株式会社日立製作所 有価証券報告書 第153期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
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株式会社日立製作所(E01737)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】 有価証券報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年6月22日
第153期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
【事業年度】
【会社名】 株式会社日立製作所
Hitachi, Ltd.
【英訳名】
【代表者の役職氏名】 執行役社長兼CEO 小島 啓二
【本店の所在の場所】 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
03-3258-1111
【電話番号】
法務本部 部長代理 山田 高裕
【事務連絡者氏名】
【最寄りの連絡場所】 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
03-3258-1111
【電話番号】
法務本部 部長代理 山田 高裕
【事務連絡者氏名】
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
株式会社名古屋証券取引所
(名古屋市中区栄三丁目8番20号)
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第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等の推移
国際財務報告基準
回 次
第149期 第150期 第151期 第152期 第153期
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月
9,368,614 9,480,619 8,767,263 8,729,196 10,264,602
売上収益 (百万円)
638,646 516,502 180,268 844,443 839,333
継続事業税引前当期利益 (百万円)
親会社株主に帰属する
362,988 222,546 87,596 501,613 583,470
(百万円)
当期利益
親会社株主に帰属する
382,341 171,140 838,237 958,008
(百万円) △ 8,465
包括利益
3,278,024 3,262,603 3,159,986 3,525,502 4,341,836
親会社株主持分 (百万円)
4,511,671 4,414,403 4,266,739 4,458,232 5,355,277
資本合計 (百万円)
10,106,603 9,626,592 9,930,081 11,852,853 13,887,502
総資産額 (百万円)
3,395.00 3,378.81 3,270.43 3,646.46 4,488.91
1株当たり親会社株主持分 (円)
基本1株当たり親会社
375.93 230.47 90.71 519.29 603.75
(円)
株主に帰属する当期利益
希薄化後1株当たり親会社
375.60 230.25 90.60 518.51 602.96
(円)
株主に帰属する当期利益
32.4 33.9 31.8 29.7 31.3
親会社株主持分比率 (%)
11.6 6.8 2.7 15.0 14.8
親会社株主持分利益率 (%)
10.3 15.6 34.6 9.6 10.2
株価収益率 (倍)
営業活動に関する
727,168 610,025 560,920 793,128 729,943
(百万円)
キャッシュ・フロー
投資活動に関する
(百万円) △ 474,328 △ 162,872 △ 525,826 △ 458,840 △ 1,048,866
キャッシュ・フロー
財務活動に関する
2,837 202,739
(百万円) △ 321,454 △ 320,426 △ 184,838
キャッシュ・フロー
現金及び現金同等物の
697,964 807,593 812,331 1,015,886 968,827
(百万円)
期末残高
307,275 295,941 301,056 350,864 368,247
従業員数 (人)
(注)1.当社の連結財務諸表は、国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成しています。
2.当社は、2018年10月1日付で、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っており、1株当たり親会社株
主持分、基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益及び希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益
については、第149期の期首に当該株式併合が実施されたと仮定して、算出しています。
3.平均臨時従業員数は、従業員数の100分の10未満であったため、記載していません。
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(2)提出会社の経営指標等の推移
回 次 第149期 第150期 第151期 第152期 第153期
決算年月 2018年3月 2019年3月 2020年3月 2021年3月 2022年3月
1,930,293 1,927,241 1,793,250 1,678,223 1,623,424
売上収益 (百万円)
131,294 304,069 355,490 305,461 365,049
経常利益 (百万円)
136,117 174,062 119,409 705,511 516,115
当期純利益 (百万円)
458,790 458,790 459,862 460,790 461,731
資本金 (百万円)
4,833,463 966,692 967,280 967,885 968,234
発行済株式総数 (千株)
1,536,018 1,563,456 1,579,058 2,243,742 2,643,733
純資産額 (百万円)
4,017,373 3,934,118 4,004,408 4,982,609 5,815,620
総資産額 (百万円)
1,589.79 1,617.32 1,631.97 2,318.50 2,731.77
1株当たり純資産額 (円)
15 58 95 105 125
1株当たり配当額
(うち1株当たり中間配当額) (円) ( 7 ) ( 8 ) ( 45 ) ( 50 ) ( 60 )
140.97 180.26 123.59 729.77 533.63
1株当たり当期純利益 (円)
潜在株式調整後
140.85 180.09 123.49 729.18 533.30
(円)
1株当たり当期純利益
38.2 39.7 39.4 45.0 45.4
自己資本比率 (%)
9.0 11.2 7.6 36.9 21.1
自己資本利益率 (%)
27.3 19.9 25.4 6.9 11.6
株価収益率 (倍)
53.2 50.0 76.9 14.4 23.4
配当性向 (%)
34,925 33,490 31,442 29,850 29,485
従業員数 (人)
130.4 124.5 113.0 178.2 220.9
株主総利回り (%)
(比較指標:TOPIX) (%) ( 113.5 ) ( 105.2 ) ( 92.8 ) ( 129.2 ) ( 128.7 )
3,925.0
最高株価 (円) 944.2 4,693.0 5,515.0 7,460.0
(873.7)
2,767.5
最低株価 (円) 566.3 2,524.0 2,855.0 4,750.0
(692.1)
(注)1.当社は、2018年10月1日付で、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っており、1株当たり純資産
額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第149期の期首に当該株式併
合が実施されたと仮定して、算出しています。
2.当社は、2018年10月1日付で、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っており、第150期の1株当た
り配当額58円は、株式併合前の中間配当額8円と株式併合後の期末配当額50円の合計額です。
3.平均臨時従業員数は、従業員数の100分の10未満であったため、記載していません。
4.最高及び最低株価は、株式会社東京証券取引所市場第一部の市場相場によります。なお、当社は、2018年10月
1日付で、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っており、第150期の株価については、株式併合後の
最高及び最低株価を記載した上で、下段( )内に株式併合前の最高及び最低株価を記載しています。
5.第153期の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用してお
り、第153期に係る主要な経営指標等については、当該基準等を適用した後の数値を記載しています。
なお、当該基準等を適用したことを契機に、「売上高」を「売上収益」に変更しています。
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2【沿革】
久原鉱業所日立鉱山付属の修理工場として発足
1910.
日立、亀戸の両工場を擁し、㈱日立製作所として独立
1920. 2
日本汽船㈱より笠戸造船所を譲受、笠戸工場増設
1921. 2
共成冷機工業㈱(後に日立プラント建設㈱に商号変更)に資本
1935. 5
参加
国産工業㈱を吸収合併、戸塚工場など7工場増設
1937. 5
多賀工場新設、日立工場より日立研究所独立
1939. 4
水戸工場新設
1940. 9
中央研究所新設
1942. 4
理研真空工業㈱を吸収合併、茂原工場増設
1943. 9
亀有工場より清水工場独立
1944. 3
多賀工場より栃木工場独立
12
㈱日之出商会(現㈱日立ハイテク)設立
1947. 4
東日本繊維機械㈱(後に㈱日立メディコに商号変更)設立
1949. 5
日東運輸㈱(現㈱日立物流)設立
1950. 2
日立家庭電器販売㈱(後に㈱日立家電に商号変更)設立
1955. 5
日立金属工業㈱(現日立金属㈱)、日立電線㈱分離独立
1956. 10
日立機電工業㈱設立
11
日立工場より国分工場独立
1957. 6
横浜工場新設
1959. 2
Hitachi New York, Ltd.(現Hitachi America, Ltd.)設立
10
㈱日本ビジネスコンサルタント(後に㈱日立情報システムズに商号変更)に資本参加
1960. 6
日立月販㈱(後に日立クレジット㈱に商号変更)設立
8
多賀工場より那珂工場独立
1961. 2
マクセル電気工業㈱に資本参加
勝田工場新設
8
神奈川工場新設
1962. 8
亀戸工場より習志野工場独立
1963. 2
日立化成工業㈱(後に日立化成㈱に商号変更)分離独立
4
機械研究所新設
1966. 2
多賀工場より佐和工場独立、横浜工場より東海工場独立、神奈
1968. 2
川工場より小田原工場独立
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ソフトウェア工場新設
1969. 2
青梅工場新設
4
大みか工場新設
8
日立建設機械製造㈱(現日立建機㈱)分離独立
12
高崎工場新設
1970. 5
日立ソフトウェアエンジニアリング㈱設立
9
日立電子㈱より旭工場を譲受
1971. 4
生産技術研究所新設
6
システム開発研究所新設
1973. 2
土浦工場新設
1974. 6
亀戸工場を移転し、中条工場と改称
11
Hitachi Europe Ltd.設立
1982. 6
基礎研究所新設
1985. 4
Hitachi Asia Pte. Ltd.(現Hitachi Asia Ltd.)設立
1989. 2
佐和工場を自動車機器事業部に統合
1991. 2
勝田工場を素形材事業部に統合、戸塚工場を情報通信事業部に
8
統合、那珂工場を計測器事業部に統合
横浜工場及び東海工場をAV機器事業部に統合
1992. 2
家庭電器、コンピュータ及び電子デバイス担当部門の組織を工
8
場単位から事業部単位へ変更
半導体設計開発センタ、武蔵工場及び高崎工場を半導体事業部
1993. 2
に統合
清水工場を空調システム事業部に統合、中条工場及び習志野工
8
場を産業機器事業部に統合
家電事業本部及び情報映像メディア事業部を統合して家電・情
1994. 8
報メディア事業本部と改称
日立(中国)有限公司設立
10
電力・電機、家電・情報メディア、情報及び電子部品事業を事
1995. 2
業グループとして編成し、併せて研究開発部門の一部と営業部
門を事業グループに統合
㈱日立家電を吸収合併
4
事業グループを再編し、それぞれを実質的独立会社として運営
1999. 4
する経営体制に変更
日立クレジット㈱が日立リース㈱と合併し、日立キャピタル㈱
2000. 10
に商号変更
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計測器事業及び半導体製造装置事業を会社分割により分割し、
2001. 10
㈱日立ハイテクノロジーズ(現㈱日立ハイテク)として再編
産業機械システム事業を会社分割により分割し、㈱日立インダ
ストリイズとして再編
家電事業を会社分割により分割し、日立ホーム・アンド・ライ
2002. 4
フ・ソリューション㈱として再編
産業機器事業を会社分割により分割し、㈱日立産機システムと
して再編
ディスプレイ事業を会社分割により分割し、㈱日立ディスプレ
10
イズを設立
通信機器事業を会社分割により分割し、㈱日立コミュニケーションテクノロジーとして再編
㈱ユニシアジェックス(㈱日立ユニシアオートモティブに商号変更)を株式交換により完全子会
社化
米国IBM社からハードディスクドライブ事業を買収し、Hitachi Global Storage
2003. 1
Technologies Netherlands B.V.として営業開始
システムLSIを中心とする半導体事業を会社分割により分割し、㈱ルネサステクノロジ(2010
4
年4月、NECエレクトロニクス㈱と合併し、ルネサスエレクトロニクス㈱に商号変更。2013年
9月、議決権所有割合の低下により、当社の関係会社ではなくなった。)を設立
委員会等設置会社(現指名委員会等設置会社)に移行
6
トキコ㈱及び㈱日立ユニシアオートモティブを吸収合併
2004. 10
ATMを中心とする情報機器事業を会社分割により分割し、日立オムロンターミナルソリュー
ションズ㈱(後に日立チャネルソリューションズ㈱に商号変更)を設立
社会・産業インフラ事業を会社分割により分割し、日立プラント建設㈱、日立機電工業㈱及び㈱
2006. 4
日立インダストリイズと統合し、㈱日立プラントテクノロジーとして再編
日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューション㈱が㈱日立空調システムと合併し、日立アプライ
アンス㈱に商号変更
クラリオン㈱を株式の公開買付けにより連結子会社化
12
原子力関連事業を会社分割により分割し、日立GEニュークリア・エナジー㈱として再編
2007. 7
日立工機㈱を株式の公開買付けにより連結子会社化
2009. 3
㈱日立国際電気を株式の公開買付けにより連結子会社化
㈱日立コミュニケーションテクノロジーを吸収合併
7
オートモティブシステム事業を会社分割により分割し、日立オートモティブシステムズ㈱を設立
コンシューマ事業を会社分割により分割し、日立コンシューマエレクトロニクス㈱を設立
事業グループを社内カンパニーに再編し、主要グループ会社と同様に独立採算による迅速な運営
10
を徹底するカンパニー制を導入
㈱日立情報システムズ、日立ソフトウェアエンジニアリング㈱及び㈱日立システムアンドサービ
2010. 2
スを完全子会社化
㈱日立プラントテクノロジー及び日立マクセル㈱を株式交換により完全子会社化(日立マクセル
4
㈱は、2014年3月、株式の売出しにより、当社の持分法適用会社となり、また、2017年3月、株
式の譲渡により、関係会社ではなくなった。)
日立ソフトウェアエンジニアリング㈱が㈱日立システムアンドサービスと合併し、㈱日立ソ
10
リューションズに商号変更
日立電子サービス㈱が㈱日立情報システムズと合併し、㈱日立システムズに商号変更
2011. 10
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米国Western Digital社へHitachi Global Storage Technologies Inc.等の持株会社である
2012. 3
Viviti Technologies Ltd.株式を譲渡することにより、ハードディスクドライブ事業を売却
㈱日立ディスプレイズ株式の譲渡により、中小型ディスプレイ事業を売却
㈱日立プラントテクノロジーを吸収合併
2013. 4
日立金属㈱が日立電線㈱を吸収合併
7
火力発電システム事業を会社分割により分割し、三菱日立パワーシステムズ㈱に承継(2020年9
2014. 2
月、株式の譲渡により、関係会社ではなくなった。)
㈱日立メディコを株式交換により完全子会社化(2016年4月、当グループのヘルスケア事業の再
3
編に伴い、㈱日立ヘルスケア・マニュファクチャリングに商号変更)
中央研究所、日立研究所、横浜研究所、デザイン本部及び海外
2015. 4
研究開発拠点を再編し、社会イノベーション協創統括本部、テ
クノロジーイノベーション統括本部及び基礎研究センタとする
顧客起点型のグローバルな研究開発体制を確立
日立アプライアンス㈱の空調システム事業を同社と米国
10
Johnson Controls社との合弁会社に承継
マーケット別事業体制であるビジネスユニット制を導入
2016. 4
㈱日立物流を株式の一部譲渡により、持分法適用会社化
5
日立キャピタル㈱を株式の一部譲渡により、持分法適用会社化
10
(2021年4月、同社と三菱UFJリース㈱との合併に伴い、当社
の関係会社ではなくなった。)
日立工機㈱株式の譲渡により、電動工具事業を売却
2017. 3
㈱日立国際電気の半導体製造装置事業を売却するとともに、同社を持分法適用会社化
2018. 6
クラリオン㈱株式の譲渡により、車載情報システム事業を売却
2019. 3
日立アプライアンス㈱が日立コンシューマ・マーケティング㈱と合併し、日立グローバルライフ
4
ソリューションズ㈱に商号変更
日立化成㈱株式の譲渡により、同社事業を売却
2020. 4
㈱日立ハイテクを完全子会社化
5
スイスABB社から同社のパワーグリッド事業を取得し、Hitachi
7
ABB Power Grids Ltd(後にHitachi Energy Ltdに商号変更)
として営業開始
日立オートモティブシステムズ㈱が㈱ケーヒン、㈱ショーワ及
2021年
2021. 1
協創活動のフラッグシップ拠点として
び日信工業㈱と吸収合併し、日立Astemo㈱に商号変更
Lumada Innovation Hub Tokyo開設
画像診断関連事業を会社分割により分割し、富士フイルムヘル
3
スケア㈱に承継の上、同社株式の譲渡により、同事業を売却
Hitachi Global Digital Holdings LLC(後にHitachi Digital
7
LLCに商号変更)が、米国GlobaLogic社の親会社である
GlobalLogic Worldwide Holdings社を完全子会社化
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3【事業の内容】
2022年3月31日現在、当社及び関係会社1,140社(連結子会社853社、持分法適用会社287社)から成る当グループ
は、「IT」「エネルギー」「インダストリー」「モビリティ」「ライフ」の5つのセクターを成長分野として位置付
け、関連するビジネスユニットを各セクターに配置しています。また、「オートモティブシステム」を上記の5つの
セクターに並ぶ位置づけとし、上場子会社グループである日立建機及び日立金属の2つのセグメント及びその他を加
えた合計9セグメントにわたって、日立グループは、製品の開発、生産、販売、サービスに至る幅広い事業活動を展
開しています。
(注)2022年4月1日から、経営の効率化とスピードアップのため、事業特性の近い事業をまとめ、「デジタルシス
テム&サービス」「グリーンエナジー&モビリティ」「コネクティブインダストリーズ」の3つのセクターに構
成をシンプル化し、「オートモティブシステム」、上場子会社グループである日立建機及び日立金属の2つのセ
グメント及びその他を加えた合計7セグメントに変更しています。
日立の強みは、高品質・高信頼のプロダクトに加え、製造現場の機器・システムや鉄道、発電所などの社会インフ
ラを動かすOT (Operational Technology:制御・運用技術)、最先端のIT を併せ持ち、お客さまや社会の課題を解決
するデジタル技術を活用したソリューションを提供できることです。
社会やビジネスが生み出すデータが増え続ける現在、これらのデータから新たな価値を創出し、イノベーションを
加速するためのエンジンが日立のLumada(ルマーダ)です。Lumadaとは、お客さまのデータから価値を創出し、デジ
タルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション、サービス、テクノ
ロジーの総称です。Lumadaという名称は、“illuminate(照らす・輝かせる)”+“data(データ)”に由来してい
ます。これは日立の培ったOTにIT、プロダクトの強みを掛け合わせることで生まれました。ITやIoT(Internet of
Things:モノのインターネット)の発展に伴い、社会やビジネスにおける活動から生み出されるデータは加速度的に
増え続けています。日立では、これらのデータを未来の社会における新たな価値の源泉として注目し、大量のデータ
を活用して世の中に向けてイノベーションを創出するビジネスとして、2016年にLumada事業を立ち上げました。
Lumada 事業は、顧客の経営課題を理解した上で、その解決方法を設計・実装し、運用・保守するとともに次の課
題解決に取り組むという顧客との価値協創のサイクルを、データ分析やAIといったデジタル技術を活用して構築する
ビジネスです。プロダクトの売り切りで終わるのではなく、フィー収入などソリューションの提供価値に基づく収益
モデルを構築するために、「OT×IT×プロダクト」の強みを生かし、様々な業種・業務に関するノウハウを商材化
し、複数のお客さまに提供可能なデジタルソリューションへと転換することで、Lumada 事業の拡大を図っていま
す。
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各セグメントにおける主な事業内容と当社のビジネスユニット(BU)及び主要な関係会社の位置付けは、概ね次の
とおりです。
(2022年3月31日現在)
BU及び主要な関係会社
主な製品・サービス
BU 関係会社
IT 金融BU 〔連結子会社〕
社会BU 日立情報通信エンジニアリング、
デジタルソリューション(コンサ
サービス&プラットフォームBU 日立チャネルソリューションズ、
ルティング、ソフトウェア、クラ
日立ソリューションズ、
ウドサービス、システムインテグ
日立システムズ、
レーション、制御システム)、
GlobalLogic Worldwide Holdings、
ITプロダクツ(ストレージ、サー
バ)、ATM Hitachi Computer Products (America)、
Hitachi Global Digital Holdings、
Hitachi Payment Services、
Hitachi Vantara
エネルギー 原子力BU 〔連結子会社〕
エネルギーソリューション(原子 エネルギーBU 日立GEニュークリア・エナジー、
力、再生可能エネルギー、火力、 パワーグリッドBU 日立プラントコンストラクション、
パワーグリッド) 日立パワーデバイス、
日立パワーソリューションズ、
Hitachi Energy
インダストリー 産業・流通BU 〔連結子会社〕
産業・流通ソリューション、 水・環境BU 日立産機システム、
水・環境ソリューション、 日立インダストリアルプロダクツ、
産業用機器 日立産業制御ソリューションズ、
日立プラントサービス、
Hitachi Industrial Holdings Americas、
JR Technology Group、
Sullair
〔持分法適用会社〕
日立国際電気
モビリティ ビルシステムBU 〔連結子会社〕
ビルシステム(エレベーター、エ 鉄道BU 日立ビルシステム、
スカレーター)、 日立電梯(中国)、
鉄道システム Hitachi Rail
ライフ ― 〔連結子会社〕
生活・エコシステム(家電、空 日立グローバルライフソリューションズ、
調)、計測分析システム(医用・ 日立ハイテク
バイオ、半導体、産業) 〔持分法適用会社〕
Arcelik Hitachi Home Appliances、
Johnson Controls-Hitachi Air Conditioning
Holding (UK)
オートモティブシステム ― 〔連結子会社〕
オートモティブシステム(パワー 日立Astemo、
トレイン、シャシー、先進運転支 Hitachi Astemo Americas
援、二輪)
日立建機 ― 〔連結子会社〕
油圧ショベル、ホイールローダ、 日立建機
マイニング機械、保守・サービ
ス、土木施工ソリューション、鉱
山運行管理システム
日立金属 ― 〔連結子会社〕
特殊鋼製品、素形材製品、磁性材 日立金属
料・パワーエレクトロニクス、電
線材料
その他 ― 〔連結子会社〕
光ディスクドライブ、 日立エルジーデータストレージ、
不動産の管理・売買・賃貸 日立リアルエステートパートナーズ、
Hitachi America、Hitachi Asia、
日立(中国)、Hitachi Europe、
Hitachi India
(注)1.Hitachi America, Ltd.、Hitachi Asia Ltd.、日立(中国)有限公司、Hitachi Europe Ltd.及びHitachi
India Pvt. Ltd.は、当グループの米州、アジア、中国、欧州及びインドにおける地域統括会社であり、当グ
ループの製品を販売しています。
2.Hitachi Global Digital Holdings LLCは、2022年4月1日付でHitachi Digital LLCに商号を変更しました。
3.上表の他、2022年3月31日現在の主要な持分法適用会社として、㈱日立物流があります。
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4【関係会社の状況】
(1)連結子会社
(2022年3月31日現在)
議決権に
主要な事業の
名 称 住 所 資本金 対する 関 係 内 容
内容
所有割合
%
㈱日立情報通信エン 神奈川県横浜市 1,350 IT 100.0 当社がストレージ・サーバ・通信
ジニアリング 西区 ネットワーク機器の設計・開発・
製造・評価検証業務等を委託して
おり、役員兼任等の関係がありま
す。
日立チャネルソ 東京都品川区 8,500 IT 100.0 当社がATM等の情報機器を購入し
リューションズ㈱ ており、役員兼任等の関係があり
ます。
㈱日立ソリューショ 東京都品川区 20,000 IT 100.0 当社が情報システム及びソフト
ンズ ウェアの開発等を委託しており、
役員兼任等の関係があります。
※ 東京都品川区 19,162 IT 100.0 当社が計算事務、ソフトウェア開
㈱日立システムズ 発並びに通信機器及びコンピュー
タの据付・保守を委託しており、
役員兼任等の関係があります。
※ 千US$ IT (100.0) デジタルエンジニアリングサービ
アメリカ
GlobalLogic 8,373,504 100.0 ス事業を展開しており、役員兼任
カリフォルニア
等の関係があります。
Worldwide Holdings,
Inc.
Hitachi Computer アメリカ 千US$ IT (100.0) 当社がコンピュータ周辺機器用の
オクラホマ 14,000 100.0 部品を供給しており、役員兼任等
Products (America),
の関係があります。
Inc.
※ アメリカ 千US$ IT 100.0 Hitachi Vantara LLC等を傘下に
Hitachi Global カリフォルニア 9,918,641
もつ持株会社であり、役員兼任等
Digital Holdings の関係があります。
LLC
Hitachi Payment インド 千INR IT (58.8) インドにおいて当グループの金融
チェンナイ 79,158 100.0 機関向け決済サービスを提供して
Services Private
おり、役員兼任等の関係がありま
Limited
す。
※ アメリカ 千US$ IT (100.0) 当社のストレージ等の販売会社で
Hitachi Vantara LLC カリフォルニア 925,000 100.0 あり、また、当社がコンサルティ
ング業務を委託しており、役員兼
任等の関係があります。
日立GEニュークリ 茨城県日立市 5,000 エネルギー 80.0 当社が原子力発電用機器等を納入
ア・エナジー㈱ しており、役員兼任等の関係があ
ります。
㈱日立プラントコン 東京都豊島区 3,000 エネルギー 100.0 当社がエネルギー・産業プラント
ストラクション 等の建設工事を発注しており、役
員兼任等の関係があります。
㈱日立パワーデバイ 茨城県日立市 450 エネルギー 100.0 当社が半導体部品を購入してお
ス り、役員兼任等の関係がありま
す。
㈱日立パワーソ 茨城県日立市 4,000 エネルギー 100.0 当社が発電プラント部品を購入
リューションズ し、発電設備及び計算制御装置等
の保守を委託しており、役員兼任
等の関係があります。
Hitachi Energy Ltd スイス 千CHF エネルギー 80.1 当社がパワーグリッド機器等を購
入するパワーグリッド事業会社等
チューリッヒ 1,250
を傘下にもつ持株会社であり、役
員兼任等の関係があります。
㈱日立産機システム 東京都千代田区 10,000 インダストリー 100.0 当社が産業機器を購入しており、
役員兼任等の関係があります。
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(2022年3月31日現在)
議決権に
主要な事業の
名 称 住 所 資本金 対する 関 係 内 容
内容
所有割合
%
㈱日立インダストリ 東京都千代田区 10,000 インダストリー 100.0 当社が産業機器を購入しており、
アルプロダクツ 役員兼任等の関係があります。
㈱日立産業制御ソ 茨城県日立市 3,000 インダストリー 100.0 当社が情報制御システムの開発等
リューションズ を委託しており、役員兼任等の関
係があります。
㈱日立プラントサー 東京都豊島区 3,000 インダストリー 100.0 当社が産業・公共プラント等の建
ビス 設工事やサービス業務を発注して
おり、役員兼任等の関係がありま
す。
※ アメリカ 千US$ インダストリー (100.0) JR Technology Group, LLC及び
Hitachi Industrial 1,967,670 100.0
イリノイ Sullair, LLCを傘下に持つ持株会
Holdings Americas,
社であり、役員兼任等の関係があ
Inc. ります。
JR Technology アメリカ - インダストリー (100.0) JR Automation Technology, LLC
ミシガン 100.0
Group, LLC 等を傘下にもつ持株会社であり、
役員兼任等の関係があります。
Sullair, LLC アメリカ - インダストリー (100.0) 当社が産業機器を購入しており、
インディアナ 100.0 役員兼任等の関係があります。
㈱日立ビルシステム 東京都千代田区 5,105 モビリティ 100.0 当社の開発したエレベーター及び
エスカレーターの設計・製造・販
売・据付・保守等をしており、役
員兼任等の関係があります。
日立電梯(中国)有 中国 千RMB モビリティ (70.0) 当グループのエレベーター及びエ
限公司 広州市 538,806 70.0 スカレーターの中国における販
売・据付・保守等をしており、役
員兼任等の関係があります。
※ イギリス 千£Stg. モビリティ 100.0 当社の鉄道システム製品の製造・
Hitachi Rail Ltd. ロンドン 878,181 販売・エンジニアリング・保守を
しており、役員兼任等の関係があ
ります。
日立グローバルライ 東京都港区 20,000 ライフ 100.0 当グループの家電製品の製造・販
フソリューションズ 売及び空調・冷凍機器の販売・シ
㈱ ステム工事・据付・保守をしてお
り、役員兼任等の関係がありま
す。
㈱日立ハイテク 東京都港区 7,938 ライフ 100.0 当社が同社を通じて、情報機器・
電力関連部品等の販売又は購入を
しています。
※ 茨城県ひたちな 51,500 オートモティブ 66.6 当社が鉄道車両用部品等を購入し
日立Astemo㈱ か市 システム ており、役員兼任等の関係があり
ます。
Hitachi Astemo アメリカ 千US$ オートモティブ (100.0) 当グループのオートモティブシス
ケンタッキー 86,278 システム 100.0 テム製品の北米における製造・販
Americas, Inc.
売会社です。
※ 東京都台東区 81,576 日立建機 51.5 役員兼任等の関係があります。
*日立建機㈱
*日立金属㈱ 東京都港区 26,283 日立金属 53.4 当社が特殊鋼製品、素形材製品、
磁性材料・パワーエレクトロニク
ス製品及び電線材料を購入してお
り、役員兼任等の関係がありま
す。
㈱日立エルジーデー 東京都港区 4,800 その他 51.0 当グループの光ディスクドライブ
タストレージ の開発・製造・販売会社であり、
役員兼任等の関係があります。
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(2022年3月31日現在)
議決権に
主要な事業の
名 称 住 所 資本金 対する 関 係 内 容
内容
所有割合
%
㈱日立リアルエス 東京都千代田区 2,000 その他 100.0 当社が福利厚生施設等の管理を委
テートパートナーズ 託しており、役員兼任等の関係が
あります。
※ アメリカ 千US$ その他 100.0 当グループの米州における地域統
14,007,947
Hitachi America, カリフォルニア 括会社であり、また、当グループ
のヘルスケア関連製品等の販売及
Ltd.
び米州における研究開発を推進し
ており、役員兼任等の関係があり
ます。
Hitachi Asia Ltd. シンガポール 千S$ その他 100.0 当グループのアジアにおける地域
127,649 統括会社であり、また、当グルー
プの産業機械及び鉄道・ヘルスケ
ア・情報関連製品等を販売してお
り、役員兼任等の関係がありま
す。
日立(中国)有限公 中国 千US$ その他 100.0 当グループの中国における地域統
司 北京市 226,380 括会社であり、また、当グループ
のプラント、産業機械及び鉄道・
ヘルスケア・情報関連製品等を販
売しており、役員兼任等の関係が
あります。
Hitachi Europe Ltd. イギリス 千£Stg. その他 100.0 当グループの欧州における地域統
ストーク ポー 253,049 括会社であり、また、当グループ
のプラント、産業機械及びデジタ
ジ
ルメディア・情報関連製品等を販
売しており、役員兼任等の関係が
あります。
Hitachi India Pvt. インド 千INR その他 (100.0) 当グループのインドにおける地域
ニューデリー 344,000 100.0 統括会社であり、また、当グルー
Ltd.
プのプラント、産業機械及びデジ
タルメディア関連製品等を販売し
ており、役員兼任等の関係があり
ます。
その他 816社 - - - - -
(注)1.「資本金」欄に記載の金額単位及び通貨につき、特に記載のないものは、百万円単位で記載しています。
2.JR Technology Group, LLC及びSullair, LLCの資本金については、両社が米国法上のLimited Liability
Companyであり、資本金がないことから記載していません。
3.「名称」欄※印を付した会社は、特定子会社に該当しています。
4.「名称」欄*印を付した会社は、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しています。
5.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しています。
6.「議決権に対する所有割合」欄の上段( )内数字は、間接所有割合で内数です。
7.債務超過会社及び債務超過金額は、次のとおりです。
Hitachi Power Europe GmbH 127,520 百万円
11,522 百万円
Hitachi Astemo Netherlands B.V.
8.Hitachi Global Digital Holdings LLCは、2022年4月1日付でHitachi Digital LLCに商号を変更しました。
9.日立金属㈱は、2022年6月21日付で、本店の所在地を東京都港区から東京都江東区に変更しました。
10.Hitachi Energy Ltd は、売上収益(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が
10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上収益 1,075,776 百万円
② 継続事業税引前当期利益 50,121 百万円
③ 当期利益 32,666 百万円
④ 資本合計 52,147 百万円
⑤ 資産合計 1,220,703 百万円
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(2)持分法適用会社
(2022年3月31日現在)
議決権に
主要な事業の
名 称 住 所 資本金 対する 関 係 内 容
内容
所有割合
%
㈱日立国際電気 東京都港区 1,000 インダストリー 20.0 当社が電子機器・部品等を購入し
ており、役員兼任等の関係があり
ます。
オランダ
Arcelik Hitachi EUR ライフ (40.0) 当グループの海外市場における白
アムステルダム
10,000 40.0 物家電事業を手掛ける会社を傘下
Home Appliances
にもつ持株会社です。
B.V.
Johnson Controls- イギリス 千US$ ライフ (40.0) 当グループが空調機器等を購入す
ハンプシャー 935,107 40.0 る空調事業会社等を傘下にもつ持
Hitachi Air
株会社です。
Conditioning
Holding (UK) Ltd
*㈱日立物流 東京都中央区 16,802 総合物流サービ 39.9 当社が製品の輸送及び保管を委託
ス業 しています。
その他 283社 - - - - -
(注)1.「資本金」欄に記載の金額単位及び通貨につき、特に記載のないものは、百万円単位で記載しています。
2.「名称」欄*印を付した会社は、有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しています。
3.㈱日立国際電気、Arcelik Hitachi Home Appliances B.V.及びJohnson Controls-Hitachi Air Conditioning
Holding (UK) Ltdの「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しています。
4.債務超過会社及び債務超過金額は、次のとおりです。
GE-Hitachi Nuclear Energy Holdings LLC 18,014 百万円
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5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
(2022年3月31日現在)
セグメントの名称 従業員数(人)
96,996
IT
( 15,575 )
44,291
エネルギー
( 1,161 )
23,221
インダストリー
( 2,548 )
53,604
モビリティ
( 2,958 )
18,402
ライフ
( 1,076 )
64,152
オートモティブシステム
( -)
24,263
日立建機
( -)
27,753
日立金属
( -)
12,375
その他
( 2,977 )
3,190
全社(本社他)
( 3,190 )
368,247
合 計
( 29,485 )
(注)「従業員数」欄の下段( )内数字は、提出会社の従業員数で内数です。
(2)提出会社の状況
(2022年3月31日現在)
従業員数 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
29,485 42.7 19.3 8,969,979
人 歳 年 円
(注)平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3)労働組合の状況
当社の労働組合は、日立製作所労働組合と称し、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に属していま
す。
当社及び連結子会社における労使関係は安定しており、円滑に推移しています。
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第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営の基本方針
当グループは、「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」を企業理念として、顧客に対し、より
高い価値をもたらす競争力のある製品・サービスを提供することで、一層の発展を遂げることをめざしています。
当グループでは、グループ内の多様な経営資源を最大限に活用するとともに、事業の見直しや再編を図ることで、
競争力を強化し、グローバル市場での成長を実現し、顧客、株主、従業員を含むステークホルダーの期待に応える
ことにより、株主価値の向上を図っていくことを基本方針としています。
(2)経営環境及び対処すべき課題
①日立グループの経営環境及び対処すべき課題
現在の世界は、将来の予測が立てにくい時代です。気候変動や資源不足、高齢化による人口構造の変化、都市化
の問題など様々な変化が生じており、さらに、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行やウクライナ紛争
は、世界規模で社会、経済などに劇的な変化をもたらし、世界各国の経済が深刻な悪影響を受けています。一方
で、このような変化により生じた社会課題を解決するためのイノベーションが世界中で起きています。
かかる経営環境において、当グループは、2022年4月に新たに策定した「2024中期経営計画」の下、プラネタ
リーバンダリー(地球の限界)を超えないように地球環境を守りつつ、社会の一人一人が快適で活躍できるウェル
ビーイング(人々の幸せ)が保たれた、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
具体的には、以下の施策に注力していきます。
i) グローバルな成長に向けた取り組み
「デジタル」「グリーン」「イノベーション」の3つを成長のドライバーとして、グローバルな成長をめざし
ます。それぞれの戦略については、以下の通りです。
デジタル
顧客の経営課題を理解した上で、その解決方法を設計・実装し、運用・保守するとともに次の課題解決に取り
組むというお客さまとの価値協創のサイクルにより、お客さまの事業価値の向上に貢献していきます。
このようなLumada事業のサイクルを、デジタル技術を活用して回し、サイクル全体で収益を拡大することで、
社会イノベーション事業の高収益化を図り、グローバルに成長を実現していきます。
グリーン
エネルギー転換、電動化、省エネ、自動化で世界のGXをリードし、サステナブルな社会の実現に貢献します。
2024年度に年間約1億トンのCO2排出削減貢献量を実現すべく、グリーン分野の投資を積極的に行うとともに、バ
リューチェーン全体でのカーボンニュートラルの2050年までの実現を掲げる「日立環境イノベーション2050」の
達成に向け、脱炭素化を推進していきます。その過程で得られたノウハウも活用し、各事業領域・地域に合わせ
た環境価値を提供することで、サステナブルな社会と日立の成長を図ります。
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イノベーション
2050年の世界の姿を見据えて日立が取り組むべき研究開発分野を特定し、社会課題の解決に貢献する革新的な
技術・製品の創生を図るとともに、有望なスタートアップ企業や官学との連携を更に加速することで、イノベー
ションを加速していきます。
また、経営の効率化とスピードアップのため、事業特性の近い事業をまとめ、「グリーンエナジー&モビリ
ティ」「デジタルシステム&サービス」「コネクティブインダストリーズ」の3つのセクターへと組織をシンプ
ル化しました。これらにオートモティブシステム事業(日立Astemo)を加えた事業体制で、お客さまに価値を提
供していきます。各事業における事業戦略は、「②注力分野における経営環境及び対処すべき課題」を参照くだ
さい。
ii) サステナブルな経営の深化
重要な事業リスクに関する情報を集約し、リスクに先行して対応するグローバルなリスクマネジメント体制を通
じてリスク発現による影響を最小化していきます。また、デジタル人財の獲得・育成や従業員のエンゲージメント
強化、組織を超えた協力を支えるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの向上に努めます。こうした取
り組みを通じ、持続可能な成長のためのサステナブルな経営を深化します。
これらの施策によって、キャッシュ創出力を高め、さらなる成長のための投資も行いつつ、株主の皆さまへの還
元拡大も実現していきます。
日立グループを取り巻く経営環境の変化は目まぐるしく、世界経済の先行きは依然として不透明ですが、新しい
中期経営計画の下、サステナブルな社会の実現に努めてまいります。
②注力分野における経営環境及び対処すべき課題
注力分野であるデジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ及びコネクティブインダストリー
ズの3セクター並びにオートモティブシステムにおける経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりです。
デジタルシステム&サービス
不確実な社会・経済情勢においても、AI、IoT等のデジタル技術で企業経営やビジネスモデルなどの変革を図る
デジタルトランスフォーメーション(DX)及び環境問題やSDGsへの取り組みは加速し、グローバルで大きく市場が
拡大しています。
デジタルシステム&サービスセクターでは、そのようなグローバルDX市場において、2021年7月に買収を完了し
たGlobalLogicのデジタルエンジニアリング力を活用し、日立のOT×IT×プロダクトを組み合わせて価値を創造
し、お客さまや社会の課題解決を加速するとともに、日立グループ他セクターのLumada事業成長を牽引していきま
す。また、お客さまとの価値協創の深化、実績あるソリューションの横展開、お客さまやパートナーとのエコシス
テム構築の3つのアプローチでLumada事業のスケールを加速させます。
デジタルシステム&サービスセクターは、これらの取り組みを支えるデジタル人財の育成・拡充など経営基盤の
強化にも取り組みながら、「社会インフラDXのグローバルリーダー」をめざし、社会や国内外のお客さまの課題解
決パートナーとして継続的に価値を提供し、Lumada事業のサステナブルな成長を実現します。
グリーンエナジー&モビリティ
人口増加や経済成長に加え、AIやビッグデータの利活用などによるデータセンターの規模拡大や脱炭素化に向け
た産業の電動化、EV(Electric Vehicle)導入の拡大などの社会イノベーションを背景に、世界のエネルギー需要
は拡大し続けています。また、気候変動への対応を背景に、CO2排出量の削減や脱炭素化へ向けた動きが世界的に
加速し、再生可能エネルギーの普及の加速や脱炭素モビリティとしての鉄道への期待が高まっています。また、
COVID-19の拡大を経て、経済の低迷・設備投資の減退による産業構造の変化(電動化・デジタル化)や、グリーン
政策と連動した経済回復政策の推進、SDGs経営への変革の動きが加速しています。
グリーンエナジー&モビリティセクターでは、世界トップの製品とインテグレーション力でサステナブルな社会
インフラの実現に貢献し、地球環境に優しいグリーンなエネルギーとモビリティで世界中の人々の幸せを支えてい
きます。具体的には、パワーグリッド、再生可能エネルギーシステム、原子力発電システム、鉄道システムなどに
おいて、「OT×IT×プロダクト」の強みを生かした製品やサービス、ソリューションを提供していきます。エネル
ギー分野では、日立エナジー(旧日立ABBパワーグリッド)の持つパワーグリッド技術とLumadaを活用したデジタ
ル技術との融合を通じた新たなソリューションの提供やクリーンエネルギー事業の推進により、脱炭素社会の実現
に貢献するサービス・ソリューションの提供を拡大していきます。鉄道システム分野では、交通ネットワークをデ
ジタルでつなぎ、データを活用した鉄道運行サービス等の展開を加速させていきます。
これらの取り組みを通じ、グリーンエナジー&モビリティセクターは、2024中期経営計画の3つの成長の柱であ
るグリーン価値の創出の中核をなす事業として、脱炭素社会の実現やエネルギーの安定供給、安全・安心・快適な
鉄道システムの提供など、QoLの向上に貢献していきます。
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コネクティブインダストリーズ
COVID-19インパクト、自然災害や地政学リスクの増加など社会環境の不確実性が急増していることに加え、デジ
タル技術の急速な進展に伴い、人々の生活様式や企業活動は大きく変容し、新たなDXへのニーズがこれまで以上に
高まっています。こうした中、組織や企業間、さらには分野を越えたトータルな「際」の課題解決が求められてい
ます。
コネクティブインダストリーズセクターでは、産業機器や昇降機、計測・分析装置、医療機器、家電などの競争
力の高いプロダクトを集結させ、それらをデジタルでつなぎ、ソリューションとして提供し、サステナブルな価値
を創出していきます。
具体的には、Lumadaを活用し、リアル空間とサイバー空間をデジタルでつなぐことで、経営から現場、サプライ
チェーン、異分野の間に存在する「際」の課題を解決し、全体最適化を実現するトータルシームレスソリューショ
ンをさらに進化・拡大しています。また、コネクテッドプロダクトの拡大・機能強化により、データを活用した保
守や予防保全などのサービスを継続的・循環的に提供していくリカーリングビジネスを強化します。
さらに、グローバル成長に向けて、特に注力地域である北米では、買収したJR AutomationによるロボティクスSI
とデジタルの融合を強化するとともに、買収したSullairによる空気圧縮機や、半導体製造・計測装置、粒子線治
療システムなどのプロダクト事業のコネクテッド化により、現地でのトータルシームレスソリューションを立ち上
げ、さらに事業を拡大していきます。
コネクティブインダストリーズセクターでは、「つないでいく。データを、価値を、産業を、そして社会を。」
をパーパスとして定め、お客さまとの協創を通じて「サステナブル バリュークリエーター」をめざしていきま
す。
オートモティブシステム
日立Astemo㈱及びそのグループ会社で構成されるオートモティブシステム事業が手掛ける自動車・モーターサイ
クル業界では、環境負荷の低減や快適性のさらなる向上、安全性向上による交通事故の低減等の社会ニーズの高ま
りを背景に、100年に一度と言われる大変革時代を迎えており、CASE(「C: Connected(つながる)」「A:
Autonomous(自動運転)」「S: Shared(共有)」「E: Electric(電動化)」)の各分野で、競争がさらに激化し
ています。
こうした中で、オートモティブシステム事業では、パワートレイン&セーフティシステム事業をはじめ、シャ
シー事業、モーターサイクル事業、ソフトウェア事業、アフターマーケット事業の5つの事業ポートフォリオを軸
に、お客さまのニーズにお応えし、世界をリードする先進的なモビリティソリューションの提供を通じて、持続可
能な社会とQoLの向上に貢献していきます。
具体的には、「グリーン」、「デジタル」、「イノベーション」の社会課題に対する解決手段の提供において、
排出ガスを低減する高効率な内燃機関システムと電動システムでより良い地球環境に貢献し、自動運転や先進運転
支援システム、先進シャシーシステムで安全性・快適性を向上させていきます。また、Lumadaを活用することで、
高度化するお客さまのニーズに応えるコネクテッドソリューションを提供することはもちろん、将来、クルマの機
能をソフトウェアが担うソフトウェア・ディファインド・ビークル化に対応していくため、ソフトウェアの開発力
も強化していきます。
これらの取り組みとともに、モビリティ業界のグローバルメガサプライヤーとして、経営基盤と企業体質をより
一層強化し、更なる収益拡大をめざしていきます。
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(3)気候変動による財務関連情報開示
日立は、2018年6月、金融安定理事会(FSB)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同
を表明し、TCFDの提言に沿って気候変動関連の財務関連の重要情報を開示しています。
なお、本項目は抜粋のため、詳細は日立サステナビリティレポートをご参照ください。
①ガバナンス
日立は、気候変動を含む環境課題への対応を重要な経営課題の一つと認識しています。
取締役会では経営戦略にかかわる重要事項として、気候変動対策も含む「サステナビリティ戦略」についての審
議を行っています。CO2排出量削減目標を含む環境長期目標「日立環境イノベーション2050」は、策定及び改訂の
際にも、取締役会への報告を経て策定、公表されています。
また、年1回、社外取締役によって構成される監査委員会が、サステナビリティ関連業務についての業務監査を
実施し、気候変動に関する重要事項についても担当執行役から報告を行っています。
②戦略
日立は、2016年度に「環境ビジョン」を策定し、このビジョンのもと、IPCC 第5次評価報告書の「RCP2.6シナリ
オ(注)」「RCP8.5シナリオ(注)」などを踏まえて、世界全体で求められるCO2削減量を参考に、グローバル企
業に求められる脱炭素社会実現への貢献を果たすため、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を策定しま
した。さらに、IPCC「1.5℃特別報告書」を踏まえて気温上昇を1.5℃以内に抑えるため、2020年度に、日立の事業
所(ファクトリー・オフィス)において2030年度までにカーボンニュートラル達成、2021年度には、バリュー
チェーンにおいて2050年度までにカーボンニュートラル達成、という目標に改訂しました。グローバルでの脱炭素
社会の実現に向けて、より高い目標を表明し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
(注)RCP2.6シナリオ:産業革命前に比べて21世紀末に世界平均気温の上昇幅が2℃未満に抑えられるシナリオ
RCP8.5シナリオ:産業革命前と比べて4℃前後上昇するシナリオ
気候変動関連のリスク(日立グループ)
当グループ全体の、①1.5℃シナリオにおけるリスクと、②4℃シナリオにおけるリスクは以下のとおりです。日
立の業態では、これらの気候変動に関するリスクは、対策が可能なものであることが分かります。
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気候変動関連の機会(日立グループ)
環境長期目標や「2024中期経営計画」に掲げたCO2排出量の削減目標を達成するには、事業所の脱炭素化はもち
ろん、バリューチェーン全体の排出の多くを占める、販売された製品・サービスの使用に伴うCO2排出の削減が重
要です。使用時にCO2を排出しない、またはなるべく排出しない製品・サービスの開発・提供は、お客さまニーズ
への対応であり、社会が求めるCO2排出量削減への貢献です。これは、日立の経営戦略として推し進めている「社
会イノベーション事業」の大きな柱であり、短・中・長期にわたる大きな事業機会になります。
③リスク管理
日立は、気候変動関連リスクについて、3年ごとに策定する「環境行動計画」に基づき、環境に関するリスクと
機会の影響評価の中で、BU及びグループ会社ごとに、評価・査定しています。評価結果は、当社サステナビリティ
推進本部にて集約し、サステナビリティ推進委員会で重要性を確認します。日立全体として特に重要と認識された
リスクと機会がある場合には、経営会議で審議・決定され、必要に応じて取締役会で審議されます。
④指標と目標
日立は、中・長期の指標と目標は、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」で定めており、さらに、短期
の指標と目標を、「環境行動計画」で詳細に定めて管理しています。
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気候変動の緩和と適応に関する指標は、CO2排出量総量や、CO2排出量原単位削減率を採用しています。お客さま
や社会に対し、よりCO2を排出しない製品・サービスを提供する指標を設定し、その推進に重点を置いています。
併 せて、自社の事業所で発生するCO2排出量については、CO2削減に寄与する設備投資にインセンティブを与える
「日立インターナルカーボンプライシング(HICP)」制度を活用しながら、削減を進めていきます。
(4)中期経営計画における経営指標
2024中期経営計画においては、以下の指標を経営上の業績目標としています。
2024年度目標 選定した理由
売上収益年成長率(2021年度-2024年
5-7% 成長性を測る指標として選定
度 CAGR)(注)1、2
Adjusted EBITA率(注)3
12% 収益性を測る指標として選定
EPS成長率(2021年度-2024年度 CAGR)
10-14% 収益性及び株主価値を測る指標として選定
(注)1、4
コア・フリー・キャッシュ・フロー
1.4兆円 キャッシュ創出力を測る指標として選定
(3年間累計)(注)5
投下資本利益率(ROIC)(注)6 10% 投資効率を測る指標として選定
(注)1.CAGR(Compound Average Growth Rate)は、年平均成長率です。
2.上場子会社を除いて算出しています。
3.Adjusted EBITAは、「Adjusted EBITA=調整後営業利益-買収に伴う無形資産等の償却費+持分法損益」に
より計算しています。Adjusted EBITA率は、Adjusted EBITAを売上収益の額で除して算出した指標です。
4.EPS(Earnings Per Share)は、一株当たり当期利益です。
5.コア・フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから、M&Aや資産売却他に係るキャッ
シュ・フローを除いた経常的なキャッシュ・フローです。
6.ROIC(Return on invested capital)は、「ROIC=(税引後の調整後営業利益+持分法損益)÷投下資本
×100」により算出しています。なお、「税引後の調整後営業利益=調整後営業利益×(1-税金負担
率)」、「投下資本=有利子負債+資本の部合計」です。
また、上記の経営目標の他、お客さまや社会への価値提供と人的資本の充実に向け、以下の項目を中期経営計画
の重点項目として取り組んでいきます。
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2【事業等のリスク】
(1)リスクマネジメントについて
当社では、日々変化する経営環境を把握・分析し、社会的課題や当社の競争優位性、経営資源などを踏まえ、当
社として備えるべき様々な「リスク」とさらなる成長「機会」の両面からリスクマネジメントを実施し、リスクを
コントロールしながら収益機会の創生に努めています。
かかる多様なリスクに関して、各担当部署がリスクと機会の適切な把握・対応に努め、経営幹部への報告・経営
戦略への反映を行っています。
特に、2022年4月から、当社経営における全社的リスクに係る重要事項の議論・決定の場として執行役社長を議
長、CRMO(Chief Risk Management Officer)を副議長とする「リスクマネジメント会議」を新設しました。リス
クを一元的・横断的に把握することで、成長戦略と連携した盤石な経営基盤の実現をめざしていきます。
(2)リスク要因
当グループは、幅広い事業分野にわたり、世界各地において事業活動を行っています。また、事業を遂行するた
めに高度で専門的な技術を利用しています。そのため、当グループの事業活動は、多岐にわたる要因の影響を受け
ています。その要因及び各リスク要因に対する対応策の主なものは、次のとおりです。
なお、これらは当有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断している一定の前提に基づいていま
す。また、これらの対応策は各リスク要因の影響を完全に排除するものではなく、また、影響を軽減する有効な手
段とはならない可能性があります。
①経済環境に係るリスク
経済の動向
当グループの事業活動は、世界経済及び特定の国・地域の経済情勢や地政学的情勢の影響を受けます。各国・地
域や日本の景気が減速・後退する場合は、個人消費や設備投資の低下等をもたらします。また、ウクライナ情勢に
代表される国家間紛争、緊張の高まりにより、特定の地域での経済活動の制約や停止を余儀なくされることも考え
られます。その結果、当グループが提供する製品・システム又はサービスの一部制限や需要の減少などにより、当
グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、様々な事業分野・地域において、多様な特性を持つ社会イノベー
ション事業を組み合わせる経営をしています。また、リスク評価等を通じて地政学的情勢の変化への迅速な対応を
図っています。
為替相場の変動
当グループは、取引先及び取引地域が世界各地にわたっているため、為替相場の変動リスクにさらされていま
す。当グループは、現地通貨建てで製品・サービスの販売・提供及び原材料・部品の購入を行っていることから、
為替相場の変動は、円建てでの売上の低下やコストの上昇を招き、円建てで報告される当グループの経営成績に悪
影響を及ぼす可能性があります。当グループが、売上の低下を埋め合わせるために現地通貨建ての価格を上げた場
合やコストの上昇分を吸収するために円建ての価格を上げた場合、当グループの価格競争力が低下し、それに伴
い、経営成績は悪影響を受ける可能性があります。また、当グループは、現地通貨で表示された資産及び負債を保
有していることから、為替相場の変動は、円建てで報告される当グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があ
ります。
2022年3月31日時点における2023年3月31日に終了する連結会計年度の為替感応度(見通しの為替レートから1
円変動した場合の業績影響額)の見積りは、以下のとおりです。
為替感応度(億円)
通貨 見通し
Adjusted EBITA
売上収益
ドル 120円/ドル 195 15
ユーロ 130円/ユーロ 70 5
かかるリスクへの対応として、当グループでは、先物為替予約契約や通貨スワップ契約等の為替変動リスクの
ヘッジや製品・サービスの地産地消戦略の推進等を実行しています。
資金調達環境
当グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入並びにコ
マーシャル・ペーパー及びその他の債券、株式の発行等による資本市場からの資金調達です。当グループは、事業
活動のための費用、負債の元本及び利子並びに株式に対する配当を支払うために、流動資金を必要とします。ま
た、当グループは、設備投資及び研究開発等のために長期的な資金調達を必要としています。当グループは、営業
活動によるキャッシュ・フロー、銀行等の金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達により、当グループの
事業活動やその他の流動資金の需要を充足できると考えていますが、世界経済が悪化した場合、当グループの営業
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活動によるキャッシュ・フロー、業績及び財政状態に悪影響を及ぼし、これに伴い当社の債券格付けにも悪影響を
及ぼす可能性があります。債券格付けが引き下げられた場合、当社が有利と考える条件による追加的な資金調達の
実 行力に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、資金調達を銀行等の金融機関からの借入に依存することにより金利上昇のリスクにさらされています。
また、外部の資金源への依存を高めなければならなくなる可能性があります。負債への依存を高めることにより、
当社の債券格付けは悪影響を受けることがあり、当社が有利と考える条件による追加的な資金調達の実行力にも影
響を及ぼす可能性があります。かかる資金調達ができない場合、当グループの資金調達コストが上昇し、当グルー
プの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当グループでは、金利上昇のリスクを軽減するた
めの施策として、主に金利スワップ契約を締結しています。
また、当グループの主要な取引金融機関が倒産した場合又は当該取引金融機関が当グループに対して融資条件の
変更や融資の停止を決定した場合、当グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。
株価等の価格の下落
当グループは、他社との事業上の関係等を維持又は促進するため、株式等の有価証券を保有しています。かかる
有価証券は、価値の下落リスクにさらされています。株式の市場価格等の価値の下落に伴い、当社及び連結子会社
は、保有する株式等の評価損を計上しなければならない可能性があります。さらに、当社及び連結子会社は、契約
その他の義務により、株価の下落等にかかわらず、株式等を保有し続けなくてはならない可能性があり、このこと
により多額の損失を被る可能性もあります。
当事業年度末において、当社が保有している投資株式の銘柄数及び貸借対照表計上額は、以下のとおりです。
銘柄数 貸借対照表計上額の合計額
(銘柄) (百万円)
非上場株式 152 23,341
非上場株式以外の株式 46 251,129
かかるリスクへの対応として、当社は、取引や事業上必要である場合を除き、投資株式を取得・保有しないこと
を基本方針とし、既に保有している株式についても、保有意義や合理性が認められない限り、売却を進めています
(保有目的が純投資以外の目的である投資株式の保有方針及び保有の合理性の検証について、「第4 提出会社の
状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」参照)。
②サプライチェーンに係るリスク
原材料・部品の調達
当グループの生産活動は、サプライヤーが時宜に適った方法により、合理的な価格で適切な品質及び量の原材
料、部品及びサービスを当グループに供給する能力に依存しています。需要過剰の場合、サプライヤーは当グルー
プの全ての要求を満たすための十分な供給能力を有しない可能性があります。原材料、部品及びサービスの不足
は、急激な価格の高騰を引き起こす可能性があります。また、米ドルやユーロをはじめとする現地通貨建てで購入
を行っている原材料及び部品については、為替相場の変動の影響を受けます。石油、銅、鉄鋼、合成樹脂、レアメ
タル、レアアース等の市況価格の上昇は当グループの製造コストの上昇要因であり、当グループの経営成績に悪影
響を及ぼす可能性があります。一方、原材料及び部品等の商品価格が下落した場合には、棚卸資産の評価損等の損
