BNG銀行N.V. 有価証券報告書
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月28日
【事業年度】 自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日
【発行者の名称】 BNG銀行N.V.(旧オランダ自治体金融公庫)
(BNG Bank N.V.)
【代表者の役職氏名】 執行取締役
John Reichardt
執行取締役
Olivier Labe
【事務連絡者氏名】 弁護士 黒 丸 博 善
【住所】 東京都港区六本木六丁目10番1号
六本木ヒルズ森タワー23階
TMI総合法律事務所
【電話番号】 (03)6438-5511
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がない限り、「ユーロ」または「EUR」と表示される金額は、欧州連合条約により改正された欧州
共同体を設立する条約に従い単一通貨を採択した欧州連合加盟国の法定通貨を意味する。2019年6月21日現在、東京
の主要銀行により公表されたユーロに対する日本円の為替相場の中値は1ユーロにつき121.27円であった。
(2) 以下、BNG銀行N.V.を「BNG銀行」または「発行者」という。
(3) BNG銀行の事業年度およびオランダ王国の予算会計年度は暦年である。
(4) 本書中の表で、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第1 【募集(売出)債券の状況】
上場金融商品
取引所名
事業年度末の
売出債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 または
未償還額
登録認可金融商品
取引業協会名
オランダ自治体金融公庫
1億1,000万
2018年6月27日満期 1億1,000万
2003年6月 0 該当なし
(注)
加ドル建 カナダドル
カナダドル
ディスカウント債券
(注)本債券は2018年6月27日に全額が満期償還された。
当事業年度中において、上記債券の所有者の権利等に重要な悪影響を与える事実は発生しなかった。
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第2 【外国為替相場の推移】
(1) 【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
カナダドルと日本円との間の為替相場は、日本国内において時事に関する事項を掲載する2以上の日刊新
聞紙に最近5年間の事業年度において掲載されているため、記載を省略する。
(2) 【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし
(3) 【最近日の為替相場】
該当事項なし
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第3 【発行者の概況】
1 【発行者が国である場合】
該当事項なし
2 【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし
3 【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1) 【設立】
① 設立の目的および根拠ならびに沿革
沿 革
20世紀に入り、オランダの地方自治体が責任をもつ業務範囲が急速に拡大した。教育ならびにガス、水道
および電気の供給は、徐々に地方自治体の責任となった。その上、公営住宅およびそれに伴うインフラスト
ラクチャーの拡充が急速に進み、これが地方政府の最も重要な職務分野の一つとなった。これらの活動を維
持、改良および拡充するために資本が必要となった。いくつかの地方自治体、特に大規模な自治体は債券を
発行してこの資本を調達することができたが、地方自治体の大多数は、資本需要が限られていたので、資本
市場にとって魅力のある存在にはほど遠かった。また、当時は、私募債の市場もまだ揺籃期にあり、何ら解
決策を提示できなかった。年金基金、貯蓄銀行および保険会社などの機関投資家は保守的な方針に固執し、
地方自治体の基金への投資は行われなかった。実際には、地方自治体の多くはそのため地方金融機関に頼ら
なければならず、それに伴う限界があった。このような背景の下に、1912年にオランダ地方自治体連合
(Vereniging van Nederlandse Gemeenten)が設立された。この連合が最初に着手したことの一つが、オラ
ンダの地方自治体がその株式を共同保有する有限責任の公開会社形態の自分自身の銀行を設立することで
あった。それにより地方自治体からの資金需要はまとめられ、その銀行は資本市場にとって魅力ある存在と
なることができ、個々の地方自治体の資本市場における地位はその直接の結果として改善されると考えられ
た。1914年にオランダ自治体金融公庫(N.V. Bank Nederlandse Gemeenten)は、自治体信用銀行(NV
Gemeentelijke Credietbank)の名で設立された。
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連合自身が銀行を持つということは魅力的ではあったが、BNG銀行が設立された時にBNG銀行の株式に応募
した地方自治体はごく少数であり、その結果株式資本は小さかった。しかし、より重要なのは、予想された
交渉能力の向上が達成されなかったことである。基本原理は確かに正しいものであったが、健全な銀行にな
るためには基礎が過小であった。オランダ地方自治体連合、大蔵大臣およびオランダ中央銀行との間で交渉
が続けられ、その結果、BNG銀行の大規模な再編成が行われ、BNG銀行の株式資本がかなり増加した。多くの
地方自治体と共に、オランダ政府が1921年に株主となり、50%を出資し主要な株主の役割を担った。BNG銀
行は、より幅広い基礎とオランダ自治体銀行(nv Bank voor Nederlandsche Gemeenten)の新名称の下に、
事業を継続した。資金の投入に加え、1925年にオランダ政府は、中央政府と地方自治体との間の資金の流れ
を処理する仕事(「政府決済システム」として知られる。)をBNG銀行に割り当てた。これにより、リスク
および金融商品の変換者としてのBNG銀行の役割に支払機能が加わった。株主となった地方自治体の数が急
激に増えたため、資金需要が集中し、かなりのものとなった。BNG銀行に出資していない地方自治体もま
た、BNG銀行のサービスを利用し始めた。BNG銀行が支払サービスを提供するようになったため、顧客もBNG
銀行にある支払口座をますます利用するようになった。これによってBNG銀行の短期信用業務の基礎が築か
れた。
次の発展として、地方政府の関係領域へとBNG銀行の事業が分化した。第二次世界大戦前後の数年間、特
に戦後の数年間、この戦略の正しさが明らかになり、貸借対照表総額、利益および株主持分が非常に順調な
割合で伸びた。BNG銀行は、1940年代および1950年代は、特に、地方政府に信用供与を行う専門機関として
の認識が高まった。地方自治体およびその公共住宅公社は、公営住宅の建設のためかなりの額の資金を必要
とし、BNG銀行がこれらの資金を提供するよう要求されるだろうということは明らかだったため、BNG銀行は
一律の条件でオランダの機関投資家と契約を締結し同時に、いわゆる「国民住宅金融債」を債券市場で発行
した。それから1960年代には、資本需要が非常に高まったので、もはやそれを満たすことができなくなった
り、長期信用の供与が不足した。地方自治体が資本市場でお互いに条件を競い、金利を引き上げる事態を避
けるために、オランダ政府は、資本市場で地方自治体および州のために行為する唯一の金融業者としてBNG
銀行を指名した。地方自治体およびその他の地方官庁が資本市場で自主的に行動することができない「中央
金融」というこの例外的な状態は、1975年半ばに終了した。
中央金融の終焉によって、BNG銀行が提供する業務の再考の時期の幕が開けた。顧客および投資家の利害
が、このアプローチの出発点になった。BNG銀行の販売組織が勘定に基づいて再構築された。顧客の要求お
よび能力に合わせた商品の開発が奨励された。1980年代初頭、BNG銀行が提供する商品の幅はますます調整
されるようになった。支払取引に対する短期および長期信用の供与と顧客が自己の余剰流動資産を投資する
好機の創出を結びつけることによって、総合サービスのパッケージというまったく新しい商品ができあがっ
た。資本市場を中心に事業を行う機関としてのBNG銀行の地位は、規制緩和および金融革新といった市況の
急激な変化への対応能力の面で障害としてますます感じられるようになった。その上、規制が総合パッケー
ジの広範なマーケティングの障害になった。
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1989年1月1日、BNG銀行の地位は資本市場を中心に業務を行う機関から金融機関に変わった。これによ
り、BNG銀行はサービスを最大限に利用し拡充するのに必要な融通性および規制上の資格を得た。
それまで株主となっていない多くの新しい地方自治体および州からの要求に応じて、BNG銀行は1990年に
資本を増額した。この株式発行後、政府は50%株式所有を維持し、オランダの地方自治体および州の90%以
上がBNG銀行に出資した。
1992年1月1日の定款変更によって、BNG銀行は、当局が異なる関与の仕方をしている公共部門に奉仕す
る可能性を維持し、さらに、国際資本市場における資金調達の利用の範囲が拡大した。最後に、改正によっ
て、欧州統合の過程に相応して、(欧州連合内の)外国公共団体に対して銀行業務を行う可能性が開かれ
た。1992年、BNG銀行は、BNG銀行の商品開発の重要性およびポートフォリオ管理(資産・負債管理)に一層
重点を置いて組織変更を行った。1992年初めから、BNG銀行の最高組織は、3名の構成員から成る執行取締
役会に変わった。定款変更の結果、BNG銀行はまず1992年に国際資本市場で2回債券を発行した。1993年お
よび1994年には、外貨建債券を34回発行した。
ヨーロッパで起こった変化に鑑みて、BNG銀行は、フランス地方金融公庫に1%の持分を有していたが、
1994年度末および1995年初めまでにこれを3%に増加させた。1996年に、フランス地方金融公庫とベルギー
地方金融公庫が合併し、デクシア・グループとなった。BNG銀行は、1998年度末現在、デクシア・ベルギー
持株会社に約1%の持分およびデクシア・フランス持株会社に約3%の持分を有していた。1999年12月のデ
クシア・ベルギー持株会社とデクシア・フランス持株会社の合併により、BNG銀行はデクシアに約2.5%の持
分を有していた。2003年4月、BNG銀行はデクシアに有していた持分を売却した。
2001年11月20日、株式資本を変更しかつその通貨をユーロ建とする等のため定款が変更された。BNG銀行
は2001年に、その歴史上初めて、国際資本市場において100億ユーロを超える債券を発行した。
2004年9月1日、BNG銀行の定款改正が効力を生じた。これにより同定款は、(下記「(3) 組織-② 監督
取締役会」に記載された)監督取締役会のプロフィール、および2004年に効力を生じたオランダ法に基づく
有限会社の監督取締役選任の手続きに関する民法典第2編の改正に適合するものとなった。
2005年5月18日、株主総会はBNG銀行の定款の修正案を承認した。かかる修正により、定款は法定の二重
構造の定め(Structuurregime)の変更に適合するものとなった。特に、かかる修正により、監督取締役会
構成員の任命手続きが変更され、二重構造の定めに沿って監督取締役会の構成が変更された。2005年6月21
日、かかる修正は効力を生じた。
2005年、BNG銀行は初めて国際財務報告基準(IFRS)に従い報告を行った。BNG銀行は、2007年の新たな金
融監督法および新たなバーゼル合意(バーゼルⅡ)に基づき変更された規制を取入れる必要がある。現在継
続中の法令遵守は、高額な管理費用をもたらす。2006年、バーゼルⅡに対する準備作業が無事に完了した。
2007年、BNG銀行はかかる新たな基準に従い初めて報告を行った。
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2015年、BNG銀行はその戦略の再調整を行った。これは大きな変化にはつながらなかった。BNG銀行は公共
セクター専門の金融機関である。BNG銀行は、市民の献身的なパートナーであり、市民のための社会サービ
ス費用を持続可能な形で低く抑えるのに寄与している。持続可能性は戦略上重要な部分になっており、貸借
対照表の貸方・借方の両面で、またBNG銀行の業務において、その形式および実質を与えられている。
オランダのコーポレート・ガバナンス・コード(以下「本コード」という。)の改正が2016年12月8日か
ら発効し、その運用方法および規制の意味するところは、BNG銀行にとって2017年度の重要な話題であっ
た。本コードは正式にはBNG銀行に適用されないものの、BNG銀行は、その運用方法、規制などを可能な限り
本コードと合わせることによって、本コードの規定に従っている。本コードの改正をきっかけとして、BNG
銀行が本コードの規定をどの程度まで満たしているかを2017年度に検討することとなった。本コードの遵守
は「遵守するかまたは説明せよ」の原則に基づいており、そこが可能な限り本コードの規定を適用するとい
うBNG銀行の出発点である。
2018年8月27日、BNG銀行は定款を更新し、その際に、定款における名称を「オランダ自治体金融公庫」
から「BNG銀行N.V.」へ変更した。「BNG銀行」は2013年以来商号として使用されている。
目 的
1.BNG銀行は、公共体のために銀行業を営むことを目的とする。
2.上記1.の目的に関し、BNG銀行は、就中、金銭の受入れおよび貸付け、その他の方法による信用の
供与、保証の供与、支払いの流れの手配、為替取引の実行、証券の発行および取引の相談および仲介、なら
びに第三者のための証券およびその他の資産の保管および管理を行い、上記のいずれかに関連するまたは寄
与することを目的とする他の企業および/または法人の設立および持分保有を行うものとする。BNG銀行
は、その目的に直接または間接に資する一切の行為をなす権限を有するものとする。
3.上記1.の公共体という語は、以下のものを指す。
ア 民法典第2編第1条第1項および第2項に規定されるオランダ国内の地方自治体およびその他の公法上
の法人。
イ 欧州共同体、およびその他欧州共同体設立条約に従い同共同体の権能の一部の授権をうけた法人格を有
する団体。
ウ 欧州共同体加盟国、およびその他当該加盟国の法律に従い同加盟国の行政権能の一部の授権をうけた法
人格を有する団体。
エ 私法上の法人で、
- その業務執行取締役の半数以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により直接または間接
に選任されるもの、および/または
- その株式資本の半数以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により直接または間接に提供
されるもの、および/または
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- その営業予算の収入面の半額以上がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体に
より採択された計画、条例または法律に基づき、直接または間接に提供または担保されるもの、およ
び/または
- その営業予算がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体により採択された計
画、条例または法律に基づき、直接または間接に採択または承認されるもの、および/または
- そのBNG銀行に対する債務がア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により、当該団体により採
択された計画、条例または法律に従って、直接または間接に保証されるか、または将来保証されるも
の。かかる目的上、債務には、事前融資またはその他の融資から生じる無保証債務で、債務の更改によ
り、将来、当該団体により採択された計画、条例または法律に従って当該団体により保証される債務と
なるものが含まれる。および/または
- ア、イおよびウ記載の1または2以上の団体により採択された計画、条例または法律に従って、政府
の職務の一部を実行するもの。
② 法的地位および特別権限
BNG銀行は、オランダ民法(設立時には関係規定が商法にあった。)に基づき株式会社として設立され
た。BNG銀行の存続期間は無期限である。その定款によれば、オランダ王国、州、地方自治体、治水公社お
よびその他の公共団体のみがBNG銀行の株主となることができる。BNG銀行の株式資本の50%はオランダ王国
政府が所有している。BNG銀行は、地方、地域および職能団体ならびに公共事業、公営住宅、公衆衛生、福
祉、文化、教育および保養に関する政府の関連団体または関係組織のための専門銀行である。
1925年政令第125号に従って、政府から地方自治体への支払いおよび地方自治体から政府への支払いは、
オランダ王国財務大臣によりそのようなものとして確認された範囲まで、債権・債務を相互に相殺すること
によって行われる。その目的のため、財務大臣が定める規則に従って、政府と各地方自治体との間または
BNG銀行と各地方自治体との間で口座が開設されるものとし、その場合BNG銀行と政府との間でもまた、口座
が開設されるものとする。BNG銀行は、当該政令に基づき財務大臣によりその法令でそのような役割をもつ
銀行として指定されており、中央政府と地方政府との間の支払処理の仲介機能を果たす、オランダで唯一の
銀行である。
2005年1月1日付で、BNG銀行は法人税の支払義務を負うこととなった。期首貸借対照表における金融商
品の初回の財務評価に関する税務当局との協議は、2006年に終了した。これにより、2005年にBNG銀行が適
用した会計方法またはかかる方法による結果が調整されることはなかった。2005年、この過程により税の有
利な取扱いが生じた(一部は一時的なものである。)。
③ 日本との関係
BNG銀行の設立に際して、日本との関係はない。
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(2) 【資本構成】
① 資本構成
2018年12月31日現在のBNG銀行の資本構成は以下のとおりである。
2018年12月31日現在
(単位:百万ユーロ)
授権株式資本:2億5,000万ユーロ
資本金(発行済全額払込済) 139
資本準備金 6
その他の剰余金 3,410
再評価剰余金 125
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 10
自己信用調整 9
ヘッジコスト準備金 222
当期純利益 337
ハイブリッド資本 733
負債証券 103,722
受託資金 5,800
32
劣後債務
資本合計 114,545
② 持分保有者(株主)
2018年12月31日現在、発行済株式の半分はオランダ王国政府が所有し、残りの半分はオランダの11の州、
355の地方自治体および1の治水公社が所有していた。
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(3) 【組織】
① 執行取締役会
BNG銀行の経営は、監督取締役会の監督の下、会長1名を含む2名以上の者で構成する執行取締役会に授
権するものとする。執行取締役会会長およびその他の構成員は、監督取締役会により選任および解任される
ものとし、監督取締役会は、いつでも、個別にまたは全員を停職させることができる。停職の場合は、その
時期および条件もまた定めるものとする。執行取締役会は、執行取締役会会長が議長を務めるものとする。
執行取締役会構成員は、監督取締役会との協議の後、合議により、その職務につき定めるものとする。
執行取締役会は、BNG銀行を代表する権限を有するものとする。かかる代表権限は、共同で行為する執行
取締役会構成員2名、または委任状の保有者と共同で執行取締役会構成員1名にも、付与されるものとす
る。執行取締役会は、監督取締役会の承認を得た上、その責任に基づき、かつ必要と考える範囲を正当に遵
守し、BNG銀行の代表権をBNG銀行の執行取締役会構成員および従業員に付与することができ、またその者が
有すべき役職を定めるものとする。
とりわけ下記に関する執行取締役会の決議にはあらかじめ監督取締役会の承認を必要とする。
ア BNG銀行の株式および債券またはBNG銀行を無限責任社員とする合資会社または合名会社の社債の発行お
よび取得。
イ 証券取引所の公式相場への上記ア記載証券の上場または上場廃止の申請。
ウ 監督取締役会が定める金額を超える場合における、署名による債務の承認に基づく満期20年超の借入お
よびその借入の条件。
エ BNG銀行または従属会社を一方当事者とし他の会社または法人を他方当事者とする、または合資会社も
しくは合名会社の無限責任社員としての、継続的提携の締結またはその解消。ただし、その提携または解
消がBNG銀行にきわめて重要な場合に限る。
オ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、発行済資本および準備金の4分の1以上に相当する他の会
社の持分のBNG銀行または従属会社による取得およびその持分の著しい増加または減少。
カ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、BNG銀行の発行済資本および準備金の4分の1以上に相当す
る金額を要する投資。
キ 定款修正決議。
ク BNG銀行の解散決議。
ケ 清算および支払停止の申立。
コ 同時または短期間内における、BNG銀行または従属会社の相当数の従業員の解雇。
サ BNG銀行または従属会社の相当数の従業員の労働条件の重要な変更。
シ 発行済資本減少決議。
ス BNG銀行を代表しての、またはBNG銀行の費用による不動産およびその他の登記が必要とされる財産の取
得、担保設定および譲渡。
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さらに、BNG銀行の同一性もしくは性質またはその業務における重要な変更に関する執行取締役会の決議
には、株主総会の承認が必要とされる。それは、最小限の事項として下記のものが含まれる。
ア 事業またはほぼ全ての事業の第三者への譲渡。
イ BNG銀行または子会社と、他の法人または会社との間の、または合資会社または合名会社の完全に責任
を負う社員としての、長期的協力の締結または解消。ただし、その提携または解消がBNG銀行にきわめて
重要な場合に限る。
ウ BNG銀行の注記付貸借対照表を基準として、またはBNG銀行が連結貸借対照表を作成している場合は最新
の年次財務書類が含まれている連結貸借対照表を基準として、発行済資本および準備金の3分の1以上の
価値に相当する会社資本持分のBNG銀行または子会社による取得または処分、およびかかる会社投資の著
しい増加または減少。
エ 上記ウに示されている金額以上の投資または投資の回収。
2018年末の執行取締役会の構成員は以下のとおりである。
ギータ・サルデン、最高経営責任者(会長)
オリビエ・ラーベ、最高財務責任者
ジョン・レイチャード、最高リスク責任者
2018年1月1日に、ギータ・サルデンが執行取締役会の会長となり、カレル・ファン・エイケレンブルフ
を引き継いだ。
経営委員会
執行取締役会は週1回開催される。さらに、経営委員会は月2回開催される。執行取締役会構成員に加
え、経営委員会には8名の上級部長がいる。執行取締役会構成員は決定を行う正式な権限を有し、残りの構
成員は勧告的意見を与えることができる。経営委員会は、BNG銀行の戦略および戦略目標の枠組み内で組織
方針を規定および採用すること、ソルベンシー限度との関連で資本配分によって課される制約内で商業方針
を設定および決定ならびに監視すること、また業務およびプロジェクトの一般的な過程を管理することに重
点を置いている。
下記「⑤ 機構」に含まれる組織機構図は、2018年12月31日現在の組織の構成を表し、経営委員会構成員
を示している。執行取締役会の任務について助言および支援を行う6つの執行取締役会の委員会もある。こ
れらの委員会の任務および構成員に関する記述は、BNG銀行のウェブサイトに掲載されている。
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② 監督取締役会
BNG銀行の定款の他の規定に従ってかつ他の規定を損なうことなく、監督取締役会は執行取締役会の方針
およびBNG銀行における通常の業務ならびにBNG銀行が関係する事業を監督すべき責任を負う。監督取締役会
は、執行取締役会に対し助言を与えることにより、これに協力するものとする。監督取締役会構成員は、そ
の任務を遂行するに当たっては、BNG銀行の利益およびBNG銀行が関係する事業に従うものとする。
2017年度および2018年度に、監督取締役会は、監督取締役会の自己評価に従って、監督取締役会の望まし
い将来の規模について議論した。監督取締役会は、監督取締役会の規模を9名から7名に段階的に減らすこ
とを決定した。監督取締役会は、7名の構成員が適切に機能する取締役会を確保するのに十分であると考え
ている。
2018年8月27日に改正された現行定款では、監督取締役会は、5名以上の構成員により構成されるものと
すること、監督取締役会はその構成員の数を決定するものとすることが定められている。
監督取締役会は、その責務を果たすのに必要な資質を確実に保持することを目的として、プロフィールを
規定した。2018年4月18日に、監督取締役会は、一般に監督取締役会構成員に必要な資質に関するバンキン
グ・コードおよびオランダのコーポレート・ガバナンス・コードの規定に対応するため、このプロフィール
を改定した。現在、監督取締役会のプロフィールは以下のとおりである。
監督取締役会は、経歴および年齢の点から構成の多様性を目指している。
監督取締役会の構成員3名以上は、以下に関する十分な知識および経験を有している。
ア 財務および監査:財務情報および外部報告、会計方針、内部リスク管理および統制システムならびに内
部および外部監査。
イ リスク管理およびコンプライアンス:リスク管理およびコンプライアンスの機能、様々なリスクおよび
相互に関連するリスク領域の管理ならびに会社がそのリスク管理およびコンプライアンスの機能を設定し
た方法。
監督取締役会の構成員2名以上は、以下に関する十分な知識および経験を有している。
- 人事および組織:報酬方針、文化、可動性、業績管理、異動管理、労使関係ならびに会社がその人事方
針および組織を整理した方法。
監督取締役会の各構成員は、以下の2つの分野のいずれかにおける経験を有している。
- 金融サービス、特に銀行業務の経験。
- 政府:中央政府、州、地方自治体などの(半)政府組織および/または住宅、ケアおよび/または教育
分野の部門における経験。
監督取締役会は、構成員の30%以上が女性および構成員の30%以上が男性であるよう構成されている。
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監督取締役会は、監督取締役会全体としての誠実性および各構成員の誠実性を監視している。監督取締役
会では、各構成員がその監督任務を十分実行できることを保証し、その委員会(報酬委員会、人事委員会、
監査委員会およびリスク委員会)に適切な人材が配置されているかを監視する。
監督取締役会は、互選により、会長1名を選任し、また、互選またはその他の方法により、秘書役1名を
選任するものとする。監督取締役会の各構成員は、いつでも、BNG銀行の事務所に立入り、BNG銀行の帳簿、
記録および資金を検査する権利を有するものとする。執行取締役会の構成員は、自己の知る範囲で、監督取
締役会の構成員が請求する一切の情報を提供する義務があるものとする。執行取締役会の構成員は、出席を
求められたときは、監督取締役会に出席するものとし、その場合、自己の知る範囲で、BNG銀行の事項に関
し要求された一切の情報を提供する義務を負うものとする。
2018年末の監督取締役会の構成員は以下のとおりである。
マリアンネ・シント(会長)
ヤン・ノーイトヘダフト(副会長兼秘書役)
ケース・バウヴィング
テオ・ボーフェンス
ヨハン・コナイン
マルリース・ファン・エルスト
ヤンティーネ・クリエンス
ヤン・ファン・ルッテ
マルリース・ファン・エルストが2018年4月19日の株主総会で監督取締役会構成員に選任された。ルカ
ス・ボルシウスが2018年4月19日の株主総会の最後に退任した。
ヤン・ノーイトヘダフトおよびテオ・ボーフェンスが2019年4月18日に開催された株主総会の最後に監督
取締役会を退任した。ヒュープ・アレンセの選任が2019年4月18日の株主総会で承認された。
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監督取締役会の会議
監督取締役会は、執行取締役会の方針、執行取締役会がBNG銀行において戦略および一般業務を実行する
方法を監視する。この目的のために、監督取締役会は、内部リスク管理および統制システムの有効性ならび
に財務報告の誠実性および質に重点を置いている。監督取締役会は、審議中の議題に応じて、議論相手、監
督または雇用主としての役割を果たす。監督取締役会は、2018年度に定例会議を7回開催した。監督取締役
会の空席の補充に関する人事委員会の助言を話し合うために、監督取締役会の会議が追加で開催された。監
督取締役会の定例会議には、執行取締役会構成員および要請された場合は外部監査人も出席する。毎回監督
取締役会の会議の前に、監督取締役会構成員のみが出席する非公開セッションが開催される。監督取締役会
の会議では、監督取締役会の定例会議の1週間前に開催される委員会の会議の書面および口頭による報告が
行われる。監督取締役会に関連する委員会の会議文書も、監督取締役会の会議の議題に記載される。委員会
の責任の範囲内にある特定の事項については、その委員会でより詳しく議論される。監督取締役会の承認が
必要とされる場合は、関係する委員会が監督取締役会に助言を与える。
監督取締役会の委員会
監督取締役会の4つの委員会は、執行取締役会の活動の監視において監督取締役会を支え、監督取締役会
による意思決定に備え、また様々な議題について助言を与える。各委員会は2018年度に更新された独自の規
則を有し、それらはBNG銀行のウェブサイトに掲載されている。原則として、委員会は、監督取締役会の定
例会議の1週間前に開催される。委員会は協議および調査結果に関して監督取締役会に書面で報告する一
方、当該委員会の委員長は口頭で意見を具申する。監督取締役会に関連する委員会の会議文書は、監督取締
役会の会議の議題に記載される。
監査委員会
監査委員会は、執行取締役会の活動を監視する上で監督取締役会の役割を果たし、財務報告、内部統制シ
ステム、内部監査および外部監査人に関する意思決定に備える。
監査委員会の会議には、監査委員会の委員に加え、執行取締役会構成員、内部監査(IAD)部長、財務・
管理部長および外部監査人も出席する。さらに、その他数人の監督取締役会構成員がこれらの会議に出席し
た。監査委員会は、毎回監査委員会の定例会議の前に、外部監査人およびIAD部長と非公開セッションを開
催する。監査委員会委員長はIAD部長と定期的に協議する。
監査委員会は、2018年度に4回開催された。
リスク委員会
リスク委員会は、リスク方針およびリスク管理、コンプライアンスならびに報酬方針のリスク分析などリ
スクに関連する事項について執行取締役会の活動を監視する上で監督取締役会を支え、これらの事項に関す
る監督取締役会の意思決定に備える。
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リスク委員会の会議には、リスク委員会の委員に加え、要請された場合は執行取締役会構成員、内部監査
(IAD)部長、リスク管理部長およびコンプライアンス責任者が出席する。リスク委員会委員長はリスク管
理部長とおよびコンプライアンス責任者と定期的に協議する。
リスク委員会は、2018年度に5回開催された。
人事委員会
人事委員会の職務には、監督取締役会および執行取締役会構成員の採用および選定、監督取締役会構成員
の選任または再任のための準備作業、監督取締役会および執行取締役会の全体としての業績の定期的な評価
ならびに個々の監督取締役会構成員および執行取締役会構成員の業績の評価が含まれる。この点で、人事委
員会は、監督取締役会による意思決定に備え、ひいては雇用主としての役割で監督取締役会を支える。人事
委員会の会議には、人事委員会の委員に加え、執行取締役会構成員および人事部長も出席する。
人事委員会は、2018年度に6回開催された。
報酬委員会
報酬委員会は、BNG銀行のリスクおよびリスク管理に影響を与える決定を含む、監督取締役会、執行取締
役会および上級経営陣の報酬に関する監督取締役会による決定の準備に責任を有する。人事委員会の仕事と
同様、この責任は主に監督取締役会の雇用主としての役割に関係する。報酬委員会の会議には、報酬委員会
の委員に加え、執行取締役会構成員も出席する。
執行取締役会の報酬方針は2016年度に株主によって採択され、2018年度に変更はなかった。また、2018年
度中、執行取締役会の構成にも変更はなかった。このような背景から、報酬委員会は、2018年度には1回の
開催のみ要することとなった。
③ 株主総会
上記のとおり、BNG銀行の定款では、オランダ王国、州、地方自治体、治水公社およびその他の公共団体
に限りBNG銀行の株主となることができる。
株主総会は、ハーグ、アムステルダム、ロッテルダムまたはユトレヒトにおいて開催するものとし、執行
取締役会または監督取締役会もしくはその代表者が株主および議決権ある用益権者に宛てた回状により、14
日以上前(通知日および総会開催日の両日を含む。)に通知を発して、これを招集する。上記のほか、株主
総会は、監督取締役会、執行取締役会、監督取締役会の構成員3名以上、執行取締役会の構成員1名または
株主10名以上が必要であると判断し、かつ、執行取締役会および監督取締役会が議案を付して書面で請求し
たときは、随時、開催されるものとする。かかる請求に応じて、1か月以内に総会が開催されない場合、請
求者自ら総会を招集することができるものとする。かかる総会においては、議決権の絶対多数により、総会
自ら議長および秘書役を選任するものとする。年次計算書類、年次報告書および民法典第2編第392条第1
項により付加すべき情報ならびにその他の議事を審議すべき年次株主総会は、毎年、7月1日前までに開催
する。
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監督取締役会および執行取締役会の構成員は、すべての株主総会に出席し、かつ、総会において意見を述
べ、勧告的意見を述べる権利を有するものとする。
各株式は1議決権を有する。株主総会における議題は、すべて議決権の絶対多数により定めることができ
る。ただし、定款においてこれより多い数が定められている場合はこの限りでない。
④ 従業員
2018年度に、BNG銀行およびその子会社で勤務する従業員数は2名(1FTE)減少し306名(302FTE)と
なった。306名の従業員のうち、207名(68%)が男性および99名(32%)が女性である。2018年度に、BNG
銀行には36名の部長がおり、そのうち10名(28%)が女性であった。また、13名(13.1FTE)の外部従業員
は正式な職員の地位を占めているが、51名の外部従業員はかかる地位を占めていない。BNG銀行には295名の
従業員が勤務している。子会社であるBNG Gebiedsontwikkelingには11名の従業員がおり、子会社であるBNG
Hypotheek-fonds voor Overheidspersoneelには従業員がいない。BNG銀行の支店は一つで、全従業員がこの
場所で働いている。2018年度に、16名(5%)が勤務を開始し、18名(6%)が退職した。銀行業界のため
の団体労働協約で規定されている標準的な通知期間は2か月である。10名の従業員が内部で転職した。従業
員の平均年齢は47歳超で、前年度と比べ実質的に変わらなかった。従業員の平均勤続年数は14年超である。
⑤ 機 構
BNG銀行は、オランダ、ハーグ Koninginnegracht 2に登記上の事務所を有しており、支店はない。2018年
12月31日現在、子会社は2社あり、関連会社はない。
BNG銀行の機構は下記の組織機構図のとおりである。
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組織機構図
執行取締役会
オリビエ・ラーベ ギータ・サルデン ジョン・レイチャード
最高財務責任者 最高経営責任者 最高リスク責任者
トレジャリー・
公共ファイナンス部門 プロセシング部門
資本市場部門
財務・統制 人事 データ・情報管理
執行取締役会・
資本管理 リスク管理
経済調査補佐室
法務・税務 内部監査 信用リスク評価
マーケティング・ コンプライアンス・
コミュニケーション 誠実性
経営委員会構成員
⑥ 報酬方針
BNG銀行の報酬方針は、その独自性および戦略に沿ったもので、報酬に関連する法定および方針上の枠組
みの範囲内にある。近年、BNG銀行は、執行取締役会および従業員の報酬方針に様々な調整を行い、経済的
措置を講じた。BNG銀行は、報酬について性別による区別をしていない。
監督取締役会は報酬方針を監視する。執行取締役会および従業員の報酬方針の一般原則は、監督取締役会
により承認されている。毎年、報酬方針の実施について監督取締役会に報告され、監督取締役会はその方針
が抑制的な報酬方針という原則に合致しているかを評価する。株主総会は、執行取締役会構成員の報酬方針
および監督取締役会の報酬方針を承認する。外部監査人は、この手順が正しく適用されているかを調査する
が、報酬の水準を決定する上で助言を与える役割はない。
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業績連動報酬は、2017年1月1日から全従業員について廃止された。従業員の(利益分配および特別な場
合の任意賞与から構成される)変動報酬総額は、固定報酬の20%を超えることはできない。この制限を超え
た場合、上限設定が適用される。執行取締役会構成員は変動報酬を受け取っていない。1名の執行取締役会
構成員と一時金の取決めが合意され、2018年度も依然として変動報酬を受け取る資格があった。2018年度
に、監督取締役会構成員の報酬に変更はなかった。執行取締役会および監督取締役会の報酬は、下記「(5)
経理の状況」で報告されている。
2018年度に最高収入を得た執行取締役会構成員の給与は、BNG銀行の従業員の平均給与の4.5倍であった。
2017年度のこの比率は6.2であった。2018年度に最高収入を得た執行取締役会構成員の給与は、BNG銀行の従
業員の給与の中央値の4.8倍であった。2017年度に最高収入を得た執行取締役会構成員の給与は、BNG銀行の
従業員の給与の中央値の6.7倍であった。2018年度に最高収入を得た執行取締役会構成員の給与は、2017年
度に最高収入を得た構成員と比べ27.4%減少した。この減少は、最高収入を得ていた執行取締役会構成員が
2017年度末に退任したためである。BNG銀行の従業員の(人件費に関連する)平均給与は1.36%増加した。
報酬方針および報酬報告書は、BNG銀行のウェブサイトに掲載されている。
⑦ リスク管理およびコンプライアンス
リスク管理
リスク管理は、BNG銀行のリスク・プロファイルの維持を目的としている。利害関係者モデルは、リス
ク・プロファイルに関連して異なる利害関係者の利益および期待を識別するために使用される。この情報
は、「収益性」、「ソルベンシー」、「流動性」、および「評判とブランド」という4つの構成要素に対す
る野心を説明するために使用される。これらの野心は、リスク選好ステートメントにおいて、質的な観点か
ら、そして量的に詳述された。その後、異なるリスクの種類についてリスク許容限度に関するカスケードが
行われた。この手順によって限度、目標および参照数値が得られ、当行はそれらを自己のリスク管理のため
に日々の業務で使用する。このリスク管理手順および結果として生じるリスク・プロファイルに関する詳細
は、連結財務書類の一部である注釈「リスク項目」および独立した第3の柱報告書に記載されている。2018
年度に、BNG銀行は、所定のリスク許容限度内に留まった。BNG銀行のリスク・プロファイルに大幅な変更は
なかった。EBAストレス・テストの結果は、BNG銀行がヨーロッパで最も堅実な銀行の一つであることを再び
示すものであった。
オペレーショナル・リスクに関連して、BNG銀行は、一般データ保護規則(AVG)、マネー・ローンダリン
グおよびテロ資金供与防止に関する改正法(Wwft)ならびに内部統制に関する欧州銀行監督機構(EBA)の
ガイドラインの実施に特に注意を払った。BNG銀行はまた、2018年度に初めて、金融商品市場に関する改正
指令(MiFID Ⅱ)および金融商品市場に関する規則(MiFIR)を適用する経験を得た。
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法規、ガイドラインおよび行動規範
BNG銀行は、様々な法令、ガイドラインおよび行動規範に拘束されている。2018年度の主題の一つはMiFID
Ⅱの発効であった。MiFID Ⅱは、2007年度に導入されたEUの金融商品市場に関する指令(MiFID)を改正
し、EUの金融商品市場に関する規則(MiFIR)を導入するものである。2017年度に必要な準備がすべて完了
しており、2018年度には主に修正済の内部手順が実施された。
2019年度には、バーゼルⅢ合意としても知られる資本要求指令Ⅳ(CRD Ⅳ)がEU域内で完全に実施される
予定である。BNG銀行はその進展を把握し、影響を評価し、また規制当局の協議に関する意見を提供してい
る。
2018年6月30日に発効した内部統制に関するEBAのガイドラインは、BNG銀行にとってもう一つの重要な出
来事である。これらのガイドラインにより、意思決定および統制の手順がいくつかの側面において厳しく
なった。年次報告書に関連する法律、規則およびガイドラインは、年次報告書の「報告原則およびデータ測
定技術」の項目に含まれている。さらに、BNG銀行は、数種の行動規範ならびに国際的な慣習およびガイド
ラインに従っている。BNG銀行は、オランダの銀行法(2010年以降)および人権に関する国際的な責任ある
業務遂行に関するオランダの銀行部門の協定(2016年)を遵守する義務がある。後者の協定の結果として、
当行は、2019年度から先においては、プロジェクト・ファイナンスにおける環境上および社会的リスクを決
定、評価および管理するためのリスク管理の枠組みである、赤道原則を適用する予定である。国連のグロー
バル・コンパクトに基づく勧告、国連のビジネスと人権に関する指導原則およびOECDの多国籍企業行動指針
は、関連する手順において実施される。
BNG銀行は、持続可能な開発目標、スピッツベルゲン協定(2018年)およびオランダのコーポレート・ガ
バナンス・コード(2016年改正版)に自発的に参加している。BNG銀行は、オランダのコーポレート・ガバ
ナンス・コードの規定を順守しており、とりわけ、作業方法が本コードと可能な限り一致することを確実に
している。2018年度に、その点に関する最終的な取決めが完了した。また、本コードの原則およびベストプ
ラクティス規定が実施され、BNG銀行による作業方法に規定され、BNG銀行のウェブサイトに掲載されるかま
たは年次報告書に含められた。原則およびベストプラクティス規定の遵守に関する概要は、BNG銀行のウェ
ブサイトに掲載されている。
倫理的な商慣習
倫理的な商慣習は、BNG銀行の重要な基盤である。その執行取締役会構成員および従業員の側における行
動の倫理基準ならびに公正な商品およびサービスの提供は、この点で重要な要素である。BNG銀行は、この
基盤を保護し、関連する法令を確実に遵守するために、内部方針の規則および手続を適用している。とりわ
け、従業員の個人投資取引の監視、利益相反の回避および必要に応じた透明性のある管理ならびに機密情報
の保護が規定されている。例えば、金融規制、コンプライアンス手続ならびに不正防止および汚職対策に対
する意識の維持および向上にも、十分な注意が払われている。BNG銀行は、新規顧客の受入れ、既存顧客の
監視およびマネー・ローンダリングへの関与の回避のための手続も有している。BNG銀行は、直接間接を問
わず、政治団体に献金していない。
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2018年度に、BNG銀行で一般データ保護規則(AGV)が実施され、顧客および従業員のプライバシー権の強
化および保護につながった。BNG銀行はまた、2018年度に、最重要部分として顧客デューデリジェンス
(CDD)を含むマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止に関する改正法(Wwft)も実施した。新規
顧客の受入れ、既存顧客の監視およびマネー・ローンダリングへの関与の防止に関する既存の手続は、新し
い規則に沿ったものとなった。
新しい内部および外部の従業員は全員、誠実性に密接に関連するBNG銀行の企業規範の写しを受領し、内
部および外部の従業員は全員、オランダの銀行家の宣誓を行った。新しい内部の従業員は全員、導入会議ま
たは内部開発されたナレッジ・プログラムの基本モジュールに参加し、そこでコンプライアンスおよび誠実
性にも注意が払われた。
BNG銀行のサービスにおいては、顧客の利益のために行動するという注意義務が優先されている。した
がって、当行は、その顧客のニーズを満たす簡単かつ明快な商品の提供を目指している。顧客に明確かつ簡
潔な情報を提供し、特定の商品に伴うリスクについて警告することに相当な注意が払われている。また、苦
情処理手続も強化された。この手続はBNG銀行のウェブサイトで入手可能である。
2018年度にBNG銀行およびその子会社により実施された体系的誠実性リスク分析(SIRA)は、原則として
すべての活動が腐敗に関連するリスクについて評価されることを意味している。これは、当行の顧客間での
腐敗の可能性を含めて、腐敗に関連するリスクが生じる可能性があるというシナリオを特定することで行わ
れた。かかる13のシナリオが概説された。分析の結果、顧客デューデリジェンスの方針に関連する当行の従
業員の知識および理解を向上させると、顧客または潜在的顧客による腐敗をより適切に検出できる可能性が
あることが明らかになった。これは改正済のCDD方針で対処される予定である。
BNG銀行の「腐敗防止および利益相反に関する方針」は、2018年度に執行取締役会により承認され、イン
トラネットに掲載され、あらゆる従業員が入手できる。BNG銀行の企業規範、民間投資取引の管理規制、社
用贈与の規則および追加役職を有する従業員のための規則など、その方針で言及されている様々な規則は
BNG銀行のウェブサイトに掲載されているため、すべてのビジネスパートナーが入手可能である。2018年度
には、腐敗防止の方針および手続に関する特定の研修は行われなかった。執行取締役会構成員を含む全従業
員に、ジレンマへの対処法に関する講座が提供され、腐敗も取り上げられた。
2018年度に、コンプライアンスおよび誠実性に関連する(重大な)インシデントは発生しなかった。当行
は、金融監督、腐敗、人権、競争、製造物責任もしくはプライバシーの分野における法令違反に関連する、
またはBNG銀行が直接的もしくは間接的な当事者となっている反競争的措置を理由とする、法的手続または
制裁に巻き込まれなかった。当行の知る限りでは、2018年度にデータ漏洩は発生しなかった。
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⑧ コーポレート・ガバナンス・ステートメント
内部リスク管理および統制システムは、BNG銀行における重要な留意点である。リスク・ガバナンスの枠
組みは、BNG銀行内のすべてのリスク管理活動の基礎を形成し、内部統制およびリスク管理システムの背後
にある原則を明確にする。リスク選好ステートメントは、BNG銀行がその目的を達成するために受け入れる
ことを望むリスクを記載している。BNG銀行の活動に伴う様々なリスクは、BNG銀行の年次報告書で毎年議論
される。執行取締役会に対する「統制」ステートメントで、執行取締役会に直属の業務執行取締役および部
門長は、BNG銀行のリスク選好に関連するリスク管理に重点を置いている。また、BNG銀行のリスク選好を満
たす責任を果たす方法も年間計画に規定する。全体的な枠組みは、BNG銀行の資本管理方針と密接に結びつ
いており、規制当局と定期的に検討および議論されている。
内部監査部(IAD)による監査は、内部リスク管理および統制システムの適正な構造および機能を独立し
て決定することに重点を置いている。外部監査人は、財務書類を監査し、また財務書類の監査に関連する限
り、BNG銀行のガバナンス、リスク管理および統制手順の質および有効性を評価する。IADおよび外部監査人
の調査結果はそれぞれ、執行取締役会および監査取締役会に対するマネジメント・レターおよび監査報告書
で報告される。IAD部長および外部監査人は、監査委員会の会議および財務書類が議論される監督取締役会
の会議に出席する。
年次報告書では、BNG銀行の内部リスク管理および統制システムの運用における欠点について十分な洞察
を行う。上記のシステムは、財務報告に重大な誤りが含まれていないという合理的な程度の確実性を提供す
る。当然ながら、これらのシステムは、それ自体では、企業の目的を実現するための絶対的な確実性を提供
することはできず、すべての誤り、詐欺および法令違反を防ぐことはできない。詳細な説明は、下記「(5)
経理の状況」の「リスク項目」に含まれている。連結財務書類は、継続企業の原則に基づいて作成される。
報告書の作成後12か月間にBNG銀行の継続性の予想に関連する重要なリスクおよび不確実性は確認されてい
ない。
⑨ 政府およびオランダ中央銀行(De Nederlandsche Bank)の規制
オランダ王国政府は、BNG銀行の日々の業務に干渉しない。しかし、株式の50%を有しているため、年次
株主総会で大きな影響力のある議決権を有する。法律またはBNG銀行の定款により、定款の変更を含む多く
の非常に重要な決定は株主総会の承認を必要とする。
BNG銀行は、会計監査、予算編成その他に関して他と異なる取扱いがされることはない。会計監査等に関
してBNG銀行は他の民間会社と同じ法規に従っている。BNG銀行はさらにオランダ中央銀行の定める規則に従
うが、かかる規則は他の(商業)銀行に対するものと同じである。
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BNG銀行に適用ある国の銀行その他の主要な規制
以下は、BNG銀行に適用あるオランダ中央銀行を含む国の法律・規則である。
オランダ民法、特に第2編法人の規定が、株式会社(naamloze vennootschap)としてのBNG銀行に適用さ
れる。
2007年1月1日付で、(特に)オランダの1992年信用システム監督法(Wet toezicht kredietwezen
1992)に代わるものとして、新たな金融監督法(Wet Financieel Toezicht)(Wft)が発効し、Wftにいう
金融機関(credit institution)としてのBNG銀行に適用される。Wftは特に、オランダにおいて設立された
企業はオランダ中央銀行からの承認なくして金融機関の事業を行ってはならないと規定している。BNG銀行
は、この承認を取得している。
2014年度に、BNG銀行が欧州中央銀行(ECB)の直接の監督下に置かれる128の銀行の一つとなることが明
らかになった。ECBによる監督は、2014年11月4日から実施された。BNG銀行は欧州の規制当局が実施したバ
ランスシートの質およびストレス・テストに十分に合格した。基礎シナリオでは、資産査定およびストレ
ス・テストの結果は双方とも、最低必要な8%の2.5倍を超えた額の資本ポジションとなった。最悪シナリ
オでは、リスク加重のソルベンシー比率は17.3%で、最低必要な5.5%の3倍以上である。
BNG銀行は、その行う銀行業務を制限されているオランダで数少ない金融機関の一つである。その制限は
定款に定められている。しかし、オランダで他の銀行が行えない、BNG銀行が専属的に取扱いうる銀行業務
があり、それは、1925年政令(第125号)に基づく、国と地方自治体間の支払いである。
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(4) 【業務の概況】
① サービス
BNG銀行は、短期および長期の貸付、支払いサービスおよび当座預金口座など幅広い商品およびサービス
を提供している。BNG銀行の中核となる顧客は、地方自治体、住宅協会およびヘルスケア機関である。さら
に、当行は、教育機関ならびにエネルギーおよびインフラのプロジェクトに資金を提供している。貸付ポー
トフォリオの大部分(91%超)は、ソルベンシー要件の対象ではなく、リスク加重0%の政府機関により保
証された貸付で構成されている。BNG銀行が提供する商品およびサービスのいずれも、利害関係者により疑
問が提起されておらず、また公の討論の対象にもなっていない。
当行は、将来も安心な社会のために顧客がその目的を達成する手助けとなっている。例えば、当行は、持
続可能なエネルギーの創出に融資することにより、エネルギー協定に定められた野心の実現にあたって顧客
を支援し、不動産をより持続可能にする可能性を決定するために使用できる手段を顧客に提供している。
BNG銀行は、オランダ最大の発行体の一つである。オランダの地方自治体および州による株式保有、大部
分が無リスクの貸付ならびに非常に高い外部信用格付(ムーディーズ:Aaa、スタンダード・アンド・プ
アーズ:AAAおよびフィッチ:AA+)のおかげで、当行は極めて強力な資金調達ポジションを有している。
当行は、主に国際通貨および資本市場を通じて、様々な通貨で短期および長期の資金を調達している。
2018年度に、BNG銀行は平均満期7.2年の債券を184億ユーロ発行した。下記「⑪ 資金調達」に詳細な説明が
含まれている。
② 財務成績
2018年度は、BNG銀行にとって成功の年となった。新規に発行された長期貸付の量は、2017年度と比べ21
億ユーロ増加して116億ユーロとなった。当行は、新しい資金調達の解決策および持続可能な取組みを用い
て、当行の顧客が社会的な課題に対処するのを助けている。貸付の大幅な増加は、住宅の建設および既存不
動産の持続可能対策を目的とするものを含む、特に地方自治体および住宅協会からの投資の増加に牽引され
た。エネルギーおよびインフラへの貸付も増加した。高まる信用需要を満たすために、BNG銀行は長期借入
で総額184億ユーロ(2017年度:177億ユーロ)を調達した。とりわけ、BNG銀行は、ユーロおよび米ドルで
ベンチマーク債を発行し、その規模は5億から25億ユーロまでであった。さらに、地方自治体、住宅協会お
よび再生可能エネルギー向けの貸付のための資金調達として、サステナブルボンドが国際投資家に募集され
た。当行は、2014年度以降、総額53億ユーロ相当のサステナブルボンドを発行している。
BNG銀行は、2018年度に3億3,700万ユーロの純利益を計上したが、これは2017年度と比べ5,600万ユーロ
の減少となった。それでも、当行はこの成績に満足している。この減少は主に、金融取引損益の貢献が低下
したためであった。株主資本利益率は8.5%で、目標の4.1%を大幅に上回っている。
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利息損益は4億3,400万ユーロで、2017年度の成績と実質的に同じであった。有利な金利で新しく長期資
金を調達できたため、この損益がプラスの影響を受けた。長期貸付における早期の返済額が比較的大規模で
あったため、2018年度の利息損益に対する売却損益の貢献が900万ユーロと予想外に大きくなった。また、
短期貸付が利息損益に貢献した。
金融取引損益は、2018年度に1億1,200万ユーロのプラス(2017年度:1億8,100万ユーロのプラス)と
なった。金融取引損益がプラスとなった一因は、ECBの金融政策の結果による低金利および低スプレッドで
あった。公正価値で認識され損益計算書に計上された金融商品の市場価値の未実現変動は、この損益の大部
分(68%)に相当する。市場価値の実現変動(3,600万ユーロ)は、主に流動性ポートフォリオの変動によ
るもので、残りの32%を占める。
2018年度の連結営業費用は、プロセスの効率化に必要な情報技術への投資を一因として、2017年度と比べ
400万ユーロ増加し7,600万ユーロとなった。
BNG銀行の2018年度の欧州破綻処理基金への拠出額は、2017年度と比べ300万ユーロ近く増加し1,200万
ユーロとなった。銀行からの年間拠出額が引き上げられたため、拠出額は予想を上回っている。2018年度の
貸借対照表合計の減少は、支払銀行税が2017年度と比べ500万ユーロ減少し3,100万ユーロ超となったことを
意味する。
金融商品に関する新しい会計基準であるIFRS第9号は、2018年1月1日に発効した。株主資本への影響
は、2億6,600万ユーロのマイナスであった。この成績は主に、キャッシュフロー・ヘッジ準備金の減少
(1億7,400万ユーロ)に起因し、ヘッジ会計で実施された変更に関連するものであった。この準備金は
Tier 1資本の一部ではないため、Tier 1比率およびレバレッジ比率の水準には影響を及ぼさない。その他の
剰余金への影響は4,400万ユーロのマイナスで、そのうち3,300万ユーロは貸倒引当金に起因するものであっ
た。IFRS第9号への移行の詳細については、下記「(5) 経理の状況」を参照のこと。
2018年度の貸借対照表合計は、25億ユーロ減少し1,375億ユーロとなった。「貸付金および前渡金」項目
は、10億ユーロ減少し850億ユーロとなった。これは主に、IFRS第9号への移行の一環として、顧客の利付
有価証券14億ユーロが償却原価で測定される「利付有価証券」項目に再分類されたためである。ECBにおけ
る当行の流動性ポジションの低下およびデリバティブ取引に関連する預入担保の減少が、貸借対照表合計が
減少した主な理由である。
BNG銀行の株主資本は、2018年度に3億ユーロ増加し50億ユーロとなったが、これは主に、純利益が増加
した結果である。ソルベンシー比率も上昇したが、これは主に、2017年度の利益剰余金がTier 1資本に追加
されたためである。2018年度に、普通株式等Tier 1比率およびTier 1比率はそれぞれ32%および38%に上昇
した。レバレッジ比率は、2017年度末と比べ0.3パーセンテージ・ポイント上昇し3.8%となった。
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レバレッジ比率の水準がプラス傾向であるため、BNG銀行は、配当性向を2017年度と比べ12.5パーセン
テージ・ポイント高い50%に引き上げることを提案した。ハイブリッド資本の提供者への配当金分配を控除
した後、3億1,800万ユーロ(2017年度:3億7,500万ユーロ)という金額が株主に利用可能となる。その金
額の50%を支払うとする提案は、1億5,900万ユーロ(2017年度:1億4,100万ユーロ)の配当金に相当す
る。残りは剰余金に追加される予定である。配当金は、額面金額2.50ユーロの1株当たり2.85ユーロ(2017
年度:2.53ユーロ)である。資本要件に関する確実な規制は、恐らく2019年度に提供される。その後、新し
い長期的な資本方針および配当政策が起草可能となる。
③ 地方自治体
BNG銀行の地方自治体への貸付は大幅に増加し、再び大きな市場シェアを占めた。この部門の取引高は、
2017年度と比べ13億ユーロ増加し44億ユーロとなった。取引高の大部分がソルベンシー要件の対象とならな
い部門で発生した。持続可能性のスコアにより、SRIボンドに基づく資金調達の資格のある地方自治体に約
17億ユーロが提供された(下記「⑪ 資金調達」を参照のこと)。
BNG銀行が地方自治体に提供する資金は、大部分が貸借対照表上の融資の形を取っているため、地方自治
体が活動を行っている全分野に関連する。当行は、その専門知識を利用して、地方自治体が直面している財
政問題に対する解決策を見つけられるよう支援している。2018年度に、当行は、地方自治体の政策決定者
と、持続可能性および不動産の問題を扱う会議を主催した。また、4つの大きな地方自治体と、建築関連の
資金調達に関する当行の知識を共有している。BNG銀行の活動方法から、地方自治体が保証人として行為す
る他の顧客セグメントの機関に資金を提供することもある。その他の場合には、当行は地方自治体に対する
「管理人」の役割を果たしている。例えば、2018年度に当行は、2019年1月1日現在の改正に関与する地方
自治体が財政的および行政的な側面を適時に完成させるよう支援した。
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地方自治体の責任範囲は依然として変わらない。地方自治体は、青少年ケアおよび社会給付の分野で重要
な主導的役割を果たし、住宅協会との業績協定を締結している。地方自治体はまた、気候変動協定に基づく
目標を達成する上で果たすべき重要な役割を有する。その要素の一つは、天然ガスへの依存度ゼロの構築環
境に向けた取組みである。2021年までに、地方自治体は、移行に関する展望を作成し、地区がより持続可能
になり、天然ガスの配管網から切り離される時期を指定しなければならない。民間部門の住宅の在庫をより
持続可能なものにする過程の強化を目的とした建設関連の資金調達が、特に注目を集めている。いくつかの
地方自治体は、中央政府が対策を促進するには時間がかかり過ぎると考えているため、独自の取組みを実施
している。2019年度には、構築環境の持続可能性の向上が一層重要になると予想される。地方自治体は、持
続可能なプロジェクトへの保証の提供または資金を通じた財政的な参加により、これに関連して引き受けた
調整または促進の役割を果たしている。当行は、当行の知識を共有し、資金を提供することにより、地方自
治体が野心を効率的に実行できるよう支援する。例として、アハターフック地域の地方自治体が保証を提供
したトゥウェンテ・ソーラー・パーク、エネルギー企業Op Rozenおよびグリーンエネルギー企業AGEMへの資
金提供が挙げられる。2018年度に、BNG銀行は、ユトレヒトの地方自治体と州の取組みであるユトレヒト・
エネルギー移行財団に貸手として関与した。同財団において、企業および機関は、そのエネルギー消費をよ
り持続可能にするために貸付を受けることができる。
地方自治体にとって、その不動産をより持続可能にすることも、優先度が高い課題である。当行の「公共
不動産スキャン」は、顧客の不動産の持続可能性を向上させ、それに伴う費用を改善するために必要な措置
について、すぐに顧客にアイデアを提供できるよう当行が使用するオンラインツールで、ニーズを満たして
いることは明らかである。現在、このツールを使用して、400万平方メートル超の不動産が識別されてい
る。2018年下半期には、当行は、公共部門に加え、住宅協会、ヘルスケアおよび教育部門の顧客にも、この
ツールを利用可能にした。
2018年2月に、行政間プログラム(Interbestuurlijk Programma)(IBP)が開始された。その目的は、
中央政府、地方自治体、州および治水公社の間の協力関係の改善であり、したがって彼らはオランダの約10
件の主要な社会的課題に共同で取り組むことができる。プログラムの項目の一つは、「将来性のある生活」
(Toekomstbestendig wonen)という課題に対応してきた住宅市場における緊迫した状況である。このプロ
グラムの要素には、緊縮を特徴とする状況における、住宅需要、対象グループおよび障害の分析、都心部再
開発の基金ならびに住宅、ヘルスケア、利便性、教育および経済に重点を置いたまとまりのあるアプローチ
がある。内務・王国関連大臣は、市場が共同貸手として行為するという条件で、都心部再開発のための回転
基金を設立した。BNG銀行は、この基金を重要な取組みとみなし、それ以来、同額の資金を提供する支援を
約束してきた。現在、適切なプロジェクトへ共同で資金提供する準備ができている。これにより同制度の影
響は倍増する。
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17の持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年まで政府および経済界にとって重要な議題項目である。これ
らのSDGsの達成には地方自治体の貢献が不可欠であるが、地方自治体はお互いのおよび経済界との協力に
よってのみ、この課題を遂行することができる。企業は、社会的および生態学的問題に対する解決策を大規
模に実行する際、資金不足に対処しなければならない。BNG銀行およびオランダ地方自治体連合は、「グ
ローバル目標と社会的影響へのチャレンジ」に地方自治体、企業および財政支援者を集め、持続可能な開発
目標12「つくる責任つかう責任」に影響を与えるため、持続可能なアイデアを示した。エネルギー移行、廃
棄物およびリサイクルならびにより持続可能な消費と生産の形態に関する60件以上の計画が提出された。11
月末に、完全に再利用可能な集合住宅用電池装置を含む取組みが本チャレンジの優勝者であると発表され
た。この取組みを支持している関係者は、今後のその精緻化および実施において、BNG銀行の指導を頼るこ
とができる。
④ 住宅協会
BNG銀行は、住宅協会にとって最も重要な貸手であり、そのため、当行は、住宅入手可能性、住宅取得能
力および賃貸住宅をより持続可能なものにする点においては、住宅協会が抱える課題に貢献することができ
る。主要な投資課題には住宅協会が優先順位を設定する必要があるが、税金が上がると、投資の野心に圧力
がかかるため、一層そのような状況になる。こうした背景から、資金調達コストを低く抑えることは重要な
分野である。当行は、借換えの取決めおよび既存の貸付ポートフォリオの再編を通じて、住宅協会がその貸
付ポートフォリオを最適化する手助けをしてきた。融資の取決めもいくつか締結され、住宅協会はそのデリ
バティブのポジションを手仕舞うことができた。2018年度にそれらの取決めに含まれた金額は約4億ユーロ
であった。BNG銀行はまた、WSG住宅協会の再編のための資金提供においても援助を行った。
近年、住宅協会の債務総額が減少しているため、BNG銀行の貸付ポートフォリオの規模が縮小している。
2018年度には、投資水準が上昇した結果、ポートフォリオが微増し、好転が見られた。BNG銀行は、住宅協
会に55億ユーロの資金を提供した。ソルベンシー要件の対象となる部分は1億7,000万ユーロであった。こ
の部門の取引高は、2017年度の水準を10億ユーロ超上回った。持続可能性に向けた成果により社会住宅債に
基づく資金調達の資格のある住宅協会には、総額9億ユーロが付与された。当行は、住宅協会により発表さ
れた予測に基づき、今後数年間で投資が増加し、その結果として信用需要が上昇すると予想している。住宅
協会が行った投資総額のうち、持続可能な投資が占める割合はますます拡大している。気候変動協定への合
意により、この割合が一層大きくなる可能性がある。
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2018年度に、BNG銀行は、改正住宅法(Woningwet)の施行後初めて、SGEI(一般的経済利益を有するサー
ビス)以外のポートフォリオの主要な無保証の融資または借換えに参加し、リンブルフ州住宅協会(Wonen
Limburg Accent)に1億ユーロを超える貸付を行った。このポートフォリオは主に中型賃貸住宅で構成され
ている。同法の下では、これらの活動に対し、公共住宅保証基金(Waarborgfonds Sociale Woningbou)
(WSW)の保証付で長期的に資金を提供することは、もはや不可能になる。最終的に、この資金提供によ
り、リンブルフ州住宅協会はその社会的機能を果たすためのより多くの機会が得られることになる。同様の
プログラムが現在いくつか進行中である。多くの地域で市場関係者による中型賃貸住宅の開発が低迷したた
め、内務・王国関連大臣は、住宅協会にとってこの点の可能性が広がることを発表した。当行は、この点に
ついても、この部門を支援するのに適した立場にある。
⑤ ヘルスケア部門
ヘルスケア部門の性質は変化しつつある。活動は調整され、ケアは市民に寄り添うようますます組織化さ
れている。病院間の差異も専門化によって拡大している。近年、ヘルスケア部門ではシステム変更の実施に
重点が置かれてきたが、機関は2018年度に新たな現実に適応したようである。これにより、機関は、ヘルス
ケア需要に関連して予想される展開を、新しい建物または不動産の持続可能な改修につなげることができ
る。そのため、保証付の資金提供の水準は、今後数年間は2018年度を上回ると予想される。
長期貸付に対する需要は、近年すべてのヘルスケア部門で低下している。この傾向は、同じ期間にBNG銀
行が提供した長期貸付の推移およびヘルスケア部門保証基金(Waarborgfonds voor de Zorgsector)
(WfZ)が発行した保証額にも反映されている。にもかかわらず、貸付は2018年度に微増し、約2億ユーロ
増の9億ユーロとなった。ヘルスケア部門保証基金からの保証に基づき付与された貸付が減少し、2億ユー
ロへと半減近くなったのとは対照的に、無保証貸付は大幅に増加し、3億ユーロ超増の7億ユーロとなっ
た。当行が住宅協会部門に行った支援と同様に、当行はまた、ヘルスケア部門が借換えおよび事業再編の活
動を通じてヘルスケア機関の貸付ポートフォリオを最適化するのを助けた。当行は、2018年度にいくつかの
機関がデリバティブのポジションを手仕舞うのを手助けした。アムステルダムのVU大学メディカルセンター
の貸付ポートフォリオの再編は、3億ユーロが関係しており、2018年度のソルベンシー要件の対象となる取
引高の相当の部分を占めた。この部門では、2018年度に2つの病院の破産に対処した。BNG銀行は、これら
の病院の一つに対する貸付に少額の未返済分を有していた。その貸付はヘルスケア部門保証基金を通じて清
算された。
2018年度に、BNG銀行は、関係する他の利害関係者と共に、ヘルスケアのためのグリーンディールに署名
した。グリーンディールの署名者は、とりわけ、二酸化炭素排出の抑制、原材料のより経済的な使用、水中
の残留薬物量の削減ならびに患者および医療従事者の健康的な生活環境の創出に尽力している。
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⑥ 教 育
初等および中等教育における持続可能性の課題は、気候変動協定への関心が高まっているため、大きな後
押しを受けてきた。持続可能性に向けた努力は、現在では、学校において通常劣悪とされる環境の改善の先
まで進んでいる。ますます多くの場所で、地方自治体および教育委員会は、不動産管理のための潜在的な代
替案を検討している。BNG銀行は、宿泊施設への資金提供および持続可能性の向上を目的として、Bewust
Investeren、Stichting Maatschappelijk VastgoedおよびHuren als Eigenaarを含む様々なパートナーと協
力している。これらの概念は、今までのところ市場のごく一部を占めているにすぎず、大部分は地方自治体
により直接実施されている。当行は、地方自治体への標準的な貸付を通じて、初等および中等教育をより持
続可能なものにするよう間接的な役割を果たしている。当行はまた、後期中等職業教育および高等教育
(MBOおよびHBO)ならびに研究志向の大学教育(WO)への資金提供にも積極的に関与している。BNG銀行
は、これらのセグメントでトレジャリー銀行業と競合している。2018年度の直接貸付は、6,000万ユーロの
取引高と、適正な水準であった。
⑦ エネルギーおよびインフラ
2018年度に、BNG銀行は、主にエネルギーおよびインフラの分野で、様々なプロジェクトに8億ユーロの
資金を提供した。そのうち2億8,200万ユーロは、持続可能なエネルギー生成および持続可能なリサイクル
のために交付された。
エネルギー
BNG銀行は、より持続可能なオランダのための献身的なパートナーである。オランダを将来性のあるもの
にするには多額の投資が必要である。気候変動協定では、二酸化炭素排出量の削減を目指す野心的な目標が
設定されている。資産をより持続可能にすること、持続可能な方法で生成されるエネルギーの割合を高める
こと、そして、天然ガスによる加熱を代替の熱源に置き換えることが、エネルギー移行の基礎となる3つの
柱である。当行は、持続可能性に向けた努力の重要な目的として、エネルギー移行への貢献を挙げた。2018
年度に、当行は、太陽エネルギー、バイオエネルギー、地熱および地域暖房ネットワークのプロジェクトに
資金を提供した。例えば、BNG銀行は、北海のボルセレⅢ/Ⅳ風力発電事業に共同出資している。これは、
2021年の完成後、82万5,000世帯以上に持続可能な電力を供給する予定である。ワンソーラーは、ソーラー
パネルを企業および機関の屋根に設置するために貸付を受けた。これは、約1万8,000世帯の電力を発電す
る可能性がある。スパークリング・バイオマスは、バイオマスから再生可能エネルギーを生産するために使
用できる設備の建設のために融資の取決めを受けた。地熱エネルギーについては、BNG銀行は、温室および
住宅に暖房を提供できる可能性がある7つのプロジェクトの資金提供に関与した。エネルギー移行融資ファ
シリティ(ETFF)を通じて、経済・気候政策省は、地熱エネルギー、省エネ、エネルギー貯蔵およびバイオ
マスなど、いまだ成熟中のエネルギー移行市場セグメントへの投資を促進している。BNG銀行は、このファ
シリティ内で劣後ローンを提供している。ETFFに基づく最初のローンは2018年度に付与された。このローン
は、アスベストで汚染された鋼鉄スクラップを持続可能な方法でリサイクルする会社に交付された。これに
より、鉄鉱石を使用して製造された鋼鉄と比べ、年間15万トンの二酸化炭素排出量を削減することができ
る。
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インフラ
物理インフラおよびデジタルインフラの改善は、持続可能性の分野におけるもう一つの重要な主題であ
る。物理インフラ(道路、鉄道および水道)の能力は、移動性に対する需要の高まりに対応可能でなければ
ならない。渋滞は、それが引き起こす経済的損害だけでなく、環境にも有害である。ロッテルダムのGroene
Boog A16プロジェクトは、BNG銀行が共同貸手として関与したインフラプロジェクトの一例である。このプ
ロジェクトには、ロッテルダムの高速道路(A16)11キロメートルの設計、建設、資金調達および長期保守
(DBFM)が含まれる。この道路は、ロッテルダムの北部周辺の頻繁な交通渋滞に対する解決策を提供するこ
とを目的としており、2024年に開通予定である。当行はまた、2018年度中に、ロッテルダム港湾地域へのア
クセスを改善することとなるブランケンブルクのトンネル建設のための融資の取決めにおいても、多大な貢
献をした。大規模な光ファイバー網は、高速データ接続が不可欠な移動の物理的要件の一部を軽減する賢明
な代替手段である。当行は、フリースラント州の一部で高速インターネット接続を設置することが決まって
いるKabelNoordに対する貸手の一社である。
⑧ BNGサステナビリティ基金
2018年2月以降、協会、企業およびその他の起業者は、地方自治体または州の持続可能性の目的に貢献す
るプロジェクトのために、BNGサステナビリティ基金に基づき10万ユーロから250万ユーロまでの範囲の貸付
を受けることができた。同基金は、環境分野(持続可能なエネルギー生成および省エネ対策など)ならびに
社会文化分野(ヘルスケア、住宅および教育)における持続可能性への取組みを促進する。当行は、同基金
の創設により、持続可能なプロジェクトへの簡便な資金提供に対して高まる需要を満たすことができる。
BNG銀行は、同基金に当初1,000万ユーロを利用可能としており、今後数年間で2,500万ユーロまで増額する
つもりである。この基金は、BNG銀行の通常の貸付を補完するもので、オランダ地方自治体連合(VNG)によ
る支援を受けている。オランダの公営住宅振興基金(Stimuleringsfonds Volkshuisvesting Nederlandse
gemeenten)(SVn)がファンドマネージャーとして任命された。現在では、電気自動車の充電スタンドのプ
ロジェクトを含む、3つのプロジェクトへの資金提供に関する契約が締結された。
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⑨ その他の持続可能性への取組みの支援
BNG銀行はスピッツベルゲン協定の署名者の一つである。同協定において、13の銀行、保険会社、年金基
金、資産運用会社および投資家が、財務活動による気候への影響の測定および外部報告を開始することに合
意した。
ティルブルフ大学の持続可能な開発のための機関であるTelosは、BNG銀行の依頼により、再びクラス最高
の枠組みを2つ開発した。枠組みの一つは持続可能な地方自治体の全国観察に基づくもの、もう一つは公営
住宅建設部門からの定量的データに基づくものである。これらは、地方自治体および住宅協会の持続可能性
に向けた成果を測定するため、また、かかる顧客が測定結果を利用できるようにするために用いられる。こ
れらの枠組みはBNG銀行のウェブサイトに掲載されている。持続可能性の分析会社であるSustainalytics
は、再びこれらの枠組みにも肯定的な評価を与えた。
2018年11月1日、当行は、ユトレヒトにおける一時的な気候惑星グローブで、顧客を啓蒙し情報を提供す
るサステナビリティ・デーを主催し、持続可能性に向けた野心および取組みを説明した。訪問者は、NASAの
衛星からライブでストリーミング配信される画像を通じて宇宙からの壮大な景色を堪能し、気候変動に関す
る映画が上映された。また、持続可能性について先見の明のある建築家であるトーマス・ラウが、持続可能
な将来のための緊急の必要性に関するスピーチを行った。
BNG銀行およびVoldaan Publicは、経済・気候政策省でローン契約を締結した。この契約に基づき、
Voldaan Publicは、中小企業が地方自治体に送付する請求書を引き継ぐことにより、かかる中小企業を支援
できる。このため、中小企業は運転資金を即座に入手できる。このローン契約により、BNG銀行は中小企業
に資金を提供している。
BNG銀行は、2018年11月にマクシマ王妃により立ち上げられた「Schuldenlab NL」の取組みの署名者であ
る。銀行、地方自治体および支援団体により設立されたこの取組みは、消費者に、借金に対する援助を求め
ることができる場所を、地方自治体が可能な限り早い段階で示すのに役立っている。
輸出信用保証制度(EKG)の一環として、BNG銀行は多数の借換契約を締結した。EKGにより、オランダの
輸出業者の顧客のために、低い固定金利の融資が輸出金融業者に提供されている。
当行が提供する持続可能性への取組みに対する支援の更なる例ならびに当行の持続可能性の方針(貸付の
除外基準を含む。)、人権方針および調達方針は、BNG銀行のウェブサイトに掲載されている。
⑩ 決済およびデジタルサービス
決済サービス指令2(PSD2)は、より均一な決済取引を保証するEUの指令である。BNG銀行は、2019年半
ばにPSD2への準備を整えるために、2018年度初めにその決済システムの調整を開始した。これは、送金が5
秒以内に受取人の口座に入るというインスタント・ペイメントにも適用される。
当行は、「My BNG Bank」を通じて、顧客に現代的かつ効率的なサービスを提供する予定である。柔軟か
つ迅速な変更の実施を可能とする基礎は、厳格な情報セキュリティ要件に完全に沿って、将来性のある厳選
された技術基盤向けに設計された。この顧客用ポータルの準備は今や高度な段階に達している。
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「Digipass」は、決済を行うために数年間使用されてきた。このハードウェアのトークンの次に、BNG銀
行のDigipassアプリが、2018年9月から導入された。このアプリをiOSまたはAndroidの携帯機器で使用する
と、BNG銀行の顧客は、安全にログインして注文書にデジタル署名することができる。さらに、このアプリ
は、最終的には、顧客が「My BNG Bank」にログインして用紙および文書にデジタル署名することができる
ように設計される予定である。Digipassアプリの導入は、顧客満足度調査の結果から生じた、改善に向けた
行動の一つが完了したことを示している。
データ・ウェアハウスの設定など、内部処理の更なるデジタル化は、予定より若干遅れている。意図した
目的が確実に達成されるように、能力が増強されている。
⑪ 資金調達
2018年度に、BNG銀行は、とりわけ、ユーロおよび米ドルで5億ユーロから25億ユーロまでの規模の8つ
のベンチマーク債を発行し、総額184億ユーロ(2017年度:177億ユーロ)の長期資金を調達した。当行の優
れた信用格付けおよび国際資本市場における有利な市況のお蔭で、当行は魅力的な相場で長期および短期の
資金を調達することができた。通貨別内訳および地理的分布は下記の図のとおりである。
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2017年6月にICMA(国際資本市場協会)によりグリーンボンド原則に追加されたサステナブルボンド・ガ
イドラインが、2つのサステナビリティボンドの発行における基本原則として2018年度に用いられた。2018
年11月に発行されたBNG社会住宅債の基準は、持続可能な開発目標11「住み続けられるまちづくりを」に基
づいている。市場で好評を博したこの債券は5億米ドル、3年満期である。債券の純手取金は、枠組みで言
及された「クラス最高の」住宅協会への貸付に使用された。11月には、「クラス最高」の地方自治体に資金
を提供するため、地方自治体向けのSRIボンドも7億5,000万ユーロ、7年満期で発行された。両方の債券の
発行により、資金需要総額の7%近くがカバーされた。2014年度以来、BNG銀行は、グリーンボンド原則お
よびサステナブルボンド・ガイドラインを満たす8つの債券による借入を通じて総額53億ユーロを調達して
きた。上記の「クラス最高の枠組み」は、評価され、必要に応じて、持続可能な投資家の要望に沿ってさら
に調整される予定である。当行は、2019年度には、少なくとも2つ以上のサステナビリティボンドを発行す
るものと予想している。さらに、初の「再生可能エネルギーボンド」が2019年1月に私募により発行され
た。この債券は、当行が資金を提供する風力発電プロジェクトに関連している。この形による発行を一層発
展させるつもりである。
⑫ 日本との関係
1996年に、BNG銀行は日本の国内公募資本市場における届出を完了し、日本国(当時)大蔵省はBNG銀行の
地位を政府関係機関発行者と認めた。1998年には、初めて日本において発行登録に基づく売出しを行った。
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(5) 【経理の状況】
BNG銀行の財務書類は、欧州連合により採用された国際財務報告基準およびオランダ民法典第2編第9章に
従い作成されている。
BNG銀行の事業年度は、暦年と同一とする。毎年事業年度終了後4か月以内に、この期間が、特別の事情に
より、株主総会により最長6か月延長される場合を除き、執行取締役会は年次計算書類を作成し、監督取締役
会の同意を得て、BNG銀行の株主総会に提出しその承認を受けるものとする。執行取締役会は、年次報告書お
よび法律上の規定に従い付加することを要する情報を年次計算書類と同時に提出するものとする。年次計算書
類は、通常、執行取締役会の構成員全員および監督取締役会の構成員全員がこれに署名するものとする。
BNG銀行は、BNG銀行の任命した登録会計士に対し、執行取締役会が作成した年次計算書類が法律に準拠しか
つこれに則った規則に合致しているか否か、同登録会計士が判断する限り、年次報告書が法律に準拠しかつこ
れに則った規則に従って作成されたもので年次計算書類と整合しうるか否かおよび法律が要求する追加情報が
これに付加されているか否かを検証させるものとする。BNG銀行の株主総会は、登録会計士に対する指示をす
る資格があるものとする。株主総会が登録会計士に指示しない場合、監督取締役会がその資格を有するものと
する。監督取締役会がこれに指示しない場合、執行取締役会がその資格を有するものとする。登録会計士は、
監督取締役会および執行取締役会に対し、その結果を通知し、また、これを監査報告書に組入れるものとす
る。
2018年12月31日現在および2018年12月31日終了事業年度の監査済財務書類が対象とする期間中、プライス
ウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイがBNG銀行の登録会計士であった。プライス
ウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイは、BNG銀行の原文の2018年度財務書類を監査し
た。その日本語訳が本「(5) 経理の状況」に含まれている。本有価証券報告書に含まれる2018年度財務書類の
日本語訳は、プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイによる監査を受けていな
い。
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Independent auditor's report
