チヨダウーテ株式会社 意見表明報告書
提出書類 | 意見表明報告書 |
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提出者 | チヨダウーテ株式会社 |
カテゴリ | 意見表明報告書 |
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チヨダウーテ株式会社(E01197)
意見表明報告書
【表紙】
【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2022年4月26日
【報告者の名称】 チヨダウーテ株式会社
【報告者の所在地】 三重県四日市市住吉町15番2号
【最寄りの連絡場所】 三重県三重郡川越町高松928番地
【電話番号】 (059)364-5215〔代表〕
【事務連絡者氏名】 専務執行役員管理本部長 種田 貴志
【縦覧に供する場所】 チヨダウーテ株式会社
(三重県四日市市住吉町15番2号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
(注1) 本書中の「当社」とは、チヨダウーテ株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、クナウフ・インタナショナル・ゲーエムベーハーをいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切り捨てされている場合、合計として記載される数値は必ずしも
計数の総和と一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいま
す。
(注6) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)
第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
は日時を指すものといたします。
(注9) 本書中の「本公開買付け」とは、本書の提出に係る公開買付けをいいます。
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1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名称 クナウフ・インタナショナル・ゲーエムベーハー(Knauf International GmbH)
所在地 ドイツ連邦共和国97346イプホーフェン、アム・バンホフ7(Am Bahnhof 7, 97346 Iphofen,
Federal Republic of Germany)
2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
普通株式
3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1) 意見の内容
当社は、2022年4月25日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基
づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨す
ることを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避する
ための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全
員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2) 意見の根拠及び理由
本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明
に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダー
ド市場に上場している当社の発行済み普通株式(以下「当社株式」といいます。)10,558,599株(所有割合(注1):
45.28%)を所有しており、公開買付者は当社のその他の関係会社にあたります。また、公開買付者が本書提出日
現在その発行済み株式の50%を所有する株式会社晴山(以下「晴山」といいます。)は、本書提出日現在、当社株
式2,200,000株(所有割合:9.43%)を所有しております。公開買付者が当該当社株式を所有するに至った経緯につ
いては、下記「② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け
後の経営方針」の「(a) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」
の「i. 本公開買付けの背景」をご参照ください。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2022年2月8日に公表した「2022年3月期第3四半期決算短信〔日本基
準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2021年12月31日現在の当社の発行済
株式総数(23,318,397株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(0株)を控除した株式数
(23,318,397株)に占める割合をいいます(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下所有割合そ
の他割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じです。)。
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公開買付者は、2022年3月31日開催のShareholder committee meeting(株主委員会会議)において、当社株式の
全部(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。なお、疑義を避けるために
付言すると、晴山及び株式会社平田興産(本書提出日現在、当社株式1,635,220株(所有割合:7.01%)を所有して
います。以下「平田興産」といいます。)の所有する当社株式計3,835,220株を含みます。以下同じです。)を取得
し、当社を一時的に公開買付者の完全子会社にした上で、最終的に公開買付者及び平田興産の合弁会社とするこ
とを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施すること及び公開買付者
のジェネラル・パートナー(General Partner)であるアレクサンダー・ハインリッヒ・クナウフ(Alexander
Heinrich Knauf)氏、イェルク・カンプマイヤー(Jörg Kampmeyer)氏及びウーヴェ・クノッツアー(Uwe Knotzer)
氏の3名(以下これら3名を総称して「本ジェネラル・パートナーら」といいます。)に対して本公開買付けにお
ける当社株式の買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の最終決定権限を授けることを決議した
とのことです。公開買付者は、当社との協議及び交渉を経て、2022年4月25日、本ジェネラル・パートナーらの
決定に基づき、本公開買付価格を1株当たり605円とすることを含むに公開買付届出書記載の条件で本公開買付け
を実施することにしたとのことです。公開買付者は、当社を完全子会社化して非上場化した後可能な限り速やか
に、公開買付者が直接又は間接に当社の議決権の75.00%を所有し、平田興産が間接に当社の議決権の25.00%を
所有することを目的として、ア.当社をして有価証券報告書提出義務の免除(法第24条第1項但書、令第4条第1
項)を受けさせた後に公開買付者が晴山に対して当社株式を譲渡する方法(注2)により当社に対する公開買付者及
び晴山の議決権所有比率をそれぞれ66.6%、33.4%とすること及びイ.晴山が公開買付者及び平田興産のそれぞ
れに対して第三者割当増資による新株の発行を行う方法により、晴山に対する公開買付者及び平田興産の議決権
所有比率をそれぞれ本書提出日現在の50%、50%から25.15%、74.85%とすること(注3)(以下「最終ストラク
チャー」といいます。)をそれぞれ企図しているとのことです。
平田興産は、本書提出日現在平田晴久氏(本書提出日現在、当社株式452,978株(所有割合:1.94%)を所有しま
す。)の長男である平田一久氏(本書提出日現在、当社株式43,300株(所有割合:0.19%)を所有します。)がその発
行済み株式の全部を所有する、資産管理会社兼事業会社で、不動産の管理及び有価証券の保有等を事業内容とし
ており、本書提出日現在平田晴久氏はその代表取締役を、平田一久氏はその取締役を務めているとのことです。
公開買付者が最終ストラクチャーを企図するのは、当社を公開買付者及び平田興産の合弁会社とすることによ
り、少数株主としての平田興産の有する国内市場に関する知見を活かしながら、自身の子会社となる当社に対し
て公開買付者の属するクナウフ・グループの経営資源及び技術力を効果的に活用することが可能となり、当社の
事業の成長を促進することができると考えているからであるとのことです。
(注2) 本「① 本公開買付けの概要」に後述するとおり、晴山は、晴山が所有する当社株式の全てについて
本公開買付けに応募する旨の合意をしているところ、本公開買付け終了後に、公開買付者が晴山に対
して当社株式を譲渡する際の譲渡価格は、本公開買付価格と同一とする(当社において、本公開買付け
後に株式併合が行われた場合には、当社の企業価値を本公開買付価格に基づいて計算する方法に基づ
き、本公開買付価格と実質的に同一とする)ため、本公開買付けは他の応募株主に比して晴山を特別に
利するものではなく、当該株式譲渡も、当社の非公開化後も晴山を当社に関与させることを目的とし
たものに過ぎないとのことです。従って、公開買付者は、晴山の本公開買付けに対する応募及び公開
買付者の晴山に対する当社株式の譲渡のそれぞれを相互に関連付けて検討したものの、本公開買付け
は、公開買付価格の均一性規制(法第27条の2第3項)に反するものではないと公開買付者は考えてい
るとのことです。
(注3) 本「① 本公開買付けの概要」に後述するとおり、平田興産は、平田興産が所有する当社株式の全て
について本公開買付けに応募する旨の合意をしているところ、平田興産及び公開買付者は、上記注(2)
に記載のとおり、晴山が本公開買付価格と同一の価格にて当社株式を公開買付者から取得するために
必要となる資金を、晴山が新たに発行する株式を引き受けることにより提供するとのことです。そし
て、平田興産に対する晴山の当該株式発行の直前の時点において平田興産が晴山の発行済み株式の
50%を有すること及び平田興産が最終ストラクチャーにおいて実質的に当社の25%を所有することに
鑑み、当社の企業価値を本公開買付価格に基づいて計算をし、その25%相当額から、本公開買付けに
応じることによって晴山が取得する金銭の50%を減じた金額に、晴山が当社株式を本公開買付けに応
じて売却することに伴って発生する税の50%を足した金額をもって平田興産による払込金額と設定す
る予定であるため、本公開買付けは他の応募株主に比して平田興産を特別に利するものではなく、当
該株式発行も、当社の非公開化後も平田興産を当社に関与させることを目的としたものに過ぎないと
のことです。従って、公開買付者は、平田興産の本公開買付けに対する応募及び晴山の平田興産に対
する新たな株式発行を相互に関連付けて検討してきたものの、本公開買付けは、公開買付価格の均一
性規制(法第27条の2第3項)に反するものではないと公開買付者は考えているとのことです。
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公開買付者は、当社を一時的に公開買付者の完全子会社にした上で、最終的に当社の株主を公開買付者及び晴
山のみとし、当社を公開買付者及び平田興産の合弁会社とすることを目的としているため、本公開買付けにおい
て、買付予定数の上限を設定していないとのことです。また、公開買付者は、かかる目的に従い、本公開買付け
において当社株式の全部を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(4) 本公開買付け後の組
織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている当社の株主を公開買付者のみとするため
の一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、当社株式の全部を取得す
ることを予定しているため、買付予定数の下限を、本スクイーズアウト手続の確実な実施に必要な当社の議決権
の3分の2を確保するために、公開買付者が新たに取得する必要のある4,987,001株としているとのことです。な
お、買付予定数の下限(4,987,001株)は、当社決算短信に記載された2021年12月31日現在の当社の発行済株式総数
に係る議決権数(233,183個)の3分の2以上となる議決権数(155,456個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式
数(15,545,600株)から、公開買付者が所有する当社株式数(10,558,599株)を控除した株式数として設定している
とのことです。公開買付者は、2022年4月25日付で、晴山、平田興産、平田晴久氏及び平田一久氏との間で、本
取引の実現及び本取引完了後の当社又は晴山の株主として一定の事項に合意する株主間契約(以下「本株主間契
約」といいます。)を締結しているところ、本株主間契約において当社を一時的に公開買付者の完全子会社にした
上で、最終的に公開買付者及び平田興産の合弁会社とすることに同意する晴山、平田興産、平田晴久氏及び平田
一久氏(以下総称して「本取引共同実施者」といいます。)は、本書提出日現在、公開買付者とあわせて当社株式
14,890,097株(所有割合:63.86%)を所有しており、2021年6月25日開催の定時株主総会への議決権行使比率
(92.08%)を考慮すると、公開買付者は、本公開買付けを行うことなく、当社に会社法(平成17年法律第86号。そ
の後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第180条に基づく当社株式の併合(以下「株式併合」といい
ます。)の実施を要請すること等により、当社を公開買付者の完全子会社とすることも事実上可能と考えていると
のことです。もっとも、本公開買付けを前置することにより、本取引に関して適切な情報開示を行うことで、当
社の株主の皆様に対して本取引につき適切な判断機会を確保し、もって本取引の公正性を担保することを企図し
ているとのことです。
本書提出日現在のストラクチャーの概要については図1を、本スクイーズアウト手続完了直後の時点のストラ
クチャーの概要については図2を、最終ストラクチャーの概要については図3をご参照ください。
(図1) 本書提出日現在のストラクチャーの概要図
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(図2) 本スクイーズアウト手続完了直後の時点のストラクチャーの概要図
(図3) 最終ストラクチャーの概要図
本株主間契約において、①晴山が所有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募する旨の合意、②平田
興産が所有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募する旨の合意、③平田晴久氏が所有する当社株式の
全てについて本公開買付けに応募する旨の合意、及び、④平田一久氏が所有する当社株式の全てについて本公開
買付けに応募する旨の合意がそれぞれ行われているとのことです。これらの応募合意を行った株主が所有する当
社株式の数の合計は4,331,498株(所有割合:18.58%)となります。
これらの契約及び合意の詳細については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照
ください。
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なお、公開買付者は、前述のとおり、一時的に当社を公開買付者の完全子会社にした上で、最終的に当社を公
開買付者及び平田興産の合弁会社とすることを目的としているため、本公開買付けにおいて当社株式の全部を取
得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、本スクイーズアウト手続を実施することにより、当社株式の
全部を取得することを予定しているとのことです。なお、仮に、公開買付者が本公開買付けの撤回等を行った場
合や本公開買付けの買付予定数の下限に達する応募が行われなかった場合等、本公開買付けが不成立となった場
合には、本公開買付けが不成立となった理由・背景等の分析を踏まえ、当社との間で公開買付者による本スク
イーズアウト手続の実施について協議を行うことを想定しており、当該分析及び協議に基づき、まずは再度の公
開買付けを前置して本スクイーズアウト手続を実施するか否かを検討する予定とのことです。また、当社が、公
開買付者及びその関係会社(以下「公開買付者グループ」といいます。)並びに本書提出日現在当社及び子会社11
社(連結子会社8社、非連結子会社3社)並びに関連会社2社で構成される当社のグループ(以下、総称して「当社
グループ」といいます。)から独立した第三者算定機関から新たに当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定