失が発生する可能性があります。さらに、自然災害等により、サプライヤーの事業活動やサプライチェーンが被害
を受けた場合、当グループの生産活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、サプライヤーにおいて児童労働
や強制労働などの労働者の権利侵害事象等を含む法令違反等が発生した場合、発注元としての当グループの評判の
低下や、当該サプライヤーからの安定した原材料・部品の調達に支障が生じ、当グループの事業、財政状態及び経
営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、複数のサプライヤーとの緊密な関係構築や製品・サービスの地産
地消戦略の推進による各地域における需要変動への適切な対応、国内及び主要海外拠点における事業継続計画
(BCP)の策定による事業中断リスクへの対応力強化、グループ全体としての調達機能の活用・強化等を実行して
いる他、サプライヤーにおける法令違反等の発生を防ぐため、質問票を用いた自己点検や監査、理解促進の取組み
を実施しています。
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取引先の信用リスク
当グループは、国内外の様々な顧客及びサプライヤーと取引を行っており、売掛金、前渡金などの信用供与を
行っています。取引相手の財政状態の悪化や経営破綻等が生じた場合、当グループの財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループでは、定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額の設定な
ど、信用リスクの管理のための施策を実施しています。
③地政学に係るリスク
海外における事業活動
当グループは、事業戦略の一環として海外市場における事業の拡大を図っており、これを通じて、売上の増加、
コストの削減及び収益性の向上等の実現をめざしています。これらの多くの市場において、当グループは、潜在的
な顧客と現地企業との間の長期にわたる関係等の障壁に直面することがあります。さらに、当グループの海外事業
は、事業を行う海外の各国において、以下を含む様々な要因による悪影響を受ける可能性があります。
・投資、輸出、関税、公正な競争、贈賄禁止、消費者及び企業に関する税制、知的財産、外国貿易及び外国為替
に関する規制、人権や雇用・労働に関する規制
・契約条項等の商慣習の相違
・労使関係、労働慣行の変化
・対日感情、地域住民感情の悪化、各種団体等による批判やキャンペーン
・ウクライナ紛争の長期化
・国家間紛争の拡大と頻発
・その他の政治的及び社会的要因、経済の動向並びに為替相場の変動
これらの要因により、当グループが、海外における成長戦略の目的を達成できる保証はなく、当グループの事業
の成長見通し及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、グローバルな政治・経済情勢などを定常的に把握して事業に及ぼ
す影響を分析し、海外リスク資産の移転を行うなど、グループ全体での対応を実行しています。
④環境に係るリスク
気候変動対策に関する規制強化等(脱炭素社会への移行リスク)
当グループは、炭素税、燃料・エネルギー消費への課税、排出権取引などの導入に伴う事業コストの負担増、製
品・サービスの技術開発の遅れによる販売機会の逸失、化石燃料を使用する一部の事業が使用しない事業へ転換す
ることの遅れ、投資家や社会に当グループの気候変動問題への取り組み姿勢が評価されない場合に、当グループの
事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を掲げ、カーボンニュートラルを
実現するための様々な取り組みを進めており、今後も目標達成に向けた取り組みをさらに加速していきます。事業
所においては2030年度カーボンニュートラルをめざしており、日立インターナルカーボンプライシング導入等によ
る省エネ機器・再生可能エネルギーによる発電の導入の推進、生産・輸送のさらなる効率化、非化石エネルギー由
来の電力利用の促進などにより、炭素税等の事業コスト負担増加などの回避・軽減や評価リスクの低減を図ってい
ます。事業においてはCO2排出量削減につながる革新的製品・サービスの開発・拡販、エネルギー削減につながる
省エネルギー製品の開発、現在化石燃料を使用する製品の電気エネルギーへの転換などをめざしています。
⑤テクノロジーに係るリスク
情報システムへの依存
当グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しています。コンピュータウイルスそ
の他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合、当グループの事業活動、経営成績及び財政状
態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、リモートワークの拡大は、情報漏洩などの新たなセキュリティリス
クを生じさせる恐れがあります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、継続的にサイバーセキュリティ対策等を推進しており、また、リ
モートワークに適用される技術・製品・利用手順などを厳格に定めて運用していますが、従来にないサイバー攻撃
を受けた場合や当社管理外のシステムに脆弱性があった場合には有効な手段とはならない可能性があります。
人材確保
当グループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀な人材を採用し、確保し続ける必要がありま
す。特に、当グループは、現在、グローバルに活躍できる人材や顧客に近いところでニーズをくみ取り、最適なソ
リューション・サービスを提供することができるフロント人材、デジタルトランスフォーメーションを牽引するデ
ジタル人材等を求めています。しかしながら、優秀な人材は限られており、かかる人材の採用及び確保の競争は激
化しています。当グループがこのような優秀な人材を新たに採用し、又は雇用し続けることができる保証はありま
せん。
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かかるリスクへの対応として、当グループは、国内外で必要な人材をタイムリーに確保するため、海外における
デジタル人材の直接採用を拡大するとともに、多様な人材が働きやすい職場づくりの推進、グローバル共通の人事
制 度による優秀なグローバル人材の確保、グループ・グローバル共通のラーニングマネジメントシステムの活用や
社内教育プログラムの実践による優秀な人材の確保・育成等を図っています。
急速な技術革新
当グループの事業分野においては、新しい技術が急速に発展しています。先端技術の開発に加えて、先端技術を
継続的に、迅速かつ優れた費用効率で製品・システム・サービスに適用し、これらの製品等のマーケティングを効
果的に行うことは、競争力を維持するために不可欠です。例えば、現在、デジタル化・ロボット等による自動化、
電動化、脱炭素や資源循環等の環境への技術革新への対応等が重要となっています。このような変化の潮流を捉
え、お客様に価値を提供し続けるために、自社内の研究開発及びコーポレートベンチャーファンドを通じたスター
トアップへの投資に対して多くの経営資源を投入しております。これらの先端技術の開発が予定どおり進展しな
かった場合、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、産官学によるオープンイノベーションやデジタル人材の確保・育
成、Lumadaによる協創プロセスを通じた顧客ニーズの把握のほか、これらを通じたイノベーションエコシステムの
形成を図っています。
⑥パンデミック・自然災害に係るリスク
COVID‐19
COVID-19の流行は、移動の制限・生産活動の制約、個人消費や設備投資等の減少、サプライチェーンの混乱によ
る原材料価格の高騰や半導体不足、供給制約によるインフレなどの世界経済の悪化を招いており、当グループの事
業の財政状態及び経営成績を悪化させています。COVID-19との共存を前提とした新たなフェーズに移行しつつあり
ますが、今後の状況によっては、更なる悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、Lumadaを活用したサービス型のデジタル事業の強化等による安定
的な収益の拡大、安全確保を前提とした生産活動の継続、デジタル環境の強化によるリモートワーク等を活用した
多様な働き方の拡充、キャッシュ・マネジメントの強化やサプライチェーンの強靭化、事業構造改革によるコスト
低減等を図っています。
大規模災害及び気候変動による物理的影響等
当グループは、日本国内において、研究開発拠点、製造拠点及び当社の本社部門を含む多くの主要施設を有して
います。過去において、日本は、地震、津波、台風等多くの自然災害に見舞われており、今後も、大規模な自然災
害により当グループの生産から販売に至る一連の事業活動が大きな影響を受ける可能性があります。また、海外に
おいても、アジア、米国及び欧州等に拠点を有しており、各地の自然災害によって、当グループの事業拠点のほ
か、サプライチェーンや顧客の事業活動にも被害が生じる可能性があります。さらに、気候変動に起因して、渇水
や海面上昇、長期的な熱波や洪水等の大規模な自然災害が、今後より一層深刻化する可能性があります。かかる大
規模な自然災害により当グループの施設が直接損傷を受けたり破壊された場合、当グループの事業活動が中断した
り、新たな生産や在庫品の出荷が遅延する可能性があるほか、多額の修理費、交換費用その他の費用が生じる可能
性があり、これらの要因により多額の損失が発生する可能性があります。大規模な自然災害により当グループの施
設が直接の影響を受けない場合であっても、流通網又は供給網が混乱する可能性があります。また、感染症の流行
や、テロ、犯罪、騒乱及び紛争等の各国・地域の不安定な政治的及び社会的状況により、当グループの事業活動が
混乱する可能性があり、当グループの従業員が就労不能となったり、当グループの製品に対する消費者需要の低下
や販売網及び供給網に混乱が生じる可能性があります。さらに、全ての潜在的損失に対して保険が付保されている
わけではなく、保険の対象となる損失であってもその全てが対象とはならない可能性があり、また、保険金の支払
いについて異議が申し立てられたり遅延が生じる可能性があります。自然災害その他の事象により当グループの事
業遂行に直接的又は間接的な混乱が生じた場合、当グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす
可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、BCPの策定による事業中断リスクへの対応力強化等を図ってお
り、また、工場新設時における洪水被害を想定した建設・工場内設備の配置等を行っています。
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⑦その他会社経営全般に影響を及ぼすリスク
長期請負契約等に係る見積り、コストの変動及び契約の解除
当グループは、インフラシステムの建設に係る請負契約をはじめ多数の長期契約を締結しており、かかる長期請
負契約等に基づく収益を認識するために、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合、工事契約の
進捗に応じて収益及び費用を認識しています。収益については、主に、見積原価総額に対する実際発生原価の割合
で測定される進捗度に基づいて認識しています。また、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができない場
合には、発生した工事契約原価のうち、回収される可能性が高い範囲でのみ収益を認識し、工事契約原価は発生し
た期間に費用として認識しています。長期請負契約等に基づく収益認識において、見積原価総額、見積収益総額、
契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を行う必要がありますが、かかる見積りは変動する可能性が
あります。当グループは、これらの見積りを継続的に見直し、必要と考える場合には調整を行っています。当グ
ループは、価格が確定している契約の予測損失は、その損失が見積られた時点で費用計上していますが、かかる見
積りは変動する可能性があります。また、コストの変動は、当グループのコントロールの及ばない様々な理由に
よって発生する可能性があります。さらに、当グループ又はその取引相手が契約を解除する可能性もあります。こ
のような場合、当グループは、当該契約に関する当初の見積りを見直す必要が生じ、かかる見直しは、当グループ
の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、契約締結前からリスクの把握・管理を行い、契約締結後も継続的
に事業部門と財務部門間で管理・共有し、適時に正確な見積りができるよう努めています。
競争の激化
当グループの事業分野においては、大規模な国際的企業からスタートアップを含む専業企業に至るまで、多様な
競合相手が存在しています。先端的な製品・システムやサービス等においても汎用品化や低コストの地域における
製造・開発・サービス提供やクラウド化・自動化が進んでおり、価格競争を激化させています。かかる状況下で競
争力を維持するためには、当グループは、その製品等が価格競争力を有するものでなければならないと考えていま
す。かかる製品等の汎用品化は、当グループの価格決定力に影響を及ぼします。当グループが競合相手の価格と対
等な価格を設定できない場合、当グループの競争力及び収益性が低下する可能性があります。一方で、競合相手の
価格と対等な価格を設定することにより、その製品等の販売が損失をもたらす可能性があります。また、当グルー
プの製品等は、技術、品質及びブランド価値の面においても競争力を有するものでなければなりません。当グルー
プは、かかる製品等を適時に市場に投入する必要がありますが、当グループが提供する製品等が競争力を有する保
証はなく、かかる製品等が競争力を有していない場合、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼ
す可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、研究開発によるイノベーションの強化やLumada事業の拡大、顧客
との協創、製品等の高付加価値化を図っています。
需要と供給のバランス
当グループが他社と競合する市場における急激な需要の減少と供給過剰は、販売価格の下落、ひいては売上の減
少及び収益性の低下を招く可能性があります。加えて、当グループは、需要と供給のバランスを取るため、過剰在
庫や陳腐化した設備の処分又は生産調整を強いられる場合があり、これにより損失が発生する可能性があります。
例えば、情報機器、昇降機や半導体、自動車機器等の市場における需要と供給のバランスが崩れ、市況が低迷した
場合、当グループの関連事業の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、製品等の競争力の強化に加え、需要予測に基づく製品等の供給・
在庫の管理等を図っています。
コスト構造改革への取組み
当グループは、事業全体のバリューチェーンにおける各活動について、グループ横断でコスト構造を抜本的に改
革する「Hitachi Smart Transformation Project」を実施しています。当グループは、かかる施策により、経営基
盤強化による収益性の安定化とキャッシュ・フローの増強をめざしていますが、かかる施策は、当グループが現在
期待している効果を得られない可能性があります。また、かかる取組みによって、当グループが収益性の維持又は
向上を実現できる保証はありません。
社会イノベーション事業強化に係る戦略
当グループは、事業戦略として、主に社会イノベーション事業の強化によって、成長性が高く、安定的な収益を
得られる事業構造を確立することをめざしています。当グループは、社会イノベーション事業を強化するため、設
備投資や研究開発等の経営資源を重点的に配分することを計画しているほか、企業買収・新規プロジェクトへの投
資も行っています。また、市場の変化に応じて社会イノベーション事業を効果的に展開するため、適切な事業体制
の構築を図っています。かかる戦略を実行するため、当グループは、多額の資金を支出しており、今後も継続する
予定です。かかる戦略のための当グループの取組みは、成功しない、又は当グループが現在期待している効果を得
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られない可能性があります。また、かかる取組みによって、当グループが収益性の維持又は向上を実現できる保証
はありません。
かかるリスクへの対応として、当グループは、各ビジネスユニット(BU)においてフェーズゲート管理を行ってい
ます。加えて、市場動向、他社動向、技術動向及び潜在リスクなど様々な視点からの分析・議論についても、投融
資戦略委員会、経営会議、取締役会及び監査委員会において実施しています。
企業買収、合弁事業及び戦略的提携
当グループは、各事業分野において、重要な新技術や新製品の設計・開発、製品・システムやサービスの補完・
拡充、事業規模拡大による市場競争力の強化及び新たな地域や事業への進出のための拠点や顧客基盤の獲得等のた
め、他企業の買収、事業の合弁や外部パートナーとの戦略的提携に一定程度依存しています(当グループの経営成
績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある案件について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等
(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 注5.事業再編等」参照)。このような施策は、事業遂行、技術、製品
及び人事上の統合又は投資の回収が容易でないことから、本質的にリスクを伴っています。統合は、時間と費用が
かかる複雑な問題を含んでおり、適切な計画の下で実行されない場合、当グループの事業に悪影響を及ぼす可能性
もあります。また、事業提携は、当グループがコントロールできない提携先の決定や能力又は市場の動向によって
影響を受ける可能性があります。これらの施策に関連して、統合に関する費用や買収事業の再構築に関する費用な
ど、買収、運営その他に係る多額の費用が当グループに発生する可能性があります。これらの費用のため、大規模
な資金調達を行う場合、財政状態の悪化や資金調達能力の低下が発生する可能性があります。また、投資先事業の
収益性が低下し、投資額の回収が見込めない場合、のれんの減損など、多額の損失が発生する可能性があります。
当連結会計年度末時点で、ITセグメントにおいて1,137,719百万円、エネルギーセグメントにおいて513,616百万
円、インダストリーセグメントにおいて168,475百万円ののれんを計上しています(セグメント別ののれんの金額
について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 注4.セグメン
ト情報」参照)。これらの施策が当グループの事業及び財政状態に有益なものとなる保証はなく、これらの施策が
有益であるとしても、当グループが買収した事業の統合に成功し、又は当該施策の当初の目的の全部又は一部を実
現できない可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、各ビジネスユニット(BU)におけるフェーズゲート管理に加え、市
場動向、業界動向、戦略、買収価格、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)プロセス及び潜在リスク
など様々な視点からの分析・議論を、投融資戦略委員会、経営会議、取締役会及び監査委員会において実施してい
ます。
事業再構築
当グループは、以下の事業ポートフォリオ再構築の取組み等により、成長性が高く、安定的な収益の得られる事
業構造の確立を図っています。
・不採算事業からの撤退
・当社の子会社及び関連会社の売却
・製造拠点及び販売網の再編
・資産の売却
当グループによる事業再構築の取組みは、各国政府の規制、雇用問題又は当グループが売却を検討している事業
に対するM&A市場における需要不足等により、時宜に適った方法によって実行されないか、又は全く実行されない
可能性があります。また、当社は、上場子会社を有しており、上場子会社の株主の利害と当グループの利害が衝突
する可能性もあります。かかる利害衝突によって、上場子会社が当事者となる合併、会社分割その他のこれに類す
る取引を含むグループ全体の方針を適時に実行することが困難になる可能性があります。事業再構築の取組みは、
顧客又は従業員からの評価の低下等、予期せぬ結果をもたらす可能性もあり、また、過去に事業再構築に関連して
有形固定資産や無形資産の減損、在庫の評価減、有形固定資産の処分及び有価証券の売却に関連する損失などが生
じましたが、このような多額の費用が将来も発生する可能性があります。現在及び将来における事業再構築の取組
みは、成功しない、又は当グループが現在期待している効果を得られず、当グループの事業、財政状態及び経営成
績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、市場動向、業界動向、戦略、売却価格、プロセス及び潜在リスク
など様々な視点からの分析・議論を、投融資戦略委員会、経営会議、取締役会及び監査委員会において実施してい
ます。
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持分法適用会社の業績の悪化
当社及び連結子会社は、多数の持分法適用会社を有しています。持分法適用会社の損失は、当社及び連結子会社
の持分比率に応じて、連結財務諸表に計上されます。また、当社及び連結子会社は、持分法適用会社の回収可能価
額が取得原価又は帳簿価額を下回る場合、当該持分法適用会社の株式について減損損失を計上しなければならない
可能性もあります。
当連結会計年度末において、持分法で会計処理されている投資は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
セグメント 2022年3月31日
IT 50,397
エネルギー 49,854
インダストリー 23,789
モビリティ 31,055
ライフ 124,750
オートモティブシステム 10,271
日立建機 26,661
日立金属 11,611
その他 3,778
小計 332,166
全社及び消去 79,035
合計 411,201
かかるリスクへの対応として、当グループは、投下資本利益率(ROIC)を用いた投資収益管理を推進し、収益
性・成長性の高い分野へ投資を集中させるとともに、投資した持分法適用会社については投資実行後も事業計画の
達成状況や財務状況を把握し、低収益事業や将来の競争力に懸念のある投資先については売却を行うなどの施策を
行っています。
訴訟その他の法的手続
当グループは、事業を遂行する上で、訴訟や規制当局による調査及び処分等に関するリスクを有しています。訴
訟その他の法的手続により、当グループに対して巨額又は算定困難な金銭支払いの請求又は命令がなされ、また、
事業の遂行に対する制限が加えられる可能性があり、これらの内容や規模は長期間にわたって予測し得ない可能性
があります。過去、当グループは、一部の製品において、競争法違反の可能性に関する日本、欧州及び北米等の規
制当局による調査の対象となり、また、顧客等から損害賠償等の請求を受けています(当グループの経営成績及び
財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性がある案件について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)
連結財務諸表 連結財務諸表注記 注30.コミットメント及び偶発事象」参照)。これらの調査や紛争の結果、複
数の法域において多額の課徴金や損害賠償金等の支払いが課される可能性があります。かかる重大な法的責任又は
規制当局による処分は、当グループの事業、経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判及び信用に悪影響を
及ぼす可能性があります。
さらに、当グループの事業活動は、当グループが事業を行う国々で様々な政府による規制の対象となります。か
かる政府による規制は、投資、輸出、関税、公正な競争、贈賄禁止、消費者及び企業に関する税制、知的財産、外
国貿易及び外国為替に関する規制、人権や雇用・労働に関する規制、環境及びリサイクルに関する規制を含みま
す。これらの規制は、当グループの事業活動を制限し又はコストを増加させ、また、新たな規制又は規制の変更
は、当グループの事業活動をさらに制限し又はコストを増加させる可能性もあります。さらに、規制違反に係る罰
金又は課徴金など、規制の執行が、当グループの経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー、評判及び信用に悪影
響を及ぼす可能性があります。また、個人データ保護規制等への対応についても、事業に悪影響を及ぼす可能性が
あります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、規制の適用を受ける業務の特定、リスク評価、リスクに応じた措
置の実行及び従業員に対する教育等を実施しています。
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製品の品質と責任
当グループの製品・サービスには、高度で複雑な技術を利用したものが増えています。また、部品等を外部のサ
プライヤーから調達することにより、品質確保へのコントロールが低下します。当グループの製品・サービスに欠
陥等が生じた場合、当グループの製品・サービスの質に対する信頼が悪影響を受け、当該欠陥等から生じた損害に
ついて当グループが責任を負う可能性があるとともに、当グループの製品の販売能力に悪影響を及ぼす可能性があ
り、当グループの経営成績、財政状態及び将来の業績見通しに悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、品質保証体制の強化に加え、事故未然防止活動、技術法令の遵守
活動、リスクアセスメントの徹底、品質・信頼性や製品事故発生時の対応に関する教育等を行っています。
機密情報の管理
当グループは、顧客から入手した個人情報並びに当グループ及び顧客の技術、研究開発、製造、販売及び営業活
動等に関する機密情報を様々な形態で保持及び管理しています。かかる情報が権限なく開示された場合、当グルー
プが損害賠償を請求され又は訴訟を提起される可能性があり、また、当グループの事業、財政状態、経営成績、評
判及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、機密情報管理に関する規則・運用を定め、暗号化や認証基盤の構
築によるID管理とアクセス制御等を行うとともに、サプライヤーに対しても情報セキュリティ状況の確認・審査等
を行っています。
知的財産
当グループの事業は、製品、製品のデザイン、製造過程及び製品・ソフトウェアを組み合わせてサービスの提供
を行うシステム等に関する特許権、意匠権、商標権及びその他の知的財産権を日本及び各国において取得できるか
否かに依存する側面があります。当グループがかかる知的財産権を保有しているとしても、競争上優位に立てると
いう保証はありません。様々な当事者が当グループの特許権、意匠権、商標権及びその他の知的財産権について異
議を申し立て、無効とし、又はその使用を避ける可能性があります。また、将来取得する特許権に関する特許請求
の範囲が当グループの技術を保護するために十分に広範なものである保証はありません。当グループが事業を行っ
ている国において、特許権、意匠権、著作権及び企業秘密に対する有効な保護手段が整備されていないか、又は不
十分である可能性があり、当グループの企業秘密が従業員、契約先等によって開示又は不正流用される可能性があ
ります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、出願前に公知例調査を行うことで、権利の成立可能性の向上及び
事業に即した権利の取得を図っています。また、知的財産の保護手段が整備されていない、または、不十分な国に
おいては、従業員や契約先との契約等により、不正利用の抑制を図っています。
当グループの多くの製品には、第三者からライセンスを受けたソフトウェア又はその他の知的財産が含まれてい
ます。当グループは、競合他社の保護された技術を使用することができない、又は不利な条件の下でのみ使用しう
ることとなる可能性があります。かかる知的財産に関するライセンスを取得したとしても経済的理由等からこれを
維持できる保証はなく、また、かかる知的財産が当グループの期待する商業上の優位性をもたらす保証もありませ
ん。
かかるリスクへの対応として、当グループは、当該第三者と契約・交渉により良好な関係を維持し、知的財産の
実施権の確保を図っています。
当グループは、特許権、意匠権及びその他の知的財産に関して、提訴され、又は権利侵害を主張する旨の通知を
受け取ることがあります。これらの請求に正当性があるか否かにかかわらず、応訴するためには多額の費用等が必
要となる可能性があり、また、経営陣が当グループの事業運営に専念できない可能性や当グループの評判を損ねる
可能性があります。さらに、権利侵害の主張が成功し、侵害の対象となった技術のライセンスを当グループが取得
することができない場合、又は他の権利侵害を行っていない代替技術を使用することができない場合、当グループ
の事業は悪影響を受ける可能性があります。
かかるリスクへの対応として、当グループは、新たな製品の販売やサービスの提供開始前に、当該製品やサービ
スについて他社特許クリアランスを実施するとともに、必要な場合には製品やサービスの設計変更を行うこと等
で、他社との係争の回避を図っています。
退職給付に係る負債
当グループは、数理計算によって算出される多額の退職給付費用を負担しています。この評価には、死亡率、脱
退率、退職率、給与の変更及び割引率等の退職給付費用を見積る上で利用される様々な数理計算上の仮定が含まれ
ています。当グループは、人員の状況、市況及び将来の金利の動向等の多くの要素を考慮に入れて、数理計算上の
仮定を見積る必要があります。数理計算上の仮定の見積りは、基礎となる要素に基づき、合理的なものであると考
えていますが、実際の結果と合致する保証はありません。数理計算上の仮定が実際の結果と異なった場合、その結
果として実際の退職給付費用が見積費用から乖離して、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能
性があります。割引率の低下は、数理上の退職給付に係る負債の増加をもたらす可能性があります。また、当グ
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ループは、割引率等の数理計算上の仮定を変更する可能性があります。数理計算上の仮定の変更も、当グループの
財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクへの対応として、2019年4月1日から当社の従業員を対象として、従来の確定拠出型企業年金制度
からリスク分担型企業年金制度に移行し、当社の掛金負担を固定化することにより、資産運用リスク等を低減して
います。
株式の追加発行に伴う希薄化
当社は、将来、株式の払込金額が時価を大幅に下回らない限り、株主総会決議によらずに、発行可能株式総数の
うち未発行の範囲において、株式を追加的に発行する可能性があります。将来における株式の発行は、その時点の
時価を下回る価格で行われ、かつ、株式の希薄化を生じさせる可能性があります。
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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営計画の進捗
①経営上の目標として掲げた指標の状況
「2021中期経営計画」において、経営上の目標として用いた主な指標の当連結会計年度における状況は次のとお
りです。
当連結会計年度(2021年度) 2021年度目標
(2018~2021年度 CAGR)
売上収益年成長率 18%
3%超
調整後営業利益率 7.2% 10%超
(2019~2021年度累計) (2019~2021年度累計)
営業キャッシュ・フロー
20,840億円 25,000億円超
投下資本利益率(ROIC) 7.7% 10%超
海外売上比率 59% 60%超
当連結会計年度は、「2021中期経営計画」の最終年度でしたが、COVID-19の拡大等による厳しい経営環境によ
り、調整後営業利益率、営業キャッシュ・フロー、ROICなどの目標は未達となりました。しかしながら、コスト構
造改革や収益力強化の取組み、事業ポートフォリオの再編の成果等により調整後営業利益率は前年度よりも1.5%増
加して7.2%となりました。このように、社会イノベーション事業でグローバルリーダーになることを掲げた「2021
中期経営計画」の最終年度として、次期中期経営計画である「2024中期経営計画」における成長の基礎を築くこと
ができました。
②成長に向けた事業強化
・社会インフラのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速する事業ポートフォリオ改革
昨年7月に買収を完了したGlobalLogic社は、新たに開設した「Lumada Innovation Hub Tokyo」などを活用し
て、様々な協創を開始しており、その高いデジタルエンジニアリング力と豊富な顧客基盤を活かし、Lumada事業の
世界展開を加速しています。また、パワーグリッド事業は、日立エナジー社(旧Hitachi ABB Power Grids社)を中
心に、持続可能なエネルギーの実現へ向けて、積極的に事業を展開しています。さらに、鉄道事業でも、デジタル
技術を活用した鉄道システム及びソリューション提供の強化を目的にThales(タレス)社の鉄道信号関連事業等の買
収を決定しました。
一方で、日立建機株式の一部譲渡を決定したことにより、日立グループにおける全ての親子上場関係の解消が実
現されます。
「2021中期経営計画」を経て、日立の事業ポートフォリオは改革が推進され、社会イノベーション事業の更なる
成長を実現するための土台が強化されました。
・Lumada事業の進展
当連結会計年度におけるLumada事業の売上は、全セグメントにおいて前年度よりも増収したことに加え、ABB
Ltdのパワーグリッド事業やGlobalLogic社の買収影響等により1兆6,090億円となりました。
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(2)経営成績の状況の分析
①業績の状況
売上収益は、前年度に比べて18%増加し、10兆2,646億円となりました。COVID-19(新型コロナウイルス感染
症)の影響により悪化していた市況の回復や為替影響に加えて、日立Astemo㈱に係る経営統合(日立オートモティ
ブシステム㈱と㈱ケーヒン、㈱ショーワ及び日信工業㈱の経営統合)やABB Ltdのパワーグリッド事業買収、
GlobalLogic社の買収等により増収となりました。
売上原価は、前年度に比べて18%増加し、7兆7,059億円となり、売上収益に対する比率は、前年度と同水準の
75%となりました。売上総利益は、前年度に比べて17%増加し、2兆5,586億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前年度に比べて7%増加し、1兆8,203億円となり、売上収益に対する比率は、前年度
より1%減少し、18%となりました。
調整後営業利益は、売上収益の増加等により、前年度に比べて2,430億円増加し、7,382億円となりました。
その他の収益は、前年度に比べて3,477億円減少して1,283億円となり、その他の費用は、前年度に比べて884億
円減少して839億円となりました。主な内訳は、以下のとおりです。
・固定資産損益は、前年度に比べて19億円増加し、180億円の利益となりました。
・減損損失は、前年度にオートモティブシステム事業における固定資産の減損損失や日立金属における磁性材料
事業の収益性低下等による減損損失を計上していたこと等により、前年度に比べて739億円減少し、350億円と
なりました。
・事業再編等損益は、Arcelik Hitachi Home Appliances B.V.株式の一部売却による売却益を計上したものの、
前年度に日立化成㈱株式売却やライフセクターにおける画像診断関連事業の売却、Agility Trains East
(Holdings) Limited株式の一部売却に伴う売却益を計上していたこと等により、前年度に比べて3,502億円減
少し、1,021億円となりました。
・特別退職金は、前年度に比べて109億円減少し、87億円となりました。
金融収益(受取利息を除く)は、前年度に比べて139億円増加して279億円となり、金融費用(支払利息を除く)
は、前年度に比べて13億円減少して97百万円となりました。
持分法による投資損益は、前年度に比べて16億円改善し、404億円の利益となりました。
これらの結果、EBIT(注)は、前年度に比べ6億円増加し、8,509億円となりました。
(注)EBIT (Earnings before interest and taxes)は、受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益であり、
継続事業税引前当期利益から、受取利息の額を減算し、支払利息の額を加算して算出した指標です。EBIT率
は、EBITを売上収益の額で除して算出した指標です。
受取利息は、前年度に比べて14億円減少して154億円となり、支払利息は、前年度に比べて43億円増加して271億
円となりました。
継続事業税引前当期利益は、前年度に比べて51億円減少し、8,393億円となりました。
法人所得税費用は、事業再編に伴う税金費用の影響等により、前年度に比べて1,567億円減少し、1,684億円とな
りました。
非継続事業当期利益は、前年度に比べて6億円減少し、0百万円となりました。
当期利益は、前年度に比べて1,523億円増加し、6,708億円となりました。
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非支配持分に帰属する当期利益は、前年度に比べて704億円増加し、873億円となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期利益は、前年度に比べて818億円増加し、5,834億円となりました。
②セグメントごとの業績の状況
セグメントごとに業績の状況を概観すると次のとおりです。各セグメントの売上収益は、セグメント間内部売上
収益を含んでいます。なお、各表内の内数は、各セグメントの主な事業等の業績を表しており、それらの合計額
は、セグメント全体の業績と一致しない場合があります。
(IT)
※GlobalLogicの買収に伴う無形資産等の償却費はITセグメント合計に含まれています。
売上収益は、Lumada事業やGlobalLogic社が堅調に推移したこと等により、前年度に比べて増収となりまし
た。
調整後営業利益は、前年度に比べて減益となりました。半導体不足の影響やGlobalLogic社買収に伴う無形資
産等の償却費、統合に向けた一時的費用等の関連費用の計上等により、減益となりました。
EBITは、前年度に比べて減益となりました。調整後営業利益が減益となったことに加え、GlobalLogic社買収
に伴うアドバイザリー費用の計上等により、減益となりました。
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(エネルギー)
※関連費用には、パワーグリッド事業買収に伴う無形資産等の償却費のほか、PMIに係る費用等が含まれています。
売上収益は、前年度に比べて増収となりました。原子力事業が、作業高減少により減収となったものの、ABB
Ltdのパワーグリッド事業の買収影響により、増収となりました。
調整後営業利益は、前年度に比べて増益となりました。原子力事業の売上収益が減少となったものの、エネル
ギー事業において一部案件の対策強化が終了したことや、原子力事業及びエネルギー事業での原価低減や固定費
圧縮等により増益となったこと、また、ABB Ltdのパワーグリッド事業買収による増益等により、増益となりま
した。
EBITは、調整後営業利益の増加等により、前年度に比べて増益となりました。
(インダストリー)
売上収益は、前年度に比べて増収となりました。市況の回復に伴って、インダストリアルプロダクツ事業が増
収となり、産業・流通事業も、デジタルソリューション事業の売上増加等により増収となりました。また、水・
環境事業は、空調システム事業の売上増加等により、増収となりました。
調整後営業利益は、売上収益の増加に加えて、産業・流通事業におけるデジタルソリューション事業の収益性
改善やコスト低減等により、前年度に比べて増益となりました。
EBITは、調整後営業利益の増加等により、前年度に比べて増益となりました。
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(モビリティ)
売上収益は、前年度に比べて増収となりました。鉄道システム事業は、COVID-19の制限緩和による、アジア事
業や欧州事業を中心とした作業高の増加に加え、為替影響等により、増収となりました。ビルシステム事業は、
中国における事業拡大や2020年10月に永大機電工業股份有限公司を連結化したことの影響に加え、為替影響等に
より、増収となりました。
調整後営業利益は、前年度に比べて増益となりました。ビルシステム事業における部材価格高騰等の影響が
あったものの、売上収益が増加したこと等により、増益となりました。
EBITは、前年度に比べて減益となりました。調整後営業利益が増加したものの、鉄道システム事業における
Agility Trains East (Holdings) Limited株式の売却益の影響に加え、ビルシステム事業が、前年度に事業再編
等利益を計上していたこと等により、減益となりました。
(ライフ)
※ライフセグメントの実績には、ヘルスケア他の売上収益・調整後営業利益・EBITが含まれています。
売上収益は、前年度に比べて減収となりました。画像診断関連事業の売却に伴う減収に加え、生活・エコシス
テム事業(日立グローバルライフソリューションズ)における海外家電事業の売却影響等により減収となりまし
た。また、計測分析システム事業(日立ハイテク)は、市況回復等に伴いアナリティカル・ソリューション事業
が増収となったものの、インダストリアル・ソリューション事業における一部事業撤退の影響等により減収とな
りました。
調整後営業利益は、前年度に比べて減益となりました。計測分析システム事業は、アナリティカル・ソリュー
ション事業の売上収益増加等に伴い増益となったものの、生活・エコシステム事業における売上収益の減少等に
より、減益となりました。
EBITは、生活・エコシステム事業が、Arcelik Hitachi Home Appliances B.V.株式の一部売却に伴う事業再編
等利益の計上により増益となったものの、前年同期に画像診断関連事業の売却益を計上していたこと等により、
前年度に比べて減益となりました。
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(オートモティブシステム)
売上収益は、半導体不足に伴う自動車メーカーの減産やCOVID-19拡大によるインドのロックダウンに伴う部品
供給減少等の減収要因があったものの、日立Astemo㈱に係る経営統合や前年度にCOVID-19拡大によって悪化した
操業度の改善に伴う増収等により、前年度に比べて増収となりました。
調整後営業利益は、半導体不足に伴う自動車メーカーの減産や部材価格の高騰等の影響があったものの、売上
収益の増加等により、前年度に比べて増益となりました。
EBITは、半導体不足に伴う自動車メーカーの減産や部材価格の高騰等の影響があったものの、売上収益の増加
等により、前年度に比べて増益となりました。
(日立建機)
売上収益は、中国を除く市況回復に伴う増収や米州での価格調整及び為替影響等により、前年度に比べて増収
となりました。
調整後営業利益は、鋼材価格の高騰等の影響があったものの、売上収益の増加等により、前年度に比べて増益
となりました。
EBITは、調整後営業利益の増加やDeere & Company社との提携解消に伴う株式譲渡益の計上等により、前年度
に比べて増益となりました。
(日立金属)
売上収益は、自動車向け製品等の市況の回復に伴う増収等により、前年度に比べて増収となりました。
調整後営業利益は、売上収益の増加等により、前年度に比べて増益となりました。
EBITは、調整後営業利益の増加に加え、前年度に磁性材料事業における減損損失を計上していたこと等によ
り、前年度に比べて増益となりました。
(その他)
売上収益は、前年度に比べて2%増加し、4,563億円となりました。
調整後営業利益は、前年度に比べて22億円増加し、234億円となり、EBITは、前年度に比べて72億円増加し、
325億円となりました。
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③地域ごとの売上収益の状況
仕向地別に外部顧客向け売上収益の状況を概観すると次のとおりです。
国内
国内売上収益は、前年度に比べて増収となりました。これは主として、ライフセクターにおける画像診断関連
事業の売却による減収や㈱日立ハイテクのインダストリアル・ソリューション事業における一部事業撤退の影響
等があったものの、日立Astemo㈱に係る経営統合や市況の回復によるオートモティブシステムの増収、日立金属
の増収等によるものです。
海外
海外売上収益は、前年度に比べて増収となり、売上収益全体に占める比率は、前年度に比べて7%増加し、
59%となりました。各地域の状況は、以下のとおりです。
(北米)
前年度に比べて増収となりました。これは主として、オートモティブセクター、日立建機及び日立金属等が
増収となったことによるものです。
(欧州)
前年度に比べて増収となりました。これは主として、エネルギーセクター、モビリティセクター及び日立建
機等が増収となったことによるものです。
(アジア)
中国及びASEAN・インド他から成るアジアは、前年度に比べて、増収となりました。これは主として、ライ
フセクターにおける海外家電事業の一部売却による減収等があったものの、オートモティブセクター及びモビ
リティセクター等が増収となったことによるものです。
(その他の地域)
前年度に比べて増収となりました。これは主として、エネルギーセクターや日立建機等が増収となったこと
によるものです。
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(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
①流動性と資金の源泉
財務活動の基本方針
当社は、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び機動的・効率的な資金の確保を財務活
動の重要な方針としています。当社は、運転資金の効率的な管理を通じて、事業活動における資本効率の最適化を
図るとともに、グループ内の資金の管理を当社や海外の金融子会社に集中させることを推進しており、グループ内
の資金管理の効率改善に努めています。
当社は、経営管理指標にROICを導入し、資本効率の向上と収益性の高い事業の成長を経営として推進していま
す。ROICは、事業に投じた資金(投下資本)によって生み出されたリターンを評価する指標で、税引後の事業利益
を投下資本で除すことで算出します。リターンを上げるためにはROICが投下資本の調達コストである加重平均資本
コスト(WACC)を上回る必要があります。
また、2022年度からは、収益性を図る主要な指標として、これまでの調整後営業利益からAdjusted EBITA(調整
後営業利益から買収に伴う無形資産等の償却費を減算し、持分法損益を加算したもの)へ変更しました。
今後は、Adjusted EBITA12%及びROIC10%をめざすとともに、事業買収における投資判断の基準としても
Adjusted EBITA及びROICを用いることで、投資判断の規律を徹底し、収益力の強化と事業資産の効率向上をさらに
図っていきます。
資金需要の動向
当社の主要な資金使途は、成長に向けたM&A、人財への投資、設備投資や研究開発投資、株主還元等です。コ
ア・フリーキャッシュ・フロー及び資産売却で得た資金を、これらの成長投資や株主還元にバランスよく配分して
いきます。
主なM&A等の案件については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 注5.事業再編等」に、設備投資の実
績及び計画については、「第3 設備の状況」に、株主還元の方針及び実績については、「第4 提出会社の状
況 3 配当政策」に記載しています。
資金の源泉
当社は、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えてお
り、短期投資についても、直ちに利用できる財源となりうると考えています。また、資金需要に応じて、国内及び
海外の資本市場における債券の発行及び株式等の資本性証券の発行並びに金融機関からの借入により資金を調達す
ることが可能です。設備投資やM&Aのための資金については、主として内部資金により充当することとしており、
必要に応じて社債や株式等の発行により資金を調達することとしています。借入により資金を調達する場合には、
D/Eレシオ、有利子負債/EBITDA倍率等の財務規律に照らし、適正な財政状態を維持する方針としています。当社
は、機動的な資金調達を可能とするため、3,000億円を上限とする社債の発行登録を行っています。
当社及び一部の子会社は、資金需要に応じた効率的な資金の調達を確保するため、複数の金融機関との間でコ
ミットメントラインを設定しています。当社においては、契約期間1年で期間満了時に更新するコミットメントラ
イン契約と、契約期間3年で2022年7月29日を期限とするコミットメントライン契約を締結しています。2022年3
月31日現在における当社及び子会社のコミットメントライン契約に係る借入未実行残高の合計は6,319億円であ
り、このうち当社は5,367億円です。
当社は、ムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)及び
㈱格付投資情報センター(R&I)から債券格付けを取得しています。2022年3月31日現在における格付けの状況
は、次のとおりです。
格付会社 長期会社格付け 短期会社格付け
ムーディーズ A3 P-2
S&P A A-1
R&I AA- a-1+
当社は、現在の格付け水準の下で、引き続き、国内及び海外の資本市場から必要な資金調達が可能であると考え
ており、格付け水準の維持・向上を図っていきます。
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②キャッシュ・フロー
(営業活動に関するキャッシュ・フロー)
当期利益は前年度に比べて1,523億円増加しました。買入債務が前年度の318億円の減少に対して1,564億円の
増加となったものの、売上債権及び契約資産が前年度の897億円の減少に対して332億円の増加となったこと、棚
卸資産の増減による支出が前年度に比べて2,822億円増加したことに加え、法人所得税等の支払いが前年度に比
べて595億円増加したこと等により、営業活動に関するキャッシュ・フローの収入は、前年度に比べて631億円減
少し、7,299億円となりました。
(投資活動に関するキャッシュ・フロー)
有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得による支出が、
前年度にはHitachi Energy Ltd株式を取得した一方、当連結会計年度にはGlobalLogic Worldwide Holdings,
Inc.株式を取得したこと等により、前年度に比べて721億円増加したこと、固定資産関連の純投資額(注1)が
前年度に比べて405億円増加して3,300億円の支出となったことに加え、前年度には日立化成㈱株式や画像診断関
連事業の売却をしたこと等から、有価証券及びその他の金融資産(子会社及び持分法で会計処理されている投資
を含む)の売却による収入が5,135億円減少したこと等により、投資活動に関するキャッシュ・フローの支出
は、前年度に比べて5,900億円増加し、1兆488億円となりました。
(注)1.有形固定資産の取得及び無形資産の取得の合計額から、有形固定資産及び無形資産の売却を差し引い
た額。
(財務活動に関するキャッシュ・フロー)
長期借入債務の純収入額(注2)が前年度の2,929億円の収入に対して、2,611億円の支出になったものの、短
期借入金の純増減による収入が前年度に比べて4,535億円増加したこと、非支配持分株主からの子会社持分取得
による支出が、前年度は㈱日立ハイテク株式を取得したこと等から、前年度に比べて5,237億円減少したこと等
により、財務活動に関するキャッシュ・フローは、前年度の1,848億円の支出に対して、2,027億円の収入となり
ました。
(注)2.長期借入債務による調達から償還を差し引いた額。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年度末に比べて470億円減少し、9,688億円とな
りました。また、営業活動に関するキャッシュ・フローと投資活動に関するキャッシュ・フローを合わせた所謂
フリー・キャッシュ・フローは、前年度に比べて6,532億円減少し、3,189億円の支出となりました。
③資産、負債及び資本
当連結会計年度末の総資産は、GlobalLogic社の買収に伴うのれんの増加や、棚卸資産の増加等により、前年度
末に比べて2兆346億円増加し、13兆8,875億円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年度
末に比べて470億円減少し、9,688億円となりました。
当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金及び長期債務の合計)は、短期借入金や買入債務の増加等により、
前年度末に比べて7,293億円増加し、3兆1,267億円となりました。金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー
等から成る短期借入金は、前年度末に比べて8,174億円増加し、1兆2,341億円となりました。償還期長期債務は、
前年度末に比べて620億円増加し、3,364億円となりました。社債及び銀行や保険会社からの借入等から成る長期債
務(償還期を除く)は、前年度末に比べて1,501億円減少し、1兆5,561億円となりました。
当連結会計年度末の親会社株主持分は、前年度末に比べて8,163億円増加し、4兆3,418億円となりました。この
結果、当連結会計年度末の親会社株主持分比率は、前年度末の29.7%に対して、31.3%となりました。
当連結会計年度末の非支配持分は、前年度末に比べて807億円増加し、1兆134億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前年度末に比べて8,970億円増加し、5兆3,552億円となり、資本合計に対する
有利子負債の比率は、前年度末から0.04ポイント増加し0.58倍となりました。
(4)生産、受注及び販売の状況
当グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は
必ずしも一様ではなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金
額又は数量で示すことはしていません。長期に亘り収益が認識される契約を有する主なセグメントについては、未
履行の履行義務残高を、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 注
20.売上収益 」に記載しています。また、販売の状況については、「(2)経営成績の状況の分析」において各
セグメントの業績に関連付けて示しています。
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(5)重要な会計方針及び見積り
IFRSに基づく連結財務諸表の作成においては、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発的資産・債務の開
示並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響するような見積り及び仮定が必要となります。いくつかの
会計上の見積りは、次の二つの理由により、連結財務諸表に与える重要性及びその見積りに影響する将来の事象が
現在の判断と著しく異なる可能性があり、当グループの財政状態、財政状態の変化又は経営成績に重大な影響を及
ぼす可能性があります。第一は、会計上の見積りがなされる時点においては、不確実性がきわめて高い事項につい
ての仮定が必要になるため、第二は、当連結会計年度における会計上の見積りに合理的に用いることがありえた別
の見積りが存在し、または時間の経過により会計上の見積りの変化が合理的に起こりうるためです。見積り及び仮
定が必要となる重要な会計方針は、次のとおりです。
長期請負契約等に係る見積り、コストの変動及び契約の解除
当グループは、インフラシステムの建設に係る請負契約をはじめ多数の長期契約を締結しており、一定の期間に
亘り製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービス等の性質
を考慮し、履行義務の充足に向けての進捗度を発生原価又はサービス提供期間に基づき測定し収益を認識していま
す。なお、当該進捗度を合理的に測定することができない場合は、発生したコストの範囲で収益を認識していま
す。長期請負契約等に基づく収益認識において、見積原価総額、見積収益総額、契約に係るリスクやその他の要因
について重要な仮定を行う必要がありますが、かかる見積りは変動する可能性があります。当グループは、これら
の見積りを継続的に見直し、必要と考える場合には調整を行っています。当グループは、価格が確定している契約
の予測損失は、その損失が見積られた時点で費用計上していますが、かかる見積りは変動する可能性があります。
また、コストの変動は、当グループのコントロールの及ばない様々な理由によって発生する可能性があります。さ
らに、当グループ又はその取引相手が契約を解除する可能性もあります。このような場合、当グループは、当該契
約に関する当初の見積りを見直す必要が生じ、かかる見直しは、当グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影
響を及ぼす可能性があります。
企業結合
企業結合の会計処理は取得法を用いています。被取得会社の有形資産のほか、技術やブランド、顧客リストと
いった無形資産も公正価値にて評価を行いますが、かかる評価において、個々の事案に応じた適切な前提条件や将
来予測に基づき、見積りを行います。評価は通常、独立した外部専門家が評価プロセスに関与しますが、評価にお
ける重要な見積り及び前提には固有の不確実性が含まれます。当グループは、主要な前提条件の見積りは合理的で
あると考えていますが、実際の結果が異なる可能性があります。
資産の減損
当グループは、保有しかつ使用している資産の帳簿価額について、帳簿価額の回収ができなくなる可能性を示す
事象又は状況の変化が生じた場合は、減損の兆候の有無を判定します。この判定において、資産の帳簿価額が減損
していると判断された場合は、帳簿価額が回収可能価額を超える金額を減損損失として認識します。各資産及び資
金生成単位又は資金生成単位グループごとの回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高
い方で算定しています。
公正価値を算定するために用いる評価技法として、主に当該資産等の使用及び最終処分価値から期待される見積
将来キャッシュ・フローに基づくインカム・アプローチ(現在価値法)又は類似する公開企業との比較や当該資産
等の時価総額等、市場参加者間の秩序ある取引において成立しうる価格を合理的に見積り算定するマーケット・ア
プローチを用いています。使用価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの
見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しており、現時点で合理的で
あると判断される一定の前提に基づいていますが、マーケットに係るリスク、経営環境に係るリスク等により、実
際の結果が大きく異なることがありえます。また、使用価値の算定に使用する割引率については、株式市場の動向
や金利の変動等により影響を受けます。将来キャッシュ・フロー及び使用価値の見積りは合理的であると考えてい
ますが、将来キャッシュ・フローや使用価値の減少をもたらすような予測不能な事業上の環境の変化に起因する見
積りの変化が、資産の評価に不利に影響する可能性があります。当グループは、公正価値及び使用価値算定上の複
雑さに応じ、外部専門家を適宜利用しています。
のれんは、事業買収で獲得する市場競争力を基礎とする超過収益力の源泉であり、被取得会社の純資産と、取得
の対価の差額の内、無形資産等に計上された額以外をのれんとして計上します。のれんは、IFRSに基づき、償却を
せず、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位又は資金
生成単位グループごとに回収可能価額を見積り、減損テストを実施しています。また、当初の見積りと直近の見積
りを比較するモニタリングを継続し、事業戦略の変更や市場環境等の変化により、その価値が当初の見積りを下回
り、帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合には、その都度、減損テストを実施しています。当該事象
や状況の変化には、世界的な経済や金融市場における危機も含まれ、その資産の属する資金生成単位又は資金生成
単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、その超過額を減損損失として認識しています。
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減損及びのれんのセグメントごとの内訳は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表
連結財務諸表注記 注4 セグメント情報」に記載しています。主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務
諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 注9 有形固定資産 及び 注10 のれん及びその他の無形資
産」 に記載しています。
繰延税金資産
繰延税金資産は、将来の期に回収されることとなる税額であり、実現可能性を評価するにあたり、当グループ
は、同資産の一部又は全部が実現しない蓋然性の検討を行っています。実現可能性は確定的ではありませんが、実
現可能性の評価において、当グループは、繰延税金負債の振り戻しの予定及び予測される将来の課税所得を考慮し
ています。将来の課税所得の見積りの基礎となる、将来の業績の見通しは、経済の動向、市場における需給動向、
製品及びサービスの販売価格、原材料及び部品の調達価格、為替相場の変動、急速な技術革新等予見しえない事象
により実際とは異なる結果となり、将来において修正される可能性があります。その結果、認識可能と判断された
繰延税金資産の金額に不利な影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の実現可能性の評価は、各納税地域の
各納税単位で行われており、類似の事業を営む場合でも、製品や納税地域の違いにより異なった評価となりえま
す。同資産が最終的に実現するか否かは、これらの一時差異等が、将来、それぞれの納税地域における納税額の計
算上、課税所得の減額あるいは税額控除が可能となる会計期間において、課税所得を計上しうるか否かによりま
す。これらの諸要素に基づき当グループは、2022年3月31日現在で認識可能と判断された繰延税金資産が実現する
蓋然性は高いと判断していますが、実際に課税所得が生じる時期及び金額は見積りと異なる可能性があります。
退職給付に係る負債
当グループは、数理計算によって算出される多額の退職給付費用を負担しています。この評価には、死亡率、脱
退率、退職率、給与の変更及び割引率等の退職給付費用を見積る上で利用される様々な数理計算上の仮定が含まれ
ています。当グループは、人員の状況、市況及び将来の金利の動向等の多くの要素を考慮に入れて、数理計算上の
仮定を見積る必要があります。数理計算上の仮定の見積りは、基礎となる要素に基づき、合理的なものであると考
えていますが、実際の結果と合致する保証はありません。数理計算上の仮定が実際の結果と異なった場合、その結
果として実際の退職給付費用が見積費用から乖離して、当グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能
性があります。割引率の低下は、数理上の退職給付に係る負債の増加をもたらす可能性があります。また、当グ
ループは、割引率等の数理計算上の仮定を変更する可能性があります。数理計算上の仮定の変更も、当グループの
財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
退職後給付の算定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表
注記 注3 主要な会計方針の概要 (11)退職後給付」に記載しています。
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(6)将来予想に関する記述
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、「2 事業等のリスク」及び「3 経営者による財政状
態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」等は、当社又は当グループの今後の計画、見通し、戦略等の
将来予想に関する記述を含んでいます。将来予想に関する記述は、当社又は当グループが当有価証券報告書提出日
現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等の結果は見通しと大きく異なるこ
とがありえます。その要因のうち、主なものは以下のとおりです。
・主要市場における経済状況及び需要の急激な変動
・為替相場変動
・資金調達環境
・株式相場変動
・原材料・部品の不足及び価格の変動
・信用供与を行った取引先の財政状態
・主要市場・事業拠点(特に日本、アジア、米国及び欧州)における政治・社会状況及び貿易規制等各種規制
・気候変動対策に関する規制強化等への対応
・情報システムへの依存及び機密情報の管理
・人材の確保
・新技術を用いた製品の開発、タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社及び子会社の能力
・COVID-19の流行による社会的・経済的影響の悪化
・地震・津波等の自然災害、気候変動、感染症の流行及びテロ・紛争等による政治的・社会的混乱
・長期請負契約等における見積り、コストの変動及び契約の解除
・価格競争の激化
・製品等の需給の変動
・製品等の需給、為替相場及び原材料価格の変動並びに原材料・部品の不足に対応する当社及び子会社の能力
・コスト構造改革施策の実施
・社会イノベーション事業強化に係る戦略
・企業買収、事業の合弁及び戦略的提携の実施並びにこれらに関連する費用の発生
・事業再構築のための施策の実施
・持分法適用会社への投資に係る損失
・当社、子会社又は持分法適用会社に対する訴訟その他の法的手続
・製品やサービスに関する欠陥・瑕疵等
・自社の知的財産の保護及び他社の知的財産の利用の確保
・退職給付に係る負債の算定における見積り
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4【経営上の重要な契約等】
相互技術援助契約
契約会社名 相手方の名称 国名 契約品目 契約内容 契約期間
自 2008年1月1日
International
インフォメー
株式会社日立製作所 至 2023年1月1日
Business アメリカ ションハンドリ 特許実施権の交換
(当社) までに出願された
Machines Corp. ングシステム
特許の終了日
自 2010年3月31日
HP Inc.