To: the general meeting and supervisory board of BNG Bank N.V.
Report on the financial statements 2018
Our opinion
In our opinion, BNG Bank N.V.'s financial statements give a true and fair view of the financial position of the Company and
the Group as at 31 December 2018, and of its result and its cash flows for the year then ended in accordance with International
Financial Reporting Standards as adopted by the European Union (EU-IFRS) and with Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil
Code.
What we have audited
We have audited the accompanying financial statements 2018 of BNG Bank N.V., Den Haag ('the Company'). The financial
statements include the consolidated financial statements of BNG Bank N.V. together with its subsidiaries ('the Group') and the
company financial statements.
The financial statements comprise:
・ the consolidated and company balance sheet as at 31 December 2018;
・ the following statements for 2018: the consolidated and company income statement, the consolidated and company
statements of comprehensive income, changes in equity and cash flows; and
・ the notes, comprising the significant accounting policies and other explanatory information.
The financial reporting framework applied in the preparation of the financial statements is EU-IFRS and the relevant
provisions of Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
The basis for our opinion
We conducted our audit in accordance with Dutch law, including the Dutch Standards on Auditing. We have further described
our responsibilities under those standards in the section ‘Our responsibilities for the audit of the financial statements' of our
report.
We believe that the audit evidence we have obtained is sufficient and appropriate to provide a basis for our opinion.
Independence
We are independent of BNG Bank N.V. in accordance with the European Regulation on specific requirements regarding
statutory audit of public-interest entities, the ‘Wet toezicht accountantsorganisaties' (Wta, Audit firms supervision act), the ‘
Verordening inzake de onafhankelijkheid van accountants bij assuranceopdrachten' (ViO – Code of Ethics for Professional
Accountants, a regulation with respect to independence) and other relevant independence requirements in the Netherlands.
Furthermore, we have complied with the ‘Verordening gedrags- en beroepsregels accountants' (VGBA – Code of Ethics for
Professional Accountants, a regulation with respect to rules of professional conduct).
Our audit approach
Overview and context
BNG Bank N.V. is a credit institution licensed in the Netherlands. Its main activity is providing financing to the Dutch public
sector and semi-public domain. The Group is comprised of several components and therefore we considered our group audit
scope and approach as set out in the section ‘The scope of our group audit'. We paid specific attention to the areas of focus
driven by the operations of the Group, as set out below.
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As part of designing our audit, we determined materiality and assessed the risks of material misstatement in the financial
statements. In particular, we considered where the executive board made important judgements, for example, in respect of
significant accounting estimates that involved making assumptions and considering future events that are inherently uncertain.
In paragraph ‘critical accounting estimates and judgements' of the financial statements the Group describes the areas of
judgement in applying accounting policies and the key sources of estimation uncertainty. Given the significant estimation
uncertainty and the related higher inherent risks of material misstatement in the impairment calculation of loans and advances,
the application of hedge accounting and the valuation of financial assets and liabilities measured at fair value, we considered
these matters as key audit matters as set out in the section ‘Key audit matters' of this report.
As in all of our audits, we also addressed the risk of management override of internal controls, including evaluating whether
there was evidence of bias by the board of directors that may represent a risk of material misstatement due to fraud, Given the
importance of IT for the Company we have, to the extent relevant to our audit, paid specific attention to the IT general
controls, which comprise the policies and procedures to ensure reliable automated processing of information used for financial
reporting purposes. The Company has outsourced a larger part of its IT activities to Centric FSS. This has also implications for
our audit as set out in the section ‘The scope of our group audit' of the auditor's report.
We ensured that the audit team included the appropriate skills and competences which are needed for the audit of a banking
institution. We therefore included specialists in the areas of banking activities, IT, valuation of financial instruments and hedge
accounting in our team.
The outline of our audit approach was as follows:
Materiality
・ Overall materiality: €22.9 million.
Audit scope
・ We conducted audit work on BNG Bank and both of its subsidiaries BNG Gebiedsontwikkeling
B.V. and Hypotheekfonds voor Overheidspersoneel.
・ In our audit on the valuation of participations held by BNG Gebiedsontwikkeling B.V. we
made use of the work performed by a component auditor.
・ In our assessment of the IT landscape we made use of the ISAE 3402 type 2 report of Centric
FSS.
Key audit matters
・ Impairment of loans and receivables
・ Application of hedge accounting
・ Valuation of financial instruments
Materiality
The scope of our audit is influenced by the application of materiality, which is further explained in the section ‘Our
responsibilities for the audit of the financial statements'.
Based on our professional judgement, we determined certain quantitative thresholds for materiality, including the overall
materiality for the financial statements as a whole as set out in the table below. These, together with qualitative considerations,
helped us to determine the nature, timing and extent of our audit procedures on the individual financial statement line items and
disclosures and to evaluate the effect of identified misstatements, both individually and in aggregate, on the financial
statements as a whole and on our opinion.
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Overall group materiality €22.9 million (2017: €26.8 million).
Basis for determining We used our professional judgement to determine overall materiality. As a basis for our
materiality
judgement we used 5% of profit before tax.
Rationale for benchmark We used profit before tax as the primary benchmark, a generally accepted auditing practice,
applied
based on our analysis of the common information needs of users of the financial statements.
On this basis, we believe that profit before tax is an important metric for the financial
performance of the Company.
Component materiality BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and Hypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V. were
audited to a local statutory audit materiality that was less than our overall group materiality.
We also take misstatements and/or possible misstatements into account that, in our judgement, are material for qualitative
reasons.
We agreed with the supervisory board that we would report to them misstatements identified during our audit above €1.1
million (2017: €1.3 million) as well as misstatements below that amount that, in our view, warranted reporting for qualitative
reasons.
The scope of our group audit
BNG Bank N.V. is the parent company of a group with BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and Hypotheekfonds voor
Overheidspersoneel B.V. as its 100% subsidiaries. The financial information of these subsidiaries is included in the
consolidated financial statements of BNG Bank N.V. All consolidated positions and transactions in the financial statements
were in scope of our audit.
We tailored the scope of our audit to ensure that we performed sufficient work to be able to give an opinion on the financial
statements as a whole, taking into account the management structure of the Group, the nature of operations of its components,
the accounting processes and controls, and the markets in which the components of the Group operate. In establishing the
overall group audit strategy and plan, we determined the type of work required to be performed at the statutory level and thus
ensuring that we obtained sufficient coverage across the Group. The statutory audits of BNG Gebiedsontwikkeling B.V. and
Hypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V. were performed by the group audit team.
In our audit of the valuation of participations held by BNG Gebiedsontwikkeling B.V. we made use of the work performed by
a component auditor. We determined the level of involvement we needed to have in the audit work to be able to conclude
whether sufficient appropriate audit evidence has been obtained as a basis for our opinion on the consolidated financial
statements as a whole. We have sent specific instructions to the component auditor, held meetings with them and performed a
file review of the audit file of the component auditor.
BNG Bank has outsourced the largest part of its IT activities and payment services to Centric FSS. In our assessment of the IT
landscape, we made use of the ISAE 3402 Type 2 report from Centric FSS. In this context, we have been involved in planning
the ISAE 3402 work by the service-provider auditor of Centric FSS, discussed progress and interim findings of the audit and,
finally, evaluated the ISAE 3402 assurance report once it was finalised. Based on these procedures performed, we conclude
that in the context of our audit of the financial statements of BNG Bank, we could rely on the ISAE 3402 Type 2 assurance
report of Centric FSS.
By performing the procedures above at components, combined with additional procedures at group level, we have been able to
obtain sufficient and appropriate audit evidence on the Group's financial information, as a whole, to provide a basis for our
opinion on the financial statements.
Key audit matters
Key audit matters are those matters that, in our professional judgement, were of most significance in the audit of the financial
statements. We have communicated the key audit matters to the supervisory board. The key audit matters are not a
comprehensive reflection of all matters identified by our audit and that we discussed. In this section, we described the key audit
matters and included a summary of the audit procedures we performed on those matters.
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We addressed the key audit matters in the context of our audit of the financial statements as a whole, and in forming our
opinion thereon. We do not provide separate opinions on these matters or on specific elements of the financial statements. Any
comments or observations we made on the results of our procedures should be read in this context.
Compared to prior year we did not include any new key audit matters as we did not came across any significant transactions or
developments that were considered a key audit matter. In prior year, we considered the disclosure on the estimated impact of
IFRS 9 a key audit matter. As per 1 January 2018 this new standard has been implemented by the Group. As such this is not
considered a specific key audit matter but to the extent applicable is now part of our key audit matters in the areas of
impairment on loans and advances, application of hedge accounting and the valuation of financial instruments.
Key audit matter Our audit work and observations
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Impairment of loans and receivables Evaluating accounting policy choices: We evaluated how
Refer to the accounting principle ‘Impairment of financial management has implemented IFRS 9 to determine whether
assets' and note 41 ‘Impairment of financial assets and off- this has been set up in accordance with the requirements
balance sheet commitments' in the consolidated financial included in the new standard. We challenged management on
statements their judgement in key accounting policy choices in the areas
Focussing on higher risk portfolios: The lending to clients of what is considered to be SICR, application of the low credit
classified as loans and advances measured at amortized cost risk exemption and default definitions. We considered the
amounts to €85 billion as at 31 December 2018. Most of the policy choices in the application of IFRS 9 to be reasonable.
loan portfolio relates to loans that are guaranteed by a (central)
Internal controls: Our audit work included, amongst others,
government body or by the WSW or Wfz guarantee funds. The
understanding, evaluating the design and testing the operating
credit risk inherent in this category is limited as explained in
effectiveness of controls in the lending and credit risk
the risk paragraph in the financial statements. Therefore, the
mitigation process. These include, amongst others, controls
expected credit loss on these loans is considered low.
aimed at evaluating creditworthiness of new and existing
However, the Company also has an unguaranteed loan
clients. We concluded that, to the extent relevant to our audit,
portfolio amounting to €8 billion that has a higher risk of
we could rely on these controls.
shortfalls in expected cash flows from repayments and
collateral values. The Company calculates the impairment of
Assessing individual exposures: For a sample of loans, for
loans and advances as from 1 January 2018 in accordance with
which management concluded that no SICR occurred, we
IFRS 9.
assessed whether there were any indications of this, for
example by determining that there are no significant arrears in
New areas of estimation uncertainty and management
payments, take notice of the latest internal annual
judgment: The application of IFRS 9 as per 1 January 2018 has
creditworthiness assessment and evaluation of latest financial
led to further increase in complexity and management
information of counterparties. Our procedures did not return
judgement to calculate the expected credit losses for loans and
any different outcomes as management.
advances. Amongst other things, this applies to the choices and
judgement made in the impairment methodology such as
Evaluating internal credit rating models: With respect to the
determining what is considered a significant increase in credit
internal credit rating models used we evaluated the model
risk (SICR), what forward looking macro-economic
governance procedures, credit modelling monitoring performed
information is relevant to measure expected credit losses for
by risk management, reasonableness of the methodology and
loans and receivables and managements estimates of
overlays for macro-economic scenarios applied in determining
probabilities of default and loss given default. Based on the
the credit rating. We also assessed that internal credit ratings
low number of individual exposures in stage 3 and the resulting
are updated at least annually and approved by the credit risk
limited impact on the 2018 income statement, we did not
committee and noted no material exceptions in our tests. With
consider the stage 3 exposures as a key area of focus for the
respect to the forward looking macro-economic information we
2018 audit.
challenged on how the inputs for the various models were
Models and assumptions: Furthermore, to calculate the
determined and to the extent possible compared this to external
expected credit losses for stage 1 and 2, the executive board
market data.
needed to estimate the probability of default (PD), the loss
given default (LGD) and the exposure at default (EAD). The
Management engaged with external experts to benchmark their
bank's loan portfolio has a low default character and as a
internal PD credit rating models and to validate their model
result, there is limited internal historical data to support and
used for including forward-looking macro-economic
back-test the applied PDs and LGDs. Management used its
information. As part of our audit procedures, amongst others,
internally developed credit rating models to estimate the PD for
we evaluated the competence, capability and objectivity of
exposures for which no external rating is available. Given the
these external experts. Furthermore, we obtained the reports
low default character of the bank's loan portfolio the rating
issued by these external experts that summarise the procedures
models were considered expert models and required a high
performed, the evidence obtained and conclusions reached. We
degree of judgement to stratify clients in rating classes.
discussed and evaluated these reports with the Company's
internal model owners and external experts. We also assessed
Also with respect to the LGD used in the calculation of
the external expert's conclusions to conclude that their
expected credit losses, the executive board has applied
recommendations have no material impact on the expected
significant judgement. The Company applies a basic flat LGD
credit loss calculation. We did not identify any indicators of
percentage based on the limited available historic default
possible management bias in determining internal credit ratings
information.
and corresponding PD's.
The impairment provision for loans and advances as per 31
With respect the LGD used in the calculation of expected credit
December 2018 is €46 million and the impairment charge for
losses, we challenged management's evaluation of the limited
loans and advances recognized in 2018 in the income statement
available historic information and the assumptions applied
amounts to €3 million.
therein.
Given the complexity and judgement required to calculate the
Recalculation of impairment calculation: We performed a
impairments of loans and advances and the impact it might
recalculation of the impairment calculation to assess the
have on results, this area is subject to a higher risk of material
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misstatement due to error or fraud. Therefore, we have accuracy of the calculations and validated completeness by
identified the impairment of loans and advances as a key audit assessing that all loans and advances are included in the
matter in our audit. calculation. Our procedures did not identify any material
differences.
Disclosures: Furthermore, we assessed the adequacy of the
disclosures, including those on estimation uncertainty and
judgements, to assess compliance with the requirements in EU-
IFRS.
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Application of hedge accounting Internal controls:
Refer to the accounting policy ‘Hedge accounting' and the Our audit work included, amongst others, understanding,
disclosure note ‘hedging of risks with derivatives' in the evaluating and testing the design and operating effectiveness of
consolidated financial statements controls relating to the documentation and review of hedge
BNG Bank enters into derivatives to hedge its interest rate risk relationships, including testing the hedge ineffectiveness by
and variability in cash flows. By applying hedge accounting, management. Based on this work, we concluded that, to the
the results of the hedged item and the hedging instrument are extent relevant to our audit, we could rely on these controls for
recognized simultaneously in the income statement to the purpose of our audit.
neutralise the impact on the result, to the extent the hedging
Reconciliation of hedge effectiveness tests:
relationship is effective.
We tested the reconciliation between the results of the hedge
Hedged risks: BNG Bank applies fair value hedge accounting effectiveness tests and the hedge adjustments in the financial
to hedge interest rate risks and cash flow hedge accounting to statements. We found no material exceptions during our testing
hedge the risk resulting from variability in cash flows as a of this reconciliation.
result of cross-currency fluctuations. For interest rate risk BNG
Evaluating compliance with EU-IFRS:
Bank applies micro fair value hedging as well as portfolio fair
For a sample of hedging relationships, covering both fair value
value hedging. With respect to hedge accounting rules under
and cash flow hedge accounting relationships, we verified that
the IFRS 9 standard that came into effect as per 1 January 2018
hedge documentation complied with the requirements of EU-
there are no implications for portfolio hedge accounting as IAS
IFRS. We found no exceptions in our tests.
39 remains effective for these types of hedges in 2018. Micro
hedge accounting has changed and BNG Bank decided to adopt
For the implementation in 2018 of micro hedge accounting
IFRS 9 in this area.
applied to the foreign currency risk included in credit spread
we, together with our hedge accounting specialists, tested the
New areas of estimation uncertainty and management
appropriateness of the methodology applied and concluded that
judgment: The key change for BNG Bank in the application of
this application is in accordance with EU-IFRS.
micro hedge accounting under IFRS 9 is that the cross-currency
basis risk of a derivative contract can be separated and
Evaluation models and valuation methodology:
excluded from the designated hedging instrument and treated as
We, assisted by our hedge accounting specialists, tested the
cost of hedging. This means that fair value movements arising
models used by BNG Bank for calculating hedge effectiveness
from the cross-currency basis spread included in the valuation
for portfolio hedging. For micro hedge accounting,
of a derivative contract used in hedge accounting can be
management performed a quantitative hedge effectiveness test
separated and accounted for as cost of hedging within other
to demonstrate that hedge relationships are highly effective. As
comprehensive income. This is accumulated in a separate line
part of our audit procedures tested management's effectiveness
item in equity and subsequently recycled to the income
calculations and no exceptions were noted.
statement in the same periods during which the hedged
expected future cash flows affect the income statement. In
For IFRS 9 hedge accounting, with the assistance of our
doing so, management applied significant judgement since
valuation specialists, we tested the appropriateness of the
there is no single method for separating the cross-currency
valuation methodology applied in separation of the cross-
basis spread from a derivative and requires significant
currency basis spread from a derivative and considered this
valuation expertise. The new cost of hedging line item amounts
methodology to be appropriate.
to €22 million and €222 million (both net of tax) as per 1
January 2018 and 31 December 2018 respectively.
Requirements to apply hedge accounting: To apply hedge
accounting, BNG Bank must meet the EU-IFRS requirements.
These include amongst others:
・ Documentation of hedging relationships in formal
hedge documentation;
・ Validating that the hedge accounting relationship
meets all of the hedge effectiveness requirements
of IAS 39 and IFRS 9; and
・ Processing the results of the effectiveness tests in
the financial statements.
Use of models: BNG Bank has developed specific models for
calculating hedge effectiveness. The determination of the
effectiveness is complex and involves significant management
judgment. As per management's assessment, both portfolio
hedging and micro hedging within BNG Bank have been
highly effective in recent years.
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Given the technical and complex requirements for the
application of hedge accounting and that incorrect application
of these requirements could have a material impact on result
and equity given the large hedge accounting portfolio of BNG
Bank, we have considered this a key audit matter in our audit.
Valuation of financial instruments Testing observable inputs: For both level 2 and level 3
Refer to the accounting policy ‘fair value of financial financial instruments we compared the observable inputs such
instruments' and the disclosure note ‘fair value of financial as forward curves, discounting curves and volatility cubes to
instruments' in the consolidated financial statements independent sources and external market available data and we
BNG Bank has financial instruments on its balance sheet that assessed whether these inputs are in line with market and
are measured at fair value through the income statement. The industry practise. For the own funding curve used to determine
portfolio consists of €9,611 million of financial assets the own credit adjustment for financial liabilities measured at
classified as level 2 and €378 million as level 3. Financial fair value we evaluated the reasonableness of the curve
liabilities measured at fair value through the income statement construction by comparing the input to market information
are in total €762 million as per 31 December 2018. The available over the full term of the curve. Our procedures
derivative portfolio with a fair value of €8,382 million demonstrated that management's inputs fall within our range of
recorded as assets and €19,215 million recorded as liabilities reasonable outcomes..
contains for 99% level 2 and 1% level 3 instruments.
Challenging unobservable inputs: For level 3 instruments, we
Level 2 financial instruments : For financial instruments challenged management on assumptions and methodology
classified as level 2 management estimates the fair value by applied and validated the internal process performed to
using discounted cash flow models, option pricing models, determine these inputs. As part of this, we also evaluated to
modelling of double default effects and other valuation what extent we identified any indicators of possible
techniques. Judgement is required in determining the valuation management bias in estimating fair value. For the financial
model and policy. For level 2 instruments, management mainly assets classified as level 3 we challenged how the unobservable
uses observable inputs to determine forward curves, inputs (such as monoline guarantees, and credit and liquidity
discounting curves, volatility cubes, inflation curve and spread spreads) were estimated and were determined based upon the
curves. For derivatives for which BNG Bank has no strong internal policies. Based upon our procedures we consider
credit support annex in place a Credit Valuation Adjustment unobservable inputs and judgements made in determining the
(CVA) is estimated in the calculation of the fair value. fair value of level 3 instruments to be reasonable and in-line
with market practices.
Given the complexity in certain valuation models and inputs,
the size and diversity of the portfolio, and the impact that the Independent revaluation: For level 2 instruments we, together
portfolio has on the results, this area is subject to higher risk of with our internal valuation specialists, performed an
material misstatement due to error or fraud. Therefore, we independent valuation of a sample of positions, taking into
consider the fair value measurement of level 2 financial consideration different categories of financial instruments
instruments a key audit matter. divided in, amongst others, maturity, currency classes, curves
and various valuation models applied. We performed these
Level 3 financial instruments: For level 3 financial instruments,
procedures to determine if management's valuation outcomes
management needs to estimate significant unobservable inputs
fell within a reasonable range of possible outcomes and to
in the valuation models to determine fair value. The main
validate the design and operating effectiveness of the evaluated
unobservable inputs relate to recovery rates and correlation
models and curves.
factors for bonds with a monoline guarantee and credit and
liquidity spreads. Given the level of management estimation
involved in determining these unobservable inputs, the long
duration of some of those instruments and therefore the impact
that these assumptions have on result, this area is subject to
higher risk of material misstatement due to error or fraud.
Therefore, we consider this a key audit matter.
Report on the other information included in the annual report
In addition to the financial statements and our auditor's report thereon, the annual report contains other information that
consists of:
・ foreword (interview with chair of executive board);
・ profile (including selected financial data);
・ report of the executive board;
・ governance and internal operations;
・ report of the supervisory board;
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・ the other information pursuant to Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code; and
・ appendices
Based on the procedures performed as set out below, we conclude that the other information:
・ is consistent with the financial statements and does not contain material misstatements;
・ contains the information that is required by Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
We have read the other information. Based on our knowledge and understanding obtained in our audit of the financial
statements or otherwise, we have considered whether the other information contains material misstatements.
By performing our procedures, we comply with the requirements of Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code and the Dutch
Standard 720. The scope of such procedures was substantially less than the scope of those performed in our audit of the
financial statements.
The executive board is responsible for the preparation of the other information, including the directors' report and the other
information in accordance with Part 9 of Book 2 of the Dutch Civil Code.
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Report on other legal and regulatory requirements
Our appointment
We were appointed on 23 April 2015 as auditor of BNG Bank N.V. by the general meeting following a recommendation by
the supervisory board on 28 November 2014.
Our appointment has been renewed annually by shareholders representing a total period of uninterrupted engagement
appointment of 3 years.
No prohibited non-audit services
To the best of our knowledge and belief, we have not provided prohibited non-audit services as referred to in Article 5(1) of
the European Regulation on specific requirements regarding statutory audit of public-interest entities.
Services rendered
The services, in addition to the audit, that we have provided to the Company and its controlled entities, for the period to which
our statutory audit relates, are disclosed in note 35 to the company financial statements.
Responsibilities for the financial statements and the audit
Responsibilities of the executive board and the supervisory board for the financial statements
The executive board is responsible for:
・ the preparation and fair presentation of the financial statements in accordance with EU-IFRS and with Part 9 of Book 2
of the Dutch Civil Code; and for
・ such internal control as the executive board determines is necessary to enable the preparation of the financial statements
that are free from material misstatement, whether due to fraud or error.
As part of the preparation of the financial statements, the executive board is responsible for assessing the Company's ability to
continue as a going concern. Based on the financial reporting frameworks mentioned, the executive board should prepare the
financial statements using the going-concern basis of accounting unless the executive board either intends to liquidate the
company or to cease operations, or has no realistic alternative but to do so. The executive board should disclose events and
circumstances that may cast significant doubt on the Company's ability to continue as a going concern in the financial
statements.
The supervisory board is responsible for overseeing the Company's financial reporting process.
Our responsibilities for the audit of the financial statements
Our responsibility is to plan and perform an audit engagement in a manner that allows us to obtain sufficient and appropriate
audit evidence to provide a basis for our opinion. Our audit opinion aims to provide reasonable assurance about whether the
financial statements are free from material misstatement. Reasonable assurance is a high but not absolute level of assurance,
which makes it possible that we may not detect all misstatements. Misstatements may arise due to fraud or error. They are
considered to be material if, individually or in the aggregate, they could reasonably be expected to influence the economic
decisions of users taken on the basis of the financial statements.
Materiality affects the nature, timing and extent of our audit procedures and the evaluation of the effect of identified
misstatements on our opinion.
A more detailed description of our responsibilities is set out in the appendix to our report.
Amsterdam, 15 March 2019
PricewaterhouseCoopers Accountants N.V.
Originally signed by J.M. de Jonge RA
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Appendix to our auditor's report on the financial statements 2018 of BNG Bank N.V.
In addition to what is included in our auditor's report, we have further set out in this appendix our responsibilities for the audit
of the financial statements and explained what an audit involves.
The auditor's responsibilities for the audit of the financial statements
We have exercised professional judgement and have maintained professional scepticism throughout the audit in accordance
with Dutch Standards on Auditing, ethical requirements and independence requirements. Our objectives are to obtain
reasonable assurance about whether the financial statements as a whole are free from material misstatement, whether due to
fraud or error. Our audit consisted, among other things of the following:
・ Identifying and assessing the risks of material misstatement of the financial statements, whether due to fraud or error,
designing and performing audit procedures responsive to those risks, and obtaining audit evidence that is sufficient and
appropriate to provide a basis for our opinion. The risk of not detecting a material misstatement resulting from fraud is
higher than for one resulting from error, as fraud may involve collusion, forgery, intentional omissions,
misrepresentations, or the intentional override of internal control.
・ Obtaining an understanding of internal control relevant to the audit in order to design audit procedures that are
appropriate in the circumstances, but not for the purpose of expressing an opinion on the effectiveness of the Company'
s internal control.
・ Evaluating the appropriateness of accounting policies used and the reasonableness of accounting estimates and related
disclosures made by the executive board.
・ Concluding on the appropriateness of the executive board's use of the going-concern basis of accounting, and based on
the audit evidence obtained, concluding whether a material uncertainty exists related to events and/or conditions that
may cast significant doubt on the Company's ability to continue as a going concern. If we conclude that a material
uncertainty exists, we are required to draw attention in our auditor's report to the related disclosures in the financial
statements or, if such disclosures are inadequate, to modify our opinion. Our conclusions are based on the audit
evidence obtained up to the date of our auditor's report and are made in the context of our opinion on the financial
statements as a whole. However, future events or conditions may cause the company to cease to continue as a going
concern.
・ Evaluating the overall presentation, structure and content of the financial statements, including the disclosures, and
evaluating whether the financial statements represent the underlying transactions and events in a manner that achieves
fair presentation.
Considering our ultimate responsibility for the opinion on the consolidated financial statements, we are responsible for the
direction, supervision and performance of the group audit. In this context, we have determined the nature and extent of the
audit procedures for components of the Group to ensure that we performed enough work to be able to give an opinion on the
financial statements as a whole. Determining factors are the geographic structure of the Group, the significance and/or risk
profile of group entities or activities, the accounting processes and controls, and the industry in which the Group operates. On
this basis, we selected group entities for which an audit or review of financial information or specific balances was considered
necessary.
We communicate with the supervisory board regarding, among other matters, the planned scope and timing of the audit and
significant audit findings, including any significant deficiencies in internal control that we identify during our audit. In this
respect, we also issue an additional report to the audit committee in accordance with Article 11 of the EU Regulation on
specific requirements regarding statutory audit of public-interest entities. The information included in this additional report is
consistent with our audit opinion in this auditor's report.
We provide the supervisory board with a statement that we have complied with relevant ethical requirements regarding
independence, and to communicate with them all relationships and other matters that may reasonably be thought to bear on our
independence, and where applicable, related safeguards.
From the matters communicated with the supervisory board, we determine those matters that were of most significance in the
audit of the financial statements of the current period and are therefore the key audit matters. We describe these matters in our
auditor's report unless law or regulation precludes public disclosure about the matter or when, in extremely rare circumstances,
not communicating the matter is in the public interest.
