株式会社 神戸製鋼所 有価証券報告書 第170期(2022/04/01-2023/03/31)
提出書類 | 有価証券報告書-第170期(2022/04/01-2023/03/31) |
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提出日 | |
提出者 | 株式会社 神戸製鋼所 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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株式会社 神戸製鋼所(E01231)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2023年6月21日
【事業年度】 第170期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
【会社名】 株式会社 神戸製鋼所
【英訳名】 Kobe Steel, Ltd.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 山口 貢
【本店の所在の場所】 神戸市中央区脇浜海岸通2丁目2番4号
【電話番号】 078(261)5194
【事務連絡者氏名】 財務経理部決算グループ長 古川 禎久
【最寄りの連絡場所】 神戸市中央区脇浜海岸通2丁目2番4号
【電話番号】 078(261)5194
【事務連絡者氏名】 財務経理部決算グループ長 古川 禎久
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄3丁目8番20号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1) 最近5連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移
回次 第166期 第167期 第168期 第169期 第170期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
1,971,869 1,869,835 1,705,566 2,082,582 2,472,508
売上高 (百万円)
34,629 16,188 93,233 106,837
経常損益 (百万円) △ 8,079
親会社株主に帰属する当期
35,940 23,234 60,083 72,566
(百万円) △ 68,008
純損益
14,782 53,968 105,879 120,351
包括利益 (百万円) △ 81,950
803,312 716,369 769,375 872,346 977,653
純資産額 (百万円)
2,384,973 2,411,191 2,582,873 2,728,745 2,874,751
総資産額 (百万円)
2,041.29 1,811.10 1,958.57 2,066.48 2,314.31
1株当たり純資産額 (円)
99.20 64.05 160.23 183.80
1株当たり当期純損益 (円) △ 187.55
潜在株式調整後
(円) - - - - -
1株当たり当期純利益
31.0 27.2 27.5 29.9 31.8
自己資本比率 (%)
4.85 3.40 7.88 8.39
自己資本利益率 (%) △ 9.74
8.38 11.68 3.69 5.73
株価収益率 (倍) -
営業活動による
67,136 27,040 194,798 168,809 119,692
(百万円)
キャッシュ・フロー
投資活動による
(百万円) △ 28,603 △ 218,986 △ 141,853 △ 161,510 △ 97,267
キャッシュ・フロー
財務活動による
140,589 118,444
(百万円) △ 9,561 △ 69,143 △ 85,564
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
197,216 145,658 317,310 260,511 203,394
(百万円)
期末残高
39,341 40,831 40,517 38,106 38,488
従業員数
(人)
[外、臨時従業員数] [ 6,063 ] [ 6,976 ] [ 5,911 ] [ 5,782 ] [ 6,450 ]
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第167期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。
3.「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存する当社の株式は、1株当たり純資産額の算定上、期末
株式数の計算において控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純損益の算定上、期中平
均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第169期の期首から適用してお
り、第169期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっており
ます。
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(2) 提出会社の最近5事業年度に係る主要な経営指標等の推移
回次 第166期 第167期 第168期 第169期 第170期
決算年月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月 2023年3月
1,073,791 995,447 924,648 1,229,177 1,403,979
売上高 (百万円)
11,940 54,470 60,538
経常損益 (百万円) △ 14,269 △ 7,634
14,345 7,888 45,396 55,125
当期純損益 (百万円) △ 48,759
250,930 250,930 250,930 250,930 250,930
資本金 (百万円)
364,364 364,364 364,364 396,346 396,346
発行済株式総数 (千株)
554,841 497,759 518,245 588,515 633,169
純資産額 (百万円)
1,640,872 1,681,347 1,817,450 1,857,452 1,855,291
総資産額 (百万円)
1,528.60 1,369.87 1,426.27 1,488.62 1,600.16
1株当たり純資産額 (円)
20.00 10.00 40.00 40.00
1株当たり配当額 -
(円)
(うち1株当たり中間配当額) ( 10.00 ) ( -) ( -) ( 10.00 ) ( 15.00 )
39.52 21.70 120.84 139.35
1株当たり当期純損益 (円) △ 134.22
潜在株式調整後
(円) - - - - -
1株当たり当期純利益
33.8 29.6 28.5 31.7 34.1
自己資本比率 (%)
2.58 1.55 8.20 9.02
自己資本利益率 (%) △ 9.26
21.03 34.47 4.89 7.56
株価収益率 (倍) -
50.6 46.1 33.1 28.7
配当性向 (%) -
11,401 11,560 11,837 11,296 11,368
従業員数
(人)
[外、臨時従業員数] [ 1,552 ] [ 1,694 ] [ 1,450 ] [ 1,293 ] [ 1,393 ]
79.8 33.2 73.0 62.0 109.1
株主総利回り (%)
(比較指標:配当込みTOPIX) (%) ( 95.0 ) ( 85.9 ) ( 122.1 ) ( 124.6 ) ( 131.8 )
最高株価 (円) 1,219 903 767 928 1,122
最低株価 (円) 722 283 301 531 532
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.第167期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
3.「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存する当社の株式は、1株当たり純資産額の算定上、期末
株式数の計算において控除する自己株式に含めております。また、1株当たり当期純損益の算定上、期中平
均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前
については東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第169期の期首から適用してお
り、第169期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっており
ます。
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2【沿革】
当社は、1905年9月に合名会社鈴木商店が、神戸・脇浜において小林清一郎氏の経営する小林製鋼所を買収、神戸
製鋼所と改称したことを発祥とし、1911年6月に合名会社鈴木商店から分離、神戸市脇浜町1丁目に株式会社神戸製
鋼所として資本金140万円をもって設立されました。
その後の当社グループの主な変遷は次のとおりであります。
1939年10月 長府工場(現在の長府製造所)を新設
1942年4月 大久保工場(現在のコベルコ建機(株))を新設
1949年5月 当社株式を東京・大阪・名古屋の各証券取引所に上場(現在は、東京・名古屋の各証券取引所に
上場)
1953年11月 高砂工場(現在の高砂製作所)を新設
1954年6月 ファウドラー社との共同出資により神鋼フアウドラー(株)(現在の(株)神鋼環境ソリューショ
ン)を設立
1955年7月 日本高周波鋼業(株)に資本参加
1959年1月 灘浜工場(現在の神戸線条工場)を新設
(灘浜1号高炉の火入れにより銑鋼一貫メーカーとなる)
1960年9月 ニューヨーク事務所を開設
(1981年4月に現地法人化、1989年7月 Kobe Steel USA Inc.に統合)
1961年3月 藤沢工場(現在の藤沢事業所)を新設
1961年10月 茨木工場を新設
1965年4月 尼崎製鉄(株)と合併
1969年8月 真岡工場(現在の真岡製造所)を新設
1970年3月 加古川製鉄所を新設(線材・棒鋼に加え鋼板類も生産する総合鉄鋼メーカーとなる)
1970年7月 西条工場を新設
1975年9月 福知山工場を新設
1979年6月 (株)神戸環境分析センターを設立(現在の(株)コベルコ科研)
1983年7月 油谷重工(株)(現在のコベルコ建機(株))に資本・経営参加
1986年4月 神鋼コベルコ建機(株)(1999年10月にコベルコ建機(株)へ統合)を設立
1987年10月 神戸総合技術研究所(神戸市西区の西神インダストリアルパーク内)第Ⅰ期工事(電子技術研究
所、機械研究所等の移転)を完了
1988年4月 ニューヨークに米国総合統括会社(Kobe Steel USA Inc.)を設立(2017年9月デトロイトへ集
約)
1992年3月 神戸総合技術研究所第Ⅱ期工事(材料研究所の移転・拡充等によるハイテク実験設備新設)完了
1993年3月 高砂製作所内に産業機械工場を新設
1993年9月 大安工場(現在の大安製造所)を新設
1999年10月 建設機械カンパニーと油谷重工(株)及び神鋼コベルコ建機(株)を統合し、建設機械の製造・販売
事業をコベルコ建機(株)に一元化
2002年4月 電力供給事業における神戸発電所1号機の営業運転を開始
2004年4月 電力供給事業における神戸発電所2号機の営業運転を開始
2011年1月 上海に中国統括会社(神鋼投資有限公司)を設立
2017年6月 バンコクに東南アジア及び南アジア地域統括会社(Kobelco South East Asia Ltd.)を設立
2019年7月
ミュンヘンに欧州及び中東地域統括会社(Kobelco Europe GmbH)を設立
2019年10月
電力供給事業における真岡発電所1号機の営業運転を開始
2020年3月
電力供給事業における真岡発電所2号機の営業運転を開始
2022年2月 電力供給事業における神戸発電所3号機の営業運転を開始
2023年2月 電力供給事業における神戸発電所4号機の営業運転を開始
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3【事業の内容】
当社及び関係会社(子会社202社及び関連会社49社)は、次のとおり各種の事業を展開しております。
セグメント毎の主な事業内容及び主要な関係会社は、次のとおりであります。
鉄鋼アルミ
当社及び子会社40社、関連会社20社により構成されており、主な製品及び事業内容は次のとおりであります。
条鋼(普通線材、特殊線材、特殊鋼線材、普通鋼棒鋼、特殊鋼棒鋼)、鋼板(厚板、中板、薄板(熱延・冷延・
表面処理))、アルミ圧延品(飲料缶用アルミ板、自動車用アルミ板、熱交換器用アルミ板、磁気ディスク用ア
ルミ基板)、鋼片、鋳物用銑、製鋼用銑、スラグ製品、建材、各種特殊鋼製品、各種鋼線
(主要な関係会社)
日本高周波鋼業(株)、神鋼鋼線工業(株)、神鋼物流(株)、神鋼ボルト(株)、(株)コベルコE&M、神鋼汽車鋁材
(天津)有限公司、Kobelco Precision Technology Sdn. Bhd.、Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.、関西熱化
学(株)、日鉄神鋼建材(株)、鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司、Ulsan Aluminum, Ltd.、PRO-TEC
Coating Company, LLC
素形材
当社及び子会社13社、関連会社2社により構成されており、主な製品は次のとおりであります。
鋳鍛鋼品(舶用部品・電機部品・産業機械部品等)、アルミニウム合金及びマグネシウム合金鋳鍛造品(航空機
用部品、自動車用部品等)、チタン及びチタン合金、アルミニウム合金鍛造品及び加工品(自動車用部品)、ア
ルミ押出材及び加工品(自動車用押出材、自動車用部品、鉄道車輛押出材等)、銅圧延品(半導体用伸銅板条、
自動車端子用伸銅板条、リードフレーム)、鉄粉
(主要な関係会社)
神鋼汽車鋁部件(蘇州)有限公司、Kobe Aluminum Automotive Products, LLC、Kobelco Aluminum Products &
Extrusions Inc.、日本エアロフォージ(株)
溶接
当社及び子会社20社、関連会社2社により構成されており、主な製品及び事業内容は次のとおりであります。
溶接材料(各種被覆アーク溶接棒、自動・半自動溶接用ワイヤ、フラックス)、溶接ロボット、溶接電源、各種
溶接ロボットシステム、溶接関連試験・分析・コンサルティング業
(主要な関係会社)
青島神鋼溶接材料有限公司、Kobelco Welding of Korea Co., Ltd.
機械
当社及び子会社41社、関連会社4社により構成されており、主な製品は次のとおりであります。
エネルギー・化学関連機器、原子力関連機器、タイヤ・ゴム機械、樹脂機械、超高圧装置、真空成膜装置、金属
加工機械、各種圧縮機、冷凍機、ヒートポンプ、各種プラント(製鉄圧延、非鉄等)、各種内燃機関
(主要な関係会社)
コベルコ・コンプレッサ(株)、神鋼造機(株)、神鋼無錫圧縮機股份有限公司、神鋼圧縮機製造(上海)有限公
司、Kobelco Industrial Machinery India Pvt. Ltd.、Quintus Technologies AB、Kobelco Compressors
America, Inc.
エンジニアリング
当社及び子会社46社、関連会社8社により構成されており、主な製品及び事業内容は次のとおりであります。
各種プラント(還元鉄、ペレタイジング、石油化学、原子力関連、水処理、廃棄物処理等)、土木工事、新交通
システム、化学・食品関連機器
(主要な関係会社)
(株)神鋼環境ソリューション、神鋼環境メンテナンス(株)、Midrex Technologies, Inc.
建設機械
子会社23社、関連会社6社により構成されており、主な製品は次のとおりであります。
油圧ショベル、ミニショベル、ホイールローダ、クローラクレーン、ラフテレーンクレーン、作業船
(主要な関係会社)
コベルコ建機(株)、コベルコ建機日本(株)、トーヨースギウエ(株)、神鋼建機(中国)有限公司、成都神鋼建機
融資租賃有限公司、杭州神鋼建設機械有限公司、Kobelco Construction Machinery Southeast Asia Co.,
Ltd.、Kobelco Construction Equipment India Pvt. Ltd.、Kobelco Construction Machinery Europe B.V.、
Kobelco International (S) Co., Pte. Ltd.、Pt. Daya Kobelco Construction Machinery Indonesia、Kobelco
Construction Machinery U.S.A. Inc.、(株)ほくとう
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電力
当社及び子会社3社により構成されており、主な事業内容は次のとおりであります。
電力供給
(主要な関係会社)
(株)コベルコパワー神戸、(株)コベルコパワー真岡、(株)コベルコパワー神戸第二
その他
子会社16社、関連会社7社により構成されており、主な製品及び事業内容は次のとおりであります。
特殊合金他新材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析、高圧ガス容器製造業、超電導製品、総合商社
(主要な関係会社)
(株)コベルコ科研、神鋼商事(株)、新生コベルコリース(株)、TC神鋼不動産(株)
なお、これら8事業は本報告書「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に掲
げるセグメント区分と同一であります。
事業の内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
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事業系統図
(注)1.→は、製品等の流れを表しております
2.無印は連結子会社、*印は持分法適用会社であります。
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4【関係会社の状況】
議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(百万円)
(%)
(連結子会社)
①役員の兼任等 2人
日本高周波鋼業(株) 東京都 特殊鋼鋼材の製 ②営業上の取引
12,721 51.83
(注2) 千代田区 造、販売 当社より軸受鋼の二次加工
を受託しております。
線材二次製品の製 ①役員の兼任等 8人
神鋼鋼線工業(株) 兵庫県 造、販売及び各種 43.62 ②営業上の取引
8,062
(注2、3、6) 尼崎市 構造物の建設工事 (0.95) 当社より鋼材を購入してお
の請負 ります。
港湾運送、内航海
①役員の兼任等 10人
運、通関、貨物自
神戸市 ②営業上の取引
神鋼物流(株) 2,479 97.68
動車運送、倉庫、
中央区 当社より物流業務を請負っ
工場構内諸作業請
ております。
負
①役員の兼任等 6人
建築・橋梁用等各
千葉県 ②営業上の取引
神鋼ボルト(株) 465 種ボルトの製造、 100
市川市 当社より鋼材を購入してお
販売
ります。
①役員の兼任等 7人
各種プラント・機 ②営業上の取引
(株)コベルコE&M 神戸市 械の設計、製作、 当社より製造設備、プラン
150 100
灘区 据付、配管及び保 トの設計・製作据付工事及び
全工事 保全工事を請負っておりま
す。
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
当社よりアルミニウム素材
神鋼汽車鋁材(天津)
自動車パネル用ア
千元
中国 100 を購入しております。
有限公司 ルミ板材の製造、
天津市 (100) ③資金援助、設備の賃貸借
884,000
販売
(注6)
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
①役員の兼任等 5人
ハードディスクド
②営業上の取引
Kobelco Precision 千マレーシア
マレーシア ライブ用磁気ディ
当社よりアルミニウム素材
リンギット
Technology Sdn. Bhd. 100
ペナン州 スク基板の製造、
を購入しております。
19,000
販売
①役員の兼任等 4人
②営業上の取引
当社より半製品を購入して
Kobelco Millcon
特殊鋼線材、普通
百万タイバーツ
タイ おります。
Steel Co., Ltd. 鋼線材の製造、販 75.00
ラヨーン県 2,830 ③資金援助、設備の賃貸借
売
(注9)
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
①役員の兼任等 4人
自動車サスペン
②資金援助、設備の賃貸借
神鋼汽車鋁部件(蘇州) 中国 千元 ション用アルミ鍛
60.00
当社は同社の事業資金の一
有限公司 江蘇省 239,681 造部品の製造、販
部について債務保証をしてお
売
ります。
①役員の兼任等 3人
Kobe Aluminum
自動車サスペン
アメリカ
②資金援助、設備の賃貸借
Automotive Products, 千米$ ション用アルミ鍛 97.66
ケンタッ
当社は同社の事業資金の一
154,000 造部品の製造、販 (97.66)
LLC
キー州
部について融資をしておりま
売
(注6)
す。
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議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(百万円)
(%)
Kobelco Aluminum
役員の兼任等 4人
アメリカ
自動車向けバン
Products &
千米$ 100
パー材及び骨格材
ケンタッ
24,000 (100)
Extrusions Inc.
の製造、販売
キー州
(注6)
溶接材料の製造、 ①役員の兼任等 6人
青島神鋼溶接材料
中国 千元 販売、溶接ロボッ ②営業上の取引
90.00
山東省 トシステムとパー 当社より溶接材料を購入し
211,526
有限公司
ツの販売 ております。
①役員の兼任等 5人
Kobelco Welding of
百万ウォン
韓国 溶接材料の製造、
②営業上の取引
87.74
昌原市 6,554 販売
Korea Co., Ltd.
当社より溶接材料を購入し
ております。
①役員の兼任等 12人
空気圧縮機の製
コベルコ・コンプレッ 東京都 ②資金援助、設備の賃貸借
7,400 造、販売、サービ 51.00
サ(株) 品川区 当社は工場用地を賃貸して
ス
おります。
①役員の兼任等 3人
内燃機関、変速
②営業上の取引
神鋼造機(株) 岐阜県 100
388 機、試験機等の製
当社は各種機械装置製造用
(注6) 大垣市 (11.11)
造、販売
の部品を購入しております。
①役員の兼任等 8人
②営業上の取引
当社より非汎用圧縮機製造
神鋼無錫圧縮機股份 用の部品を購入しておりま
中国 千元 圧縮機の製造、販 70.00
有限公司 す。
江蘇省 150,000 売 (70.00)
(注6) ③資金援助、設備の賃貸借
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
①役員の兼任等 2人
圧縮機及び関連製
神鋼圧縮機製造(上海)
②資金援助、設備の賃貸借
中国 千元 品の開発・製造、 100
有限公司 当社は同社の事業資金の一
上海市 87,796 当社製品の販売・ (100)
(注6)
部について債務保証をしてお
サービス
ります。
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
当社はゴム混練機及びゴム
Kobelco Industrial
百万インド
インド ゴム混練機及びゴ
二軸押出機の本体と部品を購
Machinery India Pvt. 100
ルピー
タミルナー ム二軸押出機の製
入しております。
(10.00)
Ltd.
ドゥ州 863 造、販売
③資金援助、設備の賃貸借
(注6)
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
①役員の兼任等 3人
②営業上の取引
当社に等方圧加圧装置及び
等方圧加圧装置及
スウェーデ シートメタルフォーミング装
百万スウェーデン
Quintus Technologies
びシートメタル
ン 100 置の販売・サービスを委託し
クローネ
フォーミング装置
AB
ヴェステ (100) ております。
10 の設計、製造、販
(注6)
ロース ③資金援助、設備の賃貸借
売、サービス
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
プロセスガス用圧 ①役員の兼任等 6人
Kobelco Compressors
アメリカ
千米$ 縮機システム、冷 100 ②営業上の取引
America, Inc. カリフォル
5 凍機システム、部 (100) 当社より非汎用圧縮機の部
ニア州
(注6)
品等の製造、販売 品を購入しております。
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株式会社 神戸製鋼所(E01231)
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議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(百万円)
(%)
各種環境プラント ①役員の兼任等 3人
の設計・製作・建 ②営業上の取引
(株)神鋼環境ソリュー
神戸市 設・保守点検、各 当社に設備用機器の供給及
ション 6,020 100
中央区 種産業用機器装置 びその保守点検をしておりま
の設計・製作・保 す。
守点検
神鋼環境メンテナンス 水処理施設及び廃
記載すべき事項はありません。
神戸市 100
(株) 80 棄物処理施設の運
中央区 (100)
(注6) 転等
①役員の兼任等 3人
②営業上の取引
®
MIDREX プロセス
Midrex
アメリカ 当社より還元鉄プラントの
千米$ 100
(直接還元製鉄
Technologies, Inc.
デラウェア 建設に関するライセンスの許
1 法)プラントの設 (100)
州 諾を受けております。
(注6)
計・販売
当社に還元鉄プラントの機
器等を供給しております。
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
当社より鋼材等を購入して
東京都 建設機械の製造、
コベルコ建機(株) 16,000 100 おります。
品川区 販売
③資金援助、設備の賃貸借
当社は事業用土地建物を賃
貸しております。
コベルコ建機日本(株) 千葉県 建設機械の販売、 100
記載すべき事項はありません。
490
(注6) 市川市 サービス (100)
建設機械・産業機
記載すべき事項はありません。
トーヨースギウエ(株) 香川県 100
350 械の販売・賃貸・
(注6) 高松市 (100)
修理・設置の業務
①役員の兼任等 1人
神鋼建機(中国)有限
②資金援助、設備の賃貸借
中国 千元 建設機械の製造、 100
公司
当社は同社の事業資金の一
四川省 2,522,314 販売、サービス (100)
(注1、6)
部について債務保証をしてお
ります。
役員の兼任等 1人
成都神鋼建機融資租賃
中国 千元 88.95
有限公司 リース業務
四川省 374,199 (88.95)
(注6)
杭州神鋼建設機械有限
役員の兼任等 1人
中国 千元 建設機械の製造、 100
公司
浙江省 261,374 販売 (100)
(注6)
Kobelco Construction 記載すべき事項はありません。
百万タイバーツ
Machinery Southeast
タイ 建設機械の製造、 100
ラヨーン県 2,279 販売 (100)
Asia Co., Ltd.
(注6)
Kobelco Construction
百万インド
インド 記載すべき事項はありません。
ルピー
Equipment India Pvt. 建設機械の製造、 100
ニューデ
販売、サービス (100)
Ltd.
リー 4,512
(注6、10)
Kobelco Construction
オランダ 記載すべき事象はありません。
Machinery Europe 千ユーロ 建設機械の販売、 100
フレヴォラ
8,800 サービス (100)
B.V.
ント州
(注6)
Kobelco
記載すべき事項はありません。
International (S)
シンガポー 建設機械の販売、 100
1,058
ル サービス (100)
Co., Pte. Ltd.
(注6)
Pt. Daya
百万インドネシア
記載すべき事項はありません。
インドネシ
Kobelco Construction
建設機械の販売、 100
ルピア
ア
サービス (100)
Machinery Indonesia
西ジャワ州 1,312,592
(注6)
Kobelco Construction
記載すべき事項はありません。
Machinery U.S.A. アメリカ 千米$ 建設機械の販売、 100
テキサス州 2 サービス (100)
Inc.
(注6)
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議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(百万円)
(%)
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
当社に発電所の操業及び運
営管理を委託しております。
また、当社より石炭・ユー
(株)コベルコパワー 神戸市
ティリティー等を購入してお
3,000 電力供給 100
神戸 灘区
ります。
③資金援助、設備の賃貸借
当社は工場用地・岸壁・荷
役設備等の一部を賃貸してお
ります。
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
当社に発電所の操業及び運
営管理を委託しております。
(株)コベルコパワー 栃木県
③資金援助、設備の賃貸借
600 電力供給 100
真岡 真岡市
当社は工場用地の一部を賃
貸しております。
当社は同社の事業資金の一
部について融資をしておりま
す。
①役員の兼任等 4人
②営業上の取引
当社に発電所の操業及び運
営管理を委託しております。
当社より石炭・ユーティリ
ティー等を購入しておりま
(株)コベルコパワー
神戸市 す。
神戸第二 300 電力供給 100
灘区 ③資金援助、設備の賃貸借
(注12)
当社は工場用地・岸壁・荷
役設備等の一部を賃貸してお
ります。
当社は同社の事業資金の一
部について融資をしておりま
す。
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
各種材料の分析・
当社より分析、測定、試験
試験、構造物の評
等の業務を受託しておりま
神戸市 価及びターゲット
(株)コベルコ科研 300 100
す。
中央区 材、半導体・FPD
③資金援助、設備の賃貸借
等検査装置の製
当社は事業用土地建物を賃
造、販売
貸しております。
①役員の兼任等 6人
②営業上の取引
神鋼投資有限公司 中国 千元 中国における事業
100
当社の中国における事業統
(注1) 上海市 1,775,939 統括会社
括会社であります。
①役員の兼任等 2人
アメリカ
Kobe Steel USA
千米$ 米国における事業
②営業上の取引
デラウェア 100
Holdings Inc. 205 会社の株式保有
当社の米国における持株会
州
社であります。
その他 130社
(注4)
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議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(百万円)
(%)
(持分法適用関連会社)
①役員の兼任等 5人
②営業上の取引
コークス類その他
兵庫県 当社より石炭の支給を受け
関西熱化学(株) 6,000 各種化学工業品の 24.00
尼崎市 ております。また、当社に
製造、販売
コークスを供給しておりま
す。
①役員の兼任等 3人
②営業上の取引
当社より鋼材を購入してお
日鉄神鋼建材(株) 東京都 土木・建築用製品 ります。
300 35.00
千代田区 の製造、販売 ③資金援助、設備の賃貸借
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
役員の兼任等 4人
鞍鋼神鋼冷延高張力自
中国 千元 高張力冷延鋼板の 49.00
動車鋼板有限公司
遼寧省 700,000 製造、販売 (49.00)
(注6)
①役員の兼任等 4人
②営業上の取引
当社にアルミニウム素材を
百万ウォン
Ulsan Aluminum, Ltd.
韓国 アルミ板母材の製 供給しております。
50.00
蔚山市 618,361 造 ③資金援助、設備の賃貸借
(注11)
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
PRO-TEC Coating
亜鉛めっき鋼板、
役員の兼任等 3人
アメリカ 千米$ 50.00
Company, LLC 高張力冷延鋼板の
オハイオ州 123,000 (50.00)
製造、販売
(注6)
①役員の兼任等 2人
②営業上の取引
当社より鍛造加工を受託し
日本エアロフォージ 岡山県 大型鍛造品の製 ております。
1,850 40.54
(株) 倉敷市 造、販売 ③資金援助、設備の賃貸借
当社は同社の事業資金の一
部について債務保証をしてお
ります。
土木、建設、工
記載すべき事項はありません。
作、鉱山、輸送、
(株)ほくとう 青森県 34.00
30 電気機械等の製作
(注6) 八戸市 (34.00)
販売、修理及び賃
貸
①役員の兼任等 3人
②営業上の取引
鉄鋼、非鉄金属、 14.47
神鋼商事(株) 大阪市 当社製品の一部を販売し、
5,650 機械等の売買及び (1.05)
(注2、5、6、7) 中央区 鉄鋼原料その他の原材料(設
輸出入 [21.70]
備用資材を含む)を当社に供
給しております。
①役員の兼任等 2人
②営業上の取引
建設機械・産業機
新生コベルコリース
当社より各種機器等のリー
神戸市 器・事務機器・そ
(株) 3,243 20.00
ス契約を受注しております。
中央区 の他動産のリー
ス・割賦販売
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議決権の
資本金
名称 住所 主要な事業の内容 所有割合 関係内容
(百万円)
(%)
①役員の兼任等 6人
②営業上の取引
当社に同社の所有する寮・
TC神鋼不動産(株) 神戸市 不動産分譲、不動 社宅及び事務所等の一部を賃
3,037 25.00
中央区 産賃貸、保険代理 貸しております。また、当社
の保有する不動産の一部につ
いて管理業務を委託しており
ます。
その他 25社
(注8)
(注) 1.特定子会社に該当しております。
2.有価証券報告書を提出しております。
3.議決権の所有割合は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としたものでありま
す。
4.連結子会社の「その他」の中に、議決権の所有割合は100分の50以下でありますが、実質的に支配している
と認められた子会社2社を含んでおります。
5.議決権の所有割合は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としたもので
あります。
6.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
7.[ ]内は、議決権行使に関し同意している者の所有割合で外数であります。
8.持分法適用関連会社の「その他」の中に、議決権の所有割合は100分の20未満でありますが、実質的に影響
力があると認められた関連会社3社を含んでおります。
9.当期において、Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.の株式を追加取得したことにより、同社は当社の子会社
となるとともに、同社に対する当社グループの議決権比率は50.00%から75.00%となりました。
10.当期において、Kobelco Construction Equipment India Pvt. Ltd.は、減資を実施したことから、資本金が
4,512百万インドルピーとなりました。
11.当期において、Ulsan Aluminum, Ltd.は、増資を実施したことから、資本金が618,361百万ウォンとなりま
した。
12.(株)コベルコパワー神戸第二は債務超過会社に該当し、当連結会計年度末における債務超過額は10,458百万
円であります。
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5【従業員の状況】
(1) 連結会社(当社及び連結子会社)の状況
2023年3月31日現在
セグメントの名称 従業員数(人)
12,268
鉄鋼アルミ [ 1,413 ]
4,489
素形材 [ 451 ]
2,384
溶接 [ 254 ]
4,881
機械 [ 970 ]
3,772
エンジニアリング [ 1,152 ]
7,550
建設機械 [ 1,782 ]
287
電力 [ 52 ]
35,631
報告セグメント計 [ 6,074 ]
1,432
その他 [ 212 ]
1,425
全社 [ 164 ]
38,488
合計 [ 6,450 ]
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に外数で記載しております。
2.全社として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
2023年3月31日現在
従業員数 (人) 平均年齢 (歳) 平均勤続年数 (年) 平均年間給与 (千円)
11,368 39.5 15.3 6,057
[ 1,393 ]
従業員数 (人)
セグメントの名称
4,737
鉄鋼アルミ [ 266 ]
2,470
素形材 [ 222 ]
921
溶接 [ 147 ]
1,356
機械 [ 462 ]
500
エンジニアリング [ 108 ]
287
電力 [ 52 ]
10,271
報告セグメント計 [ 1,257 ]
1,097
全社 [ 136 ]
11,368
合計 [ 1,393 ]
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に外数で記載しております。
2.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含み、管理職は含んでおりません。
3.全社として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
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(3) 労働組合の状況
神戸製鋼所労働組合及び連結子会社の労働組合は、主に産業別組織である日本基幹産業労働組合連合会に加盟し
ております。神戸製鋼所労働組合の組合員数は、9,173人(連結子会社への出向者を含む)であります。
その他特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占める女性 男性労働者の育児
(注)1.
労働者の割合(%) 休業取得率(%)
うちパート・
(注)1. (注)2.
全労働者 うち正規雇用労働者
有期労働者
3.0 97.1 78.9 78.2 93.9
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
であります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成
3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したもので
あります。(前事業年度以前に出産した子に関して取得した場合も割合を算出する上で分子に含めておりま
す。)
<補足説明>
当社において、昇格、賃金等の制度は男女同一であり、処遇に差はありませんが、男女間で管理職数及び賃金に差
異が生じております。
1)「管理職に占める女性労働者の割合」について
近年、女性採用を積極的に推進しているものの、過去の採用において男性の占める割合が高かったため、男女
間で年齢及び勤続年数に乖離が生じており、相対的に管理職に占める女性労働者の割合が低くなっております。
2)「労働者の男女の賃金の差異」について
男女間で年齢及び勤続年数に乖離が生じていることに加えて、賃金の高い交替勤務従事者に男性が多いこと、
就業時間に違いがあることなどにより、男女の賃金に差異が生じております。
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②連結子会社
当事業年度
労働者の男女の賃金の差異(%)
管理職に占め 男性労働者の
(注)1.
る女性労働者 育児休業取得
名称
の割合(%) 率(%)
うち正規雇用 うちパート・
全労働者
(注)1. (注)2.
労働者 有期労働者
日本高周波鋼業(株) 2.7 (注)4. 78.4 77.5 87.2
神鋼鋼線工業(株) 2.1 60.9 73.1 75.3 40.0
神鋼物流(株) 2.5 64.9 78.4 78.9 78.2
高周波鋳造(株) 0.0 0.0 76.5 88.1 45.8
(株)カムス 0.0 0.0 79.3 79.9 72.4
(株)コベルコE&M 3.6 47.2 88.3 88.3 (注)5.
(株)コベルコE&Mサービス 0.0 280.0 78.2 74.9 59.3
神鋼ノース(株) 0.0 50.0 79.7 82.1 89.2
神鋼大安総合サービス(株) 0.0 100.0 (注)4. (注)4. (注)4.
コベルコ・コンプレッサ(株) 1.5 25.0 64.9 68.5 40.8
神鋼造機(株) 0.0 25.0 75.2 80.3 50.8
コベルコ シンワ(株)
0.0 40.0 71.9 79.8 53.5
神鋼テクノ(株) 2.6 100.0 59.6 63.8 39.1
神鋼検査サービス(株) 0.0 250.0 60.9 61.6 52.5
(株)神鋼環境ソリューション 1.7 132.5 62.0 60.4 86.7
神鋼環境メンテナンス(株) 3.7 175.0 68.1 77.3 71.4
コベルコ建機(株) 1.2 75.5 68.9 67.5 94.7
コベルコ建機日本(株) 1.4 16.7 68.8 69.4 58.7
トーヨースギウエ(株) 1.9 20.0 69.1 67.5 78.0
(株)ワイズヨシハラ 0.0 (注)4. (注)4. (注)4. (注)4.
(株)ササイナカムラ (注)4. (注)4. 81.7 75.6 (注)6.
ジャパン スーパーコンダクタ テク
(注)4. 100.0 (注)4. (注)4. (注)4.
ノロジー(株)
(株)コベルコ科研 2.7 181.3 70.7 72.7 30.7
コベルコビジネスパートナーズ(株) 25.9 50.0 (注)4. (注)4. (注)4.
