オーストリア輸出銀行 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | オーストリア輸出銀行 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月28日
【会計年度(又は事業年度)】 自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日
【発行者の名称】 オーストリア輸出銀行
(Oesterreichische Kontrollbank Aktiengesellschaft)
【代表者の役職氏名】 執行取締役(Member of the Board of Executive Directors)
Angelika Sommer-Hemetsberger
執行取締役(Member of the Board of Executive Directors)
Helmut Bernkopf
【事務連絡者氏名】 弁護士 松添 聖史
弁護士 渡邊 大貴
【住所】 東京都港区六本木一丁目9番10号
アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)
【電話番号】 (03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1)本有価証券報告書中、別段の記載がない限り、「ユーロ」と表示されるすべての金額は欧州通貨統合参加国の単一
通貨を意味する。2019年6月19日現在、東京の主要銀行により公表された対顧客電信直物売買相場の仲値は、1
ユーロにつき121.54円であった。
(2)オーストリア輸出銀行(OESTERREICHISCHE KONTROLLBANK AKTIENGESELLSCHAFT)及びオーストリア共和国の会計年
度は暦年である。
(3)本有価証券報告書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
(4)オーストリア統計局(STATISTIK AUSTRIA)、WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム及び連邦
大蔵省は定期的にデータの修正・改訂を行っており、しばしば過去のデータにまで遡って小さな修正・改訂がなさ
れることがある。ある程度の期間をおかないと正確なデータを入手できない情報もある。従って、本有価証券報告
書中の数値が、昨年ないしそれ以前の報告書に記載された数値と異なることもありうる。
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オーストリア輸出銀行(E06016)
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第1【募集(売出)債券の状況】
該当事項なし
第2【外国為替相場の推移】
(1)【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当なし
(2)【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当なし
(3)【最近日の為替相場】
該当なし
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
該当事項なし。
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし。
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1)【設立】
① 設立の背景、設立年月日
オーストリア輸出銀行(Oesterreichische Kontrollbank Aktiengesellschaft)(以下「当銀行」、「OeKB」、
「輸出銀行」又は「オーストリア輸出銀行」という。)は、1946年に設立されたオーストリアの銀行法人である。
当銀行は、オーストリア経済において、通常の商業銀行業務に属さない一定の専門業務を提供することを目的とし
て設立された。当銀行の発行済株式は、オーストリアの主力銀行によって保有されている。当銀行の主たる事務所
の所在地は、オーストリア、ウィーン市A-1010、アム・ホフ4である。
② 目的、沿革、法律上の地位
当銀行は、1950年にオーストリア共和国(以下「オーストリア」又は「共和国」という。)の輸出金融と輸出振
興に関する業務を開始した。1964年に輸出振興法が制定されて以来、当銀行は、オーストリアの輸出取引にかかる
商業上、政治上及び外国為替上のリスクを補償するために、同法に基づいて共和国が発行する保証(輸出保証)の
運用にあたる共和国の総代理人を務めている。なお、1964年輸出振興法は、1981年6月1日に1981年輸出保証法
(以下「輸出保証法」という。)に置き換えられた。当銀行はまた、オーストリアの銀行及び輸出保証法に基づい
て共和国が返済を保証した輸出取引を行う外国の輸入業者向けの中長期金融も営んでいる。輸出貸付業務にかかる
当銀行の外貨建借入金は、元利金もしくは外国為替リスク又はその双方に関して、1981年輸出金融保証法(以下
「輸出金融保証法」という。)に基づいて共和国が実質的に全額保証している。本書において、輸出金融スキーム
の文脈での「借入金」とは、当銀行が輸出金融保証法第1条第1項に従い行う信用(債券発行、借入れ、信用及び
その他の債務)を意味する。当銀行のその他金融業務としては、国内債券発行(特に共和国による債券募集)の引
受及び管理業務などがある。当銀行とウィーン証券取引所との合弁企業であるセントラル・カウンターパーティ・
オーストリア(CCP.A.)が、ウィーン証券取引所の清算システムを運営する。2015年9月12日以降、当銀行の子会
社であるOeKB CSD GmbH(OeKB CSD)は、以前は当銀行が50年間にわたり運営してきたオーストリアの中央証券保
管振替機関(Wertpapiersammelbank)の業務を行っている。規制上の要件により当銀行からOeKB CSDに当該業務が
移管された。OeKB CSDは有限責任会社であり、オーストリア証券保管法に基づき、中央証券保管振替機関として行
為する。当銀行は、一般公衆からの預金受入業務や、一般向け貸付、その他の商業銀行業務を営んでいない。
③ 特権
1.1993年オーストリア銀行法(改正済)による免除特権
第3条1-(7)により、当銀行は輸出金融に関連する事業活動に関して、EUの自己資本比率規制(CRR)
2013/575/EU及び第39条3及び4から免除されている。
2.免税措置
オーストリア国税局の通達により、当銀行は輸出金融によって得た利益の一部を一定の条件の下に金利平準化
のための特別準備金として積立てることができるが、この特別準備金への毎年の利益の割当には、その大半は法
人税及び貿易税が課せられない。この特別準備金自体が総資産課税額と相続税相当額を減らすことになる。(訳
者注-法人の財産に対しては、それが将来も相続税の課税を受けることがないという理由から、毎年税金が徴収
されている。)
④ 日本との関係
なし。
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(2)【資本構成】
① 資本勘定表
(1)
(単位:1,000ユーロ)
(2)
長期債務
銀行からの預金 -
顧客からの預金 5,501
4,138,936
発行済債券
長期債務合計
4,144,437
790,668
株主資本
長期資本合計
4,935,105
短期債務
銀行からの預金 527,221
顧客からの預金 699,095
20,381,804
発行済債券
短期資本合計 21,608,120
資本勘定計
26,543,225
注(1)この表に挙げられた項目はOeKBグループの連結財務書類から抜粋されている。OeKBの連結財務書類は、EU
が採択した国際財務報告基準(IFRS)並びにUGB(オーストリア商法)第245a条及びBWG(オーストリア銀
行法)第59a条に基づく追加要件に従って作成されている。
(2)当銀行は2019年1月1日から2019年5月20日までに以下の公募を完了した。
2022年12月15日満期1.125%利付保証付債券3億英ポンド(追加発行)
2022年1月31日満期2.625%利付保証付債券15億米ドル
2023年12月15日満期1.250%利付保証付債券3億5,000万英ポンド
2028年11月15日満期3.30%利付保証付債券4,500万豪ドル(追加発行)
2023年12月15日満期1.25%利付保証付債券1億2,500万英ポンド(追加発行)
2024年5月22日満期1.824%利付保証付債券10億ノルウェー・クローネ
2024年5月22日満期1.824%利付保証付債券5億ノルウェー・クローネ(追加発行)
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② 株主
2018年12月31日現在、当銀行の株主資本は、総額1億3,000万ユーロの無額面普通株式880,000株からなる。当銀
行株主の持株比率は次のとおりである。
株主の名称 持株比率
CABETホールディングGmbH、ウィーン
(ユニクレディット・バンク・オーストリア・グループ) 24.750%
ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン 16.140%
エアステ・バンク・デア・ウステルライヒシェン・シュパーカッセンAG、
ウィーン 12.890%
シェーラーバンク・アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン 8.260%
AVZ・GmbH、ウィーン 8.250%
ライファイゼン・バンク・インターナショナル・アクティエンゲゼルシャフト、
ウィーン 8.120%
BAWAG P.S.K. バンク・フュア・アルバイト・ウント・ヴィルツシャフト・
ウント・オーストリア・ポストシュパーカッセ・アクティエンゲゼルシャフト、
ウィーン 5.090%
ライファイゼンOeKBベタイリグングスゲゼルシャフトmbH(ライファイゼン・
グループ)、ウィーン 5.000%
オーバーバンクAG、リンツ 3.889%
バンク・フュア・ティロル・ウント・フォラルベルク・アクティエンゲゼル
シャフト、インスブルック 3.055%
BKSバンクAG、クラーゲンフルト 3.055%
1.500%
フォルクスバンク・ウィーンAG、ウィーン
100.000%
当銀行の取引の大部分が、当銀行の株主及びその関連会社、並びに当銀行の監事会又は執行取締役会の構成員が
取締役あるいは役員などを務める様々な機関との間で行われている。当銀行は自行がその株主、また他のオースト
リアの銀行や信用機関に対し、競合関係にあるとは考えておらず、さらに基本的に、株主との協議なしで新たな取
引を始めることはない。ただし、株主に対し特別な優遇を与えることはしない。(下記「(4)業務の概況」を参照
のこと。)
(3)【組織】
① 執行取締役会
当銀行の業務の運営に当たるのは執行取締役会で、執行取締役会の構成員は、5年を超えない任期で監事会が任
命する。2018年12月31日現在、執行取締役会構成員の氏名と役職名は次のとおりであった。
氏名 主たる役職
アンゲリカ・ゾマー‐ヘメツベルガー 執行取締役
ヘルムート・ベルンコプフ 執行取締役
② オーストリア政府の代表
1993年オーストリア銀行法 (改正済) (Bankwesengesetz) によれば、共和国の大蔵大臣は、当銀行を含むほとん
どの銀行について、政府査察官1名及び政府副査察官1名を任命しなければならない。政府正副査察官は、当銀行
の株主総会及び監事会に参加する資格を有し、共和国の法令に違反する決議があったと認めるときは、異議を申し
立てなければならない。そのような異議申し立てがあったときは、その決議の合法性について金融市場当局の決定
があるまで、その決議は効力を停止される。また、輸出金融保証法によれば、大蔵大臣は、同法に基づいて共和国
が負う保証に関して共和国の利益を擁護する責任を負う代表1名と副代表1名を任命する権限がある。これらの代
表に与えられた権限は、当銀行の一切の帳簿・記録を検査すること、及び輸出金融保証法に基づく共和国の保証の
対象となる当銀行の借入金に関して当銀行の行う一切の審議に議決権なしで参加することである。
上記の法に基づく2018年12月31日現在の政府正副査察官/代表の氏名と地位は次のとおりである。
ハラルド・ヴァイグライン
政府査察官/代表 ………………………… オーストリア連邦大蔵省第Ⅲ(経済政策及び金融市場)局長
ヨハン・キナスト
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政府副査察官/副代表……………………… オーストリア連邦大蔵省第Ⅲ/8(輸出保証及び債務繰延)
部長
③ 監事会
当銀行の監事会は、2018年12月31日現在、当銀行の株主が選任した次の構成員からなる。
氏名 主たる役職
ロバート・ザドラジール ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
議長 ジェネラル・ディレクター兼執行取締役会会長
ヴァルター・ローテンシュタイナー オーストリア・ライファイゼンフェアバンド、ウィーン
第一副議長 法務部長
シュテファン・ドゥルフレア エアステ・バンク・デア・オーストリア・シュパーカッセン
第二副議長 AG、ウィーン
取締役兼執行取締役会会長
ライナー・ボーンズ フォルクスバンク・ウィーンAG、ウィーン
取締役兼執行取締役会メンバー
ディーター・ヘングル ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
取締役兼執行取締役会メンバー
ラインハルト・カール ライファイゼンランデスバンクNÖ-ウィーンAG、ウィーン
取締役兼執行取締役会メンバー
ペーター・レンク ライファイゼン・バンク・インターナショナル・アクティエン
ゲゼルシャフト、ウィーン
取締役兼執行取締役会メンバー
ヘルベルト・メッシンガー BAWAG P.S.K. バンク・フュア・アルバイト・ウント・ヴィル
ツシャフト・ウント・オーストリア・ポストシュパーカッセ・
アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン
オーストリア法人企業部門長
ヨゼフ・シケラ エアステ・グループ・バンクAG、ウィーン
執行取締役会メンバー
ヘルタ・シュトックバウアー BKSバンクAG、クラーゲンフルト
取締役兼執行取締役会会長
ヘルベルト・テンプシュ ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
オーストリア資金調達・助言部門長
スザンヌ・ヴェンドラー ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
オーストリア法人部門長
ロバート・ヴィーゼルマイヤー シューラーバンク・アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン
取締役兼執行取締役会メンバー
フランツ・ツヴィクル ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン
前執行取締役会メンバー
また、オーストリアの法律によれば、監事会には、当銀行の従業員総会が選任した従業員代表を任期4年で参加
させる必要がある。従業員代表は、監事会の会合で事実上すべての協議事項について議決権を有する。2018年12月
31日現在の監事会従業員代表の氏名は次のとおりである。マルティン・クルール、エルナ・シュリアウ、エリザベ
ス・ハリー、ウルリケ・リッタラー、クリストフ・セパー、マルクス・ティチィ及びアレクサンドラ・グリーブ
ル。
当銀行の経営状態・財務状態については、監事会が株主に報告し意見を述べる。執行取締役会による一定の取引
(当銀行による一定額を超える借入及び貸付を含む。)の授権については、監事会の承認を得る必要がある。な
お、当銀行の借入業務と貸付業務に関しては、監事会は次の3人で構成される執行委員会に対して権限を委譲して
いる。
ロバート・ザラジドール 監事会議長
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ヴァルター・ローテンシュタイナー 監事会第一副議長
マルティン・クルール 監事会従業員代表
(4)【業務の概況】
① 輸出業務
共和国の輸出保証制度の運用
輸出保証法に従い、当銀行は輸出保証の運用について共和国の総代理人を務めている。当銀行自身が輸出保証の
受益者である場合を除き、当銀行が輸出保証の発行申請の信用分析を処理し、実行する。輸出保証はすべて共和国
の認可を受ける必要があり、当銀行は共和国に代わってその発行と管理を行っている。2018年中、当銀行は共和国
の代理人として総額57億ユーロの輸出取引を対象とした1,033件の輸出保証を発行し、2018年12月31日現在、輸出
保証の対象であるすべての輸出取引の総額は265億ユーロであった。2017年4月に、輸出保証法の効力が2022年12
月31日まで延長された。その時点で輸出保証法に基づき既に発行された保証は、期限満了により将来影響を受けな
い。
輸出保証法に基づき、オーストリア政府は、欧州経済地域内で適切な銀行免許を有する他の金融機関が、共和国
の輸出保証管理の総代理人になるために当銀行と競う資格の取得手続きを開始できる。かかる場合、
・規定された調達手続きに従い代理契約を与えられた他の機関がない場合は、当銀行は共和国の総代理人であり続
ける。
・オーストリア政府は、新しい代理契約を入札金融機関(当銀行を含む。)の1つに与えるために調達手続きを開
始する少なくとも2年前には当銀行にその旨通知することを求められている。
・新代理人が任命される場合、その時に未決定の輸出保証及び輸出金融取引は当銀行が引続き管理し、必要な資金
を調達する信用業務は引続き共和国により保証される。
2018年12月31日現在、輸出保証法の規定によると、発行済み輸出保証に基づく共和国の債務限度額は400億ユー
ロであり、共和国の債務総額は265億ユーロ、すなわち66%であった。使用状況を算定するにあたっては、保証に
基づく発行済基本額(保証限度額マイナス最低保有率)及び為替手形保証による要求払い保証の場合において届出
られる必要融資総額を算入しなければならない。
2008年、輸出保証法の改正に基づき、オーストリア開発銀行(以下「開発銀行」という。)が設立された。開発
銀行は、発展途上国に対する民間産業の創設を目的とした資本参加、ローンその他財務手段の付与及び支援の供与
(連邦大蔵省に従い計画される。)をその任務とする。開発銀行は当銀行の完全子会社であり、その取締役会は当
銀行の経験豊富な2名の職員により構成される。
なお、当銀行は、73ヵ国の輸出信用・投資保険業者85社で構成するベルン・ユニオン(国際輸出信用投資保険連
合)に加盟している。
輸出保証の対象になるリスク
共和国が輸出保証法に基づき引受ける債務は、外国の契約相手方による正当な契約履行のための保証、又はその
割引手取金が輸出保証取引に適用される為替手形保証による保証の形をとる。輸出保証スキームは12種類の保証か
ら構成される。最も重要なものは、タイド(ひもつき)財政信用を対象とした保証であり、これは2018年12月31日
現在発行済保証総額の19.9%、53億ユーロを占めた。
その他の重要な輸出保証は、再保険保証(2018年12月31日現在の発行済保証総額の5.5%、15億ユーロ)及び直
接供与及びサービスを対象とした保証(2018年12月31日現在の発行済保証総額の6.4%、17億ユーロ)である。
輸出保証による支払い
輸出保証法に基づく1981年大蔵大臣規則(以下「大蔵大臣規則」という。)によれば、輸出保証に基づいて共和国
に生じた請求権は、その債務の認識時に(期限到来済みの請求権及びオーストリアが債務を認識した後に満期が到
来する請求権共に)根拠となる契約に定める支払日程に従い、オーストリアが支払うことになっている。また、大
蔵大臣規則はまた、輸出保証に基づくオーストリアに対する支払日程の短縮を規定する。大蔵大臣規則は、主にか
かる保証の発行に関連する詐欺若しくは虚偽表示又は保証条件の不履行に相当する事由など一定の条件下におい
て、オーストリアに輸出保証に基づく債務を拒絶することを認める。
2018年中、オーストリアは保証人として、3,900万ユーロ(2017年:4,700万ユーロ)の請求総額を支払い、他方
回収額は合計4,100万ユーロ(2017年:4,900万ユーロ)であった。
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当銀行の輸出貸付金融業務
当銀行は、共和国の総代理人として輸出保証法に基づく輸出保証プログラムの運用に当たる一方で、当銀行の株
主各行を含む銀行に対し、これらの銀行が自ら輸出貸付を行えるよう、貸付(以下「リファイナンス・ローン」と
いう。)を行っている。
輸出貸付額と貸付約定額
次表は、タイド・ローンの借換え及び外国投資の元本金額について、過去3年間の各年の12月31日現在の残高を
示したものである。
(単位:10億ユーロ)
2016年 2017年 2018年
タイド・ローン
3.5 3.6 3.92
売掛債権の取得 0.1 0.1 0.08
12.1 13.9 18.79
その他リファイナンス契約
ローン合計 15.7 17.6 22.79
2018年12月31日現在のリファイナンス・ローン残高のうち136億ユーロは、当銀行の直接又は間接株主である
オーストリアの主要銀行に対するものである。
このほか、当銀行が輸出貸付として将来貸し出す契約を結んでいる貸付約定分がある。2018年12月31日現在、当
銀行が約定した輸出貸付の未支出残高は33億ユーロで、次表のように引出されていく予定である。
(単位:百万ユーロ)
12月31日まで
2019年
1,358
2020年 1,648
2021年 114
2022年 152
0
2023年以降
3,273
この未支出額は、借手の都合で全額又は一部が取り消されることがあるが、現在までのところそのような取消額
はごく僅かである。納期や建設の遅れその他の理由で、この未支出額の引出時期の見通しは随時変更されることが
ある。
当銀行の輸出、輸出保証及び輸出金融スキーム
地域及び国グループ別
(単位:百万ユーロ)
2018年12月31日現在の
輸出貸付残高
2018年の保証 2018年12月31日
地域/
発行高(契約) 現在の保証残高
2018年輸出
約定額 実行額
国グループ別
(%) (%) (%) (%) (%)
ヨーロッパ(トルコ
470 8.2 3,675 13.9 2,644 11.6 2,281 11.5
及び旧ソ連を含む)
▶ 0.1 19 0.1 31 0.1 24 0.1
北アメリカ
169 3.0 784 3.0 493 2.2 398 2.0
ラテンアメリカ
576 10.1 3,454 13.1 2,372 10.4 2,137 10.7
アジア
オーストラリア、
10 0.2 28 0.1 - - - -
オセアニア
311 5.4 1.095 4.1 1,012 4.4 871 4.4
アフリカ
0 0.0 1,040 3.9 5 0.0 - -
包括保証(CP)
1,539 26.9 10,096 38.1 6,558 28.8 5,711 28.7
保証合計
3,927 68.7 15,282 57.7 16,236 71.2 14,190 71.3
要求払い保証(GA)
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254 4.4 1.089 4.1 - - - -
OeEB
150,004 100.0 5,720 100.0 26,467 100.0 22,793 100.0 19,901 100.0
計
その内(CPとGAを除
く):
323 5.5 990 4.2 1,473 6.5 1,326 6.7
OECD(1)
124 2.2 640 2.4 1,066 4.7 966 4.9
EU
発展途上国(ヨー
1.472 25.7 5,248 33.2 3,708 16.3 3,293 16.5
ロッパ以外)
77 1.3 785 1.9 345 1.5 345 1.7
OPEC
注(1)経済協力開発機構。
輸出貸付の融資条件
当銀行の輸出貸付はユーロ建てによるものがほとんどである。当銀行は、貸付のうち、輸出金融保証法に従い、
輸出保証で全額担保されている、保険が付されている、又はその他担保されている金額まで融資を行う。リファイ
ナンス・ローンについては、(1)それぞれ、銀行のその借手に対する権利及び銀行の当該リファイナンス・ローン
を担保する輸出保証又は信用保険に基づく共和国又は信用保証者に対する権利又は銀行のその他適格な保証人に対
する権利、並びに(2)オーストリアの輸出業者の外国の輸入業者に対する権利、が当銀行に譲渡される。外国の政
府、政府機関又は金融機関に対してローンが直接行われない場合はほとんど、当該貸付については、輸出保証によ
る直接の担保のほか、外国の政府、政府機関又は金融機関による保証がつく。
1975年以来当銀行が行った各輸出金融は、変動金利部分と固定金利部分とからなっている。元金の5%までは、
貸付の満期により決まり、固定金利部分より前に償還される変動金利で利息が生じる。変動金利部分の利率は、通
常、当銀行が輸出関連業務に要する資金調達コストを基準に四半期ごとに決定する輸出融資利率による。2019年第
2四半期において、ユーロ建貸付のこの利率は年率0.55%に設定された。大蔵省が議長を務める法定の委員会が当
銀行と協議して当銀行の固定金利部分の利率を決定する。現在の固定金利は、貸付の満期及び実行日により、年率
0.594%から2.071%の間である。当銀行は、変動金利部分の輸出貸付を調整するため、固定金利部分の輸出金融向
け資金を調達するための借入金を含めて、当銀行の資金調達コストの増加を吸収することが可能である。
一般に、消費財輸出に関するリファイナンスの償還期限は1年未満であり、重資本財又は大型プロジェクトの輸
出に関するリファイナンスの償還期限は5年ないし10年である。特定の場合には発展途上国向け輸出に関係する緩
やかな条件の貸付では、償還期限がこれより長期になることもある。
当銀行の輸出金融プログラムは、OECDの枠組の中で協議された「公的に支援される輸出信用についての取決め」
に沿ったものである。
輸出貸付の資金源
当銀行の輸出貸付業務にかかわる主たる資金源は、共和国内外における借入金である。
輸出金融保証法では、輸出貸付を含めた輸出取引に融資するため当銀行が行った借入もしくはその借換えの元利
金の支払について共和国の無条件の保証を付する権限が大蔵大臣に与えられている。また、外国通貨借入分につい
ては、当銀行は借入時点の為替相場で換算したユーロ建て元利金を超えて支払を行う必要がない旨を保証する権限
が共和国に与えられている。輸出金融保証法によれば、共和国の保証が発行されるのは、その発行が効力を生じた
後、輸出金融保証法に基づいてその時点で有効なすべての保証に基づく元本支払額に係る債務総額が400億ユーロ
を超えない場合に限る。この債務総額を算定するに当たっては、為替レート・リスクの観点から保証の対象になる
元本残高のユーロ相当額の10%に相当する額が加算される。2018年12月31日現在輸出金融保証法に基づく共和国の
債務残高の合計額は、263億ユーロであった。
当銀行の大部分の外貨建借入金に関する元利金の支払いは、輸出金融保証法に基づきオーストリアが保証してい
る。オーストリアは当銀行による実質的にすべての外貨建借入に関連する外国為替リスクについて、当銀行を補償
している。2018年12月31日現在、当銀行によるユーロ以外の通貨建借入金残高の合計額は231億ユーロであった。
2018年12月31日現在、当銀行によるユーロ建借入金残高の合計額は、32億ユーロであった。
2017年4月、輸出金融保証法の有効期間が2023年12月31日まで延長された。同日以前に発行されたオーストリア
の保証は、同法の失効により影響を受けない。
② 証券業務
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
国内資本市場業務
従来から、当銀行は、オーストリア国債の入札代理人として行為してきた。入札手続き全体が、発行者と入札参
加者との間の中立的仲介者である当銀行により管理されている。入札は当銀行が開発し維持する入札ソフトウェア
を用いて電子的に遂行される。
さらに、当銀行はオーストリア国債の決済兼支払代理人として行為する。
資本市場法に基づく届出事務所
資本市場法第12条に従い、当銀行は届出事務所の機能を委任されている。この職務において、当銀行はオースト
リアで募集されるすべての証券及び投資の新発行の日程を運営する。さらに、証券、投資及びファンドの目論見書
及び補足書類並びにファンドについての主要な投資家情報書類が、保護預かり及びそれらの詳細情報の提供の責任
を有する届出事務所に提出及び保管されなければならない。加えて、当銀行はファンドの税務データを集め、資本
利益税を計算し公表する。
当銀行はまた、公開取引される政府債の流通市場において安定化取引を行い、多数のこれら政府債につき主支払
代理人を務める。
決済機関及び保管振替機能
2005年1月31日まで、当銀行はウィーン証券取引所のすべての取引につき決済機関の機能も果たしていた。2005
年2月1日、OeKBはこれら業務を、当銀行とウィーン証券取引所との合弁会社であるセントラル・カウンターパー
ティ・オーストリアGmbHに譲渡した。当銀行は、オーストリアの銀行、国内ブローカー及び外国保管振替機関が保
有するオーストリア有価証券の保管振替機関としての業務を行っている。2015年9月12日、証券保管振替にかかる
EU規則に従うために、当銀行は保管振替業務を完全所有子会社にスピンオフした。
エネルギー部門の中核センター
2001年に、OeKBはオーストリアのエネルギー市場の規制撤廃を利用して、新しい事業セグメントを発展させた。
当銀行はエネルギー(電力)・バランス(市場参加者が予測に基づき締結した契約と、エネルギーの実際の消費/
生産の差であり、市場参加者が生産又は消費しなければならない。)の分野で金融決済及びリスク管理の機能を果
たす。2003年、当銀行はガス市場につき同様の機能を引受けた。これに基づき、OeKBはエネルギー部門全体の中核
センターとして位置付けられるよう努力している。
③ その他業務
輸出関係以外の貸付業務
輸出関係以外の貸付高は、2018年12月31日現在約230万ユーロであった。これらの貸付のすべては、当銀行の従
業員に対して行われた。
金融市場の操作
当銀行は、当行の株主である銀行を含む信用機関の利付要求払預金及び短期定期預金のオーストリア金融市場に
おけるディラーである。2018年中、かかるオペレーションに関連した当銀行の金融市場における売掛金の毎日決算
残高の平均はおよそ4億4,000万ユーロであった。
仲介業務
当銀行は、場合によっては手数料制でオーストリアの他の銀行の仲介役を務めることがある(信託貸付金)。こ
れは、当該銀行から貸付資金を受け取って、当該銀行の指定する借手に貸付を行うもので、この仲介業務は当該銀
行と当銀行が与信リスクを分担する仕組みになっている。
情報サービス
さらに、「その他業務」セグメントには、主に事業会社、国内外の金融機関並びに科学研究機関を対象とした、
世界の金融及び経済発展に関する調査研究、分析、又は要約を提供する当銀行の情報サービスを含む。
④ 日本との関係
輸出保証法に基づく輸出保証及び輸出保証法に基づきオーストリアがその返済を保証する輸出取引金融は、日本
向け輸出にも適用され得るが、これまでの実績は多くない。
当銀行は日本の銀行数行とコルレス契約を締結している。
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オーストリア輸出銀行(E06016)
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1981年10月以来、当銀行は元本額の総計が2,050億円にのぼるサムライ債を発行し、また売出し市場に関与して
いる。
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(5)【経理の状況】
① 財務諸表
以下の財務諸表は、もとはドイツ語で作成されたオーストリア輸出銀行グループの連結財務書類の日本語訳であ
る。オーストリア輸出銀行グループの連結財務書類は国際会計基準委員会(IASB)が採用及び公表した国際財務報
告基準(IFRS)に従い作成されている。2005年に当銀行は初めてIFRSに従い連結財務書類を作成した。
オーストリア国内で公表される当銀行の財務書類は、独立したオーストリアの公認会計士であるKPMGオーストリ
アAGヴィルツシャフツプリュフングス・ウント・ストイアーベラトンクスゲゼルシャフト(「KPMG」)により、
オーストリアの一般会計基準に基づき監査を受けている。監査結果は公表されている当銀行の年次財務報告書に含
まれる監査報告書において報告される。KPMGは、彼らの監査は何らの異議も引起こさなかったという意味の無限定
適正意見を表明している。KPMGの監査結果に基づいた意見によれば、連結財務書類は、EUが採用した国際財務報告
基準(IFRS)に従って、法的要件を遵守し、2018年12月31日現在の当グループの財政状態、並びに2018年1月1日
から12月31日の1年間の財務実績及びキャッシュフローについて、真正かつ適切な見解を与えている。当銀行の財
務書類及び連結財務書類は、ウィーン市1030、マルクサーガッセ1a所在のウィーン商事裁判所における商業登記
に登記番号「FN 85749b」で提出され、また2019年4月に「ウィーン新聞」に公告された。
当銀行の連結財務書類に適用される会計・報告原則は「連結財務書類注記」に記載されている。
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有価証券報告書
オーストリア輸出銀行グループ2018年連結財務書類
連結損益及び包括利益計算書
損益計算書
±増減率
(単位:1,000ユーロ) 注記 2018年 2017年 (調整済)*
(%)
利息収入、実効金利法を用いて計算 230,347 186,930 23.2%
加算:マイナス金利の予算アンダーラン、実効
3,612 1,404 157.3%
金利法を用いて計算
その他利息収入 4,702 13,841 -66.0%
加算:その他マイナス金利の予算アンダーラン 108,552 109,883 -1.2%
利息収入 347,213 312,058 11.3%
利息支払、実効金利法を用いて計算 (123,391) (109,677) 12.5%
加算:マイナス金利損失、実効金利法を用いて
(13,440) (8,377) 60.4%
計算
その他利息支払 (127,562) (106,708) 19.5%
加算:その他マイナス金利損失 (2,987) (7,745) -61.4%
利息支払 (267,381) (232,507) 15.0%
純利息収入 6 79,832 79,551 0.4%
手数料収入 54,062 54,722 -1.2%
手数料支払 (13,811) (12,656) 9.1%
手数料収支 7 40,252 42,066 -4.3%
信用リスク引当金純額 36 106 - 100.0%
金融商品の純損益、損益を通じて公正価値で測
8 (11,031) (2,520) >100.0%
定
金融商品の認識中止による純損益、損益を通じ
9 315 (1) >100.0%
て公正価値で測定されないもの
その他非連結会社への投資からの当期収入 2,427 2,983 -18.6%
持分法投資損益の持分割合(税引後) 18 5,709 4,193 36.2%
一般管理費 10 (82,553) (80,068) 3.1%
その他営業収入 8,780 8,149 7.7%
その他営業費用 (2,860) (2,720) 5.1%
その他営業収支 11 5,920 5,429 9.0%
税引前利益 40,977 51,634 -20.6%
所得税 12 (8,845) (11,771) -24.9%
当期純利益 32,132 39,863 -19.4%
*注記2の「連結包括利益計算書の表示の変更」を参照のこと)。
付随の注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
その他包括利益
±増減率
(単位:1,000ユーロ) 注記 2018年 2017年
(%)
損益計算書に将来再分類されない項目
確定給付制度による保険数理利益/損失 22 (8,464) (119) >100.0%
持分法投資-その他包括利益(純額)の持分割合 18 315 105 >100.0%
その他非連結会社への投資の公正価値(FVOCI)測定による純損益 1,106 - 100.0%
税効果 12 1,839 30 >100.0%
合計 (5,204) 15 >100.0%
損益計算書に将来再分類される項目
その他非連結会社への投資(売却可能)の公正価値測定による純損益 - 24,898 -100%
税効果 12 - (6,225) -100%
合計 - 18,674 -100%
税引後その他包括利益(純額) (5,204) 18,689 >100.0%
当期包括利益合計 26,928 58,551 -54.0%
当期純利益
親会社の株主に帰属 32,132 39,863 -19.4%
包括利益合計の内訳
親会社の株主に帰属 26,928 58,551 -54.0%
1株当り利益
2018年 2017年
親会社の株主に帰属する当期純利益合計(単位:1,000ユーロ) 32,132 39,863
発行済み平均株式数 880,000 880,000
1株当り利益(単位:ユーロ) 36.51 45.30
2018年12月31日現在、前年と同様に、行使可能な転換権又はオプションの権利は発行されていない。希薄化1株当り利益
は希薄化前1株当り利益に対応する(注記2を参照のこと。)。
付随の注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
OeKBグループ連結貸借対照表
資産
±増減率
(単位:1,000ユーロ) 注記 2018年12月31日 2017年12月31日
(%)
現金及び現金同等物 14、27 323,412 424,206 -23.8%
銀行貸付 8、15 19,543,187 16,192,881 20.7%
顧客貸付 8、15 467,898 1,536,986 -69.6%
その他金融資産 8、16 3,088,719 3,036,328 1.7%
デリバティブ金融商品 8、17 598,100 533,887 12.0%
AFFG第1(2b)条に基づく保証 8、17 4,521,338 4,095,741 10.4%
持分法投資 18 67,927 66,843 1.6%
固定資産及び無形資産 19 13,832 16,900 -18.2%
当期税金資産 12,662 10,668 18.7%
繰延税金資産 23 57,991 56,418 2.8%
その他資産 19,248 33,914 -43.2%
資産合計 28,714,314 26,004,771 10.4%
負債及び資本
±増減率
(単位:1,000ユーロ) 注記 2018年12月31日 2017年12月31日
(%)
銀行からの預金 20 527,221 425,088 24.0%
顧客からの預金 20 704,596 753,965 -6.5%
発行済み債務証券 8、21 24,520,740 21,640,415 13.3%
デリバティブ金融商品 8、17 439,815 555,651 -20.8%
引当金 22 150,969 145,508 3.8%
当期税金債務 125 407 -69.3%
その他債務 26,962 44,297 -39.1%
EFS金利安定化引当金 24 1,553,218 1,638,577 -5.2%
株主資本 25 790,668 800,864 -1.3%
負債及び資本合計 * 28,714,314 26,004,771 10.4%
付随の注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
OeKBグループ連結株主資本変動表
下表の払込済資本及び資本準備金の金額は、オーストリア輸出銀行の単体の財務書類に報告された金額と同額である。
株主資本に関する詳細な情報は、注記25に記載する。
2018年連結株主資本変動表
親会社株 非支
主に帰属 配
払込済 資本 IAS19 売却可能 FVOCI する 株主 株主資本
(単位:
注 資本 準備金 留保利益 準備金 準備金 準備金 株主資本 持分 合計
1,000ユーロ)
2017年
12月31日現在 25 130,000 3,347 667,531 (18,687) 18,674 - 800,864 - 800,864
IFRS第9号
の初度適用
による影響 13 - - (4,266) - (18,674) 18,674 (4,266) - (4,266)
2018年
1月1日現在 25 130,000 3,347 663,265 (18,687) - 18,674 796,598 - 796,598
当期純利益 - - 32,132 - - - 32,132 - 32,132
その他包括利益/
(損失) - - - (6,033) - 829 (5,204) - (5,204)
当期包括利益
合計 - - 32,132 (6,033) - 829 26,928 - 26,928
その他非連結
会社への投資
の処分による
振替 25 - - 565 - - (565) - - -
株主との取引
(配当) 25 - - (32,858) - - - (32,858) - (32,858)
2018年
12月31日現在 130,000 3,347 663,104 (24,720) - 18,938 790,668 - 790,668
2017年連結株主資本変動表
親会社株
主に帰属 非支配
払込済 資本 IAS19 売却可能 する 株主 株主資本
(単位:
注 資本 準備金 留保利益 準備金* 準備金 株主資本 持分 合計
1,000ユーロ)
2017年
1月1日現在 25 130,000 3,347 646,912 (18,702) - 761,558 4,585 766,142
当期純利益 - - 39,863 - - 39,863 - 39,863
その他包括利益 - - - 15 18,674 18,689 - 18,689
当期包括利益
合計 - - 39,863 15 18,674 58,551 - 58,551
支配権の変更無
しに非支配持分
を取得 - - 776 - - 776 (4,446) (3,670)
株主との取引
25 - - (20,020) - - (20,020) (140) (20,160)
(配当)
2017年
12月31日現在 130,000 3,347 667,531 (18,687) 18,674 800,864 - 800,864
付随の注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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有価証券報告書
OeKBグループ連結キャッシュフロー表
(単位:1,000ユーロ) 注 2018年 2017年
税引前利益 40,977 51,634
利益に含まれる非現金項目、及び利益を営業活動からの
キャッシュフローへ一致させる調整
固定資産の減価償却 19 5,001 4,696
無形資産の償却 19 763 673
引当金の増減 22 (12,666) (3,213)
貸倒引当金(ECL)の増減 36 (106) -
EFS金利安定化引当金の増減 24 (85,359) (104,734)
AFFG第1(2b)条に基づく保証の増減 17 (425,597) 1,587,416
EFSに割当てられない、損益を通じて公正価値で測定さ
れその他金融資産の測定による未実現利益/損失 8 10,810 2,020
償却原価で測定された貸付の認識中止による純損益 8 5 1
持分法投資の損益の持分(税引後) 18 (5,709) (4,193)
輸出金融制度に割当てた金融商品にかかる外貨変動によ
る未実現利益/損失 8 221 500
その他非現金項目 443,465 (1,663,948)
非現金項目を調整後の営業活動の資産及び負債の変動
償還による手取金:
銀行貸付 15 11,428,167 12,350,000
顧客貸付 15 1,339,956 1,007,288
購入のための支払:
銀行貸付 15 (14,794,964) (14,060,444)
顧客貸付* 15 (274,252) (971,743)
手取金:
銀行からの預金 20、27 4,311,495 4,963,459
顧客からの預金 20、27 1,854,057 1,318,580
発行済み債務証券 21、27 24,595,817 20,523,447
償還による払戻し:
銀行からの預金 20、27 (4,209,391) (5,447,887)
顧客からの預金 20、27 (1,903,426) (1,402,207)
発行済み債務証券 21、27 (22,332,174) (18,229,719)
営業活動からのその他資産 (3,196) (3,602)
営業活動からのその他負債 2,289 2,502
受取利息 260,663 280,428
その他非連結会社への投資からの当期収入 2,427 2,983
持分法投資からの当期収入 18 4,940 5,198
支払利息 (227,717) (160,210)
所得税 (4,684) (18,180)
営業活動からの純キャッシュ 21,813 30,745
付随の注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
注 2018年 2017年
(単位:1,000ユーロ)
償還及び処分による手取金:
その他金融資産 16 514,795 550,393
その他金融資産-その他非連結会社 16 758 -
購入のための支払:
その他金融資産 16 (602,574) (544,459)
固定資産及び無形資産 19 (2,728) (2,003)
投資活動からの純キャッシュ (89,749) 3,931
非支配持分の取得 - (3,670)
支払配当 25、27 (32,858) (20,160)
財務活動からの純キャッシュ (32,858) (23,830)
OeKBグループ連結キャッシュフロー表
(単位:1,000ユーロ) 2018年12月31日 2017年12月31日
期首現在 現金及び現金同等物 424,206 413,360
営業活動からの純キャッシュ 21,813 30,745
投資活動からの純キャッシュ (89,749) 3,931
財務活動からの純キャッシュ (32,858) (23,830)
期末現在 現金及び現金同等物 323,412 424,206
現金及び現金同等物に関する詳細並びにキャッシュフローに関する追加情報は注記27において説明する。
付随の注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
OeKBグループ連結財務書類注記
注記1 一般事項
オーストリア輸出銀行(以下「OeKB」という。)は、オーストリア、ウィーン1010に登録事務所を置く特殊目的
の銀行であり、1946年に設立された。OeKBは、オーストリア商法(以下「UGB」という。)第189a条第1項に基づく
公益事業体である。
OeKBグループは、オーストリア輸出銀行、オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、OeKB CSD GmBH、
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェフテGmbH 及びOeKB EHベタイリグングス・ウ
ント・マネージメントAG(アクレディア・フェアジヒャルングAG)で構成される。注記37も参照のこと。
OeKBのビジネス・モデルは独特の性質を持つため、本財務書類のより良い理解に資する目的で、営業原則及び関
連する法律上の規制を本項において説明する。
OeKBグループの連結財務書類は、IAS規則(EC)第1606/2002号に基づき、欧州連合により採択された国際財務報
告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成された。オーストリア銀行法(以下「BWG」という。)第59a条及
びUGB第245a条の要件が満たされた。
OeKBは、輸出業者向け及び資本市場(エネルギー市場を含む。)向けの業務を提供する、特別目的銀行である。
ビジネス・モデルは3つの中核セグメントから成る:
・輸出保証及び手形による保証
・輸出金融
・資本市場業務。
輸出保証/手形による保証
このセグメントでは、OeKBはオーストリア共和国の名において及びその勘定で代理人として行為する。OekBは、
保証申請の銀行固有の取扱い、保証契約の事務的及び技術的処理、並びに保証の請求から共和国の権利を実行化す
ることに責任がある。OeKBはこのオフバランスシートの事業セグメントについて処理手数料を受領する。
法的根拠:オーストリア輸出保証法(以下「AusfFG」という。)による責任
AusfFGに従い、連邦大蔵大臣は、2022年12月31日まで、外国取引相手による取引の適切な実行及びオーストリア
の経常収支を直接もしくは間接的に改善する輸出企業の権利の実行のために、オーストリア共和国の名において保
証を引き受ける権限を与えられている。これらの取引及び権利は海外のプロジェクト(特に環境保護、廃棄物処理
及びインフラストラクチャーの諸分野)に関連し、国内外の会社によるその実現はオーストリアの利益である。
AusfFG第7条に従い、保証手数料及びすべての支払債権は、連邦政府の代理人(OeKB)により徴収され、連邦政府の
認可代理人に開設された連邦政府の定期的に入金される。AusfFG第8a条に従い、OeKBは代理契約が終了するまでこ
れらの輸出保証の処理に引続き責任を持つ。
OeKBは、これらの輸出保証の運営につき適切な手数料を得る資格がある(輸出保証からの手数料収入として表
示、注記7)。
オーストリア開発銀行の任務はAusfFG第9条に明記される。オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG
(OeKBの100%子会社)がこれらの責務を果たすことを委任されており、「開発協力法」に記載のオーストリアの開
発政策の目的及び原則に従う義務がある。開発銀行が供与する金融契約に関連してオーストリア共和国に支払われ
る保証料は、信用業務からの手数料収支に報告される(注記7を参照のこと)。
輸出金融スキーム(以下「EFS」という。)
OeKBは、リテール以外の業務への従事又は預金の受け入れをしない。オーストリア共和国の代理人として、OeKB
は銀行及び金融機関へ魅力的な条件でリファイナンス(貸付)を提供し、これらの金融機関はその後この資金を彼ら
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の顧客に輸出ローンとして供与する(交付、買取り、投資金融及び輸出信用状の引受け、輸出向け国内投資への資
金供与並びに国内の輸出業者のリース契約への資金供与)。
すなわち、OeKGは重要な事業セグメントにおけるオーストリア共和国の受託業者として行為する。オーストリア
共和国はまたOeKG及びその債権者の保護のために幅広い保証も発行する。
EFSの銀行貸付及び顧客貸付の大部分は、AusfFGに基づくオーストリア共和国の保証を特色とする。このために、
OeKBグループは巨額の信用リスクにさらされず、EFSに関連してわずかな貸倒引当金しか設定する必要がない。これ
らの保証のために、請求はリファイナンス契約が締結された時点に依存する統一条件に従う。これらの統一的なリ
