フランス電力 半期報告書
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フランス電力(E05969)
半期報告書
【表紙】
【提出書類】 半期報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年９月30日
【中間会計期間】 自 2022年１月１日 至 2022年６月30日
【会社名】 フランス電力
(Electricité de France)
【代表者の役職氏名】 会長兼 最高 経営 責任者 ジャン・ベルナール・レヴィ
( Jean-Bernard Lévy , Chairman and Chief Executive Officer)
【本店の所在の場所】 フランス パリ市 75008 ワグラム通り 22番地30
(22-30, avenue de Wagram, 75008 Paris, France)
【代理人の氏名又は名称】 弁護士 柴 田 弘 典
【代理人の住所又は所在地】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 東京(03)6775-1039
【事務連絡者氏名】 弁護士 金 村 直 弥
同 塩 野 祐 輝
同 大 栢 健 太 朗
【連絡場所】 東京都千代田区大手町一丁目１番１号
大手町パークビルディング
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
【電話番号】 東京(03)6775-1323
【縦覧に供する場所】 該当なし
注(１) 本書中、別段の表示のない限り、すべて、「EDF」、「当社」および「会社」と表示されたものは、親会社であるフラ
ンス電力を意味し、「EDFグループ」、「当グループ」および「グループ」は、フランス電力ならびにその子会社および
株式保有会社を意味する。
( ２) 本書中、別段の表示のない限り、すべて、ユーロまたは€ と 表示されたものは欧州通貨ユーロを、ドル、米ドルまたは
＄と表示されたものはアメリカ合衆国ドルを意味する。
ユーロから日本円への換算は、2022年８月31日現在の株式会社三菱UFJ銀行によるユーロの日本円に対する対顧客電信
売買相場の仲値である１ユーロ＝139.03円により計算されている。
( ３) 本書における「AMF」への言及はすべて、フランス金融市場監督局（ Autorit é des Marchés Financiers ）を指す。
( ４) フランス電力の事業年度は暦年である。
( ５) 本書の表で計数が四捨五入されている場合、合計は計算の総和と必ずしも一致しない。表中の「n.a.」は、「該当な
し」を意味する。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
第一部【企業情報】
第１【本国における法制等の概要】
当半期中、フランスの法制等に関して、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
第２【企業の概況】
１【主要な経営指標等の推移】
連結損益計算書からの抜粋
(単位：百万ユーロ(十億円))
2022 年6月30日 2021 年6月30日 2020 年6月30日
2021 年12月31日 2020 年12月31日
に終了した に終了した に終了した
に終了した年度 に終了した年度
6か月間 6か月間 6か月間
84,461 69,031 66,262 39,621 34,710
売上高
(11,743) (9,597) (9,212) (5,509) (4,826)
減価償却費
および償却費控除
18,005 16,174 2,672 10,601 8,196
前 営 業 利 益
(2,503) (2,249) (371) (1,474) (1,139)
(EBITDA)
5,225 3,875 △4,496 4,272 1,624
営業利益 (EBIT)
(726) (539) (△625) (594) (226)
連結会社の税引前 5,585 1,293 △7,443 5,133 △678
利益 (776) (180) (△1,035) (714) (△94)
5,113 650 △5,293 4,172 △701
EDF の純利益
(711) (90) (△736) (580) (△97)
非経常項目を除く
4,717 1,969 △1,312 3,740 1,267
(1)
純利益
(656) (274) (△182) (520) (176)
(1) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、当グループの連結損益計算書に直接的に表示されない。非経常項目を除く純利益は、
非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額ならびに負債商品および資本性金融
商品の公正価値の純変動額（税引後）を除く純利益の当グループ持分（EDFの純利益）に相当する。
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連結貸借対照表からの抜粋
(単位：百万ユーロ(十億円))
2021 年 2020 年 2022 年 2021 年 2020 年
12 月31日 12 月31日 6月30日 6月30日 6月30日
255,868 237,232 258,650 243,506 228,997
非流動資産
(35,573) (32,982) (35,960) (33,855) (31,837)
105,029 66,363 145,063 72,327 77,664
流動資産
(14,602) (9,226) (20,168) (10,056) (10,798)
69 2,296 74 2,617 2,990
売却目的保有に分類された資産
(10) (319) (10) (364) (416)
360,966 305,891 403,787 318,450 309,651
資産合計
(50,185) (42,528) (56,139) (44,274) (43,051)
50,211 45,633 59,107 53,773 44,864
自己資本 (EDF持分)
(6,981) (6,344) (8,218) (7,476) (6,237)
11,778 9,593 12,211 10,279 8,990
自己資本 (非支配持分)
(1,637) (1,334) (1,698) (1,429) (1,250)
201,838 198,145 200,518 193,243 189,291
非流動負債
(28,062) (27,548) (27,878) (26,867) (26,317)
97,109 52,412 131,921 60,880 65,525
流動負債
(13,501) (7,287) (18,341) (8,464) (9,110)
売却目的保有に分類された 30 108 30 275 981
資産に関連する負債 (4) (15) (4) (38) (136)
360,966 305,891 403,787 318,450 309,651
自己資本および負債合計
(50,185) (42,528) (56,139) (44,274) (43,051)
連結キャッシュ・フロー計算書からの抜粋
(単位：百万ユーロ(十億円))
2020 年6月30日
2020 年6月30日
2020 年12月31日 2020 年12月31日
2022 年6月30日 2021 年6月30日
に終了した
2021 年12月31日 に終了した
に終了した年度 に終了した年度
に終了した に終了した
6か月間
に終了した年度 6か月間
(1) (2)
(再表示後) (再表示前)
6か月間 6か月間
(3)
(再表示後)
(再表示前)
営業活動による
12,648 12,942 12,863 4,997 7,508 5,585 5,516
キャッシュ・フロー
(1,758) (1,799) (1,788) (695) (1,044) (776) (767)
(純額)
投資活動による
△14,577 △12,967 △12,888 △20,178 △4,958 △2,983 △2,914
キャッシュ・フロー
(△2,027) (△1,803) (△1,792) (△2,805) (△689) (△415) (△405)
(純額)
財務活動による
4,973 2,591 2,591 12,740 △3,304 9,166 9,166
キャッシュ・フロー
(691) (360) (360) (1,771) (△459) (1,274) (1,274)
(純額)
現金および現金同等物の
3,044 2,566 2,566 △2,441 △754 11,768 11,768
(423) (357) (357) (△339) (△105) (1,636) (1,636)
純増加/(減少)額
(1) 2020年度に関して公表された数値は、「金融費用支出（純額）」から「金融資産の変動」への組替え79百万ユーロが含まれている。
(2) 2021年に発行された2020事業年度のデータ。
(3) 2020年度に関して公表された数値は、「金融費用支出（純額）」から「金融資産の変動」への組替え69百万ユーロが含まれている。
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純負債額に関する情報
(単位：百万ユーロ(十億円))
2021 年 2020 年 2022 年 2021 年 2020 年
12 月31日 12 月31日 6月30日 6月30日 6月30日
69,406 65,591 77,425 61,503 77,856
借入金およびその他の金融負債
(9,650) (9,119) (10,764) (8,551) (10,824)
負債のヘッジに使用された
△3,762 △1,986 △3,893 △2,831 △5,912
(△523) (△276) (△541) (△394) (△822)
デリバティブ
△9,919 △6,270 △7,418 △5,928 △15,561
現金および現金同等物
(△1,379) (△872) (△1,031) (△824) (△2,163)
負債証券および持分証券－流動性の高
△12,737 △15,028 △23,323 △11,715 △14,386
(1)
い資産
(△1,771) (△2,089) (△3,243) (△1,629) (△2,000)
- - - - 5
非継続事業の純負債額
(-) (-) (-) (-) (1)
資産のヘッジに使用された
- - △20 - -
(-) (-) (△3) (-) (-)
デリバティブ
- △17 - △22 -
売却目的保有資産の純負債額
(-) (△2) (-) (△3) (-)
42,988 42,290 42,771 41,007 42,002
(2)
純負債額
(5,977) (5,880) (5,946) (5,701) (5,840)
(1) 2020年６月30日現在、流動性の高い資産には、レポ契約に基づき複数の銀行に譲渡された負債証券（これらの取引は2020年度上半期において6.5十
億ユーロであった。）が含まれている。EDFはこの対価として担保現金を受け取っており、借入金およびその他の金融負債として認識されている。
かかる取引は、純負債額に影響を及ぼさない。
(2) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表には直接表示されていない。これは、借入金および金融負債の合計から、
現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものからなる。流動性の高い資産は、ファンドまたは有価証券からなる、当初の満期
３か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に従って運用されている金融資産である。
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２【事業の内容】
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
３【関係会社の状況】
( １ ) 親会社
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
2022年７月19日、フランス政府がEDF株式資本100％を保有する意向を表明し、EDF株式について簡易公開買付けを申請した。
当該公開買付けの概要は以下のとおりである。
・目的：フランス政府が保有していない、EDF資本の15.9％（ 従業員を対象とした増資の考慮前 ）およびOCEANE債の60％の買戻
し。提案価格はEDF株式１株当たり12.0ユーロ（配当権付）およびOCEANE債１券面当たり15.64ユーロである。
・実施条件が満たされた場合は、強制的に上場廃止となる（ フランス通貨金融法第L.433-4条の規定に基づく。 ）。
・買付総額：約9.7十億ユーロ
・EDFの取締役会は、当社、株主およびOCEANE債（ OCEANE債：新株予約権および株式交換権付社債 ）の保有者にとっての本公開
買付けによる利益に関して、取締役会へ勧告を行う役割を担う特別委員会を設置した。
・EDFの取締役会は、特別委員会の提案を受けて、独立専門家を選任した。
・本公開買付けは、2022年補正予算法の成立を条件として、フランス金融市場監督局に申請された。
( ２) 子会社および関連会社
2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記3.1「連結範囲の変更」を参照のこと。
４【従業員の状況】
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に変更はなかった。
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第３【事業の状況】
１【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
下記「第３ ３（３）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
２【事業等のリスク】
EDF グループが晒されていると考える主要なリスク要因ならびに当グループのリスクの管理および統制に関する方針について
は、2021年度有価証券報告書「第一部 第３ ２ 事業等のリスク」に記載されている。
当グループは、引き続きその事業に固有の特定されたリスク要因の影響を受けるため、2021年度有価証券報告書に含まれる
主要リスクの記載は、当グループが2022年６月30日現在晒されているか、または当事業年度の下半期中に当グループに影響を
及ぼす可能性のある主要なリスクおよび不確定要素の評価につき、2022年７月28日現在引き続き有効である。
ウクライナにおける戦争特有のリスクについては、2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記1.6.2も参照。
フランスにおける規制枠組みに関するリスク、特にARENH制度については、2021年度有価証券報告書「第一部 第３ ２（２）
①市場規制、政治および法律に関するリスク」のリスク要因「１Ａ：フランスおよび欧州における、特にARENHに関連する公共
政策および規制枠組みの変化」を参照。また、2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記5.1.1も参照。
３【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
( １) 業績等の概要
下記「第３ ３（３）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
( ２) 生産、受注及び販売の状況
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
( ３) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
本項に含まれる将来に関する事項についての記載は、2022年６月30日現在における当社の判断に基づくものである。
① 重要な事象および主要なデータ
フランス政府がEDF株式資本100％を保有する意向を表明
ウクライナでの戦争により悪化した市場価格のボラティリティの上昇
フランスにおける発電量の減少および例外的な規制措置により、EBITDAは大幅に減少
エネルギー移行に向けた相当水準の投資
欧州タクソノミーへの原子力の追加
・フランス政府は、EDF株式について簡易公開買付けを申請する意向である（ フランス政府およびEDFの2022年７月19日付プレ
スリリースを参照。 ）。
－目的：フランス政府が保有していない、EDF資本の15.9％（ 従業員を対象とした増資の考慮前 ）およびOCEANE債の60％の買
戻し。提案価格はEDF株式１株当たり12.0ユーロ（配当権付）およびOCEANE債１券面当たり15.64ユーロである。
－実施条件が満たされた場合は、強制的に上場廃止となる（ フランス通貨金融法第L.433-4条の規定に基づく。 ）。
－ 買付 総額：約9.7十億ユーロ
－ EDF の取締役会は、当社、株主およびOCEANE債（ OCEANE：新株予約権および株式交換権付社債 ）の保有者にとっての本公開
買付けによる利益に関して、取締役会へ勧告を行う役割を担う特別委員会を設置した。
－取締役会は、特別委員会の提案を受けて、独立専門家を選任した。
－ 本公開 買付けは、2022年補正予算法の成立を条件として、フランス金融市場監督局（AMF）に申請される。
・ 応 力 腐 食 （SC） 現 象 （ 2022 年 ７ 月 27 日 付 の 情 報 メ モ （https://www.edf.fr/sites/groupe/files/2022-
07/EDF_Mise%20a%20jour%20Note%20Info%20CSC_27juillet%202022.pdf）を参照。 ）
－原子力安全当局は、EDFから提出された全体的な戦略を適切と評価している。
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－すべての原子炉は、すでに予定されている供給停止の一環として2025年までに点検される予定で、応力腐食に対する感度
が高い原子炉（N4原子炉４基および1,300MW原子炉のうち12基）が優先される。900MW原子炉32基および1,300MW原子炉のう
ち８基の配管ラインは、応力腐食に対する感度が低いか、非常に低い。
－非破壊検査強化のためのプロセス開発の継続
・ウクライナにおける戦争
－市場価格およびボラティリティの上昇：2022年に原子力発電量が減少し、市場での多量購入が必要となる状況下で、電力
市場が極度に緊張
－部品および商品の供給途絶およびインフレにより、一部の事業や主要プロジェクトに遅延が生じている。
－ガスおよびウラン供給への影響は限定的である：Edisonとロシア企業の欧州子会社との間のガス契約が１件のみ（当グ
ループ供給量の４％を占め、2022年末までに終了）。また現在の在庫水準および多様な長期供給契約（20年間）を考慮す
ると、ロシアからのウラン輸入への依存度は低い。
－国際的制裁：現時点で、国際的制裁の影響を受けているロシアの企業、銀行または個人に対するエクスポージャーはな
い。モスクワ事務所は閉鎖された。
－金融市場への影響：専用資産の上場資産ポートフォリオの価値低下（インフレ、景気後退リスクおよび金利上昇）、なら
びに原子力引当金の現在価値低下（実質割引率の上昇（ 割引率の上昇は、フランスにおける年金債務の現在価値を2021年
12月31日から2022年６月30日の間に8.9十億ユーロ減少させることにもつながった。 ））。全体として、2022年６月末のカ
バレッジ比率（ EDF SAの範囲内 ）は105.3％（2021年末は109.3％）であった。
・環境的成功および社会的成功
－2050年までのカーボン・ニュートラル達成に貢献する気候変動計画を株主総会において99.87％の賛成で採択
－与信枠の84％がESG KPIに連動（（ 2022年６月30日現在の総額12十億ユーロのうち ）総額10十億ユーロ）
－EDFが、フランスの大手グループとして初めて公表したインパクト・スコア（ 企業のESGアプローチを改善するために、当
該企業によるインパクトを360度評価しマッピングすることができる、インパクト・フランス・ムーブメントの方法によ
る。 ）は68／100で、他社の平均スコアを上回っている（ 2022年度第１四半期にインパクト・スコアを公表した企業の平均
スコアは55／100であった。 ）。
－調査ランキングにおいてEDF SAの魅力が確認された（ EDF：エネルギー分野において学生および若い卒業生に選ばれて いる
企業（Epokaランキング）、経験豊富なエンジニアにとって最も魅力的な雇用主のランキング（Universumランキング）に
おいて第４位、「ハッピー・トレーニー（Happy Trainees）」認定企業（エネルギー部門で第１位、総合ランキングで第
２位。） ）。
・欧州タクソノミーへの原子力の追加（ 2023年１月１日に委任法が施行される。 ）
－欧州理事会および欧州議会が、特に原子力を当該タクソノミーに含めることを最終的に決定した。原子力の役割に対する
認識は、IPCC、IEAおよび多くの国と一致する。
－原子力プロジェクトを含む、欧州タクソノミーに沿った新たなグリーンファイナンスの枠組み（ 国際資本市場協会
（ICMA）が発表したグリーンボンド原則、サステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ（TEG）により提
案された欧州連合のグリーンボンド基準、およびCiceroによる独立した第三者意見に沿ったものである。 ）
・財務構造および流動性の強化
－3.15十億ユーロ超の優先引受権付株主割当発行に成功した。
－総額約12十億ユーロの３年間の二者間タームローンが締結された。
・2022年２月10日にベルフォールで行われたフランス大統領による発表
－フランスの原子力分野への支援
・６基のEPR２原子炉の建設計画の開始とさらに８基の建設計画の可能性
・ 安全性 の問題を除いた、すべての原子炉の操業の延長
TM
・ フランス の小型モジュラー炉（SMR）プログラムの開発（NUWARD の500百万ユーロを含む。）
－再生可能エネルギーの開発の促進
－エネルギー 消費量の削減を背景に、フランスの気候変動対策において低炭素電力が果たす役割が大きくなっていることを
確認
・原子力
－見積費用約33十億ユーロ（ ユーロ時価。この金額の一部は、第１期（2014年から2025年）の期間末を対象としている。 ）
の、2022年から2028年までの期間を対象とする「グラン・カレナージュ（ Grand Carénage ）」計画の第２段階を開始し
た。
－2022年におけるARENH容量20TWhの追加の割当てに関する2022年３月12日付命令（ 2022年３月14日付プレスリリースを参
照。 ）
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フランス電力(E05969)
半期報告書
－フラマンビル３：燃料装荷時期を2022年末から2023年度第２四半期にずらし、建設費用を12.4十億ユーロから12.7十億
ユーロに更新した（ 2022年１月12日付プレスリリースを参照。ユーロ（2015年）における費用（建設期間中の利息を除
く。）。 ）。
－GE Steam Powerの原子力事業（アメリカ大陸を除く。）の一部を取得する独占契約をGEと締結（ 2022年２月10日付プレス
リリースを参照。 ）
－ヒンクリー・ポイントＣ： スケジュールおよび費用の見直し、１号機の発電開始は2027年６月を目標、プロジェクトの見
積完成費用は25十億英ポンド（2015年）から26十億英ポンド（2015年）（ 2021年１月27日付発表では、発電開始は2026年
６月、見積費用は22十億英ポンド（2015年）から23十億英ポンド（2015年）であった。2022年５月19日付プレスリリース
を参照。 ）。１号機の原子炉容器ヘッドを製造。
－サイズウェルＣ：英国政府から開発同意命令（DCO）を取得
－小型モジュラー炉（SMR）NUWARD™：安全基準の国際協調のためにチェコおよびフィンランドの安全当局と協力してASNが主
導する事前評価に、設計が提出された。
・再生可能エネルギー
－当グループの風力プロジェクトおよび太陽光発電プロジェクトのポートフォリオの拡大。インドおよび米国における成功
による総計82GW（2021年末比で＋９％）：
・ニューヨークにおいて太陽光および貯蔵プロジェクト３件を獲得（１GW）
・ニューヨーク湾において洋上風力発電の開発権を獲得（1.5GW）
・ラージャスターン州の太陽光発電プロジェクトにおいて電力購入契約（PPA）を締結（450MW）
－サンナゼール（480MW）：稼働開始（ EDF Renewablesの2022年６月10日付プレスリリースを参照。 ）、および80基の洋上風
力タービンのうち56基を設置
－イスラエルにおいて４か所の太陽光発電所を稼働（54MW）（うち２か所は浮体式）
・顧客およびサービス
－顧客１人当たりのサービス、ガスおよび電力の契約数は、2021年６月末現在は1.24件であったのに対し、2022年６月末現
在は1.27件（ EDFによる予測値：「G4」として知られる欧州の優先４か国（フランス、イタリア、英国およびベルギー）の
住宅用顧客向け ）（2030年までの目標：1.5件超）
－フランスにおいて、前年同期比（ 2021年６月末から2022年６月末まで ）で約520,000件のガス契約およびサービス契約を獲
得
－2022年度上半期のフランスにおける電力契約ポートフォリオの安定
－フランスでの市場サービスにおける住宅用電力顧客は1.7百万近くとなり、2021年末から＋18％
－企業用顧客セグメントにおける成功：電力（トヨタ、軍事省およびPaprec等）ならびにガス（TereosおよびConstellium
等）
－Dalkia：ArkemaとSRF（ SRF：固体回復燃料（現地回収されない。） ）回収プロジェクトに関する契約を締結し、年間
10,000トンの二酸化炭素排出を回避
・カーボン・ニュートラルに向けたイノベーション
－100％低炭素の水素に特化した新たな産業計画を開始した。IPCEI（ 欧州共通利益に適合する重要プロジェクト ）プログラ
ムの一環として、ベルフォールにおけるMcPhyのギガ・ファクトリー・プロジェクト（年間１GW）に対するフランスの補助
金を認める、欧州連合の好意的な決定が下された。
－EDF Pulse：英国の新興企業であるCarbon8（産業廃棄物を利用した炭素回収）の資金調達に参画
－モビリティ
・IZIVIAおよびQ-Parkの提携により、フランスにおいて３年以内に4,000基の充電設備のネットワークを展開する。
・Luminusが、ベルギーにおいてArvalの企業用顧客および住宅用顧客に充電ソリューションを提供するパートナーシップ
を締結した（３年の連続期間）。
・フランスにおいて、企業用顧客向けに充電スタンドおよびソーラーパネルのセット販売を開始した。
・SoweeおよびMobilize（ Renaultのアプリケーション ）による、Renaultの電気自動車ユーザー向けの革新的なソリュー
ション：スマート・ホーム充電によるコスト削減
・日産自動車が、家庭用電気自動車充電ソリューションの供給および導入でEDFによるIZI（IZI by EDF）を選定
・2022年６月末現在でグループ・レベルで240,000か所超（2021年末比＋26％）の充電ポイントを設置および管理
・Framatome
－好調なパフォーマンスおよび好調な受注高
・Enedis
－2022年６月末現在で、都市および大都市圏との委託契約はすべて平均30年の期間で更新された。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
－エネルギー移行支援のため、EIBと800百万ユーロの融資契約に署名
－特に再生可能エネルギー発電事業者との電力網接続事業の拡大
2022 年度上半期の当グループの主要なデータ
本書中の数値は、EDFグループの2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類から抜粋している。
2022 年度 2021 年度 本業の変動率
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
売上高 66,262 39,621 26,641 67.2 66.4
減価償却費および償却費控除前営業利益
2,672 10,601 △7,929 -74.8 -75.0
(EBITDA)
営業利益 (EBIT)
△4,496 4,272 △8,768 n.a. n.a.
連結会社の税引前利益 △7,443 5,133 △12,576 n.a. n.a.
EDF の純利益 △5,293 4,172 △9,465 n.a. n.a.
(1)
非経常項目を除く純利益
△1,312 3,740 △5,052 n.a. n.a.
ハイブリッド債に係る支払調整後の非経常
△1,644 3,452 △5,096 n.a. n.a.
項目を除く純利益
(2)
当グループのキャッシュ・フロー
△3,981 △240 △3,741 n.a. n.a.
(3)
純負債額
42,771 41,007 1,764 4.3 n.a.
n.a. ＝該当事項なし。
(1) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、当グループの連結損益計算書に直接的に表示されない。非経
常項目を除く純利益は、非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価
値の純変動額ならびに負債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額（税引後）を除く当グループの純利益（EDF
の純利益）の当グループ持分（「第３ ３（３）④（ⅵ）非経常項目を除く純利益」を参照。）に相当する。
(2) 当グループのキャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他社により同名で
発表される指標と比較できるものではない。当グループのキャッシュ・フローは、資産売却、法人所得税支払額、金融費
用支出（純額）、専用資産への純割当額、現金配当支払額、ヒンクリー・ポイント ＣおよびLinkyのプロジェクトへの投
資額 を除く営業キャッシュ・フローに相当する（「第３ ３（３）⑤純負債額、キャッシュ・フローおよび投資」を参
照。）。
(3) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表上には直接表示されていない（「第３ ３（３）
⑤（ⅰ）純負債額」を参照。）。
② 経済環境
( ⅰ) 電力および主要なエネルギー源の市場価格
2022年度上半期中、電力の平均スポット価格は、欧州全土で2021年度上半期より大幅に上昇した。
欧州における電力スポット価格 （ フランス：EPEXSPOTにおける当日引渡向け前日の平均価格。ベルギー：Belpexにおける当日
引渡向け前日の平均価格。英国：EDF Tradingにおける当日引渡向け前日平均OTC価格。イタリア：GMEにおける当日引渡向け前
日平均価格。 ）
フランス 英国 イタリア ベルギー
2022 年度上半期のベースロード
229.0 209.8 249.1 200.9
平均価格 (ユーロ/MWh)
2022 年度上半期/2021年度上半期の
+291.6% +165.6% +272.0% +254.7%
ベースロード平均価格の変動率
2022 年度上半期のピークロード
252.7 232.6 267.5 219.8
平均価格 (ユーロ/MWh)
2022 年度上半期/2021年度上半期の
+276.6% +153.0% +263.5% +244.2%
ピークロード平均価格の変動率
緊密な欧州市場において、フランスの市場価格の分析は、近隣諸国における市場価格の分析に関連する必要がある。
以下の記載は、ベースロード価格に関するものである。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
フランスの電力スポット価格は、2022年度上半期において平均299.0ユーロ／MWh（ベースロード）および252.7ユーロ／MWh
（ピークロード）となり、前年同期比でそれぞれ170.5ユーロ／MWhおよび185.6ユーロ／MWh上昇した。
この著しい増加は以下の２つの要因が組み合わさったことに起因する。
・コモディティ価格、特にガスの価格が大幅に上昇したことにより、化石燃料火力発電の費用が著しく上昇したこと。
・エネルギー発電量が、2021年度上半期と比較して30.5TWh減少したこと。かかる減少は、原子力発電量(－27.5TWh)および水
力発電量(－8.4TWh)が減少し、2022年度上半期にはそれぞれ154.1TWhおよび25.5TWhとなったことに起因する。これらの発電量
の減少は、化石燃料火力発電量の増加(＋4.2TWh、うち3.8TWhがガス（前年同期比＋22.1％）および0.3TWhが石炭（前年同期比
＋16.3％）)および風力発電量の低下をほぼすべて相殺した太陽光発電量のわずかな増加により一部補填された。
国内での需要が239.8TWhまで減少したにも関わらず、通常純輸出国であるフランス（2021年度上半期は22.4TWh）が純輸入国
（2.6TWh）となった。2022年度上半期においてフランスは、欧州中西部（13.2TWh）、英国（3.1TWh）およびスペイン
（1.4TWh）に対しては純輸入国となったが、イタリア（8.7TWh）およびスイス（6.3TWh）に対しては純輸出国となった。
英国における電力の平均スポット価格は、2021年度上半期と比較して130.8ユーロ／MWh上昇し、2022年度上半期は平均209.8
ユーロ／MWhとなった。この上昇はウクライナにおける戦争によりコモディティが直接的な圧力を受けたことに起因する。第２
四半期における需要減ならびに太陽光発電量および風力発電量の増加に、大規模な液化天然ガスの輸入が相まって、第２四半
期の価格上昇は抑えられた。
イタリアにおける平均スポット価格は、2021年度上半期と比較して182.1ユーロ／MWh上昇して、2022年度上半期は平均249.1
ユーロ／MWhにまで達した。この上昇は、イタリアの電力構成におけるガスの重要性を反映している。また、当該価格は、ウク
ライナにおける戦争および需要の高まり（2021年度上半期に記録した水準より＋11.9TWh）に起因し2022年度上半期に大幅に上
昇したガスおよび二酸化炭素価格のトレンドを追った。
ベルギーにおける平均スポット価格は、前年同期比で144.3ユーロ／MWh上昇し、2022年度上半期の平均価格は200.9ユーロ／
MWhとなった。この上昇の要因として、主に第２四半期におけるガスおよび二酸化炭素の価格の上昇ならびに需要の高まり（＋
2.5TWh）が挙げられる。
欧州における電力先物価格 （ フランス：１年先の平均EEX価格。ベルギーおよびイタリア：１年先の平均EDF取引価格。英国：
2021年４月から2022年４月までのICE平均年次契約価格（英国では、年次契約の引渡取引は４月１日から３月31日までの間に行
われる。）。 ）
フランス 英国 イタリア ベルギー
2023 年年次契約に基づく2022年度上半期の
225.0 220.6 184.7 161.2
ベースロード平均先物価格 ( ユーロ/MWh)
年次契約に基づく2022年度上半期/2021年度
+254.6% +213.3% +189% +194%
上半期のベースロード平均先物価格の変動率
2023 年年次契約に基づく2022年6月30日現在
365.7 231.2 268.0 222.0
のベースロード先物価格 (ユーロ/MWh)
2023 年年次契約に基づく2022年度上半期の
361.2 262.5 204.1 195.4
ピークロード平均先物価格 (ユーロ/MWh)
年次契約に基づく2022年度上半期/2021年度
+367.4% +225.3% +191% +198%
上半期のピークロード平均先物価格の変動率
2023 年年次契約に基づく2022年6月30日現在
618.5 284.0 290.9 275.0
のピークロード先物価格 (ユーロ/MWh)
年次契約に基づく電力のベースロード平均先物見積価格およびピークロード平均先物見積価格は、主に（ガス、石炭および
二酸化炭素の）コモディティ価格が上昇したため、欧州全土において2021年度上半期から実質的に上昇した。
フランスにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード平均価格は、2022年度上半期は225.0ユーロ／MWhとなり、
2021年度上半期と比較して254.6％上昇した。かかる上昇は、コモディティ価格の上昇および原子力が入手困難になることが予
想されることによる国内の需給バランスの緊張を反映している。2023年度の月間平均先物価格は、全期間を通して上昇し、
2022年６月は平均314.4ユーロ／MWhとなった。翌年引渡予定の電力価格は、６月に過去最高水準に達し、６月30日には最高額
となる365.7ユーロ／MWhとなった。
英国における４月先物契約ベースロード価格は、コモディティ価格と同様の現象を受け、前年同期比で213.3％上昇し、2022
年度上半期には平均220.6ユーロ／MWhとなった。
また、イタリアにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード価格は、2022年度上半期は平均184.7ユーロ／MWhと
なり、2021年度上半期と比較して189％上昇した。この上昇は、年初からのコモディティ価格の上昇に起因する。当該期間中、
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上昇傾向にあり変動を続けた二酸化炭素価格は、電力価格を押し上げた。イタリアの電力構成においてガスが大きな要素であ
ることから、当年度上半期中の電力価格は上昇した。
ベルギーにおける翌年引渡予定の年次契約に基づくベースロード価格は、コモディティ価格の上昇により、2021年度上半期
から194％上昇し、2022年度上半期は平均161.2ユーロ／MWhとなった。
二酸化炭素排出権価格
年度（Ｙ）＋１年の12月に引渡予定の二酸化炭素排出権価格は、2022年度上半期は平均85.4ユーロ／トンであり、2021年度
上半期から大幅に上昇した（＋92.7％、すなわち＋41.1ユーロ／トン）。
欧州委員会の「フィット・フォー55（Fit for 55）」パッケージで定められた、二酸化炭素の排出量を削減するという目標
と共に、2022年６月末、欧州議会は、2005年から2030年までの二酸化炭素排出量を61％削減するという当初の目標を67％に引
き上げた。また、欧州議会は、産業向けの無償割当量を、2027年から2032年にかけて、段階的に廃止する旨承認した。
中央ヨーロッパの気温が低かったことおよび予想される風力発電量が少なかったことから、化石燃料火力発電所の使用増加
が見込まれ、排出権価格は2022年初頭に上昇した。
２月末、ウクライナ戦争により価格変動は大きくなった。ロシアからのガス供給が減少する中、多くの欧州諸国が石炭の活
用を検討し、排出枠を購入した。
このような背景に反して、今年初めから排出権価格の変動に貢献した純粋な金融関係者のポジションに沿った形で価格が変
動した。
化石燃料価格 （ 石炭：欧州での翌暦年の引渡取引に関する平均ICE価格（CIF ARA）（米ドル／トン）。石油：ブレント原油バ
レルのICE価格（期近物）（米ドル／バレル）。天然ガス：フランスで翌年の10月以降開始する引渡取引に関するICEにおける
平均OTC価格（PEG）(ユーロ／MWhg）。 ）
石炭 石油 天然ガス
( 米ドル/トン) ( 米ドル/バレル) ( ユーロ/MWhg)
2022 年度上半期の平均価格 187.4 105.0 74.9
2022 年度上半期/2021年度
+153.9% +61.0% +282.0%
上半期の平均価格変動率
2022 年度上半期の最高価格 263.6 128.0 109.9
2022 年度上半期の最低価格 90.8 79.0 49.4
2022 年6月30日現在の価格 252.0 114.8 109.9
2021 年6月30日現在の価格 87.2 75.1 28.2
欧州における翌年引渡予定の石炭価格は、2022年度上半期には平均187.4米ドル／トン（2021年度上半期と比較して＋
153.9％、すなわち＋113.6米ドル／トン）であった。
かかる年初からの石炭価格の著しい上昇およびボラティリティは、以下の複数の要因により説明される。
・特にガス市場において、2021年10月 以降 もエネルギー危機に耐え続け、石炭火力発電設備の使用拡大および欧州における在
庫水準の低下を招いたこと。
・（インドネシア および オーストラリアにおける）天候不順関連事象ならびに（オーストリアおよび南アフリカにおける）鉄
道輸送問題による輸出制限。
・中国における相次ぐロックダウンによる需要の減少が、インドにおける国家的成長と局地的な熱波によるエネルギー需要に
より相殺されたこと。
・４月上旬、欧州連合が決定した2022年８月15日からのロシア産石炭の禁輸措置。
・ロシアからのガス供給が減少し、欧州各国が石炭火力発電所の再開に踏み切ったこと。
石油価格は、2022年度上半期には平均105.0米ドル／バレル（前年同期比で＋61.0％、すなわち＋39.8米ドル／バレル）と
なった。市場が緊張する中、供給量の縮小および地政学的な緊張が石油価格を支えた。
ウクライナ戦争が始まると、米国は３月８日にロシアからの石油禁輸措置を発表したが、COVID-19からの回復に対応するた
めのロックダウンによる中国需要の減少や、３月から９月にかけて180百万バレルの石油を市場に放出するという米国の決定に
より価格上昇は限定的となった。半期末には、世界的な需給緊張の継続とEUがロシア産原油の禁輸措置を５月に発表したこと
により、石油価格は再び上昇に転じた。
フランスPEGハブにおける翌年引渡予定の年次ガス契約価格は、2022年度上半期には平均74.9ユーロ／MWh（2021年度上半期
と比較して＋282.0％、すなわち＋55.3ユーロ／MWh）に達した。2021年10月に始まったエネルギー危機は、2022年に入りウク
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ライナ戦争によりロシアからのガス供給が減少するという懸念が煽られ、より確固たるものとなった。一方、ロシアはロシア
のガス納入につき、ルーブルでの支払いを求めた。
ガスの供給が継続されることで緊張が緩和され、大量の液化天然ガスが欧州に流入した。
しかしながら、半期末には、以下の要因によりガス価格はさらに上昇した。
・６月上旬に火災が発生したテキサス州のフリーポートLNGターミナルの操業停止期間が３か月に延長されたこと。
・ガスプロムのノルド・ストリーム１経由の輸出能力が40％、その後60％低下し、欧州の在庫回復への懸念が強まった。６月
30日現在のガス貯蔵レベルは、容量の58.2％で、10年平均を１ポイント下回った。
( ⅱ) 電力消費量および天然ガス消費量
フランスにおける電力消費量およびガス消費量
フランスにおける電力消費量は、2021年度上半期と比較して５TWh、すなわち２％減少した。かかる減少は、比較的穏やかな
気候に起因し、推定で－7.4TWh貢献した。かかる減少はCOVID-19後の事業回復により、約＋2.5TWh補填された。
2022年度上半期のフランスにおけるガスの消費量は、2021年度同期より22.5TWh減少した。かかる減少は、主に、同期間にお
いて温暖な気候だったことにより需要が減少したことに起因する。
英国における電力消費量およびガス消費量
英国における電力消費量およびガス消費量は、温暖な気候および高価格により需要が抑えられ、2021年度上半期からそれぞ
れ５％および17％減少した。
イタリアにおける電力消費量およびガス消費量
2022年度上半期のイタリアにおける電力消費量は、合計158.1TWhとなり、2021年度上半期を2.06％上回った。かかる増加
は、COVID-19後の事業回復ならびに2022年５月および６月の気温上昇により冷房設備の需要が高まったことに起因する。
上半期のイタリアにおける天然ガスの需要は合計39.1bcmとなり、前年同期比で1.7％低下した。2022年の温暖な天候により
住宅用顧客による消費量の低下（－4.1％）および企業用顧客による消費量の低下（－8.4％）は、熱電供給用のガス消費量の
増加（＋７％）により一部相殺された。
(ⅲ) 電力および天然ガスの販売料金
フランスの規制販売料金は、2022年２月１日付で、住宅用および企業用セグメントの両方におけるすべての消費者につき平
均して税抜きで3.8％（税込みで４％）引き上げられた。かかる引き上げは、フランス政府がエネルギー価格の異例な高騰から
消費者を保護するために導入した料金上限（ bouclier tarifaire ）の導入によるものである。
英国では、住宅用顧客を対象とする電力およびガスの変動料金の上限額が2019年１月１日に導入された。かかる上限額は、
主に直近６か月間の市場価格の変動を考慮するために、今まで６か月ごとに更新されてきた。当該アプローチにより、2021年
９月以降のエネルギー価格の上昇による供給コストの大幅な増加は、標準変動料金（SVT）に部分的にしか反映されていない。
2021年10月１日から当初12％の引き上げが適用され、その後、2022年４月１日からは54％の引き上げとなる。
その結果、英国のエネルギー規制当局であるOfgemは、エネルギー価格が供給者の直面するコスト、リスクおよび不測の事態
を適切に反映するよう、価格上限の設定方法に関する協議を行った。協議の結果、過度な価格変動が起こった場合、安定化措
置を適用することおよびSVT上限を四半期ごとに更新することになった。
最近および今後予定されているSVTの引き上げを踏まえて、英国政府はまた、各家庭のエネルギー料金を400英ポンド引き下
げることを含む家庭へのその他の支援策を発表した。
(ⅳ) 天候：気温および降雨量
フランスの気温
2022 年度上半期は、１月および４月に数回、寒波に見舞われた以外は概ね穏やかな気候であった。平均気温は季節平均気温
を0.8℃上回り、2021年度上半期より1.3℃高くなった。５月は特に暖かく、また、６月は例年より早い時期に非常に強い熱波
に見舞われた。
フランスの降雨量
2022 年度上半期、山間部では記録的な低水位となり、指数は0.73（2021年度上半期は１）であった。貯水池の満水率は、６
月30日現在、68.4％と過去最低に近い水準となった。これは、干ばつに近い状態であること、また、2021年／2022年冬季の累
積降雪量が少なかった上、急激な雪解けが５月に集中したことに起因する。
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③ 重要な事象
「 第３ ３（３）① 重要な事象および主要なデータ」に記載されている重要な事象に加えて、2022年度上半期中の重要な事象
の詳細は、2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記２「重要な事象の要約」に記載されている。
( ⅰ) 規制環境
規制変更に関する詳細は、2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記5.1.1および注記5.3に記載されている。
( ⅱ) EDFの取締役の変更
2022 年５月12日の株主総会において、株主は、株主総会の終了を以って取締役を退任する意向を取締役会に対して表明して
いたヴェロニック・ベダーグ・アミルュス氏の後任として、デルフィーヌ・ジェニー・ステファン氏を任命した。フランス政
府の推薦により、コンサルタントであるジェニー・ステファン氏が2024年12月31日に終了する事業年度の財務書類を承認する
ために招集される株主総会までの３年を任期として取締役に任命された。
2014 年８月20日付政令第2014-948号第４条に基づき、2022年６月28日付の経済・財政・産業・デジタル主権担当大臣の決定
により、フランス政府保有株式監督機関（ Agence des participations de l'Etat （APE））の財務部長であるセリーヌ・フォ
ルナーロ氏が、フランス政府を代表する取締役として任命された。セリーヌ・フォルナーロ氏は、2015年８月24日からフラン
ス政府保有株式監督機関の長官を、また、2015年９月９日からEDFの取締役を務めていたマルタン・ヴィアル氏の後任となる。
④ 2022年度上半期および2021年度上半期の事業および連結損益計算書の分析
2022 年度上半期および2021年度上半期の連結損益計算書の表示および分析は、売上高およびEBITDAを事業セグメント（フラ
ンス－発電と供給、フランス－規制業務、EDF Renewables、Dalkia、Framatome、英国、イタリア、その他国外およびその他事
業）別に分類している。EBIT（営業利益）および純利益は内訳なしで分析されている。
( 単位：百万ユーロ) 2022 年度上半期 2021 年度上半期
売上高 66,262 39,621
購入燃料およびエネルギー費用 △48,238 △18,753
(1)
その他の対外費用
△3,919 △3,629
人件費 △7,286 △7,273
法人所得税以外の税金 △2,383 △2,509
その他の営業収益および営業費用 △1,764 3,144
減価償却費および償却費控除前営業利益
2,672 10,601
(EBITDA)
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の △993 △541
純変動額
(2)
減価償却費および償却費 (純額)
△5,534 △5,194
( 減損)/戻入 △253 △502
その他の収益および費用 △388 △92
△4,496 4,272
営業利益 (EBIT)
△728 △754
総金融負債に係る費用
502 △ 1,016
割引の影響
△2,721 2,631
その他の金融収益および費用
△2,947 861
金融損益
△7,443 5,133
連結会社の税引前利益
法人所得税 1,840 △1,458
関連会社およびジョイント・ベンチャーの
444 344
純利益に対する 持分
非継続事業の純利益 4 △3
△5,155 4,016
連結純利益
△5,293 4,172
EDF の純利益
△5,297 4,175
EDF の純利益 － 継続事業
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4 △3
EDF の純利益 － 非継続事業
非支配持分に帰属する純利益 138 △156
非支配持分に帰属する純利益－継続事業 138 △156
非支配持分に帰属する純利益－非継続事業 - -
(1) その他の対外費用は、資本財控除後で計上されている。
(2) 委譲資産の取替引当金の純増を含む。
( ⅰ) 売上高
売上高は、2021年度上半期から26,641百万ユーロ増加（＋67.2％）し、2022年度上半期には66,262百万ユーロとなった。外
国為替の変動による影響（336百万ユーロ）および連結範囲の変更による影響（－23百万ユーロ）を除いて、売上高は66.4％の
本業の成長を計上した。
グループ売上高およびセグメントごとの内訳の増減
( 単位：百万ユーロ) 2022 年度上半期 2021 年度上半期 変動 変動率(%) 本業の成長率(%)
売上高 66,262 39,621 26,641 67.2 66.4
以下の表は、セグメント間消去を除くセグメントごとの売上高を示している。
2022 年度 2021 年度 本業の成長率
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
(1)
フランス－発電と供給
23,762 16,001 7,761 48.5 48.4
(2)
フランス－規制業務
9,578 9,096 482 5.3 5.3
EDF Renewables
1,051 807 244 30.2 24.3
Dalkia 3,211 2,326 885 38.0 39.9
Framatome 1,977 1,634 343 21.0 15.7
英国 6,904 4,887 2,017 41.3 42.1
イタリア 13,017 3,911 9,106 232.8 232.0
その他国外 2,585 1,394 1,191 85.4 65.1
その他事業 7,697 1,887 5,810 307.9 311.4
△3,520 △2,322 △1,198 n.a. n.a.
