サクサホールディングス株式会社 内部統制報告書 第18期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
提出書類 | 内部統制報告書-第18期(令和2年4月1日-令和3年3月31日) |
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提出者 | サクサホールディングス株式会社 |
カテゴリ | 内部統制報告書 |
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サクサホールディングス株式会社(E01874)
内部統制報告書
【表紙】
【提出書類】 内部統制報告書
【根拠条文】 金融商品取引法第24条の4の4第1項
【提出先】 関東財務局長
【提出日】 2021年6月29日
【会社名】 サクサホールディングス株式会社
【英訳名】 SAXA Holdings,Inc.
【代表者の役職氏名】 代表取締役社長 丸 井 武 士
【最高財務責任者の役職氏名】 該当事項はありません。
【本店の所在の場所】 東京都港区白金一丁目17番3号 NBFプラチナタワー
【縦覧に供する場所】 株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)
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1 【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】
代表取締役社長丸井武士は、当社の財務報告に係る内部統制の整備および運用に責任を有しており、企業会計審議会
の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実
施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備
および運用しております。
なお、内部統制には、一般的に有効に機能しない固有の限界があるため、財務報告に係る内部統制により財務報告の
虚偽記載を完全には防止または発見することができない可能性があります。
2 【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】
当社の財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2021年3月31日を基準日として行われており、評
価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(以下「全社的な内部統制」とい
う。)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセ
スの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点
を識別し、当該統制上の要点について整備および運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を
行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社および連結子会社ならびに持分法適用会社について、財務報告の信頼
性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定しました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的お
よび質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社および連結子会社8社ならびに持分法適用関連会社1社を対象と
して行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しておりま
す。なお、持分法適用関連会社2社については、金額的および質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内
部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、前連結会計年度の連結売上高(連結会社間取引消去後)の概ね
2/3に達している2事業拠点に4事業拠点を加えた6事業拠点を重要な事業拠点といたしました。選定した重要な事
業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金、棚卸資産、ソフトウェアおよび買
掛金に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事
業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務
プロセスやリスクが高い取引を行っている事業または業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の
高い業務プロセスとして評価対象に追加しております。
3 【評価結果に関する事項】
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不
備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効
でないと判断いたしました。
記
当社は、2020年10月7日に特別調査委員会より調査報告書を受領し、同日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関
するお知らせ」で不適切な会計処理等の問題に関して公表し、当該疑念以外に経理部門による不適切な決算調整、売上
のスルー取引、超過開発受託費用の販売目的ソフトウェアへの振替、長期滞留品の減損、中国における贈賄の疑義、売
上前倒し計上の疑義、保守サービス契約の収益認識、子会社における不適切な会計処理等を含む多種多様の不適切な会
計処理を行っていたことが判明いたしました。また、調査の過程において、ソフトウェア開発における会計処理等の誤
