中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation) 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出者 | 中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation) |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation)(E06021)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月27日
【事業年度】 自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日
【発行者の名称】 中国中信集団有限公司
CITIC Group Corporation
【代表者の役職氏名】 常 振明
(中国中信集団公司 董事長)
【事務連絡者氏名】 彭 金輝
(中国中信集団公司 駐日本代表処 代表)
【住所】 東京都港区赤坂1丁目14番5号 アークヒルズエグゼクティブ
タワー N311
【電話番号】 (03)3584-2635
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(1) 本書中、別段の記載がない限り、「人民元」と表示される全ての金額は中華人民共和国の法定通貨である人民元を
意味する。本書中、別段の記載がない限り、便宜上記載されている人民元から日本円への換算は、100円につき
6.3019人民元(2019年5月31日付で中国人民銀行が公表した人民元の日本円に対する為替相場)の換算率により行
われている。
(2) 中国中信集団公司及び中華人民共和国の会計年度は暦年である。
(3) 本書中の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しないことがある。
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第1【募集(売出)債券の状況】
上場金融商品取
会計年度(又は
引所名又は登録
債券の名称 発行年月 券面総額 償還額 事業年度)末
認可金融商品取
の未償還額
引業協会名
第9回中国中信集団有限
2016年10月 28,200,000,000円 ― 28,200,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
第10回中国中信集団有限
2016年10月 46,800,000,000円 ― 46,800,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
第11回中国中信集団有限
2016年10月 20,000,000,000円 ― 20,000,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
第12回中国中信集団有限
2016年10月 5,000,000,000円 ― 5,000,000,000円 ―
公司円貨債券(2016)
本会計年度中において本債券の所有者の権利に重要且つ不利な影響を与えるような出来事は発生しなかっ
た。
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第2【外国為替相場の推移】
(1)【最近5年間の会計年度(又は事業年度)別為替相場の推移】
該当事項なし。
(2)【当会計年度(又は事業年度)中最近6月間の月別為替相場の推移】
該当事項なし。
(3)【最近日の為替相場】
該当事項なし。
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第3【発行者の概況】
1【発行者が国である場合】
該当事項なし。
2【発行者が地方公共団体である場合】
該当事項なし。
3【発行者が国際機関又は政府関係機関等である場合】
(1)【設立】
(1)設立の目的・根拠等
中華人民共和国政府(以下「中国政府」という。)は、1978年12月に、政策の重点を近代化、改革・開放に
移行することを決定した。国務院は1979年2月に、外国資本の誘致、外国技術の導入及び中国の近代化の取組み
の加速を目的として、元・国家副主席の栄毅仁氏に中国国際信託投資公司(China International Trust and
Investment Corporation)(以下「CITIC」という。)の設立を授権した。同年6月にCITICの設立は認可され
た。
1979年7月、全国人民代表大会は、「中外合資経営企業法」を公布した。同年10月、国務院はCITICの章程(定
款)を承認し、CITICは第1回の董事会を開きCITICの成立を正式に公布した。1984年に採択された国務院の特別
指令によって、CITICは、「国務院の直属の省と同水準の企業」に関する中国法に基づく地位を取得した。1986
年及び1987年それぞれの組織変更の後、CITICは、その子会社を通じて主な事業を行う持株会社となり、2004年
には、その名称を中国国際信託投資公司から中国中信集団公司に変更した。2011年、国務院の承認を得た後、
中国中信集団公司はグループ再編を行い、その名称を中国中信集団有限公司(CITIC Group Corporation)(以
下「CITIC Group」という。)に変更した。2014年8月、CITIC Groupは大部分の資産を香港の上場子会社である
中信泰富有限公司(CITIC Pacific Limited)(以下「中信泰富」という。)へ注入し、その後中信泰富は中国
中信股份有限公司(CITIC Limited)(以下「中信股份」という。)と社名変更した。
CITIC Groupの定款によれば、CITIC Groupは、幅広い活動に従事する権限を有する。事業の内容は次に掲げ
る通りである。
① 中国国内外の銀行、証券、保険、信託、資産運用、先物取引、リース、ファンド、クレジットカード等を
含む金融類企業及び関連する産業を含む金融業への投資及びこれらの管理、
② 非金融業(Ⅰ エネルギー、交通等のインフラ、Ⅱ 鉱産、森林等の資源開発及び原材料工業(例:鉱産及
び森林)、Ⅲ 機械製造、Ⅳ 不動産開発、Ⅴ 情報産業:情報インフラ、基礎電信及び付加価値電信業務;イン
ターネット情報サービス業務(新聞、出版、教育、保健医療、薬品、医療器械を除く。)、Ⅵ 商業取引サービ
ス及びその他の産業:環境保護;医薬、バイオエンジニアリング及び新素材;航空、運輸、倉庫保管、ホテ
ル、旅行業;国際取引及び中国国内取引、輸出入業務、商業;教育、出版、メディア、文化及びスポーツ;コ
ンサルティングサービス)への投資及びこれらの管理、
③ 中国国外の子会社向け親子ローンの貸付;資本運営;資産管理;中国国内外の工事設計、建設、請負及び
下請け並びに労務提供;並びに認可を受けたその他の業務
(2)法的地位及び中国政府との関係
CITIC Groupの前身であるCITICは、国務院の特別指令に従い1979年に設立された。定款に基づき、CITIC
Groupは、国務院のために財政部(MOF)が持分を所有する国有企業である。持株会社として、一連の関係企業
(完全子会社、関連会社等)をもって、CITIC Groupを組成する。本店を北京に設置し、業務の発展と需要によ
り、中国国内外で関係企業、代表処を設立することができる。CITIC Group及び各子会社は全て企業法人であ
る。
政府の所有
その定款と中国の法律に従い、CITIC Groupは中国政府により所有されている。CITIC Groupの設立出資金の
全額が中国の財政部から支払われた。2018年12月31日に終了した年度中、「国有資本により社会保障基金を充
足する実行計画の発布に関する国務院通達」に従い、財政部は、CITIC Groupに対する10%の持分を全国社会保
障基金(以下「社保基金」という。)に無償譲渡することをCITIC Groupに通知した。2018年12月31日現在、財
政部はCITIC Groupに対する100%の持分を保有している。
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政府の管理
CITIC Groupは、中国の最高行政当局である国務院を代理する財政部の管理と監督下にある。CITIC Groupの
董事長及び副董事長は、財政部が董事会から任命する。CITIC Groupの董事は財政部から選任され、従業員代表
董事1名は従業員により選出される。CITIC Groupの定款は財政部の承認によってのみ変更が可能である。
CITIC Groupの定款に従い、財政部は、国務院のためにCITIC Groupの株主を務め、経営方針及び投資計画の
決定、非従業員董事及び監事の選任及び交代並びにかかる董事及び監事の報酬の決定、董事会の報告の審議及
び承認、監事会の報告の審議及び承認、年度財務予算及び財務決算の審議及び承認、利益配当案及び損失補填
案の審議及び承認、登録資本金の増加又は減少についての決議の採択、社債発行についての決議の採択、合
併、分割、会社再編、解散及び清算等の事項についての決議の採択、定款の修正、並びに法律及び行政法規に
定められるその他の職務及び権限の遂行及び行使を行う。
また、CITIC Groupの定款に従い、財政部の負う義務は次の通りである。法律、行政法規及び定款を遵守し、
法に従って出資人としての権利を行使する。定款に定められた資本金を全額期日通りに出資する。なおCITIC
Group設立後に資本逃避をしてはならない。引受済みの資本出資額の限度でCITIC Groupに対して責任を負う。
そして、法律及び行政法規に定められるその他の義務を負う。
政府の目的
1978年以来、中国は世界の国々に中国の経済を開放し、経済に市場要因を導入する政策を支持してきた。
CITIC Groupの前身であるCITICは、かかる中国政府の経済政策の実行を促進するために設立された。
CITIC Groupは中国政府の直接の管理のもとにあるが、特別又は臨時の法律、規則、その他の政府の取決めに
より、CITIC Groupの債務を中国政府が直接保証しているわけではない。
CITICは、1982年に日本で円債を発行したが、当該円債は、1949年に中国が建国されて以来初めての対外借入
れとなった。
政府の援助
CITIC Groupは、1980年代の中国の対外開放政策の窓口や、国営企業改革のパイオニアを務めてきた。中国政
府の支援を受けて、CITIC Groupの数々の事業及び功績を実現してきた。
国営企業改革の動向
中国は、経済を開放・拡大させ、革新的な政策を実行し、混合所有経済を積極的に発展させ、国有企業の改
革を深化させるための包括的な改革のさなかにある。CITIC Groupの上場子会社である中信股份は、中国の国有
企業の混合所有改革の最初の例となったものの、CITIC Groupは2018年12月31日現在、国家に100%所有されて
いる。
(3)日本との関係
CITIC Groupは、設立以来、金融、経済、貿易及び技術導入に関し日本との関係を重視している。日本との関
係を強化するため、CITIC Groupは、1983年5月に東京に代表処を設立した。
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(2)【資本構成】
2018年12月31日現在
(単位:千人民元) (単位:千円)
銀行及びその他借入金
銀行借入金 122,512,732 1,944,060,236
その他の借入金 8,597,468 136,426,602
小計 131,110,206 2,080,486,933
発行済債務証書
1年以内又は随時発行 353,767,198 5,613,659,341
1年超2年以内 101,334,038 1,607,991,844
2年超5年以内 56,305,514 893,468,859
5年超 144,173,674 2,287,781,050
小計 655,580,424 10,402,901,093
所有者持分
払込資本金 205,311,476 3,257,929,767
資本準備金 (7,077,962) (112,314,730)
その他の包括利益 2,735,411 43,406,131
剰余積立金 6,546,493 103,881,258
別途積立金 31,461,649 499,240,689
利益剰余金 95,844,208 1,520,877,957
会社所有者に帰属する所有者持分の合計 334,821,275 5,313,021,073
非支配持分 426,592,458 6,769,267,332
761,413,733 12,082,288,405
所有者持分合計
総資本 1,548,104,363 24,565,676,431
(注) 総資本は、借入総額及び所有者持分合計を表す。