セグメント間消去
66,262 39,621 26,641 67.2 66.4
グループ売上高
(1) フランス本土における発電、供給および最適化、ならびにエンジニアリング、コンサルティングおよびその他のサービス
の売上高。
(2) 規制業務は、Enedisによって行われるフランス本土における配電、EDFの島部業務およびÉlectricité de Strasbourg業務
で構成される。フランス本土において、配電網業務は、TURPE（公共送配電網使用料金）を介して規制されている。
Enedisとは、フランス・エネルギー法に定義されるEDFの独立子会社である。
n.a. ＝該当事項なし。
フランス－発電と供給
2022 年度上半期におけるフランス－発電と供給セグメントの売上高は、前年同期比で7,761 百万ユーロの増加 （＋48.4％の本
業の成長となり、23,762百万ユーロとなった。
下流部門における市場価格の実質的な値上げは、下流部門の利益の増加（＋5,615百万ユーロ）をもたらした。かかる増加
は、料金の値上げを制限することを目的とした規制当局の決定（主にARENHの上限を上げ、料金キャップを導入すること。）に
より抑えられた（－2,036百万ユーロ）。
2022 年度の温暖な気候は、338百万ユーロのマイナスの影響をもたらした。
ARENH スキームに基づく代替供給者に対する売上高は、３月に公布された施行令が適用されたことにより追加供給が可能にな
り、292百万ユーロ増加した（これはEBITDAに悪影響を及ぼした。）。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
購入義務の対象である電力の再販売は、主として2021年度第３四半期以降スポット市場価格および先物市場価格の上昇に起
因して、2,683百万ユーロ増加した（EBITDAへの影響は、CSPEメカニズムが購入義務に関する費用を補填するため、軽微であっ
た。）。
供給量入札による売上高もまた、226百万ユーロの好影響をもたらした。
販売子会社およびアグリゲーターの業績ならびにガスの売上高が、1,511百万ユーロの売上高の増加に寄与した（EBITDAへの
重大な影響はなかった。）。
発電
2022 年度上半期における原子力発電量は、2021年度上半期から27.6TWh減少して、154.1TWhとなった。かかる減少は、主とし
て、応力腐食が検出されたことを受け、検査のために操業を停止したことによるものである。総水力発電量は、前年同期比で
5.7TWh減少し、18.9TWhとなった（ 揚水発電量差し引き前。揚水発電量を差し引いた累積水力発電量の合計は、2022年度上半期
には15.5TWh（2021年度上半期には21.9TWh）となった。 ）。かかる減少は、主として、2022年度上半期の水利条件が不利で
あったことによるものである（「第３ ３（３）②（ⅳ）天候：気温および降雨量」を参照。）。
化石燃料火力発電所の発電量は、2021年度上半期から0.5TWh増加して、5.7TWhとなった。かかる増加は、ル・アーブル石炭
火力発電所の操業が停止したにも関わらず、有利な価格状況によりもたらされたものである。
最終顧客（海外の事業者を除き、地方配電会社を含む市場セグメント）への販売量は、５TWh減少した（天候の影響に関する
4.4TWhを含む。）。住宅用セグメントの市場シェアおよびユニット量の減少は、ビジネス市場における消費のCOVID-19から回
復により一部相殺された。
EDF は、卸売市場において6.2TWhに及ぶ純売手となり、2021年度上半期と比較して32.0TWh減少した。かかる減少は、実質的
な原子力発電量および水力発電量の減少に起因する。
最終的に、ARENHの売上高の増加は最終顧客への売上高の減少により補填された。
フランス－規制業務
フランス－規制業務セグメントの2022年度上半期の売上高は、2021年度上半期から482百万ユーロ（＋5.3％）増加して、
9,578百万ユーロとなった。
Enedis （ Enedisは、フランス・エネルギー法において定義されるEDFの独立子会社である。 ）の売上高の121百万ユーロの増
加は、主として、販売量の増加（＋100百万ユーロ）ならびに接続による収益の増加（＋28百万ユーロ）およびTURPE６配電料
金の指数調整（ 2020年８月１日付の＋2.75％および2021年８月１日付の＋0.91％のTURPE配電料金の指数調整 ）の推移による有
利な価格影響（＋212百万ユーロ）により牽引された。これらの影響は、2021年度上半期と比べて2022年度上半期の気候が穏や
かだったことによる影響（－222百万ユーロ）により相殺された。Électricité de StrasbourgおよびSEI-PEIの売上高は、ガス
市場における価格上昇および規制販売料金の課税前価格の上昇により363百万ユーロ増加した。
EDF Renewables
EDF Renewables の売上高は、2021年度上半期と比較して196百万ユーロの本業の成長（＋24.3％）となり、合計1,051百万
ユーロとなった。かかる成長は主に稼働中の発電所からの発電によるものである。エネルギー発電量は2022年６月30日現在合
計10.8TWhとなり、前年同期比で22.7％の本業の成長となった。これは特に2021年度下半期および2022年度に新たに稼働した発
電所の電力容量ならびに主に北米および英国における風力発電環境が良かったことに起因している。また、英国における有利
な価格影響も当該成長に貢献した。
Dalkia
Dalkia の売上高は、前年同期と比較して928百万ユーロの本業の成長（＋39.9％）となり、2022年度上半期には3,211百万
ユーロとなった。かかる成長は、主としてガス価格の大幅な上昇（2021年度上半期から５倍増）により牽引された。また、売
上高は英国およびフランスにおける事業活動の展開による恩恵も受けた。
Framatome
Framatome の売上高は、2021年度上半期と比較して15.7％の本業の成長となり、2022年度上半期には1,977百万ユーロとなっ
た。売上高のほとんどは当グループ内によるものである。かかる増加は、当グループの事業レベルが高かったことに起因する
ものである。
英国
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フランス電力(E05969)
半期報告書
当グループの2022年度上半期の売上高に対する英国のセグメントの寄与は、6,904百万ユーロとなり、2021年度上半期から
2,057百万ユーロ（＋42.1％）の本業の成長となった。これは主に、エネルギー価格の上昇が販売料金にもたらした影響ならび
に2022年１月にハンターストンＢが閉鎖したにも関わらず、ユニットの停止およびメンテナンス・スケジュールを順調に遂行
で きたため、原子力発電量が2.3TWh増加して23.2TWhになったことに起因している。
イタリア
イタリアのセグメントの売上高は、2021年度上半期と比較して9,072百万ユーロの本業の成長（＋232.0％）となり、2022年
度上半期には合計13,017百万ユーロとなった。これは特に卸売市場において、電力およびガスの価格および販売量が増加した
ことにより牽引された。
その他国外
その他国外セグメントは、主にベルギー、米国、ブラジルおよびアジア（中国、ベトナムおよびラオス）における事業をカ
バーしている。このセグメントの売上高は、前年同期比で907百万ユーロの本業の成長（＋65.1％）となり、2022年度上半期に
は2,585百万ユーロとなった。
ベルギー（ベルギーは LuminusおよびEDF Belgiumにより構成される。 ）における売上高は、電力価格およびガス価格の上昇
ならびに企業用顧客および住宅用顧客向けの販売量の増加により、2021年度上半期と比較して864百万ユーロの本業の成長（＋
89.6％）となった。Luminus顧客ポートフォリオは、市場の激しい競争に関わらず成長した。火力発電所が活用され、電力シス
テムのサービス増加に繋がった。
ブラジルにおける売上高は、主に市場における販売量の増加およびEDFのノルテ・フルミネンセ発電所に関連する電力購入契
約（PPA）の価格が2021年11月に＋18％の調整を受けたことにより、43百万ユーロの本業の成長（＋15.2％）となった。2022年
度上半期の外国為替による影響は、ユーロに対するブラジル・レアルの価値の上昇により、有利に働いた。
その他事業
その他事業は、とりわけEDF Trading および ガス事業 で構成される。
かかるセグメントの売上高は、2021年度上半期と比較して5,877百万ユーロの本業の成長 （＋311.4％） となり、2022年度上
半期においては7,697百万ユーロとなった。
・ ガス事業の売上高は、 前年同期比で 4,565 百万ユーロの本業の成長となり、5,424百万ユーロとなった。かかる成長は、ガス
の卸売価格上昇および販売量の増加の両方によるものである。
・ EDF Tradingの売上高は、前年同期比で164.7％の本業の成長となり、合計2,098百万ユーロとなった。かかる業績はとりわけ
ガス市場およびすべてのコモディティ市場における非常に高いボラティリティの結果である。
( ⅱ) EBITDA
売上高は電力価格およびガス価格に支えられて大幅に増加したものの、EBITDAは2022年度上半期に大幅に減少した。この
EBITDAの変動は、主に応力腐食現象に関連した原子力発電量の減少、2022年の消費者価格の上昇を抑制するためにフランス政
府が採用した例外的な規制措置の影響、そして影響の程度は少ないものの、水力発電量の減少によるものである。これらの事
象により、当グループは市場価格が高騰する中で電力を購入することを余儀なくされた。一方、EBITDAは、市場ボラティリ
ティが高い中で成長したEDF Tradingの例外的なパフォーマンスと、英国における原子力発電量の増加から恩恵を受けた。
2022 年度 2021 年度 本業の成長率
変動 変動率 (%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
売上高 66,262 39,621 26,641 67.2 66.4
購入燃料およびエネルギー費用 △48,238 △18,753 △29,485 157.2 156.2
その他の対外費用 △3,919 △3,629 △290 8.0 6.7
人件費 △7,286 △7,273 △13 0.2 -0.8
法人所得税 以外の 税金 △2,383 △2,509 126 -5.0 -5.7
その他の営業収益および営業費用 △1,764 3,144 △4,908 -156.1 -157.4
EBITDA 2,672 10,601 △7,929 -74.8 -75.0
グループEBITDAの変動および分析
・2022年度上半期の当グループの購入燃料およびエネルギー費用は、2021年度上半期と比較して29,288百万ユーロの本業の成
長（＋156.2％）となり、48,238百万ユーロとなった。
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半期報告書
－フランス－発電と供給セグメントにおける購入燃料およびエネルギー費用は、12,547百万ユーロの本業の成長（＋
181.5％）を計上した。これは、原子力発電量および水力発電量の減少を補うために高値で大量のエネルギーを購入したこ
と、 代替供給業者に追加のARENH容量を供給するための購入ならびにアグリゲーターによるエネルギー購入に起因する。
－英国の購入燃料およびエネルギー費用における1,868百万ユーロの本業の成長（＋54.4％）は、主にエネルギー購入時の市
場価格の上昇による不利な影響に関連している。
－イタリアの購入燃料およびエネルギー費用における8,823百万ユーロの本業の成長（＋291.9％）は、主として卸売市場に
おけるガス量の増加および価格の上昇を反映したものである。
－その他事業セグメントの購入燃料およびエネルギー費用は、4,471百万ユーロの本業の成長（＋737.8％）となった。これ
は、緊迫した商品市場の中、ガス火力発電所をフル稼働することになったため、2021年後半に埋蔵量を放出した後、2022
年初めに高値でLNGを購入したことに関連している。
・2022年度上半期における当グループのその他の対外費用は、前年同期比で242百万ユーロの本業の成長（＋6.7％）となり、
3,919百万ユーロとなった。
－フランス－発電と供給セグメントのその他の対外費用は、78百万ユーロの本業の成長（＋8.4％）となった。かかる増加
は、主として、最終顧客向けのサービス業務の成長に関連する購入およびエンジニアリング・プロジェクトの開発を反映
している。
－英国のその他の対外費用は、93百万ユーロの本業のマイナス成長（－25.9％）となった。これは、主に、原子力発電所
（ダンジェネスＢおよびハンターストンＢ）の永久閉鎖に係る費用が原子力債務基金に移管されたこと、ならびに供給停
止の計画に沿った維持管理費用の減少によって説明される。
－EDF Renewablesのその他の対外費用は、主として米国の分散型太陽光発電事業の成長およびプロジェクトのポートフォリ
オの開発に起因して、55百万ユーロの本業の成長（＋19.5％）を計上した。
－Dalkiaのその他の対外費用は、事業の成長、特に英国における現場作業に牽引され、102百万ユーロの本業の成長（＋
12.8％）となった。
・2022年度上半期における当グループの人件費は、2021年度上半期から61百万ユーロの本業のマイナス成長（－0.8％）とな
り、合計7,286百万ユーロとなった。
－フランス－発電と供給セグメントの人件費は、主にコスト管理の徹底および年金に適用される割引率の上昇を反映して168
百万ユーロの本業のマイナス成長（－5.6％）を計上した。
－フランス－規制業務セグメントの人件費は、主に割引率の上昇が2022年の賃上げ効果を相殺したことに起因して、72百万
ユーロの本業のマイナス成長（－4.4％）となった。
－EDF Renewablesの人件費は、39百万ユーロの本業の成長（＋18.1％）となった。これは、とりわけ開発および建設の事業
の成長に伴う従業員数の増加によって主に説明され、また、より小さい程度ではあるが、主に米国およびブラジルにみら
れた賃金の上昇の影響によるものである。
－Dalkiaの人件費は、主にサービスおよび現場作業の成長に伴う従業員数の増加の結果として、54百万ユーロの本業の成長
（＋9.3％）となった。
－英国における人件費は、144百万ユーロの本業のマイナス成長（－22.1％）となった。これは特に、2021年の厚生年金制度
改革に伴う過渡的な支払いが2022年には存在しなかったこと、かかる改革の影響および2022年の従業員数の減少によるも
のである。
・2022年度上半期における法人所得税以外の税金は、2021年度上半期と比較して142百万ユーロの本業のマイナス成長（－
5.7％）となり、2,383百万ユーロとなった。
－フランス－発電と供給セグメントにおける146百万ユーロの本業のマイナス成長（－8.5％）は、セグメントの業績の変動
に伴う付加価値税に主に起因する。
・2022年度上半期におけるその他の営業収益および営業費用は、2021年度上半期と比較して4,948百万ユーロの本業のマイナス
成長（－157.4％）となり、1,764百万ユーロの純費用となった。
－フランス－発電と供給セグメントの その他の営業収益および営業費用 における5,057百万ユーロの本業のマイナス成長は、
主にスポット市場価格の上昇に伴いCSPEによる報酬が減少したことに起因する（EBITDAへの影響は軽微であった。）。
－フランス－規制業務セグメントの その他の営業収益および営業費用における60百万ユーロの本業の成長（＋8.1％）は、主
として、フランス島部における追加費用を補填するメカニズムに基づき、島部エネルギー・システムのCSPEによる報酬が
増加したことによるものである。
－英国の その他の営業収益および営業費用は、214百万ユーロの本業の成長という好ましい結果となった。これは、ラスト・
リゾート・メカニズムに基づく供給者として2021年に引き受けたUtility Pointの顧客に係る 賦課金請求 を2022年に計上し
たこと、および標準変動料金（SVT）の顧客に関して2021年12月31日に計上した不利な契約に対する引当金を回収したこと
を反映している。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
－イタリアの その他の営業収益および営業費用の109百万ユーロの本業のマイナス成長は、主として、2021年度上半期に
Infrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の売却益が計上されたが、2022年にはこれに匹敵するものはなかったことに関
連 している。
グループEBITDAの変動およびセグメントごとの内訳
2022 年度 2021 年度 本業の成長率
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期 (%)
フランス－発電と供給 △4,988 4,838 △9,826 -203.1 -203.0
フランス－規制業務 3,171 3,210 △39 -1.2 -1.2
EDF Renewables
500 294 206 70.1 64.6
Dalkia 185 215 △30 -14.0 -14.9
Framatome 186 183 3 1.6 -6.6
英国 860 267 593 222.1 241.9
イタリア 622 534 88 16.5 14.2
その他国外 291 206 85 41.3 32.0
その他事業 1,845 854 991 116.0 114.6
グループEBITDA 2,672 10,601 △7,929 -74.8 -75.0
n.a. ＝該当事項なし。
フランス－発電と供給
EBITDA は、市場価格が高騰する状況下での応力腐食現象に関連したフランスの原子力発電量の減少、および2022年の消費者
向け販売価格の上昇を抑制するためにフランス政府が採用した例外的な規制措置のマイナスの影響により大幅に減少した。
供給事業では、価格の上昇傾向は、EDFの顧客サービスの進化にプラスに寄与し、規制措置前のEBITDAは推定3,944百万ユー
ロとなった。
代替供給業者に対するARENH配電量19.5TWhの追加配分（ 2022年３月31日のCREの審議において、一部の供給業者の事業の停止
または放棄により、追加配電量が20TWhから19.5TWhに減少している。 ）（2022年度第２四半期に配電される6.5TWhについて推
定－1.4十億ユーロ）、および2022年度第２四半期からの顧客サービスへの影響（推定－２十億ユーロ）により、マイナスの価
格効果が生じた。全体的な影響（2022年における規制販売料金の４％（税込み）の上限を含む。）は、2022年６月末で－6,162
百万ユーロと推定される。この金額には、2022年度下半期に代替供給業者に配電される追加のARENH配電量13TWhから生じる、
－2.7十億ユーロの引当金が含まれている。
原子力発電量は、2021年度上半期から2022年度上半期にかけて27.6TWh減少した。この減少は、主に、応力腐食現象の影響
（－36.6TWh）によるものである。一方、発電所の予定外の供給停止が少なく、計画の最適化が進んだ（＋９TWh）。供給停止
のため、非常に高い価格水準での購入を余儀なくされた。EBITDAへの影響は、2022年６月末現在で推定－7,282百万ユーロで
あった。
記録的に悪化した水力条件下において、水力発電量の減少は、EBITDAに推定1,370百万ユーロの悪影響を及ぼした。
その他の要因はEBITDAの変動に有利に働き、特に、例年より穏やかな冬を背景として、市場での購入および販売に関連する
プラスの効果は、推定で合計1,044百万ユーロとなった。
フランス－規制業務
EBITDA の減少は、特に、TURPEの指数化（ 2021年８月１日付でTURPE６配電料金については＋0.91％、TURPE６送電料金につい
ては＋1.09％の指数化 ）がプラスに変動したものの、市場価格が急騰する中で行われた損失の購入（推定－312百万ユーロ）に
関連した推定－77百万ユーロのマイナスの価格効果によるものである。
天候がより穏やかであったことによる配電量の減少は、推定－98百万ユーロの影響を及ぼした。
EDF Renewables
EBITDA の増加は、主に2021年度上半期と比較して発電量が増加したこと（＋22.7％）、ならびに特に北米および英国におけ
るプラスの価格効果によるものである。2021年度上半期はテキサス州で異常寒波が発生し、EBITDAに対して推定－94百万ユー
ロの重大な悪影響を及ぼしたが、2022年にはこれに相当する事象はなかった。
風力プロジェクトおよび太陽光プロジェクトのポートフォリオの拡大や、新規国（ベトナム、オーストラリアおよびコロン
ビア等）での事業立上げにより、開発費用が増加した。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
Dalkia
EBITDA は、購入義務のあるコジェネレーション発電所のガス価格の上限設定と、冬季料金の変更に伴う早期操業停止によ
り、不利な影響を受けた。
Dalkia は、「フランス・ルランス（フランス復興）」計画に大きく貢献した。Arkema、DalkiaおよびPSI Environnementは、
年間18,000トンに相当する化石燃料および年間10,000トンの二酸化炭素排出量を回避するためのプロジェクトを立ち上げた。
Dalkiaが建設および運営する蒸気ボイラー・プロジェクトは、SRF（ 固体回復燃料 ）を燃料とする予定である。
Framatome
Framatome 内ではEBITDAが増加した。しかしながら、EDFグループのEBITDAへの貢献は、主に米国における燃料集合体の販売
量の減少により、2022年度上半期は減少した。
「設置基盤」事業は、2022年度上半期に北米において成長した。
2022 年６月末現在の受注高は約2.1十億ユーロとなり（ Framatome内 ）、特に北米の燃料事業および設置基盤事業の寄与によ
り2021年度上半期を上回った。
Framatome は、EFINOR groupのエネルギー事業および防衛事業の買収を完了した。この買収により、Framatomeは溶接および
溶接規格に関する専門性を強化し、部品製造および顧客向けの高付加価値サービスにおける地位を強化することができる
（ 2022年５月９日付プレスリリースを参照。 ）。
英国
EBITDA の大幅な増加は、発電量の改善および原子力発電所の最適化によるものである。2021年の発電量水準が高値での購入
につながったのに対し、原子力発電量の増加（＋2.3TWh）により、価格上昇の状況下（実現原子力価格は14.9英ポンド／MWhの
上昇）で、追加量を市場で販売することができた。
供給事業は、2022年４月１日に発表された上限付料金引上げの一環として、エネルギー価格の上昇を住宅用顧客に一部転嫁
する等、英国におけるエネルギー危機の影響を受けている。企業用顧客および産業用顧客のセグメントは、ポートフォリオの
拡大と有利な価格効果の恩恵を受けた。
また、EBITDAは、主にダンジェネスＢ発電所およびハンターストンＢ発電所の閉鎖や、厚生年金基金の改革による営業費用
の減少の恩恵も受けた。
イタリア
電力事業のEBITDAは、特に、クリーン・スパーク・スプレッドの上昇および供給量市場の報酬に関連して、CCGT（コンバイ
ンド・サイクル・ガス・タービン）による発電量が増加したことが寄与して増加した。一方、再生可能エネルギー発電による
貢献は、特に水力条件が非常に悪化したことにより、減少した。
ガス事業では、特に卸売市場における販売量の増加の恩恵を受けた。
2021 年にはInfrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の売却に伴う資産譲渡益を計上したが、2022年にはこれに相当する事
象はなかった。
供給事業は、住宅用顧客に十分に転嫁されていない電力料金およびガス料金の上昇の影響を受けた。
その他国外
ベルギーのEBITDAは、主として、2021年と比較して風力条件が良好であったために風力発電所の発電量が増加したこと
（2021年度上半期と比較して＋15.6％）により、増加した。風力発電の設備容量は、599MW（ Luminus内における純容量。風力
発電の総設備容量は664MW（2021年末と比較して＋１％）であった。 ）となった（2021年６月現在から＋7.5％）。
原子力発電は、特に2022年度上半期の大半におけるショー発電所の予定外の供給停止（ Luminusは、ショー発電所の100MWの
引出権の恩恵を受けている。 ）により減少し、高値での電力購入につながった。
緊迫した市場環境において、EBITDAのプラス成長は、より誘致の多い火力事業の良好なパフォーマンスにも牽引された。
サービス事業は成長し、供給事業は厳しい競争および社会的関税の拡大が継続する状況においても堅調に推移した。
ブラジルのEBITDAは、主にEDFのノルテ・フルミネンセ発電所において2021年11月に電力購入契約（PPA）価格が18％上昇し
たことにより、本業において成長した。
その他事業
EDF Trading のEBITDAは大幅に増加した。このトレーディング業務および最適化業務のパフォーマンスは、商品市場が非常に
不安定な状況にもかかわらず、全地域で達成された。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
ガス事業のEBITDAの減少は、主に、2021年度上半期と比較して、2022年初頭の液化天然ガスの購入価格が高かったことによ
るものである。これらの購入は、価格高騰および商品市場の緊張によりガス資産の利用が高まる状況下で、2021年末のダンケ
ル クのターミナルの在庫処分の相殺に役立った。
( ⅲ) EBIT
2022 年度上半期における当グループの連結EBITは、8,768百万ユーロ減少して、－4,496百万ユーロとなった。
2022 年度 2021 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
EBITDA 2,672 10,601 △7,929 -74.8
トレーディング業務以外のエネルギーおよび
コモディティ・デリバティブの公正価値の △993 △541 △452 83.5
純変動額
＊
減価償却費および償却費 (純額) △5,534 △5,194 △340 6.5
( 減損)/戻入 △253 △502 249 -49.6
その他の収益および費用 △388 △92 △296 321.7
EBIT △4,496 4,272 △8,768 n.a.
n.a. ＝該当事項なし。
＊ 委譲資産の取替引当金の純増を含む。
トレーディング業務以外の エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
当年度上半期のトレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額は、商品市
場の高いボラティリティの中で、2021年から2022年にかけて452百万ユーロと大幅に増加した。
減価償却費および償却費（純額）
減価償却費および償却費（純額）は、2021年度上半期と比較して317百万ユーロの本業の成長を示した。フランス－発電と供
給セグメントにおける増加（＋188百万ユーロ）は、主に原子力事業に関連するものであった。
Enedis における減価償却費および減損累計額の増加（＋158百万ユーロ）は、「FACE」命令および都市から農村の体制に移行
した町に所在する委譲資産の委譲者による供与資産の償却の回収率の低下に関連するものである。
（ 減損）／戻入
2022 年度上半期の減損額は253百万ユーロとなり、これには英国の121百万ユーロならびにテキサス州のテキサス電力信頼度
協議会（ERCOT）の送電網に関する持続的な輻輳問題およびメキシコの不利な政治的背景を考慮に入れたEDF Renewablesの風力
発電所に関する100百万ユーロが含まれる。
その他の収益および費用
2022 年度上半期のその他の収益および費用は、－388百万ユーロであった（フランス－発電と供給セグメントの－321百万
ユーロが含まれる。）。この結果は、主にフラマンビル３EPRの貫通溶接部の補修工事に係る追加費用が発生したこと、また、
これより少ない程度ではあるが、従業員向け募集に係る費用によるものである。2021年度上半期からの変動は、主にAREVAから
の和解金（ 2017年に締結されたFramatomeの取得契約および取得前の商業関係に関するEDFとAREVAとの間のすべての紛争を解決
するために、AREVAがEDFに563百万ユーロの和解金を支払う和解契約が2021年６月29日に締結された。 ）を2021年に計上した
が、 2022 年にはこれに匹敵するものはなかったことにより説明される。
( ⅳ) 金融損益
2022 年度 2021 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
総金融負債に係る費用 △728 △754 26 -3.4
割引の影響 502 △1,016 1,518 n.a.
その他の金融収益および費用 △2,721 2,631 △5,352 n.a.
金融損益 △2,947 861 △3,808 n.a.
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n.a. ＝該当事項なし。
2022 年度上半期の財務実績は2,947百万ユーロの金融費用となり、2021年度上半期の財務実績と比較して3,808百万ユーロ減
少した。この変動は、主に以下の要因によるものである。
・その他の金融収益および費用が、主に専用資産ポートフォリオのパフォーマンス低下（－5,032百万ユーロ（ ポートフォリオ
の公正価値の変動 ））により、5,352百万ユーロ減少したこと（「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専用資産ポートフォ
リオに対する金融リスクの管理」を参照。）
・主に原子力引当金の実質割引率が、2020年12月から2021年６月にかけて変動がなかったものの、2021年12月から2022年６月
にかけて上昇したことによる、有利な割引効果（＋1,518百万ユーロ）。2022年６月30日現在、原子力引当金を算出するため
に用いられる割引率は、2.2％のインフレ率を前提として、4.5％であった（2021年６月30日現在は、1.3％のインフレ率を前
提として、3.4％であった。）。
( ⅴ) 法人所得税
2022 年６月30日現在の未収法人所得税は、24.7％の実効税率に相当する1,840百万ユーロであった（2021年６月30日現在は、
28.4％の実効税率に相当する－1,458百万ユーロの費用であった。）。2021年の税費用と2022年の未収税金の3,298百万ユーロ
の差異は、当グループの税引前純利益が12,576百万ユーロ減少し、3,247百万ユーロの追加の税金収益が発生したことを主に反
映している。かかる未収税金はまた、2022年にイタリアの発電事業者が計上した特別利益に対する税金の不利な影響、および
2021年にイタリアで行われた税務上の資産再評価の影響に匹敵する有利な影響がなかったことを反映している。
2021 年とは対照的に、当グループが事業を行っている国の標準税率は上昇しなかった。
EDF SA のフランスにおける税務上の連結グループが2022年に計上した損失に係る繰延税金資産は、10年以内の回復が見込ま
れるため、全額を認識している。
非経常項目（主に金融資産ポートフォリオおよびコモディティにおける未実現損益の変動ならびにイタリアで導入された剰
余益金に対する税務上の特例）を除外すると、2022年６月30日現在の現行実効税率は、2021年６月30日現在は26.5％であった
のに対して、26.1％となった。
( ⅵ) 非経常項目を除く純利益
当グループの非経常項目を除く純利益（ 非経常項目、トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバ
ティブの公正価値の純変動額ならびに負債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額を除くEDFの純利益（税引後） ）
は、2021年度上半期から5,052百万ユーロ減少し、2022年度上半期において－1,312百万ユーロとなった（2022年６月30日現在
の要約中間連結財務書類の注記18.1「非経常項目を除く純利益」を参照。）。かかる変動は、主として、EBITDAの大幅な減少
を反映しており、これは財務実績の増加および法人所得税の減少によって部分的にしか相殺されなかった。
( ⅶ) EDFの純利益
2022 年６月30日現在のEDFの純利益は、前年同期比で9,465百万ユーロ減少して、合計－5,293百万ユーロとなった。かかる純
利益には、税引後の以下の項目が含まれる。
・－806百万ユーロの減損およびその他の非経常項目
・－746百万ユーロのトレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額（税引
後）
・－2,429百万ユーロの負債商品および資本性金融商品の公正価値の純変動額
⑤ 純負債額、キャッシュ・フローおよび投資
2022 年度 2021 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
2,672 10,601 △ 7,929 -74.8
EBITDA
EBITDA に含まれる非貨幣項目の消去 △3,343 △391 △ 2,952 n.a.
EBITDA ( 現金) 10,210
△671 △ 10,881 -106.5
運転資本の変動 6,804 △1,896 8,700 -461.8
(1)
純投資 (2020 年－2022年の当グループによる売
△8,474 △7,679 △ 795 10.3
却を除く。)
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その他の項目 (関連会社およびジョイント・
△510 △69 △ 441 n.a.
ベンチャーからの受取配当金を含む。)
(2)
営業キャッシュ・フロー
△ 2,851 566 △ 3,417 n.a.
資産売却 9 420 △ 411 n.a.
△202 △343 141 -41.1
法人所得税支払額
△424 △393 △ 31 7.9
金融費用支出 (純額)
30 △79 109 -138.0
専用資産
△543 △411 △ 132 32.1
現金支払配当金
(3)
当グループのキャッシュ・フロー
△3,981 △240 △ 3,741 n.a.
ハイブリッド債の発行 - 1,235 △ 1,235 n.a.
ハイブリッド債の償還 - - - -
その他の貨幣的変動 3,230 △293 3,523 n.a.
純負債額の(増加)/減少 (為替レート変動
△751 702 △ 1,453 n.a.
による影響を除く。)
為替レート変動による影響 △113 △304 191 -62.8
その他非貨幣的変動による影響 1,081 885 196 21.7
継続事業の純負債額の(増加)/減少 217 1,283 △ 1,066 -83.1
(4)
非継続事業の純負債額の(増加)/減少
- - - -
期首における純負債額 42,988 42,290 698 1.7
期末における純負債額 42,771 41,007 1,764 4.3
(1) 純投資は、成長のための営業投資および金融投資の純処分額である。また、純投資には、証券の取得時または処分時に取
得もしくは譲渡された純負債額、投資補助金受取額および非グループパートナー投資も含まれる。これには2020年－2022
年の当グループによる売却は含まれていない。
(2) 営業キャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他社により同名で発表され
る指標とは直接比較できないものである。営業活動による資金（FFO）とも認識されているかかる指標は、営業活動によ
るキャッシュ・フロー（純額）、非経常効果の影響と関連する調整を行った運転資本の変動、純投資（2020年－2022年の
当グループによる売却を除き、ヒンクリー・ポイントＣおよびLinkyを含む。）およびその他の項目（関連会社および
ジョイント・ベンチャーからの受取配当金を含む。）に相当する。
(3) 当グループのキャッシュ・フローは、IFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また他社により同名で
発表される指標と直接比較できるものではない。この値は、資産売却、法人所得税支払額、金融費用支出（純額）、専用
資産への純配分額および現金支払配当金を控除した後の注(2)で定義された営業キャッシュ・フローに相当する。
(4) これは、Edisonの探鉱および生産事業（非継続事業）の純負債額に相当する。
n.a. ＝該当事項なし。
( ⅰ) 純負債額
純負債額は、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除した後の借入金ならびに金融負債の合計からなる。流
動性の高い資産とは、当初の満期が３か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に従って運用されるファンドまたは証券
からなる金融資産である。
当グループの純負債額は、2022年６月30日現在42,771百万ユーロであった（2021年６月30日現在は41,007百万ユーロであっ
た。）。
2022 年度 2021 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
借入金およびその他の金融負債 77,425 61,503 15,923 26
負債のヘッジに使用されたデリバティブ △3,893 △2,831 △1,083 38
現金および現金同等物 △7,418 △5,928 △ 1,490 25
負債証券および持分証券－流動性の高い △23,323 △11,715 △ 11,608 99
資産
資産のヘッジに使用されたデリバティブ △20 - △20 n.a.
売却目的保有資産の純負債額 - △22 22 -100
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(1)
純負債額 42,771 41,007 1,764 4
n.a. ＝該当事項なし。
(1) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表には直接表示されていない。
純負債額は、2021年12月31日現在から0.2十億ユーロ減少した。これは、EBITDA（現金）がマイナスであったにもかかわら
ず、特に運転資本における6.8十億ユーロの有利な変動および3.1十億ユーロの増資に起因するものである。純投資は、8.5十億
ユーロとなった。
( ⅱ) 営業キャッシュ・フロー
2022 年度上半期における営業キャッシュ・フローは、2021年度上半期における566百万ユーロと比較して3,417百万ユーロ減
少し、－2,851百万ユーロとなった。
EBITDA （現金）
非貨幣性項目の調整後のEBITDAは2021年度上半期から10,881百万ユーロ減少し、－671百万ユーロとなった。かかる減少の主
な要因は、以下のとおりである。
・原子力発電量および水力発電量の減少ならびに規制措置の影響
・2021年および2022年初めに見られた大きな価格変動によるEDF TradingのEBITDA（現金）の減少。かかる減少は、運転資本の
変動により一部補われた。
運転資本の変動
2022 年度上半期における運転資本の変動は、6,804百万ユーロであった。この変動は、主としてトレーディング業務に関する
マージン・コールの減少（＋5.8十億ユーロ）ならびに電力価格の上昇により生じたEDFの購入義務費用（純額）の減少および
過剰なCSPEによる報酬（＋1.8十億ユーロ）によって説明される。
同様に、2021年度上半期と2022年度上半期の運転資本の変動における差異（＋8,700百万ユーロ）は、主にトレーディング業
務のマージン・コールの変動（＋6.9十億ユーロ）およびCSPEに関連する運転資本（＋1.9十億ユーロ）によるものである。
純投資
2022 年度上半期の純投資（2020年－2022年の当グループによる売却を除き、ヒンクリー・ポイントＣおよびLinkyを含む。）
は、前年同期比で795百万ユーロ増加し、8,474百万ユーロとなった。
2022 年度 2021 年度
変動 変動率(%)
( 単位：百万ユーロ) 上半期 上半期
フランス－発電と供給 2,850 2,655 195 7
フランス－規制業務 2,310 2,407 △97 -4
EDF Renewables 1,384 368 1,016 276
Dalkia 78 80 △2 -3
Framatome 112 74 38 51
英国 1,396 1,433 △36 -3
イタリア 256 486 △230 -47
その他国外 78 197 △119 -60
その他事業 10 △21 31 149
純投資 8,474 7,679 795 10
フランス－発電と供給セグメントによる純投資は、とりわけ応力腐食に関連する費用に起因して、195百万ユーロ増加した。
フランス－規制業務セグメントによる純投資（Linkyを含む。）は、主にLinkyプログラムの終了が近づいていることに伴い
業務量が減少したため、97百万ユーロ減少した。
英国における純投資は、2021年度上半期よりも原子力発電施設および火力発電施設の維持管理費用を抑えられたため、36百
万ユーロ減少した。
EDF Renewables の1,016百万ユーロの増加は、米国における大規模な投資ならびに2021年度上半期よりも補助金および売却が
減少したことを反映している。
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イタリアにおける純投資は、とりわけ2021年度上半期における再生可能エネルギー分野の買収に匹敵するものが2022年度上
半期にはなかったことに起因して、230百万ユーロ減少した。
同様に、その他国外セグメントの純投資の減少は、主に2021年度上半期に行われたLuminusによるEssentの買収に起因する。
( ⅲ) 当グループのキャッシュ・フロー
2022 年度上半期の当グループのキャッシュ・フローは、2021年度上半期に計上された－240百万ユーロから減少して、－
3,981百万ユーロとなった。
資産売却
2022 年度上半期の資産売却は合計９百万ユーロとなった。
専用資産
放射性物質および放射性廃棄物の持続可能な管理に関する2006年６月28日付フランス法第2006—739号に基づき、EDFは、長期
原子力債務の資金調達を確実に行うために専用資産のポートフォリオを構築した（「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専
用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」を参照。）。
概して、専用資産に関する変動は以下の事項からなる。
・債務を完全に 填補 するための配分
・かかる資産から生じた金融収益（配当および利息）の再投資
・2006年６月28日付法律の範囲内での長期原子力債務の遵守期間に発生した費用に相当する資産の引出し
・ポートフォリオの価値が、資金調達責任額を超過した際に、専用資産を管理するガバナンス機関へ提案され、かつ、その組
織により正式に認可された例外的な引出し
2022 年６月30日現在における＋30百万ユーロの専用資産の純変動は、上記の２つ目および３つ目の項目に対応するものであ
る。
現金支払配当金
2022 年度上半期中にEDFにより支払われた現金支払配当金は543百万ユーロとなり、内訳は以下のとおりである。
・EDF SAにより支払われた2021年に係る配当（72百万ユーロ）（ フランス政府は、2021年および2022年の配当について、株式
ベースの支払いを選択した。 ）
・「ハイブリッド債」の発行に関する永久劣後債の保有者に対して2022年に行われた支払い（332百万ユーロ）
・当グループの子会社からその少数株主に対して支払われた配当（139百万ユーロ）
( ⅳ) 為替レートの変動による影響
主にユーロに対する米ドルの上昇および英ポンドの下落（ 英ポンドはユーロに対して2.1％下落し、2021年12月31日現在の
1.190ユーロ／１英ポンドから2022年６月30日現在には1.165ユーロ／１英ポンドとなった。米ドルはユーロに対して９％上昇
し、2021年12月31日現在の0.883ユーロ／１米ドルから2022年６月30日現在には0.963ユーロ／１米ドルとなった。 ）による外
国為替の影響は、当グループの純負債額に113百万ユーロの不利な影響を与えた。
( ⅴ) その他非貨幣的変動
その他非貨幣的変動による影響は、2021年度上半期は885百万ユーロであったのに対して、2022年度上半期は1,081百万ユー
ロとなった。これは主に、負債性金融商品および新規リースの公正価値の変動（IFRS第16号）により構成される。
( ⅵ) 財務比率
(2)
2022 年6月30日現在
2021 年12月31日現在 2020 年12月31日現在
純負債/EBITDA 4.24 2.39 2.61
(1)
純負債/(純負債+自己資本)
37% 41% 43%
(1) 非支配持分を含む自己資本。
(2) 2022年６月30日現在の比率は、2021年度下半期および2022年度上半期の累積EBITDAに基づき計算された。
⑥ 業績見通し
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2023 年の抱負 （ 2022年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。安定した規制環境下（ARENH上限100TWh）、2022
年７月13日付の2023年先物価格を前提とし、2022年５月18日付プレスリリースで発表された2022年および2023年におけるフラ
ンスの原子力発電量予測を考慮した場合。 ）
・純負債/EBITDA倍率：３倍前後
・調整後の純負債額/調整後のEBITDA倍率（ 一定のスタンダード・アンド・プアーズの方法による。 ）：約５倍
⑦ 市場リスクの管理および統制
2021 年度有価証券報告書「 第一部 第３ ２（２）②金融および市場に関するリスク 」を参照。
( ⅰ) 金融リスクの管理および統制
本項では、戦略的財務管理フレームワークにおいて規定されている当グループの金融リスク（流動性リスク、為替リスク、
金利リスクおよび株式リスク）の管理に関する方針および指針ならびにEDFによって導入された当グループのカウンターパー
ティー・リスク管理方針について記載している。これらの指針はEDFおよび事業上の被支配子会社またはEnedisのような法律に
よって独立経営の特別保証を受けていない子会社にのみ適用される。IFRS第７号に従い、以下の段落は、感応度および信用
（カウンターパーティー）リスクの分析に基づいた、金融商品から生じるリスクの性質について記載している。
当グループのリスク部門内の独立したユニットである金融リスク管理・投資部門（ Département Contrôle des Risques
Financiers et Investissements またはCRFI）は、主として戦略的財務管理フレームワークの指針の適切な適用を期することに
よって当グループ・レベルでの金融リスク管理を担っている。この部門は、EDFの事業体および当グループの事業上の被支配子
会社（Enedisは除く。）の契約相手方の債務不履行リスクの二次チェック（手順面および組織面）ならびにEDF SAの金融取引
担当部署の資金調達活動の一次チェックを行うという職務も担っている。またCRFI部門は、専用資産ポートフォリオに関する
運用活動の二次チェックも実施している。
CRFI 部門は、EDF SAの金融取引担当部署の活動に関連するリスク指標に関して日次および週刊の監視報告書を公表してい
る。
管理が実際に実施されていることを保証し、また、その効果を確実なものとするため、定期的な内部監査が行われている。
( イ) 流動性ポジションおよび流動性リスクの管理
流動性ポジション
流動性の高い資産、現金および現金同等物により構成される当グループの2022年６月30日現在の流動資産は総額30,741百万
ユーロとなり、利用可能な与信枠は11,975百万ユーロであった。
2022 年６月30日現在、１年以内に満期を迎える当グループの借入金およびその他の金融負債は総額13,076百万ユーロであ
り、この中には未払利息を含む債券に関連する3,232百万ユーロが含まれる。この金額には、負のキャッシュ・ポジション（デ
リバティブのマージン・コール2,437百万ユーロを含む。）および、リース債務に関連する負債も含まれている（2022年６月30
日現在の要約中間連結財務書類の注記17.2.2.3を参照。）。関連する必要資金は、必要に応じて、上記の当グループの流動性
および利用可能な与信枠、ならびに以下に記載するその他の短期的な調達手段によって調達される可能性がある。
2022 年６月30日現在、当グループの企業で、借入について債務不履行に陥っている企業はなかった。
流動性リスクの管理
EDF グループは保守的な流動性管理によりその資金調達上の要請に対応することができ、満足のいく条件で資金調達を行うこ
とができている。2022年３月15日、EDFは９行の銀行との間で、総額10.25十億ユーロの二者間の与信枠を３年満期で締結し
た。その後３月25日および４月29日に、総額2.2十億米ドルの２つの二者間の与信枠が、３年満期でさらに締結された。最後に
2022年４月５日、EDFは3.1十億ユーロの株主割当発行を実施した。
幅広い特有な手段が、当グループの流動性リスクを管理するために用いられている。
・被支配子会社の現金管理を集中化する当グループのキャッシュ・プーリング・システム。当グループの現金管理の最適化の
ため、また市場における資金調達条件と同等の条件が保証されるシステムを子会社に提供するため、子会社の現金残高は、
利息と引換えにEDF SAが利用できるようにされている。
・被支配子会社の資金調達の集中化。子会社の運転資本の変動は、当グループの現金管理部門から、子会社に提供されるスタ
ンドバイ・クレジット・ラインを通じて資金調達される（当グループからリボルビング・クレジットを付与される可能性も
ある。）。
・当グループが利用する資金調達源の積極的な管理および分散化。当グループは、フランスのコマーシャル・ペーパー
（ billets de trésorerie ）、譲渡可能欧州コマーシャル・ペーパー（NEU CP）および米国のコマーシャル・ペーパー（US
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CP）のためのプログラムを通じて、さまざまな市場において短期資金を調達することができる。EDFの場合、これらの上限
は、NEU CPのプログラムについては６十億ユーロ、そして米国のコマーシャル・ペーパーについては10十億米ドルである。
・現金レポ契約に基づく銀行取引先への借入債務の譲渡
2022 年６月30日現在、当グループの発行済みのコマーシャル・ペーパーは、NEU CPについては2,700百万ユーロで、米国のコ
マーシャル・ペーパーについては30百万米ドルであった。EDFは、世界の主要な債券市場に参入している。
・ユーロ市場（特にユーロ債および英ポンド債）については、現在上限が50十億ユーロのEMTNプログラムで参入している。
・フランス国内市場では米ドル建て（144Ａ債券）、円建て（サムライ債）およびスイス・フラン建てのスタンドアロン発行で
参入している。
当グループの総負債の平均満期は、2021年12月31日現在における13.7年に対し、2022年６月30日現在においては12.2年で
あった。
2022 年６月30日現在、EDF SAは、総額11,433百万ユーロの利用可能な与信枠（シンジケート与信枠および二者間与信枠）を
有している。
・シンジケート与信枠は、４十億ユーロであり、その期限は2025年12月である。2022年６月30日現在、かかるシンジケート与
信枠からの引出しは行われていない。
・2021年12月に署名された1.5十億ユーロのシンジケート・ソーシャル与信枠は、当初満期が３年（2024年12月）であり、１年
間の延長を２回行うことが可能である。2022年６月30日現在、かかるシンジケート・ソーシャル与信枠からの引出しは行わ
れていない。
・二者間の与信枠は、利用可能額が5,933百万ユーロであり、その期限は2026年12月までに延長された。この利用可能与信枠の
レベルは、当グループが十分な予備の与信枠を確実に有することができるように、極めて頻繁に審査される。
European Investment Bank の７つの与信枠については、2022年６月30日現在、EDF SAにより総額2,675百万ユーロの全額が引
き出されている。
その他の与信枠では、Edisonが、European Investment Bankに与信枠（2022年６月30日現在の利用可能額は300百万ユーロ）
を有している。
( ロ) 格付
2022 年６月30日現在、財務格付機関であるスタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズおよびフィッチ・レーティング
スは、EDFグループに以下の長期格付および短期格付を割り当てた。かかる格付は、2022年１月13日に規制電力料金の変更およ
び2022年に原子力発電量が発表された後、ならびに2022年２月18日の年次業績が発表された後に調整された。2022年５月24日
にスタンダード・アンド・プアーズは、当グループがフランスにおける原子力発電量の見通しの下方修正およびヒンクリー・
ポイントＣの建設の遅延を発表した後、EDF SA、EDF EnergyおよびEdisonの格付をクレジット・ウォッチ・ネガティブとし
た。
当グループの格付は、2021年度有価証券報告書「 第一部 第３ ２ 事業等のリスク 」の中の、特にリスク要因「１Ａ：フラン
スおよび欧州における、特にARENHに関連する公共政策および規制枠組みの変化」およびリスク要因「２Ｄ：流動性リスク」に
記載されるリスクからの影響を受ける可能性がある。
会社 格付機関 長期格付 短期格付
BBB クレジット・ウォッチ・ネガティブ
スタンダード・アンド・プアーズ A-2
EDF ムーディーズ P-2
Baa1 ネガティブな見通し
フィッチ・レーティングス F2
BBB+ ネガティブな見通し
EDF Trading
ムーディーズ Baa3 ネガティブな見通し n.a.
スタンダード・アンド・プアーズ BB クレジット・ウォッチ・ネガティブ B
EDF Energy
ムーディーズ Baa3 ネガティブな見通し n.a.
フィッチ・レーティングス BBB- ネガティブな見通し n.a.
BBB クレジット・ウォッチ・ネガティブ
スタンダード・アンド・プアーズ A-2
Edison
ムーディーズ n.a.
