ジャパンメディアシステム株式会社 意見表明報告書
提出書類 | 意見表明報告書 |
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提出者 | ジャパンメディアシステム株式会社 |
カテゴリ | 意見表明報告書 |
EDINET提出書類
ジャパンメディアシステム株式会社(E05357)
意見表明報告書
【表紙】
【提出書類】 意見表明報告書
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年10月19日
【報告者の名称】 ジャパンメディアシステム株式会社
【報告者の所在地】 東京都千代田区外神田二丁目14番10号
【最寄りの連絡場所】 東京都千代田区外神田二丁目14番10号
【電話番号】 03-3252-8111(代表)
【事務連絡者氏名】 取締役管理本部長 森山 明美
【縦覧に供する場所】 ジャパンメディアシステム株式会社
(東京都千代田区外神田二丁目14番10号)
(注1) 本書中の「当社」とは、ジャパンメディアシステム株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「公開買付者」とは、株式会社JXホールディングスをいいます。
(注3) 本書中の記載において、計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総
和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいい
ます。
(注6) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又
は日時を指すものとします。
(注7) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みま
す。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注8) 本書中の「株券等」とは、株式及び新株予約権に係る権利をいいます。
(注9) 本書中の「本公開買付け」とは、本書提出に係る公開買付けをいいます。
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1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】
名称 株式会社JXホールディングス
所在地 東京都港区赤坂九丁目7番1号
2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】
(1)普通株式
(2)新株予約権
2015年10月27日開催の当社の定時株主総会決議及び2016年5月16日開催の当社の取締役会決議に基づき発行され
た第2回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2018年5月17日から2026年5月16日ま
で)
(注) 本新株予約権の行使の条件として、権利行使期間の開始日あるいは当社の普通株式(以下「当社株式」と
いいます。)が日本国内の金融商品取引所に上場した日のいずれ遅い日から権利行使できる旨が規定され
ております。よって、公開買付者は、本公開買付けに係る買付け等の期間(以下「公開買付期間」といい
ます。)中に本新株予約権が行使され当社株式に転換されることは想定していないとのことです。
3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
(1)意見の内容
当社は、2021年10月18日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基
づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推
奨すること、本新株予約権の保有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本新株予約権1
個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)が1円とされていることから、本新株
予約権に関して本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議い
たしました。
なお、当社の上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回
避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「(エ)当社における利害関係を有しない
取締役全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた
説明に基づいております。
(ア)本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けを通じて当社株式を取得及び所有することを主たる目的として、2021年9月28
日に設立された株式会社とのことです。本書提出日現在、クレアシオン・キャピタル株式会社(以下「クレア
シオン」といいます。)が公開買付者の発行済株式の全てを所有しているとのことです。また、本書提出日現
在、クレアシオン及び公開買付者は当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。
クレアシオンは、富裕層向け金融サービス、M&Aアドバイザリー及び事業承継コンサルティングにおいて高
い専門性を持つクレアシオン・インベストメント株式会社の子会社として、バイアウトを中心としたプライ
ベートエクイティ投資業に注力しているとのことです。クレアシオンの強みである企業オーナーを含む富裕層
向けの資産運用サービスで培ったオーナーサポートノウハウ等を活用することにより、投資後に社長及び役職
員の方々と強固なリレーションを構築し、投資先の価値向上に貢献しているとのことです。案件の特徴といた
しまして、クレアシオンによって管理・運営されるファンドが支援させていただく企業には、永続的に発展し
ていただきたいという想いの下、ファンドのExit手法としては株式上場を強く志向しており、多数の上場支援
実績を有しているとのことです。また、「日本の宝」への投資をコンセプトに、各業界で特徴ある製品・サー
ビスを展開している企業や特異なビジネスモデルを構築している企業に投資を実行し、永続的な成長を実現す
るための土台作りをサポートしているとのことです。
今般、公開買付者は、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の
全てを取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環とし
て、2021年10月18日、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
本公開買付けに際し、公開買付者は、2021年10月15日、当社の主要株主かつ筆頭株主であり、当社の代表取
締役社長である富樫泰章氏(本書提出日現在の所有株式数(以下所有株式数の記載において同じとしま
す。):12,533株、所有割合(注):31.96%)との間で、同氏が所有する当社株式の全てを本公開買付けに
応募する旨の契約(以下「富樫氏応募契約」といいます。)を締結しているとのことです。また、公開買付者
は、2021年10月15日、当社の第6位株主であり、当社の取締役である篠田浩一氏(所有株式数:754株、所有
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割合:1.92%)、当社の第7位の株主であり、当社の取締役である田口聡氏(所有株式数:665株、所有割
合:1.70%)、当社の第10位の株主であり、当社の取締役である森山明美氏(所有株式数:591株、所有割
合: 1.51%)、当社の第17位の株主であり、当社の監査役である野本公夫氏(所有株式数:207株、所有割
合:0.53%)、当社の第36位の株主であり、当社の監査役である菅野庄一氏(所有株式数:89株、所有割合:
0.23%)、当社の第152位の株主であり、当社の取締役である大日向洋氏(所有株式数:24株、所有割合:
0.06%)、当社の第646位の株主であり、当社の監査役である斎藤環氏(所有株式数:6株、所有割合:
0.02%)、当社の第924位の株主であり、当社の取締役である坂原加奈氏(所有株式数:4株、所有割合:
0.01%)、及び当社の役員の親族である富樫イリナ氏(所有株式数:1,192株、所有割合:3.04%)、富樫泰
良氏(所有株式数:1,192株、所有割合:3.04%)、木村亜麗氏(所有株式数:1,000株、所有割合:
2.55%)、高崎信子氏(所有株式数:660株、所有割合:1.68%)、田口裕子氏(所有株式数:596株、所有割
合:1.52%)、富樫清和氏(所有株式数:360株、所有割合:0.92%)、富樫ナタリア氏(所有株式数:280