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの
であります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規
定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成
3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したもので
あります。(前事業年度以前に出産した子に関して取得した場合も割合を算出する上で分子に含めておりま
す。)
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う
労働者の福祉に関する法律」の規定による公表を行っていない連結子会社については記載しておりません。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う
労働者の福祉に関する法律」の規定による公表を行っていないため、記載を省略しております。
5.該当する従業員がいないため記載しておりません。
6.該当する女性従業員がいないため記載しておりません。
<補足説明>
男女の管理職数及び賃金に差異が生じている理由は提出会社と同一です。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する
事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及び
その他の要素を内包するものです。「3 事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社
の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性
があります。
(1)経営方針
①企業理念について
当社は2005年の創立100周年を機に、これまで当社が事業を営んできた基盤となる考えを整理し、グループ企業理
念として定めました。その後、理念の浸透に向け、行動指針の制定などを進めてまいりましたが、2017年10月に発覚
した当社グループにおける品質不適切行為を契機として、あらためて当社グループの存在意義とは何かを各職場で議
論し、その結果を集約して、2020年5月に「KOBELCOが実現したい未来」「KOBELCOの使命・存在意義」を新たに定め
るとともに、既に制定していた「KOBELCOの3つの約束」「KOBELCOの6つの誓い」と併せて体系化し、改めてグルー
プ企業理念として制定いたしました。
グループ企業理念は、当社グループのあらゆる事業活動の基盤となるものであり、当社グループは、このグループ
企業理念のもと、お客様、お取引先様、株主様・投資家様、地域社会の皆様、グループ社員などあらゆるステークホ
ルダーの皆様から信頼いただきながら、社会や環境への貢献を通じた持続的な企業価値向上を目指してまいります。
<グループ企業理念>
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②KOBELCOグループのマテリアリティ(中長期的な重要課題)
当社グループは、当社グループが持つ「個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづける。」ことで持続
的に成長し続け、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」を実現する
ことをグループ企業理念に掲げ、サステナビリティ経営の推進に取り組んでおりますが、より効果的に推進するた
め、「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」の策定にあたって、様々な社会課題の中から、経営資源
を重点的に投入する中長期的な重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。
当社グループの事業活動のなかでカーボンニュートラルに挑戦し、達成を目指すとともに、当社グループの技術・
製品・サービスを通じてCO₂排出削減に貢献し、グリーン社会の実現に貢献することは、経営上の重要課題であると
同時に素材・機械・エンジニアリングといった多様な知的資産と多様な人材をもつ当社グループにとっての大きなビ
ジネスチャンスでもあると考えています。
また、当社グループが創業以来提供し続けてきた技術・製品・サービスは、安全・安心なまちづくり・ものづくり
の環境をご提供し、当社グループのお客様を通じて様々な分野で社会課題の解決に貢献しており、これからも当社グ
ループが取り組むべき重要課題です。
そして、多様な人材が活躍できる環境を整備し、コンプライアンス、人権、品質など持続的成長を支えるガバナン
スを追求することも、当社グループにとっては重要課題です。
当社グループは、当社グループが取り組むべき重要課題に果敢に挑戦し続けることで、当社グループを取り巻くス
テークホルダーの皆様にとってかけがえのない存在でありつづけるとともに、企業価値の向上を目指してまいりま
す。
*S+3E:Safety + Energy Security, Economic Efficiency, Environment
*DX:デジタルトランスフォーメーション
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③当社グループの企業構造と事業領域
当社グループは、1905年(明治38年)に鋳鍛鋼メーカーとしてスタートし、機械事業、鉄鋼の圧延、銅、エンジニ
アリング、建設機械、アルミ、溶接とその事業を徐々に広げてまいりました。110年を超える歴史の中で、社会の
ニーズに応え、選択と拡大を進めてきた結果、現在、鉄鋼やアルミなどの素材、鋳鍛鋼やアルミ鋳鍛などの素形材、
溶接材料などからなる「素材系事業」、産業用機械、エンジニアリング、建設機械からなる「機械系事業」、そして
「電力事業」の3つの事業領域で事業を展開しています。
当社グループが提供する製品・サービスは、輸送機、電機、建設・土木、産業機械、社会インフラなどあらゆる産
業の基礎資材となっています。当社グループは、独自の技術をもとにした代替困難な素材や部材、省エネルギーや環
境に配慮した様々な機械製品やエンジニアリング技術等、当社グループ独自の多彩な製品群を幅広いお客様に供給す
ることで、競争優位性を生みだしています。また、電力事業では、極めて重要な社会的インフラである電力の供給と
いう公共性の高いサービスを提供しており、当社グループは社会的にも大きな責任を担っているものと考えていま
す。
素材系事業、機械系事業のいずれにおいても、競合メーカーが国内外に多数存在します。
素材系事業においては、国内外の高炉メーカー、電炉メーカー、アルミメーカーなどが競合先として存在します
が、当社グループは、鉄鋼、アルミといった様々な素材と、その圧延・鋳造・鍛造技術を活用した鋳鍛鋼、アルミ鋳
鍛といった多様な素形材、加えて溶接材料・溶接技術を有する当社グループの特長を活かしたソリューション提案を
お客様に行うことにより、輸送機関連の分野などで競争優位性の維持・強化を目指しています。
また、機械系事業においても、産業用機械、エンジニアリング、建設機械のそれぞれの製品・サービス毎に国内外
に競合先が存在しますが、機械においては、例えば、当社は、スクリュ・ターボ・レシプロの全ての圧縮機タイプを
持つ数少ないメーカーの一つであり、お客様の用途に合わせて最適な圧縮機を提供することで競争力の維持・強化に
繋げています。エンジニアリングにおいては、例えば、当社グループの持つ天然ガスを還元剤とした直接還元製鉄法
® ®
(MIDREX プロセス)が直接還元鉄の生産において世界シェア60%以上を占めています。またMIDREX プロセスと鉄鋼
の高炉操業技術を融合し、高炉工程でのCO₂排出量を大幅に削減できる技術の実証に成功するなど、継続的な技術改
良への取組みを進め、加えて、天然ガスの代わりに水素を還元剤とした低炭素製鉄の実証を進めるなど、技術革新に
も挑戦する中で、競争優位性の維持を図っています。建設機械においては、油圧ショベルとクレーン事業に特化する
中で、静音性・省エネ技術で高い評価をいただいており、これらの技術をさらに発展させるとともにDXの活用などで
競争力強化に取り組んでいます。
電力事業においては、神戸市に石炭火力発電所を、栃木県真岡市にはガス火力発電所を有しており、いずれも現
在、実用化されている発電技術の中で最高効率の発電設備を導入し、省エネルギー法で定められた発電効率基準を満
たすことにより、国内の火力発電所の高効率化・環境負荷低減に寄与します。
<当社の組織図>
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<お客様分野別にみる当社グループの特長ある技術・製品・サービス 例>
事業セグメント
エ
ン
鉄
ジ 建
お客様
鋼 素
当社グループ 技術・製品・サービス
主な用途、使用分野
溶 機 ニ 設 電
分野
ア 形
接 械 ア 機 力
ル 材
リ 械
ミ
ン
グ
自動車用弁ばね用線材 自動車エンジン部品 ○
高張力鋼板(ハイテン) ボディ・シート骨格部品など ○
自動車用アルミパネル材 ボディ外板材など ○
鉄粉 各種駆動部品など
○
自動車サスペンション用アルミ鍛造品 足回り部品 ○
自動車用アルミ押出・加工品 バンパー、骨格材など ○
自動車端子・コネクタ用銅合金 電装部品
○
自動車
銅めっきなしソリッドワイヤ(SEワイヤ) 部材接合 ○
スラグ低減溶接プロセス 足回り部品接合 ○
樹脂用混練製造粒装置 バンパー等向け樹脂ペレット製造 ○
シートメタル成形プレス ボディ骨格等の複雑形状プレス加工 ○
真空成膜装置 エンジン部品コーティング ○
ゴム混練機 タイヤ・ゴム製品製造 ○
マルチ・自動車解体機 自動車リサイクル ○
航空機エンジン部品向けチタン 航空機エンジンケース部品など
○
航空機 航空機用ギアボックス 航空機部品
○
等方圧加圧装置 航空機部品 ○
クランクシャフト 船舶用エンジン部品 ○
フラックス入りワイヤ 船舶組立・部材接合 ○
造船
造船大組立ロボットシステム 船舶組立・部材接合 ○
LNG燃料船向け圧縮機 LNG燃料船燃料供給装置
○
鉄道 鉄道車両用アルミ型材 鉄道車両ボディ・床材など ○
食品容器 アルミ缶・ボトル缶材 飲料用容器 ○
アルミディスク材 記憶装置
電機・エ ○
レクトロ 精密加工用アルミ合金厚板 半導体製造装置 ○
ニクス 半導体用リードフレーム 半導体 ○
®
橋梁等構造物
○
ロングライフ塗装用鋼板「エコビュー 」
®
建築資材 ○
高耐食めっき鋼板 KOBEMAG
フラックス入りワイヤ 建設資材接合 ○
REGARC™搭載鉄骨溶接ロボット 建設資材接合 ○
建築土木
油圧ショベル 土木工事 〇
メインブーム兼用型建物解体専用機「NEXT」 建造物解体 〇
テレスコピッククローラクレーンTK-Gシリーズ 建築・土木工事 〇
「ホルナビ」(ICT建機) 建築・土木工事 〇
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事業セグメント
エ
ン
鉄
ジ 建
お客様
鋼 素
当社グループ 技術・製品・サービス
主な用途、使用分野
溶 機 ニ 設 電
分野
ア 形
接 械 ア 機 力
ル 材
リ 械
ミ
ン
グ
都市交通システム 新交通
○
神戸発電所、真岡発電所 電力供給
○
木質バイオマス発電 電力供給 ○
下水道バイオガス都市ガス導管注入設備 ガス供給 ○
上下水道処理、用水・排水処理、汚泥処理・純
水処理設備 ○
水・超純水製造設備など
水素ステーション向けコンプレッサーユニット
社会・産業
水素ステーション ○
「HyAC」
インフラ、
ストーカ式焼却炉、流動床式ガス化溶融炉 廃棄物処理 ○
環境・エネ
ルギー
汎用圧縮機「エメロード」 産業用圧縮空気/ガスの供給
○
スクリュ式非汎用圧縮機 産業用圧縮空気/ガスの供給 ○
®
直接還元鉄製造 ○
MIDREX プロセス
低合金用溶接材料 石油精製リアクター・発電用ボイラー材
○
天然ガス関連設備、水素ステーション部品
マイクロチャネル熱交換器(DCHE) ○
LNG関連機器 ガス供給関連設備
○
ヒートポンプ 産業用エネルギー供給 ○
<当社グループの事業のサプライチェーン概要>
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④グループ中期経営計画について
<当社グループを取り巻く事業環境>
当社グループを取り巻く事業環境は、足下の地政学リスクに関する変化等はあるものの、中長期の事業環境を見据
えると、コロナ禍を契機とした産業構造の変化に加え、カーボンニュートラルの実現に向けた社会変革、さらに、DX
の進展等が予想されることに変わりはなく、いずれも、事業構造変革と新たな収益獲得の機会として、積極的に取り
組んでいく必要があります。
<KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)>
2021年5月公表の中期経営計画では、当社グループの重要な課題、当社グループを取り巻く事業環境を踏まえ、
「安定収益基盤の確立」、「カーボンニュートラルへの挑戦」の2つを最重要課題といたしました。
まず、この中期経営計画の期間を「素材系を中心とする収益力強化」などの取組みを更に深化させ、当社グループ
として「安定収益基盤を確立」する期間と位置付け、新規電力プロジェクトの立上げが完遂し、収益貢献がフルに寄
与する2023年度にROIC(投下資本収益率)5%以上の収益レベルを確保し、さらに、将来の姿として、ROIC8%以上
を安定的に確保し、持続的に成長する企業グループを目指します。
また、鉄鋼と電力事業における「カーボンニュートラルへの挑戦」は、多様な技術と人材を競争力の源泉として幅
広い事業を営む当社グループの強みを活かし社会に貢献できる新たなビジネスチャンスと捉え、グループ一丸となっ
て取り組んでまいります。
加えて、これらを実現するための、経営体制の見直しや、多様な人材の活躍推進など、経営基盤を強化する施策に
も引き続き取り組んでまいります。
なお、2つの最重要課題と経営基盤強化の進捗については、「(2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載して
おります。
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(2)経営環境及び対処すべき課題等
①経営環境
素材系事業は、自動車、造船、電気機械、建築・土木、IT、飲料容器などを主な需要分野としており、販売数
量・価格は、これら需要分野の動向、経済情勢等の影響を受けます。機械系事業は、建築・土木、産業機械、石油
化学、廃棄物処理関連などを主な需要分野としており、受注件数や販売台数及び受注高は、国内外の公共投資・民
間設備投資の動向、経済情勢等の影響を受けます。電力需要については、気象状況や景気動向に左右されるほか、
当社の売電量は定期点検の実施回数等によっても変動します。
また、原材料価格の変動や資機材等の取引関係の重大な変更、為替レートの変動があった場合にも、各事業の業
績に影響を及ぼす可能性があります。
国内経済は、経済活動が徐々に正常化しつつありますが、長期化する世界的な半導体不足に加えて、原料・資
材、エネルギー価格の高止まりなどの影響から、先行きは不透明な状況が続いております。また、海外経済につい
ても、ウクライナ情勢をめぐる世界経済の混乱の長期化や諸物価高騰を受けた金融引き締め、さらには米国で金融
不安が発生するなど、景気減速懸念が生じており、需要動向やコスト面における不確実性は高まっている状況で
す。
当社グループの主要な事業領域の需要動向については、経済活動の正常化のスピードに応じて需要予測に影響が
生じる一方で、中長期的にはカーボンニュートラルの実現に向けて、低CO₂高炉鋼材など、新たな需要が喚起される
ことが期待されます。主要な需要分野については、次のとおりとみております。
自動車分野については、半導体不足による自動車各社の減産調整は長期化しているものの、中長期的には世界の
自動車需要は伸長が見込まれます。また近年、自動車メーカーは、カーボンニュートラル対応として、電動化比率
の目標引き上げによる走行時のCO₂削減に加え、製造時・廃棄時を含むライフサイクルアセスメントの観点でのCO₂
削減(素材使用量の低減、低CO₂素材の採用、リサイクル性重視など)といった、新たなニーズも急速に高まりつつ
あります。車体軽量化による走行時の排出CO₂削減や製造時の素材使用量低減に貢献できる、超ハイテン、アルミ
板、アルミサスペンションなどの素材・部材に加え、電動化に重要となる磁性材料や銅板、チタン箔なども中長期
的な成長が期待できます。
造船分野については、カーボンニュートラルの潮流加速に伴い、航行時のCO₂排出量削減にむけて、重油から
LNG、更に中長期的には水素やアンモニアへの燃料転換に関する技術開発が進むものと想定され、環境対応船へのシ
フトに伴い、当社の厚板、溶接、鋳鍛鋼事業での需要が期待されます。
航空機分野は、旅客需要の回復に伴い中型機を中心に需要は堅調に回復すると想定され、当社のチタン事業での
需要が期待されます。また、中長期的には燃費向上の観点からの技術開発は引き続き進むと考えており、軽量化の
ためのチタン、アルミなどの素材、部材への需要が期待されます。
建築・土木分野は、経済活動の正常化に伴い、需要は堅調に推移すると想定され、当社の建設用資材向けの鋼材
での需要が期待されます。
建設機械分野については、中国での不動産規制の強化による投資減速の長期化に加えて、北米や欧州などでも景
気減速懸念により需要は低迷するものと見ており、当社の建設機械事業が影響を受けます。一方で、DX技術を使っ
た省力化や建設現場のテレワークシステムであるK-DIVE CONCEPTなどの開発が加速しており、同技術の開発が今後
の優位性向上に大きく寄与するものと考えております。
石油精製、石油化学分野については、カーボンニュートラルに向けた事業環境の変化に加えて、ウクライナ情勢
の影響により原油価格が不安定になったこともあり、石油メジャーの開発・設備投資案件への影響などが想定さ
れ、不透明な状況が続くものと見ております。一方で、中長期的には水素やアンモニアへのエネルギー転換が進む
ものと想定され、機械系事業での需要が期待されます。
産業機械分野については、EV関連向けの設備投資が堅調に推移しております。加えて、省エネルギー・省人化の
観点から、当社の溶接ロボットや圧縮機の分野での需要は中長期的にも期待できます。
還元鉄分野については、中国を中心とした鉄鋼設備の過剰感は解消されていないものの、中東・北アフリカ等の
一部地域では還元鉄プラントの潜在的な需要があります。加えて、カーボンニュートラルに向けて高炉製鉄法に比
べCO₂排出量が少ない直接還元製鉄法への関心が増大傾向にあります。
水処理及び廃棄物処理の環境関連分野については、水処理では自然災害に対する国土強靭化政策、廃棄物処理で
は基幹改良ニーズが引き続き堅調であるなど、国内公共投資は概ね現状の水準で推移するものと認識しておりま
す。
IT分野では、当社グループは半導体製造装置向け材料などを扱っており、半導体関連は在庫調整により一時的に
需要は低迷しておりますが、周期的な需要の変動はあるものの、データセンターや第5世代移動通信システム(5
G)対応のスマートフォン向けの半導体などを中心に、中長期的には成長する分野と見ております。
飲料用容器では、気象状況の影響を受けますが、低アルコール飲料向けなどを中心に底堅い需要が続くものと見
ており、当社のアルミ板への需要が期待できます。
電力需要については、経済活動の正常化により、中長期的に安定推移していくものとみております。
②対処すべき課題
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当社グループを取り巻く事業環境は「①経営環境」に記載のとおり、当面は先行きが不透明な状況が続くものと
想定されます。こうした状況のもと、当社の対処すべき課題は以下のとおりと考えております。
<安定収益基盤の確立>
2023年度にROIC5%以上の収益レベルを確保し、将来的にROIC8%以上を目指すための「安定収益基盤を確立」
するために、中期経営計画で掲げた5つの重点施策、具体的には「鋼材事業の収益基盤強化」、「新規電力プロ
ジェクトの円滑な立上げと安定稼働」、「素材系事業の戦略投資の収益貢献」、「不採算事業の再構築」、「機械
系事業の収益安定化と成長市場への対応」に着実に取り組んでおります。また、原料・資材、エネルギー価格等の
変動費だけでなく、人件費等固定費も含めてコストは上昇局面にあることから、コストアップ分の販売価格への転
嫁を引き続き着実に実行してまいります。
鋼材事業の収益基盤強化については、長期的に鋼材内需が縮小していくとの想定のもと、加古川製鉄所の粗鋼生
産量6.3百万トン前提での安定収益確保、さらに6.0百万トンでも黒字が確保できる体制の構築を目指しており、鉄
鋼メタルスプレッドの改善に着実に取り組んでおります。引き続き、固定費及び変動費の更なる削減、特殊鋼線
材・ハイテン等高付加価値品へのシフト(品種構成改善)、海外事業の収益貢献に取り組んでまいります。なお、
カーボンニュートラルの実現を踏まえた将来の鋼材生産の上工程設備の在り方については、並行して検討を進めて
まいります。
新規電力プロジェクトについては、予定どおり2022年2月から神戸発電所3号機が、さらに2023年2月から神戸
発電所4号機が営業運転を開始いたしました。これにより、電力事業としては400億円/年程度の収益貢献が期待で
きることから、引き続き安定稼働に取り組んでまいります。
自動車軽量化戦略推進の中で行ってきた素材系事業の戦略投資案件については、アルミ系事業を中心に、需要拡
大時期の後ろ倒し、ものづくり力の課題等に加えて、原料・資材、エネルギー価格等の変動費だけでなく、人件費
等固定費も含めてコストは上昇局面にある中で、価格転嫁に遅れが生じたこと等により、収益力が大きく低下して
おります。コストアップ分の販売価格への転嫁を着実に進め、早期に収益に貢献するよう取り組んでまいります。
不採算事業の再構築については、需要環境や産業構造が変化している鋳鍛鋼事業、チタン事業及び国内外ともに
競合が激化しているクレーン事業について、不採算品種からの撤退や要員削減等の合理化を予定どおり進め、黒字
化を達成するとともに、一定の収益性を確保しました。
®
機械系事業については、社会インフラ、水素・再生エネルギー関連、MIDREX 等のCO₂削減をはじめとした環境貢
献メニューの引き合いは増加傾向にあります。2021年11月に実施した(株)神鋼環境ソリューションの完全子会社化
や、2022年1月に開始した三浦工業(株)によるコベルコ・コンプレッサ(株)の株式取得を伴う汎用圧縮機事業に関
する資本業務提携などの効果を早期に発揮し、グループ内連携を促進しながら積極的に受注に取り組んでまいりま
す。加えて、水素・再生エネルギー関連や廃棄物処理等の環境貢献メニューに関する当社独自技術の開発も推進し
てまいります。建設機械事業については、中国における市場環境の変化を踏まえ、グローバルな視点で最適な供給
体制を目指すべく、グローバル生産・供給体制の再編を着実に実行し、収益安定化と生産コストの低減を進めてま
いります。また、建設業界の働き方変革等へのソリューションを提供する「コト」ビジネスの収益化、現場設置ノ
ウハウの提供等の建設機械周辺ビジネスの事業化も進めてまいります。
コストアップ分の販売価格への転嫁については、原料・資材、エネルギー価格等の変動費だけでなく、人件費等
固定費も含めてコストは上昇局面にあり、素材系事業、建設機械事業を中心に大幅なコストアップが生じておりま
す。引き続きコスト削減をはじめとする収益改善や安定生産に取り組むとともに、コストアップ分の販売価格への
転嫁を着実に実行することで、「安定収益基盤の確立」を進めてまいります。
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<カーボンニュートラルへの挑戦>
カーボンニュートラルへの移行や社会変革はグローバルで明確な潮流となっておりますが、当社グループとして
は、内部・外部環境において、リスクと機会、双方の要因を抱えている中、2050年のカーボンニュートラルへ挑戦
し、その移行の中で企業価値の向上を図ることが目指すべき将来像と考えております。
リスクの最小化に対しては、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、当社独自技術の開発推進、外部の革新
®
技術の活用等により、CO₂削減に果敢に取り組んでまいります。機会の最大化には、MIDREX 、自動車軽量化・電動
化への素材供給等、CO₂排出削減に貢献する多様なメニューと多様な技術の融合を可能にする強みを活かし、これら
メニューの需要拡大をビジネスチャンスとしてしっかり捕捉してまいります。
当社グループとしては、まず、生産プロセスにおいて、2030年で2013年度比30~40%のCO₂を削減し、2050年での
カーボンニュートラル実現に挑戦し、達成を目指してまいります。
®
特に、製鉄プロセスについては、既存技術(省エネ技術、スクラップ、AI操炉 等)の追求と革新技術に加え、
®
2021年2月に公表した当社独自技術である高炉でのMIDREX 技術の活用により、業界をリードし、他社との差別化も
図っており、2022年5月に公表した国内初の低CO₂高炉鋼材“Kobenable Steel”の販売も開始しております。今後
は、グリーンスチールの更なる認知度向上と市場拡大に向けた取組みを推進してまいります。
TM
また、2022年10月に世界初となる100%水素を還元剤とするMIDREX H2 直接還元鉄プラントを受注するとともに、
TM
2023年3月には還元に利用する天然ガスを最大100%まで水素に置き換えることができるMIDREX Flex 直接還元鉄プ
®
ロセスが世界で初めて採用されるなど、当社グループの保有するMIDREX 技術をはじめ、自動車軽量化・電動化に寄
与する素材・部品供給等、多様な技術を通じて世界のカーボンニュートラルの実現に貢献し、そのCO₂排出削減貢献
量として、2030年で6,100万トン、2050年で1億トン以上を目指してまいります。
電力事業においては、神戸発電所の蒸気をもとにした周辺地域への熱・水素供給による地域全体でのエネルギー
利用の高効率化、電力事業とエンジニアリング事業の連携によるバイオマス燃料(下水汚泥、食品残渣)の混焼の
取組みを強化し、また、アンモニア混焼の取組みも実用化に向けた検討を進めてまいります。そして、2050年に向
けて、神戸の石炭火力発電所で、アンモニア混焼率拡大、アンモニア専焼に挑戦するとともに、真岡発電所では、
カーボンニュートラル都市ガスの最大活用に取り組み、カーボンニュートラルの達成を目指してまいります。
なお、上記取組みは「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動 ①ガバナンスとリスク管
理」に記載の体制に基づき推進してまいります。
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<経営基盤領域の強化>
「安定収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」を実現するために、経営体制の見直しに加えて、
DX戦略の推進や、多様な人材の活躍推進、「KOBELCO TQM」等の横串を通した活動を通じて、経営基盤強化にも継続
的に取り組んでおります。
経営体制については、取締役会の構成・諮問機関の見直しによる取締役会のモニタリング機能の強化、委員会体
系・執行役員制度の見直しや本社部門の組織改正による執行側の体制強化等の経営体制の見直しを2021年4月から
実施しており、この体制のもと、着実に実効性の向上に取り組んでおります。
DX戦略の推進については、ICT・AI分野の技術開発・事業適用を強化・加速するため、2021年4月に「デジタルイ
ノベーション技術センター」を新設するとともに、当社グループのDXに対する戦略を統括的に立案・実行する「DX
戦略委員会」を設置しました。また、2021年12月にKOBELCOグループの「デジタルトランスフォーメーション戦略」
を公表し、2022年1月には経済産業省が定めるDX認定制度に基づき、「DX認定事業者」としての認定を取得いたし
ました。さらに、建設機械事業においては、2022年12月より重機の遠隔操作システムと、操縦履歴・遠隔重機デー
®
タを活用することで、人・重機・現場を常時つなぎ、建設現場のDXを可能にする「K-DIVE サービス」の提供を開始
®
するとともに、2023年4月よりクレーン施工計画の策定支援アドインソフト「K-D2 PLANNER 」の一般販売も開始い
たしました。今後もDXの取組みをより体系的、かつ戦略的に強化・加速してまいります。
また、多様な技術と同様に、当社グループの強みである素材系、機械系、電力事業の幅広い事業領域で有する多
様な人材が、その能力を十分に発揮し、活躍できるよう、人事制度の変革、人材育成の強化、ダイバーシティ&イ
ンクルージョンの取組み(人材の多様性を認め、受け入れて活かすこと)、働き方変革を推進してまいります。
さらに、2018年度に活動を開始した「信頼回復プロジェクト」を2021年4月に「信頼向上プロジェクト」に再構
築し、引き続き品質ガバナンスの向上と信頼向上に取り組んでおりますが、このプロジェクトにおける「KOBELCO
TQM」活動を通じて、製品・サービスの品質だけでなく、業務・組織・安全管理を含むマネジメントといった企業活
動における品質全般の向上に、引き続き取り組んでまいります。
<事業管理指標について>
当社グループは、収益評価に偏った経営を改め、持続可能な企業価値向上を実現することを目的に、「安全」、
「品質」、「環境・防災」、「コンプライアンス(法令・契約遵守)」、「社員意識(人材確保・育成)」、「お
客様満足度」、「経済性(ROIC)」の7つの事業管理指標を設定し、2019年4月より運用を開始しております。7
つの指標のうち6つが非財務指標ですが、そのどれもが企業存続の前提条件に繋がるものであり、今中期において
も、財務指標だけでなく非財務指標もモニタリングしながら、組織の隅々まで健全な内部統制が機能し、リスクの
早期把握と適切な対応を可能とする体制構築を図ってまいります。
(ご参考)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の設定背景・方針
2023年度達成目標 目標指標設定背景・方針
ROIC(税引後事業利益/投下資本) 当社は、2019年度より個別事業の評価方法の指標として投下資本利益率
5%以上 (ROIC)を導入し、事業へ投下した資金に対するリターンと資本コストを意識し
た経営管理を進めており、ROICは当社グループの中期経営計画目標としても相応
しい指標であると判断し、設定しました。
D/Eレシオ 安定した成長を実現する為には、財務が健全であることが必須であることか
(有利子負債/自己資本) ら、成長投資と財務規律との最適なバランスを考慮したD/Eレシオを重要な指標
0.7倍以下
として位置付けています 。
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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ共通
①ガバナンス
(ⅰ)サステナビリティ経営の推進体制
サステナビリティ経営の推進においては、重要課題について経営審議会の補佐機関であるサステナビリティ推進
委員会を中心にマネジメントサイクルを回すことを基本としつつ、積極的な情報開示とESG外部評価やSDGs等の推進
ツールも活用しながら、取締役会によるモニタリングも行う体制としております。
(ⅱ)サステナビリティ推進委員会体制と機能
委員長(責任者): 取締役執行役員 永良 哉
取締役会への報告: 1回程度/四半期
開催頻度: 1回程度/四半期
機能: サステナビリティに関わる当社グループの課題の抽出/サステナビリティ推進活動のスケ
ジュールの作成/グループ中期経営計画への提言/サステナビリティ推進活動のモニタリン
グ及び提言/イニシアティブへの参画等の表明・発信と取組みの推進/環境、社会、ガバナ
ンスに関わる外部評価等への対応
(ⅲ)グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進
当社グループは、事業活動を支える「経営基盤領域」と、事業成長を実現する「価値創造領域」とに分けて、グ
ループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進を行っております。「KOBELCOが実現したい未来」を見据え、
「KOBELCOの使命・存在意義」を果たすことにより、持続的に成長し、中長期的な企業価値向上を追求してまいりま
す。
②戦略
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グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営をより効果的に推進するために、「価値創造領域」「経営基盤領
域」における機会やリスク等も踏まえ、経営資源を重点的に投入する中長期的な重要課題(マテリアリティ)を特定
しております。詳細については「 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)経営方針 ②KOBELCOグルー
プ のマテリアリティ(中長期的な重要課題) 」をご参照ください。
③リスク管理
全社規程「リスク管理規程」に則り、国際規格である「COSO」を参照しながら当社グループの持続的発展及び企業
価値向上を妨げる要因を抽出し、対策を講じる活動を行っております。全社的なリスク管理の対象として、当社グ
ループ及びステークホルダーの皆様に重大な影響を及ぼし、グループを横断した対応が必要なリスクを「トップリス
ク」「重要リスク」として選定しております。この「トップリスク」「重要リスク」には人権・安全管理・気候変
動・自然災害といったESGリスクが含まれます。
④指標と目標
サステナビリティ経営をより効果的に推進するために特定した「KOBELCOグループのマテリアリティ(中長期的な
重要課題)」に関する指標及び目標、並びに実績については、「KOBELCOグループ統合報告書2022」の16頁、17頁を
ご参照ください。
なお、2022年度の実績については、2023年9月発行予定の統合報告書及びESGデータブックの中で開示を予定して
おります。
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(2)気候変動
[基本的な考え]
当社グループはCO₂削減への取組みを経営上の最重要課題であると認識しており、2021年5月にはKOBELCOグループ
中期経営計画(2021~2023年度)の中で、2050年のカーボンニュートラルへ挑戦し、カーボンニュートラルへの移行
の中で企業価値の向上を目指すことを表明しました。
当社グループはこれからもCO₂削減を通じて、「KOBELCOが実現したい未来」である「安全・安心で豊かな暮らしの
中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現に貢献していきます。
①ガバナンスとリスク管理
気候関連リスク及び機会に係る課題を専門的に取り
扱う組織として、サステナビリティ推進委員会(委員
長:取締役執行役員)のもとにCO₂削減推進部会を設置
し、気候変動に関する戦略的な検討を行うこととし、
気候関連のリスクと機会について全社横断的に検討・
活動を行っています。
CO₂削減推進部会の検討結果や活動成果は、サステナ
ビリティ推進委員会を通じて四半期に一度、取締役会
へ報告を行ったうえで、取締役会の監督・指導を受け
ており、取締役会が気候変動に関わるリスクに対して
直接ガバナンスを行う体制としています。
②戦略
当社グループでは、国際エネルギー機関(IEA)等が提示する社会シナリオ、(一社)日本鉄鋼連盟や(一社)日本ア
ルミニウム協会等の業界団体が策定・公表している長期ビジョンや、国のエネルギー政策等を考慮し、中長期的な気
候関連のリスクと機会の分析を進めています。また、その分析により、当社グループ実行項目の適正性を評価してい
ます。
<気候関連リスク> <気候関連機会>
今後、カーボンプライシング導入をはじめとする気候変動 気候関連問題の国際的な関心の高まりを背景
に関する環境規制の強化等が当社グループの業績及び財務状 に、CO₂排出量が少ない製品・サービスへの需要
®
況に大きな影響を与える可能性があります。また、近年、洪
が増加しており、自動車軽量化やMIDREX プロセ
水・台風に関する被害が激甚化する傾向にあり、気候変動に
スといった当社グループのCO₂削減貢献メニュー
よる災害の増加により、生産量低下、サプライチェーンの混
の需要が中長期的に増加することが期待されま
乱等が予想されます。
す。
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③リスクと機会への対応(研究開発)
(ⅰ)生産プロセスにおけるCO₂削減
製鉄プロセスのCO₂削減に向けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する
事業に鉄鋼他社とともに参画し、実用化に向けて技術開発を推進しています。その一つ「製鉄プロセスにおける水
素活用プロジェクト」は国の「グリーンイノベーション(GI)基金事業」に採択されており、2050年のカーボン
ニュートラルに向けた取組みを推進しています。
(ⅱ)技術・製品・サービスによるCO₂排出削減貢献
既存の削減貢献メニューである自動車軽量化に貢献する素材・部品、ヒートポンプ等では、更なるCO₂削減効果
の追求を目的として、継続的な技術開発を進めています。また、新たなCO₂削減貢献技術・製品・サービスの開発
にも積極的に取り組んでおり、MIDREX H2™(100%水素直接還元)等の開発を進めています。
④シナリオ分析
将来の気候関連のリスクと機会を把握するため、中期(2030年)及び長期(2050年)におけるシナリオ分析を実施
しました。シナリオ分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)が公表する2℃シナリオ(SDS)、1.5℃シナリ
オ(Net Zero by 2050)、IPCC第6次評価報告書の4℃シナリオを用いており、それに加えて(一社)日本鉄鋼連盟
や(一社)日本アルミニウム協会等、当社グループ所属の業界団体が公表する長期ビジョンも参照して分析・評価を
実施しています。なお、電力事業については、日本国のエネルギー政策と密接に関係するため、日本政府のエネル
ギー政策をベースとしてシナリオ分析を実施しています。また、外部環境の変化も踏まえ、定期的にリスクと機会の
分析・評価の見直しを行っています。
(ⅰ)ビジネスへの影響
当社グループのCO₂排出量の90%以上は製鉄プロセスに由来するため、鉄鋼業の中長期的な動向は当社グループ
のビジネスに最も大きな影響を与えます。(一社)日本鉄鋼連盟の「長期温暖化対策ビジョン『ゼロカーボン・ス
チールへの挑戦』」によると、経済成長と1人当たりの鉄鋼蓄積量には一定の相関があり、また人口が増えれば鉄
鋼の蓄積総量は拡大することが示されています。したがって、今後、世界の経済成長と人口増加により鉄鋼の需要
は増加し続けると予測されます。
鉄鋼の生産は、天然資源(鉄鉱石)からの生産(主に高炉、直接還元鉄)と、スクラップの再利用(主に電炉)
による生産に大別することができ、(一社)日本鉄鋼連盟の予測によれば鉄鋼の蓄積総量の拡大によりスクラップ
の再利用が大きく増加することが見込まれています。一方で、スクラップの再利用だけでは鋼材需要を満たすこと
はできず、天然資源(鉄鉱石)からの生産も引き続き現在と同程度必要となることが予測されています。
気候変動への対応やその情報開示に対する関心が高まる中、鉄鋼業においてもCO₂削減への取組みの重要性は今
後も高まることが見込まれています。そのため、政府・地方自治体の皆様、投資家様、お客様等のステークホル
ダーの皆様から、自社設備からのCO₂排出量の削減への取組みと、CO₂削減貢献メニューの拡販に対する関心等がさ
らに増加するものと予測しています。
(ⅱ)リスクと機会
当社グループは、主力事業の一つとして鉄鋼製品の生産・販売を行っており、エネルギー多消費型の素材産業に
該当します。当社グループのCO₂排出量は16.1百万t(2021年度、Scope1,2)であり、日本の製造業の中でも上位
に位置しています。そのことから、カーボンプライシングをはじめとする将来の気候変動に係る政策、法令・規制
の動向は、経営に重大な影響を与える可能性がある移行リスクと認識しています。
また、物理的リスクとして地球温暖化の進行により、大気中の水蒸気が増加することで降水量が増加し、大雨や
台風による被害が激甚化する傾向があることが各種研究機関や気象庁等から報告されています。当社グループで
も、近年の台風や大雨の激甚化による生産停止やサプライチェーン混乱のリスクが顕在化しつつあり、気候変動に
伴う台風や洪水等の自然災害の激甚化は、生産活動の停止につながる経営に重大な影響を与える可能性があるリス
クと認識しています。
当社グループでは、全社のリスク管理規程上、「気候関連規制」と「自然災害への備え、復旧」を事象発生時の
影響が特に重大と予想されるリスクである「トップリスク」に位置付け、リスク管理の強化を図っています。
一方で機会に関しては、気候関連問題の国際的な関心の高まりを背景に、CO₂排出量が少ない製品・サービスへ
®
の需要が増加しており、自動車軽量化に貢献する素材・部品やMIDREX といった当社グループのCO₂削減貢献メ
ニューの需要が中長期的に増加することが期待されます。
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⑤指標と目標
<指標A 生産プロセスにおけるCO₂削減>
[目標]
当社グループは2021年5月に2050年のカーボンニュート
ラルへ挑戦し、カーボンニュートラルへの移行の中で企業
価値の向上を目指すことを表明しました。また、中期的な
目標として2030年目標を設定しています。
[CO₂排出量の実績]
日本の鉄鋼業はオイルショックを契機として1970年代以
降1990年代までに、工程の連続化や工程省略等による省エ
ネルギーや排熱回収設備の設置によるエネルギーの有効利
用を進めてきました。1990年代以降も排熱回収設備の増強
や設備の高効率化を進め、廃棄物資源の有効利用の対策に
も取り組み、近年では高効率ガスタービン発電設備の導入
等を行ってきました。
当社グループでも、積極的な設備投資により、様々な省
エネルギー・CO₂削減対策を講じてきました。例えば、
2009年度から2014年度にかけて、加古川製鉄所に高炉ガス
を利用した高効率ガスタービン発電設備を導入し、CO₂排
出量を大幅に削減しました。
2021年度のCO₂排出量は、前年度と比較して、新型コロ
ナウイルス感染症拡大の影響が緩和されたことで生産量が
回復したことに伴い増加し、削減率は2013年度比16%にな
りました。
®
製鉄プロセスにおいては、MIDREX プロセスで製造した
HBI(還元鉄)を高炉に多量に装入し、高炉工程でのCO₂排
出量を約20%削減できることを実証試験で確認・完了しま
した。今後も引き続き、このHBI装入技術やAI操炉技術を
さらに追求し、高炉でのCO₂排出量を削減して2030年度の
目標達成に向けて取り組んでいきます。また、2050年カー
ボンニュートラルに向けては、「既存の高炉を活かしたCO
₂削減」と「大型電炉での高級鋼製造」の複線アプローチ
で検討を進め達成を目指します。
[エネルギー起源CO₂排出量の実績]
当社グループは2021年度、グループ全体で16.1百万tの
CO₂を排出しました。そのうち、約94%が鉄鋼アルミ関連
事業、約3%が素形材関連事業、約2%が電力事業で排出
されています。
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<指標B 技術・製品・サービスによるCO₂削減>
[目標]
当社グループは、独自の技術・製品・サービスを通じて、社
会の様々な分野でCO₂排出削減に貢献しています。当社グループ
はCO₂排出削減貢献量について、2030年目標、2050年ビジョンを
設定しています。
排出削減に貢献する技術・製品・サービスについては、 排出
削減貢献量を社内認定する制度を設けています。なお、認定に
おける計算式については、国立研究開発法人産業技術総合研究
所安全科学研究部門IDEAラボ田原聖隆ラボ長にご指導いただい
ています。
[CO₂排出削減貢献の実績]
CO₂削減推進部会において承認された当社グループの技術・製品・サービスによる2021年度のCO₂排出削減貢献量
は4,491万tと推計しています。
(注)1.「(2)気候変動」に関する詳細データは、「KOBELCOグループESGデータブック2022」14頁から28頁をご参
照ください。
2.指標A、指標Bの2022年度の実績については、2023年9月発行予定の統合報告書及びESGデータブックの中で
開示を予定しております。
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(3)人的資本多様性
①当社グループの人事戦略
当社グループは、企業としての社会的責任を果たし、新たな価値を創造するために、グループ企業理念を理解し実
践できる人材を育成することが重要だと考えております。
幅広い事業分野を有する当社グループにおいて、多様な背景、価値観、技術を持った人材を有し、時代・社会の変
化の中で、社会への貢献とその実現に向けて果敢に挑戦することは、更なる強みの強化につながると考え、最大限活
躍できる環境を整備してまいります。
②人事施策・取組み
(ⅰ)組織の多様性を高める
<ダイバーシティ&インクルージョン>
多様な背景や価値観を持つ人たちが職場で十分に力を発揮し、組織全体の成長力を高めることにより、活力ある
事業展開につながると考えております。D&I推進の目指す姿と基本方針を設定し、活動を加速させております。
(ⅱ)一人ひとりの成長・挑戦を促す
<人材育成>
育成はOJT(On the Job Training)を教育の中心とする一方、これを補完する各種育成施策も効果的に実施して
おります。内容は毎年見直しており、特に中期経営計画期間では「選択型・自主獲得型教育へのシフト・定着」を
目標に掲げ、取組みを進めております。
選択型・自主獲得型教育へのシフト・定着(管理職・総合職)
脱炭素化やDX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとする外部環境の変化やライフスタイル・働
き方の多様化が進む中、当社グループでは個人の変化・成長を後押しするため、従来のような全員一律・階層
別の教育のウエイトを減らし『自律自走』を合言葉に選択型・自主獲得型教育へのシフトを進めております。
2022年度より、階層毎に求められる能力を整理し、それと紐づけた研修を紹介することで、一人ひとりの成
長に向けた取組計画の策定を支援しております。
今後は「いつでも・どこでも学べる」動画教材サービスの導入や、キャリア教育の拡充による社員のキャリ
アプランニング支援等を予定しております(動画教材サービスは2022年7月より導入済み)。
技能職の人材育成
競争力の源泉となる「ものづくり力」の維持・向上のため、職場におけるOJT
を基本に、階層別・職種別の各種教育プログラムを整備しております。入社5
年目までの若手社員については、毎年、加古川の研修センターに集合し、業務
に必要な知識や技能の教育を行っております。また、毎年の技能競技大会の開
催、技能検定の取得促進等により、技能レベルの向上に取り組んでおります。
職場の要となる管理監督者には、安全、環境、品質等の基礎知識は当然なが
ら、マネジメントやコミュニケーションに特化した教育プログラムを準備し、
技能競技大会の様子
よりよい職場環境の構築に向けた研修を行っております。今後も、社内外の環
境変化に応じて、都度、教育内容・体系の見直しを行ってまいります。
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(ⅲ)活躍できる環境を整備する
<働き方変革活動>
当社グループの働き方変革活動は、優秀な人材の確保・定着や職場のコミュニケーションの充実に向けた時間創
出、働きやすい職場環境づくりを目的として様々な活動をこれまで進めてきました。新型コロナウイルス感染症拡
大の影響を受けて、多くの社員の働き方や価値観が変化しましたが、引き続き業務特性や状況に応じた柔軟な働き
方が選択でき、生産性向上につながる環境整備を推進してまいります。
<人権尊重の取組み>
当社グループは、グローバルに事業展開する企業グループとして、国連で採択された人権保護の「国際人権章
典」を尊重し、人権尊重が重要な社会的責任である姿勢を明確に示すために、2019年10月に児童労働や強制労働の
防止を含む「KOBELCOグループ人権基本方針」を制定し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際規範
に基づいた企業活動を進めております。
2021年3月には、国連が提唱する「国連グローバル・コンパクト」に署名し、加盟企業として活動に取り組んで
おります。引き続き、人権の保護、不当な労働の排除等の原則に賛同する企業としてその実現に向けて努力を継続
し、人権侵害問題を発生させない取組みを強化してまいります。
<安全衛生>
「安全・衛生・健康は経営の基盤であり、全ての事業活動に優先する」という基本理念のもと、安全で安心して
働くことのできる活気あふれた職場の実現に向けて、関係法令の遵守は当然のこと、様々な安全衛生活動を行って
おります。
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③指標と目標
指標 目標 2021年度 2022年度
実績 実績
(注) (注)
新卒採用女性比率 2023年度:a.総合職事務系 50%以上 a.35% a.48%
b.6% b.10%
b.総合職技術系 15%以上
c.8% c.8%
c.基幹職技能系 15%以上
女性管理職比率 2023年度:2020年度比2倍(5.4%) 2.8% 3.0%
障がい者雇用率 2.3%(法定雇用率) 2.56% 2.64%
外国籍社員数 - 76人 74人
育児のための特別休暇取得率 2023年度:100% 78.5% 88.0%
(男性社員)
10年未満離職率 15%未満 19.5% 20.0%
時間外労働時間 - 17.2h 16.5h
(月・人) (月・人)
年次有給休暇取得日数 平均15日/年・人 13.9日 17.0日
総実労働時間 2,000h/年未満 2,057h 2,050h
社員意識調査の実施継続 - 継続中 継続中
人権に関する社員研修の受講率 - 76.4% 79.9%
休業災害度数率(社員) 0.10以下 0.29 0.21
(注)当社グループの人事戦略のもと、グループ各社において課題に応じた指標と目標を設定していることから、代
表として提出会社における指標と目標を記載しております。
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3【事業等のリスク】
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある
事項は、下記の(1)事業環境の変化及び(2)グループ経営全般に重大な影響を及ぼす事項のとおりであります。
当社グループでは、事業推進上想定される事業環境変化に伴うリスクについては、経営者の意見を踏まえて、事業
部門又は本社部門が中心となってリスク対策に取り組んでいます。また、事故や災害、法令違反等、グループ経営全
般に重大な影響を及ぼすリスクを経営者の意見を踏まえて抽出しています。
リスクマネジメント体制としては、全体の管理者である全社総括責任者として社長、全社リスク管理統括責任者と
して内部統制・監査部総括役員を置き、個々のリスクのグループ横断的な管理活動の推進者として担当役員(リスク
オーナー)、リスク対策実行責任者には事業部門長や本社担当役員を指名することにより、全社的なリスク管理体制
を構築しています。また、経営審議会の補佐機関として設置したリスクマネジメント委員会では、リスクマネジメン
ト全般に関する基本方針の立案・評価、リスクマネジメントの重要課題に関する具体方針の立案、「トップリスク」
「重要リスク」のリスク対策実行計画の評価、全社リスク管理計画の立案・評価などを行っています。委員長には全
社リスク管理統括責任者、また、委員には全リスクオーナーを指名しています。リスクマネジメント委員会の活動状
況は定期的に経営審議会へ報告し、経営審議会での議論結果を踏まえてリスクオーナーへの指示を行います。
なお、経済安全保障リスクやウクライナ情勢を含む地政学的リスクへの対応など複数のリスクに跨る場合には、リ
スクマネジメント委員会の下でグループ横断的な対応を検討しています。
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「第2 事業の状況」の他の項目、「第5 経理の状況」
の注記事項、その他においても記載しておりますので、併せてご参照ください。また、文中の将来に関する事項は、
当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境の変化
①主要市場の経済状況等
当社グループの国内向け販売は、自動車、造船、電気機械、建築・土木、IT、飲料容器、産業機械などを主な
需要分野としております。海外向け販売は、当連結会計年度の売上高の31.7%であり、最大の需要国である中国
を含むアジア地域が、海外売上高の過半を占めております。
当社グループは鉄鋼やアルミなどの素材、鋳鍛鋼やアルミ鋳鍛などの素形材、溶接材料などからなる素材系事
業と産業用機械、エンジニアリングや建設機械といった機械系事業、さらに電力事業と複数のビジネスドメイン
を持つことで、安定性を担保するとともに、たゆまぬ技術開発を行って競争力の維持を図っておりますが、当社
グループの業績は、これらの需要分野の動向、需要地域における経済情勢等により、売上高や受注高の減少の影
響を受けることに加え、お客様の財政状態の悪化による債権回収の遅延等の影響を受ける可能性があります。ま
た、海外の各需要地域における地政学的リスク、各地域における事業の監督や調整の困難さ、労働問題、関税、
輸出入規制、通商・租税その他の法的規制の動向が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ま
た、各製品市場において、国内外の競合各社との厳しい競争状態にあり、競合各社による当社製品よりも高性能
な製品開発や迅速な新製品の導入等、その状況次第では売上高や受注高の減少等により当社グループの業績に影
響を及ぼす可能性があります。
②製品需給・価格の変動
当社グループは各製品の市場及び地域的な市場において競合他社との競争を行っております。経済市況や市場
動向の変化、地政学的リスク、法規制及び競争環境の変化等を受けて需要家の事業戦略や購買方針に当社グルー
プの想定を超えて変更が発生する場合、売上高や受注高の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能
性があります。
特に鉄鋼事業において中国における過剰生産能力問題が十分な解決に至っておらず、過剰供給に起因する国際
市場での厳しい競争は国内外での鋼材の需給状況や製品価格の変動の原因となっております。当社グループの国
内鋼材販売の形態は、大きくは製品数量・規格等を直接お客様との間で取り決めて出荷する「紐付き」と、お客
様が不特定の状態で出荷する「店売り」とに分かれますが、当社の場合ほとんどが「紐付き」であります。鋼材
の需給状況が変動した場合、「店売り」価格の方がより敏感に連動するものの、最終的には「紐付き」価格も影
響を受けることになります。また、鋼材販売数量のおおよそ25%を占める輸出鋼材の販売数量・価格について
も、各需要地域における鋼材需給等により影響を受けます。これらの変動が想定を超えて発生する場合、売上高
の減少や収益の悪化等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
機械系事業においては、汎用品、受注生産品ともに、その製品需給が当社グループの想定以上に急激に変動す
る可能性があり、価格については、特に海外市場向けの製品について、通貨価値の変動等により影響を受ける可
能性があります。これらの急激な変動を受け、売上高の減少、契約キャンセルによる損失の発生、債権回収の遅
延等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③原材料等の価格変動等
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当社グループが調達している鉄鉱石、石炭、合金鉄・非鉄金属、スクラップ等の鉄鋼原料価格及びそれらの輸
送に関わる海上運賃等は、国際的な市況、為替相場、法規制、自然災害、地政学的リスク等により影響を受けま
す。特に、鉄鉱石及び石炭については、大きな消費国となった中国における需給状況と世界的にも限られた原産
