チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド 有価証券報告書 第17期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
提出書類 | 有価証券報告書-第17期(平成30年1月1日-平成30年12月31日) |
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提出者 | チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
EDINET提出書類
チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド(E05927)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月24日
【事業年度】 第17期(自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日)
【会社名】 チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド
(China Telecom Corporation Limited)
執行取締役、執行副社長、最高財務役員兼取締役会秘書役 朱 敏
【代表者の役職氏名】
(Zhu Min, Executive Director, Executive Vice President, Chief
Financial Officer and Secretary of the Board)
【本店の所在の場所】 中国100033北京市西城区金融大街31号
(31 Jinrong Street, Xicheng District, Beijing, China 100033)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 松 添 聖 史
【代理人の住所又は所在地】 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー&マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
【電話番号】 東京(03)6271-9900
【事務連絡者氏名】 弁護士 渡 邊 大 貴
【連絡場所】 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー
ベーカー&マッケンジー法律事務所
(外国法共同事業)
【電話番号】 東京(03)6271-9900
【縦覧に供する場所】 該当なし
(注)1.別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「当社」はチャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッドおよびその子会社を指す。当社
の設立以前の時点に関する「当社」という用語は当社の前身である法人が従事し当社が継承した事業を指す。
別段の記載がある場合を除き、本書に記載の「中国電信グループ」または「当グループ」は、中国電信集団公司(チャイナ・テレコミュニ
ケーションズ・コーポレーション)およびその子会社をいう。
2.「中国」は中華人民共和国を指し、「政府」は中華人民共和国政府を指す。別段の記載がある場合を除き、本書に記載の中国および中国に関
する記述は香港、マカオおよび台湾には適用されない。
3.「香港ドル」は香港の法定通貨を指す。本書において記載されている香港ドルから日本円への換算は、1香港ドル=14.26円(株式会社三菱
UFJ銀行が発表した2019年4月26日の対顧客電信売買相場の中値)の換算率により行われている。
4.「人民元」は中国の法定通貨を指す。本書において記載されている人民元から日本円への換算は、1人民元=16.56円(中国外国為替管理局
が発表した2019年4月26日の基準為替レートに基づく)の換算率により行われている。
5.当社の会計年度は暦年である。
6.本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
中国会社法、証券法、海外上場特別規定及び及び必須条款
中国において設立され、香港証券取引所及びニューヨーク証券取引所上場の株式会社として、当社は中国の以下の4つの
法令に服する。
・「中国会社法」 1993年12月29日に全国人民代表大会常務委員会(略称:「NPC」)により公布され、1994年7月1日か
ら施行された。2005年10月27日、第10期全国人民代表大会常務委員会は修正された新会社法を可決し、これは2006年1
月1日から施行された。2013年12月28日、第12期全国人民大会常務委員会において、会社法の修正が可決された。これ
は2014年3月1日に施行された。 2018 年10月26日、第13期全国人民大会常務委員会は会社法の修正を可決し、これは同
日付で施行された。
・「中国証券法」 1998年12月29日に全国人民代表大会常務委員会により交付され、1999年7月1日から施行された。
2005年10月27日、第10期全国人民代表大会常務委員会は修正された新証券法を可決し、これは2006年1月1日から施行
された。2013年6月29日、第12期全国人民常務委員会は証券法の修正を可決し、同法は同日施行された。2014年8月24
日、同法は更にに全国人民代表大会常務委員会の決定により、(中国証券法を含む)保険法及びその他4つの法律が改正
され、同日付で施行された。
・The Special Provisions of the State Council Concerning the Floatation and Listing Abroad of Stocks by Limited Stock
Companies(略称:「海外上場特別規定」)は1994年8月4日に国務院が承認し、発効した、及び
・The Articles of Association of Companies Seeking ▶ Listing Outside the PRC Prerequisite Clauses(略称:「必
須条款」)は、国務院証券委員会(現中国証券監督管理委員会(略称:「CSRC」)及び中国国家経済体制改革委員会(現
中国国家発展改革委員会(略称:「NDRC」)が共同で1994年8月27日に公布し、発効した。海外上場の株式会社として
当社は定款にその規定を盛り込む必要がある。
以下は当社に適用される中国会社法、証券法、海外上場特別規定及び必須条款の概要である。
設立
株式会社は2名以上200名以下の発起人により設立でき、少なくとも発起人の半数は中国内に居住していなければならな
い。海外上場に関する特別規定に従い、国有企業又は国有資産が主要な位置を占めている企業は関連法規に従い、海外投資
家に株式が発行できる株式会社に再編することができる。かかる経緯で再編され設立される会社の場合には、5名未満の発
起人により設立することができ、設立後は新株式を発行できる。当社は中国会社法の下で株式会社として設立されている。
これは、当社が法人であり、当社の登録資本が等額面価額の株式に分割されていることを意味する。当社の株主の義務は彼
らが保有する株式の金額に限定され、当社は当社の債権者に対して当社総資産と同額の責任を負う。
中国会社法に基づき、当社は他の企業に投資をすることができるが、法が定める以外は当社の投資に対して連帯責任を負
うものではない。
発行株式が全額払込まれてから30日以内に発起人は設立総会を招集し、設立総会の15日前までにその開催日につき全ての
引受人へ通知をなすか公告を行う。設立総会は、会社議決権の50%超を表章する株式を所有する株主の出席をもってのみ開
催される。設立総会においては、発起人が提案する定款案の採択及び会社取締役会及び監査役会の選任等の事項が議案とな
る。決議はすべて、議決権の過半数を有する株式引受人が出席している総会の承認を必要とする。
設立総会終了後30日以内に、取締役会は登録機関に会社設立の登記を申請する。所管する工商管理局から登記の承認が与
えられ、営業許可が発行された後、会社は正式に設立され、法人としての地位を持つ。公募により設立された会社は、記録
のために国務院の関連登録機関証券管理部門に株式募集記録を提出する。
株式会社の発起人には、(ⅰ)会社が設立出来なかった場合、設立過程において発生した費用及び債務の支払につき連帯
責任を負い、(ⅱ)会社が設立出来なかった場合、預かり期間中の銀行金利での利息を含めて払込金額の引受人への払戻し
につき連帯責任を負い、さらに(ⅲ)会社設立過程において発起人の過失の結果会社が蒙った損害につき責任を有する。
1993年4月22日付けで国務院が公布した株式の発行及び取引の管理に関する暫定規定(この規制は中国内の株式の発行及び
取引並びにその関連業務のみに適用される。)に従い、会社が募集により設立される場合、かかる会社の発起人及び取締役
は、目論見書に署名をし、目論見書に誤った又は深刻な誤解を招く表現が含まれないよう、また重要情報の脱落がないよう
確認し、目論見書の内容の正確性につき責任を引受けることを要求される。
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設立過程
国家経済貿易委員会(現中華人民共和国商務部)から承認を受けた後で、当社の取締役会は承認証書、会社定款及び資本
証明報告書を含む申請書を、国家工商行政管理総局に提出した。国家工商行政管理総局は2002年9月10日に当社の事業免許
を発行した。
登録資本
当社登録資本は北京工商行政管理総局に登録された払込済資本と同額である。
株式の割当て及び発行
当社株式の発行はすべて、透明、平等及び公平の原則に基づく。同種の株式は同等の権利を持たなければならない。当社
株式の各発行に関し、各株式への割当て条件(引受価格を含む。)は同種の他の株式と同一でなければならない。当社は株
式を額面価格又は割増価格で発行することができるが、額面以下で発行することはできない。
当社は海外の一般公衆に当社株式を売出すにはCSRCの承認を得なければならない。海外上場に関する特別規定に基づき会
社は、証券委員会の承認を得て、引受けられた株式数を計上した後、発行予定の海外上場外国投資株式の総数の15%以下を
留保することに、海外上場外国投資株式の発行に関する引受契約において、同意できる。
記名式又は無記名株式
発起人は現金で又は現物又は知的所有権、土地利用権若しくは評価可能かつ法的に譲渡可能なその他の資産により資本拠
出をなすことができる。当社が外国投資家に発行し海外で上場されている株式は、記名式に限られ、人民元建てで外貨によ
り引受ができる。香港、マカオ及び台湾地域からの投資家により購入され、香港で上場されている株式は、「海外上場外国
投資株式」のひとつの形式として知られる。中国内において当社が国内投資家に発行する株式はすべて、海外上場特別規定
に従い記名式とされる。
当社は記名式株式で発行されたすべての株式の株主名簿を維持することを求められる。株主の詳細、各株主が保有する株
式数、及び株主が当該株式の所有者になった日などの情報を名簿に記載することが要求されている。
当社はまた、発行済み無記名式株式の金額、各無記名株式の通し番号、各無記名株式の発行日を記録するよう定められて
いる。
株式資本の増加
当社は中国証券法に規定される以下の条件を充たす場合のみ、新株式を発行することにより株式資本を増加することがで
きる。
・当社が良好な事業状態の中で健全な企業構造を有している場合。
・当社が良好な財政状態にあり、利益を計上する持続可能な能力を有している場合。
・当社の過去3会計年度の財務・会計書類が虚偽の情報を含まない場合及び当社が重大な法の抵触となる行為を行わな
かった場合、並びに
・当社が国務院により承認され、国務院の証券監督管理部門により規定されるその他の条件を満たす場合。
当社は新株発行につき株主の承認を得なければならない。株主が新発行を承認した後で、当社は国務院の証券監督管理部
門の承認をも得る必要がある。当社が新株式の引受けを完了した後で、当社は北京工商行政管理総局に登録株式の増加を登
録し、公告をしなければならない。
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株式資本の減少
当社は当社の登録資本を以下の手続きに従い減少することができる。
・当社は現在の貸借対照表と財産目録を作成する。
・当社株主は株主総会において登録資本の減少を承認する。
・当社は減資を承認する決議の可決後、10日以内に資本減少につき当社債権者に通知し、30日以内に新聞紙上に減資の公
告を掲載する。
・当社債権者は法定の期間内に、当社に債務の支払又は債務に対する保証の提供を要求できる、及び
・当社は国家工商行政管理総局に登録資本の減少を登記する。
株式買戻し
会社は、以下のいずれかの場合以外の場合において自社株式を購入することはできない。(ⅰ)自社登録資本を減少させ
る場合、(ⅱ)自社株式を保有する他の会社との合併の場合、(ⅲ) 従業員による株式所有制度又は株式報奨制度を実施す
る場合 、(ⅳ)合併及び株主総会の分割決議に反対する株主が会社による株式購入を要求する場合 、(ⅴ)上場会社が発行
した転換社債と交換する場合、(ⅵ)上場会社が当該会社及びその株主の価値を維持する場合 である。上記(ⅰ) 及び
( ⅱ )の理由で自社株式を購入するためには、会社は株主総会の決議により承認を受けるとされる。 上記(ⅲ)、(ⅴ)及
び(ⅵ)の理由で自社株式を購入するためには、会社の定款に定められるとおり、取締役会に出席する取締役の3分の2以
上による賛成多数又は株主総会における承認が必要とされる。 (ⅰ)の場合、会社は購入後10日以内にその購入株式分を消
却しなければならず、(ⅱ)及び(ⅳ)の場合、株式は6ヶ月以内に譲渡又は消却されなければならない。(ⅲ) 、(ⅴ)
及び(ⅵ) の場合における自社株式の購入は、会社の発行済株式総数の 10 %を越えてはなら ず、株式は3年以内に譲渡又は
消却されなければなら ない。
自社株式を購入する上場会社は、中国証券法の定めによる情報開示義務を充足しなければならない。(ⅲ)、(ⅴ)及び
(ⅵ)の場合、上場会社は、証券取引所において株主に対する公開買付の手段により、自社株を購入しなければならない。
必須条款によると、当社は当社定款に従って行為し、関係監督当局から必要な承認を得る必要がある。当社は当社株式を
株主への一般申込みにより買戻し、又は証券取引所を通じ、若しくは市場外契約により買入れることができる。
当社株式買戻し後、当社は買戻した株式を消却し、登記明細を変更し、10日以内に公告を発行することを求められてい
る。
株式の譲渡
当社株式は、中国証券法及び海外上場特別規定のような適用法令に従い譲渡することができる。
当社設立時に中国電信集団公司(チャイナ・テレコミュニケーションズ・コーポレーション)に発行された株式は、証券
取引所での募集開始後1年間は譲渡できない。上記の制限に加え、当社取締役、監査役又はマネージャーは、彼らがそれぞ
れの職にある間は毎年その保有株式の25%のみを譲渡することが可能であり、退職後半年間はその株式を譲渡することがで
きない。
中国会社法は個人株主の株主比率を制限しない。
株式の譲渡は株主総会開催日前の30日間又は配当支払のための基準日前の5日間は株主名簿に記載することができない。
株主
中国会社法及び必須条款の下では、当社株主は以下の権利を有する。
・株主総会に本人又は本人に代わり代理人が出席し議決権を行使する。
・当社定款、株主総会議事録及び財務報告書を検査し、提案をし、当社業務に関する質問を行う。
・関連法規に従い、香港証券取引所において株式を譲渡する。
・当社清算の場合、剰余財産の比例按分割合を受ける。
・株主総会又は取締役会で可決された決議の手続きが適用法規、管理上の規制又は定款に抵触する場合、あるいは株主総
会又は取締役会で可決された決議の内容が定款に抵触する場合、人民法院に訴訟手続きを提起する。
・取締役又はマネージャーの行為が法規、行政上の規制、又は定款に違反する場合、あるいは、かかる人員が職務の遂行
の結果として会社が損害を被った場合、取締役又は上級管理者に対して訴訟を起こす。
・所有株式に按分比例して会社終了時の剰余財産を受ける、及び
・会社定款に記載のその他の株主の権利。
株主の義務には会社定款に従った義務、申込み株式に関する申込金の支払義務、株主が引受ける株式に関して支払うこと
を同意した申込金の範囲で会社の債務及び負債に責任を持つ義務、及び適用法、行政上の規制、又は会社定款に記載の株主
のその他義務がある。
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当社株主の責任はその保有する株式の金額に限定される。
株主総会
当社株主は株主総会で以下の権限を行使できる。
・当社の事業方針及び投資計画の決定。
・当社取締役及び監査役の選任及び解任並びに取締役及び監査役の報酬の決定。
・取締役会及び監査役会の報告の検討及び承認。
・当社年間予算及び財務計画の検討及び承認。
・利益分配計画及び損失回収計画の検討及び承認。
・株式資本の増減の承認。
・合併、分割、解散又は清算の承認。
・債券発行の承認。
・当社にサービスを提供する会計事務所との契約、解任又は非更新の承認。
・当社定款変更の承認、並びに
・議決権を有する当社株式の5%を保有する株主により提出された提案の検討及び承認。
・その他のいかなる項目も、適用法、行政上の規制又は定款に則り、株主総会にて株主による決議で可決される必要があ
る。
株主総会には年次株主総会と臨時株主総会がある。年次株主総会は毎年1回開催しなければならない。当社取締役会は、
以下のいずれかの状況が発生した後2ヶ月以内に臨時株主総会を招集しなければならない。
・当社取締役の人数が当社定款記載の数の3分の2又は中国会社法に定める数を下回った場合。
・累積損失が当社払込済資本総額の3分の1に達した場合。
・当社株式の10%以上の所有者(単独又は集合として)による請求がある場合。
・当社取締役会又は監査役会が係る総会が必要であるとみなした場合,又は
・当社社外取締役の2名以上(2名を含む)が請求した場合。
当社株主総会は取締役会が招集し、取締役会会長が議長を務める。海外上場特別規定及び必須条款に基づき、当社は株主
総会の45日前までに通知をなす義務があり、この通知には検討事項及び総会の日時と場所を明記しなければならない。当社
が無記名株式を発行している場合、当社は株主総会開催日の遅くとも45日前までに公告をする義務がある。海外上場特別規
定及び必須条款に基づき、株主総会に出席しようとする株主は総会の20日前までに出席の意思の書面による確認を当社に提
出しなければならない。議決権の5%以上を所有する当社株主は、海外上場特別規定に基づき、年次株主総会で検討すべき