ファイナンス金利はOeKBのウェブサイトにおいて公表され、OeKBのクレジットスプレッドから導かれる。さらに
OeKBのクレジットスプレッドは、AEFG第1(2a)条に基づく債権者の保証により、オーストリア共和国のクレジットス
プレッドに依存する。輸出金融保証法はまた、その他の保証及び保険契約に基づく輸出金融も許可する。
OeKBはこのスキーム以外の多額の貸付業務には従事しない。したがって、多額の利息収入を生み出さない。すな
わち、自己勘定投資によりもたらされる利息以外のOeKBの収入は、主に顧客に提供される業務の手数料によるもの
である。
輸出金融スキームに必要なリファイナンスの大半は、国際金融・資本市場において調達される。ここにおいて
は、OeKBは連邦政府が供与する保証のために、評判の高い認められた発行体である。
為替レートリスクの大半は、これらの長期及び短期の債務証券に関連してのみ存在する。このリスクは、個別の
取引ベースで、AFFG第1(2b)条に基づくオーストリア共和国の為替レート保証によりその大部分が担保されている。
すなわち、OeKBはEFSからは重要な為替レートリスクを負わない。これらの為替レートのポジションの計算及び決済
は、各個別の取引について大蔵省(BMF)と合意して行われる。外貨の戦略は、継続的なポートフォリオ戦略の一部
として連邦大蔵省と調整される。場合により、取引は同じ通貨でリファイナンスが行われ、満期を迎える債務に適
用される為替レートは直ちに新たに発行される債務に適用される。すべての関係者に対してこの項目が重要性及び
関連性を持つため、独立した項目として報告されている(AEFG第1[2b]条に基づく保証)。
法的根拠:取引の資金調達及び権利に関する連邦法(輸出金融保証法-以下「AFFG」という。)
AFFG第1条に従い、連邦大蔵大臣は2023年12月31日までオーストリア共和国の名において、AusfFG第5(1)条に基
づく連邦政府の認可代理人(OeKB)により実行される貸付業務(債券、ローン、信用枠及びその他の債務)につい
て保証を発行する権限を与えられている。
保証は、以下のために発行される。
・貸付業務に基づく債務を履行するための、連邦政府の認可代理人(OeKB)の債権者の利益(AFFG第1[2a]
条)、
・貸付業務からの手取金がユーロでの資金調達に使用されている期間について、かかる貸付業務に基づく債務を
履行するためのユーロと他通貨の特定の為替レートを保証する(為替リスク)ための、連邦政府の認可代理
人(OeKB)の債権者の利益(AFFG第1[2b]条)。
AFFGに基づくオーストリア共和国による保証発行の手数料の条項は、輸出金融スキームにおいて未償還借入額に
依拠する(最低)保証手数料を規定する。
輸出金融スキームの金利安定化引当金は、EFSの固有の目的及びこのプログラムに関連するリスクに基づく。これ
は、計上利息からの剰余金及び公正価値でEFSの金融商品を測定したことによる純損益を含む。OeKBは1968年に連邦
大蔵省によりEFSに基づき生み出される収益を別勘定で徴収し、かつ必要な場合EFSのファイナンスのためのみにこ
れを使用することを委任された。これはEFS金利安定化引当金の設定を通じて、かつOeKBの監事会の毎年の決議を通
じて、実施された。EFSに基づき生み出される収益は、現在及び将来においても株主には利用できず、経営陣がEFS
の目的のみに使用することができる。この引当金は、EFSからの収益はOeKBグループには発生しないが、その代わ
り、リスク(AusfFGの第8a条に基づく代理契約が解除される場合の運営継続義務に関するものを含む。)をカバー
するためにEFSに維持されるという事実を反映する。法人向け連邦税務当局(ウィーン)は、EFS金利安定化引当金
がEFSのリファイナンス実効金利の引下げに使用される限りにおいて、これまでこれを控除可能な債務項目として、
認識してきた。
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1960年に国際的にも特色がある輸出金融スキームが開始して以来、EFS金利安定化引当金は、継続的な剰余金から
積み上がっている。連邦大蔵省と連携して、OeKBはこの項目をその特異な性質のために独立した項目として報告す
ることを決定した(注記24を参照のこと。)。
資本市場及びエネルギー市場向けサービス
OeKBはオーストリアの資本市場向けの幅広いサービスを提供する。これには、入札を通じたオーストリア共和国
の国債の発行事務所、オーストリア共和国の国債の支払及び計算事務所、KMGに従った届出事務所、OAM発行体情報
(証券取引所情報のための保管媒体)、ISINコード割当、並びに金融データサービス - 金融商品の原本、日程及び
価格データの収集及び販売、ファンド・サービス(データ交換のプラットフォーム)及びLEIサービス・パートナー
シップを含む。
資本市場の中心能力に関連して、オーストリアのエネルギー市場向けのサービスも提供される。このセグメント
には、オーストリアのガス及び電力市場の決済代理人及びEXAA電力交換向けの金融決済及びリスク管理サービスが
含まれる。OeKBはまた、欧州コモディティ・クリアリングAG(ECC)の一般クリアリング・メンバー(GCM)として行
為し、この資格において、クリアリング・メンバー以外のために担保の管理及び財務処理を担当する。
会計原則
OeKBの執行取締役会は連結財務書類及びグループ経営報告書を作成する責任がある。これらは、監査委員会の勧
告に基づき、OeKBの監事会により承認される。2018年12月31日現在の報告日(2019年3月4日)以後、重要な事項
は発生していない。
OeKBグループの認識及び測定の原則(「輸出金融スキーム」の章の説明以外)についての詳細は、当年度中にな
された変更も含めて、注記2に説明される。
本連結財務書類及びOeKBグループの報告通貨及び機能通貨はユーロである。別途記載しない限り、すべての金額
は1,000ユーロ単位で表示されている。表の数字は四捨五入により合計が一致しない場合がある。
OeKBの連結財務書類を作成するにあたり、OeKBグループは、同業他社の表示、並びにIFRSに従った銀行の連結財
務書類の作成について大手の国際的に活躍する財務監査人の提案に順応した。これにより、OeKBの連結財務書類
は、投資家が比較しやすいものとなっている。2017年まで、正式報告についての規制上の要件(FIN-REO)はまた、
これらのモデル財務書類を指向していた。2018年のIFRS第9号の導入により、正式報告の表示が欧州銀行監督機構
(以下「EBA」という。)により根本的に修正され、報告目的でEU内に所在する銀行が従わなければならない強制的
な規制の枠組みを示す。しかし、OeKBグループはこの表示を規制当局への報告のみに使用する。
判断及び仮定の不確実性
IFRSに従った連結財務書類の作成は、将来の動向について執行取締役会が判断及び仮定を行うことを求める。こ
れは、資産及び負債の報告価値、貸借対照表日現在のその他負債の開示並びに会計年度中の収益及び費用の報告に
大きな影響を与える可能性がある。
以下の仮定は、次の会計年度の資産価値及び負債の実質的変動の重要でないとは言えないリスクを伴う。
・資産が保有されるビジネス・モデルの評価、及び金融資産の契約条項が資本の支払と発行済元金の利息のみを
表示するかの評価(2018年から開始する金融資産の分類に適用される。)。注記13。
・公正価値測定に使用される変数は、変動の可能性のある将来に関する仮定に一部基づいている。、注記3及び
注記16。
・金融資産の信用リスクが最初の認識以降大幅に増加したかの評価、及び金融資産の減損を特定するために使用
される予想信用損失の決定のため将来に関する情報を含めること。注記36。
・減損の計算におけるLGD(損失所与デフォルト)及びPD(デフォルトの可能性)の決定。注記36。
・現在の年金及び退職給付債務の測定のために、割引率、退職年齢、平均寿命、従業員の離職率及び将来の収入
の伸びについて仮定が行われる。注記22。
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・繰延税金資産の認識金額は、将来十分な課税収益が生み出されるとの仮定に基づいている。注記23。
・保証及びその他約定から発生する貸借対照表に報告されない債務が貸借対照表上に報告される必要があるか否
かについて、定期的に査定が行われる。注記31。
Brexit(ブレグジット)
OeKBグループは主として、ロンドン・クリアリングハウス(LCH)をデリバティブ商品の清算の中心的カウン
ターパーティとして使用する。LCHがブレグジットの後EMIRの下で依然として中心的カウンターパーティとして
行為する資格があるかについては、現時点では確実性をもっては言えない。EU委員会の最新の声明では、LCHは
市場の大きな混乱を避けるために(少なくとも暫定ベース、かつ時間の期限を設けて)認められることを示唆
した。
LCHを通じた清算が可能ではない場合、全ての契約はまず取引終了により解除されなければならない。その
後、これらの契約は、あらためて、EMIRの下で認められる異なる中心的カウンターパーティを持った契約とし
て締結されなければならない(対応する契約の草案が現在作成されつつある。)。個々のクリアリングハウス
間でフローと流動性に差異があるため、OeKBグループは費用(LCHと代替クリアリングハウスの間の基本料金)
を負担する(LCHはほぼ全ての商品について世界で最大の市場シェアを誇る。)。これら費用は、代替クリアリ
ングハウスがLCHからの市場シェアを奪うにつれて一般に下がるであろうが、しかし短期の急騰及び急降下は排
除できない。
ユーロの清算のみがLCHから移動する場合、2018年12月31日現在の見積もりに従うと、OeKBグループは概算で
510千ユーロの取引費用及び代替クリアリングハウスの基本料金1,140千ユーロを負担する(デリバティブ商品
の取引高を約3.7十億ユーロとした場合)。LCHが米ドルの清算も失う場合、これはOeKBグループに約450千ユー
ロの取引費用をもたらす(デリバティブ商品の取引高を約5.7十億ユーロとした場合)。この場合、代替クリア
リングハウスの基本料金については、そこでの米ドルの流動性がまだ非常に低いため、述べることができな
い。デリバティブ商品はEFSの金融商品に関係するヘッジ・メカニズムとの関連のみで保有されるため、費用は
このスキームに割り当てられ、OeKBグループの損益計算書に影響を与えない。基本料金は将来のリファイナン
スの費用を増加させることになる。
これらが基づく推計及び仮定は、定期的に査定され、それぞれの基準に合致する。推計は過去の経験及びその他
の要因(例えば計画、現在の状況から生ずる進展の可能性及び報告日現在の将来の事象の予測など)に基づく。実
際の結果は、実際の状況が報告日時点で予想した状況より異なって発展した場合に、仮定及び推計から外れる可能
性がある。変更は発生した時に考慮する。
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注記2 認識及び測定の原則
認識及び測定の原則の変更
連結包括利益計算書の表示の変更
OeKBグループは、IAS第1.82条(a)の改定の結果、損益計算書上の利息収入の表示を変更した。2018年から、利息
収入は、以下に分けられている。
・実効金利法を用いて算定した利息収入
・その他利息収入
より良い比較のために、利息支払もまた、以下に分けられた。
・実効金利法を用いて算定した利息支払
・その他利息支払
その他利息収入には、利息収入及び損益を通じて公正価値で測定する金融資産から稼得された利息等収入、デリ
バティブ商品、並びに金融負債からのマイナス金利を含む。
その他利息支払は、利息支払及び損益を通じて公正価値で測定する金融負債からの利息等支払、デリバティブ商
品、並びに金融資産からのマイナス金利を含む。前年との比較において、利息収入及び利息支払の小計も、純利息
収入の合計も調整されなかった。
金融商品の純損益(2017年度:2,521千ユーロの損失)は、IFRS第7.20条(a)に関連するIAS第1.82aa条に従い、
「損益を通じて公正価値で測定される金融商品の純損益」(2017年度:2,520千ユーロの損失)及び「償却原価で測
定される金融商品の認識中止による純損益」(2017年度:1千ユーロの損失)として分けて報告される。独立した営
業利益は、今後、連結包括利益計算書に示されない。この内訳により、投資家はより容易に財務書類の比較が可能
となる。したがって、注記8が調整された。表示の変更は、損益計算書の純利益又は純損失に影響を与えない。
連結株主資本変動表の表示の変更
連結株主資本変動表が、IFRS第9号の初度適用により変更された項目に関して、及び2018年1月1日現在の残高に関
して、調整された。
セグメント情報の調整
セグメント情報は、純利息収入の表示を除き、当年度の損益計算書の表示に合わせて調整された。以下の改定が
行われた。
持分法投資の損益持分、税引き後
持分法投資のその他包括利益の持分は、当年度の報告セグメントの利益には表示されない。
一般管理費
IAS第19号に基づく保険数理損益は、一般管理費の中の従業員費用の要素としてはもはや表示されない。
法人税
将来、損益計算書に振替が行われない項目について、IAS第19号に基づく保険数理損益から生ずる税効果は、今
後損益計算書に含まれない。
改正についての詳細は、数字について行われる調整を含めて、注記4に記載する。
2018年度に初度適用される新基準及び改定
新規又は改定された基準及び解釈に関して、OeKBグループの事業活動に関連するもののみを以下、説明と共に列
挙する。
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2018年度に初度適用される基準及び改定 初度適用
IAS第40号の改定 投資資産の振替 2018年1月1日
IFRS第2号の改定 IFRS第2号「株式報酬」の適用 2018年1月1日
IFRS第4号の改定 IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第4号「保険契約」の適用 2018年1月1日
IFRS第9号 金融商品 2018年1月1日
IFRS第15号 顧客との契約により生ずる収益 2018年1月1日
IFRIC第22号 外貨取引及び前受対価 2018年1月1日
IFRSの改定2014-2016 年次改善(2014年-2016年)-IFRS第1号及びIAS第28号の改定 2018年1月1日
IFRS第9号 - 金融商品
OeKBグループは2018年1月1日から、2014年7月にIASBが公表し、2016年にEUが採択した、IFRS第9号基準「金融
商品」を適用した。初度適用により、金融資産及び金融負債の分類及び測定、並びに金融資産の減損に関する会計
原則が改定された。IFRS第9号はまた、IFRS第7号「金融商品:開示」の重要な変更ももたらした。金融商品につい
て提供される情報は、これらの新要件に合わせて調整された。
IFRS第9号の移行規定に従い、OeKBグループは2017財務年度との比較の数字の調整を実施しないことを決定し
た。このため、2018年度連結財務書類の比較数字の欄は、2017年度連結財務書類の構造を示す。比較期間の注記の
開示もまた、もともとの分類並びにIAS第39号(IFRS第9号が代替した。)及びIFRS第7号(IFRS第9号による改定
前)の測定要件に基づいている。
IFRS第9号の改定から生じる、当グループの認識と測定の原則における重要な変更を以下に概説する。
金融資産及び金融負債の分類
IFRS第9号は金融資産について3つの基本的分類カテゴリーを含む:償却原価、その他包括利益による公正価値
(FVOCI)、及び損益を通じた公正価値(FVTPL)。IFRS第9号に基づく分類は一般に、金融資産が管理されるビジネ
ス・モデル及び契約上の支払フローに基づいている。同基準は以前のIAS39号の分類である満期保有金融資産、貸付
金及び受取債権、並びに売却可能資産を廃止する。IFRS第9号の下で、金融資産に組み込まれたデリバティブはも
はや資産と分離されず、これに代わり、全体的な金融資産が分類される。OeKBグループがIFRS第9号に基づき金融
資産を分類する方法についての説明は、注記13を参照のこと。
金融負債に関する限り、IFRS第9号は、IAS39号から1つだけ変更する。公正価値で測定される負債について、自
己の信用リスクに関する測定部分は、今後損益計算書に損益を通じて認識されなくなり、その他包括利益に認識さ
れる。輸出金融スキームに該当する金融商品の公正価値測定の結果は全て、EFS金利安定化基金の項目で調整される
ので、このアプローチは会計上の不一致につながる可能性がある。この理由のため、IFRS第9.5.7.7及びIFRS第
9.5.7.8に基づき認められる例外が使用され、公正価値測定の全体的な結果は、依然として損益計算書に損益を通じ
て認識されている。
金融資産の減損
IFRS第9号への切替により、以前使用されていた、IAS第39号に従った客観的証拠(発生損失モデル)の場合の減
損計算は使用されない。現在、一般的な減損が、予想信用損失モデルに基づく金融資産の初度認識時に認識され
る。このモデルにおいては、損益計算書上で損益により公正価値で認識されていないあらゆる債券がECLモデルに
従った減損の計上の対象となる。
減損の金額は、以下の計算方法の1つに導かれる二元的アプローチを使用して決定される。
・12か月間予想信用損失(12M ECL):取得後信用リスクが大幅に増加しない場合、又は信用リスクが一般に低い
場合(低信用リスクの免除)
・存続期間予想信用損失(LT ECL): 追加後信用リスクが大幅に増加した場合、又は金融商品が既に報告日付で
減損している若しくは既に取得時に減損していた場合(POCI:購入又は起因信用減損)
IAS第39号からIFRS第9号への移行
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IFRS第9号の適用の結果、認識及び測定の原則の変更は、以下のとおり遡及的に適用された。
比較期間の数字は調整されなかった。IFRS第9号の適用から生ずる、金融資産及び金融負債の正味帳簿価格の差
異は、2018年1月1日現在で、留保利益及びEFS金利安定化引当金(ただし、金融資産及び金融負債がEFSに関連す
る場合)に認識された。
初度適用の時点での事実及び状況に基づき、以下の評価が行われた。
・金融資産が管理されるビジネス・モデルの決定
・IFRS第9号の初度適用の際に債務商品の信用リスクが低い場合、OeKBグループはこの金融資産の信用リスクは
当初の認識時から大幅に増加しなかったと仮定した。
IFRS第9号の初度適用の財務上の効果は、注記13に詳述される。
IFRS第15号:顧客との契約による収益
認識規則により、5段階モデルに基づき、全ての顧客との契約から収益がどのような方法でいつ受領されるかを
決定する。しかし、これはIFRS第9号の範疇にある金融商品に関連する収益の受領には影響を与えない。IFRS第15
号は多数のその他IFRS規則(例えば、IAS第18号「収入」、IAS第11号「建設契約」及びIFRSに基づく収益の受領時
期を決定する解釈)に代替する。新規則はまた、より情報が充実し、より適切な注記の開示を求める。IASBは2016
年にIFRS第15号の明確化を発行した。これらの変更は5つの特定されたトピックス(業績義務の特定、本人対代理
人対価、及びラインセンス供与)のうち3つに対処するものであり、修正された締結済み契約への移行を容易にす
る意図である。IFRS第15号は金融商品による収益の認識に重点を置かないため、その初度適用はOeKGグループの連
結財務書類に影響は与えない。
上記の表中に示されるその他の改定は、関連する取引がないため、OeKGグループの連結財務書類に影響は与えな
い。
まだ適用されていない新基準及び解釈
多数の新基準及び基準の改定が、早期適用が可能であるが、2018年12月31日より後に開始する最初の会計年度に
適用される予定である。連結財務書類を作成するにあたり、当グループは以下の新基準又は改定基準を要求より早
期には適用しなかった。
IFRS第16号:リース
本新基準は、借主向けのファイナンス・リースまたはオペレーティング・リースを区別しない認識モデルを具体
化する。すなわち、大半のリース契約は将来において貸借対照表日付で認識されることになる。借主にとり、これ
は12ヶ月を超える期間を持つリースからの全資産及び負債は、価値の低い資産でない限り、貸借対照表日現在で認
識されなければならないことを意味する。借主は基本資産を利用する権利を表章する資産を認識する。
同基準はまた、リースの支払を行う義務を表章するリース負債を認識する。貸主について、IAS第17号「リース」
の規則は大部分変更されておらず、リース契約は依然としてファイナンス・リース又はオペレーティング・リース
として分類され、それに従い認識されることを意味する。新規則はまた、注記においてより有益で関連のある開示
を要求する。
OeKBグループは、オフィススペース、社会的便益に利用されるスペース(会社のデイケアセンター、スポーツセ
ンターなど)、アーカイブ・スペース、(予備)データセンター、ビークルフリート及びオフィス機械(多機能プ
リンター)に関連するレンタル契約及びリース契約を維持する。オフィス機械に関連する契約は全て、残存期間が
12ヶ月以内である。
既存のリース契約にかかるIFRS第16号の影響を査定するために、グループ全体の分析が2018年に実施された。こ
の分析において、契約(レンタル及びリース契約)が、現在のリース合意が貸借対照表日付で負債を使用し、賃借
する権利として認識されなければならない範囲を決定するために検討された。IFRS第16号C5bに基づく修正遡及的な
初度適用方法を適用する場合、およそ980万ユーロの使用の権利(「固定資産及び無形資産」における認識)及び
リース負債(「その他負債」における認識)は、2019年1月1日付で認識されなければならない。2018年12月31日
現在のリース負債の現在価値を計算するために使用された加重基準金利は、0.22%であった。満期まで12ヶ月未満
のリース契約は考慮されない。エクイティに対する効果は予想されない。以下の表は初度適用に関する詳細な情報
を含む。OeKBグループ内のリース契約の数が少ないため、要件は2019年度初頭より実施された。
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IFRS第16号に基づき無形資産を処理するオプションは、実施されない。
2018年12月31日現在、IFRS初度適用に関する情報
(単位:1,000ユーロ)
使用権 - 建物
9,679
使用権 - 車両
166
使用権(固定資産) 9,845
リース負債 - 建物
9,679
リース負債 - 車両
166
リース負債(その他負債) 9,845
その内、当期の現在価値 1,162
その内、当期以外の現在価値 8,683
使用権及びリース負債の現在価値の変動のプレビュー
(単位:1,000ユーロ)
使用権からの現在価値のプレビュー
2019年12月31日現在 8,673
2020年12月31日現在 7,519
2021年12月31日現在 6,413
リース負債からの現在価値のプレビュー
2019年12月31日現在 8,683
2020年12月31日現在 7,536
2021年12月31日現在 6,437
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IFRSに基づく使用権からの最小リース支払
(単位:1,000ユーロ)
1年以下 1,183
1年超5年以下 4,356
5年超 4,320
以下の新たなもしくは改定された会計基準は、連結財務書類に重大な影響を与えるとは予想されない。
改定済基準及び解釈 EU採択 発効日
IAS第19号の改定 制度変更、減額及び清算の場合の年金債務 オープン 2019年1月1日
IFRS第9号の改定 マイナスの満期前解約手数料のある金融資産 適用 2019年1月1日
IAS第28号の改定 関連会社又は合弁会社への長期持分 オープン 2019年1月1日
IFRIC第23号 所得税の取扱いに関する不確実性 適用 2019年1月1日
IFRSの改定2015-2017 年次改善(2015年-2017年)-IFRS第3号、IFRS オープン 2019年1月1日
第11号、IAS第12号及びIAS第23号の改定
IAS第1号及びIAS第8 「重要」の定義 オープン 2020年1月1日
号の改定
IFRS第3号の改定 事業結合-事業の定義 オープン 2020年1月1日
概念枠組み 概念枠組みの見直し オープン 2020年1月1日
IFRS第17号 保険契約 オープン 2021年1月1日
IFRS第14号 規制上の繰延契約 オープン オープン
IFRS第10号及びIAS第 投資家と関連会社若しくは合弁会社との間の資 オープン オープン
28号の改定 産の販売又は処分
重要な認識及び測定の原則
A - 連結原則
・事業結合
当グループは移行日である2004年1月1日付で、IFRS第1号に基づく選択肢を行使することを選択した。これ
は、UGBに基づく最初の連結の帳簿価格が使用されたことを意味する。すなわち、資本の連結は帳簿価額法により
行なわれている。この方法に基づき、取得した所有権株式のコストは支配が当グループに移転した時点の子会社
の純資産の当グループの持分割合に対して相殺される。前会計期間同様、事業結合に関するIFRS第3号の規定は
報告期間中に該当する事業取引が発生しなかったため、適用されなかった。
・子会社
子会社はOeKBが支配する会社である。OeKBグループは、ある会社からの変動するリターンの影響をOeKBが受
け、当該会社からのリターンの権利を持つ場合、及び当該会社に対する支配の行使によりこれらのリターンに影
響を与える能力をOeKBが持つ場合、ある会社を支配する。子会社の財務書類は、支配が開始した時点から支配が
終了する時点まで連結財務書類に含まれる。
・非支配持分
非支配持分は、取得時点の被取得会社の識別可能な純資産の比例価値で測定される。
支配の喪失をもたらさない当グループが子会社に保有する株式の変動は、エクイティ取引として認識され
る。
・支配の喪失
OeKBグループが子会社の支配を失う場合、子会社の資産及び負債、並びに全ての関連する非支配持分及びエ
クイティからのその他要素を移動する。損益計算書に損益が認識される。以前の子会社にある全ての留保株
式は、支配が失われた時点の公正価値で測定される。
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・持分法適用投資
持分法適用投資は、合弁企業の株式から成る。
合弁企業は、OeKBが契約を通じて共同支配を行使する会社である。これらは、持分法に従い認識され、取得原
価(取引費用を含む。)で当初測定される。当初認識の後、重要な影響又は共同支配が終了する時点まで連結財
務書類は持分法投資の全体的な純損益の持分を含む。
・連結中に除去される取引
内部の残高及び取引並びに全ての当グループ内の内部取引からの未実現利益及び費用は、連結財務書類の作成
の間除去される。持分法投資取引による未実現利益は、問題の会社の当グループ持分と相殺される。未実現損失
は未実現利益と同様の方法で除去されるが、減損の証拠がない場合に限られる。
B - 外貨換算
外貨の取引は、取引日の直物相場で対応する機能通貨に換算される。
報告日現在の外貨建ての貨幣資産及び負債は、報告日現在の欧州中央銀行が公表する参照為替レートで機能通貨
に換算されている。
2018年12月31日現在参照為替レート
中間レート 通貨 中間レート 通貨 中間レート 通貨
1.6220 豪ドル 7.4125 クロアチア・クーナ 79.7153 ロシア・ルーブル
1.5605 カナダ・ドル 320.9800 ハンガリー・フォリント 10.2548 スウェーデン・クローネ
1.1269 スイス・フラン 125.8500 日本円 6.0588 トルコ・リラ
25.7240 チェコ・コルナ 9.9483 ノルウェー・クローネ 1.1450 米ドル
7.4673 デンマーク・クローネ 1.7056 ニュージーランド・ドル 16.4594 南アフリカ・ランド
0.8945 英ポンド 4.3014 ポーランド・ズロチ
8.9675 香港ドル 4.6635 ルーマニア・レイ
2017年12月31日現在参照為替レート
中間レート 通貨 中間レート 通貨 中間レート 通貨
1.5346 豪ドル 9.3720 香港ドル 4.6585 ルーマニア・レイ
1.5039 カナダ・ドル 7.4400 クロアチア・クーナ 69.3920 ロシア・ルーブル
1.1702 スイス・フラン 310.3300 ハンガリー・フォリント 9.8438 スウェーデン・クローネ
25.5350 チェコ・コルナ 135.0100 日本円 4.5464 トルコ・リラ
7.4449 デンマーク・クローネ 9.8403 ノルウェー・クローネ 1.1993 米ドル
0.8872 英ポンド 4.1770 ポーランド・ズロチ 14.8054 南アフリカ・ランド
外貨により公正価値で測定される非貨幣資産及び負債は、公正価値が決定された日に有効なレートで換算されて
いる。外貨で取得価格又は製造価格で測定される非貨幣項目は、取引日現在の為替レートで換算されている。
換算差異は一般に当期の利益又は損失として認識される。
C - 純利息収入
・実効金利法
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回収のための保有ビジネス・モデルに割り当てることができる利息収入及び利息支払は、実効金利法を用いて
損益により認識される。実効金利は、金融資産及び金融負債の予想期間にわたる予測将来キャッシュフローを
ベースに計算される。取得時点で減損していなかった金融資産の実効金利を算定する場合、OeKBグループは、金
融 商品の全ての契約条項(ただし、予想信用損失(信用リスク)は除く。)を考慮して、将来キャッシュフロー
を見積もる。取得時点で減損していた金融資産については、信用調整後実効金利が、予想信用損失(信用リス
ク)を含む将来キャッシュフローの見積もりを使用して計算される。
実効金利の計算には、実効金利の不可欠な一部である、取引コスト並びに支払手数料、受取手数料を含む。取
引コストには、金融資産又は金融負債の購入又は発行に直接関連する追加コストを含む。
・償却原価及び帳簿価格の総額
金融資産又は金融負債の償却原価は、金融資産又は金融負債が当初の認識時に測定された金額から、償還額及
び実効金利法を用いて償却累計額を加算又は控除し、貸倒引当金を調整した金額である。
したがって、金融資産の帳簿価格の総額は、貸倒引当金を調整する前の金融資産の償却原価である。
・「実効金利法を用いて計算した利息収入及び利息支払」の計算
この場合、実効金利が資産の帳簿価格総額に(資産が減損していない場合)又は債務の償却原価に適用され
る。
信用格付が当初認識時に減損してなかったが、報告日現在で減損している金融資産(レベル3)については、
利息収入は償却原価(純額ベース)に基づく実効金利を用いて計算される。資産の信用格付が減損しなくなった
場合、利息収入は再び総額ベースを用いて計算される。
取得時に既に減損していた金融資産については、利息収入は、資産の償却原価に、信用調整後実効金利を適用
して計算される。資産の信用リスクが改善した場合でも、利息収入の計算は総額ベースに戻らない。
資産の信用格付が減損する場合についての情報は、注記36を参照のこと。
・損益計算書の表示
実効金利法を用いて計算された、金融資産及び金融負債の利息収入及び利息支払は、損益計算書の「利息収
入、利息支払、実効金利法を用いて計算」に表示される。
損益計算書に示されるその他の利息収入及び支払は、公正価値に指定された(FVオプション)金融資産及び金
融負債からの利息、並びに損益を通じて公正価値で測定される(FVTPL)必要のある金融資産及び金融負債を含
む。その他の利息収入はまた、その他マイナス金利からの予算アンダーランを、その他利息支払は、その他マイ
ナス金利からの損失も含む。
・計上利息及び輸出金融スキーム金利安定化引当金
EFSに基づき計上された利息が余剰をもたらす場合、これらはOeKBの運営組織の決議に従い「EFS金利安定化引
当金」に振替えられる(金利安定化引当金への割当)。スキームの実効リファイナンス金利を低減するために取
られる方法は、EFS金利安定化引当金に対して計上される(金利安定化引当金の使用)。EFS金利安定化引当金を
通じた利息の割当及び使用は、したがって「利息収入、実効金利法を用いて計算された」及び「その他利息収
入」の項目に認識される(注記24を参照のこと。)。
・AFFG第1条(2)に基づく保証手数料
AFFG第1条(2)に基づく保証手数料は、OeKBが発行する債券に直接関連する。費用は各保証及び期間について計
算され、「利息支払、実効金利法を用いて計算」の項目に認識される。FVオプションが保証付きの金融負債に適
用される場合、保証手数料は当該期間について計算され、「その他利息支払」の項目に報告される(注記17を参
照のこと。)。
D - 手数料収支
手数料収入及び手数料支払は、金融資産及び金融負債の実効金利の不可欠な一部であり、実効金利に含まれてい
る。ローン・コミットメントが、ローンの支払をもたらさない場合、関連するローン手数料は損益を通じて認識さ
れる。
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手数料収入は、関連するサービスが提供された期間において認識される。手数料支払いはサービスを受領した時
に費用として認識される。
開発銀行が提供する金融取決めに関連し、AusfFG第9条に基づき共和国に支払う保証手数料は、個別の金融資産に
直接関連し、「手数料支払」の項目に報告される(注記7を参照のこと。)。
E - その他非連結会社への投資からの当期収入
配当収入は配当を支払うと決定されたときに認識される。
} - 損益を通じて公正価値(FVPTL)で測定される金融商品の純損益
金融商品にかかる純損益は、以下に関係する:
・ヘッジ目的で保有されるデリバティブ商品及びAFFG第1(2b)条に基づく保証
・FVTPLで測定されなければならない金融資産
・FVオプションが適用されている金融資産及び金融負債。
この項目は公正価値の増減及び全ての外貨換算差異を含む。
▶ - 法人税
税金費用は実際の税金及び繰延税金から成る。実際の税金及び繰延税金は、事業結合又はエクイティ若しくはそ
の他包括利益に直接認識される項目に関連しない限り、損益計算書に認識される。
法人税の利息及びペナルティは、未確定税務ポジションを含めて、IAS第37号に従い認識されている。
・実際の税金
実際の税金は、いずれも報告日現在で適用ある、若しくは間もなく適用される予定の税率に基づき、当期の課
税所得にかかる予想税金債務若しくは税金債権又は税務損失に関連し、過年度の税金債務の全ての増減を加算す
る。予想税金債務又は税務債権の金額は、不確定な税金(適用ある場合)を考慮した最良の見積もりである。実
際の税金債務はまた、配当支払いの決議から生ずる全ての税金債務を含む。
実際の税金資産及び負債は、IAS第12.71条ffの条項に従う場合のみ相殺される。
・繰延税金
繰延税金は、グループ会計目的での資産及び負債の帳簿価格と税務目的で使用される金額との一時的差異につ
いて認識されている。繰延税金は以下については認識されない。
・当初の認識において事業結合を含まない取引からの資産又は負債から生ずる一時的差異で、税引き前利益若
しくは課税所得に影響を与えないもの。
・子会社、関連会社及び合弁会社の株式に関連する一時的差異。ただし、OeKBグループが一時的差異の除去の
時期を制御する立場にあり、近い将来においてこれらが除去される可能性があること。
・のれんの当初認識中に生ずる課税可能な一時的差異。
その時点でまだ利用していない税損失について繰延税金資産は無い。
未認識の繰延税金資産は、各報告日において再評価され、将来の課税所得がこれらの繰延税金資産の実現を認
める可能性がある限り認識される。
繰延税金は、戻される場合、報告日現在で適用若しくは発表される税率を使用して、一時的差異に適用される
予定の税率をベースに測定される。
繰延税金の測定は、報告日現在の資産の正味帳簿価格の実現及び債務償還の方法に基づき、OeKBグループによ
り予想される税務結果を反映する。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、IAS第12.74条ffに従い相殺の要件が満たされる場合、相殺される。
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H - 金融資産及び金融負債
H1 - 当初認識
OeKBグループは、現金及び現金同等物、銀行及び顧客への貸付、銀行及び顧客からの預金、並びに発行済み債務
証券をオリジネーション時に最初に認識する。その他の金融商品は全て(金融資産の買取を含む。)は、取引日す
なわちOeKBグループがその商品の契約当事者になった日に最初に認識される。金融資産及び金融負債は当初公正価
値で認識される。商品が償却原価で測定される必要がある場合、公正価値に取引コストを加算して当初認識され
る。
回収のための保有ビジネス・モデルに割当てられている金融資産からの当期収入は、「利息収入、実効金利法を
用いて計算」に認識される。その他の当期収入は全て(その他非連結会社への投資からの当期収入を除く。)は、
「その他利息収入」に認識される。マイナス金利からの損失が発生する場合、これらは「マイナス金利からの損
失、実効金利法を用いて計算」及び「その他マイナス金利損失」の項目に認識される。OeKBグループは売買目的の
金融資産を保有しない。
実効金利法を用いて計算された金融負債からの当期支払は、「利息支払、実効金利法を用いて計算」の項目に認
識される。その他の当期支払は全て、「その他利息支払」に認識される。予算アンダーランがマイナス金利から発
生する場合、これらは「マイナス金利からの予算アンダーラン、実効金利法を用いて計算」及び「その他マイナス
金利の予算アンダーラン」に認識される。
H2 - 金融資産の分類(2018年1月1日から適用)
当初の認識時点で、金融資産は償却原価で測定するもの(AC)、その他包括利益を通じて公正価値で測定するも
の(FVOCI)、又は損益を通じて公正価値で測定するもの(FVTPL)に分類される。この区分は以下に基づき行われ
る:
・OeKBグループの金融資産を管理するビジネス・モデル
・金融資産の契約による支払フローの性質。
以下の条件を満たす場合、金融資産は償却原価で測定されなければならない。
・契約上による支払フローを受領する目的で金融資産を保有する目的のビジネス・モデルに基づき、金融資産が
保有される場合
・所定の時間に支払フローをもたらす資産の契約条項で、未償還元本の償還及びかかる利息支払のみを示すも
の。
以下の条件を満たす場合、金融資産はFVOCIで測定されなければならない。
・契約上の支払フローを受領する目的及び資産を売却する目的のビジネス・モデルに基づき、金融資産が保有さ
れる場合
・所定の時間に支払フローをもたらす資産の契約条項で、未償還元本の償還及びかかる利息支払のみを示すも
の。
ACでもFVOCIでも測定されない金融資産は、損益を通じた公正価値(FVTPL)で測定されなければならない。しか
し、OeKBグループは、通常はその他包括利益において公正価値の将来の変動を認識するためにFVTPLにより測定され
るであろう子会社(その他非連結会社への投資)の最初の認識時に、取消不能の選択を行うことができる。
金融資産について、当初の認識時に、損益を通じた公正価値(FVオプション)での測定を取消不能で指定するこ
とが、会計上の不一致を除去又は著しく低減する場合は、そのようにすることができる。
ビジネスモデル
OeKBグループは、資産がポートフォリオレベルで保有されるビジネスモデルの目的を、商品が管理される方法
及び情報が経営陣に報告される方法に基づき、評価する。考慮される情報は以下のとおりである。
・ポートフォリオの特定戦略及び目標。特に戦略が、利息収入の創出、一定の金利プロファイルの維持、金融資
産のデュレーションの関連する金融負債の条項への調整、又は資産の売却を通じて支払フローの実現を目指す
か否か。
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・ポートフォリオのパフォーマンスがどのように評価され、経営陣に報告されるか。
・ビジネス・モデルの純損益に影響するリスク、及びどのようにこれらのリスクが管理されているか。
・経営陣の報酬が運用資産の公正価値又は支払フローの受領の変動に基づいているか。
・過年度のセールスの頻度、量及び時期並びにかかる販売の理由及び将来の販売活動の予想。販売活動の情報
は、分離して検討されないが、OeKBグループの目標が達成される方法及び支払フローが実現する方法の全体的
な査定の一部として検討される。
契約上の支払フローが元本及び利息支払のみから成るか否かの評価
この評価の目的で、元本は当初認識時の金融資産の公正価値と定義される。利息は、金銭の公正価値に対する
対価、及び一定の期間について未償還の元本合計に関連する信用リスクに対する対価、及びその他基本的な信用
リスク及びコスト(流動性リスク及び一般管理費等)に利鞘を加えた対価、と定義される。
契約上の支払フローが、償還及び利息のみで構成されるか否かの評価において、OeKBグループは全ての商品の
契約上の条項を考慮に入れる。これには、金融資産が合意済み支払フローの時期若しくは金額をこの要件をもは
や満たさない方法で変更することのできる契約条項を含むか否かの評価を含む。
分類替え
金融資産は、当初の認識後、分類替えはなされない。ただし、OeKBグループが金融資産の管理のためにビジネ
ス・モデルを変更した後の期間を除く。当年度及び前年度において分類替えは行われなかった。
金融資産の分類(2017年12月31日まで適用)
OeKBグループは金融資産を以下の区分の1つに割り当ててきた。
・貸付
・売却可能
・損益を通じた公正価値(FVTPL)
・公正価値の指定(FVオプション)
注記13も参照のこと。
金融負債の分類
当初の認識時、金融負債は一般に償却原価として分類される。ただし、金融保証及びローン・コミットメント
を除く。
金融負債は、これが会計上の不一致を除去若しくは著しく低減する場合、当初の認識時に損益を通じた公正価
値(FVオプション)での測定に取消不能で指定することができる。公正価値で測定される負債について、IFRS第
9号は、自己の信用リスクに関係する測定の一部は、その他包括利益において認識されなければならないと規定
する。輸出金融スキームの範疇にある金融商品の公正価値測定による全ての結果は、「EFS金利安定化引当金」の
下で調整されるため、このアプローチは会計上の不一致をもたらすかもしれない。この理由のため、IFRS9.5.7.7
条及びIFRS9.5.7条に基づき認められた例外が使用され、公正価値測定からの全体の結果が依然として損益計算書
において損益として認識されている。
金融資産の認識中止
OeKBグループは、金融資産からの支払フローに対するその契約上の権利が満了する場合、又は契約上の支払フ
ローを受領する権利を金融資産の所有に関連する全てのリスク及び機会が実質的に譲渡される契取引に譲渡する
場合、金融資産の認識を中止する。
金融資産の認識中止の際、資産の帳簿価格と受領対価の金額(新負債を差引いた新たに取得した資産を含
む。)の差異に、累積損益(OCIに認識される場合)を加えたものが、損益計算書において認識される。
2018年1月1日より、FVOCIに指定されたエクイティ商品(その他非連結会社への投資)についてOCIに認識さ
れている累積損益は、当該商品の認識を中止したときに、損益計算書に認識されない。
認識中止に適格な譲渡された金融資産の各持分から生ずる又は維持される権利及び義務は全て、この譲渡時に
分離資産又は負債として認識される。
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OeKBグループは、資産が譲渡されるが、譲渡資産の全ての重要なリスク及び機会がOeKBグループにそのまま維
持される取引(買戻し取引等)を実行する。この場合、譲渡される資産の認識は中止しない。
金融負債の認識中止
OeKBグループは、契約上の義務が達成された、免除された、又は失効した場合、金融負債の認識を中止する。
金融資産の変更
金融資産の条項が変更された場合、OeKBグループは変更された資産の支払フローが異なるか否かを評価する。
相違が大きい場合、元の金融資産の認識を中止し、新金融資産が公正価値で認識される。
・2018年1月1日からの適用
償却原価で測定された変更された資産の支払フローが大きく相違しない場合、変更は金融資産の認識中止を
もたらなさない。この場合、OeKBグループは金融資産の帳簿価格の総額を再計算し、変更から生ずる金額を損
益計算書の総帳簿価格に損益の修正として認識する。かかる変更が借主の財政上の困難によりなされた場合、
損益は減損と共に報告される。
・2017年12月31日まで適用
金融資産の契約条項が借主の財政上の困難のために変更され、資産の認識が中止されない場合、資産の減損
は変更前の金利をベースに決定される。
金融負債の変更
OeKBグループは、金融負債の条項が変更され、かつ修正された負債の支払フローが大幅に異なる場合、金融負
債の認識を中止する。この場合、新たな金融負債が変更された条項に基づき公正価値で認識される。認識を中止
した金融負債の帳簿価格純額及び修正条項による新金融負債の差異は、損益計算書において認識される。
金融資産及び金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、OeKBグループが金額を相殺する強制的権利を持ち、ネットベースでこれを実行する
意思がある、若しくは資産を実現すると同時に債務を支払う意思がある場合のみ、これを相殺し、その結果の正
味金額は貸借対照表日付で報告される。
収入及び費用は、総裁がIFRSにより認められる場合、又はこれらの損益が一連の類似取引に起因する(信用リ
スク引当金の純額など)場合のみ、ネットベースで報告される。
H3 - 公正価値の測定
公正価値(FV)は、報告日に市場参加者の間で独立当事者間の条件で金融資産がその価格で売られる、又は金融
負債がその価格で譲渡される価格である。
多数の会計方法及び開示が金融資産及び金融負債(債務)の公正価値の決定を必要とする。会計及び財務管理、
リスク管理及びトレジャリー部門のメンバーから成る評価チームが公正価値を測定する。公正価値測定の監視は、
集中化している。重要な評価結果は監査員会に報告が行われる。
OeKBグループは、可能な場合、金融資産及び金融負債の公正価値を決定するために、活発な市場で観察される市
場データを使用する。市場は、金融資産又は金融負債の取引が価格情報を継続的に提供する十分な頻度及び出来高
で行われている場合、活発であるとみなされる。
活発な市場において上場価格が無い場合、OeKBグループは、関連する観察可能なインプットの使用を最大とし、
観察出来ないインプットの使用を最小にする評価方法を使用する。評価技法の選択は、市場参加者が取引の価格を
決定する際に考慮するであろう全ての要因を考慮する。
公正価値で測定される金融資産又は金負債にビッドレート及びアスクレートがある場合、金融資産はビッドレー
トで、金融負債はアスクレートで測定される。
公正価値階層のレベル間の分類替えは、変更が行われた報告期間び末日に認識される。当年度中は(前年度同
様に)分類替えは行われなかった。
H4 - 減損
2018年1月1日から適用
OeKBグループは、FVTPLで測定されていない以下の金融商品の予想信用損失(ECL)について減損費用を認識す
る。
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・債務商品である金融資産
・発行済みの保証コミットメント
・ローン・コミットメント
その他非連結会社に対する投資として分類された金融商品については、減損費用は認識されない。
OeKBグループは金融商品の存続期間について計算されたECLの金額の減損を測定する。ただし、12ヶ月のECLが
計算される以下の金融商品を除く。
・報告日現在、信用リスクのレベルが低い債務商品
・当初認識時以後、信用リスクが実質的に上昇していない金融商品。
OeKBグループは債券は、その信用リスクが一般的に認められた投資等級の定義に相当する場合、その信用リス
クは低いと考える。
12ヶ月のECLは、報告日後12ヶ月以内に可能性のある金融商品のデフォルト事象から生ずるECLの一部である。
ECLの存続期間はデフォルトの全体的な予想に対応する。
ECLの決定
ECLは信用損失の可能性で加重した見積もりである。以下のように計算される。
・報告日現在で減損していない金融資産:すべての予想デフォルトの現在価値(すなわち、契約上支払義務の
ある支払フローとOeKBグループが金融商品から受領する予定の支払フローの差異)
・報告日付で減損している、又は当初認識時に投資等級以下の格付であった金融資産:正味帳簿価格及び予想
将来支払フローの現在価値の差異
・未使用のローン・コミットメント/信用ファシリティ:債権額の支払が要求される場合にOeKBグループへ支払
うべき契約上の支払フローとOeKBグループが金融商品から予想する支払フローの差額の現在価値
・金融保証:予想支払からOeKBグループが保持する予定の金額を控除
条件緩和金融資産
金融資産の条件が再交渉若しくは修正される場合、又は金融資産が借主の財政難のために新資産で代替される
場合、金融資産の認識を中止するか否かを決定するために評価が行われる。その場合ECLは以下のように計算され
る。
・予定される条件緩和が既存資産の認識中止をもたらさない場合、変更後金融資産からの予想支払フローは、
既存資産からのデフォルトの計算に含まれる。
・予定される条件緩和が既存資産の認識中止をもたらす場合、新資産の予想公正価値が除却の時点での既存金
融資産の認識中止の価値として使用される。既存金融資産からの名目上失われる支払は、この金額の計算に
含まれ、認識中止予想時期から開始し、報告日現在の元々の実効金利で割り引かれる。
減損金融資産
OeKBグループは、減損を確認するために、報告日現在で償却原価で認識されたそれぞれの金融資産を評価す
る。金融資産の予想将来支払フローにマイナスの影響を与える1乃至複数の事象が発生する場合、当該金融資産
は減損しているとみなされる。
OeKBグループは信用リスク管理を目的として、格付評価制度及び内部借主評価プロセスを使用する。取引相手
は国際的に信用のある格付会社(スタンダード&プアーズ、ムーディーズ、フィッチ)の外部格付及び社内信用
評価の両方を利用する、社内の格付及びマッピング・システムに基づき、22の内部格付分類にグループ分けされ
る。信用格付は継続ベースで監視される。
銀行貸付及び顧客貸付の大半が注記1に記載されるEFSに割当てられる。このビジネス・モデルにおいて、開始
以来損失を被ったことはない。
金融資産が減損している証拠は以下の観察可能なデータから成る:
・ 借主又は発行者の実質的な財政難
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・ デフォルト等の契約違反または過去の事象
・ OeKBグループによる貸付の条件緩和
・ 借主が破産を申し立てる、又は別の形態の金融再編(すなわち事業再構築)を行う可能性のある場合
・ 財政難による担保についての活発な市場の喪失
借主の状態悪化による再交渉された貸付は、通常、信用減損債権として分類される。ただし、契約上の支払フ
ローを受領しないリスクが著しく減少した証拠があり、減損の更なる兆候が無い場合を除く。30日以上延滞した貸
付の格付はまた、そのように推定することは異論があるものの、減損しているとみなされる。
政府債券への投資が信用力があるか否かを評価する際に、OeKBグループは以下の要因を考慮する:
・ 市場の格付評価が債券のイールドに反映されている。
・ 格付会社の格付評価
・ 新債務商品を発行するために資本市場にアクセスする当該国の能力
