中国工商銀行股イ分有限公司 有価証券報告書
提出書類 | 有価証券報告書 |
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提出日 | |
提出者 | 中国工商銀行股イ分有限公司 |
カテゴリ | 有価証券報告書 |
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中国工商銀行股イ分有限公司(E05987)
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【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 令和元年6月28日
【事業年度】 自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日
【会社名】 中国工商銀行股 份 有限公司
(Industrial and Commercial Bank of China Limited)
【代表者の役職氏名】 取締役会会長兼業務執行取締役 陳 四 清
(Chen Siqing, Chairman of the Board of Directors,
Executive Director)
【本店の所在の場所】 中華人民共和国 100140 北京市西城区復興門内大街55号
(No. 55 Fuxingmennei Avenue, Xicheng District,
Beijing 100140, PRC)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 伊 藤 理
【代理人の住所又は所在地】 東京都港区六本木六丁目10番1号六本木ヒルズ森タワー38
階
アレン・アンド・オーヴェリー外国法共同事業法律事務所
【電話番号】 03-6438-5200
【事務連絡者氏名】 弁護士 小 嶋 祐 樹
【連絡場所】 東京都港区六本木六丁目10番1号六本木ヒルズ森タワー38
階
アレン・アンド・オーヴェリー外国法共同事業法律事務所
【電話番号】 03-6438-5200
【縦覧に供する場所】 該当事項なし
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(注) 1.本書に記載の「香港ドル」は香港の法定通貨を、「人民元」は中華人民共和国の法定通貨を、「円」は日本の法定
通貨を指す。本書において、便宜上、一定の香港ドルまたは人民元の金額は、香港ドルの場合は1香港ドル=
14.27円により、人民元の場合は1人民元=16.72円(いずれも、2019年4月22日現在の株式会社三菱UFJ銀行が建
値した対顧客電信直物売買相場の仲値)により円に換算されている。
2.当行の会計年度は、1月1日に始まり12月31日をもって終了する1年間である。
3.本書中の表において記載されている計数は、単位未満の数値を原則として四捨五入しているため、合計は計数の総
和と必ずしも一致しないことがある。
4.本書において、別段の記載がある場合を除き、下記の語は以下の意味を有するものとする。
「ICBC」または「当行」 中国工商銀行股 份 有限公司
「当グループ」 中国工商銀行股 份 有限公司 とその子会社
「当行の定款」 当行の定款
「A株式」または「内資株」 当行の普通株式資本における、上海証券取引所に上場され、人民元建で取
引されている1株当たり額面金額1.00人民元の内資株
「資本管理規則」 2012 年6月に旧CBRCが公布した商業銀行資本管理規則(暫定)
「CBIRC」 中国銀行保険監督管理委員会
「旧CBRC」 旧中国銀行業監督管理委員会
「中国会社法」 中華人民共和国の会社法
「転換社債」 転換可能な社債
「CSRC」 中国証券監督管理委員会
「H株式」 当行の普通株式資本における、香港証券取引所に上場され、香港ドルで取
引されている1株当たり額面金額1.00人民元の海外上場外資株
「香港上場規則」 香港証券取引所の有価証券上場規則
「匯金公司」 中央匯金投資有限責任公司(Central Huijin Investment Ltd.)
「IAS」 国際会計基準
「IFRS」 国際会計基準を含め、国際会計基準審議会が公布した国際財務報告基準
「日本の会計基準」 日本において一般に認められている会計原則
「MOF」または「財政部」 中華人民共和国財政部
「PBC」 中国人民銀行
「中国」 中華人民共和国
「中国の会計基準」 財政部が公布した事業会社のための会計原則
「香港証券先物条例」 香港証券先物条例(香港法 第571章)
「香港証券取引所」 香港聯合交易所有限公司
「上海証券取引所」 上海証券交易所
「国務院」 中国国務院
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第一部 【企業情報】
第1 【本国における法制等の概要】
1 【会社制度等の概要】
(1) 【提出会社の属する国・州等における会社制度】
当行は、中国で設立された有限責任株式会社として、かつ2006年10月27日に上海および香港の証券取引所
において同時上場を果たしていることから、主に以下の4つの中国法令の適用を受ける。
・1993年12月29日の全国人民代表大会常務委員会により公布され、1994年7月1日から施行され、1999年
12月25日、2004年8月28日、2005年10月27日 、 2013年12月28日 および2018年10月26日 に改正された中国
会社法
・1995年5月10日の全国人民代表大会常務委員会第13回会議により公布され、1995年7月1日から施行さ
れ、2003年12月27日および2015年8月29日に改正された中華人民共和国商業銀行法(以下「中国商業銀
行法」という。)
・1994年8月4日に国務院が採択した株式会社による「株式の海外募集および上場に関する国務院特別規
定」(以下「特別規定」という。)
・1994年8月27日に国務院証券委員会および国家経済体制改革委員会が合同で公布した「国外上場を希望
する中国会社に関する必須条款」(以下「必須条款」という。)。当行はそれを当行の定款に組み込んで
いる。
以下は、当行に適用ある中国会社法、中国商業銀行法、特別規定および必須条款の規定の概要である。
設立
株式会社は、2人以上200人以下の発起人により設立することができるが、発起人の半数以上は、中国国
内に居住する者でなければならない。特別規定によれば、国有企業またはその資産の過半を中国政府により
保有される企業が、国の関連規定に基づき、有限責任株式会社に転換され、海外で株式を発行し上場する場
合で、かつ発起設立の場合には、発起人は5人未満でよい。当行は、中国会社法のもとで有限責任株式会社
として設立された。すなわち、当行は法人であり、当行の登録資本金は均一の額面金額を有する株式に分割
されている。当行の株主の責任は、保有株式の金額に限定され、当行は当行資産総額に等しい金額につき債
権者に対して責任を負う。
発起人は、発行された株式が全額払込まれた後30日以内に会社の創立総会を招集し、総会の15日前にすべ
ての引受人に対して通知を行うかまたは創立総会の日程を公告するものとする。創立総会は会社の発行済株
式総数の50%超を有する引受人の出席によって開催することができる。創立総会では、発起人が提案した定
款の採択、取締役の選任および監査役の選任等の事項が審議される。総会の決議にはすべて、出席した引受
人の有する議決権の過半数の賛成を要する。
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創立総会の終了後30日以内に、会社の取締役会は、登記当局に対し会社の設立登記を申請しなければなら
ない。関連する工商行政管理局が営業許可証を発行した時点から、会社は正式に設立され、法人格を有する
ものとする。
会社の発起人は、以下の事項について責任を負う。
(ⅰ)会社が設立できなかった場合に、その手続きに関連して発生した全費用および負債の支払の連帯債務
(ⅱ)会社が設立できなかった場合に、引受人に対する申込金および同一期間の銀行預金金利に相当する利
息の返還の連帯債務
(ⅲ)会社の設立過程における発起人の義務不履行の結果、会社が被った損害
1993年4月22日に国務院が公布した「株式の発行および取引に関する暫定規則」(中国国内における株式
の発行および取引ならびにこれに関連する行為にのみ適用される。)によれば、会社が募集設立の方法によ
り設立された場合、会社の発起人は、目論見書の内容の正確性に共同責任を負い、目論見書が誤解を招く記
述を含みまたは重要な情報の記載を欠くことのないよう確保しなければならない。
登録資本金
当行の登録資本金は、国家工商行政管理局(SAIC)に登録された払込資本金と同額である。中国会社法によ
れば、有限責任株式会社が発起設立された場合、その登録資本金は、会社登記当局で登録された全発起人の
引受株式資本総額に等しいものとする。
株式の割当ておよび発行
当行による株式発行はすべて、平等および公正の原則に基づいて行われている。同一の種類の株式は等し
い権利を有しなければならない。同一の種類の株式は、発行毎に条件および払込金額が同じでなければなら
ない。当行は、当行株式を額面金額でまたはそれを上回る金額で発行することができるが、額面金額を下回
る金額で発行することはできない。
当行は、当行株式を海外で公募するためにはCSRCの承認を取得しなければならない。特別規定に基づき、
当行は、CSRCの承認を得て、海外上場外資株の発行に関する引受契約において、引受対象株式数を含めた発
行予定の海外上場外資株総数の15%を上回らない数の同株式を保有することに合意することができる。
記名式または無記名式株式
発起人は、現金で、または資産、知的所有権、土地使用権もしくは法的に譲渡可能で、かつその評価額に
基づいて金銭で評価しうるその他の財産を現物にて拠出することにより、資本出資を行うことができる。当
行が外国投資家に発行する当行株式および海外上場される当行株式は、記名式で、人民元建だが外国通貨で
引受けられなければならない。香港、マカオおよび台湾を含む海外の投資家が購入し、香港で上場された株
式を「海外上場外資株」という。中国内では、当行が発起人または法人に発行する当行株式はすべて、記名
式でなければならない。ただし、中国内において一般向けに発行する当行株式は、記名式または無記名式の
いずれかとすることができる。
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当行は、記名式で発行された当行の株式全部について株主名簿を作成しなければならない。当行の株主の
詳細、各株主の保有株式数および株主が当該株式の保有者となった日などの情報は、株主名簿に記載しなけ
ればならない。
当行はまた、発行済みの無記名式株式の金額、各無記名式株式の記番号および各無記名式株式の発行日を
記録しなければならない。
増資
当行は、次の事項について当行の株主総会の承認を得て、新株式を発行することにより株式資本を増加さ
せることができる。
・新株式の数および種類
・募集価格
・募集の開始日および終了日
・既存株主に募集される新株式の数および種類
当行が関連証券管理当局により承認された株式公募を実施する場合、当行は目論見書および財務報告書を
発行し、申込簿を作成しなければならない。当行は、新株式の払込手続を完了した後、国家工商行政管理局
にて登録資本金の増加を登記し、公告を行わなければならない。
減資
当行は以下の手続きに従い、その登録資本金を減少させることができる。
・当行は、最新の貸借対照表および資産目録を作成しなければならない。
・登録資本金の減少は、株主総会において、3分の2以上の議決権を有する株主により承認されなければ
ならない。
・当行は、減資を承認する決議の採択後、債権者に対して10日以内に減資を通知し、30日以内に減資の新
聞公告を行わなければならない。
・当行の債権者は、法令により定められた期間内において、当行に対し、債務の弁済または当該債務を補
填する担保の供与を要求することができる。
・当行は、国家工商行政管理局に登録資本金の減少を登記しなければならない。
・当行は、関係監督当局から必要な承認を得なければならない。
株式の買戻し
当行は、(i)当行の登録資本金を減少させるため、(ii)当行株式を有する他の会社と合併するため、(iii)
従業員持株制度またはエクイティ・インセンティブのために株式を使用する ため、(iv)当行の合併もしくは
分割承認決議に反対票を投じた株主が当行に対してそれを要求する場合、 (v ) 上場会社が発行する転換社債
の転換のために株式を使用するため、 または (vi) 上場会社が企業価値および株主の権利と利益を守るた
めに必要な場合 にのみ、当行株式を買戻すことができる。必須条款は、当行が当行の定款に従って行為し、
かつ関係監督当局の必要な承認を取得しなければならない旨を規定している。当行は、当行の株主に対する
一般的な買付の申込み、当行株式の証券取引所を通じた購入、または当行株式の市場外の相対取引による購
入により、当行株式を買戻すことができる。
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当行株式の買戻しが上記(i)により実行される場合は、 当行は 買戻した当行株式についてこれを10日以
内に消却することを要し、買戻しが上記(ii)または(iv)の理由でなされる場合は、 当行は 6か月以内に当行
株式の当該部分を譲渡するかもしくは消却 することを要し、買戻しが 上記(iii) 、(v)または(vi) の理由 で
なされる 場合は、 当行は総計で当該会社が発行した株式総数の10%以下の株式を保有することを要し、かつ
これを3年以内に譲渡または消却することを要する。自己株式の取得をする上場会社は、中華人民共和国証
券法(以下「中国証券法」という。)に基づく情報開示義務を負うものとする。上記( iii)、(v)および(vi)
に定めるいずれかに該当する場合において自己株式を取得する上場会社は、公開の、かつ集中的な方法で売
買を行うものとする。
株式の譲渡
当行株式は、中国会社法、中国証券法および特別規定などの適用ある法令に従って譲渡することができ
る。
当行の取締役、監査役および上級役員は、これらの者が保有する当行株式とその変動を当行に申告しなけ
ればならない。任期中、これらのいずれの者により1年間に譲渡される株式も、その者の保有株式総数の
25%を超えてはならない。これらのいずれの者により保有される当行株式も、当行株式が香港証券取引所お
よび上海証券取引所に上場および取引される日から1年以内にこれを譲渡することができない。これらの者
のいずれかが退任後半年以内は、かかる者は保有する当行株式を譲渡してはならない。
中国会社法は、個人株主の株式保有割合について制限を課していない。
中国会社法に従い、関連法により別段の規定がない限り、当行株式の譲渡は株主総会の開催日に先立つ20
日以内または配当分配のために設定した基準日に先立つ5日以内に株主名簿の変更を行ってはならない。
株主
中国会社法および必須条款に基づき、株主は以下の権利を有する。
・株主総会に本人が出席して議決権を行使し、または自らに代わって出席して議決権を行使するために代
理人を選任すること
・その株式保有割合に応じて配当およびその他の形で分配される利益を受取ること
・当行の定款、株主総会議事録および財務報告書を検査し、当行の業務について提案および質問を行うこ
と
・その保有割合に応じて清算時に会社の残余資産を受取ること
・会社の定款に定めるその他の株主の権利
株主の義務には、(i)会社の定款を遵守する義務、(ii)引受けた株式に関する払込金の支払義務、(iii)当
該株主が引受けた株式の金額の範囲で会社の負債および債務に責任を有すること、ならびに(iv)会社の定款
に規定された株主の義務が含まれる。
当行の株主の責任は、各株主が有している当行株式の金額に限定される。
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株主総会
当行の株主は、株主総会において以下の権限を行使することができる。
・当行の事業方針および投資計画を決定すること
・従業員の代表以外の取締役を選任および解任し、また、取締役の報酬を決定すること
・従業員の代表以外の監査役を選任および解任し、また、監査役の報酬を決定すること
・取締役会および監査役会の報告書を審議および承認すること
・当行の年次財務予算案および決算を審議および承認すること
・当行の利益分配案および損失補填案を審議および承認すること
・当行の株式資本の増加または減少を承認すること
・社債発行を承認すること
・合併、分割、解散、清算または形態変更を承認すること
・会計監査人を任命および解任すること
・当行の株式の3%以上を単独または共同で有する株主が提出した提案を審議および承認すること
・当行の定款の変更を承認すること
株主総会は、年次株主総会と臨時株主総会からなる。年次株主総会は、毎年1回開催されるものとする。
当行の取締役会は、以下のいずれかの事由の発生後2か月以内に臨時株主総会を開催する必要がある。
・取締役の数が当行の定款に規定される数の3分の2を下回るかまたは中国会社法に規定される数を下回
る場合
・当行の累積損失額が、当行の総払込資本金の3分の1に達した場合
・当行株式の10%以上を単独または共同で有する株主による請求があった場合
・取締役会または監査役会が当該会議を必要と判断する場合
・当行の定款に規定されたその他の場合
株主総会は、取締役会により招集され、取締役会会長が議長となる。特別規定および必須条款に基づき、
当行は、株主総会の45日前までに総会で審議される議案ならびに総会の日時および場所を明記した通知を行
うことを要する。当行が無記名式株式を発行している場合は、総会の開催される少なくとも45日前に株主総
会の公告を行わなければならない。特別規定および必須条款に基づき、総会への出席を予定する株主は、総
会の20日前までに、当行に対して意向確認書を提出しなければならない。単独または共同で当行の株式総数
の3%以上を有する株主は、中国会社法に基づき、株主総会において審議されるべき議案を一時的に書面に
て提出する権利を有する。株主総会で検討されうるかかる議案は、当該総会の議題に含まれなければならな
い。ただし、当行の定款に基づき、当行の株式総数の5%以上を保有する株主のみが、取締役または監査役
(独立取締役または外部監査役を除く。)の指名に関する決議案を提出することができる。当行の定款に基づ
き、当行株式の1%以上を保有する株主は、当行の独立取締役および外部監査役を指名する権利を有する。
特別規定および必須条款は、株主総会の20日前までに当行株式のすべてに関する議決権の50%以上を有す
る株主が書面により総会出席の意向を確認した場合は、株主総会を開催することができる旨を規定してい
る。他方、かかる50%の最低限が達せられない場合においては、出席確認の期限が過ぎてから5日以内に総
会で審議される議案および日時場所を公告により株主に通知する場合にのみ、株主総会を開催することがで
きる。
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株主総会に出席する各株主は、その保有する株式1株につき1議決権を有する。株主は、自らの代わりに
株主総会に出席し、議決権を行使する代理人を任命することができる。株主総会で提案された普通決議は、
本人または代理人による出席株主の議決権の過半数の賛成により採択される。
ただし、特別決議および次の事項については本人または代理人による出席株主の議決権の3分の2以上の
賛成を要する。(i)当行の定款の改正、(ii)合併、分割、解散、清算もしくは形態変更、(iii)登録株式資本
の増加もしくは減少、(iv)当行のいずれかの種類の株式、社債および有価証券の発行、(v)当行株式の買戻
し、および(vi)株主総会が会社としての当行に重大な影響を及ぼす可能性があり、特別決議により承認され
るべきであると普通決議により決定したその他の事項。
特定の種類株式の株主の権利の変更または廃止を行おうとする場合、必須条款は特別の種類株主総会を開
催することを要求している。当行の内資株の保有者および当行のH株式の保有者は、異なる種類株式の保有
者とみなされる。
取締役会
会社は、5名から19名の構成員により構成される取締役会を有するものとする。中国会社法に基づき、取
締役の任期は3年を超えることができない。取締役は、再選された場合、連続して任期を務めることができ
る。中国会社法に基づき、取締役会は、以下の権限を行使する。
・株主総会を招集し、株主に対して報告を行うこと
・株主総会において株主により決議された事項を実行すること
・事業計画および投資計画を決定すること
・財務予算案および決算案を作成すること
・利益分配案および損失補填案を作成すること
・合併、分割、解散または形態変更についての計画を作成すること
・当行の登録資本金の増加もしくは減少案または社債発行案を作成すること
・当行の内部管理組織を決定すること
・当行の部長の選任または解任、部長の推薦に基づく会社の副部長および財務主管の選任または解任なら
びにこれらの者の報酬を決定すること
・当行の運営統制システムを策定すること
これらに加え、必須条款は、当行の取締役会が当行の定款の変更案の作成にも責任を有することを定めて
いる。
取締役会会議
中国会社法に基づき、当行の取締役会は、少なくとも毎年2回定例会議を開催しなければならない。定例
の取締役会会議の通知は、遅くとも会議開催日の10日前までに付与されなければならない。当行の取締役会
は、臨時取締役会を招集するための通知期間および方法を決定することができる。
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必須条款は、取締役会会議の開催のためには当行の取締役の過半数が出席することを要求している。当行
の取締役は、当行の取締役会会議に自ら参加するか、または自己に代わって参加する別の当行の取締役を任
命することができる。すべての当行の取締役会の決議は、当行の取締役の過半数の賛成により可決されるこ
とを要する。取締役会会議で可決された決議はすべて当該会議の議事録に記録され、会議に出席した当行の
取締役および議事録を記録した者によって署名されることを要する。当行の取締役会の決議が適用ある法令
または当行の定款もしくは株主総会決議に違反し、その結果、当行に重大な損害をもたらした場合、決議に
参加した当行の取締役(決議に反対し、当該議事録にその反対の投票が記録されている者を除く。)は、当行
に対して個人として責任を負う。
当行の取締役会会長
当行会長は、当行の取締役会の議決により選任され、過半数の当行の取締役から承認を得なければならな
い。会長は、当行を法的に代表し、次の権限を行使することができる。
・株主総会の議長を務め、当行の取締役会会議を招集し、その議長を務めること
・当行の取締役会の決議の実施を調査すること
・当行が発行する当行株券および社債に署名すること
取締役の資格
中国会社法に基づき、以下に定める者は、当行の取締役を務めることはできない。
・民事責任能力を欠くか、またはそれが制限されている者
・収賄、汚職、財産の横領または社会経済秩序破壊に関連する罪を犯し、刑事処分を受けた者であり、か
つ、その処分終了日から5年以上が経過していない者
・政治的権利を剥奪された者であり、かつ、かかる剥奪の満了日から5年以上が経過していない者
・破産し清算された会社または企業の取締役、工場長または総経理で、個人として破産について責任を負
い、かつ、かかる会社または企業の破産および清算の完了日より3年以上が経過していない者
・違法業務により営業許可を取消され、事業中止命令が出された会社または企業の法的代表者で、個人と
してそれについて責任を負い、かつ、当該取消日より3年以上が経過していない者
・比較的高額の延滞債務を有する者
当行の取締役に適さないその他の欠格事由は、当行の定款および必須条款において定められている。
監査役会
当行は、3名以上の構成員からなる監査役会を設置しなければならない。監査役会は、以下の権限を行使
する。
・当行の財務の状況を調査すること
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・当行の取締役および上級役員を監督し、関連法令、当行の定款および株主総会決議に違反した当行の取
締役および上級役員を解任すること
・当行の取締役および上級役員に対して、当行の利益に悪影響を与える行為の是正を要求すること
・臨時株主総会の招集の提案を行うこと、および、中国会社法上、取締役会が株主総会を招集し、議長を
務める義務を果たすことができない場合に、株主総会を招集し、議長を務めること
・株主総会に対し提案を行うこと
・当行の取締役または上級役員の行為が法令または当行の定款に違反した場合は、当行の取締役または上
級役員に対して訴訟を提起すること
・当行の定款に規定されるその他の職務を遂行すること
監査役会のメンバーには、当行の従業員から選出された代表者および当行株主から選出された代表者が含
まれる。当行の取締役および役員は、監査役を務めることができない。当行の監査役の任期は3年である
が、再選された場合、当行の監査役は連続して任期を務めることができる。中国会社法および必須条款に基
づいて当行の取締役となることのできない欠格事由は、当行の監査役に対しても適用される。
総経理および役員
当行は、総経理1名を設けることが求められており、当行の取締役会はそれを任命しまたは解任すること
ができる。当行の総経理は、取締役会に対して責任を負い、以下の権限を行使することができる。
・当行の生産、業務および管理に責任を負い、取締役会決議を実行すること
・当行の事業および投資の年間計画の実行を推進すること
・内部管理システムの構築案を起草すること
・基本運営システムを策定すること
・具体的な内部規則を策定すること
・副総経理および財務主管責任者の任命および解任を提案し、他の管理担当役員(取締役会により任命ま
たは解任されることを要する者を除く。)を任命または解任すること
・取締役会または定款により付与されるその他の権限
特別規定により、当行は財務主管責任者および会社秘書役を含むその他の役員を雇用しなければならな
い。
中国会社法および必須条款に基づく当行の取締役の欠格事由は、当行の総経理およびその他役員に対して
も適用される。
会社の定款は、会社、会社の株主、取締役、監査役、部長およびその他の上級役員に対して拘束力を有す
るものである。かかる者は、当行の定款に従って、当行に関する請求を行う権限を有する。会社の上級役員
についての必須条款の規定は、当行の定款の中に組み込まれている(その概要は「(2)提出会社の定款等に規
定する制度」を参照。)。
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取締役、監査役および上級役員の職務
当行の取締役、監査役、部長および上級役員は、中国会社法に基づき、関連法令および当行の定款を遵守
し、当行に対して忠実義務および注意義務を負わなければならない。特別規則および必須条款は、当行の取
締役、監査役、部長およびその他上級役員が会社に対して忠実義務および注意義務を負うことを規定してい
る。当行の取締役、監査役、部長および上級役員は秘密保持義務も負い、適用ある法令または株主が要求す
る場合を除き、情報を漏洩することを禁止されている。
当行の取締役、監査役または上級役員がその職務を履行するに当り、法令または定款に違反し、その結果
当行が損失を蒙った場合、かかる者は当行に対して個人として責任を負う。
財務および会計
当行は、関連法令ならびに国務院および財政部により規定された規則を遵守した財務会計制度を定めなく
てはならない。
当行はまた、各事業年度の終了時に財務書類を作成しなければならない。当行は、当行の年次株主総会の
少なくとも20日前までに、当行の財務書類を当行株主の閲覧に供しなければならない。当行はまた、当行の
財務書類を公告により公表しなくてはならない。
当行は、中国の法令により、当行株主に利益を分配する前に当行の税引後利益について以下の繰入処分を
行う必要がある。
・当行の税引後利益の10%を当行の法定利益準備金に繰入れること。ただし、当行の法定利益準備金の累
計額が当行の登録資本金の50%を上回る場合は、当該繰入れは不要である。
・法定利益準備金への所要金額の繰入れ後に、当行の株主総会の承認を得て、当行の税引後利益から任意
の金額を任意利益積立金に繰入れることができる。
・当行リスク資産の1%以上の一般準備金
損失の補填ならびに普通積立金および一般準備金への繰入れ後の税引後利益の残高は、当行株主にその持
株数に応じて分配できる。
当行の法定利益準備金が前年からの損失を補填するのに十分でない場合、当期の当行利益は法定利益準備
金に繰入れる前に当該損失を補填するために充当されなければならない。
当行の普通積立金は、法定利益準備金、任意積立金および資本準備金からなる。当行の普通資本準備金
は、当行株式の額面金額超過金からなる。国務院の関連金融当局により要求されるその他の金額が、資本準
備金として処理される。
当行の普通積立金は、以下の目的のために充当される。
・損失の補填(資本準備金を除く。)
・当行の事業活動の拡大
・当行新株式による当行登録資本金への払込み。ただし法定利益準備金が登録資本金に振替えられる場合
は、当該振替後の法定利益準備金は、振替前の当行の登録資本金の25%を下回ってはならない。
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会計監査人の任命および退任
特別規定は、当行に対して、当行の年次財務書類の監査およびその他の財務報告書の検討のため、中国に
おいて資格のある独立の公認会計士事務所を任用することを要求する。
会計監査人の在任期間は、年次株主総会における指名時から次回の年次株主総会の終了時までとする。
当行が当行の現任の会計監査人を解任するか、または再任しない場合、当行は、特別規定により会計監査
人に対して事前の通知を行うことを要求され、会計監査人は、株主総会において株主に対し意見を述べるこ
とができる。当行の会計監査人が辞任する場合、会計監査人は当行が何らかの不適当な取引を行ったかどう
かを株主に対して述べる義務がある。会計監査人の任命、解任または不再任は、株主総会において決定さ
れ、CSRCに登録される。
利益分配
特別規定は、当行H株式の株主に対して支払われる配当金およびその他の分配は、人民元建で宣言および
計算され、外貨により支払われる旨を規定している。必須条款に基づき、これらの株主に対する外貨による
配当およびその他の分配の支払いは、当行H株式の株主のために当行により任命された代理人を介して行わ
れなければならない。
定款の変更
当行の定款は、当行の株主総会における株主の3分の2以上の賛成票をもってのみ変更することができ
る。当行の定款の変更は、当行が関係規制および行政機関から必要な承認を取得した後にのみ効力を有す
る。当行の定款の変更が当行の事業登録情報に影響する場合、当行は営業許可書の関連事項を変更するため
に関係政府部局に申請を行わなければならない。
合併および分割
すべての合併および分割は、当行の株主総会における株主の3分の2以上の賛成票により承認されなけれ
ばならない。また当行は、合併または分割について政府の承認を求めなければならない。中国において、合
併は、吸収される会社の解散を伴う吸収合併または既存の当事会社を解散し新設会社を設立する新設合併の
いずれかの方法により実施することができる。
当行の株主総会が合併案を承認した場合、中国会社法に基づき、当行は合併契約を締結し、当行の貸借対
照表および資産目録を作成しなければならない。当行は、合併承認決議から10日以内に合併について当行の
債権者に通知し、30日以内に新聞において合併の公告を行わなければならない。当行の債権者は、一定の期
間内に、残債務の弁済または当該債務にかかる担保の提供を当行に対して請求することができる。
分割の場合、当行は同様に、当行の貸借対照表および資産目録を作成し、当行の債権者に通知し、公告を
行わなければならない。
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解散および清算
中国会社法および必須条款に基づき、当行は、以下のいずれかの事由が生じた場合において解散し、清算
される。
(ⅰ)当行の定款に規定する営業期間(もしあれば)が満了した場合
(ⅱ)当行の解散事由として当行の定款で特に規定する事由の発生
(ⅲ)当行株主総会が特別決議により当行の解散を決議した場合
(ⅳ)当行の解散を要する合併または分割
(ⅴ)当行が事業または経営上の重大な問題に直面し、これにより、もし当行が引続き存在すれば株主の利
益が重大な損失を受け、かつ、当該問題が解散以外の方法によっても解決できない場合で、人民法院
が、10%以上の議決権を有する株主の申請に基づき当行の解散を裁定した場合
(ⅵ)当行が法律または行政規則の違反により閉鎖命令を受けた場合
当行が上記(i)、(ii)、(iii)、(v)または(vi)の事由により解散される場合、当該事由の発生から15日以
内に清算委員会が組織されなければならない。清算委員会が指定期間内に設置されないときは、当行の債権
者は清算委員会のメンバーの任命を人民法院に申請することができる。
人民法院は、その申請を受けて、清算を実施するために清算委員会を設置する。
中国会社法に基づき、清算委員会は、当行の債権者に対して、その設置から10日以内に当行の解散を通知
し、その設置から60日以内に当行の解散の公告を行わなければならない。債権者は、法定期限内に清算委員
会に対してその債権を届出なければならない。
清算委員会は、清算期間中以下の権限を行使する。
・会社の資産を精査し、貸借対照表および資産目録を作成すること
・債権者に通知し、または公告を行うこと
・清算に関連する会社の未完了事業の処分
・すべての残存税債務および清算により発生する税金の支払い
・債権債務の決済
・会社の債務を弁済した後の残余資産の処理
・民事訴訟において会社を代表すること
解散の場合、当行の資産は、清算関連の全費用、被雇用者賃金、被雇用者保険および法律上の補償、個人
預金の元利金、未納税金ならびに当行の一般債務の支払いに充当される。残余資産は、当行の株主にそれぞ
れの持分に応じて分配される。当行の資産が当行の負債の弁済または消滅に不足する場合、清算委員会は人
民法院に破産の申立てを行い、清算手続を人民法院に移行するものとする。
清算中に当行は、清算とは無関係の事業に従事することができない。
清算手続の完了時、清算委員会は、株主総会において当行株主に対し、または人民法院に確認のため、清
算報告書を提出することを要する。また、清算委員会は、国家工商行政管理局に当行の登録の抹消を申請
し、当該抹消による当行の解散の公告を行わなければならない。
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清算委員会の委員は、誠実にかつ法律を遵守してその職務を遂行しなければならない。清算委員会の委員
は、その故意または重大な過失から生じる損失について当行および当行の債権者に対して責任を負う。
当行の解散および清算手続は、中国商業銀行法に準拠しなければならない。
海外上場
当行は、当行株式を海外で上場させるには、CSRCの承認を得なければならない。当行株式の海外上場は、
特別規定に従って行われなければならない。
特別規定および必須条款に基づき、当行の取締役会は、CSRCが当行の申請を承認してから15か月以内に、
当行H株式および内資株の発行計画を実施しなければならない。
株券の喪失
当行の内資株の記名式株券が喪失、盗失または破損した場合、それを保有する株主は中国民事訴訟法の関
連規定に従って、人民法院に対し、かかる株券の無効宣言の申立てを行うことができる。当該宣言がなされ
た場合、株主は、当行に対して、代替株券の発行を申請することができる。
H株式の株券の喪失についての手続きが必須条款に別途定められており、これが当行の定款に含まれてい
る(その概要は「(2)提出会社の定款等に規定する制度」を参照のこと。)。
上場会社の独立性
1999年3月29日、「中国国外上場会社」(以下「上場会社」という。)が関連国内および外国法令を厳格に
遵守すること、投資家に対する継続開示義務の誠実な履行および国内および外国資本市場における良い企業
イメージを確立することをさらに促進するために、国家経済貿易委員会およびCSRCは共同で「中国国外上場
会社の一層の規範的な事業および改革に関する意見」(以下「規範意見」という。)を公表した。規範意見
は、上場会社とその支配法人(「支配法人」とは上場会社の支配持分を有し法人格を有する会社または会社
形態を採らない法人をいう。)の関係および上場会社の管理組織の運営に適用される規則を定めている。
支配法人から上場会社の独立性を確保するために規範意見により課される制約は、以下を含む。
・支配法人の2名を超える上級役員のメンバーが上場会社の会長、副会長または執行取締役を務めておら
ず、支配法人の業務執行役員が上場会社の総経理、副総経理、最高財務担当役員、最高営業役員または
取締役会秘書役を務めないこと
・上場会社は、資産、財務関連事項および人事において、政府機関との関係を解消すること
・上場会社の監査役会は最低2名の外部監査役を有すること
規範意見は、厳密な意味では法律ではないが、中国政府が中国の会社による海外上場の申請を承認する前
に規範意見の遵守について納得しなければならないので、中国におけるすべての海外上場会社に対して拘束
力を有する。
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(2) 【提出会社の定款等に規定する制度】
以下は、当行の定款を要約したものである。
総則
当行は、存続期限のない有限責任株式会社である。
当行の法律上の代表者は、当行の取締役会の会長である。
当行の定款は、当行ならびに当行の株主、取締役、監査役、社長およびその他の上級役員に対し法的な拘
束力を有する。以上の者は、当行の定款に則り自らの権利を主張することができる。
当行の定款に則り、株主は当行に対し法的な手続きを実施する権利を有する。当行は株主に対し法的な手
続きを実施する権利を有する。さらに、株主は当行の他の株主ならびに取締役、監査役、社長およびその他
の上級役員に対し、当行の定款に則り法的な手続きを実施する権利を有する。
上記の「法的な手続き」には、裁判所に訴訟を提起すること、仲裁機関に仲裁を申立てることが含まれ
る。
株式の発行
当行は普通株式を設けており、必要に応じ、国務院により授権された審査認可当局の認可を得て、優先株
式およびその他の種類の株式を設けることができる。
当行の定款において「優先株式」とは、基本的に普通株式を規律する規則とは別に中国会社法に基づき定
める規則に準拠する優先株式を指す。優先株主は、普通株主に優先して当行の利益および残余資産の分配を
受ける権利を有するが、当行の意思決定および経営に参加する権利(議決権等)は制限される。別段の定め
のない限り、本項ないし後述する「紛争解決」において「株式」および「株券」というときは、普通株式お
よび普通株式の株券を指し、また、本項ないし後述する「紛争解決」において「株主」というときは、普通
株主を指す。普通株式について定める規定と異なる優先株式の規定は、後述する「優先株式についての特
則」を参照のこと。
当行の登録資本金の増加
当行はその業務上および事業展開上の必要性に鑑み、かつ関連法および行政規則に従い、株主総会の決議
および関連管轄当局による承認を取得後、以下の方法により当行の登録資本金を増加させることができる。
・公募
・私募
・既存株主に対する新株式の割当
・資本準備金の資本金繰入
・管轄当局に承認された、または法律および行政規則により認められたその他の方法
当行の新株式発行による増資は、当行の定款に従い承認された後、関連する法律および行政規則に規定さ
れる手続きに従って行われる。
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当行の登録資本金の減少
当行は、当行の定款の規定に従って登録資本金を減ずることができる。
当行が減資を行う場合、貸借対照表および資産目録を作成しなければならない。
当行は当行の債権者に対し当行が減資を決議した日から10日以内にその旨を通知するとともに、かかる決
議日から30日以内に最低3回新聞に公告を掲載しなければならない。債権者は当行からの通知を受領後30日
以内に、また通知を受領しなかった場合は新聞公告の第1回目の掲載日から90日以内に、当行に対し債務の
全額弁済または返済に対する相応の保証の提供を要求する権利を有する。
減資後の当行の登録資本金は、法定最低額を下回ってはならない。
当行株式の買戻し
当行は、当行の定款に定める手続きに従い、政府関係当局の承認を得た上で、以下の状況において当行株
式の買戻しを行うことができる。
(ⅰ) 当行の減資のために株式を消却する場合
(ⅱ) 当行の株式を保有する他社と合併する場合
(ⅲ) 報奨として従業員に株式を付与する場合
(ⅳ) 当行の合併および分割に関する株主総会決議に異議を唱える株主が保有する株式についてその株主
からの買戻し請求があった場合
(ⅴ) その他法律および行政規則により認められた状況
上記(ⅰ)の状況下で当行が当行株式を買戻す場合、当行は買戻日から10日以内に株式を消却するものとす
る。(ⅱ)および(ⅳ)の状況下で当行が当行株式を買戻す場合、当行は6か月以内に株式を譲渡または消却す
るものとする。
上記(ⅲ)に従い当行が買戻す株式については、当行の全発行済株式の5%を超過してはならない。買戻し
代金については、当行の税引後利益から支払うものとする。買戻した株式は、1年以内に従業員に譲渡され
るものとする。
当行は政府関係当局の承認を受けた上で、以下の方法のいずれかにより株式を買戻すことができる。
・株主全員に対する、その持分に応じた株式の買戻しの申し出
・証券取引所における公開取引による株式の買戻し
・証券取引所外での相対取引による株式の買戻し
・管轄規制当局または法律および行政規則によって認められるその他の方法
当行の子会社が当行株式を所有する権限
当行の定款に、当行の子会社による当行株式の保有を制限する条項はない。
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株式の譲渡
法律、行政規則または当行株式の上場地の証券規制当局の規則に別段規定されない限り、当行の株式は自
由にかつ権利の制限を付されることなく譲渡することができる。香港で上場している海外上場株式について
は、譲渡人は、当行が任命した香港の登録機関にて登録手続を行わなければならない。
全額払込済みで、香港証券取引所に上場されている海外上場株式については、当行の定款に従って自由に
譲渡することができる。ただし、当行の定款に規定されている要件が満たされない限り、当行の取締役会は
譲渡に関するいかなる文書をも否認することができる。また、かかる否認について一切の理由の説明を行う
必要はない。
香港で上場している海外上場株式のすべての譲渡に関連する譲渡書類については、一般的または通常の書
式、または取締役会が受諾した書式を使用することとされている。譲渡書類は直筆の署名を行うものとす
る。香港証券先物条例で定義されている公認決済機関またはその代理人が株主である場合、譲渡書類への署
名は印刷によるものでもよい。
当行は、当行株式を対象とする質権設定は一切受諾しない。
当行株式の取得に対する資金援助
当行または当行の銀行子会社は、いかなる時も、いかなる手段によっても、当行株式を取得しようとし、
または取得を予定している者に対して、資金援助を行ってはならない。かかる当行株式の取得者には、当行
株式を取得するために直接的もしくは間接的に何らかの債務を負う者をも含む。
当行および当行の銀行子会社は、いかなる時も、いかなる手段によっても、かかる取得者に対して、当該
取得者が当行株式の取得または取得計画によって負う債務を軽減または免除する目的での資金援助を一切行
わない。
以下の行為は禁止されていない。
・当行の利益のために誠実に行われ、その主たる目的が当行株式の取得にない場合、または当行の全社的
計画の付随的な一部となっている場合の当行による資金援助
・配当の形での当行の資産の適法な分配
・株式の形での配当の分配
・当行の定款に基づいた、当行の登録資本金の減資、当行株式の買戻し、当行の株式資本構成の調整等
・当行の事業の範囲内かつ通常業務における当行による融資の提供(ただし、当行の純資産がこれにより
減少してはならず、または純資産がこれにより減少する場合においては、資金援助は当行の分配可能利
益から供与されなければならない。)
・従業員持株制度による当行の資金供与(ただし、当行の純資産がこれにより減少してはならず、または
純資産がこれにより減少する場合においては、資金援助は当行の分配可能利益から供与されなければな
らない。)
上記規定に関して、資金援助とは以下の意味を含む(ただし、これらに限定されない。)。
・寄付
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・保証(債務者の債務の履行を担保するための保証人による債務負担または資産の提供を含む。)、補償
(当行の債務不履行に起因する補償を除く。)、免責または権利放棄
・融資の供与または当行が先履行義務を負う契約の締結
・上記の融資または契約の当事者の変更、およびかかる契約に基づく権利の譲渡
・当行が支払不能に陥ったときまたは純資産を有さないとき、または当行の純資産の実質的な減少につな
がるような、当行によって付与されるその他の形態での資金援助
当行が定款に定める債務には、契約もしくは取決めの締結またはその他方法による財務状態の変動により
生ずる債務者の債務が含まれるが、それらの契約または取決めが執行可能か否か、およびそれらが債務者単
独でもしくはその他の者と共同で負担するものであるか否かを問わない。
当行の株式
当行の株式は記名式である。
株券は取締役会会長が署名する。当行株式の上場地の証券規制当局が当行の社長またはその他上級役員に
よる署名を求める場合には、株券には当行の社長または上級役員がさらに署名する。取締役会会長、当行の
社長または上級役員の株券署名については、印刷によるものでもよい。
当行の株券は、当行の公印が捺印または印刷されることにより有効なものとなる。当行の公印の株券への
捺印は、取締役会の承認を受ける。
当行の株式が無券面方式により発行され、取引される場合には、当行株式の上場地の証券規制当局の規定
が適用される。
株主の権利(株主名簿閲覧の権利を含む。)
当行の普通株主は、以下の権利を享受する。
・所有株式数に応じて配当その他利益分配を受領する権利
・株主総会に出席する権利または代理人に株主総会の出席を委任する権利、および議決権を行使する権利
・当行の事業運営を監督し、それに従って提案または質問をする権利
・法律、行政規則、当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則および当行の定款に従い、株式を譲渡す
る権利
・当行の定款に従い、以下を含む関連情報を入手する権利
-関連費用を負担したうえで、当行の定款の写しを取得する権利
-合理的な費用を負担したうえで、以下の書類を閲覧し複写する権利
1.株主名簿の全部
2.当行の取締役、監査役、社長およびその他上級役員の個人情報
3.当行の株式資本状況
4.前事業年度以降に当行が買戻した自己株式の種類ごとの額面総額、株式数、最高価格および最低
価格、ならびにかかる目的のために当行が支払ったすべての費用を示す報告書
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5.株主総会議事録
・当行の解散または清算時にその所有する株式数に応じて残余資産の分配に参加する権利
・法律、行政規則および当行の定款により許可されるその他の権利
株主の義務
当行の普通株式の株主は以下の義務を負う。
・当行の定款を遵守すること
・引受株式数および引受の方法に応じて株式資本を払込むこと
・当行から融資を受けた株主は、期限の到来した融資については即刻返済し、また当行の流動性に問題が
生ずる見込みがある場合には期前返済を行うこと。ここでいう流動性の問題を判定する際の基準につい
ては、商業銀行の支払リスクに関する国務院銀行規制当局の関連規則が適用される。
・当行の自己資本比率が法律上の基準以下となった場合に取締役会が提案する合理的な比率改善策につい
て、株主はこれを支援すること
・出資持分質権設定登録が完了後、当行によるリスク管理および情報開示に協力し、質権設定された出資
持分に関する情報を速やかに当行に提供すること
・法律、行政規則および当行の定款によって課せられるその他の義務
株主は当行の株式引受時に当該株式の引受人が合意した条件を超えて、株式資本にさらに拠出する義務は
負わない。
株主に対する融資
株主に提供する当行の与信条件は、同種の与信を申込む他の顧客より有利な条件であってはならない。
当行の株主1名に対する融資残高は、当行の純資本の10%を超過してはならない。
特に主要株主で、当行からの与信について延滞している株主の議決権は、延滞期間中は行使不可となり、
株主総会に出席した株主の議決権付株式総数にも含まれない。また、当該株主に指名された取締役は、取締
役会の会議において議決権を行使をする資格がなく、取締役会の会議の出席者の人数から除外されるものと
する。当行は、延滞貸付の返済としてかかる株主の配当を徴収する権利を有する。当行の清算過程において
かかる株主に分配される資産もまた、当行の貸付残高の返済に優先的に充当される。
株主総会の責務と権限
株主総会は当行の権限機関であり、法律に基づき以下の責務と権限を執行する。
・当行の業務方針と重要な投資計画に関する意思決定
・取締役の選任、交代、およびその報酬に関連する事項の意思決定
・株主代表者から指名された監査役および外部監査役の選任、交代、およびその報酬に関連する事項の意
思決定
・取締役会の業務報告の検討および承認
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・監査役会の業務報告の検討および承認
・当行の年次財務予算案および決算案の検討および承認
・当行の利益分配案および損失処理案の検討および承認
・当行の登録資本金の増減に関する決議採択
・当行の合併、分割、解散、清算、および企業形態の変更に関する決議採択
・社債またはその他有価証券の発行および上場に関する決議採択
・当行株式の買戻しに関する決議採択
・当行の定款の変更
・当行の会計事務所の起用または解任に関する決議採択
・法人の設立、重要な合併および買収、重要な投資、重要な資産処分、ならびに重要な保証等につき、検
討、承認、または取締役会による承認の権限の付与
・手取金の使途変更に関する事項の検討と承認
・株式報奨制度に関する事項の検討と承認
・当行の議決権付株式の3%超を単独または共同で保有する株主による提案の検討と承認
・法律、行政規則および当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則のもとで株主総会の承認を必要とす
る関連当事者取引の検討と承認
・当行の優先株式の発行の決定、ならびに買戻し、譲渡、配当による分配およびその他当行が発行する優
先株式に関する事項の承認または取締役会に対するかかる事項の決定権限の付与
・法律、行政規則、当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則および当行の定款のもとで株主総会の承
認を必要とするその他事項の検討と承認
年次株主総会および臨時株主総会
株主総会には年次総会と臨時総会の2種類がある。株主総会は通常、取締役会によって招集される。
年次株主総会は、前事業年度終了後6か月以内に、年1回開催される。特別な理由により総会の順延が余
儀なくされる場合には、理由を説明した報告書を国務院の銀行規制当局宛てに定められた期限内に提出しな
ければならない。
臨時株主総会は、下記いずれかの事象発生後2か月以内に招集される。
・取締役数が当行の取締役会員数の3分の2を下回る、または最低定足数を満たさない場合
・当行の未補填損失が当行の払込済資本金総額の3分の1に到達した場合
・当行の議決権付株式を単独または共同で10%超を保有する株主が書面により株主総会の招集を要請した
場合
・取締役会が必要と判断した場合
・監査役会が開催を提案した場合
・法律、行政規則、および当行の定款に規定されるその他の場合
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株主総会の招集通知
当行が株主総会を招集するときは、開催日の45日前までに、書面による通知を送付する。総会に出席する
意思を有する株主は、開催日の20日前までに、書面により当行に総会出席の旨を回答する。
当行の議決権付株式の3%超を単独または他者と共同で保有する株主は、議案を作成し、株主総会招集の
10日前に当行の取締役会に書面を提出する権利を有するものとする。当行の取締役は、かかる議案の受領後
2日以内に株主総会の補足的な通知を発行し、株主総会での承認のため議案を提出する。当該議案は株主総
会における株主の権限の範囲内の事項であるものとし、検討すべき具体的な議題かつ詳細な事項を含むもの
とする。
当行は、株主総会開催日の20日前までに株主より受領した書面による回答に基づき、当該総会に出席する
意思を有する株主が保有する議決権付株式数を算定する。総会に出席を予定する株主が保有する議決権付株
式数が、当行の議決権付株式総数の過半数に達しない場合は、当行は5日以内に、公告により株主に対して
当該総会の議案、会場および開催日時につき再度通知を行う。当行は、かかる通知の公告後に総会を開催で
きる。
招集通知または補足通知に記載されていない議案、または前述の規定に違反する議案については、株主総
会において投票し議決することはできない。
株主総会の招集通知は、以下の要件を満たしていなければならない。
・書面によること
・株主総会の場所、日時を特定すること
・株主総会の議案を説明すること
・議案について株主が合理的な判断ができるよう、資料と説明を提供すること。取引に関する提案に当っ
ては具体的な条件と契約(もしあれば)、また当行が合併、株式の買戻し、株式資本または他の形態の再
編を提案する場合にはその起点とその後の経緯に関する詳細な説明を含める(ただしこれに限られるも
のではない。)ものとする。
・議題に関して当行の取締役、監査役、社長またはその他の上級役員が重要な利益相反を有する場合に
は、かかる利益の性質および範囲を開示しなければならない。また、当該議案が株主である当該取締
役、監査役、社長またはその他の上級役員に及ぼす影響が同一の種類の他の株主の利害関係に及ぼす影
響と異なる場合は、その差異について説明すること
・総会において提出される特別決議案の全文を記載すること
・株主総会に出席して投票する権利を有するすべての株主は、必要に応じ1人以上の代理人を指名する権
利を有していること、代理人は当行の株主である必要がないこと、代理人が総会に出席し投票を行うこ
とができることを明示すること
・当該総会に関する議決権行使委任状の提出日および提出先を明示すること
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代理人
当行の総会に出席しかつ議決権を行使できる株主は、自らの代わりに出席しかつ議決権を行使する代理人
として1名以上の者(株主である必要はない。)を指名する権利を有する。かかる代理人は、株主の委任に従
い、以下の各号の権利を執行することができる。
・株主総会における発言権
・単独または共同で、投票による採決を要求する権利
・挙手または投票による採決により議決権を行使する権利。ただし、2名以上の代理人を指名している株
主の代理人は、投票によってのみ議決権を行使できる。
株主は、書面により代理人に委任するものとする。株主または株主が書面により授権した代理人がかかる
委任状に署名しなければならない。株主が法人またはその他の機関である場合、公印を押捺するか、その取
締役、法律上の代表者または正当に授権された代表者が署名を行う。
株主が法人またはその他の機関である場合、その法律上の代表者、取締役会、またはその他の意思決定機
関の決議により授権された者が、当行の株主総会に出席する。
議決権行使の委任状については、当該委任状に基づく議決の対象となる議案を討議する総会開催の少なく
とも24時間前、または投票指定時刻の24時間前までに、当行の所在地または招集通知で指定されたその他の
場所に提出されていなければならない。委任状が委任当事者により権限を付与された者によって署名されて
いる場合、授権書またはその他の授権文書は公証を受けねばならない。公証済みの授権書またはその他の授
権文書は議決権代理行使委任状とともに、当行の現住所または招集通知で指定されたその他の場所に提出さ
れていなければならない。
代理人を指名するために当行の取締役会が株主に対し発行する委任状用紙の書式は、株主が代理人に賛成
票または反対票を投ずる、あるいは投票を棄権するよう指示する自由な選択肢を提供し、さらに、総会での
議事に沿って個々の議案についての個別の指示を行えるよう作成されている。かかる委任状用紙には、委任
した株主からの特段の指示がなければ、代理人本人が適当であると思料するとおりに投票できる旨が記載さ
れている。
議決権行使前に委任当事者が死亡したり、行為能力を喪失したり、代理権を取消したり、委任状の効力を
取消したり、当該株式を譲渡した場合であっても、代理議決権行使委任状の条項に従い投じた議決権は有効
である。ただし、当該株主総会の開始前に当行がかかる事由に関する書面による通知を受領している場合に
はその限りでない。
株主総会の決議
株主総会における決議は、普通決議と特別決議とに区分される。
普通決議は、当該株主総会に出席している株主(代理人を含む。)により保有される議決権の過半数の賛成
票により可決される。
特別決議は、当該株主総会に出席している株主(代理人を含む。)により保有される議決権の3分の2超の
賛成票により可決される。
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次の各号の事項は、株主総会において普通決議により決議される。
・当行の業務方針および重要な投資計画
・取締役、株主代表より指名された監査役および外部監査役の選任と交代、ならびに取締役および監査役
の報酬の決定に関する事項
・当行の取締役会および監査役会の業務報告
・当行の年次予算案および決算、貸借対照表、損益計算書ならびにその他の財務報告
・手取金の使途変更の検討と承認
・当行の利益分配案および損失処理案
・会計監査人の任命および解任
・法律、行政規則および当行の定款に従って特別決議により採択されるべき事項以外の事項
次の各号の事項は、特別決議により決議される。
・当行の登録資本金の増資または減資
・当行の合併、分割、解散、清算または企業形態の変更
・社債およびその他有価証券の発行計画ならびに上場計画
・当行株式の買戻し
・当行の定款の改正
・法人の設立、重要な合併および買収、重要な投資、重要な資産処分ならびに重要な保証につき、検討、
承認、または取締役会による承認の権限を付与すること
・株式報奨制度の検討および承認
・法律、行政規則および当行の定款に規定された事項、またはその性質上当行に重大な影響を及ぼす可能
性があるため特別決議により採択されるべき事項であるとして株主総会において普通決議により決定さ
れた事項
議決権(投票による採決および投票による採決を要求する権利一般について)
株主(代理人を含む。)は、株主総会において、保有する議決権付株式の数に応じて議決権を行使すること
ができ、各株式には1個の議決権が表章される。
当行が保有する当行株式には議決権は付与されず、株主総会に出席している株主により保有される議決権
総数にも含まれない。
株主総会においては、当行の株式の上場地の関連規則に基づき投票による採決が要請される場合、または
以下各号のいずれかに該当する者が(挙手による採決の前後を問わず)投票による採決を要求する場合を除
き、挙手により採決される。
・当該株主総会の議長
・議決権を行使する権利を有する2名以上の株主またはその2名以上の代理人
・本人または代理人が出席し、かつ単独もしくは共同で当該総会における議決権付株式総数の10%以上を
表章する株式を保有する1名以上の株主
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投票による採決が要求されない限り、挙手による採決の結果に従って議長は決議の採択についての結果を
宣言し、確定的証拠として総会議事録にその旨の記録を行う。総会決議の賛成票または反対票の票数または
割合を示すことは不要である。
投票による採決の要求は、これを要求した者が撤回できる。
総会議長の選出または総会の延会について投票による採決が要求された場合は、直ちにこれを実施する。
その他の案件について投票による採決が要求された場合は、議長が指示する時点においてこれを実施する。
それ以外の議事の審議を継続することができるが、投票の結果が総会で採択された決議とみなされることに
かわりはない。
総会での投票による採決においては、2個以上の議決権を保有する株主(代理人を含む。)は、すべての票
を統一的(賛成、反対または棄権)に行使する必要はない。
種類株主
異なる種類の株式を保有する株主は種類株主と称される。
種類株主は、法律、行政規則および当行の定款に従って権利を享受しかつ義務を負う。
その他の種類の株式を保有する株主を除き、国内上場株式の株主と海外上場株式の株主とは、異なる種類
の株式を保有する株主とみなされる。
既存の株式または株式の種類の権利にかかる変更
当行がいずれかの種類の株式にかかる権利の変更または廃止を意図する場合、株主総会における特別決議
によって変更または廃止が承認され、かつ当行の定款に規定に従い、当該種類の株主によって別途招集され
た株主総会において承認されて、初めて権利の変更または廃止が可能となる。
以下の各号の状況に該当する場合、種類株主の権利は変更または廃止されたとみなされる。
・当該種類株式数の増減または当該種類株式が享受するのと同等またはそれ以上の議決権、分配権その他
特別な権利を伴う種類株式数の増減
・当該種類株式の全部もしくは一部のその他の種類株式への転換、別の種類株式の全部もしくは一部の当
該種類株式への転換または転換権の付与
・当該種類株式に付される未払配当金または累積配当金に対する権利の消滅または縮小
・当該種類株式に付される配当優先権または当行清算中の残余資産分配優先権の消滅または縮小
・当該種類株式に付される転換権、オプション、議決権、譲渡権、新株引受権または当行証券の取得権の
拡大、消滅または縮小
・当該種類株式に付される、特定の通貨により当行から支払金を受領する権利の消滅または縮小
・当該種類株式が享受するのと同等またはそれ以上の議決権、分配権その他特別な権利が付される新たな
種類の株式の創出
・当該種類株式の譲渡もしくは所有に対する制限の付加または強化
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・当該種類もしくは別種類の当行株式を引受けまたは当該種類もしくは別種類の当行株式に転換する権利
・別の種類の株式に対する権利または特別な権利の拡張
・当行の再編中に、異なる種類の株主に異なる程度の責任を負担させることとなる当行の再編案
・当行の定款の規定の変更または廃止
利害関係を有する株主は、種類株主総会における議決権を有さない。「利害関係を有する株主」とは以下
の各号の株主をいう。
・当行の定款に基づき、当行が全株主を対象とした按分比例による買戻しまたは証券取引所における公開
取引による当行株式の買戻しの募集を行う場合においては、当行の定款に定義された支配株主が「利害
関係を有する株主」となる
・当行の定款に基づき、証券取引所外で相対取引により当行株式の買戻しを行う場合には、当該契約に関
係する株式の保有者が「利害関係を有する株主」となる
・当行の再編計画にあっては、同一の種類の株主に課せられた義務よりも軽い義務を負う株主、または同
一の種類の他の株主の権利および利益とは異なる権利および利益を享受する株主が「利害関係を有する
株主」となる
種類株主総会決議は、当該種類株主総会における議決権を有する種類株主出席者の議決権総数の3分の2
超の賛成をもって可決される。
以下の場合、種類株主総会における決議のための特別手続は適用されない。
・株主総会において特別決議による株主の承認を受けて、当行が、12か月毎の間隔で個別または同時に国
内上場株式および海外上場株式を発行し、発行される国内上場株式および海外上場株式がそれぞれの発
行済株式数の20%以下に相当する場合
・当行の設立時の国内上場株式および海外上場株式の発行計画が、国務院の証券規制当局による認可を受
けた日から15か月以内に完了する場合
・国務院の証券規制当局または国務院が授権した認可当局の承認を得て、発起人が保有する当行株式を海
外上場株式に転換する場合
株主総会および種類株主総会の定足数
当行は、株主総会開催日の20日前までに株主より受領した書面による回答に基づき、議決権付株式数を算
定する。総会に出席を予定する株主により保有される議決権付株式数が、当行の議決権付株式総数の過半数
に達しない場合、当行は5日以内に、公告により株主に対して当該総会の議案、会場、開催日時につき再度
通知を行う。当行は、かかる通知の公告後に総会を開催できる。
種類株主総会に出席する意思のある種類株主が有する議決権が当行の当該種類の議決権付株式総数の過半
数となった場合、種類株主総会を開催することができる。この条件が満たされない場合、当行は5日以内
に、公告により株主に対して当該種類株主総会の議案、会場および開催日時につき通知を行う。当行は、か
かる通知の公告後に種類株主総会を開催できる。
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詐欺行為または強迫に関する少数株主の権利
当行の支配株主は、当行および他の株主に対し信認義務を負っている。支配株主は投資家としての権利を
行使する場合、法律、行政規則および当行の定款を厳格に遵守するものとし、支配株主としての地位を濫用
し不正な利益を享受してはならず、また当行および他の株主の正当な権利と利益を侵害してはならないもの
とする。
支配株主は、法律、行政規則、当行株式の上場地の証券取引所の関連規則により課される義務を除き、株
主としての権利を行使し議決権を行使する際に、下記のような当行の他の株主の全部または一部の利益を侵
害する決定をなしてはならない。
・当行の取締役および監査役について、当行の利益の最大化の為に誠実に行動しなければならないという
義務を免除すること
・方法を問わず、当行の取締役および監査役が、本人自身または他者の利益のために、当行の財産(当行
にとって利益となる機会を含むがこれに限定されない。)を剥奪することを承認すること
・当行の取締役および監査役が、本人自身または他者の利益のために、他の株主の個人的権利と利益を剥
奪することを承認すること。かかる権利には分配の権利および議決権を含むがこれらに限定されない
が、当行の定款に従って株主総会に提出され、株主総会において承認される当行の再編の場合を除く。
支配株主は、当行の取締役候補および監査役候補を指名するにあたり、法律、行政規則、当行株式の上場
地の証券規制当局の関連規則ならびに当行の定款に規定されている条件と手続きを厳格に遵守するものとす
る。支配株主が指名する取締役候補および監査役候補は、関連する専門知識と意思決定ならびに監督能力を
備えていなければならない。株主総会での選任決議または取締役会による選任については、株主の承認手続
を必ずしも必要とはしない。株主総会および取締役会の決定を覆して株主が上級役員を指名または解任する
ことは無効とみなされる。
当行の支配株主は、当行の意思決定ならびに適法に行われている経営および業務活動に直接間接を問わず
干渉しないものとし、当行および他の株主の権利と利益を侵害しないものとする。
当行の定款において、「支配株主」とは以下の条件のいずれかを満たす者を意味する。
・単独でまたは他者と共同で、当行の取締役の過半数を選任する権利を有する者
・単独でまたは他者と共同で、当行の議決権の30%超を行使する権能またはかかる行使を支配する権能を
有する者
・単独でまたは他者と共同で、当行の発行済株式の30%超を保有する者
・単独でまたは他者と共同で、その他の方法で当行を事実上支配し得る者
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取締役会
当行の取締役会は、以下の職務を遂行し、権限を行使する。
・株主総会の招集、および株主総会での業務報告
・株主総会において可決された決議の執行
・当行の事業計画、投資計画および成長戦略に関する意思決定
・当行の年次財務予算案および決算の編成
・当行の利益分配案、損失補填案の策定
・当行の登録資本金の増減計画の策定
・当行の合併、分割、解散または会社形態変更の計画の策定
・社債またはその他有価証券の発行および上場計画の策定
・当行株式の買戻し計画の策定
・当行の定款の改訂案の策定
・法人の設立、重要な合併および買収、重要な投資、重要な資産処分ならびに重要な保証等、株主総会に
より権限を付与された事項の承認
・当行の社長および取締役会秘書役の任免、ならびにこれらの報酬、賞与、懲罰に係る事項の決定。取締
役会の各種専門委員会の委員長および委員の検討および決定
・当行の社長が指名し、関連法に従って取締役会が任免する当行の副社長およびその他上級役員(取締役
会秘書役を除く。)の任免、ならびに関連する報酬、賞与、懲罰に係る事項の決定
・リスク管理システム、内部統制システム等の当行の基本的な経営システムの策定、ならびにその執行の
監督
・本部の上層組織、国内第1レベル支店、本部直属の支店および事務所、ならびに中国本土外の支店およ
び事務所の設立の決定、または決定に係る社長への授権
・内部監査規定、中長期監査計画、年次作業計画および内部監査システムの承認、ならびに監査予算、監
査人の報酬、採用、解任に関する決定もしくは決定に関する当行の取締役会の監査委員会への権限付与
・当行全体に行き渡る明確に規定された責任制度と説明責任制度の確立と実施、当行の企業統治の定期的
な評価と改善
・当行の情報開示の管理
・会計監査人の任免に関する株主総会への提案
・関連当事者間取引の管理システムの構築、ならびに関連当事者間取引(法律に準じ株主総会で検討し承
認されるべき関連当事者間取引を除く。)の監督および承認または関連当事者間取引管理委員会での承
認に係る権限付与、関連当事者間取引管理システムの実施状況および関連当事者間取引の現状に関する
株主総会への特別報告提出
・専門委員会が提起する申立ての検討と承認
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・取締役の職務遂行の為に必要な、充分な情報入手を適時に確実にする目的で、関連規制基準に従って当
行の社長および上級役員が作成する業務報告を聴取すること、ならびに当行の社長およびその他上級役
員が職務を効果的に履行できるよう監督し確実にすること
・法律、行政規則、当行の定款の規定、および株主総会によって付与されているその他職務および権限の
行使
固定資産の処分
処分を意図する固定資産の予想価額と、当該処分提案の直前4か月間に処分した固定資産の価額との合計
額が、株主総会において提出された直近の貸借対照表に示される固定資産価額の33%を超える場合、当行の
取締役会は株主総会の承認を得ずに当該固定資産を処分し、または処分を承認してはならない。
当行の定款の条項における固定資産の処分とは、固定資産をもって担保を提供する場合を除いて、特定の
資産に対する権利の移転を含む。
当行による固定資産処分の有効性は、上記条項の違反による影響を受けない。
取締役会会長
取締役会会長は以下の職務および権限を行使する。
・株主総会を主宰し、取締役会を代表して株主総会に対し報告を行う
・取締役会を招集し、主宰する
・取締役会の決議事項の実施状況の監督と検証
・当行の株式、社債、その他有価証券の署名
・当行の法律上の代表者が署名すべきその他書類の署名
・関連法令、行政規則、ならびに取締役会によって付与されたその他職務および権限の行使
取締役会会長がその職務と権限を履行できない、または履行しない場合、副会長が会長の代理として履行
する。副会長がその職務と権限を履行できない、または履行しない場合、全取締役の過半数によって選任さ
れた取締役が副会長に代わって履行する。
取締役会の決議
取締役会会議の決議事項は全取締役の過半数の賛成票により承認され採択されるが、以下の事項について
は、全取締役の3分の2超の賛成票によってのみ決議が採択され、かつ書面決議による会議開催は認められ
ない。
・当行の年次予算および決算の作成
・当行の利益分配案、損失処理案
・資本補充案
・当行の登録資本金の増減計画
・当行の合併、分割、解散または会社形態変更の計画
・社債またはその他有価証券の発行および上場計画
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・当行株式の買戻し計画
・当行の定款の改訂
・法人の設立、重要な合併および買収、重要な投資、重要な資産処分ならびに重要な保証等
・関連する法律に従って取締役会が任免する当行の社長、取締役会秘書役、および当行のその他上級役員
の任免、ならびに関連する報酬、賞与、懲罰に係る事項の決定、取締役会各種専門委員会の委員長およ
び委員の任命
・財政再編
・会計監査人の任免に関する株主総会への提案
・当行に重大な影響を及ぼし、かつ全取締役の3分の2超の賛成票による決議採択が妥当と取締役会の過
半数が判断するその他事項
取締役会秘書役
当行は取締役会秘書役1名を置くものとし、秘書役は取締役会によって任免される。
当行の取締役会秘書役は必要な専門知識と経験を有する自然人であることとし、その主要な機能と職務は
以下のとおりである。
・当行の取締役会の日常業務の処理において当行の取締役を補佐し、当行の業務に関連する規制当局の法
令、政策、要件を当行の取締役に提供し、当行の取締役が了解するよう取り計らい、注意を喚起し、お
よび確保すること。また、当行の取締役および社長がその職務の遂行において法令、行政規則、上場地
の証券規制当局の関連規定、当行の定款およびその他関連規定に従うように補佐すること
・当行の取締役会会議および株主総会の組織ならびに書類準備作業を行い、取締役会会議の議事録の作成
および署名ならびに取締役会会議および株主総会の決議および議事録等の重要書類の保管に責任を負
い、会議においてなされた決定が法的手続に準拠することを確保し、関連決議の実施状況を確認し、実
施に当たって特定された重要な問題を適時に取締役会に報告し、かかる事項について提言を行うこと
・重要事項に関する取締役会の決定が手続要件に厳密に準拠することを確保し、必要に応じて取締役会の
決定を要する事項についての協議および分析に参加し、それらを組織し、かかる事項について提言を行
い、自らに委譲された取締役会および取締役会専門委員会の日常業務を処理すること
・当行と関連規制当局との間の渉外担当責任者として、関連規制当局が要求する書類の作成および適時の
提出を取りまとめ、関連規制当局からの関連作業の実施を手配することに責任を負うこと
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・当行の情報開示を整理・調整し、当行の情報開示に関する管理制度の構築および改善を取りまとめ、当
行および関連する情報開示者が関連する情報開示規定を遵守して行為するよう促し、当行の価格に影響
を及ぼす情報の機密性を保ち、当行株式の上場地の証券規制当局に対して、一般開示されていない重要
情報の漏洩を適時に報告・開示し、開示を手配することに責任を負うこと
・広報活動を調整し、投資家関係の管理に責任を負い、情報通信について当行と関連規制当局、投資家、
証券会社およびメディア等との間の調整を行うこと
・当行の有価証券の管理に関する事項に責任を負い、当行の株主名簿および当行の発行済社債の受益者名
簿の適切な管理および維持を確保し、当行の取締役、監査役、上級役員、当行の支配株主ならびにその
取締役、監査役および上級役員による当行株式の保有に関する情報を維持し、関連規制当局からの要請
に応じて当行の取締役、監査役および上級役員の株式保有の変動に関する開示を行うことに責任を負
い、当行の取締役会の印鑑を保管すること
・関連する法律、行政規則および当行株式の上場地の証券規制当局の関連規定に関して当行の取締役、監
査役および上級役員の研修プログラムを取りまとめ、情報開示におけるそれぞれの義務の理解を補佐す
ること
・取締役会により権限を付与されたその他の職務を履行し、当行株式の上場地の証券規制当局が規定する
その他の権限を行使すること
取締役会の専門委員会
当行の取締役会には、戦略委員会、監査委員会、リスク管理委員会、指名委員会、報酬委員会および関連
当事者取引管理委員会が設置されている。取締役会は必要に応じてその他の専門委員会を設置すること、ま
た既存の委員会を調整することができる。
各専門委員会の委員は当行の取締役とし、各委員会は3名以上の取締役によって構成される。監査委員
会、指名委員会、報酬委員会および関連当事者取引管理委員会については、独立取締役が過半数を構成し、
かつ委員長を務めるものとする。監査委員会の委員は、非業務執行取締役が務めるものとする。
戦略委員会
戦略委員会は以下の職務および権限を有する。
・戦略的成長計画および重大な全般的戦略的リスク事項を検討し、これについて取締役会に提案を行う
・年次財務予算および決算案を検討し、これについて取締役会に提案を行う
・戦略的資本配分(資本構成、自己資本比率等)ならびに資産および負債に係る経営目標を検討し、これに
ついて取締役会に提案を行う
・多種多様な金融事業の全般的な発展に係る計画を策定し、これについて取締役会に提案を行う
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・重要な再編および調整に係る計画を策定し、これについて取締役会に提案を行う
・重要な投資および金融計画の策定の検討に責任を負い、役員が提出する提案を検討し、これについて取
締役会に提案を行う
・合併および買収計画の策定の検討に関し責任を負い、役員が提出する提案を検討し、これについて取締
役会に提案を行う
・国内および海外支店ならびに事務所の戦略的展開計画を検討し、これについて取締役会に提案を行う
・戦略的人材開発計画を検討し、これについて取締役会に提案を行う
・情報技術開発およびその他特別な戦略的開発計画を検討し、これについて取締役会に提案を行う
・グリーン信用戦略、消費者保護戦略および環境、社会、統治に関する社会的責任の履行状況を検討し、
取締役会に提案を行う
・当行の財務報告、リスク管理および内部統制が当行の企業統治水準を満たしていることを確保すること
を目指して、企業統治の構造の健全性を見直し、評価する
・法律、行政規則、当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則によって求められ、取締役会によって権
限を付与されたその他の機能を行使する
監査委員会
監査委員会は以下の職務および権限を有する。
・当行の内部統制体制を継続的に監督し、当行の管理規則およびその実施状況を見直し、当行の主要業務
のコンプライアンスと有効性を検証し、評価する
・当行の財務情報とその情報開示を見直し、当行の重要な財務方針とその実施状況を見直し、金融業務を
監督し、当行の財務報告の信頼性および当行の役員による財務報告手順実施の有効性を監視する
・当行の内部監査機能の履行状況を調査、監視、評価し、当行の内部監査制度およびその実施を監督し、
当行の内部監査担当部門の作業手続と有効性を評価する
・外部監査人の任免を提案し、同監査人の業務遂行状況を監督する適切な措置を講じ、外部監査人の報告
書を検討し、外部監査人がその監査業務の責任を負うことを確保する
・内部監査部門が業務のための十分な資源を有することを当行に確保せしめ、内部監査部門と外部監査人
との間のコミュニケーションを促進する
・財務報告書、内部統制その他の事項に関する不正を当行の従業員が告発する仕組み、および告発された
事項について当行が独立した公正な調査を行い、適切な対応策を取るための仕組みを評価する
・決定および勧告を取締役会に報告する
・法律、行政規則、当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則によって求められる機能、ならびに取締
役会によって権限を付与されたその他の職務および権限を行使する
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リスク管理委員会
リスク管理委員会は以下の職務および権限を遂行する。
・当行のリスク戦略、リスク管理方針、リスク選好、全体的なリスク管理システムおよび内部統制手続を
検証、修正し、その実施状況および効果を当行の全体的な戦略に照し合せて監督、評価し、これについ
て取締役会に提案を行う
・当行のリスク管理体制を継続的に監督し、リスク管理担当部門の設置、組織構造、業務手順および有効
性を監督、評価し、向上に向けた提案を行う
・与信、市場、業務、流動性、法令遵守、評判等に関する上級役員によるリスク管理を監督、評価し、当
行のリスク管理と内部統制の向上に向けた提案を行う
・当行のリスク方針、リスク選好および全体的なリスク管理状況を定期的に評価し、これについて取締役
会に提案を行う
・当行の社長の裁量権限を超える、またはリスク管理委員会に対して審議のために当行の社長が提出し
た、重要なリスク管理上の事象または取引について、取締役会によって付与された権限に基づき検討
し、承認する
・法律、行政規則、当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則によって求められる、ならびに取締役会
によって権限を付与されたその他の機能を行使する
指名委員会
指名委員会は以下の職務および権限を有する。
・取締役および上級役員の選任基準ならびに手続きを策定し、取締役会に提案する
・取締役、社長および取締役会秘書役の候補について取締役会に提案する
・社長により指名された上級役員候補を審査し、取締役会に提案する
・取締役会の専門委員会の委員長および委員について、取締役会に提案する
・取締役会の組織、規模および構成を当行の発展戦略に基づき評価し、取締役会に提案する
・上級役員および重要な予備的人材育成計画を策定する
・法律、行政規則、当行株式の上場地の証券規制当局の関連規則により要求される、ならびに取締役会に
よって権限を付与されたその他の機能を行使する
報酬委員会
報酬委員会は以下の職務および権限を有する。
・取締役の業績評価手段および報酬計画を策定し、同計画を取締役会に提出し承認を求め、さらに、株主
総会に提出し決議を求める
・取締役の業績評価を取りまとめ、取締役の報酬配分を提案し、取締役会の承認を受けた後、それを株主
総会に決議のため提出する
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・上級役員の評価手段および報酬計画を策定、検証し、上級役員の任務遂行状況および活動を評価し、取
締役会での承認を求め、その後、株主総会の権限の範囲内である場合には株主総会に提出する
・法律および行政規則ならびに当行株式の上場地の証券規制当局により要求され、取締役会によって権限
を付与されたその他すべての機能を行使する
関連当事者取引管理委員会