議案を書面で提出する権利があり、当社は株主総会の議事で決定すべき権限の範囲内の決議案は含めなければならない。
海外上場特別規定及び必須条款は、当社議決権の50%以上を所有する株主が総会開催予定日の20日前までに総会に出席す
る意思を書面にて確認した場合、株主総会を開催できる旨を規定している。この50%の水準が充たされない場合、株主総会
は、かかる出席確認期限から5日以内に総会の議案並びに開催場所及び日時を、当社が株主に公告をもって通知した場合に
のみ開催される。
株主総会に出席した各株主は、所有する各株式につき1議決権の権利がある。株主は代理人を指名して自己を代理して株
主総会に出席させ、議決権を行使できる。株主総会に提案される普通決議は本人又は代理人が総会に出席している株主によ
る投票の過半数により可決される。ただし、特別決議及び以下の決議は3分の2を超えた投票により承認されなければなら
ない。(ⅰ)定款の変更、(ⅱ)合併、分割又は解散、(ⅲ)資本の増減又は種類株式、債券及び証券の発行、及び(ⅳ)
その他、その性質から会社としての当社に大きな影響を与える可能性があるため、特別決議で採択すべきであると株主が普
通決議で決議した事項。
種類株主の権利の修正又は廃棄の場合、必須条款により、当社は種類株主総会を開催することが求められる。国内株式の
所有者とH株式の所有者は異なる種類の株主とみなされる。
取締役
当社の定款の規定により、当社の取締役会は12名の取締役により構成される。当社取締役の任期は定款により決定される
が、3年を超えてはならない。当社の取締役は再選されれば何期でも連続して務めることができる。当社取締役会は以下の
権限を行使できる。
・株主総会の招集及びかかる総会における株主への業務報告。
・総会において株主が可決した決議の実施。
・当社事業計画及び投資案の決定。
・年次予算及び年次決算書類の策定。
・当社利益処分案及び損失回復計画の策定。
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・債務及び財務政策、当社登録資本の増減計画及び債券発行計画の策定。
・主要な取得、処分、合併、分割又は解散計画の策定。
・社内経営構造の決定。
・当社ゼネラル・マネージャーの選任及び解任、当社ゼネラル・マネージャーの助言に基く副マネージャー及び財務会計
責任者の選任又は解任、取締役会秘書役の選任又は解任、並びにその報酬の決定。
・当社支店の設立。
・当社定款修正案の作成。
・当社基本管理体制の構築。
・その他中国会社法及び当社定款に則り株主総会で決議すると定めた以外の重要事項及び行政事項の決定並びに重要契約
の締結。
・株主総会及び当社定款で授権されたその他の職務及び権限。
さらに、必須条款によると当社取締役会は当社定款の変更案の策定についても責任がある。
取締役会
当社取締役は毎年最低2回、定期取締役会を持つ。定期取締役会の通知は開催日の少なくとも10日前までになされるもの
とする。当社取締役は臨時取締役会の通知期限と方法につき定めることができる。
当社定款は会議招集のためには、当社取締役の過半数が出席することを求めている。取締役は本人又は他の取締役をその
代理人に指名して取締役会に出席することができる。取締役会決議はすべて、取締役の過半数の賛成票により可決されなけ
ればならない。取締役又は他の取締役(香港証券取引所上場規則で定義されている通り)が契約、取引、取決め又は取締役
会の承認を必要とするその他の事項に関して実質的に利害関係を有している場合、関係取締役は取締役会で当該事項には投
票せず、会議の定足数にも勘定されない。取締役会で可決された決議はすべて、関連する会議の議事録に記録されなければ
ならず、議事録は会議に出席した取締役及び議事録を記録した者により署名されなければならない。取締役会決議が適用法
令又は当社定款に違反し、会社としての当社に重大な損害を及ぼす結果となった場合、議案可決に参加した取締役(決議に
反対票を投じ、かかる反対票が当該議事録に記録された取締役を除く。)は、個人的に会社に対し責任を有する。
取締役会会長
当社の会長は取締役会により選任されるが、過半数の取締役の承認を得なければならない。会長は当社の法的代表者であ
り、以下の権限を行使できる。
・株主総会の議長となる、また取締役会を招集しその議長となる。
・取締役会決議の実施を審査する。
・当社発行の株券及び社債に署名する、及び
・取締役会に授権されたその他の義務
取締役の資格
中国会社法は、以下の者が当社取締役に就任できない旨規定している。
・民事責任を負うことができない又は同責任を負うに関して限られた能力しかもたない者。
・贈収賄、買収、財産流用、又は社会経済秩序を乱した罪により有罪判決を受け、その刑の執行が終了した日より5年を
経過していない者。
・政治的権利を剥奪され、かかる剥奪の終了時から5年を経過していない者。
・管理不行届きにより破産した、及び清算された会社又は企業の元取締役、工場マネージャー又はマネージャーで、かか
る会社又は企業の破産及び清算に関し個人的に責任のある者で、かかる会社又は企業の清算終了日から3年を経過して
いない者。
・不法な営業により事業免許を取消された企業の法的代表者及びかかる取消しに個人的に責任のある者で、かかる取消し
から3年を経過していない者、又は
・期限が到来しても返済をしていない比較的高額の借金を負う者。
会社が上記の規定に従わずに取締役を選出・任命する場合、かかる選出又は任命は無効とされる。上記「民事責任を負う
ことができない又は同責任を負うに関して限られた能力しかもたない者」に該当する現役取締役は、その職を解雇される。
取締役として行為する上でのその他の欠格事由は、当社定款及び必須条款に定められている。
監査役会
当社は、3名以上の監査役による監査役会を確立することを要求されている。監査役会は以下の事項に関し責任を持つ。
・当社の会計検査。
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・当社取締役及び上級管理職の監督、同取締役及び上級管理職が関連法規及び当社定款に従い職務を遂行しているかの確
認及び同取締役及び上級管理職の更迭の提案。
・当社利益に悪影響を及ぼす行為を修正するよう当社取締役及び上級管理職に要請する。
・取締役会が株主総会に提出する予定の財務諸表、事業報告書、利益分配計画及びその他財務諸表を確認し、かかる書類
につき疑問がある場合、疑わしい書類の検証にあたる補佐に公認会計士及び開業会計監査人を当社の代理として任命す
る。
・臨時株主総会の招集の提案。
・株主総会における決議の提案。
・当社取締役又は上級管理職の行為が法律、行政上の規制又は当社定款に違反する場合、若しくはその職務遂行の結果当
社が損害を被る場合の、当該取締役又はマネージャーに対する訴訟の提起、及び
・当社定款に特定されたその他の義務の遂行。
当社監査役は当社取締役会に出席する義務がある。
当社定款に基づき、監査役会決議の通過には当社監査役の3分の2 超 の賛成票を必要とする。
当社監査役会の構成員は、当社従業員により選任された代表者及び当社株主総会により選任された代表者を含む。当社取
締役、マネージャー及び財務会計責任者は監査役に就任できない。当社監査役の任期は3年で、再選されれば何期でも連続
して務めることができる。当社定款及び必須条款が定めるところの取締役として行為する上での欠格事由は、監査役にも該
当する。
マネージャー及び役員
当社は、取締役会が指名し、また解任できるマネージャーを置くことを義務付けられている。当社マネージャーは取締役
会に対し責任を負い、以下の権限を行使できる。
・当社の生産、業務及び管理を監査し、取締役会決議を実行する。
・業務及び投資計画の実施を手配する。
・当社内管理構造を確立する計画を構築する。
・当社基本管理体制を策定する。
・当社内部規程を策定する。
・副マネージャー及び財務会計責任者の選任又は解任を提言し、その他の管理職役員(当社取締役会から選任又は解任さ
れることを要する者は除く。)を選任又は解任する。
・取締役会に出席する、及び
・取締役会又は当社定款により付与されたその他の権限。
海外上場特別規定は、当社に、財務会計責任者及び会社秘書役を含む他の会社役員の雇用を要件としている。
当社定款及び必須条款が定めるところの取締役として行為する上での欠格事由は、当社マネージャー及び他の役員にも該
当する。
会社の定款は、当該会社の株主、取締役、監査役、マネージャー及びその他の役員に対し拘束力を持つものとする。かか
る者は、定款に従いその権利を行使する権利、調停の申請をする権利、及び提訴する権利を持つものとする。会社の上級管
理者に関する必須条款の規程は、当社定款に組み入れられている。
取締役、監査役、マネージャー及び役員の義務
中国会社法は、当社の取締役、監査役、マネージャー及び役員が関連法令及び当社定款に従うこと、職務を正当に果たす
こと、及び当社の利益を守ることを要件としている。海外上場特別規定及び必須条款は、当社取締役、監査役、マネー
ジャー及び役員は当社に対し受託義務を負う旨を定め、職務を忠実に果たすこと、当社の企業利益を守ること及び個人的利
得のためにその立場を濫用しないことを要件としている。更に、当社取締役、監査役、マネージャー及び役員は、守秘義務
に従うことを要請されており、また、関連法令又は当社株主が要請する場合を除き、一定の情報の漏洩を禁止されている。
当社取締役、監査役、マネージャー又は役員が、その職務の遂行において法令又は当社定款に反し、かかる行為が当社の
損失を招いた場合、かかる者は個人的に当社に対し責任を負う。
財務及び経理
当社は、関連法令並びに財政部及び国務院の定めた規則に従った財務及び経理システムを設定することを要請されてい
る。
当社は、また、各会計年度末毎の財務諸表の作成を要請されている。かかる財務諸表は当社の貸借対照表、損益計算書、
財務状況及びその変化及び利益処分案が含まれる。当社は、年次株主総会の少なくとも20日前までに当社財務諸表を当社株
主による検討のため当社株主に提出することが義務付けられている。また、当社はその財務諸表を公告の形式で公表しなく
てはならない。
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当社は中国法により、当社の税引後利益から当社株主への配当前に以下の繰入れを行うこと求められている。
・当社税引後利益の10%は法定準備金へ繰入れなければならない。ただし当社の累積法定準備金が当社登録資本の50%を
超えている場合は、組入れの必要はない、及び
・当社株主総会の承認を得ることを条件として、法定準備金への必要額の繰入後、当社税引後利益から任意額を任意準備
金へ繰入れなくてはならない。
税引後利益から、損失を回復し、法定準備金へ繰入後、残額を当社株主に対しその株式保有比率に従って配当を行うこと
ができる。
法定準備金の金額が過年度の損失を回復するのに足りない場合、当社現在年度の利益を法定準備金への割当前に、かかる
損失の回復に充当しなければならない。
当社準備金は法定準備金、任意準備金及び資本準備金により構成されている。当社資本準備金は当社株式の額面超過金及
び政府財務当局により要件とされている資本準備金として扱われる金額により構成されている。
当社準備金は以下の目的に充当しなければならない。
・損失の回復。
・当社の業務運営の拡大、及び
・株主に対するその現存の株式保有比率に従った新株発行による、又は当該株主に現在保有されている株式の額面金額を
増加することによる、登記株式資本の払込み。ただし法定準備金が登録資本に変換された場合、かかる変換後の法定準
備金の残額は、当社登録資本の25%未満であってはならない。
会計監査人の選任及び辞任
海外上場特別規定は、当社の財務諸表を監査し他の財務報告を検討するために、当社が中国で資格のある独立した監査法
人を雇用することを要件としている。
会計監査人の任期は、年次株主総会で選任されてから次回の年次株主総会の終了のときまでとする。
当社が現在の会計監査人を解任する又はその更新をしない場合、当社は海外上場特別規定により会計監査人に事前の通知
を行い、会計監査人は当社株主総会において株主の面前で表明を行う権利を得る。当社会計監査人がその職を辞任する場
合、かかる会計監査人は株主に対し、当社が不適切な取引を行ったか否かに関する供述を行う義務がある。会計監査人の選
任、解任又は非更新は、当社株主により決議され、CSRCに記録されなければならない。
利益分配
海外上場特別規定は、当社H株式の所有者へ支払う配当及びその他の分配金は、人民元で宣言され、計算され、外貨にて
支払われなくてはならない旨規定している。必須条款上、株主への外貨の支払いは受取代理人を通して行わなくてはならな
い。
定款変更
当社定款は株主総会において3分の2を超える当社株主の議決権の賛成票をもってのみ変更できる。当社定款の変更は、
関連する規制管理当局からの必要な承認を得た後にのみ実施される。当社定款の変更は、当社の会社登録情報に影響を与え
る場合、当社は、かかる免許中の詳細変更を関連政府部門に申請しなくてはならない。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は定款の一部の条項の概説である。
取締役の退任、選任及び解任
取締役会会長及び取締役会の他の構成員の任期は3年とする。
取締役は株主総会において株主により選任及び解任される。取締役は当社の株式を保有する義務はない。
取締役会は12名の取締役から構成される。取締役のうち、4名は独立の非執行取締役とする。独立の非執行取締役は株主
から独立した立場にあり、当社において他の役職に就いていない取締役である。取締役会は会長1名を有する。取締役会会
長は取締役の過半数により選任及び解任される。
決議-多数決制
株主総会決議は普通決議及び特別決議に分類される。
普通決議の採択には、総会における出席株主(代理人を含む。)により表章される議決権の過半数に相当する票が、同決
議を可決するために賛成票として行使される必要がある。
特別決議の採択には、総会における出席株主(代理人を含む。)により表章される議決権の3分の2超に相当する票が、
同決議を可決するために賛成票として行使される必要がある。
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議決権(一般的に、投票に関する議決権及び投票を要求する権利)
当社の普通株主は株主総会に出席し、又は出席する代理人を任命し、同総会において投票する権限を有する。株主総会で
の投票に際して株主(代理人を含む。)は議決権を有する株式数に従い議決権を行使することができ、1株につき1議決権
を有する。
株主総会における決議は、以下の者により投票が(挙手による投票の前後に)求められる場合を除き、挙手により決定さ
れる。
(1)同総会の議長。
(2)本人又は代理人により出席する議決権を有する2名以上の株主、又は
(3)本人又は代理人により出席する1名以上の株主で同総会での議決権を有する全株式の10%以上を表章する株主。
投票が求められる場合を除き、決議が挙手による投票の結果により、可決されたか否決されたとの議長による宣言、及び
かかる結果の総会議事録への記入は、かかる決議に賛成又は反対として記録された票の数又は割合の証明のない事実の最終
的な証拠とする。投票の請求は当該請求をなした者により撤回することができる。
総会議長の選任に関して又は総会の延会の議題に関して請求された投票は直ちに行われる。その他の議題に関して請求さ
れた投票は当該総会議長が指示する日時に行われ、また投票が請求されているそれ以外の議案は票決まで継続される。投票
結果は当該投票が請求された総会の決議とみなされる。総会で行われた投票につき、2以上の議決権を有する株主(代理人
を含む。)は自らの全議決権を同様に投票する必要はない。
挙手又は投票を問わず同票の場合は、総会の議長が決定票を有する。
年次株主総会の要件
取締役会は年1回かつ前会計年度の終了から6ヶ月以内に年次株主総会を招集する。
会計及び監査
当社は、法、行政上の規制及び国務院の財務規制部門により規定された中国の会計基準に従い、財務・会計システム及び
内部監査システムを設立するものとする。
取締役会は各年次株主総会において株主の面前で管轄権を有する地域又は中央政府機関により公布された法、行政上の規
制又は指示により当社が作成を求められる会計報告書を発行する。
当社の会計報告書は各年次株主総会前の20日間当社において株主の閲覧に供される。各株主は当該会計報告書の写しを入
手することができる。
当社の財務諸表は中国の会計基準及び規制に従い作成される他に、国際財務報告基準又は当社株式が上場される海外の報
告基準に従い作成される。2つの会計基準に従いそれぞれ作成された財務諸表に重大な相違がある場合、かかる相違は当該
財務諸表に記載される。当社が税引後利益を分配する場合、かかる2つの財務諸表に表示された税引後利益のうち低い方が
採用される。
また、当社が公表又は開示する中間決算又は財務情報も中国の会計基準及び規制に従い、また国際財務報告基準又は当社
株式が上場される海外の報告基準に従い作成され提出される必要がある。
当社は各会計年度に2回会計報告書を公表する。中間会計報告書は各会計年度の上半期終了後60日以内に公表され、年次
報告書は各会計年度終了後120日以内に公表される。
総会の招集通知及び総会で審議される議案
株主総会は当社の権力機関であり、法に従いその職能及び権限を行使する。
当社は、総会における株主の事前の承認がない場合は、取締役、監査役、社長又はその他上級役員以外の者と当社事業の
全部又は相当部分の管理経営がかかる者へ譲渡されるような契約を締結しない。
株主総会は年次株主総会及び臨時株主総会に分けられる。株主総会は取締役会により招集される。
以下のいずれかの場合には、取締役会は2ヶ月以内に臨時株主総会を招集する。
(1)取締役の員数が中国会社法により要求される取締役の員数に満たない場合又は定款に記載ある取締役の員数の3分の
2未満になった場合。
(2)当社の未回収損失が当社の株式資本総額の3分の1に達した場合。
(3)当社の議決権を有する発行済株式の10%以上を保有する株主が書面にて臨時株主総会の招集を要求した場合。
(4)取締役会により必要とみなされた場合又は監査役会により要求された場合、又は
(5)2名以上の独立取締役が臨時株主総会の招集を要求した場合。
当社が株主総会を招集する場合、かかる総会の書面による通知が、株主名簿に記載ある全株主に対し検討される予定の事
項並びに総会の日時及び場所を通知するため総会開催日の45日以前に送達される。当該総会へ出席を希望する株主は、かか
る総会開催日の20日以前に当社に対し総会出席について書面による返信を送達する。
