オーストラリア・ニュージーランド銀行 有価証券報告書

提出書類 有価証券報告書
提出日
提出者 オーストラリア・ニュージーランド銀行
カテゴリ 有価証券報告書

                                                          EDINET提出書類
                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
    【表紙】

    【提出書類】                   有価証券報告書

    【根拠条文】                   金融商品取引法第24条第1項

    【提出先】                   関東財務局長

    【提出日】                   令和3年12月20日

    【事業年度】                   自 令和2年10月1日 至 令和3年9月30日

    【会社名】                   オーストラリア・ニュージーランド銀行

                        ( Australia     and  New  Zealand    Banking    Group   Limited    )
                         (Australian       Business     Number    11  005  357  522)
    【代表者の役職氏名】                   グループ財務責任者 (Group              Treasurer)

                        エイドリアン・ウェント            (Adrian      Went)
    【本店の所在の場所】                   オーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・スト

                        リート833、9階、ANZセンター・メルボルン
                        (ANZ   Centre    Melbourne,      Level   9,  833  Collins    Street,    Docklands,
                         Victoria     3008,   Australia)
    【代理人の氏名又は名称】                   弁護士 黒丸 博善

    【代理人の住所又は所在地】                   東京都港区六本木六丁目10番1号

                        六本木ヒルズ森タワー23階
                        TMI総合法律事務所
    【電話番号】                   03-6438-5511

    【事務連絡者氏名】                   弁護士 黒丸 博善

                        弁護士 海江田 光
                        弁護士 藤田 剛敬
    【連絡場所】                   東京都港区六本木六丁目10番1号
                        六本木ヒルズ森タワー23階
                        TMI総合法律事務所
    【電話番号】                   03-6438-5511

    【縦覧に供する場所】                   該当なし

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     ( 注)1.   別段の記載がある場合を除き、本書において「当行」、「親会社」または「ANZBGL」とはオーストラリア・ニュー
        ジーランド銀行を意味し、別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「ANZ」、「ANZグ
        ループ」、「当グループ」、「当銀行グループ」または「連結会社」はオーストラリア・ニュージーランド銀行とそ
        の連結子会社を意味する。別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書において、「ANZ
        ニュージーランド」はANZバンク・ニュージーランド・リミテッドを意味し、「ANZニュージーランド・グループ」は
        ANZニュージーランドとその子会社を意味する。
       2 .ANZの事業年度は9月30日に終了する。本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、

        2021年9月30日に終了した事業年度は「2021年度」、「2021事業年度」、「2021会計年度」または「2021年9月終了年
        度」と言及され、2020年9月30日に終了した事業年度は「2020年度」、「2020事業年度」、「2020会計年度」または
        「2020年9月終了年度」と言及され、2021年9月30日に終了した半期(半年)は「2021年9月終了半期」と言及され、
        その他の事業年度および半期(半年)についてもこれに対応する記載によって言及される。暦年に関する言及はその通
        りの意味を持つ。
       3.  本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書において「ドル」「豪ドル」、

        「オーストラリアドル」または「セント」とはオーストラリア連邦の法定通貨を指す。本書において便宜上記載されて
        いる日本円への換算は、1ドル=82.81円の換算率(2021年12月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信
        売相場)により換算されている。本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、本書にお
        いて「米ドル」とはアメリカ合衆国の法定通貨を指し、「ニュージーランドドル」はニュージーランドの法定通貨を指
        し、「ユーロ」とはユーロ圏の公式通貨を指す。
       4.  本有価証券報告書の情報の一部は、当行およびANZグループの実際の業績および財務状態を本書に提示される情報から

        大幅に異ならせる可能性のあるリスクおよび不確実性に左右される、事象または傾向に関する「将来に関する記載」で
        ある。本有価証券報告書において、当行または当グループとその経営陣に関連して、「予測する」、「推定する」、
        「計画する」、「意図する」、「予想する」、「確信する」、「期待する」、「することがある」、「見込みであ
        る」、「リスクがある」、「予定である」、「追求する」、「だろう」、「可能性がある」、「すべきである」および
        これらに類する表現が使用されている場合は、かかる将来に関する記載を示すことが意図されている。本有価証券報告
        書に含まれている将来に関する記載はいずれも本書提出日現在においてなされた記載であり、今後提出されることのあ
        る本書の訂正報告書または臨時報告書ならびに発行登録書、訂正発行登録書および発行登録追補書類の参照書類の補完
        情報およびそれらの添付書類においてなされた記載により、かかる記載は更新、修正、訂正または置き換えられること
        がある。そのため、投資判断を行うにあたってこれらの記載に依拠すべきではない。ANZは、本書日付以後に事象や状
        況を反映するために、または予期しない事態の発生を反映するために、これらの将来に関する記載の修正結果を公表す
        る義務を負わない。
       5.  本書中の表において、計数が四捨五入されている場合、合計は計数の総和と必ずしも一致しない。

       6.  本書に別段の記載がない限り、または文脈上別に解すべき場合でない限り、「本書」とは本有価証券報告書を意味す

        る。
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    第一部【企業情報】
    第1【本国における法制等の概要】

    1【会社制度等の概要】

    (1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
     以下はオーストラリアの2001年会社法および当行の定款の概要を含む。以下の事項をより徹底して理解したいと希望する読
    者は、元となるこれらの文書を参照すべきである。
     当行はその他のオーストラリアの銀行および会社と同様、2001年会社法(「会社法」)に従い、会社法により規制される。

    会社法は制定法であり、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)が管理している。
     オーストラリア連邦の諸法律(「豪州法」)は当行のオーストラリアにおける業務運営の様々な局面に影響を与えている。
    会社法に加え、特に当行に関係のある重要な豪州法は、1959年銀行法(「銀行法」)、1998年オーストラリア健全性規制庁
    法、2001年オーストラリア証券投資委員会法および1998年金融部門(株式所有)法を含む、現行の銀行諸法から構成される。
    当行は上場公開会社であるため、オーストラリア証券取引所(「ASX」)が管理する上場規程による規制も受ける。
     当行に適用のある会社法の主要規定の概略は以下の通りである。
     上場会社は会社内部の経営および株主の権利を統治する定款を持たなければならない。当行は2007年12月18日に開催された
    株主総会において当行の株主により承認され、2010年12月17日および2018年12月19日に開催された株主総会において変更が承
    認された定款(「定款」)を採択している。
     定款には、会社の業務、運営、権利および権限ならびに株主、取締役、その他の役員の権利および権限に関して、豪州法の
    規定と一致する規則のみを含めることができる。定款は、決議に関して議決権を有する会社の株主の最低75%の投票をもって
    決議される場合のみ改定することができると会社法により規定されている。
     定款は通常、以下の事項に関する規定を含む。
      ・会社の株式に付随する権利および義務ならびに会社の株式の譲渡。
      ・株主総会の投票および運営方法。
      ・取締役の人数、権限、義務および任免ならびに取締役会会議の運営方法。
      ・会社秘書役の任命および社印の使用。
      ・会計および監査。
      ・株主への通知。
      ・会社の清算に際しての資産の分配。
     会社法は、当行に対し、その取引、財務状況および業績を正確に記録かつ説明し、真正かつ公正な財務書類の作成および監
    査を可能にする、書面による会計帳簿を保持することを要求している。
     会社法は当行に対し、その事業年度ごとに財務報告書を期限前に作成し、監査を受けることを要求している。財務報告書
    は、(ⅰ)財務書類(損益計算書、包括利益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書および持分変動計算書ならびに財
    務書類の注記を含む。)ならびに(ⅱ)財務書類および注記についての取締役の宣誓書から構成される。財務報告書はオースト
    ラリアの会計基準および会社法に規定されているその他の関連規則を遵守しなければならず、財務書類および注記は当行の財
    務状況および業績につき真正かつ公正な見解を表示しなければならない。当行はグループ内の親会社であるので、当該事業年
    度を通して随時、当行が支配している会社との連結財務書類の作成も要する。会社法に基づき、当行の監査人は企業もしくは
    個人(どちらの場合でも会社法に基づく登録を行っている会社監査人でなければならない。)または(会社法に基づく公認監
    査会社である)会社でなければならない。監査人は、毎事業年度の当行の財務報告書の監査を実施し、当行の年次財務報告書
    に関して以下の事項について意見を述べる義務を有する。
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                                                           有価証券報告書
      ・年次財務報告書が会社法およびオーストラリアの会計基準に従い作成されているか否か。
      ・年次財務報告書が当行の財務状況および業績について真正かつ公正な見解を示しているか否か。
      ・監査人は、監査の実施につき必要なすべての情報、説明および支援を得ているか否か。
      ・当行は年次財務報告書の作成および監査を可能にするため十分な会計帳簿の記録を保持しているか否か。
      ・当行は会社法の要求するその他のすべての記録および登録簿を保持しているか否か。
     ただし、年次財務報告書に関する監査報告書は、上記の最初の2項目のみを明示的に言及している。
     財務報告書中のあらゆる欠陥もしくは不正または上記の最後の3項目に言及される事項に関する不備、不履行もしくは不足
    についての詳細は監査報告書に記載されなければならない。
     当行の取締役は、会社法で特定された一定の事項に関して、当行の株主宛てに事業年度ごとの取締役会の報告書を作成しな
    ければならない。これらの事項にはとりわけ、事業年度中支払われた配当額、事業年度中推奨されたが支払われなかった配当
    額、事業年度の業務運営およびその業績結果の検討、事業年度中に行われた当行の主要な業務についての記載ならびにこうし
    た業務の性質の重大な変更、事業年度における当行の経営状態の重大な変化、および当行の業務運営、業績または経営状態に
    重大な影響を及ぼした、もしくは今後の事業年度において及ぼす可能性のある、当該事業年度以降に生じる当行の事項や状況
    が含まれる。
     ASX  に上場されている企業としての当行の取締役会報告書にはとりわけ、(取締役および特定の上級経営陣を含む。)当行の
    主要経営陣の報酬の性質および額の決定またはそれらに関する取締役会の方針の検討、ならびにかかる方針と当行の業績との
    関係を含めなければならない。
     当行は、ASICには事業年度末から3か月以内に、またASXにはASICへの提出と同時におよびいかなる場合でも事業年度末から
    3か月以内に、年次財務報告書の写しを提出しなければならず、当行の株主全員に対して、株主がかかる報告書を受領しない
    ことを特別に希望しない限り、年次株主総会から21日前まで、または当該事業年度末から4か月後のいずれか早い方までにか
    かる報告書の写しを送付しなければならない。半期報告書はASICには半期終了から75日以内に、またASXにはASICへの提出時ま
    でにおよびいかなる場合でも半期終了から2か月以内に提出しなければならない。半期報告書を株主に送付する義務はない
    が、半期報告書はASXに提出され、ASXのウェブサイトで公衆の縦覧に付され、当行のウェブサイトにも掲載される。
     定款は、当行の取締役会が、特に、当行が配当を維持する能力に関連する定款の一定の規則および会社法の規定に従って、
    適切と考えるいかなる配当の支払いも決議し得ることを定めている。会社法は、以下の場合を除くと、会社は配当を支払わな
    くてもよいと規定している。
      ・配当が宣言される直前に会社の資産がその負債を上回っており、その超過が配当の支払いに十分である。
      ・配当の支払いが会社の株主全体にとって公平で妥当である。
      ・配当の支払いによって、会社がその債権者に支払いする能力に重大な損害を与えない。
    株主

     会社法の規定に従い、株主総会は暦年ごとに少なくとも1回、当行の事業年度の終了から5か月以内に開催されなければなら
    ない。この総会は、年次株主総会と称される。年次株主総会の主な機能は通常、取締役の選任、取締役報酬額の決定ならびに
    財務書類および報告書の審議である。これに加え、取締役または一定比率の当行の株式を保有する株主は、その他の株主総会
    を随時招集することができる。この総会は、単に株主総会と称されている。
     当行の株式に付随する議決権は、株主総会におけるその行使方法とともに、定款に定められている。
     当行株主総会への出席権および議決権を有する株主は、代理人を立てて株主総会に出席することができる。この場合の代理
    人は当行の株主たることを要しない。定款には、当行のあらゆる株主総会の定足数およびその議長の任命等に関する規定が含
    まれている。
     定款に従い、株主総会の決議は、通常、普通決議により、すなわち株主総会に出席し、かつ決議に関して議決権を有する当
    行の株主(代理人による出席を含む。)による投票の過半数による多数決によって、採択される。しかし、特定の事項(例え
    ば定款の変更)については、会社法または定款によって、特別の決議方法、すなわち総会に出席し、かつその決議に関して議
    決権を有する当行の株主(代理人による出席を含む。)による投票の75%以上の多数による決議承認を経ることが必要とされ
    ている。
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     1998  年金融部門(株式所有)法の定めるところによれば、何人もまたはかかる者とその関係者も、オーストラリア連邦の財
    務大臣の承認を得ないで、金融業界の会社(当行を含む。)の全議決権の20%超を保有することまたは実質的な支配権を所有
    することは認められていない。しかしながら、財務大臣は、オーストラリアの国益であるという条件を満たす場合のみ、20%
    超の持分をある者が保有することを承認することができる。ある者に対する当行株式の保有、所有または議決権を行使する能
    力の制限についての詳細は、下記の「2 外国為替管理制度-証券保有者に影響を与える制限」を参照のこと。
     2019  年財政改正法(相互改革)に従い、金融部門の会社の保有比率の上限は、2019年4月6日に15%から20%に変更され
    た。
    経営および運営

     公開会社である当行は、3名以上の取締役によって運営されることが要求されており、その内少なくとも2名はオーストラ
    リアに通常居住する者でなければならない。取締役は自然人でなければならない。定款は当行の取締役の数を5名以上15名以
    下と規定している。取締役の当行を運営する権限は、定款で定められている。
     定款に従い、当行の取締役は取締役会として行為しなければならず、取締役会は諸決議を取締役会会議で行うほか、定款に
    従い、会議を開催することなく書面決議の方法によりこれを行うことができる。個々の取締役、委員会、代理人またはその他
    の者は、当行の取締役会の決議で付与された場合には当行を代表して行為する権限を有する。当行の取締役会は、取締役会の
    あらゆる権限を1名以上の取締役またはその他の者に委任することができる。
     公開会社は最低1名の秘書役(その内少なくとも1名はオーストラリアに居住する者でなければならない。)および定めら
    れた数の取締役(上記に記載の通り)を任命することを義務付けられているが、会社法はその他の特定の役員の任命を要求し
    ていない。秘書役は会社法および定款に基づき、特定の機能と責任を有しており、自然人でなければならない。
     当行の株主は以下の事項を行う権限により最終的決定権を保持している。
      (a)  取締役会に諸権限を付与している定款を修正すること。
      (b)  株主総会を招集すること。
      (c)  会社法および定款に規定されたその他の事項または取締役の解任または不再任決議を可決すること。
     定款によって付与された権利および権限を行使するに際しては、当行の取締役は相当な注意と勤勉さをもってこれに当たる
    ことが要求され、かつその権限の行使と義務の履行に際しては誠意をもって、常時当行の利益、すなわち一般的な意味ではそ
    の株主の利益のために尽くすことが要求されている。
    株式の発行

     当行の未発行株式はすべて当行の取締役の管理下にあり、当行の定款、会社法および上場規程に従い、取締役会が適切と判
    断した条件によりこれら株式を発行することができる。
     定款の詳細および抜粋については、下記の「(2)提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。
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    (2)【提出会社の定款等に規定する制度】
     以下には当行の定款から抜粋した情報が含まれており、かかる定款はオーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックラン
    ズ、コリンズ・ストリート833、9階、ANZセンター・メルボルンにおいて平日(土曜日、日曜日および祝祭日を除く。)の通
    常営業時間に閲覧可能である。
     本(2)に記載の定款の抜粋は、参考の便宜上、適宜言換えがなされており、またかかる抜粋に使用されている定義済の用
    語は、定款において与えられた意味を有する。定款に定められた規則を完全に理解するためには、定款の写しを全文で読む必
    要がある。
    取締役会

     取締役の人数(代理取締役は数に入れない。)は、取締役会が決定することができるが、5名以上でなくてはならない。上
    限は、15名あるいは取締役会が定めるそれより少ない人数を超えてはならない。
     会社法、定款、および上記の人数制限に基づきその時々に確定される取締役の上限人数を条件に、取締役会は随時、取締役
    となる者を任命することができる。このように任命された取締役は、次の年次株主総会において自動的に退職することとな
    り、かかる株主総会で行われる選挙の有資格者となる。
     定款、適用法令、および上記の人数制限に基づきその時々に確定される取締役の上限人数を条件に、当行は普通決議により
    取締役を選出することができる。
     (a)  取締役は自身が選出または最後に再選されてから3回目の年次株主総会において、その職位から退任しなければならな
    い。(b)取締役は前記(a)の規定により要求される時点より前に年次株主総会において退任し、再選を目指すことを選択するこ
    とができる。ただし、年次株主総会の少なくとも45営業日前(または取締役会が決定するその他の期間以前)に、取締役は取
    締役会に自身の意向を通知しているものとする。取締役がかかる通知を行う場合、取締役は当該年次株主総会において退任し
    なければならない。(c)取締役の選出は各年次株主総会において行われなければならない。定款に基づき年次株主総会において
    取締役の選出が予定されていない場合、年次株主総会において取締役が1名退任しなければならない。(d)前記(a)、(b)または
    (c)の規定は、マネージング・ディレクター(または2名以上の場合、(もしいれば)定款に基づき任命された1名)およびそ
    の代理取締役には適用されない。(e)定款に基づき退任する取締役は再選資格を有する。(f)選出されたが、適用法令に基づき
    取締役として行為することが認められない者(会社法および銀行法を含むが、これらに限定されない。)は、90日以内に適用
    法令により取締役として行為することが認められようになった場合のみ、取締役の職に就くことができる。90日以内にかかる
    者が適用法令により取締役として行為することができなかった場合、選出されなかったとみなされる。
     会社法を条件として、上記            (c)  の規定に基づき退任する取締役は、前回の選出または任命から最も長く職位に就いている者と
    する。在任期間が同一の取締役が2名以上いる場合には、かかる取締役の間で合意により退任者を決定することができる。合
    意に達しない場合には、退任者決定の抽選が行われる。
     取締役の退職は、その取締役がかかる年次株主総会において再選されない限り、その株主総会の終了時に有効となる。
     取締役の任命期間が明示的に特定されているか否かにかかわらず、会社法に従い、当行は普通決議をもって取締役を解任す
    ることができる。
     取締役の数が上記の人数制限により要求される最少人数を下回ることとなる場合、残っている取締役らは、(a)最少人数を満
    たす数までの取締役の任命、(b)株主総会の招集、および(c)緊急事態についてのみ、取締役会として行為することができる。
    取締役会会議

     取締役はいつでも取締役会会議を招集でき、また、秘書役は取締役からの要請ある場合は必ず取締役会会議を招集しなけれ
    ばならない。
     取締役会が別段に定めない限り、取締役会会議の定足数は取締役2名とし、この定足数がかかる会議の終始、常に出席して
    いなければならない。取締役を兼任している代理取締役、または複数の任命権者の代理取締役となっている者は、定足数に1
    回のみ数え入れる。
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    株主総会の招集
     当行は年次株主総会を会社法により要求されている通りに開かなければならない。
     株主総会は、取締役会がいつでも招集でき、また会社法もしくは会社法に基づく命令により要求される時に取締役会が招集
    しなければならない。
     株主総会の通知は、会社法に則り行われなければならない。会社法および上場規程を総会の通知において遵守しなければな
    らず、また、会社法が許可するあらゆる方法を用いて通知することができる。
     会社法を条件として、取締役会は、
     (a)  株主総会を延期することができ、または、
     (b)  株主総会を中止することができ、または、
     (c)  株主総会の会場を変更することができる。
     その書面による通知を、
     (d)  オーストラリア国内の日刊新聞1紙において掲載する。または、
     (e)  オーストラリア証券取引所に通知する。または、
     (f)  会社法および上場規程を条件として、取締役会において決定するその他の方法により通知する。
    議決権

     当行の株主が誰であるのか、ならびに株主総会で投票する権利があるのは誰であるのか、および保有する株式数は何株とす
    るのかを決定するにあたり、当行は、
     (a)  総会の招集者が、総会の通知が配布される前に会社法に基づいて特定の時点を定めた場合、その時点で有効な株主名簿の
       みを参照しなければならない。または、
     (b)  定めていない場合には、総会の48時間前もしくはASX決済業務規則が要求するそれ以降の時点において有効な株主名簿の
       みを参照しなければならない。
     会社法、定款の規定および株式発行の条件を制約とし、
     (a)  挙手に際して、
       ( ⅰ)  株主が議決権行使代理人を2名任命している場合は、いずれの議決権行使代理人も投票できない。および、
       ( ⅱ)  上記(a)(ⅰ)の規定に従い、本人、あるいは議決権行使代理人、代理人または代表者により出席している各株主
          である出席者は、1票を有する。
     (b)  本人、あるいは議決権行使代理人、代理人または代表者により出席している議決権を持つ株主は、書面投票に際して、
       ( ⅰ)  全額払込済み株式1株につき、1票を有する。および、
       ( ⅱ)  下記(c)の規定を条件として、各一部払込済み株式については、その株式の発行価格全体に対する払込済み額の割
          合に等しい比の端数票を有する。
     (c)  ただし、一部払込済み株式の保有者が持つ端数票の計算において、
       ( ⅰ)  上場規程に基づき認められていない限り、かつ
       ( ⅱ)  株式発行の条件が別途定めていない限り、当行は、
       ( ⅲ)  払込請求に先立って払込まれた金員を勘定に入れてはならない。または、
       ( ⅳ)  一部払込済み株式に対して、現金または現金相当による当行への支払いを伴わずに貸記されている金員は勘定に入
          れてはならない。
     株主総会の議長には決定票がない。ある決議の賛成票および反対票が同数である場合、かかる案件は否決されたと裁定す
    る。
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    株式
     会社法および定款を条件として、取締役会は当行に代わり、取締役会が決定する任意の者に対して任意の条件および時期に
    おいて、未発行株式の発行、オプション付与、その他の処理を行うことができる。
     当行は、    優先株式(償還義務のある優先株式を含む。)を発行することができる。優先株式には、
     (a)  定款に提示されている、もしくは従い決定される権利、または
     (b)  会社法に従い認められているその他の権利が付されている。
     当行が異なる種類の株式を発行する場合、もしくは発行済み株式を異なる種類に振分ける場合、あらゆる種類の株式に付さ
    れる権利は、下記の場合に限り、(会社法を条件として)変更または取消すことができる。
     (a)  影響を受ける種類の発行済み株式の75%の保有者から書面による同意を得た場合、または
     (b)  影響を受ける種類の発行済み株式の保有者による個別会議において特別決議が可決された場合。
     株式発行の条件を制約として、ある種類の株式に付された権利は、かかる既存の種類と同じランクの株式を追加して発行す
    ることにより、当行の利益および資産への参加に関して変更されたとはみなされない。
    優先株式に付されている権利

     (a)  取締役会は、定款を条件として、発行に先立ち取締役会が決定するあらゆる権利(外国通貨で表示された権利を含む。)
       が付された優先株式を発行することができる。かかる方法で定められた権利は、その時点で発行されている優先株式に付
       されている権利と同じである必要はない。
     (b)  優先株式は、1シリーズもしくは複数の異なるシリーズで発行することができ、各シリーズは取締役会が定める方法によ
       り識別する。
    配当請求権

     (a)  定款に基づく取締役会の権限を制限することなく、あらゆる優先株式の割当ての前に取締役会は、下記の事項、またはこ
       れらの事項を決定する際の方法を定めなければならない。
       ( ⅰ)  かかる株式に対して支払われる              (もしあれば)配当金の率または金額
       ( ⅱ ) かかる株式に対する配当金の支払いの時期または状況
       ( ⅲ ) 配当金が支払われる期間
       ( ⅳ ) その他の種類の株式との関係でかかる株式の配当金支払いの優先順位
       ( ⅴ ) かかる株式に累積配当の権利があるのか、非累積配当の権利があるのか、および
       ( ⅵ ) 分配できる利益がある場合に、かかる株式はさらにそれに参加する権利があるのか否か
     (b)  優先株式の発行の条件にはさらに、以下の規定を盛込むことができる。
       ( ⅰ)  税金またはその他の国庫賦課金、あるいは課税控除またはインピュテーション税額控除、もしくはそれら双方を考
         慮に入れて、もしくは参照して、配当金額を調整する基準(もしあれば)、および、
       ( ⅱ)  優先株式の保有者に支払われるはずであった(発行の条件においてであるが)配当金の額が、配当金以外の方法で
         当行が優先株式の保有者に支払う金額の程度まで、削減されるもしくは消滅される旨。
    配当金支払いの優先順位

     取締役会が割当ての前に定める以下の配当金支払いの優先順位に関する規定(すべてまたは一部)が、あらゆる特定の優先
    株式について適用される。
     (a)  当行はその優先株式の配当金を下記の通り、支払うものとする。
       ( ⅰ)  普通株式に対するあらゆる配当金の支払いより優先し支払うものとする。
       ( ⅱ)  利益への関与に関して、同順位の明示がなされているその他すべての優先株式の配当金と同等に支払うものとす
         る。および、
       ( ⅲ)  利益への関与に関して、優先して順位が明示されているすべての優先株式(もしあれば)の配当金より劣後して支
         払うものとする。
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     (b)  償還または清算に際して、優先株式の保有者に累積配当の権利がある場合には、上記(a)で定めている通りのその他の株
       式との優先順位にて、当行は、かかる保有者に償還日もしくは(場合に応じ)清算開始までの未払い配当金または配当滞
       納金(宣言されたか否かを問わない。)に等しい額を支払わなければならない。
     (c)  償還または清算に際して、優先株式の保有者が非累積配当の権利を有している場合、上記(a)で定めている通りのその他
       の株式との優先順位にて、当行は、かかる保有者に償還日もしくは(場合に応じ)清算開始までに宣言されたが未払いの
       配当金に等しい額を支払わなければならない。
    清算時の優先順位

     (a)  優先株式の割当てに先立ち、取締役会は、当行清算時の資本の払戻しに関する各優先株式の優先順位および残余資産への
       株主の参加の権利(もしあれば)を決定するものとする。
     (b)  割当てに先立ち取締役会がかかる決定をした場合、優先株式の保有者は、当行の清算に際してかかる優先株式につき払込
       済みまたは払込済みとして貸記された金額と同額の支払い、および配当金ならびに発行の条件に従い保有者に権利が与え
       られているその他の金額の支払いに対する権利を以下の通り有する。
       ( ⅰ)  普通株式に対する支払いより優先して支払われる。
       ( ⅱ)  清算に際し当該優先株式と同順位の明示がなされているその他すべての優先株式の保有者に対する支払いと同等に
         支払うものとする。および、
       ( ⅲ)  清算に際し、当該優先株式より優先して順位が明示されているすべての優先株式(もしあれば)の保有者に対する
         支払いより劣後して支払うものとする。
      ただし、当行の剰余金、もしくは当行の利益または資産のその他の分配には参加しないものとする。
    2【外国為替管理制度】

    為替管理
     現在、当グループの有価証券の保有者に対する配当、利息の支払またはその他の送金を制限する、オーストラリアにおいて
    効力を有する一般的な為替管理規制はない。しかしながら、オーストラリアの公共政策を反映して随時オーストラリア国内に
    おいて為替管理が実施され、適用あるオーストラリアの規制当局の承認なしに特定の人物または団体との特定取引の締結を禁
    止する効果を有する。それらには以下が含まれる。
       1. 2011年独自制裁法(連邦)に基づき、かつ2011年独自制裁規則(連邦)に従い、禁止の中で特に以下のもの:
       (a)   ミャンマー、クリミアおよびセヴァストポリ、ロシア、イラン、シリア、ジンバブエまたは朝鮮民主主義人民共和国
         (北朝鮮)への「制裁されているサービス」供与の禁止。財政援助、特定の種類の金融サービスまたは軍事活動もし
         くは一定の輸出認可品目(武器または関連物資等)を支援もしくはそれらに関連して供与されるその他サービスを含
         む。
       (b)   北朝鮮、旧ユーゴスラビア共和国、イラン、リビア、ミャンマー、シリア、ジンバブエもしくはウクライナまたは関
         係大臣が当該人物もしくは団体が大量破壊兵器の拡散に関与していると納得する地域向けの、関係大臣により指定さ
         れた個人または団体に対し、直接的もしくは間接的に、資産を利用させることまたはそれらの利益のために資産を利
         用させることの禁止。
       2. 1945年国連憲章第4章に基づき、かつ、2008年国連憲章(資産の取引)規則に従った、オーストラリア連邦の外務
      大臣がオーストラリアの官報において随時挙げる人物または団体の金融その他の資産の利用または取引に対する制裁。当該
      個人または団体は以下におけるものを含む。
       (a)   コンゴ民主共和国(国連憲章(制裁-コンゴ民主共和国)2008年規則を参照)
       (b)   北朝鮮(国連憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)2008年規則、国連憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)2017
         年文書および国連憲章(制裁-朝鮮民主主義人民共和国)(贅沢品)2017年文書)を参照)
       (c)   スーダン(国連憲章(制裁-スーダン)2008年規則を参照)
       (d)   イラン(国連憲章(制裁-イラン)2016年規則および国連憲章(制裁-イラン)(制裁対象輸出品)2016年制裁リス
         トを参照)
       (e)   イラク(国連憲章(制裁-イラク)2008年規則を参照)
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       (f)   アルカイダ(国連憲章(制裁-アルカイダ)2008年規則を参照)
       (g)   ソマリア(国連憲章(制裁-ソマリア)2008年規則を参照)
       (h)   レバノン(国連憲章(制裁-レバノン)2008年規則を参照)
       (i)   マリ(国連憲章(制裁-マリ)2018年規則を参照)
       (j)   リビア(国連憲章(制裁-リビア)2011年規則を参照)
       (k)   タリバン(国連憲章(制裁-タリバン)2013年規則を参照)
       (l)   中央アフリカ共和国(国連憲章(制裁-中央アフリカ共和国)2014年規則を参照)
       (m)   イエメン(国連憲章(制裁-イエメン)2014年規則を参照)
       (n)   南スーダン(国連憲章(制裁-南スーダン)2015年規則を参照)
       3. 1988年金融取引報告法に基づき、かつ一定の免除に従い、「キャッシュ・ディーラー」(オーストラリア公認預金
      受入機関を含む。)は1万豪ドルまたは外貨による相当額以上の「現金取引」をオーストラリア取引報告・分析センターに
      報告しなければならない。現金取引は1人の人物から別の人への通貨の物理的な移転を伴う取引である。
    証券保有者に影響を与える制限

     以下のオーストラリア法は、オーストラリアの非居住者または非市民が当行株式を保有、所有または議決権行使する権利に
    対して制限を課している。
     1. 1975年外資による資産買収・企業買収法
       外資によるオーストラリアの会社株式の取得は、1975年外資による資産買収・企業買収法(「外国買収法」)により規制
      を受ける。     外国買収法は、一定の金額の基準を条件とし、とりわけ以下のいずれかの状況をもたらす株式の取得または発行
      に適用される。
       ・1名の外国人もしくは外国支配法人が単独で、または関係者と共同で、議決権もしくは潜在的議決権の20%以上を支配
      する立場にある、またはオーストラリア事業を行う法人の発行済株式もしくは発行済株式に対する権利の20%以上の法律上
      もしくは衡平法上の権利を保有する立場にある。
       ・2名以上の外国人もしくは外国支配法人がその関係者と共同で、議決権もしくは潜在的議決権の40%以上を支配する立
      場にある、またはオーストラリア事業を行う法人の発行済株式もしくは発行済株式に対する権利の40%以上の法律上もしく
      は衡平法上の権利を保有する立場にある。
       上記のいずれのケースにおいても、また一定のその他状況において、オーストラリアの国益に反する場合、財務大臣はこ
      の買収を禁止することができる。
       オーストラリアの外国投資の承認制度に対する新改正が2021年1月1日より発効した。COVID-19のパンデミックに対応し
      て導入された一時的な0ドルの金額審査基準は2021年1月1日より廃止された。ただし、国家安全保障上の懸念の可能性が
      ある投資は、引き続き0ドルの金額基準の対象となるか、または審査請求が課されることがある。国家安全保障に関する事
      業および国家安全保障用地への投資に対しては、承認の義務付けに関する要件が新たに導入された。「国家安全保障に関す
      る事業」とは、一般的に「重要なインフラ資産」、電気通信、防衛または(オーストラリアもしくは外国の)国家の情報コ
      ミュニティまたはそれらのサプライチェーンに関与または関連する事業である。2021年11月22日、オーストラリア議会は、
      現行の2018年重要インフラセキュリティ法(連邦)を大幅に修正する2021年セキュリティ法改正(重要インフラ)法(連
      邦)を可決した。同法は、国王裁可を待っており、当該裁可は間もなく下る見込みである。とりわけ、同法により、「重要
      なインフラ資産」の定義が拡大され、金融サービスを含む11の追加のセクターにおける重要資産が対象される。
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     2. 1998年金融部門(株式所有)法
       1998  年金融部門(株式所有)法は、1名の者(関係者がいる場合は共同で)、または取決めに基づく2名以上の者が、そ
      の者が(関係者と共同で)20%を超える会社持分を保有することになる場合、金融部門の会社の株式を取得することを禁止
      する。しかし、財務大臣は、オーストラリアの国益であるという条件を満たす場合のみ、20%を超える持分をある者が保有
      することを承認することができる。当グループの株式について、かかる承認が与えられたことはない。
       2018  年財政法改正法(金融部門規制)に従い、金融部門の会社の保有比率の上限は2019年4月1日に15%から20%に変更
      された。
     3. 2001年会社法
       企業において議決権株式を取得する者は誰でも、会社法第6章に記載の株式取得条項の制限に従う。特定の例外を除き、
      会社法第606節は、取引を理由として、ある者もしくはその他の者のある会社における議決権が(i)20%以下から20%超
      へ、または(ii)20%超90%未満から、増加する場合、その者が当該会社の議決権株式の権益を取得することを禁止する。
       第606節の例外の1つは、ある者が取得前の6か月間を通して当該会社の最低19%の議決権を保有していた場合、その者が
      追加で3%の議決権を取得することを認める。
       会社法の目的上、ある者のある会社における議決権は、議決権株式に付属する投票総数であり、かかる議決権株式につき
      その者およびその関係者(広く定義される。)が当該会社の全議決権株式に付属する全投票数の比率に応じて「関連持分」
      を有している。広く言えば、特定の資格に従い、ある者が証券の保有者である場合、その者は証券の「関連持分」を保有
      し、証券に付与された議決権を行使する権利もしくは行使を支配する権利を持つ、または証券を処分する権利、もしくは処
      分する権利の行使を支配する権利を持つ。
       さらに、会社法に基づき、当行の実質的な持分の保有を始めるもしくは保有をやめる、またはある者が既に実質的持分を
      持っておりその持分に少なくとも1%の変動がある場合、かかる者は当行およびASXに特定の規定情報(氏名および住所、な
      らびに当行の議決権株式における関連持分の詳細を含む。)を知らせる通知を行う必要がある。かかる通知はおおむね、そ
      の者が情報を知った時から2営業日以内に行うものとする。
     上記1から3に記載の制限は、ANZの預託銀行により米国において発行される米国預託株式を表章するANZの米国預託証書
    (ADR)の所持人にも適用される。
    3【課税上の取扱い】

     本「3 課税上の取扱い」において、「本サムライ債」とは、ANZが発行し日本国内で募集が行われた本書日付現在未償還で
    あるサムライ債を意味し、「本売出債」とは、ANZが発行し日本国内で売出しが行われた本書日付現在未償還である売出社債を
    意味し、また「本社債権者(サムライ)」とは本サムライ債の所持人を、「本社債権者(売出し)」とは本売出債の所持人
    を、また「利札」は本サムライ債および本売出債に付された利札を意味するものとする。
     以下の記述は一般的な性質のものであり、現時点で効力のある規定に基づくものである。自身の税務上の立場について疑問
    がある本社債権者(サムライ)および本社債権者(売出し)は、それぞれの専門アドバイザーに相談すべきである。
     当行によるまたは当行を代理しての本サムライ債、本売出債および利札に関する元利金の支払いはすべて、オーストラリア
    連邦において、またはその課税権限を有する当局により課税、徴収、源泉徴収または賦課される一切の現在または将来の税
    金、関税、賦課金または公租を源泉徴収または控除することなく行われる。ただし、かかる源泉徴収または控除がオーストラ
    リア連邦法により要求されるまたはFATCA(以下に定義される。)のためにもしくはそれを理由として行われる場合を除く。か
    かる場合、慣習上の例外(FATCAのためにもしくはそれを理由として行われる源泉徴収または控除の場合を含む。)を除き、当
    行は、かかる源泉徴収または控除が要求されなかった場合受領するはずであった額を                                       本社債権者(サムライ)および本社債権
    者(売出し)が       受領することができるよう、追加額を支払うことに同意している。
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     「FATCA」とは、以下を意味する。
       ( ⅰ)  合衆国内国歳入法(または合衆国内国歳入法の修正もしくは継承法)第1471条ないし第1474条およびそれらの現在も
        しくは将来の規則もしくは公権解釈、
       ( ⅱ)  合衆国内国歳入法のかかる条項もしくは米国以外の法の類似規定のいずれかを実施することに関連して、政府間で締
        結された合意に従って採用された米国もしくは米国以外の財務または規制上の法制、規則、指針または実務、または
       ( ⅲ)  米国内国歳入庁、米国政府またはその他の法域の政府機関もしくは税務当局との、上記(ⅰ)または(ⅱ)の実施に従う
        合意。
     「合衆国内国歳入法」とは、1986年米国内国歳入法(その後の修正を含む。)を意味する。
     本売出債または本サムライ債に関するオーストラリアの課税上の立場の説明については、以下を参照のこと。
    (a)   本売出債の場合、随時補足および/または更新される、                            2021年11月16日        付オーストラリア・ニュージーランド銀行
    60,000,000,000米ドル・ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラムのベース・プロスぺクタス「税制-オーストラリ
    ア」。
    (b)   本サムライ債の場合、当該本サムライ債の発行時において有効であり、随時補足または訂正される、当行がその時々に提
    出した訂正発行登録書または発行登録追補書類の「第一部-第1-1-摘要-I.(12)オーストラリアの租税」(またはそれに
    相当もしくは代替する項目)。
    4【法律意見】

     当行のオーストラリアの法律顧問であるアレンズ法律事務所により、当該法律意見書に記載の一定の前提および限定に基づ
    き、上記「第一部-第1-1、2および3」に記載されたオーストラリア連邦の法的事項に関する記載はすべての重要な点に
    おいて真実かつ正確である、との法律意見書が提出されている。
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    第2【企業の概況】
    1【主要な経営指標等の推移】

    連結財務情報
                      (単位:百万ドル(ただし、発行済株式数、1株当たり情報、比率および従業員数を除く。))
                              (下段は円換算額(1)(百万円(ただし、発行済株式数、1株当たり情報、
                                             比率および従業員数を除く。)))
                                                (-はマイナスを示す。)
                                    9月30日終了年度
                       2021  年度      2020  年度      2019  年度      2018  年度      2017  年度
     収入(2)(3)                    22,788        28,014        35,523        35,797        33,643
                       (1,887,074)        (2,319,839)        (2,941,660)        (2,964,350)        (2,785,977)
     税引前利益                    8,936        5,516        8,920        9,895        9,233
                        (739,990)        (456,780)        (738,665)        (819,405)        (764,585)
     税引後利益(非支配持分を除く)                    6,162        3,577        5,953        6,400        6,406
                        (510,275)        (296,211)        (492,968)        (529,984)        (530,481)
     発行済株式総数
                      2,823,563,652        2,840,370,225        2,834,584,923        2,873,618,118        2,937,415,327
     (普通株式)
     株主資本(非支配持分を除く)                    63,665        61,287        60,783        59,265        58,959
     (3 )(4)(5)(6)                 (5,272,099)        (5,075,176)        (5,033,440)        (4,907,735)        (4,882,395)
                        978,857       1,042,286        981,137        943,182        897,326
     資産合計(3)(4)(7)
                      (81,059,148)        (86,311,704)        (81,247,955)        (78,104,901)        (74,307,566)
     非支配持分を除く1株当たりの株主資
                         22.55        21.58        21.44        20.62        20.07
     本(3)(4)(5)(6)
                        (1,867)        (1,787)        (1,775)        (1,708)        (1,662)
     (単位:上段 ドル、下段 円)
     普通株式1株当たり配当額                     142        60       160        160        160
     (単位:上段 セント、下段 円)                    (118)        (50)       (132)        (132)        (132)
     普通株式1株当たり利益(基本)                    217.7        129.8        222.1        245.6        218.0
     (単位:上段 セント、下段 円)
                         (180)        (107)        (184)        (203)        (181)
     普通株式1株当たり利益(希薄化後)                    205.4        121.1        213.0        234.2        208.8
     (単位:上段 セント、下段 円)
                         (170)        (100)        (176)        (194)        (173)
     当行株主に帰属する普通株式1株当た
                         21.09        20.04        19.59        18.47        17.66
     り正味有形資産(単位:上段 ドル、
                        (1,746)        (1,660)        (1,622)        (1,530)        (1,462)
     下段 円)(3)(4)(5)(7)(8)
     資産合計に対する非支配持分を除く株
                         6.50%        5.88%       6.20  %      6.28  %      6.57  %
     主資本(3)(4)(5)(6)(7)
     平均株主資本に対する純利益(損失)
                          9.9%        5.9%       10.0  %      10.9  %      11.0  %
     (9)
     配当性向(10)
                         65.3%        47.6%       76.2  %      72.1  %      73.4  %
     営業活動によるキャッシュフロー                    43,822        40,282        -4,550        10,566        24,047
                       (3,628,900)        (3,335,752)        (-376,786)        (874,970)       (1,991,332)
     投資活動によるキャッシュフロー                    10,258       -11,465         -206        166      -12,830
                        (849,465)       (-949,417)        (-17,059)        (13,746)      (-1,062,452)
     財務活動によるキャッシュフロー                    -9,672        -432       -2,761        2,620       -6,742
                       (-800,938)        (-35,774)       (-228,638)        (216,962)       (-558,305)
     現金および現金同等物の期末残高(11)                    151,260        107,923        81,621        84,964        68,048
                      (12,525,841)        (8,937,104)        (6,759,035)        (7,035,869)        (5,635,055)
     期末現在従業員数(フルタイム換算)
                         40,221        38,579        39,060        39,924        44,896
     (FTE)(単位:人)
    注:(1)   円換算額は、全報告期間について、1ドル=82.81円の換算率(2021年12月1日現在の株式会社三菱UFJ銀行公表の対顧客電信売相場)によ

        り換算されている。
      (2)  受取利息、その他営業収入、資産運用収入および保険事業収入純額ならびに関連会社投資の持分利益/損失を含む。支払利息および大手銀行税
        は考慮しない。
      (3)  2018  年10月1日におけるAASB第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用時に、当グループが以前には相殺していた一定の項目は組替えが行
        われ、営業収入と営業費用に総額で表示されるようになった。これに従って、2018年度の比較情報は修正再表示され、その結果、収入は1億
        5,300万ドル(約126億7,000万円)増加し、営業費用もそれに対応して増加した。この会計方針の変更の結果、2017年10月1日現在の期首残高
        で、その他資産が3,200万ドル(約26億5,000万円)、繰延税金負債が1,000万ドル(約8億2,800万円)、利益剰余金が2,200万ドル(約18億
        2,200万円)調整され、従来AASB第118号の下では認識されなかったが、AASB第15号の下で即時認識の対象となる収益が認識された。2017年度の
        比較情報は修正再表示されなかった。
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      (4)  2019  年10月1日のAASB第16号の適用に伴い、当グループにおいて17億ドルのリース負債および16億ドルの使用権資産が認識された。その結果、
        2019年10月1日現在において、期首利益剰余金が8,800万ドル減少、繰延税金資産が3,700万ドル増加した。2019年度、2018年度および2017年度
        の比較情報は修正再表示されていない。
      (5)  2018  年10月1日のAASB第9号「金融商品」を適用に伴い、当グループは、金融資産の減損について予想信用損失法を導入し、一定の金融資産の
        分類および測定も変更した。その結果、2018年10月1日現在において期首利益剰余金を通じて貸倒引当金が8億1,300万ドル増加した。2018年
        度および2017年度の比較情報は修正されていない。
      (6)  非支配持分を除く。非支配持分を含む株主資本合計は、次の通りである。2021年度636億7,600万ドル(約5兆2,730億円)、2020年度612億
        9,700万ドル(約5兆760億円)、2019年度607億9,400万ドル(約5兆340億円)、2018年度594億500万ドル(約4兆9,190億円)および2017年度
        590億7,500万ドル(約4兆8,920億円)。
      (7)  2018  年9月30日現在のオフ・バランスシートの信用関連コミットメントに起因する信用減損に係る一括評価引当金5億ドルおよび個別評価引当
        金2,600万ドルは、当期の表示との比較可能性を高めるために、償却原価で測定される正味貸付金および前渡金からその他引当金に組替えられ
        た。2017年度の比較情報は修正再表示されていない。
      (8)  正味有形資産は、当行株主に帰属する株式資本および準備金から未償却の無形資産(のれんおよびソフトウェアを含む。)を差引いた金額に等
        しい。
      (9)  純利益(損失)は、税引後法定利益と定義される(非支配持分を除く)。平均株主資本は、当該年度についての平均株主資本(非支配持分を除
        く。)と定義される。
      (10)  配当性向は以下の配当支払いに基づき計算されている。
                                                 (単位:百万ドル)
                                              (下段は円換算額(百万円))
                  2021  年度      2020  年度      2019  年度      2018  年度      2017  年度
                    1,992         709       2,267        2,317        2,349
        中間配当
                  (164,958)         (58,712)        (187,730)        (191,871)        (194,521)
                    2,030         994       2,268        2,295        2,350
        期末配当
                  (168,104)         (82,313)        (187,813)        (190,049)        (194,604)
                    4,022        1,703        4,535        4,612        4,699
        合計
                  (333,062)        (141,025)        (375,543)        (381,920)        (389,124)
      (11)  2018  年9月30日現在における売却目的保有の現金および現金同等物を含む。

    2【沿革】

     ANZ  の歴史は、1835年において特許状に基づきバンク・オブ・オーストラレーシアがロンドンにおいて設立された時まで遡る
    ことができる。バンク・オブ・オーストラレーシアは当初、1835年にオーストラリアのシドニーにおいて、および1838年には
    メルボルンにおいて開設された。
     1951  年、バンク・オブ・オーストラレーシアは、ユニオン・バンク・オブ・オーストラリア(1837年設立)と合併し、オー
    ストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク・リミテッド(ANZ銀行)となった。1970年には、現在の組織であるオースト
    ラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッドを形成するために、ANZ銀行がイングリッシュ・スコ
    ティッシュ・アンド・オーストラリアン・バンク・リミテッド(1852年設立)と合併した。ANZは1969年に英国において設立さ
    れ、同年にオーストラリア証券取引所に上場された。1977年、設立地がオーストラリアに移転された。
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    3【事業の内容】
    (1)   概 要
     オーストラリア・ニュージーランド銀行(「ANZBGL」)およびその子会社(合わせて「当グループ」)は、オーストラリア
    での営業を1835年に、またニュージーランドでの営業を1840年に開始した、オーストラリアに本店を置く4大銀行グループの
    1つである。ANZBGLはオーストラリアで設立された株式公開会社であり、1977年7月14日にヴィクトリア州において登録され
    た。ANZBGLの登記上の本店はオーストラリア、ヴィクトリア州3008、ドックランズ、コリンズ・ストリート833、9階に所在
    し、電話番号は+61         3 9683   9999である。ANZBGLのオーストラリア企業番号はABN                         11  005  357  522である。
     当グループは、幅広い銀行業および金融商品およびサービスをリテール、小規模企業、コーポレートおよび法人顧客に提供
    する。地理的には、オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域の複数の国々、英国、フランス、ドイツおよび米
    国にかけて営業を行っている。
     2021  年9月30日現在、当グループの資産合計は9,789億ドルであり、非支配持分を除く株主資本は637億ドルであった。当グ
                                                (1)
    ループは、銀行グループのうち資産合計の面で、2021年9月30日現在オーストラリアで第2位                                             、2021年9月30日現在ニュー
              (2)
    ジーランドで第1位          であった。
     ANZBGL   の普通株式の主たる上場証券取引所はオーストラリア証券取引所(ASX)である。ANZBGLの普通株式はまた、ニュー
    ジーランド証券取引所(「NZX」)でも値付けされている。2021年9月30日の取引終了時点において、ANZBGLの時価総額はおよ
                                     (3)
    そ795億ドルであり、これはASXに上場されている会社で第6位であった                                  。
     (1)  出典:オーストラリア・コモンウェルス銀行の                      2021  年6月30日終了事業年度に関する業績発表。ナショナル・オースト

       ラリア銀行の      2021  年9月30日終了事業年度に関する業績発表。ウェストパック・バンキング・コーポレーションの                                             2021
       年9月30日終了事業年度に関する業績発表。
     (2)  出典:   2021  年9月30日終了の四半期に関する                 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の銀行財務力ダッシュボード
       (https://bankdashboard.rbnz.govt.nz/summary)                        。
     (3)  出典:IRESS
    (2)   ビジネス・モデル

     当グループのビジネス・モデルは主に、顧客預金およびホールセール債券市場を通じて資金を調達し、当該資金を顧客に貸
    し出すことからなる。さらに、当グループは、セールス、トレーディングおよびリスク管理業務から収益を得るマーケッツ事
    業を営んでいる。当グループはまた、支払および決済ソリューションも提供している。
     当グループの主な貸付業務は、居住用住宅ローン、クレジットカードおよび当座貸越を扱う個人ローンならびにコーポレー
    トおよび法人顧客への貸付である。
     当グループの収入は多数の収入源によるものであるが、主なものは以下のとおりである。
     ・ 純利息収益-当グループが貸付業務で得た受取利息と顧客預金およびホールセール資金調達に関して支払った利息との
       差異を示す。
     ・ 受取手数料(純額)-貸付で得た手数料収入ならびに金融商品およびサービスに関連した貸付以外で得た手数料収入を
       示す。資産運用収入を含む
     ・ 関連会社投資の持分利益-当グループが支配はしていないが重大な影響力を有する事業体に係る当グループの持分利益
       を示す。
     ・ その他収入-保険ソリューションの提供で得た収入、マーケッツ事業におけるセールス、トレーディングおよびリスク
       管理業務から生じた収益、外国為替収入純額ならびに経済ヘッジ損益ならびに収益および費用ヘッジ損益を含む。
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    (3)   戦 略
     当グループの戦略は、顧客の財政的安定を改善することに注力しており、そのために、顧客を獲得して維持し、顧客の行動
    を積極的に変革するような優れたサービスおよび手段と洞察を提供している。
     とりわけ、当グループは、次のことを支援したい。
     ・ 顧客が貯蓄をし、持続可能で住み心地がよく、かつ手頃な価格の住宅を購入および所有すること
     ・ 顧客が事業を開始または買収して成長させ、持続可能な形で成長させること
     ・ 顧客が地域内で資本および物品を流通させ、持続可能な形で顧客のビジネスを成長させること
     当グループは、次のことを通じて、その戦略を達成しようとしている。
     ・   命題   当グループの顧客は、絶えず変化するそのニーズを満たすべく進化するサービスを、容易に利用できることを好
       む。データをよりよく活用することにより、当グループは、顧客および顧客がその生存期間にわたり財務的健全性と持
       続可能性をいかに改善することができるかについて価値ある洞察を提供することができ、より優れた命題を設定するこ
       とも可能となる。
     ・ 顧客を強化するとともに、他の者が産業を強化するためにも利用することのできる、柔軟で回復力のあるデジタル・バ
       ンキング・     プラットフォーム         このプラットフォームは、当グループ自身の命題の土台となるとともに、当グループの
       顧客、特に他の銀行や機関法人をさらに下支えしようとするものである。
     ・ 新しい価値をもたらす            パートナーシップ         これは顧客がその財務的健全性と持続可能性をさらに改善するのに役立つエ
       コシステムを伴うものである。我々は、いかなる単一の機関もすべてのことを行い、顧客のニーズを満足するのに必要
       なペースでイノベーションを行うことはできず、したがって他のパートナーとの強固な関係は不可欠のものであると認
       識している。
     ・  目的  と価値に導かれる人々 これらの人々は、当グループの顧客および当グループが創出する結果を大切にすることに
       より、その価値を駆り立てる。当グループの人員は、他者の意見を聞き、学び、かつ適応し、最初に適切な事柄を成し
       て、財務的健全性と持続可能性の挑戦に向けた結果をもたらそうとする。
     当グループの顧客の財務的健全性と持続可能性を確立することは、利益の積極的な循環を生む。それは、顧客に対して直接
    の利益を与えるとともに、株主利回りをも増大させ、強力かつ積極的な評判につながり、究極的に顧客獲得のコストが低下す
    ることを意味する。また、それはロイヤルティ(忠誠)を増大させ、そのことがさらにより良いリターンを創出する-すなわ
    ち、より多くの資本が供給されて、当グループはより良い銀行の確立のために投資することができ、かつ当グループの顧客の
    生活を改善する活動を継続することができる。
    (4)   当グループの主な活動

     当グループは、オーストラリア・リテールおよび商業部門、法人部門、ニュージーランド部門、パシフィック部門、ならび
    にテクノロジー、サービス&オペレーションズ(「TSO」)およびグループ・センター部門の5つの継続部門からなる部門構造
    で事業を営む。
     下記に報告される部門は、AASB第8号「事業セグメント」に定義される事業セグメントおよび事業の最高経営意思決定者が
    最高経営責任者であるために提供を受ける内部報告と一致する。
     2021  年9月30日現在、5つの継続部門の主要な活動は以下のとおりであった。
    オーストラリア・リテールおよび商業

     オーストラリア・リテールおよび商業部門は、以下の事業ユニットで構成される。
     ・ 「リテール」は、オーストラリアの個人に、支店網、モーゲージ・スペシャリスト、コンタクト・センターおよび様々
       なセルフサービス・チャネル(デジタル・バンキングおよびインターネット・バンキング、ウェブサイト、ATMおよびテ
       レフォン・バンキング)、ならびに外部のブローカーを通じて商品・サービスを提供する。
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     ・ 「商業およびプライベート・バンク」は、オーストラリア地方部の中・大規模商業顧客、ならびに小企業および富裕層
       の個人顧客および同族グループという顧客セグメントに対し、アセット・ファイナンスを含む様々な銀行商品および金
       融サービス、さらに従業員であるフィナンシャル・プラナーによるフィナンシャル・プラニング・サービスや指定証券
       による担保付き投資貸付を提供する。
    法 人

     法人部門は、政府、世界中の機関投資家および法人企業に対して、以下の事業ユニットを通じてサービスを提供する。
     ・ 「トランザクション・バンキング」は、顧客に対して、ドキュメンタリー取引、サプライチェーン・ファイナンス、コ
       モディティ・ファイナンス、キャッシュ・マネジメント・ソリューション、預金、支払、決済など運転資本および流動
       性ソリューションを提供する。
     ・ 「コーポレート・ファイナンス」は、顧客に対して、ローン商品、ローン・シンジケーション、スペシャライズド・
       ローンのストラクチャリングおよび執行、プロジェクトおよび輸出向けファイナンス、デット・ストラクチャリングお
       よびアキジション・ファイナンス、コーポレート・アドバイザリー・サービスを提供する。
     ・ 「マーケッツ」は、顧客に対して、当グループの金利エクスポージャーおよび流動性ポジションを管理する他、為替、
       金利、クレジット、コモディティおよびデット・キャピタル・マーケットに係るリスク・マネジメント・サービスを提
       供する。
    ニュージーランド

     ニュージーランド部門は、以下の事業ユニットで構成される。
     ・ 「パーソナル」(旧称「リテール」)は、あらゆる銀行サービス、ウェルス・マネジメント・サービスを個人およびプ
       ライベート・バンキングの顧客に提供する。インターネットとアプリベースのデジタル・ソリューションおよび支店
       網、モーゲージ・スペシャリスト、リレーションシップ・マネジャーおよびコンタクト・センターを通じてサービスを
       提供する。
     ・ 「ビジネス」(旧称「商業」)は、デジタル、支店およびコンタクト・センターのチャネルを通じた小規模企業バンキ
       ング、また、従来のリレーションシップ・バンキング、ならびに専任のマネジャーを通じての高度な金融ソリューショ
       ンなど、あらゆる銀行サービスを提供する。これらは、未上場の小規模、中規模、大規模企業、農業事業セグメント、
       政府および政府関連企業を対象としている。
    パシフィック

     パシフィック部門は、個人、中小企業、法人顧客、パシフィック諸島の政府に商品・サービスを提供する。商品・サービス
    は、消費者に提供するリテール商品、従来型のリレーションシップ・バンキング、専任のマネジャーを通じて企業に提供する
    高度な金融ソリューションなどである。
    TSO  およびグループ・センター

     TSO  およびグループ・センターは、テクノロジー、グループ・オペレーションズ、共有サービス、資産、リスク・マネジメン
    ト、財務管理、戦略、マーケティング、人事、コーポレート業務などのオペレーティング部門をサポートする。グループ・セ
    ンターには、当グループの事業売却の残留事業、グループ・トレジャリー、シェアホルダー・ファンクションズ、アジアにお
    ける少数投資を含む。
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    (5)   最近の進展
    APRA  は損失吸収力の追加要件を発表した

     オーストラリア健全性規制庁(「APRA」)は、2021年12月2日の公表において、損失吸収力に関する要件を最終化した。
     APRA  は、当グループを含む国内のシステム上重要な銀行(「D-SIB」)に対し、2026年1月までにその自己資本合計をさらに
    リスク加重資産(「RWA」)の1.5%引き上げるよう要求する旨を述べている。以前公表した暫定的な3%の増加を含め、これ
    によって、最低所要自己資本合計は全体でRWAの4.5%相当分引き上げられることになる。
     当グループは、Tier2資本によりこの自己資本合計の追加要件を充足することができると予想している。
     所要自己資本合計額は、2021年11月29日に発表されたAPRAの自己資本フレームワークの改訂による最終的な影響を含め、
    2026年1月時点での当グループの実際のRWAに基づいて決定される。
     APRA  は、「ADIの資本改革によるRWAの変化を考慮すると、2023年から実施される新たな自己資本フレームワークに基づいた
    ドル建て金額の下限は、概ねRWAの4.5パーセンテージ・ポイントの要件に一致する」と言及している。
    キャッシュリワーズ・リミテッドの市場外買付に関する公表

     2021  年10月22日に、キャッシュリワーズ・リミテッド(Cashrewards                              Limited)の19%の株式を保有する当グループのファン
    ドの一つが、約8,000万ドルの対価で残りの81%の株式を取得するための市場外買付の提案を公表した。当該提案には多くの条
    件が付せられており、その買付が完了するか未だ不確実である。
     以上に記載したもの以外には、2021年9月30日から本書日付現在までに、重要な進展はなかった。
    (6)   監督および規制

     主要な銀行グループとして、当グループは、事業を行う各主要市場において規制当局および証券取引所による広範な規制の
    対象となっている。本項は、オーストラリア、ニュージーランドおよび米国に焦点を当て、当グループに適用される規制上の
    状況の概要を示す。
    オーストラリア

    健全性および規制の監督
    APRA  の監督上の役割
     1998  年7月1日以降、オーストラリア健全性規制庁(「APRA」)が、銀行(ANZBGLを含む。)、信用組合、ビルディング・
    ソサイエティ、保険会社および退職年金基金を含むオーストラリアの公認預金受入機関(「ADI」)の健全性および規制の監督
    に責任を持っている。それ以前は、オーストラリアの銀行業界はオーストラリア準備銀行(「RBA」)による規制を受けてい
    た。RBAは、引き続き金融政策、金融システムの安定性および支払システムの規制に対して全体的な責任を持つ。APRAは1998年
    オーストラリア健全性規制庁法によりその権限を付与されている。
     APRA  はADIに、様々なAPRA健全性基準の範囲内の一定の健全性要件を満たすよう要求する。
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     APRA  は、その監督下にあるADIに、財務状態についての財務上および統計上のデータならびに健全性およびその他事項に関す
    る情報を含む広範囲な情報を記載した報告を定期的に提供するよう要求することによりその責任の一部を果たしている。APRA
    は、自己資本比率、流動性、利益、信用の質および関連する貸付損失の履歴、リスクの集中、資産および負債の満期構成、オ
    ペレーショナル・リスク、市場リスク、銀行勘定における金利リスク(「IRRBB」)、関連会社に対するエクスポージャー、外
    部委託、資産運用、ガバナンス、事業継続性の管理、監査およびその他の関連事項、証券化業務、ならびに国際銀行業務に特
    別な注意を払っている。APRAはまた、ADIがその財務状態についての情報の提供を怠った場合、一定の調査権限を行使すること
    もできる。APRAが、ADIが債務不履行に陥る可能性があるまたは(その他の状況の中でも)支払い停止に陥る可能性があるとみ
    なした場合、APRAは(銀行法上の法定支配人の任命を含め、)ADIの事業を管理することができる。APRAはまた、ADIがその債
    務に関して支払いを行わないよう指示する権限を有する。加えて、APRAは、1999年オーストラリア金融部門法(譲渡および条
    件緩和)の下で、一部もしくはすべてのADIの資産および負債またはその株式を、APRAが指定する第三者(すべての場合にADI
    であることは必要とされない。)に強制譲渡させる権限も有する。大まかに言えば、APRAは、オーストラリアにおける担当大
    臣が譲渡すべきであると宣明した場合、または銀行法、規制もしくは規制上の措置への違反があり、もしくはADIが債務不履行
    に陥る可能性が高い旨もしくは支払い停止に陥りそうである旨をAPRAに対して通知し、一定の他の基準に適合するとAPRAが認
    める場合(金融部門全体の利益を考慮すれば譲渡が適切であるとAPRAが認める場合を含む。)などに、かかる強制譲渡をさせ
    ることができる。ADIとの契約の相手方は、ADIへの債務の否定のため、または当該契約に基づく債務の繰上げのため、当該契
    約に関する取引の終了のため、もしくは当該契約に基づく担保の実行の根拠として、銀行法上の法定支配人がADIの事業を管理
    しているという事実または指示もしくは強制譲渡命令のみに依拠することはできない。
     その監督の役割を果たすため、APRAは、各ADIから収集した統計データの分析を、選択的な「現場」訪問ならびにADIの上級
    経営陣および外部監査人との正式な会議により補完する。APRAはまた、ADIの同意を得て各ADIの外部監査人との協議関係を正
    式なものとした。外部監査人は、ADIの会計記録から得られた情報で、ADIのAPRA報告に含まれているものが、すべての重要な
    点において、信頼でき、関連するAPRAの健全性および報告基準に従っていることをAPRAに対して追加保証する。外部監査人は
    また、APRAが選択した特定のリスク管理分野を対象とした検査を行う。加えて、ADIの取締役会は、適用ある健全性基準が指定
    する様式により、ADIのリスク管理に関してAPRAに対して年次宣言書を提出しなければならない。
    その他のオーストラリアの規制

     APRA  ならびにその健全性および規制の監督に加えて、ANZBGLおよびそのオーストラリアの子会社はいくつかの点において
    オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)、オーストラリア競争・消費者委員会(「ACCC」)、オーストラリア取引報告・
    分析センター(「AUSTRAC」)、オーストラリア情報コミッショナー事務局(「OAIC」)および様々な証券取引所を含むその他
    の監督機関による監督および規制を受けている。
     ASIC  はオーストラリアにおける会社、市場、金融サービスおよび消費者信用の監督機関である。ASICは投資、退職年金、保
    険、預金受入および信用の取扱および助言を行うオーストラリアの会社、金融市場、金融サービス機関および専門家に対する
    規制を行っている。ASICは、消費者信用の監督機関として、消費者信用業務に従事する人々および企業(銀行、信用組合、金
    融会社ならびにモーゲージ・ブローカーおよび金融ブローカーを含む。)に対してライセンスを付与し、規制を行っている。
    ASICは、2009年オーストラリア国家消費者信用保護法が定める消費者に対する責任についての基準等にライセンスが適合する
    ことを確保する。ASCIは、市場の監督機関として、公認の金融市場が公平で秩序および透明性のある市場を運営する法的義務
    をいかに効果的に遵守しているかについて調査している。2010年8月1日より、ASICは、オーストラリア国内の認可されたエ
    クイティ市場、デリバティブ市場および先物市場における取引を監督する責任も有している。ASICは、金融サービスの監督機
    関として、金融サービス企業に対し、それらが効果的で誠実かつ公平な運営を行うことを確保するために、ライセンスを付与
    し、監視を行っている。それらの企業は、概して、退職年金、管理されたファンド、株式および社債、デリバティブならびに
    保険を取り扱っている。ANZBGLはASICが監督する市場に商品を提供し、また参加している。
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     ACCC  は、消費者、企業および社会に便益をもたらすべく、オーストラリアの市場における競争および公正取引を促進する独
    立した連邦法定機関である。同機関はまた、国家のインフラ・サービスを監督する。その主要な任務は、個人および当グルー
    プを含む企業が、オーストラリアの競争、公正取引および消費者保護法を遵守することを確保することである。
     AUSTRAC    は、オーストラリアの金融情報機関であり、マネーロンダリング防止およびテロ資金対策の規制当局でもある。2006
    年オーストラリアマネーロンダリング防止およびテロ資金対策法(「AML法」)を含むオーストラリア法に基づき、一定のマ
    ネーロンダリング防止およびテロ資金対策の法規制を遵守する義務を負っている。AML法は、AUSTRACにより運用されている。
     OAIC   は、オーストラリア司法長官の所掌する独立機関である。OAICの主な役割は、プライバシー、情報公開および政府の情
    報政策であり、調査の実施、決定の見直し、不服の処理ならびに指導および助言の提供などを担当する。
    自己資本および流動性

    自己資本
     銀行の自己資本規制の適切な水準を決定する共通の枠組みは、一般に「バーゼル3」として知られる枠組みに基づいてバー
    ゼル銀行監督委員会(「BCBS」)により設定される。
     バーゼル合意の第1の柱に基づく最低自己資本要件(「自己資本要件」)を計算するために、当グループは、APRAより、信
    用リスク加重資産について先進的内部格付手法を使用し、およびオペレーショナル・リスク加重資産相当額について先進的計
    測手法を使用する認可を受けている。
     2013  年1月1日より、APRAは、オーストラリアにおいてバーゼル3自己資本改革の大部分を採用した。APRAはバーゼル3改
    正を最低要件とみなし、そのためバーゼル3規則で提案された譲歩のいくつかを組み込まず、他の分野でより高度な要件も定
    めている。その結果、オーストラリアの銀行のバーゼル3で報告される自己資本比率は、国際的な同業他社と直接的には比較
    できない。バーゼル3改正は、CET1資本からの資本控除の増額、自己資本比率の引上げ(2016年1月1日から全面的に実施さ
    れる規定最低資本バッファーを含む。)、新規のその他Tier1(「AT1」)およびTier2証券についての要件の厳格化ならび
    に新規制に合致しない既存のその他Tier1およびTier2証券の移行措置を含む。その他の変更には、カウンターパーティー信
    用リスクのための自己資本要件および大手の規制されていない金融機関に対するエクスポージャーに関する資産価値相関の引
    上げならびに以下に記載する金融制度審議会(「FSI」)の結果による変更を含む。
     自己資本規制の動向に関する詳細については、下記「規制上の動向-自己資本および流動性」を参照のこと。
    流動性

     ANZBGL   の流動性および資金調達リスクは、ANZBGLの取締役会リスク委員会により承認された詳細な方針枠組により管理され
    ている。流動性および資金調達ポジションならびにリスクの管理は、グループ資産負債委員会によって監督されている。
    ANZBGLの流動性リスク選好            は、  ANZBGL   の 取締役会リスク委員会が義務付けた一連の規制上の要件および内部の流動性指標を満
    たす能力で定義される。指標は、異なるデュレーションおよび深刻度水準の様々なシナリオに渡る。この枠組みは以下に役立
    つ。
     ・ より短期だがより極端な市場の混乱およびストレスに対して保護を提供する。
     ・ 適切な額の長期資産の調達をより長期の資金調達にすることで、貸借対照表の構造的な強さを維持する。
     ・ 当グループの資金調達プロファイルに過度の時期の集中が存在しないことを確保する。
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     この枠組みの主要な要素は、              2015  年1月1日付でオーストラリアで実施された流動性カバレッジ比率(「LCR」)である。
    LCRは、APRAを含む銀行規制当局によって義務付けられる深刻な短期の流動性ストレス・シナリオであり、流動性リスクの測
    定、基準およびモニタリングのためのバーゼル3国際的枠組みの一部として導入された。LCR要件への適合の一環として、
    ANZBGLはRBAに流動性供給枠(「CLF」)を有している。CLFは、オーストラリアの市場における高品質な流動資産(「HQLA」)の
    不足の解決策として設けられ、RBA適格の流動資産の代替形式を提供する。適格ADIが利用可能なCLFの総額はAPRAによって最低
    でも年に一度設定される。2021年9月、APRAはADIに対して、ADIにとってLCRの要件を満たすのに十分なHQLAが存在し、それゆ
    え2022年を越えてCLFを使用する必要がないかについてAPRAとRBAで検討する旨の通知文書を発した。2021年1月1日から、
    ANZBGLのCLFは107億ドルである(2020暦年末:357億ドル)。APRAの要件に従い、ANZのCLFは、2022年の1月1日、4月30日お
    よび8月31日に行う均等削減により、零まで削減される。この削減は、ANZの当該期間の資金調達計画の一部として実施され
    る。
     さらに、当グループは、2016年12月に安定調達比率(「NSFR」)の最終の基準が公表された後、2018年1月1日より、APRA
    のNSFR要件を満たしている。2021年9月30日において、当グループのレベル2NSFRは124%であった(2020年9月30日は
    124%)。
     ANZBGL   は、APRA健全性基準APS第210号               流動性   (「APS第210号」)が要求する流動性および資金調達リスクに関する健全性義
    務、ならびにANZBGLのオフショア業務に係る海外規制当局の健全性要件を厳守することに努める。
    APRA  の規制における自己資本管理および流動性

     当グループの自己資本管理および流動性に関する詳細については、「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営
    成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-B.当グループの業績-(15)流動性リスク-非継続事業を含む」から「(18)レバ
    レッジ比率-非継続事業を含む」を参照のこと。
    銀行役員説明責任体制

     2018  年 財政改正法(銀行役員説明責任および関連施策)により                          、銀行役員説明責任体制(「BEAR」)が創設された。BEARの
    下でのANZBGLの義務は、2018年7月1日に開始した。
     BEAR  は、ADIグループにおける最も上級かつ影響力のある取締役および役員に関する責任および説明責任のフレームワークの
    強化を目指している。BEARの下で、
     ・ ANZBGLは、一定の上級役員または取締役の任命に際して、任命される個人を事前にAPRAに登録し、その者のADIグループ
       (ANZニュージーランドを含む。)における役割および責任を示した図を整備してAPRAに提出しなければならず、また、
       各上級役員または取締役について個人の役割および責任を詳述した説明責任文書をAPRAに提出しなければならず、
     ・ ANZBGLの登録された上級役員および取締役が説明義務を果たさない場合には、APRAは裁判所の命令なしにそれら個人の
       上級役員または取締役としての資格を奪う権限を与えられ(ただし、銀行法第6編に従った行政審理の対象とな
       る。)、
     ・ ANZBGLは、取締役および上級役員について、報酬の一部繰延べを含むBEARの要件に適合した報酬決定方針を定めなけれ
       ばならず、
     ・ ANZBGLは、BEARの義務を遵守しない場合には、相当な金額の罰金を支払う義務を負う。
     2021  年10月28日、オーストラリア政府は、金融説明責任体制(「FAR」)を整備することを企図した2021年金融説明責任体制
    法案(「本法案」)を議会に提出した。FARは、王立委員会の勧告に応えて整備されたものであり、APRAの規制対象である銀行
    業、保険業および退職年金事業を行う一定の事業者、ならびに当該事業者において一定の地位または責任を有する人員の説明
    責任のフレームワークを設定することにより、BEARを拡張し、これに代替することが企図されている。BEARと同様に、FARは
    ANZBGLの事業の全てに適用されるものであるが、BEARの場合とは異なり、当グループ内の保険会社やライセンスを受けた退職
    年金受託者は、ANZBGLとともに、FARの下で説明責任を有する主体として指定され、FARの規定により直接の規制を受けること
    になる。FARは、APRAとASICにより共同で執行されるものである。
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     本法案が現在の内容のまま議会を通過した場合、ANZBGLに対する国王裁可の6か月後からの施行を初めとして、当グループ
    の規制対象者に対して段階的に施行されていく。当グループおよびその一定の上位役職員は、新規のまたは強化された説明責
    任の義務を負い、その影響を受けることになる。例えば、FARは、ANZBGLが下記を実施するために合理的な措置を講じることを
    要求する。
     ・ 適切な技能、注意および精励をもって、誠実かつ真摯にその業務を行うこと
     ・ オープンで建設的、協力的な方法で、APRAとASICと取引すること
     ・ 健全な地位または健全な評判に悪影響が及ぶことを防止すること
     ・ 一定の上級役員その他のキーパーソンが上記の行為基準を満たし、適用のある法律を遵守するための合理的な措置を講
       じることを確保すること、ならびに
     ・ 関連事業者でその事業と活動が重要かつ実質的な影響をANZBGLに与える者が、ANZBGLと同様にFARを遵守することを確保
       すること
     FAR  の下では、ANZBGLとその一定の上級役員は、FARに基づく義務を履行しなかった場合、重大な罰則の適用を受けることが
    ある。
     もしFARが提案されている内容で施行に至った場合、当グループ内の保険業者やライセンスを受けた退職年金受託者は、国王
    裁可の18か月後からFARを遵守することを求められる。
    危機管理

     2018  年金融部門法改正法(危機解決権限および関連施策)は、規制対象法人(およびその子会社)の経営難の際に秩序ある
    破綻処理を促進するAPRAの権限を強化した。当グループに影響を与える可能性がある追加的権限には、過年度はAPRAの規制対
    象となっていなかったANZBGLおよびその他の当グループの法人との関係での監視、管理および監督権限の強化、当グループ内
    の規制対象法人に対する法定管理権限の強化、ならびに規制された資本商品の転換または償却を法的に認めるための変更
    (「法定転換および償却条項」)が含まれる。
     法定転換および償却条項は、一定の金融セクターの事業体(ADIを含み、ANZBGLもその1つである。)が発行した規制された
    資本商品に関して適用され、APRA健全性基準に適合するための転換または償却条項を含む。ある商品に法定転換および償却条
    項が適用された場合、当該商品はその条項に従って転換されうる。これは、いかなる(特定の法律の他、現時点では、ある者
    がオーストラリアの企業または金融セクターの事業体の持分利益を取得する能力に関する法律以外の)法令、発行者の定款、
    発行者が当事者となっている契約、ならびに当該商品に適用のある上場規則、業務規則またはクリアリングおよび決済規則に
    かかわらずそうなる。加えて、銀行法には、法定転換および償却条項の運用に関する理由による一定の措置(義務の否定、債
    務の繰上げ、取引の終了、担保の実行など)のモラトリアムが定められている。
    規制上の動向-自己資本および流動性

    自己資本管理に関するAPRAのガイダンス
     COVID-19    の パンデミックへの対応として、APRAは、自己資本管理に関するガイダンスを定め、これには配当に関するAPRAの
    期待が含まれていた。2020年12月、APRAはガイダンスを改訂し、                              それに従い2021暦年からAPRAはADIについて収益留保の最低水
    準を設定することはなくなるが、ADIは引き続き周到かつ注意深く自己資本管理を計画すること(定期的にストレス・テストを
    実施することおよび貸出しを継続する能力を保証することを含む。)を求められる。APRAはまた、収益、資本および経済情勢
    の見通しを考慮して持続可能な配当率を注意深く検討する責務は、取締役会が負うと述べている。
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    RBNZ  の自己資本要件
     RBNZ  は、ニュージーランドで登録された銀行に対して新しい自己資本要件を発表したが、これは銀行業健全性要件
    (「BPR」)の文書に規定されている。新しいフレームワークは、2021年10月から2028年7月までの移行期間中に段階的に施行
    される。
     ANZ  ニュージーランドに適用のある主要な自己資本要件のうち、主要な要件は、以下のとおりである。
     ・ ANZニュージーランドのTier1資本要件は                     リスク加重資産(「         RWA  」)  の16%に増加し、そのうち2.5%まではAT1資本で
       構成することができる。ANZニュージーランドの自己資本合計の要件は、RWAの18%に増加し、そのうち2%まではTier
       2資本とすることができる。
     ・ AT1資本は永久優先株式によって構成することが必要であるが、これは償還可能なものでもよい。ANZニュージーランド
       は、既存の内部AT1証券を外部の取引先にリファイナンス可能であると予想される。Tier2資本は長期劣後債務で構成
       することが必要である。
     ・ 内部格付手法(「IRB」)のアプローチを用いる                        銀行として、ANZニュージーランドのRWAの結果は、バーゼルの標準測定
       アプローチ(「標準アプローチ」)により算出された数値の約90%に引き上げられる。これは、IRBを用いる銀行の信用
       リスクRWAに85%のアウトプット・フロアを適用し、信用リスクRWAに適用されるスカラーを1.06から1.20に引き上げる
       ことにより達成される。
     当グループへの正味の影響は、2021年9月30日から2028年の移行期間の最終日までに約10億ドルのCET1資本要件の増加であ
    ろうと予想されている(当グループの2021年9月30日現在の貸借対照表に基づく。)。この金額は、ANZニュージーランドの自
    己資本要件の変更(例えばRWAの増加または管理バッファー要件によるもの)、潜在的な配当金額およびAPRAの健全性標準であ
    るAPS第111号「自己資本比率:自己資本の測定」(「APS第111号」)の実施の最終版に従い、時が経つとともに変化し得る。
     詳細については、        「ニュージーランド-ニュージーランドの規制上の動向-                           銀行の自己資本要件         」 を参照のこと。
    RBNZ  の分配および資本商品の制限

     2020  年4月、RBNZは、ANZニュージーランドの登録条件を変更し、普通配当を認めないこととした。2021年4月29日を効力発
    生日として、かかる制限は緩和され、ANZニュージーランドは、収益の最大50%を上限として普通配当をすることができること
    となった。かかる制限は、ニュージーランドで設立されたすべての銀行に適用され、2022年7月1日まで効力を有する(経済
    環境に重大な悪化がないことを条件とする。)この変更により、ANZニュージーランドがその究極的な株主であるANZBGLに対し
    て支払うことのできる配当の金額が制限される。
     BPR  文書に概要の記載がある変更により、2022年1月1日から、ANZニュージーランドの既存のその他Tier1資本商品(これ
    には、ANZニュージーランドの既存の5億ニュージーランドドルの強制転換永久劣後社債(「キャピタル・ノート」)が含まれ
    る。)の規制資本上の認識が12.5%削減される。その結果、2021年6月、ANZニュージーランドは、規制事由が発生したものと
    決定したが、これはANZニュージーランドが、その裁量で(ただし、RBNZおよびAPRAの承認を含む、一定の条件に服する。)、
    キャピタル・ノートの償還を選択することができることを意味する。2021年11月、ANZニュージーランドは、規制事由の発生に
    よって、2021年12月31日にキャピタル・ノートを償還することを公表した。
     詳細については、        「ニュージーランド-ニュージーランドの規制上の動向-                           COVID-19のパンデミックへの規制上の対応その
    他の動向」     を参照のこと。
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    自己資本規制-問題なく強固
     オーストラリア政府はオーストラリアの金融制度に関する総合的調査を2014年に完了した。これには、規制上の自己資本水
    準に影響を与える可能性のある多数の主要な提言が含まれていた。上記を支えるためのAPRAによる施策は、以下のとおりであ
    る。
     ・ 2017年7月、APRAは、当初は2014年12月にFSIの最終報告書に記載された、オーストラリアの銀行セクターが「問題なく
       強固」とみなされるために要求される追加資本に関する調査をまとめた情報文書を公表した。APRAは、「4つの主要な
       オーストラリアの国内のシステム上重要な銀行(「D-SIB」)の場合、この追加資本は、現行の自己資本比率のフレーム
       ワークの下では、2020年1月1日以降、ベンチマークとなるCET1資本比率が最低でも10.5%であることと同義である」
       と述べた。
     ・ 2021年11月、APRAは、2023年1月1日からの実施に向けた、ADIに対する自己資本十分性および信用リスクにおける所要
       自己資本に関する最終要件を公表した。                   これは、APRAがADIの自己資本フレームワークの変更案に関する協議文書を発表
       した2020年12月から開始する協議手続きに従ったものであり、当該変更は、自己資本の「問題なく強固」な水準を織り
       込み、当該フレームワークの柔軟性を高め、ADIの資本力の透明性を向上させることを目的としている。APRAの最終要件
       の重要な側面は、以下のとおりである。
       ・ 国際的に合意された非住宅モーゲージ・エクスポージャーのバーゼル基準との整合性を向上させる。
       ・ 住宅ローン貸付について、よりリスクに敏感なリスク・ウェイトを適用する。
       ・ IRBを用いるADIのRWAを、標準アプローチによりRWAの72.5%以上に制限するバーゼルⅡ資本フロアを導入する。
       ・ カウンターシクリカル資本バッファー(「CCyB」)を導入することにより、自己資本フレームワークの柔軟性を高
         め、IRBを用いるADIの資本保全バッファー(CCB                      ) を引き上げる。
       ・ IRBを用いるADIに対して標準アプローチによる自己資本比率の公表を求めることも含め、ADIの自己資本比率の透明
         性および比較可能性を向上させる。
       ・ IRBを用いるADIの最低レバレッジ比率を3.5%とする。APRAの「レバレッジ比率」は、                                          Tier  1資本をAPRA健全性基準
         APS第110号が定義する「エクスポージャー指標」(パーセンテージで表示される。)と比較するものであり、現在の
         リスクベースの自己資本要件に対する非リスクベースの補完または補強として設計され、銀行業界における過度なレ
         バレッジの積み上がりを禁止している。
     APRA  は、上記の変更により          RWA  が減少する可能性があるが、規制上のバッファーへの資本配分の増加により相殺されると述べ
    ている。さらにAPRAは、ADIは現時点で「問題なく強固」のベンチマークを満たしているため、ADIに対して追加資本の調達を
    要求することはAPRAの意向ではないことも述べている。よって、APRAは、現行の自己資本フレームワークに基づき、ADIに対す
    る既存の「問題なく強固」の自己資本ベンチマークに業界レベルで一致させるべく、ADIについて提案されたドルベースの自己
    資本要件の調整を図っている。しかし、これらの変更案が個々のADI(ANZBGLを含む。)に及ぼす影響は、APRAが適用する最終
    的な要件によって異なる。
     銀行業の金利リスク(「IRRBB」)、市場リスクおよびカウンターパーティー信用リスクが存在しており、APRAは、市場リス
    クに関連する多数の健全性基準の修正について現在も協議を行っているところである。APRAがまだ最終化していない項目が複
    数あることを前提とすれば、             ADI  の「問題なく強固」に関する自己資本フレームワークの見直しに関連して行った                                     APRA  健全性基
    準へのすべての変更による総合的な最終結果は、依然として不明である。
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     APRA  の総損失吸収力要件
     2019  年 7月、APRAは、損失吸収力に関する決定を公表し、この決定に従いANZBGLを含むオーストラリアのD-SIBに対して2024
    年1月までに自己資本合計をRWAの3%増加させることを求めることになる。2021年12月2日、APRAは、損失吸収力に関する要
    件を最終化し、オーストラリアのD-SIBに対し、2026年1月までにその自己資本合計をさらにRWAの1.5%引き上げるよう要求す
    る旨を述べている。以前公表した暫定的な3%の増加を含め、これによって、最低所要自己資本合計は全体でRWAの4.5%相当
    分引き上げられることになる。APRAは、主にその他Tier2資本によってこの要件が充足され、他の上位の資金調達において相
    当額の減少があると予想している。
     追加の所要自己資本合計額は、2021年11月29日に発表されたAPRAの自己資本フレームワークの改訂による最終的な影響を含
    め、2026年1月時点でのANZの実際のRWAに基づいて決定される。APRAは、「ADIの資本改革によるRWAの変化を考慮すると、
    2023年から実施される新たな自己資本フレームワークに基づいたドル建て金額の下限は、概ねRWAの4.5パーセンテージ・ポイ
    ントの要件に一致する」と言及している。
    レベル3コングロマリット(「レベル3」)枠組み

     APRA  は、その健全性監督の枠組みを、レベル3枠組みを通じてコングロマリット・グループに拡張しており、これは、当グ
    ループのようなバンカシュアランス・グループを、最低自己資本要件およびリスク・エクスポージャー水準の追加監視を伴う
    単一の経済主体として規制する。
     2016  年 8月、APRAは、FSIの提言ならびに進行中の国際的な施策から生じる最終的な自己資本要件を待つため、コングロマ
    リット・グループへの自己資本要件を延期することを確認した。APRAは、未だ変更を実施する日程を提案していない。
     グループ・ガバナンス、リスク・エクスポージャー、グループ内取引ならびにその他リスク管理およびコンプライアンス要
    件に関するレベル3枠組みの自己資本以外の構成要素は、2017年7月1日付で有効となった。これらの要件により当グループ
    の自己資本ポジションおよびANZBGLの子会社の資金調達のいずれにも重大な影響は生じていない。ANZニュージーランド(その
    子会社と合わせて「ANZニュージーランド・グループ」)を含む関連会社に支援を提供する能力へのレベル3枠組みによる影響
    に関する詳細については、下記「ANZBGLが財政支援を提供する能力の制限」を参照のこと。
    関連会社の枠組みの変更

     2019  年 8月、APRAは、APS第222号「関連事業体の関与」(「APS第222号」)を修正し、関連ADI(または同等の海外事業体)
    に対するオーストラリアのADIの個々のエクスポージャーの上限をレベル1総資本の50%からレベル1のTier1資本の25%へ、
    またエクスポージャー合計ではレベル1総資本の150%からレベル1のTier1資本の75%へと引き下げる旨を発表した。エクス
    ポージャーは資本控除を除外して測定されるため、APRAの自己資本規制の変更の最終版(APS第111号に含まれる。)は、ADIの
    エクスポージャーの測定に影響を及ぼす。その結果として、かかる上限の引下げが当グループに重大な影響を及ぼすことは予
    想されない。実施予定日は、APRAにより、2022年1月1日へと延期された。詳細については、下記「ANZBGLが財政支援を提供
    する能力の制限」を参照のこと。
    APS  第111号「自己資本比率:自己資本の測定」の修正

     2021  年 8月、APRAは、APS第111号の最終版を公表したが、これは2022年1月1日に発効する。現行のAPS第111号からの最も
    重要な変更は、レベル1のADI(または同等の海外事業体)および保険子会社への資本投資の取扱いに関して、当該投資におけ
    る有形の構成要素が400%のリスク加重から以下へと変更される点である。
     ・ ANZBGLのレベル1のCET1資本純額の10%相当額を上限として、250%のリスク加重を行う。
     ・ 当該投資の残余は、CET1の資本控除として扱われる。
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     ANZBGL   は、現在行っている投資への影響を検討中である。当グループへの正味の影響は不明であり、多くの要因に依存す
    る。これらの要因には、実施時に影響を受ける子会社の資本構成、健全性基準の最終版、およびこれらの修正案による影響を
    概ね相殺し得る経営陣の行為の効果がある。これらの修正案は、影響を受ける子会社へのANZBGLの現在の投資を前提とすれ
    ば、相殺する経営陣の行為が何らない場合、ANZBGLに要求されるレベル1のCET1資本比率が最大約20億ドル(約60ベーシス・
    ポイント)減少することを示唆している。しかし、ANZBGLは、そのような結果となる見込みはなく、経営陣の行為により自己
    資本への正味の影響を最小限に抑えることができると考えている。これらは、当グループに要求されるレベル2のCET1資本比
    率には影響を及ぼさない。これらの実施日は2022年1月1日である。
     2020  年 11月、APRAは、修正後APS第111号が施行されるまでの間、銀行子会社および保険子会社への新規または追加のエクイ
    ティ投資の総額がADIのCET1資本の10%を上回る場合は、ADIの親会社のレベルで自己資本により当該投資についての資金調達
    が完全になされることを要求すると発表した。この取扱いは、ADIのCET1                                  資本の10%を超える新規または追加投資の一部に適
    用される。
    ANZBGL   が財政支援を提供する能力の制限

    APRA  健全性基準による効果
     APRA  が課す現在または将来の要件は、ANZBGLの事業、業績、流動性、資本の源泉または財政状態に悪影響を及ぼす可能性が
    ある。APS第222号は、関連会社の関与に起因するリスクの監視、管理および統制に関してANZBGLを含むオーストラリアのADIが
    遵守すべき最低要件を設定するとともに、グループ内の財務上のエクスポージャーに係る上限を含んでいる。
     APS  第222号の下で、ANZBGLが関連会社(ANZニュージーランドを含む。)に財政支援を提供する能力は以下の制限に服する。
     ・ ANZBGLは、関連会社の事業の支援を主要な目的とするいかなる第三者取引も行ってはならず、
     ・ ANZBGLは、関連会社に対して、合計または個別の会社レベルのいずれにおいても、特定の時間または金額による限定が
       ない無制限のエクスポージャーを持ってはならず(例えば、関連会社のいかなる義務をもカバーする一般的保証を提供
       してはならず)、
     ・ ANZBGLは、関連会社の債務不履行(財務的な債務であるか否かを問わない。)がANZBGLの債務不履行を引き起こすかま
       たは引き起こすとみなされる内容のクロス・デフォルト条項を締結してはならず、
     ・ 自己資本から除かれるエクスポージャーを控除後のANZBGLのレベル1総資本基盤のエクスポージャーの水準は、以下を
       超えてはならない。
      (i)   ANZニュージーランドなどの関連ADIもしくは同等の事業体に対し、個々のエクスポージャーベースで50%、またはす
        べての関連ADIもしくは同等の事業体に対するエクスポージャー合計で150%
      (ii)   その他の関連会社に対し、
         ⅰ 規制された関連会社の場合、個々のエクスポージャーベースで25%、または
         ⅱ その他の(規制されていない)関連会社の場合、個々のエクスポージャーベースで15%、および
         ⅲ すべての非ADIまたは同等の関連会社に対するエクスポージャー合計で35%
     2019  年 8月、APRAは、APS第222号の最新版を公表した。ANZBGLがANZニュージーランドに対して提供できる財政支援の量およ
    び質に影響する変更は、以下のとおりである。
     ・ エクスポージャーの上限を設定するために用いられるレベル1資本基盤は、総資本からTier1資本に変更される。
     ・ ADIに対する個々のエクスポージャーの上限をレベル1のTier1資本基盤の25%に、エクスポージャー合計の上限をレベ
       ル1のTier1資本基盤の75%に引き下げる。
     APS  第222号に係る2021年1月1日の実施予定日は、APRAにより、2022年1月1日に延期された。APRAは、個別の事案に応じ
    て、事業体ごとに移行措置や柔軟な対応を講じている。
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     さらに、2021年8月、APRAは、APS第111号の修正を終えたが、この修正は、ADI(または同等の海外事業体)および保険子会
    社に投資するANZBGLなどのオーストラリアのADIについて、レベル1資本の取扱いを上記「APS第111号『自己資本比率:自己資
    本の測定』の修正」で概説したとおりに変更するものであり、これらの変更の実施日は2022年1月1日である。
     APS  第111号のこれらの修正により、APS第222号に係る報告の目的でのANZBGLのレベル1のTier1資本基盤およびANZニュー
    ジーランドに対するエクスポージャーは削減されることになる。その結果、2022年1月1日時点のANZBGLのANZニュージーラン
    ドに対するエクスポージャーは、APS第222号の上限を遵守したものになると予想される。
     加えて、APRAは、2021年1月1日からは、ANZBGLの通常時におけるニュージーランド業務(ANZニュージーランドなどの
    ニュージーランドにおいて設立された子会社およびANZBGLのニュージーランド支店を含む。)への非株式等エクスポージャー
    を、ANZBGLのレベル1のTier1資本基盤に対する比率で5%以下に収めることができることを確認した。この上限は、資本商
    品の保有または金融ストレス時にANZニュージーランド・グループに対して提供される適格担保付きの偶発的な資金調達の支援
    を含まない。
     APRA  はまた、金融ストレス時におけるANZBGLによるANZニュージーランドへの偶発的な資金調達の支援は、APRAが承認可能な
    条件に基づいて提供されなければならないことを確認した。現在、カバード・ボンドのみが偶発的な資金調達に係るAPRAの基
    準に該当している。APRAはまた、ANZBGLのニュージーランド業務に対するエクスポージャー合計は、ANZBGLのレベル1のTier
    1資本基盤の50%を超えてはならないことを要求する。
    レベル3枠組みによる効果

     加えて、特にグループ・ガバナンスおよびリスク・エクスポージャーに関連するAPRAのレベル3枠組みの一定の要件が、
    2017年7月1日に発効した(上記「レベル3コングロマリット(「レベル3」)枠組み」を参照のこと。)。この枠組みはま
    た、当グループが子会社(ANZニュージーランドを含む。)に対する財務上および業務上のエクスポージャーを制限しなければ
    ならないことを要求する。
     子会社に対するエクスポージャーの許容水準を定めるに当たり、ANZBGLの取締役会は以下を考慮する。
     (a)  信用度が概ね同等である第三者について承認されるであろうエクスポージャー、および
     (b)  ANZBGL   の自己資本ポジションおよび流動性ポジションに対する潜在的な影響、ならびに子会社が破綻した場合にも営業
       を継続できるANZBGLの能力
     これらの要件は、ANZBGLがANZニュージーランドを含む子会社に対して財務上または業務上の支援を提供する能力にさらなる
    制限を課すとは予想されていない。
    規制上の動向-その他

    COVID-19    のパンデミックに対する規制上の対応
     COVID-19    の パンデミックが当グループのような金融サービス・グループの規制および監督に与える影響の正確なところは未
    だ不確定であり、本書日付現在、これを予測することは難しい。
     オーストラリアの規制当局およびオーストラリア政府は、COVID-19のパンデミックへの対応として、広範な措置を講じた。
    多くの措置は当グループに影響を与えており、また今後も影響を与える可能性がある。かかる措置には、以下の措置が含まれ
    る。
     2020  年3月、RBAは、        銀行業界のためのターム資金供給ファシリティ(「TFF」)を創設した。ADIは、その与信残高(                                             ADI  毎
    に、関連する3か月間の与信全体の平均により測定される。                            )の3%を上限として当初割当てを受け、またADIが企業、特に中
    小規模企業への貸付を増やした場合は追加の資金供給割当てを受けることができる。                                       2020  年9月、RBAは、2020年10月1日から
    2021年6月30日まで利用できる補充的な資金供給割当てを発表し、ADIの企業向け貸付に基づく追加の資金供給割当ての引出期
    限を2021年3月31日から2021年6月30日に延長した。補充的な資金供給割当ては、ADIの与信残高(ADI毎に、関連する3か月
    間の与信全体の平均により測定される。)の2%に設定されている。                                2021  年 9月30日現在、ANZは、RBAのTFFから201億ドルを引
    き出している。2021年6月30日、TFFは引出を終了させた。
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     2020  年3月、APRAは、特に以下の事項を発表した。
     ・ ADIが「問題なく強固」な銀行自己資本ベンチマークを満たすことへの期待の一時的な調整。APRAは、COVID-19による混
       乱の期間中、オーストラリア経済への継続的な貸付を促進するには、現在の大規模なバッファーが必要となる可能性が
       あることから、ADIがこのベンチマークを満たしていなくとも問題ないと述べている。
     ・ COVID-19によるローン返済猶予の対象となった適格な小規模企業向けローンおよび住宅ローンについて、銀行が自己資
       本の算定上「滞納」または「条件緩和」として扱う義務の一時的免除。APRAは当初、この自己資本処理の免除を2020年
       3月からの期間につき与えていたが、2020年7月に、APRAは、この免除につき2021年3月31日までの延長を認めた。そ
       の後、オーストラリアにおけるCOVID-19の再びの蔓延に対応するため、2021年7月に、APRAは、COVID-19のパンデミッ
       クの影響を受けた適格な借主に対して一時的なローン返済猶予を認める銀行に対して規制上の支援を再び導入すると発
       表した。この一時的な健全化措置は、2021年7月8日から2021年9月30日までの最長3か月間まで返済猶予を認められ
       た適格ローンに適用された。ローン返済猶予の取決め(および関連する自己資本処理)の延長は、所与の環境下におけ
       る特定借主につき延長または猶予の更新が適切であったかにつきADIが適切な信用評価を行うことを条件としていた。
       2021年9月30日以降は、ローン返済猶予の取決めのさらなる延長はなされていない。
     ACCC  は、最近、オーストラリア銀行協会およびその参加銀行(ANZBGLを含む。)が2022年6月30日までCOVID-19のパンデ
    ミックの影響を受けた個人や企業への救済パッケージの提供に向けて協力するための認可を再び与えた。
     詳細については、        「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性-法的および規制上のリスク-
    16.規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ
    る。」を参照のこと。
     ニュージーランドにおけるCOVID-19のパンデミックへの規制上の対応については、「ニュージーランド-ニュージーランド
    の規制上の動向-COVID-19のパンデミックへの規制上の対応その他の動向」を参照のこと。
     COVID-19    の パンデミックの影響がいつまで続き、どれほど深刻かについて、その全容は依然としてきわめて不確実である。
    そのため、オーストラリアの規制当局は、通常の監督業務に優先順位を再設定しつつ、引き続きCOVID-19のパンデミックの影
    響を注視し、必要に応じてアプローチを調整する。これをふまえると、当グループなどの金融サービス・グループに対する規
    制および監督ならびに執行は、依然として不確実であり、本書日付現在、予測は困難である。COVID-19のパンデミックを受け
    て、オーストラリアの政府、州政府および準州政府は、多数のウイルス拡大防止策および経済対策を実施している。オースト
    ラリアの政府、州政府および準州政府は、広範な制約を課しており、これには旅行、催事および会議その他多くの日常的活動
    に対する差止および制限、または勧告が含まれ、また、大規模かつ費用を要する金融介入および財政介入も行った。オースト
    ラリアの政府、州政府および準州政府は、当面の間、さらなる措置を実施、延長および導入する可能性がある。経済支援措置
    の停止が経済にいかなる影響を与え得るかは、明らかではない。COVID-19のパンデミックに対するさらなる重要な対応策は、
    これまでも、そしてこれからも、ウイルスに対抗するための人々へのワクチン接種であると見込まれている。ワクチン接種プ
    ログラムがどれほど奏功するかが、経済活動に影響を与える可能性がある。本書日付現在、これらの措置が当グループに与え
    る影響の全容は、不明である。
    王立委員会

     王立委員会は、オーストラリア政府の行政部によってのみ招集され、権限委任条項によってのみ指示を受ける正式かつ公式
    な審議会である。2018年に始まった銀行業、退職年金および金融サービス業における違反行為を監視するための王立委員会
    (「王立委員会」)は、金融サービス事業体(ANZBGLを含む。)の行為が違反行為または社会の水準および期待を下回る行為
    となっていないかを調査し、報告するよう指示された。王立委員会はまた、かかる行為の原因、特に文化、ガバナンス、報酬
    およびリスク管理慣行の果たす役割、監督機関の実効性、ならびにそれらに応じた方針の勧告を検討する任務を課せられた。
     王立委員会の最終報告書(「最終報告書」)は、2019年2月に公表された。最終報告書において、王立委員会の委員は、違
    反行為または社会の水準および期待に満たない行為にあたる可能性があるANZBGLを含む金融サービス事業体の行為を特定し
    た。
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     最終報告書には、銀行業、金融助言、退職年金、保険、文化、ガバナンスおよび報酬、ならびに監督機関をはじめとする複
    数の事項にわたる76の勧告が含まれる。オーストラリア政府は、かかる勧告のすべてについて行動を起こすことを約束した。
     オーストラリア政府はその後勧告の実施に注力しており、オーストラリア政府およびオーストラリアの監督機関はこれらの
    勧告の多くについて今日まで取り組んでいる。
     王立委員会の勧告の結果として生じた、または生じる可能性が高いより重要な変更には以下が含まれる。
     ・ 金融サービス法違反の自己申告制度が調整され、信用法違反について同等の制度が導入されること。
     ・ 最終補償制度が導入されること。
     ・ BEARを、ASICおよびAPRAが共同で管理し、BEARよりも高い罰金が課されることとなる金融説明責任体制(FAR)に置き換
       えることが提案されていること。
     詳細については、上記          「銀行役員説明責任体制」            を参照のこと。
     2019  年 2月、ANZBGLは、王立委員会の多数の勧告に対応するための16個の誓約を発表した。当該誓約には、救済、報酬、説
    明責任、文化およびガバナンスならびに監督機関に関する誓約が含まれる。ANZBGLは、王立委員会の他の勧告を実施し、それ
    らの実施手続の一部としてオーストラリア政府、監督当局および業界との連携を継続している。
     これらの勧告に関して講じられる措置は、当グループのポジションに影響を与える可能性がある。
     王立委員会に従い、追加的な費用およびエクスポージャー(さらなる規制活動に伴うエクスポージャーや、クラス・アク
    ション、個別請求、顧客救済もしくは補償行為などの潜在顧客エクスポージャーを含む。)が発生しており、今後も発生し続
    ける。
     これらの勧告は、当グループの競争環境における調整ももたらしうる。これらの可能性のあるエクスポージャーおよび変化
    の結果および関連する費用の総額は不明であり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。王立委員会はま
    た、APRAまたはASICに対して、検討を求めるために違反行為の可能性がある調査未了の事例を紹介している。これらの事項が
    当グループに関係する場合、当グループ企業に対して民事訴訟が提起される可能性があり、その結果として当グループに民事
    罰または刑事罰が科せられる可能性がある。
     王立委員会はまた、ニュージーランドの金融業界への政治上または規制上の監視の強化をもたらす可能性がある。
    支払ポリシー

     2021  年12月、オーストラリア政府は、オーストラリアの支払システム                              の検討、モバイル決済およびデジタル・ウォレットの
    調査、ならびに(フィンテックおよび暗号通貨取引の脱銀行化を推進する)オーストラリアの技術・金融センターとしての
    オーストラリア構想の調査という支払に関する3つの検討および調査に並行して対応                                       した。   政府  は、いかなる支払ポリシーが
    オーストラリアにおいて設定されるべきかについて、また政府がかかる支払ポリシーを実施するために有すべき権限に関して
    重点的に考察した検討よび調査の                勧告  に概ね同意した       。オーストラリア財務省は勧告               の実施   について    、2022年に     コンサルテー
    ションを行う予定である。            脱銀行化に関して、政府はその基礎的根拠および可能な政策対応について金融規制協議会に助言を
    求める予定である。
     かかる勧告の影響がANZBGLにあるとしても、その影響はいまだ明確になっていない。
    フレームワークおよび実務の自己評価

     2018  年 5月1日、APRAは、すべての規制を受ける金融機関はガバナンス、文化および説明責任に関するフレームワークおよ
    び実務の自己評価を実施することにより恩恵を受ける旨、ならびに当グループのような大手金融機関についてもその取締役会
    により見直され承認された評価書を求めていく旨を指摘した。APRAがこのように述べたのは、他の主要なADIに関する健全性調
    査についての最終報告書で特定された論点に鑑みたものである。この健全性調査は、他の主要なADIグループのガバナンス、文
    化および説明責任に関するフレームワークおよび実務を調査するために創設された。2018年11月30日、ANZBGLはAPRAに対して
    自己評価書を提出した。2019年8月22日、ANZBGLは、自己評価書の中で提起された問題に対応するためのANZBGLの取組みの状
    況(「ロードマップ」の進展を含む。)を詳述したANZBGL会長の論説を公表した。ANZBGLのロードマップは、5つの注力領域
    (文化、ガバナンスおよび説明責任、オペレーショナル・リスクの管理、救済、ならびに簡素化)が設定された、複数年にわ
    たる計画である。APRAは、(2019年9月30日から)ANZBGLのロードマップにおいて計画された目標が効果的に達成されるま
    で、オペレーショナル・リスクのための5億ドルの追加資本を保持するようANZBGLに求めている。
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    住宅モーゲージ貸付実務
     近年において、APRAは、住宅モーゲージ貸付実務を厳しく監視し、また銀行業界全体での住宅モーゲージ貸付基準の強化を
    狙いとした数々の手段をとってきた。一例として、
     ・ 2014年12月、APRAは、ADIの健全な住宅モーゲージ貸付実務を強化するために取る可能性のある追加の手順の概要を示
       し、より高リスクのモーゲージ貸付、不動産投資家向け貸付の伸び率(特に伸び率が年間のベンチマークである10%を
       大きく上回るか)および新規借入者へのローン返済能力テストを含む一定の関心分野について、特に注意を払うことを
       表明した。     2017  年 3月  、APRAは、ADIはとりわけ以下を期待される旨を概説した。
      -  新規のインタレスト・オンリー型(一定期間は利息のみ返済)貸付の金額を、新規の住宅モーゲージ貸付の合計額の
        30%に制限すること(「インタレスト・オンリー型に係る30%ベンチマーク」)。ADIは、この制限の範囲内で、ローン
        資産価値比率(「LVR」)が80%以上のインタレスト・オンリー型貸付の総額について厳格な内部制限を設定し、LVRが
        90%を超えるインタレスト・オンリー型貸付の事例については確実に厳格な審査を行い正当化理由を確認することが期
        待される。
      -  不動産投資家向け貸付における年間の伸び率が、先述の10%のベンチマーク                                    (「投資家貸付の伸びに係る10%ベンチ
        マーク」)     未満である状態を容易に維持できるように                   管理すること。
     上記の期待に応え、ポートフォリオ・リスクを管理するために、当グループは、数々の手段を講じてきた。これには、貸付
    基準の調整、および持ち家居住者と投資家向け貸付との間での                             異なる   価格設定の実施が含まれる。これらのカテゴリーの範囲
    内で、異なる価格設定は、インタレスト・オンリー型の返済を行う顧客と元本および利息の返済を行う顧客との間にも適用さ
    れる。
     2018  年 4月および12月、APRAは、投資家貸付の伸びに係る10%ベンチマークおよびインタレスト・オンリー型に係る30%ベ
    ンチマークはそれぞれ、今後一定の状況の下ではADIに適用されることはない旨を概説した。これらのベンチマークは、今後当
    グループには適用されない。
     APRA  は、住宅市場の状況をより広く緊密に監視し続けるが、これらのベンチマークの適用除外にもかかわらず、業界全体レ
    ベルで投資家向け貸付の急激な伸びが再来し、またはインタレスト・オンリー型貸付が再加速すれば、根強い懸念を生じさせ
    る旨、またかかる環境は業界全体に対して措置を講じる必要性をAPRAに検討させることにつながりうる旨を示唆した。
     2021  年 10月、APRAは、住宅ローン申請にかかる実行性を評価する際にADIが使用することが予定される最低金利バッファーに
    つき、ローンの金利に追加されるものとして最低2.5%であったものを最低3%に引き上げた。APRAは、かかる決定は、ADIの
    住宅モーゲージ貸付に関して増大する財務安定性リスクを反映するものであると指摘した。APRAは以下の事項も指摘してい
    る。
     ・ 現在の住宅モーゲージ貸付をめぐる環境は、住宅価格の値上り傾向にある住宅物件市場とともに、極めて低い金利によ
       り特徴付けられる。
     ・ 家計の債務レベルは、歴史的にも国際的にも、収入のレベルに比して高めで維持されている。
     ・ 近い将来においては、家計の債務の増加率が収入の増加を上回る可能性が大きく、さらに家計の債務レベルが増加する
       ことになる。
     2009  年国家消費者信用保護法(連邦)(「NCCP法」)の附則1に含まれる国家信用規範は、参加者に対して許可および免許
    要件を課している他、信用業務従事者に対して情報開示および行為義務(「責任ある貸付」の一定の義務を含む。)を課して
    いる。
     2020  年12月、オーストラリア政府は、NCCP法の責任ある貸付要件の大部分をADIについて撤廃する法案をオーストラリア議会
    に提出した。ADIは引き続きAPRAの既存の基準により規制されることになる。ADIはまた、引き続きNCCP法の情報開示および行
    為義務に服することになる。この法案はまだ効力を発生していない。
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    住宅モーゲージ・ローンの分類の変更
     ANZBGL   の住宅モーゲージ・ローンの現行の分類は一般に、                        監督機関    および市場に報告している通り、顧客から提供                      される   情
    報または顧客が事後的にローンの変更を申請する際に提供される情報に基づき、ローンの組成の過程(すなわち、与信申請、
    審査および貸付実行)で決定されている。
     住宅用   モーゲージ     ・ ローン   の分類は、以下を理由に変更される可能性がある。
     ・ 組成段階での誤分類:組成段階で顧客が自己の身上についてANZBGLに誤った情報を通知する範囲で、ローンは誤って分
       類されるリスクがあり、かかるローンは再分類される可能性がある。
     ・ 顧客の状況の変化:与えられた分類の継続的な妥当性は、顧客が自己の状況の変化についてANZBGLに情報を通知する義
       務、および顧客から提供される情報を独自に検証するANZBGLの能力に依存する。顧客が自己の状況の変化を通知する範
       囲で、またはANZBGLがその検証プロセスに基づきその旨を決定する場合において、ローンは再分類される可能性があ
       る。
     ・ 規制その他の変更:ローンの分類基準およびその解釈は、1または複数の報告上の目的により変更される                                                    可能性   があ
       り、このことは一定のローンの分類に影響を及ぼす可能性がある。
     ・ ANZBGLのシステムおよびプロセスの変更
     ローンの誤分類または再分類は、持ち家居住者向けの不動産担保ローンがより金利の高い投資用不動産ローンに再分類され
    るなどの場合において、顧客の返済義務を履行する能力に影響を及ぼす可能性がある。                                        顧客が再分類後のローンの返済義務を
    履行する能力を欠けば、かかるローンにつき債務不履行を生じるリスクが増す可能性があり、このことは当グループのポジ
    ションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    その他

     当グループにもたらされるリスクも含む規制上の動向に関する詳細                               について    は、  下記「第3 事業の状況-2 事業等のリ
    スク-(2)主なリスクおよび不確実性-                  法的および規制上のリスク            -16.   規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守でき
    ないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。                                 」を参照のこと。
    オーストラリア刑法典第102.6条および102.7条

     オーストラリア刑法典第102.6条および第102.7条(1995年オーストラリア刑法典(「刑法典」)に含まれる)に基づき、あ
    る者が意図してテロリスト組織から資金を受け取り、テロリスト組織に資金を提供し、テロリスト組織のためにもしくはテロ
    リスト組織を代理して資金を調達し、またはテロリスト組織に支援や資源を提供する場合、その者が当該組織がテロリスト組
    織であると知っているかまたはテロリスト組織であるかについて無頓着であった状況では、それは犯罪となる。テロリスト組
    織とは、直接もしくは間接にテロリスト行為の実行に関与、準備、計画、幇助もしくは助長した組織をいい、かかる組織が刑
    法典に基づいた規則においてテロリスト組織と規定されている。
     2011  年オーストラリア独自制裁法および2011年オーストラリア独自制裁規則に基づき、特定の国々と関連した一定の具体的
    に認定された人物、事業体、資産および船舶に対して制裁が与えられ、その名前の人物もしくは事業体が関わる一定の取引
    は、外務大臣からの特別な許可を得た場合のみ行うことができる。これらの制裁に違反することは犯罪となる。
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    ニュージーランド
    RBNZ  の監督の役割
     1989  年 ニュージーランド        準備銀行法(「準備銀行法」)は、ニュージーランド準備銀行(                              RBNZ  )が以下の目的で、銀行登録
    および登録銀行(ANZニュージーランドを含む。)の健全性監督の権限を行使することを求めている。
     ・ 健全で     効率的   な金融システムの維持を推進する。
     ・ 登録銀行の破綻から生じる可能性のある金融システムへの重大な損害を防止する。
     銀行登録に係るRBNZの方針は、適切な地位および評判を持つ金融機関のみが登録銀行となることができることを確実にする
    ことを目的としている。この要件を条件として、RBNZは、銀行業界内の競争を促進するために、新規登録銀行参入への障壁を
    最小限に保つ意向があると述べている。
     RBNZ  の監督機能は、金融システム全体の安定性および効率性を促進することを目的としており、個々の銀行の破綻防止や                                                      債
    権者  の保護を目的としたものではない。RBNZは、市場に本来存在する規律を活用し強化することで、これを達成することを目
    指す。
     RBNZ  は、財務成績およびリスク状況に係る情報を定期的に銀行が開示する要件ならびに取締役が一定の主要な事項を定期的
    に保証する要件を非常に重視している。これらの方策は、市場規律を強化し、銀行の健全性管理責任が、RBNZがその責任を行
    使するのに最もふさわしいと考える者、すなわち取締役および経営陣にあることを確実にすることを意図している。
     RBNZ  の監督的役割の主要な要素は以下を含む。
     ・   すべての銀行が一定の健全性最低要件を遵守することを求め、これは登録条件を通じて適用される。これらは、                                                    関連  エ
       クスポージャーに対する制約、最低自己資本比率要件および流動性リスク管理最低基準を含み、以下にさらに詳細に記
       載される。
     ・ 各登録     銀行  の財務状況および登録条件遵守を、主に公表される半期開示書類およびRBNZに対して非公開で提出される月
       次報告書に基づいて監視する。この監視は、RBNZが各銀行および銀行業界全体の財務状況に引き続き精通し、必要と
       なった場合危機管理の権限を行使する準備状態を維持することを確実にするよう意図されている。
     ・ 登録銀行の上級経営陣と協議する。
     ・ 準備銀行法に基づいて利用可能な危機管理の権限を用いて、銀行の経営難または破綻の状況が金融システムの健全性を
       脅かしている場合介入する。
     ・ 銀行が健全に業務を行っているかを査定する。
     ・ 銀行のマネーロンダリング防止および対テロ資金要件の遵守の監視に係る指針を発行する。
     ・ 銀行の外部委託契約を、外部委託に関連する登録銀行のリスクが適切に管理されているかを判断するために監視する。
     ・ 銀行の内部自己資本十分性プロセスおよび流動性方針に係る指針を発表する。
     ・ コーポレート・ガバナンスに係る指針を発表する。
     ・ 銀行特有の問題、政策問題ならびにニュージーランドおよび親銀行が所在する国々での金融システムの状況に関連する
       一般事項に関して親銀行の監督機関(オーストラリアのAPRA等)との密接な業務                                     関係を維持する。
     登録銀行は、半期ごとに、包括的な詳細情報ならびに、通年に                             ついて   は完全な財務書類、半期については未監査の半期財務
    書類を含む開示書類を発行することを求められる。財務書類は、各会計年度末には                                      全面的   な外部監査の対象となり、各半期末
    には限定された範囲のレビュー対象となる。各銀行取締役は、銀行の開示書類に署名し、一定の保証を行わなければならな
    い。銀行およびその取締役は、銀行の開示書類が虚偽または誤解を招くとみなされる情報を含んでいた場合、刑事上および民
    事上の罰則を課せられる可能性がある。
     RBNZ  は、登録銀行の主要な情報の四半期ごとの「ダッシュボード」をRBNZのウェブサイトで公表している。ダッシュボード
    は、公衆および市場参加者がそれらの銀行の財務力およびリスク・プロファイルに関する情報を理解し、当該情報に基づいて
    行動する能力の向上を目指している。情報は、銀行がRBNZに非公開で行う報告に基づく。ダッシュボードで公表されたANZ
    ニュージーランド・グループに関する情報は、本書の参照情報ではなく本書の一部を構成しない。場合によっては、それらの
    情報は、ANZニュージーランド・グループの連結財務書類中の表示とは異なる分類または表示がなされている。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     ニュージーランドで設立された銀行は、ニュージーランドの状況を反映して修正されたバーゼル3自己資本比率要件を遵守
    することを求められる。RBNZはまた、ANZニュージーランドを含むニュージーランドで設立された銀行の大半に、最低比率を
    2.5%上回る健全性資本           バッファー     を維持することを求めており、これに従わない銀行は販売を制限される。RBNZはまた、0か
    ら2.5%までの間の指針範囲で普通株式のカウンターシクリカルなバッファーを適用する裁量を有しているが、正式な上限はな
    い。バーゼル3を取り入れたカウンターパーティー信用リスク要件および追加の開示要件も存在する。これらの自己資本要件
    は、RBNZの自己資本改革により、2022年から変更されるものであるが、資本商品に関する新たな適格性基準などのRBNZの自己
    資本改革の一部は、2021年中に開始した。詳細については、下記「ニュージーランドの規制上の動向-銀行の自己資本要件」
    を参照のこと。
     ニュージーランドで設立された銀行(ANZニュージーランドを含む。)は、RBNZの流動性方針(「BS13」)を遵守することが
    求められる。BS13の要件は、ニュージーランドで設立された銀行に75%の最低コア資金調達比率(「CFR」)を満たすことを求
    め、銀行の資金調達のうち少なくとも最低限の割合が顧客預金、期限付ホールセール資金調達およびTier1資本によって満た
    されることを確保している。しかし、2020年4月2日を効力発生日として、RBNZは、COVID-19のパンデミックへの対応として
    ANZニュージーランドの最低CFRを50%に引き下げるために、ANZニュージーランドの登録条件を変更した。RBNZは、2022年1月
    1日からは、これを従前の75%のCFRに戻すことを意図している。
     バーゼル3は、RBNZがBS13の意図と非常に類似していると考える流動性方針を提案している。しかし、RBNZは、バーゼル3
    の流動性基準のある側面は、ニュージーランドで採用するのにふさわしくないと考えている。
     2021  年 9月、RBNZは、ニュージーランドで設立された銀行のBS13の遵守に関するテーマ別レビューの結果を公表した。詳細
    については、下記「ニュージーランドの規制上の動向-登録銀行によるRBNZの流動性方針の遵守についてのテーマ別レ
    ビュー」を参照のこと。
     また、RBNZは、すべての登録銀行に対し、承認された機関からの信用格付を取得および維持し、かかる格付を開示書類で公
    表することも求めている。
     さらに、RBNZは、その監督機能に関連して、さらなる情報、データおよび見通しを取得し、ならびにかかる情報、データお
    よび見通しを監査させる広範な権限を有している。
     RBNZ  はまた、いくつかの危機管理権限も有している。これらの権限には、銀行登録の取消勧告、登録銀行の業務の調査、登
    録銀行のRBNZとの協議の要求、登録銀行への命令、登録銀行の取締役の解任、交替もしくは指名、または登録銀行を法定管理
    下に置く勧告が含まれる。
     登録銀行が法定管理対象になると宣言された場合、いかなる者も、特に以下の行為をしてはならない。
     ・ 銀行に対する反訴による手続きを含む、訴訟またはその他手続きを開始すること、または継続すること。
     ・ 執行命令を出すこと、債務を差し押さえること、または当該銀行に関して得られた判決および命令を執行し、もしくは
       執行することを求めること。
     ・ 当該銀行を清算する手段を講じること。
     ・ 当該銀行に対して相殺権を行使すること。
     RBNZ  の監督権限の一環として、ある者が登録銀行への「重要な影響力」を獲得するまたは増大する結果となる取引を生じさ
    せる前に、その者はRBNZの書面による同意を取得する必要がある。「重要な影響力」とは、登録銀行の取締役会の25%以上を
    指名する能力またはその議決権株式の10%以上の適格持分(例えば、法的または受益所有権)を意味する。
     登録銀行への重要な影響力を取得する同意の申請を評価する際に、RBNZは、登録銀行としての登録申請を評価する際に関連
    するのと同一の事項を考慮に入れると述べている。同意を与える際、RBNZは、ふさわしいとみなす条件を課す可能性がある。
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    ニュージーランドの規制上の動向
    COVID-19    の パンデミックへの規制上の対応その他の動向
     COVID-19    のパンデミックが、ANZニュージーランド・グループなどの金融サービス・グループに対する規制および監督に及ぼ
    す具体的な影響は、依然として不確実であり、本書日付現在、予測は困難である。
     COVID-19    の パンデミックへの対応として、RBNZおよびニュージーランド政府は、金融の安定化を促進し、また、外国為替市
    場、債券市場および金融市場の効率的かつ低コストでの運営の維持を確保するために、広範な措置を講じており、その多くは
    ANZニュージーランド・グループに影響を与えている。本書日付現在、これらの措置がANZニュージーランド・グループに与え
    る影響の全容は、依然として明らかではない。
     RBNZ  は、COVID-19の       パンデミックへの対応として、ANZニュージーランドの登録条件に様々な変更を加え、それには                                            2020  年 4
    月に行われた      以下の変更が      含まれる。
     ・ ANZニュージーランドが配当その他の分配金を支払うこと(AT1資本商品の保有者に対する裁量的な支払を除く。)を制
       限したこと。
     ・ ANZニュージーランドのCFRの最低要件を75%から50%に引き下げたこと。
     ・ 2020年4月付のRBNZの外部委託ポリシーの改訂版(「BS11」)を参照し、またBS11に基づく既存の外部委託契約につい
       ての移行期間を2023年10月1日まで延長したことを反映するために、更新したこと。
     2021  年 5月、RBNZは、2022年1月1日に(経済状況に著しい悪化がないことを条件として)CFRの最低要件を75                                                %へと戻す意
    向を発表した。
     2021  年 4月29日を効力発生日として、RBNZは、ANZニュージーランドの登録条件を改正し、(特に)上記の制限を緩和し、
    ANZニュージーランドによる株主への配当金の支払をその収益の最大50                                %まで認めた。この制限は、ニュージーランドで設立さ
    れたすべての銀行に適用され、(経済状況に著しい悪化がないことを条件として)2022年7月1日まで有効に存続する。
     また、2020年4月から2021年4月まで、RBNZは、ANZニュージーランドおよびその他のニュージーランドで設立された銀行に
    よる資本商品の償還を制限した。その結果、                     ANZ  ニュージーランドが2020年5月に5億ニュージーランドドルのキャピタル・
    ノートを償還することは認められなかったが、利息の支払は継続して行うことができた。さらに、ANZニュージーランドは、
    2020年5月に、キャピタル・ノートを転換するオプションを行使しなかった。キャピタル・ノートの要項は、2022年5月に、
    変動する数量のANZBGL普通株式への(一定の条件の下での)転換を規定している。2021年6月17日、ANZニュージーランドは、
    その既存の各AT1資本商品について規制事由が発生したものと決定した。                                   これはANZニュージーランドが、その裁量で(ただ
    し、RBNZおよびAPRAの承認を含む、一定の条件に服する。)、キャピタル・ノートの償還を選択することができることを意味
    する。2021年11月、ANZニュージーランドは、規制事由の発生によって、2021年12月31日にキャピタル・ノートを償還すること
    を公表した。
     ニュージーランド政府はまた、COVID-19の                    パンデミックの影響を受けた小規模企業を支援するために、ニュージーランド内
    国歳入庁(「IRD」)が10万ニュージーランドドルを上限に融資を行う小規模企業キャッシュ・フロー融資制度を実施してい
    る。金利は低利率であり、2年以内に融資が完済されれば利息は課されない。融資の最大期間は5年であり、企業は最初の2
    年間は返済を行う必要はない。企業は、存続可能な企業であること、および資金使途は中核事業の運営資金であることを宣言
    しなければならない。
     RBNZ  は、最大1,000億ニュージーランドドルの大規模資産購入(「LSAP」)プログラムを発表した。このプログラムでは、
    ニュージーランド国債、ニュージーランド政府インフレ連動債および地方政府資金調達庁債を流通市場で購入し、銀行業界に
    現金を注入する。LSAPプログラムは、ニュージーランド経済へのさらなる支援の提供、信頼の醸成、および低金利の維持を目
    的とする。LSAPプログラムは、ANZニュージーランドを含む銀行が預金として利用できる、ニュージーランドの銀行業界で流通
    する資金の量を増加させる。RBNZは、2021年7月、LSAPプログラムに基づく追加的な購入を停止した。
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     RBNZ  はまた、融資資金提供プログラム(「FLP」)を実施し、銀行は、当該銀行の適格融資の4%に相当する直接の担保付き
    の資金提供を、借入期間中の現行公定歩合で3年間利用できるようになる。適格融資を増加させるための一定の要件を満たす
    銀行は、適格融資のさらに2%に相当する追加的なFLP資金の提供を受けることができる。FLPは、銀行に低コストの資金を提
    供し、ニュージーランドの企業および家計における借入コストの低下を促すことを企図している。FLPでは、2022年6月6日ま
    で当初の提供が行われ、2022年12月6日まで追加的提供が行われる。
     また、ニュージーランド政府は、COVID-19により自主隔離が必要となり自宅で仕事ができなくなった従業員に対する企業の
    支払を支援する「休暇支援制度」および「短期欠勤手当」を導入した。賃金助成金制度もまた適宜利用可能であり、COVID-19
    のパンデミックによるロックダウンで悪影響を受けた雇用主が従業員への支払および事業を継続できるよう支援がなされてき
    た。
     流動性を支えるために導入されたその他の支援策には、ターム貸付ファシリティ、ターム入札ファシリティ、企業公開市場
    操作などがあるが、現在は停止されている。
     ニュージーランド政府はまた、企業を救済するために、多くの税制改革を行ってきた。遵法コストの削減を目的とした暫定
    的な課税標準の2,500ニュージーランドドルから5,000ニュージーランドドルへの引上げや、一定の「事業継続性基準」を満た
    す企業は株主の継続性に変化が生じたとしても税務上の損失を繰り越すことができるという新ルールの導入など、中規模およ
    び小規模の企業を支援するために、複数の変更が行われている。
     ニュージーランド政府は、2021年9月に、ニュージーランド政府の2021年6月に終了した年度の財務書類(「FSGNZ
    2021」)を公刊した。FSGNZ             2021では、121億ニュージーランドドルの当初支援パッケージおよび500億ニュージーランドドル
    のCOVID-19対応および復興基金(「CRRF」)を含む、ニュージーランド政府のCOVID-19対応のための財政支援措置が概説され
    た。当初支援パッケージおよびCRRFは、賃金助成金制度およびその後の延長、管理隔離施設に関する費用およびワクチンの購
    入などの取組みに割り当てられた。2021年6月30日現在、CRRF資金のうち47億ニュージーランドドルは割り当てられていな
    い。2021年9月、ニュージーランド政府は、CRRFは追加で70億ニュージーランドドル増額されること、さらに過去にCRRFから
    割り当てられたものの費消されなかった金員で費消可能な30億ニュージーランドドルがある旨公表した。
    銀行の自己資本要件

     RBNZ  は、ニュージーランドで設立された銀行に適用される新しい銀行自己資本要件を公表し、これらはBPR文書に規定されて
    いる。   新たな枠組みは、2021年10月から2028年7月の移行期間中に段階的に実施される。ANZニュージーランドに適用のある主
    要な要件は以下のとおりである。
     ・ ANZニュージーランドの総資本要件はRWAの18%に引き上げられ、RWAの16%以上のTier1資本を含まなければならない。
       Tier1資本要件の2.5%まではAT1資本で構成することができ、Tier1資本要件の残りはCET1資本で構成することにな
       る。自己資本比率要件の引上げは、2022年7月1日から2028年7月1日までに段階的に実施される。AT1資本は、償還
       可能な永久優先株式で構成されなければならない。自己資本合計には、RWAの2%を上限としてTier2資本を含むことも
       できる。Tier2資本は、長期劣後債務で構成されなければならない。
     ・ Tier1資本要件は、RWAの9%のCET1健全性資本バッファーを含む。これには                                       、2%の    国内のシステム上重要な銀行
       (D-SIB)の      資本バッファー、1.5%の「早期設定」カウンターシクリカル資本バッファー(金融危機後においては0%
       まで一時的に      引き下げる     ことが可能であり、または資産価格高騰を防ぐために一時的に引き上げることができる。)、
       および5.5%の保全バッファーが含まれる。
     ・ 条件付資本商品は、今後適格規制資本として取り扱われない。2021年9月30日現在、ANZニュージーランドは約27億
       4,100万ニュージーランドドルのAT1商品を保有しているが、かかる商品は、2022年1月1日から2028年7月1日までの
       移行期間中に段階的に適格規制資本としての取扱いの対象から外れることになる。
     ・ IRBのアプローチを認められた銀行として、ANZニュージーランドのRWAは、標準アプローチにより算出された数値の約
       90%に引き上げられる。これは、2022年1月1日より85%の資本フロアを適用し、2022年10月1日より信用RWAスカラー
       を1.06から1.20に増加させることで達成される。
     ・ ANZニュージーランドは、2022年9月30日から、内部モデルと標準アプローチの両方を用いて、RWAおよびその結果得ら
       れる自己資本比率を報告する必要がある。
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     RBNZ  の 見直しは、ANZニュージーランドが保有すべき自己資本の水準を著しく増大させる。見直しにより、ANZニュージーラ
    ンドの資本配分および事業計画を含むANZニュージーランドおよびその事業に対して、重大な影響が及ぶ可能性もある。
     これらの変化への備えとして、またRBNZのCOVID-19関連の配当制限により、2018年9月30日以降、CET1資本は39億                                                      ニュー
    ジーランドドル増加して、2021年9月30日には130億ニュージーランドドルとなり、また、自己資本合計は                                                 45 億 ニュージーラン
    ド ドル増加して、164億ニュージーランドドルとなった。
    登録条件の重大な不遵守

     以下に記載の内容は、ANZニュージーランド・グループによるその登録条件の未解決の重大な不遵守事例および最近の重大な
    不遵守事例である。
    登録条件の重大な不遵守

    登録条件1B-BS2Bの不遵守
     ANZ  ニュージーランド        の2019年のディスクロージャー・ステートメントにおいて最初に報告されたとおり、                                       ANZ  ニュージーラ
    ンド  は、RBNZから承認されていない17の格付モデルおよび手続への変更の実施に関して、登録条件1Bを遵守していない。
     2019  年 9月30日現在の関連するエクスポージャーに、RBNZが最後に承認した手法を適用すれば、RWAは合計で4,700万ニュー
    ジーランドドル(0.05%)減少するはずであるが、報告された自己資本比率に影響を及ぼすまでには至らなかった。
     2021  年 9月30日現在、これらのモデルのうち16が承認のために提出され、そのうち4つが承認された。9つのモデルは2021
    年10月に承認された。最終のモデルについては、2021年末より前の提出が見込まれている。残り4つの承認されていないモデ
    ルおよび不遵守の始期は以下のとおりである。
     ・ 銀行格付-2008年(RBNZに提出)
     ・ プロジェクト・ファイナンスおよびストラクチャード・ファイナンス-2009年(RBNZに提出)
     ・ 商業用不動産:ホテル-2011年(RBNZに提出)
     ・ 商業用不動産:特別目的資産投資-2011年(提出予定)
     RBNZ  の 自己資本比率のフレームワーク(内部モデルに基づくアプローチ)(「                                 BS2B  」)  第1.3B節の下で要求されるANZニュー
    ジーランドのモデルの要約は、承認されていないこれらのモデル変更を含んでいたため、登録条件を遵守していないことが判
    明した。
     2021  年 4月に、アップデートされたモデルの概要がRBNZに提出され、現在は遵守されている。
    登録条件に関するその他の事項

     現在レビュー中のその他の事項も存在し、その関連方針の文言または要件の正当な解釈は一通りでない場合があり得る。ANZ
    ニュージーランドが採用した解釈について一定の不確実性がある場合は、当該事項について、適宜、指針をRBNZに求めてお
    り、またRBNZと連携を取っていくことになる。
    第95節レビュー

     2019  年 7月の準備銀行法第95節に基づくRBNZの通知に従い、2つの外部レビュー(「レビュー」)を受けた。1つ目のレ
    ビューは、ANZニュージーランドによるRBNS銀行業監督ハンドブック文書の自己資本枠組み(内部モデルによるアプローチ)
    (BS2B)の一定部分の遵守についてのもの(「自己資本比率レビュー」)であり、2つ目のレビューは                                               ANZ  ニュージーランド        の
    取締役による認証および保証の枠組みの有効性についてのもの(「認証レビュー」)であった。
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     ANZ  ニュージーランド        は、これらのレビューによる提言の実行および提起された問題への対応(これらのレビューでカバーさ
    れるANZニュージーランドのプロセスの改善を求めるより広範なプログラムを含む。)に取り組んでいる。
     2021  年 半ばに、RBNZは、上記のレビューに関して実行中の是正措置について外部の中間レビューを受けた。外部のレビュ
    アーは、ANZニュージーランドがこれらのレビューで指摘された不遵守事項および改善点への対応において大きな進展を見せて
    いると報告した。認証レビューのための作業プログラムは完了している。認証レビューにかかる改善活動の最終外部レビュー
    は2021年12月の完了が見込まれている。
     自己資本比率レビューのための作業プログラムは2021年12月の完了が見込まれている。自己資本比率レビューにかかる改善
    活動の最終外部レビューは進行中である。
    ローン計算機の修復およびローン情報訴訟

     2017  年 6月、ANZニュージーランドは、ローン計算機に関する問題をニュージーランド通商委員会(「通商委員会」)に自主
    的に報告した。この問題は、2015年5月から2016年5月までの間のANZニュージーランドの顧客の様々なローンの一部に影響を
    及ぼした。ローン計算機は、顧客が住宅ローン、個人ローンおよび事業ローンの異動を求めたときに顧客の返済額およびロー
    ン条件を計算するために使用された。この問題によって、影響を受けたローンについて一部の顧客が本来支払うべき金額より
    も少ない金額を支払った。ANZニュージーランドは、2016年5月に計算機を修復した。ANZニュージーランドは、影響を受けた
    顧客に対して、影響を受けたローンを誤謬が生じなかったとした場合のポジションに戻すために、これまでに約840万ニュー
    ジーランドドルを貸し付けている。2020年3月、通商委員会は、ANZニュージーランドとの間で、ANZニュージーランドがこの
    問題によって影響を受けた一部の顧客に対してさらに2,940万ニュージーランドドルを支払うことで合意した。これらの支払
    は、現時点で完了している。2021年9月、ANZニュージーランドに対して、ローン計算機の問題に関する消費者信用立法上の開
    示義務違反を主張する原告のクラス・アクションがその代表者により提起された。ANZニュージーランドは、かかる主張に対す
    る防御を行っている。
    RBNZ  の改正外部委託方針

     BS11  は、ANZニュージーランドなどのニュージーランドで設立された大手銀行に対し、外部委託した機能を統制および実施す
    るための法的および実務的な能力を備えることを要求する。BS11は、2017年10月1日以降に締結されたあらゆる新規の外部委
    託契約に適用される。RBNZは、2020年4月2日に発効した変更後の登録条件を、ANZニュージーランドに対して発出した。当該
    登録条件には、既存の外部委託契約についてBS11を                        全面的   に遵守させるための移行期間を、2022年10月1日から2023年10月1
    日まで延長することが含まれている。
    登録条件

     BS11  の要件はANZニュージーランドの登録条件の一部をなす。ANZニュージーランドが外部委託に関する登録条件をみたさな
    い場合、RBNZは、ANZニュージーランドの外部委託利用に追加的な制限を付すなどの執行措置を講じることができる。
     BS11  の遵守プランの手順(Path             to  Compliance      Plan)で概説されるとおり、ANZニュージーランドによるBS11の遵守の実現
    を担う公式プログラムが創設された。BS11を遵守するために、ANZニュージーランドは、同方針の狙いを他のグループ企業に頼
    らず単体ベースで達成できるようにならなければならない。同方針の狙いは以下のように定義される。
     ・ 日々の清算、決済およびその他の急を要する責務を継続的に履行する。
     ・ 信用、流動性および市場リスクのポジションを含む財政状態を監視および管理する。
     ・ 法定管理者およびRBNZが破綻銀行の管理にあたってとりうる選択肢を確保するために必要なシステムおよび財務データ
       を提供する。
     ・ 流動性(基本的な銀行サービスで定義される預金と与信枠の両方へのアクセス)および入出金のレポートを含む基本的
       な銀行サービスを既存顧客に対して提供する。
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    遵守義務
     BS11  は、ANZニュージーランドに対し、継続的な法令遵守要件を多く課している。特に以下の要件がある。
     ・ ANZニュージーランドは、外部委託契約の一覧表を作成しなければならない。
     ・ BS11が適用されるすべての契約は、RBNZが契約およびサービスの詳細を閲覧でき、かつANZニュージーランドが法定管理
       下にある場合には業者側からの契約終了を認めない旨の所定の契約条項を含まなければならない。
     ・ 免除が適用される場合を除き、すべての新規外部委託契約(他のグループ企業とのものを含む。)についてRBNZが異議
       のない旨を表明しなければならない。
     ・ ANZニュージーランドは、ANZニュージーランドに法定管理者が選任される場合またはANZBGLとのグループ関係が解消さ
       れる場合における、関係者向けの外部委託サービスもしくは機能の運営方法を記載したグループ離脱時のプランを定め
       なければならない。BS11に            全面的   に適合するグループ離脱時の確定プランは、2023年10月1日までに整備されなければ
       ならず、1年ごとに検証される。
     ・ ANZニュージーランドは、移行期間中は1年ごとに、それ以降は少なくとも3年ごとに、BS11遵守プラン(Path                                                        to
       Compliance      Plan)の手順および新しい取決めの遵守に係る進捗状況の独立的な外部レビューを受けなければならない。
    2008  年フィナンシャル・アドバイザーズ法の置き換え

     2021  年 3月、ニュージーランドにおいて新たな金融助言制度が導入された。2019年金融サービス法制改正法(「FSLAA」)に
    より、新しい金融助言制度の規定が2013年金融市場行動法(「FMCA」)の中に盛り込まれ、2008年金融サービス事業者(登録
    および紛争解決)法(「FSP法」)が改正された。制度に対する主要な変更は、以下を含む。
     ・ 金融助言業者に対してライセンスの取得を要求すること。
     ・ 自然人のみが金融助言を提供できるという要件を撤廃する(ロボ・アドバイスを可能にする)こと。
     ・ 能力、知識および技能の最低水準を、リテール顧客に対して規制された金融助言を提供するあらゆる種類の者に拡大す
       ること。
     ・ 規制された金融助言を提供するすべての者が、倫理的行動、行為および顧客対応の基準を遵守するよう要求すること。
     ・ 顧客に金融助言を提供するいかなる者も顧客の利益を優先し、顧客が助言の性質および範囲を理解することを確保し、
       所定の情報を開示しなければならないという新たな要件を追加すること。
     ・ 規制された金融助言を提供できる者を限定すること。
     ・ 例えば金融助言業者の類型や提供可能なサービスを簡素化するなど、制度および用語を簡素化すること。
     ・ ニュージーランド金融助言業者登録簿への登録要件を変更し、悪用を防ぐこと。
     ・ 指名された代理人が提供する金融助言を制限、規制および監視するための適切な手続および統制があることを確保する
       ための要件を追加すること。
     ANZ  ニュージーランドは、          ニュージーランド金融市場庁(「FMA」)                   から金融助言業者の仮ライセンスを取得しており、2023
    年3月17日からは完全なライセンスを保有している必要がある。
    準備銀行法の見直し

     2017  年 11月から2021年4月まで、ニュージーランド政府は、ニュージーランドの金融および財政安定化政策の枠組みならび
    にRBNZのガバナンスおよび説明責任の設定を現代化することを目的として、準備銀行法の見直しを行った。
     見直しの第1段階は2018年に完了し、その結果、ニュージーランドの金融政策の枠組みにいくつかの変更を加える2018年
    ニュージーランド準備銀行(金融政策)改正法が制定された。
     第2段階では、金融政策に関する準備銀行法の規定(RBNZの健全性規制および監督機能ならびに危機管理の枠組みに法的基
    盤を提供する規定を含む。)の包括的な見直しが行われ、また、RBNZの立法目的、より広範なガバナンスの仕組み、資金調達
    手法などの制度的な問題の見直しも行われた。
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     ニュージーランド        政府は、預金受入機関の規制に関する基本決定を発表した。これには以下が含まれる。
     ・   金融機関毎に、預金者1人当たりの保険上限額10万ニュージーランドドルまで、預金者の預金を保護する                                                 公的な   預金者
       保険制度を導入       する。
     ・ ノンバンク預金受入機関(「NBDT」)および銀行を、単一の健全性規制体制の下に置く。
     ・ 預金受入機関である会社の取締役の説明責任要件を厳格化する。
     ・ 監督業務の一環としての臨検実施権限など、RBNZの監督および執行の手段を拡充する。
     ・ RBNZの危機解決のための枠組みを明確化および増強する。この枠組みには、破綻した銀行を再建するための新たな仕組
       みとして、特定の無担保債務を「ベイルイン」(すなわち評価減や資本への転換を)する能力をRBNZに提供することが
       含まれる。
     準備銀行法は、見直しでの決定事項を実施する2つの別個の法制(すなわち「ニュージーランド準備銀行法」と「預金受入
    機関法」)により代替されることが予定されている。
     ・ 2021年ニュージーランド準備銀行法は、RBNZのハイレベルでの目的、権限、役割、ガバナンスと資金調達方法に関して
       準備銀行法の一部を代替するもので、2022年7月に完全に施行される見込みである。ニュージーランド準備銀行法は、
       とりわけ、以下の事項を規定している。
       -  金融政策委員会が行うべき事項を除くすべての決定に責任を負う法定のガバナンス・ボードを設置すること(かかる
         新しいガバナンス・ボードが任務を開始するまでは、暫定のボードが任務を行う。)
       -  RBNZ  のガバナーの役割をその最高執行者の役割に変更し、当該者は新しいガバナンス・ボードのメンバーとすること
       -  ニュージーランドの金融システムの安定性を保護し増進させる包括的金融安定性目的を(経済目的および中央銀行の
         目的に加えて)導入すること
       -  ガバナンス・ボードが考慮すべき金融政策の課題を提出することを財務大臣に要求すること
     ・ 預金受入機関法は、預金受入機関(銀行およびノンバンク預金受入機関)向けの2つの異なる法制を統合し、また預金
       補償制度を創設する。預金受入機関法案が立法化されるまでは、準備銀行法下で現行の銀行規制枠組みが継続し、同法
       は1989年銀行業(健全性監督)法と改名される。
       ニュージーランド政府は、RBNZが一部負債の契約条項に依拠することなく当該負債の評価減または転換を行う権限を預
       金受入機関法に盛り込むことにより、法令によるベイルイン制度を過去に予定していた。しかし、ニュージーランド政
       府はその後、初期の破綻処理制度は、債権者に損失を負担させるその他2つの手法に依拠することを決定した。その一
       つ目は、破綻処理において、RBNZが利用できる広範な移転権限が損失を負担させるために利用可能になる(認可預金受
       入機関による負債の移転その他の処分又は認可預金受入機関が発行体である金融商品の移転を含む。)。次に、預金受
       入機関法は破綻処理前の指示権限を規定しており、ベイルインによって事前に手当されたベイルイン適用可能な商品の
       契約上の権利を、預金受入機関に行使するよう求めるために当該指示権限が使用可能になる。
       預金受入機関法の公開草案は2021年12月に公表され、2022年2月まで意見を求めている。預金補償制度は、施行が予定
       されて   いる預金受入機関法の他の条項よりも優先されており、預金受入機関法の施行から約6か月後の2023年後半に実
       施される予定である。
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    FMA  およびRBNZによる行為および文化のレビュー
     オーストラリアの王立委員会の設置に続きFMAおよびRBNZは、2018年および2019年に、ニュージーランドの銀行セクターにお
    ける行為および文化に関するレビューを共同で行った。FMAおよびRBNZの業界に関する報告書は、行為および文化の問題は
    ニュージーランドの銀行の間で蔓延しているようには見受けられないと結論付けている。業界全体において行員の不手際に関
    する問題は少数であり、システムまたは手続の不備に関する問題がより一般的であった。この業界に関する報告書では、FMAお
    よびRBNZが、銀行の事業上の行為の問題およびリスクの特定および治癒、ならびに行為のリスクの統制および管理における潜
    在的不備を懸念していることを記している。
     2019  年 7月、FMAおよびRBNZは、ANZニュージーランドに一定のフィードバック・レターを送付した。当該レターにおいて、
    FMAおよびRBNZは、ANZニュージーランドの行為および文化計画は当該レターおよび公表された報告書において指摘された関連
    する問題に対処しているようであると述べた。加えて、FMAおよびRBNZは、ANZニュージーランドに対し、準備銀行法第95節に
    基づくレビューの結果、ANZニュージーランドは行為および文化の計画を修正する必要があるかもしれないと通知した。詳細に
    ついては、「第95節レビュー」を参照のこと。
     ANZ  ニュージーランド        は引き続き、自らの行為および文化計画についてFMAに定期的な進捗のアップデートを提供する。
    RBNZ  の 違反の開示および報告制度

     2021  年1月、RBNZは、ニュージーランドの銀行による規制違反の報告および公表のための枠組みを導入した。銀行は、規制
    上の要件への重大な違反または違反の可能性があったときには速やかにRBNZに報告し、また、6か月ごとにすべての軽微な違
    反も報告することが求められる。実際に重大な違反があれば、RBNZのウェブサイトで公表される。2021年3月からは、銀行の
    登録条件違反の開示書類における開示には、重要性の基準が適用されている。
    金融機関の行為規制案

     金融市場(金融機関の行為)改正法案(「FMCIA法案」)は、2022年に可決される見込みである。FMCIA法案は、該当サービ
    スを提供する金融機関(登録銀行、認可保険会社およびノンバンク預金受入機関を含む。)に対して以下を要求する。
     ・ FMCA第6部に基づく認可を取得すること。
     ・ (顧客の利益を正当に考慮するなど、顧客を公平に取り扱うことを要請する)公平性原則を遵守すること。
     ・ 公正性原則を運用可能にするための効果的な公正性プログラムを策定、実施、維持および遵守すること、ならびに公正
       性プログラムの要約を発行すること。
     ・ 奨励金に対する規制を遵守すること。
     金融機関および仲介業者は、様々な義務違反に対する民事上の罰金といったFMCAの遵守や実施の手段の対象となる。認可金
    融機関は、問責等の許認可に関する措置および行動計画の実施の対象となる。
     これらの提案は広範な行為制度の基盤を形成することを意図しており、かかる制度は、時とともに拡大し、規制対象事業体
    に義務の拡大をもたらし得る。
    2003  年信用契約および消費者金融法の改正