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( 日本語訳)
独立監査人の監査報告書
BNG 銀行の株主総会および監督取締役会 御中
2018 年度財務書類に対する監査報告書
当監査法人の意見
当監査法人は、BNG銀行の財務書類が、欧州連合が採用している国際財務報告基準(以下「EU-IFRS」という。)
およびオランダ民法典第2編第9章に準拠して、BNG銀行およびグループの2018年12月31日現在の財政状態および同
日をもって終了する事業年度の経営成績ならびにキャッシュフローを真実かつ公正に表示するものと認める。
監査範囲
当監査法人は、デン・ハーグ所在のBNG銀行の添付の2018年度財務書類の監査を行った。本財務書類には、BNG銀
行およびその子会社(以下「グループ」という。)の連結財務書類および個別財務書類が含まれる。
財務書類は以下から構成されている。
- 2018年12月31日現在の連結および個別貸借対照表
- 2018年度の以下の財務書類:連結および個別損益計算書、連結および個別包括利益計算書、連結および個別株
主資本変動計算書ならびに連結および個別キャッシュフロー計算書
- 重要な会計方針およびその他の説明的な情報からなる注記
本財務書類の作成において適用されている財務報告の枠組みは、EU-IFRSおよびオランダ民法典第2編第9章の関
連条項である。
当監査法人の意見の基礎
当監査法人は、オランダ監査基準を含むオランダの法律に準拠して監査を実施した。これらの基準に基づく当監
査法人の責任については、本報告書の「財務書類監査に関する当監査法人の責任」の区分に詳述している。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
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独立性
当監査法人は、社会的影響度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る欧州規則、「監査法人監督法
(Wet toezicht accountantsorganisaties)」(Wta)、「専門会計士倫理規則(Verordening inzake de
onafhankelijkheid van accountants bij assuranceopdrachten)」(ViO、独立性に関する規則)、およびオラン
ダにおける関連するその他の独立性の規定に従い、BNG銀行から独立している。さらに、当監査法人は、「専門会
計士倫理規則(Verordening gedrags- en beroepsregels accountants)」(VGBA、専門会計士行動準則規程)に
準拠している。
当監査法人の監査アプローチ
概観と背景
BNG 銀行は、オランダにおいて銀行業免許を有する金融機関である。BNG銀行は、主にオランダ公的機関および第
三セクターに対する融資業務を行っている。グループは複数の構成単位からなるため、当監査法人はグループ監査
の範囲およびアプローチについて「グループ監査の範囲」の区分に記載のとおりとした。当監査法人は、以下に記
載のとおり、グループの営業活動に起因する重点領域に特に注意を払った。
監査計画の一環として、当監査法人は、重要性の決定および財務書類における重要な虚偽表示のリスクの評価を
行った。当監査法人は特に、仮定の決定や本質的に不確実な将来事象の検討を伴う重要な会計上の見積りに関する
ものなど、執行取締役会が重要な判断を行った領域について検討した。財務書類の「重要な会計上の見積りおよび
判断」の段落において、グループは、会計方針の適用において判断を伴う領域および見積りの不確実性の主な発生
原因について説明している。貸付金および前渡金の減損の計算、ヘッジ会計の適用および公正価値で測定される金
融資産および金融負債の評価においては、見積りの不確実性が重要であり、重要な虚偽表示の比較的高いリスクが
内在することから、当監査法人はこれらの事項を監査上の主要な事項とみなしており、本報告書の「監査上の主要
な事項」の区分に記載した。
当監査法人は当監査法人のすべての監査と同様に、経営者による偏向の証拠が存在するかどうか(不正による重
要な虚偽表示リスクを示す場合がある。)の評価を含め、経営者が内部統制を無効化するリスクにも対処した。
BNG銀行におけるITの重要性に鑑み、当監査法人の監査に関連する範囲において、IT全般統制に特に着目した。IT
全般統制は、財務報告を目的とした信頼性のある情報自動処理を確実に実施するための方針および手続からなる。
BNG銀行は、IT業務の大部分をCentric FSSに外注している。当監査報告書の「グループ監査の範囲」の区分に記載
のとおり当該外注は当監査法人の監査手続に影響を及ぼしている。
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当監査法人は、金融機関監査に必要とされる適切なスキルと能力が備わるように監査チームを編成した。そのた
め、銀行業務、IT、金融商品およびヘッジ会計の評価の分野の専門家をチームに含めている。
当監査法人の監査アプローチの概要は、以下のとおりである。
重要性
‐ 重要性の基準値:22.9百万ユーロ
監査範囲
ူ 当監査法人は、BNG銀行およびその子会社であるBNG Gebiedsontwikkeling B.V.および Hypotheekfonds
voor Overheidspersoneelについて監査を実施した。
ူ 当監査法人は、BNG Gebiedsontwikkeling B.V.が保有する持分の評価手続において、構成単位の監査人の監
査結果を利用した。
‐ 当監査法人は、IT環境の評価において、Centric FSSのISAE 3402 タイプ2報告書を利用した。
監査上の主要な事項
‐ 貸付金および債権の減損
‐ ヘッジ会計の適用
‐ 金融商品の評価
重要性
当監査法人の監査範囲は重要性の適用に影響されるが、これについては「財務書類監査に関する当監査法人の責
任」の区分に詳述されている。
監査人の職業的専門家としての判断によって、当監査法人は、財務書類全体における重要性の基準値など、重要
性に関して特定の定量的な基準値を下表のとおり決定した。これらは定性的な検討と合わせて、個々の財務書類項
目および開示内容に対する監査手続の内容、実施時期および範囲を決定する際、ならびに識別された虚偽表示が、
個別にも集計しても、全体としての財務書類ならびに当監査法人の意見に及ぼす影響を評価する際に役立った。
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グループの重要性の基準値 22.9 百万ユーロ(2017年度:26.8百万ユーロ)
重要性の算定根拠 当監査法人は監査人の職業的専門家としての判断によって全体的
な重要性を決定した。判断の根拠として、当監査法人は税引前利
益の5%を適用した。
適用されたベンチマークの根拠 当監査法人は、財務書類利用者が共通して着目している情報であ
るという監査法人の分析に基づき、一般に公正妥当と認められた
監査実務として、税引前利益を主たるベンチマークとして使用し
た。これに基づいて、当監査法人は、税引前利益がBNG銀行の業績
の重要な指標であると判断している。
構成単位の重要性 BNG Gebiedsontwikkeling B.V. およびHypotheekfonds voor
Overheidspersoneel B.V.の監査は、各社ごとの法定監査の重要性
に沿って実施された。当該法定監査の重要性は、グループの重要
性の基準値を下回るものである。
当監査法人はまた、意見形成において、定性的な理由から重要であると当監査法人が判断する虚偽表示および/
または潜在的虚偽表示も考慮に入れている。
当監査法人は、監査中に識別した1.1百万ユーロ(2017年度:1.3百万ユーロ)を超える虚偽表示のほか、当監査
法人として定性的な理由から報告が必要と考えたそれより少額の虚偽表示についても、監督取締役会に報告するこ
とを同委員会と合意した。
グループ監査の範囲
BNG 銀行は、BNG Gebiedsontwikkeling B.V.およびHypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V.を100%子会
社にもつグループの親会社である。当該子会社の財務情報は、BNG銀行の連結財務書類に含まれている。財務書類
における連結残高および取引はすべて、当監査法人の監査範囲である。
当監査法人は、財務書類全体に対する意見を表明するのに十分な作業を実施できるよう、グループの経営組織構
造、構成単位の事業活動の内容、会計上の手続および統制、ならびにグループの構成単位が事業活動を行っている
市場を考慮して監査対象範囲を決定した。当監査法人は、グループ全体の監査戦略および監査計画の策定時に、子
会社ごとの法定監査レベルで実施が要求される手続の種類を特定することで、グループ全体を十分にカバーできる
範囲かどうかを確認した。BNG Gebiedsontwikkeling B.V.およびHypotheekfonds voor Overheidspersoneel B.V.
の法定監査は、グループ監査チームが実施している。
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当監査法人は、BNG Gebiedsontwikkeling B.V.が保有する持分の評価手続において、構成単位の監査人の監査結
果を利用した。当監査法人は、連結財務書類全体に対する当監査法人の意見の基礎として十分かつ適切な監査証拠
を入手したかどうかの結論を下すために監査上必要となる、他の監査人の関与度について決定した。当監査法人
は、構成単位の監査人にインストラクションを送付して複数回の会合をもち、構成単位の監査人による監査調書を
査閲した。
BNG 銀行は、IT業務および支払サービスの大部分をCentric FSSに外注している。当監査法人は、IT環境の評価に
おいて、Centric FSSのISAE 3402 タイプ2保証報告書を利用した。ここでは、Centric FSSの監査人によるISAE
3402の作業の計画に関与し、監査の進捗および期中の検出事項について協議し、最後にISAE 3402保証報告書の最
終版を評価した。当監査法人は、これらの実施手続に基づき、BNG銀行の財務書類監査においてCentric FSSのISAE
3402 タイプ2保証報告書に依拠できると判断した。
当監査法人は、構成単位レベルで上記手続を実施するとともに、グループレベルで追加手続を実施することによ
り、全体としてグループの財務書類に対する当監査法人の意見の基礎を提供するために十分かつ適切な監査証拠を
入手することができた。
監査上の主要な事項
監査上の主要な事項は、当監査法人による職業的専門家としての判断において、財務書類監査で最も重要な事項
である。当監査法人は、監督取締役会に対して、監査上の主要な事項を伝達した。監査上の主要な事項は、監査上
識別し討議したすべての事項を包括的に反映するものではない。この区分において、当監査法人は、監査上の主要
な事項について詳述し、これらの事項について実施した監査手続の要約を含めた。
当監査法人は、財務書類全体に対する監査の観点から、また当監査法人の監査意見を形成するうえで、監査上の
主要な事項に対応した。当監査法人は、これらの事項または財務書類の特定の要素に対して個別の意見を表明しな
い。当監査法人が実施した手続の結果に対するコメントまたは指摘事項はすべて、この点を踏まえて読まれるべき
である。
前年度と比較して、監査上の主要な事項と考えられる重要な取引や進展は見られなかったため、当監査法人は新
たな監査上の主要な事項を含めていない。前年度において、当監査法人はIFRS第9号の影響の見積りに関する開示
を監査上の主要な事項として検討した。グループは2018年1月1日よりこの新基準を適用している。そのため、これ
は特定の監査上の主要な事項とはみなされないが、貸付金および前渡金に係る減損、ヘッジ会計の適用ならびに金
融商品の評価などの特定の領域はこれに該当するものとして新たに当監査法人の監査上の主要な事項の一部として
いる。
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監査上の主要な事項 当監査法人の監査手続および指摘事項
貸付金および債権の減損
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連結財務書類における会計原則「金融資産の減損」 会計方針の選択の評価 :IFRS第9号の要件に準拠して会計方
および注記41「金融資産およびオフバランスシート 針が策定されているかどうかを判断するため、経営者がど
契約の減損」を参照のこと。 のようにこの新基準を適用しているかについて評価した。
当監査法人は、何がSICRとみなされるか、信用リスクが低
リスクの高いポートフォリオに着目する :2018年12 い場合の免除規定の適用およびデフォルトの定義の領域に
月31日現在において、貸付金および前渡金に分類さ おける主要な会計方針の選択に係る経営者の判断について
れ、償却原価で測定される顧客への貸付は、85十億 批判的に検証した。当監査法人は、IFRS第9号を適用するに
ユーロであった。貸付金ポートフォリオのほとんど あたり選択された会計方針は妥当であると考える。
は、(中央)政府機関もしくはWSWまたはWfZ保証
ファンドが保証する貸付金に関するものである。こ
内部統制 :当監査法人の監査には、特に、貸付および信用
の分類の固有の信用リスクは、財務書類のリスクの
リスクの低減プロセスに関する内部統制の理解、整備の評
パラグラフに記載されるように、限定的である。し
価および運用の有効性テストが含まれる。これには特に、
たがって、これらの貸付金の予想信用損失は低いと
新規および既存顧客の信用度の評価に対する統制が含まれ
考えられる。しかしながら、BNG銀行は、返済およ
る。当監査法人は、監査に関連する範囲において、これら
び担保価額からの期待キャッシュフローが不足する
の統制に依拠できると判断した。
リスクが比較的高い、8十億ユーロの無保証の貸付
金ポートフォリオを保有している。BNG銀行は、
個別エクスポージャーの評価 :SICRが発生していないと経
2018年1月1日より、IFRS第9号に準拠して貸付金お
営者が結論付けた貸付金のサンプルについては、たとえば
よび前渡金の減損の計算を行っている。
重要な返済遅延がないという決定、最新の内部年次信用調
査の通知の入手および取引相手の最新の財務情報の評価な
見積りの不確実性および経営者の判断における新た
どにより、その兆候があるかどうかを評価した。当監査法
な領域 :2018年1月1日付でIFRS第9号を適用したこ
人の手続により、経営者と異なる結果は生じなかった。
とにより、貸付金および前渡金の予想信用損失の計
算の複雑性と経営者の判断の重要性はさらに増大し
内部信用格付モデルの評価 :使用された内部信用格付モデ
ている。これは特に、何が信用リスクの著しい増大
ルについて、当監査法人は、モデル・ガバナンスの手続、
(以下「SICR」という。)とみなされるかや、貸付
リスク管理による信用モデルのモニタリング、信用格付の
金および債権の予想信用損失を測定するためにどの
決定に適用されたマクロ経済シナリオの手法およびオー
ような将来予測的なマクロ経済情報が関連するかの
バーレイの妥当性を評価した。当監査法人はまた、内部信
決定、ならびに経営者によるデフォルト確率および
用格付が少なくとも年に1度更新され、信用リスク委員会に
デフォルト時損失の見積りなど、減損測定のために
承認されていることをテストした結果、重要な例外事項は
行使された選択および判断に当てはまる。ステージ
検出されなかった。将来予測的なマクロ経済情報につい
3の個々のエクスポージャーの数が少なく、結果と
て、当監査法人は、さまざまなモデルのインプットがどの
して2018年度の損益計算書への影響が限定的であっ
ように決定されたかを批判的に検証し、可能な限り外部の
たことに基づき、当監査法人は、2018年度の監査に
市場データと比較する手続を行った。
おいてステージ3のエクスポージャーを主要な重点
領域とはみなしていない。
経営者は外部の専門家を利用して、内部のPD信用格付モデ
ルのベンチマーキングと、将来予測的なマクロ経済情報を
モデルおよび仮定 :さらに、ステージ1および2の予
含めるためのモデルの検証を行った。監査手続の一環とし
想信用損失を計算するために、執行取締役会は、デ
て、当監査法人は特に、これらの外部専門家の適性、能力
フォルト確率(以下「PD」という。)、デフォルト
および客観性を評価した。さらに、当監査法人は、これら
時損失(以下「LGD」という。)およびデフォルト
の外部専門家が発行した、実施手続、入手した証拠および
時エクスポージャー(以下「EAD」という。)を見
結論について要約された報告書を入手した。当監査法人は
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積もる必要があった。BNG銀行の貸付金ポートフォ これらの報告書について、BNG銀行の内部のモデル所有者お
リオはデフォルト特性が低く、結果として、適用さ よび外部専門家と協議し、評価した。当監査法人はまた、
れるPDおよびLGDの裏付けとしてバックテストを行 外部専門家の結論を評価し、その提言は予想信用損失の計
うための内部過去データは限られる。経営者は、外 算に重要な影響を与えるものではないと結論付けた。内部
部格付が利用できないエクスポージャーのPDの見積 信用格付およびこれに対応するPDの決定において、経営者
りに、内部で開発した信用格付モデルを使用した。 による潜在的な偏向の兆候は識別されなかった。
BNG銀行の貸付金ポートフォリオのデフォルト特性
が低いことを考慮すると、当該格付モデルは専門家
予想信用損失の計算に使用されるLGDに関して、当監査法人
向けのモデルとみなされ、格付クラスごとに顧客を
は、入手できる限定的な過去情報および当該情報に適用さ
階層化するための高度な判断が必要とされる。
れる仮定に対する経営者の評価について批判的に検証し
た。
また、予想信用損失の計算に使用されるLGDに関し
て、執行取締役会は重要な判断を適用している。
減損計算の再実施 :当監査法人は、計算の正確性を評価す
BNG銀行は、入手できる限定的な過去デフォルト情
る目的で減損の再計算を実施し、すべての貸付金および前
報に基づき算定した、簡便的かつフラットなLGDを
渡金が当該計算の対象に含まれていることを評価すること
適用している。
により網羅性について検証した。当監査法人の手続によ
り、重要な差異は識別されなかった。
2018 年12月31日現在の貸付金および前渡金の減損引
当金は46百万ユーロであり、2018年度に損益計算書
開示 :さらに、当監査法人は、EU-IFRSの要件への準拠を評
に認識された貸付金および前渡金の減損費用は3百
価するため、見積りの不確実性および判断に関するものを
万ユーロである。
含む、開示の適切性を評価した。
貸付金および前渡金の減損の計算における複雑性お
よび必要とされる判断、ならびにこれが損益に及ぼ
す可能性がある影響を考慮すると、この領域は、誤
謬または不正による重要な虚偽表示のリスクが相対
的に高い。したがって、当監査法人は、貸付金およ
び前渡金の減損を監査上の主要な事項とした。
ヘッジ会計の適用
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連結財務書類における会計方針「ヘッジ会計」およ 内部統制 :当監査法人の監査には、特にヘッジ会計の文書
び開示注記「デリバティブを用いたリスクのヘッ 化およびレビュー(経営者によるヘッジの非有効性のテス
ジ」を参照のこと。 トを含む。)に関する内部統制の理解、整備および運用の
有効性についての評価およびテストが含まれる。当監査法
BNG 銀行は、金利リスクおよびキャッシュフローの 人は、実施した監査手続の結果、監査に関連する範囲にお
変動性をヘッジするために、デリバティブを利用し いて、監査の目的上、これらの統制に依拠できると判断し
ている。ヘッジ会計の適用により、ヘッジ対象およ た。
びヘッジ手段の損益は、損益に対する影響をなくす
ため、ヘッジ関係が有効な範囲において、損益計算
ヘッジ有効性テストの調整 :当監査法人は、ヘッジ有効性
書上同時に認識される。
テストの結果および財務書類上のヘッジの調整の間の調整
について、テストした。この調整のテストにおいて、重要
ヘッジ対象のリスク :BNG銀行は、ヘッジ金利リス
な例外事項は検出されなかった。
クのヘッジに関して公正価値ヘッジ会計を、またク
ロスカレンシーの変動によるキャッシュフローの変
EU-IFRS への準拠の評価 :公正価値ヘッジおよびキャッシュ
動性から生じるリスクをヘッジするためにキャッ
フロー・ヘッジ関係を両方カバーするヘッジ関係の手続に
シュフロー・ヘッジ会計を適用している。また金利
おいては、サンプルベースでEU-IFRSの要件を記載したヘッ
リスクについては、BNG銀行は、ミクロ公正価値
ジ文書を確認した。当監査法人のテストにおいて、例外事
ヘッジならびにポートフォリオ公正価値ヘッジを適
項は検出されなかった。
用している。2018年1月1日付で適用されたIFRS第9
号の基準に基づくヘッジ会計の規則では、2018年度
2018 年度に信用スプレッドに含まれる為替リスクにミクロ
においてIAS第39号がこうした種類のヘッジに引き
ヘッジ会計を適用したことに関して、当監査法人は、ヘッ
続き有効であるため、ポートフォリオ・ヘッジ会計
ジ会計専門家を利用して、適用された手法の適切性につい
への影響はない。ミクロヘッジ会計は変更され、
てテストし、EU-IFRSに準拠していると結論付けた。
BNG銀行はこの領域にIFRS第9号を適用することを決
定した。
評価モデルおよび評価手法 :当監査法人は、ヘッジ会計専
門家を利用して、BNG銀行がポートフォリオ・ヘッジに関す
見積りの不確実性および経営者の判断における新た
るヘッジの有効性の算定に使用したモデルをテストした。
な領域 :IFRS第9号に基づくミクロヘッジ会計の適
ミクロヘッジ会計については、ヘッジ関係が極めて有効で
用におけるBNG銀行の主な変更は、デリバティブ契
あることを実証するための定量的なヘッジの有効性テスト
約のクロスカレンシー・ベーシス・リスクについ
を経営者が実施している。当監査法人の監査手続の一環と
て、指定されたヘッジ手段から分離して除外し、
して、経営者による有効性テストの検証を実施し、その結
ヘッジ費用として処理可能な点である。これは、
果、例外事項は検出されなかった。
ヘッジ会計で使用されるデリバティブ契約の評価に
含まれるクロスカレンシー・ベーシス・スプレッド
IFRS 第9号のヘッジ会計については、当監査法人は、評価専
から生じる公正価値の変動は、分離され、その他の
門家を利用して、クロスカレンシー・ベーシス・スプレッ
包括利益内のヘッジ費用として会計処理されること
ドをデリバティブから分離する際に適用された評価手法の
を意味する。これは資本の個別項目に累積され、そ
適切性を検証し、その結果、この手法は適切であると判断
の後、ヘッジ対象の期待将来キャッシュフローが損
した。
益計算書に影響を与える期間と同一の期間に、損益
計算書に振り替えられる。この際、クロスカレン
シー・ベーシス・スプレッドをデリバティブから分
離する単一の方法は存在しないことから評価には高
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度な知識を要するため、経営者は重要な判断を適用
する。2018年1月1日および2018年12月31日現在、こ
の新しい勘定科目であるヘッジコストは、それぞれ
22百万ユーロおよび222百万ユーロ(いずれも税引
後)である。
ヘッジ会計の適用要件 :ヘッジ会計の適用におい
て、BNG銀行はEU-IFRSの要件を満たさなければなら
ない。これには特に以下の項目が含まれる。
‐ 正式なヘッジ文書におけるヘッジ関係の文書化
号のヘッジの有効性に関するすべての要件を満
たしていることを検証する
‐ 財務書類における有効性テストの結果の処理
モデルの使用 :BNG銀行はヘッジの有効性を算定す
る特別なモデルを開発した。有効性の決定は複雑で
あり、重要な経営者の判断を伴う。経営者の評価に
よれば、BNG銀行内のポートフォリオ・ヘッジおよ
びミクロヘッジのいずれも近年において非常に有効
である。
ヘッジ会計の適用には技術的かつ複雑な要件が伴う
こと、またBNG銀行のヘッジ会計ポートフォリオの
規模が大きいことから、これらの要件の適用を誤る
と損益および資本に重要な影響が生じる可能性があ
ることに鑑み、当監査法人はこれを監査上の主要な
事項とした。
金融商品の評価
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連結財務書類における会計方針「金融商品の公正価 観察可能インプットのテスト :レベル2およびレベル3の両
値」および開示注記「金融商品の公正価値」を参照 方の金融商品について、当監査法人は、フォワード・カー
のこと。 ブ、割引カーブおよびボラティリティ・キューブなどの観
察可能インプットを独立した情報源および外部の入手可能
BNG 銀行は貸借対照表において、純損益を通じて公 な市場データと比較し、これらのインプットが市場および
正価値で測定される金融商品を計上している。ポー 業界の慣行と整合しているか評価した。公正価値で測定さ
トフォリオは、レベル2に分類される9,611百万ユー れる金融負債に関する自己信用調整を決定するために用い
ロおよびレベル3に分類される378百万ユーロの金融 る自己資金調達カーブについて、当監査法人は、カーブの
資産から構成されている。純損益を通じて公正価値 全期間にわたってインプットを入手可能な市場の情報と比
で測定される金融負債は、2018年12月31日現在、合 較することにより、カーブの構造の妥当性について評価し
計762百万ユーロである。デリバティブ・ポート た。当監査法人の手続により、経営者のインプットが合理
フォリオの公正価値は、資産として計上される 的な結果の範囲に収まることが明示された。
8,382百万ユーロおよび負債として計上される
19,215百万ユーロであり、その99%がレベル2、1% 観察可能インプットに関する説明要求 :レベル3の金融商品
がレベル3の金融商品である。 について、当監査法人は、仮定および適用された手法につ
いて経営者の説明を評価し、これらのインプットを決定す
レベル2の金融商品 :レベル2に分類される金融商品 るために実施された内部の手続を検証した。この一環とし
について、経営者は、割引キャッシュフロー・モデ て、当監査法人は、公正価値の見積りにおける経営者によ
ル、オプション価格モデル、ダブル・デフォルト効 る潜在的な偏向の兆候をどの程度識別したかの評価も実施
果モデリングおよびその他の評価技法を適用して公 した。レベル3に分類される金融資産について、当監査法人
正価値を見積もっている。評価モデルおよび方針の は、観察不能インプット(モノライン保証ならびにクレ
決定には、判断を要する。 ジットおよび流動性スプレッドなど)の見積方法および内
部の方針に基づく決定方法について批判的に検証した。当
レベル2の金融商品について、経営者は、主に観察 監査法人の手続に基づき、当監査法人は、レベル3の金融商
可能なインプットを用いてフォワード・カーブ、割 品の公正価値の決定における観察不能インプットおよび判
引カーブ、ボラティリティ・キューブ、インフレ・ 断は妥当であり、市場慣行に沿っていると結論付けた。
カーブおよびスプレッド・カーブを決定している。
BNG銀行が強固な信用裏付となる付属文書を作成し
独立した再評価 :レベル2の金融商品について、当監査法人
ていないデリバティブについては、公正価値の算定
は内部の評価専門家を利用して、特に満期、通貨クラス、
において信用評価調整(以下「CVA」という。)が
カーブおよび適用された様々な評価モデルに分類された金
見積もられる。
融商品の異なる区分について考慮の上、ポジションのサン
プルの独立した評価を実施した。当監査法人は、経営者の
特定の評価モデルおよびインプットにおける複雑
評価結果が合理的に起こりうる結果の範囲内にあるかを判
性、ポートフォリオの規模および分散性、ならびに
断するため、また、評価対象のモデルおよびカーブのデザ
当該ポートフォリオが損益に及ぼす影響を考慮する
インと運用の有効性について検証するために上記の監査手
と、この領域は、誤謬または不正による重要な虚偽
続を実施した。
表示のリスクが比較的高い。したがって、当監査法
人はレベル2の金融資産の公正価値測定を監査上の
主要な事項とみなしている。
レベル3の金融商品 :レベル3の金融商品について、
経営者は、公正価値を決定するために、評価モデル
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における重要な観察不能インプットを見積もらなけ
ればならない。主な観察不能インプットは、モノラ
イン保証ならびに信用および流動性スプレッドを伴
う債券の回収率および相関係数に関連している。こ
れらの観察不能インプットの決定に関与する経営者
の見積りの水準や、これらの金融商品の一部の期間
が長期であるために仮定が損益に及ぼす影響を考慮
すると、この領域は、誤謬または不正による重要な
虚偽表示のリスクが比較的高い。したがって、当監
査法人はこれを監査上の主要な事項とみなしてい
る。
年次報告書に含まれているその他の情報に関する報告
本年次報告書には、財務書類および財務書類に対する当監査法人の監査報告書に加え、以下からなるその他の情
報も含まれている。
‐ 序文(執行取締役会会長へのインタービュー)
‐ 分析結果(財務データ抜粋を含む。)
‐ 執行取締役会報告書
‐ ガバナンスおよび内部オペレーション
‐ 監督取締役会報告書
‐ オランダ民法典第2編第9章に準拠したその他の情報
‐ 付属書類
以下に記載のとおり実施された手続に基づき、当監査法人はその他の情報について以下のとおりであると判断し
た。
‐ 財務書類と整合しており、重要な虚偽表示が含まれていない。
‐ オランダ民法典第2編第9章により要求されている情報を含んでいる。
当監査法人はその他の情報を通読した。当監査法人は、財務書類監査またはその他の方法により得た知識および
理解に基づき、その他の情報に重要な虚偽表示が含まれているかどうかについての検討を行った。
当監査法人の手続を実施することにより、当監査法人はオランダ民法典第2編第9章およびオランダの監査基準
720の要件に準拠している。この手続の範囲は、財務書類監査で実施した監査手続の範囲よりも相当程度に限定さ
れたものである。
執行取締役会は、取締役報告書およびオランダ民法典第2編第9章により要求されるその他の情報を含む、その他
の情報を作成する責任を有する。
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その他の法令および規制上の規定に関する報告
当監査法人の任命
2014 年11月28日に開催された監督取締役会の提案を受けて、当監査法人は、2015年4月23日に定時株主総会によ
りBNG銀行の監査人に任命された。
当監査法人の任命は、株主総会において年に1度更新されており、連続して監査人を務めている合計期間は3年で
ある。
提供禁止非監査業務を提供していないこと
当監査法人が知る限りにおいて、当監査法人は社会的影響度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る
欧州規則第5条(1)に記載される提供禁止非監査業務を提供していない。
実施業務
当監査法人が、法定監査に関連する期間おいて、監査業務の他にBNG銀行およびその被支配事業体に提供した業
務は財務書類注記35に開示されている。
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財務書類および監査に関する責任
財務書類に関する執行取締役会および監督取締役会の責任
執行取締役会の責任は、以下のとおりである。
‐ EU-IFRS およびオランダ民法典第2編第9章に従い、財務書類を作成し公正に表示すること
‐ 不正または誤謬による重要な虚偽表示のない財務書類の作成に執行取締役会が必要と考える内部統制
財務書類の作成の一環として、執行取締役会はBNG銀行の継続企業として存続する能力を評価することに責任を
負う。執行取締役会は、BNG銀行の清算または営業を停止する意図がある場合、もしくはそうする以外に現実的な
代替案がない場合を除いて、上記の財務報告の枠組みに基づき、継続企業を前提として財務書類を作成すべきであ
る。執行取締役会は、財務書類において、継続企業として存続する能力について重要な疑義を生じさせるような事
象または状況を開示すべきである。
監督取締役会は、BNG銀行の財務報告プロセスを監視する責任を負う。
財務書類監査に関する当監査法人の責任
当監査法人の責任は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手することができるように、監査業務
を計画し実施することである。当監査法人の監査意見は、財務書類に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理
的な保証を提供することを目的としている。合理的な保証は、高い水準の保証ではあるが、絶対的な水準の保証で
はないため、すべての虚偽表示を検出できるとは限らない可能性がある。虚偽表示は、不正または誤謬から発生す
る可能性がある。虚偽表示は、個別にまたは合計して、当該財務書類の利用者の経済的意思決定に影響を及ぼすと
合理的に見込まれる場合に、重要性があるとみなされる。
重要性は、監査手続の内容、実施時期および範囲、ならびに識別された虚偽表示が当監査法人の意見に与える影
響の評価に影響する。当監査法人の責任に関する詳しい説明は、この監査報告書の付属書類に記載されている。
アムステルダム市、2019年3月15日
プライスウォーターハウスクーパース・アカウンタンツ・エヌ・ブイ
原本はJ.M. デ・ヨン RAにより署名されている
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BNG 銀行の2018年度財務書類に対する監査報告書の付属書類
監査報告書に含めた内容に加え、当監査法人はこの付属書類においてさらに、財務書類監査に関する当監査法人
の責任について詳しく記載するとともに監査の内容について説明する。
財務書類の監査に関する当監査法人の責任
当監査法人は、オランダの監査基準、倫理要件および独立性の要件に従い、監査を通じて職業的専門家としての
判断を行使し、職業的専門家としての懐疑心を保持した。当監査法人の目的は、全体としての財務書類に不正また
は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかに関する合理的な保証を得ることにある。当監査法人の監査は特に以
下の事項から構成された。
ための監査手続を立案し実施すること、および意見表明のための合理的な基礎を提供するために十分かつ適切
な監査証拠を入手すること。不正による重要な虚偽表示を発見できないリスクは、誤謬による重要な虚偽表示
を発見できないリスクよりも高くなる。
BNG銀行の内部統制の有効性に対する意見を表明するためではない。
妥当性を評価すること。
銀行の継続企業として存続する能力に重要な疑義を生じさせる可能性のある事象および/または状況に関連し
て、重要な不確実性が存在するか否かについて結論を下すこと。当監査法人は、重要な不確実性が存在すると
いう結論を下した場合、監査報告書において、財務書類の関連する開示に注意を向けさせること、または当該
開示が不適切である場合は当監査法人の意見を修正することが要求される。当監査法人の結論は、その監査報
告書の日付までに入手した監査証拠に基づいており、財務書類全体に対する当監査法人の意見に照らして出さ
れたものである。しかしながら、将来の事象または状況が原因で、BNG銀行が継続企業として存続しなくなる
可能性がある。
引や会計事象を適切に表示しているかどうかを評価すること。
当監査法人は連結財務書類に対する監査意見に最終責任を負うことから、グループ監査の指示、監督および実施
について責任を有する。この点に関して、当監査法人は、財務書類全体に対する監査意見を提供するための十分な
作業が実施されるように、グループ内の構成単位に対する監査手続の内容および範囲を決定した。決定要因は、グ
ループの地理的構造、グループ内の企業または活動の重要性および/またはリスクプロファイル、会計処理および
統制、ならびにグループが事業を行っている業界である。この基準に基づいて、当監査法人は、財務情報または特
定の残高について監査またはレビューが必要であると考えられるグループ内の企業を選定した。
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当監査法人は、監督取締役会に対し、特に、計画した監査の範囲とその実施時期、および監査の過程で特定され
た内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項を伝達する。この点において、当監査法人は、社会的影響
度の高い事業体の法定監査に関する特定の規定に係る欧州規則第11条に準拠して、監査委員会に追加の報告書を発
行した。この追加報告書に含まれる情報は、本監査報告書における当監査法人の監査意見と整合している。
当監査法人は、監督取締役会に対し、当監査法人の独立性についての倫理要件を遵守している旨を書面で伝達
し、また当監査法人の独立性に影響を与えると合理的に考えられうるすべての関係およびその他の事項、ならびに
該当する場合には関連するセーフガードも伝えている。
監督取締役会との協議事項から、当監査法人は、当期の財務書類監査において最も重要性のある事項、すなわち
監査上の主要な事項を決定する。当監査法人は、かかる事項を監査報告書に記載するが、法令もしくは規制により
当該事項の公開が禁止される場合、あるいはきわめて稀な状況ではあるが、当該事項を伝達しないことが公益に適
う場合はこの限りではない。
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連結貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2018年1月1日
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
現在
(IFRS第9号) (IFRS第9号) (IAS第39号)
注記
資産
現金および中央銀行残高 1 1,587 2,996 2,996
銀行預入金 2、41 82 12 105
差入現金担保 3、41 12,043 13,892 13,892
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 ▶ 1,606 1,628 2,006
デリバティブ 5 8,390 8,978 8,982
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
6、41 9,648 10,794 –
金融資産
売却可能金融資産 7 – 14,110
償却原価で測定される利付有価証券 8、41 7,406 5,134 –
貸付金および前渡金 9、41 85,034 84,640 86,008
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に
10 11,566 11,685 11,813
対する価値調整
関連会社および共同支配企業 11 44 47 47
有形固定資産 12 17 17 17
未収還付税金 22 7 – –
その他の資産 13、41 79 19 19
– 30 30
売却目的保有に分類される資産 14
資産合計 137,509 139,872 140,025
負債
銀行借入金 15 2,383 2,079 2,079
受入現金担保 16 419 369 369
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 17 762 944 944
デリバティブ 18 19,223 21,870 21,870
負債証券 19 103,722 104,323 104,127
受託資金 20 5,800 5,421 5,417
劣後債務 21 32 31 31
未払税金 22 – 18 17
繰延税金負債 22 99 83 173
78 47 45
その他の負債 23
負債合計
132,518 135,185 135,072
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有価証券報告書
2018年1月1日
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
現在
(IFRS第9号) (IFRS第9号) (IAS第39号)
注記
株主資本
資本金 139 139 139
資本準備金 6 6 6
その他の剰余金 3,410 3,570 3,221
再評価剰余金 125 189 259
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 10 19 193
自己信用調整 9 9 9
ヘッジコスト準備金 222 22 –
337 – 393
当期純利益
株主に帰属する持分 24
4,258 3,954 4,220
733 733 733
ハイブリッド資本 24
株主資本合計 24 4,991 4,687 4,953
負債および株主資本合計 137,509 139,872 140,025
参照番号は連結財務書類に対する注記を示している。連結財務書類に対する注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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連結損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2018年度 2017年度
注記
-実効金利法を用いて計算した受取利息
5,154 5,406
566 499
-その他の受取利息
受取利息合計
5,720 5,905
-実効金利法を用いて計算した支払利息 5,179 5,317
-その他の支払利息 107 153
支払利息合計
5,286 5,470
利息損益 25 434 435
-受取手数料 30 26
2 3
-支払手数料
手数料損益 26 28 23
金融取引損益 27 112 181
関連会社および共同支配企業による損益 28 ▶ 2
売却目的保有資産の売却損益 29 0 –
2 2
その他の収益 30
収益合計 580 643
人件費 31 40 44
その他の一般管理費 32 33 26
3 2
減価償却費 33
営業費用合計 76 72
金融資産の減損損失純額 34 (2) (7)
関連会社および共同支配企業の減損損失純額 35 ▶ (3)
破綻処理基金への拠出 36 12 9
31 36
銀行税 36
その他の費用合計 45 35
税引前当期利益 459 536
法人所得税費用 22 122 143
当期純利益 337 393
-うちハイブリッド資本所有者に帰属 19 18
318 375
-うち株主に帰属
参照番号は連結財務書類に対する注記を示している。連結財務書類に対する注記は、連結財務書類の不可欠な一部である。
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連結包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
2018年度 2017年度
当期純利益
337 393
株主資本で直接認識される組替調整される損益
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 (9) 232
0 (42)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(9) 190
-ヘッジコスト準備金の変動
-未実現価額の変動 195 –
5 –
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
200 –
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
れる金融資産に係る再評価剰余金の変動
-未実現価額の変動 (36) –
-純損益に振り替えられた実現価額の変動 (28) –
-純損益を通じて認識された減損 0 –
0 –
-純損益を通じて戻し入れられた減損
(64) –
-売却可能金融資産に係る再評価剰余金の変動
-未実現価額の変動 – 55
– (47)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
8
組替調整される損益合計 127 198
株主資本で直接認識される組替調整されない損益
-純損益を通じて公正価値で測定するものとし
て指定された金融負債の信用リスクの変動に 0 (15)
起因する公正価値の変動
0 0
-数理上の損益の変動
組替調整されない損益合計
0 (15)
株主資本で直接認識される損益 127 183
合計 464 576
-うちハイブリッド資本所有者に帰属 19 18
445 558
-うち株主に帰属
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連結キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2018年度 2017年度
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益 459 536
調整:
-減価償却費 3 2
-減損 2 (10)
-純損益を通じて測定される未実現損益 (78) (129)
営業資産および負債の変動:
-銀行預入金および借入金(要求払以外)の変動 3 521
-差入現金担保および受入現金担保の変動 1,908 (3,736)
-レポ取引およびリバースレポ取引の変動 (1) -
-貸付金および前渡金の変動 (181) 1,191
-受託資金の変動 283 (1,748)
-デリバティブの変動 1,323 (843)
-支払法人税 (140) (157)
(326) (216)
-営業活動によるその他の変動
営業活動によるキャッシュフロー純額 3,255 (4,589)
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
-売却可能金融資産 - (3,560)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 (162) -
-償却原価で測定される利付有価証券 (2,796) -
-関連会社および共同支配企業に対する投資 - (2)
-有形固定資産 (3) (3)
処分および償還:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 23 287
-売却可能金融資産 - 4,980
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 1,085 -
-償却原価で測定される利付有価証券 503 -
-売却目的保有資産 29 -
1 0
-関連会社および共同支配企業に対する投資
投資活動によるキャッシュフロー純額 (1,320) 1,702
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - 11
-負債証券 313,242 222,828
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2018年度 2017年度
支払額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (185) (183)
-負債証券 (316,234) (223,076)
-劣後債務 0 (1)
-ハイブリッド資本に係る配当金 (25) (23)
-株主に対する配当金 (141) (91)
財務活動によるキャッシュフロー純額 (3,343) (535)
現金および現金同等物の純変動 (1,408) (3,422)
1月1日現在の現金および現金同等物 2,999 6,421
12月31日現在の現金および現金同等物 1,591 2,999
12月31日現在の現金および現金同等物:
-現金および中央銀行残高 1,587 2,996
-銀行預入金項目における現金同等物 ▶ 3
0 0
-銀行借入金項目における現金同等物
1,591 2,999
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額 5,585 5,735
(5,243) (5,431)
支払利息額
342 304
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連結株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
キャッ
シュフ
自己 ヘッジ
ロー・ 株主に ハイブ
その他
資本 再評価 ヘッジ 信用 コスト 未処分 リッド
の剰余 帰属す
資本金 準備金 剰余金 準備金 調整 準備金 金 利益 る持分 資本 合計
2017年1月1日
139 6 251 3 24 2,961 369 3,753 733 4,486
現在の残高
包括利益合計 8 190 (15) 393 576 576
株主に対する
(91) (91) (91)
配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する (18) (18) (18)
配当金
前年度利益処分額 369 (369) -
2017年12月31日
139 6 259 193 9 - 3,221 393 4,220 733 4,953
現在の残高
IFRS第9号の影響 - - (70) (174) - 22 (44) - (266) - (266)
前年度利益処分額 393 (393)
2018年1月1日
139 6 189 19 9 22 3,570 0 3,954 733 4,687
現在の残高
包括利益合計 (64) (9) 0 200 337 464 464
株主に対する
(141) (141) (141)
配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する
(19) (19) (19)
配当金
2018年12月31日
139 6 125 10 9 222 3,410 337 4,258 733 4,991
現在の残高
BNG銀行は、連結株主資本のうち少数株主持分により第三者に帰属する損益を認識していない。ハイブリッド資本を除く株主
資本全体は、株主に帰属している。
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連結財務書類の会計原則
会社概要
本連結財務書類は、2019年3月15日に執行取締役会により公開を目的として作成および発行され、2019年4月18日の株主総会
での採択を目的として提出される。BNG銀行は、オランダの法律に基づく法定二段構造企業である。BNG銀行の資本金の半分を
オランダ王国政府が所有し、残りの半分を州、地方自治体および地域治水委員会が所有している。BNG銀行は、オランダ、ハー
グ Koninginnegracht 2に登録事務所を置き(商工会議所番号27008387で登録)、支店はない。
適用法令
連結財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)により発行され欧州連合(EU)全域で採用されているIFRSおよびオランダ民
法典第2編第9章に準拠して作成される。
損益の評価および決定に適用される重要な会計原則
連結財務書類は継続企業の前提に基づき作成される。貸借対照表項目のほとんどは償却原価で評価される。貸借対照表項目
「純損益を通じて公正価値(FVPL)で測定される金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値(FVOCI)で測定される金
融資産」、「デリバティブ」および「純損益を通じて公正価値(FVPL)で測定される金融負債」は公正価値で認識される。貸
借対照表項目「関連会社および共同支配企業」に対する投資は持分法に準拠し認識される。貸借対照表項目「有形固定資産」
は、減価償却累計額控除後の原価で認識される。モーゲージ・ローンの金利割引に関連する引当金には数理上の評価が適用さ
れる。詳細については、個別の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。別段の記載がない限り、連結財務書類におい
て、金額はすべて百万ユーロで表記される。ユーロはBNG銀行が使用する機能通貨であり報告通貨である。収益は、BNG銀行に
経済価値が発生する見込みがあり、かつ信頼性を持って収益を決定できる場合に認識される。費用は、可能な場合、サービス
が提供された期間またはこれらの費用を相殺する関連した収益に割り当てられる。
連結の会計原則
毎年BNG銀行は親会社とその子会社の連結財務書類を作成する。連結財務書類の作成に使用される親会社とその子会社の財務
書類は、同一の報告日時点で作成され、同一の原則に基づく。収益、費用、配当金等のグループ会社内取引および残高のすべ
ては、連結財務書類で完全に消去されている。連結財務書類は、BNG銀行が支配するすべての子会社を対象とする。健全性監督
の対象となる連結ベースは、国際財務報告基準(IFRS)に基づく連結ベースと同一である。BNG銀行の連結子会社リストは、年
次報告書のAppendix A(本書においては訳出省略)に含まれている。支配は、BNG銀行が投資者となっていることにより変動リ
ターンに対するエクスポージャーを有し、当該投資に関係した活動に対するパワーを行使することで当該リターンに影響を及
ぼすことができる場合に存在する。グループ会社は、支配を獲得した日から、支配が消滅する時までの期間、完全に連結対象
となる。BNG銀行が受益権もしくは持分を保有する投資ファンドの支配を有するか否かを決定する際には、参加者としてBNG銀
行が保有する財務上の利害関係が考慮される。
非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
BNG 銀行は、非連結のストラクチャード・エンティティへの関与を、それら法人の性質、目的、規模および活動を十分考慮
し、個別に評価している。参加持分を通じた投資ファンドへの投資、または(「特別目的事業体」により発行された)証券化
ポジションおよびカバード・ボンド・プログラムへの投資は、BNG銀行の非連結のストラクチャード・エンティティである。こ
れらの法人への関与により、BNG銀行は、当該法人の業績に一部基づいた変動リターンにさらされている。これらの法人は、支
配が議決権または類似の権利ではなく、契約上の取決めによって決定されるよう組成されている。ストラクチャード・エン
ティティは、特定目的のために、かつ明確化された活動のために法人化された事業体である。BNG銀行は、これらの非連結のス
トラクチャード・エンティティに対する支配を有しておらず、スポンサーとなっていない。
重要な会計上の見積りおよび判断
必要に応じて、本報告書に開示される金額は、経営陣の見積りと仮定に基づくものである。最も重要な方法と見積りは、活
発な市場のない金融商品の公正価値測定に関連する(詳細はその他の注記「金融商品の公正価値」を参照のこと。)。BNG銀行
は、これらの金融商品の公正価値を測定するために一般的に認められた評価モデルを使用している。これらの評価モデルの結
果は、割引率や将来予想キャッシュフローを含む、様々な仮定に基づいている。仮定の相違が生じた場合、財務報告上の評価
額に影響を及ぼす可能性がある。その他の重要な方法および見積りは以下に関連している。
・ 金融商品の償却原価
・ ヘッジ会計
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有価証券報告書
・ 減損
・ 繰延税金
・ 従業員給付引当金
使用される方法と仮定の詳細については、個別の貸借対照表項目に係る会計原則を参照のこと。BNG銀行は適用する見積りと
仮定を定期的に評価している。変更がある場合は、当該見積りが変更された年度に報告される。
貸借対照表上のネッティング
金融資産および金融負債は、受取債権・支払債務の相殺および同時決済が通常の状況下ならびにデフォルト、支払不能およ
び清算時において法的に実行可能であり、そのようなネット金額もしくは両項目を同時に決済する明確な意図があることが確
実である場合にのみ貸借対照表上でネッティングされる。デリバティブおよび税金については、該当する貸借対照表項目の特
定の追加ネッティング規定を参照のこと。
外貨
外貨建ての取引は、当初認識時に、取引日現在適用される為替レートで機能通貨に換算される。外貨建ての資産および負債
は、貸借対照表日に決算日レートで機能通貨に換算される。キャッシュフロー・ヘッジ会計の適用を指定された外貨建ての資
産および負債(有効部分)を除き、為替差損益は貸借対照表日に損益計算書項目「金融取引損益」として認識される。これら
の為替換算差額は、キャッシュフロー・ヘッジ準備金で認識される。
セグメント別情報
BNG 銀行は、リソース配分と業績測定を決定する際に、貸付業務と地域開発業務を区別している。BNG銀行は、貸付業務の管
理と設定において、異なるセグメントまたは事業ユニットを区別していない。BNG銀行の地域開発業務はその貸付業務と比較し
て重要ではない。したがって、本年次報告書にセグメント情報は含まれていない。
比較数値の会計原則および表示の変更
IFRS 第9号は、比較数値の修正再表示を要求していないため、分類および測定、ヘッジ会計ならびに減損に関するIFRS第9号
の適用は、2017年度の比較数値に影響を与えていない。しかし、IFRS第9号によってIAS第1号第82項(a)には修正が加えられ、
これに基づき、実効金利法に基づいて計算される受取利息は、損益計算書上で個別表示することが義務付けられる。IFRS解釈
指針委員会は、この個別表示項目は、償却原価またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の利息にのみ
使用できる(指定されたヘッジ関係に含まれるデリバティブに対するヘッジ会計適用の影響を受ける)と結論付けたアジェン
ダ決定を公表した。この修正に伴い、受取利息と支払利息の両方が、損益計算書上で個別の項目である「実効金利法を用いて
計算した受取利息(または支払利息)」と「その他の受取利息(または支払利息)」に区分表示されている。利息損益の詳細
な内訳は、注記25に表示されている。2017年度の利息損益の比較数値も変更されている。BNG銀行はまた、現金担保のポジショ
ンに関する貸借対照表の表示の変更を行った。2018年度年次報告書において、「差入現金担保」(資産)と「受入現金担保」
(負債)が、貸借対照表上で個別の項目となった。2017年度年次報告書では、差入現金担保は「銀行預入金」に、一方で受入
現金担保は「銀行借入金」および「受託資金」に計上されていた。この変更により、2017年12月31日現在の貸借対照表金額に
以下の変更が生じた。
2017年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
2017年度 2018年度
年次報告書 増減 年次報告書
銀行預入金
13,997 (13,892) 105
差入現金担保 13,892 13,892
銀行借入金 2,393 (314) 2,079
受託資金 5,472 (55) 5,417
369 369
受入現金担保
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EUにより採用され2018年1月1日以降に発効した、適用されている会計基準
2018 年度の財務書類において、BNG銀行はIASBにより発行され欧州連合により採用された以下に記載の強制適用のIFRSの基
準、改訂および解釈指針を2018年1月1日付で適用している。
・ IFRS第9号「金融商品」:IFRS第9号は、マクロ・ヘッジ会計の項目を除き、ほぼ全面的にIAS第39号「金融商品」を置き
換えた。本新基準は、2016年11月22日にEUにより採用され、2018年1月1日付で発効したものであり、一部は遡及的に適
用され、一部は将来に向けて適用される。改訂の結果、開示要件において多数の新規定および文言変更が実施されてい
る(IFRS第7号)。詳細については後述の「IFRS第9号の影響の説明」を参照のこと。
・ IFRS第15号の改訂を含むIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」:本基準は、収益認識に関する多数の基準および
解釈指針を置き換えるものであり、IAS第17号、IAS第39号またはIFRS第9号、IFRS第4号、IFRS第10号、IFRS第11号、IAS
第27号およびIAS第28号に該当しない顧客との契約に適用される。IFRS第15号は2016年9月22日にEUにより採用され、
2018年1月1日付で適用されている。BNG銀行は、どの種類の受取手数料が本新基準に適合しているか検討を行った。この
基準によるBNG銀行の損益および株主資本への影響はない。
・ IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の明確化:IFRS第15号の明確化は2018年1月1日付で適用されている。EUは
2017年10月31日に本明確化を承認した。前項も参照のこと。
・ IFRS第4号「保険契約」の改訂、IFRS第9号「金融商品」のIFRS第4号「保険契約」との適用:本基準は2018年1月1日付で
適用されている。EUは2017年11月3日に本改訂を承認した。BNG銀行は保険契約を発行していないため、本基準はBNG銀行
に適用されない。
・ IFRS年次改善(2014年から2016年サイクル):本改善は、IAS第28号、IFRS第1号およびIFRS第12号に関連する。IFRS第
12号の改善は2017年1月1日より将来に向かって適用され、IAS第28号およびIFRS第1号の改善は2018年1月1日付で適用さ
れている。本改善によるBNG銀行の株主資本、損益および財務書類の開示への影響はない。
・ IFRS第2号の改訂 株式に基づく報酬取引の分類および測定:本改訂は2018年1月1日付で適用されている。EUは2018年2
月26日に本改訂を承認した。BNG銀行は株式に基づく報酬取引を行っていないため、本改訂はBNG銀行に適用されない。
・ IAS第40号の改訂 投資不動産の振替:本改訂は2018年1月1日付で将来に向かって適用されている。EUは2018年3月14日
に本改訂を承認した。BNG銀行は投資不動産または不動産在庫を保有していないため、本改訂はBNG銀行に適用されな
い。
・ IFRIC解釈指針第22号「外貨建て取引と前渡・前受対価」:本解釈指針は、外貨建ての非貨幣性資産および負債の処理に
関係し、2018年1月1日より遡及的に適用または将来に向かって適用することができる。EUはこのIFRIC解釈指針第22号を
2018年4月3日に承認した。BNG銀行は、本解釈指針に従っている。
EUにより採用され2018年1月1日以降に発効する未適用の会計基準
BNG 銀行は、EUによる採用のないIASB発行の新規または改訂基準および解釈指針を適用しない。BNG銀行は、EUが採用した
2018年1月1日より後の事業年度に強制適用される改訂基準および解釈指針の早期適用を行わないことも決定した。
以下の新規または改訂された基準、解釈指針および改善の適用は、BNG銀行の評価、損益の決定および開示の面で、2018年度
の財務書類に限定的な影響を与える可能性があった。
・ IFRS第16号「リース」:本基準はIAS第17号「リース」基準、IFRIC第4号、SIC第15号およびSIC第27号を置き換え、2019
年1月1日より将来に向かって適用される。EUは2017年10月31日に本基準を承認した。本基準では、新たなリースの枠組
みを導入し、貸手と借手の双方がリース契約に基づくすべての資産および負債を認識するよう要求されている。BNG銀行
は、自行で使用するために、毎年わずかな件数のオペレーティング・リース契約を締結している。本基準がBNG銀行に与
える影響は極めて限定的である。
・ IFRS第9号の改訂 負の補償を伴う期限前償還要素:この改訂は、契約の早期終了の原因となる事由または状況に関わら
ず、また契約の早期終了に対する合理的な補償をどちらの当事者が支払うかまたは受け取るかに関わらず、金融資産が
SPPI要件を満たすことを明確化している。本改訂は2019年1月1日以降に開始する年次報告期間に適用されるが、早期適
用は認められている。EUは2018年3月22日に本改訂を承認した。この改訂によるBNG銀行の損益および株主資本への影響
はない。
・ IFRIC解釈指針第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」:IFRIC解釈指針第23号は、IAS第12号に基づく法人所得税
の会計処理に不確実性がある場合に、課税所得(損失)、税務基準額、未使用の税務上の欠損金、未使用の税額控除お
よび税率の決定に適用される。この解釈指針は、比較数値を調整することなく、2019年1月1日付で遡及的に適用しなけ
ればならない。EUは2018年10月24日に本解釈指針を承認した。BNG銀行には現時点で不確実な税務処理はなく、したがっ
てIFRIC解釈指針第23号による影響はない。
EUにより採用されていない未適用の会計基準
当報告期間または将来の報告期間および予測可能な取引において、BNG銀行に重要な影響を及ぼすと見込まれる、未発効の他
の基準はない。
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IFRS第9号の影響の説明
IFRS 第9号「金融商品」は、マクロ・ヘッジ会計の項目を除き、ほぼ全面的にIAS第39号「金融商品」を置き換えた。新基準
は、2016年11月にEUにより採用され、2018年1月1日以降に開始する事業年度に強制適用される。IFRS第9号は、「分類および測