Baa3 ネガティブな見通し
n.a. ＝該当事項なし。
( ハ) 為替リスクの管理
当グループは、事業および事業地域の多様化により、貸借対照表項目ならびに当グループの金融費用、自己資本、純利益お
よびプロジェクトのIRRに影響を及ぼす換算差額に影響を与える可能性のある為替レートの変動リスクに晒されている。
当グループは、為替リスクに対するエクスポージャーを抑制するために、以下の経営方針を導入した。
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・現地通貨による資金調達：各事業体は、現地の金融市場の機能に照らして可能な限り、事業資金をその現地の機能通貨で調
達する。資金がその他の通貨で調達されるべく契約された場合、為替リスクを抑制するためにデリバティブが使用される場
合がある。
・資産および負債のマッチング：当グループは、ユーロ圏外に所在する子会社の純資産により、為替リスクに晒される。連結
貸借対照表において、為替リスクは、債券の発行もしくは外貨建て債務または金融デリバティブを用いた市場でのヘッジに
より管理される。外国通貨建ての純資産のヘッジはリスク／リターン目標に従い、ヘッジ比率は通貨によって異なる。ヘッ
ジ手段が利用できない場合またはヘッジ費用が高額な場合、為替持高はオープンのままとなり、かかるオープン・ポジショ
ンに関するリスクは、感応度分析により監視される。
・外国通貨建ての営業キャッシュ・フローのヘッジ：一般的に、EDFおよびその子会社の営業キャッシュ・フローは、現地通貨
建てである。ただし、（主に米ドル建てで行われる）燃料購入に関するキャッシュ・フローおよびさほど多額ではない設備
購入に関する一部のキャッシュ・フローはこの限りではない。戦略的財務管理フレームワークにおいて規定される方針の
下、EDFおよび為替リスクの影響を受ける主要子会社（EDF Energy、EDF Trading、Edison、EDF Renewables）は、将来にお
けるこれらの営業キャッシュ・フローに関連して確実に生じるまたは高い可能性で生じるであろうコミットメントをヘッジ
することが要求される。
資金調達および為替リスクのヘッジ方針の結果として、2022年６月30日現在の当グループの総負債の通貨別内訳（ヘッジ
後）は以下のとおりである。
2022 年６月30日現在の総負債の通貨別構造（ヘッジ前およびヘッジ後）
ヘッジ手段の
ヘッジ手段の
当初の 負債 構造 影響を反映後の 負債の割合(%)
2022 年6月30日
*
影響
( 単位：百万ユーロ) 負債構造
45,524 18,516 64,040 83
ユーロ建て借入債務
19,232 △15,409 3,823 5
米ドル建て借入債務
9,311 △1,194 8,117 10
英ポンド建て借入債務
3,358 △1,913 1,445 2
その他通貨建て借入債務
77,425 - 77,425 100
負債合計
＊ 外国子会社の負債および純資産のヘッジ。
以下の表は、2022年６月30日現在、当グループの総負債における為替レートの変動が自己資本に対して与える影響を示して
いる。
当グループの総負債の為替リスク感応度
ユーロ換算された 為替レートの不利な 為替レートの不利な
2022 年6月30日
ヘッジ後の負債 変動10%の影響 変動10%後の負債
( 単位：百万ユーロ)
64,040 64,040
ユーロ建て借入債務 -
3,823 382 4,205
米ドル建て借入債務
8,117 812 8,929
英ポンド建て借入債務
1,445 145 1,590
その他通貨建て借入債務
77,425 1,339 78,764
負債合計
当グループの総負債に対する為替リスクに係るヘッジ方針により、当グループの支配する会社の損益計算書は、為替リスク
にわずかに晒される。
以下の表は、外貨建ての純資産に関する当グループの子会社の為替持高を示している。
純資産ポジション
*
2022 年6月30日
純資産 債券 デリバティブ 管理後の純資産
( 各通貨の単位：百万)
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4,678 1,450 830 2,398
米ドル
22 19 3
スイス・フラン (スイス)
288 153 135
ポーランド・ズロチ (ポーランド)
21,960 5,435 5,625 10,900
英ポンド (英国)
1,844 1,844
ブラジル・レアル (ブラジル)
10,295 6,360 3,935
人民元 (中国)
191 190 1
日本円 (日本)
＊ 2022年６月30日現在の純資産。債券およびデリバティブは2022年６月30日現在のものである。表示された純資産ポジショ
ンからは、一定の重要ではないエクスポージャーが除外されている。
上記の表は、当グループの外国子会社の外貨建資産であり、資本に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジならびに負債商
品および資本性金融商品の公正価値の変動、ならびに利益に計上された金融商品の公正価値の変動について調整されている。
( ニ) 金利リスクの管理
当グループの純負債額の金利の変動に対するエクスポージャーには、２種類のリスクがある。１つは、変動金利付金融資産
および負債の金融費用（純額）が変動するリスクであり、もう１つは、固定金利で運用している金融資産の価値が変動するリ
スクである。これらのリスクは、金融費用（純額）に対するリスク・リターンを参考にして定義された純負債額の変動金利部
分を、予想される金利の変動を考慮しながら監視することにより管理されている。
この方針の下、一部の負債は変動性を有しており、当グループは、ヘッジ目的で金利デリバティブを使用する場合がある。
2022 年６月30日現在の当グループの負債額（ヘッジ後）の内訳は、57％が固定金利で、43％が変動金利であった。2021年12
月31日以降の負債額の変動金利部分の増加は、基本的に、2022年度上半期に設定された、10.25十億ユーロおよび2.2十億米ド
ルの二者間の期限付き与信枠によるものである。これらは満期が３年という短期間であり、かつ早期返済オプションがあるこ
とから、変動金利が適用されている。
2022 年６月30日現在、金利が年間一律１％上昇した場合、ヘッジ後の変動金利総負債を基準として、金融費用は約328百万
ユーロ増加する。
当グループの負債の平均費用（残高の加重金利）は、2022年６月30日現在、1.87％であった。
当グループの負債の構造および金利感応度
ヘッジ手段の
金利変動1%の
当初の負債構造 ヘッジ手段の影響 影響を反映後の
2022 年6月30日
純利益への影響
( 単位：百万ユーロ) 負債構造
59,689 △15,175 44,514 -
固定金利
17,736 15,175 32,911 329
変動金利
77,425 - 77,425 329
合計
当グループの金利リスクは、とりわけ当グループの長期的な原子力債務の価値（2022年６月30日現在の要約中間連結財務書
類の注記14を参照。）ならびに当グループの年金およびその他の特定の従業員給付債務（2022年６月30日現在の要約中間連結
財務書類の注記15を参照。）に関連し、様々な期間の金利に応じた割引率を使用して現在価値に調整され、専用資産の運用の
ために保有される債務証券がこれらの債務を補填するために確保される（「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専用資産
ポートフォリオに対する金融リスクの管理」を参照。）。
( ホ) 株式リスクの管理
EDF の原子力債務の補填
株式リスクの分析は、「第３ ３（３）⑦（ⅰ）(ヘ）EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理」に記載
される。
EDF SAおよびEDF Energyの従業員給付債務の補填
EDF の従業員給付債務に充てられた資産の一部は、国際株式市場および欧州株式市場において投資されている。したがって、
市場動向がこれらの資産の価値に影響を与え、株価が下落することにより、貸借対照表上の引当金が増加する。
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EDF SA の従業員給付債務に充てられた資産の31.0％が、2022年６月30日現在、株式に投資されていた。これは3.2十億ユーロ
分の株式に相当した。
2021 年12月31日現在、EDF Energyが設立した２つの年金基金（EDF Energy Pension SchemeおよびEDF Energy Group
Electricity Supply Pension Scheme）が、British Energyの年金基金（British Energy Generation Group）（その後EDFグ
ループ（EDFG）に改称された。）に統合された。2022年６月30日現在、かかる基金は、11.5％を上限として株式および株式
ファンド（分散型成長ファンドを除く。）に投資された。これは、930百万英ポンド分の株式に相当する。
( ヘ) EDF SAの専用資産ポートフォリオに対する金融リスクの管理
EDF は、長期的な原子力債務の財源確保のため、1999年以来、漸次、専用資産を形成してきた。フランス環境法（第L.594-1
条から第L.594-14条）において成文化されている2006年６月28日付法律およびその施行規則により運転サイクルに関連しない
引当金が定義され、したがって、かかる引当金は専用資産により賄われなければならない（2022年６月30日現在の要約中間連
結財務書類の注記14.3「EDFの長期原子力債務の填補率」に記載される。）。
かかる専用資産ポートフォリオについては、取締役会ならびにその助言委員会（原子力監視委員会（CSEN）および監査委員
会）の監視の下で運用されている。
さらに、原子力財務専門委員会（CEFEN）は、資産および負債のマッチングならびに資産運用に関する問題について、会社お
よびその経営陣を補佐することを目的としている。この委員会の委員は、EDFからは独立した立場にある。
ガバナンスおよび管理原則
規制に準拠しながら原子力費用の資金調達を確実に行うための方針の下、EDFの取締役会によりその正当性が立証されるガバ
ナンスの指針は、専用資産に関する構造ならびに専用資産の運用に係る意思決定および統制プロセスについて規定している。
また、かかる方針は資産ポートフォリオの仕組み、財務管理者の選定ならびにファンドの法制、会計制度および税制について
の原則についても定めている。
戦略的資産配分は、長期原子力債務の資金調達に最も適しているターゲット・ポートフォリオを特定するために行われる資
産および負債の精査に基づいている。戦略的配分は、EDFの取締役会により承認され、特に状況により異なる場合を除き、原則
として３年ごとに見直される。2021年に、債券市場の変化を反映するために、新規の戦略的配分が有効になった。対象の配分
は収益性ポートフォリオ、成長性ポートフォリオおよび確定利付ポートフォリオで構成され、それぞれポートフォリオ全体の
30％、40％および30％を占めている。収益性ポートフォリオは、不動産資産およびインフラ資産で構成され、成長性ポート
フォリオは株式および株式ファンド（上場および非上場）で構成され、確定利付ポートフォリオは債券、デット・ファンド
（上場および非上場）ならびに現金で構成されている。これらのポートフォリオは、EDF Gestion（旧上場資産管理部門）およ
びEDF Investにより管理される。
成長性資産および確定利付資産の間の配分方針は、各々の市場および地域に関する経済および財政的な見通し、異なる市場
および市場セグメントにおける市場評価の見直し、ならびに金融リスク管理部門により作成されたリスク分析に基づき、運用
管理委員会（ 専用資産の運用の分野に関して査定、協議および運用上の意思決定を行う常設の内部委員会 ）により構築され
た。
2022 年６月30日現在、ポートフォリオの価値の総額は、2021年12月31日現在の37,454百万ユーロに対し、33,876百万ユーロ
であった。2022年度上半期における専用資産の変動は、2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記14.2.1に記載され
ている。また、実現可能価格および帳簿価格についても要約中間連結財務書類の注記14.2.2において詳述されている。
EDF の専用資産ポートフォリオの内容および実績
2022 年6月30日 2021 年12月31日
株式市場価額 株式市場価額
( 単位： ポートフォリオ または ポートフォリオ または
2022 年度上半期
百万ユーロ) の割合 実現可能価額 の実績 の割合 実現可能価額 2021 年の実績
収益性資産 25.2% 8,546 7.3% 21.1% 7,908 17.1%
成長性資産 36.5% 12,351 -16.0% 40.9% 15,320 22.6%
確定利付資産 38.3% 12,979 -9.9% 38.0% 14,226 -0.7%
専用資産合計 100% 33,876 -8.9% 100% 37,454 11.9%
専用資産のリスクへのエクスポージャー
EDF は、専用資産ポートフォリオを通じて、株式リスク、金利リスクおよび為替リスクに晒されている。
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2022 年６月30日現在、EDFの専用資産ポートフォリオにおける上場株式の市場価額は、11,809百万ユーロとなった。そのボラ
ティリティは、（52週間分の実績に基づき）14.06％であり、2021年12月31日現在は10.93％であった。当グループは、かかる
ボ ラティリティを2022年６月30日における上場株式の資産価額に適用した場合、専用資産の株式部分に関する年間ボラティリ
ティを1,660百万ユーロと見積もった。
2022 年６月30日現在、上場債券（12,132百万ユーロ）の感応度は4.8となり、すなわち、金利が一律100ベーシス・ポイント
上昇した場合、市場価額が577百万ユーロ減少することとなる。2021年12月31日現在の感応度は5.3であった。
専用資産の予測収益率の評価
適用される規制に準拠して、また上記のとおり専用資産が目標とする配分に基づいて行われる、今後数年間、特に今後20年
間（原子力引当金の対応期間に近い期間）の予測収益率をシミュレーションする研究では、平均予測利益率が、2022年６月30
日現在の原子力引当金を算出するのに使用された4.5％の割引率を上回る確率が高いことを示している（2022年６月30日現在の
要約連結財務諸表に対する注記14.1を参照。）。
専用資産の価値が初めて１十億ユーロを超えた2004年以降の専用資産の年間平均パフォーマンスは、2022年６月30日現在
5.8％であった。
環境法第D.594-6条および第D.594-7条を適用して、監督機関により現在認められている適用免除および規定
EDF は、2018年５月31日に、専用資産における非上場資産部分を条件次第で10％から15％に引き上げることにつき政府の許可
を受けた（これはCTE株式ないし不動産には適用されない。）。
さらに、EDFの子会社であるCyclifeは、2022年12月31日までに最低でも100％のカバレッジ比率を達成するよう、監督機関か
らの指示を受けている。かかる要件を満たすために、専用資産への配分は、2022年に行われる可能性がある。
( ト) カウンターパーティー／信用リスクの管理
カウンターパーティー・リスクは、契約相手方が将来債務不履行に陥った際にEDFグループが被る潜在的な損失である。当グ
ループのカウンターパーティー・リスク管理方針は、EDFおよびすべての事業上の被支配子会社に適用される。同方針は、この
タイプのリスクの監視に関する管理ならびにカウンターパーティー・リスク管理および監視の構成について定めている。同方
針には、当グループの四半期ごとのエクスポージャーの連結が含まれている。金融リスク管理（CRFI）部門は、当グループの
契約相手方に対する監視（日々の警戒態勢の見直し、特定の契約相手方に対する特別警戒基準の策定）を厳重にする。
下記の表は、格付カテゴリー別の、EDFグループのカウンターパーティー・リスクに対する連結エクスポージャーの詳細を示
している。2022年３月31日現在、当グループのエクスポージャーの89％が「投資適格」である契約相手方に関するものであ
る。これは、主として、短期投資の大部分が低リスク資産に関連するものであるため、現金および資産管理業務により生じた
エクスポージャーが優勢であったことに起因する。
投資適格 非投資適格 内部格付なし 合計
2021 年12月31日現在 91% 8.5% 0.5% 100%
2022 年3月31日現在 89% 10% 1% 100%
業務の性質によるカウンターパーティー・リスクへのエクスポージャーの分布は、以下のとおりである。
燃料購入およ
配電および 現金および
購入 保険 びエネルギー 合計
販売 資産管理
取引
2021 年12月31日現在 7.8% 0.3% 11.7% 60.7% 19.5% 100%
2022 年3月31日現在 7.0% 0.3% 11.7% 58.9% 22.1% 100%
電力取引事業におけるエクスポージャーは、EDF Tradingに集中している。2021年12月以降の大幅な上昇は、期間中のコモ
ディティ価格の急騰によるものである。この子会社の各契約相手方には、その財政上の頑強さに応じた限度が指定されてい
る。一連の手法（主にポジション・ネッティング契約、現金担保契約および銀行または関連会社との保証の取決め）は、EDF
Tradingにおけるカウンターパーティー・リスクを軽減するために使われる。
EDF の金融取引担当部署の契約相手方に対して、CRFI部門は、契約相手方の承認手続を明確にする枠組みおよび割当制限の計
算に対する方法論を策定した。エクスポージャーのレベルは、随時助言を受け、日々体系的に監視される。制限の適切性につ
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いては、契約相手方に影響する警告または不利な展開が生じた場合には遅滞なく再検討される。高い信用格付けを有する銀
行、ソブリンおよび企業の取引の相手方のみが一定限度の額および満期の限度で、保有が認められている。
( ⅱ) エネルギー市場リスクの管理および統制
( イ) エネルギー市場リスク方針
EDF グループは、発電および供給業務を通じて、主に欧州の非規制エネルギー市場で活動している。これにより当グループ
は、財務実績に重大な影響を与える可能性のあるエネルギー市場において価格変動のリスクに晒されている。
したがって、当グループは、EDFおよびEDFの運営上の支配の及ぶ事業体に適用されるすべてのエネルギー商品に対するエネ
ルギー市場リスク方針を設定している。
この方針は、以下を目的としている。
・当グループの事業体がそれぞれの資産ポートフォリオの管理事業（発電、最適化および販売）を行い、またEDF Tradingの場
合はトレーディング業務を行っているエネルギー市場におけるリスク管理について、一般的な枠組みを規定すること
・資産運用者およびトレーダーの責任ならびに活動の管理に関する様々なレベルを規定すること
・当グループの財政的責任と一貫した、調和のとれたグループ全体のヘッジ方針を実施すること
・構造的エネルギー関連市場において、EDFが支配する様々な事業体のエクスポージャーを経営上で集約すること
当グループのリスク部門は、この方針の導入についての年次報告書を取締役会の監査委員会に対して提出する。
EDF の運営上の支配が及ばない事業体のリスク管理の枠組みは、統治機関によりレビューされる。
( ロ) リスク統制の構成および一般的なリスクヘッジの原則
当グループの運営上の支配が及ぶ事業体のエネルギー市場リスクの統制は、以下の手続に基づいている。
・管理責任とリスク統制責任とを明確に分離するガバナンスおよび市場リスク・エクスポージャー測定システム
・ヘッジ戦略の策定および関連するリスク限度の設定による、各事業体への明示的な委任。これにより、執行委員会は、その
範囲において、財務目的に沿った当グループの年間のリスクのプロファイルの設定および監視を行うことができ、市場展望
（通常は３年）において、エネルギー市場リスクの運営管理を指示することができる。
現在のヘッジの基本的な方針は、
・上流／下流ポジションの相殺。可能な限り、最終顧客への売上は内部売上によってヘッジされる。
・平均価格を捕らえる所定のヘッジの軌道（ エネルギー市場リスクに晒されている各事業体につき、当グループによって毎年
承認されるリスク統制の枠組みには、所定の価格基準を超えた場合における、かかる軌道からの逸脱を認める加速計画また
は減速計画が含まれることがある。かかる計画は、段階的なヘッジに係る一般原則に準拠しないため、厳しい条件の元での
み適用される。 ）に基づく事業年度末前のポジションの大部分の段階的なクローズ。
エネルギー・リスク管理プロセスは、当グループの経営陣が関与し、また、リスク限度を超えた場合の警告通知手続を組み
込んだリスク指標および測定システムに基づいている。
EDF の運営上の支配の及ぶ事業体を通じたエネルギー市場リスクに対するエクスポージャーは、四半期ごとに執行委員会に報
告される。統制プロセスは、定期的に再評価され、監査される。
( ハ) エネルギー市場リスクの運営管理および統制の原則
運営上の支配の及ぶ当グループの事業体のエネルギー市場リスクの運営管理および統制の方針は、資産（発電および供給）
管理ならびに取引を識別する、エネルギー市場リスクの管理責任の厳格な分離に基づく。
発電資産および供給資産の事業者は、財務実績の変動性に対するエネルギー市場リスクの影響を軽減するリスク管理戦略を
実施することについて責任を有する（使用されたヘッジの会計分類は2021年度の連結財務書類の注記18.7「デリバティブおよ
びヘッジ会計」に詳述されている。）。しかしながら、未だヘッジされていない容量の範囲において、構造的な価格動向なら
びに（ARENH制度、発電所の供給力および顧客による消費量に関連する）容量の不確実性に依然として晒されている。
当グループの運営上の支配の及ぶ事業体のエネルギー市場におけるポジションは、主には、当グループのトレーディング会
社であるEDF Tradingにより取られており、同社は当グループの卸売市場でのほぼすべての購入／販売注文を執り行っている。
その結果、EDF Tradingは、特にトレーディング会社の欧州規則における厳格なガバナンスおよび統制の枠組みに服する。
EDF Tradingは、規制市場またはOTC市場で、先物、先渡、スワップおよびオプション（当グループのレベルで適用される会
計分類とは無関係である。）等のデリバティブを取引する。エネルギー市場におけるそのエクスポージャーは、子会社の経営
陣およびグループ・レベルでエネルギー市場リスク管理を担当する部門による日々の上限管理により監視されて、厳しく統制
されている。また、自動的警告通知手続が、リスク制限（バリュー・アット・リスク制限）または損失（ストップ・ロス制
限）に違反したことを、EDF Tradingの取締役会の構成員に通知するために存在する。バリュー・アット・リスク（VaR）は、
所与の期間および所与の信頼期間における市場の不利な動向に際するポートフォリオに関する潜在的な市場価値の最大損失を
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統計的に測定する指標である（ EDF Tradingは、「モンテカルロ」手法を使用してVaRを評価し、かかる手法は、直近の40取引
日にわたって観測された市場価額から推定されるボラティリティおよび過去の相互関係を参照する。VaR制限は、EDF Trading
の ポートフォリオ全体に適用される。 ）。特定のキャピタル・アット・リスク（CaR）制限もまた、VaRの適用が難しい特定の
分野（非流動市場の運営、長期的な契約および体系的な契約）において使用されている。ストップ・ロス制限は、取引事業の
許容可能なリスクを規定し、トレーディングのマージンに関連する損失の３か月間の最大レベルを設定する。これらの制限を
超過する場合、EDF Tradingの取締役会は、一部のポジションの閉鎖を含む適切な措置を講じる。
2022 年度上半期において、EDF Tradingの市場への拠出額は、VaR制限については、１月１日から70百万ユーロのVaR制限に服
していたが、連続して２月９日に51百万ユーロ、３月15日に42百万ユーロに引き下げられ、その後５月24日に57百万ユーロに
引き上げられた。長期契約および非流動市場の取引に係るCaR制限については、それぞれ250百万ユーロ、ならびにストップ・
ロス制限については１月１日から２月８日までの間は210百万ユーロ、その後２月９日以降については180百万ユーロの制限に
服していた。
極めて不安定な市場環境の中、2022年度上半期中にVaR制限は上限を超えることがあり、かかる事態について定められている
手続開始の引き金となった。2022年６月30日現在、かかる指数は限度額以下に戻っている。
⑧ 後発事象
後発事象は、2022年６月30日現在の要約中間連結財務書類の注記20に記載されている。
( ⅰ) 2022年７月７日－EDFの取締役会は、フランス政府およびジャン・ベルナール・レヴィ氏による、EDFの会長兼最高経営
責任者の承継手続を開始する共同決定に留意した
ジャン・ベルナール・レヴィ氏のEDFの会長兼最高経営責任者としての任期は、当社の定款で規定されている年齢制限によ
り、2023年３月18日までに終了する。
EDF の新たな会長兼最高経営責任者は、任命された時点で、ジャン・ベルナール・レヴィ氏との合意により、かかる期限が到
来する前に就任することができる。適用ある規定に基づき、かかる任命は、取締役会によるフランス政府への提案に基づくも
のとする。
取締役会は、ジャン・ベルナール・レヴィ氏が、後任者の任命まで職務を遂行することを確認したことで、同氏への信頼を
新たにした。
さらに、取締役会は、政府がEDFの資本を100％保有する意向であることに留意した上で、政府が採択した条件に従い、すべ
ての関係者の利益のために、これを達成するためのあらゆる支援を提供する。
( ⅱ) 2022年７月13日－プレスリリース
EDF SA は、首相の発表を受け、フランス金融市場監督局との協議を経て、追って通知するまで株式の取引を停止するよう要
請した。この件に関して、フランス政府からプレスリリースが発表されるまで、当社からこれ以上の連絡は行わない。
( ⅲ) 2022年７月19日－特別委員会の設置
EDF SA の取締役会は、2022年７月19日に会合を開催し、フランス政府が、当社株式および当社が発行した2024年満期 新株予
約権および株式交換権付社債（OCEANE債）のうちフランス政府が保有していないものについて、以下の価格にて簡易公開買付
け（「本公開買付け」）を申請する意向であること（ただし、本公開買付けに必要な財源を提供する2022年補正予算法（現
在、下院で審議中である。）の成立を条件とする。）に留意した。
・EDF株式１株当たり12.0ユーロ（配当権付）
・OCEANE債１券面当たり15.64ユーロ（2022年９月29日に本公開買付けを開始するシナリオ例に基づく転換比率の調整後（ この
場合、調整後転換比率は1.1240ではなく1.3030となる。 ））
本公開買付けは、本公開買付けに必要な財源を提供する2022年補正予算法の成立を条件として、フランス政府により、2022
年９月初旬までにフランス金融市場監督局（AMF）に申請される。
法的規制条件が満たされた場合、本公開買付け後に、フランス政府が本公開買付け終了時点で保有していないすべての株式
およびOCEANE債について、スクイーズアウト手続がとられる。
当社取締役会は、AMF一般規制第261-1-Ⅲ条に基づき、2022年７月19日に、委員長であるブルーノ・クレメル氏（社外取締
役）、コレット・ルウィネ氏（社外取締役）、フィリップ・プティコラン氏（社外取締役）およびクリスチャン・タクシル氏
（従業員により選任された取締役）からなる特別委員会を設置した。
特別委員会は、独立専門家の選任を取締役会に提案し、取締役会が選任する当該独立専門家の業務を監視し、当社、株主、
OCEANE債の保有者および従業員にとっての本公開買付けによる利益に関して、取締役会へ勧告を行う役割を担う。
特別委員会の提案により取締役会が選任する独立専門家の氏名は、適用規則に従って公表される。
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取締役会は、独立専門家の報告書および特別委員会の勧告に留意の上、本公開買付け案に関して理由付意見書を表明する。
独立専門家の報告書および当社取締役会の理由付意見書は、当社の回答文書案に含まれる。
( ⅳ) 2022年７月27日－独立専門家の指名
フランス政府が、2022年７月19日にEDF SAの株式について簡易公開買付け（「本公開買付け」）を申請する意向を表明した
こと（ただし、本公開買付けに必要な財源を提供する2022年補正予算法（現在、議会で審議中である。）の成立を条件とす
る。）を受けて、当社取締役会は、フランス金融市場監督局（AMF）の一般規制第261-1-Ⅲ条に基づき、2022年７月19日に特別
委員会を設置した。
AMF の一般規制第261-1-Ⅰ条の１°および５°ならびに第261-1-Ⅱ条に基づき、取締役会は、特別委員会の提案を受けて、
2022年７月27日付の決議により、オリヴィエ・ペロネ氏およびオリヴィエ・クロー氏が代表を務めるFinexsiを、AMF指令第
2006-08号およびAMF勧告第2006-15号に定められた条件に基づき本公開買付け（場合によってはスクイーズアウトを伴う。）の
財務条件に関する報告書を作成する独立専門家に選任した。
取締役会は、独立専門家の報告書および特別委員会の勧告に留意の上、本公開買付け案に関して理由付意見書を表明する。
独立専門家の報告書および当社取締役会の理由付意見書は、当社の回答文書案に含まれる。
( ⅴ ) 2022年７月28日－2022年度上半期の実績
フランス政府がEDF株式資本100％を保有する意向を表明
ウクライナでの戦争により悪化した市場価格のボラティリティの上昇
フランスにおける発電量の減少および例外的な規制措置により、EBITDAは大幅に減少
エネルギー移行に向けた相当水準の投資
欧州タクソノミーへの原子力の追加
2022 年度上半期の財務実績
(1)
売上高 66.3 十億ユーロ 本業の変動 +66.4%
(1)
EBITDA 2.7 十億ユーロ 本業の変動 -75.0%
(2)
非経常項目を除く純利益 -1.3 十億ユーロ n.a.
純利益－当グループ持分 -5.3 十億ユーロ n.a.
純負債 42.8 十億ユーロ 2021 年末は
43.0十億ユーロ
(1) 2021年と比較した、 比較対象となる範囲、基準および為替レートに基づく本業における変動 。
(2) 非経常項目を除く純利益は、IFRSに定義されていないため、連結損益計算書に直接的に表示されない。非経常項目を除く
純利益は、トレーディング業務ならびに負債証券および持分証券の公正価値の純変動額（税引後）を除く、非経常項目以
外の純利益ならびにエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額に相当する。
ハイライト
フランス政府は、EDF株式について簡易公開買付けを申請する意向である （ フランス政府およびEDFの2022年７月19日付プレス
リリースを参照。 ） 。
・目的：フランス政府が保有していない、EDF資本の15.9％（ 従業員を対象とした増資の考慮前 ）およびOCEANE債の60％の取
得。提案価格はEDF株式１株当たり12.0ユーロ（配当権付）およびOCEANE債１券面当たり15.64ユーロである。
・実施条件が満たされた場合は、強制的に上場廃止となる（ フランス通貨金融法第L.433-4条の規定に基づく。 ）。
・買付総額：約9.7十億ユーロ
・EDFの取締役会は、当社、株主およびOCEANE債（ OCEANE：新株予約権および株式交換権付社債 ）の保有者にとっての本公開買
付けによる利益に関して、取締役会へ勧告を行う役割を担う特別委員会を設置した。
・取締役会は、特別委員会の提案を受けて、独立専門家を選任した。
・本公開買付けは、2022年補正予算法の成立を条件として、フランス金融市場監督局（AMF）に申請される。
応 力 腐 食 （SC） 現 象 （ 2022 年 ７ 月 27 日 付 の 情 報 メ モ （https://www.edf.fr/sites/groupe/files/2022-
07/EDF_Mise%20a%20jour%20Note%20Info%20CSC_27juillet%202022.pdf）を参照。 ）
・原子力安全当局は、EDFから提出された全体的な戦略を適切と評価している。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
・すべての原子炉は、すでに予定されている供給停止の一環として2025年までに点検される予定で、応力腐食に対する感度が
高い原子炉（N4原子炉４基および1,300MW原子炉のうち12基）が優先される。900MW原子炉32基および1,300MW原子炉のうち８
基の配管ラインは、応力腐食に対する感度が低いか、非常に低い。
・非破壊検査強化のためのプロセス開発の継続
ウクライナにおける戦争
・市場価格およびボラティリティの上昇：2022年に原子力発電量が減少し、市場での多量購入が必要となる状況下で、電力市
場が極度に緊張
・部品および商品の供給途絶およびインフレにより、一部の事業や主要プロジェクトに遅延が生じている。
・ガスおよびウラン供給への影響は限定的である：Edisonとロシア企業の欧州子会社との間のガス契約が１件のみ（当グルー
プ供給量の４％を占め、2022年末までに終了）。また現在の在庫水準および多様な長期供給契約（20年間）を考慮すると、
ロシアからのウラン輸入への依存度は低い。
・国際的制裁：現時点で、国際的制裁の影響を受けているロシアの企業、銀行または個人に対するエクスポージャーはない。
モスクワ事務所は閉鎖された。
・金融市場への影響：専用資産の上場資産ポートフォリオの価値低下（インフレ、景気後退リスクおよび金利上昇）、ならび
に原子力引当金の現在価値低下（実質割引率の上昇（ 割引率の上昇は、フランスにおける年金債務の現在価値を2021年12月
31日から2022年６月30日の間に8.9十億ユーロ減少させることにもつながった。 ））。全体として、2022年６月末のカバレッ
ジ比率（ EDF SAの範囲内 ）は105.3％（2021年末は109.3％）であった。
環境的成功および社会的成功
・2050年までのカーボン・ニュートラル達成に貢献する気候変動計画を株主総会において99.87％の賛成で採択
・与信枠の84％がESG KPIに連動（（ 2022年６月30日現在の総額12十億ユーロのうち ）総額10十億ユーロ）
・EDFが、フランスの大手グループとして初めて公表したインパクト・スコア（ 企業のESGアプローチを改善するために、当該
企業によるインパクトを360度評価しマッピングすることができる、インパクト・フランス・ムーブメントの方法による。 ）
は68／100で、他社の平均スコアを上回っている（ 2022年度第１四半期にインパクト・スコアを公表した企業の平均スコアは
55／100であった。 ）。
・調査ランキングにおいてEDF SAの魅力が確認された（ EDF：エネルギー分野において学生および若い卒業生に選ばれている企
業（Epokaランキング）、経験豊富なエンジニアにとって最も魅力的な雇用主のランキング（Universumランキング）におい
て第４位、「ハッピー・トレーニー（Happy Trainees）」認定企業（エネルギー部門で第１位、総合ランキングで第２
位。） ）。
欧州タクソノミーへの原子力の追加 （ 2023年１月１日に委任法が施行される。 ）
・欧州理事会および欧州議会が、特に原子力を当該タクソノミーに含めることを最終的に決定した。原子力の役割に対する認
識は、IPCC、IEAおよび多くの国の見解と一致する。
・原子力プロジェクトを含む、欧州タクソノミーに沿った新たなグリーンファイナンスの枠組み（ 国際資本市場協会（ICMA）
が発表したグリーンボンド原則、サステナブルファイナンスに関するテクニカル専門家グループ（TEG）により提案された欧
州連合のグリーンボンド基準、およびCiceroによる独立した第三者意見に沿ったものである。 ）
新たな原子力
・ヒンクリー・ポイントＣ：
－スケジュールおよび費用の見直し、１号機の発電開始は2027年６月を目標、プロジェクトの見積完成費用は25十億英ポン
ド（2015年）から26十億英ポンド（2015年）（ 2021年１月27日付発表では、発電開始は2026年６月、見積費用は22十億英
ポンド（2015年）から23十億英ポンド（2015年）であった。2022年５月19日付プレスリリースを参照。 ）
－１号機の原子炉容器ヘッドを製造
・サイズウェルＣ：英国政府から開発同意命令（DCO）を取得
・小型モジュラー炉（SMR）NUWARD™：安全基準の国際協調のためにチェコおよびフィンランドの安全当局と協力してASNが主導
する事前評価に、設計が提出された。
再生可能エネルギー
・当グループの風力プロジェクトおよび太陽光発電プロジェクトのポートフォリオの拡大
－インドおよび米国における成功による総計82GW（2021年末比で＋９％）：
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フランス電力(E05969)
半期報告書
・ニューヨークにおいて太陽光および貯蔵プロジェクト３件を獲得（１GW）
・ニューヨーク湾において洋上風力発電の開発権を獲得（1.5GW）
・ラージャスターン州の太陽光発電プロジェクトにおいて電力購入契約（PPA）を締結（450MW）
・サンナゼール（480MW）：稼働開始（ EDF Renewablesの2022年６月10日付プレスリリースを参照。 ）、および80基の洋上風力
タービンのうち56基を設置
・イスラエルにおいて４か所の太陽光発電所を稼働（54MW）（うち２か所は浮体式）
顧客およびサービス
・顧客１人当たりのサービス、ガスおよび電力の契約数は、2021年６月末現在は1.24件であったのに対し、2022年６月末現在
は1.27件（ EDFによる予測値：「G4」として知られる欧州の優先４か国（フランス、イタリア、英国およびベルギー）の住宅
用顧客向け ）（2030年までの目標：1.5件超）
・フランスにおいて、前年同期比（ 2021年６月末から2022年６月末まで ）で約520,000件のガス契約およびサービス契約を獲得
・2022年度上半期のフランスにおける電力契約ポートフォリオの安定
・フランスでの市場サービスにおける住宅用電力顧客は1.7百万近くとなり、2021年末から＋18％
・企業用顧客セグメントにおける成功：電力（トヨタ、軍事省およびPaprec等）ならびにガス（TereosおよびConstellium等）
・Dalkia：ArkemaとSRF（ SRF：固体回復燃料（現地回収されない。） ）回収プロジェクトに関する契約を締結し、年間10,000
トンの二酸化炭素排出を回避
カーボン・ニュートラルに向けたイノベーション
・水素計画：IPCEI（ 欧州共通利益に適合する重要プロジェクト ）プログラムの一環として、ベルフォールにおけるMcPhyのギ
ガ・ファクトリー・プロジェクト（年間１GW）に対するフランスの補助金を認める、欧州連合の好意的な決定が下された。
・EDF Pulse：英国の新興企業であるCarbon8（産業廃棄物を利用した炭素回収）の資金調達に参画
・モビリティ
－SoweeおよびMobilize（ Renaultのアプリケーション ）による、Renaultの電気自動車ユーザー向けの革新的なソリューショ
ン：スマート・ホーム充電によるコスト削減
－日産自動車が、家庭用電気自動車充電ソリューションの供給および導入でEDFによるIZI（IZI by EDF）を選定
－2022年６月末現在でグループ・レベルで240,000か所超（2021年末比＋26％）の充電ポイントを設置および管理
Framatome
・好調なパフォーマンスおよび好調な受注高
Enedis
・2022年６月末現在で、都市および大都市圏との委託契約はすべて平均30年の期間で更新された。
・エネルギー移行支援のため、EIBと800百万ユーロの融資契約に署名
・特に再生可能エネルギー発電事業者との電力網接続事業の拡大
抱負 （ 2022年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。安定した規制環境下（ARENH上限100TWh）、2022年７月13日
付の2023年先物価格を前提とし、2022年５月18日付プレスリリースで発表された2022年および2023年におけるフランスの原子
力発電量予測を考慮した場合。 ）
2023 年の抱負 純負債/EBITDA倍率 3 倍前後
(1)
調整後の実用的な債務/調整後のEBITDA倍率 約5倍
(1) 一定のスタンダード・アンド・プアーズの方法による。
ジャン・ベルナール・レヴィ氏を議長として開催された2022年７月27日付の会議において、EDFの取締役会は、2022年６月30
日に終了した６か月の連結財務書類を承認した。
EDF グループの実績における変動
2021 年度上半期 2022 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ)
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売上高 39,621 66,262 67.2 66.4
EBITDA 10,601 2,672 -74.8 -75.0
EBIT 4,272 △4,496 -205.2
非経常項目を除く純利益 3,740 △1,312 -135.1
純利益－当グループ持分 4,172 △5,293 -226.9
EDF グループのEBITDAにおける変動
2021 年度上半期 2022 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
( 単位：百万ユーロ)
フランス－発電と供給 4,838 △4,988 -203.1 -203.0
フランス－規制業務 3,210 3,171 -1.2 -1.2
EDF Renewables 294 500 70.1 64.6
Dalkia 215 185 -14.0 -14.9
Framatome 183 186 1.6 -6.6
英国 267 860 222.1 241.9
イタリア 534 622 16.5 14.2
その他国外 206 291 41.3 32.0
その他事業 854 1,845 116.0 114.6
グループ合計 10,601 2,672 -74.8 -75.0
売上高は電力価格およびガス価格に支えられて大幅に増加したものの、EBITDAは2022年度上半期に大幅に減少した。この
EBITDAの変動は、主に応力腐食現象に関連した原子力発電量の減少、2022年の消費者価格の上昇を抑制するためにフランス政
府が採用した例外的な規制措置の影響、そして影響の程度は少ないものの、水力発電量の減少によるものである。これらの事
象により、当グループは市場価格が高騰する中で電力を購入することを余儀なくされた。一方、EBITDAは、市場ボラティリ
ティが高い中で成長したEDF Tradingの例外的なパフォーマンスと、英国における原子力発電量の増加から恩恵を受けた。
パフォーマンス
フランスにおける原子力発電量は、2021年度同期と比較して27.6TWh減少し、154.1TWhとなった。これは、予定外の供給停止
の減少やスケジュールの最適化にもかかわらず、応力腐食の兆候が見つかった影響により、原子力発電所の稼働率が低下した
ことによるものである。
フランスにおける水力発電量は、水力条件の記録的な悪化により、2021年度上半期と比較して5.7TWh減少し、18.9TWhとなっ
た（ 揚水発電量を差し引く前の、島部の業務を除く水力発電量。なお、揚水発電量を差し引いた累計の水力発電量は、2022年
度上半期は15.5TWhであった（2021年度上半期は21.9TWh）。 ）。
英国における原子力発電量は、2021年度上半期と比較して2.3TWh増加し、23.2TWhとなった。これは、2022年１月のハンター
ストンＢの閉鎖にもかかわらず、ユニットの供給停止が円滑に実施され、維持管理プログラムがそれほど繁忙でなかったこと
によるものである。
ベルギーでは、火力発電所の稼働率が向上したことで、付随的サービスが増加した。
EDF Renewablesの発電量は、2021年および2022年に新たな施設が稼働したことにより、本業において22.7％の成長となり、
10.8TWh（＋2.0TWh）となった。
純利益
財務実績は2,947百万ユーロの金融費用となり、2021年度上半期と比較して3,808百万ユーロ減少した。この変動は、主に以
下の要因によるものである。
・その他の金融収益および費用が、主に専用資産ポートフォリオのパフォーマンス低下により、5,352百万ユーロ減少したこと
・主にフランスにおける原子力引当金の実質割引率が、2020年12月末から2021年６月末にかけて横ばいで推移した後、2021年
12月末から2022年６月末にかけて上昇したことによる、有利な割引効果＋1,518百万ユーロ
非経常項目に関する再表示後、当期財務実績は、2021年度上半期は－993百万ユーロであったのに対し、当期は＋530百万
ユーロとなった（専用資産ポートフォリオの公正価値における変動額は、当期財務実績の算定には組み込まれていない。）。
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半期報告書
非経常項目を除く純利益は、2021年度上半期から5,052百万ユーロ減少し、2022年度上半期において－1,312百万ユーロと
なった。かかる変動は、主として、EBITDAの急激な減少を反映しており、これは当期財務実績の増加および法人税の減少に
よって部分的にしか相殺されなかった。
純利益－当グループ持分は、9,465百万ユーロ減少して、2022年度上半期は－5,293百万ユーロとなった。かかる変動には、
非経常項目を除く純利益の大幅な減少に加えて、特に金融商品の公正価値の変動額3,819百万ユーロの減少が含まれている。
キャッシュ・フローおよび純負債額
当グループのキャッシュ・フローは、2021年度上半期の－240百万ユーロから大幅に悪化し、2022年度上半期は－3,981百万
ユーロであった。これは、主としてEBITDAの大幅な減少によるものである。
2022年度上半期の必要運転資本は、6,804百万ユーロであった。かかる変動は、主として、マージン・コールの減少、最適化
業務およびトレーディング業務に関する未実現取引の有利な解消、ならびに電力市場において卸売価格が非常に高かったこと
から生じたCSPE補償の余剰金によるものである。
営業キャッシュ・フロー（ 営業キャッシュ・フローはIFRSに定義された財務成績を測定するための総額ではなく、また、他
社により同名で発表される指標とは直接比較できないものである。営業活動による資金（FFO）とも認識されているかかる指標
は、非経常効果の影響と関連する調整を行った営業活動によるキャッシュ・フロー（純額）、純投資（2020年－2022年の売却
を除き、HPCおよびLinkyを含む。）ならびにその他の項目（関連会社およびジョイント・ベンチャーからの受取配当金を含
む。）を組み込んでいる。 ）は、2021年度上半期の566百万ユーロと比較して3,417百万ユーロ減少し、合計－2,851百万ユーロ
となった。
純投資は8,474百万ユーロとなり、2021年度上半期から795百万ユーロ増加した。
2021 年6月30日 2021 年12月31日 2022 年6月30日
(1)
純負債額 (単位：十億ユーロ) 42.8
41.0 43.0
(2)
純負債/EBITDA倍率 4.24 倍
2.21 倍 2.39 倍
(1) 純負債額は会計基準に定義されておらず、当グループの連結貸借対照表に直接表示されない。これは、借入金および金融
負債の合計から、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものからなる。流動性の高い資産は、ファ
ンドまたは有価証券からなる、当初の満期３か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に従って運用されている金融
資産である。
(2) 2022年６月30日現在の倍率は、2021年度下半期および2022年度上半期の累積EBITDAに基づいて計算されている。
純負債は、必要運転資本における6.8十億ユーロの有利な変動および3.1十億ユーロの増資により、42.8十億ユーロとなっ
た。
当グループの主要なセグメント別業績
フランス－発電と供給
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
16,001 23,762 48.4
EBITDA 4,838 △4,988 -203.0
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDA は、市場価格が高騰する状況下での応力腐食現象に関連したフランスの原子力発電量の減少、および2022年の消費者
向け販売価格の上昇を抑制するためにフランス政府が採用した例外的な規制措置のマイナスの影響により大幅に減少した。
供給事業では、価格の上昇傾向は、EDFの顧客サービスの進化にプラスに寄与し、規制措置前のEBITDAは推定3,944百万ユー
ロとなった。
代替供給業者に対するARENH配電量19.5TWhの追加配分（ 2022年３月31日のCREの審議において、一部の供給業者の事業の停止
または放棄により、追加配電量が20TWhから19.5TWhに減少している。 ）（2022年度第２四半期に配電される6.5TWhについて推
定－1.4十億ユーロ）、および2022年度第２四半期からの顧客サービスへの影響（推定－２十億ユーロ）により、マイナスの価
格効果が生じた。全体的な影響（2022年における規制販売料金の４％（税込み）の上限を含む。）は、2022年６月末で－6,162
百万ユーロと推定される。この金額には、2022年度下半期に代替供給業者に配電される追加のARENH配電量13TWhから生じる、
－2.7十億ユーロの引当金が含まれている。
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半期報告書
原子力発電量は、2021年度上半期から2022年度上半期にかけて27.6TWh減少した。この減少は、主に、応力腐食現象の影響
（－36.6TWh）によるものである。一方、発電所の予定外の供給停止が少なく、計画の最適化が進んだ（＋９TWh）。供給停止
のため、非常に高い価格水準での購入を余儀なくされた。EBITDAへの影響は、2022年６月末現在で推定－7,282百万ユーロで
あっ た。
記録的に悪化した水力条件下において、水力発電量の減少は、EBITDAに推定1,370百万ユーロの悪影響を及ぼした。
その他の要因はEBITDAの変動に有利に働き、特に、例年より穏やかな冬を背景として、市場での購入および販売に関連する
プラスの効果は、推定で合計1,044百万ユーロとなった。
フランス－規制業務 （ 規制業務にはEnedis、Électricité de Strasbourgおよび島部の業務が含まれる。 ）
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
9,096 9,578 5.3
EBITDA 3,210 3,171 -1.2
(1) 規制業務にはEnedis、Électricité de Strasbourgおよび島部の業務が含まれる。
EBITDAの減少は、特に、TURPEの指数化（ 2021年８月１日付でTURPE６配電料金については＋0.91％、TURPE６送電料金につい
ては＋1.09％の指数化 ）がプラスに変動したものの、市場価格が急騰する中で行われた損失の購入（推定－312百万ユーロ）に
関連した推定－77百万ユーロのマイナスの価格効果によるものである。
天候がより穏やかであったことによる配電量の減少は、推定－98百万ユーロの影響を及ぼした。
再生可能エネルギー
EDF Renewables
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
807
1,051 24.3
EBITDA 294 500 64.6
うち発電からのEBITDA 359 653 77.4
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの増加は、主に2021年度上半期と比較して発電量が増加したこと（＋22.7％）、ならびに特に北米および英国におけ
るプラスの価格効果によるものである。2021年度上半期はテキサス州で異常寒波が発生し、EBITDAに対して推定－94百万ユー
ロの重大な悪影響を及ぼしたが、2022年にはこれに相当する事象はなかった。
風力プロジェクトおよび太陽光プロジェクトのポートフォリオの拡大や、新規国（ベトナム、オーストラリアおよびコロン
ビア等）での事業立上げにより、開発費用が増加した。
当グループの再生可能エネルギー事業（フランスにおける水力発電を除く。）
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
(1)
売上高 37.4
1,307
1,796 32.8
EBITDA 544 723 32.9 28.1
純投資 △715 △1,483 107.4
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの増加は、イタリアで水力発電量が減少したものの、主に米国およびブラジルで稼働した風力発電所や、ベルギーで
の風力発電量の増加により、当グループの風力発電量および太陽光発電量が20.7％増加して12.9TWhになったことを反映してい
る。
純投資は、特に2022年にニューヨーク湾の洋上風力発電の開発権を獲得したことにより増加した。
エネルギー・サービス
Dalkia
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半期報告書
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
2,326
3,211 39.9
EBITDA 215 185 -14.9
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAは、購入義務のあるコジェネレーション発電所のガス価格の上限設定と、冬季料金の変更に伴う早期操業停止によ
り、不利な影響を受けた。
Dalkiaは、「フランス・ルランス（フランス復興）」計画に大きく貢献した。Arkema、DalkiaおよびPSI Environnementは、
石油換算で年間18,000メートルトンのガス消費および年間10,000メートルトンの二酸化炭素排出を回避するためのプロジェク
トを実施している。Dalkiaが建設および運営する蒸気ボイラー・プロジェクトは、SRF（ SRF：固体回復燃料 ）を燃料とする予
定である。
当グループのエネルギー・サービス事業 （ 当グループのエネルギー・サービス事業は、Dalkia、Dalkia Electronics、IZI
confort、SOWEE、IZI Solutions、IZI Solutions Renov、Izivia、EDEV、EDF China HoldingおよびEDF Pulse Holdingならび
にEDF Energy、Edison、LuminusおよびEDF SAのサービス業務からなる。当該事業には、とりわけ街灯、暖房ネットワーク、現
地資源に基づく分散型の低炭素発電、エネルギー消費量管理および電気モビリティが含まれる。 ）
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 変動(%) 本業の変動(%)
(1)
売上高 34.3
3,070
4,122 37.1
EBITDA 255 234 -8.2 -8.6
純投資 △122 △148 22
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの減少は、フランス、ベルギーおよびイタリアでのサービスの売上高が伸びたものの、Dalkiaのコジェネレーション
事業が減少したことを反映したものである。
投資の伸びは、EdisonおよびDalkiaにより牽引された。
Framatome
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
1,634
1,977 15.7
(2)
EBITDA
293
321 4.1
EDF グループのEBITDAへの貢献 183 186 -6.6
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
(2) セグメント間消去前のセグメント全体のEBITDAの内訳。
Framatome内ではEBITDAが増加した。しかしながら、EDFグループのEBITDAへの貢献は、主に米国における燃料集合体の販売
量の減少により、2022年度上半期は減少した。
「設置基盤」事業は、2022年度上半期に北米において成長した。
2022年６月末現在の受注高は約2.1十億ユーロとなり（ Framatome内 ）、特に北米の燃料事業および設置基盤事業の寄与によ
り2021年度上半期を上回った。
Framatomeは、EFINOR groupのエネルギー事業および防衛事業の買収を完了した。この買収により、Framatomeは溶接および
溶接規格に関する専門性を強化し、部品製造および顧客向けの高付加価値サービスにおける地位を強化することができる
（ Framatomeの2022年５月９日付プレスリリースを参照。 ）。
英国
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
4,887
6,904 42.1
EBITDA 267 860 241.9
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フランス電力(E05969)
半期報告書
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EBITDAの大幅な増加は、発電量の改善および原子力発電所の最適化によるものである。2021年の発電量水準が高値での購入
につながったのに対し、原子力発電量の増加（＋2.3TWh）により、価格上昇の状況下（実現原子力価格は14.9英ポンド／MWhの
上昇）で、追加量を市場で販売することができた。
供給事業は、2022年４月１日に発表された上限付料金引上げの一環として、エネルギー価格の上昇を住宅用顧客に一部転嫁
する等、英国におけるエネルギー危機の影響を受けている。企業用顧客および産業用顧客のセグメントは、ポートフォリオの
拡大と有利な価格効果の恩恵を受けた。
また、EBITDAは、主にダンジェネスＢ発電所およびハンターストンＢ発電所の閉鎖や、厚生年金基金の改革による営業費用
の減少の恩恵も受けた。
イタリア
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
3,911 13,017 232.0
EBITDA 534 622 14.2
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
電力事業のEBITDAは、特に、クリーン・スパーク・スプレッドの上昇および供給量市場の報酬に関連して、CCGT（コンバイ
ンド・サイクル・ガス・タービン）による発電量が増加したことが寄与して増加した。一方、再生可能エネルギー発電による
貢献は、特に水力条件が非常に悪化したことにより、減少した。
ガス事業では、特に卸売市場における販売量の増加の恩恵を受けた。2021年にはInfrastrutture Distribuzione Gas（IDG）
の売却に伴う資産譲渡益を計上したが、2022年にはこれに相当する事象はなかった。
供給事業は、住宅用顧客に十分に転嫁されていない電力料金およびガス料金の上昇の影響を受けた。
その他国外
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
1,394 2,585 65.1
EBITDA 206 291 32.0
うちベルギー 122 179 43.4
うちブラジル 77 114 31.2
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
ベルギー（ LuminusおよびEDF Belgium ）のEBITDAは、主として、2021年と比較して風力条件が良好であったために風力発電
所の発電量が増加したこと（2021年度上半期と比較して＋15.6％）により、増加した。風力発電の設備容量は、599MW
（ Luminus内における純容量。風力発電の総設備容量は664MW（2021年末と比較して＋１％）であった。 ）となった（2021年６
月現在から＋7.5％）。
原子力発電は、特に2022年度上半期の大半におけるショー発電所の予定外の供給停止（ Luminusは、ショー発電所の100MWの
引出権の恩恵を受けている。 ）により減少し、高値での電力購入につながった。
緊迫した市場環境において、EBITDAのプラス成長は、より誘致の多い火力事業の良好なパフォーマンスにも牽引された。
