権の減損は IFRS 第 9 号に基づいて計算されていることを考慮すると、従前の IAS 第 39 号に基づいて計算さ
れた値とは比較できない。
2018 年のハイライト
収益連動型法定年金保険及び関連するポートフォリオの管理のイルマリネン相互保険年金会社への移管
OP コーポレート・バンク及び OP フィナンシャル・グループの従業員のための収益連動型法定年金による保
障は、 OP バンク・グループ年金基金を通じて事前に手当てされている。 2018 年 7 月 31 日、 OP バンク・グループ
年金基金の代表委員会は、 1,068 百万ユーロの価値がある年金負債の管理をイルマリネン相互保険年金会社に
移管することを決定した。移管されたソルベンシー資本は 263 百万ユーロとなった。関連する保険ポートフォ
リオは、 OP バンク・グループ年金基金の年金債務合計の 90.8 %を占めた。移管は 2018 年 12 月 31 日に実施され
た。当初の予定に基づき、残存する年金債務はイルマリネン相互保険年金会社に後日移管されるが、 2020 年
末より早まることはない。残存部分は、主に 2015 年 12 月 31 日にイルマリネン相互保険年金会社から OP バン
ク・グループ年金基金に移管された OP インシュアランス・リミテッドの年金負債により構成される。
移管により、 OP コーポレート・バンクの CET1 比率は 0.1 パーセント・ポイント改善した。また、移管により
OP コーポレート・バンク ・グループ の税引前利益も 34 百万ユーロ増加した。
OP コーポレート・バンクの業務改革
2018 年 9 月 26 日、 OP フィナンシャル・グループの中央協同組合の監督委員会は、残りの戦略期間において OP
フィナンシャル・グループが主要戦略として焦点を当てる分野を決定した。監督委員会は、新たなビジョン
も決定した。 2016 年に確認された戦略は未だに OP フィナンシャル・グループの基盤を構成するが、 OP フィナ
ンシャル・グループは経営環境の変化に伴い、その戦略的焦点の明確化を求めた。
OP フィナンシャル・グループのビジョンは、従業員、顧客、パートナー及び株主の観点から、フィンラン
ドの主要かつ最も魅力ある金融サービス・グループになることである。したがって、エクセレント・エンプロ
イー・エクスペリエンス、ベスト・カスタマー・エクスペリエンス及びオーナー顧客の人数の少なくとも 2 百
万への増加が、戦略において焦点を当てる分野として重視されているのはこのためである。その他 2 つの戦略
的焦点は生産性の最大化及び経費を上回る利益の成長速度を後押しする。
かかる戦略及びビジョンを実施するため、 OP フィナンシャル・グループはその実務改革を開始した。新し
い迅速な実務は、仕事の意義を重視し、仕事の達成感を拡大し、これによりカスタマー・エクスペリエンス
及び職場における効率を改善し、経費削減の可能性を生む。
迅速な実務は、 OP フィナンシャル・グループの中央協同組合で段階的に導入される。新たな業務モデルの
実施は組織再編と共に開始した。関連する情報及び従業員との協議プロセスは中央協同組合において 2018 年
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10 月 1 日に開始し、 2018 年 11 月 13 日に終了した。かかるプロセスは OP コーポレート・バンク・グループにも適
用される。新しい組織は 2019 年 1 月 1 日に発足した。業務モデルの開発及び再編計画は継続した。組織的な変
更 は、 OP フィナンシャル・グループの 100 百万ユーロ経費削減計画の一端である。
セグメント別財務実績
OP フィナンシャル・グループの中央協同組合の監督委員会は、 2018 年 6 月 6 日の会議において執行取締役会
の新たな責任の分担を決定し、これにより 2019 年の初めから部門構造が変更になった。その中間報告書及び
財務書類において、 2019 年の初回の中間報告書から、 OP フィナンシャル・グループはその新しい部門に基づ
いた財務報告を開始した。 OP コーポレート・バンク・グループの部門構造はそれに伴い更新された。健康及
び福祉事業は損害保険部門に含まれる。業務部門に属さない業務はその他業務部門に分類されており、 OP
フィナンシャル・グループ及びその事業をサポートする機能 ( グループ財務部門及び流動性バッファー等 ) を
含む。セグメント別の報告は OP コーポレート・バンクの連結財務書類に適用されている会計方針に基づいて
いる。
バンキング部門
・税引前利益は 3 %増加し、 354 百万ユーロ ( 前年度は 344 百万ユーロ ) となった。
・貸付金ポートフォリオは、 11.0 %増加して 22.3 十億ユーロとなった。
・債権の減損により、利益は 12 百万ユーロ ( 前年度は -12 百万ユーロ ) 減少した。不良債権は、貸付金及び保
証ポートフォリオの 0.4 % ( 前年度は 0.7 % ) を占めた。
・バンキング部門における最も顕著な開発投資は、融資及び支払いの仕組みの開発を含む。
バンキング部門:主要な数値及び比率
2018 年度 2017 年度 増減
( 単位:百万ユーロ ) 第 1- 第 ▶ 四半期 第 1- 第 ▶ 四半期 ( % )
純利息収益 341 348 -2.0
純手数料収益 54 129 -57.8
純投資収益 121 18 556.5
その他営業収益 19 24 -20.9
収益合計 536
520 3.1
人件費(収益連動型法定年金負債の移管を除く) 59 54 9.3
収益連動型法定年金負債の移管 -31
減価償却/償却費及び減損 15 11 32.4
その他営業費用 127 98 29.3
費用合計 169
163 3.7
債権の減損 -12 -12 -3.3
税引前利益 354
344 3.0
**
収益に対する費用の比率 ( % ) 31.6 31.4 0.2
2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日 増減 ( % )
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貸付金ポートフォリオ ( 十億ユーロ ) 22.3 20.1 11.0
保証ポートフォリオ ( 十億ユーロ ) 2.6 2.4 9.2
**
企業向貸付金ポートフォリオに係る利鞘 ( % ) 1.21 1.25 -0.04
貸付金及び保証ポートフォリオに対する債権の減損の割合
**
*
( % ) 0.4 0.7 -0.3
従業員数 ( 人 ) 663 628 5.6