全製品・サービ 至 2014年12月31日
Hewlett Packard
〃 アメリカ 特許実施権の交換
ス までに出願された
Enterprise Company
特許の終了日
自 2003年1月1日
インフォメー
至 2007年12月31日
EMC Corporation
〃 アメリカ ションハンドリ 特許実施権の交換
までに出願された
ングシステム
特許の終了日
日立GEニュークリア・
GE-Hitachi Nuclear
特許実施権の交換 自 1991年10月30日
エナジー株式会社 アメリカ 原子炉システム
Energy Americas LLC 技術情報の交換 至 2023年6月30日
(連結子会社)
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5【研究開発活動】
(1)研究の目的及び主要課題
当グループ(当社及び連結子会社)は、デジタルとグリーンを軸とした社会イノベーション事業に対して重点的に
研究開発資源を配分して、DX及びグリーントランスフォーメーション(GX)による価値創成を強化し、事業の継続と将
来の成長及びお客さまと社会の課題解決に努めるとともに、人々のQoLを高めることをめざしています。
事業活動のグローバル競争力強化に加え、将来の成長に向けた中長期的な取り組みとして、顧客課題・社会課題解
決に向けた協創活動、世界No.1技術及び破壊的技術の創生に投資するとともに、成長エンジンであるLumada事業拡大
やグローバル展開を推進するために、デジタル技術基盤の拡大と、海外の研究リソースの強化を図っています。関連
するGlobalLogic、日立エナジーや日立Astemo㈱等の各研究開発部門とともに社会イノベーション事業のさらなる進
化を加速します。
(2)研究開発体制
当グループの研究開発においては、当社及びグループ各社の研究開発部門が相互に緊密な連携をとりながら、研究
開発効率の向上に努めています。さらに、国内外の大学やその他の研究機関との連携に加え、2019年4月にコーポ
レートベンチャリング室を新設し、2021年10月には第2号ファンドを設立するなど、スタートアップ企業との連携強
化にも積極的に取り組んでいます。
当社は、社会イノベーション事業によるグローバルな成長の加速に向けて、北米、欧州、中国、アジア及びインド
の研究開発拠点・人員の拡充及び現地主導型研究の拡大により、現地のニーズに迅速に対応できる研究開発の推進を
図っています。また、2015年には、国内外の研究開発拠点を再編し、お客さまとともに課題を見出し、新たなソ
リューションを協創する「社会イノベーション協創センタ」、注力分野の技術基盤を応用・融合することにより革新
的な製品やサービスを創出し、新たなソリューション開発を支援する「テクノロジーイノベーションセンタ」、オー
プンイノベーションを活用し、独創的なビジョンに基づく探索型基礎研究で新領域を開拓する「基礎研究センタ」と
する体制としています。2019年には、お客さまやパートナーとのオープンな協創を加速するための研究開発拠点とし
て「協創の森」を開設し、2020年4月には、データサイエンティストのトップクラスの人材を集結させてデジタルソ
リューションによるさらなる価値向上を図るため、「Lumada Data Science Lab.」を協創の森内に開設しました。
協創の森(中央研究所)
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(3)研究開発費
当連結会計年度における当グループの研究開発費は、売上収益の3.1%にあたる3,173億円であり、セグメントごと
の研究開発費は、次のとおりです。
研究開発費
セグメントの名称
(億円)
研究開発費の推移
515
IT
383
エネルギー
106
インダストリー
306
モビリティ
505
ライフ
758
オートモティブシステム
254
日立建機
124
日立金属
18
その他
200
全社(本社他)
(注)( )内の数値は、研究開発費の売上収益合計に占める割合です。
合 計 3,173
(4)研究成果
当連結会計年度における研究開発活動の主要な成果は、次のとおりです。
①企業内の「ダークデータ」に着目した「データ抽出ソリューション」を提供開始(ITセグメント)
「ダークデータ」と呼ばれる、日々の企業活動で生成・蓄積されるものの有効活用できていない膨大なデータに
光をあて、新たな価値を見出す「データ抽出ソリューション」を開発し、提供を開始しました。本ソリューション
は、日立が参画する米国スタンフォード大学の企業参画プログラムで開発されたAIを中核としたダークデータ分析
エンジンを活用し、請求書や診療明細書といった発行元によって様式や表記が異なる非定型ドキュメントの利活用
において、取得したいデータの抽出作業を自動化・高度化するものです。日々蓄積する膨大なダークデータの中か
ら、価値あるデータを導き出し、データ利活用による経営判断の迅速化やビジネスの変革に貢献します。
②「協創の森」で、日立の脱炭素関連技術を活用したエネルギーマネジメントシステム実証環境の運用を開始(エ
ネルギーセグメント)
研究開発拠点「協創の森」に、日立の発電・蓄電・設備保守などの技術を結集させたエネルギーマネジメントシ
ステムの実証環境を構築し、運用を開始しました。本エネルギーマネジメントシステムの効果を国分寺サイトで
2020年度に検証した結果、2018年度との比較で、CO2排出量を20%削減しながら、エネルギーコストを30%削減でき
ることを確認しました。今後、日立は本環境を活用し、日立とお客さまのゼロエミッション化を推進するととも
に、環境分野での顧客協創を推進し、新たなエネルギーソリューションの創出をめざします。
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③製造業・社会インフラ分野のDX推進に向け5G SAとARを活用した組み立て作業支援を実証(ITセグメント、イン
ダストリーセグメント)
製造業や社会インフラ分野でのDX推進に向けたユースケース創出のため、SA(注1)方式の5G環境下で、AR(注
2)技術を活用した組み立て作業支援のアプリケーションが安定稼働できるかを確認する実証実験を実施しまし
た。本アプリケーションは、作業現場の映像データをAIでリアルタイムに分析・判断し、作業台上にプロジェク
ターから作業者がとるべき行動をプロジェクションマッピングで表示することで、的確な作業支援を行うもので
す。今回、NTTドコモが提供する5Gサービスを用いて実証を行った結果、4G LTEでは満たせなかったアプリケー
ションの安定稼働のための許容条件をクリアできることを確認しました(㈱NTTドコモとの共同実証)。
(注)1.SA:5G専用の基地局と5G専用のコアネットワークを用いる方式。
2.AR:プロジェクターなどの端末を通して実環境にデジタル情報を重ね合わせる技術。
④標準型エレベーター「アーバンエース HF」が「グッドデザイン賞」「iF DESIGN AWARD」及び「十大新製品賞」
を受賞(モビリティセグメント)
標準型エレベーターの新モデル「アーバンエース HF」が、(公財)日本デザイン振興会が主催する「2021年度
グッドデザイン賞」、iF International Forum Design GmbHが主催する「iF DESIGN AWARD 2022」及び㈱日刊工業
新聞社が主催する第64回(2021年)「十大新製品賞 日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞しました。「アーバン
エース HF」は、「かご内クリーン運転」や「密集回避運転」、「非接触登録装置」などの最新の感染症リスク軽
減ソリューション、ビルオーナー・管理者向けダッシュボード「BUILLINK」をはじめとするLumadaのソリューショ
ンの適用などによって、ニューノーマル時代のスタンダードとなる安全・安心・快適を提供し、新たなエレベー
ター利用体験を実現します(㈱日立ビルシステムとの共同受賞)。
「アーバンエース HF」
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⑤体内で放射線がん治療を行う「アルファ線内用療法」に必要な材料、アクチニウム225の高効率・高品質な製造
技術を世界で初めて確立(ライフセグメント)
放射線がん治療法の一つであるアルファ線内用療法に必要な、アクチニウム225を、高効率・高品質に製造可能
な技術を世界で初めて確立しました。アルファ線内用療法は、がん細胞を破壊するアルファ線を放出する物質と、
がん細胞に選択的に集積する薬剤を組み合わせた治療薬を患者に投与し、体内からがん細胞を攻撃する新しい治療
法です。体内に広く分散したがん細胞など、既存の方法では治療困難ながんにも効果があることが知られ、早期実
用化が期待されています(国立大学法人東北大学及び国立大学法人京都大学との共同開発)。
⑥インホイール式EVの実現に向けて小型・軽量のダイレクト駆動システム「Direct Electrified Wheel」を開発
(オートモティブシステムセグメント)
脱炭素社会の実現に向けて普及が進むEV向けに、ホイール内部にモーターとインバーター、ブレーキを一体で搭
載可能な小型・軽量のダイレクト駆動システム「Direct Electrified Wheel」を開発しました。開発したモーター
は、EVの走行に必要となる高い駆動力をホイールに直接伝えるとともに、モーターを軽量化することで、従来のイ
ンホイール式で課題だったホイール内の重量増加を大幅に抑制しました。また、小型化したモーターにインバー
ターとブレーキを一体化することで、サスペンションなどの既存構造を大きく変更せずにホイール内部への搭載を
可能としました。本技術の実用化に向けた研究を進め、車内空間やバッテリー設置スペースの拡大が容易なインホ
イール式のEVの実現に貢献していきます(日立Astemo㈱との共同開発)。
ダイレクト駆動システム「Direct Electrified 「Direct Electrified Wheel」をホイール内部に
Wheel」(赤色部分をホイール内部に搭載) 搭載したEV(モックアップ)
⑦サイバー攻撃を受けた際に、機密性を保ちながら対策情報を他組織と迅速に共有可能な技術を開発(ITセグメン
ト、全社(本社他))
サイバー攻撃を受けた際に、機密性を保ちながら、対策情報を他組織の専門家と迅速に共有可能な技術を開発し
ました。本技術では、攻撃を受けた組織は対策状況を記載したインシデントチケットを作成し、協調防衛に参加す
る組織ごとの機密管理の信頼度や、チケットを送付することで自組織が得られる利益の期待値に基づき、チケット
の記載内容を加工します。攻撃への対処実績がある相手組織にチケットを共有して有用なフィードバックを得るこ
とで、自組織の攻撃対処を円滑に進めることを可能とし、安心・安全なデジタル社会の実現に貢献していきます
(慶應義塾大学及び中部電力㈱と共同開発)。
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第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当グループ(当社及び連結子会社)は、長期的に成長が期待できる製品分野及び研究開発部門への投資に重点を置
き、あわせて省力化、合理化及び製品・サービスの信頼性向上のための投資を行っています。
当連結会計年度の設備投資金額(有形固定資産及び投資不動産受入ベース)は、3,887億円であり、内訳は次のと
おりです。なお、当連結会計年度から、日立Astemo㈱及びそのグループ会社から成るオートモティブシステム事業
を、オートモティブシステムセグメントとしてライフセグメントから独立させており、比較対象である前連結会計年
度の数値も同様に変更しております。
設備投資金額 前年度比
セグメントの名称 主な内容・目的
(億円) (%)
644
IT 82 製品の開発及び生産合理化
パワーグリッド製品等生産設備、
492
エネルギー 137
その他の製品の開発及び生産合理化
175
インダストリー 89 産業用機器生産設備
287
モビリティ 140 鉄道システムの生産増強、ビルシステム生産設備
半導体製造装置・解析装置の開発及び生産増強、ERP
334
ライフ 67 (統合基幹業務システム)、その他の製品の開発及び生
産合理化
862
オートモティブシステム 131 自動車機器の生産増強
433
日立建機 125 建設機械の生産合理化
特殊鋼製品及び素形材製品の生産合理化、
334
日立金属 120 磁性材料・パワーエレクトロニクス及び電線材料の生
産増強
172
その他 56 事業所の改修、研究開発設備
151
全社及び消去 - -
3,887
合 計 108 -
(注)1.上表は、使用権資産の「有形固定資産」への計上額及び投資不動産の「その他の非流動資産」への計上額を含
んでいます。
2.所要資金は、主として自己資金をもって充当しています。
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2【主要な設備の状況】
当グループ(当社及び連結子会社)は、多種多様な事業を国内外で行っており、主要な設備の状況については、セ
グメントごとの数値とともに主たる設備の状況を開示する方法によっています。
当連結会計年度末における状況は、次のとおりです。
(1)セグメントの内訳
(2022年3月31日現在)
帳 簿 価 額 (百万円)
従業員数
セグメントの名称
土 地
建物及び 機械装置 工具、器具 その他の 建設
(人)
使用権資産 合 計
(面積千㎡) 構築物 及び運搬具 及び備品 有形固定資産 仮勘定
8,341 67,614 32,382 43,060 90,922 11,146 1,162 254,627 96,996
IT
(844)
28,946 73,049 102,436 15,801 45,039 86 38,341 303,698 44,291
エネルギー
(10,609)
12,826 31,217 15,879 5,931 15,477 - 3,420 84,750 23,221
インダストリー
(2,063)
16,247 93,289 29,813 20,581 14,536 1,136 8,632 184,234 53,604
モビリティ
(2,380)
14,660 60,476 29,496 28,206 17,995 - 12,454 163,287 18,402
ライフ
(2,345)
オートモティブ 51,747 127,497 263,384 32,035 25,285 - 75,409 575,357 64,152
システム (10,071)
56,328 103,975 59,008 10,297 58,740 135,763 18,793 442,904 24,263
日立建機
(9,611)
62,045 87,791 144,113 12,798 12,056 - 15,800 334,603 27,753
日立金属
(12,736)
21,975 55,864 2,659 11,886 37,485 - 1,105 130,974 12,375
その他
(1,503)
273,115 700,772 679,170 180,595 317,535 148,131 175,116 2,474,434 365,057
小 計
(52,162)
△16,723 22,295 164 3,226 △5,115 343 277 4,467 3,190
全社及び消去
(1,040)
256,392 723,067 679,334 183,821 312,420 148,474 175,393 2,478,901 368,247
合 計
(53,202)
(注)「その他の有形固定資産」欄には、賃貸営業用オペレーティング・リース資産が含まれます。
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(2)提出会社
(2022年3月31日現在)
帳 簿 価 額 (百万円)
事業所名 セグメン 設備の 従業員数
機械装置 その他の
土 地 建物及び 工具、器具 建設
トの名称 内容
(主な所在地) (人)
及び 使用権資産 有形固定 合 計
構築物 及び備品 仮勘定
(面積千㎡)
運搬具 資産
金融、社会ビジ システム開
IT 607 37,911 114 16,168 22,995 6,874 178 84,851 8,856
ネスユニット、 発設備、
(110)
システム&サー サーバ・汎
ビスビジネス統 用コン
括本部 ピュータ等
(神奈川県川崎 生産設備
市)
本社 全社 その他設備 5,230 10,243 147 1,773 22,821 - 233 40,449 1,049
(東京都千代田
(987)
区)
研究開発グルー その他 研究開発設 6,063 19,248 658 2,885 2,438 - 252 31,548 2,250
プ 備
(東京都国分寺
(776)
市)
鉄道ビジネスユ モビリ 鉄道車両等
1,013 14,558 5,632 659 4,076 - 305 26,245 2,804
ニット ティ 生産設備
(666)
(山口県下松市)
原子力、エネル エネル 発電機器等
9,276 4,819 173 822 1,391 - 905 17,388 1,067
ギービジネスユ ギー 生産設備
(3,057)
ニット
(茨城県日立市)
病院統括本部 全社 医療設備 63 11,284 13 1,282 46 - 43 12,734 1,857
(茨城県日立市) (53)
サービス&プ 産業用機
IT 521 6,275 523 2,047 2,074 1 361 11,805 6,400
ラットフォーム 器・プラン
(202)
ビジネスユニッ ト生産設
ト 備、配電
(茨城県日立市) 盤・計算制
御装置生産
設備、シス
テム開発設
備
ITデジタル統括 その他 システム開 - 1,492 - 6,390 7 - 14 7,905 508
本部 発設備
(-)
(東京都千代田
区)
ライフ事業統括 ライフ 医療機器生
1,143 730 221 631 1,907 - 769 5,405 1,072
本部 産設備
(12)
(東京都台東区)
産業・流通、 インダス 産業ソ
165 772 88 2,231 286 - 69 3,614 2,309
水・環境ビジネ トリー リューショ
(89)
スユニット ン用機器、
(東京都千代田 水環境ソ
区) リューショ
ン用機器生
産設備
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(3)国内子会社
(2022年3月31日現在)
帳 簿 価 額 (百万円)
子会社事業所名 セグメン 設備の 従業員数
機械装置 その他の
土 地 建物及び 工具、器具 建設
トの名称 内容
(主な所在地) (人)
及び 使用権資産 有形固定 合 計
構築物 及び備品 仮勘定
(面積千㎡)
運搬具 資産
オートモ 自動車機器
日立Astemo㈱ 21,248 44,093 74,054 9,255 - 8,364 9,422 166,440 16,469
(茨城県ひたちな ティブシ 生産設備
(3,346)
ステム
か市)
日立金属㈱ 日立金属 特殊鋼製品 8,200 12,565 31,948 1,836 18 - 1,886 56,453 1,618
生産設備
安来工場 (1,098)
(島根県安来市)
㈱日立ハイテク ライフ 半導体関連 2,116 28,340 8,907 13,689 823 - 536 54,411 3,101
那珂地区 製造装置及
(241)
(茨城県ひたちな び計測・分
か市) 析装置等生
産設備
㈱日立金属ネオ 日立金属 特殊鋼製品
11,160 3,505 14,297 1,118 247 - 152 30,479 1,038
マテリアル 生産設備
(121)
(大阪府吹田市)
日立建機 建設機械生
日立建機㈱ 5,629 12,117 8,919 1,863 5,809 - 4,644 38,982 3,348
産設備
土浦工場
(4,963)
(茨城県土浦市)
日立建機㈱ 日立建機 建設機械生 9,043 11,473 4,115 275 - - 131 25,037 526
産設備
常陸那珂臨港工
(259)
場
(茨城県ひたちな
か市)
日立金属 電線・ケー
日立金属㈱ 4,679 6,767 2,501 364 767 - 26 15,104 1,209
ブル等生産
茨城工場
(1,182)
設備
(茨城県日立市)
日立建機㈱ 日立建機 建設機械生 1,980 5,132 5,448 489 1 - 320 13,370 359
常陸那珂工場 産設備
(66)
(茨城県ひたちな
か市)
日立Astemo電動 オートモ 自働車機器 - 852 9,144 305 3 - 2,628 12,932 318
機システムズ㈱ ティブシ 生産設備
(-)
ステム
(茨城県ひたちな
か市)
日立グローバル ライフ 家電製品等 289 3,430 4,523 4,070 3 - 168 12,486 1,110
ライフソリュー 生産設備
(660)
ションズ㈱
多賀事業所
(茨城県日立市)
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(4)在外子会社
(2022年3月31日現在)
帳 簿 価 額 (百万円)
子会社名 セグメン 設備の 従業員数
機械装置 その他の
土 地 建物及び 工具、器具 建設
(主な所在地) トの名称 内容 (人)
及び 使用権資産 有形固定 合 計
(面積千㎡) 構築物 及び備品 仮勘定
運搬具 資産
Hitachi Energy エネル パワーグ
15,092 59,670 99,255 13,709 41,567 - 37,327 266,620 37,520
ギー リッド製品
(2,334)
Ltd
等製造設備
(スイス
チューリッヒ)
Hitachi Vantara IT その他設備 - - 15,741 13,738 23,769 958 - 54,206 11,353
LLC
(-)
(アメリカ カリ
フォルニア)
Waupaca 日立金属 自動車用部
810 16,545 30,456 2,309 1,303 - 3,588 55,011 3,943
品生産設備
(5,085)
Foundry, Inc.
(アメリカ ウィ
スコンシン)
Hitachi Astemo ライフ 自動車機器
3,402 5,354 23,180 538 - - 3,358 35,832 3,917
生産設備
Mexico, S.A. de
(426)
C.V.
(メキシコ ケレ
タロ)
Hitachi Astemo ライフ 自動車機器 - 7,425 15,440 1,309 1,409 - 5,517 31,100 5,720
生産設備
Netherlands
(-)
B.V.
(オランダ アイ
ントホーフェ
ン)
(注)Hitachi Energy Ltd、Hitachi Vantara LLC及びHitachi Astemo Netherlands B.V.の数値は、各社の連結決算数値
です。
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3【設備の新設、除却等の計画】
当グループ(当社及び連結子会社)は、多種多様な事業を国内外で行っており、期末時点では設備の新設及び拡充
の計画を個々の案件ごとに決定していません。そのため、セグメントごとの数値を開示する方法によっています。
当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設及び拡充。有形固定資産及び投資不動産受入ベース)の金額は、
3,920億円であり、内訳は次のとおりです。なお、2023年3月31日に終了する連結会計年度から、報告セグメントの
区分を変更しています。
設備投資計画
セグメントの名称 主な内容・目的
金額(億円)
デジタルシステム&サービス 650 製品開発及び生産合理化
グリーンエナジー&モビリ パワーグリッド製品等生産設備、
800
ティ 鉄道システム生産設備
コネクティブインダストリー 産業用機器生産設備、半導体製造装置・解析装置の開発及び生産増
760
ズ 強、ビルシステム生産設備、その他の製品の開発及び生産合理化
オートモティブシステム 960 自動車機器の生産増強
日立建機 160 建設機械の生産合理化
特殊鋼製品及び素形材製品の生産増強及び合理化、
日立金属 160
磁性材料・パワーエレクトロニクス及び電線材料の生産増強
その他 270 事業所の改修、研究開発設備
全社及び消去 160 -
合 計 3,920 -
(注)1.上表は、使用権資産の「有形固定資産」への計上額及び投資不動産の「その他の非流動資産」への計上額を含
んでいます。
2.設備投資計画の今後の所要資金については、主として自己資金をもって充当する予定です。
3.経常的な設備の更新のための除却・売却を除き、重要な設備の除却・売却の計画はありません。
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第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
種 類 発行可能株式総数(株)
普 通 株 式 2,000,000,000
計 2,000,000,000
②【発行済株式】
事業年度末現在 提出日現在
上場金融商品取引所名又は
種類 発行数(株) 発行数(株)(注) 内容
登録認可金融商品取引業協会名
(2022年3月31日) (2022年6月22日)
968,234,877 968,571,877
普通株式 東京、名古屋 単元株式数は100株
968,234,877 968,571,877
計 - -
(注)「提出日現在発行数」欄に記載されている株式数には、2022年6月1日から提出日までの間の新株予約権の行使
により発行した株式数を含みません。
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
株式会社日立製作所 株式会社日立製作所 株式会社日立製作所
新株予約権の名称 第1回新株予約権 第2回新株予約権 第3回新株予約権
(注)1 (注)1 (注)1
決議年月日 2016年6月29日 2017年4月6日 2018年4月11日
付与対象者の区分及び 当社執行役 31名 当社執行役 33名 当社執行役 33名
人数 当社理事 42名 当社理事 37名 当社理事 35名
8,009個 8,439個 8,502個
新株予約権の数
[6,570個] [7,018個] [7,279個]
普通株式 普通株式 普通株式
新株予約権の目的となる
160,180株 (注)2 168,780株 (注)2 170,040株 (注)2
株式の種類、内容及び数
[131,400株] [140,360株] [145,580株]
新株予約権の行使時の
1株当たり1円 同左 同左
払込金額
2016年7月15日から 2017年4月27日から 2018年4月27日から
新株予約権の行使期間
2046年7月14日まで 2047年4月26日まで 2048年4月26日まで
新株予約権の行使により
発行価格 1,345円(注)3 発行価格 1,843円(注)3 発行価格 2,431円(注)3
株式を発行する場合の株
式の発行価格及び資本組 資本組入額 (注)4 資本組入額 (注)4 資本組入額 (注)4
入額
新株予約権の行使の条件 (注)5、6 同左 同左
譲渡による新株予約権の取
新株予約権の譲渡に
得については、取締役会の 同左 同左
関する事項
承認を要します。
代用払込に関する事項 ― ― ―
組織再編成行為に伴う新
株予約権の交付に関する (注)7 同左 同左
事項
(注)1.事業年度の末日(2022年3月31日)における内容を記載しています。新株予約権の数及び新株予約権の目的と
なる株式の数については、[ ]内に提出日の前月末現在(2022年5月31日)における内容を記載していますが、
その他の事項については、事業年度の末日における内容から変更ありません。
2.新株予約権の割当日後、当社が普通株式につき、株式分割(当社普通株式の無償割当を含む。以下、同じ。)
又は株式併合を行う場合には、新株予約権のうち、当該株式分割又は株式併合の時点で行使されていない新株予
約権について、付与株式数を次の計算により調整します。
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調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 分割又は併合の比率
また、上記の他、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、当社は、取締役会におい
て必要と認められる付与株式数の調整を行うことができます。
なお、上記の調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てます。
3.新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格は、各新株予約権の行使時の払込金額(1株当
たり1円)と割当日における各新株予約権の公正価額の合計額です。
4.新株予約権の行使により株式を発行する場合に増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出
される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果生じた1円未満の端数は、これを切り上げます。
5.新株予約権者は、当社の執行役、取締役及び理事のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休
日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、新株予約権を一括してのみ行使できます。
6.新株予約権者が行使できる新株予約権の個数は、株価条件に従い、割当日の属する事業年度の期首から3年間
の当社株式に係るTotal Shareholder Return(株主総利回り)を同期間における東証株価指数(以下、
「TOPIX」という。)の成長率と比較し、その割合(以下、「対TOPIX成長率」という。)に応じて確定します。
イ 対TOPIX成長率が120%以上となった場合
割り当てられた新株予約権の個数(以下、「割当個数」という。)の全てを行使できます。
ロ 対TOPIX成長率が80%以上120%未満となった場合
その度合いに応じ、割当個数の一部しか行使できません(※)。
(※)行使可能な新株予約権数 = 割当個数 × {(対TOPIX成長率 × 1.25) - 0.5}
ただし、1個未満の端数は切捨て。
ハ 対TOPIX成長率が80%未満となった場合
割当個数の全てを行使することができません。
7.当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割若しくは新設分割(それぞれ当社が分割会
社となる場合に限る。)、株式交換若しくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(総称
して、以下、「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日(吸収合併につき吸
収合併がその効力を生ずる日、新設合併につき新設合併設立会社の成立の日、吸収分割につき吸収分割がその効
力を生ずる日、新設分割につき新設分割設立会社の成立の日、株式交換につき株式交換がその効力を生ずる日、
及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。以下同じ。)の直前において残存する新株予約
権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第
236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれ
ぞれ交付することとします。ただし、以下の各号に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併
契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限り
ます。
(1)交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとします。
(2)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とします。
(3)新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案のうえ、残存新株予約権の取決めに準じて決定します。
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編後行使価額に上記
(3)に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額
とします。再編後行使価額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる
再編対象会社の株式1株当たり1円とします。
(5)新株予約権を行使することができる期間
新株予約権の行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、新株予約権の行使期間
の満了日までとします。
(6)新株予約権の行使により株式を発行する場合に増加する資本金及び資本準備金に関する事項
残存新株予約権の取決めに準じて決定します。
(7)譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社による承認を要するものとします。
(8)新株予約権の行使条件
残存新株予約権の取決めに準じて決定します。
(9)新株予約権の取得条項
残存新株予約権の取決めに準じて決定します。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
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発行済株式 発行済株式 資本金 資本準備金 資本準備金
資本金残高
年 月 日 総数増減数 総数残高 増減額 増減額 残高
(百万円)
(株) (株) (百万円) (百万円) (百万円)
自 2017年4月1日
- 4,833,463,387 - 458,790 - 176,757
至 2018年3月31日
2018年10月1日(注)1 △3,866,770,710 966,692,677 - 458,790 - 176,757
自 2018年4月1日
- 966,692,677 - 458,790 - 176,757
至 2019年3月31日
2019年5月31日(注)2 587,800 967,280,477 1,072 459,862 1,072 177,828
自 2019年4月1日
- 967,280,477 - 459,862 - 177,828
至 2020年3月31日
2020年5月27日(注)3 604,800 967,885,277 928 460,790 928 178,756
自 2020年4月1日
- 967,885,277 - 460,790 - 178,756
至 2021年3月31日
2021年6月15日(注)4 349,600 968,234,877 941 461,731 941 179,697
自 2021年4月1日
- 968,234,877 - 461,731 - 179,697
至 2022年3月31日
(注)1.普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行いました。
2.譲渡制限付株式報酬としての新株式の有償発行によるものです。
発行価額:1株につき3,647円
資本組入額:1株につき1,823.5円
割当先:当社執行役37名、当社理事34名
3.譲渡制限付株式報酬としての新株式の有償発行によるものです。
発行価額:1株につき3,067円
資本組入額:1株につき1,533.5円
割当先:当社執行役31名、当社理事33名
4.譲渡制限付株式報酬としての新株式の有償発行によるものです。
発行価額:1株につき5,384円
資本組入額:1株につき2,692円
割当先:当社執行役31名、当社理事35名
5.当社は、2022年6月15日付で、新株式を発行しており、発行済株式総数が337,000株、資本金が1,086百万円、
資本準備金が1,086百万円増加しています。
(5)【所有者別状況】
(2022年3月31日現在)
株 式 の 状 況 (1単元の株式数 100 株)
単元未満
株式の
政府及び
外国法人等
区 分
金融商品 その他の 個 人
状況
地方公共 金融機関 計
取引業者 法 人 その他
個人以外 個人 (株)
団体
2 205 76 2,426 1,112 157 234,989 238,967
株主数(人) -
所有株式数
92 3,407,137 246,473 129,714 4,291,973 1,413 1,582,410 9,659,212 2,313,677
(単元)
所有株式数
0.00 35.27 2.55 1.34 44.43 0.01 16.38
100.00 -
の割合(%)
(注)1.自己株式998,721株のうち、9,987単元は「個人その他」欄に、21株は「単元未満株式の状況」欄にそれぞれ含
まれています。
2.「その他の法人」欄及び「単元未満株式の状況」欄には、株式会社証券保管振替機構(失念株管理口)名義の
株式が、それぞれ53単元及び65株含まれています。
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(6)【大株主の状況】
(2022年3月31日現在)
発行済株式(自己
株式を除く。)の
所有株式数
氏 名 又 は 名 称 住 所 総数に対する所有
(株)
株式数の割合
(%)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
181,747,800 18.79
東京都港区浜松町二丁目11番3号
(信託口)
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 63,047,700 6.52
東京都中央区晴海一丁目8番12号
ステート ストリート バンク アンド P.O. Box 351, Boston, Massachusetts
22,788,025 2.36
トラスト カンパニー 505223 02101 U.S.A.
(常任代理人 株式会社みずほ銀行) (東京都港区港南二丁目15番1号)
20,000,099 2.07
日本生命保険相互会社 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
19,551,338 2.02
日立グループ社員持株会 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
One Lincoln Street, Boston MA USA
SSBTC CLIENT OMNIBUS ACCOUNT
18,282,639 1.89
02111
(常任代理人 香港上海銀行)
(東京都中央区日本橋三丁目11番1号)
25 Bank Street, Canary Wharf,
ジェーピー モルガン チェース バンク
17,799,073 1.84
London, E14 5JP, United Kingdom
385632
(常任代理人 株式会社みずほ銀行)
(東京都港区港南二丁目15番1号)
ステート ストリート バンク ウェス
1776 Heritage Drive, North Quincy,
ト クライアント トリーティー
16,509,187 1.71
MA 02171, U.S.A
505234
(東京都港区港南二丁目15番1号)
(常任代理人 株式会社みずほ銀行)
C/O Citibank, New York 111
ナッツ クムコ
15,671,900 1.62
Wall Street, New York, NY, U.S.A.
(常任代理人 株式会社みずほ銀行)
(東京都港区港南二丁目15番1号)
ステート ストリート バンク アンド P.O. Box 351, Boston, Massachusetts
14,656,120 1.52
トラスト カンパニー 505001 02101 U.S.A.