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当社が年次株主総会を招集する場合、当社の議決権株式総数の5%以上を有する株主は書面により新たな議案を提起する
権限を有し、当社は株主総会の職能及び権限の範囲内で提起された議案の事項を議題に載せる。
臨時株主総会は招集通知に記載のない事項についての決議は行わない。
当社は、株主総会開催日の20日以前に受領した書面による株主からの返信に基づき、総会へ出席を希望する株主により表
章される議決権株式数を算出する。総会へ出席を希望する株主により表章される議決権株式数が当社の議決権株式総数の2
分の1超の場合、当社は同総会を開催することができる。2分の1以上に達しない場合、当社は5日以内に公告により検討
される予定の事項、総会の場所及び日時を再度株主へ通知する。当社はかかる通知の公告の後、当該総会を開催することが
できる。
株主総会の招集通知は以下の要件に従う。
(1)書面によること。
(2)当該総会の場所、日時を明記すること。
(3)当該総会で討議される事項を記載すること。
(4)株主が詳細な情報を得た上で提案に対して判断を下すために必要な情報及び説明を事前に提供すること。上記の一般
性を制限することなしに、当社を別会社と合併させたり、株式を買戻したり、株式資本を再編成したり、当社をその
他の方法で再編するための提案がなされた場合、提案された取引の条件が提案された契約の写し(もしあれば)とと
もに詳細に提供される必要があり、またかかる提案の理由及び影響について適切に説明される必要がある。
(5)提案された取引における取締役、監査役、社長又はその他上級役員の重大な利益(もしあれば)の性質及び範囲並び
に株主としての資格におけるそれらの者に対する提案された取引の影響が同じ種類の他の株主の利益に対する影響と
異なる限りにおいてかかる影響の開示を含むこと。
(6)当該総会で提議される予定の特別決議の全文を記載すること。
(7)出席し投票する権限を有する株主は自らの代理として出席し投票する1名以上の代理人を任命する権限を有する旨及
び代理人は株主である必要はない旨の記述を明確に記載すること、及び
(8)関連する総会の委任状の提出のための時間及び場所を明記すること。
株主総会の通知は株主名簿に表示された住所宛てに交付送達又は前納郵便により株主(当該総会での議決権の有無を問
わない。)に送付される。国内株式の所有者については、総会の通知は公告により行われる。
公告は当該総会開催日の45日前から50日前の間に国務院の証券監督当局に指定された1以上の新聞紙上において公表さ
れる。かかる通知の公告の後、国内株式の所有者は該当する株主総会の通知を受領したとみなされる。通知を受領す
る権限を有する者に対する総会の通知の故意でない送達漏れ又はその者による総会の通知の未受領により当該総会及
びそこで採択された決議が無効になることはない。
以下の事項は株主総会において普通決議により決定される。
(1)取締役会及び監督委員会の運営報告。
(2)利益の分配及び損失の処理に関して取締役会により立てられた計画。
(3)取締役会の構成員及び監査役会の構成員の選任及び解任、それらの者の報酬並びに支払方法。
(4)当社の年間予算、最終決算,貸借対照表、損益計算書並びにその他財務諸表、及び
(5)法及び行政上の規制又は定款により特別決議で採択されるよう求められる事項以外の事項。
以下の事項は株主総会において特別決議により決定される。
(1)株式資本の増減並びにいずれの種類の株式、ワラント及びその他類似の有価証券の発行。
(2)当社の社債の発行。
(3)当社の分割、合併、解散及び清算及び一切の大型買収又は売却。
(4)定款の変更。
(5) 特定クラスの株主の既得権利の変更、及び
(6)当社に重大な影響を及ぼす可能性があり特別決議により採択されるべきと普通決議によって株主総会により認められ
たその他事項。
株式の譲渡
全額払込済みのすべてのH株式は定款に基づき自由に譲渡することができる。
株主名簿の各部分の変更及び訂正は当該名簿が維持される場所の法律に従い行われる。
株式の譲渡による株主名簿の変更は、株主総会前の30日間又は当社の配当基準日前の5日間は行うことができない。
当社の株主は、2003年6月20日に北京(中国)で開催された年次株主総会において、当社の定款の一部を改訂することを
決議した。改訂済定款に基づき、H株式の譲渡は、通常若しくは標準の譲渡証書、又は当社取締役会が承認しうる書式によ
り書面にて行うものとする。なお、かかる譲渡証書は直筆の署名に限り認められ、また、譲渡人又は譲受人が広く認められ
ている清算済機関である場合、若しくは証券及び先物条例第37条(香港法第571章)に準拠して承認を受けたその代理人であ
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る場合は、直筆の署名又は機械で印刷した署名を付すものとする。また、全ての譲渡証書は、当社の法定の住所又は取締役
会が随時指定するその他の場所に備え置くものとする。
配当及びその他の利益分配の方法
当社は以下の方法で配当を分配することができる。
(1)現金、又は
(2)株式。
国内株式の所有者に支払われるために当社により公表された配当又はその他支払いは人民元で公表及び算定され、人民元
で支払われるものとする。H株の所有者に支払われる配当又はその他支払いは人民元で公表及び算定され、香港ドルで支払
われる。
当社は、H株式に関して当社により公表された配当及び当社が支払うべきその他一切の金員をかかる株主のために受領す
るH株式の所持者のための受取代理人を任命する。H株式の所有者のために任命された受取代理人は受託人条例(香港法令
第29章)に基づく信託会社として登録された企業とする。
(3)【H株式の概要】
以下は、当社定款、中国会社法、香港証券取引所の上場規則及びその他の選択された該当法令に基づく当社の株式資本、
特にH株式及びH株式所有者に関する情報の概要である。
国内株式及びH株式は、当社株式資本中の普通株式である。国内株式は、中国(香港、マカオ及び台湾を除く。)の法人
又は自然人によってのみ申し込み及び取引することができ、人民元で申し込み及び取引されなくてはならない。一切の国内
株式の配当は、当社により人民元にて支払われる。
当社の定款は、H株式
を、香港証券取引所に上場を許可され、その額面金額は人民元建てで、香港ドルにて(香港、マカオ、台湾及び、中国以外
の国の投資家により)申し込まれ取引されている「海外上場外国投資株式」と定義している。海外上場外国投資株式は、ま
た、米国預託証券によって証される米国預託株式の形式で、米国の証券取引所に上場することもでき、又は他の場所におい
ても上場できる。国内株式の所有者とH株式の所有者は、それぞれの利害に影響を持つ様々な事由から、別種の株主とみな
される。たとえば、当社が議決権株式の増加を提案した場合、H株式の所有者は同提案に関して別の種類として議決を行う
ことができる。
株主の権利の原典
現在、株主の権利の主要原典は当社定款、中国会社法及び香港証券取引所上場規則であり、それらは、当社、当社取締役
及び当社支配株主に対し、とりわけ、行為、公平及び開示の基準を課すものである。当社定款は、CSRCの要求に従い、1994
年に採択された「海外上場会社定款必須条款」(又は「必須条款」)の条項が組み込まれている。これらの条項の変更は、
国務院及びCSRCに授権された適切な政府の部門による承認を得たのちにのみ有効となる。香港証券取引所上場規則は、かか
る必須条款に加え、いくつかの追加的規定を、当社の定款に含めることを要件としている。
更に、H株式が香港証券取引所に上場されている限り、当社は香港証券取引所に上場する会社に適用される関連条例、規
則及び規制-とりわけ香港証券取引所上場規則、会社条例、「証券及び先物条例」及び「買収、併合及び株式買戻し規則」
を含むがこれらに限定されない-に従うことを条件とする。
別段の記載がない限り、以下に記載する一切の権利、義務及び保護は当社定款及び/又は中国会社法に依拠する。
株主の権利の執行
当社の知る限り、中国では、定款又は中国会社法に基づくH株式所有者の権利のH株式の所有者による法的執行に関する
公告はない。
適用される中国法は、2005年10月27日に通過した修正中国会社法が発効した2006年1月1日までは、株主が企業の代表と
してその取締役、監査役、マネージャー、又は他の株主に対し、賠償請求を企業自身が執行しなかった場合にかかる当事者
に対して賠償請求を執行するために訴訟を起こすことを明確に許可していなかった。修正中国会社法は、株主は一定条件下
において、企業を代表して取締役、監査役及びマネージャーに対し訴訟を起こすことができる、と規定しているが、 最高人
民法院は、中国会社法の前述の規定に関するさらなる法的解釈(すなわち(1)中国会社法の適用における問題に関する最高
人民法院の規定(一)及び(2)中国会社法の適用における若干の問題に関する最高人民法院の規定(四))を公告した。
当社定款は、当社定款に規定された権利義務から生じる範囲における全ての紛争又は賠償請求、及び当社に関連する中国
会社法又は他の関連法又は行政規制により授けられた又は課された権利又は義務は、一定の例外を除き、中国国際経済貿易
仲裁委員会又は香港国際仲裁センターの仲裁に付託されなければならない旨定めている。中国当局と香港の間で、中国及び
香港でそれぞれの法に従い決定された仲裁裁定書を相互に執行するための取決めが成立した。かかる取決めは、2000年に発
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効した仲裁条例の改正(香港法第341章)により香港で履行され、2011年にはこれに代わる仲裁条例(香港法第609章)が発
効した。
仲裁に付託されなければならない事項は以下の紛争又は賠償請求を含む。
・H株式所有者と当社間、又は
・H株式所有者と当社取締役、監査役、社長又はその他の上席役員間、又は
・H株式所有者と国内株式所有者間。
当社定款は、上記仲裁は最終的かつ決定的なものである旨規定している。
当社は米国証券取引委員会に対し、中国の全ての関連法令及び(当社H株式がすでに香港証券取引所に上場されなくなる
ということがない限り)香港証券取引所の全ての関連規則が禁じないのであれば、かつ米国証券法第14条が要件としている
のであれば、その時点において、当社取締役会は、当社の定款の変更を提案し、当社株主、取締役、監査役又は役員の間に
生じた紛争につき、株主が法的手段を使って判決を下すことを許可する。
H株式の所有者は香港証券取引所上場規則に違反した訴えを提起できないものとし、香港証券取引所規則の執行に任せな
ければならない。買収、合併及び買戻し規約は、法的強制力がなく、香港における買収、併合及び株式の買戻しに関して認
められた商業的行為の基準を提供するだけである。
さらに中国は、米国、連合王国、日本又はその他の大部分の経済協力開発機構加盟国と相互承認及び法廷判決の執行を規
定する条約に参加していない。当社株主は、H株式又はADSの保有から生じる、又は基づく、上述した国の裁判所による
判決を中国において執行するのに困難に直面する可能性がある。
譲渡制限及び株主名簿
H株式は中国外の法人又は自然人である投資家間でのみ取引することができ、中国内の投資家へは、中国の法規により明
確に認められていない限り売却することができない。当社定款では、中国人株主がその国内株式を中国外の人(売却後にH
株式を受領する)に売却するためには、かかる売却は、国内株式数の減少及びH株数の増加につながるため、それぞれ適法
に開催された国内株主総会及びH株主総会、かつ適法に開催された国内及びH株式合同の株主総会において当社国内株主及
びH株主の3分の2の承認を得なければならない。かかる売却は、また国有資産監督管理委員会、CSRC及び他の関係行政機
関の承認を得なければならない。中国法又は当社定款上では、中国居住者でない投資家がH株式を保有することに関する制
限はない。
201 8 年12月31日現在、既存国内株式の85.57%(発行済株式総数の70.89%に相当)は中国電信集団公司が発起人株式(中
国会社法に定義されている。)として保有している。中国会社法(201 8 年に改正済)の下では、発起人の株式は会社の設立
日から1年間は譲渡できないことになっている。
当社定款に規定されているとおり、当社取締役は、以下の場合を除きH株式の譲渡の登録を拒否することができる。
・関連する譲渡費用が支払われた場合。
・譲渡証がH株式のみに関わる場合。
・譲渡証が当該H株券を伴う場合、又は譲渡を行うにあたっての譲渡人の権利を表明するその他の証拠を呈示する合理的
必要性がある場合に、かかる証拠が呈示された場合。
・譲渡証に課せられた印紙税が適法に支払われた場合。
・H株式が共有者に譲渡される意図がある場合にはかかる共有の人数が4名を超えない場合、及び
・譲渡されるH株式が当社による先取特権に服していない場合。
当社は、株主名簿を維持する義務がある。かかる株主名簿は様々な部分により構成されており、その一部は香港証券取引
所に上場されているH株式に関連して香港で維持されるものとする。株主は株主名簿を閲覧する権利、及び相応の料金を支
払いかかる株主名簿を謄写する権利を持つ。株主総会前30日間又は配当の分配のために設定した基準日前5日間において
は、普通株式の譲渡は当社株主名簿に登録されない。
当社は、当社H株式に関する登記を行う登記士として香港登記有限会社を指名した。かかる登記士は当社H株式の所有者
の株主名簿を当社事務所にて維持し、上記記載の書類の呈示があった場合にH株式の譲渡をかかる名簿に記入する。
配当
当社取締役会は何時でも配当の分配を提案することができる。当社取締役会は、株主総会の普通決議による一般の授権に
基づき、中間及び特別配当を公表することができる。会計年度内の最終の配当は株主総会の承認を得なければならない。配
当は、現金又は株式の形式で分配することができる。ただし、株式の分配は株主総会の特別決議による承認を得なくてはな
らない。
配当は、以下の事項につき引当金を確保した後にのみ行うことができる。
・損失(もしあれば)の回復、及び
・法定準備金へ税引後当社純利益の10%の計上。
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当社の税引後純利益から法定準備金を割り当てた後、当社は、株主総会にて決議採択をされた場合、任意準備金へ拠出を
する。
当社定款は、当社がH株主に代り、H株式に関して当社が公表した配当をかかる株主の代りに受け取るため、香港受託者
条例に基づく信託会社として登記されている受取代理人を指名することを規定している。当社定款はH株式に関する現金配
当は、当社により人民元建てで公表され、香港ドル建てで支払われることを規定している。
当社が当該年度の純利益を計上しなかった場合、通常、当該年度の配当は行われない。
配当の支払いは中国の源泉徴収税を課せられる。
議決権及び株主総会
当社取締役会は年に1回、前会計年度終了から6ヶ月以内に年次株主総会を招集する。当社取締役会は以下の事態が発生
した場合、2ヶ月以内に臨時株主総会を開催する。
・取締役の人数が中国会社法に定める最低数又は当社定款記載の数の3分の2を下回った場合。
・回収不能な損失が当社株式資本総額の3分の1に達した場合。
・当社発行済未償還の議決権付株式の10%以上を合計で所有する株主が書面にて臨時株主総会の招集を請求した場合。
・当社取締役会が必要とみなした場合又は監査役会が請求した場合、又は
・当社社外取締役の2名以上が請求した場合。
特種株主の総会は、かかる種類株式の所有者の権利が下記のように修正され又は不利に影響を受ける様々な列挙される状
況においては招集されなければならない。議決権付株式総数の5%以上を所有する株主による書面による決議案は、それら
が株主総会における株主の職務と権限の範囲内の事項である場合、該当する年次株主総会の議題に含まれる。
株主総会の招集はすべて、当社取締役会により開催日より少なくとも45日前までに株主への書面による通知をもって行わ
れる。株主総会より20日前までの書面による返信に基づき、当社は総会への出席の意思を表明した株主が表章する議決権の
数を計算する。これらの株主が表章する議決権数が当社議決権付株式総数の過半数に達したときは、当社は株主総会を開催
する(実際に出席する株主の人数には関係しない)。そうでない場合、当社は5日以内に、再び公告をもって検討すべき提
議並びに総会の日時及び場所を株主に通知する。公告の後で、株主総会が招集される。当社が株主に総会の通知を怠った場
合、また株主が総会通知を受領しなかった場合でも、株主総会の議事録は無効にならない。
総会において株主は、特に利益処分案、年次予算、最終決算資本の増減、債券発行、合併、会社整理及び定款改正の承認
又は否決の権限がある。加えて、特定の種類株主の権利は、株主総会において全株主の特別決議により、又はその特定種類
の株主独自の総会において特別決議により承認されない限り、修正又は廃棄できない。当社定款は、特定の種類株主の権利
の修正又は廃棄とみなされる各種改正を列挙する。そのうち、ある種類株式数の増減、特定通貨での配当受領権の撤廃若し
くは減少、またかかる種類株式に優先する議決権又は新株引受権を持った株式の増加が挙げられたが、これらに限られてい
ない。
各H株式の株主はすべての株主総会において当社株主の議決事項に対して1議決権がある。ただし、関連種類株主のみ
が、関連種類株式1株につき1議決権の基準で投票権があるH株式以外の特定の種類株主の総会を除く。
株主は直接又は代理人をもって出席し、投票をする権利がある。委任状は法律上の住所又は総会招集通知に記載の他の場
所において、代理人により議決権を行使する予定の総会開催時刻又は関連決議の承認に指定された時刻の24時間前までに書
面をもって預託しなければならない。代理人を任命する文書が株主の代理弁護士により署名された場合、預託された委任状
には、公証人又は委任状が作成されたその他規制機関による委任状の証明書を添付しなければならない。
香港証券取引所上場規則のもとで、株主が特別決議で投票を棄権するよう要求されている、又は特別決議に対する賛否投
票のみに制限されている場合、かかる要求又は制限に違反してかかる株主のために又は株主の代わりに投じられた票は数え
られない。
以下の決定は直接又は代理人をもって出席した株主が所有する議決権の3分の2以上により承認されなければならない。
・当社株式資本の増減又は各種株式発行、ワラント及び類似証券の発行。
・債券発行。
・当社の分割、合併、解散又は清算及び一切の大型買収又は売却。
・当社定款の改正。
・特定クラスの株主の既得権利の変更、及び
・株主総会において株主が検討すべきその他事項で、その性質から当社に大きな影響を与え、特別決議で採択すべきであ
ると株主が普通決議で決議した事項。
株主が決議するその他事項はすべて、当社取締役及び監査役の選任及び解任並びに現金配当公表も含めて、株主による普