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(3)【組織】
(1)董事会
CITIC Groupは9名からなる董事会を設けている。董事会は、董事長1名、副董事長1名、従業員代表董事1名及
び他6名の董事により構成される。従業員代表董事は従業員により選出され、CITIC Groupの董事長及び副董事
長を含む非従業員董事は国務院により任免される。
董事会は、以下の職権を行使する。
① CITIC Groupの経営方針及び投資計画の立案
② CITIC Groupの経営計画及び投資プログラムの決定
③ CITIC Groupの年度財務予算案及び決算案の作成
④ CITIC Groupの利益配当案及び損失補填案の作成
⑤ CITIC Groupの登録資本金の増加又は減少案及び社債発行案の作成
⑥ CITIC Groupの合併案、分割案、解散案又は会社形態の変更案の作成
⑦ CITIC Groupの定款の修正案の作成
⑧ CITIC Groupの総経理及びその他の高級管理人員の任免
⑨ 総経理の業務報告の審議及び承認
⑩ CITIC Groupの管理責任者の報酬制度の審議及び決定
⑪ CITIC Groupの内部管理機構の設置の決定
⑫ CITIC Groupの基本的管理制度の制定
⑬ CITIC Groupの外部監査を行う会計士事務所の任免
⑭ 国務院が付与したその他の職務及び権限の遂行及び行使
CITIC Groupの董事会の2018年12月31日における構成員は次の通りである。
執行董事: 常振明(董事長)
王炯(副董事長)
李慶萍
蒲堅
非執行董事: 劉祝余
劉野樵
宋康樂
嚴淑琴
従業員代表董事: 王斌
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初代董事長の榮毅仁氏は1993年3月に、全国人民代表大会において国家副主席に選出されて、CITIC Groupの
董事長職を退任した。その後任董事長の魏鳴一氏は1995年4月17日に董事長を退任し、同日王軍氏が董事長に就
任した。王軍氏は2006年7月27日に退任し、同日孔丹氏が董事長に就任した。2010年12月末、国務院は、CITIC
Groupの董事会の構成員の変更を監督した。常振明氏が董事長に任命され、孔丹氏は董事長を退任した。
(2)経営管理機構構成員
CITIC Groupには董事会により任命される総経理1名がいる。2018年12月31日現在、CITIC Groupの総経理は王
炯氏である。
総経理は、CITIC Groupの経営管理業務を統括し、董事会の決議の実施を取りまとめ、年度経営計画及び投資
案の実施を取りまとめ、内部管理機構の設置案の立案、基本的管理制度の立案、従業員の給与案及び賞罰案の
制定、個別的規則の制定、董事会が任免すべき者以外の責任者の任免、並びに董事会から付与されるその他の
職務及び権限の遂行及び行使を行う。総経理は、董事会会議に列席するものとする。
(3)監事会
定款に従い、CITIC Groupは、5名乃至7名により構成される監事会を設けており、そのうち3分の1超の監事が
従業員により選出された従業員代表監事でなければならない。監事会主席は、監事会の構成員の中から財政部
により指名される。董事及び経営管理者が監事に任命されることはない。監事会は、CITIC Groupの財務を検査
し、董事及び高級管理人員の職務遂行時の行為を監督し、法律、行政法規、CITIC Groupの定款又は財政部の決
定に違反している董事又は高級管理人員の罷免を提議し、董事又は高級管理人員がCITIC Groupの利益に損害を
与える場合に、董事又は高級管理人員に対して、その是正を要求し、法律、行政法規及び定款により付与され
るその他の職務及び権限を遂行及び行使する。
(4)各部署の責任及び役割
① 弁公庁
会議を調整し、CITIC Groupの重要文書の準備及び検討を行い、各種ライセンスの毎年の見直しを担当し、日
常事務を処理し、情報提供をし、CITIC Groupの財務の方針及び政策原則を検討し、中国国内外の連絡及び秘書
総務を行い、渉外事務を指導し、労働上の安全の問題を管理する。
② 董事会室
日常事務の処理に関する董事会構成員の秘書役の補佐をし、董事会会議及び株主総会の開催・準備をし、情
報開示の計画・調整をし、中国国内外の法令等を分析し、CITIC Groupの資本市場での活動を監視及び分析し、
投資家との関係調整等を行う。
③ 監事会室
関連する監事会規則、業務計画書、監事会の業務報告書その他の資料を立案し、監事会及び監事長室会議の
文書、議事録及び報告書等の準備をする。
④ 戦略開発部
CITIC Groupの資産状況の評価と管理をし、中長期開発計画に関する研究をし、組織再編を計画し、戦略全般
を実行し、子会社の年度経営目標を設定する。
⑤ 財務部
財務を管理し、CITIC Groupの財務計画を立案し、財務諸表を作成し、CITIC Groupの資産を管理し、会計業
務を管理する。
⑥ 資金部
グループの資金システムを確立し、CITIC Groupの資金調達計画及び様々な資金政策を実行し、子会社の資金
調達計画の指導及び監督を行い、資金面におけるリスク管理、金融市場取引、資金情報の管理等について責任
を負う。
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⑦ 人事部
CITIC Groupの人事管理制度を確立し、CITIC Group及びその海外子会社の全ての機能部門の人事管理を担当
し、子会社の人事業務を指導及び監督し、上級スタッフの雇用を取り計らう。退職した従業員に関する全国方
針を実行し、CITIC Group及びその子会社の退職した従業員の管理を行う。
⑧ 業務調整部
調整方針、調整メカニズム、CITIC Group、大企業及び地方政府の間の各段階における戦略的協力関係を展開
し、金融子会社と非金融子会社間の調整業務を指導及び管理する。
⑨ リーガル・コンプライアンス部
内部統制及びリスク管理に責任を負い、CITIC Group及びその子会社のために法律関連の業務及び支援を行
い、CITIC Groupの仲裁及び訴訟を指導し、CITIC Groupの商標の維持及び管理を取り計らい、外部の弁護士及
び専門家を起用し、業務における法令順守を確保する。
⑩ 内部監査部
内部監査、審議を確立し、リスク管理及び内部統制の方法を評価及び改善し、CITIC Groupの子会社のリスク
管理及び内部統制の方法を監督する。
⑪ 経営情報センター
CITIC Group及びその子会社の実施計画を立案し、技術的援助を行い、情報技術問題を取り扱う。また、中国
国内外の企業及び機関と連絡し、意見を交換し、情報の収集、分析を行う。
⑫ 企業文化部
企業文化体系を確立し、CITIC Groupブランドを作り上げ、企業文化に関する研修及び活動を組織する。
⑬ 党委員会巡視室
巡視チームの年次業務計画を起草し、巡視チームからリーダーに提出された報告書の検討及び修正をし、事
業の経営及び運営の監督において巡視チームと協力し、巡視チームと関連部署間の調整を行う。
⑭ 労働組合
労働者の利益を代表し、労働者のための文化活動及びスポーツ活動をとりまとめ、女性労働者委員会等を指
導する。
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(4)【業務の概況】
(1)業務の内容
① CITIC Groupの戦略
CITIC Groupは、戦略主導で革新的且つ高い付加価値のある成長を追及することで中国最大の一流の国際コン
グロマリットとなることに最大限の努力を投じる。CITIC Groupは、(ⅰ)何年にもわたる事業経営に起因し蓄積
した全体的な強みを更に強化し、(ⅱ)中国経済及び中国経済のグローバル化の進化によってもたらされる機会
を掴み、(ⅲ)「革新的、強調的、環境への配慮、公平及び共有」を向上概念として着実に実行し、(iv)市場主
導及び顧客中心の事業モデルを導入することで企業価値を最大化する。
CITIC Groupの活動方針は以下の通りである。
・新しい視点をもって既存事業を向上させる
CITIC Groupプラットフォームの利益を最大化することを目指す。
市場の需要を予測することにより、革新を通じて付加価値の高い製品及びサービスを開発する。
グループのシナジーを最大にするために同種の事業を統合する。
質と競争力を高め、生産性を高め、コストを削減する。
金融事業と非金融事業の安定した開発に向けて努力する。
・中国の発展方向に連動する分野への新規投資に注力し、国際投資を継続する
CITIC Groupの事業相互の間に更なる統合とつながりをもたらす機会を探る。
合併及び買収を通じた中国における統合の機会を見極めるために、強力な競争優位性を更に強化する。
中国の将来の発展方向と連動させるために、消費セクター、環境及び新経済産業への注力を高める。
統合された形でCITIC Groupの事業を促進するために、国際投資を継続する。
・長期的に株主価値を高めるために、引き続き規範的な資本配分を行い、優良なクレジットヒストリーを維
持する
資本計画及び資本配分に向け規律ある取組みを導入し、事業ポートフォリオを引き続き最適化する。
資本効率及びキャッシュ・フローを改善する。
資金調達力を強化し、優良なクレジットヒストリーを維持する。
CITIC Group全体の価値の最大化及び継続的な成長を実現するために、引き続き厳格な資本配分規則を実
行する。
・株主持分を守るために、中信股份のコーポレート・ガバナンスにかかる国際基準をCITIC Groupにまで拡張
させ、コーポレート・ガバナンスの枠組みを向上させる
中信股份のコーポレート・ガバナンスの国際基準は、CITIC Groupに及ぶ。
CITIC Groupは、より大きな価値の創造に向け事業を導くために明確な戦略を提供し、中信股份全体の管
理を強化する。
CITIC Groupは、全ての利害関係者の権利を尊重することを保証する。
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② CITIC Groupの財務概要
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
(百万人民元) (再表示) (再表示)
営業収益 340,887 351,538 351,114 414,412 467,387
減:営業費用合計 292,818 295,412 302,049 360,343 405,979
営業支出 170,388 150,788 157,875 205,310 238,518
営業税金及び附加税 12,820 12,992 6,451 2,967 3,790
販売及び流通費 6,029 5,894 6,401 11,260 19,043
一般及び管理費 50,568 53,635 57,968 61,652 65,411
金融費用 9,082 8,532 8,009 9,745 8,362
減損損失 43,931 63,571 65,344 69,109 N/A
増:公正価値の変化
1,929 595 731 (732) 347
からの利益
投資収益 7,963 5,119 21,437 17,621 19,419
営業利益 57,962 61,839 71,233 71,388 82,684
増:営業外収益 4,316 3,584 2,935 2,465 3,358
減:営業外支出 1,248 1,441 1,645 550 804
企業所得税前利益 61,030 63,982 72,958 73,303 85,238
減:企業所得税 14,164 17,103 19,109 16,804 17,263
純利益 46,866 46,879 53,850 56,499 67,975
親会社の株主に帰属
29,051 23,651 21,500 21,794 30,203
する純利益
少数株主持分利益に
17,814 23,228 32,350 34,705 37,772
帰属する純利益
資産合計 4,732,903 5,743,130 6,520,444 6,334,564 6,771,619
固定資産合計 119,104 125,753 134,228 136,516 139,566
投資資産 22,898 24,290 28,650 28,136 28,955
負債合計 4,266,082 5,149,319 5,855,587 5,628,133 6,010,205
少数株主持分 199,240 325,266 374,477 401,523 426,952
所有者持分合計 466,821 593,811 664,857 706,431 706,414
債務の所有者持分に対する比率(1) (x) 1.61 1.56 1.92 2.05 2.26
債務の所有者持分に対する比率(2) (x) 9.14 8.67 8.81 7.97 8.51