     2019  年12月、信用契約法改正法(「CCLA法」)が施行された。CCLA法は、2003年信用契約および消費者金融法(「CCCFA」)
    に以下を含む複数の重要な変更を加えた。
     ・ 消費者信用契約上の債権者の取締役および上級役員の新たな義務として、当該債権者がCCCFAに基づく義務および責任を
       遵守することを確保するためのデュー・デリジェンスを実施する義務の導入。当該義務の不遵守に対する措置の案に
       は、遵守命令、民事上の罰金、法定の損害賠償および補償金の支払等が含まれる。
     ・ 貸し手の責任原則への違反に対する民事上の罰金および法定の損害賠償を含む強制規定の強化。
     ・ 貸し手に対する、責任ある貸付原則の一部の遵守ならびに信用手数料およびデフォルト手数料の計算方法に関する照会
       記録の保存の要求。
     ・ 電子的開示に関する規定を含む、開示方法に関する規定の改正。
     ・ 債権回収業者に対する、債権回収行為の開始時における債務者への重要な情報の開示の要求。
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     これらの改正は、2021年12月1日に発効した。ANZニュージーランド・グループでは、現在のCCCFAプロセスを更新しCCLA法
    の改正に対応した新たなプロセスを導入するために、業務計画を実行している。
    登録銀行によるRBNZの流動性方針の遵守についてのテーマ別レビュー

     2021  年9月、RBNZは、ニュージーランドで設立された銀行がBS13の要件を遵守しているか否かにかかるテーマ別レビューの
    調査結果を公表した。RBNZは、すべての銀行が流動性リスク・マネジメントのための明確な組織的ストラクチャーを備え、
    BS13の最低要件を超える内部リミットおよび測定を活用しており、日中の流動性の需要を把握するためにキャッシュ・ポジ
    ションをモニタリングしていることを見い出した。
     しかしながら、内部管理の脆弱性およびポリシー解釈における注意が不十分であることから生じている問題も判明した。そ
    の結果、ニュージーランドで設立された10大銀行は以下のことを要求された。
     ・ 個別のフィードバック・レターで指摘された調査結果のすべてについて対処する改善プランを作成すること
     ・ 流動性比率についての調査結果の影響の重大性評価を行うこと
     BS13  テーマ別レビューの結果により、今後行われるBS13のレビューのために情報を提供することも企図されている。ANZ
    ニュージーランドは、その受領した個別のフィードバックに対処する改善プランをRBNZに提出し、要求された重大性評価に取
    りかかった。ANZニュージーランドは、BS13テーマ別レビューの調査結果に対処するため、RBNZとの協働を継続している。
    サイバーレジリエンスに関するガイダンスおよび情報共有の協議

     2021  年4月、RBNZは、サイバーレジリエンスに関して、規制対象事業体(ANZニュージーランドを含む。)に対するRBNZの期
    待を概説するガイダンスを公表した。このガイダンスは、特に、取締役会および上級管理職のレベルで、金融セクターのサイ
    バーレジリエンスに対する意識を高め、最終的にはその強化を図ることを目的とする。このガイダンスは、主要な国際的およ
    び国家的なサイバーセキュリティの基準およびガイドラインに依拠しており、原理ベースの高水準の推奨事項を事業体に提供
    することを意図している。
     RBNZ  はまた、国家サイバーセキュリティ・センター、ニュージーランド・コンピューター緊急対応チームおよびFMAを含む他
    の関連政府機関との間での情報共有の促進を計画している。RBNZの情報収集および共有の計画の詳細は現在策定中であり、                                                         公
    衆からの意見聴取のために公表              されることになる。
    2020  年プライバシー法

     2020  年 プライバシー法(「プライバシー法」)が2020年12月1日に施行された。プライバシー法は、プライバシー委員の役
    割を強化し、また(ANZニュージーランドのような)個人情報を扱う組織による早期介入およびリスク管理を促進する。ANZ
    ニュージーランドに関係する主な変更点には以下が含まれる。
     ・ 重大な被害を引き起こす(またはその可能性がある)プライバシー侵害についてプライバシー委員および関係当事者へ
       通知する義務。これを通知しない場合は犯罪となり、違反1件につき10,000ニュージーランドドル以下の罰金が科され
       る。
     ・ 委員の権限により発するコンプライアンス通知およびデータアクセス通知。これらに従わない場合は10,000ニュージー
       ランドドル以下の罰金が科される。
     ・ 海外での情報開示に関する規制の導入。これには、ニュージーランド人の個人情報を受領する海外事業体がニュージー
       ランドの事業体と同程度のプライバシー保護を備えていることの確認要件が含まれる。
     プライバシー法は、「プライバシーの侵害」を理由として人権法廷に対してクラス・アクションを提起することも可能とす
    る。この法廷における損害賠償は、クラス内の各個人につき35万ニュージーランドドルが上限となる。
     プライバシー法は、ANZニュージーランドが顧客およびカウンターパーティーから受領する個人情報の取扱いに影響を与え
    る。ANZニュージーランドは、プライバシーの義務の遵守を確保するためのプロセスとコントロールを実施している。
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    債務返済能力および融資比率の制限に関するRBNZのコンサルテーション
     2021  年 6月、RNBZは、財務省と共有するマクロ・プルーデンス政策にかかる覚書は、可能な限り最初に住宅を購入する者へ
    の影響を回避するようにその実施を設計することを条件として、債務返済能力にかかる制限が含めるようにアップデートされ
    るだろうと発表した。債務返済能力にかかる潜在的制限には、借主の総収入総負債比率に基づいて借主への貸付を制限する返
    済負担率リミット、銀行が債務返済能力にかかる評価を行うために用いることのできる最低テスト金利を設定する金利フロア
    が含まれる。2021年11月、RBNZは、債務返済能力にかかる制限のコンサルテーションを開始した。コンサルテーションは、
    2022年2月に終了する予定である。
     2020  年 5月、RBNZは、住宅モーゲージ貸付にかかるローン資産価値比率(「LVR」)による制限を一時的に除外した。しか
    し、ニュージーランドの住宅市場の促進と住宅価格修正リスクの継続を受けて、COVID-19以前のLVRによる制限が再導入され、
    実質的に強化された。
     ・ 2021年11月から、ニュージーランドで登録された銀行は、LVR80%を超える「非資産投資住宅モーゲージ貸付」(標準的
       な住宅モーゲージ貸付で、所有者が占有している住宅用資産にのみ担保が設定されているもの)は、新しい非資産投資
       モーゲージ貸付の総ドル価値の10%までに制限しなくてはならない。
     ・ 2021年5月から、ニュージーランドで登録された銀行は、LVR60%を超える「資産投資住宅モーゲージ貸付」(標準的な
       住宅モーゲージ貸付で、非資産投資住宅モーゲージ貸付でないもの)は、新しい資産投資住宅モーゲージ貸付の総ドル
       価値の5%までに制限しなくてはならない。
    アメリカ合衆国(米国)

     ANZBGL   は、  米国連邦準備制度理事会(「FRB」)                 から金融持株会社(「FHC」)として取り扱われることを選択した。FHCは、
    FRBおよび米国財務省が本質的に財務的である、あるいはそれに付随していると決定した活動、ならびにFRBが財務活動を補完
    すると判断した活動に米国内で従事し、あるいは従事する企業を買収することを認められている。
     1956  年 銀行持株会社法(「BHC法」)の下で、FHCの活動は、当該FHC(ANZBGLの場合では、当グループのレベルであるいはそ
    のグアムおよび米国サモアにおける米国銀行子会社のレベルで)が「良好に経営されている」あるいは「資本が充実してい
    る」と言えなくなった場合、もしくは特定の資本水準を維持することを求める執行措置の対象となった場合に、または、その
    グアムおよび米国サモアにおける米国銀行子会社が地域再投資法上「並」以上の格付けを維持できなくなった場合に、制約の
    対象となる。FRBは、ANZBGLを含む、FHCを管轄する「包括的な」監督者である。
     ANZBGL   は、  1978年国際銀行法(「IBA」)を含む米国連邦法令に従う。IBAに基づき、在米の外国銀行のすべての支店および代
    理店は、米国銀行持株会社により所有または支配されている国内銀行に課せられているものと同様の報告および審査要件に従
    うものとする。連邦政府の認可を受けた支店は、主に米国通貨監督庁(「OCC」)の規制を受けることから、ANZBGLのニュー
    ヨーク支店(「ニューヨーク支店」)は、国内銀行に許可されている業務に従事することができるものの、ニューヨーク支店
    はリテール預金を受け付けることができず(法人預金および企業預金のみ受け付けることができ)、そのため連邦預金保険公
    社(「FDIC」)の監督対象ではない。グアムおよび米国サモアで営業する米国銀行子会社は、リテール預金を受け付けるた
    め、FDICの監督対象である。
     ニューヨーク支店を含む、外国銀行の米国支店および代理店の大半は、FRBの規制に基づき、預金に対する準備金要件の規制
    対象である。ニューヨーク支店は、一般的にその会計と記録を当グループのものとは別に維持する必要があり、OCCが規定する
    そのような追加要件に従う必要がある。IBAおよびBHC法は、当グループの米国におけるノンバンク業務に従事する能力にも影
    響する。
     IBA  の下で、非米国銀行の在米支店は、国内銀行と同じ範囲でOCCにより管財人の管理対象となる。監督官は在米支店の事業
    と財産を占有することがある。監督官は、法律や規制の違反および安全と健全性の違反に対処する広い範囲の監督および執行
    手段を自由に使うことができ、それは在米支店に対して課される場合がある。監督官は、在米支店の経営者を解任し、民事上
    の罰金を課することもある。状況によっては、監督官は自ら、あるいはFRBの勧告を受けて、在米支店の免許を剥奪することも
    ある。
     当グループは、2010年のドッド-フランク・ウォール・ストリート改革および消費者保護法(「ドッド-フランク法」)の一
    定の規定に従っている。ドッド-フランク法は、米国および世界の銀行業務の多くの側面を規制する。
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     BHC  法のセクション13及びその施行規則は通称を「ボルカー・ルール」といい、とりわけ、銀行およびその関連会社が一定の
    「自己勘定取引」に従事することを広く禁止し(ただし、引受け、マーケット・メーキング関連、リスク緩和ヘッジ業務など
    の一定の業務は許可する。)、一定の重要な例外および免除はあるが、プライベート・エクイティ・ファンドおよびヘッジ
    ファンドへの資金提供ならびに投資を制限する。
     その他のドッド-フランク法の規制は、非清算集中スワップおよび有価証券関連スワップについて最低限の証拠金の要件を課
    し、規制された取引プラットフォームおよび決済機関において標準OTCデリバティブを集中約定および集中決済することを要請
    し、特定の種類のデリバティブについてポジションの規模に制限を課し、取引データを規制されたスワップ・データ蓄積機関
    に報告することを要請し、ならびにOTCデリバティブ・ディーラーおよび主要な市場参加者の監督強化を規定している。ANZBGL
    は、商品取引法および商品先物取引委員会(「CFTC」)規則に基づく仮登録スワップ・ディーラーである。ANZBGLは、米国証
    券取引委員会(「SEC」)に登録された有価証券関連スワップ・ディーラーではないが、登録が必要となった場合または登録が
    適切と判断された場合は、登録を行うことがある。さらに、当グループ内の他の関連会社は、米国人であるカウンターパー
    ティーとのスワップ取引の水準次第で、スワップ登録の対象となる可能性がある。CFTCへの登録が必要とされなくても、その
    ような企業は、米国人であるカウンターパーティーとの取引に関連して、CFTCの規制要件の一部の対象となる可能性がある。
     2020  年 、CFTCは、クロスボーダー取引に関する規則を採択し、これは特に、CFTCがCFTCのものに相当すると決定した規制制
    度を有する非米国法域に所在するスワップ・ディーラーによる「代替的コンプライアンス」を許容する。CFTCは、従前、クロ
    スボーダー取引に関する規則の採択前に自らが発行したガイダンスに基づいてオーストラリアの法令の一定の側面に関してか
    かる決定を行っており、かかる決定は、新たな規則の下でも有効に存続する。かかる決定に基づき、ANZBGLは、非米国カウン
    ターパーティーとの米国外での取引に関連するCFTC規則の一定の側面に関して代替的コンプライアンスに依拠することができ
    る。
     米国の健全性規制機関およびCFTCは、決済されないスワップおよび証券派生スワップの取引に当初および変動証拠金要件を
    課す規則を実施した。ANZBGLは、FRBの監督に服し、OCCにより規制されるニューヨーク支店を運営していることから、FRB、農
    業金融局、FDIC、連邦住宅金融庁およびOCCが公布した非清算集中スワップの証拠金に関する規則を遵守する必要がある。これ
    らの規則により、対象のカウンターパーティーとの対象の取引に関して当初および変動証拠金を収取および預託することを求
    める要件が課されている。健全性規制機関およびCFTCの規則はまた、ANZBGLのような非米国スワップ・ディーラーが、一定の
    分野の取引およびカウンターパーティーに関して、健全性規制機関およびCFTCの証拠金に関する規則の代わりに非米国法域の
    適用ある法律を遵守し、またはその他の方法で米国の証拠金に関する規則を遵守しないことを認めている。
     ドッド-フランク法はまた、ANZBGLが破綻処理計画をFRBおよびFDICに提出することも要求する。ANZBGLは、直近の米国破綻
    処理計画を2018年12月に提出している。ANZBGLはまた、レギュレーションYYのサブパートNに基づく「強化された健全性規
    制」の対象にもなっており、これはドッド-フランク法第165節に基づき導入され、財務およびリスク監視要件の遵守の四半期
    ごとおよび年1回の証明を求めている。2019年10月、FRBおよびFDICは、外国の銀行組織の米国での事業規模およびリスク・プ
    ロファイル次第でそれらに適用される、破綻処理計画の策定について個別適合的な要件を適用する最終規則および強化された
    健全性基準の修正を発行した。               最終規則の下では、ANZBGLは、次回は2022年7月1日までに簡易な破綻処理計画の提出を求め
    られることになる。
     ANZBGL   は、  ANZセキュリティーズ・インク(「ANZSI」)を通じて米国における債券資本市場の活動を行っている。ANZSIは、
    SECの認可を受けたブローカーディーラーであり、SECおよび金融業規制機構(「FINRA」)の監督下にある。また、ANZSIは、
    事業を行っている州および地域でライセンスを取得している。SECおよびFINRAにおいては、ANZSIに適用ある広範な遵守事項が
    あり、これには、記録の維持、取引および通信のモニタリング、ANZSIの従業員の監督、内部方針および手続、ならびにANZSI
    の日常業務を規律するその他多くの事項が含まれる。ANZSIは、その業務についてSECおよびFINRAによる定期的なレビューを受
    けている。
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     米国の外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)は、金融機関に、特定の顧客デュー・デリジェンスを実施し、米国市民ま
    たは課税上の米国居住者である口座保有者(一定の者についてはその実質的所有者を含む。)の情報を、直接または現地税務
    当局を経由して、米国連邦税務当局である内国歳入庁に提供することを求める。必要な顧客データ収集デュー・デリジェンス
    および口座保有者情報の提供が実施されず、適用ある要件を満たす方法および形式で提供されない場合、当グループおよび/
    または当グループ内のメンバーの口座に資産を保有する者は一定の金額に関して30%の源泉徴収の対象となる可能性がある。
    かかる源泉徴収は現在、米国内の源泉からなされた一定の支払に対してのみ適用される可能性があるが、「外国でのパスス
    ルーの支払」という用語を定義する米国の最新の規則が制定された日の2年後の日より前に行われた米国外の源泉からなされ
    た支払にはかかる源泉徴収税は課されない予定である。現在、「外国でのパススルーの支払」の定義案または最終の定義は存
    在せず(法令上の要件および時間枠は変わりうるが)、そのため一定の支払が外国でのパススルーの支払として扱われる可能
    性があるか否かは不明である。
     以上の議論は、一定の手取金総額の支払について源泉徴収を行わず、米国外からの支払に対する源泉徴収の発効日を遅らせ
    る米国の規制案を反映したものである。米国財務省は、納税者は規制案に依拠できる旨を述べている。以上の議論は、現在の
    内容で規制が最終化され、遡及的に適用されることを前提としている。
     FATCA   に加え、米国は、一定の状況において当グループに一定の情報を米国支払人(源泉代理人、                                          カストディアン       など)に提
    供することを求める可能性があり、当グループおよび/またはその顧客は、当グループが当該情報を適用ある規則および規制
    を遵守して提供しなかった場合、源泉徴収の適用を受ける場合がある。さらに、当グループが求められた情報を提供したとし
    ても、一定の米国からの支払に対してはなお源泉徴収の適用がありうる。
     当グループはまた、ANZBGLが営業を行う国が米国との政府間協定の締結および施行を行わず、その国においてFATCAの遵守を
    妨げる現地法上の障害がある場合には、多大な源泉徴収エクスポージャーおよびその他の営業上の影響といったより広範なコ
    ンプライアンス上の問題に直面する可能性がある。
     金融機関に影響を及ぼしている米国政府政策の主な焦点の1つは、マネーロンダリング、テロリストの資金調達および米国
    の制裁への違反に対抗することである。2001年テロリズムの阻止と回避のために必要な適切な手段を提供することによりアメ
    リカを統合し強化        するための法律(「愛国者法」)は、著しいコンプライアンスとデュー・デリジェンスの義務を課し、犯罪を
    確認し、罰則を規定し、米国外における管轄権を拡大することによって、米国マネーロンダリング防止法の範囲を大幅に拡大
    した。米国財務省は、愛国者法の様々な要件を実施する数々の規制、および制裁に関するその他の米国法を発表し、それは
    ANZBGLの米国ブローカーディーラー子会社、ニューヨーク支店ならびにグアムおよび米国サモアで営業するANZBGLの銀行子会
    社などの外国銀行の子会社および支店を含む米国金融機関に適用される。
     それらの規制は、米国内で事業を行っている金融機関に、マネーロンダリングとテロリストの資金調達を特定、阻止、報告
    するとともに顧客の身元を確認する適切な方針、手続き、管理を維持するよう求める。それらの規制はまた、米国内の金融機
    関に対して、米国の制裁制度を遵守して業務を行うよう求める。さらに、米国銀行規制機関は、より高い基準を課し、米国法
    執行機関は、より積極的な役割を果たしてきており、その結果、当該事項の執行が強化されている。他のグローバルな金融機
    関に対する執行処分決定には、多額の罰金の支払、将来の事業運営に関する合意、関係者の処分などが含まれている。金融機
    関が、マネーロンダリングとテロリストの資金調達に対抗する適切な方針と手続きを維持、実施できず、また米国の制裁制度
    を遵守できない場合、金融機関にとって法的および評判上深刻な結果を招くことがあり、さらに民事上、金銭上および刑事上
    の罰則処分を課される結果となることもある。
     2021  年 1月、2020年マネーロンダリング防止法(「AMLA」)が立法された。AMLAでは、米国マネーロンダリング法制を包括
    的に改革し最新化することが企図されている。とりわけ、AMLAは、金融機関のマネーロンダリング防止のコンプライアンスに
    ついてリスクベース・アプローチを条文化し、マネーロンダリング防止コンプライアンスのための評価技術および内部手続の
    基準を米国財務省が発展させることを要請し、執行および調査に関連する権限の拡大(一定の違反に対して適用可能な制裁措
    置の大幅な拡大を含む。)を行うものである。AMLAの多くの条文は、追加的な規則制定、報告その他の措置を必要としてお
    り、AMLAの効果は、とりわけ、規則制定および施行ガイダンスの影響を受けるであろう。
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    その他の監督機関
     当グループは、普通株式をASXおよびNZXに上場しており、その他の持分証券および債券をこれらの証券取引所およびその他
    一定の海外の証券取引所に上場している。これにより、当グループは、オーストラリア、ニュージーランドおよび海外の様々
    な上場ならびにコーポレート・ガバナンスの要件を遵守しなければならない。
     APRA  がANZBGLおよびその支店業務を対象に行う健全性自己資本監督ならびに上記の監督および規制の詳細に加えて、すべて
    のANZBGLのオフショア支店および銀行子会社の現地での銀行業務は、それぞれの監督機関による現地国の監督に従う。例えば
    RBNZ、OCC、FRB、英国健全性規制機構、シンガポール通貨監督庁、香港金融管理局、中国銀行保険規制委員会ならびにこれら
    の諸国および他の関連諸国のその他の金融監督機関である。これらの監督機関は、とりわけ、それぞれの管轄法域におけるこ
    れらの業務に対し、最低自己資本金要件を課す可能性がある。
     当グループはまた、営業を行うすべての国の現地法における、マネーロンダリング防止および対テロ資金に関する一定の法
    規制を   遵守することを求められる。
    (7)   競  争

    オーストラリア
     オーストラリアの銀行業界は集中しており、競争が激しい。2021年9月30日現在、オーストラリアの4つの主要な銀行グ
    ループ(ANZグループ、オーストラリア・コモンウェルス銀行、ナショナル・オーストラリア銀行およびウェストパック・バン
    キング・コーポレーション)がオーストラリアで営業を行う公認預金受入機関(「ADI」)のオーストラリアの貸付資産総額の
       (1)
    約72%    を保有していた。規模の小さい地方銀行の業務運営は、典型的には、特定の州または地域の顧客へのサービス提供に
    焦点を絞っており、リテール銀行業務に重点を置いている。多くの国際銀行もオーストラリアで銀行サービスを提供してお
    り、一般的にこれらの銀行はリテールまたは法人市場の特定の部門に重点を置き、かかる部門において若干のシェアを占めて
    いる。
     1980  年 代初頭のオーストラリアの金融制度の規制緩和は、4大銀行グループと選択的な市場で競争する銀行金融機関および
    非銀行金融機関の急増につながった。住宅金融組合や信用組合などのノンバンク仲介機関は主に預金受入および住宅ローン貸
    付の分野で競争する。大手住宅金融組合のうちいくつかは、1959年銀行法(オーストラリア連邦)(「銀行法」)の下で、銀
    行業免許を付与されている。専門的な銀行以外の住宅ローン貸付業者および直接的な(支店以外の)銀行業務もまた近年にお
    いてより重要になっている。
     競争は歴史的に住宅ローン市場においてより激しい。競争は、当初は担保付住宅ローン・オリジネーターの増加、その後は
    担保付住宅ローン・ブローカー業界の成長からもたらされた。ノンバンクのオリジネーターが近年活発化し、このことは、規
    制された市場に比して、大幅に低い市場シェアベースからではあるが、ノンバンクのオリジネーターおよび規制されていない
    市場の成長率に反映されている。大手銀行を含む住宅ローンの提供者は、新規貸付市場およびリファイナンス市場のいずれに
    おいても、広告された料率を下回る大幅なディスカウントを行うことにより活発に競争している。
     オーストラリアのリテール預金市場もまた、資金調達を支えるための信用の伸び増加および貸付需要増の時期には特に、競
    争が激しい。リテール顧客の銀行預金に対するオーストラリア政府保証は、世界金融危機の最中の2008年に導入され、大手
    オーストラリア銀行への預金の増加およびその他預金ファンド提供者への預金の減少をもたらした。オーストラリア政府保証
    は、オーストラリアの預金受入機関の預金およびホールセール資金調達に係る保証の提供を可能とするためにオーストラリア
    政府によって発表された一時的措置に依拠している。さらに、金融サービス・セクターの変化により、ノンバンクでも、従来
    銀行が   様々な(物理的およびオンラインの)流通チャネルを通じて                            提供してきた商品およびサービスを提供することが可能に
    なっている。
     コーポレートおよび商業銀行業においては、大手銀行、地域銀行およびその他の商業銀行全体で依然として競争が激しい。
    事業投資が引き続き低調であることから信用の需要は減少しており、このことは、顧客とのリレーションシップ維持および深
    耕のさらなる重視とともに、貸付利鞘への圧力をより高めている。
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     法人市場において、競合他社はその顧客基盤の質、認知された技術の組合せ、体系化されたソリューションおよび価格設
    定、顧客の洞察力、評判およびブランドにより評価を獲得する。オーストラリア国内市場においては、大手中堅企業および大
    企業の顧客レベルでの競合他社は一般に、オーストラリア大手銀行、少数の世界的な投資銀行ならびに現地市場を超越してい
    る少数のアジア銀行およびニッチ分野に力を入れている巨大多国籍銀行コングロマリットのブティック型事業である。
     銀行業界は、顧客のニーズおよび変化する顧客の選好に応えるために、引き続き新しいデジタル商品およびデジタル・サー
    ビスのソリューションとともに進化を続けている。革新的なデジタル・ソリューションへの需要は、特にリテール銀行業にお
    いて、銀行業界への既存参入者と新規参入者とのさらなる競争に寄与している。
     さらに、COVID-19のパンデミックおよび将来の経済状況は、当グループが中期的に事業を展開する市場における金融仲介業
    者の数をさらに減少させる効果をもたらす可能性がある(詳細については、「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主
    なリスクおよび不確実性-当グループの事業の活動および業界に関するリスク-3当グループが業務を行う市場における競争
    は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)。ただし、中期的な競争水準の低下にはつ
    ながらない可能性がある。
     オーストラリアのオープン・バンキング法は、商品とサービスを比較し切り替える消費者の能力を向上させることを目的と
    する。これにより、オーストラリアの銀行業界への新規参入者に対する障壁が削減され、競争が激化する可能性がある。
     (1)  出典:   APRA2021年9月の月次公認預金受入機関統計(2021年10月29日公表)。

    ニュージーランド

     当グループが営業を行うニュージーランドの金融サービス・セクターは非常に集中しており、また非常に競争が激しい。ANZ
    の主な競合他社は、ASB銀行、ニュージーランド銀行、ウェストパック・バンキング・コーポレーション/ウェストパック・
    ニュージーランドという他の3大銀行である。これらの各銀行は、オーストラリアの大銀行の子会社または支店である。これ
    らの銀行は、個人から大企業まであらゆる顧客セグメント全体に関与する。
     競争はまた、その他銀行の特定の事業セクターにも存在する。キウィ銀行は、リテール・セクターにおいて活動し、ラボバ
    ンク・ニュージーランドは、リテール預金および農業貸付市場において活動する。ハートランド、TSBなどの地方銀行は、リ
    テール・セクターでの競争力を高めている。シティグループ、HSBC、ドイツ銀行などの国際的な銀行は、法人市場に限定的に
    参加している。2013年末以降、ニュージーランドではまた、中国工商銀行、中国建設銀行および中国銀行が、ニュージーラン
    ドにおいて登録銀行となった。これらの銀行の重点は住宅貸付および事業貸付に置かれているようであるが、当該セグメント
    におけるこれらの銀行の市場シェアは、依然として小さい。
     歴史的に、ニュージーランドのリテール預金市場は競争が激しい。しかし、最近では、ニュージーランドのCOVID-19からの
    景気回復を支えるためにRBNZが導入した大規模な資産購入プログラムにより、銀行が預金として利用できるニュージーランド
    の銀行業界内の資金量が増加したため、預金獲得競争は緩和されている。2021年9月30日現在、住宅ローン市場が登録銀行に
    よるニュージーランドでの貸付の半分以上を占めており、この市場が競争における主要分野である。
     近年、ニュージーランドではノンバンクのオリジネーターの活動が活発化しているが、総資産における成長率はオーストラ
    リアなどの海外市場と比較して低くなっている。このことは、ニュージーランドの銀行が他の海外市場の銀行と比較して地域
    社会をより肯定的に捉えているといった要素や、ニュージーランドでは顧客データの開示を義務付ける法律が限られているこ
    とによるものであろうと当グループは考えている。COVID-19のパンデミックにより、顧客の実店舗からオンラインやデジタ
    ル・サービスへの移行が促進されており、これにより金融サービス・セクターにおける新たなプレーヤーの出現が促される可
    能性がある。2021年9月30日現在、ノンバンク・セクターは金融制度の資産合計の約3%を占めていた。
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     COVID-19    の パンデミックへの対応として、またニュージーランド国民を支援するために、ニュージーランド政府は、ANZ
    ニュージーランドを含むすべての主要銀行との提携による住宅ローン返済猶予制度および事業融資保証制度(「BFGS」)を発
    表した。住宅ローン返済猶予制度および事業融資保証制度の詳細については、                                     「(6)監督および規制-           ニュージーランド         -
    ニュージーランドの規制上の動向-COVID-19の                      パンデミック      への規制上の対応その他の動向」                を参照のこと。COVID-19のパン
    デミックその他の将来起こり得る経済的混乱は、規制および金融政策の変更、資金調達コストおよび資金供給の増加、構造的
    な低金利、不十分な流動性、事業継続計画の実施、ならびに事業戦略の変更により、ニュージーランドの金融サービス・セク
    ターにおける競争に中期的な影響を与える可能性がある。
    アジア

     アジアにおける銀行業は、非常に競争が激しい。多数のグローバル銀行(例:シティバンク、HSBCおよびスタンダード
    チャータード)ならびに地域銀行(例:DBSバンク、CIMBおよびメイバンク)が、各市場の地方銀行に加えて本地域で営業して
    いる。特に法人部門における、当グループの最も活発な競合他社には、グローバルな投資銀行ならびに中国および日本の大手
    銀行が含まれる。
     当グループは、現在、アジアの多数の国において、法人銀行業ならびに地域のトレードおよび資本フローによる顧客への金
    融ソリューションの提供に焦点を絞って営業を行っている。当グループは、地理的対象、オーストラリアおよびニュージーラ
    ンドの国内市場における強み、ならびに顧客、産業および商品に係る専門化(マーケッツおよびトランザクション・バンキン
    グを含む。)への的を絞った集中により、地域を超えて競合他社との差別化が可能になると確信している。
     競争は引き続き活発であり、多数の銀行がこの地域の成長機会を支援するためにバランスシートの一部を投じたいという意
    欲を示している。このことは、アジアにおける法人貸付の純預貸利鞘が、オーストラリアおよびニュージーランドにおける類
    似の貸付における純金利マージンよりも一般に低水準であることに寄与している。アジアにおける競争は、他の市場よりも強
    固な経済成長の予測を伴って活発化し続けることが見込まれ、このことはアジアへの継続的な投資を誘引すると当グループは
    考えている。
     当グループは、法人顧客に対して幅広い一連の金融サービスを提供するが、アジアにおけるリテール市場または商業市場に
    おける銀行となることは目指していない。
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    4【関係会社の状況】
    (1)親会社
       該当事項なし。
    (2)被支配法人

       当グループの主要な被支配法人(2021年9月30日現在)は以下のとおりである。
                                                       議決権の

                                                    (1)
                                                帳簿価額
    名  称                           事業の内容        設立地                所有割合
                                                (単位:千ドル)
                               銀行業        ベトナム           204,731     100 %
                  (2)
    ANZ バンク(ベトナム)リミテッド
    ANZ ケーペル・コート・リミテッド                         証券化マネージャー        オーストラリア            17,700     100 %
    ANZ ファンズ    Pty  Ltd                    持株会社        オーストラリア          13,432,005      100 %
                               銀行業        キリバス            5,400     75 %
                  (2)
     ANZ バンク(キリバス)リミテッド
                               銀行業        サモア            17,565     100 %
                  (2)
     ANZ バンク(サモア)リミテッド
                               銀行業        タイ           766,717     100 %
                           (2)
     ANZ バンク(タイ)パブリック・カンパニー・リミテッド
                               持株会社        ニュージーランド                100 %
                          (2)
                                                 10,253,320
     ANZ ホールディングス(ニュージーランド)リミテッド
                               銀行業        ニュージーランド                100 %
                       (2)
                                                 11,619,453
      ANZ バンク・ニュージーランド・リミテッド
                               資産運用        ニュージーランド              #   100 %
       ANZ インベストメント・サービシズ(ニュージーランド)
            (2)
       リミテッド
                               ファイナンス        ニュージーランド             477   100 %
                             (2)
       ANZ ニュージーランド(インターナショナル)リミテッド
                               持株会社        ニュージーランド                100 %
                        (2)
                                                  119,460
       ANZ ウェルス・ニュージーランド・リミテッド
                               資産運用        ニュージーランド           124,134     100 %
        ANZ ニュージーランド・インベストメンツ・リミテッド
        (2)
                               ファイナンス        ニュージーランド              #   100 %
                           (2)(5)
       ANZ ニュージーランド・        カバード・ボンド・トラスト
                               持株会社        シンガポール              #   100 %
                         (2)
     ANZ インターナショナル・プライベート・リミテッド
                               マーチャント・        シンガポール            56,140     100 %
                 (2)
      ANZ シンガポール・リミテッド
                               バンキング業務
                               持株会社        香港            69,007     100 %
                      (2)
     ANZ インターナショナル(香港)リミテッド
                               銀行業        香港                100 %
               (2)
                                                   55,401
      ANZ アジア・リミテッド
                               銀行業        バヌアツ                100 %
                   (3)
                                                   20,372
      ANZ バンク(バヌアツ)リミテッド
                               自家保険        シンガポール           102,242     100 %
                            (2)
     ANZ カバー・インシュアランス・プライベート・リミテッド
    ANZ レンダーズ・モーゲージ・インシュアランス                 Ptyリミテッド        抵当保険        オーストラリア           398,296     100 %
                               ファイナンス        オーストラリア              #   100 %
                       (5)
    ANZ レジデンシャル・カバード・ボンド・トラスト
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク                           銀行業        中国          1,121,161      100 %
                   (2)
    (チャイナ)カンパニー・リミテッド
                               銀 行業       パプアニューギニア            40,288     100 %
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・
               (2)
    グループ(PNG)リミテッド
                               銀行業        中国            5,011    100 %
             (2)
    重慶市梁平    ANZ 農村銀行
                               持株会社        グアム            40,692     100 %
               (4)
    シティズンズ・バンコープ
                               銀行業        グアム            59,370     100 %
            (4)
     ANZ グアム・インク
                               銀行業        インドネシア           262,460     99 %
              (2)
    PT バンクANZインドネシア
      #   500  ドル未満。

    注:  (1)  帳簿価額=当該被支配法人の直接の親会社であるANZグループ会社が保有する投資の帳簿価額。これは「第6 経理の状況-1 財務書類」の
        2021年度財務書類において報告されている被支配法人の純資産の帳簿価額ではない。
      (2)  当グループ監査の一環として、または単体財務書類に必要であるため、海外のKPMGによる監査を受けている。
      (3)  ロー・パートナーズによる監査を受けている。
      (4)  デロイト・グアムによる監査を受けている。
      (5)  当グループは所有していない。当グループが事業のほぼすべてのリスクおよび経済価値を留保する場合、支配が存在する。
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    (3)関連会社
       当グループの重要な関連会社             (2021年9月30日現在)           は以下のとおりであ         る。
                                              (1)

                                                    議決権の
                                          帳簿価額
                                 主たる事業所
     名称                  事業の内容          および設立地        ( 単位:百万ドル)          所有割合
     AMMB  ホールディングスBerhad                銀行業務および保         マレーシア               719        22 %
                       険
     PT  バンク・パン・インドネシア                 個人および企業向         インドネシア              1,210         39 %
                       け銀行
     注 : (1)  関連会社に対するANZの出資の持分法による帳簿価額。

     当グループの関連会社の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記26を参照のこ

    と。
    5【従業員の状況】

     2021年9月30日現在、ANZはフルタイム換算(FTE)基準で4万221名(2020年9月:3万8,579名)の従業員を雇用してい
    た。
                                          年度

                                  2021  年      2020  年
      部門別                            9月終了        9月終了       増減率
      オーストラリア・リテールおよび商業                             14,480        14,078        3 %
      法人                              5,332        5,291        1 %
      ニュージーランド(1)                              7,060        6,679        6 %
      パシフィック                              1,089        1,113       -2 %
      TSO  およびグループ・センター(1)                            11,723        10,345        13 %
      継続事業におけるFTE合計                             39,684        37,506        6 %
      非継続事業(2)                               537       1,073       -50  %
      FTE  合計(非継続事業を含む。)                            40,221        38,579        4 %
      平均FTE(継続事業)                             38,043        37,728        1 %
      平均FTE(非継続事業を含む。)                             38,813        38,976         0%
                                          年度

                                  2021  年      2020  年
      地域別                           9月終了        9月終了        増減率
      オーストラリア                             19,552        18,689        5 %
      アジア、太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ                             13,196        12,680        4 %
      ニュージーランド                              7,473        7,210        4 %
      FTE  合計                            40,221        38,579        4 %
      注:(1)    FTEは、ニュージーランドのテクノロジー業務をTSOおよびグループ・センター部門からニュージーランド

          部門に移転したことを反映するために再表示されている(2020年9月:918人)。
        (2)  非継続事業におけるFTEは、配賦法に従った売却事業に従事するスタッフの見積りに基づいており、当グ
          ループに留まって売却事業の買い手への移行に従事しているスタッフを含む。
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    労使関係
    オーストラリア
     オーストラリアにおいては、大半の非経営陣の雇用条件は給与を含めて団体企業労働協約(「EBA」)の一部として労働組合
    と経営陣との間で交渉することができる。ただし、従業員の過半数の賛成を条件とする。
     ANZ労働協約2015-2016年(オーストラリア)は、2015年12月29日に開始した。同協約は89%の大多数の従業員がこれを承認
    した従業員投票を受けて、公正労働委員会により承認された。同協約はANZ労働協約2013-2014年(オーストラリア)に代わ
    り、ANZのオーストラリアのグループ4、5および6の従業員(すなわち中間管理職および非管理職従業員)のための雇用の最
    低雇用条件を定める。同協約はまた、2015年度および2016年度の業績・報酬検討に関する適格な「非市場評価の」オーストラ
    リアのグループ5および6の従業員(すなわち非管理職従業員)の賃上げの取決めも定め、これらの従業員に適用される給与
    の幅を含む。
     2017  年9月19日、94%の大多数の従業員が、同協約を1年間延長し、2017年度の業績・報酬検討に関する適格な「非市場評
    価の」オーストラリアのグループ5およびグループ6の従業員(すなわち非管理職従業員)の賃上げを定め、かかる従業員の
    給与の幅を盛り込んだ同協約の修正案を承認した。公正労働委員会は、2017年10月31日にこの修正を承認した。同協約の賃上
    げ条項が現在は失効していることを受けて、2018年、2019年、2020年および2021年において適格な「非市場評価の」オースト
    ラリアのグループ5および6の従業員(すなわち非管理職従業員)の賃上げは同協約外で管理されたにもかかわらず、本書提
    出日現在、同協約は引き続き適用されており、今後も無期限に適用される。
     オーストラリアにおいて、経営陣と労働組合との間の重大な紛争はない。
    ニュージーランド

     ニュージーランドの従業員の過半数は個人の雇用契約によりカバーされている。FIRSTユニオンとANZの団体労働協約は、
    ニュージーランドの従業員の約12%をカバーし、2020年8月1日付で更新され、2022年7月31日まで有効である。
     経営陣と労働組合との間でいかなる重要な紛争も存在していない。
    アジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ

     アジア太平洋、ヨーロッパまたはアメリカ地域にあるいずれかの国において、経営陣と労働組合との間の重大な紛争はな
    い。
    年金制度

     当グループは世界中で多数の年金、老齢退職年金および退職後医療給付制度を設定している。ANZの老齢退職年金債務の詳細
    については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記30を参照のこと。
    従業員株式

     ANZは、ANZ従業員株式購入制度およびANZ株式オプション制度に基づき運営される多数の従業員株式およびオプション制度を
    運営する。ANZの従業員株式およびオプション制度の詳細については、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書
    類の注記31を参照のこと。
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    第3【事業の状況】
    1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

     上記「第2 企業の概況-3 事業の内容」および下記                          「2 事業等のリスク」を参照のこと。本項は本書の表紙(注)4.
    に記載の「将来に関する記載」に関する説明とあわせて検討されるべきである。
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    2【事業等のリスク】
    (1)リスク
     COVID-19    のパンデミックは、当グループの事業環境に引き続き影響を及ぼしている。当グループのリスク管理の枠組みは、
    この困難な時期において当グループの対応を支え、健全なリスク管理慣行の維持を可能にしている。
    当グループのリスク管理の枠組み

     取締役会は、当グループの基礎となるシステム、構造、方針、手順、プロセス、および人材を支柱に据えた当グループのリ
    スク管理の枠組み(RMF)を設定し、かつ監督することに最終的な責任を負う。取締役会は、当グループのリスク管理方針の遵
    守を推進し、監視する権限を取締役会リスク委員会(BRC)に対して委任している。同委員会は、その活動について取締役会に
    定期的に報告を行う。当グループのRMFの主柱となるものには以下が含まれる。
    ・ 当グループの目的と戦略を要因として生じるリスクを管理するためのアプローチおよびかかる戦略を実現するRMFの主な要
     素を記したリスク管理報告書(RMS)。RMSには、当グループの目的と戦略を支援するリスク部門の構造、銀行役員説明責任
     制度(BEAR)に基づく当グループの説明責任者としての当グループ最高リスク責任者の所定の責任の遂行、戦略的優先事項
     を実現するために従業員に求められる価値観、態度および行動、重要なリスクそれぞれの内容、ならびに関連する方針、基
     準および手続きに準拠した各リスクに対するRMFにおける対処方法についての概要が含まれる。また、重要なリスクの当グ
     ループによる特定、測定、評価、監視、報告の方法およびその後のそれらのリスクの管理または軽減の方法に関する情報も
     含む。
    ・ 重要な各リスクについて、利害関係者、預金者および顧客の利益を考慮の上、当グループが戦略的目標および事業計画の
     達成に向かうにあたって受け入れる意思があるリスクの最大レベルに関する取締役会の予想を記載しているリスク選好報告
     書(RAS)。
    ・ 当グループの組織文化の重要な構成要素であり、当グループのRMFの本質的な部分をなすリスク文化。
     当グループは、全員がリスクの責任を負うという文化の定着を促すリスク管理に関する3つの防衛線モデルを採用してい
    る。
     1番目の防衛線としての事業においては、日常的にリスクと制御に当事者意識を持つ責任と、RMFの継続的な実施と維持に対
    する説明責任を負う。
     2番目の防衛線は当グループのリスク(コンプライアンスを含む。)チームであり、当グループのリスク・プロファイルお
    よびRMFに対する独立した監視を行う。
     最後の防衛線は内部監査であり、当グループのRMFの妥当性、有効性および適切性に対する独立した評価および保証を与え
    る。
     リスク管理のガバナンスおよび監視は、日々の活動に組み込まれている一方で、当グループ全体にわたって委員会および定
    期的なフォーラムにおける重要な取り組みとなっている(下図を参照のこと)。委員会およびフォーラムにおいては、既知の
    問題の対処にあたっての管理プランの見直しと進行状況の監視を行い、既知および新規のリスクについての議論と監視を行
    う。
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    主要な重要なリスク
     以下は、当グループのリスク管理戦略に基づく当グループが直面する重要なリスクと、これらのリスクの管理方法の要約で
    ある。リスク管理戦略の年次レビューの一環として、プロファイルと成熟度を向上させ、より良い慣行に準拠し、当グループ
    にとって重要な義務や重要なリスクを特定することを目的としたコンプライアンス・リスクとオペレーショナル・リスクの戦
    略の方向性に従うため、コンダクト・リスクを主要な重要リスクとして分類した。
     リスクの種類                内容                     リスク管理

     自己資本充実        当グループの連結業務およびリスク選好                    当グループは、主要方針目標に照らした資本基盤の
     リスク        度を支援するための、健全性規制当局お                    水準と構成の継続的な審査および取締役会の承認を
             よびその他の主要な利害関係者(株主、                    通じて、預金者、債権者および株主の利益の保護を
             債券投資家、預金者および格付会社等)                    目的とした自己資本管理に対する積極的な取組みを
             が要求する自己資本水準を当グループが                    進めている。
             維持できない場合に発生する損失に関す
             るリスクである。
     コンプライア        当グループの事業に適用される法律、規                    当グループのオペレーショナル・リスクおよびコン
     ンス・リスク        則、業界基準および規約、内部方針およ                    プライアンスの枠組みの一部としてコンプライアン
             び内部手続きならびに最良ガバナンス原                    ス・リスクを管理する手法の主要な特徴には、以下
             則の不遵守に関するリスクである。                    のものが含まれる。
                                  ・ グローバル・オブリゲーション・ライブラ
                                    リーによる主要な義務の一元管理により、義
                                    務の新設・改訂に対して当グループに変更管
                                    理能力を与え、規制や事業環境の変化の特定
                                    に重点を置くことで、新たに発生するコンプ
                                    ライアンス・リスクの事前の評価を可能にす
                                    る。
                                  ・ 適時にインシデント/違反を特定、管理およ
                                    び報告する当グループの能力を向上させる独
                                    立の要素としてのインシデント管理の認識
     信用リスク        以下の結果生じる財務損失に関するリス                    当グループの信用リスクについての枠組みはトップ
             クである。                    ダウン構造で、信用原則および信用指針により定義
              ・ カウンターパーティーが債務履行                   づけられている。与信の政策、要件および手続き
                を怠る。                 は、初期承認およびリスクのグレード化から継続的
              ・ カウンターパーティーの信用の質                   な管理および問題債権の管理まで、与信のライフ・
                が低下し、そのことにより財務損                 サイクルにわたってあらゆる面を網羅している。
                失が生じる。
             信用リスクは、気候変動による、または
             カーボン・プライシングおよび気候変動
             適応政策または緩和政策を含む法令の改
             正または政府もしくは規制当局が採用す
             るその他政策の変更による影響を受ける
             可能性がある企業顧客およびリテール顧
             客に当グループが行う貸付に関連したリ
             スクを含む。
     流動性および        以下を含む、期日が到来した支払債務を                    当グループの流動性および資金調達リスクの管理に
     資金調達リス        当グループが履行できないリスクをい                    おける主要な原則には以下が含まれる。
     ク        う。                     ・ ANZの短期流動性シナリオのモデル化がなさ
              ・ 預金者への返済またはホールセー                      れており、複数の「維持可能期間」に対する
                ル債券の満期償還                    キャッシュフロー予測に重点が置かれてい
              ・ 資産を増額する資金調達を行う当                      る。かかる期間にわたり当グループはキャッ
                グループの能力が不十分                    シュフローのプラス値を維持することが要求
                                    される。
                                  ・ 長期シナリオは、バランスシート上の構造的
                                    な流動性ポジションを測定するよう設定され
                                    ている。
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     市場リスク        以下に起因する当グループの利益に対す                    当グループは、トレーディングおよびバランスシー
             るリスクをいう。                    ト取引の支援のために詳細な市場リスク管理および
              ・ 金利、外国為替レート、信用スプ                   統制の枠組みを有しており、この枠組みには、ト
                レッド、ボラティリティおよび相                 レーディングおよびバランスシートのポートフォリ
                関関係の変動、または                 オにおける市場リスクの大きさを定量化するための
              ・ 債券価格、コモディティ価格もし                   独立したリスク測定アプローチが組み込まれてい
                くは株価の変動                 る。このアプローチは、関連する分析とともに、一
                                 定の期間に予想できる、可能性のある結果が及ぶ範
                                 囲を特定し、それらの結果の可能性を確定し、これ
                                 らの活動を支援する適正な額の資本の割り当てを行
                                 う。
     オペレーショ        不適切または機能不全の内部プロセス、                    当グループは、基本的なオペレーショナル・リスク
     ナル・リスク        人員およびシステム、または外生的事象                    方針としてオペレーショナル・リスク・アプローチ
             に起因する損失リスクおよび/または法                    を採っている。オペレーショナル・リスク・アプ
             の不遵守リスクである。法的リスクおよ                    ローチとそれを支える要件には、オペレーショナ
             びレピュテーション(評判)の損失のリ                    ル・リスクの管理と測定、法律、規制、業界標準、
             スクまたは不適切もしくは機能不全の内                    グッドガバナンスの規範と原則ならびに社内方針と
             部プロセス、人員およびシステムから生                    手順の遵守が含まれる。当グループでは、オペレー
             ずる損害を含むが、戦略リスクは含まな                    ショナル・リスクと義務の管理にリスクベースのア
             い。                    プローチを採用している。これにより、オペレー
                                 ショナル・リスクに関連するリスク・エクスポー
                                 ジャーの事前の特定、評価、管理、報告およびエス
                                 カレーション(上長への報告)を一貫して行うこと
                                 ができるとともに、当グループが事業を行っている
                                 各法域の特定の義務を遵守することができる。
     戦略的リスク        組織の事業戦略および戦略目標に影響を                    戦略リスクは、取締役会の承認を経て、グループ経
             及ぼし、またはそれらによって生成され                    営委員会により管理された年間の戦略計画策定プロ
             るリスク。損失は、成功しないビジネス                    セスを通じて検討および管理される。戦略がその他
             プランを追求することを原因として生じ                    の主要な重要なリスク(例えば、信用リスク、市場
             ることがある。例えば、戦略的リスク                    リスク、オペレーショナル・リスク)の増大につな
             は、不適切な戦略による事業上の意思決                    がる場合は、それらのリスクに関するリスク管理戦
             定、決定の不十分な実施、不適当な資源                    略により一次的な管理が行われる。
             配分または事業環境の変化への適切な対
             応の失敗により生じる可能性がある。
     技術リスク        技術資産およびサービスを顧客やスタッ                    技術リスクの管理は、顧客の情報の安全性を確保
             フに提供する内部プロセス、人員または                    し、サービスの中断を許容範囲内に収めるよう努め
             システムの不備または機能不全による損                    る形で、サイバーセキュリティや第三者プロバイ
             失リスクおよび/または法の不遵守リス                    ダーに関連するリスクを含む技術の使用に起因する
             ク。当該リスクには、第三者によって提                    オペレーショナル・リスクを管理するアプローチに
             供または管理される技術資産およびサー                    よって行われる。
             ビス、ならびに外部事象が含まれる。
             当該リスクでは、とりわけ、情報セキュ
             リティおよびサイバーセキュリティ、な
             らびに当グループが保有する情報につい
             て必要となる、不適切な改変、喪失、開
             示および利用不能からの保護の方法が対
             象とされる。
     コンダクト・        当グループ、その従業員または代理人                    コンダクト・リスクの管理は、顧客、地域社会、市
     リスク        が、事業活動を行う上で、顧客の利益、                    場の一体性に対するリスクが、適切なガバナンスに
             金融市場の一体性や地域社会の期待など                    よる監督を備えた体系化された環境の下で、確実に
             を適切に考慮しなかったことにより生じ                    特定、審査、測定、評価、処理、監視および報告さ
             る損失または損害のリスク。                    れることを目指すアプローチによって行われる。
             当該リスクは、個々の従業員の故意また
             は過失によるものだけでなく、不注意や
             不適切な当グループのシステム、プロセ
             ス、手順から生じる可能性もある。
    (2)主なリスクおよび不確実性

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     序論
     当グループの活動は、コロナウイルス(「COVID-19」)のパンデミック(世界的大流行)から発生するリスクを含め、当グ
    ループの事業、業務、業績、レピュテーション(評判)、見通し、流動性、資本の源泉、財務実績および財務状態(「当グ
    ループのポジション」と総称する。)に悪影響を与える可能性のあるリスクに左右される。
     以下に記載するリスクおよび不確実性は当グループが直面する可能性のあるすべてのものではない。当グループが認識して
    いないまたは当グループが現在重要でないとみなしているさらなるリスクおよび不確実性も影響を与える重要な要因になる可
    能性がある。
     以下に記載する、または記載していないリスクのいずれかが実際に生じた場合、当グループのポジションが重大な悪影響を
    受け、その結果当グループの株式および債券の取引価格が下落し、投資家がその投資の全部または一部を失う可能性がある。
    下記のリスク要因は、本書の表紙(注)4.に記載の「将来に関する記載」に関する説明とあわせて検討されるべきである。
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    当グループの事業の活動および業界に関するリスク
    1.COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性疾患の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響

    を与える可能性がある。
     2019  年後半に、具体的にはSARS-CoV-2と同定された新型コロナウイルスにより「COVID-19」と呼ばれる疾患が発生したこと
    から、世界各国の政府はウイルスの蔓延に対抗するための緊急措置を実施している。オーストラリアおよびニュージーランド
    を含む各国政府は、地域および海外への旅行、イベント、会議その他多くの通常の活動に対する幅広い制限や停止を課し、助
    言を与え、主権国家や金融市場の安定化を目的とした大規模かつ費用のかかる金融介入および財政介入を実施している。一定
    の制限は解除または修正されたが、各国政府は当面の間はCOVID-19の蔓延を抑制するために、従前の制限を再導入するか、さ
    らなる措置を実施および導入する可能性がある。例えば、2021年7月、ニュー・サウス・ウェールズ州のシドニー大都市圏は
    長期にわたりロックダウン状態に置かれた。さらに、国内外でCOVID-19のワクチンが導入されているが、かかるワクチンの長
    期的な有効性および全国的なワクチン接種プログラムの成功は不確実である。最近「デルタ」および「オミクロン」変異株な
    ど新種のウイルスが広がっていることからも、COVID-19のパンデミックの不確実性は高まっている。さらなる変異株が発生し
    た場合には、これまで採用されたものとは異なる政府の対応や一層強力な制限が必要になる可能性がある。そのため、COVID-
    19のパンデミックの期間、程度および影響、ならびにパンデミックに対する政府と中央銀行の対応の有効性は、依然として大
    きな不確実性に晒されている。
     地域社会における健康と経済活動の大きな混乱は、オーストラリア、ニュージーランドおよび世界各地のほとんどの事業部
    門に広範囲にわたり悪影響を及ぼし続けており、この結果、当グループの商品およびサービスに対する需要に影響を及ぼし、
    当グループの信用ポートフォリオの質の低下をもたらしている。さらに、当グループの多くの借り手は、これまでCOVID-19の
    パンデミックの悪影響を受けてきており、現在もその影響は続いているため、当グループは、特に以下の部門において借り手
    からの増大する信用損失リスクに晒されている。運輸(航空および海運を含む。)、観光および旅行(宿泊および飲食を含
    む。)、エンターテイメント、教育、小売ならびに不動産(特にショッピングモールおよびホテル)。「第6 経理の状況-
    1 財務書類」の2021年度財務書類の注記1および注記17を参照のこと。
     当初は、COVID-19のパンデミックによる悪影響および長期的な景気後退の恐れが懸念されていたが、政府の刺激策、記録的
    な低金利および長期的な防御資産を求める(デットとエクイティ)投資家の高い関心を主な要因として、当グループの中核的
    な不動産市場のほとんどの商業用不動産市場は回復した。しかし、経済のいくつかのセグメントは、COVID-19のパンデミック
    の影響をより直接的かつ継続的に受けている(例えば、モビリティおよび観光)。これらのセグメントでは、キャッシュフ
    ローが毀損し、ボラティリティがより大きくなっており、サービス性および資産評価に影響を与えた。さらに、競争の激しい
    商業用建築部門では、COVID-19によるサプライ・チェーンの混乱および労働力流動性の制約に伴い、利益率が低下する可能性
    がある。また、請負業者および下請業者のキャッシュフロー、運転資金需要および流動性に影響を与え、ひいては当グループ
    の商業用不動産開発の資金調達活動に完工リスクをもたらす可能性もある。
     当グループは、COVID-19のパンデミックを受け、ローン返済猶予などの個人および法人の顧客を支援するための様々な対応
    策および措置を講じたが、これらの対応策および措置がさらなる困難を防止または軽減し、当グループの商品およびサービス
    の提供を確保するのに十分であるという保証はできず、また、当グループのポジションが重大な悪影響を受けるリスクが存在
    している。例えば、顧客が猶予期間または停止期間の終了時にそのローン返済義務を再開できるという保証はなく、信用リス
    クに関連する損失の増加につながる可能性があり、ひいては当グループのポジションに重大な悪影響を与える可能性がある。
    「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記1および注記17を参照のこと。これらの対応策および措置な
    らびに今後の対応策および措置が、当グループの顧客を支援する一方、当グループのポジションにマイナスの影響を与え、当
    グループの純預貸利鞘にマイナスの影響を及ぼし、当グループが通常の状況で受けるものより大きなリスクを負うことになる
    可能性があり、その結果、当グループのポジションが重大な悪影響を受ける可能性がある。
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     当グループの顧客サービスチームには、リテールおよび小規模企業顧客からの支援要請が多数寄せられている。さらなる感
    染流行が起こり、当グループが顧客への支援を可能にするために追加の資金提供やプロセスの変更の取り組みを続ける場合、
    これらの要請は増加する可能性がある。改善の兆しが見られるものの、より長期的には、多数のリテール顧客や法人顧客がそ
    の投資を清算した場合に資産価値が悪化し始める可能性があり、また、危機の最中もしくはその直後の政府の支援の停止、ま
    たはこれらの資産に対する需要の減退により悪化する可能性がある。いずれのシナリオにおいても、ローン資産価値比率は影
    響を受けることが予想される。
     世界的な経済活動の大幅な縮小により金融市場において大幅なボラティリティが生じており、そのようなボラティリティは
    今後も続く可能性があり、世界経済および世界市場、ならびにオーストラリアおよびニュージーランドの経済に大きな影響を
    与え続けると予想される。渡航制限、国境管理、ソーシャルディスタンス確保、検疫手順その他の封じ込め対策は、オースト
    ラリア、ニュージーランドその他の世界各地における経済活動の制限、商品需要の減退、産業界のサプライ・チェーンの中
    断、消費意欲の低下、事業収益および成長見通しの抑制につながっており、今後も継続する可能性がある。また、これらすべ
    てが世界の金融市場のボラティリティが継続する一因となる可能性がある。
     多くの国では、ウイルスの蔓延を防ぐために活動を制限した結果、GDPが大幅に減少し、失業率が急激に上昇したこともあっ
    た。このようなGDPの減少は、新種のウイルスの発生などにより感染が拡大した場合、悪化する可能性がある。各国政府は、
    COVID-19のパンデミックによる最悪の影響を少なくともある程度は相殺できるよう、財政刺激策ならびに伝統的および異例の
    金融緩和および規制緩和により対応しており、また一部政府は対応を継続している。かかる刺激策は、ウイルスの蔓延を阻止
    するための広範な移動規制による経済活動の低下を防ぐものではないが、規制が緩和された際は景気回復に貢献した。また、
    経済支援政策が撤回された場合、経済活動はさらに変化する可能性がある。
     オーストラリアおよびニュージーランド政府ならびにそれらの機関は、金融機関による貸付を促す政策を推進した(引き続
    き推進していく可能性がある)。これらの活動は、当グループと競合する事業者の助けとなる可能性がある。機能的かつ競争
    力のある銀行部門の重要性や、COVID-19のパンデミックにより生じた経済の混乱に対応して成長志向型の政策を推進するオー
    ストラリアおよびニュージーランド政府の継続的な意向を考慮すると、金融サービス部門における競争水準は、オーストラリ
    アおよびニュージーランド政府にとって、より長期的な重点分野になると予想される。この分野における政策改革は、当グ
    ループの主要市場における競争圧力の高まりを招き、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     COVID-19    のパンデミックに伴う国家財政の悪化により、既存のソブリン・リスクと相まって、ボラティリティがさらに高ま
    り、信用スプレッドが拡大する可能性がある。2020年3月、市場のボラティリティが大幅に上昇したため、ほとんどの資産ク
    ラスにおいて市場の流動性が大きな影響を受けた。その後、このような水準の市場ボラティリティは再び生じていないもの
    の、金融市場への将来的な影響については不確実性が残っている。当グループの資産および負債の評価は、内外の情報を考慮
    して行われているが、その中には、COVID-19のパンデミックの継続的な影響や、政府、規制当局および企業の関連する対応が
    当グループの資産の帳簿価額に与える影響の評価も含まれる。COVID-19のパンデミックの期間および影響は不確実性が高く、
    当グループの資産の将来の回収可能性に影響を与える可能性がある。
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     また、COVID-19のパンデミックは、施設の閉鎖やアクセス制限、伝染病管理および渡航制限により、当グループの業務を中
    断または遅延なく継続させる能力に影響を及ぼしており、今後も影響し続けることが予想されうる。当グループの従業員もし
    くは請負業者の関連した病気もしくは隔離または当グループの支店、店舗もしくは事務所の業務停止があった場合には、当グ
    ループのポジションに影響する可能性がある。COVID-19のパンデミックにより、バーチャルな労働環境が「通常の業務」とし
    て採用されるようになった。当グループは、職務および業務活動を適切に遂行する能力など、COVID-19のパンデミックによる
    継続的な影響のリスク、従業員の精神的な健康に与える可能性のある影響のリスクを含め、在宅勤務のプレッシャーを考慮し
    て、職員の幸福に重点を置いている。しかし、リモートワークにより従業員の行動ならびに/または当グループのシステムお
    よびプロセスが影響を受けることで(または、そのような問題を監視する当グループの能力が影響を受けることで)、コンダ
    クト・リスクが高まる可能性がある。今後12か月間の顧客の損失のリスクは、パンデミックの経済的および社会的影響により
    形成される可能性があるため、当グループは、財政的苦境に陥っている者を含む借り手の不公正な取扱いのリスクを軽減する
    ことに重点を置いている。景気が回復に向かい始め、政府または当グループのCOVID-19関連の支援策が縮小されるにつれて、
    個々の状況に応じた支援および持続可能な取決めを当グループが提供できなければ、依然として苦境に陥っている顧客が不利
    益を被る可能性がある。
     さらに、COVID-19のパンデミックは地政学的リスクも高めている。オーストラリアと中国の間のような国家間の緊張の継続
    および政策の不確実性は、国内経済および世界経済のさらなる低迷を招き、ひいては、当グループのポジションまたは戦略的
    イニシアチブの遂行能力に重大な悪影響を与える可能性がある。リスク要因2.「地域的または世界的な信用市場および資本
    市場における混乱を含む政治および一般的な事業・経済情勢の変化は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ
    る。」を参照のこと。
     現在も続いているCOVID-19のパンデミックの分枝化は依然として不確実性が高く、本書日現在、今後の流行の有無ならびに
    COVID-19のパンデミックの影響を抑制する上でのワクチンまたは他の医学的治療の有効性の有無および程度を含め、COVID-19
    のパンデミックのさらなる広がりや期間を予測することは困難である。
     上記のCOVID-19のパンデミックに関連したすべてまたはいずれかのマイナスの条件により、当グループの商品およびサービ
    スに対する需要のさらなる減退、貸付その他の債権のデフォルト、不良債権および減損の増加、ならびに/または当グループ
    の事業コストの増加が引き起こされる可能性がある。これらのいずれかが発生した場合、当グループのポジションに重大な悪
    影響を与える可能性がある。
     COVID-19    のパンデミックに対応して規制当局が講じた措置は、当グループに影響を与えており、引き続き影響を与える可能
    性がある。例えば、オーストラリアでは、APRAが、ADI向けの自己資本管理(資本分配を含む)に関するガイダンスを改訂し
    た。ニュージーランドでは、RBNZが、COVID-19のパンデミックにより経済が不安定な時期は、ニュージーランドで設立された
    登録銀行による普通株式の配当金の支払いを制限する決定を下した。
     COVID-19    のパンデミックは、当グループのポジションに悪影響を及ぼし続ける範囲において、これらの主なリスクおよび不
    確実性に記載されたその他のリスクの多くを強める影響を与える可能性がある。
    2.地域的または世界的な信用市場および資本市場における混乱を含む政治および一般的な事業・経済情勢の変化は、当グ

    ループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループの財務実績は、当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティーが業務、取引または資金調達を行う主
    要諸国および地域(オーストラリア、ニュージーランド、アジア太平洋地域、英国、ヨーロッパおよび米国を含むが、これら
    に限られない。)(「関連法域」)における政治・経済情勢および事業活動の水準に主に影響される。
     当グループが業務および取引活動を行う市場における政治、経済および事業環境は、とりわけ国内外の経済事象、グローバ
    ル金融市場における進展、政治的な展望、見解および関連事象および自然災害による影響を受ける。
     世界経済に影響を与えている世界の政治情勢により、政治および経済の不確実性ならびに国際金融市場におけるボラティリ
    ティが長期にわたり増大し、継続していく可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。世
    界の政治情勢に影響を及ぼした(および今後も及ぼし続ける可能性がある)事象の比較的最近の例には、英国の2020年1月31
    日の欧州連合(「EU」)および欧州経済領域(EEA)加盟国からの離脱(一般的に「ブレクジット」と呼ばれる。)や、とりわ
    け、米国、中国ならびにオーストラリアおよびニュージーランドの重要な貿易相手国および同盟国である国家によるものを含
    め主要国による関税および課徴金の賦課または賦課されるおそれに関する国際貿易情勢の進展がある。
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     2020  年12月30日の英国の離脱に関する移行期間の終了に伴い、英国とEUの関係はEU・英国通商協力協定(「TCA」)に従う。
    暫定的な適用を経て、TCAは2021年5月1日に発効した。TCAは、財およびサービスの貿易、デジタル貿易ならびに知的財産な
    どの分野で多くの優遇措置を定めているが、金融サービスの提供に関する多くの事項は依然として定かでない。とりわけ、ブ
    レクジット後の協定や関係者間の取り決めに関しては、多くの不確実性が残されている。
     米国と中国など一部の貿易相手国との間の貿易関係およびより広範な地政的局面における関係は依然として不安定である。
    オーストラリアおよびニュージーランドの主要貿易相手国および同盟国の貿易政策の実施または規制の枠組みの相違は、オー
    ストラリアおよびニュージーランドの輸出の需要に悪影響を与え、世界的な経済成長の低下につながる可能性がある。特に、
    中国はオーストラリアおよびニュージーランドの主要な貿易相手国の一つであり、当グループとその顧客が事業を行っている
    多くの市場において、商品需要と価格の重要な牽引役となっている。地政学的緊張の高まりや、追加関税およびその他の保護
    貿易政策の実施など、中国の経済成長ならびにオーストラリアおよびニュージーランドと中国の経済関係に悪影響を及ぼす事
    象が発生した場合、オーストラリアまたはニュージーランドの経済活動に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当グルー
    プのポジションにも悪影響が及ぶ可能性がある。
     米国を含む国際政治情勢の不安定性は、経済の不確実性および市場流動性の低下をもたらしており、国際金融市場における
    ボラティリティを高め、当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティーが業務を行う市場における消費者および企
    業の活動に悪影響を与える可能性があり、あるいは当グループが遵守すべき新たな規制上の枠組みの導入につながる、およ
    び/または規制上の枠組みの相違を引き起こす可能性がある。
     当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティーが業務を行う市場において経済状況が悪化した場合、住宅、商業
    用または地方不動産市場の資産価値が下落し、失業が増加し、企業および個人所得が悪影響を受ける可能性がある。世界市場
    (株式、不動産、外国為替およびその他資産市場を含む。)の悪化は、当グループの顧客ならびに当グループが貸付およびそ
    の他の信用供与のエクスポージャーに対して保有する担保に影響を与え、これは貸付およびその他の信用供与のエクスポー
    ジャーを回収する当グループの能力に影響を与える可能性がある。上記のいずれかが生じた場合、当グループのポジションは
    重大な悪影響を受ける可能性がある。
     当グループが需要の落込みまたは予想を下回る収益に対応してコスト構造、商品、価格設定または営業活動を適合させられ
    ない場合、当グループの財務実績はまた悪影響を受ける。同様に、当グループまたはその顧客もしくはカウンターパーティー
    が業務を行う国または地域における経済、全般的な事業環境または経営環境の悪化のために、予想を上回るコスト(与信費用
    および資金調達費用を含む。)を負担する可能性がある。上記のいずれかが生じた場合、当グループのポジションは重大な悪
    影響を受ける可能性がある。
    3.当グループが業務を行う市場における競争は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     当グループが業務を行う市場は非常に競争が激しく、将来において一層競争が激化する可能性がある。オーストラリアで事
    業拡大を継続して行っているオーストラリア国外の金融サービス事業者や、これらの市場における新規参入のノンバンクまた
    は小規模事業者を含め、競争が高まることが予想される。
     競争に影響を与え、当グループのポジションにマイナスの影響を及ぼす要因の例として下記が挙げられる。
     ・ オーストラリアおよびニュージーランド外における事業体を含め、当グループと競合する事業体は、当グループより緩
        やかなレベルの規制および規制活動の対象となる可能性がある。このことは、規制レベルが緩やかであることがそれら
        の事業体のコストベースを低下させ、および/または当グループが他の方法で雇用を模索することになる従業員を惹き
        付ける能力を与えるため、より競争力のある商品およびサービスの提供をかかる事業体に可能にさせることがあり得
        る。
     ・   デジタル技術およびビジネスモデルが顧客の行動および競争環境を変化させており、新興の競合会社は、新技術の利用
        を増やし、金融サービス部門における既存のビジネスモデルの分断を目指している。
     ・ 伝   統的な金融サービス部門以外の既存会社が、銀行業免許の取得および/または既存の提供会社との提携などを含め、
        従来銀行が提供する商品およびサービスを提供することにより当グループと直接競争することを模索することもあり得
        る。
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     ・ 消費者および企業が、当グループがそれに関する金融サービスを提供しないことを選択する可能性がある、または競争
        上提供できない可能性がある(仮想通貨などの)新しい形態の通貨を利用した取引またはこれらの通貨への投資を行う
        選択をすることもあり得る。
     ・ オープン・バンキング(以下に記載する。)により競争が増す可能性がある。(リスク要因16.「規制の変更または法
        律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこ
        と。)
     市況における競争の増加による当グループに対する影響または当グループの事業プラットフォームを競争上不利にする技術
    の変動は、特に当グループの主要市場および商品においては、当グループの市場シェア、顧客および利鞘の大幅な減少につな
    がる可能性があり、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     預金獲得のための競争の高まりにより当グループの資金調達コストが増加しうる。当グループが預金獲得に首尾よく競争で
    きない場合、当グループは他の、より安定していないまたはよりコストが高い形式の資金調達により大きく頼るか、貸付を削
    減せざるを得ないかもしれない。これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     経済の混乱は、資金調達コストおよび引当金の増加、構造的な低金利のさらなる低下や持続、流動性の不足、事業継続計画
    の実施、事業戦略の変更ならびに一時的な規制上のセーフハーバーにより、中期的に金融サービス部門の競争や収益性に大き
    な影響を与える可能性がある。低成長環境下においては、競争の増大およびマージンの圧迫が起こる可能性が高い。
    4.オーストラリア、           ニュージーランド        または当グループが事業を行うその他市場の不動産市場の変動は当グループのポジ

    ションに悪影響を与える可能性がある。
     住居用および商業用不動産への融資は、不動産開発および投資不動産向け融資とともに、当グループの重要な事業である。
    当グループの貸付ポートフォリオの主要なサブ・セグメントには以下が含まれる。
     ・ 住宅ローン(自己所有および投資)
     ・ 商業用不動産ローン(投資および開発)
     2009  年以降、世界の主要な中央銀行は、前例のない金融政策による刺激策に乗り出した。その結果生じた利回りを求める資
    金はその影響により、依然として当グループの中核的な不動産管轄区域(オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール
    および香港)の不動産市場を支える重要な牽引役となっている。しかしながら、                                     2018  年になるまで完成した賃貸用不動産の価
    値および居住用住宅の価格(特にオーストラリアの東沿岸大都市圏)は安定的に上昇したが、2018年におけるオーストラリア
    の住宅価格の下落は世界金融危機以来最大であった。2019年後半から2020年初頭にかけて、オーストラリア全体で不動産価格
    は上昇に転じ、この傾向はCOVID-19によって中断されたものの(リスク要因1.「COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性
    疾患の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)、
    直近の事業年度においてオーストラリアの不動産価格は再び上昇した。
     同様に、ニュージーランドの住宅用不動産価格も着実に上昇しており、2021年10月には中央値が過去最高まで達した。これ
    に対応して、ニュージーランド政府はさらなる価格の上昇を抑えるために一連の施策を導入した。例えば、RBNZに対して金融
    政策および財政政策の決定の際に住宅への影響を考慮することを義務づけ、道路および住宅への配管などのインフラ投資によ
    り短期・中期的に住宅供給を促進するための38億ニュージーランドドルの基金を設立し、「ブライトライン」テスト(購入日
    から10年(従来は5年)以内に売却した場合に課される投資用不動産に対するキャピタルゲイン課税に相当)の適用を拡大
    し、投資物件(2021年3月27日以降に取得されたもの)を資本勘定で保有する住宅用不動産への投資者に対する2021年10月1
    日からの利子控除の廃止ならびに既存の住宅投資への適用の段階的廃止を実施し(企業および「新築」は容認される。)、ま
    た、住宅供給の促進のための土地取得の増加を目的としたK                            āinga   Ora  (住宅および地域社会を対象とする国営企業)による追
    加の20億ニュージーランドドルの借入の支援について約束した。これらの措置は、ニュージーランドの住宅用不動産価格の上
    昇を抑えることを目的としている。
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     より長期的には、資産価格のインフレおよび記録的な低金利が長引いていることから、当グループの商業用不動産ローンの
    ポートフォリオは、急激かつ大幅な金利上昇の影響を受けやすくなる可能性があり、これにより、インタレスト・カバレッ
    ジ・レシオおよび資産価値が低下し、そのため借換えリスクが高まり、債務削減に向けた出資が必要となる可能性がある。
    5.ソブリン・リスクに関する事象が世界の金融市場の不安定化を招き、当グループのポジションに悪影響を与える可能性が

    ある。
     ソブリン・リスクは政府が債務につき不履行となる、満期を迎えたときに債務の借換えができない、または自国の経済の一
    部を国有化するリスクである。
     ソブリン・デフォルトは、当グループの資産価値に悪影響を及ぼすことを通じて直接的に、または国際金融市場の不安定化
    を通じて間接的に、当グループに影響を悪影響を与え、これにより当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     ソブリン・リスクは、米国、英国、中国、ヨーロッパ、オーストラリアおよびニュージーランドを含む多くの経済国におい
    て存在している。1つの国家が債務不履行となる場合、他の市場および国へ連鎖的な影響を与える可能性があり、その結果
    は、予測は困難であるが、世界金融危機およびその後のソブリン債務危機の期間中に経験した状況に類似もしくはそれより悪
    い可能性がある。
    6.市場リスクに関する事象は、               当グループ     のポジションに悪影響を与える可能性がある。

     市場リスクは、       金利  、為替レート、信用スプレッドのマイナスの変化、または債券、商品もしくは株式価格の変動から生じ
    る損失のリスクである。金融リスク管理の目的で、当グループはトレーディングおよび非トレーディングの市場リスクを区別
    する。トレーディング市場リスクは主に当グループの金利、為替レート、商品および有価証券のトレーディング・オペレー
    ションから生ずる。非トレーディング市場リスクは専ら銀行業資産の金利リスクである。その他の非トレーディング市場リス
    クには、海外営業での資本投資から生ずる取引および構造的為替リスクおよび非トレーディング株式リスクが含まれる。かか
    る市場リスクに関する事由の発生により生じる損失は、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    7.為替レートの変動が、            当グループ     のポジションに悪影響を与える可能性がある。

     当グループは、いくつかの異なる通貨で事業を行っているため、当グループの事業は、為替レートの変動により影響を受け
    る可能性がある。さらに、当グループの年次報告書および中間報告書は豪ドルで作成・提示されるため、当グループが収益を
    あげる他の通貨(特にニュージーランドドルおよび米ドル)に対する豪ドルの高騰は、当グループの報告された収益に悪影響
    を及ぼす可能性がある。
     当グループは通貨の変動の影響を一部軽減するためにヘッジを設定しているが、当グループのヘッジが十分なものまたは効
    果的となる     保証  はなく、豪ドルが当グループが収入を得ている他通貨に対して上昇した場合には当グループのポジションに悪
    影響を与える可能性がある。
    8.予定されているLIBORの廃止および他のベンチマーク・レートに影響を及ぼす進展は、                                          当グループ     の証券発行ならびにその

    資本市場活動および投資活動に悪影響を与える可能性がある。
     長年にわたる世界的な規制イニシアチブの結果、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は、変動相場制のベンチマークとして廃
    止される。LIBORは金融市場における主要な変動金利ベンチマークであり、予定されている廃止は金融市場全般に影響を与えて
    おり、今後も影響を与え続けることとなり、また、以下に記載するように特に当グループの事業、財務および投資にも影響を
    与える可能性がある。
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     2021  年3月5日、LIBORの運営機関であるICE                   Benchmark     Administration        Limitation(IBA)とその監督当局である英国金融
    行為規制機構(FCA)は、全てのLIBORの設定のためのパネル行の呈示が、恒久的に公表を停止する日付、またはレートが測定
    対象としている原市場および経済の実態を代表するものではなくなる(そのような代表性は回復しない。)日付を個別に発表
    した。かかる日付は、(a)英国ポンド、ユーロ、スイスフランおよび日本円のすべての設定ならびに米ドルの1週間物および2
    か月物の設定については2021年12月31日、(b)残りの米ドルの設定については2023年6月30日とされた。その後、米国連邦準備
    制度理事会およびニューヨーク連邦準備銀行が招集した、米ドルLIBORに代替するリスクフリー・レートを特定するための作業
    部会である米国代替参照金利委員会(ARRC)は、すべての米ドルLIBORの設定に関して、FCAの発表が、ARRCが推奨するフォー
    ルバックの文言に基づく「ベンチマーク・レート移行事由」に該当することを確認した。また、国際スワップ・デリバティブ
    協会(「ISDA」)は、FCAの発表が、2006年ISDA定義集のサプルメント第70号によってデリバティブ取引に対して追加された
    フォールバックに基づく「指標性喪失事由」であることを確認した。
     代替のベンチマーク・レートの導入に向けて多大な努力が払われているが、依然としてローン、モーゲージ、証券、デリバ
    ティブその他の金融商品がLIBORによるベンチマークに連動している。代替のベンチマーク・レートの導入およびLIBORの廃止
    に向けた有効な移行措置をうまく行えない場合は、金融市場の混乱、資本市場活動の抑制、訴訟申し立ての発生を引き起こす
    可能性がある。さらに、金融市場、特にLIBORベースの債務の取引市場は、予定されているLIBORの廃止、LIBOR廃止時に使用さ
    れる代替参照レートおよびLIBORに関連するその他の改革により、全般的に悪影響を受ける可能性がある。代替参照レートが、
    代替される対象のLIBOR設定と経済的に同等であるという保証はない。これらの事項の一部またはすべてが当グループのポジ
    ションおよび当グループが発行、調達または保有するLIBORに連動する証券その他の商品の価値にマイナスの影響を与える可能
    性がある。
     当グループは、現在LIBORをベンチマーク・レートとして使用しているか、またはその他の形でLIBORに連動しているロー
    ン、証券、デリバティブその他の金融商品の当事者となっている。これらの金融商品の中には、LIBORが廃止された場合に、代
    替のベンチマーク・レートを参照することによって、またはその他に基づいて、関連する利息または支払額の計算を行うこと
    を規定する条項を含む場合があり、そのような商品はかかる条項に従ってLIBORから移行することになる。商品の条件に健全な
    フォールバック条項が含まれていない場合や、フォールバック条項が不十分であると考えられる場合には、当該商品は新興の
    市場基準に沿って当該条項を追加または修正する必要が生じる可能性があり、または、LIBORが廃止された場合に当該商品に関
    して他の取決めを行う必要が生じる可能性がある。当グループは、これらの種類の金融商品について修正を進めている。場合
    によっては、LIBORに連動する金融商品の関連条項を修正することができない可能性がある。このような事態が発生した場合の
    法的、規制上およびその他の潜在的な影響は不確定である。いずれにしても、既存のフォールバック条項の実施またはその他
    の理由による変更は、例えば、当該金融商品の支払額、価値および流動性を変化させ、かかる金融商品と関連する契約(ヘッ
    ジ契約等)との間にミスマッチを生じさせる可能性がある。また、2021暦年末(英ポンド、ユーロ、スイスフランおよび日本
    円の設定、または米ドルの1週間物および2か月物の設定)および2023年6月末(その他の米ドルの設定)までに、このような
    大量の契約に関して必要な措置を講じるプロセスには、当グループのオペレーショナル・リスクが伴う。
     他のベンチマーク・レート(例えば欧州銀行間取引金利(EURIBOR))は改革が行われているか、あるいは改革される可能性
    がある。かかる改革により、関連するベンチマークのパフォーマンスが従来とは異なるものになる可能性があり、またはレー
    トに加えられた改革が完全には予測できない他の結果をもたらす可能性がある。
     ベンチマークが廃止となる場合に、適切かつ同様の代替参照レートが存在する可能性も存在しないか可能性もあり、代替
    レートへの移行において不利な結果が生じる可能性がある。これらのような展開やベンチマークの規制に関する将来の政策
    は、当グループが発行、資金調達または保有するものを含め、かかるベンチマークにリターンが連動するローン、モーゲー
    ジ、証券、デリバティブおよびその他の金融商品のリターン、価値および市場に悪影響を及ぼす可能性があり、さらに、金融
    市場に広範にわたる混乱をもたらし、証券、デリバティブおよびその他の商品の価格を変動に晒し、資本市場活動を抑制する
    可能性があり、これらすべてが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
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    9.買収および/または売却は、               当グループ     のポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは定期的に、当グループの戦略的ポジションおよび財務実績を強化する機会か否かを判断しながら、買収および
    売却を含め、様々な企業の機会を検討している。
     買収(または売却)した事業の統合(または分離)は複雑で費用がかかり、時には関連する会計およびデータ処理システム
    ならびに経営管理の統合(または分離)とともに、関連する従業員、顧客、規制当局、カウンターパーティー、サプライヤー
    およびその他の事業の相手方との関係を管理することを含む。
     統合(または分離)への取り組みの中で、基準、統制、手続および方針の不一致を生じさせる可能性があり、経営陣の注意
    をそらし、資源が流出する可能性がある。また、カウンターパーティーが当グループに対して完了済みまたは未完了の取引に
    関して請求を行うリスクが存在し、それが当グループのポジションに悪影響を与えるおそれがある。さらに、いずれの買収
    (または売却)も、コストもしくはコスト節減、統合のための時間および全体的な業績に関して期待されたプラスの結果をも
    たらす保証はない。これらの要因のすべてまたは一部が、当グループが事業を成功裡に行う能力に悪影響を及ぼす可能性があ
    り、また当グループの業務または業績に影響を与える可能性がある。さらに、新しく買収(または維持)した事業の従業員、
    顧客、カウンターパーティー、サプライヤーおよび事業の他の相手方がかかる買収後(または売却後)も留まるという保証は
    ない。さらに、カウンターパーティーが完了条件を満たすことができないため、または関連規制当局もしくはその他の承認の
    取得などのその他の完了条件が成就しないためなど、当事者間で当初合意された形かまたは全く違う形であるかにかかわら
    ず、合意された取引が完了しないリスクが存在する。統合または分離リスクのいずれかが発生した場合、当グループのポジ
    ションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     当グループが以前に発表したがまだ完了していない取引には、欧州の決済システム・プロバイダーであるワールドラインと
    の間の加盟店獲得業務(アクワイアリング)を行うジョイント・ベンチャーに関する取決め案がある。かかる取引の完了に
    は、1または複数の条件の充足が条件とされ、2022暦年上半期に完了する予定である。
    当グループの財政状態に関するリスク

    10 .信用リスクは、        当グループ     のポジションに悪影響を与える可能性がある。

     金融機関とし      て、当グループは、カウンターパーティーがその契約債務を履行することができない、あるいは履行を拒否す
    る結果として起こり得る信用関連の損失を被る場合を含め、取引相手への信用供与に関するリスクに晒されている。信用損失
    によって、金融サービス機関が重大な損失を被るか、場合によっては破綻するようなケースが生じる可能性があり、これまで
    も生じている。
     信用関連損失のリスクがCOVID-19のパンデミックの影響により増大している一方、信用関連損失のリスクは、当グループま
    たはその顧客もしくはカウンターパーティーが業務を行っている経済圏における金融情勢状況の悪化、当グループまたはその
    顧客もしくはカウンターパーティーが業務を行っている市場における長引く高水準の失業率、当グループの顧客またはカウン
    ターパーティーの財務状態の悪化、当グループが担保として保有する資産価値の低下、当グループが有するカウンターパー
    ティーの証券および債務の時価の悪化を含む様々な要因によってもさらに増加する可能性がある。
     全般的、または特定の産業部門あるいは地理的地域であれ、不利な事業あるいは経済情勢、ならびに自然災害またはパンデ
    ミックのような事象の発生によって、顧客またはカウンターパーティーは合意条件に従った債務を履行できない可能性があ
    る。
     以下の部門のエクスポージャーに晒されている当グループの顧                             客およびカウンターパーティーの一部は、ますます脆弱化し
    ている。
     ・ COVID-19のパンデミックの影響を受ける産業、特に、                           リスク要因1.「COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性疾患
        の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響を与える可能性がある。」に記載の産業。
     ・ 政府の景気刺激策の解除および/または(国内外の)国境を開くタイミングに影響を受ける産業ならびに裁量的支出に
        依存する産業。
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     ・ 都心部の大規模マンションに対する投資家需要の減少および純移動の大幅な減少に晒されている商業用不動産部門(建
        設および請負業者を含む。)。一部の市場では、民営の請負業者や下請業者は、現在のプロジェクトが終了し、将来の
        財務状態が悪化するため、今後12か月から24か月にわたりキャッシュフロー/流動性の問題に直面する可能性がある。
        住宅開発部門では、サプライ・チェーンの問題、コストの上昇および労働力の移動の問題が発生している。ホテル宿泊
        施設および小売の一定のセクターの収益は、モビリティの低下よる影響を依然として受けており、一部のオフィスにつ
        いてリモートワーク体制への移行によるより長期的な影響がどの程度となるかはまだ定かではない。
     ・ 制裁、地政学的な緊張または貿易紛争のリスクがある産業(例えばテクノロジー、農業および通信)、および/または
        世界的な成長の落ち込みおよび世界的なサプライ・チェーンの混乱のリスクがある産業。
     ・ 物理的な気候リスク(森林火災、洪水、暴風雨および干ばつなど)および移行リスク(二酸化炭素削減要求とそれに伴
        う商品およびサービスの需要や流動性の変化に晒される産業など)による混乱に晒される顧客および産業。気候関連の
        リスクの詳細については、リスク要因29.「将来の気候関連事象、地質学的事象、植物、動物および人間の疾病ならびに
        その他外因性事象の影響は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。
     ・ 豪ドルおよびニュージーランドドルならびに米ドルの変動に晒されている産業。
     当グループはまた、特定の状況において第三者に対する権利が強制履行できない場合があるリスクに晒されており、これが
    信用損失につながる可能性がある。当グループの信用供与のエクスポージャーに重大な信用損失が生じる場合、当グループの
    ポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     また、当グ     ループが締結した一定のデリバティブ、クリアリングおよび決済契約により、ならびにその他の銀行、金融機
    関、会社、政府および政府機関の財務状態が世界金融市場の経済状況の影響を受ける場合、かかる機関が発行した債券の
    ディーリングおよび保有により、信用リスクが発生する可能性がある。
     さらに、顧客および/またはカウンターパーティーと与信取引を行うかあるいは他の取引を行うかを判断するにあたり、当
    グループは、財務諸表およびその他の財務情報を含む、顧客および/またはカウンターパーティーあるいはその代理により提
    供された情報に依拠する。また、当グループはそれらの情報の正確性および完全性に関しては顧客および独立顧問による表明
    に依拠する可能性がある。当グループの財務実績は、不完全、不正確あるいは著しく誤解を招く恐れのある情報に依拠する場
    合、マイナスの影響を受ける可能性がある。
     当グループは貸倒引当金を保有しており、これらの引当金は、当グループの貸付ポートフォリオ内の減損の現在の情報およ
    び主観的で複雑な判断に基づき決定される。しかし、評価が行われる情報が不正確であると証明された場合、または当グルー
    プが情報を正確に分析できない場合、貸倒れの引当金は不十分である可能性があり、当グループのポジションに                                                    悪影響を与え
    かねない。
    11 .当グループの資本基盤の管理における課題が要因となり、自己資本比率におけるボラティリティが高まる可能性があり、

    当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     当グル   ープの資本基盤は、当グループの事業を管理し資金を調達するにあたり不可欠である。当グループの健全性規制機関
    は、APRA、RBNZならびに米国、英国およびアジア太平洋地域の様々な規制機関を含むがそれらに限定されない。当グループ
    は、主たる規制機関であるAPRAおよびRBNZ(ANZニュージーランド・グループの場合)により、適切な規制上の自己資本を維持
    することを義務付けられている。
     現在の規制上の要件のもとでは、リスク加重資産および予想貸付損失はカウンターパーティーのリスク度合いの悪化に従い
    増加する。これらの規制上の自己資本の要件は、ストレス時の利益減少による自己資本の減少の影響を強める傾向にある。そ
    の結果、自己資本比率におけるボラティリティがより高まる可能性があり、当グループが追加資本の調達を求められる可能性
    がある。必要とされる追加資本が利用可能であるか、または合理的な条件で調達可能であるかについては確実ではない。
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     当グループの自己資本比率は、(ⅰ)                 収益低下(非連結となった子会社(例えば、保険                       事業  子会社)ならびに関連会社への投
    資からの配当減少を含む。)、(ⅱ)                 資産の伸び増加、(ⅲ)           リスク加重資産または為替換算調整勘定に影響を与える、当グ
    ループが業務を行う他通貨(特にニュージーランドドルおよび米ドル)に対する豪ドル価値の変化、(ⅳ)                                                 事業戦略の変化(買
    収、売却および投資または資本集約的事業の増加を含む。)ならびに(ⅴ)                                  規制要件の変更などの数々の要因に影響を受ける可
    能性がある。
     APRA  およびRBNZはバーゼル3に対応するための健全性基準を実施している。一定の他の監督当局は、銀行、資産運用会社お
    よび保険会社の流動性および自己資本比率をとりわけ強化することを目指す規制(バーゼル3を含む。)を実施しているか、
    もしくは実施の過程にあるが、これらの規制が意図された効果をすでにもたらしている、または将来もたらすという確証はな
    い。これらの規制は、規制変更(他の金融制度審議会(FSI)の勧告に対するAPRAの対応、APRAの「問題なく強固」な自己資本
    要件からのさらなる変更、BCBSの要件、RBNZの自己資本要件の改革およびCOVID-19のパンデミックを受けたANZニュージーラン
    ドの登録条件のRBNZによる修正から生ずるものを含む。)から生ずるリスクとともに、リスク要因16.「規制の変更または法
    律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可                                           能性がある。」の項目に記載され
    る。当グループが規制上の自己資本を維持することができなかった場合、当グループのポジションに重大な悪影響が及ぶ可能
    性がある。
    12 .当グループの信用格付は            変更  される可能性があり、資本およびホールセール資金を調達する当グループの能力に悪影響を

    与え、新規貸付を抑制する可能性があり、これにより当グループのポジションに悪影響を受ける可能性がある。
     当グルー    プの信用格付は、資本およびホールセール資金調達の利用およびコストの両方に顕著な影響を与える。また、格付
    は、顧客またはカウンターパーティーが当グループの商品およびサービスを評価する際に重要となることがある。信用格付お
    よび格付けのアウトルックは信用格付機関によっていつでも撤回、限定、修正または保留されることがある。格付機関が信用
    格付および格付のアウトルックを決定するために用いる方法も、法的もしくは規制上の変更、市場の動向またはその他の理由
    に対応し、修正される可能性がある。
     当グループ     の信用格付または格付のアウトルックは、オーストラリア連邦またはニュージーランドの信用格付もしくは格付
    アウトルックの変更、本書に記載された1つ以上のその他のリスク、格付手法の変更またはその他の事象により、マイナスの
    影響を受ける可能性がある。このため、全般的な経済状況または当グループの財政状態の変化を反映しない当グループの信用
    格付または格付アウトルックの格下げが行われる可能性がある。さらに、当グループ(および世界のその他銀行)が発行する
    個別の証券(一定のTier            1資本およびTier        2資本証券ならびにカバード・ボンドを含むがそれらに限られない。)の格付は、
    かかる商品に対する規制要件および格付機関が利用する格付方法論の変化によってその時々に影響を受ける可能性がある。
     フィッチ・レーティングス(フィッチ)は、2021年4月12日にANZBGLおよびANZニュージーランドのアウトルックを「ネガ
    ティブ」から「安定的」に変更し、ANZBGLおよびANZニュージーランドの長期発行体デフォルト格付の「A+」および短期発行体
    デフォルト格付の「F1」を維持した。また、S&Pグローバル・レーティング(S&P)は、2021年6月7日にオーストラリアの長
    期格付のアウトルックならびにANZBGLおよびANZニュージーランドの長期発行体信用格付のアウトルックを「ネガティブ」から
    「安定的」に変更した(それ以前の2020年の4月9日には「安定的」から「ネガティブ」に変更していた。)。                                                   また、S&Pは、
    オーストラリアの長期非依頼ソブリン信用格付の「AAA」および短期非依頼ソブリン信用格付の「A-1+」ならびにANZBGLおよび
    ANZニュージーランドの長期発行体信用格付の「AA-」および短期発行体信用格付の「A-1+」を維持した。
     当グループの将来の信用格付または格付のアウトルックの引き下げまたは引き下げの可能性により、資本およびホールセー
    ル債券市場の利用が制限され、および資金調達コストを増加させる可能性があり、これが新規貸付高を抑制し、カウンター
    パーティーが当グループと取引しようとする意思に影響を与え、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     信用格付は、関連格付機           関が当グループの募集する証券への投資を奨励するものではない。
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    13 .流動性および資金調達リスクに関する事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     流動性リスクおよび資金調達リスクは、                   当グループが預金者への支払や満期になったホールセール債券の支払を含め、期日
    どおりに支払債務を履行することができない、または当グループが資産の増加に対して資金調達能力が不十分であるというリ
    スクである。流動性リスクおよび資金調達リスクは、資金収入と資金支出の間のタイミングのミスマッチのため、すべての銀
    行業務に内在するものである。
     流動性の低下は、当グループの借入コストの増加を招き、新規貸付額の制限につながる場合があり、それにより当グループ
    のポジションが悪影響を受ける可能性がある。
     市場情勢の悪化およびボラティリティならびに/または当グループに対する投資家の信頼の低下によって、満期を迎える債
    務を借り換え、(タイムリーかつコスト効率の良い方法で)資金調達を利用する当グループの能力が重大な影響を受ける可能
    性があり、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループは、資金調達需要を満たすため、また当グループの事業を全般的に維持あるいは成長させるため、国内の市場お
    よびオフショア市場内で顧客預金およびホールセール資金調達を含む様々な調達源から資金を調達する。主要市場の情勢は、
    国際資本市場における流動性に悪影響を受ける場合がある。例えば、流動性ストレスの時期において、当グループに対する市
    場の信頼が損なわれた場合、またはオーストラリア内外の市場からの資金調達が利用できないもしくは抑制された場合に、当
    グループの資金調達源および流動性を利用する能力は、抑制される可能性があり、当グループは流動性リスクおよび資金調達
    リスクに晒されることになる。
     COVID-19    のパンデミックの経済的影響に対応して、オーストラリアおよびニュージーランドを含む主要な中央銀行は、量的
    緩和および当グループを含む関連法域の銀行に直接資金を提供するその他の特定の融資枠を含む代替的な金融政策手段の利用
    を実施または拡大している。これらの政策手段が予期せず撤回されたり、大幅に縮小された場合には、当グループは代替的な
    資金調達を見つける必要が生じる可能性がある。
     代替的資金調達手段の利用可能性、および利用可能な条件は、そのときの市場状況および(オーストラリアおよびニュー
    ジーランドのソブリン信用格付に強い影響を受ける)当グループのその時点の信用格付等の様々な要因に依存する。たとえ利
    用可能であっても、これら代替資金調達手段のコストはこれまでより高いもしくは不利な条件であるかもしれず、当グループ
    のポジションに悪影響を与える可能性がある。
    14 .当グループの一部の資産および負債の評価の変動は、当グループの収益および/または資本に悪影響を及ぼし、結果とし

    て当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは、       デリバティブ      商品を含む多様な金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資産および負債
    ならびに一定の資産および負債(                「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載される2021年度財務書類                                の注記18に記載される
    もの)を公正価値で測定することを要する会計基準を採用しており、公正価値の変動は損益または資本に認識される。
     一般的に、これらの金融商品の公正価値を確立するために、当グループは取引相場価格に依拠するか、または、市場参加者
    により決定される公正価値に影響を与えうる要因の影響を                           組み込んだ     現在価値の見積もりもしくはその他の評価手法に基づく
    公正価値に依拠する。これらの商品の公正価値は、当グループの収益および/または資本に重大な悪影響を与える可能性があ
    る市場価格または評価の変数の変動により影響を受ける。
     加えて、当グループは貸付関連でない資産の減損(損益に認識される。)の結果としてその価値の下落に晒される場合があ
    る。  当グループ     は、少なくとも年1回のれん残高の回収可能性および耐用年数が確定できないまたは使用可能になっていない
    無形資産についてテストする必要があり、減損の兆候がある土地建物および設備機器、関連会社に対する投資、資産計上した
    ソフトウェアならびにその他の無形資産を含むその他の貸付関連でない資産をテストする必要がある。
     のれん残高の回収可能性を査定するため、当グループは利益倍率計算法を使用する。当該計算の基礎となる仮定の変更は、
    収益の変動とともにこの査定に大きく影響するかもしれず、結果としてのれん残高の一部または全部の償却の可能性がある。
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     その他の貸付関連でない資産について、資産が今後使用されない場合または当該資産により生み出されるキャッシュフロー
    が帳簿価格を      裏付けられない       場合、減損費用が計上される可能性がある。これは、上述の他の潜在的な変化と相俟って、当グ
    ループのポジションに影響を及ぼす可能性がある。
    15 .会計方針の変更が当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     当グループが適用する会計方針は当グループが財務状態および営業成績を記録および報告する方法にとって基礎となる。経
    営陣は、かかる会計方針が、適用ある会計基準または解釈に適合し、当グループの財務状態および営業成績を記録および報告
    するのに最も適切な方法を反映していることを確保するため、これらの会計方針および方法の多くの選択および適用につき判
    断を下す。しかし、これらの会計方針が不正確に適用され、その結果、当グループの財務状態につき不実表示がされる可能性
    がある。さらに、新規のまたは改正された会計基準または解釈の適用により、当グループのポジションが悪影響を受ける可能
    性がある。
     当グループの2021年事業年度に初めて発効する新たな会計基準の影響については、                                      「第6 経理の状況-1 財務書類」に
    記載される2021年度         財務書類の注記1に概要が記してある。
     時には、経営陣は、2つ以上の選択肢から会計方針を選択する必要があり、いずれの選択肢も関連する会計基準または解釈
    に適合しその状況下で合理的であるかもしれないが、選択肢に基づいて報告されたものとは著しく異なる結果を報告する結果
    になる可能性がある。
    法的および規制上のリスク

    16 .規制の変更または法律、規則もしくは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ

    る。
     当グループの事業および業務は厳しく規制されている。近年、規制の変更のペースは加速している。当グループは、事業を
    行うまたは資金調達を行う関連法域において業界の自主規制を含めて、相当数かつ増加しつつある法律、規則および政策に
    従っており、これらのそれぞれの法域において複数の異なる当局の監督対象となっている。オーストラリアおよびニュージー
    ランドにおける金融サービス・グループの行為に関する地域社会の関心への対応を含め、当グループのような金融サービス・
    グループの規制および監督の変更の規模ならびにかかる規制および監督に対して割り当てられる資金、また、訴訟を通じたも
    のを含めたかかるグループに対する法の執行は、近年大幅に増加している。この結果、関連法域にわたり、当グループを含む
    金融サービス・グループに対する規制および監督ならびに法の執行はますます広範囲に及んで複雑化し、費用も高くなってき
    ている。かかる規制、監督および執行は絶えず進展を続けている。
     COVID-19    のパンデミックは、当グループのような金融サービス・グループに対する規制および監督ならびに執行に影響を及
    ぼしており、今後も及ぼし続ける可能性がある。COVID-19のパンデミックの将来の影響は依然として不確実であり、本書日付
    現在において予測することは困難である。オーストラリアおよびニュージーランドでは規制改革の実施が遅延したり、繰り延
    べられており、執行の優先順位を含めた優先順位の再設定が行われている。
     このような遅延および繰り延べは、当グループが規制変更を管理する能力に影響を与え、新たな規制が発効した時に遵守し
    ていないリスクを増大させる可能性がある。
     また、進行中のCOVID-19のパンデミックは、様々な点で当グループの規制当局との交渉を複雑にする可能性がある。特に
    COVID-19のパンデミックに起因する当グループの事業、業務、第三者の請負業者およびサプライヤーにおける混乱は、当グ
    ループが規制上の義務もしくはプロセスを満たすことができず、ならびに/または未解決の問題に対処することができないリ
    スクを増大させる可能性があり、これが潜在的に、規制当局が当グループに対して不利な行動をとる可能性を高めている。銀
    行業界全体におけるローン返済猶予について、引き続き規制当局へ対応を行っており、また顧客に対して返済を再開できるよ
    う支援を行っているにもかかわらず、当グループが規制上の義務を満たせない場合には規制措置を受ける可能性がある。
    COVID-19のパンデミックに関するリスクについての詳細は、リスク要因1.「COVID-19のパンデミックおよび他の伝染性疾患
    の将来の発生やパンデミックは、当グループのポジションに重大な悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。
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    オーストラリア:
    健全性規制に関する進展
     健全性規則における進展は引き続き当グループに重大な影響を及ぼしている。                                    現在APRAおよびRBNZとの協議に付されている
    複数の項目を考えれば、当グループへの潜在的な影響は依然として不確実な状態である。APRAまたはRBNZによる健全性基準の
    さらなる変更が、当グループに対して維持することが要求される規制上の自己資本の水準の引き上げにつながり、当グループ
    の柔軟性を制限し、多額の費用の負担が必要となり、および/または1つ以上の事業ラインの利益性に影響を及ぼす可能性が
    あり、このいずれもが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性があり、これにはとりわけ以下のものを含む。
     ・ 2021年8月、APRAは、健全性基準APS第111号「自己資本比率:自己資本の測定」(「APS第111号」)の最終版を公表し
        た。APRAの改正による最も重要な変更は、レベル1の各銀行子会社および保険子会社への資本投資の取扱いに関して、
        当該投資における有形の構成要素が400%のリスク加重から以下へと変更される点である。
          ・ ANZBGLのレベル1の普通株式Tier1(「CET1」)資本純額の10%相当額を上限として、250%のリスク加重を
            行う。
          ・ 当該投資の残余は、CET1の資本控除として扱われる。
     ・ ANZBGLは、現在行っている投資に対するAPRAの提案の影響を引き続き検討している。当グループへの正味の影響は不明
        であり、多くの要因に依存する。これらの要因には、実施時に影響を受ける子会社の資本構成、健全性基準の最終版、
        およびこれらの提案による影響を概ね相殺し得る経営陣の行為の効果がある。これらの提案は、影響を受ける子会社へ
        のANZBGLの2021年9月30日現在の投資を前提とすれば、相殺する経営陣の行為が行われない場合、ANZBGLのレベル1の
        CET1資本比率が最大約20億豪ドル(約60ベーシス・ポイント)減少することを示唆している。これらの変更案は、当グ
        ループのレベル2のCET1資本比率に影響を及ぼさない。これらの変更の実施日は2022年1月1日である。2020年11月の
        改訂により、APRAは、修正後APS第111号が最終化され施行されるまでの間、銀行子会社および保険子会社への新規また
        は追加のエクイティ投資の総額がADIのCET1資本の10%を上回る場合は、ADIの親会社のレベルで自己資本により当該投
        資についての資金調達が完全になされることを要求すると発表した。この取り扱いは、ADIのCET1資本の10%を超える
        新規または追加投資の一部に適用される。
     ・ 2019年8月、APRAは、APS第222号「関連当事者の関与」を修正し、関連ADI(または同等の海外事業体)に対するオース
        トラリアのADIの個々のエクスポージャーの上限をレベル1総資本の50%からレベル1のTier1資本の25%へ、またエク
        スポージャー合計ではレベル1総資本の150%からレベル1のTier1資本の75%へと引き下げる旨を発表した。エクス
        ポージャーは資本控除を除外して測定されるため、APRAの自己資本規制の変更案(APS第111号に含まれる。)は、ADIの
        エクスポージャーの測定に影響を及ぼす可能性がある。これらの修正の実施は、APRAにより2021年1月1日の予定から
        2022年1月1日まで延期された。
     ・ 2019年7月、APRAは、損失吸収力に関する決定を公表し、この決定に従いANZBGLを含むオーストラリアのD-SIBに対して
        2024年1月までに自己資本合計をリスク加重資産(「RWA」)の3%増加させることを求めることになる。2021年12月2
        日、APRAは、損失吸収力に関する要件を最終化し、オーストラリアのD-SIBに対し、2026年1月までにその自己資本合計
        をさらにRWAの1.5%引き上げるよう要求する旨を述べている。以前公表した暫定的な3%の増加を含め、これによっ
        て、最低所要自己資本合計は全体でRWAの4.5%相当分引き上げられることになる。APRAは、主にその他Tier2資本に
        よってこの要件が充足され、他の上位の資金調達において相当額の減少があると予想している。追加の所要自己資本合
        計額は、2021年11月29日に発表されたAPRAの自己資本フレームワークの改訂による最終的な影響を含め、2026年1月時
        点でのANZの実際のRWAに基づいて決定される。APRAは、「ADIの資本改革によるRWAの変化を考慮すると、2023年から実
        施される新たな自己資本フレームワークに基づいたドル建て金額の下限は、概ねRWAの4.5パーセンテージ・ポイントの
        要件に一致する」と言及している。
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     ・ ADIに対するAPRAの自己資本フレームワークの変更は、BCBSのバーゼル3自己資本改正およびFSIの勧告を受けたもの
        で、今後数年にわたって実施される。しかしながら、COVID-19のパンデミックに起因する混乱による厳しい経済環境を
        受け、APRAはCET1について「問題なく強固」な水準である10.5%の自己資本比率を維持しているADIに関し、その期待値
        を一時的に変更することを発表した。APRAはすべての銀行に対し、COVID-19の世界的流行によるこの混乱の期間中にお
        いては、オーストラリア経済に対する継続的な貸付を促進するために当面多額のバッファーが求められる可能性がある
        ため、銀行がこのベンチマークを満たせない場合であっても、引き続き他の最低自己要件を満たしていれば、APRAは問
        題視しない旨を通知した。
     ・ APRAは、ADIのリスク・ウェイトの枠組みおよびその他の資本要件の変更(資本改正)の実施予定を1年延期した。資本
        改正の大部分は、当初2022年1月1日に実施予定であったが、現在は2023年1月1日に変更されている。2021年11月、
        APRAは、2023年1月1日から実施されるADIに対する自己資本十分性および信用リスクにおける所要自己資本に関する最
        終要件を公表した。         これは、APRAがADIの自己資本フレームワークの変更案に関する協議文書を発表した2020年12月から
        開始する協議手続きに従ったものであり、当該変更は、自己資本の「問題なく強固」な水準を織り込み、当該フレーム
        ワークの柔軟性を高め、ADIの資本力の透明性を向上させることを目的としている。APRAの最終要件の重要な側面は、以
        下のとおりである。
          ・ 国際的に合意された           非住宅モーゲージ・エクスポージャーの                  バーゼル基準との整合性を向上させる。
          ・ 住宅ローン貸付について、よりリスクに敏感なリスク・ウェイトを適用する。
          ・ IRBを用いるADIのRWAを、標準アプローチによりRWAの72.5%以上に制限するバーゼルⅡ資本フロアを導入す
            る。
          ・ カウンターシクリカル資本バッファー(「CCyB」)のデフォルト水準の導入により自己資本フレームワークの
            柔軟性を高め、IRBを用いるADIの資本保全バッファー(CCB)を引き上げる。
          ・ IRBを用いるADIに対して標準アプローチによる自己資本比率の公表を求めることも含め、ADIの自己資本比率
            の透明性および比較可能性を向上させる。
          ・ IRBを用いるADIの最低レバレッジ比率を3.5%とする。
     ・   APRA  は、上記の変更により          RWA  が減少する可能性があるが、規制上のバッファーへの資本配分の増加により相殺されると
        述べている。さらにAPRAは、ADIは現時点で「問題なく強固」のベンチマークを満たしているため、ADIに対して追加資
        本の調達を要求することはAPRAの意向ではないことも述べている。よって、APRAは、現行の自己資本フレームワークに
        基づき、ADIに対する既存の「問題なく強固」の自己資本ベンチマークに業界レベルで一致させるべく、ADIについて提
        案されたドルベースの自己資本要件の調整を図っている。しかし、これらの変更案が個々のADI(ANZBGLを含む。)に及
        ぼす影響は、APRAが適用する最終的な要件によって異なる。
     ・ また、銀行業の金利リスク(「IRRBB」)、市場リスクおよびカウンターパーティー信用リスクが存在しており、APRA
        は、市場リスクに関連する多数の健全性基準の修正について現在も協議を行っているところである。APRAがまだ最終化
        していない項目が複数あることを前提とすれば、                       ADI  の「問題なく強固」に関する自己資本フレームワークの見直しに関
        連して行った      APRA  健全性基準へのすべての変更による総合的な最終結果は、依然として不明である。
     ・ COVID-19のパンデミックへの対応として、2020年4月、APRAは、自己資本管理に関するガイダンスを定め、これにはADI
        が適切な配当水準の決定の延期を慎重に検討することへの期待が含まれていた。2020年7月、APRAはガイダンスを改訂
        し、この改定には、ADIが配当に関して慎重な姿勢を維持し、2020暦年内はADIが資本分配に関する決定を行う場合に収
        益の少なくとも半分を維持することへの期待が含まれた。                           2020  年12月、APRAはさらにガイダンスの改訂を行い、それに
        従い2021暦年からAPRAは銀行について収益留保の最低水準を設定することはなくなるが、                                         ADI  は引き続き周到で注意深い
        資本管理計画を求められる。APRAは、収益、資本および経済情勢の見通しを考慮して持続可能な配当率を注意深く検討
        する責務は、取締役会が負うと述べている。
     ・ また、2021年7月に、APRAは、COVID-19のパンデミックの影響を受けた借主に対して一時的な金融支援を与える銀行に
        対して規制上の支援を行うと発表した。ADIは、これらの適格な借主について、返済猶予を債務再編として、または猶予
        期間を延滞期間として扱う必要はない。この一時的な健全化措置は、2021年7月8日から2021年9月30日までの最長3
        か月間まで返済猶予を認められた適格ローンに適用された。
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     ・   RBNZ  は、ニュージーランド          の 銀行に   対して   新しい自己資本要件を発表したが、これは銀行業健全性要件(「BPR」)の文
        書に規定されて       おり、   2021  年10月から2028年7月までの移行期間中に段階的に施行される。当グループへの正味の影響
        は、2021年9月30日から2028年の移行期間の最終日までに約10億ドルのCET1資本の増加であろうと予想されている(当
        グループの2021年9月30日現在の貸借対照表に基づく。)。この金額は、ANZニュージーランドの自己資本要件の変更
        (例えばRWAの増加または管理バッファー要件によるもの)、潜在的な配当金額およびAPS第111号の実施の最終版に従
        い、時が経つとともに変化し得る。
     ・ さらに、BPR文書に概要が示されている変更に基づき、2022年1月1日より、ANZニュージーランドの既存のその他Tier
        1資本商品(これには、ANZニュージーランドの5億ニュージーランドドルの強制転換永久劣後社債(「キャピタル・
        ノート」)が含まれる。)の規制資本上の認識が12.5%削減される。その結果、ANZニュージーランドは、キャピタル・
        ノートに関して規制事由(2019年6月26日に修正再表示された2015年2月23日付のキャピタル・ノートについての捺印
        証書において定義される。)が発生したものと判断を下した。規制事由の発生により、ANZニュージーランドはその裁量
        によりキャピタル・ノートの償還を選択することができる。キャピタル・ノートの償還は、RBNZおよびAPRAの承認を含
        む、一定の条件に服する。2021年11月、ANZニュージーランドは、規制事由の発生によって、2021年12月31日にキャピタ
        ル・ノートを償還することを公表した。
     ・ 2021年3月31日、RBNZは、2020年4月に実施した配当制限を緩和すると発表した。改正後の制限は、ANZニュージーラン
        ドがその利益の50%までを株主配当として支払うことを認める。この制限は2022年7月1日まで実施され、経済情勢が
        著しく悪化しないことを条件にRBNZはその時点をもって制限を全廃する意向である。さらに2021年3月、RBNZはCET1以
        外の資本商品の償還について規制を撤廃していくと発表した。しかし、2020年5月はこの規制が実施中であったため、
        ANZニュージーランドはキャピタル・ノートを任意交換日(2020年5月25日)に償還することができず、2020年5月に転
        換オプションを行使することはなかった。当該キャピタル・ノートの詳細は上記を参照のこと。
    ASIC  の規制に関する優先事項の再調整

     ASIC  は2020年3月23日、COVID-19により生じた課題に規制上の取組みを集中させると発表した。それ以来、ASICは、重大な
    消費者被害のリスクがある事項、重大な法令違反がある事項、市場の廉潔性リスクがある事項、および緊急を要する事項に優
    先的に対応してきた。これには、ローンの返済猶予プログラムおよび困難に対処する顧客への重点的な取組みが含まれた。
    ASICは、緊急を要さない目先の活動の多くを直ちに停止した。これらの活動には、ASICの緊密的かつ継続的なモニタリング・
    プログラムなどの、いくつかの協議、規制上の報告および現地レビューが含まれる。2020年4月、ASICは、COVID-19のパンデ
    ミックを踏まえた規制業務および優先事項の変更について、さらなる詳細を発表した。これには、市場の監視業務を強化する
    ことや、執行活動を継続することが含まれる。ただし、ASICは、COVID-19のパンデミックの影響を考慮に入れるために実施中
    である調査の時期および手続には変更があり得ると述べた。2020年5月、ASICは、モーゲージ・ブローカーの最善の利益義務
    および報酬改革、ならびに設計および分配義務の開始日を6か月延期して、それぞれ2021年1月1日および2021年10月5日に
    すると発表した。
     2021  年8月、ASICは、2021年から2025年までのコーポレート・プランを発表し、その中ですべてのオーストラリア国民に
    とって公正で強固で効率的な金融制度を実現するというASICのビジョンを概説し、そのための以下4つの外部戦略上の優先事
    項を掲げている。(ⅰ)より適切かつより効果的な規制の駆使などを通じた景気回復の促進、イノベーションの推進およびもっ
    とも被害が大きい分野への規制執行活動の傾注、(ⅱ)不十分なガバナンスや設計の商品および低利回り環境下で増える詐欺的
    投資活動に晒される顧客の被害リスクの軽減、(ⅲ)サイバーセキュリティ・リスクの低減に対する政府一丸での取組みを踏ま
    えた、ASICの規制適用範囲者向けのサイバーレジリエンスおよびサイバーセキュリティの支援、ならびに(ⅳ)法改正案の提出
    により設定された基準(金融説明責任体制、退職年金および保険改革、違反の報告、ならびに                                            商品設計および販売に係る義務
    など  )に対する業界の準備および遵守の推進。ASICはまた、そのビジョンを達成するための規制措置をこの期間中に講じ、翌
    4年間は以下の作業に集中的に取り組む意向である。顧客および投資家に良好な成果をもたらすための行動変容、金融制度の
    信頼および一体性を維持するための不正対策活動、金融制度の強固で革新的な発展の促進、およびオーストラリア国民の金融
    を使いこなした暮らしのための支援。ASICはまた、オーストラリア政府の期待声明に応じて新たな意思表明を出した。意思表
    明は、景気目標およびCOVID-19のパンデミックからの回復に向けた支援、規制面での協力、利害関係人の関与および助言、規
    制手段の活用、ならびにガバナンスに触れている。
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    王立委員会
     王立委員会は、       法の改革、自主規制基準ならびにASICおよびAPRAの業務に関する76の勧告を行い、それらの勧告の多くは既
    に実施されている。オーストラリア政府は、残りの勧告の実施の完了に引き続き注力すると述べた。さらに、王立委員会に従
    い、追加的な費用およびエクスポージャー(さらなる規制活動に伴うエクスポージャーや、クラス・アクション、個別請求、
    顧客救済もしくは補償行為などの潜在顧客エクスポージャーを含む。)が発生しており、今後も発生し続ける。これらの勧告
    は、当グループの競争環境の調整をもたらしうる。これらの可能性のあるエクスポージャーおよび変化の結果および関連する
    費用の総額は依然として不明であり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある                                           。
    競争に関する法律、規則および調査

     オーストラリアおよびニュージーランドの金融サービス部門における競争の規制について重点的な取り組みがなされてい
    る。2021年2月、ACCCは今年度の執行優先順位を発表し、金融サービスが重要な優先事項として再び取り上げられた。ACCC
    は、2020年12月に発表されたACCCの住宅ローン価格調査の最終報告書からの提言を最後まで遂行すると述べた。かかる提言に
    は、借り手がローン提供会社を切り替えることで利益を得られるかどうかを検討するよう促すこと、住宅ローン免除プロセス
    の変更、ACCCが住宅ローン市場の競争と価格を監視する役割を継続することなどが含まれていた。これらの変更により、当グ
    ループが負担する法令遵守コストが増加する可能性がある。ACCCは、特にオーストラリアの4大銀行による合併や買収を厳し
    く審査し、また、ローンの返済猶予期間が終了した際の回収に起因する問題についても注視していくと述べている。ACCCの審
    査が増加することにより、潜在的買収を通じて成長する当グループの能力が悪影響を受ける他、関連して当グループの費用が
    増加する可能性があり、           このことが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
    製品に関する法律、規則および調査

     当グループを含む金融サービス事業者が提供する商品の適合性について重点的な取り組みがなされている。責任ある消費者
    向け融資に関する規制政策は大きな進展を見せ、監督は大幅に強化されており、事業慣行の                                           見直し   と変更が引き続き推進され
    ている。責任ある消費者向け融資に関する進展および監督の結果、さらに法、規制または政策が改正された場合、かかる変更
    は、当グループの将来における消費者向け融資業務の提供方法に影響を与えることがあり、これがかかる分野の当グループの
    業務に一部悪影響を及ぼし、結果的に当グループのポジションにも悪影響が及ぶ可能性がある。ASICは、2019年12月に責任あ
    る融資に関する法律についての最新の規制ガイダンスを発表した。2020年12月にオーストラリア政府は、ADIの責任ある貸付に
    関する義務についての変更を含むオーストラリアの信用枠組みの変更を行うための法案を提出し、それによりAPRAは既存の基
    準に関連してADIの規制を引き続き行い、一方ASICは新基準に関連してADI以外の規制を行うことになる。金融商品および追加
    保険の繰延販売モデルに関連して、最近、より厳格に不招請勧誘を禁止する法律が可決された。2021年10月5日にオーストラ
    リアで発効した金融商品および信用商品の設計および販売義務に関する法律では、特に当該商品の発行者および販売会社に対
    し、適切な対象市場を特定し、その対象市場にアクセスできるよう当該商品を販売するための要件を導入する。不遵守に対し
    ては多額の罰金が科せられており、かかる法律の制定は将来における金融商品の発行およびマーケティングを行う当グループ
    の能力に影響する可能性がある。金融商品の販売要件に起因する法令遵守コストの増加は、当グループのポジションに悪影響
    を与える可能性がある。
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                                                           有価証券報告書
    監督権限の強化、企業に対する罰金の引き上げおよび規制当局のための財政的支援の強化
     オーストラリア消費者法を含め、オーストラリアに                        おける   法律違反に対する罰金が引き上げられ、規制当局の権限および規
    制当局による違反の取り締まりのための財政的支援が強化されている。強化の対象となった監督権限には、ASICの商品介入権
    限、ならびにASICの指示権限の拡大案が含まれる。2019年3月、オーストラリア政府は、執行活動の支援ならびに規制および
    監督の強化のための追加資金提供として、ASICに対して4億                            豪ドル   超およびAPRAに対して1億5,000万                豪ドル   超が提供される旨
    を発表した。2019年財政法改正法(企業および金融部門に対する罰則強化)により、企業および金融部門による様々な義務違
    反に適用される処罰が大幅に強化された。当グループに対してかかる罰金が賦課された場合、当グループのポジションに悪影
    響を及ぼす可能性がある。
    上級役員の説明責任に関する法律および規則

     銀行部門の上級役員に適用される罰金と特定の規則が強化されている。                                 銀行役員説明責任体制(「BEAR」)                がADIグループに
    おける取締役および大部分の上級役員に関する責任および説明責任の枠組みとして導入された。2020年1月、オーストラリア
    政府はBEARを金融説明責任体制(「FAR」)に置き換えることを発表した。FARは、説明責任体制の適用範囲を他のAPRA規制対
    象企業に拡大することを提案している。FARは、APRAとASICにより共同で管理され、個人を含むあらゆる違反行為に対してより
    厳しい民事罰を課す可能性がある。2021年10月28日、オーストラリア政府は金融説明責任体制法案を議会に提出した。BEARの
    制定およびFARが当グループにもたらす潜在的なリスクには、罰金の支払リスクならびに優秀な取締役および上級役員を誘因お
    よび維持するための当グループの能力に対するリスクが含まれる。
    その他の政府または規制当局による金融部門に対する介入

     オーストラリア政府および規制当局によるオーストラリアの銀行に関する審議および介入が進行している。これらの審議は
    広範囲に及び、税金や賦課金によるものを含む当グループのポジションに悪影響を及ぼすおそれがある法規制の変更または措
    置につながる可能性がある。また、銀行の審査は、過去および継続中の2006年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法
    (連邦法)の違反の申し立てに関連して他のオーストラリア主要銀行2行に対して2017年および2019年にAUSTRAC(マネーロン
    ダリング、組織犯罪、脱税、福祉詐欺およびテロ資金調達の特定を目的として金融取引を監視するために設立されたオースト
    ラリア政府の金融情報機関)による民事上の罰則手続きが開始された後に大幅に強化された。オーストラリア議会の貿易・投
    資成長に関する両院合同常任委員会は、オーストラリアの輸出産業への投資に関する健全性規制の調査を実施した。権限委任
    条項では、銀行業、保険、年金の健全性基準および慣行ならびにこれらが企業や地方、地域および国の経済にどのような影響
    を与えているかに焦点が当てられている。
     ANZBGL   は、調査に関連して、貿易・投資成長に関する両院合同委員会に二度出席した。オーストラリア上院の技術・金融セ
    ンターとしてのオーストラリア特別委員会は、技術およびオーストラリアの金融サービスに関する幅広い課題を検討してお
    り、その中にはオーストラリアの銀行によるフィンテックの「脱銀行化」が含まれている。調査がANZBGLに与える影響(もし
    あれば)は、現時点では明らかではない。リスク要因18.「マネーロンダリング防止、対テロ資金および制裁に関連する法令違
    反の場合に多大な罰金および制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。」も参照のこと。
    業界自主規制

     リテールおよび小規模企業バンキングに影響する業界ベスト・プラクティスの指針および基準に対して重点的な取り組みが
    続けられている。業界規範および慣行の指針を含む自主規制商品における変更により、当グループではコンプライアンスの実
    施および監視のための資金が必要となっている。2021年12月、オーストラリア銀行業行動規範(「行動規範」)についての独
    立審査が終了し、116の勧告が行われた報告もなされた。それには、銀行に対して、行動規範のすべての規定を確実に実施する
    ための制度や仕組みを整備するよう求める新しい強制可能な規定に関するものが含まれている。オーストラリア銀行協会およ
    び加盟銀行は、2022暦年にそれらの勧告に対する立場を確立する。更新された行動規範は2022年5月末までにASICに提出され、
    ASICによる承認から6か月後(2023年3月または4月)に発効する予定である。。
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    オープン・バンキング法
     オープン・バンキングは、2019年8月に成立したオーストラリアにおける新たな消費者データに関する権利(「CDR」)の一
    つである。CDRは、顧客に自己データに関するアクセスおよび管理権限を与え、また商品とサービスとを比較し切り替える消費
    者の能力を確立しこれを向上させるものである。2020年7月1日より、個人顧客は、銀行に対し、預金および取引口座ならび
    にクレジットおよびデビットカードに関する自身のデータを共有するよう要請することができ、それ以来、多数の追加の商品
    に範囲が広げられている。オーストラリアの銀行業界への新規参入者に対する障壁を削減することが期待されている。オープ
    ン・バンキングにより競争が促進される可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     2020  年12月23日、オーストラリア政府は「消費者データに関する権利の将来の方向性に関する調査」の報告書を公表した。
    かかる報告書には、現在オープン・バンキングを支えているCDRの拡大に向けた100の勧告が含まれている。その中には、CDR制
    度を通じて、認定された者による一般的な行為の開始(例えば、商品の開設、管理および解約など)ならびに支払いの開始を
    可能にする勧告が含まれている。これらの勧告がオーストラリア政府によって実行されれば、競争がさらに高まる可能性があ
    る。オーストラリア政府はこの報告書に対して2021歴年中に回答すると発表している。オーストラリア財務省はまたCDRの戦略
    評価を実施している。
     2021  年12月14日、オーストラリア政府は「2020年CDRの将来の方向性に関する調査」の調査結果を承認し、100の勧告の大半
    に同意した。これには、消費者主導の第三者による行為の開始を支援するために、CDR制度の機能の拡大が含まれる。この機能
    は段階的に適用される。銀行業への適用は、決済業界における現在の開発およびインフラを補完し、第三者による支払いの開
    始を可能にすることを優先する。当社への影響は現時点で明らかになっておらず、最終的なオーストラリア政府の政策に左右
    される。
    サイバーセキュリティおよび重要なインフラ

     2021  年12月3日、2021年セキュリティ法改正(重要インフラ)法が発効した。同法により、2008年重要インフラセキュリ
    ティ法の適用は金融サービスおよび市場部門を含む他の部門にも拡大されている。また、同法により、事業体へ特定の行動を
    指示し、オーストラリア信号局にサイバー攻撃への介入を許可する「最終手段」の権限が政府に与えられ、重要インフラ資産
    とサイバー・インシデントについての登録および報告要件が導入されている。政府は、どの重要インフラ資産とサイバー・イ
    ンシデントについて登録および報告しなければならないか協議する予定である。政府は、部門特有の要件を通じて遂行される
    ことになる重要インフラ資産に対する積極的なセキュリティ義務(リスク管理プログラムを含む。)と国家的に重要なシステ
    ムに対する強化されたサイバーセキュリティ義務などのさらなる改革を盛り込んだ2022年セキュリティ法改正(重要インフラ
    保護)法案の公開草案に関する協議を開始した。当グループは、より詳細な情報が発表されるに従いこの変更による影響を検
    討している。
    支払ポリシー

     2021  年12月、オーストラリア政府は、オーストラリアの支払システム                              の検討、モバイル決済およびデジタル・ウォレットの
    調査、ならびに(フィンテックおよび暗号通貨取引の脱銀行化を推進する)オーストラリアの技術・金融センターとしての
    オーストラリア構想の調査という支払に関する3つの検討および調査に並行して対応                                       した。   政府  は、いかなる支払ポリシーが
    オーストラリアにおいて設定されるべきかについて、また政府がかかる支払ポリシーを実施するために有すべき権限に関して
    重点的に考察した検討よび調査の                勧告  に概ね同意した       。オーストラリア財務省は勧告               の実施   について    、2022年に     コンサルテー
    ションを行う予定である。            脱銀行化に関して、政府はその基礎的根拠および可能な政策対応について金融規制協議会に助言を
    求める予定である。         かかる作業の影響が当グループにあるとしても、その影響はいまだ明確になっていない。
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    プライバシー法の見直し
     政府は、罰則と執行手段を強化し、プライバシー保護を強化する拘束力のあるオンライン・プライバシー・コードを導入す
    る法案の草案について協議を行っている。                    現在の草案では、かかるコードはオンライン・バンキング・プラットフォームに適
    用される可能性が高い。また、政府は、プライバシー法の広範な一連の可能性のある改革についても協議しており、これによ
    り企業が個人情報を利用する方法が大きく影響を受ける可能性がある。当グループは、より詳細な情報が発表されるに従いこ
    の改革案の影響を検討している。
    オーストラリア以外:

    ニュージーランドにおける進展
     ニュージーランドの政府および規制当局は、ニュージーランドの金融機関に対する大幅な法律上および規制上の変更を提案
    または実施した。これらの変更には、とりわけ以下が含まれる。                              RBNZ  による自己資本要件および改正外部委託方針(BS11)の
    改訂、RBNZによるモーゲージ貸付基準の改定の提案、金融市場(金融機関の行為)改正法(FMCIA)案に基づく金融機関に対す
    る行動規制案、1989年ニュージーランド準備銀行法の代替、ならびに2019年信用契約改正法(CCLA法)の成立。上記の変更
    は、ANZニュージーランド・グループに悪影響を及ぼす可能性があり                               、潜在的にその企業構造、事業、戦略、資本、流動性、資
    金調達および収益性、コスト構造、顧客のためのコストおよび信用の利用ならびにさらに広い範囲にわたる経済に影響し、こ
    れがさらに当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
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    その他の国外における進展
     その他の国外の規制上の進展には、米国金融規制の変更、シンガポール、香港および英国における上級役員の説明責任につ
    いての変更、ヨーロッパにおけるさらなるデータ保護規制の導入、多くの関連法域における非清算OTCデリバティブの当初証拠
    金要件のさらなる段階の実施、銀行が欧州銀行間取引金利(EURIBOR)およびシンガポール銀行間貸出金利(「SIBOR」)の改
    正に備えることへの要請ならびに無リスクレートへの移行によるLIBORおよびその他の銀行間オファード・レートの廃止、が含
    まれる。LIBORに関するリスクの詳細は、上記リスク要因8.「予定されているLIBORの廃止および他のベンチマーク・レート
    に影響を及ぼす進展は、当グループの証券発行ならびにその資本市場活動および投資活動に悪影響を与える可能性がある。」
    を参照のこと。
     関連法域における当グループによる法律、規則または方針の不遵守は、規制上の調査、法律上もしくは規制上の制裁、財務
    損失もしくはレピュテーションの喪失、訴訟、罰金、刑罰、当グループが事業を行う能力の制限、関連する規制上の免許の取
    消し、停止もしくは条件の変更またはその他の強制執行もしくは行政処分もしくは合意(強制執行可能な約束など)につなが
    る可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループの事業に対するCOVID-19のパンデミックの影響により、規制の変更または規制当局に対してもしくは公に行った
    確約への取組みに必要な措置の実施が遅延する可能性がある。いかなる遅延も、規制当局がその監督義務または法規制の変更
    について、どのように選択しその優先順位、時期および適用を調整するかに左右される。
     上記の不遵守が発生すれば、当グループは第三者(集団訴訟手続きによるものを含む。)からの訴訟リスクに晒されること
    になる。訴訟(集団訴訟手続きを含む。)の結果により、第三者への補償金の支払いおよび/またはさらなる救済行為につな
    がる可能性がある。当グループの訴訟および偶発債務に関する情報については、リスク要因17.「訴訟および偶発債務は当グ
    ループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」および                             「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載される                        2021  年度財
    務書類の注記33を参照のこと。
    17 .訴訟および偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

     当グループは、その時々において重大な訴訟、規制措置、法的あるいは仲裁手続きおよびその他の偶発債務の対象となる可
    能性があり、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは、2021年9月30日現在、                  「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載される2021年度                            財務書類    の注記33に概要
    が記載される事項に関する偶発債務を有していた。
     注記21は特に以下の説明を含む。
     ・ 監督当局および顧客に対するエクスポージャー
     ・ ベンチマーク/金利に関する訴訟
     ・ 資本調達に関する訴訟
     ・ 消費者信用保険訴訟
     ・ Esandaのディーラー自動車ローンに関する訴訟
     ・ OnePathの年金に関する訴訟
     ・ ニュージーランドのローン情報に関する訴訟
     ・ 王立委員会
     ・ 担保回収の訴訟
     ・ 保証および補償
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     近年において、当グループでは、規制当局とのやり取りを要する事案件数が増加している。また、とりわけオーストラリア
    およびグローバルの両方の金融機関に対し、規制当局による調査、監視および見直しの性質および規模、民事および刑事にお
    ける執行活動(訴訟であるか否かを問わず)、公式および非公式の照会、規制当局による監視活動ならびに規制当局による罰
    金額が大幅に強化されている。当グループは業界全体に対する見直しおよび当グループ固有の見直しの両方の一環として規制
    当局からの各種通知および情報の請求を受け、勧奨に基づき規制当局に対する開示も行った。これらのやり取りの性質は広範
    囲にわたり、例えば責任ある貸付慣行、規制上の貸付要件、商品の適合性および流通、利息および手数料ならびにそれらを課
    す資格の付与、顧客救済、富裕層への助言、保険の販売、価格設定、競争、金融市場における行為および金融取引、資本市場
    取引、マネーロンダリング防止および対テロ資金に関する義務、報告および開示義務ならびに商品の開示書類などの一連の事
    項が含まれている、または含まれてきた。規制当局に対するエクスポージャーに加えて、顧客に対するエクスポージャーも存
    在する可能性がある。これらにはクラス・アクション、個別請求または顧客救済もしくは補償行為が含まれうる。かかる見直
    しおよび可能性のあるエクスポージャーの結果および関連する費用の総額は不明である。
     偶発債務が予想以上に大きい、あるいは追加的訴訟、規制上措置、訴訟もしくは仲裁手続きまたはその他の偶発債務が生じ
    るかもしれないというリスクがある。
     詳細については、「第6 経理の状況-3 その他-(2) 訴訟等」を参照のこと。
    18 .マネーロンダリング防止、対テロ資金および制裁に関連する法令違反の場合に多大な罰金および制裁を受ければ、                                                       当グ

    ループ   のポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     マネーロン     ダリング防止(AML)、対テロ資金(CTF)および制裁遵守は、近年、重要な規制上の変更および執行の対象と
    なっている。当グループが業務を行う環境が複雑さを増すことによって、これらのオペレーショナル・リスクおよびコンプラ
    イアンスのリスクが高まってきている。さらに、国内および世界の双方における金融機関によるコンプライアンス違反の結果
    ならびに関連する罰金および和解金額の透明性の向上は、これらのリスクが引き続き当グループが注視する分野であることを
    意味する。
     近年、主要なAML/CTF規制当局による「報告事業体」(オーストラリアにおける「報告事業体」とは、銀行口座開設やローン
    の提供など少なくとも1つの「指定サービス」を顧客に提供する法人を意味する。)に対する措置が強化されている。AUSTRAC
    は、オーストラリアの多くの報告事業体がAML/CTFのリスクの特定、軽減および管理のために必要なシステムと管理に十分な投
    資を行っていないとの見解を引き続き公に表明している。
     2019  年後半、    2006  年マネーロンダリング防止およびテロ資金対策法                       の過去の報告違反の申し立てに関連してオーストラリア
    主要銀行の1行に対してAUSTRACによる民事上の罰則手続きを開始した。2020年9月、同意された陳述書が連邦裁判所に提出さ
    れ、その結果、同銀行に対して13億豪ドルの民事制裁金が課された。これはオーストラリアで金融機関に課された過去最高額
    となる制裁金(AUSTRACによる制裁金のこれまでの最高額の2倍近くに相当する。)であり、AUSTRACが引き続き、AML/CTF規制
    体制の重要な不遵守に対して罰則を科していることが裏付けられた。さらに2018年以降、AUSTRACは、違反通知書を発行する権
    限を有しており、それに従って多大な罰則を科すことができる。AUSTRACは、違反が比較的少数(100未満)であるものの、こ
    のアプローチを2回使用して報告事業体に対し違反通知書を発行している。さらに、AUSTRACその他の規制当局は、民事罰手続
    きの開始により、速やかにその強制執行権限を行使する意思を示している。
     同様に、RBNZは、ニュージーランドの2009年マネーロンダリング防止および対テロ資金対策法の違反に対して正式な強制執
    行措置を採る意欲を高めていると述べており、他の規制当局(アジア太平洋地域を含む。)も自国のAML/CTF法の不遵守に対し
    て措置をとる傾向が強まっている。2021年8月、ニュージーランド最高裁判所は、RBNZがニュージーランドのリテール・バン
    クに対し、ニュージーランドのAML/CTF法の違反について提起した民事訴訟で判決を言い渡し、350万ニュージ-ランドドルの
    制裁金を科した。違反は、銀行のリスク評価プロセスおよびAML/CTFプログラムの維持を怠ったことに関連している。これは、
    RBNZが提起した最初の民事訴訟であり、さらに、2021年8月にRBNZは、AML/CTF法により要求されている所定の取引に関する報
    告の不履行について、オーストラリア主要銀行のニュージーランド支店に正式な警告を発した。正式な警告は、国際電信送金
    についての約7,800件の報告に関するものである。
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     COVID-19    のパンデミックが当グループが事業を展開する多くの法域で様々なペースで進行を続ける間、金融犯罪の程度およ
    び種類の綿密な監視を当グループ全体にわたって継続する。現在までに、犯罪者がCOVID-19のパンデミックを偽装に利用して
    脆弱な顧客を標的とする詐欺の種類に加え、個人情報の窃盗および虚偽の政府の支援への申請も変化している。潜在的なマ
    ネーロンダリングやテロリズムの資金調達活動に対する警告の管理については、リソースの可用性および/または作業体制の
    変更の双方とも原因となって遅延する可能性があるリスクが引き続き存在している。
     AML/CTF    および制裁関連の法律の不遵守リスクは、当グループの規模および複雑性ならびにいくつかの必須の報告要件の透明
    性の欠如を考慮すると、引き続き高い。仮想通貨の発行業者/交換業者およびウォレット・プロバイダーならびにフィンテッ
    クやその他のディスラプターを通じたますます複雑化する送金の取決めなどの新興技術により、資金の流れを追跡し、関連取
    引の監視を進め、報告義務を満たす当グループの能力が制限される可能性がある。さらに、当グループの技術の複雑性ならび
    にAML/CTFおよび制裁遵守において機能するシステムの変更の頻度の増加により、当グループは、システムおよび制御への影響
    を誤って特定できないリスクに晒されている。資金の流れを報告し、マネーロンダリング、テロ資金調達その他の重大な犯罪
    に対抗するための強固なプログラムを実施できないと、当グループおよびその従業員に財務上、法的およびレピュテーション
    の面で深刻な影響が及ぶ可能性がある。
     上記の結果、罰金、刑事上および民事上の罰則、民事訴訟、レピュテーションの毀損および一定の法域で事業を行うことの
    制限などが発生する可能性がある。これらの結果によっては、個別または集団的に、当グループのポジションに悪影響が及ぶ
    こともあり得る。当グループの海外業務により、当グループを規制当局による強化された監視下に                                              置かれ、法令順守コストが
    増加する可能性がある。
    19 .金融政策の変更は当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     中央金融当局      (RBA、RBNZ、米国連邦準備制度理事会、イングランド銀行および当グループが業務を行うアジアの法域の金融
    当局を含む。)はそれぞれ関連法域で通貨および信用の需要に影響を与えるため、政策金利の設定またはその他手段を取って
    いる。加えて、法域の一部では、通貨政策も、全般的な事業状況ならびに通貨および信用の需要に影響を与えるために使用さ
    れる。これらの手段および政策は、当グループの貸付および投資の資金コスト、ならびに当グループがそれらの貸付および投
    資からあげるリターンにかなりの影響を与える可能性がある。これらの要因は当グループの純預貸利鞘に影響を与え、当グ
    ループが保有する債券およびヘッジ商品などの金融商品の価値に影響を与える可能性がある。中央金融当局の取る手段および
    政策はまた、当グループの借入者に影響を与える可能性があり、借入金返済を履行できないリスクを潜在的に増加させる。
     当グループが業務を行う法域において多くの中央金融当局は、政策金利の引き下げを積極的に行っており、異例な金融政策
    の採用を現在検討、実施または拡大している。RBA、米国連邦準備制度理事会およびRBNZを含む世界中の中央銀行が、経済成長
    の減速に対応して2019年において利下げを行い、2020年においてもCOVID-19のパンデミックによる新たなリスクに対応して再
    び利下げを行った。2020年11月3日、RBAは、オーストラリア経済に対するCOVID-19のパンデミックの継続的な影響に対応し
    て、政策金利(キャッシュレート)目標を過去最低金利となる0.1%まで引き下げた。また、RBNZは、2020年3月にニュージー
    ランドのオフィシャル・キャッシュレート(政策金利)を過去最低の0.25%に引き下げたが、その後2021年に0.75%に引き上
    げられた。継続する低金利またはマイナス金利は、当グループの利ざやを圧迫し、当グループのポジションに悪影響を及ぼす
    可能性が高い。
     かかる政策金利および金融政策の変更を予測することは困難であり、当グループ                                     のポジションに悪影響を与える可能性があ
    る。
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    20 .法令順守コストの増加、(依然進行中である)グローバル顧客の税務の透明性に関する制度により課される重要な義務に
    関する罰金の拡大および継続中の規制当局の審査によるリスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループを含めたすべてのグローバルな金融機関(「FI」)によるFATCA、OECDの共通報告基準(「CRS」)、およびこれ
    らに類する租税回避対策制度を含むグローバル顧客の税務の透明性に関する制度への遵守に関して、強制的かつ大幅な変更が
    行われており、また規制当局の関心も高まっている。これらには、回避を封じ、不遵守を阻止、検出し、罰則を科すための、
    詳細な規則およびフレームワークの執行および実施が含まれる。
     適用対象のFIとして、当グループは、世界中に相関関係が存在する業務環境において業務を行っている。このような状況下
    では、多様な制度に基づき義務は高度に複雑かつ厳格な性質を有し、このことは当グループのオペレーショナル・リスクおよ
    びコンプライアンス・リスクを増加させている。世界各地の規制当局は引き続き法令順守フレームワークを成熟させ、その他
    のより一般的な税務リスクに関するフレームワークの取扱いと並行して罰金刑の執行を重視するため、不遵守となった場合に
    はさらに評判が失墜する可能性がある。そのため、グローバル顧客の税務の透明性に関する制度の遵守は引き続き当グループ
    の主要な関心分野となる。
     継続中のOECD諸国の政府レベルでの相互審査および規制当局によるFIのコンプライアンス審査により、引き続きFIに対する
    監視は強化されており、それが既存の義務のさらなる厳格化およびCRS遵守への重点的取り組みという結果をもたらしている。
    不遵守の防止および処罰のために罰金制度が十分であることを確保するよう、各採択国はOECDにより迫られている。
     FATCA   およびその他米国財務省の規則に基づき、当グループは以下の影響を受ける可能性がある。
     ・ 継続中の詳細にわたる義務を適切に履行できない場合、一定金額(顧客に支払われる金額を含む。)に対して30%の源
       泉徴収税を課せられ、上位支払者に対して一定の情報を提供するよう求められる可能性があり、また、その他の不利な
       影響も受ける可能性がある。
     ・ 米国と当グループが業務を行う適用ある法域との間のFATCAに関する政府間協定が失効した場合、広範なコンプライアン
       スの問題、重大な源泉徴収に関わるエクスポージャー、競争面での不利な状況およびその他の業務上の影響を受ける可
       能性がある。
     CRS  の下で、当グループは、
     ・ 太平洋地域などの当グループが事業を行っている発展途上国における課題に直面している。これらの国々の現地規制当
       局は一般に「パートナー」国家から支援を受けており、かかるパートナー国家が実施を困難にするような基準を導入す
       る可能性がある。
     ・ 所定の顧客情報の収集または報告の不履行について、さらに広範な「裏付けのある信頼関係」による結論および多額の
       罰金と共に、現地の法律および規制の実施において国ごとに特有の大きな違いに対処しなければならない。
     ・ 規制当局の取り組みの重点がCRSの当初の立ち上げからFIの効果的な実施へ移ったため、他のFIと共に、ますます厳格化
       する規制当局による監視と措置を受けている。規制当局の関心が強まることにより、影響を受けた顧客に重大な不利益
       な体験(一方的な口座の凍結および閉鎖、ならびに顧客への直接的な罰則の可能性を含む。)がもたらされる、当グ
       ループのポジションに悪影響が及ぶ、また、他のFIが同様のことを履行していない場合には、重大な競争上の不利益を
       受ける可能性がある。
     当グループの規模および複雑性は、他のFIと同様に、FATCA、CRSおよびその他の税務報告制度への不注意による不遵守を犯
    すリスクが高いことを意味している。実施されたプロセスを上手く運用できない場合、当グループおよびその従業員に法律、
    財務およびレピュテーション面への影響が生じる可能性がある。かかる影響には、罰金、刑事上および民事上制裁、民事上の
    請求、レピュテーションの毀損、競争上の不利益、事業損失、事業遂行上の制約が含まれる。
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     自然災害およびCOVID-19のパンデミックは、世界的な規模で、システム、ツールおよび情報へのスタッフによるアクセスを
    困難なものにしており、規制当局が期待するエラーのゼロ率の達成が要求されている継続的な改善活動のみならず、義務付け
    られたFATCAおよびCRSの規制上の報告、顧客へのフォローアップに関する戦略、規制当局からの勧告の解決と対処を含む、当
    グループの規制上の義務を必須の期間内に履行することに影響を与えている。企業自身の税務上の申告や納税に関連する当グ
    ループの国際的な税務上の義務も同様に影響を受ける可能性がある。世界の規制当局からある程度の寛容さを与えられること
    が予想されるが、規制上の義務を要求される質の水準までかつ期間内に履行するにあたっての不備や遅延の結果として、規制
    当局によるさらなる監督、関連する罰則およびレピュテーションへの影響が発生するリスクが依然として増している。
     これらの影響は、個別的または集合的に、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    21 .いずれかの法域における当グループの営業免許の予期せぬ変更は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性があ

    る。
     当グループは、様々な国、州および特別地域で営業する免許を取得している。政府、当局または規制省庁により、営業免許
    の条件に    対し  、当グループがこれまで許可されていた方法での取引を禁止または制限するような予期できない変更がなされた
    場合には、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
    内部統制、オペレーショナル・リスクおよびレピュテーショナル・リスク