株、所有割合:0.71%)、田口航氏(所有株式数:280株、所有割合:0.71%)、勝又なつみ氏(所有株式
数:169株、所有割合:0.43%)、高橋泉氏(所有株式数:80株、所有割合:0.20%)、森山直行氏(所有株
式数:2株、所有割合:0.01%)、並びに当社の第2位の株主であり、当社の従業員持株会であるJMS社員持
株会(所有株式数:2,197株、所有割合:5.60%)との間で、それぞれが所有する当社株式の全てを本公開買
付けに応募する旨の契約(以下「役員等株主応募契約」といい、これらの役員等株主応募契約を締結した当社
の株主20名(所有株式数の合計:10,348株、所有割合の合計:26.38%)を「本役員等株主」といいます。)
をそれぞれ締結しているとのことです。加えて、公開買付者は、2021年10月15日、保有する当社株式の数が40
株以上である株主及びその親族を中心とする当社の株主合計78名(所有株式数の合計:5,062株、所有割合の
合計:12.91%。以下「本一般株主」といいます。)との間で、それぞれが所有する当社株式の全てを本公開
買付けに応募する旨の契約(以下「一般株主応募契約」といい、「富樫氏応募契約」、「役員等株主応募契
約」及び「一般株主応募契約」を総称して「本応募契約」といい、本応募契約を締結した当社の株主を総称し
て「本応募合意株主」といい、本応募合意株主が所有する当社株式(所有株式数の合計:27,943株、所有割合
の合計:71.25%)を「本応募予定株式」といいます。)をそれぞれ締結しているとのことです。当該契約の
詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
(注) 「所有割合」とは、当社が2021年4月23日提出した第37期半期報告書(以下「当社半期報告書」とい
います。)に記載の2021年1月31日現在の発行済株式総数(49,682株)から、同日現在当社が所有す
る自己株式数(10,462株)を控除した株式数(39,220株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五
入)をいいます。以下所有割合の記載において同じとします。
本公開買付けにおいては、公開買付者は、買付予定数の下限を26,147株(所有割合:66.67%)としてお
り、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満た
ない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けは当社の完全子会
社化を企図しているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の総数が買付予定数の下限
(26,147株)以上の場合は、公開買付者は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
買付予定数の下限(26,147株)は、当社半期報告書記載の2021年1月31日現在の発行済株式総数(49,682
株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(10,462株)を控除した株式数に3分の2を乗じた株式数
(26,147株、小数点以下を切り上げ)としており、これは、本公開買付けが当社を完全子会社とすることを目
的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」
に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含み、以下同じと
します。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされるため、本取引の実施を着実に
遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるよう
買付予定数の下限を設定したものとのことです。なお、上記「2 公開買付者が買付け等を行う株券等の種
類」の「(2)新株予約権」の(注)に記載のとおり、公開買付者は、公開買付期間中に本新株予約権が行使さ
れ当社株式に転換されることは想定していないことから、買付予定数の下限の設定に際し、本新株予約権の目
的となる株式数を考慮していないとのことです。また、本応募契約に従い本応募予定株式(27,943株)の全て
が本公開買付けに応募された場合、応募株券等の総数が買付予定数の下限(26,147株)以上となるとのことで
す。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、クレアシオンによって管理・運営されるJXグロース投資事業
有限責任組合、JX2号投資事業有限責任組合、クレアシオン2号投資事業有限責任組合及びCCミラー1号投資
事業有限責任組合(総称して、以下「クレアシオンファンド」といいます。)から合計39億円を上限とする出
資、株式会社りそな銀行(以下「りそな銀行」といいます。)から22億円及び株式会社横浜銀行(以下「横浜
銀行」といいます。)から14.6億円を上限として借入れ(各行からの借入れを総称して、以下「本買収ロー
ン」といいます。)を受けることを予定しており、これらの資金をもって、本公開買付けの決済資金等に充当
する予定とのことです。本買収ローンに係る融資条件の詳細は、公開買付者がりそな銀行と横浜銀行と別途協
議の上、本買収ローンに係る融資契約において定めることとされておりますが、本買収ローンに係る融資契約
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では、公開買付者が本公開買付けにより取得する当社株式等が担保に供されることが予定されているとのこと
です。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本
新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織
再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当
社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実
施することを予定しているとのことです。また、本スクイーズアウト手続の完了後、公開買付者は、当社を吸
収合併消滅会社、公開買付者を吸収合併存続会社とする吸収合併(以下「本合併」といいます。)を行うこと
を予定しているとのことですが、本合併の具体的な日程等の詳細については本書提出日現在未定とのことで
す。
(イ)公開買付者における本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開
買付け後の経営方針
(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
当社は、1984年8月に、情報通信機器の販売を目的に設立され、2001年4月に「LiveOn」の前身である
JMSビデオチャットシステム「Vchat ブイチャット」の販売を開始し、2004年10月には大幅に品質を高めた
新Web会議システム「LiveOn ライブオン」を発売いたしました。
当社は、単一セグメントでビジュアルコミュニケーション(注1)事業を行っており、ビジュアルコミュ
ニケーションシステム(注2)「LiveOn」の開発・販売を主たる業務としております。「LiveOn」は、ブラ
ウザ上で動作するソフトウエアタイプのビジュアルコミュニケーションシステムであり、簡単・手軽に始め
られるWeb会議・テレビ会議システムとしても認知されています。業界の先駆けとして2001年より開発・販
売を行っており、100%自社開発・自社生産という強みを活かして、定期的なバージョンアップによりユー
ザの要望を実現しております。また、製品に関わる技術においては全て社内で一括管理しており、システム
に関する問い合わせに対しては、社内スタッフがすぐに対応できる体制が整っております。「LiveOn」は、
業種に関係なく様々なユーザのニーズに対応しており、特に金融機関においては130社を超える導入実績が
あります。「LiveOn」は、各業界において認知度が高まってきており、主な用途といたしまして、遠隔医療
や訪問介護、Webセミナーやeラーニング、遠隔監視、現場支援、交流イベント、災害時連絡など様々なシー
ンで利用されております。また最近では、建設現場や保守・点検作業など遠隔現場支援ツールとして、ウェ
アラブル端末を活用する事例が増えてきております。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、テレワーク需要の爆発的な増加により、2020年3月以降、当社製
品である「LiveOn」の利用も急激に伸びましたが、当社製品と競合するZoom Video Communications, Inc.