注 (1) 借入金合計は顧客関連の預金を除く。
(2) 借入金合計は顧客関連の預金を含む。
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(2)事業セグメント
CITIC Groupは、中国本土、香港特別行政区、マカオ特別行政区、米国、オーストラリア及びカザフスタン等
を含む様々な国と地域において複数の子会社、ジョイント・ベンチャー及び関連会社を運営し、代表処を東
京、ニューヨーク及びカザフスタンに有している。
① 事業セグメントの構成図
CITIC Groupは持株会社であり、その子会社を通じて事業を行っている。以下は、CITIC Groupの主な事業組
織及び/又は部門を示す事業セグメント構成図である。
2018年12月31日現在
注 (1) 中信股份、中信資源控股有限公司(CITIC Resources Holdings Limited)(以下「中信資源」という。)、中信国
際電訊集団有限公司(CITIC Telecom International Holdings Ltd.)(以下「中信国際電訊」という。)及び大昌
行集団有限公司(Dah Chong Hong Holdings Limited)(以下「大昌行」という。)は香港証券取引所に、中信重工
機械股份有限公司(CITIC Heavy Industries Co., Ltd.)(以下「中信重工」という。)は上海証券取引所に、中
信銀行股份有限公司(China CITIC Bank Corporation Limited)(以下「中信銀行」という。)及び中信証券股份
有限公司(CITIC Securities Co., Ltd.)(以下「中信証券」という。)は香港証券取引所及び上海証券取引所双
方に、それぞれその株式が上場されている。
(2) 中信股份の完全子会社である中国中信有限公司(CITIC Corporation Limited)(以下「中信有限」という。)が、
2018年12月31日現在、中信銀行の持分を65.37%、中信証券の持分を16.50%、信誠人寿保険有限公司(CITIC-
Prudential Life Insurance Co., Ltd.)(以下「信誠人寿」という。)の持分を50%保有している。
(3) 2016年6月以降、CITIC Groupの不動産事業は、主に、中信泰富地産(CITIC Pacific Properties)(中信泰富地産
は、複数の企業からなる企業グループの名称である。)及び中信城市開発運営有限責任公司(CITIC Urban
Development & Operation)を通じて行われる予定である。
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非上場資産
CITIC Groupの非上場資産の主な事業部門
CITIC Group
中信数字媒体罔絡
中信資産管理 中信裕聯控股 中信鉱業科技発展 中信置業有限公司 中信云罔有限公司
有限公司
(100%) (100%) (70%) (71%) (100%)
(100%)
中信医療健康産業 中信国際合作 北京中信企業管理 中信渤海金呂業控股 中信机電制造公司
その他
(100%) (100%) (100%) (100%) (100%)
② 事業セグメントの概要
(a)金融
CITIC Groupは、銀行、証券、信託、保険等の種々のセクターで金融事業を展開している。CITIC Groupは、
中信銀行及びその子会社を通じて中国内外の銀行業務を、中信証券を通じて証券業務を、中信信託有限責任公
司(CITIC Trust Co., Ltd.)(以下「中信信託」という。)を通じて信託業務を、信誠人寿を通じて生命保険
業務を提供している。
(b)資源及びエネルギー
CITIC Groupの資源及びエネルギー事業は、エネルギー商品及び鉱物資源の探査、採鉱、加工及び交易並びに
発電に携わる広範な世界規模の事業である。CITIC Groupは、主に、中信資源、中信泰富礦業管理有限公司
(CITIC Pacific Mining Management Pty Ltd)(以下「中信鉱業国際」という。)、中信金属グループ有限公
司(CITIC Metal Group Co., Ltd.)(以下「中信金属」という。)及び新力能源開発有限公司(Sunburst
Energy Development Co., Ltd.)(以下「新力能源」という。)を通じて資源及びエネルギー業務を展開して
いる。
中信股份は、中信泰富礦業管理有限公司(CITIC Pacific Mining Management Pty Ltd)(以下「中信泰富鉱
業」という。)により管理されている中信鉱業国際を通じて、中豪鉄鋼プロジェクト(Sino Iron Project)を
完全所有している。同プロジェクトは、世界で開発されている最大規模の磁鉄鉱山の一つである。これは、西
オーストラリアのピルバラ地域のカラーサから南西に100キロ離れたケープ・プレストンにある。既に6つの生
産ライン全てが稼働している。生産された磁鉄鉱精鉱は、中信股份の特別鉄鋼事業部門(以下「中信泰富特
鋼」という。)が運営している製鋼所に出荷される。
(c)製造
CITIC Groupの製造事業は、主に、特殊鋼、重機、電力電子設備、自動車用アルミニウム・ホイール及び自動
車用アルミニウム鋳物から成る。
CITIC Groupは、4つの操業中の製鋼所─江陰興澄特種鋼鉄、湖北新冶鋼、青島特殊鋼及び靖江特殊鋼─を擁
して中国で特殊鋼生産に従事する最大の製造業者である中信泰富特鋼(中信泰富特鋼は、複数の企業からなる
企業グループの名称である。)を通じて特殊鋼の製造を行っている。同社の主な製造品には、棒鋼、鋼板、継
目無鋼管、鋼線、鍛鋼及び鋳造用ビレットが含まれている。これらは、自動車部品、機械製造、発電、石油及
び石油化学並びに工業セクターを含む様々な産業で広く使用されている。
CITIC Groupは、子会社である中信重工を通じて重機、電力電子設備の製造及び契約業務を行い、また、子会
社である中信戴卡股份有限公司(CITIC Dicastal Co., Ltd.)(以下「中信戴卡」という。)を通じて自動車用
アルミ・ホイール及び自動車用アルミニウム鋳物の製造を行っている。
(d)技術契約
CITIC Groupの技術契約事業は、主に、インフラ、住宅、産業建設及び地方自治体向け工学技術プロジェクト
の分野における業務の請負から成る。建設事業は、中信建設有限責任公司(CITIC Construction Co., Ltd.)
(以下、「中信建設」という。)を通じて営まれ、工学設計事業は中信工程設計建設有限公司(CITIC
Engineering Design and Construction Company Limited)(以下「中信工程設計」という。)を通じて営まれ
ている。
中信建設は、中国内外で技術請負業務を提供し、また、インフラ、住宅及び産業建設プロジェクトに従事し
ており、同時に、資源、エネルギー、農業及び環境保護への関与もますます高まりつつある。中信工程設計の
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主要事業は、建築構造、地方自治体のインフラ及び環境保護に関するプロジェクトが含まれる、都市計画及び
環境保全に注力している。同社は、EPC業務及び施工サービスだけでなく、投資も行っている。
(e)不動産
CITIC Groupの不動産事業は、主に、商業用不動産の開発、販売及び管理並びに資産統合プロジェクトから成
る。CITIC Groupの不動産業は、主に、中信城市開発運営(CITIC Urban Development and Operation Co.,
Ltd.)、中信泰富有限公司(CITIC Pacific Limited)(以下「中信泰富地産」という。)及び中信和業投資有
限責任公司(CITIC Heye Investment Co., Ltd.)(以下「中信和業」という。)を通じて営まれている。2016
年、CITIC Groupは、2016年9月時点における中国海外発展有限公司(China Overseas Land and Investment
Limited)(以下「中国海外」という。)の株式資本の約10%を表章する中国海外から発行される株式及び中国
海外の商業用不動産の一部を受取る対価として、中国における住宅不動産プロジェクトの権益の一部を売却し
た(以下「中国海外に係る取引」という。)。
(f)その他
CITIC Groupのその他の事業には、特に、情報サービス、電気通信、一般商取引、インフラ投資及び管理、環
境保護、現代農業、出版並びに一般航空が含まれる。これらの事業は、中信国際電訊集団有限公司(以下「中
信国際電訊」という。)、亞洲衛星控股有限公司(Asia Satellite Telecommunications Holdings Limited)
(以下「亞洲衛星」という。)、大昌行、中信興業投資集団有限公司(CITIC Industrial Investment Group
Co., Ltd.)(以下「中信興業」という。)、新香港隧道有限公司(New Hong Kong Tunnel Company Limited)
(以下「新香港隧道」という。)、中信環境投資集団有限公司(CITIC Environment Investment Group Co.,
Ltd.)(以下「中信環境」という。)、中信環境技術有限公司(CITIC Environtech Ltd)(以下「中信環境技
術」という。)、中信農業投資、中信出版集團股份有限公司(CITIC Press Corporation)(以下「中信出版」
という。)及び中信海洋直升機股份有限公司(CITIC Offshore Helicopter Co., Ltd.)(以下「中信海直」と
いう。)を通じて営まれている。
中信股份は、マクドナルドとの提携を通じて、引き続き消費者市場における事業を拡大していく。
③ 事業セグメントの業績
以下の表は、2018年12月31日に終了した年度及び2017年12月31日に終了した年度のCITIC Groupの各事業セグ
メントの営業収益及び普通株主に帰属する利益である。
営業収益
(百万人民元)
2017年 2018年
金融 169,362 174,343
資源及びエネルギー 57,513 69,426
製造 87,073 105,574
技術契約 13,783 17,031
不動産 2,821 7,600
その他 82,910 92,388
運営管理 949 1,026
合計 414,412 467,387
普通株主に帰属する利益
(百万人民元)
2017年 2018年
金融 21,137 18,559
資源及びエネルギー (5,921) 1,397
製造 1,604 2,809
技術契約 888 1,115
不動産 4,936 2,376
その他 4,770 1,255
運営管理 (5,724) 2,878
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セグメント間相殺 (104) (185)
合計 21,794 30,203
(a)金融
CITIC Groupの金融事業は中国において市場の主導的地位にある。CITIC Groupは、銀行、証券、信託及び保
険等の様々な金融サービスを提供している。CITIC Groupの金融事業の総資産は、2018年12月31日時点では
6,205,992百万人民元でCITIC Groupの総資産の91.64%を占め、2017年12月31日時点では5,805,993百万人民元
でCITIC Groupの総資産の91.66%を占めていた。CITIC Groupの金融事業から生み出された営業収益は、2018年
12月31日に終了した年度では174,343百万人民元でCITIC Groupの総営業収益の37.3%を占め、2017年12月31日
に終了した年度では169,362百万人民元でCITIC Groupの総営業収益の40.87%を占めていた。CITIC Groupの金
融事業から生み出された普通株主に帰属する利益は、2018年12月31日に終了した年度では18,559百万人民元、
2017年12月31日に終了した年度では21,137百万人民元であった。
以下の表は、表示期間におけるCITIC Groupの金融事業の主たる運営組織の財務情報である。
12月31日に終了した年度
2017年 2018年
普通株主に 普通株主に
収益 収益
帰属する純利益 帰属する純利益
(百万人民元)
中信銀行(1) ................
157,231 42,566 165,766 44,513
中信信託 ...................
7,399 3,586 5,365 3,358
信誠人寿(2) ................