(常任代理人 株式会社みずほ銀行) (東京都港区港南二丁目15番1号)
390,053,881 40.33
計 -
(注)1.ナッツ クムコは、当社のADR(米国預託証券)の預託銀行であるシティバンク,エヌ・エイの株式名義人で
す。
2.株券等の大量保有の状況に関する報告書が公衆の縦覧に供されていますが、2022年3月31日現在における実
質保有状況が確認できないため、上表には含めていません。報告書の主な内容は次のとおりです。なお、当社
は、2018年10月1日付で株式併合を行っており、報告義務発生日が当該株式併合の効力発生日より前の報告書
は、当該株式併合前の保有株券等の数が記載されています。
保有者 ブラックロック・ジャパン株式会社 他7名
報告義務発生日 2017年4月14日
保有株券等の数 304,755,969株
保有割合 6.31%
保有者 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社 他1名
報告義務発生日 2022年3月15日
保有株券等の数 58,850,673株
保有割合 6.08%
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(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
(2022年3月31日現在)
区 分 株式数(株) 議決権の数(個) 内 容
無議決権株式 - - -
議決権制限株式(自己株式等) - - -
議決権制限株式(その他) - - -
1,031,900
完全議決権株式(自己株式等) 普通株式 - -
964,889,300 9,648,893
完全議決権株式(その他) 普通株式 -
2,313,677
単元未満株式 普通株式 - -
968,234,877
発行済株式総数 - -
9,648,893
総株主の議決権 - -
(注)「完全議決権株式(その他)」欄には、株式会社証券保管振替機構(失念株管理口)名義の株式数5,300株及び
議決権の数53個が、それぞれ含まれています。
②【自己株式等】
(2022年3月31日現在)
発行済株式総数
所有者の氏名 自己名義所有 他人名義所有 所有株式数
所有者の住所 に対する所有株
又は名称 株式数(株) 株式数(株) の合計(株)
式数の割合(%)
東京都千代田区丸の内
998,700 998,700 0.10
株式会社日立製作所 -
一丁目6番6号
東京都中央区新川
2,100 2,100 0.00
青山特殊鋼株式会社 -
二丁目9番11号
東京都北区滝野川
17,600 17,600 0.00
サイタ工業株式会社 -
五丁目5番3号
茨城県東茨城郡茨城町
10,500 10,500 0.00
日東自動車機器株式会社 -
長岡3268番地
東京都文京区小石川
3,000 3,000 0.00
株式会社瑞穂 -
五丁目4番1号
1,031,900 1,031,900 0.11
計 - -
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2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
会社法第155条第3号、第7号及び第13号に基づく普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号に基づく普通株式の取得
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
取締役会(2022年4月28日)での決議状況 (注)1
50,000,000(上限) 200,000,000,000(上限)
(取得期間 2022年5月2日~2023年3月31日)
当事業年度前における取得自己株式 - -
当事業年度における取得自己株式 - -
残存決議株式の総数および価額の総額 50,000,000 200,000,000,000
当事業年度の末日現在の未行使割合(%) 100.0 100.0
当期間における取得自己株式(注)2 2,267,700 14,563,892,048
提出日現在の未行使割合(%) 95.5 92.7
(注)1.当該取締役会において、取得方法は東京証券取引所における市場買付と決議しました。
2.当期間における取得自己株式には、2022年6月1日から提出日までの間に取得した自己株式を含みません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号の規定に基づく取得(注)1
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 40,813 252,049,491
当期間における取得自己株式(注)2 2,851 17,475,844
(注)1.会社法第192条第1項の規定に基づく単元未満株式の買取請求により取得したものです。
2.2022年6月1日から提出日までの間に単元未満株式の買取請求に基づき取得した自己の株式に係る株式数を
含みません。
会社法第155条第13号の規定に基づく取得(注)
区分 株式数(株) 価額の総額(円)
当事業年度における取得自己株式 137,600 -
当期間における取得自己株式 69,200 -
(注) 当社の執行役及び理事に対し譲渡制限付株式報酬として割り当てた普通株式の一部を無償取得したものです
(会社法施行規則第27条第1号)。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
当事業年度 当期間(注)
区分
株式数(株) 処分価額の総額(円) 株式数(株) 処分価額の総額(円)
引き受ける者の募集を行った
- - - -
取得自己株式
消却の処分を行った取得自己株式 - - - -
合併、株式交換、株式交付、会社分
- - - -
割に係る移転を行った取得自己株式
その他(新株予約権の行使に基づき
移転した取得自己株式及び単元未満
235,491 742,679,435 82,005 246,493,097
株式の買増請求に基づき売り渡した
取得自己株式)
保有自己株式数 998,721 - 3,256,467 -
(注) 2022年6月1日から提出日までの間に、新株予約権の行使に基づき移転した取得自己株式、単元未満株式の買
増請求に基づき売り渡した取得自己株式、取締役会決議に基づき取得した自己株式及び単元未満株式の買取請求
に基づき取得した自己の株式に係る株式数を含みません。
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3【配当政策】
当社は、中長期的な企業価値の向上と配当及び自己株式の取得の実施を通じて、株主へ利益を還元していくことを
重要な経営課題と位置付けています。
配当については、投資等のために必要な資金を確保しながら、安定的に実施していく方針としており、業績動向、
財政状態及び配当性向等を総合的に勘案して決定していきます。
自己株式の取得についても、資金需要や経営環境等に応じて、機動的に実施していきます。
内部留保については、中長期的な経営戦略に基づき、グローバル企業として事業の競争力を確保し成長を図るた
め、M&A、研究開発、設備投資等に活用していきます。
以上の方針に基づき、当事業年度は、1株当たり配当金は年125円となりました。すなわち、 2021年10月27日 開催
の 取締役会 において、中間配当金は1株につき 60 円と決議され、総額は 58,035 百万円となりました。また、 2022年5
月13日 開催の 取締役会 において、期末配当金は1株につき 65 円と決議され、総額は 62,870 百万円となりました。
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4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、株主・投資家の長期的かつ総合的な利益の拡大を重要な経営目標と位置付けています。また、当社及び
当グループのステークホルダーは、株主・投資家の他、顧客・取引先など多岐に亘りますが、当社では、これらの
ステークホルダーとの良好な関係は当社の企業価値の重要な一部を形成するものと認識しています。
当社は、会社法に規定する指名委員会等設置会社です。監督と執行の分離を徹底することにより、事業を迅速に
運営できる執行体制の確立と透明性の高い経営の実現をめざしています。取締役については、グローバルかつ多様
な視点を経営へ反映させるとともに経営監督機能の実効性を確保する観点から、適切な構成を図っています。な
お、当社では、取締役会が果たすべき役割を含め、コーポレート・ガバナンスの基本的な枠組みを示したコーポ
レート・ガバナンス・ガイドラインを定めています。
また、当グループ共通の行動準則として日立グループ行動規範を定め、当グループ共通の価値観を醸成するとと
もに、企業が果たすべき社会的責任についての理解を共有することとしています。
②会社の機関の内容
取締役会
取締役会は、企業価値・株主共同の利益の継続的な向上のため、当グループの経営の基本方針を決定し、執行
役及び取締役の職務の執行を監督します。経営の基本方針には、中期経営計画や年度予算等を含み、取締役会に
おいては、法令、定款又は取締役会規則に定める決議事項に加えて、経営の基本方針に関する戦略的な議論にも
焦点を当てます。2022年6月22日現在において、取締役会を構成する12名の取締役のうち、社外取締役は9名、
執行役を兼務する取締役は2名です。取締役会には、社外取締役が過半数を占める指名、監査、報酬の3つの法
定の委員会を設置しています。当事業年度における取締役会の開催日数は9日であり、取締役の出席率は100%
でした。また、指名委員会は10日、監査委員会は15日、報酬委員会は5日開催されました。
指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容を決定する権限等を有する機関
であり、社外取締役3名を含む取締役4名で構成されています。
監査委員会は、取締役及び執行役の職務の執行の監査並びに株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任等
に関する議案の内容を決定する権限等を有する機関であり、社外取締役4名及び常勤監査委員1名を含む5名の
取締役で構成されています。
報酬委員会は、取締役及び執行役の報酬内容決定の方針及びそれに基づく個人別の報酬の内容(報酬の額等)
を決定する権限等を有する機関であり、社外取締役3名を含む取締役4名で構成されています。
取締役会及び各委員会の構成員については、「(2)役員の状況 ①役員一覧 (イ)取締役」に記載してい
ます。
当社は、取締役の員数及び選任につき、取締役20名以内を置く旨、及び取締役の選任の決議は、議決権を行使
することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が総会に出席することを要するものとし、当該決議
は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
なお、当社は、各取締役(執行役を兼務する取締役を除く。)との間で会社法第427条第1項の責任限定契約
を締結しています。その概要は、取締役の責任の限度を会社法第425条第1項各号に掲げる額の合計額とするも
のです。
執行役
執行役は、取締役会の決議により定められた職務の分掌に従い、業務に関する事項の決定を行うとともに、業
務を執行します。2022年6月22日現在において、執行役は34名です(「(2)役員の状況 ①役員一覧 (ロ)
執行役」参照)。
当社は、執行役の員数につき、執行役40名以内を置く旨を定款に定めています。
経営会議
経営会議は、当社又は当グループに影響を及ぼす重要事項について、多面的な検討を経て慎重に決定するため
の執行役社長の諮問機関であり、2022年6月22日現在において、執行役社長(小島啓二)、執行役副社長3名
(青木優和、河村芳彦、德永俊昭)、執行役専務3名(中畑英信、長谷川雅彦、森田守)及び執行役常務1名
(児玉康平)の計8名を常時出席者とし、その他必要に応じて執行役社長が指定する者で構成されています。
役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。被
保険者の範囲及び保険契約の概要は、次のとおりです。
(イ)被保険者の範囲
当社の取締役、執行役及び出向先で役員として勤務する従業員並びに一部の国内子会社の取締役、監査
役、執行役、執行役員及び従業員(出向先で役員等として勤務する従業員を含む。)
(ロ)保険契約の概要
被保険者が会社の役員の業務として行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされた
ことにより、被保険者が負担する損害賠償金や争訟費用等を補償するものです。ただし、故意による任務
懈怠、私的な利益又は便益の供与を違法に得たこと及び犯罪行為等に起因する損害等は補償対象外とする
ことにより、役員の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。保険料は当社及び当
該保険に加入している子会社が全額負担しています。
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③定款の定めにより取締役会決議事項とした株主総会決議事項
当社は、会社法第459条第1項各号に掲げる事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決
議にはよらず、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めています。
自己の株式の取得(会社法第459条第1項第1号)については、機動的な資本政策の実行を可能とするため、取
締役会で決定することとしています。
資本準備金又は利益準備金の減少(会社法第459条第1項第2号)、剰余金の処分(剰余金の配当その他株式会
社の財産を処分するものを除く。)(会社法第459条第1項第3号)及び剰余金の配当(会社法第459条第1項第4
号)については、当社は会社法の施行日現在において委員会等設置会社であったことから、会社法の施行に伴う関
係法律の整備に関する法律(平成17年7月26日法律第87号)第57条の規定に基づき、これらの事項を取締役会が定
めることができる旨並びに当該事項を株主総会の決議によっては定めない旨の定めがあるものとみなされました。
会社法の施行後も、これらの重要な経営判断については、株主価値の向上のため、引き続き機動的に取締役会で決
定することとしています。
当社は、取締役及び執行役が職務の遂行に当たり期待される役割を十分に発揮することができるよう、取締役会
の決議によって、会社法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)及び執行役(執行役であった者を
含む。)の責任につき、法令の定める限度内で免除することができる旨を定款に定めています。
④株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議の定足数をより確実に充足できるよう、当該株主総会の
決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の
2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めています。
⑤内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
当社における内部統制及びリスク管理に係る体制の主な内容は、次のとおりです。なお、これらについては、取
締役会において、会社法に基づく内部統制システムに関する基本方針として決議しています。
(イ)監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するため、次の事項を実施します。
(ⅰ)取締役会は、必要に応じて、監査委員会の職務を補助する取締役として、執行役を兼務しない取締役を置
きます。また、各種委員会及び取締役会の職務を補助する専任の組織として取締役会室を置きます。
(ⅱ)取締役会室に所属する従業員の執行役からの独立性及び監査委員会からの指示の実効性を確保するため、
取締役会室に所属する従業員は、執行役の指揮命令には服さない取締役会室専属の者とし、監査委員会
は、取締役会室の人事異動につき事前に報告を受けるものとします。
(ⅲ)執行役及び従業員は、当社及び子会社に関する重要事項、内部監査の結果及び内部通報制度の通報状況を
遅滞なく監査委員に報告します。当グループ共通の内部通報制度の通報者について、その通報を理由とし
て不利益な取扱いをしない旨会社規則に定め、事務局はその運用を徹底します。
(ⅳ)監査委員の職務の執行に関する費用の支払等の事務は取締役会室が担当し、その職務の執行に必要でない
と明らかに認められる場合を除き、速やかに処理します。
(ⅴ)監査委員会に常勤監査委員を置くとともに、監査室の監査計画と調整の上、活動計画を作成します。
(ロ)当社及び当グループの業務の適正を確保するため、次の事項を実施します。
(ⅰ)企業の社会的責任の重視等の基本方針を各子会社と共有します。
(ⅱ)業務の適正を確保するための当社における体制を基本として、子会社に対して、各社の規模等に応じた体
制の整備を行わせます。また、子会社における体制整備の状況を確認するため、子会社への取締役及び監
査役の派遣並びに定期的な監査を行います。
(ⅲ)当社の執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、取締役への通報制度を設置し
ます。
(ⅳ)当社の執行役の職務の執行に係る情報については、社内規則に則り、作成保存します。
(ⅴ)各種のリスクに対し、それぞれの対応部署にて、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの
作成・配布等を行う体制をとります。また、業務執行状況の報告等を通じて新たなリスクの発生可能性の
把握に努め、対応が必要な場合、速やかに対応責任者となる執行役を定めます。
(ⅵ)次に記載する経営管理システムを用いて、当社の執行役並びに子会社の取締役及び執行役の職務執行の効
率性を確保します。
・当社又は当グループに影響を及ぼす重要事項について、多面的な検討を経て慎重に決定するため、経営
会議を組織し、審議します。
・経営方針に基づき、計画的かつ効率的に事業を運営するため、中期経営計画及び年度予算を策定し、こ
れらに基づいた業績管理を行います。
・業務運営状況を把握し、改善を図るため、当社及び子会社に対する内部監査を実施します。
・会計監査人の監査計画については監査委員会が事前に報告を受け、会計監査人の報酬については監査委
員会の事前承認を要することとします。
・財務報告の信頼性を確保するため、当社及び子会社で、財務報告へ反映されるべき事項につき文書化さ
れた業務プロセスを実行し、社内外の監査担当者が検証します。
・当グループ内で共通する業務について、グループとして適正かつ効率的に行う体制を構築します。
(ⅶ)次に記載する経営管理システムを用いて、法令遵守体制を継続的に維持します。
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・内部監査を実施し、また、法令遵守活動を行う各種の委員会を設置します。さらに、当グループ共通の
内部通報制度を設置するとともに、法令遵守教育を実施します。
・内部統制システム全般の周知及び実効性の確保を図るため、法令遵守を基本とする各種方針及び規則を
定めます。
(ⅷ)当社経営会議や中期経営計画・予算制度を通じて、子会社が業務上の重要事項及び施策等の状況を当社へ
報告する体制を構築します。
(ⅸ)当グループ内の取引は市価を基準として公正に行うことを方針とします。
⑥財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当グループにおいては、将来を見据えた基礎研究や、先行的な製品及び事業の開発のために多くの経営資源を投
下しており、これらの経営施策が成果をもたらすためには、経営方針の継続性を一定期間維持する必要がありま
す。このため、当社では、各期の経営成績に加えて、将来を見通した経営施策に関しても、株主・投資家に対し
て、積極的に内容を開示することとしています。
当社は、経営支配権の異動を通じた企業活動及び経済の活性化の意義を否定するものではありませんが、当社又
はグループ会社の株式の大量取得を目的とする買付けについては、当該買付者の事業内容及び将来の事業計画並び
に過去の投資行動等から、慎重に当該買付行為又は買収提案の当社企業価値・株主共同の利益への影響を判断する
必要があると認識しています。
現在のところ、当社の株式を大量に取得しようとする者の存在によって、具体的な脅威が生じているわけではな
く、また、当社としても、そのような買付者が出現した場合の具体的な取組み(いわゆる「買収防衛策」)をあら
かじめ定めるものではありませんが、当社としては、株主・投資家から負託された当然の責務として、当社の株式
取引や異動の状況を常に注視し、当社株式を大量に取得しようとする者が出現した場合には、直ちに当社として最
も適切と考えられる措置をとります。具体的には、社外の専門家を含めて当該買収提案の評価や取得者との交渉を
行い、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない場合には、具体的な対抗措置の要否及び内容等を速やかに決定
し、実行する体制を整えます。また、グループ会社の株式を大量に取得しようとする者に対しても、同様の対応を
とることとしています。
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(2)【役員の状況】
①役員一覧
男性 41 名 女性 3 名(役員のうち女性の比率 7 %)
当社は、会社法に規定する指名委員会等設置会社です。取締役及び執行役の状況は、それぞれ次のとおりで
す。
(イ)取締役
井原 勝美 ラヴィ・ シンシア・ 菅原 郁郎 ジョー・
ヴェンカテイサン キャロル ハーラン
ルイーズ・ 山本 高稔 吉原 寛章 ヘルムート・ 小島 啓二
ペントランド ルートヴィッヒ
関 秀明 東原 敏昭
所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
2005年6月 ソニー㈱取締役 代表執行役副社長
2009年4月 同社業務執行役員 副社長
6月 ソニーフィナンシャルホールディング
ス㈱代表取締役副社長
取締役
2010年6月 同社代表取締役社長
1950年
指名委員長
(注)1 1,100
井原 勝美
2011年6月 ソニー生命保険㈱代表取締役社長
監査委員
9月24日
2015年4月 同社取締役会長(2017年6月退任)
報酬委員
2016年6月 ソニーフィナンシャルホールディング
ス㈱取締役会長(2017年6月退任)
2018年6月 当社取締役
1999年7月 Cummins India Ltd. 取締役会長
(2004年3月退任)
2004年1月 Microsoft India Pvt. Ltd. 会長
(2011年9月退任)
2011年4月 Infosys Ltd. 独立取締役(2018年5
月退任、2017年4月~8月共同会長)
2013年4月
Unitus Ventures LLC. ベンチャー
1963年
ラヴィ・ヴェン
(注)1 400
取締役
パートナー(現職)
カテイサン
1月12日
2015年8月
Bank of Baroda 非業務執行取締役会
長(2018年8月退任)
2018年9月 UNICEF スペシャルリプリゼンタティ
ブ・フォー・ヤングピープル&イノ
ベーション(現職)
2020年7月
当社取締役
1991年10月 Alcan Inc. フォイルプロダクツ ゼネ
ラルマネージャー
1996年1月 同社オーギニッシュアルミナリミテッ
ド マネージングディレクター
1998年10月 同社ボーキサイトアルミナアンドスペ
1956年
取締役 シンシア・
シャリティケミカルズ プレジデント
(注)1 1,500
指名委員 キャロル
11月13日
2002年1月 同社プライマリーメタルグループ プ
レジデント兼CEO
2007年3月
Anglo American plc. CEO(2013年4
月退任)
2013年6月 当社取締役
63/188
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
2010年7月 経済産業省産業技術環境局長
2012年9月 同省製造産業局長
2013年6月 同省経済産業政策局長
1957年
取締役 (注)
0
菅原 郁郎
2015年7月 経済産業事務次官
監査委員 1
3月6日
2017年8月 内閣官房参与(2018年6月退任)
2022年6月 当社取締役
1999年9月 General Electric Company 照明事業
バイスプレジデント兼CFO
2001年9月 3M Company コーポレートフィナン
シャルプランニングアンドアナリシス
バイスプレジデント
2002年11月 住友スリーエム㈱代表取締役
2004年10月 3M Company エレクトロアンドコミュ
ニケーションズビジネス エグゼク
ティブバイスプレジデント
2009年10月 同社コンシューマアンドオフィスビジ
ネス エグゼクティブバイスプレジデ
ント
1959年
取締役 ジョー・
(注)1 1,100
2011年9月
The Dow Chemical Company パフォー
報酬委員 ハーラン
5月5日
マンスマテリアルズ エグゼクティブ
バイスプレジデント
2012年9月
同社ケミカルズ、エナジーアンドパ
フォーマンスマテリアルズ エグゼク
ティブバイスプレジデント
2014年10月
同社マーケットビジネス チーフコ
マーシャルオフィサー(CCO)兼バイ
スチェアマン
2015年10月
同社バイスチェアマン兼CCO(2017年
8月退任)
2018年6月
当社取締役
1997年8月 弁護士登録(英国)
2001年7月 Nokia Corporation ノキアネットワー
クス シニアリーガルカウンセル
2007年9月 同社バイスプレジデント兼チーフリー
ガルオフィサー代行兼知的財産法務部
門長
2008年7月 同社シニアバイスプレジデント兼チー
フリーガルオフィサー
2009年6月 弁護士登録(米国ニューヨーク州)
2011年2月 Nokia Corporation エグゼクティブバ
イスプレジデント兼チーフリーガルオ
1972年
ルイーズ・
フィサー(2014年5月退任)
(注)1 1,100
取締役
ペントランド
4月11日
2015年4月 eBay Inc. ペイパル部門ゼネラルカウ
ンセル
6月 当社取締役
7月 PayPal Holdings, Inc. シニアバイス
プレジデント兼チーフリーガルオフィ
サー
2016年9月
同社エグゼクティブバイスプレジデン
ト兼チーフビジネスアフェアーズ&
リーガルオフィサー
2022年1月 同社エグゼクティブバイスプレジデン
ト兼シニアアドバイザー(現職)
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役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
1995年12月 モルガン・スタンレー証券会社マネー
ジングディレクター
1999年6月 同社東京支店マネージングディレク
ター兼副会長
1952年
取締役
2005年7月 UBS証券会社マネージングディレク
(注)1 12,800
山本 高稔
報酬委員長
10月20日
ター兼副会長
2009年6月 カシオ計算機㈱常務取締役
2011年6月 同社顧問(2012年6月退任)
2016年6月 当社取締役
1978年11月 ピートマーウィックミッチェル会計事
務所入所
1996年7月 KPMG LLPパシフィックリム関連事業部
門マネージングパートナー
取締役
1957年
1997年10月 同社取締役
(注)1 3,000
指名委員 吉原 寛章
2月9日
2003年10月 KPMGインターナショナル副会長兼グ
監査委員長
ローバルマネージングパートナー
(2007年4月退任)
2014年6月 当社取締役
2001年6月 Siemens AG ソフトウェア&システム
ハウスディビィジョン プレジデント
2002年8月 同社オートメーション&ドライブスグ
ループ システムズエンジニアリング
ディビジョン プレジデント
2007年8月 Siemens PLM Software, Inc. プレジ
デント
2010年10月 Siemens Corp. インダストリーオート
メーション グローバルヘッドオブコ
ミュニケーションズ
2011年10月 Siemens Industry, Inc. 北米インダ
ストリーセクター プレジデント兼
1962年
取締役 ヘルムート・
CEO
(注)1 1,300
監査委員 ルートヴィッヒ
9月19日
2014年10月
Siemens Corp. プロダクトライフサイ
クルマネジメント デジタルファクト
リーディビジョン エグゼクティブバ
イスプレジデント兼チーフデジタルオ
フィサー
2016年10月
Siemens AG チーフインフォメーショ
ンオフィサー(2019年12月退任)
2020年1月
サザン・メソジスト大学コックスス
クールオブビジネス 実務家教授(ス
トラテジー&アントレプレナーシッ
プ)(現職)
7月
当社取締役
1982年4月 当社入社
2011年4月 研究開発本部日立研究所長
2012年4月 執行役常務
1956年
取締役
2016年4月 執行役専務
(注)1 100,800
小島 啓二
報酬委員
10月9日
2018年4月 代表執行役 執行役副社長
2021年6月
代表執行役 執行役社長兼COO兼取締役
2022年4月
代表執行役 執行役社長兼CEO兼取締役
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
1979年4月 当社入社
2011年4月 日立オートモティブシステムズ㈱取締
役
2013年4月 同社常務取締役
2014年4月 同社取締役副社長
取締役
2015年4月 同社代表取締役社長兼COO
1957年
(注)1 12,000
監査委員 関 秀明
2016年4月 同社代表取締役兼社長執行役員兼CEO
3月10日
(常勤)
2018年4月 当社執行役専務
㈱日立ビルシステム代表取締役 取締
役社長(2020年3月退任)
2020年4月
当社嘱託
7月
当社取締役
1977年4月 当社入社
2006年4月 情報・通信グループCOO
2007年4月 執行役常務(2008年3月退任)
2008年4月 Hitachi Power Europe GmbHプレジデ
ント
2010年4月 ㈱日立プラントテクノロジー代表執行
役 執行役社長
6月
同社代表取締役 取締役社長
2011年4月 当社執行役常務
2013年4月 当社執行役専務
1955年
取締役
(注)1 198,800
東原 敏昭
2014年4月 当社代表執行役 執行役社長兼COO
指名委員
2月16日
6月 当社代表執行役 執行役社長兼COO兼取
締役
2016年4月 当社代表執行役 執行役社長兼CEO兼取
締役
2021年5月 当社代表執行役 執行役会長兼執行役
社長兼CEO兼取締役
6月 当社代表執行役 執行役会長兼CEO兼取
締役
2022年4月 当社取締役会長兼代表執行役
333,900
計
(注)1.任期は、2022年6月22日開催の定時株主総会における選任の時から、2023年3月31日に終了する事業年度に関
する定時株主総会の終結の時までです。
2.取締役井原勝美、ラヴィ・ヴェンカテイサン、シンシア・キャロル、菅原郁郎、ジョー・ハーラン、ルイー
ズ・ペントランド、山本高稔、吉原寛章及びヘルムート・ルートヴィッヒは、会社法第2条第15号に定める社外
取締役です。
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(ロ)執行役
所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
代表執行役
1955年
(注)2 198,800
取締役会長 東原 敏昭 「(イ)取締役」に記載している。
2月16日
全般
代表執行役
執行役社長兼CEO
1956年
統括、鉄道事業、原子力
(注)2 100,800
小島 啓二 「(イ)取締役」に記載している。
事業、エネルギー事業、
10月9日
パワーグリッド事業、イ
ノベーション戦略担当
代表執行役 1977年4月 当社入社
執行役副社長 2012年4月 ㈱日立産機システム取締役社長
社長補佐(インダストリ 2014年10月 当社執行役常務
アルデジタル事業、水・ 2016年4月 当社執行役専務
環境事業、インダストリ 2017年4月 当社代表執行役 執行役副社長
1954年
(注)2 76,000
アルプロダクツ事業、産 青木 優和
6月23日
業機器システム事業、ビ
ルシステム事業、生活・
エコシステム事業、計
測・分析システム事業、
ヘルスケア事業担当)
1979年4月 三菱商事㈱入社
2010年4月 同社執行役員ITサービス本部長
代表執行役
2015年4月 当社入社
執行役副社長
当社情報・通信システムグループエグ
社長補佐(財務戦略、年
ゼクティブストラテジスト
1956年
金、投資戦略、IR戦
2016年4月 当社IoT推進本部副本部長兼インキュ
(注)2 56,900
河村 芳彦
略、コスト構造改革、リ
8月20日
ベーション推進本部長
スクマネジメント、経営
2017年4月 当社執行役常務
オーディット、輸出管理
2018年4月 当社執行役専務
担当)
2020年4月 当社代表執行役 執行役専務
2022年4月
当社代表執行役 執行役副社長
代表執行役 1990年4月 当社入社
執行役副社長 2017年4月 日立アプライアンス㈱取締役社長
社長補佐(金融事業、公 2018年4月 当社生活・エコシステム事業統括本部
1967年
共社会事業、ディフェン 長
(注)2 55,700
德永 俊昭
ス事業、サービス・プ 2019年4月 当社執行役常務
3月15日
ラットフォーム事業、社 2020年4月 当社執行役専務
会イノベーション事業推 2021年4月 当社代表執行役 執行役副社長
進、デジタル戦略担当)
1984年4月 当社入社
2016年4月 サービス&プラットフォームビジネス
執行役専務
ユニット制御プラットフォーム統括本
1961年
(注)2 41,600
サービス・プラット 阿部 淳
部長
6月14日
フォーム事業担当
2018年4月 執行役常務
2021年4月 執行役専務
1983年4月 当社入社
2016年4月 ICT事業統括本部社会システム事業部
執行役専務
1958年
長
(注)2 38,400
公共社会事業、ディフェ 永野 勝也
8月30日
2017年4月 執行役常務
ンス事業担当
2021年4月 執行役専務
代表執行役 1983年4月 当社入社
執行役専務 2013年10月 人財統括本部担当本部長
人財戦略、ダイバーシ 2014年4月 執行役常務
1961年
(注)2 55,800
ティ&インクルージョン 中畑 英信 2018年4月 代表執行役 執行役専務
1月24日
戦略、コーポレートコ
ミュニケーション戦略、
安全衛生担当
1987年4月 当社入社
代表執行役
2018年4月 関西支社長
1964年
執行役専務
(注)2 28,600
長谷川 雅彦
2020年4月 執行役常務
マーケティング・営業戦
9月17日
2022年4月 代表執行役 執行役専務
略、地域戦略担当
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所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
2016年1月 ABB Ltd パワーグリッドビジネスプレ
ジデント
1965年
執行役専務 クラウディオ・
2020年7月
Hitachi ABB Power Grids Ltd(現
(注)2 4,000
パワーグリッド事業担当 ファキン
6月26日
Hitachi Energy Ltd)CEO(現職)
2021年4月
当社執行役専務
1983年4月 当社入社
2015年4月 戦略企画本部長
1959年
執行役専務
(注)2 50,300
森田 守
2016年4月 執行役常務
経営戦略担当
4月12日
2020年4月 執行役専務
1992年4月 当社入社
2018年4月 鉄道ビジネスユニットCOO兼CDO
1969年
執行役常務
(Chief Digitalization Officer)
(注)2 13,200
網谷 憲晴
鉄道事業担当
2月1日
2019年10月 戦略企画本部経営企画室長
2022年4月 執行役常務
1985年4月 当社入社
執行役常務
2021年4月 ㈱日立ハイテク代表取締役 取締役社
1960年
(注)2 4,600
ヘルスケア事業、計測・ 飯泉 孝
長(現職)
10月14日
分析システム事業担当
2022年4月 当社執行役常務
1982年4月 通商産業省入省
2011年8月 内閣官房内閣審議官
2013年1月 復興庁統括官
1959年
執行役常務
2014年7月 特許庁長官
(注)2 28,800
伊藤 仁
渉外担当
2月19日
2016年10月 東京海上日動火災保険㈱顧問
2018年1月 当社入社
4月 当社執行役常務
1987年4月 当社入社
1964年
執行役常務
2019年4月 金融ビジネスユニットCOO
(注)2 17,800
植田 達郎
金融事業担当
10月9日
2021年4月 執行役常務
1986年4月 当社入社
2015年3月 ㈱日立パワーソリューションズ代表取
1961年
執行役常務
(注)2 31,900
浦瀬 賢治
締役 取締役社長
エネルギー事業担当
6月18日
2017年4月
当社執行役常務
1986年4月 当社入社
2018年4月 財務統括本部グループ財務戦略本部長
1963年
執行役常務
兼投融資戦略本部アセットマネジメン
(注)2 15,600
加藤 知巳
財務戦略、年金担当
10月13日
ト室長
2022年4月 執行役常務
1986年4月 当社入社
1963年
執行役常務
2019年4月 原子力ビジネスユニットCOO
(注)2 24,400
久米 正
原子力事業担当
1月4日
2020年4月 執行役常務
1987年4月 当社入社
執行役常務
2017年4月 システム&サービスビジネス統括本部
1961年
法務、リスクマネジメン
CBRO(チーフビジネスリスクマネジメ
(注)2 27,100
児玉 康平
ト、経営オーディット担
5月24日
ントオフィサー)
当
2018年4月 執行役常務
執行役常務 1987年4月 当社入社
1964年
マーケティング・営業戦 2020年4月 関西支社長
(注)2 5,600
斎藤 隆
略(コネクティブインダ 2022年4月 執行役常務
1月6日
ストリーズ)担当
1986年4月 当社入社
2014年10月 中央研究所長
1961年
執行役常務
2015年4月 研究開発グループ社会イノベーション
(注)2 28,800
鈴木 教洋
研究開発担当
12月5日
協創統括本部長兼中央研究所長
2016年4月 執行役常務
1985年4月 当社入社
1961年
執行役常務
2018年4月 秘書室長
(注)2 17,100
田中 憲一
人財戦略担当
7月9日
2022年4月 執行役常務
1995年4月 当社入社
2018年4月 サービス&プラットフォームビジネス
執行役常務
ユニット制御プラットフォーム統括本
1972年
デジタル戦略、サービ
部情報制御第三本部長
(注)2 5,000
谷口 潤
ス・プラットフォーム事
12月3日
2019年4月 日立グローバルライフソリューション
業担当
ズ㈱取締役社長
2022年4月 当社執行役常務
68/188
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株式会社日立製作所(E01737)
有価証券報告書
所有株式
役職名 氏名 生年月日 略歴 任期
数(株)
執行役常務 1988年10月 Hitachi Europe GmbH入社
サステナビリティ戦略、 ロレーナ・ 2020年4月
当社Chief Diversity & Inclusion
1969年
(注)2 2,600
環境戦略、ダイバーシ デッラジョヴァ
Officer(現職)
4月15日
ティ&インクルージョン ンナ 2021年4月
当社執行役常務
戦略担当
1988年10月 当社入社
2017年4月 Hitachi Asia Ltd.取締役会長(現
職)
1963年
執行役常務
(注)2 28,700
中北 浩仁
6月 Hitachi India Pvt. Ltd.取締役会長
地域戦略(APAC)担当
9月28日
(現職)
2019年4月 当社執行役常務
1997年4月 日立金属㈱入社
2016年4月 ㈱日立プラントサービス代表取締役
1967年
執行役常務
取締役社長(2020年3月退任)
(注)2 17,800
中津 英司
水・環境事業担当
5月10日
2019年4月
当社水・環境ビジネスユニットCEO
2021年4月
当社執行役常務
1988年4月 アーサーアンダーセンアンドカンパ
ニー(現アクセンチュア㈱)入社
2010年2月 同社執行役員通信・メディア・ハイテ
ク産業本部統括本部長
1965年
執行役常務
2015年4月 当社入社
(注)2 28,400
貫井 清一郎
IT戦略担当
1月3日
当社エグゼクティブITストラテジスト
2017年4月 当社未来投資本部アーバンモビリティ
プロジェクトリーダ
2019年4月 当社執行役常務
2002年1月 英国政府ストラテジック・レール・
オーソリティ車両エンジニアリング・
マネージャー
2005年1月 Hitachi Europe Ltd. メンテナンスデ
1973年
執行役常務 アンドリュー・
リバリー担当(鉄道事業)
(注)2 9,100
鉄道事業担当 バー
1月9日
2014年1月
Hitachi Rail Europe Ltd. COO
2016年5月
Ansaldo STS S.p.A.(現Hitachi Rail
STS S.p.A.) CEO
2019年4月 当社執行役常務
執行役常務 1984年4月 当社入社
1962年
マーケティング・営業戦 2018年4月 ㈱日立ソリューションズ取締役社長
(注)2 21,440
星野 達朗
略(デジタルシステム& 2021年4月 当社執行役常務
2月5日
サービス)担当
執行役常務 1982年4月 当社入社
サプライチェーンマネジ 2014年4月 インフラシステムグループ交通システ
1959年
(注)2 31,300
メント(モノづくり戦 正井 健太郎 ム社社長
5月22日
略、品質保証戦略)、安 2016年4月 執行役常務
全衛生担当
1982年4月 当社入社
2017年4月 鉄道ビジネスユニットグループヘッド
執行役常務
1958年
オブセールス兼マネージングダイレク
(注)2 29,100
アーバン事業戦略、ビル 光冨 眞哉
7月5日
タ[日本・アジアパシフィック]
システム事業担当
2018年4月 執行役常務
1985年4月 当社入社
執行役常務
2016年4月 CPO兼バリューチェーン・インテグ
1961年
(注)2 30,400
コスト構造改革、情報セ 村山 昌史
レーション統括本部長
12月23日
キュリティ戦略担当
2019年4月 執行役常務
1991年4月 三菱油化㈱入社
執行役常務
2004年3月 当社入社
1966年
(注)2 17,800
インダストリアルデジタ 森田 和信
2019年4月 当社インダストリー事業統括本部CSO
5月12日
ル事業担当
2021年4月 当社執行役常務
1990年4月 当社入社
2018年4月 電力・エネルギー業務統括本部次世代
1966年
執行役常務
(注)2 28,600
依田 隆
エネルギー協創推進本部長
地域戦略(中国)担当
8月22日
2019年4月 執行役常務
1,172,040
計
(注)1.「役職名」欄には、役名及び取締役会の決議により定められた執行役の職務の分掌(担当業務)を記載してい
ます。
2.任期は、2023年3月31日までです。
69/188
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②社外役員の状況
(イ)社外取締役の選任及び独立性に関する考え方
当社の指名委員会は、社外取締役の選任に関し、以下に記載する独立性の判断基準に加え、社外取締役が人
格、識見に優れた者であること及び会社経営、法曹、行政、会計、教育等の分野で指導的役割を務めた者又は
政策決定レベルでの経験を有する者であることを考慮することとしています。
社外取締役の独立性に関しては、以下の事項に該当しない場合、独立性があると判断します。
・当該社外取締役の2親等以内の近親者が、現在又は過去3年において、当社又は子会社の取締役又は執行
役として在職していた場合
・当該社外取締役が、現在、業務執行取締役、執行役又は従業員として在職している会社が、製品や役務の
提供の対価として当社から支払いを受け、又は当社に対して支払いを行っている場合に、その取引金額
が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度当たり、いずれかの会社の連結売上高の2%を超える場
合
・当該社外取締役が、過去3事業年度のうちいずれかの1事業年度当たり、法律、会計若しくは税務の専門
家又はコンサルタントとして、当社から直接的に1,000万円を超える報酬(当社取締役としての報酬を除
く)を受けている場合
・当該社外取締役が、業務を執行する役員を務めている非営利団体に対する当社からの寄付金が、過去3事
業年度のうちいずれかの1事業年度当たり、1,000万円を超えかつ当該団体の総収入又は経常収益の2%を
超える場合
(ロ)社外取締役の選任状況並びに機能及び役割
上記「(イ)社外取締役の選任及び独立性に関する考え方」に基づき、当社は、井原勝美、ラヴィ・ヴェン
カテイサン、シンシア・キャロル、菅原郁郎、ジョー・ハーラン、ルイーズ・ペントランド、山本高稔、吉原
寛章及びヘルムート・ルートヴィッヒの9名を、会社法第2条第15号に定める社外取締役として選任していま
す。
各氏に期待される機能及び役割は、次のとおりです。
氏名 機能及び役割
多角的な事業を国際的に展開する大企業において経営に携わり、企業経営
の分野における豊富な経験と識見を有しています。それらをもとに、当社
井原 勝美 の経営全般に対して意見や提言を行うとともに、独立した立場から執行役
等の職務の執行を監督することによって、当社取締役会の監督機能及び意
思決定機能の強化が期待されます。
国際的な企業経営、デジタル分野や新興国市場でのビジネスに関する豊富
な経験と識見を有しています。それらをもとに、グローバルな視点から当
ラヴィ・ヴェンカテイサン 社の経営全般に対して意見や提言を行うとともに、独立した立場から執行
役等の職務の執行を監督することによって、当社取締役会の監督機能及び
意思決定機能の強化が期待されます。
鉱業分野における国際的な大企業の経営者としての豊富な経験と識見を有
しています。それらをもとに、グローバルな視点から当社の経営全般に対
シンシア・キャロル して意見や提言を行うとともに、独立した立場から執行役等の職務の執行
を監督することによって、当社取締役会の監督機能及び意思決定機能の強
化が期待されます。
行政機関において指導的地位を務め 、 行政分野等における豊富な経験と識見
を有しています 。 それらをもとに 、 当社の経営全般に対して意見や提言を行
菅原 郁郎
うとともに 、 独立した立場から執行役等の職務の執行を監督することによっ
て 、 当社取締役会の監督機能及び意思決定機能の強化が期待されます 。
多角的な事業を国際的に展開する大企業において経営に携わり、企業経営
の分野における豊富な経験と識見を有しています。それらをもとに、グ
ジョー・ハーラン ローバルな視点から当社の経営全般に対して意見や提言を行うとともに、
独立した立場から執行役等の職務の執行を監督することによって、当社取
締役会の監督機能及び意思決定機能の強化が期待されます。
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氏名 機能及び役割
国際的な大企業の法務担当役員としての豊富な経験を通じて培った企業法
務やコーポレート・ガバナンスの分野における高い識見を有しています。
それらをもとに、グローバルな視点から当社の経営全般に対して意見や提
ルイーズ・ペントランド
言を行うとともに、独立した立場から執行役等の職務の執行を監督するこ
とによって、当社取締役会の監督機能及び意思決定機能の強化が期待され
ます。
企業分析及び国際的な企業経営の分野における経験を通じて培った事業や
経営に関する広範な識見を有しています。それらをもとに、当社の経営全
山本 高稔 般に対して意見や提言を行うとともに、独立した立場から執行役等の職務
の執行を監督することによって、当社取締役会の監督機能及び意思決定機
能の強化が期待されます。
国際的な企業経営及び会計の分野における豊富な経験と識見を有していま
す。それらをもとに、グローバルな視点から当社の経営全般に対して意見
吉原 寛章 や提言を行うとともに、独立した立場から執行役等の職務の執行を監督す
ることによって、当社取締役会の監督機能及び意思決定機能の強化が期待
されます。
国際的な企業経営やデジタル分野に関する豊富な経験と識見を有していま
す。それらをもとに、グローバルな視点から当社の経営全般に対して意見
ヘルムート・ルートヴィッヒ や提言を行うとともに、独立した立場から執行役等の職務の執行を監督す
ることによって、当社取締役会の監督機能及び意思決定機能の強化が期待
されます。
(ハ)社外取締役と当社との関係
各社外取締役と当社との間に、上記(イ)で独立性の判断基準として記載した事項に該当する人的関係、取
引関係等はなく、また、その他特別の利害関係もありません。
当社は、各社外取締役について、当社からの独立性は確保されていると考えており、上場している国内の各
金融商品取引所に対し、全員を独立役員として届け出ています。
なお、各社外取締役が所有する当社の株式の数は、上記「①役員一覧」に記載しています。
(ニ)社外取締役による監督の状況並びに内部監査、会計監査及び内部統制監査との関係
取締役の過半数を占める社外取締役は、独立した立場から執行役等の職務の執行を監督しています。
「(3)監査の状況」に記載のとおり、社外取締役が過半数を占める監査委員会において、内部監査、会計監
査及び内部統制監査の結果につき報告及び説明を受け、内容を検証しています。また、取締役会において、か
かる監査委員会による検証の結果につき報告を受けています。
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(3)【監査の状況】
①監査委員会による監査の状況
監査委員会は、社外取締役4名及び常勤監査委員1名の5名の取締役で構成されています。
監査委員長の吉原寛章は、長年にわたり、KPMGグループで会計等に関する実務に携わり、財務及び会計に関す
る相当程度の知見を有しています。
監査委員会は、取締役及び執行役の会社運営が適切な内部統制システムのもとで適正に行われているかについ
ての監査を実施しています。
監査委員会は、監査方針及び計画を定め、取締役及び執行役から、定期的に、その職務の執行に関する事項の
報告を受け又は聴取します。また、調査担当の監査委員が、業務の処理や財産の管理等が適正に行われているか
について、当社のビジネスユニット等を調査し、また、子会社から報告を受け、その結果について監査委員会で
報告します。以上に加えて、予算会議や経営会議、情報開示委員会等社内の重要な会議に出席し、内部監査部門
の監査報告書等を閲覧し、また、必要に応じて内部監査の担当部署に対し、監査の対象部門や重点監査項目等に
ついて指示を行っています。
監査委員会は、会計監査人から、その監査計画及び監査の結果について報告及び説明を受け、これに基づき財
務諸表監査及び内部統制監査の結果について検証を行います。また、会計監査人の品質管理体制についても報告
及び説明を受けています。さらに、会計監査人の報酬については監査委員会の事前承認を要することとしていま
す。
当事業年度における各監査委員の出席状況は次のとおりです。
出席日数 / 開催日数(注)1
氏名 出席率(注)1
15日 / 15日
井原 勝美 100%
15日 / 15日
望月 晴文 100%
15日 / 15日
山本 高稔 100%
15日 / 15日
吉原 寛章 100%
ヘルムート・ルートヴィッヒ
9日 / 9日
100%
(注)2
15日 / 15日
関 秀明 100%
(注)1.在任期間中の開催日数に基づきます。
2.2021年6月23日付で就任しています。
当事業年度において、監査委員会は、グループ全体及び事業分野ごとに、三様監査(監査委員会監査・内部監
査・会計監査人監査)の連携の強化と情報共有の推進、リスク管理及び業務執行の妥当性の観点に基づいた内部
統制システムの構築・運用状況の監査等を重点的な検討事項として活動しました。また、常勤監査委員は、内部
監査部門等との連携や、経営会議等の社内の重要な会議への出席等を通じた適時的確な情報の把握等を行い、他
の委員との情報共有を推進しました。
②内部監査の状況
当社における内部監査は、監査室(2022年3月31日現在の人員:43名)が主たる担当部署として、当社のビジ
ネスユニット及び本社コーポレート部門並びに子会社及び関連会社を対象として実施しています。
監査室は、営業、人事、労務、コンプライアンス、資材取引、生産、環境防災、輸出管理、情報システム、経
理、財務等業務全般の処理や財産の管理が適正に行われているかについて、当社が定めた監査基準に従って調査
及び評価を実施し、その結果に対し必要な改善事項を指摘し、改善状況のフォローアップを行います。内部監査
に関する計画について監査委員会に対して事前に報告するとともに、監査の結果を執行役社長及び監査委員会に
対して報告します。また、監査室内の内部統制部門は、当グループの財務報告に係る内部統制について、当社が
定めた基準に従って整備及び運用を推進するとともに、有効性評価結果を取り纏め、執行役社長及び監査委員会
に対して報告します。
③会計監査の状況
(イ)会計監査人の名称
EY新日本有限責任監査法人
(ロ)継続監査期間
当社においては、1970年から公認会計士深瀬会計事務所が会計監査業務を行い、その後、1971年に深瀬会
計士等が設立した武蔵監査法人、1986年に武蔵監査法人を合併して設立されたセンチュリー監査法人、2000
年にセンチュリー監査法人を合併して設立された監査法人太田昭和センチュリーへと変遷しており、現在は
監査法人太田昭和センチュリーから名称変更したEY新日本有限責任監査法人が会計監査業務を行っていま
す。2003年に会計監査人が提携するネットワークファームがErnst & Young(以下、「EY」という。)に変更
されて以降、当グループは海外子会社を含め、会計監査人をグローバルでEYに統一し、当社の財務部門及び
内部監査部門と会計監査人の相互評価や、監査委員会による会計監査人との連携強化、会計監査人の選定・
再任の検討等を通じて、会計監査人が独立した立場から会社と適切な緊張関係を保ちながら職務を適正に遂
行することの確保を図っています。
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なお、EY新日本有限責任監査法人においては、業務執行社員のローテーションが実施されています。業務
執行社員については、連続して7会計期間を超えて会計監査業務に関与しておらず、筆頭業務執行社員につ
い ては連続して5会計期間を超えて会計監査業務に関与していません。業務執行社員については、7会計期
間の関与の後、再度同じ会計監査業務に関与する場合には、5会計期間のインターバルを設けることとして
います。また、筆頭業務執行社員については5会計期間の関与の後に、再度の関与は行わない運用としてい
ます。
(ハ)業務を執行した公認会計士
藤間康司、大関康広、吉田伸也
(二)監査業務に係る補助者の構成
上記(ハ)に記載した公認会計士の指示により、EY新日本有限責任監査法人に所属する公認会計士58名及
びその他の職員等109名が、会計監査業務の執行を補助しています。
(ホ)会計監査人の選定方針と理由
監査委員会は、会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するため、品質管理体制、監査実施
体制及び監査報酬の水準等の観点から適切な会計監査人を選定することとしています。
また、監査委員会は、会社法施行規則第126条第4号が掲げる会計監査人の解任又は不再任の決定の方針と
して、次の内容を定めています。
・監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事由に該当すると認められ、速やかに解
任する必要があると判断した場合、監査委員の全員の同意によって会計監査人を解任します。この場
合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任
した旨及びその理由を報告します。
・上記の場合のほか、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と認められるなど、会計監査人を変
更すべきと判断される場合には、監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関
する議案の内容を決定します。
監査委員会において、EY新日本有限責任監査法人の経歴、規模、過去の監査の実績、監査委員会等との情
報伝達・意思疎通の状況等を総合的に評価・検討した結果、上記の解任又は不再任の決定の方針に該当する
事由はなく、引続き適正な職務遂行が確保できると判断したため、EY新日本有限責任監査法人を会計監査人
としています。
(ヘ)監査委員会による会計監査人の評価
監査委員会は、会計監査人の監査活動の適正性及び妥当性について、あらかじめ定めた評価基準に従い、
監査委員会及び経営幹部等との情報伝達及び意思疎通の有効性、監査体制・監査実施要領の内容及び運用状
況並びに監査報酬の観点から評価を実施しています。評価の実施にあたり、監査委員会は、経理部及び監査
室から、会計監査人の独立性、監査体制、監査実施状況及び品質等に関する情報を収集し、会計監査人か
ら、独立性等法令遵守状況、監査等業務の受任及び継続におけるリスク評価の方法、監査業務体制・審査体
制及び品質管理体制、会計監査人の当社に対するリスク評価に基づく詳細な監査計画、各四半期レビュー及
び年度監査終了段階での監査結果、並びに業務改善や監査活動の効率性の向上に向けた計画の内容及びその
進捗について報告を受けています。これらの報告に基づき、監査委員会は、会計監査人は透明性の高い監査
を行っており、会計監査人の監査活動は適正かつ妥当であると評価しています。
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④監査報酬の内容等
(イ)会計監査人に対する報酬の内容
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
525 101 566 39
提出会社 (注)1 (注)1
959 17 986 14
連結子会社 (注)1 (注)1
1,484 118 1,552 53
計
(注)1.非監査業務の内容は、主として各種コンサルティング業務及び保証業務です。
(ロ)会計監査人と同一のネットワークに属するErnst & Young及びそのグループに対する報酬((イ)を除く)
前連結会計年度 当連結会計年度
区分
監査証明業務に 非監査業務に 監査証明業務に 非監査業務に
基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円) 基づく報酬(百万円)
37 68
提出会社 - (注)1 - (注)1
4,290 515 4,553 797
連結子会社 (注)2 (注)2
4,290 552 4,553 865
計
(注)1.非監査業務の内容は、主として各種コンサルティング業務です。
2.非監査業務の内容は、主として各種コンサルティング業務及び保証業務です。
(ハ)監査報酬の決定方針
監査報酬については、監査人の監査計画の内容を聴取し、監査日数・時間・監査対象の数・監査実施範囲
等の効率性及び見積りの相当性等を検証し、監査担当者の監査体制、前事業年度の報酬水準等も勘案し、監
査人と協議の上、決定することとしています。また、監査委員会は、監査人の監査計画、監査報酬に関する
監査人と執行役等との協議の内容等について報告を受け、報酬額の事前承認を行うこととしています。
(ニ)監査委員会が会計監査人に対する報酬等に同意した理由
監査委員会は、会計監査人の職務執行状況、監査計画の内容及び報酬見積額の算出根拠等について必要な
情報の入手及び検証を行った結果、会計監査人の報酬等について、その内容は合理的であると判断したた
め、会社法第399条第1項の同意を行っています。
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(4)【役員の報酬等】
①報酬等の額の決定に関する方針
<方針の決定の方法>
当社は、会社法の規定により、報酬委員会が取締役及び執行役の個人別の報酬等の額の決定に関する方針
を定めます。
<基本方針>
・グローバルな事業の成長を通じた企業価値向上の実現に必要な人材の確保に資するものとします。
・取締役及び執行役のそれぞれに求められる役割及び責任に応じたものとします。
・取締役の報酬は、経営監督機能の十分な発揮に資するものとします。
・執行役の報酬は、業務の執行を通じた企業価値の持続的な向上への貢献を促し、短期的な成果と中長期
的な成果を適切なバランスを考慮して反映するものとします。
・経済環境や市場動向に加えて、他社の支給水準を考慮の上、報酬の水準を設定します。
・報酬委員会は、報酬等の内容及び額の検討にあたり、必要に応じて専門的知見や客観的視点を得るため
外部専門機関を活用します。
<報酬体系>
(ⅰ) 取締役
取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬のみとし、基準額に対して、常勤・非常勤の別、所属する委員
会及び役職、居住地からの移動等を反映した加算を行って決定します。執行役を兼務する取締役には、取締
役としての報酬は支給しません。
(ⅱ) 執行役
執行役の報酬は、固定報酬である基本報酬及び変動報酬である短期インセンティブ報酬・中長期インセン
ティブ報酬から成ります。基本報酬、短期インセンティブ報酬及び中長期インセンティブ報酬の基準額の比
率は、グローバルな事業の成長を通じた企業価値の向上を図るため、主要グローバル企業の経営者報酬の構
成比を参考に、1:1:1を基本型とします。また、総報酬に占める変動報酬の割合は、役位が上位の執行役ほ
ど高くなるよう設定します。
各報酬の決定方法は、次のとおりです。
(基本報酬)
・役位に応じた基準額に査定を反映して決定します。
(短期インセンティブ報酬)
・役位に応じて基準額を定め、業績及び担当業務における成果に応じて、基準額の0~200%の範囲内で支
給額を決定します。具体的な評価項目と評価割合は、次のとおりです。
評価割合
評価項目
経営会議を構成する執行役(注) その他の執行役
全社業績 80% 30%
業績評価連動部分
部門業績 - 50%
個人目標評価連動部分 20% 20%
(注)「経営会議を構成する執行役」とは、2022年6月22日現在、執行役社長(小島啓二)、執行役副
社長3名(青木優和、河村芳彦、德永俊昭)、執行役専務3名(中畑英信、長谷川雅彦、森田
守)、執行役常務(児玉康平)の計8名です。これらの執行役がセクター・ビジネスユニットを担
当する場合、「その他の執行役」と同様の評価割合を用います。
・業績評価連動部分の報酬額は、全社業績評価及び部門業績評価の結果に基づいて変動します。
・全社業績は、売上収益、調整後営業利益、EBIT、親会社株主に帰属する当期利益を参照して、株主・投
資家をはじめとするステークホルダーに対して公表した連結業績予想数値の達成度合を測り、評価しま
す。
・部門業績は、部門毎の調整後営業利益、営業キャッシュ・フロー等を参照して、部門毎に中期経営計画
や年度予算の業績目標の達成度合を測り、評価します。
・個人目標評価連動部分の報酬額は、担当業務を踏まえて設定した各執行役の個人目標の達成度合の評価
に基づいて変動します。
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(中長期インセンティブ報酬)
・在任時からの株式保有を通じて経営陣による株主との価値共有を一層高めることにより、中長期視点に
基づく経営を推進し、企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとするため、譲渡制限付株式を
付与します。
・譲渡制限は退任時に解除されます。
・譲渡制限付株式の半数は、事後評価により、譲渡制限が解除される株式数が確定します。事後評価は、
中長期インセンティブ報酬が支給された日の属する事業年度の期首から3年間における当社株式のTotal
Shareholder Return(株主総利回り)とTOPIX成長率を比較し、その割合(対TOPIX成長率)により行わ
れます。具体的には、次のとおりです。
- 対TOPIX成長率が120%以上の場合、全ての株式を譲渡制限の解除の対象とします。
- 対TOPIX成長率が80%以上120%未満の場合、一部の株式を譲渡制限の解除の対象とします(※)。
- 対TOPIX成長率が80%未満の場合、全ての株式について譲渡制限は解除されません。
(※)譲渡制限解除の対象となる株式数 = 付与された株式数 × {(対TOPIX成長率 × 1.25) - 0.5}
譲渡制限が解除されないことが確定した株式は、当社が無償で取得します。
・居住国の法規制等によって譲渡制限付株式を付与することが妥当でない場合、株価連動型の現金報酬で
代替します。
・2019年4月から開始する事業年度より、従来の株式報酬型ストックオプションに代えて、譲渡制限付株
式を付与することとしています。
在任期間中の不正行為への関与等が判明した場合には、報酬の返還を求めることとしています。
外国人など外部から採用する人材の報酬については、上記の方針を参考にしながら、ベンチマークとする
人材市場の報酬水準等も考慮し、個別に定めることがあります。外国人役員に対しては、中長期インセン
ティブ報酬として、譲渡制限付株式報酬ユニットを付与することとしています。譲渡制限付株式報酬ユニッ
トが付与された日の属する事業年度の期首から1事業年度経過毎に、3年間にわたり、付与された譲渡制限
付株式報酬ユニットの数の3分の1ずつを当社株式及び現金として支給します。
(ⅲ) その他の事項
2007年12月18日及び2008年3月26日開催の報酬委員会において、2008年4月1日から開始する事業年度に
係る報酬より、取締役及び執行役の報酬体系を見直し、退職金を廃止することを決定しました。退職金の廃
止に伴う打切り支給については、退職金の廃止に伴う措置として、対象役員の退任時に当該役員の役職や在
任期間等を踏まえて報酬委員会で支給金額を決定し、実施することとしています。
②報酬等の額
報酬等の種類別の総額(百万円)
報酬等の 対象となる
変動報酬
役員区分 総額 役員の員数
固定報酬 その他
短期インセン 中長期インセン
(百万円) (名)
ティブ報酬 ティブ報酬
取締役
60 60 1
- - -
(社外取締役を除く。)
408 408 10
社外取締役 - - -
4,660 1,537 1,466 1,657 31
執行役 -
合計 5,129 2,006 1,466 1,657 - 42
(注)1.取締役の員数には、執行役兼務の取締役3名を含みません。
2.執行役の報酬等の金額には、2021年5月12日をもって退任した執行役1名の4月から退任時までの報
酬を含みます。
3.固定報酬及び短期インセンティブ報酬は金銭報酬、中長期インセンティブ報酬は非金銭報酬及び金銭
報酬から成ります。
4.上記のほか、2021年5月12日をもって退任した執行役1名に対する退職金111百万円の支給がありま
す。
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短期インセンティブ報酬の全社業績評価において参照した指標の状況は、次のとおりです。
(単位:億円)
当連結会計年度(2021年度)
指標
目標 実績
売上収益 95,000 102,646
調整後営業利益 7,400 7,382
EBIT 8,200 8,509
親会社株主に帰属する当期利益 5,500 5,834
また、中長期インセンティブ報酬として発行した株式報酬型ストックオプション(新株予約権)の行使条件及び
譲渡制限付株式の譲渡制限解除条件において定めた対TOPIX成長率の状況は、次のとおりです。
名称 算定期間 対TOPIX成長率
株式会社日立製作所第1回新株予約権 2016年4月1日から2019年3月29日まで 125.8%
株式会社日立製作所第2回新株予約権 2017年3月31日から2020年3月31日まで 121.6%
株式会社日立製作所第3回新株予約権 2018年3月30日から2021年3月31日まで 120.5%
譲渡制限付株式(2019年5月発行) 2019年4月1日から2022年3月31日まで(注) 146.7%
譲渡制限付株式(2020年5月発行) 2020年4月1日から2022年3月31日まで(注) 144.2%
譲渡制限付株式(2021年6月発行) 2021年4月1日から2022年3月31日まで(注) 128.3%
(注)2022年3月31日に当社役員を退任した者が有する譲渡制限付株式に係る譲渡制限解除の個数を確定するた
めに算定しています。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員及びその報酬等の額は、次のとおりです。
連結報酬等の種類別の総額(百万円)
変動報酬
連結報酬
役員
短期 中長期
氏名 会社名 等の総額
その他
区分
固定報酬
インセン インセン
(百万円)
(注)3
ティブ ティブ
(注)1 (注)2
㈱日立製作所 執行役
508
東原 敏昭 148 156 203 0
(当社) (注)4
㈱日立製作所 執行役
104 123 76 -
(当社) (注)4
日立グローバルライフソ
308
小島 啓二 リューションズ㈱ 取締役 1 0 - -
(連結子会社)
㈱日立ハイテク
取締役会長 1 0 - -
(連結子会社)
㈱日立製作所
217
青木 優和 執行役 60 80 76 -
(当社)
㈱日立製作所
251
北山 隆一 執行役 60 62 129 -
(当社)
アリステア・ ㈱日立製作所
539
執行役 243 92 203 -
ドーマー (当社)
㈱日立製作所
180
德永 俊昭 執行役 60 94 26 -
(当社)
㈱日立製作所
276
西野 壽一 執行役 60 62 154 -
(当社)
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連結報酬等の種類別の総額(百万円)
変動報酬
連結報酬
役員
短期 中長期
氏名 会社名 等の総額
区分
固定報酬 その他
インセン インセン
(百万円)
(注)3
ティブ ティブ
(注)1 (注)2
㈱日立製作所
執行役 45 71 35 -
(当社)
155
阿部 淳
㈱日立情報通信エンジニ
アリング 取締役 2 1 - -
(連結子会社)
㈱日立製作所
執行役 44 51 49 -
(当社)
150
河村 芳彦
日立Astemo㈱
取締役会長 3 2 - -
(連結子会社)
㈱日立製作所
155
永野 勝也 執行役 48 72 35 -
(当社)
㈱日立製作所
執行役 44 48 49 -
(当社)
147
中畑 英信
㈱日立ハイテク
取締役会長 3 2 - -
(連結子会社)
Hitachi Energy Ltd
クラウディオ・
361
CEO 109 122 43 85
(連結子会社)
ファキン
(注)5
㈱日立製作所
執行役 41 48 42 -
(当社)
㈱日立産機システム
取締役 1 0 - -
(連結子会社)
140
森田 守
日立グローバルライフソ
リューションズ㈱ 取締役 0 0 - -
(連結子会社)
日立金属㈱
取締役 4 - - -
(連結子会社)
㈱日立製作所
120
竹内 要司 執行役 36 28 56 -
(当社)
㈱日立製作所
執行役 53 34 18 -
(当社)
ロレーナ・デッ
108
ラジョバンナ
㈱日立産機システム
取締役 1 0 - -
(連結子会社)
㈱日立製作所
執行役 - - 3 -
(当社)
114
中北 浩仁
Hitachi Asia Ltd.
取締役会長 53 28 29 -
(連結子会社)
(注)5
Hitachi Rail Ltd.