国 や供給者の供給能力が、国際市況に与える影響が大きくなっています。調達先の分散や調達先との関係強化な
どを通じてこれらの安定調達に努め、また、原材料等の価格変動の製品価格への転嫁にも努めておりますが、原
材料価格・運賃が大幅に変動する場合には、コストの変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性が
あります。
また、アルミ、銅につきましては、地金価格の変動は基本的にお客様に転嫁する仕組みとなっております。し
かしながら、地金価格の市況が短期間に大きく変動した場合には、会計上の在庫評価影響などによって、当社グ
ループの業績に一時的に影響が生じる可能性があります。
さらに、当社グループは、耐火物等の副資材、機械製造関連と設備投資関連の資材及び電装品、油圧機器、内
燃機器等の資機材を外部調達しており、価格変動を抑える取り組みはしているものの、これら資機材の価格が変
動する場合、機械製造コストや設備投資コストの変動につながり、当社グループの業績に影響を及ぼします。
④サプライチェーンにおけるリスク
当社グループのサプライチェーンにおいて、調達先の分散や調達先との関係強化などを通じて原材料や資機材
等の安定調達に努めておりますが、調達先との取引関係に重大な変更があった場合や、災害や事故、地政学的リ
スク等による混乱が生じた場合、売上高の減少やコストの増加等によって当社グループの業績に影響を及ぼす可
能性があります。また、当社グループではCSR調達基本方針を策定し、お取引先の皆様と社会的責任を共有し、
“責任あるサプライチェーンの構築”に向けた取り組みを推進しておりますが、サプライチェーンで法令違反や
人権・労働等に関する問題が発生した場合には、調達や生産への影響に加えて、当社グループの信頼の毀損に繋
がり、売上高の減少によって当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)グループ経営全般に重大な影響を及ぼす事項
①労災、設備事故等
当社グループの生産設備の中には、鉄鋼の高炉、転炉など高温、高圧での操業を行っている設備があります。
また、高熱の生産物、可燃性のガス、化学薬品等を取り扱っている事業所もあります。日常的に、高温高圧部分
や可動部の多い設備の取扱い、高所での作業、危険物の取扱いがあるなど、従業員の労働環境としても、労働災
害の主要な原因となる、「転落・墜落」や「挟まれ・巻き込まれ」、「飛来・落下」等の事象が他業種に比べ発
生しやすい環境にあります。対人・対物を問わず、安全や防災に関する法令を遵守し、事故の防止対策には万全
を期しておりますが、万一重大な労働災害や設備事故等が発生した場合には、当社グループの生産活動等に支障
をきたし、生産量減少に伴う売上の減少や破損設備の復旧に伴う費用の発生、事故に関連する補償の実施等、当
社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②自然災害、パンデミック、戦争・テロ
当社グループの国内外の製造拠点等においては、大規模地震や台風等の自然災害、感染症等の大規模流行、戦
争やテロ、暴動に対して発生時の損害を最小限に抑えるため、緊急対応策の準備、連絡体制の整備、定期的な見
直しや訓練の実施等を行っております。しかし、これら大規模災害等により直接的に被害を受ける、もしくは物
流網や供給網の混乱、インフラの障害等により事業活動に支障が生じた場合には、売上高や受注高の減少、生産
コストの上昇や復旧コストの発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症等のパンデミックへの対策として、感染者が増加した場合には、事業継続の
ため、勤務体制の見直しや補助人員の確保等を行うこととしています。加えて、政府が発出する要請事項や市中
感染状況を踏まえ、事業活動継続と感染リスク抑制の両面の観点より、当社グループ全体に対して感染予防のた
めの行動ガイドラインや関連する通達を適宜発信し、感染予防・感染拡大防止の周知・徹底を図っております。
しかしながら、当社グループの事業所において大規模な感染が発生して事業運営が一時的に困難になる場合や、
国内・海外ともに需要家の活動水準が低下し、製品需要の大幅な下振れが発生する場合、当社グループの業績に
影響を及ぼす可能性があります。
③品質に関するリスク
当社グループは、品質不適切行為を踏まえ、品質ガバナンス体制を再構築するなどの活動を鋭意遂行し、信頼
の回復に努めてまいりました。2021年度からはお客様からの更なる信頼回復と向上、不適切事案の風化防止など
を目的とした「信頼向上プロジェクト」を設置し、これまでのプロジェクト体制を再編しました。社長直下に、
各事業のマネジメントを強化し、お客様や社会に役立つために課題を設定し、全員参加でこれを達成することを
目的にした「KOBELCO TQM推進会議」と、お客様との接点を強化する活動や現場への信頼回復・向上活動の意義
浸透を推進する「お客様信頼向上会議」を設置して活動を進めております。
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JIS等の規格を基に社内で設定した基準のもと、製品の品質と信頼性の維持向上に努めておりますが、万一、
品質ガバナンス体制に運用上の問題が発生した場合や製品に品質上の欠陥が発生した場合、訴訟もしくはその他
のクレームによる費用の発生や、販売量の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④環境規制、気候関連規制等の影響
鉄鋼やアルミ、銅を中心に、その生産活動の過程において廃棄物、副産物等が発生します。当社グループで
は、国内外の法規制に則った適切な対応に努めておりますが、関連法規制に違反するような事象が発生した場
合、原状回復や対策実施に多額の費用が発生する可能性があります。また、関連法規制の強化等によって、過去
に売却した工場跡地等であっても土壌汚染の浄化のための費用が発生するなど、業績に影響を及ぼす可能性があ
ります。
当社グループはCO 排出量が多いと指摘される鉄鋼事業や電力事業を主要な事業として営んでおり、CO 削減関
2 2
係の重要事項は経営に重要な影響を与えうることから、全社横断的に検討・活動を行っております。しかし、今
後CO 等の排出に関連して規制や税の賦課が導入された場合には、鉄鋼や電力を中心に当社グループの事業活動
2
が制約を受け、売上高の減少やコストの増加等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、CO 削減への取組の詳細は「第2 事業の状況」、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」
2
の「(2)気候変動」をご参照ください。
⑤法令・公的規制
当社グループは、国内、海外において多岐にわたる分野で事業活動を行っており、その遂行にあたっては、当
社グループが展開している様々な事業に関連する法令(安全保障貿易管理、独占禁止、贈収賄規制などに関する
もの)、その他の公的規制や社会規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行うことを指針としております。しか
しながら、法令違反等を理由として罰金等を科される状況が発生した場合には、当社グループの業績や社会的信
用力に影響を及ぼす可能性があります。
⑥訴訟等のリスク
当社グループは国内、海外において多岐にわたる分野で事業活動を行っており、その遂行にあたってはそれぞ
れの国の法令や公的規制、社会規範を遵守することを指針としております。万一これらに反する事象が発生し、
訴訟等が提起された場合もしくは、すでに提起された訴訟等において当社グループに不利な判断がなされた場合
には、損害賠償等の関連する費用の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、国内外において多岐にわたるJV契約や受注契約、購買契約、技術契約、電力供給契
約、プロジェクトファイナンス関連契約などを締結しております。これらの契約の締結に際し、当社グループに
不利もしくは履行不能な条件が無いか、必要条件の欠落が無いかなど、社内で十分な審査を行うよう努めており
ます。しかし、契約締結後に当初想定できなかった経済環境の変化や契約内容の検討不足、予測できない商務的
もしくは技術的なトラブルが発生し、契約相手との間でペナルティーの支払い、追加費用の発生、事業上の制約
の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦人材確保に関するリスク
当社グループは、事業の維持・成長に必要な人材の確保のために、多様な背景を持つ社員一人ひとりが持てる
能力や専門性を最大限発揮し、活き活きと働くことが出来るよう、職場環境の整備や人材育成の取組を進めてい
ます。しかし、今後、少子化や人材の流動化の加速、また労働市場の需給バランスの変化などによって人材の確
保が想定どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧財務リスク
a)為替レートの変動
当社グループの外貨建取引は主として米ドル建で行われております。当社グループは、短期的な対応として
為替予約等を実施しておりますが、変動リスクを完全に排除することは困難であり、為替レートの変動は、外
貨建取引に関わる損益の変動や海外子会社の業績の変動等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性が
あります。
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b)金利率の変動等
当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は5,905億円(電力プロジェクトファイナンスを
含めると8,618億円)であります。当社グループは新規の長期借入金・社債等に関し、固定金利での調達や金
利スワップ契約等を実施しておりますが、中長期的な金融情勢の変化等による金利率及びその他の条件の変動
等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
c)融資・債務保証等
当社グループは、関係会社等に対して融資等、及び関係会社やお客様等における一部の金融機関借入等に対
して債務保証等を行っております。将来、これらの融資等の回収が滞ったり、債務保証等の履行を求められる
状況が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
d)棚卸資産の価値下落
当社グループが保有している棚卸資産について、収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、当社グ
ループの業績に影響が生じる可能性があります。なお、見積りの前提は、「第2 事業の状況」、「4 経営
者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 重要な会計方針及び見積
り」をご参照ください。
e)投資有価証券の価値変動等
当社グループが保有する投資有価証券の当連結会計年度末の連結貸借対照表計上額は2,046億円でありま
す。上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績に影響を及ぼします。
加えて、年金資産のうち退職給付信託を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計
算上の差異が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。退職給付信託を除く年金資産につ
いては、年金制度の予定利率や財政状態を勘案した上で、元本毀損リスクの極力低い安全性資産中心の運用を
行うよう努めております。
f)繰延税金資産の計上
当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上し
ております。しかしながら、今後将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合には、繰延税金資産の
取崩しが発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。なお、見積りの前提は、「第2 事
業の状況」、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 重
要な会計方針及び見積り」をご参照ください。
g)固定資産の価値下落
当社グループが保有している固定資産について、時価の下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場
合は、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。なお、詳細な内容については「第2 事業の状
況」、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(7) 重要な会
計方針及び見積り」をご参照ください。
h)資金調達
当社グループは、主に銀行借入、社債発行及びコマーシャル・ペーパーの発行等により事業活動に必要な資
金を確保しております。従って、景気の後退や金融環境の悪化、当社グループの信用低下等により、資金調達
が想定どおりの条件で適時に実施できない場合には、事業計画の変更や資金調達コストの上昇等により当社グ
ループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは業界の二酸化炭素削減方針に従って、二酸化炭素削減の対応策を講じておりますが、
昨今の二酸化炭素排出企業に対する厳しいダイベストメントの動向次第では、その影響を受け、資金調達が想
定どおり行えなくなる可能性があります。
⑨中期経営計画の実現等
当社グループは、実践すべき最優先課題を「安定収益基盤の確立」と「カーボンニュートラルへの挑戦」と
し、2021年5月に「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」を策定、公表しております。本計画
は、策定時点で入手可能な情報による判断及び仮定に基づいており、判断や仮定に内在する不確定性及び今後の
事業運営や内外の状況変化による変動可能性など様々な要因によって、計画した成果が得られない可能性があり
ます。
⑩知的財産権の保護及び第三者の権利侵害
当社グループでは保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・意匠権等の取得や技術情報の秘密管理)
に努めております。しかし、第三者により製品や技術等が模倣されたり、意図せぬ技術流失が発生した場合、当
社グループの製品や技術等が陳腐化するなどの影響が発生し、売上高の減少等により当社グループの業績に影響
を与える可能性があります。
また、当社グループでは、製品等の開発やエンジニアリング、製造、使用及び販売、その他の事業活動によっ
て、第三者の知的財産権、その他の権利を侵害しないよう、あらかじめ調査を行い、必要に応じて実施許諾を受
ける等の措置を講じております。しかし、第三者からの知的財産権、その他の権利の侵害に関して紛争が生じた
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場合、紛争に関連する製品等の製造・販売等の差し止めや多額の損害賠償金・和解金の支払い等により、当社グ
ループの業績に影響を与える可能性があります。
⑪情報セキュリティ
当社グループは事業活動において顧客情報・個人情報等を入手することがあり、また営業上・技術上の秘密情
報を保有しており、グローバルに様々なシステムを構築し事業活動を行っております。当社グループはサイバー
攻撃等による不正アクセスや情報漏洩等を防ぐため、管理体制を構築し適切な安全措置を講じております。しか
し、顧客情報・個人情報等の漏洩や滅失等の事故が発生した場合には、損害賠償や当社グループの社会的信用の
低下等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、営業上・技術上の秘密情報の漏洩
や滅失等の事故が発生した場合や、第三者に不正使用された場合、サイバー攻撃等によるシステム障害が発生し
た場合には、生産や業務の停止、競争優位性の喪失、社会的信用の低下等により当社グループの業績に影響を与
える可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在では予測できない上記以外の事象の発生により、当社グループの財政状態及び経
営成績が影響を受ける可能性があります。
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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ
シュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の
状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の進行などによる物価上昇が継続しまし
たが、経済活動の正常化が進み、個人消費や企業の生産活動を中心に持ち直しの傾向となりました。海外経済は、
米国や欧州でインフレや金融引き締めの影響により経済活動が抑制されたことなどから、回復のペースが鈍化し、
中国ではゼロコロナ政策に伴う活動制限などにより、本格的な回復には至らない状況となりました。また、半導体
不足やサプライチェーンの混乱等の影響により、自動車生産の回復が遅れるなど、当社グループを取り巻く事業環
境は厳しい状況が続きました。
このような中、当社はKOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)に掲げる「安定収益基盤の確立」に向け
た重点施策を着実に実行するとともに、引き続きものづくり力の強化や販売価格の改善に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3,899億円増収の2兆4,725億円となり、営業利益は、
鉄鋼メタルスプレッドが大幅に改善したものの、素材系事業や建設機械における販売数量の減少、固定費を中心と
したコストの増加、在庫評価益の縮小などにより、前連結会計年度比12億円減益の863億円となりましたが、経常利
益は、エンジン認証問題に関する補償金収入の増加などにより、前連結会計年度比136億円増益の1,068億円となり
ました。特別損益は、建設機械の中国事業における事業整理損や固定資産の減損損失を計上したことなどから87億
円の損失となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比124億円増益の725億円となりました。
当連結会計年度のセグメント毎の状況は、次のとおりであります。
<素材系事業>
[鉄鋼アルミ]
(鉄鋼)
鋼材の販売数量は、自動車向けの需要が減少したことなどから、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、
鋼材市況の上昇や原料価格上昇分の転嫁などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比21.1%増の9,097億円となりました。経常利益は、販売数量の減少や固定
費を中心としたコストの増加、在庫評価益の縮小による減益要因がある一方、販売価格の改善が大幅に進展したこ
となどにより、前連結会計年度比144億円増益の490億円となりました。
(アルミ板)
アルミ板の販売数量は、飲料用缶材向けの需要の伸び悩みなどにより、前連結会計年度を下回りました。販売価
格は、販売価格に転嫁される地金価格が上昇したことなどにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比19.3%増の1,954億円となりました。経常損益は、販売数量の減少や調達
コスト上昇分の販売価格への転嫁遅れなどにより、前連結会計年度比99億円悪化の70億円の損失となりました。
鉄鋼アルミ全体では、売上高は、前連結会計年度比20.8%増の1兆1,051億円となり、経常利益は、前連結会計年
度比44億円増益の419億円となりました。
[素形材]
素形材の販売数量は、造船向け需要を取り込んだ鋳鍛鋼や一般産業向け需要が回復したチタンで前連結会計年度
を上回りました。一方、自動車向けの需要が減少したことから、アルミ押出、銅板、鉄粉は前連結会計年度を下回
りました。
この結果、売上高は、前年度に銅管事業を譲渡した影響もあり、前連結会計年度比16.7%減の2,777億円となり、
経常利益は、固定費を中心としたコストの増加や、銅管事業における在庫評価益の剥落などにより、前連結会計年
度比42億円減益の9億円となりました。
[溶接]
溶接材料の販売数量は、東南アジア向けの需要が減少したことから、前連結会計年度を下回りました。販売価格
は、調達コスト上昇分の転嫁などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比15.0%増の884億円となり、経常利益は、前連結会計年度比0億円増益の
28億円となりました。
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<機械系事業>
[機械]
受注高は、石油化学やエネルギー分野を中心に堅調に推移したことから、前連結会計年度比20.7%増の2,493億円
となり、受注残高は2,147億円となりました。
売上高は、前連結会計年度比12.0%増の1,869億円となり、経常利益は、売上高の増加や、堅調な需要を受けた受
注採算の改善などにより、前連結会計年度比17億円増益の143億円となりました。
[エンジニアリング]
受注高は、還元鉄関連事業や廃棄物処理関連事業で複数の大型案件を受注した前連結会計年度に比べ、24.4%減
の1,575億円となり、受注残高は3,711億円となりました。
売上高は、前連結会計年度比7.0%増の1,452億円となる一方、経常利益は、還元鉄関連事業を中心とした案件構
成差などにより、前連結会計年度比35億円減益の41億円となりました。
[建設機械]
油圧ショベルの販売台数は、インフラ投資の減退により需要が減少した中国での減少に加え、部品の調達不足影
響を受けた日本や欧州、北米でも減少したことから、前連結会計年度を下回りました。クローラクレーンの販売台
数は、エンジン認証問題を受けた北米での減少により、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、調達コスト
上昇分の転嫁や、為替相場がドル、ユーロに対して円安となった影響などにより、前連結会計年度を上回りまし
た。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.7%増の3,817億円となり、経常利益は、販売台数の減少や、調達コス
ト上昇分の販売価格への転嫁遅れによる減益要因がある一方、円安による輸出採算の改善やエンジン認証問題に関
する補償金収入の増加などにより、前連結会計年度比2億円増益の123億円となりました。
<電力事業>
[電力]
販売電力量は、神戸発電所3号機(2022年2月に営業運転開始)及び4号機(2023年2月に営業運転開始)の稼
働により、前連結会計年度を上回りました。電力単価は発電用石炭価格の上昇により、前連結会計年度を上回りま
した。
この結果、売上高は、前連結会計年度比195.2%増の3,243億円となり、経常利益は、神戸発電所3号機及び4号
機の稼働などにより、前連結会計年度比113億円増益の245億円となりました。
<その他>
売上高は、前連結会計年度比4.5%減の275億円となり、経常利益は、前連結会計年度比7億円減益の63億円とな
りました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、原料価格の上昇等により棚卸資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に
比べ1,460億円増加し2兆8,747億円となりました。また、負債については、原料価格の上昇により支払手形及び買
掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ406億円増加し1兆8,970億円となりました。また、純資産
については、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,053億円増加
し9,776億円となりました。
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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
目標指標推移
目標指標 目標 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
(2023年度) (実績) (実績) (実績) (実績)
ROIC
5%以上 0.9% 1.1% 4.7% 4.9%
(税引後事業利益/投下資本)
D/Eレシオ(注1) 1.19倍 1.11倍 0.80倍 0.65倍
0.7倍以下
(有利子負債/自己資本) (注2) (注3) (注4)
(注)1.プロジェクトファイナンスを含まない
2.2020年度分借入金の前倒し調達(621億円)含む
前倒し調達除く2019年度D/Eレシオ:1.10倍
3.2021年度分借入金の前倒し調達(1,862億円)含む
前倒し調達除く2020年度D/Eレシオ:0.84倍
4.2022年度分借入金の前倒し調達(1,011億円)含む
前倒し調達除く2021年度D/Eレシオ:0.68倍
(4)グループ中期経営計画の進捗
当社グループは、「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」で、「安定収益基盤の確立」、「カー
ボンニュートラルへの挑戦」の2つを最重要課題とし、新規電力プロジェクトの立上げが完遂し、収益貢献がフル
に寄与する2023年度にROIC(投下資本収益率)5%以上の収益レベルを確保し、さらに、将来の姿として、ROIC
8%以上を安定的に確保し、持続的に成長する企業グループを目指しております。
中期経営計画の2年目となる2022年度の経済環境は、国内経済は経済活動の正常化などを背景に、持ち直しの動
きが見られましたが、海外経済は米国や欧州でのインフレや金融引き締めの影響などにより、回復のペースが鈍化
しました。また、半導体不足やサプライチェーンの混乱等の影響により、自動車生産の回復が遅れるなど、当社を
取り巻く事業環境は厳しい状況が続きました。
このような中、コスト削減をはじめとする収益改善や、ものづくり力の強化による安定生産に取り組むととも
に、販売価格の改善に努めてまいりました。この結果、2022年度の経常利益は1,068億円、ROICは4.9%となりまし
た。目標とする2023年度ROIC5%以上の収益レベルの確保に向けて、引き続き「安定収益基盤の確立」のために中
期経営計画で掲げた5つの重点施策である、「鋼材事業の収益基盤強化」、「新規電力プロジェクトの円滑な立上
げと安定稼働」、「素材系事業の戦略投資の収益貢献」、「不採算事業の再構築」、「機械系事業の収益安定化と
成長市場への対応」に着実に取り組むとともに、変動費に加えて人件費など固定費も含めたコストアップ分の販売
価格への転嫁を早期かつ着実に実行してまいります。
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(5)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における下記セグメントの生産実績は、次のとおりであります。
生産数量(千トン)
セグメントの
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
名称
(2021年4月~ (2022年4月~ 前期比 (%)
差異
2022年3月) 2023年3月)
粗鋼 6,667 6,248 △419 △6.3
鉄鋼アルミ
アルミ板 356 349 △7 △2.0
アルミ押出 41 40 △2 △3.7
銅板 60 55 △5 △8.7
素形材
銅管 76 - △76 △100.0
(注)1.粗鋼には、高砂製作所の電炉の生産数量を含めております。
2.2022年3月31日付で(株)コベルコ マテリアル銅管等を連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会
計年度の素形材において銅管の生産実績はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における下記セグメントの受注実績は、次のとおりであります。
受注高(百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
セグメントの名称 区分
前期比
(2021年4月~ (2022年4月~ 差異
(%)
2022年3月) 2023年3月)
国内 73,175 82,661 9,486 13.0
海外 133,446 166,646 33,200 24.9
機械
合計 206,622 249,308 42,686 20.7
国内 151,719 120,869 △30,849 △20.3
海外 56,801 36,677 △20,124 △35.4
エンジニアリング
合計 208,521 157,546 △50,974 △24.4
受注残高(百万円)
前連結会計 当連結会計
セグメントの名称 区分
前期比
年度末 年度末 差異
(%)
(2022年3月) (2023年3月)
国内 34,875 48,966 14,090 40.4
海外 122,146 165,762 43,616 35.7
機械
合計 157,022 214,729 57,706 36.8
国内 269,500 283,065 13,565 5.0
海外 73,558 88,061 14,503 19.7
エンジニアリング
合計 343,058 371,127 28,068 8.2
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c.販売実績
当連結会計年度におけるセグメント毎の販売実績は、次のとおりであります。
金額(百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
セグメントの名称
(2021年4月~ (2022年4月~ 前期比 (%)
差異
2022年3月) 2023年3月)
鉄鋼 751,062 909,704 158,642 21.1
アルミ板 163,847 195,462 31,615 19.3
鉄鋼アルミ
914,909 1,105,166 190,257 20.8
素形材 333,261 277,765 △55,495 △16.7
溶接 76,924 88,429 11,505 15.0
機械 166,847 186,915 20,068 12.0
エンジニアリング 135,661 145,224 9,563 7.0
建設機械 371,631 381,781 10,149 2.7
電力 109,866 324,369 214,503 195.2
その他 28,812 27,513 △1,299 △4.5
調整額 △55,331 △64,657 △9,326 -
合計 2,082,582 2,472,508 389,926 18.7
(注)1.当連結会計年度において、電力における販売実績が著しく増加しております。詳細については、
「(1)経営成績の状況」をご覧ください。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2021年4月~2022年3月) (2022年4月~2023年3月)
相手先
金額 (百万円) 割合 (%) 金額 (百万円) 割合 (%)
神鋼商事(株) 277,119 13.3 292,648 11.8
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(6)資本の財源及び資金の流動性に関する情報
①資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略
「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」における財務戦略の基本方針は、新規の設備投資・
投融資を厳選した上で、投資キャッシュ・フローを営業キャッシュ・フローの範囲内とし、2023年度末のD/E
レシオの目標を0.7倍以下とすることとしております。また、運転資金改善等の活動を継続して進めるととも
に、営業キャッシュ・フローの下振れリスクに備えて、モニタリング強化による投資案件の精査・厳選、事業
用資産の売却・流動化、政策保有株式売却等のバックアップ策の検討・準備を進めることとしております。
本方針のもと、設備投資・投融資委員会を通じた新規設備投資・投融資の厳選、事業ポートフォリオ管理委
員会によるキャッシュ・フローのモニタリングを継続するとともに、ROIC管理を通じた投下資本の管理強化に
取り組みました。
その結果、D/Eレシオ(プロジェクトファイナンスを除く)は前連結会計年度の0.68倍から改善し0.65倍と
なり、目標である0.7倍以下を引き続き堅持しました。
引き続き、新規の設備投資・投融資案件の厳選に取り組むとともに、ROIC管理の強化を通じて、運転資金の
改善を図ることで、財務規律の維持・向上を推進してまいります。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費
等)、受注獲得のための販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容で
す。投資活動については、設備老朽化に伴う更新投資や事業伸張・生産性向上を目的とした設備投資及び事業
遂行に関連した投融資が主な内容です。
今後、将来見込まれる成長分野での資金需要や、最新の市場環境及び受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投
資案件の選別を行う一方、必要な設備投資や研究開発投資等を継続してまいります。
②当連結会計年度の実績
a.プロジェクトファイナンスを除くキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローに係る収
入が698億円、投資活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△700億円、財務活動によるキャッシュ・フ
ローに係る支出が△1,035億円となりました。
以上の結果、フリーキャッシュ・フローは△2億円の支出となり、当連結会計年度末における現金及び現金
同等物の残高は前連結会計年度末に比べ977億円減少の1,454億円となりました。
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当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
鉄鋼における販売価格改善の進展などにより、税金等調整前当期純利益が増益となった一方、原料市況高騰
に伴い棚卸資産が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて当連結会計年度の運転資金は悪化いたしま
した。
この結果、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1,118億円収
入が減少し、698億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
大型戦略投資の支払いがあった前年同期に比べて設備投資の支払いが減少したことや固定資産売却による収
入が増加したことなどから、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度
に比べて549億円支出が減少し、△700億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の返済等による支出が減少したことから、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フ
ローは、前連結会計年度に比べて168億円支出が減少し、△1,035億円となりました。
(単位:億円)
2021年度 2022年度 差異
営業キャッシュ・フロー 1,816 698 △1,118
投資キャッシュ・フロー △1,250 △700 549
フリーキャッシュ・フロー 566 △2 △568
財務キャッシュ・フロー △1,203 △1,035 168
(うち、株主還元) (△72) (△177) (△104)
株主還元後のフリーキャッシュ・フロー 494 △179 △673
現金及び現金同等物の期末残高 2,432 1,454 △977
(ご参考)
プロジェクトファイナンスを含むキャッシュ・フロー (単位:億円)
2021年度 2022年度 差異
営業キャッシュ・フロー 1,688 1,196 △491
投資キャッシュ・フロー △1,615 △972 642
フリーキャッシュ・フロー 72 224 151
財務キャッシュ・フロー △691 △855 △164
(うち、株主還元) (△72) (△177) (△104)
株主還元後のフリーキャッシュ・フロー 0 46 46
現金及び現金同等物の期末残高 2,605 2,033 △571
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b.プロジェクトファイナンスを除く有利子負債の状況
有利子負債は、借入金の返済等により前連結会計年度から646億円減少の5,905億円となり、株主資本は、親
会社株主に帰属する当期純利益の計上により、551億円増加の8,382億円となりました。
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることなどか
ら、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要があり、当連結会計年度末の有利子負債の
構成は、返済期限が1年以内のものが1,417億円、返済期限が1年を超えるものが4,487億円となっておりま
す。
(単位:億円)
2021年度 2022年度
有利子負債(注2) 6,551 5,905
有利子負債(注3)
9,084 8,618
(プロジェクトファイナンスを含む)
株主資本 7,831 8,382
D/Eレシオ 0.80倍 0.65倍
(プロジェクトファイナンスを除く) (注1)
(注1)2022年度分借入金の前倒し調達(1,011億円)含む
前倒し調達除く2021年度D/Eレシオ:0.68倍
(注2)当連結会計年度末現在の有利子負債の内訳 (単位:億円)
合計 1年内 1年超
短期借入金 327 327 -
長期借入金 5,118 1,080 4,037
社債 459 9 450
合計 5,905 1,417 4,487
(注3)当連結会計年度末現在の有利子負債の内訳(プロジェクトファイナンスを含む) (単位:億円)
合計 1年内 1年超
短期借入金 327 327 -
長期借入金 7,831 1,364 6,466
社債 459 9 450
合計 8,618 1,701 6,916
(7)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成され
ております。この連結財務諸表の作成にあたっては、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作
成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用しております。
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、連結貸借対照表上の資産及び負債の計上額、並びに、連結損益計算書
上の収益及び費用の計上額に影響を与えるような会計上の見積りを行う必要があります。会計上の見積りは、過去
の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境等に
変化が生じた場合には、見積りと将来の実績が異なることがあります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、経営者が当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を
与える可能性があると認識している主な項目は次のとおりです。
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[棚卸資産の評価]
当社グループは、販売目的で保有する棚卸資産について、期末における正味売却価額が取得原価より下落して
いる場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額とし、取得原価との差額を簿価の切り下げ額として当期の
費用に計上しております。連結貸借対照表の「棚卸資産」は、収益性の低下に基づく簿価切り下げ額200億円を差
し引いて計上しております。
正味売却価額については、期末前後における販売実績を基に、製品や原材料の価格動向等を踏まえて将来にお
ける売却価額を見積って算定しております。
また、滞留棚卸資産について、合理的に算定された価額によることが困難な場合には、帳簿価額を処分見込価
額まで切り下げる方法等により収益性の低下の事実を適切に反映しております。
経営者は、棚卸資産の正味売却価額の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、経済情勢
が大きく変化し、製品や原材料の価格等の仮定に大きな変化が生じた場合、将来の棚卸資産の簿価切り下げ額に
重要な影響を及ぼす可能性があります。
[受注契約に係る収益及び損失の評価]
当社グループは、主に素形材の鋳鍛鋼品、機械及びエンジニアリングにおける受注契約のうち、履行義務が一
定期間にわたり充足される工事契約については、主として顧客に提供する履行義務の充足に係る進捗度を見積
り、当該進捗度に応じて収益を認識し、連結貸借対照表の「流動資産」の「契約資産」に260億円計上しておりま
す。 また、受注契約について工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に
見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額を、「受注工事損失引当金」として、連結貸借対照
表の「流動負債」に87億円計上しております。
進捗度は見積総原価に対する累積実績発生原価の割合で算出しております。見積総原価については、案件毎に
労務費や資機材の調達価格等の費用を直近の工事スケジュールや過去の実績、調達先との交渉状況等から想定し
て算定しております。
受注工事損失引当金の算定については、原則、一つの契約を一つの案件とし、案件単位で引当金の計上要否を
判定しますが、同一と見なされる案件が複数の契約に分かれている場合や、本体とその据付工事等の関連の深い
複数の契約を前後して受注した場合等においては、複数の契約を一つの案件とみなして判定します。
経営者は、工事契約における進捗度に応じた収益の認識及び受注工事損失引当金の算定に用いられる見積りは
合理的であると考えておりますが、工期や調達価格の仮定及び輸入する資機材の調達価格に影響を与える為替の
前提条件等に大きな変化が生じた場合、見積総原価の変動により進捗度が変動することに伴って、工事契約にお
ける進捗度に応じた収益の認識及び受注工事損失引当金の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[貸倒引当金]
当社グループは、将来の債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率により、
また貸倒懸念債権等の特定の債権については、個別に回収可能性を検討しその回収不能見込額を、連結貸借対照
表の「流動資産」の「貸倒引当金」に△48億円、「固定資産」の「投資その他の資産」の「貸倒引当金」に△202
億円計上しております。
特定の債権について回収不能見込額を見積るにあたっては、直近の回収状況や取引先の経営状況等を総合的に
判断しております。
経営者は、貸倒引当金の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、経済情勢や金融機関の
貸出姿勢等により、債務者の財政状態に大きな変化が生じた場合、回収不能見込額が変動し将来の貸倒引当金の
計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[固定資産の減損]
当社グループは、固定資産について営業損益が継続してマイナスとなるなど、減損の兆候があると判断された
場合には、将来キャッシュ・フローを基に回収可能性を見積り、減損損失の認識の要否を判定し、資産グループ
から生じる将来キャッシュ・フロー総額が固定資産の帳簿価額を下回っている場合には減損損失を認識しており
ます。
当社グループにおいて、当連結会計年度に減損損失を44億円計上しており、その内訳は「第5 経理の状況
1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) 6 減損損失」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の固定資産の帳簿価額1兆1,036億円(有形固定資産1兆660億円、無形固定資産375億円)に
は、減損の兆候があるものの減損損失を認識しなかった資産グループが複数存在しますが、そのうち主な資産グ
ループは次のとおりであります。
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<建設機械>
建設機械における当社の子会社であるコベルコ建機(株)の事業用固定資産について、海外における競合の激
化、鋼材等の調達コストの増加、部品供給不足による減産等の影響により営業損益が継続してマイナスとなった
ことから、減損の兆候があると判断しております。将来の事業計画においては、販売単価の改善、建設投資の増
加に基づく販売地域での需要の拡大やマーケットシェアの拡大による販売台数の増加等を、主要な仮定として織
り込んでおります。このような仮定の下で策定した事業計画を基に見積った割引前将来キャッシュ・フロー総額
が固定資産の帳簿価額611億円を上回ることから、減損損失は認識しておりません。
経営者は将来のキャッシュ・フローは合理的であると判断しておりますが、見積り時に設定した仮定と実際の
結果に大きな乖離が見られるなど、見積りの前提に大きな変化が生じ、将来のキャッシュ・フローが下振れした
場合、減損損失を認識する可能性があります。
[繰延税金資産]
当社グループは、将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金等のうち、将来課税所得を減算する可能性が高いと
見込まれるものに対して、連結貸借対照表の「固定資産」の「投資その他の資産」の「繰延税金資産」に466億円
を計上しております。
当社グループでは、中期経営計画や予算等の経営者が妥当と判断した事業計画に基づき将来の一定期間の課税
所得を見積り、また将来減算一時差異については個別に解消見込み時期を判断し、一定期間に解消が見込まれる
と見積られる将来減算一時差異等に係る繰延税金資産については回収可能性が高いと判断しております。また、
事業計画を策定するにあたっては、主要事業における需要や販売価格の予測等を、主要な仮定として織り込んで
おります。
経営者は、繰延税金資産の算定に用いられる見積りは合理的であると考えていますが、世界的な半導体不足の
長期化等が与える需要分野への影響に加えて、原料・資材、エネルギー価格の上昇に対する販売価格への転嫁遅
れ等により、将来の課税所得が想定から大きく変動し繰延税金資産の回収可能性が大きく変動する場合や、税率
の改正がある場合、将来の繰延税金資産の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
[退職給付に係る資産、負債]
当社グループは、退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債について、割引率、退職率、死亡率、予想昇給
率、年金資産の長期期待運用収益率等の計算基礎を用いた数理計算により見積っており、連結貸借対照表の「固定
資産」の「投資その他の資産」の「退職給付に係る資産」に220億円、「固定負債」の「退職給付に係る負債」に
713億円計上しております。
特に割引率や長期期待運用収益率は重要な前提条件となりますが、割引率は、年度末における国債もしくは高格
付社債の利回りに基づき、また長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオや、過去の運用実
績、運用方針及び市場の動向等を考慮して、決定しております。
経営者は、年金数理計算上用いられる前提条件は適切であると考えていますが、前提条件に大きな変化が生じた
場合、将来の退職給付資産及び退職給付負債の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
採用している退職給付制度の概要や年金資産の主な内訳、主要な数理計算上の計算基礎については、「第5 経
理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(退職給付会計関係)」に記載のとおりです。
[製品保証引当金]
当社グループは、主に素形材の鋳鍛鋼品・チタン製品、機械、エンジニアリング及び建設機械において、製品
販売後及び工事引渡後の保証費用の支出に備えるため、売上高に対する過去の実績率に基づいて算定した将来の
負担見積額の他、保証費用を支払う可能性が高い特定案件については、案件毎の将来の負担見積額を、連結貸借
対照表の「流動負債」の「製品保証引当金」に174億円計上しております。
実績率については、売上高に対する過去の保証費用の支出額の割合に基づき算定しております。また、特定案
件については、出荷した製品の不具合の内容を調査して、修復に係る費用を見積るとともに、不具合が当社の製
品に起因しているか否かを判断し、契約等に基づき当社グループが負担する可能性が高いと判断される保証費用
の支出額を算定しております。
経営者は、製品保証引当金の算定に用いられる見積りは合理的であると考えておりますが、予期せぬ重大な不
具合が発生した場合や、不具合の修復に係る費用が想定から大きく変動した場合等には、将来の製品保証引当金
の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
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5【経営上の重要な契約等】
(1) その他の経営上の重要な契約
1)United States Steel Corp.との契約
1990年3月に、当社はUSX Corp.(現 United States Steel Corp.)と米国において溶融亜鉛めっき鋼板の製
造・販売に関する合弁事業契約を締結し、合弁会社「PRO-TEC Coating Company(現PRO-TEC Coating
Company,LLC)」を設立いたしました。2010年12月に同契約を改定し、既存事業に加え、高張力冷延鋼板の製
造・販売に関する合弁事業も行うことといたしました。
2017年9月には、同契約を再度改定し、現有の製造設備に加え、新たに溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を1基
増設いたしました。
2)鞍鋼股份有限公司との契約
2013年10月に、当社は鞍鋼股份有限公司と中国において自動車用冷延ハイテンの製造・販売に関する合弁事業
契約を締結し、2014年8月に、合弁会社「鞍鋼神鋼冷延高張力自動車鋼板有限公司」を設立いたしました。
3)Millcon Steel Public Company Ltd.との契約
2016年2月に、当社はMillcon Steel Public Company Ltd.とタイにおいて線材の圧延・販売に関する合弁事
業契約を締結し、合弁会社「Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.」を設立いたしました。
4)Novelis Korea Ltd.との契約
2017年5月に、当社はNovelis Inc.の100%子会社であるNovelis Korea Ltd.と韓国においてアルミ板圧延品
を製造する合弁事業契約を締結し、2017年9月に、合弁会社「Ulsan Aluminum, Ltd.」を設立いたしました。
5)電力供給事業に関する契約
当社の連結子会社である(株)コベルコパワー神戸、(株)コベルコパワー真岡、(株)コベルコパワー神戸第二に
おける電力供給事業に係る契約は次のとおりであります。
契約会社 相手会社 契約内容 契約期間
2017年4月1日から
電力受給に関する契約
(株)コベルコパワー神戸 2029年3月31日まで
関西電力(株) (石炭火力発電140万kW
(連結子会社) (1号機の受給開始の日から12
[1、2号機各70万kW])
年間)
電力供給事業の事業資金に
2016年3月31日から
(株)コベルコパワー真岡 関する限度貸出契約(2023
金融機関等16社 2031年3月31日まで
(連結子会社) 年3月31日現在の借入残高
(借入金返済期限)
480億円)
2014年9月29日から
電力供給に関する契約
(株)コベルコパワー真岡 2034年12月31日まで
(株)ニジオ (ガス火力発電124.8万kW
(連結子会社) (後発機の受給開始の日から15
[62.4万kW2基])
年間)
電力供給事業の事業資金に
2018年8月31日から
(株)コベルコパワー神戸第二 関する限度貸出契約(2023
金融機関等12社 2036年3月31日まで
(連結子会社) 年3月31日現在の借入残高
(借入金返済期限)
2,232億円)
2015年3月31日から
電力供給に関する契約
(株)コベルコパワー神戸第二 2052年1月31日まで
関西電力(株) (石炭火力発電130万kW
(連結子会社) (先発機の受給開始の日から30
[65万kW2基])
年間)
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6)日本製鉄(株)との契約
当社は、事業競争力の強化を目的に日本製鉄(株)と提携関係にありますが、これに係る契約は次のとおりであ
ります。
契約会社 相手会社 契約内容 契約期間
(株)神戸製鋼所
2005年6月17日から
日本製鉄(株) スラブ取引に関する合意書
(当社) 2033年5月14日まで
提携施策の検討継続及び買収
2022年11月14日から
(株)神戸製鋼所
日本製鉄(株) 提案を受けた場合の対応に関 2027年11月14日まで
(当社)
但し、5年毎の自動更新条項あり
する覚書
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6【研究開発活動】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、幅広い技術分野での高度な技術力を源泉として、当社グループならで
はの顧客価値を実現する製品の創出と、それに必要な「ものづくり力」の強化を中心に取り組み、また拡販のため
の技術支援、ソリューション提案など多くの成果をあげております。
2050年のカーボンニュートラル達成に向け、「ハイブリッド型水素ガス供給システム」の検討を進め、実証設備
を建設した上で、2023年4月から当社高砂製作所内で実証試験を開始します。今後、工場の脱炭素化に向けた手段
の一つとして、主要な熱エネルギー消費設備である工業炉・ボイラー等でのCO ₂ フリー水素の利用が期待されてい
ます。当社グループが提案するハイブリッド型水素ガス供給システムは、中小規模の事業者様にとって導入のカギ
となる「安定かつ安価な水素づくり」に対するソリューションを提供するもので、機械事業部門の気化器、(株)神
鋼環境ソリューションの水電解式水素製造装置、エンジニアリング事業部門の運転マネジメント技術といった、三
つの製品・技術より構成されています。なお、本システム実証の一部は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技
術総合開発機構による「水素社会構築技術開発事業」における調査委託及び助成事業に採択されています。※
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「水素社会構築技術開発事業」採択案件
a.「熱によるエネルギー消費が主体の工場の脱炭素化に向けた水素利活用モデルに関する調査」
b.「液化水素冷熱の利用を可能とする中間媒体式液体水素気化器の開発」
技術開発本部では、①カーボンニュートラルやデジタル化に関する先進技術の開発、②新規事業創出活動の加