定」、「ヘッジ会計」および「減損」の3つの項目に分けることができる。以下に新しいIFRS第9号の会計原則が開示されてお
り、その後にIFRS第9号のBNG銀行の株主資本、貸借対照表上の金融資産の分類、損益および財務書類の開示への影響が詳述さ
れている。IFRS第9号の適用により、IAS第32号およびIAS第39号のすべての要求事項が変更されたわけではない。認識または認
識中止の適用には変更がなく、組込デリバティブの分離は引き続き負債に適用される。
2018年1月1日より適用されたIFRS第9号の会計原則
金融商品の分類および測定
BNG 銀行は、金融資産を以下の測定カテゴリーに分類している。
・ (その他の包括利益または純損益のいずれかを通じて)公正価値で測定される金融資産
・ 償却原価で測定される金融資産
この分類は、金融資産を管理するためのBNG銀行のビジネスモデルおよび金融資産のキャッシュフローの契約条件に基づく。
BNG 銀行は、負債を純損益を通じて公正価値で測定されるものとして指定している、またはデリバティブ負債のように純損益
を通じて公正価値で負債を測定することが義務付けられている場合を除き、金融負債を償却原価で測定されるものに分類して
いる。
償却原価で測定される金融資産
金融商品は、以下の場合に償却原価で測定される。
・ その契約条件が特定の日に元本と元本残高の金利の支払いのみであるキャッシュフローを生じる場合(SPPIテスト)
・ 契約上のキャッシュフローの回収によって目的が達成されるビジネスモデルにおいて保有されている場合
これらの金融商品は、公正価値に、直接帰属する取引コストを加えた額で当初認識され、その後は償却原価で測定される。
信用の減損の測定は、後出の金融資産の減損の項で記述される3つのステージの予想信用損失モデルに基づく。償却原価で測定
される金融資産は、貸借対照表項目の「現金および中央銀行残高」、「銀行預入金」、「差入現金担保」、「償却原価で測定
される利付有価証券」ならびに「貸付金および前渡金」に含まれている。これらの金融資産からの受取利息は、「実効金利法
を用いて計算した受取利息」に含まれている。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
負債性金融商品への投資は、以下の場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される。
・ その契約条件が特定の日に元本と元本残高の金利の支払いのみであるキャッシュフローを生じる場合(SPPIテスト)
・ 契約上のキャッシュフローの回収および金融資産の売却の両方によって目的が達成されるビジネスモデルにおいて保有
されている場合
これらの負債性金融商品は、公正価値に、直接帰属する取引コストを加えた額で当初認識され、その後は公正価値で測定さ
れる。公正価値の変動から発生する利益または損失は、株主資本の個別の構成要素であるその他の包括利益に含まれる。これ
らの金融資産からの受取利息は、「実効金利法を用いて計算した受取利息」に含まれている。減損損失または減損戻入、受取
利息、および為替差損益も、損益計算書で認識される。当初取得からその他の包括利益で認識されていた累積利益または損失
は、処分時に株主資本から損益計算書に再分類される。信用の減損の測定は、償却原価で測定される金融資産に適用されるの
と同様に、3つのステージの予想信用損失モデルに基づく。予想信用損失モデルは、後出の金融資産の減損の項で記述されてい
る。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産または負債
純損益を通じて公正価値で測定される項目は以下で構成される。
・ 契約条件が(強制的な)元本と金利の支払いのみでない負債性金融商品
・ 当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定するものとして明確に指定された項目
・ デリバティブ
・ 資本性金融商品
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純損益を通じて公正価値で測定される保有金融商品は、公正価値で当初認識され、取引コストは発生時に損益計算書で認識
される。その後それらは公正価値で測定され、損益は発生時に損益計算書で認識される。これらの金融資産および負債(ヘッ
ジ会計を適用するデリバティブを除く)からの受取利息または支払利息は、「その他の受取利息」または「その他の支払利
息」に含まれる。ヘッジ会計を適用するデリバティブからの受取利息または支払利息は、「実効金利法を用いて計算した受取
利息」または「実効金利法を用いて計算した支払利息」に含まれる。金融資産が公正価値で測定される場合、相手先の信用度
を反映させるために、信用リスクの変動に起因する公正価値の変動を表す信用評価調整が含められる。
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融商品
金融商品は、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定することができる。金融資産は、純損益を
通じて公正価値で測定するものとして指定することにより、金融資産または負債を他の基準で測定することから発生する測定
または認識における不整合を解消または大幅に低減する(すなわち、会計上のミスマッチを解消する)場合にのみ、純損益を
通じて公正価値で測定するものとして指定することができる。
金融負債は、会計上のミスマッチを解消または大幅に低減する場合、または以下の場合に、純損益を通じて公正価値で測定
するものとして指定することができる。
・ 主契約に1つ以上の組込デリバティブが含まれる場合
・ 金融資産および金融負債の両方が運用されており、文書化されたリスク管理または投資戦略に従って、その運用成績を
公正価値に基づいて評価する場合
金融負債が純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されている場合、BNG銀行の信用度の変動に起因する公正価値
の変動は、観察可能な市場金利を超過する信用スプレッドの変動を算定することによって計算され、株主資本のその他の包括
利益において個別に認識される。
資本性金融商品
BNG 銀行は、資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定できる会計基準に基づくオプションを選択していな
い。したがって、資本性金融商品への投資は、純損益を通じて公正価値で測定されている。
金融資産の認識中止
以下の場合、金融資産は認識が中止される。
・ 資産のキャッシュフローを受け取る契約上の権利が失効した場合、または
・ BNG銀行が、資産のキャッシュフローを受け取る権利を保持しているが、別段の取決めに伴い、当該キャッシュフローの
全額を重要な遅滞なく第三者に対して支払う契約上の義務を引き受けている場合、または
・ 資産のキャッシュフローを受け取る契約上の権利およびこの資産の実質的にすべてのリスクと経済価値が移転した、す
なわち、当該資産に対する支配が移転した場合。
償却は、認識中止事象としてみなされ、BNG銀行に金融資産の契約上のキャッシュフローを(一部)回収する合理的な見込み
がない場合に認識される。償却の場合、BNG銀行は当該金融資産の帳簿価額総額を直接減額する。
金融資産の条件が変更された場合、BNG銀行は条件変更後の資産のキャッシュフローが大幅に変動しているかどうか評価す
る。キャッシュフローに大幅な変動があった場合、条件変更前の金融資産のキャッシュフローに対する契約上の権利は失効し
たものとみなされる。この場合、条件変更前の金融資産は認識が中止され、新たな金融資産が公正価値で認識される。BNG銀行
は、金融負債の条件が変更され、条件変更後の金融負債のキャッシュフローに大幅に変動があった場合に、当該金融負債の認
識を中止する。この場合、変更後の条件に基づく新たな金融負債が公正価値で認識される。消滅した金融負債と条件変更後の
新たな金融負債の間の帳簿価額の差異は、純損益に認識される。
金融資産の減損
2018 年1月1日より、BNG銀行は、純損益を通じて公正価値で測定される以外の金融資産の次のカテゴリーについて、将来予測
的な方法で予想信用損失(ECL)を評価している。
・ 償却原価で測定される負債性金融商品
・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
・ ローン・コミットメント
・ 金融保証契約
金融資産は、当初認識時からの信用リスクの変化に基づき、次の3つのステージ間を移動する。金融資産の条件変更の結果、
既存の金融資産の認識が中止され、その後、条件変更後の資産が認識された場合、当該条件変更日が当初認識日とみなされ
る。
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ステージ1:12か月間のECL
BNG 銀行は、当初認識以降信用リスクの著しい増大(SICR)がないエクスポージャーについて、当初認識から12か月以内に発
生する可能性があるデフォルト事象を反映したECL引当金を認識する。加えて、BNG銀行は信用リスクが低い場合の例外
(LCRE)を利用している。これにより、信用リスクの低いエクスポージャーはSICRがある場合でも、当該増加があっても信用
リスク全体が依然として低いことを条件に、ステージ2に移動することが回避される。いずれの場合においても、30日超の期日
経過が、ステージ2への移動に関してバックストップとしての役割を果たしている。12か月間のECL引当金は、すべての個別エ
クスポージャーについて、デフォルト時エクスポージャー(EAD)、デフォルト確率(PD)およびデフォルト時損失率(LGD)
の関数として計算され、将来予測的な情報を織り込んでいる。
ステージ2:全期間のECL-信用減損なし
BNG 銀行は、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があったが、信用減損とはみなされないエクスポージャーについて、金
融資産の残りの全期間に発生する可能性があるデフォルト事象を反映したECL引当金を認識する。これには主に、投資適格とは
みなされない信用格付のエクスポージャー、および当初認識以降、信用格付が少なくとも1ノッチ低下したエクスポージャーが
含まれる。加えて、(バックストップとして)支払いの期日経過が30日超から90日のエクスポージャーならびに支払猶予措置
の対象となったエクスポージャーが含まれる。ステージ2の全期間のECLは、すべての個別エクスポージャーについて、デフォ
ルト時エクスポージャー(EAD)、デフォルト確率(PD)およびデフォルト時損失率(LGD)の関数として計算され、将来予測
的な情報を織り込んでいる。
ステージ3:全期間のECL-信用減損あり
BNG 銀行は、個別エクスポージャー・レベルで、エクスポージャーに信用減損しているかどうかを評価する。この評価は、当
該資産の見積将来キャッシュフローに不利な影響を及ぼす1以上の事象が発生しているかどうかに基づく。これには、支払いの
期日経過が90日を超えるエクスポージャーが含まれるが、これには限定されない。相手先が債務不履行であるとBNG銀行が判断
した場合、すべての関連する金融資産はステージ3とみなされる。信用減損となったエクスポージャーについて、BNG銀行は、
保有エクスポージャーに適用される担保または保証を含む、すべての関連する情報を考慮に入れて算定された全期間のECLを認
識している。
減損のステージの決定
各報告日現在で、BNG銀行は、報告日現在と当初認識日からの予想残存期間にわたって発生するデフォルト・リスクを比較す
ることによって、当初認識以降のエクスポージャーに信用リスクの著しい増大があるかどうかを評価する。BNG銀行はこの目的
のために、過大なコストや労力もかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮する。これには、定量的および定性的
情報ならびに将来予測的な分析が含まれる。BNG銀行はまた、信用リスクの著しい増大があっても信用リスク全体が低い場合に
は、エクスポージャーがステージ2に移動することを回避するために、信用リスクが低い場合の例外(LCRE)も利用している。
資産の質が悪化するにつれて、エクスポージャーは下位のECLステージに移動する。資産の質が、当初認識以降のSICRの疑いが
なくなるところまで改善した場合、ECL引当金は全期間のECLから12か月間のECLに戻される。当初認識以降著しい悪化がないエ
クスポージャーは、信用リスクが低いとみなされる。こうした金融資産に対する引当金は、12か月間のECLに基づく。資産が回
収不能になった場合、当該資産は償却され、関連する引当金と相殺される。こうした資産はすべての必要な手続きが完了し、
損失の額が決定された後に償却される。既に償却された金額をその後に回収した場合は、損益計算書上の費用が減額される。
BNG銀行は、個別ベースで、エクスポージャーの信用リスクが著しく増大しているかどうかを評価している。
ECLの測定
ECL は、偏りのない確率加重による予想損失の推計から導き出され、以下のとおり測定される。
・ 報告日現在で信用減損のない金融資産:金融資産の予想期間にわたる現金の不足額全額を実効金利で割り引いた現在価
値として測定される。現金の不足額は、BNG銀行が契約に従って受け取るべきキャッシュフローと、BNG銀行が受け取る
と見込んでいるキャッシュフローとの差額である。
・ 報告日現在で信用減損している金融資産:帳簿価額総額と、見積将来キャッシュフローを実効金利で割り引いた現在価
値との差額として測定される。
・ 未使用のローン・コミットメント:コミットメントを実行した場合にBNG銀行が受け取るべき契約上のキャッシュフロー
と、BNG銀行が受け取ると見込んでいるキャッシュフローとの差額の現在価値として測定される。
・ 金融保証契約:保有者に弁済するための支払見込額からBNG銀行が回収すると見込んでいる金額を差し引いた額として測
定される。
ECL は、貸倒引当金勘定を使用して、損益計算書で認識される。その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融
商品の場合、ECLの測定は償却原価で測定される金融資産に適用される3つのステージのアプローチに基づく。BNG銀行は、減損
損失を損益計算書上で認識し、対応する金額をその他の包括利益に認識するが、貸借対照表における資産の帳簿価額は減額し
ない。
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2018年1月1日現在のヘッジ会計
BNG 銀行の金利リスクおよび通貨リスクを管理するために使用されるデリバティブ商品は、約定日に公正価値で、貸借対照表
の資産サイドまたは負債サイドのいずれかにデリバティブとして認識される。BNG銀行は、IFRS第9号で定められている条件を
満たした場合に、同基準に従ってミクロ・ヘッジ会計を適用している。当該ヘッジ会計は、明確に文書化されたヘッジ対象と
ヘッジ手段との間の関係に基づく。ヘッジ手段と、ヘッジ対象の価値またはヘッジ対象によって生み出されるキャッシュフ
ローの変動の間に、高い(負の)相関がある場合、ヘッジは有効とみなされる。ヘッジ関係は、ヘッジ取引が締結された時点
で文書化される。ヘッジ関係はその後、ヘッジ会計の要件を満たしているかどうかを評価するために、継続的にテストされ
る。
原則として、BNG銀行は、デリバティブをヘッジ手段としてのみ使用している。それらは貸借対照表において強制的に公正価
値で測定される。ヘッジ関係の相手先はヘッジ対象であり、通常は償却原価で認識される。ヘッジ関係が有効な場合、BNG銀行
は、ヘッジ手段とヘッジ対象との間の測定および損益認識の差額を、原則としてヘッジ会計により相殺している。BNG銀行は公
正価値とキャッシュフロー・ヘッジ会計の両方を適用している。
公正価値ヘッジ会計
BNG 銀行は、ミクロ・ヘッジ会計およびポートフォリオ・ヘッジ会計という2種類の公正価値ヘッジ会計を適用している。
ミクロ・ヘッジ会計
デリバティブがヘッジ関係においてヘッジ手段として指定された場合、当該デリバティブの公正価値の変動は、ヘッジ対象
リスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動とともに、損益計算書上で直ちに認識される。デリバティブは、デリバティブ
と主契約の両方を含んだハイブリッド金融商品の構成要素である場合がある。このような組込デリバティブ商品は、対応する
スワップ契約を用いて公正価値の変動をヘッジしている仕組金融取引の一部である。こうした場合、ヘッジ対象取引とヘッジ
手段であるデリバティブの両方が、公正価値で認識され、公正価値の変動が包括利益計算書上で、またはヘッジ対象取引
(ヘッジ対象項目)の価値の調整として認識される。現在、BNG銀行の公正価値ヘッジは主に、固定金利取引から変動金利取引
へのスワップに関連している。貸借対照表項目の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」、「償却原価
で測定される金融資産」、「受託資金」および「負債証券」がこれに関係している。
ポートフォリオ・ヘッジ会計
IAS 第39号が引き続き適用される(2017年12月31日以前に適用されていた会計方針を参照のこと。)ため、ポートフォリオの
公正価値ヘッジ会計(またはマクロ・ヘッジ会計)の影響はない。
キャッシュフロー・ヘッジ会計
キャッシュフロー・ヘッジ関係においてデリバティブがヘッジ手段として指定された場合、デリバティブの公正価値の変動
の有効部分は、株主資本のキャッシュフロー・ヘッジ準備金に認識され、表示される。デリバティブの公正価値の変動の非有
効部分は、直ちに純損益に認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備金で認識された金額は、ヘッジ対象のキャッシュフ
ローが純損益に影響を与えるのと同一期間に、再分類調整として純損益に再分類される。BNG銀行は、キャッシュフロー・ヘッ
ジ会計を変動金利の外貨建ての取引および固定金利の外貨建て取引の信用スプレッドに適用している。貸借対照表項目の「受
託資金」および「負債証券」がこれに関係している。
外貨ベーシス・スプレッド
IFRS 第9号の適用を受けて、ヘッジ手段の先渡構成要素は、ヘッジ関係の一部ではなくなった。クロスカレンシー金利スワッ
プの外貨ベーシス・スプレッドは、先渡契約の先渡要素と同じ方法で会計処理される。ヘッジ対象に関連するこのデリバティ
ブの外貨ベーシス・スプレッドの変動は、株主資本のヘッジコスト準備金で認識される。ヘッジコスト準備金の累積額は、
ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ時期に純損益に再分類される。
ヘッジ会計の中止
ヘッジ会計の要件を満たさなくなった、またはヘッジ対象もしくはヘッジ手段が売却された、もしくは満期が到来した時点
でヘッジ関係は終了となる。ヘッジ対象に係る前期の貸借対照表価額と償却原価との差異は、それが貸借対照表上に保持され
る限り、ヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。全部または一部のヘッジ対象が売却または購入された場合は、売却損益
の算定時に公正価値変動の累計額のうちの関連する部分が純損益上で加味される。
2018年1月1日より前に適用されていたIAS第39号の会計原則
当グループはIFRS第9号を遡及的に適用しているが、比較情報は修正再表示しないことを選択した。結果として、表示されて
いる比較情報は、引き続きBNG銀行の従来の会計方針に従って会計処理されている。
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償却原価で計上される金融資産
償却原価で計上される「銀行預入金」ならびに「貸付金および前渡金」項目の貸付金および債権残高に対して、BNG銀行は、
損益計算書に計上される損失引当金を計上する。減損を決定する際は、減損の客観的な兆候がある貸付金および債権と、減損
の客観的な兆候がない貸付金および債権とを区別する。
BNG 銀行は、損失引当金を計上する際に、個別債務に減損の兆候があるかどうかを最初に判断する。減損の客観的な兆候を含
むすべての項目について、個別の取引先のレベルで将来キャッシュフローの現在価値の見積りが作成される。この場合に適用
される仮定には、担保の(競売処分)価値(の見積り)、未収支払、これら支払いの時期および割引率が含まれる。未確定の
将来の損失事象については考慮されない。
減損の客観的な兆候が存在しない債権、いわゆる「既発生未計上」の損失モデル(IBNI)の集合的評価に含まれる。この
ポートフォリオ法は、オフバランスのエクスポージャーを含む信用エクスポージャーを考慮する。IBNIを計算するのに重要な
変数は、EAD(デフォルト時エクスポージャー)、PD(デフォルト確率)、LGD(デフォルト時損失率)およびLEP(9か月の損
失発現期間)である。IBNI法に従った引当金の決定では、内部格付モデルの結果を関連する損失可能性に合わせることを目的
としている。
個別引当金および一括引当金は、どちらも規制による特定の信用リスク調整が行われる。
これは以下のいずれかに関係する調整である。
・ グループ全体のエクスポージャーの信用リスク
・ 個別エクスポージャーの信用リスク
償却原価で測定される金融資産が永続的に回収不能となった場合には、計上済の損失引当金が取り崩され、差異は損益計算
書項目の「減損」に貸方計上または借方計上される。
売却可能金融資産
取引日現在、活発な市場のある利付有価証券は、「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」で認識されない限り、
「売却可能金融資産」項目に分類される。これは、BNG銀行が重要な影響力を持たない限り、資本性金融商品にも適用される。
これらの資産は期限を定めず保有され必要な際に売却される可能性がある。それらは公正価値で評価され、価値変動は株主資
本の再評価剰余金として認識される。市場の相場が存在しない参加持分などの資本性金融商品の公正価値は、株主価値を導出
する正味現在価値法または持分法の評価方法を用いて決定される。資本性金融商品に活発な市場での相場がなく、信頼性を
もって公正価値を決定できない場合、取得原価による評価が認められる。利付有価証券が公正価値ヘッジ関係に関連する場合
は、ヘッジの有効部分は株主資本ではなく損益に計上される。実効金利法に基づいて償却される利息損益ならびに通貨の再評
価差額は損益計算書に直接認識される。当該利付有価証券および参加持分が売却された場合、公正価値の累積変動は株主資本
から控除され、損益計算書の「金融取引損益」項目で認識される。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負債
これまで、BNG銀行は時折、この公正価値オプションを使用して、貸付金や利付有価証券のような個々の資産および負債を公
正価値で測定するものとして指定し、評価差額のすべてを純損益を通じて認識していた。以下のいずれかの場合に、取引は純
損益を通じて公正価値で測定するものとして指定される。
・ 会計上のミスマッチを除外することを目的としている場合。
・ ポートフォリオが公正価値に基づいて管理および評価される場合。
・ 区分処理されない組込デリバティブを持つ商品に関係する場合。
原則として、この公正価値オプションの指定は、取消不能であり、取引日付で行われる。BNG銀行は、これらの貸借対照表項
目においてトレーディング目的保有資産および負債を保有していない。
金融資産の減損
BNG 銀行は、貸借対照表項目の「銀行預入金」ならびに「貸付金および前渡金」に含まれる金融資産の損失引当金の変動を認
識している。公正価値で測定され、価値変動が株主資本に計上される金融資産の減損は、「売却可能金融資産」に計上され
る。減損額は、帳簿価額と将来キャッシュフローの見積額の現在価値との差額である。貸借対照表日現在において、すべての
金融資産は、減損を示す客観的な兆候の有無について検討される。当初認識後、1つ以上の事象が当該資産からの予想将来
キャッシュフローに対する負の影響を与え、かつそれが信頼性をもって見積可能な場合、当該事象には客観的な兆候が存在す
ると判断され、金融資産は減損対象となる。BNG銀行は、市場の状況に重大な変化が起こった場合における客観的な兆候指標を
定めた。具体的には、株式価格および為替レート、金利、市場流動性の程度、取引先の信用力および受け取るべきキャッシュ
フローにかかる(金額および期限に関する)債務不履行可能性等である。減損は、BNG銀行の2つのグループの金融資産に関係
する。
・ 償却原価で計上される金融資産
・ 公正価値で計上され、価値変動が株主資本(売却可能金融資産の再評価剰余金)を通じて認識される金融資産。
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減損の対象となる金融資産は、各貸借対照表日において再評価される。負債性金融商品への投資の減損は、認識されていた
減損の兆候による負の影響が緩和されたと信頼性をもって認められる場合、純損益を通じて戻し入れる(減損項目)。減損
は、資産の帳簿価額が、減損が認識されていなかった場合に決定されていたと考えられる帳簿価額を超えない範囲でのみ戻し
入れられる。「売却可能金融資産」項目の資本性金融商品への投資の減損の戻入れはできない。
ヘッジ会計
BNG 銀行は、為替リスクを十分に低減し、金利リスクを望ましい水準に保つ目的で、経済的ヘッジを適用している。この目的
で、BNG銀行は、日次で監視を行う限度額管理システムおよび手続きを導入した。為替および金利のリスクは、デリバティブで
ヘッジされている。貸借対照表と損益計算書におけるデリバティブとヘッジ対象の処理は、実際の経済上のヘッジとできる限
り一致するように行われる。ヘッジの種類に関する詳細な情報は、その他の注記の「デリバティブによるリスクヘッジ」に記
載されている。
原則として、BNG銀行は、デリバティブをヘッジ手段としてのみ使用している。それらは貸借対照表において公正価値で測定
される必要がある。ヘッジ関係の相手先はヘッジ対象であり、通常は償却原価で認識される。ヘッジ関係が有効な場合、BNG銀
行は、ヘッジ手段とヘッジ対象との間の測定・損益認識差額を、原則としてヘッジ会計により相殺している。BNG銀行は公正価
値およびキャッシュフロー・ヘッジ会計の双方を適用している。デリバティブ取引の取引日において、開始時に当該取引が
ヘッジ会計の適用に関係するか、およびどのように関係するかを判断する。ヘッジ会計は、ヘッジ手段とヘッジ対象および双
方の関係とヘッジの目的に関して正式に文書化されている場合にのみ適用される。ヘッジ文書は、ヘッジが有効であると見込
まれること、および有効性の決定方法を示すものでなければなければならない。有効性とは、報告期間中のヘッジ手段とヘッ
ジ対象との間の対立リスクがIAS第39号で定義された限度内(80%から125%)であるということを意味する。さらに、残存期
間中にヘッジが有効であり続けることも示されなければならない。ヘッジの非有効部分の純額は損益計算書の「金融取引損
益」項目で直接認識される。
ヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、またはヘッジ対象もしくはヘッジ手段が売却された、もしくは満期になった
時、ヘッジ関係は終了となる。ヘッジ対象に係る前期の貸借対照表価額と償却原価との差異は、それが貸借対照表上に存在す
る限り、ヘッジ対象の残存期間にわたり償却される。全部または一部のヘッジ対象が売却または購入された場合は、公正価値
の変動累計額の関連部分を売却による損益を判断する際に加味する。
公正価値ヘッジ会計
BNG 銀行は、ミクロ・ヘッジ会計およびポートフォリオ・ヘッジ会計という2種類の公正価値ヘッジ会計を適用している。 ミ
クロ・ヘッジ会計は、金利リスクを相殺する経済的ヘッジ関係に関連する個々の取引に適用される。ミクロ・ヘッジ会計の場
合、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に明白な1対1の関係が存在する。BNG銀行は、ミクロ・ヘッジ会計を、貸借対照表項目「受
託資金」および「負債証券」に分類される(大部分の)金融負債ならびに「売却可能金融資産」項目の大部分の(非常に)流
動性の高い資産に適用している。ポートフォリオ・ヘッジ会計は、デリバティブのポートフォリオを使用して金利リスクを回
避するユーロ建て取引の集合体としてヘッジするものである。BNG銀行は、ポートフォリオ・ヘッジ会計を大部分の長期固定金
利貸付金(「貸付金および前渡金」項目)および限られた数の固定金利有価証券(「売却可能金融資産」項目)に適用してい
る。個々のヘッジ対象とヘッジ手段との間に関係は存在せず、金利変動から生じる関連資産の価値変動を当該デリバティブが
相殺することがポートフォリオ・レベルで示されている。資産とヘッジ手段であるデリバティブとの間に直接の関係が存在し
ないため、ヘッジ対象の金利リスクの価値調整は、ミクロ・ヘッジ会計の状況と異なり、貸借対照表項目「ポートフォリオ・
ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整」として認識される。
キャッシュフロー・ヘッジ会計
キャッシュフロー・ヘッジ会計は、為替換算差額による将来のキャッシュフローの変動可能性をヘッジするために使用され
る。BNG銀行は、キャッシュフロー・ヘッジ会計を、主に「受託資金」および「負債証券」として認識されるミクロ・ヘッジ会
計に含まれる外貨建て金融負債ならびに「売却可能金融資産」の(高い)流動性のある外貨建て資産に適用する。為替レート
変動から生じる、ヘッジ手段の公正価値変動の有効部分は、損益計算書ではなく株主資本の「キャッシュフロー・ヘッジ準備
金」で認識される。
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IFRS第9号およびIAS第39号の両方に基づく会計原則
金融資産および金融負債の認識および会計
金融資産と金融負債は、約定日ベースで認識される。つまり、金融商品の契約条項から生じる利益を受け、またはそれによ
る債務の責任が生じると同時に認識される。これらには従来の金融商品(貸付金、利付有価証券および負債証券)およびデリ
バティブの双方が含まれる。金融資産および金融負債は、当初、取引価格、つまり公正価値に金融資産ないし金融負債の取得
または金融負債の発行に直接帰属する取引費用を加えた金額で認識される。ただし、公正価値により認識される取引は除かれ
る。後者の貸借対照表項目に含まれた取引は取引費用を加味することなく公正価値で評価される。公正価値で認識される取引
の価値が当初認識の取引価格と異なる場合には、以下の通り損益が計上される。
・ 公正価値レベル1またはレベル2の取引については、差異は損益計算書項目「金融取引損益」に直接認識される。
・ 公正価値レベル3の取引については、差異は貸借対照表の一時項目に含められ、取引期間にわたり償却される。
当初認識後、金融資産および金融負債は、取引の区分に応じて、償却原価または公正価値のいずれかで評価される。償却原
価は、額面金額に加え、経過利子および決済済み取引費用および/または実効金利法に従い取引の金利期間に割り振られる割
増差額・割引差額から構成される。
金融資産および金融負債の認識中止
以下の場合、金融資産は認識が中止される。
・ 資産からのキャッシュフローを受領する契約上の権利が失効した場合、または
・ BNG銀行が、資産からのキャッシュフローを受領する権利を維持しているが、別段の取決めに伴い第三者に対して完全に
重大な遅延なく、これらのキャッシュフローを譲渡する契約上の義務を負った場合、または
・ 資産からのキャッシュフローおよびこの資産の実質的にすべてのリスクと経済価値を受領する契約上の権利が譲渡され
た、すなわち、当該資産への支配権が移転した場合。
契約で指定された義務がすでに履行もしくは取消された場合または失効した場合は、金融負債の認識は中止される。BNG銀行
は、金融資産および金融負債を売却または購入する際に、先入先出法(FIFO)を適用する。当該資産または負債の決済額と帳
簿価額との差額は、損益計算書に直ちに全額認識される。既存の金融資産または金融負債が契約により、実質的に同一の条件
で同一の契約相手との間で別の契約に交換された場合は、新規の資産または負債は、既存の資産または負債が継続したものと
して扱われる。この場合には、損益は認識されない。
金融資産の譲渡
BNG 銀行は、譲渡された金融資産(の構成要素)に付随するすべてまたは実質的にすべてのリスクおよび経済価値を保持して
いる場合、譲渡された金融資産を貸借対照表で認識する。例えば、BNG銀行は、買戻し条件付取引に関連して、すべての、また
はほぼすべてのリスクおよび経済価値を保持しながら金融資産を譲渡することがある。
デリバティブ金融商品の認識および会計処理
デリバティブ金融商品は、その価値が1つ以上の基礎となる価格、指数またはその他の変数から導き出され、通常、スワッ
プ、先渡金利契約、先物およびオプションといった金融商品で構成される。当初認識時から、原則としてデリバティブは公正
価値で認識され、トレーディング目的保有に分類される。デリバティブの帳簿価額は、契約の全期間にわたって再測定され、
公正価値の変動はすべて損益計算書の「金融取引損益」項目で認識される。デリバティブは、「中央清算機関」にて実行され
たデリバティブ取引を除き、純額で正の公正価値の場合は資産に含まれ、純額で負の公正価値の場合は負債に含まれる。これ
らのデリバティブについて、ネッティングはBNG銀行と「中央清算機関」との間の仲介者を取引相手とするすべてのデリバティ
ブの公正価値について行われる。デリバティブ取引が中央清算機関にて実行され、セトル・トゥ・マーケット(STM)デリバ
ティブ契約の一部でもある場合、当該デリバティブのポジションは、受け払いされた担保ともネッティングされる。
区分処理された金融負債の組込デリバティブ
以下のすべての条件が満たされる場合、金融負債の組込デリバティブは、別個のものとして分類および評価される。
・ 組込デリバティブの経済的特徴およびリスクと、金融商品のそれらとの間に緊密な関係がない。
・ 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品ではない。
・ 同一の条件の独立したデリバティブ商品であったとすればデリバティブの定義を満たしている。
これらの条件を満たすデリバティブは貸借対照表項目の「デリバティブ」に公正価値で認識される。予想キャッシュフロー
に重要な影響を与える契約条件の変更がある場合に限って、契約は再評価される。
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区分処理されない金融負債の組込デリバティブ
区分処理の条件を満たさないデリバティブは、その金融商品が認識される貸借対照表項目に含まれる。早期償還に関連する
オプションが通常これに該当する。これらのデリバティブの測定はその金融商品の測定に従う。これが償却原価の場合は、当
該オプションは原則としてゼロと測定される。この他の場合は、当該オプションは公正価値で測定される。
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
本貸借対照表項目は、ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計から生じる価値調整を含む。これは、ポートフォリオ・レベルで
金融資産の金利リスクをヘッジすることで生じる市場価値変動の有効部分を指す。認識された価値調整はヘッジ対象の金融資
産の償還期間にわたり損益計算書に計上される。
銀行借入金、受入現金担保、負債証券、受託資金および劣後債務
借入金(買戻し条件付取引を含む。)および負債証券は、当該負債が純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、貸
借対照表に償却原価で計上される。ミクロ公正価値ヘッジ会計を適用する「負債証券」および「受託資金」の取引に関して
は、償却原価は、金利リスクから生じる公正価値変動の有効部分に応じて調整される。買い戻された債務はいずれも貸借対照
表から除外され、帳簿価額と取引額との差異は損益計算書において認識される。
金融商品の公正価値
公正価値とは、測定日時点で当該時点の市場状況のもと、会社の意思または能力にかかわらず、市場参加者間での秩序ある
取引により金融資産が売却されたと仮定した場合に受け取るであろう価格(取引費用調整前)、または金融負債が移転された
と仮定した場合に支払うであろう価格(取引費用調整前)である。評価が市場参加者の観点から行われる必要があるというこ
とが出発点であるため、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮される可能性がある。公正価値は、活発な市場における
相場価格、またはそれが利用できない場合は、モデル評価手法を用いて算定される。評価手法は、上場していない資産および
負債ならびに店頭デリバティブの公正価値決定の際に広く使われている。これは一般的に認められた手法や方法、例えば、オ
プション価格モデル、割引キャッシュフロー、先物価格決定ならびに信用および流動性スプレッドに関係する。契約条項が考
慮されるほか、割引の市場ベースのイールド曲線、相関、ボラティリティ、クロスカレンシー・スワップのベーシス・スプ
レッド、信用スプレッド、評価調整ならびに市場参加者が価格決定するために使用するその他の要因、見積りおよび仮定と
いった利用可能で客観的な市場データが利用される。公正価値「レベル3」の評価は市場データで観察できない仮定に一部基づ
いている。公正価値測定の決定方法の詳細な記載については、「連結財務書類のその他の注記」を参照のこと。
IFRS第9号への移行
本項の目的は、IFRS第9号の適用に伴う、分類および測定、ヘッジ会計ならびに減損に関する変更を開示することにある。本
項で報告される数値には、2017年度年次報告書で報告された数値から、2018年1月1日より適用されているIFRS第9号に基づく数
値への変更が含まれる。
IFRS 第9号の移行規則は、比較数値を修正再表示することなく、過去の期間に遡及適用することを求めている。したがって、
初度適用の影響は、2018事業年度の株主資本の期首残高に反映されている。本報告書後述の注記における比較対象期間は、IAS
第39号に従って表示されている。
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株主資本の変動
以下の表は、IFRS第9号への移行の結果としてのBNG銀行の株主に帰属する持分の変更の概要を示している。
キャッ
シュフ
自己 ヘッジ
ロー・ 株主に
資本 再評価 ヘッジ 信用 コスト その他の 未処分
帰属する
資本金 準備金 剰余金 準備金 調整 準備金 剰余金 利益 持分 合計
IAS第39号に基づく期末残高 139 6 259 193 9 0 3,221 393 4,220
金融資産の再分類および再測
定
-AFSからACへ (21) (11) (32)
-AFSからFVTPLへ (10) 10 0
-再分類されたAFSからACへ 62 8 70
-ACからFVOCIへ 1 1 2
-ACからFVTPLへ 1 1
-FVTPLからACへ (36) (36)
IAS第39号に基づくキャッ
シュフロー・ヘッジ会計の中 (258) (258)
止
IFRS第9号に基づくキャッ
シュフロー・ヘッジ会計の適 26 26
用
公正価値ヘッジ会計の変更に
(127) 30 1 (96)
よる株主資本の変動
信用損失引当金の変動 1 (33) (32)
繰延税金の変動 24 58 (8) 16 90
当期税金の変動 (1) (1)
IFRS第9号の影響合計 0 0 (70) (174) 0 22 (44) 0 (266)
前年度利益処分額 393 (393)
IFRS第9号に基づく期首残高 139 6 189 19 9 22 3,570 - 3,954
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分類および測定
IAS第39号からIFRS第9号への
IAS第39号 再分類 再測定 IFRS第9号
貸借対照表ポジションの調整
銀行預入金(AC)
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 105
OCIを通じて公正価値(FVOCI)で測定される金融資産へ (73)
償却原価(AC)で測定される利付有価証券へ (20)
12
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
純損益を通じて公正価値(FVTPL)で測定される金融資産
a.強制的にFVTPLで測定
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 -
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(FVTPLに
126 -
指定)から
貸付金および前渡金(AC)から 10 1
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高 137
b.FVTPLで測定されるものとして指定
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 2,006
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(強制的
(126)
にFVTPLで測定)へ
償却原価(AC)で測定される利付有価証券へ (209)
貸付金および前渡金(AC)へ (180)
1,491
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
デリバティブ(FVTPL)
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 8,982
貸付金および前渡金(AC)へ (4)
8,978
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
売却可能(AFS)金融資産
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 14,110
OCIを通じて公正価値(FVOCI)で測定される金融資産へ (10,670)
償却原価(AC)で測定される利付有価証券へ (3,440)
-
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
OCIを通じて公正価値(FVOCI)で測定される金融資産
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 -
銀行預入金(AC)から 73 -
売却可能(AFS)金融資産から 10,670 -
貸付金および前渡金(AC)から 50 1
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高 10,794
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IAS第39号からIFRS第9号への
IAS第39号 再分類 再測定 IFRS第9号
貸借対照表ポジションの調整
償却原価(AC)で測定される利付有価証券
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 -
銀行預入金(AC)から 20 1
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(FVTPLに
209 (3)
指定)から
売却可能(AFS)金融資産から 3,440 (91)
貸付金および前渡金(AC)から 1,443 58
ミクロ・ヘッジ会計を適用する債券に対する価値調整の
70
再測定
ECL引当金の再測定 (13)
5,134
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
貸付金および前渡金(AC)
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 86,008
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(強制的
(10)
にFVTPLで測定)へ
OCIを通じて公正価値(FVOCI)で測定される金融資産へ (50)
償却原価(AC)で測定される利付有価証券へ (1,443)
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(FVTPLに
180 (28)
指定)から
デリバティブ(FVTPL)から ▶ (4)
ECL引当金の再測定 (17)
84,640
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価
値調整
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 11,813
再測定 (128)
11,685
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
123,024 - (153) 122,871
金融資産の変動合計
負債証券
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 104,127
ミクロ・ヘッジ会計を適用する債券に対する価値調整の
196
再測定
104,323
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
受託資金
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 5,417
ミクロ・ヘッジ会計を適用する負債に対する価値調整の
▶
再測定
5,421
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
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IAS第39号からIFRS第9号への
IAS第39号 再分類 再測定 IFRS第9号
貸借対照表ポジションの調整
未払税金
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 17
再測定による当期税金の純変動 1
18
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
繰延税金負債
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 173
再測定による繰延税金の純変動 (90)
83
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
その他の負債
IAS第39号に基づく2017年12月31日期末残高 45
オフバランスシート契約に対するECL引当金 2
47
IFRS第9号に基づく2018年1月1日期首残高
109,779 - 113 109,892
金融負債の変動合計
IFRS 第9号の新しい分類要件を適用したことにより、上記の表で示された特定の金融資産の分類がどのように変更されたか、
以下に説明する。
再分類された債券ポートフォリオ
IAS 第39号に基づき、BNG銀行のAFS債券ポートフォリオの一部が2008年度に償却原価で測定に分類変更された。これらの分類
変更された債券は、発行体が銀行か否かによって、「銀行預入金」(93百万ユーロ)または「貸付金および前渡金」(1,493百
万ユーロ)に計上された。IFRS第9号に基づき、これらの再分類された債券は、ACでの測定またはFVOCIでの測定のいずれかに
再分類された。ACまたはFVOCIでの測定は、該当する債券のビジネスモデルによって決まる。BNG銀行の流動性ポートフォリオ
の一部である高流動性債券は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルに属し、「OCIを通じて公正価値で測定さ
れる金融資産」項目で、FVOCIで測定される(123百万ユーロ)。残りの債券は投資ポートフォリオの一部であり、「回収のた
めに保有」するビジネスモデルに属し、そのため、これらはIFRS第9号に基づきACで測定され、「償却原価で測定される利付有
価証券」に計上されている(1,463百万ユーロ)。IAS第39号に基づき再分類されたポートフォリオの再分類日における公正価
値と償還価額の差異は、個別の契約の残存期間にわたって償却された。2017年度の期末時点において、再分類された償却原価
の額と、当初から償却原価で測定されていた場合の償却原価の額との差異は、58百万ユーロの再測定をもたらした。償却原価
での測定に変更され、ミクロ公正価値ヘッジ会計を適用している債券について、11百万ユーロの公正価値ヘッジ調整が認識さ
れている。
過年度にFVTPLで測定するものとして指定されていた金融資産
IAS 第39号に基づきFVTPLで測定するものとして指定された金融資産の一部(126百万ユーロ)は、IFRS第9号に基づき強制的
にFVTPLで測定に再分類された。少額の資本性金融商品を別にすると、この再分類は、債券がSPPIテストを満たさなかったこと
による。これらの金融商品は、過年度においては会計上のミスマッチを回避するためにFVTPLで測定するものとして指定されて
いた。IFRS第9号に基づき、引き続きFVTPLで測定するものとして指定に分類される金融商品もある。
これに加えて、IAS第39号に基づきFVTPLで測定するものとして指定されていた一部の貸付金および債券が、ACに再分類され
ている。これらの貸付金および債券はSPPIテストを満たしており、会計上のミスマッチを回避する必要がないことから、BNG銀
行はこれらの金融商品をIFRS第9号に基づくFVTPLで測定に指定しないことを決定した。この結果、209百万ユーロの債券が「償
却原価で測定される利付有価証券」項目に再分類され、180百万ユーロの貸付金が「貸付金および前渡金」項目に再分類され
た。
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過年度にACで測定されていたがSPPIテストを満たしていない貸付金
AC で測定され、「貸付金および前渡金」項目に計上されていた少額の貸付金がSPPIテストを満たさず、その結果、これらの
貸付金は強制的にFVTPLで測定に分類された。これは、再分類の表における「貸付金および前渡金」項目から「FVTPLで測定さ
れる金融資産」項目への10百万ユーロの振り替えに関連している。
AFS債券ポートフォリオ
IAS 第39号に基づきAFSに分類されていた債券(合計14,110百万ユーロ)はすべてSPPIテストを満たしていた。その結果、こ
れらの金融商品はIFRS第9号の下で、ビジネスモデル・テストの結果に基づいて、FVOCIで測定またはACで測定のいずれかに分
類された。BNG銀行の流動性ポートフォリオの一部である高流動性債券は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデ
ルに属し、「OCIを通じて公正価値で測定される金融資産」項目で、FVOCIで測定される(10,670百万ユーロ)。残りの債券は
投資ポートフォリオの一部であり、「回収のために保有」するビジネスモデルに属し、そのため、これらはIFRS第9号に基づき
ACで測定され、「償却原価で測定される利付有価証券」項目に計上されている(3,440百万ユーロ)。償却原価での測定に変更
され、ミクロ公正価値ヘッジ会計を適用している債券について、59百万ユーロの公正価値ヘッジ調整が認識されている。
測定方法に変更のない使用されなくなったカテゴリーからの再分類
「満期保有」(HTM)ならびに「貸付金および債権」は、IFRS第9号に基づき廃止された。これらに分類された金融資産は、
IAS第39号に基づきACで測定されていた。これらの資産は、SPPIテストを満たし、「回収のために保有」するビジネスモデルで
保有されている限り、IFRS第9号に基づき引き続きACで測定される。これは、下表において引き続き「銀行預入金」(12百万
ユーロ)および「貸付金および前渡金」(84,505百万ユーロ)に含められる金融資産を指している。
減損
IAS第39号に
基づく貸倒
引当金/ IFRS第9号に
IAS第37号に 基づく貸倒
基づく引当金 再分類 再測定 引当金/ 引当金
貸付金および債権(IAS第39号)/償却原価で
測定される金融資産(IFRS第9号)
銀行預入金 - - 0 0
償却原価で測定される利付有価証券 0 13 13
34 (3) 20 51
貸付金および前渡金
合計 34 (3) 33 64
売却可能金融商品(IAS第39号)/FVOCIで
測定される金融資産(IFRS第9号)
売却可能金融資産 - - - -
- - 1 1
OCIを通じて公正価値で測定される金融資産
合計 - - 1 1
ローン・コミットメントおよび金融保証契約
- 3 (1) 2
オフバランスシート契約に対する引当金
合計 34 0 33 67
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ヘッジ会計
IFRS 第9号には、ヘッジ会計をリスク管理の実務により整合させることを目的とした新たなヘッジ会計の規則が組み込まれて
いる。BNG銀行は、引き続きIAS第39号の規則を適用するマクロ・ヘッジの会計規則を除き、IFRS第9号に基づく新たなヘッジ会
計規則を適用している。外貨建て金融商品のミクロ・ヘッジ会計の適用は、IFRS第9号に基づき変更されている。IFRS第9号で
は、クロスカレンシーのベーシス・リスクはヘッジリスクとして処理されず、ヘッジコストとして処理される。これにより、
BNG銀行では、クロスカレンシーのベーシス・スプレッドから生じる価値変動をキャッシュフロー・ヘッジ準備金に含めること
ができなくなる。かわりに、ヘッジコストは、株主資本の未実現部分を示す個別項目に含まれる。さらに、BNG銀行のIFRS第9
号に基づくミクロ・ヘッジの手法により、ヘッジ対象リスク金額の一部が再測定されている。ヘッジ会計による株主資本への
影響は、過去にポートフォリオ・ヘッジ会計からミクロ・ヘッジ会計に移管された売買について認識された残りの償却額の戻
入れ128百万ユーロに要約することができる。この金額により、ポートフォリオ・ヘッジ会計に含まれる貸付金に係る価値調整
勘定と、再評価剰余金の両方が減少する。IFRS第9号の適用により、ヘッジコスト準備金30百万ユーロ(税引前)ならびに追加
的な公正価値ヘッジ調整が発行負債証券について196百万ユーロ、受託資金について4百万ユーロが計上された。固定金利外貨
建て債券に係るキャッシュフロー・ヘッジ会計から公正価値ヘッジ会計への変更により、キャッシュフロー・ヘッジ準備金が
60百万ユーロ減少した。残りの差異は、IFRS第9号のヘッジ会計に基づく一部の再測定による。
その他
関連会社および共同支配企業
関連会社および共同支配企業は持分法により認識される。関連会社とは、BNG銀行がその事業および財務方針に重要な影響力
を持つが、主な支配はしていない会社を指す。通常、BNG銀行が株式または議決権の20%から50%を保有している場合に重要な
影響力を持つと考えられる。共同支配企業は、BNG銀行および契約上の取決めに対して共同支配を有するその他当事者が純資産
に対して契約上の権利を有する共同契約である。これらの契約上の取決めは別個の法人として組成されている。取決めの共同
支配は、契約上合意されており、取決めに基づく関連活動が支配を共有する当事者全員の同意を必要とする場合のみ存在す
る。BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記載については、「連結財務書類のその他の注記」を参照のこと。
有形固定資産
BNG 銀行が所有するすべての不動産および設備は、減価償却累計額控除後の原価で認識されている。不動産は、土地、建物お
よび専用設備に関連する。設備は、事務機器、在庫、家具、ハードウェア、ソフトウェアおよび芸術品に関連する。減価償却
期間は資産の見積耐用年数に基づき決定される。(連結財務書類に対する注記9を参照のこと。)見積耐用年数と残余価額は毎
年見直される。減価償却費は定額法で計算され、損益計算書に計上される。土地は減価償却されない。
売却目的保有資産および負債
次の条件がすべて満たされている場合、資産および負債は売却目的と分類される。
・ 関連する資産および負債グループが直ちに売却可能でなければならない。
・ 売却の可能性が非常に高くなければならない。
・ 経営陣が、売却計画を実行することを確約している。
・ 資産が、資産および負債グループの公正価値を示す価格で活発に現在取引されていなければならない。
・ 売却の意図から1年以内に資産を実際に売却しなければならない。
売却目的保有資産および負債は、貸借対照表に、個別の注記とともに個別に開示される。いくつかの個別資産または(一部
または全部の)資産グループを除き、売却目的保有資産および負債は、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち低い方で
評価される。金融資産を含む、除外された資産は、独自の測定ベースに沿って測定される。
売却費用控除後の公正価値が当初またはその後の帳簿価額より低い場合に、減損が認識される。売却目的保有資産および負
債の当初認識後の再評価は、継続事業からの損益(税引前)として損益計算書に認識される。
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非金融資産の減損
BNG 銀行の非金融資産(有形固定資産、関連会社および共同支配企業)の帳簿価額は、繰延税金資産を除き、減損の客観的な
兆候があるかどうか決定するために年2回評価される。減損を決定するために、実現可能価額から見積りがなされ、個別の資産
は将来キャッシュフローが区別されうる最小レベル(キャッシュフロー生成単位)のグループに分けられる。BNG銀行はいかな
るのれんも認識していない。資産またはキャッシュフロー生成単位の実現可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値
のうちいずれか高い方である。使用価値を決定する際に、予想将来キャッシュフローの現在価値は、貨幣の時間価値に対する
現在の市場評価、および当該資産に関連する特定リスクの双方を反映した税引前割引率を用いて計算される。キャッシュフ
ロー生成単位に関して認識される減損は、まず当該単位に割り当てられたのれんの帳簿価額と相殺し、その後に当該単位(ま
たは単位のグループ)のその他資産の帳簿価額と比例配分で相殺する。減損の対象となる非金融資産は、各貸借対照表日にお
いて再評価される。非金融資産の減損は、非金融資産に含まれるのれんを除き、認識されていた減損の兆候による負の影響が
緩和されたと信頼性をもって認められる場合、純損益を通じて戻し入れられる(「減損」項目)。減損は、資産の帳簿価額
が、減損が認識されていなかった場合決定されていたと考えられる、減価償却費または償却費を差し引いた帳簿価額を超えな
い範囲でのみ戻し入れられる。
従業員年金
BNG 銀行は、その複数事業主年金制度を確定拠出年金制度として分類している。この制度に基づいて、加入者はほとんどすべ
ての数理上および投資上のリスクを負う一方、制度の加入事業主は基金に不足が生じてもいかなる追加の拠出を行う債務も負
わない。債務は年金基金が決定した拠出金の支払いから成る。年金基金は、規制当局が特定した変数および要件を考慮しつ
つ、独自のデータセットに含まれる情報に基づいて毎年拠出額を決定する。拠出金の支払債務は、前年度に加入者となった時
点からではなく、当該年度に年金基金加入者になった時点で発生する。雇用者の年金拠出負担分および追加額は拠出と関連す
る年度の損益に計上される。
その他の従業員給付
その他の従業員給付は確定給付年金制度として分類され、別途引当金が設けられる。これらのその他の従業員給付は、BNG銀
行の在職従業員および離職した従業員双方のためのモーゲージ・ローンの金利割引の継続的付与を含む。引当金の水準は、予
測単位積増方式(PUCM)を用いて、2年毎に独立保険数理人の計算に基づき決定される。モーゲージ・ローンの金利割引に関連
する引当金は、貸借対照表項目の「その他の負債」に計上される。従業員給付に関する費用は、損益計算書で人件費として認
識される。数理上の損益はすべて株主資本で直接認識し、その後の期間に損益計算書に組替調整することができない。その他
の従業員給付の項目は、長期有給休暇制度引当金も含む。本制度では、勤続年数7年以上の従業員は、7年に一度、月給を一部
受取りながら、2か月連続の休暇を取得することができる。長期有給休暇制度は、確定給付制度とみなされ、その費用は損益計
算書で人件費として認識される。
税金
表面税額は、法定表面税率および適用課税法規に基づき計算される。損益計算書の実効税額を決定する際に、過年度に関係
する税率調整、参加持分免除および損金不算入費用も適用される。繰延税金資産および繰延税金負債は共に額面で計上され
る。すべての繰延税金資産および負債は、納税グループの親会社の財務書類で計上される。納税グループの一部であるグルー
プ会社は、この適用表面税率を使用する。繰延税金資産および負債は、資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の課税基
準との一時的差異として認識される。BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、その他の包括利益を通じて公正価値
で測定される金融資産(2017年12月31日までは売却可能金融資産)に係る再評価剰余金、およびキャッシュフロー・ヘッジ準
備金について繰延税金資産および負債を認識しており、これらはすべて株主資本において直接変動する。これらの繰延税金資
産および負債は、実現が見込まれる期間に適用が見込まれる税率に基づいて測定される。税率変更の結果による繰延税金資産
および負債の差異は損益計算書で認識される。繰延税金資産は、これらの一時的差異を近い将来解消する課税対象収益が利用
できると見込まれる場合にのみ認識される。当期および繰延税金資産および負債は、それぞれ、同一の税務当局に関連し税の
種類が同一であり、これらの資産および負債のネッティングが法律で認められている場合、ネッティングされる。
株主資本
貸借対照表は利益処分前に作成される。したがって、事業年度の純損益合計は株主資本で表示される。その他の包括利益を
通じて公正価値で測定される金融資産(2017年12月31日までは売却可能金融資産)の再評価剰余金およびキャッシュフロー・
ヘッジ準備金は、繰延税金負債を認識することで調整される。
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ハイブリッド資本
私募発行されたハイブリッド資本は、当初元本金額に対する年1回の非累積型の利息を裁量的に支払う永久ローンである。契
約上のトリガー比率に達した場合は当初元本金額の強制的な償却が発生する。償却額は、「その他の剰余金」に振り替えられ
る。「その他の剰余金」からの償却は、トリガー比率を再び超えた時に戻し入れられる。BNG銀行は、利息の支払いを裁量ベー
スで、「その他の剰余金」に計上される配当の形で分配する権利を有している。配当の分配は、当初元本金額に基づいて同様
に決定される。分配された配当金は、2018年の法改正により2019年まで法人税上、控除可能である。本永久資本性金融商品は
株主資本として分類される。BNG銀行は、発行したハイブリッド資本を買い戻す一方的な契約上のオプションを有している。
2015年度に発行したトランシュ(額面424百万ユーロ)は2021年5月から買い戻すことができ、その後毎年5月に買い戻すことが
できる。2016年度に発行したトランシュ(額面309百万ユーロ)は2022年5月から毎年買い戻すことができる。
再評価剰余金
IFRS第9号のみ
株主資本には、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」の未実現公正価値変動(税引後)を認識する
再評価剰余金が含まれる。売却時には、再評価損益の累計額は売却損益として認識される。ヘッジ会計を適用する取引の公正
価値変動の有効部分は、取引にヘッジ会計を適用する期間にわたり、損益計算書上に貸方計上または借方計上される。
IAS第39号のみ
株主資本には、「売却可能金融資産」から生じる未実現公正価値の変動(税引後)を認識する再評価剰余金が含まれる。当
該再評価剰余金は、2008年度に再分類され、「売却可能資産」から「銀行預入金」ならびに「貸付金および前渡金」へ振り替
えられた資産に関して2008年7月1日まで認識されていた公正価値変動(税引後)も含む。再評価剰余金の当該部分は再分類さ
れた資産の残存期間にわたり償却され、損益計算書の「利息損益」で認識される。売却時には、再評価損益の累計額は売却損
益として認識される。ヘッジ会計を適用する取引の公正価値変動の有効部分は、取引がヘッジ会計に関わった期間にわたり、
損益計算書上に貸方計上または借方計上される。
自己信用調整
「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」は、「自己の信用リスク」のスプレッドを含む関連する購入カーブで認
識されている。BNG銀行は、純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債の信用リスクの変動に起因する
公正価値変動に関連する金額を、株主資本における「自己信用調整」(繰延税金資産および負債の純額)として認識してい
る。
ヘッジコスト準備金
IFRS 第9号に基づき、ヘッジ手段の外貨ベーシス・スプレッドは、ヘッジ関係の一部ではなくなった。ヘッジコスト準備金に
は、ヘッジ会計を適用するクロスカレンシー金利スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上される。ヘッジコスト準