関連当事者取引管理委員会は以下の職務および権限を有する。
・関連当事者取引管理の基本方針を策定し、その実施を監督する
・当行の関連当事者を特定し、取締役会および監査役会に報告するとともに、特定された関連当事者に関
する情報を当行の担当者に適時に伝達する
・取締役会の授権に基づき、関連当事者取引および同関連事項を承認し、関連当事者取引の統計情報の記
録を受領する
・当行の取締役会または株主総会による承認を必要とする関連当事者取引に関する審査を実施した上で、
関連当事者取引を取締役会に、または取締役会に代わり株主総会に諮る
・関連当事者取引の管理システムの実施に関する情報および関連当事者取引の状況を取締役会に報告する
・法律および行政規則ならびに当行株式の上場地の証券規制当局により要求されるかまたは取締役会に
よって権限を付与されたその他の事項を行う
社長
当行の社長は、当行の取締役会に対して責任を負い、以下の権限と職務を執行する。
・当行の業務および経営を主導し、当行の取締役会決議の実施を執行する
・当行の事業計画および投資計画を当行の取締役会に提出し、当行の取締役会の承認を得た後、その実施
を執行する
・当行の基本的な管理制度を起草する
・当行の年次財務予算案、決算案、利益分配案、損失処理案、当行の登録資本金の増減計画、社債または
その他有価証券の発行および上場について起草し、これについて取締役会に提案する
・本部の経営部門、国内第1レベル支店、本部直属の支店および事務所ならびに中国本土外の支店および
事務所の設置計画を起草する
・当行の具体的な制度および規則を策定する
・取締役会が法律および行政規則に則り任免する当行副社長およびその他上級役員の任免につき、取締役
会に提案する(取締役会秘書役を除く。)
・当行の行内部門および支店担当責任者の任免(取締役会が任免する対象者は除く。)
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・取締役会による権限付与に基づき、日常業務および管理業務を執行し、または上級役員ならびに行内部
門および支店の責任者に権限を付与し執行させる
・当行行内部門(行内監査部門を除く。)および支店の責任者の業績評価および報酬水準計画を策定する。
また、当該者の職務達成度と報酬水準を評価する
・臨時取締役会会議を提案、招集する
・不測の重大な事象または緊急事態が発生した場合に、当行の利益を守る為の緊急対策を講じ、国務院銀
行規制当局、取締役会、監査役会に直ちに報告する
・法律、行政規則、当行の定款、株主総会および取締役会の決定事項に従い当行の社長が行使すべきその
他の機能と権限を行使する
監査役会
当行の監査役会は、以下の職務と権限を執行する。
・当行の取締役および上級役員の個々の職務の履行ならびに業務遂行状況を監督し、当行の取締役および
上級役員に説明を求める
・当行の取締役会および上級役員の業務遂行状況を監督する
・当行の取締役および上級役員に対して、当行の利益を損なう行為を是正するよう要求する
・法律、行政規則、当行の定款または株主総会決議に違反する当行の取締役または上級役員の解任を提案
し、または法律に従って法的手続を開始する
・必要に応じて、辞職する当行の取締役および上級役員に対する監査を行う
・当行の財務活動を検証、監督する
・当行の取締役会が株主総会に提出しようとする財務報告、営業報告および利益分配計画等の財務情報を
審査する。また、疑問があれば、当行の名義で、当該情報の再検討を補助するように公認会計士または
有資格監査人に依頼する
・当行の業務上の意思決定、リスク管理および内部統制を検証、監督し、行内監査部門に業務上の指針を
与える
・当行の外部監査機関の起用、解任、更新およびその監査業務の監督
・監査役の業績評価方法を策定し、監査役の業績評価を実施し、株主総会に報告して承認を得る
・株主総会に提案を行う
・臨時株主総会の招集を提案し、当行の取締役会が株主総会の招集義務を履行しない場合には、当該臨時
株主総会を招集および主宰する
・臨時取締役会の招集を提案する
・法律、行政規則および当行の定款に規定されるか、または株主総会により権限を付与されたその他の職
務および権限を行使する
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取締役、監査役、ならびに上級役員
当行の取締役の資格株式
当行の取締役は自然人であるものとするが、必ずしも当行の株主である必要はない。
当行株式の割当ておよび発行を行う権限
当行の定款には、当行株式の割当ておよび発行を行う権限を当行の取締役、監査役および上級役員に付与
する条項はない。
当行登録資本金の増資案は、株主総会に提出して特別決議により承認されなければならない。かかる増資
は、関連当局の承認を得なければならない。
報酬、補償または職位の喪失に対する支払い
当行は、株主総会による事前承認に基づき、当行各取締役および当行各監査役とそれぞれの報酬に関する
契約を書面により締結する。かかる報酬には、以下が含まれる。
・当行の取締役、監査役または上級役員に対する報酬
・当行の銀行子会社の取締役、監査役または上級役員に対する報酬
・当行および当行の銀行子会社の経営を支援するその他業務の提供に対する報酬
・当行の取締役または監査役に対する職位の喪失または退職に対する補償金
上記の規定に従って締結された契約に基づく場合の他、当行の取締役および監査役は、上記事項に関して
自らに支払われるべき利益につき、当行に対していかなる訴訟も提起しない。
当行の取締役、監査役および上級役員に対する融資
当行は、直接間接を問わず、当行の取締役、監査役、社長およびその他上級役員、ならびにそれらの関係
者に対し、融資または融資保証を提供してはならない。
上記条項は、以下の場合には適用除外となる。
・当行の銀行子会社に対し当行が融資または融資保証を提供する場合
・当行の取締役、監査役、社長およびその他上級役員の職務遂行に当って発生する費用の支払いまたは当
行に代わっての支払実行を可能にする為の、当行による融資、融資保証またはその他の資金提供であっ
て、株主総会によって承認された役務提供契約に基づくものである場合
・当行の取締役、監査役、社長およびその他上級役員ならびにそれらの関係者に対し、通常の商業取引条
件に基づき当行が提供する融資または融資保証である場合
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当行との契約における利害関係の開示
当行の取締役、監査役、社長またはその他の上級役員が、締結または計画されている当行の契約、取引ま
たは取決め(ただし、当該者自身に関する当行との役務提供契約を除く。)につき直接または間接に関係性を
有する場合、当該者は、かかる事項が通常の場合であれば当行の取締役会の承認を要するか否かにかかわら
ず、当該利害関係の性質および程度を当行の取締役会に通知しなければならない。
利害関係を有する当行の取締役、監査役、社長およびその他の上級役員が、当該利害関係を当行の取締役
会に対して通知しており、当該者が定足数に算入されずかつ議決権を行使することができない形での当行の
取締役会において当該事項が承認を受けた場合を除き、当行は、かかる契約、取引または取決めを取消すこ
とができる。ただし、当該取締役、監査役、社長またはその他の上級役員の義務違反に気付かずに行為した
善意の当事者に対してはこの限りではない。
特定の契約、取引または取決めに関連性を有する当行の取締役、監査役、社長およびその他の上級役員
は、利害関係者とみなされる。
報酬
当行の取締役の報酬については、「報酬、補償または職位の喪失に対する支払い」の項にあるとおり、株
主総会において株主による事前承認を受けなければならない。
取締役、監査役、上級役員の資格条件
以下の者は、当行の取締役、監査役、社長またはその他の上級役員の職に就くことができない。
・民事責任能力を欠くかまたはそれが制限されている者
・刑期終了後5年以内に横領、贈収賄、財産の横領または社会市場経済の秩序破壊により刑罰を受けた
者、または政治的権利を剥奪された者で、かつ剥奪期間終了から5年以上が経過していない者
・破産または清算された会社または企業の取締役または総経理でかかる会社または企業の破産に責任を有
する者であって、清算の完了日から3年以上が経過していない者
・違法業務により営業許可が取消された会社または企業の法的代表者で個人としてそれについて責任を負
い、かつかかる取消日より3年以上が経過していない者
・比較的多額の延滞債務を負っている個人
・司法当局の犯罪捜査下にあり、かつ当該事件が終了していない者
・法律および行政規則により、企業の指導者として行為できない者
・自然人以外の者
・関連管轄当局により有価証券関連法令の規定に違反したとの裁定を受けた者で、かかる裁定が詐欺行為
または不誠実行為を含んでおり、かつかかる裁定から5年経過していない者
当行の支配株主または事実上の支配企業において取締役以外の役職に就いている者は、当行の上級役員と
して行為してはならない。
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独立取締役および外部監査役の独立性
当行の独立取締役とは、取締役または取締役会専門委員会の委員長もしくは委員以外の当行での職位に就
かない者で、その独立的かつ客観的判断に影響する要因となり得るような当行および当行主要株主との関係
を持たない取締役を意味する。
当行の外部監査役とは、監査役以外の当行での職位に就かない者で、その独立的かつ客観的判断に影響す
る要因となり得るような当行および当行主要株主との関係を持たない監査役を意味する。
当行の取締役の職に就くことが禁じられている条件に加えて、以下の者は、当行の独立取締役を務めるこ
とができない。
・前年に当行の株式総数の1%超を直接または間接的に保有していたか、または当行の株主であるかかる
企業において役職に就いていた者
・就任に先立つ3年以内に当行、当行の支配株主または当行が過半数持分を有するかもしくは当行が事実
上支配している企業において役職(独立取締役の役職は除く。)に就いていた者
・法律、会計、監査および経営コンサルティング等の分野において当行と業務上の関係または利害関係を
有する企業において役職に就いている者
・当行に支配されるかまたは様々な方法で重大な影響を受けるその他の者
・上記4項目の該当者の近親者
・政府当局に所属する者
・国務院銀行監督当局、当行株式の上場地の証券規制当局、およびその他関連規制当局によって、独立取
締役の不適格者として具体的に特定されているその他の者
「近親者」とは、配偶者、親、子、兄弟姉妹、祖父母および義理の祖父母を意味する。
取締役の指名および選任
当行の取締役は業務執行取締役と非業務執行取締役によって構成され、非業務執行取締役は独立取締役で
構成される。
取締役候補は、取締役会、または単独もしくは他者と共同で当行の議決権付株式の3%超を保有する株主
が指名し、株主総会において選任される。
当行の取締役会、監査役会および単独または共同で当行の議決権付株式の1%超を保有する株主は、当
行の独立取締役の候補者を指名することができ、当行の独立取締役は株主総会において選任される。独立取
締役の任期は、当行の他の取締役と同一であるが、累計で6年を超えないものとする。独立取締役に就任す
る資格については、国務院の銀行業務規制当局の審査および承認を受けなければならない。
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監査役の指名および選任
当行の監査役には株主代表監査役、外部監査役、および従業員代表監査役が含まれる。従業員代表監査役
の比率は総監査役数の3分の1以上、また当行としては少なくとも2名以上の外部監査役を置くものとす
る。
株主代表監査役の候補者については、監査役会、または単独もしくは共同で当行の議決権付株式の5%以
上を保有する株主によって指名され、株主総会において選任される。
従業員代表監査役については、監査役会と労働組合が指名し、民主的手続きによって従業員が任免する。
当行の外部監査役については、監査役会または単独もしくは共同で当行の株式の1%以上を保有する株主
によって指名され、株主総会において選任される。
取締役の解任および辞任
正当な理由なしに、株主総会の決議によって任期中のいかなる取締役をも解任することはできない。ただ
し、関連法規および行政規則に従って、株主総会の普通決議に基づき任期中の取締役を解任することは可能
である(ただし、契約に従って請求を行う取締役の権利は影響を受けない。)。
取締役は任期中に辞任することができる。取締役が辞任を希望する場合には、辞任の申立てを文書によっ
て取締役会に提出せねばならない。取締役会はこの事実を2日以内に開示するものとする。
取締役の任期満了時に、適時に新取締役が選任されなかったため、または取締役の任期中の辞任によっ
て、最低取締役員数の要件が満たされなくなった場合、当該取締役は法律、行政規則および当行の定款に基
づき、新取締役が選任され業務を引継ぐまでの間、職務を引続き遂行するものとする。
前項に掲げる取締役の辞任により最低取締役員数の要件が満たされなくなった状況を除いて、取締役の辞
任は、申立ての文書が取締役会に交付された時点で有効となる。独立取締役の辞任については、当行の定款
に従うものとする。
当行の定款には、当行の取締役の年齢制限による退職または非退職に関する規定はない。
監査役の解任および辞任
監査役は任期中に辞任を申立てることができる。監査役が辞任を希望する場合には、辞表を監査役会に提
出せねばならない。
監査役の任期満了時に直ちに監査役の再選を行わなかったかまたは監査役が辞任したために、監査役会の
監査役の総数が法律で要求される最低員数を下回った場合、かかる監査役は、再選された監査役が就任する
まで、法律、行政規則、規則および定款に従って監査役としての職務を引続き履行するものとする。
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上記のように監査役の辞任により監査役会の監査役の総数が法律で要求された最低員数を下回る場合を除
き、監査役の辞表は、それが監査役会に交付された時点をもって有効となるものとする。独立取締役の辞任
に関する規定が外部監査役にも適用される。
利益の分配
当行の税引後利益については、以下の優先順位に基づき分配する。
・前年度の損失補填
・10%を法定準備金に繰入れ
・一般引当金の積立て
・任意積立金への繰入れ
・株主への配当金支払い
当行の法定準備金が登録資本金の50%に達した場合、追加の積立ては不要となる。法定準備金への繰入れ
および一般引当金の積立てを行った後に任意積立金への繰入れを行うか否かについては、株主総会において
決定する。当行は、損失の補填および法定準備金への繰入れならびに一般引当金の積立てを行う前に、株主
に配当を分配してはならない。
優先株主に対する配当は、当行株式の上場地および当行優先株式の発行地または上場地の法律、行政法
規、規則および証券規制当局の関連規定および当行の定款に従い支払われる。
配当およびその他の利益分配方法
当行は、現金または株式により配当を分配することができる。当行の利益分配方針は継続的かつ安定的な
ものでなければならないが、それと同時に、当行の長期的な利益、投資家全体の利益および当行の持続的成
長を考慮するものとする。当行の利益分配には、現金配当方式を優先的に採用し、当行は、優先株主に対す
る配当を現金で支払う。
以下の特殊な場合を除き、当行が利益を分配する場合に現金で配分される利益は、毎年、当グループが当
該会計年度について当行株主に帰せられるとする純利益の10%を下回ってはならない。
・当行の自己資本比率が、 旧 CBRCその他の規制当局の求める最低基準を下回る場合
・その他、法律、規則、規制書類により配当の分配が適さないとされる場合
戦争、自然災害その他の不可抗力、当行の事業運営に重大な影響を及ぼす外的事業環境の変化や当行の事
業運営状況に比較的大きな変化のあった場合には、当行は利益分配方針を調整することができる。当行が利
益分配方針を調整したいとする場合には、取締役会がまず詳細な変更案を作成し、変更理由についての詳細
な説明を行い、変更の正当性を証明する報告書を作成し、独立取締役がこれらを検討した上で、株主総会に
提出して特別決議の承認を得るものとする。利益分配方針の変更に関する事項を検討する場合には、当行
は、株主がオンラインで投票できるようにする。
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いずれからも請求のない配当については、関連する法律、行政規則および中国の規則に準拠することを前
提に、当行は剥奪権を執行し得るが、適用される一定の制限期間の経過後に初めて執行するものとする。
当行は海外上場株式を保有する株主への配当受領書の郵送を中止する権利を有するが、配当受領書が2回
連続で返送されなかった場合に、初めて当行はこの権利を行使する。ただし、最初の郵送時にかかる配当受
領書が配達不能となって返送された場合には、当該権利を行使し得るものとする。
当行が連絡を取れない株主が保有する海外上場株式については、以下の条件を満たす場合において、当行
は当該株式を取締役会が適正と判断する方法によって売却する権利を有する。
・当行が過去12年間に最低3回配当を分配し、その間の請求が一切行われていない場合
・12年の期間の満了後、当行株式の海外上場地の新聞1紙以上に当行が公告を掲載し、当該株式売却の意
向を記述し、かつ当行株式の海外上場地の証券規制当局に報告を行う場合
当行は、海外上場の当行株式の代理人を任命する。かかる代理人は当該株主の代理として、海外上場株式
の配当および当行からのその他の支払いを受領する。
当行が任命した代理人は、上場地の証券取引関連法または規則により求められている要件を満たすものと
する。
海外上場株式の香港における株主のために当行が任命する代理人は、「香港受託者条例」に基づき登録さ
れた信託会社とする。
会計および監査
当行は、法律、行政規則、および国務院の財政当局によって策定された中国会計基準の規定に則り、当行
の財務および会計制度を確立する。
当行の取締役会は、関連法律および行政規則により当行に作成が義務付けられている財務報告書を各年の
年次株主総会において株主に提出する。
当行が財務書類を作成するにあたっては、中国の会計基準および規則に則るのみでなく、国際会計基準も
しくは海外上場地の会計基準にも準拠することとする。2種類の会計基準に従って作成された財務書類間に
重大な相違がある場合は、かかる相違についてそれらの財務書類の注記に記載する。該当する事業年度に当
行が税引後利益を分配する際には、かかる2つの財務書類に記載された低い方の税引後利益が適用される。
当行は、財務報告書を各事業年度に2度公表する。すなわち、中間財務報告書は各事業年度の上半期終了
後60日以内に、また年次財務報告書は各事業年度終了後120日以内に公表される。当行株式の上場地の証券
規制当局に別段の規定がある場合は、その規定に従う。
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会計監査人の任命、解任および辞任
当行は、当行の年次財務報告書およびその他の財務報告書を監査する目的で、関連規則に準拠した独立会
計人を任命する。
当行による会計監査人の任命期間は、当該年の年次株主総会の終了日から翌年次株主総会の終了日までの
間とする。
株主総会は、会計監査人と当行の間の役務提供契約規定にかかわらず、当行の会計監査人をその任期満了
前に普通決議により解任することができる。ただし、解任により生じた損害について当行に対する当該会計
監査人の賠償請求権がある場合には、当該請求権は損なわれない。
会計監査人が辞任を申立てる場合、会計監査人は当行が不適正な状況にあるか否かについて、株主総会に
対し陳述するものとする。
会計監査人は、辞任通知文書を当行の法律上の住所に届けることによって、職務を辞することができる。
辞任通知文書は、当行の法律上の住所に届けられた日または同文書に以降の日が指定されている場合には同
指定日に発効する。同通知文書には以下の内容が盛込まれるものとする。
(1) 辞任により当行の株主または債権者に説明を行うべき特段の状況はないこと
(2) 説明すべき特段の状況に関する陳述
当行は、前述の通知文書の受領後14日以内に、通知文書の写しを関連規制当局に送付する。同通知文書に
上記(2)の陳述がある場合、当行は株主閲覧用に通知文書の写しを別途当行内に保管しなければならない。
また、定款に別段の規定がない限り、海外上場株式の各株主宛にも別途写しを料金前納郵便で郵送しなけれ
ばならないが、この場合株主名簿上の住所を受取人住所とする。
会計監査人の辞任通知に説明すべき状況についての陳述がある場合、会計監査人は臨時株主総会開催を取
締役会に求め、辞任に関連した特段の状況について説明を求めることができる。
清算手続
当行は、以下のいずれかの事由が発生した場合、法律に基づき解散し、清算される。
・株主総会において解散決議が可決された場合
・当行の合併または分割に伴い解散が必要となった場合
・当行が、支払期限の到来した債務を弁済できず法律上の破産宣告を受けた場合
・法令違反により当行の営業許可が取消され、閉鎖を命令されまたは登録を抹消される場合
・当行が、業務および経営において深刻な危機に陥り、存続することが株主利益に重大な損失をもたら
し、かつ他の解決方法がない場合
当行の解散については国務院の銀行業務規制当局に報告され、承認が求められる。
当行の取締役会が当行の清算を決定した場合(破産宣告による清算以外の場合)、当該提案を審議するため
に招集される株主総会の通知に、当行の取締役会が当行の状況を精査した結果、当行が清算の開始から12か
月以内にその債務を全額弁済できると判断している旨の記述を記載する。
当行の清算決議が株主総会により採択されると同時に、当行の取締役会の職務および権限は直ちに停止す
る。
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清算委員会は、株主総会の指示に従い、毎年最低1回株主総会に対し、清算委員会の収支、当行の事業お
よび清算の進捗状況について報告し、かつ、清算完了時に株主総会に対し最終報告を提出しなければならな
い。
清算委員会はその設置後10日以内に債権者に対し清算委員会設置を通知するものとするが、同時に、設
置後60日以内に少なくとも3回、設置に関し新聞に公告を掲載せねばならない。
債権者は、同通知受領後30日以内に、または通知を受領していない場合には第1回目の公告日から45日以
内に、清算委員会に対し債権の請求を行わねばならない。
債権者は債権請求にあたって、請求に関連する事項に関し説明し、証明書類を提出しなければならない。
清算委員会は、請求を登録する。
請求申立て期間中は、清算委員会はいかなる債権者とも債務の弁済を行ってはならない。
当行の定款の変更
当行は、必要に応じ当行の定款を変更することができる。いかなる法律または行政規則、および当行株式
の上場地の証券規制当局の規則に違反して当行の定款を変更することはできない。当行の取締役会は、当行
の定款の変更に関する株主総会決議と付与される権限に基づき、当行の定款を変更することができる。
株主総会による当行の定款の変更が関連規制当局の承認を要する場合、当該変更につき同当局に承認申請
するものとする。当行の定款の変更が登記を要する場合には、当行は法律に従い変更登記を行う。
紛争解決
当行は紛争解決にあたって以下の原則を守るものとする。
(1) 海外上場株式の株主と当行の間、海外上場の株主と当行の取締役、監査役もしくはその他の上級役員
の間、または海外上場株式の株主と国内上場株式の株主の間において、当行の定款、中国会社法または
その他の関連法もしくは行政規則により付与または課される権利義務に基づいて、当行の業務に係る紛
争または請求が発生した場合には、当事者はかかる紛争または請求の解決を仲裁機関に委ねるものとす
る。
上記の紛争または請求が仲裁に付された場合、当該紛争または請求の全部が仲裁に付されなければな
らず、また、同一の事由により請求原因を有する者または当該紛争もしくは請求の解決のためにその参
加が必要となるすべての者(当行、または当行の株主、取締役、監査役、社長もしくはその他の上級役
員)は、仲裁に従わなければならない。
株主の確定および株主名簿に関する紛争は、仲裁の方式によらずに解決することができる。
(2) 仲裁に付された紛争または請求は、申立人により、中国国際経済貿易仲裁委員会においてその仲裁規
則に従い実施するか、または香港国際仲裁センターにおいてその証券仲裁規則に従い実施するかを選択
することができる。申立人が紛争または請求を仲裁に付した後は、仲裁は申立人が選択した仲裁機関で
行われなければならない。
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申立人が香港国際仲裁センターにおける仲裁を選択した場合、いずれの当事者も、香港国際仲裁セン
ターの証券仲裁規則に従い当該仲裁の審理を深 圳 で行うよう申請することができる。
(3) 法律および行政規則に別段の定めがない限り、上記(1)項の紛争または請求に係る仲裁による解決に
ついては、中国の法律が適用される。
(4) 仲裁機関の裁定は最終的なものであり、すべての当事者に対して拘束力を有する。
優先株式についての特則
優先株式の管理
法律、行政法規、省令、当行株式の上場地の証券規制当局の規則および当行の定款において別段の規定の
ない限り、優先株主の権利および義務ならびに優先株式の管理は、当行の定款の普通株式に関する規則に準
拠する。
優先株式の発行規模の制限
当行が発行する優先株式の数は、当該時点で発行されている普通株式の総数の50%を超えず、かつ、優先
株式の発行により調達される資本金は、当行の当該発行前の純資産の50%を超えないものとする(ただし、
償還または転換済みの優先株式を除く。)。
強制転換
商業銀行の資本規制についての関連規則に従い、当行は、優先株式の普通株式への強制転換を規律する条
件を定めることができる。特定の転換事由が生じた場合に、当行は優先株式の発行時に定めた転換価格およ
び換価額により優先株式を普通株式に転換する。優先株式の普通株式への強制転換をする場合、当行は、国
務院の銀行業規制当局にこれを報告し、その承認を得るものとする。
プット・オプション(取得請求権)および償還
優先株主は、当行が発行する優先株式を売り戻すことができない。当行は、優先株式の募集完了の5年後
から、国務院の銀行業規制当局の承認を得ることを条件に、また、関連要件を遵守して優先株式の全部また
は一部を償還することができる。優先株式の償還期間は、優先株式の発行時に定めた償還開始日に開始し、
全優先株式の償還または転換の完了日に終了する。優先株式の償還に伴い発行済優先株式の総数が減少す
る。
当行による優先株式償還権の行使は、以下のいずれかの条件が充足されていることを前提とする。
・ 当行は、償還する優先株式について同様またはそれ以上の内容の資本への借換えを行い、当該借換え
は、当行の収益力が持続可能であることを前提に実施されること。
・ 償還後も引き続き当行の自己資本比率が 旧 CBRCの自己資本要件を十分に超えること。
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内資優先株式の償還価格は、額面金額相当額に、配当宣言されたが当該配当期間について未払いの金額を
加算した金額とする。
外資優先株式の償還価格は、発行価格相当額に、配当宣言されたが当該配当期間について未払いの金額を
加算した金額とする。
優先株主の権利
当行の優先株主は、以下についての権利を有する。
・ 株主に対する配当の支払いに優先して配当を受ける権利
・ 清算に伴う当行の残余資産について、株主の権利に優先して分配を受ける権利
・ 当行の定款に定める事由の発生に伴い、当行の株主総会に出席し議決権を行使する権利
・ 当行の定款に定める事由の発生に伴い、当行の定款の要件に従い議決権を復活させる権利
・ 当行の事業運営を監督し、提案または質問を提起する権利
・ 当行の特定の書類すなわち当行の定款、株主名簿、社債権者名簿、株主総会議事録、取締役会決議、
監査役会決議および財務報告書を検査する権利
・ その他法律、行政法規、規則および当行の定款により優先株主に付与される権利
議決権の算定
以下に関する決議の採択には、普通株式による投票および議決権が復活した優先株式による投票のみを算
入する。
・ 臨時株主総会の招集請求
・ 株主総会の招集および主宰
・ 株主総会に対する議案の提出
・ 取締役、株主代表者の監査役および外部監査役の指名
・ 当行の定款に定義される「支配株主」の特定
・ 当行の定款に定める、当行の独立取締役になることができない者の決定
・ 中国証券法に従い、当行の主要株主10名およびその保有株式数ならびに当行普通株式の5%以上を保
有する株主の特定
・ その他法律、行政法規、規則および当行の定款において規定される事項
議決権の制限
以下に関する決議の採択の場合でない限り、優先株式は、優先株主に対して当行の株主総会に出席し、議
決権を行使する権利を付与しない。
・ 優先株式に関する当行の定款の変更
・ 当行の登録資本金の10%(個別であるか合計であるかは問わない。)を超える減少
・ 合併、分割、解散または当行の企業形態の変更
・ 優先株式の発行
・ その他当行の定款に定める優先株主の権利を変更または廃止する事由
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上記に関する決議が採択される場合、優先株主に対する株主総会の招集通知は、当行の定款に定める普通
株主に適用される通知手続に従いなされるものとする。優先株主は、上記の事項について別途種類株主総会
において議決権を行使する権利を有し、優先株式1株につき1議決権とする(当行が優先株式を保有する場
合であっても、当行は議決権を行使する権利を認められない。)。
上記に関する決議は、当該株主総会に出席した普通株主(議決権が復活した優先株主を含む。)が保有す
る議決権の3分の2を超える場合および優先株主(議決権が復活した優先株主を除く。)が保有する議決権
の3分の2を超える場合に可決される。株主総会が優先株式の発行に関する事項について招集される場合、
当行は、株主に対してオンライン投票を認めるものとする。
議決権の復活
当行が、優先株主に対して、合計3年間または連続2年間にわたり所定の配当をしない場合、当該年度に
ついて無配当とする提案を株主総会が承認した日の翌日から、優先株主は、株主総会に出席し議決権を(普
通株主と共に)行使することができる。
優先株式について、配当は累積せず、当行が当該年度について所定の配当が全額支払われるまで議決権が
一時的に復活する。
優先株式の議決権は、以下の算式に基づき算定する。
・ 議決権が復活した優先株式について、議決権の算式は以下の通りとする。
R* = W*/S* × 算定用為替レート。議決権の端数は直近の整数に切り捨てる。
上記算式において「R*」は、各外資優先株主の外資優先株式から復活できるH株式の議決権を示
し、「W*」は、各外資優先株主が保有する外資優先株式の金額を示し、「S*」は、外資優先株式発行
計画についての取締役会決議の発表日前20取引日間の当行H株式の平均取引価格を示し、「算定用為
替レート」は、外資優先株式発行計画についての取締役会決議の発表日直前の取引日に中国外貨取引
センターが発表する人民元セントラル・パリティ・レート(Central Parity Rate)に基づく香港ド
ルと当該外資優先株式の通貨のクロスレートを示す。
・ 議決権が復活した内資優先株式について、議決権の算式は以下の通りとする。
R = W/S。議決権の端数は直近の整数に切り捨てる。
上記算式において「R」は、各内資優先株式の内資優先株式から復活できるA株式の議決権を示
し、「W」は、各内資優先株主が保有する内資優先株式の額面金額を示し、「S」は、内資優先株式発
行計画についての取締役会決議の公告日前20取引日間の当行A株式の平均取引価格を示す。
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利益配当の優先順位
当行が発行する優先株式の発行済優先株式の利率は、基準金利に固定金利の金利差を加えたものとし、異
なる期間について調整されうる。当該利率は、優先株式発行後の特定期間については調整をしないが、その
後、基準金利は5年に1回調整される。利率は、当該各期間中変更されない。
優先株式は、配当において普通株式に優先する。優先株主は、所定のクーポンレートおよび支払条件に従
い配当を受ける権利を有する。当行は、優先株主に対する配当を現金で支払う。また、当行が優先株主に対
し所定の配当を宣言せず、かつ株主総会の決定する任意利益積立金への積立てをしない場合、当行は株主に
対する分配をしてはならない。
当行の中核的自己資本(tier 1)を補強するために発行される優先株式の株主は、配当がクーポンレート
で支払われた場合には、これに加えて当行の利益の分配を受けることができない。商業銀行の資本規制に基
づく関連規則により、当行は当該優先株式についての配当の支払いの全部または一部を取り消す権利を有
し、これは債務不履行事由に該当しないものとする。優先株主に対する配当の未払金額は、翌配当年度に累
積されない。
残余資産分配の優先順位
当行が解散または破産および清算される場合、法律、行政法規、規則および当行の定款に従いなされた清
算後の当行の残余資産は、まず優先株主に分配される。優先株主は、発行済みかつ社外優先株式の額面金額
総額相当額に、配当宣言されたが当該配当期間について未払いの金額を加算した金額を受けることができ
る。残余資産が十分でない場合、内資優先株主と外資優先株主に対し、比例配分して分配される。
2 【外国為替管理制度】
中国の法定通貨は人民元であり、外国為替管理の対象となっているため、外国為替に自由に交換することがで
きない。中央人民銀行から権限を付与された中国国家外国為替管理局(以下「SAFE」という。)は、外国為替管理
規則の執行を含む、外国為替に関連する一切の事項を管理するものとする。
1994年、経常収支項目における人民元の条件付交換が実施され、また、人民元の公定レートおよび人民元の市
場レートが統一された。1996年1月29日、中国国務院は、1996年4月1日に発効した新しい「中華人民共和国外
国為替管理規則」(以下「外国為替管理規則」という。)を公布した。外国為替管理規則は、すべての国際的支払
いおよび移転を経常収支項目および資本収支項目に分類する。資本収支項目とは異なり、経常収支項目の取引
は、SAFEの承認を得る必要はない。続いて外国為替管理規則が、1997年1月14日に改正され、中国は国際的な経
常収支の支払いおよび移転を制限してはならないことが明確になった。
1996年6月20日、中国人民銀行は、1996年7月1日発効の「外国為替決済、売却および支払業務取扱管理規
則」(以下「決済規則」という。)を公表した。決済規則は、経常収支項目に関する外国為替の交換について残存
する規制を廃止した。ただし、資本収支項目に関する外国為替取引については、継続して既存の制限がなされ
る。
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1994年1月1日より、人民元についての従来の二重為替相場制は廃止され、需要および供給により為替レート
が決定される統制変動相場制となった。中国人民銀行は、毎日、人民元対米ドルの為替レートを設定し、かつ公
表した。この為替レートは、前日の銀行間外国為替市場における人民元および米ドルの取引価格を参照して決定
された。中国人民銀行はまた、国際外国為替市場の交換レートを参照して、他の主要通貨に対する人民元の交換
レートを公表した。外国為替取引において、指定外国為替銀行は、一定の範囲内において、中国人民銀行が公表
した交換レートに従い、適用ある交換レートを自由に決定することができた。
中国人民銀行は、2005年7月21日以降、中国が市場の需給に基づく、かつ通貨バスケットを参照した管理変動
相場制を導入することを発表した。人民元の為替レートはこれにより、米ドルにペッグされたものではなくなっ
た。中国人民銀行は、各営業日ごとに、人民元に対して、銀行間外国為替市場で取引された米ドル等の外国通貨
の終値を発表し、翌営業日の人民元の取引の中心レートを設定する。
2006年1月4日以降、中国人民銀行は、銀行間現物外国為替市場においてマッチングに基づく制度を維持しつ
つ、照会制度を導入することで、人民元の中心換算レートの設定方法を改善している。さらに、中国人民銀行
は、銀行間外国為替市場にマーケットメイク制度を導入することで、市場に流動性を提供した。照会制度の導入
後、米ドルに対する人民元の中心レートの設定は、終値に基づき、銀行間外国為替市場における価格マッチング
取引により決定された事前取決めから、中国人民銀行が、各営業日の午前9時15分に、照会制度に基づき対米ド
ルの人民元の中心レートを決定および発表することを中国外国為替取引システムに対して授権する制度へと変化
を遂げた。
2008年8月1日、国務院は外国為替管理規則を改正し、かかる改正に従って、経常勘定から生じる外国為替に
よる収入は、中国の関連規則に従って留保するかまたは指定外国為替銀行に対して売却することができるように
なった。中国国外の当事者からの借入れまたは債券および株式の発行による外国為替収入(例えば、当行が海外
での株式売却により受領した外国為替収入)は、指定外国為替銀行に対する売却を要求されず、指定外国為替銀
行の外国為替口座に預託することができる。
経常収支項目に関する外国との取引を必要とする中国の企業は、SAFEの承認を得ることなく、その必要性に関
する有効な証明により、指定外国為替銀行における外国為替口座への支払いをすることができる。規則に基づき
株主に対して外国為替による配当を行うことが要求される中国の企業(当行を含む。)は、利益配当に関するその
株主総会の決議に基づき、その外国為替口座からの支払い、または指定外国為替銀行における支払いのための人
民元から他の通貨への交換を行うことができる。
直接投資および資本拠出のような資本収支項目に関する外国為替の交換は、依然としてSAFEおよびその支店の
関連登録を受けなければならない。
H株式の配当は、人民元建で宣言されるが、香港ドルにより支払われる。
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3 【課税上の取扱い】
(1) 中国における租税
以下は、H株式を購入し、これを資本資産として保有する投資家による当該H株式の保有および処分に関連
した中国における一定の税務上の取扱いの議論である。本概要は、H株式を保有することによる重大な税務上
の取扱いすべてを扱うことを企図するものではなく、また投資家個々の特定の状況を考慮していない。本概要
は、本書作成日現在効力を有している中国の税法に基づく。これらはすべて、今後変更される(または解釈が
変更される)可能性があり、かかる変更は遡及的効力を有することがある。
本議論は、所得税、キャピタルゲイン税、印紙税および遺産税以外の中国の課税制度の側面について扱うも
のではない。投資家は、H株式の保有および処分による中国、香港およびその他の税務上の取扱いについて、
税務顧問に相談されたい。
配当に対する課税
個人投資家
「中国個人所得税法」(201 8 年 8 月3 1 日改正、201 9 年 1 月1日施行)に基づき、中国企業により支払わ
れる配当は、通常、一律20%の税率で賦課される中国源泉所得税の課税対象となる。関連する中国の税規
則に従い、海外投資を行わない中国の内国企業が香港において発行した株式から海外居住の個人株主が受
領する配当は、個人所得税の対象となり、源泉徴収代理人により源泉徴収される。ただし、海外投資を行
わない中国の内国企業が香港において発行した株式の海外居住個人株主は、同人が居住する国と中国との
間で調印された租税条約、中国と同人が居住する国の間の税の取扱い、または中国本土と香港およびマカ
オの間の税の取扱いに基づく優遇税制措置を受ける権利を有する。したがって当行は、関連ある税規則ま
たは租税条約により特段の定めがないかぎり、H株式の個人株主に分配する配当の10%を個人所得税とし
て源泉徴収する。
企業
201 8 年 12 月2 9 日に改正および施行された「中国企業所得税法」(以下「企業所得税法」という。)および
国務院により公布され2008年1月1日付で施行された「中国企業所得税法施行規則」ならびに2008年11月
6日に国家税務総局(以下「SAT」という。)により公布された、中国の居住者である企業がH株式を保有
する海外非居住者である企業に支払う配当に対する企業所得税の源泉徴収にかかる問題に関する中国国家
税務総局通知に基づき、当行は、当行のH株式の株主名簿に記載された非居住者の法人株主への配当の分
配に先立ち、10%の税率で法人所得税を源泉徴収しなければならない。
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キャピタルゲインに対する課税
個人投資家
H株式の個人保有者については、「中国個人所得税法実施条例」(201 8 年 12 月1 8 日改正、201 9 年 1 月1
日施行)において、株式の売却により実現した利益は、当該利益額に対して20%の税率で所得税の課税対
象となる旨の規定がなされており、また財政部に、かかる税金の徴収の仕組みに関する課税の規則の詳細
を定め、国務院の承認を受けてそれを実施する権限が授与された。しかしながら、株式の売却による譲渡
益についてはこれまで課税はなされていない。個人の株式売却による利益は、SATおよび財政部により
1998年3月30日に発布された通達に基づき、一時的に個人所得税の課税を免除されている。
企業
企業所得税法に基づき、中国国内に恒久的施設を有さない企業が受領する中国企業の外資株に関する
キャピタルゲインには10%のキャピタルゲイン税が課される。
中国における配当およびキャピタルゲイン課税に対する租税条約の影響
中国国内に居住していないが、中国との間に二重課税防止条約を締結している国に居住している投資家
は、中国に居住していない当行投資家に支払われる配当について源泉所得税の軽減を受けることができ
る。中国は現在、多くの国と二重課税防止条約を締結しているが、これには、オーストラリア、カナダ、
フランス、ドイツ、日本、マレーシア、オランダ、シンガポール、英国および米国が含まれる。
「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための中国政府と日本政府との間の条
約」(以下「租税条約」という。)は、1984年6月26日に施行された。中国企業がH株式の適格日本人保
有者に支払う配当については、中国は、租税条約第10条に基づき配当総額の10%を限度として所得税を課
すことができる。かかる規定は、配当の支払の源泉たる利益に関する企業への課税には影響を及ぼさな
い。「適格日本人保有者」とは、(1)租税条約上、日本に居住しており、(2)中国国内に恒久的施設または
固定的施設(H株式が帰属せしめられ、そこを通じて実質的所有者が事業を行っているか、または行って
いた施設)を維持しておらず、かつ(3)H株式に関して得られた利益に関し、租税条約上の実質所有者で
ある日本人保有者をいう。租税条約は、キャピタルゲインに関する優遇税率は定めていない。
中国のその他の税務上の取扱い
中国印紙税
中国印紙税は、「印紙税に関する中国暫定規定」(1988年10月1日施行、2011年1月8日に改正)によ
り、中国人以外の投資家による中国国外でのH株式の取得・処分については適用されない。当該暫定規定
において、中国印紙税は、中国国内において作成または受領され、中国において法的拘束力を有し、かつ
同国の法律の保護を受ける文書に対してのみ課税される旨規定されている。
遺産税
中国の法律に基づく遺産税の納税義務は、中国人でないH株式保有者については発生しない。
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(2) 香港における租税
配当に対する課税
香港税務局の現行実務のもとでは、当行によって支払われる配当について香港でいかなる税金も支払う必
要がない。
キャピタルゲイン税
香港には、(H株式等の)財産の売却によるキャピタルゲイン税は存在しない。ただし、香港で取引、専門
職または事業を行い、かかる取引、専門職または事業から香港で所得を得る者による財産の売却の取引利益
は、香港の利益税を課せられる。現在、法人の利益税は課税対象利益 に対して最高 16.5%の税率で課せられ
る。 法人化されていない事業 の利益税の最高税率は15%である。
香港証券取引所で行われたH株式の売却益は、香港において発生したとみなされる。したがって、香港で
証券の売買事業を行う者は、香港証券取引所で行われたH株式の売却益に関して、利益税を納税する義務を
負う。
印紙税
香港の印紙税は、現在、H株式の対価またはH株式の市場価値のいずれか高い方に対する0.1%の従価税
率で課税されており、H株式の売買は、買い手については購入毎に、売り手については売却毎に、香港の印
紙税の納税義務がある(すなわち、現在、H株式の標準的な売買取引については、合計0.2%の税率で課税さ
れている。)。このほか、H株式の譲渡証書毎に、現在5香港ドルの固定税が支払われる。取引当事者の一
方が香港外の居住者であり、支払うべき当該従価税を支払わない場合、未払税は譲渡証書(もしあれば)に対
して課され、譲受人が支払うものとする。印紙税が納税期日までに支払われない場合には、支払うべき印紙
税の最大10倍の罰金が課されることがある。
遺産税
2006年2月11日から、「2005年歳入(遺産税の廃止)条例」が香港で施行された。同条例に基づき、同日以
降に死亡した者の遺産に関して香港で遺産税は課されなくなった。2006年2月11日以降にH株式の所持人が
死亡した場合、香港では遺産税は課せられず、代理承認申請のための遺産税手続書も不要である。
(3) 日本における課税
適用ある租税条約、所得税法、法人税法、相続税法およびその他の日本の現行の関連法令に従い、またこれ
らの法令上の制限を受けるが、日本の個人または日本法人の所得(および、個人に関しては相続財産)が上記の
中国または香港税制に関する記述に述べられた中国または香港の租税の対象となる場合、かかる中国または香
港の租税は、当該個人または法人が日本において支払うこととなる租税の計算上税額控除の対象となる場合が
ある。なお、「第8 - 2 日本における実質株主の権利行使方法 - (5)本邦における配当等に関する課税上の
取扱い」も参照されたい。
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4 【法律意見】
当行の中国における社外法律顧問である金杜法律事務所(King & Wood Mallesons)により、以下の趣旨を含む
法律意見が提出されている。
(1) 当行は、中国の法律に基づき有限責任株式会社として適法に設立され、有効に存続している。
(2) 本書中の中国の法令に関する記述はすべて、あらゆる重要な点において正確である。
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第2 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
下記の財務データおよび指標は、IFRSに従って作成されており、別段に表示されない限り、当行およびその子
会社の連結ベースの金額(人民元建)である。
(単位:別段に表示されない限り、百万人民元)
12月31日現在/12月31日に終了した事業年度
2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
営業収益 725,121 675,654 641,681 668,733 634,858
営業利益 369,324 361,691 360,675 360,905 359,455
当期純利益 298,723 287,451 279,106 277,720 276,286
親会社の株主に帰属する
297,676 286,049 278,249 277,131 275,811
当期純利益
非支配持分に帰属する
1,047 1,402 857 589 475
当期純利益
総資産額 27,699,540 26,087,043 24,137,265 22,209,780 20,609,953
株式資本 356,407 356,407 356,407 356,407 353,495
親会社の株主に
2,330,001 2,127,491 1,969,751 1,789,474 1,530,859
帰属する資本
1株当たり純資産
6.30 5.73 5.29 4.80 4.23
(1)
(人民元)
1株当たり基本的利益
0.82 0.79 0.77 0.77 0.78
(人民元)
営業活動により生じた
724,133 770,864 239,221 1,131,764 201,457
純キャッシュ・フロー
投資活動により生じた
(731,745) (489,258) (468,932) (666,961) (146,741)
純キャッシュ・フロー
財務活動により生じた
(35,924) 81,835 (50,786) (36,732) (26,344)
純キャッシュ・フロー
現金および現金同等物
1,509,523 1,520,330 1,189,368 1,441,298 994,264
期末残高
従業員数(人) 449,296 453,048 461,749 466,346 462,282
(2)
1.11 1.14 1.20 1.30 1.40
平均総資産利益率(%)
加重平均株主資本利益率
13.79 14.35 15.24 17.10 19.96
(3)
(%)
(4)
15.39 15.14 14.61 15.22 14.53
自己資本比率(%)
株主資本比率(%) 8.47 8.21 8.21 8.11 7.46
注
(1) その他の資本性商品を控除した期末現在の親会社の株主に帰属する資本を、期末現在の普通株式総数で除して計算され
ている。
(2) 当期純利益を期首現在および期末現在の総資産の平均残高で除して計算されている。
(3) CSRCが公布した「有価証券を公募する会社による情報開示の作成および提出に関する規則第9号-純資産利益率および
一株当たり利益の計算および開示」(2010年改正)に従い計算されている。
(4) 資本管理規則に従って計算されている。
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2 【沿革】
当行は、中国人民銀行が中国の中央銀行として正式に指定されたことを受けて、中国人民銀行の商業銀行とし
ての機能のすべてを承継するために、1984年1月1日に国有専門銀行として設立された。
当行は設立以来、国有専門銀行から国有商業銀行へ、後に有限責任株式会社である商業銀行へと発展してき
た。
1984年から1993年まで、当行は国有専門銀行として営業していた。当該期間中、当行はその業務および販売網
を拡大し、財務会計および管理システムを強化し、ならびに収益性およびリスク管理を重点的に強化した。
当行は、国有専門銀行のほぼすべての政策貸付の機能を承継して後に共に4大商業銀行となった政策銀行3行
の設立に続いて、1994年に国有商業銀行となった。1994年から2004年に当行は、当行のビジネス慣行が現代の商
業銀行の慣行と一致するように、資本基盤、業務実績、資産の質、リスク管理、情報技術、内部統制、会社組
織、業務プロセスおよび経営の透明性の強化など、業務の多くの点について大幅に改善した。
当行は、2005年10月28日付で、財政部および匯金公司を発起人として国有商業銀行から有限責任株式会社へ変
更され、当行の商号は中国工商銀行股 份 有限公司に変更された。中国工商銀行のすべての事業、資産および負債
は、当該変更により中国工商銀行股 份 有限公司が承継した。
2006年10月27日、当行は、上海証券取引所および香港証券取引所に同時に上場した。
3 【事業の内容】
当行は主に中国国内で業務を行っており、法人金融、個人金融および資金業務を含む広範な商業銀行商品およ
びサービスを提供している。
法人金融
法人金融セグメントは、法人、政府機関および金融機関に対する金融商品とサービスの提供を行っている。こ
うした金融商品とサービスには、法人向け貸出、貿易金融、預金取扱業務、法人向け資産運用サービス、保管業
務および各種法人向け各種仲介サービス等が含まれる。
個人金融
個人金融セグメントは、個人顧客に対する金融商品とサービスの提供を行っている。こうした金融商品とサー
ビスには、個人向け貸出、預金取扱業務、カード事業、個人向け資産運用サービスおよび各種個人向け仲介サー
ビス等が含まれる。
資金業務
資金事業セグメントは、当グループの資金業務を行っている。資金業務は、自己勘定あるいは顧客のためのマ
ネー・マーケット取引、有価証券投資、外国為替取引およびデリバティブのポジションの保有等を行っている。
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4 【関係会社の状況】
親会社
以下の情報は、2018年12月31日現在の株主名簿に基づいている。
名称 住所 登録資本 主たる事業内容 議決権割合
資産管理
中華人民共和国
(中国政府を代理して
北京市東城区
(1)
828,209百万人民元 一定の金融機関に対す 34.71%
匯金公司
朝陽門北大街1号
る投資家の権利および
新保利大厦
義務の行使を行う。)
中国北京市西城区
財政部 ― 政府組織 34.60%
三里河
注
(1) 匯金公司は、完全国有有限責任会社であり、中国政府を代理して当行における投資家としての権利および義務を行使
している。
連結子会社および関連会社
海外子会社
中国工商銀行(亜州)有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Asia) Limited) (以下「ICBC
(アジア)」という。)
ICBC(アジア)は、当行が100%保有する香港において登録された銀行である。同行の発行済株式資本は
36,379百万香港ドルである。同行は総合的な商業銀行業務を行っており、主要な業務には、商業信用貸付、貿
易金融、投資業務、リテール銀行業務、電子バンキング、カストディ業務、クレジットカードならびに新規株
式公開および配当実施等に関わる受託銀行業務が含まれる。2018年末時点において、ICBC(アジア)の総資産
額は114,258百万米ドル、純資産額は14,982百万米ドルであり、同年の純利益は1,057百万米ドルであった。
工銀国際控股有限公司(ICBC International Holdings Limited) (以下「ICBCインターナショナル」とい
う。)
ICBCインターナショナルは、当行が100%保有する、香港において認可を受けた金融業務のための統合プ
ラットフォームである。同行の払込済資本金は4,882百万香港ドルである。同行は、主にコーポレートファイ
ナンス、投資管理、販売取引、資産管理等の各種金融業務を行っている。2018年末時点において、ICBCイン
ターナショナルの総資産額は8,175百万米ドル、純資産額は1,112百万米ドルであり、同年の純利益は196百万
米ドルであった。
中国工商銀行(澳門)股 份 有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Macau) Limited) (以下
「ICBC(マカオ)」という。)
ICBC(マカオ)は、現地最大の銀行法人である。同行の株式資本は589百万マカオ・パタカで、その89.33%
の持分を当行が保有している。同行は、主に預金、貸出、貿易金融および国際決済等の総合的な商業銀行業務
を行っている。2018年末時点において、ICBC(マカオ)の総資産額は38,517百万米ドル、純資産額は2,837百
万米ドルであり、同年の純利益は315百万米ドルであった。
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中国工商銀行股イ分有限公司(E05987)
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中国工商銀行(印度尼西亜)有限公司(PT. Bank ICBC Indonesia) (以下「ICBC(インドネシア)」とい
う。)
ICBC(インドネシア)は、インドネシアにおいて登記された当行の子会社であり、完全認可を受けた商業銀
行である。同行の払込済資本金は3.69兆インドネシア・ルピアで、その98.61%の持分を当行が保有してい
る。ICBC(インドネシア)は、主に預金、貸出、貿易金融、決済、代理サービス、銀行間貸借取引、外国為替
等の金融業務に特化している。2018年末時点において、ICBC(インドネシア)の総資産額は3,714百万米ド
ル、純資産額は370百万米ドルであり、同年の純利益は27.69百万米ドルであった。
中国工商銀行馬来西亜有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Malaysia) Berhad) (以下
「ICBC(マレーシア)」という。)
ICBC(マレーシア)は、マレーシアにおいて設立された当行の完全子会社である。同行の払込済資本金は
833百万マレーシア・リンギットで、同行は商業銀行業務全般を提供することができる。2018年末時点におい
て、ICBC(マレーシア)の総資産額は1,162百万米ドル、純資産額は266百万米ドルであり、同年の純利益は
18.96百万米ドルであった。
中国工商銀行(泰国)股 份 有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Thai) Public Company
Limited) (以下「ICBC(タイ)」という。)
ICBC(タイ)は、当行のタイ子会社である。同行の株式資本は20,132百万タイ・バーツで、その97.86%の
持分を当行が保有している。ICBC(タイ)は、包括的な銀行免許を有しており、預金、貸出、貿易金融、送
金、決済、リースおよびコンサルティングを含む様々な業務を行っている。2018年末時点において、ICBC(タ
イ)の総資産額は7,019百万米ドル、純資産額は893百万米ドルであり、同年の純利益は58.94百万米ドルで
あった。
中国工商銀行(阿拉木図)股 份 公司(Industrial and Commercial Bank of China (Almaty) Joint Stock
Company) (以下「ICBC(アルマトイ)」という。)
ICBC(アルマトイ)は、カザフスタンにおいて設立された当行の完全子会社であり、株式資本8,933百万カ
ザフスタン・テンゲである。同行は、主に預金、貸出、国際決済、貿易金融、外国為替、保証、口座管理、イ
ンターネット・バンキングおよびバンクカード業務等の商業銀行業務を行っている。2018年末時点において、
ICBC(アルマトイ)の総資産額は429百万米ドル、純資産額は61百万米ドルであり、同年の純利益は11.39百万
米ドルであった。
中国工商銀行(新西蘭)有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (New Zealand) Limited)
(以下「ICBC(ニュージーランド)」という。)
ICBC(ニュージーランド)は、ニュージーランドにおける当行の完全子会社である。同行の払込済資本金は
234百万ニュージーランド・ドルである。ICBC(ニュージーランド)は、口座管理、振替・送金、国際決済、
貿易金融、法人向け与信、住宅ローン、クレジットカード事業等の法人金融業務および個人金融業務を行って
いる。2018年末時点において、ICBC(ニュージーランド)の総資産額は1,432百万米ドル、純資産額は157百万
米ドルであり、同年の純利益は1,700米ドルであった。
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中国工商銀行(欧洲)有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Europe) S.A.) (以下「ICBC
(ヨーロッパ)」という。)
ICBC(ヨーロッパ)は、ルクセンブルクにおいて設立された当行の完全子会社であり、払込済資本金437百
万ユーロである。パリ支店、アムステルダム支店、ブリュッセル支店、ミラノ支店、マドリッド支店およびワ
ルシャワ支店を有するICBC(ヨーロッパ)は、主に貸出、貿易金融、決済、資金業務、投資銀行業務、カスト
ディ業務、フランチャイズ・ウェルスマネジメント等の金融業務を行っている。2018年末時点において、ICBC
(ヨーロッパ)の総資産額は7,851百万米ドル、純資産額は729百万米ドルであり、同年の純利益は8.71百万米
ドルであった。
中国工商銀行(倫敦)有限公司(ICBC (London) PLC) (以下「ICBC(ロンドン)」という。)
ICBC(ロンドン)は、英国において設立された当行の完全子会社であり、払込済資本金200百万米ドルであ
る。同行は、預金・為替、貸出、貿易金融、国際決済、資金清算、代理業務、外国為替取引、リテール銀行業
務等の銀行業務を行っている。2018年末時点において、ICBC(ロンドン)の総資産額は2,378百万米ドル、純
資産額は423百万米ドルであり、同年の純利益は25.42百万米ドルであった。
工銀標準銀行公衆有限公司(ICBC Standard Bank PLC) (以下「ICBCスタンダード」という。)
ICBCスタンダードは、当行の英国子会社である。同行の発行済株式資本は1,083百万米ドルで、その60%の持
分を当行が直接保有している。ICBCスタンダードは、主にベースメタル、貴金属、商品、エネルギー等のグ
ローバル商品取引業務および外国為替、金利、信用、エクイティ等のグローバル金融市場業務を行っている。
2018年末時点において、ICBC スタンダードの総資産額は24,575百万米ドル、純資産額は1,258百万米ドルであ
り、同年の純損失は14.78百万米ドルであった。
中国工商銀行(莫斯科)股 份 公司(Bank ICBC (Joint Stock Company)) (以下「バンクICBC(JSC)」とい
う。)
バンクICBC(JSC)は、ロシアにおいて設立された当行の完全子会社であり、株式資本10,810百万ロシア・
ルーブルである。同行は、主に法人貸出、プロジェクトローン、貿易金融、預金、決済、証券仲買、カスト
ディ業務、フランチャイズ資金業務、証券取引、外国為替、国際資金管理、投資銀行業務、法人向け財務コン
サルティング等の法人金融業務全般および個人金融業務を行っている。2018年末時点において、バンクICBC
(JSC)の総資産額は929百万米ドル、純資産額は175百万米ドルであり、同年の純利益は11.00百万米ドルで
あった。
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中国工商銀行(土耳其)股 份 有限公司(ICBC Turkey Bank Anonim Sirketi) (以下「ICBCトルコ」とい
う。)
ICBCトルコは、当行のトルコ子会社である。同行の株式資本は860百万トルコリラで、その92.84%の持分を
当行が保有している。ICBC(トルコ)は商業銀行業務、投資銀行業務および資産運業務の各免許を有し、預
金、プロジェクトローン、シンジケートローン、貿易金融、中小企業向け融資、投融資アドバイザリー業務、
証券仲買、資産運用等の法人顧客向け総合金融業務、また、預金、消費者金融、住宅ローン、クレジットカー
ド、電子バンキング等の個人顧客向け金融業務を行っている。2018年末時点において、ICBC(トルコ)の総資
産額は3,011百万米ドル、純資産額は228百万米ドルであり、同年の純利益は15.63百万米ドルであった。
中国工商銀行奧地利有限公司(ICBC Austria Bank GmbH) (以下「ICBCオーストリア」という。)
ICBCオーストリアは、オーストリアにおける当行の完全子会社である。同行の株式資本は100百万ユーロで
ある。2018年8月に欧州中央銀行の認可を受け、11月に当地で登記された。ICBCオーストリアは、法人預金、
貸出、貿易金融、国際決済、現金管理、人民元の国際業務、外国為替取引、クロスボーダー投融資についての
財務アドバイザリー等の金融業務を行っている。2018年末時点において、ICBCオーストリアの総資産額は114
百万米ドル、純資産額は114百万米ドルであった。
中国工商銀行(美国)(Industrial and Commercial Bank of China (USA) NA) (以下「ICBC(USA)」とい
う。)
ICBC(USA)は、米国における当行の支配子会社である。同行の払込済資本金は369百万米ドルで、その80%
の持分を当行が保有している。ICBC(USA)は、米国連邦国際資格認証協会(UFIQAC)に登録され、完全な商
業銀行免許を有しており、連邦預金保険公社の加盟銀行である。同行は、預金、貸出、決済・送金、貿易金
融、国際決済、現金管理、電子バンキング、銀行カード等の法人金融業務およびリテール銀行業務を行ってい
る。2018年末時点において、ICBC(USA)の総資産額は2,893百万米ドル、純資産額は418百万米ドルであり、
同年の純利益は25.15百万米ドルであった。
工銀金融服務有限責任公司(Industrial and Commercial Bank of China Financial Services LLC) (以下
「ICBCFS」という。)
ICBCFSは、米国における当行の完全子会社である。同行の払込済資本金は50.00百万米ドルである。同行
は、主にヨーロッパおよびアメリカにおける証券清算業務に特化しており、また、機関顧客向けの証券清算・
融資等の証券仲買業務を行っている。2018年末時点において、ICBCFSの総資産額は27,142百万米ドル、純資産
額は132百万米ドルであり、同年の純損失は21.68百万米ドルであった。
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中国工商 銀 行(加拿大)有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Canada)) (以下「ICBC(カ
ナダ)」という。)
ICBC(カナダ)は、当行のカナダ子会社である。同行の払込済資本金は158.00百万カナダ・ドルで、その
80%の持分を当行が保有している。ICBC(カナダ)は完全な商業銀行免許を有し、預金、貸出、決済、送金、
貿易金融、外国為替取引、資金清算、人民元の国際決済、人民元建て社債、現金管理、電子バンキング、銀行
カード、投資・財務情報コンサルティング業務等の法人金融業務およびリテール銀行業務を行っている。2018
年末時点において、ICBC(カナダ)の総資産額は1,445百万米ドル、純資産額は202百万米ドルであり、同年の
純利益は20.73百万米ドルであった。
中国工商銀行(墨西哥)有限公司(Industrial and Commercial Bank of China Mexico S.A.) (以下「ICBC
(メキシコ)という。」)
ICBC(メキシコ)は、メキシコにおける当行の完全子会社である。同行の払込済資本金は1,597百万メキシ
コペソである。ICBC(メキシコ)は完全な商業銀行免許を有し、法人預金、貸出、国際決済、貿易金融、外国
為替取引その他の業務を行っている。2018年末時点において、ICBC(メキシコ)の総資産額は286百万米ド
ル、純資産額は71百万米ドルであり、同年の純利益は3万米ドルであった。
中国工商 銀 行(巴西)有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Brasil) S.A.) (以下「ICBC
(ブラジル)」という。)
ICBC(ブラジル)は、ブラジルにおける当行の完全子会社である。同行の払込済資本金は202百万ブラジ
ル・レアルである。ICBC(ブラジル)は、預金、貸出、貿易金融、国際決済、資金取引、フランチャイズ・
ウェルスマネジメント、財務アドバイザリー業務等の商業銀行業務および投資銀行業務を行っている。2018年
末時点において、ICBC(ブラジル)の総資産額は384百万米ドル、純資産額は56百万米ドルであり、同年の純
利益は0.20百万米ドルであった。
中国工商 銀 行(秘魯)有限公司(ICBC Peru Bank) (以下「ICBC(ペルー)」という。)
ICBC(ペルー)は、ペルーにおける当行の完全子会社である。同行の払込済資本金は100百万米ドルであ
る。ICBC(ペルー)は完全な商業銀行免許を有し、法人預金、貸出、ファイナンス・リース、国際決済、貿易
金融、外国為替取引、電子バンキングその他の業務を行っている。2018年末時点において、ICBC(ペルー)の
総資産額は291百万米ドル、純資産額は75百万米ドルであり、同年の純損失は1.09百万米ドルであった。
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中国工商 銀 行(阿根廷)股 份 有限公司(Industrial and Commercial Bank of China (Argentina) S.A.) (以
下「ICBC(アルゼンチン)」という。)
ICBC(アルゼンチン)は、アルゼンチンにおける当行の支配子会社である。同行の株式資本は1,345百万ア
ルゼンチン・ペソで、その80%の持分を当行が保有している。ICBC(アルゼンチン)は完全な商業銀行免許を
有し、運転資金ローン、シンジケートローン、ストラクチャードファイナンス、貿易金融、個人貸出、自動車
ローン、外国為替直物および先渡取引、金融市場業務、現金管理、投資銀行業務、債券引受け、資産受託業
務、リース、国際決済、電子バンキング、クレジットカード、資産運用等の総合的商業銀行業務を行ってい
る。2018年末時点において、ICBC(アルゼンチン)の総資産額は4,785百万米ドル、純資産額は424百万米ドル
であり、同年の純利益は138百万米ドルであった。
主要国内子会社
工銀瑞信基金管理有限公司(ICBC Credit Suisse Asset Management Co., Ltd.) (以下「ICBCクレディ・ス
イス・アセット・マネジメント」という。)
ICBCクレディ・スイス・アセット・マネジメントは、当行の子会社であり、同社の払込済資本金は200百万
人民元で、その80%の持分を当行が保有している。同社は、主にファンドの募集、ファンドの販売、資産運用
その他CSRCによって承認された業務を行い、ミューチュアルファンド、適格国内機関投資家(QDII)、企業年
金、特定資産運用、社会保障ファンドの国内・国外投資運用会社、人民元適格外国機関投資家(RQFII)、保
険資産運用、非上場資産運用、職業年金、基本年金保険投資管理会社等多くの事業資格を有している。同社
は、業界においても極めて総合的な資格を有するファンド会社の一つである。ICBCクレディ・スイス・アセッ
ト・マネジメントの傘下にICBCクレディ・スイス・アセット・マネジメント(インターナショナル)・カンパ
ニー・リミテッドとICBCクレディ・スイス・インベストメント・マネジメント・カンパニー・リミテッドがあ
る。2018年末時点において、ICBCクレディ・スイス・アセット・マネジメントは合計122のミューチュアル
ファンド、520件を超える企業年金口座、分別管理口座および非上場資産ポートフォリオを運用し、運用資産
は1.31兆人民元となった。同社の総資産額は9,103百万人民元、純資産額は7,801百万人民元であり、同年の純
利益は1,496百万人民元であった。
工銀金融租賃有限公司(ICBC Financial Leasing Co., Ltd.) (以下「ICBCリーシング」という。)
ICBCリーシングは、当行の完全子会社であり、同社の払込済資本金は180億人民元である。同社は、主に航
空、船舶、電力・エネルギー、鉄道、施設製造等の重要分野の大型設備のファイナンスリースを行っている。
このほか、リース資産取引、投資資産の証券化、資産運用およびエコノミックコンサルティングを含む様々な
金融・産業業務を行っている。2018年末時点において、ICBCリーシングの総資産額は271,504百万人民元、純
資産額は32,572百万人民元であり、同年の純利益は3,215百万人民元であった。
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工銀安盛人寿保険有限公司(ICBC-AXA Assurance Co., Ltd.) (以下「ICBCアクサ」という。)
ICBCアクサは、当行の子会社であり、同社の払込済資本金は12,505百万人民元で、その60%の持分を当行が
保有している。ICBCアクサは、生命保険、医療保険、傷害保険等の各種保険業務事業、かかる事業の再保険、
国の法令によって保険資金の利用が認められている事業およびその他CBIRCによって承認された事業を行って
いる。2018年末時点において、ICBCアクサの総資産額は119,041百万人民元、純資産額は13,468百万人民元で
あり、同年の純利益は94百万人民元であった。
工銀金融資 產 投資有限公司(ICBC Financial Asset Investment Co., Limited) (以下「ICBCインベストメン
ト」という。)
ICBCインベストメントは、当行の完全子会社であり、同行の登録資本は120億人民元である。同行は、国務
院の承認を受けて中国で初めて試験的に債務の株式化を行う銀行の一つである。同行は、銀行以外の金融機関
のフランチャイズライセンスを取得しており、主に債務の株式化とその付随業務を行っている。2018年、ICBC
インベストメントは、債務の株式化を行うプライベート・エクイティ・ファンドマネジャーとして初のライセ
ンスを受け、プライベート・エクイティ・ファンド管理を行う子会社工銀資本管理有限公司(ICBC Capital
Management Co., Ltd.)を設立した。 2018年末時点において、ICBCインベストメントの総資産額は43,307百
万人民元、純資産額は13,065百万人民元であり、同年の純利益は550百万人民元であった。
主要持分出資会社
標準銀行集団有限公司(Standard Bank Group Limited) (以下「スタンダード・バンク」という。)
スタンダード・バンクはアフリカにおける最大の商業銀行である。同行の業務範囲は、商業銀行業務、投資
銀行業務、生命保険業務その他の分野である。当行はスタンダード・バンクの20.08%の普通株式を保有して
いる。双方にとって利益になる協力をすることを基盤として、双方ともに、持分提携、顧客開拓、プロジェク
トファイナンス、商品刷新、リスク管理、情報技術および人員交流において引き続き協力した。2018年末時点
において、スタンダード・バンクの総資産額は2,126,962百万南アフリカ・ランド、純資産額は199,063百万南
アフリカ・ランドであり、同年の純利益は27,453百万南アフリカ・ランドであった。
子会社、関連会社および共同支配企業に関するその他の情報については、「第6-1 財務書類」に掲げる
財務書類注記 注25および注26を参照のこと。
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5 【従業員の状況】
2018年末現在、当行の従業員総数は449,296人で、これは前年末から3,752人の減少であった。うち6,660人が
国内子会社の従業員、15,687人が海外事業所の現地採用従業員であった。国内の従業員が従事するセグメント
は、法人金融業務11.5%、個人金融業務41.5%、財務・会計・資金・運営管理業務14.8%、管理業務6.1%、リ
スク・コンプライアンス管理業務5.7%、その他業務20.4%であった。学歴は、国内の従業員の7.3%が修士号以
上、54.6%が学士号、27.9%が専科学校卒および10.2%がそれ以下であった。
人材管理
当行は、人材配分の効率と効果を高めるとともに、人材の導入・育成の仕組みを充実させた。「中国工商銀行
2018年-2020年人事計画」を実施し、人員管理と人員配置の最適化を図った。これにより一連のブランド
(「ICBC Star Sailor」サマーインターンシップ制度や「ICBC Star」新卒者採用募集計画等)の構築、地方を
拠点とする組織のための地元住民のソーシャルリクルーティングの強化がなされ、管理職人材の縦横の交流と研
修が活発化され、各店舗における職種設置と職員配置の最適化を進み、より効率よく人材が活用された。また、
新規入行者向けのICBCの特徴を生かした育成システムの整備、当グループ全体での外国人従業員の一元管理の強
化、「グローバル従業員表彰」の人選・表彰が行われた。当行は、報酬インセンティブ・保証制度を充実させる
とともに、より効果的に人材を活用した。
組織構造の最適化は常に実施された。当行は、情報技術(IT)部門と商品革新管理部門をフィンテック部門に
統合し、データセンター(北京)と商品研究開発センターをビジネス研究開発センターに統合するなど、ITライ
ンの制度改革に着手した。これにより、収益部門の人事改革が進み、第2レベル支店でのインクルーシブ・ファ
イナンス部門の構築が速まった。
研修の効率と効果は革新的な方法で改善された。「中国工商銀行2018年-2020年教育訓練プログラム」が整備
された。学習型の銀行づくりに注力し、当グループの事業変革と成長、従業員のニーズを軸に、管理職、専門
職、基礎レベルのフロントライン従業員を対象とした研修を全体的に整備・最適化し、戦略の伝達・検討・交
流、問題解決、学習・共有プラットフォームの役割をより充実させた。当行は、問題解決を主な目的として、パ
フォーマンス向上のための研修を模索し、研修と戦略を密に統合させた。国内外の支店に合わせて研修内容を定
め、専門資格認定制度の改革を進めた。2018年通年で524万人を対象に45,000回(一人当たり平均10.4日)の研
修が実施された。
企業文化が主導的役割を果たした。当行は、「企業文化白書」をまとめ、これを公表し、「誠実さが繁栄をも
たらす」という価値理念を高め、「本源に焦点を合わせ、時代とともに変化し、協同して革新を追求し、永続的
な活力を維持する」というイノベーション文化の核心理念を発表し、「ファイター+行動者」文化の提唱などを
した。「ONE ICBC, ONE FAMILY」というテーマを軸に、海外機関の企業文化に関する特別展を開催したほか、海
外機関の文化的統合を促進するために「That’s China "That’s ICBC」プロジェクトのフェーズIIを開始し
た。また、草の根的文化の展示「That’s ICBC "That’s we」を開催し、優れた文化的理念を店舗や顧客に伝
え、従業員の勤勉さを紹介した。
従業員の給与および給付に関するその他の情報については、「第6-1 財務書類」の財務書類注記 注3(23)
および注11を参照のこと。
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第3 【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
2019年、銀行は、不確定要素が増え、より困難なリスクを伴った、より複雑な経営環境に直面すると一般に予
想されている。この年には困難な課題と戦略的機会の両方がある。
当行は、主として次のような機会に接している。第1に、中国の発展は引き続き戦略的機会に満ちた重要な時
期にあり、長期的な成長のための経済的ポテンシャルが大きく強靭な経済ファンダメンタルズは依然として変
わっていない。このことは当行にとって安定したマクロ環境を創り出し、良好な基盤を提供し、当行に優れた経
営をする自信を深めさせる。第2に、進行中のサプライサイドの構造改革、経済構造のレベルアップの加速、改
革開放の進行、地域協調発展戦略の徹底的な実施などは、事業の発展と金融の革新のための大きな機会を生み出
す。第3に、フィンテックの急速な発展と広範な応用は、当行のスマートバンクへの発展、また金融サービスの
新たな生態圏の構築において新たな勢いと強みをもたらす。
当行は、主として次のような困難な課題に接している。第1に、保護貿易主義およびその他のネガティブな要
因により世界経済のダウンサイドリスクが増大し、このことが銀行の国際化にとって重荷となる。第2に、中国
の安定した経済動向の中で変化が生じ、その中には困難な課題をもたらしうるものもあるため、こうした変化か
ら生じるうる困難が増えることが懸念される。このような状況では、銀行業務、特に資産の質の安定に圧力がか
かる。第3に、グローバル金融市場における混乱の激化および国内の資本市場と債券市場の共鳴リスクによっ
て、銀行の包括的なリスク管理能力が試される。第4に、資産管理に関する新規則により、変革刷新が銀行に
とっての緊急の優先事項となっている。
2019年は中華人民共和国建国70周年の年であり、「小康社会」(いくらかゆとりのある社会)を全面的に実現
するために極めて重要な年である。当行は、安定を確保しつつ進歩を求めるという包括的な原則を堅持する。良
質の経済発展を推進する中で、当行は健全かつ持続可能な発展を実現し、価値創造力、顧客サービス力、リスク
管理力および市場競争力の一層の向上を図る。
・ 当行は引き続きより効果的に実体経済に貢献する。
当行は、投資および融資の一体的発展戦略を忠実に守り、既存分と増加分、与信と与信以外、オンバランス取
引とオフバランス取引、国内事業と海外事業を調整し、リソース配置の効率を向上させ、エネルギーと活力を
活性化させるためにあらゆる主要な財務要素を活用する。当行は、投融資を適切に管理し、「強固、強化、向
上、円滑」を原則にサプライサイドの構造改革の継続を積極的に支援し、金融政策の普及および「6つの安定
化」の達成を助ける。特に、当行は、与信の公平の原則を堅持し、民間企業向け金融サービスと小規模・零細
企業向け金融サービスを継続的に改善するほか、「的確な灌漑」を通じて実体経済に確実に栄養が送られるよ
うに金融資源をよりよく活用する。
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・ 当行は引き続き刷新、改革、革新を進める。
当行は、当行の基盤を強化するとともに刷新・レベルアップを目指すというアプローチを堅持する。あらゆる
チャネル、市場全体のマッピング、バリューチェーンの拡張および全ての事業セグメントの統一的な調整によ
り広範な顧客基盤に貢献し、預金についての当行の競争力の向上を図る。当行は、大きな成長ポテンシャルと
強力な原動力のある複数の戦略的セグメントにおいて新たな成長促進要因と「持続可能性」を育て、全てのセ
グメントが全体として成功するように共に発展させる。当行は、徹底的かつ堅実な改革と革新を続ける。当行
は、既存の改革プロジェクトを進めつつ、いくつかの新たな改革策を次々に進めて発展の質と革新の活力を高
める。当行は、金融の本質とフィンテックにおける当行の強みを活かし、ITアーキテクチャの刷新とスマー
ト・バンキングの整備を全面的に進め、金融サービスの新しい生態圏を構築し、あらゆる面で当行が発展でき
るようにする。
・ 当行は引き続きリスク予防・解決能力を高める。