14,114 1,051 17,522 1,104
中信証券(3) ................
56,960 11,433 51,061 9,390
注 (1) 中信有限は、2018年12月31日現在、中信銀行の持分を65.37%保有していた。
(2) 中信有限は、2018年12月31日現在、信誠人寿の持分を50.00%保有していた。
(3) 中信有限は、2018年12月31日現在、中信証券の持分を16.50%保有し、同社の筆頭株主であった。
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ⅰ. 銀行業務
CITIC Groupは、中信銀行及びその子会社を通じて中国内外の銀行業務を行っている。
中信銀行は、1987年に設立された。中信銀行は、急成長及び強い総合競争力を特徴とする国立の株式商業銀
行である。中信銀行の主な業務には、コーポレート・ファイナンス、パーソナル・ファイナンス及び金融市場
が含まれる。
以下の表は、表示期間における中信銀行及びその子会社の主要な連結財務指標及び規制指標を示したもので
ある。
12月31日に終了した年度
主要な指標 2017年 2018年
(%で表示されているものを除き、
百万人民元)
資産合計 ....................................................
5,677,691 6,066,714
営業収益 ....................................................
157,231 165,766
税引前利益 ..................................................
52,276 54,326
中信銀行の普通株主に帰属する純利益 ..........................
42,566 44,513
ROAA(%)(1) .................................................
0.74 0.77
ROAE(%)(2) .................................................
11.63 11.36
費用対収益比率(%)(3) .......................................
30.05 30.71
純金利スプレッド(%)(4) .....................................
1.64 1.85
純金利マージン(%)(5) .......................................
1.79 1.94
注 (1) ROAA=中信銀行の純利益/[期首における総資産に期末における総資産を加えたもの/2]
(2) ROAE=中信銀行の普通株主に帰属する純利益/[期首における中信銀行の普通株主に帰属する所有者持分合計に期
末における中信銀行の普通株主に帰属する所有者持分合計を加えたもの/2]
(3) 費用対収益比率=(営業費用から事業税及び課徴金を差し引いたもの)/営業収益
(4) 純金利スプレッドは、利付資産総額の平均利回りと利付負債総額の平均費用率の差を表している。
(5) 純金利マージン=純金利収益/[(期首における利付資産総額の残高に期末における利付き資産総額の残高を加え
たもの)/2]
2018年において、中信銀行は収益、質及び規模のバランスのとれた発展を達成するための安定した成長を維
持した。営業収益の合計は165.8十億人民元を記録し、前年比5%増であった。普通株主に帰属する利益は5%増
加し、44.5十億人民元となった。純利息収入は、主に融資残高の増加及び純利息マージンの拡大によって成長
基調を取り戻し、5%増加した。利息以外の収入は前年比6%の安定した成長を維持し、営業収益への寄与度は
37%と安定した水準を維持した。
以下は、中信銀行及びその子会社の連結営業収益(百万人民元)である。
営業収益
営業収益 パーセント パーセント
2017年
2018年 2018年 2017年
(百万人民元) (再表示)
コーポレート・バンキング業務 87,184 53% 87,080 55%
リテール・バンキング業務 57,132 35% 54,353 35%
金融市場業務 18,057 11% 11,080 7%
その他 3,386 2% 4,718 3%
コーポレート・バンキング業務
中信銀行のコーポレート・バンキング業務では、法人、政府機関及び非金融機関に対して様々な金融商品及
び金融サービスを提供する。当該商品及びサービスには、企業向け貸出金、預金引受事業、代理人サービス、
送金及び決済サービス並びに保証サービスが含まれる。中信銀行は、投資銀行業務、サプライチェーン・ファ
イナンス、キャッシュマネジメント、オンライン及びクロスボーダーの銀行サービスなどの業務を発展させ、
取引サービスのためのエコ財務クラウド・プラットフォームを立ち上げることにより、コーポレート・バンキ
ング業務の持続可能な発展を強化した。更に、中信銀行はデットファイナンスにおける中核的競争力及び融資
規模総額における市場主導的地位の強化を続けている。
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2018年12月31日及び2017年12月31日に終了した年度において、コーポレート・バンキング業務の営業収益
は、それぞれ87,184百万人民元及び87,080百万人民元となって0.12%減少し、中信銀行の営業収益の53%を占
め、 コーポレート・バンキング業務の利息以外の純収入は、それぞれ14,115百万人民元及び14,104百万人民元
となって0.08%増加した。
リテール・バンキング業務
リテール・バンキング業務は近年、中信銀行において最も成長している分野の一つとなっている。中信銀行
は、個人向け預金及びローン、資産管理及びプライベート・バンキング、クレジットカード、オンライン・バ
ンキング及びインターネット金融を含む様々なサービスを小口融資の顧客に提供している。中信銀行は、ティ
ア1都市における支店ネットワークを最適化し、より優れたカスタマー・エクスペリエンスの創造を図ることに
よりリテール・バンキング業務の拡大に注力してきた。更に、中信銀行は、市場浸透率を高めるために、モバ
イルインターネットの急速な拡大を活かして、インターネット金融の充実化を進め、ウェブ販売チャネルを拡
大した。
中信銀行及び百度(Baidu)が共同で設立した中信百信銀行股份有限公司(CITIC AiBank Corporation
Limited)(以下「百信銀行」という。)は、支払サービス、融資サービス及び資産運用サービスを通じて小口
取引及び頻繁な取引を支援するオンライン・プラットフォームとして2017年11月に始動し、2018年には娯楽及
び金融サービスを統合したオンラインウォレットをローンチするためにアイチーイー(iQIYI)と提携した。オ
ンライン定期預金商品が百度と同時に導入され、中信出版(CITIC Press)と共同した幅広いサービスを提供す
る携帯電話アプリが開始した。2018年12月31日現在、百信銀行の資産合計は35.8十億人民元に達し、ユーザー
数の合計は12百万人を超えた。4百万人を超える個別顧客並びに580千口の小企業及び零細企業に対し、合計約
80十億人民元の貸付を行った。
各店舗が提供するサービスを最適化する戦略及び各店舗固有の地元顧客のプロファイルに合わせて、中信銀
行は様々な設備で費用構造の改善及びセルフサービスを含む新たなサービスの導入を店舗ネットワーク横断的
に行った。
2018年12月31日及び2017年12月31日に終了した年度において、中信銀行のリテール・バンキング業務の営業
収益は、それぞれ57,139百万人民元及び54,353百万人民元であり、それぞれ中信銀行の営業収益の34%及び
35%を占め、利息以外の純収入はそれぞれ37,249百万人民元及び34,178百万人民元であり、9%の増加となっ
た。
2018年12月31日に終了した年度において、中信銀行は約88百万の小口顧客口座を有しており、そのうち約
735,000口座は、中信銀行が管理している最低でも500,000人民元の一日平均資産を保有する中位顧客から上位
顧客の口座で、前年と比較して、それぞれ約23%及び25%の増加となった。2018年12月31日現在、中信銀行
は、1,410の支店、2,054のセルフサービス銀行、7,053のセルフサービス端末及び5,534の現金自動預入支払機
を有していた。
金融市場業務
中信銀行の金融市場業務は、通貨市場、資本市場及び国際金融市場に注力している。主要な取引商品には、
外貨、債券、貴金属及びデリバティブが含まれる。取扱業務としては、金融市場業務は債券の値付け及び引受
け業務、ストラクチャードファイナンス、国際貿易融資、銀行手形並びに資産管理商品並びにその他の様々な
専門的な投資及び融資業務を行っている。
中信銀行は債券通(Bond Connect)に参加した最初のマーケットメーカー集団の一員であった。
フィンテック
中信銀行は、金融サービスへの最新のフィンテックの適用、デジタル・チャネルの構築加速、オンライン決
済の強化及びハイテク企業との異分野協力を続けている。同行は、カスタマー・エクスペリエンス及びサービ
ス力を向上させるために2018年にモバイル・バンキング用の5.0プラットフォームを立ち上げるなど、新しいビ
ジネスモデル及び業務手続を探求することにより、競争力の向上も目指している。中信銀行はまた、中国にお
いてブロックチェーンを活用した信用状システムを立ち上げた最初の中国の銀行となった。
ⅱ. 信託業務
CITIC Groupは、完全所有する中信信託を通じて信託業務を行っており、本書の日付現在、中信信託の株式の
80%は中信有限が所有しており、20%は中信興業が所有している。中信興業信託投資(CITIC Xingye Trust
Investment Co., Ltd.から改称)は、1988年に設立された。
中信信託は、投資、融資及び資産管理業務に関して幅広い総合的ソリューションを提供している。中信信託
は独自の金融商品及びサービスを多数導入しており、デットファイナンス及び受託業務のほか、有価証券、プ
ライベートエクイティ・ファンド、資産流動化及びメザニンファンド等の多様な金融商品を活用する多岐にわ
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たる金融ソリューションに関して革新を行い続けている。中信信託は受託資金をいくつかの主要産業に分けて
配分しており、これにより、同社は変化する市場機会に合わせて投資ポートフォリオを調整することができて
い る。中信信託が現在投資対象としている主たる分野には、インフラ、不動産、エネルギー及び資源、製造、
農業並びに金融機関が含まれる。
中信信託の運用資産は、2018年12月31日現在で合計1,652.2十億人民元であり、そのうち信託運用資産は
1,075.2十億人民元となった。信託運用資産は、前年と比較して25%の減少を記録した。
以下の表は、表示された期間における中信信託の主要な財務指標を示したものである。
終了した年度/12月31日時点
財務指標
2017年 2018年
(百万人民元)
資産合計 ..............................................
36,189 37,913
純資産 ................................................
22,656 25,213
営業収益 ..............................................
7,399 5,365
税引前利益 ............................................
4,374 4,540
CITIC Groupの普通株主に帰属する純利益 .................
3,586 3,358
信託運用資産残高....................................... 1,986,730 1,652,197
ⅲ. 保険業務
信誠人寿は2000年に設立された。中信有限とプルデンシャル生命(Prudential plc)がそれぞれ50%ずつ持
分を保有している。信誠人寿は、主に、生命保険、健康保険及び傷害保険並びにこれらの保険の再保険の提供
業務に従事している。
以下の表は、表示された期間における信誠人寿の主要な財務指標を示したものである。
12月31日に終了した年度
財務指標
2017年 2018年
(百万人民元)
資産合計 ...............................................
64,306 74,640
純資産 .................................................
4,879 6,509
総計上収入保険料........................................ 12,022 15,385
純利益 .................................................