通決議で決定される。
香港証券取引所の上場規則に則り、当社の定款は、とりわけ以下に関連する特定の条項を遵守しなくてはならない。
・株式の譲渡。
・配当。
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・株主の権利。
・取締役の選任及び解任。
・当社の償還株式買入れ権限。
さらに定款の改正は、関連する中国規制当局の承認と同意が必要である。
中国の法令又は当社定款に抵触する株主決議は無効である。
取締役会
当社取締役は株主総会で株主により選任される。国内株式及びH株式は累積議決権を持っていないため、当社株式の過半
数の所有者が当社取締役全員を選任することができる。取締役は3年の任期で選任され、再任されれば連続して何期でも務
めることができる。
取締役への推薦を記載した当社に対する書面、及び立候補者の意思の記載された当社に対する書面が受け付けられる最低
期間は、少なくとも7日間である。かかる期間は、当該選挙日に指定された会議の通知の発送日以降に開始され、かかる会
議の日の7日前までに終了する。
当社取締役会は株主総会において株主に対して説明義務があり、以下の職務と権限を行使する。
(a)株主総会の招集及びかかる総会における株主への業務報告。
(b)総会において株主が可決した決議の実施。
(c)当社事業計画及び投資案の決定。
(d)年次予算及び決算の策定。
(e)当社利益処分案及び損失回復計画の策定。
(f)債務及び資金調達方針、当社登録資本の増減提案及び債券の発行の策定。
(g)大型買収及び売却計画、合併、分割又は清算計画の策定。
(h)社内経営構造の決定。
(i)社長の選任及び解任、社長の助言に基づく当社の副社長及び財務担当副社長の選任又は解任、当社取締役会書記の選
任又は解任並びにその報酬の決定。
(j)当社支店社設立の決定。
(k)当社定款改正案の策定。
(l) 当社の基本管理体制の構築。
(m) その他重要事項及び運営事項に関する決定、並びにその他重要契約締結(中国会社法及び株主総会の決議で承認された
当社定款で定めたもの以外)、及び
(n)総会において、また当社定款に基づき株主から付与されたその他権限の行使。
(前述のとおり、株主総会において出席した株主が所有する株式が表章する議決権の3分の2を超える賛成票に加えて)
当社取締役の3分の2超の賛成を必要とする上記(f)(g)及び(k)項を除き、その他の事項に関する決議は取締役の単純多数の
賛成票により承認される。
改正された中国会社法第147条は、当社取締役、監査役、マネージャー及び役員に信認義務又は忠実義務を課しており、他
方海外上場に関する特別規定第23条は、会社の取締役、監査役及び上級管理職は会社に対する誠実、注意及び勤勉義務を負
うと規定する。また、会社の取締役、監査役及び上級管理職はその職務を誠実に行い、会社の権利及び利益を保護し、会社
内での地位を乱用して個人的利益を得るために会社資産及び会社の機会を利用してはならないことも求められている。
法令、管理規則及び当社H株式が上場されている証券取引所の上場規則により課される義務に加えて、当社定款は当社取
締役、監査役、社長及びその他上級役員にそれぞれの権限を行使するにあたり株主に対する義務を課す。
・当社事業免許に規定された事業範囲を当社が逸脱しないようにする。
・当社の最大の利益となるよう誠実に行動する。
・いかなる場合(当社に利益となる機会の侵害を含むが、それとは限られていない。)でも、当社資産を流用しない、及
び
・株主の個人の権利(分配の受領権及び議決権を含むが、それとは限られていない。)を利用しない。ただし定款に従い
株主に承認のため提出された再編に従ったものは除く。
当社定款は更に当社取締役、監査役、社長、及びその他上級役員に以下を課している。
・その権限の行使及び義務の遂行にあたり、合理的に慎重な者が同様の状況において行うような注意、勤勉、技能を行使
する義務
・同人に委託された権限を行使するにあたり、当社に対する義務が自己の利益と相反するような状況に自らを置かないよ
うにする受託者義務、及び
・定款に列挙された各種関係において取締役、監査役、社長及びその他の上級役員に関係ある者又は関連する団体に、か
かる取締役、監査役、社長及び上級役員がそのような行為を禁じられている方法で行為することを指示しない義務。
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関連する法令に従い、株主総会における株主は普通決議において取締役をその任期前に解任することができる。一定の条
件に従い、取締役、監査役、社長又はその他の上級役員は株主総会における株主の同意を得て、特定の職務怠慢の責任によ
り解任されうる。
監査役会
当社定款に従い、当社監査役会は当社の財務事項及び経営を監督するために任命された5名で構成されている。このうち
1名は、独立監査役(以下当社において役職をもたない監査役を意味する)である。当社監督役会は下記を含む(ただしこれ
に限定されない)各種事項に責任がある。
・取締役が作成し、株主総会に提出される予定の財務諸表その他財務情報を確認する、及び
・当社取締役、社長、副社長、財務副社長及びその他の上級役員がその権限を乱用し、当社の株主、当社及び当社の従業
員の合法的な権利を侵害することのないよう監督する。
監査役会の権限は、一般に当社業務に関する調査及び株主、CSRC及びその他関連政府機関への報告並びに臨時株主総会の
招集に限定される。
当社監査役会の構成員のうち2人は当社の従業員が指名した従業員代表である。残りの構成員は株主総会において任命さ
れる。監査役会の構成員のうち1人が監査役会会長になる。監査役は取締役、社長、副社長、財務担当副社長又はその他上
席役員であってはならない。監査役会の各構成員及び監査役会会長の任期は3年であり、どちらの任期も再選又は再任でき
る。任務を遂行するにあたり監査役会により要求される専門家を雇用するために発生した合理的費用は、当社が支払う。
監査役会は株主総会において説明義務があり、株主に対し決議案を提案する。
清算の権利
清算の場合、H株式は国内株式と同順位であり、当社の残余資産からの債務支払は、適用法規に記載される順序で行われ
る。かかる基準が存在しない場合、当社又は中国人民法院が指名した清算委員会が公正かつ合理的と考える方法に従い行
う。債務支払後、当社は残余資産を株式の種類及び割合に応じて株主に分配する。清算期間中は、新たな事業活動は禁じら
れている。
株主の義務
株主は株式引受け時において引受人により同意した条項に従うほかは、株式資本に追加の拠出を為す義務はない。
存続期間
当社は存続期限なく株式会社として設立されているが、中国の法律又は当社定款に定める理由により清算する可能性もあ
る。
資本の増加及び先取特権
当社定款は、国内株又はH株式を発行する前に株主総会の特別決議又は独立した種類株主総会での国内株式及びH株式の
所有者による特別決議による承認を得る旨を定める。国内株式及びH株式のそのときの発行数のそれぞれ20%以内を、株主
総会の特別決議で承認されたとおり、12ヶ月以内に別々又は同時に当社が発行する場合に限り、かかる承認を得る必要がな
い。
新株式の発行は関連する中国政府機関の承認を必要とする。
減資及び当社による株式買入れ並びに株式買入れの一般権限
当社は株主総会における株主の特別決議による承認並びに別途種類株主会議国内株式保有者及びH株式保有者による特別
決議による承認、また一定の場合は関係中国政府機関の承認を取得した場合のみ、登録株式資本を減資できる。H株式の買
い入れは、香港買収・合併及び株式買戻し規則並びに香港証券取引所上場規則に従う。
大株主又は支配株主に対する制限
法令が課す義務及びH株式が上場されている証券取引所規則に加えて、当社定款は支配株主は以下の目的で株主一般又は
株主の一部の利益に損害を与える方法で議決権を行使してはならない旨を定める。
・取締役又は監査役が当社の最大利益のために誠実に行為する義務を免除する
・取締役又は監査役による(自己の利益のため又は他者の利益のための)当社資産(当社の利益となる機会を含むが、そ
れに限られない。)の 収用 の承認、又は
・分配金の受領権又は議決権を含む他の株主の個人の権利(当社定款に従って株主による承認のために株主総会に提出さ
れた当社再編に従う場合を除く。)の取締役又は監査役による(自己の利益のため又は他者の利益のための) 収用 の承
認。
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しかし、支配株主は当社定款又は法令若しくは行政規則又はH株式が上場される証券取引所規則によりこれら項目への投
票からは除外されない。
支配株主は当社の定款により単独又は他者と協力して行為する以下の者と定義される。
・取締役の過半数を選任する地位にある。
・当社議決権の30%以上を行使する権限又は行使を支配する権限を持つ。
・当社発行済み未償還株式の30%以上を所有する、又は
・その他の方法で当社を事実上支配する。
中国電信集団公司が当社の唯一の支配株主である。
議事録、 会計 書類及び年次報告書
当社株主は株主総会議事録の写しを当社営業時間内に無料で閲覧できる。株主は議事録の写しを当社に請求することがで
き、当社は当該株主に請求する合理的な手数料を受領してから7日以内にこれらの写しを交付しなければならない。
当社の会計年度は12月31日に終了する暦年である。各会計年度において、当社はH株式の株主に株主総会開催日の遅くと
も21日前までに、及び会計年度終了後4ヶ月(定款記載通り120日)以内に必ず、その年度の当社の監査済み財務諸表及び香
港証券取引所上場規則で要求される監査報告書を、送付しなければならない。これら及び中間財務諸表は、H株式が香港証
券取引所に上場されている間、香港会計基準、国際財務報告基準(IFRS)又は中国事業会社会計基準(財務諸表作成に
おいて当該基準を採用した中国企業にのみ適用される)に従い作成されなければならない。
香港証券取引所上場規則はまた、各会計年度の業績の仮発表を、会計年度終了後3ヶ月以内に作成することを定めてお
り、会計年度が6ヶ月以下である場合を除き、各会計年度の最初の6ヶ月間につきかかる6ヶ月間の終了後2ヶ月以内に作
成するように定めている。上記仮発表は可及的速やかに公表されなければならないが、いかなる場合にも、取締役会により
又は取締役会を代表して行われた承認の翌営業日の前場又はプレオープニング・セッションの開始時間のいずれか早い方の
時間の30分前までになされなければならない。
香港証券取引所上場規則に則り、当社は毎年株主総会において監査人を任命せねばならず、その任期を当該総会終了時か
ら翌年の株主総会までとする。
開示
香港証券取引所上場規則及び香港証券先物条例の下では、当社は以下の内部情報(当社及びその子会社に関する一定の情
報)を知るところとなった場合、開示するよう定められている。
・当社、当社の株主又は役員、当社の上場証券又はその金融派生商品に関する情報、及び
・当社の上場証券取引に慣れている又は取引をする可能性のある者に広く知られていないが、もしかかる者に広く知られ
ていた場合、上場証券の価格に重大な影響を与える可能性がある情報。
当社はまた、かかる情報を一斉に公告するよう求められる。香港証券取引所が、当社証券の正しくない市場が存在する可
能性があると判断した場合、当社は(香港証券取引所と協議の上)可及的速やかに当社証券の正しくない市場を回避するた
めに必要な情報を公告する必要がある。
当社はまた、香港証券取引所上場規定に則り、株主に対して特定の資産取得又は処分、又はその他の取引(支配株主との
取引も含むがこれに制限されない)について事前に株主の承認を得、またその詳細を株主に公開する必要がある。
2【外国為替管理制度】
中国の法定通貨は人民元である。人民元は外国為替管理を受けており、現時点では自由に外貨に換えることができない。
中国国家外国為替管理局(以下「国家外国為替管理局」という。)は、中国人民銀行の支配下で、外国為替管理規則の施行
を含む外国為替に関連する一切の事項を管理する機能を付与されている。
外国為替管理制度の主要な規則及び施行令には、(ⅰ)1996年1月29日に国務院により公布され1996年4月1日から施行
され、1997年1月14日及び2008年8月1日に国務院により改訂されたた中国外国為替管理条例並びに(ⅱ)中国の国内企
業、個人、経済組織及び社会組織による外国為替の決済、売却及び支払いに関する規制を詳細に規定する1996年6月20日に
中国人民銀行により公布され1996年7月1日から施行された外国為替の決済、売却、支払管理暫定規定が含まれる。
中国人民銀行は、毎営業日に、他の主要外貨に対する人民元の為替相場を公表している。かかる相場は、前日の銀行間外
国為替市場における人民元と主要外貨との売買相場を参照して設定される。
一般に、中国国内の組織及び個人はすべて、特定の免除を受けない限り、その経常的な外貨収入を指定銀行に売却するこ
とが義務づけられている。他方で、外資系企業は、その経常的な外貨収入の一定の割合を留保することが許されており、留
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保金額は指定銀行に有する外貨銀行口座に預け入れることが可能である。重要な外貨は指定銀行に有する外貨銀行口座に預
け入れなければならず、概してかかる口座に留保することが可能である。
現在の中国外国為替管理制度のもとでは、貿易業務及び職員報酬の支払いなど経常活動のために外貨を必要とする企業
は、関係書類の作成を条件として、外貨を指定銀行から購入することが可能である。
さらに、外資系企業による外国人投資家に対する利益分配など配当金の支払いのために企業が外貨を必要とする場合は、
かかる配当金に課される租税の正当な支払いを条件として、指定銀行に有する外貨銀行口座における資金から必要金額を引
き出すことが可能である。また、外貨資金額が不足する場合は、企業は指定銀行から外貨を追加購入することが可能であ
る。
2015年2月13日に交付、2015年6月1日に発効された「直接投資外貨管理政策のさらなる簡素化及び改善に関する通達」
に基づき、外貨建ローンの借入れ、外国為替保証、中国国外での投資又はその他の外貨購入を伴う資本勘定取引を行う企業
は、2015年6月1日以降、外国為替関連の登録を設立地に置かれる銀行で行うものとする。
指定銀行は、実際に外国為替取引を行う際、中国人民銀行により設定された為替相場の上下一定の範囲内であれば、適用
する為替相場を決定することが可能である。
非居住者や外国籍の所有者が、配当を送金する権利、及び普通株式あるいはADSを保有ないしはその議決権を保有する
権利に対して、香港法、当社の定款あるいはその他の会社規定においてはいかなる為替制約も設けていない。
3【課税上の取扱い】
H株式の所有者の所得及びキャピタル・ゲインに対する課税は、中国及び、H株式の所有者が居住し又は課税される法域
の法律並びに慣習に従う。以下に掲げる関連課税規定の概要は、現行の法律及び慣習に基づくもので、今後変更される可能
性があり、法律上又は税務上のアドバイスを構成するものではない。以下の議論は、H株式への投資に関連するすべての税
効果を扱うものではない。特に、米連邦法以外の法律など、州、地方その他の法に基づく税効果は検討していない。した
がって、H株式に投資した場合の税効果に関しては、ご自分の税務アドバイザーに相談いただきたい。以下は、本書の日付
に有効な法律及び関連の解釈を根拠としており、すべて変更される可能性がある。
(1 )中国における課税上の取扱い
以下は、投資家が資本資産として保有するH株式の保有及び譲渡に関わる中国の課税規定の概要である。本概要はH株式
保有の重要な税効果をすべて検討することを目的とせず、特定の投資家の、特定の状況を勘案したものではない。本概要は
本書の日付において有効な中国の税法及び日中二重課税免除に関する条約に基づくものであるが、いずれも変更(又は解釈
上変更)される可能性があり、変更が遡及的効果を伴う場合もある。
本議論は中国税制の所得税、資本税、印紙税及び遺産税以外の側面を検討したものではない。投資を検討中の方は、H株
式の所有及び譲渡に対する中国、香港及びその他の税効果に関して税務アドバイザーに相談することを勧める。
配当金に対する課税
個人投資家
「中華人民共和国個人所得税法」及びその実施条例によると、中国企業から支払われる配当には通常20.0%均一で源泉課
税がかかる。中国居住者ではない外国人は、中国企業からの配当受け取りは、適用課税法又は協定により減税されない限
り、通常20.0%の源泉課税対象となる。例えば、中国税務総局の規則、及び関連法規制により、香港及びマカオは10%の源
泉課税対象となる(通達:Guo Shui Han[2011]第348号)。また、上海・香港株式市場の相互開放に関する中国課税政策に関
する通達(通達:Cai Shui[2014]第81号)によると、当社は、香港株売買の取引を通じて当社のH株に投資している中国本土
の個人投資家から受領した配当に関して税率20%で源泉徴収するものとする。当社のH株に対して香港株売買の取引を通じ
て投資している中国本土の証券投資信託からの配当に対する課税は、個別の投資家に適用する規則に照らして確定される。
当社は香港株売買の取引を通じる中国本土の企業投資家からの配当にかかる所得税の源泉徴収義務はなく、かかる企業は自
ら収入を報告し、税金を納めるものとする。
法人
2008年1月1日付で発行し 2019年4月23日付で改正され た法人所得税法及び施行規則により、中国企業が「非在住」(中
国以外の管轄法のもとで設立され、中国に事業所又は住所を置かず、又は中国から受取った配当が、その中国における事業
所又は住居と関係を持たない)の外国企業に支払う配当は、10%の税金が課せられる。ただし、課税に関する適用条約によ
り減税される。中国企業が中国在住の法人(中国以外の管轄法のもとで設立されたが「事実上の運営機関」が中国におかれて
いる法人を含む)に支払う配当は、中国の企業によって支払われる配当については中国の源泉徴収税は課せられない。
租税条約
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中国内に居住せず、中国との間に二重課税に関する条約を締結する国に居住する投資家は、中国に居住しない当社の投資
家に対する配当金の支払に課せられる源泉税の軽減を受ける権利を有する。中国は現在、以下の国を含む複数国と二重課税
に 関する条約を締結している:オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本、マレーシア、オランダ、シンガポー
ル、英国及び米国。
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための中華人民共和国と日本国との間の条約(租税条約)は