・ 債務が条件変更されることが、自発的又は強制的なヘアカット、したがって債権者の損失につながる可能性
・ この国に最後の手段として必要な援助を与える国際的な支援メカニズム、及びこれらのメカニズムを公的宣
言で述べるとおり使用する政府及び機関の意図。これにはこれらのメカニズムの効果の評価、この国が要求
される基準を満たす能力と政治的意図を有するかの評価を含む。
貸借対照表上の予想信用損失の減損の表示
・ 償却原価で測定する金融資産:資産の帳簿価格総額からの控除として
・ ローン・コミットメント及びオープンな信用ファシリティ、金融保証:一般的に引当金として
・ 金融商品が引出し及び未引出し両方の部分を含み、OeKBグループがローンコミットメント部分を引出し部分
から分離して計算できない場合:両方の部分について合わせた減損費用を報告する。総額は引出し部分の帳
簿価格総額からの控除として報告される。引出し部分の帳簿価格総額を超える損失の繰越しは、引当金とし
て報告される。
帳簿からの消去
貸付及び債券は、回収の現実的な見込みがない場合、(一部分又は全額の)認識を中止する。これは一般的
に、OeKBグループが、借主は未償還額を返済するのに十分な支払フローを生み出す資産又は収入源を持たないと
決定する場合である。消去した金融資産は、依然としてOeKBグループへの返済を生み出す強制手段の対象とする
ことができる。かかる返済は受領日現在で損益計算書において認識される。
2017年12月31日まで有効な減損
貸付業務からのリスク引当金は、発生した損失についての減損(ファイナンス・ローンに対する)及び引当金
(保証付ローンに対する)を対象とした。OeKBグループは信用リスク管理を目的として、格付評価制度及び内部
格付プロセスを使用する。取引相手は、国際的に信用のある格付会社(スタンダード&プアーズ、ムーディー
ズ)の外部格付及び社内格付の両方を利用する、社内の格付及びマッピング・システムに基づき、22の内部格付
分類にグループ分けされる。信用格付は迅速かつ継続ベースで監視される。その結果、銀行貸付、顧客貸付、そ
の他金融資産及びオフバランスシートの取引を全体として格付け及び担保に従い分類することが可能となる。銀
行貸付及び顧客貸付の大半が注記1に記載されるEFSに割当てられる。このビジネス・モデルにおいて、開始以来
損失を被ったことはない。
報告日に個別の金融資産又はグループとしての金融資産が減損しているという客観的証拠があった場合、OeKB
グループは貸倒引当金を設定した。1つの金融資産又はグループとしての金融資産が減損しているという客観的
証拠には、OeKBグループが集めた以下の事象に関する客観的データを含んでいた。
・発行者又は債務者の実質的な財務的困難、
・デフォルト又は元利金の支払い遅延などの契約違反、
・財政難に関連して経済的若しくは法律的理由による借主への譲歩の付与(その他の場合では付与されなかった
はずのもの)、
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・借主が破産又はその他再編手段の対象となる可能性の上昇、
・財務難が原因となり金融資産の活発な市場がなくなること、
・減少がグループの個別資産にまだ割当てられない場合であっても、最初の認識以後、金融資産のグループから
の将来予想キャッシュフローが測定可能な減少を示す観察可能なデータ。
前の報告日においても、かかる減損の証拠はなかった。
H5 - 損益計算書上の公正価値(FVTPL)の指定-公正価値オプション
金融資産
OeKBグループは、一部の金融資産につき当初認識時にFVTPLでの認識を指定した。なぜなら、これらの金融資産
は、デリバティブ商品との契約を原資さんとする取引であるからである。このため、会計上の不一致を回避する
ため、これらは損益を通じた公正価値(FVTPL)で測定される。
OeKBグループはまた、一部の金融資産を、これらの資産が管理され、公正価値ベースで社内に報告された時点
で、2018年1月1日より前にFVTPLに指定した。2018年1月1日以降、これらの資産は、IFRS第9号に従い、回収
のための保有ビジネス・モデルの下で、償却原価で測定されている。
金融負債
金融負債が取得時に金利リスク又は通貨リスクに対してヘッジされている場合、金融負債は会計上の不一致を回
避するために公正価値に指定されている。公正価値測定からの純損益は損益計算書においてヘッジ商品と同様の方
法で認識される。
I - 現金及び現金同等物
この項目は、ユーロによる手持ち現金及び要求払いである中央銀行に対する債権(預金)で構成される。つま
り、事前通知無しに無制限に利用可能、又は1営業日もしくは24時間を超えない通知期間で利用可能であることを意
味する。要求される最低準備金もまた、この項目に報告される。
J - 銀行貸付及び顧客貸付
2018年1月1日から適用
貸借対照表の「銀行貸付」及び「顧客貸付」の項目は、以下から成る:
・償却原価による貸付:これらは、当初の認識時に公正価値に直接取引費用の増分を加えて報告され、その後、
金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
・FVTPLで測定されなければならない、又は(会計上の不一致を回避するため)FVTPLに指定された貸付。増減は
損益計算書上の損益を通じて直ちに認識される。
EFSに割当てられた貸付の大半は、AusFGに基づくオーストリア共和国からの保証の対象である(注記1を参照の
こと。)。
2017年12月31日まで適用
貸借対照表項の「銀行貸付」及び「顧客貸付」の項目は、貸付に分類され、以下から成る:
・償却原価による貸付:これらは、当初の認識時に公正価値に直接取引費用の増分を加えて報告され、その後、
金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。減損損失は、対応する貸付から控除されず、
貸借対照表上に別個の項目として開示された。EFSに割当てられた貸付の大半は、AusFGに基づくオーストリア
共和国からの保証の対象であり(注記1を参照のこと。)、これは信用リスク引当金の必要が消去された。
・FVTPLに指定された貸付(公正価値オプション)。増減は損益計算書上の損益を通じて直ちに認識される。
K - その他金融資産
2018年1月1日から適用
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貸借対照表の項目である「その他金融資産」は以下から成る:
・償却原価で測定される債務商品:これらは当初の認識時に公正価値に直接取引費用の増分を加えて報告され、
その後、金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
・FVTLで測定されなければならない、又は(会計上の不一致を回避するために)FVTPLに指定された、債務及びエ
クイティ商品。増減は損益計算書上の損益を通じて直ちに認識される。
・FVOCIで測定されるエクイティ商品(非連結会社への投資及びその他非連結会社への投資)。増減はその他包括
利益において認識され(損益計算書を通じてのリサイクルは無い)、当期利益(支払配当)は損益計算書上の
「その他非連結会社への投資からの当期収入」に認識される。
2017年12月31日まで適用
この項目は、すべての固定金利及び変動利付の証券並びに非連結子会社及びその他非連結会社への投資を含む。
債券及びその他固定金利債券並びに株式及びその他変動利付債券は、ビジネス・モデルに従い損益を通じた公正
価値(FVTPL)で認識されていた。投資ポートフォリオのビジネス・モデルは、債券及び投資資金の長期ポジション
の仮定を必要とした。ポートフォリオは市場価格を基礎に管理された。OeKBグループはこれらの証券を損益を通じ
た公正価値で測定する。公正価値の変動は、損益計算書の「金融商品の純損益、損益を通じた公正価値で測定」の
項目に認識された。当期の収益は「その他利息収入」の項目に認識された。マイナス金利による損失は、「その他
利息支払」の項目に認識された。OeKBグループは売買目的のポートフォリオを保有しない。
OeKBグループはその他非連結会社への投資を売却可能として測定する。公正価値の変動は、その他包括利益書に
おいて、「その他非連結会社への投資(売却可能)の公正価値測定による純損益」の項目に認識される。当期の収
益は、損益計算書の「その他非連結会社への投資からの当期収入」の項目に認識される。
L - ヘッジング商品
全般
デリバティブ金融商品及びAFFG第1(2b)条に基づく保証(注記1を参照のこと。)が、市場リスクをヘッジする
ために使用される。これらのヘッジ商品は、主に金利及び為替レートの変動に対する将来のキャッシュフローを保
護する。関連するデリバティブは主にOTC金利スワップ及びOTC通貨金利スワップであり、これは銀行貸付、顧客貸
付、その他金融資産及び発行済み債務証券に対するヘッジ商品として利用される。ヘッジ商品として、AFFGに基づ
く保証は通貨ベースのデリバティブ金融商品として機能する。
ヘッジされた金融資産及び金融負債は、会計上の不一致を回避するため損益を通じた公正価値で測定される。つ
まり、ヘッジ商品並びにヘッジされた金融資産及び金融負債の価値変動は、損益計算書において「金融商品の純損
益、損益を通じて公正価値で測定」の項目に直接認識される。デリバティブ金融商品は売買目的で使用されない。
デリバティブ金融商品
デリバティブ金融商品の公正価値は、一般に認められた方法を用いて算定される。デリバティブは取引日付で認
識される。デリバティブ金融商品は独立した資産及び負債項目において現在価値で認識される。
価値の変動により発生する信用エクスポージャーは担保により保証される。EMIR(規則[EU]第648/2012号)が要
求するとおり、金利スワップの清算は、2016年第4四半期から中央清算機関(LCH-ロンドン・クリアリングハウ
ス)に移管され、このことにより担保要件が着実に減少する。
AFFG第1(2b)条に基づく保証
EFS(注記1も参照のこと)において為替リスクに対するヘッジとして機能するAFFG(連邦法公報第216/1981、修
正済み)第1(2b)条に基づくオーストリア共和国の保証は、その固有の性質のため(法的規制に基づく。)、公正価
値で測定され、独立した資産項目として報告されている。
M - 固定資産及び無形資産
固定資産
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固定資産は、当グループ使用の土地及び建物並びに備品、付属品及び機器から成る。当グループ使用の土地及び
建物は主に当グループ自身の業務活動に利用される土地・建物である。関連システムの欠くことのできない機能の
一部である購入ソフトウェアは、このシステムの一部として資産計上される。
固定資産及び無形資産は、取得原価から計画的な定額法の減価償却及び減損の累計額を差引いて認識される。固
定資産の除却からの損益は、損益計算書の「その他営業収入」に認識される。
その後の費用は、費用の将来の経済的利益をOeKBグループが得られる可能性がある場合、資産計上される。継続
的修繕及び維持は費用とみなされる。
設備の減価償却率は、取得原価又は製品原価から見積もり残余価値を差し引いた額が定額法で見積もり耐用年数
について償却されるよう計算される。減価償却は資産上には認識されない。
償却法、耐用年数及び残存価値は、報告日毎に見直しがなされ、必要に応じて調整される。
当年度及び比較前年度の主要な設備項目の見積もり耐用年数は、以下のとおりである。
建物 40年
備品、付属品及び機器 3年から10年
ITハードウェア 3年から5年
無形資産
OeKBグループが購入するソフトウェアは、原価から定額法で予定償却及び累積減損費用を控除して認識されてい
る。社内で作成したソフトウェアの費用は資産計上されない。
ソフトウェアに対するその後の支出は、当該ソフトウェアが問題の資産の将来の経済的利益を増加させる場合の
み資産計上される。その他全ての支出は費用として認識される。
償却方法、耐用年数及び残存価値は、報告日毎に見直しがなされ、必要に応じて調整される。
ソフトウェアはその使用が開始すると、見積もり耐用年数について定額法で償却される。当年度及び比較前年度
のソフトウェアの見積もり耐用年数は、3年から5年である。
N - 銀行からの預金及び顧客からの預金
「銀行からの預金」及び「顧客からの預金」の項目は、以下を含む:
・現金及び預金勘定の負債
・金融市場業務
・条件付売買
・借入
金融負債は償却原価で測定される。金融負債は、当初認識時に、公正価値に直接取引コストの増分を加えて報告
され、その後、金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
OeKBグループは、伝統的な預金受入れ業務に従事していないため、預金勘定を提供しない。つまり、OeKBグルー
プが保有するすべての勘定は、注記1に記載の基本取引の決済又は担保の保有に関するものである。
O - 発行済み債務証券
発行済み債務証券は一般的に、償却原価で測定される。発行済み債務証券は、当初認識時に、公正価値に直接取
引コストの増分を加えて報告され、その後、金融商品の期間中、実効金利法を適用し償却原価で測定される。
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発行済み債務証券は多くの場合、組成時に金利リスク及び通貨リスクに対してヘッジされる。会計上の不一致を
回避するために、これらのヘッジされた発行済み債務証券はFVTPLに指定されており、測定による純損益はヘッジ商
品と同じ方法で損益計算書に認識される。
報告日付の発行済み債務証券の大半は、AFFG第1(2a)条及び(2b)条に基づく保証が特徴である(前年度と同
じ)。
P - 引当金
長期従業員給付引当金
年金及び類似の債務(退職給付)引当金は、IAS第19号の範囲に該当する退職後給付を表す。
確定給付制度に基づく債務は、予想単位クレジット法(Projected Unit Credit Method)を用いて測定される。
この方法に基づき、支払うべき事態が生じた後の予想される給付支払を計算するために動的変数が考慮される。こ
れらの支払は、受益者である従業員の残りの平均勤務期間全体にわたり分散している。この方法は、金利コスト
(これは、給付が支払に近づいていくため債務が所定の年に増加する金額である。)と勤務コスト(雇用の年度中
に従業員により新たに発生する給付)を区別する。勤務コスト及び金利コストは人件費に、従って営業利益に認識
される。これに反して、保険数理損益は、損益計算書に組替えられない項目で、その他包括利益に認識される。
確定給付債務の計算には、割引率、給与の増加率及び年金傾向並びに従業員の回転率に関する保険数理上の仮定
を含む。これらは経済状況に従って決定される。それぞれの割引率は、適切な満期及び通貨の質の高い社債のイー
ルドに基づき選定される。確定給付債務(以下「DBO」という。)の現在価値は、貸借対照表日の価値で認識され
る。制度資産(すなわち、それに対して、DBOを相殺するために基金が保有する資産)はない。
年金負債は確定給付及び確定拠出制度の両方に関連する。確定給付制度は、現在及び将来の年金債務から成る。
少数の上級管理職に対して、当グループは一般に勤続年数及び給与水準に基づく確定給付制度を依然として維持
する。これらの確定給付退職年金制度は全額引当金により賄われる。
退職給付引当金は、一定の条件を満たす場合、退職時に特定の金額を従業員に払う法律上及び契約上の義務に関
係する。
計算のための寿命根拠として、Pagler & Paglerの従業員向け計算表の最新版が利用される。
主要な仮定
2018年 2017年
割引率 1.95% 1.80%
給与の傾向 1.25% 1.25%
年金の傾向 2.25% 1.50%
団体協約の変更及び定期的・臨時的増加を考慮した、
3.50% 2.75%
給与の増加率
2003年予算実施法に基づくASVG(オーストリア国民
2018年 2017年
年金制度)の移行規定による退職年齢
女性 65歳 65歳
男性 65歳 65歳
適格従業員の大半に対して、OeKBグループは確定拠出制度へ参加する機会を提供する。OeKBグループは、年間給
与の決められた割合を年金機関(年金基金)へ移転する義務がある。確定拠出制度は、専用年金機関への拠出の支
払いを超えた債務を含まない。拠出は当年度の人件費に認識される。
その他当期引当金
その他当期引当金は以下の場合に設定される:
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・過去の事象の結果、OeKBグループが第三者に対する法的又は現実の債務を有し、
・その債務が資源の流出をもたらす可能性があり、
・債務の金額が確実に見積もることができる。
引当金は、債務の清算に必要な支出の最善の見積りである金額で設定される。市場金利を基準に決定した債務の
現在価値がその額面価額と大きく異なる場合、債務の現在価値が使用される。
Q - 1株当り利益
希薄化前1株当り利益は、普通株式の株主に帰属する当年度の包括利益合計及び発行済株式の加重平均数に基づ
き、計算される。
希薄化後1株当り利益は、潜在的普通株式による全ての潜在的希薄化効果を調整した後の、普通株式の株主に帰
属する年度の包括利益合計及び発行済み株式の加重平均数に基づき、計算される。
注記3 公正価値の決定
OeKBグループの多数の会計方法及び開示は、金融資産及び負債の公正価値の決定を必要とする。経理及び財務管
理部、リスク・コントロール部及びトレジャリー部のメンバーで構成される査定チームが公正価値を測定する。公
正価値測定の監視は、集中され、執行取締役会に報告される。
OeKBグループは公正価値決定について確立された管理の枠組みを維持する。金融商品を公正価値で測定する責任
は、トレーディング・ユニットからは独立している。具体的な管理は以下を対象とする:
・ 観察可能な価格の検証
・ 評価モデルの認証及びキャリブレーション
・ 新モデルの見直しと承認プロセス及び既存モデルの変更
査定チームは定期的に、重要な観察できない投入要因並びに再測定の損益を検討する。第三者からの情報(例え
ばブローカー又は価格決定サービスからの相場)が公正価値の決定に利用される場合、査定チームは、かかる測定
が、第三者から入手した入力データを検討する。この検討は以下を含む:
・ ブローカー又は価格情報サービスから入手した価格が一般的にOeKBにより認識されているか
・ 公正価値決定の理解:どの程度までこれは実際の市場取引を示しているか、公正価値は活発な市場における
同様の商品の上場価格を示しているか
・ 類似商品の価格が公正価値の測定に使用される方法及びこれらの価格が測定されている商品の性質を説明す
るために調整される方法の理解
・ 同じ金融商品について多数の値付けされた価格を受領した場合、公正価値がこれらの見積もりをベースに決
定されたこと。
これは、これらの測定が割当てられるべき公正価値の階層のレベルを含み、IFRSの要件を満たすという結論を裏
付ける。
重要な評価結果は監査委員会に報告される。
OeKBグループは、可能な場合、資産及び負債の公正価値を決定するために入手可能な市場データを使用する。評
価技法で使用される投入要因に基づき、公正価値は公正価値階層の異なるレベルに割当てられる。
・レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(調整なしの)相場価格。
・レベル2:資産又は負債に関して、直接的(すなわち価格)もしくは間接的(すなわち価格から算出される金
額)に観察できる、レベル1において検討した相場価格以外の評価のパラメーター。
・レベル3:観察可能な市場データに基づかない、資産又は負債の評価パラメーター。
要求払いの項目については、公正価値は正味帳簿価格に等しい。これは現金及び現金同等物、金融資産及び金融
債務に適用される。
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回収のための保有ビジネス・モデルに該当しないその他金融資産は、値付けされた市場価格に基づき決定される
公正価値で認識され、特別目的ファンドユニットの場合、投資資金法(InvFG)に従って計算される純資産価値に基
づ き、認識される。特別目的ファンドは、(現在のファンド規則はOeKBの許可があれば、他の投資家がユニットを
購入することを認めるものの)OeKBのためのみにローンチされ、OeKBが現在単独の投資者として投資ガイドライン
に従い観察アプローチに基づき管理する。ファンドのポートフォリオは主に公正価値が相場価格に基づく金融商品
で構成される。このため、特別目的ファンドの計算価値は公正価値に対応する。これらの金融商品は、IFRS第13号
の公正価値階層のレベル1に割当てられる。
アフリカ新興諸国へのエクイティ投資に焦点を合わせた、プライベート・エクイティ・ファンドへの投資もまた
行われる。プライベート・エクイティ・ファンドはこの10月にローンチされたので、ファンドの公正価値は概ね取
得コストに対応する。
貸借対照表日付で観察され、定評ある外部情報源より得られる適切な市場価格及び金利が、銀行貸付、顧客貸
付、銀行からの預金、顧客からの預金、発行済み債務証券及びヘッジ商品に指定されるデリバティブ金融商品の公
正価値を決定する当初の変数として、可能な限りにおいて使用される。契約上の支払フローの割引現在価値がこの
データを用いて計算される。この方法により測定される金融商品は、IFRS第13号の公正価値階層のレベル2に割当
てられる。
・「銀行貸付」及び「顧客貸付」の項目は、主にそのためにオーストリア共和国の保証がAusfFG(注記1も参照
のこと。)に従い発行される貸付で構成される。保証のために、債権は締結された時点により均一の条件に従
う。これらの統一的な金利はOeKBのウェブサイトで公表されるが、OeKBの信用スプレッドから導かれる。OeKB
の信用スプレッドは、AFFG第1(2a)条に基づく債権者保証により、オーストリア共和国の信用スプレッドに依存
する。したがって、これら資産の評価にあたり、合意された契約上のキャッシュフローは、市場で観察可能か
つオーストリア共和国の信用スプレッドで調整されたイールド・カーブを用いて割引かれる。
・市場で観察可能なイールド・カーブが、銀行からの預金、顧客からの預金及び発行済み債務証券の公正価値を
決定する際、合意された契約上の支払フローを割引くために使用される。このために、評価日時点の市場で
OeKBについて観察可能な信用スプレッドが考慮される。
専らヘッジ目的で保有されるデリバティブ金融商品は、標準モデルを用いて測定される。このモデルは割引
キャッシュフロー法に基づく。このモデルに基づき、公正価値は現在のスワップカーブ(信用価値の調整(CVA及び
DVA)を含む。)により合意された契約上の支払フローを割引くことで決定される。信用価値調整(CVA)は金融取
引における取引相手のデフォルト・リスクの価格見積もりである。負債評価調整(DVA)はある企業の自身のデフォ
ルト・リスクを見積もる。
CVA/DVAを決定するにあたり、OeKBグループは、信用損失によるバーゼル規制資本の方法を使用する。これは以下
の変数の経路依存の乗数及びその合計に基づく。
・デフォルト時のエクスポージャー。特定の将来の時点での公正価値、モンテカルロ・シミュレーションを利用
して計算される。
・デフォルトの可能性。これらの時点でのデフォルト可能性は、取引相手のCDSスプレッド又は会社自身のCDSス
プレッドから計算される。
・デフォルトが与える損失:取引相手のデフォルト又は自身のデフォルトの場合、予想回収額の見積もり。
報告日現在のCVAの価値調整は1.1百万ユーロ(2017年度:0.3百万ユーロ)、DVA価値調整は0.3百万ユーロ(2017
年度:0.1百万ユーロ)であった。
AFFG第1(2b)条に基づく保証の公正価値は(注記1も参照のこと。)、レート保証付発行済み債券の全ての将来の
利息及び元本のキャッシュフロー(最終的な債務=デリバティブ金融商品後)に基づいており、これは資金調達通
貨で発行され、AFFGが保証するレート(AFFGのレート保証は考慮しない。)で、並びに先物外国為替レート(AFFG
のレート保証は考慮しない。)でユーロに換算される。AFFGレート保証を考慮したユーロ金額とAFFG保証を考慮に
入れないユーロ金額の差異は、毎日計算され、オーストリア共和国の保証がカバーする潜在的なレートの差異を表
す(現在の為替レートを新債務に適用する将来の決定は新たな契約として処理される。)。保証の公正価値は、
オーストリア共和国のリファイナンシングスプレッドを考慮した以前に計算した一連の潜在的なレート差異を割引
いて計算され、「AFFG第1(2b)条に基づく保証」の項目に認識される。ヘッジング商品として、保証は、通貨ベース
のデリバティブ金融商品として機能する。公正価値測定に使用されるモデルは、CVAとDVAの別々の計算を認めるこ
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とにより、報告期間中に改善された。AFFG第1(2b)条に基づく保証のためのCVAの価値調整は、報告日現在、0.1百万
ユーロであり、DVAの価値調整は40.8百万ユーロであった。
レベル1又はレベル2のいずれにも該当しない金融商品は、独立した分類(レベル3)に割り当てなければなら
ない。レベル3の中で、公正価値は、特別な量的及び質的情報を用いて決定される。OeKBグループは、その他非連
結会社への投資を公正価値で認識する。CEESEG AGの公正価値は割引キャッシュフロー法を用いて決定される。公正
価値及び感応度を決定するのに使用するパラメーターは、注記16に説明する。
下記の表は、公正価値の階層による報告日現在の公正価値で測定される金融商品、及び公正価値で測定されない
金融商品の公正価値を示す。この金額は、貸借対照表に報告される数字に基づく。
2018年公正価値階層
(単位:1,000ユーロ) 注記 帳簿価格 公正価値 レベル1 レベル2 レベル3
公正価値で測定する金融資産
銀行貸付 15 708,427 708,427 - 708,427 -
債券及びその他固定金利債券 2,195,862 2,195,862 2,195,862 - -
エクイティ及びその他変動利付
債券 525,924 525,924 525,924 - -
その他非連結会社への投資 34,799 34,799 - - 34,799
その他金融資産 16 2,756,585 2,756,585 2,721,786 - 34,799
デリバティブ金融商品 17 598,100 598,100 - 598,100 -
AFFG第1(2b)条に基づく保証 17 4,521,338 4,521,338 - 4,521,338 -
公正価値で測定しない金融資産
現金及び現金同等物 14、27 323,412 323,412 - 323,412 -
銀行貸付 15 18,834,760 19,174,255 - 19,174,255 -
顧客貸付 15 467,898 525,562 - 525,562 -
その他金融資産 16 332,134 335,417 335,417 - -
公正価値で測定する金融負債
発行済み債務証券 21 18,997,765 18,997,765 - 18,997,765 -
デリバティブ金融商品 17 439,815 439,815 - 439,815 -
公正価値で測定しない金融負債
銀行からの預金 20 527,221 528,172 - 528,172 -
顧客からの預金 20 704,596 704,831 - 704,831 -
発行済み債務証券 21 5,522,974 6,068,156 - 6,068,156 -
2017年公正価値階層
(単位:1,000ユーロ) 注記 帳簿価格 公正価値 レベル1 レベル2 レベル3
公正価値で測定する金融資産
銀行貸付 15 698,426 698,426 - 698,426 -
債券及びその他固定金利債券 2,541,086 2,541,086 2,541,086 - -
エクイティ及びその他変動利付
債券 460,793 460,793 460,793 - -
その他非連結会社への投資 34,450 34,450 - - 34,450
その他金融資産 16 3,036,328 3,036,328 3,001,878 - 34,450
デリバティブ金融商品 17 533,887 533,887 - 533,887 -
AFFG第1(2b)条に基づく保証 17 4,095,741 4,095,741 - 4,095,741 -
公正価値で測定しない金融資産
現金及び現金同等物 14、27 424,206 424,206 - 424,206 -
銀行貸付 15 15,494,455 15,771,438 - 15,771,438 -
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顧客貸付 15 1,536,986 1,582,092 - 1,582,092 -
公正価値で測定する金融負債
発行済み債務証券 21 16,594,202 16,594,202 - 16,594,202 -
デリバティブ金融商品 17 555,651 555,651 - 555,651 -
公正価値で測定しない金融負債
銀行からの預金 20 425,088 426,788 - 426,788 -
顧客からの預金 20 753,965 754,507 - 754,507 -
発行済み債務証券 21 5,046,213 5,658,604 - 5,658,604 -
OeKBグループは、公正価値階層のレベル間の組替えを、変更が発生した報告期間末時点で認識する。当会計年度
において、組み替えは行われなかった。
注記4 セグメント情報
OeKBグループの業務は以下の事業セグメントごとに表示される。これら3つのセグメント(「輸出業務」、「資
本市場業務」及び「その他業務」)の概要は、ビジネスモデル、社内の組織構造及び最高経営意思決定機関である
執行取締役会への追加の社内財務報告を基準とする。これらのセグメントの定義は、セグメントへの資源の配分及
び業績の判断のために定期的に見直しをされる。主要な数字は、(すべてのセグメントにおける)当期純利益、輸
出業務の純利息収入及び資本市場業務の手数料収支である。
「輸出業務」セグメントは、OeKBの輸出金融スキーム及びオーストリア・エントヴィックルングスバンクAGの運
営及び輸出保証法に基づく公認代理人としてのOeKBによるオーストリア共和国の保証の管理を対象とする。EFSの法
的根拠のために、OeKBグループの事業活動の地域的な中心は、オーストリアである。仮に外国銀行がEFSの基準を満
たす場合、当該外国銀行は本スキームに参加する資格がある。ファイナンシングに適格であるためには、当該物品
供与又はサービスは、直接又は間接にオーストリアの経常収支の改善をもたらさなければならない。地域ごとの内
訳は、注記36を参照のこと。
「資本市場業務」セグメントは、資本市場(財務データ、ファンドのキャピタルゲインの税務報告業務の契約の
核心、KMGに基づく通知事務所、政府債券の発行事務所)及びエネルギー市場の決済サービス並びにOeKB CSD GmbH
及びCCP.Aの持分の運用のためのオーストリア輸出銀行の全てのサービスを対象とする。「その他非連結会社への投
資からの当期収入」は、当該会社の活動もこのセグメントに該当する場合、本セグメントに割当てられる。
「その他業務」セグメントは、OeKBの情報及びリサーチ・サービス、自己勘定売買ポートフォリオ及び他のセグ
メントに割当てられないその他非連結会社への投資からの収入で構成される。同セグメントはまた、OeKBグループ
の民間信用保険業務を含む。
前年度同様、「輸出業務」セグメントは再びOeKBグループの重要な顧客であった。この重要顧客は利息等収入に
49.4百万ユーロ(2017年度:33.8百万ユーロ)を計上した。
2018年度セグメント実績
2018年度事業セグメント別業績
(単位:1,000ユーロ) 輸出業務 資本市場業務 その他業務 合計
利息収入 202,257 (80) 4,531 206,708
利息支払 (127,682) (0) 807 (126,876)
純利息収入 74,575 (80) 5,337 79,832
手数料収入 19,120 34,318 625 54,062
手数料支払 (12,007) (1,699) (105) (13,811)
手数料収支 7,113 32,619 520 40,252
信用リスク引当金(純額) 0 - 106 106
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有価証券報告書
金融商品の純損益、損益を通じて公正価値で測定 (1,059) (1) (9,971) (11,031)
金融商品の認識中止による純損益、損益を通じて公
正価値で測定されないもの (5) - 320 315
2,204
その他非連結会社への投資からの当期収入 - 223 2,427
391
持分法投資損益の持分割合(税引後) - 5,318 5,709
(50,625)
一般管理費 (25,922) (6,007) (82,553)
(870)
その他営業収支 994 5,795 5,920
税引前利益 29,129 10,205 1,642 40,977
(8,863)
所得税 (1,791) 1,810 (8,845)
報告セグメントの当期利益 20,266 8,414 3,452 32,132
20,266
親会社株主に帰属の当期純利益 8,414 3,452 32,132
27,705,954
セグメント資産 25,868 982,492 28,714,314
27,600,813
セグメント負債 1,926 320,906 27,923,646
報告セグメントの利益は損益計算書において報告される利益と同額である。
セグメント情報における下記の情報の表示は、損益計算書と異なる。
純利息収入 :マイナス金利による損失は、利息等収入に示され、マイナス金利の予算アンダーランは利息等支払
に示されている。
2017年度事業セグメント別業績(調整済)
(単位:1,000ユーロ) 輸出業務 資本市場業務 その他業務 合計
利息収入 179,447 (116) 4,768 184,100
利息支払 (104,896) (0) 348 (104,548)
純利息収入 74,551 (116) 5,116 79,551
手数料収入 20,268 33,728 726 54,722
手数料支払 (11,063) (1,493) (100) (12,656)
手数料収支 9,205 32,235 626 42,066
信用リスク引当金(純額) - - - -
(414)
金融商品の純損益、損益を通じて公正価値で測定 (3) (2,103) (2,520)
金融商品の認識中止による純損益、損益を通じて公
正価値で測定されないもの - - (1) (1)
2,699
その他非連結会社への投資からの当期収入 - 284 2,983
255
持分法投資損益の持分割合(税引後) - 4,042 4,297
(46,916)
一般管理費 (25,705) (7,447) (80,068)
その他営業収支 (1,126) 806 5,749 5,429
税引前利益 35,299 10,171 6,164 51,634
(8,758)
所得税 (2,464) (549) (11,771)
報告セグメントの当期利益 26,541 7,707 5,615 39,863
26,541
親会社株主に帰属の当期純利益 7,707 5,615 39,863
セグメント資産 24,968,585 58,837 977,349 26,004,771
セグメント負債 24,879,910 49,068 274,928 25,203,907
報告セグメントの利益は損益計算書において報告される利益と同額である。
調整
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(単位:1,000ユーロ) 輸出業務 資本市場業務 その他業務 合計
持分法投資損益の持分割合(税引後)の調整純額 (105)
確定給付制度の保険数理利益/損失の調整純額 119
税効果の調整純額 (30)
その他業務セグメントの持分法投資損益の持分割合(税
引後)の調整純額 (105)
輸出業務セグメントの一般管理費の調整 69
資本市場業務セグメントの一般管理費の調整 35
その他出業務セグメントの一般管理費の調整 15
輸出業務セグメントの法人税の調整 (17)
資本市場業務セグメントの法人税の調整 (9)
その他出業務セグメントの法人税の調整 (4)
2017年度事業セグメント別業績 - 前年度の連結財務書類において報告されたもの(調整済)
(単位:1,000ユーロ) 輸出業務 資本市場業務 その他業務 合計
利息等収入 179,447 (116) 4,768 184,100
利息等支払 (104,896) - 348 (104,548)
純利息収入 74,551 (116) 5,116 79,551
手数料収入 20,268 33,728 726 54,722
手数料支払 (11,063) (1,493) (100) (12,656)
手数料収支 9,205 32,235 626 42,066
信用リスク引当金(純額) - - - -
(414)
金融商品の純損益、損益を通じて公正価値で測定 (3) (2,103) (2,520)
金融商品の認識中止による純損益、損益を通じて公
正価値で測定されないもの - - (1) (1)
2,699
その他非連結会社への投資からの当期収入 - 284 2,983
255
持分法投資損益の持分割合(税引後) - 4,042 4,297
一般管理費 (46,985) (25,740) (7,462) (80,187)
その他営業収支 (1,126) 806 5,749 5,429
税引前利益 35,230 10,136 6,253 51,619
所得税 (8,741) (2,455) (545) (11,741)
報告セグメントの当期利益 26,489 7,681 5,708 39,878
親会社株主に帰属の当期純利益 26,489 7,681 5,708 39,878
セグメント資産 24,968,585 58,837 977,349 26,004,771
25,203,907
セグメント負債 24,879,910 49,068 274,928
2017年度 報告される当グループ・セグメント情報の調整
(単位:1,000ユーロ)
報告セグメントの当期利益 39,878
調整金額
持分法投資損益の持分割合(税引後) (105)
確定給付制度の保険数理利益/損失 119
保険数理利益/損失から生ずる税効果 (30)
損益計算書による当期利益 39,863
セグメント間業務に計上される金額は、原価で提供されるサービスを表す。報告セグメントの金額と連結貸借対
照表及び連結包括利益計算書に記録された金額とは一致する必要はない。なぜなら連結項目は直接セグメントに割
当てられるからである。
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OeKBグループ連結包括利益計算書に対する注記
注記5 連結包括利益計算書
収益及び費用は基本的に発生したときに認識される。
利益及び純損失は、損益計算書上に認識される公正価値の変動、評価損、損益計算書上の評価損の戻入れ、為替
レートの変動並びに認識からの除去により影響を受ける。
注記6 純利息収入
2018年 2017年
(単位:1,000 2018年 2018年 2018年 2017年 2017年
公正価値オ 公正価値オ 2017年合計
ユーロ) 償却原価 FVTPL 合計 償却原価 FVTPL
プション プション
金融市場商品 4,567 - - 4,567
2,572 - - 2,572
貸付業務 164,135 2,317 - 166,452
152,805 8,412 - 161,218
証券 - - 10,851 10,851
2,057 - 9,676 11,734
発行済み債務証券 - 109,883 - 109,883
2,305 108,552 - 110,857
計上利息に関する
EFS金利安定化引当
金の割当又は使用 20,022 283 - 20,305
47,446 13,585 (198) 60,833
利息収入 188,724 112,483 10,851 312,058
207,185 130,549 9,478 347,213
金融市場商品 (6,037) - - (6,037)
(3,294) - - (3,294)
(10,529)
貸付業務 (8,377) (2,152) -
(13,330) (2,987) - (16,317)
証券 - (4,015) - (4,015)
- (4,026) - (4,026)
発行済み債務証券 (79,418) (42,169) - (121,587)
(92,220) (56,597) - (148,817)
AFFG第1(2)条に基づ
く保証のための発行
済み債務証券に関す
る保証手数料(上記
注記1を参照のこ
(25,800)
と) (64,539) - (90,339)
(27,987) (66,940) - (94,926)
利息支払 (119,632) - (232,507)
(136,831) (130,549) - (267,381) (112,875)
純利息収入 69,092 10,851 79,551
70,354 (0) 9,478 79,832 (392)
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注記7 手数料収支
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
貸付業務収入 2,766 4,940
貸付業務費用 (11,760) (10,876)
貸付業務 (8,994) (5,936)
証券業務収入 31,234 30,403
証券業務費用 (1,941) (1,643)
証券業務 29,293 28,760
輸出保証収入 14,767 13,799
輸出保証費用 - -
輸出保証 14,767 13,799
エネルギー交換決済収入 2,451 2,688
エネルギー交換決済費用 - -
エネルギー交換決済 2,451 2,688
その他サービス収入 2,844 2,891
その他サービス費用 (109) (137)
その他サービス 2,735 2,754
手数料収支 40,252 42,066
うち、収入 54,062 54,722
うち、費用 (13,811) (12,656)
貸付業務からの手数料収入は、主に開発銀行の業務及びオーストリア共和国の開発援助ローンのサービシングに
よるものである。貸付業務からの手数料支払は、主に開発銀行の業務に関連してAusfFGに従いオーストリア共和国
に支払う保証料によるものである。オーストリア共和国はこれらの保証に基づくこれらの取引のデフォルト・リス
クを仮定する。収支は全て、償却原価で測定される金融商品から派生する。
証券業務による手数料収支はオーストリアの資本市場のためにOeKBグループにより提供されるサービスによるも
のである。これらのサービスは主に、証券口座管理及び証券取引の取得並びに政府債券の入札業務、証券に関する
法律上要求される報告の技術的基盤の管理、オーストリア証券へのISINコードの割当て及びマスター・データ及び
満期データのための証券データサービスに関するものである。
輸出保証業務は、オーストリア共和国を代理してOeKBが提供するサービスである(注記1も参照のこと)。OeKB
が請求する処理手数料はオーストリア共和国のために徴収する保証料に基づく。処理手数料は発生主義で認識され
る。
中心的かつ独立したプロバイダーとして、OeKBは格付業務、金融決済及びリスク管理に関連してエネルギーの決
済サービスを提供する。
その他サービスからの手数料収支は、主に徴収した口座管理手数料及びオーストリア共和国の開発援助対策に関
する信託業務からの収入である(注記33を参照のこと。)。
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注記8 損益を通じて公正価値で測定される金融商品の純損益
2018年度の金融商品の公正価値測定による純損益
EFSに割当てられていない
EFSに割当てられた金融商品
金融商品
公正価値 ヘッジング
2018年合計
(単位:1,000ユーロ) FVTPL 合計 FVTPL 合計
オプション 取引
以下の公正価値の変
動:
銀行貸付 (2,355)
(2,355) - - (2,355) - -
その他金融資産 (34,170)
- (23,360) - (23,360) (10,810) (10,810)
デリバティブ
金融商品 153,638
- - 153,638 153,638 - -
AFFG第1(2b)条に基づ
く保証 (133,245)
- - (133,245) (133,245) - -
発行済み債務証券 (19,139)
(19,139) - - (19,139) - -
公正価値の変動 (35,272)
(21,494) (23,360) 20,393 (24,461) (10,810) (10,810)
EFSに割当てられた金
融商品の純損益のEFS
金利安定化引当金へ
の振替 24,461
21,494 23,360 (20,393) 24,461 - -
公正価値測定による純
損益 (10,810)
- - - - (10,810) (10,810)
外国為替差異による純
損益 (221)
(556) - 336
公正価値測定による純
損益 (10,810)
- - (10,810)
金融商品に係る純損益 (11,031)
(556) - (10,475)
信用スプレッドの変動から生じる銀行貸付の公正価値の変動の持分は、当年度中2.5百万ユーロとなり、合計では
マイナス7.0百万ユーロとなった。オーストリア共和国が提供する包括保証のために、これらの債権についてのデ
フォルトリスクは存在しなかった(注記1を参照のこと。)
信用スプレッドの変動から生じる発行済み債務証券の公正価値の変動の持分は、当年度中マイナス8.7百万ユーロ
となり、合計でマイナス24.6百万ユーロとなった。
2018年度の金融商品の外国為替差異による純損益
EFSに割当てられた金 EFSに割当てられてい
(単位:1,000ユーロ) 2018年合計
融商品 ない金融商品
外国為替差異による利益 (554,364) 96,969 (457,395)
外国為替差異による損失 (5,034) (96,634) (101,668)
小計 (559,398) 336 (559,063)
AFFG第1(2b)条に基づく保証によ
558,842 - 558,842
る外国為替差異
外国為替差異に係る純損益 (556) 336 (221)
2017年度の金融商品の公正価値測定による純損益
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EFSに割当てられていない
EFSに割当てられた金融商品
金融商品
公正価値オ ヘッジング
2018年合計
(単位:1,000ユーロ) FVTPL 合計 FVTPL 合計
プション 取引
以下の公正価値の変動:
銀行貸付 5,077 5,077 5,077
- - - -
その他金融資産 (49,251) (49,251) (2,020) (2,020) (51,271)
- -
デリバティブ金融商品 (353,808) (353,808) - (353,808)
- - -
AFFG第1(2b)条に基づく保証 348,923 348,923 - 348,923
- - -
発行済み債務証券 (35,370) (35,370) - (35,370)
- -
公正価値の変動 (30,293) (49,251) (4,885) (84,429) (2,020) (2,020) (86,449)
EFSに割当てられた金融商品
の純損益のEFS金利安定化引
当金への振替 30,293 49,250 4,886 84,429 - - 84,429
公正価値測定による純損益 - - - - (2,020) (2,020) (2,020)
外国為替差異による純損益 198 - (698) (500)
公正価値測定による純損益 - - (2,020) (2,020)
金融商品に係る純損益 198 - (2,718) (2,520)
2017年度の金融商品の外国為替差異による純損益
EFSに割当てられた EFSに割当てられてい
(単位:1,000ユーロ) 2017年合計
金融商品 ない金融商品
外国為替差異による利益 1,958,263 91,578 2,049,841
外国為替差異による損失 (21,725) (92,276) (114,002)
小計 1,936,537 (698) 1,935,839
AFFG第1(2b)条に基づく保証によ
(1,936,339) - (1,936,339)
る外国為替差異
外国為替差異に係る純損益 198 (698) (500)
外国為替差異の損益は、主に米ドル及びスイス・フランの為替レートの変動によりもたらされた。為替レートは
AFFG第1(2b)条に基づく保証によりヘッジされているため、外国為替差異を通じて大半が相殺される。
注記9 償却原価で測定する金融商品の処分にかかる純損益
金融商品の処分による315千ユーロの利益(2017年:1千ユーロの損失)は、主に取得時に減損していたが、償還
時に予想より高いリターンを生み出した貸付金による収益から生じる。
注記10 一般管理費
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
給与 (38,833) (36,832)
社会保険費用 (9,074) (8,698)
年金及びその他従業員給付コスト (5,975) (6,032)
人件費 (53,883) (51,563)
その他管理費用 (22,906) (23,137)
固定資産及び無形資産の減価償却、償却、減損 (5,765) (5,369)
一般管理費 (82,553) (80,068)
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給与の増加は、主に従業員数の増加及び賞与支払いの増加によるものである。その他管理費用の減少は、グルー
プ全体のデジタル金融アーキテクチャの構築(BCBS第239条)に関連するプロジェクト費用の減少が原因であった。
監査人及び関連会社費用
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
連結及び個別年次財務書類の監査 (461) (390)
監査関連業務 (368) (137)
監査人費用 (829) (527)
税務コンサルティング (115) (54)
その他コンサルティング (86) (358)
監査人関連会社の費用 (201) (412)
監査関連業務は、OeKBの発行業務による費用に関連する。その他コンサルティング費用の減少は、IFRS第9号の
実行プロジェクトに関連するもので、前年は高額の費用の原因となった。
注記11 その他営業収支
「その他営業収支」の項目は主に、OeKBが外注業務(例えば、経理及び財務管理、情報技術、人事、社内監査及
びその他サービス)の提供により受取るサービス手数料並びに事業スペースの賃貸収入を示す。その他営業費用
は、主にオーストリア財務当局に支払う銀行安定税に関連する。
注記12 所得税
所得税は、IAS第12号に従い認識及び算定される。当年度の所得税資産及び負債は、現地の税率を基礎に決定され
る。繰延税金は、負債コンセプトを使用して算定される。この方法の下では、IFRS貸借対照表上の資産及び負債の
帳簿価格は、それぞれのグループ会社の課税に関係するそれぞれの価値と比較される。これらの価値の差異は、繰
延税金資産又は税金負債として認識される一時的差異をもたらす(注記23も参照のこと)。
損益計算書に認識される税金
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