速、③既存事業の競争力向上、の3点に注力します。特に、将来の成長分野・新規分野への取組みを強化すること
で、KOBELCOの事業ポートフォリオ変革に挑戦していきます。また、開発した技術を積極的にグループ内に水平展開
していくことで、複合経営ならではのシナジーを追求していきます。
2022年10月1日に、国立大学法人大阪大学産業科学研究所(以下、阪大産研)と「KOBELCO未来協働研究所」を設
立しました。本協働研究所は、当社グループの多様な技術と阪大産研のAIの知見を掛け合わせて「ものづくりを革
新するソリューション」の共創と社会実装に取り組む、産学連携のオープンイノベーションの場です。「人がシス
テムと共に成長しながら、創造性豊かにイキイキと活躍できる“ものづくりの世界”の実現」をビジョンに掲げ、
広範な産業における課題解決と、新規事業創出による企業価値向上を目指していきます。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、 367 億円であります。なお、本費用には、当社技術開発本
部で行っている事業部門横断的又は基礎的研究開発などで、各事業区分に配分できない費用として計上する費用57
億円が含まれております。
主な事業の種類別セグメント毎の研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
[鉄鋼アルミ]
鉄鋼アルミでは、特殊鋼線材、自動車用高強度鋼、ディスク用アルミ板などの戦略製品の差別化による拡販と生
産性・歩留まり向上による収益改善のための技術開発に注力しています。また、CO ₂ 排出量削減に直接貢献できる
技術開発にも引き続き取り組んでおります。
鉄鋼では、高炉工程におけるCO ₂ 排出量を大幅に削減した低CO ₂ 高炉鋼材「Kobenable Steel」を国内で初めて商
品化しました。本商品は、2021年2月16日に公表した「KOBELCOグループの製鉄工程におけるCO ₂ 低減ソリューショ
ン」に基づくものであり、エンジニアリング事業部門のミドレックス技術(天然ガスを使った還元鉄製鉄法)を用
いて製造したHBI(熱間成形還元鉄)を加古川製鉄所の高炉に多量に装入することで、高炉からのCO ₂ 排出量を大幅
に削減できる技術を活用したものです。低CO ₂ 高炉鋼材「Kobenable Steel」を社会に先駆けてご提供することによ
り、グリーン社会の実現に貢献していきます。
この「Kobenable Steel」が、日産自動車(株)の2023年1月以降の量産車及び(株)IHI、三菱地所(株)、鹿島建設
(株)による「(仮称)豊洲4-2街区開発計画B棟(東京都江東区豊洲)」の新築工事に採用されることが決まりまし
た。今回の採用では、製造時のCO ₂ 排出量をマスバランス方式により100%削減した「Kobenable Premier」を使用
する予定です。
また、加古川製鉄所において、UDトラックス開発のレベル4自動運転技術を搭載した大型トラック「クオン」を
用いて自動搬送の実証実験を2022年に実施しました。重さ約17トンのスラグを積み、複数の異なる地点を自動搬送
し、所定内での停止・搬送物の積み下ろしといった複雑な運行作業も自動で行いました。今回の実証実験で得た知
見を活用し、自動運転技術を通した製造現場のDXを推進し、生産の効率化や人手不足などの課題解決を目指しま
す。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 63 億円であります。
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[素形材]
素形材では、今中期の研究開発方針として、①将来においても事業の中核をなす製品の探索と製品開発への経営
資源の選択と集中、②DX推進によるものづくり基盤の強化、③カーボンニュートラルに向けた技術開発の推進、を
掲げ、各々の方針に対して、以下の取組みに重点を置いて研究開発活動を推進しております。
①コロナ禍やロシアウクライナ問題に端を発する世界的なサプライチェーンの変化に対応すべく、半導体向けの
アルミ加工品や、航空機向けのチタン鍛造品に関連する研究開発に取り組んでおります。
②サスペンションの生産能力最大化(ものづくり力強化)に向けて、生産工程の自動化などの研究開発に取り組
んでおります。
③アルミをはじめとするリサイクル・資源循環比率の向上に資する研究開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 16 億円であります。
[溶接]
溶接では、「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」の実現を目指し、突出した単一の技術もしくは複
数技術の組合せにより、お客様の溶接に関する課題解決を図ります。溶接材料と溶接プロセス・溶接機器・ロボッ
トによる「溶接ソリューション」を提供する企業として、引き続き特徴ある製品の開発に注力しています。
溶接システムでは、新型多関節型ロボットARCMAN™ A60、新型ハイエンド溶接電源SENSARC™ RA500及びNEW REGARC
™プロセスを搭載した、新・鉄骨溶接システムを開発しました。溶接品質をしっかり確保しながらも、NEW REGARC™
の性能を最大限に活かす溶接施工条件の開発により溶接時間を短縮し、加えて、改良した周辺機器により非溶接時
間も短縮することで、従来比10%以上のサイクルタイム短縮を実現しています。溶接技能者不足、溶接の自動化を
課題にする国内外の建築鉄骨市場向けに、専用ワイヤFAMILIARC™ MG-56R(A)との組合せによる生産性向上を提案し
てまいります。
また、9%Ni鋼製LNGタンク用Ni基合金フラックス入りワイヤPREMIARC™ DW-N609SV、PREMIARC™ DW-N709SPで立向
姿勢の自動溶接を可能にする小型可搬型ロボットKI-700を開発しました。タッチセンシングによる開先形状検知機
能、検知した開先形状から最適な積層パターン及び溶接条件を自動生成する機能を有します。Ni基合金モードを搭
載したデジタル溶接電源SENSARC™ AB500との組合せにより、難易度の高い9%Ni鋼の溶接でオペレータの技量に依
らず安定した品質の溶接を行うことが可能です。さらに人手では不可能な長尺の連続溶接による高能率化にも寄与
します。
ARCMAN™ Offline-Teaching Systemは、ARCMAN™と同じソフトを使用することで動作を正確に表現することができ
るオフラインティーチングソフトです。この度、新機能として従来では確認の難しかったケーブルの干渉や巻き付
きを簡単かつ高速で確認することのできる「ケーブルシミュレーション機能」を開発しました。溶接品質低下や自
動化を阻害する要因となっていたワイヤ送給ケーブルのワーク等への絡まりなどをPC上にてシミュレーションで確
認、改善することが可能となります。ライン停止時間の短縮、実機での溶接確認作業の負荷軽減及び優れた溶接品
質の確保に貢献することで、溶接ロボットシステムの更なる生産性向上に貢献してまいります。
溶接材料では、HT780MPa級鋼の溶接後熱処理に対応した被覆アーク溶接棒「TRUSTARC™ LB-80LSR」を開発しまし
た。溶接金属部の組織制御のため化学成分を最適化し、従来困難であった溶接熱処理後の優れた機械的性質を実現
しています。欧州北海でのCO ₂ 回収・貯留プロジェクトにて建造される舶置液化CO ₂ タンクの要求事項に対応し、
溶接部に同製品が採用されました。今後も世界各国のエネルギー産業に向け、気候変動問題の解決に貢献する製品
の提案に積極的に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 38 億円であります。
[機械]
機械では、「2050年のカーボンニュートラルの実現に貢献する」をキーワードに、オンリーワン・ナンバーワン
技術や商品を創出することで独自性を徹底追求するとともに、マーケット及び生産の両面から更なるグローバル化
を推進し、世界トップレベルの「ものづくり」の実現を目指しています。
カーボンニュートラルに関わる事業活動や新事業創出活動をさらに加速させる目的の下、2022年4月1日付けで
「新事業推進本部」を新設しました。カーボンニュートラルに関わる事業活動や新事業創出活動をさらに加速させ
る目的の下、新事業を担う開発・技術・営業の専任部署を統合することで、目まぐるしく変化する事業環境への対
応力を高め、既存の枠にとらわれないイノベーション創出に取り組んでまいります。
産業機械関連分野では、日本理化学工業(株)向けに積層型多流路反応器(製品名:SMCR Stacked Multi-Channel
Reactor)を納入し、運転を開始しました。SMCRは当社の50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する技術を活
かし、2012年に開発した小型反応器の一種です。ステンレスのプレートに幅1~2㎜の微細な流路を加工・積層し
拡散接合※1をすることで流路の本数を増やし、コンパクトでありながら工業規模での大容量生産に対応可能とし
ています。従来、医薬品・ファインケミカル分野の製造プロセスにおいては「バッチ生産」が主流でしたが、近年
は省エネルギー性や生産効率の観点から「連続生産」が志向されています。日本理化学工業(株)では連続生産方式
を積極的に導入されており、今回SMCRの特長である大容量で高効率、かつコンパクトである点を評価頂いたことで
採用に至りました。
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また、アークイオンプレーティング装置(AIP※2)において、従来品と比較し、生成する皮膜の長寿命化を達成
した「AIP-iX」シリーズを開発しました。切削工具向けの代表的な皮膜であるAlCrN(窒化アルミクロム)は、コー
ティ ング皮膜中のAlの含有量が多いほど耐酸化性に優れ、高速切削や高切込みなどの難加工条件に適しています
が、Alの含有量が多くなりすぎると(概ね65at%以上※3)、皮膜構造が高硬度な立方晶から六方晶へと変化し硬
度が低下するという課題がありました。この課題に対し「AIP-iX」では、新開発した装置や成膜プロセスにより、
皮膜の金属元素のうちAl含有率が70at%以上であっても立方晶を維持し、硬質なAlCrN皮膜のコーティングが可能と
なったことで、性能に特化したハイエンド工具と比較して約1.5倍の寿命向上を確認しました。来春より「AIP-iX」
の販売を開始し、世界中の切削工具の寿命向上並びに機械加工の高速化へ貢献いたします。
圧縮機関連分野では、2022年7月4日に三浦工業(株)(以下、三浦工業)と船舶向けに搭載する舶用バイナリー
発電システム(以下、舶用バイナリー発電)の技術ライセンス契約(開発・製造・販売)を締結しました。三浦工
業とは主機エンジンに供給する高温の過給機からの排熱を利用した舶用バイナリー発電の共同開発を行い、実船搭
載での海上試験を2017年に実施しました。また、当社ではこれを含む計4隻の長期実船運用試験を行い、実際の運
用における性能や耐久性において確認を行ってきました。ライセンスを受けた三浦工業は舶用バイナリー発電につ
いて、2025年頃の販売開始を目指します。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 54 億円であります。
※1 溶接など接合方法の一種。材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧する事で、原子レベルで結びつけ
る接合方法。一般的な溶接とは違い母材を溶かす事なく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の
接合に適する。
※2 AIP(Arc Ion Plating)は物理蒸着と呼ばれる薄膜形成技術であるPVD(Physical Vapor Deposition)の一
種で、真空中のアーク放電によって材料を蒸発・イオン化させて、母材に薄膜をコーティングする技術。耐
摩耗性、低摩擦化等の特性を母材に付与することが可能で、工具や金型、機械部品などに用いられる。
※3 at%は物質に含まれる原子の数の比率。65at%は100個の原子があればそのうち65個を占めることを意味す
る。
[エンジニアリング]
エンジニアリングでは、循環型社会、脱炭素社会の実現に向け、将来の成長が見込まれる分野における独自プロ
セス・技術の開発、更なる差別化、競争力強化に向けた開発を推進しております。
廃棄物処理関連分野では、大栄環境(株)、DINS関西(株)、三菱ガス化学(株)、三菱化工機(株)との5社にて提案
した「廃プラスチックのガス化及びメタノール化実証事業」が、環境省の「令和4年度 二酸化炭素排出抑制対策事
業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択され、国内初となる当該
実証事業を開始しました。世界では海洋プラスチック問題が社会問題化するなど環境保護等の観点から、プラス
チックのリサイクル方法確立の必要性が急速に高まっており、本事業はこれまで廃棄されていたプラスチックにつ
いて、ケミカルリサイクルによる資源循環システム構築を目指すものです。
還元鉄関連分野では、天然ガスを還元剤とするMIDREX NG™に加え、天然ガスを最大100%まで柔軟に水素に置き換
えることが出来るMIDREX Flex™や、水素を100%還元剤として用いるMIDREX H2™の競争力維持・強化に向けた開発を
継続しております。こうした開発の成果として、MIDREX Flex™はドイツthyssenkrupp社から、MIDREX H2™はス
ウェーデン・H2グリーンスチール社から、それぞれ世界初となる商業機を受注しました。
水処理関連分野では、汚泥燃料化をはじめとするバイオマス・下水汚泥のエネルギー化技術の多様化を推進して
おります。
水素事業においては、グリーン水素需要の高まりを見据え、水電解式水素発生装置の大型化や次世代技術の開発
を加速しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 35 億円であります。
[建設機械]
建設機械では、主力製品である油圧ショベル、クローラクレーンなどの安全性向上、省エネ性向上、排ガス対
応・騒音低減などの環境対応に加え、建設リサイクル機械・金属リサイクル機械の開発に取り組んでおります。ク
ラウドやAI、IoT等の先進テクノロジーの活用により「建設現場のテレワーク化」を実現し、深刻化する建設技能者
の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保などを目指しています。
ショベルでは、コベルコ建機(株)(以下、コベルコ建機)は、2022年12月5日より重機ショベルの遠隔操作と稼働
データを用いた現場改善ソリューションが実現できるK-DIVEサービスの提供を開始しました。本サービスでは、
コックピットにモーションシート、音のフィードバック、可動式メインカメラ、よそ見検知機能などの機能を搭載
しており、安全で快適な現場作業を行うことが可能となります。K-DIVEは多様な人を集め・活かし・育てる現場を
作ることで「人」を起点に組織を活性化し、経営効率を上げ、お客様の業界全体を変えていくという未来像のも
と、「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」をコンセプトとしています。建設機械の遠隔操作と
マッチングサービスを融合させることで、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに、建設現場での施工が可能
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となり、深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安
全確保が可能になる未来の実現を目指しています。
また、コベルコ建機は2022年11月16日~17日にオーストリアのウィーンで開催された、解体業界のための国際的
なネットワーク構築と教育を目的として毎年開催されるイベントであるWORLD DEMOLITION SUMMIT 2022において、
Innovation Awardを受賞しました。今回、2021年4月1日より販売を開始した超大型建物解体専用機「SK1300DLC」
の分解・組立性と搬送性を向上し、最大ピン高さと先端アタッチ最大装着可能質量のバランスを高次元で達成した
革新性が、専門家によって構成される審査委員会に評価されました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 91 億円であります。
[その他]
(株)コベルコ科研では、エネルギー、自動車、エレクトロニクス、土木・建築、環境など広範囲にわたる分析・
試験技術を蓄積するとともに、高度で先端的な評価・解析技術の開発を進めています。
受託試験研究事業では、カーボンニュートラルやDXなどの成長分野での事業拡大とソリューションビジネス強化
に向けた技術開発に取り組んでおります。また、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で、高精度なホット
ディスク法を用いた溶融アルミニウムの熱伝導率評価技術を確立しました。これまで測定できなかった材料の熱伝
導率や比熱などの物性値を得ることにより、金属材料の鋳造や溶接に関するシミュレーションの精度向上が期待さ
れます。
特殊溶解材料事業では、ディスプレイ向けや半導体デバイス向けのスパッタリングターゲット材の開発や、高付
加価値の特殊合金素材の開発・商品化に向けて取り組んでおります。特殊溶解材料事業において、電子放出源向け
の新材料としてCeIr2を開発しました。イリジウム(Ir)とセリウム(Ce)を原料として化合物化したものであり、
一般的な電子放出源と比較し同等以上の電子放出効率と、低温域での動作という特徴を有しています。人工衛星等
の電気推進機のコスト低減や長寿命化、X線CT装置の高解像度化や検査時間短縮、金属3Dプリンターの高出力化など
に寄与することが期待されます。
半導体検査・測定装置事業では、半導体ウェハ向け装置の更なる高精度化・高機能化のための開発に取り組んで
います。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、 8 億円であります。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、事業競争力強化のための戦略投資、安定生産及び環境対策に不可欠な投
資等を厳選して実施しております。当連結会計年度の工事(検収)総額は973億円であり、セグメント毎の状況は次
のとおりであります。
なお、経常的な設備更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等はありません。
設備投資金額 (百万円) 前期比 (%)
セグメントの名称
33,427
鉄鋼アルミ 23.0
8,064
素形材 △2.6
1,647
溶接 19.8
6,201
機械 53.8
2,851
エンジニアリング 95.8
13,815
建設機械 41.0
27,896
電力 △47.3
93,903
報告セグメント計 △10.6
1,035
その他 88.7
2,363
消去又は全社 △5.6
97,302
合計 △10.0
2【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は次のとおりであります。
(1) 提出会社
帳簿価額 (百万円)
事業所名 セグメントの 従業員数
設備の内容
建物及び 機械装置
(所在地) 名称 (人)
土地 その他 計
構築物 及び運搬具
(8,758㎡)
本社等 消去又は全社 2,387
その他設備
7,968 1,443 680,300㎡ 4,149 37,102
(神戸市中央区等) 他 [329]
23,540
(72,602㎡)
加古川製鉄所 条鋼・鋼板等 2,918
鉄鋼アルミ 69,690 211,287 5,036,522㎡ 12,497 311,971
(兵庫県加古川市) 生産設備
[173]
18,495
(1,064㎡)
神戸線条工場 鉄鋼アルミ、 条鋼等 695
15,712 24,476 1,203,021㎡ 2,090 53,581
(神戸市灘区) 電力 生産設備 [70]
11,302
(26,979㎡)
真岡製造所 鉄鋼アルミ、 アルミ圧延品 998
14,602 17,302 477,423㎡ 6,300 42,136
(栃木県真岡市) 電力 等生産設備
[48]
3,930
アルミ押出・
長府製造所 430,810㎡ 800
素形材 銅圧延品等生
5,974 6,508 3,175 16,492
(山口県下関市) 834 [76]
産設備
(11,026㎡)
大安製造所 アルミ鋳鍛造 541
素形材 2,081 2,614 260,614㎡ 753 8,677
(三重県いなべ市) 品等生産設備
[82]
3,227
(1,789㎡)
鉄鋼加工製
高砂製作所 2,201
素形材、機械 品、産業機械
18,884 10,638 1,445,815㎡ 5,823 37,230
(兵庫県高砂市) [479]
等生産設備
1,884
茨木工場等
(大阪府茨木市、神奈川県 溶接材料等 390,237㎡ 828
溶接 3,237 4,275 614 10,141
藤沢市、広島県東広島市、
生産設備 2,013 [136]
京都府福知山市)
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(2) 国内子会社
帳簿価額 (百万円)
事業所名 従業員数
セグメント
会社名 設備の内容
建物及び 機械装置
(所在地) の名称 (人)
土地 その他 計
構築物 及び運搬具
広島本社・
建設機械 325,048㎡ 1,114
コベルコ建機(株) 本社事業所 建設機械 6,237 4,049 984 21,326
製造設備
10,055 [344]
(広島市佐伯区)
コベルコ建機日本 本社等 賃貸用建設 41,144㎡ 860
建設機械
2,520 13,953 202 17,617
機械等
(株) (千葉県市川市) 940 [66]
神鋼神戸発電所
(株)コベルコパワー 電力 -㎡ 117
電力 26,188 13,469 163 39,820
神戸 (神戸市灘区) 供給設備
- [21]
(株)コベルコパワー 神鋼真岡発電所 電力 70,015㎡ 56
電力
13,746 48,489 70 63,995
真岡 供給設備
(栃木県真岡市) 1,688 [13]
(株)コベルコパワー 神鋼神戸発電所 電力 -㎡ 84
電力 45,731 153,858 295 199,885
神戸第二 (神戸市灘区) 供給設備 - [18]
(3) 在外子会社
帳簿価額 (百万円)
事業所名 セグメント 従業員数
会社名 設備の内容
建物及び 機械装置
(所在地) の名称 (人)
土地 その他 計
構築物 及び運搬具
本社・工場
Kobelco Millcon
線材圧延設 146,750㎡ 341
(タイ 鉄鋼アルミ 1,590 14,748 311 17,290
Steel Co., Ltd. 備
638 [-]
ラヨーン県)
Kobe Aluminum
本社・工場
アルミ鍛造
250,403㎡ 841
Automotive
(アメリカ 素形材 品等生産設 4,892 8,534 778 14,444
239 [50]
備
ケンタッキー州)
Products, LLC
(注) 1.帳簿価額「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定であります。
2.本社等は、提出会社の神戸本社、東京本社、大阪支社、名古屋支社、エンジニアリング事業部門の一部、電
力事業部門の一部、研究所、国内支店等であります。
3.土地及び建物の一部を賃借しており、年間賃借料は5,492百万円であります。賃借している土地の面積につい
ては( )で外書しております。
4.貸与中の設備は土地5,462百万円(228,996㎡)、建物715百万円であります。
5.従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に外数で記載しております。
3【設備の新設、除却等の計画】
重要な設備の新設及び除却等の計画はありません。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
発行可能株式総数 (株)
種類
普通株式 600,000,000
計 600,000,000
②【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在
上場金融商品取引所名
種類 発行数(株) 発行数(株) 又は登録認可金融商品 内容
(2023年3月31日現在) (2023年6月21日現在)
取引業協会名
東京証券取引所
(プライム市場)
単元株式数は100株で
396,345,963 396,345,963
普通株式
あります。
名古屋証券取引所
(プレミア市場)
396,345,963 396,345,963
計 - -
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
資本金 資本準備金 資本準備金
発行済株式 発行済株式 資本金
年月日 総数増減数 総数残高 残高
増減額 増減額 残高
(株) (株) (百万円)
(百万円) (百万円) (百万円)
2021年11月1日 (注)
31,981,753 396,345,963 - 250,930 21,907 122,697
(注) 2021年8月5日開催の取締役会決議により、2021年11月1日付で(株)神鋼環境ソリューションを株式交換完全子
会社とする株式交換を行い、当社普通株式を発行いたしました。これにより、同日付で発行済株式総数は
31,981,753株増加し、396,345,963株となっております。また資本準備金は、21,907百万円増加し、122,697百万
円となっております。
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(5)【所有者別状況】
2023年3月31日現在
株式の状況(1単元の株式数 100 株)
単元未満
区分 外国法人等 株式の状況
政府及び地 金融商品取 その他の法
(株)
金融機関 個人その他 計
方公共団体 引業者 人
個人以外 個人
株主数 (人)
1 47 50 1,236 352 216 135,122 137,024 -
所有株式数
2 1,152,504 96,861 496,684 965,166 951 1,242,385 3,954,553 890,663
(単元)
所有株式数の
0.00 29.14 2.45 12.56 24.41 0.02 31.42 100.00 -
割合 (%)
(注) 1.自己株式265,337株は、「個人その他」に2,653単元、「単元未満株式の状況」に37株含まれております。
なお、自己株式数265,337株は株主名簿記載上の株式数であり、2023年3月31日現在の実質的な所有株式数は
265,237株であります。
2.「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ100単元
及び67株含まれております。
(6)【大株主の状況】
2023年3月31日現在
発行済株式(自
己株式を除
所有株式数
氏名又は名称 住所 く。)の総数に
(千株)
対する所有株式
数の割合(%)
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信
東京都港区浜松町2-11-3 62,777 15.85
託口)
(株)日本カストディ銀行(信託口) 東京都中央区晴海1-8-12 17,876 4.51
日本製鉄(株) 東京都千代田区丸の内2-6-1 10,735 2.71
J.P. MORGAN SECURITIES PLC FOR AND
ON BEHALF OF ITS CLIENTS JPMSP RE
英国・ロンドン
7,572 1.91
CLIENT ASSETS-SETT ACCT
(東京都新宿区新宿6-27-30)
(常任代理人 シティバンク、エヌ・エ
イ東京支店)
米国・ニューヨーク
BNYM AS AGT/CLTS NON TREATY JASDEC
(東京都千代田区丸の内2-7-1 6,634 1.67
(常任代理人 (株)三菱UFJ銀行)
)
日本生命保険(相) 東京都千代田区丸の内1-6-6 5,447 1.38
神戸市中央区脇浜海岸通2-2-4 4,891 1.23
神戸製鋼所従業員持株会
BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM
英国・ロンドン
4,584 1.16
CLIENT ACCTS M ILM FE (東京都千代田区丸の内2-7-
1)
(常任代理人 (株)三菱UFJ銀行)
STATE STREET BANK WEST CLIENT -
TREATY 505234 米国・クインシー
4,545 1.15
(東京都港区港南2-15-1)
(常任代理人 (株)みずほ銀行決済営業
部)
神戸市灘区岩屋中町4-2-7 4,420 1.12
(株)シマブンコーポレーション
129,481 32.69
計 -
(注)1.日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口)及び(株)日本カストディ銀行(信託口)の所有株式は、信託
業務に係るものであります。
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2.三井住友トラスト・アセットマネジメント(株)他1名の連名により、2022年6月6日付で大量保有報告書が
関東財務局長に提出されておりますが(報告義務発生日 2022年5月31日)、当社として2023年3月31日現在
における実質所有株式数の確認ができておりません。なお、当該報告書の内容は以下のとおりであります。
所有株式数 株券等保有割合
氏名又は名称
(千株) (%)
三井住友トラスト・アセットマネジメント(株) 14,554 3.67
日興アセットマネジメント(株) 6,353 1.60
計 20,907 5.27
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2023年3月31日現在
区分 株式数(株) 議決権の数(個) 内容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
3,392,900
完全議決権株式(自己株式等) 普通株式 - -
392,062,400 3,920,624
完全議決権株式(その他) 普通株式 -
1単元(100株)
890,663
単元未満株式 普通株式 -
未満の株式
396,345,963
発行済株式総数 - -
3,920,624
総株主の議決権 - -
(注)「完全議決権株式(その他)」欄には証券保管振替機構名義の株式が10,000株、「株式給付信託(BBT)」制度に
関する(株)日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式が389,900株、及び株主名簿上は当社名義と
なっておりますが実質的に所有していない株式が100株含まれております。また、「議決権の数」欄に、証券保
管振替機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数が100個、「株式給付信託(BBT)」制度に関する(株)日本カ
ストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式に係る議決権の数が3,899個、及び株主名簿上は当社名義となっ
ておりますが実質的に所有していない株式に係る議決権の数が1個含まれております。なお、「株式給付信託
(BBT)」制度に関する(株)日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式に係る議決権の数3,899個は、
議決権不行使となっております。
②【自己株式等】
2023年3月31日現在
発行済株式総数
所有者の氏名又 自己名義所有 他人名義所有 所有株式数の
所有者の住所 に対する所有株
は名称 株式数(株) 株式数(株) 合計(株)
式数の割合(%)
神戸市中央区
265,200 265,200 0.07
当社 -
脇浜海岸通2-2-4
大阪市中央区
神鋼商事(株) 2,367,200 2,367,200 0.60
-
北浜2-6-18
東京都港区
浅井産業(株) 730,700 730,700 0.18
-
芝浦4-2-8
兵庫県明石市貴崎
29,800 29,800 0.01
(株)セラテクノ -
5-11-70
3,392,900 3,392,900 0.86
計 - -
(注) 1.株主名簿上は当社名義となっておりますが、実質的に所有していない株式が100株あります。なお、当該株
式数は「①発行済株式」の「完全議決権株式(その他)」の中に含まれております。
2.「株式給付信託(BBT)」制度に関する(株)日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式389,900株
は、上記自己株式に含まれておりません。
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号による普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による普通株式の取得
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 8,224 5,641,100
当期間における取得自己株式 1,173 1,233,935
(注) 当期間における取得自己株式には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求に
より取得した株式数は含めておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間
区分
処分価額の総額 処分価額の総額
株式数(株) 株式数(株)
(円) (円)
引き受ける者の募集を行った取得自己株式 - - - -
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分割に係る
- - - -
移転を行った取得自己株式
その他
1,146 2,739,660 - -
(単元未満株式の買増請求による売渡し)
保有自己株式数 265,237 - 266,410 -
(注) 1.当期間における「その他(単元未満株式の買増請求による売渡し)」には、2023年6月1日から有価証券報
告書提出日までの単元未満株式の買増請求により売渡した株式数は含めておりません。
2.当期間における「保有自己株式数」には、2023年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取請求により取得した株式数及び単元未満株式の買増請求により売渡した株式数は含めておりません。
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3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置づけ、中長期的な視野に立った事業展
開を推進することにより、グループ全体での企業価値向上に努めております。
成果の配分につきましては、当社の財政状態、業績の動向、先行きの資金需要等を総合的に考慮することとし、配
当につきましては、継続的かつ安定的に実施していくことを基本としつつ、各期の業績及び配当性向等を勘案して決
定してまいります。
内部留保資金につきましては、将来の成長のために必要な投資等に充てることを通じて、収益力の向上に努めると
ともに、財務体質の改善・強化を進めてまいります。
また、業績に応じた利益配分を考慮する上で、基準とする配当性向につきましては、親会社株主に帰属する当期純
利益の15%から25%程度を目安といたしますが、2023年度以降は引き上げを含めて見直しを検討してまいります。
剰余金の配当につきましては、会社法第459条第1項及び第460条第1項に基づき、取締役会の決議によって定める
旨を定款に定めております。
これに基づき、定款に定める基準日である中間期末及び期末に、年2回の配当を取締役会決議により実施すること
を基本としております。それ以外を基準日とする配当を行う場合には、別途取締役会にて基準日を設定したうえで行
います。
以上を踏まえ、当事業年度の期末配当につきましては、1株につき25円といたしました。これにより当事業年度の
配当は、先にお支払いいたしました中間配当と合わせて、1株につき年40円となります。
配当金の総額 1株当たりの配当額
決議年月日
(百万円) (円)
2022年11月9日
5,941 15.00
取締役会
2023年5月17日
9,902 25.00
取締役会
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
<コーポレート・ガバナンスに対する基本的な姿勢>
当社グループは、企業価値とは、業績、技術力のみならず事業活動を行う上での株主様・投資家様、お客様、お
取引先様、グループ社員、地域社会の皆様等あらゆるステークホルダーの皆様に対する社会的責任への姿勢を含む
ものであると認識しており、これら全ての向上に真摯に取り組むことが、企業価値の向上につながると考えていま
す。
したがって、コーポレートガバナンスとは、単に組織の形にとどまらず、こうした全ての取組みを実現するため
の枠組みであると考えており、枠組みの構築にあたっては、適切なリスクテイクによる企業価値向上に資する体制
の整備、ステークホルダーとの協働、資本市場との適切な対話、株主の権利・平等性の確保、透明性の確保といっ
たことが重要と認識しています。
こうした考えのもと、当社グループは、「グループ企業理念」をあらゆる事業活動の基盤として、サステナビリ
ティ経営を推進することにより、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
(ⅰ) 現在の体制を選択している理由
需要分野、事業環境、商流、規模などが異なる広範囲なセグメントのシナジー効果を発揮させることが当社
の企業価値の源泉であり、持続的成長の礎となる技術開発やイノベーションの追求は、現場と一体となった議
論無くしては達成できないと当社は考えております。
さらに、多岐にわたる事業に対するリスク管理や経営資源の分配などにつき、活発な議論や適切な意思決定
を行うと同時に、機動的な業務執行の監督を取締役会が行うことが必要であり、そのためには、監督と執行を
完全には分離せず、業務執行側に対する正しい理解を持ったメンバーが取締役会に参画することが望ましいと
考えております。
こうした考えのもと、機関設計として、監督と執行を完全には分離しない一方、当社の幅広い事業に対する
充実した監査の実施、監督機能の維持・強化、経営に関する意思決定の迅速化を図るため、監査を担当する者
が取締役会において議決権を有する監査等委員会設置会社を選択しております。
その上で、モニタリングの実効性の向上のため、取締役会に対し、コンプライアンス、指名・報酬、品質マ
ネジメント、コーポレートガバナンスに関する的確な提言を行う機能を担う諮問委員会を設置しております。
また、業務執行の実効性向上のため、社長以下執行役員が重要事項を審議する場として経営審議会を置くほ
か、サステナビリティ推進や事業ポートフォリオ管理など全社横断的な重要事項を統括・推進するため、経営
審議会の補佐機関として各種委員会を設置し、取締役会がこれらをモニタリングする体制としております。
(ⅱ) 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の構成
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、定款上の員数である10名以内とし、取締役会におけ
る実質的な議論の確保、監督機能の向上と多様性に配慮した構成となるよう以下を実施しております。
実施項目 取組内容 目的
13名 取締役会における実質的な議
取締役員数(監査等委員であ
※うち、監査等委員である取 論の確保、監督機能の向上と
る取締役を含む。)
締役5名 多様性の両立
6名(46.2%) 社外の公正中立な視点や少数
社外取締役員数 ※うち、監査等委員である取 株主等ステークホルダーの視
締役3名 点の反映
独立社外取締役比率 3分の1以上
取締役会の公正性と透明性の
取締役会 向上及び企業としての成長戦
原則、独立社外取締役から選
取締役会議長 略議論の更なる活性化
定
業務執行取締役は社長のほ
か、全社として重点を置く特
定機能を総括する取締役を配
取締役会のモニタリング機能
取締役の構成 置
強化
非業務執行取締役は8名(監
査等委員である取締役5名、
社外取締役3名)で過半数
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2023年6月21日現在の取締役会の体制は以下のとおりであり、取締役会の議長は、独立社外取締役の馬場 宏
之です。
(*は非業務執行取締役)
代表取締役社長 山口 貢
代表取締役副社長執行役員 勝川 四志彦
代表取締役副社長執行役員 永良 哉
取締役執行役員 坂本 浩一
取締役執行役員 宮岡 伸司
社外取締役 馬場 宏之(議長) *
社外取締役 伊藤 ゆみ子 *
社外取締役 北川 慎介 *
取締役(監査等委員) 石川 裕士 *
取締役(監査等委員) 松本 群雄 *
社外取締役(監査等委員) 河野 雅明 *
社外取締役(監査等委員) 三浦 州夫 *
社外取締役(監査等委員) 関口 暢子 *
当社グループの中長期的な重要課題(マテリアリティ)の解決と2021年5月に策定・公表した「KOBELCOグ
ループ中期経営計画(2021~2023年度)」の遂行に向けて、取締役会としての機能向上のために、上記各取締
役に特に発揮を期待する知識・経験・スキルを、スキルマトリックスとして整理し、株主総会参考書類、統合
報告書等で開示します。
また、当社は、取締役会の実効性について、事業年度毎に、各取締役に対するアンケート及びアンケート結
果に対するコーポレートガバナンス委員会による一次評価を経た上で、取締役会で議論・評価を行い、課題を
抽出、取締役会の運営方法の改善を実施します。取締役会の実効性の評価結果については、当社ホームページ
にてその概要を公開しております。なお、2022年度の取締役会実効性評価アンケートについては第三者機関へ
の業務委託により実施しました。
(ⅲ) 監査等委員である取締役、監査等委員会の体制
監査等委員会設置会社である当社は、会社法上の監査等委員会に関する規定(非業務執行取締役3名以上、
うち過半数を社外取締役とする)に対し、透明性・公正性が担保され、広範囲な事業セグメントにわたる取締
役の職務執行に対し十分な監査機能が果たされるよう、監査等委員会を社内委員2名、社外委員3名の5名で
構成することを基本としております。なお、監査等委員会委員長は社外委員から選出しております。
実施項目 取組内容 目的
5名(うち社外監査等委員
監査等委員の員数
3名)
社外監査等委員を法曹界、金
透明性・公正性の担保、監査
監査等委員の構成 融界、産業界出身等多様な領
機能の強化
域から招聘
監査等委
原則、社外監査等委員から選
監査等委員会委員長
員会
定
監査環境の整備、社内の情報
の収集、内部統制システムの
常勤監査等委員 2名設置 整備状況の日常的な監査によ
る監査等委員会の職務執行の
円滑化
2023年6月21日現在の監査等委員会の体制は次のとおりであり、その委員長は、独立社外取締役の河野 雅
明です。
取締役(監査等委員・常勤) 石川 裕士
取締役(監査等委員・常勤) 松本 群雄
社外取締役(監査等委員) 河野 雅明(委員長)
社外取締役(監査等委員) 三浦 州夫
社外取締役(監査等委員) 関口 暢子
また、監査等委員である取締役には、常に財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものを配し、監査
の実効性向上に配慮しております。現在、監査等委員である取締役のうち、取締役松本 群雄氏、社外取締役
河野 雅明氏及び社外取締役関口 暢子氏は、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
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なお、監査等委員会の職務を補助するため監査等委員会室として、4名のスタッフを配置しております。
(ⅳ) 取締役会と執行機能
取締役会は、重要な業務執行その他法定の事項につき審議・決議と業務執行の監督を担います。
ただし、取締役会が迅速な判断を阻害しないよう取締役会での審議基準を定め、一定の範囲で社長以下の業
務執行の責任者に権限を委譲しております。
加えて、業務を執行する取締役を補佐する者として執行役員をおき、経営の委任と迅速な経営判断の実施が
できる体制としております。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び執行役員の任期は、変化の激しい経営環境に機敏に対応す
るため、1年としております。
(ⅴ) 取締役会の活動状況
当事業年度において取締役会を16回開催しており、個々の取締役の出席状況については次の通りであります。
氏 名 開催回数 出席回数 出席率
山 口 貢 16回 16回 100%
輿 石 房 樹 16回 16回 100%
柴 田 耕 一 朗 16回 16回 100%
勝 川 四 志 彦 16回 16回 100%
永 良 哉 16回 16回 100%
馬 場 宏 之 16回 16回 100%
伊 藤 ゆ み 子 16回 16回 100%
北 川 慎 介 11回 11回 100%
石 川 裕 士 16回 16回 100%
対 馬 靖 14回 13回 93%
河 野 雅 明 16回 16回 100%
三 浦 州 夫 16回 16回 100%
関 口 暢 子 11回 11回 100%
北 畑 隆 生 5回 5回 100%
宮 田 賀 生 5回 5回 100%
(注)1 北川 慎介氏及び関口 暢子氏が取締役に就任した2022年6月22日開催の第169回定時株主総会以
降、取締役会は11回開催されています。
2 北畑 隆生氏及び宮田 賀生氏が取締役を退任した2022年6月22日までに、取締役会は5回開催さ
れています。
3 対馬 靖氏が取締役を退任した2023年2月28日までに、取締役会は14回開催されています。
なお、当事業年度の取締役会において、グループ企業理念に基づくサステナビリティ経営の推進による、中
長期的な企業価値向上に向けた各種取組み施策のうち、経営基盤領域に関する取組みを中心に、独立社外取締
役会議等の活用も含め、前広な議論を実施することにより、モニタリングを強化いたしました。
(ⅵ) 指名・報酬委員会の設置
当社は、取締役会の運営の公正性及び透明性をより向上させることを目的として、最高経営責任者の選任を
含む取締役・執行役員の候補者の指名、選解任及び役員報酬制度等に関する答申を行う機関として指名・報酬
委員会を設置しております。指名・報酬委員会は、取締役会において選定された、社長を含む3名から5名
(過半数を独立社外取締役とする。)の委員で構成され、毎事業年度最低1回以上、必要に応じ適宜委員会を
開催します。取締役会は、指名・報酬委員会の意見の答申の内容を十分に尊重し、当該答申のなされた事項を
決定します。
2023年6月21日現在の指名・報酬委員会の体制は以下のとおりであり、その委員長は、独立社外取締役の馬
場 宏之です。
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社外取締役 馬場 宏之(委員長)
社外取締役(監査等委員) 河野 雅明
代表取締役社長 山口 貢
(ⅶ) 指名・報酬委員会の活動状況
当事業年度において指名・報酬委員会を7回開催しており、個々の委員の出席状況については次の通りであ
ります。
氏 名 開催回数 出席回数 出席率
馬 場 宏 之 4回 4回 100%
河 野 雅 明 7回 7回 100%
山 口 貢 7回 7回 100%
北 畑 隆 生 3回 3回 100%
(注)1 馬場 宏之氏が委員に就任した2022年6月22日以降、指名・報酬委員会は4回開催されています。
2 北畑 隆生氏が委員を退任した2022年6月22日までに、指名・報酬委員会は3回開催されていま
す。
なお、当事業年度の指名・報酬委員会における具体的な検討内容として、2023年度の役員人事案等を審議
し、取締役会への答申を行いました。
(ⅷ) 独立社外取締役会議の設置
当社は、独立社外取締役の機能を最大限に活用すべく、経営陣の指名や報酬以外の業務執行に関する情報の
提供と共有の場として独立社外取締役会議を設置しております。
独立社外取締役会議は独立社外取締役のみで構成され、定例会議を四半期に1度、その他必要に応じ臨時会
議を開催します。
独立社外取締役会議には、適宜、業務執行取締役等が出席し、情報提供・意見交換を行います。
(ⅸ) 品質マネジメント委員会の設置
当社は、当社グループにおける品質マネジメント強化活動の継続的なモニタリングと提言及び品質事案に対
する再発防止策の実効性のモニタリングを行うため、取締役会の諮問機関として品質マネジメント委員会を設
置しております。品質マネジメント委員会の委員は、当社の社内役員又はそれに準ずる者2名及び取締役会で
任命された品質に関する技術的知見又は法律的知見を有する社外の有識者3名の社外委員から構成され、委員
長は社外委員間の互選により選出しております。
(ⅹ) コンプライアンス委員会の設置
当社は、企業活動における法令・倫理遵守に関する活動に関する事項を審議する取締役会の独立諮問機関と
して、コンプライアンス委員会を設置しております。
コンプライアンス委員会は、社長、全社コンプライアンス総括役員、全社コンプライアンス担当役員、内部
通報システムの受付窓口弁護士(当社とは顧問契約の無い弁護士)、独立社外取締役及び社外有識者などで構
成され、その過半数は社外の委員にて構成されるものとします。委員長は社外委員間の互選により選出してお
ります。
コンプライアンス委員会は、コンプライアンス活動の基本方針の策定、コンプライアンス活動の実施状況の
モニタリングのほか、必要に応じた措置について取締役会に対し提言や勧告を行います。
コンプライアンス委員会は半期毎に定例会を開催し、必要に応じて臨時会を開催します。
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(ⅺ) コーポレートガバナンス委員会の設置
当社は、当社グループの持続的成長と企業価値向上に向けたコーポレートガバナンスを実現するため、取締
役会の諮問機関として、基本方針の立案をはじめ、コーポレートガバナンスに関する事項を審議するコーポ
レートガバナンス委員会を設置しております。
コーポレートガバナンス委員会は、社長及び経営企画部を総括する取締役又は執行役員、総務・CSR部を総括
する取締役又は執行役員、取締役会にて選定された独立社外取締役複数名で構成し、その過半数を独立社外取
締役とします。委員長は委員の互選により独立社外取締役から選出しております。コーポレートガバナンス委
員会は、毎事業年度最低1回以上、必要に応じ適宜委員会を開催します。
(ⅻ) 業務執行の仕組み
当社の取締役会は、経営の重要な方向性の決定とリスクマネジメントを含むモニタリングに重点を置き、執
行役員が業務を執行します。当社の執行役員は、法定の機関ではありませんが、取締役会で選任され、取締役
会にて委嘱された業務を執行する重要な役職であると位置付けます。こうした体制のもと、経営に関する重要
な事項や取締役会付議事項を審議する場として「経営審議会」(月2回開催)を開催します。経営審議会のメ
ンバーは、社長、業務執行取締役及び経営企画部担当執行役員、社長の指名する執行役員(各事業部門の長)
及び関係会社社長、並びに常勤の監査等委員である取締役の常任メンバーに加え、案件毎に指名されるメン
バーで構成します。
経営審議会は、決議機関ではなく、各事業部門、当社グループの業務執行に対し多方面からの考察を加える
ことを目的とした闊達な議論の場として位置付け、経営審議会で審議した事項は、取締役会に決議事項もしく
は報告事項として上程します。
経営審議会の審議の実効性を高めるため、補佐機関として、サステナビリティ推進、リスクマネジメント、
事業ポートフォリオ管理、設備投資・投融資など事業戦略上の重要事項に関する各種委員会を置きます。
また、業務を執行する取締役、執行役員及びフェロー並びに社長の指名する関係会社の社長及び役員を構成
員とする「役員連絡会」(四半期に1回開催)を置きます。
「役員連絡会」は経営に関する重要な事項について情報の共有化を図る場であり、加えて、当社グループ一
体経営・業務執行に必要な様々な知識の取得と適切な更新等の研鑽のために社内外から講師を招聘した研修を
実施する場としても位置付けます。
経営上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織その他のコーポレートガバナンス体制の概要は、次の
図のとおりです。
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③企業統治に関するその他の事項
1) 内部統制システムの整備状況
当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制及びその他業務の適正を確保
するための体制は、以下のとおりです。
(ⅰ) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
グループ企業理念の下、コンプライアンス体制および運営等に関する基本的事項を「コンプライアンス規
程」に定める。当社グループのコンプライアンス推進活動は、『KOBELCOグループ・コンプライアンスプログラ
ム』をベースに計画・実行する。当社及び主要グループ会社において、取締役会の諮問機関として社外委員を
入れた「コンプライアンス委員会」を設置する他、外部の弁護士を受付窓口とする「内部通報システム」を導
入するなど、外部からのチェックを組み込んだ社会規範や法令等の遵守体制を構築する。
(ⅱ) 財務報告の適正性確保のための体制整備
『財務報告に係る内部統制基本規程』を定め、財務報告の適正性を確保するための社内体制を整備する。
(ⅲ) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
『取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する規程』を定め、適切に取締役の職務の執行に係る
情報の保存及び管理を行う。
(ⅳ) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営審議会の補佐機関として「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスクマネジメント全般に関する基
本方針の立案・評価、リスクマネジメントの重要課題に関する具体的方針の立案、トップリスク・重要リスク
のリスク対策実行計画の評価、全社リスク管理計画の立案・評価などを行う。
また、『リスク管理規程』を定め、これに基づき、リスク管理活動を事業活動と連動して展開し、企業価値
を毀損する可能性のあるリスクに適切に対応する。この体制については、内部監査部門により適切性や有効性
の検証を実施する。
(ⅴ) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社の取締役会は、経営の重要な方向性の決定とリスクマネジメントを含むモニタリングに重点を置き、業
務執行取締役には、社長のほか、全社として重点を置く特定機能を総括する取締役を置く。
「透明性」「公正性」が確保された経営体制を実現すべく、監査等委員である社外取締役に加えて、監査等
委員でない社外取締役を選任する。
取締役会のモニタリング機能の実効性を高めるため、諮問機関として、コンプライアンス委員会、指名・報
酬委員会、品質マネジメント委員会、コーポレートガバナンス委員会を置く。
「迅速」な意思決定に加えて、事業ユニット間での情報共有・連携などグループの総合力を最大限発揮して
いくため、「事業部門制」を採用する。
取締役会が選任した執行役員が各事業部門の業務を執行し、経営に関する重要な事項や取締役会付議事項を
審議する場として「経営審議会」を開催する。
経営審議会の審議の実効性を高めるため、補佐機関として、サステナビリティ推進、リスクマネジメント、
事業ポートフォリオ管理、設備投資・投融資など全社戦略上の重要事項に関する各種委員会を置く。
また、業務を執行する取締役、執行役員及びフェロー並びに社長の指名する関係会社の社長及び役員を構成
員とする「役員連絡会」を置き、経営に関する重要な事項について情報の共有化を図る。
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(ⅵ) 会社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