* 不良債権とは、支払期限から 90 日超が経過している債券、リスクが高いと分類されたその他の債券及び顧客の財政
)
難によりかかる債券の支払いが猶予された債権を指す。
** 変化率
)
貸付金ポートフォリオは、 11.0 %増加して 22.3 十億ユーロとなった。保証ポートフォリオは合計 2.6 十億
ユーロ ( 前年度は 2.4 十億ユーロ ) となり、約定済みスタンドバイ・クレジット・ファシリティは、 4.3 十億
ユーロ ( 前年度は 4.5 十億ユーロ ) となった。
11 月、 OP コーポレート・バンクは、プロスペラにより実施された「 Corporate Banking 2018 Finland 」の
調査において、 Tier 1 カテゴリーの回答者 ( 大法人又は純売上高が 1.5 十億ユーロを超える法人も含む。 ) の中
で最優秀銀行となった。
金利上昇への期待は金利保護商品の個人顧客及び法人顧客への販売を促進させた。
収益
税引前利益は、 3.0 %増加して 354 百万ユーロ ( 前年度は 344 百万ユーロ ) となった。収益合計は 3.1 %、費用
合計は 3.7 %増加した。営業費用の増加にもかかわらず、収益に対する営業費用の比率は、前年度水準を維持
し、 31.6 % ( 前年度は 31.4 % ) となった。
デリバティブ業務により、純利息収益は 2.0 %減少して 341 百万ユーロ ( 前年度は 348 百万ユーロ ) となった。
純手数料収益は 57.8 %減少して 54 百万ユーロ ( 前年度は 129 百万ユーロ ) となった。手数料収益の減少は、当該
事業年度のデリバティブ業務について特定の顧客の収益項目をバンキング部門の純投資収益に含めたことに
起因する。前年度のそれらは純手数料収益に含まれていた。
純投資収益は前年度比で 103 百万ユーロ増加した。純投資収益は、 16 百万ユーロの個別の株式のキャピタ
ル・ゲインにより増加した。デリバティブ業務により、かかる項目に含まれる純取引収益が増加した。デリ
バティブ業務に関連する CVA 評価により、収益は 7 百万ユーロ ( 前年度は 21 百万ユーロ ) 改善した。
その他営業収益は、前年度比で 5 百万ユーロ低かった。バンキング部門では、減損損失により、当事業年度
の利益は 12 百万ユーロ ( 前年度は -12 百万ユーロ ) 減少した。不良債権は貸付金及び保証ポートフォリオの
0.4 % ( 前年度は 0.7 % ) を占めた。
費用合計は 169 百万ユーロ ( 前年度は 163 百万ユーロ ) となった。人件費は、収益連動型法定年金保険の移管
を除き、前年度比で 5 百万ユーロ増加し、 59 百万ユーロとなった。収益連動型法定年金保険及び関連するポー
トフォリオの管理のイルマリネン相互保険年金会社への移管により、税引前意利益は 31 百万ユーロ改善され
た。その他営業費用は、前年度比で 29 百万ユーロ増加した。かかる増加は、金融安定理事会への 19 百万ユー
ロの安定負担金によるものだった。 ICT 費用は 61 百万ユーロ ( 前年度は 54 百万ユーロ ) となった。
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バンキング部門のリスク・エクスポージャー
バンキング部門における主要なリスクは、顧客の事業から発生するクレジット・リスク及び市場リスクに
関するものである。
バンキング部門のクレジット・リスク・エクスポージャーは引続き安定しており、クレジット・リスクも
引続き穏やかであった。
不良債権合計は 145 百万ユーロ ( 前年度は 195 百万ユーロ ) となった。不良債権とは、支払期限から 90 日超経
過している債権、リスクが高いと分類されたその他の債権及び顧客の財政難により支払いが猶予された債権
を指す。抑制措置は、一時的な収支難の際に顧客が管理しやすくするための、顧客に対する契約上の支払条
件に対する顧客のイニシアチブにより合意されたコンセッションから成る。稼働中の支払いが猶予された債
権エクスポージャー ( 猶予期間中に稼動しているものとして再分類された支払いが猶予されたエクスポー
ジャー又は不良債権契約ではない支払い猶予措置 ) は不良債権の 36.6 % ( 前年度は 25.1 % ) を占めた。不良債権
は低くとどまり、貸付金及び保証ポートフォリオの 0.4 % ( 前年度は 0.7 % ) を占めた。バンキング部門の減損
損失は -12 百万ユーロ ( 前年度も -12 百万ユーロ ) となった。
バンキング部門エクスポージャーの内訳
2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
*
バンキング部門エクスポージャー合計
(十億ユーロ) 34.1 31.6
**
うち最も高い借入人格付 (IG) (%) 65.2 66.4
うちその他の借入人格付(不履行を除く)(%) 34.4 33.0
うち不履行と分類されたもの(%) 0.4 0.6
うち不履行と分類されたもの(百万ユーロ) 141.0 187.0
法人及び住宅関連会社エクスポージャー
(十億ユーロ) 30.0 27.8
バンキング部門エクスポージャー合計に対する比率
(%) 87.8 87.9
うち最も高い借入人格付 (IG) (%) 63.4 65.4
うちその他の借入人格付(不履行を除く)(%) 36.1 34.0
うち不履行と分類されたもの(%) 0.5 0.7
うち不履行と分類されたもの(百万ユーロ) 141.0 187.0
個人顧客事業部エクスポージャー(十億ユーロ) 1.9 1.7
金融及び保険機関エクスポージャー
(十億ユーロ) 1.1 1.2
公共機関エクスポージャー(十億ユーロ) 1.1 1.0
* デリバティブ仲介手数料を含む。
)
** 個人顧客を含まない。
)
1 社の顧客のエクスポージャーが、引当金及びその他のクレジット・リスク緩和の認識後に資本基盤の 10 %
を超えた。大口法人顧客のエクスポージャーは、合計 0.5 十億ユーロとなり、顧客のエクスポージャーを補填
する当行の資本基盤は、 4.9 十億ユーロ ( 前年度は 4.8 十億ユーロ ) となった。
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法人及び住宅関連会社エクスポージャーにおける最も重要なセク
ター 2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
エネルギー(%) 12.9 14.1
サービス(%) 11.1 9.4
貿易(%) 10.7 10.7
その他のセクター(%) 65.4 64.5
合計 100 100