の「Zoom」やMicrosoft Corporationの「Microsoft Teams」といったクラウド型の安価なサービスの普及も
加速した影響により、イントラパック版(オンプレミス)「LiveOn」については、順調にシェア拡大をする
一方で、ASP版(クラウド/SaaS(注3)型)「LiveOn」については、シェアを伸ばせない状況となっており
ます。
ビジュアルコミュニケーション市場(注4)の拡大が続く中、今後もクラウド型サービスのビジュアルコ
ミュニケーション市場は競争が激化し、品質の優位性よりも価格の競争力が重視されることが予想され、当
社としてはASP版(クラウド/SaaS型)「LiveOn」への経営資源の投入をどのようにすべきか等、経営戦略の
再構築を迫られておりました。
その中において、当社は、ASP版(クラウド/SaaS型)「LiveOn」よりも、イントラパック版(オンプレミ
ス)「LiveOn」へ経営資源を重点的に投入する方向へ大きく舵をきる判断を下しました。当該判断にあたっ
ては、オンプレミス型のビジュアルコミュニケーションシステムを提供している競合が国内、海外共に少な
いこと、イントラパック版(オンプレミス)「LiveOn」が高いレベルでのセキュリティの確保とカスタマイ
ズに対応できる点でオンプレミス型のビジュアルコミュニケーション市場において優位性が高いことを重視
しました。特に、当社が100%国内での自社開発・自社生産のメーカーであることがその優位性の下支えと
なっております。また、官公庁や金融機関など機密情報や個人情報を扱う組織・団体では、特にセキュリ
ティの確保が重要視されており、当社の提供するイントラパック版(オンプレミス)「LiveOn」の導入は堅
調に進んでおり、一度導入されると解約されることが少なく、価格面でも過当競争に陥っていないことも判
断材料に挙げられます。官公庁等への本格的導入はまだ一部で開始されたばかりで、今後大きく増加してい
くものと見込まれます。当社は、このような判断材料からイントラパック版(オンプレミス)「LiveOn」
を、事業成長の核とする事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の再検討を行いました。
他方で、当社の株主構成についてみますと、過去に上場検討をした経緯もあり、現在2,000名近くの多く
の株主の皆様に当社株式を保有いただいております。しかしながら、当社株式は創業から今日に至るまで金
融商品取引所に上場していない株式であったことから、その売却機会が乏しいまま、株主の皆様の高齢化等
が進む状況にあります。当社といたしましても、長年にわたり当社をご支援いただいております株主の皆様
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に売却の機会を提供しつつ、同時に安定的な株主構成を構築する方策を模索して参りましたが、その最適解
を得ることができず現在に至っております。
当社の代表取締役である富樫泰章氏は、上記の状況において、当社の中核事業であるイントラパック版
(オンプレミス)「LiveOn」の競争力を再強化するためには、当社における抜本的な成長戦略を実行できる
体制の構築と、資本構成の安定化を図る必要があり、第三者による当社の完全子会社化が必要であると考え
るに至りました。そして、富樫泰章氏は、2021年5月上旬、当社の企業価値の向上に資する候補者を選定
し、当社の完全子会社化手続において少数株主に対して可能な限り望ましい売却の機会を提供するために
は、複数の候補者を対象として、最終買付候補者の選定を目的とした入札手続を実施することが望ましいと
判断し、同年5月中旬より、富樫泰章氏は、M&A仲介会社2社を通じて、クレアシオンを含む、当社事業の
拡大、運営に関心を示すと考えられるファンドの候補者数十社に打診することにより、富樫泰章氏が当社株
式を売却すること及び当社の完全子会社化を前提とした株式の売却に係る買付候補者選定の一次入札プロセ
ス(以下「本一次入札プロセス」といいます。)を開始しました。そして、富樫泰章氏は、各候補者との間
で、検討資料の授受や事業内容のヒアリング等を実施し、同年6月下旬、各候補者から一次意向表明書を受
領いたしました。クレアシオンとしても、業界を先駆けてビジュアルコミュニケーションシステム
「LiveOn」を提供してきた当社がクレアシオンの投資コンセプトたる「日本の宝」であり、本取引はクレア
シオンの理念を実現するための機会であると考え、他の候補者とともに、当社を完全子会社とする取引につ
いての一次意向表明書を提出したとのことです。同年7月上旬、富樫泰章氏が、本一次入札プロセスにおい
てM&A仲介会社毎に最も価格が高額であった候補者を選定した結果、候補者が2社に絞られ、当該各候補者
との間で、二次入札プロセス(以下「本二次入札プロセス」といい、本一次入札プロセスと本二次入札プロ
セスを総称して「本入札プロセス」といいます。)を開始したことを受け、当該各候補者は二次意向表明書
の提出に向けて検討を進め、クレアシオンはより詳細な検討資料の授受やビジネスインタビュー等を実施
し、2021年8月5日に発行済みの当社株式の全ての価格を75億円(注5)とする当社を完全子会社とする取
引についての二次意向表明書(以下「本二次意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
2021年7月下旬から8月上旬にかけて各候補者から二次意向表明書を受領いたしましたが、その中で、ク
レアシオンが、①当社株式の買付け等に係る価格として提示された金額が他の候補者を上回っていたこと、
②当社の製品及び自社開発体制の強みを高く評価していたこと、③本取引実行後に当社株式を金融商品取引
所に上場することを目指して当社の経営を行う意向が明確であったこと、④当社従業員の雇用を維持する予
定であったことを踏まえ、他の候補者よりも当社の企業価値の向上及び少数株主の皆様の利益の確保の観点
から優れていると判断し、2021年8月12日、当社の取締役会は、クレアシオンが実施するデュー・ディリ
ジェンスに当社は誠実に協力すること等を内容とする基本合意書(以下「本基本合意書」といいます。)を
締結する旨の決議をし、富樫泰章氏は、同日、クレアシオンを最終買付候補者に選定しました。クレアシオ
ンは、最終買付候補者に選定されたことを受け、2021年8月16日、当社との間で、本基本合意書を締結する
とともに、本公開買付けが不成立となるリスクをできるだけ回避すべく、当社に対し、公開買付者と当社の
株主のうち3分の2以上の議決権を有する者との間で本公開買付けに応募する旨の応募契約が締結されるこ
とが、公開買付者が本公開買付けを開始する条件である旨の意向を伝えました。
(注1) ビジュアルコミュニケーションとは、映像などのイメージによって受け手の視覚に直接働きかけ
る視覚コミュニケーションのことをいいます。
(注2) ビジュアルコミュニケーションシステムとは、音声や文字でのコミュニケーションに加えて、人
の身振り手振りや表情などの視覚・映像によるコミュニケーションを実現するシステムのことを
いい、Web会議システム/テレビ会議システムを含みます。
(注3) SaaSとは、ソフトウェアの機能をインターネット経由でサービスとして提供する形態のことをい
います。
(注4) ビジュアルコミュニケーション市場とは、ビジュアルコミュニケーションを実現するためのシス
テム(ソフトウエア、機器、通信手段等)又はシステムの利用等の取引を行う市場のことをいい
ます。
(注5) 当社株式1株当たりの価格に換算すると191,229円となります。
その後、クレアシオンは、2021年8月中旬から2021年9月中旬にかけて、当社に対するデュー・ディリ
ジェンスを実施し、当社株式の取得及び当社の企業価値向上を目的とした中期的な成長戦略と諸施策の検討
を進めたとのことです。その結果、当社が開発・生産するビジュアルコミュニケーションシステム等の潜在
顧客の開拓余地が大きく、当社には成長ポテンシャルがあるとの結論に至ったとのことです。それを踏ま
え、クレアシオンは、当社を完全子会社化することにより、適切な事業管理体制の構築をするほか、クレア
シオンの他の投資先を通じて培った事業成長・上場支援等のノウハウを活用することで当社の成長を加速で
きるとの結論に至ったとのことです。
具体的には、クレアシオンは、下記①から③の施策を実行することで当社の企業成長を支援できるものと
考えているとのことです。
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① 既存製品の販売力向上支援
クレアシオンは、IaaS(注6)系Web会議システムである「LiveOn」をはじめとする当社の提供する
サービスは、強固なネットワークセキュリティを必要とする官公庁や金融業界などの一部業界において、
他社サービスの大手SaaS系Web会議システムサービスに対しても差別化・競争優位性を有していると考え
ているとのことです。クレアシオンは、個人投資家や一般企業から資金調達も行っている性質上、多方面
へのネットワークを有しており、それらのネットワークを通じて当社の提供するサービスの新規顧客を紹
介することができるほか、他の投資先で培った営業販売体制の構築ノウハウ・経験の活用により、当社の
製品の販売力向上を支援できると考えているとのことです。
(注6) IaaSとは、情報システムの稼動に必要な仮想サーバをはじめとした機材やネットワークなどの
インフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態のことをいいます。
② マーケティング支援
クレアシオンは、マーケティングが特に重要となる日用消費財メーカー及びWebマーケティング会社へ
の投資を行っているとのことです。これらの投資先企業に対するリード(見込み顧客)獲得手法の多様
化、営業管理体制構築等のマーケティング強化支援実績を活かして、「LiveOn」の知名度・ブランド価値
の更なる向上及び案件流入チャネルの開拓を目的とした各種マーケティング支援ができると考えていると
のことです。
③ 株式上場支援
当社は、ビジュアルコミュニケーション等のコミュニケーションインフラを提供するリーディングカン
パニーとしての地位を更に確固たるものとするため、従前より、株式上場を企図しております。クレアシ
オンとしても、当社製品のシェア拡大・人材採用力の強化には、当社の認知・信用力向上が不可欠であ
り、その実現のためには株式上場が最善策となりうるものと考えているとのことです。クレアシオンは、
多くの上場準備案件を通じて培った上場管理体制整備のノウハウ・経験を基に、監査法人及び主幹事証券
会社の任命等を含め、全面的に統括・主導することで、当社の株式上場を実現できると考えているとのこ
とです。