書を取得し、本スクイーズアウト手続において使用される当社株式の価格が当該株式価格算定書に基づき決定さ
れ、かつ、当該第三者算定機関その他の第三者算定機関(公開買付者グループ及び当社グループから独立したもの
に限ります。)による当該価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を当社が取得した場合等、公開
買付者が、当該分析及び協議に基づき、再度の公開買付けを前置せずともなお公正な手続といいうる状況がある
と認める場合には、再度の公開買付けを前置することなく本スクイーズアウト手続を実施するか否かを検討する
予定とのことです。
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② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
(a) 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
ⅰ. 本公開買付けの背景
公開買付者は、1984年に、ドイツのクナウフ・グループの中核企業の持株会社として設立されたとのこと
です。クナウフ・グループは、石膏、断熱材、天井、パッケージング関連のソリューションに関して欧州、
北米、南米、アジア、アフリカ、オーストラリアまでの幅広い地域でプレゼンスを有する、クナウフ(Knauf)
一族による家族所有の企業であるとのことです。クナウフ・グループは、1932年にアルフォンス・クナウフ
(Alfons Knauf)氏及びカール・クナウフ(Karl Knauf)氏によって設立され、ドイツのペルルにおいて最初の
石膏工場が起ち上げられたとのことです。1949年、クナウフ・グループは北バイエルンのイプホーフェンに
移転したとのことです。クナウフ・グループは、その後の数年間、加工部品、特殊工具、及び金属プロファ
イル加工を利用した、製品ポートフォリオの拡大によるイノベーションを通じて、建材業界を主導してきた
とのことです。1978年には、クナウフ・グループは、米国シェルビービルのグラスウール断熱材の生産工場
を引き継ぎ、断熱材部門の基礎を築いたとのことです。2019年には、米国シカゴに本社を置き、世界各国の
顧客に対して石膏ボード、天井材、床材、外装材等の建築資材を提供するUSG Corporationの買収が完了した
ことで、クナウフ・グループは、建材業界におけるグローバルリーダーとしての立ち位置を確立したものと
公開買付者は認識しているとのことです。USG Corporationの買収に際して、クナウフ・グループは、オース
トラリアに本社を置く建築資材メーカーのボラル(Boral)との合弁会社であるUSG Boral Joint Ventureの持
分の50%を取得したとのことです。同社はシンガポールに本社を置き、アジア、オセアニア、中東において
石膏ボード事業を展開しており、2020年10月にクナウフ・グループがボラルの保有する同社の株式の全てを
取得することに合意し、2021年4月に買収を完了したとのことです。同社は現在、アジア、オセアニア及び
中東地域における石膏ボードの製造面を主導する役割を担っているとのことです。2021年のクナウフ・グ
ループの売上高は約1兆6,474億円に達しており、2021年12月31日現在、40,468名の従業員を擁しているとの
ことです。クナウフ・グループは、安全、健康的、且つ快適な居住空間の設計に関して、マーケットリー
ダーとしての立場を確立したものと認識しているとのことです。クナウフ・グループが提供する建築用製品
及びシステムは、革新的、エコ・フレンドリー、高いエネルギー効率、適正な価格、そして持続可能という
特徴を有しているものと考えているとのことです。
日本においても、公開買付者は、2006年4月に当社と包括的な資本提携及び業務提携を開始し、平田興産
との協力関係の下で、事業展開を進めてきたとのことです。具体的には以下のような取り組みを進めている
とのことです。
① 4つのコーポレート・バリュー(私たちらしさ・パートナーシップ・エンゲージメント・起業家精
神)、及び環境への配慮というコーポレート・ビジョンを導入し、顧客にとっての第一の選択肢とな
り、その成長を支えるべく取り組みを進めてきたとのことです。加えて、経営陣は現在、健康及び安
全を最優先事項とし、次点で品質及び環境への影響、最後にコストという優先順位に従って、日々の
業務に従事しているとのことです。
② 製造面では、当社の工場における石膏ボード乾燥工程の省エネを推進し、熱エネルギー改善工事を実
施したとのことです。
③ 営業面では、製品ごとの製造原価を把握し、営業に対して顧客ごとの販売施策や収益重視の販売策を
徹底してきたとのことです。加えて、両社の展開する製品やサービスの機能・特性を踏まえた比較・
検討を行い、本書提出日現在における当社の取扱製品は石膏ボードが中心であるところ、主にクナウ
フ・グループが保有していながら当社は保有していない製品分野への進出、より具体的には断熱材を
始めとした建築資材全般の国内市場における販売及びテクニカルサポートの提供を検討しているとの
ことです。
④ 物流面では、ロジスティクス本部を新設し、製品在庫の一元管理の体制を整備することで製品在庫を
即時で把握し、需給動向に応じた工場間移送の効率化を実現し、運賃の低減に取り組んできたとのこ
とです。
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⑤ 原料調達面では、クナウフ・グループが海外で保有する天然石膏の鉱山から当社への原料供給も含
め、原料調達の安定性を向上すべく協力関係を築いてきたとのことです。当社は、火力発電所の副産
物として生じる化学石膏を利用していますが、世界的な脱炭素社会に向けた流れから、環境への負荷
が大きい石炭火力発電事業に対し、環境配慮の必要性が指摘されています。こうした環境配慮の措置
が一層進むと、将来的に国内の化学石膏の入手が困難になる事態が想定されます。当社が石膏ボード
事業を継続していく上で、化学石膏を補うために海外より天然石膏を手当てする必要が生じた際、海
外で天然石膏の鉱山を保有するクナウフ・グループとの密な連携により、安定した原料調達を実現可
能とする体制の整備を進めているとのことです。
一方、当社は、1948年1月に厚型スレートの製造を目的とする千代田建材株式会社として設立されまし
た。当社は、1957年6月に千代田建材工業株式会社に商号を変更し、その後、1990年6月に、総合建築資材
メーカーを目指すために現在のチヨダウーテ株式会社に商号を変更いたしました。
当社グループは、本書提出日現在、石膏ボードを中心とする建築資材の製造及び販売を主たる事業として
おります。
また、当社株式は、1990年10月に社団法人日本証券業協会に店頭登録され、2004年12月に株式会社ジャス
ダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」)に上場し、2010年4月にジャスダック証券取引所と株
式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場に
上場しました。その後、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に当社株式を上場し、2013年7月に、東京証
券取引所と大阪証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場しま
した。そして、当社株式は、東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、2022年4月4日より東京証券取引
所スタンダード市場に上場しております。
当社グループの経営方針は、「地球環境と生活空間の創造」を図っていくために、石膏ボードを中心に環
境、防災等、豊かな住環境を支える建築資材を提供し続けることであり、2021年3月、かかる経営方針をよ
り一層意識して事業に取り組んでいくために新たな基本理念を策定いたしました。新たな基本理念は、「最
高の品質と独自技術で、安全・快適な生活空間を届ける」という「ミッション」と、「完全リサイクル可能
な世界で最も環境に優しい石膏ボードと建築ソリューションを提供すること」、「お客様の課題に真摯に向
き合い、お客様から最初に選ばれる企業を目指すこと」、「互いの成長を支え合い、活力に溢れる組織を目
指すこと」という将来へ視点を向けた3つの「ビジョン」を定め、「ミッション」と「ビジョン」を支える
「4つの価値」(私たちらしさ・パートナーシップ・エンゲージメント・起業家精神」)により構成されてお
ります。特に「ミッション」で定めた「最高の品質と独自技術で、安全・快適な生活空間を届ける」こと
は、当社グループの経営方針の中核に位置付けられるものであり、品質面でたゆまずレベルアップを図りな
がら、建築資材の専門メーカーとして常に独自の商品開発力(Unique Technology)を強化し、社会に支持され
る高機能・高付加価値製品の開発と市場への提供を目指しております。
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当社と公開買付者の資本関係については、公開買付者は2010年2月に、当社との資本関係を強化し経営参
画をすることを目的として第三者割当増資の方法により、当社株式を1,210,000株取得し、包括的な業務提携
と資本提携を行う目的で従前から所有していた当社株式とあわせて計2,824,000株を所有することで、その当
時所有割合(注)を20.03%とし、当社に経営参画したとのことです。その後、2013年8月に、当社との資本関
係の更なる強化を目的として、第三者割当増資の方法により、当社株式1,350,000株を取得することで、従前
から所有していた当社株式とあわせて計4,491,434株を所有し、その当時所有割合を29.03%とするに至った
とのことです。その後、2020年1月に、当社との資本関係の更なる強化を目的として、第三者割当増資の方
法により、6,067,165株を引き受けたことにより、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を10,558,599株所
有し、その当時所有割合は45.28%となっているとのことです。加えて、2015年3月に、公開買付者は、当社
の創業一族である平田晴久氏が当時その発行済み株式の99.63%を所有していた平田興産を、平田晴久氏及び
その親族を代表するビジネス・パートナーと位置づけて、ともに晴山を設立したとのことです。晴山の設立
目的は、平田興産と公開買付者が属するクナウフ・グループとが対等なビジネス・パートナーであること
を、当社株式所有に係るガバナンスに反映させながら当社の第三者割当増資に応じる形での資本面でのサ
ポートを行うことにあり、晴山に対する公開買付者及び平田興産の議決権所有比率は、本書提出日現在、そ
れぞれ50%、50%となっているとのことです。晴山は、2015年3月に、当社との資本関係を強化することを
目的として、第三者割当増資の方法により、当社株式2,200,000株を引き受けたことによりその当時所有割合
を12.61%とし、本書提出日現在、晴山は当社株式を2,200,000株所有し、その所有割合は9.43%となってい
るとのことです。このような資本関係のもと、公開買付者は、晴山を共同所有するビジネス・パートナーで
ある平田興産と協力して、製造面、営業面、物流面及び原料調達面における当社の事業収益性の強化を図る
と同時に、業務プロセスの効率化を推進してきたとのことです。加えて、当社の取締役として公開買付者の
属するクナウフ・グループよりアルフォンス・フレデリック・クナウフ(Alfons Frederick Knauf)氏、トー
マス・ワーグナー(Thomas Wagner)氏及びウーヴェ・クノッツアー(Uwe Knotzer)氏を派遣するなど経営参画
を進め、当社の経営基盤の安定化、成長戦略策定及び実行支援にも努めているとのことです。
(注) 「当時所有割合」とは、言及されている時点における当社の発行済 み 株式総数から、当該時点の当
社が所有する自己株式数を控除した株式数に占める割合をいいます。
ⅱ.公開買付者が本公開買付けを実施するに至った経緯・目的
公開買付者は、これまでの当社との資本関係及び業務提携に基づく協業を通じて、ビジネス・パートナー
である平田興産とともに、当社の収益性向上に向けた施策に取り組んできたとのことです。当社は、住宅向
けの石膏ボード領域における様々な技術と創業以来積み上げてきた顧客との信頼関係に基づく営業基盤を有
しており、公開買付者は、それらをより有効活用することで更なる成長余地が見込めるものと考えていると
のことです。
他方、当社が事業を展開する日本市場については、少子高齢化が進み、国内の人口減少が見込まれる中、
新設住宅着工戸数は中長期的に減少し(注1)、公開買付者としては、それに伴い、石膏ボードの使用量も減
るものと予想しているとのことです。当社としても、住宅分野以外の非住宅分野における取扱い強化を進め
てきましたが、非住宅分野における石膏ボードに関しては、他の国内企業が当社を超える市場シェアを維持
しており、ニーズの発掘や市場開拓を進めていくためには、商品力、研究開発力、人材、資金等がますます
必要になってくると公開買付者は考えているとのことです。加えて、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う
景気変動、世界的なエネルギー価格の上昇、木材不足に起因するウッドショック等、当社が主戦場とする住
宅市場の不透明感が高まっており、より財務的な健全性を確保し、事業の安定性を高め、成長施策を立案・
実行する必要があると考えているとのことです。
公開買付者は、本取引の実施により、これらの課題に対処することができると考えているとのことです。
本取引を通じて当社との資本関係を強化することにより、公開買付者は当社の事業をクナウフ・グループが
グローバルで展開する石膏ボード事業と完全に一体運営できるようになるところ、具体的には下記のような
中期的な視点に立った施策を実行することで、さらなる当社の企業価値向上が可能になると考えているとの
ことです。
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① 公開買付者が属するクナウフ・グループが有する技術及び研究開発力の活用による、製造技術及び商
品開発力の向上。
② 公開買付者が属するクナウフ・グループが有する生産及び専門サービスの活用による、製品供給及び
技術サポート面における顧客サービスの品質向上。
③ 公開買付者が属するクナウフ・グループが備蓄している世界的規模の石膏原料の活用を通じた、原料
調達及び製造の両面におけるコスト削減。
④ 断熱材やテクニカルボード(注2)等、周辺領域の製品の拡販。
(注1) 株式会社野村総合研究所が2021年6月8日に公表した資料「2021~2040年度の新設住宅着工戸
数」によると、日本国内の新設住宅着工戸数は2020年の81万戸から、2040年度には約46万戸まで
減少することが予想されています。
(注2) 石膏ボードのうち機能性を有する製品を意味しており、代表的なものとしては、耐火性能、耐力
性能、耐水性能、遮音性能等の機能を有する石膏ボードを指しております。
公開買付者は、2010年2月に当社に経営参画して以来、これまでも、当社の経営基盤の安定性向上及び事
業収益性の改善に向けて、様々な施策を立案し、実行の支援をしてきたとのことです。しかしながら、当社
が属する国内建材市場においては、新設住宅着工戸数の減少やエネルギー価格の上昇による製造コストの増
加が進行してきており、引き続き厳しい経営環境が予想されます。こうした中で、当社が公開買付者の子会
社ですらない限定的な資本関係においては、当社の事業の成長によりクナウフ・グループが得られる利益も
限定的であるため、クナウフ・グループの事業戦略として、クナウフ・グループの経営資源を当社に対して
効率的かつ積極的に投入したり、クナウフ・グループと当社の間での経営資源の相互利用及び人材交流等を
促進することを優先することが難しい状況が存在するとのことです。また、クナウフ・グループが自らの利
益を追求する結果として不特定多数の少数株主の利益が害され得るという構造的な利益相反の問題があるた
め、上記①乃至④の施策の実行や当社と公開買付者の間での取引に際しては、その有用性及び取引としての
客観的な公正性について、利益相反回避措置を慎重に検討する必要があり、迅速な意思決定や機動的な施策
の実行が困難になる事態も生じているとのことです。加えて、当社が上場企業であることに起因して、短期
的な業績変動のリスクに捉われるがあまり、中長期的な視点に立った経営判断を柔軟かつ迅速に行うことで
持続的な企業価値向上を追求することが難しい場面もあると公開買付者は考えるようになったとのことで
す。他方で、当社の持続的な企業価値向上を実現するためには、公開買付者が当社を非上場化するのみなら
ず、その後に公開買付者及び平田興産の合弁会社化を行うことで、公開買付者のみならず、平田興産も当社
の経営に引き続き主体的かつ責任をもって関与することを明確化し、平田興産の有する国内市場に関する知
見を活かしつつ、当社の経営改革の実行及び事業の積極的展開に取り組むことが最も有効な手段であると公
開買付者は考えるに至ったとのことです。
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公開買付者及び平田興産は、遅くとも2021年6月上旬には、こうした認識を双方共有することを確認し、
2021年9月上旬に、当社を非上場化し、最終的に公開買付者及び平田興産の合弁会社化するための条件を検