当行は、安定した成長とリスク防止の間でバランスを取り、積極的に主要なリスクに取り組む。当行は、資産
の質の改善状況の安定に努める取組の一環として、新たな「出血点」(資金流出要因)の管理、既存リスクの
解決および不良債権の処理に重点を置いて、信用リスクのライフサイクル管理のレベルアップを図る。当行
は、「明瞭なビジョン、十分な理解、優れた管理」を原則に、鋭い考察によりリスクの全容がわかるように
し、シンプルかつ透明性の高い事業発展戦略を策定し、当グループ全体にわたる統一的なリスク管理体制を整
備するとともに、包括的なリスク管理を強化し、リスクの相互作用や連鎖を防ぎ、全てのリスクが全体的に管
理されるようにする。
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2【事業等のリスク】
全社的リスク管理体制
全社的リスク管理は、効果的で均衡のとれたリスクガバナンス構造を確立し、堅固かつ慎重なリスク対応文化
を培い、統一されたリスク管理戦略およびリスク選好を策定し、リスク限度額およびリスク管理方針を実行する
ことにより当グループの経営および戦略の目的を実現するために、リスクを効果的に識別、評価、測定、監視、
統制または軽減および報告するプロセスである。当行の全社的リスク管理の原則には、全ての網羅、整合性、独
立性、展望性、有効性の原則等が含まれる。
当行のリスク管理の組織的構造は、取締役会およびその専門委員会、監査役会、上級管理職およびその専門委
員会、リスク管理部門、内部監査部門等で構成される。リスク管理の組織的構造を以下に図示する。
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2018年、当行は、全社的リスク管理の将来予測と効果を向上させるために、引き続き全社的リスク管理体制の
構築を進め、リスク管理技術・方法を改善し、リスクの事前判断力と動的調整力を向上させた。当行は、全社的
リスク管理体制を改善し、階層的リスク選好管理システムを整備し、リスク限度額管理を強化し、最新の規制要
件に従って全ての面で実効的なリスクデータ集計およびリスク報告を強化した。当グループの投融資リスク監視
プラットフォームの導入によりクロス・リスク管理が改善され、また、当グループの統合的リスク管理の改善に
よりノンバンク子会社のリスク管理能力が向上し、また、国外組織の地域リスク管理が強化された。当行は、引
き続き、信用リスク測定システムをよりよく活用するためにレベルアップさせ、ビッグデータなどの先端的フィ
ンテックの活用を積極的に進め、内部格付および不正防止モデルを改善し、リスク測定の精度と安定性を高め
た。当行は、信用リスク管理において内部格付の適用を進めた。当グループの市場リスク管理および将来予測分
析力が向上し、取引監視が強化された。また、銀行勘定の金利リスク管理のためのシステムおよび仕組みも戦
略、方針および手続の更なる改善により強化された。当行は、着実かつ慎重な流動性管理戦略に従って、引き続
き流動性リスク管理システムの基盤を強化した。オペレーショナル・リスク管理ツールの利用法を改善し、デー
タの質の管理を強化し、重要分野・重要点についてのリスク管理に継続的に取り組み、資産運用に関する新規則
に沿って理財業務のリスク管理を強化した。
信用リスク
信用リスク管理
信用リスクとは、借手または取引相手が契約上の義務を履行しないことから銀行業務に生じる損失のリスクで
ある。当行の信用リスクは、主に貸出、資金業務(銀行に対する債権、銀行預け金、リバース・レポ契約、社債
および金融債券投資を含む。)、債権およびオフバランス信用業務(保証、コミットメントおよび金融デリバ
ティブ取引を含む。)に起因するものである。
当行は、信用リスク管理に関する規制要件を厳守し、取締役会と上級管理職が主導して設定する戦略と目的を
真摯に果たし、独立、集中、垂直型の信用リスク管理方式を実施する。取締役会は、信用リスク管理の有効性に
ついて最終責任を負う。上級管理職は、信用リスク管理に関して取締役会が承認した戦略、全体の方針およびシ
ステムの実施に責任を負う。上級管理職の信用リスク管理委員会は、信用リスク管理に関する当行の検討および
意思決定機関であり、信用リスク管理の重大かつ重要な事項の検討に責任を負い、信用リスク管理委員会の業務
規則に従ってその職務を遂行する。各レベルの与信および投資管理部門は、それぞれのレベルでの信用リスク管
理の調整を職務とし、各業務部門は、それぞれの職責に従って各々の業務分野について信用リスク管理方針およ
び基準を実行する。
当行の信用リスク管理には以下の特徴がある。(1)リスク選好の統一。当行の各種信用リスクエクスポー
ジャーに対してリスク選好を統一する。(2)プロセス全体の管理。信用リスク管理は、顧客調査、信用格付、
貸出評価、貸出レビューおよび承認、貸出実行および貸出実行後のモニタリングを含む全プロセスを網羅する。
(3) システム管理。当行は、引き続き信用情報システムの構築を強化し、信用リスクの管理および抑制ツール
を向上させる。(4)与信の厳格管理。事業体と与信関係者について厳格な資格管理をする。(5)信用リスク
業務の統一的なリスク監視を目的とする特別組織を設置する。
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当行は、貸出リスク分類に関する規制要件に従い、貸出金の質を、貸出金の元本および利息の回収の可能性に
基づいて正常先、要注意先、要管理先、破綻懸念先、実質破綻・破綻先の5段階に分類して管理した。当行は、
信用資産の質を精緻に管理し、リスク管理を改善させるために、法人貸出金について12段階の内部分類を実施し
た。当行は、個人信用資産については5段階に分類して管理し、不履行状態にある月数、予想される破綻率、信
用格付、担保状況およびその他の定量的・定性的要因に基づいて貸出金の区分を確定した。
法人貸出金の信用リスク管理
当行は、引き続き与信方針体系の構成を強化した。当行は、顧客を重視する信用リスク管理システムを充実さ
せ、当グループの信用リスクの統一管理を進めた。また、良質の金融資産を担保とする与信業務および優良な金
融機関や政府系事業体の保証付きの与信業務の管理の規範化も進めた。当行は、金融機関の信用リスク管理を強
化するために金融機関に関する信用リスク管理の枠組みを改善し、また、商業引受手形の割引業務の規範化を進
め、法人顧客向け貸出コミットメントの管理を向上させるためにオフバランス取引の管理を強化した。さらに、
保証制度に関する方針を強化し、金融保証機関の管理を強化するために金融保証機関に関する規制要件を厳格に
実施した。
当行は、与信方針の指導的役割を強めた。当行は、地域協調発展戦略に焦点を当て、粤港澳大湾区、雄安新区
および3つのサポートベルトを優先し、主要プロジェクト、国民福祉プロジェクトおよび交通運輸、インフラス
トラクチャー、公共サービス等の重要分野における建設プロジェクトの投融資支援をした。中国を製造強国にす
るための取組を加速させている段階で、当行は、成長のための新たな原動力を育成するために、先進製造業の発
展を加速させ、伝統産業を刷新する支援した。このほか当行は、国民生活向上のためのニーズに応じるために、
ヘルスケア、教育、高齢者介護、旅行、文化およびその他の現代的なサービス業プロジェクトを手掛けた。
当行は、不動産業におけるリスク管理を強化した。当行は、不動産業において国民福祉保障のために一層の取
組をし、引き続き選定したスラム街改善プロジェクトに貸出をし、賃貸住宅向け貸出業務を着実に行った。当行
は、商業不動産向け貸出総額を抑制し、これに基づいて地域別に異なる与信方針を適用した。具体的には、当行
は、主に妥当な在庫消化サイクルにあり十分な潜在需要のある一線都市および二線都市における通常の商業住宅
プロジェクトを支援し、三線都市および四線都市における住宅開発向けについては慎重に新規貸出をし、商業不
動産開発および商業用のスラム街改善プロジェクトについては貸出を厳しく管理した。
当行は、小規模企業の信用リスク管理を強化した。当行は、顧客アクセス、ミドルオフィスの承認および貸出
実行後管理を含む全プロセスを網羅するインクルーシブ・ファイナンスリスク防止・管理システムを整備した。
当行は、新規貸出の質を厳しく管理し、市場細分化調査および対象顧客基盤管理を強化し、小規模・零細企業向
け貸出の性格に基づいて異なる方法でデューデリジェンスを実施した。小規模・零細企業向け貸出金の存続期間
管理方法の改定、小規模・零細企業向け貸出金の管理方法の規範化がなされた。当行は、ビッグデータ・プラッ
トフォームを活用してデータ監視モデルを改良し、小規模・零細企業向け貸出金のリスクの複数の側面からの監
視を引き続き強化した。また、既存貸出金のリスクを定期的に検査し、全ての分野で資産の質を高める取組の一
環として、クラス分けしたリスク防止・軽減策を実施した。
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個人貸出金の信用リスク管理
当行は、引き続き個人貸出金に係る方針を改善し、住宅ローンの利用基準を厳格にし、貸出金利用基準および
当行の住宅ローン業務提携機関について異なる規則を策定した。当行は、リスク監視の粒度を上げることにさら
に力を注ぎ、リスク監視モデルの改良を行い、リスクを回避するために住宅ローン業務全体のプロセスを注意深
く監視した。個人貸出金管理システムの改良と、政府の関係部署の情報システムとの相互接続による取引認証が
できるようするための政府・銀行間提携プラットフォームの整備がなされた。当行は、業務システムの中で提携
機関の管理を向上させ、あらゆる種類の開発業者ごとに異なる利用承認レベルを整えた。当行のリスク管理・統
制能力を向上させるために、主要な貸出後事象の報告および債務不履行となった貸出金の回収システムがさらに
強化された。
クレジットカード事業の信用リスク管理
当行は、クレジットカードのリスク管理に係る方針を改善し、個人顧客に対する融資限度額を厳格にした。当
行は、個人に対する与信戦略を最適化し、与信限度額の動的調整をした。承認・意思決定プロセスの高速化とス
マート化のため、また貸出プロセスにおける高リスク顧客の早期監視・警告のために、ビッグデータによる意思
決定エンジンの性能の向上がなされた。当行は、不正使用リスクの防止を強化し、全過程を網羅する不正使用リ
スク防止・管理システムを整備した。当行は、第三者のインターネット・プラットフォームを用いて積極的にリ
スクを検査した。各種チャネルを介した回収方法を増やし不良資産を削減することによって、不良資産の回収・
処理について継続して効果的な取組がなされた。
資金業務の信用リスク管理
当行は、信用リスク管理についての全行的かつ統一された方針要件を厳格に実施した上で、投資業務が直面し
ている信用リスクに係る投資前分析および貸出実行後管理を強化し、重要リスクのある業種の既存業務の監視を
強化した。当行は、外国為替市場取引の規制要件を厳格に実施し、取引相手方の事前審査および動的リスク監視
を強化し、取引期間を通じて取引相手方の資質と担保価値の変動に細心の注意を払い、事前にリスク防止策を講
じた。当行は、デリバティブに関してISDA、NAFMIIおよびその他の契約の締結を積極的に進め、デリバティブの
取引相手方の与信限度額を金融市場取引プラットフォームを通じて厳格に管理し、フランチャイズ取引における
証拠金の動的管理を強化した。
信用リスク分析
2018年末現在、担保およびその他の信用補完手段を考慮しない場合の信用リスクの当行の最大エクスポー
ジャーは、前年末比1,304,232百万人民元増加して30,182,752百万人民元となった。「財務書類注記注51(a)
(i):担保およびその他の信用補完手段を考慮しない場合の信用リスクの最大エクスポージャー」を参照のこ
と。
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貸出金の5段階分類別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
項目
金額 割合(%) 金額 割合(%)
正常先 14,733,891 95.56 13,450,486 94.50
要注意先 450,930 2.92 561,974 3.95
不良債権 235,084 1.52 220,988 1.55
要管理先 108,821 0.70 81,209 0.57
破綻懸念先 90,383 0.59 108,854 0.76
実質破綻・破綻先 35,880 0.23 30,925 0.22
合計 15,419,905 100.00 14,233,448 100.00
貸出金の質の主要指標は安定していた。2018年末現在、5段階分類で正常先に分類された貸出金は、前年末比
1,283,405百万人民元増加して14,733,891百万人民元となり、貸出金合計の95.56%となった。要注意先に分類さ
れた貸出金は、111,044百万人民元減少して450,930百万人民元となり、貸出金合計の2.92%と1.03パーセント・
ポイント減少した。不良債権は、14,096百万人民元増加して235,084百万人民元となり、不良債権比率は1.52%
と0.03パーセント・ポイント低下した。
貸出金および不良債権の事業分野別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
不良債権 不良債権
項目
貸出金 割合(%) 不良債権 貸出金 割合(%) 不良債権
比率(%) 比率(%)
法人貸出金 9,418,894 61.0 194,696 2.07 8,936,864 62.8 175,903 1.97
割引手形 364,437 2.4 268 0.07 351,126 2.5 525 0.15
個人貸出金 5,636,574 36.6 40,120 0.71 4,945,458 34.7 44,560 0.90
合計 15,419,905 100.0 235,084 1.52 14,233,448 100.0 220,988 1.55
法人顧客不良債権は、前年末比18,793百万人民元増加して194,696百万人民元となり、不良債権比率は2.07%
となった。個人顧客不良債権は、4,440百万人民元減少して40,120百万人民元となり、不良債権比率は0.71%と
0.19パーセント・ポイント低下した。
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国内支店の法人貸出金および法人貸出金の不良債権の業種別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
不良債権 不良債権
項目
貸出金 割合(%) 不良債権 貸出金 割合(%) 不良債権
比率(%) 比率(%)
運輸、保管および郵
1,894,425 23.8 15,016 0.79 1,715,562 22.8 9,568 0.56
便サービス
製造業
1,385,463 17.4 79,790 5.76 1,409,206 18.6 67,604 4.80
リースおよび商業
1,048,548 13.2 6,279 0.60 910,672 12.1 6,250 0.69
サービス
電気、暖房、ガスお
919,768 11.5 2,113 0.23 900,484 12.0 1,407 0.16
よび水の生産供給
水、環境および公益
770,221 9.7 1,718 0.22 655,533 8.7 975 0.15
事業管理
不動産
592,031 7.4 9,823 1.66 501,769 6.7 13,631 2.72
卸売および小売
488,031 6.1 52,588 10.78 568,011 7.6 55,366 9.75
建設
232,736 2.9 3,749 1.61 223,484 3.0 2,856 1.28
採鉱
185,313 2.3 3,966 2.14 208,675 2.8 2,998 1.44
科学、教育、文化お
170,315 2.1 1,461 0.86 126,906 1.7 850 0.67
よび公衆衛生
宿泊施設および飲食
95,530 1.2 4,951 5.18 111,047 1.5 3,256 2.93
業
その他
191,146 2.4 4,962 2.60 191,651 2.5 4,142 2.16
合計 7,973,527 100.0 186,416 2.34 7,523,000 100.0 168,903 2.25
2018年、当行は、サプライサイドの構造改革に貢献することを基調として、良質の発展というコンセプトを忠
実に守り、実体経済への貢献に際して重要分野・重要点に焦点を当て、引き続き業界の与信構造を改善させた。
運輸、保管および郵便サービスに対する貸出金は178,863百万人民元増加し、増加率は10.4%となった。これは
主に、国家の主要な戦略および計画を支援して、4つの地域、3つのサポートベルトおよび粤港澳大湾区の協調
発展に貢献し、高速鉄道、高速道路、都市交通、港湾および空港の整備に対する金融支援をする取組によるもの
である。リースおよび商業サービスに対する貸出金は137,876百万人民元増加し、増加率は15.1%となった。こ
れは主に、国民福祉のためのプロジェクト、インフラストラクチャーの脆弱分野を強化するプロジェクトならび
に国家級新区、自由貿易区などの戦略計画区域および各種産業集積区におけるインフラストラクチャー整備の金
融需要に応じたことによるものである。水、環境および公益事業管理に対する貸出金は114,688百万人民元増加
し、増加率は17.5%となった。これは主に、重要プロジェクト、新型都市化建設、環境保護および公共サービス
などの分野の重要プロジェクトと国民福祉のためのプロジェクトの投融資需要を支援する着実な取組によるもの
である。
製造業の不良債権の増加は、主に営業利益の減少、高品質の発展という理念の基準を満たさない企業や生産能
力が過剰な企業への貸出金の債務不履行が増加したことによるものである。運輸、保管および郵便サービスの不
良債権の増加は、主に一部の港湾、海運会社および民間所有の高速道路に対する貸出金に債務不履行があったこ
とによるものである。
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貸出金および不良債権の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
不良債権 不良債権
項目
貸出金 割合(%) 不良債権 貸出金 割合(%) 不良債権
比率(%) 比率(%)
本店 723,302 4.7 20,036 2.77 629,733 4.4 14,702 2.33
長江デルタ 2,823,603 18.4 24,195 0.86 2,599,171 18.2 27,955 1.08
珠江デルタ 2,072,857 13.4 30,480 1.47 1,896,063 13.3 32,878 1.73
環渤海 2,524,307 16.4 54,489 2.16 2,339,537 16.4 46,903 2.00
華中 2,202,221 14.3 36,401 1.65 2,003,202 14.1 32,911 1.64
華西 2,735,901 17.7 35,572 1.30 2,512,303 17.7 38,628 1.54
華北・華東 759,140 4.9 25,186 3.32 734,343 5.2 19,596 2.67
海外その他 1,578,574 10.2 8,725 0.55 1,519,096 10.7 7,415 0.49
合計 15,419,905 100.0 235,084 1.52 14,233,448 100.0 220,988 1.55
貸出金に係る減損損失引当金の変動
(単位:百万人民元)
償却原価で測定する顧客貸出金等に係る FVOCIで測定する顧客貸出金等に係る
減損損失引当金の変動 減損損失引当金の変動
ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ ステージ
項目
合計 合計
1 2 3 1 2 3
2018年1月1日現
107,961 111,867 152,770 372,598 23 – 448 471
在残高
移動:
ステージ1へ 19,393 (17,976) (1,417) – – – – –
ステージ2へ (4,901) 5,493 (592) – – – – –
ステージ3へ (2,869) (40,413) 43,282 – – – – –
繰入/(戻入) 38,217 24,083 85,074 147,374 173 0 (200) (27)
直接償却および
(338) (2,294) (106,146) (108,778) – – – –
振替
過去に直接償却
した貸出金等の – – 2,141 2,141 – – – –
回収
その他の変動 621 646 (1,871) (604) 2 – – 2
2018年12月31日
158,084 81,406 173,241 412,731 198 0 248 446
現在残高
注:詳細については「財務書類注記注23:顧客貸出金等」を参照のこと。
2018年末現在、貸出金に係る減損損失引当金は413,177百万人民元であった。うち、償却原価で測定する顧客
貸出金等に係る減損損失引当金は412,731百万人民元であり、その他の包括利益を通じて公正価値で測定
(FVOCI)する顧客貸出金等に係る減損損失引当金は446百万人民元であった。不良債権に対する引当金の比率は
175.76%となり、21.69パーセント・ポイント上昇した。貸出金合計に対する引当金の比率は2.68%となり、
0.29パーセント・ポイント上昇した。
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貸出金の担保別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
項目
金額 割合(%) 金額 割合(%)
不動産担保融資 7,056,026 45.8 6,480,800 45.5
担保付貸付 1,256,196 8.1 1,265,834 8.9
保証付貸付 2,157,264 14.0 2,059,779 14.5
無担保貸付 4,950,419 32.1 4,427,035 31.1
合計 15,419,905 100.0 14,233,448 100.0
延滞貸出金
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
貸出金合計に 貸出金合計に
延滞期間
金額 金額
対する割合(%) 対する割合(%)
3か月未満 91,153 0.59 107,218 0.75
3か月-1年 83,846 0.54 68,209 0.48
1年-3年 63,010 0.41 80,919 0.57
3年超 31,923 0.21 29,729 0.21
合計 269,932 1.75 286,075 2.01
注: 顧客貸出金等は、元本もしくは利息のいずれかが延滞した場合に延滞とみなされる。分割返済される顧客貸出金等
については、分割返済の一部が延滞した場合に貸出金全額が延滞とみなされる。
延滞貸出金は、前年末比16,143百万人民元減少して269,932百万人民元となった。うち、延滞期間が3か月超
の貸出金は、78百万人民元減少して178,779百万人民元となった。
条件緩和した 貸付金
条件緩和した貸付金等は、前年末比2,053百万人民元増加して7,211百万人民元となった。条件緩和した貸付金
等で延滞期間が3か月超となるものは、231百万人民元減少して1,143百万人民元となった。
融資先の集中
当行の最大の単一顧客および上位10位の単一顧客に対する貸出金合計は、それぞれ当行の自己資本の額(純
額)の3.8%および12.9%となった。上位10位の単一顧客に対する貸出金合計は、340,765百万人民元となり、貸
出金合計の2.2%となった。以下の表は、2018年末時点における当行の上位10位の単一借入人に対する貸出金の
詳細を表したものである。
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(単位:百万人民元、%を除く。)
貸出金合計に
借入人 業種 金額
対する割合(%)
借入人A 運輸、保管および郵便サービス 101,785 0.7
借入人B 運輸、保管および郵便サービス 40,207 0.3
借入人C 運輸、保管および郵便サービス 34,922 0.2
借入人D 製造業 29,398 0.2
借入人E ファイナンス 26,970 0.2
借入人F 運輸、保管および郵便サービス 24,562 0.2
借入人G 電気、暖房、ガスおよび水の生産供給 21,111 0.1
借入人H 運輸、保管および郵便サービス 20,945 0.1
借入人I 運輸、保管および郵便サービス 20,598 0.1
借入人J 運輸、保管および郵便サービス 20,267 0.1
合計 340,765 2.2
大規模エクスポージャー管理
当行は、大規模エクスポージャーについて管理構造と管理システムを整備・改善し、関連する規則を策定し、
管理構造、関連する顧客管理、行内の限度額管理、計算方法および大規模エクスポージャー管理に関連する統計
報告書に関する要件を明確化した。また、当行の大規模エクスポージャーを効果的に管理するための情報システ
ムの整備推進を図った。
資産管理のリスク管理
当行は、資産運用に関する新規則の要件を積極的に実施し、資産管理リスク管理システムを業務刷新・発展の
重要な基礎として構築し、全プロセス・全リスクラインを網羅し、かつリスクに見合うリターンにするために資
産管理業務のための全社的リスク管理システムの構築を図った。
当行は、区分化した代理投資業務管理システムを充実させ、非標準化代理投資業務と協力機関に対する基礎管
理方法を整備・改善し、デット・エクイティ・スワップ、引受業務、資産担保証券投資および公的資金委託貸出
などの重要業務の管理を強化した。当行は、資産管理業務について、全プロセスのリスク管理を強化し、厳格な
投資前審査を行い、債券格付規則等の整備を図った。取引プロセスについてのコンプライアンス審査は、より厳
しくされた協力機関選定基準と割当の統一管理によってさらに強化された。当行は、リスク解決に重点を置いて
投資実行後管理を強化し、リスクプロジェクトの検査と監督を重点的に強化し、投資銀行業務の処理方法を積極
的に活用してリスクプロジェクトの回収業務の進捗度を速めた。
市場リスク
市場リスクは、当行のオンバランスおよびオフバランスの活動における、市場金利(金利、為替レート、株
価、コモディティ価格等)の不利な変動から生ずる損失のリスクと定義される。当行は、主に金利リスクおよび
為替リスク(金を含む。)にさらされている。
市場リスク管理は、市場リスク管理体制を構築、強化し、責任と手続を定め、測定方法、限度額管理指標およ
び市場リスク報告の決定、標準化をし、市場リスクを抑制、軽減し、市場リスク管理の水準を高めることを目的
として、市場リスクを識別、測定、監視、統制、報告するプロセスである。市場リスク管理の目的は、市場リス
クエクスポージャーを許容水準内に抑制し、当行のリスク選好に従ってリスク調整後収益を最大化することであ
る。
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当行は、市場リスク管理に関する規制要件を厳守し、独立、集中、協調型の市場リスク管理モデルを実施し、
金融市場業務におけるフロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスの分離を特徴とする管理組織構造を
構築した。取締役会は、市場リスク管理の監視について最終責任を負う。上級管理職は、市場リスク管理に関し
て取締役会が承認した戦略、全体の方針およびシステムの実施に責任を負う。上級管理職の市場リスク管理委員
会は、市場リスク管理に関する当行の検討および意思決定機関であり、市場リスク管理の重大な事項の検討に責
任を負い、市場リスク管理委員会の業務規則に従ってその職務を遂行する。各レベルのリスク管理部門は、それ
ぞれのレベルでの市場リスク管理の調整を職務とし、各業務部門は、それぞれの職責に従って各々の業務分野に
ついて市場リスク管理方針および基準を実行する。
2018年、当行は、引き続き当グループレベルで市場リスクに係る規則・規定を充実させ、国外組織の市場リス
ク管理プロセス全体の管理について定めた。当行は、全グループ的な市場リスク選好度限度額伝達メカニズムを
充実させ、当グループの為替リスクおよび金利リスクに関する将来予測分析を強化し、取引行為の監視を強化し
た。当行は、グローバル市場リスク管理(Global Market Risk Management(GMRM))システムの国外での展開・
普及を進め、市場リスク管理システムとデータの利用度を高めた。
トレーディング勘定における市場リスク管理
当行は、トレーディング勘定における市場リスク管理および商品管理を引き続き強化し、バリュー・アット・
リスク(VaR)、ストレステスト、感応度分析、エクスポージャー分析、損益分析、価格監視ならびにその他の
トレーディング勘定の商品の測定および管理のための手段を用いた。当行は、引き続きポートフォリオに基づい
た市場リスク限度額管理システムを改善し、限度額表示システムおよび動的管理メカニズムを充実させて新商品
および新業務の適時性の要求に応え、グローバル市場リスク管理(GMRM)に基づいた迅速かつ柔軟な限度額監視
および動的調整を実現した。トレーディング勘定のVaRについては、「財務書類注記注51(c)(i):VaR」を参照の
こと。
為替リスク管理
為替リスクは、為替レートの不利益な変動から生ずる外国通貨エクスポージャーの損失のリスクであり、外国
通貨資産と負債の間の通貨構造のミスマッチに起因する。当行の為替リスク管理の目的は、当行の財政状態と株
主資本に対する為替レート変動の影響を許容範囲内で統制することである。当行は、かかるリスクを主に限度額
管理とリスクヘッジにより軽減する。当行は、四半期ごとに為替リスクの感応度分析とストレステストを実施
し、為替リスク報告書を上級管理職および市場リスク管理委員会に提出する。
2018年、当行は、外部の環境と市場の状況の変動を注視し、外国為替資産・負債の総額と構造の調整と最適化
をするため、限度額管理やリスク・ヘッジなどの手段を積極的に組み合わせ、国外組織の資産・負債の通貨構造
管理および資本金保全管理を強化した。当行の為替リスクは制御された。
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外国為替エクスポージャー
(単位:百万人民元(米ドル))
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
項目
人民元建 米ドル相当 人民元建 米ドル相当
オンバランス外国為替項目のエクスポージャー
327,917 47,729 371,875 57,111
(純額)
オフバランス外国為替項目のエクスポージャー
(157,647) (22,946) (206,760) (31,753)
(純額)
外国為替エクスポージャーの合計(純額) 170,270 24,783 165,115 25,358
為替レートの感応度分析については、「財務書類注記注51(c)(ii):為替リスク」を参照のこと。
銀行勘定における金利リスク
銀行勘定における金利リスクは、金利や満期構造等の不利な変動から生ずる銀行勘定全体の経済価値および利
益が損失を被るリスクと定義される。
銀行勘定における金利リスク管理
2018年、当行は、堅実かつ慎重なリスク選好を堅持し、銀行勘定における金利リスク管理システムとメカニズ
ムを強化し、金利リスク管理の戦略、方針および手続を充実させ、資産負債の数量ツール、プライシングツール
およびデリバティブツールを組み合わせた運用を改善した。金利の動きと業務の展開状況に基づき、当行は、資
産と負債のデュレーションと金利感応度ギャップを調整・管理する取組みを強化して、銀行勘定における金利リ
スクを効果的に管理した。
銀行勘定における金利リスク管理体制およびガバナンス構造
当行の銀行勘定における金利リスク管理体制は、システムの重要性、リスクの状況、業務の複雑さに沿ったも
ので、当行の全体的な展開戦略および全社的リスク管理体制と一致している。管理体制の主な構成要素は、効果
的なリスク・ガバナンス構造、堅実なリスク管理戦略・方針・手続、あらゆる分野を網羅する効果的なリスク識
別・測定・監視・管理・軽減、網羅的な内部統制・審査メカニズム、充実したリスク管理システム、十分な情報
開示と報告である。
当行は、銀行勘定における金利リスクの規制要件を厳守し、当行単体レベルおよび連結レベルで銀行勘定にお
ける金利リスクを効果的に管理し、また、権利と責任が明確にされ、十分に整備され構造のしっかりした銀行勘
定における金利リスクの堅固なガバナンス構造を構築した。取締役会および上級管理職は、銀行勘定における金
利リスク管理に対して、それぞれ最終責任および執行責任を負う。本店の資産負債管理部は、銀行勘定における
金利リスク管理において主導的な役割を果たし、その他の部門および組織は、銀行勘定における金利リスクに関
して、方針および基準の実施においてそれぞれの役割を果たす。本店の内部監査局および内部統制・コンプライ
アンス部は、銀行勘定における金利リスクに関するレビューと評価に責任を負う。
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銀行勘定における金利リスク管理の目的、戦略および重要方針
銀行勘定における金利リスク管理の目的は、当行のリスク管理とリスク選好に基づき、金利リスク許容範囲内
でリスク調整後の純受取利息を最大化することである。
当行は、リスク選好、リスクの状況、マクロ経済および市場の変化に基づいて、銀行勘定における金利リスク
管理をするための戦略、明確な目的および方法を策定した。当行は、金利動向の事前判断と全体的な利益および
経済的価値の変動結果の測定に基づいて適切な管理方針を実施し、リスクを軽減し管理するための金利リスク管
理ツールを統一的に運用して、当行が実際に負担する金利リスクレベルが当行が負担できる能力・意思に適合す
るようにした。
当行は、管理戦略と目的に基づいて、銀行勘定における金利リスク管理のための方針を策定し、管理方法と手
法を明確化した。当行は、金利リスク管理のためにオンバランスの調整およびオフバランスのヘッジなどの手法
を開発・調整し、資産負債の数量ツール、プライシングツールおよびデリバティブツールを適切に利用し、金利
リスク管理および評価において限度額管理システム、事業計画、業績評価、資本評価などを総合的に用いて、事
業分野、支店、関連会社、金利リスクの影響を受けやすい商品やポートフォリオにおいて金利リスクを効果的に
管理した。
ストレステスト
包括的・慎重・先見的という原則に沿って、当行の銀行勘定における金利リスクのストレステストは、金利リ
スク・エクスポージャー測定アプローチおよび標準的デュレーション・アプローチを用いて、異なるストレスシ
ナリオでの金利変動の全体的な利益と経済的価値に対する影響を測定した。国内外の規制要件、全行の資産負債
業務構造、経営管理およびリスク選好に基づいて、当行は、現在の金利水準、過去の変動と傾向、資産総額と負
債総額およびこれらの期限についての特徴、事業展開戦略、顧客の行動およびその他の要因を考慮に入れて銀行
勘定における金利リスクのストレステスト・シナリオを設定し、四半期ごとにストレステストを実施した。
銀行勘定における金利リスクの分析
金利感応度分析
市場全体の金利がパラレルシフトすると仮定し、かつ経営陣が金利リスクを軽減するために講じうるリスク管
理措置を考慮しない場合、2018年度の当行の主要通貨別金利感応度分析は下表のとおりである。
(単位:百万人民元)
プラス100ベーシス・ポイント マイナス100ベーシス・ポイント
通貨
純受取利息への影響 資本への影響 純受取利息への影響 資本への影響
人民元 (3,281) (30,513) 3,281 33,093
米ドル (1,645) (5,679) 1,645 5,683
香港ドル 936 – (936) –
その他 (59) (690) 59 691
合計 (4,049) (36,882) 4,049 39,467
注:「財務書類注記注51(d):銀行勘定における金利リスク」を参照のこと。
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金利エクスポージャー分析
2018年末現在、当行の1年以内の金利感応度エクスポージャーのマイナス累積は、前年末比319,236百万人民
元増加して525,850百万人民元となった。これは主に、金利更改され、または満期の1年以内の顧客預り金の増
加によるものである。1年超の金利感応度エクスポージャーのプラス累積は、702,011百万人民元増加して
2,743,107百万人民元となった。これは主に、金利更改され、または満期の1年超の債券投資の増加によるもの
である。
金利リスクエクスポージャー
(単位:百万人民元)
3か月未満 3か月-1年 1年-5年 5年超
2018年12月31日現在 (133,897) (391,953) 1,058,350 1,684,757
2017年12月31日現在 (951,368) 744,754 447,734 1,593,362
注:「財務書類注記注51(d):銀行勘定における金利リスク」を参照のこと。
流動性リスク
流動性リスクは、当行が、支払期限が到来した債務の支払またはその他の支払義務を履行するための資金を適
時に、または合理的なコストで調達できず、また、その他通常の業務において発生する資金需要を満たすことが
できないリスクである。流動性リスクは、顧客預金の払戻し、顧客による借入実行、債務者の支払延滞、資産と
負債のミスマッチ、資産の換金の困難、営業損失、デリバティブ取引リスク、関連会社に関係するリスク等の事
由や要因により生じうる。
流動性リスク管理
2018年、当行は、着実かつ慎重な流動性リスク管理戦略を引き続き維持し、流動性リスク管理に影響を及ぼす
要因を注意深く見守った。当行は、常に流動性リスク管理体制を強化し、管理手段を改善し、支払のピーク期間
中および重要な期間中に適切な流動性リスク管理ができるように重要業務、重要顧客および重要資金の監視を強
化した。流動性リスク管理体制は、流動性リスクの監視、測定および管理の自動サポートシステムを強化するこ
とでより精緻な流動性リスク管理ができるように改善された。当行は、国内および国外の組織、現地通貨および
外貨、オンバランスおよびオフバランスのいずれについても流動性リスク管理のための統一的な取組をし、当グ
ループの流動性の安定と安全を確保するための措置を講じた。
流動性リスク管理体制およびガバナンス構造
当行の流動性リスク管理体制は、当行の全体的な展開戦略および全体的なリスク管理体制に従っており、当行
の事業規模、事業の性質、複雑さおよびその他の点に応じたものである。かかる管理体制の基本要素には、流動
性リスク管理について効果的なガバナンス構造、流動性リスク管理の堅実な戦略、方針および手続、流動性リス
クの効果的な識別、測定、監視および統制、管理情報システムの完備が含まれる。
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流動性リスク管理に関する当行のガバナンス構造は、取締役会およびその専門委員会、本店の資産負債管理委
員会およびリスク管理委員会からなる意思決定体制、監査役会、内部監査局および内部統制・コンプライアンス
部からなる監督体制、本店の資産負債管理部、オンバランスおよびオフバランスの業務の主導的管理部門、IT部
門、業務管理部門および支店の関連部門からなる実施体制を取り入れている。各体制が、職責分掌に応じて意思
決定、監督、実施のそれぞれ対応する職責を果たしている。
流動性リスク管理の目的、戦略および重要方針
流動性リスク管理の目的:当行は、流動性リスク管理体制を構築、改善することにより、当グループ全体、当
行、関連会社、支店および事業分野における流動性リスクの完全な識別、正確な測定、継続的な監視および効果
的な統制を実現し、事業の正常シナリオおよびストレスシナリオにおいて流動性需要を合理的なコストで適時に
満たすことを目指している。
当行の流動性リスク管理戦略および方針は、流動性リスク選好に従って策定され、流動性リスクに重大な影響
を及ぼしうるオンバランスおよびオフバランスの全ての業務、国内外の全ての業務部門および支店を対象とし、
正常シナリオおよびストレスシナリオでの流動性リスク管理を含む。流動性リスク管理戦略は、流動性リスク管
理全体の目的および方式を特定し、流動性リスク管理のための主要方針および手続を定めている。流動性リスク
管理の重要方針は、経営についての外部環境とマクロ環境および当行の事業展開に従って、安全性、流動性およ
び収益性の効果的なバランスをとることを目的として策定された。
流動性リスク管理方式
当行の流動性リスク管理方式は、銀行全体の流動性を管理する統合的流動性リスク管理である。本店は、当行
の流動性リスクを集中して一括管理し、資産・負債の総量と構造の動的調整により当行の流動性を確保する。関
連会社は、主に各組織の流動性リスク管理に責任を負い、本店の主導的流動性リスク管理部門により求められる
職責を果たす。
ストレステスト
当行は、慎重性原則に沿って、流動性リスクのストレステストを行うシナリオ分析および感応度分析を用いて
いる。当行は、当行の流動性の状況に影響を与えうる様々な巨視的要因および微視的要因を十分に考慮し、流動
性リスクが集中する商品、事業および組織についてのストレスシナリオを、当行の事業の特性および複雑さに応
じて設定した。当行は四半期ごとにストレステストを実施している。当行は、必要な場合には、経営の外部環境
および規制要件の変化に照らして特定の時期に、臨時の、また特別なストレステストを行う。
流動性リスクの分析
2018年末現在、当行の人民元建て流動性比率および外貨建て流動性比率はそれぞれ43.8%および83.0%とな
り、いずれも規制要件を満たした。預貸率は71.0%となった。
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安定調達比率は、資産およびオフバランス・リスク・エクスポージャーに対する安定調達というニーズを満た
すために安定して十分な資金調達源を商業銀行に確保させることを目的としている。安定調達比率は、利用可能
な安定調達額の所要安定調達額に対する比率である。利用可能な安定調達額とは、商業銀行の資本・負債項目の
簿価に、対応する利用可能な安定調達の掛け目を乗じた積の合計である。所要安定調達額とは、商業銀行の資産
項目の簿価およびオフバランス・エクスポージャーに、対応する所要安定調達の掛け目を乗じた積の合計であ
る。2018年末現在、安定調達比率は126.62%となり、利用可能な安定調達額は18,647,495百万人民元、所要安定
調達額は14,726,640百万人民元となった。
2018年第4四半期の流動性カバレッジ比率の日次平均は、前年同期比6.30パーセント・ポイント上昇して
126.66%となった。これは主に、第4四半期の利用可能資金調達額が適度な水準であったことと、30日以内の
キャッシュ・インフローが増加したことによるものである。高品質流動資産の対象は、規制要件において流動性
カバレッジ比率に含めることができる現金、ストレス条件下で利用可能な中央銀行準備金、新発債資産および既
発債資産である。
このほか当行は、流動性エクスポージャー分析を用いて流動性リスクの状況を評価した。2018年末現在、1か
月未満の区分の流動性エクスポージャーはマイナスからプラスとなった。これは主に、対応する期間のレポ契約
の減少によるものである。3か月-1年の区分のマイナスの流動性エクスポージャーは増加した。これは、主に
対応する期間の顧客預り金の増加によるものである。1年-5年の区分のプラスの流動性エクスポージャーは増
加した。これは主に、対応する期間の債券投資および顧客貸出金等の増加によるものである。5年超の区分のプ
ラスの流動性エクスポージャーは増加した。これは主に、対応する期間の顧客貸出金等の増加によるものであ
る。預金は高い預金率で安定した成長を維持し、同時に当行は流動性の高い債券資産に高額の投資を行い、充分
な流動性準備金を保有した。全体として、当行の流動性は安全な水準を維持した。
流動性エクスポージャー分析
(単位:百万人民元)
1か月 1か月- 3か月- 1年-
延滞・要求払 5年超 無期 合計
未満 3か月 1年 5年
2018年12月31日
(12,057,413) 432,760 (674,702) (1,884,799) 4,412,116 8,793,935 3,322,986 2,344,883
現在
2017年12月31日
(10,793,525) (200,327) (595,509) (829,587) 3,452,159 7,619,544 3,488,301 2,141,056
現在
注:「財務書類注記注51(b):流動性リスク」を参照のこと。
オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスク管理
オペレーショナル・リスクは、内部プロセス、従業員、ITシステムの不備や問題または外部的事象から生ずる
損失のリスクと定義され、法的リスクを含むが、戦略リスクと評判リスクは含まない。当行が直面するオペレー
ショナル・リスクは、内部不正、外部不正、雇用制度および職場の安全性、顧客・商品・事業活動、現物資産に
対する損害、ITシステム、実行・交付・プロセス管理の7つある。とりわけ、外部不正、実行・交付・プロセス
管理は、当行のオペレーショナル・リスクによる損失の主要事由である。
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当行は、オペレーショナル・リスク管理に関する規制要件を厳守し、「統合管理、分類管理」のオペレーショ
ナル・リスク管理方式を採用している。取締役会は、当行の定款に従って、オペレーショナル・リスク管理の有
効性に関わる職責を負い、上級管理職は、オペレーショナル・リスク管理について取締役会が承認した戦略、全
体方針およびシステムの実施に責任を負う。上級管理職のオペレーショナル・リスク管理委員会は、当行のオペ
レーショナル・リスク管理のまとめ役および調整役として、オペレーショナル・リスク管理委員会の業務規則に
従って、オペレーショナル・リスク管理に関連する重要事項の検討および承認に責任を負う。全てのレベルの
マーケティングおよび商品部門はオペレーショナル・リスク管理の第一の防衛線を形成し、各業務分野において
オペレーショナル・リスク管理に直接の責任を負う。各レベルの内部統制・コンプライアンス部門は、各レベル
のオペレーショナル・リスクの総合管理部門であり、オペレーショナル・リスク管理の第二の防衛線を運営する
職責を負い、各レベルのオペレーショナル・リスク管理体制の構築および実行の調整・組織に責任を負う。全て
のレベルの規律遵守、セキュリティ、人事、IT、財務・会計、法務、経営管理、与信管理、リスク管理の各部門
は、各レベルの組織のオペレーショナル・リスクの分類管理部門であり、特定の種類のオペレーショナル・リス
クの管理および抑制に責任を負う。これらの部門は、総合管理部門と共にオペレーショナル・リスク管理の第二
の防衛線を形成する。内部監査部門は、オペレーショナル・リスク管理体制の実施状況の監査と評価に責任を負
い、第三の防衛線を形成する。
2018年、当行は、引き続き当グループのオペレーショナル・リスク管理の水準を、規制の重点分野およびオペ
レーショナル・リスクの動向に従って高めた。当行は、重要分野・重要点について継続的にリスク・ガバナンス
を実施し、徹底的な取締りに積極的に取り組み、方針、手続、制度および仕組みなどの面での充実・改善を進
め、重要点については手続に基づいて厳しく管理した。顧客の資金を効果的に保護するために、外部不正リスク
管理が強化された。オペレーショナル・リスク限度額管理は、限度額指標の適切な監視と報告がなされるように
強化された。このほか当行は、オペレーショナル・リスク測定システムを改善し、高額のオペレーショナル・リ
スク事象の管理を強化し、オペレーショナル・リスク管理ツールの活用とリスクデータ品質の向上を継続的に強
化した。本報告期間において、当行のオペレーショナル・リスク管理体制は円滑に実施され、全体的にオペレー
ショナル・リスクを管理することができた。
法的リスク
法的リスクは、当行の経営において、当行が関連する法律、規制、行政規則、監督機関の規定またはその他の
関連規則の要件を遵守しないこと、当行が顧客に提供した商品、サービスまたは情報、当行が行った取引、当行
が締結した契約、合意またはその他の文書に存在する不利な法的瑕疵、当行と顧客、相手方当事者または利害関
係者との間の法的紛争(訴訟または仲裁手続)、関連する法律、規制、行政規則、監督機関の規定およびその他
の関連規則の重要な変更、その他内部および外部で生じた関連する法的事由により、または、これらに関連して
生じる法的制裁、監督機関による処罰、財務損失、評判上の損失もしくはその他のマイナスの結果を被るリスク
である。
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当行は、法に基づき、かつ法を遵守して経営するという目的に基づき、堅実な法的リスク管理体制を確立する
こと、また、事業革新と市場競争力を支援、保障し、各種の潜在的または実際的な法的リスクを回避、除去する
ために全てのプロセスについて法的リスク回避・管理の仕組みを形成することを常に重視している。取締役会
は、法的リスク管理に関連する戦略および方針の検討と決定に責任を負い、法的リスク管理について最終責任を
負う。上級管理職は、法的リスク管理に関連する戦略と方針の実施、関連する重要事項の調査と承認に責任を負
う。本社の法務部は、関連する業務部門とともに当グループ全体の法的リスク管理に責任を負い、法的リスク回
避・管理について関係する支援、協力をする。関連会社、国内外支店は、それぞれの組織の法的リスク管理に責
任を負う。
2018年、当行は、法的リスク管理におけるリスク回避・管理能力を向上させ、当グループについて法に基づ
き、かつ法を遵守した経営、健全な事業展開および全体的な事業の安定を確保することで、引き続き法的リスク
管理を強化した。当行は、本支店間の垂直的連携と水平的協調のいずれの仕組みも改善した。当行は、法的リス
クの回避・管理を取引交渉、商品設計、契約締結等に組み込むことで法的リスクを事前に回避し、法的リスクの
回避・管理を、将来的な展望、主動性、対象の選択について向上させた。重要分野・重要点についての法的リス
クの回避・管理は新しい金融規制要件に沿って実施された。当行は、国際業務の展開から生じる法的な課題に積
極的に対応して、法律業務のクロスボーダーな調整と管理をさらに改善し、国外組織の法的リスク管理を強化し
た。当行は、債権回収の効率性を高めるために複数の法的手段を用いた。このほか当行は、訴訟関連リスクのリ
スク管理および抑制を現実的な方法で強化し、これにより訴訟関連リスクと損失を回避、軽減した。当行は、司
法のオンラインによる調査と執行に協力し、執行に協力する際の効率性を改善した。当行は、印章手続の刷新を
円滑に進め、電子署名システムについての手続に基づくメカニズムを導入・改善し、契約書管理を標準化し、承
認管理、関連当事者管理、商標管理および知的財産保護を強化したほか、持続的にリスク管理の強化を制度化
し、体制の構造を改善する取組をした。
マネーロンダリング防止
当行は、中国および海外組織の所在国(地域)のマネーロンダリング防止(「AML」)に関する適用法令を厳
格に遵守し、マネーロンダリング防止に関して「リスクに基づいた」規制要件を誠実に実行し、AMLに関する法
的義務および社会的責任を着実に果たし、AMLおよびテロ資金供与対策(「CTF」)に関する当グループの管理水
準を持続的に高めた。
当行は、中国の国内外で複雑かつ深刻なAML環境に直面していることから、「規制要件を重視したリスクベー
ス、問題ベース、基礎重視のアプローチ」を堅持し、また、当グループのAML管理体制の土台を強化するため
に、統一的にAMLの方針、体制、チームの整備を進める取組をした。当行は、本店レベルでAML管理構造を継続し
て改善するために、AMLの評価および説明責任のレベルを上げ、PBCに積極的に協力してマネーロンダリングに関
する金融活動作業部会(FATF)の相互審査を実施した。全職員のAMLについての責任意識を高めるために、AMLの
周知・研修活動が全面的に導入された。国内組織は、引き続き集中管理によるAMLプロセスに向けての改革を進
め、AML体制のインテリジェント化を強化し、疑わしい行為の報告の分析力を高め、AML捜査において規制当局お
よび監督官庁に協力した。主要な海外組織は、AML管理レベルを上げるために一層の取組をし、重要分野・重要
点におけるマネーロンダリングリスクの防止と管理にさらに注力し、長期的なAMLコンプライアンス管理メカニ
ズムを構築した。
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評判リスク
評判リスクは、商業銀行の経営、管理もしくはその他の行為または外部的事象に起因した、利害関係者からの
マイナスの評価や意見により生じるリスクと定義される。評判リスクは、当行の経営、管理のいかなる部分にお
いても生じる可能性があり、通常、信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスク、流動性リスクと共に
生じ、相互に作用する。
当行の評判リスク管理は、評判リスク管理体制の構築と改善により、また、日常的な評判リスク管理と評判に
関係する事象の適切な処理により、評判リスク管理の目的と計画に基づいて評判リスク管理の全体的な目的を達
成するためのプロセスと方法を指す。よい評判を保つことは、商業銀行の経営、管理の柱である。当行は、当行
の評判を重視し、評判リスク回避のために、評判リスク管理をコーポレート・ガバナンスおよび全社的リスク管
理体制に組み入れている。
取締役会は、当行の戦略的目的に沿った評判リスク管理に関する全行的な方針の検討と確定、評判リスク管理
の全行的な体制の構築、当行全体の評判リスク管理の全体的状況と有効性の監視に責任を負い、評判リスク管理
について最終責任を負う。上級管理職は、当行の評判リスク管理の主導、取締役会が設定した戦略および方針の
実施、評判リスク管理の規則、方法および業務手続および評判上の非常に重大な事象の処理計画の検討と確定、
適切かつ効果的な評判リスク管理体制の運営の確保に責任を負う。当行は、日常的な評判リスク管理を担当する
評判リスク管理特別チームを設置している。
2018年、当行は、継続的に評判リスク管理の方針およびメカニズムの構築を進め、評判リスクを生じさせる状
況の予防、制御、管理を強化した。情報技術を評判リスク管理に用いる取組を強化してITを活用した評判リスク
管理を進めた。一般市民からのコメントや提案に積極的に対応し、評判リスク管理と消費者の権利・利益の保護
を連動させて実施し、また全職員の評判リスクに対する意識を絶えず向上させた。当行は、宣伝面で影響力の大
きいテーマの一連のレポートを企画してブランドイメージを高めた。本報告対象期間において重大な評判リスク
となる事象の発生はなく、当行は評判リスクを管理することができた。
カントリーリスク
カントリーリスクは、特定の国または地域の経済、政治および社会において発生した変化および事象に起因す
るもので、該当する国もしくは地域の融資先もしくは債権者の銀行に対する債務に関する支払い不能もしくは支
払い拒否、または該当する国もしくは地域において当行もしくは当行の商業的存在が被る損失もしくはその他の
損失をもたらすリスクである。カントリーリスクは、特定の国または地域の経済状況の悪化、政治的および社会
的混乱、資産の国有化もしくは収用、政府による対外債務の支払拒否、外国為替統制または通貨切り下げ等によ
り生じうる。
当行は、カントリーリスクの管理に関する規制要件を厳守している。取締役会は、カントリーリスク管理の有
効性について最終責任を負う。上級管理職は、カントリーリスク管理に関して取締役会が承認した方針の実施に
責任を負う。本店のリスク管理委員会は、カントリーリスク管理に関する事項の検討に責任を負う。当行は、カ
ントリーリスク評価および格付、カントリーリスク限度額、カントリーリスクエクスポージャー統計およびモニ
タリング、ストレステスト等の一連の手法を用いてカントリーリスクを管理、抑制する。当行は、少なくとも年
1回、カントリーリスクの格付と限度額の見直しを行う。
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2018年、複雑さを増す国際政治経済環境に直面し、当行は規制要件を厳守し、また、事業展開のニーズを考慮
して引き続きカントリーリスク管理を強化した。当行は、カントリーリスクエクスポージャーの変化を注視し、
カントリーリスクを継続的に追跡、監視および報告し、カントリーリスクの格付と限度額を適時に更新・調整し
た。当行は、カントリーリスクの早期警告メカニズムを引き続き強化し、カントリーリスクについて積極的にス
トレステストを行い、国際化戦略を推し進めつつ、カントリーリスクを合理的かつ効果的に管理した。
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
① 損益計算書の分析
2018年、当行は、引き続き実体経済に貢献する能力を高め、経営・管理基盤を強化し、収益構造を最適化
し、リスクの予防・管理能力を強化することで、利益と質のいずれにおいても安定した。2018年の当行の当期
純利益は前年比11,272百万人民元(3.9%)増加して298,723百万人民元となった。平均総資産利益率は1.11%、
加重平均株主資本利益率は13.79%となった。営業収益は7.3%増加して725,121百万人民元となり、これは有
利子資産の増加および純金利マージンの拡大によるものであった。純受取利息は9.7%増加して572,518百万人
民元、利息外収益は0.6%減少して152,603百万人民元となった。営業費用は4.3%増加して194,203百万人民元
となり、費用対収益率は25.71%となった。減損損失引当金は26.5%増加して161,594百万人民元となった。法
人所得税は4.5%減少して73,690百万人民元となった。
損益計算書の主要項目の増減
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018年 2017年 増/(減) 増加率(%)
純受取利息 572,518 522,078 50,440 9.7
利息外収益 152,603 153,576 (973) (0.6)
営業収益 725,121 675,654 49,467 7.3
控除:営業費用 194,203 186,194 8,009 4.3
控除:減損損失 161,594 127,769 33,825 26.5
営業利益 369,324 361,691 7,633 2.1
関連会社および共同支配企業の利益に対する持分 3,089 2,950 139 4.7
税引前利益 372,413 364,641 7,772 2.1
控除:法人所得税 73,690 77,190 (3,500) (4.5)
純利益 298,723 287,451 11,272 3.9
帰属先:
親会社の株主 297,676 286,049 11,627 4.1
非支配持分 1,047 1,402 (355) (25.3)
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純受取利息
2018年の純受取利息は、前年比50,440百万人民元(9.7%)増加して572,518百万人民元となり、当行の営業収益
の79.0%を占めた。受取利息は、86,500百万人民元(10.0%)増加して948,094百万人民元となり、支払利息は、
36,060百万人民元(10.6%)増加して375,576百万人民元となった。純金利スプレッドおよび純金利マージンは
2.16%および2.30%となり、それぞれ前年より6ベーシス・ポイントおよび8ベーシス・ポイント上昇した。
有利子資産の平均収益率と有利子負債の平均費用
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年
受取/ 平均収益率/ 受取/ 平均収益率/
平均残高 平均残高
支払利息 費用率(%) 支払利息 費用率(%)
資産
顧客貸出金等 14,600,596 640,031 4.38 13,535,464 572,688 4.23
投資 5,483,420 200,157 3.65 5,135,606 185,181 3.61
(2)
3,155,407 49,246 1.56 3,142,370 48,335 1.54
中央銀行預け金
銀行およびその他の
1,628,820 58,660 3.60 1,651,391 55,390 3.35
(3)
金融機関預け金
有利子資産合計 24,868,243 948,094 3.81 23,464,831 861,594 3.67
無利子資産 2,211,163 1,788,680
減損損失引当金 (387,490) (322,769)
資産合計 26,691,916 24,930,742
負債
預金 19,317,269 280,212 1.45 18,335,825 260,956 1.42
銀行およびその他の
2,668,229 64,991 2.44 2,668,436 58,418 2.19
(3)
金融機関預り金
発行社債 845,347 30,373 3.59 613,804 20,142 3.28
有利子負債合計 22,830,845 375,576 1.65 21,618,065 339,516 1.57
無利子負債 1,729,863 1,461,336
負債合計 24,560,708 23,079,401
純受取利息 572,518 522,078
純金利スプレッド 2.16 2.10
純金利マージン 2.30 2.22
(注1) 有利子資産および有利子負債の平均残高は日次平均残高を示している。無利子資産、無利子負債および減損損失引
当金の平均残高は期首および期末現在の残高の平均を示している。
(注2) 中央銀行預け金には主に中央銀行法定預託準備金および中央銀行剰余準備金が含まれる。
(注3) 銀行およびその他の金融機関預け金はリバース・レポ契約に係る金額を含む。銀行およびその他の金融機関預り金
はレポ契約に係る金額を含む。
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受取利息および支払利息の増減分析
(単位:百万人民元)
2018年対2017年
増加/(減少)
純増/(減)
金額 金利
資産
顧客貸出金等 47,040 20,303 67,343
投資 12,922 2,054 14,976
中央銀行預け金 283 628 911
銀行およびその他の金融機関預け金 (858) 4,128 3,270
受取利息の増減 59,387 27,113 86,500
負債
預金 13,755 5,501 19,256
銀行およびその他の金融機関預り金 (98) 6,671 6,573
発行社債 8,328 1,903 10,231
支払利息の増減 21,985 14,075 36,060
純受取利息の増減 37,402 13,038 50,440
注:金額の増減は平均残高の増減により測定されており、金利の増減は平均金利の増減により測定されている。金額と金利
の組み合わせによる増減は取引高による増減に割り当てられている。
受取利息
顧客貸出金等からの受取利息
顧客貸出金等からの受取利息は、前年比67,343百万人民元(11.8%)増加して640,031百万人民元となった。
これは顧客貸出金等の規模の増加および顧客貸出金等の平均収益率の15ベーシス・ポイント上昇の影響を受け
たものである。
顧客貸出金等の平均収益率の満期別分析
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年
平均収益率 平均収益率
平均残高 受取利息 平均残高 受取利息
( %) (%)
短期貸出金 3,334,008 135,948 4.08 3,632,235 137,050 3.77
中長期貸出金 11,266,588 504,083 4.47 9,903,229 435,638 4.40
顧客貸出金等合計 14,600,596 640,031 4.38 13,535,464 572,688 4.23
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顧客貸出金等の平均収益率の事業分野別分析
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年
平均収益率 平均収益率
平均残高 受取利息 平均残高 受取利息
( %) (%)
法人貸出金 8,019,984 356,176 4.44 7,589,729 331,081 4.36
割引手形 312,438 14,493 4.64 418,935 16,503 3.94
個人貸出金 4,891,776 214,317 4.38 4,230,587 182,589 4.32
海外事業 1,376,398 55,045 4.00 1,296,213 42,515 3.28
顧客貸出金等合計 14,600,596 640,031 4.38 13,535,464 572,688 4.23
投資からの受取利息
投資からの受取利息は、前年比14,976百万人民元(8.1%)増加して200,157百万人民元となった。これは主
に、当行が適度に投資規模を増加したことおよび投資の平均収益率が4ベーシス・ポイント上昇したことによ
るものである。
中央銀行預け金からの受取利息
中央銀行預け金からの受取利息は、前年比911百万人民元(1.9%)増加して49,246百万人民元となった。
銀行およびその他の金融機関預け金からの受取利息
銀行およびその他の金融機関預け金からの受取利息は、前年比3,270百万人民元(5.9%)増加して58,660百万
人民元となった。これは主に、市場における金利の動向に基づいて当行が適切に商品構成を調整したことが影
響し、銀行およびその他の金融機関預け金の平均収益率が25ベーシス・ポイント上昇したことによるものであ
る。
支払利息
預金の支払利息
預金の支払利息は、前年比19,256百万人民元(7.4%)増加して280,212百万人民元となった。これは主に、顧
客預り金の規模の拡大および預金の平均費用率が3ベーシス・ポイント上昇したことによるものである。
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預金の平均費用率の商品別分析
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年
平均費用率 平均費用率
平均残高 支払利息 平均残高 支払利息
( %) (%)
法人顧客預金
定期 4,286,839 98,625 2.30 4,052,540 90,893 2.24
要求払 5,983,490 42,012 0.70 5,494,567 36,989 0.67
小計 10,270,329 140,637 1.37 9,547,107 127,882 1.34
個人顧客預金
定期 4,488,128 108,872 2.43 4,448,649 108,442 2.44
要求払 3,719,278 14,105 0.38 3,620,245 14,115 0.39
小計 8,207,406 122,977 1.50 8,068,894 122,557 1.52
海外事業 839,534 16,598 1.98 719,824 10,517 1.46
預金合計 19,317,269 280,212 1.45 18,335,825 260,956 1.42
銀行およびその他の金融機関預り金の支払利息
銀行およびその他の金融機関預り金の支払利息は、前年比6,573百万人民元(11.3%)増加して64,991百万人
民元となった。これは主に、本報告対象期間中の米ドル市場における金利の上昇および2018年上半期の人民元
市場における資金金利が相対的に高かったことにより銀行およびその他の金融機関預り金の平均費用率が25
ベーシス・ポイント上昇したことによるものである。
発行社債の支払利息
発行社債の支払利息は、前年比10,231百万人民元(50.8%)増加して30,373百万人民元となった。これは主
に、本報告対象期間中に国外組織発行の金融債券、手形、CDの規模および平均費用率が上昇したことに加え、
2017年下半期に当行が880億人民元のTier2資本証券を発行したことによるものである。当行が発行した社債
については「財務書類注記注35:発行社債」を参照のこと。
利息外収益
2018年の利息外収益は、前年比973百万人民元(0.6%)減少して152,603百万人民元となり、当行の営業収益
に占める割合は21.0%となった。うち、純受取手数料等は、4.1%増加して145,301百万人民元、その他の利息
外収益は、47.7%減少して7,302百万人民元となった。
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純受取手数料等
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018年 2017年 増/(減) 増加率(%)
銀行カード業務 43,719 38,692 5,027 13.0
決済・清算業務および現金管理 31,785 26,820 4,965 18.5
個人向け資産運用およびプライベートバンキング・
27,596 32,846 (5,250) (16.0)
サービス
投資銀行業務 24,002 23,189 813 3.5
法人向け資産運用業務 14,582 18,984 (4,402) (23.2)
保証およびコミットメント業務 8,861 6,818 2,043 30.0
資産受託業務 7,045 6,731 314 4.7
信託および代理サービス 1,959 1,805 154 8.5
その他 2,798 2,781 17 0.6
受取手数料等 162,347 158,666 3,681 2.3
控除:支払手数料等 17,046 19,041 (1,995) (10.5)
純受取手数料等 145,301 139,625 5,676 4.1
当行は、資産運用に関する新規則および他の規制要件に積極的に対応し、実体経済に貢献して顧客の金融需
要に応えることに注力し、仲介サービスの刷新・イノベーションを進める取組みを続けた。2018年の当行の純
受取手数料等は、前年比5,676百万人民元(4.1%)増加して145,301百万人民元となった。銀行カード業務によ
る収入は、クレジットカード分割払いサービス手数料および消費リターン手数料による収入の急増により
5,027百万人民元増加した。決済・清算業務および現金管理による収入は、主に第三者支払の急増により4,965
百万人民元増加した。保証およびコミットメント業務による収入は、主にコミットメント業務の急速な展開に
より2,043百万人民元増加した。当行は、資産運用に関する新規則に基づいて商品の刷新を積極的に進めた
が、2018年に導入された資産運用商品に対する増値税の影響により個人向け資産運用サービスおよび法人向け
資産運用業務による収入が減少した。
その他の利息外関連利益
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年 増/(減) 増加率(%)
トレーディング純収益 2,846 5,753 (2,907) (50.5)
金融投資に係る純利益 1,345 2,165 (820) (37.9)
その他の純営業収益 3,111 6,033 (2,922) (48.4)
合計 7,302 13,951 (6,649) (47.7)
その他の利息外関連利益は、前年比6,649万人民元(47.7%)減少して7,302百万人民元となった。うち、ト
レーディング純収益の減少は、主にデリバティブ契約の損失が増えたことによるものである。金融投資に係る
純利益の減少は、主に仕組預金の増加による顧客への見込支払額の増加によるものである。その他の純営業収
益の減少は、主に為替および為替レート商品の純損失の増加によるものである。
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営業費用
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018年 2017年 増/(減) 増加率(%)
人件費 121,074 114,954 6,120 5.3
固定資産費用 27,088 27,562 (474) (1.7)
税金および追徴金 7,781 7,465 316 4.2
償却費 2,339 2,114 225 10.6
その他 35,921 34,099 1,822 5.3
合計 194,203 186,194 8,009 4.3
当行は、引き続きコストの抑制・管理を強化した。営業費用は、前年比8,009百万人民元(4.3%)増加して
194,203百万人民元となった。
減損損失
2018年、当行の減損損失引当金は、前年比33,825百万人民元(26.5%)増加して161,594百万人民元となっ
た。うち、貸出金に係る減損損失引当金は、23,251百万人民元(18.7%)増加して147,347百万人民元となっ
た。詳細については「財務書類注記注23:顧客貸出金等」および「財務書類注記注14:資産に対する減損損
失」を参照のこと。
法人所得税
法人所得税は、前年比3,500百万人民元(4.5%)減少して73,690百万人民元となった。適用実効税率は
19.79%となった。中国の法定税率と適用実効税率による税引前利益に適用される法人所得税の調整計算につ
いては「財務書類注記注15:法人所得税」を参照のこと。
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② セグメント情報
当行の主たる事業セグメントは、法人金融、個人金融および資金業務である。当行は、各事業セグメントの
業績評価のために価値管理会計(MOVA)を採用している。
事業セグメント情報の要約
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
営業収益 725,121 100.0 675,654 100.0
法人金融 353,859 48.8 332,264 49.2
個人金融 273,490 37.7 247,919 36.7
資金業務 92,484 12.8 90,599 13.4
その他 5,288 0.7 4,872 0.7
税引前利益 372,413 100.0 364,641 100.0
法人金融 151,714 40.7 152,873 41.9
個人金融 144,284 38.7 137,843 37.9
資金業務 75,828 20.4 72,713 19.9
その他 587 0.2 1,212 0.3
注:詳細については「財務書類注記注50:セグメント情報」を参照のこと。
所在地別セグメント情報の要約
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年 2017年
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
営業収益 725,121 100.0 675,654 100.0
本店 86,107 11.9 73,787 10.9
長江デルタ 126,151 17.4 117,132 17.3
珠江デルタ 94,375 13.0 88,516 13.1
環渤海 136,799 18.7 126,006 18.8
華中 88,192 12.2 81,341 12.0
華西 108,518 15.0 100,795 14.9
華北・華東 27,958 3.9 28,632 4.2
海外その他 57,021 7.9 59,445 8.8
税引前利益 372,413 100.0 364,641 100.0
本店 38,506 10.3 47,191 12.9
長江デルタ 77,056 20.7 71,633 19.6
珠江デルタ 52,131 14.0 47,561 13.0
環渤海 75,483 20.3 66,818 18.3
華中 36,027 9.7 32,659 9.0
華西 54,409 14.6 47,694 13.1
華北・華東 5,562 1.5 10,812 3.0
海外その他 33,239 8.9 40,273 11.1
注:詳細については「財務書類注記注50:セグメント情報」を参照のこと。
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③ 貸借対照表の分析
2018年、当行は、外部状況の複雑な展開の動向に応じて、マクロ経済政策、資金供給源、実体経済の動向、
リスク管理の状況等を踏まえた慎重かつ着実な経営戦略を堅持し、総資産と負債の適度な増加と継続的な構造
最適化を進めた。また当行は、実体経済の発展に向けた支援を積極的に行うとともに、貸出や債券投資の規模
を適度に拡大したほか、預金業務発展の基盤を固めたことにより、資金供給源が安定的かつ持続的に成長し
た。
資産配分
2018年末現在、当行の総資産額は、前年末比1,612,497百万人民元(6.2%)増加して27,699,540百万人民元と
なった。うち、顧客貸出金等の合計(以下「貸出金合計」と総称する。)は1,186,457百万人民元(8.3%)増加し
て15,419,905百万人民元となり、投資は997,988百万人民元(17.3%)増加して6,754,692百万人民元となり、現
金および中央銀行預け金は241,296百万人民元(6.7%)減少して3,372,576百万人民元となった。
資産配分
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
顧客貸出金等合計 15,419,905 — 14,233,448 —
加算:未収利息 38,958 — — —
控除:償却原価で測定する
顧客貸出金等に係る減損損 412,731 — 340,482 —
失引当金
(1)
15,046,132 54.3 13,892,966 53.2
顧客貸出金等(純額)
投資 6,754,692 24.4 5,756,704 22.1
現金および中央銀行預け金 3,372,576 12.2 3,613,872 13.9
銀行およびその他の金融機
962,449 3.5 847,611 3.2
関預け金
リバース・レポ契約 734,049 2.6 986,631 3.8
その他 829,642 3.0 989,259 3.8
資産合計 27,699,540 100.0 26,087,043 100.0
注:「財務書類注記注23:顧客貸出金等」を参照のこと。
貸出金
2018年、当行は、社会の改革・発展に積極的に参加し、サプライサイドの構造改革および従来の成長要因か
ら新たな成長要因への転換を中心に実体経済の主要分野や重要点を支援した。これにより、当行は年間を通じ
てバランスの取れた秩序ある信用供与をすることができ、与信構造をさらに最適化した。また、質の高い経済
発展に必要なことに照らして、当行は主に、民間企業および小規模・零細企業向け金融サービスを拡充し、国
の主要インフラストラクチャー整備の資金需要を支援し、市民の住宅購入のための合理的な資金需要に応じ
た。2018年末現在、貸出金合計は、前年末比1,186,457百万人民元(8.3%)増加して15,419,905百万人民元と
なった。うち、国内支店における人民元建貸出金は、2017年末比1,160,095百万人民元(9.3%)増加して
13,591,421百万人民元となった。
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貸出金の事業分野別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
法人貸出金 9,418,894 61.0 8,936,864 62.8
割引手形 364,437 2.4 351,126 2.5
個人貸出金 5,636,574 36.6 4,945,458 34.7
合計 15,419,905 100.0 14,233,448 100.0
法人貸出金の満期別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
短期法人貸出金 2,504,493 26.6 2,802,542 31.4
中長期法人貸出金 6,914,401 73.4 6,134,322 68.6
合計 9,418,894 100.0 8,936,864 100.0
法人貸出金は、前年度末から482,030百万人民元(5.4%)増加した。これは主に、当行が、3つのサポートベ
ルト、雄安新区および粤港澳大湾区などの主要な戦略的計画を中心に、ハイエンド製造業の企業に対する資金
調達支援を継続的に強化し、輸送インフラストラクチャー間の相互接続、都市インフラストラクチャーおよび
公共サービス等の分野の重要プロジェクト、公共福祉プロジェクト、建設中のプロジェクトの投融資需要を支
援したことによるものである。
個人貸出金の商品群別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
住宅ローン 4,589,961 81.5 3,938,689 79.6
個人向け消費ローン 204,162 3.6 255,783 5.2
個人向け事業ローン 215,983 3.8 216,210 4.4
クレジットカード貸越 626,468 11.1 534,776 10.8
合計 5,636,574 100.0 4,945,458 100.0
個人貸出金は、前年末比691,116百万人民元(14.0%)増加した。うち、住宅ローンは、651,272百万人民元
(16.5%)増加した。これは主に、当行が市民の住宅購入資金需要を支援したことによるものである。クレジッ
トカード貸越は、91,692百万人民元(17.1%)増加した。これは主に、クレジットカード割賦事業の拡大が続い
たこととクレジットカード取引利用額が堅調に伸びたことによるものである。
投資
2018年、当行は、実体経済を支援する取組みを強化し、投資規模を適度に拡大し、資本の利用効率を高め
た。2018年末現在、投資(未収利息を除く)は、前年末比913,627百万人民元(15.9%)増加して6,670,331百万
人民元となった。
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投資
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
債券 6,049,076 89.6 5,373,733 93.4
資本性金融商品 57,909 0.9 19,073 0.3
(1)
563,346 8.3 363,898 6.3
ファンドその他
(2)
84,361 1.2 — —
未収利息
合計 6,754,692 100.0 5,756,704 100.0