バルト諸国事業部のエクスポージャーは 3.3 十億ユーロ ( 前年度は 2.5 十億ユーロ ) に増加し、バンキング部
門のエクスポージャー合計の 9.7 % ( 前年度は 7.8 % ) を占めた。
損害保険部門
・税引前利益は 40.7 %減少し 114 百万ユーロ ( 前年度は 193 百万ユーロ ) となった。
・保険料収入は 2.4 %増加した ( バルト諸国を除くと 3.8 % ) 。
・営業合算率は 92.0 % ( 前年度は 96.1 % ) で、事業費率は 21.0 % ( 前年度は 20.3 % ) であった。合算率は
93.2 % ( 前年度は 97.6 % ) であった。
・一時的な適用免除を考慮した純投資収益は 22 百万ユーロ ( 前年度は 176 百万ユーロ ) となった。公正価値に
基づく純投資収益は 14 百万ユーロ ( 前年度は 135 百万ユーロ ) であった。
・開発投資は電子サービスの開発に重点が置かれ、基幹システムのアップグレードが開始された。
損害保険部門:主要な数値及び比率
2018 年度 2017 年度 増減
( 単位:百万ユーロ ) 第 1- 第 ▶ 四半期 第 1- 第 ▶ 四半期 ( % )
保険料収入 1,466 1,432 2.4
保険金発生額 915 970 -5.7
その他費用 3 3 -10.9
純保険料収益 549 459 19.5
純投資収益 2 176 -99.1
その他純収益 -35 -68 -48.4
収益合計 515 568 -9.3
人件費(収益連動型法定年金負債の移管を除く) 124 102 21.9
収益連動型法定年金負債の移管
減価償却/償却費及び減損 62 50 22.9
その他営業費用 234 221 5.6
費用合計 419 373 12.4
オーナー顧客への OP ポイント -2 -2 3.0
一時的な適用免除 21
税引前利益 114 193 -40.7
合算率 ( % ) 93.2 97.6
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営業合算率 ( % ) 92.0 96.1
営業損失率 ( % ) 70.9 75.8
事業費率 ( % ) 21.0 20.3
営業リスクの比率 ( % ) 64.5 69.3
営業費用の比率 ( % ) 27.4 26.9
*
ソルベンシー比率 ( ソルベンシーⅡ )( % ) 132 135
自己勘定に留保した多額の保険金発生額 107 78
過年度に係る請求の変更 ( 流出額 ) 42 35
従業員数 ( 人 ) 1,791 1,774 1.0
* 経過規定による影響を含む。
)
一般的な経済発展に後押しされ、法人顧客事業部における保険料収入は増加した。個人顧客事業部におけ
る保険料収入は、価格競争が激化したにもかかわらず上昇し始めた。
銀行取引及び保険サービスの利用により得られた OP ポイントは 2,371,000 件 ( 前年度は 2,315,000 件 ) の保険
料の支払いに使用され、このうち 358,000 件 ( 前年度は 327,000 件 ) は全額がポイントによって支払われた。ポ
イントを利用した保険料の支払いは合計 118 百万ユーロ ( 前年度は 114 百万ユーロ ) となった。
主要な開発投資は電子取引及び購入サービスの開発に重点が置かれ基幹システムのアップグレードが開始
された。保険及び保険金請求の両方におけるオンラインサービス及びモバイル向けサービスの開発は損害保
険部門における最優先事項に含まれる。
バルト諸国の子会社であるシーサム・インシュアランス・エー・エスのすべての株式資本の VIG への売却
は、 2018 年 8 月 31 日に完了した。バルト諸国における事業による収益は、売却完了の日まで部門の利益に含ま
れた。
収益
税引前利益は 114 百万ユーロ ( 前年度は 193 百万ユーロ ) となった。利益の減少は、特に純投資収益が一時的
な適用免除を考慮した上で、前年度比で 154 百万ユーロ減少したことに起因する。投資のキャピタル・ゲイン
の純額は -5 百万ユーロ ( 前年度は 133 百万ユーロ ) となった。純保険料収益は 19.5 %増加し、 549 百万ユーロと
なった。保険負債の割引率の減少により、保険金発生額は前年度比で 102 百万ユーロ増加した。バルト諸国の
損害保険事業の売上により、その他純収益は 16 百万ユーロ増加した。
営業合算率は 92.0 % ( 前年度は 96.1 % ) であった。前年度の営業比率は、割引率の変更による影響を含むが
企業買収から発生した無形資産の償却を除いたものである。割引率の引下げにより、営業合算率は 7.1 パーセ
ント・ポイント低下した。
保険料収入
2018 年度 2017 年度 増減
( 単位:百万ユーロ ) 第 1- 第 ▶ 四半期 第 1- 第 ▶ 四半期 ( % )
個人顧客事業部 798 786 1.5
法人顧客事業部 624 584 6.8
バルト諸国事業部 44 62 -29.0
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合計 1,466 1,432 2.4
バルト諸国における損害保険事業の売却は、年末にかけて保険料収入の創出に影響を及ぼした。保険料収
入は、バルト諸国における数値を除き 3.8 %上昇した。
保険金発生額は、前年度の保険負債の割引率の引下げによる影響を除き、 5.4 %増加した。損害保険及び企
業責任保険の新規の多額の保険金請求による保険金発生額は、前年度比で増加した。損害保険及び企業責任
保険の新規の多額の請求 (0.3 百万ユーロを上回る請求 ) の報告件数は、 1 月から 12 月までの期間において 98 件
( 前年度は 85 件 ) となり、自己勘定に留保した保険金発生額は合計 107 百万ユーロ ( 前年度は 78 百万ユーロ ) で
あった。法定年金に基づく未払請求に関する引当金の変動により、利益は 1 百万ユーロ ( 前年度は -8 百万ユー
ロ ) 減少した。
割引率の変更による影響を除く過年度に係る請求の変更は、保険契約準備金勘定の残高に 42 百万ユーロ ( 前
年度は 35 百万ユーロ ) の改善をもたらした。営業損失率は 70.9 % ( 前年度は 75.8 % ) であり、間接損害調整費を
除く営業リスクの比率は、 64.5 % ( 前年度は 69.3 % ) であった。
費用は、開発関連の ICT 費用及び減価償却/償却費の増加並びに健康福祉事業の拡大により、 12.4 %増加
し、前年度比で 46 百万ユーロ増加した。減損の評価減は前年度比で 12 百万ユーロ増加した。事業費率は