備金で累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えるのと同じ時期に純損益に再分類される。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
さらに、株主資本は、為替レートおよび信用スプレッド部分の変動に起因するキャッシュフロー・ヘッジ会計におけるデリ
バティブの公正価値の未実現変動(税引後)の有効部分が認識されたキャッシュフロー・ヘッジ準備金も含む。キャッシュフ
ロー・ヘッジ会計におけるヘッジされたリスクの非有効部分は「金融取引損益」として認識される。
受取利息および支払利息
貸借対照表に含まれるすべての利付商品の受取利息および支払利息は、償却原価に基づき計算される。償却原価の決定には
実効利息法が使用される。償却原価で評価される取引が売却された場合において、帳簿価額と純売却価額との差異は、「利息
損益」として認識される。
受取手数料および支払手数料
当該項目では、支払および受取手数料は、サービスが提供された期間に認識される。
金融取引損益
本項目は、以下における未実現市場価値差額から構成される。
・ 為替レートの変動に起因するすべての金融商品における差額
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・ 日次または限定された担保交換のないデリバティブに係る取引先信用リスク(信用評価調整)および自己の信用リスク
(負債評価調整)に起因する市場価値変動を含む公正価値で測定されるデリバティブにおける差額
・ 純損益を通じて公正価値で測定される金融商品における差額
・ 公正価値ヘッジ会計を適用する金融資産におけるヘッジ対象の金利リスクの有効部分
・ ヘッジ会計ポートフォリオを適用する貸付金および前渡金に対する価値変動の償却
・ キャッシュフロー・ヘッジ会計に係るヘッジ対象リスクの非有効部分
本項目は、公正価値で測定する金融商品に係る売却および買取りによる損益も含む。これらの実現損益は、株主資本に累積
された価値変動の取崩しを含む、純売却価額と帳簿価額の差異から構成される。公正価値で測定される参加持分(資本性金融
商品)からの利益も当該項目で認識される。最後に、当初認識時に公正価値で測定された金融資産および負債の公正価値と取
引価格の差額も本項目に含まれる。公正価値レベル1およびレベル2の金融商品については、差額は損益計算書に直接認識さ
れ、公正価値レベル3の金融商品については、当該金融商品の期間にわたり償却される。
関連会社および共同支配企業による損益
当該項目は、持分法に従って評価された関連会社および共同支配企業からの損益を含む。配当金は受領時点で損益計算書に
認識される。
売却目的保有資産の売却損益
本項目における損益は、該当する売却目的保有資産の売却時に認識される。「売却目的保有資産および負債」を参照のこ
と。
その他の収益
その他の収益は、BNG銀行の主たる業務に関連しない損益を含む。
減価償却費
「有形固定資産」の項目を参照のこと。
破綻処理基金への拠出
欧州破綻処理制度は、EUの銀行再建・破綻処理指令(BRRD)に基づいている。支払額の全額が、支払月に損益計算書に計上
される。欧州破綻処理基金への年間拠出は、損益計算書の「破綻処理基金への拠出」項目で認識される。
銀行税
銀行税法に従って、銀行は、毎年10月に銀行税を支払う必要がある。支払額の全額が、支払月に損益計算書に計上される。
年額が損益計算書に「銀行税」として認識される。
連結包括利益計算書
連結包括利益計算書は、報告期間の純損益総額および株主資本の直接の変動(必要な場合、税引前)を表示する。財務書類
では、税引後金額は、株主資本から損益計算書に将来組替えられる項目および組替られない項目のグループで表示される。
連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフロー計算書は、間接法によって作成されている。キャッシュフローは、営業活動、投資活動および財務活
動によるキャッシュフローとして分類される。現金および現金同等物には、手元現金、銀行および中央銀行の利用可能残高、
ならびに翌日物インターバンク・ローンが含まれる。こうした資金は取得日からの満期到来期間が3か月未満で、容易に換金可
能であり、価値変動のリスクが僅少なものである。貸付金および前渡金、受託資金、デリバティブならびに銀行預入金および
銀行借入金の変動は、営業活動によるキャッシュフローに含まれる。投資活動は、関連会社、共同支配企業および有形固定資
産の購入ならびに売却、さらに投資ポートフォリオにおける購入、売却および償還で構成される。劣後債務およびボンド・
ローンの借入と返済、ならびに配当金の支払いは財務活動として表示される。
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連結財務書類に対する注記
(単位:百万ユーロ)
注記38には、満期までの残存契約期間別の貸借対照表価額の内訳(要求
払および要求払でないもの)が含まれている。
1 現金および中央銀行残高
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
手許現金
0 0
1,587 2,996
中央銀行当座預金残高(要求払)
合計 1,587 2,996
2 銀行預入金
「銀行預入金」の項目は、償却原価で測定される銀行に対するすべ
ての債権を含む。2017年度(IAS第39号)には、この貸借対照表項目
は、銀行が発行した利付有価証券を含んでいたが、これはIFRS第9号の
適用時に売却可能から償却原価測定へ再分類された。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高
▶ 3
長期貸付 78 9
- 93
売却可能から再分類された利付有価証券
合計 82 105
注記41は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要
を表示している。
3 差入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者に差し入れられてお
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
注記41は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要
を表示している。
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4 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は以下を含む。
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(IFRS第9
号のみ)。これは、SPPIテストを満たさなかった金融資産に関連
している。
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
産。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
強制的にFVTPLで測定
貸付金および前渡金 136 -
FVTPLで測定するものとして指定
貸付金および前渡金 523 842
947 1,164
利付有価証券
合計 1,606 2,006
2018年度末の貸付金および前渡金ならびに利付有価証券の償還合計
額は1,114百万ユーロ(2017年度:1,463百万ユーロ)である。注記27
は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
5 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバ
ティブの正の公正価値を含む。注記27は、純損益を通じて認識される
公正価値の変動を表している。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
289 273
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,853 3,795
5,248 4,914
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
合計 8,390 8,982
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6 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
これには、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有され、BNG銀行が公正価値オプションを適用していない購入
利付有価証券が含まれる。
2018年12月31日
現在
政府 6,682
国際機関 542
信用機関 2,341
その他の金融機関 26
56
非金融機関
合計 9,648
認識中止を伴わない譲渡
2018年度末現在、BNG銀行は、認識中止を伴わないレポ取引に伴う金
融資産の譲渡は行っていない。
注記41は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要に
加えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年度の変動の詳細を
表示している。
7 売却可能金融資産
本項目は、購入した固定および変動利付債券ならびにその他の利付
有価証券および資本性金融商品を含む。
2017年12月31日
現在
以下が発行する利付有価証券
-政府 7,597
-国際機関 730
-信用機関 2,259
-その他の金融機関 2,545
-非金融機関 979
0
参加持分に対する投資
合計 14,110
認識中止を伴わない譲渡
2017年度末、BNG銀行は、認識中止を伴わないレポ取引に伴う金融資
産の譲渡を行っていない。
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8 償却原価で測定される利付有価証券
これには、「回収のために保有」するビジネスモデルにおいて保有
され、BNG銀行が公正価値オプションを適用していない購入利付有価証
券が含まれる。
2018年12月31日
現在
政府 1,464
国際機関 0
信用機関 21
その他の金融機関 4,951
非金融機関 977
(7)
予想信用損失引当金
合計 7,406
注記41は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概
要に加えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年度の変動の
詳細を表示している。
9 貸付金および前渡金
IFRS第9号(2018年度):
貸付金および前渡金の項目には、SPPIテストを満たす顧客に対する
短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。
すべてのポジションは、「回収のために保有」するビジネスモデルに
おいて保有される。
IAS第39号(2017年度):
貸付金および前渡金の項目には、償却原価で測定される、顧客に対
する短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれ
る。加えて、この貸借対照表項目は、活発な市場がない利付有価証券
(銀行以外の発行体)を含んでいたが、これには2008年度に売却可能
から償却原価測定へ再分類されたものも含まれていた。
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2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高 4,331 4,620
長期貸付 80,750 79,929
利付有価証券 - 662
- 831
再分類された売却可能取引
85,081 86,042
予想信用損失引当金(IFRS第9号)
(47) -
- (34)
損失引当金(IAS第39号)
合計 85,034 86,008
注記41は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳
の概要に加えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年
度の変動の詳細を表示している。
損失引当金(IAS第39号)34百万ユーロは、個別引当金20百
万ユーロおよび一括引当金(IBNI)14百万ユーロで構成され
る。
2017年度
損失引当金の変動
期首残高 (42)
期中繰入額 (3)
期中取崩額 7
▶
期中戻入額
期末残高 (34)
10 ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡金のヘッ
ジ対象金利リスクの有効部分の価値調整を指す。
2018年度 2017年度
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整の
変動
期首残高 11,813 14,894
IAS第39号に基づく「売却可能」から「償却原価」への金融資産の再
(128) -
分類による除外
未実現部分の期中変動 846 (2,120)
期中償却 (834) (860)
(131) (101)
売却による期中実現
期末残高 11,566 11,813
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11 関連会社および共同支配企業に対する投資
2018年12月31日 2017年12月31日 2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在 現在 現在
参加持分割合 貸借対照表価額
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30% 0 0
Data B Mailservice BV、レーク 3 3
45% 45%
小計 3 3
共同支配企業
BNG Gebiedsontwikkeling BV、
41 44
「その他の注記」を参照
重要性の低い各種参加
合計 44 47
関連会社および共同支配企業の要約財務情報については、「連結財務書
類のその他の注記」を参照のこと。
12 有形固定資産
2018年度 2017年度 2018年度 2017年度 2018年度 2017年度
不動産 設備 合計
取得原価
1月1日現在の価値 49 49 19 17 68 66
0 0 3 2 3 2
投資
12月31日現在の価値
49 49 22 19 71 68
減価償却費
1月1日現在の減価償却累計額 37 36 14 13 51 49
0 1 3 1 3 2
期中の減価償却費
12月31日現在の減価償却累計額 37 37 17 14 54 51
合計 12 12 5 5 17 17
見積耐用年数
33 1/3年
建物
専用設備 15年
機械および在庫 5年
ハードウェアおよびソフトウェア 3年
13 その他の資産
その他の資産は主に、顧客への貸付に対する未収金額で構成され
る。
14 売却目的保有資産
2017年度末における売却目的保有資産30百万ユーロは、インフラ事
業プロジェクトの資金調達のためのファンドの参加持分に対する投資
である。この参加持分は2018年度に売却された。
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15 銀行借入金
2018年度から、銀行借入金には変動証拠金および変動証拠金の利息相
当額を含む「セトル・トゥ・マーケット」(STM)デリバティブ契約に
関連する債務が独立表示項目として含まれている。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
当座預金残高
0 0
STMデリバティブ契約に関連する債務 1 -
預金 1,837 1,832
545 247
民間借入
合計 2,383 2,079
16 受入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者から受け入れたもの
であり、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
17 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
本項目は、純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で
測定するものとして指定された負債証券を含む。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
公募負債証券 238 715
524 229
私募負債証券
合計 762 944
2018年度末の負債証券の償還合計額は、613百万ユーロ(2017年
度:765百万ユーロ)である。2018年度末の金融負債の帳簿価額と償
還額の間の差異は149百万ユーロ(2017年度:179百万ユーロ)であ
る。「自己の信用リスク」に係るマークアップを含む関連する資金
調達カーブについて、金融負債は純損益を通じて公正価値で測定さ
れている。価値変動の合計(税引前)は7百万ユーロのプラスである
(2017年度:11百万ユーロのプラス)。自己の信用リスクによる公
正価値の変動は、その他の包括利益を通じて認識されている。これ
らの変動は、「自己信用リスク」のマークアップを含む関連する資
金調達カーブを使用した評価額と、このマークアップを含まない関
連する資金調達カーブを使用した評価額を比較することによって算
定される。注記27は、純損益を通じて認識される価値の変動を表し
ている。
18 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバ
ティブの負の公正価値を含む。注記27は、純損益を通じて認識され
る公正価値の変動を表している。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
819 1,001
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 15,586 16,598
2,818 4,271
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
合計 19,223 21,870
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19 負債証券
本項目は、固定または変動金利の債券およびその他の発行済負債証
券を含む。発行に際しては、未売却債券は関連する債券から控除され
る。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
ボンド・ローン
89,531 89,895
コマーシャル・ペーパー 5,323 9,204
8,869 5,028
私募負債証券
合計 103,722 104,127
20 受託資金
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
当座預金残高
2,193 1,846
短期預金 91 0
3,516 3,571
長期預金
合計 5,800 5,417
21 劣後債務
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
劣後債務 32 31
合計 32 31
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22 税金
BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、株主資本を通じ
て公正価値で測定される金融資産に係る再評価剰余金、自己信用調
整、ハイブリッド資本およびキャッシュフロー・ヘッジ準備金につい
て繰延税金負債を認識しており、これらはすべて株主資本において直
接変動する。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
未収還付税金
7 -
未払税金 - (17)
(99) (173)
繰延税金負債
合計 (92) (190)
BNG銀行およびオランダ税務当局は、IFRS第9号に従って、2018年
度 か ら 2020 年 度 ま で の 期 間 の 相 対 契 約
(「vaststellingsovereenkomst」)を2018年度に締結した。この相対
契約は、BNG銀行の納税グループ全体に適用される。この契約によ
り、「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」に分類され
る取引を除く全金融商品は、会計上も税務上もIFRSの評価原則によ
り計上される。税務上、このカテゴリーにおけるすべての取引は、
原価または市場価値のいずれか低い方で評価される。貸借対照表上
で未実現損失が発生した場合、税務上の損益は会計上の損益と異な
る。再評価剰余金が増加すると、原価の水準を超えない範囲で当該
増加額が税務上の年間利益に追加される。
実効税率と表面税率の調整は以下のとおりである。
2018年度 2017年度
表面税率および実効税率
税引前当期利益 459 536
表面税率で課された税金 (114) (134)
過年度税金調整 0 0
参加持分免除 0 0
課税対象でないBNG Vermogensbeheerの売却による損益
- 0
(8) (9)
損金不算入費用(銀行税)
実効税金 (122) (143)
表面税率
25.0% 25.0%
26.6% 26.7%
実効税率
2020年度および2021年度に表面税率の変更が見込まれることから、
繰延税金は、資産が実現するあるいは負債が決済される期間に適用が
見込まれる税率に基づいて測定される。
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2018年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
期首貸借対照表の財務処理 0 - - 0
売却可能金融資産 (102) 102 - -
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
- (32) - (32)
れる金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (65) 3 - (62)
自己信用調整 (3) 1 - (2)
ハイブリッド資本 (4) 0 - (4)
1 - 0 1
従業員給付引当金
合計 (173) 74 0 (99)
2017年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
期首貸借対照表の財務処理 0 - - 0
売却可能金融資産 (104) 2 - (102)
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (2) (63) - (65)
自己信用調整 (8) 5 - (3)
ハイブリッド資本 (3) (1) - (4)
1 - 0 1
従業員給付引当金
合計 (116) (57) 0 (173)
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23 その他の負債
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
従業員給付引当金
2 2
76 43
その他の負債
合計 78 45
従業員給付引当金は、在職中および退職従業員の両方に付与される
モーゲージ・ローンの金利割引に関する引当金1百万ユーロ(2017年
度:1百万ユーロ)および長期有給休暇引当金1百万ユーロ(2017年
度:1百万ユーロ)の2つの部分で構成される。当該引当金は長期的な
ものである。
モーゲージ・ローンの金利割引に関する確定給付および長期有給休
暇引当金に関係する負債純額の現在価値の変動は以下のとおりであ
る。
2018年度 2017年度
従業員給付引当金
1月1日現在の負債純額 2 3
0 (1)
引当金の変動
12月31日現在の負債純額 2 2
その他の負債は主に、デリバティブおよび顧客への貸付に関連する
支払債務で構成される。
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24 株主資本
連結後、BNG銀行は少数株主持分を有していないため、ハイブリッド
資本を除く、連結株主資本全体が株主に帰属する。以下に、株主資本
の各項目に関する説明を記載する。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
資本金
139 139
資本準備金 6 6
再評価剰余金
-売却可能金融資産 259
125
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
125 259
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 10 193
自己信用調整 9 9
ヘッジコスト準備金 222
その他の剰余金 3,410 3,221
未処分利益 337 393
株主に帰属する持分 4,258 4,220
733 733
ハイブリッド資本
合計 4,991 4,953
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2018年度 2017年度
発行済払込済株式数
55,690,720株 55,690,720株
1株当たり提案配当(単位:ユーロ) 2.85 2.53
提案配当
-定款所定の基本配当金 7 7
152 134
-基本配当金を上回る提案配当
合計 159 141
2018年度の提案配当金は、2018年度にハイブリッド資本について
すでに支払済みの25百万ユーロ(税引前)を加味している。当該支
払金は「その他の剰余金」に計上されている。
資本金
授権資本は、各額面金額2.50ユーロの株式1億株から構成され、そ
のうち55,690,720株が発行済かつ全額払込済である。流通している
株式数には当該年度において変動はなかった。払込が全額完了して
いない発行済株式はない。BNG銀行およびその子会社は当行株式を保
有していない。株式には優先権はなく、制限を受けることもない。
株式発行を受ける権利を得るために行使されうるオプションはな
い。
資本準備金
2018年度および2017年度において、変動はなかった。
再評価剰余金
2018年度末現在、再評価剰余金は、未実現価額の変動292百万ユー
ロを含む。ただし、ヘッジ会計を適用する利付有価証券の金利リス
クのヘッジされた部分の価値は除かれ、これは「その他の包括利益
を通じて公正価値で測定される金融資産」項目で認識される。再評
価剰余金は税額調整されている。当該資産が売却される場合、株主
資本で認識される関連累積損益は損益計算書に振り替えられる。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
為替レートの変動に伴う、キャッシュフロー・ヘッジ関係に含ま
れるデリバティブの未実現の価値変動の有効部分は、キャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金で認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備
金は税額調整される。
自己信用調整
自己信用調整は、税引後で9百万ユーロ(2017年度:9百万ユー
ロ)であった。当該調整は純損益を通じて公正価値で測定される金
融負債の信用リスクの変動に関連する。
ヘッジコスト準備金
ヘッジコスト準備金には、ヘッジ会計を適用するクロスカレン
シー・スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上され、当
該準備金はヘッジ期間にわたって償却される。累積変動額は、ヘッ
ジ手段の満期までにはゼロまで減少する。
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その他の剰余金
定款規定の分配可能利益処分につき決定した後、株主総会において
剰余金に充当される残りの利益の部分を定める。2018年度、141百万
ユーロの配当(2017年度:91百万ユーロ)がBNG銀行の株主に支払わ
れ、「その他の剰余金」が減額された。2018年度、25百万ユーロ
(2017年度:24百万ユーロ)(税引前)がハイブリッド資本所有者に
支払われ、「その他の剰余金」が減額された。「その他の剰余金」に
はハイブリッド資本に係る資本準備金の合計0.1百万ユーロ(2017年
度:0.1百万ユーロ)が含まれている。
未処分利益
貸借対照表は利益処分前に作成される。本項目は、法人税控除後の
損益合計を示す。
ハイブリッド資本
BNG銀行のハイブリッド資本は733百万ユーロである。2018年度にお
いてハイブリッド資本は追加発行されなかった。ハイブリッド資本
は、元本残高に対する年1回の非累積型の利息を裁量的に支払う永久
ローンに関係し、CET1比率が5.125%を下回った場合に強制的な償却の
対象となる。当該支払いはIFRSに基づき配当として認められており、
「その他の剰余金」に計上される。この配当金の法人税上の損金算入
は、2018年12月31日で終了した。
本商品は、CRR要件およびEBA指針に沿って組成されており、その他
Tier1資本として認められている。BNG銀行は、当該永久資本性金融商
品を6回目の利払日(2021年および2022年5月)およびその後毎年の利
払日に早期返済する片務的契約上のオプションを有している。
25 利息損益
「実効金利法を用いて計算した受取利息」は、金融負債に係るマイ
ナスの支払利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用する
デリバティブから生じるすべてのプラスの利息損益を含む。また、そ
の他の信用関連受取収益も本項目に含まれる。減損対象の資産に係る
受取利息は、予定される金利キャッシュフローが受領される限り、当
初の実効金利で認識される。
「実効金利法を用いて計算した支払利息」は、金融資産に係るマイ
ナスの受取利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用する
デリバティブから生じるすべてのマイナスの利息損益を含む。借入費
用およびその他の利息関連費用も認識される。
その他の受取利息および支払利息は、主にヘッジ会計を適用しない
デリバティブの利息損益、ならびに公正価値で測定される金融資産お
よび金融負債の利息損益で構成される。
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2018年度 2017年度
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 2,255 2,325
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 183 –
-売却可能金融資産 – 244
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,673 2,798
44 39
-金融負債に係るマイナスの支払利息
5,155 5,406
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 46 55
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 3
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 516 427
– 17
-その他
565 499
受取利息合計 5,720 5,905
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 2,370 2,228
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,705 3,003
104 86
-金融資産に係るマイナスの支払利息
5,179 5,317
その他の支払利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 64 41
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 36 57
7 55
-その他
107 153
支払利息合計 5,286 5,470
利息損益合計 434 435
2018年度の受取利息には、「償却原価で測定される金融資産」(注
記8および9)および「その他の包括利益を通じて公正価値で測定され
る金融資産」(注記6)に関連する金融資産に係る受取利息1百万ユー
ロ(2017年度:4百万ユーロ)が含まれており、これらは減損の対象
である。
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26 手数料損益
受取手数料
本項目は、第三者に提供したサービスによる収入を含む。
2018年度 2017年度
貸付および信用供与による収入
21 16
9 10
決済サービスによる収入
合計 30 26
支払手数料
本項目は、貸付金、信用供与および決済サービスに関連して第三者
の行ったサービスに関連する合計2百万ユーロ(2017年度:3百万ユー
ロ)の費用から成る。
27 金融取引損益
本項目は、実現および未実現の市場価値調整に分類した金融取引に
係る損益を含む。
2018年度 2017年度
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に起因する、純損益を
通じて公正価値で測定する以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 11 42
(2) 2
-ストラクチャード・ローン
9 44
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 18 48
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 (2) (24)
(2) (3)
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計
14 21
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動(CVA/DVA) 12 37
売却および買取りによる実現損益 36 52
40 27
その他の市場価値変動
合計 112 181
2018年度も、金融取引損益は、実現損益および未実現損益からプラ
スの影響を受けた。36百万ユーロの実現損益は、主に流動性ポート
フォリオからの利付有価証券の売却に関連している。未実現損益は76
百万ユーロとなった。「純損益を通じて公正価値で測定される金融資
産」に計上された大部分の利付有価証券の信用リスクスプレッドおよ
び流動性リスクスプレッドの減少により12百万ユーロのプラスの結果
となった。未実現損益も、デリバティブに係る取引先信用リスクの低
下、ヘッジ会計の損益およびその他の市場価値の変動によりプラスの
影響を受けた。「その他の市場価値の変動」は、ヘッジ会計を適用し
ないデリバティブの米ドル/ユーロおよびユーロ/英ポンドのクロス
カレンシー・ベーシス・スプレッド変動の影響も含む。
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28 関連会社および共同支配企業による損益
2018年度 2017年度
関連会社
2 1
2 1
共同支配企業
合計 ▶ 2
BNG銀行の関連会社および共同支配企業の記載については、「連結
財務書類のその他の注記」を参照のこと。
29 売却目的保有資産の売却損益
2017年度末において売却目的保有である参加持分に対する投資は、
インフラ事業プロジェクトの資金調達のためのファンドに対する持分
投資であった。この投資は、2018年度に売却された。貸借対照表価額
(再評価剰余金で認識される額を含む。)と売却手取金との差異は、
損益計算書における「売却目的保有資産の売却損益」に帰属する。
30 その他の収益
その他の収益は、主にBNG Gebiedsontwikkelingが提供するコンサ
ルティング業務による収益から成る。
31 人件費
2018年度 2017年度
給与
27 26
年金費用 ▶ ▶
社会保障費 3 3
従業員給付引当金の繰入額 0 0
6 11
その他の人件費
合計 40 44
2018年度の個々の従業員の変動報酬の上限は、各従業員の固定報酬
の20%(2017年度:20%)とされた。
32 その他の一般管理費
これらの費用は、特に、外部委託費、有形固定資産の維持費、印刷
費、研修費および宣伝費を含む。2018年度のその他の一般管理費合計
は33百万ユーロ(2017年度:26百万ユーロ)であった。
33 減価償却費
本項目の内訳は、「有形固定資産」に関する注記(注記12)に含ま
れる。
合計で、2018年度の減価償却費は3百万ユーロ(2017年度:2百万
ユーロ)であった。
34 金融資産の減損損失純額
2018年度の減損額はマイナス2百万ユーロ(2017年度:マイナス7百
万ユーロ)であった。マイナスの減損損失は、損益計算書において貸
方項目となる。
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2018年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益
-組成および取得による引当金の増加 ▶ 8 0 12
-認識中止による引当金の減少 (3) (9) (4) (16)
0 ▶ (1) 3
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
1 3 (5) (1)
引当金の変動によらない減損損益
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローによ
0 0
る減損戻入れ
(1) (1)
-償却による減損
0 0 (1) (1)
金融資産の減損損益純額 1 3 (6) (2)
IFRS第9号に基づく予想信用損失引当金の変動
2018年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じた引当金の変動
-組成および取得による引当金の増加 ▶ 8 0 12
-認識中止による引当金の減少 (3) (9) (4) (16)
0 ▶ (1) 3
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
1 3 (5) (1)
純損益を通じない引当金の変動
(8) (8)
-償却による引当金の減少
0 0 (8) (8)
引当金の変動合計 1 3 (13) (9)
注記41は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要
に加えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年度の変動の詳
細を表示している。
IAS第39号に基づく信用損失引当金の変動
2017年度
損失引当金の繰入額
3
損失引当金の取崩額 (7)
(3)
再分類された売却可能金融資産の減損の戻入れ
合計 (7)
損失引当金の変動は、「貸付金および前渡金」項目(注記9)に含
まれている。
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35 関連会社および共同支配企業の減損損失純額
2018年度 2017年度
関連会社および共同支配企業の減損
5 1
(1) (4)
関連会社および共同支配企業の減損の戻入れ
合計 ▶ (3)
BNG Gebiedsontwikkelingへの参加持分6件に係る減損は5百万ユー
ロ(2017年度:1百万ユーロ)であり、2件の参加持分について合計1
百万ユーロ(2017年度:4百万ユーロ)の戻入れを行った。減損の戻
入れは、他の参加者との参加持分の再構成に関する再交渉の結果およ
び市場の状況の改善の結果である。すべての参加持分は、継続企業の
前提に基づき評価されている。
36 破綻処理基金への拠出および銀行税
銀行再建・破綻処理指令による欧州破綻処理制度が2015年1月1日付
で発効した。破綻処理基金の費用は、法人税上、損金算入可能であ
る。2018年度に支払うべき12百万ユーロ(2017年度:9百万ユーロ)
は、2018年12月に支払われ、損益計算書に計上された。
銀行税に関する費用は、法人税上は損金算入できない。その結果、
実効税負担額は名目税負担額を上回る。BNG銀行は、毎年10月に銀行
税を支払う必要がある。2018年度の税額は31百万ユーロ(2017年度:
36百万ユーロ)であった。
2018年度 2017年度
銀行税は以下のとおり計算された。
2017年度基準 2016年度基準
貸借対照表上の合計額 140,025 154,000
控除:Tier1資本 4,518 4,211
43 43
控除:預金保証制度対象の預金
課税基準 135,464 149,746
20,900 20,000
控除:実効免除額
課税対象額 114,564 129,746
注記38による満期1年未満の債務の合計額 33,152 40,117
貸借対照表による全債務の合計額 135,072 149,514
短期債務に係る銀行税 12 15
19 21
長期債務に係る銀行税
計算/支払額合計 31 36
37 独立監査人の報酬
独立監査人に支払われた報酬は「その他の一般管理費」に含まれ
る。オランダ民法典第2編第9章第382a条に準拠して、監査ならびに監
査関連および非監査関連業務に対して独立監査人へ支払われた報酬の
内訳は、個別財務書類の注記35に示されている。
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38 金融商品の満期までの残存契約期間別の貸借対照表価額の内訳
2018年12月31日現在
3か月超 1年超
要求払 3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
1,587 1,587
銀行預入金 ▶ 9 9 46 14 82
差入現金担保 12,043 12,043
純損益を通じて公正価値で測定され
11 46 231 1,318 1,606
る金融資産
デリバティブ 333 1,089 4,168 2,800 8,390
その他の包括利益を通じて公正価値
108 249 4,322 4,969 9,648
で測定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 399 801 2,837 3,369 7,406
貸付金および前渡金 1,284 5,233 9,324 32,739 36,454 85,034
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用
10 86 1,870 9,600 11,566
する貸付金に対する価値調整
未収還付税金 7 7
79 79
その他の資産
資産合計 2,875 18,225 11,611 46,213 58,524 137,448
銀行借入金 0 1,783 80 95 425 2,383
受入現金担保 419 419
純損益を通じて公正価値で測定され
3 5 221 533 762
る金融負債
デリバティブ 638 874 5,579 12,132 19,223
負債証券 8,550 13,532 48,739 32,901 103,722
受託資金 2,193 156 478 2,060 913 5,800
劣後債務 1 18 13 32
繰延税金負債 5 20 74 99
73 1 2 2 78
その他の負債
負債合計 2,193 11,623 14,975 56,734 46,993 132,518
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2017年12月31日現在
3か月超 1年超
要求払 3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
2,996 2,996
銀行預入金 3 1 73 25 3 105
差入現金担保 13,892 13,892
純損益を通じて公正価値で測定され
26 68 374 1,538 2,006
る金融資産
デリバティブ 386 1,154 4,833 2,609 8,982
売却可能金融資産 249 433 5,266 8,162 14,110
貸付金および前渡金 1,511 5,501 9,404 33,135 36,457 86,008
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用
10 74 1,968 9,761 11,813
する貸付金に対する価値調整
その他の資産 18 1 19
30 30
売却目的保有資産
資産合計 4,510 20,083 11,237 45,601 58,530 139,961
銀行借入金 0 1,681 163 48 187 2,079
受入現金担保 369 369
純損益を通じて公正価値で測定され
27 170 211 536 944
る金融負債
デリバティブ 430 1,498 7,958 11,984 21,870
負債証券 9,130 17,491 46,424 31,082 104,127
受託資金 1,846 102 184 2,311 974 5,417
劣後債務 1 0 2 28 31
未払税金 17 17
繰延税金負債 173 173
43 2 45
その他の負債
負債合計 1,846 11,783 19,523 56,954 44,966 135,072
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39 分類別の金融商品の内訳
2018年12月31日現在
その他の包括
利益 を通じて
純損益を通じて
償却原価 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
1,587 1,587
銀行預入金 82 82
差入現金担保 12,043 12,043
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
1,606 1,606
産
デリバティブ 8,390 8,390
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
9,648 9,648
れる金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,406 7,406
貸付金および前渡金 85,034 85,034
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付
11,566 11,566
金に対する価値調整
資産合計 117,718 9,996 9,648 137,362
銀行借入金 2,383 2,383
受入現金担保 419 419
純損益を通じて公正価値で測定される金融負
762 762
債
デリバティブ 19,223 19,223
負債証券 103,722 103,722
受託資金 5,800 5,800
32 32
劣後債務
負債合計 112,356 19,985 – 132,341
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2017年12月31日現在
その他の包括
利益 を通じて
純損益を通じて
償却原価 公正価値で測定 公正価値で測定 合計
現金および中央銀行残高
2,996 2,996
銀行預入金 105 105
差入現金担保 13,892 13,892
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
2,006 2,006
産
デリバティブ 8,982 8,982
売却可能金融資産 14,110 14,110
貸付金および前渡金 86,008 86,008
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付
11,813 11,813
金に対する価値調整
30 30
売却目的保有資産
資産合計 114,814 10,988 14,140 139,942
銀行借入金 2,079 2,079
受入現金担保 369 369
純損益を通じて公正価値で測定される金融負
944 944
債
デリバティブ 21,870 21,870
負債証券 104,127 104,127
受託資金 5,417 5,417
31 31
劣後債務
負債合計 112,023 22,814 – 134,837
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40 財務活動から生じるキャッシュフローに対する負債の変動の調整
2018年度
純損益を通じ
て公正価値で
測定される
ハイブリッド
金融負債 負債証券 劣後債務 資本 合計
2018年1月1日現在の貸借対照表
944 104,323 31 733 106,031
財務活動によるキャッシュフロー
財務活動からの調達額 - 313,242 - - 313,242
財務活動に係る返済額 (185) (316,234) 0 - (316,419)
利息およびその他のキャッシュフロー (26) (1,736) (1) - (1,763)
(25) (25)
ハイブリッド資本に係る配当金
(211) (4,728) (1) (25) (4,965)
非現金変動
未実現損益
-為替変動 23 2,156 - - 2,179
-公正価値変動 (29) (186) - - (215)
35 2,157 2 - 2,194
実現損益
29 4,127 2 - 4,158
「その他の剰余金」から分配された
25 25
配当金
2018年12月31日現在の残高 762 103,722 32 733 105,249
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2017年度
純損益を通じ
て公正価値で
測定される
ハイブリッド
金融負債 負債証券 劣後債務 資本 合計
2017年1月1日現在の貸借対照表
1,190 112,180 31 733 114,134
財務活動によるキャッシュフロー
財務活動からの調達額 11 222,828 222,839
財務活動に係る返済額 (183) (223,076) (1) (223,260)
利息およびその他のキャッシュフロー (15) (1,857) (1) (1,873)
(23) (23)
ハイブリッド資本に係る配当金
(187) (2,105) (2) (23) (2,317)
非現金変動
未実現損益
-為替変動 (98) (6,764) (6,862)
-公正価値変動 3 (1,311) (1,308)
36 2,127 2 2,165
実現損益
(59) (5,948) 2 0 (6,005)
「その他の剰余金」から分配された
23 23
配当金
2017年12月31日現在の残高 944 104,127 31 733 105,835
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41 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート
契約の3つの減損のステージ別内訳を示している。
ステージ1 当初認識以降、信用リスクの著しい増大(SICR)がない
正常債権エクスポージャー
ステージ2 当初認識以降に、信用リスクの著しい増大があった正常
債権エクスポージャー(信用減損なし)
ステージ3 不良債権エクスポージャー(信用減損あり)
2018年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金(評価性)
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および中央銀行残高 1,587 1,587
銀行預入金 82 82 0 0 0
差入現金担保 12,043 12,043
OCIを通じて公正価値(FVOCI)
9,648 9,595 53 0 (1)
で測定される金融資産*
償却原価で測定される利付有価
7,406 7,319 94 (1) (6)
証券
85,034 83,664 1,360 57 (4) (27) (16)
貸付金および前渡金
合計 115,800 114,290 1,507 57 (5) (34) (16)
* FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれてお
り、(正味)帳簿価額には含まれていない。
2018年12月31日現在
額面金額 引当金(負債性)
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 31 1 0 0
取消可能信用供与契約 6,015 35 0 0
7,504 120 (1) (1)
取消不能信用供与契約
合計 13,550 156 - (1) (1) -
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予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る評価性の予想信用損失引当金およびオ
フバランスシート契約に係る負債性の予想信用損失引当金の変動を示
している。
2018年度
認識中止、
信用リスクの
組成および 返済および 変動による 償却による
取得による 処分による 変動 引当金の
期首残高 増加 減少 (純額) 減少 期末残高
評価性引当金
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で測定され
1 0 0 0 - 1
る金融資産
償却原価で測定される利付有価
13 2 (1) 1 (8) 7
証券
50 8 (13) 2 - 47
貸付金および前渡金
64 10 (14) 3 (8) 55
負債性引当金
2 2 (2) 0 - 2
オフバランスシート契約
契約上のキャッシュフローの変更
全期間の予想信用損失に相当する金額で測定された損失引当金が設定され
ている(すなわちステージ2または3)金融資産で、2018年度中に契約上の
キャッシュフローが変更されたものはない。全期間の予想信用損失に相当す
る金額で測定された損失引当金が設定され(ステージ2または3)、過年度に
条件変更が行われた金融資産のうち、2018年度中にステージ1に戻されたも
のはない。
主要なインプットおよび仮定
金融資産の予想信用損失は、信用リスクの大幅な増加が発生したかどうか
によって12か月または全期間に基づいて測定される。予想信用損失合計は、
デフォルト確率(PD)、デフォルト時損失率(LGD)およびデフォルト時エ
クスポージャー(EAD)の結果を割り引いたものである。
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デフォルト確率
PD は、ECLおよびSICRの決定における主要な構成要素として使用される。
BNG銀行は、外部格付が入手できないエクスポージャーについて、主に専門
家の判断に基づくPDモデルを開発した。IFRS第9号の遵守およびいわゆる
「ポイント・イン・タイム」のPDを確保するため、BNG銀行は将来に関する
情報(FLI)を含んだオーバーレイ・モデルを開発した。ステージの決定に
おいては、将来に関する情報を調整済みの信用格付けが使用されている。
BNG銀行は、財務書類内の他の関連する見積りに対するインプットと整合す
るような、経済予測に基づく3つの内部開発シナリオを適用している。提案
されたマクロ経済予測は、外部のマクロ経済予測と比較され、シナリオの外
部検証性を確保している。シナリオは、資産・負債委員会(ALCO)で承認さ
れている。これによって、BNG銀行はPDが合理的かつ裏付可能であることを
確保している。2018年度に、外部機関がベンチマーキングを実施した結果、
BNG銀行のPDモデルは目的に適していると判定された。BNG銀行は、重要性の
低い4つの指摘事項について、2019年度末までにフォローアップを行うこと
を目標としている。
デフォルト時損失率
信用ポートフォリオのデフォルト率が低く、過去の内部のLGDデータが不
足しているため、BNG銀行はLGDモデルを確立することができない。したがっ
て、BNG銀行はエクスポージャー全体に対して、4つの異なるLGD率を伴う基
本的な一律LGDアプローチを適用している。
・ (オランダ)中央政府または地方政府が交付または保証するエクス
ポージャーについて0%
・ EU内の中央政府または地方政府が発行する政府債について10%
・ 中央政府や地方政府の保証がないエクスポージャーおよび優先無担
保債エクスポージャーについて35%
・ 劣後ローンについて75%
デフォルト時エクスポージャー
貸付金および利付有価証券(証券化を除く)に係るEADは、債務者が12か
月間または全期間にわたって義務を負う契約上の返済額に基づく。任意返済
または早期償還は、過去の実績から頻度が高くないため、考慮に入れていな
い。証券化に関する将来の契約上の返済額は、外部情報源から得られる見積
定率期限前返済率に基づく。コミットメント(オフバランスシート)ファシ
リティの場合、最大エクスポージャーは、12か月間または全期間(減損のス
テージによる)において予想される融資枠の使用を反映するよう調整され
る。
信用リスクの著しい増大
BNG 銀行は、認識以降の信用リスクの著しい変動を評価するためのイン
プット・パラメータとして、将来に関する情報について調整されたポイン
ト・イン・タイムPDを適用している。さらにBNG銀行は、信用リスクの著し
い増大を判定するための補完基準として、支払猶予措置ならびに30日超の期
日経過を使用している。一方、BNG銀行は認識以降の信用リスクの著しい変
動のモニタリングについて、低信用リスクである場合の除外を適用してい
る。この場合、信用リスクの著しい増大が生じているかを判定せずに、12か
月間のECLを使用して減損が測定される。BNG銀行は、投資適格の格付けを有
する金融資産については「低信用リスク」であるとみなす。債券について
は、BNG銀行はBBB-以上を投資適格とみなしている。貸付金に関しては、内
部相手先信用格付を使用して投資適格であるかを決定している。内部相手先
信用格付は、多数の市場セクター固有の内部格付モデルから導き出され、こ
れらのモデルは外部的に検証されている。
BNG 銀行は、ステージ3の減損金額を決定する際に、専門家を利用して判断
を行っている。このアプローチは、特別管理部により金融商品レベルごとに
実行される。
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有価証券報告書
将来に関するマクロ経済情報
主要なマクロ経済変数を識別するために、過去のデータの分析が実施さ
れ、これらの変数はBNG銀行のアナリストによって四半期毎に提供される。
専門家による判断が適用される。証券化以外に係るデフォルト確率の決定に
適用されるマクロ経済要素は、名目GDP、失業率および賃金率である。証券
化について適用されるマクロ経済要素は、住宅価格指数、長期金利および債
務である。
証券化以外
2018年12月31日
マクロ経済変数
期間 シナリオ 現在の加重
オランダの国内総生産(GDP)
3年 基本シナリオ 70%
オランダの失業率 3年 上昇シナリオ 10%
賃金上昇率 3年 下降シナリオ 20%
証券化
2018年12月31日
マクロ経済変数
期間 シナリオ 現在の加重
ユーロ圏(17か国)の住宅価格指数
3年 基本シナリオ 65%
ユーロ圏(19か国)の長期金利 3年 上昇シナリオ 10%
ユーロ圏における債務(家計およびNPISH*への
3年 下降シナリオ 25%
貸付)
* 対家計民間非営利団体
不良債権または信用減損エクスポージャー
BNG 銀行は、エクスポージャーを不良債権または信用減損として指定する
ため、以下の基準を適用している。
・ BNG銀行が、債務者によるBNG銀行に対する信用債務の弁済可能性が
低いとみなしている。
・ 債務者によるBNG銀行に対する重要な債務の支払いが90日以上遅延し
ている。
BNG 銀行は、「弁済可能性が低い」について以下の指標を採用している。
・ 債務者の収入源が、支払債務を履行するには不十分とみなされる。
・ 将来キャッシュフローに対する疑義の兆候が見られる。
・ 債務者の負債比率が著しく上昇した。
・ 1件以上の約款違反が発生した。
・ BNG銀行が保証の実行を求めたまたは担保権を実行した。
・ その他の債権者に対する著しい支払遅延(登記所に記録された)。
・ 債務者の市場セクターに経済的危機があり、同セクター内の債務者
が信用弱者とみなされている。
・ 財務的困難により、債務者は市場セクターにおいて活発に活動して
いるとはみなされなくなった。
・ BNG銀行以外の債権者が当該債務者の破産を申し立てた。
信用損失引当金の感応度分析
2018 年12月31日現在における信用損失引当金の金額の(再)計算におい
て、インプットの変動に対する信用損失引当金の感応度を測定するため、3
つの異なるシナリオが使用されている。
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シナリオA
シナリオAでは、減損の対象となるすべての個別エクスポージャーの信用
格付が1ノッチ引き下げられる(例えば、AAAからAA+)。これらの(引き下
げられた)信用格付およびそれに伴うPDがステージ分類評価および信用損失
引当金の計算に適用される。その結果、一部のエクスポージャーがステージ
1からステージ2に移動する。EADおよびLGDについては、ベース水準からの変
更はない。
シナリオB
シナリオBでは、通常はLGDが0%のエクスポージャーのLGDを10%とする。
通常はLGDが10%、35%または75%のエクスポージャーのLGDは変更されな
い。EAD、信用格付およびPDについても、ベース水準からの変更はない。
シナリオC
シナリオCでは、信用損失引当金の計算がポイント・イン・タイムPDでは
なく、「スルー・ザ・サイクル」PDを使用して実施される。すなわち、将来
に関するマクロ経済情報を組み込まないPDが計算に使用される。EAD、信用
格付、ステージレベルおよびLGDについては、ベース水準からの変更はな
い。
以下の表は、3つの異なるシナリオにおける信用損失引当金合計の感応度
(単位:百万ユーロ)を示している。
2018年12月31日現在
シナリオA
シナリオB シナリオC
(1ノッチ
(LGDを0%から (スルー・ザ・
実際の計上額 引下げ) 10%へ) サイクルPD)
評価性引当金
現金および中央銀行残高 – – 0 –
銀行預入金 0 0 0 0
OCIを通じて公正価値で測定される金融資産 1 1 1 1
償却原価で測定される利付有価証券 7 9 7 6
47 56 68 60
貸付金および前渡金
55 66 76 67
負債性引当金
2 3 3 ▶
オフバランスシート契約
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デリバティブによるリスクヘッジ
BNG銀行は、為替リスクを低減し、金利リスクを望ましい水準に保つ目的で、経済的ヘッジを適用している。この目的で、
BNG銀行は、日次で厳密に遵守し監視を行う限度額管理システムおよび手続きを導入した。為替および金利のリスクは、デリバ
ティブでヘッジされている。貸借対照表と損益計算書におけるデリバティブとヘッジ対象の処理は、実際の経済上のヘッジと
できる限り一致するように行われる。会計上、BNG銀行は、IFRSに基づき、当該ヘッジ関係を、ミクロおよびポートフォリオの
公正価値ヘッジ、ならびにキャッシュフロー・ヘッジを適用することで処理する。連結財務書類の会計原則の項目には、この
種類のヘッジ会計が適用可能となる前に満たすべき条件について記載されている。2018年1月1日付のIFRS第9号の導入により、
BNG銀行のヘッジ戦略に対する影響は一切なかった。
ミクロ公正価値ヘッジ会計(MH)は、該当する場合に、金利リスクおよび為替リスクを相殺するための経済的ヘッジ関係に
関わる個々の取引に適用される。為替リスクには、信用スプレッドに係る為替リスクが含まれる。この種類のヘッジは、ほと
んどすべての発行済負債証券に適用される。為替リスクおよび金利のリスクは、デリバティブ、主に、(クロスカレンシー)
金利スワップを使用してヘッジされる。発行は、発行の固定利息額がネットでユーロ建ての変動利息額に換算されるようにデ
リバティブで完全に相殺される。発行とそれに付随するデリバティブは共に、これも完全に相殺されるオプションのような仕
組みを包含させることができる。公正価値ヘッジに係るヘッジされたMH取引の再評価効果は、ヘッジされた項目と同じ貸借対
照表項目に計上される。
BNG銀行は、為替レート変動による将来のキャッシュフローにおける変動の可能性からBNG銀行の収益を保護するために、外
貨建ての変動利付の長期資金調達取引の事実上すべてに(ミクロ)キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用している。BNG銀行は
また、固定金利の外貨建て取引の信用スプレッドの為替リスクをヘッジするため、キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用して
いる。外貨建ての調達資金の自発的な早期償還または銀行事業からの即時完全撤退を除き、これらの再評価が実現損益につな
がる状況はない。
ベーシス・スワップのスプレッドは、クロスカレンシー・(金利)スワップの価値の重要な要素である。IFRS第9号の導入に
より、ベーシス・スプレッドの処理が変更された。ベーシス・スプレッドの変動は、ヘッジ関係の一部に含まれない。ミク
ロ・ヘッジが適用される場合、ベーシス・スプレッドの変動は、株主資本の部の「ヘッジコスト準備金」として別個に処理さ
れる。
ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計(PH)では、ユーロ建て取引のグループの金利リスクがデリバティブのグループを利用