1984年6月26日以降効力を生じている。この租税条約の第10条に基づけば、中華人民共和国政府は、中華人民共和国の居住
者である法人のH株式を保有する適格な日本の所有者に対して当該法人が支払う配当金につき、当該配当の額に対して10%
を限度とする税率により所得税を課すことができる。この規定は配当に充てられる利得についての当該法人に対する課税に
影響を及ぼすものではない。「適格な日本の所有者」とは、(1)租税条約の適用上、日本国の居住者に該当する者で、(2)
中華人民共和国内に、H株式が帰属し、又はそこを通じて配当の受益者が事業を行っている、若しくは行ってきた、恒久的
施設又は固定的施設を有しておらず、(3)H株式に関連して得られる所得又は利益につき租税条約の恩典を享受する上でそ
の他の点で不適格ではない、日本の所有者をいう。
キャピタル・ゲインに対する課税
個人投資家
H株式の個人所有者に関しては、「中華人民共和国個人所得税法及びその実施条例」に、持分株式売却によって実現した
利得に20%の所得税を課すと定め、財政部に徴税のしくみに関する詳細な税務規則を策定する権限を与えた。しかし、かか
る税制規則が発効され、持分株式売却によって実現した利得に対する所得税が徴税された例はない。個人が得た上場会社株
式売却による利得は、1998年3月30日付の税務総局の通知により暫定的に個人所得税を免除されている。この暫定免税措置
が取消され又は失効した場合、H株式の個人所有者は、関連の二重課税に関する条約によって税が軽減又は免除されるとき
を除き、20%のキャピタル・ゲインに対する税を課せられることになる。H株式の売却によるキャピタル・ゲインに対する
税が適用されることとなった場合、中米条約の下で中国が売却又は譲渡からの利得に課税できるのは、H株式の「適格米国
人保有者」で当社の持分を25%以上保有する場合に限られるとの主張ができるが、この見解は確定的ではなく、中国当局が
別の見解を示す可能性もある。
法人
2008年1月1日付で発行し、2019年4月23日付で改正された 法人所得税法及び施行規則の下では、「非在住企業」である
外国企業は、関連の二重課税に関する条約によって税が軽減されるときを除き、海外で上場されている中国企業の株式の売
却により実現したキャピタル・ゲインに対して10%の税金が課せられる。中国在住の法人(中国以外の管轄法のもとで設立
されたが「事実上の運営機関」が中国におかれている法人を含む)が実現したキャピタル・ゲインには中国法人所得税が課せ
られる。
追加として考慮すべき中国税
中国の印紙税
暫定規定の下で中国の公開企業の株式譲渡に課せられる中国の印紙税は、「中華人民共和国印紙税暫定条例」により、中
国人以外の投資家が中国国外でH株式を取得及び譲渡する場合には適用されない。本条例は1988年10月1日に施行されたも
ので、中国の印紙税が中国国内において作成又は受領され、中国国内で法的効力を有し、中国法の保護を受ける文書にのみ
課せられる旨を定めている。
遺産税
中国の法律では、H株式を保有する中国国籍を持たない者に対して、いかなる遺産税の納税義務も生じない。
(2 )香港における課税上の取扱い
配当金に対する課税
香港内国歳入省の現行の慣習の下では、香港において当社が支払う配当金に関し支払うべき租税はない。
売却益
香港においては、H株式の売却によるキャピタル・ゲインに関してはいかなる租税も課せられない。香港において取引、
専門的職業又は事業を営み、香港においてかかる取引、専門的職業又は事業により利益を得ている者が株式の売却により得
た取引利益には、香港所得税(収益税)が課せられ、2008/2009年度以降におけるかかる税率は、法人に対しては16.5%、非
法人事業に対しては15.0%である。2018/2019年度から所得税率が軽減され、法人又は非法人事業の課税対象となる所得のう
ち200万香港ドルについては、現在の税率の半分の税率が適用される。ただし、法人又は非法人事業の関連企業が軽減税率を
適用している場合又は企業が既に半分の税率の優遇税制を選択している場合は、この限りではない。香港証券取引所で行わ
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れたH株式売却による取引利益は、香港において生じたものとみなされる。香港で証券のトレーディング又はディーリング
業務に携わる者が行ったH株式の売却に基づく取引利益に関しては、香港所得税(収益税)の納税義務が発生する。
印紙税
香港印紙税は、香港において維持される株主名簿分冊に登録されたH株式購入のたびに購入者に、及び同様のH株式売却
のたびに売却者に、課せられる。本税は、譲渡されるH株式の対価又は(対価より高額の場合)価額に従い0.1%が、売却者
と購入者それぞれに課税されるものである。すなわち現在、H株式の通常の売却及び購入取引には合計0.2%が課税される。
さらに、現在、株式の譲渡証書毎に定額租税5香港ドルを支払わなければならない。
ADRの引渡しによるH株式の引出し及びH株式の預託によるADRの発行は、かかる引出し又は預託が香港法に基づく
H株式の実質株主の変更になる場合、売買に関する上記の率で印紙税が課される。ADSの預託銀行として直接預託銀行
へ、又は預託銀行の勘定に、発行されたH株式の預託によるADRの発行は、印紙税を課せられない。香港外におけるAD
Sの譲渡に関しては印紙税を課せられない。
遺産税
現在香港において遺産税は課されない。
(3 )日本における課税上の取扱い
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法及びその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれら法令上の制限
を受けるが、日本の個人又は日本法人の所得(及び、個人に関しては相続財産)が上記「(2)香港における課税上の取扱
い」記載の香港の租税の対象となる場合、かかる香港の租税は、当該個人又は法人が日本において支払うこととなる租税の
計算上税額控除の対象となる場合がある。
「第8 本邦における提出会社の株式事務等の概要-2.(5)本邦における配当等に関する課税」も参照のこと。
4【法律意見】
(1)当社の中国における法律顧問であるハイウェン&パートナーズより、大要下記の趣旨の法律意見書が関東財務局長宛て
に提出されている。
本書「第一部 第1-本国における法制等の概要」における記述は、かかる記述が中国法の概要を構成するものと意図す
る範囲において、要約されるべき事項を公正に反映しており、すべての重要な点において真正かつ正確である。
(2)当社の香港における法律顧問であるフレッシュフィールズ ブルックハウス デリンガーより、大要下記の趣旨の法律
意見書(「香港法律意見書」)が関東財務局長宛てに提出されている。
本書日付現在、「第一部-第1-1.-(3)H株式の概要」の標題下に本書に記載されている記述及び「香港法律意見
書」において抜粋されている記載は、香港の法律的事項又は香港証券取引所規則の条項の概要を記述する限りにおいて、
虚偽又は不正確ではない。
(3)当社の香港における法律顧問であるベーカー&マッケンジー法律事務所より、大要下記の趣旨の法律意見書が関東財務
局長宛てに提出されている。
本書日付現在、「第一部-第1-3.課税上の取扱い」の標題下に本書に記載されている記述は、香港の法律的事項の概
要を記述する限りにおいて、虚偽又は不正確ではない。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)
連結経営指標等
(単位:1株当たり金額(単位:人民元)を除き百万人民元)
(2)
(下段の括弧内の数値は1株当たり金額(単位:円)を除き億円)
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
324,755 331,517 352,534 366,229 377,124
営業収益
(53,779) (54,899) (58,380) (60,648) (62,452)
28,516 26,447 27,220 27,220 28,714
営業利益
(4,722) (4,380) (4,508) (4,508) (4,755)
17,688 20,058 18,018 18,617 21,210
当社株主に帰属する当期純利益
(2,929) (3,322) (2,984) (3,083) (3,512)
289,218 303,823 315,377 325,867 343,069
当社株主に帰属する資本
(47,895) (50,313) (52,226) (53,964) (56,812)
561,537 629,747 652,558 661,194 663,382
総資産額
(92,991) (104,286) (108,064) (109,494) (109,856)
3.57 3.75 3.90 4.03 4.24
(3)
1株当たり純資産額
(59.12) (62.10) (64.58) (66.74) (70.21)
0.22 0.25 0.22 0.23 0.26
(4)
1株当たり当期純利益
(3.64) (4.14) (3.64) (3.81) (4.31)
(5)
自己資本利益率
6.12% 6.60% 5.71% 5.71% 6.18%
96,412 108,755 101,135 96,502 99,298
営業活動により調達されたキャッ
シュ純額
(15,966) (18,010) (16,748) (15,981) (16,444)
(81,715) (102,255) (99,043) (85,263) (85,954)
投資活動により使用されたキャッ
(6)
シュ純額
((13,532)) ((16,933)) ((16,402)) ((14,120)) ((14,234))
(10,327) 4,809 (9,555) (16,147) (16,283)
財務活動により(使用)/調達さ
れたキャッシュ純額
((1,710)) (796) ((1,582)) ((2,674)) ((2,696))
20,436 31,869 24,617 19,410 16,666
現金及び現金同等物の残高
(3,384) (5,278) (4,077) (3,214) ((2,760))
注:(1) 上記の表は、当社の経営指標の抜粋を示している。2017年及び2018年の12月31日現在の財政状況並びに2016年、2017年及び2018年
の各12月31日終了年度の包括利益及びキャッシュ・フローの各指標は、本有価証券報告書に添付される当社の監査済連結財務諸表
から引用しており、それらの連結財務諸表と併せて理解される必要がある。2014年、2015年及び2016年の12月31日現在の財政状況
並びに2014年及び2015年の各12月31日終了年度の包括利益及びキャッシュ・フローの各指標は、本有価証券報告書に添付されてい
ない当社の連結財務諸表から引用している。当社の監査済連結財務諸表は、国際会計基準審議会が発行する国際財務報告基準
(IFRS)に準拠して作成されている。
上記の経営指標の抜粋は、「第2 企業の概況‐2.沿革―2014年度当社組織再編、タワー・カンパニー設立並びに電気通信塔の
処分及びリース、天翼空間の処分及び天翼資本控股有限公司の設立及びチャイナ・テレコム・リーシング有限公司の設立」並びに
「第3 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に述べる、2014年度の新子会
社設立、2015年度のタワー資産処分、成都天翼空間科技有限公司(以下「天翼空間」という。)の処分、天翼資本控股有限公司の
設立並びに2017年度の衛星通信事業の取得及び陜西省中和恒泰保険代理有限公司(以下「中和恒泰」という。)の取得及び2018年
度の新子会社設立を反映している。
(2) 日本円は、1人民元=16.56円(国家外国為替管理局が発表した2019年4月26日の基準為替レートを基に計算した換算レート)で換
算されている。
(3) 1株当たり純資産額は、2014年、2015年、2016年、2017年及び2018年それぞれの12月31日終了年度の当社株主に帰属する資本並び
に当該各年度における発行済株式数の加重平均(当該各年はいずれも80,932,368,321株)に基づいて算出されている。
(4) 1株当たり当期純利益は、2014年、2015年、2016年、2017年及び2018年それぞれの12月31日終了年度の当社株主に帰属する当期純
利益並びに当該各年度における発行済株式数の加重平均(当該各年はいずれも80,932,368,321株)に基づいて算出されている。
(5) 自己資本利益率は、当社株主に帰属する当期純利益を期末の当社株主に帰属する資本で除して算出している。
(6) 設備投資は投資活動に用いられた正味現金キャッシュの一部であり、投資活動に用いられた正味現金への追加分ではない。
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2【沿革】
2002 年度の当社の再編及び新規株式公開
当社は、中国法に基づき、2002年9月10日に有限責任の株式会社、チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド
として設立された。当社の最初の再編の一環として、上海市、広東省、江蘇省及び浙江省における中国電信グループの電気
通信事業が、関連する資産及び負債とともに当社株式68,317,270,803株を対価として当社に譲渡された。
当社の再編後、当社の電気通信事業を運営するための免許は引続き中国電信グループが保有している。当社が中国電信グ
ループの被支配子会社としての地位を有していることを根拠に、工業情報化部(以下「MIIT」)の承認により、基本電気通
信事業の運営独占権及び関連する付加価値電気通信事業の運営権は当社に帰属する。また、中国電信グループは、当社事業
に関連してMIITから取得した免許を当社の利益のために保有及び維持しなければならない。政府は現在、中国電信グループ
が保有する電気通信事業免許に関して免許料を課していない。
2002年度、当社はH株式の新規公開を成功裏に完了し、総額約10,659百万人民元の純収入を得た。当社の新規株式公開の
完了に伴い、当社のH株式は香港証券取引所に、及び当社のH株式を表章するADSはニューヨーク証券取引所(NYSE)にそれ
ぞれ上場され取引されている。
2008 年度の業界再編及び当社によるCDMA事業の買収
2008年度の業界再編
2008年度、MIIT、国家発展改革委員会及び財政部(以下「MOF」という。)が発表した中国の電気通信業界のさらなる改革
に関する共同声明に従い、電気通信業界において以下の再編取引が行われた。 (a)当時中国聯通が保有していたCDMAネット
ワークの資産の中国電信グループによる買収、及び当社によるCDMAネットワーク加入者基盤の買収、(b)中国衛星通信集団公
司(以下「中国衛通」という。)が運営する基本電気通信サービス事業の中国電信グループによる買収、(c)中国聯通及び中
国網通の合併、並びに(d)中国移動による中国鉄通の買収。
CDMA事業の買収
2008年7月27日付で当社、中国聯通(CUCL)及び中国移動(CMCL)は買収契約(以下「CDMA買収契約」という。)を締結
し、この中でCDMA事業並びにその関連資産及び負債(中国聯通(マカオ)有限公司のすべての資本持分及び聯通華盛通信技術有
限公司(以下「聯通華盛」という。)の99.5%の資本持分を含む。)をCUCLから取得することに合意した。対価の総額は
43,800百万人民元であった。買収費用については、2010年2月までに当社がすでに全額支払済みである。
関連取引
中国電信グループによる当社に対するCDMAネットワーク容量のリース
2008年7月27日、中国電信グループ、中国聯通集団公司及び聯通新時空有限公司(中国聯通の完全所有子会社。以下「聯
通新時空」という。)は、CDMAネットワーク売却契約を締結し、これに従い、中国聯通集団公司及び聯通新時空は聯通新時
空が構築したCDMAセルラー電気通信ネットワーク(以下「CDMAネットワーク」という。)を中国電信グループに売却した
(以下「CDMAネットワーク買収」という。)。売却価格は66,200百万人民元であった。2008年10月1日、中国電信グループ
はCDMAネットワークの買収を完了した。2008年7月27日、当社は中国電信グループとの間でCDMAネットワーク容量リース契
約を締結し、中国電信グループのCDMAネットワーク容量をリース使用することとなった。2012年度において当社が中国電信
グループから一定の資産及び関連負債を取得したため、同社とのCDMAネットワーク容量リース契約は2012年12月31日付の満
了以降更新していない。
当社による中国電信グループからのCDMAネットワーク資産及び関連負債の取得
2012年8月22日、当社及び中国電信グループは買収契約(以下「CDMAネットワーク買収契約」という。)を締結し、これ
に則り中国電信グループから中国における30の省、地方自治体及び自治区のCDMAネットワークに関連した資産及び関連負債
を取得することに合意した。当初対価は84,595.41百万人民元で、2012年3月31日から完了日又はモバイル・ネットワーク買
収日までにおけるかかる資産及び関連負債の価値の変動に基づいて修正される可能性がある。モバイル・ネットワークの買
収は2012年12月31日(以下「完了日」という。)に完了し、モバイル・ネットワーク取得の最終的な対価(以下「最終対価」
という。)を87,210.35百万人民元とすることで合意した。
CDMAネットワーク買収契約に従い、(i) 2013年1月に最終対価25,500百万人民元が支払われ、(ii) 最終対価の残額(以下
「延払い」という。)は、完了日の5年目にあたる日までに(当日を含む)支払われることとなっている。最終対価の支払
いは、当社の内部資金及び関連する負債金融により調達されており、また、今後も行われる予定である。当社は、適宜、完
了日後いつでも、完了日の5年目にあたる日まで、違約金なしに、延払いの一部又はすべてを前払いすることができる。当
社は、半年毎に、中国電信グループに対し延払い残高の利子を支払い、利子は完了日の翌日から発生する。利率は、中国銀
行間市場取引者協会が完了日の前に公表する最新のスーパーAAA格付け5年物ミディアム・ターム・ノートの利回りの5ポイ
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ント割増しに設定し、毎年末に中国銀行間市場取引者協会が公表するスーパーAAA格付け5年物ミディアム・ターム・ノート
の最終利回りに従って1年に1度調整される。完了日後の1年目、2年目、3年目、4年目及び5年目における利率はそれ