上記検討を踏まえ、クレアシオンは、2021年9月17日、当社に対し、本取引を実施する旨、及び当社の有
価証券報告書等により一般に公表されている情報及び当社の本事業計画を踏まえて決定した本二次意向表明
における価格(1株当たりの価格に換算すると191,229円)に、当社に対するデュー・ディリジェンスの結
果、特にイントラパック版(オンプレミス)「LiveOn」を、事業成長の核とする当社の本事業計画について
計画どおりの利益成長が達成されないリスクを反映し、当社の経営成績及び財務状態並びにそれらの見込み
等を多面的に分析の上、当社の2021年7月期の期末配当金として1株当たり1,000円の配当が実施される見
込みであることも加味し、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付
価格」といいます。)を172,220円とする旨の提案を行ったとのことです。一方で、クレアシオンは本新株
予約権買付価格についても検討いたしましたが、本新株予約権は、当社の役職員に対してストックオプショ
ンとして発行されたもので、権利行使の条件として、新株予約権の行使時においても当社の取締役、又は従
業員の地位にあることとされており、公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使すること
ができないことから、本新株予約権1個につき1円としたい旨の提案を行ったとのことです。
その後も、クレアシオン及び公開買付者は、当社との間で本公開買付けの意義・目的、本公開買付け後の
経営方針を含めた諸施策及び本公開買付けの諸条件等について更なる協議・交渉を実施しました。具体的に
は、クレアシオンは、2021年9月21日、当社から本公開買付価格を191,229円とするよう提案を受け、その
後、9月22日に本公開買付価格を175,000円とする旨の提案を行いました。その後、クレアシオンは、9月
24日に当社から本公開買付価格を183,335円とするよう提案を受け、同日に本公開買付価格を178,481円とす
る旨の再提案を行いました。9月27日には当社から本公開買付価格を183,335円とするよう再度の提案を受
けました。以上の交渉を経て、クレアシオンは、2021年9月27日、当社に対し、本公開買付価格を182,000
円とする最終提案を行いました。その結果、2021年9月下旬、本公開買付価格を182,000円とすることその
他本公開買付けの諸条件等について当社との間で合意に至りました。また、クレアシオンは、公開買付けが
不成立となるリスクをできるだけ回避すべく当社の株主のうち3分の2以上の議決権を有する者との間で本
公開買付けに応募する旨の応募契約が締結する意向を有していたとのことです。加えて、仮に3分の2以上
の議決権を有する者との間で本公開買付けに応募する旨の応募契約を締結できた場合、本公開買付けを実施
せずに本スクイーズアウト手続を実行する方法も検討の余地はあるものの、当社の株主に早期に売却の機会
を提供する観点から本公開買付けを実施することを予定していたとのことです。そのため、クレアシオン及
び公開買付者は、富樫泰章氏との間で、2021年9月下旬から2021年10月中旬までに亘って独立当事者間の交
渉を行い、2021年10月15日、公開買付者と富樫泰章氏との間で、富樫氏応募契約を締結いたしました。加え
て、クレアシオン及び公開買付者は、本役員等株主との間で、2021年9月下旬から2021年10月中旬までに
亘って当社を通じて独立当事者間の交渉を行い、2021年10月15日、公開買付者と本役員等株主との間で、役
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員等株主応募契約をそれぞれ締結いたしました。また、クレアシオン及び公開買付者は、本一般株主との間
で、2021年9月下旬から2021年10月中旬までに亘って当社を通じて独立当事者間の交渉を行い、2021年10月
15 日、公開買付者と本一般株主との間で、一般株主応募契約をそれぞれ締結いたしました。本応募契約の内
容の詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
かかる協議・交渉等を経て、公開買付者は、2021年10月18日、当社を完全子会社とすることを目的とし
て、本公開買付価格を182,000円、本新株予約権買付価格を1円とする本公開買付けを実施することを決定
いたしました。なお、クレアシオンは、公開買付者が本新株予約権を取得したとしても行使することができ
ないことを踏まえて本新株予約権買付価格を1円とすることを当社に提案し、当社はかかる提案の根拠に理
解を示しつつ、1円という金額を踏まえて本新株予約権に関して本公開買付けに応募するか否かについては
本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の判断を行うことを予定していたことから、クレアシオン及び公
開買付者と当社との間においては、本新株予約権買付価格に係る価格交渉は実施されておりません。
(ⅱ)本公開買付け実施後の経営方針等
本取引が成立した後の経営方針について、クレアシオンは、当社の企業価値向上のための経営戦略の具体
的な施策として、主に上記「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過
程」に記載の各施策を講じることを考えているとのことですが、具体的な内容及び方法については、本取引
完了後に当社と協議しながら決定していく予定とのことです。また、クレアシオンとしては、当社の現在の
経営陣及び従業員には、基本的に、本公開買付け後も、引き続き当社の事業運営の中核として事業の発展に
尽力していただきたいと考えているとのことであり、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事
項」の「④ 本経営委任契約」に記載のとおり、クレアシオンが管理・運営するクレアシオンファンドは、
当社の代表取締役である富樫泰章氏との間で、本公開買付けが完了した場合の当社の経営に関して、経営委
任契約(以下「本経営委任契約」といいます。)を締結し、一定期間継続して当社の経営に当たらせること
に合意しているとのことです。また、当社の取締役である篠田浩一氏及び坂原加奈氏については、本公開買
付け後も当社の取締役として留任することを予定しているとのことです。一方で、本書提出日現在、クレア
シオンは、本公開買付け後における当社の経営体制の更なる強化・充実を図るべく、取締役を派遣すること
を検討しているとのことですが、具体的な人数及び派遣時期等の詳細については、今後、当社と協議の上、
決定する方針とのことです。
(ウ)当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の経緯及び理由
当社としては、上記「(イ)公開買付者における本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意
思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目
的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社の企業価値を持続的に向上させるためには、競争激化が予想さ
れ、かつ多様化する需要者ニーズに対応した商品供給を行わなければならないビジュアルコミュニケーション
市場の環境変化に機動的かつ柔軟に対応しつつ、イントラパック版(オンプレミス)「LiveOn」のシェア拡大
を図るべく、中長期の抜本的な成長戦略を立案し、これを着実に実行できる人的リソースを含む経営体制を確
立することこそが、当社の喫緊の経営課題であるとの認識を強めておりました。しかし、抜本的な施策を進め
ていくためには、人員の増強等の先行投資が必要となることから、短期的には当社の収益が圧迫されると考え
ております。また、そのような施策を進めていくためには、少なくとも短期的には株主還元よりも先行投資を
優先せざるを得ないことから、当面の間は当社の株主の皆様の期待に十分に応えられない可能性があると考え
ております。
他方で、当社株式は創業から今日に至るまで金融商品取引所に上場しておらず、その売却機会が乏しいま
ま、株主の皆様の高齢化等が進む状況にあり、当社としても、長年にわたり当社を支援していただいてきた株
主の皆様に売却の機会を提供しつつ、同時に安定的な株主構成を構築する方策を模索してきたものの、その最
適解を得ることができず現在に至っております。
そのような状況の下、上記「(イ)公開買付者における本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的
及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った
背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、本取引が当社の企業価値の向上及び少数株主の皆
様の利益に資するか検討するために、本入札プロセスを実施し、2021年7月下旬から8月上旬にかけて本一次
入札プロセスを通過した候補者2社から二次意向表明書を受領し、その中で、クレアシオンが、①当社株式の
買付け等に係る価格として提示された金額が他の候補者を上回っていたこと、②当社の製品及び自社開発体制
の強みを高く評価していたこと、③本取引実行後に当社株式を金融商品取引所に上場することを目指して当社
の経営を行う意向が明確であったこと、④当社従業員の雇用を維持する予定であったことを踏まえ、他の候補
者よりも優れていると判断し、当社は、2021年8月16日、クレアシオンとの間で本基本合意書を締結したこと
を契機として、当社とクレアシオンの実務者間で本公開買付けの実施に向けた協議を開始しました。そして、
本基本合意書に基づく本取引の内容について検討するため、2021年8月下旬に、当社、公開買付者及び本応募
予定株主から独立した第三者算定機関として株式会社グローバル・パートナーズ・コンサルティング(以下
「GPC」といいます。)を、2021年8月中旬に、当社、公開買付者及び本応募予定株主から独立したリーガ
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ル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・
友常法律事務所」といいます。)を、それぞれ選任いたしました。そして、本基本合意書において、富樫氏応
募 契約を締結すること、並びに当社取締役のうち、篠田浩一氏及び坂原加奈氏については、本スクイーズアウ
ト手続後も当社の取締役として留任することが予定されていること、本公開買付けが当社を公開買付者の完全
子会社とすることを目的とする本取引の一環として行われること等を考慮し、本公開買付価格の公正性その他