21.0 % ( 前年度は 20.3 % ) であった。営業費用の比率 ( 間接損害調整費を含む。 ) は、 27.4 % ( 前年度は 26.9 % )
であった。
保険契約準備金勘定に係る営業残高及び合算率 (CR)
2018 年度 2017 年度
第 1- 第 ▶ 四半期の残高 合算率 第 1- 第 ▶ 四半期の残高 合算率
( 百万ユーロ ) ( % ) ( 百万ユーロ ) ( % )
個人顧客事業部 87 89.0 93 88.1
法人顧客事業部 33 94.8 -41 107.0
バルト諸国事業部 -2 104.8 3 95.3
合計 118 92.0 55 96.1
激化した価格競争により個人顧客事業部の収益率は低下した。 1 件の多額の保険金請求により、バルト諸国
事業部の残高は減少した。
投資
損害保険部門の公正価値に基づく純投資収益は 14 百万ユーロ ( 前年度は 135 百万ユーロ ) となった。公正価値
に基づく純投資収益は、市場整合的な保険負債の価値の変動を投資資産合計の収益から差し引くことにより
計算される。
資産種類別投資ポートフォリオ
( 単位:% ) 2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
債券及び債券ファンド 71.9 68.0
代替的投資 5.5 4.7
株式 7.6 8.5
プライベート・エクイティ 2.0 1.9
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不動産 8.4 8.3
金融市場 4.6 8.5
合計 100 100
2018 年 12 月 31 日現在、損害保険部門の投資ポートフォリオは、合計 3,730 百万ユーロ ( 前年度は 3,903 百万
ユーロ ) であった。投資適格等級カテゴリーに該当する投資は 94 % ( 前年度は 95 % ) を占め、投資の 62 % ( 前年
度は 65 % ) は格付が A- 以上であった。 2018 年 12 月 31 日現在、確定利付ポートフォリオの修正後の償還年限は
4.3 年間 ( 前年度は 5.1 年間 ) であった。
2018 年 12 月 31 日における直接的な債券投資の平均直接利回りは 1.5 % ( 前年度は 1.7 % ) であった。割合の計
算は 2018 年に定められ、比較値は遡及的に調整された。
健康福祉
ポヨラ・ヘルス・リミテッドの病院ネットワークは 2018 年 5 月にトゥルクの病院の診療の開始と共に完成し
た。ヘルシンキ、タンペレ、オウル、クオピオ及びトゥルクに所在する病院は基本的な医療サービス並びに
特別な医療サービス、検査、手術及びリハビリを幅広く提供する。ポヨラ・ヘルス・リミテッドは、従前の
医療センターネットワークを構築する計画は断念し、病院業務に集中する予定である。ポヨラ・ヘルス・リ
ミテッドにより提供されるサービスに顧客は満足している。 2018 年 1 月から 12 月に手術を受けた顧客の間での
NPS 数値は 96( 前年度は 97) であった。
損害保険部門のリスク・エクスポージャー
損害保険部門の主要なリスクには、保険金請求の増加に伴う引受リスク並びに保険負債を補填する投資、
年金の保険負債に関連する予想より速い受益者の平均寿命の伸長、保険負債の評価に適用される金利並びに
保険負債に適用される割引率及び市場金利の乖離に伴う市場リスクが含まれる。
平均寿命が 1 年延びることにより年金の保険負債は 45 百万ユーロ ( 前年度も 45 百万ユーロ ) 増加する。保険負
債の評価に適用される金利の 0.1 パーセント・ポイントの減少で保険負債は 23 百万ユーロ ( 前年度は 27 百万
ユーロ ) 増加する。
損害保険部門の引受リスクに著しい変化はなかった。損害保険部門の最も大きな市場リスクは、市場金利
の低下による保険負債の価値及び自己資本要件の増加に関連する。
当事業年度の投資リスク・エクスポージャーは安定していた。 2018 年 12 月 31 日現在、市場リスクを測る最
大損失予想額は、 50 百万ユーロ ( 前年度は 52 百万ユーロ ) であった。投資ポートフォリオの資産クラスの割当
てについては、大幅な変更はなかった。当グループは、保険負債に係る金利リスクに対するヘッジとして金
利デリバティブ及び社債の両方を利用した。ポートフォリオの金利及びクレジット・リスクは引続き安定し
ていた。当グループは保険負債に係る金利リスクのヘッジ比率を大幅に引き上げた。
その他業務部門
・税引前利益は -30 百万ユーロとなった。前年度の税引前利益は -2 百万ユーロであった。
・利益は、債券に係るキャピタル・ゲインの 20 百万ユーロ ( 前年度も 19 百万ユーロ ) 及び 8 百万ユーロ ( 前年
度は 11 百万ユーロ ) の受取配当金も含まれる。
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・流動性及び資金調達へのアクセスは引続き良好であった。
その他業務部門:主要な数値及び比率
2018 年度 2017 年度 増減
( 単位:百万ユーロ ) 第 1- 第 ▶ 四半期 第 1- 第 ▶ 四半期 ( % )
純利息収益 -55 -68 -19.8
純手数料収益 -34 -94 -63.1
純投資収益 87 195 -55.1
その他営業収益 8 8 0.8
収益合計 6 41 -84.7
人件費(収益連動型法定年金負債の移管を除く) 10 8 28.2
収益連動型法定年金負債の移管 -3
その他費用 28 36 -20.9
費用合計 35 43 -18.4
債権の減損 -1 0
税引前利益 -30 -2
OP 協同組合の会員銀行から/への債権及び負債の
ネット・ポジション ( 十億ユーロ ) -1.2 -0.1 746.6
従業員数 ( 人 ) 53 50 6.0
収益
税引前利益は -30 百万ユーロ ( 前年度は -2 百万ユーロ ) となった。市場リスクの影響を受けてポジションの利
益の減少により利益は減少した。前年度、流動性バッファーによる収益の一部を当グループのバンキング部
門及び OP フィナンシャル・グループのその他の金融機関に組み入れたことによりその他経費が増加した。公
正価値に基づく税引前利益は - 134 百万ユーロであった。前年度の公正価値に基づく税引前利益は 35 百万ユー
ロであった。 2018 年末の ECB による量的緩和の終了により、年末の信用スプレッドは拡大し、これにより公正
価値評価差額準備金は減少した。
市場リスクの影響を受けるポジションに関連するデリバティブ業務により純利息収益は増加し、純投資収
益に含まれる純取引収益は減少した。当グループの会計方針に従い、デリバティブ商品による収益は純利息