してヘッジされる。ヘッジ関係は、総体レベルで構成され管理されるため、個々の取引との関係が排除される。BNG銀行におい
て、ミクロ・ヘッジのようなポートフォリオ・ヘッジは有効性が高い。発生した非有効部分はすべて損益計算書に認識され
る。PHの有効部分、は貸借対照表項目「ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整」に計上される。
BNG銀行は、経済的ヘッジの目的でデリバティブを使用しているが、IFRSに認められるとおり、これらをすべての場合にヘッ
ジ会計に含めることは可能ではない。ヘッジ会計に含まれない実質上すべてのデリバティブは、同じく純損益を通じて公正価
値で認識される金融商品で経済的にヘッジされる。結果として、全体では金利リスクおよび為替リスクによる損益の変動性は
限定される。
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以下の表は、2018年12月31日現在のすべてのデリバティブの満期プロファイルを想定元本に基づいて示している。
2018年12月31日現在
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 7,308 21,547 60,285 89,140
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 5,006 18,789 22,235 46,030
クロスカレンシー・スワップ 9,849 26,357 8,366 44,572
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 114 2,224 771 3,109
クロスカレンシー・スワップ – 180 866 1,046
FXスワップ 7,310 – – 7,310
100 1,549 734 2,383
その他のデリバティブ
合計 29,687 70,646 93,257 193,590
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以下の表は、デリバティブの想定元本合計を公正価値と比較して示している。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
想定元本 公正価値 想定元本 公正価値
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 22,637 2,853 33,255 3,795
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 33,802 2,199 40,399 2,212
クロスカレンシー・スワップ 25,626 3,050 16,282 2,702
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 2,209 51 2,303 63
クロスカレンシー・スワップ 568 172 711 189
FXスワップ 3,310 54 2,059 11
121 11 123 10
その他のデリバティブ
資産として計上されたデリバティブ合計 88,273 8,390 95,132 8,982
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する
デリバティブ
金利スワップ 66,504 15,587 74,506 16,598
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
金利スワップ 7,229 939 9,705 1,257
クロスカレンシー・スワップ 18,946 1,879 31,398 3,014
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
金利スワップ 898 327 926 377
クロスカレンシー・スワップ 478 325 519 347
FXスワップ 4,000 21 9,157 133
2,262 145 2,376 144
その他のデリバティブ
負債として計上されたデリバティブ合計 100,317 19,223 128,587 21,870
デリバティブに対する信用リスクに関し、BNG銀行は相手側より担保を受ける。2018年12月31日現在、この担保の金額は414
百万ユーロ(2017年度:369百万ユーロ)であり、すべてが現金担保であった。
デリバティブに関し、BNG銀行は、2018年度に12,500百万ユーロ(2017年度:14,326百万ユーロ)の担保を提供した。そのう
ち、12,038百万ユーロ(2017年度:13,892百万ユーロ)が現金であり、462百万ユーロ(2017年度:434百万ユーロ)が利付有
価証券であった。
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公正価値ヘッジ会計
以下の表は、非有効性の認識の基礎として使用された、報告期間における公正価値ヘッジ会計によるヘッジ対象およびヘッ
ジ手段の公正価値の変動を示している。
2018年12月31日現在
ヘッジ対象に
係るまたは
OCIを通じた
ヘッジ対象の ヘッジ対象に ヘッジ手段に
帳簿価額 公正価値の 帰属する 帰属する ヘッジの
総額 累積調整額 利益/損失 利益/損失 非有効性
公正価値ヘッジ
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に計上さ
8,573 620 (10) 2 (8)
れている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に計上さ
1,231 58 (20) 29 9
れている固定利付債券
9,804 678 (30) 31 1
ミクロ公正価値ヘッジ
(ヘッジ対象が負債として計上)
銀行借入金に計上されている固定金利
(545) (4) (7) 7 0
貸付金
負債証券に計上されている固定利付債
(88,814) (2,318) (958) 955 (3)
券
受託資金に計上されている固定金利貸
(1,564) 3 (72) 72 0
付金
(90,378) (2,315) (1,030) 1,027 (3)
ミクロ公正価値ヘッジ合計 (80,574) (1,637) (1,060) 1,058 (2)
ポートフォリオ公正価値ヘッジ(ヘッ
ジ対象が資産として計上)
FVOCIで測定される金融資産に計上さ
1,025 167 (2) 0 (2)
れている固定利付債券
ACで測定される利付有価証券に計上さ
1,508 18 0 0 0
れている固定利付債券
貸付金および前渡金に計上されている
72,361 11,548 11 9 20
固定金利貸付金
ポートフォリオ公正価値ヘッジ合計 74,894 11,733 9 9 18
公正価値ヘッジ合計 (1,051) 1,067 16
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キャッシュフロー・ヘッジ会計
以下の表は、非有効性の認識の基礎として使用された、報告期間におけるヘッジ手段の想定元本および公正価値の変動、な
らびにミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計を適用するヘッジ対象の帳簿価額総額を示している。
2018年12月31日現在
ヘッジの非有効性の
ヘッジ対象の 測定に使用されるヘッジ
帳簿価額総額 手段の 公正価値の変動
純損益で
実効金利法を
ヘッジ OCIで認識
認識された 用いて計算
手段の された
ヘッジの された支払損
想定元本 資産 負債 有効部分 非有効性 益への再分類
キャッシュフロー・ヘッジ
ミクロ・キャッシュフロー・
ヘッジ
2,633 51 (2,643) 13 (2) 5
クロスカレンシー・スワップ
キャッシュフロー・ヘッジ合計 2,633 51 (2,643) 13 (2) 5
以下の表は、2018年12月31日現在ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計が適用される最終のクロスカレンシー・スワップ
の主要通貨の加重平均FXレートを示している。
2018年12月31日現在
1年以下 1年超5年以下 5年超 合計
FXレート
米ドルからユーロ 0.86988 0.84505 0.80223 0.84597
1.36866 1.22312 1.29477 1.28522
英ポンドからユーロ
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金融商品の公正価値
公正価値とは、現在の市場状況の下、測定日時点で、意思または能力にかかわらず、市場参加者間での秩序ある取引により
資産が売却される場合に受け取るであろう移転価格(取引費用調整前)または負債が移転される場合に支払うであろう価格で
ある。評価が市場参加者の観点から行われることを想定しており、これにより、金融商品の固有の特徴および制限のみが考慮
される。3つのレベルの公正価値の間で区別がなされ、インプットの性質およびその全体の評価にとっての重要性がヒエラル
キーの正しい分類にとって決定的である。
公正価値ヒエラルキー
・ レベル1 :活発な市場における、当該商品の、または入手できない場合同一商品の(未調整の)相場価格に基づく評
価。金融商品は、相場価格が定期的に入手可能である、ならびにこれらの価格が現在のおよび定期的に発生する独立当
事者間の市場取引を反映している場合、活発な市場での相場価格があるとみなされる。金融資産および負債の相場価格
は、中間市場価格に基づいている。
・ レベル2 :レベル1で使用された相場価格を除く、直接的または間接的に観察可能な市場データを用いた評価技法に基づ
く評価。このカテゴリーは、類似した商品の活発な市場での相場価格、同一もしくは類似した商品の活発とはみなされ
ない市場での相場価格、またはすべて市場データから直接的もしくは間接的に観察可能な重要なインプットによるその
他の評価技法を用いて評価される商品を含む。
・ レベル3 :市場で公表されない観察不能なインプットを大幅に用いた評価技法に基づく評価。このカテゴリーは、観察
可能な市場データに基づかないインプットを用いた評価技法による商品を含み、そのため、観察不能な市場データが商
品の価値に重要な影響を与える。このカテゴリーはまた、類似した商品の相場価格に従って評価された商品も含み、こ
れにより重要で公には観察不能な変更または前提が、商品間の差異を示すために必要となる。
可能な場合、BNG銀行は相場価格(レベル1)を使用する。相場価格は、ビッド価格(金融資産の場合)およびアスク価格
(金融負債の場合)に基づいている。中間市場価格の使用は、金融資産および金融負債の市場リスクが相殺される場合、認め
られている。BNG銀行は、評価目的で報告日の中間市場価格を使用する。
多くの場合、BNG銀行は債務者とのポジションに関し理論的な評価(レベル2)に依拠している。かかる場合は、一般的に金
融業界で使用される評価モデルおよび評価技法に基づき公正価値が決定される。これらの大部分は正味現在価値計算に基づく
モデルおよびオプション価格モデルである。上記のモデルのための変数は、市場価格、フォワード価格設定、割引の市場条件
に沿ったイールド曲線、相関、ボラティリティ、クロスカレンシー・スワップのベーシス・スプレッド、取引先の信用力なら
びに市場当事者が価格決定に使用するその他要因、見積り、仮定等の直接的または間接的に客観的に観察可能なインプットに
基づく。BNG銀行は、いわゆるスプレッド曲線を、理論的な評価が必要な信用および流動性リスクを伴う金融商品の公正価値
を決定するために使用する。これらのスプレッド曲線は、関連する金利曲線ならびに信用および流動性リスクのスプレッドに
基づき作成される。信用リスクスプレッドはまた、受け取った担保、保証および満期を考慮に入れ、債務者の信用度によって
左右される。流動性リスクスプレッドは、商品の市場性の度合いに左右される。個々の顧客および金融商品のリスク・プロ
ファイルは、少なくとも四半期毎に1回評価される。必要な場合、信用リスクのスプレッドは調整される。
ごく限られた場合に、BNG銀行の金融商品の評価は、かなりの程度まで、市場で公表されない観察不能なインプットおよび
経営陣の見積り(レベル3)に基づいている。
デリバティブ取引の公正価値決定の際に、信用評価調整(CVA)および債務評価調整(DVA)が、BNG銀行が日次の担保交換
に関する契約を締結していないすべての顧客および金融取引先とのデリバティブ取引すべてに適用される。CVAおよびDVAはま
た、BNG銀行が日次の担保交換に関する契約を締結したが、担保額の算定において重要な閾値が適用される顧客または取引先
とのデリバティブ取引すべてに適用される。
BNG銀行は自己の信用リスクの決定において、関連するスワップ・カーブに対するスプレッド、すなわち「自己信用調整
(OCA)」を適用している。OCAは、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に含まれる商品のみに関連する。
金融商品がフォワード契約の性格を持つ限り、フォワード・イールド曲線およびフォワード為替相場などの公表されている
フォワード価格が使用される。複雑な商品の場合、金融商品の構成要素は、上記の評価技法およびモデルに基づき個別に評価
される。金融商品全体の公正価値は構成要素の公正価値の合計として決定される。BNG銀行は、継続する公正価値のみを適用
する。これらは、各報告期間末の財務ポジション処理のために継続的に測定される公正価値である。
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2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
貸借対照表 貸借対照表
公正価値 公正価値
価額 価額
現金および中央銀行残高 1,587 1,587 2,996 2,996
銀行預入金 82 83 105 106
差入現金担保 12,043 12,043 13,892 13,892
純損益を通じて公正価値で測定される
1,606 1,606 2,006 2,006
金融資産
デリバティブ 8,390 8,390 8,982 8,982
その他の包括利益を通じて公正価値で
9,648 9,648
測定される金融資産
売却可能金融資産 14,110 14,110
償却原価で測定される利付有価証券 7,406 7,422
85,034 98,036 86,008 99,811
貸付金および前渡金
金融資産合計 125,796 138,815 128,099 141,903
銀行借入金 2,383 2,377 2,079 2,078
受入現金担保 419 419 369 369
純損益を通じて公正価値で測定される
762 762 944 944
金融資産
デリバティブ 19,223 19,223 21,870 21,870
負債証券 103,722 104,560 104,127 105,595
受託資金 5,800 6,002 5,417 5,688
32 45 31 46
劣後債務
金融負債合計 132,341 133,388 134,837 136,590
取引を行う際、公正価値ヒエラルキーは、分類を決定付けるインプットの性質およびその評価全体への重要性を踏まえた、
評価に関連する特徴に基づいて決定されている。分類する際には、取引全体として公正価値に重要性のあるインプットのレベ
ルのうち最も低いものに基づいて行われる。重要性は、全体の評価の結果に対する観察不能なインプットの影響を、これらの
観察不能なインプットに関する代替的な仮定の可能性の範囲を考慮に入れて決定することにより評価される。四半期毎に、各
取引の分類は評価され、必要な場合、調整がなされる。
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以下の表は、公正価値で認識される取引の公正価値ヒエラルキーの概要を示している。
2018年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
89 1,147 370 1,606
産
デリバティブ – 8,382 8 8,390
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
9,566 82 – 9,648
れる金融資産
金融資産合計 9,655 9,611 378 19,644
純損益を通じて公正価値で測定される金融負
98 664 – 762
債
– 19,215 8 19,223
デリバティブ
金融負債合計 98 19,879 8 19,985
2017年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
純損益を通じて公正価値で測定される金融資
94 1,289 623 2,006
産
デリバティブ – 8,969 13 8,982
10,790 3,320 – 14,110
売却可能金融資産
金融資産合計 10,884 13,578 636 25,098
純損益を通じて公正価値で測定される金融負
– 944 – 944
債
– 21,857 13 21,870
デリバティブ
金融負債合計 – 22,801 13 22,814
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レベル3項目の公正価値の重要な変動
2018年度
純損益を通じて
デリバティブ デリバティブ
公正価値で測定
(資産として計上) (負債として計上)
される金融資産
623 13 13
期首残高(IAS第39号)
IFRS第9号の影響 (256) - -
期首残高(IFRS第9号) 367 13 13
損益計算書を通じた損益
-利息損益 11 6 6
-未実現金融取引損益 1 (7) (7)
- - -
-実現金融取引損益
12 (1) (1)
-再評価剰余金を通じた未実現価
- - -
額調整
-投資 - - -
-キャッシュフロー (9) (4) (4)
期末残高 370 8 8
2017年度
純損益を通じて
デリバティブ デリバティブ
公正価値で測定 (資産として 売却可能金融 (負債として
される金融資産 計上) 資産 計上)
654 26 25 31
期首残高
損益計算書を通じた損益
-利息損益 12 6 0 6
-未実現金融取引損益 (3) (16) 0 (20)
- - - -
-実現金融取引損益
9 (10) 0 (14)
-再評価剰余金を通じた未実現価
- - 1 -
額調整
-投資 0 0 (30) 0
-キャッシュフロー (40) (3) ▶ (4)
期末残高 623 13 0 13
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レベル3項目は主に、市場でほとんど取引されない仕組利付有価証券に関係する。したがって、類似の証券について入手で
きる観察可能な市場データは現在の公正価値を完全に反映するものではない。これらの取引の公正価値は公表された市場デー
タに基づいて決定され、重要な、市場で公表されない観察不能なインプットを用いて調整される。あるインフラストラク
チャー・ファンドへの投資に関連して、2017年度に総額30百万ユーロが売却可能金融資産項目から売却目的保有項目へ再分類
された。
市場で公表されない観察不能なインプット
物価連動型でモノライン保険会社の保証付のレベル3の金融資産の公正価値の決定のため、以下の市場で公表されない観察
不能なインプットが使用される。
・ 関連する債務者(40%)および関連するモノライン保険会社(30%)の回収率
・ 債務者とモノライン保険会社間の相関係数(20%)
これらのインプットは市場で公表されない観察不能なデータに基づく経営陣による見積りであり、2017年度と比べ変動して
いない。
重要なインプット要因の変動に対する公正価値で測定されるレベル3の資産および負債の公正価値の感応度
感応度分析では、金利、インフレ、流動性および信用スプレッドに対する感応度が、個別および相関数値の双方で示されて
いる。以下の表は、これらの重要なインプット要因が個別に絶対的平行変動した場合のレベル3資産の感応度を示す。これら
のインプット要因の間には直接の依存関係はないものの、これらの3つのインプット要因が同時変動した場合の商品の全体的
な感応度も示している。
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関連するインプット要因の変動による貸借対照表価額への影響
2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年 2018年 2017年
12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日 12月31日
現在 現在 現在 現在 現在 現在 現在 現在
純損益を通じて デリバティブ デリバティブ
公正価値で測定 (資産として (負債として 合計
される金融資産 計上) 計上)
貸借対照表価額 370 623 8 13 (8) (13) 370 623
金利
+10ベーシス・ポイント (8) (8) (2) (3) 0 0 (10) (11)
-10ベーシス・ポイント 8 8 2 3 0 0 10 11
+100ベーシス・ポイント (68) (69) (20) (32) 3 3 (85) (98)
-100ベーシス・ポイント 92 94 21 34 (4) (5) 109 123
インフレ率
+10ベーシス・ポイント 8 8 0 0 0 0 8 8
-10ベーシス・ポイント (8) (8) 0 0 0 0 (8) (8)
+100ベーシス・ポイント 89 90 0 0 0 0 89 90
-100ベーシス・ポイント (66) (67) 0 0 0 0 (66) (67)
信用および流動性リスクスプレッド
+10ベーシス・ポイント (8) (9) 1 2 1 1 (6) (6)
-10ベーシス・ポイント 8 10 (1) (1) (2) (1) 5 8
+100ベーシス・ポイント (69) (83) 16 28 ▶ 1 (49) (54)
-100ベーシス・ポイント 93 110 (2) (8) (19) (20) 72 82
重要なインプット要因の合計
+10ベーシス・ポイント (8) (10) (1) (2) 1 2 (8) (10)
-10ベーシス・ポイント 8 10 2 2 (2) (2) 8 10
+100ベーシス・ポイント (70) (83) (4) (6) ▶ 6 (70) (83)
97 115 19 27 (19) (25) 97 117
-100ベーシス・ポイント
BNG銀行は、ほとんどすべての金利リスクをスワップを用いてヘッジしている。このため、結局、金利曲線単独の変動によ
り生じる利付有価証券の公正価値調整は、BNG銀行の損益および株主資本に限定された影響しか与えない。資産および関連ス
ワップの満期までに、これらの市場価値の変動は、すべての当事者が支払義務を果たすことを条件に、ゼロに近づくと見込ま
れる。一方で、信用リスクまたは流動性リスクのスプレッドの変動により生じた金利変動は、金融商品が公正価値で測定され
る場合、損益および株主資本に直接影響を与える。
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レベル3資産の主要な部分(360百万ユーロ)は、いわゆる物価連動債であり、その為替リスク、金利リスクおよびインフレ
リスクはスワップを用いてヘッジされている。これらの取引のデフォルト・リスクはいわゆるモノライン保険会社が発行した
保証を通じて購入時に保証される。かかる保証の価値をゼロに設定したとすると、これは、金融取引損益に対して2018年度末
時点でマイナスの未実現効果78百万ユーロ(2017年度末:マイナス72百万ユーロ)となっていた。2018年度には、純損益を通
じて公正価値で測定される金融資産に含まれるこれらの商品の感応度は低下した。また、劣後ローンはIFRS第9号の適用以
降、レベル3に分類されている。この資産の信用スプレッドは、主要な観察不能パラメータである。信用スプレッドの+100
ベーシス・ポイントの変動は、マイナス1百万ユーロの影響をもたらす。
デリバティブ(負債として計上)は、フランス国債金利と連動したレベル3の区分処理されたオプションである。このオプ
ションは、デリバティブ(資産として計上)に認識されているオプションを含む、レベル3のスワップでヘッジされる。同ス
ワップは、ユーロ・スワップレート、フランス国債金利および取引先リスクに影響を受けやすい。信用および流動性スプレッ
ドは2018年度において縮小した。
償却原価で測定される取引の公正価値ヒエラルキー
以下の表は、上記のヒエラルキーの分類に基づいて、貸借対照表上、償却原価で測定される取引の公正価値決定方法の概要
を示す。
2018年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
1,587 - - 1,587
銀行預入金 ▶ 72 7 83
差入現金担保 - 12,043 - 12,043
償却原価で測定される利付有価証券 246 6,856 320 7,422
1,270 89,236 7,530 98,036
貸付金および前渡金
金融資産合計 3,107 108,207 7,857 119,171
銀行借入金 - 2,377 - 2,377
受入現金担保 - 419 - 419
負債証券 85,520 17,878 1,162 104,560
受託資金 2,193 - 3,809 6,002
- - 45 45
劣後債務
金融負債合計 87,713 20,674 5,016 113,403
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2017年12月31日現在
レベル1 レベル2 レベル3 合計
現金および中央銀行残高
2,996 - - 2,996
銀行預入金 98 - 8 106
差入現金担保 - 13,892 - 13,892
1,339 91,016 7,456 99,811
貸付金および前渡金
金融資産合計 4,433 104,908 7,464 116,805
銀行借入金 - 2,078 - 2,078
受入現金担保 - 369 - 369
負債証券 82,264 22,165 1,166 105,595
受託資金 1,831 - 3,857 5,688
- - 46 46
劣後債務
金融負債合計 84,095 24,612 5,069 113,776
レベル3の償却原価による金融資産は、主にBNG銀行の法定市場当事者に対するソルベンシー要件が課される貸付金および前
渡金に関連する。政府保証に基づく法定取引先に対する「貸付金および前渡金」は、オランダ政府発行の債券との強い相関に
より、レベル2に含まれている。レベル1に含まれる償却原価による金融負債は主に、BNG銀行が発行した売買可能なベンチ
マーク債券(「負債証券」項目)で構成される。受託資金はレベル3に分類される(「負債証券」および「受託資金」項
目)。
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リスク項目
組織的リスク管理アプローチ
リスクを受け入れ、またリスクを管理するプロセスは、いずれの銀行の日常業務にも内在している。銀行は、その業務を行
うために、一定の量の信用、市場、流動性およびオペレーショナル・リスクを受け入れなければならない。これに加え、戦略
リスクがある。リスク管理実務に関する全体の開示は本年次報告書とともにBNG銀行のウェブサイトで公表されている第3の柱
報告書に含まれている。本項では、BNG銀行のリスク・プロファイルの主要な特性の概要を要約する他は、財務書類に直接影
響するリスク管理実務のみを含む。
BNG銀行のリスク管理戦略は、高い外部信用格付で示される、安全なリスク・プロファイルを維持することを目指してい
る。BNG銀行のリスク選好の範囲、規模および領域は、BNG銀行の厳格な資本方針、定款に定められている業務および取引先に
関する制限、ならびにBNG銀行がトレーディング勘定を保有していないという事実により決定される。
BNG銀行はリスク管理の枠組み(RMF)を採用している。リスク管理の枠組みは、いくつかの包括的な枠組み文書に加えて、
一般的および具体的なリスク関連のトピックに関する方針で構成される。この枠組みは、様々なリスクの種類を特定および定
義し、当行のリスク選好を定め、リスク・ガバナンスに関与する機関を記述し、責任を定め、これらのリスクの受入れおよび
管理を記載した様々な文書および方針を含む。
当行のリスク管理の枠組みは、オランダの公共セクターとの強い相互関連性に基づき、その結果として低デフォルト信用リ
スクおよび比較的大規模な貸借対照表を伴った明白な事業プロファイルを公平に評価することを目指している。BNG銀行は
様々な種類のリスクの識別、評価、測定、監視、報告および対応を行うために標準的サイクルを使用する。
2018年度に、BNG銀行は3LoD(3つのディフェンスライン)モデルを採用した。BNG銀行は以前からこのモデルの原則を適用
していたが、責任の明確化が新たに行われた。2018年10月1日現在、取締役会内での責任が、最高経営責任者(CEO)、最高財
務責任者(CFO)および最高リスク責任者(CRO)に再配分された。また2018年10月以降、リスク管理機能およびコンプライア
ンス機能からCROへの報告体制がとられている。
3LoDモデルは、有効な内部統制およびリスク管理に含まれる3つのグループ(またはディフェンスライン)を区別する。
・ 第1のディフェンスライン リスクの所在-事業部門(中核事業および支援機能)
・ 第2のディフェンスライン リスク統制―リスク管理、コンプライアンス・誠実性部門、セキュリティ部門、管理統制部
門
・ 第3のディフェンスライン リスク保証-内部監査部門
それぞれのディフェンスラインは、内部統制およびリスク管理システムの中で定められた役割を担う。このモデルにより、
リスクの意思決定に対する直接的な責任(第1のディフェンスライン)、独立した立場からの監視およびリスクの意思決定に
対する異議申立て、ならびにリスク管理の枠組みの設定(第2のディフェンスライン)、およびリスクの管理、統制およびガ
バナンス・プロセスの有効性に関する独立した立場からの保証(第3のディフェンスライン)の間での十分な職務分掌が確保
されている。加えて、執行取締役会、経営委員会および監督取締役会は監督の役割を果たす。リスク管理に関連する執行取締
役会、監督取締役会およびリスク委員会の責務はそれぞれの憲章に記載されている。
リスク管理の枠組みの一部は、リスク選好の枠組みである。これは、リスク選好を設定、伝達および監視する上での方針、
プロセス、統制およびシステムを含む全体的なアプローチである。この枠組みには、リスク選好ステートメント、リスク限度
ならびに、リスク選好の枠組みの実施および監視の監督者の役割および責任の概要が含まれる。毎年、BNG銀行はリスク選好
ステートメントを作成しており、これはBNG銀行がその戦略的目標および事業計画を達成するために、そのリスク対応力の範
囲内において事前に決定を行った、容認する意向のあるリスクの種別と程度を規定する。これは、BNG銀行がリスク選好の限
度内にとどまっているかどうかを四半期毎に判断するための監視プログラムの対象である。
2018年度に、BNG銀行は、自己のリスク選好内において事業を行った。市場リスク、信用リスクおよび流動性リスクについ
て、限度額は遵守された。資本に関しては、BNG銀行は法的拘束力のある監督要件に加えて、追加的な内部の資本目標を満た
した。オペレーショナル・リスクに関しては、BNG銀行はオペレーショナル・インシデントに係る内部規範内にとどまった。
戦略リスクについては、特化したリスク分析が実施され、その結果として、デジタル化、仲介業者の排除、調達および執行力
の分野における戦略計画への注目が高まった。
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信用リスク
信用リスクは、借り手または取引先が合意した条件に従った債務の履行を怠る潜在的リスクから発生する、利益または資
本の損失リスクと定義される。信用リスクには、決済リスク、取引先リスクおよび集中リスクが含まれる。
2017年度末以降、BNG銀行の顧客ポートフォリオの全体的な信用リスク・プロファイルには、若干の改善がみられた。特別
管理下の資産は、その件数および金額の両方の面で減少した。一部のセクターの特に幼児保育および福祉セクターにおける市
場の動向に対しては、監視が強められた。2018年度後半に、同一グループに属する複数の病院が破産した。BNG銀行は、ヘル
スケア保証基金(WfZ)からの保証が提供されたため、損失を被らなかった。
ブレグジットは、それ自体ではBNG銀行のビジネスモデルに与える影響は限定的と予想される。資産の面では、BNG銀行の
エクスポージャーは少数の投資適格の公共セクターに対するエクスポージャーに限定されている。加えて、BNG銀行は英国に
おいて重要なクロスボーダー業務は一切提供していない。ただし、BNG銀行の方針により資産・負債両方の残高の市場リスク
をデリバティブでヘッジしていることから、取引先金融機関との業務量は多額に上っている。これらの取引先の大半はロンド
ンに本拠を置いており、清算業務はロンドン清算機関を通じて行われている。BNG銀行は、ヘッジと清算の両方において欧州
の事業体との取引を開始することで、ハード・ブレグジットに備えている。
IFRS第9号対応の予想信用損失モデルの導入は完了し、文書化され、外部的に検証された。また、このモデルは2018年度の
EBAのストレス・テストの使用に適合された。いくつかの場合において、信用リスク方針は、採択済で近く公表されるEBAガイ
ドラインに沿って調整済または今後調整される。加えて、リスク加重がゼロの取引先に係る信用評価の枠組みも強化される。
信用リスク・エクスポージャーの合計
信用リスクの総エクスポージャー価額合計は、デリバティブ、デリバティブ取引または担保付金融取引のいずれかに係る
差入現金担保、および「銀行預入金」項目のうちセトル・トゥ・マーケット(STM)デリバティブ契約に関連する債権の貸借
対照表価額調整後の資産の貸借対照表合計額で構成される。オフバランスシート契約の総エクスポージャー価額に加えて、取
引先信用リスク・エクスポージャー価額(デリバティブと担保付金融取引に分けられる)が含まれる。以下の表は、総信用リ
スク・エクスポージャー価額合計に関する洞察を提供している。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
貸借対照表価額合計 137,509 140,025
-/- デリバティブ
(8,390) (8,982)
-/- 差入現金担保
(12,043) (13,892)
-/- STMデリバティブ契約に関連する債権 - 0
オンバランスシートのエクスポージャー合計 117,076 117,151
オフバランスシートのエクスポージャー合計 13,706 12,782
デリバティブのエクスポージャー価額 3,057 3,151
担保付金融取引のエクスポージャー価額 7 0
取引先信用リスク・エクスポージャー合計 3,064 3,151
総エクスポージャー合計 133,846 133,084
2018年12月31日現在、貸借対照表項目「貸付金および前渡金」において、公共部門、WSW住宅保証基金およびWfZヘルスケ
ア保証基金に提供された、もしくはこれらによって保証された貸付金の貸借対照表価額は、合計77.7十億ユーロ(2017年度:
77.7十億ユーロ)であった。偶発債務および取消不能信用供与契約は、「連結財務書類のその他の注記」項目で説明されてい
る。当該項目は、自由に処分できない金融資産の一部も示している。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負債の市場価値の計算は、信用リスクおよび流動性リスクのス
プレッドを含む。信用リスクおよび流動性リスクの変動による価値の変動は、かかるスプレッドの変動に起因する。個別の顧
客および金融商品のリスク・プロファイルについては、定期的に評価を行っている。必要な場合、評価を目的として信用リス
クのスプレッドは調整される。
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信用リスクおよび流動性リスクのスプレッド調整に起因する、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の市場価値
における累積変動は、合計でマイナス288百万ユーロ(2017年度:マイナス297百万ユーロ)であり、2018年度には9百万ユー
ロ増加(2017年度:49百万ユーロ増加)した。信用リスクおよび流動性リスクのスプレッド調整に起因する、純損益を通じて
公正価値で測定される金融負債の市場価値における累積変動は、合計プラス11百万ユーロ(2017年度:プラス11百万ユーロ)
であり、2018年度には0.5百万ユーロ減少(2017年度:21百万ユーロ減少)した。純損益を通じて公正価値で測定される金融
負債は、勘定における「自己の信用リスク」に対するマークアップなど、関連する資金調達カーブについて認識されている。
取引先リスク
BNG銀行は、公共部門事業体(貸付金および前渡金)、金融取引先(デリバティブ)、BNG銀行が投資している利付有価証
券(IBS)の発行体に関連する取引先リスクにさらされている。BNG銀行は、以下の信用リスク軽減手段を適用している。
・ 保証は、中央当局もしくは地方自治体により、または保証基金であるWSW(公共住宅)およびWfZ(ヘルスケア)により
提供される。ソルベンシー要件の対象となる貸付金は、全額の保証または保証証書のうち一部に基づいて供与されるこ
とが多いため、結局のところ貸付金は、BNG銀行にとって一部または全額がリスク加重ゼロのままである(「法定市場当
事者」の項目を参照のこと。)。
・ 抵当やモーゲージなどのその他の形式の保証は、信用リスクによる潜在的損失を最小化するため用いられる。しかしな
がら、潜在的リスク減少効果は規制上の資本要件の計算には反映されていない。
・ 金融取引先との日次の担保交換に関する相対ネッティングおよび担保契約。「金融取引先」の項目も参照のこと。
法定取引相手先
BNG銀行の定款により、貸付の相手先は何らかの形で政府関与先となる当事者に限定されている。その結果、信用ポート
フォリオの大部分が、リスク加重ゼロの貸付金および前渡金(政府に対して提供した、または政府によって保証される貸付金
および前渡金)から構成される。WSWおよびWfZ保証基金の場合、保証された機関の信用リスク評価が、関係する保証基金に
よって特別に行われる。加えて、BNG銀行は保証された機関の定量的評価を実施する。BNG銀行は、業務を行っているセクター
の動向を積極的に観察している。これはまた、個別の保証を付与しまたは保証証書を発行する機関(の業務)についても適用
される。さらに、BNG銀行は、会議、セミナーおよび二者間協議等の様々な手段を通じて関連当事者との連絡を取り合ってい
る。
ソルベンシー要件の対象となる貸付には、広範な信用力分析が事前に行われる。これには、BNG銀行の内部格付モデルに一
部基づいた、当該顧客の信用力の詳細な評価が含まれる。加えて、BNG銀行は、オペレーショナル・リスク要素を含む定形外
の取引について、内部評価プロセスを備えている。また、BNG銀行は詳細な定性的商品説明を使用し、これにより顧客に対す
る様々な種類の商品の適切性を明示的にしている。
信用リスクモデル
BNG銀行の顧客の大部分は外部格付を有していない。BNG銀行は、信用力を評価するために内部開発した格付モデルを用い
ている。貸付金ポートフォリオの「低デフォルト」の特徴を鑑みて、専門家モデルが使用されている。このモデルは内部信用
力評価に用いられているが、第1の柱に基づく資本の計算には反映されておらず、資本の計算には標準的手法が用いられてい
る。BNG銀行は多数の市場セクター固有の格付モデルを採用しており、これらはBNG銀行のモデル・ガバナンス方針に従って定
期的に見直しおよび検証を受ける。
内部格付の意味は以下のとおりである。
内部格付 説明
0 リスク加重0%の貸付
1~11 信用リスクは受け入れ可能とみなされる。定期的な見直しが毎年行われる。
12~13 監視リスト:信用リスクが高まっている。少なくとも年2回見直しが行われる。
14~17 特別管理:信用リスクが極めて高まっている。少なくとも年3回、これらの債務者に係る報告書が
執行取締役会に提出される。
18~19 特別管理:信用リスクが極めて高まっている、および/または債務者が返済義務を繰り返し果たし
ていない、および/または継続性の見込みがない。少なくとも年3回、これらの債務者に係る報告
書が執行取締役会に提出される。
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支払猶予されたエクスポージャー
支払猶予は、債務者の不安定な財務ポジションの結果、債務者が債務を果たすことができるよう債務者のために信用条件
が変更された信用契約に関連する。
2018年12月31日現在
うち支払猶予
エクスポージャー 合計に占める
合計 割合
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 1,587 - - 0.0%
銀行預入金 82 - - 0.0%
差入現金担保 12,043 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される金
1,606 - - 0.0%
融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測
9,648 - - 0.0%
定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,406 - - 0.0%
85,034 348 325 0.4%
貸付金および前渡金
117,406 348 325 0.3%
オフバランスシート契約
偶発債務 32 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 6,050 0 0 0.0%
取消不能信用供与契約 7,624 - - 0.0%
13,706 0 0 0.0%
2017年12月31日現在
うち支払猶予
エクスポージャー 合計に占める
合計 割合
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 2,996 - - 0.0%
銀行預入金 13,997 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される金
2,006 - - 0.0%
融資産
売却可能金融資産 14,110 - - 0.0%
86,008 240 234 0.3%
貸付金および前渡金
119,117 240 234 0.2%
オフバランスシート契約
偶発債務 78 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 5,839 - - 0.0%
6,865 2 2 0.0%
取消不能信用供与契約
12,782 2 2 0.0%
債務者の不利な財務ポジションの結果として契約条項が変更された金融資産は、2018年12月31日現在、348百万ユーロ
(2017年度末:242百万ユーロ)であった。支払猶予されたエクスポージャーは、ポートフォリオ合計の0.27%(2017年度
末:0.18%)を占め、7件の債務者(2017年度末:4件の債務者)に関係する。支払猶予は、減損のステージ決定評価における
防護指標として用いられ、その結果、すべての支払猶予エクスポージャーは減損のステージ2に分類されている。
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不良債権または信用減損エクスポージャー
BNG銀行の不良債権または信用減損エクスポージャーの定義の開示については、注記41(金融資産の減損およびオフバラン
スシート契約)を参照のこと。不良債権または信用減損に分類されるエクスポージャーは、以下のすべての条件を満たす場
合、再び正常(すなわち、信用減損なし)エクスポージャーとみなされる。
・ 債務者が再び、すべての契約条件を満たしている(債務不履行は生じていない)。
・ 既存もしくは変更後の支払条件に従って、債務者の状況が、債務者が債務を返済することができるまで改善している
(「支払可能性がある」)。
・ 債務者に90日を超える支払の遅延がない。
以下の表は、どの部分が信用減損として分類されているかを示す、金融資産(デリバティブを除く)およびオフバランス
シート契約におけるエクスポージャー合計の洞察を提供している。
2018年12月31日現在
うち信用減損
エクスポージャー 合計に占める
合計 割合
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 1,587 - - 0.0%
銀行預入金 82 - - 0.0%
差入現金担保 12,043 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される金
1,606 - - 0.0%
融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測
9,648 - - 0.0%
定される金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 7,406 - - 0.0%
85,034 57 41 0.0%
貸付金および前渡金
117,406 57 41 0.0%
オフバランスシート契約
偶発債務 32 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 6,050 - - 0.0%
7,624 - - 0.0%
取消不能信用供与契約
13,706 - - 0.0%
2017年12月31日現在
うち信用減損
エクスポージャー 合計に占める
合計 割合
減損控除前 減損控除後
金融資産(デリバティブを除く)
現金および中央銀行残高 2,996 - - 0.0%
銀行預入金 13,997 - - 0.0%
純損益を通じて公正価値で測定される金
2,006 - - 0.0%
融資産
売却可能金融資産 14,110 - - 0.0%
86,008 52 33 0.0%
貸付金および前渡金
119,117 52 33 0.0%
オフバランスシート契約
偶発債務 78 - - 0.0%
取消可能信用供与契約 5,839 - - 0.0%
6,865 - - 0.0%
取消不能信用供与契約
12,782 - - 0.0%
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2018年12月31日現在、信用減損エクスポージャーは合計で57百万ユーロ(2017年度末:52百万ユーロ)であった。信用減
損エクスポージャーは、貸付金ポートフォリオ合計の0.04%(2017年度末:0.04%)を占め、9件の債務者(2017年度末:9件
の債務者)に関係する。BNG銀行は信用減損エクスポージャーに関連して合計27百万ユーロ(2017年度:1百万ユーロ)の政府
保証を受けている。
以下の表は、信用減損エクスポージャーの推移を示している。
2018年度 2017年度
1月1日現在の信用減損エクスポージャー合計 52 154
既存の信用減損エクスポージャーの増加 3 -
正常債権から信用減損エクスポージャーへの移動 23 12
信用減損から正常債権エクスポージャーへの移動 - -
信用減損エクスポージャーに係る返済および決済 (21) (114)
12月31日現在の信用減損エクスポージャー合計 57 52
正常債権の支払遅延エクスポージャーの満期分析
2018年度の数値は、IFRS第9号に基づく減損ステージ3に含まれない支払遅延エクスポージャーで構成されている。2017年
度の数値は、IAS第39号に基づく個別貸倒引当金の対象ではない支払遅延エクスポージャーで構成されている。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
31日未満 0 1
31日以上60日以下 - -
61日以上90日以下 - -
- 3
90日超
期末残高 0 ▶
減損
金融資産の減損は注記41で説明されている。
外部格付
BNG銀行は、特にS&P、ムーディーズ、フィッチおよびDBRSなどの格付機関によって付与された外部格付を使用している。
資本要件を決定する際、BNG銀行はこれらの4機関による格付を、入手可能な場合は使用する。可能な場合、これは、金融取引
先および上場証券への投資のエクスポージャーに適用される。格付は、取引先と、特に購入証券のいずれかに関連する。
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金融取引先
これらの顧客に対する貸付金と関係する市場リスクは、主に金融取引先とのデリバティブ取引を通じて低減されている。
BNG銀行は外部機関により格付されている金融取引先とのみ取引を行う。金融取引先は、定期的に信用力を評価される。この
分析は、内部格付の評価を含む。その後、それに従い限度が設定、または調整される。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
時価 アドオン 合計 時価 アドオン 合計
貸借対照表の資産項目のデリバティブの
与信相当額
金利契約 1,433 735 2,168 1,411 833 2,244
13 873 886 9 898 907
通貨契約
合計 1,446 1,608 3,054 1,420 1,731 3,151
2018年度末、デリバティブ・ポートフォリオのリスク加重与信相当額は、合計1,189百万ユーロ(2017年度:1,327百万
ユーロ)であった。
信用リスクを減らすため、BNG銀行が積極的にデリバティブ取引を締結する金融取引先とはネッティング契約が締結されて
いる。さらに、担保契約が締結されている。これらにより、市場価額の動向を担保によって日次で緩和できるようにしてい
る。契約は、市場状況の変化、市場慣行および規制の変更に応じて必要があれば更新される。以下の表は、貸借対照表上の
ネッティング前の総額のポジション、および担保契約を考慮に入れた場合のポジションを示している。
2018年12月31日現在
資産として計上 負債として計上
純額
された デリバティブ された デリバティブ
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
8,801 (19,634) (10,833)
および負債の総価額
ネッティングされる金融資産および負債の
(411) 411 -
総価額
金融資産および負債の貸借対照表価額
8,390 (19,223) (10,833)
(ネッティング後)
ネッティング目的でIAS第32号(同一相手先との
(7,022) 7,022 -
デリバティブのネッティング)に適合しない金
融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー 1,368 (12,201) (10,833)
ネッティング目的でIAS第32号に適合しない
(414) 12,038 11,624
金融担保の価額
正味エクスポージャー 954 (163) 791
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2017年12月31日現在
資産として計上 負債として計上
純額
されたデリバティブ されたデリバティブ
金融資産および金融負債(デリバティブ)の
ネッティング
貸借対照表上のネッティング前の金融資産
9,323 (22,211) (12,888)
および負債の総価額
ネッティングされる金融資産および負債の
(341) 341 -
総価額
金融資産および負債の貸借対照表価額
8,982 (21,870) (12,888)
(ネッティング後)
ネッティング目的でIAS第32号(同一相手先との
(7,566) 7,566 -
デリバティブのネッティング)に適合しない金
融ネッティング商品の価額
担保考慮前のエクスポージャー 1,416 (14,304) (12,888)
ネッティング目的でIAS第32号に適合しない
(369) 14,326 13,957
金融担保の価額
正味エクスポージャー 1,047 22 1,069
2018年度末、デリバティブ取引に係る差入担保額は、12.0十億ユーロ(2017年度:14.3十億ユーロ)であった。BNG銀行の
格付が3ノッチ引き下げられると、当該金額は10百万ユーロ(2017年度:10百万ユーロ)増加することになる。BNG銀行の流動
性ポジションの強さは、担保債務を満たし、担保債務の変動を吸収するのに十分である。
利付有価証券(IBS)投資
BNG銀行のIBSポートフォリオは、主に流動性管理目的で保有されている。ポートフォリオは、質の高い債券で構成され、
その大部分はECBが担保として受け入れる。BNG銀行のIBSポートフォリオ全体は流動性ポートフォリオと資産および負債管理
(ALM)ポートフォリオに分けられる。流動性ポートフォリオは、譲渡性の高い有価証券のみで構成され、様々なLCRレベル
に従って細分化されている。ALMポートフォリオは有価証券の種類によって細分化されている。毎月、投資委員会にポート
フォリオの動向が報告され、評価される。外部格付に加え、一部は内部格付等の要因を用いて、BNG銀行はその動向を個別に
監視している。これらのポートフォリオ内のすべての資産は、年2回減損分析を受ける。資産担保証券(RMBSを含む)は、
デューデリジェンスのレビュー・プロセスの対象となる。
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各格付カテゴリーについて以下に表示された金額は、残存貸付元本額で、百万ユーロ単位である。貸借対照表価額合計は
最右列に示されている。
2018年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 5,618 2,290 220 195 46 8,369 9,664
レベルⅠB-カバード・ボンド 1,121 1,121 1,177
レベルⅡA-政府/国際機関 56 2 58 91
レベルⅡB-法人 25 25 25
1,488 1,488 1,496
レベルⅡB-RMBS
8,227 2,346 245 195 48 11,061 12,453
ALMポートフォリオ
RMBS 23 245 275 7 37 587 583
ABS 64 140 30 57 291 288
RMBS-NHG 2,285 103 181 2,569 2,569
376 388 422 256 78 1,520 2,108
その他
2,684 800 1,018 293 172 4,967 5,548
合計 10,911 3,146 1,263 488 220 16,028 18,001
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2017年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
流動性ポートフォリオ
レベルⅠ-政府/国際機関 5,086 2,897 475 46 8,504 10,162
レベルⅠB-カバード・ボンド 1,061 70 1,131 1,208
レベルⅡA-政府/国際機関 56 6 62 100
レベルⅡB-法人 25 25 28
1,261 1,261 1,276
レベルⅡB-RMBS
7,408 3,023 25 481 46 10,983 12,774
ALMポートフォリオ
RMBS 196 301 137 69 703 634
カバード・ボンド 70 70 71
ABS 68 164 33 59 324 324
RMBS-NHG 920 419 2 1,341 1,346
47 330 403 218 120 1,118 1,713
その他
1,035 526 1,357 390 248 3,556 4,088
合計 8,443 3,549 1,382 871 294 14,539 16,862
主に高格付の政府債券への投資によって、流動性ポートフォリオは増加し、質が改善している。ALMポートフォリオも、高
格付のNHG証券の購入により増加した。
認識中止を伴わない金融資産の譲渡
2018年度末および2017年度末現在、BNG銀行は、認識中止を伴わないレポ取引に伴う利付有価証券の譲渡を行っていない。
2018年度末、BNG銀行は、継続して関与する譲渡され認識中止されたポートフォリオに金融資産を有していない。BNG銀行が基
礎的キャッシュフローへの信用リスクおよび権利を保持している場合、金融資産は貸借対照表から消去されていない。
集中リスク
集中リスクに関して、BNG銀行では以下のとおり区別している。
・ 国内と国外のリスクを区別したカントリー・リスク
・ セクター・リスク
・ 顧客と金融取引先を区別した個別当事者に対するリスク
セクターおよび個別の取引先に対する集中リスクを管理するため、セクター固有の方針、年間の内部目標および個別の取
引先に対する最大エクスポージャー金額が適用されている。残高合計のうち相当な割合が、公共部門の不動産に間接的に関連
する。しかしながら、これらのリスクは通常、貸付に係る政府保証ならびにWSWおよびWfZ保証基金を通じて軽減される。これ
らの保証は、公共体および保証基金に関する集中リスクにつながる。保証基金は、バックストップ構造を通じて中央政府に
よって保証されている。その結果、オランダ国に関するリスクが顕在化する。このリスクの集中は多大であるが、BNG銀行の
ビジネスモデルと表裏一体である。
BNG銀行は、貸付業務および資金調達業務から生じる市場リスクをヘッジするための金融取引先との取引の結果として、流
動性ポートフォリオの結果として、また限られた範囲だが、国外の公共部門における貸付および投資との関連で、国外のカン
トリー・リスクにさらされている。貸付金ポートフォリオの大部分はすでにオランダに関連しているため、BNG銀行は、流動
性ポートフォリオ向けに外国有価証券に投資している。外国への貸付も、ほとんどの場合、直接的または間接的に関係政府に
より保証される。
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すべての外国エクスポージャーは、各国ごとに定められた限度内に収まっている。これらの限度は主に、問題になってい
る国の認識されている信用度に左右される。さらに、貸借対照表上の合計金額の15%という一般的な限度が、デリバティブを
除く外国エクスポージャー、担保および短期貸付金、ならびに銀行への当座預金残高に適用されている。一部のユーロ圏内諸
国の信用力が悪化したため、BNG銀行はこれらの国のポジションを徐々に減らしている。これは主に、エクスポージャーの期
日到来により実現したことである。
長期外国エクスポージャー
以下の表は、長期外国エクスポージャーの概要を示す。デリバティブ取引および短期取引(特に銀行との特定の現金担保
によるものを含む)は含まれていない。表示された金額は、貸付元本額で、百万ユーロ単位である。
2018年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
IFRS第9号
国際機関 369 155 524 543
国際開発金融機関 741 741 802
オーストリア 554 554 628
ベルギー 350 140 490 589
デンマーク 90 90 91
フィンランド 500 500 577
フランス 473 681 100 5 1,259 1,528
ドイツ 1,342 30 70 1,442 1,760
イタリア 27 25 195 67 314 325
ポルトガル 89 58 100 247 253
スペイン 70 238 443 83 834 925
スイス 99 99 113
英国 636 349 281 273 34 1,573 2,146
22 22 22
米国
合計 3,653 2,974 1,107 671 284 8,689 10,302
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2017年12月31日現在
額面価額 貸借対照表
AAA AA A BBB 投資不適格 合計 価額合計
IAS第39号
国際機関 464 230 694 730
国際開発金融機関 660 660 733
オーストリア 653 653 794
ベルギー 400 145 545 689
デンマーク 90 90 91
フィンランド 676 676 784
フランス 457 912 100 46 1,515 1,859
ドイツ 1,385 70 1,455 1,802
イタリア 38 26 272 59 395 443
ポルトガル 54 56 180 290 281
スペイン 228 372 352 115 1,067 1,111
スイス 106 106 123
英国 542 341 280 258 79 1,500 2,117
21 21 21
米国
合計 3,619 3,548 938 1,083 479 9,667 11,578
投資不適格項目(すなわち、BBB-以下の格付の項目)は主に、いわゆるGIIPS諸国のエクスポージャーで構成される。これ
は主に、カバード・ボンドおよび住宅ローン担保証券(RMBS)取引を含む利付有価証券に関係する。フランスおよび英国の投
資不適格のエクスポージャーは、インフラストラクチャー、教育、エネルギーおよびヘルスケアの分野での少数の民間プロ
ジェクト・ファイナンスのスキームに関係する。2018年12月の外国投資不適格エクスポージャーの公正価値合計は、289百万
ユーロ(2017年度末:474百万ユーロ)であった。
個別の法定取引相手先
リスク加重がゼロでない当事者するエクスポージャーについては、CRRに基づく大規模エクスポージャー規制を遵守しなけ
ればならない。BNG銀行は、個別エクスポージャーの最大規模に関して、これよりも著しく保守的なアプローチをとってい
る。この制限は、公共部門においてセクターがどの程度固定されているかを考慮に入れている。当事者ごとの格付を基準とし
て、更なる制限も設けられている。
個別の金融取引先
金融取引先との取引は、主に市場リスクを抑えるために行われている金利スワップ、通貨スワップで構成されている。BNG
銀行は、取引を行う意向のある金融取引先に対する要件として、当該取引先との事業の性質を考慮に入れて、最低格付を設定
している。これによって、利用可能な当事者数を制限している。したがって、承認されている当事者との取引件数は多い。
日々の担保交換は、デリバティブに関する信用リスクを低減するのに役立っている。市場は変動しやすいため、取引先の破産
は市場リスクを引き起こす一方で、デリバティブは他の当事者と再度取り決められる必要がある。金融取引先委員会が、金融
取引先とのポジションを制限、監視している。
BNG銀行は一部のデリバティブにおいてロンドン清算機関で集中的に清算を行っている。BNG銀行は、このために5社の清算
会員を利用している。これらの清算会員はすべて英国に本拠を置いているため、2018年度末に向けてBNG銀行はEUにおける中
央清算当事者との取引を開始し、またEUに本拠を置く追加の清算会員との取引を開始するプロセスを進めた。中央清算によ
り、個別の金融取引先に対する集中リスクから清算会員および清算機関に対する集中リスクへの移行が不可避的に生じてい
る。
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市場リスク
定義
市場リスクは、機関の資本および利益に対する既存のまたは将来的な脅威と定義され、市場価格変動の結果として生じ
る。市場リスクには、金利リスク、為替リスク、ボラティリティリスク、スプレッドリスクおよび指数リスクが含まれる。
トレジャリーおよび資本市場部門は「第1のディフェンスライン」であり、日常業務における市場リスク管理の責任を負っ
ている。この部門は、商業活動による市場リスクをヘッジする責任を負っている。さらに、トレジャリー部門は資産・負債委
員会(ALCO)により課された限度範囲内での金利リスク・ポジションを採用する権限を有している。リスク管理部門は「第2
のディフェンスライン」であり、市場リスクの独立的監視を行う責任を有し、リスク・ポジションがALCOの設定した限度内に
とどまっているかを日々チェックする。
金利リスク
BNG銀行の最も重要な金利リスクは、金利スワップ・カーブに対する「アウトライト・リスク」であり、これはスプレッド
の影響を除外して算定される。これは、信用スプレッド、CVA/DVAおよびクロスカレンシー・ベーシス・スプレッドなどのス
プレッドの変動は、金利リスク・ポジションおよびヘッジに影響を及ぼさないことを意味する。BNG銀行の通常ローン・ポー
トフォリオには、重要な早期償還オプションも存在しない。同様に、モーゲージへの重要なエクスポージャーはなく、BNG銀
行は個人からの貯蓄を勧誘していない。結果的に、金利リスクモデルにおいて顧客行動をモデル化する必要はない。
予測された金利上昇により、ベーシス・ポイントの感応度で測定した金利ポジションは、当年度を通じて、BNG銀行が適用
している長期的なベンチマークと比べて低かった。実際の金利リスク・ポジションでは、金利の安定的なトレンドまたは更な
る低下によって生じる可能性がある市場価値の追加リターンは、金利が上昇した場合に市場価値にさらに大きな損失が生じる
可能性を埋め合わせるのに十分ではないことを考慮に入れた。
市場リスクの枠組みに関しては、BNG銀行は金利のアクティブ・ポジションの影響の計算手段を、このアクティブ・ポジ
ションの影響における洞察がより得られるように改善した。2017年度末に、アーニング・アット・リスクおよび金利ストレ
ス・テストのツールに関するモデルの検証が行われた。その結果としての勧告事項の大半が2018年度中に解決された。これに
より、この枠組みで使用される金利ストレス・テストのパラメータ決定のための手法も更新された。
2018年度において、金利リスクに関連する限度への抵触はなかった。以下の表は、2018年度末と2017年度末の比較におい