本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、アンダーソン・毛利・友常法律事務所より法的観点からの
助言を受けるなど、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための
措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び本応募予定株主から
独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の本一般株主を含む一般株主の皆様の利益の確保の観点から
本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築いたしました。
当社は、2021年8月中旬より同年9月中旬にかけて、クレアシオンによるデュー・ディリジェンスが行わ
れ、2021年8月中旬に公開買付者に対して本事業計画の提出をし、クレアシオンによるインタビューを経て、
また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所より法的観点からの助言を受けつつ、クレアシオンとの間で、本
取引の意義及び目的、本取引後の経営体制・事業方針を含め、協議・交渉を行いました。
また、当社は、2021年9月17日、クレアシオンより、本公開買付価格を172,220円とすること及び本新株予
約権買付価格を1円とすることを含む最初の提案を受領し、以降、クレアシオンとの間で、本公開買付価格を
含む本取引に係る取引条件についても協議及び交渉を行ってまいりました。具体的には、当社は、2021年9月
21日、クレアシオンに対し、本公開買付価格を191,229円とするように提案し、その後、9月22日にクレアシ
オンから本公開買付価格を175,000円とする旨の提案を受領したことを受けて、9月24日にクレアシオンに対
し、本公開買付価格を183,335円とするように提案し、更に、同日にクレアシオンから本公開買付価格を
178,481円とする旨の提案を受領したことを受けて、9月27日にクレアシオンに対し、本公開買付価格を再度
183,335円とするよう提案を行いました。以上の交渉を経て、当社は、2021年9月27日、クレアシオンより、
本公開買付価格を182,000円とすること及び本新株予約権買付価格を1円とすることを含む最終提案を受ける
に至りました。かかる最終提案に対する当社の検討内容は、後述のとおりです。
上記のような経緯も踏まえ、当社は、以下のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると
判断するに至りました。
上記のとおり、当社の事業成長の最大のボトルネックは優秀な人材の獲得であり、現在は、「LiveOn」、ま
た当社の知名度が十分認知されているとまでは言えないことから、人材獲得が満足に出来ていない状況となっ
ております。また、人材獲得及び競争力の再強化を図る等のために、「LiveOn」の導入加速においては、当社
知名度の向上が必須であり、そのどちらにおいても、現在の当社単独で出来ることには限界があると言えま
す。
今般、クレアシオンより、クレアシオンの持つネットワークを活用した販売力向上支援、クレアシオンの投
資実績を活かしたマーケティング支援、クレアシオンの人材ネットワークを活用した経営体制の強化等の提案
がなされました。また、クレアシオンは当社に対して純国産自社開発ソフトメーカーであり、日本のビジュア
ルコミュニケーション市場を支える「日本の宝」であるという評価をしているとのことであり、当社は、クレ
アシオンについて、事業面のみならず、当社従業員の誇りや思いを深く理解していると考えております。
本取引は、当社が単独では成し得ないことを実現するために必要であり、また、クレアシオンは、そのパー
トナーとして最適であると考え、当社の事業成長の加速化、企業価値の最大化に繋がるものと判断いたしまし
た。
また、当社は、本公開買付価格(当社株式1株当たり182,000円)について、(ⅰ)下記「(3)算定に関する
事項」に記載のGPCによるディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による
当社株式の株式価値の算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅱ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保
するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載
の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認
められること、(ⅲ)上記措置が採られた上で、クレアシオンと当社との間で、独立当事者間の取引における協
議・交渉と同程度の協議・交渉が複数回行われた結果として提案された価格であること、(ⅳ)クレアシオンか
ら受領した本二次意向表明書における株式価値評価額及び本公開買付価格が、本入札プロセスに参加した各候
補者から提示された株式価値評価額との比較において最も高額であったこと、(ⅴ)当社株式は、金融商品取引
所に上場しておらず、譲渡する機会が限定されていること等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に
対して、合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、2021年10月18日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明すると
ともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。また、本
新株予約権については、2021年10月18日開催の当社取締役会において、本新株予約権買付価格が1円とされて
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いることから、本新株予約権に関して本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご
判断に委ねることを決議いたしました。
なお、当社取締役会の決議の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及
び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「(エ)当社における
利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格(当社株式1株当たり182,000円)に対する意思決定の過程
における公正性を担保するため、当社、公開買付者及び本応募予定株主から独立した第三者算定機関であるGPCに
対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2021年10月18日付で、GPCより当該算定結果に対する株式価値算定
書(以下「本株式価値算定書」といいます。)を取得いたしました。GPCは、当社、公開買付者及び本応募予定株
主の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る
GPCの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を
条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、当社は、本公開買付価格(当社株式1株当たり182,000
円)の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
GPCによれば、当社株式の株式価値算定にあたり、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1
株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
DCF法 :158,902円~194,213円
DCF法では、2021年7月31日を基準日として、当社の2022年7月期から2024年7月期までの本事業計画、一般に
公開された情報等の諸要素を前提として、2022年7月期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッ
シュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式1株当
たりの株式価値を158,902円から194,213円と算定しております。なお、本取引の実行により実現されることが期待
されるシナジー効果については現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、当社
の本事業計画には加味しておりません。
なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権買付価格に関しては、当社は、第三
者算定機関から算定書及びその公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、公開買付者は、当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を決定しており、第三者算定機関からの算定
書及びその公正性に関する意見書は取得していないとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は金融商品取引所に上場していないため、該当事項はありません。
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(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「(ア)本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開
買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けによって、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式
を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、以下の方法によ
り、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)の取得を目的として本スクイーズアウト手続