アンドリュー・
221
取締役 76 45 92 7
(連結子会社)
バー
(注)5
㈱日立製作所 執行役
285
中西 宏明 17 18 138 111
(当社) (注)4
(注)1.短期的な業績評価及び個人目標評価の結果に基づいて支給される報酬です。
2.株式報酬型ストックオプション、譲渡制限付株式報酬、譲渡制限付株式報酬ユニット又は株価連動型
の現金報酬です。
3.「その他」欄には、退職金及びフリンジ・ベネフィット相当額等を記載しています。
4.当連結会計年度において取締役を兼務していましたが、取締役としての報酬等は受けていません。
5.海外子会社における報酬等については円換算して表示しています。
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③報酬委員会の権限・役割と活動内容
当社の報酬委員会は、会社法に基づき設置され、独立性がある社外取締役が報酬委員の過半数を占めるととも
に、取締役及び執行役の報酬決定に関する法定の権限を有し、報酬決定プロセスの客観性・透明性・公正性の確保
に努めています。報酬委員会は、取締役及び執行役の報酬内容決定の方針を定め、当該方針に基づいて取締役及び
執行役の個人別の報酬の内容(報酬額等)を決定する権限を有しています。個人別の報酬内容の決定においては、
基本報酬の額の査定や短期インセンティブ報酬に係る業績評価及び個人目標評価について、そのプロセスと内容を
確認・審議しています。
当連結会計年度において、報酬委員会は、取締役及び執行役の報酬内容決定の方針に基づき、執行役の短期イン
センティブ報酬について業績評価及び個人目標評価のプロセスと内容を確認・審議するなど、取締役及び執行役の
個人別の報酬の額を決定しました。また、グローバル企業の経営者報酬や株主との価値共有の観点から役員報酬制
度について検討し、一部のグループ会社の日本人役員への譲渡制限付株式報酬制度の拡大を含め、2023年3月に終
了する連結会計年度に適用される取締役及び執行役の報酬内容決定の方針を決定しました。
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(5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、投資株式の内、専ら株式の価値の変動又は配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を
純投資目的である投資株式、それ以外の株式を保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式に区分していま
す。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(イ)保有方針及び保有の合理性の検証
当社は、取引や事業上必要である場合を除き、他社の株式を取得・保有しないことを基本方針としています。
既に保有している株式については、保有意義や合理性が認められない限り、売却を進めていきます。
当社では、毎年、取締役会において、保有する全銘柄を対象として保有の適否を検証することとしています。
当該検証においては、保有目的、保有に伴う便益が目標とする資本効率性に係る水準に見合っているか等を銘柄
毎に精査しています。検証の結果、保有意義や合理性が認められないと判断した株式については、売却を進めて
います。当事業年度における投資株式の売却の状況については、下記(ロ)に記載のとおりです。
(ロ)銘柄数及び貸借対照表計上額
銘柄数 貸借対照表計上額の
(銘柄) 合計額(百万円)
152 23,341
非上場株式
46 251,129
非上場株式以外の株式
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)(注)
銘柄数 株式数の増加に係る取得
株式数の増加の理由
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
3 1,231
非上場株式 事業上及び取引関係の維持・強化を図るため
非上場株式以外の株式 - - -
(注)上表のほか、出資比率の低下に伴って会計上の取扱いが関係会社株式から投資有価証券に変更となった銘
柄(非上場株式1銘柄、非上場株式以外の株式1銘柄)が存在します。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
銘柄数 株式数の減少に係る売却
(銘柄) 価額の合計額(百万円)
17 1,887
非上場株式
10 47,750
非上場株式以外の株式
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(ハ)特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
当事業年度 前事業年度
(注)1 (注)1
保有目的及び株式数が増加した理由 当社の株式の
株式数(株) 株式数(株)
銘柄
(注)2 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
当社の関連会社であった日立キャピタ
167,678,580
-
ル㈱の再編等を通じて取得し、保有し
三菱HCキャピタル 無
95,576
-
ています。(注)4
当社の関連会社であった㈱ルネサステ
61,990,548 61,990,548
ルネサスエレクト
クノロジの再編等を通じて取得し、保 無
ロニクス
88,770 74,388
有しています。
3,125,000 6,250,000
事業上の関係を維持・強化するため、
Western Digital
無
保有しています。
18,989 46,186
製品・サービスの販売・提供に係る取
900,000 900,000
東海旅客鉄道 引関係を維持・強化するため、保有し 無
14,368 14,895
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
521,000 521,000
信越化学工業 引関係を維持・強化するため、保有し 有
9,789 9,695
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
406,200 812,400
東日本旅客鉄道 引関係を維持・強化するため、保有し 有
2,888 6,368
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
900,000 900,000
第一三共 引関係を維持・強化するため、保有し 無
2,412 2,902
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
3,269,000 3,269,000
千葉銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 有
2,370 2,370
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
600,000 600,000
小野薬品工業 引関係を維持・強化するため、保有し 有
1,839 1,734
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
1,286,900 1,286,900
西武ホールディン
引関係を維持・強化するため、保有し 無
グス
1,636 1,570
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
597,600 597,600
サッポロホール 有
引関係を維持・強化するため、保有し
ディングス (注)3
1,378 1,370
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
215,000 215,000
西日本旅客鉄道 引関係を維持・強化するため、保有し 無
1,094 1,319
ています。
原材料・部品等の調達に係る取引関係
830,320 830,320
正興電機製作所 を維持・強化するため、保有していま 有
1,057 1,642
す。
製品・サービスの販売・提供に係る取
206,574 206,574
京王電鉄 引関係を維持・強化するため、保有し 有
988 1,536
ています。
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当事業年度 前事業年度
(注)1 (注)1
保有目的及び株式数が増加した理由 当社の株式の
株式数(株) 株式数(株)
銘柄
(注)2 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
製品・サービスの販売・提供に係る取
400,000 400,000
昭和電工 引関係を維持・強化するため、保有し 有
972 1,260
ています。
801,500 1,603,000
事業上の関係を維持するため、保有し
マクセル 無
ています。
963 2,242
製品・サービスの販売・提供に係る取
523,280 523,280
電源開発 引関係を維持・強化するため、保有し 有
914 1,012
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
394,016 394,016
有
東急 引関係を維持・強化するため、保有し
(注)3
627 580
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
328,500 328,500
東ソー 引関係を維持・強化するため、保有し 無
595 695
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
100,000 100,000
京都銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
535 681
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
121,927 121,927
京阪ホールディン
引関係を維持・強化するため、保有し 無
グス
367 560
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
104,291 104,291
近鉄グループホー
引関係を維持・強化するため、保有し 無
ルディングス
365 440
ています。
375,000 375,000
研究開発における協力関係を維持・強
ユーグレナ 無
化するため、保有しています。
308 397
製品・サービスの販売・提供に係る取
550,275 550,275
京葉銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 有
272 252
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
64,000 64,000
引関係を維持・強化するため、保有し
サイバートラスト 無
240 14
ています。(注)5
製品・サービスの販売・提供に係る取
679,200 679,200
トモニホールディ 有
引関係を維持・強化するため、保有し
ングス (注)3
222 220
ています。
508,030 508,030
Taragaon Regency
売掛債権に係る代物弁済により受領
無
Hotel し、保有しています。
187 153
原材料・部品等の調達に係る取引関係
300,000 300,000
大同信号 を維持・強化するため、保有していま 有
178 181
す。
製品・サービスの販売・提供に係る取
50,000 50,000
ANAホールディ
引関係を維持・強化するため、保有し 無
ングス
128 128
ています。
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当事業年度 前事業年度
(注)1 (注)1
保有目的及び株式数が増加した理由 当社の株式の
株式数(株) 株式数(株)
銘柄
(注)2 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
製品・サービスの販売・提供に係る取
88,000 88,000
大光銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
122 132
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
73,500 73,500
北日本銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 有
115 147
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
40,425 40,425
日本冶金工業 引関係を維持・強化するため、保有し 無
113 83
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
513,150 513,150
栃木銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
113 97
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
73,623 73,623
三十三フィナン
引関係を維持・強化するため、保有し 無
シャルグループ
108 102
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
40,000 40,000
滋賀銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
88 95
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
110,000 110,000
大東銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
75 77
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
16,250 16,250
愛知銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
73 49
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
315,327 315,327
池田泉州ホール
引関係を維持・強化するため、保有し 無
ディングス
54 56
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
69,900 69,900
高知銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
52 59
ています。
東京きらぼしフィ 製品・サービスの販売・提供に係る取
30,000 30,000
有
ナンシャルグルー 引関係を維持・強化するため、保有し
(注)3
52 42
プ ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
20,000 20,000
中京銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
31 35
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
30,000 30,000
トマト銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
31 34
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
30,000 30,000
じもとホールディ
引関係を維持・強化するため、保有し 無
ングス
18 23
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
6,000 6,000
西日本鉄道 引関係を維持・強化するため、保有し 無
16 17
ています。
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当事業年度 前事業年度
(注)1 (注)1
保有目的及び株式数が増加した理由 当社の株式の
株式数(株) 株式数(株)
銘柄
(注)2 保有の有無
貸借対照表計上額 貸借対照表計上額
(百万円) (百万円)
製品・サービスの販売・提供に係る取
11,330 11,330
みちのく銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
10 12
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
6,900 6,900
長野銀行 引関係を維持・強化するため、保有し 無
8 9
ています。
製品・サービスの販売・提供に係る取
237,000
-
九州電力 引関係を維持・強化するため、保有し 無
258
-
ていました。
製品・サービスの販売・提供に係る取
957,361
-
台灣高速鐵路 引関係を維持・強化するため、保有し 無
116
-
ていました。
製品・サービスの販売・提供に係る取
116,600
-
北陸電力 引関係を維持・強化するため、保有し 無
88
-
ていました。
製品・サービスの販売・提供に係る取
187,500
-
東京電力ホール
引関係を維持・強化するため、保有し 無
ディングス
69
-
ていました。
製品・サービスの販売・提供に係る取
38,000
-
日本ゼオン 引関係を維持・強化するため、保有し 無
67
-
ていました。
製品・サービスの販売・提供に係る取
23,831
-
南海電気鉄道 引関係を維持・強化するため、保有し 無
60
-
ていました。
(注)1.当事業年度末及び前事業年度末において保有している銘柄が60に満たないため、全銘柄について、記載して
います。
2.定量的な保有効果は記載が困難なため、記載していません。なお、保有の合理性の検証方法については、
「(イ)保有方針及び保有の合理性の検証」に記載しています。
3.各銘柄株式の発行会社の主な子会社による保有も含めて、記載しています。
4.出資比率の低下に伴って会計上の取扱いが関係会社株式から投資有価証券に変更されました。
5.当事業年度中の同社株式の新規上場に伴い、特定投資株式となりました。
③保有目的が純投資目的である投資株式
該当ありません。
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第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)
第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たすことから、第93条の規定により、国際財務
報告基準に準拠して作成しています。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号、以下
「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。 また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規
則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の
連結財務諸表及び事業年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査
法人の監査を受け、監査報告書を受領しています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っています。具体的には、国際会計基準審議
会、金融庁及び会計専門家等が提供する情報の継続的な入手、並びに公益財団法人財務会計基準機構への加入等、会
計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備しています。
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1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
(単位:百万円)
注記 前連結会計年度 当連結会計年度
番号 (2021年3月31日) (2022年3月31日)
資産の部
流動資産
1,015,886 968,827
現金及び現金同等物 26
2,734,476 2,978,149
売上債権及び契約資産 6、20、26
1,653,395 2,042,432
棚卸資産 7
328,153 376,315
有価証券及びその他の金融資産 11、26
211,390 233,708
その他の流動資産 5
5,943,300 6,599,431
流動資産合計
非流動資産
472,105 411,201
持分法で会計処理されている投資 5、8
534,324 584,806
有価証券及びその他の金融資産 5、11、26
2,408,887 2,478,901
有形固定資産 9
1,161,210 2,153,706
のれん 5、10
964,830 1,257,128
その他の無形資産 5、10
368,197 402,329
その他の非流動資産 12
5,909,553 7,288,071
非流動資産合計
11,852,853 13,887,502
資産の部合計
負債の部
流動負債
416,635 1,234,119
短期借入金 26
274,392 336,418
償還期長期債務 11、26
288,973 294,047
その他の金融負債 26
1,515,954 1,754,633
買入債務 13
698,553 738,030
未払費用
933,844 1,069,732
契約負債 20
468,579 427,087
その他の流動負債 5、14
4,596,930 5,854,066
流動負債合計
非流動負債
1,706,329 1,556,175
長期債務 11、26
433,954 414,839
退職給付に係る負債 15
8、12、
657,408 707,145
その他の非流動負債
14、26
2,797,691 2,678,159
非流動負債合計
7,394,621 8,532,225
負債の部合計
資本の部
親会社株主持分
460,790 461,731
資本金 16
5、16、
84,040 46,119
資本剰余金
19、26
2,710,604 3,197,725
利益剰余金 16、18
273,561 639,263
その他の包括利益累計額 17
△ 3,493 △ 3,002
自己株式 16
3,525,502 4,341,836
親会社株主持分合計
932,730 1,013,441
非支配持分 5、26
4,458,232 5,355,277
資本の部合計
11,852,853 13,887,502
負債・資本の部合計
86/188
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②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
番号
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
8,729,196 10,264,602
売上収益 20
△ 6,533,890 △ 7,705,981
売上原価
2,195,306 2,558,621
売上総利益
販売費及び一般管理費
△ 1,700,126 △ 1,820,385
476,137 128,354
その他の収益 5、15、21
その他の費用 5、21 △ 172,407 △ 83,965
13,969 27,938
金融収益 22
金融費用 22 △ 1,456 △ 97
38,864 40,485
持分法による投資損益 8
850,287 850,951
受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益
受取利息 16,934 15,492
△ 22,778 △ 27,110
支払利息
844,443 839,333
継続事業税引前当期利益
法人所得税費用 12 △ 325,247 △ 168,469
519,196 670,864
継続事業当期利益
0
非継続事業当期利益(損失) 23 △ 686
518,510 670,864
当期利益
当期利益の帰属
501,613 583,470
親会社株主持分
16,897 87,394
非支配持分
1株当たり親会社株主に帰属する継続事業当期利益 24
基本 520.00 円 603.75 円
希薄化後 519.22 円 602.96 円
1株当たり親会社株主に帰属する当期利益 24
基本 519.29 円 603.75 円
希薄化後 518.51 円 602.96 円
【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
番号
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
518,510 670,864
当期利益
その他の包括利益 17
純損益に組み替えられない項目
その他の包括利益を通じて測定する
69,362
△ 11,224
金融資産の公正価値の純変動額
88,736 30,795
確定給付制度の再測定
2,151
△ 403
持分法のその他の包括利益
160,249 19,168
純損益に組み替えられない項目合計
純損益に組み替えられる可能性がある項目
191,821 391,489
在外営業活動体の換算差額
キャッシュ・フロー・ヘッジの
5,346 8,172
公正価値の純変動額
58,755 41,207
持分法のその他の包括利益
255,922 440,868
純損益に組み替えられる可能性がある項目合計
416,171 460,036
その他の包括利益合計
934,681 1,130,900
当期包括利益
当期包括利益の帰属
838,237 958,008
親会社株主持分
96,444 172,892
非支配持分
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③【連結持分変動計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
資本 利益 その他の 非支配
剰余金 剰余金 包括利益 親会社 持分
資本金 (注5、 (注16 累計額 自己株式 株主持分 (注5 資本の部
(注16) 16及び26) 及び18) (注17) (注16) 合計 及び26) 合計
459,862 464,795 2,296,208 3,159,986 1,106,753 4,266,739
期首残高 △ 57,070 △ 3,809
変動額
9,436
利益剰余金への振替 - - △ 9,436 - - - -
501,613 501,613 16,897 518,510
当期利益 - - - -
336,624 336,624 79,547 416,171
その他の包括利益 - - - -
親会社株主に対する
配当金 - - △ 96,653 - - △ 96,653 - △ 96,653
非支配持分に対する
配当金 - - - - - - △ 41,076 △ 41,076
自己株式の取得 - - - - △ 159 △ 159 - △ 159
108 475 583 583
自己株式の売却 - - - -
928 928 1,856 1,856
新株の発行(注19) - - - -
3,443
非支配持分との取引等 - △ 381,791 - - △ 378,348 △ 229,391 △ 607,739
928 414,396 330,631 316 365,516 191,493
変動額合計 △ 380,755 △ 174,023
460,790 84,040 2,710,604 273,561 3,525,502 932,730 4,458,232
期末残高 △ 3,493
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
資本 利益 その他の
剰余金 剰余金 包括利益 親会社 非支配
資本金 (注16 (注16 累計額 自己株式 株主持分 持分 資本の部
(注16) 及び26) 及び18) (注17) (注16) 合計 (注26) 合計
460,790 84,040 2,710,604 273,561 3,525,502 932,730 4,458,232
期首残高 △ 3,493
変動額
14,861
利益剰余金への振替 - - △ 14,861 - - - -
583,470 583,470 87,394 670,864
当期利益 - - - -
374,538 374,538 85,498 460,036
その他の包括利益 - - - -
親会社株主に対する
配当金 - - △ 111,210 - - △ 111,210 - △ 111,210
非支配持分に対する
配当金 - - - - - - △ 63,647 △ 63,647
自己株式の取得 - - - - △ 251 △ 251 - △ 251
742 451 451
自己株式の売却 - △ 291 - - -
941 941 1,882 1,882
新株の発行(注19) - - - -
6,025
非支配持分との取引等 - △ 38,571 - - △ 32,546 △ 28,534 △ 61,080
941 487,121 365,702 491 816,334 80,711 897,045
変動額合計 △ 37,921
461,731 46,119 3,197,725 639,263 4,341,836 1,013,441 5,355,277
期末残高 △ 3,002
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④【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
注記
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
番号
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
営業活動に関するキャッシュ・フロー
518,510 670,864
当期利益
当期利益から営業活動に関する
キャッシュ・フローへの調整
491,663 540,252
減価償却費及び無形資産償却費
109,009 35,091
減損損失
325,247 168,469
法人所得税費用
持分法による投資損益 △ 38,864 △ 40,485
1,337
金融収益及び金融費用 △ 2,012
事業再編等損益 △ 452,422 △ 102,135
固定資産売却等損益 △ 16,976 △ 21,066
89,722
売上債権及び契約資産の増減(△は増加) △ 33,292
棚卸資産の増減(△は増加) △ 47,937 △ 330,187
156,475
買入債務の増減(△は減少) △ 31,811
32,693 9,679
未払費用の増減(△は減少)
退職給付に係る負債の増減(△は減少) △ 29,239 △ 29,122
11,322
△ 52,596
その他
小計 962,254 969,935
21,648 16,372
利息の受取
20,560 18,824
配当金の受取
利息の支払 △ 22,368 △ 26,698
△ 188,966 △ 248,490
法人所得税の支払
793,128 729,943
営業活動に関するキャッシュ・フロー
投資活動に関するキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得 △ 254,750 △ 296,968
無形資産の取得 △ 118,195 △ 142,893
83,483 109,836
有形固定資産及び無形資産の売却
有価証券及びその他の金融資産(子会社及
び持分法で会計処理されている投資を含
む)の取得 5 △ 861,035 △ 933,200
有価証券及びその他の金融資産(子会社及
び持分法で会計処理されている投資を含
682,408 168,892
む)の売却
9,249 45,467
その他
投資活動に関するキャッシュ・フロー △ 458,840 △ 1,048,866
財務活動に関するキャッシュ・フロー 25
199,679 653,244
短期借入金の純増減
523,467 44,798
長期借入債務による調達
長期借入債務の償還 △ 230,488 △ 305,943
5,190
非支配持分からの払込み -
配当金の支払 △ 96,611 △ 111,149
非支配持分株主への配当金の支払 △ 40,687 △ 56,338
自己株式の取得 △ 159 △ 251
583 451
自己株式の売却
非支配持分株主からの子会社持分取得 △ 545,790 △ 22,009
△ 22 △ 64
その他
202,739
財務活動に関するキャッシュ・フロー △ 184,838
54,105 69,125
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響
203,555
現金及び現金同等物の増減 △ 47,059
812,331 1,015,886
現金及び現金同等物の期首残高
1,015,886 968,827
現金及び現金同等物の期末残高
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【連結財務諸表注記】
注1.報告企業
株式会社日立製作所(以下、当社)は日本に拠点を置く株式会社であり、その株式を公開しています。当社の連結財務
諸表は、当社及び子会社並びにその関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されています。当社及び子会社か
らなる企業集団は、IT、エネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフ、オートモティブシステム、日立建機、日立
金属、その他の9セグメントにわたって、製品の開発、生産、販売、サービス等、グローバルに幅広い事業活動を展開し
ています。
注2.作成の基礎
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条
の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たしていることから、同第93条の規定により、国際会計基準
審議会(以下、IASB)によって公表された国際財務報告基準(以下、IFRS)に準拠して作成しています。当社の連結会計
年度は、4月1日から翌年3月31日までです。
当社の連結財務諸表は、デリバティブ金融資産及び金融負債、公正価値の変動を純損益を通じて測定する(以下、
FVTPL)金融資産及び金融負債、公正価値の変動をその他の包括利益を通じて測定する(以下、FVTOCI)金融資産、確定
給付制度にかかる資産又は負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。また、連結財務諸表は当社の機能通貨で
ある日本円により百万円単位で表示しています。
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、当社の経営者は会計方針の適用並びに資産及び負債、収益及び費用の報
告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられています。実際の業績はこれらの見積り等と
は異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更し
た会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しています。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に関する判断に関する情報は、以下の注記に含ま
れています。
・注3.(1)連結の基礎
・注3.(4)金融商品及び注26.金融商品及び関連する開示
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の注記
等に含まれています。
・注3.(10)非金融資産の減損、注9.有形固定資産及び注10.のれん及びその他の無形資産
・注3.(11)退職後給付及び注15.従業員給付
・注3.(12)引当金、注3.(14)収益認識、注14.引当金及び注20.売上収益
・注3.(15)法人所得税費用及び注12.繰延税金及び法人所得税
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注3.主要な会計方針の概要
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社が支配を有する事業体をいいます。支配とは、その事業体への関与により生じる変動リター
ンに対するリスク又は権利を有し、かつ当該事業体に対するパワーを通じてその変動リターンに影響を及ぼす能
力をいいます。
子会社は全て、取得日すなわち当社が支配を獲得した日から、当社が支配を喪失する日まで連結しています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じ当該子会社の財務諸表の
調整を行っています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分変動があった場合には、資本取引として会計処理しています。一
方、支配の喪失を伴う子会社に対する持分変動があった場合には、子会社の資産及び負債、子会社に関連する非
支配持分及びその他の包括利益累計額の認識を中止しています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社が支配を有していないものの、その企業の経営方針や財務方針に重要な影響力を行使でき
る事業体をいいます。
共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社を含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関
連する財務上及び経営上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
当社は、関連会社及び共同支配企業への投資について、持分法を用いて会計処理しています。(以下、持分法
適用会社)
連結財務諸表には、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失するまでの持分法適用会社の純損益及び
その他の包括利益に対する当社の持分を含めています。
持分法適用会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じ持分法適用会社
の財務諸表を調整しています。
③ 組成された事業体
当社は、組成された事業体への関与から生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有している場合で、当
該事業体に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合、当該事業体に対し支
配を有していると判断し連結しています。
(2)現金同等物
現金同等物は、流動性が高く、元本の価値変動のリスクが極めて低い、取得日から3ヵ月以内に満期となる短期投資
からなります。
(3)外貨換算
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより当社及び子会社の各機能通貨に
換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算してい
ます。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。但し、発生する損益がその他の
包括利益で認識される資産及び負債に関しては、それらから生じる換算差額はその他の包括利益として認識し、
その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。
② 在外営業活動体の財務諸表の換算
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替相場により、収益及び費用は期中平均為替相場により円換算し
ています。在外営業活動体の財務諸表の換算により発生する換算差額は、その他の包括利益として認識し、その
累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。
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(4)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社は、売上債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しています。その他の金融資産は、当社が
当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しています。
当社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合又は金融資産の所有に
かかるリスクと経済的便益を実質的に全て移転する取引において、当該金融資産から生じるキャッシュ・フロー
を受け取る契約上の権利を移転した時に当該金融資産の認識を中止しています。金融資産の所有に伴う実質的に
全てのリスク及び経済価値を留保も移転もしない取引においては、当社は当該金融資産への支配を保持していな
い場合にその資産の認識を中止するものとしています。
非デリバティブ金融資産の分類及び測定方法の概要は、下記のとおりです。
償却原価で測定する金融資産
以下の要件を満たす金融資産を償却原価で測定する金融資産として分類しています。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的とし
て保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生
じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識しています。当初認
識後は、実効金利法を用いて帳簿価額を算定しています。また、償却原価で測定する金融資産にかかる利息発
生額は連結損益計算書の受取利息に含まれます。
FVTOCI金融資産
当社は、主に投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有している資本性金融
資産をFVTOCI金融資産として分類しています。FVTOCI金融資産は公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で
当初認識し、それ以降も連結決算日の公正価値で測定しています。公正価値の変動は連結会計期間のその他の
包括利益として認識し、その累計額はその他の包括利益累計額に認識しています。ただし、FVTOCI金融資産か
ら生じる配当金については、明らかに投資の払い戻しの場合を除き、純損益として認識しています。
FVTPL金融資産
FVTOCI金融資産として分類されない資本性金融資産及び償却原価で測定する金融資産に分類されない負債性
金融資産は、全てFVTPL金融資産に分類しています。FVTPL金融資産は、当初認識後、公正価値(直接帰属する
取引費用を含む)で測定し、その公正価値の変動は純損益として認識しています。
金融資産の減損
当社は、売上債権及び契約資産並びにその他の債権に関する予想信用損失に係る貸倒引当金について、信用
リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かに応じて、少なくとも四半期毎に継続的評価を実施してい
ます。
信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、金融資産の予想残存期間の全期間の予想信用損
失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合に
は、期末日後12か月以内に生じる予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しています。ただし、売上債
権、契約資産及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定してい
ます。
信用リスクの著しい増大の有無は、債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行と
は、債務者による契約上のキャッシュ・フローの支払いに重大な問題が生じ、金融資産の全体又は一部分を回
収するという合理的な予想を有していない状態と定義しています。債務不履行発生のリスクに変化があるかど
うかの判断においては、主に外部信用格付け、期日経過の情報等を考慮しています。
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予想信用損失は、金融資産に関して契約上支払われるキャッシュ・フロー総額と、受取りが見込まれる将来
キャッシュ・フロー総額との差額の割引現在価値を発生確率により加重平均して測定します。支払遅延の存
在、支払期日の延長、外部信用調査機関による否定的評価、債務超過等悪化した財政状況や経営成績の評価を
含む、一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主
に過去の貸倒実績や将来の回収可能額等に基づき予想信用損失を測定しています。信用減損が生じていない金
融資産については、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率
等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しています。
売上債権及び契約資産並びにその他の債権に関する予想信用損失については、帳簿価額を直接減額せず、貸
倒引当金を計上しています。予想信用損失の変動額は減損損失として純損益に認識しており、連結損益計算書
の販売費及び一般管理費に含まれます。なお、金融資産について、全ての回収手段がなくなり、回収可能性が
ほぼ尽きたと考えられる時点で、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと
判断し、直接償却しています。
② 非デリバティブ金融負債
当社は、発行した負債性金融商品を、その発行日に当初認識しています。その他の金融負債は全て、当社が当
該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しています。
当社は、金融負債が消滅した場合、つまり契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった
場合に、認識を中止しています。
当社は、非デリバティブ金融負債として、社債、借入金、買入債務及びその他の金融負債を有しており、それ
らを公正価値(直接帰属する取引費用を控除後)で当初認識しています。また、社債及び借入金については当初
認識後、実効金利法を用いた償却原価により測定しており、利息発生額は連結損益計算書の支払利息に含まれま
す。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、為替リスク及び金利リスクをヘッジするために、先物為替予約契約、通貨スワップ契約及び金利ス
ワップ契約といったデリバティブ商品を利用しています。これらのデリバティブはその保有目的、保有意思にか
かわらず全て公正価値で計上しています。
当社が利用しているヘッジの会計処理は、下記のとおりです。
・「公正価値ヘッジ」は、既に認識された資産又は負債もしくは未認識の確定契約の公正価値の変動に対する
ヘッジであり、ヘッジの効果が有効である限り、既に認識された資産又は負債もしくは未認識の確定契約と
その関連するデリバティブの公正価値の変動は純損益で認識しています。
・「キャッシュ・フロー・ヘッジ」は、将来取引のヘッジ又は既に認識された資産又は負債に関連して発生す
る将来キャッシュ・フローの変動に対するヘッジであり、ヘッジの効果が有効である限り、キャッシュ・フ
ロー・ヘッジとして指定したデリバティブの公正価値の変動はその他の包括利益として認識しています。こ
の会計処理は、ヘッジ対象に指定された未認識の確定契約又は将来キャッシュ・フローの変動を純損益に認
識するまで継続し、その時点でデリバティブの公正価値の変動も純損益に含めています。なお、ヘッジ対象
に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として
認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取
得原価その他の帳簿価額に直接含めています。
当社は、IFRS第9号「金融商品」に定められるデリバティブを利用する目的、その戦略を含むリスク管理方針
を文書化しており、それに加えて、そのデリバティブがヘッジ対象の公正価値又は将来キャッシュ・フローの変
動の影響を相殺しているかどうかについて、ヘッジの開始時及び開始後も引き続き、一定期間毎に評価を行って
います。ヘッジの効果が有効でなくなった場合は、ヘッジ会計を中止しています。
④ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額ベース
で決済するかもしくは資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態
計算書において純額で報告しています。
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(5)非支配持分株主に対するプット・オプション
当社及び当社の子会社において、非支配持分株主に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、その行使
価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金として認識し
ています。
(6)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で評価しており、原価は、製品・半製品・仕掛品に
ついては個別法又は移動平均法により、材料については概ね移動平均法によっています。正味実現可能価額とは、通常
の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除したものをいいます。
(7)有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価
額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、将来の解体、除去及び原状回復費用を含めてい
ます。各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって、主として定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごと
の見積耐用年数は、下記のとおりです。
建物及び構築物 2年から60年
機械装置及び運搬具 2年から17年
工具、器具及び備品 2年から20年
使用権資産 2年から40年
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの
変更として扱い、将来に向かって変更しています。
(8)のれん及びその他の無形資産
耐用年数を確定できるその他の無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損
失累計額を控除した金額で表示しています。各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって、主として定額法で償却を
行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、下記のとおりです。
自社利用ソフトウェア 2年から10年
市場販売ソフトウェア 2年から10年
その他 2年から20年
のれん及び耐用年数を確定できないその他の無形資産は、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示してい
ます。
(9)リース
① 借手側
当社及び一部の子会社は、建物、機械装置及び車両等を中心とした設備を賃借しており、原資産を使用する権
利である使用権資産と、リース料を支払う義務であるリース負債を認識し、リースに関する費用を使用権資産の
減価償却費及びリース負債に係る支払利息として認識しています。リース期間が12か月以内である短期リースの
リース料は、リース期間にわたって定額法により純損益として認識しています。
使用権資産
使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額及び
減損損失累計額を控除した価額で有形固定資産及びその他の無形資産に含めて表示しています。取得原価に
は、リース負債の当初測定の金額、借手に発生した当初直接コスト等を含めています。各使用権資産は、リー
ス開始日から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方までにわたって、定
額法で減価償却を行っています。なお、耐用年数またはリース期間に変更があった場合は、会計上の見積りの
変更として扱い、将来に向かって変更しています。
リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率または借手の追加借入
利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、償還期長期債務及び長期債務に含めて表示しています。
リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利費用は、リース負債の残高に対する毎期一定の率をリー
ス期間にわたり純損益として認識し、連結損益計算書の支払利息に含めて表示しています。
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② 貸手側
当社及び一部の子会社は、建物、機械装置等を中心とした設備を賃貸しており、有形固定資産のリースで、所
有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転する場合のリースは、ファイナンス・リースに分類さ
れ、原資産の認識の中止を行い、リース料総額の現在価値で正味リース投資未回収額を認識及び測定していま
す。
所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてが貸手に帰属する場合のリースは、オペレーティング・リース
に分類され、原資産の認識を継続し、リース収益をリース期間にわたり定額法で認識しています。
(10)非金融資産の減損
各資産について減損の兆候の有無の判定を行い、その帳簿価額が回収不可能であるような兆候がある場合、減損テス
トを実施しています。各資産が、他の資産からのキャッシュ・フローからおおむね独立したキャッシュ・フローを生み
出さない場合、資金生成単位又は資金生成単位グループについて減損の兆候の有無を判定しています。耐用年数を確定
できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産
の属する資金生成単位又は資金生成単位グループごとに回収可能価額を見積り、減損テストを実施しています。
各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループごとの回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値の
いずれか高い方で算定しています。当社及び子会社は、公正価値を算定するために用いる評価技法として、主に当該資
産等の使用及び最終処分価値から期待される見積将来キャッシュ・フローに基づくインカム・アプローチ(現在価値
法)又は類似する公開企業との比較や当該資産等の時価総額等、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格
を合理的に見積り算定するマーケット・アプローチを用いています。当社及び子会社は、公正価値算定上の複雑さに応
じ、外部専門家を適宜利用しています。使用価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・
フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割引いて算定しています。事業計画は外
部情報に基づき、過去の経験を反映したものであり、原則として5年を限度としています。当社及び子会社において
は、多種多様な製品の開発、生産、販売からサービスの提供等、幅広い事業活動を展開しており、各事業活動に適した
外部情報を用いています。事業計画の予測の期間を超えた後のキャッシュ・フロー見積額は、当該資産等が属する市場
の長期平均成長率の範囲内で見積った成長率をもとに算定しています。なお、事業計画は、部材価格の高騰、半導体不
足の影響などによる一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいますが、今後の情勢変化に伴う、マーケット
に係るリスク、経営環境に係るリスク等により、実際の結果が大きく異なることがあります。また、使用価値の算定に
使用する割引率は、株式市場の動向や金利の変動等により影響を受けます。
各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、その超過額を減損
損失として認識しています。
のれん以外の各資産又は資金生成単位もしくは資金生成単位グループに関しては、過年度に認識された減損損失につ
いて、その回収可能価額の算定に使用した前提事項に重要な変更が生じ、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認
められる場合に、当該資産等を対象に回収可能価額の見積りを行っています。算定した回収可能価額が当該資産等の帳
簿価額を超える場合には、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、
減損損失を戻し入れています。
(11)退職後給付
当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付を行うため、確定給付型年金制度、退職一時金制度及び確定拠出型年金
制度を採用しています。
① 確定給付制度
確定給付制度には、確定給付型年金制度、退職一時金制度が含まれます。確定給付型年金制度を採用している
会社は、確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用を予測単位積増方式により算定しています。確定給付制
度債務の現在価値及び制度資産の公正価値は、報告期間末に再測定し、数理計算上の差異及び制度資産の利息収
益を除く公正価値の変動額はその他の包括利益で全額認識し、その後純損益に組み替えていません。また、制度
改訂時に生じる過去勤務費用は発生時に全額純損益として認識しています。連結財政状態計算書上、確定給付制
度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額を確定給付負債又は資産として非流動負債又は資産に
表示しています。
数理計算によって算出される多額の退職給付費用の評価には、死亡率、脱退率、退職率、給与の変更及び割引
率等の様々な数理計算上の仮定が含まれています。当社及び子会社は、人員の状況、市況及び将来の金利の動向
等の多くの要素を考慮に入れて、数理計算上の仮定を見積もっています。数理計算上の仮定は、最善の見積りと
判断により決定していますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果や関連法令の改正・交付によって影響を受
ける可能性があります。
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② 確定拠出制度
確定拠出型年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払いについ
て法的または推定的債務を負わない退職後給付制度です。確定拠出型年金制度の拠出額は、従業員がサービスを
提供した期間に、純損益として認識しています。
(12)引当金
当社は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)が生じており、当該債務を決済するための
経済的資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額の合理的な見積りが可能である場合に引当金を認識し
ています。引当金は、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積
りと異なる可能性があります。
なお、債務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間価値が重要な場合には、決済時に予測される支出
額の現在価値により引当金を測定しています。
(13)偶発事象
当社は国際会計基準(以下、IAS)第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、(12)引当金に記載している引
当金の認識基準を満たさない債務については、当該債務の履行による経済的資源の流出の可能性がほとんどないと判断
している場合を除き、偶発債務として注記をしています。なお、当社及び子会社が締結した金融保証契約は、特定の債
務者が負債性金融商品の条件に従った期日の到来時に支払を行わないことにより保証契約保有者に発生する損失を、当
社又は子会社がその保有者に対し補償する契約です。
(14)収益認識
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社は顧客の要望に合わせて多様な取引を行っており、製品、サービス等の複数の要素を組み合わせて顧客に提供す
る取引が含まれています。製品及びサービス等を提供するにあたり、複数の契約を締結している場合、各契約における
対価の相互依存性や各契約の締結時期等を評価し、関連する契約を結合したうえで、取引価格を独立販売価格の比率で
それぞれの履行義務に配分し、収益を認識しています。
独立販売価格は、市場の状況、競合する製品等の市場売価、製品原価や顧客の状況等の様々な要因を考慮して見積も
られています。
取引価格の算定においては、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価
の金額で測定しています。値引き・リベート等の変動対価は、その発生の不確実性がその後に解消される際に、認識し
た収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ取引価格に含めています。なお、約束した対
価の金額に重大な金融要素は含まれていません。
一定の期間に亘り製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービ
ス等の性質を考慮し、履行義務の充足に向けての進捗度を発生原価又はサービス提供期間に基づき測定し収益を認識し
ています。なお、当該進捗度を合理的に測定することができない場合は、発生したコストの範囲で収益を認識していま
す。
顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分
について資産として認識しており、当該資産が関連する製品及びサービスの収益の認識方法に従って償却を行っていま
す。また、当該償却の期間が1年以内である場合に、契約獲得のための増分コストを資産計上せず発生時に費用として
認識しています。
長期請負契約等に基づく収益認識において、見積原価総額、見積収益総額、契約に係るリスクやその他の要因につい
て重要な仮定を行う必要があります。これらの見積りは将来の不確実な経済条件の変動の影響を受けるほか、当社のコ
ントロールの及ばない様々な理由によって変動する場合があります。当社は、これらの見積りを継続的に見直し、会計
処理に反映しています。
(15)法人所得税費用
一時差異等に起因する繰延税金資産及び負債の認識を資産負債法により行っています。のれんから生じる一時差異、
企業結合以外の取引における会計上又は税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさない取引によって発生する資産又は負
債の当初認識による差異及び子会社又は持分法適用会社に対する投資にかかる将来加算一時差異のうち、解消時期をコ
ントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合においては、繰延税金負債を認識し
ていません。繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に
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対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。将来課税所得には、部材価格の高騰、半導体不足の影響な
どによる一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいます。課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実
な 経済条件の変動によって影響を受け、実際に課税所得が生じる時期及び金額は見積りと異なる可能性があります。な
お、その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金及び繰延税金は、その他の包括利益として認識しています。
繰延税金資産及び負債は、それらの一時差異等が解消されると見込まれる連結会計年度の課税所得に対して適用され
る税率を使用して測定しています。税率変更による繰延税金資産及び負債への影響は、その税率変更に関する法律の制
定日を含む連結会計年度の純損益及びその他の包括利益として認識しています。
(16)1株当たり利益
基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益は平均発行済株式数に基づいて計算し、希薄化後1株当たり親会社株
主に帰属する当期利益は平均発行済株式数と希薄化効果のある証券の転換又は発行可能株式数の合計に基づいて計算し
ています。
(17)企業結合
企業結合の会計処理は取得法を用いています。当社は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産
の公正価値に対する持分割合相当額のいずれかにより、被取得企業に対する非支配持分を測定するかを選択していま
す。また、発生した取得関連費用は、発生時に費用処理しています。
(18)未適用の新会計基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済基準書及び解釈指針のうち、当社の財政状態及び経
営成績に重要な影響を及ぼすものはありません。
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注4.セグメント情報
(報告セグメント情報)
事業セグメントは、独立した財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績の
検討のため、定期的に評価を行う対象とする当社の構成単位です。
当社は報告セグメントを、主に市場、製品及びサービスの性質及び経済的特徴の類似性を総合的に勘案し、下記9区分
に系列化しています。以下に記載する報告セグメントのうち、エネルギー、インダストリー、モビリティ及びライフは、
当社の財政状態及び経営成績の適切な理解に資するために、複数の事業セグメントを集約しています。事業セグメントの
集約においては、主に事業セグメントの売上総利益率を用いて経済的特徴の類似性を判断しています。それぞれの報告セ
グメントに含まれる主な製品・サービスは下記のとおりです。
(1)IT
デジタルソリューション(コンサルティング、ソフトウェア、クラウドサービス、システムインテグレーショ
ン、制御システム)、ITプロダクツ(ストレージ、サーバ)、ATM
(2)エネルギー
エネルギーソリューション(原子力、再生可能エネルギー、火力、パワーグリッド)
(3)インダストリー
産業・流通ソリューション、水・環境ソリューション、産業用機器
(4)モビリティ
ビルシステム(エレベーター、エスカレーター)、鉄道システム
(5)ライフ
生活・エコシステム(家電、空調)、計測分析システム(医用・バイオ、半導体、産業)
(6)オートモティブシステム
パワートレイン、シャシー、先進運転支援、二輪
(7)日立建機
油圧ショベル、ホイールローダ、マイニング機械、保守・サービス、土木施工ソリューション、鉱山運行管理
システム
(8)日立金属
特殊鋼製品、素形材製品、磁性材料・パワーエレクトロニクス、電線材料
(9)その他
光ディスクドライブ、不動産の管理・売買・賃貸、その他
当社の子会社である日立オートモティブシステムズ㈱は、2021年1月に㈱ケーヒン、㈱ショーワ及び日信工業㈱と経
営統合し、日立Astemo㈱を設立しました。その後、当連結会計年度の期首から、社会イノベーション事業の注力分野で
ある現行の5セクターに加え、日立Astemo㈱をライフセグメントから独立させ、5セクターに並ぶ事業として位置づ
け、迅速な意思決定を行い、円滑な統合と成長戦略、シナジー創出を実現し、事業成長をさらに加速させる体制としま
した。これに伴い、当連結会計年度の期首から、オートモティブシステムセグメントを独立した報告セグメントとして
識別しています。当該区分変更により、前連結会計年度を変更後の区分にて表示しています。
当社は、社会イノベーション事業のさらなる進化と成長を実現し、サステナブルな社会の実現を目指すために事業体
制の見直しを行い、翌連結会計年度の期首から事業群の再編を行っています。当該再編に伴い、報告セグメントの区分
を、デジタルシステム&サービス、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズ、オートモティブ
システム、日立建機、日立金属及びその他の7区分へ変更し表示する予定です。
また、翌連結会計年度からのセグメント損益についても、最高経営意思決定機関が、セグメントの経営資源の配分の
決定及び業績の検討において主として利用する損益の測定値として、従来利用していた受取利息及び支払利息調整後税
引前当期利益(EBIT)から、Adjusted EBITAに変更し表示する予定です。なお、Adjusted EBITAは、売上総利益から販
売費及び一般管理費を控除し、企業結合により認識した無形資産等の償却費を足し戻した上で、持分法による投資損益
を加算した損益です。
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前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメント情報は下記のとおりです。
外部顧客に対する売上収益
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
1,892,355 1,988,339
IT
1,054,555 1,388,891
エネルギー
669,956 737,850
インダストリー
1,191,702 1,420,031
モビリティ
1,156,351 966,489
ライフ
982,316 1,591,093
オートモティブシステム
812,341 1,022,793
日立建機
735,728 915,250
日立金属
221,422 223,401
その他
8,716,726 10,254,137
小計
12,470 10,465
全社
8,729,196 10,264,602
合計
セグメント間の内部売上収益
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
156,401 165,286
IT
53,431 59,076
エネルギー
160,206 162,911
インダストリー
7,930 5,719
モビリティ
96,400 62,954
ライフ
5,267 6,625
オートモティブシステム
990 2,168
日立建機
25,887 27,451
日立金属
227,586 232,904
その他
734,098 725,094
小計
全社及び消去 △ 734,098 △ 725,094
合計 - -
売上収益合計
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
2,048,756 2,153,625
IT
1,107,986 1,447,967
エネルギー
830,162 900,761
インダストリー
1,199,632 1,425,750
モビリティ
1,252,751 1,029,443
ライフ
987,583 1,597,718
オートモティブシステム
813,331 1,024,961
日立建機
761,615 942,701
日立金属
449,008 456,305
その他
9,450,824 10,979,231
小計
全社及び消去 △ 721,628 △ 714,629
8,729,196 10,264,602
合計
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セグメント損益
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
244,860 240,600
IT
26,617
エネルギー △ 55,567
42,366 79,477
インダストリー
129,036 113,654
モビリティ
202,187 137,758
ライフ
4,340 60,897
オートモティブシステム
27,678 112,233
日立建機
34,192
日立金属 △ 49,155
25,319 32,552
その他
571,064 837,980
小計
279,223 12,971
全社及び消去
850,287 850,951
合計
16,934 15,492
受取利息
支払利息 △ 22,778 △ 27,110
844,443 839,333
継続事業税引前当期利益
セグメント損益は受取利息及び支払利息調整後税引前当期利益(EBIT)で表示しています。
セグメント間取引は独立企業間価格で行っています。「全社」には主として先端研究開発費等の各セグメントに配賦し
ていない費用、事業再編等損益及び持分法による投資損益の一部等が含まれています。
総資産
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
2,060,781 2,987,359
IT
2,277,117 2,453,215
エネルギー
986,314 1,064,214
インダストリー
1,887,517 2,049,840
モビリティ
1,194,891 1,216,090
ライフ
1,605,474 1,612,438
オートモティブシステム
1,252,172 1,440,674
日立建機
976,773 1,072,025
日立金属
2,110,609 2,058,239
その他
14,351,648 15,954,094
小計
全社及び消去 △ 2,498,795 △ 2,066,592
11,852,853 13,887,502
合計
「全社」の資産の主な内容は現金及び現金同等物、有価証券及びその他の金融資産、持分法で会計処理されている投資
です。
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持分法で会計処理されている投資
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
48,471 50,397
IT
43,546 49,854
エネルギー
21,504 23,789
インダストリー
24,899 31,055
モビリティ
77,162 124,750
ライフ
9,455 10,271
オートモティブシステム
30,486 26,661
日立建機
11,494 11,611
日立金属
4,893 3,778
その他
271,910 332,166
小計
200,195 79,035
全社及び消去
472,105 411,201
合計
のれん
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
214,280 1,137,719
IT
480,006 513,616
エネルギー
155,240 168,475
インダストリー
76,051 82,374
モビリティ
3,475 3,725
ライフ
94,557 97,154
オートモティブシステム
50,955 55,367
日立建機
86,646 95,276
日立金属
その他 - -
1,161,210 2,153,706
小計
全社 - -
1,161,210 2,153,706
合計
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減価償却費及び無形資産償却費
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
107,649 118,080
IT
86,726 91,005
エネルギー
24,578 22,833
インダストリー
30,957 36,640
モビリティ
36,567 32,622
ライフ
60,710 93,933
オートモティブシステム
51,246 56,549
日立建機
50,407 46,531
日立金属
33,887 32,857
その他
482,727 531,050
小計
8,936 9,202
全社及び消去
491,663 540,252
合計
減価償却費は、有形固定資産及び投資不動産の減価償却費です。
減損損失
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
17,112 20,575
IT
2,692 1,766
エネルギー
11,358 4,483
インダストリー
816
モビリティ -
5,664 1,025
ライフ
34,270 4,594
オートモティブシステム
1,391 196
日立建機
35,857 1,009
日立金属
469 1,865
その他
109,629 35,513
小計
全社及び消去 △ 620 △ 422
109,009 35,091
合計
減損損失は、主に有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の減損です。
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持分法による投資損益
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
1,732 2,286
IT
4,545 4,955
エネルギー
2,462 3,142
インダストリー
6,966 2,047
モビリティ
12,535 15,202
ライフ
380 526
オートモティブシステム
1,428 6,224
日立建機
77 1,152
日立金属
541 134
その他
30,666 35,668
小計
8,198 4,817
全社及び消去
38,864 40,485
合計
持分法による投資損益には、持分法で会計処理されている投資の減損及び減損の戻入れが含まれています。
資本的支出
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
127,277 122,789
IT
49,162 76,460
エネルギー
22,260 20,826
インダストリー
36,642 47,457
モビリティ
64,336 42,525
ライフ
75,323 100,006
オートモティブシステム
39,640 49,119
日立建機
28,806 34,354
日立金属
37,379 22,722
その他
480,825 516,258
小計
15,769
全社及び消去 △ 2,677
478,148 532,027
合計
資本的支出は、有形固定資産、投資不動産及びその他の無形資産の受入額で表示しています。
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(地域別情報)
前連結会計年度及び当連結会計年度における、仕向地別の外部顧客向け売上収益は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
日本 4,154,818 4,187,077
アジア 1,893,620 2,514,843
北米 1,117,554 1,555,142
欧州 1,013,487 1,299,413
その他の地域 549,717 708,127
海外売上収益 4,574,378 6,077,525
売上収益 8,729,196 10,264,602
前連結会計年度及び当連結会計年度において、中国における外部顧客向け売上収益は、それぞれ1,043,279百万円及び
1,331,618百万円であり、米国における外部顧客向け売上収益は、それぞれ1,012,134百万円及び1,411,681百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本、中国及び米国を除き、外部顧客向け売上収益が重要な単一の国及び
地域はありません。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在における、所在地別の有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資
産の残高は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
日本 1,767,672 1,689,869
アジア 543,842 606,730
北米 677,996 1,895,835
欧州 1,322,323 1,468,064
その他の地域 263,152 262,535
小計 4,574,985 5,923,033
全社及び消去 5,325 7,756
合計 4,580,310 5,930,789
2021年3月31日及び2022年3月31日現在において、米国における有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形
資産の残高は、それぞれ657,570百万円及び1,880,653百万円であり、スイス連邦における有形固定資産、投資不動産、の
れん及びその他の無形資産の残高は、それぞれ1,065,360百万円及び1,124,510百万円です。2021年3月31日及び2022年3
月31日現在において、日本、米国及びスイス連邦を除き、有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産の残
高が重要な単一の国及び地域はありません。
(顧客別情報)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、単一顧客として重要な顧客に対する売上収益はありません。
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注5.事業再編等
前連結会計年度に生じた主な事業再編等は下記のとおりです。
(1)日立化成㈱(日立化成)株式の売却
当社は、昭和電工㈱及び同社の子会社であるHCホールディングス㈱(HCホールディングス)との間で、当社の子
会社である日立化成の普通株式に対して、HCホールディングスが行う公開買付(本公開買付)に、当社が保有する
日立化成の普通株式の全てを応募する旨の公開買付応募契約を2019年12月18日に締結しました。HCホールディング
スは2020年3月24日に本公開買付を開始し、本公開買付は2020年4月20日に成立しました。当社の売却の対価は
495,145百万円です。
本公開買付の結果、日立化成に対する当社の所有持分の割合は、51.4%から0%となり、日立化成は当社の連結
範囲から除外されました。当社は、日立化成に対する支配の喪失に伴って認識した利益278,839百万円を、前連結
会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上しています。また、前連結会計年度の連結持分変動計算書の非
支配持分との取引等において、非支配持分が220,402百万円減少しました。
なお、日立化成は2020年10月1日付で昭和電工マテリアルズ㈱に商号変更しています。
(2)㈱日立ハイテク(日立ハイテク)株式の追加取得
当社は、計測・分析プラットフォームを確立し、Lumadaを強化することを目的として、当社の子会社で、ライフ
セグメントに属する日立ハイテクの普通株式を対象とした公開買付(本公開買付)を行うことを、2020年1月31日
の取締役会において決定しました。当社は2020年2月17日に本公開買付を開始し、本公開買付は2020年4月6日に
成立しました。
また、当社は日立ハイテクの完全子会社化に係る一連の手続を実施した結果、2020年5月20日に日立ハイテクに
対する当社の所有持分の割合は100%となりました。取得の対価の合計は531,084百万円で、前連結会計年度におい
て、資本剰余金及び非支配持分がそれぞれ321,627百万円及び209,457百万円減少しました。
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(3)パワーグリッド事業の買収
当社は、エネルギーソリューション事業のグローバル展開及び強化を目的として、2018年12月17日にABB Ltd
(ABB社)のパワーグリッド事業を買収することを決定し、ABB社との間で買収に関する契約を締結しました。本契
約に基づき、ABB社から分社されたHitachi ABB Power Grids Ltd(日立ABBパワーグリッド社)に80.1%の出資を
行い、2020年7月1日に取得を完了しました。その結果、日立ABBパワーグリッド社は当社の子会社となりまし
た。当社は、ABB社が保有する日立ABBパワーグリッド社の株式19.9%を購入するコール・オプション、ABB社は、
2023年以降に行使可能な、ABB社が保有する日立ABBパワーグリッド社の株式19.9%を当社に売り渡すプット・オプ
ションを保有しています。
日立ABBパワーグリッド社の取得の対価、取得した資産及び引継いだ負債の取得日において認識した価額、並び
に取得日において認識されたのれん及び日立ABBパワーグリッド社の非支配持分の価額の要約は、下記のとおりで
す。
(単位:百万円)
現金及び現金同等物 65,466
売上債権及び契約資産 372,999
棚卸資産 174,198
その他の流動資産 63,883
有形固定資産 239,287
無形資産
のれん(損金不算入) 448,977
その他の無形資産 444,501
16,910
その他の非流動資産
1,826,221
合計
買入債務 199,789
契約負債 140,005
その他の流動負債 215,595
長期債務 349,189
120,332
その他の非流動負債
1,024,910
合計
支払対価(現金) 722,062
79,249
非支配持分
801,311
合計
のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものです。
その他の無形資産には、重要な無形資産414,544百万円(顧客関係233,989百万円、技術95,987百万円、受注残
53,542百万円、ブランド31,026百万円)が含まれています。これらの無形資産は、売上収益成長率、売上総利益
率、既存顧客の逓減率、ロイヤリティレート、割引率等の仮定に基づいて測定しています。
非支配持分は、被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額で測定しています。
取得関連費用は、前連結会計年度以前において8,300百万円を計上しており、そのうち前連結会計年度の連結損
益計算書上のその他の費用に2,909百万円を計上しています。
当該取得に加え、当社はABB社の子会社であるABB Capital B.V.から日立ABBパワーグリッド社に対する貸付金
3,000百万米ドル(323,190百万円)を引継ぎ、同額をABB Capital B.V.に支払っています。当該支出は、前連結会
計年度の連結キャッシュ・フロー計算書上、投資活動によるキャッシュ・フローの有価証券及びその他の金融資産
(子会社及び持分法で会計処理されている投資を含む)の取得に含めています。
前連結会計年度の連結損益計算書に含まれる日立ABBパワーグリッド社の取得日から2021年3月31日までの経営
成績(内部取引消去前)は、売上収益722,351百万円、EBIT△32,233百万円、当期利益△27,507百万円です。な
お、当該経営成績のうちEBIT及び当期利益には、取得日に当社が新たに認識したその他の無形資産等の償却費
52,459百万円が含まれています。
2020年4月1日時点で当該取得が行われたと仮定した場合の前連結会計年度における当社の経営成績(プロ
フォーマ情報、監査対象外)は次のとおりです。
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(単位:百万円)
売上収益 8,951,675
EBIT 842,077
当期利益 508,595
プロフォーマ情報を作成するため、日立ABBパワーグリッド社の過去の財務情報には米国会計基準から国際会計
基準への調整を行っています。なお、当該プロフォーマ情報のうちEBIT及び当期利益には、取得日に当社が新たに
認識したその他の無形資産等の償却費65,926百万円が含まれています。
なお、日立ABBパワーグリッド社は2021年6月30日付でHitachi Energy Ltdに商号変更しています。
(4)南アフリカプロジェクトに係る和解について
当社は、一般社団法人日本商事仲裁協会(JCAA)にて三菱重工業㈱(三菱重工)を申立人として仲裁手続中の南
アフリカプロジェクトの譲渡価格調整金等に関する合意を、2019年12月18日の取締役会において、経済合理性及び
事業戦略上の観点等から決定し、同日、三菱重工と和解契約を締結しました。本契約の締結により、当社が保有す
る三菱日立パワーシステムズ㈱(MHPS)の全普通株式を三菱重工に譲渡するとともに、和解金200,000百万円から
当社のMitsubishi Hitachi Power Systems Africa Proprietary Limited(MHPSアフリカ)に対する貸付金70,000
百万円の債権譲渡額を控除した金額130,000百万円を三菱重工に支払うこととなりました。これに伴い、当社は、
三菱重工に対する和解金の支払いに係る未払金200,000百万円及び当社保有のMHPS株式の譲渡に係るその他の引当
金273,272百万円を計上しました。また、本契約の締結前に計上していた南アフリカプロジェクトの譲渡価格調整
金等に係る引当金105,041百万円については取崩を行いました。主にこれらの結果として、エネルギーセグメント
において、和解に伴う損失375,967百万円を計上しており、2019年度における連結損益計算書上のその他の費用に
含まれています。本契約に基づく三菱重工への譲渡資産について、従来、連結財政状態計算書上の持分法で会計処
理されている投資に含まれていたMHPS株式、並びに、非流動資産の有価証券及びその他の金融資産に含まれていた
MHPSアフリカに対する貸付金の合計333,614百万円に関しては、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び
非継続事業」における売却目的保有資産としての要件を満たし、連結財政状態計算書上のその他の流動資産に振替
を行いました。
その後、2020年3月30日に、当社はMHPSアフリカに対する貸付金70,000百万円を三菱重工に譲渡するとともに、
和解金から債権譲渡額を控除した金額130,000百万円を三菱重工に支払いました。2020年9月1日に、当社は、売
却目的保有資産に分類していたMHPS株式263,614百万円の全てを三菱重工に譲渡し、MHPSは当社の関連会社ではな
くなりました。これに伴い、従来、連結財政状態計算書上のその他の流動負債に含まれていたMHPS株式の譲渡に係
るその他の引当金273,272百万円については取崩を行いました。2020年9月14日に、当社及び三菱重工はJCAAより
仲裁手続終了の決定を受けています。
なお、MHPSは2020年9月1日付で三菱パワー㈱に商号変更しています。
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(5)オートモティブシステム事業の再編
当社及び、当社の子会社で、オートモティブシステムセグメントに属する日立AMSは、本田技研工業㈱(ホン
ダ)並びに、ホンダの関連会社である㈱ケーヒン(ケーヒン)、㈱ショーワ(ショーワ)、及び日信工業㈱(日信
工業)(合わせてホンダ関連会社)との間で、CASE分野においてグローバルで競争力のあるソリューションの開
発・提供を強化することを目的として、日立AMSとホンダ関連会社の経営統合に関する契約を2019年10月30日に締
結しました。
本契約に基づき、2021年1月1日に日立AMS並びにホンダ関連会社が、日立AMSを吸収合併存続会社とし、ホンダ
関連会社をそれぞれ吸収合併消滅会社とする吸収合併を実施し、日立Astemo㈱(日立Astemo)を設立しました。吸
収合併後、日立Astemoに対する当社の所有持分の割合は66.6%となり、日立Astemoは当社の子会社となりました。
当該取得の対価は日立Astemoの普通株式であり、発行した普通株式の公正価値は、ケーヒンについては88,747百
万円、ショーワについては59,062百万円、日信工業については48,242百万円です。取得対価の公正価値は、当社と
ホンダ間で合意した、日立AMS及びホンダ関連会社の評価額に基づいて算定しています。当社は、合意に際し、第
三者評価機関による評価結果等を勘案して評価額の妥当性を検証しています。
なお、当該取得実行前の旧日立AMSに対する当社の持分比率が100%から66.6%に減少したことに伴い、前連結会計
年度において、資本剰余金及び非支配持分がそれぞれ117,865百万円及び81,242百万円増加しました。
当該取得の対価、取得した資産及び引継いだ負債の取得日において認識した価額、並びに取得日において認識さ
れたのれん及び非支配持分の価額の要約は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
現金及び現金同等物 158,503
売上債権及び契約資産 115,185
棚卸資産 113,033
その他の流動資産 67,656
有形固定資産 231,139
無形資産
のれん(損金不算入) 44,698
その他の無形資産 64,216
51,661
その他の非流動資産
846,091
合計
流動負債 229,550
長期債務 273,791
42,872
その他の非流動負債
546,213
合計
支払対価(統合会社の普通株式) 196,058
103,820
非支配持分
299,878
合計
のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものです。
非支配持分は、ホンダ関連会社の識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額で測定しています。
取得関連費用は、前連結会計年度以前において5,246百万円を計上しており、そのうち前連結会計年度の連結損
益計算書上のその他の費用に2,298百万円を計上しています。
前連結会計年度の連結損益計算書に含まれるホンダ関連会社の取得日から2021年3月31日までの経営成績は重要
ではありませんでした。
2020年4月1日時点で当該取得が行われたと仮定した場合の前連結会計年度における当社の経営成績(プロ
フォーマ情報、監査対象外)は次のとおりです。
(単位:百万円)
売上収益 9,225,776
EBIT 830,340
当期利益 458,931
(6)画像診断関連事業の売却
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当社は、富士フイルム㈱(富士フイルム)との間で、当社及び、ライフセグメントに属する当社の子会社及び関
連会社に含まれる画像診断関連事業を、富士フイルムへ譲渡する契約を2019年12月18日に締結しました。
本契約に基づき、当社が設立した富士フイルムヘルスケア㈱(富士フイルムヘルスケア)を承継法人とする、画
像診断関連事業の吸収分割の完了後、2021年3月31日に富士フイルムヘルスケアの株式の全てを富士フイルムへ譲
渡しました。売却の対価は、185,349百万円です。株式譲渡の結果、富士フイルムヘルスケアに対する当社の所有
持分の割合は100%から0%となり、富士フイルムヘルスケアは当社の連結範囲から除外されました。当社は、富
士フイルムヘルスケアに対する支配の喪失に伴って認識した利益118,320百万円を、前連結会計年度の連結損益計
算書上、その他の収益に計上しています。
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当連結会計年度及び連結財務諸表の承認日までに生じた主な事業再編等は下記のとおりです。
(1)日本国外の白物家電事業の再編
当社の子会社で、ライフセグメントに属する日立グローバルライフソリューションズ㈱(日立GLS)とAr çelik
A.S.(アルチェリク)は、2020年12月16日に合弁会社の設立に合意し、株式譲渡契約を締結しました。
本契約に基づき、日立GLSは新会社を設立し、日本国外の白物家電事業を移管するとともに、2021年7月1日に
新会社の株式の60%をアルチェリクに譲渡しました。売却の対価は、350百万米ドル(38,797百万円)です。株式
譲渡後、新会社に対する日立GLSの所有持分の割合は100%から40%となり、新会社は当社の持分法適用会社となり
ました。
(2)GlobalLogic社の買収
当社は、「Lumada」のデジタルポートフォリオ強化を目的として、2021年3月31日にデジタルエンジニアリング
サービスのリーディングカンパニーであるGlobalLogic Inc.(GlobalLogic社)の買収を決定し、当社の米国子会
社Hitachi Global Digital Holdings LLC(HGDH社)及びHGDH社が本買収のために設立した子会社であるMergeCo H
Global Inc.(SPC社)ならびにGlobalLogic社の親会社であるGlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.