て1年および2年の期間でのマイナス180ベーシス・ポイントの緩やかな平行移動による金利下落が与えるアーニング・アッ
ト・リスクへの影響の概要を示している。
2018年度 2017年度
アーニング・アット・リスク
(単位:百万ユーロ)
期間
1年 (24) (16)
(84) (86)
2年
ボラティリティリスク
金利リスク・エクスポージャーを管理する上で、BNG銀行は金利のアクティブ・ポジションを支えるボラティリティリスク
を引き受けることは非常に限定された範囲のみ許容している。この範囲は、リスク管理部門により、日次で制限、監視されて
いる。2018年度において、金利のアクティブ・ポジションを支える追加的なボラティリティリスクを引き受けていない。
その他の活動に関して、BNG銀行の方針では、新規金融商品のボラティリティリスクは、ヘッジが可能でコスト効率が高い
場合には、1対1でヘッジされるべきであることを規定している。結果としてのボラティリティリスクは比較的小さくなり、リ
スク管理による監視対象となる。
2018年度に、リスク管理はBNG銀行のボラティリティリスク・ポジションを調査し、少額のレガシー・エクスポージャーを
除き、市場リスクの不利な変動から発生するボラティリティリスクは限定的であることを確認した。
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スプレッドリスク
BNG銀行の株主資本の経済的価値は、資産および負債のポートフォリオの総額について決定される。資産および負債は双方
とも、市場ベースのスワップレートに信用リスクスプレッドを加えて作成された金利曲線を基に評価される。金利スワップの
場合、CVAリスク(取引先リスク)およびDVAリスク(BNG銀行自身のデフォルト・リスク)が含まれる。BNG銀行はスプレッド
リスクをヘッジしていない。こうしたスプレッドの変動の影響は日次で測定および監視される。損益に影響を与える公正価値
商品については、スプレッドのデルタに対して警告レベルが設定されている。
指数リスク
BNG銀行は、物価連動金融商品をポートフォリオに組み込んでいる。BNG銀行は、インフレリスクの変動にエクスポー
ジャーのある金融商品は、完全にヘッジすることを方針としている。BNG銀行は、この方針を実行し、インフレーションのデ
ルタを日次で監視している。
流動性および資金調達リスク
流動性リスクとは、BNG銀行が許容できない費用または損失を被らないことには任意の時期に支払義務を履行できない可能
性による、当該機関の自己資本および利益に対する既存または将来の脅威と定義される。公共部門は主に想定投資期間が長期
の機関により構成される。つまり、資産の償還期間は長期であり、中には数十年に及ぶものもある。BNG銀行はこうした償還
期間での資金調達は不可能なため、ストレス時においても高い確率で許容できるコストで借換えをするのに十分なバッファー
があることを条件に、資金調達のミスマッチを容認している。
トレジャリーおよび資本市場部門は「第1のディフェンスライン」であり、日常業務における流動性および資金調達リスク
管理の責任を負っている。この部門は資金を調達する責任を負っている。トレジャリー部門は、ALCOにより課された限度内お
よびトリガー内の流動性リスク・ポジションを採用する権限を与えられている。
リスク管理部門は「第2のディフェンスライン」であり、流動性リスクの独立的監視を行う責任を有し、ALCOが設定した限
度内およびトリガー内にBNG銀行がとどまっているかを日々チェックする。加えて、流動性および資金調達が十分なものであ
るかを月次で評価するためにストレス・シナリオが用いられる。リスク管理部門は規定の限度の利用について独立的にALCOお
よびトレジャリー部門に対して報告を行う一方で、主体的に、または依頼により、リスク分析および助言を提供する。
ECBは政策金利を引き続き過去最低水準に維持し、引き続き資産の買入れを行った。2018年度には、目前に迫ったブレグ
ジット、国際貿易摩擦の高まりならびに総選挙およびイタリアのポピュリスト政権の成立など、金融市場に影響を及ぼした多
数の経済的および政治的要因もあった。これらの動向にもかかわらず、2018年度中のBNG銀行の資金調達の条件は依然として
良好であった。BNG銀行は資本市場および金融市場の両方において有効に業務を遂行することができた。
短期資金調達ニーズの大部分は、ECPおよびUSCPプログラムにて対応された。この他に、レポ資金調達が2018年度の短期資
金調達で重要な役割を果たした。負債面では、英ポンドによる資金調達は比較的少額にすぎないため、BNG銀行は英国の資本
市場に依拠していない。
2018年度に、既存の結合ストレス・シナリオに加えて、新たなストレス・シナリオ目標が加えられた。シナリオ分析は、
流動性ストレスの種類を増やすよう拡大された。さらに、担保ポジションの推移モデルが改善され、流動性ポジションの測定
と管理に担保の取り扱いをより適切に組み込むことが可能となった。ダッシュボードに要約されるALCO向けの月次の流動性リ
スク情報は、ALCOメンバーからのフィードバックを組み込んで更新された。
流動性リスク
BNG銀行は、資本市場において一貫して安定した存在であることを望んでおり、これは困難な時期でも信用需要に引き続き
応えることを望んでいることによる。BNG銀行はまた、いつでも確実に義務を履行できる健全な流動性方針を追求している。
これに関連して、短期金融市場および資本市場への継続的なアクセスが重要となり、かつ投資家向けに魅力的で多様かつ十分
な額の発行プログラムを継続して維持することが重要である。さらに、ストレス時においても流動性にアクセスするために
は、バッファーが必要となる。かかるバッファーは、流動性目的を明示して保有する資産(いわゆる流動性ポートフォリオ)
によって1つ備え付けられている。このポートフォリオの規模および構成の管理は、最低100%のLCRを保持するというCRRの
要件を遵守する流動性測定基準の1つである。またBNG銀行は、ECBに十分な額の担保を保有しており、これにより即時に短期
資金調達が可能になっている。BNG銀行のほとんどの資産はECBへの担保として機能しうるため、この担保は、ストレスが長期
化する場合には積み増される可能性がある。双方のバッファーの規模は流動性ストレス・テストの中でテストされ、月次ベー
スで監視されている。さらに、資金調達計画および対応する計画上の流動性ギャップは、LCR比率およびNSFR比率について不
利なストレス・シナリオの中でテストされる。BNG銀行は、2018年度における流動性管理は適切であり、BNG銀行の流動性ポジ
ションの強度は十分であり、規制基準およびALCOが設定した限度を満たしているとみなしている。2018年度末におけるLCR比
率は175%(2017年度:207%)であり、NSFR比率は133%(2017年度:130%)であった。
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資金調達リスク
BNG銀行は、短期と長期の資金調達とを区別する。資金調達の大部分は、国際資本市場を通じたものである。BNG銀行は、
あらゆる場合において競争的な水準で資金にアクセスできるよう様々なプログラムを維持している。BNG銀行は、こうした努
力を支えることができるよう主体的な投資家との関係を追求している。BNG銀行は、望ましい資金調達構成がより詳細に記載
されている資金調達計画を有している。この資金調達計画の一部として、「BNGカーブ」を市場で維持するために、ベンチ
マーク債の年間の発行額が定められている。これらの大規模な発行により、BNG銀行は投資家の間で注目を集めており、市場
ストレス時においても投資家へのアクセスを維持することができる。この望ましい資金調達構成の実現、またはそれからの逸
脱原因は、監視されALCOで評価される。
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残存契約期間に基づく金融資産および負債の満期分析
下表の表示価額は、金融資産および負債のすべての割引前将来キャッシュフローを示す。発行済みの保証および取消不能
の契約債務に関する満期分析は「連結財務書類のその他の注記」の項目を参照のこと。
2018年12月31日現在
3か月超 1年超
3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
1,587 1,587
銀行預入金 14 10 49 16 89
差入現金担保 12,043 12,043
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 13 41 233 1,898 2,185
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
101 310 4,285 5,207 9,903
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 636 620 2,911 4,147 8,314
貸付金および前渡金 7,514 9,269 35,288 53,149 105,220
未収還付税金 8 8
79 79
その他の資産
金融資産合計(デリバティブを除く) 21,987 10,258 42,766 64,417 139,428
銀行借入金 (1,794) (81) (97) (467) (2,439)
受入現金担保 (419) (419)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (2) (5) (190) (702) (899)
負債証券 (9,075) (15,358) (49,691) (41,975) (116,099)
受託資金 (2,413) (455) (2,242) (1,127) (6,237)
劣後債務 (1) (23) (22) (46)
(74) (74)
その他の負債
金融負債合計(デリバティブを除く) (13,778) (15,899) (52,243) (44,293) (126,213)
総デリバティブ残高
資産受取額 3,294 5,943 21,089 18,774 49,100
(2,572) (4,226) (15,910) (12,552) (35,260)
資産支払額
資産として計上されたデリバティブ 722 1,717 5,179 6,222 13,840
負債受取額 6,169 4,163 11,260 13,515 35,107
(7,290) (5,805) (17,925) (23,444) (54,464)
負債支払額
負債として計上されたデリバティブ (1,121) (1,642) (6,665) (9,929) (19,357)
総計 7,810 (5,566) (10,963) 16,417 7,698
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2017年12月31日現在
3か月超 1年超
3か月以下 12か月以下 5年以下 5年超 合計
現金および中央銀行残高
2,996 2,996
銀行預入金 ▶ 74 26 3 107
差入現金担保 13,896 13,896
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 17 67 383 2,204 2,671
売却可能金融資産 224 410 5,202 9,382 15,218
貸付金および前渡金 6,338 9,070 35,827 56,146 107,381
その他の資産 18 1 19
30 30
売却目的保有資産
金融資産合計(デリバティブを除く) 23,493 9,652 41,438 67,735 142,318
銀行借入金 (1,534) (164) (92) (334) (2,124)
受入現金担保 (369) (369)
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (26) (168) (196) (716) (1,106)
未払税金 (17) (17)
負債証券 (9,082) (17,413) (48,125) (41,446) (116,066)
受託資金 (1,949) (191) (2,528) (1,255) (5,923)
劣後債務 (1) (3) (43) (47)
(43) (43)
その他の負債
金融負債合計(デリバティブを除く) (12,961) (17,996) (50,944) (43,794) (125,695)
総デリバティブ残高
資産受取額 3,708 4,384 11,519 19,874 39,485
(3,081) (2,786) (6,846) (13,198) (25,911)
資産支払額
資産として計上されたデリバティブ 627 1,598 4,673 6,676 13,574
負債受取額 7,295 11,455 21,291 14,987 55,028
(8,053) (13,603) (29,409) (25,502) (76,567)
負債支払額
負債として計上されたデリバティブ (758) (2,148) (8,118) (10,515) (21,539)
総計 10,401 (8,894) (12,951) 20,102 8,658
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処分に制約がある金融資産および制約がない金融資産
処分に制約がある金融資産は、短期的な流動性需要を満たすために自由に処分することはできない。以下の表は、処分に
制約がある(自由に使用できない)資産と処分に制約がない(自由に使用できる)資産に分類した、金融資産の貸借対照表価
額を示す。
2018年12月31日現在
処分に制約あり 処分に制約なし 合計
現金および中央銀行残高
- 1,587 1,587
銀行預入金 - 82 82
差入現金担保 12,043 - 12,043
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 - 1,606 1,606
デリバティブ - 8,390 8,390
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
4,621 5,027 9,648
金融資産
償却原価で測定される利付有価証券 851 6,555 7,406
貸付金および前渡金 399 84,635 85,034
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に
- 11,566 11,566
対する価値調整
売却目的保有資産 - - -
- 147 147
非金融資産
合計 17,913 119,596 137,509
2018年度平均(合計) 20,159 130,439 150,598
2017年12月31日現在
処分に制約あり 処分に制約なし 合計
現金および中央銀行残高
- 2,996 2,996
銀行預入金 - 105 105
差入現金担保 13,892 - 13,892
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 - 2,006 2,006
デリバティブ - 8,982 8,982
売却可能金融資産 357 13,753 14,110
貸付金および前渡金 482 85,526 86,008
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に
- 11,813 11,813
対する価値調整
売却目的保有資産 - 30 30
- 83 83
非金融資産
合計 14,731 125,294 140,025
2017年度平均(合計) 15,875 136,528 152,403
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オペレーショナル・リスクおよび戦略リスク
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、内部手続きの不備および外部事象の結果に関連している。一般的なオペレーショナル・リ
スクに加え、オペレーショナル・リスクはICTリスク、データ品質リスク、外部委託リスク、誠実性リスクおよび法的リスク
によって構成される。
オペレーショナル・リスクは事業を運営する上で内在するリスクである。BNG銀行は、顧客に合わせたサービスの提供によ
り、内在するオペレーショナル・リスクが追加で生じることを受け入れる。BNG銀行は、貸付と共に、当座預金や決済取引
サービスなど、他の商品も顧客に提供する。顧客はこの広範囲のサービスからの恩恵を受ける。BNG銀行はこれらの追加的商
品に対しても、ミッションに適合する範囲で、オペレーショナル・リスクを受け入れる意向がある。
戦略リスク
戦略リスクとは、機関自身の戦略的意思決定が、BNG銀行の競争上の地位、政治環境、規制上の進展、評判およびビジネス
環境の分野における当該機関もしくはグループの制御を超えた変化の結果として、損失および/または損失可能性につながる
リスクと定義される。
戦略リスクの場合は、特に外部要因に左右され影響を受けにくいため、どの程度のリスクを引き受けるかを判断すること
はさらに困難となる。しかしながら、BNG銀行はこうした環境における変化から生じるリスクに対応する必要がある。オラン
ダの公共部門との緊密な関係、政府の政策に対する感応度および政策推進銀行としての地位により、政治リスクおよび規制リ
スクは重要な要素である。こうしたリスクを監視し、軽減するために、BNG銀行はその利害関係者と永続的に緊密なやり取り
を行う。またBNG銀行は、規制手続きを観察および分析し、複数の銀行団体に加盟している。
自己資本およびソルベンシー
定義
規制資本は資本要件指令IVにおける資本要件に関係する。規制目的上、資本要件は、3つの主要なリスクのタイプ(信用、
オペレーショナルおよび市場リスク)に対するリスク加重資産(RWA)総額に係る第1の柱の要件に基づく。この要件は、いわ
ゆる統合バッファー要件(CBR)および第2の柱要件(P2R)によって補完される。CBRは資本維持バッファー、システミック・
リスク・バッファー、カウンターシクリカル・バッファーおよびシステム関連性バッファーで構成される。P2Rは、監督者が
実施する監督上の検証・評価プロセス(SREP)から生じる機関固有の要件である。P2Rは、過小見積りされたリスクまたは第1
の柱で扱われなかったリスクを対象としている。BNG銀行はRWAの計算には「標準的手法」を採用している。
規制上求められる資本に加えて、BNG銀行では第2の柱の目的で経済的資本(EC)の計算を行っている。経済的資本はBNG銀
行のリスク分類におけるすべてのリスクをカバーしているため、資本は予期せぬ損失をカバーする軽減手段と見なされてい
る。経済的資本は、内部リスクの測定基準および管理に用いられている。経済的資本は、極端な市場環境または出来事の結果
から生じる可能性がある大規模な予測しない損失に対して充分な水準の保護を達成する戦略を追求するために、BNG銀行が適
切とみなす資本額である。
ガバナンス
執行取締役会は、資本に関しての方針の決定の責任を負う。これは自己資本ステートメントおよび経営計画において策定
される。次に、執行取締役会は資本の配分の責任を負う。資本方針・金融規制委員会により意思決定の草案が作成される。こ
の委員会は、すべての関連する利害関係者、すなわち、執行取締役会、公共ファイナンス部門、トレジャリー部門、資本管理
部門、リスク管理部門および財務・管理部門により構成される。
動向
2018年12月現在、完全実施されたCRD IVの普通株式等Tier1比率(CET1)、Tier1および合計自己資本比率は、それぞれ
32%、38%および38%であった。すべての資本比率は規制上の最低要件を大幅に上回るものである。
2019年度にBNG銀行が求められているCET1比率は10.25%である。この内訳は、SREP要件6.75%(第1の柱要件4.5%および
第2の柱要件2.25%)、段階的実施システミック・リスク・バッファー(SrB)1.00%および資本維持バッファー(CCB)
2.50%となっている。BNG銀行はこれらの要件を十分満たしている。BNG銀行の最大分配可能額(MDA)トリガーレベルはCET1
資本の10.25%である。
2011年度に、BNG銀行はバーゼルⅢにより導入された追加的資本要件に見合うため配当分配方針を25%に引き下げた。資本
要件の明確化は依然保留されているため、BNG銀行は今のところこの方針を変更する予定はないものの、2019年度には更新す
る予定である。
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資本管理
資本管理戦略の主な目的は、内部および外部の自己資本要件が常に満たされており、十分な資本がBNG銀行の戦略を支える
ために利用可能であることを確実にすることである。
資本管理戦略は、BNG銀行のリスク選好およびその事業計画の上に成り立っている。その上、外部の利害関係者(例えば、
規制当局、投資家、格付機関、株主)の期待および要件、市場と比較したBNG銀行の資本、市場の動向および資本管理行動の
実現性が考慮される。資本化政策は、いわゆる自己資本充実度評価プロセス(ICAAP)に含まれている。本政策の要所は自己
資本管理計画であり、これはその自己資本が保証するリスクに基づいて自己資本の水準および構成を決定する。ICAAPにおい
ては、規制資本および経済的資本が考慮される。ICAAPの一環として、資本が適切で強固なものであるかについて判断するた
め数多くのストレス・シナリオが実行される。資本の水準の次に、ICAAPは関連するリスクのタイプごとの配分を決定する。
継続的に、自己資本は目標資本比率に対して測定および監視されている。これらの目標水準はBNG銀行のリスク選好および
戦略から算出したものであり、ICAAPにより数量化されたものである。配分はICAAPから算出される。このプロセスによりBNG
銀行がそのリスク選好に沿った形で事業を行っていることを確保している。
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資本構成
BNG銀行の資本は、資本要件指令IV(CRD IV)に定められた資本要件を大幅に上回っている。資本構成は主に普通株式から
成っている。その他の部分はその他Tier1資本商品で構成されている。
以下の2つの表は、規制資本の構成を示す。表は移行段階の状況の資本(2017年度)および完全実施後の資本(2018年度)
を示す。
2018年12月31日現在
資本
IFRS株主資本
(完全実施後)
払込済資本
139 139
資本準備金 6 6
前年度留保利益 3,410 3,410
未処分利益 337
その他の包括利益累計額
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 10 10
-ヘッジコスト 222 222
-自己信用調整 9 9
125 125
-再評価剰余金
規制上の調整前の普通株式等Tier1(CET1)資本 3,921 4,258
健全性フィルターによるCET1資本の調整
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (10)
-デリバティブ負債に関連するBNG銀行の自己の信用リスクから生じる累積
(2)
損益
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の自己の信用リスク (9)
-健全性評価要件による価値調整 (5)
-無形資産 (3)
-OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金 (1)
(10)
リスク加重1250%の代替として適格な証券化ポジションの資本控除
CET1資本 3,881
733
その他Tier1資本 733
Tier1資本 4,614
株主資本合計 4,614 4,991
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2017年12月31日現在
資本 資本
IFRS株主資本
(移行段階) (完全実施後)
払込済資本 139 139 139
資本準備金 6 6 6
前年度留保利益 3,221 3,221 3,221
未処分利益 393
その他の包括利益累計額
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 193 193 193
268 268 268
-再評価剰余金
規制上の調整前の普通株式等Tier1(CET1)資本 3,827 3,827 4,220
健全性フィルターによるCET1資本の調整
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (193) (193)
-デリバティブ負債に関連するBNG銀行の
(6) (6)
自己の信用リスクから生じる累積損益
-純損益を通じて公正価値で測定される
(9) (9)
金融負債の自己の信用リスク
-健全性評価要件による価値調整 (8) (8)
リスク加重1250%の代替として適格な
(25) (25)
証券化ポジションの資本控除
CET1資本への段階的調整
-無形資産 (2) (2)
(51) -
-売却可能金融資産に係る再評価剰余金の20%
CET1資本 3,533 3,584
733 733
その他Tier1資本 733
Tier1資本 4,266 4,317
株主資本合計 4,953
健全性フィルター
BNG銀行は、以下の健全性フィルターをCET1資本に適用している。
・ キャッシュフロー・ヘッジ準備金は消去されている。
・ デリバティブ取引における自己の信用リスクから生じる利益(DVA)は、消去されている。
・ 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として分類される債務に関連する「自己の信用リスク」から生じる利益
は、消去されている。
・ 健全性評価に関する規制のため、公正価値で計上される資産および負債の貸借対照表評価に関連して調整が計算されて
いる。
・ ソフトウェアの開発投資が実施されており、3年間にわたって償却されている。「繰延税金」調整後、これらの無形資
産の合計が控除されている。
・ OCIを通じて公正価値で測定される金融資産の予想信用損失引当金。
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控除可能項目
BNG銀行は、CET1資本を、1250%のソルベンシー加重に適格な証券化ポジション分だけ減少させることを選択している。
CRD IV/CRR移行段階における調整
2018年度のCET1資本に含まれるOCIを通じて公正価値で測定される金融資産に係る再評価剰余金の部分は100%であり、
2017年度の売却可能金融資産に係る再評価剰余金の部分は80%であった。
その他Tier1資本
説明については、連結財務書類項目に対する注記の注記24を参照のこと。
売却可能金融資産の再分類(IAS第39号)
2008年10月15日、EUはIAS第39号およびIFRS第7号の複数の改訂を採用した。これにより、企業は、市場の流動性欠如な
ど、ある一定の状況下においては金融商品を再分類することが認められる。BNG銀行はこのオプションを2008年度に利用し、
「売却可能金融資産」項目の商品の一部を再分類し「銀行預入金」および「貸付金および前渡金」に振り替えた。その意図は
これらの資産を予見できる将来にわたり保有することである。当該ポートフォリオ(またはその一部)の市場性が回復した際
には、部分的な売却の可能性は除外されていない。再分類は実現損益に影響を与えていない。
2008年度の再分類時に、BNG銀行は将来のキャッシュフローをすべて受け取ることを期待していた。実効金利の計算は当初
キャッシュフローに基づいている。再分類された資産の実効金利は、加重平均で5.3%、幅は4.6%から5.8%である。再評価
剰余金の未実現の価値変動は税引後で表示されている。
2017年12月31日現在
再分類あり 再分類なし 再分類の影響
2017年12月31日現在の貸借対照表価額
売却可能金融資産 14,110 15,056 (946)
銀行預入金 13,997 13,904 93
貸付金および前渡金 86,008 85,177 831
株主資本 4,953 4,970 (17)
268 285 (17)
-うち再評価剰余金
2017年12月31日現在
再分類あり 再分類なし
2017年12月31日現在の再分類された資産
貸借対照表価額 924 946
公正価値 946 946
株主資本の未実現市場価値差額合計 47 30
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再分類された取引からの実現および未実現損益
2017 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008
合計
年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度
-再分類ありの株主資本の
未実現市場価値差額の
130 (6) 22 15 20 24 24 27 25 (201) 80
変動
-再分類なしの株主資本の
未実現市場価値差額の
104 36 (7) 199 40 106 (86) (9) 153 (473) 63
変動
-受取利息 14 30 38 42 45 62 88 82 120 276 797
(4) 1 0 - 0 0 - (4) (3) - (10)
-実現売却損益
損益計算書の実現損益合計 10 31 38 42 45 62 88 78 117 276 787
これらの再分類はIFRS第9号では適用されない。
その他の注記
関連当事者
関連当事者取引
BNG銀行に対する支配、共同支配または重要な影響力を有する法人
オランダ政府は、BNG銀行の発行済株式および議決権の50%を所有している。残り50%の株式は多数の株主に分けられてい
るため、事実上オランダ政府がBNG銀行を支配している。ハイブリッド資本の保有者は、BNG銀行に対する(共同)支配または
重要な影響力を有していないため、関連当事者の定義に該当しない。BNG銀行は、購入した公開市場で売買可能な政府証券の
形でオランダ政府に対する直接的なエクスポージャーを保有している。またBNG銀行は、政府からの直接的な保証、またはオ
ランダ政府がバックネットとなるWSW(公共住宅)およびWFZ(ヘルスケア)の保証基金からの保証のある、貸付金および前渡
金の大規模なポートフォリオを有している。いずれの場合も、これは民間貸付に関連する。
子会社
これは、BNG銀行の子会社で連結対象であるHypotheekfonds voor OverheidspersoneelおよびBNG Gebiedsontwikkelingに
関連する。BNG銀行は、これらの当事者との間に会社間取引があり、これらは民間の貸付金および前渡金、当座勘定で保有す
る貸方残高、オフバランスシート契約で構成される。これらの会社間取引はすべて、連結財務書類の数値および注記から消去
されている。
関連会社、共同支配企業および共同事業
これは、関連会社、ならびにBNG Gebiedsontwikkelingが契約を締結した共同支配企業および共同事業に関連する。これら
の当事者のリストは、財務書類の別の注記に記載されている。これらの相手先との取引は、貸付金および前渡金、当座勘定で
保有する貸方残高、オフバランスシート契約(信用供与枠の未使用部分)で構成される。
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BNG銀行の執行取締役会メンバー
BNG銀行は、BNG銀行の執行取締役会または監督取締役会のメンバーに、貸付金、前渡金、保証のいずれも供与していな
い。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
オランダ政府
購入政府証券の形での直接的なエクスポージャー 1,936 1,966
政府からの直接的な保証付きの貸付金 667 726
政府からの間接的な保証付きの貸付金(WSW/WFZ) 42,587 42,639
子会社
子会社への貸付金 127 150
子会社が保有する貸方残高 8 11
子会社に対するオフバランスシート契約 7 7
関連会社、共同支配企業および共同事業
関連会社、共同支配企業および共同事業への貸付金 105 89
関連会社、共同支配企業および共同事業が保有する貸方残高 19 7
関連会社、共同支配企業および共同事業に対する
31 49
オフバランスシート契約
2017年12月31日現在、執行取締役会の元メンバーC. van Eykelenburg氏は平均金利4.3%、696,226ユーロのモーゲージを
有していた。
BNG銀行の主要な意思決定機関
経営の最も重要な決定および行為は、執行取締役会により行われる。遂行される政策は、監督取締役会による評価と監督
が行われる。
報酬
BNG銀行の報酬方針は、固定報酬部分と変動報酬部分で構成されている。2018年度に「特定スタッフ」、すなわちBNG銀行
の方針およびリスクに直接影響を及ぼす個人に与えられた報酬合計額は5百万ユーロ(2017年度:6百万ユーロ)であった。
2018年度には特定スタッフは30名(2017年度:31名)であった。これらの個人のうち23名(2017年度:2名)については、変
動報酬の一部が条件付であった。再評価の後、執行取締役会のメンバーについては、関連する目標の達成がBNG銀行の長期継
続性を危機にさらすことがない限り、この部分は3年後に支払われる。特定スタッフが月次給与もしくは10,000ユーロまたは
その両方を上回る金額の変動報酬を受ける場合、変動報酬の40%は3年間にわたって繰り延べられる。この繰り延べられた金
額の3分の1が年次で支払われる。このように、特定スタッフに比べリスク・プロファイルによる大きな影響力を持つ取締役会
メンバーの繰延変動報酬(50%を即時払い、50%を4年後に支払い)との間には、妥当な差異がある。2016年度以降、全従業
員を対象に変動報酬は固定報酬の最大20%を上限として設定されている。2018年度に1百万ユーロを上回る総報酬を受け取っ
た従業員はいなかった(2017年度:ゼロ)。
特定スタッフの報酬は、執行取締役会メンバー、執行取締役会メンバー直属の上級経営陣およびその他の特定スタッフと
いう3つのグループに区分できる。
2018年度 2017年度
(単位:千ユーロ)
固定報酬 変動報酬 合計 固定報酬 変動報酬 合計
執行取締役会メンバー
993 90 1,083 1,140 74 1,214
上級経営陣 2,214 64 2,278 2,000 160 2,160
1,612 71 1,683 1,961 199 2,160
その他の特定スタッフ
合計 4,819 225 5,044 5,101 433 5,534
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さらにBNG銀行は、事業主年金拠出を毎月支払っている。2015年1月1日以降、100,000ユーロを超える給与について、現行
のオランダ公務員年金基金(ABP)制度下では年金が発生しない。すなわち、年金発生は、100,000ユーロの年金受給対象収入
を上限とする。税務上のこの上限および年金発生分減少の結果として、BNG銀行は、2015年1月1日付でBNG銀行に雇用されてい
た関係従業員に対し、年金発生分減少の補償を行うことを決定した。
執行取締役会の報酬
執行取締役会の報酬は、報酬方針に規定される方針に基づいているが、主要点は監督取締役会報告書に記載されている。
網羅的な報酬方針は、bngbank.nl上で公表されている。2002年度以降、固定報酬部分は、銀行業界のための一般的な団体労働
協約に規定される率の分だけ変更されている。経営陣および従業員は、BNG銀行の株式またはオプションを保有しておらず、
またBNG銀行の子会社を通じていかなる追加報酬も受領していない。2019年1月1日付で、BNG銀行は執行取締役会メンバーの変
動報酬を廃止した。今後は、過年度の執行取締役会メンバーの繰延変動報酬のみの支払いが可能となる。
執行取締役会メンバーに与えられた報酬
** *
(単位:千ユーロ)
2018年度 2017年度 2018年度 2017年度 2018年度 2017年度 2018年度 2017年度
10万ユーロ超の
固定報酬 変動報酬 年金拠出
年金補償
G.J. Salden
301 - - - - - 24 -
O.J. Labe
325 321 - - 29 29 24 23
J.C. Reichardt
367 362 90 33 35 35 26 25
C. van Eykelenburg
- 457 - 41 - 114 - 21
(2017年12月31日まで)
合計 993 1,140 90 74 64 178 74 69
* これは、変動報酬の半分である。変動報酬の残りの半分は、条件付で与えられ、関連する目標の達成がBNG銀行の長期継
続性を危機にさらすことがない場合、3年間で支払われる。未だ支払われていない割当済の変動報酬はまた、(不正確な)
財務情報または非倫理的もしくはコンプライアンス違反の行動に基づいて調整されることもありうる。
** 90千ユーロに上るこの金額は、変動報酬の廃止に関連する一時金の支払いに関連している。この一時金の支払いによっ
て、Reichardt氏の将来の変動報酬に対する契約上の権利は買い取られた。
繰延変動報酬
2018年度 2017年度 2016年度 2015年度*
(単位:千ユーロ)
J.C. Reichardt
- 33 32 36
執行取締役会元メンバーの繰延変動報酬
2018年度 2017年度 2016年度 2015年度*
(単位:千ユーロ)
C. van Eykelenburg
- 41 40 54
J.J.A. Leenaars - - - 12
* 監督取締役会は、2015年度に設定された関連する定性的および定量的目標の達成がBNG銀行の長期継続性を妨げなかっ
たことを確認した。2015年度の条件付繰延変動報酬は、2019年3月に支払われた。
報告期間中に与えられた報酬は、損益計算書で全額費用として認識されている報酬である。2018年度の損益計算書は、報
酬および年金費用1百万ユーロ(2017年度:1百万ユーロ)を含む。短期報酬合計は、固定報酬、変動報酬および100,000ユー
ロを超える給与に係る年金発生分の補償から成る。
2018年度に、執行取締役会会長は5,100ユーロ(2017年度:3,900ユーロ)の事業経費手当を受領した。2018年度の執行取
締役会のその他のメンバーに対する当該手当は3,900ユーロ(2017年度:3,900ユーロ)である。
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監督取締役会の報酬
2017年1月1日より、監督取締役会の報酬は、銀行業界の団体労働協約に基づく増加と同じ割合で増加することができる。
監督取締役会の報酬合計は2018年度に1%(2017年度:2%)増加した。報酬方針としては、BNG銀行の業績とは関係なく、市
場に整合的な報酬を目指している。これには、BNG銀行の性質、監督取締役会メンバーに求められる資質、自らの任務を果た
すために必要なアベイラビリティ、ならびに必要な時間、職責および法的責任の側面も反映される。監督取締役会メンバー
は、BNG銀行の株式またはオプションを保有しておらず、またBNG銀行の子会社を通じていかなる追加報酬も受領していない。
当年度中に任命され、または退任した監督取締役会メンバーは、比例按分ベースで報酬を受領した。監査委員会・リスク
委員会、選定・任命委員会、報酬委員会および市場戦略委員会のメンバーは、その職務について追加手当を受領した。さら
に、監督取締役会会長は、基本報酬に加えて追加の手当を受領した。これらの手当は、「監督取締役会メンバーの報酬」の表
に示されている。監督取締役会メンバーは、1,000ユーロ(2017年度:1,000ユーロ)の経費手当を受領した。1以上の委員会
のメンバーであった監督取締役は、1委員会当たり各々500ユーロ(監査委員会・リスク委員会)ならびに250ユーロ(報酬委
員会および人事委員会)の追加経費手当を受領した。監督取締役会元メンバーはいかなる報酬も受領しなかった。
監督取締役会メンバーの報酬
以下に示す額は千ユーロ単位である。これらの数値は追加支払いおよび経費手当を含み、VATを除く。
2018年度 2017年度
M. Sint、会長
47 46
J.J. Nooitgedagt、副会長兼秘書役
39 38
C.J. Beuving
36 35
L.M.M. Bolsius(2018年4月20日まで)
9 25
T.J.F.M. Bovens
26 25
J.B.S. Conijn
32 32
M.E.R. van Elst(2018年3月1日から)
27 -
P.H.M. Hofsté(2017年4月20日まで)
- 13
J. Kriens
29 29
J.C.M. van Rutte 32 32
合計 277 275
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オフバランスシート契約
偶発債務
本項目は、BNG銀行が第三者に保証した取引から生じる一切の契約債務を
含む。この保証は限られた範囲内で、公共体の副保証によりカバーされる。
これは主として、BNG銀行が公益事業部門において顧客のために発行した残
存契約期間が5年超の信用状である。BNG銀行は、借主債務不履行の場合に支
払う必要のある原貸付元本額で(偶発)債務を計上している。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
偶発債務 32 78
取消可能信用供与契約
本項目は、取消可能当座勘定信用供与契約に帰属するすべての契約を含
む。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
取消可能信用供与契約 6,050 5,839
取消不能信用供与契約
本項目は、貸付金および前渡金を供与することになりうる一切の取消不能
の契約債務を含み、以下のとおり区分される。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
与信枠の未使用部分に関する基本契約
5,887 5,196
1,737 1,669
将来実行予定の契約済み貸付金および前渡金
合計 7,624 6,865
かかる契約済みの貸付金および前渡金は、契約に従い以下のとおり区分さ
れる。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
3か月以下
448 340
3か月超12か月以下 549 446
1年超5年以下 705 846
35 37
5年超
合計 1,737 1,669
かかる貸付金および前渡金のほぼすべてが満期5年超の契約期間を有す
る。平均金利は1.7%(2017年度:1.9%)である。BNG銀行は、これらの債
務を未計上の原貸付元本額で表示している。
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処分に制約がある金融資産および負債
金融資産および負債の一部は、これらの資産が短期金融市場取引および融
資取引を保証するために用いられ、担保として差し入れられているため、処
分に制約がある。以下の表は、額面価額および担保価額を示す。
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
額面価額 担保価額 額面価額 担保価額
担保の種類
中央銀行に供与された担保* 14,203 9,635 14,520 9,769
デリバティブ取引で提供された証券 4,566 5,472 343 434
デリバティブ取引に関連して預けら
12,046 12,043 13,896 13,892
れた現金
担保として差し入れたもの 30,815 27,150 28,759 24,095
デリバティブ取引で受け入れた証券 0 0 0 0
デリバティブ取引に関連して受領し
419 419 369 369
た現金
担保として受け入れたもの 419 419 369 369
合計 30,396 26,731 28,390 23,726
* 中央銀行に担保として差し入れられた貸付金の価額合計のうち、限られた部分しか実際に担保として使用されていな
い。2018年度末現在、顧客の回収ファイルの保証に基づく使用担保の価額は、399百万ユーロ(2017年度末:412百万ユー
ロ)であった。
取締役会メンバーの負債
BNG銀行の執行取締役会メンバーおよび監督取締役会メンバーは、故意の
行為または重過失の場合を除き、BNG銀行より個人的負債に関し補償され
る。また、BNG銀行の執行取締役会メンバーおよび監督取締役会メンバーな
らびにBNG銀行の1つ以上の関連会社の執行取締役会メンバーまたは監督取締
役会メンバーとしてBNG銀行のために行為する従業員に対し、BNG銀行は取締
役負債保険に加入している。
貸借対照表日以降の後発事象
貸借対照表日以降、財務書類の数値または開示に調整が必要な報告すべき
事象はない。
長期資本および配当政策
資本および配当政策は、銀行に対してより高い自己資本比率を課する今
後の健全性規制の改訂に鑑みて検討される予定である。新たな規制および
現行の資本を、最低基準案に相対した結果、標準配当性向は2011年度より
50%から25%に低下した。標準配当性向の低下は、原則として、BNG銀行が
新しい最低レバレッジ比率の適用を見込んでいる2018年度までの期間に適
用される。しかしながら、この点ならびにその他のソルベンシーおよび流
動性に関連する課題(いわゆるCRR2/CRDV)に対する欧州における意思決
定は、確定までに時間を要している。BNG銀行の予想では、近い将来におけ
るBNG銀行の資本は資本要件を満たすには十分であるものの、欧州連合の最
終決定に伴う不確実性が残る。現在のところ、決定は2019年上半期と見込
まれている。その後、BNG銀行は新たな資本化方針および配当政策を実体化
する予定である。2017年度および2018年度において、レバレッジ比率の水
準がプラスに進んだため、配当性向は2017年度には37.5%、そして2018年
度には50%まで上昇した。
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利益処分案
(単位:百万ユーロ)
2018年度 2017年度
当期純利益 337 393
(19) (18)
ハイブリッド資本に係る配当金
株主に帰属する利益 318 375
BNG銀行株主に帰属する利益の処分は以下のとおりである:
BNG銀行定款第23条(3)所定のその他の剰余金への処分 32 37
7 7
BNG銀行定款第23条(3)所定の配当金
39 44
BNG銀行定款第23条(4)所定のその他の剰余金への処分
127 197
152 134
BNG銀行定款第23条(4)所定の配当金
279 331
利益処分は、2018年度の当期純利益合計に基づく。配当金は、2018年5月
にハイブリッド資本についてすでに支払済みで、その他の剰余金に計上され
ている25百万ユーロの配当金(税引後19百万ユーロ)を考慮に入れている。
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関連会社および共同支配企業
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30%
地方自治による、非営利のイニシアティブで、地方自治体および/また
はその他公共事業体所有の登記不動産に関する情報を広く一般に提供する
ことを目的とする。
Data B Mailservice Holding BV、レーク
45% 45%
印刷およびメール・サービスから支払関連、直販およびメッセージン
グ・サービスなど、特に、公共部門機関へのサービスを提供している。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
BNG Gebiedsontwikkeling BVにより設立された共同支配企業
自らの費用およびリスクで公共体との合弁開発および土地分譲を行う。
共同支配企業に携わる当事者は同等の議決権を有し、どの当事者も支配権
はない。
Ontwikkelingsbedrijf Bedrijvenpark Pannenweg CV、
50% 50%
ネーデルウェールト
Ontwikkelingsbedrijf Bedrijvenpark Pannenweg Beheer BV、
50% 50%
ネーデルウェールト
工業用地の開発および分譲
CV Ontwikkelingsmaatschappij Zenkeldamshoek、ゴール
80% 80%
Zenkeldamshoek Beheer BV、ゴール
50% 50%
工業用地の開発および分譲
De Bulders Woningbouw CV
50% 50%
De Bulders Woningbouw BV
50% 50%
工業用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij Westergo CV、ハルリンゲン
50% 50%
Ontwikkelingsmaatschappij Westergo BV、ハルリンゲン
50% 50%
工業用地の開発および分譲
Ontwikkelingsmaatschappij ‘Het Nieuwe Westland’ CV、ハーグ
50% 50%
Ontwikkelingsmaatschappij ‘Het Nieuwe Westland’ BV、ハーグ
50% 50%
住宅建設用地の開発および分譲
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2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
Ontwikkelingsmaatschappij ROM-S CV (Schelluinen)、ハーグ
50% 50%
ROM-S Beheer BV (Schelluinen)、ハーグ
50% 50%
工業用地および駐車施設用地の開発および分譲
Project Suijssenwaerde CV、ハーグ
80% 80%
Project Suijssenwaerde Beheer BV、ハーグ
50% 50%
住宅建設用地および娯楽施設用地の開発および分譲
CV Bedrijvenpark Oostflakkee、ハーグ
80% 80%
Bedrijvenpark Oostflakkee Beheer BV、ハーグ
50% 50%
工業用地の開発および分譲
SGN Bestaand Rijsenhout CV、ハーグ
50% 50%
SGN Nieuw Rijsenhout CV、ハーグ
50% 50%
SGN Advies CV、ハーグ
43% 43%
SGN Bestaand Rijsenhout Beheer BV、ハーグ
50% 50%
SGN Nieuw Rijsenhout Beheer BV、ハーグ
50% 50%
SGN Advies BV Beheer、ハーグ
50% 50%
Stallingsbedrijf Glastuinbouw Nederland Groep BV、ハーグ
50% 50%
温室園芸用地の開発および分譲
Ontwikkelmaatschappij Meerburg CV、ズーターワウデ
50% 50%
Ontwikkelmaatschappij Meerburg Beheer BV、ズーターワウデ
50% 50%
住宅建設用地、スポーツ競技用地およびオフィスビル用地の
開発および分譲
ROM-D CV、ハーグ
11% 11%
ROM-D Beheer NV、ハーグ
25% 25%
工業用地の開発および分譲
Ontwikkelcombinatie De Bongerd CV、アムステルダム 14% 14%
Ontwikkelcombinatie De Bongerd BV、アムステルダム
14% 14%
住宅建設および駐車施設用不動産開発
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2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
Regionaal bedrijvenpark Laarakker CV、クアイク
50% 50%
Regionaal bedrijvenpark Laarakker BV、クアイク
50% 50%
工業用地の開発および分譲
Wonen Werken Waterman BV、レイスベルゲン
50% 50%
Wonen Werken Waterman CV、レイスベルゲン
50% 50%
住宅建設用地および工業用地の開発および分譲
De Jonge Voorn BV、ガイスフェルト(ザーンダム)
80% 80%
De Jonge Voorn CV、ガイスフェルト(ザーンダム)
80% 80%
住宅建設用地の開発および分譲
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要約財務情報
2018年度 2017年度
関連会社
投資の貸借対照表価額(注記11) 3 3
以下の持分の価額:
資産合計 5 ▶
負債合計 1 1
収益 ▶ 9
継続事業からの損益 1 1
株主資本 3 3
2 2
包括利益
2018年度 2017年度
BNG Gebiedsontwikkeling BVにより設立された共同支配企業
投資の貸借対照表価額(注記11) 41 44
以下の持分の価額:
資産合計 101 103
負債合計 68 61
収益 20 28
継続事業からの損益 (1) 7
株主資本 33 42
33 42
包括利益
BNG Gebiedsontwikkeling(BNG銀行の完全所有子会社)は、地方自治体と連携で自己の勘定によって土地への投資およびそ
の開発を行っている。この連携は、リミテッド・パートナーシップを利用した共同支配企業の形式をとる。BNG銀行が負うリ
スクは、参加持分に投資された資本合計額であり、さらなる将来の支払債務および留保利益で増大する。2018年度末、このリ
スクは、41百万ユーロ(2017年度:46百万ユーロ)であり、うち0百万ユーロ(2017年度:2百万ユーロ)が将来の支払債務に
関連していた。2018年度には土地売却からの収益はさらに改善された一方で、数件の減損の追加計上が必要であった。
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非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
2018年度
カバード・
証券化 合計
ボンド
範囲
30,159 - 30,159
エンティティへの関与(貸借対照表価額/規模
13% - 13%
(%))
持分/投資の貸借対照表価額:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
- - -
金融資産 (注記6)
3,995 - 3,995
償却原価で測定される利付有価証券(注記8)
貸借対照表価額合計 3,995 - 3,995
最大エクスポージャー 3,995 - 3,995
貸借対照表価額の最大エクスポージャーに対する比率 1 - 1
種類別の収益金額:
ファンドのリターン 該当なし 該当なし
管理報酬 該当なし 該当なし
受取利息 11 - 11
(8) - (8)
売却損益
収益合計 3 - 3
報告期間中の投資に係る損失:
株主資本を通じた損失 - - -
0 - 0
純損益を通じた損失
損失合計 0 - 0
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2017年度
カバード・
証券化 合計
ボンド
範囲
34,120 1,195 35,315
エンティティへの関与(貸借対照表価額/規模
10% 4% 10%
(%))
持分/投資の貸借対照表価額:
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(注
208 - 208
記4)
売却可能金融資産(注記7) 2,416 - 2,416
682 50 732
貸付金および前渡金(注記9)
貸借対照表価額合計 3,306 50 3,356
最大エクスポージャー 3,306 50 3,356
貸借対照表価額の最大エクスポージャーに対する比率 1 1 1
種類別の収益金額:
ファンドのリターン 該当なし 該当なし
管理報酬 該当なし 該当なし
受取利息 11 10 21
1 (2) (1)
売却損益
収益合計 12 8 20
報告期間中の投資に係る損失:
株主資本を通じた損失 - - -
5 - 5
純損益を通じた損失
損失合計 5 - 5
ストラクチャード・エンティティを通じた非連結の証券化およびカバード・ボンド・プログラムへの関与
BNG銀行は、非連結ストラクチャード・エンティティを通じた追加保証でカバーされた証券化利付有価証券に対する投資を
有している。モーゲージ・ポートフォリオが証券化およびカバード・ボンドの担保となる。BNG銀行を含む投資家が投資した
ファンドは、原資産であるモーゲージの資金調達源となる。ストラクチャード・エンティティは、投資管理および関連した資
金移動以外の活動を行わない独立の事業体である。利付有価証券の投資家としてのその持分以外に、BNG銀行は、これらのスト
ラクチャード・エンティティへの融資もしくはいかなる他の方法での支援も行っておらず、近い将来その意図もない。BNG銀行
は、いかなる資産もこれらのストラクチャード・エンティティに譲渡していない。
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ハーグ、2019年3月15日
執行取締役会
G.J. Salden、会長
O.J. Labe
J.C. Reichardt
監督取締役会
M. Sint、会長
J.J. Nooitgedagt、副会長(兼秘書役)
C.J. Beuving
T.J.F.M. Bovens
J.B.S. Conijn
M.E.R. van Elst
J. Kriens
J.C.M. van Rutte
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個別貸借対照表
(単位:百万ユーロ)
2018年12月31日 2018年1月1日 2017年12月31日
現在 現在 現在
注記 (IFRS第9号) (IFRS第9号) (IAS第39号)
資産
現金および中央銀行残高 1 1,587 2,996 2,996
銀行預入金 2 82 12 105
差入現金担保 3 12,043 13,892 13,892
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 ▶ 1,606 1,628 2,006
デリバティブ 5 8,390 8,978 8,982
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
6 9,648 10,794 -
金融資産
売却可能金融資産 7 - 14,110
償却原価で測定される利付有価証券 8 7,406 5,134 -
貸付金および前渡金 9 85,002 84,611 85,979
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に
10 11,566 11,685 11,813
対する価値調整
関連会社および共同支配企業 11 59 60 60
有形固定資産 12 17 17 17
未収還付税金 19 8 - -
その他の資産 13 79 19 19
- 30 30
売却目的保有資産 14
資産合計 137,493 139,856 140,009
負債
銀行借入金 15 2,383 2,079 2,079
受入現金担保 16 419 369 369
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 17 762 944 944
デリバティブ 18 19,223 21,870 21,870
負債証券 20 103,722 104,323 104,127
受託資金 21 5,786 5,410 5,406
劣後債務 22 32 31 31
未払税金 19 - 16 15
繰延税金負債 19 99 83 173
76 44 42
その他の負債 23
負債合計
132,502 135,169 135,056
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有価証券報告書
2018年12月31日 2018年1月1日 2017年12月31日
現在 現在 現在
注記 (IFRS第9号) (IFRS第9号) (IAS第39号)
株主資本
資本金 139 139 139
資本準備金 6 6 6
法定準備金
-再評価剰余金 125 189 259
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金 10 19 193
-公正価値変動準備金 83 92 104
その他の剰余金 3,327 3,478 3,117
自己信用調整 9 9 9
ヘッジコスト準備金 222 22 -
337 - 393
当期純利益
株主に帰属する持分 24
4,258 3,954 4,220
733 733 733
ハイブリッド資本 24
株主資本合計 24 4,991 4,687 4,953
負債および株主資本合計 137,493 139,856 140,009
参照番号は個別財務書類に対する注記を示している。個別財務書類に対する注記は、個別財務書類の不可欠な一部である。
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個別損益計算書
(単位:百万ユーロ)
2018年度 2017年度
注記
-実効金利法を用いて計算した受取利息
5,151 5,404
566 499
-その他の受取利息
受取利息合計
5,717 5,903
-実効金利法を用いて計算した支払利息 5,177 5,316
-その他の支払利息 107 153
支払利息合計
5,284 5,469
利息損益 25 433 434
-受取手数料 30 26
2 3
-支払手数料
手数料損益 26 28 23
金融取引損益 27 112 180
参加持分による損益 28 1 7
- -
売却目的保有資産の売却損益 29
収益合計 574 644
人件費 30 39 42
その他の一般管理費 31 32 25
3 2
減価償却費 32
営業費用合計 74 69
金融資産の減損損失純額 33 (2) (4)
関連会社および共同支配企業の減損損失純額 0 -
破綻処理基金への拠出 34 12 9
31 36
銀行税 34
その他の費用合計 41 41
税引前当期利益 459 534
法人所得税費用 (122) (141)
当期純利益 337 393
-うちハイブリッド資本所有者に帰属 19 18
318 375
-うち株主に帰属
参照番号は個別財務書類に対する注記を示している。個別財務書類に対する注記は、個別財務書類の不可欠な一部である。
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BNG銀行N.V.(E06075)
有価証券報告書
個別包括利益計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
2018年度 2017年度
当期純利益
337 393
株主資本で直接認識される組替調整される損益
-キャッシュフロー・ヘッジ準備金の変動:
-未実現価額の変動 (9) 232
0 (42)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
(9) 190
-ヘッジコスト準備金の変動
-未実現価額の変動 195 -
5 -
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
200 -
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定
される金融資産に係る再評価剰余金の変動
-未実現価額の変動 (36) -
-純損益に振り替えられた実現価額の変動 (28) -
-純損益を通じて認識された減損 0 -
0 -
-純損益を通じて戻し入れられた減損
(64) -
-売却可能金融資産に係る再評価剰余金の変動
-未実現価額の変動 - 55
- (47)
-純損益に振り替えられた実現価額の変動
- 8
組替調整される損益合計 127 198
株主資本で直接認識される組替調整されない損益
(税引後):
-FVTPLで測定するものとして指定された金融負
債の信用リスクの変動に起因する公正価値の変 0 (15)
動
0 0
-数理上の損益の変動
組替調整されない損益合計
0 (15)
株主資本で直接認識される損益 127 183
合計 464 576
-うちハイブリッド資本所有者に帰属 19 18
445 558
-うち株主に帰属
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有価証券報告書
個別キャッシュフロー計算書
(単位:百万ユーロ)
2018年度 2017年度
営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期利益 459 534
調整:
-減価償却費 3 2
-減損 (2) (4)
-純損益を通じて測定される未実現損益 (76) (133)
営業資産および負債の変動:
-銀行預入金および借入金(要求払以外)の変動 3 521
-差入現金担保および受入現金担保の変動 1,908 (3,736)
-レポ取引およびリバースレポ取引の変動 (1) -
-貸付金および前渡金の変動 (178) 1,218
-受託資金の変動 280 (1,773)
-デリバティブの変動 1,323 (843)
-支払法人税 (140) (156)
(323) (221)
-営業活動によるその他の変動
営業活動によるキャッシュフロー純額 3,256 (4,591)
投資活動によるキャッシュフロー
投資および取得:
-売却可能金融資産 - (3,560)
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 (162) -
-償却原価で測定される利付有価証券 (2,796) -