収益及び純取引収益に分けられる。かかる収益が 2 つの損益計算書の項目の間でどのように細分化されるか
は、特定の時点のポジション管理において使用されたデリバティブ商品により大きく左右される。純投資収
益は、前年度比で 107 百万ユーロ減少して 87 百万ユーロ ( 前年度は 195 百万ユーロ ) となり、これはデリバティ
ブ業務による収益が減少したことによる。さらに、純投資収益は当該事業年度の期首時点ではバンキング部
門の純投資収益の直下にあった特定のデリバティブ商品の顧客の収益項目の移動により減少した。純投資収
益には、 20 百万ユーロ ( 前年度は 19 百万ユーロ ) の債券に係るキャピタル・ゲイン及び 8 百万ユーロ ( 前年度は
11 百万ユーロ ) の受取配当金収入が含まれていた。前年度の受取配当金収入には、 7 百万ユーロのスオメン・
ルオット-オスースクンタからの協同組合資本に係る利益が含まれる。
純手数料収益は -34 百万ユーロ ( 前年度は -94 百万ユーロ ) となった。一部のデリバティブの販売手数料はそ
の他業務部門において計上され、その後バンキング部門に組み入れられる。かかる組み入れられる手数料に
よりその他業務部門の純手数料収益はマイナスに転じる。しかし、特定のデリバティブ商品の顧客の収益項
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目が当該事業年度の期首にバンキング部門の純投資収益に直接組み込まれたことにより、純手数料収益は前
年度比で増加し、これによりその他業務部門が支払った手数料費用が減少した。
当行の資金調達へのアクセスは引続き良好であった。 1 月から 12 月にかけて、当行は 2.3 十億ユーロの長期
のシニア社債を発行した。 5 月には、当行は国際資本市場において 2 件のシニア債を発行し、いずれも 500 百万
ユーロで満期は 3 年と 7 年であった。 8 月には 1 件のシニア債を発行し、これは 500 百万ユーロで満期は 5 年で
あった。さらに、当行は 1 月から 12 月の間に小額の私募債及び仕組債を発行し、これは合計 0.8 十億ユーロで
あった。
第 ▶ 四半期において、 OP フィナンシャル・グループは、 ICMA( 国際資本市場協会 ) のグリーンボンド原則及び
関連する独立したサステイナリティクスのセカンドオピニオンに従い、グリーンボンド・フレームワークを
発表した。フレームワークに基づき、 OP フィナンシャル・グループは、 OP コーポレート・バンク又はその他
の発行体を通じてグリーンボンドを発行することができる。 OP グリーンボンドによる手取金は認証されたフ
レームワークに従って割り振られる。
グリーンボンドにより資金が調達される資格を有する部門には、例えば、再生可能エネルギー ( 水力発電及
び風力発電を含む。 ) 、エネルギー効率、汚染防止及び管理 ( 廃棄物管理、廃棄物リサイクル及び持続可能な
水資源及び汚水管理を含む。 ) 並びに持続可能な森林資源を通じた持続可能な土地利用を含む。フレームワー
クは、 OP フィナンシャル・グループの企業の社会的責任( CSR )プログラムに含まれている持続可能な経済の
発展という目標を支援する。 OP コーポレート・バンクは、 2019 年 2 月に、初の満期 5 年の 500 百万ユーロの無担
保グリーンボンドを発行した。
2018 年 12 月のシニア社債に係るホールセール資金調達及び TLTRO- Ⅱによる資金調達の平均利鞘は、 14 ベー
シスポイント ( 前年度は 19 ベーシスポイント ) であった。
2018 年 12 月 31 日における中央協同組合及び会員信用機関の連合組織による当行への投資額は、連合組織が
グループ財務部門から借り入れた資金の額を 1.1 十億ユーロ上回った。ネット・ポジションの変動は主に OP
モーゲージ・バンクのカバード・ボンドによる資金調達によるもので、この結果、 OP 協同組合銀行によるグ
ループ財務部門への投資額は以前より増加している。
その他業務部門のリスク・エクスポージャー
その他業務部門に関連する主要なリスクには、流動性バッファー及び流動性リスクに伴うクレジット・リ
スク及び市場リスクが含まれる。流動性バッファーに含まれる債券の市場リスクが最も高い。
流動性バッファーにおける債券の市場価値に比例して当該事業年度中の市場リスク ( 信頼性 95 %の最大損失
予想額 ) は安定していた。資産クラスの割当てに大幅な変化はなかった。
OP フィナンシャル・グループは、当行により維持され、主に中央銀行に対する預け金及び中央銀行のリ
ファイナンスに担保として適格な債権により構成されている流動性バッファーにより、その流動性を確保し
ている。流動性バッファーは既知の又は想定可能な支払フローのための、流動的なストレス・シナリオにお
ける短期資金調達の需要を賄うのに十分である。
OP フィナンシャル・グループは、例えば、流動性カバレッジ比率 ( 以下「 LCR 」という。 ) を利用し、その流
動性及び流動性バッファーの適正性を監視する。規定に従い、 LCR は、 2018 年の初頭以降 100 %以上である必
要がある。 2018 年 12 月 31 日現在の OP フィナンシャル・グループの LCR は 143 % ( 前年度は 123 % ) であった。
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OP フィナンシャル・グループは、例えば安定調達比率又は NSFR 等、長期的な資金調達の十分性を監視して
いる。規制上は、 NSFR に関する最低要件はまだ定められていない。現在の解釈に基づく、 2018 年 12 月末時点
の OP フィナンシャル・グループの NSFR は 111 % ( 前年度は 116 % ) であった。
当グループのリスク・エクスポージャー
当グループの資金調達ポジション及び流動性ポジションは良好である。資金調達能力も引続き良好であ
る。
当事業年度の当グループの市場リスク・エクスポージャーは安定していた。 2018 年 12 月 31 日現在の、市場
リスクを測る最大損失予想額の測定基準では 98 百万ユーロ ( 前年度は 89 百万ユーロ ) であった。最大損失予想
額は損害保険会社の総資産、トレーディング業務、その他業務部門の流動性バッファー及びグループ財務部
門の金利エクスポージャーを含む。
確定給付型年金制度に関連するリスクは、金利及び市場リスク、年金給付金の将来的な増加並びに寿命の
伸長に関係する。年金債務の割引率の変更は、年金債務額に著しい影響を及ぼす。当事業年度のその他包括