ぞ れ4.83%、6.25%、5.11%、4.00%及び4.11%である。CDMAネットワーク買収契約に基づいて当社が支払うべき金額が支
払期日までに支払われなかった場合、当社は当該金額に対して、適用する支払期日の翌日以降、かかる金額が全額支払われ
る日まで、1日当たり0.03%遅延弁済金が科せられる。2017年12月31日現在、繰延返済は全て支払われ、最後の支払いは
2017年12月26日に行われた。
2013年度当社組織再編
2013年4月26日、当社は、中国電信グループと売却契約を締結し、当社はこれに則り、中国電信グループに対し、当社の
子会社であり、主にモバイル・インターネット映像及びインターネット映像、並びにコンテンツ・プロバイダとの協力によ
る加入者へのプラットホーム・オペレーティング・サービスの提供を行うイーサーフィン・メディア有限公司(以下「イー
サーフィン・メディア」という。)の持分80%の売却に合意した。当初対価は1,195百万人民元であった。当初対価は、2012
年12月31日から処分完了日までの期間におけるイーサーフィン・メディアの純資産簿価の80%の変動に基づき調整を受け
た。イーサーフィン・メディア持分保有に関するリスク及び報酬は2013年6月30日付で中国電信グループに譲渡された。最
終対価は1,248百万人民元に決定し、当社はこれを2013年12月31日までに受領した。
2013年6月9日、当社は完全所有子会社iMUSIC カルチャー & テクノロジー株式会社(以下「iMusic」という。)を設立し
た。同社は、音楽制作及び関連情報サービスを行う。同社の登録資本は250百万人民元である。
2013年8月19日、当社は、スマートフォン用携帯インターネットマルチメディア・インスタント・メッセージ・アプリ
ケーションYiChat”を発売するため、中国においてインターネット・テクノロジーを牽引する企業である網易公司と共同で
子会社である浙江翼信科技有限公司(以下「浙江翼信」という。)を設立した。2018年12月31日現在、浙江翼信の登録資本は
11.23百万人民元で、このうち65%を当社が、残り35%を網易公司が保有していた。
2013年12月16日、国際付加価値ネットワーク・サービスに主に従事する当社の完全保有子会社であるチャイナ・テレコ
ム・グローバル・リミテッド(以下「チャイナ・テレコム・グローバル」という。)は、中国電信グループと取得契約を締
結した。これに則り、チャイナ・テレコム・グローバルは中国電信グループからチャイナ・テレコム・ヨーロッパの持分
100%を当初対価261百万人民元で購入することに合意した。対価は2013年6月30日から完了日までのチャイナ・テレコム・
ヨーロッパの純資産価値変動に基づき調整される。当初対価は取得完了日から15営業日以内に支払われた。取得は2013年12
月31日付で完了し、最終対価278百万人民元は、2014年6月30日までに支払われた。
2014年度当社組織再編
2014年6月17日、当社はソフトウェア・テクノロジー開発を手掛ける完全子会社、天翼空間を設立した。同社の登録資本
は45百万人民元である。
タワー・カンパニー設立並びに電気通信塔の処分及びリース
2014年7月11日、当社は、中国聯通(CUCL)及び中国移動(CMCL)とともに、タワー・カンパニーの共同設立の為中国通
信服務股份有限公司発起人契約を締結した。タワー・カンパニーの登録資本は10十億人民元であった。当社、CUCL及びCMCL
は、タワー・カンパニーの株式をそれぞれ2.99十億人民元、3.01十億人民元及び4.00十億人民元分を1株当たり額面1.00人
民元で現金で引受けた。保有株式の割合はそれぞれ29.9%、30.1%及び40.0%であった。タワー・カンパニーは2014年7月
15日付で登録され、2014年9月2日には社名をチャイナ・タワー有限公司に変更した。当社は2014年12月31日にタワー・カ
ンパニーの登録資本の引受金を払込んだ。
2015年10月14日、当社は(i)CMCL及び関係子会社(以下「中国移動」と総称する。)(ii)CUCL及び聯通新時空通信有限公司
(以下「新時空」とし、CUCLと共に「中国聯通」と総称する)(iii)中国国新控股有限責任公司(以下「CRHC」)及び(iv)タ
ワー・カンパニー、との間に譲渡契約を締結した。当該契約に則り、当社は特定の電気通信塔及び関連資産の売却(総額
30,131百万人民元)を売却し、タワー・カンパニーが発行する新株33,097株(一株当たり額面価格1.00人民元)と引き換え
にタワー・カンパニーに現金2,966百万人民元を投入することに合意した。当社が譲渡契約に則りタワー・カンパニーに対し
て投入する現金は、当社内部現金資源を用いて調達された。本契約で意図された取引の完了に先立つ条件は満たされてお
り、2015年10月31日付で当該契約で意図された取引は完了した。その結果、当社、中国移動、中国聯通及びCRHCはそれぞれ
27.9%、38.0%、28.1%及び6.0%の割合でタワー・カンパニーの株式資本を保有している。2016年1月29日、当社及びタ
ワー・カンパニーは、タワー・カンパニーから当社に対して発行する株式数及び株価に合意する株式引受契約を締結した。
当社は上記タワー資産の処分により利益(関連費用及び税金を控除する)を得たが、これはタワー資産処分の最終対価
の、完了日におけるかかる資産の帳簿価格に対する余剰金に基づき算出されている。タワー資産処分による総利益は7,231百
万人民元であった。当社は、かかるタワー資産処分完了を以てタワー・カンパニーの株式資本の27.9%を保有しているた
め、当社の2015年度連結包括利益計算書において、上記利益の72.1%が、かかるタワー資産処分日に認識され、上記利益の
残る27.9%は、タワー資産の残余耐用年数を通じて繰延られる。当社によるタワー・カンパニーへのタワー資産の処分の完
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了後、当社及びタワー・カンパニーは、電気通信塔及び関連資産(取得されたタワー及び新たなタワーの両方を含む。)の
リースに関する価格及び関連する取決めを記したリース契約を、2016年7月8日に締結した。当社及びタワー・カンパニー
は 予備的理解を交わしており、当社によるタワー・カンパニー保有の特定の電気通信塔及び関連資産使用に関する取決めに
関して目下協議中である。2018年2月1日、当社及びタワー・カンパニーは、主に関連する通信塔製品の価格取決めを調整
する目的で、当初のリース契約に基づく補足契約を締結した。かかる調整は2018年1月1日から有効となり、2022年12月31
日に終了する。当社の電気通信塔及び関連資産のリース及び関連費用は、2017年度の15,389百万人民元から2018年度には
16,063人民元となり、4.4%増加した。
2018年8月、タワー・カンパニーは、H株式のグローバル・オファリングを完了し、香港証券取引所メインボードに上場
した。結果として、タワー・カンパニーにおける当社の資本持分は27.9%から20.5%に希薄化された。
タワー・カンパニーは主に通信塔及び付属設備の建設、維持管理及び運営事業を行う。タワー・カンパニー
は当社のモバイル事業及び経営成績に大きな影響をもつと見込まれる。詳細は、「第3 事業の状況―2.事業等のリス
ク、―当社の事業に関するリスク―当社の事業及びさらなるモバイル事業の発展はタワー・カンパニーに依存している」を
参照。当社は、早く効果的に当社の4Gネットワークのカバー範囲及び密度を増強し、長期的に当社のネットワーク競争力を
一層強化するために、タワー・カンパニーの豊富な資源を活用し、タワー・カンパニー運営により以下の点で利益を得るも
のと考えている:(i)現行のタワー資産及びタワー・カンパニーが可能にした長期的な協力により、収益率を向上させる(ii)
タワー・カンパニーの大株主のひとつとして、当社はその今後の収益及び価値の上昇による恩恵を受けると考えられる。
天翼空間の処分及び天翼資本控股有限公司の設立
2017年9月25日、当社は、中国電信グループの子会社であるベストトーン・ホールディング(以下「ベストトーン」とい
う。)との間に、当社が天翼空間の持分100%を、2017年3月31日現在における天翼空間の持分の評価に基づき決定された当
初対価249百万人民元でベストトーンに売却することを定めた売却契約を締結した。さらに、当初対価の調整が行われ、最終
対価は、2017年3月31日から売却完了日までの期間における天翼空間の純資産の帳簿価格の変動に基づき変更された。天翼
空間の持分における支配権は、2017年10月31日にベストトーンに移転された。最終対価は251百万人民元であり、そのうち当
初対価である249百万元は、2017年11月16日に当社により受領された。
2017年11月30日、当社は、資本投資活動及びコンサルティング・サービスの提供を行う完全子会社である天翼資本控股有
限公司を設立した。同社の登録資本は、5,000百万人民元である。
チャイナ・テレコム・リーシング有限公司の設立
2018年11月30日、当社及びチャイナ・テレコム・グローバルは共同で、電気通信機器の調達、ファイナンス・リース及び
関連する資金調達業務に携わるチャイナ・テレコム・リーシング有限公司を設立した。チャイナ・テレコム・リーシング有
限公司の登録資本は5,000百万人民元であり、当社が75%及びチャイナ・テレコム・グローバルが25%の資本持分をそれぞれ
保有する。
中国電信財務の設立
2018年6月22日、当社、中国電信集団公司及び中国通信服務股份有限公司(以下「CCS」という。中国電信集団公司の子会
社である。)は、中国電信財務有限公司(以下「中国電信財務」という。)を共同で設立するための出資契約を締結した。
中国銀行保険監督管理委員会の認可を受け合法に設立された非銀行金融機関である中国電信財務は、中国電信集団公司のメ
ンバー・ユニットに資本財務管理サービスを提供する目的で、2019年1月8日に中国で設立された有限責任会社である。出
資契約に基づき、中国電信財務の登録株式資本は5,000百万人民元である。当社、中国電信集団公司及びCCSは、それぞれ
3,500百万人民元、750百万人民元および750百万人民元を出資し、これらは中国電信財務の登録資本合計のそれぞれ70%、
15%および15%にあたる。設立に際し、中国電信財務は当社の非完全子会社となった。
2019年2月1日、中国電信財務は当社、中国電信集団公司及びCCSそれぞれとの間に、金融サービス枠組契約を締結した。
かかる契約に基づき、中国電信財務は、預金サービス、ローン・サービス及びその他の金融サービスを含む金融サービス
を、当社とその子会社(以下「当グループ」という。)、中国電信集団公司とその関連会社及び当グループと共同で保有さ
れる事業体(当グループ及びCCSグループ(以下「中国電信グループ」という。)を除く。)、並びにCCSとその子会社(以
下「CCSグループ」という。)に対し提供することに合意した。
イーサーフィン・スマート・ホーム・テクノロジー有限公司の設立
2019年2月1日、当社は、スマート・ファミリー・エコスフィアに焦点を当てたイーサーフィンHD、スマート・ホーム、
ホーム・ゲートウェイ及び知的WiFiネットワーキング・サービスに関与する完全子会社であるイーサーフィン・スマート・
ホーム・テクノロジー有限公司(以下「スマート・ホーム有限公司」という。)を設立した。スマート・ホーム有限公司の
登録資本は1,000百万人民元である。
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イーサーフィン・インターネット・オブ・シングス・テクノロジー有限公司 の設立
2019年2月2日、当社は、IoTエコスフィアに焦点を当てたIoT及び自動車向けインターネット・サービスに関与する完全
子会社であるイーサーフィン・インターネット・オブ・シングス・テクノロジー有限公司(以下「IoT有限公司」という。)
を設立した。IoT有限公司の登録資本は1,000百万人民元である。
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組織構造
以下は2019年6月24日現在の当社の会社組織図を示す。
注 (1)旧チャイナ・テレコム(香港)国際有限公司
(2) 旧中国聯通(マカオ)有限公司
(3) 旧有聯通華盛通信技術有限公司
(4) 旧ベストペイ有限公司
この他、中国国内の22省、5自治区、4直轄市にそれぞれ当社の支店が存在する。
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3【事業の内容】
概要
当社は、フルサービス能力を備えた中国の総合知的情報サービス・プロバイダである。当社は、2008年度にCDMA事業を買
収したことに伴い、インターネット・サービス、情報及びアプリケーション・サービス、音声サービス、電気通信ネット
ワーク・リソース及び機器サービス並びにその他関連サービスを含めた幅広い電気通信サービスの提供を開始した。「第
2 企業の概況-2.沿革-2008年度の業界再編及び当社によるCDMA事業の買収」を参照。
2005年度から当社は、従来の基本電気通信サービス・プロバイダから革新的な総合知的情報サービス・オペレータへの変
革を図る事業戦略を実行に移した。当社はとりわけ、事業構造の最適化及び競争力の強化により、インターネット・サービ
ス並びに情報及びアプリケーション・サービス等の非音声サービスの開発への取組みを強化している。当社の目標は、当社
の総合的資源を活用することにより、顧客価値を創造する独創的で革新的なサービスを提供することである。
MIITは2009年1月、当社の支配株主である中国電信グループに対し、CDMA2000技術に基づき全国的に3G事業を運営するた
めの免許を発行した。当社は、中国電信グループから中国におけるCDMA2000 3Gモバイル事業の運営権を承認されている。当
社は2009年3月にCDMA2000 3Gモバイル・サービスを開始した。
2013年12月及び2015年2月、MIITは当社の支配株主である中国電信グループに対し、TD-LTE技術及びLTE FDD技術に基づく
全国的4G事業展開のライセンスをそれぞれ付与した。当社は、中国電信グループより、中国国内における4Gモバイル事業展
開の権限を付与された。
2018年12月、当社の支配株主である中国電信グループは、MIITから、第5世代モバイル・コミュニケーション試験プログ
ラムを遂行するために、全国における3400-3500MHz周波数帯の使用の許可を与えられた。当社は、中国電信グループから、
中国における5Gシステムの大規模試験を実施する承認を受けている。
2019年6月、当社の支配株主である中国電信グループは、同グループが5Gデジタル・セルラー移動通信サービスを運営す
ることを許可するためのライセンスをMIITから付与された。当社は中国電信グループから、中国において5Gサービスを運営
する権限を与えられた。
当社の営業戦略
2018年度、業界統合、消費アップグレード及び新技術躍進によりもたらされた従前からの機会を活用し、当社は、その変
革及び改良戦略を前進させた。「サイバーパワーの構築、一級企業の形勢、より良い生活の共同設立」の3つの主な目標に
焦点を当て、当社は、事業の全ての方面の段階的な変革並びに更なる改革及び革新を促進した。当社は、全ての段階におけ
る当社の能力を強化するよう努め、一方で全ての予測される角度から将来の発展を計画した。とりわけ:
・ 顧客のニーズに応え、ネットワークの知的なアップグレードを促進する。ユーザー体験、事業規模拡大及び価値管
理に焦点を当て、当社は、統合的なネットワークの優位性を確立するために、独自のネットワークの構築及び知的
なアップグレードを前進させた。
・ 統合及び相互開発:サービス・エコロジーの迅速な拡大の支援。当社は、変化する市場の需要を的確に掴み、独自
のデータ送信及びクラウド製品を活用し、オペレーションの集中化を促進し、効果的にサービスを構築することに
より市場を拡大した。当社のバンドル製品の全体的な競争力は著しく強化され、市場規模の拡大における急速な飛
躍を促進し、価値の成長における新たな道筋を作った。当社の5つのエコスフィアの統合及び相互開発によるシナ
ジーは、将来の持続的な発展に向けて当社が新たな道を探求することを可能にした。
・ 知的かつデータ主導のオペレーションによる高い効率性。当社のITインフラストラクチャーの統合及びビッグデー
タ及び人工知能などの新技術の導入後、当社は、効率的な改善及び生産性の強化をもたらす、より知的な要素をオ
ペレーションに注入した。当社のデータ運用能力もまた、大幅に強化された。
2018年度、当社は、当社の運営の全てにおいて変革を実施し、革新を強化し、企業発展及び運営能力の活力を常に強化す
るよう努めた。当社は3次元かつ相互に働きかける変革及び混合所有の改革を引続き深め、開発活力を刺激した。当社はま
た、市場志向の採用、奨励及び人材配置を通じて、「パフォーマンス評価ユニットの下位部門の設立、プロフェッショナ
ル・オペレーション及びトップダウン・サービス支援システム」の変革を強化した。
2018年度、当社は、ターミナル主導かつ大容量データ送信の戦略を活用し4Gユーザー基盤を急速に拡大し、4Gデータ送信
の消費を増加させることにより、4G事業の開発に注力した。当社は、ブロードバンドにおける知的アップグレード推進のた
め光ファイバー・ブロードバンド・サービスを継続的に拡大した。
当社は、より多くの顧客を獲得するため、情報及びアプリケーション・サービスの開発及び促進を強化した。当社は、
マーケティング・チャンネルの移行を加速し、異なるチャンネルのシナジーを促進し、マーケティング能力及び効率を改善
した。「マルチモード」携帯は、2017年度に国際水準となり、その継続的な普及により、当社のターミナル及びサービスの
販売チャンネルはさらに拡大された。当社は、顧客体験を強化するために、ブロードバンド・サービスに対する「当日のイ
ンストール、当日のメンテナンスサービス保証、サービス遅延の際の補償」などの手段を通じてサービスの質の向上に焦点
を当てた。
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加入者及びサービスの利用
当社の営業収益は、当社の顧客基盤の規模、利用量並びに利用料金の水準及び構成に大きく依存している。下記の表は、
表示された日付現在及び表示された期間における当社の営業データに関する抜粋を示している。
12月31日現在又は
12月31日終了年度
201 6 年 201 7 年 201 8 年
モバイル電話加入件数(単位:百
215.0 250.0 303.0
万)............................................