サービス事業は成長し、供給事業は厳しい競争および社会的関税の拡大が継続する状況においても堅調に推移した。
ブラジルのEBITDAは、主にEDFのノルテ・フルミネンセ発電所において2021年11月に電力購入契約（PPA）価格が18％上昇し
たことにより、本業において成長した。
その他事業
( 単位：百万ユーロ) 2021 年度上半期 2022 年度上半期 本業の変動(%)
(1)
売上高
1,887 7,697 311.4
EBITDA 854 1,845 114.6
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フランス電力(E05969)
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うちEDF Trading
608 1,749 184.7
うちガス事業 188 20 -89.4
(1) セグメント間消去前のセグメント全体の売上高の内訳。
EDF TradingのEBITDAは大幅に増加した。このトレーディング業務および最適化業務のパフォーマンスは、商品市場が非常に
不安定な状況にもかかわらず、全地域で達成された。
ガス事業のEBITDAの減少は、主に、2021年度上半期と比較して、2022年初頭の液化天然ガスの購入価格が高かったことによ
るものである。これらの購入は、価格高騰および商品市場の緊張によりガス資産の利用が高まる状況下で、2021年末のダンケ
ルクのターミナルの在庫処分の相殺に役立った。
2022 年度第１四半期業績の発表後における主な事象 （ 全プレスリリースの一覧は、EDFのウェブサイト（www.edf.fr）で入手可
能である。 ）
・首相は、2022年７月６日、国会議員に対して政策プログラムの概要を発表した。
EDF SA は、首相の発表を受け、フランス金融市場監督局との協議を経て、追って通知するまで株式の取引を停止するよう要
請した（2022年７月13日付プレスリリースを参照。）。
EDF SA の取締役会は、2022年７月19日に会合を開催し、フランス政府が、当社株式および当社が発行した2024年満期 新株予
約権および株式交換権付社債（OCEANE債）のうちフランス政府が保有していないものについて、簡易公開買付けを申請する
意向であること（ただし、本公開買付けに必要な財源を提供する2022年補正予算法（現在、下院で審議中である。）の成立
を条件とする。）に留意した（2022年７月19日付プレスリリースを参照。）。
・独立専門家の指名（2022年７月27日付プレスリリースを参照。）
・EDFの取締役会は、フランス政府およびジャン・ベルナール・レヴィ氏による、EDFの会長兼最高経営責任者の承継手続を開
始する共同決定に留意した（2022年７月７日付プレスリリースを参照。）。
原子力
・EDFは、プラハに常設のEDF Nuclearのチェコ支店の開設を発表し、チェコおよびフランスの一次請けパートナー10社との価
値観誓約書の締結により、ドコバニ５でのEPR1200プロジェクトを実現することを再確認した（2022年６月29日付プレスリ
リースを参照。）。
・EDFは、第５回ポーランド・フランス原子力産業デーにおいて、ポーランド企業５社と協力協定を締結し、ポーランド原子力
計画を支援することを再確認（2022年６月22日付プレスリリースを参照。）
・EDFグループは、フランスにおける新規原子炉の建設を成功させるための組織を強化（2022年６月７日付プレスリリースを参
照。）
・ヒンクリー・ポイントＣの最新情報：プロジェクトのスケジュールおよび費用の見直し（2022年５月19日付プレスリリース
を参照。）
・応力腐食現象に関する最新情報および2022年のフランスの推定原子力発電量の調整（2022年５月19日付プレスリリースを参
照。）
再生可能エネルギー （ 全プレスリリースの一覧は、ウェブサイト （www.edf-renouvelables.com） で入手可能である。 ）
・EDF RenewablesおよびEnbridge Éolien France 2 S.à.r.l（EEF2）は、プロヴァンス・グランド・ラージ（PGL）パイロッ
ト・プロジェクトの建設を継続し、浮体式洋上風力発電における抱負を確認した（2022年５月17日付プレスリリースを参
照。）。
EDF Energy （ 全プレスリリースの一覧は、ウェブサイト （www.edfenergy.com） で入手可能である。 ）
・ウェスト・バートンＡ閉鎖の最新情報（2022年６月14日付プレスリリースを参照。）
Dalkia （ 全プレスリリースの一覧は、ウェブサイト（www.dalkia.fr）で入手可能である。 ）
・エネルギー・サービスを専門とするEDFの子会社Dalkiaは、ロシアでの事業を現地経営者に対して全面的に売却すると発表し
た（2022年５月23日付プレスリリースを参照。）。
Framatome （ 全プレスリリースの一覧は、ウェブサイト（www.framatome.com）で入手可能である。 ）
・FramatomeはCyberwatchを買収し、サイバー・セキュリティのサービスを拡大した（2022年６月７日付プレスリリースを参
照。）。
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・Framatomeは、EFINOR groupのエネルギー関連および防衛関連の子会社の買収を完了した（2022年５月９日付プレスリリース
を参照。）。
その他
・2021年の配当残高を新株で受け取る選択の結果（2022年６月９日付プレスリリースを参照。）
・EDFおよびEuropean Investment Bank（EIB）が、Enedisが運営する配電網のエネルギー移行を支援する800百万ユーロの融資
契約の署名を発表（2022年５月19日付プレスリリースを参照。）
・５月12日の年次株主総会：すべての決議事項が採択された（2022年５月12日付プレスリリースを参照。）。
・EDFグループが、EDFグループ貯蓄制度およびEDFグループ国際貯蓄制度の会員を対象とした増資を開始（2022年５月12日付プ
レスリリースを参照。）
( ⅵ) 2022年８月９日－2022年における規制料金での追加発電量の配分に関する法的請求
フランス政府が、2022年１月13日に、2022年に関して20TWhの電力を規制料金で販売する追加配分（ARENH容量）を発表した
ことを受け、EDFは、自社の利益を守るためにあらゆる措置を検討していると発表した（ 2022年１月13日付プレスリリース「フ
ランス政府によって発表された特例措置」を参照。 ）。これに伴い、EDFの会長兼最高経営責任者（ Président-Directeur
Général ）は年次株主総会において、フランス政府に対し、この配分に係る2022年３月付の命令（ 既存の原子力発電所からの電
力に対する規制されたアクセス（ARENH）の一環として、2022年に例外的に配分可能な追加発電量の配分に関する具体的な条件
(1)
を定める2022年３月11日付命令第2022-342号 ）および決定 の撤回を要請する暫定的な不服申立てを行ったことを表明した。
詳細な法的分析に基づき、また2022年３月11日付、12日付および25日付の命令および決定により被った損失を考慮し、EDF
は、2022年８月９日に、国務院（ Conseil d'Etat ）（フランスの行政最高裁判所）に対して法的請求を提起し、またフランス
政府に対して現時点で推定8.34十億ユーロとなる損害の賠償を請求した。
(1) ・フランス・エネルギー法第L.337-16条の適用により発表され、既存の原子力発電所からの電力に対する規制されたアク
セス（ARENH）の一環として、2022年に例外的に配分可能な追加発電量の配分に関する具体的な条件を定める2022年３月
11日付命令第2022-342号によって導入された、例外的な配電期間の下で販売される追加発電量の価格を定める2022年３
月11日付決定。
・フランス・エネルギー法第L.336-2条の適用により発表され、既存の原子力発電所からの電力に対する規制されたアクセ
スに基づきEDFが販売する電力の最大総量を定める2022年３月11日付決定。
・フランス・エネルギー法第R.335-69条の適用により発表された、2022年４月１日に開始された補足的なARENH配電期間に
関する追加的な発電容量保証の販売のための条件についての2022年３月12日付決定。
・公共電力サービスの近代化および開発に関する2000年２月10日付法律第2000-108号第4-1条の適用により発表され、2011
年４月28日付決定を改正する2022年３月25日付決定。
( ⅶ) 2022年９月15日－情報通知
2022 年９月14日に、政府が2023年における規制電力料金の引上げ上限を＋15％と発表したことを受け、2023年の規制条件が
確定した時点で、当グループの2023年末の目標（ 2022年５月18日付プレスリリースの負債比率目標を参照：純負債／EBITDA倍
率は３倍前後、調整後の実用的な債務／調整後のEBITDA倍率（一定のスタンダード・アンド・プアーズの方法による。）は約
５倍（2022年１月１日現在の連結範囲および為替レートに基づく。安定した規制環境下（ARENH上限100TWh）、2022年７月13日
付の2023年先物価格を前提とし、2022年５月18日付プレスリリースで発表された2022年および2023年におけるフランスの原子
力発電量予測を考慮した場合。）。 ）が見直される。2023年におけるフランスの原子力発電量予測は、300TWhから330TWhで確
定している。
当グループが入手した情報によると、2022年におけるフランスの原子力発電量予測である280TWhから300TWhの範囲の下限値
および2022年９月13日付の2022年先物価格に基づき、原子力発電量の減少による2022年のEBITDAに対する影響は、2021年と比
較して推定約－29十億ユーロと再評価された（ －24十億ユーロの影響と推定していた2022年５月18日付プレスリリースおよび
2022年度上半期の実績発表を参照。 ）。
EDF は、2024年におけるフランスの原子力発電量を315TWhから345TWhと予測している。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
４【経営上の重要な契約等】
上記「第３ ３（３）財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照のこと。
５【研究開発活動】
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
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半期報告書
第４【設備の状況】
１【主要な設備の状況】
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
２【設備の新設、除却等の計画】
当半期中において、2021年度有価証券報告書の記載事項に重要な変更はなかった。
第５【提出会社の状況】
１【株式等の状況】
（１）【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2022年6月30日現在)
＊ ＊
授 権 株 数(株) 未発行株式数(株)
種 類 発行済株式総数(株)
＊＊
219,579,139 株
－ 普通株式 3,868,480,343 株
＊
フランス法の下では、授権株式という概念はない。しかし、一定の範囲内で株主は、取締役会に対して株式またはエクイ
ティ証券の発行に際して、発行額および発行時期を決定する権限を与えることができる。
＊＊
当社は2020年９月８日に新株予約権および株式交換権付無担保上位債( obligations senior non garanties à option de
conversion et/ou d'échange en actions nouvelles et/ou existantes )（以下「本社債」という。）を発行した。上記の
株式数は、本社債の転換に際して発行される可能性のある新株の最大数である。
②【発行済株式】
(2022年6月30日現在)
記名・無記名の別及び 上場金融商品取引所名又は
種 類 発 行 数(株) 内容
額面・無額面の別 登録認可金融商品取引業協会名
記名式
普通株式 3,868,480,343株 ユーロネクスト・パリ －
(券面額0.5ユーロ)
（２）【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
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（３）【発行済株式総数及び資本金の状況】
(2022年6月30日現在)
資本金
発行済株式 発行済株式総数 資本金残高
年月日 増減額 摘要
総数増減数(株) 残高(株) (ユーロ)
(ユーロ)
2004年 1,625,800,000株 1,625,800,000株 0 8,129,000,000 フランス政府か
11月20日 (増加) らの資本および
資本拠出の当社
株式資本への転
換
2005年 0株 1,625,800,000株 7,316,100,000 812,900,000 連結剰余金への
10月27日 (減少) 移転を通じた減
資
2005年 187,869,028株 1,813,669,028株 93,934,514 906,834,514 株式公開および
11月18日 (増加) (増加) 国際的公募に準
じた増資
2005年 8,502,062株 1,822,171,090株 4,251,031 911,085,545 引受業者による
12月20日 (増加) (増加) オーバーアロッ
トメント・オプ
ションの行使に
よる増資
2010年 26,695,572株 1,848,866,662株 13,347,786 924,433,331 株主の選択によ
1月21日 (増加) る現金または新
(増加)
株発行による中
間配当の支払
2011年 (増加) 1,860,812,110株 (増加) 930,406,055 EDF Énergies
6月24日
Nouvellesに関す
る公開買付けに
おいてEDFに出資
さ れ た EDF
Énergies
Nouvellesの株式
の対価としての
増資
2011年 (減少) 1,848,866,622株 (減少) 924,433,331 消却に関する株
9月28日 式買戻プログラ
ムの一環として
の株式の購入に
よる消却
2013年 (増加) 1,860,008,468株 (増加) 930,004,234 株主の選択によ
7月29日 る現金または新
株発行による配
当の支払
2015年 60,130,559株 1,920,139,027株 (増加) 960,069,513.50 株主の選択によ
12月18日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2016年 93,112,364株 2,013,251,391株 (増加) 1,006,625,695.50 株主の選択によ
6月30日 (増加) る現金または新
株発行による配
当の支払
2016年 95,885,292株 2,109,136,683株 (増加) 1,054,568,341.50 株主の選択によ
10月31日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2017年 632,741,004株 2,741,877,687株 (増加) 1,370,938,843.50 優先引受権によ
3月30日 (増加) る増資
2017年 145,476,587株 2,887,354,274株 (増加) 1,443,677,137 株主の選択によ
7月12日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2017年 40,084,530株 2,927,438,804株 (増加) 1,463,719,402 株主の選択によ
12月14日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
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2018年 82,828,872株 3,010,267,676株 (増加) 1,505,133,838 株主の選択によ
6月29日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2019年 40,701,950株 3,050,969,626株 (増加) 1,525,484,813 株主の選択によ
6月18日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2019年 52,651,460株 3,103,621,086株 (増加) 1,551,810,543 株主の選択によ
12月17日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2020年 3,697,507株 3,099,923,579株 (減少) 1,549,961,789.50 EDFの自己株式の
9月30日 (減少) 消却
2021年 57,908,528株 3,157,832,107株 (増加) 1,578,916,053.50 株主の選択によ
6月30日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2021年 80,844,641株 3,238,676,748株 (増加) 1,619,338,374 株主の選択によ
12月2日 (増加) る現金または新
株発行による中
間配当の支払
2022年 498,257,960株 3,736,934,708株 (増加) 1,868,467,354 優先引受権によ
4月7日 (増加) る増資
2022年 131,545,635株 3,868,480,343株 (増加) 1,934,240,171.50 株主の選択によ
6月7日 (増加) る現金または新
株発行による配
当の支払
＊
当社は2020年９月８日に本社債を発行した。本社債の転換に際して発行される可能性のある最大株式数は、2022年６月30日
現在219,579,139株である。本社債の額面金額は１券面当たり10.93ユーロであり、１券面につき1.018株の割合で普通株式
に転換または交換される。１株当たりの資本組入額は、総額290,000,000ユーロの範囲内で、本社債の転換に際し当社によ
り決定される。
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（４）【大株主の状況】
(2022年6月30日現在)
発行済株式総数に
氏名又は名称 住 所 所有株式数(株) 対する所有株式数
の割合(%)
フランス政府
パリ市 75012 ベルシー通り139番地
(EPIC(商工業公益企
3,252,618,272株 84.08%
業体)である
(経済・財政・産業省の住所)
Bpifranceを含む。)
２【役員の状況】
以下の事項を除き、2022年６月28日提出の有価証券報告書に記載されている事項に変更はなかった。
取締役会
（2022年9月30日現在）
男性役員の数 女性役員の数 役員に占める女性の割合
7 10 58.82%
2014 年８月20日付政令第2014-948号第４条に基づき、2022年６月28日付の経済・財政・産業・デジタル主権担当大臣の決定
により、フランス政府保有株式監督機関（ Agence des participations de l'Etat （APE））の財務部長であるセリーヌ・フォ
ルナーロ氏が、フランス政府を代表する取締役として任命された。セリーヌ・フォルナーロ氏は、2015年８月24日からフラン
ス政府保有株式監督機関の長官を、また、2015年９月９日からEDFの取締役を務めていたマルタン・ヴィアル氏の後任となる。
フランス政府を代表する取締役
セリーヌ・フォルナーロ
当社における役職 フランス国立民間航空大学校（ENAC）を卒業し、クランフィールド大学（英国）で航空輸
フランス政府を代表する 送管理の理学修士号を取得した後、セリーヌ・フォルナーロ氏は2000年にEmbraerでマー
取締役 ケティングおよびプロダクト・マネージャーとしてキャリアを開始した。2004年にBank
of America Merrill Lynch に入社し、マネージング・ディレクターとして航空宇宙・防衛
取締役会に任命された日
分野の株式調査チームを担当した。2016年、UBS銀行のマネージング・ディレクター、欧
2022 年６月28日
州産業株式調査部門の部長に就任し、産業機器商品、新エネルギーおよび航空宇宙部門を
率いた。セリーヌ・フォルナーロ氏は、2022年６月１日からフランス政府保有株式監督機
国籍
関の財務部長を務めている。 2022年６月よりEDFの取締役に就任した。
フランス
その他の職務および役職
社外における主要な役職
・フランス政府保有株式監督機関の財務部長
過去５年間に社外で就任し任期が満了した役職
・UBS銀行のマネージング・ディレクター、欧州産業株式調査部門の部長
2022 年８月31日に開催されたEDFの取締役会は、2014年８月20日付政令第2014-948号第６条Ⅱに従って政府の推薦に基づき任
命された取締役である、フランソワ・ドラットル氏が、駐独フランス大使に就任したことに伴い、辞任することに留意した。
取締役会は、同氏による取締役会の職務への貢献、ならびに欧州・外務省事務局長としてのEDFグループのプロジェクトおよ
び事業の支援に感謝している。
ドラットル氏は、2019年６月よりEDFの取締役を務めていた。
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フランス電力(E05969)
半期報告書
第６【経理の状況】
ａ. 本書記載のフランス電力 (以下「EDF」または「当社」という。)および連結子会社(以下合わせて「当グループ」とい
う。)の邦文の中間財務書類（以下「邦文の中間財務書類」という。）は、欧州連合により採択された国際財務報告基準（以
下「IFRS」という。）に準拠して作成された原文の中間財務書類(以下「原文の中間財務書類」という。)の翻訳に、下記の
円換算額を併記したものである。当グループの中間財務書類の日本における開示については、「中間財務諸表等の用語、様
式及び作成方法に関する規則」(昭和52年大蔵省令第38号。以下「中間財務諸表等規則」という。)第76条第１項の規定が適
用されている。
邦文の中間財務書類には、中間財務諸表等規則に基づき、原文の中間財務書類中のユーロ表示の金額のうち主要なものに
ついて円換算額が併記されている。日本円への換算には、2022年８月31日の株式会社三菱ＵＦＪ銀行の対顧客電信直物売買
相場の仲値、１ユーロ＝139.03円の為替レートが使用されている。
なお、中間財務諸表等規則に基づき、日本とIFRSの会計処理の原則および手続ならびに表示方法の主要な相違について
は、第６の「３ 日本の会計原則とIFRSとの相違」に記載されている。
円換算額および第６の「２ その他」および「３ 日本の会計原則とIFRSとの相違」の事項は原文の中間財務書類には記載
されていない。
ｂ. 原文の中間財務書類は、外国監査法人等(「公認会計士法」(昭和23年法律第103号)第１条の３第７項に規定されている外
国監査法人等をいう。)から、「金融商品取引法」(昭和23年法律第25号)第193条の２第１項第１号に規定されている監査証
明に相当すると認められる証明を受けていない。
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１【中間財務書類】
(1）連結損益計算書
2022 年度上半期 2021 年度上半期
注記 百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
92,124 55,085
66,262 39,621
売上高 5.1
購入燃料およびエネルギー費用 5.2 (48,238) (67,065) (18,753) (26,072)
その他の対外費用(1) (3,919) (5,449) (3,629) (5,045)
人件費 (7,286) (10,130) (7,273) (10,112)
法人所得税を除く税金 (2,383) (3,313) (2,509) (3,488)
4,371
(1,764) (2,452) 3,144
その他の営業収益および営業費用 5.3
3,715 14,739
2,672 10,601
減価償却費および償却費控除前営業利益 5
トレーディング業務以外のエネルギーおよ
びコモディティ・デリバティブの公正価値 6
(993) (1,381) (541) (752)
の純変動額
減価償却費および償却費（純額） (5,534) (7,694) (5,194) (7,221)
(減損)/戻入 10.4 (253) (352) (502) (698)
(388) (539) (92) (128)
その他の収益および費用 7
5,939
(4,496) (6,251) 4,272
営業利益
総金融負債に係る費用 (728) (1,012) (754) (1,048)
698
502 (1,016) (1,413)
割引の影響 8.1
3,658
(2,721) (3,783) 2,631
その他の金融収益および費用 8.2
1,197
(2,947) (4,097) 861
金融損益 8
7,136
(7,443) (10,348) 5,133
連結会社の税引前利益
2,558
1,840 (1,458) (2,027)
法人所得税 9
関連会社および共同支配企業の純利益に対する
617 478
444 344
持分 11
6
4 (3) (4)
非継続事業の純利益
5,583
(5,155) (7,167) 4,016
連結純利益
5,800
(5,293) (7,359) 4,172
EDF の純利益
5,805
(5,297) (7,364) 4,175
EDFの純利益―継続事業
6
4 (3) (4)
EDFの純利益―非継続事業
192
138 (156) (217)
非支配持分に帰属する純利益
192
138 (156) (217)
非支配持分に帰属する純利益―継続事業
- - - -
非支配持分に帰属する純利益―非継続事業
ユーロ 円 ユーロ 円
１株当たり純利益（EDF持分）：
(1.62)
(225.23) 1.25 173.79
基本的１株当たり純利益
(1.62)
(225.23) 1.17 162.67
希薄化後１株当たり純利益
(1.62)
(225.23) 1.25 173.79
継続事業の基本的１株当たり純利益
(1.62)
(225.23) 1.17 162.67
継続事業の希薄化後１株当たり純利益
(1 ）その他の対外費用は、資産計上された発電コストを控除後で報告されている。
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(2) 連結包括利益計算書
2022 年度上半期 2021 年度上半期
非支配持分 非支配持分
EDF の EDF の
に帰属する に帰属する
注記 純利益 純利益 合計 純利益 純利益 合計
（単位：百万ユーロ）
(5,293) 138 (5,155) 4,172 (156) 4,016
連結純利益
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
3,589 22 3,611 797 5 802
―変動総額 17.5
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
(919) (5) (924) (207) (2) (209)
―税効果
純投資ヘッジの公正価値
純投資ヘッジの公正価値―変動総額 17.5 (74) - (74) (666) - (666)
純投資ヘッジの公正価値―税効果 58 - 58 45 - 45
負債性金融商品の公正価値の変動
負債性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 (1,204) - (1,204) (216) - (216)
関連する税効果 311 - 311 56 - 56
換算調整―被支配事業体 (196) (202) (398) 1,212 399 1,611
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
614 - 614 470 - 470
リサイクルできる項目
2,179 (185) 1,994 1,491 402 1,893
リサイクルを伴う自己資本計上損益
資本性金融商品の公正価値の変動
資本性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 (4) - (4) 15 - 15
関連する税効果 - - - - - -
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動総額
9,104 38 9,142 2,528 97 2,625
(1) 15.1.2
関連する税効果(1) (208) (10) (218) (725) (43) (768)
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
340 - 340 77 - 77
リサイクルできない項目
9,232 28 9,260 1,895 54 1,949
リサイクルを伴わない自己資本計上損益
11,411 (157) 11,254 3,386 456 3,842
自己資本計上損益合計
6,118 (19) 6,099 7,558 300 7,858
連結包括利益
継続事業の連結包括利益 6,114 (19) 6,095 7,561 300 7,861
4 - 4 (3) - (3)
非継続事業の連結包括利益
2022 年度上半期 2021 年度上半期
非支配持分 非支配持分
EDF の EDF の
に帰属する に帰属する
注記 純利益 純利益 合計 純利益 純利益 合計
（単位：億円）
192 5,800 5,583
(7,359) (7,167) (217)
連結純利益
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
4,990 31 5,020 1,108 7 1,115
―変動総額 17.5
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
(1,278) (7) (1,285) (288) (3) (291)
―税効果
純投資ヘッジの公正価値
純投資ヘッジの公正価値―変動総額 17.5 (103) - (103) (926) - (926)
81 81 63 63
- -
純投資ヘッジの公正価値―税効果
負債性金融商品の公正価値の変動
負債性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2 (1,674) - (1,674) (300) - (300)
432 432 78 78
- -
関連する税効果
1,685 555 2,240
(272) (281) (553)
換算調整―被支配事業体
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
854 854 653 653
- -
リサイクルできる項目
3,029 2,772 2,073 559 2,632
(257)
リサイクルを伴う自己資本計上損益
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資本性金融商品の公正価値の変動
21 21
(6) - (6) -
資本性金融商品の公正価値の変動総額 17.1.2
関連する税効果 - - - - - -
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動
雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動総額
12,657 53 12,710 3,515 135 3,650
(1) 15.1.2
関連する税効果(1) (289) (14) (303) (1,008) (60) (1,068)
関連会社および共同支配企業持分―純損益に
473 473 107 107
- -
リサイクルできない項目
12,835 39 12,874 2,635 75 2,710
リサイクルを伴わない自己資本計上損益
15,865 15,646 4,708 634 5,342
(218)
自己資本計上損益合計
8,506 8,479 10,508 417 10,925
(26)
連結包括利益
8,500 8,474 10,512 417 10,929
(26)
継続事業の連結包括利益
6 6
- (4) - (4)
非継続事業の連結包括利益
(1 ）自己資本に含まれる数理計算上の利益は、主にフランスに関連している（注記15.1を参照）。その税効果は、繰延税金資産の認識方針に
起因して限定的である。繰延税金資産は、10年内に解消すると見込まれる一時差異については全額認識され、それ以後に解消すると見込
まれる一時差異については同時に認識される繰延税金負債の範囲内で認識される。2022年度上半期に発生した数理計算上の利益の大部分
は従業員給付引当金に係る10年超で解消する部分に関連しており、2021年12月31日現在では対応する繰延税金資産が認識されなかった。
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(3) 連結貸借対照表
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
注記
百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
資 産
のれん 10.1 10,820 15,043 10,945 15,217
その他の無形資産 10.1 10,509 14,611 10,221 14,210
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産(使用権資産を
10.2 98,647 137,149 98,237 136,579
含む)
フランスの公共配電委譲運営有形固定資産 10 62,816 87,333 62,132 86,382
フランスの公共配電委譲以外の委譲運営有形固定資産 10 6,820 9,482 6,881 9,567
関連会社および共同支配企業に対する投資 11 9,681 13,459 8,084 11,239
非流動金融資産 17.1 53,787 74,780 55,609 77,313
その他の非流動債権 12.3 2,700 3,754 2,092 2,909
2,870 3,990 1,667 2,318
繰延税金資産 9
非流動資産 258,650 359,601 255,868 355,733
棚卸資産
16,484 22,918 16,197 22,519
営業債権 12.2 20,624 28,674 22,235 30,913
流動金融資産 17.1 86,541 120,318 39,937 55,524
当期税金資産 1,032 1,435 544 756
その他の流動債権 12.3 12,964 18,024 16,197 22,519
7,418 10,313 9,919 13,790
現金および現金同等物
流動資産 145,063 201,681 105,029 146,022
売却目的保有に分類された資産 74 103 69 96
資産合計 403,787 561,385 360,966 501,851
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
注記
百万ユーロ 億円 百万ユーロ 億円
自己資本および負債
資本金 13 1,934 2,689 1,619 2,251
57,173 79,488 48,592 67,557
EDF の純利益および連結剰余金
自己資本（EDF持分） 59,107 82,176 50,211 69,808
自己資本（非支配持分） 13.5 12,211 16,977 11,778 16,375
自己資本合計 13 71,318 99,153 61,989 86,183
原子力発電関連引当金―核サイクル終了、発電所廃炉および炉心核燃料 14
57,821 80,389 62,067 86,292
従業員給付引当金 15 12,402 17,243 21,716 30,192
5,563 7,734 5,442 7,566
その他の引当金 16
非流動引当金 75,786 105,365 89,225 124,050
フランスの公共配電特別委譲負債
49,072 68,225 48,853 67,920
非流動金融負債 17.2 68,074 94,643 56,543 78,612
その他の非流動負債 12.5 5,302 7,371 4,816 6,696
2,284 3,175 2,401 3,338
繰延税金負債
非流動負債 200,518 278,780 201,838 280,615
14 、15
流動引当金
9,848 13,692 6,836 9,504
および16
営業債務 15,949 22,174 19,565 27,201
流動金融負債 17.2 75,193 104,541 45,014 62,583
当期税金負債 861 1,197 446 620
30,070 41,806 25,248 35,102
その他の流動負債 12.5
流動負債 131,921 183,410 97,109 135,011
売却目的保有に分類された資産に関連する負債 30 42 30 42
自己資本および負債合計 403,787 561,385 360,966 501,851
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(4) 連結キャッシュ・フロー計算書
2022 年度上半期 2021 年度上半期
百万ユーロ 億円 百万ユーロ
注記 億円
営業活動：
(5,155) (7,167) 4,016
連結純利益 5,583
6
4 (3)
(4)
非継続事業の純利益
(5,159) (7,173) 4,019
5,588
継続事業の純利益
減損/(戻入) 352
253 502
698
7,943
減価償却費および償却費、引当金繰入額ならびに公正価値の変動 5,713 4,526
6,292
133
金融収益および費用 96 (25)
(35)
136
関連会社および共同支配企業からの受取配当金 98 112
156
143
資産譲渡損益 103 (108)
(150)
法人所得税 (1,841) (2,560) 1,458
2,027
関連会社および共同支配企業の純利益に対する持分 (444) (617) (344)
(478)
9,460
6,804 (1,896)
運転資本の変動 12.1.3
(2,636)
7,818
営業によるキャッシュ・フロー（純額） 5,623 8,244
11,462
金融費用支出（純額）
(424) (589) (393)
(546)
(202) (281) (343)
法人所得税支払額
(477)
6,947
継続事業の営業活動によるキャッシュ・フロー（純額） 4,997 7,508
10,438
非継続事業に関連する営業活動によるキャッシュ・フロー（純額） - - -
-
6,947
営業活動によるキャッシュ・フロー（純額） 4,997 7,508
10,438
投資活動：
持分投資の取得、取得現金控除後 (70) (97) 14
19
170
持分投資の処分、譲渡現金控除後 122 401
558
無形資産および有形固定資産への投資 10.3 (8,703) (12,100) (8,518)
(11,843)
36
無形資産および有形固定資産の売却による収入（純額） 26 42
58
(11,553) (16,062) 3,103
金融資産の変動 4,314
継続事業の投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） (20,178) (28,053) (4, 958 )
(6,893)
非継続事業に関連する投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） - - -
-
投資活動によるキャッシュ・フロー（純額） (20,178) (28,053) (4, 958 )
(6,893)
財務活動：
4,377
EDF の増資 13.1 3,148 -
-
808
非支配株主との取引(1) 581 293
407
親会社の支払配当金 13.2 (72) (100) (36)
(50)
非支配株主に対する支払配当金 (139) (193) (87)
(121)
自己株式の買入/売却 (2) (3) (4)
(6)
4,888
3,516 166
231
株主とのキャッシュ・フロー
借入債務の発行 17.2.2.1
21,369
15,370 1,104
1,535
借入債務の返済 17.2.2.1 (5,983) (8,318) (5,962)
(8,289)
永久劣後債の発行 - - 1,235
1,717
13.3
(332) (462) (288)
永久劣後債の持参人に対する支払額 13.3 (400)
235
委譲運営資産に対する受取拠出金および投資補助金 169 441
613
12,824
9,224 (3,470)
財務活動によるその他のキャッシュ・フロー (4,824)
17,712
継続事業の財務活動によるキャッシュ・フロー（純額） 12,740 (3,304)
(4,594)
非継続事業に関連する財務活動によるキャッシュ・フロー（純額） - - -
-
17,712
財務活動によるキャッシュ・フロー（純額） 12,740 (3,304)
(4,594)
継続事業によるキャッシュ・フロー（純額）
(2,441) (3,394) (754)
(1,048)
非継続事業によるキャッシュ・フロー（純額）
- - -
-
現金および現金同等物の純増加／（減少）額 (2,441) (3,394) (754)
(1,048)
現金および現金同等物の期首残高 13,790
9,919 6,270
8,717
現金および現金同等物の純増加（減少）額 (2,441) (3,394) (754)
(1,048)
為替変動 (99) (138) 116
161
39
現金および現金同等物に係る金融収益 28 25
35
15
11 271
その他の非資金変動 377
10,313
現金および現金同等物の期末残高 7,418 5,928
8,242
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(1 ）被支配会社の増資／減資および少数株主持分の取得／処分。2022年度のこの項目は、NNB Holding Ltd.（ヒンクリー・ポイントCプロジェ
クト向け）およびSizewell C Holding Co.の増資に対するCGNの払込みに関連する金額613百万ユーロを含む。2021年度のこの項目は、NNB
Holding Ltd.（ヒンクリー・ポイントCプロジェクト向け）およびSizewell C Holding Co.の増資に対するCGNの払込みに関連する金額597
百万ユーロ、ならびにE2i Energie Specialiの70％の取得に関連する金額(276)百万ユーロを含んでいた。
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(5) 連結自己資本変動計算書
2022年１月１日から６月30日までの間の自己資本の変動の明細は以下の通りである。
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
（リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 換算調整 伴うOCI）(1) 純利益(2) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：百万ユーロ）
2021 年12月31日現在
1,619 (14) 828 (4,474) 52,252 50,211 11,778 61,989
自己資本
自己資本計上損益 - - 131 2,048 9,232 11,411 (157) 11,254
- - - - (5,293) (5,293) 138 (5,155)
純利益
- - 131 2,048 3,939 6,118 (19) 6,099
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (332) (332) - (332)
支払配当金 - - - - (1,050) (1,050) (159) (1,209)
自己株式の買入/売却 - (2) - - - (2) - (2)
EDF の増資（注記13.1参
315 - - - 3,812 4,127 - 4,127
照）
- - - - 35 35 611 646
その他の変動(3)
2022 年６月30日現在
1,934 (16) 959 (2,426) 58,656 59,107 12,211 71,318
自己資本
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
（リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 換算調整 伴うOCI）(1) 純利益(2) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：億円）
2021 年12月31日現在
2,251 1,151 72,646 69,808 16,375 86,183
(19) (6,220)
自己資本
182 2,847 12,835 15,865 15,646
- - (218)
自己資本計上損益
192
- - - - (7,359) (7,359) (7,167)
純利益
182 2,847 5,476 8,506 8,479
- - (26)
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (462) (462) - (462)
支払配当金 - - - - (1,460) (1,460) (221) (1,681)
自己株式の買入/売却 - (3) - - - (3) - (3)
EDF の増資（注記13.1参
438 5,300 5,738 5,738
- - - -
照）
49 49 849 898
- - - -
その他の変動(3)
2022 年６月30日現在
2,689 1,333 81,549 82,176 16,977 99,153
(22) (3,373)
自己資本
(1 ）リサイクルを伴うOCI（その他の包括利益）に計上された剰余金の変動は、包括利益計算書に表示されている。これらは、負債証券の公正
価値修正の影響、キャッシュ・フローおよび純外国投資をヘッジする金融商品の公正価値修正の影響、ならびに終了した契約および譲渡し
た負債性金融商品に関連して純損益にリサイクルされた金額に相当する。
(2) リサイクルを伴わないOCIに計上された公正価値の変動は、この項目に表示されている。
(3) 2022 年度上半期における自己資本（非支配持分）の「その他の変動」は、NNB Holding Ltd.およびSizewell C Holding Co.の増資に対する
CGNの払込みによる影響613百万ユーロを含む。
「その他の変動」はまた、従業員割当（ERO）の費用に対応する差額44百万ユーロを含んでいる（注記７を参照）。
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2021年１月１日から６月30日までの間の自己資本の変動の明細は以下の通りである。
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
換算調整 （リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 (1) 伴うOCI）(2) 純利益(3) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：百万ユーロ）
2020 年12月31日現在
1,550 (10) (871) (1,116) 46,080 45,633 9,593 55,226
自己資本
自己資本計上損益 - - 1,529 (38) 1,895 3,386 456 3,842
- - - - 4,172 4,172 (156) 4,016
純利益
- - 1,529 (38) 6,067 7,558 300 7,858
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (288) (288) - (288)
永久劣後債の発行（注記
- - - - 1,235 1,235 - 1,235
13.3参照）
支払配当金 - - - - (652) (652) (100) (752)
自己株式の買入/売却 - (4) - - - (4) - (4)
EDF の増資（注記13.1参
29 - - - 587 616 - 616
照）
- - - - (325) (325) 486 161
その他の変動(4)
2021 年６月30日現在
1,579 (14) 658 (1,154) 52,704 53,773 10,279 64,052
自己資本
その他の
金融商品の
連結剰余金
公正価値修正
および 自己資本 自己資本
換算調整 （リサイクルを 自己資本合
資本金 自己株式 (1) 伴うOCI）(2) 純利益(3) (EDF持分) (非支配持分) 計
（単位：億円）
2020 年12月31日現在
2,155 64,065 63,444 13,337 76,781
(14) (1,211) (1,552)
自己資本
2,126 2,635 4,708 634 5,342
- - (53)
自己資本計上損益
5,800 5,800 5,583
- - - - (217)
純利益
2,126 8,435 10,508 417 10,925
- - (53)
連結包括利益
永久劣後債に係る支払 - - - - (400) (400) - (400)
永久劣後債の発行（注記
1,717 1,717 1,717
- - - - -
13.3参照）
支払配当金 - - - - (906) (906) (139) (1,046)
自己株式の買入/売却 - (6) - - - (6) - (6)
EDF の増資（注記13.1参
40 816 856 856
- - - -
照）
676 224
- - - - (452) (452)
その他の変動(4)
2021 年６月30日現在
2,195 915 73,274 74,761 14,291 89,051
(19) (1,604)
自己資本
(1) 2021 年６月30日における換算調整の変動は1,529百万ユーロである。この変動は、ユーロに対する英ポンドの推移に起因している（2020年
12月31日現在１英ポンド＝1.112ユーロおよび2021年６月30日現在１英ポンド＝1.165ユーロ）。
(2 ）リサイクルを伴うOCI（その他の包括利益）に計上された剰余金の変動は、包括利益計算書に表示されている。これらは、負債証券の公正
価値修正の影響、キャッシュ・フローおよび純外国投資をヘッジする金融商品の公正価値修正の影響、ならびに終了した契約および譲渡し
た負債性金融商品に関連して純損益にリサイクルされた金額に相当する。
(3) リサイクルを伴わないOCIに計上された公正価値の変動は、この項目に表示されている。
(4) 2021 年度上半期における自己資本（非支配持分）の「その他の変動」は、NNB Holding Ltd.およびSizewell C Holding Co.の増資に対する
CGNの払込みによる影響597百万ユーロ、ならびに取得したE2i Energie Specialiの資本持分の振替(121)百万ユーロを含む。購入価格と取
得持分の差額(155)百万ユーロは、自己資本（EDF持分）からの控除として表示されている。
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連結財務諸表に対する 注記
フランス電力（以下「EDF」または「当社」という。）は、フランスの法律に準拠し、フランス（ワグラム通り22－30、パリ
75008）において登記されたフランスの株式会社（société anonyme）である。
本要約連結財務諸表（以下「連結財務諸表」という。）は、2022年６月30日に終了した半年間に係る当社およびその子会社
（合わせて「当グループ」を形成する。）ならびに、関連会社、共同支配事業として分類された共同支配の取決めおよび共同
支配企業に対する当グループの持分の会計上の状態を反映している。
当グループは発電（原子力、水力、風力および太陽光、火力等）、輸送、配送、供給、トレーディング、エネルギー・サー
ビス、設備および核燃料集合体の生産、ならびに原子炉サービスというエネルギー事業におけるあらゆる業務を営む総合エネ
ルギー事業者である。
当グループの2022年６月30日現在の連結財務諸表は取締役会の責任において作成され、2022年７月27日開催の取締役会にお
いて取締役によって承認された。
注記１．グループの会計方針
1.1 基準への準拠の宣言およびグループの会計方針
国際的な会計基準の適用に関する2002年７月19日付欧州規則1606/2002に準拠して、EDFグループの2022年６月30日現在の連
結財務諸表は、2022年６月30日現在において国際会計基準審議会（IASB）により公表され、欧州連合により適用の承認がなさ
れている国際的な会計基準において規定された表示、認識および測定の規則に準拠して作成されている。これらの国際的な会
計基準は、IAS（国際会計基準）、IFRS（国際財務報告基準）ならびにSICおよびIFRIC解釈指針である。
本中間連結財務諸表は、IAS第34号「期中財務報告」に従っている。そのためこれらの財務諸表は、完全な年次財務諸表に要
求される情報のすべてを含むものではなく、2021年12月31日現在の連結財務諸表とあわせて読まれるべきものである。
注記1.2に記載された会計基準の変更および注記1.4に記載された中間財務諸表に特有の評価方法を除き、会計処理の原則お
よび評価方法は2021年12月31日現在の連結財務諸表に適用されたもの（当該財務諸表に対する注記1.3および各注記に記載され
ている）と同一である。
1.2 会計基準の変更
1.2.1 IAS 第16号「有形固定資産：意図した使用の前の収入」の改訂
2022年１月１日以後、資産の運転開始前に当該資産により生産された物品の販売（例えば、検査フェーズ中の電力販売）に
よる収入は、当該資産の取得原価から控除されない。これらの収入および関連する費用は、受取時または発生時に純損益に含
められる。
これらの改訂の適用は、当グループの2022年６月30日現在の財務諸表に重要な影響を与えていない。当グループにおいて、
これらは主に、フラマンヴィル３EPR（注記10.2を参照）の試運転および試験フェーズに関係する。
1.2.2 IAS第37号の改訂「不利な契約―契約履行のコスト」
これらの改訂は、不利な契約に係る引当金が、増分費用だけでなく契約を履行するために必要なすべての費用に相当する不
可避的なコストを基礎とすることを求めている。
これにより、考慮すべき費用の範囲が拡大され、契約による債務を履行するための増分コスト（例えば、労務費および材料
費）と、契約に直接関連する他のコストの配分（例えば、使用される設備の減価償却費の配分、または保険契約に係る費用）
の両方を含むこととなった。
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これらの改訂の適用は、当グループの財務諸表に重要な影響を与えていない。
1.2.3 金利指標改革―IFRS第９号、IAS第39号、IFRS第７号、IFRS第４号およびIFRS第16号の改訂
これらの改訂は、金利改革の直接的な結果として契約上の変更が生じた金融資産および負債に対し、2021年１月１日から適
用されている。
この改革は将来に向かって適用され、純損益への影響はなく、関連する商品に係るヘッジ関係は継続される。その影響は主
に業務上のもの（契約の再交渉、フォールバック条項、情報システムのアップグレード）である。既に適用された金利の置換
えについては、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記1.2.1に記載されている。
当グループは、2021年11月にISDAフォールバック・プロトコルを適用した際に、2022年１月１日から関係するすべてのデリ
バティブについてLibor GBPをSoniaに置き換えた。USD Liborの移行作業は、USD Liborの公表終了日、すなわち2023年６月30
日までに行われる。
1.3 経営者の判断および見積り
財務諸表の作成に際しては、資産および負債の評価、当期に計上された収益および費用の決定に当たり、判断、最善の見積
りおよび仮定を使用し、期末に存在する有利および不利な偶発事象を考慮することが要求される。当グループの将来の財務諸
表上の数値は、これらの仮定または経済状況の変化により、現在の見積りと大きく異なる可能性がある。
金融およびエネルギー市場のボラティリティを特徴とする状況において、見積りを行うために使用したパラメータは、当グ
ループの資産の超長期サイクルに適合するマクロ経済の前提に基づいている。
当グループの主要な見積りおよび判断は、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記1.3.4に記載されている。
1.4 中間財務諸表に特有の評価方法
中間財務諸表に特有の以下の評価方法が適用されている。
1.4.1 従業員給付
６月30日現在の雇用後給付およびその他長期給付に相当する債務の金額は、前年度の債務を半年間にわたり予測し、給付支
払額および制度資産の変動を考慮し、関連する場合には制度変更による調整を加味して計算されている。
会計期間中に改訂、縮小または清算が行われた場合には、数理計算上の仮定および債務の金額が当該変更日付で更新され
る。当期勤務費用および確定給付に係る利息費用純額は同日以後、これに従って調整される。
その他のすべての場合において、中間財務諸表のための従業員給付の計算に用いられた数理計算上の仮定は、特定の変数
（例えば割引率）に重要な変動が生じた場合に、前年度の年次財務諸表に用いられたものと異なっている（注記15.2を参
照）。
1.4.2 法人所得税
中間財務諸表において、法人所得税（当期分および繰延分）は、原則として、連結会社の税引前利益にそれぞれの事業体ま
たは連結納税グループの当年度に係る直近の見積実効税率を適用して計算されている。
1.5 事業の季節性
中間期間の売上高ならびに減価償却費および償却費控除前営業利益は、主にフランスにおいて、暦年における重要な季節性
による影響を受ける。この観察された季節変動は、主に、各期間特有の気候条件および料金体系に関連する。
1.6 比較可能性
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1.6.1 比較可能性に対する市場価格水準の影響
財務諸表は市場価格の水準およびボラティリティによる影響を受けており、特定の集計項目については、この影響は2021年
12月31日現在よりも更に顕著になっている。
貸借対照表合計額は、特にデリバティブの公正価値が増加した結果、3,610億ユーロから4,040億ユーロに増加した（注記
17.1および17.2を参照）（トレーディング・デリバティブ：資産+270億ユーロ、負債+250億ユーロ、ヘッジ・デリバティブ：
資産+120億ユーロ、負債+90億ユーロ）。貸借対照表合計額は、既に2020年12月31日から2021年12月31日の間に、デリバティブ
の公正価値の増加、営業債権および債務に関連する運転資本の増加、ならびにトレーディング業務における資産および負債に
係るマージンコールの増加に起因して、3,050億ユーロから3,600億ユーロに増加していた（2021年12月31日現在の連結財務諸
表に対する注記13を参照）。「その他の流動債権」において、通常は借方ポジションであるEDF SAのCSPE（2020年12月31日現
在約20億ユーロの債権）は、2021年12月31日現在３億ユーロおよび2022年６月30日現在34億ユーロの価額で「その他の流動負
債」の貸方ポジションにある（注記12.5.4を参照）。
損益計算書における主な留意点は以下の通りである。
・ 売上高は66％増加し、購入燃料およびエネルギー費用は156％増加した。これには、応力腐食現象に起因する原子力発電
量の低下により必要とされた電力購入の非常に高い価格効果、ならびに特定追加ARENH制度のための当上半期中の購入お
よび販売に係る影響の正味合計額14億ユーロが含まれる。電力網損失を補うためのEnedisによる購入もまた大幅に増加
した（当期間中に300百万ユーロ増）。
・ トレーディング・マージンは、2021年度上半期の８億ユーロおよび2021年度の15億ユーロに対し、21億ユーロに達し
た。このマージンには、欧州市場の特殊な状況における相手先リスクに係る引当金の増加が含まれる。
・ 損益計算書におけるコモディティのボラティリティ（IFRS第９号）は、2021年度上半期の(５)億ユーロおよび2021年度
の(２)億ユーロに対し、(10)億ユーロであった。