(GlobalLogic Worldwide Holdings社)との間で買収に関する契約を締結しました。2021年7月13日、本契約に基
づくGlobalLogic Worldwide Holdings社を存続会社としたSPC社の吸収合併を含む一連の手続の結果、HGDH社は
GlobalLogic Worldwide Holdings社の発行済株式の100%を取得し、GlobalLogic Worldwide Holdings社及び
GlobalLogic社は当社の完全子会社となりました。
GlobalLogic社の取得の対価、取得した資産及び引継いだ負債の取得日において認識した価額及び取得日におい
て認識されたのれんの価額の要約は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
現金及び現金同等物 11,391
売上債権及び契約資産 30,266
その他の流動資産 2,692
非流動資産(無形資産を除く) 4,324
無形資産
のれん(損金不算入) 822,173
231,130
その他の無形資産
1,101,976
合計
流動負債 134,272
45,454
非流動負債
179,726
合計
922,250
支払対価(現金)
のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映したものです。
その他の無形資産には、顧客関係に係る無形資産227,424百万円が含まれています。顧客関係に係る無形資産
は、売上収益成長率、EBITDA率、既存顧客の売上収益成長率、既存顧客の逓減率、割引率等の仮定に基づいて測定
しています。
取得関連費用は、当連結会計年度の連結損益計算書上のその他の費用に3,874百万円計上しています。
当該取得に加え、当社の米国子会社Hitachi America Capital, Ltd.は、GlobalLogic社の借入金1,074百万米ド
ル(118,554百万円)の返済を行っています。
GlobalLogic社の取得日から2022年3月31日までの経営成績は重要ではありませんでした。
2021年4月1日時点で当該取得が行われたと仮定した場合の、当連結会計年度の売上収益及び親会社株主に帰属
する当期利益に与える影響額は重要ではありませんでした。
なお、HGDH社は2022年4月1日付でHitachi Digital LLCに商号変更しています。
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(3)日立金属㈱(日立金属)株式の売却
当社は、Bain Capital Private Equity, LP及びそのグループが投資助言を行う投資ファンドが持分の全てを間
接的に所有する合同会社BCJ-51の完全子会社である㈱BCJ-52(公開買付者)との間で、当社の子会社で、日立金属
セグメントに属する日立金属の普通株式に対して、以下の4点に関する公開買付不応募契約(本不応募契約とし、
一連の取引を本取引とする)を、2021年4月28日に締結しました。
①公開買付者は、本不応募契約に定める前提条件が充足された場合、日立金属の普通株式に対して公開買付け(本
公開買付け)を実施し、当社は、当社が保有する日立金属株式の全て(当社売却予定株式)について本公開買付
けに応募しないこと。
②本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けにおいて日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所有する
自己株式及び当社売却予定株式を除く)を取得できなかった場合に、公開買付者及び当社は、日立金属に対して
株式併合(本株式併合)の実施に必要な事項を議案とする株主総会の開催を要請し、当該議案に賛成の議決権を
行使すること。
③本株式併合の結果として公開買付者及び当社が日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所有する自己株式を除
く)を所有することになった後、実務上可能な限り速やかに、日立金属が、自己株式取得(本自己株式取得)を
行うために必要な分配可能額を確保するため、日立金属が減資等(本減資等)を実施すること。
④本減資等の効力発生後速やかに、当社は、本自己株式取得により、当社売却予定株式を日立金属に譲渡するこ
と。
売却の対価は、約3,820億円を予定しています。
本取引において、当社売却予定株式の売却が行われた場合、日立金属に対する当社の所有持分の割合は、53.4%
から0%となり、日立金属は当社の連結範囲から除外される予定です。当社は、日立金属に対する支配の喪失に
伴って認識する利益約1,060億円を、翌連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上する予定です。ま
た、翌連結会計年度の連結持分変動計算書上、非支配持分が約2,550億円減少する予定です。
(4)鉄道信号関連事業の買収
当社の子会社で、モビリティセグメントに属するHitachi Rail Ltd.(日立レール社)は、鉄道信号システム事
業をグローバルに拡大することを目的として、2021年8月3日、フランスのThales S.A.(Thales社)との間で、
Thales社の鉄道信号関連事業の買収に関する契約を締結しました。日立レール社は、競争法その他の法令等に基づ
き必要なクリアランス・許認可等の取得を前提として、Thales社からカーブアウトされる鉄道信号関連事業の取得
を、2022年度中に完了する予定です。対象事業の事業価値について、16億6,000万ユーロ(約2,150億円)で合意し
ており、最終的な取得の対価は別途調整の後決定されます。当該取引による財政状態及び経営成績に与える影響に
ついては、現在算定中です。
(5)日立建機㈱(日立建機)株式の売却
当社は、日本産業パートナーズ㈱が管理・運営・情報提供等を行うファンドがその持分の全てを保有する特別目
的会社であるHCJホールディングス2合同会社と、伊藤忠商事㈱がその持分の全てを保有する特別目的会社である
シトラスインベストメント合同会社が共同で出資する予定の特別目的会社であるHCJIホールディングス合同会社と
の間で、当社の子会社で日立建機セグメントに属する日立建機の普通株式について、当社が保有する株式の一部を
譲渡する契約を2022年1月14日に締結しました。
売却の対価は、約1,824億円を予定しています。株式譲渡後、日立建機に対する当社の所有持分の割合は51.4%
から25.4%となり、日立建機は当社の持分法適用会社となる予定です。当社は、日立建機に対する支配の喪失に
伴って認識する利益約620億円を、翌連結会計年度の連結損益計算書上、その他の収益に計上する予定です。ま
た、翌連結会計年度の連結持分変動計算書上、非支配持分が約3,690億円減少する予定です。
(6)日立物流㈱(日立物流)株式の売却
当社は、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.が間接的に保有・運営するHTSK Investment L.P.が発行済株式の
全てを所有しているHTSKホールディングス株式会社(公開買付者親会社)の完全子会社であるHTSK株式会社(公開
買付者)との間で、当社の持分法適用会社である日立物流の普通株式(日立物流株式)に対して、以下の3点等に
関する基本契約(基本契約に定めた一連の取引を本取引とする)を、2022年4月28日に締結しました。
①公開買付者により、日立物流株式に対して実施される公開買付け(本公開買付け)の際に、当社は、当社が保有
する日立物流株式の全て(当社売却予定株式)について本公開買付けに応募しないこと。
②日立物流が実施する自己株式取得に応じて当社売却予定株式を売却すること。
③当社は総額100億円の公開買付者親会社の議決権付き株式を取得(議決権比率10%)すること。
売却の対価は、約2,220億円を予定しています。
本取引において、当社売却予定株式の売却が行われた場合、日立物流は当社の持分法適用会社ではなくなる予定
です。当社は、日立物流株式の売却に伴って認識する利益約1,400億円を、翌連結会計年度の連結損益計算書上、
その他の収益に計上する予定です。
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注6.売上債権及び契約資産
売上債権及び契約資産の内訳は下記のとおりであり、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
売掛金 1,948,569 2,210,590
契約資産 634,318 623,766
その他 151,589 143,793
合計 2,734,476 2,978,149
その他には受取手形及び電子記録債権が含まれます。
注7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
656,527 713,421
製品
628,039 772,881
半製品・仕掛品
368,829 556,130
材料
1,653,395 2,042,432
合計
前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され、売上原価に含まれている棚卸資産の金額はそれぞれ
5,339,244百万円及び6,398,165百万円です。また、棚卸資産の評価減金額はそれぞれ64,351百万円及び54,615百万円で
す。
注8.持分法で会計処理されている投資
2021年3月31日及び2022年3月31日現在の連結財務諸表に含まれる、投資の帳簿価額並びに前連結会計年度及び当連結
会計年度の連結財務諸表に含まれる、持分法適用会社の包括利益に対する当社及び一部の子会社の持分はそれぞれ下記の
とおりです。
(単位:百万円)
関連会社 共同支配企業
2021年3月31日 2022年3月31日 2021年3月31日 2022年3月31日
投資の帳簿価額 409,779 342,190 62,326 69,011
なお、2021年3月31日及び2022年3月31日現在において、一部の共同支配企業の損失に対する持分については、その累
計額が当該投資を超過しているため、その他の非流動負債にそれぞれ41,258百万円及び17,067百万円計上しています。
(単位:百万円)
関連会社 共同支配企業
2021年3月31日 2022年3月31日 2021年3月31日 2022年3月31日
継続事業当期利益 30,337 34,576 8,527 5,909
その他の包括利益 27,259 9,887 33,647 30,917
包括利益合計 57,596 44,463 42,174 36,826
上記の継続事業当期利益には、持分法適用会社の継続事業当期利益に対する持分及び持分法で会計処理されている投資
の減損及び減損の戻入れが含まれています。前連結会計年度における減損損失は、12,104百万円です。また、前連結会計
年度において過去に認識した減損損失17,217百万円を戻し入れています。
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注9.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減内容は下記のとおりです。
(単位:百万円)
機械装置 その他の
建物及び 工具、器具
土地 及び 使用権資産 有形 建設仮勘定 合計
構築物 及び備品
運搬具 固定資産
帳簿価額
2020年3月31日 274,106 675,552 553,148 176,748 267,279 102,129 116,349 2,165,311
取得
61 5,362 25,937 21,845 107,742 - 198,615 359,562
科目間振替 △439 56,067 90,838 54,870 △558 1,567 △202,345 -
売却又は処分 △3,175 △17,707 △9,600 △5,194 △4,298 △9,646 △2,086 △51,706
減価償却費
- △51,134 △117,123 △64,127 △92,743 △18,198 - △343,325
減損損失 △4,655 △11,611 △46,680 △4,374 △6,259 △71 △2,619 △76,269
連結範囲の異動 11,931 39,388 144,224 △5,766 18,092 △63 23,699 231,505
為替換算影響額
4,269 18,573 23,255 4,218 10,064 2,919 4,800 68,098
その他 △3,984 3,691 174 9,239 4,008 42,915 △332 55,711
2021年3月31日 278,114 718,181 664,173 187,459 303,327 121,552 136,081 2,408,887
取得 2,184 8,471 34,213 18,924 98,788 1,879 224,288 388,747
科目間振替 △1,024 48,107 91,498 40,279 △1,849 6,439 △183,450 -
売却又は処分
△20,441 △15,460 △5,441 △2,814 △11,634 △16,676 △1,907 △74,373
減価償却費 - △55,337 △137,659 △67,363 △98,514 △21,722 - △380,595
減損損失 △3,858 △2,313 △5,231 △1,595 △3,254 △46 △1,093 △17,390
連結範囲の異動
△1,497 △2,597 △688 △3,971 △709 3,837 △366 △5,991
為替換算影響額 3,720 26,462 37,617 5,805 15,324 3,806 10,929 103,663
その他 △806 △2,447 852 7,097 10,941 49,405 △9,089 55,953
2022年3月31日
256,392 723,067 679,334 183,821 312,420 148,474 175,393 2,478,901
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された減価償却費の金額は、連結損益計算書の売上原価及び販売費及
び一般管理費に含まれています。また、減損損失の金額は、連結損益計算書のその他の費用に含まれています。
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有形固定資産の取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は下記のとおりです。
(単位:百万円)
機械装置 その他の
建物及び 工具、器具
土地 及び 使用権資産 有形 建設仮勘定 合計
構築物 及び備品
運搬具 固定資産
取得原価
2020年3月31日
346,566 1,767,093 2,525,387 938,059 535,682 187,168 264,293 6,564,248
2021年3月31日 359,702 1,822,715 2,861,627 996,172 615,323 207,058 305,835 7,168,432
2022年3月31日 329,445 1,852,873 3,024,650 1,001,685 657,010 246,691 353,891 7,466,245
減価償却累計額及び
減損損失累計額
2020年3月31日 △72,460 △1,091,541 △1,972,239 △761,311 △268,403 △85,039 △147,944 △4,398,937
2021年3月31日 △ 81,588 △ 1,104,534 △ 2,197,454 △ 808,713 △ 311,996 △ 85,506 △ 169,754 △ 4,759,545
2022年3月31日
△ 73,053 △ 1,129,806 △ 2,345,316 △ 817,864 △ 344,590 △ 98,217 △ 178,498 △ 4,987,344
前連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。
オートモティブシステムセグメントにおいて、30,025百万円の損失を計上しています。主な内容は国内の一部工場にお
いて生産性低下に伴い計上した減損損失であり、機械装置等の事業用資産にかかる有形固定資産の減損損失26,351百万
円、その他の無形資産の減損損失1,288百万円を計上しています。回収可能価額は、主として処分費用控除後の公正価値
に基づき、減損損失を認識した2020年12月31日現在で10,615百万円と評価しています。当該公正価値を算出するにあたっ
ては、主にマーケット・アプローチを用いています。これらの測定額は不動産鑑定評価額に基づいており、レベル3に含
まれます。
日立金属セグメントにおいて、30,469百万円の損失を計上しています。主な内容は、磁性材料事業の収益性低下に伴い
計上した減損損失であり、機械装置等の事業用資産にかかる有形固定資産の減損損失10,356百万円、のれん及びその他の
無形資産の減損損失5,301百万円を計上しています。回収可能価額は、使用価値に基づき、減損損失を認識した2020年9
月30日現在で74,875百万円と評価しています。当該使用価値を算出するにあたっては、加重平均資本コストをもとに算出
した割引率10.1%(税引前)で現在価値に割り引いています。加えて、航空機エネルギー事業の収益性低下に伴い計上し
た減損損失であり、機械装置等の事業用資産にかかる有形固定資産の減損損失12,027百万円、のれん及びその他の無形資
産の減損損失75百万円を計上しています。回収可能価額は、使用価値に基づき、減損損失を認識した2021年3月31日現在
で16,491百万円と評価しています。当該使用価値を算出するにあたっては、加重平均資本コストをもとに算出した割引率
7.3%(税引前)で現在価値に割り引いています。
当連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。
ITセグメントにおいて、4,071百万円の損失を計上しています。主な内容は、サービス&プラットフォーム事業における
一部の国内子会社において拠点集約に伴う土地等の処分確定資産にかかる減損損失です。
インダストリーセグメントにおいて、4,406百万円の損失を計上しています。主な内容は、産業・流通ソリューション
事業における一部事業撤退に伴う使用権資産の事業用資産にかかる減損損失です。
オートモティブシステムセグメントにおいて、4,362百万円の損失を計上しています。主な内容は、オートモティブシ
ステム事業における海外子会社の一部工場において収益性の低下による機械装置等の事業用資産にかかる減損損失です。
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注10.のれん及びその他の無形資産
のれん及びその他の無形資産の帳簿価額の増減は下記のとおりです。
(単位:百万円)
その他の無形資産
自社利用 市場販売
のれん
ソフト ソフト その他 計
ウェア ウェア
帳簿価額
635,927 98,919 33,860 347,015 479,794
2020年3月31日
- 7,334 4,123 64,541 75,998
内部開発
- 10,274 132 31,847 42,253
外部購入
- 63,678 24,029 △87,707 -
科目間振替
- △43,768 △21,320 △81,374 △146,462
償却費
△14,293 △7,611 △3,463 △7,820 △18,894
減損損失
- △1,885 △14 △1,012 △2,911
処分
486,110 6,888 6,873 497,926 511,687
連結範囲の異動
53,466 1,053 498 22,254 23,805
為替換算影響額
- △112 101 △429 △440
その他
1,161,210 134,770 44,819 785,241 964,830
2021年3月31日
- 20,346 6,102 78,657 105,105
内部開発
- 4,634 126 33,415 38,175
外部購入
- 44,100 24,600 △68,700 -
科目間振替
- △46,431 △22,469 △88,430 △157,330
償却費
△6,117 △1,744 △5,750 △3,940 △11,434
減損損失
- △3,348 △53 △780 △4,181
処分
824,914 190 116 229,946 230,252
連結範囲の異動
173,699 3,481 1,761 87,569 92,811
為替換算影響額
- △1,190 306 △216 △1,100
その他
2,153,706 154,808 49,558 1,052,762 1,257,128
2022年3月31日
その他の無形資産のその他には、企業結合により認識した顧客関係及び技術が含まれています。企業結合により認識し
た顧客関係及び技術の帳簿価額は、2021年3月31日現在においては、それぞれ459,211百万円及び119,567百万円であり、
2022年3月31日現在においては、それぞれ711,653百万円及び117,172百万円です。また、企業結合により認識した顧客関
係、技術の償却費は、前連結会計年度においては、それぞれ23,894百万円及び10,330百万円であり、当連結会計年度にお
いては、それぞれ37,244百万円及び14,384百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された償却費の金額は、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一
般管理費に含まれています。また、減損損失の金額は、連結損益計算書のその他の費用に含まれています。
のれん及びその他の無形資産の取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は下記のとおりです。
(単位:百万円)
その他の無形資産
自社利用 市場販売
のれん
ソフト ソフト その他 計
ウェア ウェア
取得原価
689,504 602,425 565,416 707,031 1,874,872
2020年3月31日
1,218,173 650,657 569,118 1,218,584 2,438,359
2021年3月31日
2,210,512 696,925 602,142 1,587,824 2,886,891
2022年3月31日
償却累計額及び
減損損失累計額
△53,577 △503,506 △531,556 △360,016 △1,395,078
2020年3月31日
△ 56,963 △ 515,887 △ 524,299 △ 433,343 △ 1,473,529
2021年3月31日
△ 56,806 △ 542,117 △ 552,584 △ 535,062 △ 1,629,763
2022年3月31日
当社は、全額を減損損失として認識したのれんについては、減損損失累計額から除いています。
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前連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。
ITセグメントにおいて、12,593百万円の損失を計上しています。主な内容は、市場動向の変化等に伴う将来収益見込み
の減少による市場販売ソフトウェア及びその他の無形資産等の減損損失です。
インダストリーセグメントにおいて、10,663百万円の損失を計上しています。主な内容は、市場動向の変化等に伴う将
来収益見込みの減少によるのれん及びその他の無形資産等の減損損失です。
当連結会計年度中に計上した減損損失の主な内容は下記のとおりです。
ITセグメントにおいて、16,503百万円の損失を計上しています。主な内容は、市場動向の変化等に伴う将来収益見込み
の減少によるのれん及び市場販売ソフトウェア等の減損損失です。
耐用年数を確定することのできないその他の無形資産の帳簿価額は、2021年3月31日及び2022年3月31日現在におい
て、それぞれ17,513百万円及び23,530百万円です。このうち、主な内容はブランドであり、これらは事業が存続する限り
永続的にキャッシュ・インフローを創出するものであることから耐用年数の確定ができないと判断しています。
研究開発活動による支出のうち、新規の科学的又は技術的な知識、及び理解を得る目的で実施される研究活動に対する
支出は全て発生時に費用処理しています。また、商業生産または使用の開始以前における、生産計画や設計等の新規又は
大幅な改良を目的で実施される開発活動による支出については、関連する無形資産に起因する支出が信頼性をもって測定
ができる場合において、当社が無形資産の開発を完成させることが実現可能であり、かつ、将来的な経済的便益を得られ
る可能性が高い場合にのみ自己創設無形資産として資産計上を行い、それ以外の支出は発生時に費用処理をしています。
その他の無形資産のうち、自己創設に該当するその他の無形資産の償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額
は、2021年3月31日及び2022年3月31日現在において、それぞれ208,857百万円及び260,189百万円であり、主に自社利用
ソフトウェア及び市場販売ソフトウェアに計上しています。
また、当社の前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発活動による支出は
293,571百万円及び317,383百万円であり、連結損益計算書の売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれています。
企業結合により取得したのれんは、資金生成単位又は資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較し、
減損テストを実施しています。
前連結会計年度において、重要なのれんが配分されている資金生成単位グループは下記のとおりです。
2021年3月31日において、エネルギーセグメントに属するパワーグリッド事業に配分されたのれんの帳簿価額は
480,006百万円です。前連結会計年度のパワーグリッド事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、使用
価値で算定しています。使用価値の測定は、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローを割り引く方法によってお
り、その見積りには、売上収益成長率、売上総利益率等の、経営者の判断が求められる重要な仮定が用いられています。
事業計画は外部情報に基づき、過去の経験を反映したものです。前連結会計年度において、キャッシュ・フローを予測し
た期間は5年間であり、税引前の割引率は10.6%、成長率は2.1%を用いています。
2021年3月31日において、ITセグメントに属するシステム&サービスビジネス統括本部に配分されたのれんの帳簿価額
は201,001百万円です。前連結会計年度のシステム&サービスビジネス統括本部におけるのれんの減損テストに用いた回収
可能価額は、処分費用控除後の公正価値で算定しています。処分費用控除後の公正価値は、マーケット・アプローチを使
用し、システム&サービスビジネス統括本部と比較可能な類似会社のEV/EBITDAの評価倍率に基づいて算定しています。当
該公正価値測定のヒエラルキーは、観察可能でない指標を用いて測定するレベル3に分類されます。
当連結会計年度において、重要なのれんが配分されている資金生成単位グループは下記のとおりです。
2022年3月31日現在において、エネルギーセグメントに属するパワーグリッド事業に配分されたのれんの帳簿価額は
513,616百万円です。当連結会計年度のパワーグリッド事業におけるのれんの減損テストに用いた回収可能価額は、使用
価値で算定しています。使用価値の測定は、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローを割り引く方法によってお
り、その見積りには、売上収益成長率、売上総利益率等の、経営者の判断が求められる重要な仮定が用いられています。
事業計画は外部情報に基づき、過去の経験を反映したものです。当連結会計年度において、キャッシュ・フローを予測し
た期間は5年間であり、税引前の割引率は10.6%、成長率は2.3%を用いています。
2022年3月31日現在において、ITセグメントに属するサービス&プラットフォームBUに配分されたのれんの帳簿価額は
1,107,575百万円です。当連結会計年度のサービス&プラットフォームBUにおけるのれんの減損テストに用いた回収可能
価額は、処分費用控除後の公正価値で算定しています。処分費用控除後の公正価値は、マーケット・アプローチを使用
し、サービス&プラットフォームBUと比較可能な類似会社のEV/EBITDAの評価倍率に基づいて算定しています。当該公正
価値測定のヒエラルキーは、観察可能でない指標を用いて測定するレベル3に分類されます。
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なお、各資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんについて、減損テストに用いた主要な仮定に重要
な変動があった場合は、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
注11.リース
(1)借手側
当社及び一部の子会社は、リースとして、建物、機械装置及び車両等を中心とした設備を使用しています。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在における使用権資産の原資産の種類別の帳簿価額は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
原資産の種類
合計
建物及び 機械装置及び 工具、器具
土地 その他
構築物 運搬具 及び備品
2021年3月31日 205,797 37,992 23,274 35,426 1,139 303,628
2022年3月31日 224,393 32,019 16,094 39,492 1,081 313,079
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに関連する費用及びキャッシュ・アウトフローは、下記のとおりで
す。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
使用権資産の減価償却費
建物及び構築物 69,406 76,495
機械装置及び運搬具 12,558 12,194
工具、器具及び備品 7,866 7,382
土地 2,442 2,389
その他 702 220
合計 92,974 98,680
リース負債に係る支払利息 4,339 5,606
短期リースに係る費用等 21,639 26,416
リースに関連する費用合計 118,952 130,702
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
リースに係るキャッシュ・アウトフロー合計 123,622 141,292
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、注9.有形固定資産に記載しています。
また、2021年3月31日及び2022年3月31日現在におけるリース負債の満期分析は、注26.金融商品及び関連する開示に
記載しています。
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(2)貸手側
当社及び一部の子会社は、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースとして、機械装置等を中心とした設備
を賃貸しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係る収益は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
ファイナンス・リースに係るリース収益 3,058 1,021
オペレーティング・リースに係るリース収益 53,046 55,777
リースに係る収益合計 56,104 56,798
なお、ファイナンス・リースに係るリース収益の主な内訳は、正味リース投資未回収額に係る金融収益です。
① ファイナンス・リース
2021年3月31日及び2022年3月31日現在のファイナンス・リースに係るリース料債権の満期分析は下記のとお
りです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
割引前受取リース料
1年以内 51,367 43,007
1年超5年以内 43,361 32,237
5年超 5,798 3,871
合計 100,526 79,115
リース料債権に係る未稼得金融収益 △7,396 △5,231
割引後の無保証残存価値 139 -
正味リース投資未回収額 93,269 73,884
② オペレーティング・リース
2021年3月31日及び2022年3月31日現在のオペレーティング・リースに係る割引前受取リース料の満期分析は
下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
1年以内 4,646 2,554
1年超5年以内 3,597 3,040
5年超 606 178
合計 8,849 5,772
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注12.繰延税金及び法人所得税
法人所得税費用及びその他の包括利益純額に係る繰延税金の内訳は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
法人所得税費用
当期分 220,305 158,988
繰延税金
一時差異等の発生と解消 53,825 89,603
未認識の繰延税金資産の増減 51,117 △80,122
合計 325,247 168,469
その他の包括利益に係る繰延税金
その他の包括利益を通じて測定する金融資産の
20,382 △5,834
公正価値の純変動額
確定給付制度の再測定 27,509 9,466
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動額 1,376 5,254
在外営業活動体の換算差額 2,958 3,702
合計 52,225 12,588
当社及び国内の子会社は、課税所得に対して、主に法人税、住民税及び事業税が課されており、前連結会計年度及び当
連結会計年度における法定実効税率はおよそ30.5%です。
当連結会計年度における未認識の繰延税金資産の増減には、GlobalLogic社の買収に伴い、未使用の税務上の繰越欠損
金等に対する繰延税金資産を認識したことによる減少が37,136百万円含まれています。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しています。
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税率差異の調整は、下記のとおりです。
2021年3月31日 2022年3月31日
法定実効税率 30.5% 30.5%
持分法による投資損益 △1.4 △1.5
子会社投資及び持分法で会計処理されている投資の
△4.8 2.6
税務上の簿価に対する超過額
子会社投資及び持分法で会計処理されている投資の
7.4 △0.6
売却に係る損益
損金不算入の費用 0.6 0.7
のれんの減損 0.5 0.2
未認識の繰延税金資産の増減 6.1 △9.5
国内会社の法定実効税率と海外会社の税率差 △1.3 △3.1
その他(純額) 0.9 0.8
税金充当率 38.5% 20.1%
繰延税金資産及び負債の増減内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
期首残高(繰延税金資産-純額) 282,998 10,879
純損益として認識 △104,942 △9,481
その他の包括利益として認識 △52,225 △12,588
連結範囲の異動他 △114,952 △33,707
期末残高(繰延税金資産-純額) 10,879 △44,897
繰延税金資産及び負債の主な内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
連結財政状態計算書 連結損益計算書
2021年 2022年 2021年 2022年
3月31日 3月31日 3月31日 3月31日
繰延税金資産
退職給付に係る負債 44,384 19,537 △5,844 △15,959
未払費用 109,697 142,349 △146,585 10,192
有形固定資産に係る減価償却 6,476 5,868 85 △4,546
繰越欠損金 33,845 74,316 14,614 24,694
棚卸資産及び固定資産未実現利益 27,090 25,340 △4,563 602
繰延収益 11,982 17,745 △9,361 1,449
その他 96,326 61,928 △1,206 16,424
繰延税金資産総額 329,800 347,083 △152,860 32,856
繰延税金負債
圧縮記帳 △7,420 △6,480 263 190
有価証券 △115,173 △152,766 27,427 △42,609
無形資産 △152,682 △213,715 14,417 14,046
その他 △43,646 △19,019 5,811 △13,964
繰延税金負債総額 △318,921 △391,980 47,918 △42,337
繰延税金資産純額 10,879 △44,897 △104,942 △9,481
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繰延税金資産純額は、連結財政状態計算書の下記区分に含めて表示しています。
(単位:百万円)
2021年 2022年
3月31日 3月31日
その他の非流動資産 143,126 128,347
その他の非流動負債 △132,247 △173,244
合計 10,879 △44,897
予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いため、再投資されると考えられる子会社又は持分法適用会社に
対する投資の税務上の簿価を超過する部分については、繰延税金負債を計上していません。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在の繰延税金負債として認識されていない子会社の未分配利益に関連する一時差
異の総額は、それぞれ774,353百万円及び853,870百万円です。
繰延税金資産の実現可能性を評価するにあたり、当社は、同資産の一部または全部が実現しない蓋然性の検討を行って
います。同資産が最終的に実現するか否かは、これらの一時差異等が、将来、それぞれの納税地域における納税額の計算
上、課税所得の減額あるいは税額控除が可能となる会計期間において、課税所得を計上しうるか否かによります。実現可
能性は確定的ではないですが、実現可能性の評価において、当社は、繰延税金負債の振り戻しの予定及び予想される将来
の課税所得を考慮しています。これらの諸要素に基づき当社は、2022年3月31日現在の認識可能と判断された繰延税金資
産が実現する蓋然性は高いと判断しています。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
将来減算一時差異 1,634,738 1,472,491
繰越欠損金 675,461 639,614
合計 2,310,199 2,112,105
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の繰越期限は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
5年以内 193,286 148,530
5年超10年以内 211,753 195,641
10年超 270,422 295,443
合計 675,461 639,614
注13.買入債務
買入債務の内訳は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
買掛金 1,383,702 1,606,006
その他 132,252 148,627
合計 1,515,954 1,754,633
その他には電子記録債務及び支払手形が含まれます。
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注14.引当金
当連結会計年度の引当金の内訳及び増減は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
事業構造改革
資産除去債務 製品保証引当金 工事損失引当金 その他の引当金
関連引当金
2021年3月31日残高 29,388 19,550 65,795 104,275 126,713
期中増加額 4,742 8,770 23,499 35,246 32,233
目的取崩による減少 △1,579 △20,662 △20,461 △50,555 △32,717
連結範囲の異動 △127 - △766 - △178
為替換算影響額他 261 524 1,580 1,792 6,337
2022年3月31日残高 32,685 8,182 69,647 90,758 132,388
流動負債 466 7,948 58,528 89,368 109,603
非流動負債 32,219 234 11,119 1,390 22,785
資産除去債務
当社及び子会社が使用する工場設備や敷地等の賃貸借契約に付随する原状回復義務等、通常の使用に供する固定資産
の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務を有する場合には、主に過去の実績等に基づき算出した将来支
出の見積額に基づき資産除去債務を認識しています。
事業構造改革関連引当金
当社及び子会社における事業の全部または一部に関する事業構造改革に関する詳細な公式計画を有し、かつ、計画の
実施や公表を通じて影響を受ける関係者に当該事業構造改革が確実に実施されることについて妥当な期待を生じさせた
時点で、事業構造改革に関連して発生する直接支出の見積額に基づき引当金を認識しています。
事業構造改革関連引当金には、主に事業構造改革に伴う特別退職金を計上しています。
製品保証引当金
当社及び子会社は、一部の製品及びサービスに対する保証を行っているため、主に過去の保証実績に基づき算定した
将来支出の見積額に基づき引当金を認識しています。
工事損失引当金
当社及び子会社は、請負工事等の長期請負契約等の履行に伴い、将来において発生する損失の見積額に基づき引当金
を認識しています。
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注15.従業員給付
(1)退職後給付
当社及び一部の子会社は、従業員の退職給付に備え、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度、並びに確定拠
出型の年金制度を設けており、ほぼ全ての従業員が対象となっています。
確定給付型年金制度の主なものは、確定給付企業年金法に基づく企業年金制度であり、その一部についてキャッ
シュバランスプラン制度を採用しています。キャッシュバランスプランにおける給付は、加入者毎に仮想個人口座
を設け、給付水準等に基づく拠出クレジット及び市場金利動向に基づく利息クレジットにより算定されます。
確定給付企業年金法に基づき、当社には企業年金制度を運営する日立企業年金基金(以下、「基金」)への掛金
の拠出等の義務が課されています。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣又は地方厚生局長による処
分、基金の規約及び代議員会の決議を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務が課されています。ま
た、理事に対しては、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、給付に充てるべき積立金(以下、「積立金」)
の管理及び運用の適正を害する行為をしてはならないこと、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について、
その任務を怠った場合には、基金に対して連帯責任を負うことが規定されています。
基金は、当社より法的に独立した機関であり、基金の代議員会は、雇用主側において選定された代表者(選定代
議員)及び従業員側において選出された代表者(互選代議員)の同一人数にて構成され、代議員会の議事は出席し
た代議員の過半数で決定していますが、可否同数の場合は、特段重要な事項の議事を除き、議長が決定します。
積立金の運用については、代議員会の決議を経た運用管理規定により定められている契約内容に基づき、運用受
託機関が行います。基金は運用に関する基本方針を作成するとともに、基本方針に整合した運用指針を作成し運用
受託機関に交付すること等により、積立金の運用を安全かつ効率的に行う義務を果たしています。
当社は、将来にわたり基金が定める積立金の掛金の拠出義務を負っています。掛金の額は法令が認める範囲で定
期的に見直されます。
確定給付型年金制度を導入している会社のうち、当社及び、当社の子会社で、インダストリーセグメントに属す
る㈱日立インダストリアルプロダクツは、2019年4月1日に、日立企業年金基金の年金制度の加入者を対象に、リ
スク分担型企業年金制度を導入しました。当該制度は、標準掛金相当額の他に、リスク対応掛金相当額が予め規約
に定められており、毎連結会計年度におけるリスク分担型企業年金の財政状況に応じて給付額が増減し、年金財政
上の均衡が図られることとなります。
なお、当社及び当社の子会社が導入したリスク分担型企業年金は労使でリスクを分担する仕組みであり、雇用主
は当該制度への移行時点で労使合意により予め定められたリスクへの対応分(リスク対応掛金)を含む固定の掛金
を拠出することにより一定のリスクを負い、加入者も財政バランスが崩れた場合には給付調整が行われることで一
定のリスクを負っています。従来型の確定給付型年金制度は、積立不足が生じた時に雇用主に追加の掛金負担が生
じますが、リスク分担型企業年金は、予め将来発生するリスクを測定し労使合意によりその範囲内でリスク対応掛
金を拠出し平準的な拠出とするものです。移行時に算定された財政悪化リスク相当額の水準を踏まえ定めたリスク
対応掛金相当額を制度改訂日以降5年定額で拠出し、これら拠出の完了後、追加的な掛金は発生しません。
退職後給付に係る会計処理において、リスク分担型企業年金のうち、企業の拠出義務が規約に定められた掛金の
拠出に限定され、企業が当該掛金相当額の他に、追加掛金の拠出義務を実質的に負っていないものは確定拠出制度
に分類されます。当社及び当社の子会社が導入したリスク分担型企業年金制度は追加掛金の拠出義務を実質的に
負っておらず、確定拠出型年金制度に分類されます。2019年4月1日に当社及び㈱日立インダストリアルプロダク
ツは確定給付企業年金制度からリスク分担型企業年金制度に移行しましたが、それ以降、日立企業年金基金に加入
する他の子会社についても、リスク分担型企業年金制度への移行を進めてきました。2022年4月1日に日立企業年
金基金に加入する子会社43社が新たにリスク分担型企業年金制度へ移行し、これにより日立企業年金基金に加入す
るほぼ全ての会社の年金制度がリスク分担型企業年金制度に移行したことになります。2022年4月1日にリスク分
担型企業年金制度に移行する会社について、制度移行した部分に係る退職給付債務の合計額とその減少分相当額に
係る当該制度に移行した資産の合計額との差額約440億円を、制度移行に伴う清算損として翌連結会計年度の連結
損益計算書のその他の費用に計上する見込みです。
退職一時金制度は、退職者に対し一時金を支給するもので、給付は退職時の給与水準及び勤続年数等に基づき算定
されます。退職一時金制度については、当社及び一部の子会社が直接退職者への支給義務を負っています。
確定拠出年金制度は、加入期間にわたり会社が掛金を拠出し、加入者自らが積立金の運用を行う制度です。給付
は受託機関が行うものであり、当社及び一部の子会社の義務は掛金の拠出に限定されます。
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前連結会計年度及び当連結会計年度の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の変動は、下記のと
おりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
確定給付制度債務の変動
確定給付制度債務期首残高 1,836,601 1,934,204
勤務費用 62,903 64,728
利息費用 11,004 11,654
制度改訂影響額 △250 △523
数理計算上の差異 41,512 △35,223
退職給付支払額 △104,472 △100,347
連結範囲の異動 78,781 △3,053
確定拠出年金制度移行影響額 41 △589
制度の清算・縮小 △662 △4,788
リスク分担型企業年金制度移行影響
△4,713 △10,448
額
為替換算影響額 13,459 23,817
確定給付制度債務期末残高 1,934,204 1,879,432
制度資産の変動
制度資産の期首公正価値 1,367,906 1,584,799
利息収益 9,320 9,542
制度資産に係る収益
145,282 11,456
(利息収益除く)
会社拠出額 64,869 66,986
従業員拠出額 1,439 2,754
退職給付支払額 △80,427 △73,796
連結範囲の異動 69,617 △3,569
確定拠出年金制度移行影響額 △6 △14
制度の清算・縮小 △365 △5,134
リスク分担型企業年金制度移行影響
△4,039 △10,201
額
為替換算影響額 11,203 16,143
制度資産の期末公正価値 1,584,799 1,598,966
資産上限額の影響 2,113 8,692
連結財政状態計算書に計上した純額 351,518 289,158
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数理計算上の差異発生額の内訳は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
財務上の仮定の変化により生じるもの △10,548 33,091
人口統計上の仮定の変化により生じるもの △15,414 △2,799
その他 △15,550 4,931
当社及び一部の子会社は、確定給付制度債務及び制度資産の測定日を連結会計年度末日としています。数理計算
に使用した割引率の仮定は、下記のとおりです。
2021年3月31日 2022年3月31日
割引率 0.6% 0.8%
2022年3月31日現在において、割引率が0.5%変化した場合に想定される確定給付制度債務に与える影響は、仮
に割引率が0.5%増加した場合は96,624百万円減少し、割引率が0.5%減少した場合109,576百万円増加します。
感応度分析は、他の前提条件を一定であることを前提としていますが、実際は、他の前提条件の変化が感応度分
析に影響する可能性があります。
基金における制度資産の運用は、積立金の安全かつ効率的な運用、分散投資及び長期にわたり持続的に維持すべ
き資産の構成割合の決定が基本方針として定められています。将来にわたり、年金給付に必要かつ十分な時価資産
の蓄積を図り、また長期的に安定した収益を確保するための目標収益率を定め、その目標収益率を達成するために
政策的資産構成割合を策定の上、各資産に分散投資を行っています。政策的資産構成割合は、各資産区分の期待収
益率、収益率の標準偏差及び資産間の相関係数を考慮し、約20%を資本性証券、約50%を公社債、約30%をヘッジ
ファンド、証券化商品、生保一般勘定等のその他の資産で運用することを目標としています。また、一定以上の時
価変動があった場合は、資産構成割合を政策的資産構成割合に調整する等の適切なリスク管理を行っています。
運用受託機関及び資産管理機関の選定にあたっては、適切な定量評価、定性評価に基づき行っています。また、
運用受託機関に対し運用方針等を明示し、定期的な運用状況の報告を受ける等の適切な監督を行っています。
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2021年3月31日及び2022年3月31日現在における、制度資産の公正価値は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日
活発な市場における公表市場価格
合計
あるもの ないもの
資本性証券 9,715 320 10,035
公債 112,970 1,019 113,989
社債及びその他の負債証券 - 14,726 14,726
ヘッジファンド - 49,368 49,368
証券化商品 - 46,477 46,477
現金及び現金同等物 36,378 - 36,378
生保一般勘定 - 161,064 161,064
合同運用投資 - 1,102,778 1,102,778
その他 3,890 46,094 49,984
合計 162,953 1,421,846 1,584,799
(単位:百万円)
2022年3月31日
活発な市場における公表市場価格
合計
あるもの ないもの
資本性証券 10,631 339 10,970
公債 4,821 1,011 5,832
社債及びその他の負債証券 - 13,844 13,844
ヘッジファンド - 45,243 45,243
証券化商品 - 44,205 44,205
現金及び現金同等物 34,279 - 34,279
生保一般勘定 - 155,627 155,627
合同運用投資 - 1,255,021 1,255,021
その他 1,869 32,076 33,945
合計 51,600 1,547,366 1,598,966
資本性証券は、前連結会計年度及び当連結会計年度において国内上場株式が約40%、海外上場株式が約60%を占
めています。
公債は、国内の公債が前連結会計年度において約95%を占め、その主な内訳は日本国債であり、当連結会計年度
においては約1%を占め、その主な内訳は日本国債です。海外の公債は、前連結会計年度において約5%を占め、
その主な内訳は外国国債であり、当連結会計年度においては約99%を占め、その主な内訳は外国国債です。
社債及びその他の負債証券は、前連結会計年度においては、国内が約10%、海外が約90%を占めており、当連結
会計年度においては国内が約4%、海外が約96%を占めています。
ヘッジファンドは、主に相対価値戦略型ヘッジファンド、イベントドリブン型ヘッジファンド、株式ロング
ショート型ヘッジファンド、マクロ及びコモディティ・トレーディング・アドバイザー(CTA)型ヘッジファン
ドに投資しています。
証券化商品は、主に国内不動産私募ファンドへの出資や、海外シニアローンを担保資産とする証券化商品の債券
及び劣後証券に投資しています。
合同運用投資は、前連結会計年度及び当連結会計年度において上場株式が約30%、公債が約40%、社債及びその
他の負債証券が約10%、現金及び現金同等物が約10%、その他の資産が約10%を占めています。
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日立企業年金基金における年金積立は、年金制度資産の積立状況、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われま
す。また、日立企業年金基金の規約においては、確定給付企業年金法の規定に従い、将来にわたって財政の均衡を
保つことができるように、5年毎に事業年度末日を基準日として掛金の額の再計算を行うことが規定されていま
す。再計算では、基金財政上の基礎率(予定利率、死亡率、脱退率等)を見直し、掛金を見直しています。
翌連結会計年度の確定給付年金制度における拠出の見込額は18,787百万円です。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在における確定給付制度債務の加重平均デュレーション(平均支払見込期
間)は、それぞれ12.2年及び12.1年です。
前連結会計年度及び当連結会計年度の当社及び子会社における確定拠出年金制度への拠出に係る費用認識額は、
それぞれ36,949百万円及び44,123百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の当社及び子会社におけ
るリスク分担型企業年金制度への拠出に係る費用認識額は、それぞれ18,056百万円及び18,011百万円です。なお、
翌連結会計年度以降に拠出するリスク対応掛金の見込み額は20,299百万円です。
(2)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書上に含まれる従業員給付費用の合計金額は、それぞ
れ2,425,658百万円及び2,742,701百万円です。
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注16.資本
(1)普通株式
2021年3月31日 2022年3月31日
発行可能株式総数 2,000,000,000 株 2,000,000,000 株
(単位:百万円)
発行済株式の総数 資本金額
2020年3月31日 967,280,477 株 459,862
2021年3月31日 967,885,277 株 460,790
2022年3月31日 968,234,877 株 461,731
(注)当社は、譲渡制限付株式報酬としての新株式を発行し、当社の発行済株式総数は、2020年5月27日付で604,800
株増加、2021年6月15日付で349,600株増加し、968,234,877株となりました。
当社が発行する株式は無額面の普通株式です。また、上記の発行済株式の総数には自己株式が含まれています。前連結
会計年度及び当連結会計年度における自己株式の増減は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
自己株式数 自己株式
2020年3月31日 1,050,741 株 3,809
自己株式の取得 136,523 159
自己株式の売却 △131,465 △475
2021年3月31日 1,055,799 株 3,493
自己株式の取得 178,413 251
自己株式の売却 △235,491 △742
2022年3月31日 998,721 株 3,002
なお、2021年3月31日及び2022年3月31日現在における関連会社が保有する当社株式数は、33,200株です。
(2)剰余金
① 資本剰余金
日本における会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対して払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に
組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。
資本剰余金の増減には、当社の子会社に対する持分の変動による影響が含まれています。前連結会計年度にお
ける増減のうち、主なものは、当社による日立ハイテク株式の追加取得による減少321,627百万円、旧日立AMSに
対する当社の持分比率が100%から66.6%に減少したことに伴う増加117,865百万円及び当社及び当社の子会社が非
支配持分株主に対して付与した売建プット・オプションによる減少175,969百万円です。当連結会計年度におけ
る増減のうち、主なものは、当社及び当社の子会社が非支配持分株主に対して付与した売建プット・オプション
による減少です。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本剰余金に含まれている資本準備金及び利益
剰余金に含まれている利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として
積み立てることが規定されています。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
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注17.その他の包括利益累計額及びその他の包括利益
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結持分変動計算書に計上された、関連する税効果影響額控除後のその他の包括
利益累計額は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
在外営業活動体の換算差額
△30,686 110,727
期首残高
133,106 322,062
その他の包括利益純額
8,307 11,862
非支配持分振替額
110,727 444,651
期末残高
確定給付制度の再測定
1,958 80,300
期首残高
80,413 26,092
その他の包括利益純額
3,066 264
非支配持分振替額
△5,137 △981
利益剰余金への振替額
80,300 105,675
期末残高
その他の包括利益を通じて測定する金融資産の
公正価値の純変動額
66,373 135,022
期首残高
69,721 △11,461
その他の包括利益純額
3,227 428
非支配持分振替額
△4,299 △13,880
利益剰余金への振替額
135,022 110,109
期末残高
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動額
△94,715 △52,488
期首残高
53,384 37,845
その他の包括利益純額
△71 -
非支配持分振替額
△11,086 △6,529
その他
△52,488 △21,172
期末残高
その他の包括利益累計額合計
△57,070 273,561
期首残高
336,624 374,538
その他の包括利益純額
14,529 12,554
非支配持分振替額
△9,436 △14,861
利益剰余金への振替額
△11,086 △6,529
その他
273,561 639,263
期末残高
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前連結会計年度及び当連結会計年度の非支配持分を含むその他の包括利益の各区分の当期損益項目との調整額及び各項
目の税効果影響額は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日
税効果影響額控除前 税効果影響額 税効果影響額控除後
その他の包括利益
194,482 △2,937 191,545
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 116,245 △27,509 88,736
その他の包括利益を通じて測定する
89,744 △20,382 69,362
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
4,635 △755 3,880
の純変動額
28,359 △4,815 23,544
持分法のその他の包括利益
433,465 △56,398 377,067
合計
その他の包括利益と
当期損益項目との調整額
在外営業活動体の換算差額 297 △21 276
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
2,087 △621 1,466
の純変動額
45,110 △7,748 37,362
持分法のその他の包括利益
47,494 △8,390 39,104
合計
その他の包括利益純額
194,779 △2,958 191,821
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 116,245 △27,509 88,736
その他の包括利益を通じて測定する
89,744 △20,382 69,362
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
6,722 △1,376 5,346
の純変動額
73,469 △12,563 60,906
持分法のその他の包括利益
480,959 △64,788
416,171
合計
非支配持分に帰属する
その他の包括利益純額
69,439
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 9,039
その他の包括利益を通じて測定する
1,076
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
△7
の純変動額
79,547
合計
親会社株主持分に帰属する
その他の包括利益純額
122,382
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 79,697
その他の包括利益を通じて測定する
68,286
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
5,353
の純変動額
60,906
持分法のその他の包括利益
336,624
合計
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(単位:百万円)
2022年3月31日
税効果影響額控除前 税効果影響額 税効果影響額控除後
その他の包括利益
396,113 △3,702 392,411
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 40,261 △9,466 30,795
その他の包括利益を通じて測定する
△17,058 5,834 △11,224
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
13,426 △5,213 8,213
の純変動額
32,730 △2,881 29,849
持分法のその他の包括利益
465,472 △15,428 450,044
合計
その他の包括利益と
当期損益項目との調整額
在外営業活動体の換算差額 △922 - △922
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
0 △41 △41
の純変動額
12,126 △1,171 10,955
持分法のその他の包括利益
11,204 △1,212 9,992
合計
その他の包括利益純額
395,191 △3,702 391,489
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 40,261 △9,466 30,795
その他の包括利益を通じて測定する
△17,058 5,834 △11,224
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
13,426 △5,254 8,172
の純変動額
44,856 △4,052 40,804
持分法のその他の包括利益
476,676 △16,640
460,036
合計
非支配持分に帰属する
その他の包括利益純額
81,063
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 4,595
その他の包括利益を通じて測定する
△58
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
△102
の純変動額
85,498
合計
親会社株主持分に帰属する
その他の包括利益純額
310,426
在外営業活動体の換算差額
確定給付制度の再測定 26,200
その他の包括利益を通じて測定する
△11,166
金融資産の公正価値の純変動額
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値
8,274
の純変動額
40,804