討するためのプロジェクトを開始したとのことです。その上で、公開買付者は2022年1月上旬に、公開買付
者グループ及び当社グループから独立した財務アドバイザーとしてフーリハン・ローキー株式会社(以下
「フーリハン・ローキー」といいます。)を、法務アドバイザーとしてフレッシュフィールズブルックハウス
デリンガー法律事務所(外国法共同事業)をそれぞれ選任し、平田興産とともに当社を非上場化し、最終的に
公開買付者及び平田興産の合弁会社とすることに関する本格的な検討を開始したとのことです。公開買付者
及び平田興産は、かかる検討において、公開買付けを前置することなく、公開買付者及び本取引共同実施者
の一部又は全部以外の当社の株主をスクイーズアウトする手続を実施するという選択肢もあり得る中で、公
開買付けを前置することにより、本取引に関して適切な情報開示を行うことで、当社の株主の皆様に対して
本取引につき適切な判断機会を確保し、もって当社を非上場化し、最終的に公開買付者及び平田興産の合弁
会社化することの公正性を担保することが適切であると考えたとのことです。そこで、公開買付者及び平田
興産は、2022年2月2日に当社に対して公開買付けを行うことによる当社の非上場化を提案するとともに、
公開買付者及び当社の間で、公開買付けの実施の有無及び条件について協議を開始したい旨の初期的な打診
を行い、同日、当社と協議を進めることで合意したとのことです。また、公開買付者及び平田興産は、フー
リハン・ローキー及びフレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所(外国法共同事業)を交え
て検討を重ね、2022年3月11日に、当社を非上場化し、最終的に公開買付者及び平田興産の合弁会社化する
ための手段として、公開買付者及び平田興産が共同で公開買付けを行う等の様々な方法が考えられる中で、
公開買付者のみが公開買付けを行う方法が最も簡明で実現可能性が高いとの共通認識を有するに至り、それ
を相互に確認したとのことです。さらに、公開買付者及び平田興産は、2022年3月11日、最終ストラク
チャーを実現することについて共通認識を有するに至り、それを相互に確認したとのことです。
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その後、当社より2022年3月16日に2022年3月期から2025年3月期の事業計画(以下「当社事業計画」とい
います。)を受領し財務的分析を進めた上で、公開買付者は、2022年3月31日開催のShareholder committee
meeting(株主委員会会議)において、フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所(外国法共
同事業)から受けた法的助言及びフーリハン・ローキーから受けた財務的見地からの助言も踏まえ、公開買付
者による当社の一時的な完全子会社化及びその後の公開買付者及び平田興産の合弁会社化を目的とした取引
の一環として、本公開買付けを実施すること及び本ジェネラル・パートナーらに対して本公開買付けにおけ
る本公開買付価格の最終決定権限を授けることを決議(以下「本株主委員会決議」といいます。)したとのこ
とです。公開買付者は、同年4月1日に、当社に対して、当社株式の市場株価推移分析、及び直近の業績動
向並びに当社による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通し等を総合的に勘案して、
本公開買付価格を1株当たり540円とすることを含む、本取引に関する正式提案を行ったとのことです。公開
買付者は、1株当たり540円という本公開買付価格について、正式提案実施日の前営業日である2022年3月31
日の東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場(注3)における当社株式の終値471円に対して14.65%、2022
年3月31日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値428円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単
純平均値の計算において同じです。)に対して26.17%、直近3ヶ月間の終値単純平均値404円に対して
33.66%、直近6ヶ月間の終値単純平均値398円に対して35.68%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であるこ
と、2021年1月から2022年2月までに行われた発行者以外の者による完全子会社化を目的とした公開買付け
のうち、支配株主による従属会社の買収及びマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する事例42件において付
与されたプレミアムの実例(平均値は公表日の前営業日の終値に対して35.46%、公表日の前営業日までの直
近1ヶ月間の終値単純平均値に対して37.70%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して40.98%、直近6ヶ
月間の終値単純平均値に対し45.29%)、本取引に関して当社と協議を進めていく旨を合意した2022年2月2
日の当社株式の終値が378円であったこと等を考慮すれば、当社及びその株主にとって魅力的な提案であると
いう認識のもと、当該正式提案を実施したとのことです。公開買付者は、同日の当該正式提案後、当社より
当社事業計画の同日付改定版を受領したとのことです。2022年4月7日、公開買付者は、当社より、本公開
買付価格を1株当たり810円とする旨の提案を受け取ったとのことです。当社の当該提案価格は、ディスカウ
ンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)その他の価値分析手法を用いて算定し、
当社株式の市場価格の動向、当社ビジネスの将来見通し及び過去の類似する取引において付与されたプレミ
アムの実例等を総合的に勘案の上、当社事業計画の2022年4月1日付改定版に基づき提案されたとのことで
す。当該当社の提案及び当社事業計画の2022年4月1日付改定版に対する財務的分析を踏まえ、公開買付者
は、同年4月12日に、本公開買付価格を1株当たり560円とする旨の再提案を行ったとのことです。公開買付
者は、2022年4月13日に、当社より、本公開買付価格を1株当たり710円とする旨の提案を受け取ったとのこ
とです。公開買付者は、当社の当該提案価格を踏まえ、改めて当社事業計画の2022年4月1日改訂版の分析
を含む多面的な検討も行った上で、同年4月15日、本取引に関して当社と協議を進めていく旨を合意した
2022年2月2日頃の市場株価水準を踏まえると、当社及びその株主にとって極めて魅力的である一方、公開
買付者にとってこれ以上は正当化することが困難な水準として、本公開買付価格を1株当たり600円とする旨
の再提案を行ったとのことです。なお、公開買付者は、2022年4月15日の再提案後、当社より当社事業計画
の同日付改定版を受領しましたが、当社事業計画の2022年4月1日付改定版からの軽微な下方修正を内容と
するものであったため、2022年4月16日、2022年4月15日の本公開買付価格を1株当たり600円とする旨の再
提案を見直す必要はないと結論づけたとのことです。また、公開買付者及び平田興産は、当社との交渉と並
行して、最終ストラクチャーの詳細の検討も行い、2022年4月18日、最終ストラクチャーを実現する手段と
して、晴山を本公開買付けに応募させず、その後のスクイーズアウトの対象からも外すという方法も考えら
れる中で、晴山も本公開買付けに応募させ、その後のスクイーズアウトの対象とすることにより、当社を一
時的に公開買付者の完全子会社とする方法が最も簡明で実現可能性が高いとの共通認識を有するに至り、そ
れを相互に確認したとのことです。そして、2022年4月18日、公開買付者は、当社より、本公開買付価格を
1株当たり680円とする旨の再提案を受け取ったとのことです。当社の当該再提案価格は、DCF分析その他の
価値分析手法を用いて算定し、当社株式の市場価格の動向、当社ビジネスの将来見通し及び過去の類似する
取引において付与されたプレミアムの実例等を総合的に勘案の上、再提案いたしました。公開買付者は、当
社の2022年4月18日付の再提案を検討しましたが、公開買付者にとって2022年4月15日に再提案した1株当
たり600円の本公開買付価格は、これ以上正当化することが困難な水準に達しているため、2022年4月19日、
公開買付者は当社に対して、公開買付者の2022年4月15日付の再提案は最終提案でありその内容を変更する
つもりがない旨の意向を伝えたとのことです。2022年4月21日、公開買付者は当社から、本公開買付価格を
1株当たり600円の水準から引き上げることの打診を受けたとのことです。公開買付者の2022年4月15日付の
提案に対して、当社が2022年4月18日付の再提案及び2022年4月21日付の打診の2度にわたり、応諾できな
い旨の意思表明をしたこと、公開買付者は当該意思表明が本特別委員会の意向にも基づくものである旨の説
明を当社より受けたこと、及び、公開買付者は本公開買付けを当社による賛同を受けた友好的買収案件とし
て進める意向を有していたことから、2022年4月22日、公開買付者は本公開買付価格を1株当たり605円とす
る旨の再提案を行ったところ、同日、当社より当該再提案を応諾する旨の返事を受け取ったとのことです。
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(注3) 東京証券取引所の組織再編が実施された2022年4月4日より前については、東京証券取引所
JASDAQ市場における株価を使用及び記載しております。以下他の取扱いを定めない限り同じで
す。
以上の経緯のもとで、公開買付者は、2022年4月25日、本株主委員会決議の内容に従い、本ジェネラル・
パートナーらの決定に基づき、本公開買付価格を1株当たり605円とすることとしたとのことです。
(b) 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、本取引後、当社を含む公開買付者が属するクナウフ・グループ内の連携を加速させるととも
に意思決定を迅速化し、顧客基盤、事業基盤、財務基盤等の当該グループの経営資源の配分の最適化及び相互
活用を図ることで、今後の事業環境の変化等にも対応し、当社グループの特性や強みを十分に活かしながら当
社グループの事業強化及び持続的な収益成長を実現していく所存であるとのことです。また、中長期視点での
競争力強化、機動的な経営施策の実行等により、当社グループを含めた公開買付者グループ全体の利益成長を
加速させ、企業価値の向上に努めていくとのことです。
なお、本取引後の当社の経営体制について、公開買付者は、本書提出日現在、公開買付者から当社に取締役
として既に派遣されているアルフォンス・フレデリック・クナウフ(Alfons Frederick Knauf)氏及びトーマ
ス・ワーグナー(Thomas Wagner)氏を含めて、既存の取締役構成(但し、当社に派遣されているウーヴェ・ク
ノッツアー(Uwe Knotzer)氏を含む社外取締役2名を除く。)を原則として維持する予定とのことですが、当社
の企業価値の向上に役立つ経営能力を有すると公開買付者及び平田興産が判断する者を新たな取締役に選任す
る予定とのことです。
また、公開買付者と当社は、2020年1月15日、資本業務提携契約を締結し、その中で、公開買付者と当社が
当社の総取締役数のうち各々、半数の者を指名する権利を有すること等を合意しておりますが、本株主間契約
において、当社の取締役のうち、平田興産が取締役1名を指名する権利を有すること、公開買付者がその他の
全取締役を指名する権利を有することが合意されていることに鑑み、公開買付者は、本取引の後に、同資本業
務契約提携契約における当該合意と本株主間契約における当該合意とが矛盾することがないように、当社に資
本業務提携契約の変更又は解約をする旨を申し入れる予定とのことです。
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③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(a) 検討体制の構築の経緯
当社は、2022年2月2日に公開買付者より公開買付けの手法により本取引を行うことを提案されるとともに
公開買付者及び当社の間で、本取引の実施の有無及び条件について協議を開始したい旨の初期的な打診を受
け、同日、公開買付者と協議を進めることで合意いたしました。その後、本公開買付価格及びその他本公開買
付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャ
ル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)を、公
開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を、それぞ
れ2022年2月下旬に選任いたしました。そして、当社は、公開買付者及び本取引共同実施者が当社の発行済み
株式の過半を有し、本取引が構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するこ
とに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、TMI総合法律事務所の助言を踏まえ、公開
買付者グループ及び当社グループから独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委
員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための
措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社にお
ける独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引に
関する提案を検討するための体制を整備いたしました。その上で、当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引
の目的の正当性、(ⅱ)本取引に係る交渉過程の手続の公正性、(ⅲ)本取引により当社の少数株主に交付される
対価の妥当性、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を前提に、当社の取締役会が本取引を実施(本公開買付けに
係る当社の意見表明を含みます。)することが当社の少数株主にとって不利益であるか否か(以下、これらを総
称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会に対
し、ア.本取引に係る調査を行うことができる権限、イ.(ア)本特別委員会としての提案その他の意見又は質
問を公開買付者に伝達すること、及び(イ)本特別委員会自ら公開買付者と協議・交渉する機会の設定を当社に
対して要望する権限並びにウ.当社の費用にて、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを独自
に選任することができる権限等を与えることを決議いたしました。さらに、本特別委員会への諮問にあたり、
当社取締役会は、当社は、当社取締役会において本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を
最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行わないことを決議
いたしました。なお、本特別委員会は、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任し
ておりません。
当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及
び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独
立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措
置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特
別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイ
ザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行並びに当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所に
ついて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための
措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び
特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉
及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含
みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことに
ついて本特別委員会の承認を受けております。
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(b) 判断内容