    22 .オペレーショナル・リスク事象は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     オペレーショナル・リスクは、社内手続き、人員およびシステムの不適切もしくは障害、または外的事象から生ずる損失リ
    スクおよび/または法の不遵守に関するリスクである。この定義には法的なリスク、サイバー・リスク、コンダクトおよびカ
    ルチャー・リスクならびに社内手続き、人員、および/またはシステムの不適切もしくは障害から生じるレピュテーションの
    喪失または損害リスクを含むが、戦略的なリスクは含まない。
     オペレーショナル・リスクの種類には以下が含まれる(ただし、これらに限られない。):
     ・ 内部不正行為(例えば、従業員または請負業者に関連するもの)
     ・ 社外の詐欺(例えば、不正なローンの申請またはATMスキミング)
     ・ 雇用慣行、主要スタッフの喪失、不十分な職場の安全および雇用方針の効果的な実施の失敗
     ・ 顧客、商品および事業慣行への影響(例えば、顧客データの悪用または反競争的行為)
     ・ 事業の中断(システムの不具合を含む。)
     ・ レピュテーショナル・リスク(                 リスク要因24.       「レピュテーショナル・リスクに関する事象は、業務上の不履行および
       規制の不遵守とともに、レピュテーショナル・リスクを引き起こす可能性があり、これが利害関係者の信頼を損ない、
       当グループのブランドを低下させ、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」を参照のこと。)
     ・ サイバー・リスク(           リスク要因26.       「ITシステムの混乱、あるいは新規技術システムの実施の失敗は、当グループの
       事業を大いに妨害する可能性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」およびリスク
       要因27.「サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能
       性がある。」を参照のこと。)
     ・ コンダクトおよびカルチャー・リスク(リスク要因25.「コンダクト・リスク事象は当グループのポジションに悪影響
       を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。)
     ・ 物的資産への損害
     ・ 遂行、提供および手続き管理(例えば、手続上の過誤またはデータ管理の失敗)
     ・ 金融犯罪(リスク要因18.「マネーロンダリング防止、対テロ資金および制裁に関連する法令違反の場合に多大な罰金お
       よび制裁を受ければ、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。」を参照のこと。)
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     オペレーショナル・リスク事象による損失は、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。かかる損失には罰
    金、刑罰、資金       もしく   は資産の損失もしくは盗難、訴訟費用、顧客補償、株主価値の喪失、レピュテーションの喪失、人命損
    失もしくは負傷ならびに資産および/または情報の損失を含む。
     また、APRAの要件に従い、当グループは、将来のオペレーショナル事象の発生に備えて「オペレーショナル・リスク資本」
    準備金を維持しなければならない。
     COVID-19    関連の問題は、リモートワーク制度の採用を含め、当グループの業務の行い方に多くの変化をもたらした。当グ
    ループは勤務が認められる場所について、常に関係当局の指示に従っている。これは、環境に応じてすべてのスタッフがリ
    モートワークをすること、またはスタッフは定められた職場の占有制限に基づき事務所内で勤務が認められることを意味す
    る。関連スタッフにリモートワーク機能の利用を可能にする技術の導入は成功しているが、デジタル・チャネルへの依存度が
    高まると、サイバー攻撃関連のリスクが高まり、それらの攻撃が当グループのシステムやサービスの可用性に影響を与える可
    能性があり、これが当グループの技術資産のみならず、第三者の技術サプライヤーや通信事業者など当グループが依存してい
    る重要なサービスに影響を与える可能性がある。
     上記の影響のすべてまたはいずれかにより、生産性が低下し、重要な活動の完了が遅れ、または規制当局による監視が強化
    される可能性があり、それに続いて顧客への救済行為または罰金が発生する可能性があり、これらすべてが当グループのポジ
    ションに悪影響を及ぼす可能性がある。
    23 .人的資本リスクは、現在および将来の事業ニーズを満たすために、当グループの人員を引き付け、育成し、意欲を持た

    せ、維持することができない状態に関連するものであり、財務的成果および顧客成果を上げられず、当グループが顧客および
    その他の利害関係者の期待に応える能力が減少する可能性がある。
     主要な執行役員、従業員および取締役は、当グループの事業運営およびその戦略的目標の追求において、重要な役割を果た
    している。重要な役割を担う個人の予想外の離職が生じた場合、または当グループがこれらの役割に適切な技術および資格を
    有する者を採用し維持できない場合は、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。継続するCOVID-19のパンデ
    ミックによる影響は、従業員の健康状態、社会および雇用の選択への影響を含め、これらのリスクがさらに高まる可能性があ
    る。
    24 .レピュテーショナル・リスクに関する事象は、業務上の不履行および規制の不遵守とともに、レピュテーショナル・リス

    クを引き起こす可能性があり、これが利害関係者の信頼を損ない、当グループのブランドを低下させ、当グループのポジショ
    ンに悪影響を与える可能性がある。
     当グループのレピュテーションは貴重な財産であり、事業のイニシアチブおよび資金調達力または資本調達力に関して地域
    社会から受ける支援に大きく貢献している。
     レピュテーショナル・リスクは、外部の事象または業務上の不履行および規制の不遵守を含む当グループの実際のまたはそ
    のようにみなされる行為および慣行の結果として生じる可能性がある。これらの事象が発生すれば、当グループに対する一般
    (当グループの顧客を含む。)、株主、投資家、規制当局または格付機関の認識に悪影響を及ぼす可能性がある。当グループ
    のレピュテーションに関するリスク事象の影響は、リスク事象そのものの直接的なコストを上回る可能性があり、当グループ
    のポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループの慣行の一つが継続的に変化し進化する社会の期待に応えることができなかった場合、当グループはレピュテー
    ションから生じる損害を被る可能性がある。これらの期待は適用法に従うために必要な基準を超えて求められることもあるた
    め、当グループは法的義務を果たしている場合でもレピュテーションによる損害を被る可能性がある。社会の期待と当グルー
    プの慣行との相違は、商品およびサービスの開示の慣行、価格設定方針ならびにデータの利用を含め、多くの状況で発生しう
    る。さらに、当グループのレピュテーションは、広範な金融サービス業界に対する社会の認識により悪影響を受ける可能性が
    ある。加えて、レピュテーションから生じる損害は、当グループによる効果的なリスク管理の不履行、規制当局による執行ま
    たは監視措置、規制当局による調査の不利な結果によって、ならびに地域社会、環境および倫理的問題に適切に対応できない
    または対応できないとみられた場合に生じる可能性がある。
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     COVID-19    のパンデミックの影響が継続し、長期の財務的および非財務的な影響の全容がまだ判明していない中で、当グルー
    プの行為が意図しない結果をもたらす可能性があり、それによって当グループに対する否定的な認識が生じる可能性がある。
     また、一定の業務上の不履行および規制の不遵守または業務上の不履行および規制の不遵守とみなされることがレピュテー
    ショナル・リスクを生じさせる可能性がある。かかる業務上の不履行および規制の不遵守には、以下が挙げられる(ただし、
    これらに限定されない。)。
     ・ 身元確認義務の充足に関する不履行
     ・ 商品の開発に関する新たに発生する不履行
     ・ 継続中の商品モニタリング活動に関する不履行
     ・ ターゲット市場外で商品販売を行う際の適合性要件に関する不履行
     ・ 市場操作または反競争的行為
     ・ 開示義務の不遵守
     ・ 不適切な危機管理/危機的事象への対応
     ・ 不適切な顧客苦情処理
     ・ 不適切な第三者との取決め
     ・ プライバシーの侵害、および
     ・ 不測のリスク(例えば、信用、市場、オペレーショナルまたはコンプライアンス)
     当グループのレピュテーションに対する損害は、当グループの収益性、規模および資金調達費用、規制当局による監視の強
    化、規制当局による強制措置、追加的な法的リスク、ならびに新規事業機会の獲得可能性への悪影響など、広範囲に影響を及
    ぼす可能性がある。当グループのレピュテーションが損なわれる場合、当グループが顧客を引き付け維持する能力もまた悪影
    響を受ける可能性があり、これは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
    25 .コンダクト・リスク事象は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

     当グループは、コンダクト・リスクを当グループが事業活動を行うにあたり、消費者の利益、金融市場の一体性および地域
    社会の期待を当グループ、従業員または代理人が適切に考慮しないことから生じる損失または損害のリスクとして定義してい
    る。
     コンダクト・リスクは以下のものを含む。
     ・ 顧客に対する不相応または不適切な助言の提供。
     ・ 商品もしくはサービスに関する不正確な説明もしくは開示、または顧客に対してリスクおよび利益について十分な情報
       を提供しないこと。
     ・ 条件、開示、提案および             / または助言に従った商品の特徴および利益の伝達ができないこと。
     ・ 利益相反を適切に防止または管理することができないこと。
     ・ 不適切な苦情処理または改善プロセス。
     ・ 経済的困難にある顧客に対する義務を尊重せず、遵守しないこと。
     ・ 当グループの方針および基準に反した金融市場における無許可の取引活動
     オーストラリアおよびニュージーランドも含め、コンダクト・リスクに対する規制当局および地域社会の関心は増してきて
    いる。当グループは、様々な顧客救済プログラムの実施の任務を負う中央化された専門チームを有しており、それには当グ
    ループの見直しから明らかになった特定の行為に関する問題への対処が含まれる。コンダクト・リスク事象は、当グループに
    対して、規制当局の措置、銀行業免許の制限もしくは条件および/またはレピュテーションへの影響をもたらすこともあり、
    それにより当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。救済プログラムが適切に実施されない、またはさらなる救
    済業務が必要となる可能性があり、これが訴訟、規制上の措置および/または当グループの費用の増加を招き、これらのすべ
    てが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
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     コンダクト・リスクに対する規制上の関心の高まりについての詳細は、リスク要因16.「規制の変更または法律、規則もし
    くは方針を遵守できないことは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。」およびリスク要因17.「訴訟お
    よび偶発債務は当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」を参照のこと。
    26 .ITシステムの混乱、あるいは新規技術システムの実施の失敗は、当グループの事業を大いに妨害する可能性があり、こ

    れは当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グルー    プの日々の活動およびそのサービスの提供(デジタル・バンキングを含む。)は情報技術(「IT」)システムに
    大きく依存している。ITシステムまたは当グループが使用もしくは依存するサービスに混乱が生じた場合には、当グループ
    がコンプライアンス義務を履行できない、および/または顧客のバンキング業務の要求に応えられない可能性がある。
     当グループは、ITシステムを維持し、IT資産のライフ・サイクル、IT資産のプロジェクト・デリバリー、技術のレジ
    リエンス、技術のセキュリティ、第三者の使用、データの保持/復元またはビジネスルールおよび自動化などを含め、技術の
    利用に起因するリスク・エクスポージャーを特定し、評価し、および対応する責任を継続的に負う。これらのリスク・エクス
    ポージャーへの対応が不十分であったときは、不安定もしくは安全でないシステムまたは当グループの顧客に対するサービス
    能力の減退、費用の増加、ならびに規制要件の不遵守を招く可能性があり、これが当グループのポジションに悪影響を及ぼす
    ことがあり得る。例を挙げると、COVID-19のパンデミックに対応するため、当グループのスタッフおよび第三者である請負業
    者の多くは、遠隔地や代替の作業現場から作業しており、このことが当グループの生産性に圧力およびシステムへのリモー
    ト・アクセスに負荷をさらに与えている。
     当グループは、多数のITシステムの提供を当グループに依拠しているANZニュージーランドを含め、当グループのネット
    ワーク全体の全ての事業のために、短期および長期の双方にわたる障害発生時にも重要なITシステムが稼働し続けることを
    確保することを目的としたインシデント対応、災害復旧および事業継続対策を実施している。当グループのシステム障害はANZ
    のネットワークに影響を及ぼし、よって当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。COVID-19のパンデミック
    は、大規模で思いも寄らない事象に向けてこれらの対策を対応させることが必要であり、また、重要な情報システムが長期間
    にわたり、多数の技術者やビジネスユーザーによってサポートおよびアクセスされることが保証されなければならないことを
    浮き彫りにしている。かかる対策が効果的に実施できない場合には、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     さらに、当グループの費用対効果の高い技術環境によって、進化する顧客要求を支えることができるように、当グループ
    は、新しい技術       システム、中でも        クラウド・テクノロジーを実装し既存の技術に統合させなければならない。これらのシステ
    ムの不十分な実装および統合、生じるリスクの不正確な評価または新技術のためのサプライ・チェーンの不適切な管理は、当
    グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
     このリスク要因については、情報セキュリティ侵害およびサイバー攻撃が、情報                                     ITシステムの混乱を引き起こす可能性が
    あるため、リスク要因27.「サイバー攻撃を含む情報セキュリティに関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を
    与える可能性がある。」と併せて読むべきである。
    27 .サイバー攻撃を含む情報            セキュリティ      に関連するリスクは、当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。

     情報セキ    ュリティにおいて最も注力される点とは、情報および技術システムを機密性、整合性または可用性の中断から保護
    することにある。銀行として、当グループは、事業を展開する複数の地域においてその顧客およびその内部業務について相当
    な量の個人情報および機密情報を扱う。かかる情報は、内部および第三者のホスト環境の双方において処理および保存され
    る。当グループまたは第三者が行うセキュリティ管理のいかなる不備も、当グループの事業に悪影響を与える可能性がある。
     システムおよび情報に対するリスクは、例えば政治的脅威またはテロリストもしくは犯罪組織による標的型サイバー攻撃が
    増大している一部の国においては本質的により高くなる。
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     当グループは、高度な持続的脅威、分散型サービス妨害、マルウェア(破壊工作ソフト)攻撃およびランサムウェアなどの
    サイバー攻撃の脅威が絶え間なく進展し、より洗練され、増加していることを認識している。COVID-19のパンデミックによ
    り、長期にわたってオフサイト(現場の外)で働くスタッフの数が増加したため、当グループの情報セキュリティ・リスクが
    高まる可能性がある。サイバー犯罪者は、エンド・ポイント・セキュリティにおける弱点の追求、マルウェアの拡散および
    フィッシング攻撃の増強を通じて悪用を試みる可能性がある。
     さらに、当グループのサイバーセキュリティの方針、手続きまたは管理において不備があった場合は、データその他の機密
    情報の喪失(機能停止によるものを含む。)を招き、これらに関連したレピュテーションから生じる損害をもたらす可能性が
    ある。これらの事象のいずれも、多額の財務的損失(顧客への通知または補償に関するコストを含む。)、規制当局の調査も
    しくは制裁の発動につながり、または当グループが顧客を維持および引き付ける能力に影響を及ぼす可能性があり、結果とし
    て当グループのポジションに悪影響が及ぶことがあり得る。
    28 .モデルリスクは、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。

     当グループ     は、大手の金融機関として、重大な経営判断(所定自己資本、引当金の水準、顧客へ支払う補償金およびストレ
    スのかかるエクスポージャーの計算を含むがこれらに限定されない)のための多数のモデルに依拠している。使用したモデル
    が不適切に設計、実施もしくは維持され、または不正確な仮定もしくはインプットに基づいていることが明らかになった場
    合、当グループのポジションは悪影響を受ける可能性がある。
    環境関連リスク、ソーシャル・リスクおよびガバナンス・リスク

    29 .将来の気候関連事象、地質学的事象、植物、動物および人間の疾病ならびにその他外因性事象の影響は、当グループのポ

    ジションに悪影響を与える可能性がある。
     当グループおよびその           顧客は、気候関連事象に晒されている。これら事象には、暴風雨、旱魃、火災、サイクロン、ハリ
    ケーン、洪水および海面水位上昇が含まれる。当グループおよびその顧客はまた、地質学的事象(火山地震活動または津波を
    含む。)、植物、動物および人間の疾病またはCOVID-19などのパンデミックなどのその他の事象にも晒される可能性があり、
    これらは当グループの事業およびその顧客に重大な影響をもたらしている。
     オーストラリアの一部は、深刻な旱魃、2019年から2020年にかけての山火事および2021年の大洪水等、厳しい気候事象を受
    けやすく、最近ではそういった気候事象に直面してきた。これらの事象による影響が広範囲にわたり、一次生産者を超えて、
    農業部門への供給業者である当グループの顧客および影響を受けた地域に居住しその地域内で事業を行う者にも影響が及ぶ可
    能性がある。これらの損失による当グループへの影響は、担保として保有する資産の価値および流動性の低下によって増幅さ
    れ、債務が不履行となった場合に当グループの資金回収能力に影響が及ぶ可能性がある。
     その頻度および深刻さによっては、これらの外因性事象は、当グループの支店もしくはビジネスセンターなどの一部地域の
    サービスまたは当グループによるサービスの提供を継続的に中断または制限する可能性があり、また当グループの財務状態ま
    たは顧客に対して供与する信用ファシリティに関連する担保状況に悪影響を与える可能性があり、これがさらに当グループの
    ポジションに悪影響を与える可能性がある。
     気候変動に関連する新たな規制または指針に加えて、株主、従業員およびその他の利害関係者の気候変動に関する視点は、
    当グループが一定の活動に従事するかまたは一定の商品を提供するか否か、およびそれらを行う条件に影響を及ぼす可能性が
    ある。
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    30 .当グループのリスク管理の枠組みによりすべての既存のリスクを適切に管理する、または新たに発生したリスクを十分に
    素早く検知することができない場合は、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
     リスク管理は、当グループの活動にとって不可欠のものであり、当グループのリスク選好の特定および監視ならびに当グ
    ループのリスク・プロファイルおよび特定された管理の有効性に関する報告を含む。しかしながら、当グループのリスク管理
    の枠組みは、既存のリスクまたは当グループが適時に予想もしくは識別できない新たなリスクを含むすべての事例において効
    果的に機能する保証はなく、および/またはこれらに対する管理が有効でない可能性がある。リスクを効果的に管理すること
    ができない場合、当グループのレピュテーションまたは規制上の義務の遵守に悪影響が及ぶ可能性がある。
     また、当グループのリスク管理の枠組みの有効性は、適正な報酬体系により支えられる健全なリスク管理の文化の確立およ
    び維持にも関連している。適切な報酬体系が策定または有効に実施されていない場合、当グループのリスクの文化および当グ
    ループのリスク管理の枠組みの有効性に悪影響を及ぼす可能性がある。
     当グループは、継続的にリスク管理の枠組みの改善に取り組んでいる。当グループは、そのリスク管理方針の遂行および定
    期的な見直しを行い、リスク(コンダクト・リスクを含む。)の管理および軽減のため追加資金を当グループ内で配分する。
    しかしながら、かかる取組みによって当グループにおける将来の不正の発生を防げない可能性もあり、当グループのリスク管
    理の枠組みが効果的であるという保証はできない。当グループのリスク管理プロセスまたはリスクガバナンスにおける不備に
    より、当グループが不測の損失およびレピュテーションの低下を被る、および規制上の義務を遵守できない可能性があり、こ
    のことが当グループのポジションに悪影響を与える可能性がある。
     これらの原則が当グループのリスク管理の枠組みを支える一方、進行中のCOVID-19のパンデミックにより、従業員と顧客の
    双方に対するパンデミックの影響の管理のために当グループの業務活動が進化し続けるように、優れた慣行と強固なリスク管
    理の枠組みを維持し続けることが必要とされる。このような状況において、当グループのリスク管理プロセスまたはガバナン
    スに障害が生じた場合、当グループのポジションに悪影響が及ぶ可能性がある。
    31 .直接または間接に気候変動リスクの影響を受けることがある顧客向けの貸付に伴うリスクは当グループのポジションに悪

    影響を及ぼす可能性がある。
     気候変動に関するリスクは、オーストラリアおよびニュージーランドを含め、規制上、政治的および社会的に注目が高まっ
    ている。APRAは、既存のリスク管理およびガバナンスの枠組みの一環として規制対象となる事業体(当グループを含む。)が
    気候関連のリスクおよび機会の管理を行うことを支援するために、健全性実践ガイドライン「CPG229」を発表した。APRAは、
    2021および2022暦年に最初の気候変動脆弱性評価を行っており、これは、(i)銀行の気候変動リスクに対する潜在的な財務エク
    スポージャーの評価、(ii)銀行が異なるシナリオに対応して、事業モデルを調整し管理行動を実施する方法についての理解、
    および(iii)気候変動リスク管理能力の改善の促進を目的としている。同様に、RBNZは、気候変動への重視を強化しており、
    2021年10月には2021年気候変動レポートを公表した。2021年気候変動レポートは、これまで以上にストレステストに気候変動
    を組み入れ、監視の枠組み、データ収集および内部計画にも気候変動を織り込むための将来の措置など、気候変動へのRBNZの
    アプローチを概説している。「2021年金融セクター(気候変動に関する開示およびその他の事項)改正法は、ANZBGLおよびANZ
    ニュージーランドに対し、「気候変動に関する報告対象事業体」として、ニュージーランド外部報告審議会が発行する気候変
    動に関する開示基準に準拠して、気候変動の管理および事業への影響について毎年報告書を作成し、その第三者による保証を
    求め、公表することを義務付ける。気候変動リスクをAPRAとその他の利害関係者の予測に基づいて当グループのリスク管理の
    枠組みに組み込み、気候変動および低炭素経済への移行により生じたリスクと機会の双方の対応に向けた当グループの業務お
    よび事業戦略を採用することは、当グループに重大な影響を与える可能性がある。
     当グループにとって最も重大な気候変動リスクは、顧客が債務を返済できないもしくは履行を拒否するまたは担保の価値お
    よび流動性が影響を受けた結果発生する信用関連の損失を含め、その企業およびリテールの顧客に対する貸付に起因するもの
    で、当グループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。
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     顧客の信用関連の問題から生じる当グループのリスクは、直接に気候関連事象により、および間接に法律、規制またはカー
    ボン・プライシング(炭素価格付け)および気候リスク適応策または軽減策などのその他の政策の変更により発生することが
    あり、これらは顧客のサプライ・チェーンに影響する可能性がある。
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    3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
     以下は、2020年10月1日から2021年9月30日までの年度に関するANZの「連結財務報告および配当宣言」(「経営成績発
    表」)および「第6 経理の状況-1 財務書類」に記載の2021年度財務書類から抜粋した情報に基づいている。注釈および
    参照のいくつかは、本報告書の規定の形式との整合性をとるために、省略、修正されている。
    A .  当年度の経営成績の要説

    (1)   新型コロナウイルス(「COVID-19」)
     COVID-19    のパンデミックは、オーストラリア、ニュージーランドおよび世界中の多くの事業部門にわたり広範囲に影響を及
    ぼしていると共に、地域社会の医療と経済活動に引き続き大きな混乱を招いている。
     2021  年9月半期においては、コロナウイルスのデルタ変異株が拡大した結果、シドニー、メルボルンおよびオークランドで
    新たにロックダウンが実施され、またその期間が延長された。当グループは、顧客に対し、COVID-19の影響を緩和するための
    支援を継続的に提供している。最近のロックダウンによっても顧客にローン返済猶予の支援措置が提供されたが、前年度と比
    較するとその重要性は低くなった。COVID-19によりインタレスト・オンリー型の貸付に変更されたまたは期間延長された与信
    枠は、現在では通常のローンに含められ管理されている。
     COVID-19    の影響は依然として不確実であり、長引く影響またはパンデミックの期間や規制緩和について予測することは困難

    である。    「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度                       財務書類の作成において、当グループは、経済情勢の予測に基づ
    き、2021年9月30日現在の予想および仮定を反映しこの状況下で合理的であると当グループが考える、将来の事象に関する
    様々な会計上の見積りを行っている。
     見積りの不確実性は財務書類全体にわたっているが、主に当グループが2021年9月終了年度に5億6,700万ドル(税引前)の
    貸倒引当金戻入を認識した予想信用損失(2020年9月終了年度:27億3,800万ドルの繰入)に関係している。当期の貸倒引当金
    戻入は、2020年9月30日現在の見通しと比較すると向上したポートフォリオの構成と共に、主に経済見通しの改善による影響
    を反映した、予想信用損失のための一括評価引当金の戻入によるものであった。
     2021  年9月30日終了年度の業績の作成に伴う主要な見積りの不確実性に関する詳細は、                                       「第6 経理の状況-1 財務書
    類」の   2021  年度財務書類の       注記  1を参照のこと。
    (2)   IFRSに準拠していない情報

     法定利益は、オーストラリア会計基準の認識および測定の要件に従って算定されており、この基準は国際財務報告基準
    (「IFRS」)に準拠している。当グループは、連結財務報告および配当宣言の中で、会計基準とは別の基準で作成された追加
    の業績指標を提供している。この情報を提示する際、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)の規制ガイド230において提
    供された指針に従う。
     現金   利益

     IFRS  に準拠していない指標である現金利益は、当グループの中核的事業活動に関する業績のANZが推奨する指標を示すもので
    あり、過去の期間および同業他社と比較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるようにしている。現金利益を導
    くための調整項目は法定利益に含まれ、「                    第6   経理の状況‐1        財務書類」の2021年度財務書類               の外部監査人による監査にお
    いて取り扱われる範囲で監査対象となる。現金利益は外部監査人による監査の対象ではない。外部監査人は、各表示期間を通
    じて一貫した基準で現金利益の調整が決定されている旨を監査委員会に通知している。
    ・ 法定利益と現金利益の調整

     当グループは、法定利益から非中核項目を除外して現金利益を計算している。法定利益と現金利益の調整については、下記
    「D.利益の調整」を参照のこと。
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    ・ 現金利益の重大/重要項目
     当グループの継続事業による現金利益には、重大/重要項目と総称される多くの項目が含まれる。これらの項目は現金利益
    の一部を形成するが、その性質および影響の大きさゆえ、提供される関連比較情報と共に透明性を確保し比較を容易にするた
    め個別的に表示されている。重大/重要項目の詳細については、「B.当グループの業績-(1)現金利益-重大/重要項目-継
    続事業」を参照のこと。
    (3)   非継続事業

     売却した富裕層オーストラリア事業の財務実績は、財務報告の観点からは非継続事業として扱われている。当グループの損
    益計算書および包括利益計算書は、非継続事業を継続事業から切り分けて「非継続事業による利益/(損失)」の勘定項目で表
    示している。
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    B .  当グループの業績
    (1)   現金利益
     IFRS  に準拠していない指標である現金利益は、当グループの中核的事業活動に関する業績のANZが推奨する指標を示すもので
    あり、過去の期間および同業他社と比較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるようにしている。当グループ
    は、法定利益から非中核項目を除外して現金利益を計算している(詳細については、下記「E.定義」を参照のこと。)。現
    金利益を導くための調整項目は法定利益に含まれ、「第6                            経理の状況‐1        財務書類」の2021年度財務書類の外部監査人によ
    る監査において取り扱われる範囲で監査対象となる。現金利益は外部監査人による監査の対象ではない。外部監査人は、各表
    示期間を通じて一貫した基準で現金利益の調整が決定されている旨を監査委員会に通知している。
     当グループの業績のセクションは、別段の記載がない限り、継続事業の現金利益ベースで報告されている。
                                           年度

                                  2021  年      2020  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
                                     ( 百万ドル)
    当行株主に帰属する継続事業による法定利益                                6,179        3,675        68 %
                 (1)

    法定利益と現金利益の調整
     経済ヘッジ                                 (77)        121        大
     収益および費用ヘッジ                                 96        (36)        大
     ストラクチャード・クレジット仲介取引                                  -        (2)      -100  %
    継続事業による法定利益と現金利益の調整合計                                 19        83      -77  %
    継続事業による現金利益                                6,198        3,758        65 %
    注:(1)    法定利益と現金利益の調整の分析は、下記「D.利益の調整」を参照のこと。

     当グループの業績-現金利益

                                           年度

                                  2021  年      2020  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
                                     ( 百万ドル)
    純利息収益                                14,161        14,049         1 %
    その他営業収入                                3,286        3,703        -11  %
    営業収入                                17,447        17,752         -2 %
    営業費用                                (9,051)        (9,383)         -4 %
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                                8,369        8,369         0 %
    貸倒引当金(繰入)/戻入                                 567      (2,738)          大
    税引前利益                                8,963        5,631        59 %
    法人税                                (2,764)        (1,872)         48 %
    非支配持分                                  (1)        (1)       0 %
    継続事業による現金利益                                6,198        3,758        65 %
                                           年度

                                          2020  年
                                   2021  年
                                  9月終了        9月終了        増減率
    部門別現金利益/(損失)                                 ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                                3,617        2,337        55 %
    法人                                1,887        1,854         2 %
    ニュージーランド                                1,508        1,017        48 %
    パシフィック                                  (3)       (62)       -95  %
    TSO  およびグループ・センター                               (811)       (1,388)        -42  %
    継続事業による現金利益                                6,198        3,758        65 %
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    重大/重要項目-継続事業
     継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目について、以下に説明する。
    売却事業の影響

     下記の売却事業は会計基準の下で非継続事業としての要件をみたさないため、継続事業の一部となる。これらの売却事業の
    財務的影響は、売却完了済み事業の事業損益を含め、以下のとおり要約される。
                                 事業売却による              売却済み事業の

                                 売却益/(損)                事業損益
                                          年度
                               2021  年     2020  年     2021  年     2020  年
                               9月終了       9月終了       9月終了       9月終了
    現金利益の影響
                                         ( 百万ドル    )
    UDC                               -      (44)        -       79
    ニュージーランドの旧保険ポートフォリオ                              13        -       -       -
    ANZ  シェア・インベスティング                            (251)         -       -       -
    税引前利益     /(損失)                        (238)        (44)        -       79
    法人税   ベネフィット/(費用)および
    非支配持分                               -       10        -      (22)
    継続事業による       現金利益    /(損失)                  (238)        (34)        -       57
    ・ UDCファイナンス(「UDC」)

       2020  年 9月1日、当グループは、UDCの株式会社新生銀行(「新生銀行」)への売却を完了した。当グループは、2020年9
      月終了年度に3,400万ドルの税引後損失(処分損2,900万ドル、売却済資産の経済ヘッジに関する累積的な現金利益の調整の
      戻入に係る損失3,100万ドルおよび取引コスト600万ドルが、為替換算準備金からの戻入2,200万ドルおよび税額控除1,000万
      ドルにより一部相殺された。)を認識した。
    ・ ニュージーランドの旧保険ポートフォリオ

       2021  年 9月終了年度において、当グループは、タワー・リミテッド(「タワー」)が引き受けたニュージーランド部門に
      おける旧保険ポートフォリオのサービシングに関する権利および義務をタワーに売却および譲渡し、1,300万ドルの税引後利
      益を認識した。
    ・ ANZシェア・インベスティング

       2021  年 3月半期において、当グループは、簡素化戦略を継続しているため、ANZシェア・インベスティング事業を売却目的
      保有に分類変更した。売却費用控除後の公正価値で測定した純資産を再測定した結果、当グループは、同事業に帰属するの
      れんの評価損に関連する2億5,100万ドルの税引後損失を認識した。これは、資本控除に同等の減少があったため、普通株式
      等Tier1(「CET1」)資本に影響はなかった。
       2021  年 9月16日、当グループは、今後12か月から18か月にわたり、ANZシェア・インベスティングのプラットフォームの顧
      客をCMCマーケッツのプラットフォームへと移行させることで合意したことを発表した。同事業は、既に売却費用控除後の公
      正価値で再測定されたため、当該合意により当グループに追加的な利益も損失も生じなかった。シェア・インベスティング
      業務からの収益に重要性はない。
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    その他の重大/重要項目-継続事業
    ・   顧客救済
       顧客救済には、顧客への返金予定額に対する引当金、救済プロジェクト費用、ならびに顧客および規制に関する請求、罰
      金および訴訟結果が含まれる。
                                                年度

                                           2021  年      2020  年
                                          9月終了        9月終了
    現金利益の影響                                          ( 百万ドル)
    営業収入                                          (142)        (174)
    営業費用                                          (185)        (209)
    税引前利益/(損失)                                          (327)        (383)
    法人税   ベネフィット/(費用)および              非支配持分                         106        104
    継続事業による       現金利益    /(損失)                              (221)        (279)
    ・   訴訟の和解

       2021  年9月終了年度において、当グループは、バンク・ビル・スワップレート(「BBSW」)およびBBSWに基づく商品の売
      買に関連する米国の集団訴訟を解決する合意に達し、当該和解に関連する4,800万ドルの費用(税引後)および関連費用を認
      識した。当該訴訟は責任を認めることなく解決され、今後も裁判所の承認に加え、完全な和解条件の交渉および執行を条件
      とする。
    ・   組織再編費用

       当グループは、主にオーストラリア・リテールおよび商業部門の事業および不動産の変更、ならびにTSOおよびグループ・
      センター部門の運営上の変更に関連して、2021年9月終了年度に9,200万ドル(税引後)(2020年9月終了年度:1億1,500
      万ドル)の組織再編費用を認識した。
    ・   アジア関連会社に関する項目

                                                年度

                                            2021  年      2020  年
                                           9月終了        9月終了
                                               ( 百万ドル)
    AmBank   の1MDBに関する解決                                       (212)          -
    AmBank   ののれんの減損                                       (135)          -
    PT  Panin   のAASB第9号に基づく調整
                                                -       (68)
    法人税引前利益/(損失)                                          (347)         (68)
    法人税   ベネフィット/(費用)および              非支配持分                           -        2
    継続事業による       現金利益    /(損失)                               (347)         (66)
       AmBank   の1MDBに関する解決

       AMMB  ホールディングスBerhad(「AmBank」)が、1マレーシア・デベロップメントBerhad(「1MDB」)への関与に関する
      潜在的請求を解決するためにマレーシア財務省と合意に達したことを受け、当グループは、2021年9月終了年度において、
      和解金に対する当グループの持分割合を反映して、2億1,200万ドルの持分法利益の減少(税引後)を認識した。資本控除に
      同等の減少が生じたため、CET1資本への影響はなかった。
       AmBank   ののれんの減損

       2021  年9月終了年度において、AmBankはのれんを一部減損し、当グループは減損の持分割合を反映して、1億3,500万ドル
      の持分法利益の減少(税引後)を認識した。資本控除に同等の減少が生じたため、CET1資本への影響はなかった。
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       PT  Panin   のAASB第9号に基づく調整
       当グループは、2018年10月1日にAASB第9号「金融商品」を適用した際、会計方針に合致させるため、PTバンク・パン・
      インドネシア(「PT          Panin」)の移行時調整の見積額を、期首利益剰余金を通じて認識した。2020年9月終了年度におい
      て、PT    PaninはAASB第9号を適用し、利益剰余金に移行時調整額を認識した。税引後の6,600万ドルは、移行時調整額から当
      グループが2018年10月1日に調整した金額を控除した額のうち、当グループの持分法を適用した持分を表す。資本控除に同
      等の減少が生じたため、CET1資本への影響はなかった。
    ・   アジア関連会社の減損

       2020  年9月終了年度において、当グループは、持分法適用投資2件につき、使用価値の計算に基づき帳簿価額を調整する
      ため8億1,500万ドル(税引後)の減損を認識した。AmBankについては5億9,500万ドル、PT                                           Paninについては2億2,000万ド
      ルの減損となった。資本控除に同等の減少が生じたため、                           CET  1資本への影響はなかった。
       当グループは、2021年9月30日現在の帳簿価額の減損評価を完了し、帳簿価額のさらなる調整は必要ないと判断した。
    ・ ソフトウェアの加速償却

       2020  年 9月終了年度に当グループは、ソフトウェア償却に関する方針の適用を変更し、規制および法令遵守対象資産なら
      びに購入資産を含む、各種ソフトウェアの耐用年数の短縮を反映した。これらの変更は、引き続き資産が目的に適合してい
      ることを確保するために、急速に変化するテクノロジーおよびビジネスニーズならびに購入および内部開発したソフトウェ
      アへの継続的な再投資を反映している。その結果、2020年9月終了年度において、当グループは、1億3,800万ドル(税引
      後)の加速償却費を認識した。              資本控除に同等の減少が生じたため、                 CET  1資本への影響はなかった。
    ・ のれんの償却

       2020  年 9月終了年度において、当グループは、以前パシフィック部門およびニュージーランド部門で保有していたのれん
      を7,700万ドル(税引後)償却した。
      ・ パシフィック部門-COVID-19はパシフィック地域の利益に多大な影響を与えており、その状況が回復するまでには時
        間を要することが予想された。2020年9月終了年度に同部門ののれんは5,000万ドル(税引後)減損された。
      ・ ニュージーランド部門-経済環境および経済見通しの変化により、当グループは、2020年10月31日までに、ニュー
        ジーランド部門においてボーナス・ボンド事業(「ボーナス・ボンド」は合同運用投資商品である。)の清算手続を
        開始する意向を発表した。その結果、当グループは、2020年9月終了年度に2,700万ドル(税引後)の関連するのれん
        を償却した。
       資本控除に同等の減少が生じたため、                 CET  1資本への影響はなかった。

    ・ リース関連項目

       当グループは、2019年10月1日に新たなリース会計基準(「AASB第16号」)を適用したことに伴う追加費用を認識した。
      この追加費用は、2019年度の比較情報が以前のリース会計基準(「AASB第117号」)に基づき作成されたため、2020年                                                      9月終
      了年度   には重大/重要項目として表示されていた。2020年9月終了年度におけるAASB第16号の継続的な影響は、現在では
      2021年9月終了年度まで一貫性をもって表示されている。2020年9月終了年度における3,400万ドル(税引後)の残存する
      リース関連項目は、2020年9月終了年度に認識した非経常項目に関連するものである。2019年度の比較情報は、引き続き以
      前適用していたAASB第117号に基づき作成されている。
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     現金利益実績
                                      年度

                              2021  年               2020  年
                             9月終了                 9月終了         増減率
                                         重大/
                   2021  年    重大/           2020  年
                             重大/重要                 重大/重要        重大/重要
                                            (1)
                  9月終了      重要項目     項目を除く      9月終了           項目を除く        項目を除く
                                        重要項目
                              (単位:百万ドル)
    純利息収益               14,161       (86)    14,247      14,049        28    14,021           2%
    その他営業収入                3,286      (641)     3,927      3,703      (987)     4,690         -16%
    営業収入               17,447       (727)     18,174      17,752       (959)     18,711          -3%
    営業費用               (9,051)       (381)     (8,670)      (9,383)       (734)     (8,649)           0%
    貸倒引当金繰入
    および法人税控除前利益                8,396     (1,108)      9,504      8,369     (1,693)      10,062          -6%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                 567       -     567    (2,738)       (23)    (2,715)           大
    税引前利益/(損失)                8,963     (1,108)      10,071      5,631     (1,716)      7,347          37%
    法人税ベネフィット/
    (費用)および非支配持分               (2,765)       162    (2,927)      (1,873)       215    (2,088)          40%
    継続事業による現金利益/
    (損失)                6,198      (946)     7,144      3,758     (1,501)      5,259          36%
     部門別現金利益/(損失)

                                      年度

                              2021  年               2020  年
                             9月終了                 9月終了         増減率
                                         重大/
                   2021  年    重大/           2020  年
                             重大/重要                 重大/重要        重大/重要
                                            (1)
                  9月終了      重要項目     項目を除く      9月終了           項目を除く        項目を除く
                                        重要項目
                              (単位:百万ドル)
    オーストラリア
    ・リテールおよび商業                3,617      (524)     4,141      2,337      (297)     2,634          57%
    法人                1,887       (38)     1,925      1,854       (69)     1,923          0%
    ニュージーランド                1,508       (5)    1,513      1,017       (60)     1,077          40%
    パシフィック                 (3)      (2)      (1)     (62)      (67)       5        大
    TSO  およびグループ
         (2)
                     (811)      (377)      (434)     (1,388)      (1,008)       (380)         14%
    ・センター
    継続事業による現金利益/
    (損失)                6,198      (946)     7,144      3,758     (1,501)      5,259          36%
    注:(1)    現在では比較期間は2021年9月終了年度まで一貫性をもって表示されており、2019年10月1日に適用した新たなリー

        ス会計基準(「AASB第16号」)による継続的な影響を解消するため、比較情報は修正再表示されている。
      (2)  TSO  およびグループ・センターには、2020年9月終了年度に完了したUDCの事業売却による売却損および売却事業の業
        績の構成要素が含まれる。
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       継続事業による現金利益において、当グループはいくつかの重大/重要項目を認識した。下表はこれらの項目を示してい
      る。
                                2021  年9月終了年度

                         継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                                            アジア関連
                                            会社に関する
                 売却事業の売
                 却益/(損)        顧客救済      訴訟の和解      組織再編費用         項目       合計
                                (単位:百万ドル)
    現金利益
    純利息収益                  -     (86)       -       -       -      (86)
    その他営業収入                 (238)       (56)       -       -     (347)       (641)
    営業収入                 (238)      (142)        -       -     (347)       (727)
    営業費用                  -     (185)       (69)       (127)        -      (381)
    貸倒引当金繰入
    および法人税控除前利益                 (238)      (327)       (69)       (127)       (347)      (1,108)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                  -      -      -       -       -       -
    税引前利益                 (238)      (327)       (69)       (127)       (347)      (1,108)
    法人税ベネフィット/
    (費用)および非支配持分                  -     106       21       35       -      162
    継続事業による現金利益/
    (損失)                 (238)      (221)       (48)       (92)      (347)       (946)
                                 2020  年9月終了年度

                         継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                                             アジア
                                         ソフト        アジア関
                 売却事業
                      売却                       関連
                                         ウェア        連会社に
                  の売却
                                     リース関
                                     連項目
                      事業の    顧客               の加速    会社の    関する
                  益/           のれん    組織再
                                      (1)
                  (損)     業績    救済   の償却    編費用        償却費    減損    項目    合計
                                (単位:百万ドル)
    現金利益
    純利息収益                -   134   (106)      -    -    -    -    -     -    28
    その他営業収入               (38)     2  (68)     -    -    -    -   (815)     (68)    (987)
    営業収入               (38)    136   (174)      -    -    -    -   (815)     (68)    (959)
    営業費用                (6)   (34)   (209)     (77)   (161)     (50)   (197)      -     -   (734)
    貸倒引当金繰入
    および法人税控除前利益               (44)    102   (383)     (77)   (161)     (50)   (197)    (815)     (68)   (1,693)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                -   (23)    -    -    -    -    -    -     -   (23)
    税引前利益               (44)    79  (383)     (77)   (161)     (50)   (197)    (815)     (68)   (1,716)
    法人税ベネフィット/
    (費用)および非支配持分                10   (22)   104     -   46    16    59     -     2   215
    継続事業による現金利益/
    (損失)               (34)    57  (279)     (77)   (115)     (34)   (138)    (815)     (66)   (1,501)
    注:(1)    2019年10月1日に適用した新たなリース会計基準(「AASB第16号」)による継続的な影響を解消するため、2020年度

        の重大/重要項目のうちリース関連項目の比較情報は修正再表示されており、2020事業年度は2021事業年度と一貫性
        をもって表示されている。
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       継続事業による現金利益において、当グループはいくつかの重大/重要項目を認識した。下表は、これらの項目の部門別
      実績に対する影響を示している。
                                   2021  年9月終了年度

                            継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                      売却事業の
                                               アジア関連
                       売却益/            訴訟の      組織再編
                                              会社に関する
                       (損)     顧客救済       和解      費用      項目      合計
                                   (単位:百万ドル)
    税引前利益
    オーストラリア・リテールおよび商業                     (251)      (337)       -     (52)        -    (640)
    法人                       -      28     (69)      (24)        -    (65)
    ニュージーランド                      13      (16)       -      (9)       -    (12)
    パシフィック                       -      (2)      -      (1)       -     (3)
                  (2)
                           -      -      -     (41)      (347)     (388)
    TSO  およびグループ       ・センター
    税引前利益                     (238)      (327)      (69)      (127)       (347)    (1,108)
    法人税ベネフィット/
    (費用)および非支配持分                       -     106      21      35       -    162
    継続事業による現金利益/
    (損失)                     (238)      (221)      (48)      (92)      (347)     (946)
                                 2020  年9月終了年度

                         継続事業による現金利益に含まれる重大/重要項目
                                         ソフト    アジア    アジア関
                 売却事業
                      売却                   ウェア    関連   連会社に
                  の売却
                                     リース関
                                     連項目
                      事業の    顧客               の加速        関する
                  益/           のれん    組織再            会社の
                                      (1)
                  (損)     業績    救済   の償却    編費用        償却費    減損    項目    合計
                                (単位:百万ドル)
    税引前利益
    オーストラリア・リテール
    および商業                -    -  (270)      -   (89)    (34)    (31)     -     -   (424)
    法人                -    -  (20)     -   (17)    (14)    (38)     -     -   (89)
    ニュージーランド                -   73   (76)    (27)    (31)     -   (11)     -     -   (72)
    パシフィック                -    -  (17)    (50)     -    (3)    -    -     -   (70)
    TSO  およびグループ
         (2)
                   (44)     6   -    -   (24)     1  (117)    (815)     (68)   (1,061)
    ・センター
    税引前利益               (44)    79  (383)     (77)   (161)     (50)   (197)    (815)     (68)   (1,716)
    法人税ベネフィット/
    (費用)および非支配持分                10   (22)   104     -   46    16    59     -     2   215
    継続事業による現金利益/
    (損失)               (34)    57  (279)     (77)   (115)     (34)   (138)    (815)     (66)   (1,501)
    注:(1)    2019年10月1日に適用した新たなリース会計基準(「AASB第16号」)による継続的な影響を解消するため、2020年度

        の重大/重要項目のうちリース関連項目の比較情報は修正再表示されており、2020事業年度は2021事業年度と一貫性
        をもって表示されている。
      (2)  TSO  およびグループ・センターには、2020年9月終了年度に完了したUDCの事業売却による売却損および売却事業の業
        績の構成要素が含まれる。
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    ( 2 )  純利息収益-継続事業
                                          年度

                                  2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
    当グループ                                ( 百万ドル)
           (1)
    現金純利息収益
                                   14,161       14,049         1 %
    利付資産平均残高                               863,691       862,882         0 %
    預金およびその他の借入金の平均残高                               712,540       679,336         5 %
                                                  1 bps
    純預貸利鞘(%)-現金                                1.64       1.63
    当グループ(マーケッツ事業ユニットを除く)

           (1)
    現金純利息収益
                                   13,320       13,279         0 %
    利付資産平均残高                               599,989       578,514         4 %
    預金およびその他の借入金の平均残高                               547,992       490,740         12 %
                                                  -8  bps
    純預貸利鞘(%)-現金                                2.22       2.30
                                          年度

                                  2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
                   ( 1 )
    主要部門別現金利益純預貸利鞘
                                    ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業
                                                  -1  bps
     純預貸利鞘(%)-現金                               2.58       2.59
     利付資産平均残高                              310,071       305,953         1 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              242,598       215,816         12 %
    法人

                                                  5 bps
     純預貸利鞘     (%)-現金                          0.81       0.76
     利付資産平均残高                              385,645       420,052         -8 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              297,527       313,625         -5 %
    ニュージーランド

                                                  7 bps
     純預貸利鞘     (%)-現金                          2.33       2.26
     利付資産平均残高                              123,162       121,030         2 %
     預金およびその他の借入金の平均残高                              98,161       91,542         7 %
    注:(1)    2021年9月終了年度には-8,600万ドル(2020年9月終了年度:2,800万ドル)の重大/重要項目が含まれている。重

        大/重要項目の詳細については、「(1)現金利益-重大/重要項目-継続事業」を参照のこと。また、2021年9月終了
        年度の大手銀行税-3億4,600万ドル(2020年9月終了年度:-4億600万ドル)が含まれている。
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     当グループ純預貸利鞘           -  2021年9月終了年度対2020年9月終了年度
    注:(1)    マーケッツのバランスシート取引は、裁量的流動資産およびその他のバランスシート取引の影響を含む。




      純預貸利鞘(+1ベーシス・ポイント)

       ・ ホールセール資金調達および預金の価格設定(+7ベーシス・ポイント):全部門における預金の利鞘の管理および有
         利なホールセール資金調達コストによる。
       ・ 資産の価格設定(0ベーシス・ポイント):法人部門における貸付金利のマージンの増加が、オーストラリア・リ
         テールおよび商業部門およびニュージーランド部門における住宅ローンの競争により相殺された。
       ・ 資産構成および資金調達構成(+1ベーシス・ポイント):通知預金の成長による有利な預金構成およびホールセール
         資金調達と比較して増加した顧客預金に起因した。これは、顧客の変動金利住宅ローンから固定金利住宅ローンへの
         変更、ならびにオーストラリア・リテールおよび商業部門およびニュージーランド部門における無担保貸付の減少に
         よる商品構成上不利な影響により一部相殺された。
       ・ 流動性(-7ベーシス・ポイント):利回りが低下した流動資産の成長による。
       ・ 金利更改調整後の金利の影響(-5ベーシス・ポイント):低い公定歩合による資本収益および複製ポートフォリオ内
         の預金に対する影響に起因した。
       ・ マーケッツのバランスシート取引(+6ベーシス・ポイント):売戻条件付契約の減少により低下した、マーケッツの
         利付資産平均残高にかかる利鞘による。
       ・ 重大/重要項目(-1ベーシス・ポイント):売却したUDC事業による純利息収益の喪失によるが、顧客救済の減少に
         より一部相殺された。
      利付資産平均残高(+8億ドルすなわち横ばい)

       ・ 正味貸付金および前渡金の平均残高(-191                      億ドルすなわち-3%)           :法人部門の      貸付の減少     および為替換算変動の影響
         に牽引されたが、ニュージーランド部門およびオーストラリア・リテールおよび商業部門の住宅ローンの伸びにより
         一部相殺された。
       ・ 売買目的有価証券および投資有価証券の平均残高(+88億ドルすなわち+7%):流動資産の増加によるものであった
         が、為替換算変動の影響により一部相殺された。
       ・ 現金およびその他の流動資産の平均残高(+112億ドルすなわち+9%):中央銀行預け金の増加によるものであった
         が、決済残高の減少、売戻条件付契約の減少および為替換算変動の影響により一部相殺された。
      預金およびその他の借入金の平均残高(+332億ドルすなわち+5%)

       ・ 預金およびその他の借入金の平均残高(+332億ドルすなわち+5%):全部門における通知預金の伸び、ならびにコ
         マーシャル・ペーパーおよび譲渡性預金の増加によるものであったが、定期預金の減少および為替換算変動の影響に
         より一部相殺された。
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    (3)   その他営業収入-継続事業
                                          年度

                                 2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
                                    ( 百万ドル)
           (1)
    手数料収入純額
                                    2,063        2,215         -7 %
    マーケッツのその他営業収入                               1,130        1,884        -40  %
    関連会社投資の持分利益/(損失)                                (176)         155         大
       (1)
    その他
                                     269        (551)         大
    継続事業による現金その他営業収入合計                               3,286        3,703        -11  %
                                          年度

                                 2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    部門別その他営業収入                                ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                                889       1,161        -23  %
    法人                               1,878        2,649        -29  %
    ニュージーランド                                469        473        -1 %
    パシフィック                                 65        84       -23  %
    TSO  およびグループ・センター                               (15)        (664)       -98  %
    継続事業による現金その他営業収入合計                               3,286        3,703        -11  %
                                          年度

                                 2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    マーケッツの収入
                                    ( 百万ドル)
    純利息収益                                841        770        9 %
    その他営業収入                               1,130        1,884        -40  %
    継続事業によるマーケッツの現金収入合計                               1,971        2,654        -26  %
    その他営業収入(重大/重要項目を除く)

     その他営業収入には、2021年9月終了年度における-6億4,100万ドルの重大/重要項目(2020年9月終了年度:-9億8,700
    万ドル)と総称される多くの項目が含まれていた。これらの項目は、継続事業による現金その他営業収入合計の一部を構成す
    るが、その性質および重要性を考慮し、下表からは除外されている。重大/重要項目については、上記「(1)現金利益-重大/
    重要項目-継続事業」を参照のこと。
                                          年度

                                 2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    その他営業収入(重大/重要項目を除く)                                ( 百万ドル)
           (1)
    受取手数料純額
                                    2,140        2,249         -5 %
    マーケッツのその他営業収入                               1,101        1,902        -42  %
    関連会社投資の持分利益/(損失)                                171        223       -23  %
       (1)
    その他
                                     515        316        63 %
    継続事業による現金その他営業収入合計                               3,927        4,690        -16  %
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                                          年度
                                 2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了         増減率
    部門別その他営業収入(重大/重要項目を除く)                                ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                               1,223        1,207         1 %
    法人                               1,851        2,662        -30  %
    ニュージーランド                                456        479        -5 %
    パシフィック                                 65        84       -23  %
    TSO  およびグループ・センター                               332        258        29 %
    継続事業による現金その他営業収入合計                               3,927        4,690        -16  %
    注:(1)    マーケッツ事業部門を除く。

     その他営業収入-2021年9月終了年度対2020年9月終了年度

       その他営業収入は4億1,700万ドル(-11%)減少した。重大/重要項目を除くと、その他営業収入は7億6,300万ドル





      (-16%)減少した。
       受取手数料純額(-1億5,200万ドルすなわち-7%)

       ・ 2020年3月半期以降、COVID-19の影響により減少した取引量に起因する、トランザクション・バンキングおよびコー
         ポレート・ファイナンスの手数料の減少に牽引された、法人部門の7,100万ドルの減少。
       ・ 顧客救済の増加による4,100万ドルの減少。
       ・ 取引量の減少および手数料の廃止による、カード事業の寄与度の低下およびその他の手数料の減少に牽引された、
         オーストラリア・リテールおよび商業部門の2,300万ドルの減少。
       ・ ボーナス・ボンド事業の清算および手数料の引下げまたは廃止による手数料収入の減少に牽引された、ニュージーラ
         ンド部門の1,600万ドルの減少。これは、資産運用収入の増加により一部相殺された。
       マーケッツの収入(-6億8,300万ドルすなわち-26%)

       マーケッツの収入は、その他営業収入の7億5,400万ドル(-40%)の減少により、6億8,300万ドル(-26%)減少し
      た。これは、純利息収益の7,100万ドル(+9%)の増加により一部相殺された。この減少は、主に以下の事業活動に起因
      する。
       ・ ヘッジソリューションに対する顧客需要の減少、低い金利の変動性および過剰流動性に牽引された、金利収入の3億
         7,600万ドルの減少。
       ・ 不利な信用格付状況ならびに発行済社債の顧客および政府の取引量の減少に牽引された、信用および資本市場収入の
         1億5,100万ドルの減少。
                                 99/560




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       ・ 2020年9月終了年度における信用評価調整による利益に牽引された、デリバティブの評価調整における1億2,700万ド
         ルの減少。
       ・ 為替の変動性の低下およびより長期のヘッジソリューションに対する顧客需要の減少に牽引された、外国為替収入の
         1億2,100万ドルの減少。これは、顧客救済引当金の戻入により一部相殺された。
       ・ ヘッジソリューションに対する需要の減少および不利な貴金属の取引状況による、コモディティ収入の4,900万ドルの
         減少。
       ・ 当期における正味実現利益によるバランスシート取引収入の1億4,100万ドルの増加。
       関連会社投資の持分利益/(損失)(-3億3,100万ドル)

       ・ AmBankの1MDBに関する和解金の当グループの持分に起因した2億1,200万ドルの減少。
       ・ AmBankののれんの減損に対する当グループの持分に起因した1億3,500万ドルの減少。
       ・ AmBank(4,400万ドル)およびPT                 Panin(800万ドル)による関連会社投資の利益における5,200万ドルの減少。
       ・ 2020年9月終了年度におけるPT                 PaninのAASB第9号に基づく調整に起因した6,800万ドルの増加。
       その他(+8億2,000万ドル)

       ・ 8億1,500万ドルの増加。これは、2020年9月終了年度におけるPT                                 Paninの減損(2億2,000万ドル)およびAmBankの
         減損(5億9,500万ドル)に起因する。
       ・ TSOおよびグループ・センター部門における1億1,600万ドルの増加。主に外貨建て収益源に対する経済ヘッジに係る
         実現益の増加(9,100万ドル)に起因したが、これは、当グループの他部門における不利な為替換算差額を相殺した。
       ・ 法人部門における6,300万ドルの増加。これは、コーポレート・ファイナンスにおける公正価値で測定した貸付金の有
         利な調整に起因する。
       ・ オーストラリア・リテールおよび商業部門の3,800万ドルの増加。これは、保険収益純額の増加および店舗外ATMネッ
         トワークの廃止による利益に起因する。
       ・ 2020年9月終了年度におけるUDCの売却に係る損失に起因した3,800万ドルの増加。
       ・ オーストラリア・リテールおよび商業部門におけるANZシェア・インベスティングの売却目的保有への分類変更に係る
         損失(2億5,100万ドル)に起因した2億3,800万ドルの減少。これは、ニュージーランド部門における旧保険ポート
         フォリオのタワーへの売却からの利益により一部相殺された。
    ( 4 )  営業費用-継続事業

                                            (1)

                                          年度
                                    2021  年    2020  年
                                    9月終了      9月終了       増減率
                                      ( 百万ドル)
    人件費                                 4,946      4,878       1 %
    土地建物費                                  705      789     -11  %
    テクノロジー費                                 1,588      1,824      -13  %
    組織再編費用                                  127      161     -21  %
    その他                                 1,685      1,731       -3 %
    継続事業による現金営業費用合計                                 9,051      9,383       -4 %
    継続事業のフルタイム換算従業員(「FTE」)数(人)                                 39,684      37,506        6 %
    継続事業のフルタイム換算従業員(「FTE」)数平均(人)                                 38,043      37,728        1 %
                                100/560






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                                           年度
                                    2021  年    2020  年
                                    9月終了      9月終了       増減率
    部門別営業費用                                  ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                                 4,024      4,091       -2 %
    法人                                 2,447      2,558       -4 %
    ニュージーランド                                 1,325      1,435       -8 %
    パシフィック                                  144      205     -30  %
    TSO  およびグループ・センター                               1,111      1,094       2 %
    継続事業による現金営業費用合計                                 9,051      9,383       -4 %
                                           年度

                                    2021  年    2020  年
                                    9月終了      9月終了       増減率
    部門別FTE                                   ( 人)
    オーストラリア・リテールおよび商業                                 14,480      14,078        3 %
    法人                                 5,332      5,291       1 %
            (1)
    ニュージーランド
                                     7,060      6,679       6 %
    パシフィック                                 1,089      1,113       -2 %
                  (1)
    TSO  およびグループ・センター
                                     11,723      10,345       13 %
    継続事業のFTE合計                                 39,684      37,506        6 %
    継続事業の平均FTE                                 38,043      37,728        1 %
    注:  (1)  FTE  は、ニュージーランドのテクノロジー事業のTSOおよびグループ・センターからニュージーランド部門への移転を

        反映するために修正再表示されている(2020年9月終了年度:918人)。
    営業費用(重大/重要項目を除く)

     営業費用には、2021年9月終了年度における3億8,100万ドルの重大/重要項目(2020年9月終了年度:7億3,400万ドル)
    と総称される多くの項目が含まれていた。これらの項目は、継続事業による現金営業費用合計の一部を構成するが、その性質
    および重要性を考慮し、下表からは除外されている。重大/重要項目については、上記「(1)現金利益-重大/重要項目-継続
    事業」を参照のこと。
                                         年度

                                 2021  年      2020  年
                                9月終了        9月終了        増減率
    費用(重大/重要項目を除く)                               ( 百万ドル)
    人件費                               4,834        4,735        2 %
    土地建物費                                706        787      -10  %
    テクノロジー費                               1,577        1,560        1 %
    組織再編費用                                 -        -    該当なし
    その他                               1,553        1,567        -1 %
    継続事業による現金営業費用合計                               8,670        8,649        0 %
                                         年度

                                 2021  年      2020  年
                                9月終了        9月終了        増減率
    部門別費用     (重大/重要項目を除く)                          ( 百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                               3,801        3,796        0 %
    法人                               2,354        2,485        -5 %
    ニュージーランド                               1,304        1,275        2 %
    パシフィック                                141        147       -4 %
    TSO  およびグループ・センター                             1,070         946       13 %
    継続事業による現金営業費用合計                               8,670        8,649        0 %
                                101/560



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     営業費用     -  2021  年9月終了年度対        2020  年9月終了年度
       営業  費用は、    3億3,200     万ドル(-4      %)減少した。重大/重要項目を除くと、営業費用は2,100万ドル(横ばい)増加し





      た。
       ・ 人件費は6,800万ドル(+1%)増加した。これは、デジタル機能への投資増加、クラウド主導の簡素化、ならびに規
         制上の義務および法遵守義務の履行に加えて、COVID-19に関連する支援、規制当局により定められた苦情申立てへの
         支援および住宅ローン事業への追加的資金に起因する。この増加は、デジタルチャネルを活用する顧客からの継続的
         な利益および有利な為替換算変動により一部相殺された。
       ・ 土地建物費は、全ての地域において継続している不動産の最適化およびリース関連費用の減少に牽引され、8,400万ド
         ル(-11%)減少した。
       ・ テクノロジー費は、2億3,600万ドル(-13%)減少した。これは、2020年9月終了年度の加速償却費(1億9,700万ド
         ル)およびリース関連項目(5,000万ドル)、ベンダー契約の交渉による利益、償却費の減少、ならびに有利な為替換
         算変動によるものであった。この減少は、投資費用の増加により一部相殺された。
       ・ 組織再編費用は、オーストラリア・リテールおよび商業部門およびニュージーランド部門における手数料の引下げに
         より、3,400万ドル(-21%)減少したが、TSOおよびグループ・センター部門の運営上の変更により一部相殺された。
       ・ その他の費用は4,600万ドル(                - 3 %)減少した。これは2020年9月終了年度ののれんの償却(7,700万ドル)、出張費
         の減少、および運送料の減少によるものであった。この減少は、投資費用の増加および訴訟の和解金(6,900万ドル)
         により一部相殺された。
    (5)   投資費用-継続事業

                                        年度

                               2021  年      2020  年
                               9月終了        9月終了        増減率
                                  ( 百万ドル)
              (1)
    費用計上された投資
                                 1,434        1,055        36 %
              (1)
    資産計上された投資
                                  376        419      -10  %
                  (1)
    継続事業による       投資費用合計
                                 1,810        1,474        23 %
                                102/560






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                                        年度
                               2021  年      2020  年
                               9月終了        9月終了        増減率
    部門別投資費用                              ( 百万ドル)
                      (1)
    オーストラリア・リテールおよび商業
                                   555        439       26 %
    法人                              191        164       16 %
    ニュージーランド                              245        226       8 %
    TSO  およびグループ・センター                             819        645       27 %
                  (1)
    継続事業による投資費用合計
                                 1,810        1,474        23 %
    注:(1)    継続事業による投資費用は、継続的性質の一部費用をより反映することを目的として、オーストラリア・リテールお

        よび商業部門における投資費用を通常の業務費用として計上するため、修正再表示されている(2020年9月終了年
        度:4,700万ドル)。
    (6)   ソフトウェアの資産計上-継続事業

     2021  年9月30日現在の当グループの無形資産には、ソフトウェアの取得および開発の際に発生した費用9億6,000万ドルが含
    まれている。詳細は下表に表示されている。
                                        年度

                               2021  年      2020  年
                               9月終了        9月終了        増減率
                                  (百万ドル)
    期首残高                             1,039        1,323       -21  %
    当期中に資産計上されたソフトウェア                              356        375       -5 %
    当期中の償却
     - 当期償却
                                  (434)        (460)       -6 %
          (1)
     - 加速償却
                                   -      (197)      -100  %
    ソフトウェア減損/償却費                              (1)        (2)      -50  %
    継続事業の資産計上されたソフトウェア合計                              960       1,039        -8 %
                                        年度

                               2021  年      2020  年
                               9月終了        9月終了        増減率
    部門別資産計上されたソフトウェア                              (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                              130        147      -12  %
    法人                              131        139       -6 %
    ニュージーランド                              14        16      -13  %
    TSO  およびグループ・センター                            685        737       -7 %
    継続事業の資産計上されたソフトウェア合計                              960       1,039        -8 %
    注:(1)    2020年9月終了年度において、当グループは、ソフトウェアの償却に関する方針の適用を変更し、急速に変化するテ

        クノロジーおよび業務要件によって短縮した耐用年数を反映した。その結果、2020年9月終了年度中、当グループ
        は、加速償却費1億9,700万ドルを以下の部門に認識した。
                                   2020  年9月終了年度

          加速償却
                                     (百万ドル)
          オーストラリア・リテールおよび商業                                 31
          法人                                 38
          ニュージーランド                                 11
          TSO  およびグループ・センター                               117
          合計                                197
                                103/560




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    (7)   信用  リスク-継続事業
     COVID-19    のグローバル経済への影響およびその期間、ならびに政府、企業および顧客の対応は依然として不確実である。こ
    の不確実性は、多くの経営陣による判断および見積りに基づいたクレジット・ポートフォリオの予想信用損失                                                   (「ECL」)に関
    する当グループの評価に反映されている。経営陣による判断および見積りは、内部および外部の様々な情報に加え、過去のス
    トレス状況下でのポートフォリオの運用状況における当グループの経験に基づくものである。詳細については、「第6                                                       経理の
    状況  - 1  財務書類」の2021年度財務書類の注記1を参照のこと。
    ローン返済猶予制度および救済措置(支援措置)

     2020  年3月以降、当グループは、COVID-19による顧客の借入債務の履行への影響に対応すべく、顧客へ様々な支援措置を提
    供した。提供した支援措置には、一時的な元利払いの猶予や元利払いからインタレスト・オンリー型の返済への変更、および
    ローン返済期日の延長といった取決めが含まれる。これらの支援措置は、2021年3月半期中に段階的に停止された。
     2021  年9月半期においては、コロナウイルスのデルタ変異株が拡大した結果、シドニー、メルボルンおよびオークランドで
    は新たにロックダウンが実施され、またその期間が延長された。                              最近のロックダウンによっても顧客にローン返済猶予の支援
    措置が提供されたが、前年度と比較するとその重要性は低くなった。
     COVID-19    によりインタレスト・オンリー型の貸付に変更されたまたは期間延長された与信枠は、現在では通常のローンに含
    められ管理されている。
     ローン支援措置を利用した顧客については、当該ローン支援措置および政府支援措置は、ローン返済猶予期間にわたり生じ
    たであろう返済遅延および将来生じる可能性のある返済遅延を正確に把握しづらくしているとみなされている。よって、当グ
    ループは、予想される遅延および信用リスクの著しい増大(「SICR」)について、予想信用損失の構成要素を提供している。
    貸倒引当金繰入/(戻入)

                                     年度

                             2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    一括評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                           (621)        1,051         大
    法人                           (159)         373        大
    ニュージーランド                           (61)        248        大
    パシフィック                            15        45      -67  %
    TSO  およびグループ・センター                           3        -    該当なし
    一括評価合計                           (823)        1,717         大
                                     年度

                             2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    個別評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                           195        596      -67  %
    法人                            70        321      -78  %
    ニュージーランド                           (15)         97       大
    パシフィック                            6        7     -14  %
    TSO  およびグループ・センター                           -        -    該当なし
    個別評価合計                           256       1,021       -75  %
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
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                                     年度
                             2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    貸倒引当金繰入/(戻入)合計                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                           (426)        1,647         大
    法人                           (89)        694        大
    ニュージーランド                           (76)        345        大
    パシフィック                            21        52      -60  %
    TSO  およびグループ・センター                           3        -    該当なし
    貸倒引当金繰入/(戻入)合計                           (567)        2,738         大
                        一括評価                   個別評価

    2021  年9月終了年度
                                     ステージ3     -  ステージ3     -
                 ステージ     ステージ     ステージ          新規および       回収および
                  1     2     3    合計      増加       戻入      合計     合計
    部門                               (百万ドル)
    オーストラリア
    ・リテールおよび商業              (168)     (419)      (34)    (621)       611      (416)     195     (426)
    法人              (103)      (49)      (7)   (159)       145       (75)     70     (89)
    ニュージーランド                2    (40)     (23)    (61)       55      (70)     (15)      (76)
    パシフィック               (3)      4     14    15       13       (7)     6     21
    TSO  およびグループ
    ・センター                3     -     -    3       -       -     -      3
    合計              (269)     (504)      (50)    (823)       824      (568)     256     (567)
                        一括評価                   個別評価

    2020  年9月終了年度
                                     ステージ3     -  ステージ3     -
                 ステージ     ステージ     ステージ          新規および       回収および
                  1     2     3    合計      増加       戻入      合計     合計
    部門                               (百万ドル)
    オーストラリア
    ・リテールおよび商業               228     805      18   1,051        965      (369)     596     1,647
    法人               203     178      (8)    373       451      (130)     321      694
    ニュージーランド               20     190      38    248       147       (50)     97     345
    パシフィック                4     37      4    45       12       (5)     7     52
    TSO  およびグループ
    ・センター                -     -     -    -       -       -     -      -
    合計               455    1,210       52   1,717       1,575       (554)    1,021      2,738
     一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)

     一括評価貸倒引当金繰入額の25億4,000万ドルの減少は、オーストラリア・リテールおよび商業部門での減少(-16億7,200万
    ドル)、法人部門での減少(-5億3,200万ドル)およびニュージーランド部門での減少(-3億900万ドル)によるものであっ
    た。一括評価貸倒引当金は、COVID-19のパンデミックの影響に関する将来予測により、2020年9月終了年度に大幅に増加し
    た。改善した経済見通しに加えてポートフォリオの構成が向上したことで、2021年9月終了年度の一括評価貸倒引当金は戻入
    となった。
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     個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
     個別評価貸倒引当金繰入額の7億6,500万ドル(-75%)の減少は、オーストラリア・リテールおよび商業部門での減少(-4
    億100万ドル)、法人部門での減少(-2億5,100万ドル)およびニュージーランド部門(-1億1,200万ドル)の減少によるもの
    であった。オーストラリア・リテールおよび商業部門の減少は、様々なCOVID-19支援措置の影響により、基礎となる新規の支
    払延滞が依然として低い水準にとどまっていることに起因した減損の減少に牽引された。法人部門の減少は、2020年9月終了
    年度に多数の減損が生じたことによるものであった。ニュージーランド部門の減少は、減損への移行が減少したことおよび大
    口の農業関連顧客に係る引当金の戻入によるものであった。
               (1)

     予想信用損失引当金
                                期末現在

                             2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    一括評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                           2,225        2,845       -22  %
    法人                           1,346        1,513       -11  %
    ニュージーランド                            526        570       -8 %
    パシフィック                            95        80      19 %
    TSO  およびグループ・センター                           3        -    該当なし
    一括評価合計                           4,195        5,008       -16  %
                                期末現在

                             2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    個別評価                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                            406        610      -33  %
    法人                            195        158       23 %
    ニュージーランド                            63       102      -38  %
    パシフィック                            23        21      10 %
    TSO  およびグループ・センター                           -        -    該当なし
    個別評価合計                            687        891      -23  %
                                期末現在

                             2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
    予想信用損失引当金                           (百万ドル)
    オーストラリア・リテールおよび商業                           2,631        3,455       -24  %
    法人                           1,541        1,671        -8 %
    ニュージーランド                            589        672      -12  %
    パシフィック                            118        101       17 %
    TSO  およびグループ・センター                           3        -    該当なし
    予想信用損失引当金合計                           4,882        5,899       -17  %
    注:(1)    正味貸付金および前渡金(償却原価で測定)、投資有価証券-負債証券(償却原価で測定)、オフバランスシートの

        コミットメント-未実行与信枠および偶発与信枠の予想信用損失引当金を含む。
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                             一括評価                個別評価
    2021  年9月終了年度       末現在
                                                     合計
                   ステージ1       ステージ2       ステージ3        合計     ステージ3
                                   (百万ドル)
    オーストラリア・リテール
    および商業                   430      1,467        328     2,225        406     2,631
    法人                   949       373       24    1,346        195     1,541
    ニュージーランド                   154       317       55     526       63      589
    パシフィック                   18       48       29      95       23      118
    TSO  およびグループ・センター                  3       -       -      3       -      3
    合計                  1,554       2,205        436     4,195        687     4,882
                             一括評価                個別評価

    2020  年9月終了年度       末現在
                                                     合計
                   ステージ1       ステージ2       ステージ3        合計     ステージ3
                                   (百万ドル)
    オーストラリア・リテール
    および商業                   597      1,886        362     2,845        610     3,455
    法人                  1,056        426       31    1,513        158     1,671
    ニュージーランド                   147       346       77     570       102      672
    パシフィック                   20       46       14      80       21      101
    TSO  およびグループ・センター                  -       -       -      -       -      -
    合計                  1,820       2,704        484     5,008        891     5,899
    注:(1)    正味貸付金および前渡金(償却原価で測定)、投資有価証券-負債証券(償却原価で測定)、オフバランスシートの

        コミットメント-未実行与信枠および偶発与信枠の予想信用損失引当金を含む。
     長期損失率

     経営陣は、個別評価引当金に係るモデル化された過去の長期損失率を開示することが、会計上の損失を用いることで生じる
    報告利益のボラティリティを除去することになるため、より長期的な貸付ポートフォリオの予想損失率の算定に資すると考え
    ている。経済的利益に使用された長期損失アプローチは内部的な指標であり、AASB第9号「金融商品」の信用損失の認識原則
    に基づくものではない。さらに、過去の長期平均損失率に基づいていることを考慮し、COVID-19に関連する潜在的影響を完全
    には反映していない可能性がある。
                                              現在

                                        2021  年 9月      2020  年 9月
    部門別貸付資産総額に対する長期損失の割合
    オーストラリア・リテールおよび商業                                      0.22  %       0.27  %
    ニュージーランド                                      0.13  %       0.16  %
    法人                                      0.25  %       0.30  %
    グループ    合計                                  0.22  %       0.26  %
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     減損資産総額
                                      現在            増減率

                                                 2021  年 9月
                                                   対
                                2021  年 9月     2020  年 9月     2020  年 9月
                                   (百万ドル)
         (1)
    減損貸付金
                                   1,549        2,001         -23  %
          (2)
    条件緩和債権
                                    355        254        40 %
                           (1)
    不良資産を裏付けとする契約債務および偶発債務
                                    61        204        -70  %
    減損資産総額                              1,965        2,459         -20  %
    個別評価引当金
    減損貸付金                               (666)        (851)        -22  %
    不良資産を裏付けとする契約債務および偶発債務                               (21)        (40)        -48  %
    減損資産純額                              1,278        1,568         -18  %
    部門別減損資産総額

    オーストラリア・リテールおよび商業                              1,041        1,634         -36  %
    法人                               704        434        62 %
    ニュージーランド                               164        347        -53  %
    パシフィック                                56        44        27 %
    減損資産総額                              1,965        2,459         -20  %
    エクスポージャーの規模別減損資産総額

    1,000   万ドル未満                            1,289        1,713         -25  %
    1,000   万ドル以上1億ドル以下                             222        339        -35  %
    1億ドル超                               454        407        12 %
    減損資産総額                              1,965        2,459         -20  %
    注:(1)    減損貸付金ならびに不良債権を裏付けとする契約債務および偶発債務は、90日超延滞している無担保リテール・エク

        スポージャーおよび不履行が発生しているが十分な担保を供されるエクスポージャーからなる、一括評価されたス
        テージ3のECLであるエクスポージャーを含んでいない。
      (2)  条件緩和債権とは、当初の契約条件が顧客の財政的困難に関連する理由により修正されたファシリティである。条件
        緩和は、利息、元本その他法律上期限が到来した支払いの削減、または同様のリスクの新規ファシリティに対して一
        般的に提供される満期を大幅に超える延長からなる。
       減損資産総額は、オーストラリア・リテールおよび商業部門(-5億9,300万ドル)およびニュージーランド部門(-1億

      8,300万ドル)の減少により、4億9,400万ドル(-20%)減少したが、法人部門(2億7,000万ドル)の増加により一部相殺
      された。オーストラリア・リテールおよび商業部門での減少は、単一顧客の条件緩和エクスポージャーの返済および様々な
      COVID-19支援措置の影響により、                基礎となる新規の支払延滞が依然として低い水準にとどまって                              いることに起因した、リ
      テール・ポートフォリオにおける減少に牽引された。ニュージーランド部門での減少は、大口の農業関連顧客の格上げおよ
      び多数の農業資産の売却によるものであった。法人部門での増加は、2021年3月半期における少数の単一顧客の十分な担保
      が供されているエクスポージャーに係る減損によるものであった。
       当グループの減損資産に対する個別評価引当金のカバレッジ比率は、2021年9月30日現在で35.0%(2020年9月30日現在
      で36.2%)であった。
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     新規減損資産
                                          年度

                                  2021  年      2020  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
                                     ( 百万ドル)
         (1)
    減損貸付金
                                    1,306        2,488       -48  %
          (2)
    条件緩和債権
                                     309         70       大
                           (1)
    不良資産を裏付けとする契約債務および偶発債務
                                     117        231      -49  %
    新規減損資産合計                               1,732        2,789       -38  %
    部門別新規減損資産

    オーストラリア・リテールおよび商業                                882       1,645       -46  %
    法人                                664        768      -14  %
    ニュージーランド                                144        361      -60  %
    パシフィック                                 42        15       大
    新規減損資産合計                               1,732        2,789       -38  %
    注:(1)    減損貸付金ならびに不良債権を裏付けとする契約債務および偶発債務は、90日超延滞している無担保リテール・エク

        スポージャーおよび不履行が発生しているが十分な担保を供されるエクスポージャーからなる、一括評価されたス
        テージ3のECLであるエクスポージャーを含んでいない。
      (2)  条件緩和債権とは、当初の契約条件が顧客の財政的困難に関連する理由により修正されたファシリティである。条件
        緩和は、利息、元本その他法律上期限が到来した支払いの削減、または同様のリスクの新規ファシリティに対して一
        般的に提供される満期を大幅に超える延長からなる。
     新規減損資産は、オーストラリア・リテールおよび商業部門(-7億6,300万ドル)、ニュージーランド部門(-2億1,700万

    ドル)および法人部門(-1億400万ドル)の減少に牽引され、10億5,700万ドル(-38%)の減少となった。オーストラリア・
    リテールおよび商業部門での減少は、様々なCOVID-19に関連する支援措置の影響により、                                         基礎となる新規の支払延滞が依然と
    して低い水準にとどまって            いることに起因した。また、ニュージーランド部門での減少は、2020年9月終了年度における大口
    の農業関連顧客の新規減損に牽引された。法人部門での減少は、2020年9月に減損が増加したことによる。
                                    (1)

     延滞しているが減損していない正味貸付金および前渡金の期間分析
                                       現在           増減率

                                                 2021  年 9月
                                                   対
                                 2021  年 9月    2020  年 9月     2020  年 9月
                                     (百万ドル)
    1~29日                               4,757        5,161        -8 %
    30 ~59日                              1,751        1,028        70 %
    60 ~89日                               860        569       51 %
    90 日以上                              3,065        3,844        -20  %
    合計                               10,433        10,602         -2 %
    注:  (1)  6か月の返済猶予制度が適用され猶予期間中猶予された適格顧客を除く。30日以上延滞している顧客は、6か月の返

        済猶予制度の対象外である。
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     延滞しているが減損していない正味貸付金および前渡金は、様々なCOVID-19に関連する支援措置の影響により、                                                    基礎となる
    新規の支払延滞が依然として低い水準にとどまって                        いるため、オーストラリア・リテールおよび商業部門およびニュージーラ
    ンド部門の住宅ローン・ポートフォリオの90日以上の期間における減少に牽引され、1億6,900万ドル(-2%)減少した。こ
    の減少は、COVID-19に関連する様々な支援措置実施後に顧客ポジションが正常化したため、30~59日および60~89日の期間に
    おいて、当該正味貸付金および前渡金が増加したことにより一部相殺された。
    (8)   法人税-継続事業

     税引前利益に対する計算上の法人税費用は、損益に認識された法人税と調整されている。
                                            年度

                                    2021  年     2020  年
                                    9月終了       9月終了        増減率
                                       ( 百万ドル)
    継続事業に係る税引前現金利益                                 8,963       5,631        59 %
    計算上の法人税費用(税率30%)                                 2,689       1,689        59 %
    永久差異に係る税効果:
     事業売却による処分損益                                  (4)        2       大
     AmBank   およびPT     Paninへの投資の減損
                                        -      245      -100  %
     関連会社投資の持分(利益)/損失                                  53       (47)        大
     ANZ  シェア・インベスティングの売却目的保有への分類変更                                75        -    該当なし
     転換型金融商品の利息                                  44       52      -15  %
     海外税率差異                                 (87)       (88)       -1 %
     配当金の送金に課される外国税引当金                                  37       20      85 %
     その他                                 (27)        25       大
    小計                                 2,780       1,898        46 %
    過年度の法人税(過大)/過少計上額                                  (16)       (26)      -38  %
    現金利益に対する法人税                                 2,764       1,872        48 %
     オーストラリア                                1,916       1,129        70 %
     海外                                 848       743       14 %
    現金利益に対する法人税                                 2,764       1,872        48 %
    実効税率                                 30.8  %     33.2  %
       実効税率は、33.2%から30.8%へと減少した。241ベーシス・ポイントの減少は、2020年9月終了年度のAmBankおよびPT

      Paninに対する投資の損金不算入の減損(-435ベーシス・ポイント)によるものであった。これは、持分法利益の減少(+142
      ベーシス・ポイント)および2021年3月半期にANZシェア・インベスティングを売却目的保有に分類変更したことによる損金
      不算入の影響額(+84ベーシス・ポイント)により、一部相殺された。
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    (9)   外国為替換算の影響-継続事業
     下表は、外国為替換算変動の影響解消後の当グループの現金利益、正味貸付金および前渡金、ならびに顧客預金を示す。比
    較データは、以前の期間の比較情報を当期の為替レートで再換算することにより、外国為替変動の換算の影響を取り除くよう
    調整している。
     現金利益-     202  1 年9月終了年度対        20 20 年9月終了年度

                                 年度                増減率

                                    為替に                  為替
                               為替          為替      為替
                                                     調整後
                          実際     調整前     よる影響     調整後      調整前
                                               2021  年    2021  年
                                              9月終了      9月終了
                                               年度対      年度対
                                               2020  年    2020  年
                         2021  年   2020  年   2020  年   2020  年   9月終了      9月終了
                          9月     9月     9月     9月      年度      年度
                                ( 百万ドル)
    純利息収益                     14,161     14,049      (137)    13,912        1 %      2 %
    その他営業収入                      3,286     3,703       7   3,710      -11  %     -11  %
    営業収入                     17,447     17,752      (130)    17,622       -2 %     -1 %
    営業費用                     (9,051)     (9,383)      147    (9,236)       -4 %     -2 %
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                      8,396     8,369      17    8,386       0 %      0 %
    貸倒引当金(繰入)/戻入                       567    (2,738)       43   (2,695)        大      大
    法人税引前利益                      8,963     5,631      60    5,691       59 %     57 %
    法人税                     (2,764)     (1,872)      (24)    (1,896)       48 %     46 %
    非支配持分                       (1)     (1)     -     (1)      0 %      0 %
    継続事業による現金利益                      6,198     3,758      36    3,794       65 %     63 %
    部門別継続事業による現金利益/(損失)

    オーストラリア・リテールおよび商業                      3,617     2,337       -   2,337       55 %     55 %
    法人                      1,887     1,854      (23)    1,831       2 %      3 %
    ニュージーランド                      1,508     1,017      (5)    1,012       48 %     49 %
    パシフィック                       (3)     (62)      4    (58)     -95  %     -95  %
    TSO  およびグループ・センター                     (811)    (1,388)       60   (1,328)       -42  %     -39  %
    継続事業による現金利益                      6,198     3,758      36    3,794       65 %     63 %
    部門別正味貸付金および前渡金

    オーストラリア・リテールおよび商業                     341,233     339,381        -  339,381        1 %      1 %
    法人                     158,231     157,634      (415)    157,219        0 %      1 %
    ニュージーランド                     128,466     116,625      3,671    120,296        10 %      7 %
    パシフィック                      1,771     1,866      (7)    1,859       -5 %     -5 %
    TSO  およびグループ・センター                      18    1,587      (1)    1,586      -99  %     -99  %
    正味貸付金および前渡金                     629,719     617,093      3,248    620,341        2 %      2 %
    部門別顧客預金

    オーストラリア・リテールおよび商業                     252,504     234,594        -  234,594        8 %      8 %
    法人                     239,628     223,288     (1,309)     221,979        7 %      8 %
    ニュージーランド                     97,719     91,004     2,864     93,868        7 %      4 %
    パシフィック                      3,767     3,534      (13)    3,521       7 %      7 %
    TSO  およびグループ・センター                     (35)     (57)      1    (56)     -39  %     -38  %
    顧客預金                     593,583     552,363      1,543    553,906        7 %      7 %
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    (10)   収益に関するヘッジ-継続事業
     当グループは、適切であると考える場合、外貨建ての(主にニュージーランドドル建ておよび米ドル建ての)大規模な収益
    源に対し、経済ヘッジを設定している。ニュージーランドドル建てのエクスポージャーはニュージーランド地域に関連し、米
    ドル建てのエクスポージャーはアジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ地域に関連するものである。これらのヘッジの詳細
    は以下のとおりである。
                                             年度

                                        2021  年       2020  年
                                       9月  終了       9月  終了
    ニュージーランドドル建て経済ヘッジ                                      (百万ドル)
                                (1)
    正味未決済ニュージーランドドル・ポジション(想定元本)
                                          2,652         2,276
                         (2)
    収益に計上された金額(税引前法定ベース)
                                           (65)         (7)
                         (3)
    収益に計上された金額(税引前現金ベース)
                                            20         6
    米ドル建て経済ヘッジ

                         (1)
    正味未決済米ドル・ポジション(想定元本)
                                           528         453
                         (2)
    収益に計上された金額(税引前法定ベース)
                                            -        48
                         (3)
    収益に計上された金額(税引前現金ベース)
                                            54        (23)
    注:(1)    契約レートによる豪ドル建て価値

      (2)  未実現評価変動および満期または終了ヘッジからの実現収益
      (3)  終了ヘッジからの実現収益
     2021  年9月30日現在、為替相場の不利な変動に対して将来の利益を一部ヘッジするために以下のヘッジが実行された。

     ・ およそ1豪ドル=1.06ニュージーランドドルの先物相場で28億ニュージーランドドル。
     ・ およそ1豪ドル=0.74米ドルの先物相場で4億米ドル。
     2021  年 9月終了年度中:

     ・ 経済ヘッジ18億ニュージーランドドルが満期を迎え、実現利益2,000万ドル(税引前)が現金利益に計上された。
     ・ 経済ヘッジ4億米ドルが満期を迎え、実現利益5,400万ドル(税引前)が現金利益に計上された。
     ・ 経済ヘッジのニュージーランドドルおよび米ドル残高に対する未実現損失1億3,900万ドル(税引前)が、当年度中に法
       定損益計算書に計上された。これらは今後のニュージーランドドルおよび米ドル建て収益に対するヘッジであることか
       ら、この未実現損失は現金利益を算定する際に法定利益への調整として処理されている。
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    (11)   1株当たり利益-継続事業
                                             年度

                                     2021  年     2020  年
                                     9月終了       9月終了       増減率
    継続事業による1株当たり現金利益(セント)
     基本的                                  218.3      132.7       65 %
     希薄化後                                 206.0      123.7       67 %
    現金利益調整後加重平均普通株式数                ( 百万  )
     基本的                                2,838.6      2,830.9        0 %
     希薄化後                                3,098.8      3,201.1        -3 %
    継続事業による       現金利益(百万ドル)                           6,198      3,758       65 %

    希薄化後1株当たりの現金利益の計算に使用された                        継続事業
    による   現金利益(百万ドル)                               6,385      3,959       61 %
    (12)   配当-継続事業

                                             年度

                                     2021  年     2020  年
                                     9月終了       9月終了       増減率
                           (1)
    普通株式1株当たりの配当(セント)-継続事業
     中間配当                                   70       25
     最終配当                                   72       35
     合計                                  142       60      大
                           (2)(3)

    配当性向に用いられた普通株式配当(百万ドル)
                                       4,022       1,703        大
    継続事業による現金利益(百万ドル)                                  6,198       3,758       65 %
                    (3)
    普通株式配当性向(現金ベース)
                                      64.9  %    45.3  %
    注:(1)    2021年度最終配当については、オーストラリアの課税目的において全額フランキング済(税率30%)であり、8

        ニュージーランドセント(2021年度中間配当:8ニュージーランドセント、2020年度最終配当:4ニュージーランド
        セント、2020年中間配当:3ニュージーランドセント)のインピュテーション税額控除が付される。
      (2)  当社の普通株式保有者に支払われた配当である。当グループの非支配持分保有者に対して子会社が支払った配当
        (2020年9月終了年度:0ドル)を除く。
      (3)  配当性向は、配当基準日において発行済となる予定の普通株式の見込み数に基づく、提案された2021年度最終配当額
        20億3,000万ドルを用いて算出されている。2020年9月終了年度の配当性向は、実際の配当金支払額を用いて算出され
        た。
     72 セントの最終配当は、2021年12月16日に適格なANZ全額払込済普通株式に対して支払われた。2021年度最終配当は、オース

    トラリアにおける課税の目的において全額フランキング済みとなり、普通株式1株当たり8ニュージーランドセントのニュー
    ジーランドのインピュテーション税額控除も付与された。
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    (1 3 )  経済的利益-継続事業
                                          年度

                                  2021  年
                                          2020  年
                                 9月終了        9月終了        増減率
                                    (百万ドル)
    当行株主に帰属する継続事業による法定利益                               6,179        3,675        68 %
    継続事業による法定利益と現金利益の調整                                 19        83      -77  %
    継続事業による現金利益                               6,198        3,758        65 %
    経済的信用コスト調整                               (1,456)          778        大
    インピュテーション税額控除                               1,109        1,092        2 %
    継続事業による経済的リターン                               5,851        5,628        4 %
    資本コスト                               (5,059)        (4,921)         3 %
    継続事業による経済的利益                                792        707       12 %
     経済的利益は、事業ユニットの業績を評価するのに利用されるリスク調整済みの利益指標である。これは内部管理目的のた

    めに利用されるもので、外部監査人による監査の対象にはならない。
     事業ユニットのレベルでは、資本は、規制資本に基づいて配分されるため、高リスクの事業には高水準の資本が計上され
    る。この方法は、適切なリスク管理の遂行を支援し、事業リターンがリスクの水準と確実に一致するよう設定されている。対
    象としている重要なリスクには、信用リスク、オペレーショナル・リスク、市場リスクおよびその他のリスクが含まれる。
     経済的   利益  は、以下のとおり、現金利益への一連の調整を通じて算出される。
       ・  経済的信用コスト調整により、会計上の貸倒損失繰入額が、                            景気  循環を通じたポートフォリオの年間長期平均損失率
         に基づいた内部予想損失に置き換えられる                   。
       ・  インピュテーション税額控除の利益が認識され、オーストラリア税の70%で測定される。
       ・  資本コストは、経済的利益の主要な構成要素である。ANZグループのレベルでは、資本コスト率(2021年9月半期につ
         いては7.75%および2021年3月半期については8.5%が、2020年9月終了年度に適用される平均8.125%と比較され
         る。)を乗じた平均普通株式株主資本(非支配持分を除く。)を使用して算定される。
     経済的   利益  は、2020年9月終了年度に対し8,500万ドル増加した。これは、現金利益およびインピュテーション税額控除の増

    加に起因したが、不利な経済的信用コスト調整および資本コストの増加により一部相殺された。
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    (14)   要約貸借対照表-非継続事業を含む
                                    現在            増減率

                                               2021  年 9月
                                                 対
                              2021  年 9月     2020  年 9月     2020  年 9月
                                (十億ドル)
    資産
    現金/ANZに対する未収決済残高/支払担保                             168.0        129.7         30 %
    売買目的および投資有価証券                             127.8        144.3        -11  %
    デリバティブ金融商品                             38.7        135.3        -71  %
    正味貸付金および前渡金                             629.7        617.1         2 %
    その他                             14.7        15.9        -8 %
    資産合計                             978.9       1,042.3          -6 %
    負債
    ANZ  による未払決済残高/受取担保                            23.1        31.5        -27  %
    預金およびその他の借入金                             743.1        682.3         9 %
    デリバティブ金融商品                             36.0        134.7        -73  %
    発行済社債                             101.1        119.7        -16  %
    その他                             11.9        12.8        -7 %
    負債合計                             915.2        981.0         -7 %
    株主資本合計                             63.7        61.3         4 %
       ・  現金/ANZに対する未収決済残高/支払担保は383億ドル(+30%)増加した。この増加は、中央銀行預け金の増加によ

         るものであったが、売戻条件付契約および支払担保の減少、ならびに為替換算変動の影響により一部相殺された。
       ・  売買目的および投資有価証券は、マーケッツにおける流動性資産の減少により165億ドル(-11%)減少した。
       ・  デリバティブ金融資産およびデリバティブ金融負債は、それぞれ966億ドル(-71%)および987億ドル(-73%)減少
         した。この減少は、中央清算カウンターパーティーとのデリバティブ取引の決済に関する法的契約の変更に伴う減少
         (デリバティブ資産の減少551億ドル、デリバティブ負債の減少552億ドル)および市場金利の変動の影響によるもの
         であった。
       ・  正味貸付金および前渡金は、126億ドル(+2%)増加した。この増加は、ニュージーランド部門(+82億ドル)および
         オーストラリア・リテールおよび商業部門(+19億ドル)における住宅ローンの増加、ならびに為替換算変動の影響に
         よるものであった。
       ・  ANZの未払決済残高/受取担保は84億ドル(-27%)減少した。これは、受取担保および資金決済勘定残高の減少によ
         るものであった。
       ・  預金およびその他の借入金は、608億ドル(+9%)増加した。これは、オーストラリア・リテールおよび商業部門
         (+179億ドル)、法人部門(+176億ドル)およびニュージーランド部門(+39億ドル)にわたっての顧客預金の増加、
         ならびにコマーシャル・ペーパー(+165億ドル)および譲渡性預金(+52億ドル)の増加、RBAターム資金供給ファシ
         リティ(「TFF」)の81億ドルの追加引出し、ニュージーランド準備銀行(「RBNZ」)による貸出のための資金供給プ
         ログラム(「FLP」)およびターム貸出ファシリティ(「TLF」)の12億ドルの引出し、ならびに為替換算変動の影響
         によるものであった。これは、銀行預金および買戻条件付契約の減少(-100億ドル)により一部相殺された。
       ・  発行済社債は、シニア債の発行の減少により186億ドル(-16%)減少したが、預金およびその他の借入金に分類され
         るTFFのさらなる引出しにより一部置き換えられた。
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    (15)   流動性リスク-非継続事業を含む
     流動性リスクは当グループが預金者への払戻および満期が到来するホールセール債券の償還を含む、期限の到来した支払義
    務を満たせないリスク、または当グループが資産の増加に対して資金を調達する能力が不十分であるリスクである。キャッ
    シュフローの時期の不一致および関連する流動性リスクは、すべての銀行業務に内在するものであり、当グループはこれを注
    意深く監視し、取締役会が設定したリスク選好に従って管理している。
     当グループの流動性リスク管理への取組みは、2つの主要な要素を含む。
    ・ 資金調達源のシナリオのモデリング

       ANZ  の流動性リスク       選好  は、取締役会が義務付けた一連の規制上の要件および内部の流動性指標を満たす能力と定義され
      る。  指標  は、異なる持続期間および深刻性水準の様々なシナリオに渡る。この枠組みの目的は以下のとおりである。
       ・ より短期で極度の市場の混乱およびストレスに対して保護を提供すること。
       ・ 適切な額の長期資産がより長期の資金で調達されることを確実にすることで、貸借対照表の構造的な強さを維持する
         こと。
       ・ 当グループの資金調達プロファイルに過度の時期の集中が存在しないことを確保すること。
       この枠組みの主要な要素は、APRAを含む世界中の銀行規制機関により義務付けられた深刻な短期の流動性ストレス・シナ

      リオである流動性カバレッジ比率(「LCR」)である。LCR要件への適合の一環として、ANZはオーストラリア準備銀行
      (「RBA」)に流動性供給枠(「CLF」)を有している。CLFは、オーストラリアにおける利用可能な高品質な流動資産
      (「HQLA」)の不足を相殺するために設けられており、偶発的流動性の代替形式を提供する。CLFは、RBAに担保として差入
      れ可能な資産(国内住宅モーゲージ・バック証券を含む。)により担保されている。適格公認預金受入機関(「ADI」)が利
      用可能なCLFの総額はAPRAによって毎年設定される。2021年9月、各ADIがそのLCR要件を満たすために十分なHQLAを有してい
      るとARPAおよびRBAがみなしている旨を、APRAは各ADIに対して書面により通知した。よって、2022年以降CLFの使用は求めら
      れない。
       2021  年1月1日から、        ANZ  のCLFは107億ドル(2020暦年末:357億ドル)である。ANZのCLFは、APRAの要件に一致させて、
      2022年1月1日、4月30日、8月31日および12月31日に均等にゼロになるまで減額する。この減額は、当該期間にわたるANZ
      の資金調達計画の一環として管理される。
    ・ 流動資産

       当グループ     は、深刻なストレス下の環境における当グループの流動性ポジションを保護し、かつ規制上の要件を満たすた
      め、高品質な、処分に制約のない流動資産のポートフォリオを保有している。高品質な流動資産は、バーゼル3LCRと整合性
      のある定義による3つのカテゴリーからなる。
       ・ 最も高品質な流動資産(「HQLA1」):現金、同日に流動性を提供する中央銀行との買戻条件付契約に適格な、信用の
         質が最も高い政府、中央銀行または公的部門証券
       ・ 高品質な流動資産(「HQLA2」):同日に流動性を提供する中央銀行との買戻条件付契約に適格な、信用の質の高い政
         府、中央銀行または公的部門証券、質の高い企業債務証券および質の高いカバード・ボンド
       ・ 代替流動資産(「ALA」):CLFの担保として適格な資産およびニュージーランド準備銀行(「RBNZ」)により列挙さ
         れたその他の適格証券
       RBA  は、COVID-19の経済的影響に対応して、2020年3月に                         ターム資金供給ファシリティ(「TFF」)を導入した。TFFの下で

      RBAは、ADIに対してRBA適格担保により保証された3年間の資金提供を行っている。ADIは、その裁量により引出しが可能な
      確約済の中央銀行ファシリティを示す未実行であるが利用可能なTFFを、LCRの計算にあたり流動資産として含めることがで
      きる。ANZの未実行であるが利用可能なTFFは、RBAへの差入担保として適格な資産により以下に示されている。2021年7月1
      日現在、ANZの利用可能なTFFは全て実行されている。
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       RBNZ  は、COVID-19の経済的影響に対応して、2020年11月に「貸出のための資金供給プログラム(「FLP」)」を導入した。
      FLPの下でRBNZは、承認された適格担保により保証された適格カウンターパーティーに対して、3年間の資金供給を行ってい
      る。APRAは、未実行であるが利用可能なFLPを、LCRの計算にあたり現金流入として含めることができると述べている。レベ
      ル2のLCRの計算にあたり、ニュージーランドドルのLCRの100%を超過して保有する流動資産を除外しているため、未実行で
      あるが利用可能なFLPにより、報告されるレベル2の流動資産は減少している。
       当グループは、規制上の要件および取締役会が設定したリスク選好に沿って、継続的に流動資産ポートフォリオの規模お
      よび構成を監視および管理している。
                                        半期  平均          増減率

                                                   2021  年 9月
                                     2021  年     2020  年       対
                                    9月終了       9月終了       2020  年 9月
                                       (十億ドル)
                  (1)
    ディスカウント後の市場価値
    HQLA1                                  211.5       164.6         28 %
    HQLA2                                   8.5       9.9       -14  %
                  (2 )
    国内住宅モーゲージ担保証券
                                       3.3       35.3        -91  %
         (2)
    その他ALA
                                       5.5       8.6       -36  %
    流動資産合計                                  228.8       218.4         5 %
    ストレス・シナリオに基づいてモデル化されたキャッシュフロー

    キャッシュ・アウトフロー                                  208.1       203.0         3 %
    キャッシュ・インフロー                                  39.3       45.4        -13  %
    正味キャッシュ・アウトフロー                                  168.8       157.6         7 %
               (3)
    流動性カバレッジ比率
                                      136  %      139  %       -3 %
    注:(1)    APRA健全性規制基準(「APS第210号「流動性」」)による規定に従って計算され、APS第330号の要件に一致している

        半期平均基準。
      (2)  承認された枠限度までのCLFおよびTFFの担保として適格な資産ならびにRBNZの「流動性方針-別表:流動資産-健全
        性監督局文書BS13A12」に定義される流動資産からなる。
      (3)  すべての通貨のレベル2のLCR。
     当事業年度中、       主に正味キャッシュ・アウトフローに寄与するものは、当行のコーポレートおよびリテールの預金ポート

    フォリオに関連するモデル化されたアウトフローであったが、返済期限が到来する貸付からのインフローにより相殺された。
    デリバティブに関連するキャッシュ・アウトフローは重要であるものの、これらはデリバティブのキャッシュ・インフローに
    より効果的に相殺された。
     当事業年度中の流動資産合計は、正味アウトフローを平均で610億ドル超過した。流動資産ポートフォリオは、主にHQLAであ
    る有価証券および現金で構成されている。当グループは、預金および資金調達基盤を投資家の種類、満期日、資金源および通
    貨別に多様化させ、不適切な集中を回避している。
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    (16)   資金調達-非継続事業を含む
     ANZ  は、投資家種別、満期、調達市場および通貨ごとの過度の集中を避け、分散化した資金調達基盤を目標とする。
     当年度中に、107億ドルの期限付ホールセール債券(2021年9月30日現在の残存期間1年超)が発行                                               された   。さらに、当グ
    ループは、オーストラリアにおいて81億ドルのTFFによる追加的な資金の引出しを行った。
     下表は当グループの資金調達合計の内訳を示す。
                                          現在           増減率

                                                   2021  年 9月
                                     2021  年     2020  年       対
                                      9月       9月      2020  年 9月
                                        (十億ドル)
    顧客預金およびその他負債
    オーストラリア・リテールおよび商業                                  252.5       234.6         8 %
    法人                                  239.6       223.3         7 %
    ニュージーランド                                   97.7       91.0         7 %
    パシフィック                                   3.8       3.5        9 %
    顧客預金                                  593.6       552.4         7 %
              (1)(2)
    その他資金調達負債
                                        8.1       8.9        -9 %
    顧客  負債  (資金調達)合計                              601.7       561.3         7 %
    ホールセール資金調達

                           (3)
    発行済社債および中央銀行による               ターム資金供給
                                       97.1       110.6        -12  %
    劣後債                                   25.3       21.1        20 %
    譲渡性預金                                   37.7       32.5        16 %
    コマーシャル・ペーパー                                   25.7        9.1         大
                  (4)(5)
    その他のホールセール借入金
                                       88.5       104.2        -15  %
    ホールセール資金調達合計                                  274.3       277.5         -1 %
    株主資本                                   63.7       61.3         4 %
    資金調達合計                                  939.7       900.1         4 %
    注:(1)    未払利息、未払債務およびその他債務、引当金および未払法人税等(純額)を含む。

      (2)  支払承諾債務は正味の資金調達を伴わないため、除く。
      (3)  RBA  TFF  の201億ドル(2020年9月終了年度:120億ドル)、RBNZ                          FLPの9億ドル(2020年9月終了年度:0ドル)およ
        びTLFの3億ドル(2020年9月終了年度:0ドル)を含む。
      (4)  銀行借入金、買戻条件付契約に基づき売却された有価証券、デリバティブの正味残高、特別目的会社およびその他借
        入金を含む。
      (5)  対応する為替決済口座の現金残高により相殺されたRBAのオープン・レポの取決めを含む。
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     正味安定資金調達比率
     下表はレベル2の正味安定資金調達比率(「NSFR」)の内訳を示す。
                                             現在         増減率

                                                    2021  年 9月
                                          2021  年   2020  年     対
                                          9月     9月     2020  年 9月
                                           (十億ドル)
              (1)
    所要安定資金調達額
                                       (2)
    リテールおよび中小企業、コーポレート向け貸付(35%未満のリスク加重)
                                          198.7     188.1        6 %
                                      (2)
    リテールおよび中小企業、コーポレート向け貸付(35%超のリスク加重)
                                          182.0     174.7        4 %
         (3)
    その他貸付
                                          31.9     28.6       12 %
    流動資産                                      11.6     15.3       -24  %
         (4)
    その他資産
                                          38.3     38.6       -1 %
    所要安定資金調達額合計                                     462.5     445.3        4 %
                 (1)

    利用可能な安定資金調達額
    リテールおよび中小企業顧客預金                                     287.8     271.7        6 %
    コーポレート、公共セクター企業およびオペレーショナル預金                                     115.5     104.3        11 %
    中央銀行およびその他の金融機関の預金                                       4.5     5.1      -12  %
          (5)
    有期  資金調達
                                          74.2     87.9       -16  %
    短期資金調達およびその他の債務                                       2.4     1.4       71 %
    自己資本                                      88.3     80.9        9 %
    利用可能な安定資金調達額合計                                     572.7     551.3        4 %
    正味安定資金調達比率                                     124  %    124  %       0 %
    注:(1)    APRA健全性規制基準のAPS第210号「流動性」に従ったNSFRを織り込んだ残高。

      (2)  APRA  健全性規制基準のAPS第112号「資本十分性:信用リスクに対する標準的手法」に従ったリスク加重。
      (3)  金融機関貸付、中央銀行貸付および不良債権を裏付けとする貸付を含む。
      (4)  オフバランスシート項目、デリバティブ純額およびその他資産を含む。
      (5)  RBA  TFF  ならびにRBNZ       FLPおよびTLFの引出しによる残高を含む。
     2021  年9月30日現在の利用可能な安定資金調達額(「ASF」)の主な供給源は、ASF合計の50%(2020年度:49%)がリテー

    ルおよび中小企業顧客預金、25%(2020年度:28%)がその他のホールセール資金調達(ターム資金供給ファシリティを含
    む。)、15%(2020年度:15%)が自己資本であった。
     2021  年9月30日現在のANZの所要安定資金調達額(「RSF」)の大半は、RSF合計の51%(2020年度:48%)が住宅モーゲージ
    および31%(2020年度:33%)が非金融機関の顧客に対する貸付によるものであった。
     これらの資金は、直近の2021年度報告期間に関する当グループの2021年9月30日現在の年次財務書類に記載のとおり、当グ
    ループの事業戦略およびリスク選好と整合し、かつ、適用ある規制上の要件に従った方法により、当グループが配分し一般事
    業目的のために使用する。
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    (17)   資本管理-非継続事業を含む
                                      現在

                                         国際的に比較可能な
                                                (1)
                                          バーゼル3
                           APRA  バーゼル3
                         2021  年 9月    2020  年 9月    2021  年 9月    2020  年 9月
    自己資本比率(レベル2)
    普通株式等Tier1                       12.3  %     11.3  %      18.3  %     16.7  %
    Tier  1                     14.3  %     13.2  %      20.9  %     19.1  %
    自己資本合計                       18.4  %     16.4  %      26.3  %     23.3  %
    リスク加重資産(十億ドル)                       416.1       429.4        319.0       331.5
    注:(1)    国際的に比較可能な方法論は、「国際資本比較研究」(2015年7月13日)と題するAPRAの情報文書と一致している。

     APRA  バーゼル3普通株式等Tier1(「CET1」)                    -  2021年9月終了年度対2020年9月終了年度

    注:(1)重大/重要項目を除く。





       ANZ  のCET1比率は、2021年9月終了年度中に+100ベーシス・ポイント上昇して12.34%となった。CET1比率変動の主要な

      要因は以下のとおりである。
       ・ 現金利益(重大/重要項目および貸倒引当金繰入/(戻入)(「CIC」)を除く。)により、CET1比率は+157ベーシ
         ス・ポイント上昇した。
       ・ RWAリスク緩和による利益と共に、関連する繰延税金資産(「DTA」)の影響を含む貸倒引当金戻入による利益は、CET
         1比率を+47ベーシス・ポイント上昇させた。この上昇は、家計の貯蓄および支出傾向の継続的な変化により、オース
         トラリアの住宅ローン・ポートフォリオにおいてRWAの集約度が減少したことが一因となった。
       ・ 事業におけるRWAの利用減少(為替換算変動、規制上の変更、リスク緩和およびその他の一時的要因を除く。)によ
         り、CET1比率は+17ベーシス・ポイント上昇した。これは、主に法人部門における基礎となる信用RWAの減少によるも
         のであったが、非信用RWA(主に銀行勘定金利リスク(「IRRBB」)を考慮したRWA)の増加により一部相殺された。
       ・ 資本控除の-11ベーシス・ポイントの変動は、当期における連結範囲から除外された企業体の利益剰余金の変動、資産
         計上された費用およびその他の持分投資によるものであった。
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       ・ 2020年度最終配当(ボーナス・オプション制度(「BOP」)および配当金再投資制度(「DRP」)による発行分を除
         く。)および2021年度中間配当(BOPによる発行分を除きDRPの中立化を含む。)の支払いにより、CET1比率は-66
         ベーシス・ポイント低下した。
       ・ 既に発表している15億ドルのうち約7億900万ドル(このうち5,500万ドルは、2021年9月30日後に決済される。)の
         自己株式買戻しが完了したことで、CET1比率は-17ベーシス・ポイント低下した。
       ・ 顧客救済、組織再編費用および訴訟費用による重大/重要項目は、CET1比率を-8ベーシス・ポイント低下させた。
       ・ 合計-19ベーシス・ポイントのその他の影響には、RWA賦課金の純額(-5ベーシス・ポイント)、CICに関連しない繰
         延税金資産の変動(-12ベーシス・ポイント)およびその他の正味の影響(-2ベーシス・ポイント)が含まれる。
     リスク加重資産(「RWA」)合計

                                              現在         増減率

                                                      2021  年 9月
                                          2021  年    2020  年
                                                        対
                                           9月      9月     2020  年 9月
                                            (十億ドル)
    信用RWA                                       342.5      360.0        -5 %

    市場リスクおよび銀行勘定金利リスクを考慮したリスク加重資産(IRRBB                                  RWA)
                                           25.2      21.8       16 %
    オペレーショナルRWA                                       48.4      47.6        2 %
    RWA  合計                                     416.1      429.4        -3 %
     リスク加重資産(「RWA」)合計-2021年9月末対2020年9月末

       RWA  合計は、133億ドル減少した。外貨換算の影響および一過性の信用RWAの変動を除くと、基礎的な信用RWA(部門別貸付





      およびリスク軽減)は、主に法人部門における減少、オーストラリア・リテールおよび商業部門におけるリスク緩和による
      利益により203億ドル減少した。その他の信用RWAの影響にはRWA賦課金の正味の変動が含まれる。非信用RWAの42億ドルの増
      加は、主にIRRBB        RWAにおける45億ドルの増加を反映している。これには、満期が到来する資本投資および複製ポートフォリ
      オの投資による含み益の減少、ならびに金利の上昇に加え、複製ポートフォリオ内の預金の増加といった管理活動が反映さ
      れている。
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                 (1)
     APRA  と国際的に比較可能          な普通株式等Tier1(「CET1比率」)- 2021年9月30日現在
    注:(1)    バーゼル委員会刊行物「バーゼル3:より強靭な銀行および銀行システムのための世界的規制枠組み」(2011年6





        月)および「資本測定および資本基準の国際的コンバージェンス」(2006年6月)に記載された規制のANZの解釈。
        「国際資本比較研究」(2015年7月13日)と題するAPRAの情報文書で特定された差異も含む。
     上表は、APRAのバーゼル3健全性資本基準に基づいたCET1比率を国際的に比較可能なバーゼル3基準に調整するものであ

    る。APRAはバーゼル3改正を最低要件とみなしており、そのため、バーゼル3規則で提案された譲歩のいくつかを含んでおら
    ず、またその他分野でより高い要件を設定している。その結果、オーストラリアの銀行のバーゼル3により報告される資本比
    率は国際的な同業他社とは直接的には比較できない。国際的に比較可能なバーゼル3のCET1比率は、APRAと、バーゼル委員会
    のバーゼル3枠組み(2014年3月のオーストラリアでのバーゼル3実施に係るバーゼル委員会の規制上の整合性評価プログラ
    ム(「RCAP」)で特定された差異を含む。)およびその主要な海外の法域での適用双方との間の差異を含んでいる。
     APRA  のバーゼル3と国際的に比較可能なバーゼル3比率との重大な差異には以下が含まれる。
     控除

     ・ 保険および銀行子会社への投資 - APRAは、                        CET  1からの全額控除を要求している。国際的に比較可能な基準では、こ
       れらの投資は、控除が要求される前に譲許的基準額の適用がある。
     ・ 繰延税金資産 - 一時差異に関連する繰延税金資産(「DTA」)については、APRAにより                                            CET  1からの全額控除が要求
       される。国際的に比較可能な基準では、これは、控除が要求される前にまず譲許的基準値の対象となる。
     リスク加重資産(「RWA」)

     ・   モーゲージRWA        - APRAは、住宅モーゲージの信用RWA計算に使用される景気後退期デフォルト時損失率(「LGD」)に
       20%の下限を課している。            国際的に比較可能なバーゼル3の枠組みで要求される景気後退期LGDの下限は10%である。                                          さ
       らに、APRAは、バーゼル枠組みを上回る相関係数                      を 要求している      。
     ・   IRRBB   RWA   - APRAは、       CET  1 比率計算のRWAベース内に銀行勘定金利リスク(「IRRBB」)を含めることを要求してい
       る。これは、国際的に比較可能な基準では要求されない。
     ・   特定貸付債権 - APRAは、特定貸付債権エクスポージャーの信用RWAの決定に、監督当局設定のスロッティング・アプ
       ローチを使用することを要求している。                   国際的に比較可能な基準では、これらのエクスポージャーのRWA計算の際に先進
       的内部格付手法の使用を認めている。
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     ・   無担保コーポレート貸付のLGD               - ANZの      無担保コーポレート貸付のLGD              を、他の法域の銀行と一致させるために45%に
       揃える調整。45%のLGD率は、基礎的内部格付手法(「FIRB」)にも使用される。
     ・   未実行   コーポレート      貸付のデフォルト時エクスポージャー                 ( 「EAD」)      - 未実行      コーポレート      貸付コミットメントの
       ANZの掛け目(「CCF」)を、他の法域の銀行と一致させるために(                               FIRB  手法  で使用される)75%に調整すること。
    (18)   レバレッジ比率-非継続事業を含む

     2021  年9月30日現在、当グループのAPRAレバレッジ比率は5.5%で、ANZを含む内部格付手法を選択しているADI(「IRB
    ADI」)についてAPRAが提案した最低3.5%を上回っていた。下表は、当グループのレバレッジ比率計算の要約である。
                                          現在          増減率

                                                    2021  年 9月
                                      2021  年     2020  年      対
                                       9月       9月      2020  年 9月
                                            (百万ドル)
    Tier  1資本(資本控除を除く)                                 59,473       56,481         5 %
    オンバランスシートのエクスポージャー

    (デリバティブおよび証券金融取引のエクスポージャーを除く)                                  901,969       841,830         7 %
    デリバティブのエクスポージャー                                   37,769       32,296        17 %
    証券金融取引のエクスポージャー                                   30,484       58,416        -48  %
    その他のオフバランスシートのエクスポージャー                                  117,848       114,128         3 %
    エクスポージャー測定額合計                                 1,088,070       1,046,670          4 %
    APRA  レバレッジ比率                                 5.5  %      5.4  %
    国際的に比較可能なレバレッジ比率                                   6.1  %      6.0  %
       APRA  レバレッジ比率は、2021年9月終了年度中に7ベーシス・ポイント上昇した。変動の主要な要因は以下のとおりであ

      る。
       ・  配当金支払額控除後の正味内部資本生成(主に重大/重要項目および資本控除の変動を除く現金利益による。)(+33
         ベーシス・ポイント)。
       ・  その他Tier1としてのCN6の発行による純増。CN1の償還により一部相殺された(+4ベーシス・ポイント)。
       ・   法人部門およびニュージーランド部門における流動資産および貸付の増加によるオンバランスシートのエクスポー
         ジャーの増加。担保により一部相殺された(-29ベーシス・ポイント)。
       ・  証券金融取引の減少は、            オフバランスシートのエクスポージャーおよびデリバティブの増加により一部相殺された(+
         9ベーシス・ポイント)。
       ・  自己株式買戻しは、レバレッジ比率を-7ベーシス・ポイント低下させた。
       ・  -3ベーシス・ポイントのその他の正味影響。
    (19)   資本管理-その他の動向 

    「第2 企業の概況-3 事業の内容-(6)監督および規制-                            規制上の動向-自己資本および流動性                 」を参照    のこと。
    次へ

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    C. 部門別経営成績
    (1)   部門別業績-継続事業
     当グループは、「オーストラリア・リテールおよび商業」、「法人」、「ニュージーランド」、「パシフィック」ならびに
    「テクノロジー、サービス&オペレーションズ(TSO)およびグループ・センター」の5つの部門からなる部門構造で事業を営
    む。部門構成の詳細については、「第2 企業の概況-3.事業の内容-(4)当グループの主な活動」を参照のこと。
     2021  年終了年度中に、顧客のニーズにより適切に対応するためにニュージーランド部門で事業部門が再編され、リテールお
    よび商業がパーソナルおよびビジネスとなった。この影響は重大でないと判断されており、比較情報の金額は修正再表示され
    ていない。
     部門別経営成績の表示はまた、              2021  年9月終了年度中の以下の組織改編により影響を受けている。
    ・   オーストラリア・リテールおよび商業部門                    -  助言事業が部門内でリテール配下から商業およびプライベート・バンク配
      下に改編された。
    ・ 法人部門       -  多くの小口業務が部門内でコーポレート・ファイナンス配下からセントラル・ファンクション配下に改編さ
      れた。
    ・ ニュージーランドのテクノロジー・オペレーションズがTSOおよびグループ・センター部門配下からニュージーランド部門
      配下に改編された。従来よりこれらの費用は付替え処理が行われていたため、報告部門の現金利益に変更は生じないが、
      部門の貸借対照表およびフルタイム換算従業員(FTE)数がこれらの変更を反映するために修正再表示されている。
     これらの変更を反映するため、2020                年9月終了年度の比較情報は修正再表示されている。
     上記を除き、その他の重要な変更はなかった。
     下記に報告される部門は、事業の最高意思決定者たる最高経営責任者に提供される内部報告のそれと一致する。
     部門別経営成績のセクションは、継続事業について現金利益ベースで報告されている。非継続事業に関する詳細は、上記

    「A.当年度の経営成績の要説」を参照のこと。
     部門別現金利益-2021年9月終了年度対2020年9月終了年度

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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                 オーストラ
                  リア・リ                        TSO  および
                 テールおよ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                  び商業      法人     ランド       ク     センター      当グループ
    2021  年9月終了年度
                                (百万ドル)
    純利息収益               7,989      3,105      2,870        96      101     14,161
    その他営業収入                889     1,878       469       65      (15)     3,286
    営業収入               8,878      4,983      3,339       161       86    17,447
    営業費用              (4,024)      (2,447)      (1,325)       (144)     (1,111)      (9,051)
    貸倒引当金繰入および
                   4,854      2,536      2,014        17    (1,025)       8,396
    法人税控除前利益/(損
    失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                426      89      76      (21)       (3)      567
    税引前利益/(損失)               5,280      2,625      2,090        (4)    (1,028)       8,963
    法人税および非支配持分              (1,663)       (738)      (582)        1     217     (2,765)
    継続事業による現金利益/
                   3,617      1,887      1,508        (3)     (811)      6,198
    (損失)
                 オーストラ

                  リア・リ                        TSO  および
                 テールおよ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                  び商業      法人     ランド       ク     センター      当グループ
    2020  年9月終了年度
                                (百万ドル)
    純利息収益               7,916      3,182      2,731       109      111     14,049
    その他営業収入               1,161      2,649       473       84     (664)      3,703
    営業収入               9,077      5,831      3,204       193      (553)     17,752
    営業費用              (4,091)      (2,558)      (1,435)       (205)     (1,094)      (9,383)
    貸倒引当金繰入および
                   4,986      3,273      1,769       (12)     (1,647)       8,369
    法人税控除前利益/(損
    失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入              (1,647)       (694)      (345)       (52)       -    (2,738)
    税引前利益/(損失)               3,339      2,579      1,424       (64)     (1,647)       5,631
    法人税および非支配持分              (1,002)       (725)      (407)        2     259     (1,873)
    継続事業による現金利益/
                   2,337      1,854      1,017       (62)     (1,388)       3,758
    (損失)
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                                                           有価証券報告書
    2021  年9月終了年度       対2020年9月終了年度
                 オーストラ

                  リア・リ                        TSO  および
                 テールおよ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                  び商業      法人     ランド       ク     センター      当グループ
    純利息収益                1%     -2%       5%     -12%       -9%       1%
    その他営業収入               -23%      -29%       -1%      -23%      -98%      -11%
    営業収入                -2%     -15%       4%     -17%       大      -2%
    営業費用                -2%      -4%      -8%      -30%       2%      -4%
    貸倒引当金繰入および
                    -3%     -23%       14%       大     -38%       0%
    法人税控除前利益/(損
    失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                大      大      大     -60%    該当なし         大
    税引前利益/(損失)                58%      2%      47%      -94%      -38%       59%
    法人税および非支配持分                66%      2%      43%      -50%      -16%       48%
    継続事業による現金利益/
                    55%      2%      48%      -95%      -42%       65%
    (損失)
                     (1)

     部門別現金利益(重大/重要項目                 を除く)-2021年9月終了年度対2020年9月終了年度
     当グループの現金利益には、重大/重要項目と総称される多くの項目が含まれる。これらの項目は現金利益の一部を形成す
    るが、その性質および影響の大きさゆえ以下の表からは除外されている。
    注:(1)    重大/重要項目の詳細については、上記「B.当グループの業績-(1)現金利益-重大/重要項目-継続事業」を参照





        のこと。
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                                                           有価証券報告書
                  オースト
                 ラリア・リ                            TSO  および
                 テールおよ              ニュージー       パシフィッ       グループ・
                  び商業       法人      ランド        ク     センター       当グループ
    2021  年9月終了年度
                                  (百万ドル)
    純利息収益               8,072       3,104       2,874         96       101     14,247
    その他営業収入               1,223       1,851        456        65       332      3,927
    営業収入               9,295       4,955       3,330        161       433     18,174
    営業費用              (3,801)       (2,354)       (1,304)        (141)      (1,070)       (8,670)
    貸倒引当金繰入および
                   5,494       2,601       2,026         20      (637)       9,504
    法人税控除前利益/(損
    失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                426       89       76       (21)       (3)       567
    税引前利益/(損失)               5,920       2,690       2,102         (1)      (640)      10,071
    法人税および非支配持分              (1,779)        (765)       (589)         -      206     (2,927)
    継続事業による現金利益/
                   4,141       1,925       1,513         (1)      (434)       7,144
    (損失)
                  オースト

                 ラリア・リ                            TSO  および
                 テールおよ              ニュージー       パシフィッ       グループ・
                  び商業       法人      ランド        ク     センター       当グループ
    2020  年9月終了年度
                                  (百万ドル)
    純利息収益               7,999       3,185       2,613        121       103     14,021
    その他営業収入               1,207       2,662        479        84       258      4,690
    営業収入               9,206       5,847       3,092        205       361     18,711
    営業費用              (3,796)       (2,485)       (1,275)        (147)       (946)      (8,649)
    貸倒引当金繰入および
                   5,410       3,362       1,817         58      (585)      10,062
    法人税控除前利益/(損
    失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入              (1,647)        (694)       (322)        (52)        -    (2,715)
    税引前利益/(損失)               3,763       2,668       1,495         6     (585)       7,347
    法人税および非支配持分              (1,129)        (745)       (418)        (1)       205     (2,088)
    継続事業による現金利益/
                   2,634       1,923       1,077         5     (380)       5,259
    (損失)
    2021  年9月終了年度       対2020年9月終了年度

                  オースト

                 ラリア・リ                        TSO  および
                 テールおよ            ニュージー      パシフィッ      グループ・
                  び商業      法人     ランド       ク     センター      当グループ
    純利息収益                1%     -3%      10%      -21%       -2%       2%
    その他営業収入                1%     -30%       -5%      -23%       29%      -16%
    営業収入                1%     -15%       8%     -21%       20%      -3%
    営業費用                0%     -5%       2%      -4%      13%       0%
    貸倒引当金繰入および
                    2%     -23%       12%      -66%       9%      -6%
    法人税控除前利益/(損
    失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                大      大      大     -60%    該当なし         大
    税引前利益/(損失)                57%      1%      41%       大      9%      37%
    法人税および非支配持分                58%      3%      41%     -100%        0%      40%
    継続事業による現金利益/
                    57%      0%      40%       大      14%      36%
    (損失)
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    (2)   オーストラリア・リテールおよび商業部門-継続事業
     部門別経営成績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                        当グループの業績-(1)現金利益-重
    大/重要項目-継続事業           」および本章「(1)部門別業績              -継続事業     」を参照のこと。
                                     年度

                              2021  年    2020  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
    純利息収益                           7,989      7,916        1%
    その他営業収入                            889     1,161       -23%
    営業収入                           8,878      9,077       -2%
    営業費用                          (4,024)      (4,091)        -2%
    貸倒引当金繰入および
                               4,854      4,986       -3%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                            426     (1,647)        大
    税引前利益                           5,280      3,339       58%
    法人税および被支配持分                          (1,663)      (1,002)        66%
    現金利益                           3,617      2,337       55%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                          341,233      339,381         1%
    その他外部資産                           2,778      3,663       -24%
    外部資産                          344,011      343,044         0%
    顧客預金                          252,504      234,594         8%
    その他外部負債                           8,978      9,220       -3%
    外部負債                          261,482      243,814         7%
    リスク加重資産                          163,793      166,662        -2%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                          345,954      334,965         3%
    預金およびその他の借入金平均残高                          242,598      215,816        12%
    比率
    平均資産利益率                           1.04%      0.69%
    純預貸利鞘                           2.58%      2.59%
    営業収入に対する営業費用                           45.3%      45.1%
    資産平均残高に対する営業費用                           1.16%      1.22%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)額                            195      596      -67%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
                               0.06%      0.18%
                           (1)
    対する個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (621)      1,051        大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
                               (0.18%)       0.31%
                           (1)
    対する一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                           1,041      1,634       -36%
    貸付金および前渡金の総額に対する
                               0.30%      0.48%
    減損資産総額の割合
    フルタイム換算従業員(FTE)数合計                          14,480      14,078        3%
    注:(1)    割合計算に用いた貸倒引当金は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミットメント-未実

        行債務および偶発債務に関係する。
     ・ 貸付高は、住宅ローンの成長を要因として増加したが、これは、COVID-19のロックダウンの影響に伴う無担保貸付への

       顧客需要の減少および商業貸付の減少により一部相殺された。
     ・ 純預貸利鞘は、低マージンの固定金利住宅ローンが大幅に成長してその構成比を高めるという貸付構成の悪化、預金
       マージンの圧縮、および資本収益率の低下を要因として減少した。これは、預金と資産の金利更改の効果、預金の大幅
       な伸びによる資金調達と預金の構成の好転、および資金調達費用の減少により大部分が相殺された。
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     ・ その他営業収入は、ANZシェア・インベスティングの売却目的保有への分類変更に係る損失、ならびにCOVID-19の影響に
       伴うクレジット・カードおよび国際取引の取扱高の落込みにより減少した。
     ・ 営業費用は、生産性の向上および                  組織再編費用の削減により、ならびに前年に計上されたリース関連項目および加速償
       却との対比において減少した。これは、投資支出および顧客救済の増加により一部相殺された                                           。
     ・ 貸倒引当金繰入は、景気見通しの改善を反映してなされた一括評価引当金の戻入、および様々なCOVID-19の支援措置に
       より基礎となる新規の支払延滞が依然として低い水準にとどまっていることに伴う個別評価引当金繰入の減額を要因と
       して減少した。
     現金利益-2021年9月終了年度対2020年9月終了年度

                                     年度








    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                              2021  年    2020  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
    リテール                            122      311      -61%
     住宅ローン                            44      66     -33%
     カードおよび個人ローン                            73      233      -69%
            (1)
                                 5      12     -58%
     預金および支払
    商業およびプライベート・バンク                            73      285      -74%
     ビジネス・バンキング                            (34)      119       大
     小規模ビジネス・バンキング                            108      166      -35%
     プライベート・バンクおよび助言                            (1)       -   該当なし
    個別貸倒引当金繰入/(戻入)                            195      596      -67%
                                129/560





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                                     年度
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                              2021  年    2020  年
                              9月終了      9月終了       増減率
                                ( 百万ドル)
    リテール                           (349)       510       大
     住宅ローン                           (251)       483       大
     カードおよび個人ローン                            (92)       28      大
            (1)
                                             大
                                 (6)      (1)
     預金および支払
    商業およびプライベート・バンク                           (272)       541       大
     ビジネス・バンキング                           (142)       328       大
     小規模ビジネス・バンキング                           (129)       213       大
     プライベート・バンクおよび助言                            (1)       -   該当なし
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (621)      1,051        大
                               現在           増減率

    正味貸付金および前渡金
                                         2021  年 9月
                                           対
                         2021  年 9月     2020  年 9月     2020  年 9月
                             ( 百万ドル)
    リテール                      283,988        281,570           1%
     住宅ローン                      277,959        274,825           1%
     カードおよび個人ローン                       5,974        6,710         -11%
            (1)
                             55        35        57%
     預金および支払
    商業およびプライベート・バンク                       57,245        57,811          -1%
     ビジネス・バンキング                       41,857        42,264          -1%
     小規模ビジネス・バンキング                       12,027        12,312          -2%
     プライベート・バンクおよび助言                       3,361        3,235          4%
    正味貸付金および前渡金                      341,233        339,381           1%
                               現在           増減率

    顧客預金
                                         2021  年 9月
                                           対
                         2021  年 9月     2020  年 9月     2020  年 9月
                             ( 百万ドル)
    リテール                      141,404        133,536           6%
          (2)
                           38,753        33,161          17%
     住宅ローン
     カードおよび個人ローン                        198        237        -16%
     預金および支払                      102,453        100,138           2%
    商業およびプライベート・バンク                      111,100        101,058          10%
     ビジネス・バンキング                       23,981        23,944          0%
     小規模ビジネス・バンキング                       58,128        49,878          17%
     プライベート・バンクおよび助言                       28,991        27,236          6%
    顧客預金                      252,504        234,594           8%
    注:(1)    預金および支払事業の正味貸付金および前渡金は、当座貸越の金額を表す。

      (2)  住宅ローン事業の顧客預金額は、オフセット口座の残高を表す。
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                                       商業および
                                      プライベート・
                              リテール          バンク          合計
    2021  年9月終了年度
                                       ( 百万ドル)
    純利息収益                            5,708         2,281          7,989
    その他営業収入                             433         456          889
    営業収入                            6,141         2,737          8,878
    営業費用                            (2,671)         (1,353)          (4,024)
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                            3,470         1,384          4,854
    貸倒引当金(繰入)/戻入                             227         199          426
    税引前利益                            3,697         1,583          5,280
    法人税および非支配持分                            (1,187)          (476)         (1,663)
    現金利益                            2,510         1,107          3,617
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                             122          73         195

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                             (349)         (272)          (621)
    正味貸付金および前渡金                           283,988          57,245         341,233
    顧客預金                           141,404         111,100          252,504
    リスク加重資産                           112,156          51,637         163,793
    2020  年9月終了年度

    純利息収益                            5,466         2,450          7,916
    その他営業収入                             698         463         1,161
    営業収入                            6,164         2,913          9,077
    営業費用                            (2,660)         (1,431)          (4,091)
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                            3,504         1,482          4,986
    貸倒引当金(繰入)/戻入                             (821)         (826)         (1,647)
    税引前利益                            2,683          656         3,339
    法人税および非支配持分                             (803)         (199)         (1,002)
    現金利益                            1,880          457         2,337
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                             311         285          596

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                             510         541         1,051
    正味貸付金および前渡金                           281,570          57,811         339,381
    顧客預金                           133,536         101,058          234,594
    リスク加重資産                           112,142          54,520         166,662
    2021  年9月終了年度       対2020年9月終了年度

    純利息収益                              4%         -7%          1%
    その他営業収入                             -38%          -2%         -23%
    営業収入                              0%         -6%          -2%
    営業費用                              0%         -5%          -2%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                             -1%         -7%          -3%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                              大         大          大
    税引前利益                             38%          大         58%
    法人税および非支配持分                             48%          大         66%
    現金利益                             34%          大         55%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                             -61%         -74%          -67%

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                              大         大          大
    正味貸付金および前渡金                              1%         -1%          1%
    顧客預金                              6%         10%          8%
    リスク加重資産                              0%         -5%          -2%
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    (3)   法人部門-継続事業
     部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                     当グループの業績-(1)現金利益-重大/重
    要項目-継続事業        」および本章「(1)部門別業績              -継続事業     」を参照のこと。
                                    年度

                             2021  年    2020  年
                            9月終了      9月終了        増減率
                               ( 百万ドル)           (%)
    純利息収益                         3,105      3,182        -2%
    その他営業収入                         1,878      2,649        -29%
    営業収入                         4,983      5,831        -15%
    営業費用                         (2,447)      (2,558)         -4%
    貸倒引当金繰入および
                              2,536      3,273        -23%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金繰入/(戻入)                           89     (694)        大
    税引前利益                         2,625      2,579         2%
    法人税および非支配持分                          (738)      (725)        2%
    現金利益                         1,887      1,854         2%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                        158,231      157,634          0%
    その他外部資産                        270,759      391,862         -31%
    外部資産                        428,990      549,496         -22%
    顧客預金                        239,628      223,288          7%
    その他預金および借入金                         70,033      73,427         -5%
    預金およびその他借入金                        309,661      296,715          4%
    その他外部負債                         74,383      183,318         -59%
    外部負債                        384,044      480,033         -20%
    リスク加重資産                        172,041      186,502         -8%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                        151,597      177,252         -14%
    預金およびその他借入金平均残高                        297,527      313,625         -5%
    比率
    平均資産利益率                         0.37%      0.32%
    純預貸利鞘                         0.81%      0.76%
    純預貸利鞘(マーケッツを除く)                         1.86%      1.78%
    営業収入に対する営業費用                         49.1%      43.9%
    資産平均残高に対する営業費用                         0.48%      0.45%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           70      321       -78%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する個
                              0.05%      0.18%
                       (1)
    別評価貸倒引当金繰入          / (戻入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (159)       373        大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する一
                             (0.10%)       0.21%
                       (1)
    括評価貸倒引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                          704      434       62%
    貸付金および前渡金の総額に対する減損資産総額
                              0.44%      0.27%
    の割合
    フルタイム換算従業員(FTE)数合計                         5,332      5,291         1%
    注:   (1)  割合計算に用いた貸倒引当金は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミットメント-未実

        行債務および偶発債務に関係する。
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     ・ 貸付高はコーポレート・ファイナンスおよびトランザクション・バンキングで増加し、これはマーケットの減少により
       一部相殺された。顧客預金は、トランザクション・バンキングおよびマーケッツで増加した。
     ・ 純利息利鞘(マーケッツを除く。)は、貸付利鞘の改善により増加した。
     ・ その他営業収入は、金融市場情勢の正常化および銀行制度の流動性余力の影響を受けたマーケッツの減収を要因として
       減少したが、これは、顧客救済の減少により一部相殺された。
     ・ 営業費用は、生産性向上の効果により、および前年に計上された加速償却との対比において減少したが、これは、訴訟
       解決金および増加した組織再編費用により一部相殺された。
     ・ 貸倒引当金繰入は、景気見通しの改善を反映してなされた一括評価貸倒引当金の戻入、およびトランザクション・バン
       キングの個別評価貸倒引当金繰入の減額により減少した。
     現金利益-2021年9月終了年度対2020年9月終了年度

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    地域別法人
                                    年度

                            2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
                               ( 百万ドル)
    オーストラリア
    純利息収益                         1,876       1,779         5%
    その他営業収入                          923      1,052        -12%
    営業収入                         2,799       2,831        -1%
    営業費用                         (1,240)       (1,197)         4%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                         1,559       1,634        -5%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           74      (279)        大
    税引前利益                         1,633       1,355        21%
    法人税および非支配持分                          (483)       (413)        17%
    現金利益                         1,150        942       22%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           50       72      -31%

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (124)        207        大
    正味貸付金および前渡金                         91,084       98,992         -8%
    顧客預金                         91,352       89,369         2%
    リスク加重資産                         91,322       99,632         -8%
    アジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ

    純利息収益                          916      1,077        -15%
    その他営業収入                          733      1,240        -41%
    営業収入                         1,649       2,317        -29%
    営業費用                         (1,033)       (1,174)        -12%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                          616      1,143        -46%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                          (16)       (381)       -96%
    税引前利益                          600       762       -21%
    法人税および非支配持分                          (145)       (183)       -21%
    現金利益                          455       579       -21%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           24       242       -90%

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (8)       139        大
    正味貸付金および前渡金                         60,907       52,168         17%
    顧客預金                        126,512       113,036         12%
    リスク加重資産                         68,293       71,884         -5%
    ニュージーランド

    純利息収益                          313       326       -4%
    その他営業収入                          222       357       -38%
    営業収入                          535       683       -22%
    営業費用                          (174)       (187)        -7%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                          361       496       -27%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                           31       (34)        大
    税引前利益                          392       462       -15%
    法人税および非支配持分                          (110)       (129)       -15%
    現金利益                          282       333       -15%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           (4)        7       大

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (27)        27       大
    正味貸付金および前渡金                         6,240       6,474        -4%
    顧客預金                         21,764       20,883         4%
    リスク加重資産                         12,426       14,986        -17%
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                                    年度
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                            2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
                               ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                           (2)       245        大
    コーポレート・ファイナンス                           73       77       -5%
    マーケッツ                           (1)       (1)       0%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                           70       321       -78%
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                               年度

                            2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了        増減率
                               ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                           6       15      -60%
    コーポレート・ファイナンス                          (165)        358        大
    マーケッツ                           -       -    該当なし
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                          (159)        373        大
                                現在          増減率

    正味貸付金および前渡金
                                         2021  年 9月
                                           対
                           2021  年 9月    2020  年 9月   2020  年 9月
                              ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                         17,348      14,192        22%
    コーポレート・ファイナンス                        113,720      111,253         2%
    マーケッツ                         27,021      32,160       -16%
    セントラル・ファンクション                          142       29      大
    正味貸付金および前渡金                        158,231      157,634         0%
                                現在          増減率

    顧客預金
                                         2021  年 9月
                                           対
                           2021  年 9月    2020  年 9月    2020  年 9月
                              ( 百万ドル)
    トランザクション・バンキング                        133,202       123,963         7%
    コーポレート・ファイナンス                          981       966       2%
    マーケッツ                        103,470       96,464        7%
    セントラル・ファンクション                         1,975       1,895        4%
    顧客預金                        239,628       223,288         7%
                                135/560








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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
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                      トランザク        コーポレー               セントラル・
                      ション・バン        ト・ファイナ                ファンクショ
                       キング        ンス      マーケッツ          ン      法人合計
    2021  年9月終了年度
                                      (百万ドル)
    純利息収益                     661       1,591         841        12      3,105
    その他営業収入                     634        94      1,130          20      1,878
    営業収入                    1,295        1,685        1,971          32      4,983
    営業費用                     (677)        (600)       (1,121)         (49)      (2,447)
    貸倒引当金繰入および
                          618       1,085         850        (17)       2,536
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                      (4)        92        1        -       89
    税引前利益/(損失)                     614       1,177         851        (17)       2,625
    法人税および非支配持分                     (178)        (334)        (221)         (5)       (738)
    現金利益/(損失)                     436        843        630        (22)       1,887
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      (2)        73        (1)        -       70

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      6      (165)         -        -      (159)
    正味貸付金および前渡金                    17,348       113,720        27,021          142      158,231
    顧客預金                   133,202          981      103,470         1,975       239,628
    リスク加重資産                    26,061        95,994        48,643        1,343       172,041
    2020  年9月終了年度

    純利息収益                     833       1,556         770        23      3,182
    その他営業収入                     687        59      1,884          19      2,649
    営業収入                    1,520        1,615        2,654          42      5,831
    営業費用                     (812)        (607)       (1,095)         (44)      (2,558)
    貸倒引当金繰入および
                          708       1,008        1,559          (2)      3,273
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                     (260)        (435)         1        -      (694)
    税引前利益/(損失)                     448        573       1,560          (2)      2,579
    法人税および非支配持分                     (163)        (154)        (392)        (16)       (725)
    現金利益/(損失)                     285        419       1,168         (18)       1,854
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                     245        77        (1)        -       321

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      15       358         -        -       373
    正味貸付金および前渡金                    14,192       111,253        32,160          29     157,634
    顧客預金                   123,963          966      96,464        1,895       223,288
    リスク加重資産                    23,739       102,923        59,345          495      186,502
                                136/560









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    2021  年9月終了年度       対2020年9月終了年度
    純利息収益                     -21%        2%       9%      -48%        -2%
    その他営業収入                     -8%       59%       -40%        5%      -29%
    営業収入                     -15%        4%      -26%       -24%       -15%
    営業費用                     -17%        -1%        2%       11%       -4%
    貸倒引当金繰入および
                         -13%        8%      -45%        大      -23%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                     -98%        大       0%    該当なし          大
    税引前利益/(損失)                     37%        大      -45%        大       2%
    法人税および非支配持分                      9%       大      -44%       -69%        2%
    現金利益/(損失)                     53%        大      -46%        22%        2%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      大       -5%        0%    該当なし         -78%

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                     -60%        大    該当なし       該当なし          大
    正味貸付金および前渡金                     22%        2%      -16%        大       0%
    顧客預金                      7%       2%       7%       4%       7%
    リスク加重資産                     10%       -7%       -18%        大       -8%
                 (1)

    マーケッツ営業収入の分析
                                   年度

                             2021  年    2020  年
                            9月終了      9月終了       増減率
                               ( 百万ドル)
    商品別マーケッツ営業収入の構成
    外国為替                          569      690      -18%
    金 利                          252      628      -60%
    信用および資本市場                          200      351      -43%
    コモディティ                           75      124      -40%
    フランチャイズ営業収入                         1,096      1,793       -39%
           (2)
                              847      706      20%
    バランスシート
               (3)
                               28      155      -82%
    デリバティブ評価調整
    マーケッツ営業収入                         1,971      2,654       -26%
    注:(1)    マーケッツ営業収入は、純利息収益およびその他営業収入を含む。

      (2)  バランスシートは、当グループの貸付および預金勘定ならびに当グループの流動性ポートフォリオ管理に関する金利
        リスクのヘッジを表す。
      (3)  資金調達および信用の評価調整を含む。
                                   年度

                             2021  年    2020  年
                            9月終了      9月終了       増減率
    地域別マーケッツ営業収入の構成
                               ( 百万ドル)
    オーストラリア                          840      842       0%
    アジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ                          887     1,413       -37%
    ニュージーランド                          244      399      -39%
    マーケッツ営業収入                         1,971      2,654       -26%
                                137/560






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    市場リスク
     トレーディングに起因する市場リスク
     下表は、当銀行グループの主たるトレーディング拠点における現物およびデリバティブのトレーディング・ポジションの双
    方をカバーする、信頼水準99%のバリュー・アット・リスク(「VaR」)によるエクスポージャーの合計を示している。
     信頼水準99%(保有期間1日)

                        2021  年   2021  年    2021  年          2020  年   2020  年    2020  年

                  2021  年   9月終了     9月終了      9月終了       2020  年   9月終了     9月終了      9月終了
                 9月終了       年度の     年度の      年度の      9月終了       年度の     年度の      年度の
                  年度末       最高     最低      平均      年度末       最高     最低      平均
                         (百万ドル)                       (百万ドル)
    信頼水準99%のVaR
     外国為替              3.8      10.0      1.3      3.9      2.0      6.1     1.2      3.1
     金 利              9.6      19.6      4.3      8.8      9.6      13.8      3.3      7.2
     クレジット              6.3      22.2      5.3      13.7      13.9      17.1      1.8      8.6
     コモディティ              3.1      5.0     1.3      2.8      3.0      4.7     1.3      2.6
     株 式               -      -     -      -      -      -     -      -
     分散効果             (9.4)     該当なし     該当なし       (9.7)      (10.9)     該当なし     該当なし       (8.0)
    VaR  の合計             13.4      30.0      8.7      19.5      17.6      31.9      5.7      13.5
     トレーディングに起因しない金利リスク

     トレーディングに起因しない金利リスクは、マーケッツが管理し、市場金利の変動が当グループの将来の純利息収益に与え
    る潜在的な悪影響に関連する。金利リスクは、                      VaR  および1%の利率の変動に基づくシナリオ分析を含む様々な手法を用いて報
    告される。
     信頼水準99%(保有期間1日)

                        2021  年   2021  年    2021  年          2020  年   2020  年    2020  年

                  2021  年   9月終了     9月終了      9月終了       2020  年   9月終了     9月終了      9月終了
                 9月終了       年度の     年度の      年度の      9月終了       年度の     年度の      年度の
                  年度末       最高     最低      平均      年度末       最高     最低      平均
                         (百万ドル)                       (百万ドル)
    信頼水準99%のVaR
     オーストラリア             67.0      81.8     61.9      69.8      60.8      60.8     18.8      33.4
     ニュージーランド             21.6      32.8     21.6      26.7      26.3      26.3      9.4      15.2
     アジア太平洋、ヨーロッ
                  31.5      34.9     29.0      32.0      29.4      30.2     17.8      24.2
     パおよびアメリカ
     分散効果             (32.9)     該当なし     該当なし       (53.7)      (61.4)     該当なし     該当なし       (29.5)
    VaR  の合計             87.2      87.2     59.3      74.8      55.1      58.3     31.5      43.3
     1%の利率の変動が向こう12か月の純利息収益に与える影響

                             2021  年9月終了年度末              2020  年9月終了年度末

    期末現在                                 2.43%                1.25%

    最高エクスポージャー                                 2.43%                1.61%
    最低エクスポージャー                                 0.98%                0.52%
    平均エクスポージャー(絶対値)                                 1.55%                1.01%
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    (4)   ニュージーランド部門-継続事業
      部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。(豪ドル建の)詳細については、「B.                                            当グループの業績-(1)現
     金利益-重大/重要項目-継続事業                」および本章「(1)部門別業績              -継続事業     」を参照のこと。
      以下は、「ニュージーランド部門に関するニュージーランドドル建の表」である。
      豪ドル建ての経営成績は、後掲の「ニュージーランド部門に関する豪ドル建の表」に示す。
                                 年度

                         2021  年     2020  年
                         9月終了       9月終了       増減率
                         ( 百万ニュージーランド
                             ドル)
    純利息収益                      3,060       2,895         6%
    その他営業収入                       499       501       0%
    営業収入                      3,559       3,396         5%
    営業費用                     (1,413)       (1,520)         -7%
    貸倒引当金繰入および
                          2,146       1,876        14%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                       81      (366)        大
    税引前利益                      2,227       1,510        47%
    法人税および非支配持分                      (620)       (431)       44%
    現金利益                      1,607       1,079        49%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                     134,537       125,981          7%
    その他外部資産                      3,944       4,522        -13%
    外部資産                     138,481       130,503          6%
    顧客預金                     102,336       98,304         4%
    その他預金および借入金                      5,734       1,748         大
    預金およびその他借入金                     108,070       100,052          8%
    その他外部負債                     19,694       23,385        -16%
    外部負債                     127,764       123,437          4%
    リスク加重資産                     74,524       71,348         4%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                     131,363       128,358          2%
    預金およびその他借入金平均残高                     104,651       97,032         8%
    資産運用収入                       225       219       3%
    運用資産                     39,043       35,223         11%
    運用資産平均残高                     36,687       34,809         5%
    比率
    平均資産利益率                      1.19%       0.82%
    純預貸利鞘                      2.33%       2.26%
    営業収入に対する営業費用                      39.7%       44.8%
    平均資産に対する営業費用                      1.05%       1.15%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                       (17)       103       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
    対する個別評価貸倒引当金繰入/(戻
                          (0.01%)       0.08%
         (1)
    入)の割合
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                       (64)       263       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に
    対する一括評価貸倒引当金繰入/(戻
                          (0.05%)       0.20%
         (1)
    入)の割合
    減損資産総額                       173       374      -54%
    貸付金および前渡金の総額に対する減損
                          0.13%       0.30%
    資産総額の割合
    フルタイム換算従業員(FTE)数合計                      7,060       6,679         6%
                                139/560