(注1) 当行が元本保証型理財商品を発行して調達した資金により投資した資産を含む。
(注2) 詳細については「財務書類注記注24:金融投資」を参照のこと。
債券は、前年末比675,343百万人民元(12.6%)増加して6,049,076百万人民元となった。ファンドその他
は、199,448百万人民元(54.8%)増加して563,346百万人民元となった。
債券投資の発行体別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
政府債券 4,040,956 66.9 3,286,729 61.2
中央銀行手形 32,746 0.5 18,902 0.4
政策銀行債券 774,732 12.8 996,669 18.5
その他の債券 1,200,642 19.8 1,071,433 19.9
合計 6,049,076 100.0 5,373,733 100.0
発行体別内訳では、政府債券は前年末比754,227百万人民元(22.9%)の増加、中央銀行手形は13,844百万人
民元(73.2%)の増加、政策銀行債券は221,937百万人民元(22.3%)の減少、その他の債券は129,209百万人民元
(12.1%)の増加となった。当行は、実体経済の発展を支援するために、債券市場の供給状況に基づいて政府債
券の配分を増やした。
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債券投資の残存期間別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
残存期間
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
(1)
54 0.0 - -
無期
3か月未満 255,716 4.2 281,658 5.2
3か月-12か月 660,914 10.9 561,566 10.5
1年-5年 3,319,674 54.9 2,819,961 52.5
5年超 1,812,718 30.0 1,710,548 31.8
合計 6,049,076 100.0 5,373,733 100.0
(注1) 延滞債券を指す。
債券投資の通貨別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
人民元建債券 5,547,079 91.7 4,945,340 92.0
米ドル建債券 356,034 5.9 295,590 5.5
その他の外貨建債券 145,963 2.4 132,803 2.5
合計 6,049,076 100.0 5,373,733 100.0
通貨別では、人民元建債券は、601,739百万人民元(12.2%)増加した。本報告対象期間中、当行は、外貨建
債券投資ポートフォリオのリスクおよびリターンの均衡をとり、米ドル建債券の投資を増加させた。米ドル建
債券は60,444百万人民元(20.4%)増加し、その他の外貨建債券は13,160百万人民元相当(9.9%)増加した。
投資の測定方法別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
純損益を通じて公正価値で
805,347 11.9 440,938 7.7
測定する金融投資
その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融投 1,430,163 21.2
資
償却原価で測定する金融投
4,519,182 66.9
資
売却可能金融資産 1,496,453 26.0
満期保有投資 3,542,184 61.5
債権 277,129 4.8
合計 6,754,692 100.0 5,756,704 100.0
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1
2018年末現在、当グループは、1,378,173百万人民元の金融債券 を保有し、うち、政策銀行債券は774,732
百万人民元、銀行および銀行以外の金融機関が発行した債券は603,441百万人民元となり、それぞれ金融債券
全体の56.2%および43.8%を占めた。
1 金融債券とは、金融機関が債券市場で発行した負債性証券をいい、政策銀行、銀行および銀行以外の金融機関が
発行した債券を含むが、再編に伴う負債性証券および中央銀行手形は除く。
当行が保有する金融債券上位10本
(単位:百万人民元、%を除く。)
(1)
債券 額面金額 年利 満期日
減損損失引当金
政策銀行債券2012年 11,400 4.04% 2022年6月25日 –
政策銀行債券2010年 11,050 3.51% 2020年7月27日 –
政策銀行債券2012年 10,580 3.94% 2019年8月21日 –
政策銀行債券2011年 10,505 4.62% 2021年2月22日 –
(2)
10,410 5.75% 2019年1月14日 –
政策銀行債券2014年
政策銀行債券2012年 10,140 3.76% 2019年7月13日 –
政策銀行債券2012年 9,770 4.32% 2019年4月23日 –
政策銀行債券2010年 9,700 3.65% 2020年3月26日 –
商業銀行債券2017年 9,500 4.20% 2020年4月17日 –
ベンチマーク金利
政策銀行債券2010年 9,450 2020年2月25日 –
(3)
プラス0.59%
(注1) 新金融商品基準に従って計上されたステージ1の減損損失引当金を除く。
(注2) 当該債券は満期期日において償還された。
(注3) ベンチマーク金利とは、各利息計算期間の起算日にPBCが適用する1年もの定期預金の金利を指す。
負債
2018年末現在、当行の総負債額は、前年末比1,408,670百万人民元(5.9%)増加して25,354,657百万人民元と
なった。
負債
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
顧客預り金 21,408,934 84.4 19,562,936 81.7
銀行およびその他の金融機
1,814,495 7.2 1,706,549 7.1
関預り金
レポ契約 514,801 2.0 1,046,338 4.4
発行社債 617,842 2.4 526,940 2.2
その他 998,585 4.0 1,103,224 4.6
負債合計 25,354,657 100.0 23,945,987 100.0
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顧客預り金
顧客預り金は当行の主要な資金源である。2018年末現在、顧客預り金残高(未払利息を除く)は、前年末比
1,623,537百万人民元(8.3%)増加して21,186,473百万人民元となった。顧客別では、法人顧客預金残高は
775,676百万人民元(7.2%)増加し、個人顧客預金残高は867,501百万人民元(10.1%)増加した。満期別では、
定期預金残高は1,197,055百万人民元(12.8%)増加し、要求払預金残高は446,122百万人民元(4.5%)増加し
た。通貨別では、人民元建預金残高は、前年末比1,463,782百万人民元(8.0%)増加して19,841,403百万人民元
となった。外貨建預金残高は、159,755百万人民元(13.5%)増加して1,345,070百万人民元相当となった。
顧客預り金の事業分野別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018 年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
法人顧客預金
定期 5,076,005 23.7 4,635,661 23.7
要求払 6,405,136 29.9 6,069,804 31.0
小計 11,481,141 53.6 10,705,465 54.7
個人顧客預金
定期 5,505,236 25.7 4,748,525 24.3
要求払 3,931,182 18.4 3,820,392 19.5
小計 9,436,418 44.1 8,568,917 43.8
(2)
268,914 1.3 288,554 1.5
その他の預金
未払利息 222,461 1.0 — —
合計 21,408,934 100.0 19,562,936 100.0
注(1) 「財務書類注記注34:顧客預り金」を参照のこと。
注(2) 仕向送金および未払送金を含む。
顧客預り金の地域別内訳
(単位:百万人民元、%を除く。)
2018年12月31日現在 2017年12月31日現在
金額 全体比(%) 金額 全体比(%)
本店 56,304 0.3 60,261 0.3
長江デルタ 4,032,866 18.8 3,722,756 19.0
珠江デルタ 2,726,705 12.7 2,736,614 14.0
環渤海 5,922,781 27.7 5,203,857 26.6
華中 3,064,753 14.3 2,780,882 14.2
華西 3,591,835 16.8 3,236,441 16.6
華北・華東 1,105,344 5.2 1,033,381 5.3
海外その他 908,346 4.2 788,744 4.0
合計 21,408,934 100.0 19,562,936 100.0
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レポ契約
レポ契約は、前年末比531,537百万人民元(50.8%)減少して514,801百万人民元となった。これは主に、当行
が内部および外部の流動性の状態に基づいて資金調達規模を適度に調整したことによるものである。
株主資本
2018年末現在、株主資本は、前年末比203,827百万人民元(9.5%)増加して総額2,344,883百万人民元となっ
た。親会社の株主に帰属する資本は、202,510百万人民元(9.5%)増加して2,330,001百万人民元となった。詳
細については「財務書類:連結持分変動計算書」を参照のこと。
オフバランス項目の詳細については「財務書類注記注45:コミットメントおよび偶発債務」および「財務書
類注記注46:指定基金および貸出金」を参照のこと。
④ 規制要件に従って開示を要するその他の財務情報
主要規制指標
(単位:%)
規制基準 2018年 2017年 2016年
流動性比率(%) 人民元建 >=25.0 43.8 41.7 35.7
外貨建 >=25.0 83.0 86.2 82.3
預貸率(%) 人民元建および外貨建 71.0 71.1 70.9
最大の単一顧客に対する貸出金
<=10.0 3.8 4.9 4.5
の割合(%)
上位10位までの顧客に対する貸
12.9 14.2 13.3
出金の割合(%)
債権遷移率(%) 正常先 1.7 2.7 3.4
要注意先 25.3 23.2 23.5
要管理先 38.8 71.1 36.8
破綻懸念先 25.2 10.6 7.4
注: 表に記載した規制指標は、当期に適用される関連規制要件、定義および会計基準に従って計算されている。比較数値
は調整および修正再表示されていない。
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法人金融
顧客の需要に応えるために、当行は「全ての領域」の法人金融業務を行う戦略をさらに進め、フィンテックの
導入による商品革新とマーケティングサービス体制の刷新を速め、小規模・零細企業の発展を支え、「三農問題
(農業・農村・農民)」のための金融サービスの提供を優先し、実体経済への貢献の質と効率をさらに向上させ
た。
・当行は、与信構成の再編を着実に進めた。貸出の方向と金額、頻度と構成、リターンとリスクの関係は良好
なバランスを保った。「1プラス3」の与信レイアウト(「1」は基礎産業分野、「3」は3つの関連分
野、すなわち幸福産業、先端製造業、IoTの相互接続を指す。)の進展には著しいものがあり、この4分野
はともに急成長した。地域レイアウトの合理性を高めるために、当行は、雄安新区、海南自由貿易試験区、
粤港澳大湾区および長江デルタの与信市場におけるシェアを積極的に拡大した。このほか、新しいメカニズ
ムとモデルで新たな経済を支え、新たな市場に参入することを目指して、深 圳 と上海において科学技術イノ
ベーション企業向けの金融サービスセンターの建設が進められた。
・当行は、精力的に民間経済の発展を支援した。当行は、主要民間企業との間で効率よく「本店・本社間」契
約を締結し、中国の銀行業界をリードした。特色のある民間企業との関係を築き、優良基幹企業リストを作
成した。また、大手国有銀行による初の民間企業の債券による資金調達支援ツールの創設および投資をし、
民間企業によるデット・エクイティ・スワップを堅実に奨励した。
・当行の法人顧客預金は引き続き安定して増加した。預金者の開拓、柔軟な預金金利の設定、革新的な商品の
提供および管理の強化などの総合的な取組により、法人顧客預金増加の勢いが保たれた。良質の上場企業顧
客や産業の資金獲得、また、債券引受・募集、M&A、事業再編やQRコード支払等の主要資金源の確保を目指
して、情報システムとビッグデータ共有技術を活用した共同マーケティング・キャンペーンを全行的に開始
した。
・2018年末現在の法人顧客数は、前年末比762,000社増加して7,033,000社となった。法人貸出金残高は、
482,030百万人民元(5.4%)増加して9,418,894百万人民元となった。法人顧客預金残高は、775,676百万人民
元(7.2%)増加して11,481,141百万人民元となった。
インクルーシブ・ファイナンス
・当行は、インクルーシブ・ファイナンス・サービスの対象範囲を広げ、かつ利便性を高めるために、オンラ
イン、オフラインのいずれでも利用できる統合型サービスネットワークを積極的に展開した。当行は、オン
ラインサービスについては「ICBC小規模・マイクロファイナンス・プラットフォーム」、ならびに「事業向
けクイック融資」、「オンライン・リボルビング・ローン」および「オンライン・サプライチェーン」で構
成される総合的インクルーシブ・ファイナンス・サービス・システムを改善した。オフラインサービスにつ
いては、インクルーシブ・ファイナンスに特化した組織の構築をあらゆるレベルで積極的に進め、小規模・
零細企業向け金融センターの機能を、マーケティング組織センター、業務処理センター、リスク管理セン
ターおよびO2O業務サービスセンターとして強化した。2018年末現在、258の小規模・零細企業向け金融セン
ターが設置された。
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・当行は、小規模・零細企業向け金融サービスの市場を大幅に拡大し、小規模・零細企業にインクルーシブ・
ファイナンス・サービスを提供するために一連のキャンペーンを展開した。数千に上るオフライン特化市
場、Eコマース・プラットフォームおよび主要企業を訪問して協力関係を深め、また、インクルーシブ・
ファイナンス・サービスをさらに多様化するために多くの地方政府、業界団体、工業団地および特化市場と
協力関係を深める契約を締結した。2018年末現在、各企業への貸出金合計が10百万人民元以下の小規模・零
細企業向け貸出金は321,685百万人民元となり、年初比49,203百万人民元(18.1%)増加した。小規模・零
細企業向け貸出金の顧客数は、年初比91,000社増加して308,000社となった。2018年に実行した貸出金の平
均金利は、前年比0.26パーセント・ポイント低下して4.95%となった。
・当行は、農業・農村・農民向け金融サービスの提供を総合的に推進し、全行的に農業・農村・農民向け金融
サービスを推進する取組の一環として、本店および第1レベルの支店レベルで、農業関係の与信方針の実施
と全体的な管理に関して責任を担うインクルーシブ・ファイナンス推進委員会を設置した。2018年末現在、
インクルーシブ・ファイナンスの対象となる農民向け事業貸出金および農業・農村・農民向け小規模・零細
企業貸出金は合計で89,134百万人民元となり、年初比9,547百万人民元(12.0%)増加した。貸出金の顧客
数は、年初比21,000件増加して55,000件となった。2018年に実行した貸出金の平均金利は、前年比0.34パー
セント・ポイント低下して5.03%となった。
機関金融業務
・当行は、政府との協力関係をさらに進展させた。当行は、主要改革部門の口座開設のために精力的にマーケ
ティング活動を行い、中央政府関連顧客市場のシェアが最大となった。政府機関および行政機関に年金保険
改革を支援する金融サービスを積極的に提供し、基礎年金保険口座市場の最大シェアを維持した。当行は、
中国の財政改革との整合性を図りつつ、国家財政収支の電子化を支援し、あらゆるレベルで財政部門と予算
部門へのサービス提供能力を高め、財政支出の電子支払代行サービスおよび税金以外の電子徴収代行サービ
スを導入した地域・顧客数および関連する代理業務件数で銀行業界のトップを保った。当行は、各地の退役
軍人事務部との関係を深め、引き続き退役軍人向け金融サービスの提供能力を高めた。政府機関と行政機関
は重要な顧客であるため、当行は、顧客の拡大、サービスのグレードアップ、商品の普及を目的として、
「ICBCキャンパス・クラウド」、「宗教クラウド・プラットフォーム」、「党・同盟・労働組合向けクラウ
ド・プラットフォーム」等のシステムおよびアプリケーションの研究、開発、普及活動をした。
・当行は、他の銀行との協力を着実に進めた。中国農業発展銀行、広発証券、中国人寿保険、中国人民保険等
業界大手の顧客と包括的協力契約を締結した。
・当行は、銀行、保険会社および先物取引業者と提携した取組により貧困を緩和する新たなモデルを導入し、
対象とする貧困救済を共同して、かつ効果的な方法で強化した。具体的には、保険会社と先物取引業者が農
民にリスク管理サービスを提供することを前提にして、当行は、貧困対策金融商品およびサービスシステム
を強化・改善するために、与信枠、eコマース販売、保険料寄付および関連する理財商品の発行などのサー
ビスを改善・充実させた。
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決済および現金管理
・当行は、基本的な決済業務の革新と刷新を進めた。商工業企業リンク、ICBC eペイメント、高額資金フ
ロー・モニタリング・プラットフォーム等のサービスの提供を進め、口座数を安定して増加させた。高級資
産運用センターおよび法人金融の理財センターの競争力を強化し、全ての店舗の法人顧客サービスの業務能
力を高めた。「店舗サービス+リモートサービス」および「インテリジェント化されたサービス+人による
サービス」を組み合わせた顧客サービス・メンテナンス・メカニズムが構築されつつある。
・当行は、法人支払サービス・プラットフォームの優位性を高めた。金融サービス、ITおよび企業の資金管理
を統合したグローバル現金管理プラットフォームの研究開発をした。小規模・零細企業向け金融サービス・
プラットフォームを積極的に活用し、これを総合金融サービス・プラットフォームに刷新したことでワンク
リックでアクセスできるようになり、インクルーシブ・ファイナンス業務が強化された。当行は、「ICBC
プーリング」プラットフォームの金融サービスを顧客の金融需要に結びつけることで、「取引+金融」に
よって効果的な顧客獲得モデルを実現した。
・2018年末現在、当行の法人決済口座数は前年末比11.1%増加して8,319,000件となり、決済額は1.4%増加し
て2,600兆人民元となった。現金管理業務の顧客は1,375,000社、グローバル現金管理業務の顧客は14.0%増
加して7,282社となった。
国際決済および貿易金融
・国際業務の顧客基盤がさらに拡大した。当行は、粤港澳大湾区にシナジー効果を生じさせるための一体的連
動発展メカニズムを策定した。当行は、多角的なアプローチでの顧客拡大と質の向上のために税関システム
関連企業向けの特別マーケティング・キャンペーンを実施した。
・業務のオンライン化に関連する変革・刷新が加速された。当行は、税関システムとの接続フェーズ1プロ
ジェクトを立ち上げ、シングルウィンドウ金融サービスを提供する最初の提携銀行のうちの1行となり、ク
ロスボーダー取引向けサービスの利便性を高めた。新世代法人インターネットバンキングによるクロスボー
ダー送金システムの導入により、あらゆる業務書類の処理が電子化され、当行の個別のニーズの対応能力が
向上した。当行は、主要顧客のために銀行・企業間相互接続システム、SWIFT直接接続その他の機能を導入
し、これによりサービス対応が効率化した。
・当行は、第1回中国国際輸入博覧会(以下「CIIE」という。)のために積極的に金融サービスを提供し、出
展者の取引仲介のためのサービス・プラットフォームを提供した。一帯一路銀行間常時協力メカニズムを活
用して、当行はCIIE期間中に顧客向けマーケティングおよび業務拡大の機会として、一帯一路貿易金融協
力・革新フォーラムを主催した。
・2018年、国内支店で実行された国際貿易金融は総額53,045百万米ドルとなった。国際決済額は2,908,418百
万米ドルとなり、うち1,161,942百万米ドルは国外組織によるものであった。
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投資銀行業務
・当行は、商品革新を重視するとともに、M&Aアドバイザリー業務、デット・ファイナンス・アドバイザリー
業務およびエクイティ・ファイナンス・アドバイザリー業務を積極的に拡大した。「M&Aローン+M&Aボン
ド」の組み合せ商品を提供し、法人顧客に対する資産担保証券(「ABS」)業務の営業活動を加速し、株式
投資業務のための資金調達力およびプロジェクト運営力を高めた。流動性デット・ファイナンス業務は、
ザ・チャイニーズ・バンカー誌の2018年「Top 10 Financial Product Innovation Award (Corporate
Business)」を受賞した。
・当行は、新しい価値を追求する投資リサーチモデルを用いて市場を牽引することを重視し、「ICBCインベス
ト・バンキング・リサーチ」ブランドの構築に力を注いだ。投資銀行業務リサーチチームは、セキュリ
ティーズ・マーケット・ウィークリーの2018年「Vision Cup」世界市場予測で第1位を獲得した。
・当行は、REFINITIVが公表した「List of Completed Deals with China’s Participation」のアドバイス件
数別ランキングで、5年連続中国およびアジア・太平洋地域のM&Aファイナンス・アドバイザー第1位と
なった。また、当行は、REFINITIVが公表した「Advisors for Chinese Outbound Acquisition
Transactions」のランキングでは、中国のアウトバウンド買収案件のクローズ件数で世界第1位の財務アド
バイザーとしての地位を保った。
・2018年、当行は、1,600件、総額1,324,818百万人民元の中国内外の債券案件で引受主幹事行を務め、中国国
内の引受主幹事行としての引受規模で市場第1位の地位を保った。
個人金融
2018年、当行は、市民の消費構造のグレードアップと需要拡大、フィンテックの普及という発展の機会をとら
え、積極的にリテール銀行業務のインテリジェント化による刷新を進め、リテール銀行業務とフィンテックの統
合をさらに進め、これによりインテリジェント化させた新しい種類のモデル、サービスおよびチャネルを創出
し、中核事業の競争力を全面的に向上させた。
・当行は、革新的なオンラインチャネルサービスモデルを導入し、サービスの境界を広げ、ICBC eウォレット
の提供を開始し、福祉、インターネット企業、新農村建設等の分野の第三者プラットフォームと協働し、電
子口座、資金管理、支払・決済、投資・資産運用、小額融資等の金融サービスを取引先用のシナリオに取り
入れ、取引先のプラットフォームのユーザー向けに基本的な金融サービスを提供した。このほか、インテリ
ジェント化されたオフラインサービスのレベルを高め、顧客開拓サービスを刷新し、インテリジェント携帯
端末の利用を拡大した。
・当行は、インテリジェント化されたサービスの能力を高め、個々の顧客に合わせた金融サービスを提供し
た。インテリジェント化された資産配分業務を開始し、資産運用業務を単一商品の販売から、インテリジェ
ント化され、専門家レベルの統合型高級資産運用業務モデルに変化させた。また、インテリジェント化され
た個人顧客向けマーケティングサービス・プラットフォームを構築し、自動化かつインテリジェント化され
た精密なオンライン・マーケティングサービスを実現した。
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・当行は、顧客の口座と資金の安全性を強化した。口座のセキュリティ検知、口座のセキュリティロック、取
引限度額のカスタマイズその他の個々のニーズに合わせた機能を統合した「ICBCインテリジェント・ディ
フェンダー」口座セキュリティサービスをグレードアップし、また、「モニタリング・クラウド」を用いた
「クラウド+アプリケーション」インテリジェント防止・制御システムを構築・充実させ、顧客口座の取
引・資金の安全を守るためにインテリジェント化された総合セキュリティ保護システムを提供した。
・当行は、引き続き預金商品革新の取組みを強化し、ベーシック、インクルーシブ、ストラクチャード、エク
スクルーシブ、プレステージ等の預金タイプを組み合わせた個人預金商品を開発した。異なった顧客グルー
プに対して「Merchant Benefit」、「Happy Deposit」、「Freewill Deposit」といった一連の革新的な商
品を提供してカスタマーエクスペリエンスの向上を図った。また、地方部の顧客に対してより良質の金融
サービスを提供するために、地方部の顧客専用の預金商品を導入した。
・当行は、利便性が高く効率的な個人向け金融サービスを提供した。住宅ローン直接接続システムを導入し、
住宅ローン申請・承認手続をビジネスシナリオに組み込ませた。政府機関のシステムとの接続により住宅売
買、担保登記およびローン申請に関するデータ交換が可能となったのは銀行業界では当行が初めてであり、
これにより業務効率が改善され、顧客の利便性が向上した。
・当行は、代理販売の刷新を進めた。AI投資プラットフォームをアップグレードし、AI Indexを導入すること
によって、「ワンクリック・インベストメント」や「ワンクリック・ホールディングス・アジャストメン
ト」などのインテリジェント化されたファンド商品専門サービスを実現した。オンラインのワンストップ自
動車オーナーサービス・プラットフォームである「インテリジェント・トラベル・アラウンド・ザ・ワール
ド」の提供を開始し、これにより自動車オーナーは銀行の販売ルートを通じてオンラインで自動車保険に加
入することができるようになった。2018年、ファンドの代理販売は7,681億人民元、国債の代理販売は684億
人民元、個人向け保険商品の代理販売は1,009億人民元となった。
・2018年末現在、個人顧客金融資産総額は、13.51兆人民元となった。個人顧客預金は、867,501百万人民元
(10.1%)増加して9,436,418百万人民元となった。個人貸出金は、691,116百万人民元(14.0%)増加して
5,636,574百万人民元となった。当行の個人顧客数は39.67百万人増加して607百万人となり、うち個人貸出
金の顧客数は1.03百万人増加して13.29百万人となった。
プライベートバンキング
・当行は、リテール、資産管理、投資銀行業務およびテクノロジー等の分野における当行の全般的な利点を活
かして、プライベートバンキングにおいて、明瞭かつ全てのプロセスが含まれた包括的かつ専門的な総合
サービスを顧客に提供した。
・当行は、インテリジェント・プラットフォームの導入によりプライベートバンキングのインテリジェント投
資システムを充実させ、顧客にインテリジェント資産配分サービスを提供し、インテリジェント化により顧
客サービスを刷新した。
・当行は、「君子は仲間と共に歩む」をテーマに金融文化展を開催した。このほか当行は、ビジネスパート
ナーと協力して、プライベートバンキングブランドの影響力を高めるためのチャリティー・プロジェクトを
協賛した。
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・当行は、ザ・バンカー誌から「Best Private Bank in China」、ザ・アジアン・バンカー誌から「Best
(Mega) Private Bank in China」を受賞した。
・2018年末現在、当行のプライベートバンキング顧客は、前年末比5,200件(6.9%)増加して80,700件となっ
た。運用資産は、587億人民元(4.4%)増加して1.39兆人民元となった。
銀行カード事業
・デビットカード商品は革新を続けた。デビットカードデザインのカスタマイズサービスを導入し、パーソナ
ライズを希望する顧客のニーズに応えた。当行は、特殊技術を用いて中国の伝統文化と金融支払ツールを結
合した「麒麟デビットカード」、中・高所得顧客を対象とする「麒麟トレジャリーカード」、十代および若
年層を対象とする「麒麟バースカード」を発行した。顧客によるオンライン申込を受けてデビットカードを
直接郵送するサービスは、銀行業界では当行が初めてである。
・クレジットカード商品の種類が豊富になった。「ICBCゾディアック・カード」、「“Like China”ICBCエン
デバー・クレジットカード」、「微信(WeChat)共同ブランドカード」、「オーバーシーズ・スチューデン
ト・カード」、「グローバル・プラス・カード」など一連の新しいクレジットカード商品が発行された。当
行では、異なる種類のクレジットカード商品で追加カードを作ることができる。当行は、クレジットカード
ブランドの影響力を高めるために「I GO」販促キャンペーンをレベルアップした。
・割賦事業のブランディングレベルが向上した。当行は、クレジットカード割賦事業の各ブランドを新ブラン
ド「ハッピー・インストールメント」に統合し、また、革新的な商品である「eインストールメント」を提
供するとともに、従来の割賦事業を適度に拡大した。
・「宇宙星座クレジットカード」は、国際カード製造業者協会から「Élan Award」を受賞した。
・2018年末現在、当行が発行した銀行カードは前年末比82.59百万枚増加して991百万枚となった。うち、デ
ビットカードは840百万枚、クレジットカードは151百万枚発行された。クレジットカードの貸越残高は、前
年末比91,692百万人民元(17.1%)増加して626,468百万人民元となった。2018年、銀行カードの利用額は
7.0兆人民元となり、うちデビッドカード利用額は4.1兆人民元、クレジットカード利用額は2.9兆人民元と
なった。
資産管理業務
当行は、資産運用に関する新規則が公表されたことによる課題と機会に積極的に対応し、メガ資産管理戦略を
統合的に進めた。資産管理業務と商品の刷新を着実に進め、投資管理とリサーチ力を全面的に向上させた。当行
は、メガ資産管理業務システムを構築したことで、当グループが資産運用業務、資産受託業務、年金業務につい
て持つ強みとファンド、保険、リース、投資銀行業務の専門分野に特化した各子会社の総合的な機能を活用し
て、あらゆる市場での資本の配分とバリューチェーン全体での価値創造が可能となり、多様で専門的かつ総合的
なサービスを顧客に提供できるようになった。
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資産運用業務
・当行は、純資産ベースの理財商品の刷新を着実に進め、「Xin De Li」、「Xin Wen Li」、「Tian Li
Bao」、「Bogu Tongli」などの革新的な理財商品を提供した。
・当行は、システムとメカニズムの革新・刷新を進め、統計、商品、投資リサーチ、販売およびリスク管理に
ついてメガ資産管理業務の統括管理レベルを持続的に向上させた。
・海外の資産管理プラットフォームは安定して発展した。工銀資管(全球)有限公司(ICBC Asset Management
(Global) Company Limited)は、グローバルに展開し、カスタマイズされたソリューションを備えるきわめ
て充実した商品システムを構築している。
・2018年末現在、元本非保証型理財商品の残高は2,575,857百万人民元となった。
資産受託業務
・受託資産の規模は着実に増加し、中国最大のカストディアン銀行としての当行の地位はさらに強固になっ
た。外部規制環境の変化に対応して、当行は、純資産商品運用の専門知識と経験を活用して、保険資産、理
財商品およびミューチュアル・ファンドの受託資産の規模を増加させた。当行は、年金保険制度改革の機会
をとらえ、企業年金、職業年金および年金保険基金の受託市場のシェアを高めた。
・当行は、「上海・ロンドン株式市場接続」プログラムでの中国預託証券(CDR)のデポジトリ(受託会社)
およびカストディアンの資格申請を着実に進め、また、「ファンド・コネクト」という付加価値的な受託
サービス提供を全面的に開始した。このほか、当行は、「チャイナ・サザン・アセット・マネジメント」、
「チャイナAMC」、「チャイナ・ユニバーサル」の3件の戦略的な配分ファンドのカストディ業務を受託し
た。
・当行は、資産受託サミットを開催し、対外広報および顧客マーケティング活動を強化し、「ICBCカスト
ディ」ブランドの評判をさらに高めた。
・当行は、ザ・アジアン・バンカー誌から「Custodian Bank of the Year in Asia Pacific」を受賞し、ザ・
アセット誌から「Best National Custodian, China」および「Best Insurance Custodian, China」を受賞
した。
・2018年末現在、当行の受託資産額(純額)は16.30兆人民元となった。
年金業務
・当行はその主導的な地位をさらに強固にした。中央政府、全地方政府機関および行政機関の職業年金の受託
業務およびカストディアン業務について応札し、当行の落札率は銀行間で第1位となった。
・国民福祉に積極的に貢献し、当行は、全ての企業および公的機関向けに、包括的かつワンストップの年金管
理サービスを提供し、中国最大の年金サービスプロバイダーとしての地位を維持した。7,000社以上の中小
企業向けの集合企業年金制度商品である「Ruyi Pension Management」をニーズに合わせて調整し、管理費
用を軽減する革新的な管理ツールを導入した。
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・当行は、持続的にサービス経験および運用効率を向上させた。グループレベルで年金業務の戦略的配分チー
ムを設置し、資産配分能力をさらに高めた。顧客に対して地域に即した良質の受託業務が提供された。当行
は、業務の自動化およびセルフサービスのレベルを上げ、口座管理とカストディ業務を直接連動させるプロ
ジェクトを進め、顧客に便利で安全なオンライン年金サービスを提供するために「ICBC e年金」の機能の最
適化を続けた。
・2018年末現在、当行が受託管理する年金基金は1,155億人民元、管理する個人年金口座は17.87百万件、保管
管理する年金基金は総額5,462億人民元であった。当行は、受託管理する企業年金の規模、管理する企業年
金個人口座数、保管管理する企業年金の規模において引き続き他の銀行を上回った。
金融市場事業
マネー・マーケット活動
・人民元建てマネー・マーケットにおいて、当行は、資金運用力を高め、業種、満期および顧客構造を合理的
に調整して積極的に市場に資金を貸し出し、資金運用効率を高めた。また、革新的な事業展開を進め、初め
ての人民元建てインターバンク貸出夜間取引に参加し、クロスボーダー支払・決済口座の夜間融資ルートを
拡大し、また、ナショナル・インターバンク・ファンディング・センターが試験的に行っている、決済目的
以外のインターバンク預金のオンライン取引に積極的に参加し、当該事業についての先発優位性を保った。
・外貨建てマネー・マーケットにおいて、当行は、市場動向の徹底的な分析をし、適切な時期に外貨建てイン
ターバンク預金の規模を拡大し、資金運用収益率を高めた。また、顧客数と事業規模を増大させるために国
内の銀行以外の金融機関の預金事業に積極的に参加し、外貨資金の運用ルートを広げ、米ドル建て譲渡性預
金について独創的な投資をし、米ドル以外の通貨のインターバンク預金事業を拡大し、引き続き国内イン
ターバンク預金市場においてマーケットメイク能力を高めた。
投資
・人民元建て債券投資において、当行は、債券市場における大幅な利回り低下に、投資収益率を高めるための
一連の措置で対応した。当行は、実体経済の発展と企業の資金調達需要を積極的に支援し、非金融企業の無
担保社債への新規投資の比率を上げた。このほか当行は、民間企業を支援し、民間企業の資金調達上の困難
を緩和するための市場初の特別目的債券である信用リスク軽減ワラントに投資した。
・外貨建て債券投資において、当行は、米連邦準備制度理事会による利上げにより外貨建て資金コストが上昇
し、債券ポートフォリオの純金利マージンが低下するという不利な状況に直面して、外貨建て債券ポート
フォリオ管理の取組を強化し、利上げサイクル中のポートフォリオのデュレーションを厳格に制御し、格付
も流動性も高い債券商品への投資を強化し、投資ポートフォリオの全体的な利益率を改善するために、利回
りが最高のときに積極的に配分を増加させた。
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融資
・当行は、資金運用および流動性管理の必要性に沿って、負債資産事業の多角的な成長を支える能力を高める
ために、インターバンク借入れ、仕組預金および高額CD等の負債の規模と構造を合理的に調整した。
・当行のCDおよび発行社債の詳細については「財務書類注記注33:譲渡性預金」および「財務書類注記注35:
発行社債」を参照のこと。
フランチャイズ資金事業
・フランチャイズ外国為替決済・販売事業および外国為替取引について、当行は、政府の一帯一路構想に積極
的に応じ、また実体経済への貢献を重視して、引き続き通貨と業種を多様化させた。2018年末現在、当行
は、33通貨により対人民元外国通貨売買を行い、90近い通貨で外国為替取引およびノンデリバラブル・フォ
ワード(NDF)取引を行った。2018年、フランチャイズ外国為替決済・販売の規模は4,499億米ドルとなっ
た。一帯一路沿いおよび新興市場の諸国の通貨の取引は、前年比63.2%増加した。
・ペーパー商品取引について、当行は、顧客基盤を拡大するために的を絞ったマーケティング戦略を導入し
た。また当行は、業務革新と機能の最適化を強化し、インターネット・バンキング、モバイル・バンキング
およびICBC金融取引アプリケーションを含む全ての販路にシミュレーション口座取引機能を導入してペー
パー商品取引事業の活発化と市場における評判の向上を図った。2018年、ペーパー商品取引事業の取引高
は、前年比42.8%増加して5,871億人民元となった。
・法人の商品取引について、当行は、引き続き取引業務商品の多様化を進め、法人商品取引の競争力を一層強
化した。当行は、継続的に法人商品取引システムの機能を改良し、専門知識、適時性および利便性などの異
なった角度から法人顧客の需要に応じる取組をし、これによって顧客サービスのレベルがさらに向上した。
・債券代理取引・決済業務について、当行は、39の国・地域の200近い海外機関取引先と代理取引提携関係を
結んだ。また、当行は、中央国債登記結算有限責任公司から「Excellent Settlement Agent Award」を受賞
し、ナショナル・インターバンク・ファンディング・センターから「Contribution Award for Opening up:
Excellent Settlement Agent」を受賞した。このほか、当行は、引き続き店頭取引債券業務の刷新を進め、
国家開発銀行と協力して、店頭取引の貧困緩和債2トランシェを販売し、これにより中央国債登記結算有限
責任公司から「Excellent Institution Award for Over-the-counter Debt Business」を受賞した。
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資産証券化事業
・資産証券化事業により、当行の滞留資産が活性化され、与信構造が効果的に最適化された。2018年、当行
は、中国本土において総額2,168億人民元の信用貸付資産証券化プログラム26トランシェを発行した。う
ち、16トランシェは総額2,042億人民元の住宅ローン証券化プログラム、6トランシェは59億人民元の個人
貸出金の不良債権証券化プログラム、3トランシェは12億人民元のクレジットカード資産不良債権証券化プ
ログラム、1トランシェは55億人民元の法人貸出金証券化プログラムであった。
貴金属事業
・当行は、故宮博物館と戦略的提携をする機会を得て、オリジナル商品「ICBCニューイヤー・セレブレーショ
ン/ラッキーイヤー」を発売し、また、最近の話題を踏まえて「雄安新区記念バッジ」や「サクセス・プレ
シャスメタル」など地域的な特色のある商品を開発した。
・ICBCモールで「切手&コインパビリオン」が稼働開始し、当行は、切手とコイン売買のための高級オンライ
ン市場を持つ最初の商業銀行となった。
・当行は、上海黄金交易所におけるパンダ金貨取引の最初のかつ独占的なマーケットメーカーとなり、また、
同取引所における初の銀引合業務マーケットメーカーグループに名を連ねた。
・当行は、上海黄金交易所の代理機関として3,455億人民元の決済をし、これは第1位の決済高であった。
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業務の国際化および多角化
業務の国際化
・当行は、引き続きグローバル・ネットワークを強化した。チューリッヒ支店、マニラ支店、ホーチミン・シ
ティ駐在員事務所およびICBCアルマトイ・アスタナ駐在員事務所が正式に開業し、ICBC(オーストリア)が
認可を受けた。
・当行は、クロスボーダー人民元業務を積極的に進めた。クロスボーダー人民元建て貿易金融を展開し、企業
の資金調達コストを削減し、クロスボーダー貿易での人民元の利用を増加させるための取組を強化した。一
帯一路プロジェクト向けクロスボーダー人民元建て金融および石油貿易での人民元建て値付け・決済が無事
に終了した。当行は自由貿易区業務の革新の展開を加速させており、海南自由貿易試験区に別途会計システ
ムを設置し、また金融開放政策に従って、「パンダ債」の発行および外国金融機関による中国のインターバ
ンク債券市場への投資で大々的なキャンペーンを実施した。当行は、人民元の国際化の着実な進展を積極的
に支援し、周辺諸国およびアフリカにおいて人民元の利用を促進させている。
・2018年、当行のクロスボーダー人民元建取引額は4.60兆人民元となった。当行は、83件の「海外進出」およ
び一帯一路プロジェクトに対し追加の貸出をし、貸出金総額は191億米ドルとなった。
・2018年末現在、当行は、47の国と地域に426の組織を設立し、スタンダード・バンク・グループの株主とし
て間接的にアフリカの20か国を網羅している。また、当行は145の国と地域の1,502の国外金融機関とコルレ
ス契約を締結し、6大陸および主要国際金融センターを含むサービス・ネットワークを構築している。その
中で、当行は、一帯一路沿いの21の国と地域に131の組織を維持している。
国外組織の主要指標
資産 税引前利益
組織数
(単位:百万米ドル) (単位:百万米ドル)
2018年末現在 2017年末現在 2018年 2017年 2018年末現在 2017年末現在
香港およびマカオ 182,777 178,045 2,017 1,850 104 106
アジア太平洋地域(香港
98,766 84,346 1,025 783 91 89
およびマカオを除く)
欧州 76,127 69,933 134 273 81 81
米州 56,948 66,745 553 586 149 142
アフリカ駐在員事務所 – – – – 1 1
消去 (34,100) (44,757)
小計 380,518 354,312 3,729 3,492 426 419
スタンダード・バンクへ
3,786 4,285 386 426
(1)
の投資
合計 384,304 358,597 4,115 3,918 426 419
(注1) 資産は当行のスタンダード・バンクに対する投資残高を示し、税引前利益は本報告対象期間中に当行が認識した当
行の投資利益を示している。
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・2018年末現在、当行の国外組織(国外支店、子会社およびスタンダード・バンクへの投資を含む。)の総資
産額は、前年末比25,707百万米ドル(7.2%)増加して384,304百万米ドルとなり、当グループの総資産額に
占める割合は0.5パーセント・ポイント増加して9.5%となった。本報告対象期間中の税引前利益は、前年比
197百万米ドル(5.0%)増加して4,115百万米ドルとなり、当グループの税引前利益に占める割合は0.6パー
セント・ポイント増加して7.6%となった。貸出金合計は207,591百万米ドルとなり、預金残高合計は7,867
百万米ドル(6.4%)増加して130,964百万米ドルとなった。
業務の多角化
・ICBCクレディ・スイス・アセット・マネジメントは、規制要件を厳格に実施し、投資リサーチとリスク管理
のレベル向上を続け、政策指針と顧客のニーズに従い、当グループとの協調を深め、年金業務における新た
な機会をとらえ、着実にミューチュアル・ファンドその他の委託投資管理事業の展開を促進した。その結
果、同社は全体として安定した経営状態を維持した。
・ICBCリーシングは、実体経済を支援し、航空機・船舶リース事業の着実な発展を助け、当グループとの連携
を深め、機器リースをハイエンド製造業、グリーンエネルギー、インフラストラクチャ―整備その他の分野
に転換させる取組を強化している。同社は、リスクの管理・統制のための強固な基盤を築きつつ、リスク資
産の転換・処分を加速させた。ICBCリーシングは、利益剰余金を使用した70億人民元の増資を無事完了し、
その結果、同社は登録資本金が中国最大のファイナンスリース会社となった。2018年3月28日、ICBCリーシ
ングの完全所有子会社である工銀航空金融租賃有限公司(ICBC Aviation Leasing Company Limited)が香
港で正式に設立された。これにより、当行の航空機リース業務が専門化し、業務レベルが向上した。
・ICBCアクサは、事業構造の転換を進め、健康保険事業の展開を精力的に進めた。また、養老保険契約につい
ての個人所得課税繰延措置導入の機会をとらえ、課税繰延型養老保険商品を試験導入する企業リストに名を
連ねた。加えて、同社は、工銀安盛資產管理有限公司(ICBC-AXA Asset Management Co., Ltd.)の設立に
関する承認を受けた。工銀安盛資產管理有限公司は、中国初の、保険会社との資産管理合弁会社となる。
・ICBCインターナショナルは、安定した業績ならびに経営効率、資産の質およびリスク管理の成長の勢いが良
好であり、同社の4つの主要事業である投資銀行業務、販売・取引業務、投資管理業務、資産運用業務は高
品質なレベルで発展した。ICBCインターナショナルの新規株式公開業務の引受額は香港メインボード市場で
第3位となった。また同社は、債券引受業務が着実な成長を示したこともあり、ユーロ建て債券引受では中
国企業の第1位となった。同社は、新経済エクイティ投資プロジェクト分野において活発に活動した。
・ICBCインベストメントは、市場志向型のデット・エクイティ・スワップ事業を積極的かつ着実に進め、年間
の新規投資プロジェクトの規模で業界をリードした。デレバレッジに対する企業の多様な要求に対処するた
めに、ICBCインベストメントは、事業展開モデルを刷新し、業界、地域およびプロジェクトモデルの側面に
おいて良い例となる一連のプロジェクトを立ち上げた。
・工銀理財有限責任公司(ICBC Wealth Management Co., Ltd.)の設立は、CBIRCによって承認された。
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(2)財政状態
上記「3-(1) 経営成績の状況」を参照のこと。
(3)キャッシュ・フローの状況
2018年の営業活動によるキャッシュ・フローは、2017年の770,864百万人民元のインフローに対し724,133百
万人民元のインフローとなった。2018年の投資活動によるキャッシュ・フローは、2017年の489,258百万人民
元のアウトフローに対し731,745百万人民元のアウトフローとなった。 2018年の財務活動によるキャッシュ・
フローは、2017年の81,835百万人民元のインフローに対し35,924百万人民元のアウトフローとなった。
上記「3-(1) 経営成績の状況」を参照のこと。
2018年12月31日現在、現金および現金同等物残高は、2017年12月31日現在の残高1,520,330百万人民元から
減少して1,509,523百万人民元となった。
(4)生産、受注及び販売の状況
上記「3-(1) 経営成績の状況」を参照のこと。
(5)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
上記「3-(1) 経営成績の状況」を参照のこと。
4 【経営上の重要な契約等】
重要な委託、下請契約、リース
本報告対象期間中、当行は他の会社の資産に関し、開示の対象となる重要な信用貸しを行わず、重要な下請契
約またはリース契約を締結しなかった。また他の会社が当行の資産に関し、開示の対象となる重要な程度の信用
貸しを行わず、重要な下請契約またはリース契約を締結しなかった。
重要な保証
保証の提供は当行の通常業務の一環である。本報告対象期間中、PBCおよびCBIRCが承認した事業範囲の金融保
証サービスを除き、当行は開示を必要とする重要な保証は行わなかった。
5 【研究開発活動】
該当事項なし。
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第4 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
「第6-1 財務書類」の「財務書類注記注27:有形固定資産」を参照のこと。
2 【主要な設備の状況】
2018年末現在、当行は合計で16,820の事業所を有しており、前年度末から68の減少となった。その内訳は、国
内事業所が16,394、海外事業所が426である。国内事業所には、本店、36の第1レベル支店および本店の直轄管
理下にある支店、446の主要都市の支店および第2レベル支店、15,752の出張所、29の本店レベルの収益力のあ
る部門およびそれらが直轄管理する事業所および支店ならびに130の子会社およびその支店が含まれる。
事業所の地理的分布
2018年12月31日現在
設備数 割合(%)
本店 30 0.2
長江デルタ 2,519 15.0
珠江デルタ 2,037 12.1
環渤海 2,727 16.2
華中 3,530 21.0
華西 3,758 22.3
華北・華東 1,663 9.9
海外・その他 556 3.3
合計 16,820 100.0
注 (1) 海外・その他資産には、関連会社および合弁事業に対する投資が含まれる。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項なし。
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第5 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(2018年12月31日現在)
授権株数(1) 発行済株式総数 未発行株式数(1)
- -
357,163,257,089 株(2)
注
(1) 中国会社法は、授権株式の制度を定めていない。
(2) A株式269,612,212,539株、H株式86,794,044,550株、外資優先株式307,000,000株および内資優先株式450,000,000株で
構成されている。
② 【発行済株式】
(2018年12月31日現在)
上場金融商品取引所名
記名・無記名の別および
種類 発行数 又は登録認可金融商品 条件
額面・無額面の別
取引業協会名
A株式:上海証券取引所
記名式額面1.00人民元 普通株式 356,406,257,089株 H株式:香港証券取引所 該当事項なし
メインボード
外資優先株式:
下記「優先株式に
香港証券取引所
記名式額面100人民元 優先株式 757,000,000株
ついての特則」を参照
内資優先株式:
上海証券取引所
優先株式についての特則
外資優先株式
(1) 優先株式の管理
法律、行政法規、省令、当行株式の上場地の証券規制当局の規則および当行の定款において別段の規定の
ない限り、優先株主の権利および義務ならびに優先株式の管理は、当行の定款の普通株式に関する規則に準
拠する。
(2) 優先株式の発行規模の制限
当行が発行する優先株式の数は、当該時点で発行されている普通株式の総数の50%を超えず、かつ、優先
株式の発行により調達される資本金は、当行の当該発行前の純資産の50%を超えないものとする(ただし、
償還または転換済みの優先株式を除く。)。
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(3) 強制転換
商業銀行の資本規制についての関連規則に従い、当行は、優先株式の普通株式への強制転換を規律する条
件を定めることができる。特定の転換事由が生じた場合に、当行は優先株式の発行時に定めた転換価格およ
び換価額により優先株式を普通株式に転換する。優先株式の普通株式への強制転換をする場合、当行は、国
務院の銀行業規制当局にこれを報告し、その承認を得るものとする。
(4) プット・オプション(取得請求権)および償還
優先株主は、当行が発行する優先株式を売り戻すことができない。当行は、優先株式の募集完了の5年後
から、国務院の銀行業規制当局の承認を得ることを条件に、また、関連要件を遵守して優先株式の全部また
は一部を償還することができる。優先株式の償還期間は、優先株式の発行時に定めた償還開始日に開始し、
全優先株式の償還または転換の完了日に終了する。優先株式の償還に伴い発行済優先株式の総数が減少す
る。
当行による優先株式償還権の行使は、以下のいずれかの条件が充足されていることを前提とする。
・ 当行は、償還する優先株式について同様またはそれ以上の内容の資本への借換えを行い、当該借換え
は、当行の収益力が持続可能であることを前提に実施されること。
・ 償還後も引き続き当行の自己資本比率がCBIRCの自己資本要件を十分に超えること。
内資優先株式の償還価格は、額面金額相当額に、配当宣言されたが当該配当期間について未払いの金額を
加算した金額とする。
外資優先株式の償還価格は、発行価格相当額に、配当宣言されたが当該配当期間について未払いの金額を
加算した金額とする。
(5) 優先株主の権利
当行の優先株主は、以下についての権利を有する。
・ 株主に対する配当の支払いに優先して配当を受ける権利
・ 清算に伴う当行の残余資産について、株主の権利に優先して分配を受ける権利
・ 当行の定款に定める事由の発生に伴い、当行の株主総会に出席し議決権を行使する権利
・ 当行の定款に定める事由の発生に伴い、当行の定款の要件に従い議決権を復活させる権利
・ 当行の事業運営を監督し、提案または質問を提起する権利
・ 当行の特定の書類すなわち当行の定款、株主名簿、社債権者名簿、株主総会議事録、取締役会決議、
監査役会決議および財務報告書を検査する権利
・ その他法律、行政法規、規則および当行の定款により優先株主に付与される権利
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(6) 議決権の算定
以下に関する決議の採択には、普通株式による投票および議決権が復活した優先株式による投票のみを算
入する。
・ 臨時株主総会の招集請求
・ 株主総会の招集および主宰
・ 株主総会に対する議案の提出
・ 取締役、株主代表者の監査役および外部監査役の指名
・ 当行の定款に定義される「支配株主」の特定
・ 当行の定款に定める、当行の独立取締役になることができない者の決定
・ 中国証券法に従い、当行の主要株主10名およびその保有株式数ならびに当行普通株式の5%以上を保
有する株主の特定
・ その他法律、行政法規、規則および当行の定款において規定される事項
(7) 議決権の制限
以下に関する決議の採択の場合でない限り、優先株式は、優先株主に対して当行の株主総会に出席し、議
決権を行使する権利を付与しない。
・ 優先株式に関する当行の定款の変更
・ 当行の登録資本金の10%(個別であるか合計であるかは問わない。)を超える減少
・ 合併、分割、解散または当行の企業形態の変更
・ 優先株式の発行
・ その他当行の定款に定める優先株主の権利を変更または廃止する事由
上記に関する決議が採択される場合、優先株主に対する株主総会の招集通知は、当行の定款に定める普通
株主に適用される通知手続に従いなされるものとする。優先株主は、上記の事項について別途種類株主総会
において議決権を行使する権利を有し、優先株式1株につき1議決権とする(当行が優先株式を保有する場
合であっても、当行は議決権を行使する権利を認められない。)。
上記に関する決議は、当該株主総会に出席した普通株主(議決権が復活した優先株主を含む。)が保有す
る議決権の3分の2を超える場合および優先株主(議決権が復活した優先株主を除く。)が保有する議決権
の3分の2を超える場合に可決される。株主総会が優先株式の発行に関する事項について招集される場合、
当行は、株主に対してオンライン投票を認めるものとする。
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(8) 議決権の復権
当行が、優先株主に対して、合計3年間または連続2年間にわたり所定の配当をしない場合、当該年度に
ついて無配当とする提案を株主総会が承認した日の翌日から、優先株主は、株主総会に出席し議決権を(普
通株主と共に)行使することができる。
優先株式について、配当は累積せず、当行が当該年度について所定の配当が全額支払われるまで議決権が
一時的に復活する。
優先株式の議決権は、以下の算式に基づき算定する。
・ 議決権が復活した優先株式について、議決権の算式は以下の通りとする。
R* = W*/S* × 算定用為替レート。議決権の端数は直近の整数に切り捨てる。
上記算式において「R*」は、各外資優先株主の外資優先株式から復活できるH株式の議決権を示
し、「W*」は、各外資優先株主が保有する外資優先株式の金額を示し、「S*」は、外資優先株式発行
計画についての取締役会決議の発表日前20取引日間の当行H株式の平均取引価格を示し、「算定用為
替レート」は、外資優先株式発行計画についての取締役会決議の発表日直前の取引日に中国外貨取引
センターが発表する人民元セントラル・パリティ・レート(Central Parity Rate)に基づく香港ド
ルと当該外資優先株式の通貨のクロスレートを示す。
・ 議決権が復活した内資優先株式について、議決権の算式は以下の通りとする。
R = W/S 。議決権の端数は直近の整数に切り捨てる。
上記算式において「R」は、各内資優先株式の内資優先株式から復活できるA株式の議決権を示
し、「W」は、各内資優先株主が保有する内資優先株式の額面金額を示し、「S」は、内資優先株式発
行計画についての取締役会決議の公告日前20取引日間の当行A株式の平均取引価格を示す。
(9) 利益配当の優先順位
当行が発行する優先株式の発行済優先株式の利率は、基準金利に固定金利の金利差(を加えたものとし、
異なる期間について調整されうる。当該利率は、優先株式発行後の特定期間については調整をしないが、そ
の後、基準金利は5年に1回調整される。利率は、当該各期間中変更されない。
優先株式は、配当において普通株式に優先する。優先株主は、所定のクーポンレートおよび支払条件に従
い配当を受ける権利を有する。当行は、優先株主に対する配当を現金で支払う。また、当行が優先株主に対
し所定の配当を宣言せず、かつ株主総会の決定する任意利益積立金への積立てをしない場合、当行は株主に
対する分配をしてはならない。
当行の中核的自己資本(tier 1)を補強するために発行される優先株式の株主は、配当がクーポンレート
で支払われた場合には、これに加えて当行の利益の分配を受けることができない。商業銀行の資本規制に基
づく関連規則により、当行は当該優先株式についての配当の支払いの全部または一部を取り消す権利を有
し、これは債務不履行事由に該当しないものとする。優先株主に対する配当の未払金額は、翌配当年度に累
積されない。
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(10) 残余資産分配の優先順位
当行が解散または破産および清算される場合、法律、行政法規、規則および当行の定款に従いなされた清
算後の当行の残余資産は、まず優先株主に分配される。優先株主は、発行済みかつ社外優先株式の額面金額
総額相当額に、配当宣言されたが当該配当期間について未払いの金額を加算した金額を受けることができ
る。残余資産が十分でない場合、内資優先株主と外資優先株主に対し、比例配分して分配される。
内資優先株式
(1) 発行される優先株式の種類
中国国内市場で発行される当行の優先株式の種類は、優先株式の試験的な展開に関する中国国務院による
指導的意見 、優先株式に関する試験的行政措置、商業銀行資本管理規則(暫定)、 Tier 1資本補充のための
商業銀行による優先株式発行に関する指導的意見およびその他 の法律、規則および文書規制の関連要件を満
たしている優先株式(以下「内資優先株式」といい、中国国外市場で発行されている優先株式(以下「外資
優先株式」という。)と併せて「優先株式」という。)とする。
(2) 額面価額
1株当たりの額面価額は100人民元である。
(3) 満期
内資優先株式に満期は設定しない。
(4) 配当金分配条項
( A) クーポンレート決定のための原則
内資優先株式は、一定でない間隔を空けてなされる調整の対象となるクーポンレートに基づいて値付け
をされる。クーポンレートは、指標金利と固定スプレッドの合計とし、内資優先株式発行後の当初5年
間は変更されない。その後、指標金利は、クーポンレートが変更されない5年毎に1回再調整される。
内資優先株式発行時のクーポンレートと指標金利の差である固定スプレッドは、内資優先株式の残存期
間を通じて変更されない。
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内資優先株式発行時の指標金利は、中国債券信息網(www.chinabond.com.cnまたはその他中国の中央国
債登記結算有限責任公司(CDC)が認めるウェブサイト。以下同様とする。)が公表する銀行間固定金
利国債のイールドカーブに含まれる5年満期中国国債利回りの、発行開始日(すなわち2015年11月18
日)の直前20取引日間(当日を含まない。)の算術平均(百分率の小数第3位を四捨五入して小数第2
位まで求める。)とする。クーポンレート再調整日における指標金利は、中国債券信息網が公表する銀
行間固定金利国債のイールドカーブに含まれる5年満期中国国債利回りの、再調整日(発行開始日の5
年毎の応当日(すなわち11月18日))の直前20取引日間(当日を含まない。)の算術平均(百分率の小
数第3位を四捨五入して小数第2位まで求める。)とする。再調整日の直前20取引日間のいずれの日に
も中国債券信息網による5年満期中国国債利回りの公表がない場合においては、当該再調整日における
指標金利は、内資優先株式のクーポンレート再調整日より前の直近の20取引日間に中国債券信息網が公
表した5年満期中国国債利回りの算術平均(百分率の小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求め
る。)とする。
内資優先株式発行時に設定されたクーポンレートは、価格発見に基づき4.50%(指標金利2.94%、固定ス
プレッド1.56%)と決定される。内資優先株式のクーポンレートは、発行前直近の2会計年度における
(1)
当行の株主資本利益率の加重平均の年平均を上回ってはならない 。
(1) 「有価証券を公募する会社による情報開示の作成に関する規則第9号(資本利益率と一株当た
り利益の計算および開示)」(2010年改訂)に従い決定され、当行の普通株主に帰属する利
益率に基づき計算される。
( B) 配当金分配条項
(i) 過年度の損失の補填、法定準備金の積立ておよび一般引当金の繰入れを行った後に、分配可
(2)
能な税引後利益 がある場合には、当行は、その自己資本比率が規制上の規則の要件を満
たすことを条件に、内資優先株主に配当金を支払うことができる。本件発行において発行さ
れる内資優先株式は、配当金の分配に関しては外資優先株式と同順位であり、いずれも普通
株式より優先される。内資優先株主に対する配当金の分配は、当行の格付による影響は受け
ず、格付の変更に伴う調整は行われない。
(2) 中国の会計基準または国際財務報告基準に従って作成された親会社の財務諸表に表示されてい
る未分配利益のうち、いずれか少ない金額を指す。
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(ii) 状況の如何を問わず、当行は、株主総会において株主の承認を得た上であれば、内資優先
株主に対する配当金の支払いの全部または一部を取り消すことができる。なお、かかる配当
金の支払取消しは債務不履行を構成しない。当行は、その裁量において、支払いを取り消し
た配当金額を利用して、これを期限の到来した他の債務の返済に充当することができ、ま
た、いかなる事情においても、かかる取り消された配当金についての支払いは行わない。内
資優先株主に対する配当金支払いの取消しは、普通株主への配当金の支払いのみを制限し、
当行に対するそれ以外の制約は構成しない。当行が上記の権利を行使する際には、優先株主
の権利と利益を十分に考慮する。当行が内資優先株式の配当の全部または一部の取消しを決
定した場合、当行は、当該決定について、内資優先株主に対して、配当支払日の少なくとも
10営業日前までに関連規則に従って通知する。
(iii) 当行は、内資優先株主に対する配当金の全部または一部を取り消した場合、当該配当対象
期間に関し、当行が内資優先株主への合意済みの配当金額全額の支払いの宣言を決定しない
限り、普通株主に配当金の支払いをしてはならない。
( C) 配当金の支払方法
内資優先株式に対する配当金は、当行の残存する発行済み内資優先株式の額面総額に基づいて計算され
る。内資優先株式の配当金は年に一度、現金により支払われる。
当行が内資優先株式の配当支払を決定した場合、当行は、配当宣言日に配当の支払金額を宣言し、基準
日において登録されている全ての内資優先株主は、当該配当による分配を受ける権利を有する。当行
は、基準日において登録されている内資優先株主に対して、配当支払日に配当を支払う。
配当は、内資優先株式の発行にかかる払込期日(すなわち2015年11月23日)から生じる。配当支払日
は、内資優先株式の発行にかかる払込期日の毎年各応当日(すなわち11月23日)とする。応当日が上海
証券取引所の取引日でない場合、当該配当支払日は翌取引日に繰り下げられるものとし、当該繰下げら
れた期間について配当は生じない。内資優先株式の配当について、配当支払日前に計算および支払いを
要する場合、当該配当は、計算上1年を360日とし、実際の経過日数に基づき日割り計算される。配当
の計算結果は、人民元の小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求める。
当該配当の受領について内資優先株主に課される租税は、内資優先株主が、適用される法律および規則
に従って負担する。
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( D) 配当金の累積
内資優先株式の配当金は累積されない(すなわち、優先株主に支払われなかった配当金額は翌配当年度
に累積されない。)。
( E) 残余財産の分配
内資優先株式には、定められたクーポンレートで配当金を受け取る権利のみが付与されている。普通株
式と同様、当行の残余財産の分配を受ける権利はない。
(5) 強制転換条項
( A) 強制転換トリガー事由
(i) その他Tier1資本トリガー事由(当行のコアTier1資本比率が5.125%以下まで低下するこ
と)が発生した場合には、当行は、優先株主の承認がなくても、当行のコアTier1資本比率
を5.125%を上回る水準まで回復させるため、残存する発行済み内資優先株式の全部または
一部を、当該内資優先株式の額面総額に基づきA株式に転換することができる。一部を転換
する場合、内資優先株式は同一の条件により同一の比率で転換するものとする。かかる転換
に伴い、内資優先株式の転換により発行される新規A株式は、いかなる場合も優先株式に再
度転換されることはない。
(ii) Tier 2資本トリガー事由( (a) CBIRCにより、株式転換もしくは減資を行わないと当行は
存続できないと判断された場合、または (b) 関連する規制機関により、公的機関の資本注
入その他これに相当する支援がないと、当行は存続できないと判断された場合のうち、いず
れか先に発生した事由)が発生した場合、当行は、優先株主の承認がなくても、残存するす
べての発行済み内資優先株式を、当該内資優先株式の額面総額に基づきA株式に転換するこ
とができる。かかる転換に伴い、内資優先株式の転換により発行される新規A株式は、いか
なる場合も優先株式に再度転換されることはない。
上記のトリガー事由が発生した場合、当行は、CBIRCに報告してその審査および判断を仰ぐものとし、
関連規則に従って臨時報告書の提出や発表を行うなど、関連する情報開示要件を遵守する。内資優先株
式のA株式への転換により当行の支配権の変動または株式保有割合の変更が生じる場合、当該転換につ
いても、中国および外国の規制当局の適用規則に従う。
( B) 強制転換価格の決定
当初の強制転換価格は、内資優先株式の発行計画に関する取締役会決議公告日の直近の20取引日におけ
る当行A株式の平均取引価格とする。
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直近の20取引日における当行A株式の平均取引価格 = 当該20取引日における当行A株式の取引総額 /
当該20取引日におけるA株式の出来高合計(すなわち、1株当たり3.44人民元)
( C) 強制転換比率および強制転換株式数の決定原則
内資優先株式の強制転換に際し、転換される株式数を決定する計算式は、Q=V/Pとする。
上記計算式において、「Q」は各優先株主が保有する内資優先株式から転換されるA株式の株式数を意
味する。「V」は強制転換の対象となる各内資優先株主が保有する内資優先株式の総額で、損失は内資
優先株式と外資優先株式により均等な割合で吸収されるという原則に基づき決定されるものを意味す
る。「P」は内資優先株式の強制転換価格を意味する。内資優先株式の強制転換により端株が生じる場
合には、当行が、対応する株式数の内資優先株式の額面価格に基づき、関係する経過利息とあわせて現
金で支払いをする。経過利息は、直近の配当支払日からの当該内資優先株式の実際の保有日数に基づき
計算する(当該計算上、1年を360日とする。)。A株式に転換された内資優先株式について配当は支払
われない。
上記トリガー事由の発生に伴い、残存する発行済み内資優先株式の全部または一部(損失は均等な割合
で吸収される原則に従い決定される。)は、上記計算式に基づき相応の株式数のA株式に転換される。
( D) 強制転換期間
内資優先株式の強制転換期間は、内資優先株式の発行完了日直後の最初の取引日に開始し、すべての内
資優先株式が償還または転換された日に終了する。
( E) 強制転換価格の調整方法
内資優先株式の発行計画に関し取締役会決議がなされた日以後に、当行A株式に関して所定の事由(例
えば、株式配当、資本組入れまたは増資、時価を下回る価格でのA株式の新規発行(普通株式に転換可
能な、当行が発行した一定の金融商品の転換に伴う株式資本の増加を除く。)および割当て)が発生し
た場合には、強制転換価格は、かかる事由の発生と同じ順序で累積的調整の対象となる。普通株主への
現金配当の分配により、強制転換価格の調整が生じることはない。
( F) 強制転換が行われた年に普通株式が配当を受ける権利
内資優先株式の強制転換の結果、新規に発行されるA株式は、既存の発行済みA株式と同順位であり、
配当金を受領する権利が確定する基準日に当行の株主名簿に名前が記載されているすべての普通株主
は、当該配当期間について配当金を受領する権利を付与される。
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(6) 償還についての取決め
( A) 償還権
CBIRC から承認を得ることを条件に、当行は内資優先株式を償還することができる。ただし、当行は、
償還権の行使を予定していない。内資優先株主には、当行に対して自らが保有する内資優先株式の償還
を求める権利はない。
内資優先株式には投資家による買戻請求を認める条項は含まれず、また優先株主には保有する内資優先
株式の買戻しを請求する権利はない。
( B) 償還条項および償還期間
CBIRC の承認および関連する要件の充足を条件に、当行は、発行開始日(すなわち2015年11月18日)の
5年後の応当日から内資優先株式の全部または一部を償還することができる。内資優先株式の償還期間
は、かかる開始日に始まり、すべての内資優先株式の償還または転換が完了した日に終了する。一部償
還の場合、内資優先株式は、保有割合に応じて、かつ同一の条件で償還される。当行が内資優先株式の
償還権を行使する場合においては、当行は、可及的速やかにこれを内資優先株主に通知する。当行は、
関連規則に従った中間報告書の提出や発表により開示義務を履行する。
当行による内資優先株式の償還権の行使は、以下の事項の充足を条件とする。
(i) 当行は、償還される内資優先株式を同質またはそれより質の高い資本と交換し、かつ、資本の交
換は当行の収益力維持を条件に行うこと、または
(ii) 当行の資本基盤は、償還後もCBIRCの自己資本比率規制を大幅に上回ること
( C) 償還価格を決定する根拠
内資優先株式の償還価格は、額面価額および当該配当期間に関する宣言済み未払配当金の合計と等しい
金額とする。
(7) 議決権に対する制限
通常の状況において、内資優先株式には、内資優先株主が当行の株主総会を招集し、これに出席しまたは
議決権を行使する権利は付与されない。決議事項が以下のいずれかに関連する場合には、優先株主は株主
総会に出席し、クラス別の株主総会で議決権を行使することができる。その場合、優先株式1株について
一つの議決権が付与される(当行が所有する優先株式について、当行は議決権を行使できない。)。
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(i) 当行の定款(以下「当行定款」という。)の優先株式に関する修正
(ii) 当行の登記済み資本金に対して、(個別または総額のいずれかで)10%を上回る減資
(iii) 当行の合併、分割、解散または法人形態の変更
(iv) 優先株式の発行
(v) その他当行定款に明記されている事由で、優先株主の権利を変更または無効にするもの
上記に関する決議は、株主総会に出席した普通株主(議決権が復権された優先株主を含む。)が保有する
議決権の3分の2超および優先株主(議決権が復権された優先株主を除く。)が保有する議決権の3分の
2超の決議により可決される。
(8) 議決権の復権
( A) 議決権の復権条項
内資優先株式の残存期間中に、当行が、当期の配当期間について合意された配当金を支払わない旨決議
した株主総会の期日の翌日以降、合計で3会計年度または連続した2会計年度合意された配当金を内資
優先株主に支払わなかった場合、内資優先株主は、普通株主と同様に株主総会に出席し、議決権を行使
することができる。議決権が復権された内資優先株式の議決権を算出する計算式は、以下のとおりであ
る。
R = W /S
上記計算式において、「R」とは、各内資優先株主の有する内資優先株式から復権が可能なA株式の議
決権を意味する。「W」とは各内資優先株主が保有する内資優先株式の額面価額を意味する。「S」とは
内資優先株式の発行計画に関する取締役会決議公告日の直近の20取引日における当行A株式の平均取引
価格を意味する。端数の議決権は最寄りの整数に切り捨てる。
直近の20取引日における当行A株式の平均取引価格 = 当該20取引日における当行A株式の取引総額 /
当該20取引日におけるA株式の出来高合計(すなわち、1株当たり3.44人民元)
( B) 議決権復権の取消し
当期の配当期間について内資優先株式に対する配当金が全額支払われた場合、議決権の復権条項に従い
内資優先株式に付与された議決権は、当該配当金が全額支払われた日に取り消される。当該取消し後、
議決権の復権が再度生じた場合には、内資優先株式には再び議決権が付与される。
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(9) 残余財産の分配順位および清算根拠
残余財産の分配に関しては、すべての内資優先株式は同順位となる。優先株主は、残余財産の分配
に関しては、当行の預金者、通常債権者、劣後債保有者、転換社債保有者、Tier2資本債券およびその
他のTier2資本金融商品の保有者に劣後するが、普通株主には優先する。
当行が清算手続に入った場合、清算後の当行の残余財産は、以下の優先順位に従い分配される。
(i) 清算費用
(ii) 従業員給与、社会保険料および法定補償額
(iii) 個人預金の元利金
(iv) 未払い法人税
(v) 当行のその他の債務
(vi) 上記項目への分配後、当行の残余財産は、各株主に対し、株主の株式クラスと株式保有割合に応
じて分配される。内資優先株式は、残余財産の分配に関しては、当行が将来発行することのあ
る優先株式の他、外資優先株式と同順位となるが、かかる優先株式はすべて普通株式より優先
される。内資優先株主は、残存する発行済み内資優先株式の額面総額に、宣言済みの未払配当
金を加えた金額を受領することができる。残余財産が不足する場合には、比例配分の上、内資
優先株主および外資優先株主に対して分配される。
(10) 譲渡
非公募発行により発行された内資優先株式は、上海証券取引所において譲渡される。内資優先株式
の譲渡に参加する投資家は、CSRCが定める資格要件を満たさなければならない。
(2) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
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(3) 【発行済株式総数及び資本金の推移】
A株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2014年12月31日現在 2,105,540,874 266,700,169,270 2,105,540,874 266,700,169,270 (1)
2015年12月31日現在 2,912,043,269 269,612,212,539 2,912,043,269 269,612,212,539 (1)
2016年12月31日現在 0 269,612,212,539 0 269,612,212,539
2017年12月31日現在 0 269,612,212,539 0 269,612,212,539
2018年12月31日現在 0 269,612,212,539 0 269,612,212,539
注
(1) 転換社債の転換
H株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2014年12月31日現在 0 86,794,044,550 0 86,794,044,550
2015年12月31日現在 0 86,794,044,550 0 86,794,044,550
2016年12月31日現在 0 86,794,044,550 0 86,794,044,550
2017年12月31日現在 0 86,794,044,550 0 86,794,044,550
2018年12月31日現在 0 86,794,044,550 0 86,794,044,550
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優先株式
発行済株式総数(株) 資本金(人民元)
年月日 摘要
増減数 残高 増減額 残高
2014年12月31日現在 0 307,000,000 0 0
2015年11月27日 450,000,000 757,000,000 0 0 (1)
2015年12月31日現在 0 757,000,000 0 0
2016年12月31日現在 0 757,000,000 0 0
2017年12月31日現在 0 757,000,000 0 0
2018年12月31日現在 0 757,000,000 0 0
注
(1) 優先株式の発行
(4) 【所有者別状況】
2018年12月31日現在、当行の普通株主は合計579,040人で、議決権の復活した優先株主はなかった。このう
ち、H株式保有者は123,028人、A株式保有者は456,012人であった。2019年2月28日現在、当行の普通株主は
合計562,820人で、議決権の復活した優先株主はいなかった。
(5) 【大株主の状況】
(i) 当行発行済株式資本の1%以上を保有する株主
(2018年12月31日現在)
氏名又は名称 住所 所有株式数(株) 議決権の割合(%)
中国北京市東城区朝陽門
匯金公司 123,717,852,951 (1) 34.71%
北大街1号 新保利大厦
中華人民共和国財政部 中国北京市西城区三里河 123,316,451,864 (1) 34.60%
0.24 %
(1)
873,150,238
香港デ・ボー・ロード・
HKSCC Nominees Limited/
セントラル199、
香港中央結算有限公司
インフィニタス・プラザ7階
(2) 24.17 %
86,151,664,334
中国平安人寿保険股 份 有
限公司 - 伝統的 - 普通 該当なし (1) 1.03 %
3,687,330,676
保険商品
合計
94.76 %
337,746,450,063
注
(1) A株式
(2) H株式
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(ii) 当行優先株主(または代理人)の保有割合
外資優先株主
(2018年12月31日現在)
事業 保有 質権設定又は
株主氏名 株主 株式の 所有株式総数 売却制限
年度中 割合 ロックアップ
又は名称 の種類 種類 (株) 対象株式数
の増減 (%) 対象株式数
米ドル建外
Cede & Co.