当社は、TMI総合法律事務所から受けた本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダ
ンスその他の法的助言及び三菱UFJ銀行から受けた当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉
方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値
向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に
協議及び検討を行ってまいりました。
なお、当社における協議及び検討並びに公開買付者との交渉過程において、本特別委員会は、公開買付者と
直接協議・交渉は行っていないものの、適宜、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申
述等を行いました。当社のファイナンシャル・アドバイザーは、公開買付者との交渉にあたっては、事前に当
社内で検討し、本特別委員会の意見を踏まえた交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本
公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その助
言を踏まえて当社内にて検討を行い、対応を行いました。
また、本特別委員会は、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引の条件について継続的に協議・
交渉を重ねました。具体的には、当社は、2022年4月1日に、公開買付者から本公開買付価格を1株あたり540
円とする提案を受けた後、2022年4月7日に、公開買付者に対し、DCF分析その他の価値分析手法を用いて算定
し、当社株式の市場価格の動向、当社ビジネスの将来見通し及び過去の類似する取引において付与されたプレ
ミアムの実例等を総合的に勘案の上、本公開買付価格を1株当たり810円とする旨の提案を行いました。その
後、当社は、同年4月12日に、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり560円とする旨の再提案を受けまし
た。これに対し、当社は、2022年4月13日に、公開買付者に対し、本公開買付価格を1株当たり710円とする旨
の提案を行いました。その後、当社は、同年4月15日に、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり600円と
する旨の再提案を受けました。2022年4月18日、当社は、公開買付者に対し、DCF分析その他の価値分析手法を
用いて算定し、当社株式の市場価格の動向、当社ビジネスの将来見通し及び過去の類似する取引において付与
されたプレミアムの実例等を総合的に勘案の上、本公開買付価格を1株当たり680円とする旨の提案を行いまし
た。当社は、2022年4月19日、公開買付者から2022年4月15日の再提案は最終提案でありその内容を変更する
つもりがない旨の意向を伝えられました。2022年4月21日、当社は公開買付者に対し、本公開買付価格を1株
あたり600円の水準から引き上げることの打診を行いました。その後、当社は、2022年4月22日に、公開買付者
から本公開買付価格を1株あたり605円とする旨の提案を受けました。このように、当社は、公開買付者との間
で、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年4月22日まで継続的に本公開買付価格の交
渉を行ってまいりました。
そして、当社は、2022年4月25日、本特別委員会から、当社取締役会が本取引を実施(本公開買付けに係る当
社の意見表明を含みます。)することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨の答申書
(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格
の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するため
の措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照くだ
さい。)。
その結果、以下のとおり、当社としても、本取引は当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
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当社が属する石膏ボード業界の業況は、特に住宅の着工数の増減に大きく影響を受ける傾向があり、日本国
内における新設住宅着工戸数は、人口減少、平均築年数の伸長、名目GDPの成長減速等により中長期的に大幅に
減少することが予想され(注1)、それに伴い、現在の石膏ボードの用途を前提にすると、石膏ボード市場も縮
小していくことが予想されています。そのような事業環境の中、当社の石膏ボード事業を安定して収益を稼ぐ
ことが可能なベース事業として軌道に乗せ、中長期的に維持発展させていくためには、吉野石膏株式会社及び
当社による二社寡占状態にある国内石膏ボード市場におけるシェアを一層拡大するのみならず、石膏ボードの
新たなニーズの発掘や主力の建材分野以外の、断熱材、天井金具のフレーム材等隣接市場の開拓が必要不可欠
です。そのためには、①石膏原料の調達方法の多様化やコストダウンによる価格競争力の強化、製品配送にお
ける機動力や配送能力と技術サポート面における顧客向けサービスの充実や製品の研究開発の一層の向上を可
能とする②人材の獲得・教育や評価体制の充実、③会社横断的な業務プロセス効率化を実現するためのシステ
ム構築、④ノウハウ・特許等の知的財産権の強化、及び⑤それらを実現するための安定した財務基盤の確立が
不可欠です。新型コロナウィルス感染症拡大に伴う景気変動、世界的なエネルギー価格の上昇、木材不足に起
因するウッドショック等により、住宅市場の先行きの不透明感が一層高まっている昨今の状況下では、このよ
うな施策を実施する必要性はさらに強まっています。
(注1) 株式会社野村総合研究所が2021年6月8日に公表した資料
(https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2021/210608_1.pdf)
によると、日本国内の新設住宅着工戸数は2020年の81万戸から、2040年度には約46万戸まで減少す
ることが予想されています。
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このような問題意識のもと、当社は、2019年12月に、2006年4月より包括的な資本提携及び業務提携を行っ
てきたクナウフ・グループの公開買付者との間で新たに資本業務提携契約を締結し、クナウフ・グループとの
間において資本関係及び業務提携関係の更なる強化を図りました。具体的には、当社は、クナウフ・グループ
の支援のもと、マーケティング力の強化や業務プロセスの効率化等に取り組んで参りました。しかしながら、
クナウフ・グループの直接的な株式所有比率が50%未満で、公開買付者が「その他の関係会社」の地位にとど
まる現状の資本関係のもとでは、クナウフ・グループと当社の利害関係が完全には一致しないこと、また、ク
ナウフ・グループと当社の不特定多数の少数株主との間の利益相反の問題に配慮が必要となることから、クナ
ウフ・グループの技術力や運営管理方法、並びに特許等に関する情報の共有に制限が課され得るなど、クナウ
フ・グループの経営資源の相互利活用及び人材交流等に一定の制約が存在しております。これらの問題を緩和
させるにはクナウフ・グループの当社に対する出資比率を上昇させて、クナウフ・グループの「子会社」とな
る選択肢も考えられます。しかしその場合には、コーポレートガバナンス意識の高まりとともに上場子会社と
支配株主との間の取引についての規制が年々強化されていく中で、当社の少数株主との間の利益相反問題への
対処が課題として生じてまいります。そのため、支配株主となるクナウフ・グループとの取引に際してその有
用性及び取引としての客観的な公正性について慎重に検討する必要が迫られるなど、迅速な意思決定や機動的
な施策の実行に制約が生じ、クナウフ・グループとの間の提携により期待されるシナジーを最大限発揮するこ
とが困難となる可能性が高まるものと考えます。
こうした昨今の諸情勢にも鑑み、当社は、当社株式を非公開化して当社と公開買付者が属するクナウフ・グ
ループが石膏ボード事業を完全に一体運営できるようにし、①価格競争力の強化、②人材の獲得・教育や評価
体制の充実、③会社横断的な業務プロセス改革、④ノウハウ・特許等の知的財産権の強化、及び⑤安定した財
務基盤の確立を推し進め、国内石膏ボード業界におけるシェアの一層の拡大や、石膏ボードの新たなニーズ発
掘とともに隣接市場の開拓を図ることによる新たな成長機会を探ることが、中長期的な観点から当社の企業価
値最大化を目指していくうえで不可欠であるとの判断に至りました。
また、近年の資本市場に対する規制の強化等により、社外役員の招致や内部統制体制の充実・強化のための
管理人員の増員等に伴うコストをはじめ、上場を維持するために必要なコストは増加しており、当社の大きな
負担になりつつあります。加えて東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場を選択しました
が、上場維持基準の一つである流通株式比率を満たすことは現在の当社株式の売買出来高(2022年3月31日時点
における売買出来高:3,200株)からすると達成は容易ではなく、上場を維持するためには流通株式比率の対策
(法人株主に対する株式売却の要請、投資家向け情報発信の充実等)に一定のコストを要することが予想される
ところであり、当社株式を非公開化し、これら上場を維持するためのコストを上記施策の実行に振り向けるこ
とで、当社の中長期的な成長をより迅速に実現することが可能になると考えております。
なお、当社株式の非公開化により、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことがで
きなくなり、また、社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪失するこ
とになります。しかしながら、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮する
と、当面の間、エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、当社のブランド力や社会的な信用は事
業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、人材採用面においても必ずしも上場企業であることが人
材確保の源泉となっている訳でもないことから、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は限定的で
あると考えております。
以上を踏まえ、当社としても、当社の株主の皆様に発生する可能性がある悪影響を回避しつつ、中長期的な
視点から当社の企業価値の更なる向上を図るためには、本取引により当社株式を非公開化することが有効な手
段であると考えるに至りました。
また、本公開買付価格に関し、当社は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり605円は当社の少
数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対
して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしま
した。
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(a) 当該価格が、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を
回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む
本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的
な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b) 当該価格が、下記「(3) 算定に関する事項」に記載の三菱UFJ銀行から2022年4月25日付で提出を受けた
当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)における三
菱UFJ銀行による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価分析による算定結果の範囲を上回っており、
また、DCF分析及び類似会社比較分析による算定結果の範囲内であること。
(c) 当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年4月22日の東京証券取引所
スタンダード市場における当社株式の終値519円に対して16.57%(小数点以下第三位を四捨五入しており
ます。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、2022年4月22日から直近1ヶ月間の終値単純平
均値481円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対
して25.78%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値429円に対して41.03%、同直近6ヶ月間の終値単純平均
値414円に対して46.14%のプレミアムが加算されたものであり、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関
する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)案件のうち、
2022年2月28日までに公開買付けが成立した事例28件におけるプレミアム水準(公表日の前営業日の終値
に対して平均38.3%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対して平均38.9%、直近3ヶ月の終値の単純
平均値に対して平均44.4%及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対して平均45.3%)と比較しても、公
表日の前営業日の終値及び直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムは過去事例の平均を下
回っており、また公表日の直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムも過去事例の平均と同
等の水準ながらわずかに平均を下回っているものの、本公開買付価格におけるプレミアムを下回ってい
る事例も複数(上記28件のうち、公表日の前営業日の終値に対するプレミアムが本公開買付価格における
公表日の前営業日の終値に対するプレミアムを下回っている事例が3件、直近1ヶ月間の終値の単純平
均値に対するプレミアムが本公開買付価格における直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミア
ムを下回っている事例が6件、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムが本公開買付価格
における直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対するプレミアムを下回っている事例が14件)存在するこ
と、直近6ヶ月間の終値の最高値528円(2022年4月20日の終値)を超えていること及び直近での当社株式
に係る市場株価の上昇傾向等を総合的に考慮すると、プレミアムは合理的な水準の範囲内にあるものと
評価できること。
(d) 当該価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための
措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設
置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書において
も、妥当であると認められると判断されていること。
以上から、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本
取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年4月25日開催の当社取締役会において、本公開買付
けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨すること
を決議いたしました。
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(3) 算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する
意思決定の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・ア
ドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行に対し、当社株式価値の算定を依頼し、2022年4月25日付で、