『グループ会社管理規程』を定め、子会社の行う重要な意思決定について、当社主管部門・本社部門と協
議、重要事項の報告などを義務づけ、一定金額を超える財産処分行為他については、当社の取締役会、社長の
事前承認を要求する。
当社グループとして最低限整備すべきルールを「グループ標準」として定め、当社の全ての子会社がこの標
準に沿って自社の規程を整備し、リスク管理の教育・浸透・推進を図るとともに、『リスク管理規程』に従
い、個社毎の適切な予防保全策を立案する。
子会社に対して、適宜取締役又は監査役を派遣し、子会社の経営を監督する。
さらにグループ企業理念を共有し、『KOBELCOグループ・コンプライアンスプログラム』をベースに、コンプ
ライアンス委員会の設置や、内部通報制度の整備等といった取組みを子会社に対して求め、法令等遵守体制を
構築する。
ただし、上場会社については当社からの一定の経営の独立性を確保するため、当社が関係会社経営者の独自
の判断を拘束することのないように配慮をする。
(ⅶ) 監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、同取締役及び使用人の取締役(監査等委
員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項及び監査等委員会の同取締役及び使用人に対する指示の
実効性の確保に関する事項
監査等委員会の職務を補助するため監査等委員会室を設置して専任の使用人を置く。また、監査等委員会室
の使用人については、取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性の確保及び指示の実効性の確
保を図るため、その人事異動及び人事評価等を監査等委員と事前に協議する。
監査等委員会室の使用人は「監査等委員会監査等基準」に従い、監査等委員会の指示を受けて監査等委員会
監査に係る補助業務等を行う。
なお、監査等委員会監査にかかる補助業務等の遂行にあたっては、取締役(監査等委員である取締役を除
く。)、執行役員及び使用人はこれを妨げず、監査の実効性確保に協力する。
(ⅷ) 取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制その他の監
査等委員会への報告に関する体制、子会社の取締役及び使用人が当社の監査等委員会に報告をするための体
制、及び監査等委員会へ報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保す
るための体制
取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及び使用人は、監査等委員会に対して、法定事項に
加え、定期的に職務の執行状況、重要な委員会等の報告を行う。また、事業活動において発生した重要なリス
クとその対応状況や、財務報告の適正性を確保するための体制の整備・運用状況についても、都度報告する。
加えて、子会社の状況については、その取締役、監査役、使用人から監査等委員会に対して、必要に応じて報
告を行うとともに、内部統制・監査部は、監査等委員会に対してグループ全体のリスク管理、コンプライアン
ス等について適宜報告を行う。
「内部通報システム」における内部通報者の不利益待遇の禁止と同様に、監査等委員会に報告を行った者が
不利な取扱いを受けないことをコンプライアンス規程に定め、その周知徹底を図る。
(ⅸ) 監査等委員会の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ず
る費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員がその職務の執行について、会社法に基づく費用の支払い等の請求をしたときは、当該請求が監
査等委員の職務の執行に必要ではないと認められた場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理する。な
お、監査等委員会の職務上必要と認める費用について、毎年、あらかじめ一定額の予算を計上する。
(ⅹ) その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査等委員会の監査の実効性を確保するため、監査等委員会の「年度監査方針・計画」を取締役会等におい
て説明を受ける他、監査等委員会と代表取締役社長との定期的会合、内部監査部門との連携など監査環境の整
備を図る。
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2) コンプライアンス体制
当社は、グループ企業理念の下、コンプライアンスを重要な経営基盤の一つと位置付け、事業活動に取り組ん
でいます。
グループ企業理念においては、グループで共有すべき価値観である「KOBELCOの3つの約束」を果たすため
に、グループ全社員が実践する具体的な行動規範として、「KOBELCOの6つの誓い」を定めています。当社は、
「KOBELCOの6つの誓い」を日々の業務の中で実践するために、業務を行うにあたって関係する法令や社会規範
を正しく理解するためのガイドラインを作成しています。役員及び従業員一人ひとりは、このガイドラインに従
い、「KOBELCOの6つの誓い」の実践に努めます。
また、当社はコンプライアンス体制及び運営等に関する基本的事項を「コンプライアンス規程」に定めており
ます。
当社は、取締役会の諮問機関としてコンプライアンス委員会を設置しており、グループ全体のコンプライアン
ス活動計画を立案し、進捗状況を確認の上、必要な見直しと改善を行っています。同委員会は、社長を含む社内
委員3名に対し、公正中立な立場の社外委員が4名と過半数を占め、社外委員が委員長を務めています。また、
主なグループ会社にもコンプライアンス委員会を設置しています。
コンプライアンス活動計画の実行にあたっては、全社コンプライアンス総括役員、全社コンプライアンス担当
役員の指揮のもと、当社の内部統制・監査部が、事業部門やグループ各社と連携し、『KOBELCOグループ・コン
プライアンスプログラム』をベースに取組みを進めています。
『KOBELCOグループ・コンプライアンスプログラム』は、「コミットメント・リスク評価」「規程やプロセス
の整備・リソースの確保」「教育・情報の周知」「モニタリングの実施・通報への対応」「見直し・改善」の5
つのフレームで構成しています。各社での進捗状況をこの5項目に沿って把握した上で、コンプライアンス活動
計画を事業や地域の特性を踏まえて実行することで、網羅的かつ実効性のあるコンプライアンス活動をグループ
全体において展開しています。
具体的な活動には、コンプライアンスに対する組織トップによるコミットメントの定期的な発信、各種マニュ
アルの作成、コンプライアンス教育の実施、内部通報制度の設置・運営、コンプライアンス意識調査の定期的な
実施等があります。
3) 責任限定契約の内容の概要
当社と監査等委員でない社外取締役及び監査等委員である取締役は、会社法第427条第1項及び定款の定めに
基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償
責任の限度額は、法令が規定する額としております。
4) 補償契約の内容の概要
当社は、有用な人材確保、職務執行の萎縮の防止のため、全ての取締役(監査等委員である取締役を含む。)
との間で、会社法第430条の2第1項に定める補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び同項第2号の損
失を法令の定める範囲内において補償することとしております。当該契約においては、取締役の職務の執行の適
正性が損なわれないようにするため、次の措置を講じております。
(ⅰ) 同項第2号の損失を補償するためには、確定判決又は当社が適正と認める和解の成立を前提とすること
(ⅱ) 取締役が不正な利益を図り、もしくは会社に損害を加える目的で職務を執行したものであったことが判
明した場合、又は会社に対する説明に重要な点で虚偽があったことが判明した場合には、補償の対象外
とするとともに、既に受領した補償額の返還を請求できること
5)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、有用な人材確保、職務執行の萎縮の防止のため、当社の取締役(監査等委員である取締役を含
む。)、執行役員及び当社取締役会決議にて「重要な使用人」として選任された者を被保険者として、保険会社
との間で会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しております。
経営者の適切なリスクテイクを可能とすべく、保険料は当社が全額負担しており、被保険者の実質的な保険料
負担はありません。
当該保険契約では、会社訴訟、第三者訴訟及び株主代表訴訟等により、被保険者が負担することとなった争訴
費用及び損害賠償金等を塡補の対象としております。ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないよ
うにするため、法令違反行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は塡補されないなど、一定
の免責事由があります。
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6)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(「会社支配に関する基本方針」)
(ⅰ) 会社支配に関する基本方針
当社は、明治38年の創立から110年を超える歴史の中で、独自の事業領域を形成してまいりました。特に、当
社の素材系事業や機械系事業は事業の裾野が非常に広く、これらの事業分野を構成する個別の事業の多様性を
前提として初めて創出されるシナジーが存在いたします。また、これらの事業は、研究開発や生産現場で果敢
な挑戦を続ける当社従業員をはじめ、当社との間で長年に亘り信頼関係を培ってきた輸送機やエネルギー・イ
ンフラ分野をはじめとする国内外のお取引先様並びにお客様等の多様なステークホルダーによって支えられて
おります。さらに、当社は、素材系事業における代替困難な素材や部材、機械系事業における省エネルギーや
環境に配慮した製品等、当社独自の多彩な製品群を幅広いお客様に供給するとともに、電力事業においても極
めて重要な社会的インフラである電力の供給という公共性の高いサービスを提供しており、社会的にも大きな
責任を担っているものと考えております。当社は、こうした各事業間における技術の交流・融合によるシナ
ジー効果や、独自・高付加価値製品の提供とこれにより構築されたステークホルダーとの信頼関係、社会的イ
ンフラ提供の責務と社会の皆様からの信頼こそが当社の企業価値の源泉であると考えております。
当社は、上場会社として、株式の自由な取引の中で、上記のような源泉から生み出される当社の企業価値、
ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する形であれば、支配権の異動を伴う当社株券等に対する大規模な
買付行為であっても、当然是認されるべきであると考えておりますが、当社の財務及び事業の方針の決定を支
配する者は、このような当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を向上させる上で必要不可欠な、当社の経
営理念、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係等の当社の企業価値を生み出す源泉を十分に理解し、そ
の結果として当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保し、向上させる者でなければならないと考えて
おります。
したがって、当社は、当社株券等に対する大規模な買付行為を行い又は行おうとする者に対しては、関連す
る法令の許容する範囲内において、適切な対応をとることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保
に努めなければならないと考えております。
(ⅱ) 基本方針の実現に資する特別な取組み
ア 経営戦略の展開による企業価値向上への取組み
当社は、グリーン社会の実現への貢献、安全・安心なまちづくり・ものづくりへの貢献など、当社グループ
独自の技術による社会課題の解決を通じた競争優位性の発揮と、それを支えるガバナンスの追求により企業価
値向上を図るため「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」の実現に取り組んでおります。
今後も、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人が夢や希望を叶えられる世界」の実現に向け、
当社グループのもつ個性と技術を活かし合い、素材系事業、機械系事業、電力事業を3本柱として、社会課題
の解決を通じた企業価値の向上を目指してまいります。
イ コーポレートガバナンス強化による企業価値向上への取組み
当社は、継続的に企業価値を向上させるためには、コーポレートガバナンスの強化が必要であると考えてお
ります。
当社は、監査等委員会設置会社への移行、取締役会メンバーの見直し、社外委員が委員の過半数を占める指
名・報酬委員会やコーポレートガバナンス委員会をはじめとした諮問機関の設置による監督機能向上、役員報
酬制度の見直し等の様々な取組みを通じて、コーポレートガバナンス体制の強化を図ってまいりました。
今後も、当社は、コーポレートガバナンス委員会が中心となって、取締役会実効性評価の結果等を踏まえな
がら、更なるコーポレートガバナンスの強化に向けて、継続的に検討を進めてまいります。
(ⅲ) 基本方針に照らして、不適切な者によって当社の財務及び事業の決定を支配されることを防止するための取
組み
当社は、当社株券等の大規模な買付行為を行い又は行おうとする者に対しては、当社の企業価値及び株主共
同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、株主の皆様が大規模な買付行為の是非を適切に判断する
ために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の
検討のために必要な時間と情報の確保に努めるものといたします。
また、仮に大規模な買付行為に対する速やかな対抗措置を講じなければ、当社の企業価値及び株主共同の利
益が毀損されるおそれがあると合理的に判断されるときには、株主から経営を負託された当社取締役会の当然
の責務として、関連する法令の許容する範囲内において、適宜、当該時点で最も適切と考えられる具体的な措
置の内容を速やかに決定し、実行することにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保に努めてまいり
ます。
なお、上記(ⅱ)及び(ⅲ)に記載の取組みは、上記(ⅰ)に記載の方針に従い、当社の企業価値及び株主共同の
利益に沿うものであり、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。
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7) 定款における取締役・株主総会に関する特別の定め
取締役に関しては、当社定款上、以下の特別の定めを置いております。
(ⅰ) 第19条第2項で、取締役の選任決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する
株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うとの定めを置いております。また、同条第3項でその決議は
累積投票によらない旨を定めております。
(ⅱ) 職務の執行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、第29条第1項及び附則で、会社法
第426条第1項の規定により、会社法第423条第1項に定める取締役(取締役・監査役であったものを含む。)
の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができるとの定めを置いてお
ります。
(ⅲ) 定時株主総会の決議を待たず柔軟かつ機動的に事業活動の成果である利益を株主に分配することで機動的な
資本政策を実現可能とするため、取締役の任期を1年とするなどの要件を満たす会社において、定款の定めに
より剰余金の配当等(自己株式の取得を含む。)の決定機関を取締役会とすることが認められていることか
ら、当社定款第35条に「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定め
のある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める」との規定を置いております。
また、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、当社の定款第15条第2項の定めにより、会社法第309
条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権数の3分の1以上を有する株主が出席
し、その議決権の3分の2以上をもって行うとの定めをおいております。
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(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性 11 名 女性 2 名 (役員のうち女性の比率 15.38 %)
(2023年6月21日現在)
所有株
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 式数
(百株)
取締役社長 山口 貢 1958年1月8日 生 1981年4月 当社入社
(代表取締役)
2011年4月 当社執行役員
2013年4月 当社常務執行役員
2015年4月 当社専務執行役員
(注)
741
2016年6月 当社取締役専務執行役員
2
2017年4月 当社取締役副社長執行役
員
2018年4月 当社取締役社長(現)
取締役 勝川 四志彦 1962年3月12日 生 1985年4月 当社入社
副社長執行役員
2015年4月 当社執行役員
(代表取締役)
2017年4月 当社常務執行役員
経営企画部、財務経理
2018年4月 当社専務執行役員
(注)
424
部、海外拠点(本社所
2018年6月 当社取締役専務執行役員
2
管)の総括
2021年4月 当社取締役執行役員
2023年4月 当社取締役副社長執行役
員(現)
取締役 永良 哉 1961年7月5日 生 1985年4月 当社入社
副社長執行役員
2016年4月 当社執行役員
(代表取締役)
2018年4月 当社常務執行役員
内部統制・監査部、法
2020年4月 当社専務執行役員
務部、総務・CSR部、
2020年6月 当社取締役専務執行役員
(注)
人事労政部、建設技術
2021年4月 当社取締役執行役員
410
2
部、機材調達部、ラグ
2023年4月 当社取締役副社長執行役
ビーセンター、支社・
員(現)
支店、高砂製作所(直
属部門)の総括、全社
コンプライアンスの総
括
取締役 坂本 浩一 1964年4月30日 生 1990年4月 当社入社
執行役員 2012年4月 当社技術開発本部材料研
安全・環境部、品質統 究所長
括部、知的財産部の総 2017年10月 当社開発企画部長
(注)
括、技術開発本部の総 2019年4月 当社執行役員
164
2
括、全社安全衛生の総 2023年6月 当社取締役執行役員(現)
括、全社環境防災の総
括、全社品質の総括、
全社TQM活動推進の総
括
取締役 宮岡 伸司 1969年7月21日 生 1994年4月 当社入社
執行役員 2018年4月 当社経営企画部長
(注)
事業開発部、IT企画部 2022年4月 当社執行役員
16
2
の総括、全社システム
2023年6月 当社取締役執行役員(現)
の総括
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役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 式数
(百株)
取締役 馬場 宏之 1954年1月27日 生 1976年4月 住友ゴム工業(株)入社
2000年3月 同社取締役
2003年3月 同社執行役員
2003年7月 SRIスポーツ(株)(現、住
友ゴム工業(株))取締役
(注)
社長
133
2
2011年3月 同社取締役会長
2015年3月 同社相談役
2015年6月 積水化成品工業(株)社外
取締役
2017年6月 当社取締役(現)
取締役 伊藤 ゆみ子 1959年3月13日 生 1984年4月 衆議院法制局参事
1989年4月 弁護士登録、坂和総合法
律事務所入所
1991年7月 田辺総合法律事務所入所
2001年4月 ジーイー横河メディカル
システム(株)(現、GEヘ
ルスケア・ジャパン
(株))法務・特許室長
2004年5月 日本アイ・ビー・エム
(株)法務・知的財産ス
タッフ・カウンセル
2007年3月 マイクロソフト(株)
(現、日本マイクロソフ
ト(株))執行役 法務・
(注)
76
政策企画統括本部長
2
2013年4月 シャープ(株)執行役員
2013年6月 同社取締役兼執行役員
2014年4月 同社取締役兼常務執行役
員
2016年6月 同社常務執行役員
2019年4月 イトウ法律事務所開設、
代表就任(現)
2019年6月 当社取締役(現)
参天製薬(株)社外監査役
(現)
2023年3月 NIPPON EXPRESSホール
ディングス(株)社外取締
役(現)
取締役 北川 慎介 1958年3月5日 生 1981年4月 通商産業省入省
2012年9月 経済産業省貿易経済協力
局長
2013年6月 経済産業省中小企業庁長
官
2015年7月 経済産業省退官
2015年11月 三井物産(株)顧問
2016年4月 同社常務執行役員
2019年4月 同社専務執行役員
(注)
2020年7月 (株)三井物産戦略研究所
10
2
代表取締役社長
2022年6月 当社取締役(現)
2023年3月 三井物産(株)専務執行役
員退任
(株)三井物産戦略研究所
代表取締役社長退任
2023年4月 三井物産(株)顧問(現)
2023年6月 一般社団法人日本商事仲
裁協会理事長(現)
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所有株
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 式数
(百株)
取締役 石川 裕士 1958年4月7日 生 1982年4月 当社入社
(監査等委員)
2014年4月 当社執行役員
(注)
2016年4月 当社常務執行役員
176
3
2018年6月 当社取締役(監査等委
員)(現)
取締役 松本 群雄 1965年6月18日 生 1989年4月 当社入社
(監査等委員) 2017年4月 当社経理部長
2021年4月 当社財務経理部長
(注)
2023年4月 当社内部統制・監査部担
4
-
当役員補佐
2023年6月 当社取締役(監査等委
員)(現)
取締役 河野 雅明 1957年2月24日 生 1979年4月 (株)第一勧業銀行入行
(監査等委員)
2006年3月 (株)みずほコーポレート
銀行(現、(株)みずほ銀
行)執行役員
2008年4月 同行常務執行役員
2011年4月 (株)みずほフィナンシャ
ルグループ常務執行役員
2011年6月 同社常務取締役(兼)常務
執行役員
2012年4月 (株)みずほ銀行常務執行
役員
(株)みずほコーポレート
銀行常務執行役員
みずほ信託銀行(株)常務
執行役員
2013年4月 (株)みずほフィナンシャ
ルグループ取締役
(注)
(株)みずほ銀行取締役副
50
3
頭取(代表取締役)(兼)
副頭取執行役員
(株)みずほコーポレート
銀行副頭取執行役員
2013年7月 (株)みずほフィナンシャ
ルグループ副社長執行役
員
2016年4月 (株)オリエントコーポ
レーション顧問
2016年6月 同社代表取締役社長(兼)
社長執行役員
2020年4月 同社代表取締役会長(兼)
会長執行役員
2020年6月 同社取締役会長(兼)会長
執行役員(現)
当社取締役(監査等委
員)(現)
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所有株
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期 式数
(百株)
取締役 三浦 州夫 1953年2月13日 生 1979年4月 裁判官任官
(監査等委員)
1988年3月 裁判官退官
1988年4月 弁護士登録
1997年4月 河本・三浦法律事務所開
設、代表就任(現)
2003年6月 ヤマハ(株)社外監査役
(注)
2008年6月 旭情報サービス(株)社外
50
3
監査役(現)
2010年6月 住友精化(株)社外監査役
2020年6月 当社取締役(監査等委
員)(現)
2021年6月 住友精化(株)社外取締役
(監査等委員)(現)
取締役 関口 暢子 1968年7月3日 生 2005年11月 (株)カプコン入社
(監査等委員)
2011年4月 同社執行役員経営企画統
括
2016年4月 同社常務執行役員経営企
画・人事本部長
2019年6月 (株)ダスキン社外取締役
(注)
10
(現)
3
2020年6月 エイチ・ツー・オー リテ
イリング(株)社外取締役
(監査等委員)(現)
2022年6月 当社取締役(監査等委
員)(現)
2,260
計
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(注)1.取締役馬場宏之、伊藤ゆみ子、北川慎介、河野雅明、三浦州夫、関口暢子は、社外取締役であります。
2.2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
3.2022年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4.2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5.当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定
める補欠の監査等委員である取締役(補欠監査等委員)1名を選任しております。補欠の監査等委員である取締
役は、次のとおりであります。
所有株式数
氏名 生年月日 略歴
(百株)
塩路 広海 1957年1月28日生 1987年4月 弁護士登録、浅岡法律事務所
(現、浅岡・瀧法律会計事務
所)入所
1991年4月 塩路法律事務所(現、弁護士法
人塩路総合法律事務所)開設、
所長
2007年6月 (株)立花エレテック社外監査役
―
2015年6月 (株)フジシールインターナショ
ナル社外取締役(現)
2020年6月 当社補欠監査等委員(現)
2021年12月 弁護士法人塩路総合法律事務所
代表社員(現)
2022年6月 (株)立花エレテック社外取締役
(監査等委員)(現)
(注)補欠の監査等委員である取締役の任期は、就任した時から退任した監査等委員である
取締役の任期の満了の時までであります。
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(執行役員の状況)
当社は、執行役員制を導入しておりますが、2023年6月21日現在の取締役を除く執行役員は30名で、次のとおりで
あります。
役名 担当 氏名 略歴
副社長執行役員 機械事業部門長、同管理本部長 竹内 正道 1984年4月 当社入社
2016年4月 当社執行役員
2018年4月 当社常務執行役員
2021年4月 当社執行役員
2023年4月 当社副社長執行役員(現)
副社長執行役員 鉄鋼アルミ事業部門長 水口 誠 1982年4月 当社入社
2011年4月 当社執行役員
2013年4月 当社常務執行役員
2016年4月 当社専務執行役員
2020年4月 当社副社長執行役員
2020年6月 当社取締役副社長執行役員
2021年6月 当社副社長執行役員(現)
執行役員 機械事業部門技術本部長、同技術本部 入谷 一夫 1994年4月 当社入社
回転機・機器技術部長、同管理本部副 2022年4月 当社執行役員(現)
本部長
執行役員 安全・環境部、法務部、人事労政部、 岡野 康司 1989年4月 当社入社
建設技術部、機材調達部、高砂製作所 2021年4月 当社執行役員(現)
(直属部門)の担当、全社安全衛生の
担当、全社環境防災の担当
執行役員 エンジニアリング事業部門監理・調達 奥村 英樹 1992年4月 当社入社
センター、プロジェクトセンター、 2023年4月 当社執行役員(現)
CWDセンターの担当
執行役員 機械事業部門新事業推進本部長、同新 蔭木 陽一 1993年4月 当社入社
事業推進本部営業部長、同管理本部副 2023年4月 当社執行役員(現)
本部長
執行役員 素形材事業部門鋳鍛鋼ユニット、アル 加藤 丈晴 1989年4月 当社入社
ミ鋳鍛ユニット、チタンユニットの担 2021年4月 当社執行役員(現)
当
執行役員 素形材事業部門企画管理部、業務改革 門脇 良策 1990年4月 当社入社
推進部、高砂管理部(除く素形材安全 2018年4月 当社執行役員(現)
環境室)の担当、同長府製造所(除く
品質保証部、総務部安全環境室)、大
安製造所(除く品質保証室、鋳鍛開発
室、総務部安全環境室)の担当
執行役員 エンジニアリング事業部門安全品質環 上谷内 洋一 1987年4月 当社入社
境部、新規事業推進室、原子力・復興 2019年4月 当社執行役員(現)
プロジェクト部、社会インフラ部の担
当
執行役員 財務経理部の担当 河原 一明 1982年4月 当社入社
2014年4月 当社執行役員
2016年4月 当社常務執行役員
2019年4月 当社専務執行役員
2021年4月 当社執行役員(現)
執行役員 電力事業部門長 北川 二朗 1982年4月 当社入社
2014年4月 当社執行役員
2016年4月 当社常務執行役員
2018年4月 当社専務執行役員
2018年6月 当社取締役専務執行役員
2021年4月 当社取締役執行役員
2021年6月 当社執行役員(現)
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役名 担当 氏名 略歴
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門システム技術部の 木下 俊英
1994年4月 当社入社
担当、鉄鋼アルミ事業部門長特命事項
2023年4月 当社執行役員(現)
の担当、同技術企画部長
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門事業戦略部の担 木本 和彦 1988年4月 当社入社
当、同厚板ユニット長 2018年4月 当社執行役員
2020年4月 当社常務執行役員
2021年4月 当社執行役員(現)
執行役員 機械事業部門生産本部長、同管理本部 栗岡 義紀 1991年4月 当社入社
副本部長 2018年4月 当社執行役員(現)
執行役員 技術開発本部長 後藤 有一郎 1990年4月 当社入社
2017年4月 当社執行役員
2020年4月 当社常務執行役員
2021年4月 当社執行役員(現)
執行役員 機械事業部門新事業推進本部、営業・ 猿丸 正悟 1989年4月 当社入社
マーケティング本部の担当、同管理本 2020年4月 当社執行役員(現)
部副本部長
執行役員 溶接事業部門長 末永 和之 1991年4月 当社入社
2020年4月 当社執行役員(現)
執行役員 素形材事業部門アルミ押出・サスペン 高田 泰史 1993年4月 当社入社
ションユニット、銅板ユニット、鉄粉 2023年4月 当社執行役員(現)
ユニットの担当
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門真岡製造所の担 谷川 正樹 1990年4月 当社入社
当、同アルミ板ユニット長 2020年4月 当社執行役員(現)
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門自動車事業企画 中西 元 1991年4月 当社入社
室、自動車板材営業部、名古屋鉄鋼・ 2021年4月 当社執行役員(現)
アルミ板営業部の担当、同薄板ユニッ
ト長、全社自動車プロジェクトの担当
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門加古川製鉄所長 中村 昭二 1988年4月 当社入社
2017年4月 当社執行役員
2019年4月 当社常務執行役員
2021年4月 当社執行役員(現)
執行役員 内部統制・監査部、総務・CSR部、ラ 中森 慶太郎 1990年4月 当社入社
グビーセンター、支社・支店の担当、 2021年4月 当社執行役員(現)
全社コンプライアンスの担当
執行役員 素形材事業部門技術総括部、品質保証 西口 昭洋 1989年4月 当社入社
部、高砂管理部(素形材安全環境 2020年4月 当社執行役員(現)
室)、高砂品質保証部の担当、同長府
製造所(品質保証部、総務部安全環境
室)、大安製造所(品質保証室、鋳鍛
開発室、総務部安全環境室)の担当
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門原料部の担当、同 宝田 澄和 1992年4月 当社入社
企画管理部長 2022年4月 当社執行役員(現)
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役名 担当 氏名 略歴
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門線材条鋼ユニット 三原 雄二 1990年4月 当社入社
長 2020年4月 当社執行役員(現)
執行役員 鉄鋼アルミ事業部門自動車板材商品技 三宅 義浩
1992年4月 当社入社
術部、同技術開発センターの担当、同
2023年4月 当社執行役員(現)
自動車板材全般の担当、同鋼材商品技
術開発全般の担当
執行役員 素形材事業部門長 宮崎 庄司 1985年4月 当社入社
2015年4月 当社執行役員
2017年4月 当社常務執行役員
2018年4月 当社専務執行役員
2021年4月 当社執行役員(現)
執行役員 エンジニアリング事業部門長、全社建 元行 正浩 1983年4月 当社入社
設業の担当 2018年4月 当社執行役員(現)
執行役員 海外拠点(本社所管)の担当、経営企 森田 大三 1993年4月 当社入社
画部長 2023年4月 当社執行役員(現)
執行役員 電力事業部門副事業部門長 吉武 邦彦 1986年4月 当社入社
2022年4月 当社執行役員(現)
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② 社外役員の状況
1)社外取締役の員数及び提出会社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係
当社は、取締役会における活発な議論や適切な意思決定と監督をより高めるためには、社外の公正中立な視点
や少数株主をはじめとするステークホルダーの視点を反映することが不可欠であるため、独立社外取締役を複数
名招聘することとしております。2023年6月21日現在、6名の独立社外取締役を置いており、このうち、3名が
監査等委員である社外取締役であります。
当社は社外取締役(監査等委員である取締役を含む。)6名全員を金融商品取引所に独立役員として届け出て
おります。
当社と社外取締役との関係及びその独立性に関しては、次のとおりであります。なお、いずれの社外取締役
(監査等委員である取締役を含む。)6名全員が当社の独立役員の基準を満たしております。当社の独立役員の
基準は「2) 社外取締役が果たす機能・役割、独立性の基準・方針の内容、選任状況に関する考え方 (独立役
員の基準)」に記載しております。
独立性判断に供する当社以外の過去又は現在の所
氏名 左記と当社との関係
属
馬場 宏之 住友ゴム工業(株) * 業務執行者退任:2003年6月(3年以上経
過)
SRIスポーツ(株) * 業務執行者退任:2015年3月(3年以上経
(現 住友ゴム工業(株)) 過)
伊藤 ゆみ子 ジーイー横河メディカルシステム(株) * 業務執行者退任:2004年4月(3年以上経
(現 GEヘルスケア・ジャパン(株)) 過)
日本アイ・ビー・エム(株) * 業務執行者退任:2007年2月(3年以上経
過)
マイクロソフト(株) * 業務執行者退任:2013年3月(3年以上経
(現 日本マイクロソフト(株)) 過)
シャープ(株) * 業務執行者退任:2019年3月(3年以上経
過)
坂和総合法律事務所 * 退所:1991年7月(3年以上経過)
田辺総合法律事務所 * 退所:2001年3月(3年以上経過)
イトウ法律事務所 当社との取引なし
北川 慎介 三井物産(株) * 当社からの販売:当社の連結総売上高の1%
未満
当社の購入:三井物産(株)の連結総売上高の
1%未満
(株)三井物産戦略研究所 * 当社との取引なし
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独立性判断に供する当社以外の過去又は現在の所
氏名 左記と当社との関係
属
河野 雅明 (株)みずほフィナンシャルグループ * 業務執行者退任:2016年4月(3年以上経
(監査等委員) 過)
(株)みずほコーポレート銀行 * 業務執行者退任:2016年4月(3年以上経
(現 (株)みずほ銀行) 過)
みずほ信託銀行(株) * 業務執行者退任:2013年4月(3年以上経
過)
(株)オリエントコーポレーション 当社との取引なし
(同社は、当社の主要な借入先の一つである
(株)みずほ銀行の親会社である(株)みずほ
フィナンシャルグループの関連会社ですが、
当社の(株)みずほ銀行からの借入れには関与
しておりません。)
三浦 州夫 河本・三浦法律事務所 当社との取引なし
(監査等委員)
関口 暢子 (株)カプコン * 業務執行者退任:2019年3月(3年以上経
(監査等委員) 過)
(注)1.独立性判断に供する当社以外の過去又は現在の所属の社名の*は既に退職した勤務先等であります。
2.取引関係については、直近事業年度の取引額をもとに記載していますが、直近事業年度で取引がない場
合は、当社の「独立役員の基準」に基づき、過去3事業年度で取引のあった年度を記載しています。
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2) 社外取締役が果たす機能・役割、独立性の基準・方針の内容、選任状況に関する考え方
当社の社外取締役の選任理由、期待する役割等は、以下のとおりです。
氏名 担当等 選任理由・期待する役割
馬場 宏之 産業界における当社とは異なる事業領域での豊富
取締役会議長
な経験や、経営者としての高い見識をもとに、客
指名・報酬委員(委員長)
観的、公正・中立な判断ができる人物であること
コーポレートガバナンス委員
から、当社の「取締役候補者指名にあたっての考
独立社外取締役会メンバー
え方」及び「独立役員の基準」に照らして、当社
の社外取締役として適任であると判断しておりま
す。同氏は、これまで、取締役会及び独立社外取
締役会議にて経営に係る積極的な助言及び提言を
行い、取締役会議長及び指名・報酬委員会委員長
として、当社の経営に対するモニタリング機能の
向上に寄与しております。また、コーポレートガ
バナンス委員会においても、委員として独立的か
つ公正な立場から、持続的成長及び企業価値向上
に資する当社の経営体制の在り方に係る助言及び
提言を行っております。同氏には、引き続き、当
社の社外取締役として業務執行に対する監督等適
切な役割を果たすことを期待しております。
伊藤 ゆみ子 企業経営における法務領域を中心とした豊富な経
コーポレートガバナンス委員(委員長)
験や高い見識をもとに、客観的、公正・中立な判
独立社外取締役会議メンバー
断ができる人物であることから、当社の「取締役
候補者指名にあたっての考え方」及び「独立役員
の基準」に照らして、当社の社外取締役として適
任であると判断しております。同氏は、これま
で、取締役会及び独立社外取締役会議にて経営に
係る積極的な助言及び提言を行い、コーポレート
ガバナンス委員会においても、委員長として独立
的かつ公正な立場から、持続的成長及び企業価値
向上に資する当社の経営体制の在り方に係る助言
及び提言を行っております。同氏には、引き続
き、当社の社外取締役として業務執行に対する監
督等適切な役割を果たすことを期待しておりま
す。
北川 慎介 資源エネルギー分野をはじめ経済産業政策にかか
コーポレートガバナンス委員
わる豊富な経験及び当社とは異なる事業領域での
独立社外取締役会議メンバー
経験に基づく産業界全般に対する高い見識をもと
に、客観的、公正・中立な判断ができる人物であ
ることから、当社の「取締役候補者指名にあたっ
ての考え方」及び「独立役員の基準」に照らし
て、当社の社外取締役として適任であると判断し
ております。同氏は、これまで、取締役会及び独
立社外取締役会議にて経営に係る積極的な助言及
び提言を行い、コーポレートガバナンス委員会に
おいても、委員として独立的かつ公正な立場か
ら、持続的成長及び企業価値向上に資する当社の
経営体制の在り方に係る助言及び提言を行ってお
ります。同氏には、引き続き、当社の社外取締役
として業務執行に対する監督等適切な役割を果た
すことを期待しております。
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氏名 担当等 選任理由・期待する役割
河野 雅明
監査等委員(監査等委員会委員長) 金融機関での与信管理・財務管理に関する豊富な
経験や、金融機関等の経営者としての高い見識な
指名・報酬委員
ど、金融界における知見をもとに、客観的、公
コーポレートガバナンス委員
正・中立な判断ができる人物であることから、当
独立社外取締役会議メンバー
社の「取締役候補者指名にあたっての考え方」及
び「独立役員の基準」に照らして、当社の監査等
委員である社外取締役として適任であると判断し
ております。同氏は、これまで、取締役会及び独
立社外取締役会議にて経営に係る積極的な助言及
び提言を行っているほか、監査等委員会委員長と
して、当社の経営に対するモニタリング機能の向
上に寄与しております。また、コーポレートガバ
ナンス委員会及び指名・報酬委員会では、委員と
して独立的かつ公正な立場から、持続的成長及び
企業価値向上に資する当社の経営体制の在り方に
係る助言及び提言を行っております。同氏には、
引き続き、当社の社外取締役として業務執行に対
する監督等適切な役割を果たすことを期待してお
ります。なお、同氏は財務及び会計に関する相当
程度の知見を有しております。
三浦 州夫
監査等委員 社外取締役又は社外監査役となること以外の方法
で会社の経営に関与したことはありませんが、裁
コンプライアンス委員(委員長)
判官及び弁護士としての豊富な経験、他の上場企
独立社外取締役会議メンバー
業の社外役員としての知見をもとに、客観的、公
正・中立な判断ができる人物であることから、当
社の「取締役候補者指名にあたっての考え方」及
び「独立役員の基準」に照らして、当社の監査等
委員である社外取締役として適任であると判断し
ております。同氏は、これまで、取締役会及び独
立社外取締役会議にて積極的に経営に係る助言及
び提言を行っているほか、監査等委員及びコンプ
ライアンス委員会委員長として、当社の経営に対
するモニタリング機能の向上に寄与しておりま
す。同氏には、引き続き、当社の社外取締役とし
て業務執行に対する監督等適切な役割を果たすこ
とを期待しております。
関口 暢子
監査等委員 産業界における当社とは異なる事業領域での財
務、会計及び経営管理に関する豊富な経験、他の
独立社外取締役会議メンバー
上場企業の社外取締役としての知見をもとに、客
観的、公正・中立な判断ができる人物であること
から、当社の「取締役候補者指名にあたっての考
え方」及び「独立役員の基準」に照らして、当社
の監査等委員である社外取締役として適任である
と判断しております。同氏は、これまで、取締役
会及び独立社外取締役会議にて経営に係る積極的
な助言及び提言を行っているほか、監査等委員と
して、当社の経営に対するモニタリング機能の向
上に寄与しております。同氏には、引き続き、当
社の社外取締役として業務執行に対する監督等適
切な役割を果たすことを期待しております。な
お、同氏は財務及び会計に関する相当程度の知見
を有しております。
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当社は、当社の取締役が株主から負託を受けた役割を果たすために必要な資質及び社外取締役については独
立役員の基準について、当社としての考え方を取りまとめ、公表しております。候補者の選定にあたっては、
この考え方に沿って候補者を指名します。
(取締役(監査等委員である取締役を除く。)候補者指名にあたっての考え方)
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は株主から負託を受けた役割を果たすため、以下の資質
を持つ人物が望ましいと考え、この考え方に沿って候補者を指名します。
A)ステークホルダーに配慮し、社会的責任を全うすると同時に、企業価値の向上に取り組むという当社の企
業理念、経営ビジョンを十分に理解し、その実践に努めることができること
B)自身のキャリアを踏まえて事業、職務への深い知見を有すると同時に、経営資源の分配をはじめ、重要な
経営事項の決定に際し、素材系、機械系、電力供給といった多岐にわたる当社の事業間のシナジー効果を
十分に発揮できるよう、柔軟かつバランスの取れた判断ができること
C)変化の激しい環境において、迅速かつ果断な判断ができること
D)取締役会の一員として、他の取締役に対し、積極的な提言、示唆を実施できること
E)なお、社外取締役については、社外の公正中立な意見を取締役会の決議に反映させることで、適切なリス
クテイクを後押しし、当社の中長期的成長をサポートすることができる人物が望ましいことから、上記
A)乃至D)に加えて、以下の条件を満たすことを求めます。
a.豊富な経験と高い見識を有し、その経歴等に鑑みて、客観的・公正・中立な判断ができること
b.特に、当社の経営ビジョン・経営計画の推進にあたり必要なグローバルな知見もしくは当社の営む事業
分野に対する知見があること
c.当社の定める独立役員の基準を満たすこと
(監査等委員である取締役候補者指名にあたっての考え方)
当社の監査等委員である取締役は株主から負託を受けた役割を果たすため、以下の条件を満たす人物が望ま
しいと考え、この考え方に沿って候補者を指名します。
A)当社の多岐にわたる事業特性を十分に理解したうえで、会社法に定める職責・機能に基づき適正な監査・
監督ができること
B)適法性監査にとどまらず、企業価値向上に資するよう、経営の妥当性にまで視野を広げ、取締役会で積極
的な発言等ができること
C)監査等委員であることを踏まえて、取締役としての権限を適正に行使できること
D)なお、少なくとも1名は財務及び会計に関する相当程度の知見を有する人物の登用を基本とします。
E)また、監査等委員である社外取締役については、様々な視点から監査・監督機能が発揮されるよう法曹
界、金融界、産業界等幅広い分野の出身者からそれぞれ招聘することを基本とし、その上で、その知見を
活かして、監査等を通じて得た情報をもとに、適切なリスクテイクを後押しし、当社の中長期的成長をサ
ポートすることができる人物が望ましいことから上記A)乃至C)に加えて、以下の条件を満たすことを
求めます。
a.豊富な経験と高い見識を有し、その経歴等に鑑みて、客観的・公正・中立な判断ができること
b.当社の定める独立役員の基準を満たすこと
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(独立役員の基準)
当社の社外取締役(監査等委員である社外取締役を含む。)は、以下の要件のいずれにも該当しない場合
に、独立性を有するものとします。ただし、L)は監査等委員である社外取締役についてのみ適用されるもの
とします。
A)現在又は過去における当社グループ(当社及びその子会社をいう。以下同じ。)の業務執行者(業務執行
取締役、執行役及び執行役員その他の使用人をいう。以下同じ。)
B)現在又は過去5年間において、近親者(2親等以内の親族をいう。以下同じ。)が当社グループの業務執
行者であるもの
C)現在又は過去3年間における当社の主要な株主(議決権保有割合10%以上の株主をいう。)又はその業務
執行者
D)現在又は過去3年間における当社の主要な取引先(直近3事業年度における当社に対する支払額のうち最
も高い額が当社の連結総売上高の2%を超える取引先をいう。)又はその業務執行者
E)現在又は過去3年間において当社を主要な取引先とする者(直近3事業年度における当社の支払額のうち
最も高い額がその者の連結総売上高の2%を超える取引先をいう。)又はその業務執行者
F)現在又は過去3年間において当社の資金調達に必要不可欠であり、代替性がない程度に依存している金融
機関その他の大口債権者又はその業務執行者
G)現在又は過去3年間において当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産(個人の場合には1,000万
円/年又は10万ドル/年のいずれか大きい額以上の額のものをいい、法人、組合等の団体である場合にはそ
の団体の連結総売上高の2%以上の額のものをいう。)を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律
専門家(当該財産を得ているものが法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者。但し、当
該団体から報酬の支払を受けず、独自に自己の職務を遂行する者を除く。)
H)当社の会計監査人である公認会計士、又は当社の会計監査人である監査法人に所属する公認会計士
I)直近事業年度において、当社から1,000万円/年又は10万ドル/年もしくは当該組織の平均年間総費用の
30%のいずれか大きい額を超える寄附又は助成を受けている組織の代表者もしくはそれに準ずる者
J)当社グループと社外役員の相互派遣の関係(当社グループに在籍する業務執行者が他の会社の社外役員で
あり、かつ当該他の会社に在籍する業務執行者が当社の社外役員である場合をいう。)を有する会社の業
務執行者
K)近親者が上記C)~J)(業務執行者については、取締役、執行役及び執行役員に限り、法律事務所等の
専門的アドバイザリーファームに所属する者については、社員及びパートナーに限る。)に該当する者
L)以下のa.からc.に該当する者の近親者
a.現在又は過去1年間における当社の子会社の非業務執行取締役
b.現在又は過去1年間における当社の子会社の会計参与(当該会計参与が法人である場合は、当該法人に
所属する公認会計士もしくは税理士)
c.過去1年間における当社の非業務執行取締役
3) 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部
門との関係
各社外取締役は、取締役会、監査等委員会のほか、取締役会の諮問委員会、独立社外取締役会議に参画するこ
とで、当社の経営に対するモニタリング機能を担う一員として業務執行側に様々な助言及び提言を行っておりま
す。
監査等委員会は、内部統制システムの活用として、内部統制・監査部との連絡会を毎月開催し、情報共有と連
携に努めるとともに、事業部門の企画管理部門や海外統括会社のヒアリングを実施しております。このほか、子
会社監査役の活動状況の聴取を実施しております。加えて、監査等委員会は、会計監査人とも、四半期レビュー
等を通じ、財務報告に係る内部統制の評価結果も含め、定期的に意見交換を行うなど緊密な連携に努めておりま
す。
また、当社が設置する独立社外取締役会議は、監査等委員である社外取締役及び監査等委員でない社外取締役
の全社外取締役がメンバーとなっております。
なお、監査等委員会、内部監査部門、内部統制部門との情報共有等を図るため、独立社外取締役会議の事務局
を経営企画部が担い、これを監査等委員会室がサポートすることとしております。
加えて、監査等委員でない社外取締役と監査等委員会との間では定期的に意見交換会を開催し、情報の共有を
図っています。
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(3)【監査の状況】
①監査等委員会の構成等
監査等委員会の構成等の事項は、「(1)②(ⅲ)監査等委員である取締役、監査等委員会の体制」をご参照く
ださい。
②監査等委員会監査の状況
監査等委員会は、会社の監督機能の一部を担い、かつ、株主の負託を受けて取締役の職務の執行を監査する法定
の独立した機関として、その職務を適正に執行することにより、KOBELCOグループ全体の健全で持続的な成長を実現
し、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立することを目的に、法令、定款及び監査等委員会規則等に従
い、取締役の職務遂行の全般について監査を行います。
当事業年度において、当社は監査等委員会を18回開催しており、個々の出席状況は次のとおりであります。
氏名 開催回数 出席回数 出席率
石川 裕士 18 18 100%
監査等委員(常勤)
対馬 靖 16 13 81%
宮田 賀生 5 5 100%
河野 雅明 18 18 100%
監査等委員
三浦 州夫 18 17 94%
関口 暢子 13 13 100%
(注)1 関口 暢子氏が監査等委員に就任した2022年6月22日開催の第169回定時株主総会以降、監査等委員会は13
回開催されています。
2 宮田 賀生氏が監査等委員を退任した2022年6月22日開催の第169回定時株主総会までに、監査等委員会は
5回開催されています。
3 対馬 靖氏が監査等委員を退任した2023年2月28日までに、監査等委員会は16回開催されています。
監査等委員会の主な検討内容は、監査等委員会の長及び常勤の監査等委員の選定、監査の方針及び計画の策定、
監査等委員会の監査報告の決定等であります。具体的には、当事業年度において、(1)新たな経営体制※の実効性、
(2)リスクマネジメントの有効性、(3)事業ポートフォリオの検討、(4)CO₂削減/カーボンニュートラルに向けた取組
みを重点監査項目として定め、監査の実効性と効率性の追求を図るべく、内部統制システムを活用した監査、リス
クアプローチに基づく往査対象の選定、リモート監査の有効活用等に留意して監査活動を行いました。また、会計
監査人の選任及び解任並びに不再任に関する株主総会議案の内容の決定や会計監査人の報酬等の同意、取締役の選
任及び報酬に関する意見、監査等委員である取締役の選任議案の同意等について検討を行っております。なお、会
計監査人の評価基準として、7つの評価視点(①監査法人の品質管理、②監査の体制やその資質、③監査報酬の妥
当性、④監査等委員会とのコミュニケーション、⑤経営者・内部監査部門とのコミュニケーション、⑥グループ監
査の妥当性、⑦不正リスクへの対応)を定めており、会計監査人の監査の方法と結果の相当性及び再任の適否の判
断を行っております。
また、監査等委員会は、監査等委員会が定めた監査等委員会監査等基準、監査方針及び計画等に沿って、業務執
行取締役・執行役員等との面談による職務執行状況の監査、会計監査人の職務執行状況の評価等を行っておりま
す。加えて、取締役会等重要な会議への出席の他、内部監査部門や会計監査人との連携や、子会社等に対する往査
並びに事業部門の企画管理部門、海外統括会社へのヒアリング等にも取り組んでおります。このほか、子会社監査
役の活動状況の聴取を実施いたしました。なお、常勤の監査等委員である取締役は、日常的に監査環境の整備、及
び社内の情報収集に積極的に努め、他の監査等委員である取締役との情報共有及び意思の疎通を図っております。
※2021年4月に見直しを実施した新たな経営体制については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対
処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題等 ②対処すべき課題 <経営基盤領域の強化>」をご参照
ください。
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③内部監査の状況
内部監査は、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営活動の管理・運営体制及び遂行状況全般を
対象として、計画的に監査活動を行っております。その目的は経営目標の効果的な達成に役立つことにあります。
当社では内部統制・監査部が内部監査に関する業務を行っております(内部監査担当13名)。監査は内部監査規
程に基づき、原則としてあらかじめ策定した監査計画に基づいて実施します。監査結果については、監査対象部署
へ説明し、必要に応じて改善を求めるとともに、取締役会のほか監査等委員会に対し報告しております。
また、内部統制・監査部は監査等委員会及び会計監査人と常に連携・調整し、監査の効率的な実施にも努めてお