当期 (6,920) (10,221)
過年度の調整 (48) 94
当期税金費用合計 (6,968) (10,127)
認識済控除可能一時的差異の増減 (1,876) (1,644)
繰延税金純額/税金収益 (1,876) (1,644)
所得税 (8,845) (11,771)
その他包括利益に認識される税金
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
確定給付制度に係る保険数理利益/損失 2,116 30
その他非連結会社への投資(売却可能)の公正価値測定に
(277) (6,225)
よる純損益
合計 1,839 (6,195)
繰延税金の増減
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(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
損益計算書上の繰延税金の増減 (1,876) (1,644)
その他包括利益計算書上の繰延税金の増減 2,027 (6,195)
合計 151 (7,839)
実際の課税は、それぞれのグループ会社に適用される現地の税率を使用して、年度の課税標準額に対して計算さ
れる。
実効税率の一致
2018年 2017年
(単位:1,000ユーロ)
税引前利益
40,977 100.0% 51,634 100.0%
会社の国内税率による税額 (10,244) -25.0% (12,908) -25.0%
非控除支出 (561) -1.4% (429) -0.8%
非課税所得 2,034 5.0% 1,794 3.5%
認識済控除可能一時的差異の増減 1 0.0% (115) -0.2%
非適格投入税 (27) -0.1% (19) 0.0%
過年度の所得税支払 (48) -0.1% (94) -0.2%
合計 (8,845) -21.6% (11,771) -22.8%
標準的な現地の所得税率による課税は表の報告済みの実際の所得税額と一致する。OeKBグループは、税法の解釈
及び以前の経験を含めた多数の要因の査定に基づき、すべてのオープンな課税年度(税務調査が今後入りうる年
度)について納税引当金は十分であると考える。
OeKBグループ連結貸借対照表に対する注記
注記13 金融商品
金融商品及び金融負債の区分
下記の表は、IFRS第9号(2018年12月31日)及びIAS第39号(2017年12月31日)に従った区分による、金融資産及
び金融負債の内訳を示す。
IFRS第9号の分類による金融商品(2018年12月31日現在)
FVOCI FVTPL FVTPL
(単位:1,000ユーロ) 注記 償却原価 合計
(指定) (義務) (指定)
資産
現金及び現金同等物 14 323,412 - - - 323,412
銀行貸付 15 18,834,760 - - 708,427 19,543,241
顧客貸付 15 467,898 - - - 468,045
その他金融資産 16 332,134 - 560,723 2,195,862 3,088,838
デリバティブ金融商品 17 - - 598,100 - 598,100
AFFG第1(2b)条に基づく保証 17 - - 4,521,338 - 4,521,338
合計 19,958,204 - 5,680,161 2,904,290 28,542,974
負債
銀行からの預金 20 527,221 - - - 527,221
顧客からの預金 20 704,596 - - - 704,596
発行済み債務証券 21 5,522,974 - - 18,997,765 24,520,740
デリバティブ金融商品 17 - - 439,815 - 439,815
合計 6,754,791 - 439,815 18,997,765 26,192,372
IAS第39号の分類による金融商品(2017年12月31日)
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貸付及び 公正価値
(単位:1,000ユーロ) 注記 償却原価 売却可能 FVTPL 合計
債権 オプション
資産
現金及び現金同等物 14 424,206 - - - - 424,206
銀行貸付 15 15,494,455 - - - 698,426 16,192,881
顧客貸付 15 1,536,986 - - - - 1,536,986
その他金融資産 16 - - 34,450 3,001,878 - 3,036,328
デリバティブ金融商品 17 - - - - 533,887 533,887
AFFG第1(2b)条に基づく
17 - - - - 4,095,741 4,095,741
保証
合計 17,455,647 - 34,450 3,001,878 5,328,054 25,820,029
負債
銀行からの預金 20 - 425,088 - - - 425,088
顧客からの預金 20 - 753,965 - - - 753,965
発行済み債務証券 21 - 5,046,213 - - 16,594,202 21,640,415
デリバティブ金融商品 17 - - - - 555,651 555,651
合計 - 6,225,266 - - 17,149,853 23,375,120
IFRS第9号初度適用時の金融商品及び金融負債の区分
下記の表は、IAS第39号に従うOeKBグループの金融資産及び金融負債についての元々の測定区分、並びにIFRS第9
号に従う新測定の区分、さらにIFRS第9号の初度適用に関連する再測定の効果を示す。
IAS第39号 IFRS第9 IFRS第9号の再
による 号による 測定による帳
(単位:1,000 元々の測 新測定区 IAS第39号による 簿価格の IFRS第9号による
ユーロ) 注 定区分 分 注釈 元々の簿価 変動 新帳簿価格
金融資産
現金及び現金
同等物 14,27 貸付 償却原価 ▶ 424,206 - 424,206
銀行貸付 15 貸付 償却原価 ▶ 15,494,455 (69) 15,494,385
公正価値 FVTPL-FV
オプショ オプショ
ン ン b 698,426 16,192,881 698,426 16,192,811
顧客貸付 15 貸付 償却原価 ▶ 1,536,986 (261) 1,536,726
その他
金融資産 16 FVTPL 償却原価 ▲ 331,933 (5,438) 326,495
FVTPL-FV
オプショ
FVTPL ン b 2,209,152 2,209,152
FVTPL-義
FVTPL 務 ▼ 460,793 460,793
売却可能 FVOCI e 34,450 3,036,328 34,450 3,030,890
デリバティブ FVTPL-義 FVTPL-義
金融商品 17 務 務 533,887 - 533,887
FVTPL-FV
AFFG第1(2b)条 オプショ FVTPL-義
に基づく保証 17 ン 務 4,095,741 - 4,095,741
金融資産 25,820,029 (5,769) 25,814,260
その他資産
持分法投資 18 66,843 - 66,843
固定資産及び
無形資産 19 16,900 - 16,900
当期税金資産 23 10,668 - 10,668
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繰延税金資産 23 56,418 1,422 57,840
その他資産 33,914 - 33,914
その他資産 184,742 1,422 186,164
資産合計 26,004,771 (4,347) 26,000,424
IFRS第9
IAS第39号 号による IFRS第9号の再
(単位:1,000 による元々 新測定区 IAS第39号による 測定による帳 IFRS第9号による
ユーロ) 注 の測定区分 分 注釈 元々の簿価 簿価格の変動 新帳簿価格
金融負債
銀行からの預金 20 償却原価 償却原価 425,088 - 425,088
顧客からの預金 20 償却原価 償却原価 753,965 - 753,965
発行済み
債務証券 21 償却原価 償却原価 5,046,213 5,046,213
FVTPL-FV
FVTPL-FVオ オプショ
プション ン 16,594,202 21,640,415 - 16,594,202 21,640,415
デリバティブ金 FVTPL-義
融商品 17 FVTPL-義務 務 555,651 - 555,651
その他負債 償却原価 償却原価 44,297 - 44,297
金融負債 23,419,416 - 23,419,416
その他負債
及び資本
引当金 22 145,508 - 145,508
当期税金債務 23 407 - 407
EFS金利安定化
引当金 24 1,638,577 (81) 1,638,496
株式資本 25 800,864 (4,266) 796,598
その他負債
及び資本 2,585,355 (4,347) 2,581,009
負債及び資本
合計 26,004,771 (4,347) 26,000,424
金融商品の分類の認識及び測定の原則について、その詳細を注記2に示す。これらの原則の結果は、上記の内訳
にその概要を示す(下記の項目はリスト中の個別の資産項目に関するものである)。
a) 銀行貸付及び顧客貸付並びに現金及び現金同等物の大部分は、回収のための保有ビジネス・モデルに割り当
てられ、SPPI基準を満たす。したがって、これらの金融商品は「償却原価」の測定区分に割り当てられ、こ
れらの認識に変更はなかった。
b) デリバティブ契約によりヘッジされた金融商品は、会計上の不一致を回避又は実質的に減らすために以前の
とおり公正価値で測定される。
c) IAS第39号の下では、市場価値に基づき管理され、執行取締役会に報告される金融商品のポートフォリオは、
公正価値で測定されていた。IFRS第9号の適用は現在これを除外するので、これらのポートフォリオは償却
原価で測定される。IFRS第9号への移行において、これらの商品の正味帳簿価格は、あたかも当初から償却
原価で測定されていたかのごとく表示された。
d) その他金融資産の一部は、利息並びに短期の売却益を生み出す意図であるため、回収のための保有及び売却
のビジネスモデルに割当てられている。これらは主に、投資目的及び流動性管理のための投資ファンドの持
分から成る。これらのファンドはSPPI基準を満たさないので、公正価値で測定される必要がある。
e) 子会社以外の投資の戦略的の持分の公正価値測定は、IAS第39号に従い、その他包括利益に表示される。経営
陣はこれらの投資を「その他包括利益」に引続き認識することを決定した。さらに、経営陣は、新たに取得
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した各株式投資については個別に決定を行う予定である。これらの戦略的投資は、注記16の子会社以外の投
資の持分に相当する。
下記の表は、2018年1月1日付のIAS第39号からIFRS第9号への移行から生ずる正味帳簿価格の変動についての詳
細を示す。
金融資産
2018年1月1日現在 2018年1月1日現在
注記 IAS第39号による 分類替え 再測定 IFRS第9号による新
(単位:1,000ユーロ)
元々の簿価 帳簿価格
償却原価
現金及び現金同等物 14,27 424,206 424,206
銀行貸付 15 15,494,455 15,494,385
再測定(ECL) (69)
顧客貸付 15 1,536,986 1,536,726
再測定(ECL) (261)
その他金融資産 16 - 326,495
FVTPLからの分類替え 331,933
償却原価での再測定 (5,327)
再測定(ECL) (111)
償却原価 17,455,646 331,933 (5,769) 17,781,811
FVTPL
銀行貸付 15 698,426 698,426
その他金融資産 16 3,001,878 2,669,945
償却原価への分類替え (331,933)
デリバティブ金融商品 17 533,887 533,887
AFFG第1(2b)条に基づく保証 17 4,095,741 4,095,741
FVTPL 8,329,932 (331,933) - 7,997,999
FVOCI
その他金融資産 16 - 34,450
売却可能からの分類替え 34,450
FVOCI - 34,450 - 34,450
売却可能
その他金融資産 16 34,450 -
FVOCIへの分類替え (34,450)
売却可能 34,450 (34,450) - -
金融資産 25,820,029 - (5,769) 25,814,260
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金融負債
2018年1月1日現在 2018年1月1日現在
注記 IAS第39号による元々 分類替え 再測定 IFRS第9号による新帳簿
(単位:1,000ユーロ)
の簿価 価格
償却原価
銀行からの預金 20 425,088 425,088
顧客からの預金 20 753,965 753,965
発行済み債務証券 21 5,046,213 5,046,213
その他債務 44,297 44,297
償却原価 6,269,563 - - 6,269,563
FVTPL
発行済み債務証券 21 16,594,202 16,594,202
デリバティブ金融商品 17 555,651 555,651
FVTPL 17,149,853 - - 17,149,853
金融負債 23,419,416 - - 23,419,416
以下の効果が、IAS第39号の下で損益を通じた公正価値で測定され、IFRS第9号の下で償却原価で測定される。そ
の他金融資産の分類替えから生じた。
(単位:1,000ユーロ)
2018年12月31日現在の公正価値 288,835
分類替えされず当期損益計算書に報告されたはずの公正価値の変動による純損益 (2,270)
初度適用時の利率 0.70%
2018年に記録された利息収入 2,144
ECL計算の方法及び結果は、注記36において説明される。
注記14 現金及び現金同等物
認識及び測定の原則は注記2に記載する。
(単位:1,000ユーロ) 2018年12月31日 2017年12月31日
中央銀行への預け金残高 323,412 424,205
現金 - 1
現金及び現金同等物 323,412 424,206
注記15 銀行及び顧客への貸付
認識及び測定の原則は注記2に記載する。IFRS第9号に従う分類は注記13に述べる。格付区分による内訳は、注
記36に表示する。
銀行貸付
(単位:1,000ユーロ) 要求払 その他満期 合 計
2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国内銀行
4,874 7,380 17,800,743 14,576,877 17,805,617 14,584,257
外国銀行 199,779 199,819 1,537,792 1,408,804 1,737,571 1,608,623
銀行貸付合計 204,652 207,200 19,338,535 15,985,681 19,543,187 16,192,881
顧客貸付
(単位:1,000ユーロ) 国内顧客 海外顧客 合計
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2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国又は政府関連機関
1,703 1,539 185,930 215,357 187,633 216,895
その他 2,389 1,102,538 277,877 217,553 280,265 1,320,091
顧客貸付合計 4,091 1,104,077 463,807 432,909 467,898 1,536,986
2018年度中に、100%子会社である「オーストリア・エクスポートフォンズ」を親会社であるオーストリア輸出銀
行へ合併した結果、その他の顧客貸付が返済され、主要銀行制度を通じて再び支出が行われた。このため、これら
の貸付は、2018年から銀行貸付として認識されている。
注記16 その他金融資産
認識及び測定の原則は注記2に記載する。IFRS第9号に基づく分類は注記13に述べる。
(単位:1,000ユーロ) 2018年12月31日 2017年12月31日
短期国債及び類似証券 1,610,378 1,620,716
公的部門発行者による固定金利債券 1,513 1,522
債券 916,106 918,848
債券及びその他固定金利債券 2,527,997 2,541,086
うち、上場債券 2,528,116 2,541,086
投資証券 525,924 460,793
株式及びその他変動利付債券 525,924 460,793
うち、上場株式及びその他変動利付債券 154 168
非連結子会社への投資 5,576 5,738
その他非連結会社への投資 29,223 28,712
小計 34,799 34,450
その他金融資産合計 3,088,719 3,036,328
債券及びその他固定金利債券のうち、271.7百万ユーロ(2017年度:2018年度満期は38.4百万ユーロ)が翌年度満
期を迎える。
その他金融資産には、金額1,360千ユーロ(2017年度:ゼロ)のプライベート・エクイティ・ファンドのユニット
を含む。公正価値は通常観察できないパラメーターに依拠するため、これらのパラメーターの変動は異なる評価結
果をもたらす可能性がある。ファンドは前年度の10月発行されたため、取得原価は公正価値を使用した。
その他非連結会社への投資には、CEESEGアクティエンゲゼルシャフト(CEESEG)への投資26,148千ユーロ(2017
年度:25,652千ユーロ)を含む。CEESEGは、ウィーンのWiener Börse AG(ウィーン証券取引所)及びプラハのBurza
cenných papírů Praha, a.s.(プラハ証券取引所)の株式を所有する持株会社である。CEESECの認識価値は、割引
キャッシュフロー法を用いて2018年12月31日に行われた評価に基づく。評価の最も重要な仮定は以下である。
2018年 2017年
ウィーン プラハ ウィーン プラハ
証券取引所 証券取引所 証券取引所 証券取引所
フリーキャッシュフロー 4年 4年 4年 4年
WACC 8.14% 8.89% 8.40% 8.82%
感応度分析
2018年 2017年
ウィーン プラハ ウィーン プラハ
(単位:1,000ユーロ)
証券取引所 証券取引所 証券取引所 証券取引所
WACCの変動(WACCの増加) 1.00% 1.00% 1.00% 1.00%
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CEESEGの価値(公正価値)合計
(37,800) (44,004)
の変動
CEESEGにおけるOeKBグループの
(2,495) (2,904)
公正価値の影響
当会計年度中に魅力的な買取提案が提案されたことを受け、「ガラージュ・アム・ホフ」Ges.m.b.H.、ウィーン
の2%の持分が758千ユーロで売却された。売却益は669千ユーロに達し、その他包括利益に認識された。
2,427千ユーロの配当収入のうち、23千ユーロは「ガラージュ・アム・ホフ」の売却に関するものである。残り
は、その他非連結会社に保有する積極的投資に関連する。
子会社以外への投資の個別持分についての詳細は、注記36に説明する。
注記17 ヘッジ商品
認識及び測定の原則は注記2に記載する。IFRS第9号に基づく分類は注記13に述べる。
2018年デリバティブ金融商品
(単位:1,000ユーロ)
額面価額 公正価値ポジティブ 公正価値ネガティブ
金利デリバティブ
金利スワップ 22,396,438 185,171 289,611
通貨デリバティブ
通貨スワップ 19,127,105 412,929 150,204
合計 41,523,543 598,100 439,815
2017年デリバティブ金融商品
(単位:1,000ユーロ)
額面価額 公正価値ポジティブ 公正価値ネガティブ
金利デリバティブ
金利スワップ 16,464,555 133,406 268,382
通貨デリバティブ
通貨スワップ 16,036,674 400,481 287,269
合計 32,501,229 533,887 555,651
公正価値の変動は主に米ドル及びスイスフランに対する為替レートの上下によるものである。
グローバル・ネッティングの取決めに関する情報
OeKBは国際スワップ・デリバティブ協会(以下「ISDA」という。)のグローバル・ネッティング取決め(フレー
ムワーク契約)に従い、デリバティブ金融商品を締結する。かかる合意に基づき支払うべき金額は一般的に個別取
引ベースで決済され支払いが行われる。特定の場合、例えば信用事由が生じた場合、契約に基づくすべての未決済
の取引は解除され、解除価格が決定され、すべての取引を決済するために1つのネット金額が支払われる。
ISDA契約は貸借対照表におけるネッティング基準を満たさない。これは、ネッティングの権利は信用事由のよう
な一定の将来の事由の場合のみ強制できるため、OeKBが対象金額のネッティングについて法律上の債権を持たない
という事実を理由とする。
以下の表は、報告される契約の対象デリバティブ金融商品の帳簿価格を示す。
2018年グローバル・ネッティング契約
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貸借対照表における 相殺されないデリバ
デリバティブ ティブ金融商品のグロ
(単位:1,000ユーロ)
金融商品 ス及びネットの金額 ネットの金額
プラスの公正価値を持つデリバティブ金融商品
金利デリバティブ
金利スワップ 185,171 (94,104) 91,067
通貨デリバティブ
通貨スワップ 412,929 (219,649) 193,280
合計 598,100 (313,754) 284,347
マイナスの公正価値を持つデリバティブ金融商品
金利デリバティブ
金利スワップ 289,611 (169,654) 119,958
通貨デリバティブ
通貨スワップ 150,204 (144,100) 6,103
合計 439,815 (313,754) 126,061
2017年グローバル・ネッティング契約
貸借対照表における 相殺されないデリバ
デリバティブ ティブ金融商品のグロ
(単位:1,000ユーロ)
金融商品 ス及びネットの金額 ネットの金額
プラスの公正価値を持つデリバティブ金融商品
金利デリバティブ
金利スワップ 133,406 (105,469) 27,937
通貨デリバティブ
通貨スワップ 400,481 (275,042) 125,439
合計 533,887 (380,511) 153,376
マイナスの公正価値を持つデリバティブ金融商品
金利デリバティブ
金利スワップ 268,382 (135,164) 133,218
通貨デリバティブ
通貨スワップ 287,269 (245,347) 41,923
合計 555,651 (380,511) 175,140
AFFG第1(2b)条に基づく保証
(単位:1,000ユーロ) 2018年12月31日 2017年12月31日
期首の公正価値 4,095,741 5,683,157
外国為替差異から生ずる変動 (558,842) (1,936,339)
公正価値測定から生ずる変動 984,440 348,923
当期純利益 425,597 (1,587,416)
期末の公正価値 4,521,338 4,095,741
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外国為替差異の変動は、主としてユーロと米ドル及びスイス・フランの為替レートによるものである(報告日付
の参考為替レートの表示については、注記2を参照のこと)。スイス・フランのポジションもまた当年度中に減少
した。
注記18 持分法投資
持分法投資の増減
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
61,679 60,986
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
6,247 5,856
フテGmbH、ウィーン
持分法投資 67,927 66,843
持分法投資の純損益
損益計算書
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
5,318 3,937
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
391 255
フテGmbH、ウィーン
持分法投資の損益の割合、税引後 5,709 4,193
その他包括利益
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
315 105
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
0 0
フテGmbH、ウィーン
持分法投資-その他包括利益の割合 315 106
純利益
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
5,633 4,042
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
391 255
フテGmbH、ウィーン
当期純利益 6,024 4,298
持分法適用投資について偶発債務はない。
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン、オーストリア
その他サービス業務セグメント 2018年 2017年
株式保有 51% 51%
議決権の割合 51% 51%
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAGは、非上場持株会社である。同社は、アクレディア・
フェアジヒャルングAGの単独所有者である。アクレディアはブランド名「PRISMA-ディ・クレディットフェアジヒャ
ルング」及び「OeKBフェアジヒャルング」でその商品を販売する。アクレディアは、オーストリアの企業に全種類
の信用保険を提供する。
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OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAGは、ハンブルグのEuler Hermesアクティエンゲゼルシャ
フトとの合弁会社として運営され、持分法に従い連結財務書類に含まれている。OeKB AGは、議決権又はその他の権
利を通じて関係会社からの利益に影響を及ぼすことができる決定権限を持たない。
保険契約は、保険監督法(以下「VAG」という。)の規定を考慮し、IFRS第4号に従い計上される。IFRS第4号に
従い、VAGに基づく請求平準化準備金(繰延税金を控除後)はIFRSの株主資本において報告される。会社はIFRS第17
号と共にIFRS第9号を適用するためにオプションを行使する。
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
経過保険料 24,776 24,368
保険数理的業績 10,911 7,220
税引前当期利益 12,855 9,282
うち、減価償却及び償却 (754) (565)
うち、利息収入 677 786
うち、利息支払 - -
当期純利益 10,428 7,722
その他包括利益 617 205
当期包括利益合計 11,045 7,927
流動資産 51,017 60,064
うち、現金及び現金同等物 16,520 23,864
非流動資産 126,448 115,158
流動負債 18,963 13,076
非流動負債 37,562 42,564
株主資本 120,940 119,582
期首株主資本の比例按分割合 60,986 62,142
当期包括利益合計の比例按分割合 5,633 4,042
受取配当 (4,940) (5,198)
期末株主資本の比例按分割合 61,679 60,986
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェフテGmbH、ウィーン、オーストリア
資本市場業務セグメント 2018年 2017年
株式保有 50% 50%
議決権の割合 50% 50%
CCPオーストリアは、ウィーンのウィーン証券取引所との合弁会社として運営され、持分法に従い連結財務書類に
認識されている。
CCP.Aは、上場会社ではない。同社はウィーン証券取引所の清算代理機関として、ウィーン証券取引所で行われる
すべての取引の中央清算機関として行為する。CCPオーストリアは、2014年、規則(EU)第648/2012(欧州市場イン
フラ規則、以下「EMIR」という。)の第14(1)条に従い免許を与えられた。
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
収入 3,901 3,803
営業利益 776 529
税引前利益 869 544
うち、減価償却及び償却 (215) (215)
うち、利息収入 138 52
うち、利息支払 (45) (37)
当期純利益/損失 782 510
その他包括利益 - -
当期包括利益合計 782 510
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流動資産 46,122 39,029
うち、現金及び現金同等物 45,506 38,460
非流動資産 428 643
流動負債 34,056 27,959
非流動負債 - -
株主資本 12,494 11,713
期首株主資本の比例按分割合 5,856 5,601
当期包括利益合計の比例按分割合 391 255
受取配当 - -
期末株主資本の比例按分割合 6,247 5,856
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注記19 固定資産及び無形資産
2018年度固定資産
原価
2018年1月 2018年12月
1日現在 追加 譲渡 処分 31日現在
(単位:1,000ユーロ)
土地・建物 73,977 - 441 - 74,418
備品、付属品、機器 13,322 1,324 - (1,197) 13,449
建設中の資産 - 441 (441) - -
固定資産 87,299 1,765 - (1,197) 87,867
ソフトウェア 6,510 514 398 (171) 7,251
ソフトウェアの前払い 198 450 (398) - 250
無形資産 6,708 964 - (171) 7,501
合計 94,007 2,729 - (1,368) 95,368
減価償却及び消却累計 正味帳簿価格
2018年1月 2018年12月 2018年1月 2018年12月
1日現在 追加 処分 31日現在 1日現在 31日現在
(単位:1,000ユーロ)
土地・建物 63,415 3,459 - 66,874 10,563 7,544
備品、付属品、機器 8,784 1,542 (1,191) 9,135 4,537 4,314
建設中の資産 - - - - - -
固定資産 72,199 5,001 (1,191) 76,009 15,100 11,858
ソフトウェア 4,908 763 (144) 5,527 1,602 1,724
ソフトウェアの前払い - - - - 198 250
無形資産 4,908 763 (144) 5,527 1,800 1,974
合計 77,108 5,764 (1,335) 81,536 16,900 13,832
2017年度固定資産
原価
2017年1月 2017年12月
(単位:1,000ユーロ) 1日現在 追加 譲渡 処分 31日現在
土地・建物 73,977 - - - 73,977
備品、付属品、機器 13,833 1,265 - (1,777) 13,322
固定資産 87,810 1,265 - (1,777) 87,299
ソフトウェア 5,970 540 - - 6,510
ソフトウェアの前払い - 198 - - 198
無形資産 5,970 738 - - 6,708
合計 93,781 2,003 - (1,777) 94,007
減価償却及び消却累計 正味帳簿価格
2017年12
2017年1月 2017年12月
2017年1月 月31日現
1日現在 31日現在
1日現在 追加 処分 在
(単位:1,000ユーロ)
土地・建物 60,064 3,350 - 63,415 13,913 10,563
備品、付属品、機器 9,215 1,346 (1,776) 8,784 4,619 4,537
固定資産 69,279 4,696 (1,776) 72,199 18,532 15,100
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ソフトウェア 4,236 673 - 4,908 1,735 1,602
ソフトウェアの前払い - - - - - 198
無形資産 4,236 673 - 4,908 1,735 1,800
合計 73,515 5,369 (1,776) 77,108 20,266 16,900
土地自体の価格は4.4百万ユーロ(2017年度:4.4百万ユーロ)であった。
当年度及び前年度において、追加からの利息並びに減価償却及び消却累計の評価増又は譲渡は無かった。
注記20 銀行からの預金及び顧客からの預金
認識及び測定の原則は注記2に記載する。IFRS第9号に基づく分類は注記13に述べる。
銀行からの預金
要求払 その他満期 合計
2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年
(単位:1,000ユーロ)
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国内銀行 111,454 128,008 - - 111,454 128,008
外国銀行 72,201 31,947 343,566 265,132 415,767 297,080
合計 183,655 159,955 343,566 265,132 527,221 425,088
顧客からの預金
国内顧客 外国顧客 合計
2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年
(単位:1,000ユーロ)
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
国又は政府関連機関 624,238 676,349 854 1,064 625,092 677,413
その他 52,728 48,653 26,776 27,899 79,504 76,553
合計 676,966 725,002 27,630 28,963 704,596 753,965
注記21 発行済み債務証券
認識及び測定の原則は注記2に記載する。IFRS第9号に基づく分類は注記13に述べる。
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発行済み債務証券
正味帳簿価額 うち、上場されているもの
(単位:1,000ユーロ)
2018年12月31日 2017年12月31日 2018年12月31日 2017年12月31日
発行債券 20,146,195 17,886,200 20,146,195 17,886,200
その他の発行済み債務証券 4,374,545 3,754,215 - -
合計 24,520,740 21,640,415 20,146,195 17,886,200
公正価値オプションで測定される発行済み債務証券の満期時の償還額は、18,893.4百万ユーロ(2017年度:
16,543.8百万ユーロ)であった。
発行済み債務証券のうち、8,067.7百万ユーロが翌年度に満期を迎える予定である(2017年度:6,607.3百万ユー
ロ)。
注記22 引当金
引当金の推移
(単位:1,000ユーロ) 期首 使用 取崩し 追加 期末
長期従業員給付引当金 128,474 (5,989) - 11,905 134,389
その他当期引当金 17,034 (9,680) (810) 10,036 16,580
2018年度引当金合計 145,508 (15,669) (810) 21,941 150,969
2017年度引当金合計 148,722 (15,469) (352) 12,608 145,508
長期従業員給付引当金の推移
(単位:1,000ユーロ) 年金 退職報酬 2018年合計 2017年合計
確定給付債務(DBO)の現在価値=1月1日現在の
105,306 23,168 128,474 131,365
従業員給付引当金
勤務費用 496 683 1,179 1,118
利息費用 1,849 413 2,262 2,245
支払 (5,039) (950) (5,989) (6,373)
保険数理利益/損失 4,883 3,580 8,464 119
うち、変数の変動に起因する保険数理利益/損失 3,877 3,282 7,159 672
うち、経験調整に起因する保険数理利益/損失 1,006 298 1,304 (553)
12月31日現在DBO 107,495 26,894 134,389 128,474
12月31日現在従業員給付引当金 107,495 26,894 134,389 128,474
確定給付債務に関する過去の情報
(単位:1,000ユーロ) 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
年金引当金 91,781 104,160 103,841 106,136 105,306
退職給付引当金 23,869 26,939 26,262 25,229 23,168
長期従業員給付引当金 115,650 131,099 130,103 131,365 128,474
従業員の大部分の年金債務は確定拠出制度に基づく年金基金に譲渡された。本制度の関係で、2018年に1.0百万
ユーロ(2017年度:1.0百万ユーロ)の拠出が年金基金に支払われた。
人件費はまた、退職給付基金への0.3百万ユーロ(2017年度:0.2百万ユーロ)の拠出を含んでいた。
以下の表は、主要な保険数理仮定に対する債務の感応度を表示する。これは、1つの仮定がある時点で変化した
場合の、2018年12月31日現在認識済みの引当金のそれぞれの絶対額を示す。いずれの場合もその他の仮定は変更さ
れない。
感応度分析―費用(-)/収益(+)の増減
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(単位:1,000ユーロ) 年金 退職給付 2018年度合計 2017年度合計
割引率が0.50%上昇 6,758 1,386 8,144 7,843
割引率が0.50%下降 (7,560) (1,498) (9,058) (8,712)
予想給与増加率が0.50%上昇 (401) (1,468) (1,869) (2,009)
予想給与増加率が0.50%下降 352 1,372 1,724 1,889
年金の傾向が0.50%増加 (6,911) - (6,911) (6,388)
年金の傾向が0.50%減少 6,281 - 6,281 5,848
平均余命の10%の増加(1年間に対応) (5,912) - (5,912) (4,197)
感応度分析は独立保険数理士により、予測ユニット・クレジット法を使用して実行された。
長期従業員給付引当金の満期構成
年金 退職給付
2018年12月 2017年12月 2018年12月 2017年12月
(単位:1,000ユーロ)
31日現在DBO 31日現在DBO 31日現在DBO 31日現在DBO
1年 5,237 5,190 1,248 527
2年から3年 9,677 10,105 1,884 2,133
4年から5年 8,790 9,725 4,211 3,232
5年超 83,791 80,286 19,551 17,276
合計 107,495 105,306 26,894 23,168
13.6年 10.8年
デュレーション 13.7年 10.5年
その他当期引当金
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
従業員関連引当金(賞与、有給休暇、タイム・クレジット) 11,794 12,324
法務及びコンサルティング費用、財務監査 570 697
ITプロジェクト 108 166
その他引当金 4,108 3,847
合計 16,580 17,034
注記23 税金資産及び税金負債
税金資産及び税金負債は、それぞれ、IFRSの帳簿価格と当グループ会社の対応する課税標準額との間の一時的差
異から生ずる繰延税金資産及び債務を含む(注記12も参照のこと)。
OeKBグループは、(未使用の)損失繰越金を持たない。
繰延税金は以下の項目に生ずる。
繰延税金資産 繰延税金負債
(単位:1,000ユーロ)
2018年12月31日 2018年1月1日 2018年12月31日 2018年1月1日
銀行貸付 1,398 - - 2,015
顧客貸付 725 65 - -
その他金融商品 - - 62,813 69,003
デリバティブ金融商品 109,954 138,913 149,525 133,472
AFFG第1(2b)条に基づく保証 - - 1,130,335 1,023,935
固定資産及び無形資産 - 47 - -
発行済み債務証券 1,120,988 970,140 - -
引当金 18,085 16,637 - -
その他債務 - - 213 -
EFS金利安定化引当金 149,726 160,462 - -
合計 1,400,876 1,286,264 1,342,886 1,228,425
税金決済 (1,342,886) (1,228,425) (1,342,886) (1,228,425)
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税金(債務)、純額 57,991 57,839
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
増減 151 (7,839)
うち、損益計算書 (1,876) (1,644)
うち、その他包括利益純額 2,027 (6,195)
IFRS第9号の初度適用からの繰延税金の効果
繰延税金資産 繰延税金負債
(単位:1,000ユーロ)
2018年1月1日 2017年12月31日 2018年1月1日 2017年12月31日
銀行貸付 - - 2,015 2,032
顧客貸付 65 - - -
その他金融商品 - - 69,003 70,363
デリバティブ金融商品 138,913 138,913 133,472 133,472
AFFG第1(2b)条に基づく保証 - - 1,023,935 1,023,935
固定資産及び無形資産 47 47 - -
発行済み債務証券 970,140 970,140 - -
引当金 16,637 16,637 - -
EFS金利安定化引当金 160,462 160,482 - -
合計 1,286,264 1,286,219 1,228,425 1,229,802
税金決済 (1,228,425) (1,229,802) (1,228,425) (1,229,802)
税金(債務)、純額 57,839 56,418 - -
繰延税金資産に対する初度
1,421
適用の効果
未認識の支払繰延税金
前年度同様、2018年12月31日現在、子会社及び合弁会社の株式に関する一時的差異について支払うべき繰延税金
は無かった。
注記24 EFS金利安定化引当金
EFS金利安定化引当金は、輸出金融スキームのために設定されている。この引当金は、輸出金融スキームの剰余金
の利用についての現実の債務を基準とする。この債務は輸出金融スキームの金利を固定させる規則から(OeKBの固
定マージンを特定する。)、及びスキームの剰余金利用についてのオーストリア大蔵省による指示から生じる(注
記1も参照のこと)。
EFS金利安定化引当金への加算及び使用は、輸出金融スキームの純利息収入からスキームの運用のOeKBの固定マー
ジン及びスキームのリファイナンシングに直接関連するコストを控除した結果である。デリバティブ金融商品、
AFFG第1(2b)条に基づく保証、及びEFSの受取債権及び支払債務の測定の正味の効果も、この項目に含まれる。関連
する決定に従い、引当金は輸出金融ローンの条件を安定させるために利用される。
EFS金利安定化引当金の増減
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
期首現在 1,638,577 1,743,311
IFRS第9号の初度適用の効果(信用リスクから) (81) -
期首現在 1,638,496 1,743,311
純利息収入からの取崩し/割当て (60,833) (20,305)
信用リスク引当金純額からの取崩し/割当て 16 -
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損益を通じて公正価値で測定した金融商品に係る純損益からの
(24,461) (84,429)
取崩し/割当て
損益を通じて公正価値で測定しない金融商品の認識中止に係る
- -
純損益からの取崩し/割当て
EFS金利安定化引当金の増減 (85,278) (104,734)
期末現在 1,553,218 1,638,577
注記25 資本管理
株式の開示
1億3,000万ユーロ(2017年度:1億3,000万ユーロ)の発行済み株式資本は、880,000株の無額面株式から成る。
これらの譲渡制限付き記名式普通株式は、各個人株主の名義で登録される包括券として証される。
資本準備金は、330万ユーロと変わらず、UGB第229(4)条により制限を受ける。
親会社株主に帰属する留保利益は、4.4百万ユーロ減少して663.1百万ユーロ(2017年度:667.5百万ユーロ)で
あった。留保利益は、UGB第229(4)条に基づく法定準備金としての金額10.6百万ユーロ(2017年度:10.6百万ユー
ロ)を含む。
IAS第19号の準備金は確定給付制度の保険数理損益の結果であり、対前年比で6.0百万ユーロで増加し、24.7百万
ユーロであった。FVOCI準備金はその他非連結会社への投資の公正価値測定によるもので、18.9百万ユーロであっ
た。「ガラージュ・アム・ホフ」GmbHの持分の売却のために、FVOCI準備金の比例割合である0.6百万ユーロが、留
保利益に振り替えられた。
執行取締役会は2019年5月29日開催の第73回年次株主総会において、2018年度のオーストリア輸出銀行の財務書
類に報告された配当可能利益32.9百万ユーロを、1株当り22.75ユーロの配当に加えて1株当り14.43ユーロの特別
配当を支払うために使用する提案を行う予定である。提案済みの配当は、総額で32.7百万ユーロである。これは
2018年度の配当可能株式資本の約25%である。監事会メンバーへの報酬支払いの後、残額が繰越される。
2017年度の配当支払は、2018年5月に行われたが、1株当り22.75ユーロに加えて1株当たり14.43ユーロ、すな
わち総額32.7百万ユーロの特別配当であった。「オーストリア・エクスポートフォンズ」GmbHの少数株主もまた
2017年度につき、契約で定められた配当の比例部分0.1百万ドルを受領した。BWG第64(1)19条に基づく親会社株主に
帰属する総資産利益率は2018年度に0.1%(2017年度:0.2%)であった。
資本管理
BWG第3(1)7条に従い、規則(EU)第575/2013並びにBWG第39(3)条及び第39(4)条は、輸出保証法及び輸出金融保
証法に基づく輸出促進に関連するオーストリア輸出銀行の取引には適用されない。BWG第3(2)1条に基づき、以下の
法規定も適用されない:規則(EU)第575/2013の第6部、並びにBWG第27a条、第39(4)条に関連して第39(2b)7条、
第39(3)条及び第74(1)条に関連して第74(6)-3a条。
BWG第30条に基づく銀行グループは、オーストリア輸出銀行、OeKB CSD GmnH及びオーストリア・エントヴィック
ルングスバンクAGで構成される。OeKBグループの戦略は、長期的に安定した資本基盤を維持することを目指す。自
己資本管理には重要な変更はなかった。当グループは本報告期間を通じて、国の監督機関による自己資本要件を満
たしている。
信用リスクに関する最低自己資本要件は、規則(EU)第575/2013の規定に従い決定される。オペレーショナル・
リスクのために保有が必要な資本は、基本指標アプローチに従い決定される。銀行グループはトレーディング勘定
を持たない。当グループのレベルにおいて、リスクは経済的な資本概念に沿って合計される。リスク負担能力の分
析を通じて、必要な経済資本は利用可能な経済資本と比較され、この両方の基準が監視される。
OeKBは、BWG第30条の目的で、OeKB銀行グループの親金融機関である。規則(EU)第575/2013に従い決定される
OeKBグループの規制資本は、以下の構成及び推移を示す。
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
リスク加重資産(信用リスク標準アプローチ) 557,088 595,350
リスク・エクスポージャー合計(=自己資本要件合計/8%) 877,213 917,888
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規制上の最低自己資本要件:
信用リスク 44,567 47,628
外為リスク 5,258 5,437
オペレーショナル・リスク(基本指標アプローチ) 20,352 20,366
規制上の自己資本要件合計 70,177 73,431
CRR第2部に基づく連結自己資本要件
払込済資本 130,000 130,000
準備金* 626,544 629,829
CRR第480条に関連する第84条に基づく少数持分からの追加金額 - -
控除
無形資産 (1,974) (1,800)
普通株式Tier 1 資本
754,570 758,029
CRR第480条に関連する第85条に基づく少数持分からの追加金額 - -
追加Tier 1資本
- -
CRR第472(4)条に基づく控除
無形資産 - -
Tier 1資本
754,570 758,029
CRR第480条に関連する第87条に基づく少数持分からの追加金額 - -
Tier 2資本
- -
CRR第2部に基づく利用可能自己資本 754,570 758,029
剰余自己資本 684,393 684,598
連結自己資本比率(リスク加重資産合計に対する規制自己資本の割合) 86.0% 82.6%
連結Tier 1比率
86.0% 82.6%
カバーレシオ(資本要件に対する規制自己資本の割合) 1,075.2% 1032.3%
* CRR第26(2)条に基づき、最終の年次財務業績の正式な採択の後でのみ、当期の収益は普通株式Tier 1 に含まれる。技
術援助専用準備金(BWG第3[1]7条を参照)は準備金から控除される。
この結果、報告日付現在の規則(EU)第575/2013の第92(1)条のa項からc項に基づく以下の比率が得られ、これは
当グループの最低比率と比較される。
規則(EU)第575/2013の第92条に基づく最低比率
2018年 2017年
(単位:%)
最低比率 実際の比率 最低比率 実際の比率
中核Tier1比率 6.376 86.020 5.751 82.584
Tier1比率 7.876 86.020 7.251 82.584
資本比率合計 9.876 86.020 9.251 82.584
実際の比率の計算方法
CRR第2章に基づく普通株式Tier 1資本 × 100
中核Tier1比率 =
CRR第92条に基づく最低規制自己資本