本株式価値算定書を取得いたしました。三菱UFJ銀行は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開
買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、法人としての三菱UFJ銀行は、当社の株
主(所有割合1.29%)であり、また、当社に対して融資を行っている点で当社と一定の利害関係を有しているとも
言い得るものの、同行は、銀行法(昭和56年法律第59号。その後の改正を含みます。)第13条の3の2第1項及び
銀行法施行規則(昭和57年大蔵省令第10号。その後の改正を含みます。)第14条の11の3の3等の適用法令に従っ
た法的義務として、行内における情報隔壁措置等、適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施しており、
ファイナンシャル・アドバイザーとしての三菱UFJ銀行財務開発室は、出資及び貸付を行う同行の別部署とは独立
した立場から、当社株式の株式価値の分析を行うことができる体制を構築しているものと考えられるので、当社
は、当社株式の株式価値の分析にあたっては、三菱UFJ銀行において適切な弊害防止措置が講じられているものと
判断し、三菱UFJ銀行財務開発室による過去の同種事案の第三者算定機関としての実績等を踏まえ、三菱UFJ銀行
を公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関に選定いたしました。また、本特別委員会
は、初回の会合において、三菱UFJ銀行の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のファイナンシャ
ル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受
けることができることを確認しております。
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また、本取引に係る三菱UFJ銀行の報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。
当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬
が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系により三菱UFJ銀行
を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
② 算定の概要
三菱UFJ銀行は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株
式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場
に上場していることから市場株価分析を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株
式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較分析を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映させ
るためにDCF分析をそれぞれ算定方法として採用し、当社株式の株式価値の算定を行っております。なお、当社
は、本公開買付価格の決定にあたり、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を
回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社に
おいて、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施しており、少
数株主の利益への配慮がなされていると認められることから、三菱UFJ銀行から本公開買付価格の公正性に関する
意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
上記の各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価分析:413円~515円
類似会社比較分析:400円~663円
DCF分析:525円~789円
市場株価分析では、2022年4月22日を算定基準日として、基準日の直近取引成立日である2022年4月21日の東
京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値515円、直近1ヶ月間の終値単純平均値478円、直近3ヶ
月間の終値単純平均値428円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値413円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値
の範囲を413円から515円までと算定しております。
次に、類似会社比較分析では、当社と比較的類似する事業を営む類似上場企業として、ニチハ株式会社、株式
会社エーアンドエーマテリアル及び神島化学工業株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率
(EV/EBITDA倍率)を用いて、当社の株式価値を算定し、その1株当たりの株式価値の範囲を400円から663円までと
算定しております。
最後に、DCF分析では、当社が作成した2023年3月期から2025年3月期までの3期分の事業計画における財務予
測、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2023年3月期以降に生み出すと見込まれるフリー・
キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1
株当たりの株式価値の範囲を525円から789円までと算定しております。割引率は加重平均資本コスト(WACC:
Weighted Average Cost of Capital)とし、6.00%から7.00%を採用しております。継続価値の算定にあたっては
Exitマルチプル法を採用し、EBITDAマルチプルを4.25倍から5.75倍として当社株式の1株当たりの株式価値を算
定しております。
三菱UFJ銀行がDCF分析の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。また、
当該財務予測は、大幅な増減益は見込んでおりません。また、本取引の実行により実現することが期待されるシ
ナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。
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(単位:百万円)
2023年 2024年 2025年
3月期 3月期 3月期
売上高 31,239 31,125 30,887
営業利益 3,124 3,254 3,136
EBITDA 3,958 4,354 4,236
フリー・キャッシュ・
1,003 2,471 2,435
フロー
三菱UFJ銀行財務開発室は、本株式価値算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確
かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及
び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等に
つき当社において一切認識されていないことを前提としております。三菱UFJ銀行財務開発室は、本株式価値算定
書の作成にあたり使用する情報の中に含まれる財務予測等の予測値は当社による最善の予測と判断に基づき合理
的に作成されたものであるとの前提に立ち、使用情報をそのまま採用しています。三菱UFJ銀行財務開発室は、か
かる財務予測等の正確性・妥当性及び実現可能性等について責任を負うものではなく、当該財務予測等及びその
前提について意見を述べるものでもありません。三菱UFJ銀行財務開発室は、当社及びその関係会社の資産又は負
債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第
三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行なっておりません(これらの資料及び情報の正確性及び完全性に
問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。)。本株式価値算定書で使用している事
業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成
されたことを前提としております。本株式価値算定書において、三菱UFJ銀行財務開発室が提供された資料及び情
報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理
的であることを前提としております。三菱UFJ銀行財務開発室は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現
性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。本株式価値算定書の作成
にあたり使用する情報の真実性・正確性等、あるいは今後入手し得る追加情報の内容次第では評価の前提条件が
異なり、従って本株式価値算定書の内容も大きく変わる可能性があります。本株式価値算定書は、当社及びその
関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株
式価値算定書に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。本株式価値
算定書は、本取引が適法かつ有効に実施されること、及び本取引の実行に必要な全ての政府、監督官庁その他に
よる同意又は許認可が、本取引によってもたらされると期待される利益を何ら損うことなく取得されることを前
提としており、三菱UFJ銀行財務開発室はこれらについて独自の検証を行う義務を負うものではありません。
(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、一時的に当社
を公開買付者の完全子会社にした上で、最終的に当社の株主を公開買付者及び晴山のみとし、当社を公開買付者及
び平田興産の合弁会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全部を取得できなかった
場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式の全部の取得を目的とした手続を実施することを予
定しているとのことです。公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載
のとおり、公開買付者及び本取引共同実施者はあわせて当社株式14,890,097株(所有割合:63.86%)を所有しており
2021年6月25日開催の定時株主総会への議決権行使比率(92.08%)を考慮すると、本公開買付けを行うことなく、当
社に株式併合の実施を要請すること等により、当社を公開買付者の完全子会社とすることも事実上可能と考えてい
るとのことです。もっとも、本公開買付けを前置することにより、本取引に関して適切な情報開示を行うことで、
当社の株主の皆様に対して本取引につき適切な判断機会を確保し、もって本取引の公正性を担保することを企図し
ているとのことです。
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なお、仮に、公開買付者が本公開買付けの撤回等を行った場合や本公開買付けの買付予定数の下限に達する応募
が行われなかった場合等、本公開買付けが不成立となった場合には、本公開買付けが不成立となった理由・背景等
の分析を踏まえ、当社との間で公開買付者による本スクイーズアウト手続の実施について協議を行うことを想定し
ており、当該分析及び協議に基づき、まずは再度の公開買付けを前置して本スクイーズアウト手続を実施するか否
かを検討する予定とのことです。また、当社が、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機
関から新たに当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書を取得し、本スクイーズアウト手続において使用さ
れる当社株式の価格が当該株式価格算定書に基づき決定され、かつ、当該第三者算定機関その他の第三者算定機関
(公開買付者グループ及び当社グループから独立したものに限ります。)による当該価格の公正性に関する意見書
(フェアネス・オピニオン)を当社が取得した場合等、公開買付者が、当該分析及び協議に基づき、再度の公開買付
けを前置せずともなお公正な手続といいうる状況があると認める場合には、再度の公開買付けを前置することなく
本スクイーズアウト手続を実施するか否かを検討する予定とのことです。
① 株式売渡請
求公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の
議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公
開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び
当社を除きます。以下①において同じです。)の全員に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求
(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。
株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の株主に対
して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して
株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関
係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において
定めた取得日をもって、当社の株主全員からその所有する当社株式の全部を取得します。そして、公開買付者
は、当該各株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の
金銭を交付する予定とのことです。当社は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、当社取締役会に
てかかる株式売渡請求を承認する予定です。株式売渡請求がなされた場合については、会社法第179条の8その他
の関係法令の定めに従って、当社の株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立て
を行うことができます。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満
である場合には、公開買付者は株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃
止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2022年
9月頃を目途に開催することについて、当社に要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場
合には、公開買付者による要請に応じる予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に
賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる
日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式
を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当社の
株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満
たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開
買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社
株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を
除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と
同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのこと
です。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定とのことですが、公開買付者のみが当社株
式の全部(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当
社の株主(公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定
とのことです。
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株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるとき
は、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対し、自己の所
有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨
及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。上記
のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きま
す。)が所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主は、上
記申立てを行うことができることになる予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありませ
ん。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施
に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立し
た場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的
に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、
本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定との
ことです。もっとも、株式売渡請求に関する売買価格の決定の申立て又は株式併合についての株式買取請求に関
する価格の決定の申立てがなされた場合において、当該申立てを行った当社の株主が所有していた当社株式の売
買価格又は株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速や
かに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当
社の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
(5) 上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公
開買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証
券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。ま
た、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合に
は、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施す
ることを予定しているとのことですので、その場合には、当社株式は、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従
い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場に
おいて取引することができなくなります。仮に、公開買付者が本公開買付けの撤回等を行った場合や本公開買付け
の買付予定数の下限に達する応募が行われなかった場合等、本公開買付けが不成立となった場合には、本公開買付
けが不成立となった理由・背景等の分析を踏まえ、当社との間で公開買付者による本スクイーズアウト手続の実施
について協議を行うことを想定しており、当該分析及び協議に基づき、まずは再度の公開買付けを前置して本スク
イーズアウト手続を実施するか否かを検討する予定とのことです。また、当社が、公開買付者グループ及び当社グ
ループから独立した第三者算定機関から新たに当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書を取得し、本スク
イーズアウト手続において使用される当社株式の価格が当該株式価格算定書に基づき決定され、かつ、当該第三者
算定機関その他の第三者算定機関(公開買付者グループ及び当社グループから独立したものに限ります。)よる当該
価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を当社が取得した場合等、公開買付者が、当該分析及び協
議に基づき、再度の公開買付けを前置せずともなお公正な手続といいうる状況があると認める場合には、再度の公
開買付けを前置することなく本スクイーズアウト手続を実施するか否かを検討する予定とのことです。
(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
担保するための措置
公開買付者及び当社は、公開買付者及び本取引共同実施者が当社の発行済み株式の過半を有し、公開買付者と当
社の公開買付者以外の株主との間で構造的に利益相反の関係があることに鑑み、本公開買付けの公正性を担保する
とともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保
し、かつ利益相反を回避するため、以下の措置を実施しております。
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なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全部を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立
後、本スクイーズアウト手続を実施することにより、当社株式の全部を取得することを予定しているため、本スク
イーズアウト手続の確実な実施に必要な当社の議決権の3分の2を確保するために、公開買付者が新たに取得する
必要のある4,987,001株を買付予定数の下限としているとのことですが、他方で、公開買付者及び本取引共同実施者
は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、併せて当
社株式14,890,097株(所有割合:63.86%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オ
ブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なも
のとし、却って本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考
え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定
数の下限を設定していないとのことです。もっとも、公開買付者は、公開買付者及び当社において以下の①から⑦
の措置を講じていることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくもので
す。
① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する
意思決定の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・ア
ドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行に対し、当社株式価値の算定を依頼し、2022年4月25日付で、
本株式価値算定書を取得いたしました。三菱UFJ銀行は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開
買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、初回の会合におい
て、三菱UFJ銀行の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第
三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを
確認しております。なお、当社は、本公開買付価格の決定にあたり、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保す
るための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のと
おり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するた
めの措置を実施しており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められることから、三菱UFJ銀行から本公
開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、本取引に係る三菱UFJ銀行の報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。
当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬
が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系により三菱UFJ銀行
を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
本株式価値算定書の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」をご参照ください。
② 当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言
当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、公
開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本
取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決
定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、TMI総合法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関
して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、初回の会合において、TMI総合法律事務所の独
立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のリーガル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会
としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。
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③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(a) 設置等の経緯
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理
由」に記載のとおり、当社は、2022年3月4日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設
置いたしました。当社は、TMI総合法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社
外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、公開買付者からの独立性を
有すること、及び本取引の成否に関して少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認
した上で、TMI総合法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保し
つつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、金融分野等の豊富な経験、知見を有する武藤時裕氏(当
社社外取締役)、税理士としての経験を通じて培った財務及び会計に関する知見を有する山本景一氏(当社者社
外監査役、税理士)並びに同種他案件で特別委員の経験が豊富なことから当社より就任を依頼した外部の太田大
三氏(弁護士、丸の内総合法律事務所)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特
別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対
価として、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成
功報酬は含まれておりません。さらに、当社は、武藤時裕氏、山本景一氏及び太田大三氏と公開買付者又は当
社との間に重要な利害関係は存在しないことを確認いたしました。)。
その上で、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思
決定の過程及び理由」に記載のとおり、2022年3月4日開催の取締役会における決議により本特別委員会を設
置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特
別委員会に対し、ア.本取引に係る調査を行うことができる権限、イ.(ア)本特別委員会としての提案その他
の意見又は質問を公開買付者に伝達すること、及び(イ)本特別委員会自ら公開買付者と協議・交渉する機会の
設定を当社に対して要望する権限並びにウ.当社の費用にて、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバ
イザーを独自に選任することができる権限等を与えることを決定しております。さらに、本特別委員会への諮
問にあたり、当社取締役会は、当社は、当社取締役会において本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委
員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行わな
いことを決議しております。なお、本特別委員会は、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを
独自に選任しておりません。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役6名のうち、平田晴久氏は平田興産及び晴山の代表取締役を
兼任していること、アルフォンス・フレデリック・クナウフ(Alfons Frederick Knauf)氏、トーマス・ワーグ
ナー(Thomas Wagner)氏及びウーヴェ・クノッツアー(Uwe Knotzer)氏は公開買付者の役職員を兼任しているこ
と、平田芳久氏は、平田興産及び晴山の代表取締役を兼任している平田晴久氏と親族関係にあることに鑑み、
取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除
し、本取引の公正性を担保する観点から、上記5名を除く1名の取締役において審議の上、上記の決議を行っ
ております。
(b) 検討の経緯
本特別委員会は、2022年3月4日から同年4月22日までの間に合計9回、合計約9時間にわたって開催され
たほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項に係
る協議及び検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、まず、2022年3月4日、当社のファイナンシャ
ル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJ銀行並びに当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合
法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認し、本特別委員会
も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認いたしました。また、公開買付者との交渉過
程への関与方針として、直接の交渉は当社の社内の人間やアドバイザーが当社の窓口として行うこととしつ
つ、交渉担当者から適時に状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取
引条件に関する交渉過程に実質的に関与することを確認いたしました。
また、本特別委員会は、下記「④ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり当社が社内に構
築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含み
ます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。
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その上で、本特別委員会は、当社から、当社の沿革、事業内容及び業績推移、現在の経営課題、本取引に
よって見込まれる当社への事業への影響の内容、本取引を前提としない場合の企業継続に関する見通し、並び
に当社の事業計画の作成経緯等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、公開買付者から、本取引