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    注:   (1)  割合の基礎となる貸倒引当金繰入額は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミットメント
        -未実行債務および偶発債務に関係する。
       ・   貸付高は、住宅ローンの成長を要因として増加した。

       ・ 純預貸利鞘は、預金構成の好転、資金調達費用の減少および金利更改の効果を要因として増加したが、これは、競争
         による住宅ローンのマージンの低下、固定金利住宅ローンの増比による貸付構成の悪化、および2020年9月のUDC売却
         の事後手続に係る減収が逆風となって一部相殺された。
       ・ 営業費用は、顧客救済および組織再編費用の減少、UDC売却の事後手続に係る費用の減少、ならびに生産性向上の効果
         の実現により、ならびに           前年に計上されたのれんの減損およびソフトウェアの加速償却との対比において減少した。
         これは、人件費および投資支出の増加により一部相殺された。
       ・   貸倒引当金     繰入は、景気見通しの改善を反映してなされた一括評価貸倒引当金の戻入、ならびに減損処理の減少に伴
         う個別評価引当金繰入の減額および大口農業顧客に関する戻入を要因として減少した。
     現金利益-2021年9月終了年度対2020年9月終了年度

                                年度








    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                         2021  年     2020  年
                        9月終了       9月終了        増減率
                       ( 百万ニュージーランド          ドル)
    パーソナル                       13       41      -68%
     住宅ローン                       1       5      -80%
     その他                       12       36      -67%
    ビジネス                      (30)        62       大
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      (17)       103        大
                                140/560





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                                年度
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)
                         2021  年     2020  年
                        9月終了       9月終了        増減率
                       ( 百万ニュージーランド          ドル)
    パーソナル                      (32)       102        大
     住宅ローン                      (16)        78       大
     その他                      (16)        24       大
    ビジネス                      (32)       161        大
    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                      (64)       263        大
                             現在          増減率

    正味貸付金および前渡金
                                      2021  年 9月
                                        対
                        2021  年 9月    2020  年 9月    2020  年 9月
                       ( 百万  ニュージーランド        ドル)
    パーソナル                     95,379       86,648         10%
     住宅ローン                     93,785       84,270         11%
     その他                     1,594       2,378        -33%
    ビジネス                     39,158       39,333         0%
    正味貸付金および前渡金                    134,537       125,981          7%
                             現在          増減率

    顧客預金
                                      2021  年 9月
                                        対
                        2021  年 9月    2020  年 9月    2020  年 9月
                       ( 百万  ニュージーランド        ドル)
    パーソナル                     78,592       79,867         -2%
    ビジネス                     23,744       18,437         29%
    顧客預金                    102,336        98,304         4%
                                141/560











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                                           セントラル・        ニュージーラン
                         パーソナル         ビジネス       ファンクション           ド合計
    2021  年9月終了年度
                                  (百万ニュージーランドドル)
    純利息収益                        1,995         1,064           1       3,060
    その他営業収入                         486         13         -        499
    営業収入                        2,481         1,077           1       3,559
    営業費用                       (1,147)          (262)          (4)       (1,413)
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                        1,334          815         (3)       2,146
    貸倒引当金(繰入)/戻入                         19         62         -        81
    税引前利益                        1,353          877         (3)       2,227
    法人税および非支配持分                        (375)         (246)          1       (620)
    現金利益                         978         631         (2)       1,607
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         13        (30)          -        (17)

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         (32)         (32)          -        (64)
    正味貸付金および前渡金                       95,379         39,158           -      134,537
    顧客預金                       78,592         23,744           -      102,336
    リスク加重資産                       39,787         32,596         2,141        74,524
    2020  年9月終了年度

    純利息収益                        1,814         1,073           8       2,895
    その他営業収入                         489         11         1        501
    営業収入                        2,303         1,084           9       3,396
    営業費用                       (1,214)          (303)          (3)       (1,520)
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                        1,089          781          6       1,876
    貸倒引当金(繰入)/戻入                        (143)         (223)          -       (366)
    税引前利益                         946         558          6       1,510
    法人税および非支配持分                        (273)         (156)          (2)        (431)
    現金利益                         673         402          4       1,079
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         41         62         -        103

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         102         161          -        263
    正味貸付金および前渡金                       86,648         39,333           -      125,981
    顧客預金                       79,867         18,437           -      98,304
    リスク加重資産                       38,308         30,839         2,201        71,348
                                142/560










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    2021  年9月終了年度       対2020年9月終了年度
    純利息収益                         10%        -1%        -88%         6%
    その他営業収入                         -1%        18%       -100%          0%
    営業収入                         8%        -1%        -89%         5%
    営業費用                         -6%        -14%         33%        -7%
    貸倒引当金繰入および法人税控除前利益                         22%         4%        大        14%
    貸倒引当金(繰入)/戻入                         大        大     該当なし           大
    税引前利益                         43%        57%         大        47%
    法人税および非支配持分                         37%        58%         大        44%
    現金利益                         45%        57%         大        49%
    個別評価貸倒引当金繰入/(戻入)                        -68%         大     該当なし           大

    一括評価貸倒引当金繰入/(戻入)                         大        大     該当なし           大
    正味貸付金および前渡金                         10%         0%     該当なし           7%
    顧客預金                         -2%        29%      該当なし           4%
    リスク加重資産                         4%        6%        -3%         4%
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      以下は、「ニュージーランド部門に関する豪ドル建の表」である。
      ニュージーランドドル建の経営成績は、前掲「ニュージーランド部門に関するニュージーランドドル建の表」に示す。
                                    年度

                            2021  年     2020  年
                            9月終了       9月終了       増減率
                               ( 百万ドル)
    純利息収益                         2,870       2,731        5%
    その他営業収入                          469       473      -1%
    営業収入                         3,339       3,204        4%
    営業費用                        (1,325)       (1,435)        -8%
    貸倒引当金繰入および
                             2,014       1,769       14%
    法人税控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入                          76      (345)       大
    税引前利益                         2,090       1,424       47%
    法人税および非支配持分                         (582)       (407)       43%
    現金利益                         1,508       1,017       48%
    構成:
     パーソナル                          917       635      44%
     ビジネス                          591       378      56%
     セントラル・ファンクション                           -       4    -100%
    現金利益                         1,508       1,017       48%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                        128,466       116,625        10%
    その他外部資産                         3,766       4,186       -10%
    外部資産                        132,232       120,811         9%
    顧客預金                        97,719       91,004        7%
    その他預金および借入金                         5,474       1,618        大
    預金およびその他借入金                        103,193        92,622        11%
    その他外部負債                        18,806       21,648       -13%
    外部負債                        121,999       114,270         7%
    リスク加重資産                        71,161       66,049        8%
    貸付金および前渡金の総額の平均残高                        123,216       121,096         2%
    預金およびその他借入金平均残高                        98,161       91,542        7%
    資産運用収入純額                          211       207       2%
    運用資産                        37,280       32,608        14%
    運用資産平均残高                        34,412       32,839        5%
    比率
    平均資産利益率                         1.19%       0.82%
    純預貸利鞘                         2.33%       2.26%
    営業収入に対する営業費用                         39.7%       44.8%
    資産平均残高に対する営業費用                         1.05%       1.15%
    個別評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)                    (15)        97      大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する
                            (0.01%)        0.08%
                        (1)
    個別評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)の割合
    一括評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)                    (61)       248       大
    貸付金および前渡金の総額の平均残高に対する
                            (0.05%)        0.20%
                        (1)
    一括評価    貸倒  引当金繰入/(戻入)の割合
    減損資産総額                          164       347      -53%
    貸付金および前渡金の総額に対する減損資産総
                             0.13%       0.30%
    額の割合
    フルタイム換算従業員(FTE)数合計                         7,060       6,679        6%
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    注:   (1)  割合の基礎となる貸倒引当金繰入額は、貸付金および前渡金の総額ならびにオフ・バランスシートのコミットメント
        -未実行債務および偶発債務に関係する。
    (5)   パシフィック-継続事業

      部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                     当グループの業績-(1)現金利益-重大/
     重要項目-継続事業         」および本章「(1)部門別業績              -継続事業     」を参照のこと。
                                 年度

                            2021  年      2020  年
                            9月終了        9月終了         増減率
                                ( 百万ドル)
    純利息収益                           96        109       -12%
    その他営業収入                           65        84       -23%
    営業収入                          161        193       -17%
        (1)
                              (144)        (205)        -30%
    営業費用
    貸倒引当金繰入および
                               17        (12)        大
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                          (21)        (52)       -60%
    税引前利益/(損失)                           (4)        (64)       -94%
    法人税(費用)/ベネフィットおよび非支配持
                                1        2      -50%
    分
    現金利益/(損失)                           (3)        (62)       -95%
    貸借対照表
    正味貸付金および前渡金                         1,771        1,866         -5%
    顧客預金                         3,767        3,534         7%
    リスク加重資産                         3,682        3,357         10%
    フルタイム換算従業員(FTE)数合計                         1,089        1,113         -2%
    注:(1)    2020年9月終了年度におけるのれんの償却5,000万ドルを含む。

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    (6)   テクノロジー、サービス&オペレーションズおよびグループ・センター-継続事業
      部門別業績は多くの重大/重要項目から影響を受ける。詳細については、「B.                                     当グループの業績-(1)現金利益-重大/
     重要項目-継続事業         」および本章「(1)部門別業績              -継続事業     」を参照のこと。
                                      年度

                             2021  年      2020  年
                             9月終了        9月終了        増減率
                                ( 百万ドル)
    関連会社投資の持分利益/(損失)                           (176)        156        大
    営業収入(その他)                           262       (709)         大
        (1)
                                                大
                                86       (553)
    営業収入
        (2)
                              (1,111)        (1,094)          2%
    営業費用
    貸倒引当金繰入および
                              (1,025)        (1,647)         -38%
    法人税控除前利益/(損失)
    貸倒引当金(繰入)/戻入                            (3)        -    該当なし
    税引前利益/(損失)                          (1,028)        (1,647)         -38%
    法人税および非支配持分                           217        259       -16%
    現金利益/(損失)                           (811)       (1,388)         -42%
    リスク加重資産                          5,246        6,429        -18%
    フルタイム換算従業員(FTE)数合計                          11,723        10,345         13%
    注:(1)    2021  年9月終了年度におけるAmBankの1MDBに関する和解金およびのれんの減損に対する当グループの持分に関する3

        億4,700万ドルの減少を含む。2020年9月終了年度は、AmBankおよびPT                                 Paninに係る減損費用としての8億1,500万ド
        ルの減少、PT       PaninのAASB第9号に基づく調整としての6,800万ドルの減少、およびUDCの売却損失としての4,400万ド
        ルの減少を含む。        重大/重要     項目の詳細については、「B.当グループの業績-(1)現金利益-重大/重要項目-継続
        事業」および      本章「(1)部門別業績          -継続事業     」 を参照のこと。
      (2)  2021  年9月終了年度は組織再編費用4,100万ドル(2020年9月終了年度:2,400万ドル)を含み、2020年9月終了年度
        はソフトウェアの加速償却の1億1,700万ドルを含む。重大/重要                              項目の詳細については、「B.当グループの業績-
        (1)現金利益-重大/重要項目-継続事業」を参照のこと。
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    D.利益の調整
    (1)   法定利益と現金利益の調整
     現金利益は、当グループの中核的事業活動に関する業績のANZが推奨する指標を示しており、過去の期間および同業他社と比
    較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるようにしている。当グループは、法定利益から非中核項目を除外して
    現金利益を計算している(詳細については、下記「E.定義」を参照のこと。)。現金利益を導くための調整項目は法定利益
    に含まれ、「第6         経理の状況‐1        財務書類」の2021年度財務書類の外部監査人による監査において取り扱われる範囲で監査
    対象となる。現金利益は外部監査人による監査の対象ではない。外部監査人は、各表示期間を通じて一貫した基準で現金利益
    の調整が決定されている旨を監査委員会に通知している。
                                  年度

                           2021  年     2020  年
                          9月終了       9月終了        増減率
                             ( 百万ドル)
    当行株主に帰属する継続事業による法定利
                           6,179       3,675        68%
    益
    継続事業に関する法定利益と現金利益の調

    整
     経済ヘッジ                        (77)       121        大
     収益および費用ヘッジ                         96       (36)        大
     ストラクチャード・クレジット仲介取引                         -       (2)      -100%
    継続事業による法定利益と現金利益の調整
                             19       83      -77%
    合計
    継続事業による現金利益                       6,198       3,758        65%
    当行株主に帰属する非継続事業による法定

                            (17)       (98)       -83%
    利益/(損失)
    非継続事業による法定利益と現金利益の調
                             -       -    該当なし
    整
    非継続事業による現金利益/(損失)                        (17)       (98)       -83%
    現金利益                       6,181       3,660        69%

    (2)   法定利益と現金利益の調整             についての説明-継続事業

     ・ 経済ヘッジ
        当グループは、会計基準に沿った金利および外国為替リスクを管理するために経済ヘッジを締結しており、これによ
       り、公正価値評価による損益は損益計算書内で認識される。これには、会計ヘッジ関係に指定されないが、経済ヘッジで
       あるとみなされる承認済みデリバティブ商品から生ずる損益、および指定された会計ヘッジの非有効部分が含まれる。
        経済ヘッジは以下で構成される。
        ・ 外貨建債券発行の手取金を変動金利の豪ドル建およびニュージーランドドル建債務に交換するために利用されてい
          る、ヘッジ会計適格ではない資金調達関連スワップ(主にクロスカレンシー金利スワップ)。これらの公正価値の
          変動の主たる要因は、通貨ベーシス・スワップのスプレッドならびにその他の主要調達通貨に対する豪ドルおよび
          ニュージーランドドルの変動である。
        ・ ヘッジ会計に適格でない特定の                ストラクチャード・ファイナンス               およびスペシャライズド・リース取引の経済ヘッ
          ジ。これらの公正価値の調整の主たる要因は、オーストラリアおよびニュージーランドの金利の期間構成の変動で
          ある。
        ・ 指定された会計ヘッジ関係のうち、一定の要因により生ずる非有効部分。
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        当グループは公正価値調整を現金利益から除去しているが、これは基礎となるヘッジ対象からの損益と一致するよう損
       益を時の経過とともに戻入れるためである。
        2021  年9月終了年度において、経済ヘッジの7,700万ドルの利益の大半は、豪ドルおよびニュージーランド・ドルのイー
       ルドカーブの影響による貸付関連スワップの公正価値の変動に関係する。
     ・ 収益および費用ヘッジ

        当グループは、ニュージーランドドルおよび米ドル(ならびに米ドル相関)を主軸として拡大している外国為替建て収
       益および費用ストリームのヘッジを管理するために経済ヘッジを締結している。2021年9月終了年度の収益および費用
       ヘッジの損失は主に、2021年9月半期中の米ドルおよびニュージーランドドルに対する豪ドル安によるものであった。
     ・ ストラクチャード・クレジット仲介取引

        ANZ  は、世界金融危機に先立ち、一連のストラクチャード・クレジット仲介取引を締結し、これには特定の債務の仕組み
       に関するプロテクションとしてのクレジット・デフォルト・スワップ(「CDSs」)の売却および同様のストラクチャーに
       関するCDSプロテクションの買付けが含まれていた。残存する2件のCDSsの取引が2021年3月半期中に満期を迎えたことか
       ら、ANZは以降これらのポジションを終了した。そのため、2021年9月30日現在の売り買いCDSsの名目残高はゼロ(2020年
       9月:3億ドル)であった。
     (3)   法定利益の現金利益への調整

    2021  年9月終了年度

                                       法定利益への調整

                                         ストラク
                                        チャード・      減損デリバ
                                  収益および
                                        クレジット       ティブの
                      法定利益      経済ヘッジ      費用ヘッジ       仲介取引      信用リスク       現金利益
                            ( 百万ドル)
     純利息収益                  14,161         -      -      -      -    14,161
    その他営業収入                    3,259       (110)       137       -      27     3,286
    営業収入                   17,420       (110)       137       -      27     17,447
    営業費用                   (9,051)         -      -      -      -    (9,051)
    貸倒引当金     繰入  および法人税
                        8,369       (110)       137       -      27     8,396
    控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入額                     567       -      -      -      -      567
    税引前利益                    8,936       (110)       137       -      27     8,963
    法人税                   (2,756)        33      (41)       -      (8)     (2,764)
    非支配持分                     (1)       -      -      -      -      (1)
    税引後利益-継続事業                    6,179       (77)       96       -      19     6,198
    税引後利益/(損失)
                         (17)       -      -      -      -      (17)
    -非継続事業
    税引後純利益                    6,162       (77)       96       -      19     6,181
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    2020  年9月終了年度
                                         法定利益への調整

                                           ストラク
                                          チャード・
                                   収益および
                                          クレジット       法定利益へ
                      法定利益      経済ヘッジ       費用ヘッジ       仲介取引      の調整合計       現金利益
                             ( 百万ドル)
    純利息収益                   14,049         -       -       -       -    14,049
    その他営業収入                    3,588        169       (51)       (3)      115      3,703
    営業収入                   17,637        169       (51)       (3)      115     17,752
    営業費用                   (9,383)         -       -       -       -    (9,383)
    貸倒引当金繰入および法人税
                        8,254        169       (51)       (3)      115      8,369
    控除前利益
    貸倒引当金(繰入)/戻入額                   (2,738)         -       -       -       -    (2,738)
    税引前利益                    5,516        169       (51)       (3)       115      5,631
    法人税                   (1,840)        (48)       15       1      (32)     (1,872)
    非支配持分                     (1)       -       -       -       -      (1)
    税引後利益-継続事業                    3,675        121       (36)       (2)       83     3,758
    税引後利益/(損失)
                         (98)        -       -       -       -      (98)
    -非継続事業
    税引後純利益                    3,577        121       (36)       (2)       83     3,660
    E .定義

     「AASB」 ― オーストラリア会計基準審議会。「AASB」という用語は、AASBが発行したオーストラリア会計基準を特定す
    るときに通常使用される。
     「ADI」 ― 公認預金受入機関
     「ANZEST」 ― オーストラリア従業員株式信託
     「ANZリサーチ・エコノミクス」 ― ANZの事業ユニットであり、主要な経済インプットおよび動向の分析ならびに地方、
    地域およびグローバル経済の潜在的影響の評価を実施する。
     「APRA」 ― オーストラリア健全性規制庁
     「APS」 ― ADIの健全性基準
     「AT1」 ― その他Tier1資本
     「現金および現金同等物」は、硬貨、紙幣、コールマネー、中央銀行預入残高、流動性決済残高(容易に一定の金額の現金
    に換金可能であり、価値変動のリスクが僅少なもの)および3か月より短期の再売買契約(リバース・リパーチェス契約)に
    基づき購入された証券からなる。
     「現金利益」は、会計基準に従わないで作成された追加の業績指標である。現金利益は当グループの中核的事業活動の業績
    のANZが推奨する指標を示しており、過去の期間および同業他社と比較した当グループおよび部門の業績を読者が評価できるよ
    うにしている。当グループは、下記のとおり、法定利益から非中核項目を除外して現金利益を計算している。これらの項目
    は、プラスとマイナスの調整に違いを付けないよう、各期間を通じて一貫して計算されている。
     損益は、それらが重要である、またはいずれかの期間で重要となる可能性があり、かつ以下の3つのカテゴリーのうち1つ
    に該当する場合調整される。
      1. 税、法律もしくは会計法制変更または当グループの中核的事業活動に関連しないその他非中核項目から生じた利益に
         含まれる利益または損失
      2. 経済ヘッジの影響および将来の利益を通じて解消される時間的差異が内在する類似の会計項目
      3. 減損デリバティブの信用リスク等、報告利益に影響を与えない個々の勘定科目間の会計上の再分類
     現金利益は、現金主義会計ベースで決定されるキャッシュフローまたは利益の指標ではない。
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     「一括評価の予想信用損失引当金」は、予想信用損失(ECL)のうち、将来予測に関する情報を包含し、信用損失引当金を認
    識するにあたり損失事象の発生を要しないものである。
     「コロナウィルス(「COVID-19」)」は、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に指定された呼吸器疾患である。
    COVID-19は、2020年3月11日に世界保健機関によりパンデミックと位置付けられた。
     「カバード・ボンド」は、倒産隔離された特別目的事業体に移転されたADIの資産プール(カバー・プール)により担保され
    た、ADIより外部の投資家向けに発行される債券である。カバー・プールを形成する主な資産はモーゲージ・ローンである。
    モーゲージは発行者のバランスシートに計上される。カバード・ボンドの保有者は発行者およびカバー・プール資産という二
    重のリコースを有する。カバー・プールに含まれるモーゲージは、それ以外においては担保に供することも処分することもで
    きないが、プールの信用の質を維持するために買戻しおよび差替えができる。当グループは、その資金調達活動の一部として
    カバード・ボンドを発行している。
     「信用リスク」は、ANZの顧客および取引相手が貸付または契約上の条件を守らないまたは完全に履行できないことによる財
    務的損失のリスクである。
     「信用リスク加重資産(「CRWA」)」は、APS第112/113号に規定されているとおり、決められた公式に基づいて信用リスク
    で加重された資産を表す。
     「顧客預金」は、定期預金、その他有利子預金、無利子預金、および借入会社の債務を意味し、証券化預金は含まない。
     「顧客救済」は、顧客に対する返金予定の引当金、関連する救済プロジェクトの費用、ならびに規制上の要求、罰金および
    訴訟の結果を含む。
     「デリバティブ信用評価調整(「CVA」)」 ― デリバティブ商品の全期間を通じて、ANZは、モデルを用いて、取引相手
    の信用の質の影響を考慮に入れるために公正価値を調整する。この方法論は、金融商品の全期間を通じた予想損失の現在価値
    を、デフォルト確率、デフォルト時損失率、予想信用リスク・エクスポージャーおよび資産相関係数の関数として計算する。
    減損デリバティブもCVAの対象となる。
     「配当性向」は、普通株式配当支払合計額を当行株主に帰属する利益で除したものである。
     「融資資金提供プログラム(「FLP」)」は、2020年11月にRBNZにより発表されニュージーランドの銀行に提供された、
    ニュージーランドの企業および家計の借入コストを低減するための3年間の資金提供を表す。
     「貸付金および前渡金の総額(「GLA」)」は、貸付金および前渡金、資産計上した仲介その他の実行費用から未収収益を控
    除したものである。
     「減損資産」は、契約上の金額を全額適時に受領できるかについて懸念が存在するかまたは、顧客の財政的困難により譲許
    的条項が提供されている金融資産である。金融資産は、報告日までに生じた損失事象の結果として減損が生じたという客観的
    な証拠が存在し、また損失事象が個別の資産もしくは資産ポートフォリオの見積将来キャッシュフローに及ぼす影響を信頼性
    をもって見積もることが可能な場合、減損する。
     「減損貸付金」は、顧客の状態が不良債権化していると明確にされた実行済みの貸付からなる。
     「個別評価の予想信用損失引当金」は、個別的に管理されるすべての減損資産について個別の状況に応じて評価し、その際
    には担保(またはその他の信用補強)の実現可能価額、清算時や倒産時の予想受取可能額、法的不確定性、回収に係る見積費
    用、流通市場エクスポージャーの市価、ならびに想定される受取金および回収金の額や時期などの要素を考慮する。
     「銀行業の金利リスク(「IRRBB」)」は、ANZの将来の純利息収益に係る市場金利の変動の悪影響の可能性に関係する。こ
    のリスクは一般的に以下から生ずる。
      1. 価格改定(リプライシング)およびイールドカーブ・リスク ― 全般的な金利水準および/またはイールドカーブ
         全体にわたる金利の関連性の変動の結果としての収益または市場価値に対するリスク
      2. ベーシス・リスク ― 銀行業の資産項目に適用される利鞘のボラティリティから生ずる収益または市場価値に対す
         るリスク
      3. オプショナリティ・リスク ― 銀行業の資産項目の独立または組込みオプションの存在から生ずる収益または市場
         価値に対するリスク
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     「国際的に比較可能な比率」は、バーゼル委員会の出版物「バーゼル3:より強靭な銀行および銀行システムのための世界
    的規制枠組み」(2011年6月)および「資本測定および資本基準の国際的コンバージェンス」(2006年6月)において文書化
    された規制のANZによる解釈。「国際資本比較研究」(2015年7月13日)と題するAPRAの情報文書で特定された差異も含む。
     「レベル1」とは、APRAの監督との関連で、一定の承認された子会社を連結したオーストラリア・ニュージーランド銀行で
    ある。
     「レベル2」とは、APRAの監督との関連で、関連会社、保険および資産運用会社、非金融営利法人ならびに一定の証券化
    ビークルを連結から除いた当グループである。
     「 純預貸利鞘」とは、平均利付資産に対する純利息収益の割合である。
     「正味貸付金および前渡金」とは、貸付金および前渡金の総額から予想信用損失引当金を差し引いたものである。
     「正味安定資金調達比率(「NSFR」)」とは、APRAが定める所要安定調達額(「RSF」)に対する利用可能な安定調達額
    (「ASF」)の比率である。利用可能な安定調達額は、1年ベースの確実な想定資金源としてADIの資本および負債を構成す
    る。所要安定調達額は、ADIの資産の流動特性および残存期間ならびにオフ・バランスシート取引の関数により定まる。ADIは
    少なくともNSFRの100%を維持しなければならない。
     「正味有形資産」は、当行株主に帰属する株式資本および準備金から未償却の無形資産(のれんおよびソフトウェアを含
    む。)を差引いた金額に等しい。
     「RBA」とは、オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行である。
     「RBNZ」とは、ニュージーランドの中央銀行であるニュージーランド準備銀行である。
     「規制上の預け金」とは、法律上の要件に従い現地の中央銀行に預ける強制的な準備預金である。
     「条件緩和債権」とは、当初の契約条件が顧客の財政的困難に関連する理由により修正されたファシリティから成る。条件
    緩和には、利息、元本またはその他法律上期限が到来した支払いの削減、または同様のリスクの新ファシリティに対して一般
    的に提供される満期の実質的延長から成る。
     「平均資産利益率」とは、当行株主に帰属する利益を平均資産合計で除した料率である。
     「平均普通株主資本利益率」とは、当行株主に帰属する利益を平均普通株主資本で除した料率である。
     「リスク加重資産(「RWA」)」とは、各資産に内在するデフォルトの可能性およびデフォルトの場合にありうる損失に従
    い、リスクにより加重される。資産担保リスク以外の場合(すなわち、市場リスクおよびオペレーショナル・リスク)、RWAは
    これらのリスクの資本要件に12.5を乗ずることにより決定される。
     「ANZの未収決済残高/ANZの未払決済残高」とは、決済される途上にある金融資産および/または金融負債である。これは
    取引期限付き資産および負債、先方勘定ならびに証券決済口座を含む。
     「ターム資金供給ファシリティ(「TFF」)」は、オーストラリア準備銀行(RBA)が2020年3月19日に発表した、オースト
    ラリア企業向けの低コストな貸付を支援するための3年間の資金供給を表す。
     「ターム貸付ファシリティ(「TLF」)」は、ニュージーランド企業向けの貸付を促進するためにRBNZにより2020年5月から
    2021年7月まで提供される3年間から5年間の資金供給を表す。
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    4【経営上の重要な契約等】
     2021  年度の開始日から本書提出日までの間において当グループが締結した重要な契約はない。ただし、当グループが実質的
    に依存している、業務の通常の過程においてなされる契約を除く。
    5【研究開発活動】

     当グループは継続して、バンキング、金融および資産運用に関連した商品およびサービスを研究し、開発している。
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    第4【設備の状況】
    1【設備投資等の概要】

     2021  年度中、ANZはオーストラリア、ニュージーランドならびにアジア、パシフィック、ヨーロッパおよびアメリカにおける
    事業経営を支援するために、様々な土地建物、家具什器および技術機器を取得し、また様々な賃借物件の改良を行った。2021
    年度中、当グループの土地建物および設備機器の追加は4億2,500万ドルであり、処分は6,100万ドルであった。
     さらに、当グループはその他の無形資産に3億5,600万ドル(資産計上されたソフトウェアを含む。)を追加した。詳細につ
    いては、「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記21を参照のこと。
    2【主要な設備の状況】

     ANZ  はその事業目的でオーストラリア、ニュージーランド、アジア、パシフィック、ヨーロッパおよびアメリカの各地に土地
    建物を自由保有および賃借している。これら土地建物は、支店および商業用管理センターを含み、2021年9月30日現在の帳簿
    価格  は17億1,900万ドル(貸借対照表に計上されている使用権資産10億5,800万ドルを含む。)であり、以下で構成されてい
    る。
                            2021  年9月30日現在               2020  年9月30日現在

                           所有                 所有
           不動産の数              (自由保有)           賃借       (自由保有)           賃借
    リテール(支店網)                         8        627          8        656
    管理およびオペレーション・センター                         4        178          6        193
    居住用                         15         0        16         5
    合計
                             27        805         30        854
     ポートフォリオの主な建物(自己所有および賃借)は、以下を含む。

    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート833
    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート839
    ・オーストラリア、サウス・メルボルン、ドーカス・ストリート75
    ・オーストラリア、メルボルン、コリンズ・ストリート55
    ・オーストラリア、シドニー、ピット・ストリート242
    ・ニュージーランド、ウェリントン、トーリー・ストリート49
    ・ニュージーランド、オークランド、アルバート・ストリート23-29
    ・インド、バンガロール、ヴァーター・ホブリ、キャンパス5A、RMZエコ・ワールド
    ・インド、バンガロール、ナガヴァラ、マナヤタ・エンバシー・ビジネス・パーク、ユカリプタス
    ・フィリピン、ケソン・シティ、バランガイ・バグンバヤン、E.                              ロドリゲス・ジュニア・アベニュー、MDC                   100ビルディング
    3【設備の新設、除却等の計画】

     ANZ  は定期的に世界中のリテールおよび商業部門の不動産拠点を見直し、当グループの今後の営業モデルに沿わない賃借物件
    を除却している。
     シドニー、ピット・ストリート242所在のシドニー本部の賃貸借契約を変更し、2021年11月から賃借面積を4フロア縮小し
    た。
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    第5【提出会社の状況】
    1【株式等の状況】

    (1)【株式の総数等】
      ①【株式の総数】
                                               (2021年9月30日現在)
                  授権株数(株)             発行済株式総数(株)               未発行株式数(株)
       普通株式                  該当なし            2,823,563,652                 該当なし
       合計                  該当なし            2,823,563,652                 該当なし

      ②【発行済株式】

                                               (2021年9月30日現在)
       記名・無記名の別及び                           上場金融商品取引所名又は
                    種類     発行数(株)                          内容
        額面・無額面の別                         登録認可金融商品取引業協会名
                                               普通株式(当行の定款
                                 オーストラリア証券取引所
       記名無額面           普通株式       2,823,563,652                       に定める条項に基づき
                                 ニュージーランド証券取引所
                                               発行される普通株式)
       計                  2,823,563,652

    (2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】

       該当事項なし。
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    (3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
       普通株式
                               普通株式資本金        普通株式資本金

               発行済株式        発行済株式                            備考
                                 増減額         残高
         年月日      総数増減数         総数残高                         (発行済株式総数
                              ( 単位:百万ドル        ( 単位:百万ドル
                (株)        (株)                         増減の理由)
                               (百万円))        (百万円))
         2016  年                               28,765
                       2,927,476,660
         9月30日                                (2,382,030)
                                               配当金再投資制度およ
                                               びボーナス・オプショ
                                               ン制度に基づき株式が
                                    323
         2017  年 度    9,938,667                               発行されたが、市場で
                                  (26,748)
                                               の自社株買戻しにより
                                               買戻され消却されたた
                                               め、一部相殺された。
         2017  年                               29,088
                       2,937,415,327
         9月30日                                (2,408,777)
                                               市場での自社株買戻し
                                               により株式が買戻され
                                               消却されたが、ボーナ
                                   -1,883
         2018  年 度   -63,797,209                                ス・オプション制度に
                                 (-155,931)
                                               基づき発行された株式
                                               により一部相殺され
                                               た。
         2018  年                               27,205
                       2,873,618,118
         9月30日                                (2,252,846)
                                               市場での自社株買戻し
                                               により株式が買戻され
                                               消却されたが、ボーナ
                                    -715
         2019  年 度   -39,033,195                                ス・オプション制度に
                                 (-59,209)
                                               基づき発行された株式
                                               により一部相殺され
                                               た。
         2019  年                               26,490
                       2,834,584,923
         9月30日                                (2,193,637)
                                               配当金再投資制度およ
                                     41           びボーナス・オプショ
         2020  年 度    5,785,302
                                   (3,395)             ン制度に基づき株式が
                                               発行された。
         2020  年                               26,531
                       2,840,370,225
         9月30日                                (2,197,032)
                                               配当金再投資制度およ
                                               びボーナス・オプショ
                                    -547            ン制度に基づき株式が
         2021  年 度   -16,806,573
                                 (-45,297)              発行されたが、自社株
                                               買戻しにより一部相殺
                                               された。
         2021  年                               25,984
                       2,823,563,652
         9月30日                                (2,151,735)
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    (4)【所有者別状況】
       普通株式
                                            (2021年9月30日現在)
             区分          株主数(人)           所有株式数(株)           所有株式数の割合(%)
             法人            126,737          524,713,848               18.59
             個人            395,443          678,048,547               24.01
            ノミニー              11,983        1,620,801,257                57.40
             合計            534,163         2,823,563,652               100.00
    (5)【大株主の状況】

       普通株式
                                              (2021年10月1日現在)
                                              発行済株式総数に対する
         氏名又は名称                 住所         所有株式数(株)
                                              所有株式数の割合(%)
     HSBC  カストディ・ノミニーズ             GPO  Box  5302  、
     (オーストラリア)リミテッ
                                       732,183,388                25.94
                    シドニー、ニュー・サウス・
     ド
                    ウェールズ州2001
     JP モルガン・ノミニーズ・              GPO  Box  3289  、
     オーストラリア・Pty・リミ
                                       437,803,033                15.51
                    シドニー、ニュー・サウス・
     テッド
                    ウェールズ州2001
     シティコープ・ノミニーズ・               GPO  Box  764G  、
     Pty・リミテッド
                                       210,892,503                 7.47
                    メルボルン、ヴィクトリア州
                    3001
     ナショナル・ノミニーズ・リ               GPO  Box  1406  、
     ミテッド
                                       85,004,301                3.01
                    メルボルン、ヴィクトリア州
                    3001
     BNP  パリバ・ノミニーズ・              PO  Box  R209  、
     Pty・リミテッド(代理人貸付
                    ロイヤル・エクスチェンジ、
                                       42,765,637                1.51
     配当金再投資制度口座)
                    ニュー・サウス・ウェールズ州
                    1225
     BNP  パリバ・ノミニーズ・              PO  Box  R209  、
     Pty・リミテッド(配当金再投
                    ロイヤル・エクスチェンジ、
                                       33,504,153                1.19
     資制度)
                    ニュー・サウス・ウェールズ州
                    1225
     2021  年10月1日現在、上記の株主がANZの発行済株式総数の1%以上を保有していた。

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    2【配当政策】
     ANZ  の取締役会は、当グループの財務実績と財務状態を基準にして、普通株式の株主への配当の金額と時期を決定する。
     ANZ  には配当金再投資制度(「DRP」)およびボーナス・オプション制度(「BOP」)があり、2021年度の期末配当に関して運
    営された。2021年度の期末配当について、ANZはDRPでは市場での買入れを通じて、またBOPでは新株の発行により、株式を提供
    した。DRPおよびBOPに基づいて提供される株式数の決定に用いられる「取得価格」は、2021年11月12日から10取引日の間にASX
    およびチャイエックスの通常の取引過程で売られた全ての全額払込済ANZ普通株式の日次出来高加重平均価格の算術平均を基準
    にして、セント単位に四捨五入して算出される。DRPおよびBOPに基づいて提供された株式は、既存の全額払込済ANZ普通株式と
    全ての点で同順位に位置する。適格基準がDRPおよびBOPへの参加に適用される。特に、取締役会が別途決定しない限り、DRPお
    よびBOPへの参加は、アメリカ合衆国、その準州もしくは属領またはカナダにいる、またはその居住者である(または、アメリ
    カ合衆国、その準州もしくは属領またはカナダにいる、またはその居住者である法人もしくは個人を代理してもしくはその勘
    定でもしくはその利益のために行為する)いかなる法人または個人(ANZBGLの普通株式の法的または受益所有者を含む)も直
    接または間接に利用できない。
     2020  年期末配当、2021年中間配当および2021年期末配当は全額フランキング済であった。配当は、2021年度中および本書提
    出日までに全額払込済普通株式について支払われた。
                                配当金額

           種類         1株当たりセント                    取締役会決議日            支払日
                                     (1)
                             ( 単位:百万ドル)
        2020  年期末配当             35          994       2020  年11月25日        2020  年12月16日
        2021  年中間配当             70         1,992       2021  年5月27日        2021  年7月1日
        2021  年期末配当             72         2,030       2021  年11月24日        2021  年12月16日
    注:(1)    金額は、ボーナス・オプション制度調整前である。

     配当に係るさらなる詳細は、「第3 事業の状況-3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の

    分析-B.当グループの業績-(12)配当-継続事業」および「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記
    6を参照のこと。
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    3【コーポレート・ガバナンスの状況等】
    (1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
     本「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」は、以下「14.その他の補足情報」を除き、ANZの2021年度コーポレート・ガバ
    ナンス報告書(以下「本コーポレート・ガバナンス報告書」という。)に基づいており、これを抽出したものである。本コー
    ポレート・ガバナンス報告書の基準日以降の取締役の状況については、「(2)役員の状況-①取締役」を参照のこと。
    1.ガバナンスへのアプローチ

     ANZ  の取締役会は、取締役会委員会の補佐のもと、ANZのガバナンス枠組みを監督することについて責任を負う。この枠組み
    は、効率的かつ責任ある意思決定をもたらすよう構想されており、もってANZの戦略と目標の達成を支援するものである。
     本コーポレート・ガバナンス報告書は、以下を含む枠組みの主要部分を概説する。

     ・ 経験豊富で独立的な取締役会。これを補佐する取締役会委員会の体制は、取締役会の効率的な運営および価値の創出が
       継続的に確保されるよう定期的に見直される。
     ・ 取締役会および経営陣が担当する役割の明確な分掌。
     ・ 時機に即した偏りのない開示。ANZのウェブサイトのコーポレート・ガバナンスのページ
       (anz.com/corporategovernance)(英文)を含む。
     ・ 包括的なリスク管理の枠組み。定期的に見直される。
     取締役会の概要

     取締役会の構成
     ・ ANZの取締役会は、7名の非執行独立取締役(独立した会長であるポール・オサリバンを含む。)、および1名の執行取
       締役(最高経営責任者(CEO)であるシェイン・エリオット)により構成される。
     ・ 現在、ANZの取締役のうち3名が女性、5名が男性である。
     ・ 2021年の8月に発表されたとおり、オーストラリアの主要な非執行取締役のひとりである                                            クリスティーン・オライリー
       が、2021年11月1日付で非執行取締役に就任する。選任後、オライリーは2021年12月16日に開催されるANZの年次株主総
       会において取締役に立候補する。
     ・ 2012年から非執行独立取締役を務めたポーラ・ドワイヤーは、2021年度の年次株主総会で退任する。
     ・ 取締役の氏名および経歴の詳細は、ANZの社外における主な関連団体を含め、ANZのウェブサイト(anz.com/directors)
       (英文)および2021年度の年次報告書にて参照可能である。
     取締役会委員会

     ・ ANZの定款に基づき、取締役会は、そのあらゆる権限を取締役会委員会に委任することができる。ANZは、監査委員会
       (委員長:ポーラ・ドワイヤー)、倫理、環境、社会およびガバナンス(EESG)委員会(委員長:ポール・オサリバ
       ン)、リスク委員会(委員長:グレイム・リーベルト)、人事委員会(委員長:イラナ・アトラス                                              AO (オーストラリア
       勲章オフィサー)        )、デジタル事業および技術委員会(委員長:ジェーン・ハルトン                               AO  PSM  (オーストラリア政府公共
       サービス・メダル)         )、ならびに指名および取締役会運営(NBO)委員会(委員長:ポール・オサリバン)の6つの主要
       な取締役会委員会を擁する。各委員会は、その役割および責任を定める独自の憲章を持つ。
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     コーポレート・ガバナンスの枠組み
    2.2021事業年度における取締役会の重点領域







     取締役会およびその委員会は、毎年、主な戦略、ガバナンスおよび監視に係る活動に取り組んでいる。以下の事項は、2021
    年度中に取締役会およびその委員会が検討したいくつかの重要事項に関して、利害関係人に洞察を提供するための説明である
    が、すべての事項の包括的なリストではない。
    戦略および将来

     取締役会およびその委員会は、長期戦略に関する事項に引き続き注力した。当年度中、取締役は3つの個別の取締役戦略会
    合に参加し、社内外の専門家を活用して様々な視点の提供を受けた。これらの会議では、外部の事業、技術、経済および競争
    に関する環境の評価、ならびにANZの長期的な対応および計画の検討も行った。
     取締役会は、ANZの戦略および成長の優先課題を定期的に議論し検討を重ね                                   た。これには、取締役会の各会合で、成長に関す
    る事項に対して適切で明確かつ継続的な重点が確実に置かれるように取締役会のアジェンダを調整することが含まれた。
     この中核として、取締役会は、技術およびデジタル関連事項を含むANZのオーストラリアにおける事業の長期的な変革に関す
    るアプローチについて、定期的な議論および監視を行った。取締役会は、顧客のニーズを最大限に満たすための技術的枠組み
    に関して探究的な知見を受容し、取締役会はまた、委員会の幅広い注力分野を活かして、変革の主要部分(試験運用および実
    施を含む。)の監視に関する数多くの報告を受けた。
     当年度におけるその他の取締役会の重点としては、ANZの最上級幹部や取締役会構成に関連した承継計画および後継者育成へ
    の注力があった。
    COVID-19    パンデミック

     取締役会および委員会は引き続き、COVID-19パンデミックにつき、その影響およびANZの対応の監視において積極的な役割を
    果たし、これには以下が含まれた。
     ・ 顧客支援のための負担軽減策の整備。顧客対応、実施、および継続的なコミュニケーションなど。
     ・ 内外経済へのCOVID-19の影響。当座および長期の影響の両方を検討。
     ・ パンデミックの当行従業員への影響、および当行が事業を行う法域でとられる地域別の対応。ワクチン接種の動向、今
       後の職場の在り方、およびリモート勤務を行う従業員の支援および保護に必要な措置の検討など。
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     リスク、規制およびイメージ形成
     取締役会およびその委員会はまた、ANZのリスク管理ロードマップを進めるために経営陣が遂行する重要な職務を引き続き監
    視した。経営陣は、その進捗ならびにANZの組織およびリスク文化の改善および簡素化の取組みについて定期的な報告を行っ
    た。
     この一環として、取締役会は、ANZのリスク文化に対するアプローチ、ならびにそれを実現するための業務の継続的監視をリ
    スク委員会が担い、ANZのより広範囲な組織カルチャーの強化および簡素化に向けた経営陣の活動への継続的な注力および議論
    を人事委員会と取締役が担うというANZの目指すリスク文化の在り方を承認した。
     取締役会はまた、当年度中に、建設的かつ双方向の対話を維持することを目的として                                       ANZ  の主要なオーストラリア規制当局と
    会合を行った。
     ANZ  の戦略と成長に対して確実に正しい重点が置かれることを主眼として、取締役会は、ANZの戦略的変革アジェンダの実施
    に関連するリスクの第2および第3の防衛線の評価について定期的に議論した。
     取締役会およびその委員会はまた、コンプライアンスに関するANZのアプローチと実績の見直しを継続し、違反の報告、商品
    設計および販売に係る義務、責任ある融資法に関連するものを含むANZの規制変更への準備状況を見直した。取締役会はまた、
    マネーローンダリングおよびテロ資金供与防止、競争法、内部告発ならびにサイバーセキュリティといった重要な分野につい
    て、定期的に規制当局の研修を受け、要約資料を入手した。
     また、取締役会は、ANZの目標を事業全体に敷衍させることについて、5年前の導入以来の進捗を鑑みて現在の状況を議論お
    よび検討した。
     取締役会は、倫理ならびに環境、社会およびガバナンス(ESG)の視点から「どのように銀行経営するか(how                                                   we  bank)」
    を熟慮して議論し、これにはESGの高優先領域、顧客体験の弱さ、商品の適切さ、アクセシビリティおよび多様性ならびに
    COVID-19に関する当行の意思表明が含まれた。取締役会およびその委員会はまた、産業部門別および国別のレビュー、人権政
    策、現代の奴隷政策ならびに気候変動政策を通して、「誰のための銀行経営か(who                                       we  bank)」を熟慮した。
    財務/運営

     取締役会およびその委員会            は 当グループの長期的な将来性を               重視する一方で       、取締役会(およびその委員会)は                 引き続き    当
    グループの現在の業績も等しく重視して                  いる  。これには以下が含まれる。
     ・ 通常の費用想定におけるANZの投資活動および事業に関連するものを含む、ANZの年次および長期の経営および戦略計画
       の見直し、検証および最終承認
     ・ M&Aに関する事項の定期的な議論
     ・ キャピタル・ノート6の発行およびANZによる市場での自社株取得の承認を含む、主要な資本管理事項の監視
     ・ ANZの各主要事業を率いるグループ執行役員と取締役会の各会合で議論するための、事業業績の標準書式の設定および導
       入
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    3.取締役会
    3.1   取締役
      会長と最高経営責任者(CEO)の役割は別個のものである。                           ポール・オサリバン         は、2020年10月28日から会長を務める。                  オサ
    リバン   は、2019年11月に独立非執行取締役に任命された。シェイン・エリオットは2016年1月1日からCEOを務める。ASX上場
    規則により、CEOであるエリオットは3年ごとの再選を株主に求める必要はない。                                      RT  Hon  サー・ジョン・キー          GNZM   AC は、ASX
    上場規則に従い2021年度の年次株主総会で再選候補とされる。2012年から取締役会において非執行独立取締役を務めたポー
    ラ・ドワイヤーは、2021年度の年次株主総会で退任する予定である。2021年8月4日に、クリスティーン・オライリーが2021
    年11月1日付で非執行取締役としてANZの取締役会に参画することが発表された。選任後、                                           オライリーは2021年12月16日に開
    催されるANZの年次株主総会において取締役に立候補する予定である。
     ANZ  の各取締役の氏名および任命に関するデータを以下に示す。
              取締役              取締役就任             最近の選任日/再任日

     ポール・オサリバン          (取締役会会長、EESG委              2019  年   2019  年
      員会およびNBO委員会の委員長)
     シェイン・エリオット(CEO)                        2016  年   該当なし
     イラナ・アトラス         AO(オーストラリア勲章オ               2014  年   2020  年
      フィサー)(人事委員会委員長)
     ポーラ・ドワイヤー(監査委員会委員長)                        2012  年   2018  年  2021年度の年次株主総会で退任予定
     ジェーン・ハルトン          AO  PSM(デジタル事業お            2016  年   2019  年
      よび技術委員会委員長)
     RT  Hon  サー・ジョン・キー          GNZM   AC(ニュー        2018  年   2018  年  2021年度の年次株主総会での再選候補
      ジーランド・メリット勲章ナイト・アン
      ド・デイム・グランド・コンパニオン、
      オーストラリア勲章コンパニオン)
     グレイム・リーベルト(リスク委員会委員                        2013  年   2019  年
      長)
     ジョン・マクファーレン                        2014  年   2020  年
    3.2   取締役    および経営陣の役割




      取締役会は、ANZの監視およびその慎重で健全な経営、ならびに憲章に定める一定の義務について責任を負う。
      経営陣レベルでは、ANZの大部分の上級執行役員がグループ経営委員会を構成する。グループ経営委員会の委員はANZのウェ
    ブサイト(anz.com/exco)(英文)に掲載される。ANZは、CEOおよびその他の上級経営陣の構成員に委任される事項を明確に
    定める権限委任の枠組みを有する。
      取締役会およびその主要委員会のそれぞれの憲章は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載さ
    れている。
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    3.3   取締役    の取締役会および委員会の会議出席状況
     当年度中の取締役会会議および取締役会委員会会議の開催回数、ならびにそれらの会議への各取締役の出席回数を以下に示
    す。
                                倫理、

                                                  指名
                                    デジタル
                                環境、
                                        取締役会
                                    事業
                                                 および
                                                       株式
                                            取締役会
                  リスク     監査    人事
                                社会
                                         特別
                                    および
             取締役会                                    取締役会
                                                        (1)
                                               (1)
                  委員会    委員会    委員会
                                および
                                                      委員会
                                            委員会
                                        委員会
                                    技術
                                                  運営
                               ガバナン
                                    委員会
                                                 委員会
                               ス委員会
                                                 A  B
              A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B       A   B
    ポール・オサリバン         15  15  9  9  8  8  5  5  4  4  6  6  4  4       3  3  2   2
    イラナ・アトラス       AO
              15  15       9  9  5  5  5  5               3  3  1   1
    ポーラ・ドワイヤー         15  15  9  9  9  9  5  5           4  4  2  2  3  3
    シェイン・エリオット         15  15                         4  4  2  2       1   1
    デービッド・ゴンス
       (2)
    キー  AC
              2  2  1  1  1  1  1  1  1  1               1  1
    ジェーン・ハルトン
    AO PSM
              15  15           5  5  5  5  6  6           3  3
    RT  Hon  サー・ジョ
    ン・キーGNZM      AC
              15  13  9  8           5  5  6  6           3  3
    グレイム・リーベルト         15  15  9  9  9  9  5  5           4  4       3  3
    ジョン・マクファーレ
    ン         15  15  9  9  9  9           6  6  4  4       3  3
     A列は、取締役が委員として出席する権利を有した会議の回数を示す。

     B列は、会議に出席した回数を示す。会長は、                      デービッド・ゴンスキーが退任した                 2020  年10月28日、リスク委員会、監査委
    員会、人事委員会、倫理、環境、社会およびガバナンス委員会、デジタル事業および技術委員会ならびに指名および取締役会
    運営委員会の職権上の委員になった。
     上表は委員会会議に関する委員の出席状況を記録している。いずれの取締役もこれらの会議に出席する権利を有し、取締役
    は適宜、自らが委員ではない委員会の会議に出席している。
    注:(1)    上表に記載の取締役会委員会および株式委員会の会議は、書面による決議により行われたものを含む。

      (2)  デービッド・ゴンスキーは2020年10月28日に会長および非執行取締役を退任した。
    3.4   最高経営責任者(CEO)および経営陣への権限委任

     取締役会は、その憲章が定めるとおり、CEOおよびANZ上級経営陣の一定の構成員を任命する。取締役会はCEOに、およびCEO
    を通じて上級経営陣に、承認された戦略およびANZの財務目標を達成するための意思決定の権限および責任をANZの権限委任方
    針に従い委任している。本方針は定期的に見直される。
     グループ経営委員会は通常、毎月会議を行い、人とコミュニティが繁栄する世界を作るというANZの目標を実施することにつ
    いて責任を負う。グループ経営委員会は以下を重視してこれを行っている。
     ・ すべての主要利害関係人
     ・ ANZの文化および能力の形成
     ・ ANZの取組みおよび資源配分の優先順位付け
     ANZ  にはまた、正式に設置された多数のマネジメント委員会があり、これらの各委員会は、定められた意思決定権限により、
    特定の継続的な課題に対処する。
     銀行役員説明責任制度(BEAR)の要求により、ANZの説明責任対象者(ANZのすべての取締役およびグループ経営委員会(グ
    ループ執行役員(データおよびオートメーション担当)を除く。)、ならびにグループ・ジェネラル・マネージャー(内部監
    査担当))に関して個別の説明責任確認書が作成および維持されている。これらには、BEARに基づく説明責任義務に係る個別
    の責任および受諾の包括的な確認が含まれる。
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     さらにANZは、ANZの取締役会、取締役会委員会および主要なマネジメント委員会の目的を説明するBEARのためのアカウンタ
    ビリティ・マップを整備している。当該マップには、説明責任対象者全体の管理およびガバナンス取決めに関するマッピング
    も含まれる。
     ANZ  取締役会が留保する権限およびANZの権限委任方針が一体となって、ANZおよびその被支配法人のすべての従業員および契
    約者に対して適用される包括的な権限委任の枠組みを構成する。
    3.5   取締役会の構成、選任および任命

     ANZ  は、取締役会の構成を定期的に見直している。NBO委員会は取締役会の構成の検討に関するあらゆる事項について取締役
    会を補佐する。候補者となりうる者を評価し取締役会の規模および構成の見直しを実施するにあたり、NBO委員会は、取締役会
    の構成には以下のような項目を勘案した適切な混成比が反映されるべきとする指導原則を考慮する。
     ・ ANZの取締役会スキル・マトリックスで特定される主要分野のスキル/経験
     ・ 在任期間
     ・ 多様性
     また、NBO委員会は以下の要素も考慮する。
     ・ 取締役会の構成に関する関連ガイドライン/法的要件
     ・ 取締役会憲章に明記された取締役会在職要件
     ・ ANZの戦略目標を含むその他の考慮事項
     取締役会には少なくとも女性比30%以上の取締役会構成を維持するという目標があり、また取締役会単独で男女同数の代表
    構成にしていくという長期的な展望もある。
     候補者となる可能性のある者について検討する際、取締役会は、多様性が非常に大きな広がりを持ち、年齢や文化的アイデ
    ンティティ(例えば、民族や母国)などのその他の事項を含む点にも着目する。同委員会はまた、候補者の個人的資質、コ
    ミュニケーション能力ならびに効果的な経営手腕、プロフェッショナルとしての名声および倫理的活動への取組みも考慮す
    る。
     同委員会はまた、必要に応じて、取締役会会長の後継者育成および選出手順の見直しおよび勧告を行う。
     ANZ  の指名手順に関する情報の詳細は、ANZの「取締役会の構成、選任および任命(Board                                          Composition,       Selection     and
    Appointment)」の資料に記載があり、これはANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)で閲覧可能であ
    る。
     NBO  委員会は、取締役会の規模および構成について見直しを行い取締役会に勧告し、また取締役に適任と考えられる者を特定
    して候補者を取締役会に推薦する職責を委任されている。
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    3.6   取締役    会のスキルおよび経験
     以下の表は、ANZの取締役会がその構成上確保したい主なスキルと経験、ならびにそれぞれのスキル/経験を備える取締役の
    人数を示す。
     以下に列挙される多様な専門的スキルと経験を備えた個人を取締役会に擁することに加えて、ANZの取締役会が確保したいの
    は、各自が事業の長期的成功を重視しつつチームとして機能し、また、異なる個性と視点を含めることにより、各自が敬意を
    持って対経営陣および取締役相互間で具申を行い、忌憚のない議論に参加し、新たなソリューションを得るため仲間と協力す
    る体制である。
     スキルおよび経験                                              取締役の人数

     戦略および商業の見識
                                                      8
     (商業的判断を活かして戦略目標の実現を計画および監視するための知識と経験)
     銀行および/または金融サービス
                                                      6
     (ANZ以外の銀行業または金融サービス業界の重要要素における経験)
     テクノロジー
     (重要技術、データ、技術関連イノベーションまたはデジタル・インフラストラクチャーもしく                                                 4
     はアプリケーションを企業において適用および開発するための知識と経験)
     大規模な組織におけるリーダー的役割
                                                      8
     (上場企業または大規模/複雑な組織、または政府組織におけるCEOまたは上級職への就任経験)
     職場文化および/または報酬
     (職場文化の事項を管理または監督し、および/または報酬実務および上級職員の任命を監視す                                                 8
     るための上級職レベルの知識と経験)
     コーポレート・ガバナンス、リスク管理/コンプライアンスおよび/または持続可能性
     (コーポレート・ガバナンス、リスクマネジメント/コンプライアンスおよび/または持続可能
     性の枠組みおよびそれらに関連する実務の設計・適用における経験を含むが、これらに限定され                                                 8
     ない。これには、上場企業または大規模/複雑な組織または政府組織の取締役(理事)/執行役
     員としての経験が含まれる。)
     規制/政府方針
     (規制/政府/業界政策に関する事項を策定し、および/または重要な利害関係人のエンゲージ                                                 8
     メント/管理に関係する経験)
     国際ビジネスの経験                                                 8
     財務の見識
     (財務および関連リスク管理の十分性を精査する能力を含む、大規模事業の財務書類に対する十                                                 8
     分な理解)
    3.7   取締役    の独立性

     ANZ  の取締役会憲章は、ANZの独立性基準を満たす非執行取締役が取締役会の過半数を占めることを要求する。かかる基準は
    取締役会憲章で定められており、NBO委員会がASXガバナンス原則、APRAの健全性基準およびその他の関連する要件に照らして
    これを定期的に見直している。
     監査委員会憲章が監査委員のための追加的独立性基準を定めており、これも考慮されている。
     かかる基準の詳細は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に記載されている。
     ANZ  の独立性テストは、ある取締役がANZと重要な関係があるか否かを基準とする。要約すれば、以下のことをするにあた
    り、取締役の意思に影響を与えるまたは与えると考えられる現実かつ妥当な可能性があるとANZの非執行取締役の地位にある合
    理的な人間が予想する場合、ANZとの重要な関係があるとみなされる。
     ・ 定期的に取締役会または委員会の議題に上がる傾向にある事項について決定を行う。
     ・ 経営陣が提供する情報および助言を客観的に評価する。
     ・ ANZ全体にわたり一般的に適用される方針を設定する。
     ・ 一般的に取締役としての自身の役割を実行する。
     取締役は、ANZと個人的な取引関係を有する可能性があり、またはANZと取引関係がある会社その他の組織の取締役にも就任
    する。こうした関係から独立性の問題が生じないように取決めが交わされる(第3.8項を参照)。
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    3.8   利益相反
     独立性の問題を超えて、各取締役は、ANZの業務に関連する重要事項に関する潜在的または現実の利益相反を生じているか否
    かを判断する継続的な責任を負う。かかる状況は、外部の団体、利害関係または個人的関係から生じる可能性がある。
     ANZ  は、取締役の利害開示規約および利益相反処理手続きを備えている。これは、現実のまたは潜在的な利益相反が存在する
    場合、取締役は取締役会に対して影響力を行使することができない旨を定める。
     この規約は、利益相反を処理するためのANZの取組みに関するより多くの情報を含んでおり、ANZのウェブサイト
    (anz.com/corporategovernance)(英文)で閲覧可能である。
    3.9   非執行取締役の社外コミットメント

     すべての非執行取締役は、いかなる社外での新たな役職の任命についても、引き受ける前に会長に通知する義務がある。会
    長は、新たな任命の提案について検討し、個別に問題を考慮する。
     この検討を行う際に会長が従う手順および考慮要素は、「非執行取締役の社外コミットメント(Outside                                                  Commitments      of
    Non-Executive       Directors)」の資料において定められており、これはANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)
    (英文)にて閲覧可能である。
     会長が社外の新たな役職を引き受けようとする場合、在任期間の最も長い非執行取締役が上記の検討および承認手順におい
    て会長の代わりを務める。
     ANZ  は非執行取締役の各社外コミットメントについて問題はないものと思料している。
     取締役会は各非執行取締役の独立性を検討し、各非執行取締役が独立的であるとの結論に達した。
    4.業績評価

     ANZ  は非執行取締役、取締役会会長、取締役会および取締役会委員会の各々についての業績評価を実施している。
     評価プロセスの内容について以下で要約しており、更なる詳細についてはANZのウェブサイト
    (anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されているANZの「取締役会改選および業績評価規約(Board                                                    Renewal    and
    Performance      Evaluation      Protocol)」で説明している。
    4.1   非執行取締役

     非執行取締役の評価のため、会長は、通常、非執行取締役の行動規範の遵守を含めた業績について各非執行取締役と1対1
    の会合を持つ。
    4.2   取締役    会会長

     通例は、ANZの最も在職期間の長い非執行取締役が、取締役会会長の業績評価を行う。これには、各取締役にインプットを求
    めることが含まれる。
    4.3   取締役    会

     定期的に、取締役会の業績は独立の外部の調整役を活用して評価される。ANZは当該外部評価をおよそ3年毎に行う予定であ
    る。
    4.4   取締役    会委員会

     主要な取締役会委員会はそれぞれ、NBO委員会が承認した方法によって、当該委員会の業績の評価を目的として年次自己評価
    を行う。
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    4.5   上級執行役員
     当グループがリスク、顧客ならびに人材、文化、財政的規律および経営上の回復力に関する基準につきどのように評価して
    いるかを含め、最高経営責任者(CEO)およびその他主要な上級執行役員の業績の取締役会による評価方法については、「(2)
    役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」に記載される。
     2021  事業年度に関する主要な執行役員の評価は、この手順に従って行われた。
    4.6   実施された2021年度の評価手順

     2020  年度、取締役会は、取締役会および取締役の評価を補佐するために、独立の外部の調整役のサービスを利用した。2021
    事業年度の評価は内部的に行われている。本報告の時点で、2021年度の取締役会会長、非執行取締役、取締役会およびその委
    員会の評価は実施中であり、当年度末までに完了する。
    5.その他の情報

    5.1   適格性チェックおよび銀行役員説明責任制度への適応性
     ANZ  は、関連する上級職に任命された個人が、健全性に関する責任を適正に果たすために相当する適格性を有することを保証
    する手続きを備えている。
     その枠組みは、ANZの「APRA規制対象機関のための適格性方針(Fit                                      and  Proper    Policy    for  APRA   Regulated
    Institutions)」に定められている。各取締役、関連する上級執行役員およびANZの外部監査人のAPRAの関与パートナーについ
    て新規任命が行われる前に、評価を実施することが当該方針で求められている。取締役会はANZの非執行取締役の評価を実施
    し、人事委員会は、CEOおよび主要な上級執行役員を評価し、監査委員会はANZの外部監査人のAPRAの関与パートナーを評価す
    る。評価には以下が含まれる。
     ・ 各人が証明を提供すること
     ・ 審査担当者が個人の重要な資格の証拠を入手すること
     ・ 例えば犯罪歴、破産歴および規制上の欠格といった個人の経歴を審査担当者がチェックすること
     2021  年度中、適格性の年次評価は、非執行取締役、最高経営責任者、主要な上級執行役員およびANZの外部監査人のAPRAの関
    与パートナーの各人について行われた。
     この方針はまた、ANZの説明責任対象者がBEARの要件に従いその職責を担うにふさわしいか否かを取締役会および人事委員会
    が評価する方法を定める。
     適格性方針の要約および枠組みに関する更なる詳細情報は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)
    に掲載されている。
    5.2   任命書類

     新任の非執行取締役は各自、任命書とともに、補債、会社役員賠償責任保険、独立した個別の助言を受ける権利、機密保持
    に関する要件および情報へのアクセスなど多数の事項を網羅している取締役の証書を受領する。
     任命期間を明示した正式な文書が上級執行役員に渡される。
    5.3   取締役    向け初任研修

     ANZ  は、すべての新任取締役が参加する初任研修プログラムを整備しており、その中で参加者は上級経営陣の主要な構成員に
    よる説明を含む、当グループの事業のすべての面について情報提供を受ける。これに続いて、新任取締役の要求により、追加
    の会議または情報提供が実施される。
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    5.4   独立的助言を求める取締役の権利
     取締役がその責務を履行する一助とするため、各取締役は、(会長の事前承認を受けて)ANZの費用負担において、その責務
    に関する独立した専門的助言を求める権利を持つ。
     さらに、取締役会および各主要委員会は、ANZの費用負担において、会長の承認を受けて、その業務を支援するために必要と
    するあらゆる専門的助言も得ることができる。
    5.5   取締役    持株基準の充足

     非執行取締役は、任命後5年以内にその基本報酬の最低100%と同額のANZ株式を保有するまで買い進め、以降はその保有を
    維持しなければならない。会長の要件はその基本報酬の最低200%である。
     2021  年9月30日時点のANZの株価に基づき、在任5年になるすべての非執行取締役は持株基準を満たした。過去5年以内に任
    命された非執行取締役は、持株基準を満たしているか、持株基準の充足に向けて買い進めている。
    5.6   非執行取締役       および上級執行役員の報酬

     非執行取締役、CEOおよびその他の上級執行役員の報酬の仕組みに関する情報は、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報
    酬報告)」に記載されている。
    5.7   次の年次株主総会における選任

     ANZ  の定款および2001年会社法の規定により認められている通り、取締役会は随時ANZの非執行取締役を任命することができ
    る。しかし、同人は次の年次株主総会において退任しなければならない。
     同人が取締役として継続を望む場合には同年次総会において株主による選任を受けなければならない。
    5.8   取締役    の任期および退任

     ANZ  の定款は、非執行取締役としての役職の継続を望む非執行取締役が、3年毎に株主による再選を求めなければならない旨
    を規定している。これは、ASX上場規則に整合している。
     さらに、ANZの「取締役会改選および業績評価規約」では、非執行取締役は、株主により最初に選任されてから連続3回の3
    年間の任期を満了した時点で退任することを求めている。
     ただし、特別な状況において、取締役会は任期延長を非執行取締役に依頼することができる。
    5.9   取締役    向け継続教育

     ANZ  の取締役は、正式な初任研修プログラムに加えて、取締役としての自己の職務および責任に関する幅広い研修および継続
    教育に参加する。
     また各委員会は、独自の継続的な研修会を適宜開催し、また自己評価の要素項目の選定に努める。一例として、監査委員会
    は、会計基準の動向について定期的に説明を受けている。
     必要に応じて、社内および社外の専門家が研修会の開催に関与し、デジタル事業および技術委員会は、サイバーセキュリ
    ティ情勢の動向について定期的に報告を受けている。
    6.会社秘書役の役割

     取締役会はANZの会社秘書役の任命につき責任を負う。取締役会により、会社秘書役として2名が任命されている。ANZの会
    社秘書役のプロフィールは取締役報告書(2021年度年次報告書中)で確認することができる。
     任命された会社秘書役のうちの一人はグループ・ジェネラル・カウンセルであるケン・アダムスである。アダムス氏はANZに
    対してグローバルに法務業務を提供する責任を負う。会長、取締役および上級経営陣と密接に連携し、コーポレート・ガバナ
    ンス機能部門について取締役会に対し責任を負う。
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     会社秘書役であるサイモン・ポーデージは、コーポレート・ガバナンス機能部門の業務運営に責任を負う。これには、取締
    役会および取締役会委員会会議の運営ならびにANZおよびそのオーストラリア子会社に対する取締役会のガバナンスに関する関
    連要件の管理、銀行役員説明責任制度(BEAR)に基づくグループ要件の管理、ANZのグループ方針の管理、ANZの株式登録機関
    との関係の監視、ならびに分配の管理ならびに証券取引所および企業規制当局との情報の連絡およびこれらへの情報の届出な
    どのANZの上場有価証券の管理が含まれる。
     同氏は、取締役会の適切な機能に関係するあらゆる事項について、取締役会に対し会長を通じて直接説明する責任を負う。
     同氏はANZのコーポレート・ガバナンス原則を発展および維持させるために取締役会の会長と緊密に連携する。
     会社秘書役は、取締役会の適切な機能に関連するあらゆる事項について、取締役会に対し会長を通じて直接説明する責任を
    負う。
    7.取締役会委員会

    7.1   委員および出席
     各主要な取締役会委員会は、
     ・ 専ら独立非執行取締役により構成される3名以上の委員を擁し、
     ・ 独自の憲章を持ち、
     ・ 必要と思料される特別な調査を開始する権限を有し、また、
     ・ その委員のうち1名が取締役会により委員長に任命される。
     取締役会は取締役会委員会の構成を毎年見直す。会長は、各主要取締役会委員会の職権上の委員となり、EESG委員会および
    NBO委員会の委員長となる。CEOは、適宜、取締役会委員会の会議への出席を依頼される。もっとも、同人の出席は当然のもの
    ではなく、また自己の報酬が検討または討議される場合には出席しない。非執行取締役は、すべての委員会のあらゆる会議に
    出席することができ、また出席することが推奨され、すべての会議資料の提供を受ける。
     各取締役会委員会は、その責任の範囲内で、憲章に基づき、その責務を実践するために関連があると思料する経営陣および
    従業員に無制限に連絡をとり、かかる情報を無制限に入手することができる。
     各取締役会委員会は、必要に応じて会議にANZの役員または従業員に出席を要請することができ、また外部関係者の出席を依
    頼することができる。
    7.2   監査委員会

     監査委員会は以下を監視し、独立的に検討する責任を負う。
     ・ ANZの財務報告に係る原則および方針、管理ならびに手続き
     ・ ANZの内部統制およびリスク管理の枠組みの有効性
     ・ 監査委員会委員長に直属する内部監査(IA)の業務(IAの詳細については、下記第8.1項を参照のこと)
     ・ ANZの財務書類およびその独立監査の整合性ならびに関連ある法律上および規制上の要件の遵守
     ・ 財務報告に関連する範囲において健全性の監視手続きおよびその他の規制上の要件(報告要件を含む。)、ならびに主
       要な子会社の監査委員会からの報告
     監査委員会はまた、次についても責任を負う。
     ・ 外部監査人の任命、監督および年次評価(独立性、適格性ならびに資質および資格の検討を含む。)
     ・ 外部監査人の報酬
     ・ 外部監査人の交代(適宜)、ならびに
     ・ グループ・ジェネラル・マネージャー(内部監査担当)の業績および報酬の検討、ならびに取締役会に対する適宜の勧
       告の実施
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     委員会憲章に基づき、
     ・ 監査委員会の各委員は適切に財務に通じていなければならず、また、
     ・ 委員会の委員は委員会の責務を有効に実践するための適切な知識、技能および経験(業界における経験を含む。)を委
       員会全体として有していなければならない。
     取締役会は、ポーラ・ドワイヤー(委員長)が、監査委員会憲章に規定される定義に基づく「財務の専門家」であると判断
    した。取締役会はドワイヤーが当該要件に基づく「財務の専門家」に必要な資質を有していると判断したが、このためにドワ
    イヤーが監査委員会の他の委員より追加の責任を負うことはないという点を重々留意すべきである。
     監査委員会は、定期的に、経営陣を同席させずに外部監査人および内部監査人と会合する。監査委員会委員長は、IA、外部
    監査人および経営陣と個別かつ定期的に会合する。副最高財務責任者は執行役員であり、監査委員会の事務および効果的な運
    営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。
     CEO  および最高財務責任者は、取締役会に対し、当グループの2021年度に関して以下を公表した。
     ・ 会社法第295条AおよびASXガバナンス原則の勧告4.2に定められる年次財務書類およびその他の事項、ならびに
     ・ ASXガバナンス原則の勧告4.2により要求される中間財務書類およびその他の事項
    7.3   EESG委員会

     EESG  委員会は以下を含む事項の監督、検討、および/または(適宜の)承認について責任を負う。
     ・ ANZの企業持続可能性の目標案
     ・ ANZの持続可能性の枠組み、目標および関連実績に関する開示
     ・ 公正で責任ある持続可能な事業を運営する銀行の能力に関する倫理、環境、社会およびガバナンス上のリスクならびに
       機会
     ・ 倫理、環境、社会およびガバナンスに関する事項についての報告
     ・ ANZの企業倫理・責任委員会
     ・ 倫理または環境、社会およびガバナンスに関する重要事項の決議の取締役会への適宜の付託
     ・ 関連する企業ガバナンス方針および原則の策定および承認
     ・ 本コーポレート・ガバナンス報告書の審査
     会社秘書役およびグループ・ジェネラル・マネージャー(総務担当)はEESG委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐す
    る責任を負う。
    7.4   人事委員会

     人事委員会は、報酬事項ならびに上級執行役員の交代、多様性、文化、説明責任、結果管理など、その他の人材および文化
    の事項について取締役会を補佐し、取締役会に勧告する。
     人事委員会は取締役会に対して以下を含む事項について検討および承認、または勧告を行う責任を負う。
     ・ CEOおよびその他の主要な執行役員の報酬、非執行取締役の報酬
     ・ 主要な変動報酬制度の計画
     ・ 主要な上級執行役員の業績および報酬の査定
     ・ 主要な上級執行役員の任命および解任
     ・ ANZBGL報酬方針の有効性および同方針の変更
     ・ 多様性、包摂性、従業員エンゲージメント、リーダーシップ戦略、説明責任および結果の枠組みを含むが、これらに限
       られない文化(NBO委員会が監視する取締役会の多様性を除く。)の変革に向けた戦略および行動
     ・ BEAR違反への対処方針を含むANZのBEARの枠組みの有効性に関する年次レビューの結果
     グループ執行役員(人材および文化担当)が、人事委員会の運営に関して、同委員会委員長を補佐する責任を負う。
     人事委員会の活動の詳細は、「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」を参照のこと。
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    7.5   リスク委員会
     取締役会は、当グループのリスク選好報告書およびリスク管理戦略を含むリスク選好の承認に責任を負う。
     この責任はまた、当グループ全体で有効なリスク管理を促進するため、経営陣による健全なリスク管理文化の確立の監視に
    及ぶ。これは翻ってANZのリスク選好範囲内で一貫して業務を行う能力を支える。
     リスク委員会は、以下により取締役会を補佐する。
     ・ 経営陣によるリスク管理枠組みおよび関連業務の履行を独立して監視をする。
     ・ 当グループのリスク選好および資本力に照らし、ANZのグループ全体の現在および将来のリスク状況を観察する。
     ・ 事業、市場、信用、エクイティおよびその他の投資、財務、運営、コンプライアンス、流動性および評判リスクの管理
       ならびに当グループのコンプライアンス義務の管理に対する責任を遂行する。ならびに、
     ・ 現行のおよび将来のリスク選好およびリスク管理戦略について取締役会に対して助言をする。
     リスク委員会は、経営陣の承認裁量を超えた信用取引を承認する権限を付与されている。
     最高リスク責任者は、リスク委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。
     リスク管理の枠組み

     当グループには、ANZの重要なリスクの監視および管理を行うリスク管理枠組みが設けられている。その健全性が維持されて
    いること、およびANZが取締役が定めたリスク選好を十分配慮して運営されていることを確認するため、リスク委員会の承諾を
    受けて、取締役会は、少なくとも年に1度はこの枠組みの見直しを行う。当該見直しは2021事業年度中に行われた。年次報告
    書はANZの枠組みに関する詳細情報を含む。これは、三線防衛モデルおよびリスク管理委員会、本年度中のリスク管理を改善す
    るための措置およびANZに浮上しつつあるリスクに関して、当該枠組みがどのように構成されているかを含む。三線防衛モデル
    に基づき、本事業は責任に第一の防衛線を、リスク機能に第二の防衛線を、および内部監査に最終防衛線を設定している。
    7.6   デジタル事業および技術委員会

     デジタル事業および技術委員会は、ANZのデジタル・トランスフォーメーション、データ、技術、技術関連イノベーションお
    よび情報/サイバーセキュリティ戦略の監視に関する取締役会の責任を効率的に切り出して取締役会を補佐する責任を負う。
     また同委員会の委員が関連事項について取締役会で行うよりさらに深く疑問を投げかけ探求する場を提供する。同委員会は
    以下の責任を有する。
     ・ ANZのデジタル・トランスフォーメーション、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略に
       関する事項を適宜監視および指導する。
     ・ ANZのデジタル・トランスフォーメーション、技術、技術関連イノベーションおよび情報/サイバーセキュリティ戦略の
       一部をなす主要プログラムの展開を監視する。
     ・ 1億ドルを超えるものを含む重要なデジタル・トランスフォーメーションおよび技術投資を取締役会に勧告し、監視す
       る。
     ・ 安全で安定した信頼性の高いサービスを確保するため、ANZの技術装備一式の健全性および関連性を見直す。
     グループ執行役員(技術担当)が、当該委員会の運営に関して、同委員会委員長を補佐する責任を有する。
    7.7   指名および取締役会運営委員会

     NBO  委員会は、取締役会の継続的な構成および全体的な運営に関するものを含め、取締役会の適切な機能に関係するあらゆる
    事項について取締役会を補佐する。その業務は以下を含む。
     ・ 取締役会構成の検討に関するあらゆる事柄。これには、改選および交代の計画、取締役選任、任命および再任のプロセ
       ス、多様性に対するANZのアプローチの有効性、ANZの取締役会スキル・マトリックスの監視および変更、取締役として
       任命すべき候補者の取締役会への推薦、取締役会会長の交代の計画が含まれる。
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     ・ 取締役会、各主要委員会および会長を含む各取締役(ただしCEOを除く。)の業績評価のプロセスの見直しおよび承認。
     ・ 取締役会およびその主要委員会の効果的かつ効率的な運営に関係するあらゆるその他の事項。
     会社秘書役が、当該委員会の運営に関して同委員会委員長を補佐する責任を負う。
    7.8   その他の委員会

     取締役会は、6つの主要な取締役会委員会に加えて、特定の任務の遂行を補佐するための取締役のみで構成される2つの委
    員会を設置している。2つの委員会は以下の通りである。
     ・ 取締役会の全権限を有し、緊急問題を処理するために、定期的に予定される取締役会の会議の合間にも適宜招集される
       取締役会特別委員会、ならびに
     ・ 取締役会に代わり株式およびオプションの発行を管理する権限(ANZの従業員株式取得制度および株式オプション制度に
       基づく場合を含む。)を有する株式委員会
     取締役会はまた、特定の任務を果たすにあたり、取締役会の臨時特別委員会を適宜設置して権限を委任する。
     ANZ  取締役会委員会の委員

     2021  年10月27日現在
                       倫理、

                     環境、   社会およ                      デジタル
                        び
                                             事業および技       指名および取
               監査       ガバナンス         人事        リスク         術     締役会運営
                                メンバーシップ
     ポール・オサリ                    C                                C 
     バン*
     イラナ・アトラ                            C 
     ス AO
     ポーラ・ドワイ           C, FE
     ヤー
     ジェーン・ハル                                            C 
     トン  AO PSM
     RT Hon  サー・
     ジョン・キー
     GNZM  AC
     グレイム・リー                                    C 
     ベルト
     ジョン・マク
     ファーレン
                       構成
            ・取締役会は取締役         ・取締役会が委       ・取締役会が委       ・取締役会は取締役         ・取締役会が       ・取締役会が
             会会長以外の取締         員の1人を委       員の1人を委       会会長以外の取締         委員の1人       委員の1人
             役の1人を委員長         員長に指名す       員長に指名す       役の1人を委員長         を委員長に       を委員長に
             に指名する         る。       る。       に指名する。         指名する。       指名する。
            ・リスク委員会と監                ・委員会の委員       ・委員会の委員構成
             査委員会の間の適                構成において       においてリスク委
             切な情報フローの                監査委員会、       員会と人事委員会
             確保を目指すため                リスク委員会       の委員を兼務する
             に、リスク委員会                および人事委       者の確保を目指
             委員長が監査委員                員会の委員を       す。
             会委員となり、監                兼務する者の      ・リスク委員会と監
             査委員会委員長が                確保を目指       査委員会の間の適
             リスク委員会委員                す。       切な情報フローの
             となる。                       確保を目指すため
            ・監査委員会憲章の                        に、監査委員会委
             第6.2条に記載の                       員長がリスク委員
             とおり、規則によ                       会委員となり、リ
             り委員適格性が加                       スク委員会委員長
             重されている。                       が監査委員会委員
                                    となる。
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     ・ 委員は全員独立非執行取締役であることが求められる。
     ・   各委員会の最低員数は非執行取締役3名である。これには取締役会会長(職権上の委員)を含めることができる。
     ・   各取締役が、自身が委員ではない委員会の会議に出席することができる(投票はできない。)。
    * 職権上の委員

    注:C   - 委員長、FE      - 財務の専門家
    8.監査および財務ガバナンス

    8.1   内部監査
     内部監査(IA)は、経営陣から独立している。その役割は、取締役会、経営陣および規制当局に、ANZの第1防衛線(ビジネ
    ス)および第2防衛線(グループ・リスク)が定めた内部統制の独立的な評価を提供することである。IAは取締役会が承認し
    た憲章に従って機能する。IAは直接かつ単独で監査委員長に対して報告を行う。IAはグループ最高経営責任者および外部監査
    人にも直接連絡をとることができる。
     IA チームは6人のジェネラル・マネージャーを含み、彼らは、それぞれの部門に対して監査業務を行う責任を負う。ジェネ
    ラル・マネージャーは、監査業務のトップ、監査ディレクター(カルチャー担当)、データ分析ディレクターおよびグルー
    プ・ジェネラル・マネージャー(IA担当)と共に、IAリーダーシップ・チームを組む。IAは、技術、信用保証、文化評価、
    データ分析および業務監査の技能を持つ個人から構成される、グローバル監査プール・ストラクチャーを利用する。グローバ
    ル・チームは14拠点に分散している。
     IA は年次IA計画(ANZの全体的なリスク選好およびリスク管理の枠組みに沿って、作成および見直しが行われる。)に従って
    業務を行う。監査委員会は、IA年次計画およびこれに対する重要な変更を検討および承認する。これにより、IA計画が規制上
    の要件を満たし、かつ、すべての重要なリスクを考慮していることを確認する。監査委員会は、IA業務の年間予算も承認す
    る。
     すべての監査活動は、専門的な監査機関により公表された国内および国際的な監査基準のみならず、ANZの方針および価値観
    (ANZの従業員行動規範を含む。)に沿って行われている。グループ・ジェネラル・マネージャー(IA担当)は、報告書を監査
    委員会の各会議に提出する。当該報告書には、主要な活動および認定事実、発行済み監査報告書および格付けの統計、ならび
    に内部監査業務に関する情報(戦略的イニシアチブ、人員配置およびその他の関連事項の進捗を含む。)が含まれる。
     IA は、提起された監査上の問題の効率的かつ適時な解決について評価し、報告する。
    8.2   外部監査

     外部監査人の役割は、ANZの財務報告および「(2)役員の状況-③役員報酬の内容(報酬報告)」における報酬報告が真実か
    つ公正であり会計基準および適用ある規制を遵守している旨の独立した意見を与えることである。外部監査人はオーストラリ
    ア監査基準に基づき独立監査を実施する。監査委員会は、外部監査人との関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメ
    ント・モデル(利害関係人エンゲージメント・モデル)を監視する。
     この利害関係人エンゲージメント・モデルに基づき、監査委員会には外部監査人の指名(株主承認の対象である。)ならび
    に報酬の支払い、採用および行為の監督の責任がある。
     また、同利害関係人エンゲージメント・モデルの規定により、監査委員会は、
     ・ エンゲージメント毎に、または同委員会から事前に承認を受けた特別の業務において、すべての監査業務、監査関連業
       務および非監査業務を事前に承認する。
     ・ 外部監査人の独立性につき定期的に見直す。ならびに、
     ・ 外部監査人の有効性を評価する。
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     上記の利害関係人エンゲージメント・モデルは、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載され
    ている。
     この利害関係者エンゲージメント・モデルには、外部監査人が提供することができる非監査業務に関する多くの要件、なら
    びに外部監査従業員の採用およびローテーションに関する要件が含まれている。
     外部監査人であるKPMGにより2021年度中に提供された非監査業務の情報は、「(3)監査の状況                                            - ③会計監査」に記載されて
    いる。当該情報には、当該業務の費用および2001年会社法上の関連する独立性要件のKPMGにおける充足の十分性に係る取締役
    会による書面が含まれる。
    8.3   財務管理

     監査委員会は、ANZの財務報告方針および管理、ANZの財務書類の整合性、外部監査人との関係、IAの業務、ならびに様々な
    重要な子会社の監査委員会を監督する。
     上級部門執行役員ならびに上級財務およびリスク執行役員を含む上級経営陣は、財務業績、開示、コンプライアンス上の義
    務および内部統制の整合性を証明する。このガバナンス証明書はANZの外部報告義務に沿っている。ANZはまた、財務および健
    全性に関する規制報告に対する主要な内部統制の有効性を評価する財務報告ガバナンスの枠組みおよびプログラムを維持して
    いる。
     経営陣の証明書またはガバナンス評価から生じた重大事項は、監査委員会に報告される。ANZは報告の財務的整合性を確保す
    るプロセスを強化するために、標準化および自動化を活用している。
    9.倫理的かつ責任ある意思決定

    9.1   行動規範
     ANZ  は従業員規範および非執行取締役規範という2つの行動規範(以下「行動規範」という。)を有している。従業員規範は
    ANZの価値観を支え、ANZの従業員に対し、その日常業務における公正で偏らない倫理的な意思決定を助ける一連の実務的な指
    針を与えている。非執行取締役規範は、法律に基づく取締役の責任が従業員のそれと異なることを認めつつ、従業員規範と同
    じ価値観および原則を掲げている。
     行動規範は、誠実性、信頼性、質の高さおよび信用を求めている。ANZの従業員および取締役はこれらの行為を実行し、行動
    規範を遵守することが要求される。行動規範は、法律の変更を反映し目的への適性の維持を確保するため定期的に検討される
    一連の方針により補われる。
     取締役による非執行取締役規範の遵守は、通常の年次業績審査対象の一部となっている。
     行動規範およびANZの価値観はANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。ANZの2021
    年度年次報告書には、ANZの行動および文化(違反を含む。)に関して本年度中に実施された業務に関する情報が掲載されてい
    る。EESG委員会は、行動規範への重大な違反の報告を受ける。社内の研修および違反に関するものを含む、行動規範に関する
    更なる情報は、ANZの2021年度ESG補足文書に掲載されている。
    9.2   証券取引

     ANZ  証券取引方針は、一般には入手できず、ANZの有価証券の価格もしくは価値に重大もしくは著しい影響を与えると合理的
    に予想される情報を保有するすべての従業員、取締役および契約者によるANZの有価証券の取引を禁止している。
     この方針は、同方針に定義されるとおりの「取引停止期間」中にANZの取締役および一定の「制限対象者」(一部の上級執行
    役員を含む。)ならびにそれらの関係者によるANZの有価証券の取引を明確に禁止している。この方針では、
     ・ 特定の種類の取引は同方針上の取引制限の運用から除外される。
     ・ 例外的な場合に、事前の書面による許可により、禁止期間中に取引が認められる。
     ・ 従業員およびその関係者が、権利未確定であるかまたは保有義務のある、ANZのいずれかの従業員持株制度に基づいて付
       与された持分をヘッジすることを禁止している。
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     ・ ANZの取締役および制限対象者は、マージン・コールまたは融資担保比率違反の対象となる可能性がある、マージン・
       ローンまたは同様の金融上の取決めに関連したANZの有価証券の使用を禁止されている。
     当該方針はANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
    9.3   内部告発者保護

     ANZ  は、開放性、信頼性および説明責任を推奨する文化に基づく強固な価値観を有する。内部告発者保護方針は、ANZグルー
    プの現在および過去の従業員、役員、関係者、請負業者および下請業者のすべてが、(これらの個人の家族および親類ととも
    に、)自由に、損失の恐れなく、ANZまたはANZグループに関連する人物による不正行為の事実またはその疑いに関して懸念を
    表明することができるように策定された。
     内部告発者保護方針およびプログラムは、不正行為を開示した個人を保護し、他の方法では発見できない不正行為の発見を
    支援し、ANZの倫理的および職業的な基準に対する説明責任を果たし、適用ある法律の遵守および「声を上げる」文化の重要性
    を促進する。
     内部告発者は、多様な方法で内部告発者保護方針に基づく秘密開示を行うことができる。これには、内部告発者保護オフィ
    サーや内部告発者プログラム・チームに開示する方法、またはANZの内部告発者報告のために外部サービスが運用する電話、E
    メールおよびウェブベースの仕組み(サードパーティー・プロバイダにより管理されている。)を匿名で利用する方法が含ま
    れる。ANZは、可能な限り最大限の範囲ですべての報告の秘密を保持し、実際の不正行為またはその疑いについて真の懸念を表
    明した者に対する、いかなる不利益や報復も容認しない。
     ANZ  の内部告発者プログラム・チームは、月に1回、最高コンプライアンス責任者に、また、年に2回、経営リスク執行役委
    員会に報告する。EESG委員会への報告は3か月に1回行われ、報告内容には、方針に基づき表明された一切の重大事案および
    とられた措置が含まれる。ANZグループ内のその他の取締役会および委員会に対しては、内部通報者プログラムと関連取締役会
    または委員会との間で合意した方法により適宜報告する。報告は、通報書を保護するため、匿名化して実施される。
     ANZ  の取締役またはCEOが関与する通報は、ANZの会長に対して報告する義務がある。
     ANZ  の内部告発者保護方針は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
    9.4   贈収賄防止および汚職防止

     ANZ  は、事業を行う法域の適用あるすべての贈収賄防止および汚職防止(ABAC)法を遵守し、最高水準の倫理的行動および基
    準を適用し、維持するよう努めている。ANZは、ABAC方針を定めて、従業員、臨時職員および当グループのために行動する第三
    者が贈収賄または汚職を構成する活動に関与することを禁止している。この方針は、贈収賄および汚職に関する許容できない
    行動や活動を定義し、贈収賄および汚職リスクの予防、特定、対応を可能にするABACコンプライアンスの枠組みの基礎となる
    原則を定めている。
     これには、以下の禁止事項が含まれている。
     ・ 公務員およびすべての商業関係を含め、いかなる形でも贈賄または収賄を行うこと
     ・ 贈答品、接待、資金援助付き旅行の授受を行うこと
     ・ いかなる種類でも不当な利益を得る目的で、不当に影響を与えるために公務員に価値のあるものを提供すること
     ・ いかなる種類でも利益を得る目的で、不当に影響を与えるために寄付をすること
     ANZ  のABAC方針への違反は、ANZの行動規範への違反を構成し、重大な違反は、取締役会および/またはリスク委員会に報告
    される。
     ANZ  のABAC方針は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
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    10 .株主に対する責任
    10.1   コミュニケーション
     ANZ  に関して十分な情報を得たうえで決定することができるようにするために、またANZに対する見解を伝えるために、株主
    はANZの事業運営、業績およびガバナンスの枠組みを把握する必要がある。
     一般的に当グループはその業績報告、年次報告書(年次レビューを包含している。)、市場向けアナウンスおよび短信、半
    年毎のニュースレターおよびANZの株主専用サイト(anz.com/shareholder/centre)(英文)を通じて、上記を行っている。
     当グループはすべての事業慣行につき透明性の向上に向けて努力しており、株主、より広範囲の市場およびコミュニティの
    信用と信頼に質の高い開示が与える影響を認識している。これらを達成するため、ANZは、予定された業績発表の他に、2021
    年度において市場向けに取引情報の更新(トレーディング・アップデート)を行った。
     何らかの情報を要求した場合または懸念もしくは関心のある事項につきANZに見解を表明したい場合、ANZのインベスター・
    リレーションズ(IR)およびANZの株式登録機関、コンピューターシェア社の投資家サービスの連絡先の詳細(郵便、電話お
    よびEメールを含む。)が、ANZの2021年度年次報告書およびANZのウェブサイト(anz.com/annualreport)(英文)において提
    供されている。
    10.2   総会

     可能な限り多数の株主に株主総会に出席する機会を与えるために、ANZは株主総会を各州都で持ち回りで開催し、ウェブキャ
    スト技術を用いてオンラインで株主総会を視聴することを可能にしている。2021年度は、COVID-19のため、バーチャルで年次
    株主総会を開催する。この手続きは2020年度にも採用された。
     本事業年度中に行われた会議およびプレゼンテーションに関する情報は、ANZのウェブサイト(anz.com/shareholder/centre)
    (英文)にて閲覧可能である。
     年次株主総会の前に、総会において重要な共通のテーマを検討できるように、株主は会長またはCEOに対して質問を提出する
    機会を有する。
     外部監査人は、ANZの年次株主総会に出席し、監査人としての能力の範囲で自らに関する事項につき株主の質問に答えること
    ができる。
     取締役も、異常な状況にある場合を除き、年次株主総会に出席することが求められる。
     株主は企業の問題に関連した様々な決議案に投票する権利を有する。株主に対しては、総会に出席し参加することを推奨す
    る。ただし、株主が総会に出席できない場合、郵便または電子的に委任状を提出することができる。来たる2021年度年次株主
    総会においては、すべての決議は投票により行われる(ANZにおいてはこれが通例である。)予定であり、株主は秘密投票によ
    り投票することができる。
     ANZ  は総会の結果を検証するために独立した第三者(通常はKPMG)を指名する。当該結果はできる限り速やかにASXに報告さ
    れ、ANZのウェブサイト(anz.com/agm)(英文)に掲載される。
     ANZ  の株主は、ANZおよびその株式登録機関から電磁的に連絡を受け取り、ANZおよびその株式登録機関に対してメッセージを
    送信するオプションを有している。
     ANZ  は、投資家との効果的なコミュニケーションを促す包括的インベスター・リレーションズ・プログラムも備えている。
     2020  年度年次総会のANZの通知には、年次総会における取締役の選出または再選を含む、総会業務に関してANZが有するすべ
    ての重要な情報が含まれていた。
     ANZ  はANZに積極的に関心をもつことを株主に奨励し、時期を逸することなく質の高い情報を株主に提供することを目指す。
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    11 .継続開示
     ANZ  は、ASX、ニュージーランド証券取引所(NZX)、およびその他ANZの有価証券が上場しているオフショア取引所の上場規
    則、ならびに関連する会社法および証券法の開示義務を遵守している。ANZは、例外を除いて、市場に影響しやすいいかなる情
    報も、直ちにASX、NZXの順に通知しなければならない。その後、コーポレート・ガバナンス機能部門が決定した場合には、他
    のオフショア取引所に当該開示を提出する。ASXに提出された市場に影響しやすい情報に関する発表およびプレゼンテーション
    は、ANZのウェブサイトに掲載されている。
     ANZ  の継続開示委員会の委員は通常、提案されている開示について検討し、いかなる情報を市場に開示するかに関して決定を
    下す責任を負う。ANZの従業員および契約者は、ANZに関する潜在的な価格機微情報を覚知した場合、直ちに、それを会社秘書
    役(または会社秘書役の不在時にはグループ・ジェネラル・マネージャー)に通知しなければならない。
     ANZ  の取締役会は、市場で重要な公表が行われた後、速やかにその写しを受領する。投資家またはアナリスト向けの新規の実
    質的なプレゼンテーションは、プレゼンテーション実施前にASXに提出される。
     ANZ  の継続開示方針は、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。
    12 .環境・社会のリスク

     ANZ  の重大な環境・社会リスクに関する詳細およびANZがこれらのリスクをどのように管理するかに関する詳細は、「第3 
    事業の状況-2.事業等のリスク」ならびにANZの年次報告書、主要なリスクおよび不確実性に関する開示およびESG補足文書
    (これらはANZのウェブサイト(anz.com/annualreport)(英文)において入手可能)に記載されている。ANZは2021年度の気候
    変動関連の財務開示報告書を当期年次株主総会に先立ってリリースする。この報告書はANZのウェブサイト
    (anz.com/annualreport)(英文)において入手可能である。
    ANZ  における多様性および包摂(インクルーシブ)性

    13 .多様性および包摂性
    13.1   包摂的な職場の創設
    ANZ  は、多様な社員と包摂的な文化の織りなす力が意思決定の質を向上させ、革新を後押しし、それによって当行が顧客にとっ
    てより良い銀行となり、また人々と共同体が繁栄する世界を築けるようになると信じている。
     多様性および包摂性に関するANZの方針については、ANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載され
    ている。
    13.2   リーダーシップ、ガバナンスおよび説明責任

     ANZ  の人事委員会はANZの人材戦略、報酬戦略ならびに多様性および包摂性(ジェンダー多様性を含む。)への取組みに関連
    して、重要な役割を果たす。
     人事委員会は以下について包括的な役割を担う。
     ・ 多様性および包摂性に対するANZのアプローチの有効性を検討、注目および監視する。
     ・ 多様性(ジェンダー多様性を含む。)および包摂性に対する測定可能な目標を検討および承認する。
     ・ かかる目標およびその達成進捗を毎年検討する。
     リーダー層における女性比を含む当グループの多様性に関する目標達成に向けた進捗は、グループ経営委員会によって通常
                            1
    は月次ベースで監視される。リーダー層の女性比                        は当グループのスコアカードにおける指標であり、よってANZの変動報酬
    プールに関与する要素のひとつとなっている。人事委員会はまた、毎年の業績および報酬査定を検討する。その検討は以下を
    含む。
     ・ 業績評価の分布、給与の変遷および短期的インセンティブの査定について、ジェンダー分析を行う。
     ・ ジェンダー間の待遇の均衡に重点的に取り組み、その結果はすべてCEOが検討する。
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     取締役会に関するジェンダー多様性の事項については、NBO委員会が責任を負う。
    注:
    1.  グループ1、2および3に指定されているANZのすべての役職(主要経営陣(KMP)を含む。)に占めるリーダー層の女性
      比。
    13.3   取締役    会、上級執行役員およびリーダー層レベルでのジェンダー均衡

     本コーポレート・ガバナンス報告書の報告日現在、ANZの取締役会は、8名の取締役、1名の執行取締役(すなわちCEO)お
    よび7名の非執行取締役で構成され、そのうち3名が女性である。取締役会における女性比は現在37.5%である。取締役会の
    現在の目標は取締役会における女性比を少なくとも30%以上に維持することである。長期的に取締役会が思い描く目標は、取
    締役会単独で男女同数の代表構成にすることである。
     ANZ  には、主要経営陣(KMP)構成を女性比40%以上に維持するという目標がある。アレクシス・ジョージとミシェル・ジャ
    ブルコの退任により、2021事業年度中、KMPにおける女性比は(50%から)33.3%まで減少した。ANZのKMPの9名のうち3名、
    すなわちグループ執行役員(デジタルおよびオーストラリア事業改革担当)、最高経営責任者(ニュージーランド担当)、グ
    ループ執行役員(人材およびカルチャー担当)が女性である。損益に責任を負うライン部門KMPの2つの要職(グループ執行役
    員(デジタルおよびオーストラリア事業改革担当)およびニュージーランド最高経営責任者)を女性が担っていることは重要
    である。
     ANZ  は、長年にわたり女性従業員が過半数(現在51.                       3%)を占めてきたことを踏まえ、全従業員においてではなく、リー
    ダー層の女性の構成において、ジェンダーの多様性を実現するための測定可能な目標を設定している。この目標は、最も改善
    が必要とされているレベル、すなわち、銀行の中で最も上位かつ影響力のあるレベルに努力の焦点を当てているため、ANZに
    とって、より適切な目標であると考えている。
     当グループには、2021事業年度から2024事業年度にかけて毎年、リーダー層の女性比を前年度比1%増加させるという継続
    的な目標がある。2021年度中、リーダー層全体の女性比は1.9%増の35.3%に上昇した。これは現在までの年間の増加幅として
    最大である。ジェンダー均衡を重視することは、依然としてANZの事業地域および事業全体において重要な優先事項である。
     2021  年9月30日現在、子会社取締役会におけるすべての従業員兼務取締役のうち44.5%に女性が任命されている。
    13.4   リーダー層およびANZにおける女性比

     2021  年度の実績は、ANZにおける上級執行役員の定義を含めて、以下のとおりである。
     グループ^          2022  年度目標         2021  年度目標         2020  年度女性比の実績         2021  年度女性比の

                                     割合           実績割合
     主要経営陣(KMP)          女性比を    40 % 以上に増     KMP  における女性比          50 %          33.3  %
               やす。           を少  40 % 以上で維持
                          する。
     リーダー層の女性          2021  年度  から2024年       2021  年度  から2024年       33.4  %         35.3  %
               度の間、リーダー層           度の間、リーダー層
               の女性比を     毎年1%      における女性比を        毎
               ずつ増やす。           年度1%ずつ増やす。
     ANZ全体          該当なし           該当なし           51.9  %         51.3  %
    注:

    ^  「グループ」には休暇の状況にかかわらずすべての従業員を含むが、契約者(FTEに含まれる。)は含まない。
    1.  ANZ  は、「上級執行役員」を「主要経営陣(KMP)」と定義しており、これは最高経営責任者および                                           「(2)役員の状況-③役
      員報酬の内容(報酬報告)」             に記載された開示対象執行役員を意味する。
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     職場における男女平等法(Workplace                  Gender    Equality     Act)に基づき、ANZは、職場における男女平等局(WGEA)に対し、
    ANZの「男女平等指標」を開示する年次の公式届出を行うことが求められる。これらの報告書は、3月31日に終了する12か月間
    について、年次で提出される。最新のANZの提出情報がANZのウェブサイト(anz.com.au/about-us/sustainability/workplace-
    participation-diversity/gender/)(英文)に掲載されている。
     ウェブサイト

     ANZ  のガバナンス枠組みの詳細はANZのウェブサイト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されており、以下を閲
    覧することができる。
     ・ 取締役会および各取締役会委員会の憲章、ならびに
     ・ 本コーポレート・ガバナンス報告書で言及される書類および方針の多く
     ガバナンス勧告の遵守

     ANZ  は、2021年度を通じてANZがASXコーポレート・ガバナンス評議会の勧告に従ったことを確認する。本コーポレート・ガバ
    ナンス報告書の情報は、2021年10月27日現在の最新情報であり、すでにANZの取締役会により承認されている。
     本コーポレート・ガバナンス報告書は、同報告書に関連するASX                              Appendix     4GとともにASXに提出されており、ANZのウェブサ
    イト(anz.com/corporategovernance)(英文)に掲載されている。ANZに関する更なる情報は、ANZの2021年度年次報告書に記載
    されている。
     ANZ  の多様性および包摂性に対するアプローチに関するより詳細な情報は、2021年度年次報告書およびESG補足文書(KPMGに
    より独立的に確認される。)において入手可能である。
    14 .その他の補足情報

     ANZ  は、各取締役(監査委員会のすべての委員を含む。)と損失補償証書を交わしている。証書に従い、ANZは取締役に対
    し、取締役について生じた責任および法務費用を適用ある法律により許容される範囲で補償する。
     また、ANZと外部監査人の間で交わされたサービス基本契約書に置かれた一定の規定に従い、ANZに対する外部監査人の責任
    は適用ある法規制により許容される範囲で制限されている。
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    (2)【役員の状況】
     ①取締役
     2010  年12月17日および2018年12月19日付で修正された当行の定款(「定款」)の規定に従い、2001年会社法(連邦)(「会
    社法」)、その他適用法令、およびオーストラリア証券取引所上場規則により要求されるその他の事項を除き、取締役会は当
    グループの事業を経営する権限をもち、株主総会で行使することを要求されている以外のすべての権限を行使することができ
    る。
     本書提出日現在、取締役会は、7名の非執行取締役および1名の執行取締役兼最高経営責任者で構成されている。取締役の
    氏名、略歴等は以下のとおりである。
     なお、ポーラ・ドワイヤー氏は2021年12月16日に独立非執行取締役を退任した。
     男性5名、女性3名(取締役のうち女性の比率37.5%)
                                                     所有株式

                                                      等の数
              氏名
                                                  (1)
      役職名                          略歴
                                                任期
                                                     (2021   年11月
             (年齢)
                                                         (2)
                                                    19日現在)
     取締役会会       P O'Sullivan       オサリバン氏は2020年10月から取締役会会長、2019年11                           2022  年度     13,328   株
     長               月から非執行取締役である。オサリバン氏は倫理、環                           年次株主
           (オサリバン)
     独立非執行               境、社会およびガバナンス委員会の委員長ならびに指名                           総会まで
           (61歳)
     取締役               および取締役会運営委員会の委員長を含む、すべての取                           選任
     倫理、環               締役会委員会の職権上の委員である。
     境、社会お               オサリバン氏はオーストラリアおよび海外の両方で、電
     よびガバナ               気通信ならびに石油およびガスの分野の経験を有する。
     ンス委員会               同氏はシンガポール・テレコム(シングテル)で上級業
     委員長               務執行の役職に従事しており、以前はオプタスの最高経
     指名および               営責任者であった。また、カナダ、中東、オーストラリ
     取締役会運               アおよび英国においてコロニアル・グループおよびロイ
     営委員会委               ヤル・ダッチ・シェル・グループで管理職を務めた。
     員長               オサリバン氏は現在、シングテル・オプタスPtyリミテッ
                    ドの会長(2014年から、2004年から取締役)およびウエ
                    スタン・シドニー・エアポート・コーポレーションの会
                    長(2017年から)であり、セント・ヴィンセンツ・ヘル
                    ス・オーストラリアの取締役(2019年から)およびオー
                    ストラリアン・タワー・ネットワークPty                    Ltdの取締役
                    (2021年から)である。
                    以前は、テルコムセル・インドネシアの取締役(2010年
                    から2020年)、ヘルススコープ・リミテッドの取締役
                    (2016年から2019年)、全国障害者保険庁の理事(2017
                    年から2020年)およびコカコーラ・アマティルの取締役
                    (2017年から2021年)であった。
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                                                           有価証券報告書
                                                     所有株式
                                                      等の数
              氏名
                                                  (1)
      役職名                          略歴
                                                任期
                                                     (2021   年11月
             (年齢)
                                                         (2)
                                                    19日現在)
     最高経営責       S  C  Elliott      エリオット氏は2016年1月1日から最高経営責任者兼執                           該当なし      861,306    株
     任者               行取締役である。
           (エリオット)
     執行取締役               エリオット氏はオーストラリアおよび海外において業界
           (58歳)
                    の全側面に関して30年を超える銀行業の経験を有する。
                    同氏は2009年6月に法人部門の最高経営責任者としてANZ
                    に入行し、2012年に最高財務責任者に任命された。
                    ANZ  入行前は、中東最大の投資銀行であるEFGエルメスで
                    最高執行責任者を含む上級執行役員としての職務を果た
                    した。同氏はシティバンク・ニュージーランドからキャ
                    リアを開始し、20年間シティバンク/シティグループに
                    勤務した。その間、英国、米国、エジプト、オーストラ
                    リアおよび香港において様々な上級職を務めた。
                    同氏は子供のための金融市場財団の理事であり、オース
                    トラリア銀行協会の会員、オーストラリア・ビジネス評
                    議会の会員およびオーストラリア関税諮問委員会の委員
                    である。
                    エリオット氏は現在、ANZバンク・ニュージーランド・リ
                    ミテッドの取締役(2009年から)および子供のための金
                    融市場財団の理事(2016年から)であり、オーストラリ
                    ア・ビジネス評議会の会員(2016年から)、オーストラ
                    リア銀行協会の会員(2016年から、2017年から2019年ま
                    で会長)およびオーストラリア関税諮問委員会の委員
                    (2020年から)である。
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                                                      等の数
              氏名
                                                  (1)
      役職名                          略歴
                                                任期
                                                     (2021   年11月
             (年齢)
                                                         (2)
                                                    19日現在)
     独立非執行       I R Atlas,    AO   アトラス氏は2014年9月から非執行取締役である。アト                           2023  年度     14,360   株
     取締役               ラス氏は監査委員会、倫理、環境、社会およびガバナン                           年次株主
           (アトラス)
     人事委員会               ス委員会ならびに指名および取締役会運営委員会の委員                           総会まで
           (67歳)
     委員長               である。                           再選
                    アトラス氏は豊富な金融業界での経歴および法務の経験
                    をもって取締役会に貢献している。同氏はマレソンズ・
                    スティーブン・ジャック法律事務所(現:キング・アン
                    ド・ウッド・マレソンズ法律事務所)のパートナーで
                    あった。そこでは、会社法の実務に加え、人事・情報担
                    当エグゼクティブ・パートナーおよびマネジング・パー
                    トナーを含む事務所内の数多くの経営上の役割を担って
                    いた。同氏はまた10年間ウエストパックに勤務し、グ
                    ループ秘書役兼ゼネラル・カウンセルおよび人事担当グ
                    ループ執行役員を含む役職を務め、人材、総務および持
                    続可能性を担当した。同氏は特に芸術および教育のコ
                    ミュニティに熱心に取り組んでいる。
                    アトラス氏は現在、ジャワンの会長(2017年から、2014
                    年から取締役)であり、ポール・ラムゼイ財団の理事
                    (2017年から)、センター・グループの取締役(2021年
                    から)およびオリジン・エナジー・リミテッドの取締役
                    (2021年から)であり、アデイラ・パートナーズのパネ
                    ル・メンバー(2015年から)である。
                    以前は、コカコーラ・アマティル・リミテッドの会長
                    (2017年から2021年、2011年から取締役)であり、ウェ
                    ストフィールド・コーポレーション・リミテッドの取締
                    役(2014年から2018年)およびワンマーケット・リミ
                    テッドの取締役(2018年から2019年)であり、シドニー
                    大学評議員会のフェロー(2015年から2019年)であっ
                    た。
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              氏名
                                                  (1)
      役職名                          略歴
                                                任期
                                                     (2021   年11月
             (年齢)
                                                         (2)
                                                    19日現在)
     独立非執行       S J Halton,      ハルトン氏は2016年10月から非執行取締役である。ハル                           2022  年度     9,049   株
     取締役               トン氏は人事委員会、倫理、環境、社会およびガバナン                           年次株主
           AO,  PSM
     デジタル事               ス委員会ならびに指名および取締役会運営委員会の委員                           総会まで
           (ハルトン)
     業および技               である。                           再選
           (61歳)
     術委員会委               ハルトン氏の33年間にわたる公職の経歴には、オースト
     員長               ラリア財務省次官、オーストラリア保健省次官、保健高
                    齢化省次官および首相内閣省エグゼクティブ・コーディ
                    ネーター(次官補)の地位が含まれる。同氏は金融、保
                    険、リスク管理、情報技術、人事、保健および高齢化な
                    らびに公共政策に関する豊かな経験を取締役会にもたら
                    す。同氏はまた、重要な国際経験も有する。
                    同氏は世界保健機関および全豪アボリジニ・トレス海峡
                    諸島民保健協議会を含む地方および国際機関を通じて地
                    域社会の保健に広く貢献してきた。
                    ハルトン氏は現在、ボールト・システムズの会長(2017
                    年から)、感染症流行対策イノベーション連合(ノル
                    ウェー)の会長(2018年から、2016年から理事)および
                    オーストラリア高齢化評議会の会長(2017年から)であ
                    り、クレイトン・ユッツ法律事務所のディレクター
                    (2017年から)、クラウン・リゾーツ・リミテッドの取
                    締役(2018年から)およびネイバル・グループ・オース
                    トラリアPty      Ltdの取締役(2021年から)であり、ワシン
                    トン大学保健基準・評価研究所の理事会メンバー(2007
                    年から)であり、シドニー大学およびキャンベラ大学の
                    非常勤教授であり、オーストラリア戦略政策研究所の評
                    議会メンバー(2016年から)である。
                    以前は、国家COVID-19委員会の諮問委員(2020年から
                    2021年)であった。
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              氏名
                                                  (1)
      役職名                          略歴
                                                任期
                                                     (2021   年11月
             (年齢)
                                                         (2)
                                                    19日現在)
     独立非執行       Rt  Hon  Sir     サー・キーは2018年2月から非執行取締役である。                           2024  年度     5,000   株
     取締役               サー・キーはリスク委員会、倫理、環境、社会およびガ                           年次株主
           John   Key  GNZM
                    バナンス委員会、デジタル事業および技術委員会ならび                           総会まで
           AC
                    に指名および取締役会運営委員会の委員である。                           再選
           (サー・キー)
                    サー・キーは2002年に政治家としてのキャリアを開始
           (60歳)
                    し、2008年から2016年までニュージーランド首相であっ
                    た。サー・キーは国際金融における長い経歴を有し、主
                    にニュージーランドのバンカーズ・トラストならびにシ
                    ンガポール、ロンドンおよびシドニーのメリルリンチに
                    勤務した。以前は、ニューヨーク連邦準備銀行外国為替
                    委員会の委員(1999年から2001年)であった。
                    サー・キーは2017年の女王誕生記念叙勲においてニュー
                    ジーランド・メリット勲章のナイト・グランド・コンパ
                    ニオンを授与された。2017年には、オーストラリアと
                    ニュージーランドの二国間関係を進展させた功績によ
                    り、オーストラリア勲章のコンパニオンの勲位を授かっ
                    た。
                    サー・キーは現在、ANZバンク・ニュージーランド・リミ
                    テッドの会長(2018年から、2017年から取締役)であ
                    り、パロアルト・ネットワークスの取締役(2019年か
                    ら)である。
                    以前は、国際民主同盟の議長(2014年から2018年)であ
                    り、ニュージーランド航空の取締役(2017年から2020
                    年)であった。
     独立非執行        G  R Liebelt      リーベルト氏は2013年7月から非執行取締役である。                           2022  年度     25,315   株
     取締役               リーベルト氏は監査委員会、人事委員会ならびに指名お                           年次株主
           (リーベルト)
     リスク委員               よび取締役会運営委員会の委員である。                           総会まで
           (67歳)
     会委員長               リーベルト氏は50か国以上で事業を展開する世界的な鉱                           再選
                    業会社であるオリカ・リミテッドにおける23年間の経営
                    幹部の経歴(最高経営責任者としての期間を含む。)の
                    経験をもって取締役会に貢献している。同氏は幅広い国
                    際業務の経験を有し、戦略の開発および実施を含む上級
                    経営幹部としての輝かしい達成記録を持つ。
                    同氏は世界的な貿易および協力ならびに地域教育に尽力
                    している。
                    リーベルト氏は現在、アムコール・リミテッドの会長
                    (2013年から、2012年から取締役)であり、オーストラ
                    リアン・ファウンデーション・インベストメント・カン
                    パニー・リミテッドの取締役(2012年から)およびカ
                    レー・バプティスト・グラマー・スクールの理事(2012
                    年から)である。
                    以前は、デュラックスグループ・リミテッドの会長
                    (2018年から2019年、2016年から取締役)であった。
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                                                      等の数
              氏名
                                                  (1)
      役職名                          略歴
                                                任期
                                                     (2021   年11月
             (年齢)
                                                         (2)
                                                    19日現在)
     独立非執行       J T Macfarlane      マクファーレン氏は2014年5月から非執行取締役であ                           2023  年度     26,991   株
     取締役               る。マクファーレン氏は監査委員会、リスク委員会、デ                           年次株主
           (マクファーレ
                    ジタル事業および技術委員会ならびに指名および取締役                           総会まで
           ン)
                    会運営委員会の委員である。                           再選
           (61歳)
                    マクファーレン氏はオーストラリア有数の経験豊富な国
                    際銀行家であり、以前はオーストラリアおよびニュー
                    ジーランドのドイチェ・バンクの業務執行会長ならびに
                    オーストラリアのドイチェ・バンクの最高経営責任者を
                    務めた。同氏はまた、米国、日本およびパプアニューギ
                    ニアでの勤務経験も有し、ANZの主要な市場であるオース
                    トラリア、ニュージーランドおよびアジア太平洋におけ
                    る深い銀行業務の経験を取締役会にもたらす。
                    同氏は地域保健に尽力しており、エイケンヘッド・セン
                    ター・オブ・メディカル・ディスカバリー・リミテッド
                    の取締役(2016年から)である。
                    マクファーレン氏は現在、コルマック・グループPty                         Ltd
                    の取締役(2014年から)、AGインベスト・ホールディン
                    グス・リミテッド(MyFarmリミテッド)の取締役(2014
                    年から、2014年から2016年まで会長)、バルモラル・パ
                    ストラル・インベストメンツの取締役(2017年から)お
                    よびL1ロング・ショート・ファンドの取締役(2018年か
                    ら)である。
                    以前は、セント・ヴィンセンツ医学研究所の取締役
                    (2008年から2018年)およびクレイグス・インベストメ
                    ント・パートナーズ・リミテッドの取締役(2013年から
                    2020年)であった。
     独立非執行        C  E O'Reilly      オライリー氏は2021年11月から非執行取締役である。オ                           2024  年度     6,000   株
     取締役               ライリー氏はリスク委員会、人事委員会ならびに指名お                           年次株主
           (オライリー)
     監査委員会               よび取締役会運営委員会の委員である。                           総会まで
           (60歳)
     委員長               オライリー氏はオーストラリアの優れた非執行取締役の                           選任
                    一人である。同氏は、インフラおよび金融サービス業界
                    で業務執行の役割を担ってきた。ガスネット・オースト
                    ラリアの最高経営責任者およびコロニアル・ファース
                    ト・ステート・グローバル・アセット・マネジメントの
                    非上場インフラ投資部門の共同ヘッド、また、初期の
                    キャリアとしてプライスウォーターハウスでの投資銀行
                    および監査の経験などが含まれる。
                    オライリー氏は現在、ベーカー心臓・糖尿病研究所の理
                    事(2013年から)、ストックランドの取締役(2018年か
                    ら)およびBHPグループ・リミテッドの取締役(2020年か
                    ら)である。
                    以前は、メディバンク・プライベート・リミテッドの取
                    締役(2014年から2021年)、CSLリミテッドの取締役
                    (2011年から2020年)、トランズアーバン・グループの
                    取締役(2012年から2020年)およびエナジー・オースト
                    ラリア・ホールディングス・リミテッドの取締役(2012
                    年から2018年)であった。
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    注:(1)    オーストラリア法の下では、非執行取締役は株主により最後に選任されてから3回目の年次株主総会において退任し
        なければならないが、当該年次株主総会において再任を目指して立候補することができる。直近の年次株主総会以降
        に取締役会により任命された非執行取締役の場合は、次の年次株主総会において退任しなければならないが、かかる
        非執行取締役は当該年次株主総会において株主による選任を目指して立候補することができる。さらに、ANZの取締役
        会の方針にもとづき、非執行取締役は株主に最初に選任されてから最長で3年間の任期を連続3回務めた時点で退任
        する。ただし、特別な状況のため取締役会により任期を延長するよう要請される場合はこの限りではない。
      (2)  所有株式等の合計である。個人名(共同所有を含む。)および個人の退職年金基金による所有証券(普通株式、転換
        優先株式およびキャピタル・ノート)ならびにANZEST                         Pty  Ltd.が個人のために信託で保有する証券(株式、オプショ
        ンおよび権利)を含む。業績基準または後渡しのために権利が確定していない権利および後渡し株式を含む。
    取締役の会議

     当年度中に開催された取締役会および取締役会委員会の会議の回数ならびにそれらの会議に各取締役が出席した回数は以下
    のとおりである。
                                    倫理、

                                    環境、
                                    社会   デジタル             指名
                                    および    事業           および
                                               取締役会         株式
                                    ガバナ    および    取締役会        取締役会
                                               委員会        委員会
                        リスク    監査    人事    ンス    技術    特別        運営
                                                (1)        (1)
                   取締役会    委員会    委員会    委員会    委員会    委員会    委員会        委員会
                    A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B  A  B
    Paul  O'Sullivan
                    15  15  9  9  8  8  5  5  4  4  6  6  4  4      3  3  2  2
    (ポール・オサリバン)
    Ilana   Atlas,   AO
                    15  15      9  9  5  5  5  5              3  3  1  1
    (イラナ・アトラス        AO)
    Paula   Dwyer
                    15  15  9  9  9  9  5  5          4  4  2  2  3  3
    (ポーラ・ドワイヤー)
    Shayne   Elliott
                    15  15                      4  4  2  2      1  1
    (シェイン・エリオット)
           (2)
    David   Gonski,   AC
                    2  2  1  1  1  1  1  1  1  1              1  1
    (デービッド・ゴンスキー           AC)
    Jane  Halton,   AO PSM
                    15  15          5  5  5  5  6  6          3  3
    (ジェーン・ハルトン         AO PSM)
    Rt Hon  Sir  John  Key,  GNZM  AC
    (Rt  Hon  サー・ジョン・キー        GNZM   15  13  9  8          5  5  6  6          3  3
    AC)
    Graeme   Liebelt
                    15  15  9  9  9  9  5  5          4  4      3  3
    (グレイム・リーベルト)
    John  Macfarlane
                    15  15  9  9  9  9          6  6  4  4      3  3
    (ジョン・マクファーレン)
    ・A列は、取締役が委員として出席する権利を有した会議の回数を示す。

    ・B列は、会議に出席した回数を示す。取締役会会長は、デービッド・ゴンスキー氏の退任に伴い、2020年10月28日にリスク
     委員会、監査委員会、人事委員会、倫理、環境、社会およびガバナンス委員会、デジタル事業および技術委員会ならびに指
     名および取締役会運営委員会の職権上の委員となった。上表は委員会会議に関する委員会委員の出席状況を記録している。
     いずれの取締役もこれらの会議に出席する権利を有し、取締役は適宜、自らが委員ではない委員会の会議に出席している。
    注:(1)    上表に記載の取締役会委員会および株式委員会の会議は、書面による決議により行われたものを含む。

      (2)  デービッド・ゴンスキー氏は2020年10月28日に取締役会会長および非執行取締役を退任した。
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     ② 執行役員
     本書提出日現在、ANZの経営幹部および執行役員(非執行取締役を除く。)は以下のとおりである。
     男性6名、女性4名(執行役員のうち女性の比率40.0%)
                                                     所有株式

                                                      等の数
              氏名                           現在の職位      当グループ
      役職名                       略歴
                                                     (2021   年11月
             (年齢)                            への就任      への入社
                                                         (1)
                                                     19日現在)
     最高経営責       S Elliott       上記「①取締役」に記載の略歴を参照のこ                     2016  年1月    2009  年6月     861,306    株
     任者               と。
           (エリオット)
           (58歳)
     グループ執       M Carnegie       ANZ  ではこれまで、グループ執行役員(デ                   2019  年3月    2016  年6月     240,099    株
     行役員(デ               ジタル・バンキング担当)を務めた。
           (カーネギー)
     ジタルおよ               ANZ  入行前は、オーストラリアおよび
           (52歳)
     びオースト               ニュージーランドのグーグルのマネジン
     ラリア事業               グ・ディレクター、オーストラリアおよび
     改革担当)               ニュージーランドのプロクター・アンド・
                    ギャンブルのマネジング・ディレクターを
                    務めた。
     最高リスク       K Corbally       ANZ  ではこれまで、グループ・ジェネラ                   2018  年3月    2009  年7月      95,241   株
     責任者               ル・マネジャー(内部監査担当)、マネジ
           (コーバリー)
                    ング・ディレクター兼与信および資本管理
           (51歳)
                    のヘッド、法人リレーションシップ・バン
                    キング・オーストラリアのヘッド、産業多
                    様化のヘッドを務めた。
                    ANZ  入行前は、シティグループのマネジン
                    グ・ディレクター兼コーポレートおよび商
                    業銀行業のヘッド(オーストラリアおよび
                    ニュージーランド担当)を務めた。
     最高財務責       F Faruqui       金融業界において25年以上の経験を有す                     2021  年10月    2014  年8月     261,421    株
     任者               る。
           (ファルーキ)
                    ANZ  ではこれまで、グループ執行役員(国
           (57歳)
                    際担当)、国際銀行部門の最高経営責任者
                    を務めた。
                    ANZ  入行前は、シティのアジア太平洋の
                    コーポレートおよび商業銀行業のヘッド、
                    シティのアジア太平洋のグローバル・ロー
                    ンおよびレバレッジ・ファイナンスのヘッ
                    ド兼資本市場の債券部門のヘッドを務め
                    た。
     グループ執        G  Florian       技術業界において30年以上の経験を有す                     2017  年1月    2017  年1月     147,794    株
     行役員(技               る。
           (フローリア
     術担当)               ANZ  入行前は、ディメンション・データの
           ン)
                    ITaaS部門の最高戦略責任者、ディメン
           (56歳)
                    ション・データのITaaS部門の戦略および
                    契約担当シニア・バイス・プレジデント、
                    ディメンション・データのクラウド事業ユ
                    ニット担当最高製品責任者、ディメンショ
                    ン・データの最高マーケティング責任者、
                    ディメンション・データの最高技術責任者
                    を務めた。
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                                                      等の数
              氏名                           現在の職位      当グループ
      役職名                       略歴
                                                    (2021   年11月
             (年齢)                            への就任      への入社
                                                         (1)
                                                    19日現在)
     グループ執       E Gray       データおよび顧客のインサイトに関する重                    2020  年5月    2017  年2月      64,489   株
     行役員               要な経験が豊富な国際的な執行役員であ
           (グレイ)
     (データお               る。
           (52歳)
     よびオート               ANZ  ではこれまで、最高データ責任者を務
     メーション               めた。
     担当)               ANZ  入行前は、ウールワースの最高ロイヤ
                    ルティおよびデータ責任者、レベル・ス
                    ポーツの最高戦略責任者、ベイン・アン
                    ド・カンパニーのパートナーを務めた。
     グループ執       M Hand       ANZ  ではこれまで、グループ執行役員代理                   2019  年3月    1988  年8月     129,521    株
     行役員               (オーストラリア担当)、グループ執行役
           (ハンド)
     (オースト               員(オーストラリア事業およびプライベー
           (55歳)
     ラリア・リ               ト・バンキング担当)、ビジネスおよびプ
     テールおよ               ライベート・バンキングのマネジング・
     び商業銀行               ディレクター、コーポレートおよび商業銀
     業担当)               行業のマネジング・ディレクター、オース
                    トラリアのリテール販売のマネジング・
                    ディレクター、地域商業銀行業のジェネラ
                    ル・マネジャー、ビジネス・バンキングの
                    マネジャー部門のジェネラル・マネ
                    ジャー、ヴィクトリア州およびタスマニア
                    州のビジネス・バンキングの州マネ
                    ジャー、メルボルン中心業務地区のビジネ
                    ス・バンキングの地域マネジャー、中小企
                    業バンキングの信用およびオペレーショナ
                    ル・リスクのヘッド、中東および南アジア
                    (インドのムンバイ拠点)の監査のヘッド
                    を務めた。
     グループ執       K van  der     事業改革の主導に注力した15年以上の経験                    2017  年5月    2017  年5月     151,401    株
     行役員(人               を有する。
           Merwe
     材・カル               ANZ  入行前は、ベイン・アンド・カンパ
           (ファン・デ
     チャーおよ               ニーのバイス・プレジデントを務めた。
           ル・マーブ)
     びサービ
           (47歳)
     ス・セン
     ター担当)
     グループ執       A Watson       ニュージーランド、英国、オーストラリア                    2019  年12月    2009  年4月      93,576   株
     行役員兼最               およびハンガリーの専門的サービスおよび
           (ワトソン)
     高経営責任               金融サービス部門において25年以上の経験
           (52歳)
     者(ニュー               を有する。
     ジーランド               ANZ  ではこれまで、グループ執行役員兼最
     担当)               高経営責任者代理(ニュージーランド担
                    当)、リテールおよびビジネス・バンキン
                    グ担当マネジング・ディレクター、ニュー
                    ジーランド担当最高財務責任者、ニュー
                    ジーランド担当ファイナンシャル・コント
                    ローラーを務めた。
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                                                    (2021   年11月
             (年齢)                            への就任      への入社
                                                         (1)
                                                    19日現在)
     グループ執       M Whelan       銀行業界において35年以上の経験を有し、                    2016  年2月    2004  年11月     258,934    株
     行役員(法               アジア市場および法人銀行業の豊富な経験
           (ウィーラン)
     人担当)               を有する。
           (61歳)
                    ANZ  ではこれまで、最高経営責任者(オー
                    ストラリア担当)、オーストラリアの商業
                    銀行業のマネジング・ディレクター、アジ
                    ア、ヨーロッパおよびアメリカの法人部門
                    のマネジング・ディレクター、アジアの法
                    人部門のマネジング・ディレクター、マー
                    ケッツのマネジング・ディレクター、マー
                    ケッツ部門セールスのヘッドを務めた。
    注:(1)    所有株式等の合計である。個人名(共同所有を含む。)および個人の退職年金基金による所有証券(普通株式、転換

        優先株式およびキャピタル・ノート)ならびにANZEST                         Pty  Ltd.が個人のために信託で保有する証券(株式、オプショ
        ンおよび権利)を含む。業績基準または後渡しのために権利が確定していない権利および後渡し株式を含む。
     取締役または執行役員間において家族関係はない。

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    ③   役員報酬の内容(        報酬報告)
     本「③役員報酬の内容(報酬報告)」は、ANZの2021年度年次報告書に含まれる2021年度についての報酬報告書に基づいてお
    り、これを抽出したものである。報酬報告書日以降の取締役の状況については、上記「①取締役」および「②執行役員」を参
    照のこと。
    1.本報告の対象者

     主要経営陣(「KMP」)は、オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッド
    (「ANZBGL」)の取締役であり(執行取締役か否かは問わない。)、当グループの戦略的方向性および経営管理の重要な責任
    を有する(すなわち、最高経営責任者(「CEO」)に直接報告するグループ経営委員会(「ExCo」)の委員である。)(これら
    を「開示を要する執行役員」という。)。
    1.1   開示を要する執行役員およびNEDの変更

     2021年度中にKMPの一部に変更があった。
     ・ ポール・オサリバンが、(デービッド・ゴンスキーが取締役会会長を退任後)2020年10月28日に取締役会会長に就任し
       た。
     ・ ミシェル・ジャブルコが、2021年2月にANZの最高財務責任者(「CFO」)を退任した。それ以降、シェーン・バグルが
       その代理を務めている。
     ・ アレクシス・ジョージが、2021年5月にANZの副最高経営責任者を退任した。その後副最高経営責任者の職責は、3名の
       執行役員(ジェラルド・フローリアン、キャスリン・ファン・デル・マーブおよびマーク・ウィーラン)に分担され
       た。
    1 .2  主要経営陣(       「 KMP  」 )

     当年度の報告において報酬が開示されるKMPは以下のとおりである。
     2021  年度  非執行取締役(       「 NED  」 ) -現任

      P.オサリバン              取締役会会長-2020年10月28日就任(それ以前は取締役)
      I.アトラス              取締役
      P.ドワイヤー              取締役
      J.ハルトン              取締役
      J.キー              取締役
      G.リーベルト              取締役
      J.マクファーレン              取締役
     2021  年度  非執行取締役(       「 NED  」 ) -前任

      D.ゴンスキー              前取締役会会長-2020年10月28日退任
     2021  年度  最高経営責任者(「CEO」)および開示を要する執行役員-現任

      S.エリオット              CEO兼執行取締役
      S.バグル              最高財務責任者(「CFO」)代理-2021年2月8日就任(2021年10月10日退任)
      M.カーネギー              グループ執行役員(デジタルおよびオーストラリア事業改革担当)
      K.コバリー              最高リスク責任者(「CRO」)
      G.フローリアン              グループ執行役員(技術担当)
      M.ハンド              グループ執行役員(オーストラリアのリテール・バンキングおよびコマーシャ
                   ル・バンキング担当)
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      K.  ファン・デル・マーブ            グループ執行役員(人材、カルチャーおよびサービス・センター担当)(2021年
                   5月17日付でグループ執行役員(人材およびカルチャー担当)から役職名変更)
      A.ワトソン              グループ執行役員兼ニュージーランドCEO
      M.ウィーラン              グループ執行役員(法人担当)
     2021  年度  開示を要する執行役員-前任

      A.ジョージ              前副CEO-2021年5月16日に退任、2021年7月30日に雇用終了
      M.ジャブルコ              前CFO-2021年2月7日に退任、2021年3月26日に雇用終了
     2021年度末以降取締役報告書の署名日までの間、以前発表したとおり、上記に加えて、以下を含むKMPの変更があった。

     ・ 2021年10月11日にファルハーン・ファルーキがCFOに任命された。
     ・ 2021年11月1日付で、クリスティーン・オライリーがANZ取締役会の非執行取締役に任命された。
    2.  2021  年 度報酬査定の概観

    最高経営責任者(CEO)の報酬
     2021年度については、以下のとおりであった。
     ・ CEOの固定報酬は増額されなかった。
     ・ CEOは、業績の期待値を上回ったか、業績の期待値をすべてではないがそのほとんどを充足したため、上限機会の53%の
       年間変動報酬(「AVR」)が付与された(下記4を参照のこと。)。
     ・ CEOには、2021年度年次株主総会での株主承認を条件として、350万ドルの長期変動報酬(「LTVR」)が付与される。
     ・ CEOは、2021年度に合計575万ドルの報酬を受領した(すなわち、下記4.2に記載されるとおり、2021年度に権利が確定し
       た過去のエクイティ報酬の価値を含む。)。
    開示を要する執行役員の報酬

     2021年度については、以下のとおりであった。
     ・ 副最高経営責任者の退任を受けて3名の執行役員の役割が拡大したことによる2021年5月の調整を除き、開示を要する執
       行役員の固定報酬は増額されなかった。
     ・ 開示を要する執行役員の変動報酬(VR)査定は平均で上限機会の60%であり、個人レベルでの査定の範囲は、上限機会の
       46%から66%であった。
    業績に基づく権利の査定(CEOおよび開示を要する執行役員)

     2017年後半にCEOおよび開示を要する執行役員(CROを除く。)に付与された業績に基づく権利の43.3%は、2020年11月の業
    績期間終了時に、業績要件に対して判定された際に権利確定され、残りの56.7%は失効した(下記4.4.3を参照のこと。)。
    非執行取締役(「NED」)に対する報酬

     NEDに対する報酬は増額されなかった(取締役会会長、NEDの基本報酬および委員としての報酬に依然として変更はなかっ
    た。)(下記7.1を参照のこと。)。
    3.  ANZ  の報酬フレームワークの概要

    3.1   報酬フレームワークの概要
     当グループの報酬フレームワークの構成は、当グループの報酬原則に沿い、ANZの目標および戦略を支援するよう設計されて
    いる。2021年度において、当グループの報酬フレームワークに変更はなかった。
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    (1)  「第2 企業の概況-3.事業の内容-(3)戦略」を参照のこと。
    (2)  ANZの価値観(誠実、協調性、責任感、尊敬、最高のサービス(Integrity,                                    Collaboration,        Accountability,        Respect,
      Excellence)(「ICARE」)-              当グループの行動規範およびリーダーの方法に関するフレームワークによって支えられた
      働き方の基盤である。
    (3)  マルスは、権利確定前報酬の下方調整に関係している。
    (4)  CROに関する変動報酬(「VR」)の上限機会および支給は、他の開示を要する執行役員とは異なる。詳細は下記5を参照の
      こと。
    (5)  完全権利確定時の業績に基づく権利の額面価額。
    4.  2021  年度の査定

     ANZの変動報酬は実際にリスク性があり、その範囲はゼロから上限機会までである。年次業績目標は、毎年期首に当グループ
    および部門/個人のレベルで設定され、その実現に挑むものになるよう設計されている。人事委員会および取締役会は、多数
    の情報源による業績の包括的分析を裏付けとして、長時間にわたる詳細な議論および評価を行ったうえで、CEOおよび開示を要
    する執行役員に対する変動報酬の査定を決定する。期待値が達成された場合の変動報酬は、概ね目標機会の額で付与される可
    能性が高い。業績が期待値を下回った場合には報酬は減額され(ゼロになる可能性があり)、期待値を上回った場合は増額さ
    れる(最大で上限機会の額になる可能性がある。)。
     報酬の査定は、以下の3通りで示される。
     ⅰ.  対前年比較により付与される報酬(下記4.1を参照のこと。):該当事業年度につき実際に                                          付与された     報酬を反映する。
       非現金構成要素は、将来における権利確定の査定結果に影響を受けるため、付与価額は将来の換価代金より増減する可能
       性がある。
     ⅱ.  実際に受領した報酬(下記4.2を参照のこと。):2021年度に実際に                                受領した    報酬を反映する。受領金額には、現金およ
       び2021年度に権利確定した            過去の   エクイティ報酬の価値が含まれる。
     ⅲ.  法定報酬(下記9.1を参照のこと。):固定報酬および按分償却された変動報酬の会計価値を含む、オーストラリア会計
       基準に準拠した報酬を反映する(該当事業年度につき実際に付与された額でも受領した額でもない。)。
    4.1   報酬支給額の対前年比較

     下表は、CEOおよび開示を要する執行役員に対して2019年度、2020年度および2021年度の業績期間に支給された報酬の対前年
    比較を表す。支給された報酬には、現金(固定報酬、現金による変動報酬など)ならびに当年度に支給されたがまだ権利が確
    定していない後渡し株式および業績に基づく権利の価値(つまり、当年度中には受領していない価値)が含まれる。
     2021年度の業績査定は、当グループ全体の業績と各個人/部門における業績の変動の両方を反映する。とりわけ、CEO、グ
    ループ執行役員(オーストラリアのリテール・バンキングおよびコマーシャル・バンキング担当)およびグループ執行役員
    (デジタルおよびオーストラリア事業改革担当)の査定は、オーストラリアの住宅ローン事業の手続きに関する問題や当グ
    ループのデジタル・トランシフォーメーション・アジェンダにおける主要分野での提供の遅れに最も影響を受けている。
     2021年度のCEOおよび開示を要する執行役員の変動報酬査定は、2020年度から増額となった。2020年度に取締役会は、その裁
    量により、COVID-19が事業、株主およびより広範な地域社会に与えた影響を考慮して、2020年度変動報酬(CEOについては年間
    変動報酬)査定を50%減額した。COVID-19による50%減額を除外して2020年度と2021年度を比較した場合、CEOの報酬総額はよ
    り低い額になる。
     CEO

     下表の2021年度長期変動報酬(「LTVR」)は未だCEOに与えられておらず、2021年度年次株主総会で株主の承認を求める予定
    である。
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    当該事業年度における報酬支給額の対前年比較-CEO
     支給価額は、将来の換価代金より増減する可能性がある。
                                   最小権利確定          完全権利確定         AVR (%)

                                 LTVR の         LTVR の
                       AVR 後渡し         業績に    支給された      業績に    支給された
                                                    目標   上限
          事業年度    固定報酬     AVR 現金    株式    AVR 合計   基づく権利     報酬合計     基づく権利     報酬合計    機会   機会
                                 (単位:ドル)
    CEO
    S. エリオット      2021 年  2,500,000    1,000,000     1,000,000     2,000,000     1,750,000     6,250,000     3,500,000     8,000,000     80%   53%
           2020 年  2,500,000     625,000     625,000    1,250,000     1,750,000     5,500,000     3,500,000     7,250,000     50%   33%
           2019 年  2,100,000     750,000     750,000    1,500,000     2,100,000     5,700,000     4,200,000     7,800,000     71%   48%
     開示を要する執行役員

    ・ 3名の開示を要する執行役員(ジェラルド・フローリアン、キャスリン・ファン・デル・マーブおよびマーク・ウィーラ
      ン)の固定報酬が増額された。これは、退任したアレクシス・ジョージに代わる者を新たに任命しないことを取締役会が
      決定したため、副最高経営責任者が保有していたBEARに基づく追加的な説明責任を同氏らが引き継ぎ、2021年5月に同氏
      らの役割が拡大したことによるものであった。
    ・ アントニア・ワトソンの固定報酬はニュージーランドドルで支払われ、開示目的で豪ドルに換算されるため、2020年から
      2021年の変動は為替換算の影響を反映している。
    ・ 開示を要する執行役員の平均変動報酬(「VR」)査定は、目標の90%(上限機会の60%)であり、当グループ全体におけ
      る「期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす」という業績評価が反映されている(下記4.5.3を参照のこと。)。
      査定の上限範囲は46%から66%であるが、オーストラリアの住宅ローン事業における住宅ローン手続きに関する問題およ
      びデジタル・アジェンダが急速に進歩を遂げているために生じる課題や複雑性が主な要因となり、その変動は当該範囲の
      下限となった。
    ・ 2020年度および2021年度の全期間在任していた2021年度の開示を要する執行役員については、対前年比で報酬合計は平均
      で40%増加した。前年度からの変動は、主にCOVID-19の影響を考慮し、2020年度における開示を要する執行役員のVR査定
      が50%減少したことを反映している。この変動は、副最高経営責任者の説明責任が3名の執行役員に移行された後に適用
      された固定報酬の増額にも影響を受けた。
    ・ マーク・ハンドおよびアントニア・ワトソンの両氏に付与された2021年度および2020年度の報酬は、両氏が2019事業年度
      の一部期間しか開示を要する執行役員でなかったため、2019年度と直接的には比較可能ではない。アントニア・ワトソン
      に付与された2020年度報酬は、グループ執行役員兼ニュージーランド最高経営責任者に正規任命されたことを反映してい
      る。
    ・ シェーン・バグルに付与された2021年度報酬は、CFO代理であった期間を反映している。
    ・ 変動報酬は、引き続き対前年比でおよび執行役員間で異なっており、これは、報酬の構成要素のリスク性ならびに当グ
      ループおよび個人の対前年比業績の変動性を明確に示している。
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    該当事業年度における報酬支給額の対前年比較-開示を要する執行役員
     支給価額は、将来の換価代金より増減する可能性がある。
                                最小権利確定          完全権利確定          VR (%)

    開示を要する執行役員
                         VR 後渡し    VR の 業績に         VR の 業績に
                                   支給された          支給された
                           (1)      (2)          (2)
                          株式    基づく権利          基づく権利
            事業年度     固定報酬     VR 現金             報酬合計          報酬合計     目標機会    上限機会
                                  (単位:ドル)
    現職の開示を要する執行役員
    S. バグル      2021 年 度     704,000    462,000    462,000     476,000    2,104,000      952,000    2,580,000      99%    66%
           (在任8か月)
    M. カーネギー
           2021 年 度    1,200,000     569,250    569,250     586,500    2,925,000     1,173,000     3,511,500      72%    48%
           2020 年度     1,200,000     409,200    409,200     421,600    2,440,000      843,200    2,861,600      52%    34%
           2019 年度     1,000,000     495,000    495,000     510,000    2,500,000     1,020,000     3,010,000      75%    50%
    K. コバリー
           2021 年 度    1,100,000     613,800    613,800     632,400    2,960,000      632,400    2,960,000      94%    63%
           2020 年度     1,100,000     429,000    429,000     442,000    2,400,000      442,000    2,400,000      66%    44%
           2019 年度      950,000    478,500    478,500     493,000    2,400,000      493,000    2,400,000      85%    57%
    G. フローリアン
           2021 年 度    1,084,500     676,500    676,500     697,000    3,134,500     1,394,000     3,831,500      95%    63%
           2020 年度     1,075,000     371,250    371,250     382,500    2,200,000      765,000    2,582,500      52%    35%
    M. ハンド
           2021 年 度    1,200,000     544,500    544,500     561,000    2,850,000     1,122,000     3,411,000      69%    46%
           2020 年度     1,200,000     462,000    462,000     476,000    2,600,000      952,000    3,076,000      58%    39%
           2019 年度      726,000    198,000    198,000     204,000    1,326,000      408,000    1,530,000      41%    28%
           (開示を要する
           執行役員として
           9か月)
    K. ファン・デル
    ・マーブ      2021 年 度     907,000    594,000    594,000     612,000    2,707,000     1,224,000     3,319,000      99%    66%
           2020 年度      850,000    330,000    330,000     340,000    1,850,000      680,000    2,109,000      59%    39%
           2021 年 度
        (3)
    A. ワトソン
                 1,078,682     687,167    687,167     707,991    3,161,008     1,415,981     3,868,998      97%    64%
           2020 年度     1,015,599     334,681    334,681     344,822    2,029,783      689,645    2,374,605      50%    33%
           2019 年度      219,440    170,255    113,504       -   503,199       -   503,199     65%    43%
           (在任3.5か月)
    M. ウィーラン
           2021 年 度    1,276,000     810,150    810,150     834,700    3,731,000     1,669,400     4,565,700      96 %   64 %
           2020 年度     1,200,000     363,000    363,000     374,000    2,300,000      748,000    2,674,000      46%    31%
           2019 年度     1,200,000     874,500    874,500     901,000    3,850,000     1,802,000     4,751,000      110%    74%
    前職の開示を要する執行役員
    A. ジョージ      2021 年 度
           (在任10か月)       913,000    該当なし    該当なし     該当なし     913,000     該当なし     913,000    該当なし    該当なし
           2020 年度     1,100,000     363,000    363,000     374,000    2,200,000      748,000    2,574,000      50%    33%
           2019 年度     1,000,000     528,000    528,000     544,000    2,600,000     1,088,000     3,144,000      80%    53%
    M. ジャブルコ      2021 年 度
           (在任6か月)       528,000    該当なし    該当なし     該当なし     528,000     該当なし     528,000    該当なし    該当なし
           2020 年度     1,100,000     363,000    363,000     374,000    2,200,000      748,000    2,574,000      50%    33%
           2019 年度     1,000,000     544,500    544,500     561,000    2,650,000     1,122,000     3,211,000      83%    55%
    (1)  CFO代理の後渡し株式に対する権利。

    (2)  CROの後渡し株式に対する権利。
    (3)  ニュージーランドドルで支払われ、豪ドルに換算されている。9月30日現在におけるニュージーランドドルから豪ドルへ
      の換算に使用する各年度の年初来の平均為替レートである。
    4.2   受領された2021年度の報酬実額

     受領された報酬実額
     下表は、CEOおよび開示を要する執行役員が、現金または過去のエクイティ報酬のうち2021年度に権利が確定した価額として
    実際に受領した、2021年度の業績年度に関する報酬額を示す。右端の列はまた、2021年度に失効/失権した過去のエクイティ
    報酬を示す。これらの報酬は、2017年度の業績に基づく権利のうち2020年11月に判定した時点で業績要件の一部を満たしたも
    のを反映し、さらに、アレクシス・ジョージおよびミシェル・ジャブルコについては、退任時に権利未確定の後渡し報酬の失
    権を示す。
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    受領された2021年度の報酬実額-CEOおよび開示を要する執行役員
     受領価額には、当該年度に権利確定した過去のエクイティ報酬の価値が含まれる。
                                         当年度中に

                                  当年度中に      権利確定した
                                                    当年度中に失効/
                                  権利確定した      その他の後渡し
                                                    失権した後渡し
                      現金による                         受領した
                                      (1)    (1)            (1)(2)
                                 後渡し変動報酬        報酬           変動報酬
                 固定報酬      変動報酬      現金総額                  報酬 実額
                                  (単位:ドル)
    CEO および現職の開示を要する執行役員
    S. エリオット            2,500,000      1,000,000      3,500,000      2,252,821         -   5,752,821      (1,895,738)
    S. バグル             704,000      462,000     1,166,000         -      -   1,166,000         -
    M. カーネギー            1,200,000       569,250     1,769,250       807,983        -   2,577,233       (499,918)
    K. コバリー            1,100,000       613,800     1,713,800       297,341        -   2,011,141       (39,997)
    G. フローリアン            1,084,500       676,500     1,761,000       424,282        -   2,185,282       (257,321)
    M. ハンド            1,200,000       544,500     1,744,500       329,920        -   2,074,420       (59,348)
    K. ファン・デル・マーブ             907,000      594,000     1,501,000       378,251        -   1,879,251       (154,402)
        (3)
    A. ワトソン
                 1,078,682       687,167     1,765,849       309,419        -   2,075,268       (37,204)
    M. ウィーラン            1,276,000       810,150     2,086,150      1,561,716         -   3,647,866       (963,057)
    前職の開示を要する執行役員
    A. ジョージ             913,000      該当なし      913,000      582,907        -   1,495,907      (4,344,826)
        (4)
    M. ジャブルコ
                  528,000      該当なし      528,000      991,724      119,239     1,638,963      (5,514,701)
    (1)  株式/株式の権利および/または業績に基づく権利として付与された過去の後渡し報酬の一時点における価額は、権利が