1,051 1,104
・商品
信誠人寿の商品には主として生命保険、傷害保険及び健康保険があり、そのうち、生命保険が主たる営業
収益源である。以下は、信誠人寿の主要商品の一部に関する概要である。
・生命保険
生命保険商品には、従来型の生命保険、利益配当付生命保険、ユニバーサル生命保険及び投資連動保険が
あり、そのうち利益配当付生命保険商品が信誠人寿の総計上収入保険料の大半を生み出している。利益配当
付生命保険は、従来型の生命保険及び投資商品の特性を組み合わせており、保険、貯蓄及び投資に対する顧
客の要求を一つの商品で満足することができる。
・傷害保険
傷害保険商品には、事故又は保険契約に規定されているその他の事象による死亡、障害及び保険契約者の
保険契約に定められているその他の状態に対する補償金の給付が含まれている。
・健康保険
健康保険商品は、保険契約者に疾病及び医療に対する保険を提供し、短期健康保険と長期健康保険に分け
られている。
・販売
信誠人寿は、代理店及びバンカシュアランスという2つの主要な販売チャネルを有している。バンカシュア
ランス・チャネルが価値の増大並びに商品の組合せ及び構成の最適化を図るために再編された一方で、代理
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店の力は急速に増大している。バンカシュアランス・チャネルの事業変革は当年中効果的に進んだ。新たな
販売チャネルを確立するために、銀行との協力が強化された。
・保険ファンドの投資
2018年、信誠人寿は、株式市場に直接投資を行い、資産運用子会社を設立する承認を取得し、保険ファン
ド運用に関する投資能力をさらに強化した。信誠人寿は、厳格なリスク管理の下に、投資資産の30%超を
「一帯一路」イニシアティブに関するプロジェクト、インフラ及び公共サービスに割り当て、その全てが中
国経済を強力に支援した。
ⅳ. 証券業務
中信証券(SSE証券コード:600030、証券取引所証券コード:6030)は、1995年に設立された。
中信証券は、中国証券監督管理委員会(以下「中国証監会」という。)により承認された最初の総合証券会
社の一つである。中信証券の主要業務には、投資銀行業務、仲介業務、資産管理業務及び取引業務が含まれ
る。
以下の表は、表示された期間における中信証券の主要な財務指標及び規制指標を示したものである。
終了した年度/12月31日時点
財務指標
2017年 2018年
(百万人民元)
資産合計 ................................................
625,575 653,133
中信証券の株主に帰属する所有者持分の合計................. 149,799 153,141
総営業収益及びその他の利益............................... 56,960 51,061
企業所得税前利益 ........................................
16,174 12,466
中信証券の普通株主に帰属する純利益 ......................
11,433 9,390
12月31日時点
2017年
2018年
主要な規制指標 (再表示)
(%で表示されているものを除き、
百万人民元)
純資本................................................... 86,708 91,996
純資本/総リスク資本剰余金 (%) ..........................
166.31 183.92
純資本/純資産(%) .......................................
70.37 73.32
純資本/負債合計(%) .....................................
29.49 28.91
純資産/負債合計(%) .....................................
41.91 39.44
所有株式及び所有デリバティブの価値/純資本 (%)........... 33.23 28.91
所有債券の価値/純資本 (%)...............................
124.35 230.75
以下の表は、表示された期間における中信証券の様々な業務から得られた営業収益を示したものである。
12月31日に終了した年度
手数料収入
2017年 2018年
(百万人民元)
仲介..................................................... 11,523 10,382
投資銀行業務............................................. 4,320 2,968
証券取引................................................. 150 160
資産管理業務............................................. 6,327 6,146
その他................................................... 345 639
手数料経費............................................... 3,708 2,868
純手数料収入............................................. 18,957 17,427
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中信証券は、投資銀行業務、仲介業務、資産管理業務及び証券取引業務を行う中国最大手の証券会社であ
る。
投資銀行業務
中信証券のエクイティファイナンスチームは、地域市場において主要な産業プレーヤー及び影響力のある高
収益企業を対象とすることにより、引き続き顧客基盤を拡大した。2018年、同社は、ニューエコノミー分野の
中国企業の海外での上場、国有企業の一部民営化改革並びに赤字の中国民間企業の債務削減及び再建を支援す
ることによる事業展開に重点を置いた。中信証券は、当年中に総額178.3十億人民元にのぼる合計54件のA株の
主幹事としての引受プロジェクト(資産取引における私募を含む。)を遂行し、業界首位となる14.8%の市場
シェアを獲得した。
中信証券の国内デットファイナンス業務及びストラクチャードファイナンス業務は、引受額及び引受プロ
ジェクト数の両方において中国の市場を牽引している業務でもあった。2018年、同社は、主幹事として引き受
けた765.9十億人民元にのぼる合計1,391件のプロジェクトを遂行し、これは市場シェアの5.1%を占めた。
当年中、中信証券は、72.3十億人民元にのぼる複数のA株企業の大型資産を再編し、同部門において業界2位
であった。同社は、クロスボーダーのM&Aの展開にも参加し、中国企業が遂行した取引において、中国の仲介業
者の中で2位であった。
中国の新たな店頭市場において、中信証券は、高成長の可能性を有する企業を見極めることによる価値の創
出に重点を置いた。2018年、同社は、中国の「全国中小企業股份転譲系統取引所(NEEQ)」への上場を目指す
26社の企業の主幹事を務めた。同社は、主幹事が提供する優れたサービスに関するNEEQによる評価で首位に
立った。
仲介業務
中信証券は、特に報告期間における取引高及び仲介手数料収入の減少を踏まえて、仲介業務の顧客に対する
付加価値サービスの提供に依然として重点を置いていた。2018年、同社は、引き続きコーポレート業務及び資
産管理業務を拡大した。2018年末において、株式及びファンドの合計取引高は11兆人民元(上場マネーマー
ケットファンドの取引高を除く。)であり、これは6.1%の市場シェアを占め、前年比7%増で、業界2位であっ
た。
資産管理業務
中信証券の資産管理業務は、機関投資家及びリテールの両顧客向けに事業を行っており、コーポレート部門
に重点を置いている。当年末の時点で同業務の総運用資産は1,343.1十億人民元であり、市場シェアは10.4%と
なり、アクティブ運用されているファンド合計は552.8十億人民元であり、どちらの基準でも業界首位となっ
た。
報告期間末において、華夏基金(China AMC)の運用資産は879.7十億人民元であり、そのうち公的資金の運
用資産は2017年と比較して金額にして13%増加した。同社のエクイティファンドの運用資産は業界最大で、機
関投資家向け業務の運用資産は主導的地位を維持した。
証券取引業務
中信証券の証券取引業務には、売買差益を収益とする事業及び自己勘定事業の両方が含まれる。売買差益を
収益とする事業は、プライムサービスに係る助言のほか、株式の売買、確定利付商品、コモディティ取引及び
証券ファイナンスを含む金融サービスを提供している。2018年、同社は、金利連動商品の合計売上高で市場を
牽引する地位を維持し、債券通(Bond Connect)の国内相場優秀賞を受賞した。
国際業務
中信証券の国際部門として、CLSAは、機関投資家顧客に重点を置き、世界の主要な株式市場を対象としてい
る。2018年、CLSAは世界中で31件のIPOを遂行した。同社は、同社がスポンサーを務めたIPOの合計額でも2位で
あり、同社が香港証券取引所のメインボードにおいてグローバルコーディネーターとして参加した16件のIPOで
首位であった。これにより、同社のIPOにおける市場シェアは2017年の3.5%から2018年には9.3%に上昇した。
(b)資源及びエネルギー
CITIC Groupの資源及びエネルギー事業は、エネルギー製品及び鉱物資源の探査、採鉱、加工及び交易並びに
発電から成る。CITIC Groupは、中信資源、中信鉱業国際、中信金属グループ及び新力能源を通じて資源及びエ
ネルギー事業を行っている。
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以下の表は、表示期間に関するCITIC Groupの資源及びエネルギー事業の主要経営主体の財務情報である。
12月31日に終了した年度
2017年 2018年
普通株主に 普通株主に
営業収益 営業収益
帰属する純利益 帰属する純利益
(百万香港ドル)
中信資源(1).................... 3,603 518 4,427 905
中信鉱業国際 ..................