を提案するに至った理由及び背景、本取引の目的、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の
影響の内容及び程度、並びに本取引後の当社の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。ま
た、当社の第三者算定機関である三菱UFJ銀行から、当社株式の株式価値の算定に関する説明を受け、質疑応答
を行った上で、当該算定結果の合理性について検討いたしました。また、当社のリーガル・アドバイザーであ
るTMI総合法律事務所から、特別委員会の意義・役割等を含む本取引の手続面における公正性を担保するための
措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の
内容について助言を受けております。
また、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内
容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「(2) 意見
の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり
交渉が行われ、公開買付者から本公開買付価格を1株当たり605円とする旨の提案を受けるに至るまで、当社に
複数回意見する等して、公開買付者との交渉過程に関与いたしました。
(c) 判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2022年4月25
日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
ⅰ 本取引の目的の正当性について
(ⅰ) 本取引の目的等の概要
本特別委員会は、本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内
容等について、当社及び公開買付者に対してヒアリングを行った。それらの内容をまとめると、大要、以
下のとおりである。
当社グループは、石膏ボードを中心とする建築資材の製造及び販売を主たる事業としている。
当社が事業を展開する日本市場においては、少子高齢化が進み、国内の人口減少が見込まれる中、新設
住宅着工戸数は中長期的に減少し、それに伴い、石膏ボードの使用量も減ることが予想されている。
公開買付者は、本取引を通じて当社との資本関係を強化することにより、当社の事業と公開買付者がグ
ローバルで展開する石膏ボード事業との完全な一体運営が可能となり、以下のような施策を実行すること
で、当社の中長期的な企業価値向上が可能になると考えている。
① 公開買付者が属するクナウフ・グループが有する技術及び研究開発力の活用による、製造技術及び商
品開発力の向上。
② 公開買付者が属するクナウフ・グループが有する生産及び専門サービスの活用による、製品供給及び
技術サポート面における顧客サービスの品質向上。
③ 公開買付者が属するクナウフ・グループが備蓄している世界的規模の石膏原料の活用を通じた、原料
調達及び製造の両面におけるコスト削減。
④ 断熱材やテクニカルボード等、周辺領域の製品の拡販。
公開買付者は、最終的に当社を公開買付者及び平田興産の合弁会社とすることを企図しているところ、
公開買付者は、当社の持続的な企業価値向上を実現するためには、公開買付者が当社を非上場化するのみ
ならず、その後に公開買付者及び平田興産の合弁会社化を行うことで、公開買付者のみならず、平田興産
も当社の経営に引き続き主体的かつ責任をもって関与することを明確化し、平田興産の有する国内市場に
関する知見を活かしつつ、当社の経営改革の実行及び事業の積極的展開に取り組むことが最も有効な手段
であると考えている。
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一方、当社としても、そのような事業環境の中、当社の石膏ボード事業を安定して収益を稼ぐことが可
能なベース事業として軌道に乗せ、中長期的に維持発展させていくためには、二社寡占状態にある国内石
膏ボード市場におけるシェアを一層拡大するのみならず、石膏ボードの新たなニーズの発掘や主力の建材
分野以外の、断熱材、天井金具のフレーム材等隣接市場の開拓が必要不可欠であると考えている。そのた
めには、(ア)石膏原料の調達方法の多様化やコストダウンによる価格競争力の強化、製品配送における機
動力や配送能力と技術サポート面における顧客向けサービスの充実や製品の研究開発の一層の向上を可能
とする(イ)人材の獲得・教育や評価体制の充実、(ウ)会社横断的な業務プロセス効率化を実現するための
システム構築、(エ)ノウハウ・特許等の知的財産権の強化、及び(オ)それらを実現するための安定した財
務基盤の確立が不可欠であると考えている。新型コロナウィルス感染症拡大に伴う景気変動、世界的なエ
ネルギー価格の上昇、木材不足に起因するウッドショック等により、住宅市場の先行きの不透明感が一層
高まっている昨今の状況下では、このような施策を実施する必要性はさらに強まっている。
このような問題意識のもと、当社は、2019年12月に、2006年より包括的な資本提携及び業務提携を行っ
てきたクナウフ・グループとの間で新たに資本業務提携契約を締結し、クナウフ・グループとの間におい
て資本関係及び業務提携関係の更なる強化を図ってきた。具体的には、当社は、クナウフ・グループの支
援のもと、マーケティング力の強化や業務プロセスの効率化等に取り組んできた。しかし、クナウフ・グ
ループの直接的な株式所有比率が半数未満で、公開買付者が「その他の関係会社」の地位にとどまる現状
の資本関係のもとでは、クナウフ・グループの技術力や運営管理方法、並びに特許等に関する情報の共有
に制限が課され得るなど、クナウフ・グループの経営資源の相互利活用及び人材交流等に一定の制約が存
在している。これらの問題を緩和させるにはクナウフ・グループの当社に対する出資比率を上昇させて、
クナウフ・グループの「子会社」となる選択肢も考えられるが、その場合には、コーポレートガバナンス
意識の高まりとともに上場子会社と支配株主との間の取引についての規制が年々強化されていく中で、当
社の少数株主との間の利益相反問題への対処が課題として生じる。そのため、支配株主となるクナウフ・
グループとの取引に際してその有用性及び取引としての客観的な公正性について慎重に検討する必要が迫
られるなど、迅速な意思決定や機動的な施策の実行に制約が生じ、クナウフ・グループとの間の提携によ
り期待されるシナジーを最大限発揮することが困難となる可能性が高まるものと考えている。
以上の点に鑑み、当社は、当社株式を非公開化して当社と公開買付者が石膏ボード事業を完全に一体運
営できるようにし、(ア)価格競争力の強化、(イ)人材の獲得・教育や評価体制の充実、(ウ)会社横断的な
業務プロセス改革、(エ)ノウハウ・特許等の知的財産権の強化、及び(オ)安定した財務基盤の確立を推し
進め、国内石膏ボード業界におけるシェアの一層の拡大や、石膏ボードの新たなニーズ発掘とともに隣接
市場の開拓を図ることによる新たな成長機会を探ることが、中長期的な観点から当社の企業価値最大化を
目指していくうえで不可欠であるとの判断に至った。
また、近年の資本市場に対する規制の強化等により、社外役員の招致や内部統制体制の充実・強化のた
めの管理人員の増員等に伴うコストをはじめ、上場を維持するために必要なコストは増加しており、当社
の大きな負担になりつつある。加えて東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場を選択し
たが、上場維持基準の一つである流通株式比率を満たすことは現在の当社株式の売買出来高(2022年3月
31日時点における売買出来高:3,200株)からすると達成は容易ではなく、上場を維持するためには流通株
式比率の対策(法人株主に対する株式売却の要請、投資家向け情報発信の充実等)に一定のコストを要する
ことが予想されるところであり、当社株式を非公開化し、これら上場を維持するためのコストを上記施策
の実行に振り向けることで、当社の中長期的な成長をより迅速に実現することが可能になると考えてい
る。
なお、当社株式の非公開化により、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うこと
ができなくなり、また、社会的な信用の向上といったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪
失することになる。しかし、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮する
と、当面の間、エクイティ・ファイナンスの必要性は高くなく、また、当社のブランド力や社会的な信用
は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、人材採用面においても必ずしも上場企業である
ことが人材確保の源泉となっている訳でもないことから、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要
性は限定的であると考えている。
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(ⅱ) 検討
公開買付者は、本取引を通じて当社との資本関係を強化することにより、当社の事業を公開買付者がグ
ローバルで展開する石膏ボード事業と完全に一体運営できるようにし、①公開買付者が属するクナウフ・
グループが有する技術及び研究開発力の活用による、製造技術及び商品開発力の向上、②公開買付者が属
するクナウフ・グループが有する生産及び専門サービスの活用による、製品供給及び技術サポート面にお
ける顧客サービスの品質向上、③公開買付者が属するクナウフ・グループが備蓄している世界的規模の石
膏原料の活用を通じた、原料調達及び製造の両面におけるコスト削減、④断熱材やテクニカルボード等、
周辺領域の製品の拡販といった施策を実行することで、当社の中長期的な企業価値向上が可能になると考
えており、かかる公開買付者の判断に不合理な点は認められない。
また、当社としても、当社株式を非公開化して当社と公開買付者が石膏ボード事業を完全に一体運営で
きるようにし、(ア)価格競争力の強化、(イ)人材の獲得・教育や評価体制の充実、(ウ)会社横断的な業務
プロセス改革、(エ)ノウハウ・特許等の知的財産権の強化、及び(オ)安定した財務基盤の確立といった施
策を推し進め、国内石膏ボード業界におけるシェアの一層の拡大や、石膏ボードの新たなニーズ発掘とと
もに隣接市場の開拓を図ることによる新たな成長機会を探ることが、中長期的な観点から当社の企業価値
最大化を目指していくうえで不可欠であると考えており、かかる当社の判断に不合理な点は認められな
い。
一方で、限定的な資本関係の中では、当社に対する公開買付者の経営資源の効率的かつ積極的な投入、
公開買付者と当社の間での経営資源の相互利用及び人材交流等に一定の制約が存在している。また、当社
にとっては、公開買付者と当社の少数株主の間に利益相反の問題が生じ、公開買付者と当社の利害を完全
に一致させることが困難であることから、上記の施策の実行や当社と公開買付者の間での取引に際して
は、その有用性及び取引としての客観的な公正性について、利益相反回避措置を慎重に検討する必要があ
り、迅速な意思決定や機動的な施策の実行が困難になる事態も生じている。そのため、当社株式を非公開
化して当社の少数株主との間の利益相反問題を回避しつつ、当社と公開買付者が石膏ボード事業を完全に
一体運営ができるようにすることで、中長期的な観点から当社の企業価値最大化を目指すことは合理的で
あると考えられる。したがって、本取引を実施した上で、当社が想定している各施策を実現する必要があ
るとの当社の判断に特段不合理な点は認められない。
(ⅲ) 小括
以上の本公開買付けを含む本取引の目的には、いずれも不合理な点はなく、合理的な検討の結果と認め
られることから、本取引は当社の企業価値向上を目的として行われるものといえ、本取引の目的は正当で
あると判断するに至った。
ⅱ 本取引に係る交渉過程の手続の公正性
(ⅰ) 当社による検討方法
当社が本取引について検討するにあたっては、公開買付者グループ及び当社グループからそれぞれ独立
した第三者算定機関である三菱UFJ銀行及びリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・
意見等を得ながら、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の観点から、本公開買付価格をはじめ
とする本公開買付けの買付条件の妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討
及び協議を行っている。
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(ⅱ) 当社による協議・交渉
当社は、本公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的
な協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行っている。
具体的には、当社は、三菱UFJ銀行を通じて、公開買付者からの本公開買付価格の提案に対して、複数
回にわたり繰り返し価格交渉を実施した。なお、当該協議・交渉にあたっては、本特別委員会が、当社か
ら当該協議・交渉の経緯及び内容等について適時に報告を受け、本特別委員会において方針等を協議し、
当社に対して意見を述べるなどした上で行われており、公開買付者との間の協議・交渉は、本特別委員会
が交渉過程に実質的に関与する形で行われている。また、当社は、本公開買付けが実施される直前まで継
続して価格交渉を実施し、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年4月22日に前回
の提案から5円引き上げられた605円という提案を受けるに至っている。
そして、その交渉の結果として、605円という本公開買付価格の決定に至るまでには、当社株式1株当
たり540円とする公開買付者の当初の提案より、65円の価格引上げを引き出している。
(ⅲ) 本取引の交渉過程における特別利害関係人の不関与
当社の取締役のうち、平田晴久氏は平田興産及び晴山の代表取締役を兼任していること、アルフォン
ス・フレデリック・クナウフ氏、トーマス・ワーグナー氏及びウーヴェ・クノッツアー氏は公開買付者の
役職員を兼任していることに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の
問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、当社取締役会におけるこ
れまでの本取引に関する全ての議案において、その審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の
立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していない。
他方で、当社の取締役のうち、平田芳久氏は、平田興産及び晴山の代表取締役を兼任している平田晴久
氏と親族関係にあるため、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限
り排除する観点から当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に一切参加していないものの、同氏
は、公開買付者グループ、平田興産及び晴山の役職員を兼任しておらず、平田晴久氏の従兄弟であるにと
どまり、公開買付者との関係で利益相反のおそれは限定的と考えられることから、当社取締役会において
は、まず①上記5名を除く1名の取締役において審議の上、本取引の実施に係る決議を行い、さらに②平
田芳久氏を加えた2名の取締役において改めて審議のうえ、全員一致により決議を行うという二段階の手
続を経る予定である。
M&A指針において、独立した特別委員会が設置されて有効に機能している場合には、現に公開買付者の
役職員を兼任する者が除外されれば足りるとの整理もあるが、本件においては、M&A指針の指摘よりも慎
重に、本取引に関して公開買付者グループと利益を共通にすると考えられる平田興産及び晴山の役職員を
兼任している者と親族関係にある者の利益相反にも配慮して上記のような二段階での決議方法を採用する
こととしたものであり、利害関係の整理に不公正な点は見当たらない。
また、当社取締役会においては、上記のような二段階での決議方法を採用しつつ、最終的に当社の取締
役2名全員の一致により決議がされる予定である。
以上からすれば、当社における本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、公開買付者グループその他
の本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は存在しな
い。
(ⅳ) 本特別委員会の意見等を最大限尊重すること
当社は、本取引に係る決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本
取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行わないこととしている。
(ⅴ) 小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引に係る交渉過
程の手続は公正であると判断するに至った。
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ⅲ 本取引により当社の少数株主に交付される対価等、本取引の取引条件の妥当性について