      確定する日または失効/失権する日にオーストラリア証券取引所(「ASX」)で売買される当行株式の1日出来高加重平均
      価格(「VWAP」)に、株式/株式の権利および/または業績に基づく権利の数を乗じたものに基づく。
    (2)  失効/失権額は、当グループが2017年11月/12月に付与し、業績要件を満たさなかったために2020年11月/12月に失効し
      た業績に基づく権利の56.7%に関係しており、A.ジョージにおよびM.ジャブルコについては、退任時に権利未確定の後渡
      し報酬の失権に関係する。
    (3)  ニュージーランドドルで支払われ、豪ドルに換算されている。
    (4)  M.ジャブルコに関するその他の後渡し報酬は、ANZに入社したために失権した後渡し報酬の補償(以前に開示済み)に関係
      する。
     2021  年度においてCEOに付与された報酬と受領した報酬の比較

    ・ 下表は、2021年度においてCEOに                 付与された     報酬が、現行の報酬構造に基づく上限機会を下回っていることを示している。
      CEOに関する将来における換価代金は、付与されたエクイティの権利確定株式の価格に基づく付与価額を上回るか下回る可
      能性がある(権利確定または失権しているエクイティの割合を含む。)。
    ・ 2021年度において実際に              受領した    報酬は、2021年度に権利確定した過去のエクイティ報酬の影響を反映している。例え
      ば、2017年度の業績に基づく権利の付与価額は420万ドルであったが、2021年度にCEOに対して権利確定した受領価額は145
      万ドルであった。
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    4.3   報酬原則の適用
     2021年度の査定を検討するにあたり、人事委員会および取締役会は、以下のとおりANZの報酬原則の適用を熟考した。
    ・   当グループの顧客や株主を考慮し正しい行いをした職員に報酬を支給する:                                   変動報酬は「労力」や業績に対する割合では
      なく主に「結果」に基づくべきである。また、様々なステークホルダー(株主、顧客、従業員、地域社会および規制当局
      を含む。)の経験や期待を考慮する必要もある。
    ・   優秀な人材を引き付け、動機付けし、雇用を維持する:                          取締役会は、報酬の査定を決定するにあたり、特により優秀な人
      材を獲得する厳しい市場において、主要な人材を確実に維持するための市場競争力のあるバランスの業績の重要性を認識
      している。
    ・   何を達成したかと同様にどのように達成したかに重点を置く:                             取締役会は、目標のバランスト・スコアカード(リスク修
      飾子を含む。)に対する業績、(財務および非財務リスクを把握した)リスク基準評価およびどのように業績が達成され
      たか(すなわち、当グループの価値観および目的に沿って)について、適切に検討し重点を置く。
    ・   公正で分かりやすいものにする:               変動報酬は、期間を通じて公正かつ一貫性があるべきであり、また、経営陣の管理の及
      ばない外的影響を考慮すべきである。
    4.4   変動報酬-詳細

    4.4.1    CEOの業績、年間変動報酬(「AVR」)、長期変動報酬(「LTVR」)
     業績
     AVRに関して、CEOは、ANZグループの業績フレームワークにより50%、ANZの戦略に沿った個人の戦略目標の達成により50%
    評価される。当グループの業績フレームワークおよび個人の戦略目標は共に、事業年度の期首に取締役会と合意して、高く設
    定しその実現に挑むものとなっている。
    財務指標の加重

     年間変動報酬(「AVR」)
      財務指標は当グループの業績フレームワークの加重が35%であり、したがって名目上はCEOのAVRに対して
     17.5%の加重となる。しかし、CEOのAVRは定型的ではなく、査定は、当グループの業績フレームワークのリスク要
     素、および業績のあらゆる側面を考慮した適切なAVRに関する取締役会の判断により加減される。
     長期変動報酬(「LTVR」)
      LTVR要件の100%はTSR(相対および絶対の両方)に基づく。
     事業年度末に、ANZの業績は当グループの業績フレームワークに対して評価され、CEOの業績は個人の戦略目標、ANZの価値観

    (姿勢)、BEAR義務の遂行、ならびにANZのリスクおよびコンプライアンス基準に対して評価される。CEOの業績評価にあた
    り、人事委員会は、会長、(リスク管理について)CRO、(財務業績について)CFO、(人材および文化に関する事項につい
    て)人材およびカルチャー担当グループ執行役員(「GE                           T&C」)および(内部監査事項について)内部監査担当グループ・
    ジェネラル・マネジャー(「GGM                IA」)からのインプットを求める。当年度に生じたまたは明らかになった重大なリスク、監
    査および行動に関する事象は、取締役会の監査委員会およびリスク委員会双方からのインプットと併せて検討される。
     以下のとおり、取締役会はCEOの2021年度業績を評価した。
     当グループの業績フレームワーク                  =   期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす(下記4.5.3を参照

                          のこと)
     個人の戦略目標                  =   期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす(以下の取締役会の
                          評価を参照のこと)
     ANZの価値観                  =   期待値を上回る
     リスク/コンプライアンス評価                  =   期待値を満たす
     全体                  =   期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす
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     取締役会は、2021年度の適切なAVR査定を決定するにあたり、CEOの業績を考慮した。取締役会は、CEOの支援の下、AVR査定
    は上限機会の53%が適切であると判断した。
    2021  年度  のCEOの個人の戦略目標

     ・ ANZの事業改革に必要な文化および説明責任を率いて、ロールモデルとなる。
     ・ ANZの評判を高める。
     ・ 長期的に持続可能な成長および競合他社と比較したROEの向上に重点を置き組織の戦略的方向性を定める。
     ・ 顧客の価値提案を大幅に強化し、価値創造のためのプラットフォームを構築するために、デジタル・トランス
       フォーメーションの目標を達成する。
     ・ ANZが長期的成長を支える強固で信頼性のあるプラットフォームを確実に有するために、改善およびシステム
       の安定性を含む、オペレーショナル・エクセレンスに注力する。
     ・ 顧客および職員の経験を改善するための生産性向上イニシアチブに重要な進展を示すと同時に、銀行運営費用
       によりランレートの大幅な減少を促進する。
     ・ 引き続きグループ経営委員会の有効性を強化して、CEOの後継者を育成する。
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     個人の戦略目標に関する業績に対する取締役会の評価:期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす
      2021年、CEOは、当行がプロセスのオートメーションおよびデジタル化を通じて、事業を簡略化し強化するため
     の戦略について概要を公表した。その結果の一部は、銀行運営費用のさらなる削減および生産性向上イニシアチブ
     による投資費用の削減である。これは2021年において継続したアウトパフォーマンスの一例である。その他特筆す
     べき点の例としては、厳しい環境下での財政基盤の強化、強固な自己資本管理、ROEの向上および長期的な信用損
     失率の低下が挙げられる。
      良好な結果および当グループが2022年に開始する事業展開にもかかわらず、住宅ローン手続きに関する課題お
     よび当グループの革新的なデジタル商品において「市場に出る準備」の遅延(これらの事項によりグループ業績お
     よび取締役会によるCEOの業績評価が影響を受けた。)により、オーストラリアの住宅ローン事業での市場シェア
     が減少した。
      執行役員らの業績は、厳しい環境においても良好であり、従業員、顧客および規制当局に対する協調の取れた
     効果的かつ適時の対応を示した。アレクシス・ジョージ(前副CEO)の退任およびミシェル・ジャブルコ(前CFO)
     の退任を受けてファルハーン・ファルーキ(グループ執行役員(国際担当))がCFOに就任した結果、3名の執行
     役員の職責を増加させたことで、執行役員の能力開発は継続している。
      CEOは、厳しい1年を通じてANZの主導に成功しており、当グループの重要なイニシアチブを進展させた一方
     で、COVID-19のパンデミックによる影響にも対応した。
      CEOは、個人的にもANZの価値観を示すロールモデルとなり、職員の間で尊敬されるリーダーであるとともに、
     オーストラリア中の多くの上級執行役員がとりわけ当グループの文化および目的といった幅広い事項についてCEO
     との対話を求めていることで示されるとおり、外部においてもそのことが証明されている。CEOは、引き続き文化
     を重視し、リーダーを育成し、変化を通じてリーダーを支援することにより、その後の1年も(厳しい環境にもか
                               (1)
     かわらず)高いエンゲージメントを実現し、グラスドア                           の「選ばれる企業」(同業他社間)において第1位を
     獲得した。
      CEOは、継続して規制当局や政府と深く関わりを持ち、当グループの外部の評判を積極的に管理している。
      CEOは、当グループの戦略および目的の達成を引き続き重視し、規律ある執行および適切なリスク管理を確保す
     る。重要な査定には以下が含まれる。
     ・ 当グループのプラットフォームを構築しデジタル・エコシステムに従事するため、取締役会の支援を盛り込ん
       だ新たな戦略を策定する。
     ・ 持続可能性の重要性に関して銀行セクターにおいて先頭に立つことを含め、気候変動戦略を更新する。
     ・ 当グループのデジタル・アジェンダを進展させることにより、デジタル・バンクとしての当グループの将来を
       揺るぎないものにする。
     ・ 当グループの事業の中心において顧客の金融ウェルビーイングをさらに深める(困窮している顧客への強い支
       援を含む。)。
     ・ 統制環境の改善とともにリスクを適切に管理し、重要なリスク分野を見直し、すべての規制上の義務の履行を
       確実に実施する。
     ・ システムおよびインフラを改善し、システム障害や顧客エラーを減らす。
     ・ 4年にわたる多様性および包摂性戦略、ならびにジェンダー多様性における長期的に持続可能な改善のための
       基盤を構築するアクションプランを最終化する。2021年度のリーダー層の女性比は1.9%増加してプラスに
       なった。
     ・ 従業員エンゲージメントは81%と、依然として高い水準にあった。
      オーストラリアの住宅ローンに関する課題は、CEOの2021年度業績の全体評価に影響を与える重要な要因であっ

     たが、当行は、2022年度以降の課題および機会に備えた新たな戦略および機能をもって、また、CEOのリーダー
     シップを通じて財務的にも文化的にも、2021年度をより強固な状態で終えた。
     注(1): グラスドアとは、従業員および元従業員が無記名で企業やその経営陣を評価するウェブサイトである。

     年間変動報酬(「AVR」)および長期変動報酬(「LTVR」)

     事業年度末に、人事委員会はCEOのAVR査定に関して承認を得るために、取締役会に提言を行う。
     CEOのAVRは毎年増減し保証されておらず、その範囲はゼロから上限機会までである。
     取締役会はその裁量により、AVRの2百万ドルの査定(上限機会の53%)は、CEOの業績(比重50%)および当グループ全体
    の業績(比重50%)の双方を考慮し、2021年度について適切であると判断した。
     CEOの350万ドル(完全権利確定時の業績に基づく権利の額面価額)(2020年度:350万ドル)のLTVR案は、2021年度年次株主
    総会における株主承認を条件とする。
     2021  年度に支給された年間変動報酬(「AVR」)

     下表は2021年9月30日に終了した年度にCEOに付与されたAVRを示している。
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     2021  年度  に付与されたAVR-CEO

     報酬合計の要約




     2021年度にシェイン・エリオットが受け取った報酬(権利確定した過年度の報酬を含む。)は、2021年業績年度(将来の年
    度に権利確定するかどうかは不明)に関して付与された報酬、および2021年度に会計費用を反映した同氏の法定報酬とは異な
    る。下記の支給された報酬には、最小権利確定時(50%)および完全権利確定時(100%)の両方における業績に基づく権利の
    額面価額が含まれている。
     シェイン・エリオットの2020年度報酬査定は、取締役会がその裁量において(COVID-19による事業、株主およびより広範な
    地域社会への影響を考慮して)同氏のAVRを50%減額したことにより影響を受けたため、2021年度の報酬査定(付与、受領およ
    び法定)は増額となった。2021年度と2020年度に受領した報酬の差額は、2020年度の0%の長期変動報酬に対し、2021年度は
    43.3%となったことでプラスの影響を受けた。
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    報酬合計の要約-CEO
                                       報酬総額

                                              (1)        (2)
                                支給
                                            受領        法定
                          最小権利確定        完全権利確定
                                      (単位:ドル)
     2021  年度                      6,250,000        8,000,000        5,752,821        5,473,399
     2020年度                        5,500,000        7,250,000        3,722,362        5,225,308
     2019年度                        5,700,000        7,800,000        4,093,464        5,181,339
    (1)  以前支給されたAVRの後渡し株式およびLTVRの業績に基づく権利の権利確定日現在の価値を含む。

    (2)  当年度に費用計上されたAVRおよびLTVRの価値を含む。
     過年度の年間変動報酬(「AVR」)および長期変動報酬(「LTVR」)

     下表は、過去5年間のCEOのAVRの上限機会に対する比率およびLTVRの権利確定の査定結果を示している。
    過年度のAVRおよびLTVR-CEO

                          2017年度      2018年度      2019年度       2020年度       2021年度

                                            (COVID-19によ
                                            る50%減額後)
     AVRの査定結果(上限機会に対する比率)                       63%      56%      48%       33%      53%
     LTVRの権利確定査定結果(権利確定率)                        0%      0%     21.8%        0%     43.3%
    4.4.2    開示を要する執行役員の業績および変動報酬(「VR」)

     業績
     各年度の期首に、当グループの開示を要する執行役員それぞれの部門業績フレームワークという形で、取締役会が承認した
    当グループの業績フレームワークに沿って、実現には相当の努力を要する高い業績目標が設定される。
                       (1)
     事業年度末に、開示を要する執行役員                   それぞれの業績が当グループの業績フレームワーク(25%から50%の比重)、部門
    業績フレームワーク、ANZの価値観(姿勢)、BEAR義務の遂行、ANZのリスクおよびコンプライアンス基準に対して評価され
    る。
     開示を要する執行役員の当グループの業績フレームワークは、包括的な説明責任および当グループの業績への貢献度の重要
    性を促進するために、2021年度に導入された。各比重は役職に応じて以下のとおりに異なる。
     ・ 比重50%:CFO、グループ執行役員(人材およびカルチャー担当)およびグループ執行役員(技術担当)
     ・ 比重25%:CRO、グループ執行役員(デジタルおよびオーストラリア事業改革担当)、グループ執行役員(オーストラリ
       アのリテール・バンキングおよびコマーシャル・バンキング担当)、グループ執行役員兼ニュージーランド最高経営責
       任者、グループ執行役員(法人担当)
     当グループの業績フレームワークと同様に、部門業績フレームワークには、財務的規律および経営上の回復力、顧客、なら

                            (2)
    びに人材および文化という主要な要素が、修正要素                         としてのリスクと共に含まれる。各自の役職を反映して評価基準の比重
    を変えている。財務的規律および経営上の回復力の要素は20%から50%の範囲である。
     人事委員会は、CEOからのインプット、ならびにリスク担当、財務担当、人材・カルチャー担当および内部監査担当から個別
    の報告を求め、重要なリスク、監査および行動に関する事象を見直し、取締役会の監査委員会およびリスク委員会双方からの
    インプットを求める。
     開示を要する執行役員それぞれの全般的な業績査定の承認については、人事委員会が検討して取締役会に提案する。
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    (1)  CROの業績に関する取決めは、リスク委員会により追加的に対応される。グループ執行役員兼ニュージーランド最高経営責
      任者の業績に関する取決めは、規制上の義務との整合性を図り、人事委員会/取締役会と協議し人事委員会/取締役会に
      是認された上で、ANZニュージーランドの人事委員会/ANZニュージーランドの取締役会が決定し承認する。
    (2)  リスクの測定に割り当てられた比重を有するCROを除く。
     変動報酬(「VR」)

     事業年度末に、CEOおよび人事委員会は開示を要する執行役員それぞれについてVRの提案を決定し、最終的に取締役会によっ
           (3)
    て承認される       。VRは業績に従い毎年変動すべきであり、実際に変動している。VRは保証されておらず、ゼロから上限機会ま
    での範囲で上方または下方修正される。
     上記4のとおり、目標に対する業績は、変動報酬の査定に影響を及ぼす(例えば、期待値が達成された場合、付与される変
    動報酬の額はおおむね目標機会の額になる可能性が高い。)。
     個人のVRの査定結果の違いは、当グループの構成要素の比重(すなわち、当グループの50%の比重を有する役職は概して差
    が少ない。)および異なる分野/個人の相対的業績を反映し、業績と報酬間で適切な調整が確実に行われている。この査定結
    果はVRのリスク性がある性質を立証し、査定結果が開示を要する執行役員ごとに大きく異なり、また毎年変動することを示し
    ている。開示を要する執行役員への2021年度平均変動報酬(VR)は上限機会(46%から66%の範囲)の60%である。
    (3)  グループ執行役員兼ニュージーランド最高経営責任者の報酬に関する取決めは、規制上の義務との整合性を図り、取締役

      会と協議し取締役会に是認された上で、ANZニュージーランドの取締役会が決定し承認する。
     2021  年度に付与された変動報酬(「VR」)

     下表は、2021年9月30日に終了した年度において、開示を要する執行役員に付与された複合VRを示している。
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                           (1)
    2021  年度  に付与されたVR-開示を要する執行役員
     過年度の開示を要する執行役員の変動報酬(「VR」)









     下表は、過去5年間にわたり開示された執行役員のVRの上限機会に対する比率を示している。
    過年度の開示を要する執行役員のVR

                                               2020年度

                                              (COVID-19に
                                               よる50%
                             2017年度      2018年度      2019年度      減額後)      2021年度
     VR査定結果      (上限機会の平均比率(%))
                              64%      51%      45%      36%      60%
     VR査定結果      (上限機会の範囲比率(%))                  51%-91%      40%-60%      0%-74%      31%-44%      46%  -66%
     VR業績に基づく権利の確定実績               (確定比率(%))          0%      0%     21.8%       0%     43.3%
    4.4.3    業績に基づく権利の査定結果(CEOおよび開示を要する執行役員)

     CEOに対して2017年12月に付与された業績に基づく権利および開示を要する執行役員(CROを除く。)に対して2017年11月に
    付与された業績に基づく権利は、2020年11月にその業績期間の終期を迎えた。要件に対する業績に基づくと、これらの権利の
    43.3%は権利確定済みであり、残りの56.7%は失効し、執行役員が当該報酬部分から受領した価値はなかった。
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    業績に基づく権利の査定結果
                               ANZの

                                      3年TSRの
                                                 全般的な業績に
                                          (2)
                        行使可能      3年TSR/
                                             権利     基づく権利の
                                    中央値/CAGR
                    (1)      (1)      (2)
     要件                                 TSR目標       確定率      査定結果
                 付与日       初日      CAGR   TSR
     75%相対TSR-選定
                 2017年       2020年
     金融サービス(SFS)
                              (27.28)%       (29.18)%        57.7%
                 11月22日       11月22日
             (3)
                                                  43.3%が確定、
     比較可能グループ
                                                  56.7%が失効
                 2017年       2020年
          (2)
                              (10.08)%        9.50%        0%
     25%絶対CAGR       TSR
                 11月22日       11月22日
    (1)  CEOに対する付与日は2017年12月19日、行使可能初日は2020年12月19日である。CEOの業績期間は開示を要する執行役員と

      同じである。
    (2)  年平均成長率(CAGR)。
    (3)  SFS比較可能グループの詳細については、下記5.2.3aを参照のこと。
    4 .5  ANZIPの変動報酬資金プールおよびグループ業績

    4.5.1    ANZIPの変動報酬
     ANZインセンティブ・プラン(「ANZIP」)は、ANZ全体で運営される変動報酬プランである。約80%の従業員の各年度の変動
    報酬は、個人が業績および姿勢の最低基準を満たすことを条件として、当グループの全体的な業績(個人の業績ではなく)に
    基づく。
     CEOを除き、開示を要する執行役員を含むその他すべての従業員の個人の変動報酬の査定結果は、ANZIPに基づき資金供給さ
    れる。CEOの変動報酬の査定結果は、潜在的な利益相反を軽減するために取締役会が個別に決定する。下記8.1.3を参照のこ
    と。
     各事業年度末に、人事委員会は、当該年度のANZIP変動報酬資金プールの総額に関する承認を求めて取締役会に提言を行う。
    取締役会は適切な資金プール額を決定するために判断を下すが、定型的な査定はしていない。
     財務実績の評価(特に現金利益および経済的利益)は、資金プールの額を決定する。取締役会は、その後公正かつ合理的な



    ANZIP資金プールの総額を決定する際に、以下を含む様々な要因を検討した。
     ・ 当グループの業績フレームワークの評価(下記4.5.3を参照のこと)
     ・ 利益および事業環境の質
     ・ 2021年度中の株主体験(例えば、株価の上昇および配当金の過年度との比較)
     ・ 当グループの報酬原則(例えば、優秀な人材を引き付け、動機付けし、雇用を維持すること)
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    4.5.2    ANZグループ業績フレームワーク
     ANZグループ業績フレームワークは各事業年度の期首に取締役会によって承認される。当グループの業績フレームワークの主
    要目的は、当グループの戦略の実現に最も重要な決め手となる成果を実現するため、組織全体で調整し注力することを可能に
    することである。当グループの業績フレームワークは、以下に対する主要な役割を果たす。
     ・ 何が最も重要かについて社内へメッセージを発信する。
     ・ リスク、顧客、人材、財務実績に加えて健全な経営の重要性を強調する。
     ・ ANZ全般での取り組み、優先順位、意思決定の重点を伝える。
     COVID-19のパンデミックによる多大な経済的および社会的影響により、当グループの人材、顧客、株主およびANZを確実に守

    るために、迅速な対応および資源の新たな優先順位付けが引き続き求められた。これらの変化に直面し、当グループは事業戦
    略および当グループの業績フレームワークを定期的に検証し、顧客の金融ウェルビーイングの向上および当グループのすべて
    のステークホルダーにとっての長期的かつ持続可能な価値創出に引き続き相応しいと判断した。
    4.5.3    2021年度の当グループの業績フレームワークに照らした評価

     適切なリスク管理はANZの経営方法の基本であり、リスクは評価の重要な部分を構成し、全般的な当グループの業績フレーム




    ワークの査定結果に直接影響する(グループ業績評価の修正要因の範囲は0%~110%である。)。
     全体的には、当グループが設定した目標を考慮すると、ANZの業績は期待値を満たしているかほとんどの期待値を上回ってい
    るが、少数の重要分野においては下回った。不確実かつ変動する環境において、当行の業績は良好であり、その目標をおおむ
    ね達成した一方で、改善が必要な分野があることも認識している。これらの分野は、主にオーストラリアの住宅ローン、デジ
    タル革新に重点を置いたより複雑なプロジェクトの1件の実施ペースおよび非財務リスクの評価結果に関係している。
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     下表は、2021年度のANZの業績目標の概略であり、2021年度の総合評価を伝えるために、主要な業績区分ごとの業績査定の要
    約となっている。期待値に対する業績は、進捗の全体的評価、ならびに当グループの戦略的優先項目および年間の重点分野に
    沿って実現した成果を用いて、区分ごとに評価される。実施した業務に関する経営陣のインプット、実現した成果の証拠およ
    び学んだ教訓を含む、様々な客観的指標および主観的要因が考慮され、営業、規制および競争環境も考慮に入れられる。
     リスク(修正要因0%~110%)                                    リスク全般:

                                         期待値をすべてではないがそのほと
                                         んどを満たす
     業績コメント                                        期待値に対する実績
     当グループの戦略的優先項目:
                                          下回る      一致     上回る
     顧客および規制に関する良好な成果を重視したリスク管理体制を維持する
      当グループが既に確立しているリスク管理フレームワークにより、ANZ
     は、継続的にCOVID-19により生じたリスクを管理し、顧客や地域社会を支援
     することが可能となっている。パンデミックに伴う大きな運営上の課題はな
     く、2021年度を通じて、事業の継続性は維持され改善された。
      当年度中に記録された重要な予期せぬ信用事象はなかった。また、重大な
     リスク選好に関する記述違反および規制上の期限経過に関する問題はなく、
     データ収集および報告を簡略化し、トレンド分析技術を用いた当行のリスク
     選好の積極的な管理を支援するために、大幅な強化が行われた。
      リスク文化の成熟度において、継続的に明確な進展が見られ、従業員エン
     ゲージメント・スコアでの「自身のリーダーがリスク管理および健全なリス
     ク行動に対して個人的な説明責任を示している」(87%)および「報復措置
     や悪影響の心配なく問題提起することができる」(80%)などで裏付けられ
     ており、2020年度は過去最高記録を達成した。これらの結果は、職員に率直
     な発言を促し、敬意をもって互いを高め合うことのできるリスク文化を奨励
     するための数年にわたって継続した取組みの産物である。
      リスク事象の報告については、過去の事象を明らかにして新たな問題に迅
     速に対処するための多大な取組みが反映され、当該事象の発見から報告まで
                                                 ●
     の時間が前年度から短縮された。
                                     (1)
      ANZは、2020年ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス                                に
     より、全世界の銀行セクターにおいて97パーセンタイルに位置し、再びオー
     ストラリアの優良銀行と評価され、気候戦略および社会・環境に関する報告
     を含む分野で称賛された。
             TM(2)
      また、RepTrak         の企業評価調査においては、オーストラリア国内の主
     な同業他社の間で第1位になったと同時に、ガバナンス、リーダーシップ、
     商品/サービス、社会貢献および職場に関するスコアにおいて、同業他社を
     リードしている。
      リスクガバナンス自己評価結果への対応および重要な規制/非財務リスク
     に関するプロジェクトは着実に進展している。ただし、一部の非財務リス
     ク・プロジェクトは当グループが目指すほどには進んでおらず、5億ドルの
     APRA資本オーバーレイは、当行全体のオペレーショナル・リスク管理に改善
     が確認されるまで、引き続き適用されている。当グループが維持すべき高い
     基準をすべて満たしているわけではないため、全体のリスク評価の格付は
     「期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす」となった。
     (1)   ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI):S&Pダウ・ジョーンズ指数とRobecoSAM(サ
       ステナブル・アセット・マネジメント)との間の戦略パートナーシップのもとで運営される、数千の公開企
       業の持続可能性に関する業績を評価する。
     (2)   RepTrakTMは、IBISWorld            Top  2000のリストにおける売上高の分類に従って、国内で事業を行う上位60社の評
       判を四半期ごとに測定している。
     2021  年度  の注力分野       業績コメント                            期待値に対する実績
                                          下回る      一致     上回る
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     主要な規制上の責任を           ・持続可能な方法により問題を解決する明確な計画
     果たす            および説明責任を含む、規制上の義務および責任
                 に対して着実な進歩を遂げた。ただし、これらの
                 計画はさらに進展する可能性がある。
                ・王立委員会:2020年12月の法改革が進行中であ
                 る。適用される41件の勧告のうち11件が終了して
                 おり、13件は進行中で、17件は先に進展させるた
                 めに対外的な措置が必要である。
                                                ●
                ・APRA自己評価:内部の監視委員会がモニタリング
                 を行い、第三者およびANZの内部監査部門が評価
                 する、包括的計画および行動によって順調に実施
                 されているところである。現在までに行動の大半
                 は完了しており、残りも順調に実行中である。
                ・ニュージーランドにおけるBS11の実施は、当グ
                 ループの困難かつ内部で課される実現までの時間
                 に対して引き続き前進している。
     顧客(比重35%)                                    顧客全般:
                                         期待値を下回る
     業績コメント                                        期待値に対する実績
     当グループの戦略的優先事項:
     優先セグメントの金融ウェルビーイングおよび経験の向上に注力し、顧客に                                     下回る      一致     上回る
     とって良好な成果をもたらす
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      当グループは、現在も事業戦略の中心となっている顧客の金融ウェルビー
     イングを向上させる約束を示している。重要セグメントにおける良好な成果
     を実現するために着実に前進しているが、力強い結果となった上半期以降、
     オーストラリアにおける住宅ローンの申請手続で重大な課題に直面した。こ
     れにより、当グループの顧客は、ローンの承認決定までに予想以上の時間を
     要し、当グループの評価未処理件数が増加した。当グループは、そうした状
     況を戦術的に管理および改善することができたが、当該分野における当グ
     ループの方針および手続きの強化が、依然として最優先すべき重要項目であ
     る。オーストラリアの住宅ローン・ポートフォリオは、当グループの財務基
     盤の重要な部分であるため、当該分野でのアンダー・パフォーマンスは、業
     績評価に多大な影響を及ぼしている。
      オーストラリアでは、当グループの金融ウェルビーイング活動の開始以
     降、ウェブサイト(anz.com.au)の金融ウェルビーイング・ハブに134万の
     アクセスがあり、2021年全豪オープンでの大規模な「Financial                              Wellbeing
     Challenge」キャンペーン中には7%増加した。当グループは、ANZモバイ
     ル・アプリにおいて「ギャンブル・ブロック」を開始したが、これは、顧客
     が日々の支出に対してキャッシュバックを受けるための新たなキャッシュリ
     ワード・プログラムであり、常習的にクレジットカード債務を有する顧客に
     追加的支援を行うものである。
      2003年にブラザーフッド・オブ・セントローレンスとの提携によって設立
                                            ●
     したSaver     Plusは、財務教育を行い目標達成後に資金提供される、オースト
     ラリアで最大かつ最長の貯蓄プログラムである。2021年中にプログラム参加
     者が支援を受けて190万ドルを貯蓄し、さらにANZより145万ドルが提供され
     た。
      当グル-プのGoBiz商品は、顧客がローン申請を20分で行うことができる
     よう経営者向けに発売され、加盟店サービスについては、Worldlineと新た
     なジョイントベンチャーを設立した。
      ニュージーランドにおいては、「We                 Do  How」という金融ウェルビーイン
     グの新規プラットフォームを立ち上げた。その結果、「金融ウェルビーイン
     グを向上させる銀行」および「より早い住宅ローンの返済を支援する銀行」
     といった重要なブランド特性が高められた。さらに、当グループは、「ブラ
     ンド考慮率(Brand         Consideration)」において第1位を維持した。
                            (3)
      当グループの法人向け事業は、ピーター・リー                       の調査で第1位を維持
     しており、引き続き顧客を重視した持続可能性の成果を裏付けた。当グルー
     プは、KangaNewsにより「Sustainability                   Debt   House   of  the  Year」および
     「Sustainability         Issuer    of  the  Year」を、FinanceAsiaからは
     「Australian       Sustainability        Issuer」を授与され、豪ドルおよびニュー
     ジーランドドル建てのサステナブル債の発行者としてトップの地位を維持し
     た。
     (3)   ピーター・リー・アソシエイツの2021年ラージ・コーポレート・アンド・インスティテューショナル・リ
       レーションシップ・バンキング調査(オーストラリアおよびニュージーランド)。
     2021  年度  の注力分野       業績コメント                            期待値に対する実績

                                          下回る      一致     上回る
     オーストラリアにおけ            ・オーストラリアの住宅ローンの勢いを回復させ
     る住宅ローンに関する             ることは、規模、効率性および能力を拡大し、
     最初の決定までの時間             顧客のローン申請に対してより迅速かつより一
     を改善する             貫した対応を行うための優先事項である。
                ・ブローカーおよびモバイルによるローン申請に
                                           ●
                  対する最初の決定にかかる平均時間は、2020年
                  半ばの35日から7.4日へと短縮され、申請の未処
                  理件数も引き続き減少しているが、顧客の期待
                  に応え、当グループの高い基準を満たすにはま
                  ださらなる取組みが必要である。
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     オーストラリアおよび            ・オーストラリアおよびニュージーランドの「責
     ニュージーランドにお             任ある銀行」チームは、2021年度中に約260万の
     ける過去の過ちを修正             顧客口座に約2億900万ドルを返還した。
                                                ●
     する            ・オーストラリアでは13の主要な修正手続が完了
                  し、ニュージーランドでは45の修正事象が解決
                  した。
     特にCOVID-19による            ・当グループは、COVID-19の影響によるものを含
     ローン返済猶予につい             め、財務上のストレスを抱えている顧客が確実
     て再評価し管理して、             に支援を受けられるようにする。
     顧客を公平に扱う            ・過去12か月にわたり、約143,000件のローン返済
                  猶予が、オーストラリア・リテールおよび商業
                  部門の顧客に提供された。2021年3月に返済猶
                  予措置が終了し、住宅ローン顧客の96%、商業
                  銀行および個人銀行の顧客の90%がローン返済
                  を再開しまたは再開する意向を示している。残
                  りのローンについては、ローン条件が緩和され
                  たか、またはハードシップもしくは貸付サービ
                  スに移行され、約1%はいずれの支援も受ける
                                                      ●
                  資格を有しない。
                ・7月初旬には追加支援措置が発表され、それ以
                  降ANZは、住宅ローンおよび商業部門の顧客に支
                  援を提供している。
                ・ニュージーランドでは、コロナ禍に支援を必要
                  としているとANZがみなしているものの支援を受
                  けていない250,000の顧客に連絡を取り、その結
                  果7,000の顧客が支援を受けている。強固な監督
                  および支援体制が整備されていることで、住宅
                  ローンの返済猶予により、債務不履行となった
                  事例や当グループの金融ウェルビーイング・
                  チームの案内に至る事例は極めて少なかった。
     新規顧客サービスを提            ・新規顧客の価値提案を提供するために、複数の
     案する             デジタル改革プロジェクトが実施中であり、初
                  期段階の顧客満足調査では、期待を超える結果
                                                ●
                  となった。この取組みの複雑性および規模に
                  よって予想外の遅延が生じているが、引き続き
                  しっかりと状況を把握し、支援を続けている。
     人材および文化(比重30%)                                    人材および文化全般:
                                         期待値を上回る
     業績コメント                                        期待値に対する実績
     当グループの戦略的優先事項:
                                          下回る      一致     上回る
     話しを聞き、学び、適応する多様性のあるチームを構築する
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      当グループの一貫して強固な人材および文化の管理が再び注目され、正し
     いリーダーシップの姿勢の確立および文化フレームワークの強化に対して複
     数年にわたり意義のある投資を行ったことが反映されている。ANZは、オー
     ストラリア・ファイナンシャル・レビューのベスト・プレース・トゥ・ワー
     ク(銀行、退職年金および金融サービス)において第1位となった。また、
                 (4)
     当グループは、グラスドア              の格付においては、主要銀行の中で第1位を獲
     得した。
      従業員エンゲージメントの調査では、依然として力強い結果となり、2020
     年度の従業員スコアが上昇した世界的な傾向を受けて、ANZの2021年度の結
     果は、期待どおり堅調な上向きの傾向に回復した。主要スコアは、目標閾値
     内で推移して2019年度水準を上回り、全体的なエンゲージメントは81%
                                                      ●
     (2020年:86%、2019年:77%)であった。
      当グループの職員の健康は引き続き優先事項であり、すべての職員は、メ
     ンタルヘルス・アウェアネス・トレーニングを完了するよう支援を受けてい
     る。当グループはまた、規制要件により許容されているすべての地域におい
     て、従業員に3つのフレキシブル勤務体制を適用することで、働き方改革を
     行っている。
      リーダー層の女性比率は1.9%上昇して35.3%となり、数年間でジェン
     ダー多様性を着実に向上させている。さらに長期的かつ持続可能な向上を実
     現するための新たな多様性および包摂性戦略も承認された。
      当グループは引き続き報酬と業績フレームワークを組み込み、業績管理体
     制、従業員の功績および優秀な人材の中で業績の高い者に対する報酬の取決
     めを継続することに重点を置いている。
     (4)   グラスドアとは、従業員および元従業員が無記名で企業やその経営陣を評価するウェブサイトである。
     2021  年度  の注力分野       業績コメント                            期待値に対する実績

                                          下回る      一致     上回る
     全社的な変化をもたら            ・当グループは、職員リーダー全員を支援し、混
     すリーダーシップ・プ             乱や変化を切り抜け各チームを主導するための
     ログラムを開始する             全社的プログラムの展開に成功した。
                ・これらの重要なリーダーシップの姿勢を組み込
                  む活動が開発され、従業員のライフサイクルの
                                                      ●
                  主な局面に導入されている。
                ・ニュージーランドにおいては、追加のワーク
                  ショップにより、80%を超える職員リーダーに
                  当グループのリーダーシップ・フレームワーク
                  や手段についてさらなる教育を提供している。
     優先する戦略的能力を            ・当グループの重要な戦略的能力を強化するため
     強化する             に、エンジニアリング職について3,700名超を外
                  部から雇用して、700名を人事異動させたと同時
                  に、データ関連職について400名以上を外部から
                  雇用し、200名を超える人事異動も完了した。
                ・優先するエンジニアのスキルの習得を継続し、
                  クラウド、DevOps、コーディングとスクリプト                                     ●
                  およびデータ・モデリングに関する約7,000時間
                  の最先端技術学習プラットフォームを構築し
                  た。
                ・エンジニアリング能力の重要なパイプライン
                  は、従業員の多様性および参加を向上させるた
                  めの様々なプログラムを通じて増強した。
     財務的規律および経営上の回復力(比重35%)                                    財務的規律および経営上の回復力全
                                         般:期待値を満たす
     業績コメント                                        期待値に対する実績
     当グループの戦略的優先事項:
                                          下回る      一致     上回る
     持続可能な成長および経営上の改善を重視し、中核事業を適切に運営する
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      ANZは、不確実かつ変動する環境において、着実に基礎となる収益を実現
     している。これは、強固な財務基盤を維持し、リスクを慎重に管理し、引き
     続きコスト管理に注力する長期的戦略の継続的な実行を反映している。AMZ
     は、オーストラリアの住宅ローン事業が、ローン申請手続きの処理に関する
     課題によって影響を受けたものの、利鞘および収益に注力し規律が保たれて                                            ●
     いる。コストは再び良好に管理され、成長に向けた取組みへの投資を過去最
     高の水準で実施することが可能となり、経営上の複雑性も軽減された。当グ
     ループの資本力は、増配や株主への利益還元の開始が可能となっていること
     で再び明らかになった。
     2021  年度  の注力分野       業績コメント                            期待値に対する実績
                                          下回る      一致     上回る
     当グループの経済的利            ・現金による継続ベースで7億6,900万ドルの経済
                     (5)
     益を高品質および持続
                  的利益    が生成された。NPATが9億4,600万ド
     可能な方法で提供する
                                (6)
                  ル(税引後)の重大/重要項目                に影響を受け
                  たにもかかわらず、これは目標どおりの結果で
                  あった。
                ・重大/重要項目を除くと、当グループのマー
                  ケッツ事業の業績が市場変動性および顧客の
                  ヘッジ活動が減少したことを反映して正常化し
                  たため、収益が3%減少した。また、環境およ
                  び構造的な逆風にも関わらず、強固なリスク調
                  整後の利鞘の管理が明らかであった。
                ・厳格なコスト管理が維持された。銀行運営費用
                                               ●
                  は4%減少し、事業を成長させ簡略化し、規制
                  上および法遵守上の義務を履行するための高水
                  準の投資が可能となった。
                ・当グループの貸付ポートフォリオの信用力は依
                  然として強固であり、長期損失率は継続して減
                  少している。
                ・自己資本は引き続き適切に管理されている。CET
                  1を12.3%に保つことで、株主に支払う配当が
                  増額され、15億ドルの自己株式買戻しも開始さ
                  れた。それと同時に、要請に応じて顧客を支援
                  するために財務基盤を利用する柔軟性も維持し
                  た。
     当グループのWindows            ・Windowsのサーバーフリートのクラウド移行を前
     のサーバーフリートに             倒ししている。
                                               ●
     注力し、クラウドへの
     移行を加速化する
     (5)   経済的利益は、事業ユニットの業績を評価するために利用されるリスク調整済みの利益指標であり、外部監

       査人による監査の対象にはならない。経済的利益は、現金利益への一連の調整を通じて算出され、経済的信
       用コスト調整により、会計上の貸倒損失繰入額が置き換えられ、インピュテーション税額控除の利益(オー
       ストラリア税の70%で測定される。)および資本コストをはんえいするための調整が含められる。
     (6)   重大/重要項目には、事業売却の影響、顧客救済、訴訟の和解金、組織再編およびアジア関連会社に関する
       項目が含まれる。
     全般                                    グループ業績評価:

                                         期待値をすべてではないがそのほと
                                         んどを満たす
      取締役会は、当グループの全体的な業績がわずかに期待値を下回ったこ
     とを反映して、「期待値をすべてではないがそのほとんどを満たす」という
     全体評価を公正かつ適切であるとみなした。
      当行の業績は好調であり、目的の大半を実現している一方で、引き続き
                                                ●
     改善が求められる分野があることも認識している。これらの分野は、主に
     オーストラリアの住宅ローン、ならびにデジタル改革および非財務リスクの
     成果を達成するための複雑なプロジェクトを実施するペースに関連したもの
     である。
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    4.5.4    ANZの業績査定
     2017  年度から2021年度のANZの財務実績
     上記4.5.1で説明したとおり、開示を要する執行役員および従業員の変動報酬査定の決定においては、現金利益および経済的
                                                     (1)
    利益が幅広く考慮される。当グループは、当グループの継続的事業活動の業績の評価基準として現金利益                                                  を用いており、こ
    れにより過去の期間および競合する機関と対照して当グループおよび部門の業績を評価するための基礎を提供している。現金
    利益は監査対象とされていないが、外部監査人は、各表示期間を通じて一貫した基準で規則的調整が決定されている旨を監査
    委員会に通知している。
     法定利益は前事業年度から72%増加し、継続事業による現金利益は65%増加した。これらの増加は、主に経済見通しの改善
    の結果、貸倒引当金戻入5億6,700万ドル(過年度は27億ドルの税引前貸倒引当金繰入であった。)によるものであった。
     2021年度において当グループは、株主に余剰資本を還元するために、15億ドルの自己株式買戻しを開始し、2021年9月30日
    までに、2,300万株の市場での取得を通じて、株主に6億5,400万ドルの資本を還元した。詳細については、「第6                                                     経理の状況
    -1   財務書類」の2021年度財務書類の注記23「株主資本」を参照のこと。
     下表は、過去5年間のANZの財務実績(現金利益を含む。)を示している。

                             2017年度      2018年度      2019年度      2020年度      2021年度

     法定利益(百万ドル)
                              6,406      6,400      5,953      3,577      6,162
     現金利益(百万ドル、未監査)                          6,938      5,805      6,161      3,660      6,181
     現金利益-継続事業(百万ドル、未監査)                          6,809      6,487      6,470      3,758      6,198
     引当金繰入前現金利益-継続事業
     (百万ドル、未監査)                         10,849      9,966      9,958      8,369      8,396
     キャッシュROE(%)-継続事業(未監査)                          11.7      11.0      10.9       6.2      9.9
     キャッシュEPS-継続事業(未監査)                          232.7      223.4      227.6      132.7      218.3
     9月30日現在の株価(ドル)(2016年10月1日の
     始値は27.63ドル)                          29.60      28.18      28.52      17.22      28.15
     配当金総額(1株当たりセント)                           160      160      160       60      142
     株主総利回り(12か月、%)                          13.1      0.6      9.2     (36.9)       70.7
    (1)  現金利益は法定利益に含まれる非中核項目を除外しており、読者が当グループの主力事業活動の経営成績を理解するため

      に提供されている。
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     ANZ  の株主総利回り(「TSR」)パフォーマンス(1-10年)
                                                            (1)
     下表は、1年から10年の期間にわたり、ANZのTSRパフォーマンスを、選定金融サービス(「SFS」)比較可能グループ                                                        の
    TSR中央値および業績に基づく権利のTSR上位25%層のTSRと対照している。下表は、当グループの業績に基づく権利を異なる業
    績期間(すなわち、2021年9月30日まで)で測定したTSRである。
                                                 (1)
     ・ ANZのTSRパフォーマンスは、1年および3年にわたり比較した際に、SFS比較可能グループ                                             のTSR中央値を上回った。
     ・ 5年および10年にわたる比較の場合は中央値をわずかに下回った。
                                      2021年9月30日までの年数

                                          (2)
                                   1年             5年       10年
                                        3年
     ANZ(%)
                                   70.7       15.8       31.8      151.0
     SFSのTSR中央値(%)                              60.6       7.0      33.8      152.8
     SFS上位25%のTSR(%)                              65.0       32.1       83.2      279.0
    (1)  SFS比較グループの詳細については、下記5.2.3aを参照のこと。

    (2)  2017年11月/12月に付与され、2020年11月に判定された業績に基づく権利の査定結果は上記4.4.3に詳述されている。
    5.  2021  年度の執行役員の報酬の体系および支給

     ANZの報酬には、固定報酬とリスク変動報酬という2つの中核的な構成要素がある。
     報酬を編成するにあたり、取締役会は固定報酬と変動報酬(リスク性あり)、支給方法(現金対後渡し報酬)、適切な期間
    (短期、中期、長期)の間の適正なバランスを確保することを目指している。
     取締役会は、CEOおよび開示を要する執行役員の固定報酬を、金融サービス市場との相関性に基づき、また職責、業績、適性
    および経験を反映して設定し、毎年見直しを行っている。
     変動報酬の運用方法は、CEOと開示を要する執行役員では以下の点で若干異なる。
     ・ CEOの変動報酬は(株主の承認を条件として)年間変動報酬(「AVR」)および長期変動報酬(「LTVR」)で構成される
       が、それは外部の市場慣行と一致しており、LTVRはCEOがより長期の戦略目標の達成および長期のステークホルダー価値
       の創出に注力するよう促すものである。
     ・ 開示を要する執行役員は1つの複合VRプラン(すなわち、短期および長期の報酬と業績要件の組合せ)の対象であり、
       短期、中期および長期にわたって繰り延べられる。
     変動報酬は、業績の差別化を追求し、当グループのCEOおよび開示を要する執行役員が当グループの事業戦略を支え高い業績

    目標を掲げることを重視するように、またリスク管理および長期的なステークホルダー価値の実現が促されるように設計され
    ている。
     変動報酬のかなりの部分を繰り延べることで(CEOが上限機会の74%、開示を要する執行役員が75%、CROが67%)、当グ
    ループは株主利益との整合性を確保しANZの戦略目標を達成し、確実に長期的な価値創出を重視するよう努めている。後渡し変
    動報酬は重要な慰留の要素となり、最も重要なことには、ゼロまで下方修正ができ、これにより取締役会は、その決定および
    措置の長期的な影響に関して個別にまたは共同で執行役員に責任を持たせることができる。
     取締役会の裁量は、CEOおよび開示を要する執行役員全員の変動報酬査定の決定の際、また過去に繰り延べた報酬の予定され
    た引渡し前に適用される(すなわち、マルスまたは追加の繰延を考慮する。)。下記5.3を参照のこと。
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    5.1   報酬構成(完全権利確定時の業績に基づく権利)
     CEOおよび開示を要する執行役員の報酬の構成は以下のとおりである。
     CRO













     CROの報酬の取決めは、その職務の独立性を保護し、組織全体にわたるリスク統制機能を果たす際の利益相反を最小化するた
    め、他の開示を要する執行役員のものとは異なる。
     報酬構成は、固定報酬が27%、変動報酬(「VR」)の上限機会が73%である。VRの目標機会は固定報酬の180%であり、VRの
    上限機会は固定報酬の270%である。VRは、33%が現金、33%が後渡し株式、および34%が(業績に基づく権利に代えて)後渡
    し株式の権利として支給される。
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    5.2   変動報酬の支給
     CEOおよび開示を要する執行役員(CROを除く。)の変動報酬は、一部を現金、4年間にわたり繰り延べられる株式および4
    年間にわたり繰り延べられる業績に基づく権利により支給される。業績に基づく権利は、4年で権利確定するか否かを決定す
    る業績要件も前提とする。
     CEOについては変動報酬(年間変動報酬および長期変動報酬)の60%、開示を要する執行役員(CROを除く。)については変
    動報酬の53%、CROについては変動報酬の41%が、(取締役会が10月に変動報酬を承認する日(および株主がCEOの長期変動報
    酬を承認する日)から)少なくとも4年間繰り延べられる。これは、CEOについては60%および開示を要する執行役員について
    は40%のBEAR最低繰延要件に遵守したものである。
     取締役会は、予定された後渡し株式/後渡し株式の権利/業績に基づく権利の引渡し前に、CEOおよび開示を要する執行役員
    に対して以前繰り延べられた報酬について、何らかのマルス/下方修正(または権利確定のさらなる繰延)を行うか否かを検
    討する。下記5.3を参照のこと。
    変動報酬の支給-CEOおよび開示を要する執行役員

    5.2.1    現金-CEO(年間変動報酬(「AVR」))および開示を要する執行役員(変動報酬(「VR」))









     変動報酬の現金部分は、年次の業績および報酬レビューの終了時(2021年12月)に執行役員に対して支払われる。
    5.2.2    後渡し株式-CEO(年間変動報酬(「AVR」))および開示を要する執行役員(変動報酬(「VR」))

     後渡し株式は、1年から4年にわたり繰り延べられる普通株式である。執行役員の報酬の一部を、時間をかけて繰り延べる
    こと(およびマルスの対象とし続けること)により、当グループは、かかる報酬金額の多くの部分を長期的な株主価値の実現
    に直接連動させることができる。当グループは、10月1日から翌年9月30日の事業年度に係る後渡し株式を、毎年11月下旬に
    付与している。
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     当グループは、付与する後渡し株式の数を、ASXで売買される株式の、付与日までの5営業日(付与日を含む。)のVWAPに基
    づいて計算する。開示および費用計上の目的において、当グループは公正価値を決定するために付与日での1日VWAPを用いて
    いる。
     一定の場合、当グループは執行役員に対して、後渡し株式に代えて後渡し株式の権利を付与することができる。後渡し株式
    の権利1個につき普通株式1株に対する権利が保有者に与えられる。
    5.2.3a    業績に基づく権利-CEO(長期変動報酬(「LTVR」))および(CROを除く)開示を要する執行役員(変動報酬

    (「VR」))
     業績に基づく権利とは、時期および業績要件を満たす場合に無償でANZ普通株式1株を取得できる権利をいう。業績に基づく
    権利の将来価値は、ゼロから不定額までの幅で変動する可能性がある。かかる価値は、要件に照らした業績および権利行使時
    の株価により定まる。
     業績に基づく権利には、4年間の業績期間がある(また権利確定日までマルスの対象となる)。2021年度の付与に係る業績
    期間は、2021年11月22日から2025年11月21日である。4年間の業績期間で、反映すべき長期の業績について十分な時間を提供
    している。
     2021年度の業績に基づく権利に関する詳細は以下のとおりである。
     要素          詳細

     業績に基づく権利          業績に基づく権利は、長期戦略目標の達成および執行役員と株主の利益の一致に集中するこ
     の要件          との重要性を反映した株主総利回り(「TSR」)業績要件を伴う。当グループは、業績に基づ
               く権利の2021年度付与分に対して、2つのTSR業績要件を適用している。
               ・ 75%は、相対TSR要件に照らして評価する(第1トランシュ)。
               ・ 25%は、絶対TSR要件に照らして評価する(第2トランシュ)。
               TSRは、株式価値の変動に、支払われた配当の再投資による価値を加味したものである。TSR
               は株主価値の実現に主眼を置き、十分に理解され検証された業績測定メカニズムであること
               から、当グループはこれがもっとも適切な長期の評価基準であると考えている。
               以下により、相対TSRと絶対TSRの要件の組合せでプランはバランスが保たれている。
               ・ 相対:比較可能会社の業績を上回る業績に対して執行役員に報酬を与える。
               ・ 絶対:市場後退の局面にあっても、プラス成長を生み出すことに引き続き重点が置かれ
                 ることを確実に行う。
               2つの要件は、業績の異なる側面を評価する。
               ・ 相対TSR要件は、当グループのTSRを、地域およびグローバルの競争相手からなる選定金
                 融サービス(「SFS」)比較可能グループのTSRと比較して評価する。この比較可能グ
                 ループは、収益をめぐってANZが競争している地域および事業セグメントを広く反映し
                 て選定されている。
               ・ 年平均成長率(「CAGR」)を応用した絶対TSR要件は、執行役員に対し、達成されるべ
                 き株主利回りの水準についてより直接的な見通しを提供する。また、執行役員の報酬と
                 株主に帰属する財務実績との間により密接な相関性がもたらされる。
               当グループは、4年間の業績期間末に各要件に対するANZのTSRを測定し、業績に基づく権利
               の各トランシェについて、権利行使の可否を判断する。各トランシェはそれぞれ別個に測定
               される。つまり、1つのトランシェが完全にまたは一部について権利が確定するが、他のト
               ランシェの権利が確定しないこともある。
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     2021  年11月/12月        相対TSR要件は外部的な要件であり、当グループのTSRを、SFS比較可能グループのそれに照ら
     付与分に対する相          して4年間で評価する。SFS比較可能グループ(前年度から変更はない。)は、バンク・オ
     対TSR要件          ブ・クイーンズランド・リミテッド(Bank                    of  Queensland      Limited)、ベンディゴ・アン
               ド・アデレード・バンク・リミテッド(Bendigo                      and  Adelaide     Bank   Limited)、コモンウェ
               ルス・バンク・オブ・オーストラリア・リミテッド(Commonwealth                               Bank   of  Australia
               Limited)、DBSバンク・リミテッド(DBS                   Bank   Limited)、マッコリー・グループ・リミ
               テッド(Macquarie         Group   Limited)、ナショナル・オーストラリア・バンク・リミテッド
               (National      Australia     Bank   Limited)、スタンダード・チャータード・ピー・エル・シー
               (Standard      Chartered     PLC)、サンコープ・グループ・リミテッド(Suncorp                         Group
               Limited)およびウェストパック・バンキング・コーポレーション(Westpac                                   Banking
               Corporation)で構成される。
               比較可能グループのTSRと比較した                    ➡   業績に基づく権利が確定する割合は、
               当グループのTSRが、
               第50パーセンタイル値未満である場合                       0%
               第50パーセンタイル値以上を達成したが、                       50%をベースに、第50パーセンタイル値を
               第75パーセンタイル値未満である場合
                                      1パーセンタイル上回るごとに2%を加算
               第75パーセンタイル値以上である場合                       100%
     2021  年11月/12月        CAGRを応用した絶対TSRは、ANZが最低限の成長水準を達成しまたは上回っているかに関する
     付与分に対する絶          内部的な要件であり、取締役会が業績期間の期首に設定する。取締役会は毎年、各年度の報
     対TSR要件          酬に関する絶対TSR目標を見直し承認する。目標を見直す際に、取締役会はANZの評価済み資
               本コストを参照する。資本コストは資本資産価格モデル(「CAPM」)などの手法を用いて決定
               され、定期的に見直された上で、現時点での市況を反映するために更新される。2021年度は
               算出の際多数のインプットが更新されたため、資本コストは2021年度下半期に変更された。
               その結果取締役会は、2021年度上半期および2021年度下半期の資本コストの平均をとること
               により、CAGRを応用したTSR目標を決定した。
               CAGR  を応用した当グループの絶対TSRが、                  ➡   業績に基づく権利が確定する割合は、
               8.1%未満である場合                       0%
               8.1%である場合                       50%
               8.1%以上だが12.2%未満である場合                       50%から100%まで比例的・直線的に累増
               12.2%以上である場合                       100%
     TSR  パフォーマンス        TSRを基準とする業績の計算において、当グループは、
     の計算          ・ 90営業日期間の初日および最終日の価格の平均計算値を用いることで、株価変動の影響
                 を緩和している。
               ・ TSR要件に対するANZの業績の計算につき、外部機関(マーサー・コンサルティング
                 (オーストラリア)Ptyリミテッド(Mercer                    Consulting      (Australia)      Pty  Ltd))の
                 サービスを契約することで、独立的な評価を確保している。
               ・ 業績は、4年の業績期間末に1回限りで、要件に照らして判定される。業績要件に達し
                 ない場合、業績に基づく権利は失効する。再判定は行われない。
     業績に基づく権利          当グループが付与する業績に基づく権利の数は、額面価額(すなわち、割引なしの株価)に
     の数の計算          基づいて計算される。完全権利確定時の額面価額は、2つのトランシュに分かれる。各トラ
               ンシュの価額を市場価格(業績期間の期首現在のANZ株式の5営業日VWAP)で割ることによ
               り、当グループが各トランシュに付与する業績に基づく権利の数を算出する。
               業績に基づく権利は、開示を要する執行役員に対して11月下旬/12月上旬に、CEOに対して12
               月に割り当てられる(株主承認を条件とする。)。
     業績に基づく権利          ANZは、費用計上の目的にのみ用いられる業績に基づく権利の公正価値を独立して決定するた
     の費用計上          め、プライスウォーターハウスクーパースと契約している。プライスウォーターハウスクー
               パースは、市場実績、株価の変動、商品の残存期間、配当利回りおよび付与日の株価等の要
               因を考慮する。
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    5.2.3b    後渡し株式の権利-CRO(変動報酬(「VR」))
     CROは、その職務の独立性を保護し、組織全体にわたるリスク統制機能を果たす際の利益相反を最小化するため、業績に基づ
    く権利に代えて後渡し株式の権利を受領する。
     CROの後渡し株式の権利は、権利確定のための時間的要件(4年間)を前提とする。後渡し株式の権利のCROへの割当数を算
    定する際に取締役会が使用する価額は、ASXで売買される当行株式の付与時での額面価額(5営業日のVWAP)である。
    5.3   マルス(以前繰り延べられた報酬の下方修正)-取締役会の裁量

     当グループが従業員に支給するすべての後渡し報酬は、この下方修正(マルス)(ゼロまでの修正も含む。)について、い
    つでもANZの継続的で絶対的な裁量に服する。
     ANZは例えば以下の場合にこの裁量を行使する。
     ・ ANZの財務健全性を保護するもしくは規制要件を満たす必要がある場合、またはANZ内でリスク管理もしくは統制に関し
       て重大な失敗があった場合
     ・ 従業員が詐欺または不正を行い、正当な注意、スキルおよび熱意をもって行為せず、またはANZ方針(行動規範を含
       む。)、プロセスもしくは指示を遵守しなかった場合
     ・ 従業員が、ANZに不利な影響を及ぼす事件/事象に関して、その役職または年功により、直接的または間接的に責任があ
       る場合
     ・ 不正行為があり、従業員が直接的または間接的に関与し、適切な手順を怠り、その年功により責任があるとみなされ、
       または誤った情報に基づき後渡し報酬の支給もしくは付与を決定した場合
     さらに、ANZのCEOおよび/または開示を要する執行役員がBEARに基づく説明義務を遵守していない場合、不遵守の度合いに

    応じてBEARが要求する額を当該者の後渡し報酬から減額する。
     従業員の後渡し報酬は、権利確定のさらなる繰延についても、ANZの継続的で絶対的な裁量の対象となる。ANZがこの裁量を
    行使した場合、権利確定日は延期され、ANZが権利確定すべきと判定しない限り権利は確定しない。
     後渡し報酬の予定された権利確定前に、取締役会(CEO、開示を要する執行役員およびその他特定された役職に関して)およ
    び/または全社的説明責任グループ(「EAG」)(他の従業員に関して)は、マルス/下方修正または追加の繰延を適用すべき
    かどうかを検討する。詳細については、下記6を参照のこと。
    6.説明責任および結果フレームワーク

     2021年度、当グループは、引き続き説明責任および結果フレームワークを強化し進展させた。
     全社的説明責任グループ(「EAG」)は、取締役会の人事委員会から委任された権限に基づき、以下のとおり運営される。
     ・ ANZの文化への影響をよく理解しながら、説明責任および結果フレームワークの実施および継続的な有効性を監視する際
       に取締役会を補佐する。
     ・ CEOを委員長とし、そのメンバーにはCRO、CFOおよびグループ執行役員(文化およびカルチャー担当)が含まれる。
     ・ 最も重大なリスク、行動、監査事象(該当する場合)、説明責任および査定結果の適用(必要に応じて)をレビューす
       る。
     ・ リスク行動を強化し、リスクのロールモデルを認識するために、各部門に指針を示し部門全体における取組みを検討す
       る。その達成は組織全体に説明される。
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     2021年度において、組織のリスクを監視し軽減するとともに、リスク文化の継続的な改善を図った取組みに対し、43名の個
    人が優れたリスク行動を行ったロールモデルとして表彰された。その43名にはCEOから個人的なメッセージが送られ、取締役会
    およびグループ経営委員会のメンバーと会う機会が設けられ、また、当グループのイントラネットや社内のニュースレターに
    その功績が紹介された。
     全社的説明責任グループ(「EAG」)には、事象のレビューならびに説明責任および査定結果の決定における利益相反のリス
    ク軽減を確保する手続きが整備されている。例えば、説明責任のレビューを実施する際に、レビュー責任者の推薦は、その個
    人が偏見のない公平なレビューを行う能力を有しているかを確認するため、CROまたは(当グループのリスクに関わる事象の場
    合は)CEOに提出し検討され、承認を得なければならない。さらに、当グループの上級執行役員の説明責任および査定結果につ
    いては、人事委員会および取締役会が検討し決定する。
     最も重大なリスク、監査および行動に関する問題は、同時開催される会合において、人事委員会、リスク委員会および監査
    委員会に報告される。この情報は、当グループの業績および全従業員の2021年度ANZIP変動報酬資金プールを検討し、CEOおよ
    び開示を要する執行役員の業績および報酬査定結果を決定する際に、取締役が考慮した。
     人事委員会および取締役会は、以前繰り延べた報酬へのマルスの適用を含む、CEOおよび開示を要する執行役員の説明責任お
    よび査定結果を検討する。2021年度は、CEOおよび開示を要する執行役員について以前繰り延べられた報酬にマルスは適用され
    なかった。
     査定結果を決定する際、説明責任の程度、顧客への影響を含む問題の重要性が考慮される。査定結果として、例えば、相
    談、正式な警告、業績および報酬査定への影響、以前繰り延べた報酬へのマルスの適用、ならびに最終的には最も重大な問題
    による雇用の終了などが挙げられる。
     説明責任、査定結果および強固なリスク文化の推進に対して当グループが継続的に注力することにより、物事がうまくいか
    ない場合の顧客コミットメントを支援して、直ちにそれを解決し、現職(場合によっては前職)の執行役員に適宜一貫して責
    任を持たせる。当グループはまた、事象の原因から学び、将来の再発リスクを軽減し、継続的に当グループのリスク文化の強
    化を図ることに注力している。当グループは、説明責任および結果フレームワークの有効性を毎年見直し、規制および社内ス
    テークホルダーのインプットに基づき、当該フレームワークのさらなる強化のための拡充を実施する。
     当グループは継続して従業員の意識を高め、内部告発啓発週間および当グループの従業員エンゲージメント調査の回答の分
    析などの取組みを通じて、改善に向けて従業員が率直に発言し問題や意見を述べることのできる様々な方法を促進している。
    重要なリスクおよび率直な発言に関するスコアは、「リーダーはリスクに責任を持つ」(87%)、「報復措置の心配なく問題
    提起することができる」(80%)および「発言した考え、意見および懸念を聞いてもらえる」(81%)など、2020年の記録と
    同じまたはそれに極めて近い数字となった。
     2021年度には1,435件の行動規範事案が生じ、その結果、2020年の569名から増加して573名の従業員が正式な懲戒処分を受け
    たかANZを退職した。違反行為は、コンプライアンス/手続上の違反(44%)、電子メール/システムの悪用(11%)を通じた
    一般的な許容できない行為(31%)、勤怠に関する問題(5%)、不正行為/窃盗(4%)、利益相反(3%)および当グ
    ループの機会均等、いじめおよびハラスメントに関する方針違反(2%)などがある。当年度の違反行為の調査結果には、114
                                 (1)
    件の雇用終了、381件の警告および78名のANZを退社した従業員                              が含まれる。より広範な金融システム上の行動に関する問題
    が生じた証拠はなかった。
     当グループの上級リーダーシップレベル(上級執行役員、執行役員およびシニアマネージャー)への査定結果の適用に関し

    て、16名の現従業員および元従業員(2020年度は34名)の査定結果が、当グループの行動規範方針の適用および/または関連
    する事象の責任に関する調査結果により適用された。査定結果には、警告、業績および報酬の査定への影響、ならびに元従業
    員については以前繰り延べられた報酬の下方修正(該当する場合)が含まれる。16名の現従業員および元従業員は、当グルー
    プの上級リーダーシップレベル全体の0.6%に相当する。
    (1)  従業員は関係のあるすべてのカテゴリーに含まれている。つまり、1名の従業員が複数のカテゴリーに反映されている場

      合があることを意味する。
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    7.非執行取締役        (「NED」)      の報酬
    7.1   報酬の体系
     人事委員会は、NEDの2021年度の報酬を検討し、増額しないことを決定した。
     NEDは、取締役としての基本報酬、および取締役会委員会の委員長または委員としての追加報酬を受ける。取締役会会長は、
    取締役会委員会の業務について追加報酬を受けない。
     取締役および委員としての報酬を設定する際、取締役会は、一般的な業界慣行、ASXのコーポレート・ガバナンス原則と推
    奨、NEDの役職に伴う責任およびリスク、当グループおよび当行の課題に対してNEDに期待される時間的関与、ならびに比較可
    能な会社のNEDに支払われる報酬を考慮する。
     ANZは、NEDの報酬を、時価総額が近いオーストラリア上場会社のうち特に大手金融サービス機関に絞った比較可能グループ
    と比較している。規模、業務の複雑性および性質ならびにNEDの稼働時間が近似することを前提に、これが適切なグループと考
    えられる。
     NEDの独立性および不偏性を維持するため、
     ・ NEDの報酬は、当グループの業績と連動しない。
     ・ NEDは、当グループの変動報酬の取決めに関して参加資格を有しない。
     現行のNEDの報酬資金プール総額は400万ドルであり、2012年度の年次株主総会で株主から承認を受けた。退職年金拠出金を

    含むNED報酬の年間総額は、この合意に基づく上限の範囲内に収まっている。
     下表は、2021年度のNEDの報酬方針の構成を示す。

    2021  年度  NEDの報酬方針の構成

                                          デジタル事業        倫理、環境、

                  取締役会
                         監査      リスク       人事      および
                                                 社会およびガバ
                   (1)(2)
                         委員会      委員会      委員会      技術委員会       ナンス委員会
                                 (単位:ドル)
    会長報酬・委員長報酬               825,000       65,000      62,000      57,000       45,000        35,000
    取締役報酬・委員報酬               240,000       32,500      31,000      29,000       15,000        15,000
    (1)  退職年金を含む。

    (2)  取締役会会長は取締役会委員会の委員としての追加報酬を受けない。取締役会会長およびNEDは、指名および取締役会運営
      委員会の委員報酬を受けない。
     NED  の持株ガイドライン

     当グループは、NEDにANZ株式の保有を要求している。NEDは、以下を要求される。
     ・ 任命から5年にわたり、NEDの取締役としての報酬の100%(議長は200%)相当額まで株式を積み増すこと。
     ・ ANZの取締役である間は、かかる持株を維持すること。
     2021年9月30日現在のANZの株価に基づくと、5年を経過したすべてのNEDが保有要件を満たしている。

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    7.2   2021  年度  の法定報酬-NED
     下表は、オーストラリア会計基準に準拠して開示したNEDの法定報酬を示している。
     下記の報酬に加えて、サー・ジョン・キーは、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドの会長としての役職についても、
    2020年度および2021年度にそれぞれ391,000ニュージーランドドルを受領した。
    2021  年度  の法定報酬-NED

                              短期NED手当               退職後

                                            退職年金
                                                       (3)
                             (1)          (2)        (1)
                   事業年度                                 報酬総額
                           報酬       非貨幣給付          拠出金
                                  (単位:ドル)
     現職の非執行取締役
           (4)
                    202  1       764,033         19,931         22,163        806,127
     P. オサリバン
                    2020         243,331           -       19,207        262,538
     I. アトラス              202  1       322,337           -       22,163        344,500
                    2020         323,324           -       21,176        344,500
     P. ドワイヤー              202  1       365,000           -         -     365,000
                    2020         351,326           -       10,674        365,000
     J. ハルトン              202  1       306,837           -       22,163        329,000
                    2020         307,824           -       21,176        329,000
     J. キー              202  1       278,837           -       22,163        301,000
                    2020         279,824           -       21,176        301,000
     G. リーベルト              202  1       341,337           -       22,163        363,500
                    2020         342,324           -       21,176        363,500
     J. マクファーレン              202  1       296,337           -       22,163        318,500
                    2020         297,324           -       21,176        318,500
     前職の非執行取締役
           (5)
                    202  1        57,348         3,363         5,424        66,135
     D. ゴンスキー
                    2020         803,824           -       21,176        825,000
     非執行取締役全員の合計               202  1      2,732,066          23,294         138,402       2,893,762
                    2020        2,952,101            -      156,937       3,109,038
    (1)  対前年の報酬の差額は、委員会のメンバー変更および退職年金拠出金の上限基準額の変更に関連する。2020年1月1日か

      ら2021年9月30日の期間にP.ドワイヤーは、報酬のすべての支払いを受領する選択をしたため、退職年金拠出金を受領し
      なかった。
    (2)  非貨幣給付は一般に、駐車場および退社時の贈与等、会社負担の手当で構成される。
    (3)  長期手当および株式に基づく支払いは、NEDには適用されない。
    (4)  P.オサリバンは、2019年11月4日にNEDに就任し、2020年10月28日に会長に就任したため、2020年度の報酬は勤務年の一部
      を反映したものとなっている。
    (5)  D.ゴンスキーは、2020年10月28日に会長を退任したため、2021年度の報酬は勤務年の一部を反映したものとなっている。
    8 .報酬ガバナンス

    8.1   人事(「HR」)委員会
    8.1.1    人事委員会の役割
     人事委員会は、報酬およびその他の人事事項について取締役会を補佐する。当グループの報酬方針および慣行を検討し、ま
    た市場慣行ならびにオーストラリア内外の規制上およびコンプライアンス上の要件も監視する。
                      (1)
     当年度中、人事委員会は5回の会議                  をもち、以下を含む事項について検討および承認または取締役会への勧告を行った。
     ・ ANZBGLの報酬方針の対象となるCEOおよびその他の主要執行役員(報酬報告における開示対象者より広義)の報酬ならび
       にNEDの報酬
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     ・ サー・ステファン・セジウィックによる業界全体のリテール報酬レビューに対するANZの対応
     ・ APRA健全性基準CPS511「報酬」の草案、BEARの主題レビューおよび財務省の金融機関説明責任制度(「FAR」)に関する
       最新情報
          (2)
     ・ CPS511      を考慮した執行役員報酬構造の潜在的変更
     ・ ANZグループの業績フレームワーク(年間目標の設定および評価)ならびに年間変動報酬の支出
     ・ 主要上級執行役員の実績および報酬の査定(当年度に生じたまたは明らかになった重大な事象の検討を含む)
     ・ 後渡し報酬のマルス/下方修正の発表、さらなる繰延べまたは適用
     ・ 主要上級執行役員の任命および解任
     ・ ANZBGLの報酬方針の実効性
     ・ 当グループの戦略を実現するために必要な能力の開発
     ・ 主要上級執行役員の後継育成計画
     ・ 強化された説明責任および結果フレームワークに関する最新情報を含む、文化およびガバナンス
     ・ 多様化、インクルージョンならびに従業員エンゲージメント
     人事委員会の役割に関する詳細は、同委員会の憲章を含め、ANZのウェブサイト(anz.com                                             > Our  company    > Strong

    governance      framework     > ANZ  Human   Resources     Committee     Charter)に掲載されている。
    (1)  人事委員会は、当年度中に一部委員が集合して多数の会議を開き、規制上の進展および2021年度の査定について議論し

      た。
    (2)  人事委員会のサブグループは、執行役員の報酬構造を詳細に見直すために設置された。
    8.1.2    報酬およびリスクの連動

     人事委員会は、業績、リスク管理および報酬の関係を当グループの事業戦略と合致させることに重点を置いている。リスク
    委員会および監査委員会の委員長は人事委員会委員を務め、取締役全員が特定の人事委員会の会議に出席する。人事委員会、
    リスク委員会および監査委員会の同時会合は、以下を見直すために開催された。
     ・ 2021年度に生じたまたは明らかになった重大なリスク、行動および監査事象
     ・ 当グループおよび開示を要する執行役員の両方のレベルにおける2021度の業績および変動報酬に関する提言
     報酬とリスクの連動の重要性をより大きく反映するため、

     ・ 取締役会は2021年度中、(会長に加え)2名のNEDに人事委員会およびリスク委員会を兼務させた。
     ・ 人事委員会は、リスクおよび財務管理の人員に自由かつ無制限にアクセスできる(CROおよびCFOは特定の議題に関して
       人事委員会の会議に参加する)。
     ・ CROは、最も重大なリスク、行動および監査事象に関する個別の報告書を人事委員会に提出し(該当する場合)、グルー
       プ、部門および個人レベルで業績および報酬の考慮事項、ならびに説明責任および査定結果を通知する。
     ・ CROはまた、CEOおよび開示を要する執行役員の業績および報酬の査定結果の評価にあたり、取締役会を補佐するために
       独立した報告書を提供する。
     ・ 監査委員会およびリスク委員会の委員長は、すべての関連リスクおよび内部監査に関する課題を適切に検討するため、
       インプットを提供することが求められる。
     ・ 当グループ業績フレームワークおよび部門業績フレームワークは、修正要素となる重要な構成要素としてリスクを含
       み、各フレームワークの評価の不可欠な部分を形成し、全体的査定に直接影響を及ぼす。
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    8.1.3    利益相反
     利益相反の可能性を低減するために以下を行う。
     ・ 経営陣は、その業績または報酬について人事委員会または取締役会が議論する場合はその会議に出席しない。
     ・ CEOの年間変動報酬は、ANZIP資金プールから資金提供され個別に決定される。
     ・ CROの報酬の取決めは、その職務の独立性を保つために、他の開示を要する執行役員とは異なるものとする。
     ・ 全社的説明責任グループ(「EAG」)は、上記6に概説される利益相反を軽減するための手続きを整備している。
     ・ 人事委員会は、CEOおよび開示を要する執行役員の業績および報酬査定の検討事項について通知するために、以下を含む
       多くの情報源からの意見を求める。
        - リスク担当、財務担当、人材およびカルチャー担当、内部監査担当からの個別の報告書
        - CROが提供した重大なリスク、行動および監査事象に関するデータ
        - 取締役会の監査委員会およびリスク委員会双方からのインプット
    8.1.4    外部アドバイザーは情報を提供したが、勧告は行わなかった

     人事委員会は、必要に応じて、独立的な外部アドバイザーと契約することができる。
     当年度中、人事委員会および経営陣は、外部アドバイザーであるエーオン(Aon)、アシャースト(Ashurst)、EY、マー
    サー・コンサルティング(オーストラリア)Ptyリミテッド(Mercer                                  Consulting      (Australia)      Pty  Ltd)およびプライス
    ウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers)から情報提供を受けた。こうした情報は、市場データ、市場慣行、
    分析およびモデリング、法的要件ならびにガバナンス上および規制上の要件の解釈に関連するものであった。
     ANZは当年度中、KMPの報酬について外部のコンサルタントから報酬勧告を受けていない。
     ANZは、人事委員会および取締役会に勧告を行う社内の報酬専門家を採用している。取締役会は、提供された情報を用い、
    ANZの戦略目標、目的および価値観、リスク選好ならびにANZBGLの報酬方針および原則を慎重に考慮したうえで、独立的に決定
    を下した。
    8.2   内部統制

    8.2.1    ヘッジの禁止
     すべての後渡し株式は、権利が完全に確定するまでリスク性を維持しなければならない。したがって、執行役員およびその
    関係者は、割り当てられたエクイティの権利確定前の価値を特定的に保護するスキームを契約してはならない。これを行った
    場合、当該エクイティは失権することになる。
    8.2.2    CEOおよび開示を要する執行役員の持株ガイドライン

     当グループは、CEOおよび開示を要する各執行役員に対して、5年にわたり、以下を要求する。
     ・ 固定報酬の200%相当額までANZ株式を積み増すこと。
     ・ ANZの執行役員である間は、かかる持株を維持すること。
     この目的において、持株には、業績要件の対象とならないすべての権利確定済みおよび権利確定前のエクイティが含まれ

    る。2021年9月30日現在の持株、ならびに2021年度業績および報酬レビューの査定結果により2021年11月22日に付与されるエ
    クイティに基づくと、CEOおよびすべての開示を要する執行役員は、最低保有要件を満たしているか、在任期間が5年に満たな
    い場合は、要件が満たされる見込みである。
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    8.2.3    CEOおよび開示を要する執行役員の契約条件およびエクイティの取扱い
     CEOおよび開示を要する執行役員に関する契約条件および退任時のエクイティの取扱い(付与条件に従う。)は、以下のとお
    りである。これらは類似しているが、置かれる立場の違いに適合するよう一定の場合に差を設けている。
     契約の種類               恒久的な継続雇用契約

     辞任の通知               ・ CEOからは12か月前まで
                                         (1)
                   ・ 開示を要する執行役員からは6か月前まで
              (2)                                       (3)
     ANZ  による解任通知             ・ CEOおよび開示を要する執行役員についてはANZにより12か月前まで
                   ただし、ANZは、重大な不正行為があった場合はいつでも直ちに個人の雇用を終了
                   させることができる。この場合、当該個人は、固定報酬に限り退任日までおよび
                   法定給付について支給を受けることができる。
     ANZ  離職時の権利確定前株式             辞任するまたは解任される執行役員は、取締役会が別段の決定をしない限り、権
     の取扱い               利確定前の後渡し株式の権利を失う。
                   ある執行役員が人員余剰を理由に解任され、または「善良な離職者」と分類され
                   る場合、取締役会が別段の決定をしない限り、
                   ・ 後渡し株式/株式の権利は、当初の権利確定日に引き渡される。
                              (4)
                   ・ 業績に基づく権利            は継続しており、(業績要件に達した範囲で)当初の権
                     利確定日に引き渡される。
                                                 (4)
                   ・ (2020年12月31日前までの付与に対する)業績に基づく権利                               は、(業績要
                     件に達した範囲で)解任通知満了日までの在任期間に応じて期間割りされ、
                     当初の権利確定日に引き渡される。
                   執行役員の死亡時または全身的かつ永久的な障害の発生時に、後渡し株式の権利
                   は確定する。
                   権利確定前のエクイティは、退職後も引き続きマルスの対象となる。
     支配権の変更               支配権の変更またはこれに類するその他の事象が発生した場合、当グループはCEO
                   の業績に基づく権利に適用する業績条件を判定する。業績条件の達成度に応じて
     (CEOにのみ適用)
                   これらの権利が確定する。
    (1)  CFO代理からは3か月前まで。

    (2)  K.コバリーおよびM.ハンドの契約には、関連するANZの方針(適宜変更される。)に従い、特定の状況で人員削減給付の受
      領資格を有する場合があることが記載されており、M.ハンドは、定年退職、人員削減、死亡、または疾病、就労不能もし
      くは家庭の事情による辞任により退職手当を受給する資格を有する(下記9.1の脚注(5)を参照のこと。)。A.ワトソンに
      ついては、人員削減通知は6週間前までとし、人員削減時点での報酬は、25年の役務後79週を上限として段階的に計算さ
      れる。
    (3)  CFO代理についてはANZにより6か月前まで。
    (4)  または、業績に基づく権利に代えてCROに支給される後渡し株式の権利。
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    9.その他のデータ
    9.1   2021  年度の法定報酬-CEOおよび開示を要する執行役員
     下表は、オーストラリア会計基準に準拠して開示された法定報酬の一覧である。同表は、支給された固定報酬(現金および
    退職年金拠出金)ならびに2021年度の変動報酬のうち現金部分も表示しているが、2021年度に実際に支給または受領された変
    動報酬(上記4.1および4.2を参照)は表示しておらず、これに代えて按分償却された当事業年度分の後渡し報酬(前年支給分
    を含む。)の会計価値を表示している。
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    2021  年度の法定報酬-CEOおよび開示を要する執行役員
                                 長期従業

                                                (7)
                                         株式に基づく報酬
                短期従業員給付            退職後      員給付
                                           償却価値合計
                                                  その他の
                                                  エクイ
                                                  ティ割当
                                                   (8)
                                                   て
                                         変動報酬
                             当年度中
                              に
                                 当年度中
                     現金による        発生した
                                  に発
                          退職年
                     インセンテ         退
                                 生した長
              現金    非貨幣
                           金拠
                                                       退任
                     ィブ合計        職給付
                                  期勤
                                              業績に
                                         株式の権
          事業
               (1)    (2)        (4)
                                   (6)                     (9)
                       (3)        (5)
              給与    給付        出金
                                 続休暇                     給付  金
                                      株式    利   基づく権利      株式       報酬総額
          年度
                                   (単位:ドル)
    CEO および現職の開示を要する執行役員
     S. エリオッ     2021
     ト      年  2,478,132     15,025   1,000,000     21,868      -  37,880    880,970      -  1,039,524       -    -  5,473,399
          20 20
           年  2,478,824     15,089    625,000    21,176      - 100,651    828,507      -  1,156,061       -    -  5,225,308
     S. バグル
          2021
     (10)
           年   689,935      -  462,000    14,065      - 525,757    112,974    159,613     71,423      -    -  1,562,767
     M. カーネ     2021

     ギー      年  1,178,047     22,621    569,250    22,453      -  18,182    534,990      -  267,586      -    -  2,613,129
          20 20
           年  1,178,824     20,646    409,200    21,676      -  28,120    502,572      -  196,150      -    -  2,357,188
     K. コバリー     2021
           年  1,078,030     9,525    613,800    21,970      -  16,667    472,538    357,462      1,984      -    -  2,571,976
          20 20
           年  1,078,824     9,589    429,000    21,176      -  32,255    378,884    258,090     16,398      -    -  2,224,216
     G. フローリ     2021                       18,058    478,255      -  312,520      -    -  2,591,264
     アン      年  1,062,530     21,431    676,500    21,970      -
          20 20                      24,403    333,927      -  238,329      -    -  2,063,555
           年  1,053,824     20,646    371,250    21,176      -
     M. ハンド     2021
           年  1,178,047     9,525    544,500    21,953    5,218    18,182    451,897      -  266,258      -    -  2,495,580
          20 20
           年  1,178,824     9,589    462,000    21,176    25,177    112,623    367,507      -  203,224      -    -  2,380,120
     K. ファン・
     デル・マー      2021
     ブ      年   885,012    15,620    594,000    22,488      -  22,929    457,267      -  298,076      -    -  2,295,392
          20 20
           年   828,824    15,089    330,000    21,676      -  16,580    358,605      -  229,707      -    -  1,800,481
     A. ワトソン
          2021
     (11)
           年  1,042,346     9,786    687,167    36,336      -  4,130   439,710    22,321    200,921      564     -  2,443,281
          20 20
           年   975,974    11,176    334,681    39,625      -  17,373    237,502    82,845     93,742     711     -  1,793,639
     M. ウィーラ     2021
     ン      年  1,254,082     12,275    810,150    21,918      -  69,359    730,123      -  355,857      -    -  3,253,764
          20 20
           年  1,178,824     9,589    363,000    21,176      -  18,232    754,535      -  417,161      -    -  2,762,517
    前職の開示を要する執
    行役員
                                    - (465,856)       -  (701,309)       - 174,828     (60,000)
     A. ジョージ
          2021
     (12)
           年   891,030    18,337       - 22,470      -
          20 20                      25,551    430,514      -  219,525      -    -  2,165,236
           年  1,078,824     26,146    363,000    21,676      -
                                    - (609,753)       - (1,081,003)      10,950    74,947   (1,068,807)
     M. ジャブル
          2021
      (13)
     コ
           年   516,787    7,552      - 11,713      -
          20 20                      21,570    535,573      -  307,228    50,316      -  2,387,776
           年  1,078,824     9,589    363,000    21,676      -
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    (1)   現金給与には、主要経営陣の役職期間にANZのライフスタイル休暇制度の利用を反映するために必要な一切の調整額が含
       まれる。
    (2)   非貨幣給付は一般に、駐車場、税務サービス、国内の給付に関連して会社が払う費用、前職の開示を要する執行役員につ
       いては退社時に受領する贈与など、会社負担の手当(関連する付加給付税を含む。)で構成される。
    (3)   現金によるインセンティブ合計は、現金部分のみに関係する。年間変動報酬/変動報酬の後渡し部分に関係する償却は株
       式に基づく報酬に含まれ、権利確定期間にわたって償却されている。年間変動報酬/変動報酬はすべて2021年10月15日に
       ANZBGLの取締役会により承認され、A.ワトソンについては2021年10月19日にANZニュージーランドの取締役会により承認
       された。2020年度および2021年度に支給された年間変動報酬/変動報酬の現金部分はすべて、関連する年度中に執行役員
       に対して権利が確定した。
    (4)   オーストラリアに拠点を置くすべての執行役員について、2020年度および2021年度の退職年金拠出金は退職年金保証拠出
       (上限拠出基準額に基づく。)を反映している。A.ワトソンはキウィセーバー(KiwiSaver)に加入しており、ANZは加入
       者拠出と折半で雇用者拠出(雇用者退職年金拠出税を控除後の給与支払総額の4%を上限とする。)を負担している。
    (5)   退職手当に関連して発生した額。M.ハンドは、1992年11月以前にANZに雇用されたため、定年退職、人員削減、死亡、ま
       たは疾病、就労不能もしくは家庭の事情による辞任により退職手当を受け取る権利を有している。退職手当は、確定して
       いる名目給与(固定報酬の65%に相当)の3か月分に、常勤であった(10年を超える)各年について名目給与の3%を加
       え、長期勤続休暇(取得済みおよび未取得を含む。)の発生分の価値の合計を差し引いたものとして計算される。
    (6)   K.ファン・デル・マーブおよびM.ウィーランについて当年度中に発生した長期勤続休暇は、同氏らの固定報酬が増額した
       結果、前年度比で増加した。
    (7)   AASB第2号「株式に基づく支払い」が要求するとおり、償却価値は、事業年度の開始時に完全には権利確定していなかっ
       たすべてのエクイティの(市場関連の権利確定条件を考慮した)公正価値の割合部分を含む。公正価値は付与日に決定さ
       れ、関連する権利確定期間において定額法で割り当てられる。報酬として含まれる金額は、エクイティの権利が行使可能
       となった場合に執行役員が最終的に収受する換価利益(もしあれば)と関係なく、またそれを示唆するものでもない。当
       事業年度中、変更または修正された株式に基づく支払い条件はなかった。また、CEOまたは開示を要する執行役員につい
       ては、当事業年度において現金で決済された株式に基づく支払いおよびその他の形態の株式に基づく報酬はなかった。
    (8)   その他のエクイティ割当ては、失権した後渡し報酬の補償および過去の従業員株式オファーに関連して受領された株式な
       どの雇用上の取決めに関係する。
    (9)   退任給付金は、退職時に支払われる契約に基づいた発生済み年次休暇および長期勤続休暇を反映している。
    (10)   S.バグルは2021年2月8日に開示を要する執行役員に就任した。そのため、同氏の2021年度の報酬は、勤務年の一部を反
       映したものとなっている。
    (11)   A.ワトソンの固定報酬はニュージーランドドルで支払われ、豪ドルに換算されている。2018年度、2019年度および2020年
       度、A.ワトソンは、過去の従業員株式オファーに基づき株式を受領する資格を有していた。当該オファーは、適格従業員
       に対して、取締役会の承認を前提に事業年度ごとにANZ株式を付与するものである。過去の従業員株式オファーの詳細に
       ついては、「第6         経理の状況‐1        財務書類」の2021年度財務書類の注記31「従業員持株およびオプション制度」を参照
       のこと。
    (12)   A.ジョージは2021年7月30日に雇用が終了した。同氏の報酬は、退任日までの期間を反映している(2021年度の同氏の年
       間固定報酬は110万ドルと変更はなかった。)。株式に基づく支払いには、権利確定前の後渡し報酬に関する退職時の費
       用計上の取扱い(失権に関する退職時の戻入れを含む。)が含まれている。退任給付金は、退職時に支払われる契約に基
       づいた発生済み年次休暇および長期勤続休暇を反映している。
    (13)   M.ジャブルコは2021年2月7日に雇用が終了した。同氏の報酬は、退任日までの期間を反映している(2021年度の同氏の
       年間固定報酬は110万ドルと変更はなかった。)。株式に基づく支払いには、権利確定前の後渡し報酬に関する退職時の
       費用計上の取扱い(失権に関する退職時の戻入れを含む。)が含まれている。M.ジャブルコに関するその他のエクイティ
       の割当ては、失権した後渡し報酬について以前開示した報酬に関連している。退任給付金は、退職時に支払われる契約に
       基づいた発生済み年次休暇および長期勤続休暇を反映している。
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    9.2   エクイティの保有
     2020年11月/12月にCEOおよび開示を要する執行役員に対して付与されたエクイティのための後渡し株式はすべて市場で調達
    された。
     後渡し株式の権利および業績に基づく権利については、当グループは権利確定の時期が近付いてから報酬に充当するための
    方法を決定する。
    9.2.1    付与、権利確定、行使/売却および失効/失権となったCEOおよび開示を要する執行役員のエクイティ

     下表は、当グループがCEOおよび開示を要する執行役員に対して付与した後渡し株式および権利の詳細を示す。
     ・ 2021年度中に付与したもの、または
     ・ 過年度に付与してその後権利が確定し、2021年度中に行使/売却されまたは失効/失権したもの
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    付与、権利確定、行使/売却および失効/失権となったエクイティ-CEOおよび開示を要する執行役員
                                                       2021 年9月
            エクイティ
                              権利確定した         失効/失権した         行使/売却された        30日現在
                                                           2021 年9月
            の付与時の
                                                       で権利確定
                                                           30日現
             公正価値
                                                       済みかつ
                                                           在で行使可
            (2021 年度付
       エクイ
                                                       行使可能な
                                                           能でな
                                   (2)         (2)         (2)
          付与数
                                  価値         価値         価値
             与分のみ)
       ティの
                    行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)    (4)
          (1)
                                                        もの   いもの
             (ドル)
     氏名  種類         付与日     日   満了日    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)
    CEO および現職の開示を要する執行役員
    S. エリ  後渡し
          6,941      2016/11/22    2020/11/22       - 6,941   100  155,095     -   -    - -6,941    100  161,895      -    -
    オット   株式
       後渡し
          8,529      2017/11/22    2020/11/22       - 8,259   100  190,578     -   -    - -8,529    100  198,935      -    -
       株式
       後渡し
          8,622      2018/11/22    2020/11/22       - 8,622   100  192,656     -   -    - -8,622    100  201,104      -    -
       株式
       後渡し
          12,006      2019/11/22    2020/11/22       - 12,006    100  268,270     -   -    - -12,006    100  280,034      -    -
       株式
       後渡し
          10,843    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  10,843
       株式
       後渡し
          8,130   23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  8,130
       株式
       後渡し
          5,420   23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  5,420
       株式
       後渡し
          2,710   23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  2,710
       株式
       業績に
       基づく   53,191      2015/12/17    2018/12/17    2020/12/17      -   -    -   -   -    - -34,733    65 800,099      -    -
       権利
       業績に
       基づく   107,471      2017/12/19    2020/12/19    2022/12/19    62,010    58 1,446,222   -45,461    42 -1,060,260      -   -   -  62,010     -
       権利
       業績に
       基づく   35,823      2017/12/19    2020/12/19    2022/12/19      -   -    - -35,823    100  -835,478     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   119,481    10.55  2020/12/16    2024/12/16    2026/12/16      -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  119,481
       権利
       業績に
       基づく   39,827    6.67  2020/12/16    2024/12/16    2026/12/16      -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  39,827
       権利
    S. バグ
       後渡し
          4,703      2014/11/21    2017/11/21       -   -   -    -   -   -    - -3,800    81 100,845     903    -
     (5)
       株式
    ル
       後渡し
          2,938      2016/11/22    2019/11/22       -   -   -    -   -   -    - -2,938    100  83,214      -    -
       株式
       後渡し
          6,277      2017/11/22    2019/11/22       -   -   -    -   -   -    - -1,562    25  44,241    4,715     -
       株式
       後渡し
          6,464      2018/11/22    2019/11/22       -   -   -    -   -   -    - -3,700    57 100,212     2,764     -
       株式
    M. カー  後渡し
          1,182      2016/11/22    2020/11/22       - 1,182   100   26,411     -   -    -   -   -   -  1,182     -
    ネギー   株式
       後渡し
          4,785      2017/11/22    2020/11/22       - 4,785   100  106,919     -   -    -   -   -   -  4,785     -
       株式
       後渡し
          5,202      2018/11/22    2020/11/22       - 5,202   100  116,237     -   -    -   -   -   -  5,202     -
       株式
       後渡し
          7,924      2019/11/22    2020/11/22       - 7,924   100  177,059     -   -    -   -   -   -  7,904     -
       株式
       後渡し
          7,099   23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  7,099
       株式
       後渡し
          5,323   23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  5,323
       株式
       後渡し
          3,549   23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  3,549
       株式
       後渡し
          1,774   23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -      -   -   -    -   -   -   -    -  1,774
       株式
       業績に
       基づく   29,580      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    17,067    58  381,357   -12,513    42  -279,599     -   -   -  17,067     -
       権利
       業績に
       基づく   9,860      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -    - -9,860    100  -220,319     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   28,784    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  28,784
       権利
       業績に
       基づく   9,594    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -    -   -   -    -   -   -   -    -  9,594
       権利
                                229/560





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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                               権利確定した        失効/失権した        行使/売却された
                                                       2021 年9月
             エクイティ
                                                       30日現在
                                                           2021 年9月
             の付与時の
                                                       で権利確定
                                                            30日現
             公正価値
                                                       済みかつ
                                                           在で行使可
             (2021 年度付与
       エクイ
                                                       行使可能な
                                                            能でな
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                  価値         価値         価値
             分のみ)  (ド
       ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)    (4)
           (1)
                                                        もの   いもの
              ル)
     氏名   種類          付与日     日   満了日    数  (%)  (ドル)    数  (%)  (ドル)    数  (%)   (ドル)
    K. コバ  後渡し
          2,115      2017/11/22    2020/11/22       - 2,115   100  47,259    -   -   - -2,115    100  48,721      -    -
    リー   株式
       後渡し
          3,007      2018/11/22    2020/11/22       - 3,007   100  67,191    -   -   - -3,007    100  69,268      -    -
       株式
       後渡し
          5,745      2019/11/22    2020/11/22       - 5,745   100  128,370     -   -   - -5,745    100  132,340      -    -
       株式
       後渡し
          5,582    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  5,582
       株式
       後渡し
          5,581    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  5,581
       株式
       後渡し
          3,720    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  3,720
       株式
       後渡し
          3,720    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  3,720
       株式
       後渡し
       株式の   20,118    19.06  2020/12/07    2024/11/22    2024/11/29      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  20,118
       権利
       業績に
       基づく   4,230      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    2,440    58  54,521   -1,790    42  -39,997   -2,440    58  56,207      -    -
       権利
    G. フロー  後渡し
          2,465      2017/11/22    2018/11/22       -   -   -   -   -   -   - -2,462    100  69,696      -    -
    リアン   株式
       後渡し
          2,462      2017/11/22    2019/11/22       -   -   -   -   -   -   - -2,462    100  69,611      -    -
       株式
       後渡し
          2,462      2017/11/22    2020/11/22       - 2,462   100  55,013    -   -   -   -   -   -   2,462     -
       株式
       後渡し
          3,254      2018/11/22    2019/11/22       -   -   -   -   -   -   - -3,254    100  92,004      -    -
       株式
       後渡し
          3,251      2018/11/22    2020/11/22       - 3,251   100  72,643    -   -   -   -   -   -   3,251     -
       株式
       後渡し
          4,491      2019/11/22    2020/11/22       - 4,491   100  100,350     -   -   -   -   -   -   4,491     -
       株式
       後渡し
          6,442    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  6,442
       株式
       後渡し
          4,829    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,829
       株式
       後渡し
          3,219    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  3,219
       株式
       後渡し
          1,609    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  1,609
       株式
       業績に
       基づく   15,225       2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    8,784    58  196,276   -6,441    42 -143,922     -   -   -   8,784     -
       権利
       業績に
       基づく   5,075      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   - -5,075    100  -113,399     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   26,115    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  26,115
       権利
       業績に
       基づく   8,705    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  8,705
       権利
       後渡し
    M. ハンド     3,138      2017/11/22    2020/11/22       - 3,138   100  70,118    -   -   - -3,138    100  71,641      -    -
       株式
       後渡し
          3,251      2018/11/22    2020/11/22       - 3,251   100  72,643    -   -   - -3,251    100  74,220      -    -
       株式
       後渡し
          4,755      2019/11/22    2020/11/22       - 4,755   100  106,249     -   -   - -4,755    100  108,557      -    -
       株式
       後渡し
          8,015    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  8,015
       株式
       後渡し
          6,010    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  6,010
       株式
       後渡し
          4,006    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,006
       株式
       後渡し
          2,003    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  2,003
       株式
       業績に
       基づく   6,277      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    3,621    58  80,910   -2,656    42  -59,348   -3,621    58  82,667      -    -
       権利
       業績に
       基づく   32,498    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  32,498
       権利
       業績に
       基づく   10,832    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  10,832
       権利
                                230/560




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                                                           有価証券報告書
                               権利確定した        失効/失権した         行使/売却された
                                                       2021 年9
                                                       月30日現
                                                        在
                                                           2021 年9
                                                       で権利確
             エクイティ
                                                           月30日現
                                                       定済みか
             の付与時の
                                                           在 で行使
                                                        つ
             公正価値
             (2021 年度付
        エクイ
                                                       行使可能    可能でな
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                  価値         価値         価値
             与分のみ)
        ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                         (3)    (4)
           (1)
                                                       なもの    いもの
              (ドル)
     氏名   種類         付与日     日   満了日    数  (%)  (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)
    K. ファ  後渡し
           1,479      2017/11/22    2018/11/22       -   -   -   -   -   -   -  -800    54  21,011     679    -
    ン・デル   株式
       後渡し
    ・マーブ      1,477      2017/11/22    2020/11/22       - 1,477   100  33,003     -   -   -   -   -   -  1,477     -
       株式
       後渡し
           3,577      2018/11/22    2020/11/22       - 3,577   100  79,927     -   -   -   -   -   -  3,577     -
       株式
       後渡し
           6,604      2019/11/22    2020/11/22       - 6,604   100  147,564     -   -   -   -   -   -  6,604     -
       株式
       後渡し
           5,724    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  5,724
       株式
       後渡し
           4,293    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,293
       株式
       後渡し
           2,862    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  2,862
       株式
       後渡し
           1,431    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  1,431
       株式
       業績に
       基づく   9,135      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22     5,270    58  117,757   -3,865    42  -86,362     -   -   -  5,270     -
       権利
       業績に
       基づく   3,045      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   - -3,045    100  -68,040     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   23,213    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  23,213
       権利
       業績に
       基づく   7,737    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  7,737
       権利
    A. ワトソ  後渡し
           3,904      2019/11/22    2020/11/22       - 3,904   100  87,234     -   -   -   -   -   -  3,904     -
    ン   株式
       後渡し
           5,806    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  5,806
       株式
       後渡し
           4,354    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,354
       株式
       後渡し
           2,902    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  2,902
       株式
       後渡し
           1,451    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  1,451
       株式
       従業員
       株式オ    23     2014/12/04    2017/12/04       -   -   -   -   -   -   -  -23   100   612    -    -
       ファー
       従業員
       株式オ    26     2015/12/03    2018/12/03       -   -   -   -   -   -   -  -26   100   692    -    -
       ファー
       従業員
       株式オ    24     2017/12/01    2020/12/01       -  24  100   548   -   -   -  -24   100   639    -    -
       ファー
       後渡し
       株式の   2,332      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22     2,332   100  52,108     -   -   - -2,332    100  53,013     -    -
       権利
       後渡し
       株式の   5,318      2018/11/22    2020/11/22    2022/11/22     5,318   100  118,829     -   -   - -5,318    100  120,894      -    -
       権利
       業績に
       基づく   3,934      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22     2,269    58  50,700   -1,665    42  -37,204   -2,269    58  51,581     -    -
       権利
       業績に
       基づく   23,542    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  23,542
       権利
       業績に
       基づく   7,847    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  7,847
       権利
    M. ウィー  後渡し
           6,724      2016/11/22    2020/11/22       - 6,724   100  150,246     -   -   - -6,724    100  158,473      -    -
    ラン   株式
       後渡し
           9,218      2017/11/22    2020/11/22       - 9,218   100  205,973     -   -   - -9,218    100  217,252      -    -
       株式
       後渡し
           7,072      2018/11/22    2020/11/22       - 7,072   100  158,022     -   -   - -7,072    100  166,674      -    -
       株式
       後渡し
          13,998      2019/11/22    2020/11/22       - 13,998    100  312,781     -   -   - -13,998    100  329,908      -    -
       株式
       後渡し
           6,297    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  6,297
       株式
       後渡し
           4,722    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  4,722
       株式
       後渡し
           3,148    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  3,148
       株式
       後渡し
           1,574    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  1,574
       株式
       業績に
       基づく   56,985      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    32,880    58  734,694   -24,105    42 -538,619   -32,880     58  774,922      -    -
       権利
       業績に
       基づく   18,995      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   - -18,995    100  -424,438     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   25,534    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  25,534
       権利
                                231/560

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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
       業績に
       基づく   8,511    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   -   -   -   -   -   -   -    -  8,511
       権利
                                232/560




















                                                          EDINET提出書類
                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                                                        2021 年9
                                                        月30日現
                                                         在
                                                           2021 年9
                               権利確定した         失効/失権した         行使/売却された
             エクイティ
                                                        で権利確
                                                           月30日現
             の付与時の
                                                        定済みか
                                                           在 で行使
             公正価値
                                                         つ
             (2021 年度付
        エクイ
                                                        行使可能    可能でな
                                    (2)         (2)         (2)
          付与数
                                   価値         価値         価値
             与分のみ)
        ティの             行使可能初           比率         比率         比率
                                                          (3)    (4)
           (1)
                                                        なもの    いもの
              (ドル)
     氏名   種類         付与日     日   満了日    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)    数  (%)   (ドル)
    前職の開示を要する執行役員
    A. ジョー
       後渡し
           3,096      2017/11/22    2020/11/22       -  3,096   100  69,179     -   -   -   -   -   -  3,096     -
     (6)
       株式
    ジ
       後渡し
           3,096      2017/11/22    2021/11/22       -   -   -   - -3,096    100  -85,924     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           3,495      2018/11/22    2020/11/22       -  3,495   100  78,095     -   -   -   -   -   -  3,495     -
       株式
       後渡し
           3,495      2018/11/22    2021/11/22       -   -   -   - -3,495    100  -96,997     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           3,495      2018/11/22    2022/11/22       -   -   -   - -3,495    100  -96,997     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           8,453      2019/11/22    2020/11/22       -  8,453   100  188,880     -   -   -   -   -   -  8,453     -
       株式
       後渡し
           6,338      2019/11/22    2021/11/22       -   -   -   - -6,338    100  -175,899     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           4,225      2019/11/22    2022/11/22       -   -   -   - -4,225    100  -117,257     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           2,112      2019/11/22    2023/11/22       -   -   -   - -2,112    100  -58,615     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           6,297    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   - -6,297    100  -174,761     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           4,722    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   - -4,722    100  -131,050     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           3,148    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   - -3,148    100  -87,367     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           1,574    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   - -1,574    100  -43,683     -   -   -    -   -
       株式
       業績に
       基づく   19,140      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    11,043    58  246,753   -8,097    42 -180,925   -11,043     58 252,112      -   -
       権利
       業績に
       基づく   6,380      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22      -   -   - -6,380    100  -142,559     -   -   -    -   -
       権利
       業績に
       基づく   21,610      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      -   -   - -21,610    100  -599,744     -   -   -    -   -
       権利
       業績に
       基づく   7,203      2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22      -   -   - -7,203    100  -199,906     -   -   -    -   -
       権利
       業績に
       基づく   32,653      2019/11/22    2023/11/22    2025/11/22      -   -   - -32,653    100  -906,222     -   -   -    -   -
       権利
       業績に
       基づく   10,884      2019/11/22    2023/11/22    2025/11/22      -   -   - -10,884    100  -302,065     -   -   -    -   -
       権利
       業績に
       基づく   25,534    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   - -25,534    100  -708,648     -   -   -    -   -
       権利
       業績に
       基づく   8,511    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22      -   -   - -8,511    100  -236,207     -   -   -    -   -
       権利
    M. ジャブ
       後渡し
          11,444      2016/08/20    2019/02/27       -   -   -   -   -   -   - -11,444    100  304,489      -   -
      (6)
       株式
    ルコ
       後渡し
           7,617      2016/08/20    2020/02/27       -   -   -   -   -   -   - -7,617    100  202,665      -   -
       株式
       後渡し
           4,540      2016/08/20    2021/02/27       -  4,540   100  119,239     -   -   -   -   -   -  -4,540     -
       株式
       後渡し
           1,182      2016/11/22    2019/11/19       -   -   -   -   -   -   - -1,182    100  31,449     -   -
       株式
       後渡し
           1,182      2016/11/22    2020/11/22       -  1,182   100  26,411     -   -   - -1,182    100  31,449     -   -
       株式
       後渡し
           6,305      2017/11/22    2019/11/22       -   -   -   -   -   -   - -6,305    100  167,757      -   -
       株式
       後渡し
           6,305      2017/11/22    2020/11/22       -  6,305   100  140,883     -   -   - -6,305    100  167,757      -   -
       株式
       後渡し
           6,305      2017/11/22    2021/11/22       -   -   -   - -6,305    100  -177,651     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           5,693      2018/11/22    2019/11/22       -   -   -   -   -   -   - -5,693    100  151,473      -   -
       株式
       後渡し
           5,690      2018/11/22    2020/11/22       -  5,690   100  127,141     -   -   - -5,690    100  151,393      -   -
       株式
       後渡し
           5,690      2018/11/22    2021/11/22       -   -   -   - -5,690    100  -160,323     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           5,690      2018/11/22    2022/11/22       -   -   -   - -5,690    100  -160,323     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           8,717      2019/11/22    2020/11/22       -  8,717   100  194,779     -   -   - -8,717    100  231,932      -   -
       株式
       後渡し
           6,536      2019/11/22    2021/11/22       -   -   -   - -6,536    100  -184,160     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           4,357      2019/11/22    2022/11/22       -   -   -   - -4,357    100  -122,764     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           2,178      2019/11/22    2023/11/22       -   -   -   - -2,178    100  -61,368     -   -   -    -   -
       株式
                                233/560


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                                                           有価証券報告書
       後渡し
           6,297    23.30  2020/12/07    2021/11/22       -   -   -   - -6,297    100  -177,426     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           4,722    23.30  2020/12/07    2022/11/22       -   -   -   - -4,722    100  -133,048     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           3,148    23.30  2020/12/07    2023/11/22       -   -   -   - -3,148    100  -88,699     -   -   -    -   -
       株式
       後渡し
           1,574    23.30  2020/12/07    2024/11/22       -   -   -   - -1,574    100  -44,349     -   -   -    -   -
       株式
       業績に
       基づく   38,976      2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22    22,489    58  502,510   -16,487     42 -368,397   -22,489     58 518,050      -   -
       権利
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                                                       2021 年9月
                                                           2021 年9月
                                                       30日現在
                               権利確定した        失効/失権した        行使/売却された
                                                           30日現在   で
             エクイティ
                                                       で権利確定
             の付与時の
                                                       済みかつ
                                                           行使可能で
                                    (2)                  (2)
                                   価値                  価値
              公正価値
        エクイ
                                                       行使可能な
                                             (2)
          付与数                                                 ないもの
                                            価値
             (2021 年度付与
        ティの              行使可能初           比率   (ド      比率         比率   (ド
                                                         (3)
           (1)                                                 (4)
                                                        もの
             分のみ)  (ドル)
     氏名   種類          付与日     日   満了日    数  (%)   ル)   数  (%)   (ドル)    数  (%)   ル)
       業績に
       基づく   12,992       2017/11/22    2020/11/22    2022/11/22     -   -   - -12,992    100  -290,302     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   35,179       2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22     -   -   - -35,179    100  -991,211     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   11,726       2018/11/22    2021/11/22    2023/11/22     -   -   - -11,726    100  -330,394     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   33,673       2019/11/22    2023/11/22    2025/11/22     -   -   - -33,673    100  -948,777     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   11,224       2019/11/22    2023/11/22    2025/11/22     -   -   - -11,224    100  -316,250     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく   25,534    10.59  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22     -   -   - -25,534    100  -719,451     -   -   -    -    -
       権利
       業績に
       基づく    8,511    6.46  2020/12/07    2024/11/22    2026/11/22     -   -   - -8,511    100  -239,808     -   -   -    -    -
       権利
    (1) 執行役員は、高額報酬上位5名の執行役員の開示目的上、開示を要する執行役員またはグループ経営委員会のその他の委員と定義される。2021事業年度の高額報酬上位5名の執行役員に
      は、開示を要する執行役員4名およびグループ執行役員(国際担当)(F.ファルキ)が含まれている。2021年度に報酬として開示を要する執行役員に付与された権利は、上表に含まれて
      いる。2021年度に報酬としてF.ファルキに付与された権利には、4つのトランシュによる後渡し株式の権利、および2020年12月7日に付与された2つのトランシュによる業績に基づく権
      利(行使可能初日を2021年11月22日とし満了日を2021年11月29日とする6,459個(第1トランシュ)の後渡し株式の権利、行使可能初日を2022年11月22日とし満了日を2022年11月29日と
      する5,158個(第2トランシュ)の後渡し株式の権利、行使可能初日を2023年11月22日とし満了日を2023年11月29日とする3,619個(第3トランシュ)の後渡し株式の権利、行使可能初日
      を2024年11月22日とし満了日を2024年11月29日とする1,904個(第4トランシュ)の後渡し株式の権利、ならびに業績要件に達することを前提に行使可能初日を2024年11月22日とし満了
      日を2026年11月22日とする25,534個(第1トランシュ)および8,511個(第2トランシュ)の業績に基づく権利)が含まれる。2021年度末から取締役報告書の署名日までの間に、CEO、開
      示を要する執行役員または高額報酬執行役員上位5名に対してかかる権利は付与されなかった。
    (2) 株式/株式の権利および/または業績に基づく権利の一時点における価額は、権利確定、失効/失権、または行使/売却/信託終了の日にオーストラリア証券取引所(ASX)で売買され
      る当行株式の1日出来高加重平均価格(VWAP)に、株式/株式の権利および/または業績に基づく権利の数を乗じたものに基づく。すべての株式の権利/業績に基づく権利の行使価格
      は、0.00ドルである。株式に基づく支払いに関して当報告期間中に変更または修正された付与条件はなかった。
    (3) 権利確定済みかつ行使可能な数は、報告期間末現在で権利が確定している株式、オプションおよび権利の数である。権利確定済みであり行使可能ではない株式、オプションおよび権利は
      ない。
    (4) (付与日を基準として)過年度に付与された業績に基づく権利のうち、2021年9月30日現在でなお行使可能でないものには以下が含まれる。
                 2018 年11月         2019 年11月         2020 年11月
      S. エリオット
                  110,365          168,066          159,308
      S. バグル            6,464           -          -
      M. カーネギー           42,884          40,816          38,378
      K. コバリー             -          -          -
      G. フローリアン           26,802          23,128          34,820
      M. ハンド           26,802          24,489          43,330
      K. ファン・デル・マーブ           29,482          34,013          30,950
      A. ワトソン            4,802           -        31,389
      M. ウィーラン           58,296          72,108          34,045
      A. ジョージ             -          -          -
      M. ジャブルコ             -          -          -
      2021 年度にS.エリオットに付与された業績に基づく権利は、ASX上場規則10.14に従って、2020年度年次株主総会で株主により承認された。
    (5) 主要経営陣に就任した日から開示されたエクイティ取引である。
    (6) 雇用が終了するまでに開示されたエクイティ取引である。
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    9.2.2    NED、CEOおよび開示をする執行役員のエクイティ保有
     下表は、各NED、CEOおよび開示を要する各執行役員(これらの者の関係者を含む。)により直接、間接または実質的に保有
    されるエクイティの詳細を示す。
    エクイティ保有-NED、CEOおよび開示を要する執行役員

                                       オプションま

                                       たは権利の行
                                当年度中に報              当年度中のそ      2021  年9月
                           2020  年10月          使により当年
                                酬として付与              の他の変動に      30日の期末
                           1日の期首            度中に受領し
                                     (1)             (2)    (3)(4)
                                されたもの              よるもの      残高
         氏名        エクイティの種類           残高            たもの
     現職の非執行取締役
     P. オサリバン           普通株式            4,078         -       -      -   4,078
                 キャピタルノート2            9,250         -       -      -   9,250
     I.アトラス            普通株式           14,360         -       -      -   14,360
     P.ドワイヤー            普通株式           17,500         -       -      -   17,500
     J.ハルトン            普通株式            9,049         -       -      -   9,049
     J.キー            普通株式            3,000         -       -      -   3,000
     G.リーベルト            普通株式           20,315         -       -      -   20,315
                 キャピタルノート1            1,500         -       -    -1,500        -
                 キャピタルノート2            2,500         -       -      -   2,500
                 キャピタルノート6              -      -       -    2,500      2,500
     J.マクファーレン            普通株式           17,851         -       -      -   17,851
                 キャピタルノート2            2,000         -       -      -   2,000
                 キャピタルノート3            5,000         -       -      -   5,000
                 キャピタルノート6              -      -       -    2,140      2,140
     前職の非執行取締役
           (6)
                 普通株式           31,488         -       -      -   31,488
     D.ゴンスキー
     CEO  および現職の開示を要する執行役員
     S. エリオット           後渡し株式           79,877      27,103          -   -36,098      70,882
                 普通株式           216,821          -     34,733      39,121     290,675
                 業績に基づく権利           456,458      159,308       -34,733      -81,284      499,749
         (5)
                 後渡し株式           98,664         -       -   -12,000      86,664
     S. バグル
                 普通株式           19,759         -       -    1,415     21,174
                 キャピタルノート2             730       -       -     -240      490
                 キャピタルノート6              -      -       -     590      590
                 後渡し株式の権利           24,624         -       -      -   24,624
                 業績に基づく権利            6,464         -       -      -   6,464
     M. カーネギー           後渡し株式           74,539      17,745          -      -   92,284
                 普通株式            5,491         -       -    3,179      8,670
                 業績に基づく権利           123,140       38,378          -   -22,373      139,145
     K. コバリー           後渡し株式           30,283      18,603          -   -10,867      38,019
                 普通株式            1,095         -     2,440      -2,104      1,431
                 キャピタルノート6              -      -       -    1,400      1,400
                 後渡し株式の権利           34,273      20,118          -      -   54,391
                 業績に基づく権利            4,230         -     -2,440      -1,790        -
     G. フローリアン           後渡し株式           34,365      16,099          -    -8,181      42,283
                 普通株式            2,194         -       -    9,783     11,977
                 業績に基づく権利           70,230      34,820          -   -11,516      93,534
     M. ハンド           後渡し株式           24,775      20,034          -   -11,144      33,665
                 普通株式            1,189         -     3,621      -3,575      1,235
                 業績に基づく権利           57,568      43,330       -3,621      -2,656      94,621
     K. ファン・デル・マーブ           後渡し株式           36,894      14,310          -     -800    50,404
                 普通株式            1,936         -       -     -654     1,282
                 業績に基づく権利           75,675      30,950          -    -6,910      99,715
     A. ワトソン           後渡し株式           16,247      14,513          -      -   30,760
                 従業員株式オファー             134       -       -     -73      61
                 普通株式           12,048         -     9,919      1,780     23,747
                 後渡し株式の権利           10,467         -     -7,650         -   2,817
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                 業績に基づく権利            8,736      31,389       -2,269      -1,665      36,191
     M. ウィーラン           後渡し株式           81,369      15,741          -   -37,012      60,098
                 普通株式            1,126         -     32,880        381    34,387
                 業績に基づく権利           206,384       34,045       -32,880      -43,100      164,449
     前職の開示を要する執行役員
          (6)
                 後渡し株式           80,090      15,741          -   -38,502      57,329
     A. ジョージ
                 普通株式           10,289         -     11,043       3,567     24,899
                 キャピタルノート1             802       -       -      -    802
                 業績に基づく権利           97,870      34,045       -11,043      -120,872         -
     M. ジャブルコ           後渡し株式           89,431      15,741          -   -100,632       4,540
                 普通株式            5,244         -     22,489      -27,733         -
                 業績に基づく権利           143,770       34,045       -22,489      -155,326         -
    (1)  2021年度中に報酬として付与されたオプション/権利の内容は前掲の表に記載されている。

    (2)  当年度中のその他の変動による株式には、購入(ANZ株式購入プランに基づく購入を含む。)、失権、売却または配当金再
      投資制度に基づき取得された株式の正味残額が含まれている。
    (3)  以下の株式(上記の保有分に含まれている。)が、2021年9月30日(または主要経営陣としての退任日)現在、NED、CEO
      および開示を要する執行役員に代わり保有されていた(すなわち、間接的な実質保有株式)。P.オサリバン                                                  0株、I.アト
      ラス   14,360株、P.ドワイヤー            17,500株、J.ハルトン           0株、J.キー       3,000株、G.リーベルト           8,158株、J.マクファーレン
      26,991株、D.ゴンスキー            31,488株、S.エリオット            358,519株、S.バグル          87,744株、M.カーネギー            92,284株、K.コバリー
      39,419株、G.フローリアン             52,182株、M.ハンド          33,665株、K.ファン・デル・マーブ                 50,404株、A.ワトソン           30,821株、
      M.ウィーラン       94,485株、A.ジョージ           60,809株およびM.ジャブルコ              4,540株。
    (4)  2021年9月30日現在、93,131個の権利が権利確定済みで行使可能であり、権利確定済みで行使可能でないオプション/権
      利はなかった。取締役報告書の署名日現在の残高に変更はなかった。
    (5)  期首残高は、主要経営陣としての就任日現在の保有に基づく。
    (6)  期末残高は、主要経営陣としての退任日現在の保有に基づく。
    9.3   ローン

    9.3.1    概況
     当グループがNED、CEOまたは開示を要する執行役員に対してローンを組む場合、当グループはこれを通常の事業過程におい
    て、他の従業員または顧客に与えるものより有利でない通常の商業条件に基づき実施しており、この条件には貸付条件、必要
    担保および金利が含まれる。貸付商品の条件の詳細は、ANZのウェブサイト(anz.com)に掲載されている。当期間中に償却さ
    れた金額はなく、これらの残高に関して予想信用損失のための個別評価引当金も計上されていない。
     2021年9月30日現在、NED、CEOおよび開示を要する執行役員(これらの者の関係者を含む。)に対するローン総額(100,000
    ドル未満の残高を含む。)は、26,866,853ドル(2020年度:32,451,547ドル)であり、当期間中の支払利息は776,791ドル
    (2020年度:888,019ドル)であった。
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    9.3.2    NED、CEOおよび開示を要する執行役員へのローン取引
     下表は、NED、CEOおよび開示を要する執行役員(当年度中の任意の時点でローン残高が総額100,000ドルを超える場合はこれ
    らの関係当事者を含む。)に対するローン残高の詳細を示す。
    ローン取引-NED、CEOおよび開示を要する執行役員

                  2020  年10月1日                 報告期間中に支払われた

                             2021  年9月30日                    報告期間中の
                        (1)                        (2)
                              の期末残高                      最高残高
         氏名
                   の期首残高                   および支払われる利息
                                 (単位:ドル)
     現職の非執行取締役
     P.オサリバン                  891,715          789,338              110      900,809
     I.アトラス                 1,608,028              -          23,057       1,627,610
     J.マクファーレン                 13,281,199          12,858,040              343,014       15,041,667
     CEO  および現職の開示を要する執行役員
     S.エリオット                 2,787,423          2,616,885              54,845       2,820,507
         (3)
                       632,287          504,008             14,147        760,461
     S.バグル
     G.フローリアン                 2,304,601          4,483,293              64,530       4,636,219
     M.ハンド                 4,226,595            24,631            123,011       4,942,880
     K.ファン・デル・マーブ                 3,587,416          2,464,654              83,718       3,745,883
     M.ウィーラン                 1,575,953          1,628,540              46,073       1,690,773
     前職の開示を要する執行役員
          (4)
                      1,535,414          1,480,152              24,216       1,564,179
     A.ジョージ
     合計                 32,430,631          26,849,541              776,721       37,730,988
    (1)  期首残高は、軽微な時間分散を考慮するために調整されている。

    (2)  オフセット口座考慮後の実質支払利息。ローン残高は総額で表示されるが、支払利息はオフセット口座の影響を考慮して
      いる。
    (3)  期首残高は、主要経営陣としての就任日現在である。
    (4)  期末残高は、主要経営陣としての退任日現在である。
    9.4   その他の取引

     NED、CEOおよび開示を要する執行役員ならびにこれらの者の関係者とのその他の取引には預金が含まれる。
    その他の取引-NED、CEOおよび開示を要する執行役員

                                      2020  年10月1日の        2021  年9月30日の

                                            (1)         (2)(3)
                                        期首残高         期末残高
                                            (単位:ドル)
     主要経営陣の預金合計
                                          48,482,790          45,703,445
    (1)  期首残高は2020年10月1日現在、または年の途中で就任した場合は就任日現在である。

    (2)  期末残高は2021年9月30日現在、または年の途中で退任した場合は退任日現在である。
    (3)  2021年度の預金の利息支払額は88,209ドル(2020年度:498,931ドル)である。
     主要経営陣およびその関係者とのその他の取引には、投資運用サービス手数料、仲介手数料、銀行業務手数料に関して当グ

    ループに支払われる金額が含まれる。当グループは、その職務の遂行に伴うセキュリティおよび秘書サービスで負担した費用
    について、主要経営陣に支払う。かかる取引は、他の従業員または顧客に与えるものより有利でない通常の商業条件に基づき
    実施されている。当年度中に主要経営陣の関係当事者に代わって支給された慈善寄付の形態による贈与は500ドルであった。
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    (3)【監査の状況】
    ① 監査委員会

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-7.2 監査委員会」を参照のこと。
     監査委員会の委員の氏名および2021年度に開催された監査委員会会議への出席状況は、下表のとおりである。
                          出席資格を有する

             取締役の氏名              会議の開催回数           出席回数
        ポール・オサリバン                       8          8
        イラナ・アトラス                       9          9
        ポーラ・ドワイヤー(委員長)                       9          9
        デービッド・ゴンスキー                       1          1
        グレイム・リーベルト                       9          9
        ジョン・マクファーレン                       9          9
     当年度における監査委員会の活動状況および主な検討事項は、以下を含むがこれらに限定されない。

      ・ 以下の監督およびレビュー
       -   ANZ  の財務報告原則および方針、統制ならびに手続き
       -   ANZ  の内  部統制およびリスク管理の枠組みの有効性
       -   ANZ  の内  部監  査機能の業務(内部監査による発見事項のレビューならびに適時適切な方法による問題点の管理および
         是正の確実な実施を含む。)
       -   ANZ  の 財務書類ならびに独立監査の完全性ならびに関連する法律上および規制上の要件の遵守
       - デュー・デリジェンスの手続き
       - 財務報告に関連する健全性の監督手続きおよびその他の規制上の要件
       - 取締役会により付託されたその他の事項
      ・ 外部監査人に関する以下の事項
       - その任命、報酬支払い、年次評価、維持および監督
       - その独立性、有効性、適合性および適切性、ならびに資格の年次レビュー(主任パートナーの交代を含む。)
       - 年次の監査計画の見直しおよび承認ならびに提供を受けることができる非監査業務分野の決定
       - 外部監査人により提供される                すべての監査、監査関連業務および非監査業務の事前承認(もしくはその他の承
         認)。
       -   ANZ  の 財務書類と活動に関して外部監査人が作成および発行する監査報告書ならびに重要な会計方針に関する報告の
         レビューおよび監督
       - その交代(適切とみなされる場合)
      ・ 以下を含むがこれらに限定されないその他の事項
       - 過去の会議の議事録の承認
       - 主要な子会社の監査委員会からの報告
       - 監査委員会憲章の見直しおよび自己評価
       - 内部監査、外部監査人および委員会委員との会議(個別に行う。)
       - 必要に応じて、         COVID-19    の パンデミックがANZの財務書類、統制およびプロセス、内部監査ならびに外部監査人に与
         える継続的な影響
     委員の適格性および会議に関する要求事項に加え、監査委員会の目的、権限、機能および職務に関する詳細は、ANZのウェブ

    サイト(www.anz.com)に掲載されている「監査委員会憲章」を参照のこと。
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    ② 内部監査
     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.1 内部監査」を参照のこと。
    ③ 会計監査

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.2 外部監査」を参照のこと。
    ( ⅰ) 外部監査人

     ⅰ. 外部監査人の名称:            KPMG
     ⅱ. 継続監査期間:          外部監査人は1969年以降連続して監査関連業務を行っている。
     ⅲ. 業務を執行した公認会計士の氏名:                   Martin    McGrath(マーティン・マクグラス)。
     ⅳ. 監査業務に係る補助者の構成:                 非公開
    ( ⅱ) 外部監査人を選定した理由(外部監査人の選定(または解任もしくは不再任の決定)方針を含む)

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.2 外部監査」に記載されているANZのウェブサイト内の「外部監査人と
    の関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」を参照のこと。
     「外部監査人との関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」に概説されているとおり、監査委員会
    は、
      ・ 外部監査人の選任、報酬、維持および監督の責任を有する(財務報告に関する経営陣と外部監査人の間の意見の相違の
        解決を含む。)。
      ・ 採用ごとに、または監査委員会により適用された特定の事前承認方針に基づき、すべての監査、監査関連業務および非
        監査業務を事前に承認する。
      ・ 外部監査人の独立性を定期的に評価する(最低年に1度の正式なレビューを含む。)
      ・ 外部監査人の有効性を定期的に検証する(最低年に1度の正式なレビューを含む。)
      ・ 外部監査人による業務の提供に対応する採用モデルを維持する。
     外部監査人の入札(非競争入札)手続は、2015年に監査委員会がKPMGの監査手法、地域的および国際的な手腕や実績、独立

    性ならびに任期を考慮し実行された。監査委員会は、KPMGの再任を決議した。
     さらに、主要経営陣は、2年に一度、外部監査人の職務遂行状況のレビューとして行う調査の完了を要求されている。これ
    は、当グループ全体における外部監査人の業務提供の質に関する意見を入手することを目的としている。その報告は監査委員
    会に提示され検討される。直近の調査は2021年中に行われ、2021年10月に監査委員会に提示された。
    ( ⅲ) 最近2連結会計年度における外部監査人の異動

     該当なし。
    ( ⅳ) 監査委員会による外部監査人の評価の内容

     上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要-8.2 外部監査」に記載されているANZのウェブサイト内の「外部監査人と
    の関係についてのANZの利害関係人に係るエンゲージメント・モデル」および同ウェブサイト内の「外部監査人-独立性および
    職務遂行状況の評価」を参照のこと。
     監査委員会による外部監査人の職務遂行状況の評価の詳細は開示されていない。選任された外部監査人の再契約および外部
    監査人の入札手続を開始するか否かの判断については、毎年監査委員会により確認が得られる。
     2021  年10月、監査委員会は、外部監査人の職務遂行状況に関する正式な年次評価を行った。このプロセスの一環として、監
    査委員会は、翌会計年度に外部入札を開始しないことを決定し、2022年9月30日終了の事業年度についてKPMGの再任を決議し
    た。
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    ( ⅴ) 監査人報酬
     ⅰ. 外部監査人に対して支払った報酬
      「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記34を参照のこと。
      下記の表では、オーストラリアの外部監査人に対して支払われた監査報酬その他の報酬を記載している。
                                            2021  年      20 20 年

                                              (単位:千ドル)
    KPMG  オーストラリアに対する報酬
    当グループ全体
    財務報告書の監査またはレビュー                                          7,434        8,059
    監査関連業務                                          2,772        3,693
                                               106         25
    非監査業務
                                              10,312        11,777
    ANZBGL
    財務報告書の監査またはレビュー                                          7,021        7,262
    監査関連業務                                          2,696        3,540
                                               106         25
    非監査業務
                                              9,823        10,827
    子会社
    財務報告書の監査またはレビュー                                           413        797
    監査関連業務                                            76        153
                                                -        -
    非監査業務
                                               489        950
     ⅱ. 外部監査人と同一のネットワークに属する組織に対して支払った                                報酬

      下記の表では、オーストラリア以外の外部監査人の関連法人に対して支払われた監査報酬その他の報酬を記載している。
                                            2021  年      20 20 年
                                              (単位:千ドル)
    KPMG  (オーストラリア以外)に対する報酬
    当グループ全体
    財務報告書の監査またはレビュー                                          5,511        6,049
    監査関連業務                                          1,657        1,677
                                                85        98
    非監査業務
                                              7,253        7,824
    ANZBGL
    財務報告書の監査またはレビュー                                          1,965        2,107
    監査関連業務                                           917       1,008
                                                85        44
    非監査業務
                                              2,967        3,159
    子会社
    財務報告書の監査またはレビュー                                          3,546        3,942
    監査関連業務                                           740        669
                                                -        54
    非監査業務
                                              4,286        4,665
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     ⅲ. ANZに対して提供した非監査業務の内容
     2001  年会社法および業界の最良慣行の要件を組込んだ当グループの「                              外部監査人との関係についての当グループの利害関係
    人に係るエンゲージメント・モデル                 」(以下「本方針」という。)は、外部監査人が外部監査人としての役割と対立するまた
    は独立性の要件に違反すると考えられるサービスを提供することを防止している。これは、コンサルティングの助言および経
    営陣が通常行う業務上の活動の下請け、ならびに外部監査人が自身の業務について意見を表明することが最終的に必要となる
    可能性のある契約を含む。
     具体的に本方針は以下を定める。
      ・ 提供可能な非監査業務の範囲を限定する。
      ・ 監査業務、監査関連業務および認められる非監査業務については、監査委員会により承認を受けるか、または監査委員
        会委員長(もしくは代表者)により承認を受け監査委員会に通知する前に、独立性の規定に照らしてかつ潜在的な利益
        相反を考慮することを必要とする。
      ・ 当グループのための一切の契約を外部監査人が開始するには、事前承認を必要とする。
     本方針の詳細は、上記「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載する。
     外部監査人は監査委員会に対して、以下を確認した。
      ・ 適用法域における独立ルールを確実に遵守する手続きを実施した。
      ・ 当該法域において非監査業務の提供および本方針に関する適用ある政策および規則を遵守した。
     監査委員会は、2021年度につき外部監査人が提供した非監査業務を検討し、これらの業務の提供は本方針に一致すること、
    2001年会社法が課す監査人の独立性に関する一般基準に矛盾しないこと、また2001年会社法における監査人の独立性の要件を
    損なわなかったことを確認した。これは監査委員会により取締役会に正式に報告された。
     2021  年9月30日に終了した年度中に外部監査人であるKPMG、またはKPMGを代理して他の者もしくは事務所により当グループ
    に提供された非監査業務の分類、および当グループが支払済みまたは支払うべき金額(物品・サービス税を含む。)は以下の
    とおりである。
                                            支払済金額/未払金額

     非監査業務                                     2021  年度        2020  年度
                                             (単位:千ドル)
     研修および関連サービス                                         -         16
     統制関連評価                                        90          -
                                             101          107
     方法および手続きのレビュー
                                             191          123
     合計
     KPMG  に対して支払った報酬の詳細については、下記「第6 経理の状況-1 財務書類」の2021年度財務書類の注記34を参

    照のこと。かかる報酬には当年度に提供された監査関連業務に対する報酬443万ドル(2020年度:537万ドル)が含まれる。
     上記の理由から、取締役は、2021年9月30日に終了した年度中の外部監査人による非監査業務の提供が、2001年会社法が課
    す外部監査人の独立性に関する一般基準に矛盾しないこと、また2001年会社法における監査人の独立性の要件を損なわなかっ
    たことに満足している。
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     ⅳ. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬
     該当事項なし。
     ⅴ. 外部監査人に対する報酬の額の決定に関する方針

     監査委員会が外部監査人の報酬の額を決定する責任を有する。
     ⅵ. 監査委員会が同意をした理由

     監査委員会は、ANZの事業活動の性質および規模に対して期待される外部監査人の作業成果の評価に加え、オーストラリアに
    おける類似の銀行に関する監査報酬案の見直しを含む一定の要因を十分考慮し、外部監査人の報酬案に同意した。
    (4)【役員の報酬等】

      該当事項なし。
    (5)【株式の保有状況】

      該当事項なし。
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    第6【経理の状況】
    (イ)本書記載のオーストラリア・ニュージーランド銀行(「当行」または「ANZ」)ならびに当行およびその被支配法人(当

      行と合わせて、「当グループ」)の2021年9月30日現在ならびに同日に終了した事業年度の財務書類(連結財務書類およ
      び個別財務書類)は、オーストラリア会計基準(「AASs」)、およびオーストラリア会計基準審議会(「AASB」)が発行
      したその他の権威ある公表文書、2001年会社法、ならびに国際会計基準審議会(「IASB」)が公表した国際会計報告基準
      (「IFRS」)および解釈指針に準拠して作成されたものである。なお、当行および当グループの英文財務書類はオースト
      ラリア証券投資委員会(「ASIC」)に提出され、オーストラリア証券取引所で公衆の縦覧に供されている。
      当行が採用した会計基準、会計手続きおよび表示方法と、日本において一般に公正妥当と認められている企業会計基準、
      会計手続きおよび表示方法との主な相違点に関しては「4.日本とオーストラリアとの会計原則の相違」に記載されてい
      る。
      本書記載の財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)(「財務諸
      表等規則」)第131条第1項の規定の適用を受けている。
    (ロ)2021年9月30日現在ならびに同日に終了した事業年度の財務書類は、当行のオーストラリアの会計監査人であるケー

      ピーエムジーの監査を受けている。監査報告書および同意書は、本書に掲載されている。
      なお、ケーピーエムジーによる監査を受けたことにより、当行および当グループの財務書類は「財務諸表等の監査証明に
      関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の2の規定で定めるところの、監査証明に相当すると認められる証
      明を受けたとみなされるため、金融商品取引法第193条の2第1項第1号の規定に基づき日本の公認会計士または監査法人
      による監査を受けていない。
    (ハ)本書記載の当行および当グループの財務書類(原文)は、豪ドルで表示されている。以下の財務書類に「円」で表示さ

      れている金額は、「財務諸表等規則」第134条の規定に基づき、2021年12月1日現在の、株式会社三菱UFJ銀行公表の対
      顧客電信直物売相場(1豪ドル=82.81円)の為替レートにより換算したものである。
    (ニ)日本円への換算額ならびに「2.主な資産・負債及び収支の内容」から「4.日本とオーストラリアとの会計原則の相

      違」に関する記載は、当行の原文の財務書類に含まれておらず、上記(ロ)の監査の対象にもなっていない。
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    1【財務書類】
    損益計算書

                             連結                    当行

                        2021  年        2020  年        2021  年        2020  年
    9月30日終了事業年度              注記   (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
        (1)
    受取利息
                      19,529    1,617,196      24,426    2,022,717      15,347    1,270,885      19,362    1,603,367
    支払利息                  (5,368)    (444,524)     (10,377)     (859,319)      (4,822)    (399,310)      (8,926)    (739,162)
    純利息収益              2   14,161    1,172,672      14,049    1,163,398      10,525     871,575     10,436     864,205
    その他営業収入              3    3,325    275,343      3,355    277,828      4,854    401,960      3,652    302,422
    保険事業収入純額              3     110    9,109      78    6,459       -     -     -     -
    関連会社投資の持分利益/(損
    失)              3    (176)    (14,575)       155    12,836       (1)     (83)     (1)     (83)
    営業収入                  17,420    1,442,550      17,637    1,460,520      15,378    1,273,452      14,087    1,166,544
    営業費用              4   (9,051)    (749,513)      (9,383)    (777,006)      (7,594)    (628,859)      (7,788)    (644,924)
    貸倒引当金繰入および
    法人税控除前利益                  8,369    693,037      8,254    683,514      7,784    644,593      6,299    521,620
    貸倒引当金    ( 繰入  )/ 戻入      14     567    46,953     (2,738)    (226,734)       469    38,838     (2,337)    (193,527)
    税引前利益                  8,936    739,990      5,516    456,780      8,253    683,431      3,962    328,093
    法人税              5   (2,756   )  (228,224)      (1,840)    (152,370)      (1,922)    (159,161)      (1,156)     (95,728)
    継続事業に係る税引後利益                  6,180    511,766      3,676    304,410      6,331    524,270      2,806    232,365
    非継続事業に係る税引後          利益/
    (損失)              29     (17)    (1,408)      (98)    (8,115)       -     -     -     -
    当期利益                  6,163    510,358      3,578    296,294      6,331    524,270      2,806    232,365
    内訳:
    当行株主に帰属する利益                  6,162    510,275      3,577    296,211      6,331    524,270      2,806    232,365
    非支配持分に帰属する利益                    1     83     1     83     -     -     -     -
    非継続事業を含む普通株式1株

    当たり利益
    (セント/円)
    基本的              7    217.1     179.8     126.4     104.7
    希薄化後              7    204.9     169.7     118.0     97.7
    継続事業に係る普通株式1株当
    たり利益
    (セント/円)
    基本的              7    217.7     180.3     129.8     107.5
    希薄化後              7    205.4     170.1     121.1     100.3
    普通株式1株当たり配当
    (セント/円)              6     142    117.6      60    49.7
    (1)  償却原価で測定される金融資産またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産について、実効金利法を使用して算出された受取利

      息が、当グループに19,054百万ドル(2020年度:23,787百万ドル)、当行に14,363百万ドル(2020年度:18,073百万ドル)含まれている。
    後述の注記は本財務書類の一部である。

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    包括利益計算書
                             連結                    当行

                        2021  年        2020  年        2021  年        2020  年
    9月30日終了事業年度                (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
    継続事業に係る当期利益                  6,180    511,766      3,676    304,410      6,331    524,270      2,806    232,365
    その他の包括利益
    将来、損益に組み替えられない項目
    投資有価証券-FVOCIで測定される持分
    証券                   80    6,625     (157)    (13,001)       67    5,548     (151)    (12,504)
    その他の準備金増減                   (41)    (3,395)       13    1,077      (95)    (7,867)       23    1,905
    将来、損益に組み替えられる可能性のあ

    る項目
           (1)
    為替換算調整勘定
                       456    37,761      (550)    (45,546)       (14)    (1,159)      (109)    (9,026)
    その他の準備金増減                 (1,052)     (87,116)       712    58,961     (1,003)     (83,058)       587    48,609
    上記項目に帰属する法人税                   301    24,926      (180)    (14,906)       303    25,091      (14 9)  (12,339)

                  (2)
    関連会社のその他の包括利益の持分
                       (48)    (3,975)       51    4,223       -     -     -     -
    継続事業に係るその他の包括利益
    (税引後)                  (304)    (25,174)      (111)    (9,192)      (742)    (61,445)       201    16,645
    非継続事業に係る税引後利益/(損失)                   (17)    (1,408)      (98)    (8,115)       -     -     -     -
    非継続事業に係るその他の包括利益
    (税引後)                    -     -     -     -     -     -     -     -
    当期包括利益合計                  5,859    485,184      3,467    287,102      5,589    462,825      3,007    249,010
    包括利益合計の内訳:
     当行株主に帰属するもの                 5,858    485,101      3,467    287,102      5,589    462,825      3,007    249,010
     非支配持分に帰属するもの                   1     83     -     -     -     -     -     -
    (1)  当グループには、非支配持分株主に帰属する為替換算差額ゼロ(2020年度:1百万ドルの損失)が含まれている。

    (2)  当グループの関連会社のその他の包括利益の持分は、将来、損益に組み替えられる可能性がある、FVOCI準備金42百万ドルの損失(2020年度:48百
      万ドルの利益)、確定給付制度5百万ドルの損失(2020年度:3百万ドルの利益)、キャッシュフロー・ヘッジ準備金1百万ドルの利益(2020年
      度:1百万ドルの損失)、為替換算調整勘定2百万ドルの損失(2020年度:1百万ドルの利益)を含む。
    後述の注記は本財務書類の一部である。

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    貸借対照表
                             連結                    当行

                        2021  年        2020  年        2021  年        2020  年
    9月30日現在             注記   (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)     (百万ドル)     (百万円)
    資産
    現金および現金同等物              9   151,260    12,525,841      107,923    8,937,104      141,436    11,712,315       98,083    8,122,253
    ANZの未収決済残高                  7,530    623,559      7,541    624,470      7,183    594,824      7,116    589,276
        (1)
    支払担保
                      9,166    759,036     14,308    1,184,845       8,343    690,884     13,012    1,077,524
    売買目的有価証券              10    44,688    3,700,613      50,913    4,216,106      34,752    2,877,813      38,423    3,181,809
             (1)
    デリバティブ金融商品
                  11    38,736    3,207,728      135,331    11,206,760       38,292    3,170,961      130,552    10,811,011
    投資有価証券              12    83,126    6,883,664      93,391    7,733,709      67,940    5,626,111      80,284    6,648,318
    正味貸付金および前渡金              13   629,719    52,147,030      617,093    51,101,471      488,487    40,451,608      488,002    40,411,446
    規制上の預け金                   671    55,566      801    66,331      213    17,639      199    16,479
    被支配法人に対する債権                    -     -     -     -   23,530    1,948,519      24,017    1,988,848
    被支配法人に対する持分              25      -     -     -     -   15,693    1,299,537      15,022    1,243,972
    関連会社に対する投資              26    1,972    163,301      2,164    179,201       20    1,656      20    1,656
    当期税金資産                   57    4,720      161    13,332       55    4,555      155    12,836
    繰延税金資産                  2,339    193,693      2,124    175,888      1,887    156,262      1,744    144,421
    のれんおよびその他の無形資産              21    4,124    341,508      4,379    362,625      1,017     84,218     1,097     90,843
    土地建物および設備機器                  2,734    226,403      3,013    249,507      2,415    199,986      2,643    218,867
    その他資産                  2,735    226,485      3,144    260,355      1,909    158,084      2,072    171,582
    資産合計                 978,857    81,059,148     1, 042,286    86,311,704      833,172    68,994,973      902,441    74,731,139
    負債
    ANZの未払決済残高                  17,427    1,443,130      22,241    1,841,777      14,922    1,235,691      19,556    1,619,432
        (1)
    受取担保
                      5,657    468,456      9,304    770,464      5,148    426,306      8,074    668,608
    預金およびその他の借入金              15   743,056    61,532,467      682,333    56,503,996      606,723    50,242,732      558,136    46,219,242
             (1)
    デリバティブ金融商品
                  11    36,035    2,984,058      134,711    11,155,418       37,005    3,064,384      131,230    10,867,156
    被支配法人に対する債務                    -     -     -     -   23,079    1,911,172      24,295    2,011,869
    当期税金負債                   419    34,697      349    28,901      193    15,982       81    6,708
    繰延税金負債                   70    5,797      80    6,625      70    5,797      79    6,542
    支払債務およびその他の負債                  8,647    716,058      9,128    755,890      7,244    599,876      8,070    668,277
    従業員受給権                   602    49,852      596    49,355      447    37,016      441    36,519
    その他引当金              22    2,214    183,341      2,579    213,567      1,873    155,103      2,157    178,621
    発行済社債              16   101,054    8,368,282      119,668    9,909,707      81 ,088   6,714,897      97,050    8,036,711
    負債合計                 915,181    75,786,139      980,989    81,235,699      777,792    64,408,956      849,169    70,319,685
    純資産                  63,676    5,273,010      61,297    5,076,005      55,380    4,586,018      53,272    4,411,454
    株主資本
    普通株式資本              23    25,984    2,151,735      26,531    2,197,032      25,907    2,145,359      26,454    2,190,656
    準備金              23    1,228    101,691      1,501    124,298       341    28,238     1,018     84,301
    利益剰余金              23    36,453    3,018,673      33,255    2,753,847      29,132    2,412,421      25,800    2,136,498
    当行株主に帰属する株式資本お
    よび準備金              23    63,665    5,272,099      61,287    5,075,176      55,380    4,586,018      53,272    4,411,454
    非支配持分              23     11     911     10     828      -     -     -     -
    株主資本合計              23    63,676    5,273,010      61,297    5,076,005      55,380    4,586,018      53,272    4,411,454
    (1)  2021年度に、中央清算カウンターパーティーとのデリバティブ取引の清算について法的取決めの変更があり、この結果、デリバティブ金融商品資産

      が551億ドル、デリバティブ金融商品負債が552億ドル、支払担保が純額で1億ドル減少した。
    後述の注記は本財務書類の一部である。

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    キャッシュフロー計算書
                             連結                    当行