うち4Gユーザー(単位:百
121.9 182.0 242.4
万)...........................................
モバイル音声利用分数 (単位:十億
720.6 769.2 827.7
分).........................................
携帯データ通信(単位:
1,277.0 3,597.0 14,073.0
kTB)...................................................
4GユーザーDOU(単位:メガバイ
1,029 2,012 5,680
ト)...........................................
有線ブロードバンド加入件数(単位:百
123.1 133.5 145.8
万)....................................
うちファイバー・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)加入件数(単位:百
106.0 126.2 140.7
万).........
稼働中の接続回線(単位:百
126.9 121.8 116.5
万)..............................................
有線音声利用パルス(単位:十
93.4 75.1 60.2
億)............................................
イーサーフィンHD加入件数(単位:百
61.3 85.8 105.3
万)......................................
ベスト・ペイ平均ユーザー数/月(単位:百
16.2 33.0 43.4
万)................................
モノのインターネット接続サービス(単位:百
14.2 44.3 106.9
万)..............................
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当社の製品及びサービス
インターネットサービス
当社のインターネットサービスは、ダイヤルアップ方式及びブロードバンド方式の各サービスを含む有線インターネット
サービス並びにモバイル・インターネットサービスから構成される。インターネット接続サービスは、当社の収入構造にお
いて徐々に重要性を増している。当社は、様々なその他事業モデルと連携した総合性及びカスタマイズ性を備えたサービ
ス・プランを通じてインターネット接続サービスを提供している。かかるプランは、インターネット、モバイル及びその他
サービスに相互利益をもたらすという相乗効果を生み出している。
2018年度、当社は、Gbpsサービスを当社最高のブロードバンド製品と位置づけ、集中化した開発アプローチを強く主張
し、高速プレミアム・ブロードバンド、大容量データ送信、イーサーフィンHD及びスマート・ファミリー・アプリケーショ
ンを搭載した集中パッケージにより、個人及び家庭消費者のニーズを充足した。当社はまた、最先端のブロードバンド・
サービスを維持し、インストールのアップグレード並びにメンテナンス・システム及び機能を加速させ、インストール及び
メンテナンスに加えてサービス及び製品のアップセリングを促進した。当社の「当日のインストール、当日のメンテナン
ス・サービス保証、サービス遅延の際の補償」を評価する成功度は著しく改善された一方、ブロードバンド・サービスに対
する満足度は業界を凌いだ。2018年12月31日現在、有線ブロードバンド加入件数は145.8百万件に達し、2017年12月31日現在
の133.5百万件から9.2%増加した。2018年における有線ブロードバンド加入件数の純増加数は6年連続の増加を記録した。
かかる加入件数のうち、2018年12月31日におけるファイバー・トゥ・ザ・ホーム(FTTH)加入件数は140.7百万件となり、全
有線ブロードバンド加入件数の約96.5%を占め、2017年12月31日から11.5%の増加となった。
さらに当社は、4Gサービス開発への注力により、無線ブロードバンド・ネットワークのサービス提供エリア及び接続容量
を強化した。2018年度、当社は引続き、高速鉄道及び高密度商業区域を含む主要な場面における4Gネットワークの徹底した
カバレッジを最適化し、ユーザー数及びデータ送信の増加に伴う大幅な帯域拡大を適用した。当社は約210,000個の4G基地局
を新たに設置し、2018年12月31日現在、4G基地局総数は約1.38百万個に達した。当社は、マルチモード携帯戦略を一貫して
主張し、業界チェーン開発を促進し、業界初のマルチモード人工知能携帯に関する白書を出版した。2018年度、自動登録さ
れた当社のマルチモード携帯の数は160百万に達し、前年度から23%の増加を示した。引続き大容量データ送信パッケージを
主要製品と位置付ける一方で、当社は、パッケージ・ポートフォリオを最適化し、パッケージ・プランの数を削減した。主
要な映像及び消費型のインターネット企業との協力に焦点を当て、当社は、大容量データ送信、コンテンツ、アプリケー
ション及び使用権の集中化を促進した。ベストペイ・レッド・パケット及びオレンジ・インストールメント・ペイメント・
サービスなど、当社の革新的な製品の差別化された優位性を活用し、当社は、周波数帯域に渡る調整及び拡張されたユー
ザー体験を強化し、データ送信価値及びデータ送信消費の強化を促進した。2018年12月31日現在、当社の4G利用者数は2017
年12月31日現在の182.0百万人から33.2%増加し、当社モバイル端末加入者数の80.0%にあたる242.4百万人に達した。2018
年度、当社の携帯インターネット・データ通信量は14,073.0kTBに到達し、2017年から291.2%の著しい増加となった。4G加
入者一人あたりの月平均総データ使用量は5,680MBに達し、2017年度から182.3%の増加となった。これは当社のデータ・
サービスにおける通信量及び収益に大きく貢献している。
さらに2018年度、当社は、5Gエコシステムのシステム開発を開始し、自動運転バス、スマート水処理及びモバイル遠隔医
療サービスなど、5G技術を伴う事業モデルの革新を促進するために、5Gシステムの大規模試験を17都市で開始し、1,000の5G
基地局を整備した。
情報及びアプリケーション・サービス
当社の情報及びアプリケーション・サービスには、インターネット関連サービスに基づくインターネットプロトコル・テ
レビ(以下「IPTV(イーサーフィンHD)」という。)、知的WiFiネットワーキング、ファミリー・クラウド及びスマート・
ホーム電化製品並びにインターネット・データ・センター(以下「IDC」という。)サービス、クラウド・コンピューティン
グ・サービス並びにコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(以下「CDN」という。)などの複数の主要アプリケーションが
含まれる。さらに、当社は、有線音声関連サービスに基づく 発信者番号通知、 SMS、マルチメディア・メッセージング・サー
ビス(以下「MMS」という。)及びeメール・サービス、音楽関連コンテンツ・サービス等のコンテンツ型のアプリケーショ
ン・サービス、並びに行政事務管理、運輸物流、デジタル病院、IP技術に基づくビデオ監視ソリューションであるグローバ
ル・アイ及びイーサーフィン仕様のプッシュ・トゥ・トーク・サービス等の政府及び大企業向け産業型アプリケーション・
サービスを有している。
当社は、新興事業に関する研究開発能力を強化し、優れた結果をあげている。スマート・ファミリー製品の開発におい
て、当社は、スマート・ファミリーの連携を形成及び運用するために集中型かつ効率の高いオペレーションを本格的に実施
するために、当社の資源の優位性を活用し、イーサーフィンHD、知的WiFiネットワーキング、ファミリー・クラウド及びス
マート・ホーム電化製品の4つの主要なアプリケーションを開発し、加入者基盤を安定的に拡大した。2018年度、当社は、
スマート・ファミリー・アプリケーションの導入を拡大し、付加価値サービスのための全国に及ぶ集中化されたプラット
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フォームを整備し、それまで個別だったブロードバンド及びイーサーフィンHDサービスの業務を統一した。当社はまた、加
入者向けのイーサーフィンHDと映画及びテレビ番組、教育及びスポーツのパッケージを創出するために、人気の高いコンテ
ン ツに注意を向けた。2018年度末までにイーサーフィンHD加入件数は約105.3百万件に達し、前年度から19.5百万件の増加と
なった。同時にモバイル及びイーサーフィンHDサービスにも加入する当社のブロードバンド加入者の割合は、前年度から13
パーセンテージ・ポイント増加し、65%となった。かかる増加を受け、当社のブロードバンド加入者におけるイーサーフィ
ンHD加入者の普及率は72%に達した。インターネット・ファイナンスの開発に関して、当社は、オフラインの従来チャンネ
ルの優位性を活用し、消費シナリオを幅広く拡大する一方で、当社のペイメント・チャンネルの革新的な統合は、1つの機
能で全ての支払いを済ませることのできるペイメント・ソリューションを提供した。「ベストペイ」の実際の利用者の月平
均は、2018年度には43.4百万人に到達し、前年度から31.5%の増加となり、「ベストペイ」の利用業者数は2倍超に増加し
た。さらに当社は、モバイル加入者の忠誠心を著しく高め、加入者数を成長させたレッド・パケット及び分割払いプラット
フォームを開発する一方で、新たな小売販路および統合小売販路を効果的に促進し、拡大した。さらに当社は、コミュニ
ケーション技術、情報技術並びにクラウド及びビッグデータ技術を統合する集中型の知的アプリケーション・サービスであ
る新たなICTアプリケーション(以下「DICTサービス」という。)を促進した。DICTの開発に関して、当社はクラウド・ネッ
トワーク統合の優位性を強化し、「クラウド化」を通じて引続き専用回線、DICT及びIoTサービスの開発を促した。モノのイ
ンターネット(以下「IoT」という。)の開発に関して、当社は、ナローバンドIoT(以下「NB-IoT」という。)ネットワー
クの先発者の優位性を活用し、当社のIoT事業は、開発における高速段階に突入した。「クラウド-パイプ-デバイス-アプ
リケーション」の枠組みに基づき、当社は、中心となるIoT能力の開発及び産業IoTアプリケーションに対する1ステップの
ソリューションの提供に引続き焦点を当てた。IoT利用者の純増加数は、前年度と比較し倍増し、接続機器の数は100百万台
を超えた。
2018年度、拡張された機械型コミュニケーション(以下「eMTC」という。)の試験的投入の加速された促進とともに、当
社は、それぞれ高、中及び低速の4G、eMTC及びNB-IoTを組合わせた全範囲の速度率によるIoT構造を概ね達成し、需要に応じ
た差別化されたサービス性能を提供した。当社はクラウド・ネットワーク統合を加速し、IDC及びクラウド・リソースの調整
された配備を行い、サービス性能を持続的に強化した。当社は、クラウド・リソース・プールを所有するネットワークと接
続し、クラウド主導のネットワークを可能にした。さらに、ソフトウェア定義型ネットワーク(以下「SDN」という。)及び
ネットワーク機能仮想化(以下「NFV」という。)などの新技術を導入することにより、当社は、当社のネットワークの再構
成を加速し、政府および企業顧客に対する知的かつ自己選択の帯域幅ネットワーク製品並びに当社のネットワーク製品が数
分以内に起動することを可能にするSDN技術を基盤としたホーム・ゲートウェイ製品の促進を展開した。当社はまた、クラウ
ド化及び仮想化の前進を促すために、ソフトウェア及びハードウェアが分離されたVoLTE仮想IPマルチメディア・サブシステ
ム(以下「vIMS」という。)コアネットワークを発表した。
2018年度において、当社のIDCサービスは急成長を遂げた。IDCサービスからの収益は23,380百万人民元であり、前年度か
ら22.4%の増加となった。一方で、クラウド・サービスの収益は4,480百万人民元であり、前年度から85.9%の増加となっ
た。ビッグ・データ・サービスからの収益は865百万人民元であり、前年度から12.5%の増加となった。IDCサービスは、ク
ラウド及びビッグ・データ・サービスにおける重要なネットワーク基盤である。当社は、クラウド及びネットワークの集中
化の優位性を活用し、また中国における「2+31+X」フレームワークを構築することにより、当社のクラウド及びIDC資源レ
イアウトを最適化した。2018年、全国におよぶカバレッジとIoTの新時代を基盤に、当社は接続管理プラットフォームの構築
に成功し、ターミナル製品を充実させ、接続規模の拡大に注力した。
音声サービス
当社の音声サービスには、モバイル音声サービス及び有線音声サービスが含まれる。
2017年9月1日以前、当社のモバイル音声サービスには地域電話、国内長距離電話、国際長距離電話、省内ローミング、
省際ローミング及び国際ローミングが含まれた。2017年9月1日から、当社は、モバイル音声サービス加入者に対する国内
長距離電話料金及びローミング料金の請求を廃止した。2018年、当社は、マルチモード携帯戦略を一貫して主張し、業界
チェーン開発を促進し、業界初のマルチモード人工知能携帯に関する白書を出版した。「6モード」携帯のオープン・チャ
ンネル販売における更なるマーケティング努力を通じて4Gサービスの開発をさらに進めた。
2018年の激しい市場競争の渦中で、当社のモバイル・サービス加入者の数は、2017年12月31日現在の250.0百万件から
21.2%増加し、2018年12月31日現在には303.0百万件になった。モバイル音声利用分数は、2017年における769.2十億分から
2018年には827.7十億分に増加した。
当社の有線音声サービスには、地域有線電話サービス、国内長距離有線電話サービス及び国際・香港・マカオ・台湾長距
離有線電話サービスが含まれる。有線電話加入総数は合計で、2017年12月31日現在の121.8百万件から2018年12月31日現在に
は116.5百万件に減少した。地域有線電話の総利用量は、2017年度の75.1十億パルスから約19.9%減少し、2018年度は60.2十
億パルスであった。
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有線電話加入件数及び有線音声サービス利用の減少は主に、モバイル音声サービス及びオーバー・ザ・トップ・メッセー
ジ・サービス等のその他代替コミュニケーション手段の普及及び当社の一部有線電話加入者のモバイル・サービスへの移行
からもたらされた。
さらに、当社は政府及び企業利用者を獲得するために、産業アプリケーションの大規模な開発を引続き強化した。
電気通信ネットワーク・リソース及び機器サービス
当社の電気通信ネットワーク・リソース及び機器サービスには、光回線及び回線の使用に関連したサービスが含まれ、か
かるサービスは仮想プライベート・ネットワーク(以下「VPN」という。)及び回線容量の使用から構成される。当社は、政
府機関、大企業及び大規模機関を含む大手法人顧客に対し、当社の総合的電気通信ソリューションの一環として電気通信・
ネットワーク・リソース及び機器サービスを提供している。かかる顧客の多くが、さまざまな技術に基づく仮想プライベー
ト・ネットワーク(以下「VPN」という。)を構築するために当社回線の使用を選択して遠隔地のローカル・エリア・ネット
ワーク(以下「LAN」という。)と接続している。当社はまた、多国籍企業向けグローバル通信サービスを提供するために、
多くの国際電気通信サービス・プロバイダと協力している。これに加え、当社は大手企業顧客に対しネットワーク機器の提
供も行っている。
当社は2018年も引続き政府、金融機関及び大企業の顧客層に重点を置いた。当社は、かかる顧客に対してグローバルなワ
ンストップ・サービス、オーダーメイド・サービス及び包括的ソリューションを提供することに重点を置いたマーケティン
グに尽力した。当社顧客は、指定の顧客担当者に連絡するだけで、コンサルティング、テクニカル・サポート及び各サービ
スを網羅的に受けることができる。
その他
当社のその他サービスには主に機器の販売、レンタル、修繕、保守、モバイルサービスの再販及び不動産リースが含まれ
る。
顧客管理及びブランド管理
当社は2018年も引続き、ブランド「チャイナ・テレコム」をフルサービス・ブランド名としてプロモーションし、とりわ
けイーサーフィン4G+、チャイナ・テレコム・ブロードバンド、イーサーフィン・クラウド、マルチモード、人工知能携帯、
IPTV並びに知的Wifiネットワーキング・サービス及び製品を通じて、統合知的情報サービス・オペレータとして、「チャイ
ナ・テレコム」のブランドイメージをさらに強化した。
当社の多階層的サービスに向けたコンテンツ提供及び調和的なマーケティング努力を通じて、当社は引続き「チャイナ・
テレコム」のブランド認知及び市場影響力を向上させている。
利用料金
2014年5月以前は、現行の当社の大部分の利用料金の水準及び分類は様々な政府当局の規制対象となっていた。政府によ
る段階的利用料金の緩和に向けた努力により、MIIT及びNDRCは「電気通信サービスの市場に基づく利用料金施行通知」を公
表した。これに従い、2014年5月10日付で、電気通信業者はあらゆる電気通信サービス利用料金を費用、顧客の需要及び市
況に基づいて設定することが認められるようになった。「規制及び関連事項―利用料金の設定」を参照。
有線音声サービス
当社の域内有線電話サービスでは、利用量に応じた利用料金を設定している。現在、公衆電話網(以下「PSTN」とい
う。)を利用する国内の長距離有線サービスは全て統一料金で、オフピーク時間帯割引を設けている。
当社では、中国電信グループの国際ゲートウェイを通じて国際・香港・マカオ及び台湾長距離有線サービスを提供してい
る。中国電信グループは電気通信産業における国際的決済基準に基づき、相互決済協定及び料金の交渉を行った上で、決済