CRR第2章に基づくTier 1資本 × 100
Tier1比率 =
CRR第92条に基づく最低規制自己資本
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CRR第2章に基づく利用可能な規制自己資本 × 100
資本比率合計 =
CRR第92条に基づく最低規制自己資本
OeKBの最低比率
(単位:%) 2018年 2017年
規則(EU)第575/2013の第92(1)条a項に基づく中核Tier1比率 4.500 4.500
BWG第103q条ライン11に関連するBWG第23条に基づく資本保全バッファー 1.875 1.250
BWG第103q条ライン11に関連するBWG第23a条に基づく景気対策資本バッ
0.001 0.001
ファー
バッファー要件を含む、規則(EU)第575/2013の第92(1)条a項に
6.376 5.751
基づく中核Tier1比率
バッファー要件を含む、規則(EU)第575/2013の第92(1)条b項に
7.876 7.251
基づくTier1比率
バッファー要件を含む、規則(EU)第575/2013の第92(1)条c項に
9.876 9.251
基づく資本比率合計
求められる比率は、規則(EU)第575/2013の第92(1)条、BWGの追加資本保全要件及びFMAの資本バッファー規則に
由来する。
その他の開示及びリスク報告
注記26 収益
顧客との契約から生じる収益へのIFRS第15号の初度適用は、OeKBグループの財務報告に変更をもたらさなかっ
た。したがって、比較を記載する必要はない。唯一の変更は、注記において要求される追加の開示を作成すること
であった。
OeKBグループは、主として顧客との契約から生じる収益を銀行業務の販売から生み出す(手数料収入)。その他
収入源(その他収益)は指定職員及びサービス契約からの収益である。以下の表は、最も重要なサービス種類別の
顧客との契約から生じる収益の内訳、及び実現時点ごとのその他収益内訳を示す。下表はまた、OeKBグループの報
告セグメントに分解した収益の割当てを示す。
収益フロー
輸出業務 資本市場業務 その他業務
(単位:1,000ユーロ) 2018年度
セグメント セグメント セグメント
貸付業務収入 2,766 - - 2,766
証券業務収入 - 31,234 - 31,234
輸出保証収入 14,767 - - 14,767
エネルギー交換決済収入 45 2,406 - 2,451
その他サービス収入 1,542 677 625 2,844
顧客との契約から生じる収益 19,120 34,318 625 54,062
指定職員 - 10 1,006 1,016
175
請求業務 650 1,973 2,798
その他収益 175 660 2,979 3,814
収益合計 19,294 34,978 3,603 57,876
特定の時点で提供された業務 4,630 16,662 12 21,304
ある期間を通じて提供された業務 14,664 18,316 3,592 36,572
収益合計 19,294 34,978 3,603 57,876
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収益フロー
輸出業務 資本市場業務 その他業務
(単位:1,000ユーロ) 2017年
セグメント セグメント セグメント
貸付業務収入 4,940 - - 4,940
証券業務収入 - 30,403 - 30,403
輸出保証収入 13,799 - - 13,799
エネルギー交換決済収入 46 2,642 - 2,688
その他サービス収入 1,482 683 726 2,891
顧客との契約から生じる収益 20,268 33,728 726 54,722
指定職員 - 386 1,070 1,456
請求業務 143 666 2,040 2,850
その他収益 143 1,053 3,110 4,306
収益合計 20,411 34,781 3,836 59,028
特定の時点で提供された業務 3,964 16,393 14 20,372
ある期間を通じて提供された業務 16,447 18,387 3,822 38,656
収益合計 20,411 34,781 3,836 59,028
「その他負債」は、8.3百万ユーロ(2017年度:7.6百万ユーロ)の顧客との契約から生じる収益に関する負債を
含む。これらの負債は、大部分が輸出保証に関連して既に受領した手数料に関係する。これらの手数料は、OeKBグ
ループが運営するオーストリア共和国からの保証条件が1年を超える場合、特定の期間を通じて記録される。
過年度に受領した手数料からの2018年度に記録された収益は、1.7百万ユーロ(2017年度:1.6百万ユーロ)で
あった。
IFRS第15号で認められるとおり、2018年12月31日現在で予想残存期間が1年以下であるサービス債務について
は、開示が行われない。
注記27 連結キャッシュフロー表に関する情報
連結キャッシュフロー表は、OeKBグループの現金及び現金同等物の状態及び推移を示す。報告されるキャッシュ
ポジションは、現金及び中央銀行への預け金残高で主に構成され、貸借対照表上の現金及び現金同等物の項目に対
応する。当グループには追加的な流動性準備金(注記35を参照)があるが、これらは現金及び現金同等物の定義に
含まれない。この追加的な流動性バッファーはEFSにおいて形成され、ストレス・シナリオの状況においてのみ使用
される。報告される現金及び現金同等物は、すべてユーロ建てである。
営業活動からのキャッシュフローには、銀行貸付・顧客貸付の増減、銀行からの預金・顧客からの預金の増減、
発行済み債務証券の増減が含まれる。営業活動からの純キャッシュの中に、すべての収入及び費用の要素は非現金
項目、特に減価償却及び減損、引当金及び貸倒引当金の増減、繰延税金及び未実現通貨換算損益並びにその現金の
効果が投資活動又は財務活動からのキャッシュフローであるその他すべての項目について調整される。外貨換算損
益は主にEFSのために発行された長期及び短期の債務証券の発行に関連して発生する。為替レートリスクは、その大
半がAFFG第1(2b)条に基づく保証によりカバーされる。従って、OeKBグループは輸出金融スキームから為替レート
リスクを負わない。為替レートの変動は外貨での保有又は支払うべき現金及び現金同等物にほとんど影響を与えな
い。
投資活動からのキャッシュフローは、投資ポートフォリオ中のその他金融資産、有形固定資産及び無形資産の増
減を反映する。
財務活動からのキャッシュフローは、親会社との株式取引の増減を反映する。
株主資本の変動と財務活動からのキャッシュフローの調整(2018年12月31日現在)
財務活動からの
(単位:1,000ユーロ) 注記 留保利益 非支配株主持分
純キャッシュ
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2017年12月31現在貸借対照表 667,531 - -
IFRS第9号初度適用の効果 (4,266) - -
2018年1月1日現在貸借対照表 663,265 - -
支払配当 25 (32,858) - (32,858)
財務活動からのキャッシュフローの増減の合
(32,858) - (32,858)
計
その他非連結会社への投資の処分による振替 565 - -
当期純利益 32,132 - -
2018年12月31日現在貸借対照表 663,104 - -
株主資本の変動と財務活動からのキャッシュフローの調整(2017年12月31日現在)
財務活動からの
(単位:1,000ユーロ) 注記 留保利益 非支配株主持分
純キャッシュ
2017年1月1日現在 646,912 4,585 -
非支配株主持分の取得 776 (4,446) (3,670)
支払配当 25 (20,020) (140) (20,160)
財務活動からのキャッシュフローの増減の合
(19,244) (4,585) (23,830)
計
当期純利益 39,863 - -
2017年12月31日現在貸借対照表 667,531 - -
当年度中の重要な進展
営業活動からのキャッシュフロー(21.8百万ユーロ(2017年度:30.7百万ユーロ))は対前年比で8.9百万ユーロ
変動した。この変動は、主に、(税引前)利益の減少、銀行貸付・顧客貸付の変化、銀行及び顧客への支払の増
減、及び発行済み債務証券の増減によるものである。銀行貸付・顧客貸付の購入の支払は、償還による支払を
2,301.1百万ユーロ(2017年度:1,674.9百万ユーロ)上回った。銀行貸付、顧客貸付に対応して、銀行からの預
金、顧客からの預金及び発行済み債務証券の手取金は、2,316.4百万ユーロ(2017年度:1,725.7百万ユーロ)増加
した。
投資活動からのキャッシュフロー(マイナス89.7百万ユーロ(2017年度:3.9百万ユーロ))は、対前年比で93.7
百万ユーロ変動した。主にEFSの流動性バッファーがさらに拡大したため、当事業年度は、支払が手取金を上回っ
た。
注記28 満期構造の分析
2018年12月31日現在のBWG第64(1)条に基づく満期までの残存期間
3ヶ月 3ヶ月から 1年から
(単位:1,000ユーロ) 要求払 5年超 合計
以内 1年 5年
銀行貸付 204,639 484,104 6,306,779 8,414,826 4,132,839 19,543,187
顧客貸付 1,756 11,833 55,907 237,243 161,159 467,898
その他金融資産 557,663 190,520 101,845 1,107,009 1,131,682 3,088,719
合計 764,058 686,457 6,464,532 9,759,078 5,425,680 23,099,805
銀行からの預金 480,685 335 46,201 - - 527,221
顧客からの預金 648,770 902 5,400 44,023 5,501 704,596
発行済み債務証券 - 4,323,702 3,735,611 12,322,491 4,138,936 24,520,740
合計 1,129,455 4,324,939 3,787,212 12,366,514 4,144,437 25,752,557
2017年12月31日現在のBWG第64(1)条に基づく満期までの残存期間
3ヶ月 3ヶ月から 1年から
(単位:1,000ユーロ) 要求払 5年超 合計
以内 1年 5年
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銀行貸付 207,200 411,680 4,863,211 7,151,022 3,559,768 16,192,881
顧客貸付 2,771 450,299 709,504 140,779 233,633 1,536,986
その他金融資産 492,749 37,035 23,252 1,108,086 1,375,206 3,036,328
合計 702,720 899,014 5,595,967 8,399,887 5,168,607 20,766,195
銀行からの預金 159,956 215,118 5,000 20,000 25,014 425,088
顧客からの預金 696,857 1,577 507 49,908 5,116 753,965
発行済み債務証券 - 3,305,651 3,301,649 10,795,290 4,237,825 21,640,415
合計 856,813 3,522,346 3,307,156 10,865,198 4,267,955 22,819,468
満期までの残存期間は貸借対照表日から資産又は負債の契約満期日までの期間である。分割償還の場合、満期ま
での残存期間は各分割償還で決定される。
注記29 劣後資産
貸借対照表には劣後資産を含まない。
注記30 担保に付される資産
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
デリバティブ金融商品の信用リスクの担保
担保差入れ 108,480 137,750
担保受入れ 297,030 214,830
担保差入れ及び担保受入れの変動は、デリバティブ金融商品の決済についての中央決済機能(LCH-ロンドンクリ
アリングハウス)への段階的切替の結果である。
注記31 偶発債務及びその他オフバランスシート・コミットメント
貸借対照表に報告されていない偶発債務66.3百万ユーロ(2017年度:84.1百万ユーロ)はOeEBより発行された保
証に関連し、同時にAusfFGに基づきオーストリア共和国の保証により担保されている。貸付用の未引出しの信用
ファシリティ及びコミットメントの詳細は、注記36「信用リスク」に説明される。
注記32 その他オフバランスシート・コミットメント
BWG第93条に従い、ウィーンに本拠地を置くアインラーゲンジヒャルング・デア・バンケン・ウント・バンキエ
GmbHが運用する預金保険制度に基づき、OeKB及びOeKB CSDは、預金の比例的割合を保証することを求められてい
る。この預金保険制度は、2019年1月1日付でアインラーゲンジヒャルング・オーストリアGes.m.b.H.、ウィーン
に置き換えられつつある。OeKB及びOeEBはこの新制度のメンバーである。
注記33 信託資産及び負債
オフバランスシートの信託業務は、130.9百万ユーロ(2017年度:119.9百万ユーロ)に達した。オーストリア共
和国のための信託取引は、アドバイザリー・プログラム及びAusfFG第9(1)条に基づく契約の第3条に従う「連邦基金
により資金供与される持株会社」に基づき締結された開発銀行の業務、並びに連邦政府の信託会計に主に関連す
る。
注記34 BWGに基づく資産・負債に関する補足開示
BWG第43条及び第64条に基づく補足開示である。
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2018年12月31日 2017年12月31日
(単位:1,000ユーロ) 資産 負債 資産 負債
外貨建て 2,507,033 18,029,801 1,988,660 16,393,889
オーストリア国外で発行又は組成 2,711,518 20,626,744 2,443,261 18,234,903
注記35 金融リスク管理
OeKBの概要及び特別な機能
OeKBは資本及びエネルギー市場業務、並びにオーストリアの輸出産業のための特別目的銀行である。OeKBは、リ
テール又は預金受入業務には従事しない。金融機関である子会社オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG
がOeKBの輸出業務を補完し、金融機関である子会社OeKB CSD GmbHが資本市場業務を補完する。重要な事業セグメン
トの中で、OeKB銀行グループ(OeKBグループと一致する。)はオーストリア共和国からの請負として行為する。
リスク管理及びリスク制御は、事業戦略に欠くことのできない重要なプロセスであり、会社及び銀行グループ全
体の持続的な安定性及び利益性を確保するように設計されている。各リスク・エクスポージャーは、慎重な検討の
後引受けられ、執行取締役会が決定したリスク方針及びリスク戦略に合致しなければならない。この方針及び戦略
は、ビジネス・リスク及びオペレーショナル・リスクへの慎重なアプローチを基礎に、安定した株主資本利益率の
確保を目指す。リスク方針及び戦略は、リスク管理原則、リスク選好並びに定義されるリスク分類の測定、制御及
び限界の原則を詳述する。
輸出金融スキームは貸借対照表上の圧倒的大部分を占める(注記1も参照のこと)。
オーストリア共和国のために運営されている輸出金融スキームのリスクは、全般的な担保及び特にオーストリア
政府の保証により軽減される。輸出金融保証法(AFFG)は、輸出貸付保証の要件、従ってスキームに基づく信用を
顧客が利用する条件、さらにOeKBのリファイナンシング業務において債権者を保護するオーストリア政府の保証
(債権者保証)及びOeKBを為替レートのリスクから保護する政府の保証(為替レート保証)の規則を詳述する。
規制上の要件からの免除は、OeKBのビジネス・モデルの非常に重要な点である。OeKBは流動性規則(LCR、NSFR)
並びに欧州及び国内の銀行業ユニオンの規定(銀行再建・破たん処理指令、BRRDなど)から免除される。輸出保証
(すなわち、EFS)に関してはさらに免除があり、特にCRR(規則[EU]第575/2013)から免除される。これらの免除
は、完全連結子会社であるオーストリア・エントヴィックルングスバンクAGにも適用される。同様の免除が完全連
結子会社のOeKB CSD GmbHに適用され、同社は2018年にCSD規則に従い認可を受領した。
OekBは親銀行として、グループICAAPとして連結ベースでBWG第39a(1)条に基づく「自己資本充実度に関する評価
プロセス(ICAAP)」を実行する。従って、銀行レベルでの個別ICAAPは実施されない。
輸出金融スキームの特別な重要性のために、かつOeKBの経営原則に基づき、EFSは当グループのICAAPの中で独立
した投資リスク事業体(信用リスクの一部)として処理される。この目的で、EFSのために独立したリスク・カバ
レッジ計算が実施される。EFSが自己のリスクを負うことができる限りは、EFSはOeKBグループにリスクを課さな
い。輸出金融スキームのリスク・カバレッジ資本を超えるリスクは、当グループの信用リスクの一部となる。詳細
については、「ICAAP EFS及びその当グループICAAPへの統合」を参照のこと。
以下の本注記の内容は、市場、信用及びビジネス・リスク並びにオペレーショナル・リスク及び流動性リスクに
関するOeKBのリスク管理の目的、方針及びプロセスを詳述する。
EFSのサブICAAP(上記を参照)及び銀行子会社のリスク予算の割当てとは別に、その他のリスク資本はOeKBの個
別セグメントに割り当てられない。広範囲に及ぶ例外(上記を参照)のために、リスク管理は大部分はCRR規則に従
い実施されず、ICAAP及びILAAPの第2の柱の概念に従い実施される。
リスク管理の枠組み
OeKBの執行取締役会は、OeKB銀行グループの全ての重要なオペレーショナル及びビジネス・リスクを対象とす
る、十分で機能的かつ包括的なリスク管理制度の構築について全般的な責任を負う。執行取締役会は、適切な組織
的な手段を制定し、適切なガイドライン構造を提供することにより、この義務を果たす。
ガイドライン構造
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リスク管理の枠組みの1つの中心的ガイドラインは、OeKBグループのリスク方針及び戦略である。これは執行取
締役会がチーフ・リスク・オフィサー(以下「CRO」という。)と協力し、監事会のリスク管理委員会と毎年協議の
上、 策定し、採用する。
リスク方針及び戦略は、リスク管理の原則、リスク管理組織の主要な特徴、リスク選好並びに定義されるリスク
区分の測定、制御及び限界の原則を詳述する。このようにして、OeKBの執行取締役会は銀行グループ全体での統一
されたリスク管理を確保する。
不平処理システムを含む行動基準は「行動規約」に記述され、報酬方針は「金融機関の役員の資質方針(Fit &
Proper Policy)」と同様に、リスクに適切であり書面化されている。
受け容れられた各リスク・エクスポージャーは、OeKBグループのリスク方針及び戦略に一致しなければならな
い。これは、グループのリスク及びOeKBが個別事業体として晒されるリスクを管理する社内ガイドラインの包括的
制度の基礎となる。
ガイドラインのフレームワークは、連鎖的構造である。執行取締役会が採択する方針及びガイドラインは、最高
レベルを構成する。リスク管理に責任のあるその下の組織ユニット(例えばリスク管理委員会)が、より詳細で具
体的なガイドラインを必要に応じて、これらの執行取締役会の方針及びガイドラインに基づき作成する。採択され
たガイドライン及び方針から導かれる業務指示、標準的な業務手続き並びに方法及びプロセスの書面作成が最低水
準を形成し、一般に部門長の責任の下にある。方針及びガイドラインは、個別の目的及び内容に基づき、全体的な
銀行グループ又は個別の会社に適用される。
組織
OeKBグループの重要な事業活動及びその具体的な事業及びリスク構造を前提として、当銀行は適切に定義された
任務を持つリスク管理プロセスのための明確な機能的組織編成を採用している。比例規則に従い、執行取締役会に
おいてリスクの発生とリスクの監督の間に区別はない。
リスク管理委員会(RMC)は、リスク管理の中心的役割を果たし、委員会メンバーの過半数がリスク制御ユニット
により指名されている。リスク管理委員会の任務は、有効なリスク方針及びリスク戦略に沿った戦略的リスク管理
及びリスク制御から成る。委員会はリスク報告の第1の名宛人であり、個別のリスク類型のリスク・プロファイル
を監視及び制御し、リスク報告に基づきどのような対策を取るべきかを決定する。全社的な銀行リスク管理の一環
として、RMCは、リスク・カバレッジの計算並びにリスク監視手続きに基づき執行取締役会へ限度を提案する。RMC
はまた、ICAAPマニュアル及び流動性リスク管理マニュアルを含み、リスク方針及びリスク戦略に記載される原則を
実施するためのガイドラインを採択する。
リスク管理委員会により決定される対策の実施は、フィナンシャル・リスク・マネジャー、オペレーショナル・
リスク・マネジャー及びチーフ情報セキュリティ・オフィサー(以下「CISO」という。)の支援を受け、チーフ・
リスク・オフィサーが監督する。CISOは執行取締役会に直接報告し、また年1回、監事会のリスク委員会に報告を
行う。CISOは、リスク制御部門に指示し、リスク制御部門は、財務リスクの測定・査定、オペレーティング・レベ
ルの財務リスク制御(内部の限度額の監視を含む。)及び内部自己資本比率査定プロセスの現実的な実施に責任を
持つ。
オペレーショナル・リスク管理の基準は、組織、建設、環境問題及びセキュリティ部門(OBUS)によりOeKBの事
業運営の中で実行される。情報セキュリティの事項を例外とし、これはCISOの責任である。オペレーショナル・リ
スク管理及び情報セキュリティに関する業務、並びに内部制御システム・オフィサーの権限に入る業務は、継続的
な調整を条件とする。
マネーロンダリングの防止及びコンプライアンスの確保のための十分な組織構造が、ガバナンスのの枠組みを補
完する。
リスク管理は、ガイドライン及びリスク低減方法の遵守を確保する、内部統制システム(以下「ICS」という。)
により補足される。内部統制システム・オフィサーが、ICSの法的要件への遵守を確実にし、かつ執行取締役会が制
定したICSガイドラインの実施及び継続的改善のために指名された。ほぼ自動化された全般的IT制御及び社内監査部
により行われる監査がその実効性を確保する。
内部監査及びグループ内部監査は、第3ラインの防御を果たし、リスク管理プロセスに関与する組織部門及び採
用される手続きについての定期監査を実行する。
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監事会はOeKBのリスク管理の取決めを監視し、また四半期毎にOeKBのリスク状況に関する報告を受ける。これら
のリスク報告は、OeKBグループのリスク状態についての詳細な見解を提示する。監事会はまた、BWG第39d条に基づ
く リスク委員会を維持する。リスク委員会は2018年に会合を2回開いた。監事会の監査委員会はまた、内部制御シ
ステムの有効性についても監視する。監事会はまた推薦委員会及び報酬委員会も設定する。
財務リスク及びオペレーショナル・リスクを管理及び監視する責任のある上級経営陣が十分かつ適時に情報が確
実に与えられるようにするため、OeKBは包括的及びリスクに基づく報告及び制限システムを実施している。この報
告には執行取締役による監事会向けの四半期リスク報告並びにBWG第39d条に基づく監事会のリスク委員会の中での
毎年の調整及び話し合いを含む。
オペレーショナル・リスク管理戦略の一部として、組織構造が様々な緊急及び危機シナリオのために定義されて
いる。
内部自己資本比率査定プロセス(ICAAP)
リスク選好及びリスク管理の方法
ICAAPは、グループのレベルで実行され、定義された銀行固有の自己資本比率水準の維持を確実にし、かつ制御及
び測定手段として、管理プロセスの重要な一部をなす。リスク選好は、監事会のリスク委員会と協力の上、執行取
締役会により毎年定められる。
プロセスは、ゴーイング・コンサーン・アプローチ及びゴーン・コンサーン・アプローチから成る。2つの方法
の主要な相違は、リスクをカバーするのに利用可能な経済資本の定義、及びリスクの信頼水準(ゴーイング・コン
サーン・アプローチは99.9%、ゴーン・コンサーン・アプローチは99.98%)の選択にある。
リスク・カバレッジの計算及び限度
リスク・カバレッジの計算は四半期毎にリスク制御部門(リスク監視職務として、リスクのオリジネーションか
ら独立している。)により行われ、リスク管理員会及び監事会の両方に報告される。リスク・カバレッジの計算に
おいて、必要経済資本はリスク・カバレッジ資本(内部又は事業資本)と比較される。これは、異なるカバレッジ
の目標及びアプローチ(ゴーイング・コンサーン及びゴーン・コンサーン)を考慮して行われる。
リスクを測定及び管理する主要な変数は、経済資本である。リスクはOeKBにより「現実の結果が予想された結果
より好ましいものでないであろう危険性(予想外の損失)」と定義される。経済資本は、運営原則で定義される信
頼水準で1年間の対象期間を基準に算定される。
リスク・カバレッジの計算は、特にすべての定義された重要なリスク分野、すなわち信用リスク、市場リスク、
オペレーショナル・リスク及びビジネス・リスクを考慮する。信用リスクは、クレジット・バリュー・アット・リ
スク(CVaR)アプローチ及びVaRアプローチを用いる市場リスクを用いて測定される。ビジネス・リスクは営業利益
中の経験による目標からのズレの統計的分析を基準に決定される。
リスク・カバレッジの計算結果及びリスク管理委員会の勧告に基づき、執行取締役会はOeKBグループ全体として
の市場リスク及び信用リスクの限度並びに銀行子会社向けのリスク予算を決める。これらの限度及びリスク予算の
遵守は、リスク制御部門により監視され、四半期毎にリスク管理委員会及び執行取締役会に報告される。限られた
関連性であるために、OeKB内の個別の事業部門又はセグメントの運営はなく、EFSについては独立したICAAPが実行
される。
運用上の追加制限もまた、主要分野において準備されている。これらはリスクの集中の監視も対象とする。
リスク・カバレッジの計算において、リスク類型間のリスクの集中は合計リスクを類型特有のリスク資本金額の
合計として決定し、従って完全なプラスの相関関係を想定することにより考慮される。
オペレーショナル・リスクの測定は、個別アプローチのそれぞれの信頼性水準で計測する分布により拡散する、
基本指標アプローチに基づく。
以下の表は、ゴーイング・コンサーン及びゴーン・コンサーン・アプローチにおけるOeKBグループの高いリスク
負担能力を示す。経済資本の増加は、投資ポートフォリオのヘッジポジションの減少を主たる原因とすることがで
きる。
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OeKBグループのリスクカバレッジの計算
2018年12月31日 2017年12月31日
利用可能なリスク・ 利用可能なリスク・
(単位:1,000ユーロ) 経済資本 カバレッジ資本 経済資本 カバレッジ資本
ゴーイング・コンサーン 66,677 686,474 78,704 713,082
ゴーン・コンサーン 87,955 846,057 104,125 870,532
経済資本の計算はストレス・テストにより補完される。これには主要なリスク要因の一変数のテスト及び多変数
の市場特有のテストを含む。良くない市場状況の下でのリスク負担能力の持続可能性を査定するために、ボラティ
リティ、相関関係及びデフォルト率などの投入変数がマクロ経済のシナリオに基づくストレスを条件とし、その後
リスク負担能力に基づき査定される。
ICAAPに基づくリスクと規則(EU)第575/2013の第92条に基づく最低自己資本要件との比較
ICAAPに基づくバリュー・アット・ 規則(EU)第575/2013に基づく
リスク(99.98%の信頼水準) 自己資本要件(注記25を参照)
(単位:1,000ユーロ)
2018年12月31日 2017年12月31日 2018年12月31日 2017年12月31日
信用リスク 33,100 36,019 44,567 47,628
商品及び為替リスク 10,679 33,010 5,258 5,437
銀行勘定のその他市場リスク 14,090 4,224 - -
その他リスク 4,188 4,958 - -
オペレーショナル・リスク 25,896 25,914 20,352 20,366
「商品及び為替リスク」及び「銀行勘定のその他市場リスク」の項目のリスクの変動は、主に、投資ポートフォ
リオの変動の結果である。これらは、一方では為替及び株式ヘッジの増加によるOeKBの特別目的ファンドにおける
リスクの直接的な減少、他方では金利リスクの増加(多様な分散化の効果を含む。)の双方を反映する。
市場リスク - 銀行勘定
市場リスクは、マーケットの変数が変動することによる損失リスクである。OeKBは、個別的及び一般的な金利リ
スク、為替リスク及び株価リスクを区別する。トレーディング勘定は維持されていないため、OeKBの市場リスクは
銀行勘定のポジションのみに関係している。
単年度(保有期間)での最大損失の可能性を推計するために、バリュー・アット・リスク(VaR)概念を使用し
て、リスクは当グループICAAPにおいて査定される。運営原則に従い、計算はモンテカルロ・シミュレーションを用
いて、99.9%及び99.98%の2つの信頼水準で実施される。
モンテカルロ・シミュレーションに必要とされるボラティリティと相互関係は、過去3年間の参照期間及び当期
1年間に基づき、導き出される。この方法で計算されるVaR価値のうち高いものが、リスク・カバレッジの計算に利
用される。これは、計算されたリスク水準がボラティリティの上昇及び相互関係に素早く反応し、計算価値が非常
に低いボラティリティ及び相互関係の局面で誤解を招きかねないほど低くないことを確実にする。
市場リスクの限度は、リスク管理委員会の提案に基づき執行取締役会により設定される。これはトレジャリー部
門による要件にもとづく業務条件の中で管理され、最も重要なVaRの貢献を行う自己ポートフォリオを管理する。こ
の自己ポートフォリオは直接保有される債券並びに特別目的ファンドから構成される。バリューアット・リスクは
リスク計算においてファンド指標を含めることにより、全体をベースに計算され、エクイティ・リスク及び為替リ
スク並びに一般的及び個別の金利リスクを対象とする。
極端な市場変動の効果も、ストレス・テストを用いて決定され、これはまたVaR価値の妥当性の評価にも役立つ。
これらのテストは、ストレス状況(例えば、信用移動及び相互関係)でのバリュー・アット・リスクの決定及び具
体的な過去のシナリオ(例えば、ブラック・マンデー、9.11テロ及び2007年/2008年の金融危機)に基づく多変数ス
トレス・テストの両方から成る。銀行勘定の金利リスクについてEBAガイドラインに定義される金利シフト及びツイ
ストの影響も、四半期ベースで現在価値及びネットの業績の面で計算される。
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信用リスク
OeKBは、以下の種類の信用リスクを区別する:相手方リスク/デフォルト・リスク、投資社リスク及び集中リス
ク。
OeKBは、EFSの範囲外の重要な貸付業務に従事しない。したがって、リスクカバレッジ資本と比較した全体的に低
い信用リスクは、主に自己ポートフォリオ(債券)及び持分法に従い連結された保有から生ずる。
信用リスクは、クレディット・バリュー・アット・リスク(CVaR)を用いて評価される。これは、所与の信頼水
準(例えば、ゴーン・コンサーン・アプローチの99.98%)の完全VaRとそれぞれのデフォルトに関連する予想損失
との間の差異である。1年の保有期間を仮定したバシチェック分散により、CVaRが計算される。
自己ポートフォリオの幅広い多様性並びに取引相手方及び産業部門の面から、集中リスクは低い。主要なローン
限度額もまた、これに従わなければならず、執行取締役会及びRMCに対して定期的に報告が提出される。
信用リスクの限度額は、RMCの提案に従い、執行取締役会により設定される。RMCの提案は、リスクカバレッジ計
算に基づく。コンプライアンスがRCOにより監視される。信用デリバティブは使用されない。
取引相手方の信用度は、明確な格付け及びマッピング・システムを用いて査定される。この格付けは、デフォル
ト可能性の査定において非常に良い格付セグメントにあるソブリンとその他取引相手方を区別する、詳細な22の部
分に分かれた内部マスター基準に基づく。PDはミグレーション・リスクを考慮して導かれる。この格付及びマッピ
ング・システムはRMCにより採用され、毎年RCOにより見直しが行われる。
IFRS第9号の減損基準の実施のために、2018年から減損のECLがリスク制御部門により計算されている。信用デ
フォルトは滅多にないので、計算された減損価値(注記36を参照のこと)は、中短期的に有用な限定された程度の
情報のみを提供する。
EFS ICAAP及びその当グループICAAPへの統合
OeKBがオーストリア共和国の代理人として管理するEFSは、総資産の大部分を占め、その他の事業活動から独立し
た会計主体として運営されている。OeKBの運営原則に合わせて、OeKBはEFSのために独立したリスク・カバレッジの
計算を実行する。オーストリア共和国の保証(保証及びAusfFG及びAFFGによるaval)によりカバーされないEFS内の
リスクは、UGBに基づくEFS金利安定化引当金(EFSのためのリスク・カバレッジ資本として利用される。)と査定、
比較される。
この金利安定化引当金は、EFSから生み出される余剰金から生じ、1968年以降大蔵省命令に従いEFSに留保される
ことになっている(無利息の負債)。これらの資金が実効リファイナンシング金利の低減に使用される場合のみ、
税務当局が「控除可能な負債項目」としてFES金利安定化引当金を取扱うので、リスク負担能力の計算の際、税金引
当金が信用リスクの経済資本に加算される。
OeKBグループの内部自己資本比率査定プロセス(ICAAP)において、EFSは投資リスクとして考慮される。従っ
て、EFSのリスク・カバレッジ資本を超えるリスクはいずれも、OeKBの信用リスクの一部となり、OeKBグループのリ
スク・カバレッジの計算に含まれる。
EFSは今日まで常に、毀損しないリスク負担能力を持ち、リスクが過剰となることはなかった。
最も本質的なリスク類型は、信用及び金利リスクである。その他の関連するリスクのポジションは、スワップ取
引及びリファイナンス・リスクに関連するCVAリスクである。
信用リスク
OeKBグループの信用エクスポージャーは主に輸出金融スキームの金融商品(銀行貸付及び顧客貸付)で構成され
る。これらの貸付は厳格な原則及び高い担保要件(主にオーストリア共和国の保証による)に従い供与されてい
る。デリバティブ金融商品に関連する信用リスクを保証するため、全ての取引相手と担保契約が締結されている。
クレジット・デリバティブは使用されていない。
オーストリア共和国が供与する包括的な担保及び保証の結果、オーストリア共和国に対する高水準のリスク集中
がある。これは担保の質が高いため、測定されない。
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これを超える信用リスクは、クレディット・バリュー・アット・リスク(以下「CVaR」という。)を用いて評価
される。これは、所与の信頼水準(例えば、ゴーイング・コンサーン・アプローチの99.9%及びゴーン・コンサー
ン・ アプローチの99.98%)の完全VaRとそれぞれのデフォルトに関連する予想損失との間の差異である。1年間の
保有期間を仮定したモンテカルロシミュレーション法により、CVaRは計算される。
オーストリア共和国に対するリスク集中に加えて、銀行及びその他保証人に対する著しい集中もある。これらの
集中はビジネス・モデルに固有のものであり、この点の多様化の範囲は限定される。モンテカルロシミュレーショ
ン法の使用により、計算されたCVaRは、信用格付及び借主の相互関係に基づく、保証人に関する集中及び減損の可
能性に加えて、ビジネス・パートナーの集中リスクを含む。
信用リスクはリスク・バレッジの計算及びこれに基づき定義される限度をベースに、毎日の業務運営において
は、ビジネス・パートナーと保証人並びにそれらの組み合わせが限度額を割り当てられるビジネス・パートナーの
制限システムを通じて、管理される。具体的な限度額は信用委員会の勧告に基づき、執行取締役会により割当てら
れる。コンプライアンスはリスク制御部門により監視される。
格付の付与及び減損の計算については、注記36を参照のこと。
市場リスク
主たる運営原則に従い、市場リスクはアーニングス・アット・リスクを利用して測定され、金利リスク及びオー
ストリア共和国が保証する限度での限定的な水準の為替レートリスクを含む。信用リスクの測定の場合と同様に、
市場リスクは上記の信頼水準及び1年間の計画期間を持つ、モンテカルロシミュレーション法を用いて測定され
る。
トレジャリー部門は、EFS ICAAPの要件に基づき、かつとりわけ、トレジャリー部門が定期的報告を提出する、資
産負債管理委員会(以下「ALCO」という。)と協力調整をして市場リスクのオペレーショナル管理に責任を持つ。
ALCOには執行取締役会からの代表が含まれ、またEFS資産率の決定及びEFS商品の設計を担当する。
銀行勘定における金利リスクに対するEBZガイドラインにより定義される金利シフト及びツイストの効果もまた、
四半期毎に現在価値及び純額ベースで計算され、リスク管理委員会及び執行取締役会に報告される(注記36を参照
のこと。)。
ビジネス・リスク
OeKBグループは、ビジネス・リスクを、事業規模又はマージンの予想しない変化により引き起こされる利益の悪
化として第一に理解している。このリスクは、事業方針の決定及び経済状態もしくは法的状態の変化から生ずるビ
ジネスモデル・リスク及び戦略リスク並びに利害関係者の否定的な感じ方の結果としてのレピュテーション・リス
クを黙示的に含む。
ビジネス・リスクは、最初に計量的基準で決定し、具体的な限度をリスク管理委員会が毎年設定するためにその
後専門家の検討を受ける。このリスクの種類は利益リスクであるため、リスク・カバレッジ資本から控除されるこ
とにより、リスク・カバレッジ計算を構成する。
ICAAPにおいて量が含まれることを除き、OeKBは輸出金融スキームの重要性が高いため、かつ関連する法的な例外
の観点から、特に特別目的銀行としての役割においてこれらのリスクの関連性を承知している。法的変更の活発な
監視、利害関係者との対話、保守的なリスク方針の固持、及び先を見越したレピュテーション方針(行動規範を含
む。)は、これらのリスクを軽減する中心的な要因である。
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、不十分又は機能不全の社内プロセス、人員及びシステム、又は外部の出来事から
生ずる損失リスク(法的リスクを含む。)である。
基準、規則及びプロセスはリスク方針から導かれ、マニュアルの形で書類にまとめられる。マニュアルにはま
た、緊急事態マニュアル、緊急事態計画及び危機シナリオを含み、これらは全て毎年見直しを受ける。計画及び概
念の有効性がテスト及び訓練を用いてチェックされる。集中的な損失事象のデータベースの持続的な維持管理及び
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評価(この中で損失になりそうなものも書面化される。)により、オペレーショナル・リスクの継続的な最適化が
確保される。
上記に概説した任務を完了するために、執行取締役会は、RMCに報告を行い、グループ全体の実施を調整する、オ
ペレーショナル・リスク・マネジャーを指名している。
情報セキュリティの重要性を前提として、当グループは独立した情報セキュリティ・オフィサーを有する。法的
リスクは、それぞれの事業セグメント及びリーガル・コンプライアンス部門による継続的監視を通じて、まらWAG及
びBWG第39(6)条に基づくリーガル・コンプライアンス・オフィサーの指名により、最小化される。
オペレーショナル・リスクは、市場リスク及び信用リスクより強く、会社の文化及び各個人の行動に影響され
る。これを念頭において、執行取締役会は拘束力のある行動規範を設定している。これは、とりわけ、汚職防止、
内部告発者の制度及び苦情制度の規則に関連するOeKB銀行グループの明確な価値の概念を提供する。
経済資本要件は、それぞれの秘密レベルに対する基本指標アプローチに基づく自己資本要件の計測により決定さ
れる。
内部監査及びグループ内部監査により行われる定期的なチェック及び効果的な内部統制システムがオペレーショ
ナル・リスクの一層の軽減に寄与する。
その他リスク
モデル・リスク及び独立して測定されないリスク類型のリスクは、確定した経済資本に対する割合(パーセン
テージ)による上乗せを適用することにより、リスク・カバレッジの計算において考慮される。
OeKBグループは様々なリスクの集中に直面している。最も重要な集中のうち2つは、特別目的銀行としての事業
分野の集中及びEFSに関連するオーストリア共和国により供与される保証への依存である。これらの集中はビジネ
ス・モデルに固有のものであり、この点から多様化の範囲は限られている。
異なるリスク類型間の相互依存から起きる、集中相互のリスクは、各リスク類型(信用リスク、市場リスクな
ど)の経済資本価値を合計することにより、当グループのICAAP並びにEFS ICAAPに組み込まれる。多変数ストレス
テストもまた、これらのリスクを査定するために実施される。
超過レバレッジのリスク、従ってレバレッジ比率は、OeKBグループの資産の大部分が輸出金融スキームから生ず
るため、OeKBグループにとりあまり重要ではない。EFSのエクスポージャーは、大部分オーストリア共和国の保証に
より担保され、債務による資金調達はビジネス・モデルの一部である。
流動性リスク(ILAAP)
OeKB銀行グループは、以下の流動性リスクの種類を区別する:
・期限を迎えたときに、現在又は将来の支払い義務を完全に満たすことができないリスク、
・リファイナンシング・リスク、すなわち資金が好ましくない市場条件でしか得られないリスク、及び
・市場流動性リスク、すなわち資産を割引いてしか売却できないリスク。
流動性リスク管理は、輸出金融スキームを含めて、OekBグループを1つの単位として実行される。
OeKBの執行取締役会は、毎年監事会のリスク委員会と調整を行う「リスク方針及び戦略」の中で、流動性リスク
管理の原則及びリスク選好を定義する。これは、支払不能リスクとしての流動性リスクを指す。これは、現在及び
将来の支払義務を期限到来時に十分に満たすことができない短期リスクである。最低1ヶ月の最短サバイバル期間
及び最低2ヶ月の目標サバイバル期間がOeKBグループについて設定されている。
OeKBの流動性戦略の目標は、困難な市場状況であっても受入可能な条件で必要な流動性の十分な入手を確実にす
ることである。OeKBの数十年にわたる国際金融市場における優れた名声は、資金調達手段、市場及び満期の多様化
と相まって、またとりわけ重要なことはオーストリア政府保証がAFFG第1(2a)条に基づき貸し主を保護しているの
で、市場が特別なストレス下にある場合でも当グループの市場アクセスに役立つ。流動性リスクの測定及び管理に
使用されるプロセスは、RMCが採用する流動性リスク管理マニュアルにおいて書面化されている。
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流動性の圧倒的な必要は輸出金融スキームに起因するため、借換えリスクはEFSのリスク・カバレッジの計算に組
み込まれている。
より狭い意味での流動性リスクの測定の中心的手段は、毎月の流動性ギャップ分析である。これは今後12ヶ月間
の毎日の数字を用いて行われ、流動性バッファー(主にECBによる再割引に適格な証券で構成される。)に対して設
定されているキャッシュフロー及び資金調達計画(特異かつ組織的ストレス仮定に基づく。)に基づいている。市
場流動性リスクが流動資産に対する対応するヘアカットを通じて考慮される。
この方法により決定された平均サバイバル期間は、2018年に7ヶ月間を超えた。OeKBはサバイバル期間を、同時
に起こる特異かつ組織的ストレスの想定される組合わせのもとで、金融市場で追加の資金調達を行う必要なしにす
べての支払義務を満たすために(オーストリア共和国の十分な信頼と信用がOeKBによるかかる借入を支援するので
あるが)、現在の流動性バッファーが十分な期間と定義する。ストレス期間において、サバイバル期間は、このよ
うになんらかの必要な戦略的是正措置を取るのに利用できる時間である。流動性危機管理計画が危機的状況のため
に用意されている。
OeKBグループのサバイバル期間
(単位:日) 2018年 2017年
年平均 214 195
年間最大 345 365
年間最小 134 101
OeKBグループの拘束されていない流動性バッファーの構成は以下のとおりである。
OeKBグループの流動性バッファー
(単位:1,000ユーロ) 2018年公正価値 2017年公正価値
現金及び現金同等物 323,412 424,206
差引:最低準備金 (40,045) (39,782)
現金及び中央銀行による現金同等物 283,367 384,424
中央銀行による預託証券 7,108,270 5,831,052
大蔵省証券及び再割引できる類似証券 945,861 957,355
再割引できる他発行体による債券 17,675 14,698
合計 8,355,173 7,187,529
毎日の流動性はニーズとカバレッジ計算に基づき確認され、長期流動性はギャップ分析を元に評価される。オペ
レーションナル流動性管理はトレジャリー部門が処理し、トレジャリー部門はALCOに報告する。サバイバル期間の
要件の遵守はリスク制御部門により監視され、RMCに報告される。
OeKBはその流動性を流動性カバレッジレシオ(LCR)又は安定調達比率(NSFR)に従って管理しない。BWG第3(2)1
条に従い、以下の法律規定も適用されない:規則(EU)第575/2013の第6部並びにBWG第27a条、第39(4)条に関連す
る第39(2b)7条、第39(3)条及び第74(1)条に関連する第74(6)3a条。
注記36 リスク類型の詳細
信用リスク
OeKBグループの銀行勘定の資産の格付区分による内訳を以下の表に示す。保証が付された資産は、保証の金額
で、保証人の格付区分に割当てられる。
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償却原価による金融資産の信用度
契約期間中の減
損-取得時/オリ
契約期間中の 契約期間中の ジネーション時
12か月間の 減損-格付は毀 減損-格付が に既に格付は毀 2018年 2017年
(単位:1,000ユーロ) 減損 損していない 毀損 損 帳簿価格 帳簿価格
銀行貸付
格付区分1(AAA/AA) 18,150,286 29,150 7,857 - 18,187,292 15,092,698
格付区分2(A) 312,361 - - - 312,361 231,866
格付区分3(BBB) 334,989 - - - 334,989 169,743
格付区分4(BB) 7 - - - 7 7
格付区分5(B) - - - - - -
格付区分6(CCC以下) 110 - - - 110 141
合計 18,797,754 29,150 7,857 - 18,834,760 15,494,455
顧客貸付
格付区分1(AAA/AA) 270,951 5,128 4,745 183,376 464,201 1,490,232
格付区分2(A) - - - - - 42,830
格付区分3(BBB) 2,320 - - - 2,320 2,411
格付区分4(BB) - - - 20 20 28
格付区分5(B) - - - - - -
格付区分6(CCC以下) 64 - - 1,293 1,357 1,485
合計 273,336 5,128 4,745 184,689 467,898 1,536,986
その他金融資産行(償却原
価)
格付区分1(AAA/AA) 243,028 - - - 243,028 -
格付区分2(A) 56,484 - - - 56,484 -
格付区分3(BBB) 32,622 - - - 32,622 -
格付区分4(BB) - - - - - -
格付区分5(B) - - - - - -
格付区分6(CCC以下) - - - - - -
合計 332,134 - - - 332,134 -
契約期間中の減
損-取得時/オリ
契約期間中の 契約期間中の ジネーション時
12か月間の 減損-格付は毀 減損-格付が に既に格付は毀
減損 損していない 毀損 損 2018年価値 2017年価値
信用ファシリティ及び貸付コ
ミットメント
格付区分1(AAA/AA) 3,338,550 30,000 3,878 - 3,372,427 3,224,156
格付区分2(A) 47,326 - - - 47,326 54,745
格付区分3(BBB) 30,647 - - - 30,647 56,068
格付区分4(BB) - - - - - -
格付区分5(B) - - - - - -
格付区分6(CCC以下) - - - - - -
合計 3,416,523 30,000 3,878 - 3,450,401 3,334,969
信用リスクの集中
以下の表は、銀行貸付及び顧客貸付の地域的な内訳である。
担保の認識後の国別ポートフォリオ内訳
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銀行貸付 顧客貸付 国別帳簿価格
(単位:1,000ユーロ)
2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年
オーストリア 18,003,187 14,849,706 466,552 1,535,507 18,469,739 16,385,213
イタリア 370,496 206,082 - - 370,496 206,082
ドイツ 299,761 343,057 ▶ 5 299,765 343,062
フィンランド 234,370 264,512 - - 234,370 264,512
フランス 189,464 207,937 - - 189,464 207,937
その他諸国 445,908 321,586 1,342 1,474 447,250 323,060
合計 19,543,187 16,192,881 467,898 1,536,986 20,011,085 17,729,867
上記の表に示す銀行貸付及び顧客貸付の98.8%(2017年度:98.6%)超につき、中央政府及び国際機関による保
証が付されている。
予想信用損失(ECL)の決定
以下は、OeKB銀行グループがIFRS第9号(予想損失モデル)に基づく減損費用を計算するために用いる、重要な
投入要因、仮定及び技術を示す。OeKBのビジネス・モデル及びその特別な信用リスク状況のために、IFRS第9号に
基づき計算されるECL価値は、限定的な情報価値しか持たず、銀行が予想する実際の信用損失に対応しない。
信用リスクの重大な増加の定義
信用リスクの重大な増加の評価は、ECLモデルの中心的側面である。信用リスクの重大な増加の場合、減損価値は
12ヶ月ECLであってはならず、存続期間ECLでなければならない(低い信用リスクの免除が適用される商品を除