ります。具体的には、監査等委員会に対して定期的に監査方針や計画を報告するとともに、財務報告に係る内部統
制の実施状況や監査結果等についても会計監査人を含む3者で共有しております。
④会計監査の状況
a.監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b.継続監査期間:54年
上記は、調査が著しく困難であったため、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身(の1つ)であ
る監査法人朝日会計社が監査法人組織になって以降の期間について記載したものです。
実際の監査期間は、この期間を超える可能性があります。
c.業務を執行した公認会計士
中島 久木
大槻 櫻子
塚本 健
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士9名、会計士試験合格者等5名、その他7名であり、会計監
査人は、内部監査部門、内部統制部門との間で適宜情報交換を行い、監査を行っています。
e.監査法人の選定方針と理由
当社では監査法人の選定に当たり、会社法上の欠格事由や独立性の問題が無く、監査の品質管理体制の適正
性、監査計画・監査体制並びに監査報酬見積額の合理性等を基準に判断する方針としております。
有限責任 あずさ監査法人については、上記選定方針に合致しており、さらに、会計監査において、同監査法人
は監査実施計画に従い、会社及び海外も含めた子会社・関連会社の監査、四半期レビューを適切に実施してお
り、十分な監査実績があることを確認しております。
上記により、有限責任 あずさ監査法人は当社の会計監査人として適任と判断しております。
なお、会計監査人が会計監査を適切に遂行できないと判断されるとき、その他その必要があると判断した場
合、監査等委員会が当該会計監査人の解任又は不再任に係る議案の内容を決定のうえ、取締役会が株主総会に提
出しますが、上記評価のとおり、会計監査人の解任又は不再任について株主総会の議案とはいたしておりませ
ん。
f.監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、会計監査人により、独立性、監査に係る法令等の遵守、監査体制の適正性等に関する事項の
説明を受け、会計監査に必要な品質管理基準の遵守状況を確認の上、監査計画の聴取を行い、監査範囲や監査日
数の合理性に加え、専門性を有する監査要員構成である事を確認しております。また、監査等委員は、会計監査
人との定期的な会合を通じ、監査体制、監査計画及び監査実施状況について、意見交換を行っております。
上記により、有限責任 あずさ監査法人が会計監査人として適任であると評価しております。
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⑤監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬の内容
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(百万円) 酬(百万円) 報酬(百万円) 酬(百万円)
162 11 172 2
提出会社
293 9 293 6
連結子会社
455 21 465 9
計
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、事業管理に関するアドバイザリー業務等であります。
また連結子会社における非監査業務の内容は、財務デューデリジェンス業務等であります。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、内部統制に関するアドバイザリー業務等であります。
また連結子会社における非監査業務の内容は、財務デューデリジェンス業務等であります。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGメンバーファーム)に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報 監査証明業務に基づく 非監査業務に基づく報
報酬(百万円) 酬(百万円) 報酬(百万円) 酬(百万円)
3 12
提出会社 - -
104 54 109 70
連結子会社
104 57 109 82
計
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、税務関係のアドバイザリー業務等であります。
また連結子会社における非監査業務の内容は、税務関係のアドバイザリー業務等であります。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、温室効果ガス排出量算定のための助言業務等であります。
また連結子会社における非監査業務の内容は、税務関係のアドバイザリー業務等であります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
当社の連結子会社であるKobe Steel USA Holdings Inc.及びその連結子会社は、BDO USA, LLPに対して、監査
証明業務に基づく報酬として103百万円を支払っております。
(当連結会計年度)
当社の連結子会社であるKobe Steel USA Holdings Inc.及びその連結子会社は、BDO USA, LLPに対して、監査
証明業務に基づく報酬として132百万円を支払っております。
d.監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する報酬の額の決定に関する方針は、次のとおりであります。
監査報酬の決定に先立ち、監査法人から監査の方法、日数等を含む監査計画及び当該計画に基づく監査報酬額
の提示を受け、当該計画及び報酬の額の妥当性について、当社の事業規模及び業務内容に鑑み、監査業務が適切
に遂行されるための十分な監査時間が確保されているか、効率的な監査業務が実施されるかなどの観点で検討
し、監査法人と協議のうえ監査報酬を決定します。なお、監査報酬の最終的な決定に当たっては、監査等委員会
の同意を得ることとしております。
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e.監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、会計監査人の前期の監査実績も踏まえながら、当期の監査計画の内容や報酬の算定根拠など
を検討した結果、会計監査人の報酬等の額は妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行いました。
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(4)【役員の報酬等】
①役員報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
1) 役員の報酬制度の基本的な考え方
(ⅰ)当社の持続的発展を担う優秀な人材を確保し、適切に報奨することができる制度であること。
(ⅱ)広くステークホルダーと価値観を共有し、短期的な成長のみならず中長期的な成長の追求を促すことがで
きる制度であること。
(ⅲ)連結業績目標の達成を動機づけていくにあたり、各々の役員が果たすべき役割を最大限発揮するべく、事
業毎の特性を十分に考慮した制度とすること。
(ⅳ)報酬制度の在り方、見直しの必要性については、指名・報酬委員会にて検討することで、報酬決定に係る
判断の客観性や透明性を確保すること。
2) 報酬体系
(ⅰ)株主総会決議に基づき、取締役会にて個別の役員報酬の算定方法を含む「役員報酬規程」、「役員報酬規
程細則」、「役員業績連動報酬規程」、「役員株式給付規程」を定めます。
(ⅱ)当社の役員報酬は、役位・委嘱業務に応じた報酬ランクに基づく基本報酬(固定給)と、単年度の組織業
績反映分及び個人評価反映分によって構成される業績連動報酬、並びに企業価値向上に対する利害を株主
の皆様と共有することを目的とする株式報酬を基礎とした中長期インセンティブ報酬で構成します。ただ
し、社外取締役、及び監査等委員である取締役はその役割に鑑み、業績連動報酬並びに中長期インセン
ティブ報酬の対象外とします。なお、報酬ランクは、委嘱業務の職責の大きさを考慮して社長が決定し、
指名・報酬委員会及び取締役会に報告するものとします。
(ⅲ)業績連動報酬のうち組織業績反映分の基準額は役位・報酬ランク毎の基本報酬の25~30%程度、個人評価
反映分は役位・報酬ランク毎の基本報酬の△5~5%程度、中長期インセンティブ報酬の単年度付与価値
は役位・報酬ランク毎の基本報酬の25~30%程度に設定します。
(ⅳ)株主総会の決議に基づく、各報酬の限度額等
・取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬
基本報酬の支給限度額 1事業年度当たり総額460百万円以内
業績連動報酬の上限額に相当する支給限度額 1事業年度当たり総額240百万円以内
中長期インセンティブ報酬の付与上限ポイント 1事業年度当たり424,100ポイント以内
・監査等委員である取締役の報酬(基本報酬のみ) 1事業年度当たり総額132百万円以内
(ご参考)役員報酬体系
報酬等の構成は、以下のとおりです。役位毎の種類別報酬割合については、高い成果、責任が
求められる高い役位ほど業績連動報酬及び中長期インセンティブ報酬の比率を高めています。
業績連動報酬
中長期インセン
役位 基本報酬 合計
ティブ報酬
組織業績反映分
取締役社長 約63% 約19% 約19% 100%
取締役副社長執行役員 約63% 約19% 約19% 100%
取締役執行役員 約67% 約17% 約17% 100%
監査等委員である取締役 100% - - 100%
社外取締役 100% - - 100%
※1 業績連動報酬の組織業績反映分及び中長期インセンティブ報酬は業績に応じて支給額が変動し、
その変動範囲は、業績連動報酬の組織業績反映分では基準額の0~200%、中長期インセンティブ
報酬では基準額の0~100%です。なお、上表における業績連動報酬の組織業績反映分及び中長期
インセンティブ報酬の割合は、それぞれの支給額が基準額の100%である場合を示しています。ま
た、上表以外に、業績連動報酬の個人評価反映分を基本報酬の△5~5%の範囲で支給します。
※2 取締役執行役員は標準的な報酬ランクの場合を示しています。
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3) 業績連動報酬の仕組み
(ⅰ)業績連動報酬のうち組織業績反映分は、中期計画に掲げる経営管理指標を基礎として業績目標を設定し、
各事業部門も同様に各事業部門毎の業績管理指標を基礎として業績目標を設定の上、それぞれの目標達成
度に応じて、役位・報酬ランク毎の基準額に0~200%を乗じて支給額を決定します。なお、算定の基礎
となる経営管理指標については、取締役会にて定めます。
(ⅱ)業績連動報酬のうち個人評価反映分は、委嘱業務・事業ユニットの業績、目標達成の度合いその他を含め
た総合評価とし、役位・報酬ランク毎の基本報酬に△5~5%を乗じて支給額を決定します。総括役員又
は事業部門長の評価は社長が決定し、その他執行役員の評価は総括役員又は事業部門長が一次評価をし社
長が決定します。評価の内容については指名・報酬委員会に報告するものとします。
(注)個人評価反映分は、各役員の委嘱業務におけるESG関連の取組状況も総合的に勘案し評価しています。
(ⅲ)役位・報酬ランク毎の基準額、係数の算定方法は「役員報酬規程細則」及び「役員業績連動報酬規程」に
定めます。
(ⅳ)経営管理指標は、事業報告にて開示します。
(注)2021年度からは資本コストを意識した経営資源の効率化と経営基盤の強化を促進するため、「ROIC」を
評価指標としています。なお、算定における基準値は中期経営計画に掲げる目標を踏まえROIC5%として
います。
(ご参考)業績連動報酬のうち組織業績反映分に係る経営管理指標の基準値及び実績
2022年度基準値 ROIC 5.0%
2022年度実績 ROIC 4.9%
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4) 中長期インセンティブ報酬の仕組み
(ⅰ)中長期インセンティブ報酬は、企業価値の持続的な向上に対する貢献意識を高めることを目的に、役員株
式給付信託(Board Benefit Trust)と称される仕組みを採用します。株式給付については、役位・報酬
ランク毎の基準額を元に算出された基準ポイント数に、毎期の全社の親会社株主に帰属する当期純利益及
び配当実施状況に応じて0~100%を乗じたポイント数を付与し、信託期間中の3年毎の一定期日に、付
与されたポイント数に応じて当社株式を給付します。
(注)当社では株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題のひとつとして位置づけていることから「親会
社株主に帰属する当期純利益(以下、当期利益)」を評価指標としています。なお、算定における基準値
は配当政策に掲げている配当性向を目安として当期利益794億円としています。
(ⅱ)役位・報酬ランク毎の基準ポイント数、係数の算定方法は「役員報酬規程細則」及び「役員株式給付規
程」に定めます。
(ⅲ)信託による株式取得資金として原則として、3年毎に1,100百万円を拠出します。ただし、信託期間の末
日に信託財産内に残存株式がある場合には、以降の信託対象期間における原資に充当し、1,100百万円か
ら残存株式等の金額を控除した金額を拠出額とします。
(ご参考)中長期インセンティブ報酬に係る指標の最近事業年度の基準値及び実績
2022年度基準値 当期利益 794億円
2022年度実績 当期利益 725億円
5) 報酬額の決定及び支給の時期
(ⅰ)基本報酬は、役位・報酬ランクに基づく基本報酬を12か月で割った月額を役員就任月より毎月支給いたし
ます。月の途中で委嘱業務の異動等により基本報酬に変更が生じた場合は、変更翌月より変更後の報酬を
支給します。
(ⅱ)業績連動報酬のうち組織業績反映分は、毎事業年度終了後、算定式に基づき決定し、定時株主総会の実施
月の翌月末までに一括支給いたします。個人評価反映分は、毎事業年度終了後に個人評価結果に応じて算
定式に基づき決定した金額を組織業績反映分と合わせて支給します。
(ⅲ)中長期インセンティブ報酬は、毎事業年度終了後に算定式に基づきポイントを決定し毎年6月30日に付与
します。株式等の給付は信託期間中の3年毎の一定期日に行います。
6) 報酬水準の決定方法
外部の専門機関による役員報酬調査データ等に基づき、当社の企業規模、並びに役員が果たすべき職責に見
合う報酬水準となるよう設定します。
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7) 報酬の方針の決定・検証方法
(ⅰ)取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬制度に関する方針は取締役会決議にて、監査等委員で
ある取締役の報酬の方針は監査等委員全員の協議により決定します。
(ⅱ)報酬制度の在り方、また見直しの必要性については、指名・報酬委員会にて検討し、見直しが必要と判断
される場合は、制度設計の見直しを取締役会に上程し、取締役会にて決議します。
(ご参考)最近事業年度における取締役会及び指名・報酬委員会の活動内容
取締役会
2022年5月:指名・報酬委員会の答申に基づき、役員報酬上限額変更議案の株主総会への上程を決議
2022年6月:指名・報酬委員会の答申に基づき、役員報酬制度の基本方針の改正(役員報酬上限額の変
更)を決議
2023年5月:指名・報酬委員会の答申に基づき、2022年度の業績連動報酬額及び中長期インセンティブ
報酬額を決議
指名・報酬委員会
2022年4月:役員報酬上限額変更議案の株主総会への上程について審議し、取締役会に答申
2023年5月:2022年度の業績連動報酬額及び中長期インセンティブ報酬額について審議し、取締役会
に答申
②役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別総額(百万円)
人員 支払総額
中長期インセン
備考
区分
(名) (百万円)
基本報酬 業績連動報酬 ティブ報酬
(非金銭報酬等)
取締役(監査等委員を除く) 報酬支給人員、支払
5 419 271 82 65
(社外取締役を除く) 額には、当期中に退
任した取締役1名、
取締役(監査等委員)
2 62 62
- -
社外役員2名を含め
(社外取締役を除く)
ています。
8 85 85
社外役員 - -
(注)1.取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬額は、2022年6月22日開催の第169回定時株主総会におい
て、基本報酬の支給限度額を1事業年度当たり総額460百万円以内、業績連動報酬の上限額に相当する支給限
度額を1事業年度当たり総額240百万円以内と決議いただいております。当該株主総会終結時点の基本報酬の
支給対象の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は、8名(うち、社外取締役は3名)、業績連
動報酬の支給対象の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、5名でした。また、2022年6月22日開催
の第169回定時株主総会において、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)を対象に、中
長期インセンティブ報酬として導入している株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))に当社株式の取
得資金として拠出する金額の上限を3事業年度分として360百万円以内、各事業年度毎に付与されるポイント
数を424,100ポイント以内と決議いただいております。当該株主総会終結時点での中長期インセンティブ報酬
の支給対象の取締役の員数(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)は、5名でした。また、監査
等委員である取締役に対する報酬額は、2016年6月22日開催の第163回定時株主総会において、基本報酬の支
給限度額を1事業年度当たり総額132百万円以内と決議いただいております。当該株主総会終結時点の基本報
酬の支給対象の監査等委員である取締役は、5名(うち、社外取締役は3名)でした。
2.役員賞与は支給しておりません。
3.業績連動報酬の総額は、支給見込み額であり、中長期インセンティブ報酬の総額は、付与ポイントの費用計上
額であります。
4.当社の取締役の個人別の報酬等につきましては、取締役会にて決議された「役員報酬制度の基本方針」に基づ
き、指名・報酬委員会にて承認を得た内規にその詳細な算定方法を定めており、これに従い、その内容を決定
しています。なお、当期の取締役の個人別の報酬等につきましては、当該内規に基づいて決定されていること
から、取締役会として決定方針に沿うものであると判断しております。
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③報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
報酬等の種類別の額(百万円)
中長期インセン
報酬総額
氏名 役職 役員区分
基本報酬 業績連動報酬 ティブ報酬
(百万円)
(非金銭報酬等)
取締役(監
代表取締役
120
山口 貢 査等委員を 79 22 18
社長
除く)
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(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、純投資目的の投資株式は保有しない方針であります。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会における検証の内容
(ⅰ)当社の保有方針
当社は、株式の政策保有について、当社グループの持続的な成長に資すると考えられる場合には、資本効
率・経済合理性などを考慮した上で株式の保有を行います。ただし、その保有は必要最小限とし、段階的に縮
減を図ってまいります。
なお、当社の保有株式の議決権行使基準は次のとおりです。
当社との提携等の保有基本方針・目的に合致した経営が行われていると判断する場合には、原則当該会社の
提案に賛成する。
ただし、以下の場合には、所管部署で当該会社へのヒアリングを含む検証・精査を行う。
・会計監査人の無限定適正意見が付されていない場合
・重大な法令違反等不祥事あるいは著しい経営上の問題を抱えており、保有目的に支障が生じる可能性が
あると判断される場合
・著しく株主の権利を阻害する可能性があると判断される場合
(ⅱ)保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会における検証の内容
純投資目的での保有はしないため、合理性を検証するにあたり、短期的な株価水準のみをもって保有の要否
は判断しませんが、配当や利益等といった便益や当社グループとの取引規模等と、資本コストを比較衡量し、
保有額、保有の要否について取締役会で定期的に検証し、その検証結果を開示します。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額の合計額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
108 11,889
非上場株式
29 91,247
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
2 1,523
非上場株式 新規投資
非上場株式以外の株式 - - -
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
5 905
非上場株式
2 3,112
非上場株式以外の株式
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c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄毎の株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(千株) 株式数(千株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
取引先として、事業上の関係を維持・強
20,160 20,160
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
トヨタ自動車(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
37,900 44,805 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
業務提携先として、事業上の関係を維
6,744 6,744
持・強化し、安定的な製品の製造委託や
受託等を通じて企業基盤の安定化を図
日本製鉄(株)
有
り、中長期的に企業価値の向上を図るた
21,041 14,641 め。主として取引高をもとに保有の合理
性を検討しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
5,100 5,500
化し、原材料等の安定調達を通じて企業
(株)大阪チタニウム 基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
無
テクノロジーズ 値の向上を図るため。主として取引高を
16,269 7,909
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
4,266 4,266
化し、長期資金調達を通じて企業基盤の
(株)三菱UFJフィナ
無(注2)
安定化を図り、中長期的に企業価値の向
ンシャル・グループ
上を図るため。主として金融取引高をも
3,616 3,243
とに保有の合理性を検討しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
353 353
化し、原材料等の安定調達を通じて企業
品川リフラクトリー
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
有
ズ(株)
値の向上を図るため。主として取引高を
1,610 1,337 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
1,176 1,176
化し、電力事業の維持拡大と、エネル
ギーの安定調達を通じて企業基盤の安定
関西電力(株)
有
化を図り、中長期的に企業価値の向上を
1,518 1,351 図るため。主として取引高をもとに保有
の合理性を検討しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
808 808
化し、長期資金調達を通じて企業基盤の
(株)みずほフィナン
無(注2)
安定化を図り、中長期的に企業価値の向
シャルグループ
上を図るため。主として金融取引高をも
1,517 1,266
とに保有の合理性を検討しております。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(千株) 株式数(千株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
取引先として、事業上の関係を維持・強
1,000 1,000
化し、製品販売の維持拡大と、原材料等
の安定調達を通じて企業基盤の安定化を
アルコニックス(株)
有
図り、中長期的に企業価値の向上を図る
1,361 1,399
ため。主として取引高をもとに保有の合
理性を検討しております。
業務提携先として、事業上の関係を維
342 342
持・強化し、汎用圧縮機事業の維持拡大
を通じて企業基盤の安定化を図り、中長
三浦工業(株)
無
期的に企業価値の向上を図るため。主と
1,154 1,037
して取引高をもとに保有の合理性を検討
しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
168 168
化し、長期資金調達を通じて企業基盤の
(株)三井住友フィナ
無(注2)
安定化を図り、中長期的に企業価値の向
ンシャルグループ
上を図るため。主として金融取引高をも
892 658
とに保有の合理性を検討しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
926 926
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
日本発条(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
877 819 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
710 710
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
東プレ(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
871 834
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
300 300
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
(株)淀川製鋼所 有
値の向上を図るため。主として取引高を
814 787 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
27 27
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
東海旅客鉄道(株)
無
値の向上を図るため。主として取引高を
418 423 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(千株) 株式数(千株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
取引先として、事業上の関係を維持・強
546 546
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
双葉電子工業(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
284 360
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
609 609
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
(株)名村造船所 無
値の向上を図るため。主として取引高を
211 199 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
260 260
化し、長期資金調達を通じて企業基盤の
(株)山口フィナン
無(注2)
安定化を図り、中長期的に企業価値の向
シャルグループ
上を図るため。主として金融取引高をも
211 176
とに保有の合理性を検討しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
79 79
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
(株)駒井ハルテック 有
値の向上を図るため。主として取引高を
132 170
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
35 35
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
モリ工業(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
121 89
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
202 202
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
日東精工(株)
無
値の向上を図るため。主として取引高を
114 101 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
81 81
化し、製品販売の維持拡大と、原材料等
の安定調達を通じて企業基盤の安定化を
虹技(株)
有
図り、中長期的に企業価値の向上を図る
84 79 ため。主として取引高をもとに保有の合
理性を検討しております。
取引先として、事業上の関係を維持・強
15 15
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
川田テクノロジーズ
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
無(注2)
(株)
値の向上を図るため。主として取引高を
57 54 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
101/183
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(千株) 株式数(千株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
取引先として、事業上の関係を維持・強
40 40
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
阪神内燃機工業(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
53 59
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
31 31
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
ホッカンホールディ
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
無
ングス(株)
値の向上を図るため。主として取引高を
42 40
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
20 20
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
東邦アセチレン(株)
無
値の向上を図るため。主として取引高を
27 23
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
22 22
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
(株)ヨロズ 無
値の向上を図るため。主として取引高を
18 19 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
6 6
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
小池酸素工業(株)
無
値の向上を図るため。主として取引高を
14 12
もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
2 2
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
川岸工業(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
5 5 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
取引先として、事業上の関係を維持・強
8 8
化し、製品販売の維持拡大を通じて企業
基盤の安定化を図り、中長期的に企業価
サンコール(株)
有
値の向上を図るため。主として取引高を
4 3 もとに保有の合理性を検討しておりま
す。
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株式会社 神戸製鋼所(E01231)
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当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(千株) 株式数(千株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
427
-
当事業年度末日において保有しておりま
大同特殊鋼(株) せん。
無
1,577
-
(注)1.定量的な保有効果については、測定過程における営業上の機密などの観点から開示困難であるため、保有の合理
性を検証した方法を記載しております。
2.保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
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みなし保有株式
当事業年度 前事業年度
保有目的、業務提携等の概要、
株式数(千株) 株式数(千株) 当社の株式の
銘柄 定量的な保有効果
保有の有無
及び株式数が増加した理由
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
退職給付信託に拠出されたものであり、
9,504 9,504
日本発条(株)
受託者は当社の指示に従い、議決権を行 有
9,000 8,411
使する。
退職給付信託に拠出されたものであり、
5,069 5,069
サンコール(株)
受託者は当社の指示に従い、議決権を行 有
3,005 2,509
使する。
退職給付信託に拠出されたものであり、
1,835 1,835
シンフォニアテクノ
受託者は当社の指示に従い、議決権を行 無
ロジー(株)
2,891 2,444
使する。
退職給付信託に拠出されたものであり、
334 334
本田技研工業(株)
受託者は当社の指示に従い、議決権を行 無
1,172 1,164
使する。
(注)1.議決権行使権限の対象となる株式数を記載しております。
2.みなし保有株式の事業年度末日における時価に議決権行使権限の対象となる株式数を乗じて得た額を記載して
おります。
3.保有目的には、当社が有する権限の内容を記載しております。
4.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28
号)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下
「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しており
ます。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31
日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任
あずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。具体的には、会計基準等の
内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、(公財)財務
会計基準機構へ加入するとともに、同財団の行うセミナーに定期的に参加しております。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
※3 243,502 ※3 203,520
現金及び預金
31,129 24,535
受取手形
296,969 377,962
売掛金
29,874 26,074
契約資産
17,200
有価証券 -
209,417 242,752
商品及び製品
※7 138,664 ※7 167,485
仕掛品
225,053 290,419
原材料及び貯蔵品
99,760 88,039
その他
△ 4,256 △ 4,802
貸倒引当金
1,287,314 1,415,987
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
292,487 292,878
建物及び構築物(純額)
528,904 586,122
機械装置及び運搬具(純額)
14,191 15,054
工具、器具及び備品(純額)
※8 131,896 ※8 135,518
土地
92,718 36,462
建設仮勘定
※1 ,※3 1,060,197 ※1 ,※3 1,066,035
有形固定資産合計
無形固定資産
20,358 22,772
ソフトウエア
15,966 14,807
その他
36,324 37,579
無形固定資産合計
投資その他の資産
※2 194,381 ※2 204,627
投資有価証券
3,147 3,005
長期貸付金
57,068 46,681
繰延税金資産
19,536 22,091
退職給付に係る資産
※2 90,181 ※2 99,030
その他
△ 19,408 △ 20,287
貸倒引当金
344,908 355,148
投資その他の資産合計
1,441,430 1,458,764
固定資産合計
2,728,745 2,874,751
資産合計
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
539,267 605,709
支払手形及び買掛金
※3 87,265 ※3 169,216
短期借入金
25,150 900
1年内償還予定の社債
34,055 43,840
未払金
8,318 13,140
未払法人税等
45,218 58,828
契約負債
22,878 23,529
賞与引当金
14,390 17,488
製品保証引当金
※7 14,730 ※7 8,775
受注工事損失引当金
448 956
債務保証損失引当金
343 288
顧客補償等対応費用引当金
92,871 107,129
その他
884,939 1,049,803
流動負債合計
固定負債
45,900 45,000
社債
※3 750,126 ※3 646,697
長期借入金
51,427 45,240
リース債務
8,158 6,555
繰延税金負債
※8 3,253 ※8 3,253
再評価に係る繰延税金負債
79,978 71,376
退職給付に係る負債
1,634 1,228
環境対策引当金
1,416 1,459
解体撤去関連費用引当金
29,563 26,482
その他
971,459 847,295
固定負債合計
1,856,399 1,897,098
負債合計
純資産の部
株主資本
250,930 250,930
資本金
116,434 116,430
資本剰余金
418,033 472,757
利益剰余金
△ 2,261 △ 1,879
自己株式
783,136 838,238
株主資本合計
その他の包括利益累計額
28,987 34,877
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益 △ 13,141 △ 7,082
※8 △ 3,400 ※8 △ 3,400
土地再評価差額金
16,054 32,562
為替換算調整勘定
3,689 18,760
退職給付に係る調整累計額
32,189 75,717
その他の包括利益累計額合計
※8 57,019 ※8 63,696
非支配株主持分
872,346 977,653
純資産合計
2,728,745 2,874,751
負債純資産合計
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②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※1 2,082,582 ※1 2,472,508
売上高
※2 ,※3 ,※4 1,774,778 ※2 ,※3 ,※4 2,151,217
売上原価
307,803 321,290
売上総利益
販売費及び一般管理費
56,161 63,395
運搬費
45,563 48,138
給料及び手当
※4 19,754 ※4 20,975
研究開発費
※5 98,701 ※5 102,416
その他
220,181 234,925
販売費及び一般管理費合計
87,622 86,365
営業利益
営業外収益
2,270 1,679
受取利息
3,258 4,657
受取配当金
3,416 3,148
業務分担金
1,466 6,368
為替差益
14,126 12,142
持分法による投資利益
8,670 19,040
受取補償金
11,248 11,809
その他
44,457 58,847
営業外収益合計
営業外費用
13,236 13,343
支払利息
9,496 9,595
出向者等労務費
3,347 5,730
解体撤去費
12,766 9,705
その他
38,846 38,375
営業外費用合計
93,233 106,837
経常利益
特別損失
※6 4,438
減損損失 -
※7 4,332
事業整理損 -
9,220
-
投資有価証券売却損
9,220 8,770
特別損失合計
84,013 98,066
税金等調整前当期純利益
16,083 25,024
法人税、住民税及び事業税
4,239
△ 2,281
法人税等調整額
20,323 22,743
法人税等合計
63,689 75,322
当期純利益
3,606 2,756
非支配株主に帰属する当期純利益
60,083 72,566
親会社株主に帰属する当期純利益
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【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
63,689 75,322
当期純利益
その他の包括利益
13,211 6,054
その他有価証券評価差額金
6,015
繰延ヘッジ損益 △ 28
5
土地再評価差額金 -
19,335 16,829
為替換算調整勘定
7,170 15,040
退職給付に係る調整額
2,493 1,086
持分法適用会社に対する持分相当額
※1 42,189 ※1 45,028
その他の包括利益合計
105,879 120,351
包括利益
(内訳)
101,700 116,094
親会社株主に係る包括利益
4,178 4,256
非支配株主に係る包括利益
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③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高
250,930 102,228 368,892 △ 2,261 719,789
会計方針の変更による累積的影響額
△ 631 △ 631
会計方針の変更を反映した当期首残高
250,930 102,228 368,260 △ 2,261 719,158
当期変動額
剰余金の配当
△ 7,282 △ 7,282
親会社株主に帰属する当期純利益
60,083 60,083
株式交換 21,907 21,907
自己株式の取得 △ 6 △ 6
自己株式の処分 △ 1 12 10
非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 △ 7,701 △ 7,701
連結及び持分法適用範囲の変更に伴う増減 △ 3,021 △ 3,021
持分法適用範囲の変更に伴う自己株式の増減 34 34
持分法適用会社が保有する親会社株式の増減 △ 41 △ 41
土地再評価差額金の取崩 △ 5 △ 5
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期変動額合計 - 14,205 49,773 △ 0 63,978
当期末残高 250,930 116,434 418,033 △ 2,261 783,136
その他の包括利益累計額
非支配株
その他 退職給付 その他の
純資産合計
繰延ヘッジ 土地再評価 為替換算
主持分
有価証券 に係る 包括利益
損益 差額金 調整勘定
評価差額金 調整累計額 累計額合計
当期首残高 15,757 △ 13,764 △ 3,406 △ 4,568 △ 3,444 △ 9,427 59,013 769,375
会計方針の変更による累積的影響額 △ 631
会計方針の変更を反映した当期首残高 15,757 △ 13,764 △ 3,406 △ 4,568 △ 3,444 △ 9,427 59,013 768,744
当期変動額
剰余金の配当 △ 7,282
親会社株主に帰属する当期純利益
60,083
株式交換
21,907
自己株式の取得
△ 6
自己株式の処分
10
非支配株主との取引に係る親会社の持分変動
△ 7,701
連結及び持分法適用範囲の変更に伴う増減
△ 3,021
持分法適用範囲の変更に伴う自己株式の増減
34
持分法適用会社が保有する親会社株式の増減
△ 41
土地再評価差額金の取崩
△ 5
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 13,230 623 5 20,623 7,134 41,617 △ 1,993 39,623
当期変動額合計
13,230 623 5 20,623 7,134 41,617 △ 1,993 103,601
当期末残高
28,987 △ 13,141 △ 3,400 16,054 3,689 32,189 57,019 872,346
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有価証券報告書
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計
当期首残高 250,930 116,434 418,033 △ 2,261 783,136
当期変動額
剰余金の配当 △ 17,823 △ 17,823
親会社株主に帰属する当期純利益 72,566 72,566
自己株式の取得 △ 5 △ 5
自己株式の処分 △ 1 323 321
非支配株主との取引に係る親会社の持分変動 47 47
連結及び持分法適用範囲の変更に伴う増減 △ 16 △ 16
持分法適用会社が保有する親会社株式の増減 △ 51 65 13
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期変動額合計 - △ 4 54,723 382 55,102
当期末残高 250,930 116,430 472,757 △ 1,879 838,238
その他の包括利益累計額
非支配株
その他 退職給付 その他の
純資産合計
繰延ヘッジ 土地再評価 為替換算
主持分
有価証券 に係る 包括利益
損益 差額金 調整勘定
評価差額金 調整累計額 累計額合計
当期首残高
28,987 △ 13,141 △ 3,400 16,054 3,689 32,189 57,019 872,346
当期変動額
剰余金の配当
△ 17,823
親会社株主に帰属する当期純利益
72,566
自己株式の取得
△ 5
自己株式の処分
321
非支配株主との取引に係る親会社の持分変動
47
連結及び持分法適用範囲の変更に伴う増減
△ 16
持分法適用会社が保有する親会社株式の増減
13
株主資本以外の項目の当期変動額(純額) 5,889 6,058 - 16,508 15,071 43,527 6,676 50,204
当期変動額合計 5,889 6,058 - 16,508 15,071 43,527 6,676 105,307
当期末残高 34,877 △ 7,082 △ 3,400 32,562 18,760 75,717 63,696 977,653
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
84,013 98,066
税金等調整前当期純利益
105,147 112,505
減価償却費
7,904 7,516
退職給付に係る負債の増減額(△は減少)
受取利息及び受取配当金 △ 5,529 △ 6,337
13,236 13,343
支払利息
9,220
投資有価証券売却損益(△は益) △ 2,971
持分法による投資損益(△は益) △ 14,126 △ 12,142
有形固定資産売却損益(△は益) △ 545 △ 1,277
1,452 1,365
有形固定資産除却損
4,438
減損損失 -
売上債権の増減額(△は増加) △ 52,781 △ 48,190
リース債権及びリース投資資産の増減額(△は増
6,960 2,649
加)
棚卸資産の増減額(△は増加) △ 136,976 △ 111,436
173,309 46,146
仕入債務の増減額(△は減少)
8,003
未払消費税等の増減額(△は減少) △ 15,200
6,788
未収入金の増減額(△は増加) △ 17,668
7,413 6,571
未払費用の増減額(△は減少)
10,360
預り金の増減額(△は減少) △ 4,875
12,047 3,099
有償支給取引に係る負債の増減額(△は減少)
15,351 5,484
その他
188,355 143,984
小計
利息及び配当金の受取額 8,107 9,626
利息の支払額 △ 13,462 △ 13,314
△ 14,191 △ 20,603
法人税等の支払額
168,809 119,692
営業活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フロー
有形及び無形固定資産の取得による支出 △ 156,447 △ 98,964
1,581 5,184
有形及び無形固定資産の売却による収入
投資有価証券の取得による支出 △ 5,975 △ 1,979
2,385 4,395
投資有価証券の売却による収入
連結の範囲の変更を伴う子会社持分の取得による
- △ 38
支出
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による
1,399
-
収入
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による
※2 △ 4,007
-
支出
4
短期貸付金の増減額(△は増加) △ 6,853
長期貸付けによる支出 △ 85 △ 898
815 592
長期貸付金の回収による収入
218
△ 105
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 161,510 △ 97,267
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
財務活動によるキャッシュ・フロー
1,315
短期借入金の増減額(△は減少) △ 44,424
78,179 30,753
長期借入れによる収入
長期借入金の返済による支出 △ 91,173 △ 60,412
10,000
社債の発行による収入 -
社債の償還による支出 △ 20,572 △ 25,150
ファイナンス・リース債務の返済による支出 △ 10,205 △ 15,963
配当金の支払額 △ 7,248 △ 17,746
非支配株主への配当金の支払額 △ 1,330 △ 1,341
連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却に
14
-
よる収入
連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得に
△ 74 △ 102
よる支出
連結の範囲の変更を伴わない子会社持分の取得に
- △ 134
よる支出
13,700
非支配株主からの払込みによる収入 -
3,991 3,216
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 69,143 △ 85,564
5,191 5,756
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △ 56,653 △ 57,382
現金及び現金同等物の期首残高 317,310 260,511
連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減
265
△ 145
額(△は減少)
※1 260,511 ※1 203,394
現金及び現金同等物の期末残高
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【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数
前連結会計年度 子会社201社のうち 169 社
当連結会計年度 子会社202社のうち 171 社
主要な連結子会社名については、「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しているため、省略してお
ります。
当連結会計年度より、Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.をはじめとする4社を新たに連結の範囲に含めておりま
す。
また、当連結会計年度より、(株)テザック神鋼ワイヤロープをはじめとする2社を連結の範囲から除外してお
り、その理由は、吸収合併等であります。
(2) 非連結子会社の名称等
前連結会計年度 Kobe EN&M Vietnam Co., Ltd.(現 Kobelco E&M Vietnam Co., Ltd.)をはじめ32社
当連結会計年度 Kobelco E&M Vietnam Co., Ltd.をはじめ31社
これらの会社の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等のそれぞ
れの合計額は、連結会社のそれらの合計額に比べ、いずれも重要性が乏しいため連結の範囲に含めておりません。
2.持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用の関連会社の数
前連結会計年度 非連結子会社32社及び関連会社50社のうち 37 社
当連結会計年度 非連結子会社31社及び関連会社49社のうち 35 社
主要な持分法適用関連会社名については、「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しているため、省
略しております。
当連結会計年度より、Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.をはじめとする2社を持分法の範囲から除外しており、
その理由は、株式の追加取得等であります。
(2) 持分法を適用していない関連会社の名称等
前連結会計年度 非連結子会社32社(Kobe EN&M Vietnam Co., Ltd.(現 Kobelco E&M Vietnam Co., Ltd.)