を実行することを予定しているとのことです。
具体的には、本公開買付けの成立により、公開買付者が当社の総株主の議決権の10分の9以上を所有するに至
り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速
やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者
及び当社を除きます。以下「売渡株主」といいます。)の全員に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すこ
とを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)するとともに、併せて、本新株予約権者(公開買付者を除きま
す。)の全員(以下「売渡新株予約権者」といいます。)に対し、その有する本新株予約権の全てを売り渡すこと
を請求(以下「新株予約権売渡請求」といい、「株式売渡請求」と併せて「株式等売渡請求」と総称します。)す
る予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭
を売渡株主に対して交付することを定める予定であり、新株予約権売渡請求においては、本新株予約権1個当たり
の対価として本新株予約権買付価格と同額の金銭を売渡新株予約権者に対して交付することを定める予定とのこと
です。この場合、公開買付者は、会社法第179条の3第1項の定めに従って、その旨を当社に通知し、当社に対し
株式等売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により株式等売渡請求を承認した場合に
は、関係法令の定める手続に従い、当社の株主及び新株予約権者の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、
株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全てを取得し、売渡
新株予約権者からその所有する本新株予約権の全てを取得するとのことです。この場合、公開買付者は、当該各株
主の所有していた当社株式の1株当たりの対価として、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付す
るとともに、当該各新株予約権者の所有していた本新株予約権1個当たりの対価として、当該各新株予約権者に対
し、本新株予約権買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より株式等売渡請求がなされた場合には、当社取締役会において、上記株式等売渡請
求を承認する予定です。株式等売渡請求がなされた場合、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、
売渡株主及び売渡新株予約権者は、裁判所に対してその所有する当社株式又は本新株予約権の売買価格の決定の申
立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価
格は、最終的には裁判所が判断することになります。
他方で、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が当社の総株主の議決権の10分の9以上を所有するに至ら
なかった場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「株式併合」といいます。)
を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を本公開買付けの決済の完了
後速やかに(2022年2月下旬又は3月上旬を目途に)開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、公
開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。本臨時株主総会において株式併合
の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株
主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することになるとのことです。株
式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当社の株主に対して、会社法第235条及
び第234条第2項ないし第5項その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない
端数がある場合には当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する当該当社株式を当社又は公開
買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。なお、当該端数の合計数に
相当する当該当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の各株主(公
開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式
の数を乗じた価格と同一になるよう算定した上で、当社に裁判所に対する任意売却許可の申立てを行うことを要請
する予定とのことです。また、株式併合の割合は、本書提出日現在未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公
開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することになるよう、本公開買
付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)が所有する当社株式の数が1株に満たない
端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。株式併合がなされた場合であって、株式併合をするこ
とにより当社株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法
令の定めに従って、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し自己の所有する当社株式のう
ち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対し
て当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。なお、上記申立てがなさ
れた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時
期に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けに応募しなかった当社の各株主
(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場
合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗
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じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。また、本スクイーズアウト手続の完了後、公開買付者及び
当社は、本合併を行うことを予定しておりますが、本合併の具体的な日程等の詳細については本書提出日現在未定
と のことです。なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず残存した場合には、
当社に対して、本新株予約権の取得、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨その他本取引の実行に必
要な合理的な手続を実施することを要請し、又は実施する予定ですが、詳細については、本書提出日においては未
定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者は、当社と協議の上、決定次
第、当社が速やかに公表する予定とのことです。
本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。
また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続による金銭等の受領及び株式買取請求による買取り等の場合の税務
上の取扱いについては、当社の株主及び本新株予約権者の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認
いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を
担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者は、当社株式を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による公開買
付けには該当いたしません。また、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト取引にも該
当いたしません。もっとも、公開買付者及び当社は、本応募契約を締結している本応募予定株主の所有割合の合計
が71.25%であること、そのうち、当社の代表取締役社長である富樫泰章氏の所有する当社株式の全て(所有割
合:31.96%)について、本公開買付けへの応募又は応募契約の締結が予定されていたこと、本公開買付けが当社
を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする本取引の一環として行われること等を考慮し、本公開買付価格
の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性及び利益相反のおそ
れを排除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。また、公開買付者
は、本公開買付けにおいて、一般株主、すなわち公開買付者と重要な利害関係を共通にしない株主が所有する株式
の過半数の応募を下限とする、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付
予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希
望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考えられることから、「マジョリティ・オブ・マイノリ
ティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、本公開買付けに
おいては、公開買付者としては、下記(ア)から(カ)までの措置を通じて、当社の少数株主の利益には十分配慮がな
されていると考えているとのことです。本取引は支配株主による従属会社の買収取引やいわゆるマネジメント・バ
イアウト取引に該当しないことから、当社において本取引の検討に係る特別委員会を設置しておりません。なお、
以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(ア)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格(当社株式1株当たり182,000円)に対する意思決定の
過程における公正性を担保するため、当社、公開買付者及び本応募予定株主から独立した第三者算定機関であ
るGPCより、本株式価値算定書を取得しております。本株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に
関する事項」をご参照ください。
なお、GPCは、当社、公開買付者及び本応募予定株主の関連当事者には該当せず、本取引に関して、重要な
利害関係を有しておりません。
(イ)当社における外部の法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程における透明性及び合理性を確保するため、外部
のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同法律事務所から、本公開
買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けに関する意思決定に関して、法
的観点からの助言を受けております。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は当社、公開買付者及び本応募予定株主の関連当事者には該当
せず、本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。
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(ウ)当社における独立した検討体制の構築
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「(ウ)当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の経緯及び理
由」に記載のとおり、当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所による法的観点からの助言を受けつつ、
公開買付者及び本応募予定株主から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社
内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2021年8月16日に、クレアシオンとの間で本基本合意書を締結した時点以降、当社と
公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉及び検討の過程において、公開
買付者との間で富樫氏応募契約を締結している当社代表取締役社長である富樫泰章氏並びに本スクイーズアウ
ト手続後も当社の取締役として留任することが予定されている当社取締役である篠田浩一氏及び坂原加奈氏を
関与させないこととしております。
また、公開買付者及びクレアシオンによる当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画については、当社が
クレアシオンとの間で本基本合意書を締結した2021年8月16日より前に、例年の事業計画作成業務の一環とし
て、富樫泰章氏、篠田浩一氏及び坂原加奈氏の関与の下で作成しておりましたが、本基本合意書を締結した
2021年8月16日以降は、富樫泰章氏、篠田浩一氏及び坂原加奈氏を除いた当社の検討体制の下で、本事業計画
を改めて検証し、その合理性及び妥当性の検証を行っております。
当社は、以上の検討体制のもとで、本公開買付価格について公開買付者及びクレアシオンから提案を受ける
たびに、審議及び検討を行い、公開買付者との間で、本公開買付価格の引上げを含む交渉を行いました。
(エ)当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社の取締役会は、本株式価値算定書の内容を踏まえ、また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所より法
的観点からの助言を受けつつ、本取引に関する諸条件について企業価値向上の観点から慎重に協議及び検討を
行いました。
その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「(ウ)当社が本公開買付けに賛同するに至った意
思決定の経緯及び理由」に記載のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、また、本公開
買付価格は妥当性を有するものと考えており、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供
するものであると判断し、2021年10月18日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明すると
ともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。また、本新株
予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権に関して本公開買付け
に応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
当該取締役会においては、当社の取締役のうち、富樫泰章氏、篠田浩一氏及び坂原加奈氏を除く4名全員の
一致により、上記の決議をいたしました。上記取締役会には当社の全ての監査役3名が参加し、出席した監査
役はいずれも上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の代表取締役社長である富樫泰章氏は、その所有する当社株式の全てについて公開買付者と応募
契約を締結する予定であったことから、本取引に関して、当社の一般株主と異なる利害関係を有し、当社と利
益相反関係を有すると判断されるおそれがあるため、当社取締役会における審議及び決議には参加しておら
ず、また、当社の立場で、本取引に関する公開買付者との協議・交渉には参加しておりません。また、当社の
取締役である篠田浩一氏及び坂原加奈氏は、本スクイーズアウト手続後も当社の取締役として留任することが
予定されていることから、本取引に関して、当社と利益相反関係を有すると判断されるおそれがあるため、当
社取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また、当社の立場で、本取引に関する公開買付者との
協議・交渉には参加しておりません。
他方で、当社の取締役及び監査役のうち、田口聡氏、森山明美氏、大日向洋氏、野本公夫氏、菅野庄一氏及
び斎藤環氏は、その所有する当社株式の全てについて公開買付者と応募契約を締結する予定であったものの、
田口聡氏(所有株式数:665株、所有割合:1.70%)、森山明美氏(所有株式数:591株、所有割合:
1.51%)、大日向洋氏(所有株式数:24株、所有割合:0.06%)、野本公夫氏(所有株式数:207株、所有割
合:0.53%)、菅野庄一氏(所有株式数:89株、所有割合:0.23%)、斎藤環氏(所有株式数:6株、所有割
合:0.02%)それぞれが所有する当社株式の数は少数に過ぎず、応募契約の締結が予定されていたのは、公開
買付者からの提案において、公開買付者と当社の株主のうち3分の2以上の議決権を有する者との間で本公開
買付けに応募する旨の応募契約が締結されることが、公開買付者が本公開買付けを開始する条件として示され
ていたためです。そして、当該条件を充足させることを目的として公開買付者が当社の取締役及び監査役以外
の者を含む多数の株主との間で応募契約を締結したことによるものであり、応募契約の締結が予定されていた
ことをもってこれらの取締役及び監査役が本取引について当社の一般株主と異なる利害関係を有するものでは
ないと考えられることから、本取引に関して当社と利益相反関係を有すると判断されるおそれはないと判断
し、田口聡氏、森山明美氏、大日向洋氏、野本公夫氏、菅野庄一氏及び斎藤環氏は、当社取締役会における審
議及び決議を含め、本取引に関する公開買付者との協議・交渉に参加しております。なお、田口聡氏、森山明
美氏、大日向洋氏、野本公夫氏、菅野庄一氏及び斎藤環氏は公開買付者との間で役員等株主応募契約を締結し
ているとのことです。
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(オ)当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記
載のとおり、(ⅰ)当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用し
ないこと、(ⅱ)本スクイーズアウト手続を実施する際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本
公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)が所有する当社株式の数を乗じた価格と同一
になるように算定されることから、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かに
ついて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮することを企図していると
のことです。
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、当社が金融商
品取引所に上場する会社ではなく、公開買付けに応募するための手続が一般的な公開買付けの場合と大きく異
なる点も考慮して40営業日に設定しているとのことです。このように、公開買付期間を比較的長期に設定する
ことにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者