く。)。
OeKB銀行グループが低い信用リスクの免除を使用するので、12ヶ月ECLが一般に使用される。
存続期間ECLは以下の場合に使用される。
・ 格付が投資適格の範囲ではない、若しくはそうなった金融商品について、同時に信用リスクが大きく増加す
る(定量的及び定性的な性質に基づく。)場合、存続期間予想損失の金額の減損が適用される。
・ 最初の認識時に減損していた金融商品(POCI=買取又は組成時の信用減損)は、常にステージ3に割り当て
られ、したがって、存続期間の予想損失で認識される。
重要な基準
デフォルトの可能性(PD)が著しく増加する場合、信用リスクの増加は大きい。
商品の(予想)期間のデフォルト可能性の合計に基づき、定量的な評価が行われる。ステージ2への割当の重要
な基準は、デフォルト・リスクの変化が比較期間中に緩和される、存続期間PDの変化である。存続期間PDの変化
は、報告日現在の存続期間PDを報告日現在の予想存続期間PDと比較することにより決定される。
デフォルト・リスクの重大な変化を評価する基準は、当初認識時のデフォル・トリスクと比較して定義され、存
続期間PDの250%を超える増加は、重要とみなされる。
定量的な定義に加えて、OeKBグループはまた、デフォルト・リスクの重大な変化を評価するために、定性的な情
報も利用する。これには特に、外部市場の指標(例:信用スプレッド)の重大な変更並びに金融商品若しくは借主
の外部信用格付の実際又は予想される重要な変更を含む。このような際だった進展が発生する場合、重要性はケー
スバイケースで評価される。30日と超えて延滞している借主はまた、個別ケースにおいて異議を唱えることができ
る指標である。
デフォルト・リスクを評価する場合、担保は考慮されない(セキュリティ格付に含まれる担保を除く。)。
低い信用リスクの免除
IFRS第9号に従い、格付が投資適格等級と同等である場合、信用リスクは低いとみなすことができる。OeKB銀行
グループは、この低い信用リスクの免除を適用する。問題の金融商品が報告日現在(担保考慮前に)低いデフォル
ト・リスクを持つ場合、重大な増加は通常想定されない。
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OeKB銀行グループは、信用格付の区分を、社内のマスター格付基準に基づき、1から10に定義する。デフォル
ト・リスクの低いレベル10はS&PのBBB-に相当する。これは1から10の区分は、市場の典型的な投資適格の定義に相
当する。
低い信用リスク免除の使用の理由
OeKB銀行グループは、資本市場病無及び輸出業務向けの特別な、法律により権限委託された任務を有する、純粋
な特別目的銀行のグループである(注記1を参照のこと。)。資産合計の大半は、輸出金融スキームによるもので
あり、特別法の適用を受ける(AFFG及びAusfFG)。OeKBは、(欧州レベルでも銀行グループ全体で制限が無いのと
同様に)輸出(金融)プロモーションに関連する全ての業務について、CRR及びCRDを免除されており、子会社はCRR
の目的で銀行ではない。EFSは自己持続的プロモーション制度である。信用損失はエクイティを減少させないが、金
利安定化引当金に対して支払われる、又はオーストリア共和国からの保証により直接保証される(注記1を参照の
こと。)。数十年間の事業の歴史は、今日までポートフォリオの損失は無かった又は非常にわずかであったことを
示している。
EBAのガイドラインと一致して、OeKB銀行グループは定期的に信用格付の動きを監視し、評価に基づき低い信用リ
スクの免除から個別の金融商品を取り出す権利を留保する(30日延滞又は異なる性質の発動)。これは、低い信用
リスクの免除は、投資等級であり、かつステージ2の質的指標を持たない金融商品にのみ適用されることを意味す
る。
修正条件の契約
ビジネス・パートナーの信用格付が悪化していない場合でも、例えば市場環境の変化又は早期償還などの事実の
後に顧客との契約条件が変更される多数の異なる理由がある。OeKBグループにおける主たる理由は、発展途上及び
新興諸国のファイナンス・プロジェクトに使用される開発ローンである。プロジェクトは異なる経過を取るため、
支払及び償還の時期への変更を行うことが通常ある。
注記2で説明のとおり、契約の大幅な修正が行われたときに、前の契約が終了し、新金融資産が公正価値で認識
される。わずかな変更の場合、修正の前後での契約の公正価値の差異は、損益計算書に認識される。
大幅な変更がなされる場合、新金融資産の最初の認識日はまた、信用リスクの変更の将来の計算のためにもとも
との信用リスクとして使用され、他方もともとの契約の完了時点でのもともとの信用リスクは、わずかな変更の場
合依然として使用される。
稀に、契約条件は、このビジネス・パートナーからの将来の元利金支払いを最大化するために、借主の財政難に
対応して変更されることもある(放棄(forbearance))。
かかる財政難はまた、借主のデフォルトについての定性的な指標であり(下記「デフォルトの定義」も参照のこ
と。)、12ヶ月ECLは、持続的な契約達成の長期期間後に、財政難が克服できた将来の証拠に基づき、再び使用する
ことができる。
予想信用損失の計算
ECLを計算する3つの主要なパラメータは以下のとおりである。
・デフォルトの可能性(PD)
・損失所与デフォルト(LGD)
・デフォルト時にエクスポージャー(EAD)
これら3パラメータの由来は以下のとおりである。
デフォルトの可能性(PD)
信用格付の分類
OeKB銀行グループは、適格な格付会社からの外部格付及び社内の評価に基づき、社内のマスター格付基準の信用
格付区分に全ての信用エクスポージャーを分類し、全ての借主及び全ての金融機関を割当てる。デフォルトの可能
性は、全ての格付レベルに割当てられ、レベルからレベルへ急激に飛躍する。これらの1年間のデフォルト可能性
はバーゼル要件の意味でリスク管理のため使用され、したがって、ECL計算における使用のためそれに従い調整され
る必要がある。
PIT及びFLIの調整
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最初に、毎月のデフォルト可能性の合計が、リスク管理に使用されるPDサイクル中の1年間に一致する条件付き
確率(ベイズの定理)を用いてポートフォリオの最大満期から決定される。ベイズのスカラー・アプローチに使用
は、 PDの価値が0と1の間であることを確実にする。
IFRS第9号に従い、PDはポイント・イン・タイム(PIT)についてのみ推計されてはならず、将来を見越した情報
(FLI)も考慮しなければならない。すなわち、OeKBはPITのデフォルト可能性を次の段階での将来の進展予想を説
明するために調整する。
マクロ経済の関係する指標の目的で、ポートフォリオPDの複数年(3年間以内)の予想を認めるポートフォリオ
特有のモデルが、これらのFLI調整として開発される。これらの調整はPIT PDに適用され、FLI PDを計算するために
予測期間末の後、徐々に減少するベースで継続する。FLIモデルは典型的に10年以上続く期間の四半期データについ
ての多重線形の回帰から成る。依拠する変数はポートフォリオのデフォルト可能性の平均で、通常、株式加重価値
として計算される。一連の独立した変数が、経済の専門家と共同で各ポートフォリオについて選択され、回帰に加
えられる。相対的及び絶対的変化並びに遅延効果を考慮する確率変数と共に、回帰の組み合わせから異なる組成が
その後テストされる。モデルは、計算された決定係数及び説明できない数の分布特徴を考慮して、選択される。最
終段階で、FLI調整は、回帰係数を用いてマクロ経済パラメーターの予測から推計される。
PIT調整もFLI調整もEAD又はLGD価値に適用されない。
デフォルトの定義
OeKBは、CRR第178条に向けられたデフォルト指標の定義を使用する。これらは特に90日を超えて延滞する債務
者、債務者に対する破産/事業再編手続きの開始、及び債務者への譲歩につながるその他危機に関連する再編の開始
を含む。個別のケースにおいてデフォルトの可能性(例えば、他の債権者に対する債務者のデフォルトについての
情報)を示すその他の指標もあるかもしれない。これらはケースごとに評価されなければならず、また会計年度末
から貸借対照表日の作成日までの期間も考慮にいれる。
損失所与デフォルト(LGD)及び担保の適用
LGDモデル
損失所与デフォルトはECLを計算するもう1つの中心的パラメーターである。これは、借主又は金融機関のデフォ
ルトの場合に損失の金額を示す。この場合、代替可能担保を考慮しなければならない。
ビジネス・モデルのために、OeKB銀行グループは統計的に重要なLGDモデルを導くための十分なデータを、12ヶ月
LGDについても存続期間LGDについても持たない。
したがって、以下のアプローチがOeKB銀行グループのICAAP及びCRRに示される価値に基づき選択された。
・オーストリア共和国が政治的、経済的に保証する資産のLGD:0%
・その他金融取引のLGD:65%(CRRの第161条を参照のこと:シニア・エクスポージャー45%及び劣後エクスポー
ジャー75%) 注記:現時点で劣後エクスポージャーは存在しない。ビジネス・モデル及び重要なポートフォリオ
(EFS、債券ポートフォリオ)のために、LGDの経験的推定の幅広い変動及び文字通り債券に見られる比較的高いLGD
に基づき、CRRに具体化されるより高い価値を適用するのが適切であるように思われる。
EFSの担保の計上
LGDの目的では、AusfFGに基づく保証を別として担保は考慮しない。AFFGに基づくその他担保は損失所与デフォル
トにおいて考慮されないが、PD(複数デフォルト)において考慮される。これはまた、輸出促進に関連する銀行子
会社へのエクスポージャーにも適用される。
担保はPDにおいて、段階的プロセスの一部として考慮されないが、ECLを計算するためのみに使用される(1年間
のPD及び存続期間PD)。
ICAAPにおける手続き同様、OeKBは、代替性に従い、担保を輸出金融スキーム(輸出促進に関連する銀行子会社と
の取引を含む。)において考慮する。担保がオーストリア共和国からの経済的保証である場合、担保は0%のLGDを
用いてECLの計算において考慮される。その他担保は、複数デフォルトのみが商品のデフォルトにつながるという明
確な仮定により、デフォルト可能性において考慮される。LGD調整はこの場合行われない(LGD=65%)。
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これらの複数デフォルトPDの計算は、多数の担保項目を考慮する。すなわち、これは借主が債務不履行になる可
能性のみでなく、借主と保証人との相互関係も考慮して、保証人も同時に債務不履行になる可能性を表している。
すなわち、共同のデフォルト可能性は、1項目の担保又は2項目の担保があるかどうかに異存する、累積的な2変
数 又は3変数の分配関数である。
デフォルト時の予想エクスポージャー(EAD)
EADはデフォルト時の予想されるグロスの銀行勘定を表す。EADは、契約キャッシュフローから計算される毎月の
観測をベースに実効金利法に従った未払い利息を加えてモデル化される。
商品に特有な信用転換要因は、利用程度との経験に基づき、未引出しのファシリティ及びローンコミットメント
について推計される。
ECLの計算に従う減損の要件
ECL法に基づく減損
内、EFSへの 内、EFSに割り当て
(単位:1,000ユーロ) 2018年12月31日 2018年1月1日 増減
割当て られないもの
銀行貸付 54 69 (16) (16) (0)
顧客貸付 147 261 (114) - (114)
その他金融資産 119 111 8 (0) 8
合計 319 441 (122) (16) (106)
オーストリア共和国からの保証は、ほぼ全てのエクスポージャーに対して発行されてきたので、OeKBグループは
減損費用について限定的な必要しかない。
会計年度中の減損費用の変動は、主にPOCI資産にかかる最終支払の早期供与によるものである。
市場リスク
ギャップ分析
以下の表はOeKBグループのギャップ分析を示す。前年度の表との比較は、OeKBがギャップ戦略に実質的な変更を
行わなかったことを示す。
ギャップ分析 - 2018年12月31日現在
3ヶ月から 6ヶ月から
(単位:1,000ユーロ) 3ヶ月以内 6ヶ月 1年 1年から5年 5年超 帳簿価格
現金及び現金同等物 323,412 - - - - 323,412
銀行貸付 10,542,961 2,019,472 364,493 4,074,812 2,541,448 19,543,187
顧客貸付 310,471 135,724 3,092 3,164 15,447 467,898
債券及びその他固定金利債
392,412 70,000 68,000 950,400 1,047,185 2,527,997
券
合計 11,569,256 2,225,196 435,585 5,028,376 3,604,080 22,862,493
銀行からの預金 (507,221) (20,000) - - - (527,221)
顧客からの預金 (679,560) (25,000) - (36) - (704,596)
発行済み債務証券 (6,397,665) (2,340,873) (266,217) (11,459,960) (4,056,024) (24,520,740)
合計 (7,584,446) (2,385,873) (266,217) (11,459,996) (4,056,024) (25,752,557)
デリバティブ金融商品前の
3,984,810 (160,678) 169,368 (6,431,620) (451,944)
ギャップ
デリバティブ金融商品の効
(7,657,618) 1,408,893 (79,124) 6,216,445 111,405
果
合計 (3,672,808) 1,248,215 90,244 (215,175) (340,539)
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ギャップ分析 - 2017年12月31日現在
3ヶ月から 6ヶ月から
(単位:1,000ユーロ) 3ヶ月以内 6ヶ月 1年 1年から5年 5年超 帳簿価格
現金及び現金同等物 424,206 - - - - 424,206
銀行貸付 8,138,526 1,527,590 467,199 3,634,520 2,425,045 16,192,881
顧客貸付 1,376,554 146,106 570 4,285 9,471 1,536,986
債券及びその他固定金利債
289,301 62,000 11,000 912,900 1,265,885 2,541,086
券
合計 10,228,587 1,735,697 478,768 4,551,705 3,700,401 20,695,158
銀行からの預金 (400,088) (25,000) - - - (425,088)
顧客からの預金 (728,729) (25,000) - (236) - (753,965)
発行済み債務証券 (4,964,823) (1,880,013) (833,546) (9,782,000) (4,180,034) (21,640,415)
合計 (6,093,639) (1,930,013) (833,546) (9,782,236) (4,180,034) (22,819,468)
デリバティブ金融商品前の
4,134,947 (194,316) (354,777) (5,230,531) (479,633)
ギャップ
デリバティブ金融商品の効
(7,068,301) 1,113,140 (364,269) 5,103,590 1,215,839
果
合計 (2,933,354) 918,824 (719,046) (126,940) 736,207
銀行勘定の一般金利リスク
銀行勘定(IRRBB)の一般金利リスク - 2018年12月31日現在
平行シフト 短期/長期ツイスト 主要通貨の平行シフト
スイス スイス
ユーロ ユーロ フラン フラン
(単位:1,000
PV/NII +50BP -50BP -/+25BP +/-25BP +25BP -25BP +25BP -25BP
ユーロ)
現在価値ベースでの金利感応度(無利息資産を除く)
OeKB銀行グルー
1,819,352 (17,421) 16,314 2,471 (4,733) (58,982) 59,948 48,980 (50,014)
プ
内、EFS 683,749 (6,481) 3,644 7,110 (10,409) (54,103) 54,601 48,982 (50,015)
利益ベースでの金利感応度(1年間、保証手数料前)
OeKB銀行グルー
2,912
92,694 (4,305) 426 (495) 15,497 (15,642) (16,779) 16,809
プ
内、EFS 15,936 (6,403) 4,565 1,159 (1,388) 14,458 (14,777) (16,781) 16,811
銀行勘定(IRRBB)の一般金利リスク - 2017年12月31日現在
平行シフト 短期/長期ツイスト 主要通貨の平行シフト
スイス スイス
ユーロ ユーロ フラン フラン
(単位:1,000
PV/NII +50BP -50BP -/+25BP +/-25BP +25BP -25BP +25BP -25BP
ユーロ)
現在価値ベースでの金利感応度(無利息資産を除く)
OeKB銀行グルー
1,856,057 (42,133) 42,468 (15,992) 14,833 (71,478) 73,207 48,744 (49,821)
プ
内、EFS 718,901 (35,605) 34,396 (13,980) 11,737 (68,904) 70,199 48,744 (49,821)
利益ベースでの金利感応度(1年間、保証手数料前)
OeKB銀行グルー
105,473 (4,521) 4,223 3,073 (3,011) 14,865 (14,789) (16,484) 16,515
プ
内、EFS 39,222 (6,992) 6,037 3,763 (3,881) 13,727 (13,848) (16,494) 16,525
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流動性リスク
下表は、金融債務及び金融資産の満期構造を示す。利息及び元本のフローは契約満期に基づき、個別の満期幅に
割り当てられる。要求払いのポジションは「1ヶ月以内」の幅に割り当てられる。リボルビング・クレジット・
ファシリティは、経験上利用度が一般的に安定していることを示すので、流動性目的での定期的な利用度に含まれ
る。貸付コミットメントは、資本のフローが分かっているが金利がまだ設定されていない将来のローンの支払を含
む。このため、資本フローだけがこれらの貸付コミットメントのために示される。
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満期構造 - 2018年12月31日
アウトフロー/ 1ヶ月 1ヶ月から 1年から
(単位:1,000ユーロ) 5年超
インフロー合計 以内 1年 5年
金融負債
銀行からの預金 (528,367) (480,960) (533) (46,873) -
顧客からの預金 (718,872) (148,359) (7,904) (533,313) (29,295)
発行済み債務証券 (43,609,208) (1,817,985) (6,716,627) (13,620,158) (21,454,438)
貸付コミットメント - (31,000) (122,241) (186,181) 339,422
合計 (44,856,447) (2,478,305) (6,847,305) (14,386,526) (21,144,310)
デリバティブ金融商品
アウトフロー (19,389,692) (661,864) (2,947,779) (12,779,887) (3,000,162)
インフロー 18,992,306 660,527 2,900,227 12,451,123 2,980,429
合計 (397,386) (1,337) (47,552) (328,764) (19,733)
金融資産
現金及び現金同等物 323,412 323,412 - - -
銀行貸付 15,180,293 167,067 1,256,394 8,954,268 4,802,564
顧客貸付 549,030 4,667 40,908 243,610 259,846
債券及びその他固定金利債券 2,539,984 9,271 303,834 1,145,167 1,081,712
合計 18,592,719 504,416 1,601,137 10,343,045 6,144,121
デリバティブ金融商品
インフロー 36,761,019 369,060 5,465,469 11,214,464 19,712,026
アウトフロー (17,852,471) (342,017) (4,820,660) (9,979,358) (2,710,436)
合計 18,908,548 27,043 644,809 1,235,106 17,001,590
AFFG第1(2b)条に基づく保証 4,533,077 88,128 991,880 2,765,274 687,794
流動性ギャップ (3,219,489) (1,860,055) (3,657,031) (371,865) 2,669,462
満期構造 - 2017年12月31日
アウトフロー/ 1ヶ月 1ヶ月から 1年から
(単位:1,000ユーロ) 5年超
インフロー合計 以内 1年 5年
金融負債
銀行からの預金 (427,245) (318,576) (5,391) (23,061) (80,218)
顧客からの預金 (773,156) (196,833) (3,270) (543,111) (29,942)
発行済み債務証券 (22,547,368) (1,283,794) (5,473,826) (11,093,235) (4,696,512)
貸付コミットメント - (2,000) (51,186) (264,625) 317,811
合計 (23,747,769) (1,801,203) (5,533,673) (11,924,032) (4,488,861)
デリバティブ金融商品
アウトフロー (19,726,207) (769,567) (4,010,380) (11,969,190) (2,977,070)
インフロー 19,199,560 778,904 3,876,437 11,614,303 2,929,916
合計 (526,647) 9,337 (133,943) (354,886) (47,155)
金融資産
現金及び現金同等物 323,412 323,412 - - -
銀行貸付 13,181,445 145,869 1,574,716 7,265,149 4,195,711
顧客貸付 1,616,277 105,043 1,016,867 250,594 243,773
債券及びその他固定金利債券 2,565,488 11,833 72,262 1,160,908 1,320,484
合計 17,686,621 586,156 2,663,845 8,676,651 5,759,969
デリバティブ金融商品
インフロー 12,947,794 340,045 4,013,859 6,897,396 1,696,494
アウトフロー (12,376,347) (326,664) (3,739,890) (6,692,933) (1,616,861)
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合計 571,446 13,381 273,970 204,463 79,633
AFFG第1(2b)条に基づく保証 4,120,498 130,436 811,450 2,482,953 695,658
流動性ギャップ (1,895,852) (1,061,893) (1,918,351) (914,852) 1,999,244
注記37 連結の範囲
以下は、OeKBグループの連結財務書類に含まれる全ての会社を示す。親会社であるオーストリア輸出銀行に加え
て、以下の会社が完全に連結されている:オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、ウィーン(以下
「OeEB」という。)及びOeKB CSD GmbH、ウィーン(以下「OeKB CSD」という。)。
「オーストリア・エクスポートフォンズ」GmbHは、2018年7月にOeKBに吸収合併され、「ガラージュ・アム・ホ
フ」Gesellschaft m.b.H.の2%持分は、2018年9月に売却された(注記16を参照のこと。)
当グループの資産、財務又は収益状態に重要な影響を与えないため、2つの会社が連結されなかった(2017年
度:2社)。これら2つの会社を合わせた総資産は当グループの連結総資産の0.02%であり、当年度の利益総額は
当グループの当期連結利益の0.10%未満である。OeKBが20%の株式を保有するAGCSガス・クリアリング・アンド・
セトルメントAGは持分法投資に含まれていない。なぜなら、その業績は「持分法投資損益の持分割合(税引後)」
の項目又は「持分法投資」の項目に大きな影響を与えないからである。この子会社は、他のエネルギー決済会社と
同じく、公正価値(比例的株式)でその他非連結会社への投資に含まれている。
連結又は原価で保有される会社の数
2018年12月31日 2017年12月31日
完全連結会社 2 3
持分法投資 2 2
非連結子会社への投資(公正価値で認識) 2 2
その他非連結会社への投資(公正価値で認識) 10 11
合計 16 18
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OeKBが完全所有又は一部所有する会社
銀行法分類 投資の種類 持分割合
金融機関/ セグメント 直接 間接
(%)
会社名及び登録事務所 その他 組織(a) 保有 保有
完全連結会社
オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、ウィーン 金融機関 E × 100.00
OeKB CSD GmbH、ウィーン
金融機関 C × 100.00
持分法合弁会社
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメントAG、ウィーン
その他 O × 51.00
アクレディア・フェアジヒャルングAG、ウィーン その他 O × 51.00
アクレディア・サービスGmbH、ウィーン その他 O × 51.00
アクレディア・サービスD.O.O.、ベルグラード その他 O × 51.00
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュア・ブーゼンゲシェ
その他 C × 50.00
フテGmbH、ウィーン
公正価値で認識される非連結子会社
OeKBビジネス・サービスGmbH、ウィーン その他 O × 100.00
OeKBツェントラロイローパ・ホールディングGmbH、ウィーン その他 O × 100.00
公正価値で認識されるその他非連結会社への投資
AGCSガス・クリアリング・アンド・セトルメントAG、ウィーン その他 C × 20.00
APCSパワー・クリアリング・アンド・セトルメントAG、ウィーン その他 C × 17.00
CISMOクリアリング・インテグレーテッド・サービス・アンド・マー
その他 C × 18.50
ケット・オペレーションズGmbH、ウィーン
OeMAGアプヴィクルングステル・フュア・エコシュトロムAG、ウィーン その他 C × 12.60
EXAAアプヴィクルングステル・フュア・エナジープロダクテAG、
その他 C × 8.06
ウィーン
CEESEG アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン
その他 C × 6.60
アインラーゲンジヒャルンク・オーストリアGmbH、ウィーン その他 O × 0.39
アインラーゲンジヒャルンク・デア・バンケン・ウント・バンキエ
その他 O × 0.40
Gesellschaft m.b.H.、ウィーン
ヨーロピアン・フィナンシング・パートナーズS.A.、ルクセンブルク その他 E × 7.63
インターアクト・クライメット・チェンジ・ファシリティS.A.、ルク
その他 E × 7.69
センブルク
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会社名及び登録事務所 財務情報
Share of
OeKB
直近の UGBに定義される UGB第224(3)条に 当期の
Group at
財務書類の報告 貸借対照表合計 定義される株式 純利益
fair value
日 (1,000ユーロ) (1,000ユーロ) (1,000ユーロ)
完全連結会社
オーストリア・エントヴィックルングスバンクAG、
2018.12.31 835,663 40,235 6,761 40,235
ウィーン
OeKB CSD GmbH、ウィーン
2018.12.31 30,734 27,865 5,623 27,865
持分法合弁会社
OeKB EH ベタイリグングス・ウント・マネージメント
2018.12.31 92,636 92,561 9,104 47,206
AG、ウィーン
11,512
アクレディア・フェアジヒャルングAG、ウィーン 2018.12.31 151,468 91,760 46,798
2,478
アクレディア・サービスGmbH、ウィーン 2018.12.31 13,825 12,343 6,295
アクレディア・サービスD.O.O.、ベルグラード 2018.12.31 536 533 13 272
CCPオーストリア・アプヴィクルングステル・フュ
2018.12.31 46,550 12,494 782 6,247
ア・ブーゼンゲシェフテGmbH、ウィーン
公正価値で認識される非連結子会社
OeKBビジネス・サービスGmbH、ウィーン 2018.12.31 1,170 1,035 39 1,035
OeKBツェントラロイローパ・ホールディングGmbH、
-
2018.12.31 4,541 4,541 4,541
ウィーン
公正価値で認識されるその他非連結会社への投資
AGCSガス・クリアリング・アンド・セトルメントAG、
2017.12.31 19,397 4,493 860 899
ウィーン
APCSパワー・クリアリング・アンド・セトルメント
2017.12.31 26,433 3,858 789 656
AG、ウィーン
CISMOクリアリング・インテグレーテッド・サービ
ス・アンド・マーケット・オペレーションズGmbH、 2017.12.31 4,089 2,811 2,011 520
ウィーン
OeMAGアプヴィクルングステル・フュア・エコシュト
501
2017.12.31 444,022 5,991 755
ロムAG、ウィーン
EXAAアプヴィクルングステル・フュア・エナジープロ
2017.12.31 6,159 2,638 220 213
ダクテAG、ウィーン
CEESEG アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン
2017.12.31 378,550 372,627 29,383 26,148
アインラーゲンジヒャルンク・オーストリアGmbH、
2017.12.31 164 100 - 2
ウィーン
アインラーゲンジヒャルンク・デア・バンケン・ウン
-
2017.12.31 585 77 0
ト・バンキエGesellschaft m.b.H.、ウィーン
ヨーロピアン・フィナンシング・パートナーズS.A.、
2018.12.31 133,166 149 - 25
ルクセンブルク
インターアクト・クライメット・チェンジ・ファシリ
2018.12.31 213,971 147 21 6
ティS.A.、ルクセンブルク
注:(a)E=輸出業務、C=資本市場業務、O=その他業務
子会社以外の投資の持分及び子会社の持分は取引所に上場されていない。
注記38 従業員に関する開示
当年度中、当グループには、フルタイム換算で平均410人(2017年度:402人)の従業員が雇用されていた。
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注記39 役員の報酬及び貸付
以下の表は、執行取締役会及び監事会メンバーの総報酬に関する情報である。執行取締役会の報酬には、給与、
会社の成功に基づく変動部分、現物給付及び雇用関係終了後の確定拠出給付の支払を含む。
執行取締役の報酬
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
当期の給付 (923) (854)
雇用関係の終了後に支払われる給付(退職給付及び年金) (249) (227)
その他長期給付 (798) (668)
雇用関係の終了に関する給付 - -
合計 (1,970) (1,749)
昨年度まで、退職給付の費用は「雇用関係の終了に関する給付」に0.1百万ユーロ認識されていた。基準はまた
「雇用関係の終了後に支払われる給付」における認識も認めていた。表示を明確にするために、当社は期間中の退
職給付及び年金給付費用を合わせて、将来的に「雇用関係の終了後に支払われる給付」に認識することを決定し
た。前年度の数字はこれに従い修正された。
執行取締役会及び監事会の前メンバーの報酬
(単位:1,000ユーロ) 2018年 2017年
前執行取締役会メンバー (1,572) (1,197)
前監事会メンバー (192) (191)
執行取締役会の現職メンバーは確定給付制度に基づく資格を有さない。
OeKBは株式ベース報酬を提供しない。
執行取締役会及び監事会のメンバーは、前年度と同じく、当年度中にOeKBグループから貸付も保証も受けていな
い。
注記40 その他関係者取引
輸出業務及び資本市場業務の専門金融機関として、EFSに基づく「ハウスバンク」として、及び証券の発行者とし
て行為するなど、OeKBはその株主との多数の取引に従事する。株主に加えて、OeKBグループはまた、当グループが
支配するが連結されていない会社及び持分法会計により連結財務書類に認識されている会社を関係者として定義す
る(下表を参照のこと)。関係者とみなされる個人には、オーストリア輸出銀行の執行取締役会及び監事会のメン
バー(注記41を参照のこと)を含む。以下のすべての取引は、「独立企業」の条件で行われる。
銀行貸付(EFSに基づく金融商品)の大半は、OeKBの株主との取引に関係する。2018年度の株主との取引により生
み出された利息収入の割合は、81.2百万ユーロ、すなわち39.3%(2017年度:62.9百万ユーロ、すなわち20.2%)
であった。
その他金融資産はOeKBの株主が公募発行した債券である。その他非連結会社への投資による手数料収入は主にエ
ネルギー決済に関連する業務からもたらされる。
オーストリア輸出銀行と完全連結子会社との間の取引は、連結の過程において除去されるため、連結財務書類に
開示されない。
以下の貸借対照表項目はOeKBグループの関係者との取引である。
2018年度関係者取引
OeKBグループ 非連結子会社及びそ
(単位:1,000ユーロ) 持分法投資
株主 の他持分への投資
その他金融資産 18,477 - -
銀行貸付 13,596,793 - -
資産 13,615,270 - -
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銀行からの預金 35,382 - -
顧客からの預金 - 23,541 26,478
負債 35,382 23,541 26,478
ローン・コミットメント、金融保証及びその他約定の
2,469,068 - 20,000
名目金額
利息収入 81,180 - -
利息支払 8,472 - -
投資からの収入 - 2,427 6,024
手数料収入 7,567 2,267 431
その他営業収支 1,343 308 2,659
前年同様、執行取締役会又は監事会メンバーとの取引はなかった。
2017年度関係者取引
OeKBグループ 非連結子会社及びそ
(単位:1,000ユーロ) 持分法投資
株主 の他持分への投資
その他金融資産 25,927 - -
銀行貸付 11,642,678 - -
資産 11,668,605 - -
銀行からの預金 57,521 - -
顧客からの預金 - 17,460 28,387
負債 57,521 17,460 28,387
ローン・コミットメント、金融保証及びその他約定の
2,476,743 - 20,000
名目金額
利息収入 62,908 - -
利息支払 6,031 - -
投資からの収入 - 2,983 5,198
手数料収入 7,450 2,516 93
その他営業収支 1,281 362 3,079
OeKBグループの株主との手数料収入は前年度は403千ユーロと報告された。これは誤りであった。当社はこの前年
の数字を7,047千ユーロ修正し、7,450千ユーロとした。
以下の表はOeKBの株主の構成を示す。
バンク・フュア・ティロル・ウント・フォラルベルク・アクティエンゲゼルシャフト(以下「BTV」という。)が
保有するOeKBの登録株式が全て、2018年12月17日付でベタイリグングスホールディング5000GmbH(BTVの完全所有子
会社)から取得された。
2018年12月31日現在のオーストリア輸出銀行の所有構成
株主の名称 所有株式数 持株比率
CABETホールディングGmbH、ウィーン
(ユニクレディット・バンク・オーストリア・グループ) 217,800 24.750%
ユニクレディット・バンク・オーストリアAG、ウィーン 142,032 16.140%
エアステ・バンク・デア・ウステルライヒシェン・シュパーカッセン
AG、ウィーン 113,432 12.890%
シェーラーバンク・アクティエンゲゼルシャフト、ウィーン 72,688 8.260%
AVZ・GmbH、ウィーン 72,600 8.250%
ライファイゼン・バンク・インターナショナルAG、ウィーン 71,456 8.120%
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BAWAG P.S.K. バンク・フュア・アルバイト・ウント・ヴィルツシャフ
ト・ウント・オーストリア・ポストシュパーカッセ・アクティエンゲゼ
ルシャフト、ウィーン 44,792 5.090%
ライファイゼンOeKBベタイリグングスゲゼルシャフトmbH、ウィーン 44,000 5.000%
オーバーバンクAG、リンツ 34,224 3.889%
ベタイリグングスホールディング5000GmbH、インスブルック 26,888 3.055%
BKSバンクAG、クラーゲンフルト 26,888 3.055%
フォルクスバンク・ウィーンAG、ウィーン 13,200 1.500%
株式合計 880,000 100.000%
注記41 執行取締役会、監事会メンバー及び当局担当官
執行取締役会メンバー
任期
氏名 開始 満了
2016年8月1日 2023年7月31日
Helmut Bernkopf
2014年1月1日 2023年12月31日
Angelika Sommer-Hemetsberger
監事会メンバー
任期
職位 氏名
開始 満了
Robert Zadrazil
監事会議長(2018年12月17日から) 2009年5月19日 2021年AGM
Walter Rothensteiner
監事会第一副議長 1995年8月2日 2021年AGM
Stefan Dörfler
監事会第二副議長 2017年5月18日 2022年AGM
Rainer Borns
メンバー 2018年5月29日 2019年AGM
Dieter Hengl
メンバー 2011年5月25日 2021年AGM
Reinhard Karl
メンバー 2019年AGM
2018年5月29日
Peter Lennkh
メンバー 2022年AGM
2017年5月18日
Herbert Messinger
メンバー 2012年12月18日 2021年AGM
Jozef Sikela
メンバー 2015年5月12日 2020年AGM
Herta Stockbauer
メンバー 2014年5月21日 2019年AGM
メンバー Herbert Tempsch 2013年5月29日 2023年AGM
Susanne Wendler
メンバー 2017年5月18日 2022年AGM
Robert Wieselmayer
メンバー 2016年5月19日 2021年AGM
Franz Zwickl
メンバー 1999年5月20日 2021年AGM
Harald Brcklzi
メンバー 2017年5月17日 2018年5月29日
Claudia Höller
メンバー 2017年5月17日 2018年5月29日
Erich Hampel
監事会議長 2010年1月1日
2018年12月17日
AGM = 年次株主総会
従業員代表
任期
職位 氏名
開始 満了
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Martin Krull
従業員協議会会長 2002年3月14日 2023年3月13日
Erna Scheriau
副会長 2001年4月1日 2023年3月13日
Elisabeth Halys
メンバー 2013年7月1日 2023年3月13日
Ulrike Ritthaler
メンバー 2014年3月14日 2023年3月13日
Christoph Seper
メンバー 2014年3月14日 2023年3月13日
Markus Tichy
メンバー 2011年7月1日 2023年3月13日
Alexandra Griebl
メンバー 2010年3月14日 2018年3月13日
監査委員会
職位 氏名
Walther Rothensteiner
委員長
Robert Zadrazil
メンバー(2018年12月17日から)
Martin Krull
メンバー
Erich Hampel
メンバー(2018年12月17日まで)
ワーキング委員会
職位 氏名
Robert Zadrazil
委員長(2018年12月17日から)
Walther Rothensteiner
メンバー
Martin Krull
メンバー
Erich Hampel
委員長(2018年12月17日まで)
報酬委員会
職位 氏名
Robert Zadrazil
委員長(2018年12月17日から)
Walther Rothensteiner
メンバー
Stefan Dörfler
メンバー
Martin Krull
メンバー
Erna Scheriau
メンバー
Erich Hampel
委員長(2018年12月17日まで)
リスク委員会
職位 氏名
Herta Stockbauer
委員長(2018年12月17日から)
Robert Zadrazil
メンバー(2018年12月17日から)
Erna Scheriau
メンバー(2018年12月17日から)
Walther Rothensteiner
委員長(2018年12月17日まで)
Erich Hampel
メンバー(2018年12月17日まで)
Martin Krull
メンバー(2018年12月17日まで)
指名委員会
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オーストリア輸出銀行(E06016)
有価証券報告書
職位 氏名
Robert Zadrazil
委員長(2018年12月17日から)
Walther Rothensteiner
メンバー
Martin Krull
メンバー
Erich Hampel
委員長(2018年12月17日まで)
政府査察官
オーストリア銀行法第76条に基づく
役職 氏名 就任日
Harald Waiglein
政府査察官 2012年7月1日
Johann Kinast
政府副査察官 2006年3月1日
上記の政府査察官はまた、輸出金融保証法第6条に基づいて指名される連邦大蔵大臣の代理でもある。
政府査察官
定款第27条(見返資金)に基づく
役職 氏名 就任日
Beate Schaffer
査察官 2013年11月1日
Karl Flatz
副査察官 2017年12月1日
注記42 損害賠償訴訟
当銀行は報告書日付現在、損害賠償訴訟を認識していなかった。
注記43 貸借対照表日後の事象
OeKBは、オーストリア・ホテル・ウント・ツアリズムバンクGmbH(以下「ÖHT」という。)の68.75%の株式を、現
在50%を保有するユニクレディット・バンク・オーストリアAG(以下「UCBA」という。)及び18.75%を保有するエ
アステ・バンク・デア・ウステルライヒシェン・シュパーカッセンAG(以下「EBOe」という。)から購入するつも
りである。
ÖHTは旅行業への融資及び投資促進を目的とする特別目的銀行である。同社の登録事務所は、ウィーンの第1地区
にある。幅広い分野の専門性を持ち、オーストリアのレジャー産業の成長に金融及び投資促進の組織として主要な
役割を果たしてきた。低金利の融資に加えて、ÖHTはまた、特に投資及びファイナンスの分野において顧客へ助言を
提供する。投資への資金供給に加えて、ÖHTは輸出債権についての事前資金供与を提供する。ÖHTはBWG第3(1)11条に
基づき、連邦銀行法の限定された条項のみに従い、規則(EU)第575/2013号(CRR)から免除されている。
OeKBは払込日現在でÖHTによる株式の取得をもたらす潜在的売主との譲渡契約を締結することを望んでいる。この
契約は正式な承認、並びに承認済及び無限定の監査証明付2018年12月31日付の年次財務書類の提出を条件とする。
当行はこの取引は2019年度第2四半期中に完了すると予想する。払込日(購入時点)に、OeKB AGはUCBAから50%の
株式及びEBOeから18.75%の株式を引受け、これによりÖHTの過半数を所有する株主になる予定である。
OeKBは、計画されている取引をもって、重要販促代理人として当グループの戦略的方向の拡大に努め、ÖHTがOeKB
グループの技術的・構造的優位性から利益を得ることにより、社内のシナジーを活用することができる。ÖHTはUGB
及びBWGに従い、その年次財務書類を作成する。ÖHTはオーストリアの旅行業界の中小企業のみに、金額約962百万
ユーロの融資を行う(2017年12月31日現在)。ÖHTはまた、信託勘定において総額およそ424百万ユーロ(2017年12
月31日現在)のERPローン及び少額のERPローンを取り扱ってきた。ÖHTのための借換えはオーストリアの銀行から主
に取得している。2017年12月31日現在、ÖHTの総資産は約980百万ユーロで、資本はおよそ32.6百万ユーロであっ
た。同社は2017年度に純利息収入を約4.3百万ユーロ及び手数料収支を2.7百万ユーロ生み出した。同社はまた連邦
政府及び地方政府の代理人としての資金調達プログラムの処理から、その他営業利益1.2百万ユーロを得た。一般管
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理費(減額を含む。)はおよそ4.1百万ユーロであった。通常業務に係る営業利益及び利益は、およそ4.1百万ユー
ロに達した。2017年12月31日現在、税引後でÖHTは 2.6百万ユーロの年間利益を達成した。これに匹敵する業績が
2018 年度も予想されている。
ÖHTのOeKB銀行グループへの統合により、総資産は約900.0百万ユーロ増加し、950.0百万ユーロとなる予定であ
る。これは主に顧客貸付、銀行からの預金及び株式から成る。連結包括利益計算書において、純利息収入は約4.0百
万ユーロ、手数料収支は約3.0百万ユーロ、その他営業利益はおおよそ1.0百万ユーロ、及び一般管理費は約4.0百万
ユーロ増加する予定である。当年度の利益及び包括利益合計はおよそ4.0百万ドル増加する。当年度の包括利益合計
のうち、2.8百万ユーロは親会社の所有者に帰属する。この取引はOeKBグループの自己資本比率に重要な影響を及ぼ
さない。
注記44 公表の承認日
本財務書類は2019年3月25日付で、承認のために監事会に提出される。規則(EU)第575/2013の第8部に従った
追加の開示(Disclosure Report、ドイツ語のみ)は、OeKBのウェブサイト(www.oekb.at)において提供される。
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(1)
② 長期債務の明細
2018年12月31日現在の残高
(償還プレミアムを含む) 最終償還年
(単位:1,000ユーロ)
(ⅰ)自己発行債券及び輸出金融関連のその他負債(利息を除く)
自己発行債券
1.00%-3.25% スイス・フラン建債券 3,611,678 2036
1.125%-3.125% 米ドル建債券 13,305,677 2023
0.75%-5.75% 英ポンド建債券 1,173,800 2028
0.21%-0.25% ユーロ建債券 7,800,000 2024
3.20%-3.50% 豪ドル建債券 490,136 2028
1.25%-4.30% ノルウェー・クローネ建債券 150,780 2021
1.60% ハンガリー・フォリント建債券 49,847 2024
78,012
1.37% スウェーデン・クローネ建債券 2028
小計
26,659,930
その他負債
国内借入 27,849 2024
0
海外借入 -
自己発行債券及びその他負債小計
27,849
0
(ⅱ)その他負債(信託代理業務を含む) -
当銀行の長期債務合計
26,687,779
注(1)長期債務とは調達時からの期限が1年以上のものである。
(1)
③ 輸出金融関連長期債務の今後5年間の支払予定額
次の表は、当銀行の輸出金融関連の長期債務に対する2019年から2024年及びそれ以降の元本支払予定額を示し
たものである。
(単位:百万ユーロ)
2024年及び
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
それ以降
元本支払額 4,240 4,496 3,512 1,272 3,084 4,056
注(1)共和国は、当銀行の外国通貨借入について、調達時の為替レートで換算した元本及び利息のユーロ表示額
を上回る額の支払いをする必要がない旨保証する権限を有する。従って上記支払予定額は外国通貨建借入
の各通貨別表示を行わない。
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(6)【その他】
① 債務不履行の有無
当銀行は、1946年に設立されて以来、当銀行のすべての国内及び外国債務について元本及び利息を支払期日に支
払ってきた。
② 訴訟
当銀行にとって重要とは考えられない金額にかかわる通常の訴訟(及びその他の争訟)以外には、当銀行が当事
者となっている係争中の訴訟はない。
(7)【オーストリア共和国の概況】
① 概要
オーストリア共和国は、ヨーロッパ中部に位置し、西はスイス及びリヒテンシュタイン、北はドイツ連邦共和
国、チェコ共和国及びスロバキア共和国、東はハンガリー、南はスロベニア及びイタリアに接している。
オーストリアの国土の面積は83,859平方キロメートルで、北海道よりやや大きい。オーストリアの西部及び南部
地域はオーストリア・アルプスが連なる山岳地帯で、森林に深くおおわれている。共和国の東部及びオーストリア
を350キロメートルにわたって流れるドナウ河流域には肥沃な平野部がある。オーストリアの最高峰はグロースグ
ロックナー山で、海抜3,797メートルである。
2018年のオーストリアの人口は、オーストリア統計局の推計によると、約880万人であった。2010年から2018年
にかけて、オーストリアの人口は5.6%の増加をみた。2018年の首都ウィーンの人口は約190万人であった。