利益に計上された確定給付型年金制度に関連する純負債額の減少により、税引前包括利益は 23 百万ユーロ ( 前
年度は ▶ 百万ユーロ ) 増加した。この変動は、主に割引率の増加及び年金増加予想の低下の影響を受けたもの
である。従業員の収益連動型法定年金負債の移管はかかるリスクを大幅に引き下げる。
当事業年度における、コンプライアンス機能の重要分野は、投資サービス及び顧客のデューディリジェン
ス (KYC) に際し規制に確実に準拠すること、並びに新しい業務モデルに関連するコンプライアンス・リスクの
管理における事業活動のサポートに関連している。
当グループは、そのオペレーショナル・リスクは目標どおり緩和すると予想している。しかし、組織再
編、実務の変更及びサービス発展のスピードは、今後数年にわたり、オペレーショナル・リスク管理におい
て追加的な課題となると考えられる。当事業年度においては、オペレーショナル・リスクがによって、約 0.3
百万ユーロの費用が発生した。
流動性バッファー
( 単位:十億ユーロ ) 2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日 増減 ( % )
中央銀行に対する預け金 12.2 12.8 -4.7
担保適格債券 9.2 9.1 1.3
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合計 21.4 21.9 -2.2
担保不適格債権 1.3 1.5 -9.3
流動性バッファー ( 時価ベース ) 22.7 23.3 -2.6
担保ヘアカット -0.7 -0.7 2.4
流動性バッファー ( 担保価値ベース ) 22.0 22.7 -2.8
流動性バッファーは、良好な信用格付を有する政府、自治体、金融機関及び企業が発行した債券及び証券
化資産から成る。
2018 年 12 月 31 日現在の信用格付別流動性バッファーに含まれる金融資産 ( 単位:百万ユーロ )
2018 年 12 月 31 日現在の満期別流動性バッファーに含まれる金融資産 ( 単位:百万ユーロ )
OP フィナンシャル・グループの中核金融機関として行為する当行にとって、 OP の協同組合銀行並びに OP 協
同組合及びその子会社は重要な顧客グループを構成する。その他業務部門及びバンキング部門のエクスポー
ジャー合計のうち、 OP フィナンシャル・グループ ( 当グループは除く。 ) のエクスポージャーは 14.2 %を占め
る。当事業年度において、これらのエクスポージャーは、 891 百万ユーロ、すなわち 8.1 %増加した。 OP 協同
組合銀行及び OP 協同組合のすべてのエクスポージャーは投資適格エクスポージャーである。
その他業務部門エクスポージャーの内訳
2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
その他業務部門エクスポージャー合計(十億ユーロ) 50.1 37.6
金融及び保険機関エクスポージャー(十億ユーロ) 19.3 18.1
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公共機関エクスポージャー(十億ユーロ) 29.2 18.1
法人及び住宅関連会社エクスポージャー(十億ユーロ) 1.6 1.4
うち最も高い借入人格付 (IG)( % )
99.4 98.6
うちその他の借入人格付 ( % )
0.6 1.4
当グループの自己資本
資本基盤及び自己資本
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信用機関の自己資本
2018 年 12 月 31 日現在、 当グループの CET1 比率は 15.1 % ( 前年度は 16.0 % ) であった。当グループの CET1 目標
は 15 %である。
信用機関として、当グループの連結自己資本は、規制要件及び当局が設定する要件に比べ強固な基盤を有
する。自己資本比率の最低規制要件は 8 %、 CET1 比率の最低規制要件は 4.5 %である。信用機関法に基づく
2.5 %の資本保全バッファーの要件により、実際には、自己資本比率は 10.5 %、最低 CET1 比率は 7 %に引き上
げられている。
2018 年 12 月 31 日現在の CET1 資本は合計 3.8 十億ユーロ ( 前年度は 3.6 十億ユーロ ) となった。かかる増加は、
利益、損害保険会社の配当金及び収益連動型法定年金負債の移管に起因する。
2018 年 12 月 31 日におけるリスク・エクスポージャーの額は、合計 25.0 十億ユーロ ( 前年度は 22.3 十億ユー
ロ ) となり、 2017 年 12 月 31 日と比較して 11.9 %増加した。クレジット・リスク加重平均は、わずかに上昇し
た。中央協同組合 ( 連結 ) は、 ECB の許可に基づき、金融・保険コングロマリット内の保険会社持分をリスク加
重資産として取り扱う。株式投資には、当グループ内部の保険会社持分のリスク加重資産における 3.7 十億
ユーロが含まれ、リスク加重は約 280 %である。
当グループは、自己資本が FiCo に従って監督されている OP フィナンシャル・グループの一部である。 OP
フィナンシャル・グループに属しているため、 OP コーポレート・バンクは ECB の監督下にある。
FIN-FSA は、四半期毎にマクロ・プルーデンス政策に関する決定を行う。 2018 年 12 月、 FIN-FSA は、銀行に
は景気連動抑制的な自己資本バッファーの要件は課さないとの決定を再度行った。
リスク加重資産合計 (2018 年 12 月 31 日現在 )
合計 25.0 十億ユーロ
( 年度末からの変動: 12 % )
危機処理法に基づく義務
信用機関及び投資会社の危機処理に適用された規制に基づくと、破綻処理当局は、投資家のポジションに
影響を及ぼす方法で銀行により発行された投資商品の条件に介入する権限を有する。ブリュッセルを本拠地
とする欧州連合の SRB が OP フィナンシャル・グループの破綻処理当局を務める。 SRB は、 OP フィナンシャル・
グループの MREL を 12.2 十億ユーロに設定し、これは 2016 年末のリスク・エクスポージャー合計額の 27.6 %を
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占めた。 OP フィナンシャル・グループは、資本基盤及びその他の劣後負債により MREL に基づく要件の充足を
目指す。 2017 年末の OP フィナンシャル・グループの MREL 率は 35 %だった。 SRB は OP フィナンシャル・グループ