1.6.2 ウクライナにおける戦争の影響
当グループのロシアおよびウクライナにおける直接的なエクスポージャーは極めて限定的である。ロシア産ウランの輸入依
存度は、既存在庫と分散された長期供給契約の観点から低い。ガスについては、ロシア企業の欧州子会社との契約は（Edison
を通じての）１件のみであり、これは当グループのガス供給の４％に該当し、2022年度末に終了する。当グループには現在、
国際的な制裁措置の影響を受けている企業や銀行に関するエクスポージャーはない。モスクワ事務所は閉鎖され、子会社であ
るDalkia Russiaは当上半期中に売却された。
ただし、当上半期の財務諸表における間接的な影響は重要である。それには、市場価格およびボラティリティの上昇、サプ
ライチェーンの圧迫、インフレ（設備、部品等に対する）の影響への寄与、金融市場への影響（特に専用資産価額への影響）
がある。
注記２．重要な事象の要約
2022 年度上半期 の当グループの主たる重要な事象および取引は以下の通りである。
・原子力開発：
・ ハンターストンＢのゼロ・カーボン発電は終了し燃料除去が進行中である（EDF Energyの2022年１月７日および2022
年５月17日付プレスリリースならびに注記14を参照）。
・ フラマンヴィルEPRに係る更新（当グループの2022年１月12日付プレスリリースおよび注記10.2を参照）。
・ EDFは、2022年１月13日に2022年度のフランスの原子力発電量予測を更新した（当グループの2022年１月13日付プレス
リリースならびに注記10.2および10.4を参照）。
・ EDFは、2022年２月７日に2022年度のフランスの原子力発電量予測を修正した（当グループの2022年２月７日付プレス
リリースならびに注記10.2および10.4を参照）。
・ EDFは、2022年２月11日に2023年度のフランスの原子力発電量予測を修正した（当グループの2022年２月11日付プレス
リリースおよび注記10.4を参照）。
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・ ヒンクリー・ポイントＣの更新：当該プロジェクトの日程および費用の見直し（当グループの2022年５月19日付プレ
スリリースならびに注記10.2および10.4を参照）。
・ 応力腐食現象に係る更新および2022年度のフランスの原子力発電量予測の修正（当グループの2022年５月19日付プレ
スリリースならびに注記５および10.2を参照）。
・ サイズウェルＣに政府が開発同意令を出した際の主要な経過目標（EDF Energyの2022年７月20日付プレスリリースお
よび注記10.2を参照）。
・売却：
・ Edisonは、探査および産出事業の売却を完了した（Edisonの2022年５月５日および2022年６月29日付プレスリリース
ならびに注記3.1を参照）。
・資金調達取引：
・ EDFは、102.5億ユーロの銀行与信枠に関する契約に署名した（当グループの2022年３月16日付プレスリリースおよび
注記17.2.2.1を参照）。
・ EDFは、優先引受権を維持した31.50億ユーロ超の増資の成功を発表した（当グループの2022年４月５日付プレスリ
リースおよび注記13.1を参照）。
・ EDFグループは、EDFグループ貯蓄制度およびEDF Internationalグループ貯蓄制度の加入者を対象とした割当増資を開
始した（当グループの2022年５月12日付プレスリリースならびに注記７および13を参照）。
・ EDFと欧州投資銀行（EIB）は、Enedisが管理する配電網のエネルギー移行のための資金調達として800百万ユーロの融
資契約に署名したことを発表した（当グループの2022年５月19日付プレスリリースおよび注記17.2.2.1を参照）。
・再生可能エネルギー：
・ EDFは、洋上風力発電開発のためニューヨーク湾内の海域を落札した（当グループおよびEDF Renewablesの2022年３月
１日付プレスリリースならびに注記11.2を参照）。
・ サンナゼール洋上風力発電所：フランス初の洋上風力タービンが設置された（EDF Renewablesの2022年４月13日付プ
レスリリースおよび注記11.2を参照）。
・ EDF Renewablesは、イスラエルで浮体式２基を含む太陽光発電所４基の運転を開始した（EDF Renewablesの2022年６
月８日付プレスリリースおよび注記11.2を参照）。
・ フランス政府により例外的な措置が発表された（当グループの2022年１月13日付プレスリリースおよび注記５を参照）。
・ EDFは、GE Steam Powerの原子力事業の一部を取得する独占契約に署名した（当グループの2022年２月10日付プレスリリー
スおよび2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記23を参照）。
・ EDFは、フランス競争当局の決定に関する声明を公表した（当グループの2022年２月22日付プレスリリースおよび注記16を
参照）。
・ 2022年度のARENH量20TWhの追加割当に関する政令および命令の公布：2022年度のEBITDA見通しへの影響の更新（当グルー
プの2022年３月14日付プレスリリースならびに注記５および16.2を参照）。
・ Dalkiaはロシア事業を売却した（Dalkiaの2022年５月23日付プレスリリースならびに注記1.6.2および７を参照）。
2021 年度 の当グループの主たる重要な事象および取引は以下の通りであった。
・原子力開発：
・ EDFは、ダンジェネスＢを燃料除去フェーズに移行させることを決定した（EDF Energyの2021年６月７日付プレスリ
リースおよび注記７を参照)。
・ シヴォーおよびショー原子力発電所の原子炉：安全システムの配管部品の取替および予防点検（当グループの2021年
12月15日付プレスリリースおよび2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記23を参照）。
・ AGR（改良型ガス冷却炉）の耐用年数の見直しが実施された（EDF Energyの2021年12月15日付プレスリリースおよび
2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.8を参照）。
・売却：
・ Edisonは、Edison NorgeのSval Energiへの374百万ドルでの売却を完了した（Edisonの2021年３月25日付プレスリ
リースおよび注記3.1.2を参照）。
・ Edisonは、Infrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の2i ReteGasへの150百万ユーロでの売却を完了した（Edison
の2021年４月30日付プレスリリースおよび注記3.1.2を参照）。
・ Dalkiaは、子会社であるDalkia WastenergyのPaprecへの売却を完了した（Dalkiaの2021年７月28日付プレスリリース
および注記3.1.2を参照）。
・ EDFは、CENGに対する持分の売却を完了した（当グループの2021年８月９日付プレスリリースおよび注記3.1.2を参
照）。
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・ EDFは、ウエスト・バートンＢ CCGT発電所のEIGへの売却を完了した（EDF Energyの2021年８月31日付プレスリリース
および注記3.1.2を参照）。
・ EdisonおよびCrédit Agricole Assurancesは、イタリアにおける再生可能エネルギー開発を共同で加速するための取
引を完了した（Edisonの2021年12月３日付および14日付プレスリリースならびに注記3.1.2を参照）。
・ EDFは、イル・ド・フランス地方の不動産ポートフォリオをPOWERHOUSE HABITATとの共同支配企業に譲渡した（当グ
ループの2021年12月16日付プレスリリースおよび2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.4を参照）。
・再生可能エネルギー：
・ Edisonは、E2iの取得を完了した（Edisonの2021年２月16日付プレスリリースおよび注記3.1.2を参照）。
・ EDFとArevaは、和解合意に達した（当グループの2021年６月30日付プレスリリースおよび注記７を参照）。
・ EDFは、新しいクラスＢの木質燃料を開発するプロジェクトであるエココンバストを終了した（当グループの2021年７月８
日付プレスリリースおよび2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.3を参照）。
注記３． 連結範囲
3.1 連結範囲の変更
3.1.1 2022年度上半期中の連結範囲の変更
2022年度上半期中には当グループの連結範囲に重要な変更はなかった。
2022年５月４日にEdisonは、アルジェリアのレガーヌ北部のライセンスに対する持分を売却する契約に署名し、エネルギー
移行事業に向けた同社の戦略的再編に従い、すべての探査および産出（E&P）事業の売却を完了したことを発表した。この契約
に基づき、Edisonはレガーヌ北部の陸上ガス田に対する11.25％の持分を、Wintershall Dea Algeria Gmbhに売却する予定で
あった。
2022年６月29日にEdisonは、対応する共同運営契約に従いRepsolが先買権を行使した後、この契約の修正に署名したことを
発表した。その結果、５月４日に署名された契約は、レガーヌ北部のライセンスに対するEdisonの持分をRepsol（6.75％）お
よびWintershall Dea（4.50％）に売却する事実を反映して修正された。
当該契約は、レガーヌ北部に対するEdisonの参加持分を約100百万ドルとする評価額に基づいている。
他の諸条件の中でも特に、当該取引は通常の慣行による当局の承認を条件とする。
3.1.2 2021年度中の連結範囲の変更
2021年度中に当グループの連結範囲に生じた変更は以下の通りであった（2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記
3.1.1を参照）。
・ 2021年２月16日におけるE2iの70％の取得
・ 2021年３月25日におけるEdison Norgeの売却
・ 2021年４月30日におけるInfrastrutture Distribuzione Gas（IDG）の売却
・ 2021年７月28日におけるDalkia Wastenergyの売却
・ 2021年８月９日におけるCENG持分の売却
・ 2021年８月31日におけるウエスト・バートンＢの売却
・ 2021年11月４日におけるPod Pointの新規株式公開
・ 2021年11月８日におけるRolls-Royce Civil Nuclear I&Cの取得
・ 2021年12月３日におけるEdison Renewablesの49％の売却
・ IZI Solutions RenovおよびHynamicsの連結
3.2 関連当事者
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関連当事者との取引形態には、2021年12月31日以降、重要な変化はない。具体的には、当グループは、公共部門の企業との
間の重要な継続的関係、主にOranoグループとの間の核燃料の供給、輸送および再処理がある。
注記４．セグメント報告
セグメント報告の表示は、IFRS第８号「事業セグメント」に準拠している。
セグメント報告は、セグメント間消去前で決定されており、適用ある場合には、IFRS第３号に準拠した企業結合による資産
および負債の再評価が純損益に与える影響を含む。
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2022 年６月30日現在
フランス
フランス
－規制 その他 EDF その他
－発電・ セグメント
(単位：百万
供給 業務 Framatome 英国 イタリア 国外 Renewables Dalkia 事業(1) 間消去 合計
ユーロ)
損益計算書：
対外売上高 22,804 9,475 989 6,898 12,996 2,473 640 2,726 7,261 - 66,262
セグメント間
958 103 988 6 21 112 411 485 436 (3,520) -
売上高
23,762 9,578 1,977 6,904 13,017 2,585 1,051 3,211 7,697 (3,520) 66,262
売上高合計
減価償却費お
よび償却費控 (4,988) 3,171 321 860 622 291 500 185 1,845 (135) 2,672
除前営業利益
(8,054) 1,364 172 298 345 99 111 (98) 1,402 (135) (4,496)
営業利益
のれん 127 223 1,450 7,928 125 50 187 588 142 - 10,820
無形資産およ
び有形固定資 60,198 67,803 2,821 25,993 5,769 1,980 11,486 2,237 505 - 178,792
産
無形資産およ
2,842 2,385 102 2,010 202 60 1,012 78 12 - 8,703
び有形固定資
産への投資
2,395 2,234 123 2,126 201 68 853 88 11 - 8,099
―資産の購入
―資産の購入
に関連する負 447 151 (21) (116) 1 (8) 159 (10) 1 - 604
債の変動
(1) 「その他事業」セグメントの売上高はEDF Tradingが実現した2,098百万ユーロのトレーディングのマージンを含む。
2021 年６月30日現在
フランス
フランス
－規制 その他 EDF その他
－発電・ セグメント
(単位：百万
供給 業務 Framatome 英国 イタリア 国外 Renewables Dalkia 事業(1) 間消去 合計
ユーロ)
損益計算書：
対外売上高 15,248 9,067 923 4,886 3,894 1,301 551 2,026 1,725 - 39,621
セグメント間
753 29 711 1 17 93 256 300 162 (2,322) -
売上高
16,001 9,096 1,634 4,887 3,911 1,394 807 2,326 1,887 (2,322) 39,621
売上高合計
減価償却費お
よび償却費控 4,838 3,210 293 267 534 206 294 215 854 (110) 10,601
除前営業利益
(2)
501
2,712 1,591 153 (919) 190 54 34 66 (110) 4,272
営業利益
のれん 109 223 1,332 7,929 98 47 184 576 142 - 10,640
無形資産およ
び有形固定資 59,983 66,165 2,606 22,685 5,324 2,043 10,027 2,168 615 - 171,616
産
無形資産およ
2,648 2,477 84 2,009 202 62 954 70 12 - 8,518
び有形固定資
産への投資
2,217 2,271 105 2,120 222 62 811 75 10 - 7,893
―資産の購入
―資産の購入
に関連する負 431 206 (21) (111) (20) - 143 (5) 2 - 625
債の変動
(1) 「その他事業」セグメントの売上高はEDF Tradingが実現した781百万ユーロのトレーディングのマージンを含む。
(2) エネルギーおよびコモディ・デリバティブ（トレーディング業務以外）の公正価値の純変動額は主に「その他事業」セグメントに起因す
る。
注記５．減価償却費および償却費控除前営業利益
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注記 2022年６月30日現在 2021年６月30日現在
（単位：百万ユーロ）
売上高
5.1 66,262 39,621
購入燃料およびエネルギー費用 5.2 (48,238) (18,753)
対外サービス費用 (6,774) (6,446)
その他の購買費用（対外サービスならびに燃料およびエネル
(2,056) (1,715)
ギーを除く）
棚卸資産および資本財の変動 4,785 4,423
その他の対外費用に係る引当金の（増加）／減少 126 109
その他の対外費用(1) (3,919) (3,629)
人件費 (7,286) (7,273)
給与税 (171) (162)
エネルギー税 (1,344) (1,332)
その他の法人所得税以外の税金(2) (868) (1,015)
法人所得税以外の税金(3) (2,383) (2,509)
(1,764) 3,144
その他の営業収益および営業費用 5.3
減価償却費および償却費控除前営業利益 2,672 10,601
(1) 外国為替相場の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、その他の対外費用は、2021年度上半期と比較して6.7％増
加した。
(2) その他の法人所得税以外の税金は、主にフランスに関連し、基本的に、土地税、土地および付加価値に係る事業税である。
(3) 外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、法人所得税以外の税金は、2021年度上半期と比較して5.7％減
少した。
当グループの2022年度上半期の連結ベースの減価償却費および償却費控除前営業利益は2,672百万ユーロであり、2021年度上
半期と比較して74.8％減少した。
外国為替相場の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの減価償却費および償却費控除前営業利益は、-
75.0％ないし(7,947)百万ユーロの自律的減少となった。この減少は、主に、フランス―発電と供給セグメント（(9,821)百万
ユーロないし-203％）、フランス―規制業務セグメント（(39)百万ユーロないし-1.2％）、その他事業セグメント（+979百万
ユーロないし+114.6％）、英国（+646百万ユーロないし+241.9％）、EDF Renewables（+190百万ユーロないし+64.6％）、およ
びイタリア（+76百万ユーロないし+14.2％）の貢献によるものである。
当グループの2022年度上半期および2021年度上半期の減価償却費および償却費控除前営業利益の事業セグメント別の内訳
（百万ユーロ単位）は、以下の通りである（注記４を参照）。
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フランス―発電と供給 セグメントでは、減価償却費および償却費控除前営業利益の(9,821)百万ユーロの自律的減少は、基本
的に、フランスの原子力および水力発電量の大幅な減少により高値市場での電力購入が必要となったこと、ならびにフランス
政府が2022年度に消費者価格の上昇を抑えるために行った例外的な措置のマイナスの影響によるものである。原子力発電量は
主に応力腐食現象に関連して27.6TWhないし-15.2％減少し、水力発電量は低水位の悪影響を受けた（-6.4TWh）。2022年６月30
日現在のEBITDAはまた、特定追加ARENH制度のための購入および販売に係る当下半期のコストに対する引当金繰入額27億ユーロ
も含んでいる。
フランス―規制業務 セグメントでは、EBITDAの(39)百万ユーロの減少は、主に、損失を補うための購入に係るマイナスの価
格効果に関連している。ただし、EBITDAは、長期給付に適用される割引率の上昇に起因して、人件費減少の恩恵を受けた。
その他事業 では、EBITDAの+979百万ユーロの増加は、2022年度に記録的な業績を達成したEDF Trading（1,123百万ユーロの
貢献）に起因する。ガス事業のEBITDAは、2022年度上半期において2021年度上半期と比較して高値でLNG（液化天然ガス）を購
入したことを特に反映して(168) 百万ユーロ減少した。
英国 セグメントのEBITDAにおける+646百万ユーロの大幅な自律的増加は、発電量の増加および原子力発電所群の最適化によ
るものである。前年同期比の原子力発電量の増加（+2.3TWh）により、追加量を価格上昇局面の市場で販売することが可能と
なった（原子力の実現価格は+14.9英ポンド/MWh上昇）のに対し、2021年度上半期においては発電量の低下により既に上昇して
いた価格での購入を行う結果となった。英国のEBITDAはまた、主にハンターストンＢおよびダンジェネスＢ発電所の燃料除去
フェーズへの移行（費用の大半は原子力負債基金により支払われる）ならびに前年度に導入された従業員年金改革に起因する
営業費用減少の恩恵も受けた。
EDF Renewables セグメントのEBITDAの増加（+190百万ユーロ）は、主に、2021年度上半期にテキサス州の例外的な寒波が
EBITDAにマイナスの影響を与えた後の、発電量の増加（2021年度上半期に対し+22.7％）ならびに特に英国および北米における
プラスの価格効果があったことに起因する。
イタリア ・セグメントのEBITDAの増加（+76百万ユーロ）は、主にCCGT（コンバインド・サイクル・ガス・タービン）による
発電量の増加、およびボラティリティの高い環境下でのガス価格の上昇によるものである。一方で、再生可能エネルギー発電
のEBITDAは、特に2022年度の低水位に起因して減少した。2021年度上半期のEBITDAは、Infrastrutture Distribuzione Gas
（IDG）の売却益の恩恵を受けたが、2022年度にはこれに相当するものがなかった。
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5.1 売上高
5.1.1 ． フランスにおける規制の変更
フランスの規制電力販売料金― 「青色」料金
「青色」規制電力販売料金に関する枠組みについては、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1.1に記載されて
いる。
料金改定
フランスのエネルギー法第L.337-4条に準拠して、フランスのエネルギー規制委員会「CRE」（Commission de Régulation de
l’Énergie）は、規制電力販売料金に係る理由付き提案書を経済およびエネルギー担当大臣に提出する責任を負っている。３
か月以内に異議がなければ、当該提案は承認されたものと見なされる。
2021年７月８日付決定において、2021年８月1日からのTURPE料金の改定を考慮し、エネルギー法を適用して、CREは、住宅顧
客向け「青色」料金の税込み0.48％（税抜き1.08％）の引上げおよび非住宅顧客向け「青色」料金の税込み0.38％（税抜き
0.84％）の引上げを提案した。CREは、この改定を2021年８月１日付で適用することを提案した。
この料金引上げ案は、2021年８月１日からのTURPE送配電網使用料金の引上げ（税込み規制販売料金に対し+0.33％）、送配
電網管理者向け顧客代行管理サービスに対し供給業者が受け取る報酬（販売費から控除）の引上げ（税込み規制販売料金に対
し-0.07％）ならびに、CREが既に発表した通り2019年度にカバーされなかった金額に対する「キャッチアップ」調整の２年内
全額回収を意図した新たな更新（税込み規制販売料金に対し+0.21％）に起因する。
フランスは、電力市場価格の高騰に鑑み、2022年２月１日付の住宅顧客向け規制販売料金の引上げを、2021年８月１日付施
行の料金に比べ最大４％（税込み）に制限する「上限料金」を導入した。この上限料金は2021年12月30日付で可決された2022
年度財政法第２条に基づいている。
・ 第29条に基づいて、2022年２月１日から、すべての顧客（規制販売料金または市場価格契約に係る住宅および事業顧
客）に対してTICFE税（またはCSPE）の引下げが適用された。ただし、法定最低水準（住宅および小規模事業顧客につい
て１ユーロ／MWh）は維持されなければならない。この引下げは、2023年１月31日までのエネルギー引渡量に適用され
る。新たなTICFE料金は政令で定められている。
・ 第181条に基づいて、TICFEの引下げにもかかわらず、CREが、2021年12月31日付施行の料金に比べ４％（税込み）超の住
宅顧客向け規制販売料金の引上げを提案する場合には、フランス政府は、エネルギー法の免除として、当該提案に異議
を唱え、経済およびエネルギー担当大臣の共同決定により規制販売料金および地方配電会社への販売料金をより低い水
準に設定できる。これが起きた場合、当該法律は、2022年度のEDFの逸失利益を12か月間に平準化して填補する目的で、
2023年度の規制販売料金の事後的キャッチアップ調整を規定している。同条はまた、規制 販売 料金による提供について
地方配電会社が、市場価格による提供について電力供給業者が負担した損失を補償するメカニズムも導入している。
2022年１月13日にフランス政府は、2022年度の消費者向け電力料金の上昇を抑えるための更なる例外的措置について発表し
た。主な措置は、フランス本土および非相互接続地域の規制料金に引き続き適格な非住宅顧客向け規制販売料金の引上げ制限
４％（税込み）の延長であった。
2022年１月18日付決定においてCREは、2022年２月１日からの住宅顧客向け「青色」料金の税込み35.4％（税抜き44.5％）お
よび非住宅顧客向け「青色」料金の税込み35.9％（税抜き44.7％）の引上げを提案した。この引上げ案は、EDFが2022年４月１
日から2022年12月31日の間に20TWHの電力をARENH適格供給業者に提供する条件を定めた2022年３月11日付政令（以下に詳述）
を考慮しておらず、主にエネルギー市場の大幅な価格上昇に起因していた。2022年１月28日付政令2022-84で確認されたTICFE
の最大引下げ幅を考慮した場合には、この提案は、住宅顧客向け「青色」料金の20％引上げ（税込み）および非住宅顧客向け
「青色」料金の20.9％引上げ（税込み）であった。上限料金に従い、この提案は経済およびエネルギー担当大臣によって却下
され、同大臣は2022年１月28日付料金命令を通じて住宅顧客向け「青色」料金の引上げを税込み４％（税抜き24.3％）、非住
宅顧客向け「青色」料金の引上げを税込み４％（税抜き23.6％）に設定し、同命令は2022年１月30日付官報に公布され2022年
２月１日から施行された。
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2022年７月７日付決定において、CREは、主に2022年８月１日からのTURPE配電料金の引上げを反映して、住宅顧客向け「青
色」料金の税込み3.92％（税抜き4.10％）および非住宅顧客向け「青色」料金の税込み3.56％（税抜き3.73％）の引上げを提
案 した。
2022年度財政法第181条およびフランスの上限料金を適用して、７月21日にエネルギー高等評議会（Conseil supérieur de
l'énergie）に提出された決定案は、CREの料金案に異議を唱え、現行料金を継続するものである。
このため、期間ごとの売上高の比較可能性は、下表に記載する2021年１月１日以後に導入された料金改定により影響を受け
ている。
住宅顧客向け「青色」 非住宅顧客向け「青
料金の引上げ 色」料金の引上げ
CRE提案日 料金決定日 適用日
（税込み／税抜き） （税込み／税抜き）
14/01/2021 1.61％/ 1.93％ 2.61％/ 3.23％ 01/02/2021
28/01/2021
08/07/2021 0.48％/ 1.08％ 0.38％/ 0.84％ 01/08/2021
29/07/2021
18/01/2022 4.00％/ 24.3％ 4.00％/ 23.6％ 01/02/2022
28/01/2022
(1)
07/07/2022 近日公表予定 01/08/2022
近日公表予定 近日公表予定
(1) 承認を条件とする。
「TURPE」送配電網使用料金
「TURPE」送配電網使用料金に関する法制上および規制上の枠組みについては、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する
注記5.1.1に記載されており、2022年度上半期において変更はなかった。
TURPE 6 の送配電料金
CREは、エネルギー高等評議会（Conseil supérieur de l’énergie）による承認後、TURPE 6の送電（高電圧）およびTURPE
6の配電（中電圧–低電圧）に係る2021年１月21日付の２つの決定を公表した（フランスの2021年４月23日付官報0096にて公
布）。これらの料金は2021年８月１日から約４年間適用される。
配電費用については、2021年１月21日付料金決定2021-13において、CREは、資産に係るマージン2.5％および追加の規制資本
利益率2.3％を設定した。2021年８月１日付の料金引上げは平均+0.91％であった。2022年６月９日付決定2022-158において、
CREは、2022年８月１日からのTURPE配電料金の引上げを平均+2.26％に設定した。
送電費用については、2021年１月21日付料金決定2021-12において、CREは、RTEの規制資産基盤に対する利益率について名目
税引前加重平均資本コスト（WACC）を4.6％に設定した。2021年８月１日付の料金引上げは平均+1.09％であった。2022年６月
９日付決定2022-157において、CREは、2022年８月１日からのTURPE送電料金の変更を平均-0.01％に設定した。
供給業者手数料
CREの2018年１月18日付決定を適用して、エネルギー供給業者は、単一契約顧客の代行管理サービスについて配電網管理者か
ら報酬を受け取る。
手数料の原則は、単一契約の市場価格を提示して販売を行うすべての供給業者について同一である。規制電力料金のみは、
わずかに低い手数料（2019年８月１日までは引渡ポイント当たり6.80ユーロに対し、4.50ユーロ）が提示され、この差額は
2022年８月１日までに段階的にゼロまで低減する。
過去の顧客管理費用（2018年１月１日の前日まで）に関する報酬について、CREの当該決定は、TURPEを通じて考慮され得る
上限と考える金額を設定していた。
ただし、2017年12月30日付法律2017-1839は、供給業者が過去の顧客管理サービスに対し電力網管理者から報酬を受け取る可
能性を排除することを意図した措置を導入した。2016年12月23日にEngieは、Enedisに対し、当該報酬の請求を申し立ててパリ
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商事裁判所に訴訟を提起した。この法的手続の過程でEngieは、過去のサービスに対し供給業者手数料を得る可能性を終了させ
るフランスの「炭化水素」法にて導入された取決めに異議を申し立てる、合憲性に係る予備判決申請書を提出した。これらの
取 決めは、憲法制定評議会により、その2019年４月19日付決定2019-776において正当であると確認された。パリ商事裁判所に
提起された当該手続は2022年４月11日に終了し、同裁判所は、期限の経過により、当該訴訟の消滅を正式に宣言した。
ARENH
１
2011年に創設された既存の原子力発電への規制接続のためのARENH 制度は、代替供給業者に対し、基本契約に署名後、フラ
ンスのエネルギー法の規定に基づいて決定された設定量につき規制価格にてEDFから電力を購入し最終顧客に供給することを認
めている。この制度は、電力網事業者がエネルギー損失を補うためにも利用可能である。
1 Accès Régulé à l'Énergie Nucléaire Historique
CREの提案を受けてエネルギーおよび経済担当大臣が決定したARENH価格は、2012年１月以後、MWh当たり42ユーロに固定され
ている。これは電力引渡しを含み、2017年度以後、関連する発電容量保証を組み込んでいる。
最終顧客の需要を賄うためにARENH制度に申請する供給業者に対し当該制度の下で法的に販売可能なARENH限度量の合計は省
令で定められ、法定上限を超えることはできない。2019年12月31日までは、当該上限は年間100TWhであった。
2019年11月８日付エネルギーおよび気候法は、この上限を、2020年１月１日から150TWhに引き上げた。これによりフランス
政府は、ARENH引渡し限度量合計を省令により100TWh超に引き上げ、移行期中のARENH価格を省令により改訂することが可能と
なった。
2021年11月８日付決定2021-339において、エネルギー法の求めに従いCREは、2022年度について定められた限度量合計を申請
が超えた場合のARENH取引量の配分方法を設定した。また、現在の電力市場の異例の危機に鑑み、供給業者が申請したARENH取
引量の承認に関し、チェックの強化と特別規則を導入した。
CREは、EDFが支配する子会社（電力網事業者を除く）の超過申請はすべて削減される旨、ならびにEDFが支配する子会社は、
ARENH制度および供給条件、特に代替供給業者に係る削減率を複製した契約を親会社と締結可能である旨を明記した。
2022年度の引渡しに係る2021年11月の期間中のARENH申請は、合計160.36TWh（EDF子会社および電力網事業者からの申請を除
く）であった。CREは一部の申請を縮小して（合計-0.03TWh）、CREが有効と認めた申請量を合計160.33TWhとし、合計100TWhの
限度量を遵守するために各供給業者の申請を削減した。このほかに、ARENH制度を複製した契約を通じて、および電力網の電力
損失を補填するためにEDFが子会社に対し販売した量があった（26.4TWh）。
2022年１月１日以後、CREは、代替供給業者３社に係る裁判所による清算決定または電力購入の政府認可保留を理由として、
当該供給業者へのARENH引渡しが停止されたことをEDFに通知した。2022年５月のARENH期間についてCREは、(i)不履行供給業者
の清算および(ii)ARENH権利の救済供給業者への移行手続の未実施に起因して、EDFによる引渡しが行われていなかったARENH量
21.9MWを含めた。これらは全量がこの期間に割り当てられた。
2022年１月13日にフランス政府は、2022年度の消費者向け電力料金の上昇を抑えるための例外的措置を発表した。この措置
には、2022年４月１日から12月31日までの期間にわたり、EDFが20TWhの追加ARENH量を46.20ユーロ/MWhの価格で適格供給業者
に提供することが含まれている。
この措置の適用条件は、2022年３月11日付政令および４本の省令において定められた。2022年４月１日から12月31日までの
期間中に46.20ユーロ/MWhの価格でこれらの追加量から恩恵を受けることを希望する適格供給業者は、ARENH制度の下でEDFが当
該業者に販売した量と同量を、256.98ユーロ/MWhの価格（2022年度のフランス本土におけるベースロード電力供給に係る2021
年12月２日から23日までの平均卸売市場価格）でEDFに販売することが、当該政令により求められている。当該追加量を供給業
者間に割り当てるために、CREは2022年１月１日開始の引渡し期間と同一の方法を適用する。実際には、CREは、19.5TWhの
ARENH追加量の割当を通知した。
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2022年３月31日付決定2022-98に定める手続を適用して、CREは、適格供給業者が調達コスト減少（46.20ユーロ/MWhの価格に
よる追加割当に起因する）の効果を顧客への請求を通じて還元するために用いる方法を監視および管理する仕組みを構築し
た。上記CREの決定に従って、EDFは、代替供給業者に課される条件を自社の市場価格契約に複製しなければならない。
この措置は、当グループに主に２つの影響を与える。
・ 当グループは、19.5TWhの追加電力を適格供給業者から256.98ユーロ/MWhの価格で購入し、同時に同量の電力を46.20
ユーロ/MWhの価格で販売することを義務付けられており、その結果生じる正味コスト（発電容量保証コストを含む）
は、2022年４月１日から2022年12月31日までの期間について、約41億ユーロと見積もられた。
・ 規制販売料金および市場価格の付値の算定に使用されるコスト積上方式における市場価格部分との関連でのARENH部分の
増加に起因して、規制販売料金および市場価格契約の両方の顧客に対する販売価格が低下する。この措置による2022年
度の規制販売料金契約への増分的な影響は、上述の料金上限が適用され既に規制電力料金の引上げが制限されていたこ
とから限定的であるが、当該措置は、2023年度から適用予定の料金キャッチアップの金額も制限する。
2022年１月13日付プレスリリースにおいてEDFは、2022年３月11日付政令およびこの措置の残りを構成する４本の命令を考慮
して、自社の利益を守るためのあらゆる適切な手段を講じると発表した。このためEDFは、自社の権利保護を保証する期間内で
ある2022年５月に、国に対し、2022年３月11日付政令および４本の命令の撤回を要請した。国は２か月以内に回答を行わず、
暗黙の拒否を示したため、EDFは現在、管轄の行政裁判所に申請を行う選択肢を有している。
EDFの原子力発電所に適用される新たな規制への移行の可能性について、2019年１月25日に公表された複数年エネルギー計画
（PPE）案において発表された通り、2020年１月にフランス政府は、既存の原子力施設の経済的規制ならびにその建設および運
営原則の改革計画を推し進める基礎的な判断材料に係る貢献の要請を開始した。提案された新たな規制は、ARENH制度を置き換
える予定である。当該業界の他の多くの参加者と同様に、EDFグループは、2020年３月17日に終了したこの協議に参加した。そ
の後、フランスの環境連帯移行大臣および経済財政大臣は、既存の原子力施設について可能性ある政府の将来の規制下で原子
力事業者が負担する費用の査定を実施し、原子力活動に対する公正な報酬を決定するようCREに委託した。2021年度以後、これ
らの潜在的な新たな規制の条件に関して重要な進展はない。
発電容量メカニズム
フランスの発電容量メカニズムは、2017年１月１日付で発効した。これは、フランスのエネルギー法により、国の電力の安
定供給を確保する目的で導入されたものであり、詳細は2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.1に記載されてい
る。
発電容量メカニズムに関する規則を改定する環境移行省の決定が、フランスの2021年12月28日付官報に公布された。当該新
規則では、2023引渡年度および2024引渡年度に係る発電容量保証の売買開始日を2022年３月１日と定めている。
2022年４月以後、発電容量メカニズムの構造的変更に関する他の協議フェーズが進行している。将来のメカニズムは2026引
渡年度から導入される可能性があり、必要な審査期間を経て欧州委員会の承認を条件とする。
以下の引渡年度に向けて引渡年度前に行われた発電容量入札の結果、平均市場価格は以下の通りであった。
引渡年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
価格（ユーロ/kW） 10 9.3 17.4 19.5 31.2 26.2
2023年度の引渡しに向けて2022年度に入札が開始された。2022年度においてこれまでに３回の入札が開催され、それによる
価格は、時系列で以下の通りであった。
・ ３月42.4ユーロ/kW
・ ４月42.5ユーロ/kW
・ ６月41.9ユーロ/kW
5.1.2 売上高
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売上高の内訳は以下の通りである。
2022 年度上半期 2021 年度上半期
(単位：百万ユーロ)
エネルギーおよびエネルギー関連サービス売上高 61,194 36,503
(1)
－エネルギー
50,582 25,882
(2)
－エネルギー関連サービス(引渡しを含む)
10,612 10,621
その他商品およびサービス売上高 2,970 2,337
2,098 781
トレーディング
66,262 39,621
売上高
(1 ） エネルギー売上高は、2022年度上半期のガスおよび電力卸売市場に係る最適化取引に関する売上高6,251百万ユーロ（2021年度上半期
1,265百万ユーロ）を含む。これらの取引は、一部のグループ企業により、需給をバランスさせるために、当グループのリスク管理方針に
準拠して実施されている。2022年度上半期において、当該市場でユーロ建て正味売りポジションにあった主な事業セグメントは、フラン
ス―発電と供給（ガス）およびイタリア（電力）である。2021年度上半期の主な事業セグメントは、イタリア（電力）、英国（電力）お
よびフランス―発電と供給（ガス）であった。
(2 ）この項目に含まれる引渡サービスは、非相互接続地域向け配電網運営者であるEnedis、Electricité de StrasbourgおよびEDF SAに関係し
ている。ただし、EDF EnergyおよびEdisonに関係する引渡サービスは、当該事業体がIFRS第15号に基づいて供給および引渡しの両方につい
て本人であると分類されることから、エネルギー売上高に含まれている。EDF EnergyおよびEdisonによる引渡サービスは、注記5.2の「送
電および引渡費用」に含まれることから、純利益には影響を与えない。
外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの2022年度上半期の売上高は、66.4％ないし+263億
ユーロ増加した。この増加は主に、フランス―発電と供給セグメント（+75億ユーロないし+49.5％）、フランス―規制業務セ
グメント（+４億ユーロないし+4.5％）、英国（+20億ユーロないし+42％）、イタリア（+90億ユーロないし+232.9％）、その
他事業セグメント（+56億ユーロないし+324.8％）およびDalkia（+７億ユーロないし+36.7％）に関連している。
フランス―発電と供給 セグメントの売上高は、+75億ユーロの自律的成長を示した。この増加は主に、購入義務に対する有利
なエネルギー市場価格効果（+27億ユーロ）、2022年度に導入された規制上の決定による大幅な制限にもかかわらず生じた規制
料金および市場価格販売に対する有利な価格効果、特定追加ARENH制度に基づく販売（2022年度上半期３億ユーロ）、ならびに
販売子会社およびアグリゲーターに関連するプラスの効果（+10億ユーロ）によるものである。このセグメントの売上高はまた
発電容量メカニズムによる売上高も含み、これは2022年度上半期において594百万ユーロであった（2021年度上半期268百万
ユーロ）。
英国 セグメントの売上高は、20億ユーロの自律的増加を記録した。これは主に、エネルギー価格の上昇が顧客販売料金に与
えた影響および、2022年度上半期において原子力発電量が前年同期比で増加したことに起因する。
イタリア ・セグメントの売上高は、2021年度上半期に対し90億ユーロ増加した。この増加は基本的に、全市場において観察
されたガスに係る有利な価格効果およびそれより程度は少ないが量的効果の合計66億ユーロによるものである。また、電力料
金の上昇も、限定的な量的効果とともに、2022年度上半期の売上高の成長に24億ユーロ貢献した。
その他事業 セグメントによる売上高の自律的増加+56億ユーロは、基本的にガス事業（+43億ユーロ）に関連し、ガス卸売価
格の上昇と、高値環境における高い市場ボラティリティにより恩恵を受けたEDF Tradingのトレーディング・マージン（+13億
ユーロ）によって支えられた。
Dalkia の売上高は、前年同期比で７億ユーロの自律的増加を示した。この成長は主に、ガス価格の大幅な上昇（2021年度上
半期の５倍）によりもたらされた。売上高はまた、英国およびフランスにおける積極的な事業活動の恩恵も受けた。
5.2 燃料およびエネルギー購入費用
燃料およびエネルギー購入費用の内訳は、以下の通りである。
2022 年度上半期 2021 年度上半期
（単位：百万ユーロ）
(1)
購入燃料使用分－発電
(15,230) (5,692)
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(1)
エネルギー購入
(29,149) (8,987)
送電および引渡費用 (4,087) (4,223)
ヘッジ会計に係る利益／損失 6 (7)
222 156
核燃料およびエネルギー購入に関連する引当金の（増加）／減少
燃料およびエネルギー購入費用 (48,238) (18,753)
(1 ）2022年６月30日現在、購入燃料使用分およびエネルギー購入は、ガスおよび電力卸売市場に係る最適化取引に関するそれぞれ1,414百万
ユーロおよび15,087百万ユーロ（2021年６月30日現在それぞれ279百万ユーロおよび1,088百万ユーロ）を含む。2022年６月30日現在、当該
市場でユーロ建て正味買いポジションにあった主な事業セグメントは、英国（ガス）、その他国外（Luminus―ガスおよび電力）ならびに
Dalkia（ガス）である。2021年６月30日現在も、フランス―発電と供給とともに同じセグメントが関連していた。
購入燃料使用分は、エネルギー生産のための原材料（ガス、核燃料および核分裂性物質、ならびに重要でない割合の石炭お
よび石油）、核燃料サイクルに関連するサービスの外注および環境計画（主に温室効果ガス排出権および再生可能エネルギー
証書）に関連するコストを含んでいる。
「エネルギー購入」は、フランスの購入義務メカニズムに基づいて行われた購入を含む。
外国為替の変動および連結範囲の変更による影響を除くと、当グループの購入燃料およびエネルギー費用は、主に、フラン
ス―発電と供給セグメント（126億ユーロ、基本的に電力購入）、イタリア（88億ユーロ、基本的に「購入燃料使用分－発電」
に含まれるガス購入）、その他事業セグメント（45億ユーロ、主にガス事業）、および英国（19億ユーロ）において、2021年
度から293億ユーロ増加した。フランスにおけるこの増加は、主に原子力発電量の低下（特に応力腐食現象に起因する-
27.6TWh）により必要となった高値での市場購入によるものであり、特定追加ARENH制度のために行われた購入（2022年度上半
期に17億ユーロ）も含まれる。
5.3 その他の営業収益および営業費用
公共電力サービス費用の補償（CSPE）（フランス）
公共エネルギー・サービス費用に関する補償メカニズムの法制上および規制上の枠組みについては、2021年12月31日現在の
連結財務諸表に対する注記5.4.1に記載されている。
CSPEに相当する営業負債は、2022年６月30日現在、「その他の負債」に計上されている（注記12.5を参照）。
フランスの省エネ証書
フランスの省エネ証書制度の第四期（2018-2021年）は、2021年12月31日に終了した。省エネ目標が大幅に引き上げられたも
のの、EDFグループは義務を充足し、第五期の開始に向けて在庫を有している。
フランスの省エネ証書制度の第五期（2022-2025年）に関する政令2021-712が、2021年６月５日付官報にて公布された。この
政令は、当該制度の有効性を高め（例えば、特例措置を大幅に削減し、計算を実際の省エネに近づける）、非常に脆弱な世帯
向けの財政支援を増強し（エネルギー貧困状況にある世帯に利することを意図した義務の引上げ、非常に脆弱な世帯に対する
範囲制限、この分類のペナルティをMWhc当たり20ユーロに引上げ）、脱炭素エネルギーの開発を奨励している。
・ この期に係る全体の義務は、17.2％増加して2,500TWhcである（エネルギー貧困状況にある世帯に利することを意図した
義務は+37％増の730TWhc、「標準」義務は+11％増の1,770TWhc）。
・ 省エネ証書係数（販売エネルギー１MWh当たりの生産すべきMWhc）は、電力につき10.2％減少し、ガスにつき51.8％増加
している。
・ 電力およびガスについて、省エネ証書を要しない閾値を、現在の400GWh/年から、2022年度は300GWh/年、2023年度は
200GWh/年、2024年度以降は100GWh/年と段階的に引き下げる。
その他の営業収益および営業費用は、主に、CSPE（公共エネルギー・サービス拠出金－Contribution au Service Public de
l’Energie）制度に基づきEDFによって受取済または受取予定の金額を含んでおり、2022年度上半期においては1,347百万ユー
ロ（2021年度上半期においては3,865百万ユーロ）の営業収益の認識により反映されている。CSPE収益の減少は主に、上半期の
市場価格が2022年度は2021年度より高く、2022年度上半期には国の保証支援価格を上回ったことによるものである。
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その他の営業収益および営業費用はまた、省エネ証書に関連するコストおよびフランスの再生可能エネルギーからの電力生
産者に支払われる追加報酬（これはフランスのグリーン成長のためのエネルギー移行法により導入され、購入義務に加えて適
用される）を含む。
その他の営業収益および営業費用はまた、2022年６月30日現在、2022年３月11日付政令およびその施行令により導入された
20TWhの特定追加ARENH制度に係る、2022年度下半期の費用としての2,749百万ユーロの引当金繰入額も含んでいる（注記２を参
照）。関連法令によりEDF SAは、2022年４月から12月までの期間中に、既定の量および価格で同時に電力を購入および販売する
義務を負っている。すなわち、CREの監督の下で、Caisse des Dépôts et ConsignationおよびRTEと連携して、適格供給業者に
19.5TWhのARENH量を46.2ユーロ/MWhの価格で販売し、同一の適格供給業者から19.5TWhを256.98ユーロ/MWhで購入する。このメ
カニズムにより、EDFには、2022年度に4,110百万ユーロの確定した正味コストが生じる。４月から６月までの影響額は当上半
期の購入および売上高に含まれており、７月から12月までの期間については2022年６月30日現在で引当金が認識されている。
この引当金は、当下半期に当該販売および購入が行われた場合にその時点で取り崩される。
2021年６月30日現在、その他の営業収益および営業費用は、IDG（イタリアのガス配給網、注記3.1.2を参照）に係る売却益
を含んでいた。
注記６．トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額
2022 年度上半期 2021 年度上半期
（単位：百万ユーロ）
トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・
(993) (541)
デリバティブの公正価値の純変動額
トレーディング業務以外のエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動額は、2021年度上半期の(541)
百万ユーロから減少して、2022年度上半期は(993)百万ユーロであった。これは主に、ガス、およびそれより程度は少ないが電
力について、コモディティ市場における高いボラティリティに起因している。
注記７．その他の収益および費用
2022年度上半期におけるその他の収益および費用は(388)百万ユーロであった。これらは主に以下からなる。
・ 当上半期中の従業員割当（ERO）に係る費用(64)百万ユーロ。
・ フラマンヴィル３EPRの主要二次回路の接合部の修理作業に関連する例外的な追加費用、合計(308)百万ユーロ（これら
は、IAS第16号第22項に基づいて異常コストと見なされ、建設中の資産のコストに含めることができない）。
・ Dalkia Russiaの売却損(15)百万ユーロ。
EROについて、EDFの取締役会は2022年５月11日に、従業員株式所有取引の原則につき決定した。この提案には、従業員個人
のユーロ建て拠出を対象とする保証を付した「レバレッジ」方式、および「クラシック」方式が含まれた。これはフランスの
従業員投資信託（Fonds Ｃommun de Ｐlacement d'ＥntrepriseまたはFCPE）を通じて実行された。「クラシック」方式では、
雇用主によるマッチング拠出が従業員に提供された。
この割当のために発行された株式は、ユーロネクスト・パリ株式市場（コンパートメントＡ）に上場している普通株式であ
り、当期の配当権付きである。当グループ貯蓄制度の一部であるFCPEにおける株式引受を通じて取得されることから、当該株
式には、規則が定める早期免除の場合を除き、2027年７月25日に終了する５年間の強制保有期間を課される。議決権はFCPEの
監督委員会により行使される。
これらの株式の引受価格は、2022年６月28日付で設定された。これは、価格設定日の前20取引日においてユーロネクスト・
パリで売買されたEDF株式の売買高加重平均価格に基づく参照価格に対する30％の割引を含んでいた。この割引に対応する費用
は、当グループの剰余金に対する調整を通じて「その他の変動」に認識されている。
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この取引の結果、2022年７月25日に18,100,741株のEDF新株発行を通じて当グループの資本金が増加した。当該株式は2022年
７月25日に交付された（注記13.1を参照）。
2021年度上半期におけるその他の収益および費用は(92)百万ユーロであった。これらは主に以下からなる。
・ ArevaおよびEDFが2021年６月29日付で署名した契約を適用して、和解金支払額563百万ユーロから、主に第三者のために
回収した支払金および貸借対照表に従来計上されていた資産等の一定の額を控除した額として受取予定の金額505百万
ユーロ (注記２を参照）。
・ フラマンヴィル３EPRの主要な二次回路の接合部の修理作業に関連する例外的な追加費用、2021年６月30日現在の合計
(278)百万ユーロからなる（これらは、IAS第16号第22項に基づいて異常コストと見なされ、建設中の資産のコストに含
めることができない）。
・ ダンジェネスＢの早期閉鎖に関連した費用(161)百万ユーロ。燃料在庫および予備部品の減損、ならびに発電容量メカニ
ズムに基づくペナルティに対する引当金を含む（注記２を参照）。
・ 2002年度にMontedisonがSolvayに売却したイタリアのAusimont（Bussi用地）に関する民事、行政および刑事裁判所にお
ける手続に関連する引当金。
注記８．金融損益
8.1 割引の影響
時の経過による割引の戻入れに係る影響は、主に、核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料ならびに長期および雇用後従業
員給付に係る引当金に関係している。
最終的な割引の影響の詳細は、以下の通りである。
(単位：百万ユーロ)
2022 年度上半期 2021 年度上半期
長期および雇用後従業員給付引当金(1)
(335) (245)
核サイクル終了、廃炉および炉心核燃料引当金(2) 753 (731)
その他の引当金および前払金 84 (40)
割引の影響
502 (1,016)
(1 ）注記15.1.2を参照。
(2 ）NLFからの払戻額に対応する債権の割引による影響を含む（注記17.1.3を参照）。
2022年度上半期の長期および雇用後従業員給付引当金に係る割引の影響の増加は、2022年１月１日現在で適用された割引率
の上昇（フランス：2021年１月１日現在の0.9％に対し1.3％）によるものである。
2022年度上半期の原子力引当金に係るプラスの割引の影響は、当上半期においてフランスで実質割引率が30ベーシス・ポイ
ント上昇し、2021年度にはこれに相当するものがなかったことによるものである。フランスでは、2022年度上半期に係るマイ
ナスの割引の影響（(856)百万ユーロ）をプラスの割引の影響1,596百万ユーロが上回り、正味740百万ユーロのプラスの影響が
生じた（注記14を参照）。
8.2 その他の金融収益および費用
その他の金融収益および費用の内訳は、以下の通りである。
（単位：百万ユーロ）
2022年度上半期 2021年度上半期
金融資産に係る利益/(損失)
294 422
純損益を通じて公正価値で計上される金融商品の変動
(3,252) 1,841
その他 237 368
その他の金融収益および費用
(2,721) 2,631
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金融資産に係る利益/(損失)は、現金および現金同等物に係る収益、負債証券および持分証券ならびにその他の金融資産に係
る収益および費用からなる。
2022年６月30日現在、金融商品の公正価値の変動には、専用資産に関連する(3,196)百万ユーロが含まれている（注記14.2.1
を参照）。その他の項目には、リサイクルを伴うOCIを通じて公正価値で測定する債券の売却損益(43)百万ユーロが含まれてい
る（うち(115)百万ユーロが専用資産に関連している）。
2021年６月30日現在、金融商品の公正価値の変動には、専用資産に関連する1,836百万ユーロが含まれている。その他の項目
には、リサイクルを伴うOCIを通じて公正価値で測定する債券の売却損益42百万ユーロが含まれている（うち34百万ユーロが専
用資産に関連している）。
注記９．法人所得税
2022年６月30日現在、実効税率24.7％に基づき法人所得税貸方計上額は1,840百万ユーロである（これに対し2021年６月30日
現在は実効税率28.4％に基づき(1,458)百万ユーロの費用）。
2022年度上半期 2021年度上半期
（単位：百万ユーロ）
連結会社の税引前利益
(7,443) 5,133
親会社に適用される法人所得税率 25.82％ 28.41％
理論上の税金費用 1,922 (1,458)
税率差異(1) 43 (391)
永久差異 (25) 5
税法基準外税金(2) (49) 554
未認識の繰延税金資産(3) (51) (165)
その他 - (2)
実際税金費用 1,840 (1,458)
24.7 ％ 28.4 ％
実効税率
2021年度の法人所得税費用と2022年度の法人所得税貸方計上額の間の3,298百万ユーロの変動は、基本的に当グループの税引
前純利益の減少12,576百万ユーロに起因し、これにより3,247百万ユーロの追加の法人所得税貸方計上額が生じた。
法人所得税貸方計上額はまた、2022年度にイタリアの発電会社が計上した例外的利益に対する税金の不利な影響、および
2021年度にイタリアにおける税務上の資産再評価に相当する有利な影響がなかったことも反映している。
2021年度と異なり、当グループが事業を営む国において標準税率の引上げはなかった。
2022年度のEDF SAのフランスの連結納税損失2,493百万ユーロに関連する繰延税金資産は、10年内に解消される見込みである
ため全額認識されている。貸借対照表上、これらは繰延税金資産2,870百万ユーロに含まれている。
非経常項目（主に金融資産およびコモディティの公正価値の変動および未実現損益）による影響を除くと、2022年６月30日
現在の実効税率は、2021年６月30日現在の26.5％に対し、26.1％である。
理論上の税率と実効税率の差異は、以下の要因によるものである。
・ 2022年度：
(1)
・ 2022年度に適用される標準税率が19％である英国に主に関連する税率差異の不利な影響43百万ユーロ。
(2)
・ 永久劣後債の持参人に対する支払の損金算入（85百万ユーロ）による有利な影響の、イタリアの発電会社が計
上した追加利益に対する例外的税金（(71)百万ユーロ）および税務訴訟（(59)百万ユーロ）の不利な影響による
相殺。
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(3)
・ 未認識の繰延税金資産の影響(51)百万ユーロ。主に、10年内に解消すると見込まれる一時差異については繰延
税金資産を全額認識し、それ以後に解消すると見込まれる一時差異については同時に認識される繰延税金負債の
範囲内で認識するEDF SAの連結納税に関連する。
・ 2021年度：
(1)
・ 主に2023年からの英国の標準税率の19％から25％への引上げによる税率差異の不利な影響(391)百万ユーロ。
(2)
・ イタリアにおける税務上の資産再評価（422百万ユーロ）および永久劣後債の持参人に対する支払の損金算入
（84百万ユーロ）による有利な影響。
(3)
・ イタリアにおける税務上の資産再評価に関して計上された繰延税金資産に関連する未認識の繰延税金資産の影
響(164)百万ユーロ。
注記10．有形固定資産および無形資産
有形固定資産および無形資産の詳細は、以下の通りである。
2022年 建設中の 2021年 建設中の
（単位：百万ユーロ）
注記
６月30日現在 資産 12月31日現在 資産
のれん
10.1 10,820 n.a. 10,945 n.a.
その他の無形資産 10.1 10,509 2,065 10,221 1,793
グループ所有発電用有形固定資産および
10.2 98,647 47,635 98,237 45,220
その他の有形資産(使用権資産を含む)
－使用権資産 4,032 n.a. 4,146 n.a.