                        2021  年        2020  年        2021  年        2020  年
    9月30日終了事業年度                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    税引後利益                  6,163    510,358      3,578    296,294      6,331    524,270      2,806    232,365
    営業活動による(に使用された)純
    キャッシュフローとの調整:
    予想信用損失引当金                  (567)    (46,953)      2,738    226,734      (469)    (38,838)      2,337    193,527
    関連会社に対する投資の減損                    -     -    815    67,490       -     -     -     -
              (1)
    減価償却費および償却費
                      1,087     90,014     1,391    115,189       959    79,415     1,214    100,531
    のれんの減損                    -     -     77    6,376       -     -     10     828
    土地建物および設備機器の売却(益)/
    損                   (11)     (911)      (8)    (662)     (11)     (911)      -     -
                 (2)
    正味デリバティブ/外貨換算調整
                      (6,350)    (525,844)      (2,678)    (221,765)      (4,374)    (362,211)      (1,807)    (149,638)
    投資の売却による(利益)/損失                   238    19,709       25    2,070      (12)     (994)      11     911
    その他の非現金項目の増減                  (237)    (19,626)       (80)    (6,625)      (456)    (37,761)       64    5,300
    営業資産の純(増加)/減少:
      支払担保                4,995    413,636       283    23,435     4,484    371,320       33    2,733
      売買目的有価証券                 10     828    (1,803)    (149,306)      (2,778)    (230,046)      1,908    158,001
      正味貸付金および前渡金                (8,259)    (683,928)      (7,119)    (589,524)       (300)    (24,843)     (7,526)    (623,228)
      正味グループ内貸付金および前渡
      金                  -     -     -     -   (1,212)    (100,366)       (393)    (32,544)
      その他資産                 143    11,842      (76)    (6, 294 )    89    7,370      (26)    (2,153)
    営業負債の純増加/(減少):
                (3)
      預金およびその他の借入金
                      48,896    4,049,078      39,873    3,301,883      41,908    3,470,401      28,660    2,373,335
      ANZの未払決済残高                (4,928)    (408,088)      11,476     950,328     (4,671)    (386,806)      10,286     851,784
      受取担保                (3,466)    (287,019)      1,739    144,007     (2,728)    (225,906)      1,426    118,087
           (2)
      その他の負債
                      6,108    505,803     (9,949)    (823,877)      5,579    461,997     (9,489)    (785,784)
    調整額合計                 37,659    3,118,542      36,704    3,039,458      36,008    2,981,822      26,708    2,211,689
    営業活動(に使用された)による純
           (4)
    キャッシュフロー
                      43,822    3,628,900      40,282    3,335,752      42,339    3,506,093      29,514    2,444,054
    投資活動によるキャッシュフロー
    投資有価証券資産:
      購入               (52,639)    (4,359,036)      (40,029)    (3,314,801)      (23,040)    (1,907,942)      (33,731)    (2,793,264)
      売却または満期による手取金                63,445    5,253,880      28,642    2,371,844      35,493    2,939,175      25,346    2,098,902
    事業売却による手取金、売却事業保有
    現金控除後                   13    1,077     1,309    108,398        -     -    688    56,973
    IOOF担保付債券の返済                    -     -    (800)    (66,248)        -     -    (800)    (66,248)
    被支配法人に対する持分の純増減額                    -     -     -     -    (175)    (14,492)       (75)    (6,211)
    その他資産への純投資                  (561)    (46,456)      (587)    (48,  609 )   (650)    (53,827)      (567)    (46,953)
    投資活動(に使用された)による純
    キャッシュフロー                 10,258     849,465     (11,465)     (949,417)      11,628     962,915     (9,139)    (756,801)
    財務活動によるキャッシュフロー
                 (3)
    預金およびその他の借入金の実行
         (5)
    発行済社債:
                      9,310    770,961     12,002     993,886      8,091    670,016     12,002     993,886
      発行額                12,624    1,045,393      12,260    1,015,251       9,517    788,103     10,064     833,400
      償還額               (27,709)    (2,294,582)      (21,430)    (1,774,618)      (23,104)    (1,913,242)      (17,179)    (1,422,593)
         (6)
    配当金支払額
                      (2,834)    (234,684)      (2,861)    (236,919)      (2,834)    (234,684)      (2,861)    (236,919)
    自己株式の市場での購入                   (79)    (6,542)      (122)    (10,103)       (79)    (6,542)      (122)    (10,103)
    リース負債の返済                  (330)    (27,327)      (281)    (23,270)      (288)    (23,849)      (267)    (22,110)
    自己株式買戻し                  (654)    (54,158)        -     -    (654)    (54,158)        -     -
    財務活動(に使用された)による純
    キャッシュフロー                 (9,672)    (800,938)       (432)    (35,  774 )  (9,351)    (774,356)      1,637    135,560
    現金および現金同等物の純(減少)/増
    加                 44,408    3,677,426      28,385    2,350,562      44,616    3,694,651      22,012    1,822,814
    現金および現金同等物の期首残高                 107,923    8,937,104      81,621    6,759,035      98,083    8,122,253      77,949    6,454,957
    現金および現金同等物に関する為替
    レート変動の影響                 (1,071)     (88,690)     (2,083)    (172,  493 )  (1,263)    (104,589)      (1,878)    (155,517)
    現金および現金同等物の期末残高                 151,260    12,525,841      107,923    8,937,104      141,436    11,712,315       98,083    8,122,253
                                248/560




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    (1)  2020年度には、同年度中の当グループのソフトウェア償却方針の適用の変更を受けての加速償却費が、当グループに197百万ドル、当行に184百万ド
      ル含まれている。
    (2)  一定の非現金調整について、その項目の性質をより適切に反映させるために、営業活動(に使用された)による純キャッシュフローにおいて、その
      他の負債から正味デリバティブ/外貨換算調整に組替が行われた。比較情報は修正再表示されている(2020年年度の当グループおよび当行におい
      て、正味デリバティブ/外貨換算調整で368百万ドル減額)。
    (3)  TFFに関連する資金調達は、営業活動から財務活動に組み替えられている。比較情報は修正再表示されている(2020年度の当グループ:12,002百万
      ドル、2020年度の当行:12,002百万ドル)。
    (4)  当グループの営業活動(に使用された)による純キャッシュフローは、利息受取額19,649百万ドル(2020年度:24,791百万ドル)、利息支払額
      5,793百万ドル(2020年度:11,156百万ドル)および法人税納付額2,427百万ドル(2020年度:2,348百万ドル)を含む。当行の営業活動(に使用さ
      れた)による純キャッシュフローは、利息受取額15,435百万ドル(2020年度:19,657百万ドル)、利息支払額5,117百万ドル(2020年度:9,577百万
      ドル)および法人税納付額1,541百万ドル(2020年度:1,596百万ドル)を含む。
    (5)  発行済社債の現金以外の変動について、当グループには、公正価値ヘッジによる利益1,488百万ドル(2020年度:1,127百万ドルの損失)および外国
      為替差益1,525百万ドル(2020年度:1,623百万ドルの利益)が含まれ、当行は、公正価値ヘッジによる利益1,114百万ドル(2020年度:532百万ドル
      の損失)および外国為替差益1,262百万ドル(2020年度:858百万ドルの損失)が含まれている。
    (6)  配当金再投資制度に対応するための株式購入に伴うキャッシュ・アウトフローは、配当金支払額に分類されている。
    後述の注記は本財務書類の一部である。

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    持分変動計算書
                                                   当行株主に帰属する

                      普通株式資本           準備金         利益剰余金        株式資本および準備金
    連結                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    2019年10月1日現在                 26,490    2,193,637       1,629    134,897     32,664    2,704,906      60,783    5,033,440
    AASB第16号への移行による影響                    -     -     -     -    (88)    (7,287)      (88)    (7,287)
    継続事業に係る損益                    -     -     -     -   3,675    304,327      3,675    304,327
    非継続事業に係る損益                    -     -     -     -    (98)    (8,115)      (98)    (8,115)
    継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -    (124)    (10,268)       14    1,159     (110)    (9,109)
    非継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -     -     -     -     -     -     -
    当期包括利益合計                    -     -    (124)    (10,268)      3,591    297,371      3,467    287,102
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (2, 922)   (241,971)      (2,922)    (241,971)
    配当金再投資制度                   61    5,051       -     -     -     -     61    5,051
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   (20)    (1,656)       -     -     -     -    (20)    (1,656)
    その他の項目                    -     -     (4)    (331)      10     828      6    497
    2020年9月30日現在                 26,531    2,197,032       1,501    124,298     33,255    2,753,847      61,287    5,075,176
    継続事業に係る損益                    -     -     -     -   6,179    511,683      6,179    511,683
    非継続事業に係る損益                    -     -     -     -    (17)    (1,408)      (17)    (1,408)
    継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -    (264)    (21,862)       (40)    (3,312)      (304)    (25,174)
    非継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -     -     -     -     -     -     -
    当期包括利益合計                    -     -    (264)    (21,862)      6,122    506,963      5,858    485,101
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (2,928)    (242,468)      (2,928)    (242,468)
           (1)
    配当金再投資制度
                       94    7,784       -     -     -     -     94    7,784
            (2)
    グループ株式買戻し
                       (654)    (54,158)        -     -     -     -    (654)    (54,158)
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   13    1,077       -     -     -     -     13    1,077
    その他の項目                    -     -     (9)    (745)      4    331     (5)    (414)
    2021年9月30日現在                 25,984    2,151,735       1,228    101,691     36,453    3,018,673      63,665    5,272,099
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                       非支配持分         株主資本合計
                    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    2019年10月1日現在                   11     911    60,794    5,034,351
    AASB第16号への移行による影響                    -     -    (88)    (7,287)
    継続事業に係る損益                    1     83    3,676    304,410
    非継続事業に係る損益                    -     -    (98)    (8,115)
    継続事業に係る当期その他包括利益                   (1)     (83)     (111)    (9,192)
    非継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -     -     -
    当期包括利益合計                    -     -   3,467    287,102
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -   (2,922)    (241,971)
    配当金再投資制度                    -     -     61    5,051
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                    -     -    (20)    (1,656)
    その他の項目                   (1)     (83)      5    414
    2020年9月30日現在                   10     828    61,297    5,076,005
    継続事業に係る損益                    1     83    6,180    511,766
    非継続事業に係る損益                    -     -    (17)    (1,408)
    継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -    (304)    (25,174)
    非継続事業に係る当期その他包括利益                    -     -     -     -
    当期包括利益合計                    1     83    5,859    485,184
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -   (2,928)    (242,468)
           (1)
    配当金再投資制度
                        -     -     94    7,784
            (2)
    グループ株式買戻し
                        -     -    (654)    (54,158)
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                    -     -     13    1,077
    その他の項目                    -     -     (5)    (414)
    2021年9月30日現在                   11     911    63,676    5,273,010
    (1)  配当金再投資制度(DRP)に基づき、2020年度最終配当について4.2百万株が発行された(2020年度中間配当については3.4百万株)が、2021年度中

      間配当および2019年度最終配当については、株式を市場で購入し、DRPに参加する株主に直接引き渡したため、株式発行はゼロであった。2021年度
      におけるDRP向けに市場で購入した株式は、199百万ドル(2020年度:185百万ドル)であった。
    (2)  2021年8月4日、当行は市場で15億ドルの株式買戻しを開始した。その結果、2021年9月の半期に23百万株(654百万ドル)が消却され、2021年9
      月30日現在未決済の買い注文に関して、さらに2021年9月30日以降に2百万株(55百万ドル)が消却されている。
    後述の注記は本財務書類の一部である。

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    持分変動計算書
                      普通株式資本           準備金         利益剰余金         株主資本合計

    当行                (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)    (百万ドル)     (百万円)
    2019年10月1日現在                 26,413    2,187,261        840    69,560     25,961    2,149,830      53,214    4,406,651
    AASB第16号への移行による影響                    -     -     -     -    (72)    (5,962)      (72)    (5,962)
    当期利益                    -     -     -     -   2,806    232,365      2,806    232,365
    当期その他の包括利益                    -     -    183    15,154       18    1,491      201    16,645
    当期包括利益合計                    -     -    183    15,154     2,824    233,855      3,007    249,010
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (2,922)    (241,971)      (2,922)    (241,971)
           (1)
    配当金再投資制度
                       61    5,051       -     -     -     -     61    5,051
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   (20)    (1,656)       -     -     -     -    (20)    (1,656)
    その他の項目                    -     -    (5)    (414)      9    745      4    331
    2020年9月30日現在                 26,454    2,190,656       1,018     84,301     25,800    2,136,498      53,272    4,411,454
    当期利益                    -     -     -     -   6,331    524,270      6,331    524,270
    当期その他の包括利益                    -     -    (668)    (55,317)       (74)    (6,128)      (742)    (61,445)
    当期包括利益合計                    -     -    (668)    (55,317)      6,257    518,142      5,589    462,825
    株主権に基づく株主との取引:
    配当金支払額                    -     -     -     -   (2,928)    (242,468)      (2,928)    (242,468)
           (1)
    配当金再投資制度
                       94    7,784       -     -     -     -     94    7,784
            (2)
    グループ株式買戻し
                       (654)    (54,158)        -     -     -     -    (654)    (54,158)
    その他の資本増減:
    当グループの従業員株式取得制度                   13    1,077       -     -     -     -     13    1,077
    その他の項目                    -     -    (9)    (745)      3    248     (6)    (497)
    2021年9月30日現在                 25,907    2,145,359        341    28,238     29,132    2,412,421      55,380    4,586,018
    (1)  配当金再投資制度(DRP)に基づき、2020年度最終配当ついて4.2百万株が発行された(2020年度中間配当については3.4百万株)が、2021年度中間

      配当および2019年度最終配当については、株式を市場で購入し、DRPに参加する株主に直接引き渡したため、株式発行はゼロであった。2021年度に
      おけるDRP向けに市場で購入した株式は、199百万ドル(2020年度:185百万ドル)であった。
    (2)  2021年8月4日、当行は市場で15億ドルの株式買戻しを開始した。その結果、2021年9月半期に23百万株(654百万ドル)が消却され、2021年9月
      30日現在未決済の買い注文に関して、さらに2021年10月1日以降に2百万株(55百万ドル)が消却されている。
    後述の注記は本財務書類の一部である。

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    財務書類注記
    1.  当グループの財務書類について

     本財務書類は、オーストラリア・ニュージーランド銀行(「当行」)およびその被支配法人(「当グループ」と総称す

    る。)の2021年9月30日に終了した事業年度の財務書類である。当行はオーストラリアで設立され、同国に本店を構えてい
    る。当行の登記上の事務所の住所、ならびに主要な事業所はANZ                              Centre,    833  Collins    Street,    Docklands,      Victoria,
    Australia     3008である。当グループは個人顧客および企業顧客にバンキングおよび金融のサービスを提供しており、32の市場
    にわたって営業している。
     2021年10月27日、取締役はこれらの財務書類の発行の承認を決議をした。
     財務書類の情報は、財務書類の理解において重要かつ関連性があると想定されるものに限定して含めている。例えば以下の
    ような場合、開示は重要かつ関連性があるとみなされる。
        ・ 金額の規模が重要である(定量的要因)
        ・ 情報の性質が重要である(定性的要因)
        ・ 利用者はその開示がないと当グループの業績を理解することができない(定性的要因)
        ・ 例えば事業の取得や処分など、利用者にとって当期中のグループ事業の重要な変更による影響を理解するための
          重要な情報である(定性的要因)
        ・ 将来のグループ業績に影響する重要な業務に関する情報(定性的要因)
        ・ 2001年会社法、1959年銀行法の規制要件に基づく、もしくはオーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)、オー
          ストラリア健全性規制庁(「APRA」)などグループの主たる規制当局により求められる情報
     財務書類の本セクションでは、以下を示している。

        ・ 当グループの財務書類の作成基準の概要
        ・ 財務書類に直接影響を及ぼす新たな会計基準もしくは規制の説明
    作成基準

     財務報告は、オーストラリア会計基準(「AAS」)、およびオーストラリア会計基準審議会(「AASB」)が発行したその他の
    権威ある公表文書、2001年会社法、ならびに国際会計基準審議会(「IASB」)が公表した国際財務報告基準(「IFRS」)およ
    び解釈指針に準拠して営利目的企業により作成された一般目的の財務報告(Tier1)である。
     当グループの財務書類は、当行の機能通貨であり表示通貨である豪ドルで表示されている。ASIC企業向け(財務書類/取締
    役会報告書における四捨五入)通達第2016/191号により認められているように、別段の記載がない限り、財務書類に記載され
    ている金額は百万ドル未満を四捨五入している。当グループの各社の財務書類は、各社が営業を行う主たる経済環境の通貨を
    用いて測定される(機能通貨)。
    測定基準

     財務情報は、公正価値で表示されている以下の資産および負債を除き、取得原価法に基づき作成されている。
        ・ デリバティブ金融商品、また公正価値ヘッジの場合、基礎となるヘッジ対象に対して行われる公正価値調整
        ・ 売買目的保有金融商品
        ・ 損益を通じて公正価値で測定するものと指定されている金融資産および金融負債
        ・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
        ・ 売却目的保有に分類された資産および負債(帳簿価額で計上されるものを除く)
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     AASB第119号「従業員給付」(「AASB第119号」)に準拠して確定給付債務は予測単位積増方式を用いて測定される。
    非継続事業

     富裕層オーストラリア事業のIOOFホールディングス・リミテッド(「IOOF」)およびチューリッヒ・ファイナンシャル・
    サービシズ・オーストラリア(「チューリッヒ」)への売却は2019年から2020年にかけて完了した。これらの売却事業の財務
    業績は、財務報告の観点からは非継続事業として扱われた。
    連結基準

     当グループの連結財務書類は、当行および当行の全子会社の財務書類で構成される。ある事業体について当行の支配が存在
    すると認められる場合、その事業体(組成された事業体を含む)は当グループの子会社とされる。当グループが事業体への関
    与を通じてリターンの変動にさらされるか、あるいはリターンの変動に対する権利を有し、かつその事業体に対するパワーを
    通じてそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合には支配が存在する。ここでの権利とは、関連性のある事業体の活
    動を指図する現在の能力を当行に与えるものとされ、当グループはこれを検討することでパワーを評価する。当グループ内の
    法人間取引は、連結ベースで全て消去されている。
    為替換算

     取引および残高
     外貨建て取引は、取引日現在の為替レートで関連する機能通貨へ換算される。報告日において、外貨建て金融資産および負
    債は、当該日のスポット・レートで機能通貨へ換算される。為替換算損益は、発生した期間の損益に含まれる。
     損益を通じて公正価値で測定される非貨幣性項目の換算差額は、公正価値評価損益の一部として表示される。その他の包括
    利益を通じて公正価値で測定される投資有価証券に分類された非貨幣性項目に関して、換算差額は、その他の包括利益に含ま
    れる。
     オーストラリアドル以外を機能通貨とする海外事業の財務書類

     海外事業の財務書類は、以下の手法を用いて、当グループの財務書類に連結するためにオーストラリアドルに換算される。
     外貨建て項目                使用する為替レート

     資産および負債                報告日のレート
     資本                当初の投資日のレート
     収益および費用                期間の平均レート-ただし、重要と考えられる取引について、平均レートが合
                     理的ではない場合、取引日のレートを使用
     海外事業の財務書類の換算から生じる換算差額は、資本の為替換算調整勘定に計上される。海外事業を処分する場合、かか

    る累積換算差額は損益に振替えられる。
    受託業務

     当グループは、保管、名義人および受託サービスを含む信託サービスを第三者に提供している。これに伴い、当グループ
    は、第三者に代わり資産を保有、ならびに金融商品の購入および売却に関する意思決定を行う。ANZが資産の実質所有者でない
    場合、もしくは資産を支配していない場合、本財務書類においてこれらの取引は認識されない。ただし、会計基準または規制
    で要求される場合を除く。
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     重要な判断および見積り
     当グループの会計方針を適用する目的で、経営陣は数多くの判断を下し、過去および将来の事象に関する見積りお
     よび仮定を適用している。財務書類にとって重要であると考える重要な判断および見積りに関する詳しい情報は、
     関連するそれぞれの財務書類注記に含まれている。
     コロナウィルス感染症(「COVID-19」)の世界的流行

     COVID-19の世界的流行とその世界経済への持続している影響は、当グループの顧客、営業および業績に引き続き影
     響を及ぼしている。政府は国民の健康、地域経済および生活を守るためかつてない水準での対応を行っている。パ
     ンデミックの状況およびワクチン接種の経過は世界中で変化しており、政府対応の程度および時期も異なってい
     る。経済活動の再開の進捗はまちまちであるが、その後の感染の波の到来のリスクは依然として残っている。した
     がって、以下のような見積りの不確実性は、本財務書類の作成において以前として高い水準にある。
      ・ 継続するウィルス対策において政府、企業および消費者の対応から生じる事業中断の程度および期間。
      ・ 経済への影響と予想される反応(およびGDP、雇用、住宅価格などの主要経済指標の予測)。これには資本
        市場の反応、ならびに信用の質、流動性、失業率、個人消費への影響に加えて特定のセクターへの影響が
        含まれる。
      ・ ウィルスの変異株に対するワクチンの有効性、ならびに企業および消費者がこの混乱から脱却することを
        支援するための政府および中央銀行による措置の有効性。
     当グループは、2021年9月30日現在における将来の事象について、取締役がこのような状況下で合理的と考える見

     込みおよび仮定を反映した経済状況の予想に基づく様々な会計上の見積りを財務報告において行った。これらの見
     積りの作成には、相当な判断を伴っている。基礎となる仮定もまた、当グループの支配が及ばない不確実性の影響
     を受ける。したがって、予測した事象は予期したとおりには発生しないことが多いため、実際の経済状況は予想と
     は異なる可能性が高く、こうした相違による影響は本財務書類に含まれる会計上の見積りに重要な影響を与える可
     能性がある。
     これらの予測および関連する不確実性によって影響を受ける重要な会計上の見積りは、主に予想信用損失および非
     金融資産の回収可能価額に関連している。
     COVID-19の世界的流行がこれらの見積りのそれぞれに及ぼす影響は、本財務書類の関連する注記で説明されてい
     る。本財務書類の読者は、上記の内在する不確実性に照らしてこれらの開示を慎重に検討すべきである。
    当期に採用された会計基準

     金利指標改革
     ロンドン銀行間取引金利(「LIBOR」)などの銀行間取引金利(「IBOR」)は、デリバティブ、貸付および有価証券の参照
    レートとしての機能を果たし世界の金融市場で不可欠な役割を果たす他、金融商品の評価においても不可欠な役割を果たして
    きた。IBOR金利の信頼性を取り巻く不確実性は、規制当局および業界によるIBORから代替的な無リスク指標参照レート
    (「RFR」)への移行をもたらした。
     予想されていたように、2021年3月に英国金融行為規制機構(「FCA」)は、IBORの廃止、代表的IBORがそれ以降利用可不可
    となる日付を発表した。大半のIBOR金利の廃止は2021年12月31日に実施され、特に、英ポンド(「GBP」)、ユーロ
    (「EUR」)、スイスフラン(「CHF」)および日本円(「JPY」)の設定値は全面的に、米ドル(「USD」)は1週間物および
    2か月物のLIBOR設定値が廃止される。当グループはこれらの金利を参照する新商品の発行は中止している。その他の米ドル
    LIBORの設定値は2023年6月30日までに廃止される。
     当グループは、顧客との間でのローンおよびデリバティブ取引、債券の発行ならびに資産負債管理業務を通じて、IBORに対
    するエクスポージャーを有する。
     当グループの顧客に対する銀行業務および当グループのリスク管理業務に適用されるその他の重要な金利指標は、ユーロ銀
    行間金利(「Euribor」)、豪ドルバンク・ビル・スワップレート(「BBSW」)およびニュージーランド・バンク・ビル・マー
    ケット(「BKBM」)などである。これらはIBOR改革による影響を受けず、これらの指標金利は予見し得る将来も存続が見込ま
    れている。
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     金利指標改革に対する当グループのアプローチ
     新たなRFR商品の開発およびIBORを参照する当グループの既存契約のRFRへの移行は、当グループに財務リスク、コンプライ
    アンス・リスク、法的リスクおよびオペレーショナル・リスクに対するエクスポージャーを生じさせる。当グループはRFRへの
    移行とこれらのリスクを全社ベンチマーク移行プログラム(「プログラム」)を通じて管理し、プログラムは上級役員の正式
    な運営委員会によって監督されている。プログラムは、当グループの執行委員会、取締役会監査委員会および取締役会リスク
    委員会に対して、定期的に最新情報を提供する。
     IBOR改革は、IBORとRFRの間の根本的な違いにより、当グループおよび当グループの顧客に広範囲の影響を及ぼす。RFRは、
    過去期間を参照する後決め金利と、一部の通貨については将来期間を参照するターム物金利の両方で利用可能である。IBORと
    RFRとの重要な相違は、IBOR金利には期間と銀行の信用リスクプレミアムが含まれているのに対して、RFRにはこれが含まれて
    いないことである。これらの相違点の結果として、IBOR金利を参照する契約について、経済的に同等なベースでの移行を確実
    にするためには、RFRへの調整が必要となる。
     プログラムには、影響を受けるIBOR契約をグループ全体にわたって識別、ならびに、商品機能の開発および既存契約のRFRへ
    の移行のために必要な措置の識別が含まれる。これには、値付けおよび評価の変更(主に金利リスク)から生じる財務リス
    ク、法的リスクおよびコンダクト・リスク、関連する規制要件の潜在的な不遵守から生じるコンプライアンス・リスク、顧客
    との契約の変更から生じる法的リスク、ならびに、ITシステム、統制および報告インフラストラクチャーの変更を含むオペ
    レーショナル・リスクの評価および軽減が含まれる。これらの変更への着手にあたって、当グループは、当グループのIBORか
    らの移行への準備の状況について、当グループが営業する多くの国の各種の規制機関と活発に協議している。業界の観点から
    も、当グループは金利指標改革の様々な側面に焦点を当てた、各種のRFR作業グループ、業界団体およびビジネス・フォーラム
    に積極的に参加し、貢献している。
     現時点まで、当グループは従来IBORベンチマークを参照していた数多くのローン取引を、RFRベンチマーク金利を参照する取
    引に移行することに成功している。当グループはまた、既存のIBORデリバティブ取引のRFRベンチマーク金利参照への移行を開
    始した。当グループは引き続き、規制上のベストプラクティス・ガイドラインに沿って、当グループの顧客を支援することが
    できるように、一連のRFR商品と価格設定の選択肢を提供する。
     プログラムには顧客に対する影響の管理も含まれている。当グループはすべての顧客の移行計画がIBORの廃止日に先立って
    完了することを確保することについて良好な進展を示しており、IBORを参照するエクスポージャーを持つ当グループの大多数
    のデリバティブ・カウンターパーティーは、標準化されかつ秩序だったRFRへの移行を促進するための、業界で開発されたISDA
    2020   IBORフォールバック・プロトコル(「ISDAプロトコル」)を遵守することで既存契約の改訂に同意している。当グループ
    も、ISDAプロトコルを遵守している。
     ローンおよびトランザクション・バンキングの顧客に関連して、当グループは、秩序立ち、かつ十分に管理されたRFRへの移
    行を確実にするための積極的なアウトリーチ・プログラムを開始した。米ドルLIBORは、最も広範に利用されている設定値につ
    いて2023年6月30日まで公表されることから、プログラムは取決めが2021年12月31日で廃止されるIBORを参照する顧客関係に
    焦点を当てている。
     会計基準の変更

     2018年、IBORの長期的な存続に関する不確実性から、国際会計基準審議会(「IASB」)は、金融商品会計への重要な潜在的
    影響を考慮し、金利指標改革の財務報告への影響のレビューを開始した。
     2019年10月、オーストラリア会計基準審議会(「AASB」)はAASB第2019-3号「オーストラリア会計基準の改訂-金利指標改
    革-フェーズ1」を発行し、金利指標改革によって生じた不確実性による潜在的影響からの救済措置を提供するために、特定
    の既存のヘッジ会計要件を改訂した。当グループは本改訂を2019年10月1日から早期適用することを選択したが、この適用は
    当グループに重要な影響を及ぼしていない。
     2020年9月、AASBはAASB第2020-8号「オーストラリア会計基準の改訂                                ― 金利指標改革-フェーズ2」(「基準」)を発行
    し、当グループは2021年4月1日よりこの基準を早期適用した。この基準は、契約上のキャッシュフローもしくはヘッジ関係
    への影響など、既存のIBORからRFRへの移行時に当グループが影響を受ける可能性がある問題に対処している。基準には以下の
    改訂が含まれる。
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    ・ 償却原価で測定される金融資産または金融負債の変更:IBOR改革は、その影響が及ぶ当グループの資産および負債に係る
      契約上のキャッシュフローの算定基準に変更をもたらすと見込まれている。この基準は、契約上のキャッシュフローの算
      定基準の変更を、実効金利の更新を通じて考慮する実務上の便法を提供している。その結果として直ちに損益が認識され
      ることはない。これは当該変更がIBOR改革の直接的影響によるもので、かつ契約上のキャッシュフローの新たな算定基準
      が従来の基準と経済的に同等である場合にのみ適用されるものである。
    ・ ヘッジ関係に対する追加の救済:この基準はまた、他のすべてのヘッジ会計の判定基準を充足している場合に、当グルー
      プが金利指標改革により行われた変更のみを理由にヘッジ会計関係を中止しなければならないことがないように、いくつ
      かの既存のヘッジ会計要件も改訂している。
    ・ 追加開示要件:この基準はAASB第7号「金融商品:開示」を改訂し、当グループに対するIBOR改革の影響に関連して、追
      加的な定性的および定量的開示を求めている。これらの開示は、本注記に記載されている。
     IBOR改革の財務的影響

     以下は2021年9月30日現在の、IBOR改革に関連した当グループへの影響の評価を示している。
    i)  2021年9月30日終了事業年度の影響
       2021年9月30日終了事業年度について、当グループの税引後純利益で認識されたIBOR改革の正味影響額に重要性はな
      い。当年度に認識された影響には以下が含まれる。
      a)  IBORの廃止を確認した規制当局の発表の結果として、将来の一定日にRFRへの変更を公正価値評価に組み込むことが貸
        借対照表日現在において既知である一定のデリバティブ金融商品の公正価値の変動
      b)  9月30日までにRFRを参照するローンおよびデリバティブ契約に移行した、法人部門の少数の顧客からの収益
    ii)  2021年9月30日現在の指標金利改革の対象となるエクスポージャー
       下表は、IBOR改革の対象となる金利指標に対する当グループのエクスポージャーを示している。これらは、RFRへの移行
      が計画されている契約上IBOR指標を参照する金融商品で、契約上の満期日は予定されているIBOR廃止日よりも先となって
      いるものである。
                                                (単位:百万ドル)

                                    RFRにまだ移行していない金融商品
                                                       (1)
                               米ドルLIBOR       日本円LIBOR       英ポンドLIBOR
    2021年9月30日現在
                                                    その他
              (2)
                                  12,744        635       508       465
    貸付金および前渡金
                (2)
                                  3,115         -     1,655        78
    非デリバティブ金融資産
                (3)
                                   614        -       -      55
    非デリバティブ金融負債
                   (4)
                                 515,816       58,264       21,916       16,096
    デリバティブ資産(名目価値)
                   (4)
                                 486,716       83,039       21,524       14,855
    デリバティブ負債(名目価値)
              (2)(5)
                                  26,982         4      762      3,695
    貸付コミットメント
    (1)  廃止の対象であるが、まだ代替指標に移行していない他の重要な指標金利を参照する金融商品で構成される。
    (2)  予想信用損失(「ECL」)を除く。
    (3)  当グループの変動利付発行済社債で構成される。
    (4)  流入・流出の両方のレッグが改革の対象通貨であるクロスカレンシー・スワップについて、当グループは両方について想
      定元本額の豪ドル相当額を開示している。片方のレッグが改革の対象である場合、当グループは流入の想定元本額を開示
      している。
    (5)  多通貨IBOR参照与信枠については、未実行残高は当該与信枠の基本通貨に割り当てられている。基本通貨の金利が廃止対
      象ではないが、廃止対象の通貨で借入を実行することができる場合、この割り当ては借入の実行可能性が最も高い通貨に
      基づいている。
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    iii)   IBOR改革の対象であるヘッジ会計エクスポージャー
       当グループはIBORを参照するヘッジ会計関係を有しており、最も重要なIBORは米ドルLIBORであるが、これは主として公
      正価値ヘッジ会計関係に指定されている米ドル建ての固定金利投資有価証券および当グループの固定金利発行済社債によ
      るものである。
       下表は、当グループのIBOR改革によって影響を受けるLIBORを参照する、ヘッジ関係に指定された米ドルエクスポー
      ジャーの帳簿価額の詳細を示している。関連するヘッジ手段の名目価値も含まれている。
                                                2021年9月30日現在

    ヘッジ対象                                            (単位:百万ドル)
      FVOCIで測定される投資有価証券                                                 13,096

      正味貸付金および前渡金                                                  236
      預金およびその他の借入金                                                  577
                                                      24,249
      発行済社債
                      2023年6月30日まで           2023年6月30日以降について

    ヘッジ手段
                      指定された名目金額               指定された名目金額              名目金額合計
                                   (単位:百万ドル)
      公正価値ヘッジ                       13,335               23,043           36,379
                              458               258           716
      キャッシュフロー・ヘッジ
     2021年9月30日現在、当グループはまた、ヘッジ会計関係が指定されたIBOR改革の対象である英ポンド、スイスフランおよ

    び日本円のエクスポージャーをそれぞれ1,510百万ドル、940百万ドルおよび1,853百万ドル保有している。
     ユーロ銀行間金利(「Euribor」)、豪ドル・バンク・ビル・スワップレート(「BBSW」)およびニュージーランド・バン
    ク・ビル・マーケット(「BKBM」)は、予見可能な将来は存続することが見込まれるため、これらの指標金利を参照するその
    他のヘッジ会計関係はIBOR改革による影響を受けない。
    iv)  将来の   展開

       最も広範に参照されている米ドルLIBORのベンチマーク期間物は2023年6月30日まで引き続き公表されるため、当グルー
      プの顧客を支援する移行プログラムおよび当グループのリスク管理活動は、2021年以降も継続される。
     概念フレームワークの改訂

     2020年10月1日、当グループは改訂後の財務報告の概念フレームワークを適用した。新しいフレームワークには、資産およ
    び負債の認識および認識中止のための最新の定義および判定基準が含まれている。さらに、改訂概念フレームワークでは、測
    定基準を選択する際に考慮する要素を含む、測定に関する新しい概念が導入されている。改訂概念フレームワークの適用は、
    当グループに重要な影響を及ぼさなかった。
    早期適用されなかった会計基準

     数多くの新たな基準、基準の改訂、解釈指針が公表されているが、2021年9月30日終了年度の財務書類について適用義務は
    なく、当グループによる本財務書類の作成において適用されていない。これらの会計基準の詳細は以下に記載されている。
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     一般ヘッジ会計
     AASB第9号「金融商品」(「AASB第9号」)は、会計と、財務リスクおよび非財務リスクの両方をヘッジする際に行われる
    リスク管理活動をより整合させる新たなヘッジ会計要件を導入している。AASB第9号は、マクロ・ヘッジ会計に関する国際会
    計基準審議会の進行中のプロジェクトが完了するまで、AASB第139号「金融商品:認識および測定」(「AASB第139号」)の
    ヘッジ会計要件を引き続き会計方針として適用する選択肢を与えている。当グループは現在、AASB第139号のヘッジ会計要件を
    適用している。
     AASB  第 17 号「保険契約」       (「AASB    第 17 号」  )

     AASB第17号の最終版は2017年7月に公表されたが、2023年10月1日まで当グループには適用されない。これは、AASB第4号
    「保険契約」、AASB第1023号「一般保険契約」、AASB第1038号「生命保険契約」に置き替わるものである。AASB第17号は、保
    険契約の認識、測定、表示および開示に関する原則を定めている。
     AASB第17号に基づく測定、表示および開示の要件は、現行の会計基準と大きく異なる。保険契約について認識される利益の
    合計は変わらないが、収益認識の時期が変わる見込みである。
     AASB第17号が当グループに重要な影響を及ぼすことは見込まれていない。
     単一の取引から生じる資産および負債に係る繰延税金

     AASB第2021-5号「オーストラリア会計基準の改訂-単一の取引から生じた資産および負債に係る繰延税金」は、AASB第112号
    「法人所得税」を改訂し、資産と負債の両方があり、同額の将来加算と将来減算の一時差異を生じさせる取引について、企業
    は繰延税金を認識することが求められる旨を明確化している。これにはリースと廃棄または原状回復債務などの取引が含まれ
    得る。この改訂は、2023年10月1日より当グループに適用されるが、重要な影響を及ぼすとは見込まれていない。
    会計方針の変更

     連結されている証券化事業体とのグループ内取引
     当年度中、当行は連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)が発行した商品のすべてを当行が有しているSE
    とのグループ内取引に関する会計方針を変更した。当行は、SEにキャッシュフローを移転する原ローンからの負債と、債券の
    形態でSEが発行し、当行に同じキャッシュフローの権利を与える資産を個別に計上することを取り止めた。この取引は、完全
    に相殺されるグループ内取引の経済的実体をより適切に反映するために、合算するものとされ、当行とSE間で純額ゼロのポジ
    ションを計上する。当行の財務書類において、比較情報は修正再表示されている。関連する証券化SEは全部連結されており、
    グループ内取引は消去されているため、当グループに対する変更はない。この変更に関する詳細は、注記35「新たな基準の適
    用およびその他の変更による影響」を参照のこと。
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    2.  純利息収益
                                     連結              当行

                                 2021年       2020年       2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    純利息収益
    受取利息の金融資産の種類別の内訳
                   (1)
                                  18,188       22,625       13,767       17,190
    償却原価で測定される金融資産
    FVOCIで測定される投資有価証券                               866      1,162        596       883
    売買目的有価証券                               446       584       325       429
    損益を通じて公正価値評価するものとして指定されている
        (1)
                                    29       55      124       159
    金融資産
    外部受取利息                             19,529       24,426       14,812       18,661
           (2)
                                    -       -      535       701
    被支配法人収益
                                  19,529       24,426       15,347       19,362
    受取利息
    支払利息の金融負債の種類別の内訳
                   (1)
                                  (4,830)       (9,751)       (3,681)       (7,477)
    償却原価で測定される金融負債
    空売り有価証券                               (91)       (95)       (82)       (91)
    損益を通じて公正価値評価するものとして指定されている
        (1)
                                   (101)       (125)       (158)       (190)
    金融負債
    外部支払利息                             (5,022)       (9,971)       (3,921)       (7,758)
           (2)
                                    -       -     (555)       (762)
    被支配法人費用
                                  (5,022)       (9,971)       (4,476)       (8,520)
    支払利息
                                   (346)       (406)       (346)       (406)
    大手銀行税
         (3)
                                  14,161       14,049       10,525       10,436
    純利息収益
    (1)  過年度の比較残高は、基礎となる金融資産または金融負債の分類と一致させて修正再表示されている。この組替は、過年
      度の受取利息または支払利息の報告金額合計を変更していない。過年度の比較情報は、償却原価で測定される金融資産か
      らの受取利息を、損益を通じて公正価値で測定される金融資産に組み替え(2020年度:当グループ50百万ドル、当行159百
      万ドル)、償却原価で測定される金融負債からの支払利息を、損益を通じて公正価値で測定される金融負債に組み替え
      (2020年度:当グループ32百万ドル、当行125百万ドル)て、修正再表示された。
    (2)連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)とのグループ内取引に関して、当行は、2021年4月1日より、当
      該SEの発行済み証券を当行がすべて保有する場合の会計方針を変更した。SEとの取引は、今後総額ベースでは計上されな
      い。比較情報は修正再表示され、2020年9月30日現在における被支配法人からの受取利息は2,377百万ドル減額され、非支
      配法人への支払利息は2,929百万ドル減額されている。詳細は、注記35「新たな基準の適用およびその他の変更による影
      響」を参照のこと。
    (3)  顧客救済費用が当グループについては86百万ドル(2020年度:106百万ドル)、当行については82百万ドル(2020年度:97
      百万ドル)含まれている。
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     認識および測定
     純利息収益
     受取利息および費用
     売買目的保有、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資産、または損益を通じて公正価値評価に指定され
     ているものなど、すべての金融商品の受取利息および費用は、純利息収益として認識する。当グループは、償却原
     価で保有する資産の償却原価を算出する際、およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の受
     取利息を認識する際に、実効金利法を用いている。実効金利とは、将来の見積り現金受取額または支払額を金融商
     品の予想残存期間(適切な場合にはより短期間)にわたって、金融資産または負債の正味帳簿価額まで割り引く金
     利である。期限前返済の対象となる資産については、特定の資産ポートフォリオの過去の返済状況に基づいて予想
     残存期間が決定されるが、その際には契約条件および期限前返済の実態を勘案している。
     金融商品の不可欠な部分である手数料および費用(例えばローン・オリジネーション手数料および費用)は、実効
     金利法を用いて認識される。これらは、基礎となる金融商品が金融資産であるか、金融負債であるかに応じて、受
     取利息または支払利息の一部として表示されている。
     大手銀行税

     2017年大手銀行税法(「銀行税」または「大手銀行税」)は、当行の特定の負債に対し0.06%で課税する。当グ
     ループは、当該銀行税は当グループおよび当行の資金調達コストを示しており、損益計算書においてを支払利息の
     一部として含めることを決定した。
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    3.  非利息収益
                                     連結              当行

                                 2021年       2020年       2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    非利息収益
    受取手数料
         (1)
                                   474       579       436       532
    貸付手数料
    非貸付手数料                              2,552       2,687       1,961       2,087
    コミッション                               97      121       65       67
                                   287       275        5      34
    資産運用収入
    外部受取手数料                              3,410       3,662       2,467       2,720
         (2)
                                    -       -      235       303
    被支配法人
    受取手数料                              3,410       3,662       2,702       3,023
                                  (1,267)       (1,337)        (836)       (999)
    支払手数料およびコミッション
                                  2,143       2,325       1,866       2,024
    受取手数料(純額)
    その他収入
                            (3)
                                  1,371       1,809       1,064       1,443
    為替差益およびその他金融商品による収益(純額)
    AmBankの減損                                -     (595)        -       -
    PT  Paninの減損                              -     (220)        -       -
                     (4)
                                   (251)        -      12       -
    ANZシェア・インベスティングの処分
    ニュージーランドのレガシー保険ポートフォリオの売却                               13       -       -       -
    UDCの売却                                -      (7)       -       -
    持分証券に係る受取配当金                                1      26       1      26
    被支配法人から受領した配当金                                -       -     1,845        195
                                    48       17       66      (36)
    その他
                                  1,182       1,030       2,988       1,628
    その他収入
                                  3,325       3,355       4,854       3,652
    その他営業収入
    保険事業収入純額                               110       78       -       -

                    (5)
                                   (176)       155       (1)       (1)
    関連会社投資の持分利益/(損失)
         (6)
                                  3,259       3,588       4,853       3,651
    非利息収益
    (1)  貸付手数料は、実効利回りの計算の一部として処理され受取利息に含まれている手数料を除く。
    (2)  連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)とのグループ内取引に関して、当行は、2021年4月1日より、
      当該SEの発行済み証券を当行がすべて保有する場合の会計方針を変更した。SEとの取引は、今後総額ベースでは計上され
      ない。比較情報は修正再表示され、2020年9月30日現在における被支配法人からのその他営業収入が552百万ドル減額され
      ている。詳細は、注記35「新たな基準の適用およびその他の変更による影響」を参照のこと。
    (3)  資金調達商品の金利リスクおよび為替リスクを管理するために用いられているが、会計上のヘッジとして指定されていな
      いデリバティブの公正価値の変動(実現および未収利息を除く)、キャッシュフロー・ヘッジの非有効部分、損益を通じ
      て公正価値評価するものとして指定された金融資産および金融負債の公正価値の変動を含む。
    (4)  CMCマーケッツは、2018年よりANZシェア・インベスティング・ブランドの下で株式売買ソリューションを提供している。
      当年度中に、ANZは顧客をANZシェア・インベスティング・ブランドのプラットフォームからCMCマーケッツ・ブランドのプ
      ラットフォームに移行させることで合意した。
    (5)  訴訟和解引当金のANZ持分(212百万ドル)および2021年度に当グループが計上したのれんの減損(135百万ドル)が含まれ
      ている。
    (6)  顧客救済費用が当グループについては56百万ドル(2020年度:68百万ドル)、当行については84百万ドル(2020年度:189
      百万ドル)含まれている。
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     認識および測定
     その他営業収入
     手数料およびコミッション収益
     当グループは、顧客との契約から発生する手数料およびコミッション収益を、(a)履行義務が1報告期間を超える
     期間にわたって充足される場合には期間の経過に従って、または(b)履行義務が直ちにもしくは1報告期間内に充
     足される場合にはある一時点で認識している。
      ・ 貸付手数料は、実効利回りの計算の一部として処理され受取利息に含まれている手数料を除く。貸付手数料
        には、特定の保証またはコミットメント手数料(当該貸付または保証を利用しない可能性が高い場合)およ
        びその他の手数料で原貸付商品とは別個に認識される区分可能な商品またはサービスの顧客への提供に関す
        るもの(その他のANZ商品に関する便益を提供する年間パッケージ手数料を含む)が含まれている。
      ・ 非貸付手数料には、預金およびクレジットカード口座に伴う手数料、インターチェンジ・フィーならびに外
        国送金などの特定の顧客取引に対する手数料が含まれる。当グループが顧客に複数の商品またはサービスを
        同一の契約に基づいて提供する場合、当グループは当該契約の取引価格を、各履行義務の独立販売価格の比
        率に基づいて個別の履行義務に配分する。収益は、各履行義務の充足時に認識される。
      ・ コミッションは、当グループが代理人として行動する場合の第三者からの手数料を表すもので、この場合
        は、第三者(保険のプロバイダー等)が顧客に商品およびサービスを提供するよう手配する。このような場
        合、当グループは顧客に原商品またはサービスを提供する主たる責任を負わない。当グループが第三者に代
        わって代理人として行動している際に資金を回収する場合、当グループは留保するコミッション純額のみを
        収益として認識する。コミッションが、当グループの支配の及ばない要因によって変動する場合(トレイ
        ル・コミッション等)、将来の期間に変動する金額の重大な戻入が必要とならない可能性が高い場合にの
        み、収益が認識される。
      ・ 資産運用収入は、投資助言の提供に対して顧客から得る手数料、ならびに投資ファンドに提供する資産運用
        サービスおよび助言に対する手数料を表す。収益は、投資助言が提供された時点、または資産運用サービス
        が提供された期間にわたって認識される。資産運用業務に伴うパフォーマンス・フィーは、当該パフォーマ
        ンス水準の達成の可能性が高くなった場合にのみ、認識される。
     為替差益およびその他金融商品による収益(純額)

     当グループでは、以下の為替差益およびその他金融商品による純収益を認識する。
      ・ 貨幣性項目の決済による換算差額および貨幣性項目を当初認識時または前期の財務報告で使用されたものと
        異なるレートで換算したことにより生ずる換算差額
      ・ 資金調達商品の金利リスクおよび為替リスクを管理するために用いられているが、会計上のヘッジとして指
        定されていないデリバティブの公正価値の変動(実現および未収利息を除く)
      ・ 公正価値ヘッジ、キャッシュフロー・ヘッジ、純投資ヘッジの非有効部分
      ・ ヘッジ対象の売却または返済の直後において、公正価値ヘッジのヘッジ対象の公正価値調整の未償却額およ
        びキャッシュフロー・ヘッジの指定に関連して資本の部に累計された金額
      ・ 損益を通じて公正価値で測定するものとして指定された、もしくは売買保有目的の金融資産および金融負債
        の公正価値の変動
      ・ その他の包括利益を通じて公正価値で測定(「FVOCI」)に分類された負債性金融商品の売却時にFVOCI準備
        金から振り戻される金額
      ・ 償却原価で測定される金融資産または金融負債の認識中止時の利益または損失
     非金融資産の処分損益

     資産の処分に伴う損益は、資産の帳簿価額と処分費用控除後の売却額との差額である。これは、当該資産の重大な
     リスクおよび経済価値が買い手に移転した事業年度においてその他の収益項目として計上される。
     一つの非金融資産または資産グループが売却目的保有として分類された場合、分類変更の直前の帳簿価額と処分費
     用控除後の公正価値との差額は、処分が当該年度中に完了した場合に適用されるはずである処分損益の分類と一致
     させるために、その他営業収入に認識される。
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     保険事業からの収入純額
     以下を認識する。
      ・ 販売した保険契約の期間にわたってリスクの顕在化に関して推定されるパターンの評価に基づいた受取保険
        料(支払再保険料控除後の純額)。この評価は、定期的に実施され、最新のリスクの顕在化パターンに従っ
        て更新される。
      ・ 契約条件に基づいた保険契約者に対する負債の確定時、および将来の保険金請求について保険数理上の仮定
        を通じて発生主義で生じる再保険金相殺後の保険金請求額。
     関連会社投資の持分利益/(損失)

     関連会社の会計処理には持分法が適用されている。持分法では、関連会社の税引後損益に対する当行の持分が損益
     計算書および包括利益計算書に計上される。
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    4.  営業費用
                                     連結              当行

                                 2021年       2020年       2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    人件費
    給与および関連費用                              4,425       4,310       3,241       3,147
    年金費用                               337       329       281       277
    その他                               184       239       110       142
       (1)
                                  4,946       4,878       3,632       3,566
    人件費
    土地建物
    賃借料                               85       84       62       58
    減価償却費                               446       517       371       427
    その他                               174       188       131       139
    土地建物
                                   705       789       564       624
    技術費
                (2)(3)
                                   638       858       585       786
    減価償却費および償却費
    サブスクリプション・ライセンス費用および外注サービス費                               786       780       587       586
    その他                               164       186       170       189
       (1)
                                  1,588       1,824       1,342       1,561
    技術費
    組織再編
                                   127       161       77      127
    その他
    広告・広報費                               178       177       134       136
    専門家報酬                               769       667       714       614
    運送料、文房具、郵便および通信                               185       205       141       166
       (3)
                                   553       682       990       994
    その他
       (1)
                                  1,685       1,731       1,979       1,910
    その他
        (1)
                                  9,051       9,383       7,594       7,788
    営業費用
    (1)  人件費、技術費およびその他費用にわたって配分された顧客救済費用が、当グループについて185百万ドル(2020年度:
      209百万ドル)、当行について148百万ドル(2020年度:146百万ドル)含まれている。
    (2)  2020年度には、同年度中の当グループのソフトウェア償却方針の適用の変更を受けた加速償却費が、当グループについて
      197百万ドル、当行について184百万ドル含まれている。
    (3)  2021年度には訴訟和解費用が当グループについて69百万ドル、当行について69百万ドル含まれ、2020年度にはのれん償却
      が当グループについて77百万ドル、当行について10百万ドル含まれている。
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     認識および測定
     営業費用
     営業費用は、一定期間にわたり当グループにサービスが提供される都度認識されるが、その際に資産が消費される
     か負債が発生する。
     給与および関連費用-年次休暇、長期勤続休暇、その他従業員給付

     賃金給与、年次休暇、その他の従業員給付で、従業員の勤務の提供から12か月以内に支払または決済が予想される
     場合は、当グループが負債の決済時に支払が見込まれる報酬率を用いた名目額で測定される。
     長期勤続休暇に関する従業員受給権は、数理計算を用いて計上される。これには、職員の退職、休暇の利用、将来
     の昇給に関する仮定を含む。その結果は、報告日時点の市場利回りを用いて割り引かれる。市場利回りは、将来の
     予想キャッシュ・アウトフローと密接に対応する残存期間を有する高格付けの社債の混合金利より決定される。
     短期現金賞与の支給が見込まれる場合、当グループが当該額を支払う現在の法的債務、または推定的債務(従業員
     が過去に提供した勤務の結果)を有しており、当該債務について信頼性のある測定が可能な場合に負債が認識され
     る。
     また人件費には、現金または株式で決済可能な株式報酬も含まれる。付与日において株式決済型報酬の公正価値が
     計算され、その後権利確定期間にわたって償却される。これに対応して株式資本、もしくは該当する場合には株式
     オプション準備金が増加する。公正価値を見積もる際には、株価に関する条件など、市場権利確定条件を考慮に入
     れる。勤続条件などの市場以外の権利確定条件は、費用に含める株式の数を調整することで考慮される。
     株式報酬を付与した後、従業員の退職、重大な不正行為による失職または解雇通知により当該報酬規定に定められ
     ていた最低勤続期間を満たせない場合など、市場以外の権利確定条件が満たされない場合は、費用として認識され
     た金額は戻し入れられる。ただし、市場に基づく条件が満たされないとの理由から権利確定しない場合、当該費用
     は戻し入れない。
     当年度および前年度に当グループが運営する株式報酬制度に関するさらに詳しい情報は、注記31「従業員持株およ
     びオプション制度」に記載されている。
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    5.  法人税
     法人税費用

     損益に計上された法人税費用と税引前利益に対する計算上の法人税費用との調整
                                      連結             当行

                                  2021年      2020年      2021年      2020年
                                         (単位:百万ドル)
    継続事業に係る税引前利益                               8,936      5,516      8,253      3,962
    計算上の法人税費用(税率30%)                               2,681      1,655      2,476      1,189
    永久差異に係る税効果:
      事業売却による利益または損失                               (4)       2      -      -
      AmBankおよびPT        Paninへの投資の減損
                                     -     245       -      -
      関連会社投資の持分(利益)/損失                               53      (47)        -      -
      ANZシェア・インベスティングの処分                               75       -      (4)       -
      転換型金融商品の利息                               44      52      44      52
      海外税率差異                              (88)      (86)      (33)      (31)
      配当金の送金に課される外国税引当金                               37      20      33      18
      請求可能および益金不算入配当金                               -      -     (554)       (58)
      富裕層オーストラリアの売却調整額                               -      -      -      8
                                    (26)       25      (23)       (2)
      その他
    小計                               2,772      1,866      1,939      1,176
                                    (16)      (26)      (17)      (20)
    過年度の法人税計上(超過)/不足額
                                   2,756      1,840      1,922      1,156
    法人税費用
      当期税金費用                             2,616      2,637      1,743      1,689
      過年度の税金に関して当年度に認識された調整                              (16)      (26)      (17)      (20)
                                    156      (771)       196      (513)
      一時差異の発生および解消に関する繰延税金費用/(収入)
                                   2,756      1,840      1,922      1,156
    法人税費用
      オーストラリア                             1,897      1,115      1,806      1,028
                                    859      725      116      128
      海外
                                   30.8%      33.4%      23.3%      29.2%
    実効税率
     連結納税

     当行およびオーストラリアを所在地とする当行の完全所有法人はすべて、オーストラリア税法に基づく連結納税グループの
    一員である。当行は、連結納税グループの筆頭企業である。連結納税グループのメンバーの法人税費用/収益および一時差異か
    ら生ずる繰延税金負債/資産は、各メンバーの個別財務諸表において、「グループ割当」ベースで認識される。連結納税グ
    ループの当期の税金負債および資産は、当行が(連結納税グループの筆頭企業として)認識する。
     連結納税グループ内の法人間の納税資金調達契約に基づき、当行および連結納税グループの他のメンバー間での税拠出額に
    関する既支払額または未払計上額が、当行および連結納税グループの各メンバーにより支払債務または受取債権として認識さ
    れている。
     連結納税グループのメンバーは、税分担契約も締結している。これは、筆頭企業が法人税支払債務を履行できなかった場合
    の法人間での法人税債務の割当を規定している。
     未認識繰延税金資産および負債

     (収益勘定における)未使用の税務上の欠損金に関連する未認識繰延税金資産は、当グループが合計で6百万ドル(2020年
    度:10百万ドル)、当行が2百万ドル(2020年度:5百万ドル)である。
     発生し得る追加の外国税額(海外支店および子会社の利益剰余金は本国に全額送金されるものと仮定)に関連する未認識繰
    延税金負債は、当グループが合計344百万ドル(2020年度:329百万ドル)、当行が15百万ドル(2020年度:14百万ドル)であ
    る。
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     認識および測定
     法人税費用
     法人税費用は、当期税金と繰延税金の両方が含まれており、収益と費用に関する会計上と税務処理上の(課税所
     得)の差異について調整された会計上の利益に基づいている。税金費用は損益に認識されるが、資本およびその他
     の包括利益において直接認識される項目に限り、それぞれ資本またはその他の包括利益において直接認識する。
     当期税金費用

     当期税金は、当年度の課税所得につき支払う予定税額であり、報告日において制定済みの税率(および税法)に基
     づいている。当期税金は、未払額(または還付可能額)について、負債(または資産)が計上される。
     繰延税金資産および負債

     繰延税金は、貸借対照表方式を用いて会計処理される。繰延税金は、会計上の利益が必ずしも課税所得と一致しな
     いことから生じる。このために一時差異が生じるが、通常は、一定期間で解消する。解消するまでは、貸借対照表
     に繰延税金資産または負債が計上される。繰延税金は、報告日までに制定済みまたは実質的に制定されている税率
     (および税法)に基づき、資産が実現される期、または負債が決済される期に適用が予想される税率を用いて測定
     される。
     当期税金および繰延税金資産ならびに負債は、以下の場合についてのみ相殺する。
      ・ 同一税務当局により課された法人税に関係する場合。
      ・ 法的な権利を有し、純額で決済する意思がある場合。
      ・ 該当する管轄の税法で認められている場合。
     重要な判断および見積り

     不確実な税務上のポジションについて、引当金を決定する際に判断が求められる。当グループでは、事業活動を
     行っている各国で該当する法律を理解し、必要に応じて独立した助言を求め、それらに基づき税金負債を見積も
     る。
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    6.  配当金
     普通株式配当

     配当金は、決定され次第、財務書類に計上される。したがって、当会計年度について発表された最終配当金は、翌会計年度
    の計上および支払となる。
                                                    配当金合計

                                   全体に占める        1株当たりの
                                     割合        金額      (百万ドル)
    配当金
    2020会計年度
                 (1)(2)
                                            80セント          2,268
    2019年度最終配当金支払額
                 (1)(3)
                                            25セント           709
    2020年度中間配当金支払額
                                                       (55)
    ボーナス・オプション制度調整
                                                      2,922
    2020年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
     現金                                 91.6%                2,676
             (4)
                                       8.4%                 246
     配当金再投資制度
                                                      2,922
    2020年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
    2021会計年度
                 (1)(3)
                                            35セント           994
    2020年度最終配当金支払額
                 (1)(3)
                                            70セント          1,992
    2021年度中間配当金支払額
                                                       (58)
    ボーナス・オプション制度調整
                                                      2,928
    2021年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
     現金                                 90.0%                2,635
             (4)
                                      10.0%                 293
     配当金再投資制度
                                                      2,928
    2021年9月30日に終了した事業年度の配当金支払額
                                                    配当金合計

                                           1株当たりの
                                     支払日        金額      (百万ドル)
    発表済みで年度終了後に支払われる配当金
    2021年度最終配当金(オーストラリアの税金については100%が
                                      2021年
    フランキング済み、ニュージーランドのインピュテーション方式の
                                     12月16日        72セント          2,030
    税額控除対象は1株当たり8ニュージーランド・セント)
    (1)  ニュージーランドのインピュテーション方式の税額控除対象は、2021年度中間配当金については8ニュージーランド・セ
      ント、2020年度最終配当金については4ニュージーランド・セント、2020年度中間配当金については3ニュージーラン
      ド・セント、2019年度最終配当金については9ニュージーランド・セント。
    (2)  オーストラリアの税金については70%が一部フランキング済み(税率30%)。
    (3)  オーストラリアの税金については全額フランキング済み(税率30%)。
    (4)  配当金再投資制度向けに市場で購入した199百万ドル(2020年度:185百万ドル)の株式を含む。
     配当金再投資制度およびボーナス・オプション制度

     当行の配当金再投資制度(「DRP」)に基づいて、適格株主は、配当受領権をANZの普通株式に再投資することができる。適
    格株主は、ボーナス・オプション制度(「BOP」)に基づき、配当受領権を放棄し、代わりにANZの普通株式を受領することが
    できる。2021年度最終配当金のDRPへの参加分は市場からの購入によって履行され、BOPへの参加分はANZの新規普通株式の発行
    によって履行される。DRPおよびBOPの価格に割引は適用されない。
     DRPおよびBOPに関して当行が購入または発行した株式の詳細については、注記23「株主資本」を参照のこと。
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     配当に関するフランキング勘定
                                      通貨       2021年        2020年

                                              (単位:百万ドル)
    30%の税率で利用可能なオーストラリアのフランキング・クレジット                                  AUD         772        477
    ニュージーランドのインピュテーション方式の税額控除。
    (オーストラリアにおける配当金についても加味し得るが、かかる
    控除はニュージーランド居住者株主のみに用いることができる)                                  NZD        5,020        4,583
     上記の額は、以下により調整された当事業年度末現在におけるオーストラリアのフランキング勘定を表す。

        ・ 未払法人税の納付によって生じる当事業年度末現在のフランキング・クレジット。
        ・ 配当金の受取り/支払いによって生じるフランキング・クレジット/フランキング・デビット。これは、当事業
          年度末現在の未収還付税/未払法人税として認識された。
     2021年度の最終配当案では、2021年9月30日現在で利用可能なフランキング・クレジット772百万ドルの全額を利用する予定

    である。2021会計年度についての分割納付が2021年9月30日より後に行われ、この分割納付により2021年度最終配当が全額フ
    ランキング済となるような十分なフランキング・クレジットが発生する。将来の配当金がフランキング済みとなる範囲は、い
    くつかの要因に左右され、その要因には当グループが生み出すオーストラリアで課税対象の利益の水準が含まれる。
     配当金支払いに係る制限

     以下に該当する場合、ANZ普通株式の配当金の支払い前に、APRAの書面による承認が必要である。
        ・ 配当金の支払いが、関連する事業年度における当行の税引後利益(この税引後利益の算出にあたり、高順位の資
          本性金融商品に対する支払配当金を考慮)を上回る場合
        ・ 当グループの普通株式等Tier1資本比率が、APRAが規定する資本バッファーの範囲内になる場合
     当行のANZキャピタルノートまたはANZ資本証券について、支払予定日に配当金、分配金が支払われなかった場合、ANZ普通株

    式の配当金の支払決議または支払いを制限される可能性がある(ただし、様々な例外も認められている)。
     COVID-19による影響の不確実性に対応するため、APRAは2020年7月に資本管理に係るガイダンスを発表した。これには、当
    該年度の利益から支払を予定する配当金額の制限が含まれる。当行の2020年度の1株当たり中間配当金25セント(2020年9月
    30日に株主に支払済み)、および2020年度の1株当たり最終配当金35セント(2020年12月16日に株主に支払済み)は、上述の
    このガイダンスを考慮している。
     経済見通しの改善および金融市場の安定化を受けて、APRAは2020年12月にそのガイダンスを更新した。これにより、暦年の
    2021年よりAPRAはADIに利益留保の最低水準を遵守させることはなくなるが、ADIに関して、定期的なストレステストの実施お
    よび貸出の継続能力の保証を含め、資本管理に留意し、慎重な計画することを要求する旨を強調した。APRAはまた、収益性、
    資本および経済環境の見通しを考慮した持続可能な配当率を慎重に検討する義務が取締役会にある旨を述べた。
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    7.  普通株式1株当たり利益
     基本的EPSは、普通株主に帰属する損益を本会計年度における加重平均発行済普通株式数(自己株式として当グループが保有

    するANZ株式控除後)で除する方法により算出される。希薄化後EPSは、普通株主に帰属する損益および基本的EPSの算出に用い
    られた加重平均発行済普通株式数を、希薄効果のある普通株式による影響について調整することによって計算される。
                                          2021年          2020年

    普通株式1株当たり利益(EPS)-                基本的
                                            (単位:セント)
    1株当たり利益
                                            217.1          126.4
    継続事業に係る1株当たり利益                                        217.7          129.8
    非継続事業に係る1株当たり利益                                        (0.6)          (3.4)
                                          2021年          2020年

    普通株式1株当たり利益(EPS)-                希薄化後
                                            (単位:セント)
    1株当たり利益
                                            204.9          118.0
    継続事業に係る1株当たり利益                                        205.4          121.1
    非継続事業に係る1株当たり利益                                        (0.5)          (3.1)
                                          2021年          2020年

                                           (単位:百万ドル)
    1株当たり利益の計算に用いられる利益の調整
    基本的:
    当期利益                                        6,163          3,578
                                              1          1
    減算:非支配持分に帰属する利益
    基本的1株当たり利益の計算に使用された利益                                        6,162          3,577
                                             (17)          (98)
    減算:非継続事業に係る税引後利益/(損失)
                                            6,179          3,675
    継続事業に係る基本的1株当たり利益の計算に使用された利益
    希薄化後:

    基本的1株当たり利益の計算に使用された利益                                        6,162          3,577
                                             187          201
    加算:転換劣後債務の利息
    希薄化後1株当たり利益の計算に使用された利益                                        6,349          3,778
                                             (17)          (98)
    減算:非継続事業に係る税引後利益/(損失)
                                            6,366          3,876
    継続事業に係る希薄化後1株当たり利益の計算に使用された利益
                                          2021年          2020年

    1株当たり利益の計算に使用された加重平均普通株式数(WANOS)の調整
    (1)
                                            (単位:百万株)
    基本的1株当たり利益の計算に使用されたWANOS
                                           2,838.6          2,830.9
    加算:希薄効果のある普通株式の加重平均数
        転換型劣後債務                                     250.3          362.2
        株式報酬(オプション、権利、後渡し株式)                                      9.9          8.0
    希薄化後1株当たり利益の計算に使用されたWANOS
                                           3,098.8          3,201.1
    (1)  ANZEST    Pty  Ltdが保有する加重平均自己株式数4.6百万株(2020年度:5.0百万株)は、加重平均発行済普通株式数から除
      かれている。
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    8.  セグメント報告
     セグメントの概要

     当グループの5つの事業セグメントは、最高経営意思決定者である最高経営責任者に提供される内部情報と同じ基準で表示
    されている。これは、当グループの法的構造ではなく、業務の管理方法を反映している。
     これらのセグメント業績は現金利益ベースで測定されている。現金利益を計算するために、非中核項目の一部が法定利益か
    ら除外されている。これらの項目の詳細は、本注記の「その他の項目」に記載されている。ANZ内のセグメントにわたる事業部
    門間の取引は、独立第三者間基準で行われており、これらのセグメントの収益および費用の一部として開示されている。
     報告セグメントは、異なる商品・サービス、もしくは異なる地域で同様の商品・サービスを提供している部門である。報告
    セグメントは以下のとおりである。
     オーストラリア・リテールおよび商業

     オーストラリア・リテールおよび商業部門は以下の事業部門で構成される。
        ・   リテール    は、オーストラリアの個人に、支店網、モーゲージ・スペシャリスト、コンタクト・センター、様々なセ
          ルフサービス・チャネル(デジタルおよびインターネット・バンキング、ウェブサイト、ATM、およびテレホンバン
          キング)、および外部のブローカーを通じて商品・サービスを提供する。
        ・   商業およびプライベート・バンク               は、中・大規模法人顧客、小企業主および富裕層の個人顧客および同族グループ
          という顧客セグメントに対し、資産ファイナンスを含む様々な銀行商品および金融サービスを提供することに加え
          て、従業員であるファイナンシャル・プランナーによるファイナンシャル・プランニング・サービスおよび承認さ
          れた有価証券で担保される投資貸付を提供する。
     法人

     法人部門は、オーストラリア、ニュージーランドおよび国外の政府、世界規模の機関顧客および法人顧客に、以下の事業部
    門を通じてサービスを提供する。
        ・   トランザクション・バンキング              は、ドキュメンタリー取引、サプライチェーン・ファイナンス、コモディティ・
          ファイナンス、キャッシュ・マネジメント・ソリューション、預金、支払、決済など運転資本および流動性ソ
          リューションを顧客に提供する。
        ・   コーポレート・ファイナンス             は、ローン商品、ローン・シンジケーション、専門ローンのストラクチャリングおよ
          び執行、プロジェクトおよび輸出向けファイナンス、デット・ストラクチャリングおよびアキジション・ファイナ
          ンス、コーポレート・アドバイザリー・サービスを顧客に提供する。
        ・   マーケッツ     は、当グループの金利エクスポージャーおよび流動性ポジションを管理する他、為替、金利、クレジッ
          ト、コモディティおよびデット・キャピタル・マーケットに係るリスク・マネジメント・サービスを顧客に提供す
          る。
     ニュージーランド

     ニュージーランド部門は、以下の事業部門で構成される。
        ・   パーソナル(旧称リテール)             は、あらゆる銀行サービス、ウェルス・マネジメント・サービスを個人およびプライ
          ベート・バンキングの顧客に提供する。インターネットとアプリベースのデジタル・ソリューションおよび支店
          網、モーゲージ・スペシャリスト、リレーションシップ・マネジャー、コンタクト・センターを通じてサービスを
          提供する。
        ・   ビジネス(旧称商業)          は、デジタル、支店およびコンタクト・センターのチャネルを通じた小規模企業バンキン
          グ、また、従来のリレーションシップ・バンキング、ならびに専任のマネジャーを通じての高度な金融ソリュー
          ションなど、あらゆる銀行サービスを提供する。これらは、未上場の小規模、中規模、大規模企業、農業事業セグ
          メント、政府および政府関連事業体を対象としている。
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     パシフィック
     パシフィック部門は、個人、中小企業、法人顧客、パシフィック諸島の政府に商品・サービスを提供する。商品・サービス
    は、消費者に提供するリテール商品、従来型のリレーションシップ・バンキング、専任のマネジャーを通じて企業に提供する
    高度な金融ソリューションなどである。
     テクノロジー、サービス&オペレーションズ(「TSO」)およびグループ・センター

     TSOおよびグループ・センター部門は、テクノロジー、グループのオペレーション、共有サービス、資産、リスク管理、財務
    管理、戦略、マーケティング、人事、コーポレート業務などのオペレーティング部門をサポートする。グループ・センターに
    は、当グループの売却事業の残留部分、グループ・トレジャリー、シェアホルダー・ファンクションズ、アジアにおける少数
    投資を含む。
     詳細については、注記29            「非継続事業ならびに売却目的保有資産および負債」を参照のこと。
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     営業セグメント
     当期中において、2021年度の当グループの営業セグメントの表示に影響を及ぼすような重要な組織構造の変更は行われな
    かった。したがって、部門別業績の表示は前年度と同一となっている。
                  オーストラ                         TSOおよび

                   リア・リ                         グルー
                                                 その他の
                  テールおよ            ニュージー      パシフィッ       プ・セン            当グルー
    2021年9月30日に終了した事
                                                    (1)
                   び商業       法人      ランド       ク      ター            プ合計
    業年度
                                                  項目
                                   (単位:百万ドル)
                    7,989      3,105      2,870        96      101       -   14,161
    純利息収益
    受取手数料(純額)
     -貸付手数料                216      241       10       7      -      -     474
     -非貸付手数料               1,268       683      585       20      (4)       -    2,552
     -コミッション                 64       1      32       -      -      -     97
     -資産運用収入                 32       1     254       -      -      -     287
     -支払手数料および
      コミッション               (560)      (274)      (430)       (2)      (1)       -   (1,267)
    保険事業収入純額                 110       -      -      -      -      -     110
    その他収入                 (242)      1,227        18      40      166      (27)     1,182
    関連会社投資の持分利益/
                      1     (1)       -      -    (176)        -    (176)
    (損失)
                     889     1,878       469       65     (15)      (27)     3,259
    その他営業収入
    営業収入                8,878      4,983      3,339       161       86     (27)     17,420
                    (4,024)      (2,447)      (1,325)       (144)     (1,111)         -   (9,051)
    営業費用
    貸倒引当金繰入および法人税
    控除前利益                4,854      2,536      2,014        17    (1,025)        (27)     8,369
                     426       89      76      (21)       (3)       -     567
    貸倒引当金(繰入)/戻入
    税引前利益                5,280      2,625      2,090        (4)    (1,028)        (27)     8,936
                    (1,663)       (738)      (582)        1     217       8   (2,757)
    法人税費用および非支配持分
    継続事業に係る税引後利益                3,617      1,887      1,508        (3)     (811)       (19)     6,179
    非継続事業に係る税引後
                                                          (17)
    利益/(損失)
                                                         6,162
    株主に帰属する税引後利益
    以下の非現金項目を含む:
    関連会社投資の持分利益/
    (損失)                  1     (1)       -      -    (176)        -    (176)
          (2)
                     (251)        -      -      -      -      -    (251)
    のれんの償却
    関連会社の減損                  -      -      -      -      -      -      -
    減価償却費および償却費                 (108)      (115)      (117)       (11)      (739)        -   (1,090)
    株式決済型株式費用                  (4)      (63)       (6)      (1)      (17)       -     (91)
                     426       89      76      (21)       (3)       -     567
    貸倒引当金(繰入)/戻入
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                 オーストラ                         TSOおよび
                  リア・リ                         グルー
                 テールおよ            ニュージー      パシフィッ       プ・セン      非継続事      当グルー
                   び商業       法人      ランド       ク      ター       業     プ合計
                                  (単位:百万ドル)
    財政状態
       (2)
                     140     1,100      1,849        -      -      -    3,089
    のれん
                     17       4      -      -    1,951        -    1,972
    関連会社に対する投資
    (1)  現金利益は、当グループがセグメントの業績の指標として推奨しているものである。140ページ(訳注:原文のページ番号
      である。)に説明のとおり、セグメントの継続業績に不可欠なものではないと考えられる項目はセグメントから控除して
      いる。
    (2)  2021年度に、当グループはANZシェア・インベスティングを売却目的保有に分類変更した際に、のれんを251百万ドル償却
      し、残りの13百万ドルは処分完了時に認識を中止した。
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                   オーストラ                         TSOおよび
                   リア・リ                         グルー
                                                 その他の
                   テールおよ            ニュージー      パシフィッ       プ・セン            当グルー
    2020年9月30日に終了した事
                                                    (1)
                    び商業       法人      ランド       ク      ター            プ合計
    業年度                                              項目
                                   (単位:百万ドル)
                     7,916      3,182      2,731       109      111       -   14,049
    純利息収益
    受取手数料(純額)
     -貸付手数料                267      288       14      10       -      -     579
     -非貸付手数料               1,310       776      586       29     (14)       -    2,687
     -コミッション                 67       -      54       -      -      -     121
     -資産運用収入                 30       2     243       -      -      -     275
     -支払手数料および
      コミッション               (588)      (308)      (436)       (5)       -      -   (1,337)
    保険事業収入純額                  77       -      -      -      1      -     78
    その他収入                  (1)     1,891        12      50     (807)      (115)      1,030
    関連会社投資の持分利益/
                      (1)       -      -      -     156       -     155
    (損失)
                     1,161      2,649       473       84     (664)      (115)      3,588
    その他営業収入
    営業収入                9,077      5,831      3,204       193     (553)      (115)     17,637
                    (4,091)      (2,558)      (1,435)       (205)     (1,094)         -   (9,383)
    営業費用
    貸倒引当金繰入および法人税
    控除前利益                4,986      3,273      1,769       (12)     (1,647)       (115)      8,254
                    (1,647)       (694)      (345)       (52)       -      -   (2,738)
    貸倒引当金(繰入)/戻入
    税引前利益                3,339      2,579      1,424       (64)     (1,647)       (115)      5,516
                    (1,002)       (725)      (407)        2     259       32    (1,841)
    法人税費用および非支配持分
    継続事業に係る税引後利益                2,337      1,854      1,017       (62)     (1,388)        (83)     3,675
    非継続事業に係る税引後
                                                          (98)
    利益/(損失)
                                                         3,577
    株主に帰属する税引後利益
    以下の非現金項目を含む:
    関連会社投資の持分利益/
    (損失)                  (1)       -      -      -     156       -     155
    のれんの減損                  -      -     (27)      (50)       -      -     (77)
           (2)
                       -      -      -      -    (815)        -    (815)
    関連会社の減損
                (3)
                     (197)      (188)      (103)       (11)      (892)        -   (1,391)
    減価償却費および償却費
    株式決済型株式費用                  (7)      (70)       (7)      (1)      (25)       -    (110)
                    (1,647)       (694)      (345)       (52)       -      -   (2,738)
    貸倒引当金(繰入)/戻入
                                276/560









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                 オーストラ                         TSOおよび
                  リア・リ                         グルー
                 テールおよ            ニュージー      パシフィッ       プ・セン      非継続事      当グルー
                   び商業       法人      ランド       ク      ター       業     プ合計
                                  (単位:百万ドル)
    財政状態
    のれん                403     1,068      1,793        -      -      -    3,264
               (2)
                     17       4      -      -    2,143        -    2,164
    関連会社に対する投資
    (1)  現金利益は、当グループがセグメントの業績の指標として推奨しているものである。140ページ(訳注:原文のページ番号
      である。)に説明のとおり、セグメントの継続業績に不可欠なものではないと考えられる項目はセグメントから控除して
      いる。
    (2)  当グループの持分法投資2件に関する税引後で815百万ドルの減損を含む。AmBankの減損が595百万ドル、PT                                                  Paninの減損
      が220百万ドルであった。詳細は、注記26「関連会社に対する投資」を参照のこと。
    (3)  2020年度における当グループのソフトウェア償却方針の適用における変更の結果としての加速償却費用197百万ドルを含む
      (オーストラリア・リテールおよび商業31百万ドル、法人38百万ドル、ニュージーランド2百万ドル、TSOおよびグルー
      プ・センター126百万ドル)。詳細は、注記21「のれんおよびその他の無形資産」を参照のこと。
     その他の項目

     下表は、各セグメントの現金利益を反映するために法定利益から控除されたその他の項目の税引後利益に対する影響を示し
    たものである。
                                               税引後利益

                                            2021年         2020年
                                             (単位:百万ドル)
    項目                    関連セグメント
                        法人、ニュージーランド、TSOおよび
    経済ヘッジ                    グループ・センター                       77        (121)
    収益および費用ヘッジ                    TSOおよびグループ・センター                       (96)         36
                                                -         2
    ストラクチャード・クレジット仲介取引                    法人
                                               (19)         (83)
    継続事業合計
     商品・サービス別のセグメント収入

     いずれの部門も、主な社外収入源は受取利息およびその他の営業収益である。オーストラリア・リテールおよび商業部門、
    ニュージーランド部門、およびパシフィック部門の収入源は、リテール銀行業と商業銀行業の商品およびサービスである。法
    人部門の収入源は、法人向けの商品およびマーケット・サービスである。当グループの収入の10%超を占める単一の顧客はい
    ない。
     地域別の情報

     下表は、当グループが事業を営む地域別に、非継続事業を含む営業収入合計および1年超の期間に回収される資産を示した
    ものである。
     報告セグメントは3地域で次のとおり営業している。
        ・ オーストラリア・リテールおよび商業部門                      - オーストラリア
        ・ 法人部門       – 3地域すべて
        ・ ニュージーランド部門             – ニュージーランド
        ・ パシフィック部門           – 国際地域
        ・ TSOおよびグループ・            センター部門       – 3地域すべて
        ・ 非継続事業        – オーストラリア
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     国際地域にはアジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカが含まれる。
                   オーストラリア             国際地域         ニュージーランド              合計

                   2021年      2020年      2021年      2020年      2021年      2020年     2021年     2020年
                                   (単位:百万ドル)
          (1)
                   11,822     11,838      1,778      1,975      3,892     3,773     17,492      17,586
    営業収入合計
    1年超の期間に回収される
      (2)
                   362,588      362,846      28,213      27,632     112,966     100,377     503,767      490,855
    資産
    (1)  非継続事業から得た営業収入72百万ドル(2020年度:-51百万ドル)を含む。
    (2)  正味貸付金および前渡金の契約上の満期日に基づく。
     金融資産

     以下は、後述の注記での開示に適用される当グループの金融資産の分類および測定方法の概説である。
     分類および測定

     金融資産-全般
     AASB第9号においては、金融資産に関して、償却原価による測定、損益を通じた公正価値による測定
     (「FVTPL」)、その他の包括利益を通じた公正価値による測定(「FVOCI」)の3つの分類がある。金融資産は、
     以下の2つの基準に基づいて、これらの測定区分に分類される。
      ・ 金融資産の管理におけるビジネスモデル。
      ・ 金融資産の契約上のキャッシュフローの特性(具体的には、契約上のキャッシュフローが元本および利息の
        返済のみを表しているかどうか)。
     金融資産の分類は結果として以下のとおりになる。

      ・ 償却原価:元本および利息の返済のみで構成される契約上のキャッシュフローを有する金融資産で、それら
        のキャッシュフローを回収することを目的とするビジネスモデルで保有されている。
      ・ FVOCI:元本および利息の返済のみで構成される契約上のキャッシュフローを有する金融資産で、それらの
        キャッシュフローを回収することまたは資産を売却することを目的とするビジネスモデルに保有されてい
        る。
      ・ FVTPL:上記の区分に該当しないその他の金融資産はFVTPLで測定される。
     金融資産の公正価値オプション

     金融資産は、当初認識時に取消不能で以下に指定することができる。
      ・ FVTPLで測定:この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少さ
        せる場合。
      ・ 持分証券投資についてFVOCIで測定:当該金融商品が売買目的保有でも、企業結合で取得者が認識した条件
        付対価でもない場合。
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    9.  現金および現金同等物
                                     連結              当行

                                 2021年       2020年       2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    硬貨、紙幣および銀行預金                              1,127       1,514        721      1,084
    3か月未満売戻条件付買入証券                             17,571       35,603       16,465       34,501
    中央銀行預け金                             107,915       46,091      101,400       39,362
                                  24,647       24,715       22,850       23,136
    3か月未満のANZの未収決済残高
                                 151,260       107,923       141,436       98,083
    現金および現金同等物
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    10.  売買目的有価証券
                                     連結              当行




                                 2021年       2020年       2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    政府債                             33,880       38,472       26,119       27,917
    社債および金融機関債                              5,630       6,574       3,493       4,873
    コモディティ                              4,995       5,699       4,957       5,464
                                   183       168       183       169
    持分証券およびその他証券
                                  44,688       50,913       34,752       38,423
    合計
     認識および測定

     売買目的有価証券は、以下のいずれかの金融商品である。
      ・ 主に短期での売却を目的として取得する。
      ・ 短期での利益確定を目的に運用するポートフォリオの一部として保有する。
     売買目的有価証券の取得および売却は、取引日に計上される。

      ・ 当初は公正価値で測定する。
      ・ その後、貸借対照表において公正価値で測定され、公正価値の変動は損益に認識される。
     重要な判断および見積り

     売買目的有価証券の公正価値の算定において、市場相場価格ではなく評価技法を用いる場合は、その適用の際に判
     断が求められる。詳細については、注記18「金融資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。
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    11.  デリバティブ金融商品
                                    2021年              2020年

    連結
                                 資産       負債       資産       負債
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    公正価値
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
                                 38,080      (35,833)       130,097      (130,227)
                                   656      (202)       5,234      (4,484)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                                 38,736      (36,035)       135,331      (134,711)
    デリバティブ金融商品
                                    2021年              2020年

    当行
                                 資産       負債       資産       負債
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    公正価値
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
                                 37,700      (36,847)       126,561      (128,028)
                                   592      (158)       3,991      (3,202)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                                 38,292      (37,005)       130,552      (131,230)
    デリバティブ金融商品
     特徴

     デリバティブ金融商品は、以下のような契約である。
        ・ その価値を、契約において定められた基礎となる価格インデックス(またはその他の変数)から求める。場合に
          よっては、複数の変数から価値を求める。
        ・ 当初の純投資をほとんど、あるいはまったく必要とされない。
        ・ 将来の期日に決済される。
     契約の価値の変動を引き起こす、基礎変数の価格変動は、デリバティブの公正価値に反映される。

     目的

     当グループのデリバティブ金融商品は、以下のように分類される。
     売買目的          以下を目的として保有されるデリバティブ:

              ・ 顧客のリスク管理ニーズに応じるため。
              ・ 当グループで会計上のヘッジ関係に指定されていないリスクを管理するため(貸借対照
                 表管理の要素の一部)。
              ・ 価格またはマージンの短期変動から利益を得るために、マーケット・メーキング活動お
                 よびポジショニング活動を遂行するため。
     ヘッジ関係に指定          以下に関連して、原ポジションの変動に対応させることによって、純損益の変動を最小限に
              抑えるために会計上のヘッジ関係に指定されるデリバティブ:
              ・ 当グループの金利リスク、通貨リスクへのエクスポージャーのヘッジ。
              ・ トレーディング以外のポジションに関連したその他のエクスポージャーのヘッジ。
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     種類
     当グループは、4種類の異なるデリバティブ金融商品を提供または利用する。
     先渡          将来の一定の日に、名目上の元本金額に対して受渡しされる利率または為替レートを定めた

              契約。
     先物          取引所で取引される契約であり、当事者が取引日に合意した価格で資産を将来売買すること
              を合意する契約で、当該将来日において当該資産の物理的な引渡しは行われずに、純額での
              現金決済が行われる。
     スワップ          当事者二者が一連のキャッシュフローを他のキャッシュフローと交換する契約。
     オプション          契約の買い手が、資産または商品を一定価格で将来日に購入(コール・オプション)または
              売却(プット・オプション)する権利(義務ではない)を有する契約。買い手がオプション
              を行使した場合に、売り手はこれに応じて、当該資産または商品を売却または購入する取引
              を履行する義務を負う。
     管理対象リスク

     当グループは、次の市場要素の変動を管理するために、上記の商品を提供し、利用する。
     外国為替          実勢または所定の為替レートで換算される通貨。

     金利          貸付金、預金または借入金に適用される固定金利または変動金利。
     コモディティ          ソフト・コモディティ(すなわち、小麦、コーヒー、ココア、砂糖等の農産物)およびハー
              ド・コモディティ(すなわち、金、石油およびガス等の鉱産物)。
     クレジット          顧客または第三者による債務不履行リスク。
     当グループは、デリバティブ取引を清算するために、いくつかの中央清算カウンターパーティーおよび取引所を利用してい

    る。これらの取引所との間では、様々な担保差入の取決めがある。
        ・ 一部の取引は、清算制度の対象となっており、その結果、保有される担保資産と負債は、関連する公正価値で評価
          されるデリバティブ資産および負債の帳簿価格とは別に認識される。
        ・ その他の取引では、担保の受け払いによって法的に決済され、関連するデリバティブ金融商品の帳簿価額は担保の
          受け払いの金額だけ減額される。
     2021年8月、当グループは中央清算カウンターパーティーの一つとの間で、上記の形式の法的決済を実施できるように法的

    取決めの条件を改定した。この変更の結果、これらの契約に基づいて当グループが受け払いした担保については、別個の認識
    は行われず、当グループの未処理のデリバティブ・エクスポージャーを決済してデリバティブ資産および負債残高の関連する
    帳簿価額が減額されるようになった。この変更による影響のため、2021年9月30日現在のデリバティブ資産は551億ドル減少、
    デリバティブ負債は552億ドル減少、正味支払担保は1億ドル減少している。
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     デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
     当グループのデリバティブ金融商品の大半は、売買目的で保有されている。売買目的保有デリバティブ金融商品の公正価値
    は、以下のとおりである。
                                    2021年              2020年

    連結
                                 資産       負債       資産       負債
    公正価値
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    金利契約
      金利先渡契約                              2      (23)       86       (86)
      先物契約                             105       (24)       31      (128)
      スワップ契約                           10,267       (8,065)      104,814       (101,277)
      買建オプション                             971        -     1,676         -
      売建オプション                              -    (1,207)         -     (2,609)
    合計
                                 11,345       (9,319)      106,607       (104,100)
    外国為替契約
      直物および先渡契約                           13,869      (11,462)       11,815       (11,435)
      スワップ契約                           11,109      (12,425)        8,703      (12,334)
      買建オプション                             277        -      372        -
      売建オプション                              -     (577)        -      (502)
    合計
                                 25,255      (24,464)       20,890       (24,271)
    コモディティおよびその他の契約
                                  1,445      (2,017)       2,577       (1,834)
    クレジット・デフォルト・スワップ
      買建ストラクチャード・クレジット・デリバティブ                              -       -      18        -
      その他買建クレジット・デリバティブ                              -      (33)        4       (3)
    買建クレジット・デリバティブ
                                    -      (33)       22       (3)
      売建ストラクチャード・クレジット・デリバティブ
                                    -       -       -      (18)
      その他売建クレジット・デリバティブ                             35       -       1       (1)
    売建クレジット・デリバティブ
                                   35       -       1      (19)
    合計
                                   35      (33)       23       (22)
                      (1)
                                 38,080      (35,833)       130,097       (130,227)
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
    (1)  貸借対照表管理目的で保有され、会計上のヘッジ関係に指定されていないデリバティブを含む。
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                                    2021年              2020年
    当行
                                 資産       負債       資産       負債
    公正価値
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    金利契約
      金利先渡契約                              3      (24)       92       (91)
      先物契約                             87      (19)       23      (124)
      スワップ契約                           11,598      (10,538)       102,260       (100,765)
      買建オプション                             969        -     1,673         -
      売建オプション                              -    (1,206)         -     (2,609)
    合計
                                 12,657      (11,787)       104,048       (103,589)
    外国為替契約
      直物および先渡契約                           11,840       (9,658)       10,525       (10,105)
      スワップ契約                           11,463      (12,940)        9,008      (12,002)
      買建オプション                             267        -      378        -
      売建オプション                              -     (408)        -      (476)
    合計
                                 23,570      (23,006)       19,911       (22,583)
    コモディティおよびその他の契約
                                  1,422      (2,015)       2,571       (1,834)
    クレジット・デフォルト・スワップ
      買建ストラクチャード・クレジット・デリバティブ                              -       -      18        -
      その他買建クレジット・デリバティブ                              -      (39)        4       (3)
    買建クレジット・デリバティブ
                                    -      (39)       22       (3)
      売建ストラクチャード・クレジット・デリバティブ
                                    -       -       -      (18)
      その他売建クレジット・デリバティブ                             51       -       9       (1)
    売建クレジット・デリバティブ
                                   51       -       9      (19)
    合計
                                   51      (39)       31       (22)
                      (1)
                                 37,700      (36,847)       126,561       (128,028)
    デリバティブ金融商品          ― 売買目的保有
    (1)  貸借対照表管理目的で保有され、会計上のヘッジ関係に指定されていないデリバティブを含む。
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     デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
     当グループが使用する会計上のヘッジ関係は3種類である。
              公正価値ヘッジ              キャッシュフロー・ヘッジ               純投資ヘッジ

     ヘッジの目的          金利または外国為替の変動か              金利、外国為替およびその他               当グループの外国事業の当該
              ら生じる、認識済み資産また              の価格の変動から生じる、認               事業の機能通貨から豪ドルへ
              は負債もしくは未認識の確定              識済み資産もしくは負債、確               換算する際に生じる為替レー
              契約の公正価値変動に対す              定契約または実行される可能               トの差に対する当行のエクス
              る、当グループのエクスポー              性が高い予定取引のキャッ               ポージャーをヘッジするこ
              ジャーをヘッジすること。              シュフローの可変性に対する               と。
                             当グループのエクスポー
                             ジャーをヘッジすること。
     ヘッジの有効部分          以下のものは、損益に同時に              キャッシュフロー・ヘッジと               ヘッジ手段の公正価値変動の
     の認識          認識される。              して指定されたデリバティブ               有効部分は、為替換算調整勘
                ・ ヘッジ対象リスクに関             の公正価値変動の有効部分               定(「FCTR」)で認識され
                  連する原項目の公正価           は、キャッシュフロー・ヘッ               る。
                  値変動の全額、および           ジ準備金に認識される。
                ・ デリバティブの公正価
                  値変動額。
     ヘッジの非有効部          その他営業収入で直ちに認識される。
     分の認識
     ヘッジ手段の期限          ヘッジ対象を純損益で認識す              ヘッジ対象が純損益で認識さ               為替換算調整勘定で繰り延べ
     が到来した場合、          る際に、関連する未償却の公              れる場合に限り、以前に繰り               られる金額は資本の部で留保
     または売却、解約          正価値調整が純損益で認識さ              延べられたキャッシュフ               され、当該外国事業を売却ま
     もしくは行使され          れる。これは、ヘッジ対象が              ロー・ヘッジ準備金が純損益               たは部分売却した場合にの
     た場合、または          満期までの期間にわたって実              に振替えられる。               み、純損益に振り替えられ
     ヘッジ会計の要件          効利回りの一部として純損益                             る。
     を満たさなくなっ          で償却される場合には、その
     た場合          期間にわたり発生する。
     ヘッジ対象が売却          未償却の公正価値調整は、直              資本の部に累積された金額               資本の部で認識された損益ま
     または返済された          ちに純損益で認識される。              は、直ちに純損益に振り替え               たはその該当する比例部分
     場合                        られる。               は、外国事業の処分時または
                                           部分的な処分時に、純損益に
                                           振り替えられる。
     AASB第9号「金融商品」による会計方針の選択肢に従い、当グループは引き続きAASB第139号「金融商品:認識および測定」

    のヘッジ会計要件を適用している。
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     ヘッジ関係に指定されたデリバティブ金融商品の公正価値は、以下のとおりである。
                                 2021年                2020年

    連結
                           名目金額      資産     負債    名目金額      資産     負債
                                      (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    外国為替直物および先渡契約                         548      -    (13)      558      -     (9)
    金利スワップ契約                       95,384       370     (121)    105,249      2,871     (3,532)
    金利先物契約                        8,704      191      (2)    9,380       -    (103)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利スワップ契約                       105,416        27     (20)    97,170      2,233      (769)
    外国為替スワップ契約                         642      22      -   2,943       63     (54)
    外国為替直物および先渡契約                         153      -     (1)     153      -     -
    純投資ヘッジ
    外国為替直物および先渡契約                        1,097       46     (45)    1,269       67     (17)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                           211,944        656     (202)    216,722      5,234     (4,484)
                                 2021年                2020年

    当行
                           名目金額      資産     負債    名目金額      資産     負債
                                      (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    外国為替直物および先渡契約                         548      -    (13)      558      -     (9)
    金利スワップ契約                       68,708       358     (116)    79,416      2,272     (2,773)
    金利先物契約                        8,704      191      (2)    9,380       -    (103)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利スワップ契約                       78,852        19     (16)    59,037      1,643      (261)
    外国為替スワップ契約                         642      22      -   2,943       63     (54)
    外国為替直物および先渡契約                         153      -     (1)     153      -     -
    純投資ヘッジ
    外国為替直物および先渡契約                         299      2    (10)      404      13     (2)
    デリバティブ金融商品-ヘッジ関係に指定
                           157,906        592     (158)    151,891      3,991     (3,202)
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     当グループが保有するヘッジ手段の名目金額の満期の状況は以下のとおりである。
    連結

                               3か月
                          平均           3か月か      1年から
                         レート      未満     ら12か月       5年     5年超      合計
    名目金額
    2021年9月30日現在
                                    (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.26%      2,597     14,328      58,658      28,505     104,088
    外国為替          HKD/AUD為替レート            5.74      548       -      -      -     548
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.17%      4,593     14,180      84,924      1,719     105,416
        (1)
              AUD/USD為替レート            0.74
    外国為替
                                 38     115       -     642      795
              USD/EUR為替レート            0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替          TWD/AUD為替レート            20.81
                                 456      641       -      -    1,097
                          24.18
              THB/AUD為替レート
    2020年9月30日現在

    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.47%      3,548     12,736      69,836      28,509     114,629
    外国為替          HKD/AUD為替レート            5.59      558       -      -      -     558
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.72%      9,062     30,364      55,549      2,195     97,170
        (1)
              AUD/USD為替レート            0.72
    外国為替
                                 38     613     1,157      1,288      3,096
              USD/EUR為替レート            0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替          TWD/AUD為替レート            20.29
                                 591      678       -      -    1,269
                          21.63
              THB/AUD為替レート
    (1)  外国為替リスクのヘッジは、複数の通貨ペアを対象としている。この表は金額の大きい通貨ペアのみを反映している。
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    当行
    名目金額                           3か月
                          平均           3か月か      1年から
                         レート      未満     ら12か月       5年     5年超      合計
    2021年9月30日現在
                                    (単位:百万ドル)
    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.37%      2,445     10,884      43,063      21,020      77,412
    外国為替          HKD/AUD為替レート            5.74      548       -      -      -     548
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.06%      2,125      7,233     67,799      1,695     78,852
        (1)
              AUD/USD為替レート
                          0.74
    外国為替
                                 38     115       -     642      795
              USD/EUR為替レート
                          0.91
    純投資ヘッジ
    外国為替          TWD/AUD為替レート            20.81       150      149       -      -     299
    2020年9月30日現在

    公正価値ヘッジ
    金利          金利            1.57%      3,475      7,852     53,250      24,219      88,796
    外国為替          HKD/AUD為替レート            5.59      558       -      -      -     558
    キャッシュフロー・
    ヘッジ
    金利          金利            1.65%      4,253     12,692      40,013      2,079     59,037
        (1)
              AUD/USD為替レート
                          0.72
    外国為替
                                 38     613     1,157      1,288      3,096
              USD/EUR為替レート
                          0.91
    純投資ヘッジ
                          20.29       258      146       -      -     404
    外国為替          TWD/AUD為替レート
    (1)  外国為替リスクのヘッジは、複数の通貨ペアを対象としている。この表は金額の大きい通貨ペアのみを反映している。
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     当グループの指定されたヘッジ関係の非有効部分による影響は、ヘッジ関係の種類別およびヘッジ対象リスク別に以下のと
    おりである。
                                                   キャッシュ

                                非有効部分
                                                  フロー・ヘッジ
                                                  準備金または
                                          損益で認識
                                                  FCTRから損益に
                      ヘッジ手段の
                                ヘッジ対象の         されたヘッジの          再分類された
    連結
                           (2)
                                価値の変動         非有効部分           金額
                      価値の変動
                                   (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                      1,005         (1,006)           (1)          -
    外国為替                        9         (9)          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                      (934)          909         (25)          4
    外国為替                       (10)          10          -         (1)
          (1)
    純投資ヘッジ
                            61         (61)          -         -
    外国為替
    2020年9月30日現在

           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                       372         (358)          14          -
    外国為替                       23         (23)          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                       451         (449)           2         10
    外国為替                       (15)          15          -         (2)
          (1)
    純投資ヘッジ
    外国為替                       94         (94)          -        (15)
    (1)  ヘッジ手段はすべてデリバティブ金融商品に分類されている。
    (2)  ヘッジ手段の価値変動は、決済評価差額(Settle                      to  Market)に関する調整前。
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                                                   キャッシュ
                                非有効部分
                                                  フロー・ヘッジ
                                                  準備金または
                                          損益で認識
                                                  FCTRから損益に
                      ヘッジ手段の
                                ヘッジ対象の         されたヘッジの          再分類された
    当行
                           (2)
                                価値の変動         非有効部分           金額
                      価値の変動
                                   (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                       731         (734)          (3)          -
    外国為替                        9         (9)          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                      (797)          772         (25)          (6)
    外国為替                       (10)          10          -         (1)
          (1)
    純投資ヘッジ
                            (6)          6         -         -
    外国為替
    2020年9月30日現在

           (1)
    公正価値ヘッジ
    金利                       166         (154)          12          -
    外国為替                       23         (23)          -         -
                 (1)
    キャッシュフロー・ヘッジ
    金利                       352         (351)           1         (5)
    外国為替                       (15)          15          -         (2)
          (1)
    純投資ヘッジ
                            16         (16)          -        (15)
    外国為替
    (1)  ヘッジ手段はすべてデリバティブ金融商品に分類されている。
    (2)  ヘッジ手段の価値変動は、決済評価差額                   (Settle    to  Market)に関する調整前。
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     認識されたヘッジの非有効部分は、その他営業収入に分類されている。包括利益計算書での再分類調整は、純利息収益およ
    びその他営業収入で認識されている。
     当グループの公正価値ヘッジに関連するヘッジ対象は以下のとおりである。

                                               ヘッジ対象に対する

                                    帳簿価額          公正価値ヘッジ調整累積額
                                 資産       負債       資産       負債
                貸借対照表上の
                         ヘッジ対象
                表示        リスク               (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
    固定金利貸付金および            正味貸付金        金利
    前渡金            および前渡金                  3,416         -       9       -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (53,885)          -     (999)
    固定金利投資有価証券            投資有価証券        金利
         (1)
                                 53,321         -     (209)        -
    (FVOCI)
    FVOCIで測定される持分            投資有価証券        外国為替
      (1)
                                   548        -      20       -
    証券
                                 57,285      (53,885)        (180)       (999)
    合計
    2020年9月30日現在

    固定金利貸付金および            正味貸付金        金利
    前渡金            および前渡金                  7,375         -      52       -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (61,355)          -    (2,518)
    固定金利投資有価証券            投資有価証券        金利
         (1)
                                 55,233         -     2,256         -
    (FVOCI)
    FVOCIで測定される持分            投資有価証券        外国為替
      (1)
                                   558        -      29       -
    証券
                                 63,166      (61,355)        2,337      (2,518)
    合計
    (1)  その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品および資本性金融商品の帳簿価額には、公正価値ヘッジ調
      整を含めていない。これはヘッジ手段の損益と一致させるヘッジ関係の会計処理により、公正価値ヘッジ調整がその他の
      包括利益から損益計算書に振替えられることによる。
     中止されたヘッジ関係に関連する貸借対照表に留保された公正価値ヘッジ調整の累積金額は、2百万ドル(2020年度:ゼ

    ロ)である。
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     当行の公正価値ヘッジに関連するヘッジ対象は以下のとおりである。
                                               ヘッジ対象に対する

                                    帳簿価額          公正価値ヘッジ調整累積額
                                 資産       負債       資産       負債
                貸借対照表上の
                         ヘッジ対象
    当行
                表示        リスク               (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
    固定金利貸付金および            正味貸付金        金利
    前渡金            および前渡金                  3,416         -       7       -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (38,222)          -     (769)
    固定金利投資有価証券            投資有価証券        金利
         (1)
                                 41,944         -      129        -
    (FVOCI)
    FVOCIで測定される持分            投資有価証券        外国為替
      (1)
                                   548        -      20       -
    証券
    合計
                                 45,908      (38,222)         156      (769)
    2020年9月30日現在

    固定金利貸付金および            正味貸付金        金利
    前渡金            および前渡金                  5,946         -      43       -
    固定金利発行済社債            発行済社債        金利           -    (44,159)          -    (1,923)
    固定金利投資有価証券            投資有価証券        金利
         (1)
                                 46,747         -     1,958         -
    (FVOCI)
    FVOCIで測定される持分            投資有価証券        外国為替
      (1)
                                   558        -      29       -
    証券
    合計
                                 53,251      (44,159)        2,030      (1,923)
    (1)  その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品および資本性金融商品の帳簿価額には、公正価値ヘッジ調
      整を含めていない。これはヘッジ手段の損益と一致させるヘッジ関係の会計処理により、公正価値ヘッジ調整がその他の
      包括利益から損益計算書に振替えられることによる。
     中止されたヘッジ関係に関連する貸借対照表に留保された公正価値ヘッジ調整の累積金額は、ゼロ(2020年度:ゼロ)であ

    る。
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     当グループのキャッシュフロー・ヘッジおよび純投資ヘッジに関連したヘッジ対象は以下のとおりである。
                               キャッシュフロー・ヘッジ

                                    準備金           為替換算調整勘定
                                       非継続              非継続
                                継続ヘッジ        ヘッジ      継続ヘッジ         ヘッジ
    連結
                    ヘッジ対象リスク                   (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利               546       20       -       -
    変動金利顧客預金                金利                4      (6)       -       -
    外貨建て発行済債券                外国為替               (4)       (1)       -       -
    外貨建て投資有価証券                外国為替                -       -       -       -
    発生する可能性の高い予想取引                外国為替               (1)       -       -       -
    純投資ヘッジ
    海外事業                外国為替                -       -      (19)      (149)
    2020年9月30日現在

    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利              2,013        38       -       -
    変動金利顧客預金                金利              (562)       (18)        -       -
    外貨建て発行済債券                外国為替               (2)       -       -       -
    外貨建て投資有価証券                外国為替               10       -       -       -
    発生する可能性の高い予想取引                外国為替               (1)       -       -       -
    純投資ヘッジ
    海外事業                外国為替                -       -      (80)      (149)
                               キャッシュフロー・ヘッジ

                                    準備金           為替換算調整勘定
                                       非継続              非継続
                                継続ヘッジ        ヘッジ      継続ヘッジ        ヘッジ
                    ヘッジ対象リスク                   (単位:百万ドル)
    当行
    2021年9月30日現在
    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利               541       11       -       -
    変動金利顧客預金                金利                8      (6)       -       -
    外貨建て発行済債券                外国為替               (4)       (1)       -       -
    外貨建て投資有価証券                外国為替                -       -       -       -
    発生する可能性の高い予想取引                外国為替               (1)       -       -       -
    純投資ヘッジ
                    外国為替                -       -      30      (149)
    海外事業
    2020年9月30日現在

    キャッシュフロー・ヘッジ
    変動金利貸付金および前渡金                金利              1,508        30       -       -
    変動金利顧客預金                金利              (193)       (15)        -       -
    外貨建て発行済債券                外国為替               (2)       -       -       -
    外貨建て投資有価証券                外国為替               10       -       -       -
    発生する可能性の高い予想取引                外国為替               (1)       -       -       -
    純投資ヘッジ
                    外国為替                -       -      36      (149)
    海外事業
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     以下の表は、リスクの種類ごとに当グループのキャッシュフロー・ヘッジ準備金の調整の詳細を表示している。
                                     金利        外貨        合計

                                          (単位:百万ドル)
    連結
    2019年10月1日現在残高                                   716         15       731
    公正価値評価益/(評価損)                                   449        (15)        434
    損益計算書への振替                                   10        (2)         8
                                       (141)          6      (135)
    法人税他
    2020年9月30日現在残高                                  1,034          4      1,038
    公正価値評価益/(評価損)                                  (909)         (10)       (919)
    損益計算書への振替                                    4       (1)         3
                                       269         2       271
    法人税他
                                       398         (5)       393
    2021年9月30日現在残高
     海外事業への純投資のヘッジの結果、当年度中にFCTRは61百万ドル(2020年度:94百万ドル)増加した。そのうち、ゼロ

    (2020年度:15百万ドル)が当年度中にFCTRから損益計算書に再分類された。
     以下の表は、リスクの種類ごとに当行のキャッシュフロー・ヘッジ準備金の調整の詳細を表示している。

                                     金利        外貨        合計

                                          (単位:百万ドル)
    当行
    2019年10月1日現在残高                                   690         17       707
    公正価値評価益/(評価損)                                   351        (15)        336
    損益計算書への振替                                   (5)        (2)        (7)
                                       (105)          4      (101)
    法人税他
    2020年9月30日現在残高                                   931         4       935
    公正価値評価益/(評価損)                                  (772)         (10)       (782)
    損益計算書への振替                                   (6)        (1)        (7)
                                       236         2       238
    法人税他
                                       389         (5)       384
    2021年9月30日現在残高
     海外事業への純投資のヘッジの結果、当年度中にFCTRは6百万ドル減少した(2020年度:16百万ドル増加)。そのうち、ゼ

    ロ(2020年度:15百万ドル)が当年度中にFCTRから損益計算書に再分類された。
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     認識および測定
     認識          当初および各報告日に、すべてのデリバティブは公正価値で認識される。デリバティブの公
               正価値が正の値の場合、当該デリバティブは資産として計上され、公正価値が負の値の場合
               は、負債として計上される。
               評価調整は、デリバティブの公正価値を決定する上で不可欠なものである。評価調整には、
               以下が含まれる。
                ・ カウンターパーティ・リスクおよび/またはデフォルト事由を反映するための、信用評
                  価調整(「CVA」)
                ・ デリバティブ・ポートフォリオにおける資金調達コストと利益を考慮する資金調達評
                  価調整(「FVA」)
     資産および負債の          デリバティブ資産は、契約が満了するか、所有に係るリスクおよび経済価値のほとんどすべ
     認識の中止          てを移転した際に、貸借対照表から除外される。デリバティブ負債は、当グループの契約上
               の義務が免除、取消または満了した際に、当グループの貸借対照表から除外される。
               中央清算カウンターパーティーまたは取引所を通じて清算されるデリバティブについては、
               デリバティブ資産または負債は各金融商品について定められている法的取決めに応じて、担
               保が決済された際に上記の原則に従って認識が中止される場合がある。
     損益計算書への          デリバティブ金融商品に係る損益の認識は、当該デリバティブが売買目的で保有されている
               か、それともヘッジ関係に指定されているかに左右される。売買目的で保有するデリバティ
     影響
               ブ金融商品について、公正価値の変動による利益または損失は、損益で認識される。
               ヘッジ関係に指定された商品について、利益または損失の認識は、ヘッジ対象の内容に左右
               される。ヘッジの種類別の純損益の取扱いについては、147ページ(訳注:原文のページ番号
               である。)の表を参照のこと。
               ヘッジの非有効部分は、金利の参照レートの差異、マージン、またはレート設定の差異、お
               よびヘッジ対象とヘッジ手段の間で割引による差異から発生する場合がある。ヘッジ手段は
               翌日物インデックス・スワップのディスカウント・カーブを使用して割り引かれており、こ
               の方法はヘッジ対象には適用されない。
     ヘッジの有効性          ヘッジ会計として適格であるためには、ヘッジの有効性が高いと見込まれなければならな
               い。ヘッジは、次の条件を満たした場合にのみ、有効性が高いとされる。
                ・ ヘッジが指定される期間中に、ヘッジ対象リスクに起因する公正価値またはキャッ
                  シュフローの変動の相殺において高い有効性が見込まれる(期待有効性)
                ・ ヘッジの実際の結果が80%から125%の範囲内である(事後有効性)
               当グループは、定期的にヘッジの有効性を監視しており、少なくとも各報告日現在において

               監視を行っている。
     重要な判断および見積り

     デリバティブの公正価値測定に使用する評価技法の選定の際には判断が必要とされ、特に容易に観察できない評価
     インプットの選定、および特定のデリバティブに対する評価調整を適用する際に判断が求められる。詳細について
     は、注記18「金融資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。
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    12.  投資有価証券
                                    連結              当行




                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    その他の包括利益を通じて公正価値で測定される
    投資有価証券
    負債証券                             74,743       85,460       61,623       73,936
    持分証券                             1,310       1,062       1,054        994
    償却原価で測定される投資有価証券
        (1)
                                  7,031       6,816       5,263       5,354
    負債証券
    損益を通じて公正価値で測定される投資有価証券
    負債証券                               42       53       -       -
    合計
                                 83,126       93,391       67,940       80,284
    (1)  予想信用損失引当金が当グループについて31百万ドル(2020年度:20百万ドル)、当行について1百万ドル(2020年度:
      1百万ドル)含まれている。
     投資有価証券の満期の状況は、以下のとおりである。

    連結

                                 1年から
                          3か月から
                   3か月未満        12か月       5年      5年超      満期なし        合計
    2021  年 投資有価証券
                                  (単位:百万ドル)
    政府債
                      6,396      12,984       32,179       19,382         -    70,941
    社債および金融機関債                  285      1,179       5,701        110        -     7,275
    その他の有価証券                  129       295       553      2,623         -     3,600
        (1)
                        -       -       -       -     1,310       1,310
    持分証券
    合計
                      6,810      14,458       38,433       22,115       1,310      83,126
    2020年 投資有価証券

    政府債
                      7,175      14,436       37,656       18,683         -    77,950
    社債および金融機関債                  701      2,698       8,128        90       -    11,617
    その他の有価証券                   -       -      532      2,230         -     2,762
        (1)
                        -       -       -       -     1,062       1,062
    持分証券
    合計
                      7,876      17,134       46,316       21,003       1,062      93,391
    (1)  FVOCIで測定される有価証券に分類された持分証券の帳簿価額には、当グループの天津銀行                                           (「BoT」)への投資991百万
      ドル(2020年度:934百万ドル)が含まれている。
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                                                           有価証券報告書
     当事業年度中、当グループは従来その他の包括利益で繰り延べられていた利益/損失のリサイクリングにより、投資有価証
    券に関連して303百万ドル(2020年度:23百万ドル)の純利益(税引前)を、その他営業収入に認識した。
    当行

                                 1年から
                          3か月から
                   3か月未満        12か月       5年      5年超      満期なし        合計
    2021  年 投資有価証券
                                  (単位:百万ドル)
    政府債
                      5,453      11,646       24,390       16,350         -    57,839
    社債および金融機関債                  175       830      4,371        71       -     5,447
    その他の有価証券                  129       295       553      2,623         -     3,600
        (1)
                        -       -       -       -     1,054       1,054
    持分証券
    合計
                      5,757      12,771       29,314       19,044       1,054      67,940
    2020年 投資有価証券

    政府債
                      5,770      12,763       30,887       17,600         -    67,020
    社債および金融機関債                  633      1,700       7,104        71       -     9,508
    その他の有価証券                   -       -      532      2,230         -     2,762
        (1)
                        -       -       -       -      994       994
    持分証券
    合計
                      6,403      14,463       38,523       19,901        994     80,284
    (1)  FVOCIで測定される有価証券に分類された持分証券の帳簿価額には、当行の天津銀行                                        (「BoT」)への投資991百万ドル
      (2020年度:934百万ドル)が含まれている。
     当事業年度中、当行は従来その他の包括利益で繰り延べられていた利益/損失のリサイクリングにより、投資有価証券に関

    連して301百万ドル(2020年度:21百万ドル)の純利益(税引前)を、その他営業収入に認識した。
     認識および測定

     投資有価証券は、売買以外の目的で保有される有価証券の形式の金融資産である(すなわち、譲渡可能な負債性金
     融商品または資本性金融商品)。例外として、当グループの顧客貸付業務を円滑にするために使用される為替手形
     (有価証券/譲渡性証書の一形態)は、契約内容をより的確に反映するため(投資有価証券よりも)貸付金および
     前渡金に分類されている。
     トレーディング目的以外の資本性金融商品は、商品毎にFVOCIで測定するものとして指定することができる。この
     選択がなされる場合、当該投資の利益または損失は、売却時にその他の包括利益から純損益へ再分類されない。た
     だし、利益または損失は、資本の部の中で再分類することができる。
     投資有価証券として開示された資産は、141ページ(訳注:原文のページ番号である。)の当グループの金融資産
     に関する開示の冒頭で概説されている金融資産の分類および測定についての一般方針の適用を受ける。また、「投
     資有価証券-償却原価で測定される負債証券」および「投資有価証券-その他の包括利益を通じて公正価値で測定
     される負債証券」に伴う予想信用損失は、注記14「予想信用損失引当金」に概説されている会計方針に従って認識
     および測定される。「投資有価証券-その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債証券」について、予想
     信用損失(「ECL」)引当金は資本の部のFVOCI準備金に計上され、対応する費用は損益で認識される。
     重要な判断および見積り

     評価に市場相場価格が使用されない資産の公正価値の算定に使用する評価技法の選定の際には判断が必要とされる
     が、特に容易に観察できない評価インプットの選定の際にその判断が求められる。詳細については、注記18「金融
     資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。
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    13.  正味貸付金および前渡金
     次表は当グループの正味貸付金および前渡金の詳細を示したものである。

                                    連結              当行

                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    貸越                             5,360       5,214       4,465       4,466
    クレジットカード                             6,570       7,194       5,494       5,990
    手形融資                             6,000       6,383       6,000       6,383
    ターム・ローン-住宅                            372,572       358,350       278,372       275,579
    ターム・ローン-住宅以外                            239,277       241,725       194,150       197,117
                                  2,985       2,406       2,733       2,133
    その他
                                 632,764       621,272       491,214       491,668
    小計
        (1)
                                  (434)       (460)       (390)       (406)
    前受収益
                            (1)
                                  1,434       1,262       1,050        959
    資産計上された仲介手数料およびその他の組成費用
                                 633,764       622,074       491,874       492,221
    貸付金および前渡金の総額
                                 (4,045)       (4,981)       (3,387)       (4,219)
    予想信用損失引当金(注記14参照)
                                 629,719       617,093       488,487       488,002
    正味貸付金および前渡金
    契約上の満期までの残存期間:
    1年以内                            125,952       126,238       98,214       98,736
                                 503,767       490,855       390,273       389,266
    1年超
                                 629,719       617,093       488,487       488,002
    正味貸付金および前渡金
    貸借対照表計上基準         :
    償却原価                            626,099       613,155       485,015       483,986
                                  3,620       3,938       3,472       4,016
    損益を通じた公正価値による測定
                                 629,719       617,093       488,487       488,002
    正味貸付金および前渡金
    (1)  2021年度において、従来、前受収益内で相殺されていた繰延費用は、残高の性質により良く合致するように、資産計上さ
      れた仲介手数料およびその他の組成費用に組み替えられた。
      比較情報は、これに従って修正再表示されている(2020年度:当グループ394百万ドル、当行387百万ドル)。
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     認識および測定
     貸付金および前渡金は、固定された、または確定可能な支払額を伴う非デリバティブ金融資産であり、活発な市場
     での相場価格がなく、当グループが顧客に直接的に、または第三者チャネルを通じて提供する与信枠である。
     貸付金および前渡金は、当初公正価値に貸付金または前渡金の実行に直接起因する取引費用を加算した額で計上さ
     れる。これらの取引費用は、主として仲介手数料およびその他の組成費用であり、貸付金の見積り貸付期間にわた
     り償却される。貸付金および前渡金は、その後は、実効金利法を使用した償却原価から予想信用損失引当金を控除
     した額で測定されるか、あるいは当初認識時に損益を通じて公正価値評価するものとして個別に指定された場合も
     しくは売買目的保有の場合に公正価値で測定される。
     資産をリースする契約および購入権付リース契約は、資産の所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済価値を
     顧客または当グループの関係者でない第三者に移転する場合にファイナンス・リースとして分類される。これらの
     ファシリティは、上表では「その他」に含まれている。
     当グループは、貸借対照表上で認識されている金融資産を譲渡する取引を行う。当グループが譲渡資産のリスクと
     経済価値の実質的にすべてを留保している場合、当該譲渡された資産は当グループの貸借対照表に引き続き計上さ
     れるが、実質的にすべてのリスクと経済価値が移転された場合には、当グループは当該資産の認識を中止する。リ
     スクと経済価値が部分的に留保され、当該資産に対する支配を喪失した場合には、当グループは当該資産の認識を
     中止する。当該資産に対する支配を喪失していない場合、当グループは継続関与の範囲で当該資産の認識を継続す
     る。
     譲渡において権利と義務が留保、または発生した場合、権利と義務は内容に応じて資産および負債として別々に認
     識される。
     正味貸付金および前渡金として開示された資産は、141ページ(訳注:原文のページ番号である。)で概説されて
     いる金融資産の分類および測定についての一般方針の適用を受ける。また、償却原価で測定される貸付金および前
     渡金に伴う予想信用損失は、注記14「予想信用損失引当金」に概説されている会計方針に従って認識および測定さ
     れる。
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    14.  予想信用損失引当金
                           2021年                    2020年

                    一括評価       個別評価        合計      一括評価       個別評価        合計
    連結
                                  (単位:百万ドル)
    償却原価で測定される貸付金
    および前渡金、純額                 3,379        666      4,045       4,130        851      4,981
    帳簿外のコミットメント                  785       21      806       858       40      898
    投資有価証券-償却原価で測
                       31       -      31       20       -      20
    定される負債証券
    合計
                      4,195        687      4,882       5,008        891      5,899
    その他の包括利益
    投資有価証券-FVOCIで測定
           (1)
                       11       -      11       10       -      10
    される負債証券
    (1)  FVOCIで測定される資産については、ECL引当金によって帳簿価額が変動することはなく、引き続き公正価値で計上され
      る。その代わり、ECL引当金はその他の包括利益(「OCI」)に認識されており、対応する費用は純損益で認識される。
                           2021年                    2020年

                    一括評価       個別評価        合計      一括評価       個別評価        合計
    当行
                                  (単位:百万ドル)
    償却原価で測定される貸付金
    および前渡金、純額                 2,824        563      3,387       3,515        704      4,219
    帳簿外のコミットメント                  667        7      674       711       20      731
    投資有価証券-償却原価で測
                        1       -       1       1       -       1
    定される負債証券
    合計
                      3,492        570      4,062       4,227        724      4,951
    その他の包括利益
    投資有価証券-FVOCIで測定
           (1)
                        7       -       7       7       -       7
    される負債証券
    (1)  FVOCIで測定される資産については、ECL引当金によって帳簿価額が変動することはなく、引き続き公正価値で計上され
      る。その代わり、ECL引当金はその他の包括利益(「OCI」)に認識されており、対応する費用は純損益で認識される。
     次の表は、当年度中のECL引当金の増減を表示している。

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     正味貸付金および前渡金-償却原価で測定
     ECL引当金は正味貸付金および前渡金に含まれている。
                                               (1)

                                          ステージ3
                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2019年10月1日現在                         927      1,378        413       791      3,509
    ステージ間の移動                         200      (308)       (112)       220        -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         110      1,428        162      1,324       3,024
    戻入                          -       -       -     (321)       (321)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く)                          -       -       -    (1,109)       (1,109)
                  (2)
                             (33)       (33)       (2)      (54)      (122)
    為替換算およびその他の増減
                            1,204       2,465        461       851      4,981
    2020年9月30日現在
    ステージ間の移動                         399      (421)       (137)       159        -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                        (639)       (53)       90      663       61
    戻入                          -       -       -     (365)       (365)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く)                          -       -       -     (626)       (626)
                  (2)
                              4       3       3      (16)       (6)
    為替換算およびその他の増減
                             968      1,994        417       666      4,045
    2021年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損金融資産に係る当グループの信用エクスポージャーは重要でない。
    (2)  その他の増減には、個別評価ECL引当金に係る割引のアンワインドの影響または当該年度中に完了した売却の影響が含まれ
      ている。
                                               (1)

                                          ステージ3
                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2019年10月1日現在                         746      1,181        361       633      2,921
    ステージ間の移動                         168      (258)       (122)       212        -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         122      1,198        135      1,171       2,626
    戻入                          -       -       -     (286)       (286)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く)                          -       -       -    (1,003)       (1,003)
                  (2)
                              (8)       (7)       (1)      (23)       (39)
    為替換算およびその他の増減
                            1,028       2,114        373       704      4,219
    2020年9月30日現在
    ステージ間の移動                         392      (382)       (130)       120        -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                        (620)       (49)       106       619       56
    戻入                          -       -       -     (308)       (308)
    貸倒償却(償却債権回収額を除く)                          -       -       -     (556)       (556)
                  (2)
                              (3)       (4)       (1)      (16)       (24)
    為替換算およびその他の増減
                             797      1,679        348       563      3,387
    2021年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損金融資産に係る当グループの信用エクスポージャーは重要でない。
    (2)  その他の増減には、個別評価ECL引当金に係る割引のアンワインドの影響が含まれている。
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     帳簿外のコミットメント-未実行および条件付与信枠
     ECL引当金はその他引当金に含まれている。
                                               (1)

                                          ステージ3
                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2019年10月1日現在                         473       151       21       23      668
    ステージ間の移動                         18      (24)       (1)       7       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         115       115        3      24      257
    戻入                          -       -       -      (14)       (14)
                  (2)
                             (10)       (3)       -       -      (13)
    為替換算およびその他の増減
                             596       239       23       40      898
    2020年9月30日現在
    ステージ間の移動                         51      (49)       (3)       1       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         (92)       19       -       1      (72)
    戻入                          -       -       -      (21)       (21)
                              -       2      (1)       -       1
    為替換算
                             555       211       19       21      806
    2021年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損金融資産に係る当グループの信用エクスポージャーは重要でない。
    (2)  その他の増減には、当年度中に完了した売却の影響が含まれている。
                                               (1)

                                          ステージ3
                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2019年10月1日現在                         405       126       14       12      557
    ステージ間の移動                         15      (20)       (2)       7       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         100       78       3      13      194
    戻入                          -       -       -      (12)       (12)
                              (7)       (1)       -       -      (8)
    為替換算
                             513       183       15       20      731
    2020年9月30日現在
    ステージ間の移動                         45      (41)       (5)       1       -
    新規および増加した引当金(戻入控除後)                         (72)       28       2       1      (41)
    戻入                          -       -       -      (15)       (15)
                              (2)       1       -       -      (1)
    為替換算
                             484       171       12       7      674
    2021年9月30日現在
    (1)  購入または組成された信用減損金融資産に係る当グループの信用エクスポージャーは重要でない。
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                                                           有価証券報告書
     投資有価証券-償却原価で測定される負債証券
     ECL引当金は投資有価証券に含まれている。
                                           ステージ3

                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2020年9月30日現在                         20       -       -       -      20
                              31       -       -       -      31
    2021年9月30日現在
                                           ステージ3

                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2020年9月30日現在                          1       -       -       -       1
                              1       -       -       -       1
    2021年9月30日現在
     投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券

     FVOCI資産は公正価値で測定されるため、個別のECL引当金はない。その代わり、ECL引当金はその他の包括利益(「OCI」)
    に認識されており、対応する費用は純損益で認識される。
                                           ステージ3

                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2020年9月30日現在                         10       -       -       -      10
                              11       -       -       -      11
    2021年9月30日現在
                                           ステージ3

                          ステージ1       ステージ2       一括評価       個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2020年9月30日現在                          7       -       -       -       7
                              7       -       -       -       7
    2021年9月30日現在
                                303/560










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                                                           有価証券報告書
     貸倒引当金繰入-損益計算書
     貸倒引当金繰入/(戻入)の内訳
                                    連結              当行

                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
                        (1)、(2)
    新規および増加した引当金(戻入控除後)
    -一括評価                              (823)      1,717       (726)       1,420
    -個別評価                              824      1,575        741      1,403
      (3)
                                  (386)       (335)       (323)       (298)
    戻入
                                  (182)       (219)       (161)       (188)
    償却債権回収額
                                  (567)      2,738       (469)       2,337
    貸倒引当金繰入合計
    (1)  一括評価および個別評価間の振替の影響を含む。
    (2)  新規および増加した引当金(戻入控除後)の内訳は以下のとおり。
                          連結                     当行

                    2021  年         2020  年         2021  年         2020  年
                 一括評価     個別評価     一括評価     個別評価     一括評価     個別評価     一括評価     個別評価
                (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)     (百万ドル)
    償却原価で測定される正味
                  (761)      822     1,479     1,544      (683)      739     1,243     1,383
    貸付金および前渡金
    帳簿外のコミットメント              (74)      2     226      31     (43)      2     174      20
    投資有価証券-償却原価で
                   11      -     9     -     -     -     1     -
    測定される負債証券
    投資有価証券-FVOCIで測定
                   1     -     3     -     -     -     2     -
    される負債証券
    合計              (823)      824     1,717     1,575      (726)      741     1,420     1,403
    (3)  償却原価で測定される正味貸付金および前渡金の戻入が当グループについて365百万ドル(2020年度:321百万ドル)、当
      行について308百万ドル(2020年度:286百万ドル)、帳簿外のコミットメントが当グループについて21百万ドル(2020年
      度:14百万ドル)、当行について15百万ドル(2020年度:12百万ドル)含まれている。
     当年度中に償却されたが、引き続き回収活動の対象となる金融資産の契約上の残高は、当グループについて168百万ドル

    (2020年度:340百万ドル)、当行について138百万ドル(2020年度:321百万ドル)である。
                                304/560










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     認識および測定
     予想信用損失モデル
     予想信用損失の測定は、一連のシナリオを、貨幣の時間的価値、過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の
     予想を考慮に入れる偏りのない確率加重予想を反映する。
     予想信用損失は、以下の3段階のアプローチに基づいて、組成以降の信用の悪化に従って、12か月間または当該金
     融資産の全期間に対して測定される。
      ・ ステージ1:金融資産の組成時において、また組成以降信用リスクの著しい増大(「SICR」)がない場合、
        報告日から12か月以内に起こりうるデフォルト事象から発生する予想信用損失を反映して、12か月分のECL
        に相当する引当金が認識される。満期までの残存期間が12か月未満の金融商品については、予想信用損失
        は、満期までの残りの期間にわたって起こりうるデフォルト事象に基づいて見積もられる。
      ・ ステージ2:組成以降信用リスクが著しく増大している場合、金融商品の予想残存期間にわたって起こりう
        るすべてのデフォルト事象から発生する予想信用損失を反映して、残存期間のECLに相当する引当金が認識
        される。その後の期間に、信用リスクの状況が改善され、組成以降の信用リスクの増大が著しいものとはみ
        なされなくなった場合、当該エクスポージャーはステージ1の区分に戻され、12か月間のECLが適用され
        る。
      ・ ステージ3:減損の客観的証拠が存在する場合、全期間のECLに相当する引当金が認識される。
     ステージ1およびステージ2のエクスポージャーについては、予想信用損失は集合的に見積もられ、ステージ3に
     移動した場合に集合的または個別に見積もられる。
     予想信用損失の測定

     ECLは、与信枠レベルで以下の信用リスク要因から算出したものを、貨幣の時間的価値を組み込んで割り引いたも
     のである。
      ・ デフォルト確率(「PD」)-借り手が所与の期間にデフォルトする確率の見積り
      ・ デフォルト時エクスポージャー(「EAD」)-元本および利息の返済、与信枠からの追加的な借入の実行な
        らびに経過利息を考慮に入れた、デフォルト時の予想貸借対照表エクスポージャー
      ・ デフォルト時損失率(「LGD」)-借り手のデフォルトの際の予想損失で、直接的および間接的な回収費用
        も考慮に入れられ、当該与信枠のEADに対する割合で表される。
     これらの信用リスク要因は、マクロ経済的変数の使用を通じて、現在の情報および将来情報に関して調整される。

     予想存続期間

     ステージ2およびステージ3エクスポージャーのECLを見積もる際に、当グループは信用リスクに晒されると予想
     される全期間を考慮する。
     リテール以外のポートフォリオに関して、当グループはリボルビング以外の与信枠について最長の契約期間を予想
     全期間として使用している。法人向け与信枠等、リテール以外のリボルビング与信枠の予想全期間には、契約で合
     意された年次審査の一環として当グループが与信枠を取り消す契約上の権利を、適用される通知期間を考慮して反
     映する。
     リテールのポートフォリオに関して、予想全期間は予想される期限前返済および重大な条件緩和を考慮した行動パ
     ターンを使用して決定される。
     デフォルト、信用減損および償却の定義

     予想信用損失の測定に使用されるデフォルトの定義は、全ポートフォリオにわたって、内部信用リスク管理目的に
     使用される定義に一致させている。この定義はまた、規制上のデフォルトの定義にも沿っている。デフォルトは、
     債務者が当グループに対する契約上の支払義務を完全に履行する可能性が低いことを示す兆候がある、またはエク
     スポージャーが延滞90日となった場合に発生する。
     金融資産(担保が十分な金融資産を含む)は、デフォルトした場合、財務報告目的上は信用減損が発生していると
     みなされる。
     回収の現実的な可能性がない場合、貸付金は、当グループの内部プロセスが完了し、合理的に予想されたすべての
     回収時に、関連する貸倒引当金を充当して償却される。その後の期間における償却債権回収額は、損益計算書の貸
     倒引当金繰入額から控除される。
                                305/560




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     認識および測定
     条件変更した金融資産
     信用または商業上の理由から、金融資産の条件変更、あるいは現存の金融資産が新しい金融資産に置き換えられた
     場合、現存の金融資産に対する大幅な条件変更とみなされるかを判定するための評価が行われる。この評価では、
     変更条件から発生するキャッシュフローの変化に加え、元本金額(与信限度額)、期間、原担保の変更など、商品
     全体のリスク・プロファイルの変化の両方が検討される。大幅な条件変更とみなされない場合、現存の金融商品の
     認識中止は行われず、信用リスクの著しい増大(「SICR」)の判定には引き続き組成日が使用される。大幅な条件
     変更とみなされる場合、現存の金融商品の認識は中止され、条件変更日に新しい金融資産が公正価値で認識され、
     当該条件変更日がこの新しい資産のSICRの判定に使用される組成日となる。
     信用リスクの著しい増大(「SICR」)

     ステージ2の資産は、組成以降にSICRがあった資産である。SICRの構成内容の決定にあたり、当グループは定性的
     情報と定量的情報の両方を考慮する。
     ⅰ.  内部信用格付等級
       ポートフォリオの大部分に関してSICRの主要な指標とされているのは、組成以降の与信枠に関する内部格付等
       級の著しい悪化であり閾値を適用して測定される。
       リテール以外のポートフォリオに関して、SICRは報告日時点で与信枠に適用される顧客信用格付(「CCR」)
       と、当該与信枠の組成時のCCRを比較して判定される。CCRは、借り手のデフォルト確率を反映して各借り手に
       割り当てられ、将来予測的な情報を含む、借り手固有の情報および借り手以外の固有の情報の両方が組み込ま
       れる。CCRは最低限1年に1度、または顧客の信用リスクに影響を及ぼすおそれのある事象が発生した場合は
       より頻繁に見直しの対象となる。
       リテールのポートフォリオに関して、SICRは与信枠の種類に応じて、報告日時点のシナリオ加重された全期間
       にわたるデフォルト確率と、組成時にシナリオ加重された全期間にわたるデフォルト確率を比較して、あるい
       は顧客の行動スコアの閾値を参照して判定される。シナリオ加重された全期間にわたるデフォルト確率は、以
       下の場合に著しい増大となる。
       ・ 経済見通しの悪化、または経済の不透明性が高まった場合
       ・ 顧客の信用状況全般、または支払義務の管理能力の低下があった場合
     ⅱ.  安全基準
       当グループは、リテール以外とリテールのポートフォリオの両方について、30日延滞を安全基準として使用し
       ている。リテール・ポートフォリオに関してのみ、ステージ1への復帰前に3か月から6か月間の良好な支払
       実績を示すことが要求される。
     ⅲ.  COVID-19関連のイニシアチブ
       以前にCOVID-19に伴う返済繰延の取決めの適用対象であった与信枠は、すでに通常のローンポートフォリオに
       含めたうえでSICRを判定している。
     将来予測的な情報

     当グループは、金融資産で当初認識以降に信用リスクの著しい増大が生じたか否かの評価と、ECLの見積りの両方
     に将来予測的な情報を組み込んでいる。ECLの見積りにおいて将来予測的な情報を適用する際に、当グループは以
     下の4つの確率加重予想経済シナリオを検討する。
     ⅰ.  ベースケースシナリオ
       ベースケースシナリオは、将来のマクロ経済状況についてのANZの見解である。このシナリオは、戦略計画お
       よび予算策定に使用された経営陣の仮定を反映し、当グループが3年の計画期間で戦略計画および資本計画に
       適用するプロセスである当グループの自己資本充実度評価プロセス(「ICAAP」)における情報としても利用
       される。
     ⅱ.  アップサイドシナリオおよび              ⅲ.  ダウンサイドシナリオ

       アップサイドシナリオおよびダウンサイドシナリオは、平均的な景気サイクルの状況を参照して決定され(す
       なわち、これらは貸借対照表日現在の実勢経済状況に基づくのではない)、長期的計画期間にわたるより楽観
       的(アップサイドシナリオの場合)またはより悲観的(ダウンサイドシナリオの場合)な経済事象および不確
       実性の組合わせに基づく。
     ⅳ.  深刻なダウンサイドシナリオ

       深刻なダウンサイドシナリオは、平均的な景気サイクルの状況を参照し、より可能性の低い、非常に厳しい経
       済状況における深刻な影響の可能性を考慮して決定される。このシナリオは、発生確率が25年に1度の景気後
       退事象のマクロ経済状況を反映する。
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     これらの4つのシナリオは、貸出ポートフォリオおよび借り手の国別に、PD、LGDおよびEADのモデル(ECLモデル
     と総称)に使用されるマクロ経済変数の観点で記述される。これらの変数の例は、失業率、GDP成長率、住宅価格
     指数、商業用不動産価格指数、消費者物価指数などである。
     各シナリオの確率加重は、ベースケース経済シナリオを取り巻くリスクおよび不確実性、ならびに必要な場合には
     個別のポートフォリオに対する検討事項を考慮して経営陣によって決定される。グループ資産負債委員会
     (「GALCO」)はベースケース経済シナリオの見直しおよび承認を担当し、信用および市場リスク委員会
     (「CMRC」)は、シナリオに適用される確率加重を承認する。
     該当する場合、モデル化プロセスにおいて既知または予想されるリスクが適切に対処されない状況を考慮するため
     の一時的な調整が行われる。CMRCは、このような調整を承認する責任を負っている。
     重要な判断および見積り
     一括評価ECLの見積りにおいて、当グループは以下に関する判断、仮定を行っている。
      ・ 見積技法またはモデル化手法の選択
      ・ これらのモデルに対するインプットの選択、インプット間の相互依存性
     下表は、モデルのインプット、ならびにインプット間の相互依存性に関する重要な判断および仮定をまとめたもの

     で、当期中の重要な変更を示している。
     判断および関連する仮定は、COVID-19の影響を踏まえて作成されており、現状において合理的であると考えられる
     将来の事象の予測など、関連があるとみなされる過去の実績やその他の要因を反映している。当グループのECLの
     見積りは本質的に不確実なものであり、結果として、これらの見積りは実際の結果と異なる可能性がある。
     判断/仮定           説明                     2021年9月30日に終了した事業年度の検討
                                     事項
     信用リスクの著しい増           ECLの測定において、貸付金の当初認識時以                     2020年度および2021年度にCOVID-19に対応
     大(「SICR」)の発生           降にSICRがあり、その結果による当該金融                     して顧客に提供された支援措置は終了して
     時期の判定           資産の「ステージ1」から「ステージ2」                     おり、支援措置を利用した顧客の大半は通
                への移動を判定するための基準およびトリ                     常のローン返済に戻っている。これらの措
                ガーポイントの設定には判断を伴う。ス                     置が最近終了したことを考慮し、当グルー
                テージ1からステージ2への移動は、翌12                     プは、支援措置のために不明瞭になってい
                か月間のデフォルト確率に基づく引当金か                     た可能性のある予想延滞についてECLの項目
                ら、全期間にわたる予想信用損失引当金へ                     を設定した。
                とECLを増加させることから、重要な判断領
                域である。ステージ2からステージ1への
                移動をもたらすその後の信用リスクの減少
                は、同様にECL引当金の大幅な変動をもたら
                す。
                トリガーポイントを正確に設定するために
                は、ECL引当金の額に重大な影響を及ぼす可
                能性のある判断が必要とされる。当グルー
                プは、SICR判定基準の有効性を継続的に監
                視している。
     12か月間と全期間の両           ECLの算定に使用されるデフォルト確率                     PD、EADおよびLGDモデルは、定期的なモデ
     方の信用損失の測定           (「PD」)、デフォルト時損失率                     ルのモニタリング、定期的な再検証を規定
                (「LGD」)およびデフォルト時エクスポー                     し、モデルの重要性に応じて承認手続きお
                ジャー(「EAD」)の信用リスクパラメー                     よび権限を定める当グループのモデル・リ
                ターは、経営陣が判定する適切な将来予測                     スク方針が適用される。
                的な情報を反映した一定時点での尺度であ                     2021年度に、COVID-19に起因するモデルの
                る。どの将来予測的な情報の変数が特定の                     不確実性の増大を考慮して、モデルの算定
                貸付ポートフォリオに関連するか、および                     結果を調整した。
                各ポートフォリオの一時点での感応度の決
                定に関連するかの判定には判断を伴う。
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                また、ECLの測定に使用する、与信枠の全期                     2021年9月30日に終了した事業年度に、こ
                間を見積るにあたり、行動特性を適用する                     の方針の重要な変更はなかった。
                場合にも判断が必要とされる。
     ベースケース経済予測           当グループは、将来のマクロ経済状況に係                     当年度にモデルのインプットとして用いら
                るANZリサーチ・エコノミクス(「ANZエコ                     れている将来情報の変数(主要経済要因)
                ノミクス」)の見解を反映して将来予測的                     の種類に変更はなかった。
                な「ベースケース」経済シナリオを策定し                     2021年9月30日現在、ロックダウンからの
                ている。                     脱却、政府の景気刺激策およびワクチン接
                                     種の展開などのCOVID-19を取り巻く状況の
                                     変化を反映して、ベースケースの仮定が
                                     アップデートされている。予想される景気
                                     の先行き判断にあたっては、中央銀行の政
                                     策、政府の措置、企業の対応、金融機関の
                                     個々の対応(返済繰延など)による影響の
                                     評価が考慮された。
                                     2021年9月30日現在のベースケースシナリ
                                     オについて予想される主要経済要因の結果
                                     は、「ベースケース経済予測に関する仮
                                     定」の項に後述されている。
     各経済シナリオの確率
                各経済シナリオの確率加重は、各測定日時                     当期における確率加重に関する主な検討事
     加重(ベースケース、
                点のベースケース経済シナリオを取り巻く                     項は、引き続き不透明なCOVID-19の経済的
     アップサイド、ダウン
                リスクおよび不確実性を考慮して経営陣に                     影響である。
     サイド、深刻なダウン
                よって決定される。                     当グループは、当グループのクレジット・
     サイドのシナリオ)
     (1)、(2)                                ポートフォリオにおける短期的および長期
                                     的な相互関係を考慮に入れつつ、損失の可
                                     能性の見積りを提示するために各地域の加
                                     重を検討している。
                                     2021年9月30日現在、ベースケースには
                                     41.3%で加重がかけられており、当グルー
                                     プのダウンサイドリスクの評価を考慮して
                                     ダウンサイドシナリオの加重を増やしてい
                                     る。
                                     オーストラリア、ニュージーランドおよび
                                     世界の他の地域で割り当てられる確率加重
                                     は、内在する不確実性の影響を大きく受け
                                     るため、実際の結果が予想と大きく異なる
                                     可能性がある。
    (1)  アップサイドシナリオおよびダウンサイドシナリオは、平均的な景気サイクルの状況を参照して決定され(すなわち、こ

      れらは貸借対照表日現在の実勢経済状況に基づくのではない)、より楽観的(アップサイドシナリオの場合)またはより
      悲観的(ダウンサイドシナリオの場合)な経済状況の組合わせに基づく。
    (2)  深刻なダウンサイドシナリオは、平均的な景気サイクルの状況を参照して決定され、より可能性が低い、非常に困難な経
      済状況の潜在的に深刻なダウンサイドの影響を考慮に入れる。
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     判断/仮定           説明                     2021年9月30日に終了した事業年度の検討
                                     事項
     経営陣による一時的な           ECL引当金に対する経営陣による一時的な調                     経営陣は、COVID-19の継続的な影響に関連
     調整           整は、当グループの既存のインプット、仮                     する不確実性に基づいて、モデル化された
                定およびモデル技法が当グループの貸付                     ECLに多数の調整を加えた。
                ポートフォリオに関連するすべてのリスク                     モデル化されたECL引当金に追加されたマネ
                要因を捕捉していないと判断された状況で                     ジメント・オーバーレイ(COVID-19に関す
                使用される。当グループの最新のパラメー                     るオーバーレイを含む)は、オーストラリ
                ター、リスク格付または将来予測的な情報                     アの住宅ローンを含むリテール、小規模企
                に組み込まれていない、発生しつつある、                     業および商業銀行業に特有のリスク、
                地域的または世界的なマクロ経済的、ミク                     ニュージーランドのパーソナル・アンド・
                ロ経済的または政治的な事象および自然災                     ビジネス・バンキング、ならびにパシ
                害は、こうした状況の例である。経営陣に                     フィックの観光業に関するものである。
                よる一時的な調整の使用は、認識されるECL
                の金額に影響を及ぼす場合がある。
                ワクチンの展開およびその効果などの
                COVID-19の感染拡大に関連した不確実性、
                また政府、企業、消費者の対応によってク
                レジットにマイナスの結果がもたらされる
                可能性がどの程度抑えられているかは、過
                去の基礎的データに依拠する既存のECLモデ
                ルに完全には織り込まれていない。そのた
                め、貸倒引当金が適切なものになるようマ
                ネジメント・オーバーレイが適用されてい
                る。
     ベースケース経済予測に関する仮定
     COVID-19の感染拡大の不透明な進展ならびに関連する政府、企業および消費者の対応は、以下を取り巻く不確実性
     により、結果としてECL残高が過小計上または過大計上となる経済予測リスクを増大させる。
      ・ COVID-19の感染拡大に影響を与える、ワクチンの展開および感染抑制措置の緩和などの措置の範囲および期
        間
      ・ 経済の反応のタイミングおよび速度、ならびにセクター間の差など、予想される経済への影響
      ・ 政府の景気刺激策の段階的削減の影響、特にその景気回復の程度および期間に与える影響
     2021年9月30日現在のベースケース経済予測の主要経済要因は次のとおりである。これらは、2021年9月30日現在

     のANZエコノミクスの将来のマクロ経済状況についての見解を反映している。以下の短期予測よりも先の期間につ
     いて、ECLモデルは景気サイクルの半ばに最終的に回帰するための前提を含む、将来の経済状況を予測している。
                                            暦年予測

                                     2021年        2022年        2023年
     オーストラリア
     GDP(年間成長率)                                   3.4%        3.8%        3.4%
     失業率                                   5.3%        4.3%        4.1%
     住宅用不動産価格(年間上昇率)                                   20.5%        6.7%        3.5%
     消費者物価指数                                    2.4        1.9        2.2
     ニュージーランド
     GDP(年間成長率)                                   4.3%        4.3%        2.9%
     失業率                                   4.1%        3.9%        3.9%
     住宅用不動産価格(年間上昇率)                                   22.4%        0.4%        5.2%
     消費者物価指数                                    3.3        2.9        1.9
     世界の他の国々
     GDP(年間成長率)                                   6.2%        4.2%        2.5%
     消費者物価指数                                    3.9        2.5        2.2
     2021年9月30日現在のベースケース経済予測は、2020年9月30日現在の予測に対して、足元ならびに予想される経

     済状況の大幅な改善を示しており、COVID-19の感染拡大に対応した進行中の措置の進展を反映している。
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     確率加重
     各シナリオの確率加重は、ベースケースの景気シナリオを取り巻くリスクおよび不確実性を考慮して経営陣によっ
     て決定される。当期における確率加重に関する主要な検討事項は、政府によるCOVID-19の感染抑制措置の緩和に対
     応して講じられた措置の有効性、およびウィルスの影響を抑えるワクチンの接種率である。
     ベースケースシナリオは、2020年9月以降の見通しを大幅に改善を示している。景気の回復可能性に伴う不透明性
     を考慮して、地域全体のベースケースの加重の平均は41.3%に引き下げられ(2020年9月:50.0%)、ダウンサイ
     ドシナリオは47.7%に引き上げられた(2020年9月:33.3%)。
     オーストラリア、ニュージーランドおよび世界の他の地域で割り当てられる確率加重は、内在する不確実性の影響
     を大きく受けるため、実際の結果が予想と大きく異なる可能性がある。当グループは、当グループのクレジット・
     ポートフォリオにおける短期的および長期的な相互関係を考慮に入れつつ、損失の可能性の見積りを提示するため
     に各地域の加重を検討している。当グループで適用される平均加重は以下のとおりである。
                                      連結            当行
                                  2021年      2020年      2021年      2020年
     ベース
                                   41.3%      50.0%      40.0%      50.0%
     アップサイド                               5.2%      10.4%       5.4%      10.9%
     ダウンサイド                              47.7%      33.3%      48.8%      33.4%
     深刻なダウンサイド                               5.8%      6.3%      5.8%      5.7%
     ECL  - 感応度分析

     足元の経済の不確実性と、将来の期間における借手の予想デフォルトを判断する際に用いられる要因に適用される
     判断を踏まえると、当グループが報告する予想信用損失は、予想可能な見積り範囲内で最善の見積りと考えられ
     る。
     下表は、2021年9月30日現在の一括評価ECLの決定に用いられる主要要因とELCに対する感応度を示している。

                                        連結           当行
                                     ECL     影響      ECL     影響
                                          (単位:百万ドル)
     ステージ1与信枠の1%がステージ2に含まれている場合
                                      4,250       55    3,541       49
     ステージ2与信枠の1%がステージ1に含まれている場合                                 4,188       (7)    3,486       (6)
     100%アップサイドシナリオ                                 1,774     (2,421)      1,469     (2,024)

     100%ベースシナリオ                                 2,337     (1,858)      1,946     (1,547)
     100%ダウンサイドシナリオ                                 4,337       142     3,668       175
     100%深刻なダウンサイドシナリオ                                 5,358      1,163      4,476       983
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    金融負債
     以下に、当グループが後述の注記での開示に関連している金融負債を分類および測定している方法を概説する。
     分類および測定

     金融負債
     金融負債は、償却原価または、売買目的で保有される場合に損益を通じて公正価値(「FVTPL」)で測定される。
     加えて、金融負債は以下の場合にFVTPLで測定されるものとして指定することができる。
      ・ この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少させる場合。
      ・ 金融負債のグループが、文書化されたリスク管理戦略に従って、公正価値で管理され、その実績が公正価値
        に基づいて評価される場合。
      ・ 金融負債が1件またはそれ以上の組込デリバティブを含む場合。ただし、以下の場合を除く。
        a)その組込デリバティブが、それがなければ契約上求められていたはずのキャッシュフローを大幅に変更
          していない場合。
        b)組込デリバティブが、主契約となる金融負債と密接に関連している場合。
     金融負債が公正価値で測定するものとして指定されている場合、企業自身の信用リスク変動に係る利益および損失