持分法のその他の包括利益
374,538
合計
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注18.剰余金の配当
前連結会計年度及び当連結会計年度の配当金は下記のとおりです。
配当金の総額 1株当たり
決議 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
2020年5月13日
48,311 利益剰余金 50.0 2020年3月31日 2020年6月8日
取締役会
2020年10月28日
48,342 利益剰余金 50.0 2020年9月30日 2020年11月30日
取締役会
2021年5月12日
53,175 利益剰余金 55.0 2021年3月31日 2021年6月2日
取締役会
2021年10月27日
58,035 利益剰余金 60.0 2021年9月30日 2021年11月29日
取締役会
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるものは、下記のとおりです。
配当金の総額 1株当たり
決議 配当の原資 基準日 効力発生日
(百万円) 配当額(円)
2022年5月13日
62,870 利益剰余金 65.0 2022年3月31日 2022年6月2日
取締役会
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注19.株式に基づく報酬
当社は、株式に基づく報酬として、2019年度より、ストックオプション制度に代えて、譲渡制限付株式報酬制度を導入
し、従来の株式報酬型ストックオプションに代えて、譲渡制限付株式を付与しています。また、前連結会計年度より、譲
渡制限付株式報酬ユニット制度を導入し、譲渡制限付株式報酬ユニットを付与しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において計上された株式に基づく報酬費用は、それぞれ1,031百万円及び1,404百万
円です。
(1)譲渡制限付株式報酬
当社の譲渡制限付株式報酬制度は、執行役及び理事(対象者)に対して、譲渡制限付株式(本譲渡制限付株式)を割り
当てるために、金銭報酬債権を付与し、対象者は当該金銭報酬債権を現物出資することで、当社の普通株式の発行または
処分を受けるものです。また、本制度に基づき当社の普通株式の発行または処分をするにあたり、当社と各対象者との間
で譲渡制限付株式割当契約を締結しています。
譲渡制限付株式割当契約の概要
① 譲渡制限期間
付与日から、対象者が当社の執行役、取締役及び理事のいずれの地位からも退任する日まで
② 当社による無償取得
本割当契約に定める一定の事由に該当した場合は、当社が対象者に通知した日以降速やかに本譲渡制限付株式を無
償取得する。また、当社は、譲渡制限が解除されない本譲渡制限付株式について譲渡制限が解除されないことが確
定した時点をもって、当然に無償で取得する。
前連結会計年度及び当連結会計年度に発行した譲渡制限付株式の内容は以下のとおりです。
2021年3月31日 2022年3月31日
発行日 2020年5月27日 2021年6月15日
発行株式数 604,800株 332,000株
1株当たり発行価額 (a) (b)
3,067円 5,384円
(a)前連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の発行価額については、2020年4月20日(本新株発行に係る当社執行
役社長の決定日の前営業日)の東京証券取引所市場第一部の終値としています。
(b)当連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の発行価額については、2021年5月17日(本新株発行に係る当社執行
役社長の決定日の前営業日)の東京証券取引所市場第一部の終値としています。
(2)譲渡制限付株式報酬ユニット(RSU)
当社のRSU制度は、当社の外国人の執行役及び理事(対象者)に対して、当社が対象者毎に予め定める数の当社普通株
式(本交付株式)に相当するRSUを付与し、付与後3連結会計年度にわたり、3分の1ずつ権利確定するRSUに対して、各
連結会計年度終了後、本交付株式及び現金を交付する制度です。
本交付株式の交付について、当社は、各連結会計年度終了後、対象者に対して金銭報酬債権を付与し、対象者は、当該
金銭報酬債権を現物出資することで、本交付株式の発行または処分を受けます。
対象者が任期満了、死亡、その他当社の報酬委員会が認める正当な理由により退任する場合は、対象者に付与された
RSUのうち、付与から当該退任した時点までに相当する分の本交付株式及び現金のみが交付されます。
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(3)ストックオプション
当社のストックオプション制度においては、執行役及び理事に対して、当社の普通株式を購入できる権利(新株予約
権)が与えられています。
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社のストックオプション制度は以下のとおりです。
発行年度・名称 付与日 行使期間
2016年度
自2016年7月15日
株式会社日立製作所 第1回新株予約権 2016年6月29日
至2046年7月14日
2017年度
自2017年4月27日
株式会社日立製作所 第2回新株予約権 2017年4月6日
至2047年4月26日
2018年度
自2018年4月27日
株式会社日立製作所 第3回新株予約権 2018年4月11日
至2048年4月26日
新株予約権の行使条件
① 新株予約権者は、上記の行使期間内において、当社の執行役、取締役及び理事のいずれの地位をも喪失した日の翌
日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、②又は③の規定により確定
した新株予約権を一括してのみ行使できる。
② 新株予約権者が行使できる新株予約権の個数は、割当日の属する連結会計年度の期首から3年間(待機期間)にお
ける当社株式に係る株主総利回りを同期間における東証株価指数の成長率と比較し、その割合(対TOPIX成長率)に
応じて確定する(株式市場条件)。
③ 待機期間終了前に退任した新株予約権者(退任者)が行使できる新株予約権の個数は、当該退任者の割当個数を待
機期間のうちに占める当該退任者の在任期間の割合を乗じて得た個数に減算し、上記②に準じ割当日の属する連結
会計年度の期首から退任時までの期間における対TOPIX成長率に応じて確定する。
前連結会計年度及び当連結会計年度のストックオプションの状況は以下のとおりです。なお、ストックオプションの個
数は株式数に換算(ストックオプション1個あたり20株)して記載しています。
2021年3月31日 2022年3月31日
株式数 加重平均行使価格 株式数 加重平均行使価格
(株) (円) (株) (円)
期首未行使残高 890,960 1 731,540 1
権利付与 - - - -
権利失効(a) △32,860 1 △60 1
権利行使 △126,560 1 △232,480 1
満期消滅 - - - -
期末未行使残高 731,540 1 499,000 1
期末行使可能残高 2,060 1 - -
(a)株式市場条件を満たさないことによる行使不能分も含まれます。
前連結会計年度及び当連結会計年度に権利行使されたストックオプションの加重平均株価は、それぞれ3,128.0円及び
5,358.5円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使ストックオプションの行使価格の範囲は1円であり、加重平均残存
契約年数は、それぞれ26.2年及び25.2年です。
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注20.売上収益
(1)収益の分解
当社の売上収益は、主に顧客との契約から認識された収益であり、当社の報告セグメントを地域別に分解した場合の
内訳は、下記のとおりです。
当社は当連結会計年度の期首から報告セグメントの区分を変更しています。当該区分変更に伴い、前連結会計年度を
変更後の区分にて表示しています。報告セグメントの区分変更に係る詳細は注4.セグメント情報に記載しています。
(単位:百万円)
2021年3月31日
海外
日本 売上収益
アジア 北米 欧州 その他
売上収益
IT 1,537,450 167,762 165,763 139,978 37,803 511,306 2,048,756
エネルギー 338,422 231,266 183,481 227,612 127,205 769,564 1,107,986
インダストリー 626,743 73,803 98,964 15,294 15,358 203,419 830,162
モビリティ 367,158 465,398 50,326 264,786 51,964 832,474 1,199,632
ライフ 685,272 317,214 106,549 106,455 37,261 567,479 1,252,751
オートモティブシステム 340,877 276,119 197,222 110,100 63,265 646,706 987,583
日立建機 203,337 191,801 107,175 110,542 200,476 609,994 813,331
日立金属 342,847 160,875 207,085 35,434 15,374 418,768 761,615
その他 384,071 44,819 8,550 7,852 3,716 64,937 449,008
小計 4,826,177 1,929,057 1,125,115 1,018,053 552,422 4,624,647 9,450,824
全社及び消去 △671,359 △35,437 △7,561 △4,566 △2,705 △50,269 △721,628
合計 4,154,818 1,893,620 1,117,554 1,013,487 549,717 4,574,378 8,729,196
(単位:百万円)
2022年3月31日
海外
日本 売上収益
アジア 北米 欧州 その他
売上収益
IT 1,527,657 180,128 231,011 173,764 41,065 625,968 2,153,625
エネルギー 319,248 329,151 271,105 339,718 188,745 1,128,719 1,447,967
インダストリー 647,151 88,335 116,584 17,441 31,250 253,610 900,761
モビリティ 352,188 641,150 53,085 319,802 59,525 1,073,562 1,425,750
ライフ 550,613 247,404 94,455 112,656 24,315 478,830 1,029,443
オートモティブシステム 455,282 606,321 316,216 130,012 89,887 1,142,436 1,597,718
日立建機 216,922 195,722 196,425 162,798 253,094 808,039 1,024,961
日立金属 402,155 204,913 274,458 42,268 18,907 540,546 942,701
その他 384,058 53,768 6,749 8,076 3,654 72,247 456,305
小計 4,855,274 2,546,892 1,560,088 1,306,535 710,442 6,123,957 10,979,231
全社及び消去 △668,197 △32,049 △4,946 △7,122 △2,315 △46,432 △714,629
合計 4,187,077 2,514,843 1,555,142 1,299,413 708,127 6,077,525 10,264,602
ITセグメントは、フロントビジネス及びサービス&プラットフォームで構成され、それぞれの売上収益は前連結会計
年度においては、1,414,239百万円、790,258百万円であり、当連結会計年度においては、1,423,010百万円、874,663百
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万円です(内部取引を含む)。フロントビジネスは主に日本で、サービス&プラットフォームは主に日本、北米及び欧州
で展開されています。
当社の売上収益には、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識された収益が含まれています。前連結
会計年度中及び当連結会計年度中に認識された収益のうち、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識さ
れた収益の額は、それぞれ1,389,409百万円及び1,578,613百万円です。
(2)履行義務の充足に関する情報
各報告セグメントの主な製品・サービスに対する履行義務に関する情報は下記のとおりです。
(IT)
フロントビジネスにおいては、主にシステムインテグレーション、コンサルティング及びクラウドサービスが提供
されていますが、これらの長期請負契約等は顧客仕様に応じた製品及びサービスを顧客に対して一定期間に亘り提供
しており、一定期間に亘って履行義務が充足されるため、主に、費用の発生態様(見積原価総額に対する実際発生原
価の割合で測定される進捗度等)もしくは時の経過に応じて収益を認識しています。
多くの契約はマイルストーンに基づく請求となっており、履行義務充足前に入金される場合もあります。
また、サービス&プラットフォームにおいては、主に制御システム、ソフトウェア及びITプロダクツの販売を行っ
ており、顧客に製品を販売し引渡を完了した時点で履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を
認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延
払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。
(エネルギー、インダストリー及びモビリティ)
エネルギーセグメントにはエネルギーソリューション事業等の売上収益が含まれており、国内、アジア、欧州や北
米を中心に展開されています。
インダストリーセグメントには産業・流通ソリューション事業等の売上収益が含まれており、主に国内で展開され
ています。
また、モビリティセグメントにはビルシステム事業及び鉄道システム事業の売上収益が含まれており、ビルシステ
ム事業は主に中国で、鉄道システム事業は主に欧州でそれぞれ展開されています。
これらのセグメントにおける請負工事等に係る長期請負契約等は顧客仕様に基づいた製品等を一定期間に亘り製造
し顧客に提供することにより、履行義務が充足されるため、主に、費用の発生態様(見積原価総額に対する実際発生
原価の割合で測定される進捗度等)に応じて収益を認識しています。また、契約期間に応じて均一のサービスを提供
しているメンテナンスサービス等は、時の経過に応じて収益を認識しています。多くの契約の支払条件は、マイルス
トーンに基づく請求となっており、履行義務充足前に入金される場合もあります。
また、インダストリーセグメントにおける産業用機器の販売等及びモビリティセグメントにおけるエレベーターの
販売等は、顧客に製品を販売し引渡を完了した時点において履行義務が充足されるため、支配が移転した時点におい
て収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となって
おり、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。
(その他)
ライフ、オートモティブシステム、日立建機、日立金属セグメントにおける製品は、主に顧客に製品を販売し引渡
が完了した時点において履行義務が充足されるため、支配が移転した時点において収益を認識しています。支払条件
は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条件となっており、延払等の支払条件となってい
る取引で重要なものはありません。
これらのセグメントでのメンテナンスサービス等は、契約期間に応じて均一のサービスを提供しているため、時の
経過に応じて収益を認識しています。支払条件は、通常、履行義務を充足してから1年以内で支払期日が到来する条
件となっており、延払等の支払条件となっている取引で重要なものはありません。
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(3)契約残高に関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社の顧客との契約から計上された売上債権、契約資産及び契約負債の
期首及び期末残高は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
期首残高 期末残高 期首残高 期末残高
売上債権 1,846,078 2,115,973 2,115,973 2,381,832
契約資産 484,999 676,524 676,524 665,627
契約負債 707,352 1,016,207 1,016,207 1,150,592
前連結会計年度中及び当連結会計年度中に認識された収益のうち、期首時点で契約負債に含まれていた金額は、それ
ぞれ352,608百万円及び604,800百万円であり、過去の期間に充足された履行義務に係る金額は重要ではありません。
(4)残存する履行義務に配分された取引価格
前連結会計年度及び当連結会計年度末時点における報告セグメント別の未履行の履行義務残高は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
未履行の 未履行の
うち、セグメント間 うち、セグメント間
履行義務残高 履行義務残高
内部取引 内部取引
IT 50,181 1,080,587 58,982 1,141,343
エネルギー 29,288 1,884,151 35,271 2,387,468
インダストリー 89,043 476,109 98,942 555,297
モビリティ 3,905 4,247,366 5,785 4,648,813
当社及び子会社において、長期に亘り収益が認識される契約を有するセグメントは、主にITセグメント、エネルギー
セグメント、インダストリーセグメント及びモビリティセグメントです。
前連結会計年度末時点における未履行の履行義務残高の履行時期の見込みは下記のとおりです。
ITセグメントの残高のうち約9割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。エネルギーセグ
メントの残高のうち約8割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。インダストリーセグメン
トの残高のうち約9割は3年以内に履行される見込みです。モビリティセグメントの残高のうち約5割は3年以内に、
約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。
当連結会計年度末時点における未履行の履行義務残高の履行時期の見込みは下記のとおりです。
ITセグメントの残高のうち約9割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。エネルギーセグ
メントの残高のうち約8割は3年以内に、約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。インダストリーセグメン
トの残高のうち約9割は3年以内に履行される見込みです。モビリティセグメントの残高のうち約5割は3年以内に、
約1割は3年超5年以内に履行される見込みです。
なお、上記以外のセグメントについては、主に当初の予想期間が1年以内の契約であるため、実務上の便法の規定を
適用し当該開示には含めていません。
(5)資産化した、顧客との契約の獲得または履行するために生じたコスト
当社及び子会社は、顧客との契約を獲得または履行するために発生したコストのうち、回収すると見込まれるものに
ついて資産計上しています。前連結会計年度及び当連結会計年度末において、資産計上している金額は重要ではありま
せん。
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注21.その他の収益及び費用
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の収益及び費用の主な内訳は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
16,126 18,068
固定資産損益
減損損失 △ 109,009 △ 35,091
452,422 102,135
事業再編等損益
特別退職金 △ 19,706 △ 8,770
減損損失は、主に有形固定資産、投資不動産、のれん及びその他の無形資産にかかる減損です。事業再編等損益には、
支配の獲得及び喪失に関連する損益、投資先への重要な影響力の獲得及び喪失に関連する損益等が含まれています。
その他の費用に含まれている前連結会計年度及び当連結会計年度における事業構造改革関連費用は、それぞれ128,715
百万円及び43,861百万円です。事業構造改革関連費用には、主に減損損失及び特別退職金が含まれています。
注22.金融収益及び費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における金融収益及び費用の主な内訳は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
3,445 6,454
受取配当金
9,193 11,870
為替差損益
前連結会計年度及び当連結会計年度における受取配当金はFVTOCI金融資産にかかるものです。
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注23.非継続事業
当社は、エネルギーセグメントにおいて、三菱重工業㈱との火力発電システム事業統合の際に統合会社に承継せず、当
社及び一部の子会社が運営主体となった火力発電システム事業の一部について、前連結会計年度以前にプロジェクトが完
了したため、当該事業に関する損益を非継続事業として区分表示しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度における非継続事業に係る損益及びキャッシュ・フローは、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
非継続事業に係る損益
売上収益 7 0
売上原価及び費用 △693 0
非継続事業税引前当期利益(損失) △686 0
法人所得税費用 - -
非継続事業当期利益(損失) △686 0
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
非継続事業に係るキャッシュ・フロー
営業活動に関するキャッシュ・フロー △611 0
投資活動に関するキャッシュ・フロー - -
財務活動に関するキャッシュ・フロー 736 0
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注24.1株当たり利益情報
基本1株当たり親会社株主に帰属する当期利益及び希薄化後1株当たり親会社株主に帰属する当期利益の計算は、
下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
平均発行済株式数 965,965,329 株 966,413,255 株
希薄化効果のある証券
ストックオプション 731,540 512,108
譲渡制限付株式 684,997 715,736
譲渡制限付株式ユニット 24,533 37,232
希薄化後発行済株式数 967,406,399 株 967,678,331 株
親会社株主に帰属する継続事業当期利益
基本 502,299 583,470
希薄化効果のある証券 - -
希薄化後親会社株主に帰属する継続事業当期利益 502,299 583,470
親会社株主に帰属する非継続事業当期利益(損失)
基本 △686 0
希薄化効果のある証券 - -
希薄化後親会社株主に帰属する非継続事業当期利益(損失) △686 0
親会社株主に帰属する当期利益
基本 501,613 583,470
希薄化効果のある証券 - -
希薄化後親会社株主に帰属する当期利益 501,613 583,470
1株当たり親会社株主に帰属する継続事業当期利益
基本 520.00 円 603.75 円
希薄化後 519.22 円 602.96 円
1株当たり親会社株主に帰属する非継続事業当期利益(損失)
基本 △0.71 円 0.00 円
希薄化後 △0.71 円 0.00 円
1株当たり親会社株主に帰属する当期利益
基本 519.29 円 603.75 円
希薄化後 518.51 円 602.96 円
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注25.連結キャッシュ・フロー計算書の補足説明
財務活動から生じた負債の増減内容は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
リース
短期借入金 社債 長期借入金 合計
負債
2020年3月31日
183,303 385,293 637,648 278,798 1,485,042
キャッシュ・フローを伴う増減
199,679 9,991 383,334 △100,346 492,658
キャッシュ・フローを伴わない増減
リース負債の新規計上額
- - - 111,505 111,505
連結範囲の異動
15,864 △29,878 250,837 19,386 256,209
為替換算影響額他
17,789 553 23,790 9,810 51,942
2021年3月31日 416,635 365,959 1,295,609 319,153 2,397,356
キャッシュ・フローを伴う増減
653,244 △10,028 △136,241 △114,876 392,099
キャッシュ・フローを伴わない増減
リース負債の新規計上額
- - - 99,175 99,175
連結範囲の異動
118,554 - 2,344 △704 120,194
為替換算影響額他
45,686 1,617 46,113 24,472 117,888
2022年3月31日 1,234,119 357,548 1,207,825 327,220 3,126,712
注26.金融商品及び関連する開示
(1)資本管理
当社は、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の資産、負債及び資本を維持することに加えて、事業活動にお
ける資本効率の最適化を図ることを重要な方針として資本を管理しています。
当社は資本管理において、親会社株主持分比率を重要な指標として用いており、継続的にモニタリングしています。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在における親会社株主持分比率は、それぞれ29.7%及び31.3%です。
なお、会社法等の一般的な規制を除き、当社が適用を受ける資本規制はありません。
(2)財務上のリスク
当社は、国際的に事業活動を行っており、その過程において、常に市場リスク(主に為替リスク及び金利リスク)、
信用リスク、流動性リスク等の様々なリスクに晒されています。当社ではこれらの財務上のリスクを回避もしくは低減
するためにリスク管理を行っています。
① 為替リスク
当社及び子会社は、外国為替相場の変動リスクに晒されている金融資産及び金融負債を保有しており、外国為
替相場の変動リスクをヘッジするために、先物為替予約契約あるいは通貨スワップ契約を利用しています。
売上及び仕入に係る為替変動リスクについては、毎月通貨毎に将来キャッシュ・フローを決済期日毎に測定
し、この一定割合に対して主に先物為替予約契約を締結することにより、外貨建債権債務及び外貨建予定取引か
ら発生する将来キャッシュ・フローを固定化しています。先物為替予約の期間は、概ね1年以内です。なお、当
社及び子会社は、事業特性、収支構造、契約内容等を確認し、必要に応じて個別案件に適応した為替リスク管理
方針を作成し、案件毎のリスク管理体制を整備した上でヘッジ取引を行っています。
また、外貨建の長期債務から生じる将来キャッシュ・フローを固定化するために負債元本の償還期限と同じ期
限の通貨スワップ契約を締結しています。先物為替予約契約及び通貨スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係
は高度に有効であり、ヘッジ対象外貨建資産・負債の為替相場の変動の影響を相殺しています。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在において当社及び子会社が保有する外貨建金融商品につき、その他全
ての変数を一定とすることを前提に、当社の機能通貨である日本円が1%円安となった場合の前連結会計年度及
び当連結会計年度の連結損益計算書上の継続事業税引前当期利益への影響額は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
通貨 2021年3月31日 2022年3月31日
継続事業税引前当期利益への影響
米ドル 2,559 2,852
ユーロ 101 76
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② 金利リスク
当社及び一部の子会社は、主に長期債務に関連する金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化
するため、主に金利スワップ契約を締結してキャッシュ・フローの変動リスクを管理しています。金利スワップ
契約は主に受取変動・支払固定の契約であり、長期債務の変動金利支払分を受取り、固定金利を支払うことに
よって、変動金利の長期債務を固定金利の長期債務としています。
また、一部の金融子会社は、主に固定金利で資金調達を行い、変動金利での貸付等を行っているため金利変動
リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結して公正価値の変動を
管理しています。
金利スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、金利変動リスクから生じるキャッシュ・
フロー及び公正価値の変動の影響を相殺しています。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在において当社及び子会社が保有する金融商品(償却原価で測定する金
融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、並びにデリバティブ資産及び
負債)につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、金利が1%上昇した場合の前連結会計年度及び当
連結会計年度の連結損益計算書上の継続事業税引前当期利益に与える影響額は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
継続事業税引前当期利益への影響 △6,394 △11,722
③ 信用リスク
当社及び子会社の営業活動から生じる売上債権及び契約資産並びにその他の債権は顧客の信用リスクに晒され
ています。また、余剰資金の運用のために保有している債券等及び政策的な目的のために保有している株式等
は、発行体の信用リスクに晒されています。さらに市場リスクを軽減する目的で行うデリバティブ取引について
は、取引相手先である金融機関の信用リスクに晒されています。
顧客の信用リスクに対しては、取引対象商品及び取引先の財務状態や信用格付等により定期的に信用調査を行
い、信用リスクに応じた取引限度額を設定しています。余剰資金については、安全性の高い債券等での資金運用
に限定し、デリバティブ取引先については、格付の高い金融機関に限定して取引を行っています。
当社及び子会社は、世界各地で多業種にわたり事業を行っており、特定の地域や取引先に対する信用リスクの
集中は発生していません。
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前連結会計年度及び当連結会計年度の売上債権及び契約資産並びにその他の債権に係る貸倒引当金の増減内容
と、貸倒引当金に対応する売上債権及び契約資産並びにその他の債権の総額での帳簿価額の増減内容は、下記の
とおりです。なお、その他の債権には、主にリース債権並びに短期貸付金、未収入金、償却原価で測定する負債
性証券及び長期貸付金等の償却原価で測定される金融資産が含まれます。
(単位:百万円)
貸倒引当金 総額での帳簿価額
売上債権及び契約資産
集合的評価 個別的評価 合計 集合的評価 個別的評価 合計
2020年3月31日 20,824 18,827 39,651 2,308,035 62,693 2,370,728
期中増減(純額) 701 6,245 6,946 △335,456 △6,714 △342,170
信用減損(a) △27 27 - 14,778 △14,778 -
直接償却(b) △834 △3,025 △3,859 △22,078 △3,391 △25,469
その他(c) 12,569 7,379 19,948 748,100 103,994 852,094
2021年3月31日 33,233 29,453 62,686 2,713,379 141,804 2,855,183
期中増減(純額) 3,476 18,907 22,383 246,931 △49,651 197,280
信用減損(a) △1,252 1,252 - △8,962 8,962 -
直接償却(b) △7,934 △2,534 △10,468 △47,996 △3,069 △51,065
その他(c) 1,437 4,907 6,344 117,741 9,265 127,006
2022年3月31日 28,960 51,985 80,945 3,021,093 107,311 3,128,404
(単位:百万円)
貸倒引当金 総額での帳簿価額
その他の債権
集合的評価 個別的評価 合計 集合的評価 個別的評価 合計
2020年3月31日 272 4,112 4,384 385,808 16,207 402,015
期中増減(純額) 27 1,057 1,084 △155,203 305 △154,898
信用減損(a) - - - △44 44 -
直接償却(b) △1 △1,275 △1,276 △1,526 △1,495 △3,021
その他(c) 3 136 139 176,433 20,762 197,195
2021年3月31日 301 4,030 4,331 405,468 35,823 441,291
期中増減(純額) △26 539 513 56,193 △25,432 30,761
信用減損(a) - - - △1,253 1,253 -
直接償却(b) △1 △1 △2 △6,980 △905 △7,885
その他(c) 18 165 183 △34,496 △1,603 △36,099
2022年3月31日 292 4,733 5,025 418,932 9,136 428,068
(a)信用減損が生じた金融資産に関する貸倒引当金については、個別的評価により貸倒引当金を測定するた
め、集合的評価から振替えています。
(b)金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断された場合、直接償却
として認識を中止しています。
(c)主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれています。
保有する担保を考慮に入れない場合の当社及び子会社の金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャー
は、連結財政状態計算書に表示されている貸倒引当金控除後の帳簿価額です。また、貸出コミットメントの信用
リスクに係る最大エクスポージャーは、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している貸出コミットメント
の総額であり、債務保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注30.コミットメント及び偶発事象
に記載している債務保証残高です。
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④ 流動性リスク
当社及び子会社の買入債務、長期債務等の金融負債は流動性リスクに晒されています。当該リスクに関し、当
社及び子会社は運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化、当社及び金融子会社による資金の集中管理等
により資金管理の維持に努めています。また需要に応じ、資本市場における債券発行、株式発行及びコミットメ
ントラインを含む金融機関からの借入による資金調達が可能です。当連結会計年度末日における当社のコミット
メントライン契約に係る借入未実行残高は、注30.コミットメント及び偶発事象に記載しています。
デリバティブ負債を除く金融負債の期日別残高は、下記のとおりです。なお、買入債務の簿価と契約上の
キャッシュ・フローは一致しており、支払期日は全て1年以内であるため下表に含めていません。
2021年3月31日 (単位:百万円)
契約上のキャッ
帳簿価額 1年以内 1年超5年以内 5年超
シュ・フロー
短期借入金 416,635 417,993 417,993 - -
長期債務
リース負債 319,153 335,421 93,270 174,920 67,231
社債 365,959 373,650 11,508 179,797 182,345
長期借入金 1,295,609 1,314,067 179,905 825,661 308,501
その他の非流動負債
非支配持分株主に対す
239,218 245,347 - 245,347 -
るプット・オプション
2022年3月31日 (単位:百万円)
契約上のキャッ
帳簿価額 1年以内 1年超5年以内 5年超
シュ・フロー
短期借入金 1,234,119 1,236,688 1,236,688 - -
長期債務
リース負債 327,220 346,010 93,799 177,561 74,650
社債 357,548 363,858 119,021 123,449 121,388
長期借入金 1,207,825 1,224,628 134,319 1,060,944 29,365
その他の非流動負債
非支配持分株主に対す
268,851 274,701 - 274,701 -
るプット・オプション
短期借入金の加重平均利率は0.6%であり、長期借入金の加重平均利率は0.5%、返済期限は2022年から2039年
までです。
社債の銘柄別明細は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
発行 2021年 2022年
銘柄 発行年 担保 利率(%) 償還期限
会社 3月31日 3月31日
当社 国内公募第16回普通社債 2013年 30,000 30,000 無担保 0.8 2023年
当社 国内公募第17回普通社債 2013年 20,000 20,000 無担保 1.4 2028年
当社 国内公募第18回普通社債 2020年 90,000 90,000 無担保 0.1 2023年
当社 国内公募第19回普通社債 2020年 20,000 20,000 無担保 0.2 2027年
当社 国内公募第20回普通社債 2020年 90,000 90,000 無担保 0.3 2030年
2014年 0.1 2022年
子会社 普通社債 ~ 115,959 107,548 無担保 ~ ~
2021年 2.8 2031年
合計 365,959 357,548
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主なデリバティブの流動性分析は、下記のとおりです。なお、他の契約と純額決済するデリバティブについて
も総額で表示しています。
2021年3月31日 (単位:百万円)
1年以内 1年超5年以内 5年超 合計
為替予約 収入 8,644 3,743 1 12,388
支出 16,694 3,104 - 19,798
通貨スワップ 収入 6,128 9,375 - 15,503
支出 2,898 2,330 - 5,228
金利スワップ 収入 29 276 3,746 4,051
支出 316 1,140 - 1,456
オプション 収入 22 87 - 109
支出 88 - - 88
2022年3月31日 (単位:百万円)
1年以内 1年超5年以内 5年超 合計
為替予約 収入 4,670 1,684 - 6,354
支出 19,491 847 - 20,338
通貨スワップ 収入 408 19,916 - 20,324
支出 783 3,224 - 4,007
金利スワップ 収入 564 13,772 - 14,336
支出 79 18 - 97
オプション 収入 - - - -
支出 - - - -
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(3)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定しています。
現金及び現金同等物、売上債権、短期貸付金、未収入金、短期借入金、未払金、買入債務
満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額とほぼ同額です。
有価証券及びその他の金融資産
リース債権の公正価値は、一定の期間毎に区分した債権毎に、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加
味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しています。
市場性のある有価証券の公正価値は、市場価格を用いて見積っています。市場性のない有価証券の公正価値
は、類似の有価証券の市場価格及び同一又は類似の有価証券に対する投げ売りでない市場価格、観察可能な金
利及び利回り曲線、クレジット・スプレッド又はデフォルト率を含むその他関連情報によって見積っていま
す。重要な指標が観察不能である場合、金融機関により提供された価格情報を用いて評価しています。提供さ
れた価格情報は、独自の評価モデルを用いたインカム・アプローチあるいは類似金融商品の価格との比較と
いったマーケット・アプローチにより検証しています。
長期貸付金の公正価値は、同様の貸付形態での追加貸付に係る利率を使用した将来キャッシュ・フローの現
在価値を用いて見積っています。
デリバティブ資産の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び
利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定しています。また、重要
な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機
関が提供する関連情報等を検証しています。
長期債務
長期債務の公正価値は、当該負債の市場価格、又は同様の契約条項での市場金利を使用した将来キャッ
シュ・フローの現在価値を用いて見積っています。
その他の金融負債
デリバティブ負債の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び
利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定しています。また、重要
な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機
関が提供する関連情報等を検証しています。
② 償却原価で測定する金融商品
2021年3月31日及び2022年3月31日現在において、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額及び
公正価値は下記のとおりです。なお、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の見積公正価値は、下記③に示
されるレベル2に分類しています。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
区分
帳簿価額 公正価値 帳簿価額 公正価値
資産
有価証券及びその他の金融資産
リース債権 90,044 91,483 70,227 71,648
負債性証券 55,714 55,716 55,057 55,058
長期貸付金 21,103 22,409 1,650 1,650
負債
長期債務(a)
社債 365,959 367,537 357,548 357,468
長期借入金 1,295,609 1,296,373 1,207,825 1,207,727
(a) 長期債務は、連結財政状態計算書上の償還期長期債務及び長期債務に含まれます。
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③ 公正価値で測定する金融商品
経常的に公正価値で測定する金融商品は、当該商品の測定に際し使用した指標により以下の3つのレベル(公
正価値ヒエラルキー)に分類しています。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能な指標を用いて測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でない指標を用いて測定した公正価値
なお、公正価値の測定に複数の指標を使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低
いレベルの指標に基づいてレベルを決定しています。
レベル間の振替は各四半期の期首時点で発生したものとして認識しています。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在において、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正
価値は下記のとおりです。
2021年3月31日 (単位:百万円)
区分 レベル1 レベル2 レベル3 合計
FVTPL金融資産
有価証券及びその他の金融資産
資本性証券 131 - 9,865 9,996
負債性証券 12,749 4,548 6,054 23,351
デリバティブ資産 - 34,981 87 35,068
FVTOCI金融資産
有価証券及びその他の金融資産
資本性証券 235,278 977 110,853 347,108
合計 248,158 40,506 126,859 415,523
FVTPL金融負債
その他の金融負債
デリバティブ負債 - 26,739 - 26,739
合計 - 26,739 - 26,739
2022年3月31日 (単位:百万円)
区分 レベル1 レベル2 レベル3 合計
FVTPL金融資産
有価証券及びその他の金融資産
資本性証券 1,364 - 17,591 18,955
負債性証券 9,521 4,692 5,686 19,899
デリバティブ資産 - 63,596 - 63,596
FVTOCI金融資産
有価証券及びその他の金融資産
資本性証券 282,025 2,144 106,041 390,210
合計 292,910 70,432 129,318 492,660
FVTPL金融負債
その他の金融負債
デリバティブ負債 - 47,145 - 47,145
合計 - 47,145 - 47,145
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前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3に分類される経常的に公正価値で測定する金融商品の
増減は下記のとおりです。
2021年3月31日 (単位:百万円)
レベル3金融資産 資本性証券 負債性証券 デリバティブ資産 合計
期首残高 112,885 8,617 6,147 127,649
当期利益に認識した
541 △415 1 127
利得及び損失(a)
その他の包括利益に認識した
2,534 - - 2,534
利得(b)
購入及び取得 7,689 450 - 8,139
売却及び償還 △1,985 △2,055 △6,061 △10,101
連結範囲の異動による影響 △1,115 △61 - △1,176
その他 169 △482 - △313
期末残高 120,718 6,054 87 126,859
期末に保有する金融商品に係る
493 △415 1 79
未実現の利得及び損失(d)
2022年3月31日 (単位:百万円)
レベル3金融資産 資本性証券 負債性証券 デリバティブ資産 合計
期首残高 120,718 6,054 87 126,859
当期利益に認識した
3,830 279 △87 4,022
利得及び損失(a)
その他の包括利益に認識した
△1,342 - - △1,342
損失(b)
購入及び取得 9,010 567 - 9,577
売却及び償還 △7,721 △993 - △8,714
連結範囲の異動による影響 △25 △239 - △264
レベル3からの振替(c) △1,278 - - △1,278
その他 440 18 - 458
期末残高 123,632 5,686 - 129,318
期末に保有する金融商品に係る
3,780 294 - 3,987
未実現の利得(d)
(a)当期利益に認識した利得及び損失は、FVTPL金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及
び金融費用に含まれます。
(b)その他の包括利益に認識した利得及び損失は、FVTOCI金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書
上のその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額に含まれます。
(c)レベル3からの振替は、主として投資先が取引所に上場されたことに起因するものです。
(d)各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、FVTPL金融資産に関するものであり、連結損益
計算書上の金融収益及び金融費用に含まれます。
公正価値の測定は、当社の評価方針及び手続に従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の性
質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しています。また、財務部門は公正価値の変動
に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しています。検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著し
い際は、部門管理者のレビューと承認を行っています。
④ その他
当社及び当社の子会社において、非支配持分株主に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、そ
の行使価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金
として認識しています。
当社及び当社の子会社が非支配持分株主に対して付与した子会社持分の売建プット・オプションは、行使価格
の現在価値で測定されており、2021年3月31日及び2022年3月31日現在における帳簿価額は、それぞれ、
239,218百万円及び268,851百万円であり、連結財政状態計算書上のその他の非流動負債に含まれています。
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公正価値で測定する金融商品のうち、取引関係の維持、強化を目的として保有する資本性証券については、
FVTOCI金融資産として分類しています。主な資本性証券の株式銘柄及び公正価値は下記のとおりです。
2021年3月31日 (単位:百万円)
銘柄 金額
ルネサスエレクトロニクス 74,389
Western Digital
46,187
本田技研工業 24,914
JECC 21,591
東海旅客鉄道 14,895
信越化学工業 12,285
日鉄興和不動産 8,794
東日本旅客鉄道 6,368
大連華信計算機技術 5,543
日本土地建物 5,484
2022年3月31日 (単位:百万円)
銘柄 金額
三菱HCキャピタル 95,577
ルネサスエレクトロニクス 88,770
JECC 21,591
Western Digital
18,990
東海旅客鉄道 14,369
信越化学工業 12,405
日鉄興和不動産 11,749
本田技研工業 6,974
日本土地建物 5,241
大連華信計算機技術 3,849
FVTOCI金融資産に分類される有価証券に係る受取配当金は、注22.金融収益及び費用に記載しています。
FVTOCI金融資産に分類される有価証券に係る評価損益の累計額は、連結会計年度中に認識の中止を行ったもの
に係る部分を利益剰余金に振り替えています。前連結会計年度及び当連結会計年度における税引後の振替額は純
額でそれぞれ、4,299百万円(利益)及び13,880百万円(利益)です。
これらは主として、取引関係の見直しにより売却したもの、連結範囲の異動によるものです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識を中止したFVTOCI金融資産に分類している有価証券の公正価
値及び累計利得・損失は下記のとおりです。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
認識中止時点の公正価値 13,550 80,722
認識中止時点の累計利得・損失 4,464 22,339
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(4)デリバティブとヘッジ活動
① 公正価値ヘッジ
既に認識している資産又は負債とそれに対する公正価値ヘッジに指定したデリバティブの公正価値の変動は、
発生した連結会計年度の純損益に計上しています。公正価値ヘッジとして指定したデリバティブには、営業活動
に関連する先物為替予約契約と、資金調達活動に関連する通貨スワップ契約及び金利スワップ契約等がありま
す。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替変動リスク
将来の外貨建取引の有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した先物為替予約契約の公正価値の変
動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上しています。ヘッジ対象である取引が
純損益に影響を与える時点で、その他の包括利益累計額に認識した金額を純損益に組み替えています。な
お、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の
包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資
産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めています。
金利変動リスク
長期性負債に関連したキャッシュ・フローの変動に対し指定した金利スワップ契約の公正価値の変動のう
ち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上しています。その他の包括利益累計額は、そ
の後、負債の利息が純損益に影響を与える期間にわたって支払利息に組み替えています。
当社は、ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があることを確認するために、
ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しており、ヘッジ対象の公正価値又はキャッ
シュ・フローの変動と、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動とが相殺し合うかどうかの定性的な評価
を通じてヘッジの有効性を評価しています。また、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係及びリスク管理方針に基づき
適切なヘッジ比率を設定しています。なお、当連結会計年度において、純損益に認識したヘッジ非有効部分は重要では
ありません。
2021年3月31日及び2022年3月31日現在におけるヘッジ手段の想定元本及び帳簿価額は下記のとおりです。なお、
ヘッジ手段の帳簿価額は、連結財政状態計算書において「有価証券及びその他の金融資産」及び「その他の金融負債」
又は「その他の非流動負債」に含まれています。
2021年3月31日 (単位:百万円)
想定元本 帳簿価額
ヘッジ手段
内、1年超 資産 負債
公正価値ヘッジ
為替リスク 299,371 93,418 8,625 6,926
金利リスク 47,854 41,201 276 1,063
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク 313,298 106,964 3,632 4,691
金利リスク 249,488 163,923 3,775 393
合計 910,011 405,506 16,308 13,073
2022年3月31日 (単位:百万円)
想定元本 帳簿価額
ヘッジ手段
内、1年超 資産 負債
公正価値ヘッジ
為替リスク 363,354 75,154 17,670 12,552
金利リスク 93,271 38,071 1,137 70
キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替リスク 313,575 163,392 4,538 6,990
金利リスク 179,107 159,107 13,199 10
合計 949,307 435,724 36,544 19,622
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2021年3月31日及び2022年3月31日現在において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ対象の帳簿価額は下記のとお
りです。
2021年3月31日 (単位:百万円)
帳簿価額
公正価値ヘッジの 連結財政状態計算書
ヘッジ対象 表示科目
資産 負債
売上債権及び契約資産、有価証券及びその他の金融資
為替リスク 167,779 131,592
産、短期借入金、買入債務、長期債務
金利リスク 有価証券及びその他の金融資産、長期債務 31,801 16,053
合計 199,580 147,645
2022年3月31日 (単位:百万円)
帳簿価額
公正価値ヘッジの 連結財政状態計算書
ヘッジ対象 表示科目
資産 負債
売上債権及び契約資産、有価証券及びその他の金融資
為替リスク 231,838 131,516
産、短期借入金、買入債務、長期債務
金利リスク 有価証券及びその他の金融資産、償還期長期債務 75,524 17,747
合計 307,362 149,263
前連結会計年度及び当連結会計年度において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ手段及びヘッジ対象の公正価値の
変動並びにヘッジ対象の帳簿価額に含められたヘッジ対象に係る公正価値ヘッジ調整の累計額は重要ではありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度においてその他の包括利益累計額に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジを適
用しているヘッジ手段の公正価値の増減内容は下記のとおりです。
2021年3月31日 (単位:百万円)
その他の包括利益
ヘッジ対象資産及
に認識したヘッジ 純損益への
期首残高 び負債の帳簿価額 期末残高
手段の公正価値の 振替額(a)
へ直接含めた金額
変動
価格リスク △572 - - 572 -
為替リスク 12,078 208 △15,957 1,462 △2,209
金利リスク △1,144 4,427 - 53 3,336
合計 10,362 4,635 △15,957 2,087 1,127
2022年3月31日 (単位:百万円)
その他の包括利益
ヘッジ対象資産及
に認識したヘッジ 純損益への
期首残高 び負債の帳簿価額 期末残高
手段の公正価値の 振替額(a)
へ直接含めた金額
変動
価格リスク - - - - -
為替リスク △2,209 3,679 △9,312 △97 △7,939
金利リスク 3,336 9,747 - 97 13,180
合計 1,127 13,426 △9,312 0 5,241
(a)純損益への振替額は、連結損益計算書において、為替リスクについては主に「売上収益」「金融費用」に、金利
リスクについては主に「支払利息」に含まれています。
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(5)金融資産の証券化
当社及び一部の子会社は、資金調達の多様化を図り、安定的に資金を調達することを目的として、金融資産の証券
化を実施しており、売上債権、リース債権等の金融資産を第三者である金融機関又は当該金融機関によって組成され
た事業体に譲渡しています。当社はこれらの証券化目的で組成された事業体に対する支配を有していないと判断し、
連結していません。
これらの非連結の証券化目的で組成された事業体は、第三者である金融機関が事業の一環として運営しており、コ
マーシャル・ペーパーや借入といった手段で資金調達を行っています。当該事業体の投資家は、原則として、債務者
の不履行に際して、当該事業体の保有する資産に対してのみ遡求でき、当社及び一部の子会社の他の資産に対しては
遡求できません。当該事業体は当社及び子会社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に
占める当社及び一部の子会社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャー
の評価に対する当社及び子会社の関連性は低くなっています。証券化を実施している当社及び一部の子会社による当
該事業体に対する関与の内容は、主に債権の回収代行であり、契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行って
いません。
当社及び一部の子会社による金融資産の証券化で、金融資産全体の認識が中止された譲渡に関して重要な継続的関
与はありません。また、当社及び一部の子会社による証券化のうち、劣後の権益の保有等を通じ、金融資産に関連す
る信用リスクと経済価値の実質的に全てを保持している金融資産の譲渡については、金融資産全体の認識を中止して
いませんが、その残高は重要ではありません。
注27.担保資産
長期及び短期借入金の一般的な契約条項として、銀行の要請がある場合には現在及び将来の負債に対し担保差入及び債
務保証をすること並びに銀行は返済期日において又は債務不履行が生じた場合に、債務を預金と相殺する権利を有してい
ることが規定されています。
担保付社債の受託契約及び特定の担保付あるいは無担保の借入契約により、一般的に、受託者又は貸手は、配当の支払
い及び新株式の発行を含む利益の分配に関し事前に承認を与える権利及び追加の担保又は抵当を要求する権利を有してい
ます。
当社及び一部の子会社は、主に銀行借入に対して下記のとおり、資産の一部を担保に供しています。
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
売上債権及び契約資産 4,990 7,205
棚卸資産 9,103 12,529
有価証券及びその他の金融資産 333 327
土地 1,777 1,951
建物及び構築物 50 5
機械装置及びその他の有形固定資産 59,272 62,717
合計 75,525 84,734
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注28.主要な子会社
当社の連結財務諸表には以下の子会社の財務諸表が含まれます。
(2022年3月31日現在)
議決権
報告セグメント 名 称 住 所 に対する
所有割合
%
IT ㈱日立情報通信エンジニアリング 神奈川県横浜市 100.0
IT 日立チャネルソリューションズ㈱ 東京都品川区 100.0
IT ㈱日立ソリューションズ 東京都品川区 100.0
IT ㈱日立システムズ 東京都品川区 100.0
アメリカ
GlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.
IT 100.0
カリフォルニア
アメリカ
Hitachi Computer Products (America), Inc.
IT 100.0
オクラホマ
アメリカ
Hitachi Global Digital Holdings LLC
IT 100.0
カリフォルニア
インド
Hitachi Payment Services Private Limited
IT 100.0
チェンナイ
アメリカ
Hitachi Vantara LLC
IT 100.0
カリフォルニア
エネルギー 日立GEニュークリア・エナジー㈱ 茨城県日立市 80.0
エネルギー ㈱日立プラントコンストラクション 東京都豊島区 100.0
エネルギー ㈱日立パワーデバイス 茨城県日立市 100.0
エネルギー ㈱日立パワーソリューションズ 茨城県日立市 100.0
スイス
Hitachi Energy Ltd
エネルギー 80.1
チューリッヒ
インダストリー ㈱日立産機システム 東京都千代田区 100.0
インダストリー ㈱日立インダストリアルプロダクツ 東京都千代田区 100.0
インダストリー ㈱日立産業制御ソリューションズ 茨城県日立市 100.0
インダストリー ㈱日立プラントサービス 東京都豊島区 100.0
アメリカ
Hitachi Industrial Holdings Americas, Inc.
インダストリー 100.0
イリノイ
アメリカ
JR Technology Group, LLC
インダストリー 100.0
ミシガン
アメリカ
Sullair, LLC
インダストリー 100.0
インディアナ
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(2022年3月31日現在)
議決権
報告セグメント 名 称 住 所 に対する
所有割合
%
モビリティ ㈱日立ビルシステム 東京都千代田区 100.0
中国
モビリティ 日立電梯(中国)有限公司 70.0
広州市
イギリス
Hitachi Rail Ltd.
モビリティ 100.0
ロンドン
ライフ 日立グローバルライフソリューションズ㈱ 東京都港区 100.0
ライフ ㈱日立ハイテク 東京都港区 100.0
オートモティブシステム 日立Astemo㈱ 茨城県ひたちなか市 66.6
アメリカ
Hitachi Astemo Americas, Inc.
オートモティブシステム 100.0
ケンタッキー
日立建機 日立建機㈱ 東京都台東区 51.5
日立金属 日立金属㈱ 東京都港区 53.4
その他 ㈱日立エルジーデータストレージ 東京都港区 51.0
その他 ㈱日立リアルエステートパートナーズ 東京都千代田区 100.0
アメリカ
Hitachi America, Ltd.
その他 100.0
カリフォルニア
Hitachi Asia Ltd.
その他 シンガポール 100.0
中国
その他 日立(中国)有限公司 100.0
北京市
イギリス
Hitachi Europe Ltd.
その他 100.0
ストーク ポージ
インド
Hitachi India Pvt. Ltd.