以外にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、もって本公開買付けの公正性を担保しているとのことです。
また、公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条
項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っ
ておらず、上記公開買付期間の設定と合わせ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付け
の公正性の担保に配慮しているとのことです。
(カ)入札手続の実施
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「(ウ)当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の経緯及び理
由」に記載のとおり、富樫泰章氏は、2021年5月中旬より、複数の候補者を対象とする、本一次入札プロセス
及び本二次入札プロセスの二段階で構成される本入札プロセスを実施し、クレアシオンを含む複数の候補者か
ら二次意向表明書を受領いたしました。クレアシオンから受領した本二次意向表明書における株式価値評価額
及び本公開買付価格が、本入札プロセスに参加した各候補者から提示された株式価値評価額との比較において
最も高額であったことから、当社は、クレアシオンが提示した提案と比べて、当社の株主の皆様にとってより
有利な条件を提示する候補先は存在しないと判断いたしました。
(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
① 富樫氏応募契約
公開買付者は、2021年10月15日、富樫泰章氏(所有株式数:12,533株、所有割合:31.96%)との間で、同氏
が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する旨の富樫氏応募契約を締結しているとのことです。
富樫氏応募契約においては、富樫泰章氏による応募の前提条件として、(a)公開買付者による表明保証(注
1)が真実かつ正確であること、(b)公開買付者が履行又は遵守すべき義務(注2)が、重要な点において全て
履行又は遵守されていること及び(c)本経営委任契約が締結され、有効に存続していることが定められていると
のことです。
また、富樫氏応募契約において、富樫泰章氏は、(a)本公開買付けに係る応募率を可及的に高めるために必要
な措置を講じる義務、(b)公開買付者における当社株式の取得資金の調達に協力する義務、(c)当社株式の譲渡そ
の他の処分等を行わず、また、第三者との間で本公開買付けに競合する取引を行わない義務、(d)富樫氏応募契
約の締結後に開催される当社の株主総会において公開買付者の指示に従って議決権を行使する義務、(e)表明保
証違反又は義務違反があった場合の補償義務及び(f)富樫氏応募契約上の地位を第三者に移転しない義務を負担
すること等に合意しているとのことです。
(注1) 公開買付者は、富樫氏応募契約の締結日及び本公開買付けの決済日において、(a)公開買付者は適法
かつ有効に設立されかつ存続する株式会社であり、事業を行うために必要な権利能力及び行為能力を
有していること、(b)富樫氏応募契約を適法かつ有効に締結し、履行するために必要な権利能力及び
行為能力を有していること、(c)富樫氏応募契約について公開買付者に強制執行が可能であること、
(d)必要な許認可等が取得されていること、(e)富樫氏応募契約の締結及び履行が法令等に違反しない
こと、(f)反社会的勢力等に該当しないこと並びに(g)公開買付者について法的倒産手続が継続してい
ないことを表明及び保証しているとのことです。
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(注2) 公開買付者は、富樫氏応募契約において、(a)本公開買付けを実施する義務、(b)前提条件が充足され
るよう相互に協力する義務、(c)表明保証違反又は義務違反があった場合の補償義務、(d)秘密保持義
務及び(e)契約上の地位を第三者に移転しない義務を負担しているとのことです。
② 役員等株主応募契約
公開買付者は、2021年10月15日、本役員等株主(所有株式数の合計:10,348株、所有割合の合計:26.38%)
との間で、それぞれが所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する旨の役員等株主応募契約を締結してい
るとのことです。なお、いずれの役員等株主応募契約においても、応募について前提条件は定められていないと
のことです。
役員等株主応募契約において、本役員等株主は、(a)当社株式の譲渡その他の処分等を行わず、また、第三者
との間で本公開買付けに競合する取引を行わない義務及び(b)役員等株主応募契約の締結後に開催される当社の
株主総会において公開買付者の指示に従って議決権を行使する義務を負担すること等に合意しているとのことで
す。
③ 一般株主応募契約
公開買付者は、2021年10月15日、本一般株主(所有株式数の合計:5,062株、所有割合の合計:12.91%)との
間で、それぞれが所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する旨の一般株主応募契約を締結しているとの
ことです。なお、いずれの一般株主応募契約においても、応募について前提条件は定められていないとのことで
す。
一般株主応募契約において、本一般株主は、当社株式の譲渡その他の処分等を行わず、また、第三者との間で
本公開買付けに競合する取引を行わない義務を負担すること等に合意しているとのことです。
④ 本経営委任契約
公開買付者の唯一の株主であるクレアシオンによって管理・運営されるクレアシオンファンドは、2021年10月
18日、富樫泰章氏との間で、本経営委任契約を締結しているとのことです。
本経営委任契約において、富樫泰章氏は、原則として、富樫泰章氏の後任が当社の代表取締役に就任する日又
は本スクイーズアウト手続が完了してから6カ月を経過する日のいずれか早い日までの期間、当社の代表取締役
に留任し、善良なる管理者の注意をもって誠実に当社の経営業務を遂行すること、クレアシオンが当社に対して
実施したデュー・ディリジェンスにおいて確認された問題点の解消・解決等に必要な措置を講じることを合意し
ているとのことです。
⑤ 本合意書
クレアシオンファンドは、2021年10月18日、当社との間で、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の実施
等に関する合意書(以下「本合意書」といいます。)を締結しております。
本合意書において、当社は、(a)当社の取締役の善管注意義務に違反すると合理的に判断される場合を除き、
本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者に対して本公開買
付けへの応募の判断を委ねる旨の意見表明を、公開買付期間が満了するまで維持し、これを撤回又は変更しない
こと、(b)公開買付期間が満了するまでの間、当社の株主に対する本公開買付けへの応募勧奨その他本公開買付
けに係る応募率を可及的に高めるために必要な措置を講じること、(c)本公開買付けが成立した場合であって、
公開買付者が本公開買付けによって当社株式の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの終了後、実務上可
能な範囲で速やかに本スクイーズアウト手続を実施すること並びに(d)本公開買付けが成立した場合、本公開買
付けの決済資金及び本スクイーズアウト手続に要する資金を公開買付者が外部金融機関その他の資金提供者から
借入れその他の方法により調達するにあたり、かかる資金調達が実現するよう合理的な範囲で最大限協力するこ
とを合意しております。
(8)その他
当社は、2021年9月14日開催の取締役会において、2021年10月27日開催予定の定時株主総会において、当社株式
1株当たり1,000円の剰余金の配当に係る議案を付議することを決議しております。
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4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(1)普通株式
氏名 役職名 所有株式数(株) 議決権の数(個)
富樫 泰章 代表取締役社長 12,533 12,533
田口 聡 常務取締役 665 665
森山 明美 取締役 管理本部長 591 591
篠田 浩一 取締役 技術本部長 754 754
坂原 加奈 取締役 営業本部長 大阪支店長 4 4
大日向 洋 取締役 24 24
柴田 博康 取締役 - -
野本 公夫 監査役(常勤) 207 207
菅野 庄一 監査役 89 89
斎藤 環 監査役 6 6
計 ― 14,873 14,873
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の大日向洋氏及び柴田博康氏は、社外取締役です。
(注3) 監査役の菅野庄一氏及び斎藤環氏は、社外監査役です。
(2)新株予約権
株式に換算した
所有個数 株式に換算した
氏名 役職名 議決権の数
(個) 数(株)
(個)
富樫 泰章 代表取締役社長 600 600 600
田口 聡 常務取締役 400 400 400
森山 明美 取締役 管理本部長 200 200 200
篠田 浩一 取締役 技術本部長 300 300 300
坂原 加奈 取締役 営業本部長 大阪支店長 200 200 200
大日向 洋 取締役 - - -
柴田 博康 取締役 - - -
野本 公夫 監査役(常勤) - - -
菅野 庄一 監査役 - - -
斎藤 環 監査役 - - -
計 ― 1,700 1,700 1,700
(注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の大日向洋氏及び柴田博康氏は、社外取締役です。
(注3) 監査役の菅野庄一氏及び斎藤環氏は、社外監査役です。
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5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
該当事項はありません。
6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
該当事項はありません。
7【公開買付者に対する質問】
該当事項はありません。
8【公開買付期間の延長請求】
該当事項はありません。
以 上
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