フランスの配電委譲を除く委譲運営有形
6,820 613 6,881 621
固定資産
フランスの公共配電委譲運営有形固定資
62,816 2,478 62,132 1,886
産
有形固定資産および無形資産合計
189,612 52,791 188,416 49,520
n.a. ＝該当なし。
10.1 のれんおよびその他の無形資産
2022年６月30日現在ののれんは主に、EDF Energy（7,928百万ユーロ）およびFramatome（1,450百万ユーロ）に関連してい
た。
2022年度上半期中ののれんの変動は主に、ユーロに対する英ポンドの下落を主に反映した(164)百万ユーロの換算調整に関係
していた。
2022年６月30日現在の建設中のその他の無形資産は、EPR２に関する調査に係る893百万ユーロ (2021年12月31日現在761百万
ユーロ) および小型モジュール型原子炉に係る98百万ユーロ (2021年12月31日現在69百万ユーロ)を含む。2021年12月31日現在
の連結財務諸表に対する注記10.6を参照のこと。
10.2 グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産
2022年６月30日現在、建設中のグループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産は、主に、以下からなる。
・ フラマンヴィル３EPRへの投資15,193百万ユーロ（資産計上された中間利息3,471百万ユーロを含む）（2021年12月31日
現在、資産計上された中間利息3,471百万ユーロを含む15,014百万ユーロ、即ち資産計上された中間利息を除き、当上半
期に179百万ユーロ増加）。2022年６月30日現在の財務諸表におけるフラマンヴィル３プロジェクトの資産計上額は
15,426百万ユーロであり、このうち、中間利息24百万ユーロを含む227百万ユーロは運転開始された資産に関連する。
資産計上された中間利息を含むこの資産計上額15,426百万ユーロには、建設費用の他、以下が含まれる。
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・ 予備部品在庫および関連プロジェクト（特に初回総合検査および北部地域開発）の資産計上額、合計564百万ユー
ロ。
・ フラマンヴィル・プロジェクトに関連した開業前費用およびその他の有形固定資産827百万ユーロ。
・ フラマンヴィル３EPRプロジェクトに関連したFramatomeとEDF SAとの間の貸借対照表項目およびマージンの内部残
高の相殺消去（249百万ユーロ、基本的に前受金および未成業務受入金からなる）。
この結果、2022年６月30日現在の連結財務諸表において取得原価ベースで計上された建設費用は10,541百万ユーロで
あり、完成時の建設費用（中間利息を除く）は127億ユーロ（2015年のユーロ）である。
2022年１月12日に当グループは、フラマンヴィル３プロジェクトの日程調整および見積完成費用の124億ユーロから
127億ユーロへの増額（2015年のユーロ、中間利息を除く）を発表した。
フランス監査院（ Cour des Comptes ）は、EPR技術に関する2020年７月の報告書において、同院の計算によると、EDF
が公表した同日現在の建設費用124億ユーロ（2015年のユーロ）に加えて、利息費用42億ユーロを含む67億ユーロ（2015
年のユーロ）にのぼる可能性がある追加コストがかかる旨を発表した。上述のとおり、2022年６月30日現在、資産計上
された利息は35億ユーロであり、その他の資産計上されたプロジェクト・コストは14億ユーロである。
主要な二次回路の接合部の必要な修理による非経常的な追加費用（当グループの2019年10月９日付プレスリリースを
参照）は、2022年度上半期に308百万ユーロ（2021年度上半期に278百万ユーロ）でその他の収益および費用に計上され
ている（注記７を参照）。2022年１月12日に発表された再調整により生じた追加費用も、その他の営業収益および営業
費用に認識されている。
・ ヒンクリー・ポイントCに関連する投資20,080百万ユーロ（資産計上された中間利息970百万ユーロを含む）（2021年12
月31日現在、資産計上された中間利息835百万ユーロを含む18,542百万ユーロ）。2022年度上半期の当該プロジェクトへ
の投資は1,717百万ユーロである。
・ サイズウェルCに関係する635百万ユーロの調査（2021年度533百万ユーロ）。
建設中の有形固定資産（委譲運営資産を除く）の残高、すなわち11,726百万ユーロは、主にグラン・カレナージュ計画に
沿ったEDF SAの既存の原子力発電所（70％）（主要部品、特に蒸気発生器の取替、定期検査および10年検査に関連する作業）
に関連しており、それよりも少ない割合（約15％）でEDF Renewables（欧州、北米および新興国において開発中の発電所）に
関連している。
建設中の有形固定資産は、2022年度の投資水準が、当年度上半期中に事業供用された資産の額を大幅に上回ったことから、
2,415百万ユーロ増加した。
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産に観察された変動は、換算調整(30)百万ユーロ（ユーロに対する
英ポンドの下落(540)百万ユーロが米ドルの上昇476百万ユーロにより相殺された）ならびに、割引率の変更を受けた引当金
（廃炉および炉心核燃料）関連資産に係る減損の認識に主に関連したその他の変動(1,252)百万ユーロ（注記14.1を参照）を含
む。
グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産(使用権資産を含む)（純額）の内訳は、以下の通りである。
化石燃料
その他施設、
原子力 および
有形固定資 使用権 建設中の
土地・建物 発電所 水力発電所 産、その他 資産 資産 合 計
（単位：百万ユーロ）
2022 年６月30日現在純額 5,726 23,913 4,415 12,926 4,032 47,635 98,647
2021 年12月31日現在純額 5,887 25,881 4,825 12,278 4,146 45,220 98,237
当上半期中の主要な進行中のプロジェクトおよび投資
グラン・カレナージュ・プログラム
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2014年度以来、EDFは、原子炉の安全性を高め、40年を超えて原子力発電所の稼働年数を大幅に延長することを目的としたフ
ランスの原子力発電所向けグラン・カレナージュ工業改修プログラムを実施している。2014年度から2025年度の期間に係る当
該プログラムの費用の最新の見積りは、2021年度後半のものであり、現在のユーロで502億ユーロである。この費用には、当グ
ルー プの1300MW原子炉の第３回10年検査、福島の事故から得た教訓を受けて実施された安全性改善点の重要部分（非常用
ディーゼル発電機56台の建設および稼働、現在稼働中の各原子力発電所における補助給水ポンプの新設を含む）、ならびに当
グループの900MW原子炉の第４回10年検査の実施が織り込まれている。
EDFの原子力発電所を40年を超える期間にわたり完全に安全に運転するために必要な投資を継続するため、2022年３月31日
に、EDFの取締役会は2022年度から2028年度まで継続するグラン・カレナージュ・プログラムの新計画の妥当性を確認した。こ
の新期間に係る費用の見積りは現在のユーロで330億ユーロ、または年間支出47億ユーロである。当該延長プログラムにより、
当グループは、発電所が50年を超えて稼働を継続できるよう、1300MWシリーズ発電所の調査および第４回10年検査を実施し、
2020年４月にフランスが採択した複数年エネルギー計画に従った900MW原子炉の50年を超える稼働に向けた予備調査を実施し、
未だ相当量の主要部品の保守・改修作業を完了することが可能となる。当該プログラムはまた対象範囲を拡大し、900MWおよび
1300MW原子炉の第４回10年検査についてフランスの原子力安全局(ASN)とともに見直しを行った経験に基づき、900MW原子炉の
第４回10年検査に係るASNの一般的見解から生まれた新たな安全要件も対象としている。
2021年２月23日にASNは、900MW原子炉の第４回10年検査後10年間の稼働継続の一般的な側面について、意見を公表した。ASN
は、EDFが実施および推奨した措置すべておよび自らの勧告により、これらの原子炉の第４回10年検査後10年間の稼働継続への
道筋をつけたと考えている。2022年６月30日現在、当該原子力発電所は、ASNが第４回10年検査後の再稼働を許可した「VD4
900」原子炉７基（トリカスタン１号機および２号機、ビュジェ２号機、４号機および５号機、ダンピエール１号機、グラヴ
リーヌ１号機）から構成される。2022年６月30日現在、VD4の３件の当該検査が進行中であり（グラヴリーヌ３号機、ダンピ
エール２号機、トリカスタン３号機）、 さらに１件の検査がブレイエ１号機でまもなく開始される予定である。
さらに、福島の教訓を受けて大規模な投資も行われている。非常用ディーゼル発電機56台が建設され稼働し、すべての発電
所に常設または仮設の補助給水システムが設置されている。また、多くの発電ユニットで主要部品の取替（主要ユニット変圧
器の取替、タービンの改修、蒸気発生器の取替、濾過ドラムの取替）が行われた。
応力腐食
2021年度後半において、シヴォー原子力発電所の原子炉１号機の10年検査の一環として計画された予防保守点検中に、安全
注入系（SIS）回路の配管の接合部近くに欠陥が発見された。その後、シヴォー２号機、ショー１号機およびショー２号機の原
子炉について予防点検が実施され、同様の欠陥が発見された。パンリー原子力発電所の原子炉１号機の10年検査中に実施され
た予防保守点検でも、SIS回路に同様の欠陥が発見された。
2022年１月13日にEDFは、点検の実施ならびに技術的解決策の検証および実施に起因して、シヴォー１号機、シヴォー２号
機、ショー１号機、ショー２号機およびパンリー１号機の原子炉の保守停止期間の延長が必要であると表明した。原子力発電
所全体に対する管理プログラムは、初期分析からの経験を入手の都度織り込みながら現在開発を続けている。これらの原子炉
５基の停止期間延長の結果、EDFは、2022年度の原子力発電量予測を330-360TWhから300-330TWhに改定した。EDFはまた、2022
年２月７日に、フランスの原子力発電所に対する管理プログラムの一環として、2022年度の原子力発電量予測を295-315TWhに
修正した。
2022年５月18日に、EDFは、検査プログラムを継続し、応力腐食の影響を受けた配管部分を修理する準備を原子力業界ととも
に進めていることを表明した。
同日の応力腐食点検には、原子炉12基が関係していた。
・ N4シリーズ：シヴォー１号機、シヴォー２号機、ショー１号機、ショー２号機
・ 1300MWシリーズ：パンリー１号機、フラマンヴィル１号機、フラマンヴィル２号機、カットノン３号機、カットノン４
号機
・ 900MWシリーズ：ビュジェ３号機、ビュジェ４号機、シノンB３号機。
シヴォー１号機、ショー１号機およびパンリー１号機原子炉の補助回路の配管から採取したサンプルの冶金分析の結果、SIS
（安全注入系）およびRHRS（残留熱除去系）回路の接合部近くで応力腐食の存在が確認された。
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シノンB３号機について実施された点検および専門家評価では、SIS回路に応力腐食がないことが確認された。RHRS回路の接
合部には応力腐食の証拠が発見された。
EDFは、他の原子炉についても、2022年度に10年検査の一環である保守プログラムの中で点検予定であると表明した（トリカ
スタン３号機、グラヴリーヌ３号機、ダンピエール２号機、ブレイエ１号機、サン・ローランB２号機およびゴルフェッシュ１
号機）。
EDFの2022年５月18日付プレスリリースに示す通り、EDFはこれらの事象を考慮して、2022年度のフランスの原子力発電量予
測を280-300TWhに修正した。
応力腐食の対応計画についてASNとの議論が続けられた。
2022年７月27日付プレスリリースにおいて、ASNは、2022年７月26日に原子炉に影響する応力腐食に係るEDFの検査戦略案に
ついて到達した見解を表明した。ASNは、この現象について得られた知識および関連する安全上の問題を前提として、EDFの戦
略は適切であると考えている。
ASNは、2021年度後半にシヴォー原子力発電所の原子炉１号機で応力腐食による亀裂が発見されて以来、EDFが当該現象の理
解を深め、関係する箇所を識別するために多くの調査を行ってきたと表明した。この作業の過程で、原子炉８基からのサンプ
ル接合部に対し70件の実験室での分析が実施された。これらの分析およびEDF自身による試験が検査戦略の極めて重要な支えと
なった。これらの分析により、応力腐食の発生に影響を与える主な要因として、配管の地熱的特性と熱機械的制約が識別され
た。EDFが識別した最も敏感に影響を受けるエリアは以下の通りである。
・ N4（1450MW）原子炉４基のコールドレグにあるSIS（安全注入系）回路の配管およびRHRS（残留熱除去系）回路の吸引管
・ P'4 (1300MW) 原子炉のコールドレグにあるSIS回路の配管
利用可能な知識に基づいて、P4（1300MW）および900MWシリーズの原子炉は、応力腐食に対する感度が低いかまたは極めて低
いものと見られている。
EDFは、応力腐食に最も敏感なN4およびP'4原子炉のこれらの箇所を優先し、2025年度までに全原子炉を検査する予定であ
る。原子炉は、応力腐食割れを確実に検出しその深さを推定するために開発された、新たな非破壊超音波検査プロセスを使用
して点検される。６か月の開発期間を経て、現在EDFが得ている成果は有望であり、2022年度下半期からこの新たな検査方法を
使用することが可能となる。
ASNはこの戦略が、最も敏感と見られる配管の点検を継続する必要を満たすものと考えている。ただしASNは、ベルヴィル原
子力発電所の原子炉２号機の点検予定（2024年度）を遅すぎると考えている。
ASNは、応力腐食に関する知識はいまだ開発途上にあり、実施された点検ないし分析により新たな情報が明らかになった場合
には、検査プログラムを調整する必要があると考えている。
ASNは、IRSNの支援を受け、EDFが提出した情報を引き続き検証している。この件に関しては、９月に加圧型原子力施設に関
する常設の専門家グループに対して発表される予定である。
2022年６月30日現在、応力腐食現象に関連して資産計上された作業の費用は78百万ユーロである。
フラマンヴィル３EPRプロジェクト
2021 年度の進展
初装荷に必要な燃料集合体は当年度上半期中に継続的に到着し、初期炉心全体が現在フラマンヴィル３原子炉建屋プールに
保管されている。
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遠隔操作ロボットを使用した主要二次回路溶け込み接合部の修理工程は、予想日より数週間遅れて2021年３月19日にASNの承
認を受け、破断防止原則に準拠していなかった８か所の接合部の作業が開始された。2021年度に８か所すべてが修理され、応
力除去熱処理の対象とされた。VVP（蒸気排出配管回路）溶け込み接合部の修理に関する応力除去熱処理の適格性認定の実証は
ASN の妥当性確認を受け、2021年度後半に使用認可が下りた。更に４か所のARE（蒸気発生器給水回路）溶け込み接合部も修理
を要し、修理工程の適格性認定が現在ASNにて行われている。この工程はVVP溶け込み接合部の修理に使用された工程を適応さ
せたものである。
品質上の欠陥があった主要二次回路の非溶け込み接合部について（これは、VVP接合部45か所およびARE接合部32か所に関連
する）、ASNは2021年４月に、第３バッチの６か所の接合部の修理を承認した。現在までに承認された３バッチのうち、12か所
の接合部の品質改善が完了している。ASNは４月に、関連する規制上のチェックを承認し、これは現在進行中である。
主要二次回路の合計100か所の（溶け込みおよび非溶け込み）接合部がVVPおよびAREの配管の修理に関係していた。これらの
接合部の大部分に係る修理の最終段階は、最終検証前の最適化された応力除去熱処理である。これらの接合部の修理は引き続
きフラマンヴィル３のクリティカル・パスにおける重要課題の１つである。
2021年３月２日に、EDFはASNに対し、主要一次回路に３つのノズルを取り付ける際に（これらのノズルは当該一次回路に補
助回路を接続する）2006年度の設計基準の適用が不完全であったことについて重要事象を申告した。ASNの要請を受けて、当グ
ループのエンジニアリング・チームが３つのシナリオを検証した。2021年６月21日にASNに対し、EDFが選択した解決策は「格
納容器カラー」の設置であることを言明するとともに、当該解決策に対するASNの見解が示されて、2021年度末までにすべての
設計および調達活動の着手が可能となることを要請するファイルが送付された。2021年10月８日付書簡にて、ASNはこの解決策
に原則として異論がない旨を示した。ただし、格納容器カラーの設計ファイルは、フランスの放射線防護・原子力安全研究所
（IRSN）(Institut de radioprotection et de sûreté nucléaire)の審査を受ける予定である。
また、オルキルト（フィンランド）のEPRで加圧弁の腐食が観察された後、当グループは機器の点検を実施し、フラマンヴィ
ルEPRの弁にも腐食の痕跡を発見した。これに伴い、パイロット制御弁の一部の部品に使用される材料が変更された。最適な材
料を選択するために、いくつかの腐食応力試験が実施された。当該部品は生産に入り、2022年度上半期中に現場に取り付けら
れる予定であった。ASNは技術上の選択について定期的に報告を受け、この戦略に異論を唱えなかった。また、ASNとIRSNは加
圧弁の動作および信頼性に関する検証も継続した。EDFはIRSNの直近の問い合わせに対し、弁の設計に係る検証を2022年度上半
期末までに完了できるよう回答する予定である。
作業の進捗に伴い、完成費用増額および日程遅延のリスクが高まる可能性がある、新たな技術上の問題が浮上した。起動に
向けた作業および準備の進捗状況を考慮して、2022年１月12日に、EDFはフラマンヴィル３プロジェクトの日程を調整した。燃
料装荷日は2022年度後半から2023年度第２四半期に延期され、見積完成費用は124億ユーロから127億ユーロ（2015年のユー
ロ、中間利息を除く）に改定された。当該プロジェクトの日程ないし完成費用には余裕が残されていない。
原子炉容器に燃料を装荷し全体的な起動テストを実施する前に、主に以下の複数の作業が残されていた。
・ 主要二次回路の接合部の修理の完了
・ 原子炉への燃料装荷前の、据付に関する新たな一連の適格性確認テストの実施
・ 台山原子炉１号機にて直面した技術上の問題から得た経験の織り込み
・ 据付作業の完了および稼働に必要なすべての書類の提出
2022 年度の進展
2022年１月に発表された通り、２回目の運転サイクルで直面した技術上の問題を受けて実施された台山１号機の燃料集合体
の検査の結果、一部の集合体部品に機械的摩耗が認められた。同種の摩耗は、フランスの原子力発電所の複数の原子炉でも既
に観察されている。今後のフラマンヴィル３の運転開始に向けて、ASNとの間で解決策が検討される予定である。フラマンヴィ
ルEPRに関するEDFの戦略案（約60体の強化燃料集合体の供給）が、2022年６月７日に原子力安全情報・透明性高等委員会
（Haut comité pour la transparence et l'information sur la sécurité nucléaire、HCTISN）に提出された。
主要二次回路接合部の修理作業は、当上半期中に良好なペースで継続された。122か所の接合部が関係し（溶け込み接合部36
か所および非溶け込み接合部86か所）、2022年６月30日現在、その86％で修理が開始されている。同日現在、修理の41％が応
力除去熱処理に対応可能であり、17％が応力除去熱処理後に完了し有効であった。
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SIS（安全注入系）/CHR（格納容器熱除去系）の濾過サンプについて、EDFは新たな濾過システムを提案し、試用により、
IRSNが満足と考える結果が得られた。これは2022年９月に本格展開される予定である。
最後に、フィンランドのオルキルオトEPRの経験に基づいてEDFが提案した加圧弁の解決策については、現在もIRSNと検討し
ている最中であり、夏中にはその報告書が公表される見込みである。
ヒンクリー・ポイントC
2016年７月28日にEDFの取締役会が下した最終投資決定（FID）を受けて、EDFとChina General Nuclear Power Corporation
（CGN）は、英国サマセットのヒンクリー・ポイント用地におけるEPR原子炉２基の建設・運営に関する英国政府との契約に署
名した（「ヒンクリー・ポイントC」または「HPC」プロジェクト）。HPCに対するEDFの持分は66.5％、CGNの持分は33.5％であ
る。
１
ヒンクリー・ポイントCの原子炉２基に係る日程および費用の見直しが2022年５月に最終決定され、結論が出された 。
1 当該見直しでは、プロジェクトの主要な側面を考慮した。電気機械工事および最終テストの日程および費用は見直してい
ない。
・ １号機による発電開始は、2027年６月を目標としている。新たなパンデミックの波がなく、ウクライナ戦争による追加
２
的な影響がないと仮定した場合、当該ユニット２基のさらなる遅延リスクは15か月と査定されている 。
２ 2016年度の建設開始以来、主にCovid-19パンデミックに起因して、当該プロジェクトには合計18か月の遅延が生じてい
る。2021年１月27日付プレスリリースを参照のこと。
１
・ プロジェクト完成費用は現在、250億から260億英ポンドの範囲と見積られている（2015年の英ポンド） 。差額決済契約
の条件下で、英国の消費者に影響はない。
1 運営活動計画分を控除後の費用。2015年の英ポンドにより、中間利息を除き、当該プロジェクト向け参照為替レートで
ある１英ポンド＝1.23ユーロによる。
２年超に及ぶCovid-19パンデミックの間、当該プロジェクトは停止することなく継続された。これにより、サプライチェー
ンのインテグリティが守られ、主要な経過目標の完了が可能となった。ただし、人財、資源およびサプライチェーンは厳しい
制約を受け、その効率が制限された。加えて、資材およびエンジニアリングの量、ならびに当該活動の費用、特に海洋工事の
費用が増大した。
次の主要な経過目標は、2023年度第２四半期に予定されている１号機へのドーム吊り上げである。
サイズウェルC
当該プロジェクトの主な特徴は、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.6に記載されている。遅くとも最終投
資決定日までに、EDFは最大20％の持分とそれに対応する制限された権利を有する少数株主となり、当グループの財務諸表上、
当該プロジェクトを連結から除外する予定である。
2022年度上半期において、規制資産ベース（RAB）モデルを導入する英国の法律が2022年３月に制定された。サイズウェルC
の政府支援パッケージ（GSP）の条件を確定するために、当グループと英国政府との間で検討が続けられている。
2022年７月20日に、当該プロジェクトは開発同意令（DCO）を取得した。これは、2020年５月のDCO申請提出後、４回にわた
る公開協議、特に2021年４月から10月にかけて行われた公開審査を経た、当該プロジェクトの将来にとって極めて重要な決定
である。この決定を受けて、現在は６週間の不服申立可能期間となっている。
EDFが他の投資家とともに最終投資決定に参加し、建設フェーズの資金調達に貢献できるかどうかは、依然として、現時点で
保証されていない諸条件の充足にかかっている。
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10.3 無形資産および有形固定資産への投資
キャッシュ・フロー計算書に表示された無形資産および有形固定資産への投資の内訳は、以下の通りである。
2022年６月30日現在 2021年６月30日現在
（単位：百万ユーロ）
無形資産の取得
(730) (688)
有形固定資産の取得 (7,369) (7,205)
(604) (625)
固定資産未払金の変動
無形 資産 および有形 固定 資産への投資 (8,703) (8,518)
2022年度上半期中の有形固定資産および無形資産に対する投資は、主に、以下に関係している。
・ フランス―発電と供給セグメント：2,842百万ユーロ、主にグラン・カレナージュ・プログラムに基づく投資、フラマン
ヴィル３に関する投資、および水力発電に関する投資。
・ フランス―規制業務セグメント：2,385百万ユーロ、主に顧客および生産者の接続に関連する投資であるが、電力網の更
新、サービス品質および電力網の近代化に向けた投資も行っている。
・ 英国セグメント：2,010百万ユーロ、主に原子力発電、主としてHPCプロジェクト（注記10.2を参照）に関連する投資。
・ EDF Renewablesセグメント：1,012百万ユーロ、主に米国、欧州および新興諸国の風力および太陽光発電容量。
10.4 減損/戻入
上半期の財務諸表に係る減損テストは、価値の喪失の兆候がある場合に実施している。
2022年６月30日現在、以下の項目について減損テストが実施された。
・ フランス―発電と供給セグメントの発電所（2022年６月30日現在602億ユーロの有形および無形資産、注記４を参照）、
特に原子力発電量が応力腐食現象の影響を受けたこと、および2022年度に導入された規制措置に起因する。
・ 英国セグメントの資金生成単位（CGU）およびのれん（2022年６月30日現在260億ユーロの有形および無形資産、注記４
を参照）、特にHPC建設費用の更新に起因する。
・ 減損の兆候が識別された様々なCGUの個別資産、特にEDF Renewablesセグメント（2022年６月30日現在115億ユーロの有
形および無形資産）。
イタリア、Framatome、その他国外、Dalkiaおよびその他事業セグメントのCGU（2022年６月30日現在合計133億ユーロの有形
および無形資産、注記４を参照）については、2021年12月31日現在で存在していた余裕および関連する感応度分析、ならびに
2022年度上半期に当該CGUにおいて営業上、規制上ないし財務上の価値に関わるトリガー事象がなかったことから、2021年12月
31日現在で実施されたテストを更新する必要がないと判断された。
全般的前提
当グループの減損テストの方法については、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.8に記載されている。
使用価値の算定に用いられる将来キャッシュ・フローについては、半期決算日現在で中期計画の更新がないことから、半期
決算のための特定のアプローチを使用している。キャッシュ・フローは、当年度に係る予算調整および中期計画の作成作業か
ら得た初期の方向性を考慮した、経営者の現時点での最善の見積りに基づいている。
電力価格
テストに使用される電力価格の前提は、2021年度末に既に見え、2022年度上半期にかけてより強調されたエネルギー価格の
上昇によって特徴づけられる現在の市場環境を反映している。
市場の対象期間にわたり、減損テストで使用された先渡価格は期間末現在で観察された市場価格に基づいており、その大幅
な変動を反映している。
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長期の対象期間にわたり、これらのテストは、特定の内部統制に従って年次で更新される手続における、仮定群と需給バラ
ンスのファンダメンタルズ・モデルにより分析的に構築された価格曲線を使用している。半期決算時には、コモディティに関
する仮定のみが更新され、専門機関により正当性が確認された（石炭、石油、ガスおよび二酸化炭素割当量）。
これらのコモディティ、特にガス価格の変動は、電力価格形成に重要な影響を与え、特に欧州におけるロシアからの輸入量
の減少とそれに伴うLNG需要の増加により、対象期間の開始時において明確な上昇傾向の軌道上にある。対象期間末には、価格
はその長期的なファンダメンタルズに回帰し、北米LNGのフルコストと整合している。
電力価格形成の主な要因であるコモディティ価格が長期にわたり全般的な上昇傾向にあること、および二酸化炭素削減目標
の引上げの流れを考慮すると、将来の規制上の展開を条件として、長期電力価格シナリオに基づく資産価値にはリスクがない
ものと予想される。これらのシナリオは通常通り当下半期に更新され、2022年12月31日現在の減損テストに使用される予定で
ある。
割引率
減損テストで使用される割引率は、金利上昇の現状に適したアプローチに基づいて、2021年12月31日以降改定されている。
当グループが適用している方法では、所定の決算期の減損テストに対するボラティリティの影響を抑えるために、国により
通常18か月から５年の間の十分な期間にわたって観察された金利の平均を、リスクフリー・レートとしている。この方法論を
適用した場合、主要な２地域であるフランスおよび英国の割引率は、それぞれ2022年１月および2021年度半ば以降に観察され
た金利の著しい上昇の影響を受けていなかった。例外的に、2022年６月30日現在、金利が著しく上昇しボラティリティの高い
状況下で、当グループは、減損テストが更新された２地域の割引率を改定し、特にフランスについては直近６か月間、英国に
ついては直近12か月間の平均を参照してリスクフリー・レートを算定した。この結果、算定されたフランスの割引率は、2021
年12月31日現在ないし通常の方法による2022年６月30日現在の5.1％に対し税引後5.7％、英国の割引率は、2021年12月31日現
在ないし通常の方法による2022年６月30日現在の5.7％に対し税引後６％である。
英国―EDF Energy
のれん、HPCプロジェクトおよび既存の原子力資産
EDF Energyののれんは2022年６月30日現在79億ユーロ（68億英ポンド）であり、主に2009年度におけるBritish Energyの買
収に起因している。
EDF Energyの回収可能価額は、当該資産の予想耐用年数にわたる割引将来キャッシュ・フローに基づいて算定されており、
2016年９月29日付で最終契約に署名したプロジェクト、ヒンクリー・ポイント用地の耐用年数60年の現在建設中のEPR２基を勘
案している。これらの発電所による将来キャッシュ・フローは、当グループと英国政府の間の差額決済契約（CfD）を参照して
決定されている。CfDは、当該EPR２基の初運転開始日から35年の期間にわたりEDF Energyにとって安定的で予測可能な価格を
設定している（2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.8を参照）。
2022年５月19日に当グループは、ヒンクリー・ポイントC用地の原子炉２基の建設に関する日程および費用の見直しを発表し
た。これは当該プロジェクトの仮定を更新したものであり、特にCovid-19による制約および英国のEU離脱がサプライチェーン
に与えた影響ならびに、資源に関し事業者および職員の両方が直面する課題を反映している。
１号機の発電開始は、従前の2026年６月に代えて現在は2027年６月に予定されている（２号機は2027年６月に代えて2028年
６月）。当該プロジェクトの完成費用は、従前の見積り220-230億英ポンド（2015年の英ポンド）に対し、現在は250-260億英
ポンド（2015年の英ポンド）の範囲で見積もられている。引渡しの遅延リスクは両ユニットとも15か月で変更されていない。
2022年６月30日現在で実施された減損テストは、運転開始と建設費用増加に係る新たな仮定を織り込み、更新後の割引率
（5.7％から６％）およびインフレ率（全操業期間を通じ当該プロジェクトにとって有利である）を考慮に入れた。
この改定後ベースで、HPCプロジェクトの回収可能価額と正味帳簿価額の間の余裕は明らかに減少したが、正味帳簿価額の約
３分の１と引き続き十分な正の値を維持している。これは、名目価値15億英ポンドの追加費用としてテストにモデル化された
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当該２基引渡しの15か月遅延リスクを吸収することが可能である。このリスクを考慮すると、例えば、割引率が50ベーシス・
ポイント上昇した場合に、テストの閾値に達することになる。
説明目的で複合ストレステストが実施され、引渡しが15か月遅延するリスク、およびいくつかの事業上の仮定の悪化（発電
所稼働率の２％低下、是正策を考慮しない全操業期間にわたる燃料および運営保守費用の10％増加、廃炉および廃棄物管理費
用の10％増加、ヘッジ資産の運用収益率の５％低下）、加えて割引率の25ベーシス・ポイント上昇を用いた結果、余裕は均衡
状態に近づいた。
既存の原子力発電所については、将来の規制を条件として、先渡市場価格の大幅な上昇により、割引率の上昇にもかかわら
ず、テストで算定される余裕は増加する。逆に個別資産（土地）については121百万ユーロの減損が認識された。
のれんについては、ヒンクリー・ポイントCプロジェクト、既存の原子力施設およびより全般的な他のCGUの割引率更新に係
る改定後ベースで、EDF Energyの回収可能価額と帳簿価額（のれんを含む）の間の余裕は2021年12月31日現在より著しく減少
しているが、2022年６月30日現在で引き続き正の値であり、正味帳簿価額の約12％に相当する。これは特に、名目価値15億英
ポンドの追加費用としてテストにモデル化された当該２基引渡しの15か月遅延リスクを吸収することが可能である。このリス
クを考慮すると、例えば、割引率が15ベーシス・ポイント上昇した場合に、テストの閾値に達することになる。このリスクを
考慮しないと、例えば、割引率が35ベーシス・ポイント上昇した場合に、テストの閾値に達することになる。
説明目的でストレステストが実施され、プロジェクトの引渡しが15か月遅延するリスク、およびいくつかの事業上の仮定の
悪化（発電所稼働率の２％低下、是正策を考慮しない全操業期間にわたる燃料および運営保守費用の10％増加）を用いた結
果、余裕は均衡状態に近づいた。従って当該テストは現在、将来の潜在的な建設費用の増加により敏感に影響を受ける。
フランス―発電と供給
フランスの発電所群に係る減損テストの基礎となる原則は、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記10.8.2に記載
されている。
2021年度の年次決算のために実施された減損テストでは、短期、中期および長期の価格上昇シナリオの有利な影響の一方
で、テストに使用された他の仮定の変動は中程度または軽微な影響であったことから、回収可能価額は、2020年12月31日現在
から明らかに増加したことが示された。
当該テストの感応度の側面は、2022年度につきARENH制度に20TWhの追加量を46.2ユーロ/MWhの価格で帰属させる旨のフラン
ス政府の決定に関する当グループの2022年１月13日付発表、2022年度のフランスの原子力発電量予測の下方修正に関する同１
月13日付および２月７日付発表、ならびに2023年度のフランスの原子力発電量予測の改定に関する同２月11日付発表（2021年
12月31日現在の連結財務諸表に対する注記23を参照）による影響を考慮して更新された。2021年12月に採択された財政法の規
定に基づき、料金凍結の影響は回収可能価額にほとんど影響を与えない（単なる収益の時差に過ぎない）。これらの要因によ
り、当該テストで算定される余裕は大幅に減少したが、引き続き明らかに正の値を維持していた。
フランスの発電所に係る減損テストは、2022年６月30日現在で、2022年度および2023年度のフランスの原子力発電量予測の
下方修正の影響（注記10.2を参照）、2022年度に実施された規制上の措置の影響、特に2022年度に20TWhの追加ARENH量を帰属
させる政令（注記5.1を参照）、当グループの予算/中期計画手続における2023年度-2024年度に向けた初期作業、ならびに2021
年12月31日現在の5.1％から2022年６月30日現在5.7％への割引率の上昇に関する現時点での最善の見積りを織り込んで更新さ
れた。
2022年６月30日現在、実施した減損テストは、2022年１月時点での当グループの同日付発表（上記を参照）の影響に係る最
善の見積りを使用した2021年12月31日現在の感応度分析に対し、回収可能価額の僅かな増加を示している。この結果は、2022
年度上半期における2023年度-2025年度の期間に係る短期価格高騰シナリオの影響（2022年度および2023年度の原子力発電量予
測の修正とARENH制度への20TWhの追加帰属による不利な影響を吸収）、2023年度-2025年度に係る当グループのARENHシナリオ
で取引量が100TWhを超える潜在的可能性があることの影響、ならびに割引率上昇の影響に起因する。
テストの主要な仮定は引き続き、特に原子力資産の耐用年数（会計上の減価償却期間と整合）、長期の市場価格シナリオ
（ARENH制度の終了日である2025年度以後の料金および価格構成については、現時点で将来起こりうる規制を予見できないため
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全面的な市場エクスポージャーを想定）、原子力発電量、割引率、コストおよび投資の変更、ならびに発電容量の想定収益に
関係する。使用した仮定に基づいて当該テストにより算定された余裕は、このCGUの正味帳簿価額の約50％に相当する。
これらの各仮定について感応度分析が行われており、その結果は回収可能価額と帳簿価額との間の余裕の存在に疑義を呈す
るものではなかった。
また、説明目的でストレステストが実施され、中期の対象期間にわたり特に2023年度-2024年度の期間に係るARENH量に関し
て不利な収益シナリオを用いた場合、他のすべての事項を一定として、当該テストの余裕は極めて大幅に減少する結果となっ
た。
EDF Renewables
近年のテキサス州における再生可能エネルギーの著しい拡大に伴い、送電網の混雑状態が風力発電所４か所（完全連結１お
よび持分法により会計処理３）の売上高予測に重要かつ永続的な影響を与えている。これに関し2022年度上半期に認識された
減損は60百万ユーロであり、持分法により会計処理された投資については134百万ユーロが計上された（注記11.2を参照）。
さらに、連邦電力委員会によるPPA解約の（現時点では未確定）決定により、建設中の風力発電所について37百万ユーロの減
損が計上された。
2021年６月30日現在で実施された減損テストを受けて、主に英国で稼働中のEDF Energyの原子力発電所およびフランスにお
けるEDF Renewablesの太陽光発電施設の一部に関連した特定のCGUおよび個別資産について合計(502)百万ユーロの減損が認識
された（2021年６月30日現在の要約連結中間財務諸表に対する注記10.4を参照）。
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注記11．関連会社および共同支配企業に対する投資
関連会社および共同支配企業に対する投資は、以下の通りである。
2021 年６月
2022 年６月30日現在 30日現在 2021 年12月31日現在
議決権 自己資本
純利益 純利益 自己資本 純利益
比率 （純額）
注記 （％） 持分 持分 持分 （純額）持分 持分
（単位：百万ユーロ）
主要な関連会社に対する投資
CTE(1)
50.10 1,886 246 116 1,478 307
Taishan(TNPJVC)(2) 11.1 30.00 n.c. n.c. 6 1,210 (39)
EDF SA保有のその他の投資
11.2 n.a. 2,242 45 66 2,282 102
EDF Renewablesの保有投資
11.2 n.a. 2,281 (121) (65) 1,453 (117)
その他関連会社および共同支配企業に
n.a. n.c. n.c. 116 1,661 260
11.2
対する投資
小計 9,681 444 239 8,084 513
CENG（2021年８月６日売却） 3.1.2 n.a. n.a. n.a. 105 n.a. 131
小計 - - 105 - 131
合計 9,681 444 344 8,084 644
n.a. ：該当なし。
n.c. ＝報告なし。
(1 ）CTEの関連会社、RTE（ Réseau de Transport d'Électricité ）は、高電圧および超高電圧の公共送電網の管理に責任を有する。Enedisは
RTEの電力網を使用して配電網へ送電している。
(2) CGN （Taishanの親会社）は当グループの後に連結財務諸表を公表するため、2022年６月30日現在のTaishanに係る財務データはこの表に
報告されていない。
11.1 TAISHAN
EDFは、中国広東省の台山におけるEPR原子炉２基の建設および操業のために設立されたTaishan Nuclear Power Joint Venture
Company Limited（TNPJVC）の30％を所有している。1,750MWのEPR原子炉２基から構成される台山原子力発電所は、エネルギー
業界における中国とフランスの最大の協力プロジェクトである。CGNが51％、Guangdong Energy Groupが19％の持分を保有して
いる。
2018年12月13日に１号機が商業運転を開始した後、続いて２号機は2019年９月７日に商業運転を開始した。2020年度には、
台山１号機について燃料再装荷のための最初の運転停止があった。
2019年３月20日に、NDRC（国家発展改革委員会）は、中国における最初の３件の第３世代原子力プロジェクトに規制料金を
割り当てており、その一つがTaishanである。Taishanに割り当てられた料金は、2021年度末までMWh当たり435中国人民元に設
定され、最初のユニットが運転を開始した日（2018年12月13日）まで遡って効力を有した。2022年度から適用される連動メカ
ニズムは、この決定では設定されず、現在も引き続き発表されていない。NDRCは、現行料金を第３世代発電所（Taishanを含
む）に拡大することを発表した。
２回目の運転サイクル中である2021年６月14日に、台山発電所の原子炉１号機の一次回路で貴ガスの蓄積が検出された。中
国生態環境部は、これは非密封の燃料棒５本に起因すると言明した。状況の初期分析を受けて、2021年７月30日に台山発電所
の運営者は、より詳細に状況を査定し、進行を防いで是正措置を講じるために、１号機を閉鎖することを決定した。燃料除去
作業は2021年８月22日に完了した。２回目の運転サイクルで直面した技術上の問題を受けて実施された台山１号機の燃料集合
体の検査で、一部の集合体部品に機械的摩耗が認められた。この現象は、フランスの原子力発電所の複数の原子炉で既に発生
している。2022年度上半期中にEDFとFramatomeは、台山１号機を安全に再稼働させるための書類作成に貢献し、中国当局によ
る審査についてTNPJVCを支援した。
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２号機は2022年度上半期を通して発電を継続したが、当該用地の正味発電量は原子炉１号機の計画外の長期停止により影響
を受けている。電力網への再接続日は現時点では未確定である。
財務諸表上のTaishanに対する投資純額は、2022年度以後の料金予測に対する保守的なアプローチに基づく引当金、上述の情
報に関連する一定の運営上の仮定の更新、および中国市場における現在の金利上昇を勘案した割引率への感応度の考慮を含ん
でいる。
TNPJVCの株主間協定に基づき、EDFは2021年１月にシンガポール国際商業会議所で、パートナーであるCGNに対して「解釈」
の仲裁手続を開始した。見解の相違は、発電所に関する会計方針、特にその減価償却期間に関係している。EDFは発電所の操業
可能期間に合わせた60年を推奨しているが、CGNは事業体TNPJVCと同時期に終了する41年にすべきと考えている。この会計方針
は、EDFグループがこのパートナーシップを通じて受け取る報酬に影響を与える可能性がある。EDFは2021年11月に最初の仲裁
要請を提出し、CGNは2022年３月に回答した。ヒアリングは2022年10月10日から14日に予定されている。
11.2 その他関連会社および共同支配企業に対する投資
EDF SA保有のその他の投資は、専用資産に含まれている（注記14.2を参照）。
EDF Renewables保有のその他の投資は、主に北米、およびこれより程度は少ないが欧州、中国およびブラジルに所在する。
当上半期におけるこれらの投資の増加は、主にAtlantic Shoresプロジェクトに起因する（下記を参照）。
その他関連会社および共同支配企業に対する投資は主に、以下に関連している。
・ 特に液化天然ガス（LNG）のトレーディングおよび最適化活動を専門とする会社であるJERA Global Markets（JERA
GM）、EDF Tradingが33％を所有。
・ 中国におけるJiangxi Datang International Fuzhou Power Generation Company Ltd.が所有する超臨界石炭火力発電所
で、当グループが49％を保有。
・ ブラジルにおけるCompagnie Énergétique de Sinop (CES) が所有するダムで、当グループが51％を所有し、2019年に商
業運転を開始した。
・ カメルーンのNachtigalダムで、当グループが40％を所有：2019年３月に建設が開始され、2024年初頭の運転開始が見込
まれる。
2022年度上半期に、減損(137)百万ユーロが関連会社および共同支配企業に対する投資について、主にEDF Renewables所有の
米国の風力発電資産に関連して計上された（注記10.4を参照）。
2021年度上半期に、減損(101)百万ユーロが関連会社および共同支配企業に対する投資について、主に2021年２月のテキサス
州における天候危機を受けたEDF Renewables所有の米国の風力発電所、および2021年度財政法により一定施設向けに導入され
た購入義務料金の改定を受けたEDF Renewables所有のフランスの太陽光発電所に関連して計上された（注記10.4を参照）。
EDF Renewablesが所有する持分法適用投資における2022年度の進展
洋上風力発電開発のためのニューヨーク湾海域の落札
2022年３月１日に、EDF RenewablesとShell New Energies US LLC（Shell）は、Atlantic Shores Offshore Wind LLC
（Atlantic Shores）コンソーシアムのイコールパートナーとして、ロングアイランドとニュージャージー沿岸の間にある
ニューヨーク湾の32,112ヘクタールの沖合区域の開発権を落札した。同コンソーシアムは、開発フェーズの完了後33年間にわ
たり、推定発電容量1.5ギガワット(GW)の洋上風力プロジェクトを建設・運営することが可能となる。
EDFとそのパートナーは、2022年２月23日から25日にかけて海洋エネルギー管理局（BOEM）が開催した公募入札で、洋上風力
プロジェクトを誘致するために提案されたリース地域６件のうち１件を落札した。
サンナゼール洋上風力発電所：フランス初の洋上風力タービンの設置
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2022年４月13日に、サンナゼール洋上風力発電所の共同所有者であるEDF Renewables、EIH SARL（Enbridge Inc.およびCPP
Investmentsが所有）と風力タービン供給業者であるGE Renewable Energyは、ロワール・アトランティック県のゲランド半島
沖 12kmにフランス初の洋上風力タービンを設置したことを発表した。これは、2019年度に開始されたサンナゼール洋上風力発
電所の建設における重要な経過目標である。工事は計画通りに進んでおり、洋上風力発電所全体の運転開始は2022年度末まで
に予定されている。480MWのサンナゼール洋上風力発電所は、ロワール・アトランティック県の年間総電力消費量の20％に相当
する発電を開始する予定である。
EDF Renewablesによるイスラエルでの浮体式２基を含む太陽光発電所４基の運転の開始
2022年６月８日にEDF Renewablesは、イスラエルで発電設備容量合計54MWの新たな太陽光発電所４基の運転を開始したこと
を発表した。これらの新施設は、2030年度までに同国のエネルギー構成に占める再生可能エネルギーの割合を30％に引き上げ
るというイスラエル政府の目標の一環となっている。これはまた、2015年度から2030年度までの間に再生可能エネルギーの正
味発電容量を28GWから60GWに倍増させることを目指すEDFグループのCap 2030戦略にも寄与する。
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注記12．運転資本
12.1 運転資本：構成および変動
12.1.1 運転資本の構成
2022年度上半期における正味運転資本の変動は、以下の通りである。
2021年 貨幣性 非貨幣性 2022年
注記 12月31日現在 変動 変動 ６月30日現在
（単位：百万ユーロ）
棚卸資産および仕掛品
(16,197) (103) (184) (16,484)
営業債権、引当金控除後 12.2 (22,235) 1,725 (114) (20,624)
19,565
営業債務 12.4 (3,773) 157 15,949
公共電力サービス費用補償債権（CSPE債務） 12.5.4 294 3,082 - 3,376
12.3および
(437)
その他の債権および債務(1) 6,050 6,139 11,752
12.5
(648) (266) 512 (402)
運転資本のその他の構成要素(2)
(66)
正味運転資本 (13,171) 6,804 (6,433)
(1 ）資産の取得／処分および投資補助金に係る債権および債務を除く。
(2 ）運転資本のその他の構成要素は、貸借対照表の無形資産に表示された二酸化炭素排出権およびグリーン証書ならびに業務
関連デリバティブを含む。
12.1.2 運転資本の非貨幣性変動
非貨幣性変動は連結範囲の変更、外国為替の影響、公正価値の変動および組替の影響を含む。2022年度上半期における非貨
幣性変動は、主に外国為替の影響(245)百万ユーロ、棚卸資産および営業デリバティブの公正価値の変動合計(76)百万ユーロ、
ならびに主に装荷済燃料の調整に関連するその他の影響255百万ユーロに起因する。
12.1.3 運転資本の貨幣性変動
注記 2022年 2021年
（単位：百万ユーロ）
６月30日現在 12月31日現在
棚卸資産の変動
(103) (626)
(7,411)
営業債権の変動 12.2 1,725
営業債務の変動 12.5 (3,773) 7,407
公共電力サービス費用補償債権（CSPE債務）の変動 12.5.4 3,082 2,268
12.3および
5,873 (3,164)
その他の債権および債務の変動(1)
12.5
運転資本の変動 6,804 (1,526)
(1) その他の債権および債務の変動は、貸借対照表の無形資産に表示された二酸化炭素排出権およびグリーン証書ならびに業務
関連デリバティブの貨幣性変動を含む。
2022年度上半期における運転資本の貨幣性変動は、正味マージンコール請求の減少（63億ユーロ）、CSPE超過補償（31億
ユーロ）（注記12.5.4を参照）、および純営業債権債務ポジションにおける変動（(２)億ユーロ）に起因して、68億ユーロの
改善であった。
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12.2 営業債権
営業債権（純額）の内訳は、以下の通りである。
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
営業債権－総額（EDF Tradingを除く） 19,781
19,422
－契約資産(1) 555 545
営業債権－総額（EDF Trading） 3,545
2,377
(1,175) (1,091)
減損
22,235
20,624
営業債権－純額
(1 ）2022年６月30日現在、契約資産は総額555百万ユーロ (2021年12月31日現在545百万ユーロ) であり、主にFramatome、
DalkiaおよびEDF Renewablesの事業セグメントに関係している。
営業債権の大部分は、１年以内に期限が到来する。
フランスにおいて毎月定額を支払う顧客から受け取った前受金、2022年６月30日現在7,474百万ユーロ（2021年12月31日現在
7,071百万ユーロ）は、営業債権から控除されている。
2021年12月31日に対する営業債権総額の減少は、主にEDF Tradingに係る(12)億ユーロ、その他のグループ子会社に係る(３)
億ユーロ、うちEnedisに係る(４)億ユーロ（基本的に季節的要因に起因した引渡しサービスに係る営業債権の減少に関連）お
よびEDF Energyに係る+１億ユーロの変動によるものである。
12.2.1 期日到来および期日未到来の営業債権
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
総額 引当金 純額 総額 引当金 純額
（単位：百万ユーロ）
営業債権 23,326 22,235
21,799 (1,175) 20,624 (1,091)
- 期日経過後６か月以内 1,285 1,070
1,807 (283) 1,524 (215)
- 期日経過後６～12か月
475 (170) 305 481 (136) 345
- 期日経過後12か月超 894 (528) 366 978 (551) 427
2,744 1,842
3,176 (981) 2,195 (902)
期日到来営業債権
20,582 20,393
18,623 (194) 18,429 (189)
期日未到来営業債権
12.2.2 債権の譲渡
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
譲渡済で貸借対照表上に全額留保している営業債権
141 340
譲渡済で貸借対照表上に一部留保している営業債権 - -
1,993 1,456
譲渡済で貸借対照表上全額認識中止した営業債権
当グループは2022年６月30日現在、主にEDF SA、Edison、LuminusおよびDalkiaに関連する合計1,993百万ユーロの営業債権
の譲渡を行っていた（2021年12月31日現在1,456百万ユーロ）。
譲渡のほとんどは反復的に、遡及権なしで行われており、対応する債権は以後、当グループの連結貸借対照表には計上され
ない。
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12.3 その他の債権
2022年６月30日現在、その他の営業債権は、トレーディング業務のマージンコール59億ユーロ（2021年度98億ユーロ）を含
んでいる。この減少は基本的に、担保を信用状で置き換えたことに起因する。資産に認識されたマージンコールの額は、負債
に認識されたマージンコールと相殺できない（注記12.5を参照）。
2022年６月30日現在、その他の債権はまた、税金債権1,787百万ユーロ（2021年12月31日現在2,399百万ユーロ）および前払
費用1,597百万ユーロ（2021年12月31日現在1,485百万ユーロ）も含んでいる。
12.4 営業債務
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
営業債務（EDF Tradingを除く）
12,860 14,041
営業債務（EDF Trading） 3,089 5,524
営業債務
15,949 19,565
2022年上半期におけるEDF Tradingを除く営業債務の減少12億ユーロは、特にEnedisに関する９億ユーロ（季節的影響による
送電サービスの減少に合致）を含む。
当グループは、リバース・ファクタリング・プログラムを有している。これにより供給業者は、自らの意思で、EDFに対する
受取債権をファクタリング会社に譲渡することができる。当グループにとっては、このプログラムは、供給業者がEDFに対して
保有する受取債権の実体および特性に何の変更ももたらさない。特に、一連の営業キャッシュ・フローに影響を与えない。
従って、関連する債務は当グループの財務諸表上「営業債務」に含まれている。
12.5 その他の負債
その他の負債の明細は、以下の通りである。
2022年６月30日現在 うち契約負債 2021年12月31日現在 うち契約負債
（単位：百万ユーロ）
前受金および未成業務受入金
2,114 1,635
3,114 1,630
有形固定資産関連負債 4,368
3,684 - -
税金負債 5,093
3,786 - -
社会保障費 5,092
5,106 - -
長期契約に係る繰延収益 3,146 3,110
3,262 3,206
その他の繰延収益(1) 1,083 684 997 592
その他 9,254
15,337 - -
その他の負債
30,064 5,337
35,372 5,520
非流動部分
4,816 3,107
5,302 2,409
流動部分 25,248 2,230
30,070 3,111
(1 ）2020年度に受け取ったフェッセンハイム補償協定にもとづく最初の支払額を含む。
12.5.1 前受金および未成業務受入金
2022年６月30日現在、前受金および未成業務受入金は、Framatomeの長期契約の顧客による支払額557百万ユーロから成る
（2021年12月31日現在642百万ユーロ）。
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12.5.2 税金負債
2022年６月30日現在、税金負債には、主に、供給済であるが未請求のエネルギーについてEDFが集金するCSPE税から、月次定
額分割払を行う顧客からの前受金について集金したCSPE税を控除した370百万ユーロが含まれている（2021年12月31日現在562
百万ユーロ）。
12.5.3 長期契約に係る繰延収益
2022 年６月30日現在のEDFの長期契約に係る繰延収益には、原子力発電所資金調達計画に基づくEDFに対するパートナー前渡
金1,837百万ユーロ（2021年12月31日現在1,746百万ユーロ）が含まれている。
長期契約に係る繰延収益にはまた、Exeltiumコンソーシアムとの契約に基づき2010年度にEDFグループに支払われた前渡金17
億ユーロが含まれている。この前渡金は、契約期間（24年）にわたり段階的に損益計算書に振り替えられている。
12.5.4 その他
その他の負債の表の最終行には、2022年度上半期中に受け取った投資補助金108百万ユーロ（2021年度上半期376百万ユー
ロ）が含まれている。
2022年６月30日現在、その他の営業負債は、トレーディング業務のマージンコール83億ユーロ（2021年度58億ユーロ）を含
んでいる。負債に認識されたマージンコールの額は、資産に認識されたマージンコールと相殺できない（注記12.3を参照）。
2022年６月30日現在のその他の負債は、CSPEに関連した国に対する営業負債3,376百万ユーロも含んでいる（2021年12月31日
現在294百万ユーロ）。
EDF の公共サービス費用
EDF SAへの補償対象費用の2022年度上半期の額は1,339百万ユーロである。
2021年以後のこのメカニズムの唯一の財源である国の一般予算からの2022年１月１日から６月30日の間の受取額は合計4,424
百万ユーロであった。これは、2021年７月のCREの決定を主な根拠としたフランスの2021年度財政法に従ったものである。
2021年12月31日現在の負債294百万ユーロに基づく、2022年６月30日現在の営業負債は3,376百万ユーロである。この超過補
償は、当年度期首以降の市場価格の変動に起因する。2022年度の市場価格の上昇によりフランス本土における補償対象の再生
可能電力支援費用が大幅に減少した一方で、国からの補償受取額は2022年度上半期に観察された価格よりも低い2021年度春の
市場価格に基づいている。
公共電力サービス費用の補償に関する2016年２月18日付政令2016-158に従い、2022年７月18日にCREは、EDFの公共サービス
費用の2023年度予測（(1,139)百万ユーロ）、2022年度の改訂費用予測（(637)百万ユーロ）および2021年度に計上された実績
費用（(5,627)百万ユーロ）を明記した2022年７月13日付決定2022-202を公表した。
電力およびガス卸売市場の異例の危機に起因してEDFは、他の事業者と同様に、2022年度の超過補償受取額および2023年度に
マイナスとなった補償対象費用について、2023年度に国に返済する義務を負うこととなる。
フランスにおける公共電力サービス費用補償メカニズムについては、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記5.4.1
に記載されている。
12.5.5 契約負債
契約負債は、顧客が既に支払済みであるかまたは支払期日が到来している場合に、当該顧客に財およびサービスを供給する
会社の義務を表す。
契約負債の変動は、以下の通りであった。
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当期
時の経過
2021年 当期 2022年
取消額
当期
による割 連結範囲 外国為替
12月31日 売上高 ６月30日
（売上高
引の戻入 の変更 の影響
計上額
現在 振替額 に影響し 現在
れの影響
ない）
（単位：百万ユーロ）
前受金 1,635
1,048 (1,024) (13) - 1 (17) 1,630
3,110
長期契約に係る繰延収益 535 (455) (31) 26 5 16 3,206
592 575 (490) - - 1 6 684
その他の繰延収益
これらの負債は、大部分の前受金および未成業務受入金1,630百万ユーロ（主にFramatome、英国およびフランス―規制業務
セグメントに関連）ならびに、大部分の繰延収益（長期およびその他の契約に係るもの）3,206百万ユーロ（主にフランス―発
電と供給セグメントに関連）から構成されている。従ってその2022年６月30日現在の合計額は、5,520百万ユーロである（2021
年12月31日現在5,337百万ユーロ）。
期限１年超の契約で報告日現在その義務が未履行または一部履行済みである契約は、約12,240百万ユーロの売上収益を生み
出すべきものであるが、これらは未認識である。これらの売上収益のうち1,046百万ユーロは、Exeltium契約に基づいて2034年
まで段階的に認識され、残額は共同運営発電所に関連する契約についてはその運営期間にわたり、また、その他の確定販売契
約（エネルギー販売を除く）についてはその契約期間にわたり、認識される。
注記13.自己資本
13.1 資本金
2022年６月30日現在のEDFの資本金は1,934,240,171.50ユーロであり、額面0.50ユーロの全額引受済・払込済株式
3,868,480,343株から成っている。資本金のうち84.08％はフランス政府、14.80％は民間（機関投資家および個人投資家）、
1.08％は在職中および退職後の当グループの従業員、ならびに、0.04％はEDFが自己株式として所有している。
2022年４月７日にEDFは、株主の優先引受権を維持して、現金による増資を実施した。
この増資は（発行プレミアムを含む）総額で合計3,164百万ユーロであり、その結果、発行価格6.35ユーロで498,257,960株
の新株が発行され、財務諸表上、以下のように認識された。
・ 資本金の増加249百万ユーロ。
・ 発行プレミアム（費用控除後）の増加2,899百万ユーロ。
フランス政府は、公約通り、この増資の27億ユーロないし約83.88％を引き受けた。
2022年６月、2021年度に係る配当の一部を株式による配当の形態で支払ったことにより、131,545,635株の新株発行を受けて
資本金が66百万ユーロ増加し、発行プレミアム913百万ユーロを計上した。当該取引の法律上の手続は、2022年６月に完了し
た。
従業員割当の結果、2022年７月25日付の18,100,741株のEDF新株発行を受けて資本金が９百万ユーロ増加し、発行プレミアム
94百万ユーロを計上した。当該株式は2022年７月25日に交付された（注記７を参照）。
フランスのエネルギー法第L.111-67条に基づいて、フランス政府は常にEDFの資本の70％超を保有していなければならない。
13.2 配当
2022年５月12日の株主総会において、2021年度について１株当たり0.58ユーロの普通配当分配が決議され、現金または株式
（株式による配当オプション）による支払のオプションが株主に提供された。
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当社定款の第24条を適用して、期末日現在で少なくとも２年間継続して株式を保有し、配当分配日現在も保有していた株主
は、配当の10％を特別配当として受け取る。各株主について、特別配当の受領権を有する株式の数は、当社資本の0.5％を超え
ることはできない。特別配当は１株当たり0.638ユーロである。
フランス政府は、2021年度について、株式による配当を選択した。
2021年度について株式による配当を選択しなかった株主に支払われた現金による配当の額は72百万ユーロである。
13.3 永久劣後債
2022年６月30日現在、自己資本に計上されている永久劣後債は、12,264百万ユーロ（税引後の取引費用控除後）であり、
2021年12月31日現在から変更されていない。
発行された永久劣後債の持参人に対するEDFの利息支払額は、2021年度上半期288百万ユーロおよび2021年度547百万ユーロに
対し、2022年度上半期332百万ユーロであった。この結果としての現金支払額は、対応する当グループ自己資本の減額に反映さ
れている。
2022年度下半期にEDFは、永久劣後債の持参人に対して、2021年７月の152百万ユーロに対し2022年７月に166百万ユーロの利
息を支払った。
13.4 株式転換権付グリーン・ボンド （OCÉANES）
2020年９月８日に、EDFは、額面2,400百万ユーロ、発行価額2,569百万ユーロで、新株式への転換および/または既発行株式
との交換可能なグリーン・ボンド（OCÉANEs Vertes）を発行した。
この社債は、費用および税金を控除後の2,389百万ユーロの「借入金およびその他の金融負債」と126百万ユーロの「自己資
本」に計上されている。2022年６月30日現在、社債を新株式に転換および/または既発行株式と交換する選択権を行使した引受
人がいないため、当該取引は自己資本に影響を与えていない。
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13.5 非支配持分（少数株主持分）
2022年６月30日現在 2021年６月30日現在
非支配持分 非支配持分
自己資本 自己資本
所有割合
に帰属する に帰属する
（％）
（非支配持分） （非支配持分）
（単位：百万ユーロ）
純利益 純利益
主要な非支配持分
EDF Energy Nuclear Generation Ltd.
20.0％ 2,583 50 2,509 (181)
NNB Holding Ltd. (14) (39)
33.5％ 6,747 5,494
EDF Investissements Groupe SA
7.54％ 518 5 518 6
Luminus SA
31.4％ 389 4 401 1
Framatome 24.5％ 85 1 111 1
1,889 92 1,246 56
その他の非支配持分
合計 12,211 138 10,279 (156)
当グループがEDF Energyを通じて80％を所有するEDF Energy Nuclear Generation Ltd.に対する非支配持分は、Centricaの持
分である。
当グループがEDF Energyを通じて66.5％を所有する、ヒンクリー・ポイントCプロジェクトのための持株会社であるNNB
Holding Limitedに対する非支配持分は、CGNの持分である。
EDF Investissements Groupeに対する非支配持分は、Natixis Belgique Investissementsの保有する投資である。
Luminusに対する非支配持分は、ベルギーの地方当局の保有する投資である。
当グループがEDF SAを通じて75.5％を所有するFramatomeに対する非支配持分は、三菱重工業が保有する19.5％持分および
Assystemが保有する５％持分である。
その他の非支配持分は、主に、当グループがEDF Energyを通じて80％を所有し、CGNが20％を所有するSizewell C Holding Co.