その他 100.0
ニューデリー
- その他 816社 - -
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注29.関連当事者取引
(1)関連会社及び共同支配企業との取引
関連会社及び共同支配企業に対する当社及び子会社の債権債務残高は下記のとおりです。
(単位:百万円)
関連会社 2021年3月31日 2022年3月31日
売上債権及び契約資産 82,866 42,146
買入債務 60,305 49,997
リース負債(a) 33,431 50
(単位:百万円)
共同支配企業 2021年3月31日 2022年3月31日
売上債権及び契約資産 26,089 35,160
長期貸付金(b) 14,765 -
(a)償還期長期債務及び長期債務に含まれています。
(b)有価証券及びその他の金融資産に含まれています。
関連会社及び共同支配企業に対する当社及び子会社の取引高は下記のとおりです。
(単位:百万円)
関連会社 2021年3月31日 2022年3月31日
売上収益 346,630 232,811
仕入高 276,551 267,364
(単位:百万円)
共同支配企業 2021年3月31日 2022年3月31日
売上収益 49,911 56,969
仕入高 9,482 9,035
(2)当社の役員の報酬等の額
(単位:百万円)
2021年3月31日 2022年3月31日
基本報酬、期末手当及び業績連動報酬 3,481 3,221
中長期インセンティブ報酬
871 1,195
(株式報酬型ストックオプション等)
合計 4,353 4,417
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注30.コミットメント及び偶発事象
(1)貸出コミットメント
① 持分法適用会社等に対する貸出コミットメント
2022年3月31日現在、当社は、持分法適用会社等に対する貸出コミットメントを行っています。当該業務等に
おける貸出コミットメントに係る貸出未実行残高は、下記のとおりです。
(単位:百万円)
2022年3月31日
貸出コミットメントの総額 130
貸出実行残高 -
差引額 130
なお、上記貸出コミットメント契約においては、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているも
のが含まれているため、必ずしも全額が貸出実行されるものではありません。
② 金融機関と締結したコミットメント
当社及び一部の子会社は、事業活動の効率的な資金調達を行うため金融機関との間で貸出コミットメント契約
を締結しています。2022年3月31日現在における貸出コミットメントに係る借入未実行残高は631,960百万円で
あり、その大部分は当社の借入未実行残高です。当社は、複数の銀行とコミットメントライン契約を結んでお
り、対価として手数料を支払っています。契約期間は通常1年単位で、期間終了時には契約を更新しています。
2022年3月31日現在のこれらの契約に関する借入未実行残高は336,717百万円です。その他に当社は、契約期間
が3年で2022年7月を期限としたコミットメントライン契約を複数の金融機関と結んでおり、2022年3月31日現
在の本契約に関する借入未実行残高は、200,000百万円です。
(2)資産の取得契約
2022年3月31日現在の有形固定資産購入契約残高は、77,812百万円です。
(3)債務保証契約
当社及び一部の子会社は、関連会社、共同支配企業及び第三者に関する債務保証を行っています。2022年3月31日現
在の債務保証残高は73,862百万円です。この内、関連会社に対する保証は59,185百万円、共同支配企業に対する保証は
1,764百万円、第三者に対する保証は12,913百万円です。
(4)訴訟等
2017年11月に、日本の子会社は、一次下請けとして請け負ったマンション(以下、本件マンション)の杭工事において
一部不具合が懸念されることにより生じた費用等につき、日本の発注者から、本件マンション施工会社、日本の子会社
及び杭工事二次下請施工会社の3社に対し、損害賠償として約459億円を支払うよう求める訴訟の提起を受け、2018年
7月に請求額を約510億円に変更する旨の申立てを受けました。
これに関連して、2018年4月に、本件マンション施工会社から、日本の子会社及び杭工事二次下請施工会社に対し、
上記訴訟において損害賠償責任を負担した場合に被る損害につき、損害賠償として約496億円を支払うよう求める訴訟
の提起を受け、2018年7月に請求額を約548億円に変更する旨の申立てを受けました。日本の子会社は、これらの請求
に対し見解を主張していく方針ですが、一切の支払義務を負わないとの確証はありません。
2017年12月に、欧州の子会社は、欧州の顧客から、発電プラントの性能不良による逸失利益等として263百万ユーロ
(35,958百万円)及びこれに対する利息の支払いを請求する旨の訴状を受領しました。また、2022年3月31日現在、損
害賠償等請求額は270百万ユーロ(36,914百万円)に変更となっています。欧州の子会社は、この訴えに対して争う方
針ですが、請求額について一切の支払義務を負わないとの確証はありません。
当社及び子会社が実施する事業再編等において、事業再編後に契約条件に基づき価格が調整されるプロセスが含まれ
る場合があります。また、当社及び子会社が提供した製品及びサービスに関し欠陥や瑕疵等が発生する場合がありま
す。これらの事業再編における価格調整並びに、製品及びサービスに関する補償等の結果、支払が生じる可能性があり
ます。
上記の訴訟等の結果によっては、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点においてその影
響額は未確定であり、罰金、課徴金又は訴訟等に基づく支払額は引当計上した金額と異なる可能性があります。
上記の他、当社及び子会社に対し、訴訟を起こされています。当社の経営者は、これらの訴訟から債務の発生がある
としても連結財務諸表に重要な影響を与えるものではないと考えています。
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注31.後発事象
(1)重要な自己株式の取得
当社は、2022年4月28日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定
に基づき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。
① 取得の理由
当社は、中長期的な企業価値の向上と継続的な配当の実施を通じて、株主へ利益を還元していくことを重要な
経営課題と位置づけています。この度、当社の財務状況及び株価の状況、事業ポートフォリオ見直しの進捗等に
鑑み、株主への利益還元の拡充のため、自己株式の取得を実施することを決定しました。
② 取得に係る事項の内容
(ⅰ)取得対象株式の種類
普通株式
(ⅱ)取得する株式の総数
5,000万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合5.17%)
(ⅲ)株式の取得価額の総額
2,000億円(上限)
(ⅳ)取得期間
2022年5月2日~2023年3月31日
(ⅴ)取得方法
東京証券取引所における市場買付を予定
注32.連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2022年6月22日に執行役社長兼CEO小島啓二により承認されています。
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(2)【その他】
① 当連結会計年度における四半期情報等
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第153期
連結累計期間 連結累計期間 連結累計期間
(自2021年4月1日 (自2021年4月1日 (自2021年4月1日 (自2021年4月1日
至2021年6月30日) 至2021年9月30日) 至2021年12月31日) 至2022年3月31日)
売上収益(百万円) 2,367,437 4,832,665 7,346,665 10,264,602
継続事業税引前
四半期(当期)利益 166,855 420,107 593,256 839,333
(百万円)
親会社株主に帰属する
四半期(当期)利益 122,231 322,444 450,785 583,470
(百万円)
1株当たり親会社株主
に帰属する四半期 126.49 333.67 466.47 603.75
(当期)利益(円)
第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
連結会計期間 連結会計期間 連結会計期間 連結会計期間
(自2021年4月1日 (自2021年7月1日 (自2021年10月1日 (自2022年1月1日
至2021年6月30日) 至2021年9月30日) 至2021年12月31日) 至2022年3月31日)
1株当たり親会社株主
に帰属する四半期利益 126.49 207.17 132.80 137.28
(円)
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2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
(単位:百万円)
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
資産の部
流動資産
149,933 62,225
現金及び預金
3,923
受取手形 -
※1 623,879
売掛金 -
※1 639,422
売上債権及び契約資産 -
※1 ,※3 113,377 ※1 ,※3 114,002
短期貸付金
33,602 30,305
商品及び製品
147,165 64,279
仕掛品
20,346 27,520
原材料及び貯蔵品
34,105 31,752
前渡金
※1 114,054 ※1 181,494
その他
△ 11,371 △ 11,634
貸倒引当金
1,229,016 1,139,368
流動資産合計
固定資産
有形固定資産
112,722 105,265
建物
6,351 6,018
構築物
7,957 7,522
機械及び装置
154 127
車両運搬具
42,018 41,966
工具、器具及び備品
36,235 23,815
土地
7,426 14,339
リース資産
3,812 3,138
建設仮勘定
216,678 202,192
有形固定資産合計
無形固定資産
57 49
特許権
86,318 90,855
ソフトウエア
293 68
施設利用権
75 75
リース資産
6,157 5,729
その他
92,901 96,778
無形固定資産合計
投資その他の資産
※2 206,755 ※2 284,485
投資有価証券
※2 2,707,316 ※2 3,610,468
関係会社株式
3,457 9,058
その他の関係会社有価証券
33,308 33,267
関係会社出資金
※1 ,※2 ,※3 392,080 ※1 ,※2 ,※3 347,176
長期貸付金
64,621 40,637
繰延税金資産
※1 36,700 ※1 52,414
その他
△ 227 △ 228
貸倒引当金
3,444,013 4,377,279
投資その他の資産合計
3,753,592 4,676,251
固定資産合計
4,982,609 5,815,620
資産合計
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(単位:百万円)
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
負債の部
流動負債
※1 15,566 ※1 10,292
電子記録債務
※1 275,216 ※1 276,483
買掛金
※1 ,※3 210,340 ※1 ,※3 682,328
短期借入金
90,000
1年内償還予定の社債 -
※1 1,773 ※1 3,723
リース債務
※1 67,770 ※1 20,106
未払金
※1 178,682 ※1 173,829
未払費用
199,509
前受金 -
112,025
契約負債 -
※1 579,149 ※1 688,256
預り金
492 460
製品保証引当金
47,456 43,708
工事損失引当金
3,956 4,963
その他
1,579,915 2,106,178
流動負債合計
固定負債
250,000 160,000
社債
※3 683,408 ※3 666,732
長期借入金
※1 6,185 ※1 13,192
リース債務
1
再評価に係る繰延税金負債 -
70,389 74,003
退職給付引当金
111
役員退職慰労引当金 -
129,884 131,785
関係会社事業損失引当金
11,649 12,118
資産除去債務
※1 7,322 ※1 7,875
その他
1,158,951 1,065,707
固定負債合計
2,738,866 3,171,886
負債合計
純資産の部
株主資本
460,790 461,731
資本金
資本剰余金
178,756 179,697
資本準備金
272,823 272,775
その他資本剰余金
451,579 452,473
資本剰余金合計
利益剰余金
その他利益剰余金
1,133 1,026
固定資産圧縮積立金
1,237,855 1,642,808
繰越利益剰余金
1,238,988 1,643,835
利益剰余金合計
自己株式 △ 3,492 △ 3,002
2,147,865 2,555,037
株主資本合計
評価・換算差額等
90,885 76,502
その他有価証券評価差額金
2,843 10,725
繰延ヘッジ損益
2
-
土地再評価差額金
93,732 87,227
評価・換算差額等合計
2,144 1,468
新株予約権
2,243,742 2,643,733
純資産合計
4,982,609 5,815,620
負債純資産合計
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②【損益計算書】
(単位:百万円)
第152期 第153期
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
※1 1,678,223 ※1 1,623,424
売上収益
※1 1,252,642 ※1 1,155,026
売上原価
425,580 468,398
売上総利益
※2 386,495 ※2 354,447
販売費及び一般管理費
39,085 113,950
営業利益
営業外収益
※1 290,349 ※1 275,339
受取利息及び受取配当金
※1 12,679 ※1 9,746
その他
303,028 285,085
営業外収益合計
営業外費用
※1 5,460 ※1 6,034
支払利息
※1 31,191 ※1 27,952
その他
36,652 33,987
営業外費用合計
305,461 365,049
経常利益
特別利益
※3 121,833
有価証券評価益 -
1,096 17,138
投資有価証券売却益
45 7,604
不動産売却益
179 10
関係会社出資金売却益
※1 603,305
関係会社株式売却益 -
※4 33,398
-
受取補償金
638,025 146,586
特別利益合計
特別損失
12,980 12,554
関係会社株式評価損
8,688 4,552
減損損失
1,372 2,282
投資有価証券評価損
3,499
-
関係会社出資金評価損
26,540 19,390
特別損失合計
916,946 492,246
税引前当期純利益
法人税、住民税及び事業税 59,088
△ 50,629
152,346 26,760
法人税等調整額
211,434
法人税等合計 △ 23,869
705,511 516,115
当期純利益
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③【株主資本等変動計算書】
第152期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本
資本金 自己株式
その他 資本剰余金 利益剰余金 合計
資本準備金
資本剰余金 合計 固定資産 繰越利益 合計
圧縮積立金 剰余金
当期首残高 459,862 177,828 272,917 450,746 1,246 628,885 630,131 △ 3,809 1,536,931
当期変動額
新株の発行 928 928 928 1,856
固定資産圧縮積立金の取崩
△ 113 113 - -
剰余金の配当 △ 96,653 △ 96,653 △ 96,653
当期純利益 705,511 705,511 705,511
自己株式の取得 △ 159 △ 159
自己株式の処分
△ 94 △ 94 475 380
株主資本以外の項目の
当期変動額 (純額)
当期変動額合計 928 928 △ 94 833 △ 113 608,970 608,857 316 610,933
当期末残高
460,790 178,756 272,823 451,579 1,133 1,237,855 1,238,988 △ 3,492 2,147,865
評価・換算差額等
その他 新株予約権 純資産合計
繰延ヘッジ 土地再評価 評価・換算
有価証券
損益 差額金 差額等合計
評価差額金
当期首残高 29,763 10,291 △ 133 39,921 2,204 1,579,058
当期変動額
新株の発行
1,856
固定資産圧縮積立金の取崩 -
剰余金の配当 △ 96,653
当期純利益
705,511
自己株式の取得 △ 159
自己株式の処分 380
株主資本以外の項目の
61,122 △ 7,447 135 53,810 △ 59 53,750
当期変動額 (純額)
当期変動額合計
61,122 △ 7,447 135 53,810 △ 59 664,684
当期末残高 90,885 2,843 2 93,732 2,144 2,243,742
162/188
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第153期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本
資本剰余金 利益剰余金
その他利益剰余金
株主資本
資本金 自己株式
その他 資本剰余金 利益剰余金 合計
資本準備金
資本剰余金 合計 固定資産 繰越利益 合計
圧縮積立金 剰余金
当期首残高 460,790 178,756 272,823 451,579 1,133 1,237,855 1,238,988 △ 3,492 2,147,865
会計方針の変更による
△ 58 △ 58 △ 58
累積的影響額
会計方針の変更を反映した
460,790 178,756 272,823 451,579 1,133 1,237,797 1,238,930 △ 3,492 2,147,807
当期首残高
当期変動額
新株の発行 941 941 941 1,882
固定資産圧縮積立金の取崩 △ 106 106 - -
剰余金の配当 △ 111,210 △ 111,210 △ 111,210
当期純利益
516,115 516,115 516,115
自己株式の取得 △ 252 △ 252
自己株式の処分 △ 47 △ 47 742 694
株主資本以外の項目の
当期変動額 (純額)
当期変動額合計 941 941 △ 47 893 △ 106 405,011 404,904 490 407,229
当期末残高 461,731 179,697 272,775 452,473 1,026 1,642,808 1,643,835 △ 3,002 2,555,037
評価・換算差額等
その他 新株予約権 純資産合計
繰延ヘッジ 土地再評価 評価・換算
有価証券
損益 差額金 差額等合計
評価差額金
当期首残高
90,885 2,843 2 93,732 2,144 2,243,742
会計方針の変更による
△ 58
累積的影響額
会計方針の変更を反映した
90,885 2,843 2 93,732 2,144 2,243,684
当期首残高
当期変動額
新株の発行 1,882
固定資産圧縮積立金の取崩 -
剰余金の配当
△ 111,210
当期純利益 516,115
自己株式の取得 △ 252
自己株式の処分 694
株主資本以外の項目の
△ 14,383 7,881 △ 2 △ 6,504 △ 675 △ 7,180
当期変動額 (純額)
当期変動額合計 △ 14,383 7,881 △ 2 △ 6,504 △ 675 400,049
当期末残高 76,502 10,725 - 87,227 1,468 2,643,733
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【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価方法及び評価基準
子会社株式及び関連会社株式
……移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
……時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
……移動平均法による原価法
2.デリバティブの評価方法及び評価基準
……時価法
3.棚卸資産の評価方法及び評価基準
下記の評価方法に基づく原価法(貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によって
います。
個別生産品 見込生産品
商品及び製品 個別法 移動平均法
仕掛品 個別法 個別法または移動平均法
原材料及び貯蔵品 移動平均法 移動平均法
4.有形固定資産の減価償却の方法(リース資産を除く)
減価償却の方法は、定額法を適用しています。
なお、主な耐用年数は次のとおりです。
建物 3~50年
構築物 7~60年
機械及び装置 4~17年
車両運搬具 4~11年
工具、器具及び備品 2~15年
5.無形固定資産の減価償却の方法(リース資産を除く)
減価償却の方法は、市場販売目的ソフトウエアについては見込販売収益に基づく償却方法、自社利用ソフトウエア
及びその他の無形固定資産については見込利用可能期間に基づく定額法により償却しています。なお、市場販売目的
ソフトウエアの見込有効期間は主として2~9年であり、自社利用ソフトウエアの見込利用可能期間は主として3~
10年です。
6.リース資産の減価償却の方法
減価償却の方法は、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産について、リース期間を耐用年数と
し、残存価額を零とする定額法を適用しています。
なお、所有権移転外ファイナンス・リース取引のうち、2008年3月31日以前に開始したリース取引については、通
常の賃貸借取引に準じた会計処理によっています。
7.引当金の計上基準
貸倒引当金
……一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、
回収不能見込額を計上しています。
製品保証引当金
……製品のアフターサービスの費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見込額を、過去の実績を基礎
として計上しています。
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工事損失引当金
……工事契約及び受注制作のソフトウエアに係る損失に備えるため、翌事業年度以降の損失見込額を計上してい
ます。
退職給付引当金
……従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事
業年度末において発生していると認められる額を計上しています。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給
付算定式基準によっています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間により定額償却しています。
数理計算上の差異は、主にその発生時の従業員の平均残存勤務期間により、翌事業年度から定額償却してい
ます。
役員退職慰労引当金
……役員及び理事等の退職慰労金の支出に備えるため、内規に基づく事業年度末要支給額を計上しています。
なお、2007年12月18日及び2008年3月26日開催の報酬委員会において、退職慰労金制度を廃止し、制度適用
期間に対応する退職慰労金については、役員及び理事等の退任が決定した後、報酬委員会の決議を経て退任
時に支給することを決定しました。
関係会社事業損失引当金
……関係会社の事業に係る損失に備えるため、関係会社に対する出資金額及び貸付金額に係る損失負担見込額を
超えて当社が負担することが見込まれる額を計上しています。
8.収益及び費用の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社は、主にシステムインテグレーション、クラウドサービス、制御システム、ソフトウエア、ITプロダクツ、産
業・流通システム、エネルギーソリューション及び鉄道システム等の販売を行っています。長期請負契約及びサービ
ス等の提供は、一定の期間に亘り支配の移転が行われると考えられるため、一定期間に亘って収益を認識していま
す。その他の製品等の販売については、顧客に引き渡された時点で支配が移転すると考えられるため、顧客に引き渡
された時点で収益を認識しています。
また、顧客の要望に合わせて多様な取引を行っており、製品、サービス等の複数の要素を組み合わせて顧客に提供
する取引が含まれています。製品及びサービス等を提供するにあたり、複数の契約を締結している場合、各契約にお
ける対価の相互依存性や各契約の締結時期等を評価し、関連する契約を結合したうえで、取引価格を独立販売価格の
比率でそれぞれの履行義務に配分し、収益を認識しています。
独立販売価格は、市場の状況、競合する製品等の市場売価、製品原価や顧客の状況等の様々な要因を考慮して見積
もられています。
取引価格の算定においては、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対
価の金額で測定しています。値引き等の変動対価は、その発生の不確実性がその後に解消される際に、認識した収益
の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ取引価格に含めています。なお、約束した対価の
金額に重大な金融要素は含まれていません。
一定の期間に亘り製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサー
ビス等の性質を考慮し、履行義務の充足に向けての進捗度を発生原価又はサービス提供期間に基づき測定し収益を認
識しています。なお、当該進捗度を合理的に測定することができない場合は、発生したコストの範囲で収益を認識し
ています。
長期請負契約等に基づく収益認識において、見積原価総額、見積収益総額、契約に係るリスクやその他の要因につ
いて重要な仮定を行う必要があります。これらの見積りは将来の不確実な経済条件の変動の影響を受けるほか、当社
のコントロールの及ばない様々な理由によって変動する場合があります。当社は、これらの見積りを継続的に見直
し、会計処理に反映しています。
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9.退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表に
おけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
10.ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ会計を適用しています。
11.連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用
当社は、翌事業年度から、連結納税制度からグループ通算制度へ移行することとなります。ただし、「所得税法等
の一部を改正する法律」(令和2年法律第8号)において創設されたグループ通算制度への移行及びグループ通算制度
への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目については、「連結納税制度からグループ通算制度への移
行に係る税効果会計の適用に関する取扱い」(実務対応報告第39号 2020年3月31日)第3項の取扱いにより、「税効
果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2018年2月16日)第44項の定めを適用せず、繰延
税金資産及び繰延税金負債の額について、改正前の税法の規定に基づいています。
なお、翌事業年度の期首から、グループ通算制度を適用する場合における法人税及び地方法人税並びに税効果会計
の会計処理及び開示の取扱いを定めた「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実
務対応報告第42号 2021年8月12日)を適用する予定です。
(重要な会計上の見積り)
1.関係会社株式及び関係会社出資金の評価
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
市場価格のない関係会社株式及び関係会社出資金の事業年度末残高
前事業年度 2,612,026百万円
当事業年度 3,526,475百万円
(2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
市場価格のない関係会社株式は、株式の実質価額と取得価額を比較し、株式の実質価額が著しく下落している
場合、当該会社の事業計画に基づく業績を踏まえ回復可能性を評価しています。一部の関係会社株式は、実質価
額に当該会社の買収時の企業価値測定において算出された超過収益力等を踏まえて評価しています。超過収益力
等の毀損の有無は、将来の事業計画の達成可能性に影響を受けます。
事業計画は、売上収益成長率、売上総利益率等に基づいて見積っています。また、部材価格の高騰、半導体不
足の影響などによる一部の事業における損益悪化を一定程度織り込んでいますが、今後の情勢変化に伴う、マー
ケットに係るリスク、経営環境に係るリスク等により、実際の結果が大きく異なることがあります。
事業計画の主要な仮定に重要な変動があった場合には、実質価額が取得価額を下回る可能性があります。
なお、注記事項「有価証券関係」に記載しているHitachi America, Ltd.株式及びHitachi Energy Ltd株式
は、当該会社の純資産額に超過収益力等を反映して評価しています。
2.固定資産の減損
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
有形固定資産の事業年度末残高
前事業年度 216,678百万円
当事業年度 202,192百万円
無形固定資産の事業年度末残高(市場販売目的のソフトウエア除く)
前事業年度 68,673百万円
当事業年度 71,698百万円
(2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
連結財務諸表注記「注3.主要な会計方針の概要(10)非金融資産の減損」に同一の内容を記載しているため、
注記を省略しています。
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3.関係会社事業損失引当金
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
関係会社事業損失引当金の事業年度末残高
前事業年度 129,884百万円
当事業年度 131,785百万円
(2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
注記事項「(重要な会計方針)7.引当金の計上基準」に同一の内容を記載しているため、注記を省略していま
す。
4.退職給付引当金
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
退職給付引当金の事業年度末残高
前事業年度 70,389百万円
当事業年度 74,003百万円
(2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
注記事項「(重要な会計方針)7.引当金の計上基準」及び連結財務諸表注記「注3.主要な会計方針の概要
(11)退職後給付」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
5.工事損失引当金
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
工事損失引当金の事業年度末残高
前事業年度 47,456百万円
当事業年度 43,708百万円
(2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
注記事項「(重要な会計方針)7.引当金の計上基準」及び連結財務諸表注記「注20.売上収益(2)履行義務の
充足に関する情報」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
6.繰延税金資産の回収可能性
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の事業年度末残高
前事業年度 64,621百万円
当事業年度 40,637百万円
(2)財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
連結財務諸表注記「注3.主要な会計方針の概要(15)法人所得税費用」に同一の内容を記載しているため、注
記を省略しています。
(会計方針の変更に関する注記)
1.時価の算定に関する会計基準等の適用
「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下、「時価算定会計基準」という。)
等を当事業年度から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019
年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来に
亘って適用することとしています。なお、当事業年度において、当該会計方針の変更による影響はありません。
2.収益認識に関する会計基準等の適用
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等
を当事業年度から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受
け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしています。また、同基準を当事業年度から適用したことを契機
に、「売掛金」及び「受取手形」を「売上債権及び契約資産」に、「前受金」を「契約負債」に、「売上高」を「売
上収益」にそれぞれ変更しています。
収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従ってお
り、当事業年度の期首より前に新たな会計基準を遡及修正した場合の累積的影響額を、当事業年度の期首の繰越利益
剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しています。当該会計方針の変更による影響は軽微です。
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(貸借対照表関係)
1.※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
短期金銭債権 360,850 百万円 361,246 百万円
長期金銭債権 404,336 百万円 358,236 百万円
短期金銭債務 816,460 百万円 781,184 百万円
長期金銭債務 2,883 百万円 6,159 百万円
※2 担保に供している資産
担保に供している資産は次のとおりであり、関係会社または出資先の借入金に係るものです。
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
投資有価証券 8 百万円 8 百万円
関係会社株式 46 百万円 46 百万円
長期貸付金 51 百万円 44 百万円
合計 105 百万円 98 百万円
※3 貸出コミットメント
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
関係会社に対する
130 百万円 130 百万円
貸出コミットメントの総額
貸出実行残高 - 百万円 - 百万円
差引額 130 百万円 130 百万円
取引先15行(第152期は14行)からの
500,000 百万円 536,717 百万円
貸出コミットメントの総額
借入実行残高 - 百万円 - 百万円
差引額 500,000 百万円 536,717 百万円
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2.保証債務
子会社の受注契約に係る金融機関からの金銭的保証や子会社の金融機関からの借入等に対して、次のとおり保証を
行っています。
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
Hitachi ABB Power Grids Ltd (注1) Hitachi Energy Ltd (注1)
309,244 百万円 327,470 百万円
Hitachi Rail STS S.p.A. Hitachi Rail STS S.p.A. (注2)
148,667 百万円 209,191 百万円
Hitachi Rail S.p.A. (注2) Hitachi America Capital, Ltd.
133,615 百万円 85,673 百万円
Hitachi America Capital, Ltd. Hitachi International Treasury Ltd.
55,355 百万円 17,746 百万円
Hitachi International(Holland)B.V. Hitachi Rail Ltd.
32,450 百万円 11,376 百万円
Hitachi International Treasury Ltd. Hitachi Energy Switzerland Ltd(注3)
16,052 百万円 5,156 百万円
ABB Power Grids Switzerland AG(注3) Hitachi Energy Canada Inc. (注4)
3,339 百万円 4,087 百万円
川崎重工業㈱ 1,600 百万円 川崎車両㈱ 1,600 百万円
ABB Power Grids Canada Inc. (注4) Hitachi Energy d.o.o.
1,583 百万円 1,184 百万円
その他 1,236 百万円 その他 248 百万円
合計 703,145 百万円 合計 663,733 百万円
なお、上記以外に、下記海外関係会社との間で、主に資金調達に対する信用補完を目的として、当該関係会社の財政
状態の健全性維持等を約束する合意書を締結しています。
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
Hitachi America Capital, Ltd. Hitachi America Capital, Ltd.
Hitachi International(Holland)B.V. Hitachi International(Holland)B.V.
Hitachi International Treasury Ltd. Hitachi International Treasury Ltd.
日立 (中国) 財務有限公司 日立 (中国) 財務有限公司
Hitachi Power Europe GmbH Hitachi Power Europe GmbH
(注)1.Hitachi ABB Power Grids Ltdは、2021年6月30日にHitachi Energy Ltdへ商号を変更しています。
2.Hitachi Rail S.p.A.は2021年4月29日にHitachi Rail STS S.p.A.に吸収合併されています。
3.ABB Power Grids Switzerland AGは、2021年10月1日にHitachi Energy Switzerland Ltdへ商号を変更してい
ます。
4.ABB Power Grids Canada Inc.は、2021年11月1日にHitachi Energy Canada Inc.へ商号を変更しています。
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(損益計算書関係)
※1 関係会社に対する事項
第152期 第153期
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
1.関係会社に対する売上収益 426,234 百万円 355,267 百万円
2.関係会社からの仕入高 819,383 百万円 781,599 百万円
3.関係会社との営業取引以外の
取引高 59,931 百万円 10,199 百万円
※2 販売費及び一般管理費
第152期 第153期
(自 2020年4月1日 (自 2021年4月1日
至 2021年3月31日) 至 2022年3月31日)
1.給料諸手当 87,318 百万円 82,278 百万円
2.退職給付費用 12,925 百万円 10,728 百万円
3.減価償却費 5,616 百万円 5,605 百万円
4.外注経費 62,579 百万円 65,781 百万円
5.研究開発費 73,661 百万円 65,434 百万円
(第152期)(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
このうち販売費に属する費用の割合は約6割です。
(第153期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
このうち販売費に属する費用の割合は約6割です。
※3 有価証券評価益
(第153期)(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
有価証券評価益121,833百万円は、2021年4月1日付で、三菱UFJリース㈱(三菱UFJリース)を吸収合併存続会
社、日立キャピタル㈱(日立キャピタル)を吸収合併消滅会社とする吸収合併が行われ、当社が保有していた日立
キャピタルの普通株式1株に対し、三菱UFJリースの普通株式5.10株が割当て交付されたことに伴い、保有する持
分を当該取得時の時価で再評価したことによるものです。なお、三菱UFJリースは2021年4月1日付で、商号を三
菱HCキャピタル㈱に変更しています。
※4 受取補償金
(第152期)(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
受取補償金33,398百万円は、当社と本田技研工業㈱の間で2019年10月30日に締結された子会社経営統合に関する
基本合意書に基づき、本田技研工業㈱より受け取った補償金です。
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(有価証券関係)
(第152期)(2021年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
貸借対照表計上額 時価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
① 子会社株式 115,868 803,472 687,604
② 関連会社株式 12,731 251,367 238,636
合計 128,599 1,054,840 926,240
(注)時価を把握することが極めて困難と認められる子会社株式及び関連会社株式
区分 貸借対照表計上額(百万円)
子会社株式 2,566,617
関連会社株式 12,099
これらについては、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、上記「子会社株式及
び関連会社株式」には含めていません。
子会社株式に含まれる主要な株式及び貸借対照表計上額は、次のとおりです。
Hitachi ABB Power Grids Ltd :730,363百万円
なお、Hitachi ABB Power Grids Ltdは、2021年6月30日にHitachi Energy Ltdへ商号を変更しています。
(第153期)(2022年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
貸借対照表計上額 時価 差額
区分
(百万円) (百万円) (百万円)
① 子会社株式 115,868 815,180 699,311
② 関連会社株式 1,392 224,929 223,536
合計 117,260 1,040,109 922,848
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等
区分 貸借対照表計上額(百万円)
子会社株式 3,481,118
関連会社株式 12,089
子会社株式に含まれる主要な株式及び貸借対照表計上額は、次のとおりです。
Hitachi America, Ltd. : 1,360,628百万円
Hitachi Energy Ltd : 720,684百万円
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(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
繰延税金資産
株式・出資金評価減 312,330 百万円 243,288 百万円
事業損失引当金 39,666 百万円 40,247 百万円
繰越欠損金 12,307 百万円 25,964 百万円
退職給付引当金 22,686 百万円 23,250 百万円
未払賞与 15,935 百万円 15,905 百万円
工事損失引当金 14,493 百万円 13,174 百万円
投資簿価修正 10,022 百万円 10,043 百万円
減損損失 13,533 百万円 8,641 百万円
減価償却超過額 5,731 百万円 5,474 百万円
工事損失引当金(棚卸資産と相殺した金額) 31,349 百万円 1,737 百万円
58,601 百万円 55,513 百万円
その他
繰延税金資産 小計
536,658 百万円 443,240 百万円
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額 △8,970 百万円 △17,554 百万円
△428,762 百万円 △323,132 百万円
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額
評価性引当額 小計 △437,732 百万円 △340,686 百万円
繰延税金資産 合計
98,926 百万円 102,554 百万円
繰延税金負債
有価証券評価益 - 百万円 △31,313 百万円
その他有価証券評価差額金 △26,549 百万円 △20,308 百万円
繰延ヘッジ損益 △1,250 百万円 △4,715 百万円
退職給付信託 △1,217 百万円 △678 百万円
土地再評価差額金 △1 百万円 - 百万円
△5,287 百万円 △4,900 百万円
その他
繰延税金負債 合計
△34,306 百万円 △61,916 百万円
64,619 百万円 40,637 百万円
繰延税金資産(負債)の純額
うち「投資その他の資産」計上額
64,621 百万円 40,637 百万円
うち「固定負債」計上額 △1 百万円 - 百万円
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率の差異の内訳
第152期 第153期
(2021年3月31日) (2022年3月31日)
法定実効税率 30.5% 30.5%
(調整)
永久に損金に算入されない項目 0.2% 0.5%
永久に益金に算入されない項目 △9.6% △16.2%
評価性引当額 3.2% △19.7%
住民税均等割 0.0% 0.0%
税額控除 △0.7% △0.9%
外国税額 0.4% 1.2%
△0.9% △0.2%
その他
23.1% △4.8%
税効果会計適用後の法人税等の負担率
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(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報は、注記事項「(重要な会計方針)8.収益及び費用の計上基準」及び連結財務
諸表注記「注20.売上収益」に同一の内容を記載しています。
また、収益の分解情報並びに当事業年度及び翌事業年度以降の収益の金額を理解するための情報は、連結財務諸表注
記「注20.売上収益」において開示しているため、注記を省略しています。なお、当事業年度に認識された収益のう
ち、長期請負契約等から生じた費用の発生態様に応じて認識された収益の額は、435,101百万円です。
(重要な後発事象)
1.重要な自己株式の取得
当社は、2022年4月28日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第459条第1項及び当社定款第32条の規定
に基づき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。
(1)取得の理由
当社は、中長期的な企業価値の向上と継続的な配当の実施を通じて、株主へ利益を還元していくことを重要な経営
課題と位置づけています。この度、当社の財務状況及び株価の状況、事業ポートフォリオ見直しの進捗等に鑑み、株
主への利益還元の拡充のため、自己株式の取得を実施することを決定しました。
(2)取得に係る事項の内容
①取得対象株式の種類
普通株式
②取得する株式の総数
5,000万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合5.17%)
③株式の取得価額の総額
2,000億円(上限)
④取得期間
2022年5月2日~2023年3月31日
⑤取得方法
東京証券取引所における市場買付を予定
2.重要な株式の譲渡
当社は、Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.が間接的に保有・運営するHTSK Investment L.P.が発行済株式の全て
を所有しているHTSKホールディングス株式会社(公開買付者親会社)の完全子会社であるHTSK株式会社(公開買付者)との
間で、当社の関連会社である日立物流㈱(日立物流)の普通株式(日立物流株式)に対して、以下の3点等に関する基本契
約(基本契約に定めた一連の取引を本取引とする)を、2022年4月28日に締結しました。
①公開買付者により、日立物流株式に対して実施される公開買付け(本公開買付け)の際に、当社は、当社が保有する日
立物流株式の全て(当社売却予定株式)について本公開買付けに応募しないこと。
②日立物流が実施する自己株式取得に応じて当社売却予定株式を売却すること。
③当社は総額100億円の公開買付者親会社の議決権付き株式を取得(議決権比率10%)すること。
売却の対価は、約2,220億円を予定しています。本取引において、当社売却予定株式の売却が行われた場合、当社は
2022年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の損益計算書において、関係会社株式売却益約2,100億円を特別利益
に計上する予定です。
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(追加情報)
1.重要な株式の取得
当社は、「Lumada」のデジタルポートフォリオ強化を目的として、2021年3月31日にデジタルエンジニアリング
サービスのリーディングカンパニーであるGlobalLogic Inc.(GlobalLogic社)の買収を決定し、当社の米国子会社
Hitachi Global Digital Holdings LLC(HGDH社)及びHGDH社が本買収のために設立した子会社であるMergeCo H
Global Inc.(SPC社)並びにGlobalLogic社の親会社であるGlobalLogic Worldwide Holdings, Inc.(GlobalLogic
Worldwide Holdings社)との間で買収に関する契約を締結しました。2021年7月13日、本契約に基づくGlobalLogic
Worldwide Holdings社を存続会社としたSPC社の吸収合併を含む一連の手続の結果、HGDH社はGlobalLogic Worldwide
Holdings社の発行済株式の100%を取得し、GlobalLogic Worldwide Holdings社及びGlobalLogic社は当社の完全子会
社となりました。
GlobalLogic社の取得の対価は922,250百万円です。なお、HGDH社は2022年4月1日付でHitachi Digital LLCに商
号変更しています。
2.子会社株式の譲渡
当社は、Bain Capital Private Equity, LP及びそのグループが投資助言を行う投資ファンドが持分の全てを間接
的に所有する合同会社BCJ-51の完全子会社である㈱BCJ-52(公開買付者)との間で、当社の子会社である日立金属㈱
(日立金属)の普通株式に対して、以下の4点に関する公開買付不応募契約(本不応募契約とし、一連の取引を本取引
とする)を、2021年4月28日に締結しました。
①公開買付者は、本不応募契約に定める前提条件が充足された場合、日立金属の普通株式に対して公開買付け(本公
開買付け)を実施し、当社は、当社が保有する日立金属株式の全て(当社売却予定株式)について本公開買付けに応
募しないこと。
②本公開買付けが成立し、公開買付者が本公開買付けにおいて日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所有する自
己株式及び当社売却予定株式を除く)を取得できなかった場合に、公開買付者及び当社は、日立金属に対して株式
併合(本株式併合)の実施に必要な事項を議案とする株主総会の開催を要請し、当該議案に賛成の議決権を行使する
こと。
③本株式併合の結果として公開買付者及び当社が日立金属株式の全て(ただし、日立金属が所有する自己株式を除く)
を所有することになった後、実務上可能な限り速やかに、日立金属が、自己株式取得(本自己株式取得)を行うため
に必要な分配可能額を確保するため、日立金属が減資等(本減資等)を実施すること。
④本減資等の効力発生後速やかに、当社は、本自己株式取得により、当社売却予定株式を日立金属に譲渡すること。
売却の対価は、約3,820億円を予定しています。本取引において、当社売却予定株式の売却が行われた場合、当社
は2022年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の損益計算書において、関係会社株式売却益約3,280億円を特別
利益に計上する予定です。
3.子会社株式の譲渡
当社は、日本産業パートナーズ㈱が管理・運営・情報提供等を行うファンドがその持分の全てを保有する特別目的
会社であるHCJホールディングス2合同会社と、伊藤忠商事㈱がその持分の全てを保有する特別目的会社であるシト
ラスインベストメント合同会社が共同で出資する予定の特別目的会社であるHCJIホールディングス合同会社との間
で、当社の子会社である日立建機㈱の普通株式について、当社が保有する株式の一部を譲渡する契約を2022年1月14
日に締結しました。
売却の対価は、約1,824億円を予定しています。本株式譲渡に伴い、当社は2022年度(自 2022年4月1日 至 2023
年3月31日)の損益計算書において、関係会社株式売却益約1,500億円を特別利益に計上する予定です。
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④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
減価償却
区 分 資産の種類 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期償却額 当期末残高
累計額
有形固定資産 建物 112,722 8,737 7,218 8,975 105,265 171,680
(203)
構築物 6,351 406 73 666 6,018 24,938
(24)
機械及び装置 7,957 3,224 927 2,731 7,522 86,450
(782)
車両運搬具 154 12 0 39 127 898
工具、器具 42,018 15,238 885 14,405 41,966 146,095
及び備品※1 (139)
土地 36,235 - 12,420 - 23,815 -
リース資産 7,426 11,279 2,609 1,756 14,339 4,850
※2 (2,578)
建設仮勘定 3,812 22,122 22,796 - 3,138 -
(22)
計 216,678 61,021 46,931 28,575 202,192 434,914
(3,751)
無形固定資産 特許権 57 3 0 10 49 32,684
ソフトウエア 86,318 40,413 4,879 30,996 90,855 601,982
※3 (801)
施設利用権 293 - 218 5 68 460
リース資産 75 17 - 17 75 71
その他 6,157 1,391 0 1,819 5,729 57,293
計 92,901 41,825 5,098 32,849 96,778 692,493
(801)
(注)1.当期減少額の下段 ( ) は内数で、当期の減損損失計上額です。
2.当期増加額の主な内容は次のとおりです。
(単位:百万円)
研究開発
IT 9,630 インダストリー 1,733 1,015
グループ
※1.工具、器具及び備品 増加額
ITデジタル
916 - -
統括本部
※2.リース資産 増加額 IT 8,567 インダストリー 2,671 -
ITデジタル
IT 30,419 3,169 ライフ 2,598
統括本部
※3.ソフトウエア 増加額
インダストリー 2,308 モビリティ 940 -
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【引当金明細表】
(単位:百万円)
科 目 当期首残高 当期増加額 当期減少額 当期末残高
貸倒引当金 11,599 11,862 11,599 11,862
製品保証引当金 492 146 178 460
工事損失引当金(注) 54,855 35,812 46,959 43,708
役員退職慰労引当金 111 - 111 -
関係会社事業損失引当金 129,884 9,766 7,865 131,785
(注) 収益認識に関する会計基準適用に伴う影響額7,399百万円を当期首残高に加えて記載しています。
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(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3)【その他】
該当事項はありません。
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第6【提出会社の株式事務の概要】
事業年度 4月1日から3月末日まで
定時株主総会 毎事業年度の末日の翌日から3ヵ月以内
基準日 毎事業年度の末日
剰余金の配当の基準日 3月末日及び9月末日
1単元の株式数 100株
単元未満株式の買取り
及び買増し
取扱場所 (特別口座)
東京都千代田区神田錦町三丁目11番地
東京証券代行株式会社本店
株主名簿管理人 (特別口座)
東京証券代行株式会社
取次所 -
買取・買増手数料 無料
電子公告により行います。但し、電子公告によることができない事故その他のやむを得ない
公告掲載方法
事由が生じたときは、日本経済新聞に掲載して行います。
株主に対する特典 なし
(注)1.剰余金の配当の基準日については、3月末日及び9月末日のほか、基準日を定め、剰余金の配当をすること
ができる旨を定款で定めています。
2.当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨
を定款で定めています。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)株主割当てによる募集株式及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(3)当社定款に定める権利
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第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等を有しません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間において、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書 2021年6月23日
(事業年度 第152期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)) 関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書 2021年6月23日
関東財務局長に提出
(3) 臨時報告書 2021年6月24日
(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく) 関東財務局長に提出
(4) 四半期報告書及び確認書 2021年8月5日
(第153期第1四半期(自 2021年4月1日 至 2021年6月30日)) 関東財務局長に提出
(5) 四半期報告書及び確認書 2021年11月12日
(第153期第2四半期(自 2021年7月1日 至 2021年9月30日)) 関東財務局長に提出
(6) 臨時報告書 2022年1月14日
(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号及び第12号の規定に基づく) 関東財務局長に提出
(7) 臨時報告書 2022年2月2日
(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の規定に基づく) 関東財務局長に提出
(8) 四半期報告書及び確認書 2022年2月10日
(第153期第3四半期(自 2021年10月1日 至 2021年12月31日)) 関東財務局長に提出
(9) 臨時報告書 2022年4月28日
(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号の規定に基づく) 関東財務局長に提出
(10) 自己株券買付状況報告書 2022年5月10日
2022年6月7日
関東財務局長に提出
(11) 有価証券届出書 2022年5月11日
関東財務局長に提出
(12) 有価証券届出書の訂正届出書 2022年5月11日
(上記(11)の有価証券届出書の訂正届出書) 2022年5月12日
2022年5月13日
2022年5月16日
2022年5月17日
2022年5月18日
2022年5月19日
2022年5月20日
関東財務局長に提出
(13) 訂正発行登録書 2021年11月30日
(2021年6月28日に提出した発行登録書に係る訂正発行登録書) 2022年1月14日
2022年2月2日
2022年4月28日
2022年6月20日
関東財務局長に提出
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第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書
2022年6月22日
株式会社 日 立 製 作 所
執行役社長 小 島 啓 二 殿
EY新日本有限責任監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 藤間 康司
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 大関 康広
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 吉田 伸也
業務執行社員
<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる株式会社日立製作所の2021年4月1日から2022年3月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政
状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務
諸表注記について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定さ
れた国際会計基準に準拠して、株式会社日立製作所及び連結子会社の2022年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって
終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと
認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職
業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果
たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要
であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形
成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
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1. GlobalLogic社の取得により認識した無形資産の測定
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
会社は、2021年7月13日に、GlobalLogic社を取得し完 当監査法人は、当該無形資産の測定について、主として
全子会社化した。取得した識別可能な資産及び引き受けた 以下の手続を実施した。
負債の測定を実施した結果、会社は顧客関係に係る無形資 ・ 契約書等の関連資料の閲覧、及び、経営管理者への質
産227,424百万円を計上した( 注5.事業再編等(2) 問により、取引の内容及び目的を理解した。
GlobalLogic社の買収 )。 ・ 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を
顧客関係に係る無形資産の測定は、当該資産から生じる 関与させ、無形資産の評価方法、将来キャッシュ・フロー
将来キャッシュ・フローを割り引く方法によっており、将 の見積りに用いられた重要な仮定及び割引率について検討
来キャッシュ・フロー及び割引率の見積りの影響を受け した。
る。将来キャッシュ・フローの見積りには、売上収益成長 ・ 将来キャッシュ・フローの見積りに用いられた重要な
率、EBITDA率、既存顧客の売上収益成長率、既存顧客の逓 仮定について、以下の手続を実施した。
減率等の、経営者の判断が求められる重要な仮定が用いら ・ 売上収益成長率、EBITDA率について、経営管理者へ
れている。 その実現に向けた施策に関する質問を行うとともに、実
当該無形資産が多額であり、重要な仮定に関する経営者 績及び市場成長率に関する市場レポート等の利用可能な
の判断が連結財務諸表に与える影響が大きいことから、当 外部データと比較した。
監査法人は当該無形資産の測定を監査上の主要な検討事項 ・ 既存顧客の売上収益成長率及び既存顧客の逓減率に
とした。 ついて、過去4年間の顧客別売上収益の推移を分析し、
経営管理者への質問を行うとともに、取得後の実績と比
較した。
・ 割引率に織り込まれたリスクについて、経営管理者へ
の質問を行うとともに、将来キャッシュ・フローへ織り込
まれたリスクとの整合性を検討した。
2. パワーグリッド事業に関するのれんを含む資金生成単位グループの回収可能価額の測定
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
会社は、連結財政状態計算書において、パワーグリッド 当監査法人は、当該のれんを含む資金生成単位グループ
事業に関するのれん513,616百万円を計上している( 注 の回収可能価額について、主として以下の手続を実施し
10.のれん及びその他の無形資産 )。当該のれんは、のれ た。
ん残高の23%、総資産の3%に相当する。 ・ 事業計画資料を閲覧し、事業計画の内容を理解した。
当該のれんを含む資金生成単位グループの減損テストに ・ 事業計画の策定プロセスの有効性を評価するために、
おいて、会社は回収可能価額を使用価値により測定した。 過年度における事業計画を、その後の実績及び減損テスト
使用価値の測定は、将来キャッシュ・フローを割り引く方 時点の事業計画と比較した。
法によっており、将来キャッシュ・フロー及び割引率の見 ・ 当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を
積りの影響を受ける。将来キャッシュ・フローは、事業計 関与させ、使用価値の評価方法、将来キャッシュ・フロー
画を基礎としており、その見積りには、売上収益成長率、 の見積りに用いられた重要な仮定及び割引率について検討
売上総利益率等の、経営者の判断が求められる重要な仮定 した。
が用いられている。 ・ 売上収益成長率、売上総利益率について、経営管理者
当該のれんが多額であり、重要な仮定に関する経営者の への事業計画の実現に向けた施策に関する質問を行うとと
判断が連結財務諸表に与える影響が大きいことから、当監 もに、実績及び市場成長率に関する市場レポート等の利用
査法人は当該回収可能価額の測定を監査上の主要な検討事 可能な外部データと比較した。
項とした。 ・ 割引率に織り込まれたリスクについて、経営管理者へ
の質問を行うとともに、将来キャッシュ・フローへ織り込
まれたリスクとの整合性を検討した。
・ 重要な仮定について、合理的に起こりうる変化を仮定
した感応度分析を行い、回収可能価額への影響を検討し
た。
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3. 長期請負契約等の原価総額の見積り
監査上の主要な検討事項の
監査上の対応
内容及び決定理由
会社及び連結子会社は、世界各地の幅広い事業分野の顧 当監査法人は、会社及び連結子会社が整備したプロジェ
客と、顧客の仕様を満たす製品等を一定期間に亘り製造し クト管理体制及び原価総額の見積りのプロセスを理解し、
顧客に提供する長期請負契約等を締結している。 原価総額の見積りの基礎となる実行予算書の策定時及び更
長期請負契約等について、会社及び連結子会社は主に、 新時の承認を含む、関連する内部統制を評価した。
見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進 契約額が一定額を超える案件、作業進捗遅延等の質的リ
捗度に基づいて売上収益を1,578,613百万円認識している スクを考慮して抽出した案件等に対し、四半期ごとに、案
( 注20.売上収益(1)収益の分解、(2)履行義務の充 件の状況に応じて以下の手続を実施した。
足に関する情報 )。また、会社及び連結子会社は長期請負 ・ 契約書やプロジェクト管理資料の閲覧及び経営管理者
契約等から見込まれる損失の見積額に基づいて工事損失引 への質問により、仕様や工期等に関連する重要な見積要素
当金を90,758百万円計上している( 注14.引当金 )。 及びその不確実性の影響を理解し、原価項目について、見
長期請負契約等の売上収益及び工事損失引当金は原価総 積原価総額の明細と発注先からの見積書との照合等を実施
額の見積りの影響を受ける。会社及び連結子会社の長期請 した。
負契約等は、案件ごとに仕様や工期等が異なる個別的なも ・ 経営管理者への質問及びプロジェクト管理資料の閲覧
のであり、その原価総額の見積りは経営者の判断に依存す により理解した案件の実態を踏まえ、見積原価総額の変更
る。また、大規模な長期請負契約等の原価総額の見積り の要否に関する経営管理者の判断について検討した。
は、特に複雑である。 ・ 原価総額の見積りプロセスの有効性を評価するため
会社及び連結子会社の長期請負契約等が有するこれらの に、当期完成案件は当初及び前期の見積原価総額を実際発
性質に伴い、長期請負契約等の原価総額の見積りの監査に 生原価総額と、進行中案件は前期の見積原価総額を最新の
は、案件に応じた様々な見積要素の検討を要することか 見積原価総額と、それぞれ比較した。
ら、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項とし ・ 特に重要な案件は、プロジェクト責任者への追加的な
た。 質問を実施し、その結果と経営管理者が把握している案件
の実態との整合性を検討した。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他
の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記
載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容
と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのよ
うな重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
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有価証券報告書
連結財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任
経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬
による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運
用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかど
うかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任が
ある。
監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示
がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明する
ことにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の
意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査
証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価
の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づ
き、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付
ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意
を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外
事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいている
が、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連
結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評
価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入
手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に
対して責任を負う。
監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不
備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査
人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じてい
る場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項
を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されて
いる場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合
理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
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<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社日立製作所の2022年
3月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、株式会社日立製作所が2022年3月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内
部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報
告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制
監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責
任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立し
ており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適
切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者及び監査委員会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に
係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査委員会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があ
る。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについ
て合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあ
る。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を
通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施す
る。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用
される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部
統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人
は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を
負う。
監査人は、監査委員会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内
部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告
を行う。
監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査
人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じてい
る場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はな
い。
以 上
1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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独立監査人の監査報告書
2022年6月22日
株式会社 日 立 製 作 所
執行役社長 小 島 啓 二 殿
EY新日本有限責任監査法人
東京事務所
指定有限責任社員
公認会計士 藤間 康司
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 大関 康広
業務執行社員
指定有限責任社員
公認会計士 吉田 伸也
業務執行社員
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられて
いる株式会社日立製作所の2021年4月1日から2022年3月31日までの第153期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照
表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、株式会社
日立製作所の2022年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において
適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における
当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫
理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査
法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると
判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対
応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
1. 子会社株式(Hitachi Energy Ltd)の評価
<監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由>
会社は、貸借対照表において、子会社であるHitachi Energy Ltdの株式を720,684百万円計上している( (有価証券関
係)子会社株式及び関連会社株式(注)上記に含まれない市場価格のない株式等 )。当該株式は、関係会社株式残高の
20%、総資産の12%に相当する。
会社は、当該子会社株式の評価に際し、超過収益力を実質価額の評価に反映しているため、超過収益力の毀損による実
質価額の著しい低下の有無の検討が株式評価の重要な要素となる。超過収益力の毀損の有無は、事業計画の達成可能性に
影響を受ける。事業計画には、売上収益成長率、売上総利益率等の、経営者の判断が求められる重要な仮定が用いられて
いる。
当該子会社株式が多額であり、重要な仮定に関する経営者の判断が財務諸表に与える影響が大きいことから、当監査法
人は当該子会社株式の評価を監査上の主要な検討事項とした。
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<監査上の対応>
当監査法人は、当該子会社株式の評価について、主として以下の手続を実施した。
・ 会社が作成した子会社株式の評価資料を閲覧し、評価方法を理解した。
・ 事業計画資料を閲覧し、事業計画の内容を理解した。
・ 事業計画の策定プロセスの有効性を評価するために、過年度における事業計画を、その後の実績及び子会社株式評価
時点の事業計画と比較した。
・ 売上収益成長率、売上総利益率について、経営管理者への事業計画の実現に向けた施策に関する質問を行うととも
に、実績及び市場成長率等に関する市場レポート等の利用可能な外部データと比較した。
・ 重要な仮定について、合理的に起こりうる変化を仮定した感応度分析を行い、超過収益力への影響を検討した。
2. 長期請負契約等の原価総額の見積り
会社は、世界各地の幅広い事業分野の顧客と、顧客の仕様を満たす製品等を一定期間に亘り製造し顧客に提供する長期
請負契約等を締結している。
長期請負契約等について、会社は主に、見積原価総額に対する実際発生原価の割合で測定される進捗度に基づいて売上
収益を435,101百万円認識している( (重要な会計方針)8.収益及び費用の計上基準 、 (収益認識関係) )。また、会
社は長期請負契約等から見込まれる損失の見積額に基づいて工事損失引当金を43,708百万円計上している( (重要な会計
方針)7.引当金の計上基準 、 (重要な会計上の見積り)5.工事損失引当金 )。
当該事項について、監査人が監査上の主要な検討事項と決定した理由及び監査上の対応は、連結財務諸表の監査報告書
に記載されている監査上の主要な検討事項(長期請負契約等の原価総額の見積り)の「会社及び連結子会社」を「会社」
と読み替えることで同一内容となるため、記載を省略している。
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以
外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査委員会の責任は、その他
の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内
容に対して意見を表明するものではない。
財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財
務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要
な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告す
ることが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
財務諸表に対する経営者及び監査委員会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示
することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が
必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評
価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要があ
る場合には当該事項を開示する責任がある。
監査委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における執行役及び取締役の職務の執行を監視することにあ
る。
財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がな
いかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあ
る。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影
響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家とし
ての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を
立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監
査証拠を入手する。
・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実
施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
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・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び
関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付け
る。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚
起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見
を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の
事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどう
かとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象
を適正に表示しているかどうかを評価する。
監査人は、監査委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不
備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査
人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じてい
る場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上
の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合
や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見
込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
利害関係
会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しています。
2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。
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