(ⅰ) 三菱UFJ銀行による株式価値算定書
当社が、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関である三菱UFJ銀行から取
得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価分析によると413円から
515円、DCF分析によると525円から789円、類似会社比較分析によると400円から663円とされている。
本公開買付価格は、三菱UFJ銀行から取得した株式価値算定書の市場株価分析による算定結果の上限値
を超える金額であり、また、DCF分析及び類似会社比較分析に基づく算定結果の範囲内の金額である。
そして、本特別委員会は、三菱UFJ銀行から株式価値評価分析に用いられた算定方法等について詳細な
説明を受けるとともに、三菱UFJ銀行及び当社に対して評価手法の選択や算定の基礎となる当社の事業計
画に基づく財務予測を含む前提条件等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に
照らして不合理な点は認められない。
加えて、本公開買付価格(605円)は、本取引の公表予定日の前営業日(2022年4月22日)の東京証券取引
所スタンダード市場における当社株式の終値519円に対して16.57%(小数点以下第三位を四捨五入。以
下、株価に対するプレミアム率の計算において同様とする。)、同日までの直近1か月間の終値の単純平
均値481円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同様とする。)に対して
25.78%、同日までの直近3か月間の終値の単純平均値429円に対して41.03%、同日までの直近6か月間
の終値の単純平均値414円に対して46.14%のプレミアムをそれぞれ加えた金額であることに加え、同直近
6ヶ月間の終値の最高値528円(2022年4月20日の終値)を超えていること及び直近での当社株式に係る市
場株価の上昇傾向も勘案すると2019年6月28日以降に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)事例に
おけるプレミアム水準との比較においても相応のプレミアムが付されていると考えられることを踏まえる
と、本公開買付価格のプレミアムは合理的な水準の範囲内にあるものと評価できる。
(ⅱ) 交渉過程の手続の公正性
上記のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本
公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
(ⅲ) 本公開買付後の手続において交付される対価
本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本公開買付けの後に実施される予定の非公開化の手続にお
いて、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、
本公開買付価格に株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定である
旨が、プレスリリース等で明示される予定である。
(ⅳ) 小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引により当社の
少数株主に交付される対価は妥当であると判断するに至った。
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ⅳ 当社の取締役会が本取引の実施(本公開買付けに係る当社の意見表明を含む。)を決定することが当社の少
数株主にとって不利益であるか否かについて
上記ⅰ乃至ⅲ記載の事項に加えて、(ⅰ)公開買付者と当社とは、公開買付者以外の者による公開買付け等
の機会が不当に制限されることがないよう、当社が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを制
限するような合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開
買付けの公正性の担保に配慮していること、(ⅱ)公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、公
開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全て(公開買付者が所有する当社
株式及び当社が所有する自己株式を除く。)の株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生
を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会
の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主(公開買付者を除く。)に対して株式買取請求権又
は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅲ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社
の株主(公開買付者及び当社を除く。)の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公
開買付者及び当社を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明ら
かにしていることから、当社の株主(公開買付者及び当社を除く。)が本公開買付けに応募するか否かについ
て適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮していること、(ⅳ)本公開買
付けの買付期間が法令に定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定される予定であ
り、当社の株主に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の
者にも対抗的な買付け等を行う機会を妨げないこととすることにより、もって本公開買付価格の公正性も担
保することを企図していること等を踏まえて、本取引が当社の少数株主に及ぼす影響を慎重に検討した結
果、当社による本公開買付けへの賛同意見の表明及び当社の株主に対して応募推奨することを含め、当社の
取締役会が本取引の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。
④ 当社における独立した検討体制の構築
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」
に記載のとおり、当社は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社
の社内に構築いたしました。具体的には、当社は2022年2月2日に、公開買付者から本取引の協議を開始したい
旨の初期的な打診を受けた時点後速やかに、公開買付者から独立した当社の執行役員2名をはじめとした検討、
交渉及び判断を行う体制を構築し、本特別委員会とともに、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本
取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる当社の事業計画の作成過程に専属
的に関与しており、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しております。また、当社は、2022年2月2日
に、公開買付者から本取引の協議を開始したい旨の初期的な打診を受けた時点以降の、当社と公開買付者との間
の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる当社事
業計画の作成過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、現に当社以外の公開買付者グループ
各社の役職員を兼任・兼務する当社の役職員を関与させておりません。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」
に記載のとおり、当社は、TMI総合法律事務所から受けた法的助言、三菱UFJ銀行から受けた財務的見地からの助
言及び本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重
しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取
引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
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その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決
定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、一時的に公開買付者の完全子会社となった上で、最終的に公開買
付者及び晴山のみを株主とする、公開買付者及び平田興産の合弁会社となることにより、各種シナジーの創出を
見込むことができることから、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格で
ある1株当たり605円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付け
は、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供す
るものであることから、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年4月
25日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役の全員一致で、本公開買付けに賛同す
る旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたし
ました。また、上記の取締役会においては、上記の取締役会に参加した監査役全員が上記決議に異議がない旨の
意見を述べております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役6名のうち、平田晴久氏は平田興産及び晴山の代表取締役を兼
任していること、アルフォンス・フレデリック・クナウフ(Alfons Frederick Knauf)氏、トーマス・ワーグナー
(Thomas Wagner)氏及びウーヴェ・クノッツアー(Uwe Knotzer)氏は公開買付者の役職員を兼任していること、平
田芳久氏は平田興産及び晴山の代表取締役を兼任している平田晴久氏と親族関係にあるものの、他方で、平田晴
久氏の従兄弟であるにとどまり、公開買付者との関係で利益相反のおそれは限定的と考えられることに鑑み、取
締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本
取引の公正性を担保する観点から、まず(ⅰ)上記5名を除く1名の取締役において審議の上、上記の決議を行
い、さらに(ⅱ)平田芳久氏を加えた2名の取締役において改めて審議のうえ、全員一致により上記の決議を行う
という二段階の手続を経ております。
なお、平田晴久氏、アルフォンス・フレデリック・クナウフ(Alfons Frederick Knauf)氏、トーマス・ワーグ
ナー(Thomas Wagner)氏及びウーヴェ・クノッツアー(Uwe Knotzer)氏は、本取引における構造的な利益相反の問
題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、上記2022年4月25日開催の取締役
会を含む当社取締役会におけるこれまでの本取引に関する全ての議案において、その審議及び決議には一切参加
しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
他方で、平田芳久氏は、平田興産及び晴山の代表取締役を兼任している平田晴久氏と親族関係にあるため、本
取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から当社の立場にお
いて公開買付者との協議及び交渉に一切参加していないものの、同氏は、公開買付者グループ、平田興産及び晴
山の役職員を兼任しておらず、平田晴久氏の従兄弟であるにとどまり、公開買付者との関係で利益相反のおそれ
は限定的と考えられることから、上記2022年4月25日開催の取締役会において、二段階目の審議及び決議に参加
しております。
⑥ 取引保護条項の不存在
公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意
等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な
買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
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⑦ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の
とおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に
応じて、当社株式の全て(公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の株式売渡
請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部
変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主(公開
買付者を除きます。)の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、
(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の皆様に対価として
交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗
じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主(公開買付者及び当社を除
きます。)の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性
が生じないように配慮しているとのことです。
また、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付者は、公開
買付期間を30営業日としているとのことです。公開買付期間を比較的長期にすることにより、当社の株主の皆様
に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付
け等を行う機会を妨げないこととすることにより、もって本公開買付価格の公正性も担保することを企図してい
るとのことです。
(7) 本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
公開買付者及び本取引共同実施者は、本株主間契約において、本取引共同実施者のそれぞれが本公開買付けに応
募すること、当社の取締役のうち、平田興産が取締役1名を指名する権利を有すること及び公開買付者がその他の
全取締役を指名する権利を有すること及び本取引の実現に向けて当社又は晴山の株主として共同して議決権を行使
することで合意しているとのことです。本取引共同実施者が本株主間契約に違反して本公開買付けに応募しなかっ
た場合、他の本株主間契約の当事者は、本株主間契約の定めその他適用法令に従って、損害賠償請求権及び本株主
間契約の解除権を行使できることがあるとのことです。
4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
氏名 役名 職名 所有株式数(株) 議決権の数(個)
平田 晴久 代表取締役会長 - 452,978 4,529
平田 芳久 代表取締役社長 - 178,578 1,785
クナウフ・アル
フォンス・フレ 代表取締役副社長 - - -
デリック
ワーグナー・
専務取締役 技術本部長 - -
トーマス
武藤 時裕 取締役 - - -
クノッツアー・
取締役 - - -
ウーヴェ
金森 武美 監査役 - - -
山本 景一 監査役 - - -
伊藤 正彦 監査役 - - -
計 631,556 6,314
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役武藤時裕氏及びクノッツアー・ウーヴェ氏は、社外取締役であります。
(注3) 監査役金森武美氏及び山本景一氏は、社外監査役であります。
(注4) 伊藤正彦氏は、会社法第346条第2項に基づき裁判所が選任した仮監査役であります。
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5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
8【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以上
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