-関連会社および共同支配企業に対する投資 - 0
-有形固定資産 (3) (3)
処分および償還:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 23 287
-売却可能金融資産 - 4,980
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 1,085 -
-償却原価で測定される利付有価証券 503 -
29 -
-売却目的保有資産
投資活動によるキャッシュフロー純額 (1,321) 1,704
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2018年度 2017年度
財務活動によるキャッシュフロー
受取額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 - 11
-負債証券 313,242 222,828
支払額:
-純損益を通じて公正価値で測定される金融負債 (185) (183)
-負債証券 (316,234) (223,076)
-劣後債務 0 (1)
-ハイブリッド資本に係る配当金 (25) (23)
(141) (91)
-株主に対する配当金
財務活動によるキャッシュフロー純額 (3,343) (535)
現金および現金同等物の純変動 (1,408) (3,422)
1月1日現在の現金および現金同等物 2,999 6,421
12月31日現在の現金および現金同等物 1,591 2,999
12月31日現在の現金および現金同等物:
-現金および中央銀行残高 1,587 2,996
-銀行預入金項目における現金同等物 ▶ 3
0 0
-銀行借入金項目における現金同等物
1,591 2,999
営業活動によるキャッシュフローに対する注記
受取利息額 5,582 5,733
(5,241) (5,430)
支払利息額
341 303
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個別株主資本変動計算書
(単位:百万ユーロ)
以下の計算書の数値はすべて税引後である。
キャッ
公正
シュフ
価値 自己
ロー・ ヘッジ その他 株主に ハイブ
資本 変動 信用
再評価 ヘッジ コスト の剰余 未処分 帰属す リッド
資本金 準備金 剰余金 準備金 準備金 調整 準備金 金 利益 る持分 資本 合計
2017年1月1日
139 6 251 3 95 24 2,866 369 3,753 733 4,486
現在の残高
当期純利益 393 393 393
OCAの変動 (15) (15) (15)
未実現損益 8 190 198 198
包括利益合計 8 190 (15) 393 576 576
公正価値変動
9 (9) - -
準備金への振替
株主に対する
(91) (91) (91)
配当金
ハイブリッド資本
所有者に対する (18) (18) (18)
配当金
前年度利益処分額 369 (369) - -
2017年12月31日
139 6 259 193 104 9 - 3,117 393 4,220 733 4,953
現在の残高
IFRS第9号の影響 (70) (174) (12) 22 (32) (266) (266)
前年度利益処分額 393 (393) - -
2018年1月1日
139 6 189 19 92 9 22 3,478 0 3,954 733 4,687
現在の残高
包括利益合計 (64) (9) 0 200 - 337 464 464
公正価値変動
(9) 9 - -
準備金への振替
株主に対する
(141) (141) (141)
配当金
ハイブリッド
資本所有者に (19) (19) (19)
対する配当金
2018年12月31日
139 6 125 10 83 9 222 3,327 337 4,258 733 4,991
現在の残高
BNG銀行は、個別株主資本のうち少数株主持分により第三者に帰属する損益を認識していない。ハイブリッド資本を除く株主
資本全体は、株主に帰属している。
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個別財務書類の会計原則
個別財務書類は、国際会計基準審議会(IASB)により発行され欧州連合(EU)全域で採用されている国際財務報告基準
(IFRS)およびオランダ民法典第2編第9章に準拠して作成される。財務会計原則に関しては、以下に記載の会計原則を除き、
連結財務書類の会計原則に対する注記を参照している。
参加持分
貸借対照表項目の参加持分は、持分法で計上される。
公正価値変動法定準備金
オランダ民法典第2編第390条第1項に準拠して、自己資本保護の目的で、通常の市場での取引価格が存在しない貸借対照表の
資産として計上される金融商品の公正価値増加に関して、自由に分配可能な剰余金(その他の剰余金)または自由に分配可能
な利益(未処分利益)の負担によって、法定準備金を維持することが要求される。
外貨
個別財務書類は、別途の記載のない限り、ユーロ(単位:百万ユーロ)で作成される。ユーロは、BNG銀行の機能通貨および
報告通貨として使用される。
比較数値の会計原則および表示の変更
比較数値は修正再表示されていないため、分類および測定、ヘッジ会計ならびに減損に関するIFRS第9号の適用は、2017年度
の比較数値に影響を与えていない。IFRS第9号の移行規則は、過去の期間への遡及適用を求めていない。しかし、IFRS第9号に
よってIAS第1号第82項(a)には修正が加えられ、これに基づき、実効金利法を用いて計算した受取利息は、損益計算書上で個別
表示することが義務付けられる。IFRS解釈指針委員会は、この個別表示項目は、償却原価またはその他の包括利益を通じて公
正価値で測定される金融資産の利息にのみ使用できる(指定されたヘッジ関係に含まれるデリバティブに対するヘッジ会計適
用の影響を受ける)と結論付けたアジェンダ決定を公表した。この修正に伴い、受取利息と支払利息の両方が、損益計算書上
で個別の項目である「実効金利法を用いて計算した受取利息(または支払利息)」と「その他の受取利息(または支払利
息)」に区分表示されている。利息損益の詳細な内訳は、注記25に表示されている。2017年度の利息損益の比較数値も変更さ
れている。
BNG銀行はまた、現金担保のポジションに関する貸借対照表の表示の変更も行った。2018年度年次報告書において、「差入現
金担保」(資産)と「受入現金担保」(負債)が、貸借対照表上で個別の項目となった。2017年度年次報告書では、差入現金
担保は「銀行預入金」に、一方で受入現金担保は「銀行借入金」および「受託資金」に計上されていた。この変更により、以
下の2017年12月31日現在の貸借対照表金額の変更が生じた。
2017年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
2017年度 2018年度
年次報告書 増減 年次報告書
銀行預入金
13,997 (13,892) 105
差入現金担保 13,892 13,892
銀行借入金 2,393 (314) 2,079
受託資金 5,461 (55) 5,406
369 369
受入現金担保
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個別財務書類に対する注記
(単位:百万ユーロ)
連結財務書類に対する注記38には、満期までの残存契約期間別の貸借対
照表価額の内訳(要求払および要求払でないもの)が含まれている。
1 現金および中央銀行残高
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
手許現金
0 0
1,587 2,996
中央銀行当座預金残高(要求払)
合計 1,587 2,996
2 銀行預入金
「銀行預入金」の項目は、償却原価で測定される銀行に対するすべて
の債権を含む。2017年度(IAS第39号)には、この貸借対照表項目は、
銀行が発行した利付有価証券を含んでいたが、これは売却可能から償
却原価測定へ再分類された。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高
▶ 3
長期貸付 78 9
- 93
売却可能から再分類された利付有価証券
合計 82 105
注記36は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要を
表示している。
3 差入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者に差し入れられてお
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
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有価証券報告書
4 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は以下を含む。
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産(IFRS第9号
のみ)。これは、SPPIテストを満たさなかった金融資産に関連して
いる。
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資
産。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
強制的にFVTPLで測定
貸付金および前渡金 136 -
FVTPLで測定するものとして指定
貸付金および前渡金 523 842
947 1,164
利付有価証券
合計 1,606 2,006
2018年度末の貸付金および前渡金ならびに利付有価証券の償還合計額
は1,114百万ユーロ(2017年度:1,463百万ユーロ)である。注記27
は、純損益を通じて認識される公正価値の変動を表している。
5 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバティ
ブの正の公正価値を含む。注記27は、純損益を通じて認識される公正
価値の変動を表している。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
289 273
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,853 3,795
5,248 4,914
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
合計 8,390 8,982
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6 その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
本項目は、「回収および売却のために保有」するビジネスモデルにおい
て保有され、BNG銀行が公正価値オプションを使用していない購入利付
有価証券を含む。
2018年12月31日
現在
以下が発行する利付有価証券:
政府 6,682
国際機関 542
信用機関 2,341
その他の金融機関 26
56
非金融機関
合計 9,648
認識中止を伴わない譲渡
2018年度末現在、BNG銀行は、認識中止を伴わないレポ取引に伴う金融
資産の譲渡は行っていない。
注記36は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要に加
えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年度の変動の詳細を表
示している。
7 売却可能金融資産
本項目は、購入した固定および変動利付債券ならびにその他の利付有価
証券および資本性金融商品を含む。
2017年12月31日
現在
以下が発行する利付有価証券:
政府 7,597
国際機関 730
信用機関 2,259
その他の金融機関 2,545
非金融機関 979
0
参加持分に対する投資
合計 14,110
認識中止を伴わない譲渡
2017年度末現在、BNG銀行は、認識中止を伴わないレポ取引に伴う金融
資産の譲渡は行っていない。
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8 償却原価で測定される利付有価証券
本項目は、「回収のために保有」するビジネスモデルにおいて保有さ
れ、BNG銀行が公正価値オプションを使用していない購入利付有価証券
を含む。
2018年12月31日
現在
以下が発行する利付有価証券:
政府 1,464
信用機関 21
その他の金融機関 4,951
非金融機関 977
(7)
予想信用損失引当金
合計 7,406
注記36は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要に加
えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年度の変動の詳細を表
示している。
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9 貸付金および前渡金
IFRS第9号(2018年度):
貸付金および前渡金の項目には、SPPIテストを満たす顧客に対する短
期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。す
べてのポジションは、「回収のために保有」するビジネスモデルにお
いて保有される。
IAS第39号(2017年度):
貸付金および前渡金の項目には、償却原価で測定される顧客に対する
短期および長期の貸付金、ならびに顧客による当座借越が含まれる。
加えて、この貸借対照表項目は、活発な市場がない利付有価証券(銀
行以外の発行体)を含んでいるが、これには2008年度に売却可能から
償却原価測定へ再分類されたものも含まれている。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
短期貸付金および当座預金残高
4,329 4,660
長期貸付 80,719 79,858
利付有価証券 - 662
再分類された売却可能取引 - 831
85,048 86,011
予想信用損失引当金(IFRS第9号) (46) -
- (32)
損失引当金(IAS第39号)
合計 85,002 85,979
注記36は、減損対象の金融資産の減損のステージごとの内訳の概要に
加えて、予想信用損失引当金(IFRS第9号)の2018年度の変動の詳細を
表示している。
損失引当金(IAS第39号)32百万ユーロは、個別引当金18百万ユーロお
よび一括引当金(IBNI)14百万ユーロで構成される。
2017年度
損失引当金の変動:
期首残高 (38)
期中繰入額 (3)
期中取崩額 ▶
5
期中戻入額
期末残高 (32)
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10 ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金および前渡金のヘッジ
対象金利リスクの有効部分の価値調整を指す。
2018年度 2017年度
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用する貸付金に対する価値調整の変動
期首残高 11,813 14,894
IAS第39号に基づく「売却可能」から「償却原価」への金融資産の再分
(128) -
類による除外
未実現部分の期中変動 846 (2,120)
期中償却 (834) (860)
(131) (101)
売却による期中実現
期末残高 11,566 11,813
11 参加持分
2018年12月31日 2017年12月31日 2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在 現在 現在
参加持分割合 貸借対照表価額
子会社
BNG Gebiedsontwikkeling BV、ハーグ
100% 100% 50 51
Hypotheekfonds voor
6 6
100% 100%
Overheidspersoneel BV、ハーグ
小計 56 57
関連会社
Dataland BV、ロッテルダム
30% 30% 0 0
Data B Mailservice BV、レーク 3 3
45% 45%
小計 3 3
合計 59 60
BNG銀行の子会社および関連会社の記載に
ついては、それぞれ年次報告書のAppendix
A(本書においては訳出省略)および「連
結財務書類のその他の注記」を参照のこ
と。関連会社の要約財務情報については、
「連結財務書類のその他の注記」を参照の
こと。
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12 有形固定資産
2018年度 2017年度 2018年度 2017年度 2018年度 2017年度
不動産 設備 合計
取得原価
1月1日現在の価値 49 49 19 17 68 66
投資 0 0 3 2 3 2
– – – – – –
処分
12月31日現在の価値
49 49 22 19 71 68
減価償却費
1月1日現在の減価償却累計額 37 36 14 13 51 49
0 1 3 1 3 2
期中の減価償却費
12月31日現在の減価償却累計額 37 37 17 14 54 51
合計 12 12 5 5 17 17
見積耐用年数
33 1/3年
建物
専用設備 15年
機械および在庫 5年
ハードウェアおよびソフトウェア 3年
13 その他の資産
その他の資産は主に、顧客への貸付に対する未収金額で構成される。
14 売却目的保有資産
2017年度末における売却目的保有資産30百万ユーロは、インフラ事業プ
ロジェクトの資金調達のためのファンドの参加持分に対する投資であ
る。この参加持分は2018年度に売却された。
15 銀行借入金
2018年度から、銀行借入金には変動証拠金および変動証拠金の利息相当
額を含む「セトル・トゥ・マーケット」(STM)デリバティブ契約に関
連する債務が独立表示項目として含まれている。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
当座預金残高 0 0
STMデリバティブ契約に関連する債務 1 -
預金 1,837 1,832
545 247
民間借入
合計 2,383 2,079
16 受入現金担保
現金担保は、ネッティング契約に基づき第三者から受け入れたものであ
り、そのため、BNG銀行が自由に使用できるものではない。
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17 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
本項目は、純損益を通じて公正価値の変動を認識する、公正価値で測定
するものとして指定された負債証券を含む。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
公募負債証券
238 715
524 229
私募負債証券
合計 762 944
2018年度末の金融負債の償還合計額は、613百万ユーロ(2017年度:765
百万ユーロ)である。注記27は、純損益を通じて認識される価値の変動
を表している。
18 デリバティブ
本貸借対照表項目は、セトル・トゥ・マーケットではないデリバティブ
の負の公正価値を含む。注記27は、純損益を通じて認識される公正価値
の変動を表している。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
ヘッジ会計を適用しないデリバティブ
819 1,001
ポートフォリオ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ 15,586 16,598
2,818 4,271
ミクロ・ヘッジ会計を適用するデリバティブ
合計 19,223 21,870
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19 税金
BNG銀行は、従業員給付引当金に係る数理上の損益、株主資本を通じて
公正価値で測定される金融資産に係る再評価剰余金、自己信用調整、ハ
イブリッド資本およびキャッシュフロー・ヘッジ準備金について繰延税
金負債を認識しており、これらはすべて株主資本において直接変動す
る。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
未収還付税金
8 -
未払税金 - (15)
(99) (173)
繰延税金負債
合計 (91) (188)
BNG銀行およびオランダ税務当局は、IFRS第9号に従って、2018年度から
2020年度までの期間の相対契約(「vaststellingsovereenkomst」)を
2018年度に締結した。この相対契約は、BNG銀行の納税グループ全体に
適用される。この契約により、「純損益を通じて公正価値で測定される
金融資産」に分類される取引を除く全金融商品は、会計上も税務上も
IFRSの評価原則により計上される。税務上、このカテゴリーにおけるす
べての取引は、原価または市場価値のいずれか低い方で評価される。貸
借対照表上で未実現損失が発生した場合、税務上の損益は会計上の損益
と異なる。再評価剰余金が増加すると、原価の水準を超えない範囲で当
該増加額が税務上の年間利益に追加される。
実効税率と表面税率の調整は以下のとおりである。
2018年度 2017年度
税引前当期利益 459 534
表面税率で課された税金 114 (133)
過年度税金調整 0 0
参加持分免除 0 1
課税対象でないBNG Vermogensbeheerの売却による利益
0 0
8 (9)
損金不算入費用(銀行税)
個別損益計算書の実効税金 122 (141)
表面税率
25.0% 25.0%
26.7% 26.4%
実効税率
2020年度および2021年度に表面税率の変更が見込まれることから、繰延
税金はこれらの表面税率に基づいている。
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2018年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
期首貸借対照表の財務処理 0 - - 0
売却可能金融資産 (102) 102 - -
その他の包括利益を通じて公正価値で測定さ
- (32) - (32)
れる金融資産
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (65) 3 - (62)
自己信用調整 (3) 1 - (2)
ハイブリッド資本 (4) 0 (4)
1 - 0 1
従業員給付引当金
合計 (173) 74 0 (99)
2017年度
株主資本を 純損益を
期首残高 期末残高
通じた変動 通じた変動
繰延税金の変動
期首貸借対照表の財務処理 0 - - 0
売却可能金融資産 (104) 2 - (102)
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 (2) (63) - (65)
自己信用調整 (8) 5 - (3)
ハイブリッド資本 (3) (1) (4)
1 - 0 1
従業員給付引当金
合計 (116) (57) 0 (173)
20 負債証券
本項目は、固定または変動金利の債券およびその他の発行済負債証券を
含む。発行に際しては、未売却債券は関連する債券から控除される。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
ボンド・ローン
89,531 89,896
コマーシャル・ペーパー 5,323 9,203
8,869 5,028
私募負債証券
合計 103,722 104,127
21 受託資金
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
当座預金
2,193 1,857
短期預金 91 0
3,502 3,549
長期預金
合計 5,786 5,406
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22 劣後債務
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
劣後債務 32 31
合計 32 31
23 その他の負債
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
従業員給付引当金
2 2
74 40
その他の負債
合計 76 42
従業員給付引当金は、在職中および退職従業員の両方に付与される
モーゲージ・ローンの金利割引に関する引当金および長期有給休暇引
当金の2つの部分で構成される。当該引当金は長期的なものである。
モーゲージ・ローンの金利割引に関する確定給付および長期有給休暇
引当金に関係する負債純額の現在価値の変動は以下のとおりである。
2018年度 2017年度
従業員給付引当金
1月1日現在の負債純額 2 3
0 (1)
引当金の変動
12月31日現在の負債純額 2 2
その他の負債は主に、デリバティブおよび顧客への貸付に関連する支
払債務で構成される。
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24 株主資本
BNG銀行は少数株主持分を有していないため、ハイブリッド資本を除
く、個別株主資本全体が株主に帰属する。以下に、個別株主資本の各
項目に関する説明を記載する。
2018年12月31日 2017年12月31日
現在 現在
資本金
139 139
資本準備金 6 6
再評価剰余金
-売却可能金融資産 – 259
125 –
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
125 259
キャッシュフロー・ヘッジ準備金 10 193
自己信用調整 9 9
ヘッジコスト準備金 222
公正価値変動準備金 83 104
その他の剰余金 3,327 3,117
337 393
未処分利益
株主に帰属する持分 4,258 4,220
ハイブリッド資本 733 733
合計 4,991 4,953
資本金
授権資本は、各額面金額2.50ユーロの株式1億株から構成され、その
うち55,690,720株が発行済かつ全額払込済である。流通している株
式数には当該年度において変動はなかった。払込が全額完了してい
ない発行済株式はない。BNG銀行およびその子会社は当行株式を保有
していない。株式には優先権はなく、制限を受けることもない。株
式発行を受ける権利を得るために行使されうるオプションはない。
資本準備金
2018年度および2017年度において、変動はなかった。
法定準備金
BNG銀行の法定準備金は、再評価剰余金、キャッシュフロー・ヘッジ
準備金および公正価値変動準備金で構成される。
再評価剰余金
2018年度末現在、再評価剰余金は、未実現価額の変動292百万ユーロ
を含む。ただし、ヘッジ会計を適用する利付有価証券の金利リスク
のヘッジされた部分の価値は除かれ、これは「その他の包括利益を
通じて公正価値で測定される金融資産」項目で認識される。再評価
剰余金は税額調整されている。当該資産が売却される場合、株主資
本で認識される関連累積損益は損益計算書に振り替えられる。
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自己信用調整
税引後で9百万ユーロ(2017年度:9百万ユーロ)の自己信用調整。
当該調整は純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の信用リ
スクの変動に関連する。
キャッシュフロー・ヘッジ準備金
為替レートの変動に伴う、キャッシュフロー・ヘッジ関係に含まれ
るデリバティブの未実現の価値変動の有効部分は、キャッシュフ
ロー・ヘッジ準備金で認識される。キャッシュフロー・ヘッジ準備
金は税額調整される。
ヘッジコスト準備金
ヘッジコスト準備金には、ヘッジ会計を適用するクロスカレン
シー・スワップの外貨ベーシス・スプレッドの変動が計上され、当
該準備金はヘッジ期間にわたって償却される。累積変動額は、ヘッ
ジ手段の満期までにはゼロまで減少する。
公正価値変動準備金
この準備金は、通常の市場での取引価格が存在しない貸借対照表の
資産として計上される金融商品の公正価値と償却原価との間の正の
差異に関係する。この法定準備金は、自由に分配可能な剰余金(そ
の他の剰余金)または自由に分配可能な利益(未処分利益)の負担
によって、自己資本保護の目的で維持される。
その他の剰余金
定款規定の分配可能利益処分につき決定した後、株主総会において
剰余金に充当される残りの利益の部分を定める。2018年度、141百万
ユーロの配当(2017年度:91百万ユーロ)がBNG銀行の株主に支払わ
れ、「その他の剰余金」が減額された。2018年度、25百万ユーロ
(2017年度:24百万ユーロ)(税引前)がハイブリッド資本所有者
に支払われ、「その他の剰余金」が減額された。「その他の剰余
金」にはハイブリッド資本に係る資本準備金の合計0.1百万ユーロ
(2017年度:0.1百万ユーロ)が含まれている。
未処分利益
貸借対照表は利益処分前に作成される。本項目は、法人税控除後の
損益合計を示す。
ハイブリッド資本
BNG銀行のハイブリッド資本は733百万ユーロである。2018年度にお
いてハイブリッド資本は追加発行されなかった。ハイブリッド資本
は、元本残高に対する年1回の非累積型の利息を裁量的に支払う永久
ローンに関係し、CET1比率が5.125%を下回った場合に強制的な償却
の対象となる。IFRSに基づき当該支払いは配当として認められてお
り、「その他の剰余金」に計上される。この配当金の法人税上の損
金算入は、2018年12月31日で終了した。
本商品は、CRR要件およびEBA指針に沿って組成されており、その他
Tier1資本として認められている。BNG銀行は、当該永久資本性金融
商品を6回目の利払日(2021年および2022年5月)およびその後毎年
の利払日に早期返済する片務的契約上のオプションを有している。
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25 利息損益
「実効金利法を用いて計算した受取利息」は、金融負債に係るマイナ
スの支払利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用する場
合のデリバティブから生じるすべてのプラスの利息損益を含む。ま
た、その他の信用関連受取収益も本項目に含まれる。減損対象の資産
に係る受取利息は、予定される金利キャッシュフローが受領される限
り、当初の実効金利で認識される。
「実効金利法を用いて計算した支払利息」は、金融資産に係るマイナ
スの受取利息を含め、通常の金融商品およびヘッジ会計を適用するデ
リバティブから生じるすべてのマイナスの利息損益を含む。借入費用
およびその他の利息関連費用も認識される。
その他の受取利息および支払利息は、主にヘッジ会計を適用しないデ
リバティブならびに公正価値で測定される金融資産および金融負債の
利息損益で構成される。
2018年度 2017年度
受取利息
実効金利法を用いて計算した受取利息:
-償却原価で測定される金融資産 2,252 2,323
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産 183
-売却可能金融資産 244
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,673 2,798
44 39
-金融負債に係るマイナスの支払利息
5,152 5,404
その他の受取利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融資産 46 55
-強制的に純損益を通じて公正価値で測定される金融資産 3
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 516 427
– 17
-その他
565 499
受取利息合計 5,717 5,903
支払利息
実効金利法を用いて計算した支払利息:
-償却原価で測定される金融負債 2,368 2,227
-ヘッジ会計を適用するデリバティブ 2,705 3,003
104 86
-金融資産に係るマイナスの支払利息
5,177 5,316
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2018年度 2017年度
その他の支払利息:
-純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された金融負債 64 41
-ヘッジ会計を適用しないデリバティブ 36 57
7 55
-その他
107 153
支払利息合計 5,284 5,469
利息損益合計 433 434
2018年度の受取利息には、「償却原価で測定される金融資産」(注記8
および9)および「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金
融資産」(注記6)に関連する金融資産に係る受取利息1百万ユーロ
(2017年度:4百万ユーロ)が含まれており、これらは減損の対象であ
る。
26 手数料損益
受取手数料
これは、第三者に提供したサービスによる収入を含む。
2018年度 2017年度
貸付および信用供与による収入
21 16
9 10
決済サービスによる収入
合計 30 26
支払手数料
本項目は、貸付金および前渡金、信用供与および決済サービスに関連し
て第三者の行ったサービスに関連する合計2百万ユーロ(2017年度:3百
万ユーロ)の費用から成る。
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27 金融取引損益
本項目は、実現および未実現の市場価値調整に分類した金融取引に係
る損益を含む。
2018年度 2017年度
信用スプレッドおよび流動性スプレッドの変動に起因する、純損益を
通じて公正価値で測定する以下の金融資産の市場価値変動:
-利付有価証券 11 42
(2) 2
-ストラクチャード・ローン
9 44
ヘッジ会計による損益
-ポートフォリオ公正価値ヘッジ会計 18 48
-ミクロ公正価値ヘッジ会計 (2) (24)
(2) (3)
-ミクロ・キャッシュフロー・ヘッジ会計
14 21
デリバティブに係る取引先信用リスクの変動(CVA/DVA) 12 37
売却および買取りによる実現損益 36 52
40 26
その他の市場価値変動
合計 112 180
2018年度も、金融取引損益は、実現損益および未実現損益からプラス
の影響を受けた。36百万ユーロの実現損益は、主に流動性ポートフォ
リオからの利付有価証券の売却による。未実現損益は76百万ユーロと
なった。「純損益を通じて公正価値で測定される金融資産」に計上さ
れた大部分の利付有価証券の信用リスクスプレッドおよび流動性リス
クスプレッドの減少により12百万ユーロのプラスの結果となった。未
実現損益も、デリバティブに係る取引先信用リスクの低下、ヘッジ会
計の損益およびその他の市場価値の変動によりプラスの影響を受け
た。「その他の市場価値の変動」は、ヘッジ会計を適用しないデリバ
ティブの米ドル/ユーロおよびユーロ/英ポンドのクロスカレン
シー・ベーシス・スプレッド変動の影響も含む。
28 参加持分による損益
2018年度 2017年度
関連会社
0 1
(1) 6
子会社
合計 (1) 7
子会社および関連会社の記載については、それぞれ年次報告書の
Appendix A(本書においては訳出省略)および「連結財務書類のその
他の注記」を参照のこと。
29 売却目的保有資産の売却損益
2017年度末において売却目的保有である参加持分に対する投資は、イ
ンフラ事業プロジェクトの資金調達のためのファンドに対する持分投
資である。この投資は、2018年度に売却された。貸借対照表価額(再
評価剰余金で認識される額を含む。)と売却手取金との差異が、損益
計算書において本項目に帰属した。
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30 人件費
2018年度 2017年度
給与
26 25
年金費用 ▶ 3
社会保障費 3 2
従業員給付引当金の繰入額 – –
6 11
その他の人件費
合計 39 42
31 その他の一般管理費
これらの費用は、特に、外部委託費、有形固定資産の維持費、印刷
費、研修費および宣伝費を含む。2018年度のその他の一般管理費合計
は32百万ユーロ(2017年度:25百万ユーロ)であった。
32 減価償却費
本項目の内訳は、「有形固定資産」に関する注記(注記9)に含まれ
る。合計で、2018年度の減価償却費は3百万ユーロ(2017年度:2百万
ユーロ)であった。
33 減損
2018年度の減損額は2百万ユーロのマイナス(2017年度:4百万ユーロ
のマイナス)であった。マイナスの減損損失は、損益計算書において
損益のプラス要因となっている。
2018年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
引当金の変動による減損損益:
-組成および取得による引当金の増加 ▶ 8 0 12
-認識中止による引当金の減少 (3) (9) (4) (16)
0 ▶ (1) 3
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
1 3 (5) (1)
引当金の変動によらない減損損益:
-過去の償却から受け取ったキャッシュフローによる減
0 0
損戻し
(1) (1)
-償却による減損
- - (1) (1)
金融資産の減損損益純額 1 3 (6) (2)
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IFRS第9号に基づく予想信用損失引当金の変動
2018年度
ステージ1 ステージ2 ステージ3 合計
純損益を通じた引当金の変動:
-組成および取得による引当金の増加 ▶ 8 0 12
-認識中止による引当金の減少 (3) (9) (4) (16)
0 ▶ (1) 3
-信用リスクの変動による引当金の変動(純額)
1 3 (5) (1)
純損益を通じない引当金の変動:
(8) (8)
-償却による引当金の減少
- - (8) (8)
引当金の変動合計 1 3 (13) (9)
IAS第39号に基づく信用損失引当金の変動
2017年度
損失引当金の繰入額
3
損失引当金の取崩額 (4)
(3)
再分類された売却可能金融資産の減損の戻入れ
合計 (4)
損失引当金の変動は、「貸付金および前渡金」項目(注記9)に含まれ
ている。
34 破綻処理基金への拠出および銀行税
本項目の内訳については、連結財務書類の注記36を参照のこと。
35 独立監査人の報酬
(単位:千ユーロ、VATを含む)
以下の監査報酬が損益計算書において報告された。
2018年度 2017年度
財務書類の監査
309 309
その他の監査業務 285 397
税務業務 – –
9 7
その他の非監査業務
合計 603 713
上 記 の 報 酬 は 、 監 査 法 人 監 督 法 ( 「 Wet toezicht
accountantsorganisaties Wta」)第1条第1項に規定されている、
会計事務所および独立外部監査人がBNG銀行およびその連結グループ
事業体に対して適用する手続きに関係する。BNG銀行の場合、外国を
拠点とする会計事務所を利用していないため、これはオランダを拠点
とする会計事務所(その税務業務およびアドバイザリーグループを含
むPwCオランダ会計事務所(「PwC NL」))にのみ適用される。監査
報酬は、作業が当該事業年度中に行われたか否かにかかわらず、2018
年度の財務書類監査に関係する。
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独立監査人が財務書類監査の他に提供した業務の要約
BNG銀行の独立監査人であるPwC NLは、BNG銀行の法定監査に係る期間
において、法定財務書類監査の他に、BNG銀行およびその被支配企業に
対して以下の業務を提供した。
法律または規制上の要件により求められるその他の監査業務
-被支配企業の法定監査
-中間財務書類のレビュー
-オランダ中央銀行に対する規制上の申告書の監査
-オランダ中央銀行に対する信用債権の保証業務
その他の監査業務
-持続可能性報告書の保証業務
-債券発行目論見書の年次更新および債券発行プログラムに基づく発
行に関するコンフォートレター
-単一破綻処理委員会向けの財務情報に対する合意された手続き
その他の非監査業務
-単一破綻処理委員会向けの財務情報に対する合意された手続き
-経営陣の変動報酬の決定に用いられる経営陣の情報に関して監督取
締役会の依頼により実施した合意された手続き
36 金融資産およびオフバランスシート契約の減損
金融資産およびオフバランスシート契約の減損のステージ別内訳
以下の表は、減損の対象となる金融資産およびオフバランスシート契
約の3つの減損のステージ別内訳を示している。
ステージ1 当初認識以降、信用リスクの著しい増大がない正常債権
エクスポージャー
ステージ2 当初認識以降に、信用リスクの著しい増大があった正常
債権エクスポージャー(信用減損なし)
ステージ3 不良債権エクスポージャー(信用減損あり)
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2018年12月31日現在
帳簿価額総額 信用損失引当金
帳簿価額 正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
減損対象の金融資産
現金および中央銀行残高 1,587 1,587
銀行預入金 82 82 0 0 0
差入現金担保 12,043 12,043
OCIを通じて公正価値で測定され
9,648 9,595 53 0 (1)
る金融資産*
償却原価で測定される利付有価
7,406 7,319 94 (1) (6)
証券
85,002 83,634 1,360 54 (4) (27) (15)
貸付金および前渡金
合計 115,768 114,260 1,507 54 (5) (34) (15)
* FVOCIで測定される金融資産に対する信用損失引当金はOCIに含まれており、(正味)帳簿価額には含まれていない。
2018年12月31日現在
額面金額 引当金
正常債権 不良債権 正常債権 不良債権
ステージ1 ステージ2 ステージ3 ステージ1 ステージ2 ステージ3
オフバランスシート契約
偶発債務 31 1 0 0
取消可能信用供与契約 6,022 35 0 0
7,504 120 (1) (1)
取消不能信用供与契約
合計 13,557 156 - (1) (1) -
予想信用損失引当金の変動
以下の表は、金融資産に係る予想信用損失引当金およびオフバランス
シート契約に係る予想信用損失引当金の変動を示している。
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2018年度
認識中止、
信用リスクの
組成および 返済および 変動による 償却による
取得による 処分による 変動 引当金の
期首残高 増加 減少 (純額) 減少 期末残高
引当金
現金および中央銀行残高 - - - - - -
銀行預入金 0 0 0 0 - 0
OCIを通じて公正価値で測定され
1 0 0 0 - 1
る金融資産
償却原価で測定される利付有価
13 2 (1) 1 (8) 7
証券
50 8 (13) 2 - 47
貸付金および前渡金
64 10 (14) 3 (8) 55
引当金
2 2 (2) 0 - 2
オフバランスシート契約
その他の注記
その他の項目の詳細については、連結財務書類の注記を参照のこと。
その他の注記については、「連結財務書類のその他の注記」と題する
項目を参照のこと。
執行取締役会および監督取締役会の報酬
執行取締役会および監督取締役会の報酬の詳細については、「連結財
務書類のその他の注記」の項目を参照のこと。
ハーグ、2019年3月15日
執行取締役会
G.J. Salden、会長(2018年1月1日任命)
O.J. Labe
J.C. Reichardt
監督取締役会
M. Sint、会長
J.J. Nooitgedagt、副会長(兼秘書役)
C.J. Beuving
T.J.F.M. Bovens
J.B.S. Conijn
M.E.R. van Elst
J. Kriens
J.C.M. van Rutte
前へ
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(6) 【その他】
当事業年度の末日後本書の提出日までに、重要な事実は発生していない。
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(7) 【発行者の属する国等の概況】
〔1〕概 要
(1) 位置、面積、地形および人口
オランダは、オランダ王国に属する国で、公的な国家統計局である中央統計局( Centraal Bureau voor
de Statistiek) によると、面積は4万1,543平方キロメートルで、そのうち3万3,671平方キロメートルは
陸地である。陸地の66%は農業に利用されており、19%には建物が建ち(交通区域を含む。)、15%は森林
を形成している。2019年3月現在の推定人口は約1,730万人で、そのうち約60%は都市部に居住している。
最大の都市は、アムステルダム(首都)、ロッテルダム、ハーグ(政府所在地)およびユトレヒトである。
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(2) 政治および外交
国家機構
オランダは、地方分権化された連合国家で、12の州と355の地方自治体から成立っている。州は、フロー
ニンゲン、フリースラント、ドレンテ、オーフェルエイセル、ヘルデルラント、ユトレヒト、フレーフォラ
ント、ノールト・ホラント、ザイト・ホラント、ゼーラント、ノールト・ブラーバントおよびリンブルフで
ある。三段階の統治レベル(国家、州および地方自治体)間の役割分担は補完性の原理に基づいており、職
務は可能な限り下位レベルに分権されている。この点において最も重要なのは地方自治体であり、地域の問
題のほとんどを考慮し、また国家政府や議会の法律を執行する。オランダは立憲世襲君主制で、また議会制
民主主義をとっている。
行政府
国家元首:ウィレム=アレクサンダー国王(2013年4月30日即位)
政府の長:首相
選挙制度:君主制は世襲である。首相は、第二院の選挙に続き、通常多数党党首または多数派連合の指導者
が国王により任命される。
注:国王、王位継承者および顧問官により構成され、内閣に対し立法および施政方針について助言を行う枢密院も存在
する。
立法府
議会( Staten Generaal )は第一院および第二院から成立っている。第一院の構成員は75名で、4年毎に
州議会( Provinciale Staten )により選出される。第一院の選挙は州議会議員の選挙後3か月以内に行われ
る。第二院の構成員は150名で、任期を4年(内閣が不信任決議を受取った場合はそれ未満)として選出さ
れる。通常、第二院の選挙は州議会の選挙の日から2年後に行われる。
内閣と第二院は法律を制定する権限を有する。第二院は法律の改正権限も有する。第一院は法律を承認ま
たは否決する権限のみを有する。
1917年以降、普通選挙制度をとっており、議員および有権者は18歳以上のオランダ国民でなくてはならな
い。
第二院の総選挙で最多議席を獲得した政党の党首は、通常、国家の首長により、組閣を要請される。内閣
の任期は第二院の任期に合わせて4年間である。
第二院の直近の総選挙は2017年3月15日に行われた。主要政党は、自由民主国民党( Volkspartij voor
Vrijheid en Democratie )(VVD)33議席、自由党( Partij Voor de Vrijheid )(PVV)20議席、キリスト
教民主同盟( Christen Democratisch Appel )(CDA)19議席、民主66党( Democraten 66 )(D66)19議席、
緑の党( GroenLinks) (GL)14議席、社会党( Socialistische Partij )(SP)14議席、労働党( Partij
van de Arbeid )(PVDA)9議席、キリスト教連盟( ChristenUnie )(CU)5議席、動物党( Partij voor
de Dieren )(PvdD)5議席、およびその他12議席である。
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現在の第三次ルッテ内閣は2017年10月26日に組閣され、VVD、CDA、D66およびCUで構成されている。首相
はマルク・ルッテ氏(VVD)である。
外交関係
オランダは28の欧州連合(EU)加盟国の一つである。オランダ政府も調印しているマーストリヒト条約
(1991年)において、加盟国は経済通貨同盟(EMU)を形成することに合意している。EMUは1999年1月1日
に発足した。その日以降、参加諸国の為替相場は取消不能の形で固定され、金融政策は、単一の金融機関で
ある欧州中央銀行制度により実施される。2002年2月末をもって、各国通貨はすべて新しい欧州通貨「ユー
ロ」に切換えられた。オランダはまた、北大西洋条約機構(NATO)および国際連合(UN)の加盟国でもあ
る。
〔2〕経 済
(1) 経済動向の概要
オランダ経済は、外国貿易に大きく依存した、繁栄した開放的な経済である。オランダはEUにおいて2番
目に大きな輸出国である。オランダ経済は安定的な労使関係、穏やかな失業率およびインフレ率、相当程度
の経常収支黒字ならびにヨーロッパにおける交通の 要衝 としての重要な役割を有することで知られる。主な
産業活動は食品加工、化学、石油精製および電気機器である。高度に機械化された農業部門の雇用は全労働
人口の3%以下であるが、同部門は食品加工産業および輸出に大きな黒字をもたらしている。オランダは
2002年1月1日に、他のEUパートナー11か国とともにユーロ通貨の流通を開始した。オランダは、ヨーロッ
パにおける外国直接投資の主要誘致先の一つであり、米国に対する四大投資国のうちの一つである。
2018 年に、オランダ経済は2.7%成長したが、これは2017年をわずかに下回った。経済成長は、主に民間消
費(2.5%増)および固定資本形成(4.3%増)によるものであった。政府部門の黒字はGDPの1.5%であっ
た。2017年の財政黒字はGDPの1.2%であった。総公的債務の対GDP比は、2017年の57%から2018年の52%に低
下した。欧州委員会の最新の予測によると、財政の見通しは引き続き明るい。2019年には、財政黒字はGDPの
1.4%、総公的債務はGDPの49%と予想される。
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(2) 最近5年間の経済の動向
(a) 国内総生産(GDP)および国民所得(NI)
(10億ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
民間消費支出 285.7 291.3 294.6 300.1 307.5
政府消費支出 166.1 165.9 168.2 170.0 172.5
総固定資本形成 118.8 153.3 142.1 150.7 157.3
在庫品変動 1.7 2.7 2.9 1.2 1.6
財貨・サービス輸出 519.1 557.4 566.7 597.1 613.3
財貨・サービス輸入(-) 442.1 506.3 496.3 520.6 535.0
国内総生産 650.7 663.5 678.0 697.5 716.1
前年比変動率(%) +1.4 +2.0 +2.2 +2.9 +2.7
国民総所得 669.9 690.5 697.9 740.1 781.7
前年比変動率(%) +0.1 +3.1 +1.1 +6.0 +5.6
資料出所:マクロボンド(マクロ経済データ、時系列の金融・財務データおよび資産配分に関するシステムおよび
データを提供する企業)
注:数値は新しいESA2010規則に従って修正されている。金額はすべて実質値(不変価格)であるが、季節調整前で
ある(ただし、名目値・季節調整前の国民総所得を除く。)。
(b) 総付加価値(付加価値税を除く。)
(10億ユーロ、名目値)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
農業・漁業 11.7 11.9 12.5 13.7 12.8
鉱業・採石業 16.7 12.6 7.9 7.5 7.4
製造業 69.6 74.5 76.9 80.3 83.9
建設業 25.9 26.2 28.2 29.3 32.6
卸売業・小売業 80.0 83.6 86.8 92.6 96.8
運輸業・倉庫業 28.6 30.7 31.0 31.5 32.4
金融業・不動産業 91.6 92.0 91.4 94.4 97.8
その他営利サービス業 135.2 142.9 149.6 156.7 167.4
非営利サービス業 145.3 146.3 150.6 154.5 160.8
合 計 604.8 620.8 634.8 660.4 691.9
資料出所:マクロボンド
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工業生産
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
指数(生産高、2015年=100) 103.6 100.0 101.4 102.5 103.2
前年比変動率 (%) -2.7 -3.4 +1.4 +1.1 +0.7
資料出所:マクロボンド
注:季節調整前の数値を使用。
(c) 主要物価指数
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
消費者物価指数(2015年=100) 99.4 100.0 100.3 101.7 103.4
前年比変動率(%) +1.0 +0.6 +0.3 +1.4 +1.7
生産者物価指数(2015年=100) 104.9 100.0 97.7 102.2 105.0
前年比変動率(%) -1.4 -4.7 -2.3 +4.6 +2.8
資料出所:マクロボンド
(d) 労働市場
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
労働力(百万人) 7.847 7.893 7.936 7.966 8.071
失業者(対労働力比率(%)) 9.0 8.6 7.3 5.9 4.8
資料出所:マクロボンド
(e) 社会保障制度
支払給付金
(10億ユーロ、名目値)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
保健 59.8 60.7 61.6 62.6 未入手
公的年金 34.9 36.6 37.5 37.6 38.7
失業および生活保護 14.8 13.8 13.5 13.3 11.6
障害者および病人 12.8 13.1 13.5 14.0 14.7
その他給付金 22.8 22.1 23.4 24.3 25.5
合 計 145.1 146.3 149.5 151.8 未入手
公的部門給付金の対国民総所得比率(%) 21.6 21.2 21.1 20.6 未入手
資料出所:中央企画局(CPB)、中央統計局(CBS)
注:民間部門年金給付金を除く。
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社会保障給付対象者
(千人)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
公的年金 3,014 3,069 3,097 3,094 3,140
失業者/生活保護対象者 752 746 752 744 645
障害者 672 670 672 673 678
病 人 293 296 313 300 318
合 計 4,731 4,781 4,834 4,811 4,781
資料出所:中央企画局(CPB)
〔3〕貿易および国際収支
(1) 貿易および国際収支の概要
2018年に、財貨の輸出は6.1%増加した一方、財貨の輸入は8.0%増加した。財貨の輸出全体に占めるEU加
盟国向けの割合は、約0.5パーセンテージ・ポイント減少し70.9%となった。これらの国からの輸入が財貨
の輸入全体に占める割合は53.5%で、2017年をわずかに下回った。
(2) 最近5年間の貿易の動向
(a) 輸出先地域別内訳
(10億ユーロ、名目値)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ヨーロッパ 341.4 324.7 329.2 359.5 377.1
うち:EU 316.9 302.5 306.6 333.6 351.7
アフリカ 14.2 14.0 11.8 12.8 16.1
アメリカ 31.4 30.8 31.3 33.3 38.9
うち:米国 19.0 18.0 17.7 19.8 23.8
アジア 43.8 46.8 48.1 58.5 53.5
うち:日本 3.3 3.5 3.3 3.7 4.2
オセアニア 2.6 2.7 2.8 3.3 3.8
未 詳 0.0 0.0 0.0 0.0 6.6
合 計 433.4 419.0 423.2 467.4 496.0
資料出所:マクロボンド
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輸入元地域別内訳
(10億ユーロ、名目値)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
ヨーロッパ 238.6 233.7 233.2 255.9 276.7
うち:EU 198.4 200.5 200.3 221.8 236.2
アフリカ 14.2 11.6 8.8 10.0 11.1
アメリカ 43.4 43.5 44.3 45.0 48.8
うち:米国 27.3 30.1 30.3 30.9 33.8
アジア 84.7 82.0 84.0 95.9 99.5
うち:日本 8.3 7.1 7.0 7.7 7.8
オセアニア 1.6 1.4 1.6 2.0 2.2
未 詳 0.0 0.0 0.3 0.1 3.3
合 計 382.4 372.2 372.7 408.9 441.6
資料出所:マクロボンド
(b) 輸出品目別内訳(SITCコード)
(10億ユーロ、名目値)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
食料品 56.0 56.5 59.3 62.8 63.3
飲料・煙草 6.5 5.6 6.0 6.1 5.7
原材料 20.1 19.7 20.0 21.7 22.4
エネルギー製品 73.3 56.9 50.5 60.4 68.5
石 油 3.6 3.5 3.8 4.3 3.7
化学工業品 76.0 74.5 73.9 81.5 86.9
工業製品 37.7 37.2 38.3 41.7 42.7
機械・輸送車両 115.2 117.1 121.4 132.1 142.1
その他の製品 45.0 48.0 50.1 57.0 60.7
合 計 433.4 419.0 423.2 467.4 496.0
資料出所:マクロボンド
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輸入品目別内訳(SITCコード)
(10億ユーロ、名目値)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
食料品 35.8 38.0 39.0 41.4 42.3
飲料・煙草 3.7 3.9 4.0 4.0 3.9
原材料 13.4 13.7 13.2 15.0 15.8
エネルギー製品 83.5 64.2 54.8 66.6 79.8
石 油 4.1 4.0 4.2 5.1 4.6
化学工業品 51.6 48.8 48.9 52.5 54.4
工業製品 37.2 37.3 37.8 40.9 43.7
機械・輸送車両 109.3 113.0 118.3 129.3 138.1
その他の製品 43.7 49.3 48.7 54.1 59.1
合 計 382.4 372.2 372.7 408.9 441.6
資料出所:マクロボンド
(c) 国際収支
(現金主義、10億ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
貿易収支 75.9 65.4 65.7 70.9 68.1
サービスの収支 -4.0 -8.3 -6.6 8.2 13.0
その他の項目の収支 -15.5 -13.7 -15.2 -1.9 2.6
経常収支 56.3 43.4 43.9 72.2 83.7
金融収支* 31.0 42.6 57.4 75.2 85.3
公式外貨準備高の変動 -1.2 -0.4 -3.1 -1.8 0.3
(「-」は増加を示す。)
* 資本移転を含む。
資料出所:マクロボンド
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(d) 公式外貨準備高
(現金主義、年度末、10億ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
外貨・外国証券 8.3 8.1 5.7 4.0 4.3
国際通貨基金(IMF)外貨準備持高 2.4 1.8 1.5 1.3 1.7
特別引出権(SDR) 5.5 6.0 5.7 5.3 5.7
金 19.5 19.2 21.7 21.3 22.0
金融デリバティブ -0.2 -0.1 -0.1 0.2 -0.1
合 計 35.4 35.1 34.4 32.1 33.6
資料出所:マクロボンド
外国為替相場
(1ユーロ当たりの外国通貨、平均相場)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
米ドル 1.33 1.11 1.11 1.13 1.18
英ポンド 0.806 0.726 0.819 0.876 0.885
日本円 140.4 134.3 120.3 126.7 130.4
資料出所:マクロボンド
(3) 外国為替管理制度の概要
オランダの金融市場は完全に自由化されている。現在効力を有する外国為替相場規制は存在しない。
〔4〕財 政
公共部門は3大部門、つまり国家、社会保障基金およびその他の公共体(地方自治体、州およびその他)か
ら構成される。
国家はその活動資金を主に租税および社会保障拠出金により調達している。国家予算の大半は、他の公共体
に向けられている。他の公共体の予算の一部は地方税により調達されている。他の公共体は資本市場において
借入れもしているが、これはもっぱら投資支出の資金調達である。これら公共体の経常収支は、均衡が保たれ
ていなければならない。社会保障基金はほとんどすべてが社会保障拠出金により賄われている。
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(a) 国家歳入源泉別内訳
(10億ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
所得税 88.4 92.3 94.8 101.2 104.4
社会保障拠出金 55.0 55.0 58.8 61.6 65.7
法人税 13.1 15.6 20.8 21.3 23.2
生産税・輸入税 77.2 78.7 83.7 87.2 94.4
その他の租税 13.7 12.9 11.8 13.9 14.7
合 計 247.4 254.5 269.8 285.2 302.4
資料出所:中央企画局
(b) 国家歳出摘用別内訳
(10億ユーロ)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
行政・治安 75.2 74.5 75.1 76.7 79.7
国 防 7.4 6.9 7.1 7.4 7.0
インフラストラクチャー 10.1 11.0 9.9 10.3 10.8
教 育 34.9 35.9 36.8 37.6 40.2
保 健 63.8 64.2 65.2 67.1 70.4
社会保障 84.6 85.6 87.1 88.4 90.5
企業への移転 8.7 9.0 9.9 9.6 10.8
国際協力 13.4 14.5 11.3 11.8 13.9
利 息 10.7 9.0 9.2 8.1 4.6
合 計 308.9 310.5 311.7 316.9 329.5
税外歳入 45.0 41.4 39.7 39.8 36.3
歳出純額 263.9 269.1 272.0 277.1 293.1
資料出所:中央企画局
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(c) 国家長期負債
2019年5月31日現在、国家の長期負債総額は2,976億6,200万ユーロで、そのうち2,974億3,000万ユーロ
がユーロ建てであった。ユーロ建てのオランダ国債の平均残存期間は8.0年で、平均金利は2.1%であっ
た。
ユーロ建ての国家長期負債
(百万ユーロ)
平均期間 合 計 オランダ国債 民間融資
0年以上1年未満 28,795 28,759 37
1年以上3年未満 46,755 46,704 51
3年以上5年未満 62,369 62,308 61
5年以上7年未満 30,535 30,535 0
7年以上10年未満 55,902 55,900 2
10年以上15年未満 21,194 21,178 16
15年以上 51,880 51,880 0
合 計 297,430 297,263 167
資料出所:財務省
(d) 2019 年5月末における主要数値
残高額(千ユーロ)
現 金 169,279
オランダ国債残高 297,263,357
オランダ財務省証券残高 15,940,000
ユーロ・コマーシャル・ペーパー残高 0
民間融資残高* 399,297
合計残高 313,371,933
* 外貨による民間融資のユーロ換算額を含む。
資料出所:財務省
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