の ための破綻戦略を承認し、破綻措置はシングル・ポイント・オブ・エントリーとして機能する当行に適用
される。
損害保険部門のソルベンシー
損害保険部門の資本基盤は損害保険会社の中間配当により減少した。ソルベンシー・ポジションは、ソル
ベンシー要件の減少により改善した。
( 単位:百万ユーロ ) 2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
*
資本基盤 ( 百万ユーロ ) 818 902
*
SCR( 百万ユーロ ) 621 666
*
ソルベンシー比率 ( % ) 132 135
ソルベンシー比率 ( % )( 経過規定を除く。 ) 132 135
* 経過規定を含む。
)
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4【経営上の重要な契約等】
該当事項なし。
5【研究開発活動】
OP コーポレート・バンク・グループのレベルでは、 2018 年の開発支出は 97 百万ユーロ ( 前年度は 98 百万ユー
ロ ) となった。これには、ライセンス費用、購入したサービス、プロジェクト及び社内作業に関連するその他
の外部費用が含まれる。資本に組み入れられた開発支出は 34 百万ユーロ ( 前年度は 46 百万ユーロ ) となった。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
ICT 投資及び関連する明細は開発支出の大部分を占めた。大半の開発は当事業年度の事業に関わる。 1 月か
ら 12 月の開発支出は 97 百万ユーロ ( 前年度は 98 百万ユーロ ) となった。これらは、ライセンス費用、購入した
サービス、プロジェクト及び社内作業に関連するその他の外部費用を含む。資本に組み入れられた開発支出
は 34 百万ユーロ ( 前年度は 46 百万ユーロ ) となった。
2【主要な設備の状況】
主な事業所
本書の日付現在、当行及び OP インシュアランス・リミテッドの本店は、フィンランド共和国 ヘルシンキ市
00510 ゲブハルディナウキオ 1 に所在しており、 OP- サービシズ・リミテッドから転借している。当行及び OP
インシュアランス・リミテッドの従業員がこの事業所に勤務しており、これらの会社による使用面積の合計
は約 20,000 平方メートルである。当行は、エストニア、ラトビア及びリトアニアに支店を有する。
OP フィナンシャル・グループは、 2019 年 ▶ 月 25 日に、 OP 共同組合が本社社屋を売却する選択を検討すること
を決定したと発表した。本社社屋を売却した場合、 OP フィナンシャル・グループは、長期賃貸契約に基づ
き、当該社屋内にて引続き営業する。
面積
所在国 所在地 事業部/使用目的 所有/貸借 ( 平方メートル ) 従業員数
当グループ
フィンランド ヘルシンキ市、 当行及び サービス契約 約 20,000 平方 2,030
により
ゲブハルディナウキオ OP インシュアランス・ メートルを転借し
ている
リミテッドの本店
エストニア ターリン、トルニマエ 支店 貸借 613 32
ラトビア リガ、ミュイタス・ 支店 貸借 400 25
イエラ
リトアニア ヴィルニウス、 コンスティ 支店 貸借 552 26
トゥシジョス 通り
3【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2018 年 12 月 31 日現在 )
授権株数 ( 株 ) 発行済株式総数 ( 株 ) 未発行株式数 ( 株 )
319,551,415 319,551,415 0
②【発行済株式】
(2018 年 12 月 31 日現在 )
上場金融商品取引所
名又は
記名・無記名の別及び
登録認可金融商品取
額面・無額面の別 種類 発行数 ( 株 ) 引業協会名 内容
当行の普通株式であ
る。株主総会におい
て、株式 1 株につき議決
権 1 個が保有者に付与さ
無額面株式 - 319,551,415 非上場 れる。
計 - 319,551,415 - -
2014 年 OP 協同組合は、 2014 年 2 月に発表した公開買付を完了し、会社法第 18 章第 6 節に基づく仲裁裁判所の
決定により当行の全株式を取得した。ポヨラ・バンク・ピーエルシーのシリーズ A 株式は、 2014 年 9 月 30 日に
ヘルシンキ証券取引所から上場廃止となった。 OP 協同組合は、 2014 年 10 月 7 日付で唯一の株主としてポヨラ・
バンク・ピーエルシーの株主登録簿に登録された。さらなる情報については、「第2 企業の概況-4 関
係会社の状況- OP フィナンシャル・グループの一員としての当行」を参照のこと。
2014 年 11 月 28 日に当行のシリーズ A 株式及びシリーズ K 株式は単一のシリーズの株式に統合され、株式は振
替証券制度の適用外となった。
2018 年 12 月 31 日現在
合計
株式資本 ( ユーロ ) 427,617,463
株式数 319,551,415
2018 年 12 月 31 日現在の株式数は 320 百万株であり、 2017 年 12 月 31 日現在と同数であった。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
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(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
以下の表は、新たな単一種類株式の株式総数及び株式資本を示している。
株式合計
株式資本増減額 株式資本残高
発行済株式総数増減数 発行済株式総数残高 ( ユーロ ) ( ユーロ )
年月日 ( 株 ) ( 株 ) ( 円 ) ( 円 )
- 427,617,463
2014 年 11 月 28 日 - 319,551,415
(53,473,563,748)
(-)
(4)【所有者別状況】
当行の株主は OP 協同組合のみである (2014 年 10 月 7 日以降 ) 。
(5)【大株主の状況】
2018 年 12 月 31 日現在の株式数に基づく大株主
株式数 全株式に
議決権に占める割合
氏名又は名称及び住所 合計 ( 株 ) 占める割合 ( % ) ( % )
OP 協同組合 319,551,415 100 100
フィンランド共和国 ヘルシンキ市
00510 ゲブハルディナウキオ 1
2【配当政策】
配当政策及び配当
取締役会が当行の配当政策を決定し、株主総会において配当金の支払額を提案する。利益分配については