ならびにEdisonおよびEDF Renewables下位企業集団の子会社に対する少数株主持分から成っている。
その他の非支配持分はまた、Dalkiaグループが発行し少数株主が引き受けた転換社債の形態による商品、2022年６月30日現
在の合計131百万ユーロ（2021年６月30日現在167百万ユーロ）を含む。
注記14．原子力発電関連引当金および専用資産
原子力発電関連引当金の流動および非流動の内訳は、以下の通りである。
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
（単位：百万ユーロ） 流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
核サイクル終了引当金
1,369 25,934 27,303 1,359 28,155 29,514
1,509 31,887 33,396 1,346 33,912 35,258
廃炉および炉心核燃料引当金
原子力発電関連引当金 2,878 57,821 60,699 2,705 62,067 64,772
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核サイクル終了引当金、廃炉および炉心核燃料引当金の変動の詳細は以下の通りである。
割引の
2021 年 その他の 2022 年
増加 減少 換算調整
(単位：百万ユーロ) 12 月31日現在 変動 ６月30日現在
影響
使用済燃料管理引当金
13,220
238 (559) 43 (34) 113 13,021
廃棄物除去および調整引当金
639 - - 38 (8) (345) 324
放射性廃棄物長期管理引当金
15,655
46 (174) (723) (20) (826) 13,958
核サイクル終了引当金
29,514
284 (733) (642) (62) (1,058) 27,303
原子力発電所廃炉引当金
30,759
83 (317) 885 (256) (1,746) 29,408
炉心核燃料引当金
4,499
- (279) 62 (33) (261) 3,988
35,258
廃炉および炉心核燃料引当金 83 (596) 947 (289) (2,007) 33,396
64,772
原子力発電関連引当金 367 (1,329) 305 (351) (3,065) 60,699
EDF SA
46,442 351 (731) (740) - (1,446) 43,876
―2006 年６月28日付法律の範
45,306 329 (708) (768) - (1,446) 42,713
囲内の引当金
英国 17,889 16 (598) 1,040 (351) (1,618) 16,378
441 - - 5 - (1) 445
ベルギー
原子力発電関連引当金の2022年度上半期における変動は、主に以下によるものである。
・ フランスにおける実質割引率30ベーシス・ポイントの上昇（注記14.1を参照）：対応する影響は、純損益を通じて調
整される引当金については「割引の影響」（(1,596)百万ユーロ）に、また資産（引当金関連資産および基礎資産）の
裏付けがある引当金の変動については「その他の変動」（(1,249)百万ユーロ）に含まれている。
・ 英国における実質割引率の上昇（特に核サイクル終了および廃炉引当金に係る+50ベーシス・ポイント）：対応する影
響は、資産（廃炉および核サイクル終了引当金の場合は原子力負債基金（NLF）および英国政府からの払戻しに相当す
る債権、炉心核燃料引当金の場合は関連資産および基礎資産）の裏付けがある引当金の変動として「その他の変動」
（(1,687)百万ユーロ）に含まれている。
EDF Energyの発電所に係るEDFの核サイクル終了および廃炉引当金に関連する規制および契約の枠組みは、2021年12月31日現
在の連結財務諸表に対する注記15.2に記載されている。
計画通りに、EDF Energyは2022年１月７日付でハンターストンB発電所における発電を終了し、2022年５月に燃料除去フェー
ズが開始された。その結果、炉心核燃料引当金が(279)百万ユーロ減少し、原子炉内に残存する燃料在庫に相当する核燃料在庫
が同額減少した。
14.1 フランスにおける原子力引当金
核サイクル終了、発電所廃炉および炉心核燃料引当金の測定は、業界のシナリオおよび技術的な工程、費用、インフレ率、
長期割引率、現在稼働中の発電所の減価償却期間ならびに支出スケジュールに関する仮定の影響を受ける。最終的に当グルー
プが負担するコストの最善の見積額を引き当てることを確保するために、決算日毎に見積りの改定を行っている。
フランスにおける原子力引当金の規制および契約の枠組みならびに引当金の主要な計算方法は、2021年12月31日現在の連結
財務諸表に対する注記15.1.1に記載されている。
CIGEO貯蔵センターについては、その公益事業を正式に認めるDUP（d é clarant d’utilit é publique）政令が2022年７月８日
付で公布された。この政令は、2020年８月に提出されたANDRAのDUP申請、政府機関による審査、2021年度下半期に行われた公
開調査、および2021年12月20日に調査委員が発出した無条件の賛同意見を受けて公布された。
割引率およびインフレ率
割引率およびインフレ率の計算方法は、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記15.1.1.5に記載されている。
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これらの方法を適用して、2022年６月30日現在の割引率は4.5％（2021年12月31日現在3.7％）、仮定したインフレ率は2.2％
（2021年12月31日現在1.7％）、即ち、2022年６月30日現在の実質割引率は2.3％（2021年12月31日現在２％）である。
割引率の上昇は、特にECBの金融政策変更に起因して2021年12月31日以降に観察されたOAT債および社債のスプレッド拡大を
反映している。
インフレ率仮定値の上昇は、同日以降、特に2022年度および2023年度に係るフランスのインフレ予測、ならびに現在の地政
学的および経済的な危機を背景に当該対象期間後のブレークイーブン・インフレ率予測を反映している。UFR（最終的フォワー
ド・レート）の基礎となるインフレ仮定と整合したECBの目標水準を考慮し、金利曲線には引き続き長期インフレ率２％が使用
されている。
さらに、短期的には、特に廃炉費用に関連する購入の種類を前提に、一定のコモディティ、エネルギーおよび輸送の価格上
昇が予想インフレ率を上回るとの見込みを考慮して引当金を計上している。
割引率の規制上の制限
割引率は２つの規制上の制限に従わなければならない。原子力費用の資金確保に関する2020年７月１日付政令（当初の2007
年２月23日付政令を環境法の一環として体系化し更新）および原子力費用の資金確保に関する2020年７月１日付省令（当初の
2007年３月21日付省令の改正）に基づいて、割引率は以下より低くなければならない。
・ 実質値、即ちインフレ控除後で表示される規制上限。この値は、欧州保険・企業年金監督機構（EIOPA）が発表する該当
日現在に適用される最終的フォワード・レート（UFR）の算定に使用された実質長期金利に関する予想を表す四捨五入前
の値に150ベーシス・ポイントを加算した値に相当する。この上限は2024年から適用される。2024年までは、当該上限は
2.3％と上記計算値の加重平均である。2.3％の率に適用される加重は、2020年50％、2021年25％、2022年12.5％および
2023年6.25％に設定されている。
・ 負債を填補する資産（専用資産）の予測収益率。
2020年７月１日付で発効した命令を適用し、UFRを参照して計算された上限割引率は、2022年６月30日現在2.85％（2021年12
月31日現在2.80％）である。
異なる資産クラスのリスク・リターン特性を組み込んだ研究により示された専用資産に係る20年間の平均予測収益率は、
2004年１月１日から2022年６月30日の間に観察された平均年間収益率5.8％に近く、割引率を上回っている。
コスト、インフレ率、長期割引率および支出スケジュールに関する仮定に対する感応度は、年度末の経済状況に基づいて見
積られた総額とその金額の現在価値との比較により見積ることができる。
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2006年６月28日付法律の範囲内の原子
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
力発電関連引当金
年度末の経済状況 引当金の 年度末の経済状況 引当金の
に基づく費用 現在価値 に基づく費用 現在価値
（単位：百万ユーロ）
使用済燃料管理
16,235 10,223 16,121 10,683
- 営業サイクルに関連しない金額 3,289 1,617 3,282 1,726
36,959 13,050 36,779 14,233
放射性廃棄物長期管理
核サイクル終了費用 53,194 23,273 52,900 24,916
現在稼働中の原子力発電所の廃炉
20,649 12,090 20,479 12,680
閉鎖された原子力発電所の廃炉 7,776 4,894 7,718 5,050
4,193 2,456 4,349 2,660
炉心核燃料
廃炉および炉心核燃料費用 32,618 19,440 32,546 20,390
2006 年６月28日付法律の範囲内の原
42,713 45,306
子力発電関連引当金
実質割引率の上昇の影響を除き、2022年度上半期には費用見積りに目立った変動がなかったことから、原子力引当金にはほ
とんど変動がなかった。
ただし、ショーAの廃炉引当金（永久に閉鎖された発電所の廃炉引当金の一部）は、容器解体中に経験した予見不能な事象お
よび遅延に関する情報（切断の進捗が予想以上に遅く、保守用ブリッジが使用できなかった）を2022年度上半期中に統合した
ことに起因して（2021年12月31日現在の259百万ユーロから）37百万ユーロ増加した。この経験に基づき、容器解体の予定表が
１年延長され、廃炉全体の日程がさらに18か月遅延するリスクが識別された。
感応度分析に加えて以下の表は、割引率が±10ベーシス・ポイント変動した場合のEDFの核サイクル終了、廃炉および炉心核
燃料引当金の現在価値に対する影響の見積りを示している。
2022 年６月30日現在
割引率に対する感応度
貸借対照表上の引当金 税引前純利益
現在価値による
（単位：百万ユーロ）
引当金の金額 ＋0.10％ -0.10％ ＋0.10％ -0.10％
(500) 528 409 (434)
核サイクル終了費用：
24,436
-使用済燃料管理 11,386 (106) 109 91 (94)
-放射性廃棄物長期管理 13,050 (394) 419 318 (340)
廃炉および炉心核燃料： 19,440 (393) 405 78 (81)
-現在稼働中の原子力発電所の廃炉 12,090 (269) 276 - -
-閉鎖された原子力発電所の廃炉 4,894 (78) 81 78 (81)
2,456 (46) 48 - -
-炉心核燃料
933
合計 43,876 (893) 487 (515)
専用資産で填補される金額 32,158 (798) 835 432 (459)
14.2 EDFの専用資産
フランスの規制の求めるところに従って、EDFは、長期の原子力関連債務（具体的には、原子力発電所の廃炉および放射性廃
棄物の長期管理）の資金確保のための金融資産ポートフォリオを構築した。
このポートフォリオの主な特徴、その管理原則および適用される法規は、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記
15.1.2に記載されている。
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14.2.1 2022年度上半期の専用資産の変動
専用資産による引当金の補填率が2021年12月31日現在100％超であったため（109.3％）、2022年度にはEDFは専用資産ポート
フォリオへの追加義務を課されず、当年度上半期の配分はなかった(2021年度にも当該義務はなく専用資産への配分もなかっ
た）。
インフレ、金利上昇およびウクライナ戦争は、2022年度上半期において金融市場に影響を与えた主要な事象であった。特に
インフレは、予想をはるかに超えて一時的には留まらず、エネルギー市場の緊張と相まって、各中央銀行は2021年度より更に
悲観的な姿勢を示すに至った。例えば、FRBは利上げを加速せざるを得ず、当年度下半期もこれを継続する見通しである。ECB
にも同様のことが当てはまり、マイナス金利政策を断念して今夏から利上げに踏み切った。10年物国債金利はドイツで-0.18％
から+1.33％、米国で+1.51％から+3.01％に上昇した。この状況は、特に各中央銀行が量的緩和政策を終了する意向を発表した
ことにより、信用市場に大きな圧力を与えた。このため、欧州の信用スプレッド指数は+0.95％から+2.18％に上昇した。
特にウクライナ戦争によりエネルギーおよび農業コモディティのサプライチェーンが極限まで圧迫され、地政学的な緊張お
よび不安定リスクが高まるにつれて、株式市場はこの極めて大幅な金利上昇とインフレによって多大な影響を受けた。株式市
場は-15.7％下落した（MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス）。米ドルの対ユーロ1.133から1.039への大幅な上
昇がなかった場合には、さらに下落していた。
この結果、専用資産ポートフォリオ（投資ファンドおよび株式）の公正価値における(3,196)百万ユーロの負の変動（2021年
度上半期は1,836百万ユーロ、2021年度は2,739百万ユーロの正の変動）が、2022年度上半期の金融損益に認識された（注記8.2
を参照）。同様に、専用資産ポートフォリオ（債券）の公正価値における(637)百万ユーロの負の変動（2021年度上半期は
(182)百万ユーロ、2021年度は(244)百万ユーロの負の変動）は、2022年度上半期のOCIに認識された（注記17.1.2を参照）。
2022年度上半期中にEDF Investは、通信インフラにおける非上場資産（デンマークの光ファイバー網を所有するNorlys Tele
に対する少数株主持分の取得を通じて）および分散された非上場投資ファンド持分のポートフォリオ拡大を継続した。EDF
Investはまた、ドイツのThyssengas（ガス網）に対する全持分を売却した。
2022年度上半期の専用資産からの引出額は、填補すべき長期原子力債務に関連する2022年度上半期の支払額と同額の合計273
百万ユーロ（2021年度上半期245百万ユーロ、2021年度389百万ユーロ）であった。
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14.2.2 EDFの専用資産の評価
EDFの専用資産は以下の価額で当グループの連結財務諸表に含まれている。
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
実現可能 実現可能
連結貸借対照表表示 帳簿価額 価額 帳簿価額 価額
（単位：百万ユーロ）
5,626 7,908
6,379 8,546
利回り資産（EDF Invest）
CTE 関連会社に対する投資(1) 1,478 3,343
1,886 3,676
2,567 2,923
その他の関連会社 関連会社に対する投資(2) 2,433 2,749
負債証券および持分証券な
1,581 1,642
その他の非上場資産 2,068 2,129
らびにその他の純資産(3)
(8) (8) - -
デリバティブ
デリバティブの公正価値
12,351 12,351 15,320 15,320
成長資産
11,862 11,862 14,815 14,815
投資ファンド中の株式 負債証券
非上場株式ファンド（EDF Invest） 542 542
519 519
負債証券
(53) (53) (14) (14)
デリバティブ
デリバティブの公正価値
12,979 12,979 14,226 14,226
固定収益資産
債券 負債証券 12,149 12,149 13,007 13,007
非上場債券ファンド（EDF Invest） 206 206
負債証券 199 199
641 641 1,016 1,016
現金ポートフォリオ 負債証券
(17) (17) 4 4
デリバティブ
デリバティブの公正価値
35,172 37,454
31,709 33,876
専用資産合計
(1) RTE株式100％所有会社であるCTEの50.1％に関する当グループの投資。CTE株式は、その持分の価額が連結財務諸表に計上
されている（上表の帳簿価額）。上表のCTEの実現可能価額は、EDF Investの他の資産と同様の方法により、独立の査定
人により決定されている。
(2) これらの投資を所有する被支配会社の自己資本持分価額を含む。
(3) 負債証券および持分証券1,944百万ユーロならびにその他の被支配会社の自己資本持分価額を含む。
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2022年度上半期および2021年度における専用資産ポートフォリオの構成は以下の通りである（実現可能価額）。
14.3 EDFの長期原子力債務の填補率
原子力発電に関する専用資産の規則が関係するフランスにおける当グループの長期原子力債務は、以下の価額でEDFグループ
の連結財務諸表に含まれている。
（単位：百万ユーロ） 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
使用済燃料管理引当金－規制が定める営業サイクルに関係しない部分
1,617 1,726
放射性廃棄物長期管理引当金 13,050 14,233
原子力発電所廃炉引当金 16,984 17,730
炉心核燃料引当金－放射性廃棄物長期管理の将来費用部分 507 587
長期原子力債務の現在原価
32,158 34,276
専用資産の実現可能価額
33,876 37,454
規制上の填補率
105.3 ％ 109.3 ％
2022年６月30日現在、規制上の計算に基づき、引当金の105.3％が専用資産によって填補されていた。2022年６月30日現在、
環境法に定める一定の投資の実現可能価額に係る規制上の上限は適用がなかった。
2021年12月31日現在、規制上の計算に基づき、引当金の109.3％が専用資産によって填補されており、これらの実現可能価額
に係る規制上の上限も適用がなかった。
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注記15．従業員給付引当金
15.1 当グループの従業員給付引当金
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
従業員給付引当金－流動部分
748 792
従業員給付引当金－非流動部分 12,402 21,716
従業員給付引当金
13,150 22,508
15 .1.1 引当金の変動の内訳：債務、制度資産、純負債
債務 制度資産 純負債
（単位：百万ユーロ）
46,756 (26,981) 19,775
2021 年12月31日現在従業員給付純負債
2022年度上半期純費用 460 (214) 246
数理計算上の損益 (15,620) 6,478 (9,142)
雇用主による拠出 - (52) (52)
1 -
(1)
従業員による拠出
給付支払額 (911) 264 (647)
換算調整 (151) 211 60
(1) 37 36
その他の変動
30,534 (20,258) 10,276
2022 年６月30日現在従業員給付純負債
このうち：
従業員給付引当金 13,150
(2,874)
非流動金融資産
当該純負債の地域別内訳は、以下の通りである。
債務 制度資産 純負債
（単位：百万ユーロ）
フランス 23,197 (10,474) 12,723
英国 6,560 (9,417) (2,857)
777 (367) 410
その他の国
30,534 (20,258) 10,276
2022 年６月30日現在従業員給付純負債
このうち：
従業員給付引当金 13,150
(2,874)
非流動金融資産
債務 制度資産 純負債
（単位：百万ユーロ）
フランス 35,436 (13,411) 22,025
英国 10,410 (13,124) (2,714)
910 (446) 464
その他の国
46,756 (26,981) 19,775
2021 年12月31日現在従業員給付純負債
このうち：
従業員給付引当金 22,508
(2,733)
非流動金融資産
2022年度上半期の債務に係る数理計算上の損益は(15,620)百万ユーロであり、以下のものを含んでいる。
・ 以下の結果であるフランスにおける(11,921)百万ユーロ
・ 割引率の変動（+250bp）による(15,511)百万ユーロ
・ インフレ率の変動(+50bp)による3,590百万ユーロ
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・ 英国における(3,569)百万ユーロ。基本的に割引率とインフレ率の変動に関連する（注記15.2を参照）。
2022年度上半期の制度資産に係る数理計算上の損益は6,478百万ユーロである。これは主に、金利上昇に伴い積立型債務に係
る資産に不利な影響を与えた債券市場の低迷、および国際的な株式市場の低迷による英国における変動3,427百万ユーロおよび
フランスにおける変動3,023百万ユーロによるものである。
15 .1.2 雇用後およびその他の長期従業員給付
2022 年度上半期 2021 年度上半期
（単位：百万ユーロ）
当期勤務費用
(427) (569)
過去勤務費用 - 32
302 (1)
数理計算上の損益－その他の長期給付
営業費用として計上された費用純額 (125) (538)
利息費用（割引の影響）
(335) (245)
151
214
制度資産の運用収益
金融損益に含まれた利息費用純額 (121) (94)
損益計算書に計上された従業員給付費用 (246) (632)
数理計算上の損益－雇用後給付 15,620 2,842
(6,478) (217)
制度資産に係る数理計算上の損益
9,142 2,625
数理計算上の損益
(60) 68
換算調整
9,082 2,693
自己資本に直入された従業員給付に係る損益
15 .2 数理計算上の仮定
数理計算上の仮定の決定方法は、2021年12月31日現在から変更されていない。
従業員給付の評価に使用された主要な仮定は以下の通りである。
フランス 英国
2022 年 2021 年 2022 年 2021 年
（％）
６月30日現在 12月31日現在 ６月30日現在 12月31日現在
割引率／資産の運用収益率(1)
3.80％ 1.30％ 3.90％ 1.90％
インフレ率 2.20％ 1.70％ 2.80％ 2.95％
3.30％ 2.80％ 2.50％ 2.70％
昇給率(2)
(1) 資産から生じる受取利息は割引率を使用して計算されている。この受取利息と資産の運用収益との間の差額は自己資本
に計上されている。
(2) インフレおよび全勤務期間にわたる予測を含む平均昇給率。
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注記16．その他の引当金および偶発債務
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
（単位：百万ユーロ） 注記 流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
その他の施設廃止引当金
16.1 141 1,979 2,120 95 1,872 1,967
6,081 3,584 9,665 3,245 3,570 6,815
その他の引当金 16.2
その他の引当金合計 6,222 5,563 11,785 3,340 5,442 8,782
16.1 その他の施設廃止引当金
その他の施設廃止引当金の内訳は、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記17.1に表示されている。
その他の施設廃止引当金の2022年度上半期における増加は、主にEDF SAの化石燃料火力発電所の廃止に関する請負業者の見
積りを、特に最近の作業から得られた経験に基づいて再評価したことに起因する。
16.2 その他の引当金
その他の引当金の変動は、以下の通りである。
2021年 減 少
2022年
範囲の その他の
12月31日 増 加
６月30日
変更 変動
使用 戻入
（単位：百万ユーロ）
現在
現在
子会社および投資関連リスク引当金
585 274 (17) (45) - (9) 788
税金負債引当金(法人所得税以外) 112 - (51) (9) (1) 2 53
訴訟引当金 327 40 (37) (26) - 2 306
1,651
不利契約および完成時損失引当金 9 (235) (148) - (104) 1,173
1,572
環境計画関連引当金 1,453 (616) - - (33) 2,376
2,568
3,074 (547) (101) (1) (24) 4,969
その他のリスクおよび負債引当金
6,815
合計 4,850 (1,503) (329) (2) (166) 9,665
不利契約引当金
不利契約引当金は、主に当グループのLNG業務（長期LNG購入契約およびDunkerque LNGとの長期再ガス化契約）に起因してい
る。
2022年６月30日現在、米国からの液化天然ガス（LNG）供給契約に係る引当金の一部戻入が認識された。これは、依然として
非常にボラティリティの高い市場において、米国/欧州の中期および長期のスプレッドが改善したことを受けたものである。
環境計画関連引当金
環境計画関連引当金には、該当ある場合に、温室効果ガス排出権、再生可能エネルギー証書および省エネ証書に関する引当
金が含まれている。この期間における引当金の増加は、主に英国における再生可能エネルギー証書の割当に対応している。再
生可能エネルギー証書制度に基づく義務の多くは、無形資産に計上される購入証書により賄われている。
その他のリスクおよび負債引当金
2022年６月30日現在、その他のリスクおよび負債引当金は、2022年３月11日付政令およびその施行令により導入された特定
追加ARENH制度に係る2022年度下半期の費用として2,749百万ユーロの引当金も含んでいる。この引当金は、当下半期に当該電
力販売および購入が行われた場合にその時点で取り崩される（注記5.3を参照）。
原子力発電量目標の280-300TWhへの改定（注記２を参照）を前提に、2022年６月30日現在、この項目はまた、2022年度に予
想される発電容量不足に対する引当金48百万ユーロも含んでいる。
全般に、これらの引当金は事業に関係する多様な偶発事象および費用（従業員利益分配への雇用主のマッチング拠出、事業
再編成、約定保守義務等）を対象としている。個別の引当金には重要性はない。
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非常に稀な状況では、情報開示によって当グループが著しい損害を受けることとなり得る場合、引当金が対象とする特定の
訴訟に関する記載を財務諸表注記に含めないことが認められる。
2021年12月31日現在、その他のリスクおよび負債引当金は、フランス競争当局（ADLC）に対する手続に関連する引当金を含
んでいる。2022年２月22日、和解手続においてADLCは、EDFグループに対し、その支配的地位の乱用につき300百万ユーロの制
裁金を科した。この引当金は、2022年７月に支払った当該費用の認識時に取り崩された。
16.3 偶発債務
以下に記載する手続を除き、2022年度上半期中において、2021年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記17.3に記載され
た当グループの偶発債務について観察された変更はなかった。
16.3.1 税務調査
EDF
2008年度から2019年度の期間について、EDFは、特に特定の長期原子力負債の損金算入可能性に関する修正勧告の通知を受け
た。2017年度に下された２件および2019年度に下された１件の判決において、モントルイユ行政裁判所は、これらの負債の損
金算入可能性を認め、当社の取った立場の正当性を追認した。当該大臣は当該２件の判決に対して控訴した。2020年１月に
ヴェルサイユ行政裁判所は、2008年度についてEDFの立場を支持したが、当該大臣は控訴した。2020年12月11日付決定におい
て、国務院はヴェルサイユ裁判所の決定を覆し、同裁判所に当該訴訟を差し戻した。2021年６月17日、同裁判所は当社に不利
な判決を下し、それまで当社に有利であった一審判決を取り消した。この判決の履行として、EDFは2021年７月に374百万ユー
ロを、2014年度および2015年度について85百万ユーロを支払った。当社はこの判決に対し国務院に上訴を提起し、引き続きそ
の決定を待っている。EDFは2017年より後の年度について、残存リスク全体に対する純税金負債を認識した。
2012年度から2019年度の期間について、フランスの税務当局は当社に対し、企業付加価値税（Contribution sur la Valeur
Ajoutée des Entreprises）に関する一定の反復的な税務再査定を通知し、一部の長期原子力引当金の損金算入可能性に疑義を
唱えた。この件に関してはモントルイユ行政裁判所が近日中に判決を下す見込みである。
EDF International
EDF Internationalの2009年度から2014年度の税務調査の結果、フランスの税務当局は、British Energy取得資金の借換のた
めに発行した転換社債の評価に疑義を唱えた。関連する金額は総額約310百万ユーロである。EDF Internationalはこの更正に
異義を申し立てた。
モントルイユ行政裁判所は、2009年度-2013年度に係る2019年７月２日の判決および2014年度に係る2020年１月30日の判決に
おいて、税金の更正を追認した。このため同社は、判決の履行として当該税金を支払うと同時に、不服申立ても提起した。
2022年１月25日の判決で、ヴェルサイユ行政裁判所はEDF Internationalを支持し、一審判決を取り消し、通知された更生を無
効とした。2022年度初めに、EDF Internationalは支払済の全額の払戻しを受けた。大臣はこの判決に対し国務院に上訴を提起
した。
16.3.2 フランスの競争当局（「ADLC」）による調査
2021年12月31日現在、フランスの競争当局（ADLC）は、４件の個別事項に関連してEDFグループを調査しており、それは2021
年12月31日現在の連結財務諸表に対する注記に記載されている。
2022年度上半期において、これらの調査のうち２件目の調査に重要な進展があった。当該調査は2017年６月19日にEngieが提
出した訴状を受けたものであり、EDFの電力およびガスの小売販売に関する商慣行、特に当該料金が廃止目前であった2015年度
末から規制「緑色」および「黄色」料金を支払っている顧客のファイルへのアクセスを、EDFが要求に応じて電力供給会社に提
供した状況に関連している。2016年11月に行われた捜索および押収作業で集められた文書がEngie訴訟において使用された。
2021年５月27日に、EDF、Dalkia、Dalkia Smart Building、CitelumおよびChamは、電気およびガス小売の供給市場、マルチ技
術管理/保守およびエネルギー最適化サービス、ならびに省エネ証書の発行につながるエネルギー制御措置に関するADLCの異議
について通知を受けた。
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2022年２月22日にADLCは、電力供給部門における市場シェアの維持ならびに関連するガス供給およびエネルギー・サービス
市場における地位の強化をEDFグループに可能にしたと主張される支配的地位を乱用した慣行につき300百万ユーロの制裁金を
科 した。EDFはこの訴訟の和解手続によって恩恵を受け、２つの確約を行った。１つ目は、「青色」規制料金の顧客ファイルを
要求に応じて代替電力供給業者に提供すること、２つ目は、「青色」料金の既存および見込み顧客の電話加入手続を、市場価
格契約の既存および見込み顧客の手続と分離することである。関連する引当金が、2021年12月31日現在で認識された。これ
は、2022年７月に支払った当該費用の認識時に取り崩された（注記16.2を参照）。
他の３件のADLC調査には重要な進展はなかった。
最後に、2022年１月18日付決定においてADLCは、ANODE（全国小売エネルギー事業者協会）がEDFに対して行った不服申立て
および暫定措置申請を却下した。この不服申立ては、「青色」規制販売料金の廃止に関係して2020年12月31日付で後続の市場
価格契約に自動的に切り替えられた非住宅顧客のデータベースへのアクセス提供をEDFが拒否したことに関係していた。ただし
ADLCは、ANODEの論拠について、主張された慣行の存在を立証する十分な証拠の裏付けがないと判断した。ANODEはこの決定に
対し2022年３月１日付でパリ控訴裁判所に上訴を提起した。
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注記17．金融資産および負債
17.1 金融資産
17.1.1 流動および非流動金融資産の内訳
流動および非流動金融資産の内訳は、以下の通りである。
2022年６月30日現在 2021年12月31日現在
流動 非流動 合計 流動 非流動 合計
（単位：百万ユーロ）
リサイクルを伴うOCIを通じて公正価値で
10,519 5,810 16,329
21,254 5,720 26,974
測定する商品
リサイクルを伴わないOCIを通じて公正価
41 258 299 37 253 290
値で測定する商品
2,041 22,462 24,503
2,855 25,369 28,224
純損益を通じて公正価値で測定する商品
23,336 28,440 51,776 13,411 31,432 44,843
負債証券または持分証券
トレーディング・デリバティブ－正の公
20,061 20,061
47,337 - 47,337 -
正価値
ヘッジ目的デリバティブ－正の公正価値 (1) 14,568 7,297 21,865 4,522 5,388 9,910
1,300 18,050 19,350 1,943 18,789 20,732
貸付金および金融債権 (2)
86,541 53,787 140,328 39,937 55,609 95,546
流動および非流動金融資産
(1 ）純負債額に含まれる負債をヘッジするデリバティブ 4,689 百万ユーロを含む(注記 18.2 を参照)。
(2) 2022 年６月30日現在(370)百万ユーロの減損を含む（2021年12月31日現在(299)百万ユーロ）。
トレーディング・デリバティブの正の公正価値の増加（+273億ユーロ）は、トレーディング業務に使用されるデリバティブ
の価値の増加によるものであり、主に2022年度上半期に観察されたコモディティ市場の価格変動およびこれより程度は少ない
が契約量の増加に関連している。
17.1.2 負債証券および持分証券
負債証券および持分証券の詳細は以下の表の通りである。
2021 年
2022 年６月30日現在 12月31日現在
リサイクルを伴う リサイクルを伴わ
OCIを通じて ないOCIを通じて 純損益を通じて
公正価値で 公正価値で 公正価値で
（単位：百万ユーロ）
測定するもの 測定するもの 測定するもの 合計 合計
負債証券および持分証券
5,538 - 21,806 27,344 31,013
EDFの専用資産
21,341 - 1,982 23,323 12,737
流動性の高い資産
95 299 715 1,109 1,093
その他の資産(1)
26,974 299 24,503 51,776 44,843
合計
(1) 非連結会社に対する投資。
EDFの専用資産に関する詳細な情報は、注記14.1.2に記載されている。専用資産に関する全体的な管理方針は、2021年12月31
日現在の連結財務諸表に対する注記15.1.2に記載されている。
自己資本に計上された公正価値の変動
期中の負債証券および持分証券の公正価値の変動は、以下のように自己資本（EDF持分）に計上された。
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2022 年度上半期 2021 年度上半期
リサイクルを リサイクルを
リサイクルを
伴わないOCI 伴わないOCI
リサイクルを
伴うOCIを
を通じて測定 を通じて測定
伴うOCIを 純損益に 純損益に
通じて測定
するものに するものに
通じて測定 リサイクル リサイクル
するものに計
計上された 計上された
された公正 された公正
するものに計上 上された公正
公正価値の 価値の 公正価値の 価値の
された公正価値 価値の変動総
の変動総額(1) 変動総額(1) 変動総額(2) 額(1) 変動総額(1) 変動総額(2)
（単位：百万ユーロ）
(753) - (116) (148) - 34
EDFの専用資産
(591) - (24) (26) - 8
流動性の高い資産
- (4) - - 15 -
その他の資産
(1,344) (4) (140) (174) 15 42
負債証券および持分証券(3)
(1) +/( ) ：自己資本（EDF持分）の増加/(減少)
(2) +/( ) ：純利益（EDF持分）の増加/(減少)
(3) 関連会社および共同支配企業を除く。
2022年度上半期におけるリサイクルを伴うOCIを通じて測定するものに計上された公正価値の変動総額（損益への組替前）
は、主にEDFに関係している（専用資産分(637)百万ユーロを含む、(1,204)百万ユーロ）。2021年度上半期におけるリサイクル
を伴うOCIを通じて測定するものに計上された公正価値の変動総額（損益への組替前）は、主にEDFに関係している（専用資産
分(182)百万ユーロを含む、(216)百万ユーロ）。
2022年度上半期に計上された重要な減損はなかった。
17.1.3 貸付金および金融債権
貸付金および金融債権は以下から構成されている。
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
NLF向け債権
14,818 15,986
4,532 4,746
貸付金および金融債権－その他
貸付金および金融債権 19,350 20,732
2022年６月30日現在、貸付金および金融債権には、主に以下が含まれている。
・ 2022年６月30日現在総額14,818百万ユーロ（2021年12月31日現在総額15,986百万ユーロ）の原子力長期債務の填補の
ための原子力負債基金NLFおよび英国政府からの払戻債権を示す金額（対象となる引当金と同じ割引率による割引後）
（注記14.2を参照）。
・ その他の貸付金および金融債権には、特に以下のものが含まれている。
・ EDF EnergyのEDFG（ESPSのEDFグループ）年金制度の積立超過額2022年６月30日現在2,874百万ユーロ（2021年12
月31日現在2,733百万ユーロ）。
・ 長期原子力債務の填補のためにLuminusがSynatomに支払った前払金に相当する金額2022年６月30日現在253百万
ユーロ（2021年12月31日現在282百万ユーロ）。Luminusの財務諸表上、これらの金額は、積立対象である引当金
と同じ割引率により割り引かれている。この債権は、LuminusのためにSynatomが保有する基金資産の公正価値に
相当する。
・ EDF Renewablesがプロジェクト開発業務の過程で、主にフランスおよび北米の風力発電所に関連しておこなった
貸付金2022年６月30日現在672百万ユーロ（2021年12月31日現在525百万ユーロ）。
17.2 金融負債
17.2.1 流動および非流動金融負債の内訳
流動および非流動金融負債の内訳は、以下の通りである。
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2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
非流動 流動 合計 非流動 流動 合計
借入金およびその他の金融負債
63,720 13,705 77,425 54,334 15,072 69,406
トレーディング・デリバティブ
- 46,601 46,601 - 22,027 22,027
-負の公正価値
ヘッジ・デリバティブ-負の公
4,354 14,887 19,241 2,209 7,915 10,124
正価値(1)
金融負債
68,074 75,193 143,267 56,543 45,014 101,557
(1 ）純負債額に含まれる負債をヘッジするために使用されたデリバティブ796百万ユーロを含む(注記18.2を参照)。
トレーディング・デリバティブの負の公正価値の増加（+251億ユーロ）は、トレーディング業務に使用されるデリバティブ
の価値の増加によるものであり、主に2022年度上半期に観察されたコモディティ市場の価格変動およびこれより程度は少ない
が契約量の増加に関連している。
17.2 .2 借入金およびその他の金融負債
17.2 .2.1 借入金およびその他の金融負債の変動
金融機関
からの その他の
債券 借入金 金融負債 リース負債 未払利息 合計
(単位：百万ユーロ)
49,242 3,690 10,992 4,337 1,145 69,406
2021 年12月31日現在残高
増加 - 13,452 1,927 146 58 15,583
減少 (2,332) (99) (3,301) (348) (27) (6,107)
換算調整 (3) 166 10 22 2 197
連結範囲の変更 - 9 (10) (9) - (10)
公正価値の変動 (1,829) (1) 24 - - (1,806)
- (2) 77 92 (5) 162
その他の変動
45,078 17,215 9,719 4,240 1,173 77,425
2022 年６月30日現在残高
金融機関からの借入金 に関する2022年度の主な取引は、新規二者間与信枠12本103億ユーロおよび満期３年の22億ドル（合計
124億ユーロ）の締結、ならびに2032年満期の欧州投資銀行与信枠の新規引出し８億ユーロであった。
債券 の償還は当期間中に合計23億ユーロ（2022年１月20億ユーロ、2022年６月３億ユーロ）であった。
2022年度上半期における その他の金融負債 の変動には、主に譲渡可能負債証券の純減少(2,381)百万ユーロおよび、買戻契約
の下で複数の銀行に譲渡された負債証券に対し受け取った現金に関して認識された1,047百万ユーロが含まれている。これらの
取引は、純負債に影響を与えていない。
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キャッシュ・フロー計算書に表示された借入債務の発行および返済の内訳は以下の通りである。
金融機関
ヘッジ・
2022 年
からの その他の
デリバティブ
債券 借入金 金融負債 リース負債 の終了 ６月30日現在
(単位：百万ユーロ)
借入債務の発行 - 13,452 1,927 - (9) 15,370
(2,332) (99) (3,301) (348) 97 (5,983)
借入債務の返済
17.2.2.2 当グループの主要な借入
2022年６月30日現在における当グループの主要な借入（グリーン・ボンドおよびOCÉANEsを除く）は、以下の通りである。
発行日 満期
借入の種類
企業 発行金額 通貨 利率
（単位：百万通貨単位）
月/年* 月/年
ユーロMTN EDF 09/2012 03/2023 2,000 ユーロ 2.75％
ユーロMTN EDF 09/2009 09/2024 2,500 ユーロ 4.63％
ユーロMTN EDF 11/2010 11/2025 750 ユーロ 4.00％
社債 EDF 01/2017 01/2027 107,900 日本円 1.09％
ユーロMTN EDF 03/2012 03/2027 1,000 ユーロ 4.13％
社債 EDF 09/2018 09/2028 1,800 米ドル 4.50％
ユーロMTN EDF 04/2010 04/2030 1,500 ユーロ 4.63％
ユーロMTN EDF 10/2018 10/2030 1,000 ユーロ 2.00％
ユーロMTN EDF 07/2001 07/2031 650 英ポンド 5.88％
ユーロMTN EDF 02/2003 02/2033 850 ユーロ 5.63％
ユーロMTN EDF 06/2009 06/2034 1,500 英ポンド 6.13％
ユーロMTN EDF 10/2016 10/2036 750 ユーロ 1.88％
社債 EDF 09/2018 09/2038 650 米ドル 4.88％
社債 EDF 01/2009 01/2039 1,750 米ドル 6.95％
社債 EDF 01/2010 01/2040 850 米ドル 5.60％
ユーロMTN EDF 11/2010 11/2040 750 ユーロ 4.50％
ユーロMTN EDF 10/2011 10/2041 1,250 英ポンド 5.50％
社債 EDF 01/2014 01/2044 1,000 米ドル 4.88％
社債 EDF 10/2015 10/2045 1,500 米ドル 4.75％
社債 EDF 10/2015 10/2045 1,150 米ドル 4.95％
社債 EDF 09/2018 09/2048 1,300 米ドル 5.00％
ユーロMTN EDF 12/2019 12/2049 1,250 ユーロ 2.00％
ユーロMTN EDF 09/2010 09/2050 1,000 英ポンド 5.13％
ユーロMTN EDF 10/2016 10/2056 2,164 米ドル 4.99％
ユーロMTN EDF 11/2019 12/2069 2,000 米ドル 4.50％
社債 EDF 01/2014 01/2114 700 米ドル 6.00％
社債 EDF 01/2014 01/2114 1,350 英ポンド 6.00％
* 資金受領日。
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2022年６月30日現在、当グループの主要なグリーン・ボンドは以下の通りである。
発行日 満期
借入の種類
企業 発行金額 通貨 利率
（単位：百万通貨単位）
月/年 月/年
社債（グリーン・ボンド） EDF 10/2015 10/2025 1,250 米ドル 3.63％
ユーロMTN（グリーン・ボンド） EDF 10/2016 10/2026 1,750 ユーロ 1.00％
ユーロMTN（グリーン・ボンド） EDF 11/2021 11/2033 1,850 ユーロ 1.00％
2020年９月８日に、EDFは、新株式への転換および／または既発行株式との交換可能なグリーン・ボンド（OCÉANEs Vertes）
の募集を行った。この発行の主な特徴は以下の通りである。
発行日 満期
借入の種類
企業 発行金額 通貨 利率
（単位：百万通貨単位）
月/年 月/年
OCÉANEs Vertes
EDF 09/2020 09/2024 2,400 ユーロ 0％
これらの債券の保有者は、それらをEDFの新株式に転換および／または既存のEDF株式と交換する権利を有する。
転換および／または交換比率は、発行条件に記載された希薄化防止および配当保護を含む標準的な調整を条件として、債券
１口当たり１株と設定されていた。
2021年度において、当該転換／交換比率は、EDF株主に対する2020年度の配当金分配に関し2021年６月７日から債券１口当た
りEDF株式1.018株に引き上げられ、2021年度の中間配当支払に関し2021年12月２日から債券１口当たりEDF株式1.042株に引き
上げられた。
2022年度において、当該転換／交換比率は、2022年４月７日の増資後に債券１口当たりEDF株式1.087株に、その後2021年度
の配当金が支払われた2022年６月13日から債券１口当たりEDF株式1.124株に引き上げられた。最後に、従業員割当増資（注記
７を参照）に際し、当該転換／交換比率は2022年７月25日から債券１口当たりEDF株式1.129株に引き上げられた。
当該債券は、一定の状況を条件として、当社の選択により満期日前に償還される可能性がある。
既に転換、交換、償還または買戻しおよび消却された場合を除き、当該債券は満期到来時に額面金額にて償還される。
2022年度上半期中に署名した銀行与信枠124億ユーロは、全額が当上半期中に使用された。ユーロ建与信枠は３月および４月
に引き出され、2025年３月満期、金利は３か月物Euriborである。米ドル建与信枠は2022年４月および５月に引き出され、2025
年３月ないし４月満期、金利はSOFR CMP LOOKBACK（-5BD）（後決め金利参照期間５営業日前倒しの複利SOFR）である。
17.2 .2.3 借入金およびその他の金融負債の期日
金融機関
からの その他の
債券 借入金 金融負債 リース負債 未払利息 合計
(単位：百万ユーロ)
2,473 655 9,113 655 809 13,705
１年未満
10,912 14,510 105 2,032 118 27,677
１年から５年
31,693 2,050 501 1,553 246 36,043
５年超
借入金およびその他の金融
45,078 17,215 9,719 4,240 1,173 77,425
負債、2022年６月30日現在
17 .3 未使用与信枠
2022年６月30日現在、当グループは多様な銀行との間に、総額11,975百万ユーロ（2021年12月31日現在13,039百万ユー
ロ）の未使用与信枠を有している。この総額はESG基準に連動する与信枠10,042百万ユーロを含むが、この全額は2022年６月
30日現在未使用である（2021年12月31日現在9,348百万ユーロ）。
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2021 年
2022 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
確認与信枠 11,975 174 11,780 21 13,039
17 .4 借入金およびその他の金融負債の公正価値
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
公正価値 貸借対照表価額 公正価値 貸借対照表価額
（単位：百万ユーロ）
75,119 77,425 78,114 69,406
借入金およびその他の金融負債
17.5 ヘッジ・デリバティブの公正価値
自己資本（EDF持分）および純損益に計上されたヘッジ・デリバティブの公正価値の変動は、以下の通りである。
2021 年度
2022 年度上半期 2021 年度上半期
自己資本に 利益に振替ら
自己資本に 利益に振替ら 自己資本に 利益に振替ら
利益に振替 利益に振替 利益に振替
計上された れた公正価値
計上された れた公正価値 計上された れた公正価値
られた公正 られた公正 られた公正
公正価値の の変動総額 -
公正価値の の変動総額 - 価値の変動 公正価値の の変動総額 - 価値の変動 価値の変動
（単位：百万
変動総額 リサイクル
総額 - 総額 - 総額 -
変動総額 リサイクル 変動総額 リサイクル
ユーロ）
(1) (2)
(1) (2) 非有効部分 (1) (2) 非有効部分 非有効部分
金利ヘッジ
(98) - -
148 (4) (1) 36 - -
為替ヘッジ (38)
2,684 720
2,779 773 (70) 1,441 248 (29)
在外純投資
(1,078) (405) -
(74) - - (666) - -
ヘッジ
コモディティ・
(7,356) (2,198)
(2)
(1,396) (2,827) (133) (65) 367 (5)
ヘッジ
ヘッジ・デリバ
(1,883)
(5,848) (40)
1,457 (2,058) (204) 746 615 (34)
ティブ(3)
(1) +/( )：自己資本（EDF持分）の増加/(減少)。
(2) +/( )：純利益（EDF持分）の増加/(減少)。
(3) 関連会社および共同支配企業を除く。
2022年度上半期における自己資本（EDF持分）に計上されたヘッジ手段の公正価値の変動総額は、リサイクルを含めて+3,515
百万ユーロ（2021年度上半期+131百万ユーロ、2021年度(3,965)百万ユーロ）である。
2022年度のこの変動は、在外純投資ヘッジの公正価値の変動総額(74)百万ユーロ（2021年度上半期(666)百万ユーロ、2021年
度(673)百万ユーロ）および金利、為替およびコモディティ・ヘッジの変動総額+3,589百万ユーロ（2021年度上半期+797百万
ユーロ、2021年度(3,292)百万ユーロ）による。連結包括利益計算書を参照のこと。
2022年度上半期にコモディティ・ヘッジに関連して減価償却費および償却費控除前営業利益に振り替えられた金額は(2,827)
百万ユーロであり、以下のものから構成される。
・ 主にフランス―発電と供給および英国セグメントに関する電力ヘッジ契約(1,787)百万ユーロ
・ 主にフランス―発電と供給および英国セグメントに関するガス・ヘッジ契約(1,102)百万ユーロ
・ その他のヘッジ契約+62百万ユーロ
注記18. 財務指標
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財務指標は会計基準に定義されておらず、当グループの財務諸表上には直接表示されていない。主な財務指標は以下の通り
である。
18.1 非経常項目を除く純利益
非経常項目を除く純利益は、非経常項目を除く純利益に対する当グループの持分（EDFの純利益）、トレーディング業務を除
くエネルギーおよびコモディティ・デリバティブの公正価値の純変動、ならびに負債性および資本性金融商品の公正価値の純
変動（税引後）に対応する。
既に記載した通り、2022年６月30日現在、純利益に対する当グループの持分（EDFの純利益）は、2022年３月11日付政令およ
びその施行令により導入された特定追加ARENH制度に係る2022年度下半期の費用として2,039百万ユーロ（税引後）の引当金繰
入額も含んでいる。この引当金は、当下半期に当該電力販売および購入が行われた場合にその時点で取り崩される。
以下の表は、EDFの純利益から非経常項目を除く純利益への経過を示している。
2022 年６月30日現在
2022年度上半期
注記 総額 法人所得税 非支配持分 EDFの純利益
（単位：百万ユーロ）
純利益
(5,293)
負債商品および資本性金融商品の公正価値の変動(1) 8.2 3,289 (850) (10) 2,429
エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの純変動
6 993 (247) - 746
（トレーディング業務を除く）
減損 390 (98) (25) 267
－固定資産の減損(2) 10.4 253 (66) (25) 162
－関連会社および共同支配企業に対する投資の減損(3) 11.2 137 (32) - 105
その他の項目 577 (37) (1) 539
－その他の収益および費用(4) 7 388 (109) (1) 278
－例外的利益に係る税金（イタリア） 9 - 71 - 71
純利益－非経常的項目を除く (1,312)
(1) 専用資産の公正価値ヘッジを含む。
(2) 2022年度におけるこの減損は特に、米国およびメキシコの風力発電所（(100)百万ユーロ）ならびに英国の土地の減損
（(121)百万ユーロ）に関連する。
(3) 2022 年度におけるこの減損は主に、米国の風力発電所((134)百万ユーロ)に関連する。
(4) 2022年度におけるその他の収益および費用は特に、フラマンヴィル３EPRの主要な二次回路の接合部の修理作業に関連する
例外的な追加費用総額(308)百万ユーロ、従業員割当(ERO)に係る費用(64)百万ユーロ、およびDalkia Russiaの売却損(15)
百万ユーロを含む。
2022年６月30日現在の非経常項目を除く純利益は(1,312)百万ユーロであり、2021年度上半期と比較して(5,052)百万ユーロ
減少した。
2021 年６月30日現在
2021年度上半期
注記 総額 法人所得税 非支配持分 EDFの純利益
（単位：百万ユーロ）
純利益
4,172
負債商品および資本性金融商品の公正価値の変動(1) 8.2 (1,917) 524 3 (1,390)
エネルギーおよびコモディティ・デリバティブの純変
6 541 (148) - 393
動（トレーディング業務を除く）
減損 603 (125) (66) 412
－固定資産の減損(2) 10.4 502 (125) (66) 311
－関連会社および共同支配企業に対する投資の減損 11.2 101 - - 101
その他の項目 160 20 (27) 153
－その他の営業収益および営業費用(3) 7 92 (1) (27) 64
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－フランスの火力発電所の加速償却 10.2 72 (20) - 52
(4)
(4) 41 - 37
－その他
純利益－非経常的項目を除く 3,740
(1) 専用資産の公正価値ヘッジならびに関連会社および共同支配企業に対する投資に含まれる負債商品および資本性金融商品
の公正価値の変動を含む。
(2) 2021年度上半期における減損は、ダンジェネス発電所資産についての(441)百万ユーロを含む。
(3) 2021 年度上半期におけるその他の営業収益および費用は主に、ArevaとEDFとの間の支払補償契約を適用して受け取った505
百万ユーロ、ダンジェネスの早期閉鎖に関連する費用(161)百万ユーロ、フラマンヴィル３EPRの主要な二次回路の接合部
の修理作業に関連する例外的な追加費用総額(278)百万ユーロを含む。
(4) この金額は、イタリアの資産の税務上の再評価を受けて認識された税金利益（2023年度からの英国の税率引上げによる不
利な影響相殺後）を含む（注記９を参照）。
18.2 純負債額
純負債額は、借入金および金融負債の合計から、現金および現金同等物ならびに流動性の高い資産を控除したものから成
る。流動性の高い資産は、ファンドまたは利付証券からなる、当初の満期３か月超で、容易に換金でき、流動性重視の方針に
従って運用されている金融資産である。
純負債額は以下の通りである。
注記 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
借入金およびその他の金融負債 77,425 69,406
17.2.2
17.1.1および
負債のヘッジに使用されたデリバティブ (3,893) (3,762)
17.2.1
現金および現金同等物 (7,418) (9,919)
負債証券および持分証券－流動性の高い資産 17.1.2 (23,323) (12,737)
(20) -
デリバティブ・ヘッジ資産
42,771 42,988
純負債額
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注記19．オフバランスシート・コミットメント
本注記は、2022年６月30日現在の当グループのオフバランスシート・コミットメント（付与および受取）を示している。コ
ミットメントの金額は割引前の契約価額に相当する。
19.1 コミットメント（付与）
注記 2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
業務コミットメント（付与）(1)
19.1.1 17,984 16,047
投資コミットメント（付与） 19.1.2 16,492 16,996
資金供与コミットメント（付与） 6,561 5,837
19.1.3
コミットメント（付与）合計
41,037 38,880
(1 ）燃料およびエネルギー購入ならびに借手としてのリースを除く。
ほぼすべての場合、これらは双務契約であり、関連する第三者が、営業、投資、財務活動に関連して当グループに資産また
はサービスの供給を行う契約義務を負っている。
19.1.1 業務コミットメント（付与）
19.1.1.1 燃料およびエネルギー購入コミットメント
2021年12月31日現在におけるコモディティ、エネルギーおよび核燃料購入（ガス購入および関連サービスを除く）コミット
メントは37,908百万ユーロであった。
これらのコミットメントは、主に電力料金の上昇および指標の更新（特にEDF EnergyおよびEDFについて）の結果、2022年度
上半期に増加した。
19.1.1.2 業務契約履行コミットメント（付与）
2022年６月30日現在、当該コミットメントの期限は以下のように到来する。