謬が判明いたしました。
これに伴い当社は、過去に提出済みの有価証券報告書等に記載されております連結財務諸表および財務諸表ならびに
四半期連結財務諸表等で対象となる部分について訂正し、2020年10月12日に2016年3月期から2019年3月期までの有価
証券報告書および2018年3月期第2四半期から2020年3月期第3四半期までの四半期報告書に係る訂正報告書を、2020
年3月期の有価証券報告書および2021年3月期第1四半期の四半期報告書をそれぞれ提出いたしました。
特別調査委員会により認定された不適切な会計処理は、長年にわたり当社の経営陣が経営数値を過剰に意識し、その
過剰な意識に基づいて行われた不適切な言動の蓄積により、経営数値は作り出すもの・作り出されるものというような
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誤った考えが醸成され、企画部門および経理部門の役職員に伝播することにより、信頼性のある財務報告を実現するた
めの統制環境の構築が軽視され、広範囲にわたる全社的な内部統制の不備を引き起こした結果、生じたものと認識して
お ります。
特に経理部門および開発部門による不適切な決算調整や開発費用の販売目的ソフトウェアへの振替が行われていたこ
とは、適正な財務報告に関する意識の欠如やソフトウェアの振替処理に係る明確なルールの欠如等により、ソフトウェ
ア関連プロセスにおけるソフトウェアの振替処理に関する内部統制の整備・運用状況に不備が生じていたことが原因と
考えております。
また、売上のスルー取引、売上前倒し計上が行われていたことは、当該取引に関与していた部門における売上計上に
関する会計基準に対する認識の欠如や収益認識に係る明確なルールの欠如等により、販売プロセスにおける収益認識に
関する内部統制の整備・運用状況に不備が生じていたことが原因と考えております。
このような財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、全社的な内部統制および業務
プロセスに関する内部統制の不備は開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
なお、当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正する
ために、調査報告書の提言に従った以下の再発防止策を実行し、内部統制の整備・運用を図ってまいりました。
1.経営陣の刷新およびガバナンス体制の再構築(整備完了・運用完了)
当社および当社連結子会社の役員のスキル、能力、今回の不正関与を踏まえた体制の見直し、組織改正について
協議を行い、2020年11月4日付「役員の異動に関するお知らせ」、11月12日付「組織改正および人事異動に関する
お知らせ」をそれぞれ公表し、連結子会社は2020年11月30日付、当社は2020年12月4日付で経営陣を刷新しておりま
す。2020年12月4日に開催された臨時株主総会にて常勤取締役と社外取締役を同数化し、常勤取締役のみの賛成で
は可決できない体制することで社外取締役による経営に対する牽制機能を強化しました。また、この牽制体制を実
効化させるため、当社グループ間における役員兼務を原則禁止し、取締役会の付議事項の規定化や2020年10月12日
に設置したタスクフォースにおいて2020年12月に追加した情報共有機能による決議・報告事項についての事前の議
論などすることで取締役会での議論が活発に行う体制を構築し、運用しております。
上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しました。
2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革(整備一部未了・運用一部未了)
新たな「ビジョン」、「行動指針」および「行動規範」を制定し、カードやハンドブックを当社および連結子会
社全ての役職員へ配布して周知を行うとともに、率直にモノが言える環境を整備するために当社グループ全社員を
対象とした当社取締役によるワークアウト(対話)を当社および一部の連結子会社に対して実施しました。また、
行動規範の個人業績目標への落とし込む仕組みの検討を進めました。
さらに、コンプライアンス意識を向上させるため、2020年12月に設置したグループ内部統制室により、連結子会
社による内部統制システムの自主点検等に対するモニタリング、当社および連結子会社の役職員を対象としてコン
プライアンス研修を実施しました。
上記の結果、再発防止策の整備について当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価を完了しません
でした。また、運用についても、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価が完了しませんでした。
3.全社的な従業員へのコンプライアンスおよび会計教育(整備完了・運用一部未了)
「2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革」にて記載したコンプライアンス研修のほか、不正や誤謬の再
発防止を目的に、当社グループの経理部門に属する役職者を対象とした会計倫理教育、不適切な会計処理の理解を
目的とした研修、経理に関するグループ共通会計処理の理解を目的として経理規程の改訂等および教育を実施いた
しました。
上記の結果、再発防止策の整備については当事業年度の末日までに評価が完了しました。しかし、運用について
は、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価が完了しませんでした。
4.グループ経営体制の強化(整備完了・運用未了)
2021年3月1日付で「グループ子会社管理規程」を制定し、当社連結子会社の自主運営、主体的な予算計画の策
定・進捗管理、グループ内取引の取引基準、グループ経営会議の定期開催、企画部による定期的な当社連結子会社