     は、その他の包括利益に含められるが、それにより、損益における会計上のミスマッチが生じるまたは拡大する場
     合を除く。
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    15.  預金およびその他の借入金
                                    連結              当行




                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    譲渡性預金
                                 37,708       32,491       35,696       30,574
    定期預金                            177,081       197,273       136,067       148,839
    要求払い預金および短期預金                            366,755       315,216       303,381       262,236
    無利息預金                             49,746       39,874       26,836       22,016
    銀行からの預り金および買戻条件付契約により売却した
        (1)
                                 86,082       88,337       83,294       86,947
    有価証券
    コマーシャル・ペーパーおよびその他の借入金                             25,684       9,142      21,449        7,524
    預金およびその他の借入金
                                 743,056       682,333       606,723       558,136
    契約上の満期までの残存期間:
    1年以内                            717,889       665,151       584,816       544,324
    1年超                             25,167       17,182       21,907       13,812
    預金およびその他の借入金
                                 743,056       682,333       606,723       558,136
    貸借対照表計上基準         :
    償却原価                            738,772       679,255       606,673       556,676
    損益を通じた公正価値による測定                             4,284       3,078        50      1,460
    預金およびその他の借入金
                                 743,056       682,333       606,723       558,136
    (1)  当グループおよび当行については、RBAのターム資金供給ファシリティ(「TFF」)に基づく引出資金201億ドル(2020年

      度:120億ドル)が含まれ、また当グループについては、ニュージーランド準備銀行(「RBNZ」)の貸出資金供給プログラ
      ム(「FLP」)およびターム貸付ファシリティ(「TLF」)に基づく12億ドル(2020年度:ゼロ)が含まれている。
     認識および測定

     預金およびその他の借入金の認識および測定は次のとおりである
      ・ 当初認識時に損益を通じた公正価値評価に指定されていないものについては、償却原価で測定され、実効金
        利法を用いて支払利息を認識する。
      ・ 公正価値で管理され、会計上のミスマッチを低減もしくは解消する、または組込デリバティブを含むもの
        は、損益を通じて公正価値で測定するものとして指定する。
     詳細については、注記18「金融資産および金融負債の公正価値」を参照のこと。

     公正価値評価に指定された預金およびその他の借入金について、当グループの自己信用リスクの変動に起因する公
     正価値損益は、利益剰余金のその他の包括利益で認識される。公正価値損益の残りの金額は、純損益に直接認識さ
     れる。その他の包括利益で認識された金額は、その後に損益に再分類されることはない。
     買戻条件付契約により売却した有価証券は、所有に係るリスクおよび経済価値が当グループに留保されていること
     により、当該金融資産を買い戻す負債を表しており、当グループの貸借対照表に引き続き計上されている。売却価
     格と買戻価格の差額は、買戻条件付契約の期間にわたって認識され、損益計算書の支払利息に費用計上される。
                                312/560




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    16.  発行済社債
     当グループは、各種の資金調達プログラムを利用して優先債務(カバード・ボンドおよび証券化を含む)および劣後債務を

    発行している。優先債務と劣後債務の違いは、優先債務の保有者が関連する発行体の債務である劣後債務の保有者に対して優
    先権を有することである。関連する発行体の清算にあたって、劣後債務が返済されるのは、関連する発行体が預金者、その他
    の債権者および優先債務の保有者に対する返済が行われた後となる。
                                    連結              当行

                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    優先債務                             58,952       80,835       45,348       64,591
    カバード・ボンド                             15,399       15,948       11,342       11,761
                                  1,424       1,824         -       -
    証券化
    非劣後債務合計                             75,775       98,607       56,690       76,352
    劣後債務
      -その他Tier1資本                            8,506       8,196       8,191       7,833
      -Tier2資本                            16,207       12,865       16,207       12,865
                                   566        -       -       -
      -その他の劣後債務証券
                                 25,279       21,061       24,398       20,698
    劣後債務合計
                                 101,054       119,668       81,088       97,050
    発行済社債合計
                  (1)
    契約上の満期までの残存期間               :
    1年以内                             22,621       25,688       18,512       20,937
    1年超                             76,594       92,059       60,605       74,122
                                  1,839       1,921       1,971       1,991
    満期日なし(永久債)
                                 101,054       119,668       81,088       97,050
    発行済社債合計
    (1)  最終満期日に基づくが、その他Tier1資本証券の場合、強制転換日がある場合はその日に基づく。
     発行済社債の通貨別内訳

     下表は、当グループの発行済社債の通貨別内訳を示したものであり、概して社債保有者の本拠地を表している。
                                    連結              当行

                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
    USD    米ドル
                                 29,788       41,100       22,354       31,836
    EUR    ユーロ                         22,984       23,038       15,294       15,325
    AUD    豪ドル                         35,709       43,697       34,299       41,857
    NZD    ニュージーランドドル                         3,276       3,682        839       923
    JPY    日本円                         1,854       2,131       1,853       2,131
    CHF    スイスフラン                          940       975        -       -
    GBP    英ポンド                         4,286       2,387       4,287       2,387
    HKD    香港ドル                          727      1,088        727      1,088
    その他    人民元、ノルウェークローネ、シンガポール
                                  1,490       1,570       1,435       1,503
        ドルおよびカナダドル
    発行済社債合計
                                 101,054       119,668       81,088       97,050
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     劣後債務
     2021年9月30日現在、当行が発行したすべての劣後債務および当行の子会社であるANZバンク・ニュージーランド・リミテッ
    ド(ANZ    NZ)が発行した一部のその他劣後債務は、当グループの規制資本として適格である。これらは、APRAの適正資本の目
    的上、当該商品の条件に従い、ANZキャピタルノート(「ANZ                            CN」)、ANZ資本証券(「ANZ              CS」)もしくはANZ         NZキャピタル
    ノート(「ANZ       NZ  CN」)の場合はその他Tier1「AT1」資本に分類され、または永久劣後債もしくは定期劣後債である場合は
    Tier2資本のいずれかに分類される。
     その商品の発行体に影響するような流動性事由がある場合、Tier2資本商品は、AT1資本商品に優先し、AT1資本商品は普
    通株式のみに優先する。
     AT1資本

     すべての発行済AT1資本商品は、バーゼル3に全面的に準拠した商品である(バーゼル3についての詳細は、注記24「資本
    管理」を参照のこと)。ANZ             CNとANZ    CSは、それぞれ同順位である。
     AT1資本商品に係る分配は累積されず、発行体の完全裁量および一定の支払条件(規制上の要件を含む)のもとで行われ
    る。ANZ    CNに係る分配は、ANZ普通株式に適用されるフランキングと同様のフランキングの対象となる。
     発行体は、指定された場合には、AT1資本商品について特定の期日および一定の状況下(税務事由、規制事由等)におい
    て、繰上償還または転換オプションを行使することができる。この償還オプションは、APRAの書面による事前承認を条件と
    し、ANZ    NZ  CNの場合はニュージーランド準備銀行(RBNZ)の書面による事前承認を条件としている。
     各AT1資本商品は、以下の場合に、不定数のANZ普通株式(所定の転換株数を上限に、転換直前のANZ普通株式の平均市場株
    価から1%割引後の価格に基づく)に直ちに転換される。
     ・ ANZ(ANZ       NZ  CNの場合はANZバンク・ニュージーランド・リミテッド(「ANZ                             NZ」)の普通株式等Tier1資本比率が
        5.125%以下となった場合(普通株式資本関連のトリガー事由)、または
     ・ APRAが、特定の有価証券の転換もしくは償却、または公的資金の注入(もしくは同等の支援)がなければ、当行が存続
        不能に陥ると判断する、と当行に通達した場合、(ANZ                          NZ  CNの場合に、RBNZがノートの転換または償却をANZ                        NZに指示
        した場合もしくはANZ          NZに対して法的管財人が指名され、ノートの転換または償却が決定された場合)(存続不能トリ
        ガー事由)。
     指定されている場合、AT1資本商品は、以下の日に不定数のANZ普通株式(転換直前の平均市場株価から1%割引後の価格に

    基づく)に強制的に転換される。
     ・ 指定された強制転換日、または
     ・ 条件に定義されている一定の状況下においてそれよりも早い日。
     ただし、一定の転換基準を満たさない場合、強制転換は所定の期間延期される。

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     以下の表は、当事業年度および前事業年度の9月30日現在における当グループの発行済AT1資本商品の主要な内容である。

                                    連結              当行

                                2021年       2020年       2021年       2020年
                                (単位:百万ドル)              (単位:百万ドル)
                    (1)
    その他Tier1資本(永久劣後債)
    ANZキャピタルノート(ANZ             CN)
                  (2)
    AUD    1,120百万
                                    -     1,119         -     1,119
               ANZ  CN1
    AUD    1,610百万      ANZ  CN2
                                  1,609       1,608       1,609       1,608
    AUD    970百万      ANZ  CN3
                                   968       967       998       997
    AUD    1,622百万      ANZ  CN4
                                  1,617       1,614       1,617       1,614
    AUD    931百万      ANZ  CN5
                                   927       926       927       926
    AUD    1,500百万      ANZ  CN6
                                  1,486         -     1,486         -
    ANZ  資本証券    (ANZ   CS)
    USD    1,000百万      ANZ資本証券                   1,422       1,499       1,554       1,569
    ANZ  NZキャピタルノート(ANZ            NZ  CN)
    NZD    500百万      ANZ  NZキャピタルノート                  477       463        -       -
               (3)
                                  8,506       8,196       8,191       7,833
    その他Tier1資本合計
    (1)  帳簿価額は発行費用控除後であり、該当する場合は公正価値ヘッジ会計調整後である。
    (2)  ANZキャピタルノート1のうち約750万ドルは2021年7月8日にANZキャピタルノート6に再投資され、残りの370百万ドル
      は2021年9月1日に償還された。
    (3)  これは、適格その他Tier1資本の一部を構成する。詳細は、注記24「資本管理」を参照のこと。
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     ANZキャピタルノート(ANZ             CN)
                    CN1             CN2             CN3

    発行体                ANZ             ANZ             ANZ(ニュージーランド支
                                              店を通じて発行)
    発行日                2013年8月7日             2014年3月31日             2015年3月5日
    発行額                1,120百万ドル             1,610百万ドル             970百万ドル
    額面価額                100ドル             100ドル             100ドル
    配当の頻度                半期毎に後払い             半期毎に後払い             半期毎に後払い
    配当率                変動レート:(180日物銀             変動レート:(180日物銀             変動レート:(180日物銀
                    行手形レート+3.4%)           ×  行手形レート+3.25%)x             行手形レート+3.6%)           ×
                                 (1-オーストラリア法
                    (1-オーストラリア法                         (1-オーストラリア法
                                 人税率)
                    人税率)                         人税率)
                            (1)
    発行体による繰上償還または転換                             2022年3月24日             2023年3月24日
                    2021年9月1日
    オプション
                            (2)
    強制転換日                             2024年3月24日             2025年3月24日
                    2023年9月1日
    普通株式資本関連のトリガー事由                あり             あり             あり
    存続不能のトリガー事由                あり             あり             あり
    帳簿価額(発行費用控除後)                ゼロ(2020年度:1,119百             1,609百万ドル(2020年             968百万ドル(2020年度:
                    万ドル)             度:1,608百万ドル)             967百万ドル)
                    CN4             CN5             CN6

    発行体                ANZ             ANZ             ANZ
    発行日                2016年9月27日             2017年9月28日             2021年7月8日
    発行額                1,622百万ドル             931百万ドル             1,500百万ドル
    額面価額                100ドル             100ドル             100ドル
    配当の頻度                四半期毎に後払い             四半期毎に後払い             四半期毎に後払い
    配当率                変動レート:(90日物銀             変動レート:(90日物銀             変動レート:(90日物銀
                    行手形レート+4.7%)x             行手形レート+3.8%)x             行手形レート+3.0%)x
                    (1-オーストラリア法             (1-オーストラリア法             (1-オーストラリア法
                    人税率)             人税率)             人税率)
    発行体による繰上償還または転換                2024年3月20日             2025年3月20日             2028年3月20日
    オプション
    強制転換日                2026年3月20日             2027年3月20日             2030年9月20日
    普通株式資本関連のトリガー事由                あり             あり             あり
    存続不能のトリガー事由                あり             あり             あり
    帳簿価額(発行費用控除後)                1,617百万ドル(2020年             927百万ドル(2020年度:             1,486百万ドル(2020年
                    度:1,614百万ドル)             926百万ドル)             度:ゼロ)
    (1)  ANZキャピタルノート1のうち約750百万ドルは2021年7月8日にANZキャピタルノート6に再投資され、残りの370百万ド
      ルは2021年9月1日に償還された。
    (2)  CN1は全額が償還されているため、今後強制転換日が適用されることはない。
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     ANZ資本証券(ANZ         CS)
       発行体                 ANZ(ロンドン支店を通じて発行)

       発行日                 2016年6月15日
       発行額                 1,000百万米ドル
       額面価額                 最低券面単位200,000米ドルで、それを超える場合の超過額は1,000米ドル
                        の整数倍
       利払の頻度                 半期毎に後払い
       金利                 2026年6月15日まで年利6.75%の固定金利。2026年6月15日およびその5
                        年毎の応当日に、5年物米ドルスワップレート仲値+5.168%の変動金利
                        に再設定
       発行体による繰上償還                 2026年6月15日およびその5年毎の応当日
       オプション
       普通株式資本関連のトリガー                 あり
       事由
       存続不能のトリガー事由                 あり
       帳簿価額(発行費用控除後)                 1,422百万ドル(2020年度:1,499百万ドル)
     ANZ  NZキャピタルノート(ANZ            NZ  CN)

       発行体                 ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド(「ANZ                        NZ」)

       発行日                 2015年3月31日
       発行額                 500百万ニュージーランドドル
       額面価額                 1ニュージーランドドル
       利払の頻度                 四半期毎に後払い
       金利                 2020年5月25日まで年利7.2%の固定金利。2020年5月にニュージーラン
                        ド3か月物銀行手形レート+3.5%の変動金利にレート再設定。
                        利息の支払いは、ANZ          NZの完全裁量を条件とし、支払いのための一定の条
                        件(APRAとRBNZの要件を含む)の適用を受ける。
       発行体による繰上償還                 このオプションは2020年5月25日に行使されず、満了した。
       オプション
       強制転換日                 2022年5月25日
       普通株式資本関連のトリガー                 あり
       事由
       存続不能のトリガー事由                 あり
       帳簿価額(発行費用控除後)                 477百万ドル(2020年度:463百万ドル)
     2020年4月、RBNZは、ニュージーランドで設立された登録銀行(ANZ                                NZを含む)に対して、資本商品の償還を行わないよう

    通達した。2021年3月、RBNZはCET1資本商品以外の償還についてこれらの制限を解除する旨を発表したが、2020年5月にはこ
    の制限が施行されていたため、ANZ                NZはANZ    NZ  CNを償還することができず、2020年5月の転換オプション日に転換オプション
    を行使しないことを決定した。ANZ                NZが2020年5月に転換オプションを行使しなかったことから、ANZ                               NZ  CNは一定の条件に従
    い、2022年5月に不定数の当行株式に転換されるANZ                         NZ  CNの規定が適用される。
     RBNZはニュージーランドの銀行に対する新たな自己資本比率要件を公表したが、この要件は2021年10月から2028年7月まで
    適用される。これらの変更に従い、2022年1月1日より、ANZ                             NZ  CNは規制資本の認識の引下げ対象となり、その結果、ANZ                           NZ
    はこれらのノートに関して規制事由(ANZ                   NZ  CNの捺印証書で定義されている)が発生したと判断した。規制事由の発生は、
    ANZ  NZがその裁量により、ANZ            NZ  CNを償還する選択が可能となることを意味する。ANZ                         NZ  CNの償還は、RBNZおよびAPRAから
    の承認を含む一定の条件が適用される。本財務報告の日付において、ANZ                                  NZがANZ    NZ  CNを償還するか否かの決定(規制当局の
    承認を条件とする)はなされていない。
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     TIER2資本
     当行が発行した転換可能期限付劣後債はバーゼル3に全面的に準拠した商品である。存続不能のトリガー事由が発生した場
    合、各転換可能期限付劣後債は、ANZ普通株式に直ちに転換される(所定の転換株数を上限として、転換直前の平均市場価格か
    ら1%割引後の価格に基づく)。
     APRAは、300百万米ドルの永久劣後債について、バーゼル3自己資本規制の移行期間終了時(2021年12月)までバーゼル3の
    移行措置を認めている。これらの劣後債には、存続不能トリガー事由は含まれていない。
     以下の表は、当事業年度および前事業年度の9月30日現在における当グループのTier2資本劣後債を示している。
                                       連結            当行

                    次回繰上償還可能
                    日 ― APRAの事前承
                                    2021年      2020年      2021年      2020年
    通貨    額面価額      満期日      認を条件とする         金利
                                    (単位:百万ドル)            (単位:百万ドル)
    バーゼル3自己資本規制の移行措置適用劣後債(永久債)
    USD    300百万      永久債      半年毎の利払日         変動金利          417      422      417      422
    バーゼル3自己資本規制の移行措置適用劣後債合計
                                      417      422      417      422
    バーゼル3に全面的に準拠した転換可能劣後債(期限付)
    USD    800百万      2024年      該当なし         固定金利        1,173      1,225      1,173      1,225
    シンガ    500百万      2027年      2022年         固定金利          515      529      515      529
    ポール
    ドル
    AUD    200百万      2027年      2022年         固定金利          200      200      200      200
    JPY    20,000百万      2026年      該当なし         固定金利          250      270      250      270
    AUD    700百万      2026年      2021年         変動金利           -     700       -     700
    USD    1,500百万      2026年      該当なし         固定金利        2,137      2,253      2,137      2,253
    JPY    10,000百万      2026年      2021年         固定金利           -     133       -     133
    JPY    10,000百万      2028年      2023年         固定金利          124      133      124      133
    AUD    225百万      2032年      2027年         固定金利          225      225      225      225
    AUD    1,750百万      2029年      2024年         変動金利        1,740      1,750      1,740      1,750
    EUR    1,000百万      2029年      2024年         固定金利        1,608      1,657      1,608      1,657
    AUD    265百万      2039年      該当なし         固定金利          253      265      253      265
    USD    1,250百万      2030年      2025年         固定金利        1,782      1,859      1,782      1,859
    AUD    1,250百万      2031年      2026年         変動金利        1,235      1,244      1,235      1,244
    USD    1,500百万      2035年      2030年         固定金利        1,955        -    1,955        -
    AUD    330百万      2040年      該当なし         固定金利          304       -     304       -
    AUD    195百万      2040年      該当なし         固定金利          178       -     178       -
    EUR    750百万      2031年      2026年         固定金利        1,193        -    1,193        -
    GBP    500百万      2031年      2026年         固定金利          918       -     918       -
    バーゼル3に全面的に準拠した劣後債合計
                                    15,790      12,443      15,790      12,443
           (1)、(2)
                                    16,207      12,865      16,207      12,865
    Tier2資本合計
    (1)  帳簿価額は発行費用控除後であり、該当する場合は公正価値ヘッジ会計調整後である。
    (2)  これは、適格Tier2資本の一部を構成する。詳細は、注記24「資本管理」を参照のこと。
     その他の劣後債務証券

     当グループの子会社であるANZバンク・ニュージーランド・リミテッドは、2021年9月に600百万ニュージーランドドルの無
    担保劣後債を発行した。これらの債券はRBNZの要件の下ではTier2資本を構成するが、存続不能トリガー事由を含んでおら
    ず、したがって、当グループの規制資本として適格となるためのAPRAによるTier2資本商品の要件を充足しない。
                                318/560





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     認識および測定
     発行済社債は、損益を通じて公正価値評価するものとして指定されている場合を除き、償却原価で測定される。当
     グループがヘッジ関係を指定して公正価値ヘッジ会計を開始した場合、ヘッジ対象リスクに起因する公正価値評価
     は、当該社債の帳簿価額を調整することで反映される。支払利息は、実効金利法を用いて計上される。
     資本に基づいた転換条項(すなわち、普通株式資本関連のトリガー事由または存続不能のトリガー事由)を持つ劣
     後債は、損益を通じた公正価値で別個に会計処理される組込デリバティブを含んでいるとみなされる。これらのト
     リガー事由を受けた転換にあたり発行される株式の金額は、最大転換数に左右されることから組込デリバティブが
     生じるが、トリガー事由の発生可能性が低いことを鑑み、報告日現在の評価額は重要な金額ではない。
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    17.  財務リスク管理
    リスク管理の枠組みおよびモデル

     序論
     顧客にバンキングおよびその他の金融サービスを提供する当グループの事業において、金融商品の利用は必須である。これ
    に伴う財務リスク(主に、信用、市場および流動性リスク)は、当グループの主要な重大リスクの重要な部分を占めている。
     当グループは、当グループに影響を及ぼすすべての主要な重大リスクの詳細および当グループのリスク管理活動についての
    詳細な情報を、年次報告書(英文)のガバナンスおよびリスク管理の項で開示している。
     本注記では、当グループの財務リスク管理の方針、プロセスおよび主要な財務リスクと関連する定量的開示を詳述してい
    る。
      主な重要財務リスク                           本リスクに適用される主要な項目

      信用リスク                           ・ 信用リスクの概要、管理および統制責任
      以下の結果発生する財務的損失のリスク。                           ・ 信用リスクの最大エクスポージャー
       ・ 取引相手がその債務の履行を怠る。                          ・ 信用の質
       ・ 取引相手の信用の質が悪化し、結果として財務                          ・ 信用リスクの集中
         的損失をもたらす。                        ・ 担保管理
      信用リスクには、当グループが、気候変動、法律、規
      制もしくは政府あるいは規制当局によって採用される
      その他の政策(カーボンプライシングおよび気候変動
      への適応もしくは軽減政策を含む)の変化から影響を
      受けるおそれのある顧客への貸付に伴うリスクを取り
      入れている。
      市場リスク                           ・ 市場リスクの概要、管理および統制責任
      以下により発生する当グループの利益に対するリス                           ・ 市場リスクの測定
      ク。                           ・ トレーディングに起因する市場リスクおよびト
       ・ 金利、為替レート、信用スプレッド、ボラティ                            レーディングに起因しない市場リスク
         リティおよび相関関係の変動                        ・ FVOCIで測定するものとして指定された持分証券
       ・ 債券価格、コモディティ価格または株価の変動                          ・ 外国為替リスク         ― 構造的エクスポージャー
      流動性および資金調達リスク                           ・ 流動性リスクの概要、管理および統制責任
      当グループが、期日到来時に、以下を含む支払義務を                           ・ 流動性リスクについての重要な測定分野
      履行することができないリスク。                           ・ 流動性リスクの結果
       ・ 預金の払戻しまたは満期を迎えるホールセール                          ・ 当グループの負債の契約上の期日までの期間別
         債務                          分析
       ・ 当グループの増加資産に対する資金調達能力の
         不足
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    概要
     リスク管理の枠組みの概要
     この概要は、財務書類利用者が、AASB第7号「金融商品:開示」(「AASB第7号」)に基づいて義務付けられる財務上の開示
    内容の理解における手助けとなることを目的としている。この概要は、年次報告書(英文)のガバナンスおよびリスク管理の
    項と併せて読まれるべきものである。
     取締役会は、当グループのリスク管理の枠組み(「RMF」)を確立し、監視する責任を負う。取締役会は、取締役会のリスク
    委員会(「BRC」)に、当グループのリスク管理方針の策定およびその遵守を監視する権限を委譲している。BRCは、その活動
    を取締役会に定期的に報告している。
     取締役会は以下を含む、当グループの戦略目的を承認する。
     ・ ANZが戦略目的および事業計画の追求において、受け入れる用意があるリスクの程度に関する取締役会の期待値を示した
       リスク選好度ステートメント(「RAS」)
     ・ ANZのリスク管理戦略およびこの戦略を実施するRMFの主要な要素を記述した、リスク管理戦略(RMS)。これには、重大
       な各リスク、ならびにRMFのそれぞれのリスクへの対応方法の概要が、関連する方針、基準および手続きを参照して記述
       されている。また、ANZが重大なリスクをどのように特定、測定、評価、監視、報告および管理または低減するかも含ま
       れている。
     当グループは、研修ならびに管理基準および手続きを通じて、全従業員がその役割および義務を理解しており、規律があり

    信頼性の高い統制環境の維持を目指している。ANZにおいては、リスクは各従業員が責任を担う。
     当グループは、以下の職務を担うチーフ・リスク・オフィサーが率いる独立したリスク管理機能部門を有している。
     ・ リスク・プロファイルおよびリスク管理の枠組みを監視する責任を負う。
     ・ ANZのリスク・プロファイルに重大な影響を及ぼす業務活動および決定に対して実効性のある異議を唱えることができ
       る。
     ・ 懸念事項の適切な上申を可能にするために、独立したBRCへの報告経路を持つ。
     内部監査機能部門は、取締役会監査委員会(「BAC」)に直属している。内部監査は以下を行う。

     ・ リスク管理の枠組みへの遵守とリスク管理の枠組みの有効性を確保することを目的とした、当グループのRMFの年次評価
       を独立した立場から行う。
     ・ リスク管理の枠組みの適切性、有効性および十分性を確保することを目的とした、3年ごとの包括的なレビューを実施
       する。
     ・ 日常業務の有効性の強化を目的として、枠組みおよび/または実務慣行を改善するための勧告を行う。
    信用リスク

     信用リスクの概要、管理および統制責任
     顧客に対する信用供与は、当グループの利益の主要源泉の一つである。この活動は主要リスクでもあるため、当グループは
    その管理に多大な資源を振り向けている。当グループは、多様な市場および多くの法域において、広範囲の貸出およびその他
    の活動に伴う信用リスクを負っている。信用リスクは伝統的な顧客への貸出に加えて、銀行間取引、トレジャリー、貿易金融
    および世界中の資本市場での活動からも生じる。
     当グループの信用リスク管理の枠組みは、取締役会により設定される信用リスク選好度の測定、監視および管理について、
    一貫性のある取組みが当グループ全体に適用されることを確実にしている。信用リスクの監視という職務を果たす際、取締役
    会は、BRCによる支援および助言を受ける。BRCは、以下を行う。
     ・ 信用リスク選好度および与信戦略の設定
     ・ 執行経営陣の裁量を超える与信取引の承認
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     当グループは、エクスポージャーの種類全体にわたっての一貫性を確保し、報告および分析目的で一貫性のある枠組みを提
    供するために、信用リスクを内部格付システム(統一測定基準)を通じて定量化している。このシステムでは、顧客エクス
    ポージャーについて次の項目を測定するためにモデルおよびその他のツールが使用される。
      デフォルト確率(「PD」)                顧客の借入金の元利払いおよび返済能力に対する当グループの評価を反映

                      した顧客の信用格付け(「CCR」)で表される。
      デフォルト時エクスポージャー                元本および利息の返済、予想される与信枠からの追加的な借入の実行なら
        (「EAD」)              びに経過利息を考慮に入れた、デフォルト時での予想貸借対照表エクス
                      ポージャー。
      デフォルト時損失率(「LGD」)                AからGまでの担保指標(「SI」)は、顧客のデフォルト時に当グループが
                      現金化することができる担保で貸付金がカバーされている割合を参照して
                      計算される。AからGまでの指標は、預金額やソブリン支援等の要素を取り
                      扱う一連のその他のSIで補完される。リテールおよび一部の小規模企業向
                      け貸付については、エクスポージャーは大きな同質的なプールにグループ
                      分けされ、LGDはプールのレベルで指定される。
     当グループの信用リスク専門家のチームは、当グループのPDおよびLGD格付モデルを策定し、検証する。これら
     のモデルから得られたアウトプットにより、組成、価格設定、承認レベル、自己資本比率規制、経済的資本配分
     および信用供与などに関して当グループの日々の信用リスク管理上の決定が行われている。
     ANZが与信関係を有するすべての顧客には、次の評価手法のいずれかを通じて、組成時にCCRが割り当てられる。

     大口かつ複雑な貸付                          リテールおよび一部の小規模企業向け貸付

     格付モデルにより一貫性のある体系的な評価が提供で                          スコアリング(アプリケーション上および行動パター
     きるが、モデルで想定されていない要因に関しては判                          ンの)、ポリシー・ルールおよび外部の信用報告の情
     断が求められる。与信承認は、事業部門の引受担当者                          報を組み合わせたものを使用する、与信申請の自動評
     と独立したクレジット・オフィサーが共同で承認する                          価。与信申請が、自動評価の基準を満たさない場合、
     二重承認基準で行われている。                          マニュアル評価の対象となる。
     当グループでは、金融資産の信用度を管理するために、当グループの内部CCRを使用している。広範な比較を可能にするため

    に、当グループのCCRは、以下のように外部の格付機関の測定基準に合わせて作成されている。
                                                 スタンダード・

                                         ムーディーズ
                                                 アンド・プアー
     信用の質の説明        内部CCR       ANZ顧客要件                    格付け        ズ格付け
     信用度が高い        CCR  0+から4-     長期にわたる営業活動および財務成績に                    Aaa  – Baa3     AAA  – BBB-
                     おいて優れた安定性を示し、収益力が予
                     測可能な事象に対してそれほど脆弱では
                     ない。
     受入れ可能        CCR  5+から6-     中には景気循環傾向および利益の変動性                    Ba1  – B1     BB+  – B+
                     の影響を受けやすい顧客が存在する可能
                     性があるものの、中期から長期にわたり
                     適切な営業上および財政上の安定性を示
                     している。
     信用度が低い        CCR  7+から8=     短期および場合によっては中期にわたり                    B2  - Caa      B - CCC
                     収益性および流動性の変動および不確実
                     性が予想されることから、いくらかの営
                     業上および財政上の不安定性を示してい
                     る。
     デフォルト        CCR  8-から10     与信枠の回収可能性に関して疑いが生じ                    該当なし        該当なし
                     た場合、当該金融商品(または「当該与
                     信枠」)はデフォルトに分類される。
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     信用リスクの最大エクスポージャー
     貸借対照表上で認識されている金融資産の場合、信用リスクの最大エクスポージャーは、帳簿価額である。一定の状況にお
    いて、貸借対照表上の帳簿価額と以下の表において公表される額には差異がある場合がある。これらの差異は主に、市場リス
    クにさらされる持分商品または紙幣および硬貨など、信用リスク以外のリスクにさらされる金融資産について生じる。
     未実行の与信枠について、信用リスクの最大エクスポージャーは、与信枠の総額である。偶発的なエクスポージャーについ
    て、信用リスクの最大エクスポージャーは、かかる請求が行われた場合に当グループが支払わなければならない最大額であ
    る。
     以下の表は、担保またはその他の信用補完を考慮前の当グループの帳簿上および帳簿外の信用リスクの最大エクスポー

    ジャーを示したものである。
                                                  信用リスクの

                                         (1)
                       報告金額                         最大エクスポージャー
                                     除外金額
                    2021年       2020年       2021年       2020年       2021年       2020年
                                   (単位:百万ドル)
    連結
    貸借対照表勘定
    正味貸付金および前渡金                 629,719       617,093          -       -    629,719       617,093
    その他金融資産:

      現金および現金同等物               151,260       107,923        1,127       1,514      150,133       106,409
      ANZの未収決済残高                7,530       7,541       7,530       7,541         -       -
      支払担保                9,166      14,308          -       -     9,166      14,308
      売買目的有価証券               44,688       50,913       4,996       5,698      39,692       45,215
      デリバティブ金融商品               38,736      135,331          -       -    38,736      135,331
      投資有価証券
      -償却原価で測定される
       負債証券              7,031       6,816         -       -     7,031       6,816
      -FVOCIで測定される負債
       証券              74,743       85,460          -       -    74,743       85,460
      -FVOCIで測定される持分
       証券              1,310       1,062       1,310       1,062         -       -
      -FVTPLで測定される負債
       証券                42       53        -       -      42       53
      規制上の預け金                 671       801        -       -      671       801
             (2)
                      2,054       2,407         -       -     2,054       2,407
      その他金融資産
    その他金融資産合計
                     337,231       412,615        14,963       15,815      322,268       396,800
    小計
                     966,950      1,029,708         14,963       15,815      951,987      1,013,893
    帳簿外のポジション
                 (3)
                     259,789       266,716          -       -    259,789       266,716
    未実行および条件付与信枠
    合計
                    1,226,739       1,296,424         14,963       15,815     1,211,776       1,280,609
    (1)  現金および現金同等物のうちの紙幣および硬貨ならびに銀行預金、ANZの未収決済残高のうちの約定日基準の資産、売買目
      的有価証券のうちの持分証券および貴金属のエクスポージャー、ならびに投資有価証券のうちの持分証券は、信用リス
      ク・エクスポージャーを伴わないため、除外されている。
    (2)  その他金融資産は、主に未収利息および引受手形で構成されている。
    (3)  未実行および条件付与信枠には、保証、信用状、履行関連の偶発債務を、一括評価および個別評価予想信用損失引当金を
      控除したうえで含めている。
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                                                  信用リスクの
                                         (1)
                       報告金額                         最大エクスポージャー
                                     除外金額
                    2021年       2020年       2021年       2020年       2021年       2020年
                                   (単位:百万ドル)
    当行
    貸借対照表勘定
    正味貸付金および前渡金                 488,487       488,002          -       -    488,487       488,002
    その他金融資産:

      現金および現金同等物               141,436       98,083         721      1,084      140,715       96,999
      ANZの未収決済残高                7,183       7,116       7,183       7,116         -       -
      支払担保                8,343      13,012          -       -     8,343      13,012
      売買目的有価証券               34,752       38,423       4,957       5,465      29,795       32,958
      デリバティブ金融商品               38,292      130,552          -       -    38,292      130,552
      投資有価証券
      -償却原価で測定される
       負債証券              5,263       5,354         -       -     5,263       5,354
      -FVOCIで測定される負債
       証券              61,623       73,936          -       -    61,623       73,936
      -FVOCIで測定される持分
       証券              1,054        994      1,054        994        -       -
      -FVTPLで測定される負債
       証券                 -       -       -       -       -       -
      規制上の預け金                 213       199        -       -      213       199
                 (2)
                     23,530       24,017          -       -    23,530       24,017
      被支配法人に対する債権
             (3)
                      1,371       1,460         -       -     1,371       1,460
      その他金融資産
    その他金融資産合計
                     323,060       393,146        13,915       14,659      309,145       378,487
    小計
                     811,547       881,148        13,915       14,659      797,632       866,489
    帳簿外のポジション
                 (4)
                     220,445       226,714          -       -    220,445       226,714
    未実行および条件付与信枠
    合計
                    1,031,992       1,107,862         13,915       14,659     1,018,077       1,093,203
    (1)  現金および現金同等物のうちの紙幣および硬貨ならびに銀行預金、ANZの未収決済残高のうちの約定日基準の資産、売買目
      的有価証券のうちの持分証券および貴金属のエクスポージャー、ならびに投資有価証券のうちの持分証券は、信用リス
      ク・エクスポージャーを伴わないため、除外されている。
    (2)  連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)とのグループ内取引に関して、当行は、2021年4月1日より、
      当該SEの発行済み証券を当行がすべて保有する場合の会計方針を変更した。SEとの取引は、今後総額ベースでは計上され
      ない。比較情報は修正再表示され、2020年9月30日現在における、被支配法人に対する債権が76,637百万ドル減額されて
      いる。詳細は、注記35「新たな基準の適用ならびにその他の変更」を参照のこと。
    (3)  その他金融資産は、主に未収利息および引受手形で構成されている。
    (4)  未実行および条件付与信枠には、保証、信用状、履行関連の偶発債務を、一括評価および個別評価予想信用損失引当金を
      控除したうえで含めている。
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     信用の質
     以下の表は、担保またはその他の信用補完の影響を考慮しないステージごとの当グループの内部信用度格付に基づいて、当
    グループの信用リスク・エクスポージャーの内訳を示したものである。
     正味貸付金および前渡金

                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                       412,821       12,596         -      -   425,417
    受入れ可能                       146,368       31,228         -      -   177,596
    信用度が低い                        7,921      12,907         -      -    20,828
                               -      -    3,754      1,549       5,303
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
    総額                       567,110       56,731       3,754      1,549     629,144
                             (968)     (1,994)       (417)      (666)      (4,045)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           566,142       54,737       3,337       883    625,099
    純額
                            0.17%      3.51%      11.11%      43.00%       0.64%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
    および前渡金                                                  3,620
        (1)
                                                       (434)
    前受収益
    資産計上された仲介手数料およびその他の
        (1)
                                                      1,434
    組成費用
                                                     629,719
    正味帳簿価額
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                       395,608       18,262         -      -   413,870
    受入れ可能                       133,558       37,577         -      -   171,135
    信用度が低い                        8,461      16,850         -      -    25,311
                               -      -    4,762      2,256       7,018
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
    総額                       537,627       72,689       4,762      2,256     617,334
                            (1,204)       (2,465)       (461)      (851)      (4,981)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           536,423       70,224       4,301      1,405     612,353
    純額
                            0.22%      3.39%      9.68%      37.72%       0.81%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
    および前渡金                                                  3,938
        (1)
                                                       (460)
    前受収益
    資産計上された仲介手数料およびその他の
        (1)
                                                      1,262
    組成費用
                                                     617,093
    正味帳簿価額
    (1)  2021年度において、過年度に前受収益内で相殺されていた繰延費用は、残高の性質により良く合致するように、資産計上
      された仲介手数料およびその他の組成費用に組み替えられた。
      比較情報は、これに従って修正再表示されている(2020年度:394百万ドル)。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     正味貸付金および前渡金
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                       297,511        9,329         -      -   306,840
    受入れ可能                       131,979       25,538         -      -   157,517
    信用度が低い                        7,913      11,038         -      -    18,951
                               -      -    3,089      1,345       4,434
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
    総額                       437,403       45,905       3,089      1,345     487,742
                             (797)     (1,679)       (348)      (563)      (3,387)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           436,606       44,226       2,741       782    484,355
    純額
                            0.18%      3.66%      11.27%      41.86%       0.69%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
    および前渡金                                                  3,472
        (1)
                                                       (390)
    前受収益
    資産計上された仲介手数料およびその他の
        (1)
                                                      1,050
    組成費用
                                                     488,487
    正味帳簿価額
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                       300,174       12,692         -      -   312,866
    受入れ可能                       115,745       30,200         -      -   145,945
    信用度が低い                        8,348      14,740         -      -    23,088
                               -      -    3,936      1,817       5,753
    デフォルト
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
    総額                       424,267       57,632       3,936      1,817     487,652
                            (1,028)       (2,114)       (373)      (704)      (4,219)
    ECL引当金
    償却原価で測定される貸付金および前渡金、
                           423,239       55,518       3,563      1,113     483,433
    純額
                            0.24%      3.67%      9.48%      38.75%       0.87%
    引当率
    損益を通じて公正価値で測定される貸付金
    および前渡金                                                  4,016
        (1)
                                                       (406)
    前受収益
    資産計上された仲介手数料およびその他の
        (1)
                                                       959
    組成費用
                                                     488,002
    正味帳簿価額
    (1)  2021年度において、過年度に前受収益内で相殺されていた繰延費用は、残高の性質により良く合致するように、資産計上
      された仲介手数料およびその他の組成費用に組み替えられた。
      比較情報は、これに従って修正再表示されている(2020年度:387百万ドル)。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     帳簿外のコミットメント-未実行および条件付与信枠
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                       174,808        1,754         -      -   176,562
    受入れ可能                        23,799       3,564         -      -    27,363
    信用度が低い                        1,030      1,185         -      -    2,215
                               -      -     138       50      188
    デフォルト
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額                       199,637        6,503       138       50    206,328
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (555)      (211)       (19)      (21)      (806)
    (注記22参照)
                           199,082        6,292       119       29    205,522
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                            0.28%      3.24%      13.77%      42.00%       0.39%
    引当率
                       (1)
                                                      54,267
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
                                                     259,789
    未実行および条件付与信枠、純額
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                       171,979        3,045         -      -   175,024
    受入れ可能                        22,983       3,972         -      -    26,955
    信用度が低い                        1,123      1,132         -      -    2,255
                               -      -     144      203       347
    デフォルト
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額                       196,085        8,149       144      203    204,581
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (596)      (239)       (23)      (40)      (898)
    (注記22参照)
                           195,489        7,910       121      163    203,683
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                            0.30%      2.93%      15.97%      19.70%       0.44%
    引当率
                       (1)
                                                      63,033
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
                                                     266,716
    未実行および条件付与信枠、純額
    (1)  通知をすることなく、無条件で随時取消可能なコミットメント。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     帳簿外のコミットメント-未実行および条件付与信枠
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
    当行
                                     (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                       162,232        1,745         -      -   163,977
    受入れ可能                        19,790       2,662         -      -    22,452
    信用度が低い                        1,005        966       -      -    1,971
    デフォルト                          -      -      91      28      119
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額
                           183,027        5,373        91      28    188,519
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (484)      (171)       (12)       (7)     (674)
    (注記22参照)
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                           182,543        5,202        79      21    187,845
    引当率
                            0.26%      3.18%      13.19%      25.00%       0.36%
                       (1)
                                                      32,600
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
    未実行および条件付与信枠、純額
                                                     220,445
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                       159,158        2,984         -      -   162,142
    受入れ可能                        18,874       2,944         -      -    21,818
    信用度が低い                        1,107        915       -      -    2,022
    デフォルト                          -      -     102      165       267
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、総額
                           179,139        6,843       102      165    186,249
    その他引当金に含まれるECL引当金
                             (513)      (183)       (15)      (20)      (731)
    (注記22参照)
    ECLの対象の未実行および条件付与信枠、純額
                           178,626        6,660        87      145    185,518
    引当率
                            0.29%      2.67%      14.71%      12.12%       0.39%
                       (1)
                                                      41,196
    ECLの対象外の未実行および条件付与信枠
    未実行および条件付与信枠、純額
                                                     226,714
    (1)  通知をすることなく、無条件で随時取消可能なコミットメント。
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     償却原価で測定される投資有価証券-負債証券
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                        5,574         -      -      -    5,574
    受入れ可能                         121        -      -      -      121
    信用度が低い                        1,367         -      -      -    1,367
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        7,062         -      -      -    7,062
    ECL引当金                         (31)        -      -      -      (31)
    償却原価で測定される投資有価証券
                            7,031         -      -      -    7,031
    -負債証券、純額
    引当率
                            0.44%         -      -      -    0.44%
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                        5,594         -      -      -    5,594
    受入れ可能                        1,067        175       -      -    1,242
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        6,661        175       -      -    6,836
    ECL引当金                         (20)        -      -      -      (20)
    償却原価で測定される投資有価証券
                            6,641        175       -      -    6,816
    -負債証券、純額
    引当率
                            0.30%      0.00%         -      -    0.29%
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                        5,162         -      -      -    5,162
    受入れ可能                         102        -      -      -      102
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        5,264         -      -      -    5,264
    ECL引当金                          (1)       -      -      -      (1)
    償却原価で測定される投資有価証券
                            5,263         -      -      -    5,263
    -負債証券、純額
    引当率
                            0.02%         -      -      -    0.02%
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                        5,271         -      -      -    5,271
    受入れ可能                          84       -      -      -      84
    償却原価で測定される投資有価証券
    -負債証券、総額                        5,355         -      -      -    5,355
    ECL引当金                          (1)       -      -      -      (1)
    償却原価で測定される投資有価証券
                            5,354         -      -      -    5,354
    -負債証券、純額
    引当率
                            0.02%         -      -      -    0.02%
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                        74,541         -      -      -    74,541
    受入れ可能                         202        -      -            202
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券
                            74,743         -      -      -    74,743
    その他の包括利益に認識されているECL引当金                         (11)        -      -      -      (11)
    引当率
                            0.01%         -      -      -    0.01%
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                        85,287         -      -      -    85,287
    受入れ可能                         173        -      -      -      173
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券
                            85,460         -      -      -    85,460
    その他の包括利益に認識されているECL引当金                         (10)        -      -      -      (10)
    引当率
                            0.01%         -      -      -    0.01%
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                        61,623         -      -      -    61,623
    受入れ可能                          -      -      -      -       -
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券
                            61,623         -      -      -    61,623
    その他の包括利益に認識されているECL引当金                          (7)       -      -      -      (7)
    引当率
                            0.01%         -      -      -    0.01%
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                        73,936         -      -      -    73,936
    受入れ可能                          -      -      -      -       -
    投資有価証券-FVOCIで測定される負債証券
                            73,936         -      -      -    73,936
    その他の包括利益に認識されているECL引当金                          (7)       -      -      -      (7)
    引当率
                            0.01%         -      -      -    0.01%
                                330/560










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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
     投資有価証券-FVTPLで測定される負債証券
                                          ステージ3

                          ステージ1      ステージ2       一括評価      個別評価        合計
    連結
                                     (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
    信用度が高い                          42       -      -      -      42
    投資有価証券-FVTPLで測定される負債証券
                              42       -      -      -      42
    ECL引当金                          -      -      -      -       -
    引当率
                               -      -      -      -       -
    2020年9月30日現在

    信用度が高い                          53       -      -      -      53
    投資有価証券-FVTPLで測定される負債証券
                              53       -      -      -      53
    ECL引当金                          -      -      -      -       -
    引当率
                               -      -      -      -       -
     その他金融資産

                                      連結             当行

                                  2021年      2020年      2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    信用度が高い                              235,847      293,171      238,452       365,532
    受入れ可能                               3,471      10,671       3,026       9,724
    信用度が低い                               1,122       628      769       577
                                    12       1      12       1
    デフォルト
                                  240,452      304,471      242,259       375,834
    帳簿価額合計
                                331/560












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                                                           有価証券報告書
     信用リスクの集中
     信用リスクの集中は、多くの顧客が、類似した活動に従事している、類似した経済的特性を有している、または同一の地域
    で類似した活動を行っており、そのため経済またはその他の状況の変化から同様の影響を受ける可能性がある場合に生じる。
    当グループは、リスクの集中を管理するために与信ポートフォリオの監視および再調整を行っている。当グループはまた、単
    一顧客への許容できない大規模エクスポージャーを回避するために、個別顧客限度額を設定している。
     信用リスクが生じる金融商品の産業別内訳は以下のとおりである。
                                        簿外信用関連の

                貸付金および前渡金             その他金融資産           コミットメント               合計
                2021年      2020年      2021年      2020年      2021年      2020年      2021年       2020年
                                  (単位:百万ドル)
    連結
    農業、林業、漁業
    および鉱業            34,862      36,458       335     1,092     16,034      17,188      51,231       54,738
    ビジネスサービス             9,161      8,642       119      172     6,429      6,506      15,709       15,320
    建設             5,886      5,807       46      44    6,458      6,679      12,390       12,530
    電力、ガス、水道供給             6,513      5,881       807     2,386      9,053      8,663      16,373       16,930
    娯楽、レジャーおよび
    観光            12,710      13,179       157      600     3,862      4,114      16,729       17,893
    金融、投資および保険            56,107      51,857     229,273      279,468      50,568      48,537      335,948       379,862
    政府および公的機関             4,651      4,645     83,741      98,017      1,798      1,968      90,190      104,630
    製造業            23,752      25,163       741     2,306     37,696      41,114      62,189       68,583
    個人ローン            361,814      361,459        664     1,170     57,410      50,433      419,888       413,062
    不動産業            50,396      50,406       489     2,044     16,673      27,992      67,558       80,442
    小売業             9,967      10,739       104      231     8,444      9,602      18,515       20,572
    運輸および倉庫            11,710      12,657       437     1,280      8,257      8,587      20,404       22,524
    卸売業            12,434      11,816       583     2,649     20,899      19,494      33,916       33,959
    その他            32,801      22,563      4,803      5,361     17,014      16,737      54,618       44,661
    総計
                632,764      621,272      322,299      396,820      260,595      267,614     1,215,658       1,285,706
    ECL引当金
                 (4,045)      (4,981)       (31)      (20)     (806)      (898)     (4,882)       (5,899)
    小計
                628,719      616,291      322,268      396,800      259,789      266,716     1,210,776       1,279,807
        (1)
                  (434)      (460)       -      -      -      -     (434)       (460)
    前受収益
    資産計上された仲介
    手数料およびその他の
        (1)
                 1,434      1,262        -      -      -      -    1,434       1,262
    組成費用
    信用リスクの最大
                629,719      617,093      322,268      396,800      259,789      266,716     1,211,776       1,280,609
    エクスポージャー
    (1)  2021年度において、過年度に前受収益内で相殺されていた繰延費用は、残高の性質により良く合致するように、資産計上
      された仲介手数料およびその他の組成費用に組み替えられた。
      比較情報は、これに従って修正再表示されている(2020年度:394百万ドル)。
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     信用リスクが生じる金融商品の産業別内訳は以下のとおりである。
                                        簿外信用関連の

                貸付金および前渡金             その他金融資産           コミットメント               合計
                2021年      2020年      2021年      2020年      2021年      2020年      2021年       2020年
                                  (単位:百万ドル)
    当行
    農業、林業、漁業
    および鉱業            18,283      19,555       297      946    14,305      15,837      32,885       36,338
    ビジネスサービス             8,096      7,544       73     105     5,618      5,747      13,787       13,396
    建設             4,710      4,649       30      19    5,241      5,331      9,981       9,999
    電力、ガス、水道供給             5,523      4,842       580     1,843      7,356      6,841      13,459       13,526
    娯楽、レジャーおよび
    観光            10,934      11,477       138      560     3,404      3,522      14,476       15,559
    金融、投資および保険            52,230      49,254     236,430      364,478      46,971      44,678      335,631       458,410
    政府および公的機関             4,621      3,347     65,429      75,554      1,113      1,224      71,163       80,125
    製造業            20,143      21,452       369     1,661     30,794      33,716      51,306       56,829
    個人ローン            278,526      279,899        638      697    45,886      49,421      325,050       330,017
    不動産業            37,580      37,605       379     1,024     14,424      14,526      52,383       53,155
    小売業             8,273      9,023       82     164     7,298      7,279      15,653       16,466
    運輸および倉庫            10,564      11,599       339     1,016      7,229      7,412      18,132       20,027
    卸売業            10,345       9,973       380     2,237     17,462      17,151      28,187       29,361
                 21,386      21,449      3,982      4,821     14,018      14,760      39,386       41,030
    その他
                491,214      491,668      309,146      455,125      221,119      227,445     1,021,479       1,174,238
    総計
                 (3,387)      (4,219)        (1)      (1)     (674)      (731)     (4,062)       (4,951)
    ECL引当金
                487,827      487,449      309,145      455,124      220,445      226,714     1,017,417       1,169,287
    小計
        (1)
                  (390)      (406)       -      -      -      -     (390)       (406)
    前受収益
    資産計上された仲介
    手数料およびその他の
        (1)
                 1,050       959       -      -      -      -    1,050        959
    組成費用
    信用リスクの最大
                488,487      488,002      309,145      455,124      220,445      226,714     1,018,077       1,169,840
    エクスポージャー
    (1)  2021年度において、過年度に前受収益内で相殺されていた繰延費用は、残高の性質により良く合致するように、資産計上
      された仲介手数料およびその他の組成費用に組み替えられた。
      比較情報は、これに従って修正再表示されている(2020年度:387百万ドル)。
     担保管理

     当行は、帳簿上および帳簿外のエクスポージャーについて、取引相手が返済義務を履行することができない場合の信用リス
    クを低減するために担保を利用している。十分な担保が設定されている場合は、予想信用損失は認識されない。これは主に、
    特定の貸付商品に対応する投資が担保に供され、これにマージンローンが利用されている場合、および売戻条件付契約の場合
    である。一部の商品については、顧客が差し入れる担保は当該商品の組成に不可欠であり、そのため担保は厳密には返済のた
    めの二次的な資金源にならない。例えば、売掛金で担保されている貸付は一般的には売掛金を回収することによって返済され
    る。当期中に、当グループの担保方針に変更はなかった。
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     関連する金融資産の種類について保有する担保および保証の内容は次のとおりである。
     正味貸付金および前渡金

     貸付金   ― 住宅ローンおよび             住宅ローンは、不動産に対する抵当権によって担保されており、追加担保
                      は保証または預り金の形態をとる場合もある。
     個人ローン
                      個人ローン(クレジットカードおよび当座貸越を含む)は、大半が無担保
                      である。担保を設定する場合は、適格な車両、モーターホームおよびその
                      他の資産に限定される。
     貸付金   ― 企業向け貸付金             企業向け貸付金は、担保付、部分担保付または無担保のいずれかである。
                      通常、不動産に対する抵当権および/または事業資産またはその他の資産
                      に対する担保権により担保を設定する。
                      適切な場合は、信用リスクを低減するために、保証、スタンドバイ信用状
                      またはデリバティブによるプロテクション等のその他の担保措置をとる場
                      合がある。
     その他金融資産
     売買目的有価証券、投資有価証                 売買目的有価証券については、当行は発行体または取引相手からの直接的
     券、デリバティブおよびその他金                 な担保は求めない。ただし、商品の条件において担保が含まれている場合
     融資産                 がある(例えば、資産担保証券)。債券の条件には、担保が含まれている
                      場合がある。
                      デリバティブに関する取引相手のデフォルトの際に、当行は通常、国際ス
                      ワップ・デリバティブ協会(「ISDA」)のマスター契約に基づいて、当該
                      取引相手とのすべての契約を解約し、デフォルト発生時点の市場水準で純
                      額決済する。
                      当行は、また、取引相手との未決済デリバティブ・ポジションが集計さ
                      れ、日次で現金担保(またはその他の形態の適格担保)を交換するISDAマ
                      スター契約のクレジット・サポート・アネックス(「CSA」)の利用を優先
                      的な慣行としている。担保は、取引相手のポジションがアウト・オブ・
                      ザ・マネーとなった際に取引相手から提供される(または、ANZのポジショ
                      ンがアウト・オブ・ザ・マネーとなった際に取引相手に提供される)。
     帳簿外のポジション
     未実行および条件付与信枠                 帳簿外のポジションの担保は、主に未実行の与信枠に対して保有され、通
                      常は契約履行保証または保証である。未実行の与信枠には、住宅用不動産
                      の抵当付住宅ローン、商用不動産および/または事業資産を担保にした事
                      業融資などがある。
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     下表は、当グループが保有する担保の見積価値および信用エクスポージャーの正味無担保部分を表示している。
                                                信用エクスポージャー

                        信用エクスポージャー              担保の価値総額             の無担保分
                         2021年      2020年      2021年      2020年      2021年      2020年
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    正味貸付金および前渡金
                         629,719      617,093      515,866      510,995      113,853      106,098
    その他金融資産                    322,268      396,800      24,410      45,246      297,858      351,554
    帳簿外のポジション                    259,789      266,716      52,512      51,361      207,277      215,355
    合計
                        1,211,776      1,280,609       592,788      607,602      618,988      673,007
                                                信用エクスポージャー

                        信用エクスポージャー              担保の価値総額             の無担保分
                         2021年      2020年      2021年      2020年      2021年      2020年
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    正味貸付金および前渡金
                         488,487      488,002      387,273      393,548      101,214      94,454
           1
                         309,145      378,487      22,027      42,000      287,118      336,487
    その他金融資産
    帳簿外のポジション                    220,445      226,714      36,676      36,372      183,769      190,342
    合計
                        1,018,077      1,093,203       445,976      471,920      572,101      621,283
    (1)  連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)とのグループ内取引に関して、当行は、2021年4月1日より、
      当該SEの発行済み証券を当行がすべて保有する場合の会計方針を変更した。SEとの取引は、今後総額ベースでは計上され
      ない。比較情報は修正再表示され、2020年9月30日現在におけるその他金融資産が76,637百万ドル減額されている。詳細
      は、注記35「新たな基準の適用ならびにその他の変更」を参照のこと。
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    市場リスク
     市場リスクの概要、管理および統制責任
     市場リスクは当グループのトレーディング活動、貸借対照表管理活動、金利、外国為替相場、信用スプレッドの変動または
    相関の影響、および債券、コモディティまたは株式の価格のボラティリティから生じる。
     BRCは、市場リスクおよび市場リスク方針の遵守状況に関する日々の統制責任を、信用および市場リスク委員会(CMRC)なら
    びにグループ資産負債委員会(「GALCO」)へ委譲している。
     BRCが定めた全体的な戦略および方針の範囲内で、事業部門およびリスク管理は、グループレベルでの市場リスクの統制に対
    して共同で責任を負う。市場リスク・チーム(事業部門から独立した専門家で構成されるリスク管理部門)は、市場リスク限
    度額を様々なレベルで配分し、これらを日次で監視および報告する。この詳細な枠組みにより、リスク要因と損益限度額を使
    用して、エクスポージャーを管理および統制するための個別の限度額が配分される。
     市場リスクの管理、測定および報告は、大まかに2つの区分で行われている。
     トレーディングに起因する市場リスク                              トレーディングに起因しない市場リスク

     現物のトレーディング・ポジションとデリバティブのトレー                              トレーディングに起因しない金利リスク、流動
     ディング・ポジションの双方の価格要素の変動に起因する金融                              性リスクおよび外国為替エクスポージャーの管
     商品の価値変動による損失リスク。監視される主なリスクの種                              理に伴う損失リスク。これには、銀行勘定にお
     類は以下のとおりである。                              ける金利リスクが含まれる。損失リスクは、金
     1.   通貨リスク     ― 外国為替相場またはその予想ボラティリティ                      利の全体的な水準および異なった期間の相対的
                                   水準における不利な変動、金利マージンの実際
       の変動から発生する潜在的損失。
                                   と予想の差異、ならびに、金融商品および銀行
     2.   金利リスク     ― 市場金利またはその予想ボラティリティの変
                                   商品における組込オプションに伴う潜在的な評
       動による潜在的損失。
                                   価リスクから発生する。
     3.   信用スプレッド・リスク           ― ベンチマークに対するマージン
       またはスプレッドの変動から発生する潜在的損失。
     4.   コモディティ・リスク          ― コモディティ価格またはその予想
       ボラティリティの変動から発生する潜在的損失。
     5.   株式リスク     ― 株価の変動から発生する潜在的損失。
     市場リスクの測定

     当グループは、主にバリュー・アット・リスク(「VaR」)、感応度分析およびストレステストを使用して、市場リスクを管
    理および統制している。
     VaRは、過去の市場の動きに基づいて、当グループの潜在的な1日の損失を測定する。
     当グループでは、トレーディングおよび非トレーディング・リスクの双方に関して、過去のデータに基づくシミュレーショ
    ンを行うことでVaRを測定している。当行は、以下の期間にわたる過去の市場レート、価格およびボラティリティの変動を使用
    する。
     ・ 標準的VaRを算出するために、過去500営業日
     ・ ストレス下のVaRを算出するために1年間のストレス下の期間
     トレーディングに起因するVaRおよびトレーディングに起因しないVaRは、1日および10日の保有期間を用いて算出されてい

    る。ストレス下のVaRについては、10日間の保有期間を用いる。当グループのVaRモデルが正確性を維持していることを確保す
    るために、バックテストが用いられる。
     ANZはVaRを99%の信頼区間で測定しているが、このことは、保有期間に損失がVaRを上回らない確率が99%ということを意味
    する。
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    トレーディングに起因する市場リスクおよびトレーディングに起因しない市場リスク
     トレーディングに起因する市場リスク
     以下の表は、リスク・カテゴリー別に分散化された基準でトレーディングに起因する市場リスクを示している。
                        2021年                       2020年

               当該日     年度最高      年度最低      年度平均      当該日     年度最高      年度最低      年度平均
                                (単位:百万ドル)
    連結
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因するVaR
    外国為替            3.8     10.0      1.3      3.9      2.0      6.1      1.2      3.1
    金利            9.6     19.6      4.3      8.8      9.6     13.8      3.3      7.2
    クレジット            6.3     22.2      5.3     13.7      13.9      17.1      1.8      8.6
    コモディティ            3.1      5.0      1.3      2.8      3.0      4.7      1.3      2.6
    資本             -      -      -      -      -      -      -      -
        (1)
                (9.4)    該当なし      該当なし        (9.7)     (10.9)    該当なし      該当なし        (8.0)
    分散効果
    VaR合計
                13.4      30.0      8.7     19.5      17.6      31.9      5.7     13.5
                        2021年                       2020年

               当該日     年度最高      年度最低      年度平均      当該日     年度最高      年度最低      年度平均
                                (単位:百万ドル)
    当行
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因するVaR
    外国為替            3.4      7.6      1.5      3.5      2.0      5.6      1.0      2.8
    金利            9.0     16.4      4.1      7.5      7.2     10.6      2.9      5.8
    クレジット            5.8     22.1      5.3     13.3      13.6      16.9      1.6      8.2
    コモディティ            2.3      5.4      1.4      2.7      2.7      4.3      1.3      2.2
    資本             -      -      -      -      -      -      -      -
        (1)
                (6.0)    該当なし      該当なし       (10.1)      (10.5)    該当なし      該当なし        (7.9)
    分散効果
    VaR合計
                14.5      26.0      9.6     16.9      15.0      24.5      5.3     11.1
    (1)  分散効果は、リスク・カテゴリー全体にわたって相殺されたリスクを反映している。VaR値の最高および最低はグループ全

      体として報告されているため、各要素について報告されたVaR値の最高および最低は、必ずしも同日に発生したわけではな
      い。そのため、最高および最低についての分散効果は重要なものではなく、したがって、表からは省略されている。
     トレーディングに起因しない市場リスク

     貸借対照表リスク管理
     貸借対照表リスク管理の主な目的は、金利リスクや流動性リスクを許容可能な水準に保ち、金利動向が収益や当グループの
    銀行勘定の時価にもたらす負の影響を軽減する一方、当グループが十分な流動性を確保し、期日の到来する債務の履行を可能
    にすることである。
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     金利リスク管理
     トレーディングに起因しない金利リスクとは、市場における金利変動が当グループの将来の純利息収益に及ぼす潜在的に不
    利な影響に関連するものである。このリスクは、主に2つの原因から生じる。すなわち、利付資産と利付負債の間の金利更改
    時期のミスマッチ、そして資本やその他の無利息の負債および資産の投資である。金利リスクは、VaRおよびシナリオ分析
    (1%変動の影響の分析)を用いて報告される。以下の表は、グループ合算に加えて、オーストラリア、ニュージーランドな
    らびにアジア太平洋、ヨーロッパおよびアメリカ(「APEA」)地域について、トレーディングに起因しない金利リスクのVaR値
    を別々に計算して示している。
                        2021年                       2020年

               当該日     年度最高      年度最低      年度平均      当該日     年度最高      年度最低      年度平均
    連結
                                (単位:百万ドル)
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因しないVaR
    オーストラリア            67.0      81.8      61.9      69.8      60.8      60.8      18.8      33.4
    ニュージーランド            21.6      32.8      21.6      26.7      26.3      26.3      9.4     15.2
    アジア太平洋、
    ヨーロッパおよび
    アメリカ            31.5      34.9      29.0      32.0      29.4      30.2      17.8      24.2
        (1)
                (32.9)    該当なし      該当なし       (53.7)      (61.4)    該当なし      該当なし       (29.5)
    分散効果
    VaR合計
                87.2      87.2      59.3      74.8      55.1      58.3      31.5      43.3
                        2021年                       2020年

               当該日     年度最高      年度最低      年度平均      当該日     年度最高      年度最低      年度平均
                                (単位:百万ドル)
    当行
    信頼水準99%の
    トレーディングに
    起因しないVaR
    オーストラリア            67.0      81.8      61.9      69.8      60.8      60.8      18.8      33.4
    ニュージーランド            0.0      0.0      0.0      0.0      0.0      0.1      0.0      0.0
    アジア太平洋、
    ヨーロッパおよび
    アメリカ            30.8      35.2      27.5      31.2      28.5      30.9      17.7      24.1
        (1)
                (31.9)    該当なし      該当なし       (36.2)      (43.3)    該当なし      該当なし       (21.4)
    分散効果
                65.9      69.9      55.0      64.8      46.0      47.6      25.5      36.1
    VaR合計
    (1)  分散効果の値は、これら地域間の過去の相関を反映したものである。VaR値の最高および最低はグループ全体として報告さ
      れているため、地域について報告されたVaR値の最高および最低は、必ずしも同日に発生したわけではない。そのため、最
      高および最低についての分散効果は重要なものではなく、したがって、表からは省略されている。
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     当グループは、例外的な事象が当グループの市場リスク・エクスポージャーに与える影響のストレステストを行うために、
    シナリオ分析を実施する。イールド・カーブが一晩でプラス方向に1%平行移動する変化が生じた場合をモデル化して、向こ
    う12か月間の純利息収益に与える潜在的影響を判定している。これは標準的なリスク測定であり、かかる平行移動がすべての
    ホールセール向けの利率と顧客向けの利率に反映されると仮定している。
     下記の表は、当事業年度および前事業年度のリスク測定の結果を、財務書類上の純利息収益に対する割合をもって示したも
    のである。
                                      連結             当行

                                  2021年      2020年      2021年       2020年
    1%の金利変動の影響
    期末現在                               2.43%      1.25%      2.02%       0.78%
    最大エクスポージャー                               2.43%      1.61%      2.02%       1.78%
    最低エクスポージャー                               0.98%      0.52%      0.54%       0.06%
    平均エクスポージャー(絶対値)                               1.55%      1.01%      1.08%       0.78%
     FVOCIで測定するものとして指定された持分証券

     当グループの投資有価証券には、主に長期の戦略的な理由で保有している投資で構成される持分投資が含まれている。当該
    持分投資に対する市場リスクの影響は、トレーディングに起因する市場リスクとトレーディングに起因しない市場リスクに対
    する当グループのVaRプロセスで測定することはできない。したがって、当グループは定期的にポートフォリオ内の投資の評価
    額を見直し、当該投資が注記12「投資有価証券」で記述している認識および測定の方針に基づいて適切に測定されているかを
    評価している。
     外国為替リスク       ― 構造的エクスポージャー

     豪ドル以外の機能通貨を用いる支店、子会社および関連会社などの海外事業への資本投資により、当グループは外国為替相
    場の変動リスクにさらされている。為替差額によって生じる海外事業の価値の変動は、資本における為替換算調整勘定に反映
    される。
     適切とみなされた場合には、当グループは大口の外貨建て収益源(主としてニュージーランドドル、米ドルおよび米ドル連
    動)に対して経済的ヘッジを実施する。ヘッジの主な目的は、実務的に可能であれば、連結自己資本比率に対する為替相場変
    動の影響が最小化されることを確保することである。
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    流動性および資金調達リスク
     流動性リスクの概要、管理および統制責任
     流動性リスクは、以下のいずれかのリスクである。
     ・ 当グループが、支払義務の期日が到来した際に、当該義務を履行することができない(預金の払戻しまたはホールセー
       ル債務の満期を含む)。
     ・ 当グループの資産の増加に対応するための適切な金額、期間および構成の資金調達および流動性を有していない。
     流動性および資金調達リスクの管理は、GALCOによって監視されている。当グループの流動性および資金調達リスクは、BRC

    により承認された一連の原則により管理され、当該原則には以下が含まれている。
     ・ すべての支払債務を短期に履行する能力を維持すること。
     ・ 短期から中期にわたって金銭的債務を履行するため、各現場とグループ全体の双方で、一連のANZ固有の流動性ストレ
       ス・シナリオと一般的な市場流動性ストレス・シナリオ下の「サバイバル期間」基準を確実に満たすこと。
     ・ 流動性リスクおよび資金調達リスク・プロファイルに対して長期的な耐性を確保するために、グループの貸借対照表構
       造の健全性を維持すること。
     ・ 各国の規制要件に準拠した流動性管理の枠組みを確保すること。
     ・ 当グループのポジションを数値化するために、日次の流動性報告書とシナリオ分析を作成すること。
     ・ 投資家の種類、満期、資金源および通貨による過度の集中を避けるために多様な資金調達基盤を対象とすること。
     ・ 資金調達状況の悪化に対処し、日々の業務を支えるために、質の高い流動資産を組み入れたポートフォリオを保有する
       こと。
     ・ 様々な流動性に関する危機的事象に備えるための詳細な危機管理計画を策定すること。
     流動性リスクについての重要な測定分野

     資金調達源のシナリオのモデル化
     ANZの流動性リスク選好度は、一連の規制および取締役会が義務付ける内部流動性測定基準で定められる。この測定基準は、
    異なった期間および深刻度に関する一連のシナリオを扱っている。
     この枠組みの重要な構成要素は、流動性カバレッジレシオ(「LCR」)であり、これはAPRAを含む銀行規制当局によって義務
    付けられる深刻な短期的流動性ストレス・シナリオである。LCR要件に準拠するための対応のひとつとして、当グループは、
    オーストラリア準備銀行(「RBA」)との間で流動性供給枠(「CLF」)を設定した。CLFは、オーストラリアにおいて、利用可
    能な質の高い流動資産(「HQLA」)の不足を埋め合わせ、代替的な形態の臨時的な流動性を提供するために設定された。CLFに
    は、国内住宅モーゲージ・バック証券などRBAへの差入担保として適格な資産が担保に供されている。適格なオーストラリアの
    公認預金受入機関が利用できるCLFの合計金額は、APRAにより毎年設定される。2021年9月、APRAはADIに書面で、APRAとRBA
    は、ADIがLCR要件を満たすために十分なHQLAを有していると認識しており、よって2022年以降はCLFの使用を義務付けない旨を
    通達した。
     2021年1月1日より、ANZのCLFは107億ドルである(2020暦年末:357億ドル)。APRAの要件に沿って、ANZのCLFは2022年の
    1月1日、4月30日、8月31日および12月31日に均等額の減額を行い、ゼロまで減額される予定である。この減額は、当期の
    ANZの資金調達計画の一環として管理される予定である。
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     流動資産
     過酷なストレス環境において当グループの流動性ポジションを保護し、また、規制要件を遵守するために、当グループは高
    品質で処分制約のない流動性資産ポートフォリオを保有している。HQLAは、バーゼル3のLCR要件と一致して、3つのカテゴ
    リーで構成されている。
     ・ HQLA1:現金、および信用度が最も高い政府、中央銀行または公的機関の証券で中央銀行による日中流動性を供給する
       ためのレポに適格とされるもの
     ・ HQLA2:信用度の高い政府、中央銀行または公的機関の証券、質の高い社債および質の高いカバード・ボンドで、中央
       銀行による日中流動性を供給するためのレポに適格とされるもの
     ・ 代替的流動資産(「ALA」):CLFの担保として適格な資産およびニュージーランド準備銀行(「RBNZ」)が国内市場の
       操作に使用できる適格証券
               (1)

     流動性リスクの結果
     流動性カバレッジレシオ
     2021年度のANZの流動性カバレッジレシオ(「LCR」)の平均は、2020年度の平均139%より低下し、136%となり規制の最低
    要件である100%を上回っている。
     正味安定資金調達比率

     2021年9月30日現在のANZの正味安定資金調達比率(「NSFR」)は124%(2020年:124%)で、規制の最低要件である100%
    を上回っている。
    (1)  この情報は、当グループの外部監査人であるKPMGによる当グループの財務報告書の外部監査の範囲に含まれていない。流

      動性カバレッジレシオおよび正味安定資金調達比率は、IFRSで求められる開示に含まれておらず、当グループのAPS第330
      号「開示」の一部として開示され、オーストラリア基準(「ASRS」)第4400号「合意された手続                                            ‐ 発見事項の報告業務」
      に準拠する特定のレビュー手続の対象となっている。
     流動性危機管理計画

     当グループは、ひとつの国およびグループ全体を対象とした流動性を脅かす事態の分析および対処するための、APRA承認の
    流動性危機管理計画を整備している。主要な流動性危機管理計画の要件およびガイドラインは以下のとおりである。
     事業継続の管理                  早期の兆候/軽度のストレス                  深刻なストレス

     ・ 危機/深刻度の度合いの設定                  ・ 監視およびレビュー                  ・ 能動的臨時資金調達計画
     ・ 流動性限度額                  ・ 事業の合理化を必要としない経                  ・ 資産および負債の動きを変更す
     ・ 早期警告指標                    営措置                  る経営措置
     内外向けコミュニケーション担当の割当ておよびコミュニケーションの適切な時期
     ストレス事象の正確な内容を事前に知ることはできないため、当グループはストレス事象の内容および深刻度に応じて柔軟

    性を持たせた計画を設計しており、複数の代替によりいかなる計画にも適応可能にしている。
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     当グループの資金調達
     当グループは、資金調達の構成と安定性が、当グループの資金調達リスク選好度の範囲内にとどまるよう監視している。こ
    の手法は、当グループ資産の適切な割合が、顧客預金、長期ホールセール資金調達(残存期間が1年を超えるもの)、および
    資本等の安定した資金源で確実に調達されるようにしている。
     作成された資金調達計画                           資金調達計画作成における検討事項

     ・ 年次で作成される3か年戦略計画                           ・ 顧客の貸借対照表の成長
     ・ 予算プロセスの一環としての年次資金調達計画                           ・ ホールセール資金調達(優先債、担保付債券、劣後
     ・ 年次計画の調整としての、実績を考慮した予測                             債、およびハイブリッド証券の取引に関して目標と
                                 される資金調達額、市場、投資家、期間および通貨
                                 を含む)ならびに市場の状況の変化
     RBAのターム資金供給ファシリティ

     2020年3月、RBAは、新たな資金源としてオーストラリアの企業部門への貸付を支援するための銀行システム向けターム資金
    供給ファシリティ(「TFF」)を発表した。TFFは、ADIに対する0.25%の固定金利の3年間の有担保の資金供給ファシリティで
    ある。APRAは、TFFが流動性カバレッジレシオ(「LCR」)および正味安定資金調達比率(「NSFR」)の算定に含めるための適
    格性を有すると決定した。ADIは、オーストラリアの家計および企業に対するその既存の与信残高の3%まで当初の資金提供を
    受けることが可能で、企業、特に小規模および中規模の企業に対する貸付を増加させた場合には追加的な資金提供を受けるこ
    とができる。TFFは、2021年6月30日にその実行が終了した。
     2021年9月30日現在、ANZはRBAのTFFに基づき201億ドルを調達した。
     RBNZの貸出資金供給プログラムおよびターム貸付ファシリティ

     ・ 2020年5月から2021年7月の間、RBNZは企業への貸出を促進させるために、ターム貸付ファシリティ(「TLF」)の下で
       資金供給を行った。TLFは、ニュージーランドの銀行向けの3年から5年の0.25%の固定金利での有担保資金供給ファシ
       リティである。
     ・ 2020年11月、RBNZはニュージーランドの企業および一般家庭の借入コストの引下げを目的とした貸出資金供給プログラ
       ム(FLP)を発表した。FLPは、ニュージーランドの政策金利(「OCR」)による変動金利でのニュージーランドの銀行向
       けの3年の有担保資金供給ファシリティである。ニュージーランドの銀行は、2020年10月31日時点でニュージーランド
       の居住者世帯、一般世帯にサービスを提供する非金融企業および非営利団体に対する貸付(適格ローン)の4%を上限
       に初回の資金供給を受けることができる。一定の条件を満たすことを条件に、適格ローンの2%を上限とした追加の供
       給を利用することができる。この追加の供給は2022年12月6日まで利用が可能であり、初回の供給は2022年6月6日ま
       で利用が可能である。
     2021年9月30日現在、ANZ            NZはTLFに基づき3億ドル、FLPに基づき9億ドルを調達した。

     当グループの負債の契約上の残存期間別分析

     以下の表は、9月30日現在の売買目的保有として再分類された金融負債を含む、金融負債の契約上の残存期日別分析を、関
    連する期日のグループごとに示している。すべての発行済社債および劣後債の期日は、当グループが支払を求められる可能性
    がある最も早い日に基づいている。すべての要求払い負債は、「3か月未満」の区分で報告されている。満期日が定められて
    いない他のすべての項目は、「5年超」の区分に含まれている。これらの金額は、元本および利息のキャッシュフローを示し
    ており、相当する貸借対照表に報告された金額とは異なる可能性がある。本注記の目的上、貸借対照表上で売却目的保有負債
    として表示されている負債は、各貸借対照表の区分に再配分されている。
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     これは当グループがどのように流動性リスクを管理しているかを示すものではないことに注意しなければならない。このリ
    スクの管理については196ページ(訳注:原文のページ番号である。)で詳述している。
                                         1年から

                                  3か月から
                           3か月未満        12か月       5年      5年超       合計
    連結
                                      (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
    ANZの未払決済残高                         17,427         -       -      -    17,427
    受取担保                         5,657         -       -      -    5,657
    預金およびその他の借入金                        634,145       84,357       25,247        227    743,976
    支払承諾                          392        -       -      -     392
         (1)
                             4,218      24,928       65,198      14,588      108,932
    発行済社債
    デリバティブ負債
                     (2)
                             30,474         -       -      -    30,474
    (貸借対照表管理目的保有を除く)
    リース負債                           86      224       755      301     1,366
    デリバティブ資産および負債
              (3)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達
       流入                      (29,186)       (36,462)       (62,061)      (14,334)      (142,043)
       流出                      28,538       35,082       61,867      14,473      139,960
     -その他貸借対照表管理
       流入                     (104,036)       (37,275)       (14,982)       (8,029)     (164,322)
       流出                      103,586       36,804       15,457       9,974     165,821
    2020年9月30日現在

    ANZの未払決済残高                         22,241         -       -      -    22,241
    受取担保                         9,304         -       -      -    9,304
    預金およびその他の借入金                        576,506       90,241       18,025        159    684,931
    支払承諾                          449        -       -      -     449
         (1)
                             5,174      26,642       78,181      16,948      126,945
    発行済社債
    デリバティブ負債
                     (2)
                            123,865          -       -      -   123,865
    (貸借対照表管理目的保有を除く)
    リース負債                           72      248       809      390     1,519
    デリバティブ資産および負債
              (3)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達
       流入                      (11,170)       (21,569)       (69,594)      (18,243)      (120,576)
       流出                      10,856       20,206       66,455      17,403      114,920
     -その他貸借対照表管理
       流入                      (75,098)       (40,956)       (9,738)      (8,512)     (134,304)
       流出                      75,226       40,401       10,031       7,271     132,929
    (1)  繰上償還可能なホールセール社債の満期は次の繰上償還日としている。5年超の残高には、当グループの選択により、現
      金または株式で決済することができる劣後債務商品および永久債が含まれている。
    (2)  デリバティブ負債(貸借対照表管理目的保有を除く)の評価損益に対する決済に関する調整後の時価は、すべて「3か月
      未満」の区分に含まれている。
    (3)  ヘッジ関係に指定された202百万ドル(2020年度:4,484百万ドル)および売買目的保有に分類されているが当グループの
      バランスシート活動の一部を成す5,359百万ドル(2020年度:6,362百万ドル)のデリバティブを含む。
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     2021年9月30日現在、当グループが支払を求められる可能性のある最も早い日に基づくと、212,265百万ドル(2020年度:
    227,819百万ドル)の当グループの未実行与信枠および48,330百万ドル(2020年度:39,795百万ドル)の発行済保証が1年以内
    に期日を迎える。
                                         1年から

                                  3か月から
                           3か月未満        12か月       5年      5年超       合計
    当行
                                      (単位:百万ドル)
    2021年9月30日現在
    ANZの未払決済残高                         14,922         -       -      -    14,922
    受取担保                         5,148         -       -      -    5,148
    預金およびその他の借入金                        524,654       60,427       21,844        227    607,152
    支払承諾                          223        -       -      -     223
         (1)
                             4,108      20,244       54,465       8,965      87,782
    発行済社債
    デリバティブ負債
                     (2)
                             34,240         -       -      -    34,240
    (貸借対照表管理目的保有を除く)
    リース負債                           81      208       814      989     2,092
    デリバティブ資産および負債
              (3)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達
       流入                      (25,170)       (26,362)       (48,026)       (7,364)     (106,922)
       流出                      24,523       25,344       47,467       7,318     104,652
     -その他貸借対照表管理
       流入                     (102,921)       (35,426)       (11,063)       (7,633)     (157,043)
       流出                      102,346       34,908       11,501       9,587     158,342
    2020年9月30日現在

    ANZの未払決済残高                         19,556         -       -      -    19,556
    受取担保                         8,074         -       -      -    8,074
    預金およびその他の借入金                        479,498       65,779       14,419        158    559,854
    支払承諾                          224        -       -      -     224
         (1)
                             4,627      21,483       64,102      12,775      102,987
    発行済社債
    デリバティブ負債
                     (2)
                            124,027          -       -      -   124,027
    (貸借対照表管理目的保有を除く)
    リース負債                           66      234       855     1,114      2,269
    デリバティブ資産および負債
              (3)
    (貸借対照表管理)
     -資金調達
       流入                      (8,430)      (14,025)       (51,487)      (13,620)      (87,562)
       流出                       8,038      12,930       49,365      12,942      83,275
     -その他貸借対照表管理
       流入                      (74,219)       (40,186)       (8,321)      (8,343)     (131,069)
       流出                      74,097       39,327       8,048      7,029     128,501
    (1)  繰上償還可能なホールセール社債の満期は次の繰上償還日としている。5年超の残高には、当行の選択により、現金また
      は株式で決済することができる劣後債務商品および永久債が含まれている。
    (2)  デリバティブ負債(貸借対照表管理目的保有を除く)の評価損益に対する決済に関する調整後の時価は、すべて「3か月
      未満」の区分に含まれている。
    (3)  ヘッジ関係に指定された158百万ドル(2020年度:3,202百万ドル)および売買目的保有に分類されているが当行のバラン
      スシート活動の一部を成す2,607百万ドル(2020年度:4,001百万ドル)のデリバティブを含む。
     2021年9月30日現在、当行が支払を求められる可能性のある最も早い日に基づくと、176,077百万ドル(2020年度:191,300

    百万ドル)の当行の未実行与信枠および45,042百万ドル(2020年度:36,146百万ドル)の発行済保証が1年以内に期日を迎え
    る。
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    18.  金融資産および金融負債の公正価値
     当グループは、金融商品の多くを貸借対照表において公正価値で計上している。公正価値とは、測定日における市場参加者

    間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格、または負債を移転するために支払われるであろう
    価格の最善の見積りである。
     評価

     当グループは、公正価値の正確な計算、報告、統制を確実なものとするために、適切な職務分掌を含む統制の枠組みを確立
    している。この枠組みは以下の機能を含んでいる。
     ・ 公正価値を適切に算定することが可能な商品のみ、外部顧客および取引相手との取引が承認される。
     ・ 金融商品を評価する際に用いる市場相場価格は、外部の価格提供者からの情報によって独立して検証される。
     ・ 公正価値評価手法およびインプットは、取引を実行する当事者から独立した部門により評価および承認される。
     ・ 公正価値の変動は、独立して監視され、公正価値を裏付ける関連要因を参照することによって説明される。
     ・ 評価調整(資金調達評価調整、信用評価調整およびビッド・オファー調整など)は、独立して検証され、監視される。
     当グループが相殺されるリスク・ポジションを保有する場合、当グループはAASB第13号「公正価値測定」(AASB第13号)の

    ポートフォリオの例外措置を利用して、かかる金融資産および金融負債グループの公正価値を測定する。当グループは、特定
    のリスク・エクスポージャーについての正味ロング・ポジション(資産)の売却で受け取るであろう価格、または特定のリス
    ク・エクスポージャーについての正味ショート・ポジション(負債)を移転するための価格に基づいてポートフォリオを測定
    している。
     公正価値指定

     当グループは、以下のように、一部の貸付金および前渡金、一部の預金およびその他の借入金ならびに発行済社債を、損益
    を通じて公正価値評価するものとして指定している。
     ・ 当該商品のキャッシュフローを著しく変更する可能性がある、分離可能な組込デリバティブを含んでいる場合、または
     ・ 資産または負債が償却原価で計上された場合に発生する可能性のある会計上のミスマッチを解消するため。このミス
       マッチは、デリバティブ金融商品(当該資産または負債の金利リスクを緩和するために取得されたもの)を、損益を通
       じて公正価値で測定することによる。
     当グループのアプローチは、当該資産または負債の公正価値の変動が、関連するデリバティブに係る変動と同一期間に純損

    益で確実に認識されるようにしている。
     また、一部の貸付金および前渡金、一部の預金およびその他の借入金ならびに発行済社債についても、商品の管理方法と測
    定方法を合わせるために公正価値で管理している場合には、損益を通じて公正価値で評価するものとして指定することがあ
    る。
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     公正価値に関するアプローチおよび評価技法
     当グループは、資産および負債の認識、測定および開示の目的で公正価値を見積もる際に、その資産または負債の活発な市
    場における市場相場価格が存在しない場合には評価技法を使用する。これには以下が含まれる。
     資産または負債                  公正価値アプローチ

     以下に分類される金融商品:                  信用リスク、満期および利回り特性が類似した金融商品についての観察可
     売買目的有価証券                  能な市場インプットを組み込む形にモデル化された評価技法が使用され
     -   空売り有価証券                る。活発な市場で売買されていない持分商品については、比較可能な会社
                       の株価収益率を用いて測定される場合がある。
     -   デリバティブ金融資産および金
      融負債
     -   投資有価証券
     以下に分類される金融商品:                  商品の契約上の将来キャッシュフローが、ホールセール市場金利、または
     -   正味貸付金および前渡金                満期が類似する、もしくは残存期間についてのイールド・カーブが適切な
                       債務の市場金利を用いて割り引かれる場合に使用される割引キャッシュフ
     -   預金およびその他の借入金
                       ロー法。
     -   発行済社債
     金融資産および金融負債の分類

     以下の表は、測定基準に基づいた金融資産および金融負債の区分および貸借対照表で認識されている帳簿価額を記載してい
    る。
                               2021年                  2020年

                    注記    償却原価      公正価値       合計     償却原価      公正価値       合計
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    金融資産
    現金および現金同等物                 9    151,260         -   151,260      107,923         -   107,923
    ANZの未収決済残高                     7,530        -    7,530      7,541        -    7,541
    支払担保                     9,166        -    9,166     14,308        -    14,308
    売買目的有価証券                10       -   44,688      44,688        -   50,913      50,913
    デリバティブ金融商品                11       -   38,736      38,736        -   135,331      135,331
    投資有価証券                12     7,031     76,095      83,126      6,816     86,575      93,391
    正味貸付金および前渡金                13    626,099       3,620     629,719      613,155       3,938     617,093
    規制上の預け金                      671       -     671      801       -     801
                          2,054        -    2,054      2,407        -    2,407
    その他金融資産
                         803,811      163,139      966,950      752,951      276,757     1,029,708
    合計
    金融負債
    ANZの未払決済残高                     17,427        -    17,427      22,241        -    22,241
    受取担保                     5,657        -    5,657      9,304        -    9,304
    預金およびその他の借入金                15    738,772       4,284     743,056      679,255       3,078     682,333
    デリバティブ金融商品                11       -   36,035      36,035        -   134,711      134,711
    支払債務およびその他の負債                     4,734      3,913      8,647      5,285      3,843      9,128
                         99,092      1,962     101,054      117,509       2,159     119,668
    発行済社債                16
                         865,682      46,194      911,876      833,594      143,791      977,385
    合計
                                346/560







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                               2021年                  2020年
                    注記    償却原価      公正価値       合計     償却原価      公正価値       合計
                                     (単位:百万ドル)
    当行
    金融資産
    現金および現金同等物                 9    141,436         -   141,436      98,083        -    98,083
    ANZの未収決済残高                     7,183        -    7,183      7,116        -    7,116
    支払担保                     8,343        -    8,343     13,012        -    13,012
    売買目的有価証券                10       -   34,752      34,752        -   38,423      38,423
    デリバティブ金融商品                11       -   38,292      38,292        -   130,552      130,552
    投資有価証券                12     5,262     62,678      67,940      5,354     74,930      80,284
    正味貸付金および前渡金                13    485,015       3,472     488,487      483,986       4,016     488,002
    規制上の預け金                      213       -     213      199       -     199
                (1)
                         21,489      2,041      23,530      22,089      1,928      24,017
    被支配法人に対する債権
    その他金融資産                     1,371        -    1,371      1,460        -    1,460
    合計
                         670,312      141,235      811,547      631,299      249,849      881,148
    金融負債
    ANZの未払決済残高                     14,922        -    14,922      19,556        -    19,556
    受取担保                     5,148        -    5,148      8,074        -    8,074
    預金およびその他の借入金                15    606,673        50    606,723      556,676       1,460     558,136
    デリバティブ金融商品                11       -   37,005      37,005        -   131,230      131,230
                (1)
                         23,079        -    23,079      24,295        -    24,295
    被支配法人に対する債務
    支払債務およびその他の負債                     3,999      3,245      7,244      4,377      3,693      8,070
    発行済社債                     77,053      4,035      81,088      92,832      4,218      97,050
                     16
    合計
                         730,874      44,335      775,209      705,810      140,601      846,411
    (1)  連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)とのグループ内取引に関して、当行は、2021年4月1日より、当
      該SEの発行済み証券を当行がすべて保有する場合の会計方針を変更した。SEとの取引は、今後総額ベースでは計上されな
      い。比較情報は修正再表示され、2020年9月30日現在における被支配法人に対する債権および被支配法人に対する債務は
      76,637百万ドル減額されている。詳細は、注記35「新たな基準の適用ならびにその他の変更」を参照のこと。
     公正価値ヒエラルキー

     当グループは、公正価値で計上される資産および負債を、AASB第13号「公正価値測定」の要求に従い、公正価値を測定する
    ために用いられるインプットの観察可能性に基づいて公正価値ヒエラルキーに区分している。
     ・ レベル1―同一の資産または負債の活発な市場における相場価格(無調整)に基づく評価
     ・ レベル2―類似の資産または負債について直接的または間接的に観察可能な、レベル1に含まれる相場価格以外のイン
       プットを用いた評価
     ・ レベル3―資産または負債の公正価値を測定するために重要な観察不能なインプットが用いられる評価
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     以下の表は、公正価値ヒエラルキーに基づいた公正価値で測定される資産および負債を示したものである。
                                    公正価値測定

                   活発な市場に           観察可能な           観察不能な
                   おける相場価格          インプットを使用           インプットを使用
                   (レベル1)           (レベル2)           (レベル3)             合計
                  2021年     2020年     2021年      2020年      2021年     2020年      2021年      2020年
                                   (単位:百万ドル)
    連結
    資産
            (1)
                  36,025     44,004      8,663      6,909       -     -   44,688      50,913
    売買目的有価証券
    デリバティブ金融商品                494     681    38,187     134,588        55     62    38,736     135,331
          (1)
                  68,007     85,330      6,756       137    1,332     1,108     76,095      86,575
    投資有価証券
    正味貸付金および前渡金                 -     -   3,510      3,925      110      13    3,620      3,938
    合計
                  104,526     130,015      57,116     145,559      1,497     1,183     163,139      276,757
    負債

    預金およびその他の借入金                 -     -   4,284      3,078       -     -    4,284      3,078
    デリバティブ金融商品               1,131     1,120     34,874     133,536        30     55    36,035     134,711
    支払債務およびその他の
      (2)
                   3,690     3,830      223      13      -     -    3,913      3,843
    負債
    発行済社債
                     -     -   1,962      2,159       -     -    1,962      2,159
    (公正価値評価に指定)
    合計
                   4,821     4,950     41,343     138,786        30     55    46,194     143,791
                                    公正価値測定

                   活発な市場に           観察可能な           観察不能な
                   おける相場価格          インプットを使用           インプットを使用
                   (レベル1)           (レベル2)           (レベル3)             合計
                  2021年     2020年     2021年      2020年      2021年     2020年      2021年      2020年
                                   (単位:百万ドル)
    当行
    資産
            (1)
                  27,764     35,170      6,988      3,253       -     -   34,752      38,423
    売買目的有価証券
    デリバティブ金融商品                470     662    37,788     129,832        34     58    38,292     130,552
          (1)
                  56,277     73,838      5,354       105    1,046      987    62,677      74,930
    投資有価証券
    正味貸付金および前渡金                 -     -   3,362      4,016      110      -    3,472      4,016
    被支配法人に対する債権                 -     -   2,041      1,928       -     -    2,041      1,928
    合計
                  84,511     109,670      55,533     139,134      1,190     1,045     141,234      249,849
    負債

    預金およびその他の借入金                 -     -     50    1,460       -     -     50    1,460
    デリバティブ金融商品               1,121     1,109     35,854     130,066        30     55    37,005     131,230
    支払債務およびその他の
      (2)
                   3,040     3,680      205      13      -     -    3,245      3,693
    負債
    発行済社債
                    998     996    3,037      3,222       -     -    4,035      4,218
    (公正価値評価に指定)
    合計
                   5,159     5,785     39,146     134,761        30     55    44,335     140,601
    (1)  当年度中に、当グループおよび当行で、3,845百万ドルの資産がインプットの観察可能性の変化により、レベル1からレベ
      ル2に振り替えられた(2020年度:127百万ドルの資産がレベル2からレベル1に振替)。当年度中のその他の重要な振替
      はなかった。レベル間の振替は、当該振替が発生した報告期間の期首現在で測定されている。
    (2)  支払債務およびその他の負債は空売り有価証券に関連しているが、空売り有価証券は売買目的保有に分類され、損益を通
      じて公正価値評価されている。
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     観察不能な市場データを組み込んだ公正価値測定
     レベル3の公正価値測定
     レベル3の金融商品の正味残高は、当グループが1,467百万ドル(2020年度:1,128百万ドル)の資産、当行が1,160百万ドル
    (2020年度:1,003百万ドル)の資産である。
     重要な観察不能なインプットが組み込まれている資産および負債には、主に以下が含まれる。
     ・ 活発な市場がない、または取引価格が観察不能な株式
     ・ 公正価値で測定することが要求され、観察可能な市場データが存在しない正味貸付金および前渡金
     ・ 主に市場活動がないために観察不能となっている市場金利を参照するデリバティブ
     レベル3金融商品の正味残高の増加は、天津銀行に対する投資の再評価(当グループおよび当行)および非上場の持分投資

    の増加(当グループ)に伴う投資有価証券の増加によるものである。
     当グループおよび当行において、当年度中に当該金融商品の評価パラメーターが観察可能となったデリバティブ負債5百万
    ドルがレベル3からレベル2に振り替えられた。また、当年度中に当該貸付金の評価パラメーターが観察不能となった公正価
    値で測定される貸付金および前渡金105百万ドルがレベル2からレベル3に振り替えられた。当年度または前年度において、そ
    の他のレベル3への振替もレベル3からの振替もなかった。
     天津銀行    ( 「 BoT  」 )

     当該投資は、比較可能な銀行の株価純資産(「P/B」)倍率に基づいて評価されている(P/B倍率は、株式の市場価格と帳簿
    価額の比率である)。適切な倍率を決定するに当たって適用される判断の範囲および倍率が導き出される際に用いられる比較
    対象グループは、観察不能インプットであり、結果的にレベル3に分類される。
     レベル3インプットの感応度

     重要なインプットが市場で直接的に観察できない(レベル3インプット)ことにより、当グループが仮定を使用する場合、
    こうした仮定を変更することにより、商品の公正価値の見積額は変動する。有利な変動および不利な変動は、主として評価を
    導き出すために使用される観察不能なパラメーターを変更することによって算定される。
     天津銀行    ( 「 BoT  」 )

     BoTへの投資の評価は、選択された観察不能なインプット、すなわちP/B倍率に影響される。P/B倍率が10%増加または減少し
    た場合、当該投資の公正価値の99百万ドル(2020年度:93百万ドル)の増加または減少につながり、株主資本に認識される。
     その他

     残りのレベル3の残高は重要ではなく、インプットの変動による当グループの純利益および純資産への影響は軽微である。
     公正価値の繰延損益

     金融商品の公正価値に重要な影響を与える観察不能なインプットを用いて公正価値が決定される場合、当グループは、取引
    価格と評価技法に基づく算定額との差額(取引日における損益)を純損益として直ちに認識することはない。当初認識後、繰
    延額は、取引残存期間にわたり定額法によって、またはすべてのインプットが観察可能になった際に、純損益に認識される。
     繰り延べられている取引日損益は重要ではない。
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     公正価値で測定されない金融資産および金融負債
     次表は、当グループにおいて償却原価で計上される金融資産および金融負債について、帳簿価額が公正価値の合理的な近似
    値とならないことが一般的である場合における、公正価値を見積もる際の基準について記載している。
     金融資産および金融負債               公正価値アプローチ

     投資有価証券-償却原価で測               市場相場価格または該当する場合は観察可能なインプットに基づいた計算。市場
     定される負債証券               相場価格が入手不能な場合には、債務商品の満期までの残存期間に関して適切な
                   イールド・カーブを用いた割引キャッシュフロー・モデルを使用する。公正価値
                   はその金融商品に関して適用される信用スプレッドに対する調整を反映してい
                   る。
     銀行に対する正味貸付金およ               信用の質が類似する貸付に適用される一般的な市場金利を用いて割引いたキャッ
     び前渡金               シュフロー。
     顧客に対する正味貸付金およ               将来キャッシュフローをホールセール市場金利の変動、当グループのホールセー
     び前渡金               ル資金調達コストおよび顧客マージンを必要に応じて組み込んだイールド・カー
                   ブを使用して割引いた現在価値。
     満期の定めのない預金負債ま               報告日現在の要求払いの金額。預金を将来期間に継続することにより当グループ
     たは要求払い預金負債               が得ることが予想される価値に関しては公正価値を調整していない。
     満期が定められている利付預               満期が類似する債務に係る市場借入金利を用いて割り引いた契約上のキャッシュ
     金ならびに市場相場金利のあ               フロー。
     るその他の借入金および支払
     承諾
     発行済社債               市場相場価格または該当する場合は観察可能なインプットに基づいた計算。市場
                   相場価格が入手不能な場合には、債務商品の満期までの残存期間に関して適切な
                   イールド・カーブを用いた割引キャッシュフロー・モデルを使用する。
                   公正価値にはその金融商品に関してANZに適用される信用スプレッドに対する調整
                   を反映している。
     次の表に掲載された金融資産および金融負債は当グループの貸借対照表において償却原価で計上されている。これは資産が

    現金化され、負債が決済されると予想される価値であるが、当グループは次の表において貸借対照表日における金融資産およ
    び金融負債の公正価値の見積りを示している。
                                       公正価値ヒエラルキーでの区分

                                    活発な市場における             観察可能な
                                       相場価格         インプットを使用
                            償却原価          (レベル1)           (レベル2)
                          2021年     2020年     2021年     2020年     2021年     2020年
    連結
                                    (単位:百万ドル)
    金融資産
    正味貸付金および前渡金                      626,099     613,155         -     -   16,906     22,862
    投資有価証券                       7,031     6,816        -     -   7,043     6,816
    合計                      633,130     619,971         -     -   23,949     29,678
    金融負債
    預金およびその他の借入金                      738,772     679,255         -     -  738,840     679,544
    発行済社債                      99,092     117,509      27,785     26,107     73,332     93,187
    合計                      837,864     796,764      27,785     26,107     812,172     772,731
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                         公正価値ヒエラルキー
                            での区分
                          重要な観察不能な
                          インプットを使用
                           (レベル3)          公正価値(合計)
                          2021年     2020年     2021年     2020年
                               (単位:百万ドル)
    連結
    金融資産
    正味貸付金および前渡金                      609,541     591,296     626,447     614,158
    投資有価証券                         -     -   7,043     6,816
    合計                      609,541     591,296     633,490     620,974
    金融負債
    預金およびその他の借入金                         -     -  738,840     679,544
    発行済社債                         -     -  101,117     119,294
    合計                         -     -  839,957     798,838
                                       公正価値ヒエラルキーでの区分

                                    活発な市場における             観察可能な
                                       相場価格         インプットを使用
                            償却原価          (レベル1)           (レベル2)
                          2021年     2020年     2021年     2020年     2021年     2020年
    当行
                                    (単位:百万ドル)
    金融資産
    正味貸付金および前渡金                      485,015     483,986         -     -   16,050     22,350
    投資有価証券                       5,263     5,354        -     -   5,275     5,352
                (1)
                          21,489     22,089        -     -     -     -
    被支配法人に対する債権
    合計                      511,767     511,429         -     -   21,325     27,702
    金融負債
    預金およびその他の借入金                      606,673     556,676         -     -  606,723     556,805
    発行済社債                      77,053     92,832     24,280     23,214     54,421     71,133
                (1)
                          23,079     24,295        -     -     -     -
    被支配法人に対する債務
    合計                      706,805     673,803      24,280     23,214     661,144     627,938
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                         公正価値ヒエラルキー
                            での区分
                          重要な観察不能な
                          インプットを使用
                           (レベル3)          公正価値(合計)
                          2021年     2020年     2021年     2020年
                               (単位:百万ドル)
    連結
    金融資産
    正味貸付金および前渡金                      469,363     462,073     485,413     484,423
    投資有価証券                         -     -   5,275     5,352
                (1)
                          21,489     22,089     21,489     22,089
    被支配法人に対する債権
    合計                      490,852     484,162     512,177     511,864
    金融負債
    預金およびその他の借入金                         -     -  606,723     556,805
    発行済社債                         -     -   78,701     94,347
                (1)
                          23,079     24,295     23,079     24,295
    被支配法人に対する債務
    合計                      23,079     24,295     708,503     675,447
    (1)  連結されている証券化目的で組成された事業体(「SE」)とのグループ内取引に関して、2021年4月1日より、当行は、
      当該SEの発行済み証券を当行がすべて保有する場合の会計方針を変更した。SEとの取引は、今後総額ベースでは計上され
      ない。比較情報は修正再表示され、2020年9月30日時点における被支配法人に対する債権および被支配法人に対する債務
      が76,637百万ドル減額されている。詳細は、注記35「新たな基準の適用ならびにその他の変更」を参照のこと。
     重要な判断および見積り

     貸借対照表日における金融資産および金融負債の帳簿価額を算定するにあたり、財務書類に計上された評価額につ
     いては高度の判断および見積りを伴うことがあるため、当グループはそれらの重要な評価額の正確性を評価してい
     る。
     当グループが用いる評価モデルの大部分は観察可能な市場データのみをインプットとして使用している。この点は
     COVID-19を受けて変更されていないが、当グループは、公正価値測定の仮定における経済および市場の混乱による
     影響および評価インプット、特に評価調整の適切性、ならびに、公正価値ヒエラルキーにおけるエクスポージャー
     の分類に対する新型コロナウイルスの影響を考慮している。
     特定の金融商品については、現在の市場では容易に観察できないデータを使用することもある。観察不能な市場
     データを使用する場合には、評価全体に対する観察不能なインプットの重要性に応じて、公正価値を算定するため
     の判断の行使がより求められる。一般には、観察不能なインプットを他の関連市場データから取得し、それらを入
     手可能な場合には観察された取引価格と比較している。
     評価技法を用いて金融商品の公正価値を評価するにあたって、当グループは公正価値の算定に評価調整を考慮して
     いる。当グループは市場参加者が公正価値の算定にあたり考慮するであろう要素を当グループの評価に反映するた
     め、調整(ビッド/オファー・スプレッド、信用評価調整および資金調達評価調整など。注記11「デリバティブ金
     融商品」を参照のこと)を適用することがある。
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    19.  担保に供している資産および受け入れている担保物件
     以下の開示からは、デリバティブ負債およびデリバティブ資産に関連するものとして貸借対照表に表示されている支払担保

    および受取担保の金額が除かれている。それらの担保契約の条件は、国際スワップ・デリバティブ協会のマスター契約の一部
    を構成する標準クレジット・サポート・アネックスに記載されており、当グループの大部分のデリバティブはこれに従って実
    行されている。
     担保に供している資産

     担保に供している資産には、以下の種類の商品が含まれる。
     ・ 買戻条件付取引の担保に供された有価証券。これらの取引は業界の標準的な契約に準拠している。
     ・ ANZのカバード・ボンド・プログラムの一環として、投資家に発行した債券および社債の担保に供された特定の住宅モー
       ゲージ。
     ・ 中央銀行に差し入れている担保。
     ・ 清算機関に差し入れている担保。
     担保として差し入れられている資産の帳簿価額は、以下のとおりである。

                                      連結             当行

                                  2021年      2020年      2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
              (1)
                                  51,208      61,415      48,663       60,612
    買戻条件付売却証券
    カバード・ボンドの担保として差し入れられた
    住宅抵当証券                              28,816      28,559      17,925       17,937
    その他                               4,039      4,990      3,963       4,921
    (1)  買戻条件付売却証券として開示されている金額には下記の両方が含まれる。
      ・ 担保として差し入れられている資産で当グループの貸借対照表に引き続き認識されるもの
      ・ 以下の開示に含まれる転質された資産
     受け入れ担保物件

     ANZは様々な財務取引に関連して担保を受け入れている。特定の取決めに基づき、ANZは受け取った担保を売却または転質す
    る権利を有している。これらの取決めは業界の標準的な契約に準拠している。
     受入担保および売却または転質した担保の公正価値は以下のとおりである。
                                      連結             当行

                                  2021年      2020年      2021年       2020年
                                        (単位:百万ドル)
    売却または転質可能な資産の公正価値
                                  26,814      54,242      25,679       53,118
    売却または転質された資産の公正価値                              18,741      32,578      18,189       32,308
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    20.  相殺
     下記の両方の条件を満たしている場合、当グループは(AASB第132号「金融商品:表示」に準拠して)貸借対照表において金

    融資産および金融負債を相殺している。
     ・ すべての状況において認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している。
     ・ 資産および負債を純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図がある。
     次の表は、相殺されていないものの、強制力のあるマスター・ネッティング契約(または類似する契約)の対象となってい
    る金融資産および金融負債ならびに関連する貸借対照表において相殺されていない金額を示したものである。超過担保の影響
    は考慮していない。
                                      マスター・ネッティング契約または類似する

                                           契約の対象となる金額
                             マスター・
                           ネッティング契約
                            または類似する
                     貸借対照表                            (受入)/
                     に計上され      契約の対象となら                      差入金融
                     た合計額        ない金額         合計     金融商品       担保      純額
                                   (単位:百万ドル)
    連結
    2021年9月30日現在
               (1)
                      38,736         (3,078)      35,658      (24,186)       (5,750)       5,722
    デリバティブ金融資産
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (2)
                      26,082         (3,166)      22,916      (1,052)      (21,864)         -
    契約、および類似する契約
    金融資産合計
                      64,818         (6,244)      58,574      (25,238)      (27,614)       5,722
               (1)
                      (36,035)          2,822     (33,213)       24,186       5,530      (3,497)
    デリバティブ金融負債
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (3)
                      (46,147)          11,461      (34,686)       1,052      33,634         -
    契約、および類似する契約
    金融負債合計
                      (82,182)          14,283      (67,899)       25,238      39,164      (3,497)
    2020年9月30日現在

    デリバティブ金融資産                 135,331          (3,862)      131,469      (117,982)       (6,397)       7,090
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (2)
                      53,434         (5,922)      47,512      (1,566)      (45,946)         -
    契約、および類似する契約
    金融資産合計
                      188,765          (9,784)      178,981      (119,548)       (52,343)       7,090
    デリバティブ金融負債
                     (134,711)           2,824     (131,887)       117,982       10,059      (3,846)
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (3)
                      (55,716)          14,354      (41,362)       1,566      39,796         -
    契約、および類似する契約
    金融負債合計
                     (190,427)          17,178     (173,249)       119,548       49,855      (3,846)
    (1)  2021年8月、当グループは中央清算カウンターパーティーの一つとの間で法的契約の条件を改定した。この条件の下で、
      担保の受け払いは対象となるデリバティブ資産および負債の法的決済により処理されるようになり、また対象となる関連
      デリバティブ商品の帳簿価額が減算処理されるようになった。これらのデリバティブは、引き続きマスター・ネッティン
      グ契約の対象となる。2021年9月30日現在、この変更による影響で、デリバティブ資産は551億ドル減少し、デリバティブ
      負債は552億ドル減少し、正味支払担保は1億ドル減少している。詳細は、注記11「デリバティブ金融商品」を参照のこ
      と。
    (2)  売戻条件付契約
      ・ 満期までの期間が90日未満のものは貸借対照表において現金および現金同等物に計上されている。
      ・ 満期までの期間が90日以上のものは貸借対照表において正味貸付金および前渡金に計上されている。
    (3)  買戻条件付契約は、貸借対照表の預金およびその他の借入金に計上されている。
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                                                           有価証券報告書
                                      マスター・ネッティング契約または類似する
                                           契約の対象となる金額
                             マスター・
                           ネッティング契約
                            または類似する                     (受入)/
                     貸借対照表
                                                 差入金融
                     に計上され      契約の対象となら
                     た合計額        ない金額         合計     金融商品       担保      純額
                                   (単位:百万ドル)
    当行
    2021年9月30日現在
               (1)
                      38,292         (1,539)      36,753      (27,288)       (5,189)       4,276
    デリバティブ金融資産
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (2)
                      24,958         (2,042)      22,916      (1,052)      (21,864)         -
    契約、および類似する契約
    金融資産合計
                      63,250         (3,581)      59,669      (28,340)      (27,053)       4,276
               (1)
                      (37,005)          1,343     (35,662)       27,288       5,425      (2,949)
    デリバティブ金融負債
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (3)
                      (43,925)          10,480      (33,445)       1,052      32,393         -
    契約、および類似する契約
    金融負債合計
                      (80,930)          11,823      (69,107)       28,340      37,818      (2,949)
    2020年9月30日現在

    デリバティブ金融資産                 130,552          (2,531)      128,021      (117,039)       (5,625)       5,357
    売戻条件付契約、有価証券借入
                 (2)
                      52,322         (4,810)      47,512      (1,566)      (45,946)         -
    契約、および類似する契約
    金融資産合計
                      182,874          (7,341)      175,533      (118,605)       (51,571)       5,357
    デリバティブ金融負債
                     (131,230)           1,567     (129,663)       117,039       9,402      (3,222)
    買戻条件付契約、有価証券貸付
                 (3)
                      (54,951)          13,589      (41,362)       1,566      39,796         -
    契約、および類似する契約
    金融負債合計
                     (186,181)          15,156     (171,025)       118,605       49,198      (3,222)
    (1)  2021年8月、当行は中央清算カウンターパーティーの一つとの間で法的契約の条件を改定した。この条件の下で、担保の
      受け払いは対象となるデリバティブ資産および負債の法的決済により処理されるようになり、また対象となる関連デリバ
      ティブ商品の帳簿価額が減算処理されるようになった。これらのデリバティブは、引き続きマスター・ネッティング契約
      の対象となる。2021年9月30日現在、この変更による影響で、デリバティブ資産は514億ドル減少し、デリバティブ負債は
      513億ドル減少し、正味支払担保は1億ドル減少している。詳細は、注記11「デリバティブ金融商品」を参照のこと。
    (2)  売戻条件付契約
      ・ 満期までの期間が90日未満のものは貸借対照表において現金および現金同等物に計上されている。
      ・ 満期までの期間が90日以上のものは貸借対照表において正味貸付金および前渡金に計上されている。
    (3)  買戻条件付契約は、貸借対照表の預金およびその他の借入金に計上されている。
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    21.  のれんおよびその他の無形資産
                       (1)

                             ソフトウェア          その他の無形資産              合計
                   のれん
                 2021年     2020年     2021年      2020年      2021年     2020年      2021年      2020年
                                  (単位:百万ドル)
    連結
    期首残高
                  3,264     3,467     1,039      1,323       76     71    4,379      4,861
    増加                -     -    356      375      -     6     356      381
        (2)
                    -     -    (434)      (657)      (2)     (1)     (436)      (658)
    償却費用
        (3)
                   (251)      (77)      (1)      (2)      -     -    (252)      (79)
    減損費用
    処分に基づく償却               (13)     (124)       -      -     -     -     (13)     (124)
    換算差額               89     (2)      -      -     1     -     90      (2)
    期末残高
                  3,089     3,264      960     1,039       75     76    4,124      4,379
        (4)

                  3,089     3,264     7,639      7,300       78     77    10,806      10,641
    取得原価
    償却累計額              該当     該当
                   なし     なし    (6,679)      (6,261)       (3)     (1)    (6,682)      (6,262)
    帳簿価額
                  3,089     3,264      960     1,039       75     76    4,124      4,379
                       (1)

                             ソフトウェア          その他の無形資産              合計
                   のれん
                 2021年     2020年     2021年      2020年      2021年     2020年      2021年      2020年
    当行
                                  (単位:百万ドル)
    期首残高
                    62     82    1,030      1,285       5     -    1,097      1,367
    増加                -     -    345      372      -     6     345      378
        (2)
                    -     -    (422)      (625)      (2)     (1)     (424)      (626)
    償却費用
    減損費用                -    (10)      (1)      (2)      -     -     (1)     (12)
    処分に基づく償却                -    (10)      -      -     -     -      -     (10)
    換算差額                -     -     -      -     -     -      -      -
    期末残高
                    62     62     952     1,030       3     5    1,017      1,097
        (4)

                    62     62    7,342      7,006       6     6    7,410      7,074
    取得原価
    償却累計額              該当     該当
                   なし     なし    (6,390)      (5,976)       (3)     (1)    (6,393)      (5,977)
    帳簿価額
                    62     62     952     1,030       3     5    1,017      1,097
    (1)  のれんは、持分法適用投資の投資調整勘定を除外している。
    (2)  2020会計年度において、当グループはソフトウェア償却方針の適用を修正した。2020会計年度に当グループは加速償却費
      197百万ドル、当行は184百万ドルを計上した。
    (3)  2021会計年度ののれんの減損費用は、ANZシェア・インベスティングの売却目的保有への組替による償却に関連している。
      これは、2021年の売却完了の際の分類に合わせて、その他収入に認識されている。
    (4)  為替換算差額の影響を含む。
     のれんを伴う資金生成単位(CGU)の減損テスト

     のれんの現在の帳簿価額が減損しているか否かについて、年次でまたは潜在的減損の兆候が存在する場合に評価が行われ
    る。減損テストの目的上、企業結合において取得したのれんは、取得日時点で、関連する企業結合のシナジー効果の恩恵を受
    けると予想される資金生成単位(「CGU」)に割り当てられる。これらのCGUはANZの報告セグメントに相当する。該当CGUの帳
    簿価額が、回収可能価額を超過している場合、のれんは減損しているとみなされる。
     当グループは、のれんが割り当てられた各CGUの回収可能価額を見積もるために、処分費用控除後の公正価値(「FVLCOD」)
    アプローチを使用し、FVLCODが帳簿価額を下回る場合には使用価値(「VIU」)の評価を実施する。
     2021年9月30日に終了した年度中に、ANZシェア・インベスティングの売却目的保有への組替により、のれん251百万ドルが
    償却され(当行:ゼロ)、また売却完了に際して残りののれん13百万ドルの認識が中止された。
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     2020年9月30日に終了した年度中に、当グループは完了した事業売却に関連してのれん124百万ドルを償却した(当行:10百
    万ドル)。加えて、当グループは、ニュージーランドにおけるマネージド投資商品であるボーナス・ボンド事業の清算を開始
    する意図を発表し、関連するのれん27百万ドルを償却した(当行:ゼロ)。当グループは、経済見通しの変化を受けて、パシ
    フィック部門でのれん50百万ドルを償却した(当行:10百万ドル)。
     処分費用控除後の公正価値

     のれんが割り当てられた各CGUの回収可能価額は、市場倍率アプローチを使用して計算されるFVLCODベースで見積もられる。
    このアプローチの下では、各CGUの維持可能な将来収益の見積額に適切な比較対象企業の観察可能な収益倍率を適用することに
    よって当グループのCGUのそれぞれの公正価値の見積りを決定する。その後、処分費用の見積額を控除する。評価額は、評価に
    おいて使用される観察不能なインプットのために、公正価値ヒエラルキーのレベル3とみなされる。
     回収可能価額がFVLCODに基づいて決定されたCGUについてFVLCODの決定に使用された経営陣のアプローチおよび重要な仮定は

    以下のとおりである。
     重要な仮定           それぞれの重要な仮定の値(または複数の値)の決定のアプローチ

     維持可能な将来収益           各CGUの維持可能な将来収益は、以下の金額の合計として見積もられた。
                 ・ 当グループの各CGUの2022会計年度の財務計画
                 ・ のれんが割当てられたCGUの範囲外で計上された中央部門の費用の配分
                関連がある場合、当グループの財務計画は、予想信用損失や投資支出などの項目の長期予

                測を反映して修正される。
     適用された収益倍率           使用されたP/E倍率は、各CGUに関連する比較可能な上場企業の価値評価から導き出されて
     (P/E)           いる。
                ニュージーランド部門CGUおよび法人部門CGUの場合には、経営陣は、これらのCGUとの関
                連性がある固有の要因に対処するために比較対象グループの倍率の下方修正を行った。
                適用されたP/E倍率(以下に述べる30%の支配プレミアムを含む)は次のとおりである。
                 部門                           2021年        2020年

                 オーストラリア・リテールおよび商業                              18.9        16.0
                 ニュージーランド                              16.4        12.7
                 法人                              15.5        13.4
                支配プレミアム:
                支配プレミアムが適用されているが、これは、取得希望者がCGUの関連活動に対する支配
                の獲得に十分な所有権を得るために支払うであろうと考えられる対価の上乗せ分の認識で
                ある。各CGUに関する支配プレミアムは、過去の取引に基づいて比較対象グループのP/E倍
                率の30%と見積もられた。
     処分費用           処分費用は、過去および最近の取引からのインプットに基づいて、CGUの公正価値の2%
                と見積もられた。
     上記のとおり、減損テストの結果、2021年9月30日現在認識されているのれんの重要な減損は認められなかった。

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     FVLCODの評価結果
     各CGUに関し、FVLCODに基づいて決定された帳簿価額に対する回収可能価額の超過分は以下のとおりとなった。
                                                      超過分

                                                      2021年
                                                (単位:百万ドル)
    資金生成単位
    オーストラリア・リテールおよび商業                                                  12,168
    ニュージーランド                                                  6,332
                                                       4,249
    法人
     感応度分析

     上記に記載された超過分は、判断および見積りによる影響を受ける。ただし、各CGUに関するFVLCOD見積りは、合理的に代替
    可能な見積りを用いた場合であっても、引き続き帳簿価額に対して回収可能価額が超過する。
     認識および測定

     次の表は無形資産別に認識および測定方法の詳細を示している。
               のれん               ソフトウェア              その他の無形資産
     定義          当グループが企業を取得する               当グループが保有する購入済              資産運用事業の取得から生じ
               にあたり支払った金額が、取               みソフトウェアは資産計上さ              た運用手数料の権利および契
               得した識別可能な資産および               れる。              約上の権利から生じた無形資
               負債の公正価値を超過した金               ソフトウェアおよびコン              産。
               額。               ピューター・システムの構築
                             にあたり発生した20百万ドル
                             を超過する内部および外部費
                             用は、資産計上される。20百
                             万ドル未満の費用は発生年度
                             に費用計上される。
     帳簿価額          取得原価から減損損失累計額               当初は取得原価で測定され              当初は取得時の公正価値で測
               を控除した金額。               る。              定される。
               取得に関係する資金生成単位               その後、取得原価から償却費              その後、取得原価から償却費
               に割当てられる。               および減損損失累計額を控除              および減損損失を控除した金
                             した金額で計上される。              額で計上される。
                             ソフトウェア案の企画もしく
                             は評価に要した費用またはシ
                             ステム設置後の維持費用は資
                             産計上されない。
     耐用年数          確定できない。               主要な基幹インフラストラク              耐用年数が確定できない運用
               のれんについては、少なくと               チャーを除き、2年から5年              手数料の権利については、少
               も年次で、または減損の兆候               の期間にわたり償却される。              なくとも年次で、または減損
               が見られる際に減損の有無が               ただし、主要な基幹インフラ              の兆候のある場合は減損の有
               見直される。               ストラクチャーは、監査委員              無について見直される。契約
                             会の承認を前提として最長7              上の権利から生じる無形資産
                             年の期間にわたり償却するこ              は3年の期間にわたり償却さ
                             とができる。              れる。
                             購入したソフトウェアは、よ
                             り長い耐用年数を有する他の
                             資産と一体とみなされる場合
                             を除き、2年で償却される。
     減価償却法          該当なし。               定額法。              耐用年数が確定できない無形
                                            資産には適用されない。耐用
                                            年数が限られているものは定
                                            額法。
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     重要な判断および見積り
     のれんおよびその他の無形資産の回収可能価額ならびに資産の経済的耐用年数(または資産の耐用年数が無限であ
     るか)を評価するために、経営陣の判断が利用されている。当グループは各報告日に帳簿価額の回収可能性を再評
     価している。
     のれん
     のれんの残高に減損が生じているかどうかの決定においては、以下の多数の重要な判断が求められる。
      • のれんが割当てられるレベル               – 過去の期間と同様に、のれんが割り当てられたCGUは、のれんが発生した過去
        の企業結合から関連する便益を享受する、当グループの収益生成セグメントである。
      • 各CGUの帳簿価額の決定。これには、のれんが割り当てられたCGUに直接帰属しない全社資産および負債の合
        理的かつ一貫した配分が含まれる。
      • 各CGUの回収可能価額の評価は、以下を含む。
        • 公正価値を決定するために使用されるモデルの選択                         – 当グループは、市場倍率アプローチを使用して公
          正価値を見積もった。
        • 上記の適切な比較対象グループの選択ならびに適切な支配プレミアムおよび処分費用の決定を含む、維
          持可能な将来収益、適用されるP/E倍率に関する重要な仮定の選択
     ソフトウェアおよびその他の無形資産

     各報告日に、ソフトウェアおよびその他の無形資産は減損の兆候に関して評価され、その兆候が特定された場合に
     は減損評価が実施される。資産の帳簿価額が回収可能価額を超過していると判断された場合、直ちに当該資産の帳
     簿価額が減額される。まだ使用可能になっていない資産の減損テストは毎年行われる。
     また、無形資産の予想される耐用年数は、各報告日に評価される。評価には、経営陣の判断が求められ、ソフト
     ウェア資産に関しては、数多くの要因が予想される耐用年数に影響を及ぼす。これらの要因には、事業戦略の変
     更、重要な売却および技術的な変更の加速が含まれる。
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    22.  その他引当金
                                 連結                 当行

                            2021年        2020年        2021年        2020年
                                     (単位:百万ドル)
    未実行与信枠および偶発与信枠のECL引当金
    (1)
                               806        898        674        731
    顧客救済措置                           886       1,109         791        969
    組織再編費用                           99        105         44        70
    非貸付損失、不正および偽造                           61        79        54        57
    その他                           362        388        310        330
    その他引当金合計
                              2,214        2,579        1,873        2,157
    (1)  増減分析については、注記14「予想信用損失引当金」を参照のこと。

                                           非貸付損失、

                           顧客救済措置        組織再編費用        不正および偽造          その他
                                     (単位:百万ドル)
    連結
    2020年10月1日現在残高                          1,109         105         79        388
    新規および当期中に増加した引当金                           379         89        41        121
    当期中に使用された引当金                          (449)         (84)        (56)        (127)
                   (1)
                               (153)         (11)         (3)        (20)
    当期中に戻入された未使用金額
                               886         99        61        362
    2021年9月30日現在残高
    (1)  顧客救済措置には、富裕層オーストラリアの非継続事業部分の売却完了時において購入者に移転した52百万ドルが含まれ

      る。
                                           非貸付損失、

                           顧客救済措置        組織再編費用        不正および偽造          その他
    当行
                                     (単位:百万ドル)
    2020年10月1日現在残高
                               969         70        57        330
    新規および当期中に増加した引当金                           360         37         -       116
    当期中に使用された引当金                          (390)         (55)         (1)       (118)
                   (1)
                               (148)         (8)        (2)        (18)
    当期中に戻入された未使用金額
    2021年9月30日現在残高
                               791         44        54        310
    (1)  顧客救済措置には、富裕層オーストラリアの非継続事業部分の売却完了時において購入者に移転した52百万ドルが含まれ

      る。
     顧客救済措置

     顧客救済措置には、顧客への返金見込額に関する引当金、救済プロジェクト費用ならびに関連する顧客および規制当局から
    の請求、罰金、訴訟結果が含まれる。
     組織再編費用

     組織再編費用に関する引当金は、当グループの業務範囲、または業務方法の重大な変更に関する活動から生じるもので、従
    業員退職手当が含まれる。継続活動に関する費用は引き当てられず、発生時に費用計上される。
     非貸付損失、不正および偽造

     非貸付損失には、貸付金および前渡金の元本残高に直接関連しない特定の法的措置によって生じた損失ならびに偽造、不正
    および業務に関する是正措置によって生じた損失が含まれる。認識された金額は、報告日現在の債務を決済するために必要な
    対価の最善の見積りであり、引当金に影響を及ぼす事象および状況に関わるリスクおよび不確実性を考慮している。
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     その他
     その他引当金は、従業員報酬、賃貸借物件に関連した補償引当金、様々な事業および資産の売却に関連した保証および補
    償、および企業結合の一部として認識された偶発債務を含む、様々なその他の引当金で構成される。
     認識および測定

     当グループは、過去の事象から生じる現在の債務が存在し、経済的資源の流出の可能性が高く、信頼性のある測定
     が可能な場合に引当金を認識する。
     認識された金額は、報告日現在の債務を決済するために必要な対価の最善の見積りであり、債務の時期および金額
     に関するリスクおよび不確実性を考慮している。現在の債務を決済するために必要なキャッシュフローの見積りを
     用いて引当金を測定する場合、その帳簿価額は当該キャッシュフローの現在価値である。
     重要な判断および見積り

     当グループは、顧客救済措置、組織再編費用、非貸付損失、不正および偽造ならびに訴訟に関連する請求を含む
     様々な債務に対して引当金を計上している。これらの引当金は、それらの債務を支払うために必要な支出の見積り
     を含む将来の事象の時期および結果に関する判断を伴う。必要に応じて、専門家の法的助言が取り入れられ、それ
     らの助言に鑑み、適切とみなされる引当金の計上および/または開示が行われる。
     顧客救済に関連する引当金は、特定された案件の解決費用に係る経営陣の最善の見積りを表すものであり、その金
     額の決定には重要な判断の行使が求められる。判断は、影響を受けた顧客数、顧客1人当たりの平均返金額、関連
     する救済プロジェクト費用、個別の事実や状況に関する規制上のエクスポージャーおよび顧客の請求による影響を
     含む、異なる仮定に対する見解を形成するために必要とされる場合が多い。このため、根拠となる仮定の適切性を
     実績および法律の専門家による助言を含むその他の関連する証拠と照らして定期的に検証し、必要に応じて、引当
     金を調整する。
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    23.  株主資本
     株主資本

                                 連結                 当行

                            2021年        2020年        2021年        2020年
                                     (単位:百万ドル)
    普通株式資本
                              25,984        26,531        25,907        26,454
    準備金
    為替換算調整勘定                           611        155        (145)        (131)
    株式オプション準備金                           76        85        76        85
    FVOCI準備金                           170        245         26        129
    キャッシュフロー・ヘッジ準備金                           393       1,038         384        935
    非支配持分株主間取引準備金                           (22)        (22)         -        -
    準備金合計
                              1,228        1,501         341       1,018
    利益剰余金                         36,453        33,255        29,132        25,800
    当行株主に帰属する株式資本および準備金
                              63,665        61,287        55,380        53,272
    非支配持分                           11        10         -        -
    株主資本合計
                              63,676        61,297        55,380        53,272
     普通株式資本

     下表は当期における普通株式および株式資本の変動の詳細を示したものである。
                           2021年                    2020年

    連結
                       株式数         (百万ドル)           株式数         (百万ドル)
    期首残高
                     2,840,370,225             26,531      2,834,584,923              26,490
    配当金再投資制度(「DRP」)に
         (1)
                       4,242,368             94      3,373,022              61
    基づく発行
                 (2)
                       2,259,507             -      2,412,280              -
    ボーナス・オプション制度
    当グループの従業員株式取得制度                       -         13           -         (20)
         (3)
                      (23,308,448)             (654)            -          -
    株式買戻し
    期末残高
                     2,823,563,652             25,984      2,840,370,225              26,531
    減算:自己株式
                       (4,401,593)              -     (4,927,878)               -
    期末残高
                     2,819,162,059             25,984      2,835,442,347              26,531
                           2021年                    2020年

    当行
                       株式数         (百万ドル)           株式数         (百万ドル)
    期首残高
                     2,840,370,225             26,454      2,834,584,923              26,413
    配当金再投資制度(「DRP」)に
         (1)
                       4,242,368             94      3,373,022              61
    基づく発行
                 (2)
                       2,259,507             -      2,412,280              -
    ボーナス・オプション制度
    当グループの従業員株式取得制度                       -         13           -         (20)
         (3)
                      (23,308,448)             (654)            -          -
    株式買戻し
    期末残高
                     2,823,563,652             25,907      2,840,370,225              26,454
    (1)  当行は、配当金再投資制度(「DRP」)に基づいて、2020年度最終配当に伴い4.2百万株(2020年度中間配当に伴い3.4百万
      株)を発行した。DRPに参加する株主に対し、株式を市場で購入し直接引き渡したため、2021年度中間配当および2019年度
      最終配当に伴う株式発行はゼロであった。
    (2)  当行は、ボーナス・オプション制度(「BOP」)に基づいて、2021年度中間配当に伴い1.3百万株、2020年度最終配当に伴
      い0.9百万株(2020年度中間配当に伴い0.8百万株、2019年度最終配当に伴い1.6百万株)を発行した。
    (3)  2021年8月4日、当行は市場で1               5億ドルの株式買戻しを開始した。その結果、2021年9月の半期に23百万株(654百万ド
      ル)が消却され、2021年9月30日現在未決済の買い注文に関して、さらに2021年10月1日以降に2百万株(55百万ドル)
      が消却されている。
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     認識および測定
     普通株式               普通株式は無額面である。普通株式の株主には全額払込済普通株式保有数に応じ
                    て、配当金を受け取る権利、または当行の清算時に残余財産を受け取る権利が付与
                    される。これらは発行に直接帰属する費用を控除後の普通株式1株当たりの払込額
                    で計上される。株主総会に自らまたは代理人が出席している全額払込済普通株式の
                    各保有者は下記の議決権を有する。
                     ・ 挙手の場合は各人。
                     ・ 投票の場合は各保有株式につき。
     自己株式               自己株式は当行において、次のいずれかに該当するものである。
                     ・ ANZ従業員株式取得制度のために市場で購入され、未だ分配されていないも
                       の。
                     ・ 当行がANZ従業員株式取得制度のために発行し、未だ分配されていないもの。
                    自己株式は株式資本から控除され、1株当たり利益の計算に用いる加重平均発行済

                    普通株式数から除外される。
     準備金
     為替換算調整勘定               海外事業(子会社および支店を含む)の機能通貨が豪ドルではない場合、資産およ
                    び負債の豪ドルへの換算の際に発生する差額が含まれる。本準備金において、当該
                    エクスポージャーのヘッジにより相殺する損益を、税効果と共に反映している。
     キャッシュフロー・ヘッジ               キャッシュフロー・ヘッジ手段として指定された商品に関連して有効部分とされる
     準備金               公正価値損益が税効果と共に含まれている。
     FVOCI準備金               投資有価証券に含まれている特定の負債証券および持分証券の公正価値の変動が税
                    効果と共に含まれている。
                    FVOCI測定に分類される負債証券に関して、FVOCI準備金は、当初の認識後に生じた
                    公正価値の変動累計額を、損益計算書に計上された予想信用損失引当金、受取利
                    息、為替換算損益に関連するものを除外して計上している。FVOCIに分類される負債
                    証券は公正価値で計上されるため、FVOCI準備金残高は、当該資産に関するECL引当
                    金を控除したものである。FVOCIで測定される負債証券の認識が中止される場合、当
                    該証券に関してFVOCI準備金に計上されている損益累計額は、損益に再分類されその
                    他営業収入に表示される。
                    FVOCIで測定される持分証券に関して、FVOCI準備金には、当初認識後の公正価値変
                    動累計額が計上される(関連する為替換算損益を含む)。FVOCIで測定される持分証
                    券の認識が中止される場合、当該証券に関してFVOCI準備金に計上されている損益累
                    計額の損益への組替えは行われない。
     株式オプション準備金               株式報酬費用の認識時に生じる金額が含まれている。
     非支配持分株主間取引準備金               株主権に基づく非支配株主との取引の影響が含まれている。
     非支配持分               当行が直接または間接的に所有していない株式持分に帰属する被支配法人の純資産
                    部分。
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    24.  資本管理
    資本管理戦略

     ANZの資本管理戦略は預金者、債権者および株主の利益を保護することを目標としている。当グループは3年間にわたる詳細
    な戦略計画および資本計画を策定するための自己資本評価プロセス(「ICAAP」)を通じてその目標を達成している。
     プロセスとしては次のものが含まれる。
     ・ 経済的変化、ANZ各部門の財務成績および計画期間中に実施される新たな戦略的イニシアチブの財務上の影響を予測する
       こと。
     ・ 異なる経済シナリオのもとでストレステストを実施し、景気低迷時に発生する可能性のある損失を吸収するために必要
       な追加資本(「ストレス資本バッファー」)の水準を決定すること。
     ・ ANZのリスク・プロファイルに照らし、さまざまな資本クラスの資本比率および目標を見直すこと。
     ・ 目標とする資本比率、現在および将来の資本発行要件ならびに異なる市場や経済の状況下で資本計画を実行するための
       資本商品、時期および市場に関する選択肢を考慮し、資本計画を策定すること。
     資本計画は取締役会によって承認され、必要に応じて更新される。取締役会および上級経営陣には、ANZの資本ポジションの

    最新情報が定期的に報告される。現在の適正資本管理を維持するために必要な重大な措置はすべて、取締役会に報告され、承
    認を受ける。当年度を通じて、当グループは営業している各法域における自己資本比率に関するすべての規制要件を遵守して
    いた。
    規制環境

     オーストラリア
     ANZはオーストラリアにおける認可済預金受託機関(「ADI」)であるため、1959年銀行法(オーストラリア連邦)のもとで
    主としてAPRAによる規制を受ける。ANZはAPRAが定め、国際バーゼル3の自己資本規制枠組みに準拠した最低規制資本要件、健
    全資本比率および特定の報告水準を遵守しなければならない。これはバーゼル銀行監督委員会(「BCBS」)によって設定され
    る銀行規制資本の適正水準を決定するための一般的な枠組みである。APRAの要件は、以下に要約されている。
     規制資本の定義

     普通株式等     Tier  1(CET1)

     資本                Tier1資本              Tier2資本              資本合計
     特定の項目について調整され                CET1資本とその他Tier              発行日現在において償還              Tier1資本とTier2資本
     た株主資本                1資本と呼ばれる適合損              期限まで最低5年の劣後              の合計
                     失吸収力を備えた特定の              債務商品
                     有価証券の合計
     最低適正資本比率        (PCR)

     CET1比率                Tier1比率                    合計自己資本比率

     CET1資本のリスク加重資産に                Tier1資本のリスク加重資産に対する                    資本合計のリスク加重資産に対する
     対する比率は、最低で4.5%で                比率は、最低で6.0%でなければなら                    比率は、最低で8.0%でなければなら
     なければならない。                ない。                    ない。
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     報告レベル
     レベル1                 レベル2                    レベル3

     ADI単体(すなわち、当行および                 連結グループから、健全性基準の下で                    最も広範囲なコングロマリット・
     ADIの拡大認定法人を構成するた                 除外される特定の子会社および関連会                    グループ。
     めに連結することが特定されて                 社を除外したもの。
     いる子会社)。
     APRAはまた、ADIに対し、以下の追加CET1バッファーの保有を義務付けている。

     ・ 国内のシステム上重要な銀行(「D-SIB」)に対する1%の追加分を含む、3.5%の資本保全バッファー(「CCB」)。
       APRAは、ANZはD-SIBであると判断している。
     ・ 管轄地に基づいて設定されるカウンターシクリカル資本バッファー。オーストラリアに関しては、この要件は現在ゼロ
       に設定されている。
     ANZはAPRAにレベル1とレベル2の基準で報告し、レベル1とレベル2の自己資本の適切性を月次で測定しているが、レベル

    3の基準による自己資本の維持はまだ義務付けられていない(APRAはレベル3基準による報告義務の開始時期についてまだ決
    定していない)。
     生命保険および資産運用

     APRAの健全性基準で要求されているように、保険および資産運用業務は、以下のように扱われている。
     ・ 自己資本比率の計算目的では連結から除外されている。
     ・ リスク・ベースの自己資本比率の枠組みからは除外されている。
     当グループは、これらの被支配法人に対する投資の100%をCET1資本から控除し、これらの業務からの利益がグループ業績

    に含まれている場合、当該利益の当行への未送金額をCET1資本の算定から除外している。
     オーストラリア以外

     APRAに加え、当行の支店および主要銀行子会社の運営は、ニュージーランド準備銀行、米国連邦準備制度理事会、英国健全
    性規制機構、シンガポール通貨監督庁、香港金融管理局および中国銀行保険業監督管理委員会など、現地の規制当局の監督も
    受ける。これらの規制当局は、各法域におけるそれぞれの事業活動に対して最低自己資本比率を課すことができる。
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           (1)
     自己資本比率
     下表は、当グループの9月30日現在の自己資本比率の詳細を示したものである。
                                                連結

                                           2021年         2020年
                                             (単位:百万ドル)
    適格資本
    Tier1
    株主資本および非支配持分                                         63,676         61,297
                 (2)
                                               3        189
    株主資本への適正資本調整
    普通株式等Tier1総資本
                                             63,679         61,486
      (2)
                                            (12,320)         (12,784)
    控除
    普通株式等     Tier  1 資本
                                             51,359         48,702
            (3)
                                             8,114         7,779
    その他Tier1資本
    Tier1資本
                                             59,473         56,481
         (4)
                                             17,125         13,957
    Tier2資本
    適格資本合計
                                             76,598         70,438
    自己資本比率(レベル2)
    普通株式等Tier1                                         12.3%         11.3%
    Tier1                                         14.3%         13.2%
    Tier2                                          4.1%         3.3%
    自己資本比率合計                                         18.4%         16.4%
    リスク加重資産
                                            416,086         429,384
    (1)  この情報は、当グループの外部監査人であるKPMGによる当グループの財務報告書の外部監査の範囲に含まれていない。本

      表に表示された情報は、APRA報告書式(「ARF」)第110号「自己資本比率」のパートAで開示されている規制当局の要件で
      あり、健全性基準APS第310号「監査および関連事項」に基づいた監査の対象となる。
    (2)  2021年度に、従来株主資本への適正資本調整内で相殺されていた繰延費用は、残高の性質により適切に合致するよう、控
      除に組み替えられた。それに伴い、比較情報は修正再表示されている(2020年度:394百万ドル)。
    (3)  これには、その他Tier1資本8,506百万ドル(2020年度:8,196百万ドル)(注記16「発行済社債」を参照のこと。)が含
      まれる。ただし、規制上の調整および控除額392百万ドル(2020年度:417百万ドル)が減額されている。
    (4)  これには、Tier2資本16,207百万ドル(2020年度:12,865百万ドル)(注記16「発行済社債」を参照のこと。)、金融資
      産の減損に関する一般準備金1,412百万ドル(2020年度:1,813百万ドル)および規制上の調整に関する控除額494百万ドル
      (2020年度:721百万ドル)が含まれる。
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    25.  被支配法人
                                         設立地         事業の内容

    当グループの親会社はオーストラリア・ニュージーランド銀行である。                                    オーストラリア         銀行業

    すべての被支配法人は、別途注記されているものを除き100%保有である。
    当グループの重要な被支配法人は以下のとおりである。
                    (1)
                                         ベトナム         銀行業
    ANZバンク(ベトナム)リミテッド
    ANZケーペル・コート・リミテッド                                    オーストラリア         証券化マネジャー
    ANZファンズPty        Ltd                             オーストラリア         持株会社
                     (1)
                                         キリバス         銀行業
     ANZバンク(キリバス)リミテッド                 (持分比率は75%)
                    (1)
                                         サモア         銀行業
     ANZバンク(サモア)リミテッド
                               (1)
                                         タイ         銀行業
     ANZバンク(タイ)パブリック・カンパニー・リミテッド
                              (1)
                                         ニュージーランド         持株会社
     ANZホールディングス(ニュージーランド)リミテッド
                           (1)
                                         ニュージーランド         銀行業
       ANZバンク・ニュージーランド・リミテッド
         ANZインベストメント・サービシズ(ニュージーランド)リミテッド
                                         ニュージーランド         資産運用
         (1)
                                   (1)
                                         ニュージーランド         ファイナンス
         ANZニュージーランド(インターナショナル)リミテッド
                             (1)
                                         ニュージーランド         持株会社
         ANZウェルス・ニュージーランド・リミテッド
                                   (1)
                                         ニュージーランド         資産運用
          ANZニュージーランド・インベストメンツ・リミテッド
                                 (1)(4)
                                         ニュージーランド         ファイナンス
         ANZニュージーランド・カバード・ボンド・トラスト
                             (1)
                                         シンガポール         持株会社
     ANZインターナショナル・プライベート・リミテッド
                     (1)
                                         シンガポール         マーチャント・バ
       ANZシンガポール・リミテッド
                                                  ンキング業務
                         (1)
                                         香港         持株会社
     ANZインターナショナル(香港)リミテッド
                  (1)
                                         香港         銀行業
       ANZアジア・リミテッド
                       (2)
                                         バヌアツ         銀行業
       ANZバンク(バヌアツ)リミテッド
                                (1)
                                         シンガポール         自家保険
     ANZカバー・インシュアランス・プライベート・リミテッド
    ANZレンダーズ・モーゲージ・インシュアランスPtyリミテッド                                    オーストラリア         抵当保険
                           (4)
                                         オーストラリア         ファイナンス
    ANZレジデンシャル・カバード・ボンド・トラスト
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンク(チャイナ)                                    中国         銀行業
                (1)
    カンパニー・リミテッド
    オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ(PNG)                                    パプアニューギニア         銀行業
         (1)
    リミテッド
               (1)
                                         中国         銀行業
    重慶市梁平     ANZ  農村銀行
                 (3)
                                         グアム         持株会社
    シティズンズ・バンコープ
              (3)
                                         グアム         銀行業
     ANZグアム・インク
                (1)
                                         インドネシア         銀行業
    PTバンクANZインドネシア             (持分比率は99%)
    (1)  海外のKPMGによる監査(必要に応じて当グループ監査の一環としてもしくは個別財務書類について)を受けている。

    (2)  ロー・パートナーズによる監査を受けている。
    (3)  デロイト・グアムによる監査を受けている。
    (4)  当グループは所有していない。当グループが事業のほぼすべてのリスクおよび経済価値を留保する場合、支配が存在す
      る。
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     認識および測定
     当グループの子会社とは、次により当グループが支配する法人を指す。
      ・ 当該事業体から生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有していること
      ・ 当該事業体に対するパワーを通じて当該リターンに影響を与えることが可能であること
     当グループは、事業体に対する当グループのパワーの有無を、当該事業体の関連活動を指揮する既存の権利を吟味

     することにより評価している。
     当グループが当事業年度中に子会社を処分または取得した場合、子会社の処分日まで、または取得日以降の営業成
     績が当グループの業績に含まれる。当グループの支配が停止した場合、子会社の資産および負債、関連する一切の
     非支配持分ならびにその他の資本構成部分について認識を中止する。
     当グループによる子会社の支配が停止した場合、
      ・ 留保する子会社の持分を公正価値で測定する。
      ・ それに伴う評価損益を損益勘定で認識する。
     子会社における当グループの所有持分が変動しても支配の喪失にはならない場合、当グループは、株主権に基づく

     株主との取引として会計処理する。
     当グループ法人間の取引は、すべて連結時に消去される。
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    26.  関連会社に対する投資
     当グループの重要な関連会社は以下のとおりである。

                                                 帳簿価額

                                普通株式における持分               (単位:百万ドル)
    会社名                  主要業務          2021年       2020年       2021年       2020年
    AMMBホールディングスBerhad               銀行業務および保険
    (「AmBank」)                              22%       24%       719      1,056
    PTバンク・パン・インドネシア               個人および企業向け
    (「PT    Panin」)            銀行 
                                   39%       39%      1,210       1,084
    その他の個別に重要でない関連
                                該当なし       該当なし          43       24
    会社の合計
               (1)
                                                1,972       2,164
    関連会社帳簿価額合計
    (1)  為替換算調整勘定に認識されている為替換算による影響を含む。
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    重要な関連会社の財務情報
     当グループの重要な関連会社各社の要約財務情報は、以下のとおりである。これらの要約財務情報は、当該関連会社の国際
    財務報告基準(「IFRS」)に準拠した財務情報に基づいているが、両関連会社の会計年度が当グループと異なる(PT                                                      Paninは
    12月31日、AmBankは3月31日)ため、未監査財務情報の使用が必要となる場合がある。
                                  AMMBホールディングス               PTバンク・パン・

                                      Berhad            インドネシア
                                     マレーシア             インドネシア
    主たる事業所の所在地および設立国
                                  2021年       2020年       2021年       2020年
                                         (単位:百万ドル)
    要約業績
    営業収入                               2,663       3,156       1,222       1,105
    当期利益/(損失)
                                   (1,192)        456       298       319
    その他の包括利益/(損失)                                (39)       105       (56)       72
    包括利益/(損失)合計
                                   (1,231)        561       242       391
    減算:非支配持分に帰属する包括(利益)/損失合計                                (25)       (26)        1      (11)
    関連会社株主に帰属する包括利益/(損失)合計
                                   (1,256)        535       243       380
    要約財政状態
        (1)
                                   55,711       53,301       18,323       19,669
    資産合計
        (1)
                                   49,773       48,530       15,377       16,599
    負債合計
         (1)
                                    5,938       4,771       2,946       3,070
    純資産合計
    減算:関連会社における非支配持分                                (327)       (343)       (304)       (294)
    関連会社株主に帰属する純資産
                                    5,611       4,428       2,642       2,776
    関連会社における当グループ持分の帳簿価額に対する調整
    期首現在の帳簿価額                               1,056       1,586       1,084       1,350
                            (2)
                                    (313)       126       90      150
    包括利益/(損失)合計における当グループの持分
    関連会社から受け取った配当金                                 -      (32)        -       -
    関連会社におけるその他の準備金の変動および為替換算調整
    勘定の調整に関する当グループの持分                                (24)       (29)       36      (128)
    AASB第9号の移行時調整のうち当グループの持分法適用持分
    (3)
                                      -       -       -      (68)
        (4)
                                      -     (595)        -     (220)
    減損費用
    期末現在の帳簿価額
                                     719      1,056       1,210       1,084
    当グループによる関連会社に対する投資の市場価値
                                     756       727       675       653
    (1)  買収時に当グループが行った市場価値の調整(のれんを含む)(および会計方針の差異に関する調整)が含まれる。
    (2)  1マレーシア・デベロップメント・ブルハドへの関与に対する潜在的な請求を解決するためのマレーシア財務省との合意
      に関連して、2021年度中にAmBankによって計上された和解引当金の当グループの持分(212百万ドル)およびAmBankによっ
      て認識された減損の当グループの持分(135百万ドル)が含まれる。
    (3)  2020年度に、当グループはPT              Paninの持分法利益の68百万ドルの調整を認識した。当グループが2018年10月1日にAASB第
      9号「金融商品」を適用した際、会計方針に合致させるために、PT                               Paninの移行時調整の見込額が期首利益剰余金を通じ
      て認識された。PT         Paninは当会計年度中にAASB第9号を適用し、利益剰余金の移行時調整を認識した。
    (4)  当グループは、2020年度に実施された減損評価に基づいて、AmBankの減損595百万ドル、PT                                          Paninの減損220百万ドルとす
      る減損費用815百万ドルをその他営業収入に計上した。2021年度に減損費用は計上されなかった。
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    減損評価
     当グループは、関連会社に対する投資の帳簿価額の減損の兆候に関する評価を行う。
     2021年9月30日現在、非貸付資産の減損評価において、当グループの関連会社に対する投資2件(AmBankおよびPT                                                     Panin)
    に減損の兆候があることが識別された。それらの帳簿価額は使用価値(「VIU」)の計算により裏付けられているため、減損は
    認識されなかった。
     認識および測定