年次株主総会が決定する。
分配可能資金の配分に関する当行取締役会の提案
2018 年 12 月 31 日の財務書類に記載されるとおり、当該事業年度の利益 277,656,395.96 ユーロを含む当行の
分配可能利益は 1,163,283,554.34 ユーロとなった。当行の分配可能資金は、 1,494,664,391.40 となった。
取締役会は、合計 172,557,764.10 ユーロとなる 1 株当たり 0.54 ユーロの配当金が分配され、かかる配当分配
後、残存する 105,098,631.86 ユーロが利益剰余金として計上される提案をした。配当分配後、当行の分配可
能資金は 990,725,790.24 ユーロとなり、分配可能資金は 1,322,106,627.30 ユーロとなった。
2018 年度末以降、当行の財政状態に重大な変更は生じていない。取締役会の見解によれば、当行の流動性
は良好であり、資金の分配案により悪化することはないと予想されている。
3【株価の推移】
該当事項なし。
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4【役員の状況】
取締役会
取締役は、全員、年次総会で選任され、その任期は、会長を除き、選任後の年次総会の閉会までとする。
OP 協同組合の執行取締役会会長は、当行の定款に基づいて当行の取締役会の議長を務める。
2014 年 10 月 8 日、 OP 協同組合は、会社法第 5 章第 1(2) 節の規定のとおり、取締役会会長が連合法の中核機関
の取締役会の会長を務め、 2 名以上 3 名以下の他の取締役が定時株主総会により任命されるよう当行の定款を
変更する決定を全員一致で下した。
上級経営陣の変更
レイホ・カーリネンは、 OP フィナンシャル・グループの社長兼代表取締役会長及び当行の取締役会会長
を、業務執行契約に基づき、 2018 年 1 月 31 日に退任した。 2017 年 9 月 20 日、 OP フィナンシャル・グループの中
央協同組合の監督委員会は、ティモ・リタカリオ ( 法学修士号、経営学修士号及び理学修士号 ( テクノロ
ジー )) を OP フィナンシャル・グループの新しい社長兼グループ代表取締役会長に任命した。同氏は、 2018 年 3
月 1 日に、 OP フィナンシャル・グループにおけるその職務に就いた。任命を受け、同氏は当行の取締役会会長
にも就任した。同氏は以前、イルマリネン相互保険年金会社の最高経営責任者であった。 2018 年 2 月 1 日から
2018 年 2 月 28 日までは、取締役会会長を OP フィナンシャル・グループの業務部門エグゼクティブ・ヴァイス・
プレジデントであるトニー・ヴェプサライネン氏が務めた。
ヨウコ・ポローネンは、 2018 年 ▶ 月 30 日まで当行の頭取兼最高経営責任者であった。 2018 年 8 月 6 日、カト
ヤ・ケイターニェミ (Lic.Sc.( テクノロジー )) は、当行の新しい頭取兼最高経営責任者に任命された。同氏
は、中小企業部門エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めていたフィナヴィアから OP フィナンシャ
ル・グループに異動した。シニア・ヴァイス・プレジデントであるハンヌ・ヤーティネンは、新しい最高経
営責任者が職務を開始するまで、当行の頭取兼最高経営責任者代理であった。同氏は、 2018 年 8 月 6 日付で頭
取兼最高経営責任者代理に任命された。
2016 年から取締役であるヤリ・ヒマネンは、 OP スール-サヴォの業務執行取締役としての執務を開始する
ため、 2018 年 5 月 6 日に当行の取締役会の人員から退任した。
OP フィナンシャル・グループの法務サービス部門/コンプライアンス部門の責任者を務めるティーア・
テュオヴィネン (LL.M.Eur.) は、 2018 年 7 月 2 日付で取締役に任命された。
2014 年から取締役であるハリー・ルフタラは、 2018 年 10 月 31 日に当行の取締役会の人員から退任した。
2018 年 11 月 1 日現在、当行の取締役会は、会長及び構成員 ▶ 名(以前は 3 名)で構成される。ヴェサ・アホ
(理学修士号 ( 経済及び経営管理学 ) )及びヤルモ・ヴィタネン(理学修士号 ( 農業及び林業 ) 、 ( エグゼクティ
ブ向け ) 経営学修士号)は、 2018 年 11 月 1 日付で取締役会の新しい構成員に任命された。ティモ・リタカリオ
は取締役会会長を続け、トニー・ヴェプサライネン及びティーア・テュオヴィネンも構成員にとどまった。
本書提出日現在、男性の役員の数は ▶ 名、女性の役員の数は 1 名 ( 女性の役員の割合は、 20 % ) であった。
2019 年 3 月 19 日の年次総会は、以下の取締役を選任した。
会長 (法律及び役職に基づく)
ティモ・リタカリオ ( Timo Ritakallio ) (1962 年生まれ )
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有価証券報告書
・ OP フィナンシャル・グループ社長兼代表取締役会長
・法学修士号、経営学修士号及び理学修士号 ( テクノロジー )
・ 2018 年 3 月 1 日より取締役会役員
・当行及びその大株主 (OP 協同組合 ) の執行取締役
その他の関連役職
・オートテック・コーポレーション取締役会副会長、人事委員会構成員 (2019 年 3 月 14 日まで )
・フィンランド・オリンピック委員会取締役会会長
・証券市場協会取締役会会長
・パウロ基金取締役会会長
・フィンランド商工会議所取締役及び代表構成員
関連職歴
・イルマリネン相互保険年金会社社長兼最高経営責任者 (2015 年- 2018 年 )
・イルマリネン相互保険年金会社最高経営責任者代理 (2008 年- 2014 年 )
・ポヨラ・バンク・ピーエルシー社長兼最高経営責任者代理 (2006 年- 2008 年 )
・ OKO バンク・ピーエルシー社長兼最高経営責任者代理 (2001 年- 2005 年 )
・ OKO バンク・ピーエルシー取締役及び銀行マネジャー (1997 年- 2001 年 )
・オプストック・パンキリリケ・オーワイジェー業務執行取締役 (1993 年- 1997 年 )
・ウーデンカウプンジン・スードン・オスースパンキ業務執行取締役 (1991 年- 1993 年 )
・タンパリーン・スードン・オスースパンキ証券部マネジャー (1988 年- 1991 年 )
当行における持株数及び株式に基づく権利
本書の日付現在 0 株
トニー・ヴェプサライネン ( Tony Veps