2021 年
2022 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
業務保証(付与)
9,478 3,435 2,933 3,110 8,693
業務購入コミットメント(1) 8,284 4,919 2,661 704 7,173
222 53 95 74 181
その他の業務コミットメント
業務契約履行コミットメント(付与)(2) 17,984 8,407 5,689 3,888 16,047
(1）燃料およびエネルギーは除外されている。
(2）被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント、2022年６月30日現在1,893百万ユーロ（2021年12月31日現
在1,928百万ユーロ）を含む。
事業の過程で、当グループは、通常、銀行を仲介として、契約履行保証を行っている。
業務保証は、2022年６月30日現在、主に、EDF Renewablesによりその開発プロジェクトに関連して付与された保証、
Edison、FramatomeおよびEDFにより付与された保証から成っている。これらの保証の変動は、基本的に、特に米国およびギリ
シャにおいて開発中のEDF Renewablesの新プロジェクトによるものである。
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業務購入コミットメント（燃料およびエネルギーを除く）の増加は、主にEDF、特にその発電所の保守のために付与されたコ
ミットメントに関連している。
19.1.1.3 リース・コミットメント（借手）
2021年12月31日現在、貸借対照表に認識されないリース・コミットメント(借手)は総額313百万ユーロであり、当グループが
まだ利用可能でない資産（主に不動産資産および建設中のLNG輸送船）に係る109百万ユーロを含む。この種の資産に係る新規
リースは2022年上半期中において総額約400百万ユーロが署名された。
19.1.2 投資コミットメント（付与）
2022年６月30日現在における投資コミットメントの詳細は、以下の通りである。
2021 年
2022 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
有形および無形資産購入関連コミットメント 15,360 9,043 5,941 376 15,905
金融資産購入関連コミットメント 940 166 664 110 929
192 180 12 -
162
投資に関連するその他のコミットメント
16,492 9,389 6,617 486 16,996
投資コミットメント（付与）合計(1)
(1）被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント、2022年６月30日現在201百万ユーロ（2021年12月31日現在
194百万ユーロ）を含む。
有形および無形資産購入関連コミットメントは、主としてEDF Energy、EDF SA、EnedisおよびEDF Renewablesに関連して
いる。
金融資産購入関連コミットメントは、主にDatabankへの投資のためにEDFがDigitalBridgeに付与した新たなコミットメント
に起因して2022年度上半期に増加した。これは、買収取引の完了により相殺された。
19.1.3 資金供与コミットメント（付与）
2022年６月30日現在の当グループによる資金供与コミットメント（付与）は、以下のものから成る。
2021 年
2022 年６月30日現在 12月31日現在
期限
合計 合計
（単位：百万ユーロ） １年未満 １年－５年 ５年超
不動産担保権
4,123 1,875 521 1,727 3,986
借入金関連保証 1,271 41 659 571 1,265
その他資金供与コミットメント 1,167 1,048 29 90 586
資金供与コミットメント（付与）合計(1)
6,561 2,964 1,209 2,388 5,837
(1）被支配事業体から共同支配企業へ付与されたコミットメント、2022年６月30日現在2,259百万ユーロ（2021年12月31日現
在1,597百万ユーロ）を含む。共同支配企業に対するこれらの資金供与コミットメントは、主に、EDF Renewablesに関連
している。
担保権および保証として提供された資産は、主として、EDF Renewablesの有形資産の担保権または抵当権、および有形固定資
産を所有する連結子会社への投資を表す株式に関係する。
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借入金関連保証の増加は、主にプロジェクト資金調達に関してEDF Renewablesが付与した保証に関係する。
資金供与コミットメント（付与）の増加は、主にJERA GMがEDF Tradingに対し与信枠３本の2021年度に行われた引出しを返
済したこと、ならびにブラジル、米国およびカナダにおける為替レートの上昇を反映している。
19 .2 コミットメント（受取）
以下の表は評価されている当グループのオフバランスシート・コミットメント（受取）を示している。
2022 年６月30日現在 2021 年12月31日現在
（単位：百万ユーロ）
業務コミットメント（受取）(1)
8,833 8,404
投資/撤退コミットメント（受取） 191 609
資金供与コミットメント（受取） 18 18
コミットメント（受取）合計(2)
9,042 9,031
(1 ）エネルギー供給および関連サービスに関連するコミットメントならびに貸手としてのオペレーティング・リース・コミッ
トメントを除く（2021年12月31日現在661百万ユーロ）。
(2 ）注記17.3に記載された与信枠に関連するコミットメントを除く。
業務販売コミットメント（受取）は、エネルギー引渡しを除き、基本的に、Framatomeで出来高基準により計上される契約を
通じて行われる確定注文（建設およびエンジニアリング契約）およびEDF Renewables（運営サービス、保守サービス、ならび
に、仕組資産の開発および売却契約）に関連している。
投資/撤退コミットメント（受取）の減少は、EDFが所有する有価証券の買戻契約に関連する受取保証の終了によるものであ
る。
注記20．後発事象
フランス首相の発表およびフランス金融市場庁との協議を受けて、EDF SAは2022年７月13日に、同社株式の取引停止を要請
した。フランス政府が下記の声明を公表した後、７月19日に取引が再開された。
EDF の上場廃止を目的としたフランス政府によるEDF株式の簡易公開買付の開始
2022年７月19日に、EDF SA（以下「EDF」）の過半数株主であるフランス政府は、当社の上場廃止を目的として、国以外の者
が保有するEDF株式を買い取る意向を発表した。この計画は、気候上の緊急事態を背景に、地政学的な状況から、発電、送電お
よび配電設備に関する超長期計画を策定する能力を含め、フランスの独立性およびエネルギー主権を確保するために強い決断
力が必要とされる中で実施されるものである。国が単独株主となるこの新形態においてEDFは、同共和国大統領がベルフォール
の演説で発表した極めて重要なプロジェクト数件、特に2050年までにEPR2技術の原子炉６基を建設する計画を、より迅速に推
進することが可能となる。これらのプロジェクトは今後数十年にわたり当社を支えていくものであり、その間、EDFはフランス
のエネルギー供給において極めて重要な役割を果たし続けることになる。このことが、この国益に適う使命を長期的に果たす
ために同グループが適切なガバナンスと必要な資源、特に財源を具備することを国が確保しようとする理由である。これを達
成するために国は、フランスの金融市場庁（以下「AMF」）に提出予定の簡易公開買付（以下「本公開買付」）を通じて、本公
１
開買付の資金に必要な予算を配分する2022年度改正財政法の成立を条件に、国が保有していないEDF資本金の15.9％ ならび
２
に、新株式へ転換および／または既発行株式と交換できる社債（以下「OCÉANE債」）の60％を買い取る意向である 。
1 従業員割当増資前。
2 2022年６月30日現在の発行済・全額払込済資本金に基づく。
審査のためにAMFに提出される本公開買付の草案では、以下の価格とすることが提案されている。
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・ 配当権付EDF株式１株当たり12.0ユーロ。2022年７月５日（EDF資本金の100％を保有する国の意向に関する首相発表の前
日）の株式市場終値、2022年７月５日の前60日間、および12か月間の株式市場の出来高加重平均価格に対し、それぞれ
53％、46％および34％のプレミアムを乗せたものに相当する。
・ OCÉANE債１口当たり15.64ユーロ。本公開買付の開始日を、説明のため仮に2022年９月29日とした場合の調整後の転換比
３
率に基づく 。
3 この場合、調整後の転換比率は、1.1240に代えて1.3030となる。
４
本公開買付は、該当すれば実施条件が満たされた場合に強制買取手続 に移行する。本公開買付は、国が保有していないEDF
株式およびEDFのOCÉANE債の100％が本公開買付に応じたと仮定した場合、株式およびOCÉANE債に係る現金総額約97億ユーロに
相当すると予想される。本公開買付は、本公開買付の資金に必要な予算を承認する2022年度改正財政法の成立を条件として、
2022年９月上旬にAMFに提出される予定である。本公開買付の草案および目論見書の草案が審査のためにAMFに提出され、AMFは
適用法令への準拠性を査定する。また、EDFが選任した独立専門家が、本公開買付の提案された財務的条件について専門家の意
見を作成する。
4 フランスの通貨金融法第L433-4条に基づく。
７月26日火曜日に、フランス議会で2022年度補正予算案が審議され、EDF株式に係る国の公開買付について十分な資金提供が
承認された。
特別委員会の設置
2022年７月19日にEDFは、同社取締役会を2022年７月19日に開催したことならびに、本公開買付に必要な財源を提供する2022
年度改正財政法（現在国民議会で審議中）の成立を条件として、フランス国が保有していない当社株式および当社が発行した
2024年満期の新株式へ転換および／または既発行株式と交換できる社債（以下「OCÉANE債」）に対し、以下の価格で簡易公開
買付（以下「本公開買付」）を提出するとのフランス国の意向を確認したことを発表した。
・ 配当権付EDF株式１株当たり12.0ユーロ。
・ OCÉANE債１口当たり15.64ユーロ。本公開買付の開始日を2022年９月29日とした説明のためのシナリオに基づく転換比率
１
の調整を考慮した 。
1 この場合、調整後の転換比率は、1.1240に代えて1.3030となる。
フランス国は、本公開買付に必要な財源を提供する2022年度改正財政法の成立を条件に、2022年９月初旬までに本公開買付
をAMFに提出する予定である。
法律上および規制上の条件が満たされた場合には、本公開買付は、本公開買付終了時点でフランス国が保有していないすべ
ての株式およびOCÉANE債について強制買取手続に移行する。
AMFの一般規則第261-1-III条に準拠して、当社の取締役会は特別委員会を設置した。
この特別委員会は、取締役会が選任する独立専門家を推薦すること、取締役会が選任した独立専門家の業務を監視するこ
と、および当社、株主、OCÉANE債保有者および従業員にとっての本公開買付の便益について取締役会に勧告を行うことを任務
とする。
AMFの一般規則第261-1-I条１項および５項ならびに第261-1-II条に準拠して、取締役会は、特別委員会の提案に基づき2022
年７月27日付決定により、本公開買付の財務的条件および該当する場合にはその後移行するスクイーズアウトについてAMF訓令
2006-08およびAMF勧告2006-15に定める条件に基づき報告書を作成するための独立専門家としてFinexsi氏を選任した。
取締役会は、独立専門家の報告書および特別委員会の勧告を確認した上で、提案された本公開買付について、理由付き意見
書を公表する予定である。
独立専門家の報告書および当社取締役会の理由付き意見書は、当社の回答文書草案に含まれる予定である。
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２【その他】
( １) 後発事象
後発事象の詳細な記述については、本書「 第３ ３（３）⑧後発事象 」および 2022 年６月30日 現在の要約中間連結財務書類の
注記20 を参照。
( ２) 訴訟
EDFグループに関する主要な訴訟は、2021年度有価証券報告書の「第一部 第６ ３（２）訴訟」に記載されている。以下に記
載される情報は、 2022 年６月30日 現在の要約中間連結財務書類の 注記16.3に記載される進展に加えて、 2022 年３月17日以後に
重要な進展があった訴訟に関するものである。
AMF による調査
2013年７月以降に市場に提供されている財務情報に関してAMFが行っている調査の一環として、2019年４月５日、AMFは、EDF
に対して２件の苦情を通知したが、EDFはこれに対して異議を唱えた。2020年７月28日、AMFの懲罰委員会（ Commission des
sanctions ）は、「ヒンクリ―・ポイントＣ原子力発電所プロジェクトの合意について欧州委員会が承認」と題する、2014年10
月21日付プレスリリースにおいて、ヒンクリ―・ポイントＣ原子力発電所の建設に関して虚偽の情報または誤解を生じさせる
ような情報を流布したことによる規則違反として、EDFに対しては５百万ユーロの罰金を科した。
しかしながら、懲罰委員会は、ヒンクリ―・ポイントＣプロジェクトの情報が当グループの財務書類に完全に連結され始め
たことにより（当該情報は2015年９月21日に市場に公表された。）、かかるプロジェクトを遂行するというEDFの決定に関する
内部情報を直ちに開示する義務に違反していないとして、この点について EDF および当時の会長兼最高経営責任者の両者を免責
した。
2020年10月５日、EDFはパリ控訴院に上訴し、根拠とされる苦情に関する限り、この決定に異議を唱えた。EDFの上訴を受
け、AMFの局長も 懲罰委員会 の決定に対して2020年12月３日に交差上訴を行い、EDFに科される罰金額を８百万ユーロに引き上
げるよう要求した。しかしながら、AMFの局長の交差上訴は、２つ目の苦情を棄却した 懲罰委員会 の決定に異議を唱えるもので
はなく、結果として、その点に関する決定は最終的なものとなった。
パリ控訴院は、2022年６月30日に決定を下した。パリ控訴院は、2014年10月８日付プレスリリースは虚偽の情報または誤解
を生じさせるような情報の流布に当たらないと判断してEDFの上訴を支持し、その結果として、AMFの懲罰委員会が根拠とした
EDFに対する苦情に関する決定を取り消した。またパリ控訴院は、AMFの局長の交差上訴も棄却した。この結果、EDFはAMFから
申し立てられていた苦情を完全に解消した。
CRE ／REMITによる調査
2016年12月１日、CRE（フランスのエネルギー規制委員会）は、EDFならびにその子会社であるEDF Trading Limited および
EDFT Markets Limited がエネルギー卸売市場の統合性および透明性（REMIT）に関する2011年10月25日付規則（EU）第1227/2011
号に違反するおそれのある行為を2016年４月１日以降行ったことが有罪に当たるか否かを判断するために、調査を実施した。
CREは、EDFに対し、2018年７月５日付の書簡にて、本件を紛争調停および制裁に関する委員会（CoRDis）に付託した旨の通知
を行った。2021年12月17日、EDFおよびEDF Trading Limitedは、苦情に関する通知をCoRDisから受け取り、それに対して2022年
２月14日に回答した。CoRDisは、2022年４月25日に決定を下した。かかる決定によれば、正当とみなされる苦情の範囲は縮小
され、EDFに対して50,000ユーロの罰金が科され、さらにEDF Trading Limited に対しても業務上のミスとして50,000ユーロの罰
金が科される。EDFおよびEDFTは、これらの決定に対して上訴しないことを決定した。
オランダの消費者・市場庁（ACM）は、（オランダに所在するコンバインド・サイクル・ガス火力発電所である）スロー発電
所の供給力に関して調査を開始した。2020年11月19日、EDFおよびEDF Trading Limitedは、ACMから苦情の通知を受領した。
2022年５月27日、ACMはEDFおよびEDFTに対し、調査の終了を決定したことを通知し、本件は終了した。
発電所の行政許可に対するNGOおよび団体による申立て
当グループの発電所のいくつかの許認可（原子力安全当局による承認、県による決定、政令、命令等）は、しばしば環境団
体の提唱により、法廷で争われてきた。
CGN の仲裁
1,750MWの原子炉２基を有する台山原子力発電所の建設、操業、維持管理および運営を行うために設立されたTNPJVC
Guangdong Taishan Nuclear Power Company Limited の株主間協定に基づき、EDFは2021年１月に、シンガポール国際商業会議所に
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おいて、パートナーのChina General Nuclear Power Co., Ltd 、Guangdong Nuclear Power Investments Co., Ltd およびTaishan
Nuclear Power Industry Investments Co. Ltd （CGNグループ）に対して「解釈」の仲裁手続を開始した。
この意見の相違は、発電所の会計方針、特にその減価償却期間に関するものである。EDFは発電所の耐用年数に合わせて60年
を希望しているが、CGNはTNPJVCと同時期に終了する41年とすべきであると考えている。EDFは2021年11月に最初の仲裁要請を
提出し、CGNは2022年３月に回答している。ヒアリングは、2022年10月10日から14日に予定されている。
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３【日本の会計原則とIFRSとの相違】
EDF グループの2022年６月30日現在の連結財務諸表は、国際的な会計基準の適用に関する2002年７月19日付欧州規則
1606/2002に準拠して、2022年６月30日現在において国際会計基準審議会（IASB）により公表され、欧州連合により適用の承認
がなされている国際的な会計基準において規定された表示、認識および測定の規則に準拠して作成されている。これらの国際
的な会計基準は、IAS（国際会計基準）、IFRS（国際財務報告基準）ならびにSICおよびIFRIC解釈指針である。
これらの会計原則は日本において一般に公正妥当と認められる会計原則（以下「日本の会計原則」という。）とは、いくつ
かの点で異なる。本書記載の財務諸表に関する主な相違点は以下のとおりである。
(1) 連結財務諸表
(a) 連結財務諸表作成における在外子会社および関連会社の会計処理の統一
IFRS では、連結財務諸表は、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、統一的な会計方針を用いて作成され
る。
日本の会計原則では、連結財務諸表作成上、同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社および子会社
が採用する会計方針は、原則として統一されなければならない。ただし、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成におけ
る在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」により、在外子会社の財務諸表がIFRSまたは米国で一般に公正妥当と
認められる会計原則に準拠して作成されている場合、および国内子会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠し
た連結財務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合には、当面の間、日本の現行の会計基準との 整合性 を
維持するために一定の項目について修正すること（のれんの償却、退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、
研究開発費の支出時費用処理など）を条件として、これらの財務諸表を連結決算手続上利用できるとされている。
また、同一環境下で行われた同一の性質の取引等についての投資会社および持分法適用関連会社が採用する会計方針
は、企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従って統一することが要求されているが、その際には実務対応報
告第24号「持分法適用関連会社の会計処理に関する当面の取扱い」に従って、在外関連会社の財務諸表がIFRSまたは米国
会計基準に準拠して作成されている場合、および国内関連会社が指定国際会計基準または修正国際基準に準拠した連結財
務諸表を作成して有価証券報告書により開示している場合については、当面の間、上記の実務対応報告第18号で規定され
る在外子会社等に対する当面の取扱いを適用することができる。
(b) 連結方法
IFRS に基づき、当グループは、子会社、関連会社および共同支配企業に対する投資、ならびに共同支配事業に対する投
資について、以下の会計処理を行っている。
・ 被支配企業
子会社は、当グループが独占的支配を行使する会社であり、完全連結されている。当グループは、以下の３つの条件が
充足された場合に、当該企業を支配している。
- 当該企業に対するパワーを有している。
- 当該企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有している。
- 投資者のリターンの金額に影響するようにパワーを用いる能力を有している。
当グループは、支配の判定に際し、すべての事実および状況を考慮する。他の当事者による行使の場合も含め、すべて
の実質上潜在的に行使可能である議決権も考慮される。
・ 関連会社および共同支配企業に対する投資
関連会社は当グループが財務および営業の方針に重要な影響力を行使するが独占的支配または共同支配のいずれも有し
ていない企業である。当グループの投資が20％以上である場合には、重要な影響力が存在すると推定される。
共同支配企業は、当該企業に対して共同支配を行使する当事者（共同支配投資者）が、当該企業の純資産に対する権利
を有しているパートナーシップである。共同支配とは、少数のパートナーまたは株主によって共同で運営される企業の支
配を共有する契約上の合意であり、そのため、財務および営業の方針は当事者全員の同意による。
関連会社および共同支配企業に対する投資は持分法により会計処理されている。これらは、取得後に生じた純資産持分
に係る調整後、該当する場合には減損控除後の取得原価で貸借対照表に計上される。純利益に対する持分は、損益計算書
の「関連会社および共同支配企業の純利益に対する持分」に計上される。
・ 共同支配事業に対する投資
共同支配事業は、当該事業体に対して共同支配を行使する当事者（共同支配事業者）が、当該事業体の資産に対する直
接的な権利および負債に対する義務を有している共同支配の取り決めである。当グループは、共同支配事業の事業者とし
て、その投資に関連する資産および負債ならびに収益および費用を勘定科目ごとに報告する。
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日本の会計原則では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、実質支配力基準により連結の
範囲が決定され、支配の及ぶ会社（子会社）は連結の範囲に含まれる。ただし、子会社のうち支配が一時的であると認め
られる企業、または連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業については、連結の範囲に
含 めないこととされている。また、非連結子会社および重要な影響力を与えることができる会社（関連会社）について
は、持分法の適用範囲に含める。なお、日本においても、IFRSの共同支配企業に該当するものには持分法が適用される。
共同支配事業を定義する会計基準はないが、IFRSの共同支配事業に該当しうる組合等への出資については、その持分に係
る資産および負債ならびに収益および費用を、原則として純額で計上することが定められている。
(c) 非支配持分および非支配持分に帰属する純利益の表示
IFRS では、非支配持分は連結貸借対照表および連結自己資本変動計算書上、自己資本の一項目として表示される。連結
損益計算書上の「グループの純利益」および「純利益および自己資本直入損益計算書」の「純利益および自己資本直入損
益」には親会社の純利益および非支配持分に帰属する純利益の両方が含まれる。
日本の会計原則では、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に基づき、当期純損益には非支配株主に
帰属する当期純損益が含まれるが、非支配株主持分は子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分であり、連結貸借対照
表および連結株主資本等変動計算書上では株主資本とは区別される。
(2) 企業結合
(a) 事業の定義
欧州連合により2020年４月21日に採択された「企業結合―IFRS第３号の改訂：事業の定義」は、2020年１月１日以後に
生じた企業結合に適用され、事業の取得と資産グループの取得との区別を明確化することを意図している。それらは、企
業が事業（または業務）ではなく単一の識別可能な資産または類似する識別可能な資産のグループを取得したのか否かに
ついて、取得した総資産の公正価値のほとんどすべてが単一の資産または類似する資産のグループに集中しているか否か
に基づいて決定する集中度テストの使用を認めている。
日本の会計原則においては、事業は、企業活動を行うために組織化され、有機的一体として機能する経営資源と定義さ
れているが、事業の取得と資産グループの取得との区別を明確化する基準は設定されていない。
(b) 子会社の資産および負債の評価ならびに非支配持分の算定
IFRS では、IFRS第３号「企業結合」により、子会社の資産および負債は結合日時点の時価により評価され、非支配持分
は当該時価に非支配持分割合を乗じて算出される（全面時価評価法）。非支配持分は、公正価値（全部のれん方式）また
は被取得企業の純資産の公正価値の持分割合（部分のれん方式）のいずれかによる評価が認められる。この選択は取引毎
に行われる。
日本の会計原則においても、企業結合においては、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」に従って、
全面時価評価法が適用されている。ただし、全部のれん方式を適用することは認められず、部分のれん（購入のれん）方
式により親会社持分に対応するのれんのみが計上される。
(c) 取得に直接起因する関連コスト
取得に直接起因する関連コストは、IAS第32号およびIFRS第９号に準拠して計上が求められる債券または資本性金融商品
の発行費を除き、発生した期間の費用として扱われる。
ただし、非支配持分の取得または処分で企業の支配の喪失とならないものに直接要した取引コストは、当該企業の期中
の活動による損益には含まれず、資本に計上される。
日本の会計原則においても、取得関連費用は発生した事業年度の費用として処理するが、社債発行費または株式交付費
（(13)を参照）については繰延資産として計上することもできる。
(d) のれんの償却
IFRS では、のれんは償却されず、少なくとも年に１度、減損テストの対象とすることが要求される。
日本の会計原則では、のれんを20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法その他合理的な方法で規則的に償却す
ることが要求されている。のれんの未償却残高は、減損処理の対象となる。
(3) 異常損益項目の分類
IFRS では「異常損益項目」という概念は存在しない。
日本の会計原則では、異常損益項目は、臨時的かつ金額的に重要な損益項目、すなわち、特別損益項目として定義されて
いる。かかる項目には、固定資産売却損益、売買目的以外に分類される投資有価証券の売却損益、前期損益修正損益、災害
による損失等が含まれるが、これに限らない。
(4) 売上高
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IFRS 第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、売上高は、基本的に、エネルギー販売（最終顧客向けおよびトレー
ディング活動の一環としての）、送配電網の使用に関連した引渡しサービス、ならびに接続サービスによる収益から成る。こ
れらはまた、その他のサービスおよび財の引渡しによる収益、主にエンジニアリング、運営および保守サービス、エネルギー
販 売に関連したサービス、発電所またはその主要部品向けの設計、引渡しおよび試運転サービスによる収益を含む。エネル
ギー販売に係る収益は、顧客への引渡しが実行された時点で認識される。
供給済であるが未計測かつ未請求のエネルギーの量は、消費統計および販売価格見積りを用いて計算され、これに基づいて
売上高に認識される。
IFRS 第15号の本人か代理人かの区別に係る規定に準拠して、エネルギー引渡しサービスは、以下のいずれかに該当する場合
に、売上高に認識される。
・ これらのサービスを、エネルギー供給サービスと区別できない場合、または
・ エネルギー供給サービスと区別でき、特にサービス実施のリスクを負担するかまたは最終顧客への引渡し料金を設定
できることを理由に、当該事業体が本人とされる場合。
一部のグループ企業がそのリスク管理方針の下で実施するエネルギー・トレーディング業務および最適化取引は、購入額差
引後の純額で認識される。
その他のサービスまたは財の引渡しによる売上収益は、契約の分析に基づき、以下の３つの場合に、時の経過に従って認識
される。
・ 当グループがサービスを実施した時点で、顧客が同時に、当該サービスにより生み出されるすべての便益を受け取
り、かつ費消する場合（特に運営および保守サービスの場合）。
・ 供給する財またはサービスを他の顧客に再配分できず、当グループがその時点までに実施した作業に対する支払いに
権利を有する場合（特に発電所または一顧客のために特別に設計された主要部品向けの一定の設計、引渡しおよび試
運転業務の場合）。
・ 当該サービスが資産（財またはサービス）を生み出すかまたは向上させ、顧客が当該サービスの実施が進むに従い、
その支配を獲得する場合。
日本の会計原則では、2018年３月30日に企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」および企業会計基準適用指針
第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」（合わせて「同基準等」）が公表され、2021年４月１日以後開始する年度
の期首から適用されている。同基準等は、IFRS第15号の基本的な原則を取り入れることを出発点とし、これまで日本で行わ
れてきた実務等に配慮すべき項目がある場合には、比較可能性を損なわせない範囲で代替的な取扱いを追加することを基本
的な方針として開発が行われている。
なお、2021年３月26日に改正企業会計基準適用指針第30号が公表され、電気事業及びガス事業における決算月の検針日か
ら決算日までに生じた収益の見積りに係る使用量および単価の見積方法についての代替的な取扱いが定められている。改正
企業会計基準適用指針第30号は、2021年４月１日以後開始する年度の期首から適用される。代替的な取扱いでは、使用量の
見積りについては、その月の日数に対する未検針日数の割合に基づき日数按分により見積ること、単価の見積りについて
は、決算月の前年同月の平均単価を基礎とすることができるとされている。
(5) 研究開発費
IFRS では、研究費は発生した期に費用として計上される。IAS第38号の下で資産計上に適格な開発費は無形資産に計上さ
れ、予測可能な有効期間にわたり定額法で償却される。
日本の「研究開発費等に係る会計基準」では、研究開発費はすべて発生時に費用として処理することを求めている。ただ
し、企業結合により被取得企業から受け入れた研究開発に係る資産は、その他の限られた項目と合わせて、その適用範囲か
ら除かれている。
(6) リース取引
(a) 契約にリースが含まれているか否かの判定
IFRS 第16号に基づいて、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に
は、当該契約はリースであるかリースを含んでいるとされる。法形式上はリース契約ではないが、資産または特定の資産
グループの使用を支配する権利を購入者に与える識別された取決めは、当グループによりリースとして取り扱われ、IFRS
第16号を参照して分析される。
日本においては、 法形式上はリース契約ではないがリースとして認識すべき契約 に関する上記のような会計基準はな
い。
(b) 借手としてのリース契約の認識
IFRS 第16号は、短期リースおよび少額資産リースを除くすべてのリースを、当該リース資産が利用可能となった時点
で、使用権資産（「グループ所有発電用有形固定資産およびその他の有形資産」に表示）および当該リース・コミットメ
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ントに係る対応する金融負債（「流動および非流動金融負債」に表示）として、借手の貸借対照表に認識することを求め
ている。
リースの当初認識において、使用権資産およびリース負債は、関連するオプションが行使されることが合理的に確実で
ある場合にはリースの更新または解約に関する仮定を考慮に入れた上で、リース期間にわたる将来支払リース料を割り引
くことにより評価される。
一般に、リースの計算利子率を算定することは困難であることから、リース負債を割り引くために、借手の追加借入利
子率が使用される。この利子率は、EDFのゼロ・クーポン債金利を基礎とし、これを当該契約の当初認識日現在の通貨リス
ク、カントリー・リスク・プレミアム、リース契約期間および当該子会社の信用リスクについて調整したものである。一
定の場合には、子会社固有の追加借入利子率を基礎とする。
その後、使用権資産は予想リース期間にわたり償却され、リース負債は償却原価、すなわち金融損益に認識された利息
を加算し、支払ったリース料の額を減算した額をもって計上される。
当グループは、IFRS第16号により認められた２つの免除規定の適用を決定したため、期間が12か月以下のリースおよび
新規個別価額が5,000米ドル未満の資産のリースは、貸借対照表に認識しない。従って、これらのリースに係る支払は、
リース期間にわたり定額法により損益計算書に認識される。
日本では、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」により、リース取引は、「特定の物件の所有者たる貸
手が、当該物件の借手に対し、合意された期間にわたりこれを使用収益する権利を与え、借手は、合意された使用料を貸
手に支払う取引」と定義されている。借手は、リース取引をファイナンス・リース取引とそれ以外の取引（オペレーティ
ング・リース取引）に区分する。ファイナンス・リース取引とは、解約不能かつフルペイアウトの要件を満たすものをい
い、ファイナンス・リース取引に該当するかどうかについてはその経済的実質に基づいて判断すべきものであるとしてい
る。ただし、解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の概ね75％以上、または解約不能のリース期間中のリー
ス料総額の現在価値がリース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額の概ね90％以上のいずれ
かに該当する場合は、ファイナンス・リースと判定される。ファイナンス・リース取引については、リース資産および
リース債務を、原則として、リース契約締結時に合意されたリース料総額からこれに含まれている利息相当額の合理的な
見積額を控除する方法により計上する。当該利息相当額については、原則として、リース期間にわたり利息法により配分
する。オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。なお、少額
（リース契約１件当たりのリース料総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース）または短期（１年以内）の
ファイナンス・リースについては、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
(7) のれんおよび長期性資産の減損
IFRS では、資産に著しい減損が生じたかもしれない兆候がある場合で、かつ、資産の回収可能価額（資産または資金生成
単位の公正価値から処分費用を控除した金額とその使用価値のいずれか高い金額と定義されている）が帳簿価額より低い場
合に、資産の減損損失が認識される。
IFRS に基づく資産の使用価値は、日本の会計原則における割引後将来キャッシュ・フローと類似している。また、資産の
公正価値の最善の証拠は、i)拘束力のある販売契約における価格、ii)市場価格、iii)貸借対照表日現在、取引の知識がある
自発的な当事者の間で独立第三者間取引条件による資産の売却から得られる金額について、事業体が入手することのできる
最善の情報とされている。一度認識された減損損失は、その後当該資産（のれんを除く）の減損の理由が存在しなくなった
か減少した場合には、戻し入れられる。
日本の会計原則では、資産または資産グループの減損の兆候が認められ、かつ帳簿価額が当該資産または資産グループの
継続的使用およびその最終的な処分から生じると見込まれる割引前将来キャッシュ・フローの総額を超過する場合に、回収
可能価額（正味売却価額と使用価値のいずれか高い方）と帳簿価額の差額につき減損損失が認識される。また、一度認識さ
れた減損損失をその後の期間において戻し入れることは認められない。
(8) サービス委譲契約
IFRS では、IFRIC第12号「サービス委譲契約」の対象となる委譲契約については、適用される報酬の方法に応じて、委譲契
約の運営者はインフラを無形資産または金融資産として計上する。
IFRIC 第12号の適用範囲外にある契約については、契約内容に応じて、IAS第16号、IAS第17号およびIAS第18号を適用する
ことを求めている。
委譲の大部分について、当グループは、実質的に、委譲者はIFRIC第12号に定義されるインフラに対する支配という性質を
持たないと考えている。そのため、IFRIC第12号は、当グループの委譲契約の特性により、連結貸借対照表および損益計算書
に限定的な影響しか与えていない。
日本では、企業会計基準委員会の実務対応報告第35号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務
上の取扱い」において、公共施設等運営権の対価について合理的に見積もられた支出額の総額を無形固定資産として計上
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し、原則として、運営権設定期間を耐用年数として定額法、定率法等の減価償却を行うこと等の、公共施設等運営事業にお
ける運営権者の会計処理が定められている。
(9) 補助金
IFRS では、補助金については、補助金を用いて取得した資産の直接減額を行うか、または受け取った補助金を負債に含
め、対応する資産の経済的便益の使用に応じて利益に振り替える。
日本の会計原則においては、補助金については、受け取った補助金を一時に損益計算書上の利益に計上するとともに、補
助金を用いて取得した資産に係る圧縮損の計上、または剰余金の処分として純資産の部の一項目の積立金により圧縮記帳を
行う。
(10) 金融商品
(a) 分類および測定
IFRS 第９号「金融商品」では、金融資産及び金融負債を以下のように分類し、測定することが要求されている。
金融資産については、金融資産の管理に関する企業の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フロー上の特性
の両方に基づき、以下のように事後測定するものに分類しなければならない。
・ 償却原価で事後測定するもの： 契約上のキャッシュ・フローを回収することを保有目的とする事業モデルの中で保
有され、契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
場合。
・ その他の包括利益を通じて公正価値で事後測定するもの： 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によっ
て目的が達成される事業モデルの中で保有され、契約条件により元本及び元本残高に対する利息の支払のみである
キャッシュ・フローが所定の日に生じる場合。
・ 純損益を通じて公正価値で事後測定するもの： 上記以外の場合。
ただし、企業は、当初認識時に、売買目的保有又はIFRS第3号「企業結合」が適用される企業結合における取得企業に
よって認識される条件付対価ではない資本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益に表示するという取消不
能の選択を行うことができる。
金融負債（公正価値オプション及び負債であるデリバティブ等を除く）については、償却原価で事後測定するものに分
類しなければならない。
またIFRS第９号では、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減するなどの一定の要件を満たす場合、当初認識時に金
融資産及び金融負債を純損益を通じて公正価値で測定するものとして取消不能の指定をすることができる（公正価値オプ
ション）。
日本では、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に従い、金融資産及び金融負債は以下のように測定され
る。
・ 売買目的有価証券は、時価で測定し、時価の変動は純損益に認識される。
・ 満期保有目的の債券は、取得原価又は償却原価で測定される。
・ 売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券（「その他有価証券」）
は、時価で測定し、時価の変動額は
a) 純資産に計上され、売却、減損あるいは回収時に損益計算書に計上されるか、又は
b) 個々の証券について、時価が原価を上回る場合には純資産に計上し、下回る場合には損益計算書に計上する。
・ 市場価格のない株式等については、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
・ 貸付金及び債権は、取得原価又は償却原価で測定される。
・ 金融負債のうち支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は債務額で測定される。但し、社債については、社
債金額よりも低い価格又は高い価格で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原
価法に基づいて算定された価額で評価しなければならない。
IFRS で認められている公正価値オプションに関する規定はない。
(b) ヘッジ
IFRS第９号「金融商品」が定義する適格要件を採用し、当グループは、ヘッジ会計の対象となる取引を以下のとおり識
別している。
・ ヘッジ関係は、適格なヘッジ手段およびヘッジ対象のみで構成されていなければならない。
・ ヘッジ関係は、公式に指定され、その開始時から文書化されていなければならない。
・ ヘッジ関係は、特にヘッジ比率に関し、ヘッジ有効性の要件を満たさなければならない。
キャッシュ・フロー・ヘッジの場合、ヘッジ対象である予定取引の発生可能性がかなり高くなければならない。ヘッジ
関係は、上記の適格要件を満たさなくなった場合に終了する。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了もしくは行使と
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なった場合、または当初文書化されたリスク管理目的に該当しなくなった場合が含まれる。当グループの外部デリバティ
ブおよび当グループの同様の外部取引とマッチングされた内部デリバティブのみが、ヘッジ会計に適格となる。
当グループは、ヘッジに以下の分類を使用している。
・ 公正価値ヘッジ
これらの金融商品は、貸借対照表に計上されている資産もしくは負債の公正価値の変動、または資産の購入・売却に関
する確定契約の公正価値変動のエクスポージャーをヘッジする。ヘッジ対象の公正価値変動額のうち当該項目のヘッジ対
象要素に起因するものは損益計算書に計上され、対応するヘッジ手段の公正価値変動額により相殺される。ヘッジの非有
効部分だけが、利益に影響する。
借入金および金融負債は、公正価値ヘッジの対象である債券を含む。ヘッジ会計を適用して、その貸借対照表価額は、
ヘッジ対象リスク（外国為替および金利リスク）に起因する公正価値変動額について調整される。
・ キャッシュ・フロー・ヘッジ
これらの金融商品は、発生可能性がかなり高い予定取引をヘッジする。ヘッジ対象取引により生ずるキャッシュ・フ
ローの変動は、ヘッジ手段の価額の変動により相殺される。
ヘッジの公正価値変動累計額のうちの有効部分は自己資本に計上され、非有効部分（すなわち、ヘッジ対象の公正価値
変動額を上回るヘッジ手段の公正価値変動額）は、損益計算書に計上される。
ヘッジ対象のキャッシュ・フローが現実に発生した時、それまで自己資本に計上された金額は、ヘッジ対象と同様に、
純損益にリサイクルされるかまたは、資産取得価額の修正として処理される。
・ 純投資のヘッジ
これらの金融商品は、当グループと機能通貨が異なる事業体への純投資に関わる外国為替リスクのエクスポージャーを
ヘッジする。ヘッジの公正価値変動累計額のうち有効部分は、当該純投資の売却または清算時まで自己資本に計上され、
売却の時点で売却損益に含めて計上される。非有効部分（キャッシュ・フロー・ヘッジに関するものと同様に定義され
る。）は、直接、損益計算書に計上される。
日本の会計原則では、ヘッジ会計の方法は、原則として、時価評価されているヘッジ手段に係る損益または評価差額を
繰延ヘッジ損益（その他の包括利益）として計上し、ヘッジ対象（相場変動等による損失の可能性がある資産または負債
で、予定取引により発生が見込まれる資産または負債も含まれる）に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰り
延べる方法（繰延ヘッジ）による。ただし、現時点ではその他有価証券のみを適用対象として、ヘッジ対象に係る相場変
動等を損益に反映させることにより、その損益とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する方法（時価ヘッ
ジ）の適用も認められている。在外営業活動体 に対する純投資に対するヘッジに関しては、IFRSと概ね同様の会計処理を
適用することが認められている。
また、ヘッジ全体が有効と判定され、ヘッジ会計の要件が満たされている場合には、ヘッジ手段に生じた損益のうち結
果的に非有効となった部分についても、ヘッジ会計の対象として繰延処理を行うことができる（なお、合理的に区分でき
る非有効部分については当期の純損益に計上することができる）。
金利スワップや為替予約を使用したヘッジ会計については、一定の総合的な処理が認められている。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値または償却原価で測定する金融資産の減損
IFRS 第９号「金融商品」は予想信用損失（ECL）に基づく減損モデルを規定している。債券ポートフォリオの有価証券に
ついては、当グループは、信用リスクが低い相手先に対し、格付に基づくアプローチを適用している。リスク管理方針を
適用して、当グループの債券ポートフォリオはほぼ全て、「投資適格」である信用リスクの低い相手先の発行商品から構
成されている。この状況において、ECLは決算日後12か月の期間にわたり見積られている。信用リスクの著しい増大を示す
閾値に至るのは、相手先が「投資適格」の格付けから外れた時である。その場合は、債務不履行リスクの著しい増大の結
果、当該商品の残存期間にわたりECLが再評価される可能性がある。
貸付金および債権については、当グループは、相手先ごとのデフォルト確率および信用リスクの変動の評価に基づくア
プローチを選択している。
日本の会計原則では、その他有価証券のうち、市場価格のない株式等以外のものについて時価が著しく下落したとき
は、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理
（減損処理）しなければならない。時価が50％程度以上下落した場合は著しく下落したときに該当する。また、回復する
見込みがあると認められるときとは、株式の場合は期末日後おおむね１年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準まで回復
する見込みがあることをいう。債券の場合は市場金利や信用リスク等の要因を考慮して回復する見込みについて判断する
必要がある。減損の戻入れは認められない。
(d) 金融資産および負債の認識中止
IFRS では、以下のいずれかの場合に金融資産の認識を中止する。
・ その資産が生み出すキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する場合
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・ 資産の所有に付随する実質的にすべてのリスクと経済価値を移転することにより、その金融資産に関連する契約上
のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡する場合。
譲渡した金融資産に生じた持分または当グループが留保する持分は、別の資産または負債として計上される。
当グループは、金融負債に係る契約上の義務が消滅、取消または満了したときに、認識を中止する。債務が貸手との間
で実質的に異なる条件で再交渉された場合には、新たな負債が認識される。
日本の会計原則では、譲渡金融資産の財務構成要素ごとに、支配が第三者に移転しているかどうかの判断に基づいて、
当該金融資産の認識の中止がなされる。
(e) 負債と資本の区分（金融商品の発行者における分類）
IFRS では、IAS第32号「金融商品：表示」に基づき、金融商品の発行者は、当初認識時に、契約の実質、並びに金融負
債、金融資産および資本性金融商品の定義に従って、金融負債、金融資産または資本性金融商品に分類する。
日本では、会社法上の株式として発行された金融商品は、純資産の部に計上される。
(11) その他の包括利益の項目の表示
IFRS では、包括利益計算書において、以下の項目を区別することが求められている。
・ リサイクルを伴う自己資本計上損益の構成項目。
・ リサイクルを伴わない自己資本計上損益の構成項目（これは雇用後給付に係る数理計算上の損益の変動についての
み関係する）。
・ これらの自己資本計上損益の種類毎の関連会社持分。
日本の会計原則では、その他の包括利益の項目について上記の区別を行うことは求められていない。
(12) 借入コスト
IFRS では、改訂後IAS第23号「借入コスト」により、適格資産の取得、建設または製造に直接的に起因する借入コストの即
時費用処理を認める選択肢が廃止され、これらの費用を当該資産の原価の一部として資産計上することが求められている。
適格資産とは、使用または販売に供されるまでに相当な期間を要する資産をいう。
日本の会計原則では、支払利息の取得原価算入は限定的な場合のみ認められるが、要求されてはいない。原則として、支
払利息は発生した期の費用として処理される。
(13) 新株発行費
IFRS では、新株発行費は、増資に明示的に関係する対外費用のみを含み、当該費用は、税引後の金額で、発行プレミアム
（資本剰余金）から控除される。その他の費用はすべて、当期の費用となる。
日本の会計原則においては、株式交付費（新株の発行または自己株式の処分に係る費用）は、原則として、支出時に費用
として処理する。ただし、企業規模の拡大のための資金調達などの財務活動に係る株式交付費については、繰延資産に計上
することができ、この場合には、３年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却しなければならない。
(14) 引当金
IFRS では、以下の３つの条件を満たす場合に引当金を計上する。
・ 決算日前までに過去の事象から生じた第三者に対する現在の債務（法的または解釈上の）がある場合。
・ その債務を支払うために、経済的便益を具現化した資源の流出が必要になる可能性が高い場合。
・ 債務額につき、信頼に足る見積りが可能な場合。
日本の会計原則では、将来の特定の費用または損失について、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高
く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、当期の負担に属する金額を当期の費用または損失として引当金に繰
り入れる。また、引当金の現在価値への割引に関する包括的な定めは存在しない。
(15) 従業員給付
(a) 雇用後給付に係る確定給付費用
IAS 第19号「従業員給付」では、確定給付費用の内訳を次のように認識することが求められている。
・ 勤務費用を純損益に認識する。
・ 確定給付負債（資産）の純額に係る利息純額を純損益に認識する。
・ 確定給付負債（資産）の純額の再測定をその他の包括利益に認識する。
その他の包括利益に認識した、確定給付負債（資産）の純額の再測定は、その後の期間において純損益に振り替えては
ならない。
同基準に基づき、EDFグループの従業員給付引当金は以下のように評価および認識されている。
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・ 権利未確定の過去勤務費用の即時認識。
・ 従業員給付制度の管理および金融費用の当期勤務費用への算入ならびに当該費用のために過年度に設定された引当金
からの相当額の戻入。
・ 制度資産からの収益控除後の債務にかかる利息費用に相当する「純利息費用」の金融損益への算入。制度資産は、現
在、債務の測定に適用される割引率と同じ率を使用して評価されている。債務の割引率と制度資産の実際運用収益率
との間の差額は自己資本に直入される。
当グループは、数理計算上の差異を「SoRIE」方式によって全額認識している。
日本の会計原則では、確定給付型年金制度について、過去勤務債務および数理計算上の差異の遅延認識が認められてお
り、原則として各期の発生額について平均残存勤務期間内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理する。数理計算上の
差異の当期発生額のうち費用処理されない部分（未認識数理計算上の差異）および過去勤務費用の当期発生額のうち費用
処理されない部分（未認識過去勤務費用）についてはいずれも、その他の包括利益に計上する。また、その他の包括利益
累計額に計上された未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用のうち、当期に費用処理された部分については、
その他の包括利益の調整（組替調整）を行う。割引率を含めた基礎率等の計算基礎に重要な変動が生じない場合には計算
基礎を変更しない等、計算基礎の決定にあたっては合理的な範囲で重要性による判断を認める方法（重要性基準）が定め
られている。また、制度資産については、日本では、期首の年金資産の額に合理的に予想される収益率（長期期待運用収
益率）を乗じて算定する。
(b) 有給休暇に対する引当て
IFRS では有給休暇に対する引当てを認識しなければならないが、日本の会計基準ではこうした引当ては要求されていな
い。
(16) 売却目的で保有する資産および負債ならびに非継続事業
IFRS では、売却目的で保有する資産および負債は、貸借対照表上、他の資産および負債とは区別して表示される。非継続
事業からの利益は、損益計算書上、単一の科目として税引後の純額で表示される。キャッシュ・フロー計算書においてもま
た、非継続事業の現金および現金同等物の純変動額は別科目として区分して報告される。
日本においては、売却目的で保有する資産および負債ならびに非継続事業に関する上記のような会計基準はない。ただ
し、売却または廃棄予定の固定資産は「固定資産の減損に係る会計基準」等に従って会計処理される。
(17) 賦課金
IFRS では、IFRIC解釈指針第21号において賦課金（公課および法人所得税以外の税金）に係る負債計上の契機となる事象が
明確にされている。同解釈指針は、税金負債計上の契機となる事象を、関連法規の適用下で賦課金の支払義務を生じさせる
活動と定義している。
この解釈指針は、企業がある特定の日現在で営業を行っているか、またはその活動においてある最低閾値に達した場合に
支払義務が生じる年次税の会計処理について取り扱っている。一定の税金は、通年にわたり配分されることなく契機となる
事象が生じた時点で一括計上され、多くの場合は上半期中に起こる。
日本においては、賦課金（公課および法人所得税以外の税金）に係る負債計上の契機となる事象について明確に規定した
会計基準はない。
(18) 財務活動から生じた負債の変動
IAS 第７号「キャッシュ・フロー計算書」では、キャッシュ・フロー計算書の「財務活動によるキャッシュ・フロー」区分
に記載された貸借対照表上の負債および金融資産の変動の調整表に利用可能な情報を、資金変動と非資金変動に区分して開
示することを会社に求めている。
日本の会計原則においては、このような財務活動から生じた負債の変動の開示について定める会計基準はない。
(19) 法人所得税の税務処理に関する不確実性
IFRS では、IFRIC第23号を適用して、法人所得税の取扱いに不確実性が伴う場合には、税金資産または負債が認識される。
選択した取扱いを税務当局が認容しない可能性が高いと当グループが考える場合には税金負債を認識し、既に支払済みの税
金を税務当局が還付する可能性が高いと考える場合には税金資産を認識する。これらの不確実性に関連する税金資産および
負債は、ケースごとに見積られ、実現可能性が最も高い金額ないし想定される様々な結果の加重平均により計上される。こ
れらの税金資産および負債は、繰延税金に含まれる。
日本では、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」において、過年度の所得等に対する法
人税、住民税及び事業税等の更正等による追徴および還付の場合の当該追徴税額及び還付税額、または、更正等により追徴
税額を納付したが当該追徴の内容を不服として法的手段を取る場合の還付税額の認識の閾値が定められている。同基準に基
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づき、当該追徴税額または当該還付税額を合理的に見積もることができる場合には、誤謬に該当する場合を除き、追徴され
る可能性が高い場合及び還付されることが確実に見込まれる場合に、それぞれ当該追徴税額および還付税額を損益に計上す
る ことが求められている。そのため、認識の閾値は、追徴の場合と還付の場合とで異なっている。更正等による追徴税額及
び還付税額は、法人税、地方法人税、住民税及び事業税（所得割）を表示した科目の次に、その内容を示す科目をもって表
示する。
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第７【外国為替相場の推移】
表示に用いられた通貨ユーロと日本円との間の為替相場が、２つ以上の日刊新聞紙に最近５年間において掲載されているた
め、記載を省略する。
第８【提出会社の参考情報】
書類名 提出年月日
( イ) 有価証券報告書
有価証券報告書およびその添付書類 2022 年６月28日関東財務局長に提出
( 自 2021年１月１日 至 2021年12月31日)
( ロ) 臨時報告書
臨時報告書およびその添付書類 2022 年６月28日関東財務局長に提出
( 金融商品取引法第24条の５第４項および企業内容等の開示に関する
内閣府令第19条第２項第１号の規定に基づく臨時報告書)
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第１【保証会社情報】
該当事項なし。
第２【保証会社以外の会社の情報】
該当事項なし。
第３【指数等の情報】
該当事項なし。
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