9,804 (17,932) 12,728 (5,666)
中信金属グループ............... 42,479 1,379 54,817 1,696
注 (1) 中信股份は、2018年12月31日現在、中信資源の持分を59.50%保有していた。
2018年、資源及びエネルギー事業は、2017年の9.9十億香港ドルの損失に対して、約2.1十億香港ドルの利益
を実現した。この利益の著しい増加は、主として中豪鉄鋼(Sino Iron)の7.2十億香港ドルの減損費用のため
に収益性において損失が計上された2017年と比較して、全ての事業の業績の大幅な改善によるものである。
2018年、中信資源は910百万香港ドルの株主に帰属する利益をあげ、2017年から75%の増加であった。これは
主として同年の大半における原油及び商品価格の上昇並びに厳しい継続的な価格管理及び効率向上によるもの
であった。主として鉄鉱石及びフェロニオビウムの取引業務の業績の改善のため、中信金属の利益は23%増加
して1.7十億香港ドルとなった。当年中に、中信金属は、カナダの企業であるアイバンホー・マインズの19.5%
の権益を取得し、同社の単独の筆頭株主となった。CITIC Groupの発電事業も、収益が改善した。
資源商品
・ 原油
2018年、中信資源の一日平均生産総量は49,390バレルであり、2017年と同程度であった。当年中、中信資源
は、既設井戸の自然減少による悪影響を最小限に抑えるためのメンテナンス計画を最適化した。報告期間中に
中信資源は、セラム区画の、2019年11月1日に開始する20年間の生産シェア契約(以下「PSC」という。)を無
事に更新した。中信資源は現在、PSCにおいて41%の権益を保有しており、セラム区画の管理者を維持してい
る。PSCの更新後、中信資源はセラム区画のローファン地域の探査の再開を考慮する予定である。全体としての
原油事業は、平均原油価格の上昇に起因して、業績を大幅に改善し、生産管理を向上させた。
・ 石炭
中信股份は、中信資源を通じて、オーストラリアのカッパーベラ・モアベール炭鉱合弁事業の権益及び多数
の石炭探査事業の権益を保有している。同社はまた、中国の山東省にある新巨龍炭鉱の権益の30%を新力能源
を通じて保有している。
・ 発電
中信股份は、新力能源を通じて、中国本土の石炭火力発電所(合計設備容量6,400メガワット超)に投資し、
経営管理している。これらの発電所のうち、江蘇省の利港発電所は、設備容量4,040メガワットを有する、中国
最大の石炭火力発電所の一つである。2018年には、2017年よりもわずかに少ない、合計30.9十億キロワットの
電力が生み出され、前年度より38%多い19.8百万ギガジュールの火力が供給された。どちらも、主に利港発電
所の寄与によるものである。
金属及び鉱物
・ 磁鉄鉱
中信股份は、中信鉱業国際を通じて、西オーストラリアのピルバラ地域のケープ・プレストンで2十億トンの
磁鉄鉱を採掘する権利をもち、さらに1十億トンの磁鉄鉱を取得するオプションを行使した。中豪鉄鋼は、約30
年の採掘年数を有する、オーストラリアで最大の採鉱・加工事業である。
2018年、中豪鉄鋼は、記録的な生産水準を再度達成し、19百万ウェット・メトリック・トン超をCITIC Group
の特殊鋼工場及びその他の中国及びアジアの鉄鋼工場に供給した。輸出が開始されて以降、50百万トン超の精
鉱が輸出された。中豪鉄鋼は、今や中国に対する鉄鉱精鉱の主要な海上運輸供給者であり、取引量では約22%
を占めている。
報告期間中、生産増加及び6つの処理経路の業績、採鉱、製品の処理及び輸送を担当する部門と現行の様々な
費用削減処置との間の統合が改善したことに支えられ、費用は引き続き減少傾向にあった。
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これらの実績にもかかわらず、中豪鉄鋼における営業の継続は、長期の操業に必要とされる承認及び期間を
確保することができないことにより、危ぶまれたままである。この難局の解決は、緊急を要するものであり、
す べての関連当事者の協力が必要となる。
・ 銅
2018年、中信金属が15%の権益を保有しているペルーのラスバンバス銅山プロジェクトは、385,300メトリッ
ク・トンの銅を含む銅精鉱を生産した。この提携を通じて、中信金属はまた、ラスバンバス銅山から採取され
た銅精鉱の約26%の販売権を確保した。2018年には、312,500メトリック・トンの銅精鉱が中信金属を通じて流
通した。
・ フェロニオビウム
中信金属は、世界のフェロニオビウムの約80%を生産しているブラジルの鉱山業者であるCBMM社の権益の5%
を間接的に保有している。この提携を通じて、中信金属は、中国におけるかかる資源の独占販売権を有してい
る。同社は主に、高張力高性能の鋼の生産に使用されているフェロニオビウムを大中規模の鉄鋼工場に供給し
ている。
・ マンガン
中信大金孟(CITIC Dameng)は、香港の上場会社で世界最大の垂直統合型マンガン生産会社の一つであり、
マンガン製品の生産及び販売に従事している。同社は、中国最大のマンガン鉱山を所有しており、また、この
他に中国やガボン、西アフリカに所在する複数の鉱山の権益も保有している。
・ 貿易
中信金属グループ及び中信資源は商品の貿易を行っている。主な製品には鉄鉱石、フェロニオビウム、銅、
アルミニウム、石炭、プラチナ及び鋼鉄が含まれている。中信金属の鉄鉱石の取引量は、2018年に45百万トン
に増加し、中国の業界において一流の鉄鉱石貿易業者となった。
(c)製造
当グループの製造事業は、特殊鋼、軽量自動車部品及び先進装備の製造を含み、そのすべてが中国における
それぞれの部門の市場での主導的立場を享受している。
2018年、製造事業の営業収益は122十億香港ドル(前年比25%増)を記録し、普通株主に帰属する利益は6十
億香港ドル(前年比81%増)となった。
以下の表は、表示期間に関するCITIC Groupの製造業の主要経営主体の財務情報である。
12月31日に終了した年度
2017年 2018年
普通株主に 普通株主に
営業収益 営業収益
帰属する純利益 帰属する純利益
(百万香港ドル)
中信泰富特鋼 ............... 82,510 4,492
62,384 2,126
中信重工(1) ................ 6,157 125
5,327 36
中信戴卡 ................... 33,765 1,426
29,989 1,177
注 (1) 中信股份は、2018年12月31日現在、中信重工の持分を67.27%保有していた。
中信泰富特鋼は、当年中、記録的な販売、営業収益及び利益を達成した。2018年下半期中、中信泰富特鋼
は、湖南華菱鋼鉄(Valin Group)から靖江特殊鋼を取得し、価値を引き出すために興城及び大冶特殊鋼(Daye
Special Steel)を再構築することを発表した。中信戴卡は、市場での優勢を保つため、自動車販売の下落とい
う逆風に打ち勝った。2018年、同社は高性能生産及び新素材の採用において様々な躍進をみせた。中信重工の
従来の事業は、特殊ロボットの売上が国全体で急激に加速したことにより、2018年に回復した。
特殊鋼
中信泰富特鋼は、年間13百万トン超の生産能力を有する、中国で最大の特殊鋼の専門製造業者である。同社
は、江陰興澄特鋼、湖北新冶鋼、青島特鋼及び靖江特鋼の4つの鉄鋼工場を操業している。さらに、銅陵及び揚
州にも、それぞれ、原料炭及び鉄鉱石の処理工場を有している。
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中信泰富特鋼は自動車部品、エネルギー、機械製造、石油・石油化学、輸送、造船等の産業セクターに属し
ている顧客に向けて、棒鋼、鋼板、継目無鋼管、鋼線、鍛鋼及び鋳造用ビレットを生産している。その製品は
中国及び、米国、日本、ヨーロッパ及び東南アジアを含む、60を超える市場で販売されている。
2018年、中信泰富特鋼は、活気ある国内の鉄価格及び青島特鋼からの寄与の増加に影響されて、69.7十億人
民元(前年比29%増)の高い営業収益及び4.4十億人民元(前年比88%増)の純利益を記録した。鉄製品の年間
売上は、約12百万トンであり、前年比23%であった。2017年の青島特鋼の取得後、当社はその市場での主導的
立場を固めるために、2018年に靖江特鋼を取得した。
変わりゆく国際市場のダイナミクスに直面し、中信泰富特鋼はオンショア市場でのシェア拡大及び技術革
新、品質向上及び製品認証を通じた景品付き販売に焦点を当てた。国内での全体的な売上は引き続き力強く、
ハイエンドの商品が総生産高の42%を超えた一方で、売上合計の80%を占めた。
国際貿易紛争の激化及び業界全体における中国からの鉄の輸出の減少にもかかわらず、同社の輸出量は前年
比26%増の1.68百万トンになった。加えて、139の新規海外顧客を確保し、これは前年比86%の増加であった。
当年中、鉄製品の主要な原材料である鉄鉱石の価格が高騰した。これに対応して、調達センターは、3.4%減
少した原材料の費用を削減するために鉄市場の基礎的及び戦略的評価を実施した。同社の平均販売価格、販売
量及び利益マージンは、前年に比べて、すべて増加した。
重機
CITIC Groupは、中信重工を通じて、重機、完全なエンジニアリング・プロジェクト・マネジメント(現場評
価及び調査、設計、材料の調達、技術サービス、製造、設置、トレーニング及びプロジェクトの各段階に関す
るその他のサービスを含む、プロジェクト全体のための完全なエンジニアリング、資本設備の製造及びプロ
ジェクト管理サービスの提供)、ロボット・知的装置、省エネ・環境保護、新エネルギー電力設備及びその他
の分野において、大型の装置、完全な技術装置及び重要基本部品の設計、製造及び販売を行っている。2018年
12月31日現在、中信股份は中信重工の持分の67.27%を保有していた。中信重工(証券コード:601608)は上海
証券交易所に上場している。
中信重工は研究開発及びマーケティングサービスのバランスのとれた「主要製造業+総合サービス」として
のビジネスモデルを適用している。
中信重工はまた、中信重工開城智能有限公司(CITIC Heavy Industries Kaicheng Intelligence Equipment
Co., Ltd.)に社名を変更した唐山開城の持分の80%を所有している。中信重工開城智能有限公司は、石炭採掘
及び救助活動の分野において使用するロボット製品を製造する認可を受け、総合採掘自動化ソリューションを
提供している、中国本土における唯一の企業である。中信重工のロボット部門は2016年以降大幅に拡大した。
中信重工は5つのカテゴリー(トラック、潜水艦、検査、地中掘削及び穿孔)において、合計20の個別のロボッ
ト製品を提供している。これらの製品は、消火活動、公共インフラ、発電所、鉱業及び石油精製を含む、様々
な状況において広い適用性を持つ。
・製品及び製造
・中信重工の主要な製品は、以下を含む。
- 重機産業:統合された主要な知的設備であり、大型鍛鋼品、鋳物部品及び、様々なプロジェクトの運営に
必要とされる様々な種類の予備部品などの主要な部品だけでなく、ミル、粉砕機、ローラー式成形機、
竪型粉砕機、回転窯、巻き上げ機、トンネル掘進機及び金属溶解機・フライス盤を含む
- 完全なエンジニアリング・プロジェクト・マネジメント部門:現場評価及び調査、設計、材料の調達、技
術サービス、製造、設置、トレーニング並びに、建設業、鉱業及び冶金などの様々な部門における顧客
のプロジェクトの各段階に関するその他のサービスを含む、プロジェクト全体のための完全なエンジニ
アリング、資本設備製造及びプロジェクト管理サービスの提供
- ロボット・知的設備産業:ロボット製品、知能制御機械及び関連するサービス
- 省エネ及び環境保護産業:廃熱・廃圧利用、廃棄物処理、固液分離処理、選炭及び高効率利用などの機能
を有する省エネ及び環境保護設備
・研究開発
中信重工の主な競争上の優位性は、商品開発及び独自技術における強さである。同社が中国本土に有する技