の業績評価の実施等を規定化しました。また、同規程に基づき予算の策定作業を開始しております。
上記の結果、再発防止策の整備については当事業年度の末日までに評価が完了しました。しかし、運用について
は、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、評価が完了しませんでした。
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5.管理部門の適正化(整備完了・運用完了)
2020年12月4日付で専任の財務戦略管掌取締役を外部から登用するとともに、公認会計士などの外部専門家と契
約を締結し支援を受け業務の運用を開始しており、円滑な業務運営体制を構築し適正化を図りました。なお、今後
も一部の外部専門家の活用については継続して運用していく予定です。
上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当時事業年度の末日までに評価が完了しました。
6.人事ローテーションの実施(整備未了・運用未了)
人事ローテーションガイドラインの検討を進めました。
上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、評価が完了し
ませんでした。
7.内部監査の強化(整備一部未了・運用未了)
取締役の恣意的な介入を排除するため、監査室を代表取締役社長の直轄とし、2020年12月10日付で「内部監査規
程」を改訂し発見事項と報告ルールを明文化しました。今後、同ルールに基づき監査報告を開始いたします。ま
た、監査体制を強化するため、監査室長人事を監査役会同意事項とするとともに、要員の一部増強やスキルアッ
プ、監査役および会計監査人との連携強化を進めました。
上記の結果、再発防止策の整備について、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、一部の評価が完了しませ
んでした。また、運用についても、当事業年度の末日までに十分な期間がなく、評価が完了しませんでした。
8.内部通報制度の強化(整備完了、運用完了)
通報者保護を目的として、2020年12月29日付で「ヘルプライン規程」を改訂し、新たな社外窓口について規定す
ることに加え、通報先、匿名通報への対応等通報しやすい仕組みとするとともに、顧問弁護士以外の外部通報窓口
を設置し、社内文書や行動指針ハンドブックへの記載、社内イントラネットへの掲載などで周知し、内部通報制度
の強化による通報機能の拡充を行いました。
上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しました。
9.決算・財務報告プロセスおよび業務プロセス改革(整備一部未了、運用一部未了)
決算・財務報告プロセスにおいては、連結子会社1社において不適切な決算調整や開発費用の販売目的ソフト
ウェアへの振替に対応するため、「開発費管理規程」等の開発費の管理方法の規定化を行い、その中でソフトウェ
ア資産計上ポリシーを制定しました。また、従前は主にソフトウェアの振替処理の手続を決算財務報告プロセスの
一部として評価していましたが、ソフトウェアの開発の開始から計上・償却に至る一連の関連業務を業務プロセス
と位置付けて評価することとし、上記ルールに基づく運用を開始しました。
上記の結果、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しました。
業務プロセスにおいては、売上のスルー取引、売上前倒し計上を防止するため、「収益認識に関する要領」を制
定し、業務プロセスのルールの見直しや手続の周知・導入を進めました。
しかし、上記スルー取引や売上前倒し計上に対応した具体的なルールの設定や手続の周知・導入が十分に進ま
ず、再発防止策の整備および運用について、当事業年度の末日までに評価が完了しませんでした。
上記のとおり、「2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革」、「3.全社的な従業員へのコンプライアンスお
よび会計教育」、「4.グループ経営体制の強化」、「6.人事ローテーションの実施」、「7.内部監査の強化」、
「9.決算・財務報告プロセスおよび業務プロセス改革」に記載の一部の再発防止策については、当事業年度の末日ま
でに十分な期間がなく、再発防止策の実行が完了しませんでした。
4 【付記事項】
「3 評価結果に関する事項」に記載した、開示すべき重要な不備を是正するための再発防止策について、当事業年
度の末日後から内部統制報告書提出日までに、以下の措置を実施しました。この結果、再発防止策の整備状況は概ね目
途がついてきたものの、運用状況については引き続き確認を行ってまいります。
2.コンプライアンス意識向上・企業風土改革
行動規範の個人業績へ落とし込む仕組みとして「人事評価基準」等の評価制度を改訂しました。
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4.グループ経営体制の強化
2021年3月1日付で制定した「グループ子会社管理規程」に従い予算の策定を行いました。
6.人事ローテーションの実施
2021年4月1日付で「人事ローテーションガイドライン」を制定しました。
7.内部監査の強化
2021年4月に監査要員を追加採用し、要員増強が完了しました。また、2021年5月13日付で「内部監査運用規
則」を改訂し、要員のスキルアップについての方針を明文化するなどの対応を行いました。
9.決算・財務報告プロセスおよび業務プロセス改革
業務プロセスにおいては、売上のスルー取引、売上前倒し計上に対応するため、「収益認識に関する要領」を改
訂し、収益認識に係る明確なルールを定めました。さらに、一部の連結子会社について、規程に基づきスルー取引
における受注時の承認や事後の報告の仕組みを整備しました。
5 【特記事項】
該当事項はありません。
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