外国法人 - 147,000,000 47.9 - 不明
資優先株式
人民元建外
- 120,000,000 39.1 - 不明
The Bank of New
資優先株式
York Depository
外国法人
(Nominees)
ユーロ建外
Limited
- 40,000,000 13.0 - 不明
資優先株式
注
(1) 上記のデータは、当行の 2018 年12月31日現在の 外資優先株主名簿に基づく。
(2) 上記外資優先株式は私募による発行のため、優先株主名簿には引受人の代理人が表示されている。
(3) 当行は、上記優先株主間および上記優先株主と普通株主の上位10名間の関係および共同行為については存じない。
(4) 保有割合は、優先株主が保有する外資優先株式の外資優先株式総数に対する割合を指す。
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内資優先株主
(2018年12月31日現在)
事業 保有割 質権設定又は
株主氏名 株主 株式の 所有株式総数 売却制限
年度中 合 ロックアップ
又は名称 の種類 種類 (株) 対象株式数
の増減 (%) 対象株式数
中国移動通信集 内資優先
その他法人 - 200,000,000 44.4 - なし
団有限公司 株式
内資優先
中国煙草総公司 その他法人 - 50,000,000 11.1 - なし
株式
中国人寿保険股 内資優先
国有企業 - 35,000,000 7.8 - なし
份 有限公司 株式
中国平安人寿保 国内 内資優先
- 30,000,000 6.7 - なし
険股 份 有限公司 非国有企業 株式
建信信託有限責 内資優先
国有企業 - 15,000,000 3.3 - なし
任公司 株式
交銀施羅徳資産 国内 内資優先
- 15,000,000 3.3 - なし
管理有限公司 非国有企業 株式
華潤深国投信託 内資優先
国有企業 - 15,000,000 3.3 - なし
有限公司 株式
中銀国際証券有 国内 内資優先
- 15,000,000 3.3 - なし
限責任公司 非国有企業 株式
中国煙草総公司 内資優先
その他法人 - 10,000,000 2.2 - なし
山東省支店 株式
中国煙草総公司 内資優先
その他法人 - 10,000,000 2.2 - なし
黒龍江省支店 株式
中国平安財産保 国内 内資優先
- 10,000,000 2.2 - なし
険股 份 有限公司 非国有企業 株式
注
(1) 上記のデータは、当行の2018年12月31日現在の内資優先株主名簿に基づく。
(2) 中国煙草総公司山東省支店および中国煙草総公司黒龍江省支店はともに、中国煙草総公司の完全子会社である。
「中国人寿保険股 份 有限公司 — 配当 — 個人向け配当 — 005L — FH002滬」および「中国人寿保険股 份 有限公司
—伝統的 — 普通保険商品 — 005L — CT001滬」は、中国人寿保険股 份 有限公司 が管理している。「中国平安人寿
保険股 份 有限公司 — 伝統的 — 普通保険商品」は、中国平安人寿保険股 份 有限公司 が管理している。中国平安人
寿保険股 份 有限公司 と中国平安財産保険股 份 有限公司 は関連会社関係にある。上記に記載された事項を除いて、当
行は、上記優先株主間および上記優先株主と普通株主の上位10名間の関連会社関係および共同行為関係については
知らない。
(3) 保有割合は、優先株主が保有する内資優先株式の内資優先株式総数に対する割合を指す。
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2 【配当政策】
普通株式の配当
当行取締役会は、2018年度について、356,406,257,089株の普通株式に対して10株当たり2.506人民元(税引
前)、総額89,315百万人民元の現金配当実施を提案した。配当計画は、承認のために2018年度年次株主総会に提
出される。承認に伴い、2019年7月2日の市場終了後の時点で当行株主名簿に記載されているA株式保有者およ
びH株式保有者に対して上記配当が支払われる予定である。当行は、2019年6月27日(同日を含む。)から2019
年7月2日(同日を含む。)までH株式の所有権移転の登録手続を停止する。予定されている現金配当の受領を
希望する当行H株式保有者において所有権移転書類の登録をしていない場合、かかるH株式保有者は、2019年6
月26日午後4時30分までに、所有権移転書類とH株式を当行のH株式名義書換代理人である香港中央証券登記有
限公司(Computershare Hong Kong Investor Services Limited)(所在地:香港、ワンチャイ、クイーンズ
ロードイースト183番地、ホープウェルセンター17階1712 1716号室)に引き渡す必要がある。関連する当局の規
制要請および業務規定に基づき、A株式およびH株式の配当は、それぞれ2019年7月3日および2019年7月23日
に支払われる。
優先株式の配当
株主総会の決議および授権に基づき、当行は、2018年10月30日開催の取締役会において優先株式の配当実施案
を検討・承認した。これにより、当行は、2018年11月23日に当行内資優先株式の配当を実施し、また、2018年12
月10日に当行外資優先株式の配当を実施した。
当行内資優先株式の配当は1年に1回現金で支払われ、発行済内資優先株式の総額に基づき算出される。当行
内資優先株式の配当は累積されない。内資優先株式の保有者は、所定の表面利率に基づく配当のみを受ける権利
を有し、普通株式の保有者と共に当行の残余利益の分配を受ける権利は有さない。内資優先株式発行案における
配当実施計画に基づき、当行は、内資優先株式につき、表面利率4.5%、2,025百万人民元(税引前)の配当を実
施した。
当行外資優先株式の配当は1年に1回現金で支払われ、外資優先株式の総額に基づき算出される。当行外資優
先株式の配当は累積されない。外資優先株式の保有者は、所定の配当率に基づく配当のみを受ける権利を有し、
普通株式の保有者と共に当行の残余利益の分配を受ける権利は有さない。外資優先株式発行案における配当実施
計画に基づき、当行は、外資優先株式につき、196百万米ドル(税引前)、40百万ユーロ(税引前)および800百
万人民元(税引前)、配当宣言日のレートにおいて総額2,481百万人民元の配当を実施した。配当は、実際には
優先株式の通貨建てで実施された。関連法に従い、当行による外資優先株式の配当実施時に、当行において税率
10%の法人税を源泉徴収する。外資優先株式の条件に従い、当行は、外資優先株式の配当のほか、該当する税金
を支払う。
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現金配当政策の制定および実施
当行の定款は、当行の利益分配政策は継続性と安定性を維持すると同時に、当行の長期的な利益、全株主全体
の利益および当行の持続的な成長を考慮することを明確に規定している。利益分配の方法として現金配当方式を
優先的に採用することが強調されている。当行が利益分配政策の調整を行う場合には、特別提案として取締役会
で審議し、調整理由について詳細に論証し、独立非業務執行取締役が意見を述べるための論証報告書にまとめ、
当該報告書は特別決議による承認のため株主総会に提出される旨が規定されている。
当行の現金配当政策は独立非業務執行取締役による検討、承認がなされたものである。その策定および実施は
定款に定める規定に沿ったもので、株主総会決議による要請、配当実施基準および分配割合は明確かつ明白で、
意思決定のための手続や方法を遵守している。少数株主は法律上の権利を確保するため、自分の意見や訴えを十
分に述べることができる。
3 【株価の推移】
当行のH株式は、2006年10月27日に香港証券取引所に上場した。当行のA株式は、2006年10月27日に上海証券
取引所に上場した。
(1) 【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
香港証券取引所(H株式)
(単位:香港ドル)
決算年月 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
5.70 7.10 5.12 6.48 7.64
最高
(81円) (101円) (73円) (92円) (109円)
4.33 4.30 3.72 4.60 5.10
最低
(62円) (61円) (53円) (66円) (73円)
上海証券取引所(A株式)
(単位:人民元)
決算年月 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
4.92 5.94 4.67 6.40 7.77
最高
(82円) (99円) (78円) (107円) (130円)
3.20 3.81 3.89 4.39 5.05
最低
(54円) (64円) (65円) (73円) (84円)
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(2) 【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
香港証券取引所(H株式)
(単位:香港ドル)
月別 2018年7月 2018年8月 2018年9月 2018年10月 2018年11月 2018年12月
5.92 5.97 5.84 5.70 5.65 5.76
最高
(84円) (85円) (83円) (81円) (81円) (82円)
5.33 5.50 5.32 5.10 5.20 5.36
最低
(76円) (78円) (76円) (73円) (74円) (76円)
上海証券取引所(A株式)
(単位:人民元)
月別 2018年7月 2018年8月 2018年9月 2018年10月 2018年11月 2018年12月
5.73 5.71 5.80 5.76 5.67 5.44
最高
(96円) (95円) (97円) (96円) (95円) (91円)
5.05 5.20 5.28 5.28 5.30 5.10
最低
(84円) (87円) (88円) (88円) (89円) (85円)
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4 【役員の状況】
取締役、監査役および上級役員
(2019年6月21日現在。ただし年齢および所有株式数は2018年12月31日現在。)
当行の取締役、監査役および上級役員は次のとおりである(男性19人(90.48%)、女性2人(9.52%))。
任期は、該当する者が、その役職に応じて取締役または上級役員に初めて就任した日に基づき計算されてお
り、その後の役職変更または任期満了に伴う再任は反映されていない。
取締役
氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
取締役会会長 陳四清 陳氏は、2019年5月より当行の取締役会会長および 0株
業務執行取締役 (CHEN Siqing) 業務執行取締役を務めている。1990年に中国銀行股
份 有限公司 に入行し、同行湖南省支店勤務後に中南 2019年5月-
(58歳)
銀行香港支店に派遣され総経理補佐を務めた後、 2022年5月
2000年6月から2014年2月まで中国銀行福建省支店
支店長補佐、副支店長、本店リスク管理部総経理、
広東省支店支店長、同行業務執行副総裁等の数々の
役職を務めた。2014年2月から2017年8月まで同行
総裁、2014年4月から2017年8月まで同行取締役会
副会長、2017年8月から2019年4月まで同行取締役
会会長を歴任し、また、2011年12月から2018年3月
まで中銀航空租賃有限公司取締役会会長を務め、
2011年12月から2019年4月まで中銀香港(控股)有
限公司非業務執行取締役、取締役会副会長、取締役
会会長を歴任した。1982年湖北財経学院卒業、1999
年オーストラリアのマードック大学において経営学
修士号を取得した。陳氏は公認会計士および上級エ
コノミストである。
取締役会副会長 谷 澍 谷氏は、2016年12月より当行の取締役会副会長兼業 0株
業務執行取締役 (GU Shu) 務執行取締役、2016年10月より社長を務めている。
社長 1998年に当行に入行し、会計決済部副部長、企画財 2016年12月-
(51歳)
務部副部長、財務会計部部長を務めた。2008年7月 2019年12月
より当行の取締役会秘書役、法人戦略投資関係部部
長、山東省支店支店長、上級業務執行副社長を歴任
した。標準銀行集団有限公司副会長、中国工商銀行
(倫敦)有限公司会長、中国工商銀行(阿根廷)股
份 有限公司 会長を兼任した。上海財経大学において
経済学博士号、東北財経大学において経済学修士
号、上海交通大学において工学学士号を取得した。
谷氏は上級会計士である。
非業務執行取締役 鄭福清 鄭氏は、2015年2月より当行の非業務執行取締役を 0株
(ZHENG Fuqing) 務めている。1989年に中国財政部に入省し、山西省
財政監察局弁公室副主任および主任、山西省財政監 2015年2月-
(55歳)
察局監察官補佐および副巡視員を歴任した。中国共 2021年11月
産党中央党校を卒業し、専攻は法理論である。鄭氏
はエコノミストである。
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有価証券報告書
氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
非業務執行取締役 梅迎春 梅女史は、2017年8月より当行の非業務執行取締役 0株
(MEI Yingchun) を務めている。1992年に財政部に入省し、世界銀行
部門、国庫部門、関税政策部門に勤務した。これま 2017年8月-
(47歳)
でに、財政部国庫部門預算執行部助理調研員、財政 2020年8月
部国庫支払センター監査監督部助理調研員、財政部
国庫支払センター監査監督部副部長、財政部国庫支
払センター監査監督部部長、財政部関税政策部門
(関税政策研究センター)副主任を務め、シニア・
アドバイザーとして世界銀行グループに出向し、国
際開発協会開発金融部開発パートナー関係局、国際
復興開発銀行東アジア太平洋地域バイス・プレジデ
ント・フロントオフィスに勤務した。米国コロンビ
ア大学国際公共政策大学院において国際関係学修士
号、財政部中国財政科学研究院(旧財政部財政科学
研究所)において経済学博士号を取得した。
非業務執行取締役 董軾 董氏は、2017年8月より当行の非業務執行取締役を 0株
(DONG Shi) 務めている。2008年、匯金公司入社。これまでに、
中国人民銀行監査監督局副部長、国務院監察特派員 2017年8月-
(53歳)
助理、中央企業工委監事会処長、国務院国資委外事 2020年8月
局副局長、中国再保険(集団)股 份 有限公司 取締
役、中国再保険資産管理股 份 有限公司 取締役、中国
建設銀行股 份 有限公司 非業務執行取締役を務めた。
現在、中信建投証券股 份 有限公司 副会長および非業
務執行取締役を務めている。米連邦準備制度理事
会、ロイヤルメルボルン工科大学の視察経験があ
る。中国人民大学において経済法で修士号を取得し
た。董氏は上級エコノミストおよび会計士である。
非業務執行取締役 葉東海 葉氏は、2017年10月より当行の非業務執行取締役を 0株
(YE Donghai) 務めている。2017年、匯金公司入社。これまでに、
北京師範大学財務処科長、副処長、中国光大銀行計 2017年10月-
(55歳)
財部総経理助理(副総経理級)、同行財務会計部副 2020年10月
総経理(業務責任者)、同行天津支店副支店長、党
組メンバー、同行監査部副総経理(業務責任者)、
同行監査部総経理を務め、同行監査役会の従業員代
表監査役を兼任した。中国人民大学において経済学
修士号を取得した。葉氏は上級会計士である。
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氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
独立非業務執行取締役 梁定邦(アンソ 梁氏は、2015年4月より当行の独立非業務執行取締 0株
ニー・フランシ 役を務めている。これまでに、CSRC主席顧問、CSRC
ス・ネオ) 国際顧問委員会委員、全国人民代表大会常務委員会 2015年4月-
(Anthony Francis 香港特別行政区基本法委員会委員、香港証券先物取 2021年4月
引委員会委員長を歴任し、国際証券管理機構組織技
NEOH)
術委員会委員長、環球数碼創意控股有限公司非業務
(72歳)
執行取締役を務めた。このほか、領匯房地産投資信
託基金の管理会社である領匯管理有限公司独立非業
務執行取締役、中国神華能源股 份 有限公司 独立非業
務執行取締役、中国銀行股 份 有限公司 独立非業務執
行取締役、中国人寿保険股 份 有限公司 独立非業務執
行取締役を務めた。現在、中国中信股 份 有限公司 独
立非業務執行取締役および新華人寿保険股 份 有限公
司 独立非業務執行取締役を務めている。ロンドン大
学において法学士号を取得した。香港中文大学およ
び香港公開大学より名誉法学博士号、香港の嶺南大
学より名誉社会科学博士号を授与された。香港証券
学会名誉会員および国際欧亜科学院会員に選ばれ、
香港において資深大律師(シニア・カウンセル)に
任命された。梁氏は英国イングランド・ウェールズ
のバリスタであり、また、米国カリフォルニア州弁
護士の資格を取得している。
独立非業務執行取締役 楊紹信 楊氏は、2016年4月より当行の独立非業務執行取締 0株
(YANG Siu Shun) 役を務めている。これまでに、プライスウォーター
ハウスクーパース(PwC)香港の会長兼プリンシパ 2016年4月-
(63歳)
ル・パートナー、PwC中国本土および香港のエグゼ 2019年4月
クティブ・チェアマン兼プリンシパル・パート
ナー、PwCのグローバルリーダーシップ委員会5人
リーダーグループメンバー、PwCアジア・パシ
フィック地域会長、恒生管理学院理事兼審核委員会
主席を務めた。現在、中国人民政治協商会議全国第
十三期委員会委員、香港金融管理局外匯基金諮詢委
員会委員、香港ジョッキークラブ理事、香港公開大
学理事会副理事長、騰訊控股有限公司独立非業務執
行取締役を務めている。ロンドン・スクール・オ
ブ・エコノミクス(LSE)を卒業した。楊氏は、香
港の治安判事であり、また、英国勅許公認会計士資
格を有し、イングランド・ウェールズ勅許会計士協
会上級会員、香港会計士協会上級会員、英国勅許管
理会計士協会上級会員である。
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氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
独立非業務執行取締役 シーラ・コリー ベアー女史は、2017年3月より当行の独立非業務執 0株
ン・ベアー 行取締役を務めている。これまでにロバート・ドー
ル氏のリサーチ・ディレクター、副カウンセルおよ 2017年3月-
(Sheila Colleen
びカウンセルを務めた。このほか、米国商品先物取 2020年3月
BAIR)
引委員会委員を務めた後、ニューヨーク証券取引所
(64歳)
の政府担当シニア・バイス・プレジデント、米国財
務省金融機関担当財務次官補を務めた。また、ワシ
ントンカレッジ学長、マサチューセッツ大学アマー
スト校において金融規制政策主任教授、米連邦預金
保険公社(FDIC)総裁、Pew Charitable Trustsシ
ニア・アドバイザーを務めた。現在、システミッ
ク・リスク・カウンシル名誉会長を務めている。ま
た、非営利団体ボルカー・アライアンス設立時の理
事である。トムソン・ロイター、ホスト・ホテル・
アンド・リゾート、Paxos Trust Company, LLC お
よびその持株会社であるKabompo Holdings, Ltd.の
独立非業務執行取締役を務めているほか、CBIRC国
際諮問委員会委員、サンタンデール銀行国際顧問委
員会委員を務めている。カンザス大学において哲学
学士号、カンザス大学ロースクールにおいて法学博
士号を取得した。アマースト大学、ドレクセル大
学、カンザス大学、マサチューセッツ大学より名誉
博士号を授与された。
独立非業務執行取締役 沈思 沈氏は、2017年3月より当行の独立非業務執行取締 0株
(SHEN Si) 役を務めている。これまでに、中国人民銀行浙江省
支店副部長、部長、同行本店調査統計部副部長、上 2017年3月-
(65歳)
海浦東発展銀行杭州支店副支店長を務めた。また、 2020年3月
上海浦東発展銀行取締役会秘書役、同行の業務執行
取締役兼取締役会秘書役を務め、同行の新規株式公
開、4回の新株発行、信用組合の買収、シティバン
クとの戦略的パートナシップの形成等の重要な案件
に関わった。浙江大学において経済学修士号を取得
した。また、EMBAを取得している。沈氏は上級エコ
ノミストである。
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氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
独立非業務執行取締役 ノウト・ウェリン ウェリンク氏は、2018年12月より当行の独立非業務 0株
ク 執行取締役を務めている。これまでに、オランダ財
(Nout WELLINK) 務省国庫長官、オランダ中央銀行役員会理事および 2018年12月-
総裁、欧州中央銀行(ECB)政策理事会メンバー、 2021年12月
(75歳)
G10諸国中央銀行総裁会議メンバー、国際通貨基金
(IMF)総務、国際決済銀行(BIS)理事会議長、
バーゼル銀行監督委員会議長、中国銀行股 份 有限公
司 独立非業務執行取締役、プライスウォーターハウ
スクーパース(オランダ)監査役会副会長、アムス
テルダム自由大学名誉教授を務めた。このほか、オ
ランダ政府を代表して銀行、再保険会社およびその
他の企業の監査役会メンバー、オランダ野外博物館
監査役会会長、デン・ハーグのマウリッツハイス王
立美術館およびWesteinde病院のメンバーおよび財
務担当を務めた。1980年にオランダ獅子勲章ナイト
章を授与され、2011年にオレンジ・ナッソー勲章コ
マンダー章を授与された。オランダのライデン大学
において法学修士号、エラスムス・ロッテルダム大
学において経済学博士号を取得、ティルブルフ大学
より名誉博士号を授与された。
独立非業務執行取締役 胡祖六 胡氏は、2019年4月より当行の独立非業務執行取締 0株
(Fred Zuliu HU) 役を務めている。現在、春華資本集団会長、百勝中
国控股有限公司非業務執行会長、香港交易及結算所 2019年4月-
(55歳)
有限公司独立非業務執行取締役、UBSグループAG取 2022年4月
締役、大連萬達商業管理集団股 份 有限公司 独立取締
役、華夏基金管理有限公司非業務執行取締役、民生
金融租賃股 份 有限公司 独立取締役、大自然保護協会
アジア太平洋理事会共同理事長、中美医学基金会理
事等の複数の役職を務めている。このほか、米外交
問題評議会国際諮問委員会、バーグルエン研究所の
21st Century Council、ハーバード大学中国基金会
顧問委員会、ハーバード大学ケネディ・スクールの
モサヴァー・ラーマニ政治経済センター、スタン
フォード大学国際開発センター、コロンビア大学国
際ビジネス・ジェローム・チェイズン・インスティ
テュートのメンバーである。また、 清華大学にて
経済研究センター共同主任と教授を兼務し、香港中
文大学、北京大学において兼任教授を務めている。
これまで、1991年より1996年まで国際通貨基金のシ
ニアエコノミスト、1996年より1997年まで世界経済
フォーラムのヘッド・オブ・リサーチ、1997年より
2010年までザ・ゴールドマン・サックス・グルー
プ・インクのパートナーおよびグレーター・チャイ
ナ地区会長、2010年より2016年まで長城環亜控股有
限公司(旧南華早報集団有限公司)独立非業務執行
取締役、2011年より2018年5月まで恒生銀行有限公
司独立非業務執行取締役を務めた。1986年に清華大
学にて工学修士号、1991年にハーバード大学にて経
済学修士号および博士号を取得した。
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監査役
氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
株主代表監査役 張 煒 張氏は、2016年6月より当行の株主代表監査役兼監 0株
(ZHANG Wei) 査役会事務局主任を務めている。1994年に当行に入
行し、これまでに当行の監査役会従業員代表監査 2016年6月-
(56歳)
役、法律事務部部長、消費者権益保護事務局主任を 2019年6月
務めた。北京大学において法学博士号を取得し、現
在研究員である。
従業員代表監査役 惠平 惠氏は、2015年9月より当行の従業員代表監査役を 0株
(HUI Ping) 務めている。1984年に当行に入行し、2015年より当
行の党規律検査委員会副書記と監察室主任を兼任し 2015年9月-
(58歳)
ている。これまでに当行の陜西支店副支店長、支店 2021年9月
長、内部統制・コンプライアンス部部長を務めた。
厦門大学において金融学博士号を取得した。惠氏は
上級エコノミストである。
従業員代表監査役 黃 力 黄氏は、2016年6月より当行の従業員代表監査役を 0株
(Huang Li) 務めている。1994年に当行に入行し、現在、当行の
内部監査局筆頭責任者を務めている。1998年12月か 2016年6月-
(54歳)
ら2015年6月までに、当行貴州支店営業部副部長、 2019年6月
部長、同支店副支店長、支店長を歴任した。香港大
学において経営学修士号(MBA)を取得した。黄氏
は上級エコノミストである。
外部監査役 瞿強 瞿氏は、2015年12月より当行の外部監査役を務めて 0株
(QU Qiang) いる。現在、中国人民大学教授、博士課程生指導教
官、中国財政・金融政策研究センター(教育部人文 2015年12月-
(52歳)
社会科学の重要研究拠点)主任、中国人民大学金 2021年12月
融・証券研究所副所長、中国金融学会理事、中国金
融40人論壇メンバー、国家開発銀行外部専門家を務
め、これまでに中国人民大学財政金融学院応用金融
学部主任を務めた。現在、北京銀行外部監査役を兼
務している。中国人民大学において経済学博士号を
取得した。
外部監査役 沈炳熙 沈氏は、2016年6月より当行の外部監査役を務めて 0株
(SHEN Bingxi) いる。これまでに中国人民銀行の金融体制改革部門
金融市場部副部長、政策研究室体制改革部兼貨幣政 2016年6月-
(66歳)
策研究部部長、研究局貨幣政策研究部部長、駐東京 2019年6月
代表処首席代表、金融市場部門副部門長、正司級巡
視員を務めたほか中国農業銀行の非業務執行取締役
を務めた。現在、清華大学、浙江大学および南開大
学の客員教授を兼任している。中国人民大学におい
て経済学博士号を取得した。沈氏は研究員である。
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上級役員
氏名 所有株式数
役職名 主要略歴
(年齢) および任期
取締役会会長 陳四清 上記「取締役」を参照されたい。 0株
業務執行取締役 (CHEN Siqing)
2019年5月-
(58歳)
取締役会副会長 谷 澍 上記「取締役」を参照されたい。 0株
業務執行取締役 (GU Shu)
社長 2010年10月-
(51歳)
上級業務執行副社長 胡浩 胡氏は、2015年11月より当行の上級業務執行副社長 0株
(HU Hao) を務めている。1984年に当行に入行し、工商貸付部
副部長、信用管理部副部長、法人営業部部長、国際 2015年11月-
(56歳)
業務部部長、華商銀行社長、中国工商銀行ルクセン
ブルクS.A.会長を歴任した。このほか、南水北調中
線幹線工程建設管理局副局長、太平財産保険有限公
司取締役、太平人寿保険有限公司取締役、廈門国際
銀行取締役、当行の戦略管理・投資家関係部部長、
取締役会秘書役を歴任した。現在、標準銀行集団有
限公司副会長および中国工商銀行(倫敦)有限公司
会長を兼任している。湖南大学を卒業し、中国社会
科学院研究生院において経済学博士号を取得した。
胡氏は研究員である。
上級業務執行副社長 譚炯 譚氏は、2017年1月より当行の上級業務執行副社長 0株
(TAN Jiong) を務めている。1988年6月に中国銀行股 份 有限公司
に入行し、同行のチベット自治区支店副支店長(業 2017年1月-
(52歳)
務責任者)、支店長、雲南省支店支店長、中銀基金
管理有限公司会長、広東省支店支店長を務めた。武
漢大学において経済学博士号を取得した。譚氏は上
級エコノミストである。
最高リスク責任者 王百榮 王氏は、2016年7月より当行の最高リスク責任者を 0株
(WANG Bairong) 務めている。1986年に就職後、1991年に当行に入行
した。これまでに、これまでに、浙江省支店支店長 2016年7月-
(56歳)
補佐兼紹興市支店支店長、浙江省支店副支店長兼同
支店営業部部長、重慶市支店副支店長(業務責任
者)、支店長を歴任した。中国共産党中央党校にお
いて経済学修士号を取得した。王氏は上級エコノミ
ストである。
取締役会秘書役 官学清 官氏は、2016年7月より当行の取締役会秘書役を務 0株
(GUAN Xueqing) めている。1984年に当行に入行し、これまでに、四
川遂寧市支店支店長、駐フランクフルト代表処代 2016年7月-
(55歳)
表、フランクフルト支店副総経理、四川省支店副支
店長、四川省支店副支店長兼四川省支店営業部部
長、湖北省支店支店長、四川省支店支店長を歴任し
た。また、当行の戦略管理・投資家関係部部長を務
めた。西南財経大学において経済学博士号を取得し
た。官氏は上級エコノミストである。
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下記の者は、CBIRC又は株主総会の承認が下り次第、下記の役職に就任する予定である。
氏名
新たな役職 主要略歴 所有株式数
(年齢)
業務執行取締役 胡浩 0株
(HU Hao)
上記「上級役員」を参照されたい。
(56歳)
業務執行取締役 譚炯 0株
(TAN Jiong)
上記「上級役員」を参照されたい。
(52歳)
非業務執行取締役 盧永真 盧氏は、2012年5月より国務院国有資産監督管理委 0株
(LU Yongzhen) 員会研究中心の副主任を務めている。2000年3月よ
り国家経済貿易委員会経済研究諮詢中心弁公室副主
(51歳)
任、2002年5月より国家経済貿易委員会経済研究中
心専題研究部部長、2003年3月より国務院国有資産
監督管理委員会研究中心資本市場研究部部長、2011
年1月より国務院国有資産監督管理委員会研究中心
主任助理兼資本市場研究部部長。北京大学において
歴史学学士号および修士号、西南財経済大学におい
て経済学博士号を取得した。盧氏は研究員である。
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下記の者は、それぞれ以下の職を退任した。
氏名 退任時の役職 退任年月日
易會満(YI Huiman)
取締役会会長、業務執行取締役 2019年1月
張紅力(ZHANG Hongli)
業務執行取締役、上級業務執行副社長 2018年7月
王敬東(WANG Jingdong)
業務執行取締役、上級業務執行副社長 2018年9月
程鳳朝(CHENG Fengchao)
非業務執行取締役 2019年4月
費周林(FEI Zhoulin)
非業務執行取締役 2018年10月
柯清輝(OR Ching Fai)
独立非業務執行取締役 2018年10月
洪永淼(HONG Yongmiao)
独立非業務執行取締役 2019年4月
李雲澤(LI Yunze)
上級業務執行副社長 2018年9月
当行の定款の規定に従い、各取締役の任期は3年とするが、任期終了の時点で再選の資格を得る。
当行の取締役および監査役に対する報酬については、「第6-1財務書類」に掲げる財務書類注記注12を参
照のこと。
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5 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
コーポレート・ガバナンスの枠組み
(注) 上記は、2018年末現在における当行のコーポレート・ガバナンス組織図である。
当行は、株主総会、取締役会、監査役会および上級管理職によるコーポレート・ガバナンスとチェック・ア
ンド・バランス機能(それぞれの職責や説明責任、連携、効果的なチェック・アンド・バランスについて明確
に定義されている。)の改善、ならびに権限機関、意思決定機関、監督機関および執行機関の責任の最適化に
ついて、不断の努力を行ってきた。その結果、科学的な意思決定プロセス、効果的な監督および安定的な運用
を可能とするコーポレート・ガバナンスの運用メカニズムが実施されている。
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株主総会の職責
当行の権限機関として、株主総会はすべての株主で構成される。株主総会は、当行の事業方針および重要
な投資計画の決定、年次予算案、決算案、利益配分案および損失補填案の検討および承認、取締役、株主代
表の中から任命される監査役および外部監査役の選任ならびに変更、取締役会の業務報告書および監査役会
の業務報告書の検討および承認、合併、分割、解散、清算、法人形態の変更、当行の登録資本金の増減、社
債またはその他有価証券の発行、上場、株式買戻し、優先株式の発行に関する決議の採択、ならびに当行定
款の変更等に責任を負う。
取締役会の職責
当行の意思決定機関として、取締役会は株主総会に対する説明責任を負い、株主総会に対し取締役会の業
務報告をする。取締役会は、株主総会の招集、株主総会決議の実行、当行の事業計画、投資案および開発戦
略の決定、当行の年次予算および決算の策定、利益配分案および損失補填案の策定、当行の登録資本金の増
額案または減額案、当行の資本補充案および財務再編案の策定、リスク管理体制および内部統制体制等に関
する当行の基本的な管理体制の策定およびかかる体制の実施の監督、社長および取締役会秘書役の任免、上
級業務執行副社長およびその他社長の指名に従い関連法令に基づき取締役会が任免する上級役員(取締役会
秘書役を除く。)の任免、それらの報酬、賞与および懲罰事項の決定、当行の関連組織の設置の決定および
社長への当該設置決定の授権、当行のコーポレート・ガバナンスの定期的な評価および改善、当行の情報開
示の管理、ならびに社長その他の上級役員による経営職責の監督およびその効果的な履行の確保等に責任を
負う。
監査役会の職責
当行の監督機関として、監査役会は株主総会に対する説明責任を負い、株主総会に対し監査役会の業務報
告をする。監査役会は、取締役および上級役員の業績監督およびデューディリジェンス、取締役会および上
級管理職の職務履行の監督、(必要に応じて)取締役および上級役員に対する離任時監査の実施、当行の財
務活動の検査および監督、財務報告書・事業報告書・利益配分案等取締役会が株主総会に提出する財務情報
の検討、当行の経営についての意思決定・リスク管理・内部統制の検査および監督、当行の内部監査部門に
対する指導、外部監査人の任用・解任・再任用・監査業務およびその進捗状況の監督、監査役の報酬案およ
び業績評価方法の策定、監査役の業績評価の実施、株主総会に対するその承認を得るための報告、株主総会
への議案提出、臨時株主総会招集の提案、取締役会が株主総会の招集義務を遂行しない場合に臨時株主総会
を招集し議長を務めること、臨時取締役会招集の提案等に責任を負う。
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上級管理職の職責
当行の執行機関として、上級管理職は取締役会に対する説明責任を負う。上級管理職は、当行の経営管
理、取締役会が承認した経営計画および投資計画実施の取りまとめ、当行の具体的な規定および規則の策
定、当行の内部部門(内部監査部門は除く。)および支店の責任者の報酬配分案および業績評価案の決定、
取締役会または監査役会に対する事実に即した業績の報告、年次予算案、決算案、利益分配案、損失補填
案、登録資本の増減、社債その他の有価証券の発行、上場に関する案の起案およびこれらについての取締役
会に対する提言等に責任を負う。
取締役会および専門委員会
取締役会の構成
当行は、取締役の指名および選任に関し比較的充実した手続を策定した。多様な経歴を有する取締役が、
互いに各自の専門知識、専門的能力および経験で補完し合う一方で、専門的かつ多角的な視点や見解を述べ
ることにより、取締役会の科学的な意思決定が確保された。2019年6月21日現在、当行の取締役会は、2名
の業務執行取締役(陳四清氏、谷 澍 氏)、4名の非業務執行取締役(鄭福清氏、梅迎春女史、董軾氏、葉東
海氏)および6名の独立非業務執行取締役(梁定邦氏、楊紹信氏、シーラ・コリーン・ベアー女史、沈思
氏、ノウト・ウェリンク氏、胡祖六氏)を含む12名の取締役により構成されていた。取締役会会長は陳四清
氏、副会長は谷 澍 氏が務めた。業務執行取締役は、長年にわたり銀行業務および経営分野での職務経験があ
り、かかる分野での広範な専門知識と経験を有し、当行の運営および経営に精通している。非業務執行取締
役は、長年にわたり財政・経済・金融分野の業務に従事し、経営に関する豊富な実務経験を有し、政策理論
の理解は相当程度高いレベルにある。独立非業務執行取締役は全員、経済、金融、監査、法律の各分野で高
名な中国内外の専門家であり、中国および外国の規制・規則に精通し、コーポレート・ガバナンス、金融、
銀行経営について十分な知識を有する。当行の独立非業務執行取締役の人数は取締役総数の3分の1超であ
り、関連する規制上の要件を満たしている。
2018年中、当行の取締役会は10回開催された。
独立非業務執行取締役の独立性および職務の履行
当行の独立非業務執行取締役の資格、人数および割合は、規制上の要件を満たしている。当行の独立非業
務執行取締役は、当行またはその子会社に対していかなる事業上または財務上の利害も有しておらず、当行
において管理職の役職にも就いていない。当行は、毎年、すべての独立非業務執行取締役から独立性の確認
を取っており、独立非業務執行取締役は独立性を有していると考えている。
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2018年中、当行の独立非業務執行取締役は、真摯に取締役会および専門委員会に出席し、議案の検討にお
いて独自の意見を述べ、当行の戦略的経営、事業変革、革新的展開、コーポレート・ガバナンス、リスク管
理、コンプライアンス管理、フィンテックおよびインクルーシブ・ファイナンス業務等の分野について提言
をした。休会中、当行の独立非業務執行取締役は、当行の民間経済支援、貧困削減のための金融サービスの
提供、信用資産の質、与信についての企業文化の向上および国際情勢の変化が国外組織の経営に及ぼす影響
に関する現場調査を行った。特殊な議題に関する議論において経営陣と活発な意見交換をした。2018年中、
当行の独立非業務執行取締役は、経営管理および戦略実施に関し意見や提言をした。これらの提言は、民間
経済のための適切なサービスの提供、フィンテックによるイノベーションの加速、情報セキュリティ管理の
強化、販路変更とインテリジェンスバンク構築の推進、リスク管理とコンプライアンス整備の強化などにつ
いてのものであった。当行は、かかる意見や提言に十分に留意し、これらが実情に即して実施されるように
した。
2018年中、当行の独立非業務執行取締役は、取締役会および取締役会専門委員会の提案に対し異議を唱え
なかった。
取締役会専門委員会
当行の取締役会は6つの専門委員会、すなわち戦略委員会、監査委員会、リスク管理委員会、指名委員
会、報酬委員会および関連当事者取引管理委員会を設置している。戦略委員会を除き、他のすべての専門委
員会の委員長は独立非業務執行取締役が務めた。監査委員会、指名委員会、報酬委員会および関連当事者取
引管理委員会の委員の過半数は独立非業務執行取締役であった。2018年中の取締役会専門委員会の職務実施
状況は以下のとおりである。
戦略委員会
戦略委員会の主な職責は、当行の戦略的発展計画、全体的な状況に重大な影響を及ぼすリスク事由、事業
および組織発展計画、主要な投融資計画、グリーン信用戦略、消費者保護戦略および環境、社会、統治等に
関する社会的責任の履行状況、その他当行の発展において重大な重要事項を検討し取締役会に提言するこ
と、財務報告、リスク管理および内部統制が当行のコーポレート・ガバナンス基準から外れることのないよ
うにコーポレート・ガバナンスの枠組みの健全性を審査および評価することである。2019年6月21日現在、
戦略委員会は、業務執行取締役の陳四清氏、谷 澍 氏、独立非業務執行取締役のシーラ・コリーン・ベアー女
史、梁定邦氏、ノウト・ウェリンク氏、胡祖六氏、非業務執行取締役の鄭福清氏、梅迎春女史、董軾氏、葉
東海氏の10名の取締役により構成されていた。取締役会会長である陳四清氏が同委員会の委員長、独立非業
務執行取締役のシーラ・コリーン・ベアー女史が副委員長を務めた。
2018年中、取締役会の戦略委員会は7回開催された。
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監査委員会
監査委員会の主な職責は、継続的に当行の内部統制体制を監視し、当行の財務情報および内部監査を監
督、検査、評価し、当行の職員が財務書類や内部統制等における不正行為を報告する方法を評価し、報告さ
れた事項について当行が独自に、かつ公正に調査し、適切な措置をする方法を評価することである。2019年
6月21日現在、監査委員会は、独立非業務執行取締役の沈思氏、梁定邦氏、楊紹信氏、ノウト・ウェリンク
氏、胡祖六氏、非業務執行取締役の葉東海氏の6名の取締役により構成されていた。独立非業務執行取締役
である沈思氏が同委員会の委員長を務めた。
2018年中、監査委員会は6回開催された。
リスク管理委員会
リスク管理委員会の主な職責は、継続的に当行のリスク管理体制を監視し、当行のリスク管理戦略、方
針、手続および内部統制プロセスを検討、修正し、リスク管理についての上級役員およびリスク管理部門の
職務履行状況を監督、評価することである。このほか、米連邦準備制度理事会が定めた銀行持株会社および
外国銀行組織に対する強化されたプルデンシャル基準(Enhanced Prudential Standards for Bank Holding
Companies and Foreign Banking Organizations (EPS))の関連要件に従った米国リスク委員会としての役
割も務めている。2019年6月21日現在、当行のリスク管理委員会は、独立非業務執行取締役の梁定邦氏、楊
紹信氏、シーラ・コリーン・ベアー女史、沈思氏、非業務執行取締役の鄭福清氏、董軾氏の6名の取締役に
より構成されていた。独立非業務執行取締役である梁定邦氏が同委員会の委員長を務めた。
2018年中、リスク管理委員会は8回開催された。
指名委員会
指名委員会の主な職責は、取締役および上級役員候補者について取締役会に提言をし、取締役会専門委員
会の委員長および委員の候補者を指名し、取締役および上級役員の選任・任命基準および手続を策定し、上
級役員および重要な人材の研修・育成計画を策定することである。このほか、指名委員会の職責として、取
締役会の構造、規模および構成を毎年評価し、当行の発展戦略に基づき取締役会に対し提言をする。2019年
6月21日現在、当行の指名委員会は、業務執行取締役の谷 澍 氏、独立非業務執行取締役の胡祖六氏、梁定邦
氏、楊紹信氏、シーラ・コリーン・ベアー女史、非業務執行取締役の葉東海氏の6名の取締役により構成さ
れていた。独立非業務執行取締役である胡祖六氏が同委員会の委員長を務めた。
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取締役の指名方法および手続は当行定款において定める。当行定款第118条を参照のこと。2018年中、当
行による当行取締役の任命および再任は、当行定款を厳守して行われた。指名委員会は、取締役候補者が適
用ある法律、行政規則、規制および当行定款に適合しているか否かに基づき、当該候補者の資格について検
討する。当行の取締役候補者の推薦および指名に関する規則において取締役会の構成の多様性が求められて
いることから、指名委員会は、取締役会が適切な才能と経験を備え、また多角的な意見や見解をもつ者で構
成されるように、専門知識、専門的能力、経験、文化的背景、学歴、性別等の点から各候補者が補完的にな
るように十分に留意する。かかる多様化方針を実施するため、指名委員会は、同委員会が毎年行う取締役会
の枠組み、取締役の人数および構成の評価において取締役会の構成の多様性の改善状況について評価し、測
定可能な目標について実情に即した議論と立案を行う。2019年6月21日現在、独立非業務執行取締役は6名
であり、取締役総数の3分の1を超える人数であった。女性取締役は2名であった。当行は、取締役の人材
と経歴の多様性を重視し、また、取締役会の専門性を高める取組みを続けることにより、取締役会による効
率的な運営と科学的な意思決定のための基礎作りをした。
2018年中、指名委員会は6回開催された。
報酬委員会
報酬委員会の主な職責は、取締役の業績評価方法と取締役報酬案を策定し、取締役の業績評価をまとめ、
取締役報酬案を提出し、当行の上級役員の評価方法および報酬案を策定、検討し、上級役員の業務遂行状況
および活動を評価することである。2019年6月21日現在、当行の報酬委員会は、業務執行取締役の谷 澍 氏、
独立非業務執行取締役のノウト・ウェリンク氏、梁定邦氏、シーラ・コリーン・ベアー、沈思氏、非業務執
行取締役の梅迎春女史、董軾氏の7名の取締役により構成されていた。独立非業務執行取締役であるノウ
ト・ウェリンク氏が同委員会の委員長を務めた。
2018年中、報酬委員会は3回開催された。
関連当事者取引管理委員会
関連当事者取引管理委員会の主な職責は、関連当事者取引管理の基本方針を策定し、当行の関連当事者を
特定し、関連当事者取引およびその他取締役会から与えられた権限の範囲内での関連事項を承認し、記録の
ために関連当事者取引に関する統計を受領し、取締役会または株主総会の承認を要する関連当事者取引を検
討し、関連当事者取引管理方針の実施状況および当該取引の状況について取締役会に報告することである。
2019年6月21日現在、当行の関連当事者取引管理委員会は、独立非業務執行取締役の楊紹信氏、沈思氏、ノ
ウト・ウェリンク氏の3名の取締役により構成されていた。独立非業務執行取締役である楊紹信氏が同委員
会の委員長を務めた。
2018年中、関連当事者取引管理委員会は3回開催された。
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監査役会および専門委員会
監査役会の構成
2019年6月21日現在、当行の監査役会は、1名の株主代表監査役(張 煒 氏)、2名の従業員代表監査役
(惠平氏、 黃 力 氏)および2名の外部監査役(瞿強氏、沈炳熙氏)を含む5名により構成されていた。
2018年中、監査役会は7回開催された。
内部統制
取締役会は、内部統制の基本的規則を策定し、かかる規則実施の監督に責任を負う。取締役会の監査委員
会および関連当事者取引管理委員会は、内部統制管理の責任を負い、内部統制の有効性を検討する。当行が
設置した内部監査局と内部監査分局は、階層的管理体制を採用し、取締役会に対し責任を負い、取締役会に
報告を行う。本店および支店は、内部統制・コンプライアンス部門を設置しており、かかる部門は、内部統
制の全行的な組織、推進および調整に責任を負う。
内部統制環境は引き続き最適化が図られた。当行は、「2018年-2020年内部統制システム構築計画」を実
施し、新たな時代における当グループの内部統制システム構築の目標を設定した。組織的な取組である「内
部統制・コンプライアンス強化年」を展開する中で、法令遵守文化の核心として「リスクを管理し効率的な
経営を確保するためにコンプライアンスは全職員の責任の基本」とする理念を掲げた。当行は、経営改革の
ニーズを踏まえ、本店・支店・出張所の構造および人員配置の調整をし、業務評価および経営評価システム
を改善した。
リスク管理技術のレベル向上が顕著であった。当行は、コア資本の自己資本比率規制を軸とする階層的リ
スク選好指標システムを完成させ、当グループ、当行、地理的立地、産業、顧客、商品、リスク削減等の点
からリスク限度額管理システムを構築した。当行は、クロス金融リスク統計およびモニタリング・プラット
フォームシステム・プロジェクトの立上げと当該システムの段階的な開発向上を奨励しクロス金融リスクの
識別・評価・モニタリング・集計・警告・報告能力の向上を図った。
統制活動の効果が向上した。当行は、全職員・全プロセス内部統制システム構築完成のために内部統制マ
ニュアルを整備した。一般法人顧客および小規模・零細企業向け融資および住宅ローンの審査・承認機能は
第2レベル支店に移管されたが、信用照会補完業務の範囲・対象・権限は合理的かつ慎重に確定された。当
行は、内部口座会計統一管理プラットフォームを導入し、内部口座の全プロセスの電子管理に向けて該当す
る業務プロセスの照合と改善を進めた。
情報通信の効率化がさらに進められた。当行は、新たなデータ品質評価手法を公表するとともに、国内外
のデータ品質管理システムをレベルアップし、総合的かつ正確なデータ品質評価システムを構築した。これ
により顧客および資金取引のインテリジェントモニタリング分析マイニングが強化され、行動分類とリレー
ションネットワークのマイニング・ラベリングが行われ、分析結果がビジネスシナリオでより広く応用され
た。当行は、情報セキュリティオペレーションセンターの設置を進め、攻撃を受けた際の迅速な緊急対応体
制を整備するとともに、ハイリスクアラームが出た場合に自動的にブロックする措置を実現した。
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内部モニタリングと内部評価は引き続き効果的であった。当行は、監督・検査の全プロセス管理を強化
し、監督・検査プロセスを標準化し、三次元の連携のとれた多チャネルの監督・検査メカニズムを構築し
た。規制上の要件に従い、当行は「四輪駆動」方式(評価・ガバナンス・検査・改善)を採用し、改善の質
の向上を図った。当行は、検査・監査プロジェクトを集中的に進め、要件をさらに厳しくし、「ダブル改
善」を堅持し、改善の効果を監視・評価し、改善の説明責任措置の実施を強化し、改善効果を高めた。当行
は、内部統制評価業務を絶えず改善し、内部統制評価を「ビッグデータモニタリングと定期的評価」を特徴
とするものに発展させた。
内部監査
当行は、取締役会に対する責任と報告義務を負う垂直的かつ独立した内部監査管理体制を設置した。
当行の内部監査管理および報告の枠組みを下図に示す。
2018年中、当行は、当行の展開戦略および中心的業務に基づき、業界の規制要件に従い行為し、リスクを
重視した監査活動をし、年間監査計画を十分に達成した。監査活動は、主に与信業務、金融利得、内部統
制、資本管理、国外組織、資産管理、インターネット金融、カスタマーサービス、上級役員の任期中の職務
遂行状況等、経営、管理の重要点について行った。監査活動は、複雑な事業環境下での信用リスク、市場リ
スク、流動性リスクおよびオペレーショナル・リスクに細心の注意を払い、異なる事業、市場、規制間の複
雑なリスクの範囲とその管理効果を明らかにした。監査活動では、当グループの各組織による、また当グ
ループの主要業務分野における規制要件遵守の質と効果、主要戦略の実施、重大リスクの管理、内部統制の
強化についての監督および評価がなされた。このほか、当行は、監査結果に細心の注意を払い、関連する監
査勧告を十分に活用し、リスク管理、内部統制、コーポレート・ガバナンスのレベル向上を図った。
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2018年中、当行は内部監査において、リスク管理状況の変化に積極的に対応し、監査管理体制を向上させ、
監査の質と効率性の向上を図り、内部監査のデジタル化を継続的に進め、専門資格教育やプロジェクトに特
化した研修を実施する取組を強化し、チームの専門性を広げさせ、継続的に監査業務提供能力やプロフェッ
ショナル意識の向上を図った。
取締役、監査役および上級役員の報酬方針
当行は、取締役、監査役および上級役員の報酬方針を明文化しており、引き続き業績評価制度および報
奨・規制制度を改善している。経済的利益、リスク費用管理および社会的責任の観点から、当行は、管理職
向けにバランス・スコアカードに基づく指標、個人向けに職務配分に基づく指標からなるシステムを採用し
ている。当行の取締役会会長、社長、監査役会会長およびその他の上級役員に対する報酬は、年間基本報
酬、業績連動型報酬および評価期間連動型インセンティブ報酬からなり、主要企業の上級管理職報酬改革に
ついての中国政府の政策に従ったものである。その他の上級役員および株主代表監査役に対する報酬は、年
間基本報酬および業績連動型報酬からなり、業績連動型報酬の一部は繰り延べて支払われる。当行は、当行
の従業員でもある取締役、監査役および上級役員に対して中国政府機関が各レベルで設置する法定退職制度
に資金を拠出している。関連する承認がすべて得られ次第、当行は長期報奨プログラムを実施する予定であ
る。2018年12月31日現在、当行は、いずれの取締役、監査役、上級役員に対しても、取締役会が指定するそ
の他の業務上重要な者に対しても株式評価益権を付与しなかった。
(2) 【監査報酬の内容等】
畢馬威華振会計師事務所(特殊普通合夥)(KPMG Huazhen LLP)は2018年度財務書類監査のための当行の国
内監査人を務め、KPMGは2018年度財務書類監査のための当行の国際監査人を務めた。畢馬威華振会計師事
務所(特殊普通合夥)(KPMG Huazhen LLP)は、当行の2018年度内部統制についての監査人も務めた。
畢馬威華振会計師事務所(特殊普通合夥)(KPMG Huazhen LLP)およびKPMGは、6年連続(2013年度か
ら2018年度)で当行の監査人を務めた。
2018年中に、当グループは、KPMGおよびその構成組織に対し、財務書類監査(子会社および海外支店の
財務書類監査を含む。)について、合計210百万人民元の報酬を支払い、このうち136百万人民元(11.50百万
人民元の内部統制監査費用を含む。)を当行が支払った。
2018年中、KPMGおよびその構成組織は、当グループに対し、税務アドバイザリーサービスおよび債券発
行に関する専門的サービス等の非監査サービスを提供し、かかる専門的な非監査サービスに対して6百万人民
元を受領した。
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第6 【経理の状況】
1.以下に掲げる当グループの連結財務書類は、国際財務報告基準に準拠して作成されている。かかる連結財務書
類の作成に当たって当行の採用した会計原則および会計慣行と、日本において一般に公正妥当と認められている
会計原則および会計慣行との間の主な相違点に関しては、「4 国際財務報告基準と日本における会計原則およ
び会計慣行の主要な相違」に説明されている。
本書記載の連結財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59
号)第131条第1項の適用を受けている。
2.原文(英文)の連結財務書類は、国際監査基準に従って、当行の独立監査人である香港の公認会計士KPMGによる
監査を受けており、かかる監査報告書の原文および和文訳が本書とともに提出されている。
当該連結財務書類は、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号)第35条の規定に基づく「財務諸表等の監
査証明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の3の規定により、金融商品取引法第193条の2の
規定に基づく日本国の公認会計士または監査法人による監査は受けていない。
3.本書記載の原文の連結財務書類は、人民元で表示されている。日本円で表示されている金額は、1人民元=
16.72円(2019年4月22日現在の株式会社三菱UFJ銀行の対顧客電信直物売買相場の仲値)で換算された金額であ
る。円換算額は、表示の便宜上記載されているのみであり、人民元で表示された金額が、かかる換算レートで円
に換算されることを意味していない。
4.上記の主要な金額の円換算額および「2 主な資産・負債及び収支の内容」から「4 国際財務報告基準と日本
における会計原則および会計慣行の主要な相違」までの事項は原文の連結財務書類には含まれておらず、当行の
独立監査人の監査も受けていない。
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1 【財務書類】
連結損益計算書
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
6 948,094 861,594
受取利息
(375,576) (339,516)
6
支払利息
6 572,518 522,078
純受取利息
7
162,347 158,666
受取手数料等
(17,046) (19,041)
7
支払手数料等
7 145,301 139,625
純受取手数料等
8
2,846 5,753
トレーディング純収益
9 1,345 2,165
金融投資に係る純利益
3,111 6,033
10
その他の純営業収益
725,121 675,654
営業収益
11 (194,203) (186,194)
営業費用
(161,594) (127,769)
14
資産に係る減損損失
369,324 361,691
営業利益
3,089 2,950
関連会社および共同支配企業の利益に対する持分
372,413 364,641
税引前利益
(73,690) (77,190)
15
法人所得税
298,723 287,451
当期純利益
帰属先:
297,676 286,049
親会社の株主
1,047 1,402
非支配持分
298,723 287,451
当期純利益
1株当たり利益
18
0.82 0.79
― 基本的(人民元)
0.82 0.79
18
― 希薄化後(人民元)
宣言され支払済の配当または提案されている配当の詳細は財務書類注記 17 で開示している。
142 頁から 298 頁(訳注:原文の頁)までの注記はこれらの財務書類の一部を構成している。
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(単位:特に明記しない限り、百万円)
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
6 15,852,132 14,405,852
受取利息
(6,279,631) (5,676,708)
6
支払利息
6 9,572,501 8,729,144
純受取利息
7
2,714,442 2,652,896
受取手数料等
(285,009) (318,366)
7
支払手数料等
7 2,429,433 2,334,530
純受取手数料等
8
47,585 96,190
トレーディング純収益
9 22,488 36,199
金融投資に係る純利益
52,016 100,872
10
その他の純営業収益
12,124,023 11,296,935
営業収益
11 (3,247,074) (3,113,164)
営業費用
(2,701,852) (2,136,298)
14
資産に係る減損損失
6,175,097 6,047,474
営業利益
51,648 49,324
関連会社および共同支配企業の利益に対する持分
6,226,745 6,096,798
税引前利益
(1,232,097) (1,290,617)
15
法人所得税
4,994,649 4,806,181
当期純利益
帰属先:
4,977,143 4,782,739
親会社の株主
17,506 23,441
非支配持分
4,994,649 4,806,181
当期純利益
1株当たり利益
18
13.71 13.21
― 基本的(円)
13.71 13.21
18
― 希薄化後(円)
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連結純損益およびその他の包括利益計算書
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
298,723 287,451
当期純利益
40
その他の包括利益(税引後・純額):
純損益に振り替えられることのない項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと
1,605
して指定した資本性金融商品の公正価値の変動
(9) (29)
持分法を適用して認識したその他の包括利益
(5) 3
その他
純損益に振り替えられる可能性のある項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性
24,599
金融商品の公正価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性
(1,238)
金融商品の信用損失
(33,494)
売却可能金融資産に係る公正価値の変動による純損失
(53) 939
キャッシュ・フロー・ヘッジ手段から生じた利益
488 (757)
持分法を適用して認識したその他の包括利益
3,325 (8,752)
為替換算差額
(903) 712
その他
27,809 (41,378)
当期その他の包括利益小計
326,532 246,073
当期包括利益合計
当期包括利益の帰属先:
324,981 245,729
親会社の株主
1,551 344
非支配持分
326,532 246,073
142 頁から 298 頁(訳注:原文の頁)までの注記はこれらの財務書類の一部を構成している。
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(単位:特に明記しない限り、百万円)
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
4,994,649 4,806,181
当期純利益
40
その他の包括利益(税引後・純額):
純損益に振り替えられることのない項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと
26,836
して指定した資本性金融商品の公正価値の変動
(150) (485)
持分法を適用して認識したその他の包括利益
(84) 50
その他
純損益に振り替えられる可能性のある項目:
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性
411,295
金融商品の公正価値の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性
(20,699)
金融商品の信用損失
(560,020)
売却可能金融資産に係る公正価値の変動による純損失
(886) 15,700
キャッシュ・フロー・ヘッジ手段から生じた利益
8,159 (12,657)
持分法を適用して認識したその他の包括利益
55,594 (146,333)
為替換算差額
(15,098) 11,905
その他
464,966 (691,840)
当期その他の包括利益小計
5,459,615 4,114,341
当期包括利益合計
当期包括利益の帰属先:
5,433,682 4,108,589
親会社の株主
25,933 5,752
非支配持分
5,459,615 4,114,341
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有価証券報告書
連結財政状態計算書
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
12 月 31 日
2018 年 2017 年
注記
資産の部
19 3,372,576 3,613,872
現金および中央銀行預け金
20 962,449 847,611
銀行およびその他の金融機関預け金
21 71,335 89,013
デリバティブ金融資産
22 734,049 986,631
リバース・レポ契約
23 15,046,132 13,892,966
顧客貸出金等
24 6,754,692 5,756,704
金融投資
805,347 440,938
-純損益を通じて公正価値で測定する金融投資
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
1,430,163
融投資
4,519,182
-償却原価で測定する金融投資
1,496,453
-売却可能金融資産
3,542,184
-満期保有目的投資
277,129
-債権
26 29,124 32,441
関連会社および共同支配企業への投資
27 290,404 247,744
有形固定資産
28 58,375 48,392
繰延税金資産
380,404 571,669
29
その他の資産
27,699,540 26,087,043
資産の部合計
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12 月 31 日
2018 年 2017 年
注記
負債の部
481 456
中央銀行預り金
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定
30
87,400 89,361
した金融負債
21 73,573 78,556
デリバティブ金融負債
31 1,814,495 1,706,549
銀行およびその他の金融機関預り金
32 514,801 1,046,338
レポ契約
33 341,354 260,274
譲渡性預金
34 21,408,934 19,562,936
顧客預り金
84,741 70,644
未払法人所得税
28 1,217 433
繰延税金負債
35 617,842 526,940
発行社債
409,819 603,500
36
その他の負債
25,354,657 23,945,987
負債の部合計
資本の部
親会社の株主に帰属する資本
37 356,407 356,407
株式資本
38 86,051 86,051
その他の資本性金融商品
39 680,877 587,489
準備金
1,206,666 1,097,544
利益剰余金
2,330,001 2,127,491
14,882 13,565
非支配持分
2,344,883 2,141,056
資本の部合計
27,699,540 26,087,043
資本および負債の部合計
谷 澍 張文武
副会長・社長 財務会計部ジェネラル・マネージャー
142 頁から 298 頁(訳注:原文の頁)までの注記はこれらの財務書類の一部を構成している。
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有価証券報告書
(単位:特に明記しない限り、百万円)
12 月 31 日
2018 年 2017 年
注記
資産の部
19 56,389,471 60,423,940
現金および中央銀行預け金
20 16,092,147 14,172,056
銀行およびその他の金融機関預け金
21 1,192,721 1,488,297
デリバティブ金融資産
22 12,273,299 16,496,470
リバース・レポ契約
23 251,571,327 232,290,392
顧客貸出金等
24 112,938,450 96,252,091
金融投資
13,465,402 7,372,483
-純損益を通じて公正価値で測定する金融投資
23,912,325
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金
融投資
75,560,723
-償却原価で測定する金融投資
25,020,694
-売却可能金融資産
59,225,316
-満期保有目的投資
4,633,597
-債権
26 486,953 542,414
関連会社および共同支配企業への投資
27 4,855,555 4,142,280
有形固定資産
28 976,030 809,114
繰延税金資産
6,360,355 9,558,306
29
その他の資産
463,136,309 436,175,359
資産の部合計
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有価証券報告書
12 月 31 日
2018 年 2017 年
注記
負債の部
8,042 7,624
中央銀行預り金
1,461,328 1,494,116
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定
30
した金融負債
21 1,230,141 1,313,456
デリバティブ金融負債
31 30,338,356 28,533,499
銀行およびその他の金融機関預り金
32 8,607,473 17,494,771
レポ契約
33 5,707,439 4,351,781
譲渡性預金
34 357,957,376 327,092,290
顧客預り金
1,416,870 1,181,168
未払法人所得税
28 20,348 7,240
繰延税金負債
35 10,330,318 8,810,437
発行社債
6,852,174 10,090,520
36
その他の負債
423,929,865 400,376,903
負債の部合計
資本の部
親会社の株主に帰属する資本
37 5,959,125 5,959,125
株式資本
38 1,438,773 1,438,773
その他の資本性金融商品
39 11,384,263 9,822,816
準備金
20,175,456 18,350,936
利益剰余金
38,957,617 35,571,650
248,827 226,807
非支配持分
39,206,444 35,798,456
資本の部合計
463,136,309 436,175,359
資本および負債の部合計
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連結持分変動計算書
2018 年 12 月 31 日に終了した会計年度
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
親会社の株主に帰属
準備金
キャッ
その他の
投資 シュ・フ
発行済 利益 非支配 資本の部
資本 利益 一般 為替換算 その他の
資本性 合計
再評価 ロー・ 小計
株式資本 剰余金 持分 合計
準備金 準備金 準備金 調整勘定 準備金
金融商品
準備金 ヘッジ準
備金
2017 年 12 月 31 日現在残高 356,407 86,051 152,043 232,703 264,892 (31,752) (26,302) (3,761) (334) 587,489 1,097,544 2,127,491 13,565 2,141,056
IFRS 第 9号の適用の影響 22,877 22,877 (55, 035 ) (32, 158 ) (32) (32, 190 )
― ― ― ― ― ― ― ―
2018 年 1月 1日現在残高 356,407 86,051 152,043 232,703 264,892 (8,875) (26,302) (3,761) (334) 610,366 1,042,509 2,095,333 13,533 2,108,866
297,676 297,676 1,047 298,723
当期純利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
その他の包括利益(注 40 ) 24,369 3,408 (43) (429) 27,305 27,305 504 27,809
― ― ― ― ― ―
24,369 3,408 (43) (429 ) 27,305 297,676 324,981 1,551 326,532
包括利益合計 ― ― ― ― ―
配当金-普通株式 2017 年 度最終
(注 17) (85,823) (85,823) (85,823)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
配当金-優先株式(注 17 ) (4,506) (4,506) (4,506)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
利益準備金への積立て( i) 29,017 29,017 (29,017)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
一般準備金への積立て( ii) 14,172 14,172 (14,172)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
76 76
非支配株主による出資 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
49 49
子会社株式の持株比率の変動 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(327) (327)
非支配株主への配当 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
利益剰余金に振り替えたその他
1 1 (1)
の包括利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
16 16 16 16
その他 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
2018 年 12 月 31 日現在残高 356,407 86,051 152,043 261,720 279,064 15,495 (22,894) (3,804) (747) 680,877 1,206,666 2,330,001 14,882 2,344,883
(i)
海外支店および子会社の積立て分、それぞれ 103 百万人民元および 596 百万人民元を含む。
(ii)
海外支店の戻入れ分 9 百万人民元、および子会社の積立て分 2,345 百万人民元を含む。
142 頁から298頁(訳注:原文の頁)の注記は、これらの財務書類の一部を構成している。
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親会社の株主に帰属
準備金
キャッ
その他の
投資 シュ・フ
発行済 資本 利益 一般 為替換算 その他の 利益 非支配 資本の部
資本性 合計
再評価 ロー・ 小計
株式資本 剰余金 持分 合計
準備金 準備金 準備金 調整勘定 準備金
金融商品
準備金 ヘッジ準
備金
2017 年 1月 1日現在残高 356,407 86,051 152,043 205,021 251,349 1,133 (18,050) (4,645) (221) 586,630 940,663 1,969,751 11,412 1,981,163
286,049 286,049 1,402 287,451
当期純利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
その他の包括利益(注 40 ) (32,885) (8,252) 884 (67) (40,320) (40,320) (1,058) (41,378)
― ― ― ― ― ―
(32,885) (8,252) 884 (67) (40,320) 286,049 245,729 344 246,073
包括利益合計 ― ― ― ― ―
配当金-普通株式 2016 年 度最終
(注 17 ) (83,506) (83,506) (83,506)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
配当金-優先株式(注 17 ) (4,437) (4,437) (4,437)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
利益準備金への積立て( i) 27,682 27,682 (27,682)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
一般準備金への積立て( ii) 13,543 13,543 (13,543)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
2,312 2,312
非支配株主 による出資 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(194) (194)
子会社株式の持株比率の変動 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(309) (309)
非支配株主への配当 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(46) (46) (46) (46)
その他 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
2017 年 12 月 31 日現在残高 356,407 86,051 152,043 232,703 264,892 (31, 752 ) (26,302) (3,761) (334) 587, 489 1,097,544 2,127,491 13,565 2,141,056
(i)
海外支店および子会社の積立て分、それぞれ 107 百万人民元および 516 百万人民元を含む。
(ii)
海外支店および子会社の積立て分、それぞれ 20 百万人民元および 477 百万人民元を含む。
142 頁から298頁(訳注:原文の頁)の注記は、これらの財務書類の一部を構成している。
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(単位:特に明記しない限り、百万円)
親会社の株主に帰属
準備金
キャッ
発行済 その他の
投資 シュ・フ その他
資本 利益 一般 為替換算 利益 非支配 資本の部
株式 資本性金 合計
再評価 ロー・ の 小計
剰余金 持分 合計
準備金 準備金 準備金 調整勘定
資本 融商品
準備金 ヘッジ準 準備金
備金
2017 年 12 月 31 日現在残高 5,959,125 1,438,773 2,542,159 3,890,794 4,428,994 (530,893) (439,769) (62,884) (5,584) 9,822,816 18,350,936 35,571,650 226,807 35,798,456
IFRS 第 9号の適用の影響 382, 503 382,503 (920,185) (537,682) (535) (538,217)
― ― ― ― ― ― ― ―
2018 年 1月 1日現在残高 5,959,125 1,438,773 2,542,159 3,890,794 4,428,994 (148,390) (439,769) (62,884) (5,584) 10,205,320 17, 430 ,750 35,033,968 226,272 35,260,240
4,977, 143 4,977,143 17,506 4,994,649
当期純利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
その他の包括利益(注 40 ) 407,450 56,982 (719) (7,173) 456, 540 456,540 8,427 464,966
― ― ― ― ― ―
407,450 56,982 (719) (7,173) 456, 540 4,977,143 5,433,682 25,933 5,459,615
包括利益合計 ― ― ― ― ―
配当金 ―普通株式 2017 年 度最
(1,434,961 )
終 (注 17 ) (1,434,961) (1,434,961)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
配当金 ―優先株式 (注 17 ) (75,340) (75,340) (75,340)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
利益準備金への積立て( i) 485,164 485,164 (485,164)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
一般準備金への積立て( ii) 236,956 236,956 (236,956 )
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
1,271 1,271
非支配株主による出資 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
819 819
子会社株式の持株比率の変動 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(5,467) (5,467)
非支配株主への配当 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
利益剰余金に振り替えたその
17 17 (17 )
他包括利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
268 268 268 268
その他 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
2018 年 12 月 31 日現在残高 5,959,125 1,438,773 2,542,159 4,375,958 4,665,950 259,076 (382,788) (63,603) (12,490) 11,384,263 20,175,456 38,957,617 248,827 39,206,444
(i)
海外支店および子会社の積立て分、それぞれ 1,722 百万円および 9,965 百万円を含む。
(ii)
海外支店の戻入れ分 150 百万円、および子会社の積立て分 39,208 百万円を含む。
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有価証券報告書
親会社の株主に帰属
準備金
キャッ
発行済 その他の
投資 シュ・フ その他
資本 利益 一般 為替換算 利益 非支配 資本の部
株式 資本性金 合計
再評価 ロー・ の 小計
剰余金 持分 合計
準備金 準備金 準備金 調整勘定
資本 融商品
準備金 ヘッジ準 準備金
備金
5,959,125 1,438,773 2,542,159 3,427,951 4,202,555 18,944 (301,796) (77,664) (3,695) 9,808,454 15,727,885 32,934,237 190,809 33,125,045
2017 年 1月 1日現在残高
4,782,739 4,782,739 23,441 4,806,181
当期純利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(549,837) (137,973) 14,780 (1,120) (674,150) (674,150) (17,690) (691,840)
その他の包括利益(注 40 )
― ― ― ― ― ―
(549,837) (137,973) 14,780 (1,120) (674,150) 4,782,739 4,108,589 5,752 4,114,341
包括利益合計 ― ― ― ― ―
配当金 ―普通株式 2016 年 度最
(1,396,220) (1,396,220) (1,396,220)
終 (注 17 )
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(74,187) (74,187) (74,187)
配当金 ―優先株式 (注 17 )
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
462,843 (462,843)
利益準備金への積立て( i) 462,843
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
226,439 (226,439)
一般準備金への積立て( ii) 226,439
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
38,657 38,657
非支配株主 による出資 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(3,244) (3,244)
子会社株式の持株比率の変動 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(5,166) (5,166)
非支配株主への配当 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(769) (769) (769) (769)
その他 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
5,959,125 1,438,773 2,542,159 3,890,794 4,428,994 (530,893) (439,769) (62,884) (5,584) 9,822,816 18,350,936 35,571,650 226,807 35,798,456
2017 年 12 月 31 日現在残高
(i)
海外支店および子会社の積立て分、それぞれ 1,789 百万円および 8,628 百万円を含む。
(ii)
海外支店および 子会社の積立て分、 それぞれ 334 百万円 および 7,975 百万円 を含む。
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連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
営業活動によるキャッシュ・フロー
372,413 364,641
税引前利益
調整:
(3,089) (2,950)
関連会社および共同支配企業の損益に対する持分
20,315 17,958
減価償却費
11 2,339 2,114
償却費
283 5,194
金融投資の償却
14 161,594 127,769
資産に係る減損損失
20,009 10,288
未実現為替差損
23,175 16,219
発行社債の支払利息
(2,659) (3,189)
減損貸出金に係る増価利息額
(1,116) (2,313)
金融投資の純売却益
8 151 (757)
株式投資に係る純トレーディング損失/(利益)
6,920 476
公正価値の変動に係る純損失
有形固定資産およびその他の資産(担保権実行資産を
(1,787) (1,377)
除く)の処分および超過による純利益
(229) (328)
9
受取配当金
598,319 533,745
営業用資産の純減少/(増加):
297,030 (208,191)
中央銀行預け金
(88,016) 102,201
銀行およびその他の金融機関預け金
(201,848) 39,668
純損益を通じて公正価値で測定する金融投資
158,257 (106,555)
リバース・レポ契約
(1,258,665) (1,333,103)
顧客貸出金等
150,444 4,150
その他の資産
(942,798) (1,501,830)
営業用負債の純(減少)/増加:
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定し
(12,329) 10,923
た金融負債
32 (89)
中央銀行預り金
70,966 (268,057)
銀行およびその他の金融機関預り金
(531,619) 457,032
レポ契約
66,036 55,903
譲渡性預金
1,780,568 1,525,280
顧客預り金
(237,261) 26,456
その他の負債
1,136,393 1,807,448
791,914 839,363
営業活動による税引前純キャッシュ・フロー
(67,781) (68,499)
法人所得税支払額
724,133 770,864
営業活動による純キャッシュ・フロー
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中国工商銀行股イ分有限公司(E05987)
有価証券報告書
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
投資活動によるキャッシュ・フロー
(60,496)
(13,096)
有形固定資産およびその他の資産の購入
有形固定資産およびその他の資産(担保権実行資産を
2,855
3,195
除く)の売却による収入
(2,171,838)
(2,633,240)
金融投資の購入
1,495,633
2,153,124
金融投資の売却および償還による受入額
(799)
(1,605)
関連会社および共同支配企業への投資
1,168
633
関連会社及び共同支配企業の処分による収入
1,732
1,731
配当金受取額
(731,745)
(489,258)
投資活動による純キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
125
792
非支配株主による出資
1,045,746
943,954
社債の発行による受入額
(22,917)
(15,370)
債券利息の支払
(968,222)
(759,095)
負債性証券の償還による支出
(194)
―
非支配持分の取得
(85,823)
(83,506)
普通株式の配当金支払額
(4,506) (4,437)
優先株式の配当金支払額
(327)
(309)
非支配株主への配当金支払額
(35,924)
81,835
財務活動による純キャッシュ・フロー
(43,536)
363,441
現金及び現金同等物の純(減少)/増加
1,520,330
1,189,368
現金及び現金同等物期首残高
32,729 (32,479)
為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額
1,509,523
42 1,520,330
現金及び現金同等物期末残高
営業活動による純キャッシュ・フローに含まれる項目:
973,512
891,366
利息受取額
(351,828)
(324,813)
利息支払額
142 頁から298頁(訳注:原文の頁)の注記は、これらの財務書類の一部を構成している。
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有価証券報告書
(単位:特に明記しない限り、百万円)
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
営業活動によるキャッシュ・フロー
6,226,745 6,096,798
税引前利益
調整:
(51,648) (49,324)
関連会社および共同支配企業の損益に対する持分
339,667 300,258
減価償却費
11 39,108 35,346
償却費
4,732 86,844
金融投資の償却
14 2,701,852 2,136,298
資産に係る減損損失
334,550 172,015
未実現為替差損
387,486 271,182
発行社債の支払利息
(44,458) (53,320)
減損貸出金に係る増価利息額
(18,660) (38,673)
金融投資の純売却益
8 2,525 (12,657)
株式投資に係る純トレーディング損失/(利益)
115,702 7,959
公正価値の変動に係る純損失
有形固定資産およびその他の資産(担保権実行資産を
(29,879) (23,023)
除く)の処分および超過による純利益
(3,829) (5,484)
9
受取配当金
10,003,894 8,924,216
営業用資産の純減少/(増加):
4,966,342 (3,480,954)
中央銀行預け金
(1,471,628) 1,708,801
銀行およびその他の金融機関預け金
(3,374,899) 663,249
純損益を通じて公正価値で測定する金融投資
2,646,057 (1,781,600)
リバース・レポ契約
(21,044,879) (22,289,482)
顧客貸出金等
2,515,424 69,388
その他の資産
(15,763,583) (25,110,598)
営業用負債の純(減少)/増加:
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定し
(206,141) 182,633
た金融負債
535 (1,488)
中央銀行預り金
1,186,552 (4,481,913)
銀行およびその他の金融機関預り金
(8,888,670) 7,641,575
レポ契約
1,104,122 934,698
譲渡性預金
29,771,097 25,502,682
顧客預り金
(3,967,004) 442,344
その他の負債
19,000,491 30,220,531
13,240,802 14,034,149
営業活動による税引前純キャッシュ・フロー
(1,133,298) (1,145,303)
法人所得税支払額
12,107,504 12,888,846
営業活動による純キャッシュ・フロー
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有価証券報告書
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
注記
投資活動によるキャッシュ・フロー
(218,965)
(1,011,493)
有形固定資産およびその他の資産の購入
有形固定資産およびその他の資産(担保権実行資産を
53,420
47,736
除く)の売却による収入