協定及び料金に順ずる。
モバイル音声サービス
通常、当社のモバイル音声サービス加入者に対して、域内利用料金、長距離電話料金及びローミング料金という料金カテ
ゴリーの請求を行っている。しかしながら、2016年度において、当社は、新たな4G加入プランにおける国内の長距離電話の
利用料金の請求及び音声サービスのローミングの利用料金の請求を延期した。2016年度末までに、当社は、長距離電話の利
用料金及びローミングの利用料金を個別に請求する加入プランの提供を停止した。新たなプランは国内の音声サービスが全
て統一料金である。さらに、当社は、2017年9月1日から、国内の長距離及びローミング利用料金を携帯加入者に請求する
ことを中止した。
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当社モバイル音声サービスの国際、香港、マカオ及び台湾ローミングに関して、中国電信グループと各国際、香港、マカ
オ及び台湾オペレータ間のローミング契約に基づき顧客へのローミング・サービスを提供し、ローミング料金の設定をして
いる。
インターネット・サービス並びに情報及びアプリケーション・サービス
当社では、これらのサービスの料金設定を市況に応じて行っている。さらに、ネットワーク・スピード・アップグレード
及び料金設定引下げに関する中国政府の政策要件に従い、当社は2018年において、政策要件を充足するために以下を含む措
置を展開した。(i)2018年7月1日から、中国本土におけるモバイル・データ・ローミング料金の請求を廃止した。(ii)
複数の国及び地域において国際ローミング料金設定を引き下げた。(iii)中小企業専門のインターネット接続及び商業用接
続に対する料金設定を引き下げた。
電気通信ネットワーク・リソース及び機器サービス
当社では、電気通信ネットワーク・リソース及び機器サービス料金を市況に応じて設定している。当社では、原則的に電
気通信リソース・ネットワーク・サービス設置費用及び固定月額料金を請求している。当社は、広域帯へのアップグレード
を望んでいる顧客に対し、様々なプロモーション割引を提供している。ここ数年において、かかるプロモーション割引によ
り当社電気通信ネットワーク・リソース・サービスへの需要が掘り起こされた。さらに、当社はネットワーク機器サービス
に関し通常割引ベースでの月額料金の請求をしており、近年においてはネットワーク機器サービス料金は全体的に値下がり
してきている。当社では、顧客に対し個別に異なる割引を提供している。
相互接続及びローミング契約
相互接続
相互接続は、当社ネットワークを他社のモバイル・ネットワーク、固定回線ネットワーク又はインターネット基幹ネット
ワークに接続するための個別の協定に従う。かかる協定により、基本使用料金の収入配分及び決済、並びにローミング料
金、国内長距離通話料金及び国際長距離通話料金が発生する場合の上記料金の収入配分及び決済並びにインターネット基幹
ネットワークの相互接続の取決め及び決算が規定される。
中国電信グループは、中国聯通集団公司、中国移動集団公司、及び中国交通通信信息中心など、その他の電気通信オペ
レータと相互接続決済協定を交わしている。また、当社と中国電信グループは相互接続決済契約(修正された内容によ
る。)を締結しており、同契約により当社は、中国電信グループ及び同グループと相互接続協定を交わしているその他の電
気通信オペレータのネットワークに対して当社ネットワークを相互接続させることができる。また、当社が中国電信グルー
プ及びその他の電気通信オペレータとの間で交わしている相互接続協定により、当社の加入者は他オペレータの加入者との
通信、並びに域内、国内及び国際の長距離通話の発着信が可能となり、インターネット基幹ネットワークへの接続が可能と
なる。公共有線電話、モバイル及びインターネットのネットワーク間の中国国内相互接続決済のすべての協定は、国務院が
公布した電気通信条例並びにMIITが公布した電気通信条例及び共電気通信ネットワーク相互接続管理規則に従う。下記「規
制及び関連事項」を参照。
国際ローミング
音声及びデータ・サービスに関し、当社は加入者に対して、国際ローミング・サービスを提供している。同サービスによ
り、当社の加入者は、当社又は当社のローミングの提供者がローミング協定を交わしている海外及び域外の他オペレータの
モバイル通信ネットワークのサービス提供エリア内に所在していれば、指定サービス地域外からでもモバイル通信サービス
に接続することができ、並びに音声、SMS及びデータの各サービスを利用することができる。
2018年12月31日現在、当社のモバイル・サービスの加入者は、中国電信グループ及び地域オペレータ又はローミング・プ
ロバイダとの間で交わした国際ローミング協定に基づき、200以上の国及び地域においてモバイル・ネットワーク上でのロー
ミングが可能である。ローミング・サービスを利用するモバイル・サービスの加入者は、発信及び着信の双方について当社
のローミング利用料金を請求され、さらに適用があれば長距離通話料金を請求される。当社は国際ローミングに関して、中
国電信グループ及び各国際オペレータの間で交わされたローミング協定に従い、国際オペレータとの間でローミング収入及
び支出を決済する。中国電信グループは、将来交わす国際ローミング協定に当社を含めるよう便宜を計ることに合意してい
る。
マーケティング、営業、流通及びカスタマー・サービス
マーケティング、営業及び流通
当社のマーケティング戦略は、当社の知的フルサービスを提供する電気通信サービス・プロバイダとしてのイメージを確
立し、包括的なサービス基盤並びに全国的なマーケティング及び流通ネットワークを活用することにある。当社は、当社製
品及びサービスの認知度及びロイヤルティの向上に向けて公告に非常に力を入れてきた。顧客を魅了し当社サービス利用を
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喚起するのみならず、市場競争に応じるため、当社では、ターゲット顧客に向けて、その電気通信需要に応じるために、当
社は一定の音声及びデータ商品をひとつのサービスプランに統合した。
当社は、「規模拡大の集中化、アプリケーション開発の統合及び効率性強化の知的化」を備えた「トリニティ」価値管理
システムを取り巻くエコスフィア製品、顧客管理及び統合販売チャンネルに関し、3つのシステムを引続き確立していく。
エコスフィア製品システムの構築に関して、当社はリソースの統合と構造改革を加速させ、クラウド、DICTアプリケーショ
ン、スマート・ファミリー及びIoTの開発センターの能力を形成した。当社はまた、高性能製品を発展させ、供給側の能力を
強化した。顧客ライフサイクル管理システムの構築に関して、当社はユーザー体験及び価値管理に焦点を当て、ビッグデー
タを活用した正確なマーケティングを通じて当社のチャンネルに知的要素を注入し、エコロジカル能力を提供した。当社は
既存顧客の複数機能を搭載した集中パッケージ及び大容量データ送信パッケージへのアップグレードの手続きを促進させ、
顧客サービスの質の継続的な上昇を開始した。統合販売チャンネル・システムの構築に関して、当社は、小売の新時代にお
ける販売チャンネルの段階的な変化のトレンドに適合し、効率性及び有効性を増強するために、「自己所有+サードパー
ティ」、「オンライン+オフライン」並びに「プラットフォーム+販売範囲」により構成されるチャンネルを構築した。自
己で所有する直販店の知的なアップグレードにより新たな業界基準が定められた一方で、サードパーティ・チャンネルによ
り当社の販売範囲が拡大された。新規小売店との幅広い協力を通じて、当社は統合販売チャンネルの拡大を実現した。当社
の販売チャンネルの運用能力が継続的に強化された一方で、基幹業務の構築はさらに促進され、当社のマーケティング及び
運営管理に知的要素を注入した。結果的に、サービスに対する平均システム処理時間は大幅に低減され、業務効率及び顧客
体験が著しく強化された。
さらに、当社は顧客経験、顧客関係管理、SMS、電話販売、販売計画、並びにインターネットのポータル会社及びソフト
ウェア開発会社などのビジネスパートナーとの合同プロモーションなど様々なマーケティングアプローチ及びイニシアチブ
をとり、とりわけ情報及びアプリケーション・サービスといった商品及びサービスの販売促進を行った。
カスタマーサービス
当社は統合販売流通網を通じて、あらゆるチャンネルからカスタマーサービスを提供している。当社のカスタマーサービ
スは通常サービスの問い合わせ、サービス・アプリケーション、顧客のクレーム、商品及びサービスの販売促進、サービス
開始及び終了、支払通知サービス及び緊急サービスが含まれる。当社の顧客へのフルサービス基準の設定及び施行を通じ
て、当社は基本的な顧客サービスを大幅に改善させた。これにはサービス所要時間、リクエストへの回答時間並びにテキス
ト・メッセージを介した顧客へのサービス関連及びその他情報提供が含まれる。
2018年において、当社はカスタマー・サービスにおいて以下を強化した。
・ ブロードバンド及び専用回線のインストール、移行及び修理に要する時間を短縮し、政府及び企業顧客に対するイン
ターネット接続、クラウド・コンピューティング及びIoT事業のサービス能力を改善させ、グループ・ネットワーク回
線接続の所要時間を改善し、IoT関連の機能不良の期限内の修復率を改善した。
・ 映像ストリーミングの体験及び品質を改善するために、映像品質監視及びイーサーフィンHDサービスの解析を実施し
た。
・ スマート・ホットライン10000を開発し、その運用のための人工知能を促進するために、人工知能及びビッグデータ技
術を活用した。
・ ユーザーにより高い利便性を提供するためにインターネット基盤のセルフサービス・モデル及び手続きを開発した。
・ 顧客サービスロボットの導入からインターネット基盤のサービス及びライブ映像チャットなど、直接的かつ鮮明な方
法で顧客の問題を解決するための新たなメディアを通じて顧客サービス能力を改善した。
2018年において、MIITにより行われた評価において、当社は統合的な顧客満足度並びにモバイル音声及びモバイル有線イ
ンターネット・アクセス・サービスの顧客満足度において引続き業界首位にランクされた。
情報テクノロジーシステム
当社では音声サービス及びその他サービスをサポートするために情報テクノロジー(IT)システムを採用している。近年
においては、継続的アップグレードにより、当社のITシステムは有線、モバイル及びその他サービス並びに口座開設、請求
書作成及びカスタマー・サービス等その他関連業務をサポートする能力を備えている。
ネットワークシステム
当社のネットワークシステムは広範囲の提供エリア及び規模を有しており、先端技術及び最適なアーキテクチャを採用し
ており、これにより、広範囲における機能及び運用を提供している。さらに広範囲の端末間電気通信サービスもサポート
し、様々な電気通信ニーズに応じてカスタマイズ商品を提供することが可能である。当社のネットワークシステムは、当社
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の経験豊富なネットワーク管理チームが管理運営し、当社の強力な研究開発力に支えられている。将来のテクノロジー発展
に鑑みて、当社のネットワークシステムを効率的に次世代につなげる実行可能な計画を策定した。さらに当社は、当社の
ネッ トワーク機器及び関連するメンテナンス及び技術サポートを、とりわけファーウェイ・テクノロジーズ、エリクソン、
ノキア、ZTEなど、主に中国及び海外の電気通信ネットワーク機器製造会社及びサプライヤーから調達している。
2012年12月31日、当社は中国電信グループから中国国内の30の省、地方自治体及び自治区のCDMAネットワークに関わる一
定の資産及び関連負債の取得を完了した。更に、当社は中国電信グループから西蔵自治区における一定のCDMAネットワーク
施設をリースしており、かかる当社CDMAモバイル・サービスの使用及び運営する独占権を有している。「第2 企業の概況—
2.沿革—当社による中国電信グループからのCDMAネットワーク資産及び関連負債の取得及び—関連当事者間取引」参照。
ネットワーク・アーキテクチャ
当社ネットワークシステムは、アクセスネットワーク、データネットワーク、コアネットワーク、伝送ネットワーク、
サービスネットワーク及びサポートネットワークがある。
" アクセスネットワーク:銅ケーブル及び光ファイバーを基にした有線アクセスネットワーク並びにCDMA、TD-
LTE及びLTE FDDを基にした無線ネットワークを含む。これらは顧客に直接接続し、有線、無線データ及び音声
サービスを提供する。
" データネットワーク:インターネットネットワーク及び基本的データネットワークを含み、IPを基盤とするす
べての電気通信サービスの提供及びサポートを行う。
" コアネットワーク:当社の有線電話網及びモバイルコアネットワークを含み、当社の基本的電気通信サービス
をサポートしている。
" 伝送ネットワーク:アクセス・ネットワーク、データ・ネットワーク及びコア・ネットワークの様々なサービ
ス・シグナルネットワークアクセスの伝送を行う。
" サービスネットワーク: 様々な付加価値サービス及びアプリケーション商品用の基盤及び補助的システムを提
供する。
" サポートネットワーク:シグナル・ネットワーク、デジタル同期型ネットワーク、及び 様々なネットワーク管
理システムを含む、当社ネットワーク及びサービスを全レベルにおいて安全、安定的かつ効率的に行うための
サポートを目的としている。
低周波の再構築
当社は、800MHzの周波数資源を再構築し、4Gネットワーク構築のために未使用の周波数資源を使用するための認可をMIIT
から受けた。当社は、800MHzの低周波に達するカバレッジの優位性を活用し、農村地域における4Gネットワークの構築を迅
速かつ低費用で完了し、全国における4Gの完全配備を達成し都市部におけるカバレッジも広め、4Gデータの規模も補充し
た。全国の4Gネットワークにより、当社は、全国において高品質で幅広いカバレッジNB-IoTネットワークを構築し、事業を
取り巻くエコシステムの発展を支援し、Voice over LTE (以下「VoLTE」という。)ネットワークは商業化の準備が整っ
た。
機材調達
当社では、ネットワーク機器のほとんどを主要な海外及び国内のサプライヤーから購入している。伝送機器、ローカル・
スイッチなど、様々なネットワーク機器を国内サプライヤーから購入している。当社は、ほぼすべての購入を、主に商品及
びサービスの品質、システムの互換性及び価格を基準とし、競争入札を通して行う。
当社の大手電気通信機器サプライヤーからの購入は2018年間購入の約29.7%であった。当社の最大の電機通信機器サプラ
イヤー1社からの購入は2018年の年間購入価格の約13.5%を占めた。
競 争
2008年の業界再編を受けて、中国聯通及び当社はフルサービス能力を確保し、有線及び無線の電気通信サービスにおいて
互いに競合している。中国移動は中国でモバイル電気通信サービスを提供する最大手としての地位を引続き堅持しており、
当社とモバイル電気通信サービスにおいて及びその他の電気通信サービスにおいて競争関係を形成する。2013年12月及び
2016年5月、中国移動及び中国ラジオ・TVネットワークはそれぞれはMIITより固定ライン事業の免許を取得し、この部門に
おいて競争が激化した。
中国のWTO加盟以降、海外オペレータは、中国の電気通信産業に対する投資を段階的に拡大できるようになった。海外オペ
レータには、国内サービス・プロバイダと同様にMIITの免許要件が適用される。また、海外オペレータによる中国の電気通
信事業体への投資に関しては、その許されるべき額面及び持分比率について法律上及び規制上の制限が策定されており、海
外オペレータはかかる制限を超えて投資することができない。例えば、基本電気通信サービスの海外持分比率の上限は
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EDINET提出書類
チャイナ・テレコム・コーポレーション・リミテッド(E05927)
有価証券報告書
49.0%とされており、電子商業以外の付加価値電気通信サービスの海外持分比率の上限はは50%とされている(中国におけ
る自由貿易試験区を除く。)。以下「規制及び関連事項 ‐免許」を参照。
当社はまた、とりわけ、独自の電気通信ネットワーク基盤を有さずインターネットにおいてコンテンツやサービスを提供
するインターネット・サービス・プロバイダ並びにモバイル・ソフトウエア及びアプリケーション開発業者(オーバー・
ザ・トップ・メッセージ又は音声サービス・プロバイダなど)など、電気通信業界以外からの競合との高まる競争にも直面
している。これらの競合他社は、情報及びアプリケーション又は音声サービスにおいて当社と競合している。
近年、中国政府は、電気通信業界における競争を促すための様々な戦略を講じている。それらには、三網融合政策並びに
民間資本による業界への参入を促す方針及びそれに対するガイダンスなどが含まれる。具体的には、2010年5月、中国国務
院は、「民間投資の健全な発展を奨励・指導する若干の意見」を公表し、電気通信サービス等の主に政府支配下にある産業
部門への民間投資を奨励した。2012年6月、MIITは「電気通信産業における民間投資を奨励・指導する意見」を公表し、電
気通信産業における民間セクターの投資を促進した。2013年5月17日、MIITは、「移動通信転売業務試行プラン」を発表し
た。それに基づきMIITは、適格な企業に対し、モバイル電気通信の転売業務の認可を試験的に付与することになった。それ
により、それらの企業は、モバイルネットワーク・オペレータからモバイル電気通信サービスをまとめて購入する、又はか
かるサービスを顧客に転売することが可能になった。2016年1月6日、MIITは「移動通信転売業務の卸売価格の調整に対す
るガイダンス 」を発行した。それに基づき、MIITは、モバイル電気通信サービスを転
売する際の卸売価格は、モバイル・ネットワーク・オペレータによる類似したサービスにおける単価(パッケージ価格)を
下回ることを義務付けた。2018年4月28日、MIITは、「モバイル電気通信再販事業に関する回状(