オーストリアの現在の国境は、1919年のサンジェルマン条約によって決められた。第二次世界大戦後のオースト
リアの占領は、1955年の独立、民主オーストリア再建のための国家条約によって終結した。この条約は核兵器を含
む特定の軍用兵器の共和国による製造及び保有を制限している。その後オーストリア議会は、オーストリアの永世
中立を宣言するとともにいかなる軍事同盟をも結ばず、自国領土にいかなる国の軍事基地も認めないとする連邦憲
法(下記「④ 外交関係」の項参照)を採択した。
② 政治体制
1920年に制定され、1929年に改正されたオーストリア連邦憲法のもとで、オーストリアは民主的な連邦共和国で
あり、立法権及び行政権は、連邦政府と連邦を構成する9つの州に分与されている。
連邦政府の立法権は、下院(Nationalrat、国民議会)と上院(Bundesrat、連邦議会)からなる両院制議会に付
与されている。下院議員は、比例代表制に基づく直接、秘密、普通選挙により5年の任期で選出される。かかる5
年間の任期満了前においても、下院は、院自体の決議により解散し、又は連邦大統領により解散させられることが
ある。現在の下院議員は2017年10月15日に選出された。
上院議員は、各州の人口に比例して、州議会議員又は州議会議員の被選挙資格を有する他の市民の中から州議会
により定期的に選出される。
連邦政府の行政権は、連邦大統領、首相及び内閣に付与されている。連邦大統領の任期は6年で、直接、秘密、
普通選挙により選出される。アレクサンダー・ファン・デア・ベレン氏が2016年12月4日付で連邦大統領に選出さ
れ、2017年1月26日付で大統領に就任した。連邦大統領の主な憲法上の権限は、首相及び閣僚の任命並びに下院の
解散である。2017年12月18日に組閣された内閣は、オーストリア国民党とオーストリア自由党の連立で組織され、
オーストリア国民党のセバスティアン・クルツ氏が首相、オーストリア自由党のハインツ-クリスティアン・シュ
トラッシュ氏が副首相として率いていたが、2019年5月18日に倒れ、2019年9月に選挙が前倒しで行われる。
次の表は、直近の選挙後の下院議員及び現在の上院議員の政党別内訳である。
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下院 下院 下院 下院 上院
2018年1月
2006年選挙 2008年選挙 2013年選挙 2017年選挙 以降の構成
オーストリア国民党
66 51 47 62 22
オーストリア社会民主党 68 57 52 52 20
オーストリア自由党 21 34 40 51 13
新しいオーストリア - - 9 10 -
緑の党 21 20 24 - ▶
オーストリア未来同盟 7 21 - - -
チーム・フランク・シュトロ
ナハ - - 11 - -
リスト・ペーター・ピルツ - - - 8 -
- - - - 2
無所属
合計
183 183 183 183 61
資料出所:オーストリア議会発表のデータ
③ 司法制度
司法権は連邦裁判所に属している。普通裁判所は、民事及び刑事事件の双方を審理するが、民事事件については
控訴裁判所、さらには最高裁判所に上訴することができ、また刑事事件については、減刑の申立ては控訴裁判所
に、法令の適用の誤謬に対する申立ては最高裁判所に、それぞれ上訴することができる。
共和国及び州の行政行為にかかわる最終審としての裁判権は上記とは別に設けられた最高裁判所に属しており、
違法な行政行為により影響を被った者による申立てにつき、同裁判所は独立の裁判官により上訴を審理する。
下院が制定した法律及び国際条約の合憲性、選挙の合憲性、連邦及び州政府の一般的に適用がある法令の適法
性、並びに共和国もしくは州の行政行為による憲法上の基本的市民権の侵害の申立てを審理するために、さらに第
3の最高裁判所が設けられている。この裁判所は、また、連邦憲法に定める共和国又は州の公務員に対する弾劾事
件の裁判を行う。
④ 外交関係
オーストリアの外交政策の主たる目的は、自国の独立を堅持し、強化することにある。オーストリアは、ヨー
ロッパの緊張緩和をはかり、かつ地理的、歴史的、政治的環境を考慮した積極的外交政策こそがこれを達成する最
善の方策と考えている。かかる外交政策の基盤は、1955年10月26日ウィーンの議会で可決されたオーストリアの中
立に関する連邦憲法によって確立されている。
オーストリア政府は、中立政策をオーストリアの独立を維持する手段と考えており、同時に国際社会における平
和維持の安定要素とも考えている。オーストリアの政策は、個人のよりよき幸福を追求するものであり、その最も
重要な目的の中に人道主義が含まれている。
ウィーンは、国際会議の開催地として認められており、数多くの国連会議、SALT(戦略兵器制限交渉)会議など
の開催地として利用されてきた。特に、国際原子力機関(IAEA)、国連工業開発機構(UNIDO)、石油輸出国機構
(OPEC)の本部はウィーンに所在する。
オーストリアは国連加盟国であり、すべての国連関連機関に加盟している。オーストリアは、国際通貨基金
(IMF)、国際復興開発銀行(IBRD)、国際金融公社(IFC)、国際開発協会、アジア開発銀行、アジア開発基金、
米州開発銀行、特別運営基金、経済協力開発機構(OECD)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、シェンゲン協定、欧州
評議会、国際エネルギー協会、国際農業開発基金、アフリカ開発基金、アフリカ開発銀行及び欧州復興開発銀行
(EBRD)の加盟国である。オーストリアは、関税及び貿易に関する一般協定(GATT)の締結国である。オーストリ
アは1993年12月に終了したウルグアイ・ラウンドにも積極的に参加した。オーストリアは世界貿易機関(WTO)の
設立国の1つである。
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1994年6月12日、オーストリアの有権者は3分の2以上の賛成をもって欧州連合(EU)への加盟を承認した。
オーストリアは、1995年1月1日付でEUに加盟したが、引続き他のEU加盟国と同じく欧州経済地域(EEA)に加盟し
ている。EFTAへの加盟は両立しなくなった。
国際連合
平和維持活動への参加によって、オーストリアは国際平和及び安全保障を維持する国連の努力に大きく貢献して
いる。オーストリアは1960年に初めて国連コンゴ活動(ONUC)のために医療部隊を派遣して国連主導の活動に参加
した。その時以来、オーストリアは10万人を超える兵士、軍事監視要員、文民警察及び軍隊並びに民間専門家を世
界各地の50以上の平和維持活動に派遣した。
2019年5月には、オーストリア兵士1,028名が、国連安全保障理事会で認められた平和維持活動に従事してい
た。これには、キプロス(UNFICYP)、レバノン(UNIFIL)、西部サハラ(MINURSO)、マリ(MINUSMA)及び中東
(UNTSO)における国連主導活動、コソボ(KFOR)におけるNATO軍主導活動、ボスニア(EUFOR-Althea)、ジョー
ジア(EUMM)、マリ(EUTM)及び地中海(EUNAVFOR Med)におけるEU主導活動、OSCE(欧州安全保障協力機構)主
導のウクライナ派遣(SMMU)及びモルドバ派遣並びにアフガニスタン(RSM)における多国籍国際治安支援部隊が
含まれる。
平和維持及び紛争予防に加えて、国連の枠内でのオーストリアの協力は第一に人権、武力紛争における市民(特
に女性及び子供)の保護、法の支配並びに国際法のさらなる発展、軍備縮小、不拡散及び環境問題に焦点を合わせ
る。
次の表は、表示日現在のオーストリアが加盟している主要な国際金融機関の情報を示す。
下記日付
機関名 加盟年月日 出資割当額 割当比率 払込出資額
現在の情報
(%)
国際復興開発銀行
1948年8月27日 1,762,600,000米ドル 0.64 106,400,000米ドル 2018年6月30日
(IBRD)
国際通貨基金
1948年8月27日 3,932,000,000SDR(1) 0.83 3,932,000,000SDR(1) 2018年4月30日
(IMF)
国際金融公社
1956年9月28日 19,741,000米ドル 0.77 19,741,000米ドル 2018年6月30日
(IFC)
国際開発協会
1961年6月28日 3,627,840,000米ドル 1.35 3,627,840,000米ドル 2018年6月30日
(IDA)
アジア開発銀行
1966年9月29日 502,400,000米ドル 0.34 25,100,000米ドル 2018年12月31日
(ADB)
米州開発銀行
1977年10月1日 284,200,000米ドル 0.16 20,800,000米ドル 2018年12月31日
(IADB)
米州投資公社
1986年5月9日 8,910,000米ドル 0.58 8,910,000米ドル 2018年12月31日
(IIC)
国際農業開発銀行
1977年12月12日 108,584,000米ドル 1.36 108,584,000米ドル 2017年12月31日
(IFAD)
アフリカ開発基金
1981年12月30日 579,310,000 (1) 1.96 579,310,000SDR(1) 2017年12月31日
(AfDF)
アフリカ開発銀行
1983年3月30日 290,618,000SDR(1) 0.45 19,958,000SDR(1) 2017年12月31日
(AFDB)
欧州復興開発銀行
1991年3月28日 684,320,000ユーロ 2.30 142,730,000ユーロ 2018年12月31日
(EBRD)
欧州投資銀行
1995年1月1日 5,393,232,000ユーロ 2.22 481,036,000ユーロ 2018年12月31日
(EIB)
多国間投資保証機構
1997年12月16日 14,780,000米ドル 0.77 2,806,000米ドル 2018年6月30日
(MIGA)
地球環境ファシリティー
1991年8月2日 180,380,000SDR(1) 1.56 180,380,000SDR(1) 2017年12月31日
(GEF)
アジアインフラ投資銀行
2015年12月25日
500,800,000米ドル 0.53 100,200,000米ドル 2017年12月31日
(AIIB)
注(1)SDR計算単位。2017年12月31日現在1SDR=1.18747ユーロ。2018年4月30日現在1SDR=1.19055ユーロ。
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⑤ 経済
a)概要
オーストリア経済は高度に発達し、多様化している。製造業、鉱業、建設業、エネルギー産業及び水道事業を
含む工業は、2018年の粗付加価値(時価表示)の28.5%を占めていた。工業は、国内の電力、原材料資源によっ
て発展が促進されてきた。観光、農林業もまたオーストリア経済において重要な役割を果たしている。
b)経済における政府の役割
1946年に制定された第1次国有化法の下で、共和国経済における(当時の)3大商業銀行と主要企業の所有権
は共和国管轄になった。石炭、鉄鉱石、鉄鋼産業のすべて、並びに非鉄金属及び原油・天然ガス産業の大部分、
さらに多数の機械・運輸・電気機器・化学・化学製品製造会社が、国有化された。国有産業における共和国の所
有権管理は、オーストリア産業持株会社(「ÖIAG」)に帰属し、ÖIAGの株式は共和国により保有されていた。
1993年、ÖIAGはその所有する企業又は企業グループの民営化を開始した。その後ÖIAGは、証券取引所への株式
上場の成功を含め、多数の民営化取引を遂行した。2015年3月、ÖIAGは、有限責任会社に転換され、オーストリ
ア・ブンデス・ウント・インダストリベタイリグンゲンGmbH(Österreichische Bundes- und
Industriebeteiligungen GmbH、「ÖBIB」)と改称された。2019年2月20日より、ÖBIBは合資会社に転換され、社
名をオーストリア・ベタイリグングスAG(「ÖBAG」)に変更した。ÖBAGはオーストリア共和国により全額出資さ
れている。
ÖBAGは上場会社3社の持分を保有する:OMV AG(31.50%)、テレコム・オーストリアAG(28.42%)及びオー
ストリア・ポストAG(52.85%)。これらの保有について、
・OMV AGは石油及びガスの探査、開発及び精錬並びに肥料産業で使用する化学製品の生産に従事する。
・テレコム・オーストリアAGはオーストリア最大の電気通信グループであり、固定ネットワーク、携帯通信、
データ通信及びインターネット・サービスを提供する。
・オーストリア・ポストAGは主要な郵便配達サービス業者である。
さらに、ÖBAGはカジノ・オーストリアAG(33.24%)及びAPKペンシオンカッセAG(32.92%)の株式を所有
し、ブンデスイモビリエンゲゼルシャフトm.b.H(BIG)、清算中のフィナンツマルクトベタイリグングAGデ・ブ
ンデス(FIMBAG)、GKBベルクバウGmbH、IMIBイモビリエン・ウント・インダストリベタイリグンゲンGmbH及び
シューラー・ベレックマンGmbHの単独所有者である。ÖBAGはまた、オーストリア最大の電力会社であり、オース
トリア共和国が所有する、フェアブントAGの51.00%の株式も管理する。
1947年に制定された第2次国有化法により、電力事業が公的機関の支配下に入り、公益電力事業の調整・拡張
を計画する国有のオーストリア電力統合会社(フェアブントゲゼルシャフト、「フェアブント」)が設立され
た。1988年には、政府はオーストリア電力統合会社の株式資本の49%を民有化した。
フェアブントはヨーロッパ有数の水力発電会社である。2018年、フェアブントの発電量の92%が気候に優し
い、再生可能な水力から得られていた。発電に関連して、水力は多くの長所を持つ:再生可能、クリーン、信頼
に足り、かつ柔軟である。水力はまた再生可能エネルギーの中で最も費用効率の良い形態の発電の1つである。
新しい再生可能エネルギー源(風力及び太陽光発電)と異なり、大規模水力発電は既に財政支援なしに運営して
いる。今日蔓延する厳しい市場環境の中で、フェアブントの強固な水力発電基盤は競争上絶対的な強みである。
2018年、フェアブントの水力による電力は、92の流れ込み式水力発電所及び22の揚水発電所からのものであっ
た。フェアブントはまた、Ennskraftwerke AG が所有する14の流れ込み式水力発電所の購入権も保有していた。
2018年12月31日現在、水力発電の最大発電能力(持続運転による最大能力)は8,215MWであった。エネルギー能
力の中央値(これまでの水量に基づき計算された水力発電所の平均潜在発電量)は、29,039GWhであった。
フェアブントは、その電力をオーストリア国内及び国外の消費者、卸売業者及びトレーダーに販売する。2018
年、フェアブントが販売した電力の約49%はオーストリア市場向けであった。ドイツ市場が国際的な取引及び販
売活動の中心であり、海外で販売される量全体の86%を占めた。
フェアブントは、子会社であるオーストリア電力送電網AG(「APG」)とともに、3,432キロメートルの長さの
オーストリアの高圧送電網を運営する。オーストリアの高圧送電網は欧州において重要な役割を果たす。オース
トリアの高圧送電網はヨーロッパの最も重要な電力ハブの1つであり、西欧市場と東欧市場及び北欧市場と南欧
市場を接続する。APGは、EUが要求する、送電からの発電、取引及び販売の分離を完了して、2012年3月に独立
送電システム運営業者としてE-コントロール・オーストリアにより認められた。
2018年、フェアブントの収益は28億4,790万ユーロ、営業利益は6億5,510万ユーロ、グループ純利益は4億
3,320万ユーロであり、2,742人を雇用していた。
オーストリア連邦鉄道(Österreichische Bundesbahnen)は、国有企業であり、実質的にはオーストリアのす
べての鉄道、並びにバス、船舶及びケーブルカーを運営している。国有のオーストリア・ラジオ放送
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(Österreichische Rundfunk)は、同国のラジオ及びテレビ放送網を運営しており、独立した監督機関により管
理されている。
国有企業はすべて、独立した商業ベースの企業として運営されており、税の軽減による優遇は受けていない。
国有企業の業績は、共和国に配当が支払われる場合に限り、共和国の歳入・歳出に反映される。
c)海外直接投資
海外直接対内投資額は、2017年の11.7%の増加の後、2018年は13.4%の減少であった。海外直接対内投資はそ
の大部分がEU加盟国28か国(55.9%)からのものであったが、この割合は過去10年間(2008年:70.6%)で低下
してきている。2018年の最大の投資国は、ドイツ及びロシアであった。
すべての欧州諸国を合計すると、海外直接対内投資の76.1%を占めた。EU以外の欧州諸国でオーストリアへの
最も重要な投資国はロシア(13.9%)及びスイス(5.5%)であった。海外では、米国がオーストリアに対する
単独で最も重要な投資国で、直接対内投資全体の7.9%を占めた。さらにアラブ首長国連邦は直接対内投資の
5.2%を占め、またカナダ、香港及び日本はそれぞれ2.4%、1.5%及び1.4%のシェアを占めた。
部門ごとでは、銀行及び保険業務(プラス27.1%)及び貿易(プラス7.8%)が2018年の海外直接投資全体の
13.4%の増加の最大の要因であった。サービス部門への投資は、2018年の海外直接対内投資の91.1%を占め、製
造業部門への海外直接対内投資よりはるかに大きかった。外国投資家は、主に専門的・科学的及び技術的サービ
ス(54.1%)、銀行及び保険業務(14.9%)並びに貿易(11.7%)に投資を行ってきた。外国企業が大きな持分
を取得している重要な製造業は、化学工業(2018年の海外直接投資総額の2.2%を占めた。)及び輸送機器製造
(2018年の海外直接投資総額の2.0%を占めた。)であった。
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d)国内総生産
次の表は、2014年から2018年までのオーストリアの主要部門別国内総生産(「GDP」)を示す。2018年のGDP
(時価表示)は合計3,861億ユーロであり、2017年比4.4%の増加となっている。2018年に実質GDP(基準年:
2010年)は合計3,357億ユーロで、2017年比2.7%の増加であった。2018年のGDPの増加は、国内需要及び輸出が
牽引した。
(1)
国内総生産
2018年の粗
付加価値合
計に占める
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 割合(%)
(単位:10億ユーロ、時価表示)
農林漁業 4.0 3.9 4.0 4.4 4.5 1.3
工業:
鉱業及び採石業 1.4 1.1 1.0 1.1 1.2 0.3
製造業 55.2 57.5 59.5 61.5 63.9 18.5
電気、ガス及び水道、廃棄物処
9.0 8.9 9.3 9.8 10.9 3.1
理
19.0 19.2 19.9 21.0 22.2 6.4
建設業
工業合計
84.5 86.7 89.8 93.5 98.2 28.5
サービス業:
卸売及び小売 36.6 37.5 38.2 39.8 41.0 11.9
運輸及び倉庫 16.8 17.4 18.0 18.4 19.1 5.5
ホテル及びレストラン 15.1 15.7 16.7 17.3 18.7 5.4
情報及び通信 10.4 10.7 11.3 11.7 12.0 3.5
金融及び保険業 13.0 13.5 13.1 13.3 13.7 4.0
不動産業 28.7 29.9 31.1 32.5 34.5 10.0
その他ビジネス・サービス 28.0 29.2 30.8 32.2 31.1 9.9
(2)
51.6 53.7 55.8 57.5 59.6 17.3
行政
8.5 8.8 8.9 9.1 9.4 2.7
その他サービス業
サービス業合計
208.7 216.5 223.9 232.0 242.1 70.2
297.2 307.0 317.6 329.9 344.8 100.0
粗付加価値合計
税(製品補助金控除) 35.9 37.2 38.6 40.0 41.3
国内総生産金額 333.1 344.3 356.2 369.9 386.1
(3)
308.7 312.3 318.6 326.7 335.7
量
対前年度比国内総生産変動率
金額 2.9% 3.3% 3.5% 3.8% 4.4%
(3)
0.7% 1.1% 2.0% 2.6% 2.7%
量
資料出所:WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)欧州国民経済計算体系(ESA)2010年基準。四捨五入のため合計は必ずしも一致しない。
(2)防衛、社会保障、教育、健康及び社会福祉事業を含む。
(3)2010年を基準年とする。
これらのGDPの結果は、2014年9月に法的拘束力を持つようになった、2010年版欧州国民経済計算体系
(「ESA2010」)に基づいている。ESA2010は、欧州連合の全ての加盟国について、データを国際水準で比較可能
とするために、国民経済計算の編集にどの概念、定義及び計算規則を適用されなければならないかを定める。
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国内支出
次の表は、2014年から2018年までの各年につき、国内支出向け財貨及びサービスの合計並びにそれらに対する
支出合計を時価表示で示したものである。
(1)
国内支出
2018年国内
総生産に占
める割合
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 (%)
(単位:10億ユーロ、時価表示)
国内総生産 333.1 344.3 356.2 369.9 386.1 100.0
167.0 169.9 173.3 187.3 196.7 51.0
加算:輸入
総需要
500.1 514.1 529.6 557.2 582.8 151.0
177.9 182.8 186.5 198.8 210.6 54.5
控除:輸出
国内需要合計 322.3 331.3 343.1 358.5 372.2 96.4
国内支出:
消費支出:
(2)
177.9 181.4 186.4 192.3 199.5 51.7
家計
66.0 68.0 70.3 72.3 74.1 19.2
一般政府
最終消費支出
243.9 249.4 256.6 264.7 273.6 70.9
投資:
(3)
23.8 25.0 27.9 29.4 30.6 7.9
機械、設備
建設 35.8 36.4 37.2 39.4 41.9 10.9
(4)
15.9 16.7 17.6 18.6 19.7 5.1
その他投資
総固定資本形成
75.5 78.1 82.7 87.4 92.2 23.9
(5)
2.9 3.8 3.9 5.6 5.6 1.4
在庫変動
総資本形成
78.4 82.0 86.7 93.0 97.8 25.3
0.0 0.0 -0.2 0.8 0.8 0.2
総計誤差
国内最終支出合計
322.3 331.3 343.1 358.5 372.2 96.4
資料出所:WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)ESA2010年基準。四捨五入のため合計は必ずしも一致しない。
(2)家計に関する非営利団体を含む。
(3)武器を含む。
(4)知的財産製品及び培養生物製剤資源を含む。
(5)処分価値を差引いた取得分を含む。
e)産業構造及び主要産業の状況
2018年に、オーストリア経済において工業部門は時価による粗付加価値の28.5%、サービス業部門は約70.2%
を占めた。同年、農林業部門は1.3%を占めた。
農林業
オーストリアの国土の約半分は、農業と牧畜に使用されている。国内農産物は、国内で消費される全食糧のお
よそ90%を賄っている。2018年、家畜生産量(例えば、牧畜及び酪農)は、農業総生産の約46%を占めた。
オーストリアは、ヨーロッパにおける大森林地帯の1つを有する。その国土の約44%、すなわち約14,200平方
マイルが森林である。紙、板紙、パルプを含む木材及び林産物の輸出は、2018年のオーストリアの輸出額の
6.1%を占めた。
2018年には、平均約15万3,000人が農林業に従事していたが、これはオーストリア全労働力人口の3.9%に当た
る。
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工業
製造業は2018年の粗付加価値の18.5%を占めた。従って、オーストリアのGDPに占める製造業の割合はEU加盟
国の平均より高い。EU(28か国)の製造業生産高に占めるオーストリアの割合は、2006年から2018年で、2.6%
から2.8%へ増加した。雇用者1人当たりの粗付加価値は2016年にEU28か国内で6番目に高かった。
GDPへの貢献の面からは、2018年の製造業の中では依然として機械及び設備が最大の部門であり、金属及び金
属製品がそれに続いた。オーストリアの輸出産業に貢献した主要な部門は、自動車産業、機械産業及び卑金属製
品産業である。オーストリアの製造業における輸出の強さは際だっている。2018年、輸出の約21%がヨーロッパ
以外(主としてアジア及びアメリカ)の諸国向けであったが、EU諸国が依然としてオーストリアの主たる輸出先
であり、オーストリア輸出のおよそ70%を占めた。2018年のGDPの3.17%に達する研究開発支出は、EUの平均レ
ベル以上であった。
2018年には、平均261,400人が建設業に従事していたが、これはオーストリアの賃金・給与所得者の7.1%を占
めた。建設業は、2018年の粗付加価値の6.4%を占めた。
観光業
オーストリアの観光業は、夏冬シーズン共にピークを持つ1年を通しての目的地であることから利益を享受し
ている。多数の海外からの観光客に加えて国内観光客も、オーストリアの多面的な自然及び景観並びに芸術や科
学の豊かな伝統に魅了されている。
2018年の宿泊延べ日数合計は1億4,980万日であり、前年と比較して3.7%の増加であった。国内観光客が宿泊
日数合計の26.3%(3,940万日に相当する。2.2%の増加)を占め、他方非居住者観光客の割合は73.7%(1億
1,040万日に相当する。2017年対比4.2%増加)であった。海外からの宿泊需要における相対的に高い伸びは、ウ
クライナ(プラス24.2%)、台湾(プラス18.6%)、アイルランド(プラス13.3%)、東南アジア(プラス
11.0%)、ブルガリア(プラス10.7%)、イスラエル(プラス10.4%)、中国(プラス10.1%)、スロバキア(プラ
ス9.3%)、ハンガリー(プラス9.1%)、インド(プラス8.3%)、チェコ共和国(プラス8.2%)、米国(プラ
ス8.0%)、スペイン(プラス7.0%)、サウジアラビア(プラス6.9%)、ポーランド(プラス6.8%)、カナダ
(プラス6.7%)、ルーマニア(プラス6.6%)、スロベニア(プラス6.1%)及び日本(プラス5.8%)からの訪
問客により生み出された。全部を合わせて、これらの国々の海外からの宿泊需要の合計において15.9%の市場占
有率である。オーストリアの最重要市場であるドイツ(宿泊日数プラス5.1%、市場占有率51.0%)も平均以上
の伸びであったが、オランダからの観光客の宿泊数は控えめな増加であった(プラス2.8%、市場占有率
9.1%)。オーストリア向け観光客のその他の重要な出発国を考慮すると、2018年にはロシア(プラス4.4%)、
英国及びベルギー(それぞれプラス1.6%)からの訪問客の宿泊日数が増えた。スウェーデン(マイナス0.2%)
及びフランス(マイナス0.4%)からの需要は安定していた。デンマーク、イタリア及びスイスからの宿泊日数
はわずかに減少した(マイナス1.1%からマイナス1.7%)。
EU28か国の中の名目観光輸出に基づくと、2018年にオーストリアは4.57%(2017年:4.61%)の市場シェアを
達成した。
次の表は、オーストリアに宿泊した外国人観光客の宿泊延べ日数及びそこから得られた国際観光収益を示した
ものである。
外国人宿泊延べ日数及び外貨獲得高
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
外国人宿泊延べ日数(単位:千日)
96,233 98,824 102,863 105,977 110,430
(1)
17,446 18,355 18,963 19,950 21,127
国際観光収益 (単位:百万ユーロ)
資料出所:WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)国際輸送を含む。
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銀行、保険、不動産及びビジネス・サービス
欧州連合の単一市場制度によりオーストリア国内の金融業の競争が激しくなり、一連の吸収合併をもたらし
た。自動化及びインターネット・バンキングの幅広い利用は、調整のペースを加速した。その結果、銀行の数
は、2000年の923行から2018年には597行となり、支店数は917店舗減少した。2018年半ばまでに、オーストリア
の銀行の中央、東部及び南東部ヨーロッパ(「CESEE」)に対するエクスポージャー(与信)総額は、国際決済
銀行によれば、2,180億ユーロであり、オーストリアのGDPの59%に達した。データ収集の方法調整のために、以
前の数字との比較可能性は限定的である。2018年にオーストリア銀行の収益性は悪化した。2018年の通年の推計
は営業利益がマイナス7.3%ほど減少することを示した。純利息収入及び手数料収入の穏やかな増加は、投資収
入の低下及び大幅なコスト増により相殺された。資産合計と比較したオーストリアの銀行の収益性についての
2018年度中間期の数値は0.8%で、欧州連合の平均を約70%上回る。したがって、オーストリアの銀行は統合
Tier 1レシオを15.5%(2018年度第3四半期)(2017年度第3四半期は15.3%であった。)へと改善させること
に成功した。
保険業における低成長の時期は、2018年度も継続した。仮集計の数字に基づくと、総保険料収入は1.2%増加
した。非生命保険事業の健全な成長(プラス3.5%)にも関わらず、低金利及び高い流動性選好が依然として生
命保険事業の減少(マイナス3.6%)をもたらした。固定金利資産の低利回りを考えると、民間の家計は、比較
的長い満期かつ満期前解約の場合高い解約費用を持つ生命保険契約に大きな資金を投じることを依然として躊躇
している。加えて、保険会社は、支払能力の資本要件に関する旧来型の生命保険契約に組み込まれた保証の結果
について懸念している。これは、1件あたりの保険料支払いをさらに15%減少させる結果となった。この部門の
収益性は、金融資産の利回りが高いことよりむしろより技術的結果の改善に依存する。2018年の非生命保険事業
の請求率は62.1%で、過去最低水準(2016年:63.3%)を1.2パーセンテージポイント下回った。
2018年、金融及び保険業務は、オーストリアの粗付加価値(時価表示)の4.0%を占めた。
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f)エネルギー
次の表は、2014年から2017年までの各年度のオーストリアの主要エネルギーの国内生産及び消費並びに国内生
産の消費に対する割合を示すものである。
主要エネルギーの国内生産及び消費
2014年 2015年 2016年 2017年
(単位:テラジュール)
国内第一次生産:
電力 0 0 0 0
石油及び石油製品 41,475 37,174 33,661 31,225
天然ガス 45,265 43,205 40,407 43,665
石炭、コークス及び亜炭 ▶ ▶ 0 0
(1)
428,738 424,802 440,191 441,047
再生可能エネルギー
(2)
515,483 505,186 514,258 515,936
合計
(3)
国内総消費 :
電力 197,696 190,536 192,204 189,933
石油及び石油製品 500,299 501,483 512,744 514,997
天然ガス 269,816 287,699 298,001 325,584
石炭、コークス及び亜炭 125,624 135,769 125,927 130,507
(1)
284,091 287,644 285,142 280,833
再生可能エネルギー
(2)
1,377,526 1,403,131 1,414,018 1,441,854
合計
国内消費総量に対する本来の第一次生産の比率
37.4 36.0 36.4 35.8
(%)
資料出所:WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)水力、風力及び太陽光発電、廃物、薪、バイオ燃料、周囲熱など
(2)四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
(3)生産業者、仲介業者、輸入業者の在庫品の変動及び諸外国との輸出入が反映されている。ただし最終消費者の在庫
品の変動は除外してある。
国内エネルギー総消費の石油、石油製品及び水力発電への依存度が安定している一方で、天然ガス及び再生可
能エネルギー(バイオマスを含む。)の利用が伸びている。あまり遠くない将来、オーストリアはその需要を満
たすためにかなりの量の電力及び再生可能以外のエネルギーの継続的輸入を必要とするであろう。
2017年、オーストリアは74万2,000トンの原油(液化天然ガスを含む。)を生産し、これは実際の製油所摂取
量の9.2%に達した。天然ガスの国内産出量は天然ガス総消費量の13.4%であった。地質学調査によると、2017
年末現在のオーストリアの天然ガス(不活性ガスを除く。)の(利用可能性のある)埋蔵量は8.3億立方メート
ルであり、原油の埋蔵量は610万トンであった。OMV AG(「OMV」、元オーストリア石油管理株式会社)は、オー
ストリア国内の探査・採掘活動の大部分を担う一貫生産能力をもつ石油化学会社であり、ウィーンに近いシュ
ヴェハト地域にオーストリア唯一の製油所を有し、その運営にあたっている。OMVは国が一部を(間接的に)所
有する。外資系企業が、オーストリアにおける石油製品市場において大半のシェアを占めている。
2018年、オーストリアは2017年より水力発電量が2.2%減少し、風力ベースの発電は9.9%減少した(国内発電
量の合計は2017年対比マイナス3.7%)。オーストリアは依然として電力の純輸入国(総電力の純輸入量は2010
年と比較して3倍以上であった。)であった。国民投票により1978年以来、オーストリアの法律は原子力をエネ
ルギー源として使用することを禁じている。
2018年における輸入エネルギー支出は、オーストリアの国内総生産の3.3%を占めた。2018年、カザフスタ
ン、リビア、イラン、アゼルバイジャン及びイラクが、オーストリアに対する主な原油の供給国であった。同
年、全天然ガス輸入の77.8%はロシアから、16.1%はドイツからであった(価格ベース)。他方、「トロール・
ガス販売契約」によるノルウェーからのガス輸入のシェアはわずか0.2%であった。石炭及びコークスは、主に
ポーランドから輸入されていた。
天然ガス供給のおよそ3分の2というオーストリアのロシアへの依存は、オーストリアを供給の中断及びガス
価格の上昇の危険にさらす。これはオーストリアの産業及び人口の大部分(電力及び暖房に関して天然ガスに依
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存している。)に悪影響を与える可能性がある。国際紛争及び自然災害等の様々な事象はロシアからの天然ガス
供給の中断につながるかもしれない。例えば、2009年1月初頭、ロシアとウクライナ(ロシアとオーストリアの
間 のガス・パイプラインの通過国である。)の紛争の結果、ロシアのオーストリアへのガス供給がおよそ2週間
最大で90%減少した。短期的な供給中断に対処するために、RAG Rohöl-Aufsuchungs Aktiengesellschaft(オー
ストリアの天然ガス貯蔵業者)は、天然ガスの貯蔵量を増やした。さらに、オーストリア当局は、大手産業ガス
消費者(ガス火力発電所など)に供給中断の場合はガスの消費を減らすように求める規則を発行した。
g)物価の動向
長年にわたり、オーストリアの物価上昇率は落着いていた。2018年、物価上昇率(消費者物価指数上昇率)は
2.1%であり、これはEUの平均値より高かった。
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
消費者物価(統合消費者物価)
(2010年=100) 110.0 110.9 112.0 114.5 116.9
前年比上昇率 +1.5% +0.8% +1.0% +2.2% +2.1%
卸売物価
(2010年=100) 107.6 103.6 101.2 105.9 110.3
前年比上昇率
-1.9% -3.6% -2.4% +4.7% +4.2%
資料出所:WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、マクロボンド
h)労働情勢
2018年におけるオーストリアの平均就労可能人口(15歳から65歳までの男性及び15歳から60歳までの女性)
は、約560万人と推定され、オーストリアの労働人口(賃金・給与所得者、自営業者及び失業者)は460万人と推
定された。
近年、オーストリアは相当数の外人労働者を雇用してきた。その平均人数は、2018年には被雇用者数の20.1%
に当たるおよそ80万人となった。外人労働者の約20%は旧ユーゴスラビア諸国人(スロベニア及びクロアチアを
除く。)であり、労働者の41%が中欧及び東欧8か国(ブルガリア、チェコ共和国、ハンガリー、ポーランド、
ルーマニア、スロベニア、クロアチア及びスロバキア)からであり、約14%がドイツ人で、約8%がトルコ人で
あった。
賃金・給与所得者、自営業者及び失業者総数に占める割合としての失業率(EU統計局(ユーロスタット)労働
力調査による)は2017年に5.5%であった。2018年の平均失業者数は約22万人で、労働人口の4.9%を占めた。
以下の表は、2014年から2018年までの各年の失業率と賃金の増加に関する情報を示したものである。
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
失業率(ユーロスタット労働力調査によ
5.6% 5.7% 6.0% 5.5% 4.9%
る)
協定賃金の上昇率
+2.4% +2.2% +1.6% +1.5% +2.6%
資料出所:ユーロスタット、WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
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2018年、被雇用者人口総数の大半(73.9%)が、第三次産業の職に就いている。その他の21.8%が第二次産業
で、4.3%が第一次産業に従事していた。
以下の表は2014年から2018年の雇用に関する一定の情報を示す。
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(雇用総数に占める割合(%))
第一次産業 5.3 5.0 4.9 4.7 4.3
第二次産業 21.8 21.7 21.5 21.5 21.8
第三次産業
72.9 73.4 73.6 73.8 73.9
資料出所:WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond-国民計算の定義(jobs)による雇用
就業率は年齢及び性別で異なる。15歳から24歳の年齢グループにおいて、2018年中、51.3%が働いていた。こ
れは国際比較においてもかなり高く、オーストリアの一般的な見習い制度による。男性と女性を分けて見ると、
雇用においては性別の相違はかなり低いことがわかる。2018年において、15歳から24歳のグループでは男性の
53.9%及び女性の48.7%が雇用されていた。25歳から49歳では、男性の就業率は88.2%、女性の就業率は81.2%
であった(2018年)。就業において性別による大きな差異が見られるのは50歳から64歳のグループであり、これ
は主に男性と女性の退職年齢の相違によるものである。50歳から64歳の男性の就業率は72.0%であり、女性の就
業率は58.6%であった(2018年)。
以下の表は、2014年から2018年までの年齢及び性別による就業率(%)を示す。
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
性別 年齢
52.1 51.3 51.0 50.6 51.3
合計 15歳から24歳
71.1 71.1 71.5 72.2 73.0
合計 15歳から64歳
62.8 63.1 63.6 64.2 64.9
合計 15歳から74歳
84.0 83.9 84.0 84.2 84.7
合計 25歳から49歳
59.4 60.2 61.9 63.7 65.2
合計 50歳から64歳
54.3 54.0 52.9 52.1 53.9
男性 15歳から24歳
75.2 75.1 75.4 76.2 77.4
男性 15歳から64歳
67.2 67.3 67.7 68.4 69.6
男性 15歳から74歳
87.1 87.1 87.0 87.3 88.2
男性 25歳から49歳
66.2 66.4 68.3 70.5 72.0
男性 50歳から64歳
49.9 48.7 49.0 49.0 48.7
女性 15歳から24歳
66.9 67.1 67.7 68.2 68.6
女性 15歳から64歳
58.5 58.9 59.5 60.0 60.3
女性 15歳から74歳
80.8 80.8 80.9 81.2 81.2
女性 25歳から49歳
52.7 54.1 55.7 57.0 58.6
女性 50歳から64歳
資料出所:ユーロスタット、Macrobond、WIFO(オーストリア経済調査研究所)-労働力調査(個人)に基づくデー
タ
i)社会保障制度
オーストリアの社会保障制度は、保健、出産、身体障害及び老齢手当、労働災害補償、家族手当、補足退職・
福利厚生制度、失業手当、その他多くの社会サービス及び給付からなっている。2018年、オーストリア人口の
99.9%は社会保障制度の主要部分である医療保険(オーストリア社会保障機構、2019年)に加入していた。社会
保障給付は被雇用者及び雇用者からの現在の拠出金と、連邦政府予算からの現在の割当から支払われている。
ESSPROS(欧州統合社会的保護統計体系)によると、2017年のGDPに占める社会保障支出の比率は29.4%であっ
た。2017年において社会保障支出の44.3%が老齢年金、5.7%が遺族年金のために使用され、26.0%が医療及び
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疾病に支出され、9.5%が家族手当、6.2%が障害者、5.8%が失業保険及び2.5%が住宅及び社会的共生に使用さ
れた。
オーストリアにおける、雇用者、自営業者及び有給農業従事者向け法定年金制度は、老齢年金、遺族年金及び
障害者年金から成る。第1の柱は収入に関連する賦課方式の制度である。職業及び民間の第2及び第3の柱は全
体的な給付の中では限定的な役割をもつ。2016年において高齢者収入の約89.2%が第1の柱からであり、4.5%
が第2、6.3%が第3の柱からもたらされた。現在の法定の退職年齢は男性については65歳、女性については60
歳であり、2024年から2033年の間に0.5歳ずつ段階的に引き上げられる。
この10年間で、保険計算を強化し、特定の種類の早期退職制度の廃止を通じて早期退職を削減し、退職年齢を
引き上げ、さらに早期退職の毎年の控除を増加させるという目的で、大規模な年金制度改革がオーストリア議会
において成立した。早期退職の控除の範囲は、重労働者については1年につき1.8%及び長期保険加入者につい
ては5.1%である。最大の交換率は、平均生涯賃金総額の80.1%であり、これは保険期間45年の後に発生し、そ
の結果有給雇用の各年が年金給付について1.78%と計算される。この改革の結果、退職時の総額交換率は、2016
年と2020年の間で1.6パーセンテージ・ポイント低下し、42.7%である(欧州委員会、2018年)。
労働市場から障害者年金への早期移行による代替を避けるために、障害者年金制度にも改革が行われた。1964
年より後に出生した者は、2014年1月から、期限付き障害者年金の利用ができない。この改革は、リハビリテー
ション・プログラム、スキルの向上など、この種類の労働者を労働力に再統合するための一連の方策を伴ってい
る。
全体として、この改革はプラスの効果があった。平均退職年齢は2012年60.8歳から2018年の61.7歳(老齢年
金)及び2012年の52.5歳から2018年の54.1歳(障害者年金)であった(オーストリア社会保障機構、2019年)。
就業率もまた、特に55歳から59歳の女性が上昇(2012年の48.1%から2018年の67.7%)しており、55歳から65歳
の男性も上昇(2012年の46.5%から2018年の60.4%)した。
オーストリアの「年金制度の長期持続性に関する委員会」による、最も直近の2016年から2021年の年金予測に
よれば、年金支出は2016年のGDPの11.4%から2021年にはGDPの11.7%へと上昇する。2016年、GDPに対する年金
支出の2.5%が連邦予算により賄われたが、2021年までにこれはGDPの2.9%に上昇するであろう。最近の年金改
革は、年金支出の増加を鈍化させた。費用削減の効果は、ベビーブーマーが年金受給年齢に到達するという事実
により一部相殺された。
⑥ 貿易及び国際収支
a)貿易の概要
1995年1月1日付でオーストリアはEUに加盟し、それ以来、EU統合深化の全ての段階に参加しており、かつEU
拡大プロセスに参加した。過去20年間にわたり、外国貿易はオーストリア経済の中での重要性を増してきた。
2018年、時価による財貨輸出(1,500億ユーロ)はGDPの38.9%に相当したが、これに対して1995年は23.9%で
あった。オーストリアの財貨輸出は、2017年の8.2%増加及び2012年以来の穏やかな成長率の後、2018年には
5.7%の増加であった。2018年に財貨輸入は2017年に比較して5.5%増加し、時価で1,557億ユーロに達した。GDP
に占める輸入の割合は27.5%(1995年)から40.3%(2018年)に上昇した。オーストリアの貿易収支は(外国貿
易統計による。サービスを除く)57億900万ユーロの赤字であり、これは2017年と比較して1億600万ユーロの悪
化を反映した。
次の表は、2014年から2018年までの各年のオーストリアの財貨の輸出入を示すものである。これは、下記の価
格指数と合わせて考慮されるべきである。
(1)
外国貿易
輸出 輸入 輸入に対する
年 貿易収支
(F.O.B.) (C.I.F.) 輸出の割合
(単位:百万ユーロ) (%)
2014 128,106 129,847 -1,741 98.7
2015 131,538 133,529 -1,991 98.5
2016 131,125 135,667 -4,542 96.7
2017 141,940 147,542 -5,603 96.2
2018 150,004
155,713 -5,709 96.3
資料出所:オーストリア統計局、WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)財貨の移動に基づく。
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2018年中、オーストリアの外国貿易の約70%がEU加盟国との間で行われていた。2012年以降EU28か国への輸出
が穏やかに成長した後、オーストリアのEU28か国への輸出は2017年における8.7%の成長の後、2018年には5.9%
の 成長であった。輸出の30.2%及び輸入の35.8%を占めるドイツが、オーストリアの最重要貿易相手国である。
2018年、ドイツへの輸出は5.6%増加したが、ドイツからの輸入は2017年と比較して2.3%の伸びであった。一般
的に、オーストリアの国際貿易関係は依然として、欧州共同市場の中に著しく集中している。特にEU13か国
(2004年以降の新加盟国)とのオーストリアの貿易関係は、輸出合計の18.1%及び輸入合計の15.3%を占める。
2018年、EU15か国(2003年12月31日時点でのEU加盟国)及びユーロ地域への輸出がそれぞれ、5.3%及び5.4%拡
大し、EU13か国への輸出は7.5%増加した。さらに、EU(欧州連合)以外の諸国への輸出は、全体で5.3%の増加
であった。米国への輸出(プラス9.7%)が力強く増加した。米国への輸出の割合は輸出総額の7.1%であり、米
国は依然としてオーストリアの2番目に重要な貿易相手国である。輸出総額の2.7%を占めて、中国は、オース
トリアの輸出相手国の第10位にランクされ、2018年に名目価値は9.7%も増加した。機械及び輸送機器の輸出が
オーストリアの輸出の中で群を抜いて最も重要な製品グループであり、2018年に6.2%増加した。
以下の表は、輸出入の量、輸出入価格並びにオーストリアの交易条件(すなわち輸出財貨の価格の輸入財貨の
価格に対する関係)を示すものである。
(1)
貿易指数
(2010年=100)
輸出(F.O.B.) 輸入(C.I.F.)
(2)
年
価格指数 量指数 価格指数 量指数
交易条件
2014 103.0 113.7 105.4 108.4 97.7
2015 101.9 118.0 102.6 114.5 99.3
2016 100.8 118.9 100.8 118.5 100.1
2017 102.6 126.5 104.0 124.8 98.7
2018 103.7
132.2 106.4 128.8 97.5
資料出所:オーストリア統計局、WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)財貨の移動に基づくものである。
(2)輸出価格指数を輸入価格指数で除し、パーセントで示す。
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次の表は、2014年から2018年までの各年におけるオーストリアの輸出入の品目別構成を要約したものである。
(1)
品目別輸出入
(単位:百万ユーロ)
2018年割合
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(%)
輸出(F.O.B.)
食品・家畜 7,412 7,426 7,558 7,964 8,089 5.4
飲料・タバコ製品 1,680 1,990 2,099 2,332 2,559 1.7
原材料(食品・燃料を除く) 3,813 3,944 4,133 4,480 4,864 3.2
鉱物燃料・潤滑油及び関連材
料 3,059 2,570 2,212 2,785 3,269 2.2
動植物油脂 184 164 217 228 240 0.2
化学及び関連製品 17,795 17,914 17,731 19,842 19,897 13.3
(2)
製造品
28,150 28,790 28,156 30,920 32,919 21.9
機械・輸送機器 50,014 52,384 52,592 56,696 60,214 40.1
15,999 16,356 16,428 16,692 17,952 12.0
その他の加工品
(3)
輸出合計
128,106 131,538 131,125 141,940 150,004 100.0
輸入(C.I.F.)