他)及び関連会社13社(J&T Welding Supply Co., Ltd.他)
当連結会計年度 非連結子会社31社(Kobelco E&M Vietnam Co., Ltd.他)及び関連会社14社(J&T Welding
Supply Co., Ltd.他)
これらの会社の当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等のそれぞれの合計額は、連
結会社、持分法適用会社のそれらの合計額に比べ、重要性が乏しいため持分法を適用しておりません。
(3) 持分法の適用にあたり発生した投資差額は発生年度において実質的判断による償却期間の見積りが可能なものは
その見積り年数で、その他については5年間で均等償却(僅少な場合は一時償却)しております。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうちKobe Steel USA Holdings Inc.をはじめとする76社の決算日は12月31日であります。本連結財務
諸表の作成に当たっては同日現在の決算財務諸表を使用しており、連結決算日との間に生じた重要な取引については
連結上必要な調整を行っております。
4.会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
(ア)有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法
(イ)デリバティブ
時価法
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(ウ)棚卸資産
主として鉄鋼アルミ、素形材(鋳鍛鋼品を除く)、溶接及び電力の棚卸資産は総平均法、素形材の鋳鍛鋼
品、機械、エンジニアリング及び建設機械の棚卸資産は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下
に基づく簿価切下げの方法により算定)によっております。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
(ア)有形固定資産
① 自己所有の固定資産
主として定額法によっております。
なお、耐用年数及び残存価額については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっておりま
す。
② リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るもの
自己所有の固定資産に適用する方法と同一の方法によっております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るもの
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
(イ)無形固定資産
主として定額法によっております。
なお、耐用年数については、主として法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
ただし、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(主として5年)に基づく定額法
を採用しております。
(3) 重要な引当金の計上基準
(ア)貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権に
ついては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(イ)賞与引当金
従業員に対する賞与の支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
(ウ)製品保証引当金
主として素形材の鋳鍛鋼品・チタン製品、機械、エンジニアリング及び建設機械では、製品販売後及び工事
引渡後の保証費用の支出に備えるため、売上高に対する過去の実績率に基づく当連結会計年度末における負担
見積額の他、特定案件の当連結会計年度末における負担見積額を計上しております。
(エ)受注工事損失引当金
主として素形材の鋳鍛鋼品、機械及びエンジニアリングでは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当
連結会計年度末における未引渡工事等の損失見積額を計上しております。
(オ)債務保証損失引当金
債務保証に係る将来の損失に備えるため、被保証先の財政状態等を個別に勘案し、当連結会計年度末におけ
る損失負担見積額を計上しております。
(カ)環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により処理が義務付けられているPCB
廃棄物の処理費用等について、当連結会計年度末における見積額を計上しております。
(キ)顧客補償等対応費用引当金
公的規格又は顧客仕様を満たさない製品等につき、検査結果の改ざん又はねつ造等を行うことにより、これ
らを満たすものとしてお客様に出荷又は提供する行為が判明したことに伴い、お客様などで発生する製品の交
換、検査に係る補償等への対応費用について、当連結会計年度末における見積額を計上しております。
(ク)解体撤去関連費用引当金
神戸線条工場内での発電所建設に関連して設備を解体撤去するため、これに伴い発生する費用について、当
連結会計年度末における見積額を計上しております。
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(4) 退職給付に係る会計処理の方法
(ア)退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法について
は、給付算定式基準によっております。
(イ)数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、主としてその発生時の従業員の平均残存勤務期間(主として22年)による定額法により費
用処理することとしております。数理計算上の差異は、主として各連結会計年度の発生時における従業員の平
均残存勤務期間(2022年度発生分は主として21年、2020年度及び2021年度発生分は主として22年、2019年度発
生分は主として18年、2016年度、2017年度及び2018年度発生分は主として20年、2015年度発生分は主として19
年、2014年度発生分は主として18年、2012年度及び2013年度発生分は主として17年、2010年度及び2011年度発
生分は主として16年、2009年度発生分は主として15年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌
連結会計年度から費用処理することとしております。
(ウ)未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理方法
未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその
他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
(5) 収益及び費用の計上基準
当社グループは収益の認識に関し、次の5つのステップを適用しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する
ステップ5:履行義務を充足した時又は充足するにつれて収益を認識する
当社グループの顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務
を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は次のとおりであります。
素材系事業(鉄鋼アルミ、素形材、溶接)の収益は主として製品の販売、機械系事業(機械、エンジニアリン
グ、建設機械)の収益は主として製品の販売、工事契約、サービスの提供、電力事業の収益は主として電力の供給
によるものであります。
(ア)一時点で充足される履行義務
製品の販売については、原則として当該製品の引渡時点で、製品の支配が顧客に移転され、履行義務が充足
されることから、その時点で収益を認識しております。ただし、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転され
る時までの期間が通常の期間である場合には、出荷した時点において当該製品の支配が顧客に移転されると判
断し、出荷時点で収益を認識しております。
サービスの提供については、サービスの提供完了時点で履行義務が充足されることから、その時点で収益を
認識しております。
電力の供給については、電力を供給した時点で履行義務が充足されることから、契約で定められた計量日に
実施する計量器の検針により測定した顧客への電力供給量に基づいて収益を認識しております。
(イ)一定期間にわたり充足される履行義務
工事契約については、主として顧客に提供する履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に応じて
収益を認識しております。進捗度は、原価の発生が工事の進捗度を適切に表すことから、見積総原価に対する
累積実際発生原価の割合で算出しております。取引の対価は、主として履行義務の充足とは別に契約期間中に
段階的に受領するとともに、残額については履行義務を全て充足したのち一定期間経過後に受領しておりま
す。
サービスの提供については、移転されるサービスの総量に対する割合に基づいて収益を認識しております。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート等を控除した金額で測定しております。
顧客との契約において約束された対価に、値引き等の変動対価が含まれる場合には、変動対価の額に関する不確実
性が事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分
に限り、変動対価を取引価格に含めております。取引の対価は、履行義務を充足してから概ね1年以内に受領して
おり、重要な金融要素は含んでおりません。
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(6) 重要な外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、為替予約を振り当てたものを除き、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、
換算差額は損益として処理しております。
なお、在外子会社等の資産及び負債は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は期中平均
相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めておりま
す。
(7) 重要なヘッジ会計の方法
(ア)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
なお、個別に為替予約等が付されている外貨建金銭債権債務について、振当処理の要件を満たしている場合
は、振当処理を行っております。
また、特例処理の要件を充たす金利スワップ取引については特例処理によっております。
(イ)ヘッジ手段とヘッジ対象
① ヘッジ手段
為替予約取引、金利スワップ取引及び商品先渡取引
② ヘッジ対象
為替、金利及びアルミ等地金の売買に係る相場変動による損失の可能性がある資産又は負債(予定取引によ
り発生が見込まれるものを含む。)
(ウ)ヘッジ方針及びヘッジ有効性の評価方法
当社グループは、相場変動のリスクの低減を目的としてヘッジ取引を実施しており、投機を目的としたヘッ
ジ取引は一切実施しないこととしております。
当社のヘッジ有効性の評価については、内部規程に基づき実施しております。
連結子会社のヘッジ有効性の評価については、当社と同様の規程に基づき当社の所管部室において実施する
か、又は、各子会社内に管理担当部室をおいて実施しております。
(8) のれんの償却方法及び償却期間
のれんの償却については、発生年度において実質的判断による償却期間の見積りが可能なものはその見積年数
で、その他については5年間で均等償却(僅少な場合は一時償却)しております。
(9) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金
及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還
期限の到来する短期投資からなっております。
(10) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
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(重要な会計上の見積り)
1.固定資産の減損
当社グループは、固定資産について営業損益が継続してマイナスとなるなど、減損の兆候があると判断された
場合には、将来キャッシュ・フローを基に回収可能性を見積り、減損損失の認識の要否を判定し、資産グループ
から生じる将来キャッシュ・フロー総額が固定資産の帳簿価額を下回っている場合には減損損失を認識しており
ます。
当社グループにおいて、当連結会計年度に減損損失を4,438百万円計上しており、その内訳は「(連結損益計算
書関係) 6 減損損失」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の固定資産の帳簿価額1,103,615百万円(有形固定資産1,066,035百万円、無形固定資産
37,579百万円)(前連結会計年度末1,096,522百万円(有形固定資産1,060,197百万円、無形固定資産36,324百万
円))には、減損の兆候があるものの減損損失を認識しなかった資産グループが複数存在しますが、そのうち主
な資産グループは次のとおりであります。
<建設機械>
建設機械における当社の子会社であるコベルコ建機(株)の事業用固定資産について、海外における競合の激
化、鋼材等の調達コストの増加、部品供給不足による減産等の影響により営業損益が継続してマイナスとなった
ことから、減損の兆候があると判断しております。将来の事業計画においては、販売単価の改善、建設投資の増
加に基づく販売地域での需要の拡大やマーケットシェアの拡大による販売台数の増加等を、主要な仮定として織
り込んでおります。このような仮定の下で策定した事業計画を基に見積った割引前将来キャッシュ・フロー総額
が固定資産の帳簿価額61,126百万円(有形固定資産54,357百万円、無形固定資産6,769百万円)(前連結会計年度
末58,302百万円(有形固定資産54,165百万円、無形固定資産4,136百万円))を上回ることから、減損損失は認識
しておりません。
見積り時に設定した仮定と実際の結果に大きな乖離が見られるなど、見積りの前提に大きな変化が生じ、将来
のキャッシュ・フローが下振れした場合、翌連結会計年度において、減損損失を認識する可能性があります。
2.繰延税金資産
当社グループは、将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金等のうち、将来課税所得を減算する可能性が高いと
見込まれるものに対して、連結貸借対照表の「固定資産」の「投資その他の資産」に「繰延税金資産」46,681百
万円(前連結会計年度57,068百万円)を計上しております。(※)
当社グループでは、中期経営計画や予算等の経営者が妥当と判断した事業計画に基づき将来の一定期間の課税
所得を見積り、また将来減算一時差異については個別に解消見込み時期を判断し、一定期間に解消が見込まれる
と見積られる将来減算一時差異等に係る繰延税金資産については回収可能性が高いと判断しております。また、
事業計画を策定するにあたっては、主要事業における需要や販売価格の予測等を、主要な仮定として織り込んで
おります。
世界的な半導体不足の長期化等が与える需要分野への影響に加えて、原料・資材、エネルギー価格の上昇に対
する販売価格への転嫁遅れ等により、将来の課税所得が想定から大きく変動し繰延税金資産の回収可能性が大き
く変動する場合、翌連結会計年度における繰延税金資産の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(※)繰延税金負債との相殺前の金額は87,177百万円(前連結会計年度89,363百万円)です。このうち、当社及
び当社を通算親法人としてグループ通算制度を適用している一部の国内連結子会社に関するものは56,804
百万円(前連結会計年度(当社及び当社を連結納税親会社として連結納税制度を適用している一部の国内
連結子会社に関するもの)58,768百万円)(繰延税金負債との相殺前)です。
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(表示方法の変更)
(連結損益計算書)
前連結会計年度において「営業外収益」の「その他」に含めていた「為替差益」は、金額的重要性が増したた
め、当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度
の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「営業外収益」の「その他」に表示していた12,714百
万円は、「為替差益」1,466百万円及び「その他」11,248百万円として組み替えております。
前連結会計年度において「営業外費用」の「その他」に含めていた「解体撤去費」は、金額的重要性が増した
ため、当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年
度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「営業外費用」の「その他」に表示していた16,113百
万円は、「解体撤去費」3,347百万円及び「その他」12,766百万円として組み替えております。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「預り金の増減額
(△は減少)」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方
法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フ
ロー」の「その他」に表示していた10,475百万円は、「預り金の増減額(△は減少)」△4,875百万円及び「そ
の他」15,351百万円として組み替えております。
(追加情報)
(取締役等に対する株式給付信託(BBT)導入)
当社は、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除きます。)及び執行役員の報酬と当社の業績及
び株式価値との連動性をより明確にし、中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるため、株
式報酬制度「株式給付信託(BBT)」を導入しております。当該信託契約に係る会計処理については、「従業員
等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 2015年3月26
日)に準じております。
① 取引の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当社取締役及び執行役員
(以下「取締役等」といいます。)に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社
株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下「当社株式等」といいます。)が信託を通じて給付される株式
報酬制度です。なお、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として、信託期間中の3年毎の一
定期日とします。
② 信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により純資産の部に自己
株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前連結会計年度670百万円、746千
株、当連結会計年度350百万円、390千株であります。
(会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方)
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大による翌連結会計年度の業績に対する影響は軽微であるとの
仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
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(連結貸借対照表関係)
※1 有形固定資産の減価償却累計額
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
2,569,851 百万円 2,660,760 百万円
減価償却累計額
※2 非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
投資有価証券(株式) 92,267 百万円 93,423 百万円
投資その他の資産 その他(出資金) 41,755 51,639
(うち、共同支配企業に対する投資の額)
(71,873) (79,218)
※3 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
有形固定資産 248,772 百万円(244,279 百万円) 258,042 百万円(255,202 百万円)
現金及び預金 20,043 (19,121 ) 58,741 (57,955 )
その他 29,950 (14,654 ) 53,182 (35,853 )
合計
298,765 (278,056 ) 369,966 (349,011 )
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「現金及び預金」は、相対的に金額的重要性が増したため、
当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記
の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の注記において、「その他」に表示していた49,993百万円(33,776百万円)は、「現金
及び預金」20,043百万円(19,121百万円)及び「その他」29,950百万円(14,654百万円)として組み替えております。
担保の原因となっている債務は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
長期借入金 246,736 百万円(246,331 百万円) 243,369 百万円(242,900 百万円)
短期借入金 7,433 (6,955 ) 29,005 (28,387 )
合計
254,169 (253,287 ) 272,374 (271,287 )
上記のうち、( )内書は工場財団抵当等、並びに当該債務を示しております。
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4 保証債務
下記の会社の金融機関借入等について、それぞれ保証を行っております。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
- 百万円 4,325 百万円(※ア)
中国建設機械販売代理店13社
1,323
日本エアロフォージ(株) 1,764
Kobelco Millcon Steel Co., Ltd. -
4,854
その他 1,335 (13社他) 926 (9社他)
合計
7,954 6,574
(うち、他社より再保証を受けているもの)
(-)
(2,507)
(※ア) 当社の連結子会社である神鋼建機(中国)有限公司は、リース会社による販売代理店への建設機械のリース
取引について、販売代理店からリース会社への支払いが滞った場合、当該債務の履行義務を負います。
また、当社の連結子会社である神鋼建機(中国)有限公司は、販売代理店やリース会社を通じて顧客に建設機械を
販売しております。販売代理店は、顧客の銀行ローンやリース取引について、担保となる建設機械を銀行ローン残
高や未経過リース料相当額で買い取る保証を差し入れております。この買取保証に関し、神鋼建機(中国)有限公司
は再保証を差し入れております。当該保証残高は、当連結会計年度末において5,920百万円(前連結会計年度末
12,750百万円)であります。
5 債権流動化に伴う買戻義務
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
5,695 百万円 5,379 百万円
6 受取手形割引高及び受取手形裏書譲渡高
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
- 百万円 1,086 百万円
受取手形割引高
131 3,658
受取手形裏書譲渡高
※7 損失が見込まれる受注契約に係る棚卸資産と受注工事損失引当金は、相殺せずに両建てで表示しております。
損失の発生が見込まれる受注契約に係る棚卸資産のうち、受注工事損失引当金に対応する額は次のとおりでありま
す。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
4,980 百万円 3,976 百万円
仕掛品
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※8 一部の連結子会社は、「土地の再評価に関する法律」(平成10年3月31日公布法律第34号)に基づき、事業用の
土地の再評価を行っております。評価差額については、当該評価差額に係る税金相当額を「再評価に係る繰延税金
負債」に計上し、また非支配株主に帰属する金額を「非支配株主持分」として純資産の部に計上し、これらを控除
した金額を「土地再評価差額金」として純資産の部に計上しております。
・再評価の方法…「土地の再評価に関する法律施行令」(平成10年3月31日公布政令第119号)第2条第1号に
定める標準地の公示価格に合理的な調整を行って算定する方法等により算出
・再評価を行った年月日…2001年3月31日及び2002年3月31日
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、再評価を行った土地の時価が再評価後の帳簿価額を上回って
いるため、差額を記載しておりません。
9 貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
153,160 百万円 153,326 百万円
貸出コミットメントの総額
- -
借入実行残高
153,160 153,326
差引額
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(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益以外の収益の額に重要性がないため、顧客との契約から生じる
収益及びその他の源泉から認識した収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、
連結財務諸表「注記事項(収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しておりま
す。
※2 売上原価に含まれている棚卸資産評価損の金額(△は売上原価の控除)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
307 百万円 3,863 百万円
棚卸資産評価損
期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下げ後の金額であります。
※3 売上原価に含まれている受注工事損失引当金繰入額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
受注工事損失引当金繰入額 8,487 百万円 8,838 百万円
※4 一般管理費及び当期製造費用に含まれている研究開発費の金額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
33,244 百万円 36,702 百万円
研究開発費
※5 販売費及び一般管理費に算入した引当金繰入額等
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
6,080 百万円 6,166 百万円
賞与引当金繰入額
4,631 971
貸倒引当金繰入額
3,100 3,081
退職給付費用
5,213 5,574
減価償却費
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※6 減損損失
当連結会計年度において、当社グループは以下の資産グループについて減損損失(4,438百万円)を計上してお
り、その内訳は、建物及び構築物3,120百万円、機械装置及び運搬具458百万円、工具、器具及び備品191百万円、
土地43百万円、ソフトウエア279百万円、無形固定資産のその他345百万円であります。
種類及び金額
用途 場所及び件数
(百万円)
建設機械製造資産等
中国四川省 3件 建物及び構築物等 4,096
(神鋼建機(中国)有限公司)
遊休資産 神戸市中央区他 計6件 無形固定資産その他等 341
当社グループは減損損失を把握するにあたって、事業用資産は、継続的な損益管理の状況やキャッシュ・フロー
の生成単位を考慮しつつ、原則として事業所毎にグルーピングしております。また、遊休資産は個別物件単位で資
産をグルーピングしております。
回収可能価額は、主に正味売却価額により測定しており、正味売却価額は鑑定評価額、売却見込額等に基づき算
定しております。
主な資産グループ毎の減損損失を認識するに至った経緯は次のとおりです。
建設機械製造資産等(神鋼建機(中国)有限公司)
インフラ投資の減退による需要の減少等に伴い、収益性が低下したこと等により、帳簿価額6,787百万円を回
収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(4,096百万円)として特別損失に計上しております。
※7 事業整理損
事業整理損4,332百万円は、建設機械事業における中国の生産子会社である杭州神鋼建設機械有限公司の油圧
ショベル生産を神鋼建機(中国)有限公司に集約することに伴い発生した退職者に対する補償金等3,419百万円、及
び鉄鋼アルミ事業における子会社である高周波精密(株)の事業縮小に伴い発生が見込まれる割増退職金等912百万
円であります。
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(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
その他有価証券評価差額金:
当期発生額 19,051百万円 10,693百万円
組替調整額 △111 △1,957
税効果調整前
18,940 8,735
税効果額 △5,728 △2,680
その他有価証券評価差額金
13,211 6,054
繰延ヘッジ損益:
当期発生額 2,102 6,631
組替調整額 △3,241 2,050
資産の取得原価調整額 552 △436
税効果調整前
△586 8,245
税効果額 557 △2,230
繰延ヘッジ損益
△28 6,015
土地再評価差額金:
当期発生額 - -
組替調整額 - -
税効果調整前
- -
税効果額 5 -
土地再評価差額金
5 -
為替換算調整勘定:
当期発生額 19,162 16,829
組替調整額 172 -
為替換算調整勘定
19,335 16,829
退職給付に係る調整額:
当期発生額 6,239 18,964
組替調整額 3,535 1,221
税効果調整前
9,774 20,186
税効果額 △2,603 △5,145
退職給付に係る調整額
7,170 15,040
持分法適用会社に対する持分相当額:
当期発生額 2,423 1,613
組替調整額 69 △526
持分法適用会社に対する持分相当額
2,493 1,086
その他の包括利益合計
42,189 45,028
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(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数に関する事項
当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
当連結会計年度
株式の種類
期首株式数(株)
増加株式数(株) 減少株式数(株) 株式数(株)
普通株式 364,364,210 31,981,753 - 396,345,963
(注)発行済株式数の増加の内訳は次のとおりであります。
(株)神鋼環境ソリューションを完全子会社とする株式交換において同社株主に割り当てる
31,981,753株
普通株式の発行
2.自己株式の種類及び株式数に関する事項
当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
当連結会計年度
株式の種類
期首株式数(株)
増加株式数(株) 減少株式数(株) 株式数(株)
普通株式 1,670,210 164,673 36,647 1,798,236
(注)1.普通株式の自己株式数には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存する当社株式(当連結会
計年度期首757,900株、当連結会計年度末746,300株)が含まれております。
2.普通株式の自己株式数の増加の内訳は次のとおりであります。
単元未満株式の買取請求による取得 8,930株
持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分 155,743株
3.普通株式の自己株式数の減少の内訳は次のとおりであります。
単元未満株式の買増請求による売渡し 642株
持分法適用会社の持分法適用除外に伴う自己株式(当社株式)の当社帰属分 24,405株
株式給付信託(BBT)による当社株式の給付 11,600株
3.新株予約権及び自己新株予約権に関する事項
該当事項はありません。
4.配当に関する事項
(1)配当金支払額
1株当たり
決議 株式の種類 配当金の総額 基準日 効力発生日
配当額
2021年5月17日
普通株式 3,641百万円 10.0円 2021年3月31日 2021年6月24日
取締役会
2021年11月5日
普通株式 3,641百万円 10.0円 2021年12月1日
2021年9月30日
取締役会
(注) 2021年5月17日取締役会の決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存
する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
2021年11月5日取締役会の決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存
する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が当連結会計年度末後となるもの
1株当たり
決議 株式の種類 配当金の原資 配当金の総額 基準日 効力発生日
配当額
2022年5月18日
普通株式 利益剰余金 11,882百万円 30.0円 2022年6月23日
2022年3月31日
取締役会
(注) 2022年5月18日取締役会の決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存
する当社株式に対する配当金22百万円が含まれております。
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数に関する事項
当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
当連結会計年度
株式の種類
期首株式数(株)
増加株式数(株) 減少株式数(株) 株式数(株)
普通株式 396,345,963 - - 396,345,963
2.自己株式の種類及び株式数に関する事項
当連結会計年度 当連結会計年度 当連結会計年度末
当連結会計年度
株式の種類
期首株式数(株)
増加株式数(株) 減少株式数(株) 株式数(株)
普通株式 1,798,236 8,224 374,264 1,432,196
(注)1.普通株式の自己株式数には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存する当社株式(当連結会
計年度期首746,300株、当連結会計年度末389,900株)が含まれております。
2.普通株式の自己株式数の増加の内訳は次のとおりであります。
単元未満株式の買取請求による取得 8,224株
3.普通株式の自己株式数の減少の内訳は次のとおりであります。
単元未満株式の買増請求による売渡し 1,146株
持分法適用会社が売却した自己株式(当社株式)の当社帰属分 16,718株
株式給付信託(BBT)による当社株式の給付 356,400株
3.新株予約権及び自己新株予約権に関する事項
該当事項はありません。
4.配当に関する事項
(1)配当金支払額
1株当たり
決議 株式の種類 配当金の総額 基準日 効力発生日
配当額
2022年5月18日
普通株式 11,882百万円 30.0円 2022年3月31日 2022年6月23日
取締役会
2022年11月9日
普通株式 5,941百万円 15.0円 2022年9月30日 2022年12月1日
取締役会
(注) 2022年5月18日取締役会の決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存
する当社株式に対する配当金22百万円が含まれております。
2022年11月9日取締役会の決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存
する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が当連結会計年度末後となるもの
1株当たり
決議 株式の種類 配当金の原資 配当金の総額 基準日 効力発生日
配当額
2023年5月17日
普通株式 利益剰余金 9,902百万円 25.0円 2023年6月1日
2023年3月31日
取締役会
(注) 2023年5月17日取締役会の決議による配当金の総額には、「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存
する当社株式に対する配当金9百万円が含まれております。
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(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
現金及び預金勘定 243,502 百万円 203,520 百万円
預入期間が3ヶ月を超える定期預金 △190 △126
有価証券勘定に含まれる譲渡性預金 17,200 -
現金及び現金同等物
260,511 203,394
※2 株式の売却により連結子会社でなくなった会社の資産及び負債の主な内訳
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
株式の売却により(株)コベルコ マテリアル銅管等が連結子会社でなくなったことに伴う売却時の資産及び負債
の内訳並びに株式の売却価額と連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出は次のとおりであります。
流動資産 42,118
百万円
固定資産 10,047
流動負債 △18,747
固定負債 △18,688
その他の包括利益累計額 △651
非支配株主持分 △5,071
投資有価証券売却損 △9,220
株式売却に伴う付随費用 126
株式の売却価額
△87
現金及び現金同等物 △4,236
株式売却に伴う付随費用 △126
未払金 443
差引:連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出
△4,007
(リース取引関係)
(借手側)
1.オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
1年内 4,365 4,038
1年超 29,640 29,074
合計 34,006 33,113
(貸手側)
1.オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
1年内 64 32
1年超 234 227
合計 299 259
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(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に関する取組方針
当社グループ(当社及び連結子会社)は、設備投資計画及び投融資計画に照らして必要な長期性資金(主に銀
行借入及び社債発行)を調達しております。また、損益計画及び運転資金収支に照らして短期的な運転資金(主
に銀行借入及びコマーシャル・ペーパー発行)を調達しております。なお、一時的な余資については、安全性の
高い金融資産で運用しております。デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機を目
的とした取引は一切実施しないこととしております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
受取手形、売掛金は、取引先の信用リスクに晒されております。当該リスクに関しては、当社は与信管理規程
に従い、取引先毎の期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を把握する体制となってお
り、連結子会社については当社と同様の規程に基づき、各子会社内に管理担当部室をおいて管理を行っておりま
す。また、外貨建の売掛金については、為替の変動リスクに晒されておりますが、外貨建取引に係る為替変動リ
スクのヘッジを目的として為替予約取引を実施しております。
投資有価証券は、時価等の変動リスクに晒されておりますが、主に取引先企業の株式であり、定期的に把握さ
れた時価等が取締役会に報告されております。また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を定期的に見直し
ております。
支払手形及び買掛金、借入金等は、資金調達に係る流動性リスクに晒されておりますが、当社グループでは、
各社が資金計画を作成するなどの方法により管理するとともに、当社においても各社の情報を収集した上で、グ
ループ全体の資金計画を管理しております。また、変動金利による長期借入金は金利の変動リスクに晒されてお
りますが、金利変動リスクのヘッジを目的として金利スワップ取引を実施しております。さらに外貨建の買掛金
等については、為替の変動リスクに晒されておりますが、外貨建取引に係る為替変動リスクのヘッジを目的とし
て為替予約取引、直物為替先渡取引(NDF)及び通貨オプション取引を実施しております。なお、支払手形及び買
掛金、短期借入金、1年内償還予定の社債及び未払金については主に短期間で決済されるものであります。
デリバティブ取引は、外貨建取引に係る為替変動リスクのヘッジを目的とした為替予約取引、直物為替先渡取
引(NDF)、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引、変動金利による長期借入金に係る金利変動リスクのヘッ
ジを目的とした金利スワップ取引並びにアルミ地金及び銅地金の売買に係る市況変動リスクのヘッジを目的とし
た商品先渡取引を実施しております。ヘッジ会計を適用しているものについては「連結財務諸表作成のための基
本となる重要な事項4.(7)」に記載のとおりであります。なお、当該取引に係る信用リスクについては、取引
先を信用度の高い銀行及び商社等に限定しているため、ほとんどないと判断しております。
デリバティブ取引のうち為替予約取引、直物為替先渡取引(NDF)、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引
については、当社は為替管理取扱規程に基づき実施しております。また連結子会社は、当社と同様の規程に基づ
き、各子会社内に管理担当部室をおいて管理を行っております。
金利スワップ取引については、当社が取引の基本方針、範囲、手順及び管理等について定めた規程に基づき実
施しております。また、連結子会社は、当社と同様の規程に基づき各子会社内に管理担当部室をおいて、或いは
当社にて管理を行っております。
鉄鋼アルミ・素形材における商品先渡取引については、当社は原料リスクヘッジ規程に基づき実施しておりま
す。また、連結子会社は、当社と同様の規程に基づき、当社又は各子会社内の管理担当部室が管理を行っており
ます。
(3)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれ
ております。当該価額の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することによ
り、当該価額が変動することがあります。また、「注記事項(デリバティブ取引関係)」における通貨オプショ
ン取引及び金利スワップ取引に関する契約額等については、その金額自体が市場リスク又は信用リスクを表すも
のではありません。
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2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
連結貸借対照表計上額
時価(※3) 差額
(※3)
(1) 投資有価証券(※4)
①関連会社株式 5,688 4,441 (1,247)
②その他有価証券 90,248 90,248 -
(2) 短期借入金
(87,265) (91,655) (4,389)
(3) 1年内償還予定の社債
(25,150) (25,170) (20)
(4) 社債
(45,900) (46,458) (558)
(5) 長期借入金
(750,126) (755,575) (5,449)
(6) リース債務(固定負債)
(51,427) (50,515) 911
(7) デリバティブ取引(※5)
①ヘッジ会計が適用されていないもの (2,577) (2,577) -
②ヘッジ会計が適用されているもの (18,281) (18,281) -
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
連結貸借対照表計上額
時価(※3) 差額
(※3)
(1) 投資有価証券(※4)
①関連会社株式 6,249 6,838 589
②その他有価証券 97,804 97,804 -
(2) 短期借入金
(169,216) (173,418) (4,202)
(3) 1年内償還予定の社債
(900) (893) 6
(4) 社債
(45,000) (45,344) (344)
(5) 長期借入金
(646,697) (643,792) 2,905
(6) リース債務(固定負債)
(45,240) (44,366) 874
(7) デリバティブ取引(※5)
①ヘッジ会計が適用されていないもの (1,466) (1,466) -
②ヘッジ会計が適用されているもの (9,974) (9,974) -
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(※1)「現金及び預金」については、現金であること、及び預金は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に
近似するものであることから記載を省略しております。
(※2)「受取手形」、「売掛金」、「有価証券」、「支払手形及び買掛金」及び「未払金」については、短期
間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから記載を省略しております。
(※3)負債に計上されているものについては、( )で示しております。
(※4)市場価格のない株式等は、「(1) 投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借
対照表計上額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
区分 前連結会計年度 当連結会計年度
非上場株式等
98,445 100,573
(※5)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項
目については、( )で示しております。
(注) 1.金銭債権の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
1年超 5年超
1年以内 10年超
5年以内 10年以内
現金及び預金 243,502 - - -
受取手形 31,086 43 - -
売掛金 292,180 4,788 - -
有価証券 17,200 - - -
合計 583,969 4,831 - -
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
1年超 5年超
1年以内 10年超
5年以内 10年以内
現金及び預金 203,520 - - -
受取手形 24,508 26 - -
売掛金 373,674 4,287 - -
有価証券 - - - -
合計 601,703 4,314 - -
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(注) 2.社債、長期借入金及びその他有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
短期借入金 30,313 - - - - -
社債 25,150 900 - 35,000 10,000 -
長期借入金 56,952 132,169 118,095 127,849 102,330 269,681
リース債務 13,974 9,448 8,960 28,614 2,140 2,262
その他有利子負債 46,158 331 244 154 75 28
合計 172,548 142,848 127,300 191,618 114,547 271,972
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
短期借入金 32,738 - - - - -
社債 900 - 35,000 10,000 - -
長期借入金 136,478 123,213 133,397 105,098 61,993 222,994
リース債務 10,208 10,003 29,065 2,411 1,659 2,101
その他有利子負債 119,032 301 214 137 61 -
合計 299,357 133,518 197,677 117,646 63,714 225,095
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3.金融商品の時価のレベル毎の内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下3つのレベルに分類し
ております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の
算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に
係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属す
るレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
時価
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
(1) 投資有価証券
②その他有価証券 90,248 - - 90,248
(7) デリバティブ取引
①ヘッジ会計が適用されていないもの - (2,577) - (2,577)
②ヘッジ会計が適用されているもの - (18,281) - (18,281)
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
時価
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
(1) 投資有価証券
②その他有価証券 97,804 - - 97,804
(7) デリバティブ取引
①ヘッジ会計が適用されていないもの - (1,466) - (1,466)
②ヘッジ会計が適用されているもの - (9,974) - (9,974)
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(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
時価
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
(1) 投資有価証券
①関連会社株式 4,441 - - 4,441
(2) 短期借入金
- (91,655) - (91,655)
(3) 1年内償還予定の社債
- (25,170) - (25,170)
(4) 社債
- (46,458) - (46,458)
(5) 長期借入金
- (755,575) - (755,575)
(6) リース債務(固定負債)
- (50,515) - (50,515)
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
時価
区分
レベル1 レベル2 レベル3 合計
(1) 投資有価証券
①関連会社株式 6,838 - - 6,838
(2) 短期借入金
- (173,418) - (173,418)
(3) 1年内償還予定の社債
- (893) - (893)
(4) 社債
- (45,344) - (45,344)
(5) 長期借入金
- (643,792) - (643,792)
(6) リース債務(固定負債)
- (44,366) - (44,366)
(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
(1) 投資有価証券
上場株式は市場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、
その時価をレベル1に分類しております。
(2) 短期借入金、(5) 長期借入金及び(6) リース債務(固定負債)
元利金の合計額を、新規に同様の借入又はリース取引を行った場合に想定される利率で割り引い
た現在価値により算定しております。変動金利による長期借入金は金利スワップの特例処理の対象
とされており、当該金利スワップと一体として処理された元利金の合計額を、同様の借入を行った
場合に適用される合理的に見積られる利率で割り引いて算定する方法によっております。全てレベ
ル2に分類しております。
(3) 1年内償還予定の社債及び(4) 社債
市場価格(売買参考統計値)等を用いて評価しており、その時価をレベル2に分類しておりま
す。
(7) デリバティブ取引
為替予約の時価については、先物為替相場等の観察可能なインプットを用いた割引現在価値法、
金利スワップ及び通貨スワップの時価については、金利及び為替相場等の観察可能なインプットを
用いて主として割引現在価値法により算定された契約を締結している取引先金融機関から提示され
た価格、商品先渡の時価については、商品先物相場等の観察可能なインプットを用いた割引現在価
値法によって評価しており、全てレベル2に分類しております(「注記事項(デリバティブ取引関
係)」参照)。
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(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
連結貸借対照表
区分 取得原価 差額
計上額
(連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの)
株式 88,448 49,517 38,930
小計 88,448 49,517 38,930
(連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの)
株式 1,799 2,527 △728
小計 1,799 2,527 △728
合計 90,248 52,045 38,202
(注) 非上場株式等(連結貸借対照表計上額 11,866百万円)については、市場価格がないことから上表の「その
他有価証券」には含めておりません。
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
連結貸借対照表
区分 取得原価 差額
計上額
(連結貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの)
株式 96,159 48,427 47,731
小計 96,159 48,427 47,731
(連結貸借対照表計上額が取得原価を超えないもの)
株式 1,644 2,324 △680
小計 1,644 2,324 △680
合計 97,804 50,752 47,051
(注) 非上場株式等(連結貸借対照表計上額 13,400百万円)については、市場価格がないことから上表の「その
他有価証券」には含めておりません。
2.連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
種類 売却額 売却益の合計額 売却損の合計額
株式 468 220 11
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
種類 売却額 売却益の合計額 売却損の合計額
株式 4,461 3,061 60
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(デリバティブ取引関係)
1.ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1)通貨関連
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
区分 種類 契約額等 うち1年超 時価 評価損益
為替予約取引
売建
米ドル 15,857 5,857 △1,090 △1,090
市場取引以外の取引
その他の通貨 24,320 - △1,255 △1,255
買建
米ドル 12,979 - 81 81
その他の通貨 12,981 - △313 △313
合計 △2,578
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
区分 種類 契約額等 うち1年超 時価 評価損益
為替予約取引
売建
米ドル 44,406 3,904 148 148
市場取引以外の取引
その他の通貨 55,460 2,696 △251 △251
買建
米ドル 17,506 - △863 △863
その他の通貨 25,643 - △500 △500
合計 △1,466
(2)商品関連
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
区分 種類 契約額等 うち1年超 時価 評価損益
商品先渡取引
市場取引以外の取引
売建 9 - △0 △0
買建 9 - 1 1
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
区分 種類 契約額等 うち1年超 時価 評価損益
商品先渡取引
- - - -
市場取引以外の取引
売建
-
買建 2 0 0
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2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1)通貨関連
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の方法 種類 主なヘッジ対象 契約額等 うち1年超 時価
為替予約取引
売建
米ドル 29,056 9,549 △2,250
その他の通貨 22,728 2,753 △1,768
買建
米ドル 3,199 279 262
その他の通貨 8,291 255 216
売掛金
原則的処理方法
通貨オプション取引
買掛金
売建
コール
-
米ドル - -
(-)
買建
プット
-
米ドル - -
(-)
為替予約取引
売建
米ドル 26,972 268
売掛金
為替予約の振当処理 その他の通貨 29,672 732
(注)1
買掛金
買建
米ドル 1,192 -
その他の通貨
15,445 -
(注)1.為替予約の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金及び買掛金等と一体として処理されて
いるため、その時価は、当該売掛金及び買掛金等に含めて記載しております。
2.( )内はオプション料でありますが、全てゼロコストオプションであり、実際のオプション料の受取は
ありません。
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当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の方法 種類 主なヘッジ対象 契約額等 うち1年超 時価
為替予約取引
売建
△ 9
米ドル 49,429 17,612
△ 451
その他の通貨 20,732 4,710
買建
米ドル 7,293 2,230 41
その他の通貨 11,219 603 428
売掛金
原則的処理方法
通貨オプション取引
買掛金
売建
コール
-
米ドル - -
(-)
買建
プット
-
米ドル - -
(-)
為替予約取引
売建
米ドル 9,813 458
売掛金
為替予約の振当処理 その他の通貨 9,517 1,083
(注)1
買掛金
買建
米ドル 1,694 164
その他の通貨
1,111 66
(注)1.為替予約の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金及び買掛金等と一体として処理されて
いるため、その時価は、当該売掛金及び買掛金等に含めて記載しております。
2.( )内はオプション料でありますが、全てゼロコストオプションであり、実際のオプション料の受取は
ありません。
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(2)金利関連
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の方法 種類 主なヘッジ対象 契約額等 うち1年超 時価
スワップ取引
原則的処理方法 長期借入金 261,130 254,200 △14,486
受取変動・支払固定
金利スワップの特例 スワップ取引
長期借入金 48,480 48,480 (注)1
処理 受取変動・支払固定
(注)1.金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されている
ため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の方法 種類 主なヘッジ対象 契約額等 うち1年超 時価
スワップ取引
△ 10,031
原則的処理方法 長期借入金 297,460 291,350
受取変動・支払固定
金利スワップの特例 スワップ取引
長期借入金 48,120 48,120 (注)1
処理 受取変動・支払固定
(注)1.金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されている
ため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
(3)商品関連
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の方法 種類 主なヘッジ対象 契約額等 うち1年超 時価
商品先渡取引
売建 3,319 - △542
原則的処理方法
売掛金
買建 買掛金
2,871 143 286
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の方法 種類 主なヘッジ対象 契約額等 うち1年超 時価
商品先渡取引
売建 4,193 - 130
原則的処理方法
売掛金
買建 買掛金
△ 83
2,061 20
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(退職給付会計関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社及び連結子会社は、確定給付型の制度として、退職一時金制度(非積立型制度ですが、退職給付信託を設定
した結果、積立型となっているものがあります。)及び確定給付企業年金制度(全て積立型であります。)を設け
ております。また、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。
当社及び一部の連結子会社においては、確定拠出型の制度を設けております。
2.確定給付制度
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
退職給付債務の期首残高 157,109 百万円 155,634 百万円
勤務費用 11,110 10,967
利息費用 367 361
数理計算上の差異の発生額 281 △12,290
過去勤務費用の発生額 △3,133 101
退職給付の支払額 △6,661 △6,263
△3,367 41
連結の範囲の変更による増減
110 200
為替換算差額
簡便法から原則法への変更による影響額 - 192
(費用処理額)
その他 △182 △27
退職給付債務の期末残高 155,634 148,918
(注)一部の連結子会社は、退職給付債務の算定に当たり、簡便法を適用しております。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において「その他」に含めていた「為替換算差額」は、相対的に金額的重要性が増したた
め、当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方法を反映させるため、前連結会計年度の注
記の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の「その他」に表示していた△71百万円は、「為替換算差額」110百万円及び
「その他」△182百万円として組み替えております。
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
年金資産の期首残高 92,429 百万円 95,192 百万円
期待運用収益 218 223
数理計算上の差異の発生額 5,201 6,776
事業主からの拠出額 1,978 1,657
退職給付の支払額 △5,548 △4,248
連結の範囲の変更による増減 △589 -
株式交換による増減 1,486 -
その他 15 32
年金資産の期末残高 95,192 99,634
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(3)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る
資産の調整表
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
積立型制度の退職給付債務 119,583 百万円 109,049 百万円
年金資産 △95,192 △99,634
24,391 9,415
非積立型制度の退職給付債務 36,051 39,869
連結貸借対照表に計上された負債と資産の純額 60,442 49,284
退職給付に係る負債 79,978 71,376
退職給付に係る資産 △19,536 △22,091
連結貸借対照表に計上された負債と資産の純額 60,442 49,284
(注)簡便法を適用している連結子会社分については上記に合算して表示しております。
(4)退職給付費用及びその内訳項目の金額
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
勤務費用 11,110 百万円 10,967 百万円
利息費用 367 361
期待運用収益 △218 △223
数理計算上の差異の費用処理額 3,510 1,179
過去勤務費用の費用処理額 △1,788 42
簡便法から原則法への変更による影響額 - 192
(費用処理額)
その他 12 △1
確定給付制度に係る退職給付費用 12,993 12,517
事業整理に伴う退職者に対する補償金等(注)2 - 3,672
合 計 12,993 16,189
(注)1.簡便法を適用している連結子会社の退職給付費用は「勤務費用」に含めております。
2.特別損失の「事業整理損」に計上しております。
(5)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
過去勤務費用 1,344 百万円 △59 百万円
数理計算上の差異 8,430 20,246
合 計 9,774 20,186
(6)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
未認識過去勤務費用 △7,956 百万円 △7,896 百万円
未認識数理計算上の差異 2,226 △18,019
合 計 △5,729 △25,916
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(7)年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類毎の比率は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
株式 25 % 30 %
生命保険一般勘定 39 36
債券 21 20
その他 15 14
合 計 100 100
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する
資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
(8)数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
割引率 主として0.0% 主として0.8%
長期期待運用収益率 主として0.1% 主として0.1%
3.確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31
日)1,905百万円、当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)2,193百万円であります。
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
繰延税金資産
税務上の繰越欠損金(注) 23,873 百万円 24,940 百万円
退職給付に係る負債 24,684 21,546
減損損失 17,877 16,355
未実現損益 15,105 15,304
賞与引当金 7,688 7,907
棚卸資産の簿価切下げ 5,472 6,456
製品保証引当金 4,426 5,537
貸倒引当金 4,622 5,028
その他 36,697 35,760
繰延税金資産小計
140,448 138,837
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額(注) △12,245 △13,043
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額 △38,840 △38,616
評価性引当額小計
△51,085 △51,659
繰延税金資産合計
89,363 87,177
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金 11,742 14,413
退職給付信託の返還 8,029 8,029
土地再評価差額金 3,253 3,253
租税特別措置法上の準備金等 2,126 1,986
その他 18,555 22,621
繰延税金負債合計
43,706 50,305
繰延税金資産・負債の純額(負債:△)
45,656 36,871
(表示方法の変更)
前連結会計年度において区分掲記していた繰延税金資産の「繰延ヘッジ損益」及び「株式評価損」は、相対的に金
額的重要性が低下したため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。また、前連結会計年度にお
いて繰延税金資産の「その他」に含めていた「製品保証引当金」及び「貸倒引当金」は、相対的に金額的重要性が増
したため、当連結会計年度より区分掲記することとしました。この表示方法を反映させるため、前連結会計年度の注
記の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の「繰延ヘッジ損益」に表示していた5,359百万円、「株式評価損」に表示していた
4,722百万円及び「その他」に表示していた35,664百万円は、「製品保証引当金」4,426百万円、「貸倒引当金」
4,622百万円及び「その他」36,697百万円として組み替えております。
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(注)税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
税務上の繰越欠損
1,545 787 1,530 3,571 269 16,170 23,873
金(※)
評価性引当額 △949 △308 △887 △3,242 △117 △6,739 △12,245
繰延税金資産 595 478 642 329 151 9,431 11,628
(※) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
当連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内 5年超 合計
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
税務上の繰越欠損
824 918 3,666 123 2,023 17,384 24,940
金(※)
評価性引当額 △326 △237 △2,505 △25 △1,965 △7,984 △13,043
繰延税金資産 498 681 1,161 97 58 9,400 11,897
(※) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異の原因となった主な項目別の内訳
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
法定実効税率
30.6 % 30.6 %
(調整)
交際費等の損金不算入項目
0.9 0.8
受取配当金等の益金不算入項目
△0.6 △0.5
持分法投資損益
△1.9 △2.1
投資有価証券売却損益の連結調整
2.2 -
評価性引当額の増減
△6.7 0.9
連結子会社との税率差異
△2.5 △1.1
試験研究費等の税額控除
△2.4 △5.6
その他
4.6 0.2
税効果会計適用後の法人税等の負担率
24.2 % 23.2 %
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、当連結会計年度から、グループ通算制度を適用しております。また、「グ
ループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に
従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っておりま
す。
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(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
当社グループの報告セグメント毎の売上高を地域別及び財又はサービスの移転時期別に分解した情報は、次の
とおりであります。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(1)地域別の内訳
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニアリング
鉄鋼アルミ
素形材 溶接 機械
鉄鋼 アルミ板 計
572,580 105,589 678,170 193,029 42,867 61,623 107,973
日本
41,293 31,442 72,735 23,265 7,256 41,779 7,652
中国
108,135 22,011 130,146 108,054 26,098 58,425 18,693
その他
722,009 159,042 881,052 324,349 76,222 161,828 134,319
外部顧客への売上高
報告セグメント
連結
その他
合計 調整額 損益計算書
建設機械 電力 計
(注1)
計上額
147,405 109,866 1,340,935 17,687 1,358,622 1,400 1,360,023
日本
47,586 - 200,275 1,599 201,874 31 201,905
中国
176,557 - 517,977 2,647 520,624 29 520,653
その他
371,548 109,866 2,059,188 21,933 2,081,121 1,460 2,082,582
外部顧客への売上高
(2)財又はサービスの移転時期別の内訳
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニアリング
鉄鋼アルミ
素形材 溶接 機械
鉄鋼 アルミ板 計
一時点で移転される
709,383 159,042 868,426 324,349 76,222 148,859 46,909
財又はサービス
一定の期間にわたり
移転される財又は
12,625 - 12,625 - - 12,969 87,410
サービス
外部顧客への売上高
722,009 159,042 881,052 324,349 76,222 161,828 134,319
報告セグメント
連結
その他
合計 調整額 損益計算書
建設機械 電力 計
(注1)
計上額
一時点で移転される
362,099 109,866 1,936,733 21,421 1,958,154 1,434 1,959,588
財又はサービス
一定の期間にわたり
移転される財又は
9,449 - 122,455 512 122,967 26 122,993
サービス
外部顧客への売上高
371,548 109,866 2,059,188 21,933 2,081,121 1,460 2,082,582
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、コベルコ科研(特殊合金他新
材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析等)、及びその他の事業を含んでおります。
2.外部顧客への売上高は、そのほとんどが顧客との契約から認識した収益であるため、その他の源泉から
認識した収益については、顧客との契約から生じる収益に含めております。
3.売上高を地域別に分解した情報は顧客の所在地を基礎とし、国別に分解しております。
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(1)地域別の内訳
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニアリング
鉄鋼アルミ
素形材 溶接 機械
鉄鋼 アルミ板 計
702,008 118,988 820,997 149,507 46,792 68,318 110,845
日本
37,850 44,913 82,763 24,309 8,775 40,920 10,620
中国
135,623 26,372 161,995 92,362 31,750 72,353 22,273
その他
875,483 190,274 1,065,757 266,179 87,318 181,592 143,739
外部顧客への売上高
報告セグメント
連結
その他
合計 調整額 損益計算書
建設機械 電力 計
(注1)
計上額
150,915 324,369 1,671,746 15,714 1,687,461 1,567 1,689,028
日本
28,093 - 195,483 1,270 196,753 35 196,789
中国
202,711 - 583,447 3,200 586,647 44 586,691
その他
381,720 324,369 2,450,677 20,184 2,470,861 1,646 2,472,508
外部顧客への売上高
(2)財又はサービスの移転時期別の内訳
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニアリング
鉄鋼アルミ
素形材 溶接 機械
鉄鋼 アルミ板 計
一時点で移転される
863,088 190,274 1,053,362 266,179 87,318 164,651 49,426
財又はサービス
一定の期間にわたり
移転される財又は
12,394 - 12,394 - - 16,940 94,313
サービス
外部顧客への売上高
875,483 190,274 1,065,757 266,179 87,318 181,592 143,739
報告セグメント
連結
その他
合計 調整額 損益計算書
建設機械 電力 計
(注1)
計上額
一時点で移転される
372,500 324,369 2,317,808 19,662 2,337,470 1,613 2,339,083
財又はサービス
一定の期間にわたり
移転される財又は
9,220 - 132,869 522 133,391 33 133,424
サービス
外部顧客への売上高
381,720 324,369 2,450,677 20,184 2,470,861 1,646 2,472,508
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、コベルコ科研(特殊合金他新
材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析等)、及びその他の事業を含んでおります。
2.外部顧客への売上高は、そのほとんどが顧客との契約から認識した収益であるため、その他の源泉から
認識した収益については、顧客との契約から生じる収益に含めております。
3.売上高を地域別に分解した情報は顧客の所在地を基礎とし、国別に分解しております。
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2.当連結会計年度及び翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報
(1)契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
顧客との契約から生じた債権(期首残高) 273,985 328,098
顧客との契約から生じた債権(期末残高) 328,098 402,497
契約資産(期首残高) 40,009 29,874
契約資産(期末残高) 29,874 26,074
契約負債(期首残高) 36,108 45,218
契約負債(期末残高) 45,218 58,828
契約資産は、主に機械及びエンジニアリングにおいて進捗度に応じて認識した収益に係る契約上未請求の取引
の対価に関するものであり、対価に対する権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権へ振り替え
ております。
契約負債は、主に顧客からの前受金に関するものであります。当連結会計年度に認識した収益のうち期首現在
の契約負債残高に含まれていた額は、33,058百万円(前連結会計年度21,833百万円)です。なお、過去の期間に
充足した履行義務から、前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した収益の額に重要性はありません。
(2)残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、次のとおりであります。当該履
行義務は、主として機械及びエンジニアリングにおける製品の販売、工事契約及びサービスの提供に関するもの
です。
なお、当社グループでは、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたって実務上の便法を適用し、当初に
予想される契約期間が1年以内の契約について注記の対象に含めておりません。
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
1年以内 226,467 238,441
1年超 240,325 374,676
合計 466,793 613,118
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(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資
源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、社内に製品・サービス別の事業部門(一部の製品・サービスについては子会社)を置き、各事業部門
及び子会社は、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開してお
ります。
従って、当社は、事業部門及び子会社を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、
「鉄鋼アルミ」、「素形材」、「溶接」、「機械」、「エンジニアリング」、「建設機械」、「電力」の7つ
を報告セグメントとして開示しております。