(44,027,773)
(36,313,131)
金融投資の購入
36,000,233
25,006,984
金融投資の売却および償還による受入額
(26,836)
(13,359)
関連会社および共同支配企業への投資
10,584
19,529
関連会社及び共同支配企業の処分による収入
28,942
28,959
配当金受取額
(8,180,394)
(12,234,776)
投資活動による純キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
13,242
2,090
非支配株主による出資
15,782,911
17,484,873
社債の発行による受入額
(256,986)
(383,172)
債券利息の支払
(12,692,068)
(16,188,672)
負債性証券の償還による支出
(3,244)
非支配持分の取得 ―
(1,396,220)
(1,434,961)
普通株式の配当金支払額
(75,340) (74,187)
優先株式の配当金支払額
(5,166)
(5,467)
非支配株主への配当金支払額
1,368,281
(600,649)
財務活動による純キャッシュ・フロー
6,076,734
(727,922)
現金及び現金同等物の純(減少)/増加
19,886,233
25,419,918
現金及び現金同等物期首残高
547,229 (543,049)
為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額
25,419,918
42 25,239,225
現金及び現金同等物期末残高
営業活動による純キャッシュ・フローに含まれる項目:
14,903,640
16,277,121
利息受取額
(5,430,873)
(5,882,564)
利息支払額
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有価証券報告書
当行 財政状態計算書
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
12 月 31 日
2018 年 2017 年
注記
資産の部
19 3,313,748 3,548,996
現金および中央銀行預け金
20 1,031,402 930,593
銀行およびその他の金融機関預け金
21 38,295 53,856
デリバティブ金融資産
22 521,393 750,763
リバース・レポ契約
23 14,211,777 13,125,401
顧客貸出金等
24 6,348,656 5,428,233
金融投資
740,645 398,329
-純損益を通じて公正価値で測定する金融投資
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
1,245,837
金融投資
4,362,174
-償却原価で測定する金融投資
1,358,802
-売却可能金融資産
3,439,471
-満期保有目的投資
231,631
-債権
25 122,110 120,301
子会社への投資
26 34,242 34,242
関連会社への投資
27 124,548 122,387
有形固定資産
28 56,220 47,250
繰延税金資産
29 269,769 483,090
その他の資産
26,072,160 24,645,112
資産の部合計
負債の部
410 404
中央銀行預り金
30
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
78,737 73,852
定した金融負債
21 42,120 46,682
デリバティブ金融負債
31 1,644,147 1,596,232
銀行およびその他の金融機関預り金
32 300,988 810,610
レポ契約
33 281,380 221,489
譲渡性預金
34 20,646,928 18,894,447
顧客預り金
82,946 69,344
未払法人所得税
35 499,291 436,275
発行社債
36 247,348 436,376
その他の負債
23,824,295 22,585,711
負債の部合計
資本の部
37 356,407 356,407
株式資本
38 79,375 79,375
その他の資本性金融商品
39 700,637 610,299
準備金
1,111,446 1,013,320
利益剰余金
2,247,865 2,059,401
資本の部合計
26,072,160 24,645,112
資本および負債の部合計
谷 澍 張文武
副会長・社長 財務会計部ジェネラル・マネージャー
142 頁から298頁(訳注:原文の頁)の注記は、これらの財務書類の一部を構成している。
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有価証券報告書
(単位:特に明記しない限り、百万円)
12 月 31 日
2018 年 2017 年
注記
資産の部
19 55,405,867 59,339,213
現金および中央銀行預け金
20 17,245,041 15,559,515
銀行およびその他の金融機関預け金
21 640,292 900,472
デリバティブ金融資産
22 8,717,691 12,552,757
リバース・レポ契約
23 237,620,911 219,456,705
顧客貸出金等
24 106,149,528 90,760,056
金融投資
12,383,584 6,660,061
-純損益を通じて公正価値で測定する金融投資
-その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
20,830,395
金融投資
72,935,549
-償却原価で測定する金融投資
22,719,169
-売却可能金融資産
57,507,955
-満期保有目的投資
3,872,870
-債権
25 2,041,679 2,011,433
子会社への投資
26 572,526 572,526
関連会社への投資
27 2,082,443 2,046,311
有形固定資産
28 939,998 790,020
繰延税金資産
29 4,510,538 8,077,265
その他の資産
435,926,515 412,066,273
資産の部合計
負債の部
6,855 6,755
中央銀行預り金
30
純損益を通じて公正価値で測定するものとして指
1,316,483 1,234,805
定した金融負債
21 704,246 780,523
デリバティブ金融負債
31 27,490,138 26,688,999
銀行およびその他の金融機関預り金
32 5,032,519 13,553,399
レポ契約
33 4,704,674 3,703,296
譲渡性預金
34 345,216,636 315,915,154
顧客預り金
1,386,857 1,159,432
未払法人所得税
35 8,348,146 7,294,518
発行社債
36 4,135,659 7,296,207
その他の負債
398,342,212 377,633,088
負債の部合計
資本の部
37 5,959,125 5,959,125
株式資本
38 1,327,150 1,327,150
その他の資本性金融商品
39 11,714,651 10,204,199
準備金
18,583,377 16,942,710
利益剰余金
37,584,303 34,433,185
資本の部合計
435,926,515 412,066,273
資本および負債の部合計
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財務書類注記
2018 年 12 月 31 日
(単位:特に明記しない限り、百万人民元)
注 1 企業情報
中国工商銀行股 份 有限公司(以下「当行」という。)は、以前は中国工商銀行(以下「 ICBC 」という。)として知られ、中華
人民共和国(以下「 PRC 」という。)の国務院および中国人民銀行(以下「 PBOC 」という。)の認可に基づいて 1984 年 1 月 1 日
に設立された国有商業銀行であった。 2005 年 10 月 28 日、国務院の認可を受けて、 ICBC は再編され有限公司化(株式会社化)し
た。再編にあたり、当有限公司が ICBC の全ての資産と負債を引受けている。
当行は、中華人民共和国の中国銀行業および保険業監督管理委員会(以下「 CBIRC 」という。)から財務認可第
B0001H111000001 号を取得した。当行は、中華人民共和国の国家工商行政管理総局から事業認可による統一社会信用コード
91100000100003962T を取得した。登記上の本店所在地は、中華人民共和国、北京市西城区復興門内大街 55 号である。
当行の A 株と H 株は上海証券取引所と香港証券取引所にそれぞれ上場されている。株式コードは、それぞれ 601398 と 1398 であ
る。当行の海外優先株式は香港証券取引所に上場されており、株式コードはそれぞれ 4603 、 4604 および 84602 である。当行の国
内優先株式は上海証券取引所に上場されており、株式コードは 360011 である。
当行およびその子会社(以下「当グループ」と総称する。)の主な事業活動は、法人および個人向け銀行業務、資金業務、投
資銀行業務、資産運用、信託、ファイナンス・リース、保険およびその他の金融サービスである。国内拠点は、中国本土内で
設立された当行の本社、支店および子会社である。海外拠点は、中国本土管轄外の地域で設立された支店および子会社であ
る。
注 2 作成基準
( 1 )準拠基準
本連結財務書類は、国際会計基準審議会( IASB )が公表した基準と解釈から構成されている国際財務報告基準( IFRS )および
香港会社法の情報開示要項に準拠して作成されている。
( 2 )作成基準
本連結財務書類は取得原価主義で作成されているが、以下の各会計方針の項で詳述するとおり、純損益を通じて公正価値で測
定するデリバティブ金融商品、金融資産および金融負債ならびにその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、
公正価値で測定されている(ただし、公正価値が信頼性をもって測定できない場合は除く)。
IFRS に準拠した財務書類の作成上、経営者は、会計方針の適用ならびに資産および負債、収益および費用の報告額に影響を及
ぼす判断、見積りおよび仮定を適用しなければならない。実際の結果は、これらの見積りと相違する可能性がある。 IFRS を適
用する際に経営者が行った財務書類に重大な影響を及ぼしている判断および見積りの不確実性の主な発生要因については、注 4
に記載されている。本連結財務書類は、 2017 年 12 月 31 日に終了した会計年度における当グループの年次連結財務書類(監査済
み)と併せて通読すべきものである。
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( 3 )会計方針の変更
IASB は、 2018 年度に発効し当グループの業務に関連する以下の IFRS (国際会計基準(「 IAS 」)および国際財務報告解釈指針
委員会(「 IFRIC 」)を含む)の改訂を公表した。
IFRS 第 15 号 「顧客との契約から生じる収益」
IFRS 第 9 号 「金融商品」
IFRS 第 2 号(改訂) 「株式に基づく報酬取引の分類および測定」
IAS 第 40 号(改訂) 「投資不動産の振替」
IFRIC 解釈指針第 22 号 「外貨建取引と前払・前受対価」
IFRS の年次改善 2014-2016 年サイクル IFRS 第 1 号「国際財務報告基準の初度適用」の改訂および IAS 第
28 号「関連会社および共同支配企業に対する投資」の改訂
IFRS 第 4 号(改訂) 「 IFRS 第 9 号「金融商品」の IFRS 第 4 号「保険契約」との適用」
これらの改訂 IFRS を採用したことによる主な影響は以下のとおりである。
IFRS 第 15 号「顧客との契約から生じる収益」
IFRS 第 15 号では、収益は顧客との契約に適用される単一のモデルに基づいて認識される。このモデルでは、収益認識の基準と
して、従前の「リスクと経済価値の移転」の概念から「支配の移転」の概念に置き換わっている。当基準書は、収益の認識額
および収益の認識時期(一時点で認識するか期間にわたって認識するか)を決定するための、取引を契約に基づき 5 段階に分析
する手法を含んでいる。当基準書は IAS 第 18 号「収益」、 IAS 第 11 号「工事契約」およびそれらに関連する解釈指針に代わる基
準書であり、当基準書に基づき、収益は財の販売、サービスの提供および工事契約とは区別された取引に従って認識される。
IFRS 第 15 号には、財務諸表利用者が顧客との契約から生じる収益およびキャッシュ・フローの性質、金額、時期および不確実
性を理解できるようにすることを目的に、定性的および定量的開示を拡大する規定も導入されている。
当基準書の適用によって、当グループの財政状態および財務実績に重要な影響が及ぶことはない。
IFRS 第 9 号「金融商品」
IFRS 第 9 号「金融商品」には、金融商品の分類および測定、金融資産の減損の測定およびヘッジ会計に関する新しい規定が導入
されている。 IFRS 第 9 号は、 2018 年 1 月 1 日から発効する。当グループは、 IFRS 第 9 号の経過措置に基づき、 2018 年 1 月 1 日現在認
識の中止が行われていない金融商品の分類および測定を遡及的に修正している。当グループは、連結財務書類の比較数値を修
正しておらず、利益剰余金またはその他の包括利益の期首残高に移行に伴う修正額を認識している。 IFRS 第 9 号に基づく会計方
針については、注 3 「主要な会計方針の要約」を参照のこと。また、 IAS 第 39 号「金融商品:認識および測定」に基づく会計方
針については、当グループの 2017 年 12 月 31 日に終了した会計年度における財務書類の注 3 「主要な会計方針の要約」を参照のこ
と。
分類および測定
IFRS 第 9 号は、金融資産を以下のように 3 つの主要な区分( (1) 償却原価、 (2) 純損益を通じて公正価値で測定( FVTPL )および (3)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定( FVOCI ))に分類している。
・ 負債性金融商品の分類は、金融商品の管理に関する企業の事業モデルおよび金融資産の契約上のキャッシュ・フローの
特性に基づき決定される。当初認識時に、当グループは、指定がなければ償却原価または FVOCI で測定する要件を満た
すはずの金融資産を FVTPL で測定する区分とする取消不能の指定をすることができる。負債性金融商品を FVOCI で測定
する金融資産に分類する場合には、受取利息、減損損失、為替差損益および処分損益は純損益に認識することになる。
・ 資本性金融商品の場合、その分類は企業の事業モデルにかかわらず FVTPL である。ただし、資本性金融商品をトレー
ディング目的で保有しておらず、企業がその金融商品を FVOCI に指定する取消不能な選択を行っている場合を除く。資
本性金融商品を FVOCI に指定している場合には、その金融商品に係る配当金収益のみが純損益に認識されることにな
る。その金融商品に係る利得および損失は、その他の包括利益に認識し、純損益に振り替えない。
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IFRS 第 9 号に基づく金融負債の分類および測定規定は、 IAS 第 39 号からおおむね変更されていない。ただし、 IFRS 第 9 号は、
FVTPL での測定を指定した金融負債の公正価値の変動のうち、その金融負債の信用リスクの変化に起因するものについては、
その他の包括利益に認識する(純損益に振り替えない)ことを要求している。
減損
IFRS 第 9 号の新しい減損モデルによって、 IAS 第 39 号の「発生損失」モデルは、「予想信用損失( ECL )」モデルに置き換わる
ことになる。予想信用損失モデルでは、損失事象の発生をもって減損損失を認識する必要はなくなる。その代わりに、企業
は、金融資産についての事実および状況に応じて、予想信用損失を 12 か月の予想信用損失か全期間の予想信用損失のいずれか
として認識し測定しなければならない。これにより、信用損失の認識が早期化することとなる。
ヘッジ会計
IFRS 第 9 号では、 IAS 第 39 号のヘッジの非有効部分の測定および認識に関する規定はほとんど変更されていないが、ヘッジ会計
を適用することができる取引の種類についてより柔軟な規定が設けられている。
開示
IFRS 第 9 号では、特にヘッジ会計、信用リスクおよび予想信用損失に関する新しい開示が幅広く要求されている。
経過措置
当グループは、 2018 年 1 月 1 日から IFRS 第 9 号を適用しなければならない。当グループは、 IFRS 第 9 号の経過措置に基づき、 2018
年 1 月 1 日現在認識の中止が行われていない金融商品の分類および測定を遡及的に修正している。当グループは、連結財務書類
の比較数値を修正しておらず、利益剰余金またはその他の包括利益の期首残高に移行に伴う修正額を認識している。
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次の表は、 2018 年1月1日現在の金融商品の IAS 第 39 号に基づく当初の分類および測定と IFRS 第 9 号に基づく新しい分類および
測定を示したものである。
IAS 第 39 号 IFRS 第 9 号
金融商品
分類 帳簿価額 分類 帳簿価額
金融資産:
現金および中央銀行預け金 償却原価(貸付金 償却原価
3,613,872 3,613,872
および債権)
銀行およびその他の金融機関預け金
償却原価(貸付金 償却原価
847,611 847,341
および債権)
FVTPL
デリバティブ金融資産
89,013 FVTPL (強制) 89,013
リバース・レポ契約
償却原価(貸付金 償却原価 791,065
986,631 FVTPL (強制) 195,520
および債権)
顧客貸出金等
償却原価(貸付金 償却原価 13,759,417
FVOCI
100,975
および債権)
13,892,966 FVTPL (強制) 410
277,129 3,835,107
金融投資
償却原価(債権) 償却原価
FVOCI
償却原価(満期保有
3,542,184 1,443,785
目的)
148,518
FVOCI (売却可能) 1,496,453 FVTPL (強制)
351,802
FVTPL (トレーディ FVTPL (指定)
87,337
ング目的)
FVTPL (指定) 353,601
償却原価(貸付金
450,166 449,233
および債権) 償却原価
その他の資産
金融負債:
526,940 527,928
発行社債 償却原価 償却原価
純損益を通じて公正価値で測定する
FVTPL (指定) 89,361 FVTPL (指定) 88,391
ものとして指定した金融負債
注: 2018 年1月1日現在、当グループが発行した金融負債は、上記の金融負債を除き、分類変更も再測定も行っていない。
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次の表は、金融資産および金融負債の IAS 第 39 号に基づく帳簿価額から IFRS 第 9 号の帳簿価額への調整表である。
2017 年 12 月
2018 年 1 月 1
31 日現在の
日現在の
IAS 第 39 号に IFRS 第 9 号に
基づく帳簿 基づく帳簿
注記 価額 分類変更 再測定 価額
金融資産
償却原価で測定する金融資産
現金および中央銀行預け金
IAS 第 39 号に基づく残高および IFRS 第 9 号に基づ
3,613,872 3,613,872
― ―
く残高
銀行およびその他の金融機関預け金
IAS 第 39 号に基づく残高 847,611
(270)
再測定:予想信用損失引当金
847,341
IFRS 第 9 号に基づく残高
リバース・レポ契約
IAS 第 39 号に基づく残高 986,631
A
控除: FVTPL -強制( IFRS 第 9 号)に振替 (195,520)
(46)
再測定:予想信用損失引当金
791,065
IFRS 第 9 号に基づく残高
顧客貸出金等
IAS 第 39 号に基づく残高 13,892,966
B
控除: FVOCI ( IFRS 第 9 号)に振替 (99,945)
C
控除: FVTPL -強制( IFRS 第 9 号)に振替 (411)
(33,193)
再測定:予想信用損失引当金
13,759,417
IFRS 第 9 号に基づく残高
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2017 年 12 月
2018 年 1 月 1
31 日現在の
日現在の
IAS 第 39 号に IFRS 第 9 号に
基づく帳簿 基づく帳簿
注記 価額 分類変更 再測定 価額
金融投資-償却原価
IAS 第 39 号に基づく残高 277,129
5
再測定:予想信用損失引当金
控除: FVOCI ( IFRS 第 9 号)に振替 B (2,600)
控除: FVTPL -強制( IFRS 第 9 号)に振替 C (22,050)
加算:満期保有目的投資( IAS 第 39 号)から
D 3,286,309
振替
(843)
再測定:予想信用損失引当金
再測定:過去の分類変更において認識した公
66
正価値調整額の戻入れ
加算: FVTPL で測定するものとして指定した
金融資産( IAS 第 39 号)からの振替 E 1,799
(2)
再測定:予想信用損失引当金
加算:売却可能金融資産( IAS 第 39 号)から
F 277,841
の振替
(97)
再測定:予想信用損失引当金
17,550
再測定:公正価値から償却原価に再測定
3,835,107
IFRS 第 9 号に基づく残高
金融投資-満期保有目的投資
IAS 第 39 号に基づく残高 3,542,184
控除:償却原価( IFRS 第 9 号)に振替 D (3,286,309)
控除: FVOCI ( IFRS 第 9 号)に振替 B (247,760)
控除: FVTPL -強制( IFRS 第 9 号)に振替 C (8,115)
IFRS 第 9 号に基づく残高
―
その他の資産
IAS 第 39 号に基づく残高 450,166
(933)
再測定:予想信用損失引当金
449,233
IFRS 第 9 号に基づく残高
23,610,559 (296,761) (17,763) 23,296,035
償却原価で測定する金融資産
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2017 年 12 月
2018 年 1 月 1
31 日現在の
日現在の
IAS 第 39 号に IFRS 第 9 号に
基づく帳簿 基づく帳簿
注記 価額 分類変更 再測定 価額
FVTPL で測定する金融資産
デリバティブ金融資産
IAS 第 39 号に基づく残高および IFRS 第 9 号に基づ
89,013 89,013
― ―
く残高
リバース・レポ契約
IAS 第 39 号に基づく残高
―
加算:償却原価( IAS 第 39 号)から振替 A 195,520
195,520
IFRS 第 9 号に基づく残高
顧客貸出金等
IAS 第 39 号に基づく残高
―
加算:償却原価( IAS 第 39 号)から振替 C 411
(1)
再測定:償却原価から公正価値に再測定
410
IFRS 第 9 号に基づく残高
金融投資- FVTPL (強制)
IAS 第 39 号に基づく残高 87,337
加算:債権( IAS 第 39 号)から振替 C 22,050
(465)
再測定:償却原価から公正価値に再測定
加算:満期保有目的投資( IAS 第 39 号)から
C 8,115
振替
(86)
再測定:償却原価から公正価値に再測定
加算:売却可能金融資産( IAS 第 39 号)から
C,H 31,563
振替
再測定: IAS 第 39 号に基づく減損損失引当金
724
の戻入れ
(720)
再測定:公正価値の再測定
148,518
IFRS 第 9 号に基づく残高
金融投資- FVTPL で測定するものとして指定
IAS 第 39 号に基づく残高 353,601
控除:償却原価( IFRS 第 9 号)に振替 E (1,799)
351,802
IFRS 第 9 号に基づく残高
529,951 255,860 (548) 785,263
FVTPL で測定する金融資産
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2017 年 12 月
2018 年 1 月 1
31 日現在の
日現在の
IAS 第 39 号に IFRS 第 9 号に
基づく帳簿 基づく帳簿
注記 価額 分類変更 再測定 価額
FVOCI で測定する金融資産
顧客貸出金等
IAS 第 39 号に基づく残高
―
加算:償却原価( IAS 第 39 号)から振替 B 99,945
再測定: IAS 第 39 号に基づく減損損失引当金
1,077
の戻入れ
(47)
再測定:償却原価から公正価値に再測定
100,975
IFRS 第 9 号に基づく残高
金融投資- FVOCI (負債性金融商品)
IAS 第 39 号に基づく残高
―
加算:満期保有目的投資( IAS 第 39 号)から
B 247,760
振替
2,329
再測定:償却原価から公正価値に再測定
加算:売却可能金融資産( IAS 第 39 号)から
D 1,185,275
振替
再測定: IAS 第 39 号に基づく減損損失引当金
149
の戻入れ
加算:債権( IAS 第 39 号)から振替 B 2,600
(19)
再測定:償却原価から公正価値に再測定
1,438,094
IFRS 第 9 号に基づく残高
金融投資- FVOCI (資本性金融商品)
IAS 第 39 号に基づく残高
―
加算:売却可能金融資産( IAS 第 39 号)-指
G 1,774
定から振替
再測定: IAS 第 39 号に基づく減損損失引当金
479
の戻入れ
3,438
再測定:公正価値の再測定
5,691
IFRS 第 9 号に基づく残高
金融投資-売却可能金融資産( IAS 第 39 号)
IAS 第 39 号に基づく残高 1,496,453
控除:償却原価( IFRS 第 9 号)に振替 F (277,841)
控除: FVOCI ( IFRS 第 9 号)-負債性金融商
D (1,185,275)
品に振替
控除: FVOCI ( IFRS 第 9 号)-資本性金融商
G (1,774)
品に振替
控除: FVTPL -強制( IFRS 第 9 号)に振替 C,H (31,563)
IFRS 第 9 号に基づく残高
―
1,496,453 40,901 7,406 1,544,760
FVOCI で測定する金融資産
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2017 年 12 月
2018 年 1 月 1
31 日現在の
日現在の
IAS 第 39 号に IFRS 第 9 号に
基づく帳簿 基づく帳簿
注記 価額 分類変更 再測定 価額
金融負債
償却原価で測定する金融負債
発行社債
IAS 第 39 号に基づく残高 526,940
加算: FVTPL で測定するものとして指定した
金融負債( IAS 第 39 号)から振替 I 970
18
再測定:公正価値から償却原価に再測定
527,928
IFRS 第 9 号に基づく残高
526,940 970 18 527,928
償却原価で測定する金融負債
FVTPL で測定する金融負債
FVTPL で測定するものとして指定した金融負債
IAS 第 39 号に基づく残高 89,361
控除:償却原価( IFRS 第 9 号)に振替 I (970)
88,391
IFRS 第 9 号に基づく残高
89,361 (970) 88,391
FVTPL で測定する金融負債
―
注: 2018 年1月1日現在、当グループが発行した金融負債は、上記の金融負債を除き、分類変更も再測定も行っていない。
IFRS 第 9 号の適用によって、上表に記載し下記に説明する分類変更が行われた。
A. 当グループが保有する特定のリバース・レポ契約は、適用開始日時点の目的が契約上のキャッシュ・フローを回収する
ことでもなければ、契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方でもない事業モデルの中で保有されて
いる。したがって、当該資産は、 IFRS 第 9 号に基づいて FVTPL で測定する金融資産に分類されている。
B. 当グループが保有する特定の顧客貸出金等および当初は債権または満期保有目的投資に分類されていた特定の負債性金
融商品は、適用開始日時点の目的が契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方である事業モデルの中
で保有されている。さらに、その契約上のキャッシュ・フローは、元本および元本残高に対する利息の支払いのみであ
ると識別されている。したがって、当該資産は、 IFRS 第 9 号に基づいて FVOCI で測定する金融資産に分類されている。
C. 当グループが保有する特定の顧客貸出金等および当初は債権、満期保有目的投資または売却可能金融資産に分類されて
いた特定の負債性金融商品については、その契約上のキャッシュ・フローは元本および元本残高に対する利息の支払い
のみであると識別されていない。したがって、当該資産は、 IFRS 第 9 号に基づいて FVTPL で測定する金融資産に分類され
ている。
D. 上記に加えて、次の負債性金融商品は、従前の区分が今後用いられず、測定基礎に変更がないことから、 IFRS 第 9 号に基
づいて新しい区分に分類変更されている。
(i) 従来売却可能金融資産に分類されていた負債性金融商品で、現在は FVOCI で測定する区分に分類されているもの
(ii) 従来満期保有目的投資に分類されていた負債性金融商品で、現在は償却原価で測定する区分に分類されているもの
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E. 当グループが保有する特定の負債性金融商品は、 IAS 第 39 号では FVTPL に指定されていたものの、 IFRS 第 9 号ではもはや
FVTPL に指定するための要件を満たしていない。したがって、当グループは、当該金融資産の従前の指定を取り消し、
その事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フローを見直し、当該金融資産を償却原価で測定する区分に分類した。当
該負債性金融商品の実効金利は 0.75 %から 4.38 %であり、当年度中に認識した受取利息は 33 百万人民元であった。 2018 年
12 月 31 日現在の当該負債性金融商品の公正価値は、 1,805 百万人民元であった。 IFRS 第 9 号への移行時に当該負債性金融商
品の分類変更が行われなかったと仮定すると、当年度中のその公正価値の変動から生じた利益のうち、純損益に認識さ
れていたであろう金額は、 6 百万人民元であった。
F. 当初は売却可能金融資産に分類されていた特定の負債性金融商品は、適用開始日時点の目的が契約上のキャッシュ・フ
ローを回収することである事業モデルの中で保有されている。さらに、その契約上のキャッシュ・フローは、元本およ
び元本残高に対する利息の支払いのみであると識別されている。したがって、当該資産は、 IFRS 第 9 号に基づいて償却原
価で測定する金融資産に分類されている。 2018 年 12 月 31 日現在の当該金融商品の公正価値は、 293,092 百万人民元であっ
た。 IFRS 第 9 号への移行時に当該金融資産の分類変更が行われなかったと仮定すると、当年度中のその公正価値の変動か
ら生じた利益のうち、その他の包括利益に認識されていたであろう金額は、 13,004 百万人民元であった。
G. 当該分類変更および再測定を行った金融資産は、当グループが適用開始日に FVOCI で測定する金融資産として取消不能
の指定を行った持分投資である。
H. 当該分類変更および再測定を行った金融資産( 21,519 百万人民元)は持分投資であり、当グループは適用開始日に当該資
産を FVOCI に指定していない。
I. IAS 第 39 号に基づき、特定の発行済負債証券は、当グループが関連するデリバティブ金融商品を保有した際に FVTPL に指
定している。 2018 年 1 月 1 日、会計上のミスマッチを除去または著しく低減するための指定の要件をもはや満たさなく
なったことにより、当グループは従前の指定を取り消した。
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次の表は、 IAS 第 39 号に基づく期末の減損損失引当金から IFRS 第 9 号の適用開始日時点で算定した期首の引当金への調整表であ
る。
2017 年 12 月
31 日現在の
IAS 第 39 号/
2018 年 1 月 1
(i)
IAS 第 37 号 日現在の
IFRS 第 9 号に
に基づく減
損損失引当 基づく減損
金 分類変更 再測定 損失引当金
貸付金および債権( IAS 第 39 号)/償却原価で測定する
金融資産( IFRS 第 9 号)
現金および中央銀行預け金 ― ― ― ―
583 270 853
銀行およびその他の金融機関預け金 ―
46 46
リバース・レポ契約 ― ―
340,482 (1,077) 33,193 372,598
顧客貸出金等
152 (5) 147
金融投資 ―
2,988 933 3,921
その他の資産 ―
貸付金および債権( IAS 第 39 号)/ FVOCI で測定する金
融資産( IFRS 第 9 号)
1,077 (606) 471
顧客貸出金等 ―
FVTPL で測定するものとして指定した金融資産( IAS 第
39 号)/償却原価で測定する金融資産( IFRS 第 9 号)
2 2
金融投資 ― ―
満期保有目的投資( IAS 第 39 号)/ FVOCI で測定する金
融資産( IFRS 第 9 号)
23 23
金融投資 ― ―
満期保有目的投資( IAS 第 39 号)/償却原価で測定する
金融資産( IFRS 第 9 号)
167 843 1,010
金融投資 ―
売却可能金融資産( IAS 第 39 号)/償却原価で測定する
金融資産( IFRS 第 9 号)
97 97
金融投資 ― ―
売却可能金融資産( IAS 第 39 号)/ FVOCI で測定する金
融資産( IFRS 第 9 号)
628 (479) 2,951 3,100
金融投資
売却可能金融資産( IAS 第 39 号)/ FVTPL で測定する金
融資産( IFRS 第 9 号)
724 (724)
金融投資 ― ―
ローン・コミットメントおよび金融保証契約
100 30,807 30,907
与信コミットメント ―
345,824 (1,203) 68,554 413,175
合計
(i) IAS 第 37 号とは、国際会計基準第 37 号「引当金、偶発負債および偶発資産」を表している。
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IFRS 第 2 号「株式に基づく報酬」の改訂-株式に基づく報酬取引の分類および測定
当改訂は、 IFRS 第 2 号に基づく以下の分類および測定に関する事項の会計処理を明確にしたものである。
・ 現金決済型の株式に基づく報酬の測定
当改訂は、現金決済型の株式に基づく報酬に係る負債の公正価値は、株式決済型の株式に基づく報酬と同じアプローチ
を用いて(すなわち、修正付与日法を用いて)測定しなければならないことを明確にしている。
・ 税金の源泉徴収により純額決済される株式に基づく報酬の分類
当改訂には、一定の条件を満たす場合には、たとえ企業が従業員の税金債務を決済するために現金(または他の資産)
を税務当局に譲渡しなければならない場合であっても、従業員の税金債務に相当する金額を源泉徴収するという純額決
済条項を有する株式に基づく報酬取引は、まとめて株式決済型に分類するという例外規定が導入されている。
・ 株式に基づく報酬を現金決済型から株式決済型にする変更の会計処理
当改訂は、このような変更の際には、当初の現金決済型の株式に基づく報酬に係る負債の認識を中止し、当日までに受
け取った財またはサービスの範囲内で、株式決済型の株式に基づく報酬を公正価値で測定し認識することを明確にして
いる。
変更日現在の認識を中止した負債の帳簿価額と資本に認識した金額との差額は、直ちに純損益に認識する。
当改訂の適用によって、当グループの財政状態および財務実績に重要な影響が及ぶことはない。
IAS 第 40 号「投資不動産」の改訂―投資不動産の振替
当改訂は、不動産の用途変更によって投資不動産への振替または投資不動産からの振替がある場合を判定するためのガイダン
スを提供するものである。当改訂は、不動産が投資不動産の定義を満たすか満たさなくなり、かつその不動産の用途変更の証
拠がある場合に、用途変更が生じることを明確にしている。
当改訂は、 IAS 第 40 号で提供している証拠のリストが網羅的な用途変更例のリストではないことを再度強調している(すなわ
ち、他の形式の証拠でも振替の裏付けとすることができる)。
当改訂の適用によって、当グループの財政状態および財務実績に重要な影響が及ぶことはない。
IFRIC 解釈指針第 22 号「外貨建取引と前払・前受対価」
当解釈指針は、 IAS 第 21 号「為替レート変動の影響」を適用する際に「取引日」をどのように決定するかを定め、企業が前払・
前受対価を外貨で授受し、非貨幣性資産または負債を認識する状況について定めたガイダンスを提供するものである。
当解釈指針は、関連する資産、費用もしくは収益(またはその一部)の当初認識時に用いる為替レートを決定する目的上の
「取引日」が、企業が前払・前受対価の授受から生じる非貨幣性資産または負債を当初認識した日であることを明確にしてい
る。関連する項目を認識する前に複数の対価の授受がある場合には、企業はそれぞれの授受に応じて取引日を決定しなければ
ならない。
当解釈指針の適用によって、当グループの財政状態および財務実績に重要な影響が及ぶことはない。
IFRS の年次改善 2014-2016 年サイクル― IFRS 第 1 号「国際財務報告基準の初度適用」の改訂および IAS 第 28 号「関連会社および共
同支配企業に対する投資」の改訂
IFRS 第 1 号の改訂では、経過措置の適用期間がすでに過ぎている初度適用企業に対する短期的な免除規定が削除されている。
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IAS 第 28 号の改訂は、以下を明確にしている。
・ ベンチャー・キャピタル組織(または他の適格企業)は、関連会社または共同支配企業に対する投資を純損益を通じて
公正価値で測定することを各投資別に選択できる。
・ 投資企業以外の投資者は、投資企業である関連会社または共同支配企業が適用した公正価値での会計処理を引き継ぐこ
とを選択できる。この選択は、各投資企業である関連会社または共同支配企業別に行うことができる。
当改訂の適用によって、当グループの財政状態および財務実績に重要な影響が及ぶことはない。
IFRS 第 4 号「保険契約」の改訂- IFRS 第 9 号「金融商品」 の IFRS 第 4 号「保険契約」との適用
当改訂は、 IFRS 第 9 号と新たな保険契約基準( IFRS 第 17 号)の発効日が異なることから生じる懸念に対処するものである。当改
訂には、以下の 2 つのアプローチが導入されている。
・ 延期アプローチ- IFRS 第 9 号の適用の一時的免除
支配的活動が保険関連の活動である企業は、 2021 年( IFRS 第 17 号の発効日)まで IFRS 第 9 号の適用を延期することを選択
できる。
・ 上書きアプローチ
保険契約を発行するすべての企業は、新たな保険契約基準の公表前に IFRS 第 9 号を適用する際に生じ得る変動性を(純損
益ではなく)その他の包括利益に認識することを選択できる。
当改訂の適用によって、当グループの財政状態および財務実績に重要な影響が及ぶことはない。
当グループは、公表されているが発効前の国際財務報告基準、解釈指針および改訂を一切適用していない。
注 3 重要な会計方針の要約
( 1 ) 子会社
子会社とは、当グループに支配されている企業(組成された企業を含む)である。当グループは、企業への関与により生じる
変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす
能力を有している場合に、当該企業を支配している。当グループは 、 支配の要素のうちの 1 つ以上に変化がある場合には、当グ
ループが支配を有しているかどうかを再評価している。支配の要素に変化がある場合として、有していた防御的な権利(例:
融資関係に起因する防御的な権利)が実質的な権利となり、当グループがある企業体に対する パワーを有することになる状況
等がある。
組成された企業とは、誰が企業を支配しているのかの決定に際して議決権または類似の権利が決定的な要因とならないように
設計された企業(例えば、あらゆる議決権が管理業務のみに関係しており、その関連性のある活動が契約上の取決めによって
指図される場合など)である。
子会社への投資は、支配開始日から支配終了日まで連結財務書類にて連結されている。グループ企業間の取引によって生じる
グループ内の残高、取引ならびに未実現利益または損失は、連結財務書類の作成時に全額消去される。
当行の財政状態計算書上、子会社への投資は、取得原価から減損損失を控除した金額で計上されている(注 3 ( 21 )を参照)。
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( 2 ) 非支配持分
非支配持分とは、子会社に対する持分のうち、親会社に直接または間接に帰属しないものを表している。
非支配持分は、連結財政状態計算書の資本の部に、当行の株主に帰属する資本とは別個に表示されている。当グループの非支
配持分に帰属する業績は、連結損益計算書および連結純損益およびその他の包括利益計算書上で当期純利益または損失ならび
に当期包括利益合計を非支配持分と当行の株主とに配分する形で表示されている。
当グループの支配の喪失に該当しない子会社への持分の変動は、資本取引として会計処理されている。この会計処理に従え
ば、相対的な持分の変動を反映するために、連結上の資本における支配持分と非支配持分の金額を調整するが、のれんに対し
て調整は行わず、利益または損失は認識されない。
( 3 ) 関連会社および共同支配企業
関連会社とは、当グループまたは当行が重要な影響力を有している企業である。
共同支配企業とは、当グループまたは当行ならびにその他の当事者が、取決めにより支配を共有することで契約上合意してお
り、かつ純資産に対する権利を有しているという取決めである。
当グループの関連会社または共同支配企業への投資は持分法に基づいて会計処理される。持分法では、関連会社または共同支
配企業への投資は連結財政状態計算書上、取得原価に取得後の関連会社または共同支配企業の純資産の変動に対する当グルー
プの持分を加算し、減損損失があればこれを控除した金額で計上する。連結損益計算書は、関連会社または共同支配企業の業
績に対する持分を反映している。関連会社または共同支配企業の資本に直接認識される変動がある場合は、必要に応じて当グ
ループはその変動の持分相当を連結持分変動計算書において認識し開示している。持分法を適用している場合、当グループと
関連会社または共同支配企業間の取引から生じる未実現損益は、関連会社または共同支配企業の当グループ持分比率に応じて
消去される。
関連会社への投資が共同支配企業への投資となった場合、またはその逆の場合には、保有する投資を再測定せずに、引き続き
持分法に基づき会計処理している。
当行の財政状態計算書上、関連会社および共同支配企業への投資は、取得原価から減損損失を控除した金額で計上されている
(注 3 ( 21 )を参照)。
( 4 ) 為替換算
本連結財務書類は、中国本土内の当行業務の機能・表示通貨である人民元で表示されている。グループ各社は自社の機能通貨
を定めており、各社の個別財務書類はその機能通貨で表示されている。
外貨建取引は、当初、取引日の為替レートを用いて機能通貨で計上される。外貨建貨幣性資産および負債は、報告期間の期末
日の為替レートで機能通貨に再換算されている。貨幣性資産および負債の決済または期末日レートでの換算によって生じる為
替差額は、純損益に認識されている。ただし、当該貨幣性項目が在外事業体に対する当行の純投資ヘッジの一部として指定さ
れている場合は、為替差額は直接その他の包括利益に計上され、当該純投資が処分されるまでは純損益に認識されない。当該
貨幣性項目の換算差額に係る法人所得税額も同様にその他の包括利益に計上される。
取得原価で測定されている外貨建非貨幣性項目は、当初の取引日の為替レートを使って換算されている。公正価値で測定され
ている外貨建非貨幣性項目は、公正価値が決定される日の為替レートを使って換算されている。在外営業活動体の取得によっ
て発生したのれん、資産および負債の帳簿価額に対する公正価値調整額は、その在外営業活動体の資産および負債とされ、報
告期間の期末日の為替レートで換算される。為替差額は、非貨幣項目の性質により、純損益またはその他の包括利益において
認識される。
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報告期間の期末日において、在外営業活動体の資産および負債は、報告期間の期末日の当行の表示通貨レートで換算されてい
る。留保利益を除く全ての資本項目は、当初の取引日の為替レートで換算される。損益計算書上の収益および費用は、その年
の加重平均為替レートで換算されている。上記の換算によって生じた為替差額は、その他の包括利益に計上される。在外営業
活動体の処分時には、その他の包括利益に計上された累積額のうち、当該在外営業活動体に関連する部分を純損益に振替え
る。
外貨建取引によるキャッシュ・フローや海外子会社のキャッシュ・フローは、その年の加重平均為替レートを使って換算され
る。現金に対する為替変動の影響は調整項目としてキャッシュ・フロー計算書に区分表示される。
( 5 ) 金融商品
金融商品は、一方の企業にとっての金融資産と、他の企業にとっての金融負債または資本性金融商品の双方を生じさせる契約
である。
(i) 金融商品の当初認識
当初の認識時に、金融資産は、償却原価で測定する金融資産、 FVOCI で測定する金融資産および FVTPL で測定する金融資産の 3
つのカテゴリーのいずれかに分類される。
当初の認識時に、金融負債は FVTPL で測定される金融負債またはその他の金融負債の 2 つのカテゴリーのいずれかに分類され
る。
金融資産または負債は公正価値で当初測定される。 FVTPL で測定される金融資産および金融負債の場合、取引に直接起因する
関連コストは純損益に計上される。その他の区分の金融資産および金融負債の場合、取引に直接起因する関連コストはそれら
の当初の取得原価に含まれる。
公正価値の測定
公正価値とは、測定日時点で市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格または負債
を移転するために支払うであろう価格である。
公正価値を測定する際には、当グループは、市場参加者が測定日現在の資産または負債の価格付けを行う際に考慮に入れるで
あろう当該資産または負債の特徴(資産の状態や所在地、(該当ある場合には)資産の売却または使用に対する制約等が含ま
れる)を考慮に入れ、状況に適合し、かつ公正価値を測定するのに十分なデータおよびその他の情報を利用可能な評価技法を
使用しなければならない。適用する評価技法には、主にマーケット・アプローチ、インカム・アプローチおよびコスト・アプ
ローチが含まれる。
(ii) 金融資産の分類および当初認識後の測定
金融資産の分類
金融資産の分類は、原則として金融資産が管理されている事業モデルおよび金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に
基づいて行われている。当初認識時に、金融資産は償却原価で測定するもの、 FVOCI で測定するものまたは FVTPL で測定する
ものに分類される。
金融資産は、当初認識後に当グループが金融資産の管理に関する事業モデルを変更してはじめて分類変更が行われる。この場
合、すべての対象となる金融資産は、事業モデルの変更後の最初の報告期間の初日に分類変更される。
金融資産は、次の条件がともに満たされ、かつ FVTPL で測定するものとして指定されていない場合に、償却原価で測定され
る。
- 当該金融資産が契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有さ
れている。
- 金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じ
る。
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債券投資は、次の条件がともに満たされ、かつ FVTPL で測定するものとして指定されていない場合に、 FVOCI で測定される。
- 当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有され
ている。
- 金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じ
る。
トレーディング目的で保有していない持分投資の当初認識時に、当グループは当該投資の公正価値の当初認識後の変動をその
他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行うことができる。この選択は、投資別に行われる。
上記に従って償却原価で測定するものにも FVOCI で測定するものにも分類されていないすべての金融資産は、 FVTPL で測定さ
れる。当初認識時に、当グループは、指定がなければ償却原価または FVOCI で測定するための要件を満たす金融資産を FVTPL
で測定するものとして取消不能の指定をすることができる。この指定が認められるのは、指定しない場合に生じるであろう会
計上のミスマッチをその指定が除去または大幅に低減する場合である。
事業モデルとは、当グループがキャッシュ・フローを生成するために金融資産を管理する方法である。すなわち、当グループ
の事業モデルは、キャッシュ・フローが契約上のキャッシュ・フローの回収か、金融資産の売却か、またはその両方に起因す
るものかどうかを判定するものである。当グループは、金融資産の管理に関する事実と当グループの経営者が決定した特定の
事業目的に基づいて、金融資産の管理に関する事業モデルを判定している。
契約上のキャッシュ・フローが元本および利息の支払いのみか否かを評価する際に、当グループは、金融商品の契約条件を検
討している。この評価の目的上、「元本」とは金融資産の当初認識時の公正価値であると定義されている。「利息」とは、貨
幣の時間価値、特定の期間中の元本残高に関する信用リスクならびに他の基本的な融資リスクおよびコストに対する対価と利
益マージンと定義されている。当グループは、金融資産に契約上のキャッシュ・フローの時期または金額の変更が生じる結果
この条件を満たさなくなる可能性のある契約条件が含まれているか否かも評価している。
金融資産の当初認識後の測定
FVTPL で測定する金融資産
当該金融資産は、当初認識後に公正価値で測定される。利得および損失の純額(受取利息または配当金を含む)は、当該金融
資産がヘッジ関係の一部である場合を除き、純損益に認識される。
償却原価で測定する金融資産
当該金融資産は、当初認識後に実効金利法を用いて償却原価で測定される。償却原価で測定され、かつヘッジ関係の一部では
ない金融資産の利得または損失は、当該金融資産の認識の中止が行われた際に、償却プロセスを通じて(または減損利得また
は損失を認識するために)純損益に認識しなければならない。
FVOCI で測定する債券投資
当該資産は、当初認識後に公正価値で測定される。実効金利法を用いて計算される受取利息、減損および為替差損益は、純損
益に認識される。その他の利得および損失の純額は、その他の包括利益に認識される。認識の中止時に、その他の包括利益に
おける利得および損失の累計額は、純損益に振り替えられる。
FVOCI で測定する持分投資
当該資産は、当初認識後に公正価値で測定される。配当金は、収益として純損益に認識される。その他の利得および損失は、
その他の包括利益に認識される。認識の中止時に、その他の包括利益における利得および損失の累計額は、利益剰余金に振り
替えられる。
(iii) 金融負債の分類および当初認識後の測定
金融負債は、 FVTPL で測定するものとその他の金融負債に分類される。
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FVTPL で測定する金融負債
金融負債は、トレーディング目的で保有するもの(デリバティブ金融負債を含む)に分類されているか、当初認識時にそのよ
うな指定が行われている場合に、 FVTPL に測定するものに分類される。
FVTPL で測定する金融負債は、当初認識後に公正価値で測定され、利得および損失の純額(支払利息を含む)は、当該金融負
債がヘッジ関係の一部である場合を除き、純損益に認識される。
FVTPL で測定するものとして指定されている金融負債の場合、その利得および損失は、次の要件に従って会計処理される。そ
の要件とは、 (i) 当グループ自身の信用リスクの変化に起因する金融負債の公正価値の変動額は、その他の包括利益に含めなけ
ればならない、 (ii) 金融負債の公正価値のその他の変動は、当期の純損益に認識する、である。 (i) に従った金融負債の自身の信
用リスクの変化の影響の取扱いにより、純損益に会計上のミスマッチが創出または拡大される場合には、当グループは金融負
債のすべての利得または損失(当グループ自身の信用リスクの変化の影響額を含む)を純損益に認識しなければならない。こ
のような負債の認識の中止が行われた場合には、過去にその他の包括利益に認識した利得または損失の累計額は、資本から利
益剰余金に振り替えられる。
その他の金融負債
その他の金融負債は、当初認識後に実効金利法を用いて償却原価で測定される。
( 6 ) 金融資産の減損
当グループは、以下の項目について予想信用損失引当金を認識している。
- 償却原価で測定する金融資産
- FVOCI で測定する負債性金融商品
- ローン・コミットメントおよび金融保証契約
公正価値で測定する金融資産( FVTPL で測定する債券投資または持分証券、 FVOCI で測定するものとして指定した持分証券お
よびデリバティブ金融資産を含む)は、予想信用損失の評価の対象ではない。
予想信用損失の測定
予想信用損失は、確率加重された信用損失の推定値である。信用損失は、すべてのキャッシュ・フロー不足(すなわち、契約
に従って企業に支払われるべきキャッシュ・フローと当グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額)の
現在価値として測定される。
当グループの金融商品の予想信用損失の測定方法は、次の要素を反映している。その要素とは、 (i) 一定範囲の生じ得る結果を
評価することにより算定される偏りのない加重平均確率、 (ii) 貨幣の時間価値、 (iii) 過去の事象、現在の状況および将来の経済状
況の予測についての、報告期間の末日において余計なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報である。
予想信用損失を見積る際に考慮すべき最長の期間は、当グループが信用リスクに晒される最長の契約期間(延長オプションを
含む)である。
全期間の予想信用損失は、金融商品の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失であ
る。
12 か月の予想信用損失は、報告期間の末日後 12 か月以内(または金融商品の予想存続期間が 12 か月未満の場合には、より短い
期間)に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失を表す部分である。
当グループは、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したか否かによって、金融商品を 3 つのステージに分類
し、その分類に従って予想信用損失引当金を計上している。
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3 つのリスク・ステージの定義は、次のとおりである。
ステージ 1 :信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない金融商品。 12 か月の予想信用損失に等しい金額が損失引当金と
して認識される。
ステージ 2 :信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているが、信用減損しているとみなされていない金融商品。全期間の予
想信用損失に等しい金額が損失引当金として認識される。当グループが信用リスクの著しい増大が発生している場合をどのよ
うに判定しているかについての説明は、注 51(a) 「信用リスク」を参照のこと。
ステージ 3 :報告期間の末日現在信用減損しているとみなされている金融商品。全期間の予想信用損失に等しい金額が損失引当
金として認識される。信用減損金融資産の定義については、注 51(a) 「信用リスク」を参照のこと。
予想信用損失引当金の表示
予想信用損失は、各報告期間の末日に、当初認識以降の金融商品の信用リスクの変化を反映するように再測定される。予想信
用損失の変動額は、減損利得または損失として純損益に認識される。当グループは、償却原価で測定する金融商品に係る減損
利得または損失を、損失引当金勘定を通じて対応する調整額をその帳簿価額に加減算する形で認識している。 FVOCI で測定す
る債券投資の場合、損失引当金はその他の包括利益に認識される。当グループは、ローン・コミットメントおよび金融保証契
約に係る損失引当金を他の負債(与信コミットメントに係る損失引当金)を通じて認識している。
直接償却
金融資産の帳簿価額は、現実的な回収の見込みがない場合には、その範囲において(その一部か全部のいずれかが)直接償却
される。直接償却は、認識の中止につながる事象である。直接償却は一般的に、債務者が直接償却の対象となっている金額を
返済するほどの十分なキャッシュ・フローを生成し得る資産も収益源も有していないと当グループが判断した場合に行われ
る。ただし、直接償却が行われた金融資産も、支払われるべき金額を回収するための当グループの手続に準拠するための執行
活動の対象となる可能性がある。
過去に直接償却が行われた資産のその後の回収額は、減損の戻入れとして回収が行われた期間の純損益に認識される。
( 7 ) ローン契約の条件変更
場合によっては(再交渉されたローンのように)、当グループは金融資産契約の再交渉を行うこともあれば他の方法で条件変
更を行うこともある。当グループは、新たな契約条件が当初の条件と実質的に異なるか否かを評価することとなる。その契約
条件が実質的に異なる場合には、当グループは当初の金融資産の認識の中止を行い、改訂された条件に基づく「新たな」資産
の認識を行う。再交渉または条件変更により認識の中止が生じないが、契約上のキャッシュ・フローが変動する場合には、当
グループは、債務不履行の発生リスクを報告期間の末日現在の改訂された条件と当初認識日現在の当初の条件とで比較するこ
とにより、信用リスクの著しい増大が生じたか否かを評価している。
( 8 ) 金融資産および負債の認識の中止
金融資産
金融資産は、以下の条件のいずれかを満たす場合に、認識の中止が行われる。
- 当該金融資産からのキャッシュ・フローに対する当グループの契約上の権利が消滅している。
- 当該金融資産が譲渡され、当グループが当該金融資産の所有によるほとんどすべてのリスクと経済価値を移転している。
- 当該金融資産が譲渡され、当グループが当該金融資産の所有によるほとんどすべてのリスクと経済価値を移転も保持もし
ていないにもかかわらず、当該譲渡資産に対する支配を保持していない。
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当グループが資産からのキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡するか、あるいは資産からのキャッシュ・フローを受け取
る権利を保持しているが最終的受取人にそのキャッシュ・フローを支払う義務を引き受けて金融資産の譲渡の要件を満たして
おり、当該資産に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでも、ほとんどすべてを保持しているわけでも、資
産に対する支配を移転しているわけでもない場合、当グループの継続的な関与の範囲内で、同資産は認識される。
譲渡した資産に対する保証の形式をとるような継続的な関与は、その資産の当初の帳簿価額と当グループが返済する必要のあ
る対価の最高額とのいずれか低いほうの金額で測定される。
証券化
業務活動の一環として、当グループは金融資産を証券化している。その一般的な方法は、投資家向けに証券を発行する組成さ
れた企業への当該資産の売却である。金融資産の認識の中止の必要条件に関する詳細は上述を参照のこと。金融資産の証券化
が認識の中止の要件を満たしていない場合には、該当する金融資産の認識の中止は行われず、第三者より支払われた対価は金
融負債として計上される。金融資産の証券化の一部が認識の中止の要件を満たしている場合には、当グループは、譲渡された
資産のうち、当グループが継続的関与を有する範囲内の部分の認識を行い、残りの部分の認識の中止を行う。譲渡された資産
の帳簿価額は、認識が中止される部分と残存部分それぞれの公正価値の比率に基づき配分され、認識が中止される金融資産の
帳簿価額とその金融資産に支払われた対価との差額は純損益に認識される。
再購入条件に基づく資産の売却
再購入条件に基づき売却された金融資産の認識の中止は、取引の経済的実体によって決定される。金融資産を、同一か実質的
に同一の資産を固定価格または合理的なマージンを乗せた売却価格で再購入する契約に基づき売却する場合、当グループは当
該資産の認識を中止しない。金融資産を、再購入時点における公正価値で当該金融資産を再購入するオプションと共に売却す
る場合(譲渡人がかかる金融資産を売却する場合)、当グループは当該金融資産の認識を中止する。
金融負債
当グループは、金融負債の契約上の義務(またはその一部)が消滅した場合にのみ、その金融負債(またはその一部)の認識
を中止している。
( 9 ) 転換金融商品
当グループが発行した資本持分に転換可能な転換金融商品は、発行される株式数と発行時に受け取る対価の価値が変動しない
場合、負債と資本両方の要素を含む複合金融商品として会計処理される。
複合金融商品の当初認識時の帳簿価額は、その資本要素と負債要素に配分される。資本に認識される帳簿価額は、転換金融商
品全体の公正価値と別個に算定された負債要素の公正価値(組込デリバティブのうちの資本要素以外のものの価値を含む)と
の差額である。複合金融商品の発行に関連した取引コストは、払込額の配分割合に応じて、負債要素と資本要素に配分され
る。
当初認識後の負債要素は、 FVTPL で認識するものとして指定されていない限り、実効金利法を用いて償却原価で測定される。
資本要素の再測定は行わない。
転換金融商品が転換された場合、負債要素は、資本要素とあわせて資本に振り替えられる。転換金融商品が償還された場合、
償還のために支払われた対価は、負債要素と資本要素に配分される。その対価および取引コストを配分する際に用いる方法
は、発行時に用いた方法と同一である。その対価および取引コスト配分後の配分額と帳簿価額との差額は、負債要素に関連し
ている場合には純損益に認識され、資本要素に関連している場合には資本に直接認識される。
( 10 ) 優先株式および永久社債
当グループは、当初認識時に、発行済みの優先株式、永久社債またはそれらの構成要素を、金融資産、金融負債および資本性
金融商品の定義を考慮し、それらの契約条件および経済的実態を勘案することによって、金融資産、金融負債または資本性金
融商品に分類している。
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発行済みの優先株式および永久社債が資本要素と負債要素の両方を含む場合には、資本要素を含む転換金融商品の会計方針を
用いて会計処理している。発行済みの優先株式および永久社債が資本要素を含まない場合には、資本要素を含まない他の転換
金融商品の会計方針を用いて会計処理している。
資本性金融商品に分類するべき発行済みの優先株式および永久社債は、実際の受取額に基づき資本に認識される。その金融商
品の存続期間における配当金または利息の分配は、利益の分配項目として取り扱われる。優先株式および永久社債が契約条件
に基づき償還される際には、その償還価格は資本に課される。
( 11 ) デリバティブとヘッジ会計
デリバティブ
デリバティブは、当初デリバティブ契約を締結した日の公正価値で認識され、その後も公正価値で再測定される。デリバティ
ブは、その公正価値が正の値の場合は資産として計上され、負の値の場合は負債として計上される。
混合契約に含まれている主契約が新金融商品基準の適用範囲内の資産である場合、組込デリバティブは今後金融資産の主契約
から分離されず、混合金融商品の全体に金融資産の分類規定が適用される。混合契約に含まれている主契約が新金融商品基準
の適用範囲内の資産ではない場合、その経済的特徴およびリスクが主契約の経済的特徴およびリスクに密接に関連しておら
ず、組込デリバティブと同一条件の独立の金融商品ならばデリバティブの定義に該当し、かつ、混合契約が FVTPL で計上され
ていないときに、他の金融商品に組み込まれている特定のデリバティブは、主契約から分離して独立のデリバティブとして扱
わなければならない。このような組込デリバティブは公正価値で測定され、その公正価値の変動は純損益に認識される。
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブの公正価値の変動から生じた損益は、純損益に直接計上される。
比較的複雑でないデリバティブの公正価値は、主として、市場参加者が一般的に使用する評価モデルによって算定される。評
価モデルに入力する値は、為替のスポット・レートおよびフォワード・レート、金利イールドカーブなど、できる限り観察可
能な市場データに基づいて決定される。比較的複雑なデリバティブの公正価値は、主として、ディーラーの提示価格に基づい
て決定される。
ヘッジ会計
ヘッジ関係の開始時点で、当グループはヘッジ手段とヘッジ対象を正式に指定し、ヘッジ会計を適用したいと考えるヘッジ関
係ならびにヘッジを行う目的と戦略を文書化する。文書化には、ヘッジ手段、ヘッジ対象の項目または取引、ヘッジされるリ
スクの内容、および、ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象項目の公正価値またはキャッシュ・フローの変動へのエクス
ポージャーを相殺するヘッジ手段の有効性をどのように評価するかの特定が含まれる。このようなヘッジは、公正価値または
キャッシュ・フローの変動の相殺を達成するほどのヘッジ有効性を満たしていることが期待され、残りのヘッジ期間において
ヘッジ関係に影響を及ぼすことが見込まれるヘッジ非有効部分の発生原因を分析するための評価が継続的に行われる。ヘッジ
関係がヘッジ比率に関するヘッジ有効性の要件に合致しなくなったが、その指定されたヘッジ関係についてのリスク管理目的
は依然として同じである場合には、当グループは、ヘッジ関係のバランス再調整を行うこととなる。
一部のデリバティブ取引は、当グループのリスク管理のポジションの下で経済上、有効なヘッジを提供するが、ヘッジ会計の
要件を満たさず、そのためトレーディング目的で保有され公正価値の増減が純損益に認識されるデリバティブとして取り扱わ
れる。厳格なヘッジ会計の要件を満たすヘッジは、以下に記載する当グループの会計方針に従って会計処理される。
公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジは、特定のリスクに起因し、純損益またはその他の包括利益に影響を及ぼすおそれのある認識された資産もし
くは負債、未認識の確定契約またはこのような認識された資産・負債もしくは未認識の確定契約の特定部分の当グループの公
正価値の変動に対するエクスポージャーのヘッジである。とりわけ、その他の包括利益に影響を及ぼす状況は、トレーディン
グ資産以外の FVOCI で測定するものとして指定した持分投資の公正価値の変動から生じるリスク・エクスポージャーのヘッジ
に限定される。公正価値ヘッジについて、ヘッジ対象項目の帳簿価額はヘッジされるリスクに帰属する損益について修正さ
れ、デリバティブは公正価値で再測定され、ヘッジ対象項目とデリバティブの損益は純損益またはその他の包括利益に認識さ
れる。
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償却原価で計上されるヘッジ対象については、ヘッジ対象の帳簿価額と額面の差額が原ヘッジの残存期間にわたり実効金利法
を用いて償却される。
未認識確定契約がヘッジ対象として指定された場合、その後の当該確定契約のヘッジされたリスクに起因する公正価値の累積
変動額は、資産または負債として認識され、対応する損益が純損益に認識される。ヘッジ手段の公正価値の変動もまた、純損
益に認識される。
ヘッジ関係のバランス再調整を考慮に入れた後でヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合(これには、ヘッジ手段が消
滅、売却、終了または行使となった場合が含まれる)には、当グループはヘッジ会計を中止する。ヘッジ対象の認識が中止さ
れた場合、未償却の公正価値は損益計算書上で計上される。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジは、認識された資産もしくは負債または実行可能性が非常に高い予想取引または当該項目の構成
要素に付随する特定のリスクに起因して、損益に影響を及ぼすおそれのあるキャッシュ・フローの変動に対する当グループの
エクスポージャーのヘッジである。指定され、適格のキャッシュ・フロー・ヘッジについては、ヘッジ手段の損益の有効部分
は、当初は直接にその他の包括利益に計上される。ヘッジ手段の損益の非有効部分は、直ちに純損益に認識される。
ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を及ぼす際に、その他の包括利益で直接に計上されたヘッジ手段の損益は、
損益計算書の対応する損益項目に振り替えられる。ヘッジ関係のバランス再調整を考慮に入れた後でヘッジ関係が適格要件を
満たさなくなった場合(これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使となった場合が含まれる)には、その他の包括
利益に計上されている累積損益は、ヘッジ対象の予想取引が最終的に発生するまでその他の包括利益に引き続き計上される。
予想取引の発生が見込まれなくなった場合には、その他の包括利益で計上された累積損益は、直ちに純損益に振り替えられ
る。
純投資ヘッジ
純投資ヘッジとは、在外営業活動体に対する純投資の為替リスクのヘッジである。
在外営業活動体に対する純投資ヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理される。ヘッジの有効部分に関連す
るヘッジ手段に係る利得または損失は、その他の包括利益に直接認識される。ヘッジの非有効部分に関連する利得または損失
は、直ちに純損益に認識される。在外営業活動体を処分する際にその他の包括利益に計上されている利得および損失の累計額
は、その処分時の利得または損失の一部として純損益に含められる。
( 12 ) 約定日基準の会計処理
金融資産の全ての通常の売買は、約定日、すなわち当グループがその資産を売買する契約をした日に認識される。通常の売買
とは、市場の規則あるいは慣習により一般的に確立した期日内に資産の受渡を要求する金融資産の売買である。
( 13 ) 金融商品の表示
金融資産および金融負債は、原則として、財政状態計算書上別個に表示されるものであり、相殺されることはない。ただし、
次の条件を両方とも満たす場合、金融資産と金融負債とを相殺し、純額を財政状態計算書に表示する。
・ 当グループが認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している。
・ 当グループが純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している。
( 14 ) レポ取引およびリバース・レポ取引(有価証券の貸借取引を含む)
将来の特定の期日に買戻す条件で売却した資産(レポ)は、財政状態計算書上、認識の中止は行われない。利息も含めた入金
金額は、当グループへの貸付としての経済的性質を反映し、レポ契約として財政状態計算書に計上される。売却価格と買戻価
格の差額は支払利息とされ、その契約期間にわたって実効金利法を用いて計上される。
一方、将来の特定の期日に売戻す条件で購入した資産(リバース・レポ)は、財政状態計算書上、認識されない。利息も含め
た支出額は、リバース・レポ契約として財政状態計算書に計上される。購入価格と売戻価格の差額は受取利息とされ、その契
約期間にわたって実効金利法を用いて計上される。
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金融資産の分類方針に従って(注記3(5)参照)、当グループが保有しているリバース・レポ契約は、金融商品の管理に関する
企業の事業モデルおよび資産(償却原価で測定する金融資産、FVTPLで測定する金融資産)の契約上のキャッシュ・フローの性
質に応じて2つの異なる分類に区分される。
有価証券の貸借取引においては、通常、有価証券または現金が担保に供せられる。有価証券の取引相手への移転は、所有に伴
うリスクと便益も移転する場合にのみ、財政状態計算書上に反映される。担保として差し入れたあるいは受入れた現金は、資
産または負債として計上される。
借り入れた有価証券は財政状態計算書上で認識されないが、第三者に売却された場合は、当該有価証券を返却する債務がト
レーディング目的で保有される負債として計上され、当該負債は公正価値で測定され、損益は純損益に計上される。
( 15 ) 貴金属
貴金属には金、銀およびその他の貴金属が含まれる。当グループの貴金属トレーディング活動に関係しない貴金属は当初取得
原価で測定され、その後、取得原価か正味実現可能価額のいずれか低い方で測定される。トレーディング目的で当グループが
取得した貴金属は当初公正価値で測定され、その後の公正価値の変動は損益計算書において認識される。
当グループは、受領した貴金属を資産として計上する。預け入れられた貴金属を返却する負債もまた認識される。当グループ
に預け入れられた貴金属は、当初認識時およびその後の測定時の両方において公正価値で測定される。
( 16 ) 有形固定資産
建設仮勘定以外の有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額と減損損失を控除した金額で計上されている。有形固定資産
の取得原価は、その購入価格、税金および意図した方法で使用可能な状態に整えるための直接付随費用から構成されている。
有形固定資産の稼動後に発生した維持修繕費などの支出は、通常それが発生した事業年度の純損益に計上される。認識基準が
満たされる場合には、大規模検査に関する支出は取替原価として当該資産の帳簿価額に計上される。
建設仮勘定は、建設期間中の直接建設原価から構成されており、減価償却はされない。建設仮勘定は、それが完成し、使用で
きるようになった段階で適切な固定資産勘定に再分類される。
有形固定資産の帳簿価額は、帳簿価額が回復できない可能性のある事象や環境の変化があった場合には減損の評価が行われ
る。
減価償却は定額法で計算されており、各有形固定資産の取得原価から見積残存価額を控除した金額を見積耐用年数で按分して
いる。有形固定資産(航空機および船舶を除く)の各項目の見積耐用年数、見積残存価額および年次減価償却率は以下のとお
りである。
見積耐用年数 見積残存価額 年次減価償却率
5 ~ 50 年 0 ~ 3% 1.94 ~ 20 %
不動産および建物
事務用設備および車両
2 ~ 7 年 ― 14.29 ~ 50 %
(航空機および船舶を除く)
経済耐用年数または残存リース期
リース物件改良費
間のうちいずれか短い期間
当グループが貸手であるオペレーティング・リースに基づく機器は、航空機、航空機エンジンおよび船舶を含む。見積耐用年
数および減価償却方法は、各航空機および船舶の実際の状態に応じて決定される。残存価額は、過去のデータに基づき独立し
た鑑定業者によって査定される。見積耐用年数の範囲は 15 ~ 25 年である。
減損した固定資産項目について、減価償却は減損損失累計額を控除した帳簿価額に基づき算出される。
部分によって耐用年数が違う有形固定資産の場合、その取得原価を合理的な方法で按分し、それぞれに償却を行うものとす
る。
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残存価額、耐用年数、および減価償却の方法は、少なくとも期末ごとに見直し、必要に応じて調整される。
有形固定資産や当初認識された重大な部分は、処分時あるいは将来の経済的利益がその使用や処分から期待できなくなった場
合にその計上を中止する。資産の認識の中止により生じる損益(その資産の正味処分金額と帳簿価額との差額として算出)
は、その資産の認識を中止した事業年度の純損益に計上される。
( 17 ) 土地使用権
土地使用権は、中華人民共和国政府(以下「政府」という。)による出資時の公正価値あるいは支払対価の額により取得原価
で計上されている。この権利は、リース期間にわたって定額法を使って償却される。前払土地使用権料を土地と建物に適正に
配分できない場合、使用権料全額を有形固定資産のファイナンス・リースとして不動産および建物の取得原価に含めている。
( 18 ) 担保権実行資産
担保権実行資産は当初公正価値で認識され、その後帳簿価額と正味回収可能価額のいずれか低い方で測定される。回収可能価
額が担保権実行資産の帳簿価額よりも低い場合、当該資産は回収可能価額まで評価減される。
( 19 ) 企業結合およびのれん
企業結合は取得法により会計処理される。譲渡対価は取得日に公正価値で測定される。当該公正価値は、取得時点における当
グループから譲渡された資産の公正価値、被取得企業の前所有者から引き継いだ負債および被取得企業の支配権と交換に当グ
ループが発行した株式持分の合計である。取得費用は費用計上される。
当グループが事業を取得する場合、取得日現在の契約条項、経済環境および関連状況にしたがって適切に分類および指定を行
うために、引受けた金融資産および金融負債を評価する。これには、被取得企業による組込デリバティブの主契約からの分離
が含まれる。
企業結合が段階的に達成される場合、取得企業が従来保有していた被取得企業の持分を取得日の公正価値で再評価し、評価差
額を損益として認識する。
取得企業が支払う条件付対価は取得日に公正価値で認識される。金融資産もしくは金融負債とみなされる条件付対価の公正価
値のその後の変動は、損益もしくはその他の包括利益のいずれかにおいて認識される。条件付対価が資本として分類される場
合、資本の中で最終的に決済されるまでは再測定を行わない。
のれんは当初、譲渡対価、非支配持分について認識された金額、および当グループが被取得企業に対してそれまで保有してい
た株式持分の公正価値の総額が、取得した識別可能資産および引き継いだ負債の正味金額を超過したコストとして測定され
る。この対価およびその他の項目の合計が取得した子会社の純資産の公正価値よりも低い場合は、当該差額は再測定後、割安
購入益として損益計算書で認識される。
当初認識後、のれんは減損損失累計額控除後の原価で測定される。のれんは、年に 1 度、あるいは帳簿価額が減損している兆候
を示す事象や環境の変化がある場合にはその都度減損テストが行われる。当グループはのれんの年次減損テストを 12 月 31 日に
実施する。のれんの減損テストを目的として、企業結合により取得されたのれんは、取得日より、資金生成単位(以下
「 CGU 」という。)または CGU グループに配分する。これらの CGU は企業結合によって生じたシナジーによる便益が得られる
ことを期待される単位であり、当グループのその他資産あるいは負債が当該単位で割当てられているかどうかは関係ない。
減損は、のれんが関係する CGU ( CGU グループ)の回収可能価額の評価によって判断される。 CGU ( CGU グループ)の回収可
能価額が帳簿価額より低い場合は、減損損失が認識される。のれんについて認識された減損損失は次年度以降に戻入されな
い。
のれんが CGU ( CGU グループ)の一部であり、当該 CGU の事業の一部が処分される場合、処分される事業に関連するのれん
は、当該事業の処分損益を決定する際の帳簿価額に含まれる。その際、処分されるのれんは、処分される事業の一部と残りの
CGU の価値の比率により測定される。
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( 20 ) 引当金
当グループが現在の債務(法的または推定的)を過去の事象の結果として有しており、経済的利益を具体化する資源の流出が
その債務を清算するために要求される可能性があり、その債務の金額について確かな見積りをすることができる場合に計上さ
れる。
引当金は、関連する現在の債務を決済するのに必要な支出の最善の見積りをもって当初測定される。時間価値の影響に重要性
がある場合、最善の見積りは、関連する将来キャッシュ・アウトフローを割り引くことによって算定される。最善の見積りを
算定する際には、当グループは、リスク、不確実性や貨幣の時間価値等の偶発事象に関連する要素を考慮している。必要な支
出額が連続した範囲にあり、その範囲における生じ得る結果の発生確率がいずれも同程度である場合には、最前の見積りはそ
の範囲の中間点を使用している。その他の場合には、最善の見積りは、次の状況に従って算定される。
- 偶発事象が単一の項目に関係している場合、最善の見積りは、最も起こりうる結果としている。
- 偶発事象が母集団の大きい項目に関係している場合、最善の見積りは、起こりうる全ての結果を関連する確率によって加
重平均することによって算定することとしている。
当グループは、報告期間の末日において、引当金の帳簿価額を見直すこととしている。引当金の帳簿価額は、現在の最善の見
積りに調整される。
( 21 ) 資産の減損
繰延税金資産、金融資産およびのれんを除く資産の減損損失は、以下に基づき決定される。
当グループは、資産の減損の兆候があるかどうかを各報告期間の期末日毎に評価する。そのような兆候が存在する場合、ある
いは資産について減損テストが必要な場合には、当グループはその資産の回収可能価額の見積りを行う。資産の回収可能価額
とは、公正価値から売却費用を控除した金額と使用価値のどちらか高い方の値である。その資産が創出するキャッシュ・フ
ローが、他の資産あるいは資産グループによるキャッシュ・フローから概ね独立している限り、回収可能価額は個別に算定さ
れ、ほとんど独立していない場合は、同資産が属する CGU の回収可能価額が算定される。資産の帳簿価額がその回収可能価額
を超過する場合、その資産は減損しているとみなされ、回収可能価額まで評価を切下げる。資産の使用価値を評価する際、将
来の見積りキャッシュ・フローは、時間的価値とその資産に固有のリスクに対する現在の市場の評価を反映する税引前割引率
を使って現在価値に割引く。
以前に認識した減損損失がもう存在しないか、あるいは減少した兆候があるかどうかについては各報告期間の期末日毎に評価
する。そのような兆候が存在する場合、回収可能価額の見積りを行う。以前に認識した減損損失は、最後の減損損失が認識さ
れてから資産の回収可能価額を算定するために使用される見積りの変更があった場合にのみ戻入される。その場合には、その
資産の帳簿価額を回収可能価額まで増加させる。増加する金額は、資産について減損損失が過年度に認識されていなかったと
したら減価償却控除後の純額で算定されていたであろう帳簿価額を超過することはできない。そのような戻入は、純損益に認
識される。そのような戻入後、減価償却費は、その資産の修正後の帳簿価額から残存価額を控除した金額をその残存耐用年数
にわたって規則的に配分するために将来の期間にわたって調整される。
( 22 ) 現金および現金同等物
現金および現金同等物とは、既知の金額の現金に容易に換金でき、価値変動リスクが少なく、かつ流動性が高い短期資産を指
す。現金および現金同等物は、現金、無制約の中央銀行預け金、銀行およびその他の金融機関預け金、当初満期日が 3 か月未満
のリバース・レポ契約で構成されている。
( 23 ) 従業員給付
従業員給付は、従業員が提供した役務と交換に当グループが与えるあらゆる形態の対価およびその他の関連支出をいう。未払
給付は従業員が当グループに役務を提供している期間中、債務として認識される。報告期間の期末日の 1 年 後においても未払い
となっている未払給付の割引の影響が重要な場合、当グループは当該未払給付を現在価値で表示する。
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短期従業員給付
従業員給与、賞与や、医療保険、労働災害保険、出産保険や住宅建設資金等の社会保障支出は、負担した金額または規定の標
準額および利率で測定され、従業員の役務提供に伴い負債として認識され、それに対応する費用が純損益または適切な場合資
産の取得原価に含められる。
中国本土以外の適格従業員は全て、現地の確定拠出制度に参加している。当グループは、現地規制当局の要件に基づき、これ
らの確定拠出制度に拠出している。
退職後給付-確定拠出制度
PRC の関連法規に従い、当グループは、政府機関が設立し運営している社会保険制度における確定拠出基礎年金保険に加入し
た。当グループは、政府が定めた規定の標準額および利率に基づき、基礎年金保険制度への拠出を行う。基礎年金保険拠出金
は、関連する従業員の役務提供に伴い、資産の取得原価の一部、または純損益に認識されている。
さらに、中国本土の従業員は、当グループが設定した確定拠出型退職給付制度にも参加している(以下「年金制度」とい
う。)。当グループおよび従業員は前年の基本給与金額の一定割合をこの年金制度に拠出することを要求されている。拠出金
は、発生時に純損益に計上される。当グループは固定額を年金制度に拠出するが、年金制度において全従業員の給付金額を支
払うための十分な資産がないとしても、追加の拠出を行う義務は負っていない。
解雇給付
解雇給付は、従業員の雇用を通常の退職日前に終了すると当グループが決定したか、または従業員が雇用の終了と引き換えに
給付の申し出を受け入れた結果として、発生する支払義務である。当グループは、解雇給付を以下の場合のいずれかが早く到
来した時点で純損益に認識する。
― 当グループが解雇給付の申し出を撤回できなくなった時点
はその計画の影響についてその影響を受ける各当事者への通知が行われたことにより、各当事者が合理的な予測を立てた
時点
早期退職手当
早期退職手当に関する当行規程に従って、特定の従業員には、休職し、その間に当行から一定の比率の給与と関連する手当を
受給できる権利が与えられている。早期退職日から通常の退職日までの間、こうした給与と手当が支給される。給付に係る負
債の現在価値の仮定および見積りの変化に伴い生じる差異は、発生時に純損益に認識される。
( 24 ) 信託業務
当グループは、管理人あるいは代理人としての信託業務を行う場合に、信託業務に関連して預かった資産とそれを顧客に返還
するための義務については財政状態計算書から除いている。
当グループの資産受託業務は、当グループが規制当局から承認を受けた信託会社として顧客との間で受託契約を締結し、受託
会社としての関連法規に従った責任を負う業務を指す。当グループは受託会社としての責任を遂行し、受託資産に対するリス
クまたは便益は留保せずに契約に従った手数料を課すだけであるため、受託資産はオフバランス項目として記録される。
当グループは、委託者のために信託貸付を提供しているが、オフバランス取引としている。当グループは、受託者として、そ
のような信託貸付をこの貸出金の資金を提供している委託者の指示に従って借手に供与している。当グループは、これらの委
託者のために貸付金の事務および回収管理業務を受託している。この委託者は、その目的、金額、金利および返済計画を含め
信託貸出の全ての引受基準および条件の両方を決定している。当グループは役務を提供した期間にわたって一定の比率で認識
される信託貸出に関連した業務における手数料を請求している。貸倒リスクは委託者が負担している。
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( 25 ) 保険契約
保険契約の分類
当グループの保険子会社は保険契約者と契約を締結している。当グループが保険リスクを引き受け(すなわち、(財務リスク
以外の)リスクが保険契約者から保険提供者に移転され)、時の経過に伴い保険金を支払い、保険契約の管理および獲得に伴
うコストの合計が受け取った保険料と投資収益の合計金額を上回る可能性がある場合、その契約は保険契約に分類される。当
グループが保険リスク以外のリスクを引き受ける場合、その契約は非保険契約に分類される。そして当グループが混合リスク
を伴う契約により保険リスクとその他リスクの両者を引き受ける場合は、以下の規定が適用される。
(i) 保険リスクとその他リスクが相互に区別することが可能であって、かつ個別に測定することが可能である場合、保険
リスクはその他リスクから分離される。保険リスクは保険契約として会計処理され、その他リスクについては該当す
る会計基準に従って会計処理される。
(ii) 保険リスクとその他リスクをそれぞれ区別することができない場合、または区別できても個別に測定することができ
ない場合は、包括契約が適用され、それに基づいて重要な保険リスクテストが行われる。保険リスクが重要な場合は
その契約は保険契約として会計処理される。それ以外の場合、契約は非保険契約として会計処理される。
保険収益の認識
保険料収入は以下の場合に認識される。
(i) 保険契約が発行されて、関連する保険リスクが当グループにより引き受けられた時点
(ii) 関連する経済的便益が当グループに流入すると予想される時点
(iii) 関連する収益が信頼性をもって測定できる時点
保険契約負債
保険契約準備金の見積りを行う場合、当グループは類似性質の保険リスクを有する保険契約をひとつの測定単位として分類す
る。保険契約負債は、当グループが保険契約に関連する責任を履行するために支払義務を負うことになる金額の合理的な見積
りに基づいて測定される。各報告期間末には、負債十分性テストが行われる。保険数理上の方法で再計算された保険契約負債
が負債十分性テストの日の簿価を上回る場合は、その差額に基づき各保険契約負債に対し追加引当金が設定される。それ以外
の場合、各保険契約負債に対する調整は行われない。
( 26 ) 収益認識
収益は、経済的利益が当グループに流入する蓋然性がある範囲内でその収益を正しく測定することができる時点で認識され
る。また収益を認識する前に以下の個別の認識基準を満たさなければならない。
受取利息
償却原価で測定される金融商品および FVOCI で測定する金融資産に分類される有利子金融商品に関しては、受取利息は金融資
産負債の帳簿価額の純額に対して実効金利で計上される。実効金利とは、金融商品の予想残存期間を通した将来の見積り
キャッシュ・フローを金融資産の帳簿価額(または、金融負債の償却原価)の純額にまで割り引く際に使用する利率である。
利息計算においては、全ての契約条件(例えば期限前償還オプション)を考慮するとともに、当該商品に直接起因しかつ実効
金利の大部分を占める手数料や追加費用を含めるが、予想信用損失は考慮しない。
受取利息は、金融資産の帳簿価額に実効金利を適用して計算され、以下の場合を除き、受取利息という科目に含まれる。
(i) 購入または組成した信用減損金融資産の場合、当初認識時から当該金融資産の償却原価に信用調整後の実効金利を適用し
て受取利息が計算される。
(ii) 購入または組成した信用減損金融資産ではないが、その後に信用減損した金融資産の場合、当該金融資産の償却原価(す
なわち、予想信用損失引当金控除後の償却原価)に実効金利を適用して受取利息が計算される。その後の期間に、当該金
融資産の信用の質が改善して信用減損金融資産ではなくなり、かつ、その信用の質の改善が上記の規定が適用された後に
発生した特定の事象に客観的に関連付けられる場合には、当該金融資産の帳簿価額に実効金利を適用して受取利息が計算
される。
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受取手数料等
当グループが顧客に提供する様々なサービスから受取手数料が発生する。当グループが認識する受取手数料は、約束したサー
ビスの顧客への移転と交換に当グループが権利を得ると見込んでいる対価を反映しており、利益は契約の履行義務が充足され
る際に認識される。
(i) 当グループは、次の要件のいずれかに該当する場合には、一定の期間にわたり、履行義務の完全な充足に向けての進捗度
を測定することにより利益を認識している。
- 顧客が、当グループの履行によって提供される便益を、当グループが履行するにつれて同時に受け取って消費してい
る。
- 顧客が、当グループが履行するにつれて提供しているサービスを支配している。
- 当グループが他に転用できるサービスを当グループが提供せず、当グループが現在までに完了した履行に対する支払