術センターは、国内で最も包括的な採掘装置研究施設であり、オーストラリアの研究開発施設においては、国
際的な顧客と密接に連携し地域における新製品を開発している。中信重工は、採鉱設備のための国内初の重点
研究所並びに新たな採鉱設備及び原材料のための分析・試験研究所を設立した。
・調達及び供給
2018年、中信重工は、10,000トンのセメント生産部門の中核設備をアップグレードし、操業効率が大幅に改
善した。同社はまた、研削を完了させるため、専有の大型垂直粉砕機LGMC5725を設置した。このミルは、パキ
スタンのセメント業界で適用された中国初の統合システムであり、海外から輸入された類似のシステムの代わ
りとして機能する。2018年9月、中信重工は、中国中信の設備事業に追加される、非破壊テスト及び関連するア
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プリケーションのための産業用コーンビーム断層撮影法を開発するため、鄭州信大先進技術研究院(Zhengzhou
Xinda Institute of Advanced Technology)とともに、CITIC CTを設立した。開城智能は、中信重工の国内2番
目 のコーポレート・テクノロジー・センターとなり、中国の最も特別なロボット企業の一つとして高い評価を
得た。2018年末までに、中信重工は中国において892の有効な特許を保有しており、そのうち306は発明特許で
ある。
・顧客、販売及びマーケティング
中信重工は中国本土における国内企業の一つであり、欧州連合(EU)と米国の基準に従ったセメント及び発
掘装置の設計並びに製造法を有する。中信重工は石炭及び採鉱産業、金属産業、建設資材産業、発電産業、非
鉄金属産業、電力電子産業並びに節電及び環境保全産業における上位顧客からなる60社を超える顧客数を有し
ている。前述の顧客には、特にBHPビリトン、ヴァーレ、中国神華能源股份有限公司、中国華能集団、中国黄金
集団公司、安徽海螺水泥股份、ラファージュ(Lafarge S.A.)、ホルシム(Holcim Ltd.)、セメックス
(Cemex SAB de CV)、ハイデルベルグセメント(HeidelbergCement AG)、及びイタルチェメンティ・グルー
プ(Italcementi Group)等が含まれる。
中信重工の販売は中国本土の国内市場に集中しており、また海外市場への販売によって補完されている。中
国の国内市場においては、中信重工は直販モデルを使用しており、入札及び交渉に参入することにより、受注
を勝ち取っている。中信重工の販売チームは、それぞれの商品のターゲット層に応じて、全国的に各々の産業
部門に対して商品の営業を行っている。国際市場における販売においては、同社の状況及び市場の需要を鑑み
て、直販、代理販売、業務委託及び大口顧客との提携を含む様々なビジネスモデルを適用し、中信重工は多様
な国及び地域をターゲットとしている。
中信重工は設計、調達及び建設(以下「EPC」という。)プロジェクトに関する海外市場及び国内市場の開拓
を継続している。
アルミ・ホイール及びアルミニウム鋳物
中信戴卡は世界最大の自動車用アルミ・ホイールの製造者且つ輸出者である。また、同社はKSM鋳造集団にお
いて自動車のパワートレイン、鋳造及び車体に使用される軽量アルミニウム鋳物の幅広い部品も製造してい
る。世界中に設計、研究及び製造チームを備え、中信戴卡は現在、未来の自動車輸送を推進する軽量化部品及
び統合プロセスの開発の発展に注力している。
中信股份の完全子会社である中信戴卡は、その本部を中国北部の河北省にある秦皇島に構え、中国、北米及
びヨーロッパにおいて24の施設を有している。年間総生産量はアルミ・ホイールにおいて58百万個、アルミニ
ウム鋳物においては110,000トンである。
主要な市場においてエンジニアリング、研究及び製造のチームを有し、中信戴卡は、自動車業界及びその範
囲を超えて、輸送の将来を担う統合軽量化ソリューション及び新素材の商業用への適用の研究開発の加速に焦
点を当てている。増加する国内及び国外の需要に応えるため、中信戴卡は2017年においても生産能力の拡大へ
の投資を継続する。
当年中に自動車販売が世界的に下落したことにより、中国における自動車の総生産量は4.2%減少して27.8百
万台となった。この状況に反して、中信戴卡は製造費用を削減し、生産性を高めるために新たな製造自動化プ
ロセスを導入する一方で、よりマージンの高い製品との製品構成を最適化した。全体的な収益性は依然として
強固であり、市場で良い業績を上げている。
同社はそのネットワークを通じて、容量拡大に関しても目標に達した。同社のミシガン州ホイール工場は
2017年において1.5百万個を製造し、設計年間容量である3百万個の達成に向けて迅速に前進している。ホイー
ルの年間設計容量2.4百万個を有する無錫製造拠点は、現在商業生産を開始した。同時にKSMの成都における新
生産施設の開発も、スケジュール通りに進捗し、アルミニウム鋳物の年間生産容量が新たに6,000トン増加し
た。2018年末には、アルミニウム鋳物の年間生産量は11,000トンとなる予定である。
ホイール及び鋳物の売上高の増加により、総営業収益は10%増加し、28.5十億人民元となり、純収益は18%
増の1.2十億人民元となった。当年中、中信戴卡は54百万個のホイールを売り上げ、これは2017年を5.3%上回
るものであった。鋳物の販売は約77,200トンで、横ばいのままであった。
2018年、中信戴卡は、秦皇島本社においてライン6のホイール生産ラインの建設を完了した。中信戴卡の専有
の先進ロボット及び高性能生産バックエンドを備えている。ライン6は最先端の自動車製品の製造ための完全に
自動化された、効率性の高い、柔軟な設備である。かかる産業フロンティアの設計年間容量は3百万ユニットで
ある。
アルミニウム鋳物において、同社は完全子会社であるドイツのKSM鋳造とともに、KSMの販売ネットワークを
ヨーロッパから北米及びアジアに拡大すると同時にリードサイクルを短縮するために、新製品の開発を進めて
いる。乗用車にますますアルミニウム部品が装備されるようになったため、同社のサブフレーム及びバッテ
リーケース製品が主要な自動車メーカーに取り入れられるようになった。
国際的な需要に応えるために、中信戴卡はモナコにおいて、合計6百万ユニットの年間生産容量を有する、2
つの製造拠点の建設を指揮した。建設の第一段階は2018年9月に開始され、2019年中頃に完了する予定である。
この新たな施設は、3百万ホイールの年間生産容量を有するものである。中信戴卡はまた、海外の顧客との関係
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を強化し、彼らの要望により応じ、同社の市場での主導的立場を強化するために、統合サービスユニットを改
良した。
顧客
中信戴卡のアルミ・ホイールの主要顧客には、6社の主要な中国の自動車メーカーだけでなく12社の世界的な
主要自動車メーカーも含まれる。中信戴卡はまた、多数の主要自動車ブランドの国際戦略的パートナー及び、
F1レースにおけるマグネシウムホイールを供給する唯一の中国企業でもある。これは、同社の自動車エンジニ
アリングの技術が世界レベルであることを証明している。軽量アルミニウム鋳物部品の主要顧客は、ダイム
ラー、フォルクスワーゲン並びにTRW、ZF及びボッシュといった部品製造会社を含む。2018年、中信戴卡の上位
10顧客は、総売上高の34.8%超を占めた。
開発研究
中信戴卡はホイール及び鋳物のデザイン並びに製造における主要なイノベーターである。同社の最先端生産
技術の中でも、同社は標準加工時間を20%削減させる商品設計及びモデリングの自動システムを保持してい
る。同社の保有する70%の設備及び施設に組み込まれた独占高性能生産システムによっても、製造効率は最適
化されている。更に同社は、中信戴卡設計機関においてアルミ・ホイール及び鋳物の設計並びに製造に対する
統合的な研究を行っている。
2018年に、中信戴卡は新商品開発能力を高め、新エネルギー車に合わせてデザインしたホイールのカスタマ
イズに成功した。新素材に関しては、同社は鍛造マグネシウム合金ホイールの開発に係る世界初のOEMプロジェ
クトに着手し、また、炭素繊維複合材の商業的応用についても引き続き研究を行っている。
(d)技術契約
CITIC Groupの技術契約事業は、インフラ、住宅、産業建設及び公共事業プロジェクトに関するサービスを提
供する。2018年12月31日及び2017年12月31日に終了した年度の技術契約事業の営業収益は、それぞれ合計
19,700百万香港ドル及び14,653百万香港ドルであった。2018年12月31日及び2017年12月31日に終了した年度の
普通株主に帰属する利益は、それぞれ合計2,053百万香港ドル及び1,731百万香港ドルであった。
建設
中信建設は、総合的な技術的建設業務提供業者である。同社の主要な市場はアフリカ、ラテンアメリカ及び
「一帯一路」沿いの国々であり、同社は現在英国などの先進国海外市場に業務を拡大し、特にパブリック・プ
ライベート・パートナーシップ(PPP)プロジェクトを通じて、中国本土における事業を成長させている。イン
フラ、住宅及び産業建設において確立した地位に加えて、同社は、資源、エネルギー、農業及び環境保護の分
野に業務を展開しようとしている。
EPC業務に加え、中信建設は、CITIC Groupの莫大な資源及びネットワークを活用し、事業計画、設計、投
資、資金調達、経営、調達、運用及びメンテナンスを含む一連の付加価値業務も提供している。これらの幅広
い業務範囲は、同社に発展途上国において顕著な競争優位性をもたらした。
重要な大規模プロジェクトの成功を通して、同社は強固なブランド及び評判を確立した。同社は現在、大成
功を収めた中国の技術契約企業として広く認められている。
2018年、中信建設は、9,642百万人民元の営業収益及び1,361百万人民元の株主に帰属する純利益を記録し
た。これは、主に節税及び投資利益が寄与した結果である。報告期間中に締結された契約の総額は約37.1十億
人民元であり、前年比で61%増加した。年初来からの締結された契約の総額は248.3十億人民元であった。
同年、中信建設は、「一帯一路」沿いの市場開発を継続し、インド、スリランカ、モルディブ及び海洋シル
クロード沿いのその他の国々にまで拡大した。カザフスタンの主要市場におけるTKU高速道路整備プロジェクト
は順調に進行中である。カザフスタン国道のカラガンダ-バルハシ間を整備する新規プロジェクトも開始し
た。ベラルーシでは、中信建設は農業及び工業の複合プロジェクトに着手した。英国においては、ロイヤル・
アルバート・ドックの主要な建設が完了し、試用段階に入った。
アフリカにおける長年の経験を活かし、中信建設は、アンゴラ及び周辺西アフリカ諸国並びにアルジェリア
におけるビジネスチャンスの開拓を継続的に行っている。アルジェリアの東西高速道路の西側部分の建設が完
了し、2018年1月に84kmの東側部分の建設が始まった。アンゴラでは、RED公営住宅100,000戸の建設が順調に進
展し、ザング及びルバンゴの数区画の土地が譲渡された。ラテンアメリカにおいては、マレー諸島、ベネズエ
ラでの淡水化設備の建設が完了した。
好調な海外事業に加え、中信建設は、パイプラインに関する数多くの新規プロジェクト等、国内事業におい
ても堅調な成長を見せている。同年に建設が開始した新規プロジェクトには、資陽市の天府国際空港の臨空経
済圏の新工業都市、黄河国際エコシティの竜泉市及び山東省の浜海路の蓬莱市区のPPPプロジェクトが含まれ
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る。また、同社は、新疆ウイグル自治区の阿拉山口市における大規模な家畜隔離及び食肉処理プロジェクトを
締結した農業分野を含む、新たな部門におけるプロジェクトを請け負った。
同年、同社は、その安全性及び質に対する取組みが認められ、権威あるインダストリー・アワードを受賞し
た。アルジェリアの東西構想道路プロジェクトの西側部分につき、第15回中国土木工程詹天佑 奨 を受賞し、中