各セグメントの主な製品又は事業内容は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」に記載しております。
2.報告セグメント毎の売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に
おける記載と概ね同一であります。
報告セグメントの損益は、経常損益をベースとした数値であります。
セグメント間の内部売上高又は振替高は、第三者間取引価格に基づいております。
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3.報告セグメント毎の売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニアリ
鉄鋼アルミ 素形材 溶接 機械 建設機械
ング
売上高
外部顧客への売上高 881,052 324,349 76,222 161,828 134,319 371,548
セグメント間の内部売上高又は振替高 33,856 8,912 702 5,018 1,341 82
計 914,909 333,261 76,924 166,847 135,661 371,631
セグメント利益又は損失 37,536 5,149 2,781 12,564 7,755 12,085
セグメント資産 1,089,054 244,429 79,401 190,982 132,567 361,977
その他の項目
減価償却費 57,436 11,392 2,509 5,242 1,642 13,835
のれんの償却額 - - 73 451 - -
受取利息
317 49 243 317 343 1,678
支払利息 4,997 1,759 40 409 47 1,782
持分法投資損益 9,697 90 58 45 325 829
持分法適用会社への投資額 97,773 562 1,358 805 2,259 7,811
有形固定資産及び
27,184 8,281 1,375 4,032 1,456 9,800
無形固定資産の増加額
報告セグメント
その他 調整額 連結財務諸表
合計
(注1) (注2) 計上額
電力 計
売上高
外部顧客への売上高 109,866 2,059,188 21,933 2,081,121 1,460 2,082,582
セグメント間の内部売上高又は振替高 - 49,913 6,878 56,791 △ 56,791 -
計 109,866 2,109,101 28,812 2,137,913 △ 55,331 2,082,582
セグメント利益又は損失 13,259 91,131 7,046 98,178 △ 4,944 93,233
セグメント資産
397,893 2,496,306 59,804 2,556,111 172,634 2,728,745
その他の項目
減価償却費 10,367 102,426 582 103,008 2,138 105,147
のれんの償却額
- 524 - 524 - 524
受取利息 5 2,955 1 2,957 △ 687 2,270
支払利息 4,749 13,785 57 13,843 △ 606 13,236
持分法投資損益 - 11,048 3,272 14,320 △ 194 14,126
持分法適用会社への投資額 - 110,570 25,620 136,190 △ 2,819 133,371
有形固定資産及び
52,955 105,086 548 105,634 2,504 108,139
無形固定資産の増加額
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、コベルコ科研(特殊合金他新材料(ターゲット材
等)・各種材料の分析・解析等)、及びその他の事業を含んでおります。
2.調整額は、次のとおりであります。
(1)セグメント損益の調整額 (単位:百万円)
金額
全社損益(※) △1,590
その他の調整額 △3,354
セグメント損益の調整額 △4,944
(※)全社損益は、主に報告セグメントに帰属しない財務関連の損益等であります。
(2)セグメント資産の調整額 (単位:百万円)
金額
全社資産(※) 348,595
その他の調整額 △175,961
セグメント資産の調整額 172,634
(※)全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない投資有価証券等であります。
(3)その他の項目の調整額
減価償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない本社所管資産に係るもの等であります。
受取利息の調整額は報告セグメントに帰属しない財務関連資産に係るもの等であります。
支払利息の調整額は報告セグメントに帰属しない財務関連負債に係るもの等であります。
持分法投資損益の調整額は報告セグメントに帰属しない持分法適用会社に係るもの等であります。
持分法適用会社への投資額の調整額はセグメント間取引に係る調整額等であります。
有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は報告セグメントに帰属しない本社所管資産に係るもの等であります。
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当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニアリ
鉄鋼アルミ 素形材 溶接 機械 建設機械
ング
売上高
外部顧客への売上高 1,065,757 266,179 87,318 181,592 143,739 381,720
セグメント間の内部売上高又は振替高
39,409 11,586 1,111 5,323 1,485 60
計
1,105,166 277,765 88,429 186,915 145,224 381,781
セグメント利益又は損失 41,969 942 2,837 14,335 4,198 12,365
セグメント資産 1,185,496 270,417 86,459 212,756 144,980 408,507
その他の項目
減価償却費
57,635 10,582 2,364 5,594 1,594 12,556
のれんの償却額 55 - 73 446 - -
受取利息 291 45 290 379 297 1,157
支払利息 4,793 2,149 41 472 78 1,460
持分法投資損益 7,297 286 0 △ 181 560 640
持分法適用会社への投資額
106,291 847 1,351 977 2,533 8,209
有形固定資産及び
33,427 8,064 1,647 6,201 2,851 13,815
無形固定資産の増加額
報告セグメント
その他 調整額 連結財務諸表
合計
計上額
(注1) (注2)
電力 計
売上高
外部顧客への売上高
324,369 2,450,677 20,184 2,470,861 1,646 2,472,508
セグメント間の内部売上高又は振替高 - 58,976 7,328 66,304 △ 66,304 -
計 324,369 2,509,653 27,513 2,537,166 △ 64,657 2,472,508
セグメント利益又は損失 24,560 101,209 6,332 107,542 △ 704 106,837
セグメント資産 470,215 2,778,833 58,722 2,837,555 37,195 2,874,751
その他の項目
減価償却費 19,516 109,843 605 110,448 2,056 112,505
のれんの償却額 - 575 - 575 - 575
受取利息 9 2,471 2 2,473 △ 794 1,679
支払利息 6,013 15,008 61 15,070 △ 1,726 13,343
持分法投資損益
- 8,604 4,065 12,670 △ 527 12,142
持分法適用会社への投資額 - 120,211 27,712 147,924 △ 2,954 144,969
有形固定資産及び
27,896 93,903 1,035 94,939 2,363 97,302
無形固定資産の増加額
(注)1.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、コベルコ科研(特殊合金他新材料(ターゲット材
等)・各種材料の分析・解析等)、及びその他の事業を含んでおります。
2.調整額は、次のとおりであります。
(1)セグメント損益の調整額 (単位:百万円)
金額
全社損益(※) 2,164
その他の調整額 △2,869
セグメント損益の調整額 △704
(※)全社損益は、主に報告セグメントに帰属しない財務関連の損益等であります。
(2)セグメント資産の調整額 (単位:百万円)
金額
全社資産(※) 266,968
その他の調整額 △229,772
セグメント資産の調整額
37,195
(※)全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない投資有価証券等であります。
(3)その他の項目の調整額
減価償却費の調整額は報告セグメントに帰属しない本社所管資産に係るもの等であります。
受取利息の調整額は報告セグメントに帰属しない財務関連資産に係るもの等であります。
支払利息の調整額は報告セグメントに帰属しない財務関連負債に係るもの等であります。
持分法投資損益の調整額は報告セグメントに帰属しない持分法適用会社に係るもの等であります。
持分法適用会社への投資額の調整額はセグメント間取引に係る調整額等であります。
有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は報告セグメントに帰属しない本社所管資産に係るもの等であります。
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【関連情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
1.製品及びサービス毎の情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2.地域毎の情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
日本 中国 その他 合計
1,360,023 201,905 520,653 2,082,582
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国別に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記
載を省略しております。
3.主要な顧客毎の情報
(単位:百万円)
顧客の名称 売上高 関連するセグメント名
神鋼商事(株) 277,119 鉄鋼アルミ等
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービス毎の情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
2.地域毎の情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
日本 中国 その他 合計
1,689,028 196,789 586,691 2,472,508
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国別に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記
載を省略しております。
3.主要な顧客毎の情報
(単位:百万円)
顧客の名称 売上高 関連するセグメント名
神鋼商事(株) 292,648 鉄鋼アルミ等
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【報告セグメント毎の固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニア
鉄鋼アルミ 素形材 溶接 機械 建設機械
リング
減損損失 15 5 64 91 0 4,097
報告セグメント
連結財務諸表
その他 合計 調整額
計上額
電力 計
減損損失
- 4,275 - 4,275 163 4,438
【報告セグメント毎ののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニア
鉄鋼アルミ 素形材 溶接 機械 建設機械
リング
当期償却額
- - 73 451 - -
当期末残高 - - 415 2,957 - -
報告セグメント
連結財務諸表
その他 合計 調整額
計上額
電力 計
当期償却額 - 524 - 524 - 524
当期末残高
- 3,373 - 3,373 - 3,373
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
報告セグメント
エンジニア
鉄鋼アルミ 素形材 溶接 機械 建設機械
リング
当期償却額 55 - 73 446 - -
当期末残高
- - 342 2,666 - -
報告セグメント
連結財務諸表
その他 合計 調整額
計上額
電力 計
当期償却額
- 575 - 575 - 575
当期末残高 - 3,008 - 3,008 - 3,008
【報告セグメント毎の負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
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【関連当事者情報】
関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の非連結子会社及び関連会社等
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
期末
取引
資本金 議決権等の
関連当事者との
金額
属性 会社名 住所 事業の内容 取引内容 科目 残高
(百万円)
関係
所有割合
(百万円)
(百万円)
関連 神鋼商事 大阪市 5,650 鉄鋼、非鉄 直接 当社製品の販売 鉄鋼、非鉄金属、 236,472 売掛金 14,757
会社 中央区 金属、機械 原材料の購入 機械等の販売
(株) 13.33%
等の売買及 間接 役員の兼任等
鉄鋼原料、その他 523,544 買掛金 37,262
び輸出入
1.04%
の原材料、設備用
(21.56%)
資材等の購入
関西熱化 兵庫県 コークス類 直接 石炭等の支給 石炭等の支給 流動資
6,000 86,545 14,064
学(株) 尼崎市 その他各種 24.00% 産
コークス等の購入
化学工業品 その他
役員等の兼任等
の製造、販
コークス等の購入 買掛金
91,172 21,843
売
(注) 1.取引条件ないし取引条件の決定方針等
一般取引と同様に市場実勢を勘案し、価格交渉の上、決定しております。
2.神鋼商事(株)との営業取引の取引金額には、連結財務諸表の作成にあたって相殺消去した神鋼商事(株)経由
の連結子会社との取引は含んでおりません。
3.( )内は、議決権行使に関し同意している者の所有割合で外数であります。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
期末
取引
資本金
議決権等の
関連当事者との
金額
属性 会社名 住所 事業の内容 取引内容 科目 残高
(百万円)
関係
所有割合
(百万円)
(百万円)
関連 神鋼商事 大阪市 5,650 鉄鋼、非鉄 直接 当社製品の販売 鉄鋼、非鉄金属、 276,510 売掛金 47,109
会社 (株) 中央区 金属、機械 13.42% 原材料の購入 機械等の販売
等の売買及 役員の兼任等
間接
鉄鋼原料、その他 買掛金
812,816 27,077
び輸出入
1.05%
の原材料、設備用
(21.70%)
資材等の購入
関西熱化 兵庫県 コークス類 直接 石炭等の支給 石炭等の支給 流動資
6,000 137,507 3,244
尼崎市 その他各種 産
学(株) 24.00%
コークス等の購入
化学工業品 その他
役員等の兼任等
の製造、販
コークス等の購入 買掛金
143,459 32,254
売
(注) 1.取引条件ないし取引条件の決定方針等
一般取引と同様に市場実勢を勘案し、価格交渉の上、決定しております。
2.神鋼商事(株)との営業取引の取引金額には、連結財務諸表の作成にあたって相殺消去した神鋼商事(株)経由
の連結子会社との取引は含んでおりません。
3.( )内は、議決権行使に関し同意している者の所有割合で外数であります。
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(1株当たり情報)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
2,066円48銭 2,314円31銭
1株当たり純資産額
1株当たり当期純利益 160円23銭 183円80銭
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、次のとおりであります。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) 60,083 72,566
普通株主に帰属しない金額 (百万円) - -
普通株式に係る親会社株主に帰属
(百万円) 60,083 72,566
する当期純利益
普通株式の期中平均株式数 (千株) 374,961 394,792
3. 株主資本において自己株式として計上されている「株式給付信託(BBT)」制度に関する信託に残存す
る当社の株式は、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、期末株式数及び期中平均株
式数の計算において控除する自己株式に含めております。
当連結会計年度における1株当たり純資産額の算定上、控除した当該自己株式の期末株式数は、390千
株(前連結会計年度において746千株)であり、当連結会計年度における1株当たり当期純利益の算定
上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は、500千株(前連結会計年度において750千株)でありま
す。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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⑤【連結附属明細表】
【社債明細表】
当期首残高 当期末残高 利率
会社名 銘柄 発行年月日 担保 償還期限
(百万円) (百万円) (%)
2015.5.21 (25,000) (-) 2025.5.21
当社 無担保社債 0.20~1.23 無し
~2021.6.10 70,000 45,000 ~2026.6.10
(150) (900)
神鋼鋼線工業(株) 無担保社債 2018.6.29 0.04 無し 2023.6.30
1,050 900
(25,150) (900)
合計 - - - -
71,050 45,900
(注) 1.( )内は、1年内に償還すべき社債として流動負債に計上した金額で内数であります。
2.連結決算日後5年以内における償還予定額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
1年以内
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
900 - 35,000 10,000 -
【借入金等明細表】
当期首残高 当期末残高 平均利率
区分 返済期限
(百万円) (百万円) (%)
短期借入金 30,313 32,738 2.28 -
1年以内に返済予定の長期借入金 56,952 136,478 0.77 -
1年以内に返済予定のリース債務 13,974 10,208 2.70 -
2024年1月
長期借入金
750,126 646,697 1.00
(1年以内に返済予定のものを除く)
~2036年3月
2024年1月
リース債務
51,427 45,240 2.43
(1年以内に返済予定のものを除く)
~2039年3月
その他有利子負債
支払手形及び買掛金
45,716 118,658 0.46 -
(ユーザンス、1年内返済)
2023年4月
その他(未払金他) 1,275 1,088 1.81
~2028年2月
合計 949,785 991,110 - -
(注) 1.「平均利率」については、借入金等の当期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.長期借入金、リース債務及びその他有利子負債(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年
以内における返済予定額は次のとおりであります。
(単位:百万円)
1年超 2年超 3年超 4年超
区分
2年以内 3年以内 4年以内 5年以内
長期借入金 123,213 133,397 105,098 61,993
リース債務 10,003 29,065 2,411 1,659
その他有利子負債 301 214 137 61
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年
度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載
を省略しております。
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(2)【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(累計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 当連結会計年度
売上高 (百万円) 542,807 1,169,657 1,784,638 2,472,508
税金等調整前四半期
(百万円) 29,988 39,190 67,057 98,066
(当期)純利益
親会社株主に帰属する四半
(百万円) 21,038 28,008 47,510 72,566
期(当期)純利益
1株当たり四半期
(円) 53.32 70.96 120.35 183.80
(当期)純利益
(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
1株当たり四半期純利益 (円) 53.32 17.65 49.38 63.44
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
資産の部
流動資産
108,235 18,863
現金及び預金
504 671
受取手形
120,667 164,164
売掛金
1,039 2,280
契約資産
56 28
リース債権
17,200
有価証券 -
114,894 128,507
商品及び製品
101,513 120,202
仕掛品
167,894 210,869
原材料及び貯蔵品
52,936 3,883
前渡金
3,261 3,336
前払費用
61,124 109,095
短期貸付金
55,103 78,648
未収入金
※2 12,587 ※2 16,300
その他
△ 86 △ 66
貸倒引当金
※1 816,930 ※1 856,786
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
100,339 95,929
建物(純額)
45,041 42,223
構築物(純額)
295,478 277,969
機械及び装置(純額)
711 576
車両運搬具(純額)
6,815 7,028
工具、器具及び備品(純額)
65,272 65,230
土地
23,692 28,375
建設仮勘定
537,352 517,333
有形固定資産合計
無形固定資産
12,876 12,939
ソフトウエア
312 178
施設利用権
1,198 1,085
その他
14,388 14,204
無形固定資産合計
投資その他の資産
93,865 103,156
投資有価証券
※2 213,777 ※2 217,295
関係会社株式及び出資金
※2 145,107 ※2 114,939
長期貸付金
15,651 13,958
前払年金費用
12,249 8,785
繰延税金資産
15,892 15,925
その他
△ 7,764 △ 7,092
貸倒引当金
※1 488,781 ※1 466,968
投資その他の資産合計
1,040,521 998,505
固定資産合計
1,857,452 1,855,291
資産合計
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(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
負債の部
流動負債
385,333 438,598
買掛金
56,661 112,190
短期借入金
4,810 4,918
リース債務
25,000
1年内償還予定の社債 -
22,722 25,669
未払金
24,320 26,955
未払費用
2,210 1,914
未払法人税等
74,265 30,495
契約負債
3,743 14,881
預り金
368 515
前受収益
9,544 9,729
賞与引当金
3,158 2,501
製品保証引当金
12,250 7,695
受注工事損失引当金
795 335
環境対策引当金
274 239
顧客補償等対応費用引当金
19 11
資産除去債務
22,059 25,519
その他
※1 647,539 ※1 702,172
流動負債合計
固定負債
45,000 45,000
社債
491,769 390,668
長期借入金
34,825 29,947
リース債務
43,550 47,394
退職給付引当金
896 540
環境対策引当金
1,416 1,459
解体撤去関連費用引当金
694 694
資産除去債務
3,244 4,243
その他
※1 621,397 ※1 519,949
固定負債合計
1,268,937 1,222,122
負債合計
純資産の部
株主資本
250,930 250,930
資本金
資本剰余金
122,697 122,697
資本準備金
122,697 122,697
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
82 41
特別償却準備金
1,781 1,641
固定資産圧縮積立金
192,401 229,881
繰越利益剰余金
194,264 231,564
利益剰余金合計
自己株式 △ 1,296 △ 979
566,595 604,211
株主資本合計
評価・換算差額等
23,250 29,363
その他有価証券評価差額金
△ 1,330 △ 406
繰延ヘッジ損益
21,920 28,957
評価・換算差額等合計
588,515 633,169
純資産合計
1,857,452 1,855,291
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
※1 1,229,177 ※1 1,403,979
売上高
※1 1,096,212 ※1 1,271,010
売上原価
132,965 132,969
売上総利益
※2 85,412 ※2 89,362
販売費及び一般管理費
47,552 43,606
営業利益
営業外収益
25,245 31,271
受取利息及び配当金
14,440 17,678
その他
※1 39,685 ※1 48,950
営業外収益合計
営業外費用
6,832 6,806
支払利息
25,935 25,211
その他
※1 32,768 ※1 32,018
営業外費用合計
54,470 60,538
経常利益
特別損失
3,205
-
関係会社株式売却損
3,205
特別損失合計 -
51,264 60,538
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 2,829 5,058
3,038 355
法人税等調整額
5,867 5,413
法人税等合計
45,396 55,125
当期純利益
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③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本
資本金 自己株式
資本準備 資本剰余 利益剰余
合計
固定資産
特別償却 繰越利益
金 金合計 金合計
圧縮積立
準備金 剰余金
金
当期首残高 250,930 100,789 100,789 129 1,925 155,093 157,148 △ 1,302 507,565
会計方針の変更による累積的影
△ 997 △ 997 △ 997
響額
会計方針の変更を反映した当期首
250,930 100,789 100,789 129 1,925 154,096 156,151 △ 1,302 506,568
残高
当期変動額
特別償却準備金の取崩 △ 47 47 - -
固定資産圧縮積立金の取崩 △ 143 143 - -
剰余金の配当
△ 7,282 △ 7,282 △ 7,282
当期純利益 45,396 45,396 45,396
株式交換 21,907 21,907 21,907
自己株式の取得 △ 6 △ 6
自己株式の処分 △ 1 △ 1 12 10
株主資本以外の項目の当期変動
額(純額)
当期変動額合計 - 21,907 21,907 △ 47 △ 143 38,304 38,113 6 60,026
当期末残高 250,930 122,697 122,697 82 1,781 192,401 194,264 △ 1,296 566,595
評価・換算差額等
その他有価
純資産合計
繰延ヘッジ 評価・換算
証券評価差
損益 差額等合計
額金
当期首残高 11,191 △ 511 10,680 518,245
会計方針の変更による累積的影
△ 997
響額
会計方針の変更を反映した当期首
11,191 △ 511 10,680 517,248
残高
当期変動額
特別償却準備金の取崩
-
固定資産圧縮積立金の取崩 -
剰余金の配当 △ 7,282
当期純利益
45,396
株式交換 21,907
自己株式の取得 △ 6
自己株式の処分 10
株主資本以外の項目の当期変動
12,059 △ 819 11,240 11,240
額(純額)
当期変動額合計 12,059 △ 819 11,240 71,267
当期末残高 23,250 △ 1,330 21,920 588,515
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当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本
資本金 自己株式
資本準備 資本剰余 利益剰余
合計
固定資産
特別償却 繰越利益
金 金合計 金合計
圧縮積立
準備金 剰余金
金
当期首残高 250,930 122,697 122,697 82 1,781 192,401 194,264 △ 1,296 566,595
当期変動額
特別償却準備金の取崩 △ 41 41 - -
固定資産圧縮積立金の取崩 △ 139 139 - -
剰余金の配当
△ 17,823 △ 17,823 △ 17,823
当期純利益 55,125 55,125 55,125
自己株式の取得 △ 5 △ 5
自己株式の処分
△ 1 △ 1 323 321
株主資本以外の項目の当期変動
額(純額)
当期変動額合計 - - - △ 41 △ 139 37,479 37,299 317 37,616
当期末残高 250,930 122,697 122,697 41 1,641 229,881 231,564 △ 979 604,211
評価・換算差額等
その他有価
純資産合計
繰延ヘッジ 評価・換算
証券評価差
損益 差額等合計
額金
当期首残高
23,250 △ 1,330 21,920 588,515
当期変動額
特別償却準備金の取崩 -
固定資産圧縮積立金の取崩
-
剰余金の配当 △ 17,823
当期純利益
55,125
自己株式の取得 △ 5
自己株式の処分 321
株主資本以外の項目の当期変動
6,112 924 7,036 7,036
額(純額)
当期変動額合計
6,112 924 7,036 44,653
当期末残高 29,363 △ 406 28,957 633,169
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1)子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2)その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2.デリバティブの評価基準
時価法
3.棚卸資産の評価基準及び評価方法
鉄鋼アルミ、素形材(鋳鍛鋼品を除く)、溶接の棚卸資産は総平均法、素形材の鋳鍛鋼品、機械、エンジニアリン
グの棚卸資産は個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっ
ております。
4.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産
(ア)自己所有の固定資産
定額法によっております。
(イ)リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るもの
自己所有の固定資産に適用する方法と同一の方法によっております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るもの
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
(2)無形固定資産
定額法によっております。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しておりま
す。
(3)長期前払費用
均等償却しております。
5.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権について
は個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2)賞与引当金
従業員に対する賞与の支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
(3)製品保証引当金
素形材の鋳鍛鋼品・チタン製品、機械、エンジニアリングでは、製品販売後及び工事引渡後の保証費用の支出に備
えるため、売上高に対する過去の実績率に基づく当事業年度末における負担見積額の他、特定案件の当事業年度末に
おける負担見積額を計上しております。
(4)受注工事損失引当金
素形材の鋳鍛鋼品、機械、エンジニアリングでは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末におけ
る未引渡工事等の損失見積額を計上しております。
(5)退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しており
ます。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間による定額法により費用処理することとしております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間による定額法により按分した額を、
それぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
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(6)環境対策引当金
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により処理が義務付けられているPCB廃棄
物の処理費用について、当事業年度末における見積額を計上しております。
(7)顧客補償等対応費用引当金
公的規格又は顧客仕様を満たさない製品等につき、検査結果の改ざん又はねつ造等を行うことにより、これらを満
たすものとしてお客様に出荷又は提供する行為が判明したことに伴い、お客様などで発生する製品の交換、検査に係
る補償等への対応費用について、当事業年度末における見積額を計上しております。
(8)解体撤去関連費用引当金
神戸線条工場内での発電所建設に関連して設備を解体撤去するため、これに伴い発生する費用について、当事業年
度末における見積額を計上しております。
6.収益及び費用の計上基準
当社は収益の認識に関し、次の5つのステップを適用しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:契約における履行義務に取引価格を配分する
ステップ5:履行義務を充足した時又は充足するにつれて収益を認識する
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する
通常の時点(収益を認識する通常の時点)は次のとおりであります。
素材系事業(鉄鋼アルミ、素形材、溶接)の収益は主として製品の販売、機械系事業(機械、エンジニアリング)
の収益は主として製品の販売、工事契約、サービスの提供、電力事業の収益は主として工事契約、サービス提供によ
るものであります。
(ア)一時点で充足される履行義務
製品の販売については、原則として当該製品の引渡時点で、製品の支配が顧客に移転され、履行義務が充足
されることから、その時点で収益を認識しております。ただし、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転され
る時までの期間が通常の期間である場合には、出荷した時点において当該製品の支配が顧客に移転されると判
断し、出荷時点で収益を認識しております。
(イ)一定期間にわたり充足される履行義務
工事契約については、主として顧客に提供する履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に応じて
収益を認識しております。進捗度は、原価の発生が工事の進捗度を適切に表すことから、見積総原価に対する
累積実際発生原価の割合で算出しております。取引の対価は、主として履行義務の充足とは別に契約期間中に
段階的に受領するとともに、残額については履行義務を全て充足したのち一定期間経過後に受領しておりま
す。
サービスの提供については、移転されるサービスの総量に対する割合に基づいて収益を認識しております。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート等を控除した金額で測定しております。顧
客との契約において約束された対価に、値引き等の変動対価が含まれる場合には、変動対価の額に関する不確実性が
事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限
り、変動対価を取引価格に含めております。取引の対価は、履行義務を充足してから概ね1年以内に受領しており、
重要な金融要素は含んでおりません。
7.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、為替予約を振り当てたものを除き、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額
は損益として処理しております。
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8.ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
なお、個別に為替予約等が付されている外貨建金銭債権債務について、振当処理の要件を満たしている場合は、振
当処理を行っております。
また、特例処理の要件を充たす金利スワップ取引及び通貨スワップ取引については特例処理によっております。
(2)ヘッジ手段とヘッジ対象
(ア)ヘッジ手段
為替予約取引、金利スワップ取引、通貨スワップ取引及び商品先渡取引
(イ)ヘッジ対象
為替、金利、通貨及びアルミ等地金の売買に係る相場変動による損失の可能性がある資産又は負債(予定取引
により発生が見込まれるものを含む。)
(3)ヘッジ方針及びヘッジ有効性の評価方法
相場変動のリスクの低減を目的としてヘッジ取引を実施しており、投機を目的としたヘッジ取引は一切実施しない
こととしております。
ヘッジ有効性の評価については、内部規程に基づき実施しております。
9.退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表に
おけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
10.グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
繰延税金資産
当社は、将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金等のうち、将来課税所得を減算する可能性が高いと見込まれる
ものに対して、貸借対照表の「固定資産」の「投資その他の資産」に「繰延税金資産」8,785百万円(前事業年度
12,249百万円)を計上しております。
上記金額の見積りに用いた主要な仮定等は、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り) 2.繰延税金
資産」の内容と同一であります。
(追加情報)
(取締役等に対する株式給付信託(BBT)導入)
取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除きます。)及び執行役員に信託を通じて当社の株式を交付
する取引については、連結財務諸表「注記事項(追加情報)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略して
おります。
(会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方)
当社は、新型コロナウイルス感染症拡大による翌事業年度の業績に対する影響は軽微であるとの仮定に基づき、
繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。
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(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
短期金銭債権 150,824 百万円 256,920 百万円
長期金銭債権 150,266 121,613
短期金銭債務 93,077 96,540
長期金銭債務 391 130
※2 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
関係会社株式 11,110 百万円 11,110 百万円
その他 66,444 65,570
合計
(※ア、※イ )77,554 (※ア、※イ )76,680
担保の原因となっている債務は、次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
関係会社の金融機関借入金 (※ア、※イ )253,793 百万円 (※ア、※イ )271,626 百万円
(※ア)担保に供している資産のうち、電力供給事業の事業主体である(株)コベルコパワー真岡の金融機関借入金
に対して抵当権等を設定しているもの及び担保の原因となっている債務は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
担保に供している資産 27,476 百万円 25,572 百万円
担保の原因となっている債務 55,027 48,071
(※イ)担保に供している資産のうち、電力供給事業の事業主体である(株)コベルコパワー神戸第二の金融機関借
入金に対して抵当権等を設定しているもの及び担保の原因となっている債務は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
担保に供している資産 50,060 百万円 51,089 百万円
担保の原因となっている債務 198,260 223,216
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3 保証債務
下記の会社の金融機関借入等について、それぞれ保証を行っております。
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
Quintus Technologies AB 3,107 百万円 3,599 百万円
Kobelco Millcon Steel Co., Ltd.
4,854 3,059
神鋼無錫圧縮機股份有限公司
2,970 2,995
Kobelco South East Asia
- 2,408
日本エアロフォージ(株) 1,764 1,323
Kobe Aluminum Automotive Products, LLC 4,942 -
その他 8,457(12社他) 5,335(13社他)
合計
26,097 18,721
(うち、保証類似行為)
(77) (16)
(うち、他社より再保証を受けているもの)
(3,998) (2,556)
(表示方法の変更)
前事業年度において区分掲記していた「神鋼汽車鋁材(天津)有限公司」は、相対的に金額的重要性が低下し
たため、当事業年度より「その他」に含めて表示しております。また、前事業年度において、「その他」に含め
て表示していた「日本エアロフォージ(株)」は、相対的に金額的重要性が増したため、当事業年度より区分掲記
することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の注記において、「神鋼汽車鋁材(天津)有限公司」として表示していた3,361百万
円、「その他」に表示していた6,859百万円は、当事業年度の注記において、「日本エアロフォージ(株)」1,764
百万円及び「その他」8,457百万円として組み替えております。
4 債権流動化に伴う買戻義務
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
2,190 百万円 2,066 百万円
5 貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
150,000 百万円 150,000 百万円
貸出コミットメントの総額
‐ ‐
借入実行残高
150,000 150,000
差引額
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(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
営業取引による取引高
売上高 444,863 百万円 464,441 百万円
仕入高 701,351 1,019,854
営業取引以外の取引による取引高 80,260 285,096
※2 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費のうち販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度67%、当事業年度66%、一般管
理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度33%、当事業年度34%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
前事業年度 当事業年度
(自 2021年4月1日 (自 2022年4月1日
至 2022年3月31日) 至 2023年3月31日)
37,468 百万円 40,675 百万円
運搬費
8,952 9,366
給料及び手当
1,347 1,375
賞与引当金繰入額
2,079 103
貸倒引当金繰入額
1,338 1,042
退職給付費用
9,884 10,117
研究開発費
951 917
減価償却費
10,305 11,360
業務委託費
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(有価証券関係)
前事業年度(2022年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
(単位:百万円)
区分 貸借対照表計上額 時価 差額
子会社株式 6,930 4,762 △2,168
関連会社株式 1,056 4,441 3,384
合計 7,987 9,204 1,216
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
区分 前事業年度(百万円)
子会社株式 123,261
関連会社株式 60,785
当事業年度(2023年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
(単位:百万円)
区分 貸借対照表計上額 時価 差額
子会社株式 6,930 5,366 △1,564
関連会社株式 1,056 7,086 6,030
合計 7,987 12,453 4,465
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
区分 当事業年度(百万円)
子会社株式 127,987
関連会社株式 58,537
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
繰延税金資産
株式評価損 百万円 百万円
33,429 33,460
退職給付引当金
13,738 15,077
減損損失
13,290 11,668
投資簿価修正
8,631 9,996
税務上の繰越欠損金
7,084 4,529
その他 21,443 20,629
繰延税金資産小計
97,617 95,362
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額
△5,424 △3,435
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額 △58,196 △58,638
評価性引当額小計
△63,620 △62,074
繰延税金資産合計
33,997 33,287
繰延税金負債
その他有価証券評価差額金
10,275 12,974
退職給付信託の返還
8,029 8,029
その他 3,442 3,498
繰延税金負債合計
21,748 24,502
繰延税金資産・負債の純額(負債:△)
12,249 8,785
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異の原因となった主な項目別の内訳
前事業年度 当事業年度
(2022年3月31日) (2023年3月31日)
法定実効税率
30.6 % 30.6 %
(調整)
交際費等の損金不算入項目
0.2 0.5
受取配当金等の益金不算入項目
△12.6 △12.3
評価性引当額の増減
△6.4 △2.6
試験研究費等の税額控除
△1.5 △5.4
その他
1.2 △1.9
税効果会計適用後の法人税等の負担率 % %
11.4 8.9
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、当事業年度から、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の
会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の
会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却累計額
差引
区分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高 当期償却額
又は償却累計額
当期末残高
2,324
360,645 1,504 361,465 265,535 6,630 95,929
建物
有形固
定資産
178,565 1,366 507 179,424 137,200 4,134 42,223
構築物
※1 28,949 ※2 18,350
1,832,090 1,842,689 1,564,720 45,499 277,969
機械及び装置
4,901 83 37 4,947 4,370 218 576
車両運搬具
82,475 3,423 2,045 83,853 76,825 3,152 7,028
工具、器具及び備品
65,272 - 42 65,230 - - 65,230
土地
※3 45,997 ※4 41,314
23,692 28,375 - - 28,375
建設仮勘定
2,547,644 82,144 63,803 2,565,985 2,048,652 59,634 517,333
計
- - - 29,561 16,621 5,046 12,939
ソフトウエア
無形固
定資産
- - - 445 267 14 178
施設利用権
- - - 2,636 1,550 264 1,085
その他
- - - 32,643 18,439 5,325 14,204
計
(注)1.「当期首残高」、「当期増加額」及び「当期減少額」並びに「当期末残高」については、取得価額により記
載しております。
2.当期増減の主なもの
※1 機械及び装置の増加 28,949百万円
鉄鋼アルミ事業部門 22,260 百万円
素形材事業部門 3,099
溶接事業部門 682
機械事業部門 1,240
エンジニアリング事業部門 39
電力事業部門 1,505
全社 122
※2 機械及び装置の減少 18,350百万円
設備除却 18,147 百万円
※3 建設仮勘定の増加 45,997百万円
鉄鋼アルミ事業部門 30,308 百万円
素形材事業部門 6,378
溶接事業部門 904
機械事業部門 3,154
エンジニアリング事業部門 1,331
電力事業部門 1,581
全社 2,337
※4 建設仮勘定の減少 41,314百万円
有形固定資産本勘定への振替 35,955 百万円
無形固定資産本勘定への振替 5,341
3.無形固定資産の金額は重要性がないため、「当期首残高」、「当期増加額」及び「当期減少額」の記載を省
略しております。
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【引当金明細表】
(単位:百万円)
科目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 7,850 648 1,340 7,158
賞与引当金 9,544 9,729 9,544 9,729
製品保証引当金 3,158 1,313 1,969 2,501
受注工事損失引当金 12,250 4,765 9,319 7,695
環境対策引当金 1,691 29 843 876
顧客補償等対応費用引当金 274 12 48 239
解体撤去関連費用引当金 1,416 42 - 1,459
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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有価証券報告書
第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月31日まで
定時株主総会 6月中
基準日 3月31日
9月30日
剰余金の配当の基準日
3月31日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り・買増し (注1、2)
大阪市中央区伏見町3丁目6番3号
取扱場所
三菱UFJ信託銀行(株)大阪証券代行部
東京都千代田区丸の内1丁目4番5号
株主名簿管理人
三菱UFJ信託銀行(株)
買取・買増手数料 無料
当社の公告方法は、電子公告とします。但し、電子公告によることができ
ない事故その他やむを得ない事由が生じたときは、日本経済新聞に掲載し
ます。
公告掲載方法
なお、電子公告は当社ホームページに掲載しており、そのアドレスは次の
とおりです。
https://www.kobelco.co.jp/
株主に対する特典 なし
(注) 1.当社の株主は、定款の定めにより、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使す
ることができません。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(3)株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
2.株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成16
年6月9日 法律第88号)の施行に伴い、単元未満株式の買取・売渡を含む株式の取扱いは、原則として、
証券会社等の口座管理機関を経由して行うこととなっております。但し、特別口座に記録されている株式に
ついては、特別口座の口座管理機関である三菱UFJ信託銀行(株)が直接取り扱います。
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書 2022年6月22日
関東財務局長に提出。
事業年度(第169期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(2) 内部統制報告書 2022年6月22日
関東財務局長に提出。
2022年6月29日
(3) 発行登録書(社債)及びその添付書類
関東財務局長に提出。
2023年3月7日
(4) 訂正発行登録書(社債)
関東財務局長に提出。
2023年6月2日
(5) 発行登録追補書類(社債)及びその添付書類
近畿財務局長に提出。
(6) 四半期報告書及び確認書
2022年8月9日
(第170期第1四半期 自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)
関東財務局長に提出。
(第170期第2四半期 自 2022年7月1日 至 2022年9月30日) 2022年11月9日
関東財務局長に提出。
(第170期第3四半期 自 2022年10月1日 至 2022年12月31日) 2023年2月9日
関東財務局長に提出。
(7) 臨時報告書
2022年6月24日
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会におけ
関東財務局長に提出。
る議決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。
2023年3月7日
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号(代表取締役の異動)
関東財務局長に提出。
に基づく臨時報告書であります。
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2023年6月21日
株式会社神戸製鋼所
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
大阪事務所
指定有限責任社員
公認会計士
中島 久木
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
大槻 櫻子
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
塚本 健
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられ
ている株式会社神戸製鋼所の2022年4月1日から2023年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連
結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算
書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、
株式会社神戸製鋼所及び連結子会社の2023年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経
営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準にお
ける当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国に
おける職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理
上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断してい
る。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に
重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査
意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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コベルコ建機株式会社に関する固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
当連結会計年度の連結貸借対照表において、有形固定資 当監査法人は、コベルコ建機株式会社に関する固定資産
産1,066,035百万円及び無形固定資産37,579百万円が計上 の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価する
されている。 連結財務諸表注記(重要な会計上の見積り) ため、主に以下の監査手続を実施した。
に記載のとおり、これらのうち建設機械セグメントにおけ (1)内部統制の評価
るコベルコ建機株式会社に関して有形固定資産54,357百万 固定資産の減損損失の認識の要否の判定に関する内部統
円及び無形固定資産6,769百万円が計上されており、これ 制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当
らの合計金額は総資産の2%を占めている。 たっては、特に、事業計画に含まれる主要な仮定について
これらの固定資産は規則的に減価償却されるが、減損の 不適切な仮定が採用されることを防止又は発見するための
兆候があると認められる場合には、資産グループから得ら 統制に焦点を当てた。
れる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比 (2)割引前将来キャッシュ・フローの見積りの適切性の評
較することによって、減損損失の認識の要否を判定する必 価
要がある。判定の結果、減損損失の認識が必要と判定され 割引前将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事
た場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の 業計画の作成に当たって採用された主要な仮定の適切性を
減少額は減損損失として認識される。 評価するため、その根拠について経営者及びコベルコ建機
コベルコ建機株式会社については、海外における競合の 株式会社の経理責任者に対して質問したほか、主に以下の
激化、鋼材などの調達コストの増加、部品供給不足による 手続を実施した。
減産等の影響により、営業損益が継続してマイナスとなっ ●販売単価の改善について、過去の類似施策による改善実
たことから、減損の兆候があると認められる。このため、 績を踏まえて、その実行可能性を評価した。
当連結会計年度において減損損失の認識の要否の判定が行 ●販売地域での需要の拡大について、その前提となる建設
われている。当該判定に用いられる割引前将来キャッ 投資の増加等に関する外部機関が公表している予測レ
シュ・フローの見積りは、経営者が作成した事業計画を基 ポートを参考に、その実行可能性を評価した。
礎として行われるが、当該事業計画には販売単価の改善、 ●マーケットシェアの拡大について、拡販施策の内容の把
建設投資の増加に基づく販売地域での需要の拡大やマー 握及び過去のマーケットシェア拡大実績と比較した。
ケットシェアの拡大による販売台数の増加等が主要な仮定 ●過去の事業計画の達成状況及び差異の原因についての検
として採用されている。当該仮定は高い不確実性を伴い、 討結果等を踏まえて、経営者が見積もった事業計画に一
これらの経営者による判断が割引前将来キャッシュ・フ 定の不確実性を織り込んだ場合の割引前将来キャッ
ローの見積りに重要な影響を及ぼす。 シュ・フローが、減損損失の認識の要否の判定に与える
以上から、当監査法人は、コベルコ建機株式会社に関す 影響について検討した。
る固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性
が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要
であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断
した。
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通算グループに関する繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
当連結会計年度の連結貸借対照表において、繰延税金資 当監査法人は、通算グループに関する繰延税金資産の回
産46,681百万円が計上されており、 連結財務諸表注記(重 収可能性に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下
要な会計上の見積り) に記載のとおり、繰延税金負債との の監査手続を実施した。
相殺前金額は87,177百万円である。このうち、株式会社神 (1)内部統制の評価
戸製鋼所及び同社を通算親法人としてグループ通算制度を 事業計画の作成を含む、課税所得計画に関する内部統制
適用している一部の国内連結子会社(以下「通算グルー の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当
プ」という。)に関して計上された繰延税金資産(繰延税 たっては、特に、事業計画に含まれる主要な仮定について
金負債との相殺前)の金額は56,804百万円であり、総資産 不適切な仮定が採用されることを防止又は発見するための
の2%を占めている。 統制に焦点を当てた。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損 (2)通算グループの課税所得計画における通算前所得の発
金等のうち、将来課税所得を減算する可能性が高いと見込 生見込みの適切性の評価
まれるものについて認識する。株式会社神戸製鋼所はグ 繰延税金資産の回収可能性の判断において重要となる、
ループ通算制度を適用しているため、法人税及び地方法人 通算グループの課税所得計画における通算前所得の発生見
税に係る繰延税金資産については、通算グループの課税所 込みの算定に当たって採用された主要な仮定の適切性を評
得計画を基礎とした通算グループ全体の課税所得の合計を 価するため、その根拠について経営者及び経理責任者に対
考慮して、回収可能性を判断することとなる。 して質問したほか、主に以下の手続を実施した。
当該繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる通算 ●通算グループの課税所得計画における通算前所得の発生
グループの課税所得計画における通算前所得の発生見込み 見込みについて、課税所得計画の基礎資料である事業計
は、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、 画の内容との整合性を確認した。
当該事業計画には主要事業における需要や販売価格の予測 ●通算グループにおける過去の課税所得計画の達成状況と
等、経営者による判断を伴う主要な仮定が含まれており、 差異原因を検討するとともに、将来課税所得の金額につ
見積りの不確実性が高い。 いて、過去の課税所得計画の達成状況を踏まえて一定の
以上から、当監査法人は、通算グループに関する繰延税 不確実性を織り込んだ、当監査法人の予測値と比較し
金資産の回収可能性に関する判断の妥当性が、当連結会計 た。
年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上 ●主要事業における需要の予測について、当連結会計年度
の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。 の事業計画の達成状況と差異原因を検討するとともに、
経営者による受注予測を第三者機関による市場予測レ
ポートの内容等と比較した。
●主要事業における販売価格の予測について、原材料価格
等の高騰に対応する価格転嫁の進捗状況について根拠資
料を閲覧した。
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有価証券報告書
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告
書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他
の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載
内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、ま
た、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報
告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適
正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示す
るために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切である
かどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を
開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽
表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を
表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸
表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家
としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手
続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分か
つ適切な監査証拠を入手する。
・連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク
評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性
及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に
基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるか
どうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務
諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合
は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日ま
でに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可
能性がある。
・連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠してい
るかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基
礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠
を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独
で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重
要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並び
に監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガード
を講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断し
た事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が
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禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利
益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社神戸製鋼所の2023
年3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、株式会社神戸製鋼所が2023年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記
の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠し
て、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部
統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監
査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会
社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎
となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報
告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査等委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性が
ある。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかに
ついて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明するこ
とにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過
程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施
する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選
択及び適用される。
・財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての
内部統制報告書の表示を検討する。
・内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査
人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対
して責任を負う。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別
した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項に
ついて報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並び
に監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガード
を講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係は
ない。
以 上
上記の監査報告書の原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。
XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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独立監査人の監査報告書
2023年6月21日
株式会社神戸製鋼所
取締役会 御中
有限責任 あずさ監査法人
大阪事務所
指定有限責任社員
公認会計士
中島 久木
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
大槻 櫻子
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士
塚本 健
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられ
ている株式会社神戸製鋼所の2022年4月1日から2023年3月31日までの第170期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借
対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行っ
た。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式
会社神戸製鋼所の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点
において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準にお
ける当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国におけ
る職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たして
いる。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であ
ると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成に
おいて対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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株式会社 神戸製鋼所(E01231)
有価証券報告書
繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
当事業年度の貸借対照表において、繰延税金資産8,785 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に関する判断
百万円が計上されており、 財務諸表注記(税効果会計関 の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施し
係) に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前金額は た。
33,287百万円であり、総資産の2%を占めている。 (1)内部統制の評価
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損 事業計画の作成を含む、課税所得計画に関する内部統制
金等のうち、将来課税所得を減算する可能性が高いと見込 の整備状況及び運用状況の有効性を評価した。評価に当
まれるものについて認識する。株式会社神戸製鋼所はグ たっては、特に、事業計画に含まれる主要な仮定について
ループ通算制度を適用しているため、法人税及び地方法人 不適切な仮定が採用されることを防止又は発見するための
税に係る繰延税金資産については、株式会社神戸製鋼所及 統制に焦点を当てた。
び同社を通算親法人としてグループ通算制度を適用してい (2)通算グループの課税所得計画における通算前所得の発
る一部の国内連結子会社(以下「通算グループ」とい 生見込みの適切性の評価
う。)の課税所得計画を基礎とした通算グループ全体の課 繰延税金資産の回収可能性の判断において重要となる、
税所得の合計を考慮して、回収可能性を判断することとな 通算グループの課税所得計画における通算前所得の発生見
る。 込みの算定に当たって採用された主要な仮定の適切性を評
当該繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる通算 価するため、その根拠について経営者及び経理責任者に対
グループの課税所得計画における通算前所得の発生見込み して質問したほか、主に以下の手続を実施した。
は、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、 ●通算グループの課税所得計画における通算前所得の発生
当該事業計画には主要事業における需要や販売価格の予測 見込みについて、課税所得計画の基礎資料である事業計
等、経営者による判断を伴う主要な仮定が含まれており、 画の内容との整合性を確認した。
見積りの不確実性が高い。 ●通算グループにおける過去の課税所得計画の達成状況と
以上から、当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性に 差異原因を検討するとともに、将来課税所得の金額につ
関する判断の妥当性が、当事業年度の財務諸表監査におい いて、過去の課税所得計画の達成状況を踏まえて一定の
て特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると 不確実性を織り込んだ、当監査法人の予測値と比較し
判断した。 た。
●主要事業における需要の予測について、当事業年度の事
業計画の達成状況と差異原因を検討するとともに、経営
者による受注予測を第三者機関による市場予測レポート
の内容等と比較した。
●主要事業における販売価格の予測について、原材料価格
等の高騰に対応する価格転嫁の進捗状況について根拠資
料を閲覧した。
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EDINET提出書類
株式会社 神戸製鋼所(E01231)
有価証券報告書
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告
書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任
は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報
告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に
表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために
経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうか
を評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する
必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家
としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手
続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分か
つ適切な監査証拠を入手する。
・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性
及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどう
か結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注
記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表
に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査
証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているか
どうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引
や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重
要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並び
に監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガード
を講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を
監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止され
ている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回
ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
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株式会社 神戸製鋼所(E01231)
有価証券報告書
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
上記の監査報告書の原本は有価証券報告書提出会社が別途保管しております。
XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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