食品・家畜 8,656 9,010 9,219 9,733 9,779 6.3
飲料・タバコ製品 833 810 879 863 962 0.6
原材料(食品・燃料を除く) 5,741 5,594 5,331 5,914 6,392 4.1
鉱物燃料・潤滑油及び関連材
料 13,010 10,524 8,924 10,701 12,752 8.2
動植物油脂 369 374 411 434 406 0.3
化学及び関連製品 17,647 18,387 18,652 20,273 21,190 13.6
(2)
製造品
20,093 20,993 21,196 23,383 24,975 16.0
機械・輸送機器 42,907 45,522 48,444 52,499 54,706 35.1
20,590 22,316 22,613 23,743 24,552 15.8
その他の加工品
(3)
輸入合計
129,847 133,529 135,667 147,542 155,713 100.0
資料出所:オーストリア統計局、WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)財貨の移動に基づくものである。
(2)中間製品、最終品。
(3)四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
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次の表は、2014年から2018年までの各年のオーストリアの輸出入の地域別構成を示したものである。
(1)
地域別輸出入
(単位:百万ユーロ)
2018年割合
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(%)
輸出(F.O.B.)
(2)
EU諸国
ドイツ 38,082 39,477 40,055 42,864 45,258 30.2
イタリア 8,237 8,259 8,373 9,103 9,774 6.5
英国 3,943 4,179 4,103 3,905 4,187 2.8
チェコ共和国 4,355 4,727 4,790 5,267 5,540 3.7
ハンガリー 4,290 4,318 4,381 4,823 5,106 3.4
29,281 29,873 29,468 33,107 35,007 23.3
その他のEU諸国
EU諸国合計 88,187 90,833 91,169 99,069 104,872 69.9
その他諸国
スイス 6,686 7,121 7,165 7,002 7,013 4.7
ロシア連邦 3,194 1,978 1,882 2,185 2,105 1.4
その他東ヨーロッパ諸国
(3)
1,878 1,693 1,802 1,986 2,050 1.4
アメリカ合衆国 7,781 9,083 8,727 9,661 10,602 7.1
日本 1,331 1,350 1,332 1,382 1,529 1.0
中国 3,380 3,305 3,313 3,699 4,058 2.7
15,670 16,176 15,734 16,956 17,775 11.8
その他のすべての国
(4)
輸出合計
128,106 131,538 131,125 141,940 150,004 100.0
輸入(C.I.F.)
(2)
EU諸国
ドイツ 48,543 49,244 50,414 54,399 55,671 35.8
イタリア 8,033 8,200 8,394 9,088 9,858 6.3
英国 2,306 2,446 2,697 2,468 2,862 1.8
チェコ共和国 5,405 5,577 5,866 6,350 6,698 4.3
ハンガリー 3,824 3,457 3,521 3,958 4,202 2.7
24,373 25,103 26,026 28,284 30,676 19.7
その他のEU諸国
EU諸国合計 92,485 94,027 96,917 104,548 109,967 70.6
その他諸国
スイス 6,633 7,498 7,103 7,625 6,799 4.4
ロシア連邦 2,295 2,436 2,463 2,765 3,291 2.1
その他東ヨーロッパ諸国
(3)
1,557 1,490 1,550 1,871 2,016 1.3
アメリカ合衆国 4,404 5,255 5,002 5,813 5,983 3.8
日本 1,746 1,867 1,973 2,149 2,243 1.4
中国 7,323 7,957 7,972 8,505 9,123 5.9
13,404 12,999 12,687 14,266 16,292 10.5
その他のすべての国
(4)
輸入合計
129,847 133,529 135,667 147,542 155,713 100.0
資料出所:オーストリア統計局、WDS-WIFO(オーストリア経済調査研究所)データシステム、Macrobond
注(1)財貨の移動に基づく。
(2)EUはオーストリア、ベルギー、ブルガリア、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、
フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ル
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クセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア共和国、スロベニア、スペ
イン、スウェーデン及び英国から構成されている。
(3)アルバニア、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、マケドニア、モルドバ、モンテネグロ、セルビ
ア、ウクライナ。
(4)四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
b)国際収支
以下の表は、2014年から2018年のオーストリアの諸外国との国際収支及びオーストリアの中央銀行であるオー
ストリア国立銀行の公的外貨準備高を示す。
(1)
国際収支
(単位:百万ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
経常収支 8,242 5,940 8,824 7,217 8,987
貿易収支 836 2,276 1,881 871 4,487
輸出 126,107 129,182 130,510 139,262 151,764
輸入 125,269 126,906 128,629 138,390 147,277
サービス収支 10,078 10,201 10,771 10,151 10,299
輸出 51,685 53,214 55,629 59,191 62,860
輸入 41,606 43,015 44,861 49,040 52,561
第一次所得収支 438 -3,390 -405 -982 -2,037
第二次所得収支 -3,113 -3,147 -3,420 -2,823 -3,762
資本収支 -347 -1,796 -371 -254 -299
金融収支 2,840 4,015 10,671 8,995 7,536
直接投資 -1,972 5,225 1,882 44 -8,652
証券投資 12,811 14,054 23,699 18,815 4,498
(2)
その他投資 -8,744 -14,425 -14,965 -5,850 10,323
金融派生商品 -1,386 -527 -395 -906 -754
外貨準備 2,129 -309 451 -3,111 2,120
誤差・脱漏
-5,054 -126 2,219 2,032 -1,152
資料出所:WIFO(オーストリア経済調査研究所)データベース
注(1)新表示制度BPM6(国際収支マニュアル第6版)。四捨五入のため、合計は計数の和と必ずしも一致しない。
(2)通貨及び預金、融資、貿易借款、SDR割当てなど。
2018年、経常収支の黒字は90億ユーロ、国内総生産の2.3%であった。黒字は主に、103億ユーロのサービス収
支によるものである。貿易収支は、2017年は国内総生産の0.2%の後、2018年は国内総生産の1.2%へと増加し
た。これに対応し、金融収支は2018年に好調を維持した。2018年末に満了となったECBの資産買入れプログラム
の減少は、2017年の110億ユーロの後、外国投資家によるオーストリアの固定金利債券(57億ユーロ)の積み増
しを減速させた。さらに、均衡公共予算及び不良銀行からの資産売却の手取金は政府債券の供給を削減した。同
時に外国固定金利債券は国内投資家により39億ユーロという速さで減少させられた。オーストリア中央銀行は
2017年の1年間の中断の後、2018年にその準備資産の積み増しを、継続した。
c)外国為替レート
1999年1月1日、オーストリアを含む欧州連合の参加加盟国の法定通貨としてユーロが発足した。以下の表
は、表示期間のユーロと米ドルの為替レートの平均を示す。
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ユーロの為替レート
年平均値
2014年 1.3285
2015年 1.1095
2016年 1.1069
2017年 1.1297
2018年 1.1809
月平均値
2019年1月 1.1416
2019年2月 1.1351
2019年3月 1.1302
2019年4月 1.1238
資料出所:WDS-WIFOデータシステム、Macrobond
ユーロの為替レートは、2018年1月2日に1ユーロ=1.2065米ドルで2018年が始まり、1ユーロ=1.1450米ド
ルで2018年を終了した。2018年中、ユーロは12月に1ユーロ=1.1218米ドルの最安値を、2月初旬に1ユーロ=
1.2510米ドルの最高値をつけた。
⑦ 通貨・金融制度
a)オーストリア国立銀行(オーストリア中央銀行)
以下の記述は、欧州連合設立条約(マーストリヒト条約)により修正された欧州共同体を設立する条約(以
後、「EC条約」という。)及び欧州中央銀行制度法、欧州中央銀行法により定義された欧州中央銀行制度の一部
としてのオーストリアの銀行制度の概要である。この制度の中でのオーストリアの中央銀行の役割は、オースト
リア国立銀行法においても定められている。
オーストリア国立銀行は、1922年連邦法により設立されたオーストリアの中央銀行である。同行は株式会社で
あり、法により、オーストリア国立銀行の株式の100%がオーストリア共和国により所有されている。
オーストリア国立銀行は、14名のメンバーで構成される理事会により監督される。オーストリア国立銀行の理
事長、副理事長、連邦政府が任命する6名及び株主総会で選任される6名のメンバーである。国立銀行法に従
い、理事会のメンバーは銀行、工業、商業、中小企業及び農業並びに給与雇用者及び賃金労働者の代表を含む。
オーストリア国立銀行の日々の業務は総裁、副総裁及びその他2名のメンバーで構成される運営委員会により運
営される。
オーストリア共和国が資本の少なくとも50%の持分を保有する他の会社と同様、オーストリア国立銀行は会計
検査院の監督を受ける。
欧州中央銀行制度:1999年1月1日にオーストリアが欧州通貨連合の最終段階に参加したことで、オーストリ
ア国立銀行は欧州中央銀行制度(ESCB)の統合された一部になった。ESCBは、欧州中央銀行(ECB)と通貨統合
に参加しているEU加盟国の各国中央銀行(NCBs)から構成され、単一の欧州金融政策を実施するために設立され
た。ESCBの第一の目標は価格安定の維持である。これに加えて、この目標をそこなうことなく、ESCBは参加各国
の経済政策全般を支援する。基本的機能は、ユーロ圏内の金融政策の明確化及び実施、外国為替オペレーション
実施、参加各国の公的外貨準備の維持及び管理、並びに決済制度の円滑な運用の促進である。ESCB内の意思決定
プロセスは、ECBの意思決定機関、とりわけECBの政策委員会と理事会を通して集中化されている。
ECBの株主は加盟国のNCBsのみで構成される。各NCBsの資本株式はEUに対するそれぞれの加盟国の人口及びGDP
の割合を基準とする。2019年1月1日現在、オーストリア国立銀行は、ECBの払込済資本金の2.0325%の割当て
を負担する。
ECBを設立することにより、参加各国は金融政策に対する主権の一部を放棄した。しかし、NCBsはECBに移転さ
れなかった機能を全て留保している。
ECBは、OeKBを含む参加している加盟国に設立された金融機関に、自国の中央銀行(すなわち、OeKBの場合は
オーストリア国立銀行)の口座に最低責任準備金を維持するよう求めている。OeKBは当該ECB規則に従い、最低
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支払準備基準を計算する。ECBは準備率を随時変更できる。ECBの最低準備制度に従ったその他機関への負債並び
にECB及び中央銀行への負債は、準備率の基準に含まれていない。
単一監督メカニズム(SSM):ECBは新たな銀行監督任務を単一監督メカニズムの一部として引き受けた。SSM
は、ECB及び参加するEU諸国の各国の所轄官庁から成る新金融監督制度を創設した。これらのEU諸国の中には、
ユーロを通貨とする国及び通貨がユーロではないがSSMと密接な協力関係にある国を含む。金融機関の健全性監
督に関連する特定任務は、欧州連合の機能に関する条約の第127(6)条に基づきECBに与えられた。SSMの主たる目
的はヨーロッパの銀行制度の安全性及び健全性を確保し、ヨーロッパ内の金融統合及び安定性を強化することで
ある。ECBは単一監督メカニズムの効果的及び持続的な機能に責任があり、参加するEU諸国の各国の所轄官庁と
協力する。ECBは2014年11月(監督者創設の規則発効から12か月後)にその新銀行監督責任を継承した。
b)銀行制度
2018年12月31日現在、オーストリアには597の独立銀行(いわゆる金融機関)があり、これらの銀行は法的な
位置付けにより、以下の7部門に分類できる。
・ 株式会社組織の銀行及びプライベートバンク38行、
・ 貯蓄銀行49行、
・ 地域抵当銀行8行、
・ 地方信用組合399行、
・ 中小企業信用組合13行、
・ 住宅建築融資組合4行、
・ 特殊銀行61行、
・ 外国銀行の25支店。
2017年6月30日から2018年末まで、オーストリアの金融機関の数は622行から597行へと25行減少した。この動
きは、より大きくより競争力のある単位を作るために、小銀行、主に信用組合(ライファイゼンバンケン、フォ
ルクスバンケン)の合併により推進された。この合併の過程は継続しており、2019年中の銀行数の更なる減少に
つながるであろう。
営業活動及び収益状況 :オーストリアを本拠地とする全金融機関の総資産は2016年に比較して2017年は2.0%
減少したが、他方同期間中に、レバレッジ比率(負債比率)は0.1%上昇し、7.7%の水準となった。オーストリ
アの銀行による非銀行部門への全体的な貸付は、2016年から2017年にかけて、国内非金融会社への貸付け及び家
計への貸付けの増加(4.5%及び1.9%)、並びに政府貸付け及びその他金融仲介機関貸付けの減少(マイナス
12%及びマイナス13.4%)により、2017年に0.9%増加した。
2018年、オーストリアを本拠地とする全金融機関の営業利益総額は、2017年と比較して7.3%減少した。同様
に、金融取引収支(マイナス14.3%)並びに証券及び出資持分による収入(マイナス13.5%)の減少があった。
しかし、2018年には利息収入(プラス4.7%)並びに手数料収入(プラス3.3%)の増加があった。営業収益は
0.4%の微減であり、営業費用は増加(プラス3.1%)した。この結果、費用/収入比率は68.3%へと上昇した。
オーストリアの5つの銀行(エアステ・グループ、BAWAG P.S.K.、フォルクスバンク・ウィーンAG、ライファイ
ゼン・バンク・インターナショナル並びにライファイゼン・ランデスバンク1行)及びロシアが所有するスベル
バンク・ヨーロッパAGは単一監督メカニズム(SSM)のもとで監督されている。
欧州周辺諸国並びに東欧地域・諸国に対する融資残高
2018年12月31日現在、オーストリアの銀行の海外の融資残高(エクスポージャー、債権)の総額は、3,260億
ユーロ、オーストリアのGDPの84%に達した。オーストリアの銀行は中欧、東欧及び南東ヨーロッパ(CESEE)諸
国での活動に力を入れているため、ソブリン債務危機の最中に困難な経済状況に直面した「周辺」ユーロ・ゾー
ン市場(すなわちキプロス、スペイン、ギリシャ及びポルトガル)にわずかにしかさらされていない。オースト
リアの銀行のCESEEへの融資残高はかなり多額であるが、広く多様化している。2018年12月31日現在、オースト
リア人が過半数を所有する銀行のCESEE地域に対する融資残高(エクスポージャー、債権)総額は、2,171億ユー
ロであった。これは2017年12月31日と比較して70億ユーロの増加である。
2017年同様、オーストリアの銀行のCESEE子会社の収益性は2018年にも再び改善し、対前年比で3億ユーロ増
加し29億ユーロとなった。CESEEにあるオーストリアの銀行の子会社は、比較的穏やかな経済状況、特にルーマ
ニア、クロアチア及びチェコ共和国で営業する子会社により恩恵を受けた。これら3か国で営業する子会社は利
益の最高の伸びを記録した。チェコ共和国及びスロバキアにおいてオーストリアの銀行は比較的高い信用の成長
を示した。
オーストリアの銀行のCESEE子会社の貸倒引当金総額の比率は、2018年12月に1.8%前後であった。オーストリ
アの銀行のCESEEにある子会社の外貨建貸付高は2018年12月に298億ユーロであり、これは2010年末と比較して
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66.6%の減少であった。この減少は主に、監督施策(FMAからの監督施策を含む。これは外貨建て貸付供与の最
低基準を設定する)によるものである。
c)金融政策
価格安定の維持という使命を達成するために、EC条約はユーロ制度(ECB及びユーロを採用した加盟国のNCBs
を指す。)に機関の独立性をかなりの程度認めており、透明性及び責任に関する広範な義務により補足されてい
る。
1998年10月に発表され、ユーロが導入されてから4年半の2003年5月に徹底的に評価が行われたユーロ制度の
安定志向の通貨政策は、3つの主要な要素により成り立つ。すなわち、価格安定の量的定義、価格の動きの見通
しの幅広い評価、及び価格安定リスク評価における貨幣の顕著な役割である。後の2つの要素はまた、通貨政策
の決定が基準とすべき包括的な分析を構成する「2つの柱」と呼ばれる。経済分析は価格安定に対する中短期リ
スクを特定するが、貨幣分析はインフレにおける中長期傾向を評価するのに役立つはずである。
ユーロ制度は流動性を管理するため自由に使える多様な金融政策手段を持つ。ユーロ制度の不可分の一部とし
てオーストリア国立銀行の主要任務の1つはオーストリア国内で金融政策を遂行することである。
ユーロマネー市場は、TARGET(Trans-European Automated Real-time Gross settlement Express Transfer)
システム決済制度が重要な役割を果たしているが、ますます効率的な営業を継続して行っている。境界を越える
取引数がユーロ圏発足前よりかなり増加しており、入札オペの最低貸付レートと少なくとも同程度の条件で無担
保セグメントにおいて流動性を確保するために努力を要する銀行もあった。
直近の2018年のメンテナンス期間(2018年10月31日から2018年12月18日まで)時点で、ユーロ圏の支払準備全
体に占めるオーストリアの割合は、およそ3.0%に達していた。銀行の負債ベースに適用される最低準備率は、
2018年に変わらずに1%であった。2018年中、支払準備は2018年の直近のメンテナンス期間に約36億ユーロから
38億ユーロへとわずかに増加した。最低準備高はユーロ制度が主要リファイナンシング・オペレーションに課す
る限界率を基準に利息が発生する。ECBはこの率を変わらずに過去最低水準の0.00%を維持した。
⑧ 財政
a)連邦予算
2009年以来、連邦レベルでの年間予算編成プロセスは2つの部分に分かれる。春の中期歳出枠組み
(「MTEF」)の作成及びMTFEに基づく秋の予算である。
MTEFは連邦政府のみに関するものであり、予算戦略報告書の提示を伴うが、予算の安定性を向上させるために
2009年1月に導入された。新規則のもとで、議会は、5つの主要予算項目について名目価値での拘束力ある歳出
上限を定める4か年計画を採用する義務がある。毎年春に、議会は4年計画を1年間進める。歳出の上限は固定
されるか、弾力的である。弾力的な歳出上限は景気循環の変動にさらされる分野、例えば社会保障関係費に利用
される。上限はまた、項目の副レベル、すなわち「チャプター」でも定められるが、これらは翌年度のみを拘束
し、その後の3年については指標に過ぎない。MTEFは政府が定める優先事項及び予算目標の立案、実施及び管理
の基礎となることを目的とする。年間予算については、チャプターごとの幅広い歳出分類が各歳出予算勘定に細
分化されなければならない。固定された歳出項目はMTEFに一致することが求められ、変動する歳出項目の予算額
は現在の経済予測に基づき決定される。上限からの逸脱は、既存の準備金及び追加歳入の金額の限度においての
み許される。各省庁にとり、年度末の未使用の歳出予算は準備金として積み立てられ、これにより資源のより効
率的な利用が促される。MTEF及び年次予算の双方が議会の承認を受けなければならない。予算の予想資金又は
MTFEの固定の歳出上限が十分でない場合、それぞれ予算法又はMTFEの改正が議会で承認される必要がある。予算
赤字は国内又は海外からの政府借入でまかなわれる。
連邦憲法に従い、会計検査院は連邦政府及び諸州の財政管理及び年次財務書類の監査を委任されている。会計
検査院は行政機構からは独立しており、下院の直接の監督下にある。会計検査院は、毎年下院に提出される予算
結果報告の編集、借入れ債務の契約締結補助(連邦の債務書類は会計検査院長官により副署されなければならな
い。)、歳出管理の統制及び特定の政令の公布補助につき責任がある。
連邦予算の数字は現金ベースで提示され、オーストリアの政府部門の一部のみを対象とする。オーストリアの
財政状態の国際比較及び評価のために、「一般政府部門」の予算の数字は国民所得計算の発生主義に従って、作
成されなければならない。連邦予算に加えて、マーストリヒト条約及び2010年版欧州国民経済計算体系
(ESA2010)において定義される「一般政府部門」は、州政府(Länder)、地方当局(Gemeinden)及び社会保障
部門も含む。
EU安定・成長協定に基づく赤字制限及び過剰赤字手続き
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欧州連合の予算規律を継続的に確保するために、加盟国は、1992年にマーストリヒト条約(「本条約」)並び
に1997年に「安定・成長協定(「本協定」)」の主要項目につき合意した。
本条約に基づき、加盟国のGDPに対する政府債務総額の比率は前会計年度末現在で60%を超えてはならない。
債務比率がGDPの60%を超えるが、債務比率と60%の基準価値の差が平均で毎年20分の1ずつ削減される場合、
財政上の要件は満たされていると考える。20分の1の債務削減規則は、金融危機による債務の影響又は他の加盟
国への危機支援により発生した債務などの偶発的な措置が、20分の1の削減の評価が適用される前に差し引かれ
るように設計されている。
本協定は2013年に最終の改正がなされたが、これに基づき、加盟国は国家財政の長期的安定を確保し、欧州連
合の機能に関する条約(「TFEU」)に基づくGDP比3%の参考価値を超える政府赤字のリスクを最小化するため
に、中期予算目標に向かい、着実に実行しなければならない。TEFU及び本協定に基づき、一般政府赤字が参考価
値であるGDP比3%を超える加盟国、又は一般政府赤字がGDPの60%を超えていて、かつ満足できる速度で十分に
削減しGDPの60%に近づいていない場合、債務要件を遵守していない加盟国は、過剰赤字手続き(「EDP」)に従
わなければならない。EDPにもとづき、経済相・大蔵相理事会(「Ecofin理事会」)が過剰赤字が存在するかに
つき決定する。Ecofin理事会は加盟国の経済及び財務担当大臣で構成される。過剰赤字が存在すると決定された
場合、Ecofin 理事会は、欧州委員会の勧告に基づき、過剰赤字の是正を目的とした是正策を勧告し、加盟国が
行う是正措置を検討する。通貨がユーロである加盟国においては、本協定は一連の財政制裁措置を考慮する。過
剰赤字が存在すると決定された際に、これらの加盟国は前年度の国のGDPの0.2%以下の無利息預金の提供を求め
られる可能性がある。Ecofin 理事会が、加盟国の是正措置を検討した後で、過剰赤字の是正のために有効な措
置が取られていないと決定する場合、預金を前年度の国のGDPの0.2%以下の過料に充当することができる。
Ecofin 理事会はこれらの決定を反対の特定多数決ルールを用いて決定する。すなわち、Ecofin 理事会が特定多
数決をもって委員会の勧告を拒否する決定をしない限り、経済制裁に関する委員会の勧告が採択される。「その
他の関連要因」もまた、過剰赤字(赤字及び/又は債務基準の違反)の存否の決定につながる手順において考慮
される。例えば、激しい経済の低迷又は加盟国の制御できない異常な外部事象の結果の逸脱である場合、逸脱が
中期的な財政状態の持続性を危険に晒さない限り、EDPの発動が回避される可能性がある。EDPの対象ではないこ
れらの加盟国は、本協定のいわゆる予防手段を着実に実行する必要がある。本協定の予防手段は、通常の経済状
態の期間における加盟国の財政計画及び方針(中期予算目標及び歳出ベンチマーク)にパラメーターを設定する
ことにより中期的に健全な予算方針を確保することを目指す。これには、景気循環の上昇及び下降を考慮する。
欧州ソブリン債務危機への対応
暫定金融安定メカニズム。2010年、欧州連合及びユーロ圏加盟国は、ユーロ圏のソブリン債務市場の厳しい緊
張の中で財務上の安定性を確保するための暫定安定メカニズムを設定した。これは、欧州金融安定メカニズム
(「EFSM」)及び欧州金融安定ファシリティ(「EFSF」)から成る。EFSMを通じて、欧州委員会は、EU予算によ
る間接的な保証に基づき、EUを代理して最大で総額600億ユーロの借り入れが認められた。EFSFは、新たな融資
プログラムに関与していないが、ユーロ圏加盟国の総額7,260億ユーロによる有効な保証の供与により裏付けら
れた4,400億ユーロの貸付枠を持っていた。EFSFは、ユーロ圏加盟国に提供されたすべての財政支援及びEFSFが
発行したすべての資金調達手段が全額償還された場合に解散し、清算される。2019年3月現在、EFSFは約2,010
億ユーロの債券及び手形を発行済みであった。
欧州安定メカニズム(ESM)。2012年10月以降、ユーロ圏加盟国による国際公法に基づき政府間機関として設
立されたESMは、欧州経済・貨幣連合の財政的安定の維持を支援している。2013年7月1日現在、ESMはEFSF及び
EFSMが果たした任務を継承し、支援がユーロ地域全体及びその加盟国の財政的安定の保護に不可欠であると見な
される場合、厳しい財政上の問題に直面又は脅かされているユーロ圏加盟国向けの第1の支援メカニズムであ
る。ESMはユーロ圏加盟国への援助を提供するための資金調達のために金融市場で債券又はその他債務証書を発
行する。ユーロ圏加盟国による保証に基づくEFSFと異なり、ESMはユーロ圏加盟国により提供される総額約7,050
億ユーロの発行済資本を持つ。これにより5,000億ユーロの貸付能力が与えられている。ESMの発行済み資本のう
ちおよそ810億ユーロは払込済資本であり、残りの6,240億ユーロは請求払い資本である。各ユーロ圏加盟国の拠
出はECBの払込済資本に基づく。これを踏まえ、オーストリアの拠出額はESMへの拠出総額のおよそ2.8%であ
る。オーストリアはESMに対して約22億ユーロの払込済資本を拠出した。
ESMからの財政支援の承認手続きは、加盟国からESMの総務会会長への要請により行われ、選択した商品に適切
な条件で提供される。ESMに利用可能な当初の商品は、EFSFに利用可能な商品をモデルとしており、財政的困難
な状態にあるユーロ圏加盟国へのローンの供与、発行債券市場及び流通債券市場の介入、予防プログラム、及び
政府へのローン供与、また2014年12月以降は資本構成の変更の目的で影響を受ける金融機関への直接のものを含
む。各商品は、ECBと連携して加盟国が欧州委員会と交渉した財政支援の条件を記載した覚書、並びに加盟国が
財政的安定に向けて進歩していることを確実にするために設定されたモニタリング及び調査の手続きに関連づけ
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られている。原則として、財政支援を供与する決定は相互契約により行われる。しかし、欧州委員会及びECBの
双方が、ユーロ地域の財政的、経済的安定性が脅かされているため財政援助に関する緊急な決定が必要であると
結 論づけた場合、緊急手続きは投票の85%の適格過半数を必要とする。2019年4月現在、ESMはスペイン、キプ
ロス及びギリシャに対して約899億ユーロの発行済みローンを所有していた。
ユーロ圏加盟国への財政支援
ギリシャ。2010年5月以降、財政的困難及び経済的課題に対処するために、ギリシャはユーロ圏加盟国及び
IMFそれぞれからの財政支援を受けている。この支援は経済調整プログラムの形を取る。
2010年5月に合意された最初の経済調整プログラムに基づき、ギリシャは総額730億ユーロを受領し、うち約
530億ユーロがユーロ圏加盟国から(「ギリシャ・ローン枠」又は「GLF」)、200億ユーロがIMFから供与され
た。オーストリアは約15億6,000万ユーロを拠出した。IMFのローンは既に返済されたが、GLFの返済は2020年に
開始する予定である。
欧州金融安定ファシリティ(EFSF)及びIMFにより資金供与された第2次経済調整プログラムは、2012年3月
に承認された。EFSFプログラムは2015年6月に失効した。第2次プログラムに基づくギリシャへの発行済みEFSF
ローンは、約1,309億ユーロに達した。2019年3月末現在の未償還のIMFローンはおよそ94億ユーロであった。
2015年7月、ギリシャは欧州安定メカニズム(ESM)総務会へさらなる安定支援のための要請を提出した。承
認を受け、ESMは2018年8月までの3年間でギリシャへの財政支援に最大860億ユーロを支出することができた。
支出は、健全な財政、競争力の強化、高い雇用率及び金融の安定に基づく、ギリシャ経済の持続的成長経路への
回帰を可能とすることを目指す覚書に記載された一定の政策条件を実現するギリシャ政府の進捗状況を条件とし
た。プログラムの終了時に、ギリシャに対するESMの財政支援の総支出額は約619億ユーロに達した。
アイルランド。EFSM及びEFSFによる支援を受けた最初のユーロ圏加盟国はアイルランドであった。財政援助
は、2010年12月に合意され、経済調整プログラムの遵守を条件として提供されたが、総額約850億ユーロの金融
支援(EFSMを通じての225億ユーロ、EFSFを通じての177億ユーロ及びIMFを通じての225億ユーロを含む。)から
成る。アイルランドに対する財政援助プログラムは計画通り2013年12月に失効した。アイルランドは、EUが提供
した財政援助の少なくとも75%が返済されるまでEUポスト・プログラム調査の対象であり続ける。アイルランド
は既にIMFへ未償還融資の全額を返済した。
ポルトガル。ポルトガルによる2011年4月初頭の支援申請の後、2014年中期まで財政援助が提供された。
EFSM、EFSF及びIMFが拠出した、財政支援パッケージの総額は780億ユーロであった。2014年5月の最終調査派遣
団の終了後、ポルトガル政府はその後の取決めなしにマクロ経済調整プログラムから退出することを決定した。
ポルトガルはEUが提供した財政援助の少なくとも75%が返済されるまでEUポスト・プログラム調査の対象であり
続ける。ポルトガルは発行済みの融資を、既にIMFに全額返済した。
スペイン。2012年6月、スペイン政府は一部金融機関の資本再編成(増強)のために、ユーロ圏加盟国からの
財政援助を要請した。ユーロ圏加盟国の大蔵大臣は、スペイン政府の代理人として行為するFund for Orderly
Bank Restructuring(秩序ある銀行再編のための基金)が資金を受領し、問題の金融機関にかかる資金を振り向
けることに合意した。この援助は最初にEFSFが承認し、その後(優先順位の申請なしに)ESMに移管された。財
政援助プログラムは2014年1月に無事に終了した。ESMは、スペインの銀行部門の資本増強のためにスペイン政
府に総額413億ユーロを支出した。スペインはESMが提供した財政援助の少なくとも75%が返済されるまでEUポス
ト・プログラム調査の対象であり続ける。2019年3月末現在、スペインは既に176億ユーロを大部分自発的に返
済した。
キプロス。キプロスに対する経済調整プログラムは2013年正式に合意された。同プログラムはESM及びIMFによ
り資金が供与され、キプロスの金融部門の不均衡(キプロスの金融部門の適切な縮小、財政統合、構造的改革及
び民営化など)に対処する。同プログラムは、ESMによる63億ユーロにのぼる支出をもって2016年3月に予定ど
おり満了となった。キプロスは、ESMが提供した財政援助の少なくとも75%が返済されるまでEUポスト・プログ
ラム調査の対象であり続ける。2019年3月末現在、キプロスは約7億400万ユーロの未償還のIMF融資を保有して
いた。
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連邦会計及び予算
下記の連邦会計は、2014年、2015年及び2016年については会計検査院の監査及び下院の承認を受けている。
2017年度の連邦会計は会計検査院の監査を受けている。2018年度の会計は会計検査院の監査をまだ受けていない
仮集計である。2019年度の会計は連邦予算案である。
2014年から2019年度の予算に関する詳細は、下記「c)歳入及び歳出」を参照のこと。
要約歳入及び歳出表
(1) (2)
2018年 2019年
2014年 2015年 2016年 2017年
(単位:百万ユーロ)
Ⅰ.一般会計
連邦政府歳入:
公租公課合計(総額) 78,503 82,427 81,138 84,821 88,204 89,510
控除:州、地方公共団
体及び基金に対
する移転
(28,278) (29,603) (30,064) (30,467) (31,328) (31,888)
(2,752) (2,452) (2,557) (2,644) (3,636) (3,100)
EU予算への移転
公租公課合計(純
額) 47,473 50,372 48,517 51,709 53,240 54,522
その他の源泉 23,990 22,356 22,796 22,096 23,639 25,467
71,463 72,728 71,314 73,805 76,879 79,689
歳入総計
歳出総計 74,653 74,589 76,309 80,678 77,982 79,174
(予算赤字)/予算黒字-
公債償還額控除後 (3,189) (1,861) (4,995) (6,873) (1,103) 515
(予算赤字)/予算黒字-
純額、GDP比率 (1.0%) (0.5%) (1.4%) (1.9%) (0.6%) 0.1%
国民所得概要説明による
一般政府赤字(「マース
トリヒト」赤字)(GDP比
率) (2.7%) (1.0%) (1.6%) (0.7%) (0.4%) (0.0%)
国民所得概要説明による
中央政府赤字(「マース
トリヒト」赤字)(GDP比
率) (2.8%) (1.2%) (1.3%) (0.8%) (0.5%) (0.1%)
Ⅱ.財務会計
歳出 65,055 87,576 87,963 94,907 該当なし 96,568
68,244 84,383 92,587 99,206 該当なし 96,054
歳入
剰余金 3,189 1,861 4,995 6,873 該当なし 515
資料出所:連邦大蔵省
四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
注(1)連邦予算。仮集計結果。
(2)連邦予算案。
2013年1月1日に、2013年連邦予算改革が施行された。この改革の主要な要素は以下のとおりである:業績重
視(投入重視に代わり)の予算編成、省庁及び予算管理主体の説明責任の向上、グローバル予算及び詳細予算の
実施による構造の改善、並びに以前の政府会計制度に代わる資本財政会計、損益計算書及び資本会計を含む新会
計制度。
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b)税制
共和国が課税する主な税としては、個人所得税(給与賃金税を含む。)、法人税及び付加価値税がある。個人
所得税は累進税であり、1,000,000ユーロを超える課税所得に対する最高限界税率は55%である。被雇用者につ
いては、この最高限界税率は年収の6分の1の法定所得控除により軽減される。法人税については一律25%の税
率が適用される。付加価値税は、一般付加価値税率は20%であり、主に食品、家賃、旅客輸送、書籍、新聞及び
一定のサービスに適用される軽減付加価値税率は10%である。他の欧州諸国に比較して、直接税の実効税率は低
く、間接税は平均以上である。
オーストリア法によれば、連邦政府によって徴収された税金の一定部分は、歳入分配計画に従って、州やその
他の地方公共団体に配分されることになっている。配分額、対象となる税目並びに各州及び他の地方公共団体間
における配分基準については、連邦政府その他の行政機関の間で定期的に交渉がもたれている。直近の2016年の
合意は2017年から2021年までを対象とする。
オーストリアは米国を含む、世界中の多数の国と租税条約を締結している。
c)歳入及び歳出
以下の表は、表示された各年度の歳入及び歳出を示したものである。
歳入
(1) (2)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
(単位:百万ユーロ)
公租公課合計(総額) 78,503 82,427 81,138 84,821 88,204 89,510
個人所得税 3,384 3,617 3,903 3,951 4,280 4,200
賃金税 25,942 27,272 24,646 25,350 27,178 27,900
利子源泉税 2,769 3,863 3,000 2,754 3,072 3,150
法人所得税 5,906 6,320 7,432 7,904 9,163 9,000
取引高税 25,472 26,013 27,056 28,346 29,347 30,300
原油税 4,135 4,201 4,313 4,436 4,488 4,550
11,180 11,140 10,789 12,079 10,676 10,410
その他の税金
控除:州、地方公共団体及び基
金に対する移転
(28,278) (29,603) (30,064) (30,467) (31,328) (31,888)
(2,752) (2,452) (2,557) (2,644) (3,636) (3,100)
EUへの移転
公租公課合計(純額) 47,473 50,372 48,517 51,709 53,240 54,522
23,990 22,356 22,796 22,096 23,639 23,428
その他源泉
連邦歳入総計 71,463 72,728 71,314 73,805 77,879 79,688
資料出所:連邦大蔵省
四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
注(1)連邦予算。仮集計結果。
(2)連邦予算案。
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歳出
(1) (2)
2018年 2019年
2014年 2015年 2016年 2017年
Ⅰ.一般会計
(単位:百万ユーロ)
連邦政府:
大統領府 8 8 8 9 10 9
連邦立法府 148 161 182 195 190 289
憲法裁判所 13 15 14 15 15 16
行政裁判所 19 19 19 20 21 21
検察庁 10 10 10 11 11 12
会計監査院 31 32 32 32 34 35
首相府 397 481 375 372 341 311
内務 2,600 2,850 3,302 3,416 2,857 2,850
外交 421 442 522 542 510 508
法務 1,372 1,477 1,457 1,508 1,642 1,600
軍務及び運動競技 2,180 2,080 2,288 2,341 2,276 2,288
財政 1,089 1,126 1,264 1,158 1,155 1,178
保護施設/移民 - - - - 485 370
年金 8,999 9,011 9,918 9,025 9,234 10,605
州・地方公共団体に
対する交付金 876 897 873 1,377 1,408 1,319
連邦財産 1,063 550 579 666 871 727
金融市場安定化 765 1,492 45 4,850 175 28
財務 1 ▶ 17 14 13 9
公債元利金支払
(スワップを含む) 6,703 5,249 5,891 5,316 5,446 5,212
雇用 7,424 7,905 8,226 8,343 8,316 8,156
社会問題・消費者保護 2,966 3,042 3,139 3,127 3,674 3,488
社会保障 10,403 10,174 9,098 9,202 9,396 9,469
保健 995 963 1,067 1,107 1,083 1,097
青少年・家族 6,834 7,023 7,154 7,100 7,186 7,277
商業(調査研究) 118 110 122 116 111 100
経済 346 361 333 428 466 661
教育、芸術・文化 8,434 8,658 9,051 9,137 9,277 9,293
科学 3,984 4,106 4,261 4,380 4,412 4,783
運輸、革新、技術
(調査研究) 410 429 445 410 437 446
運輸、革新、技術 3,165 3,493 3,554 3,702 3,807 4,009
農林及び水資源 2,138 1,716 2,424 2,112 2,325 2,222
環境 742 679 640 647 638 623
連邦歳出総計 74,653 74,589 76,309 80,678 77,982 79,174
3,189 1,861 4,995 6,873 1,103 514
純赤字
Ⅱ.財務会計
歳出 65,055 87,576 87,963 94,907 該当なし 96,568
68,244 84,383 92,587 99,206 該当なし 96,054
歳入
剰余金 3,189 1,861 4,995 6,873 該当なし 514
資料出所:連邦予算法
四捨五入のため合計は計数の和と必ずしも一致しない。
注(1)連邦予算。仮集計結果。
(2)連邦予算案。
歳出額と歳入額の差異(赤字)は、それぞれの会計年度の連邦予算法に承認された権限に基づく借入金及び前
会計年度末の利用可能資金の残高の利用により賄われる。
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⑨ 公債
a)国内債務及び外国債務の概要
直接債務
次の表は、2018年12月31日における共和国の直接国内債務及び外国債務(債券及び借款)の債務残高並びに
2018年に共和国が支払った利息を示すものである。
(単位:百万ユーロ)
2018年12月31日現在の
2018年に支払った利息
債務残高
国内:
債券 211,423 5,445
13,120 517
その他の債務
合計
224,543 5,963
(12,888)
自己債券保有
合計
211,655
0 0
外国:
合計
0 0
0
自己債券保有
合計
0
224,543 5,963
直接債務合計
自己債券保有 (12,888)
総計
211,655
資料出所:オーストリア・トレジャリー(オーストリア債務管理機関)
次の表は表示した各年度の12月31日現在における共和国の直接債務の債務残高合計を示したものである。
(単位:百万ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2018年
(スワップ (スワップ
後) 前)
国内債務 207,642 210,539 219,650 223,225 224,543 237,819
(1)
外国債務
0 0 0 0 0 3,332
合計 207,642 210,539 219,650 223,225 224,543 241,151
自己債券保有 (11,431) (11,427) (11,899) (11,984) (12,888)
総計
196,211 199,112 207,751 211,241 211,655
資料出所:オーストリア・トレジャリー(オーストリア債務管理機関)
注(1)表示した各年度の12月31日現在の為替レートをもってユーロに換算されている。
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保証債務
共和国は公的機関、共和国が持分を有する企業の債務並びに輸出保証法及び輸出金融保証法に基づく他の債務
に対して、その元利金の支払保証を行っている。次の表は表示した各年度の12月31日現在の共和国の保証債務の
元本残高を示したものである。
(単位:百万ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
国内債務
68,900 68,922 76,196 69,544 70,645
(1)
25,119 25,019 24,032 22,932 24,872
外国債務
(2)
94,019 93,942 100,228 92,476 95,517
保証債務合計
資料出所:連邦大蔵省
注(1)表示した各年度の12月31日現在の為替レートをもってユーロに換算されている。
(2)さらに、法律により、共和国はオーストリア郵便貯金銀行が2000年12月31日までに引受けたすべての債務につき責
任を有しており、かかる債務は2018年12月31日現在、6億ユーロであった。
2018年12月31日現在における国内保証債務
(単位:百万ユーロ)
借り手 金額
(1)
輸出保証
(2)
輸出保証法
23,970.93
輸出金融保証法 2,050.00
輸送及びインフラストラクチャー
ASFINAG 8,250.00
オーストリア鉄道(OBB) 15,909.21
鉄道インフラストラクチャー・サービス会社(SCHIG) 2.06
オーストリア金融市場
金融市場安定化法(FinStaG) 2,000.00
ケルンテン保証法 1,108.32
欧州金融安定ファシリティ(EFSF) 9,599.49
1988年貨幣鋳造法 4,865.82
経済開発促進
オーストリア経済サービスGesmbH (AWS)
970.66
オーストリア旅行開発銀行(OHT) 285.09
オーストリア調査促進公団(FFG) 84.87
その他負債
連邦美術館への貸付 1,333.76
1999年原子力賠償責任法 121.80
欧州投資銀行(EIB) 93.32
電力事業-エネルギー債 0.05
(3)
計
70,645.37
注(1)輸出保証法及び輸出金融保証法に基づきオーストリア共和国が発行する保証は、オーストリア輸出銀行(オースト
リアの輸出信用の代理人)の貸借対照表の資産サイド及び負債サイドを対象とする。貸借対照表の両サイドを参照
する保証の支払の可能性は非常に低い。したがって、経済的アプローチに従い、貸借対照表の両サイドに基づき利
用される金額は一度だけ数に入れる。この経済的アプローチに従い、輸出保証の保証債務は2018年12月31日現在、
57億1,107万ユーロ(外国保証債務)及び242億7,387万ユーロ(国内保証債務)であった。
(2)輸出保証に基づき、確認済であるが未払いの共和国に対する支払い請求分を含む。
(3)さらに、法律により、共和国はオーストリア郵便貯金銀行が2000年12月31日までに引受けたすべての債務につき
責任を有しており、かかる債務は2018年12月31日現在、6億ユーロであった。
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2018年12月31日現在における外国保証債務
(単位:百万ユーロ)
借り手 金額
(1)
輸出保証
(2)
2,496.38
輸出保証法
輸出金融保証法 21,753.95
輸送及びインフラストラクチャー
オーストリア鉄道(OBB) 83.060
その他負債
連邦美術館への貸付 538.58
計 24,871.97
注(1)輸出保証法及び輸出金融保証法に基づきオーストリア共和国が発行する保証は、オーストリア輸出銀行(オースト
リアの輸出信用の代理人)の貸借対照表の資産サイド及び負債サイドを対象とする。貸借対照表の両サイドを参照
する保証の支払の可能性は非常に低い。したがって、経済的アプローチに従い、貸借対照表の両サイドに基づき利
用される金額は一度だけ数に入れる。この経済的アプローチに従い、輸出保証の保証債務は2018年12月31日現在、
57億1,107万ユーロ(外国保証債務)及び242億7,387万ユーロ(国内保証債務)であった。
(2)輸出保証に基づき、確認済であるが未払いの共和国に対する支払い請求分を含む。
b)今後5年間の外国債務の元利金支払予定額
以下は、2018年12月31日現在のオーストリアの国内長期債務に関して、表示の期間に必要な元利金支払額を示
す。
国内債務の元利金支払い
(単位:十億ユーロ)
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
利息
5.5 4.9 4.4 3.8 3.2
29.2 18.6 15.5 22.9 16.5
元金
合計
34.7 23.4 19.9 26.7 19.7
資料出所:オーストリア連邦金融機関(Austrian Federal Financing Agency)
2018年12月31日現在、通貨スワップの影響を考慮した後、未償還の外国長期債務はなかった。
c)債務不履行の有無
共和国は常に、1945年以降に発行したすべての債務については、その元利金のすべてを、債権国の法定通貨を
もって遅滞なく支払ってきた。また共和国はその戦前の外国債務の弁済については、戦後に締結した契約に基づ
き支払われるべきすべての金員の支払いを履行してきた。1945年以降、共和国が1964年オーストリア輸出振興法
又はそれ以前の法令に基づき発行した輸出信用保証が付されている、オーストリアの輸出業者に対する外国業者
の債務に関する支払いを除いては、共和国が保証したいかなる債務に関する支払いの履行も求められたことはな
い。
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