いを受ける強制可能な権利を有している。
(ii) 他にも、当グループは、顧客が約束されたサービスに対する支配を獲得した時点で収益を認識している。
受取配当金
当グループが株主として支払を受ける権利を確定した時点で、受取配当金を認識する。
純トレーディング利益
トレーディング活動による損益には、トレーディング目的で保有している金融資産および金融負債の公正価値の変動から生じ
る全ての損益が含まれる。これには、ヘッジ取引の非有効部分に関する公正価値の変動による損益が含まれる。
( 27 ) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金からなる。法人所得税は純損益に認識されるが、資本で直接認識される項目に関してはこの
限りではなく、資本で認識される。
当期税金
当期および過年度の税金資産および税金負債は、税務当局から還付される、あるいは支払うと見込まれる金額で測定される。
その金額を計算するために使用される税率および税法は、報告期間の期末日に施行されている、または実質的に施行されてい
るものである。
繰延税金
繰延税金は、各報告期間末における資産および負債の税務上の金額と帳簿価額との一時差異について、負債法を使用して計上
される。
繰延税金負債は、以下の場合を除いて全ての課税一時差異について認識される。
(i) 繰延税金負債がのれんの当初認識から生じる場合、あるいは企業結合ではない取引で、取引時に会計上の利益にも課税
所得にも影響しないような取引における資産あるいは負債の当初認識から生じる場合、ならびに
(ii) 子会社および関連会社に対する投資ならびに共同事業に対する投資に関連する課税一時差異については、その一時差異
の解消時期を支配でき、かつ予測可能な将来にその一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、全ての減算一時差異、未使用の繰越税額控除および未使用の繰越欠損金について、以下の場合を除いて減算
一時差異ならびに未使用の繰越税額控除限度額および未使用の繰越欠損金が利用できる課税所得がある範囲内で認識される。
(i) 減算一時差異に関連する繰延税金資産が企業結合ではない取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない
取引における資産あるいは負債の当初認識から生じる場合、ならびに
(ii) 子会社および関連会社に対する投資ならびに共同事業に対する投資に関連する減算可能な一時差異については、予測可
能な将来にその一時差異が解消し、かつ一時差異の使用対象となる課税利益が発生する可能性が高い場合に限り、繰延
税金資産が認識される。
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繰延税金資産および繰延税金負債は、報告期間の期末日の時点で制定あるいは実質的に制定されている税率(および税法)に
基づいて、その資産が実現し、もしくはその負債が決済される会計期間に適用されると予想される税率に対応する税効果を反
映させた税率で測定される。
繰延税金資産の帳簿価額は、各報告期間の期末日に見直され、繰延税金資産の全額あるいは一部の計上が可能となるだけの十
分な課税所得が生じる可能性がもはや高くなくなった範囲で減額される。十分な課税所得が発生する可能性が高くなった範囲
内で、適宜減額分を戻し入れることができる。
繰延税金資産および繰延税金負債は、当期の税金資産を当期の税金負債と相殺するために法的に有効な権利が存在し、繰延税
金が同一の税務当局によって、同一の納税企業体に課せられたものであれば相殺される。
( 28 ) リース
資産の所有に伴う実質的に全てのリスクと便益を借手に譲渡するリースは、ファイナンス・リースとして分類される。資産に
係る実質的に全てのリスクと便益を貸手が保持したままであるリースは、オペレーティング・リースとして会計処理される。
ファイナンス・リース
当グループがファイナンス・リースの貸手の場合、未収最低リース料と当初の直接費用の合計にあたる金額が、顧客貸出金等
として財政状態計算書に計上される。無保証の残存価額も、リース開始時に認識される。未収最低リース料、当初の直接費用
および無保証の残存価額の合計と現在価値との差額は、未稼得金融収益として認識される。未稼得金融収益は、実効金利法を
用いてリース期間にわたって認識される。
オペレーティング・リース
オペレーティング・リースに基づくリース料は、リース期間にわたって定額法で純損益に計上される。
当グループがオペレーティング・リースの貸手の場合、オペレーティング・リースの対象である資産は当グループの資産とし
て会計処理される。リース収益は、リース期間にわたって定額法で損益計算書に「その他の純営業収益」として認識される。
( 29 ) 関連当事者
以下の場合には、当グループの関連当事者とみなされる。
( a) 当事者が人またはその近親者で、その人が以下に該当する場合。
(i) 当グループを支配または共同支配する。
(ii) 当グループに対し重要な影響力を持つ。または、
(iii) 当グループまたはその親会社の経営幹部である。
あるいは
( b ) 当事者が以下のいずれかの条件を満たす事業体である場合。
(i) 当該事業体と当グループが同一のグループに属する。
(ii) 一方の事業体が他方の事業体(またはその親会社、子会社または兄弟会社)の関連会社または共同事業である。
(iii) 当該事業体と当グループが同一の第三者の共同支配企業である。
(iv) 一方の事業体が第三者の共同支配企業であり、他方の事業体が当該第三者の関連会社である。
(v) 当該事業体が当グループまたは当グループの関連当事者である会社の従業員の給付に対する退職後給付制度であ
る。
(vi) 当該事業体が (a) で特定された人の支配下にある、あるいは共同支配下にある。
(vii) (a)(i) で特定された人が事業体に対して重要な影響力を持つ、あるいは当該事業体(またはその親会社)の経営幹
部である。そして、
(viii) 当該事業体(または当該事業体が属するグループの任意の構成員)が、当グループまたは当グループの親会社に
経営幹部の人事サービスを提供している。
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( 30 ) 金融保証契約
当グループは、信用状および保証状を含む金融保証契約を提供している。これらの金融保証契約は、保証を受けた者が債券、
貸付金あるいはその他の債務の当初あるいは修正後の条件の下で債務不履行となったときに生じる損失について債権者に返済
するための一定額の支払を保証している。
当グループは、全ての金融契約を当初公正価値で測定し、受取保証料はその他の負債に含めている。この金額は、契約期間に
わたって一定の比率で受取手数料等として計上される。その後、負債は金融商品の減損に関する方針に従って算定した損失引
当金の金額(注 3(6) を参照)と当初認識額から利益の累計額を控除した金額のいずれか高いほうで測定される。金融保証に関す
る債務の増加は純損益に計上される。
( 31 ) 偶発債務
偶発債務は、過去の事象に起因し、その存在が完全には当グループの支配にない1つまたはそれ以上の不確実な将来の事象の
発生あるいは不発生によってのみ確認される可能性のある債務である。経済的資源の流出が要求される可能性が高くはない、
あるいは債務金額が正確には測定できないため認識されていない過去の事象から生じた現在の債務でもある。偶発債務は本財
務書類の注記で開示されている。流出の可能性の変動が生じた結果、流出の可能性が見込め、信頼できる見積りが可能である
場合、それは引当金として計上される。
( 32 ) 配当金
配当金は、株主総会で当行株主により承認・宣言された時点で負債として認識され、資本から控除される。中間配当額は、承
認と配当宣言をもって資本から控除され、当行の裁量から離れる。報告期間の期末日以降に承認された配当については、報告
期間後の事象として開示する。
注 4 重要な会計上の判断と見積り
当グループの会計方針を適用するプロセスにおいて、経営者は不確実な将来の事象が本財務書類に与える影響について判断
し、仮定を設けている。将来および報告期間の期末日における見積りの不確実性に関する主要な仮定および重要な会計上の判
断であり、翌期の資産・負債の計上額に対し重要な調整を要する重要なリスクを有するものは、以下に記載している。 IAS 第 39
号に基づく重要な会計上の判断および見積りについては、 2017 年 12 月 31 日に終了した会計年度における当グループの財務書類
の注 4 「重要な会計上の判断と見積り」を参照のこと。
予想信用損失引当金の測定
償却原価および FVOCI で測定する金融資産ならびにローン・コミットメントおよび金融保証契約から生じるエクスポージャー
に係る予想信用損失引当金の測定は、将来の経済状況や信用状況(顧客が債務不履行に陥る可能性とそれに伴う損失)に関す
る複雑なモデルと重要な仮定を用いることが必要な分野である。予想信用損失の測定の際に用いるインプット、仮定および見
積技法に関する説明は、注 51(a) 「信用リスク」を参照のこと。
のれんの減損
当グループは、少なくとも年 1 回のれんが減損しているか否かを判断するだけでなく、状況から帳簿価額が減損している可能性
を示唆しているときも、減損の有無を判断する。その際には、のれんの配分先の CGU または CGU グループの回収可能価額を見
積る必要がある。回収可能価額を見積るには、当該 CGU または CGU グループによる将来の予想キャッシュ・フローを見積り、
そのキャッシュ・フローの現在価値を計算するために適切な割引率を選定する必要がある。
法人所得税
当グループに課される未払法人所得税を算定するには、特定の取引についての将来の税務上の取扱いを見積ることが必要とな
る。当グループは、一般に認められている税法・規則に従って、取引について税務上の取扱いを慎重に評価し、未払法人所得
税の計上を行っている。さらに繰延税金資産は、減算可能な一時差異を利用することができる将来の課税所得が利用可能な範
囲内で認識される。これには、特定の取引の税務処理について重要な見積りや、繰延税金資産の回収にあたって十分な将来の
課税所得が発生する可能性について、重要な評価が必要となる。
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金融商品の公正価値
金融商品の市場が活発ではない場合、当グループは評価手法を用いて公正価値を算定している。評価手法としては、知識と取
引の意思がある当事者間の最近の第三者間市場取引、実質的には同一である別の商品の現在の公正価値の参照、割引キャッ
シュ・フロー分析およびオプション価格モデルが使用される。実行可能な限り、評価手法では市場データを最大限利用する。
しかし、市場データを入手できない場合は、経営者はそのような市場データを見積る必要がある。
投資先に対する支配の判定
経営者は、注 3 ( 1 )に記述されている支配の要件に基づき、当グループが証券化ビークル、投資ファンド、理財商品、資産運
用制度、信託制度または資産担保融資を支配しているか否かを判定する際に判断を行っている。
証券化ビークル
当グループが証券化プログラムに基づきスポンサーとなっている特定の証券化ビークルは、当該ビークルの当初デザインにお
ける一部分として策定された規定に基づいて運営されている。また、当グループは、ビークルの負債証券の保有により生じる
当該ビークルのリターンの変動性にさらされている。(当グループがサービシング契約に基づき実施している)日常的なサー
ビシング業務は除いて、重要な意思決定は通常、ビークルにおける債権が債務不履行に陥った場合にのみ必要となる。した
がって、当グループが支配を有しているか否かを判定する際には、当グループが、これらのビークルのリターンに最も著しい
影響を及ぼす重要な意思決定権を有しているか否かを検討している。
投資ファンド、理財商品、資産運用制度、信託制度および資産担保融資
当グループは、多数の投資ファンド、理財商品、資産運用制度、信託制度および資産担保融資のマネジャーとしての役割を果
たしている。このような事業体を支配しているか否かを評価する際には、当グループは本人として意思決定権を行使している
か、または代理人として意思決定権を行使しているかを判定し、通常当グループの当該企業に対する経済的便益総額(これに
は、保有持分および予期される運用報酬が含まれる)の評価ならびに当該企業の意思決定権限に焦点を当てている。当グルー
プは、意思決定権を有する他の企業がこのような事業体の代理人として行動しているか否かも判定している。
当グループが持分を有しているか、またはスポンサーとなっている非連結の投資ファンド、理財商品、資産運用制度、信託制
度および資産担保融資に関する詳細な開示については、注 41 を参照のこと。
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注 5 公表されているが発効前の国際財務報告基準の影響
当グループは、公表されたが発効していない以下の新規および改訂 IFRS ならびに IAS を、本財務書類には適用していない。
1
IFRS 第 16 号
リース
2
IFRIC 解釈指針第 23 号
法人所得税務処理に関する不確実性
2
IFRS 第 9 号(改訂)
負の補償を伴う期限前償還要素および金融負債の条件変更
2
IAS 第 28 号(改訂)
関連会社および共同支配企業に対する長期持分
2
IFRS の年次改善 2015-2017 年サイクル
2
IAS 第 19 号(改訂)
制度改訂、縮小または清算
3
IFRS 第 3 号(改訂)
事業の定義
3
IAS 第 1 号および IAS 第 8 号(改訂)
「重要性がある」の定義
4
IFRS 第 17 号
保険契約
IFRS 第 10 号および IAS 第 28 号(改訂) 投資者とその関連会社または共同支配企業の間での資産の売
5
却または拠出
1
2019 年 1 月 1 日以降に始まる事業年度から発効。 IFRS 第 15 号も適用している企業のみ早期適用が認められている。
2
2019 年 1 月 1 日以降に始まる事業年度から発効。早期適用が認められている。
3
2020 年 1 月 1 日以降に始まる事業年度から発効。早期適用が認められている。
4
2021 年 1 月 1 日以降に始まる事業年度から発効。 IFRS 第 9 号および IFRS 第 15 号も適用している企業のみ早期適用が認められて
いる。
5
発効する事業年度は未定。早期適用が認められている。
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当グループに重大な影響を及ぼすと予想される変更の詳細は、以下のとおりである。
IFRS 第 16 号 「リース」
2016 年 1 月 、 IASB は、 IFRS 第 16 号「リース」を公表した。この基準書は、 IAS 第 17 号の現行のガイダンスに代わる基準書であ
る。この新しい基準書では、借手である企業は、リースをオンバランス処理しなければならなくなる。この新しい基準書では
また、リース期間にわたる会計処理の変更を行い、リースとサービス契約を明確に分ける基準も導入されている。
IFRS 第 16 号では、借手に関する限りは、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区別はなくなる。その代わり
に、借手は、実務上の便法を適用して、使用権( ROU )資産とリース負債を認識することによってすべてのリースをオンバラ
ンスで認識する。
貸手の会計処理は、ほとんど変更されていない。すなわち、貸手は引き続きリースをファイナンス・リースとオペレーティン
グ・リースに分類する。ただし、貸手の会計処理の細部では複数の変更がある。例えば、貸手は、新しいリースの定義、セー
ル・アンド・リースバックのガイダンス、転リースのガイダンスおよび開示規定を適用する。
当グループは、 2019 年 1 月 1 日に修正遡及アプローチにより IFRS 第 16 号の適用を開始する予定である。したがって、 IFRS 第 16 号
の適用による累積的影響は、比較情報の修正再表示を行うことなく、 2019 年 1 月 1 日現在の利益剰余金の期首残高に対する調整
として認識されることとなる。当基準書は、財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼさないものと見込まれる。
IFRIC 解釈指針第 23 号 「 法人所得税務処理に関する不確実性 」
当解釈指針は、税務処理が税務当局に承認されるか否かについて不確実性がある場合に、 IAS 第 12 号「法人所得税」をどのよう
に適用すべきかを定めたガイダンスを提供するものである。
当解釈指針では主に、税務当局が企業の税務処理を承認する可能性が高いか否かに基づいた判定を行うことを定めている。
・ その可能性が高い場合には、企業は、税務申告書における税務処理と整合的に当期および繰延税金を測定しなければなら
ない。
・ その可能性が高くない場合には、企業は、「期待値」法または「最頻値」法のうち、不確実性の解消により適した方法を
用いて不確実性の影響を法人所得税の会計処理に反映しなければならない。このような場合、財務書類上の税金額は、税
務申告書上の金額と同じではなくなる。
当解釈指針は、財政状態および経営成績に 重要な影響を及ぼさないものと見込まれる。
IFRS 第 9 号 「金融商品」の改訂― 負の補償を伴う期限前償還要素および金融負債の条件変更
IASB は、 以下の 2 分野における金融商品の会計処理についての IFRS 第 9 号の規定を変更した。
・ 負の補償を伴う期限前償還要素を含む金融資産は、 IFRS 第 9 号の他の関連する規定を満たす場合には、今後償却原価で測定
するか、またはその他の包括利益を通じて公正価値で測定( FVOCI )することができる。
・ 認識の中止とならない条件変更または交換が行われた固定利付金融負債を有する企業は、条件変更後の契約上のキャッ
シュ・フローを当初の実効金利で割り引くことによって、その条件変更が行われた金融負債の償却原価を再計算し、それ
による調整差額を純損益に認識しなければならない。
当改訂は、財政状態および経営成績に 重要な影響を及ぼさないものと見込まれる。
IAS 第 28 号「関連会社および共同支配企業に対する投資」の改訂― 関連会社および共同支配企業に対する長期持分
IASB は、 IFRS 第 9 号が実質的に関連会社または共同支配企業に対する企業の純投資の一部を構成する長期持分にも適用される
ことを明確にした。 IFRS 第 9 号を適用する際に、企業は、 IAS 第 28 号の適用から生じる長期持分の帳簿価額に対する調整を考慮
に入れない。
当改訂は、財政状態および経営成績に 重要な影響を及ぼさないものと見込まれる。
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IFRS の年次改善 2015-2017 年サイクル
当年次改善 2015-2017 年サイクルには、 IFRS 第 3 号「企業結合」、 IFRS 第 11 号「共同支配の取決め」、 IAS 第 12 号「法人所得税」
および IAS 第 23 号「借入コスト」という 4 つの基準書の改訂が含まれている。
当年次改善は、財政状態および経営成績に 重要な影響を及ぼさないものと見込まれる。
IAS 第 19 号 「従業員給付」の改訂―制度改訂、縮小または清算
IAS 第 19 号の改訂は、以下の事項を明確にしている。
・ 確定給付制度の改訂、縮小または清算時に、企業は、最新の数理計算上の仮定を用いて当期の勤務費用および利息純額を
算定しなければならない。
・ 制度の清算に伴う利得または損失を計算する際には、資産上限額の影響は度外視され、その他の包括利益において別個の
処理が行われる。
当改訂は、財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼさないものと見込まれる。
IFRS 第 3 号 「企業結合」の改訂―事業の定義
IASB は、事業の定義を明確にする目的で IFRS 第 3 号の改訂を公表した。当改訂には、集約テストの利用を選択する規定が含ま
れている。財務諸表作成者が集約テストを適用しないことを選択しているか、そのテストの要件を満たさない場合には、実質
的なプロセスの存在に焦点を当てた評価が行われる。このような改訂により、新たな事業の定義が従来よりも狭まる結果、企
業結合が認識される件数が少なくなり得るという影響がある。当改訂により、取引が企業結合か資産の取得かを決定するのに
複雑な評価が必要になる場合もある。
当グループは現在、当改訂が当グループの財政状態および経営成績に及ぼす影響を評価中である。
IAS 第 1 号 「財務諸表の表示」および IAS 第 8 号 「会計方針、会計上の見積りの変更および誤謬」の改訂―「重要性がある」の定
義
当改訂は、「重要性がある」の定義と、その定義をこれまで IFRS の他の基準書に定められていた定義のガイダンスに含めるこ
とによってどのように適用するかを明確にしている。また、その定義を伴う説明に改善が加えられ、当改訂により「重要性が
ある」の定義がすべての IFRS の基準書において統一されることとなる。
当グループは現在、当改訂が当グループの財政状態および経営成績に及ぼす影響を評価中である。
IFRS 第 17 号「保険契約」
IFRS 第 17 号は、 IFRS 第 4 号から生じた比較の問題を解決するために発行された基準書であり、保険契約の発行者の財務書類にお
ける保険契約の認識、測定、表示および開示について単一の原則主義的な基準を設定することによって、その問題を解決して
いる。
当グループは現在、当基準書が当グループの財政状態および経営成績に及ぼす影響を評価中である。
IFRS 第 10 号 「連結財務諸表」および IAS 第 28 号 「関連会社及び共同支配企業に対する投資」の改訂-投資者とその関連会社また
は共同支配企業の間での資産の売却または拠出
当改訂には、関連会社または共同支配企業との取引における資産に対する支配権の喪失についての新しい規定が導入されてい
る。これらの規定により、その資産の譲渡が IFRS 第 3 号「企業結合」に基づく「事業」の定義を満たす場合には、その利得の全
額を認識することが要求される。
当グループは現在、当改訂が当グループの財政状態および経営成績に及ぼす影響を評価中である。
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注 6 純受取利息
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
受取利息:
640,031 572,688
顧客貸出金等
- 法人貸出金等 407,779 369,740
- 個人貸出金 217,860 186,089
- 割引手形 14,392 16,859
200,157 185,181
金融投資
58,660 55,390
銀行およびその他の金融機関預け金
49,246 48,335
中央銀行預け金
948,094 861,594
支払利息:
(280,212) (260,956)
顧客預り金
(64,991) (58,418)
銀行およびその他の金融機関預り金
(30,373) (20,142)
発行債券
(375,576) (339,516)
572,518 522,078
純受取利息
上記の受取利息および支払利息は、 FVTPL で測定されていない金融商品に関するものである。
注 7 純受取手数料等
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
43,719 38,692
銀行カード業務
31,785 26,820
決済業務および現金管理
個人向け資産運用およびプライベートバンキング・サービス( i) 27,596 32,846
24,002 23,189
投資銀行業務
法人向け資産運用業務( i) 14,582 18,984
8,861 6,818
保証およびコミットメント業務
資産受託業務( i) 7,045 6,731
信託および代理サービス( i) 1,959 1,805
2,798 2,781
その他
162,347 158,666
受取手数料等
(17,046) (19,041)
支払手数料等
145,301 139,625
純受取手数料等
(i) 上表の個人向け資産運用およびプライベートバンキング・サービス、法人向け資産運用業務、資産受託業務ならびに
信託および代理サービスには、信託およびその他受託業務に関する 15,835 百万人民元( 2017 年 度は 19,937 百万人民元)
が含まれている。
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注 8 純トレーディング収益
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
4,087 3,758
債券
(151) 757
株式投資
(1,090) 1,238
デリバティブおよびその他
2,846 5,753
上表の値には、主にトレーディング目的の金融資産および負債の売買損益、受取利息、支払利息および公正価値の変動損益が
含まれている。
注 9 金 融投資に係る純 利 益
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
FVOCI で測定するものとして指定した株式投資からの受取配当金
内訳:
1
—当年度中に認識の中止が行われたもの
228
—当年度の末日現在保有しているもの
166
非上場投資に係る受取配当金
162
上場投資に係る受取配当金
FVTPL で測定する金融資産に係る利得/(損失)(純額)
292 (476)
内訳:
FVTPL で測定するものとして指定した金融資産および負債に係る
(1,824) (476)
損失
635
FVOCI で測定する金融資産の処分に係る利得(純額)
2,313
売却可能金融資産に係る利得(純額)
189
―
その他
1,345 2,165
注 10 その他の純営業収益
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
33,420 38,093
純保険料収益
(31,772) (38,525)
保険事業の営業費
1,936 1,484
有形固定資産、担保権実行資産およびその他の資産の純売却益
(473) 4,981
その他
3,111 6,033
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注 11 営業費用
12 月 31 日に終了した会計年度
2018 年 2017 年
人件費:
76,985 74,919
給与および賞与
27,137 25,642
従業員給付
16,952 14,393
退職後給付-確定拠出制度( i)
121,074 114,954
固定資産費用:
13,407 13,873
減価償却費
土地建物のオペレーティング・リースにかかる
7,543 7,384
リース料支払額
3,903 4,000
維持修繕費
2,235 2,305
水道光熱費
27,088 27,562
2,339 2,114
償却費
その他の管理費用( ii ) 23,294 21,661
7,781 7,465
税金および追徴金
12,627 12,438
その他
194,203 186,194
(i) 確定拠出制度に含まれる主な項目は、政府年金および当行の年金制度への拠出金である。
(ii) その他の管理費用には、主たる監査人の報酬として 216 百万人民元( 2017 年 度は 205 百万人民元)が含まれている。
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注 12 取締役および監査役の報酬
香港証券取引所の証券上場に関する規約および香港法第 622 章である新会社法第 383 条に基づいて公表されている取締役および
監査役への税引前報酬の詳細は以下のとおりである。
2018 年 12 月 31 日に終了した会計年度
支払報酬
確定拠出 税引前
(税引前) 制度への拠出 手数料 報酬合計
氏名 役職
千人民元 千人民元 千人民元 千人民元
(1) (2) (3) (4)=(1)+(2)+(3)
谷 澍 副取締役 会議長兼上級取締役兼社長
546 673
127 ―
―
― ― ―
程鳳朝 (i)
取締役
―
鄭福清 (ii) 取締役 ― ― ―
― ― ― ―
梅迎春 取締役
― ― ― ―
董軾 取締役
― ― ― ―
葉東海 取締役
470 470
― ―
洪永淼 社外取締役
440 440
― ―
梁定邦 社外取締役
440 440
― ―
楊紹信 社外取締役
365 365
― ―
シーラ・コリーン・ベアー 社外取締役
413 413
― ―
沈思 社外取締役
25 25
― ―
ナウト・ウェリンク (iii) 社外取締役
880 203 1,083
―
張 煒 株主代表監査役
50 50
惠平 (iv) 従業員代表監査役 ― ―
50 50
― ―
黃 力 従業員代表監査役
250 250
瞿強 (v) 社外監査役 ― ―
― ― ― ―
沈炳熙 社外監査役
546 127 673
―
易會滿(vi) 前取締役会議長兼上級取締役
46 12 58
錢文揮 (vii) 前監査役会議長 ―
246 61 307
―
張紅力 (viii) 前上級取締役兼副社長
328 83 411
王敬東 (ix) 前上級取締役兼副社長 ―
― ― ― ―
費周林 (x) 前取締役
392 392
― ―
柯清輝 (xi) 前社外取締役
2,592 613 2,895 6,100
取締役・監査役合計
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注: 2015 年 1 月 以降、当行の取締役会議長、社長、監査役会議長およびその他の上級取締役の報酬は、中央管理企業責任者の
給与制度改革に関する中国当局の方針に従ったものとなっている。
当行の取締役会議長、社長、監査役会議長、上級取締役および株主代表監査役の報酬パッケージは、関連する中国当局
の規制に従って最終決定はされていない。未計上の報酬が当グループおよび当行の 2018 年 の財務書類に重大な影響を及
ぼすことはないと予想される。報酬パッケージの合計は、関連当局により決定され次第開示する予定である。
惠平氏および 黃 力氏の手数料は、当行の従業員代表監査役として各人が受け取った手当であり、当行の従業員報酬体系
に基づく報酬を含んでいない。
本財務書類の承認日現在の当行の取締役および監査役の変更状況は、次のとおりである。
(i) 2018 年 6 月 26 日に開催した 2017 年 度年次総会において、程鳳朝氏が当行の取締役に再任された。程鳳朝氏の新たな任期
は、当総会での審議および承認が行われた日から発効している。
(ii) 2018 年 11 月 21 日に開催した 2018 年 第 1 回臨時総会において、鄭福清氏が当行の取締役に再任された。鄭福清氏の新たな任
期は、当総会での審議および承認が行われた日から発効している。
(iii) 2018 年 11 月 21 日に開催した 2018 年 第 1 回臨時総会において、ナウト・ウェリンク氏が当行の社外取締役に選任された。ナ
ウト・ウェリンク氏の任期は、 2018 年 12 月 3 日から発効している。
(iv) 2018 年 9 月 21 日、当行は、臨時従業員総会において惠平氏を当行の従業員代表監査役に再任した。惠平氏の新たな任期
は、当総会での審議および承認が行われた日から発効している。
(v) 2018 年 11 月 21 日に開催した 2018 年 第 1 回臨時総会において、瞿強氏が当行の社外取締役に再任された。瞿強氏の新たな任
期は、 2018 年 12 月 20 日から発効している。
(vi) 2019 年 1 月、易會滿氏が人事異動により当行の取締役会議長兼上級取締役を退任した。
(vii) 2018 年 1 月、錢文揮氏が人事異動により当行の監査役会議長を辞任した。
(viii) 2018 年 7 月、張紅力氏が任期満了により当行の上級取締役を退任し、家庭の事情により当行の副社長を辞任した。
(ix) 2018 年 9 月、王敬東氏が人事異動により当行の上級取締役兼副社長を退任した。
(x) 2018 年 10 月、費周林氏が年齢により当行の取締役を退任した。
(xi) 2018 年 10 月、柯清輝氏が任期満了により当行の社外取締役を退任した。
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2017 年 12 月 31 日に終了した会計年度
(単位:千人民元)
事業主によ
る社会保険
および福祉
制度、住宅 税引前報酬 実際の支払
氏名 役職
手当等への 合計 うち繰延 報酬金額
手数料 支払報酬 変動賞与 拠出 千人民元 支払額 (税引前)
(5)=(1)+(2)
千人民元 千人民元 千人民元 千人民元 千人民元 千人民元
(1) (2) (3) (4) +(3)+(4) (6) (7)=(5)-(6)
312 430 149 891 891
易會滿
― ―
取締役会議長兼上級取締役
谷 澍 副取締役 会議長兼上級取締役
312 430 149 891 891
― ―
兼社長
281 384 146 811 811
― ―
張紅力 上級取締役兼副社長
281 385 146 812 812
― ―
王敬東 上級取締役兼副社長
― ― ― ― ― ― ―
程鳳朝 取締役
― ― ― ― ― ― ―
鄭福清 取締役
― ― ― ― ― ― ―
費周林 取締役
梅迎春 (i) 取締役
― ― ― ― ― ― ―
董軾 (i) 取締役
― ― ― ― ― ― ―
葉東海 (ii) 取締役
― ― ― ― ― ― ―
470 470 470
― ― ― ―
柯清輝 社外取締役
470 470 470
― ― ― ―
洪永淼 社外取締役
445 445 445
― ― ― ―
梁定邦 社外取締役
437 437 437
― ― ― ―
楊紹信 社外取締役
シーラ・コリーン・ベアー 社外取締役
(iii) 300 300 300
― ― ― ―
沈思 (iv) 社外取締役 308 308 308
― ― ― ―
527 1,142 371 2,040 458 1,582
―
張 煒 株主代表監査役
50 50 50
― ― ― ―
惠平 従業員代表監査役
50 50 50
― ― ― ―
黃 力 従業員代表監査役
275 275 275
― ― ― ―
瞿強 社外監査役
― ― ― ― ― ― ―
沈炳熙 社外監査役
錢文揮 (v) 前 監査 役会議長 312 430 149 891 891
― ―
汪小亞 (vi) 前取締役
― ― ― ― ― ― ―
葛蓉蓉 (vi) 前取締役
― ― ― ― ― ― ―
傅仲君 (vii) 前取締役
― ― ― ― ― ― ―
110 110 110
― ― ― ―
ケネス・パトリック・チャン (viii) 前社外取締役
2,915 2,025 3,201 1,110 9,251 458 8,793
取締役・監査役合計
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注: 2015 年 1 月 以降、当行の取締役会議長、社長、監査役会議長およびその他の上級取締役の報酬は、中央管理企業責任者の
給与制度改革に関する中国当局の方針に従ったものとなっている。
上記の表に記載されている 2017 年 度の取締役および監査役に対する税引前報酬は、これら各個人に対する年間報酬額の
合計であり、 2017 年 年次報告書で開示されている金額を含んでいる。
PRC の関連規則に従い、取締役会議長、社長、監査役会議長、上級取締役およびその他の上級経営メンバーに対する一
部の変動賞与の支払は将来の業績に基づき繰り延べられている。
惠平氏および 黃 力氏の手数料は、当行の従業員代表監査役として各人が受け取った手当であり、当行の従業員報酬体系
に基づく報酬を含んでいない。
2017 年度の財務書類の承認日現在の当行の取締役および監査役の変更状況は、次のとおりである。
(i) 2017 年 6 月 27 日に開催した 2016 年 度年次総会において、梅迎春氏および董軾氏が当行の取締役に選任された。両氏の任命
は、 2017 年 8 月に CBRC によって承認された。
(ii) 2017 年 6 月 27 日に開催した 2016 年 度年次総会において、葉東海氏が当行の取締役に選任された。葉東海氏の任命は、 2017
年 10 月に CBRC によって承認された。
(iii) 2016 年 11 月 29 日に開催した 2016 年 第 1 回臨時総会において、シーラ・コリーン・ベアー氏が当行の社外取締役に選任され
た。シーラ・コリーン・ベアー氏の任命は、 2017 年 3 月に CBRC によって承認された。
(iv) 2016 年 6 月 24 日の 2015 年 度年次総会において、沈思氏が当行の社外取締役に選任された。沈思氏の任命は、 2017 年 3 月に
CBRC によって承認された。
(v) 2018 年 1 月 5 日、 錢文揮 氏が人事異動により当行の監査役および監査役会議長を辞任した。
(vi) 2017 年 6 月、汪小亞氏および葛蓉蓉氏が人員整理により当行の取締役を退任した。
(vii) 2017 年 1 月、傅仲君氏が任期満了により当行の取締役を退任した。
(viii) 2017 年 3 月、ケネス・パトリック・チャン氏が任期満了により当行の社外取締役を退任した。
当行株主である匯金公司からの推薦を受けた取締役については、当期の業務執行分に係る報酬を匯金公司から受取った。
当期に、取締役または監査役が報酬の権利を放棄したまたは放棄に合意したという取り決めは一切なかった( 2017 年 度もな
し)。
当期に、当グループへの入社の勧誘または入社に当たっての報奨金、あるいは退職報酬として、取締役あるいは監査役に当グ
ループが報酬を支払ったことはない( 2017 年 度もなし)。
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注 13 高額給与支給者上位 5 名
当グループの上位 5 名の高額給与支給社員は、当行の子会社の従業員である。彼らの報酬は、子会社あるいは支店が営業を行っ
ているそれぞれの国または地域における市場の相場に基づいて決められている。これら上位 5 名の報酬は、本財務書類の注記 12
および 49 ( e)に開示されている当行の取締役、監査役あるいは主要な経営幹部ではない。上位 5 名の報酬の詳細は、以下のと
おりである。
当グループ
2018 年 2017 年
(単位:千人民元) (単位:千人民元)
26,350 15,865
給与および手当
67,333 75,134
変動賞与
611 1,473
確定拠出制度
69
―
その他
94,294 92,541
それぞれの報酬金額の範囲において、高額給与支給者上位 5 名の数の内訳は以下のとおりである。
従業員数
2018 年 2017 年
12,000,001 人民元から 12,500,000 人民元 1
―
13,500,001 人民元から 14,000,000 人民元 1
―
14,500,001 人民元から 15,000,000 人民元 1
―
15,000,001 人民元から 15,500,000 人民元 2
―
15,500,001 人民元から 16,000,000 人民元 1
―
23,000,001 人民元から 23,500,000 人民元 1
―
23,500,001 人民元から 24,000,000 人民元 1
―
25,500,001 人民元から 26,000,000 人民元 1
―
1
26,500,001 人民元から 27,000,000 人民元
―
5 5
当期に、当グループは取締役あるいは監査役でない者に対して、当グループへの入社を勧誘または入社するに当たっての報酬
を支払っていない( 2017 年度もなし)。
注 14 資産に対する減損損失
2018 年 2017 年
注記
23 147,347 124,096
顧客貸出金等
14,247 3,673
その他
161,594 127,769
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注 15 法人所得税
( a ) 法人所得税
2018 年 2017 年
当期法人所得税:
76,088 80,982
中国本土
2,510 2,123
香港およびマカオ
3,280 3,397
海外
81,878 86,502
(8,188) (9,312)
法人税等調整額
73,690 77,190
( b ) 法人所得税と会計上の利益との調整
当年度における PRC の法人所得税は、 PRC 本土の関連税法に従って 25 %の法定税率で算出されている。 PRC 以外での評価可能な
利益に対する税額は、当グループが営業する国または地域の現行の適用税率で、その国または地域の現行の法制、解釈および
慣行に基づいて計算されている。 PRC の法定法人所得税率による税引前利益に対する法人所得税と当グループの実効法人所得
税率による法人所得税との調整は、以下のとおりである。
2018 年 2017 年
372,413 364,641
税引前利益
PRC の法定法人所得税率による税金 93,103 91,160
(1,177) (889)
他国または他地域との適用実効税率の相違による影響
損金算入できない費用の影響( i) 11,171 8,956
非課税所得の影響( ii ) (28,969) (23,673)
(772) (737)
関連会社および共同支配企業に起因する利得の影響
334 2,373
その他の影響
73,690 77,190
法人所得税
(i) 「損金算入できない費用」は、主として損金算入できない減損損失引当金、直接償却およびその他である。
(ii) 「非課税所得」は、主として法人税が免除される PRC 国債および地方債からの受取利息である。
注 16 親会社の株主に帰属する利益
2018 年 12 月 31 日に終了した事業年度において、当行の財務書類に計上されている親会社の株主に帰属する連結利益は、 282,044
百万人民元 ( 2017 年 度は 269,205 百万人民元 )である(注 39 参照)。
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注 17 配当
2018 年 2017 年
宣言され支払済の普通株式配当:
2017 年度最終普通株式配当: 1 株当たり 0.2408 人民元
85,823 83,506
( 2016 年度は 1 株当たり 0.2343 人民元)
4,506 4,437
宣言され支払済の優先株式配当:配当
2018 年 2017 年
承認のために提案された普通株式配当( 12 月 31 日現在認識されていない):
2018 年度最終普通株式配当: 1 株当たり 0.2506 人民元
89,315 85,823
( 2017 年度は 1 株当たり 0.2408 人民元)
注 18 1株当たり純利益
当グループの基本的 および希薄化後 1株当たり純利益の計算は、以下に基づいて行われている。
2018 年 2017 年
利益:
297,676 286,049
親会社の株主に帰属する当期純利益
(4,506) (4,437)
控除:親会社のその他の資本性金融商品の株主に帰属する当期純利益
293,170 281,612
親会社の普通株式の株主に帰属する当期純利益
株式:
356,407 356,407
加重平均発行済普通株式数(百万株)
0.82 0.79
基本的および希薄化後1株当たり純利益(人民元)
基本的および希薄化後1株当たり純利益は、親会社の普通株式の株主に帰属する当期純利益を加重平均発行済普通株式数で除
したものである。
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注 19 現金および中央銀行預け金
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
現金および無制限中央銀行預け金残高:
70,047 75,214 64,327 71,168
手許現金
中央銀行剰余準備金( i) 114,786 26,507 113,996 23,082
中国以外の国あるいは地域の無制限中央銀行
123,500 150,850 99,527 114,413
預け金残高
308,333 252,571 277,850 208,663
制限付中央銀行預け金残高:
中央銀行法定預託準備金( ii ) 2,756,781 3,015,150 2,749,172 3,007,651
254,171 276,936 254,171 276,936
中央銀行預け金
その他の制限付中央銀行預け金残高( ii ) 8,738 36,961 7,641 36,961
中国以外の国あるいは地域の中央銀行法定預
42,885 32,254 23,246 18,785
託準備金( ii )
3,062,575 3,361,301 3,034,230 3,340,333
1,668 1,668
中央銀行預け金に係る未収利息
3,372,576 3,613,872 3,313,748 3,548,996
(i) 中央銀行剰余準備金は、決済目的の資金およびその他の無制限預け金を含む。
(ii) 当グループは、法定預託準備金を PBOC および当行が営業する海外諸国あるいは地域の中央銀行に預け入れることが要
求されている。中央銀行法定預金準備金およびその他の制限付預金は、当グループの日常の営業活動に使用すること
はできない。法定預託準備金は、主として PBOC への預金で構成されている。 2018 年 12 月 31 日現在、人民元建および外
貨建の顧客預り金に関する当行の国内支店における法定預託準備金率は、 PBOC が定める要求と一致する。中国本土以
外の国または地域の中央銀行法定預託準備金は、現地当局により定められている。
注 20 銀行およびその他の金融機関預け金
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
銀行およびその他の金融機関預け金 :
307,588 313,703 276,859 313,111
中国本土で営業する銀行
4,694 5,116 3,910 4,992
中国本土で営業するその他の金融機関
70,141 51,635 76,709 40,755
中国本土以外で営業する銀行およびその他の金融機関
2,624 2,387
未収利息
385,047 370,454 359,865 358,858
(401) (380) (393) (360)
控除:減損損失引当金
384,646 370,074 359,472 358,498
銀行およびその他の金融機関に対するコールローン:
147,805 118,211 147,940 119,112
中国本土で営業する銀行
193,191 234,122 233,281 234,076
中国本土で営業するその他の金融機関
230,640 125,407 285,354 219,106
中国本土以外で営業する銀行およびその他の金融機関
6,781 5,893
未収利息
578,417 477,740 672,468 572,294
(614) (203) (538) (199)
控除:減損損失引当金
577,803 477,537 671,930 572,095
962,449 847,611 1,031,402 930,593
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対象期間の減損損失引当金の増減は、以下のとおりである。
銀行および 銀行およびその他の
当グループ その他の金融機関 金融機関に対する 合計
預け金 コールローン
2017 年 1 月 1 日現在 327 118 445
53 85 138
繰入
2017 年 12 月 31 日 380 203 583
(2) 272 270
IFRS 第 9 号の適用の影響
2018 年 1 月 1 日現在 378 475 853
23 139 162
繰入
401 614 1,015
2018 年 12 月 31 日現在
銀行および 銀行およびその他の
当行 その他の金融機関 金融機関に対する 合計
預け金 コールローン
2017 年 1 月 1 日現在 326 115 441
34 84 118
繰入
2017 年 12 月 31 日 360 199 559
6 212 218
IFRS 第 9 号の適用の影響
2018 年 1 月 1 日現在 366 411 777
27 127 154
繰入
393 538 931
2018 年 12 月 31 日現在
注 21 デリバティブ金融商品
デリバティブとは、特定の金利、金融商品価格、コモディティ価格、為替レート、価格もしくは利率の指数、信用格付もしく
は信用指数、あるいはその他の類似する変動要素の変動に呼応して価額が変動する金融商品である。当グループは、先渡、ス
ワップ、オプションなどのデリバティブ金融商品を利用している。
デリバティブの想定元本は、デリバティブの価値の基礎となっている原資産の金額を表している。それは、当グループが取引
する取引量を示すが、リスクを反映するものではない。
公正価値とは、測定日時点で、市場参加者間の秩序ある取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格または負
債を移転するために支払うであろう価格をいう。
相殺に関する会計方針に従って、当グループは、相殺の要件を満たすデリバティブ資産およびデリバティブ負債を相殺し、財
務書類に純額を表示している。 2018 年 12 月 31 日現在、相殺の要件を満たすデリバティブ資産およびデリバティブ負債はそれぞ
れ 44,552 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在では 51,266 百万人民元)および 45,254 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在では 52,649 百
万人民元)であり、デリバティブ資産の純額およびデリバティブ負債の純額はそれぞれ 25,906 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在
では 26,949 百万人民元)および 26,608 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在では 28,332 百万人民元)である。
報告期間の期末日において、当グループおよび当行が有していたデリバティブ金融商品は以下のとおりである。
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当 グループ
2018 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
為替契約:
先渡契約およびスワッ
2,893,412 2,542,823 101,765 21,756 5,559,756 41,230 (41,330)
プ
43,801 52,688 3,163 124 99,776 912
買建オプション ―
48,820 60,266 1,474 110,560 (863)
― ―
売建オプション
2,986,033 2,655,777 106,402 21,880 5,770,092 42,142 (42,193)
金利契約:
293,502 400,038 852,201 240,521 1,786,262 16,179 (16,277)
スワップ
71,076 42,965 29,431 321 143,793 2 (202)
先渡契約
7,544 3,393 2,869 1,660 15,466 41
買建オプション ―
5,998 2,391 1,768 1,141 11,298 (42)
―
売建オプション
378,120 448,787 886,269 243,643 1,956,819 16,222 (16,521)
コモディティ・デリバ
811,111 260,790 47,982 10,519 1,130,402 12,971 (14,859)
ティブおよびその他
4,175,264 3,365,354 1,040,653 276,042 8,857,313 71,335 (73,573)
2017 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
為替契約:
先渡契約およびスワッ
1,951,140 1,833,069 97,581 34,293 3,916,083 49,806 (49,569)
プ
47,003 67,284 3,769 117 118,173 2,498
買建オプション ―
29,612 41,938 351 71,901 (625)
― ―
売建オプション
2,027,755 1,942,291 101,701 34,410 4,106,157 52,304 (50,194)
金利契約:
95,556 224,343 558,629 193,588 1,072,116 16,042 (14,671)
スワップ
102,731 33,737 24,739 161,207 31 (215)
先渡契約 ―
3,588 7,468 2,417 1,067 14,540 82
買建オプション ―
528 8,770 8,653 397 18,348 (69)
―
売建オプション
202,403 274,318 594,438 195,052 1,266,211 16,155 (14,955)
コモディティ・デリバ
784,044 265,794 34,722 5,625 1,090,185 20,554 (13,407)
ティブおよびその他
3,014,202 2,482,403 730,861 235,087 6,462,553 89,013 (78,556)
212/529
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当行
2018 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
為替契約:
2,456,198 2,438,794 90,537 2,388 4,987,917 34,860 (35,101)
先渡契約およびスワップ
26,185 36,489 1,366 64,040 732
買建オプション ― ―
27,612 38,133 1,346 67,091 (652)
― ―
売建オプション
2,509,995 2,513,416 93,249 2,388 5,119,048 35,592 (35,753)
金利契約:
94,575 151,375 432,671 33,972 712,593 1,656 (1,408)
スワップ
215 295 510 3 (3)
― ―
先渡契約
94,575 151,375 432,886 34,267 713,103 1,659 (1,411)
コモディティ・デリバティ
68,960 162,337 165 231,462 1,044 (4,956)
―
ブおよびその他
2,673,530 2,827,128 526,300 36,655 6,063,613 38,295 (42,120)
2017 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
為替契約:
1,739,995 1,707,181 77,392 3,524 3,528,092 44,944 (44,370)
先渡契約およびスワップ
35,898 50,274 230 86,402 2,292
買建オプション ― ―
18,366 32,173 153 50,692 (362)
― ―
売建オプション
1,794,259 1,789,628 77,775 3,524 3,665,186 47,236 (44,732)
金利契約:
8,512 30,746 80,853 35,182 155,293 1,451 (1,114)
スワップ
コモディティ・デリバティ
66,703 158,836 82 225,621 5,169 (836)
―
ブおよびその他
1,869,474 1,979,210 158,710 38,706 4,046,100 53,856 (46,682)
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キャッシュ・フロー・ヘッジ
当グループのキャッシュ・フロー・ヘッジは、将来のキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーをヘッジする目的
で利用する金利スワップ、通貨スワップおよびエクイティ・デリバティブで構成されている。
上記デリバティブ金融商品のうち、キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段として指定されているものは、次のとお
りである。
当グループ
2018 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
1,374 344 15,216 1,855 18,789 91 (30)
金利スワップ
21,142 58,117 1,541 824 81,624 692 (613)
通貨スワップ
51 43 94 16 (9)
― ―
エクイティ・デリバティブ
22,567 58,461 16,800 2,679 100,507 799 (652)
2017 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
1,953 2,383 6,441 2,081 12,858 152 (22)
金利スワップ
1,617 417 730 2,764 36 (45)
通貨スワップ ―
47 8 46 101 41
― ―
エクイティ・デリバティブ
3,617 2,808 7,217 2,081 15,723 229 (67)
当行
2018 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
20,828 56,262 1,541 824 79,455 675 (603)
通貨スワップ
20,828 56,262 1,541 824 79,455 675 (603)
2017 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月以内 5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
1,953 190 323 2,466 8 (11)
金利スワップ
―
1,479 730 2,209 15 (45)
― ―
通貨スワップ
1,479 1,953 920 323 4,675 23 (56)
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当期においてキャッシュ・フロー・ヘッジでヘッジされた部分と対応する資本への影響額は次のとおりである。
2018 年
当期中のヘッジ手段 ヘッジ手段のその他の
ヘッジ対象の帳簿価額
財政状態計算書にお
のその他の包括利益 包括利益への累積的影
ける表示科目
資産 負債
への影響 響
(147) 35
社債
FVOCI で測定される
19,410 (5,868)
金融投資/
償却原価で測定さ
れる
金融投資/
発行社債
7,966 25 37
貸出金 ― 顧客貸出金等
80 (3,866)
その他 銀行およびその他
(65,120)
―
の
金融機関に対する
コールローン
/譲渡性預金
/顧客預り金
/その他の負債
27,376 (70,988) (42) (3,794)
当期にキャッシュ・フロー・ヘッジから生じ、純損益で認識されたヘッジの非有効部分はない(2017年:なし)。
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公正価値ヘッジ
当グループは、市場の金利の変動に起因する金融資産と金融負債の公正価値の変動をヘッジする目的で、公正価値ヘッジを利
用している。金利スワップは、金融資産および金融負債の金利リスクをヘッジするためのヘッジ手段として使われている。
デリバティブ及びヘッジ対象のヘッジされたリスクに起因する公正価値の変動に基づいて、当期の純損益に認識されたヘッジ
の有効部分は以下のとおりである。
グループ
2018 年 2017 年
公正価値ヘッジから発生する純(損失)/利益:
(71)
104
- ヘッジ手段
63
(110)
- ヘッジ対象のうちヘッジ対象リスクに起因する部分
(8) (6)
上記デリバティブ金融商品のうち、公正価値ヘッジにおけるヘッジ手段として指定されているものは、次のとおりである。
当グループ
2018 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月
5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
以内
1,713 5,366 30,670 12,074 49,823 709 (283)
金利スワップ
1,713 5,366 30,670 12,074 49,823 709 (283)
2017 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月超 1 年 超
3 か月
5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
以内
2,012 34,715 13,084 49,811 830 (219)
金利スワップ ―
2,012 34,715 13,084 49,811 830 (219)
―
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当行
2018 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月 超 1 年 超
3 か月
5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
以内
1,713 1,875 11,493 1,401 16,482 124 (100)
金利スワップ
1,713 1,875 11,493 1,401 16,482 124 (100)
2017 年
残存期間別想定元本 公正価値
3 か月 超 1 年 超
3 か月
5 年 超
合計 資産 負債
1 年以内 5 年以内
以内
2,012 16,276 1,706 19,994 213 (104)
金利スワップ ―
2,012 16,276 1,706 19,994 213 (104)
―
当グループの公正価値ヘッジにおいてヘッジされているリスク・エクスポージャーの詳細は、次のとおりである。
2018 年
ヘッジ対象の公正価値への
ヘッジ対象の帳簿価額
累積的影響
財政状態計算書における
資産 負債 資産 負債
表示科目
社債
24,796 (3,500) (42) (48)
FVTPL で測定する金融
投資/
FVOCI で測定する金融
投資/
発行済社債
1,416 (185)
貸出金 ― ― 顧客貸出金等
13,405 (3,943) (379) 11
その他 リバース・レポ契約
/譲渡性預金
/顧客預り金
39,617 (7,443) (606) (37)
純投資ヘッジ
当グループの連結財政状態計算書は、当行の機能通貨と支店および子会社の機能通貨との間の為替差額の影響を受ける。当グ
ループは、限定的な状況においてのみ、このような為替エクスポージャーをヘッジしている。ヘッジ手段には、関連する支店
および子会社の機能通貨と同じ通貨建ての預金を用いており、特定の在外営業活動体に対する純投資ヘッジとして会計処理し
ている。
2018 年 12 月 31 日現在のヘッジ手段からの純損失累計額 333 百万人民元は、純投資ヘッジに係る利益として、その他の包括利益に
認識している( 2017 年 12 月 31 日現在は純利益累計額 708 百万人民元)。 2018 年 12 月 31 日現在の純損益には、純投資ヘッジから生
じるヘッジの非有効部分はない( 2017 年 12 月 31 日現在はなし)。
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デリバティブ金融商品の取引相手の信用リスク加重資産
上記の当グループおよび当行のデリバティブに関する報告期間の期末日現在の信用リスク加重資産は、次のとおりである。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
45,656 55,843 21,817 29,909
取引相手の債務不履行リスク加重資産
16,456 20,809 11,126 13,535
通貨デリバティブ
4,119 3,045 952 769
金利デリバティブ
1 29 1
クレジット・デリバティブ ―
9,706 16,393 7,855 12,231
コモディティ・デリバティブおよびその他
15,374 15,567 1,883 3,374
決済された債務不履行リスク加重資産の相殺
22,443 18,812 16,303 14,973
信用評価調整
3,639 4,267 1,942 1,111
中央清算機関の信用リスク加重資産
71,738 78,922 40,062 45,993
デリバティブ金融商品の信用リスク加重資産は、「商業銀行の自己資本比率管理規制」(暫定版)に基づいて算出されてい
る。当グループのデリバティブ金融商品の信用リスク加重資産には、取引相手の債務不履行リスク加重資産、信用評価調整リ
スク加重資産および 中央清算機関の信用リスク加重資産 が含まれている。
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注 22 リバース・レポ契約
リバース・レポ契約は、売戻し条件付の有価証券、手形および有価証券借入の担保として差し入れた現金で構成される。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
償却原価で測定:
リバース・レポ契約-手形:
161,467 207,123 164,130 208,641
銀行
161,467 207,123 164,130 208,641
リバース・レポ契約-有価証券:
52,633 189,140 28,618 159,825
銀行
344,993 532,323 328,594 382,297
その他の金融機関
397,626 721,463 357,212 542,122
有価証券借入の担保として差し入れた現
58,045
金 ― ― ―
202 88
未収利息
(40) (37)
― ―
控除:減損損失引当金
559,255 986,631 521,393 750,763
FVTPL で測定:
リバース・レポ契約-有価証券:
2,470
銀行 ―
142,502
―
その他の金融機関
144,972
―
有価証券借入の担保として差し入れた現
29,822
―
金
174,794
―
734,049 986,631 521,393 750,763
(i) マスター・レポ契約および関連する補足的な取決めに従って、当グループは、相殺の要件(注 3(13) )を満たすリバー
ス・レポ取引およびレポ取引を相殺し、財務書類上、リバース・レポ契約(またはレポ契約)の純額で正の値(また
は負の値)を表示している。 2018 年 12 月 31 日現在、相殺の要件を満たすリバース・レポ契約およびレポ契約はそれぞ
れ 467,516 百万人民元および 476,199 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在:それぞれ 542,062 百万人民元および 560,138 百万
人民元)であり、それぞれの純額は 145,648 百万人民元および 154,331 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在:それぞれ
137,155 百万人民元および 155,231 百万人民元)であった。
(ii) リバース・レポ取引の一環として、当グループは、所有者が債務不履行に陥らない限り売却または再担保が認められ
ている有価証券を受け入れている。 2018 年 12 月 31 日現在、当グループは、当該条件によって公正価値が約 227,372 百万
人民元である有価証券を受け入れている( 2017 年 12 月 31 日現在: 157,222 百万人民元)。このうち、公正価値が約
202,508 百万人民元である有価証券をレポ取引に基づき再担保している( 2017 年 12 月 31 日現在: 136,694 百万人民元)。
当グループは、当該有価証券を取引相手に返還する義務を有している。受け入れた担保価値が下落している場合に
は、当グループは、状況によって追加担保を要求する可能性がある。
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有価証券報告書
注 23 顧客貸出金等
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
償却原価で測定:
9,411,281 8,936,864 8,708,167 8,263,344
法人貸出金等
5,636,574 4,945,458 5,515,538 4,843,049
個人貸出金
10,209 351,126 9,450 349,024
割引手形
38,948 34,345
未収利息
15,097,012 14,233,448 14,267,500 13,455,417
控除:償却原価でする顧客貸出金等の減損損
(412,731) (340,482) (400,474) (330,016)
失引当金(注 23(a) )
14,684,281 13,892,966 13,867,026 13,125,401
FVOCI で測定:
6,245
法人貸出金等 ―
354,228 343,827
割引手形
10
―
未収利息
360,483 343,827
FVTPL で測定:
1,368 924
法人貸出金等
15,046,132 13,892,966 14,211,777 13,125,401
2018 年 12 月 31 日現在の当グループおよび当行の FVOCI で測定する顧客貸出金等に係る減損損失引当金は、それぞれ 446 百万人民
元および 432 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在:該当なし)であった。注 23(b) を参照。
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当年度中の顧客貸出金等に係る減損損失引当金の変動は、次のとおりである。
(a) 償却原価で測定する顧客貸出金等の減損損失引当金の変動
当グループ
2018 年
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 107,961 111,867 152,770 372,598
移動:
— ステージ 1 へ 19,393 (17,976) (1,417)
―
— ステージ 2 へ (4,901) 5,493 (592)
―
— ステージ 3 へ (2,869) (40,413) 43,282
―
38,217 24,083 85,074 147,374
繰入
(338) (2,294) (106,146) (108,778)
直接償却および振替
過去に直接償却した貸
2,141 2,141
出金等の回収 ― ―
621 646 (1,871) (604)
その他の変動
158,084 81,406 173,241 412,731
2018 年 12 月 31 日現在
当行
2018 年
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 102,873 109,683 148,379 360,935
移動:
— ステージ 1 へ 19,389 (17,972) (1,417)
―
— ステージ 2 へ (4,883) 5,475 (592 )
―
— ステージ 3 へ (2,869) (40, 413 ) 43,282
―
38,077 23,409 83,481 144,967
繰入
(338) (2,294) (104,424) (107,056)
直接償却および振替
過去に直接償却した貸
2,134 2,134
出金等の回収 ― ―
628 636 (1,770) (506)
その他の変動
152,877 78,524 169,073 400,474
2018 年 12 月 31 日現在
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(b) FVOCI で測定する顧客貸出金等に係る減損損失引当金の変動
当グループ
2018 年
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 23 448 471
―
移動:
— ステージ 1 へ
― ― ― ―
— ステージ 2 へ
― ― ― ―
— ステージ 3 へ
― ― ― ―
173 0 (200) (27)
繰入/(戻入)
2 2
その他の変動 ― ―
2018 年 12 月 31 日現在 198 0 248 446
当行
2018 年
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 23 448 471
―
移動:
— ステージ 1 へ
― ― ― ―
— ステージ 2 へ
― ― ― ―
— ステージ 3 へ
― ― ― ―
161 0 (200) (39)
繰入/(戻入)
その他の変動 ― ― ― ―
2018 年 12 月 31 日現在 184 0 248 432
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2017 年 度中の顧客貸出金等に係る減損損失引当金の変動は、次のとおりである。
当グループ
個別的評価 集合的評価 合計
2017 年 1 月 1 日現在 65,557 223,955 289,512
108,983 15,113 124,096
減損損失:
158,352 135,679 294,031
-減損損失引当金への繰入
1,399 (1,399)
-減損損失引当金の振替 ―
(50,768) (119,167) (169,935)
-減損損失引当金の戻入
(3,189) (3,189)
減損貸出金に係る増価利息額
―
1,426 838 2,264
直接償却済み貸出金等の回収
(57,031) (15,170) (72,201)
直接償却およびその他
115,746 224,736 340,482
2017 年 12 月 31 日現在
当行
個別的評価 集合的評価 合計
2017 年 1 月 1 日現在 61,458 218,152 279,610
108,512 13,959 122,471
減損損失:
156,823 134,057 290,880
-減損損失引当金への繰入
1,402 (1,402)
-減損損失引当金の振替 ―
(49,713) (118,696) (168,409)
-減損損失引当金の戻入
(3,166) (3,166)
減損貸出金に係る増価利息額
―
1,383 836 2,219
直接償却済み貸出金等の回収
(56,473) (14,645) (71,118)
直接償却およびその他
111,714 218,302 330,016
2017 年 12 月 31 日現在
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注 24 金融投資
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
注記
(a)
FVTPL で測定される金融投資 805,347 440,938 740,645 398,329
(b)
FVOCI で測定される金融投資 1,430,163 1,245,837
(c) 4,519,182 4,362,174
償却原価で測定される金融投資
(d) 1,496,453 1,358,802
売却可能金融資産
(e) 3,542,184 3,439,471
満期保有投資
277,129 231,631
(f)
債権
6,754,692 5,756,704 6,348,656 5,428,233
(a) FVTPL で測定される金融投資
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
トレーディング金融投資
債券(発行者の種類別の内訳):
33,141 24,468 24,153 7,371
政府および中央銀行
1,128 2,228 1,127 2,199
政策銀行
7,229 4,670 7,175 4,618
公共部門
16,984 8,452 14,708 7,957
銀行およびその他の金融機関
8,830 38,724 8,015 37,927
法人企業
67,312 78,542 55,178 60,072
5,484 7,331
持分投資 ― ―
1,464
ファンド投資 ― ― ―
72,796 87,337 55,178 60,072
FVTPL で測定するものとして指定した金融投資
債券(発行者の種類別の内訳):
9,155 10,590
政府および中央銀行 ― ―
38,077 30,729 38,077 30,729
政策銀行
47 2,953 47 2,953
公共部門
39,651 6,966 39,651 6,966
銀行およびその他の金融機関
5,576 8,539 5,479 6,766
法人企業
92,506 59,777 83,254 47,414
493,230 293,824 490,250 290,843
その他の投資
585,736 353,601 573,504 338,257
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中国工商銀行股イ分有限公司(E05987)
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当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
FVTPL で測定される金融投資(強制)
債券(発行者の種類別の内訳):
10,086 10,086
政策銀行
8
公共部門
―
69,785 69,785
銀行およびその他の金融機関
4,052 709
法人企業
83,931 80,580
22,506 1,292
持分投資
40,378 30,091
ファンドおよびその他の投資
146,815 111,963
805,347 440,938 740,645 398,329
内訳:
債券:
4,271 2,668 2,557 2,193
香港に上場
8,135 12,860 1,428 1,902
香港以外に上場
231,343 122,791 215,027 103,391
非上場
243,749 138,319 219,012 107,486
持分投資:
3,805 3,615 5
香港に上場 ―
3,688 2,967 1,013
香港以外に上場
―
20,497 749 274
―
非上場
27,990 7,331 1,292
―
ファンドおよびその他の投資:
1,462
香港に上場
― ― ―
1,104
香港以外に上場
― ― ―
532,504 293,826 520,341 290,843
非上場
533,608 295,288 520,341 290,843
805,347 440,938 740,645 398,329
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(b) FVOCI で測定される金融投資
2018 年
当グループ 当行
債券(発行者の種類別の内
訳) :
413,941 380,287
政府および中央銀行
223,877 202,787
政策銀行
201,183 195,339
公共部門
302,685 242,056
銀行およびその他の金融機関
235,641 176,687
法人企業
22,610 20,606
未収利息
1,399,937 1,217,762
29,919 28,075
持分投資 (i)
307
その他の投資
―
1,430,163 1,245,837
内訳:
債券:
123,358 58,363
香港に上場
216,471 140,571
香港以外に上場
1,060,108 1,018,828
非上場
1,399,937 1,217,762
持分投資:
688 327
香港以外に上場
29,231 27,748
非上場
29,919 28,075
その他の投資:
307
―
非上場
307
―
1,430,163 1,245,837
(i) 当グループは、トレーディング資産ではない持分投資の一部を FVOCI で測定するものとして指定している。 2018 年 12 月 31 日
現在のこのような持分投資の公正価値は、 29,919 百万人民元であった。当年度中に認識したこのような持分投資に係る受取
配当金は、 229 百万人民元( このような持分投資のうち当年度中に終了したものに係る受取配当金 1 百万人民元を含む)で
あった。このような持分投資のうち当年度中に当グループが処分した額は 25 百万人民元であり、処分後にその他の包括利益
から利益剰余金に振り替えられた損失累計額は 1 百万人民元であった。
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当年度中の FVOCI で測定される金融投資に係る減損損失引当金の変動は、次のとおりである。
当グループ
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 2,933 190 3,123
―
移動:
— ステージ 1へ
― ― ― ―
— ステージ 2へ
(1) 1
― ―
— ステージ 3へ
― ― ― ―
(1,476) 91 (1, 385 )
繰入/(戻入)
―
166 172
6
その他の変動 ―
1,622 196 1,910
2018 年 12 月 31 日現在 92
当行
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 2,701 190 2,891
―
移動:
— ステージ 1へ
― ― ― ―
— ステージ 2へ
(1) 1
― ―
— ステージ 3へ
― ― ― ―
(1,487) 89 (1, 398 )
繰入/(戻入)
―
194 6 200
その他の変動 ―
1,407 196 1,693
2018 年 12 月 31 日現在 90
FVOCI で測定される金融投資に係る減損損失引当金は、財政状態計算書に表示されている金融投資の帳簿価額を減額すること
なくその他の包括利益に認識され、減損損失または利得は、純損益に認識される。 2018 年 12 月 31 日現在の FVOCI で測定される
金融投資には、その全額について減損損失引当金が計上されている信用減損している金融投資が含まれている。
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(c) 償却原価で測定される金融投資
2018 年
当グループ 当行
債券(発行者の種類別の内訳):
3,618,546 3,557,040
政府および中央銀行
うち:特別国債 (i) 85,000 85,000
501,634 484,521
政策銀行
8,560 4,003
公共部門
264,929 236,600
銀行およびその他の金融機関
うち:華融債券 (ii) 90,309 90,309
35,914 18,600
法人企業
61,622 60,698
未収利息
4,491,205 4,361,462
その他の投資 (iii) 30,331 3,000
129
―
未収利息
30,460 3,000
4,521,665 4,364,462
(2,483) (2,288)
控除:減損損失引当金
4,519,182 4,362,174
内訳:
債券:
36,855 14,776
香港に上場
86,296 46,603
香港以外に上場
4,366,471 4,298,625
非上場
4,489,622 4,360,004
その他の投資:
29,560 2,170
非上場
29,560 2,170
4,519,182 4,362,174
123,618 61,497
上場有価証券の市場価格
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当年度中の償却原価で測定される金融投資に係る減損損失引当金の変動は、次のとおりである。
当グループ
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
2018 年 1 月 1 日現在 1,171 2 83 1,256
移動:
― ― ― ―
— ステージ 1へ
― ―
— ステージ 2へ
(11) 11
— ステージ 3へ
(2) 2
― ―
325 841 38 1,204
繰入
21 2 23
―
その他の変動
2018 年 12 月 31 日現在 1,504 854 125 2,483
当行
ステージ 1 ステージ 2 ステージ 3 合計
1,052 24 1,076
2018 年 1 月 1 日現在 ―
移動:
― ― ― ―
— ステージ 1へ
― ― ― ―
— ステージ 2へ
(2) 2
― ―
— ステージ 3へ
336 830 38 1,204
繰入
6 2 8
―
その他の変動
1,392 830 66 2,288
2018 年 12 月 31 日現在
(i) 特別国債は、 1998 年に中華人民共和国財政部(「 MOF 」)が当行に額面価額 85,000 百万人民元で発行した譲渡不可の債券であ
る。当該債券は、 2028 年に満期を迎える年利 2.25% の固定利付債券である。
(ii) 華融債券は、 2000 年から 2001 年に中国華融資産管理公司(「華融」)が当行に総額 312,996 百万人民元で発行した一連の長期債で
ある。当該債券の発行による払込金は、当行の不良債権の購入に使用されている。当該債券は譲渡不可であり、 10 年満期の年利
2.25% の固定利付債券である。 2010 年に、当行は華融債券の満期日をもう 10 年間延期し、金利を現状のまま据え置く旨の通知を
MOF から受け取っている。さらに、 MOF は当該債券の元利金の償還を支えるための資金提供を継続する予定である。 2018 年 12 月
31 日現在の当行が受け取っている期限前償還額は、累計で 222,687 百万人民元である。
(iii) その他の投資には、固定または定額払いの債券投資制度、資産運用制度および信託制度が含まれている。当該投資は、 2019 年 1月
から 2032 年 11 月 に満期を迎え、年利は 2.00% から 7.50% である。当年度においては、延滞の実績なく満期を迎えた残高が償還され
ている。
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( d ) 売却可能金融資産
売却可能金融資産の内訳は以下のとおりである。
2017 年
当グループ 当行
債券 (公正価値 )( i) 1,466,995 1,324,817
6,164
―
その他負債性金融商品(公正価値)
資本性金融商品:
公正価値( i) 20,292 33,417
3,002 568
原価( ii )
1,292 720
デット・エクイティ・スワップ
2,189 260
その他
控除:資本性金融商品の減損損失引当金(原
(479) (412)
価)
1,496,453 1,358,802
債券の内訳:
92,538 46,501
香港で上場
187,684 126,430
香港以外で上場
1,186,773 1,151,886
非上場
1,466,995 1,324,817
資本性金融商品の内訳:
1,401 3
香港で上場
3,262 1,430
香港以外で上場
18,631 32,552
非上場
23,294 33,985
上場有価証券の市場価格:
280,222 172,931
債券
4,663 1,433
資本性金融商品
284,885 174,364
(i) 公正価値で測定される売却可能金融資産に減損が生じた場合、認識された減損損失は、直接帳簿価額から減額される。
2017 年 12 月 31 日現在、公正価値で測定された売却可能金融資産は、帳簿価額 85 百万人民元の減損した債券、および減損
損失引当金を全額充当した減損した資本性金融商品を含んでおり、当期の純損益に認識した売却可能債券に係る減損損
失の発生は 22 百万人民元、資本性金融商品に係る減損損失は 84 百万人民元である。
(ii) 市場相場価格がなく、公正価値が信頼性をもって測定できない特定の売却可能非上場資本性金融商品は、原価から減損
損失を控除した金額で計上されている。これらの資本性金融商品を扱う活発な市場はなく、当グループは機会があれば
売却処分するつもりである。 2017 年 度中において、これらの資本性金融商品の帳簿価額は 71 百万人民元減少した。 2017
年 度中のこれらの資本性金融商品の処分による利得は、 743 百万人民元である。
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( e) 満期保有投資
満期保有投資は、償却原価で計上されており、その内訳は以下のとおりである。
2017 年
当グループ 当行
3,542,351 3,439,576
債券
(167) (105)
控除:減損損失引当金
3,542,184 3,439,471
2017 年
当グループ 当行
内訳:
27,532 4,793
香港で上場
92,886 48,435
香港以外で上場
3,421,766 3,386,243
非上場
3,542,184 3,439,471
120,395 53,554
上場債券の市場価格
2017 年 12 月 31 日に終了した会計年度において、当グループは、帳簿価額 11,661 百万人民元の満期保有目的投資に分類されていた
証券を、満期の到来する 3 か月以上前に処分した。売却された満期保有目的証券の帳簿価額は、当グループの満期保有目的投資
の総額の 0.33% を占めていた。
( f) 債権
償却原価で計上されている債権は以下のとおりである。
2017 年
当グループ 当行
(i)
90,309 90,309
華融債券
85,000 85,000
特別国債
101,820 56,322
(ii)
その他
277,129 231,631
2017 年
当グループ 当行
内訳:
22,004 22,004
香港以外で上場
255,125 209,627
非上場
277,129 231,631
(i) 2017 年 12 月 31 日現在、当行は累計で 222,687 百万人民元に上る華融債券の早期償還金を受領した。
(ii) その他は、金融機関および事業法人が発行した固定または定額払いの債券、債券投資制度、資産担保証券、資産運用制
度、理財商品および信託制度を含む。それらは 2018 年 1 月 から 2032 年 11 月 にかけて満期が到来するもので、利率は年間
2.00% から 7.50% の範囲となっている。 2017 年 度においては、延滞の実績なく満期を迎えた残高が償還されている。
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( g ) 満期保有投資および原価で測定した売却可能資本性金融商品の減損損失引当金の増減は以下のとおりである:
当グループ 当行
売却可能 売却可能
満期保有 満期保有
資本性 合計 資本性 合計
投資 投資
金融商品 金融商品
2017 年 1 月 1 日現在 107 678 785 39 606 645
70 70 67 67
― ―
繰入
(4) (4)
― ― ―
戻入 ―
(6) (194) (200) (1) (194) (195)
処分
(5) (5)
― ― ― ―
その他
167 479 646 105 412 517
2017 年 12 月 31 日現在
注 25 子会社への投資
当行
2018 年 2017 年
2,712 2,712
上場投資(原価)
119,398 117,589
非上場投資(原価)
122,110 120,301
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報告期間の期末日における当グループの主要な子会社の詳細は以下のとおりである。
発行済株式 /
設立 /登記・
持分比率 議決権 払込資本の 当行の
(%) (%)
会社名 額面価額 投資金額 事業の場所 主な活動
2018 2017 2018
2018 年
年 年 年
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ HKD36,379 百万 HKD46,930 百万 香港、 PRC 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ
(アジア) リミテッド(「 ICBC アジア」 )
100 100 100
ICBC インターナショナル・ホールディングス・ HKD4,882 百万 HKD4,882 百万 香港、 PRC 投資銀行業
リミテッド
(「 ICBC インターナショナル」)
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ KZT8,933 百万 KZT8,933 百万 アルマトイ、 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ カザフスタン
(アルマトイ)株式会社
100 100 100
ICBC (ロンドン) PLC USD200 百万 USD200 百万 ロンドン、 商業銀行業
イギリス
(「 ICBC ロンドン」)
80 80 80
ICBC クレディ・スイス・アセット・マネジメン RMB200 百万 RMB433 百万 北京、 PRC ファンド・
マネジメント
ト・カンパニー・リミテッド *
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ EUR437 百万 EUR437 百万 ルクセンブルグ 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ
(ヨーロッパ) S.A.