     関連会社とは、当グループがその営業方針や財務方針に重大な影響力を行使するものの支配していない法人であ
     る。当グループは持分法で関連会社を会計処理している。関連会社に対する投資は、取得原価に取得後の関連会社
     の純資産変動額の持分を加えたものから、減損損失累計額を差し引いた額で計上される。当グループが関連会社か
     ら受け取る配当金は、当該投資の帳簿価額の減算として認識される。当グループは、関連会社によって認識されて
     いるのれんを投資の帳簿価額に算入している。関連会社の帳簿価額に算入されているのれんについては、個別に減
     損判定を実施していない。
     当グループは、少なくとも報告日において関連会社に対する投資の減損の兆候について検討する。減損の兆候が存
     在する場合、当グループは、次のいずれか高い方を用いて関連会社の回収可能価額を算定する。
      ・ 関連会社の処分費用控除後の公正価値
      ・ 使用価値
     当行は、回収可能価額の算定に、割引キャッシュフロー法や該当する場合にはその他の方法(収益還元法など)を
     用いる。
     重要な判断および見積り

     AmBankおよびPT        Paninの評価額に対するCOVID-19の継続的な影響は依然として不確実である。VIUの計算を裏付け
     る重要な仮定を決定する際には、経営陣の重要な判断が必要となる。要因は、今後変化し、将来の潜在的減損また
     は過年度の減損の戻入につながる可能性がある。これらには、近い将来の予想利益水準ならびに/または長期的成
     長率、要求される規制自己資本水準および税引後割引率の変動が含まれる。
     使用価値の計算で使用される重要な仮定は以下のとおりである。
                                                     PT  Panin
                                         AmBank
     2021年9月30日現在
     税引後割引率                                     10.6%             14.4%
     成長率                                     5.0%             5.1%
     予想利益成長率(年平均成長率              ― 5年間)
                                          4.2%             6.4%
     普通株式等Tier1比率(5年間平均)                                     13.4%             12.8%
     VIUの計算は、基礎となる仮定の変更に敏感であり、重要な仮定が合理的に可能な範囲で変更された場合、VIUの結
     果、ひいては投資の回収可能価額にプラスまたはマイナスの影響を及ぼす。
      ・ 2021年9月の税引後割引率が50ベーシス・ポイント上昇/低下した場合、VIUの結果において、PT                                               Paninに
        ついては(55百万ドル)/60百万ドル、AmBankについては(84百万ドル)/106百万ドルの影響を及ぼす。
      ・ 2021年9月の永久成長率が25ベーシス・ポイント上昇/低下した場合、VIUの結果において、PT                                              Paninにつ
        いては9百万ドル/(10百万ドル)、AmBankについては49百万ドル/(45百万ドル)の影響を及ぼす。
     上記の合理的に可能性な変更により割引率が上昇した場合または永久成長率が低下した場合、いずれの投資も減損
     しない。
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    27.  組成された事業体
     組成された事業体(ストラクチャード・エンティティ)(「SE」)とは、どの当事者が事業体を支配しているかを判断する

    際に、議決権または類似の権利が決定要因にならないように設計された事業体である。SEは通常、狭義かつ十分に明確化され
    た目的を達成するために、継続中の活動を制限するように設定されている。
     支配関係が存在する場合、SEは子会社に分類の上で連結される。当グループがSEを支配していない場合、SEは連結されな
    い。本注記では連結SEと非連結SE両方の情報を示している。
     当グループによるSEへの関与は、次のとおりである。
     種類            詳細

     証券化            当グループは、流動性を管理する上で資金調達源を分散するため、当グループが行った
                 顧客貸付金および前渡金を証券化するためにSEを設立している。証券化プログラムに
                 は、SEが外部投資家に発行したノートに係る返済債務の担保を提供するか、または該当
                 する中央銀行との買戻条件付契約に適格な当グループ保有の資産を創出するために、倒
                 産隔離構造を持つSEに割り当てられた顧客貸付金および前渡金が含まれる。
                 当グループはSEの支配を維持しているため、これらのSEは連結されている。詳細は、注
                 記28「金融資産の譲渡」を参照のこと。
                 当グループは、顧客に代わって顧客の貸付金または債権を証券化するためにSEを設立す
                 ることもある。当グループは、これらの証券化事業体の運営、または流動性の提供もし
                 くは他の支援を行う場合がある。さらに、証券化事業体が発行した有価証券の保有を通
                 じて、第三者が設立した証券化事業体の持分を取得することもある。限定的ではあるが
                 支配関係が存在する場合、当グループはSEを連結する。
     カバード・ボンドの            当グループによる発行済社債の担保を提供するため、特定の貸付金および前渡金は倒産
     発行            隔離SEに譲渡されている。当グループはSEの支配を留保しているため、これらのSEは連
                 結されている。詳細は、注記28「金融資産の譲渡」を参照のこと。
     ストラクチャード・            当グループは次のようなSEに関与している。
     ファイナンス契約             ・ 債務シンジケーションの組成および/または担保資産を分別管理するためのスト
                    ラクチャード貸付取引に関連して設立されたSE
                  ・ ストラクチャード・リース取引において顧客にリースされた資産を所有するため
                    に設立されたSE
                 当グループは、SEを管理し、SEの資本に少額を出資、またはリスク管理商品(デリバ
                 ティブ)をSEに提供する場合もある。大半の場合、当グループはこれらのSEを支配して
                 いない。限定的ではあるが支配関係が存在する場合、当グループはSEを連結する。
     資産運用業務            当グループは、ニュージーランドにおける多数の管理投資スキーム(「MIS」)のス
                 キーム・マネジャーである。これらのMISは、投資家に対する受益証券の発行を通じて
                 資金を調達しており、当グループはそれらをSEとみなしている。これらのMISに対する
                 当グループの持分は、サービスに係る手数料の受領またはリスク管理商品(デリバティ
                 ブ)の提供に限定される。これらの持分は、当グループがファンドを支配するような重
                 要なエクスポージャーを生じさせるものではない。したがって、これらのMISは連結さ
                 れていない。
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    連結対象となる組成された事業体
     連結対象となる組成された事業体に対する財政支援またはその他の支援
     当グループは、連結SEに以下の財政支援を提供している。
     証券化およびカバード・             当グループは、SEに貸付枠、デリバティブ、コミットメントを提供する、および/また

     ボンドの発行             はSEが発行した負債性金融商品を保有する。
     ストラクチャード・             これらのSEが保有する資産は、通常、提供された資金の担保として差し入れられる。一
     ファイナンス契約             部の連結SEは、資金全額が当グループにより提供されているが、その他には当グループ
                 も参加するシンジケート・ローンにより資金調達されるSEもある。当グループによる資
                 金提供は、当グループのエクスポージャーが貸付額および残りの未使用枠に制限される
                 貸付枠も含まれている。さらに、当グループは、提供した資金の返済を向こう12か月間
                 要求しない旨を確認するサポートレターをこれらの連結SEに提供している。
     当事業年度において、当グループは連結SEに対して契約外の支援を提供しなかった(2020年度:なし)。現在、当グループ

    は、上記以外の財政支援やその他の支援を連結SEに提供する意思はない。
    連結対象外の組成された事業体

     連結対象外の組成された事業体における当グループの持分
     連結対象外のSEにおける「持分」は、契約または契約外の形式によるSEへの関与で、当グループをその業績による変動リ
    ターンにさらすものである。当該持分には、債券および持分証券の保有、SEの業績に特有のリスクを移転するデリバティブの
    保有、貸付、貸付コミットメント、金融保証および資産運用業務からの手数料が含まれるが、これらに限定されない。
     連結対象外のSEにおける持分を開示するにあたり、
     ・ 例えば当グループの関与が、典型的な顧客と業者の関係である場合など、パッシブ持分の関係以上のものにはならない
       場合には開示していない。この考え方に基づき、貸付業務、トレーディング業務および投資活動から生じる連結対象外
       のSEに対するエクスポージャーは開示対象の持分とみなしていない。ただし、SEの設定により、当グループが関連性の
       ある活動(SEのリターンに重要な影響を及ぼす活動)に関する意思決定に参加可能である場合を除く。
     ・ 「持分」には、当グループを(そのSE特有のパフォーマンス・リスクではなく)市場リスクにさらすことを意図したデ
       リバティブ、または、当グループが連結対象外のSEの変動性を吸収するのではなく、変動性を生じさせるデリバティブ
       (例として、クレジット・デフォルト・スワップにおける信用プロテクションの購入)は含まれない。
     下表は、連結対象外のSEにおける当グループの持分を、これらの持分から生じる可能性のある損失に対する最大エクスポー

    ジャーと併せて記載したものである。
                                       ストラクチャード・

                              証券化          ファイナンス              合計
                           2021年      2020年      2021年      2020年      2021年      2020年
                                       (単位:百万ドル)
    帳簿上の持分
    投資有価証券                       2,624      2,280        -      -    2,624      2,280
    貸付金および前渡金の総額                       7,697      8,479       53      74    7,750      8,553
    貸借対照表合計
                           10,321      10,759        53      74    10,374      10,833
    簿外の持分
    コミットメント(未実行の与信枠)                       2,034      2,072        -     22    2,034      2,094
    保証                         50      40      -      -     50      40
    簿外合計
                            2,084      2,112        -     22    2,084      2,134
    損失に対する最大エクスポージャー
                           12,405      12,871        53      96    12,458      12,967
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     上記の持分の他に、当事業年度において当グループは連結対象外の投資ファンドから192百万ドル(2020年度:285百万ド
    ル)の資産運用手数料を稼得した。
     当グループの損失に対する最大エクスポージャーとは、損失事由が発生した場合にその発生可能性にかかわらず、連結対象

    外のSEへの関与により当グループに生じ得る損失の最大額である。ただし、これは、被ると予想される実際の損失を示すもの
    ではない。損失に対する最大エクスポージャーは、損失に対するANZのエクスポージャーを軽減するために締結したヘッジ取引
    や担保契約の効果を控除する前の総額で表示されている。
     損失に対する最大エクスポージャーは、次のように算定された。
     ・ 償却原価で測定される投資有価証券の帳簿価額
     ・ 帳簿価額に未実行の貸付金および前渡金を加算した額
     連結対象外のSEの規模は資産合計で示されるが、これはSEによって異なり、最大で約43億ドルである。

     当事業年度に、当グループは連結対象外のSEに契約外の支援を提供しなかった(2020年度:なし)。また、現在、連結対象
    外のSEに財政支援やその他の支援を提供する意思はない。
    スポンサーになっている連結対象外の組成された事業体

     当グループは、連結対象外のSEのスポンサーになることができるが、開示対象となる持分はなかった。
     この開示において、当グループが当該SEの設計および設立に関与する主たる当事者で、かつ以下の場合には、当グループ自
    らが連結対象外のSEの「スポンサー」であると考えている。
     ・ 当グループが当該SEの主な利用者である場合、または
     ・ 当該SEの名称または商品に当グループの名称が用いられている場合、または
     ・ 当グループが当該SEの業績について黙示的もしくは明示的な保証を供与している場合
     当グループは、投資がANZバンク・ニュージーランド・リミテッドへの預金に限定されているニュージーランドのANZ                                                      PIE

    ファンドのスポンサーになっている。当グループはANZ                          PIEファンドの資本価値および投資パフォーマンスについて、黙示的に
    も明示的にも保証していない。当事業年度において、当該SEから受領した収益または当該SEへの資産の移転はなかった。
     重要な判断および見積り

     当グループが組成された事業体に対する支配を有するか否かの評価においては重要な判断が求められる。支配の有
     無を決定する際に、判断が要求される。
      ・ 関連性のある活動(当該事業体のリターンに重要な影響を及ぼす活動)に対するパワー
      ・ 当該事業体の変動リターンに対するエクスポージャー
      ・ 当該事業体に対するパワーを用いて当グループのリターンに影響を与える能力
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    28.  金融資産の譲渡
     当グループは、通常の事業活動において、金融資産を第三者またはSEに直接譲渡する取引を行っている。これらの譲渡によ

    り、当グループは、譲渡資産に係る当グループのリスクおよび経済的便益または支配へのエクスポージャーによっては、それ
    らの金融資産の全部または一部の認識を中止する場合がある。当グループが譲渡資産に係るリスクおよび経済価値をほぼすべ
    て留保している場合、認識中止に適格な譲渡とは認められず、当該資産は当グループの貸借対照表に引き続き全額計上され
    る。
     証券化

     正味貸付金および前渡金には、当グループの証券化プログラムに基づいて証券化され、倒産隔離構造を持つSEに譲渡された
    住宅モーゲージが含まれている。それらの住宅モーゲージは、SEが発行するノートに係る返済債務の担保とするために譲渡さ
    れたものである。発行済ノート保有者は、証券化された住宅モーゲージ・プールに対して完全遡及権を有し、当グループは、
    かかる譲渡資産を担保に差し入れることや処分することはできない。
     場合によっては、当グループは、SEが発行する証券化されたノートの保有者でもある。さらに当グループは、SEの残存収益
    に対する権利も有しており、SEとデリバティブ契約を結ぶこともある。したがって、当グループは住宅モーゲージのリスクお
    よび経済的便益を留保しているため、引き続き当該住宅モーゲージを金融資産として認識する。
     当グループはこれら証券化SEへの関与により変動リターンにさらされており、またSEの活動に対するパワーを通じてこれら
    のリターンに影響を及ぼす能力を有する。したがってこれらのSEは当グループに連結されている。
     2021会計年度中、当行は連結されている証券化SEとのグループ内ポジションに関する会計方針を変更した。これにより、当
    行は当該SEのすべての発行済み証券を保有している。当行は、これらの完全に相殺される会社間取引の経済的実体を反映する
    ため、証券化SEとの正味ゼロのポジションを計上している。会計方針の変更に関する詳細は、注記35「新たな基準の適用およ
    びその他の変更による影響」を参照のこと。
     カバード・ボンド

     当グループは、発行市場で資金を調達するため、様々なグローバル・カバード・ボンド・プログラムを運用している。正味
    貸付金および前渡金には、これらのカバード・ボンド・プログラムに基づいて倒産隔離構造を持つSEに譲渡された住宅モー
    ゲージが含まれている。それらの住宅モーゲージは、発行済のカバード・ボンドにかかる返済債務の担保となっている。
     カバード・ボンド保有者は、発行体とカバー・プール資産に対して二重の遡及権を有する。発行体は、かかる譲渡資産を担
    保に差し入れること、あるいは処分することはできないが、必要な補償が維持されている限り、法的手続きを条件に資産の買
    戻しおよび代用ができる。
     当グループは、カバー・プールを、当該カバード・ボンド債務を十分に補償できる水準に維持しなければならない。さらに
    当グループは、カバード・ボンドSEの残存収益に対する権利も有しており、SEとデリバティブ契約を結んでいる。したがっ
    て、当グループは住宅モーゲージのリスクおよび経済的便益の大半を留保しているため、引き続き当該住宅モーゲージを金融
    資産として認識する。当該金額をSEに返済するための債務は、当グループの金融負債として認識している。
     当グループはカバード・ボンドSEへの関与により変動リターンにさらされており、またSEの活動に対するパワーを通じてそ
    のリターンに影響を及ぼす能力を有している。したがってこれらのSEは当グループに連結されている。これらの発行済外部向
    けカバード・ボンドは、発行済社債に含まれている。
     買戻条件付契約

     当グループが、所有に伴う実質的にすべてのリスクおよび経済的便益を留保する買戻条件付契約により有価証券を売却する
    場合、それらは認識の中止に適格な資産とみなされない。取引相手から受領した対価について関連負債が認識される。
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     ストラクチャード・ファイナンス契約
     当グループは、ストラクチャード・リースおよびコモディティ前払い契約を通じて、特定の顧客取引の資金提供を行ってい
    る。これらの取引は、当グループの貸借対照表においてリース債権あるいは貸付金として認識される。他の金融機関も当該契
    約の資金提供に参加することもある。その場合には、当グループにより認識された当該資産に対する権利が割合に応じて譲渡
    される。参加銀行は、リース資産または調達したコモディティおよび関連収入に対して限定的な遡及権を有する。当グループ
    が、デリバティブまたはその他の継続的関与を通じて、当グループが譲渡した資産のリスクの一部に引き続きさらされる場
    合、当グループはリース債権または貸付金の認識を中止しない。その代わりに、参加金融機関に対する債務を表す関連負債を
    認識する。
     下表は、認識の中止に不適格な譲渡資産の残高と関連負債を示したものである。

                                                  ストラクチャード・

                       (1)(2)
                             カバード・ボンド           買戻条件付契約          ファイナンス契約
                    証券化
                   2021年     2020年     2021年     2020年     2021年     2020年     2021年      2020年
    連結                               (単位:百万ドル)
    譲渡済資産の当期帳簿価額               1,430     1,831     28,816      28,559     51,208     61,415        55      67
                   1,424     1,824     15,399      15,948     46,147     55,716        55      67
    関連負債の帳簿価額
                                                  ストラクチャード・

                       (1)(2)
                             カバード・ボンド           買戻条件付契約          ファイナンス契約
                    証券化
                   2021年     2020年     2021年     2020年     2021年     2020年     2021年      2020年
    当行                               (単位:百万ドル)
    譲渡済資産の当期帳簿価額               1,430     1,831     17,925      17,937     48,663     60,612        -      -
                   1,430     1,831     17,925      17,937     43,925     54,951        -      -
    関連負債の帳簿価額
    (1)  外部投資家のいない内部の組成された事業体への譲渡は含まない。

    (2)  証券化されたノートの保有者は、証券化された住宅ローン・プールのみに対して遡及権を有する。証券化資産と関連負債
      の帳簿価額は、公正価値の近似値である。
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    29.  非継続事業ならびに売却目的保有資産および負債
     非継続事業

     当グループは、2018年10月1日に提携ディーラー・グループ事業のIOOFホールディングス・リミテッド(「IOOF」)への売
    却、2019年5月31日に生命保険事業のチューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ・オーストラリア・リミテッド
    (「チューリッヒ」)への売却、ならびに2020年1月31日にOnePathの年金および投資事業のIOOFへの売却を完了した。
     これらの売却事業の財務業績は、財務報告の観点からは非継続事業として扱われる。取引完了後の財務業績は、主に分離に
    係る残余営業費用に関係し、一部は各移行サービス契約に基づく回収に関係している。当年度の非継続事業による税引後損失
    は17百万ドル(2020年度:98百万ドルの損失)であった。
     非継続事業ならびに売却目的保有資産および負債に関連する損益計算書への影響

     2021年度中、当グループは非継続事業に関連する次の影響を認識した。
     ・ 顧客救済費用3百万ドルおよび関連する税務上の便益1百万ドル、継続中の売却完了費用(回収控除後)に帰属する17
       百万ドル(税引後)の損失。
     2020年度中、当グループは非継続事業に関連する次の影響を認識した。

     ・ 営業収入に計上された売却完了費用に帰属する13百万ドル(税引後)の損失。
     ・ 顧客救済費用126百万ドルおよび関連する税務上の便益30百万ドル。
     ・ 営業収益に認識された101百万ドルの費用は、生命保険事業のチューリッヒへの売却に関連した保険契約者の税務上のポ
       ジションの確定により、法人税費用に含まれる税務上の便益101百万ドルと相殺された。
     重要な判断および見積り

     以下の事項の決定の際に、当グループは、重要な判断を行う。
      ・ 資産または資産グループの売却目的保有または非継続事業への分類および表示
      ・ 売却目的保有に分類された資産および負債の公正価値
     経営陣は、売却目的保有資産および負債に関する売却費用控除後の公正価値を評価するに当たって、重要な判断が
     求められる。判断の項目には、売却費用、のれんの配分、売却契約に含まれる補償および受領した対価(特に、対
     価の一部に偶発的な要素がある場合)の決定が含まれる。計上する減損は、入手可能な公正価値の最善の証拠を減
     損控除前の帳簿価額と比較したものに基づいている。最終的な売却価格は、減損計上時に見積る公正価値と異なる
     可能性がある。経営陣は、定期的に根拠となる仮定の適切性を実際の結果およびその他の関連する証拠と照らして
     評価し、必要に応じて、公正価値を調整する。売却は貸借対照表日から12か月以内に完了する見込みだが、当該資
     産の売却に関して当局の承認および商慣習に従った売却条件が適用される。
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    30.  退職年金および退職後給付債務
     下表は、確定給付型退職年金制度に関して貸借対照表に計上された金額を要約したものである。

                                 連結                 当行

                            2021年        2020年        2021年        2020年
                                     (単位:百万ドル)
    確定給付債務および制度資産
    積立済確定給付債務の現在価値                         (1,477)        (1,478)        (1,319)        (1,282)
    制度資産の公正価値                          1,679        1,693        1,514        1,541
    正味確定給付資産
                               202        215        195        259
    貸借対照表に計上された金額
    支払債務およびその他の負債に含まれる
    確定給付債務から生じた純負債                           (11)        (59)        (11)        (15)
    その他の資産に含まれる確定給付債務から
                               213        274        206        274
    生じた純資産
    正味確定給付資産
                               202        215        195        259
    確定給付債務に反映された給付金の支払い
                               14.9        14.9        14.9        14.9
    の加重平均期間(年)
     制度の直近の決算日時点において、未払給付額に対する資産の市場価値(純額)は、積立ベースで合計109百万ドルの超過

    (2020年度:104百万ドルの超過)であった。当グループは、2021年度に確定給付制度へ合計3百万ドル(2020年度:4百万ド
    ル)を拠出した。来年度には、約2百万ドルを拠出する見込みである。
     制度のガバナンスおよび確定給付制度の積立て

     当グループが加入している主な確定給付型退職年金制度は信託法の下で運営され、関連する信託証書の条項、規則およびす
    べての関連する法律に従い、加入者に代わって運用および管理される。これらの制度は、当グループの完全子会社を受託会社
    としている。受託会社は制度資産の法的な所有者であり、これらは当グループの資産とは分別して保管されている。また、受
    託会社の責任は、運用方針の設定、および3年ごとの年金数理評価プロセスを通じて雇用主と所要積立額について合意するこ
    とである。
     当グループは、オーストラリア、日本、ニュージーランド、フィリピン、台湾、英国で確定給付制度を設けている。3大制
    度は、ANZオーストラリア職員退職年金制度、ANZ英国職員年金制度、ニュージーランドのANZ全国退職金制度の確定給付制度で
    ある。これらの制度は閉鎖されており、1987年、2004年、1991年以降、それぞれ新規加入者はない。どの制度も、直近の積立
    評価時現在、不足額も余剰金もそれほど多くはなかった。当グループは、いかなる制度の信託契約上も、不足額(積立ベース
    に基づいて測定)を補てんする義務を負っていない。これらの制度のいずれかを解散した場合、当グループに偶発債務が発生
    する可能性がある。
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     認識および測定
     確定給付退職年金制度
     当グループは、少数の確定給付制度も運営している。各確定給付制度に基づく従業員への給付に関連する負債およ
     び費用は独立年金数理士が計算する。年金数理士は予測単位積増方式を用いて、負債を評価する。貸借対照表に
     は、次のものが計上される。
      ・ 債務が制度資産の公正価値を上回る場合は、確定給付負債
      ・ 資産の公正価値が債務を上回る場合は、資産(回収可能価額を上限とする)
     各報告期間において、正味確定給付債務の変動は、以下のように認識される。
      ・ 当期勤務費用、確定給付債務の利息純額、過去勤務費用、およびその他の費用(例えば縮小や清算の影響な
        ど)に関連する純変動は、営業費用として認識される。
      ・ 正味確定給付負債のうちの数理計算上の差異および制度資産からの収益(利息純額に含まれる受取利息を除
        く)を構成する部分の再測定は、その他の包括利益を通じて利益剰余金に直接計上される。
      ・ 当グループの拠出額は正味確定給付残高に直接計上される。
     確定拠出退職年金制度

     当グループは、多数の確定拠出制度も運営しており、事業を行っている様々な国における法律に従い、確定拠出制
     度の性質を有する政府およびその他の制度にも拠出を行っている。当グループのこれら制度への拠出は、発生時に
     人件費として認識される。
     重要な判断および見積り

     確定給付債務の評価時に当グループが使用する主な仮定は、次のとおりである。仮定の変更、または異なる仮定の
     適用は、その他の包括利益計算書および貸借対照表に影響を及ぼす可能性がある。
                                                確定給付債務の
                                                 増加/(減少)
                                                2021年      2020年
                                     重要な仮定の変更に
     連結                  2021年        2020年      関する感応度分析           (単位:百万ドル)
     割引率(年率%)                   0.4  - 2.15     0.5  - 1.7
                                      0.5%の上昇           (103)      (103)
     将来の昇給率(年率%)                   1.9  - 3.5     1.6  - 3.0
     将来の年金給付の物価スライド
     支払(年率%)/繰延年金
                     1.05   - 3.35/2.7     1.1  - 2.8/2.2
     (年率%)                                 0.5%の上昇            84      85
     現在の加入者の60歳時点での余命                                  1年長期化            74      73
     -男性(年数)                 26.1   - 28.8    26.0   - 28.7
     -女性(年数)                 29.0   - 30.5    28.9   - 30.4
                                                確定給付債務の

                                                 増加/(減少)
                                                2021年      2020年
                                     重要な仮定の変更に
     当行                  2021年        2020年      関する感応度分析           (単位:百万ドル)
     割引率(年率%)                  1.95   - 2.15     1.55   - 1.7
                                      0.5%の上昇            (94)      (91)
     将来の昇給率(年率%)                      3.5       2.95
     将来の年金給付の物価スライド
     支払(年率%)/繰延年金
                     2.0  - 3.35/2.7     1.5  - 2.8/2.15
     (年率%)                                 0.5%の上昇            75      73
     現在の加入者の60歳時点での余命                                  1年長期化            67      65
     -男性(年数)                 26.1   - 28.8    26.0   - 28.7
     -女性(年数)                 29.0   - 30.5    28.9   - 30.4
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    31.  従業員持株およびオプション制度
     ANZは、ANZ従業員株式取得制度およびANZ株式オプション制度に基づき多数の従業員持株およびオプション制度を運営してい

    る。
     ANZ  従業員株式取得制度

     2021年度および2020年度に運営されていたANZ従業員株式取得制度は、従業員株式オファー制度(2020年度のみ)および株式
    後渡し制度である。
     従業員株式オファー制度

     2019年12月における従業員株式オファー制度の付与に関する詳細は以下のとおりである。
     資格              オーストラリアまたはニュージーランドで雇用され、継続勤続年数が3年以上にな

                   る正社員の大半
     付与              取締役会は、オーストラリアでは1,000豪ドル(ニュージーランドでは800豪ドル)
                   相当のANZ株式を承認した。
     割当額              付与日までの1週間(付与日を含む)にオーストラリア証券取引所(「ASX」)で売
                   買されたANZ株式の1週間の出来高加重平均価格(「VWAP」)
     オーストラリア              ANZの普通株式は、対価なしで適格従業員に付与された。これらの株式は付与時に権
                   利が確定し、付与日から3年間信託で保有されている。その後、信託に留保、従業
                   員の名義に移管、または売却することができる。配当金は配当金再投資制度で自動
                   的に再投資される。
     ニュージーランド              適格従業員は、1株当たり1ニュージーランド・セントを支払うと株式が付与され
                   た。3年間の勤続期間の充足を条件に、株式の権利が確定した後は、信託に留保さ
                   れるか、従業員の名義に変更、または売却することができる。
                   従業員が辞職した場合または重大な不正行為により解雇された場合、権利未確定の
                   株式は失効する。配当は現金で支払われるか、配当金再投資制度で再投資される。
     費用計上額(公正価値)              オーストラリアでは、これらの株式に失効の条件が付されていなければ、付与され
                   た年にその公正価値が費用計上される。
                   ニュージーランドでは、3年間の権利確定期間にわたって公正価値が定額法で費用
                   計上される。
                   この費用は株式報酬費用として認識され、資本が同額増加する。
     2020年度の付与              2019年12月2日に、24.96ドルの発行価格で698,862株が付与された。
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     株式後渡し制度
     i)  ANZインセンティブ制度(「ANZIP」)-                   最高経営責任者(「CEO」)、グループ執行委員会(「ExCo」)、
      および銀行役員説明責任制度(「BEAR」)のその他の説明責任対象役員
     資格      グループCEO、ExCoおよび内部監査担当グループ・ジェネラル・マネージャー(「GGM                                       IA」)
     付与      CEOの年間変動報酬(「AVR」)の50%相当、ExCo(最高リスク責任者(「CRO」)を除く)の変動報酬
           (「VR」)の25%相当、ならびにCROおよびGGM                     IAのVRの33%相当を後渡し株式として受領
     条件      取締役会が変動報酬の付与を承認した日から少なくとも1年から4年にわたって繰り延べられる。
     ii)  ANZIP:    2020年度の業績および報酬レビューに基づく
     資格      CEO、ExCoおよびGGM          IA(すなわちBEARのその他の説明責任対象役員)、ならびに英国/中国の一部
                         (1)
           の役割を除くすべての従業員
     付与      VRが100,000豪ドルまたはそれを上回る場合、VR金額合計の60%相当を後渡し株式として受領
     条件      付与日から3年にわたって繰り延べられる。
     iii)   ANZIP:    2019年度の業績および報酬レビューに基づく(2020会計年度に付与)
     資格      CEO、ExCoおよびGGM          IA(すなわちBEARのその他の説明責任対象役員)、ならびに英国/中国の一部
                         (1)
           の役割を除くすべての従業員
     付与      VRが150,000豪ドルまたはそれを上回る場合、80,000豪ドルを超えるVR金額の60%相当を後渡し株式
           として受領(最低繰延額は42,000豪ドル)
     条件      付与日から3年にわたって繰り延べられる。
     iv)  長期インセンティブ(LTIs):              2019年度の業績および報酬レビューに基づく(2020会計年度に付与)
     資格      選定された従業員(CEO、ExCoおよびGGM                   IA(すなわちBEARのその他の説明責任対象役員)を除く)
     付与      100%後渡し株式
     条件      付与日から3年後に権利が確定
    (1)  英国の重要リスクテイカーおよび中国の重要リスクテイカーとして定義される役割については、現地の規制要件に従っ

      て、ANZIPの下での特定の繰延べ取決めも存在する。
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     v)  例外的な場合
     放棄された報酬            例外的に、当グループは、前の雇用主に対して放棄した報酬を補償するため、特定の従
                 業員のANZ入社時に後渡し株式を付与する。権利確定期間は一般的に放棄した報酬の残
                 存権利確定期間で調整されるため、付与によって異なる。
     人材確保            ANZにとって人材喪失リスクが大きいとみなされる業績の良い従業員に対して、後渡し
                 株式が付与されることがある。
     vi)  追加情報
     中止            取締役会が別段の決定を下さない限り、従業員が辞職した場合、通知により契約が終了
                 した場合、または重大な不正行為により解雇された場合、権利未確定の後渡し株式は失
                 効する。後渡し株式は繰り延べ期間以降は信託で保有可能である。
     配当金            配当金は配当金再投資制度で再投資される。
     金融商品            一部の国においては、現地に合わせて後渡し株式の代わりに後渡し株式の権利を付与す
                 ることができる(「後渡し株式の権利」欄を参照のこと)。
     割当額            すべての後渡し株式は、付与日までの1週間(付与日を含む)にASXで取引されたANZ株
                 式のVWAPに基づいて、発行される。
     費用計上額(公正価値)            当グループは、関連する権利確定期間を通じて、定額法で後渡し株式の公正価値を費用
                 計上する。この費用を株式報酬費用として計上し、資本が同額増加する。
     2021年度および            2021年度に、1,653,585株(2020年度:2,259,897株)の後渡し株式が付与され、加重平
                 均付与価格は23.31ドル(2020年度:24.94ドル)であった。
     2020年度の付与
     マルス(下方修正)            株式後渡しは依然としてリスクにさらされており、取締役会は権利確定日までいつでも
                 後渡し株式数を下方修正(ゼロまでの修正を含む)する裁量を有する。ANZのマルス
                 (下方修正)規定については、2021年度報酬報告書のセクション5.3を参照のこと。
                 後渡し株式の下方修正を行う取締役会の裁量権は、2021年度には行使されなかった
                 (2020年度:なし)。
     ANZ従業員株式取得制度の費用計上

     費用計上額(公正価値)            2021年度に株式後渡し制度(2020年度に従業員株式オファー制度および株式後渡し制
                 度)により当グループが付与した株式の付与日に測定した公正価値は、株式数
                 1,653,585株(2020年度:2,958,759株)とVWAP23.53ドル(2020年度:VWAP24.81ドル)
                 に基づいて38.9百万ドル(2020年度:73.4百万ドル)である。
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     ANZ株式オプション制度
     割当            当グループは、選ばれた従業員に、ANZの全額払込済普通株式をオプションまたは権利
                 の確定時に所定の価格で取得する権利を表象するオプションまたは権利を付与すること
                 がある。オプションまたは権利を行使して普通株式が割当てられると、議決権と配当請
                 求権も付随して割当てられる。
                 各オプションまたは権利により、その所有者は付与時に課せられた条件に従い普通株式
                 1株を与えられる。オプションの行使価格は、制度の規則に従い、一般には付与日まで
                 の1週間(付与日を含む)にASXで取引された株式のVWAPを基準に決定される。権利に
                 ついては、行使価格はゼロである。
     規則            オプションまたは権利の行使前に、株式無償割当、株主割当発行、または再編により
                 ANZが株式資本を変更した場合、次の調整が求められる。
                 ・   株式無償割当      ― 所有者のオプション行使時において、対象株式の割当時に保有して
                   いたならば受領資格のあった無償株式の割当数に対する権利が同時に与えられる。
                 ・ 株式割当発行        ― 当グループは、ASX上場規則で定められている方法で、オプション
                   行使価格を調整する。
                 ・ 再編    ― 権利に関して、株式無償割当またはANZの株式資本再編が行われた場合、取
                   締役会は、権利所有者に損得が生じないよう、権利の個数または対象株式数を調整
                   できる。
                 所有者には上記以外に参加する権利はない。

                 ・   オプションまたは権利の行使前におけるANZの有価証券の新規発行
                 ・   ANZ以外の法人(子会社など)の株式発行
                 取締役会の裁量により、報奨の権利確定部分を株式ではなく現金同等物で支給できる。

     費用計上            当グループは、関連する権利確定期間を通じて、定額法でオプションまたは権利の公正
                 価値を費用計上する。この費用を株式報酬費用として計上し、資本が同額増加する。
     中止            当該従業員の雇用が終了した場合に適用される規定については、2021年度報酬報告書の
                 セクション8.2.3を参照のこと。
     マルス(下方修正)            ANZのマルス(下方修正)規定については、2021年度報酬報告書のセクション5.3を参照
                 のこと。
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     2021年度および2020年度のオプション制度
     i)  業績に基づく権利

     割当            当グループは、ANZの変動報酬プランの一環として、CEOおよびExCoに業績に基づく権利
                 を付与している。業績に基づく権利とは、4年間の権利確定期間および総株主利回り
                 (「TSR」)の業績要件を条件として、対価なしにANZ株式を取得する権利を所有者に付
                 与する。業績要件に関する詳細については、2021年度報酬報告書のセクション5.2.3aを
                 参照のこと。
     権利確定            業績に基づく権利(業績要件を満たしている)の報奨の一部は、取締役会の裁量により
                 株式ではなく現金同等物で支給できる。2021年度には、権利が確定した業績に基づく権
                 利(前回は2017年11月/12月に付与)は、現金支払いが行われた36,103個の業績に基づ
                 く権利を除いて、株式の割当により支給された。2020年度には、業績要件を満たさな
                 かったことによりすべての業績に基づく権利(前回は2016年11月/12月に付与)が失効
                 した。
     2021年度および2020年            2021年度には、485,032個(2020年度:520,172個)の業績に基づく権利を付与した。
     度の付与
     マルス(下方修正)            業績に基づく権利の下方修正を行う取締役会の裁量権は、2021年度には行使されなかっ
                 た(2020年度:なし)。
     ii)  後渡し株式の権利(業績要件なし)
     割当            後渡し株式の権利とは、一定の権利確定期間の後、対価なしにANZ株式を取得する権利
                 を所有者に与えるものである。当グループは、制限期間中に配当が支払われないことに
                 ついて権利の公正価値を調整する。2021年度報酬報告書のセクション5.2.3bも参照のこ
                 と。
     権利確定            株式報奨の一部は、取締役会の裁量により株式ではなく現金同等物で支給できる。現金
                 支払いが行われた後渡し株式の権利89,296個(2020年度:99,891個)を除いて、すべて
                 株式の割当により支給された。
     2021年度および2020年            2021年度には、2,258,774個(2020年度:2,393,424個)の後渡し株式の権利(業績要件
     度の付与            なし)が付与された。
     マルス(下方修正)            2021年度には、8,414個の後渡し株式の権利をゼロに下方修正する取締役会の裁量権が
                 行使された(2020年度:なし)。
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     発行済のオプション、後渡し株式の権利、および業績に基づく権利
     2021年10月27日現在、発行済の後渡し株式の権利は4,537,088個、その所有者は442名、発行済の業績に基づく権利は
    1,709,028個、その所有者は97名であった。
     オプション/権利の変動

     2021年度期首および期末における未発行ANZ株式に係るオプション/権利、関連する加重平均(「WA」)行使価格および2021
    年度の変動の詳細は、下表に示すとおりである。
                               失効した

                期首残高                                     期末残高
                       付与された               終了した       行使された
                              オプション/
                 2020年                                     2021年
                       オプション/               オプション/       オプション/
                                  (1)
               10月1日現在         権利数               権利数       権利数      9月30日現在
                               権利数
    オプション/権利数
                 6,724,557       2,743,806        (918,589)           0   (2,241,996)        6,307,778
    WA行使価格(ドル)               0.00       0.00       0.00       0.00       0.00       0.00
    WA株価終値(ドル)                                                   25.34
    WA残存契約期間                                                   1.8年
    行使可能な全発行済
    オプション/      権利の
    WA行使価格(ドル)                                                    0.00
    行使可能な発行済
                                                       227,412
    オプション/権利数
     2020年度期首および期末における未発行ANZ株式に係るオプション/権利、関連する加重平均行使価格および2020年度の変動

    の詳細は、下表に示すとおりである。
                               失効した

                期首残高                                     期末残高
                       付与された               終了した       行使された
                              オプション/
                 2019年                                     2020年
                       オプション/               オプション/       オプション/
                                  (1)
               10月1日現在         権利数               権利数       権利数      9月30日現在
                               権利数
    オプション/権利数
                 6,688,538       2,913,596        (976,468)           0   (1,901,109)        6,724,557
    WA行使価格(ドル)               0.00       0.00       0.00       0.00       0.00       0.00
    WA株価終値(ドル)                                                   19.94
    WA残存契約期間                                                   1.9年
    行使可能な全発行済
    オプション/      権利の
    WA行使価格(ドル)                                                    0.00
    行使可能な発行済
                                                       151,829
    オプション/権利数
    (1)  権利が失効するような状況(例えば中止、下方修正、業績面の条件を満たしていないなど)を指す。

     2021年および2020年度のオプション/権利の行使の結果発行されたすべての株式の権利行使価格はゼロであった。

     取締役会報告書の署名日である2021年10月27日現在、
     ・ 2021年度末以降に付与された普通株式に対するオプション/権利はなかった。
     ・ 2021年度末以降のオプション/権利の行使の結果発行された株式はなかった。
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     公正価値の仮定
     公正価値算定時、当グループは、AASB第2号「株式報酬」の要件に従って、モンテ・カルロ価格モデルおよび/またはブ
    ラック・ショールズ価格モデルなど、市場における標準的な評価技法を適用している。これらのモデルは、権利が確定した持
    分の早期行使、譲渡不能、および(要件が設けられている場合は)社内外の業績要件を考慮している。
     下表は、期中に付与された金融商品の公正価値の計算へのインプットとして使用した重要な仮定である。値は加重平均値で

    表示しているが、各配分で用いる具体的な値は、公正価値の計算に用いている値である。
                               2021年                  2020年

                                                   業績に基づく
                         後渡し株式の         業績に基づく         後渡し株式の
                                                       (1)
                           権利         権利         権利
                                                     権利
    行使価格(ドル)
                             0.00         0.00         0.00          0.00
    付与日の株価終値(ドル)                        23.37         23.32         24.78          24.93
                     (2)
                             26.5         25.0         20.0          20.0
    ANZ株価の予想ボラティリティ(%)
    権利の期間(年)                         2.3         6.0         2.5          6.0
    権利確定期間(年)                         2.0         4.0         2.1          4.0
    予定残存期間(年)                         2.0         4.0         2.1          4.0
    予定配当利回り(%)                         4.85         5.25         6.0          6.0
    無リスク金利(%)                         0.10         0.21         0.77          0.74
    公正価値(ドル)                        21.15          9.56        21.95          9.07
    (1)  2019年11月の付与に関連する。

    (2)  予想ボラティリティとは、ANZの株価が権利の有効期間中において変動すると予想される金額の割合である。価格モデルで
      用いる変動率の測定の基準となるのは、付与日に先立つ一定の期間における株価実績について、連続複利による収益率の
      標準偏差を年換算したものである。この年率換算した変動実績率の平均は、権利の予定期間における合理的な予想変動率
      を見積もるために利用される。
     株式報酬の支給

     株式報酬に用いられるすべての株式は、市場からの買戻し、再割当、新規発行、またはこれらの組み合わせにより調達され
    る。
     2021年度に当グループが全従業員のために市場で買い付けた株式数は(ANZ従業員株式取得制度およびANZ株式オプション制
    度に基づき、あるいはオプションまたは権利に対応するため)は3,593,574株、1株当たり平均株価は22.03ドル(2020年度:
    4,882,936株、1株当たり平均株価は25.06ドル)であった。
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    32.  関係当事者の開示
     主要経営陣の報酬

     主要経営陣(「KMP」)とは、当グループのすべての取締役、ならびに当グループの戦略の方向性や経営管理に重要な責任を
    持つCEO直属の職員である。注記4「営業費用」で人件費合計に算入されているKMPの報酬は、以下のとおりである。
                                             連結

                                       2021年           2020年
                                            (1)
                                   (単位:千ドル)            (単位:千ドル)
    短期給付                                     21,109           19,260
    退職後給付                                       383           414
    その他長期給付                                       258           397
    退職給付                                       250            -
                                          5,066           8,198
    株式報酬
                                          27,066           28,269
    合計
    (1)  雇用期間が終了するまでは、開示された旧KMPを含めている。

     主要経営陣のローン取引

     KMPに融資されたローンは、他の従業員や一般顧客に適用される条件よりも有利にならない通常の商業的条件(融資期間、所
    要担保、金利など)に基づき、通常の事業過程で行われたものである。当期中に償却はなく、これらの残高に関して計上され
    た個別引当金もなかった。ローン商品の条件の詳細は、ANZ.comに掲載されている。KMP(その関係当事者を含む)に対して実
    行したローン(クレジットカード残高を含む)、保証または担保、および未実行の与信枠の総額は、以下のとおりであった。
                                 連結                 当行

                            2021年        2020年        2021年        2020年
                                      (単位:千ドル)
       (1)(2)
                              26,867        32,452        14,012        19,166
    貸付金
           (2)
                               531       1,353         277       1,111
    未実行の与信枠
        (3)
                               777        888        434        518
    利息費用
    (1)  過去の期間の残高は、僅かな時期のずれを反映するために修正再表示されている。

    (2)  残高は貸借対照表日現在(貸借対照表日現在に在職していたKMP)、あるいは旧KMPの離職日現在のものである。比較情報
      は、当期の新KMPに係る期首残高(開始日時点)を含むよう修正されている。
    (3)  利息費用は当期中のすべてのKMPに関するものである。
     主要経営陣によるANZ証券の保有高

     KMP(KMPの関係当事者を含む)が直接的、間接的、または実質的に保有する当行の劣後債、株式、株式の権利および株式オ
    プションの詳細は以下のとおりである。
                                               連結

                                          2021年          2020年
                                              (1)
                                                  株数または個数
                                       株数または個数
    株式、オプションおよび権利                                       2,319,807          2,211,879
                                            26,672          21,052
    劣後債務
    (1)  残高は貸借対照表日現在(貸借対照表日現在に在職していたKMP)、あるいは旧KMPの離職日現在のものである。

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     主要経営陣およびその関係当事者とのその他の取引
     KMPおよびその関係当事者の当グループへの預金総額は46百万ドル(2020年度:48百万ドル)、当行への預金総額は38百万ド
    ル(2020年度:37百万ドル)であった。
     当年度中、2014年から2020年まで当グループ会長を務めたデービッド・ゴンスキー氏の貢献を称えて、当グループは、同氏
    が理事長を務めるニュー・サウス・ウェールズ州立美術館のコレクションに当グループが所蔵する絵画1点(評価額約325,000
    ドル)を寄贈した。ANZは、毎年授与される様々な美術賞のスポンサーとして、2010年から同美術館と関係を築いており、2017
    年からはリーダーシップ・パートナーを務めている。当グループと同美術館との取引は、会計上の関係当事者取引ではない。
     KMPおよびその関係当事者とのその他の取引には、投資運用サービス手数料、ブローカーおよび銀行手数料に関して当グルー
    プに支払われた金額が含まれている。当グループは、KMPの職務の遂行に関連したセキュリティおよび事務サービスの費用を払
    い戻している。これらの取引は、通常の商業条件で行われており、他の従業員や顧客の場合と比べて有利なものではない。当
    年度中、KMPの関係当事者に代わって、慈善寄付の形で500ドルの贈与が行われた。
     関連会社

     重要な関連会社については、注記26「関連会社に対する投資」で開示している。当年度中、全関連会社との間で実行された
    取引は、通常の商業的条件と同等の条件で行われた。
                                 連結                 当行

                            2021年        2020年        2021年        2020年
                                      (単位:千ドル)
    関連会社からの未収金
                                7       354         -        -
    関連会社への未払金                          1,739        1,354         716        746
    関連会社への支払利息                            2        10         -        -
    関連会社からのその他の収入                            -       500         -        -
    関連会社に支払ったその他の費用                          9,988        9,018        8,063        7,706
    関連会社への保証                           28         -        28         -
    関連会社からの受取配当金                            -      32,465           -        -
     関連会社に重要な保証を与えたことはなく、また関連会社から重要な保証を受けたこともなかった。当期中に関連会社から

    の未収金の償却はなく、これらの残高に関して計上された個別引当金もなかった。
     子会社

     重要な被支配法人については、注記25「被支配法人」において開示している。当会計年度中、子会社は子会社間および関連
    会社との間で、独立第三者間取引と同等の条件で取引を行った。2021年9月30日現在、当行はこれらすべての取引に関わる残
    高が全額回収可能とみなしている。
     当行とその子会社との間の取引には、広範囲にわたる銀行業務およびその他の与信枠の提供が含まれる。配当金または持分
    の形式で関係当事者に支払った、または関係当事者より受領した金額は、注記2「純利息収益」および注記3「非利息収益」
    に記載されている。
     その他のグループ内取引には、運用および管理サービスの提供、職員の研修、データ処理設備、税務上の欠損金の移転なら
    びに土地建物および設備機器のリースが含まれる。
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    33.  コミットメント、偶発債務および偶発資産
     信用関連のコミットメントおよび偶発債務

                                連結                当行

                           2021年        2020年        2021年        2020年
                                    (単位:百万ドル)
    契約額
    未実行の与信枠                        212,265        227,819        176,077        191,300
    保証および信用状                         30,027        22,778        27,957        20,640
    履行保証関連偶発債務                         18,303        17,017        17,085        15,505
    合計
                            260,595        267,614        221,119        227,445
     未実行の与信枠

     未実行の与信枠の大半は、顧客の特定の信用およびその他要件もしくは条件の維持が前提となる。これら与信枠の多くは、
    部分的な使用にとどまると予想されるが、その他は全く使用されない可能性もある。したがって、額面金額の総額は、将来の
    流動性リスクまたは将来の現金の必要額を必ずしも示していない。当グループまたは当行が支払いを求められうる最短日に基
    づくと、当グループおよび当行の未実行の与信枠の全額が向こう12か月以内に満期を迎える。
     保証、信用状および履行保証関連偶発債務

     保証、信用状および履行保証関連偶発債務は、保証、スタンドバイ信用状、荷為替信用状など当グループが自己勘定におい
    て実行した取引に関するものである。
     荷為替信用状では、輸出業者に対する代金支払いを保証する信用状を当グループが発行する。これらは、関係する積荷商品
    を担保としているか、または他の銀行の確認信用状の発行を条件にしている。
     履行保証関連偶発債務は、顧客が契約に基づく非金銭的な債務の履行を怠った場合に第三者に支払いを行う義務を当グルー
    プに負わせる負債である。
     これらの取引に関連するリスクを反映するため、当グループは、融資申請と同じ与信審査、ポートフォリオ管理および担保
    要件を適用している。契約額は、契約相手が金銭上の債務を履行できなかった場合に当グループが被りうる最大損失額を表し
    ている。与信枠は、実行されずに期間が終了する可能性もあるため、名目上の金額は必ずしも将来必要となる現金額を表すわ
    けではない。当グループまたは当行が支払いを求められうる最短日に基づくと、当グループおよび当行の保証および信用状な
    らびに履行保証関連偶発債務の全額が向こう12か月以内に満期を迎える。
    その他の偶発債務

     2021年9月30日現在、当グループには以下の事項に関する偶発債務が存在していた。該当する場合には、法律専門家の助言
    に照らして適切と考えられる引当金の計上(注記22「その他引当金」を参照のこと)および開示が行われている。場合によっ
    ては、開示が実務的でないこと、または開示により当グループの利益を毀損するおそれがあるため、個別項目が財務に及ぼす
    影響の見積額を開示していない。
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     規制および顧客に対するエクスポージャー
     近年、当グループについて規制当局が関与する案件数が増加している。また、とりわけオーストラリアおよび世界各国の金
    融機関に対して、規制上の捜査、監視や検査の内容と規模、民事および刑事の強制措置(訴訟またはそれ以外であるかを問わ
    ない。)、公式および非公式の調査、規制上の監督活動ならびに規制当局によって科される罰金の金額が著しく増大してい
    る。当グループは、業界全体および当グループに限定した検査の一環として、規制当局から様々な通知および情報提供の要請
    を受けた。また、規制当局に対して当グループ自ら進んで開示を行った。これらの関与は広範囲に及ぶ可能性があり、例え
    ば、担当する融資実務、規制されている貸付の要件、商品の適合性および販売、これらに課される利子および手数料や受給
    権、顧客救済措置、富裕層への助言、保険の販売、価格設定、競争、金融市場および金融取引における行為、資本市場取引、
    マネーロンダリング対策およびテロ資金対策の義務、報告および開示の義務ならびに商品開示に関する文書などの多岐にわた
    る事項が含まれるか、または含まれてきた。これらは、規制に対するエクスポージャーに加えて顧客に対するエクスポー
    ジャーが生じる可能性がある。これらのエクスポージャーとしては、集団訴訟、個別請求、または顧客救済や補償措置が含ま
    れるおそれがある。これらの検査の結果および潜在的なエクスポージャーに関連する費用の合計は依然として不確定である。
     ベンチマーク/金利を巡る訴訟

     2016年7月と8月に、当行を含めた米国内外の銀行を相手取った集団訴訟の訴状が米国地方裁判所に提出された。一方は、
    バンク・ビル・スワップレート(「BBSW」)を巡る訴訟で、他方は、シンガポール銀行間取引金利(「SIBOR」)およびシンガ
    ポール・スワップ・オファー・レート(「SOR」)を巡る訴訟である。両集団訴訟は、BBSWまたはSIBORに基づき値付け、評
    価、および/または決済された米国を本拠地とする金融商品取引に関与した個人と企業に適用されると表明されている。原告
    は金額を定めない損害賠償または補償金を請求しており、当行をはじめとする被告銀行が米国の独占禁止法および(BBSWの訴
    訟のみ)組織犯罪排除法、商品取引法、ならびに不当利得原則に違反したと主張している。2021年3月、当行はBBSWの集団訴
    訟の和解について合意に達した。この和解は責任を認めるものではなく、完全な和解条件の交渉および実施、ならびに裁判所
    の承認を条件とする。この和解による財務的影響に重要性はなく、2021年3月31日現在で全額が引当済である。SIBORを巡る別
    の集団訴訟は係争中で、現在防御の過程にある。
     2017年2月、南アフリカ競争委員会は南アフリカ・ランド建て取引において同国競争法のカルテル禁止規定に違反したとし
    て、当行を含めた国内外の銀行を相手取った訴訟を開始した。民事罰の見込みあるいはその他の財務的な影響は判明していな
    い。
     資金調達を巡る訴訟

     2018年6月に、連邦公訴官は、当行およびその上層部の従業員を含む、多数の会社および個人に対する刑事訴訟に取り掛
    かった。当行の2015年8月の機関投資家向けの株式売出しの共同主幹事がカルテル行為に関与し、当行およびその上層部の従
    業員が、それらの共同主幹事の1社と関わりカルテルを実行したと主張されている。当行およびその上層部の従業員は、この
    申し立てに対し争っている。現在のところ、裁判は2022年4月に開始する予定である。
     2018年9月に、オーストラリア証券投資委員会(「ASIC」)は、当行が、2015年8月の機関投資家向けの株式売出しに関連
    する継続開示義務を遵守していないという主張に対する民事訴訟に取り掛かった。ASICは、売出し株式のうち、普通株式約
    25.5百万株を共同主幹事が引き受けた件について、当行が市場に知らせるべきだったと主張している。当行は、この申し立て
    に対し争っている。
     消費者信用保険に関する訴訟

     2020年2月に、消費者信用保険商品の販売に関連する金融助言義務の違反、誤解を招くまたは欺瞞的な行為および非良心的
    行為を主張する集団訴訟が、当行に対して申し立てられた。保険商品の発行者であるQBEおよびOnePathライフも請求の被告と
    なっている。当行は、この申し立てに対し争っている。
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     ESANDAのディーラー自動車ローンに関する訴訟
     2020年8月に、ディーラーが手配したEsanda自動車ローンにおけるフレックス・コミッションの利用に関する不公正行為、
    誤解を招くまたは欺瞞的な行為および衡平法上の錯誤を主張する集団訴訟が、当行に対して申し立てられた。当行は、この申
    し立てに対し争っている。
     OnePathの退職年金に関する訴訟

     2020年12月、OnePathカストディアンズが、退職年金に係る投資および手数料に関して、退職年金法に基づく義務および受託
    会社としての義務に違反したと主張する集団訴訟が、OnePathカストディアンズ、OnePathライフおよび当行に対して申し立て
    られた。またこの請求は、当行がOnePathカストディアンズの投資違反の一部に関与したと主張している。当行は、この申し立
    てに対し争っている。
     ニュージーランドのローン情報に関する訴訟

     2021年9月、特定のローン顧客に送付された変更通知に関して、消費者信用法に基づく開示要件違反を主張する代表訴訟
    が、ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドに対して申し立てられた。ANZバンク・ニュージーランド・リミテッドは、こ
    の申し立てに対し争っている。
     王立委員会

     2019年2月4日に、銀行業、退職年金および金融サービス業における違反行為を監視するための王立委員会が最終報告書を
    公表した。王立委員会によると、追加費用および更なるエクスポージャー(更なる規制措置に関連するエクスポージャーまた
    は、集団訴訟、個人請求もしくは顧客救済または補償措置などの顧客関連の潜在的エクスポージャーを含む。)が発生してお
    り、また発生し続けている。これらの潜在的なエクスポージャーに関連する結果および費用の合計は依然として不確定であ
    る。
     担保回収を巡る訴訟

     減損資産の問題解決を目的として担保回収措置が講じられたことにより、様々な損害賠償請求が発生しており、または発生
    する見込みである。これらの請求については防御が見込まれている。
     保証および補償

     当グループは、様々な事業および資産の売却やその他の取引に関連する事項およびリスクを網羅して、購入者およびその他
    の人物の利益となる保証、補償およびその他のコミットメントを提供している。当グループは、それらの保証、補償およびコ
    ミットメントに基づく請求に晒されている。
     精算および決済義務

     特定のグループ会社は、様々な精算および決済の取決めを規定する規則を遵守する義務があるが、これにより他の会員金融
    機関がその支払を怠った場合、信用リスク・エクスポージャーおよび損失が生じる可能性がある。これらの取決めに起因する
    当グループの潜在的エクスポージャーは、事前に数値化できない。
     特定のグループ会社は、ASXクリア(「フューチャーズ」)、ロンドン・クリアリング・ハウス(「LCH」)・スワップクリ
    アおよびレポクリア、韓国取引所(「KRX」)、香港取引所(「HKEX」)、クリアリング・コーポレーション・オブ・インド、
    上海清算所など、中央清算機関の会員である。会員である関連グループ会社は、国際的な規制要件に沿って中央清算機関でデ
    リバティブ商品を清算できる。これらすべての会員制に共通する点は、関連グループ会社がデフォルト基金に拠出する必要が
    あることである。他の会員が債務履行を怠った場合、関連グループ会社はデフォルト基金への追加拠出義務を請け負うよう求
    められるおそれがあるものの、その額を事前に数値化することはできない。
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     親会社の保証
     当行は、通常の事業過程において、特定の子会社に関する援助の念書(「レター・オブ・コンフォート」)および保証書を
    発行している。これらの念書および保証書に基づき、当行は、それらの会社が引き続き当行の被支配法人であること等、一定
    の条件に該当する場合、それらの子会社が各自の金融上の義務を引き続き果たせるようにすることを保証する。
     グリンドレイズの事業の売却

     2000年7月31日、当行は、ANZグリンドレイズ・バンク・リミテッド(「グリンドレイズ」)およびその他の特定の事業のス
    タンダード・チャータード・バンク(「SCB」)に対する売却を完了した。当行はこれらの事業に関する保証および補償を提供
    した。
     補償対象事項には、1973年外国為替規制法に違反したと主張される1991年に実行された特定の取引に関して、インドの当局
    がグリンドレイズおよびその特定の役員に対して提起した民事罰手続きおよび刑事訴追が含まれている。
     2007年に民事罰が課されたが、上訴の対象となっている。刑事訴追は現在防御の過程にある。
    偶発資産

     ナショナル・ハウジング・バンク
     当行は、問題のある小切手により1990年代初頭に旧グリンドレイズの顧客口座に入金された受取金の回収を継続している。
     問題の小切手は、インドのナショナル・ハウジング・バンク(「NHB」)から振り出されていた。小切手の受取金に関するグ
    リンドレイズとNHBの訴訟は2002年初頭に解決した。
     回収は、小切手の受取金を受領したグリンドレイズの顧客財産に対して行われている。回収額は、当行とNHBの間で分配され
    ることになっている。
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    34.  監査人報酬
                                 連結                 当行

                            2021年        2020年        2021年        2020年
                                      (単位:千ドル)
    KPMGオーストラリア
    財務報告書の監査またはレビュー                          7,434        8,059        7,021        7,262
          (1)
                              2,772        3,693        2,696        3,540
    監査関連業務
         (2)
                               106         25        106         25
    非監査業務
      (3)
                              10,312        11,777         9,823        10,827
    合計
    KPMGオーストラリアの海外提携事務所

    財務報告書の監査またはレビュー                          5,511        6,049        1,965        2,107
          (1)
                              1,657        1,677         917       1,008
    監査関連業務
         (2)
                                85        98        85        44
    非監査業務
    合計
                              7,253        7,824        2,967        3,159
    監査人報酬合計
                              17,565        19,601        12,790        13,986
    (1)  当グループの監査関連業務の内訳は、健全性および規制に関する業務が3.27百万ドル(2020年度:3.61百万ドル)、コン
      フォート・レターが0.49百万ドル(2020年度:0.75百万ドル)、その他の業務が0.67百万ドル(2020年度:1.01百万ド
      ル)である。当行の監査関連業務の内訳は、健全性および規制に関する業務が2.78百万ドル(2020年度:3.07百万ド
      ル)、コンフォート・レターが0.45百万ドル(2020年度:0.72百万ドル)、その他の業務が0.38百万ドル(2020年度:
      0.76百万ドル)である。
    (2)  当グループおよび当行の非監査業務の内容は、統制に関連した評価、方法や手続のレビューなどである。詳細は取締役会
      報告書に記載している。
    (3)  物品・サービス税を含む。
     当グループおよび当行の方針は、KPMGオーストラリアまたはその提携事務所が法定の監査業務の範囲外であっても外部監査

    人の役割と矛盾しない保証およびその他の監査関連業務を認めている。この中には、APRAなどの監督機関の要請による規制遵
    守や健全性に関するレビューが含まれる。監査や監査関連業務に当てはまらないその他の業務は、非監査業務とされる。当該
    方針では、監査人の独立要件に反しない限り、特定の非監査業務の提供を受けることを認めている。KPMGオーストラリアまた
    はその提携事務所は、外部監査人としての役割と矛盾する、または監査人の独立性に違反するとされる業務を行ってはならな
    い。これには、通常経営陣が行う経営活動に関する助言および下請け、ならびに外部監査人が自己の業務に対して意見を述べ
    ることを最終的に求められうる契約が含まれる。
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    35.  新たな基準の適用およびその他の変更による影響
     金利指標改革

     AASB第2020-8号「オーストラリア会計基準の改訂-金利指標改革-フェーズ2」の早期適用による重要な影響はなかった。
    詳細は、注記1「当グループの財務書類について」を参照のこと。
     連結されている証券化を目的として組成された事業体とのグループ内取引

     2021会計年度中、当行はSEの発行済証券を当行がすべて有している当該連結証券化SEとのグループ内取引に関する会計方針
    を変更した。これらの内部証券化取引は、関連する中央銀行との買戻条件付契約に基づき売却可能な住宅ローン担保証券
    (「RMBS」)を創出し、当グループに追加の流動性供給源を提供する。これらの取引の際立った特徴は、SEが発行するRMBSの
    すべてを、第三者が購入するのではなく、当行が保有していることである。SEが発行するすべてのRMBSを保有することで、当
    行は、SEに譲渡される住宅ローンのすべてのリスクおよび便益を留保しており、会計処理上、認識を中止することができな
    い。さらに、SEとのグループ内取引は互いに完全に相殺されているため、当行のキャッシュ・ポジション、資産または将来の
    キャッシュフローを変更するものではない。したがって、この会計方針の変更により、これらの取引が総額で計上されず、当
    行はグループ内取引の経済的実体をより適切に反映させるために、SEとの正味ゼロのポジションを認識することとなる。
     この会計方針の変更は、過年度に計上された会社間残高が連結では消去されたことから、当グループの連結財務書類に影響
    を及ぼさない。当行の財務書類において、比較情報は次のとおり修正再表示されている。
                                                   2020年

                                                (単位:百万ドル)
    当行
    損益計算書
    受取利息                                                  (2,377)
    支払利息                                                  2,929
    純利息収益
                                                        552
    その他営業収入                                                   (552)
    税引後純利益
                                                         -
    貸借対照表

    被支配法人に対する債権                                                 (76,637)
    資産合計
                                                     (76,637)
    被支配法人に対する債務
                                                     (76,637)
    負債合計
                                                     (76,637)
    純資産
                                                         -
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    36.  事業年度末以後の後発事象
     2021年10月22日、キャッシュリワーズ・リミテッド株式の19%を保有する当グループのファンドは、残りの81%の株式を約

    80百万ドルで取得する市場外公開買付を行うことを発表した。この公開買付は数多くの条件が課されており、完了はまだ不確
    実である。
     上記の他に2021年9月30日から本報告書署名日までの間に発生した重要な事象はない。
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    取締役の宣言
    オーストラリア・ニュージーランド銀行の取締役は以下のことを宣言する:
    a)  取締役の意見において、当行および連結会社の財務書類および注記は、以下を含む2001年会社法に準拠している。
      ⅰ)  第296条、オーストラリア会計基準および2001年会社規則により追加される要件に準拠している。
      ⅱ)  第297条、2021年9月30日現在の当行および連結会社の財務状態および同日に終了した事業年度における当行および連
        結会社の業績について真実かつ公正に表示している。
    b)  当行および連結会社の財務書類の注記には、当行および連結会社の財務書類ならびに注記が国際財務報告基準に準拠してい
      るという記載が含まれている。
    c)  取締役は、2001年会社法第295条Aで要求される宣言を与えられた。
    d)  取締役の意見では、支払期日到来時において当行に債務の支払能力があると信ずるに足る合理的な根拠がある。
    取締役の決議に従って署名されている。

    ポール・O・オサリバン                           シェイン・C・エリオット

    会長                           マネジング・ディレクター
    2021年10月27日
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    2【主な資産・負債及び収支の内容】
     上記「1 財務書類」中の財務書類および注記を参照のこと。
    3【その他】

    (1)    事業年度末以降に生じた重要事象
     2021年9月30日以降本書提出日現在まで、上記「第2 企業の概況-3 事業の内容-(5)最近の進展」および「1 財務書
    類-注記36(事業年度末以後の後発事象)」記載された事項を除き、ANZにとり重要な後発事象は生じていない。
    (2)    訴訟等

     当グループに対する係属中の裁判、請求および請求の可能性がある。必要ある場合、専門家による法律上の助言を得て、か
    かる助言に照らして、適切とみなされる引当金の引当ておよび/または開示が行われている。場合により、実際的ではないた
    め、またはかかる開示が当グループの利益を害する可能性があるため、当グループは個別事項の財務上の予想影響額を開示し
    ていないことがある。
     詳細については、上記「1 財務書類-注記33(コミットメント、偶発債務および偶発資産)」を参照のこと。さらに完全
    を期すため、以下も参照のこと。
     (i)  上記「第3 事業の状況-2 事業等のリスク-(2)主なリスクおよび不確実性」中の「17.訴訟および偶発債務は当グ
       ループのポジションに悪影響を及ぼす可能性がある。」という項目名のリスク要因の開示、および
     (ii)2021    年9月30日以降にANZBGLがオーストラリア証券取引所(ASX)に公表した以下の「ニュースリリース」。以下の公表
       において、「ANZ」の語は、本報告書の表紙の(注)1において定義される「ANZBGL」を指すものとして読解および理解
       されるべきである。
    2021  年12月9日     -  ブレイクフリー・パッケージおよびオフセット計算に関するASICの民事制裁金手続

     「投資委員会(ASIC)が、ANZのブレイクフリー・パッケージに基づく手数料免除および割引の優遇措置の適用漏れに関し
    て、ならびにオフセット口座の計算に影響するシステム・エラーに関して、民事制裁金手続を開始したことを確認した。
     この手続は主に、2018年の銀行業、退職年金および金融サービス業における違反行為を監視するための王立委員会における
    ANZ事例研究の中で提示された不備に関係する。
     ASICは、ASIC法の誤認招来的または詐欺的行為の規定への違反、および金融サービス業免許を受けた者が負う会社法上の一
    般的義務への違反を主張しており、これには以下から生じたものが含まれる。
     ・ ブレイクフリー・パッケージの適用可能な優遇措置(住宅ローン、取引口座、クレジットカード手数料の免除、住宅
       ローン金利の割引、ならびに保険料の割引などのその他の任意的優遇措置を含む。)の適用漏れ
     ・ 一定の状況(顧客が週末または非営業日にオフセット口座に入金した場合など)におけるオフセット計算上の優遇措置
       に影響するシステム・エラー
     ANZは、これらの不備を克服するためシステムおよびプロセスを強化し、また救済プログラムを実施している。オフセット口
    座の不備に関する救済プログラムは網羅的である。ANZは、ブレイクフリー・パッケージの不備により影響を受けた顧客に対す
    る住宅ローン、取引口座およびクレジットカードに関する支払の大部分を実施済みであり、残部の支払を2022年中に予定して
    おり、またその他の任意的優遇措置に関する救済を2022年から2023年にかけて完了する。
     ANZおよびASICは、合意事実陳述書および自白陳述書を裁判所に提出している。ANZは、違反および影響を受けた顧客への謝
    罪を自ら認めている。ANZは、この手続について異議申立てを予定しておらず、ASICが2,500万ドルの制裁金(案)を裁判所に
    提出する際はこれに協力する予定である。
     かかる救済および制裁金(案)は、既存の引当金により手当てされる。
     ASICから故意行為の主張は出されておらず、またANZは想定が不十分であったことを自ら認めて調査においてはASICに全面的
    に協力した。
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     かかる不備が現在裁判所手続に付されていることから、当行はこれ以上のコメントは控える。」
    2021  年12月1日      -  ANZはフィー・フィニー・マクドナルドによる集団訴訟の提起を確認

     「ANZは、フィー・フィニー・マクドナルド法律事務所が、オーストラリア・ニュージーランド・バンキング・グループ・リ
    ミテッドを相手方として、オーストラリア連邦裁判所に集団訴訟を提起したことを確認している。
     ANZは、この集団訴訟の原告範囲が2010年7月1日から2019年1月1日までの期間中に特定のクレジットカードを保有した者
    に設定されていると理解している。この集団訴訟においては、ANZのクレジットカード契約が不公正であったこと、およびオー
    ストラリア証券投資委員会法に違反していたことが主張されているものと解される。
     ANZは、訴えを検討し、必要に応じて新しい情報を提供する。」
    2021  年11月26日      -  無免許の第三者から提出された住宅ローン申請に係るASICの手続

     「ANZは本日、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)が、ANZの住宅ローン仲介者プログラムに関するものを含め、ANZのレ
    ンダーに住宅ローン申請書類を提出した第三者無免許業者の3社に関して民事制裁金手続を開始したことを確認した。
     ASICは、2016年から2018年にかけて行われた74件の住宅ローン申請に関して、全国消費者信用保護法(信用法)第31条への
    違反、および信用設定を受けた者が負う信用法上の一般的行為義務への違反を主張している。
     ANZは、調査にあたってASICに協力し、顧客救済プログラムを設定するとともに、住宅ローンのプロセスおよび管理の改善を
    続けている。
     ANZは、簡易陳述書で提示された論点を検討しており、本件が裁判所に係属していることからこれ以上のコメントは控え
    る。」
    2021  年10月29日      -  連邦検察庁長官によるANZおよびリック・モスカティ氏に対する手続の取下げ

     「ANZは本日、2021年8月16日に提出された起訴状のすべての訴因に関して、ANZおよびリック・モスカティ氏に対する手続
    を中止する旨の連邦検察庁長官の決定が下されたとの朗報を受けた。
     起訴は、2015年の機関投資家向け株式募集およびANZ株式の提供に関する共同主幹事間の取決めまたは認識共有に関するもの
    であった。
     ANZの最高リスク責任者であるケビン・コーバリー氏は、「我々はANZの活動において、募集に関する法律を一貫して遵守し
    続けてきた。我々は、かかる前提に立って当行とリックを弁護し、本件にようやく決着がついたことに安堵している」と述べ
    た。
     ANZは本件についてこれ以上のコメントは控える。」
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    4【日本とオーストラリアとの会計原則の相違】
     本書記載の当グループおよび当行の財務書類(連結財務書類および個別財務書類)(「財務書類」)は、オーストラリア会
    計基準(AAS)およびオーストラリア会計基準審議会(AASB)が発行したその他の権威ある公表文書(「AGAAP」と総称す
    る。)に準拠して作成されている。国際財務報告基準(IFRS)はAGAAPの基礎を成している。
     以下の記述は、当グループが適用するAGAAPと日本基準の重要な差異を概説したものである。当グループは、財務書類および
    関連注記の開示に関して、AGAAPと日本基準との間の比較表を作成しておらず、かかる差異を定量化していない。したがって、
    以下のAGAAPと日本基準の差異の概説が完全であるという保証はない。
     投資の決定にあたって、投資家は当グループ、申込の条件および財務情報に関する自らの検証に依拠しなければならない。
    投資家はAGAAPと日本基準の差異、およびそれらの差異がどのように本書の財務情報に影響を与えるかを理解するために、自身
    の専門アドバイザーに相談すべきである。
     AGAAP、AGAAPの基礎となるIFRSおよび日本基準を公表する組織は、比較に将来重要な影響を与えうる継続中のプロジェクト
    を複数抱えている。さらに、所定の会計基準の変更の結果生じるAGAAPおよび日本基準の今後の差異を特定することは行ってい
    ない。
     投資家は、投資を行うかどうかの決定にあたって、AGAAPと日本基準とでは結果が大きく異なりうることを前提とすべきであ
    る。当グループの連結当期純利益、資産および株主持分の決定に影響を与える可能性がある、AGAAPおよび日本基準の間の重要
    な差異は、以下のとおりである。
    (a)   連結

     被支配法人の識別
     AGAAP   において、グループの連結財務諸表には、親会社および親会社が支配するすべての会社(すなわち子会社。組成された
    事業体を含む。)の財務諸表が含まれている。「支配」は、当グループが事業体に関与することで変動するリターンに対する
    エクスポージャーまたは権利を有し、かつ事業体に対するパワーを通じてそのリターンに影響を及ぼす能力を有する場合に存
    在するとみなされる。パワーは、当グループに当該事業体の関連活動を指示する現在の能力を与える既存の権利を検討するこ
    とで評価される。場合により、支配の決定には判断を伴う。
     日本基準においても、親会社は支配しているすべての会社等を連結することが求められている。日本基準において、会社

    (親会社)は他の会社の意思決定機関を支配している場合、支配が存在するとみなされる。
     ただし、一定の要件を満たす特別目的会社(SPE)については、子会社の定義に該当しないものと推定され、連結しないこと
    ができる。
     連結事業体の会計方針の統一

     AGAAP   において、財務諸表は統一した会計方針を使用して作成される。
     日本基準においては、親会社および子会社が連結財務諸表を作成するために採用する会計原則は、原則として統一されてい
    なければならない。「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」によれば、在外子会社の所在
    地国の会計原則に準拠して作成された財務諸表は原則として親会社の会計方針(日本基準)に修正する必要があるが、在外子
    会社の財務諸表がIFRSまたは米国会計基準に準拠して作成されている場合は、のれんの償却および退職給付会計における数理
    計算上の差異の費用処理等の一定の項目を修正した上で、これを連結決算上利用できることと規定されている。
    (b)   売却目的で保有する非流動資産および非継続事業

     AGAAP   においては、売却目的保有に分類される要件を満たす資産は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低
    い方の金額で測定され、財政状態計算書(貸借対照表)において区分表示が求められる。非継続事業への区分が求められる構
    成単位の経営成績は、包括利益計算書において区分表示される
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     日本基準においては、売却目的で保有する非流動資産および非継続事業を扱う基準はないため、区分開示は求められない。
    (c)   株式報酬

     AGAAP   においては、株式報酬の付与後に株価に関する条件が充たされずに報酬の確定後に失効が生じた場合、損益計算書への
    調整は行わない。
     日本基準においては、権利の確定後に失効が生じた場合、以前に計上された株式報酬費用は戻し入れられ、損益計算書に戻

    入益を計上する。
    (d)   のれん

     AGAAP   においては、企業結合で取得したのれんは償却される代わりに毎年減損についてテストし、また事象や状況の変化が減
    損の可能性を示している場合は、より頻繁に減損テストを実施する。減損損失をその後戻し入れることは認められていない。
     日本基準においては、企業結合により発生するのれんの償却は20年以内の期間にわたって規則的に償却される。減損の兆候

    がある場合、のれんの未償却簿価は減損テストが行われる。
    (e)   資産の減損

     AGAAPのもとでは、以下の減損テストが求められる。
     ・各報告日において、有形固定資産または耐用年数を確定できる無形資産(または無形資産が配分された資金生成単位
    (「CGU」))に減損の兆候があるかどうかを判断する。
     ・耐用年数が確定できないまたは使用可能になっていない無形資産およびのれんについては、減損の兆候の有無にかかわら
    ず年次で減損テストを実施する。
     減損テストにあたり、資産またはCGUの帳簿価格はその回収可能価額と比較される。当該回収可能価額が資産の簿価より小さ
    い場合には、当該差額を減損として認識する。回収可能価額は、資産の公正価値から売却費用を控除した金額と、将来の
    キャッシュフローを現在価値に割引いて算出した使用価値のいずれか高い方の額である。
     無形資産(のれんを除く)または有形固定資産について以前認識された減損損失は、減損損失がその後減少したか、もはや
    存在しなくなった場合には損益計算書に戻し入れられる。ただし、増加する資産額は、過年度において当該資産について減損
    損失が認識されていなかった場合に決定されたであろう帳簿価格(減価償却費を控除後)を超えてはならない。のれんに対す
    る減損損失を、その後戻入れることは認められていない。
     日本基準においても、減損会計は基本的にAGAAPと同様である。しかしながら、日本基準の場合、減損テストは減損の兆候が

    ある場合にのみに行われ、簿価と割引前見積将来キャッシュフローとを比較し、簿価が高い場合に限り、資産の公正価値(売
    却費用控除後)および使用価値を考慮して減損損失を算定する。減損損失を、その後戻入れることは認められていない。
    (f)   金融資産の分類および測定

     AGAAPのもとでは、金融資産は、管理におけるビジネスモデルおよび契約上のキャッシュフローの特性(契約上のキャッシュ
    フローが元本および利息の返済のみを表しているかどうか)に基づいて、「償却原価による測定」、「損益を通じた公正価値
    による測定(FVTPL)」、「その他の包括利益を通じた公正価値による測定(FVOCI)」の3つに分類される。金融資産は、
    FVTPLで測定するものとして指定することによって、指定しない場合に発生するであろう会計上のミスマッチを消去または大幅
    に低減する場合に、FVTPLで測定するものとして取消不能の指定をすることができる。
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                                                           有価証券報告書
     金融負債は、「償却原価」または、売買目的で保有される場合は「損益を通じた公正価値による測定(FVTPL)」で測定され
    る。加えて、金融負債は以下の場合にFVTPLで測定するものとして指定することができる。
     •この指定により、指定しない場合に発生する会計上のミスマッチを解消または著しく減少させる場合。
     •金融負債グループが、文書化されたリスク管理戦略に従って、公正価値で管理され、その実績が公正価値に基づいて評価さ
    れる場合。
     •金融負債が1以上の組込デリバティブを含む場合で以下の場合を除く。
      a)  組込デリバティブが、組込デリバティブがない場合には契約によって要求されるキャッシュフローを著しく変更しな
       い。
      b)  組込デリバティブが、主契約となる金融負債と密接に関連している。
     金融負債が公正価値で測定するものとして指定されている場合、企業自身の信用リスク変動に係る利益および損失は、その
    他の包括利益に含められるが、それにより、損益における会計上のミスマッチが生じるまたは拡大する場合を除く。
     日本基準においては、金融資産は金銭債権、有価証券、デリバティブおよび金銭債務といった種類別に計上される。有価証

    券はさらに保有目的別に「売買目的有価証券」「満期保有目的の債券」「子会社および関連会社株式」、「その他有価証券」
    に分類される。「金銭債権」、「子会社および関連会社株式」は取得額で計上される。「満期保有目的の債券」は取得原価
    (債券を債券金額で取得した場合)または償却原価(債券を債券金額と異なる価額で取得した場合)のいずれかで計上され
    る。「売買目的有価証券」および「デリバティブ取引から生じる正味の資産」は時価で計上され、評価差額は当期の損益とし
    て処理される。「その他有価証券」は、時価で計上され、評価差額は純資産の部に計上される。
     金融負債は、「金銭債務」および「デリバティブ取引から生じる正味の負債」に区分される。金銭債務は債務額をもって計
    上される。「デリバティブ取引から生じる正味の負債」は時価で計上され、評価差額は当期の損益として処理される。
     日本基準においては、金融商品の公正価値オプションは認められていない。

    (g)   金融資産の減損

     AGAAPのもとでは、償却原価またはFVOCIに分類される負債性金融商品、リース債権、契約資産、またはAASB第9号の減損規
    定が適用されるFVTPL以外のローン・コミットメントおよび金融保証契約について予想信用損失に対する損失評価引当金が認識
    される。減損は、当初認識以降の信用悪化の程度に基づき3つのステージを用いたアプローチ(予想信用損失モデル)により
    損失評価引当金が認識される。
     日本基準において、債権は債務者の状況に応じた3つの区分に分類され、区分ごとに算定された貸倒見積高に基づいて貸倒

    引当金が計上される。「満期保有目的の債券」、「子会社株式及び関連会社株式」ならびに「その他有価証券」の時価が著し
    く下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損
    失として処理しなければならない。
    (h)   金融資産の譲渡による認識の中止

     AGAAPのもとでは、金融資産の譲渡による認識の中止は、譲渡企業の譲渡資産に対する支配およびリスク/経済価値のエクス
    ポージャーをどの程度留保しているかに基づいて行われる。所有に伴うすべてのリスクおよび経済価値が実質的には留保も移
    転もされない取引において、当該資産に対する支配権が失われた場合に当該資産の認識は中止される。一方、金融資産に対す
    る支配の一部が留保される譲渡取引において、企業は継続的関与の範囲内(企業が譲渡資産の価値変動にさらされる範囲)に
    ついて引き続き認識を継続する。
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                                                           有価証券報告書
     日本基準においては、財務構成要素アプローチに基づき、金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転した場合に、金
    融資産の譲渡による認識の中止を行う。金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは、(a)                                                 譲渡された金融資産
    に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人およびその債権者から法的に保全され、(b)                                       譲受人が譲渡された金融資産の契約上の
    権利を直接または間接に通常の方法で享受でき、(c)                         譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期前に買戻すまたは償還
    する権利および義務を実質的に有していない場合である。
    (i)   ヘッジ会計

     AGAAPのもとでは、公正価値ヘッジ、キャッシュフロー・ヘッジ、海外事業に対する純投資ヘッジが認められている。公正価
    値ヘッジの場合、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は、ともに損益
    計算書に計上される。キャッシュフロー・ヘッジおよび海外事業に対する純投資ヘッジの場合、ヘッジ手段の公正価値の変動
    のうち有効部分は資本の部に計上され、非有効部分は直ちに損益計算書に計上される。キャッシュフロー・ヘッジに関連し
    て、
     ・ヘッジ手段が消滅、売却、解除された、またはもはやヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合、資本の部に繰延べられ
    た累積額はキャッシュフロー・ヘッジ準備金に留保され、その後ヘッジ対象が損益計算書に計上される際に損益計算書に振替
    えられる。
     ・予定取引がもう発生しないと予想される場合、資本の部に繰延べられた金額は直ちに損益計算書に計上される。
     海外事業に対する純投資ヘッジに関連し、資本の部に認識された累積損益は、海外事業の処分または一部処分の際に損益計

    算書に認識される。
     日本基準においては、ヘッジに有効性がある場合は原則として「繰延ヘッジ」が適用される。「繰延ヘッジ」とは、ヘッジ

    手段の公正価値の変動を、対応するヘッジ対象の損益が認識されるまで資本の部に計上する方法である。この例外として、売
    却可能有価証券(いわゆる「その他有価証券」)の価格変動リスクをヘッジする際には、「時価ヘッジ」を適用することがで
    きる。「時価ヘッジ」では、上記AGAAPの公正価値ヘッジと同様に、ヘッジ対象およびヘッジ手段の両方の公正価値の変動を同
    時に損益計算書に認識する。
    (j)   確定給付制度

     AGAAPのもとでは、各確定給付制度の確定給付債務の現在価値(予測単位積増方式を用いて計算される)が各制度の資産の公
    正価値より大きい場合には確定給付負債が認識される。また、この計算によって資産が生じる場合、回収可能な額を上限とす
    る確定給付資産が認識される。各報告期間において、正味確定給付負債(資産)の増減は、以下のように取扱われる。
     ・当期の勤務費用、正味確定給付負債の利息純額、過去勤務費用およびその他の費用(例えば、縮小および清算の影響な
      ど)に関する増減(純額)は、損益計算書の営業費用に計上される。
     ・正味確定給付負債(資産)のうち数理計算上の差異および制度資産からの収益(利息純額に含まれる受取利息を除く)を
      構成する部分の再測定は、その他包括利益を通じて利益剰余金に直接計上される。
     ・雇用者の拠出額は正味確定給付負債(資産)に直接認識される。
     日本基準においては、退職給付債務額は「給付算定基準」または「期間定額基準」のいずれかを用いて計算される。

     利息費用は退職給付債務に割引率を乗じて算定される。各報告期間において、勤務費用、利息費用、制度資産の期待収益、
    過去勤務費用および数理計算上の差異の当期の費用処理額(その他包括利益からリサイクリング)は、退職給付費用の一部と
    して損益計算書に含まれる。
     未認識の過去勤務費用および数理計算上の差異については、その他包括利益を通じて貸借対照表の資本の部に認識される。
    過去勤務費用および数理計算上の差異については、従業員の平均残存勤務期間の範囲内の一定の年数で、営業費用として損益
    計算書に計上することとされており、また発生時に費用処理する方法も認められている。
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    (k)   個別財務諸表における持分法
     AGAAPのもとで、当行はAASB第2014-9号を適用しており親会社の個別財務諸表において関連会社に対する投資に持分法が適用
    されている。日本基準においては、関連会社に対する投資は個別財務諸表において取得原価で計上される。
    (l)   収益認識

     AGAAP   のもとでは、顧客との契約から生じるすべての収益に関する会計処理を定めているAASB第15号に基づいて収益が計上さ
    れる。当該基準に基づいて、契約及び契約における履行義務を識別し、契約における取引価格をそれら履行義務に配分し、各
    履行義務が充足された時に(又は充足されるにつれて)収益が認識される。
     日本の基準において、収益は実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限り、収益とし

    て認識されるが、AGAAPのような包括的な規定はなかった。
     2018  年3月30日に、収益に関する会計処理及び開示について定めることを目的とした企業会計基準第29号「収益認識に関す
    る会計基準」が企業会計審議会から公表された。新基準は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」と概ね同様のものと
    なっている。新基準は、2021年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用されている。
    (m)   リース(借手の会計処理)

     AGAAP   のもとでは、借手は単一の会計モデルに基づき、すべてのリース(少額資産および短期のリースを除く)を貸借対照表
    に認識しなければならない。その結果、借手は対象リース資産をリース期間にわたって使用する権利を使用権(ROU)資産とし
    て認識し、リース料の支払義務をリース負債として認識する。また、損益計算書において、借手はROU資産に関する減価償却費
    とリース負債に対する支払利息を認識する。
     日本の基準において、リース取引は、ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に分類される。基本的

    に、資産の所有に伴うリスクと経済的便益のほとんどすべてが実質的に借手に移転している場合には、ファイナンス・リース
    取引、それ以外をオペレーティング・リース取引とする。原則として、ファイナンス・リース取引については売買と同様の会
    計処理を行い、オペレーティング・リース取引については賃貸借と同様の会計処理を行う。
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    第7【外国為替相場の推移】
     当行の財務書類の表示に用いられた豪ドルと日本円との間の為替相場が、国内において時事に関する事項を掲載する2以上
    の日刊新聞紙に最近5年間の事業年度において掲載されているので、記載を省略する。
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    第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
     該当事項なし。
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    第9【提出会社の参考情報】
    1【提出会社の親会社等の情報】

     該当事項なし。
    2【その他の参考情報】

    (1)   有価証券報告書及びその添付書類

       事業年度 (自 令和元年10月1日 至 令和2年9月30日) 令和2年12月23日に関東財務局長に提出
    (2)   四半期報告書又は半期報告書

       半期報告書 事業年度中 (自 令和2年10月1日 至 令和3年3月31日) 令和3年6月17日に関東財務局長に提出
    (3)   臨時報告書

       (1)  の有価証券報告書提出後、本有価証券報告書提出日までに、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号
       の規定に基づき臨時報告書を令和3年7月29日に関東財務局長に提出
    (4)   訂正報告書

       該当事項なし
    (5)   発行登録書(募集)

       令和2年12月23日に関東財務局長に提出
    (6)   発行登録書(売出)

       令和2年12月23日に関東財務局長に提出
    (7)   訂正発行登録書(募集)

       令和3年7月29日に関東財務局長に提出
    (8)   訂正発行登録書(売出)

       令和3年7月29日に関東財務局長に提出
    (9)   発行登録追補書類(募集)

       該当事項なし
    (10)   発行登録追補書類(売出)

       該当事項なし
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    第二部【提出会社の保証会社等の情報】
    第1【保証会社情報】

    1【保証の対象となっている社債】

    該当事項なし。

    2【継続開示会社たる保証会社に関する事項】

    該当事項なし。

    3【継続開示会社に該当しない保証会社に関する事項】

    該当事項なし。

    第2【保証会社以外の会社の情報】

    該当事項なし。

    第3【指数等の情報】

    該当事項なし。

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                                                           有価証券報告書
                               ( 訳文)

                            独立監査人の同意書
    オーストラリア・ニュージーランド銀行

     取締役会 御中
    私たちは、2021年9月30日終了事業年度に係るオーストラリア・ニュージーランド銀行の年次報告書に


    含まれるオーストラリア・ニュージーランド銀行の財務報告書に関連した2021年10月27日付のオースト
    ラリア・ニュージーランド銀行の独立監査人の監査報告書が、金融商品取引法に従って2021年12月20日
    またはその前後に関東財務局長に提出される有価証券報告書の中に含まれることに同意する。
    ケーピーエムジー(署名)

    マーティン・マクグラス(署名)

    パートナー
    オーストラリア、メルボルン市

    2021   年12月20日
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                                              オーストラリア・ニュージーランド銀行(E05961)
                                                           有価証券報告書
                     CONSENT      OF  THE   INDEPENDENT         AUDITOR
    To  the  Board   of Directors

    Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited

    We  hereby    consent    to the  use  of  our  Independent       Auditor’s     Report    to the  Shareholders       of  Australia     and  New

    Zealand    Banking     Group    Limited    dated   27  October    2021   with   respect    to the  financial     report   of Australia     and  New
    Zealand    Banking     Group    Limited    appearing     in Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited’s     Annual    Report
    for  the  year   ended   30  September      2021   in the  Annual    Securities     Report    lodged    with   Director     General    of the  Kanto
    Local    Finance     Bureau    of  Japan    on  or  around    20  December      2021   for  the  purposes     of  satisfying      the  filing
    requirements       of the  Financial     Instruments      and  Exchange     Law   in Japan.
    KPMG

    Martin    McGrath

    Partner

    Melbourne,      Australia

    20  December     2021
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                           独立監査人の監査報告書

                               (翻訳)
     オーストラリア・ニュージーランド銀行株主各位

     監査意見

     私たちは、オーストラリア・ニュージーランド銀行(以下、「銀行」という。)および銀行の事業年度末現在ま
    たは当事業年度中における被支配法人(以下、総称して「グループ」という。)の財務書類について監査を行っ
    た。
     私たちは、添付の財務書類が、2001年会社法に基づき、以下のとおりであるものと認める。
      ・銀行およびグループの2021年9月30日現在の財政状態および同日に終了した事業年度における財務成績を真実
       かつ公正に表示している。
     ・オーストラリア会計基準および2001年会社法規則に準拠している。
     これらの財務書類は、以下より構成されている。
     ・2021年9月30日現在の財政状態計算書、
      ・同日に終了した事業年度の損益計算書、包括利益計算書、持分変動計算書およびキャッシュフロー計算書、
     ・重要な会計方針の要約を含む注記1から36、ならびに
     ・取締役の宣言
     監査意見の根拠

     私たちは、オーストラリア監査基準に準拠して監査を行った。私たちは、意見表明の基礎となる十分かつ適切な
    監査証拠を入手したと判断している。
     監査の基準における私たちの責任は、本報告書の「財務書類監査に関する監査人の責任」に記載されている。
     私たちは、オーストラリアにおける財務書類監査に関する2001年会社法 および職業的監査人倫理基準審議会の
    APES110「職業的監査人の倫理規範(以下、「規範」という。)」における職業倫理に関する規範に従って、グ
    ループから独立しており、また、当該規範に準拠して監査人のその他の倫理上の責任を果たしている。
     監査上の主要な事項

     私たちが識別した監査上の主要な事項は以下のとおりである。
     ・予想信用損失引当金
     ・公正価値で保有する金融商品の主観的かつ複雑な評価
     ・アジアの関連会社に対する投資の帳簿価額
     ・顧客救済引当金
     ・ITシステムおよび統制
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     監査上の主要な事項とは、当事業年度の財務書類監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
    判断した事項である。
     監査上の主要な事項は、財務書類全体に対する監査の実施過程および監査意見の形成において対応した事項であ
    り、私たちは当該項目に対して個別に意見を表明するものではない。
     予想信用損失引当金(グループ4,882百万ドル、銀行4,062百万ドル)

     予想信用損失引当金に関する重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示については、本財務書類注記14に記
    載されている。
     監査上の主要な事項

     予想信用損失引当金は、財務書類における貸付金および前渡金残高の重要性および予想信用損失引当金(以下、
    「ECL」という。)の測定に用いられる銀行およびグループのECLモデル特有の複雑性により、監査上の主要な事項
    とされている。これらのモデルは、データならびに複数の経済シナリオの影響を含む数多くの見積りおよびその他
    の仮定(信用リスクの著しい増大(以下、「SICR」という。)の定義等)に依拠する。
     AASB第9号「金融商品」は、銀行およびグループに、経済状況のレンジを反映した将来予測に基づいてECLを測
    定するよう要求しており、このうち、国内総生産(以下、「GDP」という。)や失業水準等は主要な仮定とみなさ
    れている。既知のECLモデルの限界またはローン・ポートフォリオの最新傾向に対応するために、銀行およびグ
    ループによって、モデルによるECLの算定後調整が行われる。私たちは、使用された経済シナリオならびに銀行お
    よびグループがモデルによるECLの算定後に適用したECLの算定後調整の判断に対する批判的な検討において重要な
    判断を行う。
     銀行およびグループによる顧客の信用格付(以下、「CCR」という。)の低下等のSICRを識別するために選定さ
    れた基準は、これらの基準により将来予測的な12か月の引当金計上、または全期間の引当金計上となるかを決定づ
    けるため、銀行およびグループによるECL手法における主要な判断領域となる。
     COVID-19の世界的流行は、経済見通しに対する仮定がより不確実となり、それによる政府の対応の変化と合わ
    さって、ECLの算定において銀行およびグループに要求される判断および関連する監査上のリスク測定における判
    断の水準が上昇することを意味している。
     さらに、特定の閾値を超える個別に評価されたホールセール貸付金に対する引当金は、銀行およびグループに
    よって個別に評価される。私たちは、予想される将来の現金返済額およびその貸付金に対して銀行およびグループ
    が保有する担保価値からの予想収入に基づいて、特定の引当金の評価に対する批判的な検討において重要な判断を
    行う。
     当該事項に対する監査上の対応

     ECL引当金および開示に関する私たちの監査手続は、当該会計基準の要件に照らした銀行およびグループの重要
    な会計方針の評価を含んでいた。さらに、私たちの手続きには以下が含まれていた。
     以下に関する銀行およびグループの主要な統制をテストした。
     ・モデルのパフォーマンス評価を含むECLモデルのガバナンスおよび検証プロセス
      ・将来予測的なマクロ経済の仮定およびシナリオ加重について銀行およびグループの内部ガバナンス・プロセス
       による批判的な検討を通じた評価および承認
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      ・ECL算定プロセスで使用されたデータと総勘定元帳ならびにソース・システム内に記録されている総残高との
       調整
      ・ホールセール貸付金(大規模顧客へのエクスポージャーは個別に監視される)の顧客の信用格付け(以下、
       「CCR」という。) これは、新規貸付枠の承認と銀行およびグループの貸付方針との比較、取引先固有の内
       部的要因または外部のマクロ経済的要因に関する銀行およびグループのエクスポージャー基準と取引先の信用
       状況の監視の比較、ならびにCCRおよび担保指標(以下、「SI」という。)の評価における正確性および適時
       性と銀行およびグループの貸付方針ならびに規制要件との比較等の項目を網羅した。
      ・個人向け貸付金の貸付延滞や、支払延滞区分別のエクスポージャーを記録し、個別引当金を再計算するITシス
       テムに関する統制  私たちは、自動計算および変更管理統制について検証し、延滞の監視に関する統制に焦
       点を当て、銀行およびグループによるポートフォリオの監視状況について評価した。
     私たちは、以下の監査上の主要な事項のITシステムおよび統制に詳述されているとおり、ECL引当金の測定にお

    いて銀行およびグループが使用した主要なITアプリケーションに関して、関連する情報処理全般統制(以下、
    「GITC」という。)をテストした。
     統制のテストに加えて、私たちの手続きには以下が含まれていた。
      ・銀行およびグループの専門家および回収チームにより管理され、リスクがより高いまたは減損していると査定
       されたホールセール貸付金のサンプル、ならびにその他の貸付金サンプルの信用評価の再実施                                                  ここでは、減
       損の兆候を示していると銀行およびグループが査定した、より大規模なエクスポージャー、または新たに生じ
       たリスク領域(外部市況、特にCOVID-19の影響および気候変動に照らした評価)に焦点を当てている。私たち
       は、サンプルとなった各貸付金について、顧客の財政状態および関連がある場合には座礁資産のリスク、なら
       びに貸付金の回収可能性の全般的な評価、担保評価および引当金に対する影響を考慮して経営陣によるCCRお
       よびSIの評価を批判的に検討した。これに当たって、私たちは、銀行およびグループのローン・ファイルに含
       まれる情報を用いて貸付担当者とともに事例にまつわる事実および状況を議論し、私たち独自の回収可能性に
       関する評価を実施した。私たちの判断および手続きの実施には、関連産業およびマクロ経済環境に関して私た
       ちが把握している内容を利用して、銀行およびグループが回収可能性の評価において使用したデータおよび仮
       定と外部から入手した証拠(商品価格、一般に入手可能な監査済財務書類および保有する担保についての比較
       可能な外部評価等)を比較することが含まれる。関連がある場合、私たちは、評価および事業計画の承認を裏
       付けるという観点から将来キャッシュフローの予想時期を評価し、評価における主要な仮定について批判的に
       検討した。
      ・ECL引当金を計算するために銀行およびグループのプロセスを把握し、確立された市場慣行および会計基準に
       おける要件に照らして銀行およびグループのECLモデル手法を評価した。
      ・私たちは、私たちのリスク・コンサルティングの専門家と協力して、私たちが独立して入手した計算ツールを
       用いて、貸付金サンプルのECL引当金を再計算し、これと銀行およびグループが計上した金額を比較すること
       によって、銀行およびグループのECLモデルによる見積りの正確性を評価した。
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      ・私たちは、私たちの経済専門家と協力して、銀行およびグループのECLモデルに織り込まれた将来予測的なマ
       クロ経済の仮定ならびに銀行およびグループのECLモデルに織り込まれたシナリオを批判的に検討した。私た
       ちは、銀行およびグループの予想GDP、失業率、CPIおよび不動産価格指標と関連性のある一般に入手可能なマ
       クロ経済情報を比較した。また、矛盾した指標を識別するためにその他の既知の変数および私たちの他の監査
       手続きを通じて入手した情報を検討した。
      ・貸付金組成時のCCRからのCCRの変動を考慮に入れて、貸付金のサンプルのステージング計算を再実施し、銀行
       およびグループのECLモデルにおいて個別勘定レベルで適用される実際のステージングと私たちの予測を比較
       することによって、銀行およびグループのSICR手法の実施を検証した。
      ・勘定残高およびCCR等データ・フィールドのサンプルと関連するソース・システムと照合することによってECL
       モデルに用いられたデータの正確性を評価した。
     私たちは、銀行およびグループによるECL引当金残高に対するモデル適用後の調整の構成要素における主要な仮

    定についても批判的に検討した。これには以下が含まれる。
      ・特に現在のCOVID          19パンデミックおよび政府対応によって生じた経済シナリオの過度なボラティリティの観点
       から、銀行およびグループのECLモデルならびに銀行およびグループのECLモデル検証プロセスで特定された
       データの不備を検討することによって、その他の追加的引当金に関する要件を評価した。
      ・集中リスクに使用された基礎となるデータおよび景気循環引当金を評価して、その基礎となるポートフォリオ
       の特性と最近の損失実績、現在の市況およびグループのローン・ポートフォリオにおける特定のリスクを比較
       した。
      ・延滞の増加予想についてモデル化されたECLおよびモデル外調整の要件への影響を評価した。私たちはまた、
       SICR事象が発生しているか否かを判断するために用いる仮定を評価した。
      ・銀行およびグループの評価に対してポートフォリオで特定されたリスクとの整合性をチェックすることによっ
       て、追加的引当金の網羅性を評価した。
     公正価値で保有する金融商品の主観的かつ複雑な評価

     グループ
     -レベル3資産の公正価値(1,497百万ドル)
     -レベル2資産の公正価値(57,116百万ドル)
     -レベル3負債の公正価値(30百万ドル)
     -レベル2負債の公正価値(41,343百万ドル)
     銀行

     -レベル3資産の公正価値(1,190百万ドル)
     -レベル2資産の公正価値(55,533百万ドル)
     -レベル3負債の公正価値(30百万ドル)
     -レベル2負債の公正価値(39,146百万ドル)
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     公正価値に関する重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示については本財務書類注記18に記載されてい
    る。
     監査上の主要な事項

     銀行およびグループのレベル3およびレベル2の金融商品の公正価値は、評価技法を適用をすることによって決
    定される。これには、判断の行使および仮定や見積りの使用を伴う場合がある。
     公正価値で保有するレベル3およびレベル2の金融商品の評価は、以下の要因により監査上の主要な事項と考え
    られる。
      ・見積りの高度な不確実性、および評価手法ならびにモデルで用いられる価格設定の重要なインプットが観察不
       能なレベル3に分類される金融商品の評価に関連して合理的に起こり得る結果のレンジが潜在的に重要なもの
       となる可能性。レベル3の金融商品は、銀行およびグループの公正価値で計上される金融資産のそれぞれ
       0.8%および0.9%、ならびに銀行およびグループの公正価値で計上される金融負債のそれぞれ0.07%および
       0.06%を占めている。
      ・主観性および見積りの不確実性の増大につながる、特定のより複雑なレベル2の金融商品の評価手法およびモ
       デルに関連した複雑性。レベル2の金融商品は、銀行およびグループの公正価値で計上される金融資産のそれ
       ぞれ39%および35%、ならびに銀行およびグループの公正価値で計上される金融負債のそれぞれ88%および
       89%を占めている。
     当該事項に対する監査上の対応

     公正価値で保有する金融商品の評価に関する私たちの監査手続には、以下が含まれる。
      ・観察不能なインプットまたはモデルの複雑性により、評価における重要な判断から生じる虚偽記載リスクがよ
       り高いポートフォリオを識別するため、公正価値で保有する金融商品の母集団の評価を行った。
      ・特にこれらの金融商品に関する主要な統制の整備状況および運用状況の有効性のテストを行った。これには以
       下が含まれる。
       ・独立した価格評価(以下、「IPV」という。)に関する統制。ポートフォリオおよびIPVの対象となる評価イ
        ンプットの網羅性を含む。
       ・当初および定期的なモデル検証に関する統制。モデルの限界および仮定の評価を含む。
       ・管理機能による日次損益のレビューおよび批判的な検討に関する統制。
      ・担保管理プロセスに対する統制。清算機関に対するマージン調整のレビューを含む。
      ・公正価値調整に対する統制。出口価格およびポートフォリオ・レベルの調整を含む。
      ・私たちの評価専門家の支援を受けて、金融商品の選定および公正価値調整の再評価を独立して行った。これに
       は、市場データの提供者または外部ソースからインプットを独自に入手すること、および私たち独自の評価モ
       デルの使用が含まれる。
      ・レベル3金融商品の主観的な評価に関連して、適切な場合には、私たちの評価専門家と共に以下を実施した。
       ・市場における比較可能なデータおよび入手可能な代替値を用いて、主要なインプットおよび仮定の妥当性を
        評価した。
      ・銀行およびグループの評価手法と業界慣行および会計基準における要件と比較した。
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      ・私たちのテストで理解した内容を用いて、また関連する会計基準の要件に照らすことにより、主要な判断およ
       び仮定を含む財務書類の開示を評価した。
     アジアの関連会社に対する投資の帳簿価額(グループ1,929百万ドル、銀行ゼロ)

     重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示については本財務書類注記26に記載されている。
     監査上の主要な事項

     アジアの関連会社(PT            PaninおよびAmBank等)への投資の帳簿価額は、以下により、監査上の主要な事項とされ
    ている。
      ・グループの非貸付資産の減損評価により、グループ関連会社投資のうちの2つ(PT                                            PaninおよびAmBank)につ
       いて減損の兆候が識別された。
      ・COVID-19パンデミックによる事業の混乱および経済的影響の結果として、見積りの不確実性が高まり、グルー
       プによる重要な判断が要求された。こうした状況およびその継続にまつわる不確実性により関連会社に対する
       投資の減損可能性が高まり、キャッシュフロー・モデルにおける予測が不正確であるリスク、また起こり得る
       結果がより広範囲となるリスクが増加した。
      ・潜在的な減損可能性に関する私たちの評価は、グループのアジアの関連会社についてグループの主要な将来予
       測に基づく仮定に関連する判断を批判的に評価することを含む。評価されたグループの判断の事例には、以下
       が含まれる。
       ・収益予測および永久成長率-グループのモデルは、これらの仮定のわずかな変動による影響を受けやすく、
        利用可能な余裕分の減少、または減損可能性が示されることになる。このため、モデルの実行可能性および
        適用の整合性に特化した追加的な監査業務が必要になる。
       ・割引率-これらは、その性質上複雑であり、事業を行っている特定の関連会社投資の条件および環境に応じ
        て変動する。
      ・私たちは、監査上の主要な事項の評価において、チームのシニアメンバーを補充するために私たちの評価専門
       家の協力を得た。
     当該事項に対する監査上の対応

     評価専門家と共に作業した私たちの監査手続には、以下が含まれる。
      ・グループが年次減損テストを実施するために適用した使用価値の評価手法の適切性を会計基準の要件に照らし
       て検討した。
     ・使用されたモデルの整合性(基礎となる計算式の正確性を含む)について評価した。
      ・割引率、成長率、予測収益および永久成長率等、割引キャッシュフロー・モデルで使用されたグループの主要
       な仮定を外部で観察可能な測定基準、過去の実績、市場に関する私たちの知識および現在の市場慣行と比較す
       ることによって評価した。
      ・比較可能な企業の一般に入手可能な市場テータを利用して、割引率の見積りまたは比較可能な範囲を独自に設
       定し、アジアの関連会社ならびにその市場および事業を行っている業界に特有の要因について調整を行った。
      ・当該モデルに含まれている予想キャッシュフローとCOVID-19の影響を反映した最近のブローカーのコンセンサ
       ス・レポートを比較した。
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      ・グループによるキャッシュフローおよび仮定におけるCOVID-19の影響、ならびにその回復可能期間に関する評
       価について批判的な検討を行った。
      ・予想成長率、永久成長率および割引率等、主要な仮定を合理的に起こり得る範囲内で変動させることによって
       当該モデルの感応度を検討し、COVID-19から合理的に起こり得る影響についての具体的な分析を含めた。
      ・過去の減損損失の戻入れが要求された場合、報告日現在の回収可能価額を直近の減損評価時点における各投資
       の回収可能価額に照らして評価した。
      ・私たちのテストで理解した内容を用いて、また、会計基準の規定に照らして財務書類における開示を評価し
       た。
     顧客救済引当金(グループ886百万ドル、銀行791百万ドル)

     重要な会計上の見積りおよび判断ならびに開示については本財務書類注記22および33に記載されている。
     監査上の主要な事項

     銀行およびグループは、内部および外部調査ならびにレビューにより生じた特定の顧客救済措置に関連する引当
    金の認識の必要性について評価した。
     顧客救済活動に関する引当金は、以下に関する銀行およびグループの算定を評価するに当たり、私たちによる判
    断が要求されることから、監査上の主要な事項と考えられる。
     ・救済が求められる事項の母集団の網羅性
      ・その事象を会計基準で規定されている要件に照らし、過去の事象によって生じた現在の法的債務または推定的
       債務の存在
      ・調査の結果により支払可能性のある金額について信頼性のある見積り(関連費用の見積りを含む)
      ・私たちが検討すべき見積りの幅の拡大につながるような法的手続き、追加調査、および規制当局によるレ
       ビューの可能性
     当該事項に対する監査上の対応

     顧客救済引当金に関する私たちの監査手続には、以下が含まれる。
      ・顧客救済措置に関する調査による影響を識別および評価するための銀行およびグループのプロセスを把握し
       た。
      ・救済措置に関する継続中の法律、規制事項およびその他の調査について銀行およびグループに照会した。
      ・外部の法律顧問と重要案件に関する独立した討議を実施した。
      ・銀行の取締役会、役員会、さまざまな経営委員会の議事録およびその他の関連文書を通読し、銀行の監査およ
       びリスク委員会の会議に出席した。
      ・関連規制当局との通信を調査した。
      ・個別の顧客救済事項のサンプルについて、私たちは、引当金および関連費用の認識の基礎を会計基準の規定に
       照らして評価する。私たちは、当該事項およびその状況を把握し、独立してこれらを会計基準の認識規定に照
       らして評価することによってこれを行った。
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      ・個別の顧客救済事項のサンプルについて、以下を行うことにより、当該引当金の評価および正確性をテストし
       た。
       ・手法、データおよび仮定の評価および批判的な検討
       ・基礎となるシステムに対するデータの正確性のサンプルチェック
       ・モデルの完全性チェックの実施
      ・私たちの広範囲にわたる業界事案の知識および経験、グループの文書ならびに現在の規制環境に基づいて、エ
       クスポージャーが生じる可能性のある事項を評価することによって網羅性をテストした。私たちはまた、これ
       らのエクスポージャーの特性を、引当金または偶発債務を定義する会計基準の規定に照らして確認した。
      ・信頼性の高い見積りが出来ない引当金の認識に関して、銀行およびグループによる結論の適切性をオーストラ
       リア会計基準要件に照らして評価した。
      ・私たちのテストで理解した内容を用いて、またオーストラリア会計基準の要件に照らして関連する開示を評価
       した。
     ITシステムおよび統制

     監査上の主要な事項
     オーストラリアの大手銀行として、銀行およびグループの事業は、大量の取引を処理し、記録するために数多く
    の複雑かつ相互依存型の情報技術(以下、「IT」という。)システムを活用している。ITシステムへのアクセスお
    よび変更に係る統制は、財務情報を記録する上で重要であり、銀行およびグループの財政状態および経営成績を真
    実かつ公正に表示する財務書類の作成において重要である。
     ITシステムおよび統制は、財務記録および取引報告に影響を与えるため、銀行およびグループのIT統制の運用状
    況の有効性に応じて私たちの監査手続が大きく変更する可能性があることから監査上の主要な事項とされている。
    私たちは、私たちの監査チームの中核である私たちのIT専門家と共に作業している。
     当該事項に対する監査上の対応

     重要な取引を処理し、総勘定元帳に残高を記録するために用いる主要なITアプリケーション(システム)に関す
    るテクノロジー統制環境をテストし、テクノロジーによって可能になるビジネス・プロセスと連携した、これらの
    システムの中に組み込まれている自動化された統制についても検証した。私たちの監査手続には以下が含まれる。
      ・IT環境全般(方針の整備、レビューおよび認識、ならびにITリスク管理業務に関するものを含む)を通じたガ
       バナンスおよび全般的な統制について評価した。
      ・ユーザ・アクセス・マネジメント・ライフサイクル全般に係る統制の整備および運用状況の有効性のテスト。
       これには、重要なITアプリケーションおよびそのサポート基盤におけるユーザーアクセス権の付与、レビュー
       および削除が適時にどのように行われるかが含まれる。私たちはまた、各ITアプリケーションおよびそのサ
       ポート基盤全般につき、特別な権限および機能がどのように管理されているかについても検証した。
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      ・変更管理を可能にするための統制の整備および運用状況の有効性のテスト。これには、重要なITアプリケー
       ションの変更の開始、文書化、承認、テストおよび認可が本番環境移行前にどのように行われるかが含まれ
       る。私たちは、銀行およびグループ全体のITアプリケーションの本番環境に変更を加える際のユーザのアクセ
       スの適切性について評価した。
      ・銀行およびグループのテクノロジー・チームがシステムのジョブをスケジュールし、システムの完全性を監視
       するために使用する統制の整備および運用状況の有効性のテスト。
      ・ANZデリバリー・フレームワークを通じて提供される重要なITアプリケーション・プログラムに関連した統制
       の整備および運用状況の有効性のテスト。
      ・自動化されたビジネス・プロセスの統制の整備および運用状況の有効性のテスト。これには、ITアプリケー
       ション内の不適切な役割の組み合わせから生じる対立を回避するための職務分掌の強化に関連するものが含ま
       れ、以下をテストした。
       ・計算、マッピングおよび金融取引のフラグを立てることを実行するためのコンフィギュレーション、ならび
        に自動照合統制(システム間とシステム内の両方)
       ・私たちの監査においてサンプルの選定に使用した重要なレポート・システムおよび経営陣が財務報告の作成
        に使用した分析データの完全性
     その他の記載内容

     その他の記載内容とは、財務書類および監査報告書に加えて提供されている、オーストラリア・ニュージーラン
    ド銀行の年次報告書の財務情報および非財務情報の両方である。その他の記載内容に対する責任は取締役にある。
     財務書類に関する私たちの意見は、その他の記載内容を対象としていないため、私たちは、報酬報告書およびそ
    れに対する私たちの保証意見を除き、当該その他の記載内容に対して監査意見を表明しないし、またいかなる形式
    の保証の結論も表明しない。
     財務書類の監査に関連して、私たちの責任は、その他の記載内容を通読し、その過程で、当該その他の記載内容
    が財務書類または私たちが監査上入手した知識と重要な相違があり、そのため重要な虚偽記載があるかどうかを検
    討することである。
     実施した手続きに基づき、監査報告書の日付よりも前に、当該その他の情報に重要な虚偽記載があるとの結論に
    至った場合、私たちは当該事実を報告する義務がある。この点に関して、私たちが報告すべきことはない。
     財務書類に関する取締役の責任

     取締役の責任は以下のとおりである。
     ・オーストラリア会計基準および2001年会社法に準拠した真実かつ公正な財務書類を作成すること。
      ・不正または誤謬による重要な虚偽記載のない財務書類を作成し、真実かつ公正に表示するために取締役が必要
       と判断した内部統制を整備および運用すること。
      ・継続企業の前提に基づきグループおよび銀行の財務書類を作成すること、および継続企業の会計基準を使用す
       ることが適切かどうかを評価すること。これには、取締役がグループおよび銀行を清算もしくは事業を停止す
       る意図があるか、またはそれ以外に現実的な代替案がない場合を除き、継続企業を前提として財務書類を作成
       し、財務報告の枠組みおよび開示規則に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事
       項を開示すること。
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     財務書類監査に関する監査人の責任
     監査の目的は以下のとおりである。
      ・全体としての財務書類に、不正または誤謬による重要な虚偽記載がないかどうかに関する合理的な保証を得る
       こと
     ・監査報告書において監査意見を表明すること
     合理的な保証は、高い水準の保証である。しかしながら、オーストラリア監査基準に準拠して行った監査が、す

    べての重要な虚偽表示を常に発見することを保証するものではない。虚偽表示は、不正または誤謬により発生する
    可能性があり、個別にまたは集計すると、財務書類の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合
    に、重要性があると判断される。
     財務書類監査に関する監査人の責任のより詳細な記載は、監査および保証基準審議会のウェブサイト
    http://www.auasb.gov.au/admin/file/content102/c3/arl_2020.pdf.                                    に掲載されている。当該記載は、監査報告
    書の一部である。
     <報酬報告書に関する報告>

     私たちは、オーストラリア・ニュージーランド銀行の2021年9月30日に終了した事業年度の報酬報告書が、2001
    年会社法第300A条に準拠しているものと認める。
     取締役の責任

     取締役の責任は、2001年会社法の第300A条に準拠して報酬報告書を作成し、開示することにある。
     監査人の責任

     私たちは、2021年9月30日に終了した事業年度の取締役報告書に記載された報酬報告書について監査を行った。
     監査人の責任は、オーストラリア監査基準に準拠して行った監査に基づいて、報酬報告書について意見を表明す
    ることである。
     ケーピーエムジー(署名)                           マーティン・マクグラス(署名)

                                パートナー
                                メルボルン市
                                2021年10月27日
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    Independent       Auditor’s      Report
    TO  THE   SHAREHOLDERS           OF  AUSTRALIA        AND   NEW   ZEALAND       BANKING       GROUP     LIMITED

    REPORT      ON  THE   AUDIT     OF  THE   FINANCIAL        REPORT
    OPINION
    We  have   audited    the  Financial     Report    of Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited    (the  Company)      and
    the  entities    it controlled     at the  year  end  and  from   time   to time   during    the  financial     year  (together,     the  Group).
    In our  opinion,    the  accompanying        Financial     Report    is in accordance      with   the  Corporations       Act  2001,   including:
    ・  giving    a true  and  fair  view   of the  Company     and  Group’s    financial     positions     as at 30  September      2021   and  of
      their   financial     performance       for  the  year  ended   on  that  date;   and
    ・  complying      with   Australian      Accounting      Standards     and  the  Corporations       Regulations      2001.
    The  Financial     Report    comprises     the:
    ・  balance    sheets   as at 30  September      2021;
    ・  income    statements,      statements      of comprehensive        income,    statements      of changes    in equity,    and  cash   flow
      statements      for  the  year  then  ended;
    ・  notes   1 to 36  including     a summary     of significant      accounting      policies;     and
    ・  Directors’     Declaration.
    BASIS    FOR   OPINION

    We  conducted     our  audit   in accordance      with   Australian      Auditing     Standards     . We  believe    that  the  audit   evidence     we
    have   obtained     is sufficient     and  appropriate      to provide    a basis   for  our  opinion.
    Our  responsibilities        under   those   standards     are  further    described     in the  Auditor’s     responsibilities        for  the  audit   of the
    Financial     Report    section    of our  report.
    We  are  independent      of the  Group    in accordance      with   the  Corporations       Act  2001   and  the  ethical    requirements       of the
    Accounting      Professional      and  Ethical    Standards     Board’s    APES   110  Code   of Ethics   for  Professional       Accountants
    (the  Code)   that  are  relevant    to our  audit   of the  Financial     Report    in Australia.     We  have   fulfilled    our  other   ethical
    responsibilities        in accordance      with   the  Code.
    KEY   AUDIT    MATTERS

    The  Key  Audit   Matters    we  identified     are:
    ・  Allowance      for  expected     credit   losses;
    ・  Subjective      and  complex     valuation     of financial     instruments      held  at fair  value;
    ・  Carrying     value   of investment      in Asian   associates;
    ・  Provisions      for  customer     remediation;       and
    ・  IT systems    and  controls.
    Key  Audit   Matters    are  those   matters    that,  in our  professional      judgement,      were   of most   significance      in our  audit   of
    the  Financial     Report    of the  current    period.
    These   matters    were   addressed     in the  context    of our  audit   of the  Financial     Report    as a whole,    and  in forming    our
    opinion    thereon,    and  we  do  not  provide    a separate    opinion    on  these   matters.
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    ALLOWANCE        FOR   EXPECTED       CREDIT     LOSSES     (Group    $4,882m,     Company     $4,062m)
    Refer   to the  critical    accounting      estimates     and  judgements      disclosures      in relation    to the  allowance     for  expected
    credit   losses   in Note   14  to the  Financial     Report.
    The  Key  Audit   Matter

    Allowance      for  expected     credit   losses   is a key  audit   matter    due  to the  significance      of the  loans   and  advances     balance
    to the  financial     statements      and  the  inherent    complexity      of the  Company     and  Group’s    Expected     Credit   Loss   models
    (ECL   models)    used   to measure    ECL   allowances.      These   models    are  reliant    on  data  and  a number    of estimates
    including     the  impact    of multiple    economic     scenarios     and  other   assumptions      such   as defining    a significant      increase
    in credit   risk  (SICR).
    AASB    9 Financial     Instruments      requires    the  Company     and  Group   to measure    ECLs   on  a forward-looking         basis
    reflecting     a range   of economic     conditions,      of which   gross   domestic     product    (GDP)    and  unemployment        levels   are
    considered      key  assumptions.       Post-model      adjustments      are  made   by  the  Company     and  Group    to address    known    ECL
    model   limitations      or emerging     trends   in the  loan  portfolios.     We  exercise    significant      judgement      in challenging      the
    economic     scenarios     used   and  the  judgmental      post  model   adjustments      the  Company     and  Group    applies    to the  ECL
    results.
    The  Company     and  Group’s    criteria    selected    to identify    a SICR,   such   as a decrease     in customer     credit   rating   (CCR),
    are  key  areas   of judgement      within    the  Company     and  Group’s    ECL   methodology       as these   criteria    determine     if a
    forward-looking         12  month    or lifetime    allowance     is recorded.
    The  COVID-19      pandemic     has  meant   that  assumptions      regarding     the  economic     outlook    are  more   uncertain     which,
    combined     with   varying    government      responses,     increases     the  level   of judgement      required    by  the  Company     and
    Group    in calculating      the  ECL,   and  the  associated     audit   risk.
    Additionally,       allowances      for  individually      assessed     wholesale     loans   exceeding     specific    thresholds     are  individually
    assessed     by  the  Company     and  Group.    We  exercise    significant      judgement      in challenging      the  assessment      of specific
    allowances      based   on  the  expected     future   cash   repayments      and  estimated     proceeds     from   the  value   of the  collateral
    held  by  the  Company     and  Group    in respect    of the  loans.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audit
    Our  audit   procedures      for  the  allowance     for  ECL   and  disclosures      included     assessing     the  Company     and  Group’s
    significant      accounting      policies    against    the  requirements       of the  accounting      standard.     Additionally,       our  procedures
    included:
    Testing    key  controls    of the  Company     and  Group    in relation    to:
    ・  The  ECL   model   governance      and  validation     processes     which   involved     assessment      of model   performance;
    ・  The  assessment      and  approval     of the  forward-looking         macroeconomic        assumptions       and  scenario    weightings
      through    challenge     applied    by  the  Company     and  Group’s    internal    governance      processes;
    ・  Reconciliation        of the  data  used   in the  ECL   calculation      process    to gross   balances     recorded     within    the  general
      ledger   as well  as source    systems;
    ・  Customer     credit   rating   (CCR)    for  wholesale     loans   (larger    customer     exposures     are  monitored     individually).       This
      covered    elements     such   as:  approval     of new  lending    facilities     against    the  Company     and  Group’s    lending
      policies,     monitoring      of counterparty       credit   quality    against    the  Company     and  Group’s    exposure     criteria    for
      internal    factors    specific    to the  counterparty       or external    macroeconomic        factors,    and  accuracy     and  timeliness     of
      CCR   and  security    indicator     (SI)  assessments      against    the  requirements       of the  Company     and  Group’s    lending
      policies    and  regulatory     requirements;       and
    ・  IT system    controls    which   record    retail   loans   lending    arrears,    group   exposures     into  delinquency      buckets,    and  re-
      calculate     individual     allowances.      We  tested   automated      calculation      and  change    management       controls    and
      evaluated     the  Company     and  Group’s    oversight     of the  portfolios,     with   a focus   on  controls    over   delinquency
      monitoring.
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    We  tested   relevant    General    Information      Technology      Controls     (GITCs)     in relation    to the  key  IT applications      used
    by  the  Company     and  Group    in measuring      ECL   allowances      as detailed    in the  IT Systems    and  Controls     key  audit
    matter    below.
    In addition    to controls    testing,    our  procedures      included:
    ・  Re-performing        credit   assessments      of a sample    of wholesale     loans   controlled     by  the  Company     and  Group’s
      specialist     workout     and  recovery     team   assessed     as higher    risk  or impaired,     and  a sample    of other   loans,   focusing
      on  larger   exposures     assessed     by  the  Company     and  Group    as showing     signs   of deterioration,       or in areas   of
      emerging     risk  (assessed     against    external    market    conditions      and  in particular     considering      the  impacts    of COVID-
      19  and  climate    change).     For  each   loan  sampled,     we  challenged      management’s        assessment      of CCR   and  SI,
      taking   into  account    our  assessment      of the  customer’s      financial     position    and,  where   relevant,     the  risk  of stranded
      assets,    and  our  overall    assessment      of loan  recoverability,        the  valuation     of security,     and  the  impact    on  the  credit
      allowance.      To  do  this,  we  used   the  information      on  the  Company’s      and  Group’s    loan  file,  discussed     the  facts
      and  circumstances       of the  case  with   the  loan  officer,    and  performed      our  own  assessment      of recoverability.
      Exercising      our  judgement,      our  procedures      included     using   our  understanding       of relevant    industries     and  the
      macroeconomic        environment       and  comparing      data  and  assumptions       used   by  the  Company     and  Group    in
      recoverability       assessments      to externally     sourced    evidence,     such   as commodity      prices,    publicly    available     audited
      financial     statements      and  comparable      external    valuations     of collateral     held.   Where    relevant    we  assessed     the
      forecast    timing    of future   cash   flows   in the  context    of underlying      valuations     and  approved     business     plans   and
      challenged      key  assumptions      in the  valuations;
    ・  Obtaining     an understanding       of the  Company     and  Group’s    processes     to determine     ECL   allowances,      evaluating
      the  Company     and  Group’s    ECL   model   methodologies        against    established      market    practices     and  criteria    in the
      accounting      standards;
    ・  Working     with   our  risk  consulting      specialists,      we  assessed     the  accuracy     of the  Company     and  Group’s    ECL
      model   estimates     by  re-performing,        for  a sample    of loans,   the  ECL   allowance     using   our  independently       derived
      calculation      tools   and  comparing      this  to the  amount    recorded     by  the  Company     and  Group;
    ・  Working     with   our  economic     specialists,      we  challenged      the  Company     and  Group’s    forward-looking
      macroeconomic        assumptions      and  scenarios     incorporated       in the  Company     and  Group’s    ECL   models.    We
      compared     the  Company     and  Group’s    forecast    GDP,   unemployment        rates,   CPI  and  property     price   indices    to
      relevant    publicly    available     macro-economic         information,       and  considered      other   known    variables     and  information
      obtained     through    our  other   audit   procedures      to identify    contradictory       indicators;
    ・  Testing    the  implementation        of the  Company     and  Group’s    SICR   methodology       by  re-performing       the  staging
      calculation      for  a sample    of loans   taking   into  consideration       movements      in the  CCR   from   loan  origination      CCR
      and  comparing      our  expectation      to actual   staging    applied    on  an individual     account    level   in the  Company     and
      Group’s    ECL   model;    and
    ・  Assessing     the  accuracy     of the  data  used   in the  ECL   models    by  confirming      a sample    of data  fields   such   as
      account    balance    and  CCR   to relevant    source    systems.
    We  challenged      key  assumptions       in the  components      of the  Company     and  Group’s    post-model      adjustments      to the
    ECL   allowance     balance.    This   included:
    ・  Assessing     the  requirement      for  additional     allowances      considering      the  Company     and  Group’s    ECL   model   and
      data  deficiencies      identified     by  the  Company     and  Group’s    ECL   model   validation     processes,     particularly      in light
      of the  extreme    volatility     in economic     scenarios     caused    by  the  current    COVID-19      pandemic     and  government
      responses;
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    ・  Evaluating      underlying      data  used   in concentration       risk  and  economic     cycle   allowances      by  comparing      underlying
      loan  portfolio     characteristics       to recent   loss  experience,      current    market    conditions      and  specific    risks   in the  Group
      ’s loan  portfolios;
    ・  Assessing     the  impacts    on  the  modelled     ECL   and  the  requirement      for  out  of model   adjustments      to account    for  the
      expected     increase    in delinquencies.       We  also  assessed     assumptions      used   to determine     whether    a SICR   event   has
      occurred;     and
    ・  Assessing     the  completeness       of additional     allowance     overlays     by  checking     the  consistency      of risks   we  identified
      in the  loan  portfolios     against    the  Company     and  Group’s    assessment.
    SUBJECTIVE        AND   COMPLEX      VALUATION        OF  FINANCIAL       INSTRUMENTS         HELD    AT  FAIR   VALUE:

    GROUP
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 ASSET    POSITIONS       $1,497m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 ASSET    POSITIONS       $57,116m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 LIABILITY      POSITIONS       $30m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 LIABILITY      POSITIONS       $41,343m
    COMPANY

    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 ASSET    POSITIONS       $1,190m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 ASSET    POSITIONS       $55,533m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    3 LIABILITY      POSITIONS       $30m
    - FAIR   VALUE     OF  LEVEL    2 LIABILITY      POSITIONS       $39,146m
    Refer   to the  critical    accounting      estimates,     judgements      and  disclosures      of fair  values    in Note   18  to the  Financial

    Report.
    The  Key  Audit   Matter
    The  fair  value   of the  Company     and  Group’s    Level   3 and  2 financial     instruments      is determined      by  the  application      of
    valuation     techniques      which   often   involve    the  exercise    of judgement      and  the  use  of assumptions      and  estimates.
    The  valuation     of Level   3 and  level   2 financial     instruments      held  at fair  value   is considered      a Key  Audit   Matter    due
    to:
    ・  The  high   degree    of estimation      uncertainty      and  potentially      significant      range   of reasonable      outcomes     associated
      with   the  valuation     of financial     instruments      classified     as Level   3 where   significant      pricing    inputs   used   in the
      valuation     methodology       and  models    are  not  observable.      Level   3 financial     instruments      represented      0.8%   and
      0.9%   respectively      of the  Company     and  Group’s    financial     assets   and  0.07%    and  0.06%    of the  Company     and
      Group’s    financial     liabilities     carried    at fair  value;   and
    ・  The  complexity      associated     with   the  valuation     methodology       and  models    of certain    more   complex     Level   2
      financial     instruments      leading    to an increase    in subjectivity      and  estimation      uncertainty.      Level   2 financial
      instruments      represented      39%   and  35%   respectively      of the  Company     and  Group’s    financial     assets   and  88%   and
      89%   of the  Company     and  Group’s    financial     liabilities     carried    at fair  value.
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    How   the  matter    was  addressed     in our  audit
    Our  audit   procedures      for  the  valuation     of financial     instruments      held  at fair  value   included:
    ・  Performing      an assessment      of the  population      of financial     instruments      held  at fair  value   to identify    portfolios     that
      have   a higher    risk  of misstatement       arising    from   significant      judgements      over   valuation     either   due  to
      unobservable       inputs   or complex     models.
    ・  Testing    the  design    and  operating     effectiveness       of key  controls    relating    specifically      to these   financial
      instruments,      including:
      ・  Controls     in relation    to Independent      Price   Verification       (IPV),   including     completeness       of portfolios     and
        valuation     inputs   subject    to IPV;
      ・  Controls     in relation    to model   validation     at inception     and  periodically,       including     assessment      of model
        limitation     and  assumptions;
      ・  Controls     in relation    to the  review    and  challenge     of daily   profit   and  loss  by  a control    function;
      ・  Controls     over   the  collateral     management       process,    including     review    of margin    reconciliations        with   clearing
        houses;    and
      ・  Controls     over   fair  value   adjustments      (FVAs),     including     exit  price   and  portfolio     level   adjustments.
    ・  With   the  assistance     of our  valuation     specialists,      independently       re-valuing     a selection     of financial     instruments
      and  FVAs.    This   involved     sourcing     independent      inputs   from   market    data  providers     or external    sources    and  using
      our  own  valuation     models.
    ・  In relation    to the  subjective     valuation     of Level   3 financial     instruments,      where   appropriate,      with   our  valuation
      specialists;
      ・  Assessing     the  reasonableness        of key  inputs   and  assumptions      using   comparable      data  in the  market    and
        available     alternatives;      and
      ・  Comparing      the  Company     and  Group’s    valuation     methodology       to industry    practice    and  the  criteria    in the
        accounting      standards.
    ・  Assessing     the  financial     statements      disclosures,      including     key  judgements      and  assumptions      using   our
      understanding       obtained     from   our  testing    and  against    the  relevant    accounting      standard     requirements.
    CARRYING       VALUE     OF  INVESTMENT        IN  ASIAN    ASSOCIATES        (Group    $1,929m;     Company     $Nil)

    Refer   to the  critical    accounting      estimates,     judgements      and  disclosures      in Notes   26  to the  Financial     Report.
    The  Key  Audit   Matter

    Carrying     value   of investment      in Asian   associates     (PT  Panin   and  AmBank)     is a key  audit   matter   as:
    ・  The  Group’s    impairment      assessment      of non-lending      assets   identified     that  two  of the  Group’s    associate
      investments      (PT  Panin   and  AmBank)     had  indicators     of impairment.
    ・  Significant      judgement      was  required    by  the  Group    as a result   of the  business     disruption     and  economic     impacts    of
      the  COVID-19      pandemic,     raising    estimation      uncertainty.      These   conditions      and  the  uncertainty      of their
      continuation       increases     the  possibility      of the  investments      in the  associates     being   impaired,     and  the  risk  of
      inaccurate     forecasts     or a significantly       wider   range   of possible    outcomes     in the  cash   flow   models.
    ・  Our  evaluation      of potential     impairment      involves     critically     evaluating      the  Group’s    judgement      in relation    to key
      forward-looking         assumptions      for  the  Group’s    Asian   associates.      Instances     where   the  Group’s    judgement      is
      evaluated     include:
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      ・  Forecast     earnings     and  terminal    growth    rates   – The  Group’s    models    are  highly   sensitive     to small   changes    in

        these   assumptions,       reducing     available     headroom     or indicating     possible    impairment.      This   drives   additional
        audit   effort   specific    to their   feasibility     and  consistency      of application;      and
      ・  Discount     rates   – These   are  complicated      in nature   and  vary   according     to the  conditions      and  environment       the
        specific    associate     investments      operate    in.
    ・  We  involved     our  valuation     specialists     to supplement      our  senior   team   members     in assessing     this  key  audit
      matter.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audit

    Working     with   our  valuation     specialists,      our  procedures      included:
    ・  Considering      the  appropriateness        of the  value   in use  valuation     method    applied    by  the  Group    to perform    their
      annual    test  for  impairment      against    the  requirements       of the  accounting      standards;
    ・  Assessing     the  integrity     of the  models    used,   including     the  accuracy     of the  underlying      calculation      formulas;
    ・  Assessing     the  Group’s    key  assumptions      used   in the  discounted      cash   flow   model,    such   as,  discount     rates,   growth
      rates,   forecast    earnings     and  terminal    growth    rate  by  comparing      to external    observable      metrics,    historical
      experience,      our  knowledge      of the  markets    and  current    market    practice;
    ・  Independently       developing      a discount     rate  estimate    or range   considered      comparable      using   publicly    available
      market    data  for  comparable      entities,    adjusted    for  factors    specific    to the  Asian   associates     and  the  market    and
      industry    they  operate    in;
    ・  Comparing      the  forecast    cash   flows   contained     in the  models    to recent   broker    consensus     reports,    reflecting     the
      COVID-19      impacts;
    ・  Considering      and  challenging      the  Group’s    assessment      of the  impact    of COVID-19      on  cash   flows   and
      assumptions      as well  as its assessment      of the  likely   recovery     period;
    ・  Considering      the  sensitivity     of the  models    by  varying    key  assumptions,       such   as,  forecast    growth    rates,   terminal
      growth    rates   and  discount     rates,   within    a reasonable      possible    range,   including     specific    analysis    of reasonable
      possible    impacts    of COVID-19;
    ・  Assessing     the  recoverable      amount    at the  reporting     date  against    the  recoverable      amount    of each   investment      when
      it was  last  impaired     to assess   if any  reversal    of previous     impairment      loss  was  required;     and
    ・  Assessing     the  disclosures      in the  financial     report   using   our  understanding       obtained     from   our  testing    and  against
      the  requirements       of the  accounting      standards.
    PROVISIONS        FOR   CUSTOMER       REMEDIATION         (Group    $886m;    Company     $791m)

    Refer   to the  critical    accounting      estimates,     judgements      and  disclosures      in Notes   22  and  33  to the  Financial     Report.
    The  Key  Audit   Matter

    The  Company     and  Group    have   assessed     the  need   to recognise     provisions      in relation    to certain    customer     remediation
    activities     arising    from   both   internal    and  external    investigations       and  reviews.
    The  provision     for  customer     remediation      activities     is a key  audit   matter    due  to the  judgements      required    by  us in
    assessing     the  Company     and  Group’s    determination       of:
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    ・  The  completeness       of the  population      of matters    requiring     remediation;
    ・  The  existence     of a present    legal   or constructive      obligation     arising    from   a past  event   using   the  conditions      of the
      event   against    the  criteria    in the  accounting      standards;
    ・  Reliable    estimates     of the  amounts     which   may  be paid  arising    from   investigations,        including     estimates     of related
      costs;   and
    ・  The  potential     for  legal   proceedings,       further    investigations,        and  reviews    from   its regulators     leading    to a wider
      range   of estimation      outcomes     for  us to consider.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audit

    Our  audit   procedures      for  customer     remediation      provisions      included:
    ・  Obtaining     an understanding       of the  Company     and  Group’s    processes     and  controls    for  identifying      and  assessing
      the  potential     impact    of the  investigations       into  customer     remediation      activities;
    ・  Enquiring     with   the  Company     and  Group    regarding     ongoing    legal,   regulatory     and  other   investigation       into
      remediation      activities;
    ・  Conducting      independent      discussions      on  significant      matters    with   external    legal   counsel;
    ・  Reading    the  minutes    and  other   relevant    documentation        of the  Company’s      Board   of Directors,     Board
      Committees,       various    management       committees,      and  attending     the  Company’s      Audit   and  Risk   Committee
      meetings;
    ・  Inspecting      correspondence        with   relevant    regulatory     bodies;
    ・  For  a sample    of individual     customer     remediation      matters,    we  evaluate     the  basis   for  recognition      of a provision
      and  associated     costs   against    the  requirements       of the  accounting      standards.     We  did  this  by  obtaining     an
      understanding       of the  matter,    its status   and  independently       assessing     these   against    the  recognition      requirements       of
      the  accounting      standard;
    ・  For  a sample    of individual     customer     remediation      matters,    testing    the  valuation     and  accuracy     of the  provision     by:
    ・  Assessing     and  challenging      the  method,    data  and  assumptions;
    ・  Sample    checking     data  accuracy     to underlying      systems;     and
    ・  Performing      model   integrity     checks
    ・  Testing    completeness       by  evaluating      where   exposures     may  have   arisen   based   upon   our  knowledge      and
      experience      of broader    industry    matters,    the  Group's    documentation        and  the  current    regulatory     environment.       We
      also  checked    the  features    of these   exposures     against    the  criteria    defining     a provision     or a contingency      in the
      accounting      standards;
    ・  Assessing     the  appropriateness        of the  Company     and  Group’s    conclusions      against    the  requirements       of Australian
      Accounting      Standards     where   estimates     were   unable    to be reliably    made   for  a provision     to be  recognised;      and
    ・  Evaluating      the  related    disclosures      using   our  understanding       obtained     from   our  testing    and  against    the
      requirements       of Australian      Accounting      Standards.
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    IT SYSTEMS      AND   CONTROLS
    The  Key  Audit   Matter

    As  a major   Australian      bank,   the  Company     and  Group’s    businesses      utilise   many   complex,     interdependent
    Information      Technology      (IT)  systems    to process    and  record    a high   volume    of transactions.       Controls     over   access
    and  changes    to IT systems    are  critical    to the  recording     of financial     information      and  the  preparation      of a financial
    report   which   provides     a true  and  fair  view   of the  Company     and  Group’s    financial     position    and  performance.
    The  IT systems    and  controls,     as they  impact    the  financial     recording     and  reporting     of transactions,       is a key  audit
    matter    as our  audit   approach     could   significantly       differ   depending      on  the  effective     operation     of the  Company     and
    Group’s    IT controls.     We  work   with   our  IT specialists     as a core  part  of our  audit   team.
    How   the  matter    was  addressed     in our  audit

    Testing    the  technology      control    environment       for  key  IT applications      (systems)     used   in processing      significant
    transactions      and  recording     balances     in the  general    ledger,    and  testing    the  automated      controls    embedded     within    these
    systems    which   link  the  technology-enabled          business     processes.     Our  audit   procedures      included:
    ・  Assessing     the  governance      and  higher-level      controls    across   the  IT Environment,       including     those   regarding
      policy   design,    review    and  awareness,      and  IT Risk   Management       practices;
    ・  Design    and  operating     effectiveness       testing    of controls    across   the  User   Access    Management       Lifecycle,     including
      how  users   are  on-boarded,      reviewed,     and  removed     on  a timely    basis   from   critical    IT  applications      and  supporting
      infrastructure.       We  also  examined     how  privileged     roles   and  functions     are  managed     across   each   IT Application
      and  the  supporting      infrastructure;
    ・  Design    and  operating     effectiveness       testing    of controls    to enable    Change    Management       including     how   changes
      are  initiated,     documented,       approved,     tested   and  authorised      prior   to migration     into  the  production      environment       of
      critical    IT Applications.       We  assessed     the  appropriateness        of users   with   access    to release    changes    to IT
      application      production      environments       across   the  Company     and  Group;
    ・  Design    and  operating     effectiveness       testing    of controls    used   by  the  Company     and  Group’s    technology      teams   to
      schedule     system    jobs  and  monitor    system    integrity;
    ・  Design    and  operating     effectiveness       testing    of controls    related    to significant      IT  application      programs     delivered
      per  the  ANZ   Delivery     Framework;
    ・  Design    and  operating     effectiveness       testing    of automated      business     process    controls    including     those   relating    to
      enforcing     segregation      of duties   to avoid   conflicts     from   inappropriate       role  combinations       within    IT applications.
      Testing:
      ・  Configurations        in place   to perform    calculations,       mappings     and  flagging    of financial     transactions,       and
        automated      reconciliation       controls    (both   between    systems    and  intra-system);       and
      ・  Data   integrity     of critical    system    reporting     used   by  us in our  audit   to select   samples    and  analyse    data  used   by
        management       to generate     financial     reporting.
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    OTHER     INFORMATION
    Other   Information      is both   financial     and  non-financial       information      in Australia     and  New   Zealand    Banking     Group
    Limited’s     annual    reporting     which   is provided     in addition    to the  Financial     Report    and  the  Auditor's     Report.    The
    Directors     are  responsible      for  the  Other   Information.
    Our  opinion    on  the  Financial     Report    does   not  cover   the  Other   Information      and,  accordingly,       we  do  not  express    an
    audit   opinion    or any  form   of assurance     conclusion      thereon,    with   the  exception     of the  Remuneration       Report    and  our
    related    assurance     opinion.
    In connection      with   our  audit   of the  Financial     Report,    our  responsibility       is to read  the  Other   Information.       In doing
    so,  we  consider     whether    the  Other   Information      is materially     inconsistent      with   the  Financial     Report    or our
    knowledge      obtained     in the  audit,   or otherwise     appears    to be materially     misstated.
    We  are  required    to report   if we  conclude     that  there   is a material    misstatement       of this  Other   Information,       and  based
    on  the  work   we  have   performed      on  the  Other   Information      that  we  obtained     prior   to the  date  of this  Auditor’s
    Report,    we  have   nothing    to report.
    RESPONSIBILITIES           OF  DIRECTORS       FOR   THE   FINANCIAL       REPORT

    The  Directors     are  responsible      for:
    ・  preparing     a Financial     Report    that  gives   a true  and  fair  view   in accordance      with   Australian      Accounting      Standards
      and  the  Corporations       Act  2001
    ・  implementing       necessary     internal    control    to enable    the  preparation      of a Financial     Report    that  gives   a true  and  fair
      view   and  is free  from   material    misstatement,       whether    due  to fraud   or error
    ・  assessing     the  Group    and  Company’s      ability    to continue     as a going   concern    and  whether    the  use  of the  going
      concern    basis   of accounting      is appropriate.      This   includes    disclosing,      as applicable,      matters    related    to going
      concern    and  using   the  going   concern    basis   of accounting      unless   they  either   intend   to liquidate     the  Group    and
      Company     or to cease   operations      or have   no  realistic    alternative      but  to do  so.
    AUDITOR’S       RESPONSIBILITIES           FOR   THE   AUDIT    OF  THE   FINANCIAL       REPORT

    Our  objective     is:
    ・  to obtain   reasonable      assurance     about   whether    the  Financial     Report    as a whole   is free  from   material
      misstatement,       whether    due  to fraud   or error;   and
    ・  to issue   an Auditor’s     Report    that  includes    our  opinion.
    Reasonable      assurance     is a high   level   of assurance     but  is not  a guarantee     that  an audit   conducted     in accordance      with
    Australian      Auditing     Standards     will  always    detect   a material    misstatement       when   it exists.   Misstatements        can  arise
    from   fraud   or error.   They   are  considered      material    if, individually      or in the  aggregate,      they  could   reasonably      be
    expected     to influence     the  economic     decisions     of users   taken   on  the  basis   of the  Financial     Report.
    A further    description      of our  responsibilities        for  the  audit   of the  Financial     Report    is located    at the  Auditing     and
    Assurance      Standards     Board   website    at:  https://www.auasb.gov.au/admin/file/content102/c3/ar1_2020.pdf.                                  This
    description      forms   part  of our  Auditor’s     Report.
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    REPORT     ON  THE   REMUNERATION          REPORT
    In our  opinion,    the  Remuneration       Report    of Australia     and  New   Zealand    Banking     Group    Limited    for  the  year  ended
    30  September      2021,   complies     with   Section    300A   of the  Corporations       Act  2001   .
    DIRECTORS’        RESPONSIBILITIES
    The  Directors     of the  Company     are  responsible      for  the  preparation      and  presentation      of the  Remuneration       Report    in
    accordance      with   Section    300A   of the  Corporations       Act  2001   .
    OUR   RESPONSIBILITIES
    We  have   audited    the  Remuneration       Report    included     in the  Directors’     report   for  the  year  ended   30  September      2021.
    Our  responsibility       is to express    an opinion    on  the  Remuneration       Report,    based   on  our  audit   conducted     in
    accordance      with   Australian      Auditing     Standards     .
    /s/KPMG

                               /s/Mattin     McGrath
                               Partner
                               Melbourne

                               27  October    2021
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2023年2月15日

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2023年1月6日

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2022年4月25日

社名の変更履歴が表示されるようになりました

2020年12月21日

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2019年3月22日

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