信銀行の北京の情報技術研究開発センターは、2017-2018年のストラクチュアル・グレート・ウォール・カップ
の高品質工学プロジェクトの受賞者となった。
工学
中信工程は、優秀な工学能力を有する、中国で有数の技術を基盤としたEPC(設計、調達及び建設)業務提供
業者である。その主な事業は、建物建設、公営インフラ及び環境保護に係るプロジェクトを含む都市計画及び
生態系保護のEPCプロジェクトに重点を置いている。
同社は、建築設計及び都市設計に関する多数の特許を保有している。同社は、様々な国家基準及び仕様の確
立を先導・促進し、全国のプロジェクトを管理している。
中国経済の継続的な成長及び発展に伴い、中信工程は、国のインフラへの継続的な大規模投資の恩恵を受け
ている。さらに、中信工程の環境保護及び生態系保護に関する専門性は、急速な成長が環境に与える影響を軽
減するという国家指導部の目的を補完する。2018年の中信工程の年間営業収益は、7,052百万人民元(99%増)
に達し、株主に帰属する純利益は605百万人民元(31%増)であった。事業の成長は、主に武漢におけるEPCプ
ロジェクト(江夏区における水質浄化プロジェクト、東湖新技術開発地区におけるフォレスト・アベニュー及
び武漢空港の経済技術開発区におけるナショナル・ネットワーク・セキュリティ・タレンツ・アンド・イノ
ベーション・ベースを含む。)によるものだった。
(e)不動産
CITIC Groupの不動産事業は、主に不動産の開発、販売及び投資から構成される。不動産事業は主に、中信城
市開発運営(CITIC Urban Development and Operation Co., Ltd.)、中信泰富有限公司(CITIC Pacific
Limited)(以下「中信泰富地産」という。)及び中信和業投資有限責任公司(CITIC Heye Investment Co.,
Ltd.)(以下「中信和業」という。)を通じて運営されている。
CITIC Groupは、2016年に不動産事業を中国海外に統合することにより、不動産事業を再編した。CITIC
Groupは、2016年の中国海外の取引完了日現在における中国海外の増資後資本金の約10%を占める株式を対価と
して、中国の住宅不動産プロジェクトの権益の一部を中国海外に売却し、中国海外が所有する商用不動産の
ポートフォリオを中信股份の完全子会社に譲渡した。
2018年、不動産業界の成長は鈍化し、多くのデベロッパーはその事業を多角化した。不動産事業の持続可能
性を維持するため、その資産プロジェクトの組み合わせを最適化し、不動産開発と財政及び都市開発の結合の
実現可能性を調査し、既存のプロジェクトの進展を促進した。
(f)その他の事業
情報サービス
CITIC Groupは、2つの地域にサービスを提供する事業に従事している。一つは、携帯電話の海外ローミング
サービス、国際音声サービス、国際SMSサービス、国際データサービス及び付加価値のある国際電気通信サービ
スを扱う、中信国際電訊により営まれる電気通信事業である。もう一つは、亞洲衛星により営まれる衛星トラ
ンスポンダのリース及び販売事業である。
中信国際電訊の完全子会社であるアクリヴィス・テクノロジーズ・アンド・ソリューションズ(Acclivis
Technologies and Solutions)(以下「アクリヴィス」という。)は、政府にとって信頼できるアドバイザー
であり、中信電訊の端末間のICT機能を活用し、クラウド・ソリューション、マネージド・サービス及び企業間
結合に焦点を置いた、デジタル変換プロジェクト及びスマート・ソリューションを提供する企業である。また
アクリヴィスは、シンガポール及びタイにおいて、定評のあるインターネット・サービス・ブランドである
「パシフィック・インターネット(Pacific Internet)」を有しており、東南アジアの主要都市一帯に、デー
タ・センター及びクラウド・コンピューティング・センターを設立した。
もう一つの完全子会社である中信国際電訊(信息技術)有限公司(CITIC Telecom International CPC
Limited)(以下「CPC」という。)を通じて、中信国際電訊は、プライベート・ネットワーク・ソリューショ
ン、EPL、インターネット・アクセス、クラウド・コンピューティング、情報セキュリティ、クラウド・デー
タ・センター及び一連の付加価値サービスを含む、ワンストップのICTソリューションを、多国籍企業や商業顧
客に提供している。CPCは、アジア太平洋地域の優れた多国籍企業や商業顧客から最も信頼されるパートナーの
一つである。
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中信国際電訊は、澳門電訊有限公司(Companhia de Telecomunicacoes de Macau, S.A.R.L.)(以下「澳門電
訊」という。)の99%の権益を保有している。澳門電訊は、マカオの主要総合電気通信サービス提供業者の一
つであり、マカオで唯一全ての電気通信サービスを提供する企業である。同社は長年マカオの居住者、政府及
び 企業に高品質な電気通信サービスを提供しており、マカオの持続的発展において重要な役割を果たしてい
る。
亞洲衛星の事業は、衛星トランスポンダのリース及び販売、放送、通信並びにデータのアップロード及びダ
ウンロードのサービス等である。
一般商取引
大昌行は、自動車及び関連サービスの流通及び販売、食品及び日用品の流通及び販売、ヘルスケア商品及び
電気製品の流通及び販売並びに物流サービスの提供に従事している。30を超える国と地域の1,000超ものブラン
ドにおける優先パートナーである同社は、アジア太平洋地域に確立されたネットワークを有し、幅広いサプラ
イチェーン・ソリューションを提供している。
2018年に大昌行は、自動車事業の拡大を背景に堅調な業績を残した。下半期における経済的な逆風にもかか
わらず、普通株主に帰属する利益は2.2%増加した。また、同年中国食品及び日用品事業の再構築を継続した。
インフラ
中信股份のインフラ事業には、中信興業を通じた中国の港及び港湾ターミナルへの投資及びその管理並びに
中国の地域開発がある。中信股份は香港の西區海底隧道の権益も保有する。
当該地域開発事業とは浙江省の寧波にある西店ニュータウン・プロジェクトを指す。このプロジェクトのた
めに中信興業は、海岸干拓地の建設、土地整理、都市基盤整備並びに水道工学及び緑地開発といった支援プロ
ジェクトを構築している。計画されている土地面積は約6,480ムーであり、計画されている総床面積は約4百万
平方メートルである。
港湾ターミナル業務は、主に、液化油ターミナル及び倉庫への投資及びこれらの自主運営並びにコンテナ
バース等の他の種類のバースの運営から成る。現在のところ、CITIC Groupは、CITIC Groupが最大処理容量
37.7百万トン及び貯蔵容量2.1百万立方メートルの液化油の給油港を経営している長江デルタ及び長江経済圏に
おいて3件の格子状レイアウトへの投資プロジェクトを完了している。将来、CITIC Groupは液化油に焦点を置
くことにより、珠江デルタ及び環渤海経済圏での投資プロジェクトに進出する予定である。その最終目標は、
指導的地位及びこの市場分野における影響力を持つ、特に国内港湾における港湾及び貯蔵施設への投資家並び
にそれらの経営者となることである。加えて、CITIC Groupは、ネットワーク機能を通じたサプライチェーン管
理業務の提供を計画している。
プロジェクトの 中信興業が
プロジェクト
タイプ 保有する持分
Ningbo Daxie PetroChina Fuel Oil Terminal Co., Ltd.
液化油ターミナル 51%
(300,000トン級)
Ningbo Daxie Guanwai Liquefied Chemical portterminal
化学製品ターミナル 51%
(50,000トン級).
Ningbo Daxie Gangfa oil port terminal (50,000トン級)
液化油ターミナル 20%
Ningbo Daxie China Merchants International Container Terminal
コンテナターミナル 20%
Ningbo Daxie Development Zone Xinhai Oil Terminal Co, Ltd
液化油貯蔵 30%
Ningbo Daxie Development Zone Xinyuan Port Terminal Co, Ltd
液化油ターミナル 51%
(建設中)
Ningbo Xinrun Petrochemical Storage and Transportation Co., Ltd
石油化学製品貯蔵 90%
(50,000トン級、建設中).
香港西區海底隧道 トンネル 35%
環境保護
中信環境は、CITIC Groupの環境保護領域に特化した投資及び運営プラットフォームである。同社の事業は、
水処理、水、固形廃棄物の処理及び省エネサービスの3分野にわたっている。
CITIC Groupが2015年にシンガポールの上場企業である中信環境技術の買収を完了して以来、中信環境は、グ
ループの内外の資源を活用することによりその事業を拡大している。2018年末現在の水処理施設の設計上の平
均日間最大処理容量合計は6百万トンを超えている。
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中信環境技術は、「一帯一路」沿いの国々において事業の拡大を続けている。2018年11月22日に、李克強首
相と中国訪問中のカザフスタンの首相が同席した式典において、両国間で協力覚書が調印された。この契約に
より、中信環境技術とカザフスタンのカラジャンバスの石油会社との間で調印されたKBM水再生利用プロジェク
ト を含む重要なプロジェクトへの投資の道が開かれた。現在、KBM水再生利用プロジェクトは準備作業の大半を
終え、2020年上半期に生産開始が予定されている。
李克強首相の「三大攻堅戦」(貧困の削減、環境汚染のコントロール及びリスク低減)に勝利するという要
求に応え、中信環境技術は、環境復元及び生態回復のため、涼山イ族自治州、美姑県において20百万平方メー
トルにわたる36の郷にエコロジーな環境システムを計画した。
2018年、中信環境は、株式取得及びプロジェクト資産の投入によって重慶三豊環境産業集団(以下「三豊」
という。)の保有持分を引き続き増やし、その国内外の家庭ごみ焼却事業の拡大を支援した。2018年末、三豊
は、1日当たり42,600トン規模の処理能力を有する、33件の建設・運営・譲渡(BOT)プロジェクトに投資し、
国内の業界において指導的地位を維持している。同年の三豊の技術・装備は、中国、米国、ドイツ、インド及
びブラジルを含む9ヶ国にわたる145件の焼却プロジェクトにおける255の焼却ラインに使用された。1日当たり
13,700トン規模の処理能力により、三豊は中国の火格子炉市場において第一位に付けている。
中信環境は、同年において、有害廃棄物処理事業も拡大した。2018年末までに、新疆ウイグル、山東省、江
蘇省及びその他の主要な地域における10件の高品質な有害廃棄物処理プロジェクトを、1.2百万トン超の設計上
の年間処理能力をもって獲得した。
現代農業
中信農業は、最も主要な種子会社を目指す戦略の一環として、農業科学技術に重点を置いている。当該部門
における中信股份の優位性を利用し、中信農業は、種子業界プラットフォームに重点を置く国際的に競争力の
ある農業技術会社となった。
2018年、中信農業は、従前CITIC Groupの他の事業体が保有していた隆平高科の株式を取得することを公表し
た。いくつかの主要なプロジェクトの完了に伴い、中信農業のベンチャーは現在、中国中の植物育種、動物育
種及び動物のヘルス・オペレーションにわたっている。また同社は、報告期間において、北京首農食品集団有
限公司の株式16.67%を取得し、中信農業基金と共同で聯合農業基金の持分30%を取得した。
隆平高科(SZ証券コード:000998)は、同年記録的な営業収益を達成し、中国で1番の種子会社の地位を維持
した。同社のコーン種子の市場シェアは、北京連創