98.61 98.61 98.61
PT. バンク ICBC インドネシア IDR3,692 十億 USD361 百万 ジャカルタ、 商業銀行業
インドネシア
(「 ICBC インドネシア」)
100 100 100
バンク ICBC (株式会社) RUB10,810 百万 RUB10,810 百万 モスクワ、 商業銀行業
ロシア
100 100 100
ICBC ファイナンシャル・リーシング・カンパ RMB18,000 百万 RMB11,000 百万 天津、 PRC リース業
ニー・リミテッド *
(「 ICBC リーシング」)
89.33 89.33 89.33
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ MOP589 百万 MOP12,064 百万 マカオ、 PRC 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(マカオ)リミテッド
(「 ICBC マカオ」)
60 60 60
浙江平湖 ICBC ルーラル・バンク・カンパニー・ RMB200 百万 RMB120 百万 浙江、 PRC 商業銀行業
リミテッド *
100 100 100
重慶璧山 ICBC ルーラル・バンク・カンパニー・ RMB100 百万 RMB100 百万 重慶、 PRC 商業銀行業
リミテッド *
80 80 80
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ CAD158 百万 CAD178.66 百万 トロント、 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(カナダ) カナダ
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ MYR833 百万 MYR833 百万 クアラルンプー 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(マレーシア)ベルハド ル、マレーシア
97.86 97.86 97.86
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ THB20,132 百万 THB23,711 百万 バンコク、タイ 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(タイ)パブリック・カ
ンパニー・リミテッド
(「 ICBC タイ」)
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ USD50 百万 USD50.25 百万 デラウェア州 ブローカー
ンク・オブ・チャイナ ニューヨーク州、 ディーラー
ファイナンシャル・サービシズ LLC 米国
60 60 60
ICBC-AXA アシュアランス・カンパニー・リミ RMB12,505 百万 RMB7,980 百万 上海、 PRC 保険業
テッド *
80 80 80
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ USD369 百万 USD306 百万 ニューヨーク、 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ( USA ) NA 米国
80 80 80
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ ARS1,345 百万 ARS3,505 百万 ブエノスアイレ 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(アルゼンチン) S.A. ス、アルゼンチン
(「 ICBC アルゼンチン」)
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発行済株式 /
設立 /登記・
持分比率 議決権 払込資本の 当行の
(%) (%)
会社名 額面価額 投資金額 事業の場所 主な活動
2018 2017 2018
2018 年
年 年 年
100 100 100
ICBC ペルー・バンク USD100 百万 USD100 百万 リマ、ペルー 商業銀行業
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ Real202 百万 Real202 百万 サンパウロ、 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(ブラジル) S.A. ブラジル および
投資銀行業
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ NZD234 百万 NZD234 百万 オークランド、 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(ニュージーランド)リ ニュージーランド
ミテッド(「 ICBC ニュージーランド」)
100 100 100
インダストリアル・アンド・コマーシャル・バ MXN1,597 百万 MXN1,597 百万 メキシコシティ、 商業銀行業
ンク・オブ・チャイナ(メキシコ) S.A. メキシコ
92.84 92.84 92.84
ICBC トルコ・バンク・アノニム・シルケティ TRY860 百万 USD425 百万 イスタンブール、 商業銀行業
トルコ
(「 ICBC トルコ」)
60 60 60
ICBC スタンダード・バンク PLC USD1,083 百万 USD839 百万 ロンドン、 銀行業
イギリス
(「 ICBC スタンダード」)
100 100 100
ICBC フィナンシャル・アセット・インベストメ RMB12,000 百万 RMB12,000 百万 南京、 PRC 金融投資業
ント・カンパニー・リミテッド *
100 100
ICBC オーストリア・バンク GmbH ― EUR100 百万 EUR100 百万 ウィーン、 商業銀行業
オーストリア
* 中国本土で設立されたこれらの子会社はすべて有限責任会社である。
上記は当行の主要子会社の一覧である。経営陣の意見により、その他の子会社にかかる詳細の記載は長文となるので省略し
た。
当報告期間においては、当グループの子会社のうち、重要な非支配持分を有しているものは存在しない。
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注 26 関連会社および共同支配企業への投資
関連会社および共同支配企業への投資は以下の内容で構成されている。
当グループ
2018 年 2017 年
関連会社への投資 ( a) 27,099 28,586
2,025 3,855
共同支配企業への投資 ( b )
29,124 32,441
当グループ
2018 年 2017 年
19,385 21,614
純資産に対する持分
10,087 11,175
のれん
29,472 32,789
(348) (348)
控除:減損損失引当金
29,124 32,441
当行
2018 年 2017 年
34,242 34,242
香港以外で上場する株式(原価)
( a ) 関連会社に対する持分
( i) 当グループの重要な関連会社の詳細は、以下のとおりである。
持分比率 (%) 議決権 (%)
2018 年 2017 年 2018 年 設立 /登記場所
会社名 主な活動
20.08 20.07 20.08
スタンダード・バンク・グループ・リミ ヨハネスブル 商業銀行業
テッド(「スタンダード・バンク」)( i) ク、南アフリ
カ共和国
( i) 南アフリカ共和国の上場商業銀行であり、当グループの戦略的パートナーであるスタンダード・バンクは、当グループ
の、アフリカにおける顧客基盤の拡大を可能にしている。
2018 年 12 月 31 日現在の当グループのスタンダード・バンクへの投資の市場価格は、 27,677 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在は
33,564 百万人民元)である。
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当グループの会計方針に準拠し、当グループの連結財務書類の持分法を適用した帳簿価額に調整したスタンダード・バンクの
財務情報の要約は、以下の表のとおりである。
2018 年 2017 年
関連会社の項目の総額
1,013,117 1,070,509
資産
918,299 970,202
負債
94,818 100,307
純資産
51,265 54,379
収益
13,362 13,891
継続事業からの利益
2,153 (2,500)
その他の包括利益
15,515 11,391
包括利益合計
7,356 7,176
関連会社から受け取った配当金
当グループの関連会社に対する持分への調整
81,215 85,254
親会社に帰属する関連会社の純資産の総額
20.08% 20.07%
当グループの持分比率
16,308 17,109
当グループの関連会社の純資産への持分
10,051 11,139
のれん
当グループの連結財務書類上のスタンダード・バンクに対する
28,248
26,359
持分の帳簿価額
( ii ) 当グループにとって個別には重要でない関連会社の財務情報の要約は、以下の表のとおりである。
2018 年 2017 年
当グループの当該関連会社に対する持分の総額:
287 40
継続事業からの利益
(285)
―
その他の包括利益
287 (245)
包括利益合計
( iii ) 当グループの関連会社に対する持分合計の帳簿価額への調整表は、以下のとおりである。
2018 年 2017 年
26,359 28,248
重要な関連会社(スタンダード・バンク)の帳簿価額
1,088 686
個別に重要でない関連会社の帳簿価額
(348) (348)
控除:減損損失引当金
27,099 28,586
連結財務書類上の関連会社に対する持分
上記の関連会社はすべて、連結財務書類上持分法に基づき会計処理されている。
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( b ) 共同支配企業に対する持分
当グループは、個別には重要でない多数の共同支配企業に対する持分を保有している。当グループにとって個別には重要でな
い共同支配企業の財務情報の要約は、以下の表のとおりである。
2018 年 2017 年
2,025 3,855
連結財務書類上の個別に重要でない共同支配企業の帳簿価額総額
当グループの当該共同支配企業に対する持分の総額:
150 138
継続事業からの利益
0 (20)
その他の包括利益
150 118
包括利益合計
上記の共同支配企業はすべて、連結財務書類上持分法に基づき会計処理されている。
注 27 有形固定資産
当グループ
航空機
賃借物件
土地 事務用設備 および
および建物 建設仮勘定 改良費 および車両 船舶 合計
取得原価:
2017 年 1 月 1 日現在 139,838 23,009 10,073 75,993 122,507 371,420
922 11,993 438 4,722 16,145 34,220
増加
建設仮勘定からの振替による増加/
3,104 (5,333) 67 2,162
(減少) ― ―
(1,347) (97) (136) (8,345) (13,052) (22,977)
処分
2017 年 12 月 31 日
および 2018 年 1 月 1 日現在 142,517 29,572 10,375 72,437 127,762 382,663
5,450 15,574 680 6,509 42,148 70,361
増加
建設仮勘定からの振替による増加/
4,099 (9,553) 114 5,340
(減少) ― ―
(921) (471) (101) (4,200) (4,178) (9,871)
処分
151,145 35,122 10,954 74,860 171,072 443,153
2018 年 12 月 31 日現在
減価償却および減損損失累計額:
2017 年 1 月 1 日現在 50,814 41 7,483 55,597 11,276 125,211
5,654 936 7,283 4,085 17,958
当期減価償却費 ―
558 558
当期減損損失 ― ― ― ―
(822) (101) (6,405) (1,480) (8,808)
―
処分
2017 年 12 月 31 日
および 2018 年 1 月 1 日現在 55,646 41 8,318 56,475 14,439 134,919
5,671 868 6,868 6,908 20,315
当期減価償却費 ―
3,088 3,088
当期減損損失 ― ― ― ―
(616) (30) (3,983) (944) (5,573)
処分 ―
60,701 41 9,156 59,360 23,491 152,749
2018 年 12 月 31 日現在
正味帳簿価額:
86,871 29,531 2,057 15,962 113,323 247,744
2017 年 12 月 31 日現在
90,444 35,081 1,798 15,500 147,581 290,404
2018 年 12 月 31 日現在
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当行
賃借物件 事務用設備
土地
および建物 建設仮勘定 改良費 および車両 合計
取得原価:
2017 年 1 月 1 日現在 137,283 16,716 9,295 72,435 235,729
853 6,720 378 4,454 12,405
増加
建設仮勘定からの振替による増加/
3,072 (3,132) 60
(減少) ― ―
(995) (90) (103) (6,265) (7,453)
処分
2017 年 12 月 31 日
および 2018 年 1 月 1 日現在 140,213 20,214 9,570 70,684 240,681
1,421 7,535 578 6,130 15,664
増加
建設仮勘定からの振替による増加/
4,099 (4,213) 114
(減少) ― ―
(872) (149) (48) (3,898) (4,967)
処分
144,861 23,387 10,100 73,030 251,378
2018 年 12 月 31 日現在
減価償却および減損損失累計額:
2017 年 1 月 1 日現在 50,095 41 7,096 54,408 111,640
5,589 865 7,087 13,541
当期減価償却費 ―
(584) (98) (6,205) (6,887)
―
処分
2017 年 12 月 31 日
および 2018 年 1 月 1 日現在 55,100 41 7,863 55,290 118,294
5,604 783 6,669 13,056
当期減価償却費 ―
(612) (30) (3,878) (4,520)
―
処分
60,092 41 8,616 58,081 126,830
2018 年 12 月 31 日現在
正味帳簿価額:
85,113 20,173 1,707 15,394 122,387
2017 年 12 月 31 日現在
84,769 23,346 1,484 14,949 124,548
2018 年 12 月 31 日現在
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当グループおよび当行の不動産および建物について、土地のリースの残存期間に基づく帳簿価額の内訳は以下のとおりであ
る。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
長期リース( 50 年超):
PRC (香港以外)で保有 18,148 17,656 18,121 17,630
869 843 184 202
香港で所有
745 633 57 53
海外で保有
19,762 19,132 18,362 17,885
中期リース( 10 年から 50 年):
PRC (香港以外)で保有 68,247 65,416 64,275 65,404
124 212 73 163
香港で所有
257 458 30 33
海外で保有
68,628 66,086 64,378 65,600
短期リース( 10 年未満):
PRC (香港以外)で保有 2,027 1,618 2,027 1,618
27 35 2 10
海外で保有
2,054 1,653 2,029 1,628
90,444 86,871 84,769 85,113
2018 年 12 月 31 日現在、当グループの土地および建物の正味帳簿価額 10,539 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在は 12,850 百万人民
元)の所有権取得手続が依然として継続中である。経営陣は、この点に関し、これらの資産に対する当グループの権利に影響
はなく、当グループの業務運営に重大な影響を及ぼすこともないと考えている。
2018 年 12 月 31 日現在、当グループからオペレーティング・リース契約に基づきリースされている航空機および船舶の正味帳簿
価額は 147,581 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在は 113,323 百万人民元)であった。
2018 年 12 月 31 日現在、当グループが所有している航空機および船舶のうち、銀行およびその他の金融機関に対する負債の担保
に供されているものの正味帳簿価額は 90,887 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在は 68,355 百万人民元)であった。
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注 28 繰延税金資産および負債
( a ) 形態別分析
当グループ
2018 年 2017 年
将来減算 将来減算
繰延税金資産 繰延税金資産
(加算) (加算)
(負債) (負債)
一時差異 一時差異
繰延税金資産:
210,624 52,438 150,493 37,475
減損損失引当金
FVTPL で測定する金融商品の公正価値の変動 705 147 (9,491) (2,368)
FVOCI で測定する金融商品の公正価値の変動 (14,248) (3,819)
38,471 9,748
売却可能金融資産の公正価値の変動
26,033 6,508
27,640 6,910
未払人件費
11,788 3,101
(13,561) (3,373)
その他
234,902 58,375
193,552 48,392
2018 年 2017 年
将来加算
将来加算
繰延税金負債 繰延税金負債
(減算) (減算)
(資産) (資産)
一時差異
一時差異
繰延税金負債:
(944) (401)
(2,012) (502)
減損 損失 引当金
572 143
FVTPL で測定する金融商品の公正価値の変動
― ―
3,592 900
FVOCI で測定する金融商品の公正価値の変動
(367) (38)
売却可能金融資産の公正価値の変動
2,272 575
4,053 973
その他
5,492 1,217
1,674 433
当行
2018 年 2017 年
将来減算 将来減算
繰延税金資産 繰延税金資産
(加算) (加算)
(負債) (負債)
一時差異 一時差異
繰延税金資産:
203,782 50,910 146,986 36,719
減損損失引当金
FVTPL で測定する金融商品の公正価値の変動 442 103 (9,495) (2,369)
(15,664) (3,923)
FVOCI で測定する金融商品の公正価値の変動
40,057 10,116
売却可能金融資産の公正価値の変動
26,033 6,508
27,640 6,910
未払人件費
10,036 2,622
(16,584) (4,126)
その他
224,629 56,220
188,604 47,250
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( b ) 繰延税金の変動
当グループ
2017 年 2018 年 2018 年
IFRS 第 9 号
損益への 資本への
12 月 31 日 1 月 1 日 12 月 31 日
の適用の
認識 認識
影響
現在 現在 現在
繰延税金資産:
37,475 7,254 44,729 7,709 52,438
減損 損失 引当金 ―
FVTPL で測定する金融商品の公正価値
(2,368) 577 (1,791) 1,938 147
の変動 ―
FVOCI で測定する金融商品の公正価値
4,433 4,433 (8,252) (3,819)
の変動 ―
9,748 (9,748)
売却可能金融資産の公正価値の変動 ―
6,910 6,910 (402) 6,508
未払人件費 ― ―
(3,373) 7,702 4,329 (1,217) (11) 3,101
その他
48,392 10,218 58,610 8,028 (8,263) 58,375
2017 年 2018 年 2018 年
IFRS 第 9 号
損益への 資本への
12 月 31 日 の適用の 1 月 1 日 12 月 31 日
認識 認識
影響
現在 現在 現在
繰延税金負債:
(502) 6 (496) 95 (401)
減損損失引当金 ―
FVTPL で測定する金融商品の公正価値の
143 143
変動 ― ― ― ―
FVOCI で測定する金融商品の公正価値の
(38) (38) 938 900
変動 ―
(38) 38
売却可能金融資産の公正価値の変動 ―
973 973 (398) 575
― ―
その他
433 6 439 (160) 938 1,217
2017 年 2017 年
損益への 資本への
1 月 1 日 12 月 31 日
認識 認識
現在 現在
繰延税金資産:
28,616 8,859 37,475
減損 損失 引当金 ―
FVTPL で測定する金融商品の公正価値の変動 (2,385) 17 (2,368)
―
(973) 10,721 9,748
売却可能金融資産の公正価値の変動 ―
6,910
7,026 (116)
未払人件費 ―
(3,886) 539 (26) (3,373)
その他
28,398 9,299 10,695 48,392
2017 年 2017 年
損益への 資本への
1 月 1 日 12 月 31 日
認識 認識
現在 現在
繰延税金負債:
(365) (137) (502)
減損損失引当金 ―
120 (158) (38)
売却可能金融資産の公正価値の変動 ―
849 124 973
―
その他
604 (13) (158) 433
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当行
2017 年 2018 年 2018 年
IFRS 第 9 号の
損益への 資本への
12 月 31 日 1 月 1 日 12 月 31 日
適用の
認識 認識
影響
現在 現在 現在
繰延税金資産:
7,307 44,026 6,884 50,910
36,719
減損 損失 引当金 ―
FVTPL で測定する金融商品の公正
(2,369) 543 (1,826) 1,929 103
価値の変動 ―
FVOCI で測定する金融商品の公正価
4,559 4,559 (8,482) (3,923)
値の変動 ―
10,116 (10,116)
売却可能金融資産の公正価値の変動 ―
6,910 6,910 (402) 6,508
未払人件費 ― ―
(4,126) 7,534 3,408 (771) (15) 2,622
その他
9,827 57,077 7,640 (8,497) 56,220
47,250
2017 年 2017 年
損益への 資本への
1 月 1 日 12 月 31 日
認識 認識
現在 現在
繰延税金資産:
8,653
28,066 36,719
減損損失引当金 ―
19
FVTPL で測定する金融商品の公正価値の変動 (2,388) (2,369)
―
(680) 10,796 10,116
売却可能金融資産の公正価値の変動 ―
7,026 (116) 6,910
未払人件費 ―
(4,690) 598 (34) (4,126)
その他
27,334 9,154 10,762 47,250
当グループおよび当行は報告期間の期末日時点で、重要な未認識の繰延税金資産および繰延税金負債はない。
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注 29 その他の資産
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
182,391 239,922 134,280 213,700
貴金属
122,318 138,501 98,332 116,820
決済および清算勘定
17,464 18,280 17,437 18,228
土地使用権
10,884 10,274 10,584 9,973
担保権実行資産
10,555 8,217 844 460
前払金
9,299
のれん( i) 8,956 ― ―
2,624 126,606 1,836 118,644
未収利息
28,989 25,749 10,289 9,767
その他
384,524 576,505 273,602 487,592
(4,120) (4,836) (3,833) (4,502)
控除:減損損失引当金
380,404 571,669 269,769 483,090
( i) 企業結合に伴い生じたのれんは、減損テストのため当グループの報告セグメントより規模が小さい資金生成単位
( CGU )に配分されている。
CGU の回収可能価額は、当該 CGU の割引将来キャッシュ・フローに基づいて算定される。キャッシュ・フロー予測
は、子会社経営者の承認を経た財務予想に基づいている。平均成長率は、 CGU が属する事業の平均長期成長率を上回
らない類似の成長率に基づいて予測されている。割引率は税引前で、かつ CGU 特有のリスクを反映した値としてい
る。
企業結合に伴い生じたのれんは減損テストの結果減損していなかったため、減損損失の認識は行わなかった。
注 30 純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融負債
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
(1) 11,480 10,758 11,480 10,758
銀行理財商品
(2)(a) 67,266 60,183 67,257 60,175
貴金属に関連する金融負債
(2)(b) 2,285 8,192 2,919
債券 ―
6,369 10,228
その他 ― ―
87,400 89,361 78,737 73,852
(1) 当グループが発行する元本保証型の銀行理財商品および当該商品が投資する金融資産は、ともに公正価値で管理される金
融商品グループの一部を形成し、それぞれ純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定した金融負債および金融資
産として分類されている。 2018 年 12 月 31 日時点で、銀行理財商品の公正価値は、当グループが理財商品の保有者に対して
契約により満期時に支払いが要求される金額とほぼ同一であった( 2017 年 12 月 31 日現在はほぼ同一であった)。
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(2) 金利リスクなど市場リスクの軽減を目的として文書化されたリスク管理戦略の一環として、貴金属に関連する金融負債お
よび発行社債は、貴金属およびデリバティブと紐付けて管理されている。仮にこれらの金融負債が償却原価で会計処理さ
れた場合、一方で関連する貴金属およびデリバティブは公正価値で測定され、公正価値の変動が損益計算書に計上される
ため、会計上のミスマッチが生じる。よってこれらの金融負債を、 FVTPL で測定する指定を行うことにより、公正価値の
変動が損益計算書に計上されるようになる。
(a) 2018 年 12 月 31 日現在、貴金属に関連した金融負債の公正価値は、当グループが保有者に対し契約上の支払い
が要求される金額よりも 266 百万人民元だけ高い( 2017 年 12 月 31 日現在は 156 百万人民元だけ高い)。
(b) 債券は、 2016 年 と 2017 年 に ICBC アジアが発行したエクイティ・リンク債 5 件を含んでおり、 FVTPL で測定す
るものとして指定した金融負債に分類されている。 2018 年 12 月 31 日現在、債券の公正価値は、当グループが
債券保有者に対し満期時に契約上の支払いが要求される金額を 720 百万人民元下回っていた( 2017 年 12 月 31
日現在では 364 百万人民元下回っていた)。
当行のクレジット・スプレッドに重大な変動はなく、信用リスクの変動に起因する金融負債の公正価値変動額は、 2018 年およ
び 2017 年で、重大な値とはみなされていない。金融負債の公正価値の変動は主に他の市場要因の変動によるものであった。
注 31 銀行およびその他の金融機関預り金
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
預金 :
1,202,671 1,106,888 1,195,100 1,096,021
中国本土で営業する銀行およびその他の金融機関
中国本土以外で営業する銀行およびその他の金融
123,317 107,713 58,760 55,018
機関
2,258 1,654
未収利息
1,328,246 1,214,601 1,255,514 1,151,039
マネー・マーケット商品 :
128,015 141,055 20,440 57,022
中国本土で営業する銀行およびその他の金融機関
中国本土以外で営業する銀行およびその他の金融
346,186 350,893 358,639 388,171
機関
12,048 9,554
未収利息
486,249 491,948 388,633 445,193
1,814,495 1,706,549 1,644,147 1,596,232
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注 32 レポ契約
レポ契約は、買戻し条件付の手形、有価証券および有価証券貸付の担保として受け入れた現金で構成される。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
レポ契約-手形:
18,709 10,626 18,489 10,603
銀行
18,709 10,626 18,489 10,603
レポ契約-有価証券:
331,691 854,724 280,525 799,220
銀行
148,663 143,742 1,958 787
その他の金融機関
480,354 998,466 282,483 800,007
15,375 37,246
有価証券貸付の担保として受け入れた現金 ― ―
363 16
未収利息
514,801 1,046,338 300,988 810,610
注 33 譲渡性預金
譲渡性預金は、当行の香港支店、シンガポール支店、東京支店、ソウル支店、ルクセンブルグ支店、ドーハ支店、シドニー支
店、ニューヨーク支店、アブダビ支店、ドバイ( DIFC )支店、ロンドン支店、 ICBC ロンドン、 ICBC アジア、 ICBC マカオおよ
び ICBC ニュージーランドが発行しており、償却原価で認識されている。
注 34 顧客預り金
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
要求払預金:
6,405,136 6,069,804 6,287,825 5,939,577
法人顧客
3,931,182 3,820,392 3,864,212 3,753,389
個人顧客
10,336,318 9,890,196 10,152,037 9,692,966
定期預金:
5,076,005 4,635,661 4,647,601 4,269,384
法人顧客
5,505,236 4,748,525 5,361,695 4,643,818
個人顧客
10,581,241 9,384,186 10,009,296 8,913,202
268,914 288,554 268,855 288,279
その他
222,461 216,740
未収利息
21,408,934 19,562,936 20,646,928 18,894,447
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注 35 発行社債
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
(1)
劣後債および Tier 2 資本性証券
269,864 269,143 269,864 269,143
当行
9,122 11,965
子会社 ― ―
3,473 3,435
未収利息
282,459 281,108 273,299 269,143
(2)
その他の発行社債
225,075 167,132 225,075 167,132
当行
108,904 78,700
子会社 ― ―
1,404 917
未収利息
335,383 245,832 225,992 167,132
617,842 526,940 499,291 436,275
2018 年 12 月 31 日現在、 1 年以内に期限が到来する発行社債の金額は、 92,045 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日: 41,820 百万人民元)
であった。
(1)
劣後債および Tier 2 資本性証券
当行:
PBOC および旧 CRBC の承認を得て、当行は 2009 年 、 2010 年 、 2011 年 、 2012 年 、 2014 年 および 2017 年 に、公開市場での入札によ
り任意償還条項付きの劣後債を発行した。 PBOC の承認を得て、これらの劣後債は銀行間の債券市場で取引された。これらの劣
後債に関する情報を以下にまとめた。
発行額 期末残高
(百万 (百万
発行価格
クーポン 価格
(人民元 ) 人民元 ) 人民元 )
名称 発行日 利率 決定日 満期日 流通日 注記
2009 年 ICBC 02
2009-07-16 100 24,000 24,000 4.00% 2009-07-20 2024-07-20 2009-08-20 (i)
社債
2010 年 ICBC 02
2010-09-10 100 16,200 16,200 4.10% 2010-09-14 2025-09-14 2010-11-03 (ii)
社債
2011 年 ICBC 01
2011-06-29 100 38,000 38,000 5.56% 2011-06-30 2031-06-30 2011-08-30 (iii)
社債
2011 年 ICBC 02
2011-12-29 100 50,000 50,000 5.50% 2011-12-30 2026-12-30 2012-01-17 (iv)
社債
2012 年 ICBC 01
2012-06-11 100 20,000 20,000 4.99% 2012-06-13 2027-06-13 2012-07-13 (v)
社債
2014 年 ICBC 01
2014-08-04 100 20,000 20,000 5.80% 2014-08-05 2024-08-05 2014-09-24 (vi)
社債
2017 年 ICBC 01
2017-11-06 100 44,000 44,000 4.45% 2017-11-08 2027-11-08 2017-11-10 (vii)
社債
2017 年 ICBC 02
2017-11-20 100 44,000 44,000 4.45% 2017-11-22 2027-11-22 2017-11-23 (viii)
社債
( i) 当行は、 2019 年 7 月 20 日に額面で社債の全額あるいは一部を償還するオプションを有している。当行がこの
オプションを行使しなければ、年利はその後 300bps 増加する。
( ii ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2020 年 9 月 14 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
( iii ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2026 年 6 月 30 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
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( iv ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2021 年 12 月 30 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
( v ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2022 年 6 月 13 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
( vi ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2019 年 8 月 5 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
( vii ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2022 年 11 月 8 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
( viii ) 関連規制当局の承認の上、当行は、 2022 年 11 月 22 日に社債の全部を償還するオプションを有している。
2015 年、当行は、米ドル建ての Tier 2 資本性証券を発行した。香港証券取引所から上場および取引の承認を得て、当該証券は香
港証券取引所に上場された。当該証券に関する情報は、以下のとおりである。
発行額 期末残高
クーポン
価格
(原通貨 ) (人民元 )
名称 発行日 通貨 発行価格 利率 決定日 満期日 流通日 注記
15 米ドル
2015-9-15 99.189 2,000 13,741 4.875% 2015-9-21 2025-9-21 2015-9-22 (ix)
米ドル
Tier 2資本性証券
( ix ) 2015 年 9 月 15 日、当行は、額面総額 2,000 百万米ドル、年 4.875% の固定利率の Tier 2 資本性証券を発行した。
香港証券取引所での上場および取引許可は、 2015 年 9 月 22 日に発効した。当証券は、額面の 99.189% の固定
価格、満期日 2025 年 9 月 21 日で発行された。期限前償還はできない。
当期において、当行が保有する劣後債および Tier 2 資本性証券について元利返済の不履行や他の違反は生じていない( 2017 年も
なし)。
子会社:
2009 年 12 月 2 日、 ICBC スタンダードは発行額 500 百万米ドル、年 8.125% の固定利率、満期日 2019 年 12 月 2 日で劣後債を発行し
た。
2010 年 11 月 30 日、 ICBC アジアは額面総額 500 百万米ドル、年 5.125% の固定利率の劣後債を発行した。当劣後債は、額面の
99.737% の固定価格、満期日 2020 年 11 月 30 日で発行された。
2014 年 9 月 10 日、 ICBC マカオは額面総額 320 百万米ドル、変動利率の劣後債を発行した。当劣後債は、額面の 99.298% の固定価
格、満期日 2024 年 9 月 10 日で発行された。
上記の劣後債はそれぞれ、ロンドン証券取引所および香港証券取引所に上場されている。 ICBC スタンダード、 ICBC アジアおよ
び ICBC マカオでは、これらの劣後債について、元利返済の不履行や他の違反は当期には発生しなかった( 2017 年 もなし)。
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(2)
その他の発行社債
2018 年 12 月 31 日現在、当グループが発行したその他の債券は主に以下を含んでいる。
当行
(i) シドニー支店は 2019 年から 2024 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 13,641 百万人民元の社債および銀行間
預金を豪ドル建、スイスフラン建、人民元建、香港ドル建、米ドル建および英ポンド建で発行した。このうち、 2018
年に、シドニー支店は 2019 年から 2023 年に満期を迎える固定利付または変動利付の豪ドル建、米ドル建および人民元
建の債券を総額 4,612 百万人民元発行し、 2019 年に満期を迎える英ポンド建の銀行間預金を総額 477 百万人民元発行し
た。
(ii) シンガポール支店は、 2019 年から 2023 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 36,513 百万人民元の債券を人
民元建および米ドル建で発行した。このうち、 2018 年に、シンガポール支店は、 2021 年から 2023 年に満期を迎える固
定利付または変動利付の総額 11,871 百万人民元の債券を人民元建および米ドル建で発行した。
(iii) 東京支店は 2019 年に満期を迎える固定利付の総額 3,332 百万人民元の債券を、円建および人民元建で発行した。このう
ち、 2018 年に、東京支店は、 2019 年に満期を迎える固定利付の総額 1,898 百万人民元の債券を円建で発行した。
(iv) ニューヨーク支店は、 2019 年から 2027 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 56,095 百万人民元の債券を米ド
ル建で発行した。このうち、 2018 年に、ニューヨーク支店は、 2019 年に満期を迎える固定利付の総額 23,372 百万人民元
の債券を米ドル建で発行した。
(v) ルクセンブルク支店は、 2019 年から 2022 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 26,905 百万人民元の債券を
米ドル建およびユーロ建で発行した。このうち、 2018 年に、ルクセンブルク支店は、 2019 年に満期を迎える固定利付
または変動利付の総額 755 百万人民元の債券を米ドル建で発行した。
(vi) ドバイ( DIFC )支店は、 2019 年から 2023 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 30,877 百万人民元の債券を米
ドル建およびユーロ建で発行した。このうち、 2018 年に、ドバイ( DIFC )支店は、 2020 年から 2023 年に満期を迎える
変動利付の総額 13,270 百万人民元の社債を米ドル建で発行した。
(vii) 香港支店は、 2019 年から 2022 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 27,739 百万人民元の債券を米ドル建およ
び香港ドル建で発行した。このうち、 2018 年に、香港支店は、 2020 年から 2021 年に満期を迎える固定利付または変動
利付の総額 4,408 百万人民元を米ドル建および香港ドル建で発行した。
(viii) ロンドン支店は、 2019 年から 2023 年に満期を迎える変動利付の総額 29,316 百万人民元の債券を米ドル建およびユーロ建
で発行した。このうち、 2018 年に、ロンドン支店は、 2021 年から 2023 年に満期を迎える変動利付の総額 19,699 百万人民
元の債券を米ドル建およびユーロ建で発行した。
(ix) 本店は、 2019 年に満期を迎える固定利付の総額 500 百万人民元の人民元建社債を香港で発行した。
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子会社
(i) ICBC アジアは、 2020 年から 2023 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 17,814 百万人民元の債券を人民元
建、米ドル建、ユーロ建および香港ドル建で発行した。このうち、 2018 年、 ICBC アジアは、 2020 年から 2023 年に満期
を迎える固定利付または変動利付の総額 16,434 百万人民元の債券を人民元建、米ドル建および香港ドル建で発行した。
(ii) ICBC ファイナンシャル・リーシング株式会社は、 2019 年から 2027 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額
68,074 百万人民元の中長期社債および債券を人民元建および米ドル建で発行した。
このうち、当グループに支配されているスカイシー・インターナショナル・キャピタル・マネジメント・リミテッド
(スカイシー・インターナショナル)は、 2011 年に年利 4.875% の保証付固定利付社債 750 百万米ドルを発行した。 2018
年 12 月 31 日、スカイシー・インターナショナルは 153 百万米ドルを償還した。当該社債の帳簿価額は 4,080 百万人民元で
ある。この社債は香港支店によって保証され、 2021 年 12 月 7 日満期で額面の 97.708% で発行された。スカイシー・イン
ターナショナルは、特定の条件を満たすことによって、当該社債をいつでも償還するオプションを有している。これ
らの社債は香港証券取引所に上場されている。
当グループの支配下にある ICBCIL ファイナンス株式会社は、 2019 年から 2027 年に満期を迎える固定利付または変動利
付の総額 59,831 百万人民元の中長期債を人民元建および米ドル建で発行した。このうち、 2018 年に、 ICBCIL ファイナ
ンス株式会社は、 2021 年から 2023 年に満期を迎える変動利付の総額 10,252 百万人民元の中長期債を米ドル建で発行し
た。特定の条件を満たすことによって、 ICBCIL ファイナンス株式会社は当該債券をいつでも償還するオプションを有
している。上記の債券は ICBC ファイナンス・リーシング株式会社が保証を付しており、それぞれアイルランド証券取
引所および香港証券取引所に上場されている。
当グループの支配下にある 海角 1400 株式会社は、 2025 年に満期を迎える固定利付の総額 971 百万人民元の私募債を米ド
ル建で発行した。当該社債は、韓国輸出入銀行によって保証されている。
中国では、 ICBCIL は、 2018 年に、 2021 年に満期を迎える固定利付の総額 3,192 百万人民元の中長期債を人民元建で発行
した。
(iii) ICBC タイは、 2019 年から 2028 年に満期を迎える固定利付の総額 6,762 百万人民元の社債をタイ・バーツ建で発行した。
このうち、 2018 年に、 ICBC タイは、 2019 年から 2028 年に満期を迎える固定利付の総額 3,319 百万人民元の社債をタイ・
バーツ建で発行した。
(iv) ICBC インターナショナルは、 2019 年から 2021 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 14,043 百万人民元の中長
期債を米ドル建で発行した。このうち、 2018 年に、 ICBC インターナショナルは、 2021 年に満期を迎える変動利付の総
額 4,787 百万人民元の中長期債を米ドル建で発行した。
(v) ICBC ニュージーランドは、 2020 年から 2023 年に満期を迎える固定利付または変動利付の総額 2,128 百万人民元の中長期
債および債券を豪ドル建およびニュージーランド・ドル建で発行した。このうち、 2018 年に、 ICBC ニュージーランド
は、 2021 年から 2023 年に満期を迎える固定利付または変動利付のニュージーランド・ドル建の中長期債および債券を
総額 788 百万人民元発行した。
(vi) 2018 年、 ICBC アルゼンチンは、 2020 年に満期を迎える変動利付のアルゼンチン・ペソ建の中長期債を総額 240 百万人民
元発行した。
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注 36 その他の負債
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
167,015 158,083 126,555 113,252
決済および清算勘定
34,715 100 34,088
与信コミットメントに係る減損損失引当金 ―
未払給与、未払賞与、未払手当および未払補助金 (i) 25,308 26,716 22,318 23,557
10,937 11,906 10,394 11,298
未払諸税金
1,260 1,440 660 825
銀行為替手形
686 1,361 686 1,361
早期退職給付
242,399 234,991
未払利息 ― ―
169,898 161,495 52,647 51,092
その他
409,819 603,500 247,348 436,376
(i) 2018 年 12 月 31 日現在で延滞している未払給与、未払賞与、未払手当および未払補助金はない( 2017 年 12 月 31 日現在:
なし)。
(ii) 2018 年 12 月 31 日現在、 1 年 以内に期限の到来するその他の負債の金額は、 376,731 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在:
550,736 百万人民元)であった。
注 37 株式資本
2018 年 2017 年
株式数(百万) 額面価額 株式数(百万) 額面価額
発行済および全額支払済:
H 株式、各 1 人民元 86,795 86,795 86,795 86,795
269,612 269,612 269,612 269,612
A 株式、各 1 人民元
356,407 356,407 356,407 356,407
香港ドル建ての H 株式配当金の未払いを除き、全ての普通 H 株式および A 株式の普通株式配当金に関して優先順位はない。
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注 38 その他の資本性金融商品
( 1 ) 優先株式
( a ) 当期末時点における発行済優先株式
数量 表示通貨 人民元
発行済
会計上
(百万株 ) (百万 ) (百万 )
金融商品 発行日 の区分 配当率 発行価格 満期 転換条件 転換
海外優先株式の
内訳:
2014-12-10 6.00% 147 2,940 17,991
米ドル建 資本 20 米ドル /株 無 強制 無
2014-12-10 6.00% 40 600 4,558
ユーロ建 資本 15 ユーロ /株 無 強制 無
2014-12-10 6.00% 120 12,000 12,000
人民元建 資本 100 人民元 /株 無 強制 無
国内優先株式の
内訳:
2015-11-18 4.50% 450 45,000 45,000
人民元建 資本 100 人民元 /株 無 強制 無
757 79,549
合計
174
控除:発行手数料
79,375
帳簿価額
( b ) 主な条項
( i) 海外優先株式
a.
配当
発行後の一定期間(米ドル建: 5 年間、人民元建: 5 年間、ユーロ建: 7 年間)の配当率は固定とする。
5 年が経過するごとに、配当率を標準配当率と固定スプレッドとを合計した率に更新するものとする。
固定スプレッドは、発行時の配当率と標準配当率との間のスプレッドに等しいものとする。固定スプレッドは、優先株式の存
続期間中は変動しないものとする。
配当は、年に 1 回支払いを行うものとする。
b.
配当の分配条件
当グループは、過年度の欠損金を補てんし、法定準備金を積み立て、かつ一般準備金を計上した後もなお分配可能税引後利益
を有しており、当グループの自己資本比率が規制上の要件を満たす場合には、配当の支払いを行うことができる。当グループ
の優先株主は、配当を受ける権利に関して普通株主よりも優先順位が高い。当グループは配当の取消を行うことができるもの
の、配当の取消を行うには、株主総会の決議を経る必要がある。
c.
配当停止条件
当グループが優先株主への配当の全部または一部を取り消す場合には、当グループは、当期の配当期間における配当を全額優
先株主に支払わない限りは、普通株主への配当金の分配を行ってはならないものとする。
d.
配当および清算方法の順序
米ドル建、ユーロ建および人民元建それぞれの優先株式の保有者および国内優先株式の保有者の分配に関する優先順位は等し
いものとする。優先株主は、当グループの預金者、一般債権者、劣後債の保有者、転換社債の保有者、 Tier2 資本証券の保有者
およびその他の Tier2 資本性金融商品の保有者よりも優先順位が劣後するものの、普通株主よりも優先順位が高いものとする。
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e.
強制転換トリガー事象
その他 Tier1 資本に関するトリガー事象(当行のコア Tier1 自己資本比率が 5.125 %以下に下落する事象)が発生する際には、当グ
ループは、当グループのコア Tier1 自己資本比率を 5.125 %超に戻すために、優先株式の全部または一部を H 株式に転換する権利
を有するものとする。優先株式が H 株式に転換された場合には、それを再度優先株式に転換することはできない。
存続不能に関するトリガー事象( (1) 当グループが自己資本の転換または取崩しを行わなければ存続不能となると CBIRC が判断
した場合、または (2) 公的機関による出資またはそれと同等の支援が必要であり、そのような支援がなければ当グループは存続
不能となると関連当局が判断した場合という 2 つの事象のうちのいずれか早い方)が発生する際には、当グループは、優先株式
の全部を H 株式に転換する権利を有するものとする。優先株式が H 株式に転換された場合には、それを再度優先株式に転換する
ことはできない。
f.
償還
CBIRC の承認を得ていること、および償還の条件を満たしていることを前提として、当グループは、国外の優先株式の全部ま
たは一部を初回償還日およびその後の任意の配当支払日に償還する権利を有している。償還価格は、発行価格に当期の未払配
当金を加算した額に等しい。
米ドル建優先株式:初回償還日は、発行日から 5 年後の日である。
ユーロ建優先株式:初回償還日は、発行日から 7 年後の日である。
人民元建優先株式:初回償還日は、発行日から 5 年後の日である。
g.
配当設定の仕組み
非累積型配当とは、優先株式に係る配当のうち、配当の支払いが行われなかった分の繰越しが行われない結果、ある年度に見
送られた、または行われなかった配当を翌年度の利益から支払う必要のないものをいう。合意された配当率で配当を受けた後
に、当グループの優先株主が普通株主とともに残余利益の分配に参加することはない。
当グループは、過年度の欠損金を補てんし、法定準備金を積み立て、かつ一般準備金を計上した後もなお分配可能税引後利益
を有しており、当グループの自己資本比率が規制上の要件を満たす場合には、配当の支払いを行うことができる。当グループ
の優先株主は、配当を受ける権利に関する優先順位が普通株主よりも高い。
当グループは、優先株式に係る配当を、対応する回における発行済みで未決済の優先株式の総額(すなわち、優先株式の発行
価格と発行済みで未決済の優先株式の株式数の積)に基づき、現金で分配しなければならない。当グループの優先株式の利息
の計算は、年に一度計算する方法で行われている。
( 2 ) 国内優先株式
a.
配当
発行後の一定期間( 5 年間)の配当率は固定とする。
5 年が経過するごとに、配当率を標準配当率と固定スプレッドとを合計した率に更新するものとする。
固定スプレッドは、発行時の配当率と標準配当率との間のスプレッドに等しいものとする。固定スプレッドは、優先株式の存
続期間中は変動しないものとする。
配当は、年に 1 回支払いを行うものとする。
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b.
配当の分配条件
当グループは、過年度の欠損金を補てんし、法定準備金を積み立て、かつ一般準備金を計上した後もなお分配可能税引後利益
を有しており、当グループの自己資本比率が規制上の要件を満たす場合には、配当の支払いを行うことができる。国内優先株
式の支払順位は、海外優先株式と同順位である。当グループの優先株主は、配当を受ける権利に関して普通株主よりも優先順
位が高い。当グループは配当の取消を行うことができるものの、配当の取消を行うには、株主総会の決議を経る必要がある。
c.
配当停止条件
当グループが優先株主への配当の全部または一部を取り消す場合には、当グループは、当期の配当期間における配当を全額優
先株主に支払わない限りは、普通株主への配当金の分配を行ってはならないものとする。
d.
配当および清算方法の順序
国内優先株式の保有者および海外優先株式の保有者の分配に関する優先順位は等しいものとする。優先株主は、当グループの
預金者、一般債権者、劣後債の保有者、転換社債の保有者、 Tier2 資本証券の保有者およびその他の Tier2 資本性金融商品の保有
者よりも優先順位が劣後するものの、普通株主よりも優先順位が高いものとする。
e.
強制転換トリガー事象
その他 Tier1 資本に関するトリガー事象(当グループのコア Tier1 自己資本比率が 5.125 %以下に下落する事象)が発生する際に
は、当グループは、当グループのコア Tier1 自己資本比率を 5.125 %超に戻すために、優先株式の全部または一部を A 株式に転換
する権利を有するものとする。優先株式が A 株式に転換された場合には、それを再度優先株式に転換することはできない。
存続不能に関するトリガー事象( (1) 当グループが自己資本の転換または取崩しを行わなければ存続不能となると CBIRC が判断
した場合、および (2) 公的機関による出資またはそれと同等の支援が必要であり、そのような支援がなければ当グループは存続
不能となると関連当局が判断した場合という 2 つの事象のうちのいずれか早い方)が発生する際には、当グループは、優先株式
の全部を A 株式に転換する権利を有するものとする。優先株式が A 株式に転換された場合には、それを再度優先株式に転換する
ことはできない。
f.
償還
発行日( 2015 年 11 月 18 日)から 5 年経過後において、 CBIRC の承認を得ていること、および償還の条件を満たしていることを前
提として、当グループは、国内優先株式の全部または一部を償還する権利を有している。優先株式の償還期間は、償還開始日
からすべての償還または転換が行われる日までの期間である。償還価格は、発行価格に当期の未払配当金を加算した額に等し
い。
g.
配当設定の仕組み
非累積型配当とは、優先株式に係る配当のうち、配当の支払いが行われなかった分の繰越しが行われない結果、ある年度に見
送られた、または行われなかった配当を翌年度の利益から支払う必要のないものをいう。合意された配当率で配当を受けた後
に、当行の優先株主が普通株主とともに残余利益の分配に参加することはない。
当グループは、過年度の欠損金を補てんし、法定準備金を積み立て、かつ一般準備金を計上した後もなお分配可能税引後利益
を有しており、当グループの自己資本比率が規制上の要件を満たす場合には、配当の支払いを行うことができる。当グループ
の優先株主は、配当を受ける権利に関する優先順位が普通株主よりも高い。
当グループは、優先株式に係る配当を、対応する回における発行済みで未決済の優先株式の総額(すなわち、優先株式の発行
価格と発行済みで未決済の優先株式の株式数の積)に基づき、現金で分配しなければならない。当行の優先株式の利息の計算
は、年に一度計算する方法で行われている。
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( c) 優先株式の残高の変動
優先株式
海外 国内
発行済金融商品 合計
米ドル ユーロ 人民元 人民元
2018 年 1 月 1 日および
147 40 120 450 757
数量(百万株)
2018 年 12 月 31 日
2,940 600 12,000 45,000 N/A
表示通貨(百万)
17,991 4,558 12,000 45,000 79,549
人民元(百万)
注: 2018 年 12 月 31 日現在の米ドルおよびユーロ建海外優先株式の人民元建の金額は、発行日現在の直物為替レートで換算され
ている。
( 2 ) 永久社債
( a ) 当期末時点における発行済永久社債
数量 表示通貨 人民元
発行済
会計上
(百万 口 ) (百万 ) (百万 )
金融商品 発行日 の区分 金利 発行価格 満期 転換条件 転換
2016-7-21 4.25% 1 1,000 6,691
米ドル建永久社債 資本 1,000 米ドル /口 無 無 無
1 6,691
合計
15
控除:発行手数料
6,676
帳簿価額
( b ) 主な条項
2016 年 7 月 21 日、 ICBC アジアは、バーゼルⅢ準拠の非累積的劣後その他 Tier 1 資本性証券(以後、「永久社債」という)を総額
10 億米ドル(約 6,676 百万人民元(関連する発行費控除後)に相当する)発行した。当該社債を発行後最初の 5 年間の固定金利
は、 4.25% である。永久社債が償還されない場合には、分配金は 5 年ごとに当時の 5 年物米国債利回りに当初の固定スプレッド
(年 3.135% )を加算した利率に基づいて改定される。
分配金は半年ごとに支払うこととなっており、最初の分配金の支払日は 2017 年 1 月 21 日である。 ICBC アジアは、(永久社債の契
約条件に定める規定に基づき)分配金の支払いを取り消す権利を有しており、取り消した分配金については非累積的としてい
る。
永久社債は、香港金融管理局(以後、 HKMA という)が、 HKMA または関連当局の意見において、 ICBC アジアがその元本の償
却がなければ存続不可能( non-viable )となるという旨を ICBC アジアに通知した場合には、 HKMA が指示した金額まで償却され
ることなる。永久社債にはまた、香港当局によるベイルイン条項も含まれている。永久社債の各保有者は、香港の破綻処理当
局が以下のいずれか(または以下を組み合わせた)権限を行使した場合には、その指示に従わなければならない。
(1) 永久社債の元本および(または)分配金の全部または一部の減額または償却
(2) 永久社債の元本および(または)分配金の全部または一部の ICBC アジアまたは別の個人の株式への転換
(3) 永久社債の満期、分配金の支払日および(または)分配金額の変更
ICBC アジアは、 2021 年 7 月 21 日またはそれ以降のいかなる分配金の支払日においても、未決済の永久社債の全部を償還する権利
を有している。
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( c) 永久社債の残高の変動
2018 年 1月 1日 2018 年 12 月 31 日
当期中の増加
数量 表示通貨 人民元 数量 表示通貨 人民元 数量 表示通貨 人民元
発行済
(百万 口 ) (百万 ) (百万 ) (百万 口 ) (百万 ) (百万 ) (百万 口 ) (百万 ) (百万 )
金融商品
1 1,000 6,691 1 1,000 6,691
米ドル建 ― ― ―
永久社債
1 1,000 6,691 1 1,000 6,691
合計 ― ― ―
注: 2018 年 12 月 31 日現在の永久社債の人民元建の金額は、発行日現在の直物為替レートで換算されている。
( 3 ) 資本性金融商品の保有者に帰属する利益
2018 年 1 月 1 日 2018 年 12 月 31 日
資本性金融商品
2,095,333 2,330,001
1.親会社の資本性金融商品の保有者に帰属する資本合計
2,009,282 2,243,950
(1) 親会社の普通株式の保有者に帰属する資本
86,051 86,051
(2) 親会社のその他の資本性金融商品の保有者に帰属する資本
13,533 14,882
2.非支配持分に帰属する資本合計
13,533 14,882
(1) 普通株式の非支配持分に帰属する資本
(2) その他の資本性金融商品の非支配持分に帰属する資本 ― ―
注 39 準備金
( a ) 資本準備金
資本準備金には主として、額面金額を超過した価格による株式発行から生じる株式払込剰余金が含まれる。
( b ) 利益準備金
( i) 法定利益準備金
当行は、法定利益準備金残高が登記資本金の 50% に達するまで、中華人民共和国会社法および定款に準拠して当期純利益の 10 %
を法定利益準備金に積立てる必要がある。
株主の承認を前提とし、法定利益準備金は、資本振替後の法定利益準備金の残高が資本振替直前における登記資本金の 25 %を
下回らない限り、当行の繰越欠損金を相殺する際に使用したり、当行の資本金に振替えることが可能である。
2019 年 3 月 28 日に開催された取締役会の決議において、当行の利益準備金の 28,421 総額百万人民元( 2017 年 度は 27,166 百万人民
元)のうち、 PRC で一般に公正妥当と認められた会計原則(中国 GAAP ) に準拠して算定された当行の当期純利益の 10 %の法定
利益準備金への積立て 28,318 百万人民元( 2017 年 度は 27,059 百万人民元)が承認された。現地当局の規定に従って一部の海外支
店が積み立てた利益準備金の総額は、 103 百万人民元( 2017 年 度は 107 百万人民元)である。
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( ii ) 任意積立金
株主総会で株主の承認を前提とし、法定利益準備金に積立てた後に、当行は中国 GAAP に準拠して算定された当期純利益の一部
を任意積立金に積立てることもできる。株主の承認を得ることを条件に、任意積立金は繰越損失の相殺や資本金への振替に充
当できる。
( iii ) その他の利益準備金
当行の在外事業体は、現地規制当局が公布した関連規制に従い、その利益を利益準備金に積み立てる。
( c) 一般準備金
2012 年 7 月 1 日から、当行は MOF により、利益処分を通じて資本の部に期末のリスク資産の 1.5 %以上の一般準備金を維持するこ
とを要求されている。
当行子会社は、適用される現地規制に従って、その利益の一部を一般準備金に積立てている。
2018 年 12 月 31 日現在の当行の一般準備金残高は 271,201 百万人民元であり( 2017 年 は 259,374 百万人民元)、当行リスク資産期末
残高の 1.5 %に相当する。
( d ) 投資再評価準備金
投資再評価準備金には、 FVOCI で測定される金融投資の公正価値の変動および減損引当金が計上される。
( e) 為替換算調整勘定
為替換算調整勘定は、中国本土以外で設立された子会社および支店の財務書類の換算から生じる為替差額を計上するために使
われる。
( f) キャッシュ・フロー・ヘッジ準備金
キャッシュ・フロー・ヘッジ準備金は、ヘッジ手段に係る損益の有効部分である。
( g ) その他の準備金
その他の準備金とは、子会社の準備金および関連会社および共同支配企業の上記の項目以外の準備金の持分相当を示す。
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( h ) 配当可能利益
当行の配当可能利益は、中国 GAAP と IFRS に準拠して算定された利益剰余金のうちどちらか低い方の値に基づく。当行子会社が
適法に分配できる利益の金額は、各国・各地域の現地規制当局が公表した会計規則および会計原則に準拠して作成された財務
書類に表示されている利益を基準にして算定される。これらの利益は IFRS に準拠して作成された本財務書類における利益とは
異なる可能性がある。
事業年度中における当行の資本の増減は以下のとおりである。
準備金
キャッ
その他の
投資 シュ・
発行済
資本 利益 一般 為替換算 その他の
資本性 利益剰余金 合計
再評価 フロー・ 小計
株式資本 準備金 準備金 準備金 調整勘定 準備金
準備金 ヘッジ
金融商品
準備金
2017 年 1月 1日現在残高 356,407 79,375 156,204 201,980 246,308 2,434 (237) (4,751) (81) 601,857 872,290 1,909,929
269,205 269,205
当期純利益 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
(31,760) (968) 786 152 (31,790) (31,790)
その他の包括利益 ― ― ― ― ― ―
(31,760) (968) 786 152 (31,790) 269,205 237,415
包括利益合計
― ― ― ― ―
配当金 ―普通株式 201 6年度
最終(注 17) (83,506) (83,506)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
配当金―優先株式(注 17) (4,437) (4,437)
― ― ― ― ― ― ― ― ―
―
利益準備金への積立て
( i) 27,166 27,166 (27,166)
― ― ― ― ― ― ― ― ―
一般準備金への積立て
13,066 13,066 (13,066)
( ii)
― ― ― ― ― ― ― ― ―
2017 年 12 月 31 日 356,407 79,375 156,204 229,146 259,374 (29,326) (1,205) (3,965) 71 610,299 1,013,320 2,059,401
22,665 22,665 (53,341) (30,676)
IFRS 第 9号の適用の影響
― ― ― ― ― ― ― ―
356,407 79,375 156,204 229,146 259,374 (6,661) (1,205) (3,965) 71 632,964 959,979 2,028,725
2018 年 1月 1日現在残高
当期純利益 282,044 282,044
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
26,587 911 52 (125) 27,425 27,425
その他の包括利益 ― ― ― ― ― ―
包括利益合計 26,587 911 52 (125) 27,425 282,044 309,469
― ― ― ― ―
配当金 ―普通株式 201 7年度
最終(注 17) (85,823) (85,823)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
配当金―優先株式(注 17) (4,506) (4,506)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
利益準備金への積立て
( i) 28,421 28,421 (28,421)
― ― ― ― ― ― ― ― ―
一般準備金への積立て
11,827 11,827 (11,827)
( ii)
― ― ― ― ― ― ― ― ―
356,407 79,375 156,204 257,567 271,201 19,926 (294) (3,913) (54) 700,637 1,111,446 2,247,865
2018 年 12 月 31 日現在残高
( i) 海外支店の積立て分 103 百万人民元( 2017 年 度は 107 百万人民元)を含む。
( ii ) 海外支店の戻入れ分 9 百万人民元( 2017 年 度は積立て分 20 百万人民元)を含む。
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注 40 その他の包括利益の構成要素
2018 年 2017 年
純損益に振り替えられることのない項目:
FVOCI で測定するものとして指定した資本性金融商品の公正価値の変動 2,086
(481)
控除:税効果
1,605
(9) (29)
持分法を適用して認識したその他の包括利益
(5) 3
その他
その後に純損益に振り替えられる可能性のある項目:
FVOCI で測定する負債性金融商品の公正価値の変動 32,971
337
控除:その他の包括利益から純損益に振り替えられた金額
(8,709)
税効果
24,599
FVOCI で測定する負債性金融商品の信用損失 (1,027)
(211)
控除:その他の包括利益から純損益に振り替えられた金額
(1,238)
(43,742)
売却可能金融資産の公正価値の変動による純損失
(631)
控除:その他の包括利益から純損益に振り替えられた金額
10,879
税効果
(33,494)
キャッシュ・フロー・ヘッジを適用するヘッジ手段から生じた戻入れ:
(42) 965
当期(損失)/利益
(11) (26)
控除:税効果
(53) 939
488 (757)
持分法を適用して 認識したその他の包括利益
3,325 (8,752)
為替換算差額
(903) 712
その他
27,809 (41,378)
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注 41 非連結の組成された企業への関与
(a) 当グループが持分を保有し、第三者の機関がスポンサーとなっている組成された企業
当グループは、第三者の機関がスポンサーとなっている組成された企業の発行した投資商品に投資することによって複数の組
成された企業に対する持分を保有している。このような組成された企業には、投資ファンド、理財商品、資産運用制度、信託
制度および資産担保証券があり、当グループは、これらの組成された企業を連結していない。これらの組成された企業の性質
および目的は、投資者に代わって資産運用を行うことによる手数料を生み出すことにあり、投資者への投資商品発行により原
資を調達している。
当グループが保有している第三者の機関がスポンサーとなっている組成された企業に対する持分の帳簿価額および最大エクス
ポージャーの内訳は、以下のとおりである。
当グループ
2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
最大 最大
帳簿価額 帳簿価額
エクスポージャー エクスポージャー
23,191 23,191 10,919 10,919
投資ファンド
200 200
理財商品 ― ―
324,773 324,773 267,379 267,379
資産運用制度
39,966 39,966 24,200 24,200
信託制度
80,202 80,202 24,400 24,400
資産担保証券
468,132 468,132 327,098 327,098
上記の投資ファンド、理財商品、資産運用制度、信託制度および資産担保証券の損失に対する最大エクスポージャーは、報告
日現在当グループが保有している資産の償却原価または公正価値である。
財政状態計算書上の第三者機関がスポンサーとなっている組成された企業に対する当グループの持分に関して認識された資産
の内訳は、以下のとおりである。
当グループ
2018 年 12 月 31 日
FVTPL で測定される FVOCI で測定される
償却原価で測定され
る金融投資
金融投資 金融投資
23,191
投資ファンド
― ―
306,981 17,792
資産運用制度 ―
28,197 11,769
信託制度 ―
60,284 5,917 14,001
資産担保証券
418,653 5,917 43,562
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当グループ
2017 年 12 月 31 日
トレーディング目的
または
満期保有 売却可能
FVTPL で測定
債権
目的投資 金融資産
するものとして指定
した金融資産
7,976 1,443 1,500
投資ファンド
―
200
理財商品 ― ― ―
6,164 228,063 33,152
資産運用制度 ―
8,157 16,043
信託制度 ― ―
54 18,549 4,798 999
資産担保証券
54 32,689 242,461 51,894
(b) 当グループが持分を保有しているが、連結しなかった当グループがスポンサーとなっている組成された企業
当グループがスポンサーとなっている非連結の組成された企業の種類には、投資ファンドおよび元本非保証型理財商品があ
る。これらの組成された企業の性質および目的は、投資者に代わって資産運用を行うことによる手数料を生み出すことにあ
る。これらの組成された企業の原資は、投資者への債券発行によって賄われている。当グループが保有している持分には、こ
れらの組成された企業が発行した債券への投資および資産運用サービスを提供したことにより請求した手数料がある。 2018 年
12 月 31 日現在の財政状態計算書におけるこれらの組成された企業が発行した債券への投資および認識の対象となる手数料債権
の帳簿価額に重要性はなかった。
2018 年 12 月 31 日現在当グループがスポンサーとなっている非連結の元本非保証型理財商品および投資ファンドが保有している
資産の価額は、それぞれ 2,575,857 百万人民元および 1,308,500 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日:それぞれ 2,665,795 百万人民元およ
び 1,296,300 百万人民元)であった。
2018 年度において当グループがスポンサーとなっている元本非保証型理財商品への当グループからの預け金およびリバース・
レポ契約を通じた金融取引の平均エクスポージャーの金額は、 73,105 百万人民元( 2017 年: 92,791 百万人民元)であった。当該
取引は、通常の事業の過程において、通常の契約条件および市価に基づいて行われている。
(c) 2018 年 12 月 31 日現在当グループは持分を保有していないが、当期において当グループがスポンサーとなっていた非連結の
組成された企業
2018 年 1 月 1 日以降に当グループがスポンサーとなって発行したが 2018 年 12 月 31 日より前に満期を迎えた元本非保証型理財商品
の総額は、 708,588 百万人民元であった( 2017 年 1 月 1 日以降に当グループがスポンサーとなって発行したが 2017 年 12 月 31 日より
前に満期を迎えた元本非保証型理財商品の総額は、 1,439,371 百万人民元であった)。
2018 年度において当グループが当該区分の元本非保証型理財商品から受け取った手数料等の金額は、 1,387 百万人民元( 2017
年: 4,107 百万人民元)であった。
2018 年 1 月 1 日以降に当グループがスポンサーとなって発行したが 2018 年 12 月 31 日より前に満期を迎えた投資ファンドの総額
は、 66 百万人民元であった( 2017 年 1 月 1 日以降に当グループがスポンサーとなって発行したが 2017 年 12 月 31 日より前に満期を
迎えた投資ファンドの総額は、 42,400 百万人民元であった)。
2018 年度において当該区分の投資ファンドから受け取った収益の金額は、 0.19 百万人民元( 2017 年: 12 百万人民元)であった。
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注 42 連結キャッシュ・フロー計算書の注記
(a) 現金及び現金同等物の残高の内訳
2018 年 2017 年
注記
19
70,047 75,214
手許現金
19 238,286 177,357
制限付預金以外の中央銀行預け金
満期が 3 か月以内の銀行およびその他の金融機関に対するノストロ勘定 224,886 292,694
満期が 3 か月以内の銀行およびその他の金融機関に対する預け金 290,067 195,393
686,237 779,672
満期が 3 か月以内のリバース・レポ契約
1,509,523 1,520,330
(b) 負債の変動と財務活動から生じるキャッシュ・フローとの間の調整表
当グループ
負債 資本
合計
発行債券 利益剰余金 非支配持分
2018 年 1 月 1 日現在の残高 531,559 1,042,509 13,533 1,587,601
財務活動によるキャッシュ・フロー
125 125
非支配株主による出資 ― ―
1,045,746 1,045,746
債券の発行による受入額 ― ―
258 (23,175) (22,917)
債券利息の支払 ―
(968,222) (968,222)
債券の償還による支出 ― ―
(327) (327)
非支配株主への配当金支払額 ― ―
(85,823) (85,823)
普通株式の配当金支払額 ― ―
(4,506) (4,506)
― ―
優先株式の配当金支払額
77,782 (113,504) (202) (35,924)
財務活動による純キャッシュ・フロー
11,580 11,580
為替相場の変動による影響額
― ―
(3,079) (3,079)
― ―
債券の償却額
(3,079) (3,079)
負債関連のその他の変動合計 ― ―
277,661 1,551 279,212
資本関連のその他の変動合計 ―
617,842 1,206,666 14,882 1,839,390
2018 年 12 月 31 日現在の残高
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当グループ
負債 資本
債券に係る
合計
発行債券 利益剰余金 非支配持分
未払利息
2017 年 1 月 1 日現在の残高 357,937 3,770 940,663 11,412 1,313,782
財務活動によるキャッシュ・フロー
792 792
非支配株主による出資 ― ― ―
943,954 943,954
債券の発行による受入額 ― ― ―
849 (16,219) (15,370)
債券利息の支払 ― ―
(194) (194)
非支配持分の取得 ― ― ―
(759,095) (759,095)
債券の償還による支出 ― ― ―
(309) (309)
非支配株主への配当金支払額 ― ― ―
(83,506) (83,506)
普通株式の配当金支払額 ― ― ―
(4,437) (4,437)
― ― ―
優先株式の配当金支払額
184,859 849 (104,162) 289 81,835
財務活動による純キャッシュ・フロー
(16,043) (16,043)
為替相場の変動による影響額
― ― ―
187 187
― ― ―
債券の償却額
187 187
負債関連のその他の変動合計 ― ― ―
261,043 1,864 262,907
資本関連のその他の変動合計 ― ―
526,940 4,619 1,097,544 13,565 1,642,668
2017 年 12 月 31 日現在の残高
注 43 譲渡された金融資産
当グループは通常の業務において、認識された金融資産を第三者または組成された企業に譲渡する取引を行っている。一部の
ケースでは、これらの譲渡により関連金融資産のすべてまたは一部について認識の中止が生ずることがある。当グループがそ
れらの資産に関して実質的にすべてのリスクと経済価値を留保していることから譲渡資産が認識の中止に該当しない場合に
は、当グループは引き続き譲渡資産の認識を継続する。
レポ取引および有価証券貸付取引
認識の中止に該当しない「譲渡された金融資産」には、主にレポ契約に基づく担保として取引相手により保有されている債
券、および有価証券貸付契約に基づき取引相手に貸与された債券が含まれている。当グループによるデフォルトがない場合、
取引相手はレポ契約に基づいて売り渡された証券を売却したり、あるいはさらに担保として差し入れることを認められている
が、契約の満期時にはそれらの有価証券を返却する義務を負っている。有価証券の価値が増加または減少した場合、当グルー
プは、特定の状況下において、追加の現金担保の支払を要求したり、要求されたりすることがある。当グループは、これら有
価証券の実質的にすべてのリスクと経済価値を留保していると判断しており、したがって、それらの認識の中止を行っていな
い。さらに、担保として受領した現金に関する金融負債を認識している。
以下の表は、上述した認識中止には該当しない第三者に譲渡した金融資産の帳簿価額とそれに関連する金融負債を分析したも
のである。
2018 年 12 月 31 日 2017 年 12 月 31 日
関連負債の 譲渡された資産
譲渡された資産 関連負債の
の帳簿価額 帳簿価額
帳簿価額 の帳簿価額
33,161 45,780 44,458 44,433
レポ契約
273,685 277,169
有価証券貸付契約 ― ―
306,846 45,780 321,627 44,433
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証券化取引
当グループは、通常の業務において、投資者に資産担保証券を発行している組成された企業に信用リスクを有する資産を譲渡
する証券化取引を行っている。当グループは、劣後トランシェのレベルで一部の資産担保証券およびファンド持分を取得する
場合があるため、譲渡した債権のリスクと経済価値の一部を保持している場合がある。当グループは、当該資産のリスクと経
済価値を保持している程度を評価することにより、関連債権の認識の中止を行うか否かを判断することとなる。
当グループが譲渡した債権のリスクと経済価値のほぼすべてを移転したわけでも保持しているわけでもなく、当該資産の支配
を保持している場合には、当グループは、当グループの継続的関与に基づいて財政状態計算書にその資産を認識し、残りの資
産の認識の中止を行っている。当グループの継続的関与を有している範囲とは、当グループが譲渡した金融資産の価値の変動
に伴うリスクと経済価値を引き受けている程度である。 2018 年 12 月 31 日現在、当初の債権の譲渡時点の金額のうち、当グルー
プが一部のトランシェの取得を通じて継続的関与を有していると判断した部分の金額は、 256,346 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日
現在: 59,051 百万人民元)であり、当グループが引き続き 2018 年 12 月 31 日現在の財政状態計算書に認識している資産の帳簿価額
は、 37,239 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在: 3,679 百万人民元)であった。
認識の中止の要件を満たしていない金融資産の証券化については、該当する金融資産の認識の中止を行わず、第三者が支払っ
た対価を金融負債として計上している。 2018 年 12 月 31 日現在の認識の中止の要件を満たしていない譲渡資産の帳簿価額はな
く、当該資産に関連する負債の帳簿価額はない( 2017 年 12 月 31 日現在:なし)。
注 44 株式評価益受益権プラン
2006 年度に株式評価益受益権プランが承認された。株式評価益受益権は、取締役、監査役、上級管理職の他、取締役会で選定
された他の主要職員などの適格者に付与される。株式評価益受益権は当行 H 株式の価格に基づき付与および行使され、 10 年間有
効である。本財務書類の承認日時点において、株式評価益受益権は付与されていない。
注 45 コミットメントおよび偶発債務
( a ) キャピタル・コミットメント
報告期間の期末日現在、当グループおよび当行のキャピタル・コミットメントは、以下のとおりである。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
344 644 327 607
承認済み、未契約
33,042 22,380 1,469 2,314
契約済み、未提供
33,386 23,024 1,796 2,921
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( b ) オペレーティング・リース契約
オペレーティング・リース契約-借手
報告期間の期末日現在、当グループおよび当行は、特定の事業所施設をオペレーティング・リース契約でリースしており、解
約不能のオペレーティング・リースに関する将来の最低支払リース料総額は以下のとおりである。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
1 年以内 6,546 5,451 4,877 4,961
1 年超 5 年以内 12,806 9,166 7,486 8,280
2,331 1,011 714 808
5 年超
21,683 15,628 13,077 14,049
オペレーティング・リース契約-貸手
報告期間の期末日現在、当グループは、特定の航空機および船舶をオペレーティング・リース契約で第三者にリースしてお
り、借手からの解約不能のオペレーティング・リースに関する将来の 最低 受取リース料総額は以下のとおりである。
当グループ
2018 年 2017 年
1 年以内 16,068 10,551
1 年超 5 年以内 62,722 42,806
88,258 35,255
5 年超
167,048 88,612
( c) 与信コミットメント
当グループにおいて、いかなる時でも信用を供与するという未実行のコミットメント契約がある。これらのコミットメントは
承認済貸出および未使用クレジットカード限度額という形で付与される。
当グループは第三者に対して顧客の営業を保証するために、信用状および財務保証を発行する。
銀行支払承諾は、顧客が振り出した為替手形の支払いを当グループが代わりに引き受けることである。当グループはほとんど
の支払承諾について、顧客から弁済が行われるのと同時に決済されると予測している。
カテゴリー別の与信コミットメント契約額は、以下のとおりである。貸付コミットメントおよびクレジットカード限度額未実
行部分の開示額は、全額が利用されるとする仮定に基づいた値である。銀行支払承諾、信用状および保証の値は、取引相手が
契約を履行しなかった場合に報告期間の期末日時点で認識されうる潜在的最大損失額である。
当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
263,038 245,542 259,392 240,052
銀行支払承諾
発行保証:
104,146 160,947 171,940 215,556
―借入保証状
405,155 337,930 431,974 362,367
―非借入保証状
42,918 37,353 37,657 34,556
一覧払い信用状
162,801 153,182 159,470 147,524
期限付き信用状およびその他のコミットメント
貸付コミットメント:
―満期 1 年未満 151,927 234,675 141,488 221,628
―満期 1 年以上 1,061,666 1,439,090 987,856 1,383,145
1,037,861 902,217 1,005,493 871,289
クレジットカード限度額未実行部分
3,229,512 3,510,936 3,195,270 3,476,117
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当グループ 当行
2018 年 2017 年 2018 年 2017 年
与信コミットメントに係る
1,402,715 1,552,070 1,363,246 1,526,140
信用リスク加重資産 (i)
(i) 信用リスク加重資産は、旧 CBRC が承認した部分については内部格付手法を適用して計算されており、その他の部分に
ついてはリスク・ウェイトに基づく手法によって計算されている。
( d ) 訴訟手続
2018 年 12 月 31 日現在、当行および /または子会社を相手取った係争中の訴訟が多数存在し、その請求金額は 4,154 百万人民元であ
る( 2017 年 12 月 31 日現在では 4,496 百万人民元)。
経営者の見解では、当グループおよび当行は、現在の事実と状況に基づいて発生する可能性があるいかなる損失に対しても十
分な引当金を積立てている。これらの訴訟の最終的な結果が当グループおよび当行の財政状況もしくは業績に重大な影響を及
ぼすことはない。
( e) 国債の償還義務
政府の引受代理人として、当行は一部の中国国債を引き受け、一般に販売している。こうした業務において、当行は、満期ま
での間、保有者の任意で随時国債を償還する義務がある。国債の償還価格は、国債の額面価格に償還日までの経過利息を加え
た金額に基づいている。 2018 年 12 月 31 日現在、当行が引き受けて一般に販売していた国債の累計は 85,845 百万人民元( 2017 年 12
月 31 日現在は 87,981 百万人民元)で、これらはまだ満期日を迎えておらず償還もされていない。経営者は、満期日までの当行を
通じたこれらの国債の償還金額は、重要性がないと考えている。
MOF は、これらの国債の繰上げ償還の都度には資金供給しないが、満期日には元利を返済する義務がある。
( f) 引受義務
2018 年 12 月 31 日現在の当グループおよび当行の期限満了前の有価証券引受義務は、 100 百万人民元である( 2017 年 12 月 31 日現
在:なし)。
注 46 指定基金および貸出金
当グループ
2018 年 2017 年
920,829 1,327,990
指定基金
920,476 1,327,433
指定貸出金
指定基金は、委託者が当グループに指定した第三者に貸出を行うよう指示した資金を表している。信用リスクは委託者が負担
する。
指定貸出金は、当グループと委託者が締結した信託契約に従い、委託者の指定した特定の借手に対して委託者に代わり提供し
た貸出金を表している。当グループはリスクを一切負担しない。
注 47 担保差入資産
有価証券、債券および貸出金などの当グループの金融資産は、主にレポ取引やデリバティブ取引などの債務および偶発債務の
担保として差し入れられている。 2018 年 12 月 31 日現在、担保として差し入れられている当グループの金融資産の帳簿価額は、
約 490,913 百万人民元( 2017 年 12 月 31 日現在は 878,823 百万人民元)であった。
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注 48 信託業務
当グループは、 保管 、信託および資産運用サービスを第三者に提供している。これらのサービスによる収入は上記注 7 の「純受
取手数料等」に含まれる。これら信託業務に係る信託財産は当グループの連結財政状態計算書に含まれない。
注 49 関連当事者に関する開示
本財務書類の他の部分で開示されているものに加えて、当グループは、対象期間において以下の関連当事者との取引があっ
た。
( a ) 重大な影響力を有する株主
MOF
( i)
MOF は、 中華人民共和国の 国務院の下で特に国家の財政収入・支出および租税政策に責任を有している省庁である。 2018 年 12
月 31 日現在、 MOF は、当行の発行済株式資本の約 34.60% を直接所有している( 2017 年 12 月 31 日現在 は 約 34.60 %)。当グループ
は、 MOF が発行した国債の引受および償還を含め、通常の営業活動の一環として MOF と銀行取引を行っている。主要な取引は
以下のとおりである。
2018 年 2017 年
期末残高:
1,097,055 927,432
PRC 国債および特別国債
2018 年 2017 年
期中の取引:
PRC 国債の引受 682,923 351,138
PRC 国債の償還 322,489 184,792
37,795 31,366
PRC 国債の受取利息
% %
期中の金利幅:
2.13 ~ 5.41 2.10 ~ 5.41
債券投資
2018 年 12 月 31 日現在、当グループは MOF の支配下にある華融公司が発行した一連の長期債を保有し、その総額は 90,309 百万人
民元( 2017 年 12 月 31 日現在は 90,309 百万人民元)に上る。華融公司債の詳細は注 24 に記載されている。
当グループと MOF の支配下または共同支配下にある企業とのその他の関連当事者取引は、注 49(g) 「中国国内での他の国有企業
との取引」に開示されている。
( ii ) 匯金公司
2018 年 12 月 31 日現在、中央匯金投資有限責任公司(以下「匯金公司」)は、当行の発行済株式資本の約 34.71 %( 2017 年 12 月 31
日現在は約 34.71 %)を直接所有している。匯金公司は、中国会社法に基づき、 2003 年 12 月 16 日に設立された国有の投資会社で
ある。匯金公司の登記・払込済資本総額は 828,209 百万人民元である。匯金公司は、中国投資有限責任公司の完全子会社であ
り、国の承認に従い、匯金公司は主要な国有金融機関に対して株式投資を行い、その出資の範囲内で、関連法に従い国を代表
して投資家として権利を行使し義務を果たすことで、国有金融資産の価値の保全および拡大の達成を目指している。匯金公司
はその他の事業活動には従事しておらず、支配下にある主要な国有金融機関の日常の事業活動には介入しない。
2018 年 12 月 31 日現在、当行が保有する匯金債の額面総額は 38.77 十億人民元( 2017 年 12 月 31 日現在は 22.75 十億人民元)であり、
期間は 1 年~ 30 年で、年利は 3.12 %~ 5.15% である。匯金債は政府保証債であり、短期金融手形および中期債である。当行による
匯金債の引受は、関連規制要件および当行のコーポレート・ガバナンスに従い、通常の事業活動の中で実施された。
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当グループは匯金公司との間で日常業務において、通常の市場金利および取引条件の下、取引活動を行っている。主要な取引
は以下のとおりである。
2018 年 2017 年
期末残高:
39,563 22,215
購入した債券
27,007 27,036
顧客 貸出金等
11,499 5,607
顧客預り金
2018 年 2017 年
期中の取引:
1,211 672
購入した債券からの受取利息
1,207 603
顧客貸出金等からの受取利息
192 202
顧客預り金に対する支払利息
26
FVTPL で測定するものとして指定した金融負債に係る純損失
―
% %
期中の金利幅:
3.12 ~ 5.15 3.16 ~ 4.98
購入した債券
3.92 ~ 4.75 3.92 ~ 4.75
顧客貸出金等
0.30 ~ 2.18 0.30 ~ 1.76
顧客預り金
匯金公司は、政府の指示で、特定の他の銀行および金融機関の持分を所有している。当グループは日常業務において、通常の
取引条件 の下、 これらの銀行および金融機関と取引している。経営 者 は、これらの銀行および金融機関を当グループの競合相
手と考えている。 これらの銀行および金融機関との間で行われた当期中の主要な取引の詳細は、以下のとおりである。
2018 年 2017 年
期末残高:
523,519 650,186
購入した債券
135,694 128,185
銀行およびその他の金融機関預け金
211 691
顧客貸出金等
6,335 6,431
デリバティブ金融資産
123,288 157,412
銀行およびその他の金融機関預り金
6,988 6,023
デリバティブ金融負債
933 580
顧客預り金
13,974 15,954
与信コミットメント
2018 年 2017 年
期中の取引:
19,866 23,758
購入した債券からの受取利息
538 418
銀行およびその他の金融機関預け金からの受取利息
26 8
顧客貸出金等からの受取利息
1,517 911
銀行およびその他の金融機関預り金に対する支払利息
12 10
顧客預り金に対する支払利息
% %
期中の金利幅:
0 ~ 7.00 0.13 ~ 7.67
購入した債券
0 ~ 7.50 0 ~ 10.00
銀行およびその他の金融機関預け金
4.13 ~ 6.18 2.31 ~ 4.13
顧客貸出金等
0 ~ 8.17 0 ~ 9.07
銀行およびその他の金融機関預り金
0 ~ 3.90 0 ~ 7.20
顧客預り金
上記の金利は、満期日、 取引 相手の 信用 リスクおよび通貨によって、金融商品グループおよび取引ごとに異なる。特に、現地
の市場環境によって、特定の重要なあるいは長期の取引のスプレッドは市場ごとに異なる。
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( b ) 子会社
2018 年 2017 年
期末残高:
27,638 14,478
金融投資
428,902 387,233
銀行およびその他の金融機関預け金
49,532 37,385
顧客貸出金等
2,059 757
デリバティブ金融資産
420,539 383,376
銀行およびその他の金融機関預り金
985 4,353
デリバティブ金融負債
4,479 1,235
リバース・レポ契約
27,349 5,913
レポ契約
151,512 144,810
与信コミットメント
2018 年 2017 年
期中の取引:
155 147
金融投資からの受取利息
1,802 1,186
銀行およびその他の金融機関預け金からの受取利息
1,033 265
顧客貸出金等からの受取利息
2,643 1,262
銀行およびその他の金融機関預り金に対する支払利息
2,432 1,566
受取手数料等
% %
期中の金利幅:
金融投資 0 ~ 4. 00 0.50 ~ 4. 00
銀行およびその他の金融機関預け金 0. 01 ~ 4. 50 -0. 42 ~ 105.00
顧客貸出金等 0. 20 ~ 6. 15 0. 25 ~ 6. 15
銀行およびその他の金融機関預り金 -0.20 ~ 5.50 -0.36 ~ 105.00
子会社との重要な残高および取引は連結財務書類では相殺消去されている。
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( c) 関連会社およびその関係会社
2018 年 2017 年
期末残高:
135 3,075
銀行およびその他の金融機関預け金
3,399 1,667
顧客貸出金等
1,558 1,238
デリバティブ金融資産
15,887 17,535
銀行およびその他の金融機関預り金
166 121
顧客預り金
433 1,178
デリバティブ 金融 負債
65
―
与信コミットメント
2018 年 2017 年
期中の取引:
53 16
銀行およびその他の金融機関預け金からの受取利息
120 55
顧客貸出金等からの受取利息
323 133
銀行およびその他の金融機関預り金に対する支払利息
1 2
顧客預り金に対する支払利息
% %
期中の金利幅:
銀行およびその他の金融機関預け金 0 ~ 14.00 0 ~ 14.00
顧客貸出金等 1.20 ~ 4.37 0.50 ~ 4.28
0 ~ 2.67 0 ~ 8.54
銀行およびその他の金融機関預り金
顧客預り金 0 ~ 0.72 0 ~ 2.30
当グループと関連会社およびその関係会社との間の主要な取引は、 銀行およびその他の金融機関預け金、顧客貸出金等、銀行
およびその他の金融機関預り金 ならびに対応する受取利息および支払利息で構成されている。経営 者 は、当グループと関連会
社およびその関係会社との間の取引は通常の取引条件で行われたと考えている。
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( d ) 共同支配企業 およびその関係会社
2018 年 2017 年
期末残高
71 145
顧客預り金
2018 年 2017 年
期中取引
1 1
顧客預り金に対する支払利息
% %
期中の金利幅
0.01 ~ 0.30 0.01 ~ 1.30
顧客預り金
経営 者 は、当グループと上記当事者との間の取引は通常の取引条件および市場金利 の下で 行われたと考えている。
( e) 主要な経営 者
主要な経営 者 は、取締役会、監査役会および執行役員のメンバーを含め、当グループの活動を直接、間接を問わず、計画・指
揮・管理する権限と責任を有する者である。
注 12 で開示した者を除く各年度における報酬合計は以下のとおりである。
2018 年 2017 年
千人民元 千人民元
短期雇用給付
3,721
7,519
262 304
退職後給付
3,983 7,823
注: 上記 の 2017 年度の主要な経営者に対する税引前報酬は、年間報酬の総額を表している。この総額は、 2017 年度年次報
告書に開示されている金額を含んでいる。
2018 年 12 月 31 日に終了した会計年度の当行の経営幹部の報酬パッケージ総額は、 PRC の関連当局の規定に従ってまだ最終決定
されていない。未計上の報酬が当グループおよび当行の 2018 年の財務書類に重大な影響を及ぼすことはないと予想される。報
酬パッケージの合計は、関連当局により決定され次第開示する予定である。
当グループの主要な経営 者 あるいはその近親者が、直接的または間接的に支配力を行使することができる株主あるいは主要な
経営 者 である会社も、当グループの関連当事者とみなされる。
当年度に当グループと上記関連当事者との間で行われた取引は以下のとおりである。
2018 年 2017 年
千人民元 千人民元
2,513 2,603
貸出金
当年度において、上記以外に主要な経営者との間の重要な個人的な取引および残高はなかった。当グループは、通常の業務の
過程において、 主要な経営者との銀行取引を行っている。
上海証券取引所の関連規制上、関連当事者とされる個人に対する貸出金およびクレジットカード貸越の総残高は、 2018 年 12 月
31 日現在 93.45 百万人民元である ( 2017 年 12 月 31 日: 36.52 百万人民元 )。
経営 者 は、当グループと上記当事者との間の取引 は通常の取引 条件および市場金利 の下で 行われたと考えている。
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( f) 年金基金
年金基金への確定拠出義務を除けば、 2018 年 12 月 31 日現在、年金基金は当行の A 株式 4.41 百万人民元を保有している ( 2017 年 12
月 31 日: 21.58 百万人民元 )。
( g ) PRC 国内での他の国有企業との取引
当グループは、政府当局、関連官庁あるいはその他の機関(総称して「国有企業」)を通じて政府が直接・間接に所有し、あ
るいは管理している企業によって支配された経済環境の中で営業をしている。当期、当グループは、こうした 国有企業 と融資
および預金獲得、銀行間取引の実行、受託貸付、仲介サービスの提供、他の国有企業が発行した債券の販売、購入、引受およ
び償還、ならびに設備その他の資産の販売、購入およびリースなどを含む広範な銀行業務取引を始めた。
経営 者 は、国有企業との取引は通常業務で行われている事業活動であり、当グループおよびそれらの国有企業が、結局は政府
に支配または所有されている、という事実による重大または不当な影響が当グループの取引に及んだことはなかった、と考え
ている。また当グループは、商品およびサービスに関する価格政策を設定しており、そのような価格政策は、顧客が国有か否
かに関係ない。
注 50 セグメント情報
( a) 事業セグメント
経営管理目的のため、当グループは社内組織構造、経営上の要件および内部報告制度に基づき、法人金融、個人金融および資
金業務の事業セグメントに区分している。
法人金融
法人金融セグメントは、法人、政府機関および金融機関に対する金融商品とサービスの提供を行っている。こうした金融商品
とサービスには、法人向け貸付、貿易金融、預金取扱業務、法人向け資産運用サービス、 保管 業務および各種法人向け仲介
サービス 等 が含まれる。
個人金融
個人金融セグメントは、個人顧客に対する金融商品とサービスの提供を行っている。商品とサービスには、個人向け貸付、預
金取扱業務、カード事業、個人資産運用サービスおよび様々な種類の仲介サービス 等 が含まれる。
資金業務
資金業務セグメントは、当グループの資金業務を行っている。資金業務は、自己勘定あるいは顧客のためのマネー・マーケッ
ト取引、有価証券投資、外国為替取引およびデリバティブのポジションの保有を行っている。
その他
当セグメント は、合理的な基準でセグメントに直接帰属しないあるいは配分できない資産、負債、収益および費用 を含んでい
る 。
経営 者 は、資源配分に関する意思決定や業績評価の目的で、個別に当グループの事業部門の経営成績をモニタリングしてい
る。セグメント情報は、当グループの財務書類の作成および表示のために採用された会計方針に準拠して作成されている。
セグメント間の取引は、主として個別セグメント間の資金の移動である。これらの取引は、平均資金コストを参照して決定さ
れる条件に基づいて行われており、各セグメントの業績に反映されている。内部振替に係る純受取利息および支払利息は、
「内部純受取(支払)利息」としている。第三者に係る純受取利息および支払利息は、「外部純受取(支払)利息」としてい
る。
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セグメント別収益、費用、業績、資産および負債は、合理的な基準で配分される項目と同様にセグメントに直接帰属する項目
を含んでいる。配分基準は主に資源の占有もしくはそれに対する寄与に基づいている。税金費用はグループ全体で管理され、
事業セグメントに配分されない。
法人金融 個人金融 資金業務 その他 合計
2018 年 12 月 31 日終了年度
273,082 86,143 213,293 572,518
外部純受取利息 ―
(3,458) 122,772 (119,314)
内部純(支払)受取利息 ― ―
81,684 62,969 648 145,301
純受取手数料等 ―
2,551 1,606 (2,143) 5,288 7,302
その他の収益(費用)、純額( i)
353,859 273,490 92,484 5,288 725,121
営業収益
(70,797) (98,280) (17,449) (7,677) (194,203)
営業費用
(131,348) (30,926) 793 (113) (161,594)
資産に係る減損損失
151,714 144,284 75,828 (2,502) 369,324
営業利益(損失)
関連会社および共同支配企業の利益に対
3,089 3,089
― ― ―
する持分
151,714 144,284 75,828 587 372,413
税引前利益
(73,690)
法人所得税
298,723
当期純利益
その他のセグメント情報:
5,621 5,011 2,237 538 13,407
減価償却費
996 747 432 164 2,339
償却費
30,471 26,969 12,083 3,032 72,555
資本的支出
2018 年 12 月 31 日現在
9,706,611 5,711,799 12,095,016 186,114 27,699,540
セグメント資産
内: 関連会社および共同支配企業
29,124 29,124
への投資 ― ― ―
107,201 95,256 42,370 45,577 290,404
有形固定資産
その他の非流動資産( ii ) 20,760 6,982 4,241 15,863 47,846
12,292,100 9,664,481 3,179,501 218,575 25,354,657
セグメント負債
その他のセグメント情報:
2,222,156 1,007,356 3,229,512
― ―
与信コミットメント
(i) 純トレーディング利益、金融投資に係る純利益 および その他の営業収益(純額)を含む。
(ii) 長期未収金、無形資産、のれん、長期繰延費用およびその他の非流動資産を含む。
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法人金融 個人金融 資金業務 その他 合計
2017 年 12 月 31 日終了年度
251,100 58,384 212,594 522,078
外部純受取利息 ―
1,308 127,684 (128,992)
内部純受取(支払)利息 ― ―
76,923 62,325 377 139,625
純受取手数料等 ―
2,933 (474) 6,620 4,872 13,951
その他の収益(費用)、純額( i)
332,264 247,919 90,599 4,872 675,654
営業収益
(70,089) (93,935) (15,857) (6,313) (186,194)
営業費用
(109,302) (16,141) (2,029) (297) (127,769)
資産に係る減損損失
152,873 137,843 72,713 (1,738) 361,691
営業利益(損失)
関連会社および共同支配企業の利益に対
2,950 2,950
― ― ―
する持分
152,873 137,843 72,713 1,212 364,641
税引前利益
(77,190)
法人所得税
287,451
当期純利益
その他のセグメント情報:
6,122 5,070 2,404 277 13,873
減価償却費
967 682 406 59 2,114
償却費
15,794 12,964 6,185 728 35,671
資本的支出
2017 年 12 月 31 日現在
9,309,390 4,992,999 11,629,855 154,799 26,087,043
セグメント資産
内: 関連会社および共同支配企業
32,441 32,441
への投資 ― ― ―
96,515 79,646 37,649 33,934 247,744
有形固定資産
その他の非流動資産( ii ) 20,975 7,076 4,435 11,124 43,610
11,294,092 8,627,592 3,854,496 169,807 23,945,987
セグメント負債
その他のセグメント情報:
2,608,719 902,217 3,510,936
― ―
与信コミットメント
(i) 純トレーディング利益、金融投資に係る純利益 および その他の営業収益(純額)を含む。
(ii) 長期未収金、無形資産、のれん、長期繰延費用およびその他の非流動資産を含む。
(b)
所在地別セグメント
当グループは主に中国本土で営業しており、中国本土以外(香港、マカオ、シンガポール、フランクフルト、ルクセンブル
グ、ソウル、東京、ロンドン、アルマトイ、ジャカルタ、モスクワ、ドーハ、ドバイ、アブダビ、シドニー、トロント、クア
ラルンプール、ハノイ、バンコク、ニューヨーク、カラチ、ムンバイ、プノンペン、ビエンチャン 、リマ 、ブエノスアイレ
ス 、サンパウロ、オークランド、クウェートシティ、メキシコシティ、ヤンゴン、リヤド、イスタンブール、プラハ、チュー
リヒ、マニラおよびウィーン を含む)で営業する支店および子会社も有している。
地域の区分は以下のとおりである。
中国本土(本店および国内支店)
本店: 本店事業部門(本店およびその部局が直接管理する機関を含む)。
長江デルタ: 上海、江蘇、浙江および寧波を含む。
珠江デルタ: 広東、深 圳 、福建およびアモイを含む。
環渤海: 北京、天津、河北、山東および青島を含む。
華中: 山西、河南、湖北、湖南、安徽、江西および海南を含む。
華西: 重慶、四川、貴州、雲南、広西、